したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

避難用作品投下スレ

454March and winter:2007/02/16(金) 21:17:44 ID:p43BYa3k
「…ですけど、さすがに無関係の人間までは殺しません。目的が同じような人間がいたら一緒に行動するつもりでした。…弥生さんは、どうなんですか」
今度は、こちらに質問が飛んで来る。返答次第では、こちらも撃つという考えがありありと出されていた。
それはすでに察知していたので、明確な返答を避けておいた。
「由綺さんを殺された私には…もう、目的というものはありません。恨みは、ありますが」
冬弥同様、由綺を殺した人間に報復したいという気持ちはあったがそれ以上のものはない。それは、偽らざる弥生の本心だった。
「そうですか…なら、俺と一緒に行動しませんか?」
P-90を再び肩にかけ、冬弥が目をこちらにむけて提案する。
「最終的な目的は違うかもしれませんが…由綺の仇をとるという点では利害は一致するはずです。その時まで」
その後はどうする、と返答しようかと思った弥生だったがそんな未来のことなど、誰にも分かりはしない。
「分かりました…協力しましょう」
だから、完結にそう答えた。冬弥の目に感謝の色が広がっていく。
「助かります。弥生さんはもう今では数少ない、信頼できる人ですから」
信頼――その言葉が、どこか弥生には遠い国の言葉のように思えた。弥生は自らのデイパックを持ち上げると、最後に問う。
「ならば、行動は早いほうがいいでしょう。それから…藤井さん。他に、何か伝えることなどありますか? 例えば、気をつけるべき人物とか」
ゲームに乗っている者の情報は、手っ取り早く掴んでおきたかった。いつどこで、冬弥と離れ離れになるやもしれないのだから。
「…いや。今まで何人もの奴と出会ってきましたけど交戦は一度だけです。まあ、返り討ちにはしましたが…一応、これまでに会った奴らの名前を言っておきましょうか?」
「いえ、結構です。知ったところで別に利益もないでしょう。他には?」
「他には…ああ、そうそう。放送の時に珍しく主催者から直接の声がかかりました。何でも…優勝者には、何でも願いが叶えられるとか」
その瞬間、弥生の心に戦慄が走った。平常心が失われていくのを隠しつつ「…続けてください」と先を促す。
「死人を生き返らせることも出来るとか言ってましたけど…それは与太話でしょう。普通に考えてそんなこと出来るはずありませんからね」


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板