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【1999年】煌月の鎮魂歌【ユリウス×アルカード】

203 煌月の鎮魂歌9後半 18/24 :2016/07/31(日) 20:27:12
 魂の底まで読みとる力を持ちながら、その実、なにひとつ理解しようとしない。理解
することができないのだ。その視線はつねにあまりにも遠く、はるかな昔しか映すこと
はない。
「……何がわかる」
 力なくユリウスは繰り返し、アルカードの手を離した。
 こわばった指をはがすのには非常な努力を要した。一本一本をはがすごとに、生皮を
はがされるような痛みが胸を突き刺した。
 アルカードは大きく目を見開いたままじっとしている。呆然とした様子で、つかまれ
た腕を無意識にさすっていた。手首に浮いた指の形のあざは急速に薄れてゆき、ユリウ
スが完全に手を離しておろすと同時に、もとどおりの白いしみ一つない肌にもどった。
 酷いやるせなさがユリウスの腹を重くした。
「話をしろ」
 気まずい雰囲気を払うように、ぶっきらぼうにユリウスは言い、長靴を蹴って脱いで
部屋の隅へ放り投げ、ごろりと寝転がった。
「話……」
「このくそいまいましい屋敷ときたらテレビもラジオもありゃしない。なんでもいいから
話でもしろ。ラジオの代わりにゃなるだろう。こっちは疲れてるんだ。どたんばたんやら
かすよりはくだらん話でも聞いてる方が楽だ。好きなことをなんでも話せ。くだらなかろ
うがばかばかしかろうが、多少の退屈まぎらしにはなる」
「……好きな、こと」
 アルカードはよけいとまどったようだった。寝転がったユリウスの隣に自分も寝たほう
がいいのか、それともそのまま座っていたほうがいいのかわからないようで、中途半端な
姿勢で動きを止めている。
「……そう言われても、何を話していいのかわからない」
「あんたは長く生きてるんだろう。四百年だか、五百年だか。そんだけ生きてりゃなにか
話題くらいあるだろうが。まさかずっとここの屋敷にとじこもって生きてきたわけでもあ
るまいに」


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