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【1999年】煌月の鎮魂歌【ユリウス×アルカード】

189 煌月の鎮魂歌9後半 4/24 :2016/07/31(日) 20:17:32
「あのような男がベルモンドとして認められるなど、あってはならないことです」
 いつのまにかボウルガード夫人はベッドの縁に腰掛け、骨ばった手でそっとラファエル
を抱いて髪を撫でていた。めったに個人的な感情を表さない彼女としては異常と言って
いい態度だったが、自分の苦悩と痛みに沈み込んでいたラファエルは気づかなかった。
ただ、髪を撫でる手をここちよく感じ、自らの秘めた思いを形にしてくれる低いささやき
声に、夢見るように耳をかたむけていた。
「間違いは正されなくてはなりません。ベルモンドの正統はラファエル様であり、あの
ような雑種ではありえません。汚らわしい血は、排除しなくてはならないのです」
「排除……」
 なかば夢うつつでラファエルは繰り返した。何を口にしているかはほとんど意識して
いなかった。やさしく髪を撫でる手は、そのまま彼の傷ついた心を愛撫する手だった。
「排除する……あいつを……でも、聖鞭の使い手は──」
「聖鞭の使い手はあなたです、ラファエル様」
 きっぱりとボウルガード夫人は言った。ラファエルの髪をすく手はどこまでも優しく、
子供を眠りにいざなう母の手を思わせた。
「ほかに、誰がいるというのでしょう。ラファエル様はミカエル様の正統のお子、あの
ような雑種と比べものになどなりはしません。アルカード様をお救いし、そのお心を手に
入れるのは、ラファエル様、あなた様しかおられません。アルカード様をあのような男の
手に預けておいて、ラファエル様、あなたは平気でいらっしゃるのですか」
「そんなわけがないだろう!」
 一瞬猛烈な怒りにかられてラファエルは叫び、起き直りかけたが、ボウルガード夫人の
あくまでもおだやかな愛撫に導かれて、ふたたびうっとりと身を横たえた。今ではボウル
ガード夫人は黒いショールですっぽりとラファエルを包み込み、赤ん坊でも抱くように両
手を回して、やさしく揺さぶっていた。


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