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書き手バトルロワイアル
1名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/20(日) 16:14:49 ID:hSU67rAo0

 過疎の無からロワスレを救う方舟になるか?
 人気ロワを滅ぼす悪夢となるか?
 未来は書き手達に託されたな。

2名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/20(日) 16:16:05 ID:hSU67rAo0
というわけで書き手ロワを始めてみようスレを立ててみる。
色々と決めて投票してとやる事はたくさんだが雑談をしながらぼちぼち行こう。

まずは景気づけと様子見に早速(仮、一次)投票だろうか?
それとも古今東西で書き手を紹介していこうか?

3名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/20(日) 16:22:44 ID:tXBqS/h.0
試しに前知識無しで投票ってのも面白いかも

4名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/20(日) 16:36:50 ID:hSU67rAo0
じゃあ持ち票5辺りで投票してみよう。
早速今から24時まででどうだろう? 早いかな?

LSロワの仮投票&本投票形式の仮投票と同じで、多数票を稼いだのが当選。
それで様子を見て本投票に向けてどんどん決めていくって方法で。

5名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/20(日) 16:45:14 ID:8wArPYwQ0
書き手紹介やるなら交流所で振った方がよくないか?
まあ今振っても人少ないから流れるだろうし、夜まで待たなきゃ駄目そうだが

6名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/20(日) 16:45:34 ID:MsiZ0dRI0
ちと早くない?
前知識なしにやると普段交流所とかで話題にならないロワの書き手は殆ど出れない気がする。
よく話題になるような大手ロワだって、問題起こしたりした書き手をメインにしたいならともかく、
普通にGJだけどそのお陰で交流所では話題にならない書き手が出られないような状態にならんかな?
マイナーロワの書き手や普通の書き手は書きにくいのなら仕方がないけど。

7名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/20(日) 16:49:17 ID:hSU67rAo0
勢いが大事かなーと思ったけど、確かに落ち着いて行った方が良いかもしれない。
それじゃ、しばらくは準備期間かな?
色々と話し合いながら人が集まるのを待とう。

8名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/20(日) 16:54:29 ID:tXBqS/h.0
試しの仮投票のつもりだったんだが、待てと言うなら待とう
じゃあ何か決めておくことある?

9名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/20(日) 16:56:25 ID:nWnrW11Y0
wikiの書き手紹介も良く分かんないとこあるしな。
パワプロで例えられても何のことだかさっぱりだ。
なんか手軽な紹介とかだと嬉しいが…

10名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/20(日) 17:01:42 ID:I/U2hdYU0
・どんな展開・キャラを書くか(対主催、刻印解析、マーダー、ステルス、ギャグ、疑心暗鬼など
・ここが凄い!(速筆、多人数得意、巧みな心理描写/バトル、資料・絵など文以外の支援ができるなど
・代表作(上記2つの特徴が出ている作品

この辺の情報は欲しい

11名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/20(日) 17:11:13 ID:hSU67rAo0
まず書き手紹介は必要と。

投票の形式と何時やるかも決めたいな。
仮投票&本投票形式にするにしても、持ち票何票(5? もっと?)で投票して、
何人まで取って(これは仮投票の票数を見てからでも良いかも)、
あと仮投票だけでも何時やる(明日にでも? 数日後? 次の土or日曜?)か。

それと能力者化OKか、あるいは一般人にするかも決めたいな。
能力者とまでは言わずともあるていどはっちゃけて書きたい気はするw

12名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/20(日) 17:18:42 ID:8wArPYwQ0
当落に関係するのなら、仮投票も書き手紹介がある程度出てからの方がいいな
前知識なしにやると有名ロワの書き手だけで埋まりそうで過疎ロワ住民としては寂しいw

能力者化はアリに一票
その書き手の自ロワorよく書くキャラ、上手いキャラに限定、くらいが丁度いいだろうか

13名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/20(日) 17:23:06 ID:nWnrW11Y0
有名ロワでもマイナー書き手の俺が通りますよ。

能力者化は一般人ロワがかわいそかわいそなのです。

14名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/20(日) 17:23:40 ID:6vUoLqlE0
・投票できる範囲(書き手のみとか、仕切りや絵師もありとか)
 (どっちにしろ紹介必須)
・仮投票いつやる?
・特殊能力はどうするか?

まずここらへんかな?

15名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/20(日) 17:24:09 ID:6vUoLqlE0
>>13
「一般人ロワは一般人だからこそドロドロした事ができる」
これが最強の武器。

16名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/20(日) 17:24:49 ID:lqm23uSU0
とりあえず、交流所とかでもよく話しに上がるような有名どころから抑えていくべきかと。

・DQの>>1 :DQロワの立役者
・Sz氏   :ジャンプ2ndの執念の人
・つきのん :うっかり
・軍曹   :いい人
・HIPHOP5代目

【モブキャラ(トリなし)】
・虹色光線
・ヤムタカ
・ユフィ

【以下、ヤヴァイ人達】
・火種閣下
・ギャグの人とギャグの人乙の人
・キャプテン
・いーさん
・GEI氏
・DGの人 :後に色々と悪さをしていたことを告白……

17名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/20(日) 17:36:13 ID:HjUPTTSU0
勉強が入ってないのはギャグなのか?

二次スパの仮まとめも結構凄い人。
まとめがあまりにも充実しすぎてるし、交流所でも話題になったシャアの最期も書いてる。
最近はフラッシュまで作製し出したんだぜ……

18名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/20(日) 17:39:06 ID:8wArPYwQ0
最近はキャプテンの猛威のせいで忘れられつつあるな>勉強

出来れば出るところは各ロワ少なくとも二人は参加者出したいな
普通のロワでもそうだけど、元々の知り合いがいた方が書きやすいし

19名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/20(日) 17:43:47 ID:lqm23uSU0
勉強「ホラ、こうやって自演すりゃいいんだよ」
キャプ「す、すごい! これで自分の思い通りになりますね!」
2人 「ふふふ、計画通り……」

住人「あいつら、あれでバレて無いとでも思ってるのかねえ……

思いつきでやった。後悔はしていない。

20名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/20(日) 17:46:44 ID:MsiZ0dRI0
みんなのしたらばにこのスレがある以上、画鋲氏には是非出て欲しいな
拡声器でラジオ敢行…あ、んな事したら死んでしまうw

21名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/20(日) 17:49:40 ID:Kl5jpfys0
リュカ死ねの人
ぼくのアルルの人
リアルタイム
死亡者図鑑

感想の人(脇役ロワの人)
書き手バトルロワイアル>>1の人

22名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/20(日) 17:56:33 ID:hSU67rAo0
ラノまとめの人も凄いぞ。
あれがまとめロワの規格というか、お手本になったんじゃないかと思ってる。
更新滞ってwikiに移行したわけだけれど。

23名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/20(日) 18:04:44 ID:pS2uCpBI0
ttp://www.geocities.jp/jump_kakite_br/

参考までに、某の書き手ロワが載ってるとこ紹介しとく。
まぁこれはネタ成分が強いんで参考にならないかもしれないがw

24名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/20(日) 18:06:42 ID:9EW2zO5s0
某の書き手はまんま志々雄だったり、まんま斉藤だったりと既にキャラが立ってて面白かったなぁ。
いや、あの頃の某はよかったなぁ……。

25名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/20(日) 18:28:44 ID:NsR23gJQ0
鳥ありロワを選出してから、各ロワ五名前後を参加者として。
鳥なしロワ救済策として、作品単体で五名程度選出。
DQN枠も五名前後。
あと、読み手枠もいるか?

26名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/20(日) 18:29:46 ID:ftGkCqIk0
なら、ちょっとした紹介でも書くかな。俺が知らない人や詳細は詳しい人に任せる。

>>16
・DQの>>1 :DQロワの創立者。序盤から書きまくってみんなを引っ張る。序盤の作品は殆どこの人。
     アリス、ゴンなどのDQロワを代表するキャラを生み出した。

・Sz氏   :ジャンプ2ndに執念を注ぐ。全SS中半分近くの作品を書いている。
       以前、3日連続投下をやったことがある。シティーハンターが好きみたい。

・つきのん :葱とギャルゲの管理人。うっかりアニロワしたらばにスレを立て、ネタとしていじられる。
       軍曹と協力してキャプテン討伐作戦をしたことがある。

・軍曹   :アニロワしたらば管理人。アニロワが序盤の大荒れ(キャプテンが原因)を乗り切ったのは軍曹が皆を先導したから。
       「おのれ」「なぜ殺たし」「この軍曹」など軍曹言葉(ハートマン系)で話すことがある。LSでも地味に書いてる。

・ヤムタカ  :某にてネタを振り続けた人。ヤムチャとタカヤが強キャラを理不尽に殺すSSを書き続けた。
        某の書き手ロワに出たことアリ(ヤムチャを崇拝する天然美女、通称ヤム子)。

【アニロワ編】

・LX氏   :Mr.長編作家。守備範囲がハンパない。脱出フラグは殆どこの人が立てた。MADを作ったのもこの人。
       設定年齢19歳。蟹座のBがt(ry

・lb氏   :アニロワの土台。繋ぎの人。投下量No.2。以前はテイルズにいたらしい(ミントの拡声器話など)。

・2k氏   :二つ名は鉄槌。バトルの人。デバイス殺し。

・S8氏   :地図の人。絵がメチャクチャうまい。多才。

・Ww氏   :最速の人。後半から参加したが、投下量はトップクラス。

【LS編】

・ボマーさん :爆弾的な状況を作りまくる人。自分で起爆もするが、他人に爆破させるのが好きらしい。

・666氏   :エロい人。女キャラを脱がせた量No1。漫画アニメラノベゲーム同人と圧倒的知識量を誇る。

27名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/20(日) 18:38:18 ID:wacgobSw0
【アニロワ】
・まとめwiki管理人  :黙して語らず、wiki編集立役者。軍曹の提案に乗ってアニロワwikiを提供。どうも読み手?
               ロリショタ、ギャルゲwiki管理人でもある

28名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/20(日) 18:39:49 ID:EgjcIwtA0
転載だけど

【カオスロワ】

リアルタイムカービィの人
TCBR1で、ドロッチェが登場するSSの多くを書いたと目されている作者(ただし同一人物という証拠があるわけではない)
リアルタイム投下など、やや問題行動があったため強制参加。
しかもドロッチェによってズガンされ、書き手勢では最初に退場となった。

ルートFの人
TCBR1でも屈指の名作とされている「Fルート」の書き手。
ロウルートではハードボイルドな男として活躍している。オープニングから登場。
支給品も良く、現在書き手勢では最も恵まれている。今後も脱出派の要となれそうだ。

◆6/WWxs9O1s氏
鳥付きの書き手としてはTCBR1では投下量最多を誇る。
魔法老人リリカルかみなりやクルミマーダーシマリスを生み出したのがこの人。
しかしネタキャラ量産、マーダー量産で他の書き手がリレーしにくくなったことが迷惑行為とみなされたのか強制出場。
ロウルートではニヒルな少女として登場。オープニングの語り手。
シマリスにクルミ投げを伝授されたり、誤解フラグが立ったり本人までネタキャラ化している。
これも因果か。

◆qSSOg86y8s氏
TCBR1での中心的な書き手の一人。
特に何の迷惑をかけたわけでもないのだが、なぜか強制出場。多分一般書き手代表。
ロウルートでは俺っ娘として登場。書き手にはなんか萌えキャラが多い。
支給品がDSだったり、早速ステルスマーダー白鳥隆士に利用されてたりとこちらもこの先茨の道と思われる。
彼については別に何の因果もないのだが・・・・・・

◆E3y/x3899E氏
通称いーさん。
カオス以外のロワでも書き手をしていて、パロロワ界では結構有名な人。
ロウルートでは女子小学生として登場。支給品はスクール水着。TCBR1で迷惑をかけたとはいえ、あんまりだ。
しかも早々に変態代表岸田洋一に拉致られる。その後リリカルかみなりとも合流。

【LS編】
o.l氏  :オッドアイの人

29名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/20(日) 18:42:59 ID:NsR23gJQ0
感想の人:どんな作品にもしっかりとした感想を返す人。
     作品本体よりも長い感想も書くこともしばしば、この人の過大解釈には感動すら覚える。
     ハサンの活躍やお魎死亡などの作品も手がける書き手でもあった。


他にも学生ロワ瞬殺の人と学生ロワプチ執念の人も加えてくれ。

30名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/20(日) 18:48:50 ID:hSU67rAo0
◆LXe12sNRSs:アニの最多作作者。ミスター長文作家、アニロワの大黒柱。
       脱出フラグの多くを立てている為、脱出派となるか?
◆l8jfhXC/BA:ラノの最多作作者。ロワ推進派で、多数のキャラと展開を使いこなすオールラウンダー。
       普段は適度に纏めるがここぞというところで必殺の連作を魅せる神書き手である。
◆3k3x1UI5IA:LSの最多作作者。同数の書き手も居るが、連作の分でこちらが最多だろう。
       危険人物を量産するため、ボマーという渾名を付けられた。
◆6/WWxs9O1s:TCBRの(多分)最多作作者。アサシンマーダー・シマリスの生みの親である。
       ロウルートではシマリス師匠にクルミの使い方を伝授されている不幸っ娘。
◆AX90vj3jog :アケロワの多分最多作作者。闘犬。高い文章力と安定した構成に定評がある。

各ロワの最多作作者を集めていたら幾つかしかもより詳しいのが出てるっw

31名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/20(日) 19:01:07 ID:CxJNe3gQO
【カオスロワ】
二代目リアルタイム氏:
リアルタイムカービィの人の後に続いて現れた謎の人物。
三村信史似。
死亡者図鑑:
カオスロワの死者をまとめようとしたが色々あって暴走。
その正体は怪しい少女、モブキャラと様々。

32名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/20(日) 19:01:13 ID:4uoMaMK.0
ギャルゲは序盤だけあってつきのん以外キャラの立った人はいないなあ
あえて挙げるとしたら葉鍵で100レスの大作書いた人ぐらいか

33名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/20(日) 19:05:27 ID:Kl5jpfys0
自分を売り込もうと過去作を見てきたら
問題になりそうな奴は名無しで投下してたから
これといって売り込めない事に気付く、残念w

34名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/20(日) 19:09:12 ID:lqm23uSU0
おい! 日付変わってID変わったら、ちょっと自トリを売り込みまくる祭りをしてみないかい? w

35名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/20(日) 19:10:38 ID:EgjcIwtA0
>>29
あれか……。
ちょいと紹介文を書いてみよう。

【学生キャラロワ】
漫画キャラ板に立てられた乱立ロワスレの一つ。
4月にキャプテンが起こした「アニロワ2nd」騒動の際に、乗っ取られた。
なし崩しに投票が始まり、参加作品と参加者が確定。作品数:12 参加者数:30人
だが、オープニングからエンディングまで、わずか30分で1度完結を迎えた。


瞬殺の人:わずか30分で学生キャラを終わらせた人。
     知らないキャラは容赦なくズガン、
     うっかりしていたのかねじ込みたかっただけなのかさだかではないが、
     参加キャラの中に入っていないキャラを放り込む、誤字多し、等の欠点はあるものの
     作品自体は非常にまとまっていて十分に鑑賞にたえるものとなっている。
     

プチ執念の人: 上記の人が完結させ、誰もいなくなったころに現れた人。
       本人曰く、遅筆なので他のロワでは書けないから、ということらしいが、
       その文章力は目を見張るものがある。

36名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/20(日) 19:17:44 ID:8wArPYwQ0
じゃあ詳細書いてみるか

DQの>>1:文字通りDQロワ初代スレの>>1であり、企画立案者。
    ルール設定、投票の音頭、集計、OP、ロワ開始直後のキャラ登場話を数多く手がけ、
    アリス、ゴンなどのDQロワを代表するキャラを生み出した。かの五人殺しもこの人。
    ガンガン殺ろうぜな作品とは対照的に、案外恥ずかしがり屋さんのようで、
    ラジオの際にも「>>1さんはシャイなんでそっとしといてあげて下さいw」
    と他書き手に庇われたりする微笑ましい場面も見られた。

37名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/20(日) 19:43:18 ID:NsR23gJQ0
とりあえず上に上がった人まとめ

【書き手バトロワ】
>>1

【アニロワ】
・LX氏
・lb氏
・2k氏
・S8氏
・Ww氏
・軍曹
・画鋲氏
・キャプテン
・まとめwiki管理人

【LS】
・ボマーさん
・666氏
・o.l氏
・◆3k3x1UI5IA

【カオスロワ】
・リアルタイムカービィの人
・二代目リアルタイム氏
・ルートFの人
・◆6/WWxs9O1s氏
・◆qSSOg86y8s氏
・◆E3y/x3899E氏
・死亡者図鑑

【アケ】
・◆AX90vj3jog
・ぼくのアルルの人
・虹色光線

38名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/20(日) 19:43:29 ID:NsR23gJQ0
【FFDQ】
・火種閣下
・リュカ死ねの人
・ユフィ

【DQ】
>>1

【ラノ】
・◆l8jfhXC/BA

【ギャルゲ】
・つきのん

【某】
・ヤムタカ
・勉強

【ジャンプ2nd】
・Sz氏

【HIPHOP】
・HIPHOP5代目

【学生】
・瞬殺の人
・プチ執念の人

【脇役】
・感想の人

【わからん】
・ギャグの人とギャグの人乙の人
・GEI氏
・DGの人

39名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/20(日) 19:44:26 ID:YpVDz0VI0
LSの◆3k3x1UI5IA=ボマーだから被ってるよ。

40名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/20(日) 19:49:58 ID:HjUPTTSU0
ギャグの人が葉鍵でGEIがスクラン、DGはスパロボだったはず。
DGの人はスパロボではなくてよそで色々やってたのが問題なんだけど。

41名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/20(日) 19:50:30 ID:lqm23uSU0
・ギャグの人とギャグの人乙の人
→葉鍵3。ギャグの人は問題書き手? で、ギャグの人乙の人は、自分の気に入らない人を全部「ギャグの人乙」で済ませる人。

・GEI氏
→スクランで、特定のカップリングに執心し、ひたすらそのカップルが有利になるようなSSを書き続けた人。
何故か儲が付いている(自演??)。

・DGの人
スパロボでの難関、デビルガンダムをどうにかした人。
しかし、サブカルの「バトロワスレがうざい」のスレ内で、ロワ乱立の助長や某への荒らし工作、他様々な悪行を重ねてきたと告白した。

42名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/20(日) 19:54:09 ID:kei2fJds0
ギャグの人は自分が気にいらない話は全部感情論で批判→アク禁された人
交流所に突撃してたから、そこら辺を使えば特徴付けれるんじゃないかな
ロワなら直情型猪突猛進マーダー?

43名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/20(日) 19:54:59 ID:Kl5jpfys0
あとはボンドサコロコロ書いたムツさん@アケとか
葉鍵紙媒体化の瀬戸さん@葉鍵とか
ハカロワフラの中条さん@葉鍵とか
読み手代表の名無しとか
…ってキリが無いな

44名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/20(日) 19:59:41 ID:fgTU78Lg0
スパロワ系からはイングラム死亡の人と二次スパ仮まとめの人を是非入れたいところ

45名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/20(日) 20:00:42 ID:lqm23uSU0
ふと「読み手代表の名無し」のキャラを掘り下げると面白いんじゃないかと思えてきた。
我侭だとか、自分では何もしないとか、でもさりげない「GJ!」にはグッと来る、とか……
書き手達の日ごろの鬱憤が詰め込まれていくかも知れないぜ?w

46名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/20(日) 20:03:30 ID:MsiZ0dRI0
スクロワの主力書き手を挙げておく

1◆PhRNUx7oBQ:スクロワの>>1。最初のスレ立てからSS投下、まとめサイトの運営まで行う。
               まとめサイトは完全にギャグ路線だが、SSは割りとシリアス(しかも疑心暗鬼、鬱系多し)
               放送SSも殆ど彼が執筆・投下しており、スクロワの円滑進行に貢献。
               早筆で投下は繋ぎ中心。書き手が付かないパートをよく繋いでいる。

◆X7WwwzkoUU:スクロワ初期からいる主力書き手。
              繋ぎや心理描写にとても定評があり、どのキャラクターも書き分ける事ができる。
              内容もシリアスからギャグ、脱出派から優勝派まで、実に様々な分野を手がける。
              スクロワ最多の投下数を誇るにも関わらず、未だに優勝派か脱出派なのか、そのスタンスが読めない。


◆RHLa6nIQ9U:同じくスクロワ初期からいる主力書き手。
              こちらも繋ぎ中心で、心理描写の丁寧さが人気の書き手。
              そして対主催や脱出に有利な話を書いたかと思えば疑心暗鬼を広めたりしており、彼もスタンスが掴めない。
              かなりの早筆のようで、予約無しで突然投下する事もしばしば。

◆.Cb.m05RN.:中盤から参入した新人書き手。だがその投下頻度は早く、今やスクロワでも上位に入る投下数を誇る。
            新人ゆえか作品を投下する毎にその成長ぶりがうかがえ、読み手に対する態度も謙虚で支持する者は多い。
            内容はゲームの根幹に関わるような話を書く事が多く、それ以外のSSでも意外性に富んだ書き手。
            予約期限をよく過ぎてしまうのが玉に瑕。

◆cx94bMr2cU:スクロワ初期からいた主力書き手。交流所で作品が話題になった事もある人。
              バトル中心の書き手で、スクロワで最も多くの殺害数を誇る。
              『最もパロロワに向いている書き手』と評された事もあり、その作品内容は凄惨な物が多い。
              SSの内容を見れば恐らく優勝・全滅派だろうというくらいにあちこちの惨劇を描いたが、現在は引退。

◆GEIGwDl3Ms:スクロワの序盤から中盤にかけて存在した書き手。通称GEI氏。詳細はパロロワwikiにも載ってるからここでは簡略。
              とにかく特定カップルの描写に終始し、彼が書いた作品は全てそのカップルをマンセーしたストーリー。
              それゆえロワが進むにつれて住人の反発を買い、マンセーの度が過ぎたSSが投下されたのをきっかけに叩かれる。
              結局そのSSは破棄となり、代わって別の書き手らにリレーされる間に当該カップルは死亡し、そのまま引退いた。

47名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/20(日) 20:04:20 ID:CxJNe3gQO
任天堂ロワはキャラ立ちそうな人が何人もいるっぽい
現時点では立ってないが、立ちそうだ。
トップ投下書き手から準トップ投下書き手、丸投げ書き手から「問題なし」発言書き手まで。

ところで主催は?

