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【遅れて来た】ここだけ魔術のある世界 置きレス進行スレ【本運用】
1
:
セファルワイム市民
:2017/06/15(木) 23:01:16 ID:awAfx0uU
前スレ
【試験】ここだけ魔術のある世界 置きレス進行スレ【運用】
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/7220/1311437263/
2
:
レーナ
:2017/06/23(金) 21:44:06 ID:???
前
>>998
>>1000
「あるいは外に目を引きつけといて、中にこもっているとか…」
「一人捕まえて絞っちゃう?」
アモルフに影響されているのが分かる
3
:
沙耶
:2017/06/24(土) 18:35:17 ID:???
>>前999
刃物を当てていた人物「一緒に来る?あんたたちが勝手についてきてるだけだろう。
勝手に命を落としても私は知らないからな」
「あなた、名前は?」
刃物を当てていた人物「私に名前はない…余計な詮索をするな」
(名乗る名ではなくて名前はない、ね)
使用人のような連中は裏手側から出て、どこかへと向け歩き出した。
そしてそれを追うように、刃物を当てていた女性も後を付ける。
「シロウの方も表から馬車やら使用人が出てきて、どこかに向かったみたい。
私たちもやっぱり追いましょう」
ジャビスと沙耶も刃物を当てていた女性と共に後をつける。
使用人たちは最初こそ辺りを警戒していたものの、道に出てからは怪しい振る舞いもしていない。
そして道の角を曲がった。
>>前1000、
>>2
千里眼を解除する直前、ローブの人物の特徴を掴んだ。
正確には特徴という特徴はなく、中肉中背の体つきをしている男だ。
顔までは見えなかったが、何かしらある可能性が高そうだ。
クリシュターナ「ほほう、裏口からも。これは門番を問い詰めて正解だったようですね!
では私たちも追ってみましょう。ですが確かにレーナさんの言うことも一理あります」
屋敷の中に誰かがいる可能性も考えられる。
少し思案してからクリシュターナは閃いた。
クリシュターナ「お二人は馬車を追ってください。あのように少数ですが固まって動いていれば、
一人だけ捕まえて情報を聞き出すというのも難しいでしょう。
私は特に騎士団からの指令も下っていませんが屋敷に突撃しちゃいます!
ええ、正義の前には全てが些細なことですから。それでは!」
そう言って門を開け、何食わぬ顔で屋敷の敷地へと入っていった。
馬車はどこかへと向かっている。このあたりの地理に詳しい者がいれば、
このまま真っ直ぐに進むと噴水のある広場に出て、その先の大通りへと続く道だ。
とにもかくにも、クリシュターナがメンバーから外れたが馬車を追うしかなさそうだ。
4
:
エミヤ
:2017/06/25(日) 20:12:32 ID:???
>>2-3
「……顔は見えてないから確証は無いが、馬車内に居るローブの男、もしかしたら例の人物かもしれない」
と、二人に伝えておく。
「レーナさんが良ければ、俺達で追おうと思います。
屋敷の方はお任せしますが、無理はしないようにして下さい」
と言うと、見つからないように警戒しつつ馬車を追跡し始めた。
5
:
レーナ
:2017/06/25(日) 20:45:02 ID:???
>>3-4
「あ、行っちゃった。」
「じゃ、一緒に馬車でも追う?」
サングラスをかけて変装っぽくしてみる。
「手も繋いじゃう?それとももっと密着してほしい?」
6
:
エミヤ
:2017/06/25(日) 20:47:10 ID:???
>>5
「……変装は賛成ですが、そっちはご遠慮させて頂きます」
色々と後が怖いので、と付け加えておく。
帽子を持ってきていた事を思い出したので、目元が隠れそうなぐらいスッポリと深く被っておいた。
7
:
ジャビス
:2017/06/25(日) 21:12:00 ID:???
>>3
「最終的に、どこかで合流することになりそうだなぁ」
名無しの女性を先頭に、多少間を空けた後方を追う。
「表からは馬車、裏からも使用人か……まるで、王様かお姫様かなんかを護送するみたいだよなぁー」
独り言の後、何か考え事をするように沈黙する。
そして、2-3秒考えてから小声で沙耶に話し掛ける。
「さっきよー、建物のカーテン揺れるのが見えたんだが、実はもう俺達の存在がバレてるなんてこたぁねーよな?」
8
:
沙耶
:2017/06/26(月) 08:49:05 ID:???
>>4-6
クリシュターナとは別行動になり、馬車を追う二人。
やがて馬車が噴水のある広場に辿り着くと、門番二人が振り返ってエミヤ達へと槍を構えた。
馬車の中からも使用人が二人飛び出し、門番と合流する。
一目で分かる。敵対の意思あり、と。馬車はそのまま止まらずに大通りへと向かっていく。
馬車を先へ行かせるための時間稼ぎなのだろう。
>>7
「お姫様だったらどんなにいいか。
えぇー、本当にカーテン揺れてたの?私たちの監視完璧だったでしょ!」
名前のない女性(……うるさいなこの二人。本当に尾行する気あるのか?)
そして使用人たちが曲がった角へと三人も差し掛かると、名無しの女性が立ち止まった。
「あいたっ、ちょっとどうしたの?」
その背中にぶつかる沙耶。鼻を押さえつつ問い掛ける。
背中越しに先を見ると、噴水のある広場だった。
そして首やら肩やら手首やらを鳴らしてこちらを待ち構える使用人4人がいた。
「うん!バレてた!」
ドヤ顔でジャビスへと振り返った。
9
:
ジャビス
:2017/06/26(月) 09:52:12 ID:???
>>8
「俺達の変装を見破るとは、中々の手練れと見える……」
ジャビスにとってはそうなのだろうが、恐らく二階の窓から見ればバレバレだったのだろう。
因みにこの台詞は、ジャビスがただ単に言ってみたかった台詞の一つだ。
それはさておき、相手は戦闘準備万端だ。
それに、人数も此方より1人多い。特に相手の連携攻撃は避けるべきであり、できるのであれば1人でも多くの注意を逸らさなくてはならない。
「アイツが尾行しろって言いました……」
ジャビスは100mか200mは離れていて、此方などには一切注意を向けていない一般人(男性)を指差し、
使用人が騙される事を祈りながらぼそっと呟いてみた!
10
:
レーナ
:2017/06/26(月) 18:59:20 ID:???
>>6
「やっぱあの娘って彼女〜?あの娘に頭上がらないの?」
沙耶のことらしい。
>>8
「ばれてるし…当たり前か…」
さっき来た不審者がついてきているんだからばれるのも当然だろうという感じ
「シロウ君、任 せ た。」
いうが早いか黒い翼をはためかせて馬車へ一直線に飛ぶ。
11
:
エミヤ
:2017/06/27(火) 00:02:50 ID:???
>>8
>>10
「いや、別にそんなんじゃ……ただの家族ですよ」
なんやかんや質問攻めにあっていた所で、門番達がこちらへ敵意を向けている事に気づく。
バレていてもおかしくないだろう、と考えていた故にあまり驚きは無い。
「分かりました、無理はしないでくださいね」
小声でそう伝えてレーナを見送った。
仮にもアモルフの関係者だ、女性だからと侮れたものではない。引き際は弁えていると信じている。
「……さて」
「どうかしましたか? そんな物騒なモノを構えられるような覚えは、ちょっと無いのですが」
そう言いつつ、ゆっくりと門番達の方へ歩み寄っていく。
既に魔術回路を起動し、発動準備は済ませてある。
完全な不意打ちでもない限りは、相手が仕掛けてきても対応できるだろう。
とは言うものの数で不利な以上、真正面から殴り合うつもりはない。
周辺に何か使えそうな物が無いか、それとなく辺りを見回してみるがどうだろうか?
12
:
沙耶
:2017/06/27(火) 00:47:24 ID:???
>>9
使用人が4人とも懐からナイフを取りだし構えた。
そしてジャビスの言うことには誰も反応しなかった。
「ちょっとこれ危険なんじゃない!大丈夫!?
しかも完全に大当たりでしょ。あれ?噴水の向こうにいるのシロウたちだ」
どうやら使用人たちは予めこの広場で落ち合う気だったようだ。
名無しの女性「下がってろ。邪魔だ」
女性も暴徒鎮圧用の警棒を懐から取り出した。
>>10
レーナがここぞというタイミングで空を飛び馬車を追った。
使用人たちはただの人間なので、レーナを止める術がなく、ただただ見送った。
馬車は依然、止まる気配はない。
>>11
辺りを見回すと、不穏な気配を感じ取った貴族や広場で遊ぶ子供がいる。
その他には屋台の商品が詰められた樽が積み重なっている程度だ。
付け加えるなら、広場の真ん中に噴水があり、その向こう側にジャビスと沙耶が見えた。
門番「探るのもここまでにしてもらおう」
一般市民がいることもお構いなしに、門番は槍をエミヤへと向ける。
馬車から飛び出してきた使用人たちは懐からナイフを取り出した。
千里眼で見るまでもないが、どうやら魔術師ではなく門番も使用人もただ鍛えた一般人だ。
危険な魔術などを使用することはないだろう。
門番「」
13
:
レーナ
:2017/06/27(火) 18:46:28 ID:???
>>12
「うりゃー!」
馬車の上に着地して、ツインライトセイバーを抜刀。
馬車の屋根をくり抜くつもりだ。
あわよくばそのまま捕縛するつもりだろう。
14
:
ジャビス
:2017/06/27(火) 19:08:50 ID:???
>>12
「まあまあ沙耶の嬢ちゃん。
俺様の経験ではなぁ、こういう場合いくつか定石があるんだぜ。
"こんなことは、1つ2つ修羅場を越えてれば、なんてこたぁーねえ"。そう思わねえか?」
絶対絶命の状況で、ここまで肝が座っているのは以前洞窟での経験に依るもの。洞窟の経験についてはこの場に居合わせる者の中ではレーナ以外知り得ないことではあるが、経験を経たジャビスには
"たかが人間に囲まれた"ようにしか思えなかった。
力量等はトレーニングの仕方によっては使用人がやや上かも知れないが、修羅場を越えた経験値だけで言えば、ハンターとしてかつては賞金首、現在は魔獣を相手にするジャビスは劣っていないだろう。
ところで、この様に力説している相手沙耶が、経験や技術等を超越した理から生まれ出たモノである事を勿論ジャビスは知らない。
ジャビスは腰のバッグに手を突っ込み、中の何かを一掴み握る。
「おい、おめーさん。指示通りここは任せるが、少しだけお邪魔するのを許してくれ。」
そう言って4人の使用人達の足元に握った物を投げつける。
それは間も無くして使用人達の足元で爆ぜる。
それは火花を出して音を発する爆竹の様なもの。しかし、その物体から発する音は火花が散る様な軽い音ではなく、正に爆弾が破裂する様な大きな音だ。
4人の使用人を恐らくは吃驚させるだろうが、ジャビスが一番効果を期待するのは、噴水の向こう側にいる門番と使用人の隙を作る事。
噴水越しとは言え、普段は猛獣も本能的に注意を向ける音だ。門番や使用人が音に関する特別な訓練を受けていない限りは注意を向けてしまうだろう。
その間、門番達が注意を向けようが向けまいが、ジャビスは噴水の水に途中まで身を隠し、門番達の背後からエミヤの側へ接近する。
15
:
エミヤ
:2017/06/27(火) 20:26:00 ID:???
