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Awake

78 Awake 6話(7/13) :2013/09/20(金) 06:15:31
 後から機械塔に侵入したもののマジックアイテムを駆使し、人間では短縮できない場所
を踏破して来たネイサンとは違い、身一つで切り抜けたヒューはやっと追い付いた先で初め、ネイサ
ンの邪魔にならないよう、そして彼が戦闘不能になるのを待たずに助けようかと様子をうか
がっていたが、逡巡しているうちに彼の耳に女の声色で軽やかに囁く声が心地良く聞こえ
てきた。
――「お前の矜持を彼に見せつけなさい。さすれば彼はお前の存在に心酔しすべてを投げ
出してお前に委ねるだろう」
 その言葉と声色は少し考えれば魔性が発した声だと気づくはずだが、体力を消耗し目的
と思考を狭めたヒューには、己の心情を復唱した耳触りのよい内容で心の中にくまなく響き渡
った。
――奴が俺に対して性愛を向けていようが知った事ではない。命が危機に晒されてから俺
の姿を仰ぎ見るがいい。貴様が下種な想いを二度と抱かせないくらいの優位を見せつけて
やる。
 己の尊大な感情にぞっとして無意識に口元に指を触れると、軽い情交に浴した事が蘇り
俄かに心が痛みだしたが、もう一度唇に指をやると今度は羞恥が込み上げて指をきつく噛
んだ。
「……思い違いも甚だしい。その相手は俺では無いのに。馬鹿な事を考えるな。それに、
何だ? この声は?」
 聞き覚えのない声を記憶から手繰り寄せたが、その声が儀式の間の手前で鋭い声を発し
た女の声と違い、ゆっくりと誘う声色だったので一致しなかった。
 そのため誰だか判別できなかったが、己の心根と共鳴したと勘違いしてやり過ごした。
 だが、影響されたのは事実で、複雑な心境で彼に対する嫉妬と情を受けた記憶が絡まり、
動くべき所を何度も見誤っていた。


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