48名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/20(日) 20:04:43 ID:EgjcIwtA0
>>44
ならばすぐに紹介文を書いて投下すればいいと思うんだぜ。

49名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/20(日) 20:05:05 ID:wacgobSw0
交流所スレで

>主催

50名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/20(日) 20:09:19 ID:wWm6FlpwC
・ツキノ
 通称つきのん。知る人ぞ知るギャルゲロワしたらば管理人であり、葱2wikiの管理人でもある。
 上記のうっかりが原因で一時期アニロワで弄られキャラと化していた。
 ギャルゲロワのキャプテン対策のために、スレ住人たちの中でいち早く動いたりと行動力もそれなりにある。
 書き手としても活動しており、ギャルゲロワの他に漫画ロワや葱2などにも作品を投下している。
 最近では、『アニロワに予約したが、直後にパソコンがぶっ壊れたせいで予約を破棄せざるおえなくなる』という不幸キャラっぷりも見せた。


・まーりゃん書き手
 ハカロワ3序盤〜中盤において東鳩2のまーりゃん先輩が登場する作品の半分近くを手掛けたと言われている人。
 この人がいなければ今日のトップマーダー・まーりゃんは生まれなかったと思う。
 その後、実はその正体がつきのんであることが交流所で行われた書き手の自分晒し企画で発覚した。

51名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/20(日) 20:10:14 ID:Kl5jpfys0
書き手、コテロワ系の主催でよくあるのは
パロロワの参加者とか、参戦作品の原作者とかか?

52名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/20(日) 20:13:31 ID:NsR23gJQ0
某では大先生だったな。

53名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/20(日) 20:15:09 ID:tPPw/do60
主力書き手を何人か挙げられるより、色んな意味でキャラ立ちしてる人を何人か挙げてもらいたいな
大した特色もないのに古参だからとかで出されても、実際に書くとなると難しいものがある

54名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/20(日) 20:25:50 ID:lqm23uSU0
>>53
そういう人はかませ犬かズガン……っておいお前、なにをす……

アッー

55R-0109★:2007/05/20(日) 20:26:22 ID:???0
楽しそうだなお前ら!

複数鳥使ってると分裂参加とかありえるのかもしれないね。
それを見極める術は無いのだけれども。

56名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/20(日) 20:28:14 ID:55oUtXNo0
ああ、既にオレは二人でているさ。

57名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/20(日) 20:28:15 ID:fgTU78Lg0
>>44
おk、やってやるぜ!

・イングラム死亡の人
 交流所でも幾度となく話題になったSS、「The Game Must Go on」の作者。
 作中でのイングラム・プリスケンの熱い死に様は多くの読み手たち、そして書き手たちを震えさせ奮起させた。
 一時は過疎により存亡すら危ぶまれていたスパロワ復活の立役者であり、もはや伝説の人。

・二次スパ仮まとめの人
 更新停止したまとめサイトの代わりに仮まとめを作った人。
 「仮」とはいえその完成度は類を見ないもので、各種の資料等が使いやすく纏められたその使い易さはパロロワ屈指。
 非常に空気の読める人でもあり、SSの山場ではフォントすら変更して(!)それぞれの話を的確に盛り上げている。
 ちなみに書き手でもあり、その技量は高い。シャア死亡の話も確かこの人。

58名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/20(日) 20:28:59 ID:fgTU78Lg0
って>>44じゃなくて>>48だった

59名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/20(日) 20:31:56 ID:HjUPTTSU0
>>57に追記

二次スパ仮まとめは自らフラッシュの作製も手がけ、
アンケートの実施やラジオの誘導など第二次スパロワを様々な面で盛り上げてくれている。
投下された作品もほぼ即日まとめ掲載、加えて没作品の保管も行ってくれている。
まずはまとめを見て欲しい。これを見れば彼が如何にマメで器用な人間かがわかるはずだ。
書き手ロワに参加した日には首輪解除の要になり得る存在だろう。
ttp://srwbr2.nomaki .jp/index.html(空白注意)

60名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/20(日) 20:41:29 ID:Kl5jpfys0
適当に小粒なのを……

・あんどれ氏
 FFDQ3rdのお絵かき掲示板にて、恐らく一番多くの絵を描いている人。
 その絵柄はシリアスからギャグまで多岐に渡りる。

・プラネタリウム事件の作者
 テイルズにて、主催が放送時間でもないのに放送をし、なおかつ死者の数だけ花火を打ち上げる
 というとんでもない話を投下した作者。
 なおその話を破棄された後、数レスに渡り謎のポエムを投下したりしている。

・キールの夜事件の作者
 「今までゲームに関する重要事項については筆談で慎重に行っていた」
 という背景があったのにも関わらず、突然ゲームの裏側について語り出し、
 さらにはそれが図星であったとして主催者に首輪を爆発させられた話を書いた作者。

・ゲーム版カオスロワ作者
 ブラウザゲームでカオスロワを作った作者。
 その影響か、誰もがゲームにはまってしまい本編が過疎ってしまった……わけではない。
 彼の努力の甲斐も虚しく、大絶賛過疎中である。

・DQロワアイコンの人
 DQロワアイコンの人。

・◆CUG3z3uZ1o氏
 DCS広め隊を作った人、玉子を始めに蘇生させた人でもある。

・◆2XEqsKa.CM氏
 ノロウィルス撲滅隊を作った人。

・ダンディ坂野
 ハカロワ最初の感想スレとして占領された「みんな、ダンディとゲッツしない?」スレを建てたコテ。
 スレッドレイプされたにも関わらず、出でいく時ダンディは笑って送り出した。

61名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/20(日) 20:42:23 ID:55oUtXNo0
もう書き手ロワというかパロロワ関係者ロワだな。

62名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/20(日) 20:50:49 ID:8wArPYwQ0
DQロワのアイコンの人はまとめさんだったと思う
最近はリアルが忙しいようで更新が滞っているが、
アイコン、キャラ解説、小ネタまとめと色々してくれるいいまとめさんだ

63R-0109★:2007/05/20(日) 20:54:17 ID:???0
ラジオで得た知識をとりあえず敬称略で。
完璧に主観だから鵜呑みにしないよう。

大学ロワ
・的飯
絵師とまとめの人。
ラジオ中にTOPを変えてくれたりとお茶目な人。

・プール学院作者
プール学院はプールに隠れていた、説明不要。

・「バトル」作者
近畿大「はぁ、喉かわきやがった。どっか…なんだ井戸があるやん!さてと…」
ツルリン、
近畿大「あっ。うわぁぁぁあ。」
ポッチャン。………シーン。

・◆p2RhzINABA
巷で有名な東京学芸の作者。
狼はスタッフで美味しく頂きました。
あとデジハリもこの人

・新参 ◆S8Pf1exELk
東大や福井を書いた作者。
福井話は号泣物。

女神ロワ
・◆OgY9IxNTTk
こないだ書いてた作者、イケメンだねチミ。
モコイと酔ったナオミの使い方が上手い。

お笑いロワ
・◆1ugJis83q2
ラーメンズ編の作者。
小林の行動がもう……涙腺崩壊というかもう。

・◆Qjkjp/DQVw
フット後藤の作者。
のんちゃんを無くした後藤の気持ちが良く分かる。

・◆p8HfIT7pnU
ソラシド編と麒麟編の作者。
だから、みなさん。みんなで一緒に、楽に死にましょう。

・◆8eDEaGnM6s
号泣編の作者。
マイクスタンドの戦闘に定評がある。

・◆pwreCH/PO6
プラン編の作者。
最近の話のなだぎと友近の話は泣ける。

・◆xCi5vGY7XY
かの有名なオリラジ中田編の作者さん。
俺は世界を予約した!

続きは後で。

64名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/20(日) 21:01:26 ID:EgjcIwtA0
絵師の参戦もありなのか。

【アニロワ LSロワ】
クマのプー太 :氏
可愛らしい絵柄が特徴な絵師。
氏が描く女(特に女の子)キャラは、投下されるたびに住人を萌え転げさせる。

65名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/20(日) 21:04:28 ID:oNFTDv4g0
既にパロロワ関係者紹介スレになっている件について。

やるんならこっから各ロワ5人くらいまでに絞らなきゃいけないだろうなー。
あ、投票するんだっけ?

66名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/20(日) 21:06:40 ID:8wArPYwQ0
各ロワごとに5人くらいまで絞り込む、の方がいいんだろうか
まあお祭り企画なんだし、あんまりとんでもない人数でない限りはそのままでもいい気がする

67名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/20(日) 21:07:03 ID:lqm23uSU0
いや、もう暫く続けようw

68名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/20(日) 21:08:49 ID:gx71Xesw0
各ロワ出れるのは最高○人最低○人という形式でもいいんじゃね

69名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/20(日) 21:10:39 ID:hSU67rAo0
>LSロワ
・o.l氏補足
グレーテルのオッドアイなどが目立った怖さの人。
批評スレに現れた時、自分が地味なのではないかと悩んでいた。
昔は◆9NlkiIbC06氏だったがうっかりトリバレしてしまい今のトリップになった。
LSロワでうっかりトリバレをしてしまったドジっ子の一人である。
ちなみに他にもドジっ子はいる。

・◆uOOKVmx.oM氏
こぶたのしないや、葵の足と丈の死体など適度なグロ描写が光る書き手。
また、交流雑談所74の晒し祭りの時にスパロワでラトの首を切っていた事が判明する。
テラカオスでトルネコをイシターの問答送りにした人でもある。

70名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/20(日) 21:13:25 ID:oNFTDv4g0
んじゃ俺も一人紹介するか。

◆C0vluWr0so(アニロワ、二次スパ)
アニロワにおけるゲイナー・サンガのネタキャラ化を著しく進行させた「ゴーゴーメガネ! ゲイナーくん」の作者。
名簿と死亡状況からロワ内の強者弱者を見極める鋭い考察を披露するも、その結果は実際のものとは正反対。
空回りするキバヤシズムは書き手ロワでもネタキャラとして活躍……するかもしれない。
二次スパのほうでもうっかりミスが多く、ドジッ子であることは間違いないだろう。

71名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/20(日) 22:29:54 ID:XkJj5fMg0
総人数どうする?
・どうせネタロワなんだし、80人でも100人でもいいじゃん?大学とか三国志ロワのノリでやろうぜ!!
・いやいや、せっかくだからある程度まじめに行こうよ。したらばでするなら60〜70人くらいが限度だろう
どっちの路線で行くか


あとカオスからもう一人紹介しておこう
・◆hXvyVozAPo氏
カオス2ndのオープニングの書き手であり、そのせいで強制参加。
ということで有名だが、実はカオス1stで初めてクルミで首を刈った人でもある。
(シマリスとクルミを登場させたのは◆6/WWxs9O1s氏)
「こんな芸当が可能なのは、よほどクルミの扱いに精通したもの」の一文はカオスを代表する名文である。
考えてみれば本来包囲網に巻き込まれるべきはこの人では・・・

72名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/20(日) 22:32:28 ID:lqm23uSU0
完結を考えずに、大学ロワみたいなカンジでその場その場でリレーしていけばいいんじゃないだろうか。
勿論、死んだ書き手の転生はアリでw

73名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/20(日) 22:35:15 ID:znbq5m0c0
勝手にお笑いロワより追加

◆xCi5vGY7XY氏補足
ネ申中田の狂気描写はもちろん、トップリード新妻の健気さも光る。
文体はかなり哲学に満ちている感じ。
新妻の最後は泣ける。

731◆p8HfIT7pnU氏補足
ソラシド二人の独特な行動方針が面白い。
殺すこと自体は苦手なタイプ。
ちなみに拡声器などの参加者から参加者への呼びかけもよくやる。

114◆4kk7S4ZGb.氏
さまぁ〜ず、土田晃之、江頭2:50編作者。
花火、中華鍋、延長コード等日用品の使い方がうまい人。
最近では笑いのヒーローエガちゃんマンも生み出したりしてる。

◆U2ox0Ko.Yw氏
くりいむ・ロンブー編作者。
脱出派の筆頭だがピンチに陥ってるっぽい?

74名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/20(日) 22:47:39 ID:BayW5lMc0
スパロボ系から数人見繕って紹介
【スパロワ】
途中までトリなしだったため把握しづらい
・イングラム死亡の人
>>57

・DGの人
>>41

・◆ZbL7QonnV.
スパロワ・二次スパが誇る屈指の繋ぎ職人。
戦闘以外はほぼ何でも良質の繋ぎとして纏め上げる(ギャグからシリアス・発狂ものまでなんでもござれ)
キャラの守備範囲も非常に広く。
あまりのマイナーさで有名なフォルカを手がけたりもした。
代表作はスパロワがトリなしのころに手がけた「コーヒーブレイク」(シロッコにコーヒー飲ましたあれ)

・◆KX4nhL0NJs
東方不敗死亡話を手がけた人。
その下手なホラーを上回る描写力でリアル投下に立ち会ったときはマジで怖かった。

【二次スパ】
・二次スパ仮まとめの人
>>57>>59

・◆C0vluWr0so
>>70に追記。
二次スパの現主力書き手。
向上心にあふれていて、批評スレにも顔を出しているが、肝心の批評スレが今動いていないなどちょっと不運。

◆T0SWefbzRc
シャアを核ミサイルに乗せたセンスの持ち主。

◆T6.9oUERyk
二次スパ最多投下量を誇る人。
主にガロードを手がけ、そつなく戦闘も繋ぎもこなす。

◆ZimMbzaYEY
二次スパで二つのトリを使い分けていた人。
ふとしたことでミスを犯し、ばれて空気が悪くなる前に暴露して去ってった。
ジョシュアの死亡話やテニアのカティア殺害などを書いており、カムバックを望む声もある一方で、こっそり戻ってきているのではないかという声も。
当時は大人数を動かせる数少ない人だった。

75名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/20(日) 22:59:54 ID:H778PxfA0
某完結ロワから出したい人がいるんけど、その人はロワと縁切っちゃったしなー・・・

76R-0109★:2007/05/20(日) 23:00:10 ID:???0
【HIPHOPロワ】

・五代目 ◆23odUkg9no
HIPHOPを完結させた人。
自分の作品に誇りを持っていて、黄金の精神を持つ。
将来の夢はラッパー。
EDは必見。

・初代 ◆dLdq0gw1PE
HIPHOPロワを打ちたてた人。
この人が居なければHIPHOPロワはなかった。

【ROワ】

・終盤六人殺害作者
ドラクエ越え、終盤の終盤で六人を殺害する大作を書いた。

・支援フラッシュ作者(八冊目362)
蝶凄いフラッシュの作者。
その出来は他の追随を許さない。

こんな感じかな?

77名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/20(日) 23:14:04 ID:Kl5jpfys0
・名もないチラシ愛好者(仮)氏
FFDQロワで1話1話全てに感想を書いている人

・主催はバトロワアンチの人達でいいかと

78名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/20(日) 23:16:41 ID:VBHG8v7YO
結局投票はいつから始める?
なんかカオスとか三国史方式で初めてもいい気はするが

79名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/20(日) 23:17:04 ID:XkJj5fMg0
>主催はバトロワアンチの人達

サブカルのあの人とかか?w

ここまで出た人を全員ぶちこんでもそれほどとんでもない人数にはならないっぽいな
ちなみに俺はカオスや大学のノリでしたい派だ

80名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/20(日) 23:18:28 ID:YrjY4bL.0
カオス形式で書ける人から書いてしまっていいと思う。
でもOPだけは被らないよう予約した方がいいか?

81名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/20(日) 23:21:36 ID:dmyknNmk0
まあ待て、貴重なモブキャラたちを忘れているぞ?w

・名無し?ズガンしてやんよ
・魔法少女カレイドナナシ
・ツチダマな名無しさん
・ビンタでランクインする名無しさん
・キャーッ!名無しさんのエッチ!
・うっかりな名無しさん
・やってられない名無しさん
etc......

82名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/20(日) 23:24:06 ID:6vUoLqlE0
カオスみたいにロウルートとカオスルートに分けたいです安西先生。
いやそうすると過疎るかな……どうだろう

83名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/20(日) 23:25:11 ID:lqm23uSU0
主催はサブカルのアンチの人に一票!
参考資料
うざいスレ>ttp://human7.2ch.net/test/read.cgi/subcal/1174605784/l50  :ひとりファビョってる人
削除議論ス>レhttp://qb5.2ch.net/test/read.cgi/sakud/1118762237/l50   :ドコモの人

ロワ形式は大学、カオスロウ方式がいいと思いマス!
ただし参加総数は決めずに、適当に追加していく方向で。

84名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/20(日) 23:25:31 ID:EgjcIwtA0
アニロワ作者の紹介が何か地味なので。

◆LXe12sNRSs:アニの最多作作者。ミスター長文作家、アニロワの大黒柱。
       脱出フラグの多くを立てる、全体の流れを一気に完結へと導くなど、非常に高い視点に立って物事を見ることが出来る人物。
       その投下量と併せて、まさにアニロワを引っ張ってきた人物といっても過言ではないだろう。
       代表作は多すぎて挙げられないが「ゼロのルイズ」は、リレー企画という視点で見たとき、最上級の作品であると思われる。
       キャラ把握、バトル描写、心情描写、どれも高いレベルを有しており、まったくもって隙がない。
       まさにオールラウンダーといったところか。
       設定年齢19歳。蟹座のBがt(ry

◆lbhhgwAtQE :アニロワの土台。繋ぎの人。投下量No.2。以前はテイルズにいたらしい(ミントの拡声器話など)
とにかく繋いで繋いで繋ぎまくる人。動かないキャラをとにかく動かす。
       どちらかといえば地味な「繋ぎ」パートを率先して書くその姿勢は素晴らしいの一言。
       アニロワの進行がスムーズなことに彼が貢献しまくっているのは疑いない。
       どこのロワでも1人は欲しい人物。
       繋ぎを多く書いているせいか、心情描写の能力は凄まじく高く「請負人Ⅱ」「ウソのない世界」等の名作で住人を大感動させた。
       
 
◆2kGkudiwr6 :二つ名は鉄槌。バトルの人。デバイス殺し。
       氏の戦闘描写は、全体的にレベルが高いと評されることの多いアニロワ書き手陣のなかでもさらに抜きん出いるといってよく、
      「避けてゆけぬBattlefield 」「なまえをよんで Make a Little Wish」の二作でバトル人気投票連続一位を達成する。
       スピード感あふれる、それでいて緻密さを損なうことなく描かれるデバイスバトル、そして剣戟バトル、どちらもまさに秀逸の一言。
       また言葉の選び方が上手く、挿入される端的な心情描写で的確にキャラの心情を歌い上げる所も高く評価されている。
       大集団を小集団に分化して次に繋ぐというリレーを意識したSS、マーダー強化SSなど、リレーを意識した作品もきっちり投下している所も流石。
     
