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避難用作品投下スレ

65発動(3/4):2006/12/12(火) 14:59:57 ID:CRi3aVKE
思い出すのはつまみ食いしたダンゴの味。
可愛らしくつけられた表情に対する罪悪感など沸くはずもなく、真琴は甘いダンゴの感触を思い出し酔いしれていた。

「まだまだいっぱいあったわよね・・・ちょっとくらい貰っちゃっても、バレないわよね?」

すっかり熟睡してしまっている七海と郁乃を尻目に、真琴は一人こっそりと一箇所にまとめられた荷物の山に近づいた。
そして重なり合う荷物を片っ端から開け、中に手をつっこみだす。
部屋は暗く見通しは非常に悪い、手の感触でしか中身は特定できないような状態であったが真琴は気にせず荷物を引っ掻き回した。
・・・それ以前に、ダンゴの入っていた浩平の荷物は彼が持参して見張りについているのでここにはないのだが。
そんなことを真琴が覚えているわけもなく、彼女はひたすらひたすらダンゴを探し続けた。

カチッ。だが、場に響いたのは予想外の音であった。

「え?」

何かを押した音、そう・・・例えば、ボタンやスイッチのようなもの。
手を中に入れた勢いで当たってしまったらしい、真琴は恐る恐る指に触れるそれを取り出した。

「げっ」

見覚えのある物、それはささらに支給された正体不明のスイッチ。
・・・何が何だか分からないから保留と決めていたそれは、真琴の手によりしっかりと凹んでいた。
戻そうとしても戻らない、開閉式の鍵のようかと思いカチカチと連打しても変わらない。

「み、見なかったことにしましょ」

こっそりささらの鞄に戻し、真琴は荷物の山から遠ざかっていく。
・・・とりあえず、爆弾の類ではなくて良かったと、思った。


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