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<嘘色のモノガタリ>

46れあちーず:2009/12/17(木) 18:58:28
(引き続き舞視点です)


目の前の私と夏帆が、殴ったりけったりを繰り返す。
あまりの恐さに、叫ぶ。どうして私が私を殴るの、と。
目を閉じても見える。痛みはないけど、恐ろしい。
奈々の声。
次の瞬間、激しい痛みに襲われた。
常人では考えられないような強い力で、暴力を繰り返される。
涙が目からボロボロと流れ、言葉にならない声が口から途切れなく零れる。
「助けて、助けて!!この痛みから、この地獄から!!」
そう叫んだとき、奈々の声が聞こえた、気がした。
とたんにそれは奈々をいじめている映像に切り替わる。
いつもどおりに泣く彼女がいる。


きっと悪い夢を見ていたんだ。
白昼夢、そうに違いない。


私はそう信じて、いつも通りいじめ続ける。
リアルで、感覚もあるから、そう信じてやまなかった。

しばらくすると世界が暗転し、気づいたら体は5歳児のままで裸で。
夏帆も見るに堪えない姿だった。


―――夢じゃなかった!!


また絶望が込み上げてくる。
「残念だったね・・・最後のチャンスは消えちゃった」
奈々はにんまりと笑うと、聞き取れないほど早く呟く。
その度にぐにゃぐにゃと私たちの体は変わっていった。
おばあちゃんになったり、手足はそのまま体だけ3倍くらい大きくされたり、お尻と胸だけを大きくなったり、赤ちゃんになったり、ボールのようにされたり・・・。
彼女は笑う。高らかに笑う。


「ねぇ夏帆、次は?次はどうなりたい?」
ゼェゼェと息を切らせて、夏帆は答えない。答えられない。
「んー、舞は?」
私も同じ。答えることが出来ない。
奈々はつまらなそうな顔をした時だった。


目の前には、白しかなかった。


「ここは・・・?」
体は元に戻っていて、体力も回復していた。
白しかない部屋。まさにそうだった。
すると、目の前にふわりと。
黒い髪にきめ細やかな肌の、整った顔立ちをした男の子が現れた。
彼の優しい笑顔が、私の警戒心を溶かしていく。
「僕は天使です。あなたの願い・・・ここの状況から抜け出したい、という願いを叶えましょう」
私はうなずく…が。
「ここだけじゃないです・・・全てから抜け出したい!!」
酷い暴力、虐待、奈々からの拷問。
私は今までを思い出して叫ぶように言う。
「本当に、いいのですか?」
私は再び頷く。
男の子は柔らかく笑った。


≪あなたの存在を否定しよう≫


「えぇ!そんな」
そういったときにはもう、私の体は消えかけていた。


最後に見えたのは、あの男の子とその背に生える白い翼でした―――。


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