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【原作】ドラキュラ・キャスバニ小ネタ/SSスレ【準拠】

15 無題(4/6) :2007/01/04(木) 03:28:40
やはり幾ら包み隠さず話すとは言っても、その想いだけはネイサンに
告げるべきではない。彼が余計混乱するだけだと思ったヒューは言葉を切った。
 と同時に行き所の無い想いは、彼の漆黒の瞳から止め処なく涙をこぼれさせ
赤い絨毯の上に雨のように滴り落ちた。
――聞きたくなかった。力を持っている矜持を誇り、自尊心が高いこの男から、
そんな自虐的な感情を曝け出した言葉なんて。
「もういい…」
 ネイサンはこれ以上、師匠のモーリスの元で一緒に育ってきた親友の痛々しい姿を
見聞きしたくなかった。幼い頃から力強く、その上で人よりも何倍も努力してきた
青年の弱音など。
 そう思うと自然に耳目を閉ざしたい気持になり、ヒューの後悔の念を遮りたい衝動に
駆られた。
 しかし、死を覚悟したヒューはネイサンが聞こうが聞くまいが、総てを言うつもりで続けた。
 己の愚かしい感情のためにこの身は魔道に堕ち、その所為で愛する者の行く手を
遮って時間を取らせてしまった事への後悔と、いまだに己の心の強さを自覚して
いないネイサンに、真祖ドラキュラを倒す事のできる自信と、傷ついた自分の代わりに、
ドラキュラに捕らえられ生贄にされかけている自分の父親を助けてくれと、
どうしても伝えたかったから。
「そんな俺の心の闇を、親父は見抜いていたんだろう。だからお前を…」
「よすんだ」
――それは闇でもなんでもない。人間誰しも持ちえし感情だ。挫折を知らないお前が
陥った感情の罠だ。それを自覚せずただ、己が処理できない感情を闇雲に力で捻じ
伏せようとしたから……心が折れたんだ。師匠は決してお前を見捨てたりしない。
無駄に死なせたくなかったから敢えて力を持たせなかっただけだ。
 力強くネイサンはヒューの自虐的な科白を否定した。しかし、ヒューは今もって弱音を吐いている。


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