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避難用作品投下スレ
558
:
深夜の奇襲4
:2007/03/01(木) 01:23:49 ID:Homp4jlU
しばらくの時間が過ぎた所で、また胸を押し返される。
ゆっくりと拘束を解くと、そこには口元を少し緩ませた優しい表情の舞がいて。
「私は、誰かを守るためにこの剣を振るう。チエも、志保も・・・・・・耕一も」
それは宣言だった。多分抱きすくめられた際に落としたのだろう、日本刀を拾い上げながら舞は言う。
「誰かを傷つけるために私はいるわけじゃない、耕一だってそう。守るために、戦う」
「そうだね、そして俺達の大事な人のためにも」
こくり。
「誰も殺さないで、事を進めるんだ」
耕一が言い終わる前に、舞は既に頷いていた。
その澄んだ瞳にじっと見つめられるだけで、耕一はまるで心が浄化されるような感覚を得た。
そして、今更になって思う。ああ、自分は彼女の虜になりかけていると。
「行こう、耕一。よっち達が待ってる」
多分舞は気づいていないだろう、一途だからこそ今は目の前の「守るべき対象」しか目に入っていないはず。
それも彼女の魅力だと思った、だから耕一は黙って頷き同意を表したのだった。
舞はすぐにでもチエ等のもとへ駆け出す気であっただろう、しかしそこは謝り耕一は先の戦闘にて手放したトカレフを探しだす。
一応弾も一発だけだが残っているはずだったので、ここで手放すには少々惜しいからだ。
感情が高ぶっている際に乱射したマグナムにはもう残弾はない、切り札としてトカレフは手放せない存在になるであろう。
落とした場所はすぐそこであったのでそれ自体は簡単に見つけ出せた、手に取り確認するものの異常は見られない。
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