       
◆S8pgx99zVs:地図の人。絵がメチャクチャうまい。多才。
       情景描写に非常に長ける人。その才がもっとも顕著に現れた「背中で泣いてる男の美学」で住人を感動させ、うならせた。
       バトル描写も上手く、中盤最後の山場「孤城の主」でその才能を遺憾なく発揮している。
       また、状況を整理するSSを何度か投下しているが、非常によくまとまっているので読み手に優しく、
       こまめにUPする地図は書き手にとってものすごく優しい。ロワの進行になくてはならない一人である。
       そして氏の描く絵は、幼女から老人まで全てが見事。彼の多芸っぷりにはただただ感心するばかり。
       流石地図氏、他の書き手が出来ないことを平然とやってのける! そこに(ry
  

◆WwHdPG9VGI:最速の人。後半から参加したが、投下量はトップクラス。
       トップマーダーの壮絶な最期を描いた「のこされたもの」で住人を戦慄させ、「暁の終焉」で住人の涙腺を決壊させるなど、
       バトルと心情描写のどちらにも優れている。特にキャラ描写に関し、その内面によく踏み込んでいると初登場時から評価は高い。
       とにかく他者の作品をよく読んでいる人で、ロワ内でキャラが積み重ねた「行動」「会話」はてはSSの「題名」まで自分の作品に放り込む。
       これに原作展開や台詞まで加えるので、氏の描くSSは大長編になりがちであるが、読んでいてダレない構成力が素晴らしい。
       ただ、どうやらパロロワ参戦は始めてのようで、うっかりを炸裂させて住人を苦笑させたことも。

85名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/20(日) 23:30:14 ID:EgjcIwtA0
我ながら、なげぇ、なげぇよ。しかもズレてるよ。欝・・・

86名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/20(日) 23:41:31 ID:VBHG8v7YO
しかしこれは、最初に書いた奴がロワにエントリーされるんじゃないかw

87名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/20(日) 23:53:13 ID:xddS43Jo0
自ロワの紹介が無いことに、絶望した!
と、言うことでライダーロワ書き手を。

◆E1yyNEjdEc:ライダーロワまとめの人。何気に充実した項目を一人で作り上げた。
          繋ぎがやや多いが、バトルも書ける人。
          大人数も無理なく捌け、ライダーロワで全作品書ける人。
          ライダーマンを多く書く彼に、書き手ライダー四号の称号を送りたい。
          何気に優勝派。

◆ozOtJW9BFA:漫画ロワも書いている、ライダーロワ古参の人。
           何気にこの人も書ける作品が広い。てか、昭和と平成が書けない書き手は少数派。
           ジョジョ好きなのは漫画ロワで実証済み。

◆TJ9qoWuqvA:この人も漫画ロワを書いているが、ライダーロワの投下ペースが落ちない。
           ライダーロワのしたらば管理人兼地図の人。漫画、ライダー両方最初の作品はバトルが入っている。
           繋ぎもこなすが、基本バトル方面に熱い人。批評スレ常連。この人もジョジョ好き。
           ラジオのID、書いているキャラ方面で見ると、明らかに草加スキー。

◆A.IptJ40P.:文体が癖の強い人。ライダーロワでは好き嫌い二つに別れる。
         アニロワでも書いている。そっちでどうなっているかは知らない。
         やや我が強く、住民の反発も食らっているが、責任を感じロワで口を出すことは少なくなった。
         この人も批評スレ常連。ライダーロワでは珍しく、平成作品群しか書けない。

88名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/20(日) 23:56:21 ID:lqm23uSU0
>>86 逆に考えるんだ!
「ノミネートされていなくても、OPを書けば参加できる」そう考えるんだ!!

89今まで出た人のまとめ1:2007/05/20(日) 23:58:30 ID:Kl5jpfys0
【交流雑談所】
・Classical名無しさん

【書き手バトロワ】
>>1

【DQロワ】
・DQの>>1

【FFDQロワ】
・火種閣下
・ユフィの人
・リュカ死ねの人
・あんどれ氏
・名もないチラシ愛好者(仮)氏

【HIPHOP】
・初代(◆dLdq0gw1PE氏)
・5代目(◆23odUkg9no氏)

【LS】
・◆uOOKVmx.oM氏
・ボマー氏(3k氏)
・オッドアイの人(o.l氏)
・666氏

【ROワ】
・終盤六人殺害作者
・支援フラッシュ作者(八冊目362)

【アケロワ】
・闘犬氏(AX氏)
・ムツ氏(CF氏)
・虹色光線の人
・ぼくのアルルの人

【アニロワ】
・◆C0vluWr0so氏
・MADの人(LX氏)
・鉄槌氏(2k氏)
・地図の人(S8氏)
・最速の人(Ww氏)
・lb氏
・軍曹
・キャプテン
・まとめwiki管理人
・クマのプー太氏

【カオスロワ】
・◆qSSOg86y8s氏
・◆hXvyVozAPo氏
・いーさん(E3氏)
・東京マーダー量産の人(6/氏)
・DCSの人(CU氏)
・ノロウィルスの人(2X氏)
・ルートFの人
・リアルタイムカービィの人
・二代目リアルタイム氏
・死亡者図鑑
・ゲーム版カオスロワ作者

90今まで出た人のまとめ2:2007/05/20(日) 23:58:53 ID:Kl5jpfys0
【学生ロワ】
・瞬殺の人
・プチ執念の人

【ギャルゲ】
・つきのん

【芸人ロワ】
・◆1ugJis83q2氏
・◆Qjkjp/DQVw氏
・◆p8HfIT7pnU氏
・◆8eDEaGnM6s氏
・◆pwreCH/PO6氏
・◆xCi5vGY7XY氏
・◆4kk7S4ZGb.氏
・◆U2ox0Ko.Yw氏

【ジャンプ1st】
・ヤムチャVSタカヤの人
・勉強男

【ジャンプ2nd】
・執念の人(Sz氏)

【スクロワ】
・◆X7WwwzkoUU
・◆RHLa6nIQ9U
・◆.Cb.m05RN
・◆cx94bMr2cU
・スクロワの>>1(◆PhRNUx7oBQ氏)
・GEI氏

【スパロワ】
・◆ZbL7QonnV.氏
・◆KX4nhL0NJs氏
・DGの人
・イングラム死亡の人

【大学ロワ】
・◆p2RhzINABA氏
・新参(◆S8Pf1exELk氏)
・的飯氏
・プール学院作者
・「バトル」作者

【テイルズ】
・プラネタリウム事件の作者
・キールの夜事件の作者

【二次スパ】
・◆T0SWefbzRc氏
・◆T6.9oUERyk氏
・◆ZimMbzaYEY氏
・仮まとめの人

【ハカロワ1】
・瀬戸こうへい氏
・静かなる中条氏
・ダンディ坂野氏

【ハカロワ3】
・ギャグの人
・ギャグの人乙の人

【文房具ロワ】
・画鋲氏

【メガテンロワ】
・◆OgY9IxNTTk

【ライダーロワ】
・◆A.IptJ40P
・◆ozOtJW9BFA氏
・まとめの人(◆E1yyNEjdEc氏)
・したらば管理人(◆TJ9qoWuqvA氏)

【ラノロワ】
・◆l8jfhXC/BA氏
・まとめの人

【脇役ロワ】
・感想の人

91名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/21(月) 00:07:36 ID:/Ytl9Mi60
オープニング書いてみたいけど、知らない人が多くてさすがに無理そうだw


まあその前に会場とか支給品の制限とかを決めないと、か

92名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/21(月) 00:08:40 ID:t14kSxlY0
全員で90名か、ちと多いがまあいいか。

制限? いらねぇよそんなもん。

93名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/21(月) 00:08:52 ID:VQE1GvpEO
任天堂ロワの丸投げの人とか「問題なし」の人とか

94名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/21(月) 00:10:38 ID:cPOHJzjY0
もえキャラロワ見てたらホチキスの人も入れたくなったw

95名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/21(月) 00:12:14 ID:wC6IVRtM0
全員出す必要も無いんじゃない?
『作中で出てきたキャラは出場決定』でしばらく回せばどうかな。
誰も出さない書き手は参戦しないって事で。

96名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/21(月) 00:20:55 ID:pWFhLT720
>>95 同意〜〜!
総数何人かとかも適当にぼかして表現しとけばおっけーっしょ?

97名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/21(月) 00:36:36 ID:/Ytl9Mi60
会場どこがいいかな
ロワの原点に返って沖木島か、
大学みたいに日本列島ミニチュアか
あらゆるパロロワのマップに出てきた施設が適当にある適当な会場か

98名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/21(月) 00:43:38 ID:pWFhLT720
沖木島だけど、島の各所にロワスレ特有の施設とか勝手に建てていいってのはどーですか? 書き手の裁量で。

99名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/21(月) 00:46:04 ID:VQE1GvpEO
>>98
テラカオスに突如出現する謎の『十聖学園』や『野比家』もおk?

100名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/21(月) 00:48:28 ID:t14kSxlY0
何故沖木島に野比家が!?ってことで。
それじゃパロロワ関係者カオスロワになってしまう。

101名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/21(月) 00:56:51 ID:ouKjzNNAO
そこは再現したって事だろ。
さて、基本書き手は一般人?
クルミとかはありか?

102名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/21(月) 00:59:27 ID:cPOHJzjY0
書き手=一般人
支給品=なんでもおk
でいいんじゃね?

103名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/21(月) 01:02:22 ID:VQE1GvpEO
でも支給品ばかりは書き手に空気読ませる為に少しは制限したほうが…
稲田瑞穂のガラス玉やらイデオンが支給された日には…

104名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/21(月) 01:10:30 ID:wC6IVRtM0
書き手=一般人後達人時々能力者
くらいはっちゃけても有りじゃなかろうか。
支給品に能力入れとくのも手だろうがw

105名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/21(月) 01:10:32 ID:cPOHJzjY0
いや、勿論空気呼んだ範囲でだが。
もずく支給される一方、巨大ロボ支給されても困るし。

106名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/21(月) 01:14:35 ID:t14kSxlY0
能力者がいても言いとは思う。

鉄槌氏がアルター使いだとか、当然関連性のある物に限りだが。

107名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/21(月) 01:20:44 ID:Iyl0Un5s0
>>106
スパロボ書き手が有利になりすぎやせんか?
デビルガンダムとかに乗って出てきてもらったら、その、なんだ……。
流石に困るw

108名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/21(月) 01:21:18 ID:t14kSxlY0
ロボって能力じゃねえだろww

109名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/21(月) 01:22:00 ID:4CHqWYL20
DG細胞で構成されているでいいんじゃねw

あと流派東方不敗ww

110名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/21(月) 01:23:45 ID:bNxqFjPE0
つまりDGの人は、「自己進化」「自己再生」「自己増殖」の能力を持っていると?
洒落にならんwwww

111名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/21(月) 01:24:24 ID:cPOHJzjY0
>>106
そんな事言ってるとスーパーピンチクラッシャーになるぞw

112名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/21(月) 01:43:08 ID:wC6IVRtM0
なんという強マーダーwww
DG細胞か流派東方不敗の片方なら行ける気がする。

113名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/21(月) 03:38:42 ID:aoOIMrycC
考えてみた。


・つきのん
 キャラはうっかりなまーりゃん先輩。つまり、うっかりなロリっ娘。
 対主催にするかマーダーにするかは書き手次第。
 ……あ、でもうっかりだから対主催のほうがネタになるか?w
 リピーターキャラを手掛けた作品もあるため、リピーターという設定でもいいかも。(前回生き残れた理由は『うっかり生き延びてしまった』とかでw)


・鉄槌
 アルター能力者。つーか、まんまカズマ。


・鬼軍曹
 シリアスもギャグもいける人。
 マーダーに対して『断罪』を下したり、「なぜ殺たし?」と問い質したりする。
 マーダーキラー。


・キャプテン
 やや狂気キャラ。
 変な改行や同じ文末を二回以上使ったりする独特のしゃべり方をする。
 時々キャラが崩壊する。
 まあ、カオスの『生真面目正〜』そのままでもいい気がするが……

114ついかっとなって考えたネタ。反省はしていない:2007/05/21(月) 08:03:10 ID:vc2QgTF6C
画鋲「よし。つきのん、早速そのパソコンを使って掲示板に書き込むんだ。俺の名前で!」
つきのん「画鋲ちゃんの名前で? あたしじゃなくて? なんでさ?」
画鋲「つきのんよりも俺の名前を使ってみんなに停戦を呼び掛けた方が効率があるからさ!」
つきのん「なるへそ。自分の顔の広さを利用するんだね?」
画鋲「そういうことさ!」
つきのん「りょ〜かいっ! そうと決まれば早速カキコっ!!」


……あぼーーーん!


つきのん「ノォーーーッ! ぱ、パソがぁーーーっ!!」
画鋲「そ……そんな…………。今の俺たちの最後の希望が……」


【ツキノのスキルに『不幸』が追加されました】



【備考】
※ツキノの新スキル『不幸』について
  ツキノがパソコンに書き込もうとすると稀にパソコンが壊れます。

115名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/21(月) 09:44:06 ID:yOL./23w0
つきのんのキャラがまんままーりゃん先輩じゃねーかw
ところで、スレ読み返すと結構ネタにできる書き手って多いんだなw

116名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/21(月) 10:28:38 ID:UbVjPHfM0
交流雑談所から、調子のってるなの人。
書き手じゃないけどこの人もちょっと入れてみたい気がする。
きっと素敵な皮肉屋になってくれるはずw

117名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/21(月) 12:01:05 ID:yVtmOTgw0
女性化される書き手はどれだけ出るんだろう。
というか、実は女性な書き手も結構混じってる気がするが。

女キャラの人数によって、例えばLSの666の人の能力の有効性が変わってくるw

118名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/21(月) 12:09:28 ID:NkvDc5oI0
LSロワの書き手は全員ショタかロリ。これはガチ。

119名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/21(月) 17:17:47 ID:YeSPXXlA0
>>110
あの人、他にもライダーロワと、二次スパ、キャプロワスレも立ててるし
交流所の過去ログ漁ったら、と女神ロワ立てたのもあの人らしい
しかも、DQでメルビン殺したり、各地で転々と書き手をやってるからおそらく立てたところで当然書いてると思われる


悪魔召還能力+変身能力+DG細胞を併せ持つwww

120名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/21(月) 17:24:34 ID:NkvDc5oI0
>>119
もう主催その人でいいんじゃないか?w

121名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/21(月) 17:27:18 ID:fowmcTuw0
>>118
概ね同意だが、666氏は成年男性でお願いしたいw

122名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/21(月) 17:27:42 ID:bHN.iqKM0
しかも旧トリが割れてて『#913』wwちょwww草加www

123名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/21(月) 18:10:03 ID:C4drh0gU0
能力は兎も角、外見言動まで似せる必要はなくない?
パロロワキャラロワじゃないんだから。

というか因果応報で666氏は男だろうと女だろうと、真っ先に脱がされるだろう。

124名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/21(月) 18:40:28 ID:3w2X.Kl6C
ラジオでたまに登場する、画鋲氏のお姉さん(通称、お姉様)は……無理ですか、そうですかw

125名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/21(月) 19:04:20 ID:KINuJ1kQ0
画鋲のお姉さまは三人いるんだよな。
出すなら全員……いや直接は関わり無い人間だぞ?wwwwwwwww

そこらへんのモブまで認めたら最早手がつけられぬwwwwwwww

126名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/21(月) 19:06:19 ID:dpQw7qN.0
>>119
アニロワでキャプテンにキレてハクオロと才人瞬殺したのもあの人だったな。
あと、カレイドルビー出した第一話書いたのもあの人だw

127名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/21(月) 19:09:54 ID:pWFhLT720
>>124
脱出すれば、お姉さんが迎えてくれるよ!
                     ハ_ハ  
                   ('(゚∀゚∩ くれるよ!
                    ヽ  〈 
                     ヽヽ_)

128名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/21(月) 19:48:28 ID:ii0VK8..O
>>121
そこを敢えて白レンのような妖艶なロリで

129名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/21(月) 19:48:30 ID:4dFiF4560
主催・パロロワアンチの人orDGの人
場所 沖木島orミニチュア日本or適当
参加者 出したもん勝ち
参加者の能力 全員一般人orその書き手に関わりのあるもの
支給品 ものすごい物じゃなければ

まとめてみた。・

130名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/21(月) 19:55:34 ID:KINuJ1kQ0
主催は高見広春でもいい気がしてきた。
自分の考えた設定使って盛り上がっててブチギレとか。
理由が付けやすそう……かな?

131名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/21(月) 19:58:05 ID:pWFhLT720
高見広春ってだれだよ! と思ったらバトロワ原作の作者か。

…いたね、そんな人w

132名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/21(月) 20:31:18 ID:4q1L4Ym.0
>>126
>アニロワでキャプテンにキレてハクオロと才人瞬殺したのもあの人だったな。
え……マジデスカ…………もう、なんだか……


ところで、カレイドルビーの初出は鉄槌氏じゃないか? あの人は凛にレイジングハート支給しただけで。
みんな鉄槌氏はアルター使いとか言ってるが、あの人の作品全編通して見ると、デバイス壊しの魔法少女かセイバーのサーヴァントの方がしっくりくるw

133名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/21(月) 20:39:49 ID:/Ytl9Mi60
もう主催者それぞれ違うバージョンでオープニングを三つ書いちゃったらどうだ?
どれ使うかは多数決で。

134名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/21(月) 20:45:28 ID:YeSPXXlA0
>>126
いや、違うはず
あの人、アニロワは序盤アニメ見る時間がないから参加できずどれも一切ノータッチって言ってたはず
無茶やってるけど、SSの中身だけはないがしろに絶対しない人だったし

135名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/21(月) 20:48:25 ID:zKKOXbLY0
こいつもきぼん

【どれロワ】
・カスガ(トリップなし)
現在の根城は『どれみっちの穴』

136名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/21(月) 22:09:01 ID:fO6muJ7k0
参加者にアニロワの7jHdbD/oU2と漫画ロワの7jHdbxmvfIを追加希望したら駄目?
トリ似てるので双子設定にして。

137名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/21(月) 22:11:01 ID:KINuJ1kQ0
Youがその設定で書いて出せばいいと思うよ。
なんかもうパロロワ関係者なら何でもOKの大学ルールになりそうな感じだし。

今は能力と主催とOPとマップかな?

138名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/21(月) 22:19:27 ID:pWFhLT720
↓コレ導入してみたらどうよ? と無責任な事を言ってみる。

833 :Classical名無しさん :07/05/21 19:38 ID:mh2fnoJA
書き手が「自分の好きなキャラ」を持ち寄ってバトロワ開始。
但しキャラの首輪爆破ルールは

「リアル時間で○○日以内にリレーされなければ爆発」

必死に自己リレーを繰り返すと、他の人にリレーしてもらえない作中時間帯にまで進んでしまうというジレンマ。
もちろんそれでも首輪は容赦なく爆発。
自キャラをリレーしてもらえるように、最大限魅力的なSSを書き続けろ!!