>>12-14
(沙耶達か? 合流できれば有りがたいが今は難しいか……?)
そんな事を考えていたが、爆破音に驚き、一瞬そちらへ視線を向ける。
沙耶達の側に居る使用人達の足元からだと分かると、慌てて周辺をもう一度確認する。
そして、先ほどまで在ったはずのジャビスの姿が見えない事に気づき、なるほど、と一人ごちた。
「――お断りします。あんた達を放っておけば、良くない事態になる予感しかしないんで、ね!!」
懐から物を取り出す“動作”の後、投影した短刀を投擲する。
それぞれ一本ずつ、狙いは槍を構えた門番二人だ。弾くか避けるか、何らかの対処をしなければ確実に鎧の隙間に刺さるだろう。
16
:
沙耶
:2017/06/28(水) 08:52:29 ID:???
>>13
馬車の屋根に飛び乗り、武器で馬車の屋根をくり抜いた。
くり抜いた穴から中を覗くと、ローブを羽織った人物が座っていた。
ローブの人物「飛んでくる人間がいるとは思いもしなかった」
>>14
使用人ABCD「「「「!!?!」」」」
火花よりも何よりも、強烈な音に動きが止まった。
そして付近にいた子供や貴族もあまりの音に身動きが取れずにいた。
そしてもう一人
「ぎゃー!びっくりしたわ!」
爆裂した音に沙耶も引っ掛かっていた。
名無しの女性「ふっ!」
持っていた警棒で使用人たちに接近し、手近な二人の腕を強打する。
身動きが取れない上に殴られ、手からはナイフを取りこぼした。
そのまま続けざまに頭、顔と殴りつけ最後に胸を蹴り飛ばす。
「ふむふむ、制圧術って言うのかしら?
っと、私も手伝おう」
>>15
エミヤと対峙していた門番たちも、何事かと音の方へと振り返った。
人間としても当然の反応というところか。
そして危険がないかと確認して視線をエミヤへと戻すと、既に短刀が投擲されていた。
咄嗟に槍を構えるが、門番の一人は間に合わずに刺さった。
門番B「ぐあっ」
残りの門番は短刀を弾いた後、エミヤへと接近して槍を突き出した。
二人の使用人もナイフを手に持ち、エミヤを囲むように足早に近づく。
17
:
ジャビス
:2017/06/28(水) 12:43:18 ID:???
>>16
「おめーらはコッチ」
エミヤを取り囲もうとナイフを握る二人の使用人が前に足を踏み出した直後、
使用人から見れば"何故か背後に現れた"ジャビスが、使用人の服の襟を掴み、後ろに力一杯引き倒す。
使用人の一人については、
事態を理解し抵抗される前にジャビス自ら使用人の上に倒れこみ、ボディプレス。
もう一人についても即対応したいが、
ジャビスはそこまで俊敏ではない為、もう一人の使用人は体を起こし、ジャビスに攻撃を加える事は可能だ。
18
:
レーナ
:2017/06/28(水) 19:01:55 ID:???
>>16
「ふふん、驚いているところ悪いけどさっさと馬車止めて外に出てくれる?」
ドヤ顔でライトセーバーを突きつける。
「ローブからゆっくりと両手を出して。ゆっくりね。」
19
:
エミヤ
:2017/06/28(水) 20:03:23 ID:???
>>16-17
槍が突き出されるよりも先に、懐から何かを取り出すような動作の後、投影した双剣で突きを逸らした。
回りくどい動作を経由しているのは、こちらが自在に武装を投影できるという事を相手に悟られにくくする為。
(――コイツを使うのも久々だな。任せたぞ、相棒)
鋭い刺突を受け流した剣の名は干将・莫耶。
頑丈さと、装備者を物理・魔力の両方から保護する能力が特徴の宝具だ。
「せいッ!!」
使用人達がジャビスによって食い止められたのを見ると、すかさず門番の顔目掛けてハイキックを放つ!
20
:
沙耶
:2017/06/29(木) 01:25:39 ID:???
>>17
使用人の一人は完全なる死角からの攻撃に、背中から受け身も取れずに倒れた。
そしてそれに気付き、振り返った使用人はジャビスにのしかかられてこちらも倒れた。
倒されたが、ジャビスの背中に腕を回し身動きを取れないようにする。
そうこうしている内に、後ろに倒された使用人が起き上がり、ナイフをジャビスの背中へと…
振り下ろされることはなかった。
「はいはい、そういうことしたら危ないでしょ。
そっちは自分でなんとかしなさいよ?」
沙耶がクレムリン製の銃の底で、使用人の頭を殴ったのだ。
完全に意識の飛んだ使用人は崩れ落ちるように倒れた。
そしてジャビスへとドヤ顔をした。
>>18
ローブの人物はゆっくりと両手を上げながら出していく。
腕がレーナへと向いた時、ローブの中からレーナへと小さな矢が飛んだ。
親指を引くだけで矢が飛び出す簡易的な暗器を仕込んでいたのだ。
防ぐことが出来なければ、腹部あたりに直撃することだろう。
ローブの人物「馬車を止める気などないよ。
もとより私は命など初めから惜しくないのでね」
>>19
門番「ぶっ…!」
顔面を蹴られた吹き飛ぶ門番。
それなりに鍛えただけの一般人では、エミヤに敵うわけもなく。
一度起き上がろうとするが、そのまま地に伏した。
噴水の向こうでは、ジャビス・沙耶と一緒に現れた女性が4対1で立ち回っていた。
後ろから抑え込まれるが、それを起点に前から来た使用人を蹴り飛ばし、
その反動で、一回転し抑え込んでいた使用人の背中側へと回り込んだりと、アクロバットな行動をしている。
馬車はというと、レーナが屋根をくり抜き武器を突き付けているのが見える。
しかし未だに馬車は止まる気配はない。
21
:
ジャビス
:2017/06/29(木) 15:59:47 ID:???
>>20
「助かった!」
沙耶に対して礼を述べるが、まだ表情は切羽詰まっている。使用人に抱きつかれた様な状態では、起き上がる事も難しい事に加え、殴るにしても体重が全く乗せられない為、ダメージは望めない。
が、上を取っているジャビスが有利に変わりない。
「腕を回すとは、考えたじゃねえか!しかし
てめぇぇ、こういう時の"正しい頭"の使い方を教えてやるぜ……オラッ!!」
非常に地味な方法ではあるが、
限られた範囲で首と背中を反らし、反動を利用して額を使用人の鼻柱に打ち付ける。所謂頭突き。
22
:
レーナ
:2017/06/29(木) 19:28:22 ID:???
>>20
「強がったって無駄無駄。さっさと…え?」
腹部に矢が刺さる。
「うそ…」
そのままへたりこむ。
23
:
エミヤ
:2017/06/29(木) 21:21:03 ID:???
>>20-22
「よし」
門番が気絶したのを見ると、周辺の状況を迅速に確認し、思案する。
沙耶達と共に現れた女性は、数の不利を物ともしない奮闘を見せ付けている。
一方で、レーナが取り付いた馬車は未だに止まる気配が無い――と認識した時、腹部に矢を受けたレーナの姿を捉えた。
「っ! 二人とも、ここは任せた!!」
沙耶とジャビスの両名に言い放つと、馬車目掛けて駆け出す。
脚部に魔力を通し、脚力を強化する事で距離を縮めようとするが、間に合うだろうか?
24
:
沙耶
:2017/06/30(金) 12:23:37 ID:???
>>21
使用人の顔に頭突きが直撃し、痛みに思わず手が離れた。
解放されたジャビスが起き上がると、使用人も距離を取り立ち上がる。
なかなかタフな人物のようだ。
鼻血が大量に出ているが、それを拭うと地面に落ちていたナイフを拾いジャビスへと対峙した。
>>22
ローブの人物「関わらなければ、こうなることもなかったろうに」
馬車の扉を開き、へたり込んだレーナを掴むと馬車から放り投げた。
無論、レーナに抵抗する力や術が残っていれば回避することも可能だ。
>>23
「分かったわ…て、もうあんなところに」
返事をしてエミヤを見ると、既に噴水の遥か向こう、馬車目掛け走っていた。
沙耶は気絶した使用人を引きづり、噴水の前に一人ずつ縛り上げていた。
短刀の刺さった門番には、念のため応急処置をしておく。
エミヤが馬車へと迫ると、馬車の扉が開いた。
何やら馬車内で動きがあるようだ。
25
:
ジャビス
:2017/06/30(金) 12:50:24 ID:???
>>24
「チッ、まだヤんのかよ。わからんでもねーが」
使用人の意外なタフさに、ジャビスも辟易し始めた。それでも、自身を犠牲にしてでも相手を阻もうとする使命感や責任感の様なものには多少、共感するものがあった。
「それなら、ここからは俺も本気<マジ>だぜ」
そう言いながら、背中の腰部分に装着していた手斧、ハンドアックスを右手で取り出し、構える。これは本来、武装した賞金首や魔獣等、危険な相手と対峙する際の武器だ。
周囲を確認し息を整えると、正面から接近し、手始めに手斧で真っ直ぐ使用人の胸部に突き出す。
26
:
レーナ
:2017/06/30(金) 18:23:29 ID:???
>>24
「なんてね」
指を弾くと光の鎖が現れ、ローブの人物を拘束する。
そのまま二人そろって馬車の外へ落ちるが、レーナの方は一回羽ばたいて着陸する。
「ざんね〜ん、トリックでした。」
上着の下には硬い革で出来たコルセットがあり、それが矢を止めていた。
>>23
「捕まえたよ〜」
拘束した人物の上に座って、すっ飛んできたエミヤに笑顔で手を振る。
27
:
エミヤ
:2017/07/02(日) 00:05:48 ID:???
>>24-26
短刀は一時的な足止めに用いたためか、傷が浅い事が分かるだろう。
投擲や射撃に関してはやはり、お手の物と言ったところか。
「っ!? お、お見事……でも気をつけて下さいね」
笑顔で手を振る様を見て真っ先に思った事は“やはり油断ならない女性だ”というものだったとさ。
――しかし、ローブの人物は大人しく拘束されてくれているだろうか?
