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【原作】ドラキュラ・キャスバニ小ネタ/SSスレ【準拠】

77 古歌-イニシエウタ-【四ノ歌】14/11 :2011/03/28(月) 00:21:30
「でしたらあの二人は、貴方さまのもとで教育なさればよろしいでしょう」
 考えあぐねた彼に助言を与えたのは、やはり妻だった。
「余のもとで。余が教えるのか。子供を」
「子供というほど幼くはありませんわ」ヘクターは十歳、アイザックは十一歳だった。し
かし厳しい暮らしが彼らの魂を大人びさせていた。
「二人は魔力を持っています。誰か導いてやるものが必要です。そして、この世界に貴方
さま以上に魔術の扱いに通じた方がいらっしゃいますでしょうか。この先彼らが幸せに成
長するにも、立派な大人になるにも、貴方さまのお導きがあれば安心でしょう。あれだけ
の力を持つのなら、大きくなればきっと貴方さまのお力にもなります。それに」
 抱いた子供をあやしながら、彼女は悪戯めかして微笑んだ。
「この子にも、そろそろ人間のお友だちが必要ですわ。──いっしょに勉強したり、遊ん
だり、取っ組みあって喧嘩したりできる誰かが」
 妻の真意がどこにあったにせよ、彼はこの忠告を受け入れた。ヘクターとアイザックは
小さな部屋をそれぞれ与えられ、新しい衣服と靴をひとそろい貰った。小さな公子の小姓
となるのに恥ずかしくない小綺麗な服だった。身に秘めた魔力のおかげで、彼らはなみの
人間の入り得ない闇の城を自由に歩き回れた──主たる魔王の許しがあってこそだった
が。
 また妹──ジュリアといった──については、妻が自ら手もとに話し相手として引き取
り、礼儀作法とともに、薬草の知識や賢女としての心得、女性の手仕事などを教えた。精
霊の侍女たちははじめこのおびえた顔の少女を軽蔑していたが、そのうち、彼女にも兄ほ
どではないが、太古の魔力が宿っていることを知って、ささやかな魔法を──もつれた糸
を使って人を惑わす方法や、人の瞼に振りかけて眠り込ませたり、自在に恋に落ちさせた
りする不思議な粉薬の作り方を伝授しておもしろがった。
 七歳になった小公子は、城の図書館に棲む老爺から初等教育を受けはじめたところだっ
た。ヘクターとアイザックもそれに加わった。ほとんどの庶民と同じくヘクターは読み書
きができず、アイザックは一族の口承で呪文を教わっていただけで、文字についてはヘク
ターと同様だったので、七歳の子供の勉強仲間としてはちょうどよかった。


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