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【1999年】煌月の鎮魂歌【ユリウス×アルカード】

188 煌月の鎮魂歌9後半 3/24 :2016/07/31(日) 20:16:54
「お苦しいのですね。ラファエル様」
 低い声がした。
 ラファエルはぎょっとして、身体が動くかぎり身をそらし、部屋の隅を振り向いた。
 そこに、ボウルガード夫人がいた。いつものように黒いドレスで、白髪をかたくひっ
つめにし、棒のようにまっすぐに身体を立てている。とうの昔に出て行ったものと思っ
ていたラファエルは、いまの姿を彼女に見られたと知り、猛烈な怒りと恥ずかしさに襲
われた。
「なぜここにいる」
 にじんだ涙を急いでぬぐい、ラファエルは当主としての口調ではげしく言った。
「僕は出て行けと命じたはずだぞ。なぜまだここにいる? 用があればベルで呼ぶ。
さっさと行け」
「わたくしにはよくわかります。ラファエル様の怒りが。お苦しみが」
 ボウルガード夫人はすべるように近づいてきた。ベッドサイドのライトに皺深い顔と、
奇妙な熱を帯びて燃えるような両目が照らし出された。うすく口紅を塗った唇はほとんど
見えないほどかたく引き締められ、表情はなかった。すべての感情と動きは、ただ熱に
浮かされたようにぎらつく両の目にしか存在していなかった。
「あのような男をベルモンド家に引き入れるべきではございませんでした。ミカエル様は
あやまちをおかされました。ラファエル様という立派な跡継ぎがおありなのに、どこの
誰とも知らぬ相手と、あのような汚らしいものを」
「父上は立派なお方だ」
 反射的にラファエルは言ったが、ボウルガード夫人の紙のこすれるようなささやき声は
影のように彼の心にすべりこんできた。そうだ、父は、あんな子供を作るべきでは
なかった。ベルモンドの血は常に、誇り高く育てられた正統の血でのみ受け継がれて
きた。それを、あのような雑種が受け継ぐなど、あってはならないことだ……


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