投影した双剣は構えたまま、警戒を怠らずにレーナ達に近づいていく。
28
:
沙耶
:2017/07/02(日) 17:56:51 ID:???
>>25
使用人が持っているナイフに対して、ジャビスは斧
当然そのまま受けるような愚かな行為をすることはなく、バックステップで避け
すぐさま前傾姿勢でナイフでジャビス目掛けて突く。
>>26-27
ローブの人物「これは一本取られた。
まさか矢が止まっているとは」
拘束されてろくに受け身も取れなかったであろうローブの人物。
ローブから顔が露わになる。血まみれではあるが、人相書きの人物に間違いなさそうだ。
ローブの人物「13年にも及ぶ復讐も、終わりはあっけないものですね」
どうやら拘束されて抵抗する術はないようだ。
レーナの奇抜な動きと魔術は予想外だったのだろう。
そうこうしていると、使用人を片付けた女性が現れた。
名無しの女性「…協力に感謝します。ですが、危険ですのでその人物をこちらに引き渡してください」
多少傷を負った女性がそう告げる。
ジャビス・沙耶と共に現れて女性。一緒に行動していたところを見るに
敵ではないのだろう。もちろん、味方という保証もないが。
外見的な特徴としては、騎士団の支給されるインナーのような恰好に、腕にエンブレムがある。
口を縄で縛られてた狼のエンブレム。騎士団では見かけたことのないものだ。
名無しの女性「ところであの娘…クリシュターナは一緒じゃなかったのかい?」
29
:
レーナ
:2017/07/02(日) 20:31:17 ID:???
>>27
「もっと褒めてもいいんだよ〜!」
調子に乗るタイプのようだ。
>>28
「13年もこんなことやってたの…暇な人…」
「クリシュターナ?屋敷に一人で突撃していったけど?」
30
:
ジャビス
:2017/07/02(日) 22:31:32 ID:???
>>28
「うぐっ!」
突き出されたナイフが、斧を持っていた右側の肩の内側に刺さる。痛みが神経を伝って身体中に響くが、何とか踏み止まる。
「やりぁ〜がったな……っ!!」
空いている左腕で、使用人を突き放すと、
痛みに耐えながら右側の手斧を振り上げ、袈裟斬りの様に斜めに振り下ろす。
31
:
エミヤ
:2017/07/02(日) 23:19:02 ID:???
>>29
(あまり褒め過ぎない方が良さそうだなぁ)
と思いつつ、ただ苦笑を漏らすのであった。
>>28
「復讐?」
それは一体、と続けるよりも先に、女性が現れた事に気づき、そちらへ振り向く。
見覚えの無いエンブレムに首を傾げつつも、彼女の問い掛けには、こう答えた。
「クリシュターナさんは、件の屋敷に入っていきました。
今も敷地内に居るのかは分かりませんが、ね」
引き渡してくれと女性に言われた際、ローブの男の様子を伺うが、依然大人しいままだろうか?
32
:
沙耶
:2017/07/04(火) 00:31:25 ID:???
>>29
名無しの女性「一人で屋敷に…」
名無しの女性(非常にまずい気がする。あいつを放し飼いにするのはかなり…
私たちの部隊よりぶっ飛んでる部分あるからなぁ)
何故か名無しの女性がどっと疲れたように見えた。
>>30
使用人が突き飛ばされると、そのままバランスを崩し
追撃の斧でナイフが弾き飛ばされた。
使用人「…!」
痺れる腕をかばいながら、ジャビスへと殴りかかる。
左のストレートだ。
斧を持つジャビスの方が有利に立ち回れるだろう。
>>31
名無しの女性「良いかい、あいつが何かに興奮していたら近づかないことだよ?
それが面倒にならない一番シンプルな手段だ。特にこういうことの後はね」
こういうこととは、事件を解決した時のことを言っているのだろう。
そしてローブの男は特に暴れるでもなく、大人しくしている。
引き渡しても問題なさそうだ。
無論、引き渡さずに騎士団に連れていくという方法もある。
33
:
ジャビス
:2017/07/04(火) 22:18:07 ID:???
>>32
甘んじて、左ストレートを顔面で受ける。
歯が一本抜け口から出血するが、接近してきた使用人を離さないため、すかさず使用人の髪を"強く"掴む。
「おい、良い加減にしろや格下。これ以上やるっつーなら、楽には殺さねえぞ」
と言って、ジャビスは使用人の首に斧を当てながら睨む。
34
:
レーナ
:2017/07/06(木) 20:36:42 ID:???
>>32
「あ〜早いとこ迎えに行った方がいいかも…」
何やっているかわかったもんじゃないという表情
35
:
エミヤ
:2017/07/06(木) 20:52:15 ID:???
>>32
>>34
「なるほど、肝に銘じておきます」
「……ところで、引き渡す前にお尋ねしたい事がありまして。
率直に聞かせてもらうと、あなたは何者ですか? 俺はそれなりに騎士と関わりがありますが、あなたの事は初見だ」
と、名無しの女性が付けているエンブレムを見て、問いかける。
素性の分からない人物に指名手配犯を引き渡すのは、流石に考え無しのやる事だろう、という判断だ。
36
:
沙耶
:2017/07/07(金) 12:17:47 ID:???
>>33
使用人の動きが止まる。しかし、反撃のチャンスを伺っているだけのようで、
ジャビスの脅しに対して反応したわけではないようだ。
どこまでも仕事に忠実な使用人のようだ。
「さっさと気絶させた方が良さそうよ」
そう言って、一通り使用人たちを縛って噴水の前に集めた沙耶が現れた。
>>34-35
名無しの女性「……」
エミヤとレーナをしばらく無言で見つめると、ふぅと息を吐いた。
名無しの女性「あの娘から触りくらいは聞いているんだろう?
存在しない部隊の話と、その男について」
大人しくしている男へと顔を向ける。
名無しの女性「私自身はこの男よりも後に入ったから、直接会うのは初めてだけどね。
私が入った時には、既にこの男は姿を消していたから」
直接事件に関してや、部隊に関して名前を出さないのは、秘匿性もあるだろうが、
それ以上にエミヤやレーナに対し、部隊の事情に踏み込ませないためなのだろう。
騎士団の負の部分を担っている部隊だ。当然、表舞台には出てこないし記録があるわけでもない。
名無しの女性「ま、信用できないならその男を騎士団に突き出しても構わないよ。
その男の確保は出来たわけだし、後は然るべき判断の後に私たちの部隊に受け渡されるだろうからね。
その男からは事情を聞く必要があるだろうから」
ローブの男「はは、君たちはあの部隊のことを知らなさすぎる。当然だが。
そこの、ああ元後輩とでも言えばいいかな?君も含めてね」
名無しの女性「何が言いたい?」
大人しくしていた男だが、何かおかしかったのだろう。
唐突に話をし始めた。
37
:
ジャビス
:2017/07/07(金) 13:55:47 ID:???
>>36
沙耶の言葉から数秒間を開け、使用人の態度に変化が見られない事を確認すると、
(斧を握って居るのは右腕の為)使用人の左の首元の位置から胸の間を通り、右脇腹まで斧で切り裂く。
致命傷では無いが、筋肉の表面を傷つけて居るし、無論出血もあるだろう。
「そうする。死ぬも生きるも後はこいつ次第だが、暫くは起られないはずだぜ」
斧を噴水の水に浸け、軽くゆすぐとまた腰のホルダーに斧を仕舞った。
「で、少し遅れをとったが、先に行ったあいつらのあとを追うぜ!」
38
:
エミヤ
:2017/07/08(土) 12:13:20 ID:???
>>36
「まぁ、多少は」
女性と同様に、男へと顔を向けて答える。
この女性も、例の部隊所属なのだと知って合点がいったところで――突然話し始めた男を見て、首を傾げた。
「……確かに俺達はろくに知らないが、なら教えてくれるのか?」
39
:
レーナ
:2017/07/08(土) 13:02:49 ID:???
>>36
>>38
「…こんなこと興味ないけど、何やらかすつもりだったの?」
「復讐っていうからには生ぬるい方法じゃないよね?」
ライトセイバーを男の首元に当てる。
40
:
沙耶
:2017/07/08(土) 17:57:26 ID:???
>>37-39
使用人は倒れ去り、ジャビスはエミヤとレーナと合流した。
そこには先ほどの女性がいて、更にはお尋ね者も捕えられていた。
「なんか人の目も増えてきたし、どこかに場所を移した方がいいんじゃない?
騒ぎになってきて、野次馬がたくさんいるわよ」
気付くと、辺りには貴族や周辺で遊んでいた子供、その母やただの通行人など
様々な人たちが怪訝な顔をしていた。
もちろん、こんな戦闘があった後だからだろう。誰も近寄ってくることもなく遠巻きに見ているだけだ。
揉め事には関わらない。いかにも貴族というところか。
ローブの男「昔から目立たない、というよりはその場に馴染むことが得意ね。
私には向いている役割だったんだが、ある新興宗教に潜入した時に部隊に裏切られたのさ。
帝国へと反旗を翻す計画を突き止めた私は、それを当時の部隊長に報告した」
名無しの女性(当時の部隊長…というと前任の隊長か。
生きてネームレスから別の部隊へと移った稀有な存在)
ローブの男「当時、熱心な信者の振りをしていた私は、その計画を任されたんだ。
その計画とは村一つを消すこと。
大方、そこから自分たちの領土を徐々に広めていくつもりだったんだろう。
しかし部隊は来なかった。何故助けに来なかったのか理由は分からない。
でも私は帰る場所を失ったと直感したよ」
そして自分が誰なのかも分からなくなった。そう呟いた。
名無しの女性「立ちな…それ以上関係のない連中に聞かせるような話でもないだろう?
あんたの復讐に、これ以上他人を巻き込むんじゃないよ」
男の胸倉を掴み、ぐっと立ち上がらせた。
名無しの女性「取りあえず、人目に付かない場所に行こう。
ジロジロ見られてあんたたちも居心地が悪いだろう?」
そうエミヤ達に問い掛けた。
「そうね。目立つのは好きだけど悪目立ちは良くないわ!
噴水前の使用人たちは、騒ぎを聞きつけた騎士団が回収してくれるでしょ」
41
:
ジャビス
:2017/07/09(日) 19:29:03 ID:???
>>40
ジャビスは先ほどの戦闘で受けた刺し傷に、
包帯を巻きながら一行について行く。
今の所、二人の話を聞きながらも参加するつもりはない様だ。
多少周囲を気にしているのは、クリシュターナの行方を気にしているのだろう。
42
:
レーナ
:2017/07/09(日) 21:54:59 ID:???