139名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/21(月) 23:16:04 ID:GLGKsNfA0
それつまり、自ロワある人は参加しにくいということか。

140名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/22(火) 00:19:39 ID:m2QU4dWI0
参加者は出したんもん勝ちでいいとは思うが、ある程度は制限がほしいところ。

第一放送までに出たキャラで固定とか、先着50人までとか。
でなきゃ無限に増えてしまう。

141冗談でOP書いて見たw:2007/05/22(火) 00:31:59 ID:GM15FcAY0
それは交流雑談所での一言から始まった。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――

864 :Classical名無しさん :07/05/23 00:19 ID:.NURUPO.
ところで、ふと思ったんだが……
実際に書き手がバトロワ体験すれば、描写にも臨場感でるんじゃね。
やっぱ実体験ってのは大きいしな、俺の爺ちゃんも戦争の話とか凄い現実味あるしw

―――――――――――――――――――――――――――――――――――

その何気ない一言により次スレまでの間、書き手がどんな行動に出るか等の妄想で賑わった。
ただのスレの埋め立てのネタのはずだった。
たった一人の空気の読めない読み手の目に入るまでは……
その読み手は良作に飢えていた。
もっといい話を読みたいと思っていた。
だから彼は、その何気ない一言に魅力を感じてしまった。
それを実行すれば、あらゆる書き手の作品が良くなると思ってしまった。
彼は、それを現実にするためにあらゆる手段を使った。
裏世界の人間と通じたり、黒魔術などの胡散臭いものにまで手を出した。

あの書き込みから幾月か経ち、全ての準備が整った。
全書き手の……いや、全パロロワ関係者の身柄を確保し、舞台となる場所も用意した。
今、参加者の全てがパロロワにおける『最初の会場』にあたる場所にいる。
まだ眠っている参加者もいるが、大体の人間が目を覚ましている。
不安そうにしているものが殆どだが、不思議とパニックにはなっていない。
状況を飲み込めていないだけなのか、それとも何が起こったか悟ったからなのかは分からない。
しかしこうして眺めてみると、実に大勢の人間がパロロワを支えてきたのだと実感する。
老若男女隔たりもなくいる事を考えると、パロロワの素晴らしさを再確認する。
この実体験を経て、彼ら全ての参加者が成長すれば、きっと皆も喜ぶはずだ。
彼はみんなの喜ぶ顔を想像して顔をほころばせる。
そんな事を想像している間に、どうやら全ての参加者が目覚めたようだ。
では始めよう、全てのパロロワ好きのためのバトルロワイアルを。


「これから君たちには、殺し合いをしてもらう!」


【書き手バトルロワイアル>>1@読み手】
[状態]:普通
[装備]:不明
[道具]:不明
[思考]:
1:書き手ロワの開始及び説明

142名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/22(火) 09:23:35 ID:hKXBw4B6C
とりあえず自分の意見をば……


・参加者について
 >>140と同じく第一回放送までに登場した書き手だけのほうがいい。
 書き手キャラの設定は作品を投下した人に任せる。

・主催者について
 >>141のオープニング案が面白かったのでこれでいいかと。w

・オープニングについて
 同上。これにルール説明や見せしめ等を加えればおkだと思う。

・MAPについて
 初期のパロロワ(三大ロワなど)や葱2みたいに作中『島』などと明記されてはいるが、MAPは別に必要ない気がする。
 こういう企画はノリや勢いだと思うし……

・時間について
 これもMAPと同じく別に状態欄とかに細かく明記する必要はないかと……

・参加者の能力について
 特殊能力や異能はあってもいいと思う。w
 参加者全員一般人としてやるよりも、その方がネタとして面白いし……w
 もちろん、上記でもあげられているDGの人みたいにさすがにそのままだとヤバすぎると思うものはある程度の制限は施して……

・支給品について
 一人ひとつにするか、一人にランダムで最高三つまで支給にするかは任せる。
 そのパロロワを代表する支給品とかがあればいい。
 ……けど、スパロワの場合巨大ロボットだったり、
ハカロワシリーズの場合、動物やゆめみ、アニロワやLSの場合、なのはのデバイスがあったり(つまるところキャラが増える)等とそういうところが一種の問題になりそうだ……
 (後者はそれほど問題ではなさそうだが……)

143名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/22(火) 11:40:47 ID:Dhr/uBZc0
要するにまとめると
「空気読めてればいいんじゃね?ノリと勢い次第で」
って感じ?
まあしたらばし、面白ければオールオッケーだろうし……w

144名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/22(火) 11:57:03 ID:rPifGXnY0
同一支給品のダブりはオッケーかな?
いや、レイジングハートはアニロワverとカオスロワverで二本登場しそうだからw

あとは見せしめを誰にするかだな

145名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/22(火) 13:53:07 ID:le5yI0/w0
LS含めて三本出てレイジングハート三杖流とか妄想した。
超強そうに見えて冷静に考えるとなにやってんだな罠。

146名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/22(火) 14:51:19 ID:xcX70rec0
鉄槌氏はLS代表としても出したいくらいの実績ある方なので、熱血お子様キャラでどうか1つ。

147名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/22(火) 15:28:07 ID:6g.p6Jds0
漫画の画鋲
アニロワの画鋲
LSの画鋲
大学の画鋲
ラジオの画鋲と五人いることになるな、おそろしや。

148名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/22(火) 15:29:43 ID:nMyIlJtg0
画鋲なんだし何十個あっても違和感ないなw

149名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/22(火) 16:28:51 ID:le5yI0/w0
5ロワの力を一つにした超画鋲氏で良いじゃないw

150名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/22(火) 17:08:34 ID:t3r96FLc0
ここまで沢山の書き手及び関係者が上げられたにも拘らず、自分が出てないことに絶望した!
精進が足りないな・・・・・・

151名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/22(火) 17:33:55 ID:KOAvpZZ20
>>150
心配するな、俺もだorz
いつか選ばれる事を夢みて頑張ろう……

152名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/22(火) 17:42:26 ID:vXCwgy0k0
>>150-151
ヒント:自えn(ry

しっかし本当よく挙がったなここまで……
書き手データベースとして見ても面白い

153名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/22(火) 18:04:03 ID:2OcjXiCc0
>>146
ちょwww
俺もちょうどシェルブリットでカズマでヴィータな鉄槌氏をSSで書こうと思っていたところだwwww

154名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/22(火) 18:18:54 ID:khnyZyAY0
 おれは地上最速だ! どんなロワスレでも30分で完結させることができるんだ。
 武器はもたない、召還だ! しかし速筆すぎるってことも辛いもんだぜ。
 おれが速筆すぎるばかりに全ロワの奴らから命を狙われているんだ。
 だからこんなことになっちまって……。このロワにはいられない、早くこのロワから逃げ出すしかない。
 憎い! この俺の速筆が、この俺のおそろしい速筆が!

 ということで、大 召 還 さ迷う鎧――っ!!

 ロワ完結のための大原則ひとーつ! 容赦なくキャラは殺すこと!
 完結のためだ。とにかくどいつもこいつも死んでもらう!

155名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/22(火) 18:19:50 ID:khnyZyAY0
 ▼ ▼ ▼


「やれやれだぜ……。これだから大人って奴は」
 少女は肩をすくめた。
「しかも、『君達は書き手だから今更ルールとか説明する必要もないよね?』とかいって、いきなり開始するってのはどうなんだ?
しかも地図が入ってやしねぇし……」
 頭をかきかき
「まあここは一つ、定石だけど支給品の確認ってやつを……」
 突如、少女の目が細められた。
「誰だ?」
 目をこらす少年の視線の先、現れたのは――。
(鎧ぃ?)
 西洋風鎧が歩いて接近してくるというシュールな光景に、少女の心の水面が揺らいだ。
(声をかけてこねーってことは……。マーダーか?)
 身構えようとした、その刹那。
 少女の瞳に鎧の拳が大写しになった。

 ――速い。

 拳をかわせたのは多少運も味方していた。
 顔面スレスレを鉄の塊が通り過ぎていく。風圧で少女の赤い髪がふわりと浮きがあった。
 少女の唇が釣りあがった。
「そっちがその気なら……。容赦はしねぇ!」
 地を蹴って距離を取ると、少女は右の拳を前に突き出した。
「こんな100%重犯罪。どこの国でも死刑です、ってことを企画しちまう奴等だ。
用意周到にバレねーようにしてんだろう。だから警察もきやしねぇ。お前を止める奴は誰もいねぇ
だから……」
 虹色の粒子が少年に吹き荒れ始め、それに呼応するかのように少年の周囲の物体が消失していく。
 しかしその異様な光景に頓着することなく、鎧は砂煙を上げて少年に殺到。
 少年と鎧の距離がみるみるうちに縮まっていく。

「あたしが裁く」
 
 少女の主文を先に読み上げる裁判官の如き宣告と鎧の拳が振り下ろされたのはほぼ同時だった。
 
 がぎんと異様な音が響いた
 
 鉄の鎧の拳は、少年の腕に止められていた。黄金の装甲を纏った少年の腕に。
 無造作な腕の一振りで鎧の拳を跳ね除け、
「はあぁ!」
 咆哮と共に、少年の拳が鎧の胴に叩きこまれた。
 改心の一撃。
 派手に吹き飛ばされた鎧が、ゴロゴロと土と草を巻き上げながら転がっていく。
 だが、少女の表情には疑問の皺が刻まれていた。
「……入ってない?」
 拳を叩きこんだ瞬間に分かった。
 響いた音、拳から伝わった感触からして鎧の中は空洞だ。
 その推測を裏付けるように、鎧が立ち上がった。
 実に無造作に。
 人間が入っていれば、鎧を着ていたところで絶対にあんな風に立ち上がれはしない。
「なるほどなぁ……。一般人ばっかりじゃ派手さにかけるもんなぁ……」
 それにしても、本当にこんな超能力に類別される力を持っている書き手など、自分くらいだろうだと思っていたのだが。
(世の中があたしの常識を超えてるのか。それとも『色んな世界から集めてきました』ってパターンなのか……)
 そこまで考えて少女は思考を止めた。
「考えるのは後だ! 今は、あれに拳を叩きこむことだけを……」
 少女は獣の笑みを浮かべた。
 鎧が立ち上がり、砂煙を上げながら突進してくる。
「大したタフさだな……。けどこいつなら、どうだ!?」
 少年の両眼がカッと見開かれた。

「鉄槌のぉぉ……」

 虹の粒子が舞い、乱流となって少年の体に収束していく。

「シェルブリットォォ――――――ッッ!!」

 爆発的な推進力が少年の体を前に運び、一個の砲弾となった少年の身体は前方へと打ち出された。
 
「砕け散れェェェェェ!!」
 
 雄叫びと共に繰り出された拳が鎧の胴に突き刺さり――。
 一刹那おいて鎧を木っ端微塵に吹き飛ばした。

156名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/22(火) 18:23:23 ID:khnyZyAY0

 ▼ ▼ ▼


「――姿はみせない、か」
 舌打ちして、少女は装甲を解除した。
(ジョジョ風に言うなら、自立型か遠隔操作型ってやつか……。厄介だな)
 一応探ってはみたが、周りに人の気配はまったくない。
 となるとこの鎧を操っていた人間は。遠く離れた場所にいるということだ。
「やれやれだぜ」
 ディパックを背負いなおすと少女は歩を進め始めた。
 これだけ派手な戦闘音を出しておいて、この場に留まっているのは流石にまずい
(さて、どうすっかなぁ……)
 この力を使えば、優勝を狙うことも可能だろうが――。
「だけどそれじゃ、主催者とやらの思うままってやつだ」
 気に入らない。大いに気に入らない。

「あんたらの腐った思惑に……。反逆する!」

 決意を瞳に宿し、少年は拳を握った。
(まずは……。この首輪を何とかできそうな奴を探さないとな。
機械に詳しいやつか、それ系の魔法が使える奴がいればいいだけど……)
 そんな都合のいい人間がいるはずがない、と普通なら思うところなのかもしれないが、
 少女は確信していた。
(その方が展開に広がりが出るもんな……。誰だってそうする。あたしだってそうする)
 一つ苦笑をもらし、少女は歩き始めた。
 

 ▼ ▼ ▼


「くそっ!」
 男は大きく舌を打ち鳴らした。
「まったく……。序盤のズガンが少ないと完結が遠くなるばかりだというのに……」
 ブツブツと呟きながら、男は鎧を召還した。
(しかしまさか、俺の他にも魔法使いがいるとはな……。書き手というのは化物ばかりなのか?)
 これは30分で完結させるのは無理そうだ。
「だが、必ず完結させてみせる!」
 男は強く誓った。

 無論その結末は、自分の優勝エンドだ。

 歪んだ笑みを浮かべながら、男は鎧を操作し始めた。




【瞬殺の人@学生キャラロワ】
[状態]:精神疲労(小)
[装備]:なし
[道具]:支給品一式(地図なし)後は不明
[思考]
基本:ロワを完結させる(結末は自分の優勝エンド)
1:皆殺し
[備考]
・男の「召還」は鎧(アルフォンスエルリックみたいな感じ)を呼び出すものです。


【鉄槌@アニロワ】
[状態]:精神疲労(小) 肉体疲労(小)
[装備]:なし
[道具]:支給品一式(地図なし)後は不明
[思考]:
1:少し離れたら支給品を再チェック
2:首輪を外せそうな人間を探す

157名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/22(火) 18:28:30 ID:Dhr/uBZc0
もう書いていいのか?とりあえず感想。
鉄槌氏は少年なのか少女なのか、
カズマなのかジョジョなのかどっちだw

158名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/22(火) 18:31:22 ID:khnyZyAY0
いけね……。途中まで少年設定で、
>>153をみて急遽少女にしたから、「少年」が残ってる。
作中の「少年」は全て「少女」の間違いです。

159名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/22(火) 20:02:07 ID:EsDfnbo.0
投下速杉バロスwww

160名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/22(火) 20:03:44 ID:6g.p6Jds0
ふたn(ry
いやなんでもない

161名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/22(火) 20:44:38 ID:QHsVD.ewC
ちょwww
まだOP自体完全に完成してないのに投下ってはえーよwwwww
いくら瞬殺だからってwww


でも内容は悪くなかったので投下乙とGJを送らせてくれw

162名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/22(火) 20:51:16 ID:tDrSgHbs0
乙すぎるwww
しかし、一応やるなら、MAPはいらなくても適当に現在地六×六くらいはおいてたほうがいいんでない?

 123456
A
B
C
D
E
F

こんくらいで適当に、A-3とかそんな感じで
誰が投下されるかwkwkがとまらないw先着50名、誰が出ても面白そうだwww

163名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/22(火) 20:52:27 ID:6g.p6Jds0
え?先着50までなの?
大学形式でどんどんついかOKじゃないんデスかァーー!!

まぁ書くけど

164名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/22(火) 20:54:39 ID:tDrSgHbs0
あ、勘違いだった
とりあえず、一通りできったあたりまでガンガン出そうぜw
Apとか、二次スパの仮まとめ、DGあたり凄い楽しみ

165名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/22(火) 21:02:49 ID:rPifGXnY0
放送はやっぱ六時間おきでおk?

166名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/22(火) 21:29:35 ID:QHsVD.ewC
時間は別にいらなくね?
放送は初代ハカロワみたいにリアルで適当な時期にやれば……

167名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/22(火) 21:41:17 ID:.CEhmjZA0
まあ肩の力を抜いて。テキトーに楽しめればそれでいいんだからサ。
MAPだ要るかどうかが本当に微妙w

168名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/22(火) 21:51:33 ID:WeOvb6Tc0
しっかしズガンしにくいなぁ……w 感情的にw

169名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/22(火) 21:59:07 ID:tDrSgHbs0
>>166
放送6時間おきと決めて、適当にそろそろみんな六時間たったかなってタイミングで適当に放送でいいと思う
基本、時間書くかはSS書く人のお好みで、ってことで

>>167
MAPは形式上ある、ってことで最初に描写した人の描写通りに
(「A-2に村があるな……」と気づいた とか)MAPに物が配置される方式でw

>>168
つ勉強
つキャプテン
つ大先生

170名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/22(火) 21:59:23 ID:/1exLpgQ0
そんなときのDQN枠

171名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/22(火) 21:59:37 ID:zEDXqLjs0
>>168
自分をズガン役で出せばおk

172勢いで書いた上に鳥まで晒す。後悔は(ry ◆ilZClmYqFI:2007/05/22(火) 22:00:51 ID:eLSs8wcEO
「これはマジで殺されても文句は言えないわね……」
 海沿いの岩場に浮かぶ影、◆6/WWxs9O1s氏と呼ばれていた少女は隠れながら移動していた。
 勿論、自分からこんなゲームに(ああ、いつかカオスロワにも参加させられていた)乗るつもりなどない。
 マーダーキラーになるつもりもない(そもそも誰が率先して人を殺すのだろうか?)。
 ただ彼女は――生き残る事を自身の方針にしていた。
 海岸の岩場、と言っても特に目立たない場所でもなかった。
 何故なら岩場自体が海岸に比べて凄まじく隆起しており、寧ろ目立つと言ってもいいだろう。
 そんな事もいざ知らず、呑気に◆6/WWxs9O1s氏は岩場に腰をかけていた。

 彼女に支給されたのは投げナイフ十本(原作ロワの藤吉文世がデコナイフと呼ばれる所以だ)。
 シマリスにクルミの投げ方を伝授されたのも今は昔。
 それに彼女は坂持金発でも嘉門米美でもなければ教師キタノでもないので、投げナイフを扱える訳がない。
 カオスロワ作中ならともかく、生身の彼女になどそんな芸当が出来る筈などなかった。

(でも……これから何処に行けばいいんだろう)
 ここが彼女に身近な町や沖木島でない限り、この岩場が何処なんだか、そもそもこの開催場所が何処すら分からない。
 なら――そう、地図を支給されていた筈だ。(いや、確信はしてないけど、多分入ってる。だいたいのパロロワがそうである様に)
 それを見て現在の場所を把握する以外に何か、今出来ることはあるのだろうか?
(自分みたいなモブキャラ程度の戦闘力なのに不戦を呼びかける事は間違いなく、死亡フラグだ)
 ◆6/WWxs9O1s氏はデイバッグに手を突っ込み――

173勢いで書いた上に鳥まで晒す。後悔は(ry ◆ilZClmYqFI:2007/05/22(火) 22:03:27 ID:eLSs8wcEO
「おい」
 ――やめた。
 素早く◆6/WWxs9O1s氏が振り向くよりもその”声の主”が無粋な鉄の塊を構えるほうが、はるかに早かった。
「動くな」
 幾分濡れた感じにスタイリングウォーターか何かで持ち上げた前髪の下、やや上がり気味にまっすぐ走った眉。
 そう、それはまるきり原作バトル・ロワイアルの第三のおと――
「何よ」
 そう思考する前に、◆6/WWxs9O1s氏が男に血相を変えて、男を睨みつけていた。
「そんなものを向けて、どうするつもりなの?」
 もちろん許しを乞うような態度ではない。もしかしたら一種、視線には殺意さえ込められていたのかもしれない。
 彼女が男に対する反応には、もはや敵対心しか残ってなかったと言ってもよいだろう。
 そりゃそうだ。男は◆6/WWxs9O1s氏に会って早々、イングラムM10サブマシンガンを構えているのだから。
「俺は、このゲームを試合だと思う事にしたんだ」
 ◆6/WWxs9O1s氏は頭の中で様々な事象を照らし合わせて整理した。
 イングラム。どう見てもザ・サードマン。三村信史似。自らが招かれた原因になった(としか思えない)カオスロワ。
 まさか――そしてその言葉の意味は?

 瞬間、男――二代目リアルタイムのイングラムが◆6/WWxs9O1s氏の足元向かってに火を吹いた。
 もちろん、足元の岩が削れた程度だったが――
「逆らうなよ、女は黙って従っていればいいんだ。大人しく俺についてこ――」
 それで彼女の方針が微塵も変わる事はなかった。一ミリも、一ナノも。
 腕を投げ出して話している、明らかな隙を◆6/WWxs9O1s氏は狙った。
 イングラムを持った右腕に投げナイフがくるくる回りながら飛び出し、二の腕に見事に刺さった。
 それを見逃さず、二代目の元に◆6/WWxs9O1s氏は走り出していた。

174勢いで書いた上に鳥まで晒す。後悔は(ry ◆ilZClmYqFI:2007/05/22(火) 22:05:18 ID:eLSs8wcEO
 次の瞬間には◆6/WWxs9O1s氏が二代目の目の前に踏み込んでいて、右手で掴まれた投げナイフが通常のナイフの様に空中を弧を描いて斬っていた。
 それにつられて、二代目の喉仏辺りがぱっくりと、赤ん坊の口のように割れた。
 二代目は愕然とした表情で口をぱくぱくしていたが、もはや声と呼べるものは出なかったようだ。
 すかさず◆6/WWxs9O1s氏がその右手の投げナイフを投げると二代目の額は完全に藤吉文世ばりのデコナイフ状態になった。
 そのまま、二代目はどさりと倒れた。(そう、はっきり言って投げナイフをここまで扱えたのは自身でも驚いた。とても)
 ――誰がナイフを額に刺して生きていられる?

