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【1999年】煌月の鎮魂歌【ユリウス×アルカード】

208 煌月の鎮魂歌9後半 23/24 :2016/07/31(日) 20:30:36
 アルカードはしばらくベッドに頬を埋めたまま目を丸くしていたが、やがて睫を伏せて、
小さく、ここでいい、と呟いた。
「ここで寝る。ひとりは、……好きではない」
 ユリウスは無言で腕をのばし、アルカードを引き寄せた。
 腕に収まる身体は、驚くほど華奢だった。何度もわしづかみにした肉体がこれほど
か細いことに本当には気づいていなかった自分を、ユリウスはいぶかった。あれほど
夢中でむさぼったのと確かに同じ身体なのに、なんと壊れやすく、小さく感じられる
のだろう。
 柔らかな銀髪が顎の下に触れる。髪は夜と、月の匂いがした。冷たくかすかに苦く、
ハッカのように涼しい。
 ユリウスの胸に頭を寄せたとき、もうアルカードの目は閉じかけていた。長い睫が
頬におり、吐息が首筋をくすぐった時、かすかな記憶の一片が心をかすめ過ぎていくの
をユリウスは感じた。
 疲れと、昔の記憶で呼び起こされた、かつての思い出のかけら。わずかとはいえアル
カードに血を与えたつながりが、アルカードの夢のひときれを運んだのだろう。
 アルカードは誰かの腕に抱かれて眠っていた。太い腕が頭の下に置かれ、たくましい
胸に髪をよせかけている。あたりは暗い森、焚き火が揺れ、馬が蹄を踏み換える音が
する。強く確かな鼓動が聞こえ、熱い体温としみついた革の匂いが、たとえようもない
安心感を運んでくる。


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