>>40
「正義の味方は割り切れない…」
「誰か一人でも目を瞑っていれば丸く収まるのにね。」
野次馬が集まってきたのでライトセイバーを仕舞う。
「後は出る幕ないけど、ついていった方がいいの?ご褒美でもくれるの?」
ころりと表情を変えて報酬を期待する。
43
:
エミヤ
:2017/07/09(日) 23:33:56 ID:???
>>39-40
「……そうだな、何をするにしても場所を変えた方が良さそうだ」
と言う訳で場所を変える事に同意する。
回収は騎士団任せという事で、どこかしら人目の付かない場所へ移動するだろう。
「ところで話は変わるんですが……誰か、クリシュターナさんの様子を見に行った方が良いですかね」
誰も行かないなら自分が行きますが、と続ける。
44
:
沙耶
:2017/07/10(月) 21:50:59 ID:2oA9OlGw
>>41-43
名無しの女性「クリシュターナの回収は別の騎士でも任せた方が良いと思う。
あいつに今会うのはあまりおすすめしないよ?」
やれやれというような困った顔で答えた。
名無しの女性「報酬なら騎士団の詰所に行けば相応に貰えるだろうよ。
感謝状まで送られるんじゃないかい」
周りの市民たちもやがて興味でもなくなったのか、あちらこちらと歩き始めた。
子供たちは噴水前の縛られた使用人たちをつんつんしたり、とある貴族はこちらを蔑むような目で見たり、
はたまたその様子を意にも介さず通り過ぎる商人がいたり、イケメンな貴族が優雅に馬車で通り過ぎたり、
外套を羽織った貴族がローブの男の心臓を後ろから魔弾で撃ち抜いたりした。
沙耶「………え?」
名無しの女性「!!!」
比較的ローブの男の近くにいた沙耶や、立ち上がらせて正面にいた名無しの女性は返り血を浴びた。
ローブの男は急所に一撃を受け既に絶命していた。
外套を羽織った貴族「任務ご苦労、いやぁ無事に凶悪犯を倒せて良かった」
笑顔で軽く会釈すると、男はそのまま何事もなかったように通り過ぎた。
名無しの女性(……やられた、13年前の情報はこれで完全に闇の中!!)
通り過ぎた男をきつく睨む名無しの女性、そしてレーナと沙耶を庇うように背中に隠した。
名無しの女性「ふ…これが私のいる部隊だよ。改めて実感した。
この部隊はなんでもするんだ。そう目的のためなら」
45
:
ジャビス
:2017/07/10(月) 22:36:39 ID:???
>>44
「ちょっ……テメーコノヤロウ!!」
あまりの出来事に、やや声が上ずりながらも
前に出ながらチンピラらしく男を怒鳴りつける。
「急に出てきたと思ったら、他人<ヒト>が捕まえたホシに何手ェ出してくれてんでェ!?」
ジャビスは怒りを露わにして、ローブの男に掴みかかる。
46
:
レーナ
:2017/07/10(月) 23:47:27 ID:???
>>44
「あ…」
突然のことに固まる
「クリーニング代もらえるかな?」
返り血を浴びた女性にハンカチを差し出す。
突然のことに頭がついていっていないようだ。
47
:
エミヤ
:2017/07/13(木) 20:41:07 ID:???
>>44-46
「なっ……!!」
慌てて外套の貴族を追おうとするが、女性の言葉で足を止める。
「――つまり、さっきの貴族も、貴女の部隊の人間だと?」
女性に問い掛けつつ、周辺を見渡す。
おそらく追い掛けても間に合わないだろう、と判断して警戒に当たる事にしたようだ。
その最中、返り血を浴びた面々に何処からともなく取り出した、大きめの布を手渡すだろう。
言わずとも沙耶には分かるだろうが、投影により用意したものだ。
48
:
沙耶
:2017/07/14(金) 02:17:01 ID:???
>>45-47
ジャビスが男に掴みかかると、ふわりと外套の内側にエンブレムがあるのが一瞬だが見えた。
名無しの女性と同じ、口を縄で縛られた狼のエンブレム。間違いなく女性と同じものだろう。
そして掴みかかっていたかと思うと、気付けばジャビスの手には外套だけが残り、
エミヤの予想通り、人ごみの中に紛れて消えていた。
身のこなしから考えて、先ほど戦闘した門番や使用人とは比べ物にならないだろう。
一つ言えることは…
「一つ言えることは、今回は敵じゃなかったってことかしら?
あ、シロウありがとう」
エミヤから大き目の布を受け取ると、返り血を拭った。
名無しの女性はというと、男の気配がなくなったのを確認してからレーナの頭をくしゃくしゃっと撫で
ハンカチを受け取らずに返した。エミヤの布も受け取らずに突き返す。
名無しの女性「あんたらの持ち物だろ?汚しちゃうからね。私は大丈夫さ」
エミヤの投影をもちろん知らない女性は、自分の服で顔をごしごしと拭った。
名無しの女性「ああ、今の男も私の部隊の一員さ。古株のね。
ちなみに貴族の格好をしていたけど貴族でもなんでもない。
おそらくそこらの店で適当に買って紛れていただけさ」
「なんかすっきりしない結末ね。
一応は凶悪犯から帝都を守ったのだろうけど、何か聞き出せそうだったのに」
名無しの女性「あの男に目を付けられてなきゃいいけど」
ちらっとここにいるメンバーを確認し
名無し女性「クリシュターナと合流しよう。
そのままあんたたちは送ってもらうといいよ」
事切れた男を背負うと、屋敷へ向けて歩き出した。
事情を知らない騎士に説明するのは面倒だと判断したのだろう。
自分の素性も知られるわけにはいかないため、ある程度事情の分かるクリシュターナへ任せるつもりのようだ。
49
:
ジャビス
:2017/07/14(金) 13:29:11 ID:???
>>48
「消えた……」
正確には、男が消えたのか、超スピードなのか、気配を絶ったのか、或いはその他かの区別はつかなかったが、ジャビスには消えた様にしか見えなかった。
右手に握った外套を手に、呆然と立ち尽くす。
「そうだな。色々あり過ぎて頭ァ痛くなってきたぜ。さっさと合流だ」
と言って、名無しについて行く。
50
:
エミヤ
:2017/07/15(土) 17:56:06 ID:???
>>48-49
「……送ってもらうって、このまま帰るのもな」
「とりあえず、クリシュターナさんと合流するまでは同行しよう。
その後にどうするかは、その時に考える。今は情報の整理もしたい」
そう言って、名無し達に続いて歩き出すだろう。
51
:
レーナ
:2017/07/15(土) 20:46:16 ID:???
>>48
「それもそうねー」
>>50
「…情報っていえばさ、今から屋敷に行けば何か残っているんじゃない?」
「いくら極秘部隊だって一気に証拠消せるわけでもないし…」
52
:
沙耶
:2017/07/16(日) 22:07:04 ID:???
>>48-51
一行は噴水のある広場を離れ、屋敷まで戻ってきた。
屋敷の前まで戻ってくるが、辺りは水を打ったように静まり返っていた。
名無しの女性「……静かだね」
門が開いたままになっている。各々は門を通り抜け屋敷の中へと足を踏み入れた。
入ってすぐ、使用人と思しき人物たちが数名倒れているのが伺えた。
「広場にいた使用人たちと同じ格好してるから仲間かしら?
全員斬られてるわね。傷は深いけど息はあるみたい」
沙耶が使用人それぞれの状態を確認して、応急手当をする。
二階へと続く階段の手すりには、斬られた時に飛んだであろう血が滴っている。
それだけではない。よく見ると階段を昇った先の窓にもかなりの血が跳ねている。
名無しの女性「どうやら二階にいるようだね。
危険かもしれないし、ここで待っててもいいよ」
そう告げて二階へと続く階段を昇っていく。
53
:
ジャビス
:2017/07/17(月) 22:17:25 ID:???
>>52
「あの騎士(クリシュターナ)、全員やっちまったってのかぇおい」
その時の様子を想像して顔を歪ませているが、
外套の男が先に屋敷に寄っていて、荒らし回ったという可能性もある。
「痛つつ、とりあえず俺もついて行くぜぇ。どうなってんのか気になるしな」
ジャビスは名無しの後をついて行くことにした。
54
:
レーナ
:2017/07/17(月) 22:57:51 ID:???
>>52
「派手ねぇ…」
飛び散った血潮に顔をしかめる
(そういえばクリシュターナってあんまり大きい武器じゃなかったな…)
前に見たときは短剣であったがこんなに大きな傷がつくだろうか…
「…二階に行くなら用心してね。」
55
:
エミヤ
:2017/07/19(水) 22:16:00 ID:???
>>52-54
「確かに、今なら手掛かりが残ってるかもしれませんね。急ぎましょう」
と答えて、足早に屋敷へと向かう。
「……彼女がやったのか? いや、断言するには早いか。
とりあえず上がるのならついて行きますよ。あ、沙耶はレーナさんの傍に居て欲しい」
レーナが此処で待つのなら、と付け加えて、自身も名無し達に続いて歩き出す。
56
:
沙耶
:2017/07/22(土) 12:48:53 ID:???
>>53-55
「分かったわ。私はレーナさんとここで待機するわね。
それに誰かがここに現れるかもしれないから見張っておくわ」
沙耶が了承し、なぜかレーナの身体を舐めるように…興味深そうに見ていた。
名無しの女性に続き、ジャビスとエミヤが階段を昇っていく。
少し階段の軋む音を響きせながら、一行は慎重に2階へと続く廊下を覗きこむ。
廊下を起点に左右に部屋がいくつかある。
向かって左側には部屋が3つ。
右側にも同じく部屋が3つ。使用人が複数人倒れている。
名無しの女性「まだ息はあるようだね」
使用人たちがうめき声を上げて倒れている。
その右側の部屋の一番奥から、悲鳴が聞こえた。
男の声だ。この屋敷の主だろうか。
名無しの女性はジャビスとエミヤの顔を見ると、乗り込むと目で合図した。
57
:
ジャビス
:2017/07/22(土) 21:03:02 ID:???
>>56
「見張ってて助けが必要なら、上からすぐ駆けつけるからよぉー……って!何を見張ってんだおめさんはァァァ!?」
沙耶の怪しげな視線に対し、両手で沙耶を指差しながらついツッコミを入れてしまう。
(イ、イカンイカン。ペースを持ってかれるとこだった)
二階に上がってからは邪念を振り払い、真面目に周囲を観察しながら進む。
倒れているものの姿に"女騎士が居ない"事に気が付き、事のあらましを想像するジャビスの表情が徐々に曇る。
名無しの合図に対し、親指を立ててOKのサインを返す。
58
:
レーナ
:2017/07/22(土) 21:27:47 ID:???
