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避難用作品投下スレ2

29深淵に秘めたる想い:2007/04/25(水) 22:31:19 ID:.QizSAos0
――敬介の、鮮血が。
「ごふっ……」
「た、橘さんっ!?」
腹から鮮血を迸らせ崩れ落ちる敬介の姿を目の当たりにし、環の胸を驚愕が過ぎる。
「――岡崎さんにはまだ利用価値があるので、今殺されては困りますね」
聞こえてきた声の方へ顔を向けると、有紀寧がにっこりと優雅な微笑みを浮かべていた。
右手に、電動釘打ち機を握り締めて。
「流石に工場だけあって、便利なものが落ちていますね。
 火薬を用いないコレなら、この場所でも好き放題に使えます」
「な……何て事……」
最悪の事態に、環が掠れた声を絞りだす。
電動釘打ち機は空気圧を利用する武器なのだから、引火の心配が無い。
つまり敵はこの場所においても、強力な遠距離攻撃が可能となったのだ。
そして――

ガツンという、鈍い音がした。
「がっ……!?」
環は突然即頭部に衝撃を受け、意識が遠のいていくのを感じた。
ゆっくりと崩れ落ちながら、地面に倒れ伏せている敬介に目をやる。
(たち――ばなさん――ごめん……なさい……)
岸田洋一に遅れを取った時と同じく、突然の奇襲により環は意識を失った。

「――油断は禁物よ? 私が留美達だけを狙うとは限らない。
 これはスポーツでも何でも無い、ただの殺し合いなんだから」
リサがそう言って、環の傍に落ちたトンファーを拾い上げる。
先程環を襲った衝撃の正体は、リサの投擲したトンファーによる不意打ちだったのだ。
続いて、くすくすという笑い声が工場の中に響き渡る。
有紀寧が眼を細めて、どこまでも愉しげな声で口を開いた。
「ふふ、そろそろチェックメイトのようですね」


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