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【1999年】煌月の鎮魂歌【ユリウス×アルカード】

200 煌月の鎮魂歌9後半 15/24 :2016/07/31(日) 20:24:58
「ユリウス」
 アルカードは言った。
「私は人が本心からその言葉を言っているかどうかくらい判別できる。お前はなにかに怒
っている。愛想をつかしてもいる。けれどもそれは私にではない。では、いったい何なの
だ? 私にはそれがわからない。私に飽きたのでないなら、どうして帰れなどという? 
本当にここにいてもらいたくないというのなら帰る。だが、お前の心はそれを望んでいな
い。いったい、私はどうしたらいい?」
 進退窮まってユリウスは戸口に立ちつくした。            
 アルカードは青く冴える瞳をまっすぐに向けて、ユリウスの返事を待っている。この
月の前では偽りも虚勢も通用しないのだ、とユリウスは思った。青と黄金に映える彼の
瞳は、望むと望まないにかかわらず、真の心と思いを読みとってしまう。
 ユリウスは唇をかみしめ、ぐいとアルカードの手首をつかんだ。自分がためらって
しまわないうちに一気に部屋にひきずりこみ、扉を閉める。引っ張り込んだ勢いのまま、
ベッドの上に放り投げるように投げ出した。手もなく倒れたアルカードが身を起こし、
命令を待つように乱れた髪の頭をあげる。
 ユリウスはそのまま、どっかとアルカードの隣に腰をおろした。
 いつものように奉仕を強制されるものと思っていたらしいアルカードは、またけげん
そうに首をかしげ、動きを止めた。
 ユリウスは言った。
「鞭の試練の話を崇光から聞いた」
 かすかにアルカードの頬がひきつった。ユリウスは続けた。
「死か廃人の危険があると、言われた」
 アルカードは口を結んで視線をそらしている。こわばった肩がそれとわからないほど
震えていた。
「俺は、どっちになると思う。死人か、よだれを垂らした生きた屍か」
 アルカードはかなり長い間黙っていた。ユリウスは彼の性にこれまでなかったことだが、
返事が来るまで辛抱強く待ち続けた。


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