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Awake

22 Awake 2話(8/16) :2013/09/20(金) 05:13:14
 教皇庁に着くと、スイス衛兵が訝しそうに三人を見た。それもそうだろう、一般信徒が
教皇庁の聖職者個人の書斎に訊ねて来る事などあまりないからだ。
 しかし、見習いが司祭の名を出すと衛兵は快く通行を許可してくれた。
「いいですか? お判りでしょうが僕の師匠である司祭と、貴方がたが同国人でも、ここ
からはラテン語以外の言語で会話する事は禁止されております。くれぐれもご注意を」
 見習いは歩きながら、あどけない表情をした顔の近くで念を押すように、人差し指を左
右に振ると、こましゃくれた科白を言った。
 そして司祭の個室まで来ると彼は扉をノックし来訪者の到着を告げ、司祭の許可が下り
ると扉を開けてから、三人が中に入るまでドアノブを持ったまま待機した後、扉を閉めて
もと来た道をしずしずと戻っていった。
 その部屋には書類と封蝋を開封した手紙がいくつか投げ出して置いてある、事務用と思
われる司祭の机の前に、質素な造りでありながら、よく磨かれた高品質のマホガニーの椅
子とサイドテーブル一組と、後ろの壁の方に随行員用の長椅子が用意してあり、淹れたて
であろう、温かい湯気が心地よく紅茶とミルクの匂いをさせていた。
「やぁ、モーリス。久しぶりだなぁ元気にしてたか? ヴァチカンで紅茶とは趣も何もあった
物ではないが、教皇庁ではコーヒーより紅茶が好まれるのでね。あ、勝手にくつろいでて
良いよ。見習いの言った事は気にしないでくれ、久し振りに母国語が聞けるのは嬉しいか
らね」
 司祭と思われるモーリスより年嵩に見える男性は来訪者を見ずに、軽食が揃えてあるティー
テーブルで三人分の紅茶を淹れながら、陽気な声の母国語で暗い面持ちをした三人を迎
え入れた。


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