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Awake

143 Awake 13話(3/15) :2013/10/14(月) 00:22:53
「だが、正道を以って私と対峙する者の浅ましさは、何度見ても唾棄すべきものだ。今度
の獲物は少々ましだが、大望を持つでもなく小さな幸せをかき集めて自分のものにしたい
と願う貪欲さ……私には望んでも得る事の出来ない、他人との関係を紡ぎたいと願う腹立
たしい欲望。どんな大望よりも、ただある当たり前の幸せを護りたいと思うその心が私を
苛立たせる……それなら己の欲望にのまれて、潰えるがよい」
 そう言うとカーミラは静かに目をつむり、己の魔力を解き放って幻覚の結界を展開した。
 魔力を放出され、ただでさえ凍てつく空気に、ネイサンは己を屠ろうとあらゆる方法で攻撃
してくる敵を避けながら息を上げるくらい必死に駆けているものの、纏わりつく瘴気のよ
うな魔力によって深淵に近づくにつれ幻が見えてきた。
「……? 誰かいるのか?」
 敵を察知するために気を張っていたネイサンは少々、周りに対して敏感になっていた。
 その虚をカーミラが突き、己のフィールドに侵入してきた獲物をいたぶるための罠に彼は絡
め取られたのである。
「幻を追いかけるがいい」
 カーミラは己がボロ布のように散々いたぶり、真祖に投げやったヒューの姿を遮蔽物に隠れてい
た魔物の表層に一時的に固着させた。
 先程まで血と汗に塗れて重く汚れた姿とはうって変わって、黒い鴻毛の如き長髪をたな
びかせて走るヒューの後ろ姿をネイサンは確認すると、再び自分より先にこのエリアに侵入してい
たと思い、今度こそ説得し、共闘するために呼びかけた。
 だが、聞こえないのか、そのまま走り去り、いつしか消えてしまった。
「待ってくれ! どうして何も言ってくれないんだ! 応えてくれ!」
 見失った事に落胆しつつも息せきかけて辿り着いた場所を確認して、ようやく走り去っ
たのは幻影だと理解した。


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