>>55
「私まーつわ♪いつまでもまーつわ♪」
「気をつけてねーあなた。」
どっかで聞いたような感じでシロウを見送る
緊張は解けるかもしれない
>>56
(何このプレッシャー…)
沙耶の視線にプレッシャーを感じる
「と、とりあえず玄関見張らないと。」
「また変なのが乱入してくるかもしれないし…」
59
:
エミヤ
:2017/07/24(月) 20:13:45 ID:???
>>58
「はは、どうも。そちらも気をつけて」
と、苦笑を浮かべつつ階段を上がっていった。緊張は解けたようで効果はあったらしい。
沙耶の視線がおかしい事に関しては追及しなかった。気づかなかったのか、敢えてスルーしたのか、はてさて。
>>56-57
「……急いで治療した方が良さそうですね」
使用人達の様子を見て、顔を顰めている。
名無しから合図を受けると頷き、彼女とジャビスに続いて動けるよう位置を取るだろう。
60
:
沙耶
:2017/07/26(水) 01:51:50 ID:???
>>57
、
>>59
3人は慎重に部屋の前まで進み、扉を開けて中へと突入した。
部屋の中には目的の人物、すなわちクリシュターナがいた。
そしてもう一人、太った貴族の男が腕から血を流して部屋の隅に追い込まれている。
名無しの女性「クリシュターナ待ちな!」
クリシュターナ「…おや?また敵が来ましたか!」
ぐるりと首だけを回し、三人を睨むクリシュターナ。
一瞬の沈黙の後に口を開く。
クリシュターナ「あ、みなさん無事でしたか!心配しましたよ。
ここにいると言うことは何かしら進展があったんですね?
私もこの悪にちょうどトドメを刺すところでした!」
今にも短剣を貴族目掛けて振り下ろそうとしている。
名無しの女性「ああ、追っていた男は死んだよ。帝都は守られたんだ。
そいつは捕まえて情報を聞き出したい」
クリシュターナ「おかしなことを言いますね。ナンバー47。
悪は正義によって裁かれる。捕まえる必要はありませんよ。
現に凶悪犯も死んだのでしょう?」
聞きなれない言葉がクリシュターナから出た。
ナンバー47、名無しの女性に向けた言葉のようだが何を表すものだろうか。
>>58
「なんだか上から悲鳴が聞こえたような…?
それにしても、秘密裏の部隊がいたなんてね。
記録も残さない徹底ぶりだし、騎士団内でも極秘だなんて」
私たちマークされないかしらね、と付け加えた。
61
:
ジャビス
:2017/07/26(水) 14:41:01 ID:???
>>60
(げぇーっ!こいつ(太った貴族)も目をつけられた相手が相手なだけに哀れだぜ…くわばらくわばら)
「確かにそいつは凶悪犯の疑いある男を匿いつつ、追手対策に武器を持った使用人を付けた。と言うことは、逆に追手の俺たちに悪人と言われ、下手すりゃ殺される覚悟がなきゃオカシイよなぁ。
悪は裁かれてトーゼンだしなぁ」
最初はクリシュターナの主張に意見を傾ける。
かと言って、ナンバー47と呼ばれた名無しの言うことがおかしいと判断できたわけでも無い。
「だが、彼女の言う通り捕まえたらそれはそれで騎士にとっては良いはずだろ?もっと悪党聞き出せるかもしれねーしよお。」
と、ナンバー47にも同意した。
「一番気に入らねえのは、横から出てきてヤツを殺りやがったマントヤローだぜ。あいつのせいで13年だか30年だかの情報がパーだ!」
62
:
レーナ
:2017/07/26(水) 20:52:06 ID:???
>>60
「されるんじゃないの?マーク。」
「そうなったらドラグノフに逃げちゃうけどね〜」
上からの悲鳴が聞こえ、体をこわばらせる。
「クリシュターナかな…あの娘に突っ込まれたら怖いよね…」
63
:
エミヤ
:2017/07/27(木) 01:17:11 ID:???
>>60-61
「……」
頑なに悪を裁こうとする彼女の様子を見て、暫し考え込んだ後、
「その男を殺すにしても、それは今直ぐでは無いですよ、クリシュターナさん。
まずは彼女の言う通り、捕らえて情報を引き出す必要があると思います」
「追っていた男が死んだという事は、十三年も前から追っていた手掛かりが完全に消えようとしている。
貴女は言っていましたよね、“ようやく尻尾を掴んだんです”――と。
今ここで、あの男との繋がりを持つであろう人物を殺してしまえば、ようやく掴んだ尻尾すら取り逃がす事になりますよ?」
と、ゆっくりと諭すようにクリシュターナへ言葉を投げ掛けた。
64
:
沙耶
:2017/07/28(金) 12:34:19 ID:???
>>61
、
>>63
貴族「は、早く助けぬかそこの庶民ども!これだから庶民は無能なのだ!
僕は貴族だぞ!早くこの狂った騎士を捕まえろ!」
部屋の隅でカネガス・ベーテジュニアが喚く。
名無しの女性「この二人の言う通り、まだ情報を聞き出せるかもしれない。
復讐の炎が燻ぶってるなら、大元から経たないと」
貴族「僕を無視して話を進めるな!この愚図共め!
いいから言う通り早くこの騎士を捕まえろ!貴族に危害を加えたんだぞ!?」
クリシュターナ「ちょっと黙っててくれませんかねぇ」
クリシュターナが短剣を貴族の手のひらに突き立て、壁に貼り付けにした。
貴族「ぎゃあああああああ!」
クリシュターナ「こんな…いても害になるだけの悪、捕まえる必要あるんですか?
私にはまったく必要性を感じられませんが」
新たな短剣を抜き、三人の方へ構えた。
そして今にも踏み込みそうな気配が膨らむと、貴族へと向き直り顔の真横に短剣を突き刺した。
クリシュターナ「…良いでしょう。今回はお三方を立てます。
あの凶悪犯を消したんですから。さすがは正義の味方ですね」
先ほどとは打って変わって、いつもの調子に戻った。
短剣を貴族から強引に引き抜き納刀した。
引き抜く際にまた悲鳴を上げたが、クリシュターナは意に介さない。
クリシュターナ「連行は任せました。私が近くにいるとトドメを刺してしまいますから」
>>62
「マークされてたら私も一家を引き連れ高飛びするべきかしら。
…また悲鳴が聞こえたわね。クリシュターナって子、少し変わってたけど会った時はそこまで怖さを感じなかったわ。
そんなに怖いものなの?」
65
:
名無しの魔術師
:2017/07/28(金) 22:28:02 ID:???
>>64
「正義の味方は割り切らない。それを地でいく娘よ…」
「そろそろ終わったかな…」
階段の方をひょっこりとみてみる
66
:
ジャビス
:2017/07/29(土) 15:56:25 ID:???
>>63
うんうん、とエミヤの話をうなづきながら聴く。
>>64
はじめは貴族の言葉には耳も貸さなかったが、
突然の悲鳴に対し、電気が走ったように反応してしまう。
「これも帝都の規律を守る為の罰なんだろうなあ。大丈夫、この位の傷はツバつけときゃ治らぁ」
と言いながら、
あまりの痛みに暴れているだろう貴族の腕を抑え、
ナンバー47の元へ連れて行く。
「連行っつーのは、俺たちで連れていきゃあ良いってことかい?」
67
:
エミヤ
:2017/07/31(月) 01:42:46 ID:???
>>64
>>66
「――分かって貰えたようで何よりです」
クリシュターナがいつもの調子に戻り納刀したのを見ると、暫しの間を置いて答える。
なお、彼女が今にも踏み込まんとしていた時にも構える事は無かった。
連行するというのなら、特に反対することも無く応じるつもりである。
(狂気とも受け取れるほどに“悪”を嫌っているな。
……あまり他人をどうこうと言える立場じゃないが、困ったもんだ)
68
:
沙耶
:2017/08/01(火) 02:00:17 ID:???
>>65-67
話がまとまった後、ジャビスとエミヤの二人で貴族を連行することになった。
ナンバー47と呼ばれた名無しの女性も、それに続き部屋を出る。
クリシュターナは終始、貴族に向けて殺意のある視線を向けていたが、
ジャビスとエミヤに連行されているため、手出しをする気配はなかった。
1階エントランスに戻り、レーナとレーナをものすごい目力で観察している沙耶を拾い、一行は屋敷を出た。
名無しの女性「今回は色々と助かったよ。それと巻き込んじまって悪かったね」
凶悪犯と呼ばれた男を背負いながら、彼女は礼を述べた。
そして少しの沈黙の後にこう付け加える。
名無しの女性「…あー、あんたたち私の部隊の何人かには目を付けられたと思うんだ。
飄々としたあの男を筆頭にね?何か困ったことがあったらクリシュターナに頼るといい」
凶悪犯と呼ばれた男を仕留めた貴族風の男。
あの男は、この場にいる全員と接触した。顔も当然覚えられているだろう。
特にジャビスは掴みかかった。そうジャビスは掴みかかったのである。
さぞかし印象に残ったことだろう。なにせ男に掴みかかったのであるから。
しかし気になるのは、何人か、という点だ。
あの場には他にも部隊のメンバーが潜んでいたということだろうか。
そうでなければ話の辻褄が合わない。恐らく間違いないだろう。
名無しの女性「クリシュターナから私へは連絡も取れるからね」
屋敷を出た後、詰所へと向かった。
幸い、トラブルに巻き込まれることもなく辿り着くことが出来た。
詰所では、騎士たちに怪訝な顔をされたが、クリシュターナとちょうど詰所にいた騎士クラの取り計らいにより
一行は今回の謝礼金をたんまりともらった。
不自然に多すぎる謝礼金だったが、無理やりに受け取らされた。
クリシュターナ「正義の行いをしたのですから、素直に受け取っていいと思いますよ?」
正義に拘る女騎士は笑顔でそう答えた。
名無しの女性「それじゃ、私はここでお別れだ。
これに懲りたらあまり危ない話には首を突っ込まないように」
そう釘を刺す。
名無しの女性「そうそう、せっかくだから私の呼称教えておくよ。
ナンバー47…部隊ではそう呼ばれている。忘れてくれても結構だけどね」
今度こそお別れだ、と言い残し女性は街の中へと消えて行った。
クリシュターナ「私もここで。今回はご協力ありがとうございました。
また正義が交わる時、お会いしましょう!」
クリシュターナ(ふっふっふ、完璧な決め台詞です!)
