したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

Awake

37 Awake 3話(7/24) :2013/09/20(金) 05:32:10
「如何にそれが正教徒の後始末だとしても俺は認めん……認めんぞ」
 首を激しく横に振りながら師匠は背中を丸めて咳き込んでいる輔祭の足元に跪き、呪詛
を唱えるかのごとく何度も茫漠とした目で呟いていた。
 正教の土地においてヴァンパイアによって斃されたハンターはヴァンパイアに成ると信
じられていた。
 そして討伐したヴァンパイアより強い力を持つため、法律の死体損壊罪を無視して秘密
裏に処理される。大概は興奮とパニックに陥った民衆が騒ぎ立てて勝手に行う事が多かっ
たが、逆に聖職者は教区に犯罪者が発生する事態を防ぐために説得をするのが常であった。
 師匠とてこの土地に足を踏み入れた以上その事は重々承知していたが、いざ僚友が目の
前で命を落とし、自身も血だらけで疲労している状態で正気や理性など意味を為さず、結
果はどうであれ守るべき人々に対して手を挙げようとした己の自制心の脆さが許せなかっ
た、と言っていた。
「嘘だ……そんな」
 ヒューが狼狽した顔に両親が死んだ事を確信した俺は、ヒューに正面から取り縋り小さく呟く
と双眸から滂沱の涙を流した。
「じゃあ、父さんと母さんは……? 死んじゃったの……? それに浄化って?」 
「聞くな」
「教えてよ」
 ヒューは一瞬目を俺から背けてきつく自分の唇を噛んだ後、俺の目を真っ直ぐに見て一呼
吸置いて言い辛そうに言葉を発した。
「お前には辛いかも知れないが……グレーブスおじさん達は皆の前で筋を切られ、火葬され
る。本当はあの坊主が村の連中を止める役割のはずなのに……畜生、自分が先頭に立って
後始末を指揮するらしい」
「嫌だぁぁあー! そんなのっ! そんなの……うわぁああぁあぁ――……」
「誰だ!?」
 輔祭が大声で問いかけた事に俺は体が縮み上がり、咄嗟にヒューの背後に回って祭壇側を
見た。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

悪魔城ドラキュラ Best Music Collections BOX(DVD付) / SMD



掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板