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NON-TSF「偶然が、あたしを。」※再掲、修正・加筆

15luci★:2016/10/27(木) 00:48:27 ID:???0
「でさ」
「うん? なに?」
「どんな感じ? 五人に輪姦されるのって」
 突然、心臓を掴まれた気がした。まわされる、って、あのこと――言ってるの?
「え、と、あの、さ、紫帆ちゃん? それ、なんの話?」
「あたしとみーちゃんの仲じゃん? 言っちゃいなよ、あたしも興味津々だし。男子だってさ」
 お箸を持つ手が震える。すごく鼓動が速くなってく。顔を上げるとニコニコしてる紫帆ちゃん。そして、周りには遠巻きにして男子がこっちを見てる。違う、女子も、だ。
 何か言おうとするけど、声がでない。その態度にいら立ったのか、紫帆ちゃんが先んじた。
「あれだけやられてさ、平気な顔して学校来てさ。どんな気持ち? ねぇ、人質いたからってさ、自分から犯されたくないじゃん?」
「あ、あたし、別に、なにも……」
 知ってる? なんで? どうして? 報道されてないのに? 紫帆ちゃん、でも、ひどいよ、こんなとこで聞くことないじゃない――。
「なにも? あはは、知ってるってば。だって、ねぇ?」
 紫帆ちゃんの視線があたしを通り過ぎていく。
『――おちんちんが、ここに入るの。――おまんこにおちんちんが入って、精液がでて、卵子が受精して、あかちゃんになるの』
 目の前にスマホが差し出されて、そこにあたしが、あそこを自分で広げたあたしが、映ってた。全部、映ってる、なんで? どうして画像が……。
「! いやっ」
 スマホを持つ腕ごとたたいて、あたしはぎゅって目を閉じて、耳を塞いで、身体を丸くした。
 うそ、うそよ、こんなの、違う、これ、夢よね? だって、そうでしょう?
「ひでぇな、宮前。俺たち、宮前のことみんな知ってんだぜ? 俺はこれが好きだな」
『も、やっ、こんなの、お願い、やめて、犯さないで』
 いやだ、聞きたくない、聞かせないで、お願い、がんばるって、決めたんだから、気にしてないって決めたんだから、忘れたいの、思い出したくないの、お願い――。
「――やだ、もう、お願い、やめてよ……紫帆ちゃん、助けて……」
「ええ? あたし? みーちゃんさ、勉強できるからってちょっとふざけてるよ。あのさ、犯されちゃうって、結局女の子もアブないトコいくからじゃん。隙があるからじゃん。それってみーちゃん自身が招いたんだよ。あたしが助けるって違うでしょ。だいたいあんただって銀行員見殺しにしたじゃん。どうせやられちゃうんだからさ、素直にはいはい言ってやらせちゃえばよかったんだよ」
 どうしてそんなこというの? あたしが、悪いの? あたし、だって、隙なんて。銀行の人だって、あたし、できることしたのよ? 嫌だったのよ? でもがまんしたのよ――それでも、あたしが、あそこに行ったから、死んじゃったっていうの? あたしが、悪いの?
 教室がざわついて。男子はあたしの身体を見ながら、女子は、あたしが自分から身体を開いたみたいに言って、あたしの心を削っていく……。
「なぁ宮前」
 男子が一人、あたしの手首を掴んで顔を覗き込んでくる。多分クラス替えで同じになったこ。あたしはこのこ、知らない。けど、このこは、あたしの身体見て知ってるんだ……。
 そう考えると気分が悪くなっていく。どんどん。
「俺の、口でしてくれよ。誰にも言わないからさ。口ならいくらでもするんだろ?」
「やっだぁ、サイテー」
 紫帆ちゃんが近くの女子に目配せしながら言う。でも、紫帆ちゃんの目は笑ってる。
『さっきみたいにできるから。ねっ口で、口ならいくらでもするからっ。お願い、やだっ、やめ――』
 一瞬、誰の声かわからなかった。けど、女子が差し出したスマホに映る、泣きながら叫ぶあたしが言ってた。
 急に、口の中にあの味が蘇る。身体中を這いまわる手と舌の感触が震えをひどくさせる。あたしを貫いた、あいつらの、があたしの身体の中から圧迫する。そして、吐きそうになった。
 もう、やだ、だめ、吐きそう……。
 考えもまとまらない。ううん、違う、考えられない。頭の中がぐるぐる回る。あたしは口元を押さえて走りだしていた。
「あ、みーちゃん、どこ行くのよ。あ、せんぱいがぁ、話あるっていってたよー」
 教室から出て廊下を走るあたしに、紫帆ちゃんの声とクラスのみんなの笑い声が追い立てていた。


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