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Awake

56 Awake 4話(2/9) :2013/09/20(金) 05:53:25
 ネイサンに捨て台詞を吐いたまま走り去ったヒューは、そのままの速度で地下墓地を探索して
いた。
 そしてある程度己の足で踏破出来る所まで駆け抜けながら、その間に余裕が出てきたの
か己の心を整理し始めた。
――俺は何と口走った? 見苦しい。身近な者にあのような捨て台詞を吐くなど。ヴァチ
カンでもそうだった。親父に詰られたからか? それともネイサンの罪を知っての葛藤からか? 
あいつは俺が気付いていないと思っているだろうが、俺に対して友誼以上の感情を持って
いる事は知っている。男が男を心身共に愛しむ、ソドムの罪を。
何年もの間あいつは俺よりも早く起きて、最初は寝ている俺の頬に唇で触れ「ごめん」と
悲しげに呟いては軽く唇を重ねた。
それに対して俺もまた寝た振りをしてあいつに行動の理由を聞きだせずにいる。
十年前から弟子同士という立場で同じ部屋で寝起きしているのだ、気付かない筈が有ろう
ものか。
寝た振りをしているからその表情は薄目でしか窺えないが、多分如何とも為らない懊悩を
秘めた寂寥の漂う貌なのだろう。
俺からすればその表情をすることは自分の信念を自分で勝手に諦めて己の考えを卑下して
いる癖に、俺が与えるほんの些細な仕草を心のよすがにして己の想いを安定させている身
勝手ささえ感じる。
嫌悪感を覚えてはいるが襲い掛かるような野蛮な真似はしないから、ある程度の稜線は保
っているのだろう。だから我慢は出来ている。
身内が自分に対してソドムの罪を犯しているなどと他人に言っても「拒否すれば済む事だ
ろう」と一蹴されるのは目に見えているし、俺自身が口にしたくない。
俺が矜持と自尊心のためにあいつを叩き売るような卑怯さを感じるから。
それに何故だか分からないが多分、一時の気の迷いだと思うから言わないだけだ。
それなのにあいつが俺に対して好敵手として見ておらず俺自身が勝手にそう考えているの
を知った上で、普段と変わらずに接してくれている事に何故か安堵を感じている。


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