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【原作】ドラキュラ・キャスバニ小ネタ/SSスレ【準拠】

13 無題(2/6) :2007/01/04(木) 03:27:22
――こんなに傷ついても「痛い」の一言も、見苦しくのた打ち回る事もしない。
あの聖鞭で数十回も打擲したにも関わらず、だ。
 ヒュー、そこまでの体力と精神を持ち合わせておきながら、お前は何故魔に
取り込まれたりしたんだ? 
「ヒュー……気が付いたのか……?」
 ネイサンは本当に解呪したかしないか判らないが、叫び続けて嗄れた咽喉から
確認のためかどうかも自分で判断できないまま、ただ、声を漏らした。
――声が掠れている。俺と戦っている間、ずっと声を掛けていたのか?
 何と苦しく、今にも泣き出しそうな貌をしている? 俺は何時からお前に
そんな表情をさせていたのか皆目分からない。
 ヒューは泣きそうになって、じっと自分を真摯な眼差しで見詰めている弟弟子――
ネイサンの傷ついた輝きを放っているグレーブルーの瞳を理解出来ずに、辛そうな表情を
しながらも呆と不思議そうな眼差しで仰ぎ見た。
 そして、どうして良いか解からず、だが目の前の弟弟子に対してこれ以上
悲しませたくない気持が先走り、抱き留めて自分が思いつく限りの感謝の言葉を
彼に伝えようと思い手を動かそうとしたが、筋が傷ついているのだろう指先しか、
それでも痛みを伴っているが動かなかった。
「…ありがとう…。聞えたよ、お前の呼ぶ声が」
 動かない躯の替わりに先程までの苦渋に満ちた表情を掻き消し、微かな笑みを湛えた
柔らかい顔付きと、低いながらも緩やかな口調で伝えた。
 まるで罪を償い、総てを赦された罪人のように清々しい心持で。
 それに伴い、一筋の涙がヒューの頬をつたった。彼に、ネイサンに己の愚かな行動を取った
経緯を包み隠さず話し、もう元には戻れないかもしれないが親友として心の声を伝えたい。
そう決意したゆえの涙でもあった。
 今までの自分であればいい年をした男が、己の恥かしい部分を他人に見せるのは
情けない事だと頑なに拒否していた。
 そして、この躯は痛みで動かない。死期を覚悟したがヒューはネイサンに心残りが無いよう、
敢えて気丈に伝えようと思った。


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