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【1999年】煌月の鎮魂歌【ユリウス×アルカード】

240 煌月の鎮魂歌10 31/43 :2017/08/12(土) 23:01:53
『よろしいのですか? あの二人を争わせておいて』
 妖女は白い霧となってゆらりと漂い離れた。女の顔をした霧の塊が宙を移動し、凝固し
て、豊満な肉体に純白のドレスをまとった、黒髪の女が立ち上がる。
「ヴァンパイア・キラーは闇の存在を許さない。自らの影の鏡ならばなおさら」
 アルカードはすでに剣の鞘を払っていた。相対するユリウスとラファエルからじりじり
と離れ、砂でざらつく円形の広間の端へと移動していく。
「そして私もお前の存在を許さない。闇に還るがいい、ベスティア女侯爵」
『ええ、でも、その時はあなた様もご一緒に、尊きお方』
 妖女は両手を高々とかかげた。白い腕が伸び、また伸び、さらに伸びた。めきめきと関
節が音を立て、数を増やし、凝乳のようななめらかな肌が、黒々と渦巻く剛毛に覆われ
た。地の底からの笑い声がすさまじく轟いた。女の顔が裂けて牙をむきだした鰐めいた野
獣の顔となり、硫黄の息を吐いて咆哮した。
 ユリウスは床を蹴り、ほほえむ腹違いの弟にむかってまっすぐに襲いかかった。

               3

 二つの鞭の争いはまさに鏡の闘争だった。どちらもベルモンドの鞭術を身につけてお
り、血によって伝えられた技倆も同等だった。ラファエルが父によって訓練され、ユリウ
スがアルカードに訓練されたという違いはあったが、両者の身体を流れるベルモンドの血
脈は、それぞれの駆使するどんな攻撃も技も事前に察知して跳ね返し、さらなる逆襲に変
えて繰り出してきた。
 ユリウスはほとんどなにも思考しなかった。なにかを考える前に身体は反応しており、
呼吸するように鞭が動いて、攻撃し、防御し、貫き、打ち、払っていた。ユリウス自身の
精神はどこかにあって、奇妙に冷静な視線で戦闘を眺めていたが、その一方で、鞭と同一
化した一部が穢れた鞭の陰画にむかって怒りの声をあげ、戦いの昂奮に心臓を轟かせてい
ることも感じていた。


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