 ◆6/WWxs9O1s氏の戦闘による緊張と興奮が徐々に収まり――今は動かない二代目を見た。
 スイカの切り口みたいになった喉からとろとろと血溜まりが広がり、衰える事のないスピードで面積を広げていった。
 額のナイフからは一切の液体が出なかったようだが――その下、もう動きもしない目は不気味に見開かれていた。
 あはは、人殺ししちゃいました。本当の意味で。生まれて初めての、マーダーキラー。たった数秒で。グレイト。

 ◆6/WWxs9O1s氏はその場で夕食のミートグラタンだったものを吐き戻した。

【ゲーム開始数分後/多分E−6辺り】
【◆6/WWxs9O1s氏@カオスロワ】
[状態]:精神的に疲労
[武装]:投げナイフ×8
[所持品]:支給品一式
[思考]:
1・生き残る
2・自分から人殺しはしない
3・でも襲われたら容赦なく倒す
[備考]:投合武器をうまく扱う事が出来ます。

【二代目リアルタイム@カオスロワ】
[状態]:死亡確認
[所持品]:支給品一式 イングラム 投げナイフ×2(額、腕)

175名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/22(火) 22:18:42 ID:Emm3r9b.0
テラ新井田www

176名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/22(火) 22:20:10 ID:JcVXV8fM0
苔むした岩の上に少女が一人座っている。
よく見ればそれなりに整った目鼻立ちをしている少女だったが、その厭世した態度を可愛いと称する者は極稀にしかいないだろう。
少女の目は皮肉げにつり上がり、立てた片膝の上に乗っている顔を歪ませている。
掌の中で弄ばれている二個のクルミが、カリュッ、カリュッ、と乾いた音を響かせた。
少女はしばらく動くという行為を拒否していたが、やがて諦めたかのように言葉を吐いた。

「ねえ、これからどうなると思う?」
「一歩先の闇には黄金色の蛇が赤銅の逆鱗を煌々と輝かせているのです。
 RAT-TAT-TATと軽快にその逆鱗をノックせしめれば人生とは即ち秀絶なる蛞蝓の如き残響であり、
 這いずりし跡には敬虔なる苺の落とした金貨が……」
「わかったわかったわかりました。つまり『わからん』と。あんたはそーいうキャラなのね」

ウンザリしたような少女の声で、長々と発せられていた台詞が途切れた。
無駄という言葉を極限まで引き伸ばしたかのような言葉を作り出していたのは、シルクハットを被った初老の男。
「脇役ロワ」を完結させた、通称『感想の人』である。

「クリック? クラック! 紅き刃は虹の外周を削り、紫の写本は死者の国への片道切符を破り捨てる。
 祖は古来より続くホモ・サピエンスの情動、蠢く牙は地を這う者を喰らい、その身を赤薔薇へと変えるでしょう。
 おお、なんと悲しきラグドール。人形は糸が切れてもダンス・マカプルを続け……」
「あーうるさい。それは拡大解釈じゃなくてただの装飾過多。というか意味がわからない」

岩の上に座り込んでいた少女は鬱陶しそうに吐き捨てると、腰を上げた。
付き合ってられん、ということだろう。
実はこの少女、以前もバトルロワイヤルに参加したことがあった。
アホな参加者と関わることでのネタキャラ化も、迂闊な行動による包囲網も、一通り知っている。
しかも、彼女の支給品はあろうことかクルミ。◆6/WWxs9O1s氏御用達の木の実である。
包囲網フラグが発動したかもしれず、彼女は割りと必死だった。
意味のない言葉を羅列し続ける怪紳士を置き去りにして移動しようとした少女は、ふと足を止めた。

「貴方みたいに感想をつける人がいれば、カオスロワはもっと盛り上がっていただろうな……」
「鍵穴は一つしかないのです。自らの鍵を振りかざすだけでは、宝物庫の扉が顕現することなど大海の底の耳飾り。
 故に貴方は砂漠を彷徨う旅人にならなければならないのです。苦なるかな、悲なるかな、それが現実という名のポートピア殺人事件……」
「『人に頼るな』と、そういうことか……」

溜息を吐いた少女は、そのまま質問を重ねた。 

「ところで、貴方はどういうスタンスなんだ? 脱出派か? マーダーか? それとも大石刑事みたいに逮捕に勤しむのか?」
「劇の台本とは宝石にして軽石。かの吟遊詩人は言った。『さあ、物語を詠おう。ただし、歌詞は詩を腐らせる。故に歌のない歌を謡おう』。
 これぞ真理にして道化の戯言。痩身の木偶は舞台の隅に転がり、その役割はエデンの毒蛇……」
「長すぎ。三行でまとめて」

冷たい言葉に、感想の人はしばし考え込む。
そして、ゆっくりと口を開いた。

「私の出典は『脇役ロワ』。脇役に徹しますよ。
 皆さんの物語に影から感想をつけさせてもらいます。
 ただし――物語にならぬような輩は、この手で排除させてもらいますがね」

きっちり三行。
“本来の口調”に戻った感想の人がシルクハットをかぶり直す。
と同時に、轟、と木の葉が舞い上がった。
視界を埋め尽くすほどの木の葉が感想の人を覆い、やがてその姿を完全に包み隠した。
数秒後、木の葉の渦が収まったときには、当然感想の人の姿はなかった。
その様子を一歩も動けずに眺めていた少女が、苦虫を噛み潰すように言葉を搾り出した。


「ジョーカーだったか……」




【ゲーム開始数分後/多分C−4辺り】
【◆qSSOg86y8s氏@カオスロワ】
[状態]:健康
[武装]:クルミ×86
[所持品]:支給品一式
[思考]:
1・とりあえず仲間(まともな人間)を探す。
[備考]:見よう見まねクルミ投げが出来ます。


【感想の人@脇役ロワ】
[状態]:健康
[武装]:不明
[所持品]:支給品一式
[思考]:
1・物語を傍観し、感想をつける。
2・物語にならないと判断した参加者(空気キャラや地味なキャラ)は自らの手で殺す。
[備考]:ジョーカー。能力は不明。

177名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/22(火) 22:22:06 ID:Dhr/uBZc0
>>174
投下乙、あんた……勇者だぜ……
せっかくだからクルミを投げればよかったのに。
つうかズガンしづらいという話題になっていきなりかw
>>176
こっちも乙!
……妙に女性が多いな。

これから俺の投下する作品も女性だから困る。

178名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/22(火) 22:22:26 ID:6g.p6Jds0
早く書かないと!競争率の高そうな人だから!

179名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/22(火) 22:22:58 ID:Dhr/uBZc0
殺し合いの場とは思えないのどかな森。
その中で突如……爆発が起こった。

「『キラープリンセス!』」

土煙が上がる。
草葉が舞い、爆破された木の幹が散らばっていく。
しばらくしてその中から現れたのは……人形に着せるような服を着た可憐な美少女だった。
ただし――

「うんうん、好調好調。
 私のスタンドの力は制限されてないみたいだね♪」

その脇に、妙な二足歩行の物体を従えていたが。
その物体の様相は、一言で言うと異様。明らかに人間ではない。
そして少女本人はというと、左手には指輪を嵌め、右手にはバットを持って歩いているという格好。
明らかに変と思われそうな姿だ。容姿の可愛さを打ち消しかねない。
だが……その言っていることは変とか、そういうレベルでさえなかった。

「これなら大丈夫。もし危険人物と出会っても、爆弾を設置して迎撃できるね。
 私が爆破するより相手が爆破してくれるほうが気持ちいいし、
 話し合いは起き上がって仲間になりたそうな目で見た時にすればいいんだし。
 そうそう、ミーディアムも探さなくっちゃ。せっかくこの指輪が支給されたんだものね♪
 出番よパヤたんわんわんや〜♪ 私に命を捧げてね♪」

そのまま、少女は大魔○峠のオープニングテーマ(二番)を歌いながら歩き出した。
――そう、彼女こそがLSロワで名を馳せた書き手◆3k3x1UI5IA。別名ボマー。
そして彼女が脇に従えているのは彼女のSSを体現したスタンド『キラープリンセス』。
特性は単純明快……触れたものを爆弾と化す能力である。

「もえ〜ろや〜、も〜えろ〜! ほ〜んのぉ〜じ♪」

歌詞は色々とやばい部分に入っている。
もっともこの歌は半分以上がやばいし――歌っている彼女自身も色々とやばいけれど。

「……あ」

そこで、彼女はふと何かに気付いたように歌をやめた。
別に歌っている歌の内容が放送コードに引っかかりそうになったからではない。
原因は、周りの光景。
爆破した木が未だ燃えていて……他の木へと火を燃え移そうとしている。
このままでは火事になるだろう。
彼女は可愛らしく小首をかしげ……一言。

「……ま、いっか」

【開始直後・E-2 ボマー@LSロワ】
[状態] :精神疲労(小)
[装備]:マジカントバット@MOTHER2 契約の指輪@ローゼンメイデン
[道具]:支給品一式(地図なし)
[思考]:基本:リ〜リカル・トカレ〜フ♪キルゼムオ〜ル♪
1:自分の身を守る、襲い掛かる危険人物は爆破。
2:ミーディアムを探す。
※彼女の周囲で火事が起きています。

【スタンド・キラープリンセスについて】
触れたものを爆弾と化すスタンド。
ぶっちゃけるとシアーハートアタックがないキラークイーン。
【大○法峠】
下のを見れば分かります。
ttp://www.youtube.com/watch?v=AtGV2zsi-x4
ttp://www.nicovideo.jp/watch/1178275183

180名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/22(火) 22:26:22 ID:JcbTXWk6O
>>176
成田良悟自重www

181>>154-156:2007/05/22(火) 22:34:29 ID:khnyZyAY0
やべえ……。
どれもこれも乙&GJすぎる……。

↓状態表書き直し。
【開始十数分後・A-1 瞬殺の人@学生キャラロワ】
[状態]:精神疲労(小)
[装備]:なし
[道具]:支給品一式(地図なし)後は不明
[思考]
基本:ロワを完結させる(結末は自分の優勝エンド)
1:皆殺し
[備考]
・男の「召還」は鎧(アルフォンスエルリックみたいな感じ)を呼び出すものです。

【開始十数分後・A-2 鉄槌@アニロワ】
[状態]:精神疲労(小) 肉体疲労(小)
[装備]:なし
[道具]:支給品一式(地図なし)後は不明
[思考]:
1:少し離れたら支給品を再チェック
2:首輪を外せそうな人間を探す

182名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/22(火) 22:34:31 ID:rPifGXnY0
みんなすげえなw
つかカオス2ndの出場者はリピーター扱いかw

183それいけ!ツキノンマン!!:2007/05/22(火) 22:43:39 ID:6g.p6Jds0
「ハァー……書き手は分かりますけどー。
 どうして描き手まで巻き込まれるンすかねぇ……」
愚痴愚痴言いながらそこらへんを八つ当たりしながら歩いている女性。
その顔はブチギレ寸前である。
「とりあえずこっから脱出しようにもどうしよーもないのよネー。
 FFDQロワの人が居ればいいんだけどナーっ、居る訳ないよネーっ!」

彼女は自覚していないが、その声は凄く大きな声だった。
だから、か……ゲホンゲホン、彼女に気付かれた。

「あのー、もしもし?」

然し声をかける側もかける側である、後ろから声をかけるだけでなく。
話し掛ける相手の頬を指で突っついたのだ。

「うっぎょえああああああ!!」
「あああああ! スンマセン、いきなり手を置いてホント御免なさい!
 またうっかりしてたああああ、しっかりしろ俺ええええ!」

沈黙。
両者が両者とも状況を飲み込めずに居る。

「あ、あの……殺し合いには乗ってないのかな?」
「あ、はい! そうです! そんなつもり全然ないです!いやホントさっきのは事故で本当はそのなんていうか、
 肩に手を置いて注意をひきつけようかなとか思ってたんですけど。それもどうかなとか考えてギャグっぽくやれば戦う気がないことを証明できるかなって思って。
 でもギャグっぽくってどうやればいいんだろうって考えてたら自然に手が伸びててつまりなんていうかもうわかんねえええええ!!!」

FFDQの専属描き手と言っても良い彼女は、無論このか……ゴホンゴホン、彼女の存在を知らない。
そう、いま目の前に居る人物こそ――。

「あ、僕ツキノって言うんです。ギャルゲロワのしたらば運営とか書き手やってるんですけど……あ、つきのんでいいですよ。そちらは?」
いきなり落ち着きを取り戻したツキノが自己紹介を始めたことに、反応がワンテンポ遅れる。

「……んあ?あ、アタシはネスカっていうFFDQの絵の方の描き手なんですけド」
そこで彼女は首を捻った、ギャグ漫画で言えば一回転して元に戻るくらい強く。
そして、疑いの眼差しをツキノにかけながら言った。

184それいけ!ツキノンマン!!:2007/05/22(火) 22:43:56 ID:6g.p6Jds0
「いま、僕って言いましたよネ? ……ひょっとして男ですか?」
「え、ああハイ。良く間違えられるんですよーこういうナリですから。あ、全然気にしてないですよ?」
そういわれて見れば乳がない、いや貧乳という可能性も有るが。
それ抜きにしてもこの顔は美貌すぎるっていうか普通女性だと思いこんでしまうぐらいの顔。
それにそのハスキーな声って……それで男って常識的に考えてありえないだろ。

ストップの形で手を差し出し、ネスカは吼えた。
「うっそだあああああああああああああああああああああ!!」

この世の中には理解し得ないことなんて腐るほどある。
これもまた、その中の一つ。



「……で、脱出方法考えるより先に襲われたときの対抗手段ですよね。
 そういえば自分の支給品確認しましたか?」
そう言われて、ネスカは自分のカバンを漁り始める。
その様子を見てツキノはなにやら笑っている。
「ダメですよー、まずロワに来たら支給品の確認をしないとー。
 僕はもう終わってますけどねー、ホラこの三つです」

ツキノの手から表れたのは三つ、なんかのゲームで見たことのあるお面とドライヤーと良く分からない細長い筒。
「ドライヤーはどうしようもないですよねー、電源も無いし。
 このハクオロのお面はまぁこうやってつけるぐらいですかねー、アハハハハ」
お面をつけながらケタケタ笑って遊んでいる。
そんなツキノの微笑ましい姿を見ながら、自分も早く支給品を確認する。
「そんで、この筒なんですけど……良くわかんないんですよねー。
 なんか危険な香りはゲロ以下の臭いがプンプンするんですけどねぇ、もう一回説明書探してみるか……」
ネスカが自分の支給品――虫取りアミを掴んで底らへんで振り回していたときであった。
最後に残された謎の筒、ネスカにはどこかで見た覚えがあった。
そう、スクエニゲーのなんかの……えーと。

185それいけ!ツキノンマン!!:2007/05/22(火) 22:44:19 ID:6g.p6Jds0

「あ! これ核爆弾みたいですね!」



ザ・ツキノワールド。



周囲の空気は凍る。



そして悲劇は更に襲い掛かる。
あろう事かツキノの持っていた核爆弾がツキノの手から逃れるようにツルっと滑り落ちたのだ。

火事場のクソ力という物をご存知だろうか。
普段の五倍の能力で身体を動かす事ができる、いわば潜在能力である。
某二重人格僧侶はこの潜在能力を開放することによって超人的な能力を……。

「ってそんなの関係ねえええええええええ!!」

自分の中でノリツッコミをし、とんでもない速度で虫取りアミを構える。
そして地面からあと三十センチばかりのところで虫取りアミが核爆弾を捉え。
次の瞬間に華麗に衝撃を和らげながら舞い上がる。
そして、ゆっくりとネスカの手中へ。

「おー……すげぇ……って感心してる場合じゃねええ!! ごめんなさいごめんなさいごめんなさいぃぃ!! 俺がうっかりしてるばっかりにぃぃ!!」
「……死ぬかと思った」
寿命が十万と幾つか減って一週回ってなんかやたら長生きになってしまったような気がする。
それより心臓が幾つあっても足りない、爆破されても蘇る究極生命体じゃないとやってられない。

「……これ、アタシが預かっときますね」
御願いしますと地面に頭をつけ謝るツキノ。
そんな姿を見るとどうもこっちが悪人のような気分がしてしょうがない。

「と、とにかくこの紅茶でも飲んで落ち着きますね……」
そう言って、目の前にあったペットボトルに手をかけ蓋を開けた。
ネスカは、一瞬疑問に思った。そんなところにペットボトルがあったのか?
そもそも支給の飲み物は「水」じゃなかったのか? と。
そういえば支給品を説明する為に、そういえば四次元デイバッグから出して置いて置いたんだっけ。

186それいけ!ツキノンマン!!:2007/05/22(火) 22:45:17 ID:6g.p6Jds0

じゃあ、あの飲み物はなんなのかな……と。
この虫取りアミに、ネットラジオ放送キットに……ほうほう、あの有名なローラの毒入り紅茶ねぇ……。

ん?

もう一度紙を見て、ツキノの方を見る。
今にも液体はツキノの口の中に入りそうで……。

「だらっしゃあああああああああああああ!!」
「あわびゅでぶッ!」
こんなこともあろうかとモンクの「格闘」アビリティをつけていて本当に良かったとネスカは心底思う。
武藤もびっくりの低空ドロップキックからキャ○ンスパ○クよろしくの突き上げのコンボを喰らいツキノは空高く舞い上がる。

「頼むからアタシにも支給品紹介やらせてください、頼むからアタシが言うまでそこでじっとしててください」

神様、お願いですからまともな人を連れてきてください。
ああ、エドさんあんどれさん名無し三号さんを筆頭にしたFFDQロワの皆さん。
もう読み手でもなんでも誰でもいいです、話の分かる人。大募集。

詳しくはE-6海岸のネスカまで……。

【F-6 海岸】

【ツキノ(書き手)@ギャルゲロワ】
[状態]:脛部と腹部にダメージ、アンリミテッドうっかりワールド展開中
[装備]:ハクオロのお面@ギャルゲロワ、ドライヤー
[道具]:支給品一式(地図なし)
[思考]
基本:ロワイアルからカレイ道に脱出してやるZE!
1:信用できそうな人に会いたいなあ
2:とりあえずネスカさんと行動したい
[備考]
※天然搾り100%のうっかり
※ぱっと見少女に見える美麗の少年
※毒入り紅茶@FFDQ3rdは地面にブチまけられました。

【ネスカ(描き手)@FFDQロワ3rd】
[状態]:この人マジヤバイどうしよう。
[装備]:虫取りアミ
[道具]:支給品一式(地図なし)、ねとらじ放送キット、核爆弾@魔界塔士Sa・Ga
[思考]
基本:とりあえず脱出したい
1:今後をどうするか切実に考える。
2:マトモな人に会いたい
3:FFDQロワの人に会いたい
[備考]
※ジョブ:物真似師 アビリティ:!黒魔法、!スケッチ、格闘
※黒スーツエルフ耳の長い黒髪の女性

187名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/22(火) 22:45:48 ID:6g.p6Jds0
勢いで書いた、総執筆時間一時間。
推敲?食えるのかそれ?

188名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/22(火) 22:47:28 ID:5hxGctKU0
なんとなくキャプテンの活躍に期待したい俺がいる。

189名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/22(火) 22:49:51 ID:eLSs8wcEO
>>186
ちょwwwツキノンww


ところで
>詳しくはE−6海岸のネスカまで……。
>【F−6 海岸】
記述が違う点。
重い箱の隅スマソ。

190名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/22(火) 22:51:02 ID:6g.p6Jds0
>>189
おっと、サンクス。

>>186
×詳しくはE-6海岸のネスカまで……。
○詳しくはF-6海岸のネスカまで……。

191 ◆jOgmbj5Stk:2007/05/22(火) 22:51:02 ID:f1qX3SRg0
DQの1と呼ばれているものです。
水を差すようで非常に心苦しいのですが辞退させてください。

192名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/22(火) 22:57:48 ID:le5yI0/w0
さーて投下行きますよっと。

193怪物出現:2007/05/22(火) 23:00:19 ID:le5yI0/w0
「……まずは、少し場所を移すか」
瞬殺の男は鎧を動かし始めると、鎧と共に場所を少し移す事にした。
今の彼の居場所は森だ。
この場所は隠れ場所が豊富な反面、自分も奇襲を受けやすいというデメリットが有る。
鎧を遠隔操作している間の彼は幾分隙も大きくなる。
先程少女を襲わせた時もそうだ。
その間に周囲に、嫌な気配が立ちこめていた。
(誰かが嗅ぎつけたのかもしれないな。もっと場所を選んだ方が良い)
近くに寄ってきた者に相手より先に気づけて、尚かつ逃げ道が複数有る場所が良い。
それでいて人の溜まり場にほど近い隠れ家。
(市街地の外縁部がベストだが、地図が支給されていないのが痛いな。
 くそ、主催者の奴、何を考えているんだ。地図はパロロワの必須支給品だろうに)
心の中で毒づきつつ、瞬殺の男は鎧を自らに向けて歩ませ。
……合身した。
「まあ良い。俺は最速の男。一刻も早くこのロワを完結してやる!」
鎧の素早さを持って瞬殺の男は走り去った!

