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【1999年】煌月の鎮魂歌【ユリウス×アルカード】

190 煌月の鎮魂歌9後半 5/24 :2016/07/31(日) 20:18:04
「あの男を排除しなければならないのですよ、ラファエル様」
「排除……あいつを……」
 ぼんやりとラファエルは繰り返した。
「そして取り戻すのです、あなたの当然の権利を。聖鞭とアルカード様を。あなたが世界
のすべてと引き替えても手に入れたいあの方を、雑種の汚らしい手からお救いするの
です。あなたならそれがおできになります、ラファエル様」
「でも、足が」
 わずかに苦痛の記憶を思い出して、ラファエルは身じろぎした。羽毛布団の上に力なく
投げ出されたままの萎えた両足。
「僕の足は動かない。この足では、アルカードの役には……」
「動きます。あなた様さえ、その気になられれば」
 ぐずる子供をあやすように、頬をくっつけてボウルガード夫人はささやいた。筋肉が
落ちて細くなった足を、いとおしむようにそっとさする。
「お信じなさいませ。あなた様こそベルモンドの正統の当主にして、聖鞭の主。アルカ
ード様の隣に立つ者。それを、あのような下賤の雑種になど、奪われてよいはずがあり
ません」
「正統の……当主」
 ラファエルは呟いた。傷ついた心に、その言葉は恵みの雨のように染み込んでいった。
 むろん、これまでずっとラファエルはベルモンドの男として丁重な扱いを受けてきた。
父が死に、当主の座を受け継いでからは特にそうだった。
 だが、半身不随の身となり、聖鞭の使い手としてはもはや使い物にならないと判定され
たとき、周囲の、そして誰よりもラファエルの中で、さまざまなことが微妙に変化した。
 もはやラファエルは絶対の自信をもってベルモンドの当主であると言えない自分を発見
した。周囲は変わらずラファエルをベルモンドの当主とし、そのように扱うが、そこに哀
れみと、腫れ物にさわるようなおずおずとした遠慮を、鋭敏な少年の感性は感じ取らずに
はいなかった。


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