何やら満足そうな顔をして、クリシュターナも詰所へと帰って行った。
こうして今回の事件は幕を閉じた。
事件は表向き解決したが、その内面を知った面々からすると何も解決はしていないのは明白だ。
かくして一行は、あまりにもすっきりしない結末を迎えるが、
今はこれ以上の情報もなく、それぞれの家へと帰るのであった。
- 過去からの復讐 END -
69
:
【邪竜グォルズルグ】 プロローグ01
:2018/02/25(日) 21:39:12 ID:iR0FlMuA
「最後にもう一度説明します」
山頂付近に到達する直前、『巫女』が立ち止まって話を始めた。
彼女が邪竜グォルズルグについて語るのは、これが初めてのことではない。
事前準備段階からの再三に渡る情報提供の結果、この場にいる全員が十分な期間の元で万全の準備を整えている。
それでもなお忠告を繰り返すのは、彼女の性格の現れだろうか……あるいは、ドラゴンへの恐怖心ゆえか。
「邪竜グォルズルグは、尋常の生命体ではありません。
『あれ』は生物であると同時に、精霊であり、魔法であり、神であり、霊魂であり――ありとあらゆる意味で、火と闇と竜という概念の化身です。
それゆえ、その牙や炎や爪もまた、攻撃という概念や火災という概念の結集物であり、ありとあらゆる存在に干渉し傷つける力を持っています。
もし皆様が非実体、たとえば霊体や精神体に変異する力を持っていたとしても、竜の攻撃を完全に無効化することは難しいでしょう」
「しかしその特殊性は、グォルズルグにとって有利なことばかりではありません。
様々な性質を併せ持つがゆえに、様々な力の影響を否応なしに受けてしまうからです。
例えば魔法を解除する力は竜の体を綻ばせ、霊魂を封じる力は実在の鎖のように竜を拘束するでしょう。
もちろん血肉を持った生物でもあるため剣によって傷つけられますし、特に火・闇・竜といった根幹的概念に相反する攻撃には比較的脆弱です」
70
:
【邪竜グォルズルグ】 プロローグ02
:2018/02/25(日) 21:39:52 ID:iR0FlMuA
「そして山神……あー、この山に存在する神秘的な力を私はそう見做していますが、まあ精霊や天然の魔力流と解釈して頂いても結構です……
とにかく、その山の力を収奪・吸収することにより、邪竜は自身の存在を維持し、ますます強化を続けています。
これを放置すれば邪竜の力は強まる一方であり、討伐はより困難なものとなるでしょう。
私は祈祷によって山神の力に干渉し、邪竜による吸収を妨害することができるので、ある程度はお役に立てると思います」
山神とやらの存在を信じるかどうかは別にして、巫女が山に関係するなんらかの能力を持っていることについては疑う余地がない。
なぜなら、彼女はここに至るまでの道中でそれを示していたからだ。
事前の情報収集にて、かつての山を知る古老や探検家達は口を揃えてその険しさを強調していた。
事実、山は非常に急峻であり、登り始めた頃は一行もその苦難を味わっていたのだが、
それに気づいた彼女が(おそらく異国の言葉で)祈りを捧げると、全員が突然驚くほど軽やかに歩けるようになったのだ。
まるで平原でも散歩しているかのように楽々と絶壁を登攀することができ、高山病や酸欠の症状が出ることもなかった。
「山神の力を奪還することができれば、邪竜は大きく弱体化するでしょう。
しかし邪竜の支配力は強大で、未熟な私だけではさらなる吸収を阻止することはできても奪い返すことはできません。
力を奪還するためには、まず皆様の手によって邪竜を消耗させていただく必要があるのです」
残念なことに、その言葉もまた事実であるようだった。
現在は真昼であり、空にも雲は無い。
しかし太陽の光はとても弱々しく、周囲には薄闇が広がっている。これは明らかに邪竜にとって有利な環境である。
ドラゴンがこの山に襲来するまではこのような異常現象は見られなかったという証言も得られている。
この巫女でも、失われた光を山に取り戻すほどの力はないらしい。
「それから邪竜にとっても、霊山の力に干渉できる私を最優先の排除対象と見做すでしょう。
最低限の自衛は可能ですが、私が死んだ場合は勿論のこと、消耗の大きさによっては邪竜へ干渉する力が残らない可能性があります。
そのため皆様には、可能な範囲で私の防衛もしていただければ幸いです。
また、神々や精霊の類に干渉できる力をお持ちの方は、それによって私の祈祷の効果を高めることもできると思います」
彼女は明言しなかったが、この山の過酷な環境で一行が軽やかに動けることも、山神あるいは巫女の力によるものだろう。
巫女が死ねば、その効果も失われるか、少なくとも減じるに違いない。
「もっとも、山神の力の奪還が絶対に必要というわけではありません。
今の邪竜グォルズルグは恐ろしく強大ですが、更にそれを上回る戦力さえあれば真正面から打破することも可能です。
むしろ皆様の能力次第では、正攻法の方が確実な手段なのかもしれません。
山神や私のことを無視して圧倒的な武力で押し切るというのも、一つの戦略でしょう」
私が死んでもしばらく加護は持続しますしね、と巫女は呟いた。
71
:
【邪竜グォルズルグ】 プロローグ03
:2018/02/25(日) 21:41:51 ID:iR0FlMuA
「また、現時点では、邪竜は山頂から大きく離れて移動したり、空高く飛んだりすることはないと考えていいでしょう。
邪竜はまだ山神の力を吸収しきれていないので、その状態で山頂から離れれば、解放された山神による報復は免れませんから」
巫女が言葉を切った。
しばらく次に言うべきことを考えていたようだが、これ以上付け加えることは特に無いと判断したようだった。
「さて――――私からお話しできることはこのくらいでしょうか。
皆様、準備はよろしいですか? 最後に何か質問などはありませんか?」
もし事前の準備をする必要があるなら、これが最後の機会だろう。
72
:
ニキータ
:2018/02/25(日) 22:23:39 ID:???
>>71
装具の点検を行い、長いライフルに初弾を送り込む。
「ニキータ、質問無し。」
クレムリンの誇るスナイパーである。
なんでこんなのがいるのかというと…
レーナ「まじめか!」(ハリセン)
ヴェーラ「こういう時、ベテランはボケて緊張感を和らげないといかんとちゃうんか!」
ヴェロニカ「あなたたちねえ…」
タマラ「まあまあ、締まっていこう!」
堕天使組の引率である
73
:
赤い外套の男
:2018/02/26(月) 20:53:47 ID:???
>>71
「私からは特に無いな」
褐色の肌と白髪が特徴的な――この場のメンバーに対して「アーチャー」と名乗った男が答える。
魔力補充用の即効性ポーションが数本。
氷と光の属性エンチャントアンプルが数本ずつ。
その他、鎮痛剤や抗熱剤など、主に補助用のアイテムを用意してある。
74
:
レノ
:2018/02/27(火) 19:57:56 ID:???
>>71
「えー……ところで君は、何歳だっけ?」
何を知りたいのかはわからない。
あわよくば死ぬ前に1発決めようとしてるのか、老齢の若娘を恐れての質問なのか……。
75
:
【邪竜グォルズルグ】
:2018/03/03(土) 10:16:57 ID:iR0FlMuA
>>72-73
>「ニキータ、質問無し。」
>「私からは特に無いな」
巫女は頷いた。
ちなみに巫女の方は、帝国教会の修道士が着るようなローブにおおむね類似した衣服を身に纏っている。
しかし細かい意匠は教会のそれとは異なっており、現代地球人としての知識を持つニキータやアーチャーですら、類似する習俗には思い当たらなかった。
また、彼女は剣を携えており、その長さと大きさは屈強な大男でなければ扱えないような代物だ。
巫女は特段めぐまれた体格をしているわけではなく、持ち運び方も重たげなので怪力の持ち主というわけでもないらしい。
その大剣は鞘に収められた状態でも魔力のような力を強く放っているので、あるいは杖のように魔術具として使うのかもしれない。
>>74
>「えー……ところで君は、何歳だっけ?」
「25歳です」
魔術などで若さを保った老婆である可能性はあるが、
少なくとも自己申告と外見に食い違いはない。
「そのご質問の意図は、若輩者である私の能力に対する疑問でしょうか?
たしかに神々や霊魂に対する影響力については、私は高位神官には及びません。
しかし、山神の他、邪竜にも対峙する必要が有ることを鑑みると、総合的には私は十分に皆様に貢献できると考えています。
グォルズルグは神霊であるだけでなく、物理的にも強大で魔術にも精通したドラゴンですから」
「ちなみに私の祖国では男性がそれほど親密でない女性に年齢を尋ねる行為は、
怒りを買ったり逆にナンパと見做されたりすることがあるので、ご旅行の際はご注意ください」
76
:
レノ
:2018/03/03(土) 13:11:50 ID:???
>>75
「まだ若いのに、大したもんだ」
本来褒め言葉に分類される台詞を口にさながらも、表情は半ば残念さや呆れの気持ち、を感じる曇顔である。
「"十分"かどうかは此方が判断することだが、此処に来もしねえジジババよりは、信頼してるぜ」
「俺はレノ。武器はあるが、主に魔術による撹乱と、君が攻撃を回避できるようサポートする」
質問の意図は、ナンパで合ってるよ。と、巫女の肩を叩く。もしも力んでいるなら力を抜け、という一般的な気遣いだ。
77
:
【邪竜グォルズルグ】
:2018/03/03(土) 19:57:11 ID:iR0FlMuA
>>76
>「まだ若いのに、大したもんだ」
「いいえ、巫女なので……義務ですから」
>「"十分"かどうかは此方が判断することだが、此処に来もしねえジジババよりは、信頼してるぜ」
「ありがとうございます。
皆様からすると力不足かもしれませんが、信頼に応えられるよう努めます」
>「俺はレノ。武器はあるが、主に魔術による撹乱と、君が攻撃を回避できるようサポートする」
「よろしくお願いいたします。私はイクゥンブナイです。
実のところ私もあまり機敏ではなく、そのうえ祈祷に集中しなければならないため、動きが鈍重になることは避けられないでしょう。
そのような支援はとてもありがたく思います」
レノの気遣いを理解したようだ。
それでも面持ちはいまだ厳しいものであったが。
78
:
アーチャー
:2018/03/04(日) 00:24:50 ID:???
>>75-76
「質問は無いが、そうだな、自己紹介はしておいた方が良いか」
気さくな物言いで巫女とやり取りを行うレノを見て言うと、
「私はアーチャー。そう、名前だ。
白兵戦、狙撃、撹乱――まあ、一般的な戦法は一通り可能だと思ってくれ。
邪竜に一般論がどこまで通用するかは分からんが、戦力となる事は約束しよう」
ではよろしく頼む、と右手を差し出す。
握手を求めての事だが、返されなかったとしても彼が気にする事は全く無いだろう。
79
:
ニキータ
:2018/03/04(日) 00:41:17 ID:???