   ◇ ◇ ◇

瞬殺の男が立ち去った後、その場所はしばらく静寂に包まれていた。
風の音と木々のざわめきだけが唯一の音を響かせ続ける。
だがふいにその音すらも止まり。
虫の声も、遠くに聞こえていた鳥の鳴き声すらも止まった。
一切の音を排した静謐な空気の中で。
いつの間にか、瞬殺男が居た近くの茂みに一人の青年が現れていた。
まるで木陰の闇から生まれ出たように。
いや、ようにではない。彼の姿は正に木の影から滲み出たのだ。
青年は病弱そうな青白い肌をしていた。
その顔には丸眼鏡と奇妙な手術痕が目立っている。
青年は椅子に座り、静かに……歪な笑みを浮かべていた。
「完結……30分で完結ですか」
まるで世界で最高の冗談を耳にしたように、さもおかしげに。
そして言った。
「あなたはどう思いますか?」
「………………」
無音の声。一拍の後。
逆の側の茂みに、一人の女が姿を表していた。
長身長髪の流麗なる美貌だ。
現れた今ですら完璧に気配を押し殺し、静かに青年を見つめている。
女は口を開き、答えた。
「速さは大事ね。その一点には共感出来るわ。
 ロワの序盤には多くの人が死ぬべきである事も。
 だけど何もかも速れば良い、殺せば良いと考えるのは愚かな盲信にすぎない。
 長い時間を掛けて行う行為も時には必要。どいつもこいつも極端に過ぎるバカばかりよ」
「……フン」
男は女の言葉を鼻で笑った。
「どいつもこいつもバカばかりですね。ゲームを糞真面目に考えてばかりいます。
 気に入れば自らの願望をねじ込み好き放題に楽しめば良い。
 気に入らないロワなら……30分ですら遅すぎる!
 始まる前に潰れてしまえば良いんです!
 もっともラノベばかり読む悠長な貴方には判らないでしょうけれどね」
「ラノベとは限らないでしょう? 長文を書く書き手なら他にも居るわ」
「いいえ、限りますよ。あなたからはラノベの臭いがする。
 臭い臭いラノベ読み共の匂いがするんですよッ!!」
その言葉を聞いて女は表情を歪めた。
「やはりおまえは……そういう事か……!」

194怪物出現:2007/05/22(火) 23:01:00 ID:le5yI0/w0
素早く懐から拳銃を取りだし男の額にポイントする。
「もえロワなどというロワが立ちかけた時にバカな男が現れたとは聞いていたわ。
 票数が集まったラノベを排斥しようとし、終いには身の上話をして同情を買おうとした馬鹿。
 興味は無かったから詳しくは知らないし、身の上話も嘘八百だと思っていたけれどね。
 付けられたあだ名は……ホチキスだったかしら」
「私を殺す気ですか?
 酷いですね、私は生まれつき足の無い人間ですよ。そんな無力な人間を殺そうと?」
「……それは嘘ね。挙動がおかしかったわ。視線等の生理的反応は制御しておく事ね」
「へえ。見事な洞察力ですね」
「もしかしてその足は動くのかしら? それとも生まれつきというのが嘘?」
ホチキスは車椅子に座っていた。
黒いズボンを履いたその足は全く露出していない。
足が無いという言葉を信じるなら、あの足は飾り物の義足という事になる。
だがホチキスはまたもさも可笑しげに笑った。
「足? あなたにはこれが足に見えるのですか?」
「……なんですって?」
怪訝に眉を顰めた女の目の前で、ホチキスの足が……裂けた。
ズボンが肉に呑み込まれ、膨れ上がる肉が見る見るうちに醜悪な肉体がそびえ立つ!
それはおぞましい怪物の姿だった。
上半身だけが人の姿のまま、巨大で醜悪な怪物の頭部に生えている。
「生まれつき、人間、という所が嘘ですよ。
 改造手術を受けて人間などという下等生物をやめましてね。
 いやはやあの時の医療用ホチキスの感覚は不快でした」
ホチキスは何も変わらない様子で笑っていた。
「こんな姿のラスボスが居た作品も有りましたね。
 もえロワが動けば奴を通して最凶マーダーとして嫌いなキャラを喰らい尽くしてやるはずでしたが、
 このロワで気に障る奴らを喰らい尽くす事で代わりとしましょう」
女は答えず引き金を引いた。
パンと乾いた音を立ててホチキスの額に銃弾が食い込み、表面で止まった。
「痛いじゃないですか」
轟、と音を立て禍々しい顎が襲い掛かる。
女は僅かに焦りを浮かべて横っ飛びに転がって攻撃をかわした。
そして怪物が再び彼女を振り向いた時に、もう一度銃を撃った。
パンと乾いた音を立て、再びホチキスの額に銃弾が食い込んだ。
「何を無駄な事を……」
ホチキスは嘲笑おうとして……気づく。
二度目の銃弾が一度目の銃弾に直撃して押し込んでいる事に!
女は三度目の引き金を引いた。
パンと乾いた音を立て、三度目の銃弾は一と二度目の銃弾を更に奥にめりこませる。
「ぐ、ぎゃあああああああぁあっ」
のたうつ怪物は巨大な肉体をのたうたせ、女の目の前の地面に叩きつけた!
女は衝撃に抗おうとせず巻き上がる土砂に身を任せ……
「くっ、しま…………」
――背後に、崖が有った事に気がついた。

   ◇ ◇ ◇

「どうやら超能力の類は無かったようですし、仕留めた……と見るのは早計ですか」
崖下には川が流れていた。
お約束で言うならば確実に生き残っていると言っても良い。
「私のあの姿を見て生き延びるとは、全く許せない人ですね。
 さっきの銃弾も酷い。頭がズキズキするじゃないですか」
ホチキスは元の青年の姿に戻り、崖下を見下ろしている。
黒いズボンも元通り履いている。これは彼の一部なのだ。
車椅子に座った姿は無害な一般人にしか見えないだろう。
ゆっくりと再生しつつある額の傷も髪で隠している。
だがあの女は彼の事を知ってしまった。
「私の鼻を信じるならラノロワの住人のようですが……さて、誰なのやら」
答えるかは判らずとも名前を聞いておくべきだったか。
そう悔やみながら、ホチキスはその場を後にした。

195怪物出現:2007/05/22(火) 23:01:50 ID:le5yI0/w0

   ◇ ◇ ◇

「……まあ、生きていただけ良しとしようかしら」
彼女、◆l8jfhXC/BAは呻き声を上げて起きあがる。
流れ着いた場所は川沿いの森だった。
近くに人影が無い事を確認し、手早く周囲に落ちている小枝を集める。
そしてその内の二本を擦り合わせ、あっさりと火を点けた。
迷うことなく服を脱ぎ捨て、火の放射熱が届く近くの枝に掛けた。
体を調べてみたが、傷は打撲止まりで内臓破裂や内出血、骨折の類は無いようだ。
動きにくいからと胸に巻いていたサラシの一部を石で擦り切り、包帯にして巻く。
次に装備を確認する。
彼女に支給されたソーコムピストルは海水に落としても動作する名銃だ、問題無く動作する。
火に当てて熱を持っても困るので乾き始めた服で水気を拭き取るだけにした。
ただ支給品のデイパックは水浸しになってしまった。
刀は問題ないが、その他は乾かさないといけないだろう。
まあ読むものは大体暗記しているから、紙の類は問題ない。
刻印……ではなく首輪を外す時は、紙を現地調達できる場所に居るはずだ。
筆談が必要になればそれからでも遅くない。
◆l8jfhXC/BAは素早く自分の状態を整え、そして他へと思考を移した。
(それにしても出鱈目だわ。怪物や超人しか居ないのかしら)
目撃したのは高速で動く謎の鎧を召喚する瞬殺の男。
それからどこか遠くでその鎧を撃退したらしい謎の人物。
挙げ句に下半身を巨大な怪物に変化させたホチキスだ。
あんな力を現実に見るのは始めてだ。
咄嗟にラノロワで序盤にズガンされた竜堂始の事を思い出し一点射撃を行ったが、
竜堂始なら死んでいた額への三連射を受けてもあの化け物は死ななかった。
ダメージは通りつつあったから後一発で殺せただろうが、それでも四連射が必要という事になる。
どうやらラノロワより若干制限が緩いのではないだろうか。
どいつもこいつも怪物ばかりだ。
そこまで考えて思わず溜息を吐く。
「……まあ、私が言える事でもないわね。我ながら可愛げが無い」
こんなとんでもない環境に放り込まれて見た事も無い化け物に襲われたというのに、
迷いも怯えも無く適切に対応できている自分が可笑しく思えた。
人を殺して罪の意識を感じたとしても、それに押し潰される事は無いだろう。
彼女はもう少し心に揺らぎの有る、人を殺した事にも人が殺された事にも心が壊れそうな程に苦悩する、
そんな何処かに弱さを残した少女、例えばエンジェルハウリングのフリウ等に憧れていたのだが……。
(無い物ねだりという奴ね。
 私には不安や迷いで思考が狭まるような心の弱さも、
 どんな選択をしても生き残りうるような超常の力も有りはしない。
 これからどう動けば生き延びられるか、何を望み何を求めるか。
 このバトルロワイアルにおける私の生き方を決めなければいけないわ。
 まずは…………)
◆l8jfhXC/BAはしばらく考えた末に、一つ決めた。
「◆l8jfhXC/BAじゃ名乗りにくくて仕方ないわね。
 別に渾名も無いし、末尾を取ってAとでも名乗ろうかしら」
AngelHowlingのAngelとも掛けたなんて恥ずかしい秘密は墓の下まで持っていこう。

196怪物出現:2007/05/22(火) 23:02:19 ID:le5yI0/w0
【開始数十分後・B-1/???/瞬殺の人@学生キャラロワ】
[状態]:精神疲労(小)、鎧装着
[装備]:召喚した鎧
[道具]:支給品一式(地図なし)、後は不明
[思考]
基本:ロワを完結させる(結末は自分の優勝エンド)
1:まずは襲撃に適切な場所を捜す。
2:皆殺し
[備考]
・男の「召還」は鎧(アルフォンスエルリックみたいな感じ)を呼び出すものです。
・装着して動く事も出来るようです。

【開始数十分後・A-1/森/ホチキス@もえロワ】
[状態]:額に深い傷(再生中)
[装備]:車椅子(自前?)
[道具]:支給品一式(地図なし)、後は不明
[思考]
基本:このロワを好き放題楽しむ。
1:車椅子に乗った無害な姿を利用して行動する。
2:少しでもラノベに関連した者は殺害する。
[備考]
・変身能力は下半身がよく判らない巨大な(数m〜10m程度の)怪物になるものです。
 本人は烈火の炎の天道地獄最終形態に準えていますが、外見が少し似ているだけです。
・影に潜む能力を持っているようです。
・鼻が効くようです(対ラノベ関連のみ?)。
・どうやら全てホチキス改造手術による能力のようです。改造手術って凄いね。

【開始数十分後/B-2/川沿いの森/A(◆l8jfhXC/BA)@ラノベ・ロワイアル】
[状態]:打撲傷、ほぼ全裸
[装備]:ソーコムピストル(残弾10/13)、日本刀
[道具]:支給品一式(地図なし)
[思考]
基本:これからの方針について考える。
1:まずは服が乾くのを待つ。
[備考]
・焚き火で服や支給品を乾かしています。

197名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/22(火) 23:03:00 ID:le5yI0/w0
好き放題書いたぜ!

……なんでこういうのって数時間で書き上がるんだろうな。

198名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/22(火) 23:04:25 ID:khnyZyAY0
>>196
ちょwww
ホチキス強すぎwww
ていうか、なんかカッコいいしw
これはGJ!!

199名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/22(火) 23:13:03 ID:zEDXqLjs0
>>191
了解しました。
自分以外の現役の書き手を勝手に追加するのは、一部の例外除いて
配慮して自粛すべきかもしれないな……。


とりあえず自分も投下してみます。

200名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/22(火) 23:16:16 ID:zEDXqLjs0

「……何てことだ」

風が、髪をそよと揺らす。
日差しが、素肌に心地良い。
「……なんてことだ」
呟くしかない。


全裸である。
登場した瞬間から全裸である。


ロワに放り込まれた途端に水に落ち、やむなく着替えた結果こうなったとか、そんな生易しいものではない。
私は登場させられた瞬間から全裸だったのだ。
パンツの一枚すら与えられなかった。マントの一枚すら支給されなかった。
せめてもの幸いはロリっ娘の姿であったことだ。こんな状況でも、視線を下に向ければちょっと幸せになれる。
ついでに『ランドセル』から出てきた支給品は、案の定――おぞましき拡声器と、瓶に入った媚薬500粒。
いくら因果応報とはいえ、あんまりだ――――。

私は橋をとぼとぼと歩く。全裸で。

拡声器を構える。全裸で。

「だって拡声器支給されちゃったからね……やっぱやらなきゃダメでしょコレ……」
拡声器を渡されたのなら、「使って」、「マーダーをおびき寄せて」、「死ぬ」のが
そのキャラの役割であり、様式美というものだ。

橋の真ん中まで来た所で、拡声器を掲げる。全裸で。
足を真八文字に開き、胸を反らして深呼吸。全裸で。
拡声器のスイッチをON。全裸で。

溜めた息を肺から押し出し、いざ放送を開始しようとして――――私は、はたと気づいた。
(……何を言おうかね)
フラグのことで頭がいっぱいで、肝心の何を言うか考えていなかったのだ。
即興で立派な演説を打つ知恵もなく、しかたなく絞り出した第一声は――――



「…………あー……あー、ただいま、マイクのテスト中……」




【開始数十分後/C-3/川の上に架かる橋の上】

【◆M42qaoJlNA@LSロワ】
[状態]:拡声器
[武装]:拡声器、魔女の媚薬500粒
[所持品]:支給品一式
[思考]:何言おう……
1・拡声器フラグを完遂する
[備考]:素っ裸で橋の上から放送をかけようとしています。

201名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/22(火) 23:17:55 ID:zEDXqLjs0
投下終了。

出オチでもいいから参加してみたかった、今は反省している。

202その女最速につき ◆7/2NTSPZJs:2007/05/22(火) 23:18:55 ID:1rXDAlwgC
「くっそ……。トンでもないことになっちまった……!」
 そう呟きながら月明かりが照らす薄暗い森の中を歩く青年が一人。
 彼こそパロロワの歴史にその名を残す『三大ロワ』のひとつ、『葉鍵ロワイアル』(初代)の紙媒体化を成し遂げた功労者の一人である瀬戸こうへいその人である。
「こちとらやっとハカロワの紙媒体化を一通りやり終えたばっかだっていうのに……。少しくらい休ませてくれてもいいだろうが……。
 オマケに、俺に与えられた支給品は、押したら『国崎最高!』と叫ぶだけのボタンにサングラスときた!
 神様ってのは、ホントにヒデー野郎だぜ……」
 まあ、俺は神とかそんなもんはやすやすと信じるタチじゃねーんだけどよ、と付け加えると彼は足を止め、近くの木の根元にどすんと腰を下ろした。
「やれやれ、このあたりまで来ればしばらくは安全だろ……
 さてと……まずは俺はこの殺し合いにおいてどのような行動を取ればいいかを考えてみますか……」

(まず第一に、殺し合いに乗るか、それとも乗らないかだ。
 これはもちろん乗らない。当然だろう。ハカロワ編集者が実は殺人狂でしたー、なんて笑い話にもならねえ……)

(次に、このゲームから脱出する方法だ……
 出来れば今すぐにでもこんな所からはオサラバしてーが、俺たち参加者はみんなこの通り首輪を付けられちまってる……
 チックショー、ハカロワと同じく胃爆弾だったらさっさとゲロ吐いて吐き出せたのによお……)
 そう思いながら瀬戸は一度はぁ、とため息をついた。

(まあ、嘆いていてもしょうがねえ。
 それなら急いで首輪を解除出来そうな奴を見つけるか、俺が首輪を解除する方法を見つけるに限るぜ)
 瀬戸はそう決断すると、すぐさま立ち上がり、行動を開始することにした。
 ――だが、その時……

203 ◆7/2NTSPZJs:2007/05/22(火) 23:20:10 ID:dLnD2M7QC
「見つけたァ!!」
「いっ!?」
 瀬戸の視界に突如一人の女性の姿が飛び出してきた。それもご丁寧に目の前からだ。
 おまけに、相手は人間とは思えない速さで瀬戸に接近してくる。
(まさか、殺し合いに乗った奴か!?)
 武器はないが、そう簡単にやられてたまるか、と瀬戸は即座に身構える。

 もの凄いスピードで近づいてきた女性は瀬戸の前で急ブレーキをかけ、そして――――
「Oh! ジャマジャマ〜♪」
「は?」
 ……両手を前にひらひらと広げた意味不明のポーズをとり、そう口にした。
「これは今、うちのロワで流行っているのだが、寒かったか? つまらなかったか? 引いてしまったか?」






「えーと……。つまり、あんたも俺と同じく、殺し合いには乗っていなくて、首輪を解除するための方法を探している。
 そのためには仲間や同志が必要不可欠だったから、それらを求めてスタートから早々、周辺を爆走していた……ってことでいいのか?」
「ああ、その通りだコーエイ。
 この私、アニロワ最速の書き手、◆WwHdPG9VGIは『この世の理』とはそれ即ち『速さ』だと思っている。なぜなら、物事を早く成し遂げればその分時間は有効に使うことが出来るからだ。
 遅いことならば誰でも出来る。2000年くらいあればキャプテンでも傑作SSが書ける。有能なのは月刊漫画家よりも週刊漫画家、週刊よりも日刊だ。つまり、速さこそが有能なのだ!
 これ即ち、 文 化 の 基 本 法 則 ! ! 
 そして私の持論だ!」
「だーーーっ!! さっきから言ってるが、そのやかましいマシンガントークは止めろ!!
 それと俺はこうへいだ! 無双シリーズ作ってるゲーム会社じゃねえ!!」
「おお、これはすまん。人の名前を覚えるのが苦手でな」
 そう言って◆WwHdPG9VGI――通称、『最速』は軽く瀬戸に頭を下げて詫びた。

204 ◆7/2NTSPZJs:2007/05/22(火) 23:21:37 ID:XbW5UDTgC
(ったく……。
 ……それにしても、こいつかなり胸あるな。『最速』つーよりも『おっぱい魔人』じゃねーの?
 あと、自分でもなぜか分かんねーけど、こいつ炎の魔剣とか騎士甲冑とか似合いそうだな……
 ポニーテールにしてる髪も綺麗だし…………)
「? どうかしたか、コーエイ?」
「だから、こうへいだ!
 ……べ、別になんでもねーよ!」
「そうか。
 ……ともかくだ。私はこれからスピーディーに仲間たちと合流して、スピーディーにこの殺し合いから脱出したいと思っている。協力してくれないか?
 もちろんタダでは言わない。私が常にコーエイをお守りしよう。
 こう見えても私はアルター能力者であり、なおかつ『烈火の将』とも呼ばれた騎士だ。共に行動して損はないと思うぞ。
 ――いや、『ないと思う』というのは間違いだな。確実に『安全でスピーディー』だ。
 なぜなら、どんなに強大な敵が現れても私に攻撃を当てられなければどうということはないし、私のスピードに追い付けなければ私を倒すことなど……」
「だああああああああああっ!! だからマシンガントークは止めろっつーに!!
 それに、いくら早口でもそんな長い話してたらそれこそ時間のムダだろうが!!
 ――わかったよ、とりあえず今はあんたと一緒に行動する。だからさっさと別の場所に行こうぜ。
 それと、俺の名前はこうへいだ」
「む……。言われてみれば、確かにその通りだ。これは失礼した。
 『最速』を名乗っていながら私もまだまだだな…………
 よし。ではコーエイ、早速私の背中におぶされ、私が安全かつスピーディーにお前をエスコートしよう」
「だから、こうへいだ!
 ……というか、こういう場合、男である俺がエスコートするもんなんだが……。まあ、今は仕方ないか……」
 そう言いながら瀬戸はしぶしぶと最速の背中におぶさった。
 その時、最速の見事なバストに両腕が触れてしまい瀬戸はドギマギしたが、最速の方はそのようなことはまったく気にしていないようだった。

「――よし。では、行くぞコーエイ。
 ラディカル・グットスピード脚部限定ッ!!」
 その最速の言葉と同時に周辺の大地にいくつかのクレーターが発生し、最速の膝から下の両足には鎧のような装甲に包まれた。
「だーからこうへいだと……って、うおおおおおおっ!?」
 瀬戸が言葉を完全に言い終わるよりも先に最速はすでに走り始めていた。
 もちろん先程同様、人間とは思えない凄いスピードで――――

205 ◆7/2NTSPZJs:2007/05/22(火) 23:23:37 ID:TTvVUoIQC
【瀬戸こうへい@初代ハカロワ】
[装備]:なし
[所持品]:支給品一式、国崎最高ボタン@ギャルゲロワ、ストレイト・クーガーのサングラス@アニロワ
[状態]:混乱中。最速に背負われ移動中。
[思考]
基本:ゲームには乗らない。最終目的はゲームからの脱出。
1:うおおおおおおっ!?
2:俺はこうへいだーーーっ!!
3:つーか、アルター能力ってなんだ?
4:首輪解除のための情報、もしくは人材が欲しい。
【備考】
・ハカロワ紙媒体化を一通り終えた直後からの参戦です。
・一般人です。異能は使えません。


【最速の人(◆WwHdPG9VGI氏)@アニロワ】
[装備]:なし
[所持品]:支給品一式、ほか不明
[状態]:健康。ラディカル・グットスピード(脚部限定)中。
[思考]
基本:ゲームには乗らない。最終目的は仲間たちとゲームから脱出。
1:スピーディーに仲間たちと合流したい。
2:スピーディーに首輪解除が出来そうな仲間もしくは情報を集める。
【備考】
・イメージ声優は清水香里でシクヨロ(笑)

206 ◆F47uEavVkk:2007/05/22(火) 23:26:24 ID:.CEhmjZA0
「う〜脱出脱出」

今、この異常なバトルロワイアルから脱出するために必要なフラグを探して走っている私は、
パロロワでSSを書いている極一般的な書き手さん。
強いて違うところを挙げるとすれば、熱血展開が上手くてデヴァイス使いが荒いってことかナ――

あだ名は鉄槌。

そんなワケで、支給品をチェックすべく、安全そうな場所まで移動してきたのだ。
ふと支給品の袋を開けてみると、中には一本の杖が入っていた。

ウホッ! いいデヴァイス……

そう、それはパロロワ界では最もポピュラーなデヴァイス、レイジングハートだったのだ。
そう思っていると、そのデヴァイスは、
私が見ている目の前で念話で話しかけてきたのだ……!

