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Awake

191Awake 16話(4/11):2013/12/21(土) 06:32:44
「…愛情を独占したい…仲間を蹴落としたいとは思わぬのか?」
「……」
「貴様の友人は思っていたぞ…。」
――確かに、ヒューはそうだったかも知れない。だけど、それは他人が口にしていい種類の
言葉じゃない。
「我はその闇を増幅し、力を与えてやったのだ。」
 大仰に声を抑揚させ、それをあたかも人の感情全てを読み取り、実現させる事が出来た
と言い放った真祖の力にネイサンの心は震え恐れたが、他者を虫や獣かの様に認識し、興味本
位で足や羽をもぐような残酷な子供と対峙しているようだった。
ただの魔物なら一笑に伏すだけだろうが、強大な魔力を有している真祖であれば殆どの
生物に対する生殺奪与の権を簡単に握れる状況を作り出せる事に、改めてこの眼前の敵は
この世のためにあってはならない存在だと激しく嫌悪した。
「貴様っ!!人の心をもて遊ぶとは!許さない!」
 内容に迎合や共感を一切覚えず、ネイサンの心の中は憤りだけが広がった。
愛する者を踏みにじり、弄び、その命を軽んじる魔王に鉄槌を与え、煉獄へ叩き落とさ
なければこの世は地獄と化す――若きハンターの双肩にかかった最終決戦はここに始まっ
た。

――師匠。この仇敵を煉獄に送り返したら、皆で生き延びた事を分かち合いましょう!
 そう心で宣言するや否や、真祖の体が光の柱に覆われ蝙蝠がその周りを纏った。刹那、
一瞬にしてネイサンの眼前に立ちはだかり手を翳すと蝙蝠が飛びだして来たが、その攻撃には
俊敏さと威圧が見られなかった。
 無数の蝙蝠は真祖を覆っているものの、召喚した蝙蝠の数は躱し、攻撃するだけで消滅
できるくらい少なかったからだ。
――今まで戦ってきた魔物や駒に比べると攻撃の質が劣っている。どう言う事だ?
 すると、いきなり電流を纏った大量の蝙蝠が不規則な軌道を描いて急襲して来た。


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