>>75
「よろしく、俺は狙撃兵だ。今回の弾はこれを使う。」
透明な弾頭の銃弾を見せる
「人造コランダム…あー、サファイアやルビーのことだ。この弾なら大抵のものは抜けるはずだ。」
「だが相手はドラゴンだ。急所を教えてほしい。できれば長引かせたくない。」
レーナ「狙撃兵とアーチャーとか後衛職しかないとか舐めてんの?」
ヴェーラ「クッソ高い弾だから請求書書くよ!」
ヴェロニカ「あんたは出してないでしょ…」
タマラ「用意したのは私だけど…あ、ついでに前衛張れます!」」
80
:
【邪竜グォルズルグ】
:2018/03/04(日) 15:17:16 ID:iR0FlMuA
>>78
巫女は差し出された右手を握り返した。
「一般論でおおむね問題ないでしょう。特に武器で戦う場合は。
多少奇抜な攻撃手段を持っているかもしれませんが、基本的には我々同様、血肉を持った存在であることに変わりはありませんので」
「物理戦闘を主体とする方にとっては、むしろ邪竜の単純なパワーや炎の方が脅威になるかもしれません。
もともとドラゴンである上、山神の力を吸収することで間違いなく強化されているでしょうから」
>>79
「急所という意味では、他のドラゴンと違いはありません。空を飛ぶ巨大な爬虫類と考えて問題ないでしょう。
すなわち……眼球、口腔内、排泄器、各種臓器、すなわち生物における一般的な弱点ですね」
「ただ、全身が鱗に覆われており魔術的な防護もあるため、外皮で覆われた部分を一撃で貫くことは難しいと思います。
脆弱という意味では、翼は鱗が薄いので比較的破壊は容易です。飛行を完全に阻害するには徹底的に破壊する必要があるので、それでも時間はかかるでしょう」
81
:
ニキータ
:2018/03/06(火) 22:36:31 ID:???
>>80
「なるほど。」
>>76
>>78
「聞いた通り少々分が悪そうだが、動きさえ止めればやれそうだ。」
「そうだな…10秒あれば俺は外さない。誰か頼めるか?」
レーナ「まかせろー」(ツインセーバー起動)
ヴェーラ「はえー」
ヴェロニカ「私たちは魔術で足止めね。」
タマラ「直接攻撃も行けるけどね。」
82
:
レノ
:2018/03/07(水) 19:54:53 ID:???
>>80
揃ったメンツを一通り確認し、
自分がすべき立ち回り方を考える。
やはり、メインはニキータ、アーチャーの二人による強力な狙撃で一気に邪竜の息の根を止める方法が近道かつより実現性が高い。
しかし、山頂というロケーションは足場が悪い上に陰が多く、逆に空を飛ぶ竜は逆に此方より有利な立場にある。ただでさえ神秘的な存在故に、圧倒的な力差もあるに違いない。
(答えの出ない思考は無意味だな)
恐らく竜はイクゥンブナイの言う通り、この娘を目標として向かって来る筈である。
(足止めは"彼女ら"に任せるが、俺としては竜を騙して如何にこの娘から注意を逸らすかが問題だ)
「追加で質問だけど、君のその祈祷を今やめたら、俺たちへの影響はどうなる?」
道中、イクゥンブナイの祈祷の効果は十分に受けたが、その効果が無いことによるハンデによっては、むしろ祈祷を終盤の切り札とするべきかもしれない。
祈祷の元が彼女だと竜が知らなければ、竜も真っ先に彼女を攻撃する確率は薄くなり、その間に手を打ちやすくもなる。
83
:
アーチャー
:2018/03/07(水) 20:17:05 ID:???
>>80
「成る程、それを聞いて安心した。
ドラゴンを相手に力比べをする度胸は無いが、小細工はいくらか用意してある」
「……あと、君の持つソレは武器か? それとも、祈祷の補助を行う魔術具かな?」
そう問い掛けつつ、巫女が携える剣へと視線を向ける。
鞘に収められていようとも、妨害の術でも掛けられていなければ“解析”は可能。
解析を試みるが、大剣の詳細はアーチャーに理解できるだろうか?
>>81
「心強い女性陣だな。万が一があった時は、私が受け持つとしよう」
十秒なら何とかなるだろう、と言葉を続ける。
84
:
【邪竜グォルズルグ】
:2018/03/07(水) 22:57:13 ID:1t3k/q6M
>>82
>「追加で質問だけど、君のその祈祷を今やめたら、俺たちへの影響はどうなる?」
「山神の加護によって付与されていた高山環境への適応能力が失われます。
主要な弊害としては、低酸素・低気圧に直接曝されることで高山病を発症する危険が高まる、
険しい地形を自身の能力のみで行動するため運動力が低下する、といった点が挙げられます」
「ただし、これらの悪影響が即座に現れることはないでしょう。
加護が失われる具体的な期間は不明確です。これは山神に残された力と邪竜の力のバランスによって変化するためです。
しかし、山神が完全に消滅しなければ、おおよそ数分程度は加護が持続すると考えて構いません」
「補足すると、皆様を保護するための加護は私にも山神にもほとんど負担を強いません。
たとえ戦闘中であっても、問題なく加護を継続させ続けることが可能であり、消耗もごく僅かです。
逆に邪竜からの直接攻撃を受けて防御を強いられた場合や、山神の力で物理的現象を引き起こす場合などは、消耗は避けられないでしょう」
「残念ですが、邪竜が私の存在を感知しない、ということはまずあり得ません。
邪竜はある種の神でもあり、その力は山神を吸収することで更に増しています。
私の祈祷の有無に関係なく、邪竜が警戒心を発揮すればその検知力は霊山全体に行き渡り、
神々に深く関わる存在である私は即座に発見されてしまうでしょう」
>>83
>「成る程、それを聞いて安心した。
> ドラゴンを相手に力比べをする度胸は無いが、小細工はいくらか用意してある」
「邪竜は神々の一柱ですが全能神ではありません。能力にも知能にも限界はあります。
種類にもよりますが、小細工や罠、奇策の類もある程度の効果があるでしょう」
アーチャーは大剣を“解析”する。
剣の名は『グナイブスリン』。どうやら極めて歴史のある太古の品であるらしく、とてつもなく情報量が膨大である。
些末な情報を取り除いて簡潔にいえば、これはある種類の神々や霊――ジクグジェイックスグ――に対して凄まじい能力を発揮する武器のようだ。
邪竜もまたジクグジェイックスグに属する存在であり、邪竜の身体やその炎や闇は、この刃に脆弱であるらしい。
ただし、ヌルクェンなるまた別の神族に属するグナイブッフという神に認められた者でなければ、この大剣の真価を発揮することはできない。
グナイブスリンは邪竜に極めて効果的で、魔力的存在などにもダメージを与えることができ、純粋に剣としても相当な逸品である。
しかし使用者に特別な力を与えたり、奇跡を引き起こしたりはしない。
つまりこの剣で邪竜を打ち倒すには、自身の腕力と剣技でドラゴンと切り結ぶ必要がある。
この巫女は剣を扱うに足る資格を持っているようだが、グナイブスリンは相当な重量と大きさを持つ大剣だ。
アーチャーが観察する限り、巫女にはとても大剣を振り回す筋力を持っているようには見えないが……。
>「……あと、君の持つソレは武器か? それとも、祈祷の補助を行う魔術具かな?」
「本来的には武器ですが、私にとっては防具です。邪竜の炎を防ぐことができるので」
どうやら盾として使うらしい。
「今ふと思いついたのですが、剣ごと私を高速で射出し邪竜に叩きつければ、大きな負傷を与えることができるでしょう。人間聖剣カタパルトです。
当然私は死ぬので一発限りですが、最後の手段としては有用かもしれません」
85
:
アーチャー
:2018/03/07(水) 23:24:46 ID:???
>>84
(――聞き慣れない上、発音するには面倒な名前だな。
件の邪竜もそうだが、名称がややこしいのはこの地に連なるものの宿命なのか)
そんな感想はさておき、巫女の持つ大剣の性能は把握した。
自身が扱えない以上、本当に“性能を把握した”だけに留まるが、知って損のある情報では無い。
「ふむ、それは朗報だな。
炎を対処する際に限っては君の事を懸念しなくて良いと、予め知っておけば動き易くなる」
「……発想としては悪くないが、本当に最後の手段だな。
誰一人として動けず、座して死を待つのみ、という状況にでもなれば検討しようか」
そのような状況に陥ってからでは、既に時遅しとも言える。暗に「使うつもりは無い」と言いたいのかもしれない。
86
:
【邪竜グォルズルグ】
:2018/03/08(木) 08:16:32 ID:???
>>85
>「ふむ、それは朗報だな。
> 炎を対処する際に限っては君の事を懸念しなくて良いと、予め知っておけば動き易くなる」
「失礼しました。『炎を防ぐ』といっても完全に無効化できるわけではありません。ある程度威力を抑えられるというだけのことです。
強力な炎を浴びれば相応の被害を受けてしまうので、あまり期待はなさらないでください」
>「……発想としては悪くないが、本当に最後の手段だな。
> 誰一人として動けず、座して死を待つのみ、という状況にでもなれば検討しようか」
「ええ。無論私も犬死にを望んでいるわけではないので、撤退の方がより建設的な手段ではあると思いますが、万一の際にはお願いします」
87
:
レノ
:2018/03/09(金) 01:01:46 ID:???
>>84
「そういうこと……」
口に手を当てて更に思考する。
竜相手ともなれば、戦い方も人間相手とは比にならない程考えなくてはならない事を実感する。
もっとも、考える様子はあっても諦めの様子は無い。
「わかった、どうせ感知されるなら常時祈祷アリにしよう。竜に感知されても、誰かが君を守り、竜から離している間に仕留めれば良いんだ」
策は無いわけではないが、結局は竜の探知能力の精度次第といったところか。
「ちなみに、その考え方はどこで覚えたんだ?笑えん冗談だ。どうせなら竜も笑い死にするくらいのやつで頼むぜ」
88
:
アーチャー
:2018/03/09(金) 20:36:43 ID:???
>>86
「おっと失礼。そういう事であれば気をつけるとしよう」
流石に完全無効化などと甘い話は無いか、とボヤく。
「承知した。もっとも、その“万一”が訪れないよう努めるのが我々の役目だ。
頭の片隅には留めておくが、原則、君も含め皆が生還出来るように私は立ち回らせてもらうぞ」
そこまで言ったところで、アーチャーは山頂へと視線を向ける。
件の邪竜の姿、或いは気配は僅かでも感じ取れるだろうか? 感知できたとしても、アクションを起こす訳では無いが念の為である。
89
:
ニキータ
:2018/03/09(金) 22:35:58 ID:???