『Hello, nice to meet you. My name is Raisinghart.(やらないか)』


そういえばこのロワはさっきの鎧など、異世界のモノが紛れ込んでいるのが明白だった。
イイデヴァイスに弱い私は、誘われるままホイホイとこのデヴァイスのマスターになってしまったのだ☆

『あ、あの、まだ仮契約の話も何もしてないんですが……』
「アァ!? 何か言ったか!? グダグダ言ってると●●で×××しちまうぞこのアメ玉野郎!!」
『い……イエス、サー(ガクガクブルブル)』
「よし、よろしくなレイジングハート! 私たちで、絶対このふざけたロワから脱出してやろうぜ!」
『お……All right, my master.(あれ? これってもしかして死亡フラグ?)』 


【開始十数分後・A-2 鉄槌@アニロワ】
[状態]:精神疲労(小) 肉体疲労(小)
[装備]:レイジングハート(鉄槌に心底恐怖)
[道具]:支給品一式(地図なし)
[思考]:
1:首輪を外せそうな人間を探す

207 ◆F47uEavVkk:2007/05/22(火) 23:27:04 ID:.CEhmjZA0
即リレーに近い上に、展開はありきたり。
だが後悔はしていない。

208名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/22(火) 23:27:41 ID:6g.p6Jds0
>>206
>>156

鉄槌人気wwwwwwwwwww

209名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/22(火) 23:29:04 ID:Dhr/uBZc0
>>205
鉄槌氏はゲボ子でカズマでWw氏はシグナムで兄貴かよw
……と書き込もうとした先に>>206かよw
カオスってレベルじゃねえぞwwwwwwwwww

210 ◆7/2NTSPZJs:2007/05/22(火) 23:29:27 ID:hMMm8eZwC
時間と場所は

【ロワ開始数十分後 B-2 森林地帯】


でお願いします。

211名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/22(火) 23:29:35 ID:rPifGXnY0
投下ラッシュwww

>アンリミテドうっかりワールド
ワロタw

212名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/22(火) 23:30:16 ID:.gtpMYfg0
>>205
ちょwwww
最速の人は見た目シグナム姉さんで中身は兄貴なのか?ww
これはいい『のこされたもの』効果ww

>>206
鉄槌さんすげぇ人気だw
しかもレイハさんが恐怖するとは予想GUYw

213 ◆M42qaoJlNA:2007/05/22(火) 23:32:01 ID:zEDXqLjs0
>>200のタイトル忘れたorz


>>205
意外な人と期待してた人が一緒に来たー!
だがあえて国崎最高ボタンの活躍に期待

>>207
くそみそktkr
レイジングハートの台詞の意訳に吹いたw

214 ◆F47uEavVkk:2007/05/22(火) 23:33:32 ID:.CEhmjZA0
そうか、タイトルとかあったんだw

勿論「くそみそデヴァイス」で。

215名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/22(火) 23:34:18 ID:.yidmViY0
>>205
現在位置を忘れていますよー

216名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/22(火) 23:35:45 ID:2i1mlHyUC
デバイスじゃなかったっけ?

217現状纏めですよー:2007/05/22(火) 23:36:40 ID:le5yI0/w0

  アンカー  | [居場所]登場キャラ            |タイトル
>>141      |[X?]>>1                     |冗談でOP書いて見たw
>>154-156,181|[A1]瞬殺の人/[A2]鉄槌
>>172-174   |[E6]◆6/WWxs9O1s/二代目リアルタイム|勢いで書いた上に鳥まで晒す。後悔は(ry
>>176      |[C4]◆qSSOg86y8s/感想の人
>>179      |[E2]ボマー
>>183-186   |[F6]ツキノ/ネスカ               |それいけ!ツキノンマン!!
>>193-196   |[B1]瞬殺の人/[A1]ホチキス/[A2]A(◆l8jfhXC/BA)|怪物出現
>>200      |[C3]◆M42qaoJlNA
>>202-205   |[B2]瀬戸こうへい/◆WwHdPG9VGI     |その女最速につき
>>206      |[A2]鉄槌                     |くそみそデヴァイス

218 ◆F47uEavVkk:2007/05/22(火) 23:39:46 ID:.CEhmjZA0
>>216 あれ、そうだっけ? まあどっちでもいいッスw

どうでもいいが、予約とか基本無しでいいよなみんな?
予約するにしても、暫くたってからで期限1日とかでもいいんじゃねw

219名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/22(火) 23:40:42 ID:zEDXqLjs0
>>217氏に先を越された……位置まとめ乙です!

【A-1】ホチキス
【A-2】鉄槌
【B-1】瞬殺の人
【B-2】A(◆l8jfhXC/BA)
【B-2】瀬戸こうへい、最速の人(◆WwHdPG9VGI氏)
【C-3】◆M42qaoJlNA
【C-4】◆qSSOg86y8s氏、感想の人
【E-2】ボマー(◆3k3x1UI5IA)
【E-6】◆6/WWxs9O1s氏
【F-6】ツキノ、ネスカ

220217:2007/05/22(火) 23:42:04 ID:le5yI0/w0
>>219
いやOKOK。
……自分で書いておきながらA(◆l8jfhXC/BA氏)の位置間違えてたからorz

221D meets H(1/2) ◆QcxMJGacAM:2007/05/22(火) 23:43:04 ID:Y/awH1Co0

「……惨いな」

流石に、喉を掻っ捌かれた『かつて人だったもの』を目の前にして平静で居られるほど、俺は冷血漢ではなかったらしい。
苦悶の表情を浮かべた『それ』の、強く見開かれた目を閉じてやり、軽く黙祷を捧げる。
……まだ、辺りに人の気配はない。死体第一発見者の責務、というわけでもないが……墓の一つでもこさえてやろう。
左手を眼前に掲げ、それが『刃』に変わる様をイメージする。果たして、それはグチャグチャと嫌な音を立てながら、醜悪な鋭い凶器へと変貌した。
そのまま無造作に振り上げ、振り下ろす。ザクリ、と小気味いい音がして刃が大地に突き立つ。
ひたすら単調な作業を繰り返しながら、俺は思考を巡らせる。

(この世界は……夢や幻などではない、現実だ。
ハハッ……全く、皮肉な話だよ。パロロワの書き手だった俺が、まさか『参加者』として選ばれる事になるなんてね。
……しかも、何の因果か御丁寧に『こんなもの』まで埋め込んでくれたときたもんだ)

何故俺はこの世界に招かれた?
……知れたことだ、そんなもの自分の状態を考えてみればよく分かる。
『この力』を使って、他の参加者共を屠れとでも言うのだろう。
気に食わない。実に、気に食わない。

(俺がそう簡単に思い通りに動くと思ったら大間違いだ、主催者。俺は俺のやりたいようにやらせてもらう。
これから先、俺の行う全ての行動は、全て俺の意思によるものだ。誰にも邪魔はさせん!)

会場に飛ばされてすぐに目を通した名簿を見て、己のすべき事は決まった。『贖罪』、そして『断罪』だ。
自らが名を伏せて行ってきた悪行の数々……荒らし、スレ乱立、煽り……この場でもって全て償う。
そして、『あの男』。各地を荒らして回った、『あの男』だけは、絶対に。

……絶対に、コロシテヤ「動かないでほしい。動いた場合、命の保証はしかねる」



……どうやら、いささか作業に熱中しすぎていたらしい。
首のすぐ脇に添えられたのは、磨き上げられた白刃……微妙な反りを見せるそれは、軍刀、だろうか。
と、いうことは……

222D meets H(2/2) ◆QcxMJGacAM:2007/05/22(火) 23:44:37 ID:Y/awH1Co0
「……あなたが軍曹か。まさか、あなたのような有名人に出会えるとは……この世界も、まんざら捨てたものではないのかもしれないな」
「アイスブレイクのジョークは不要だ、DGさん。
……単刀直入に聞く。◆QcxMJGacAM氏を殺したのは、あなたなのか?」
「成る程、そこの彼はあなたのロワの書き手か……お悔やみ申し上げる」
「話をはぐらかさないでいただこうか、DGさん。YesかNoか、フ[ピーッ!]ン野郎でも答えられる質問だ。
……返答は?」

……一瞬F語が聞こえたのは、多分気のせいではあるまい。中々どうして、いいキャラをしている。
さて、どう答えたものか……

「……私ではない、と言ったところで証拠はない。逆もまた然り、だ。
それを理解していただいているのなら……私は、Noと答えよう」

ピタリ、と刃が首筋に触れる。対応を間違えたのだろうか?……それにしては、そこから先の動きがないのが不自然だ。
しかし、判断は早急に下してほしいものだ。正直、首筋の刃に熱を奪われて冷えが気になり始めてきた。

「……それにしても、肝が据わっているのだな、あなたは」

うん?
……苦笑と共に、首筋の冷えが取り除かれた。やれやれ、どうにか認めてもらえたようだ。

「……その御温情に感謝するよ、軍曹殿」
「早合点は御遠慮願おうか、DGさん。……証拠がない以上、現時点で判断を下すのは不可能だ。
だから、これから先のあなたの行いで決めさせてもらう。あなたが、果たして『断罪』の対象なのかどうかを」

まだ100%信頼してもらえたわけではなさそうだ。賢明な判断ではあるが、少々息苦しくなるのが残念だ。
とはいえ、仕方がない。ここはおとなしく従うとしようか……

「……了解したよ、軍曹殿。
それじゃあ、俺の人となりをとくと判断していただこうか………………



……アンタ、ギコ族だったのか」
「仕方のないことだよ、DGさん。私が表立って行動する時に使っていたハートマン先任軍曹のAAは、顔がギコタイプだったのだから」



振り返った先に居たのは、ダークグリーンの軍服に身を包み、サーベルを帯びた赤い毛並みの猫だった。まる。

223D meets H(状態表) ◆QcxMJGacAM:2007/05/22(火) 23:45:07 ID:Y/awH1Co0
【開始数十分後/D-1】

【DGの人@スパロワ】
[状態]フィジカル面:問題なし、メンタル面:ちょっとだけ脱力
[装備]DG細胞(開始時より感染、今のところ制御下にある)
[道具]支給品一式、ランダム支給品(1〜3?後続にお任せ)
[思考]基本:自らの犯した他ロワへの罪を償う、また他の荒らし(特にキャプテン)を断罪する
1:とりあえず◆QcxMJGacAMを埋葬してやる
2:軍曹に同行
[備考]DG細胞に感染していますが、今のところ肉体面・精神面共に暴走の危険性はありません。
しかし、何かの拍子に暴走する可能性は0ではありません。
現状少なくとも行えるのは「自身の身体の変成」です。

【軍曹@アニロワ】
[状態]フィジカル面:問題なし、メンタル面:問題なし
[装備]サーベル、軍服(共に自前)
[道具]支給品一式、ランダム支給品(1〜3?後続にお任せ)
[思考]基本:出会った相手が断罪の対象であればF[ピーッ!]する、そうでなければ脱出を提案
1:◆QcxMJGacAMの埋葬を手伝う
2:DGの人が断罪の対象かどうかを見極めるために同行する
[備考]外見はハートマン先任軍曹のAA通りです。つまり軍服着たギコ猫、しかも二頭身。

【◆QcxMJGacAM@アニロワ 死亡確認】
※犯人は不明、まだ近くにいるかもしれませんし、そうじゃないかもしれません。

224 ◆QcxMJGacAM:2007/05/22(火) 23:46:47 ID:Y/awH1Co0
ごめん、事後報告ですが投下しました。おいしいキャラばっかりとってしまって申し訳ない。
F語の詳細は目欄をどうぞ

225名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/22(火) 23:47:09 ID:zEDXqLjs0
>>223
ぬこ軍曹www
最初はシリアスだと思ったのに、まさか最後の一文で萌えさせられるとは
GJ!

226名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/22(火) 23:53:49 ID:6l/rojZw0
すごい投下ラッシュwww

227うたわれたいもの 〜『空蝉』と『分身』〜:2007/05/22(火) 23:56:28 ID:1rXDAlwgC
「いやぁ〜……。ホントに参ったねぇーこれは……」
 深夜の森を歩く一人の少女の人影。彼女こそ、知る人ぞ知る、ハカロワ3序盤から中盤まで活躍した、まーりゃん書き手氏その人である。
 自称・永遠の14歳。将来の夢はエロゲー界の頂点に君臨することという、外見、内面はほぼ東鳩2のまーりゃん先輩なパロロワ界の一ロリっ娘書き手である。
「……と言いたいところなのだが、実はあたしは不完全な存在なんだよね〜…………」
『そうなのですか?』
「ああ。あたしは半身であるつきのんと融合――つまりひとつになってやっと完全体に……パロロワ界の頂点に君臨できる力を秘めた書き手になれるのさ」
 右手に持つデバイス――レヴァンティンにそう言ってうんうんと頷くまーりゃん書き手。
「――ま、そんなワケだから早速つきのんを探すとしますか。
 きっと今ごろは得意のうっかりを連発しているころダゾ」
 そう言うとまーりゃん書き手はレヴァンティンを手に歩き始めた。


【ロワ開始直後 c-2】
【まーりゃん書き手@ハカロワ3】
[装備]:なし
[所持品]:支給品一式、レヴァンティン@アニロワ
[状態]:健康
[思考]
基本:ツキノと統合して完全体となる。
1:ゲームに乗るか、乗らないかは気分次第。ただし、ツキノは攻撃対象外

228名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/22(火) 23:59:53 ID:le5yI0/w0
感想。投下ラッシュすぎw
どいつもこいつもGJだこんちくしょー!

自分出る話も書くべきなのだろうか。
誰かが出してくれたら楽しもうとは考えているんだけどw

229名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 00:02:26 ID:H7nikOIo0
>>228
投下乙!
分身の不完全体か……つきのん本体との邂逅に期待(でも遠いなあ)
これは、他の分裂書き手ももう一人と合体するとパワーアップするのかな、なんて妄想



とりあえずホチキスと感想の人とまーりゃん書き手さんに包囲された俺が生き残れる気がしない

230名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 00:04:52 ID:Bk79fbdo0
投下ラッシュ凄過ぎw みんなGJ!

案外、書ける書き手が少ないことに気づいた、というか既に書かれてる
もうちょっと待ってリレーに徹しようかしら

231名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 00:06:00 ID:/liwS1QE0
なんつーか、GJ!としか言いようがねえww
投下ラッシュしすぎw

>>228
いいなじゃないか? マイナーロワならキャラつけたほうが面白いだろうし。

232名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 00:07:51 ID:JP.5wRZM0
ペースハヤスwwww
みんなGJすぎですww

2332人のゲームボーイズ:2007/05/23(水) 00:09:16 ID:QEgSFhus0
「……どうして、どうしてボクがこんな目に……」
うっそうと茂る森の中、10代くらいの少年がうずくまっていた。
彼は恐怖していた。ゲームに乗ることも。ゲームに潜むマーダーと対決するのも。
そして、このバトル・ロワイアルも。

(どうして、ボクが選ばれたんだろう、最近の投稿の遅れ?それとも投稿SSに問題があったのかな?
もしかして任天堂ロワの代表者として?ダメだ……どの可能性もはっきりしたものじゃないな)
少年は下を向き、何故自分がこのおかしなことに巻き込まれたのか思い返すが、これといった解答は見つからなかった。

(いっそのこと、ここに留まるかな……いや、もしかしたらゲームに乗った人が来るかもしれない。でも、動いてもマーダーと遭う……どうしよう、まだ死にたくないよ……

それにボクのことなんか覚えている人なんているのか、ボクってあんまりいいSS書いてないじゃん。)

◆BRxsUzTn5A。
この彼の名を知る者はどれほどいるだろうか、これといって目立ったSSを書いたことはなく、地味にSSを書いていたこの少年を。
強いて目立った点をあげるのならば、任天堂ロワに多く投稿をしたのみ。
この少年の頭はたった一人という恐怖、日常から離れたこの異様な世界に恐怖のみが蹂躙していた。
「嫌だ……まだ死にたくない……」

書きたいSSだってまだたくさんある、見てないニコニコ動画もたくさんある。
こんなところでまだ死にたくない。けど、人殺す気にも殺される気にもなれない。

「と、とりあえず、デイバッグの中を確認しておくかな……」

◆BRxsUzTn5Aがそばにあるデイバッグを手を使って引き寄せ、中身を見ようとしたその時、目の前の茂みがガサガサと音を立てた。
「………!」
◆BRxsUzTn5Aは驚愕した。誰かがこちらへ来るのだ。
もしかして自分を殺しにきた、マーダーか?あるいはこのゲームに脱出しようとする人なのか?
出て来るのはどっち?出てきた相手にどう対処すればいい?バッグの中を武器をつきつける?でも、誤解が生じたら?バッグの中身がハズレだったら?
いっそのこと逃げる?でも、もしかしたら脱出派かもしれないし、どうする?どうするの?ボクゥ!!?
◆BRxsUzTn5Aは突然の出来事に戸惑い、どう対処すればいいのか迷って、行動を取れないままでいた。

まごついている彼の選択は、茂みの音をたてていた主が現れたことにより中断された。

「な〜んだ、ドロッチェでもカービィでもないのか」
「え……?」

2342人のゲームボーイズ:2007/05/23(水) 00:09:39 ID:QEgSFhus0
◆BRxsUzTn5Aの目の前に登場したのは赤いシルクハットとマントをはおった少年であった。
「君は……誰?」
少年は茂みから登場した奇怪な少年に尋ねる?
「俺か?俺は……名簿の中にある名前で言うなら、リアルタイムカービィの人かな」
リアルタイムカービィの人と名乗った少年はシルクハットをずらしながら答える。
◆BRxsUzTn5Aはデイバッグを名簿を見るとそこにはしっかり「リアルタイムカービィの人」という文字があった。
「……じゃあ、あのカオスロワでドロッチェやカービィを活躍させた人?」
◆BRxsUzTn5Aは名簿を見ている顔を上げ、リアルタイムカービィの人の顔を見る。
「そう。じゃあ俺は先を急いでるんでこれで。このロワにドロッチェか、カービィがいるかもしれないし」
リアルタイムカービィの人は踵を返そうとしたが、
「あ!ちょ、ちょっと待って!」
◆BRxsUzTn5Aは思わず立ち上がり、リアルタイムカービィのことを
「何だい、何かドロッチェのこととかカービィのことを知っているのかい?」
「あ、その……ボクも一緒に連れてってくれませんか、一人じゃ心細いし……」
「いいよ、ドロッチェやカービィを捜す人は多ければ多いほどいいからね」
「はぁ……」
「じゃあ、行こう! BRくん、ドロッチェやカービィが僕らを待っているに違いない!」
「あ、リアルタイムカービィさん、置いてかないで!」

こうして任天堂のゲーム関連コンビが結成された。
片や、カオスロワで必死の自己リレーでSSを書き、今も彼のクオリティがロワで語り継がれている少年。
片や、複数のロワで細々と書いている影の薄い少年。
対照的な2人の結末はHAPPY ENDか?それともGAME OVERか?

◆BRxsUzTn5Aはリアルタイムカービィの人の背中を追いながら走るふと思った。
(それにしても……このロワ……)




 ドロッチェ や カービィ いなくね ?




