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【1999年】煌月の鎮魂歌【ユリウス×アルカード】

245 煌月の鎮魂歌10 36/43 :2017/08/12(土) 23:05:19
『でしたらなぜ、わたくしどもと父君のもとにお戻りになりませんの? 人間の世など汚
く醜いことばかりだと、とうにご存じでいらっしゃいましょう。あなた様が見つけていら
したベルモンドの私生児は、鞭の代償にあなた様の御身を穢すことを望みましたわ。その
ような相手に、どんな義理があるとおっしゃるの』
「私の身などなんの意味もない。世界から魔王と闇の血を払い、これ以上の父の愚行を食
い止める、そのためだけに私は在る」
『魔界の至尊の血を受け継ぐお方が、どうしてそのようなことを』
「それがかつて母が願い、私が望んだことだからだ」
『そうして、ご自身ですら騙していらっしゃるのね。おかわいそうに』
 転がるがれきが身じろぎし、石でできた魔狼の群れとなってむくむくと起き上がった。
妖女の繊手が降られるが早いか、口と爪のついた毛皮の壁のような一団が、大津波となっ
てアルカードに迫った。腕を伸ばしてなぎ払うと、先頭の数頭が勢いのままに顎を裂か
れ、そのまま真っ二つになって転がった。血の霧は途中で崩れた壁の塵になり、もうもう
と立ちのぼった。
『どれほど人間に奉仕しようと、しょせんあれらは卑しい獣。高貴なるあなた様を受け入
れることはできません。わたくしはこの女の中でずっと見てまいりましたのよ』
 ざわざわと蠢く獣毛と爪と口、濡れた牙とぎらつく目と舌とおぞましいさまざまの中に
立って、ベスティア女侯爵は胸をはだけた。ゆたかな乳房の真ん中に、ボウルガード夫人
のひからびた顔が口を動かしている。そんな状態になっても、まだは彼女は生きている
のだった。うつろな白い目を開いて、報われなかった恋と、先代ミカエル、そしてミカエ
ルの愛を受けて息子を産んだ女に対する、尽きることのない呪詛を呟いている。


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