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【1999年】煌月の鎮魂歌【ユリウス×アルカード】

235 煌月の鎮魂歌10 26/43 :2017/08/12(土) 22:58:15
 ラファエルはうんざりしたように首を振った。「邪魔しないでったら」
 崇光がうめき声を上げた。
 懐に忍ばせた呪符を取りだそうとしていた手がずたずたに裂け、鮮血が滴っていた。両
手のひらと甲が骨に届くほど深々と裂かれて、はじけた生爪が指先にぶら下がっている。
「みんないらない」
 手に陰の聖鞭をもてあそびながら、ラファエルは奇妙にしなやかな足取りでがれきを乗
り越えてきた。
「おいでよ、アルカード」
 少年は愛らしく小首をかしげて呼びかけた。
「ベルモンドなんてもうない。魔王封印なんて知らない。僕にはあなたさえいればいいん
だ。ねえアルカード、僕のこと、好きじゃないの? 好きでしょう? 僕、あなたがいれ
ばとても強くていい子になれるよ。世界なんてどうでもいい、人間なんて、僕にも、あな
たにも、ひどいことしかしてこなかった。みんな滅んでしまえばいい。僕と、あなたと、
たった二人きりで、いつまでも楽しく遊んでいようよ、アルカード」
 さしのべた両手に点々と血が飛び散っていた。アルカードは爛々と燃える目をすえてそ
れを見つめていたが、ややあって顔を伏せた。かと思うと、はじかれたように頭を上げ、
目にも留まらぬ動作で何かを投げた。細い銀のナイフが宙を飛んで、ラファエルの背後の
虚空に突きたった。
「ベスティス女侯爵。──お前か」
 低く、アルカードは呟いた。
「ムタルマ女伯爵はおまえの姉妹だったな。彼女が先に侵入したのもお前の差し金か。ラ
ファエルをとらえてどうするつもりだ」
『今さらそれをお訊ねになりますの? 尊き君』
 ねっとりと絡みつくような女の声がした。


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