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Awake

38 Awake 3話(8/24) :2013/09/20(金) 05:32:55
「ヒュー……それにネイサン。何故ここにいる!? 何故大人しく寝ていなかったんだ!?」
 師匠は先ほどの醜態を俺達に見られたと思った事で少々気恥ずかしくなったのだろう声
を荒げ問いかけていた。
「父さん……」
 だけどヒューは何故か呆けた顔で一言漏らしただけだった。
「モーリスおじさん! 父さんと母さんの体を……切るようなことなんてさせないよね? そ
んなことしたら二人とも天国に行けなくなっちゃう! 嫌だよ! 悪いことしてないのに
父さんと母さんがかわいそうだ!」
 俺は年上の人間に意見する事に畏れを感じて言葉を続けるためにヒューの手を握り締めたが、
悲しみに心を支配されその声は次第に嗚咽へと変わっていった。
 ヒューはその手を握り締めながら、言葉にならない俺の悲しみと怒りの心を代弁するかの様
に二人に対して一言一句、目を見開いて力強く捲くし立てた。
「そうだ! その糞坊主の言うことなんて聞かないでいい。脅威は去ったんだ、こんな土
地からさっさと出で行こうよ父さん! さっきから聞いていたけど人として動けない状態
で立ち上がって人を害することはないと俺も思う」
「黙れ小僧! 異端者が何を言っても私には通じんわ! ハンターの小僧如きが偉そうに!」
輔祭は糞坊主と言われた事と年恰好に似合わず、自分の提案を真っ向から否定しにかかる
その不遜さが鼻についたのだろう年甲斐も無くヒューに怒鳴り散らした。
 科白を一つ言う度に俺の手を徐々に強く握るヒューの心の内はこの時は解らなかったけれど、
残された者の孤独を自分が感じ取って俺を護ろうとしていたのだろうかと、俺はそう思って
いた。
 たとえ違ったとしても傷ついて己さえも倒れそうだったのに両親の名誉を護ろうとした
師匠や、その姿を見て取り乱さず自分の肉親の生存を喜ぶより先に俺の事を気遣ったヒューの
存在が嬉しかった。


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