>>86
「分かった。上手いことやるとしよう。」
スコープを覗いて索敵。
山頂付近の風の流れや、邪龍の姿を探す。
レーナ「弱い奴からかかってこい!」
ヴェーラ「ばっちこーい!」
ヴェロニカ「一匹だけでしょ…」
タマラ「みえなーい…」
90
:
【邪竜グォルズルグ】
:2018/03/10(土) 08:53:21 ID:???
>>87
>「わかった、どうせ感知されるなら常時祈祷アリにしよう。竜に感知されても、誰かが君を守り、竜から離している間に仕留めれば良いんだ」
「はい。私も基本戦術はそちらの方が良いと思います。
ただ、先ほども言いましたが、相性や戦力差によっては総攻撃の方が効果的である可能性もありますので、状況に応じた戦術を取ってください」
>「ちなみに、その考え方はどこで覚えたんだ?笑えん冗談だ。どうせなら竜も笑い死にするくらいのやつで頼むぜ」
「そうですか? ふむ……………わかりました」
何か思うところがあるのか、しばらく巫女は一人で頷いていた。
>>88
>「承知した。もっとも、その“万一”が訪れないよう努めるのが我々の役目だ。
> 頭の片隅には留めておくが、原則、君も含め皆が生還出来るように私は立ち回らせてもらうぞ」
「ええ。私も私自身と皆様の生還を第一に考えて行動を取るつもりです」
>>88-89
山頂はまだ多少離れている。
邪竜が山頂から離れないとはいえ具体的な移動可能距離は不明であるため、巫女がある程度離れた位置でこの最終ブリーフィングを実施すべきと判断したためだ。
目をこらすと、山頂にそれらしき輪郭が見える。邪竜がこちらに気づいた様子はない。
だが山頂に近づくにつれ闇がますます濃くなっており、またほとんど動く気配を見せなかった。
そのため、アーチャーの視力やニキータのスコープを用いてもその様子を詳しく把握することは困難だ。
山頂はそこまで急峻ではなく、付近には多少なだらかな場所もある。
だがやはり全体的に足場は不安定で、大小の岩石が転がっていた。
事前調査ではこの時期雪が積もっているという話を聞いたが、見る限り山と岩しかない。
草木などの動くものもないので、風向きや風力も判断しづらい。
「もし必要なら山神への祈祷で山頂付近の風を止めることも可能です。
多少の消耗と負担があり山神も弱っているので、事前に邪竜に被害を与えて山神の力をある程度奪還する必要がありますが」
91
:
【邪竜グォルズルグ】
:2018/03/10(土) 09:08:26 ID:1t3k/q6M
「さて……意外に時間が経過してしまいました。そろそろ出発したいと思いますが、皆様準備はよろしいですか?」
92
:
アーチャー
:2018/03/10(土) 19:29:04 ID:???
>>90
「……居るのは確かなようだが、どうも視えないな」
姿形を覆い隠す闇は邪竜の力によるものだろうか。
いずれにせよ、視えない物に目を凝らした所で意味は無い。早々に切り上げ、把握した状況を整理する。
「そうだな、狙撃するにあたって頼むかもしれない。その時はお願いするよ」
>>91
「ああ、私は問題ない。いつでも行ける」
93
:
レノ
:2018/03/12(月) 12:37:11 ID:???
>>91-92
「よし、俺も大丈夫だ」
94
:
レノ
:2018/03/12(月) 13:18:03 ID:???
>>93
レノが地に手をつくと、
人型のエネルギー体が2体、現れる。
更に、そのエネルギー体に土属性を付与させると、
土がエネルギー体の足元から頭までを覆い、
"レノ"と"何でもない一般女性"の分身を作り上げる。
「見ての通り、コイツは囮だ。俺たちとは別方面からコイツで奇襲をかけ、そちら(レーナ達)と共にまずは時間稼ぎをする」
95
:
ニキータ
:2018/03/12(月) 18:25:39 ID:???
>>91
「いつでも。」
レーナ「どこからでもかかってこい!」
ヴェーラ「かまーん!」
ヴェロニカ「とりあえず障壁張るわ。」
タマラ「準備OK!」
レーナはツインセイバーを
ヴェーラは両手に身の丈ほどのブーメラン
ヴェロニカは障壁を展開
タマラは岩をガントレットにして両手に装着させる。
96
:
【邪竜グォルズルグ】
:2018/03/17(土) 12:06:33 ID:1t3k/q6M
>>94
「なるほど」
巫女は親指を噛み、血を出す。
そして女性型エネルギー体に垂らした。
滴った血が僅かに光り、そして消える。
「多少ではありますが、この人形は『巫女』の概念的要素を持つ存在になりました。
概念の権化である邪竜にとって、これはある程度の“目くらまし”になるでしょう」
「ただし、邪竜は高度な検知能を持っています。
数秒でも見極める時間があれば私とこの人形を見紛うことは期待できません。先制攻撃的な奇襲が成功する可能性もほとんどありません。
これを囮として使うには、なんらかの工夫が必要でしょう」
「また、たとえこの人形が破壊されたとしても、私に余裕があれば、再生産されたその人形に再び概念複写をすることが可能です。必要であれば仰ってください」
97
:
【邪竜グォルズルグ】
:2018/03/17(土) 12:07:54 ID:1t3k/q6M
>>92-95
そして一行は、巫女と共に山頂へと足を踏み出した。
先ほどアーチャーとニキータが見た邪竜の姿が、他の者達にも見えてくる。
一歩一歩足を進めるにつれて、その存在感は増してゆく。
それはあまりに圧倒的で、まるで身体を圧迫されているかのようだ……否。
間違いなく、邪竜が発生源とおぼしき物理的な圧力がそこには存在していた。
邪竜が何かの力を行使した気配もなければ、魔術などが仕掛けられていた様子もない。
巫女は邪竜のことを概念の化身と呼んでいたが、それはつまりこういうことなのだろう。
邪竜はただそこに存在するだけで、物理法則を歪め、現実世界に影響を及ぼすのだ。
98
:
【邪竜グォルズルグ】
:2018/03/17(土) 12:09:30 ID:1t3k/q6M
>>92-95
しばらく山頂に向けて歩いていると、巫女が唐突に足を止めた。
それまで微動だにしなかった邪竜が、ぐるりとこちらに頭を向けた。
『グナイブッフの剣の巫女か………』
邪竜の声が響き渡る。
それは、空気を振動させることによって発生した音であるだけでなく、他者の思考に直接思念を挿入する念話でもある。
なおかつ、聞いた人間の精神に恐怖という感情を強制させる魔術的現象でもあった。
『その上、リブリドゥオの下僕とは。
どちらが目的だ? 闘争の悦楽に興ずるか? それとも我を説き伏せに?』
その眼はまっすぐ巫女のみを見据えている。他の者に対しては一瞥することさえなかった。
邪竜の瞳、あるいはその視線もまた、肉体や精神に危害を加える邪悪な力を帯びているに違いない。
「前者です。より正確に言えば、私の……私達の目的は、貴方との戦闘を楽しむことではなく、貴方を滅ぼすことです」
邪竜の視線と声を正面から浴びた巫女は、しかし静かに返答した。表面上はまったく動じていないように見える。
山神や神剣が巫女を守っているのか、それとも巫女自身の力が邪竜の力を払いのけているのか、それはわからない。
あるいは、純粋に彼女の精神が極めて強靱なだけかもしれない。
『リブリドゥオの下僕にしては直截的な物言いだ』
竜は笑った。
闇が濃く、距離のせいもあって表情などはわからないが、間違いなく竜は笑った。
「交渉や議論が無意味であることは歴然としているのではありませんか? これはお互い譲歩も妥協もできない、生存競争なのですから」
『よく解っているではないか』
竜はふたたび笑い、そして翼を広げた。
99
:
【邪竜グォルズルグ】
:2018/03/17(土) 12:10:54 ID:1t3k/q6M
>>92-95
周囲の環境が激変する。
太陽光はほとんど消え失せ、周囲は暗闇に包まれている。
さらに苛烈な熱風が吹き荒れ、大地は真昼の砂漠のような高温を持ち、体力を奪おうとしている。
まるで異世界に転移されたか、新たに創造された世界によって現実世界を塗りつぶされてしまったかのようにも思える。
しかしここはあくまで山の上であり、既存世界そのものは変化していない。
ただ、邪竜はその強大な力でもって、周辺を強引に火と闇で満たしただけだ。
次元干渉や世界歪曲と見紛うほどの、劇的な環境変化だった。
幸い、というべきか。
濃い闇に曝されても、討伐隊一行が邪竜を見失うことは決してない。
なぜならば、その存在感が、否応なしに邪竜の位置を明らかにするからだ。
もはや邪竜の存在感は脳が痛みを訴えるほどに高まっており、その輪郭はおろか鱗の一個一個すら知覚できた。
巫女が素早く後方に跳び、距離を取った。
100
:
【邪竜グォルズルグ】
:2018/03/17(土) 12:13:15 ID:1t3k/q6M
>>アーチャー
>>レノ
>>ニキータ
>>レーナ
>>ヴェーラ
>>ヴェロニカ
>>タマラ
>>イクゥンブナイ
『来い、命に限りある者よ。我はグォルズルグ、悪しき竜である』
――――――邪竜に炎が収束する!
101
:
アーチャー
:2018/03/18(日) 00:55:15 ID:???
>>97-100
巫女が歩き、邪竜と問答する最中、近くに転がっていた手頃な石を足で砕く。
粉々になったそれを掴み、軽く放っておおよその風向きを特定する。狙撃する上で、風向きの把握は欠かせない。
此処は判断し辛い環境下ではあるが“アーチャー”の名は伊達では無い、という事だ。
(尤も、環境操作の術があるならここで把握した所で無意味だが――)
そこまで考えて思考をシャットアウトし、強烈な存在感の塊を見据える。
巫女が後方に飛ぶと共に、狙撃に適したポイントへと移動する。
皆からやや外れたその位置は、邪竜との距離が数十メートル程度といったところだ。
「――長引かせてもこちらに利は無い、速攻を狙うぞ」
言うが早いか、気が付けば彼の手には黒い洋弓と矢が握られていた。
ぎしり、と軋る音も束の間、アーチャーは矢を射出する。
両眼球、両翼、口――計五箇所へと脅威の精密性を以て狙いを定め、音速に迫る矢を一息に撃ち放つ!
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