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Awake

146 Awake 13話(6/15) :2013/10/14(月) 00:27:42
 それでも礼拝堂で見た彼の危うさを心配し、なおかつ自分が存在と心を渇望している彼
の姿に、疲弊した心身は甘き妄執に目を向けないではいられなかった。
 その上、衣擦れの音や、質量のある鉄靴の音を響かせながらネイサンに歩み寄って来た事で
正常な判断ができなくなった。
――幻のように姿は揺らめいていない。それに、幻覚だとしてもこんな質量を持った幻覚
なんてあるのだろうか? もしかしたら操られているのか? 俺を絡め取るつもりなのか?
だけど本物ならむやみに攻撃できない! 
 ネイサンは彼に声をかけ、どう反応するのか確かめようとしたが、口を開く前に真剣な眼差
しでヒューがゆっくりと彼の方に寄ってきたので鼓動が高鳴り、硬直した。
 やがて、動けない体を強く抱きしめられると、絡みつくように体を重ねてられて、立っ
たまま壁に押し倒された。罠と分かって試していても切ない欲動を感じ、天を見上げるよ
うに頭を静かに上げながら目を閉じて深く嘆息した。
 だが、深く唇を重ねようと迫ってきた時に、ネイサンの目は完全に覚めた。
――人の匂いがしない! やっぱり幻覚だ! 現実を思い出せ、俺の姿を見てヒューはこの城
で嫌悪を顕にしていたじゃないか。辛くとも、いろんな状況が俺を救ってくれる。幻想な
んて捨ててやる!
「これは俺だけの感情だ。あいつの心と体は俺を許していない! 消え失せろ!」
 吼え、幻視を強く押し退けてセイレーンのもとまで近づくと、飛び回って逃げ惑う怪鳥を一体
ずつ始末したと同時に幻は瞬時に消え失せたが、自分でも叶わぬ想いである事象が目の前
に現れたことで、否応なくヒューに対する感情に虚しさを覚えてしまった。
 幸いにも聖鞭の力で己の精神が操られないことに安堵を感じつつ、自分勝手な欲動に指
向している心の脆さに腹を立てられずにはいられなかった。


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