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Awake

179 Awake 15話(6/14) :2013/12/20(金) 23:16:10
 しかも独りごち、批評まで行う始末。盤上の駒を弄んでいる感が見受けられた。モーリスの
耳朶に心ない科白が掠めると、怒りに震え落涙した。
――貴様の様な外道のためにこれ以上人々の命を落とさせてたまるか! 
 それからモーリスは己の置かれた立場に改めて絶望し、グレーブスと対峙しつつも今一度、許し
を乞うため夫人を見た。
「……済まない。俺には友を殺す事でしかこの世を救えないようだ。許してくれ」
 小声で呟いた瞬時、グレーブスが剣をつがえモーリスに突進して来た所を聖鞭で彼の剣を絡めと
り攻撃する手段を失わせ、同時に対峙していたグレーブスの許から薄笑いを浮かべ観戦いてい
た真祖の玉座へ駆けあがった。
 当然、血肉を求めていたグレーブスが攻撃の手を緩めるはずもなく、素手でモーリスの体に飛び
掛かって首筋を噛み切ろうとしたが、その気配にモーリスは彼の胸部に聖鞭を振り下ろし、玉
座に向かう階段から叩き落とした。
 その一撃でグレーブスの行動が停止した。血と灰が混ざった奇妙な光景が眼下に広がったが、
微かに動いていたため死んではいないと確信したモーリスは、真祖と雌雄を決するため今度こ
そ一対一で対峙し闘争した――

「……終わった、やっと終わった……」
 モーリスは真祖の消滅を確認してから糸が切れた様にその場にへたり込もうとしたとき、空
間全体に振動が走った。
「城の崩壊は案外早かったか」
 心を奮い立たせ、ぐらつく足元をものともせずグレーブスを抱えて脱出しようと試みた。グ
レーブスを支えようと自分の肩に彼の腕を回しながら、玉座下の階段で息絶えているグレーブス
夫人を見た。
――今、グレーブスの体内から流れている血液に灰は見当たらない。多分、グレーブスの魂は人
の世に留まったと思う。安心して君は一足先に眠っていてくれ。父と子と聖霊の名におい
て。アーメン……
 物言わぬ夫人の躯に別れを告げ、モーリスは意識が飛んだグレーブスを支えながら城外へと脱出
するため、歩みを進めた。


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