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【1999年】煌月の鎮魂歌【ユリウス×アルカード】
251
:
煌月の鎮魂歌10 42/43
:2017/08/12(土) 23:09:07
「ねえ、アルカード、どこ……? 僕、強くなったでしょう? 立派なベルモンドの男で
しょう? これで、あなたのそばに立てるよね? 僕、あなたといっしょに、魔王を封印
する戦いに出るんだ、そうだよね?」
かすかな鞘鳴りがした。アルカードが剣を抜いていた。
「俺がやる」
剣を手にしたアルカードが前に進もうとするのを見て、ユリウスは語気荒く言った。
「こいつは俺の弟だ。始末をつけるのは、兄貴である俺の役目だ」
「さがれ」
「アルカード──」
「さがれと言っている」
「アルカード!」
「血族同士が殺し合うのはもうたくさんだ!」
絞り出すようにアルカードは叫んだ。
それからはっとしたように口を覆い、うつむいた。衝撃のあまり、ユリウスは動けなか
った。アルカードがここまで感情を迸らせるのもはじめてだったが、その時彼の顔を走っ
た、狂気に近い絶望の色がユリウスの胸を深くえぐった。
「ユリウス。こちらへ」
崇光が腕に手をそえてユリウスを下がらせた。彼の顔も青白くこわばり、せねばならぬ
ことへの嫌悪と悲しみに凍りついていたが、口調に揺らぎはなかった。
ユリウスは声もなくあとずさった。入れ替わるようにアルカードが前に出る。彼は剣を
構えて、ラファエルのそばに跪いた。白く光る切っ先が少年ののど元にさしつけられる。
「アルカード?」夢見るように少年は呟いた。
「アルカード、僕、鞭を使えるようになったよ。僕きっと強くなる、アルカード。あなた
に似合うくらい強くなるよ。父上よりも、先祖のだれよりも強くなるよ。僕を見て、笑っ
てよ、ねえ、アルカード。アルカード」
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