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【原作】ドラキュラ・キャスバニ小ネタ/SSスレ【準拠】

55 古歌-イニシエウタ-【二ノ歌】17/17 :2010/07/12(月) 22:34:23
 婚礼の準備は慌ただしく行われた。女主人が戻ってきたことに有頂天になった侍女たち
は、ここぞとばかりに彼女を飾りたてた。これまで与えられたすべての衣装が引き出さ
れ、点検され、縫い直されて、新しいものが仕立てられた。黒小人たちは花嫁のための華
麗な装身具を作るのに必要な宝石と貴金属を手に入れるために、行ったことのないほどの
地下深くにまで潜らねばならなかった。軽やかな空気の精たちの手で休みなく織機が動
き、またたくまにまばゆいばかりの花嫁衣装が縫い上がっていった。
 列席するのはごく少数のものに限られた。闇を統べる王が人間の妻を娶ることを、快く
思わないものも多かったからである。〈死〉もそのひとりであった。
 ──賢い判断とは思われぬ、我が主。
 準備を指図する主に向かって、陰気な顔を黒い頭巾に隠した〈死〉はうつろな声で進言
した。
 ──あの女は人間、いつか老いて滅びるとはすでに警告した。そばに置くならば、血の
口づけを与えて闇の花嫁となされるべきであろう。よいことではない。
「汝の主は余か、それとも汝か」
 不機嫌に彼は答えた。
「かつて奪われた者を、運命が返してよこしたのだ。なぜそれを闇に引きずりこむことが
ある。余はエリザベータを人として愛し、喪った。リサもそうする。いずれ喪うとして
も、余は彼女を人として愛する。闇に彼女を染めることはせぬ、決して」


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