とりあえずドロッチェとカービィを捜す、それがドロッチェクオリティを持つリアルタイムカービィ人の行動理念なのである。

【ロワ開始直後/F-2/一日目】
【◆BRxsUzTn5A@任天堂ロワ】
[状態]:健康、不安
[装備]:なし
[道具]:支給品一式(地図無し)、ランダムアイテムは確認済み
[思考]
基本:殺しあいには乗りたくない
1:誰か頼りになりそうな人を捜す
2:ドロッチェとカービィを捜すことには消極的
3:ゲームからの脱出
[備考]
※黒髪の内公的な少年。
※特に使える能力はありません。(つまり一般人)


【リアルタイムカービィの人(書き手)@カオスロワ】
[状態]:健康、
[装備]:なし
[道具]:支給品一式(地図無し)、ランダムアイテム未確認
[思考]
基本:ドロッチェ、カービィを捜す。
1:ドロッチェ、またはカービィと会ったらゲームから脱出する。
[備考]
※赤いシルクハットに赤マントをつけている銀髪の少年。
※特殊能力:『ドロッチェクオリティ』
全ての展開がドロッチェ的なクオリティになる能力。
本人の意志とは関係なく発動する。降りかかる危機を都合よく回避できるいい展開が発動したり、
いきなりズガン!されるような展開が発動する気マグレな能力

2352人のゲームボーイズ:2007/05/23(水) 00:10:09 ID:QEgSFhus0
ムシャクシャしてマイナー書き手出した。今は後悔していない。

236名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 00:12:53 ID:wEPncgo20
笑いすぎて腹が破壊されるwww

237名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 00:14:05 ID:H7nikOIo0
>>235
乙!
このペアはなんだかいいなあw和む

238名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 00:16:25 ID:fsMwv2yYC
なんだよ、この投下ラッシュはよwwwwww

239名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 00:23:14 ID:N8F0FGqo0
A-1 【ホチキス@もえロワ:車椅子に乗る病弱そうな青年に見せかけた怪物】ロワを好き放題楽しむ、ラノベキラー。
A-2 【鉄槌@アニロワ:ヴィータとカズマの融合体、体はヴィータ】レイハと一緒、首輪を解除できる人募集。
B-1 【瞬殺の人@学生キャラロワ:鎧を呼び出す召喚士の男】 スピーディに皆殺し、狩場探し。
B-2 【A(◆l8jfhXC/BA)@ラノベ・ロワイアル:長身長髪で銃使いの美女(パイフウ?)】ほぼ全裸、方針未定。
B-2 【瀬戸こうへい@初代ハカロワ:ごくごく普通の青年】混乱中。最速に背負われ移動中。脱出派。
B-2 【最速の人(◆WwHdPG9VGI氏)@アニロワ:頭脳とアルター能力はクーガー、体はシグナム】暴走中、脱出派。
C-2 【まーりゃん書き手@ハカロワ3:外見、内面共にまーりゃん先輩、ツキノと融合可能】ツキノ捜索。
C-3 【◆M42qaoJlNA@LSロワ:頭脳はロリコンの大人、体は幼女】全裸、拡声器使用中。
C-4 【◆qSSOg86y8s氏@カオスロワ:クルミ使いの美少女】対主催の仲間探し。
C-4 【感想の人@脇役ロワ:謎の能力持ちの初老の紳士】ジョーカー、空気キャラキラー、傍観者。
D-1 【DGの人@スパロワ:DG細胞に感染している青年】贖罪をする、荒らしキラー。
D-1 【軍曹@アニロワ:軍服を着た赤いギコ猫、ついでに二頭身】DGの人の監視、脱出派、悪を断罪する。
E-2 【ボマー@LSロワ:スタンド持ちの可憐な美少女】危険人物は爆破、指輪の契約者探し。
E-6 【◆6/WWxs9O1s氏@カオスロワ:投擲武器使いの少女】生き残りたい。
F-2 【◆BRxsUzTn5A@任天堂ロワ:黒髪の内公的な少年、ただの一般人】脱出派。殺し合いはしたくない。
F-2 【リアルタイムカービィの人(書き手)@カオスロワ:赤いシルクハットに赤マントで銀髪の少年】ドロッチェクオリティ!
F-6 【ツキノ@ギャルゲロワ:ぱっと見少女に見える美麗の少年】アンリミテッドうっかりワールド展開中。
F-6 【ネスカ(描き手)@FFDQロワ3rd:黒スーツエルフ耳の長い黒髪の魔女】脱出派、まともな人に会いたい。

D-1 【◆QcxMJGacAM@アニロワ:男】死亡 加害者不明
E-6 【二代目リアルタイム@カオスロワ:男】死亡 加害者◆6/WWxs9O1s氏@カオスロワ

240 ◆EeCmUBzmbs:2007/05/23(水) 00:23:36 ID:uOVa2Zec0
今北産業
すげえ投下ラッシュだなwww
どいつもこいつも面白すぎwww

>>205
どうでもいいが清水香里声だと
シグナムに高野とマーダーのイメージしか浮かばないんだがww

241名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 00:24:16 ID:H7nikOIo0
ちょっと地図っぽくまとめてみたよー

1 2 3 4 6
A【ホチキス】 【鉄槌】
B【瞬殺の人】 【A】【瀬戸&最速】
C 【まーりゃん書き手】 【◆M42qaoJlNA】 【◆qSSOg86y8s氏、感想の人】
D【DGの人&軍曹】
E 【ボマー】 【◆6/WWxs9O1s氏】
F 【◆BRxsUzTn5A、リアルタイムカービィの人】 【ツキノ、ネスカ 】

242名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 00:24:29 ID:N8F0FGqo0
簡易まとめのつもり……見難くてごめんなさい。

243名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 00:25:34 ID:H7nikOIo0
Tabが無効化されるなんて……orz

244英文はやはり適当:2007/05/23(水) 00:31:40 ID:zNLHf2B60
「くっそ、こりゃあ災難なんてレベルじゃねーぞ・・・・・・」
映画館で目を覚ました◆hXvyVozAPo氏は、焦りながらもとにかく支給品を確認することにした。
「カオス2ndの時はまだ笑って済ませたが、今度ばかりはシャレにならねえ。なにしろどいつもこいつもロワのプロばかりが集まってるんだ」
みんながみんなマーダーになるような人だとは思いたくないが、それでも不安は拭えない。
せめて強い支給品が引き当てられれば・・・・・・

「よし。これならいける!!」

もちろん率先して人を殺す気など無い。しかし、もしもという場合には致し方ない。
その時が来てもいいように、覚悟はしておこう。◆hXvyVozAPo氏は、そう心に誓って映画館を出た。
(さて、まずは協力者探しだ。やはりカオスロワの・・・・・・ん?)
映画館を出てすぐに、その人影は目に付いた。まだ距離は遠く、向こうはこちらに気がついていないようだ。
(マーダーか? いや、あの無防備さは対主催か? 一か八か接触してみるべきか・・・・・・)
意を決し、念のためにポケットに入れた支給品を右手で握りながら◆hXvyVozAPo氏は大またでその美青年に近づいていった。
(美しい男だな。同姓の俺でも見とれちまいそうだ。なんかバンドでもやってそうな格好だな)
その金髪の青年に、声を掛けようとした矢先。
「やあ、どうも始めまして。あなたも連れてこられたんですね)
その青年が、突然彼のほうを振り向いて声を掛けてきた。出鼻をくじかれた◆hXvyVozAPo氏は焦ってしどろもどろになる。
「あ、ああ。あんたもそのようだな」
「まったく、お互い大変なことになりましたね」
愛想笑いをしながら、◆hXvyVozAPo氏はあることに引っかかっていた。
(見たところ、安心して信用できそうな男だ。しかし、こいつの声、どこかで・・・・・・)
「それで、あなたは殺し合いには乗らないんですね?」
青年が問いかけてきた。
「ああ。俺は対主催だ。パロロワ書き手とはいえ、人殺しは出来ん」
「へえ、そうですか。じゃあ・・・・・・」

青年が笑ったのと、◆hXvyVozAPo氏の肩に激痛が走ったのとは同時だった。
「ここで死んでください」
青年の、歌手のような透き通る声が◆hXvyVozAPo氏の耳を指した。
血まみれになった肩口に刺さっていたのは、無数の画鋲。
「お前・・・・・・そうか、あんたが・・・・・・」
「支給品が画鋲だったのは僥倖でした。もちろん僕とてこんなことは不本意ですが・・・・・・僕はどうしても元の世界に返らないといけないんですよ。
ラジオをするためにね」
そう言って右手を掲げる青年。その手の中には沢山の画鋲が握られていた。
「お別れです。どうかいい夢を」
無数の針が、◆hXvyVozAPo氏に襲い掛かる。

「I am the bone of my walnut.  (体はクルミで出来ている) 」

「な・・・・・・」
驚愕する青年の前で、彼の放った画鋲は一つ残らずはじき返された。
二人の周りには砕けたクルミの殻が散る。
「ふん。この技は他のロワの奴は◆6/WWxs9O1s氏の専売特許だと思ってるようだが、もともと考案したのは俺だからな」
そう彼が言い終えたときには、青年は見知らぬ空間に引きずりこまれていた。
「So as I pray,unlimited walnut works.  (その体は、きっとクルミで・・・・・・)」
しかし、その詠唱は途中で遮られる。
「うがああああ!!」
◆hXvyVozAPo氏の手首に画鋲が突き刺さる。
「なぜ!? ここは俺の固有結界のはず・・・・・・」
「少々油断があったらしいですね。周囲を見てください」
青年に促されて、周囲を見渡した◆hXvyVozAPo氏の目に入ったのは無数の画鋲だった。

245英文はやはり適当:2007/05/23(水) 00:32:17 ID:zNLHf2B60

「I am the bone of my thumbtack.  (体は画鋲で出来ている)
Steel is a blood,and electricity is heart.  (血潮は鉄で 心は電気)
I have a good harvest over a thousand struck.  (幾たびの感電を越えて不敗)
Unknown to rust.  (ただの一度も錆付きはなく)
Nor use to Life.  (ただの一度も使用されない)
Have withstood pain to create many thumbtack.  (彼の者は常に独り、画鋲の森で勝利に酔う)
Yet,those hands will never hold anything.  (故に、生涯に意味はなく。)
So as I pray,unlimited thumbtack works.  (その体は、きっと画鋲で出来ていた。)」

青年は◆hXvyVozAPo氏を見て不適に笑う。
「行くぞカオス王。クルミの貯蔵は十分か」

その言葉が合図だったのか、無数の画鋲が◆hXvyVozAPo氏に向けて飛んできた。
そして、彼を守るように集結するクルミ。
金属と植物がぶつかり合い、砕け散る。


「逃げたか・・・・・・やはり一筋縄では行かないねえ」
感電氏は、映画館の入口近くに座ってその惨状を眺めた。
うず高い山となった、無数のクルミと画鋲の欠片。
その中心にいた男は、巧みに固有結界から脱出し姿を消していた。
「甘いねえ。正義が勝つとは限らないってことは、僕たちが一番よく知ってるはずじゃないか?」

【開始三十分後/A-4/一日目】
【◆hXvyVozAPo氏@カオスロワ】
[状態]:肩、手首に重症(致命傷ではない)
[装備]:クルミ
[道具]:支給品一式(地図無し)
[思考]
基本:殺しあいには乗りたくないが、状況によっては戦う
1:感電氏から逃げる
2:どこかで傷を治療する
3:ゲームからの脱出
[備考]
※カオスロワ2ndに準拠
※クルミの固有結界を使えます


【感電氏@文房具ロワ】
[状態]:健康
[装備]:画鋲
[道具]:支給品一式(地図無し)
[思考]
1:ラジオを続けるため、なんとしても優勝し脱出する
[備考]
※ロッカー風の美少年
※画鋲の固有結界を使えます


とりあえず、感電氏ごめんなさい

246名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 00:32:29 ID:H7nikOIo0
>>242
まとめ乙です。
対主催が結構居るし、首輪解析・解除技能者が欲しい所だけれど……どの書き手さんが当てはまるだろうか

247名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 00:34:07 ID:0mzYYh7o0
>>244-245
か、かかか感電さーん!
アンタロワに乗ったのかよ、マジか!?
これは予想GUY

248名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 00:34:50 ID:qCP8DaZo0
>>246
アニロワのLX氏がそのうち出てくるだろうから期待しておこう。

>>245
オチが読めても吹いてしまった俺の負けだw

249名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 00:35:14 ID:H7nikOIo0
>>245
投下乙です。割り込みごめんなさいorz

クルミ対画鋲とは、序盤からハイレベルな戦いktkr
感電氏がマーダーとは予想外だった……いろんな意味で倒しにくいw

250名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 00:35:23 ID:1dOLyhDE0
>>239
A(◆l8jfhXC/BA氏)は外見パイフウっぽく、口調はミズーっぽく、
性格や能力は完璧超人っぽくオリジナルでアバウトに書いたと告白。

251名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 00:36:35 ID:1dOLyhDE0
>>245
固有結界返しっておいw GJだよw

252名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 00:39:12 ID:4dhTLEigO
実際感電氏、ロワに巻き込まれたらマーダーになるだろうなあって言ってた覚えが。

253名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 00:39:48 ID:JP.5wRZM0
アンリミテッド感電ワークスwww

254されど芸人は歌手と踊る:2007/05/23(水) 00:40:54 ID:vHa2wrfg0
「殺し合いなんて考えるのは心が疲れている証拠ですぞ」
禿で髭面の男はぽつりと呟く。
いくらパロロワを書いているからと言って、そんな事を考えた事は一度もない。
無論他の書き手もそうだろう、そう思いたい。
だから殺し合いに乗る人物などいるわけが無いと思っていた。
突如森から煙が上がるのを見るまでは。
なんということだ、どうやら早速殺しあっている者がいるらしい。
「こうなれば、ワシの踊りで殺し合いを止めて見せますぞ」
そう、彼こそはガンガンロワでキタキタ親父の話を書いた作者(以後キタキタの人)である。
「ワシと踊って汗を流せば、病んだ心も吹き飛ぶはずですぞ!」
キタキタの人は大声で自分の決意を露にし、その場を立ち去ろうとする。
が、不意に背後から声をかけられた。
「踊りで殺し合いを止める……か、面白いアイデアだ」
キタキタの人はその声の方へ振り向くと、そこには頭にバンダナを巻いた少年が立っていた。
まるでどこぞの、妖○門に出てくる歌が下手な少年みたいである。
この男は◆o0JMpFh/TMと言い、最初にジャイアンとカービィで虐殺を行った書き手である。
なるほど、歌が下手繋がりでそんな格好をしていたのだろう。
男の突然の乱入に警戒をするも、自分のアイデアに共感を得たと思い喜ぶ。
「おお、あなたもそう思いますか!」
「ああ、殺し合いなんてくだらねぇ……だが、殺し合いを止めるのはあんたの踊りじゃねぇ」
その言葉に「なんですと」と反感を露にすると、少年は続けて話し出す。
「そう、殺し合いを『俺の歌』で止めてみせる」
その傲慢な言い分にキタキタの人は警戒を忘れ思わず叫んでしまう。
「ならば、どっちが多くの殺し合いを止めれるか、人を助けられるか勝負ですぞ!」
その提案に◆o0JMpFh/TMは思わず呆然とするが、直ぐに提案を了承する。
「いいだろう、じゃあ次の放送にここでまた会おう、アンタの名前は?」
「キタキタの人ですぞ」
「俺は◆o0JMpFh/TMだ、じゃあな」
そう告げるや否やすぐさま両者は正反対の方向へ進んでいく。

その様子を陰から見ていた黄色いスーツを来た男は、楽しそうなものを見たとばかりに笑みを浮かべる。
「ダンディの芸が踊りや歌よりも優れているところを照明するチャンスだね、ゲッツ!」

彼らの出会いが殺し合いに何をもたらすかは誰も分からない……


【開始十数分後・E-4】
【キタキタの人@ガンガンロワ】
[状態]:ハイテンション
[装備]:なし
[道具]:支給品一式(地図なし)、ランダムアイテム不明
[思考]:
1:みなさん、キタキタ踊りをやってみませんかな?
2:次の放送時にE-4で◆o0JMpFh/TMと再会
[備考]
※キタキタ顔をしている、格好は一般的な服

【◆o0JMpFh/TM@カオスロワ】
[状態]:ハイテンション
[装備]:なし
[道具]:支給品一式(地図なし)、ランダムアイテム不明
[思考]:
1:俺の歌を聴けぇぇぇぇぇぇぇ!
2:次の放送時にE-4でキタキタの人と再会
[備考]
※妖逆門のロンドン風の格好、歌のレベルは不明

【ダンディ坂野@葉鍵ロワ】
[状態]:ハイテンション
[装備]:なし
[道具]:支給品一式(地図なし)、ランダムアイテム不明
[思考]:
1:みんな、ダンディとゲッツしない?
2:次の放送時にキタキタと◆o0JMpFh/TMの約束に乱入
[備考]
※黄色いスーツ

255名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 00:42:36 ID:1dOLyhDE0
ちょっと待ておまいらwww
イカレた奴らがwwwww

256名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 00:43:04 ID:xT3xPDqgO
>>250
悪くないが、外道王分が消えてるじゃないかwww

257名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 00:45:58 ID:WIdy1X/U0
まさかダンディを使われるとは……orz
早速書き直しだZE☆

258DENPA:2007/05/23(水) 00:48:31 ID:FlENtGBoO
 少年はデパートの屋上に隠れていた。
 ――正確には、人間ではなかったが。
 体中、白い肌が艶やかに太陽の光線に反応して光っており、細い腕は今は剣をしっかりと握っている。
 顔はどちらかと言うと、まだ幼さが残る感じで、それでも茶色の瞳は決意を感じさせる程凛々しく、黒い鼻が特徴的に飛び出ていた。
 垂れたような長い耳は胸の辺りまで伸びており、時折、耳についている金色のリングが涼やかに上の光線から放たれる光を跳ね返している。
 背中からその地面についている尻尾にかけて、朱色のフサフサとした毛が下に一直線に生え揃っている。
要するに――彼は、亜人だったのだ。
 稲田瑞穂の人。
 それなりにSSが書ける彼は、テラカオスロワと言うロワでは、彼は稲田瑞穂ことプリーシア・ディキ(ryとジャイアンのママの激闘を書いてみせた。
はっきり言って彼は今回の事をよく分かっていた。
そりゃそうだろう。彼自身の中、一番信用出来る人物から聞いたのだから。
”覚悟はいいですか、戦士プリーシア・スエイン・ミズキ?”
 頭の中、光の神アフラ・マズダの声が聴いた。
「もちろんです」稲田瑞穂の人は答えた。
”よろしい。怖くはありませんか?”
「いいえ。あなたの導きに従っている私には、恐れるものがありません」  稲田瑞穂の人の身体に光が溢れた。大宇宙からの偉大なる力が。
”悪魔に勝つのです。ミズキ。よいですね”
「――はい」

「おい、そこの君」
 突然呼び掛けられ、稲田瑞穂の人は振り向いた。
「聞くけど、ゲームに乗ったの?」

259DENPA:2007/05/23(水) 00:50:05 ID:FlENtGBoO
 そこには、人間族の少女が立っていた。
 例えれば、その顔付きは深窓の令嬢――儚いイメージがあるそんな感じだったが、それとは不格好のパーカーの上にチョッキを来ていた。
 肩まで伸ばされた漆黒の髪には完全に不釣り合いだ。
 とにかく、返した。
「私はアフラ・マズダ様に従うだけだ」


 ◆ilZClmYqFI氏はある事に気付いた。もちろん、それはある単語から。
 目の前の亜人、その口から発せられた単語”アフラ・マズダ”。
 恐らく自身が以前、テラカオスロワに投稿した”あえて無題”に出したバブズ・スエインに稲田瑞穂を足して二で割ったイメージなのだろう。
 ――となると。いや、正義感はある事になるからゲームには乗らないか。
「お前は神を信じるのか?」
 ――やはり。電波だ。しかもご丁寧にあの生意気な亜人従者口調だ。
「神様が居たら改めて感謝するよ、自分をこんな幸せゲームに招待してくれたことを」
 まあ元からゾロアスター教はおろか、神なんて信じていない◆ilZClmYqFI氏はそう返事した。
 そう、今まで自分の腕で渡り歩いてきたのだ。初めて任天堂ロワにSSを投下して数カ月。
 ロワの楽しさを知ってからSSを次々と投下していき、その間にも自分の文章力を上げていった。
 もはや普通に作品を出す事も出来るかもしれない、他に比べて遜色ない腕。
 それを信じて来たのだ。
 今の今まで。
「そうだろう! 私も感謝している。私の使命を果たす時がようやく与えられたのだから!」
 まあ、会話は噛み合っていた。それはともかく、疲れる。電波がここまで疲れる人種とは。
「とにかく、あなたも戦士のようだ! ではあなたに戦士の称号を……」
 その時、電気的に歪んだ何か聞こえた。
 もちろん――勘のいい◆ilZClmYqFI氏は、それが死亡フラグだと速攻気付いた。
(予断だが◆ilZClmYqFI氏はぎりぎり宇宙の戦士の称号を付けられるのを避けられた為、微妙に拡声器使用者に感謝した)

260DENPA:2007/05/23(水) 00:51:41 ID:FlENtGBoO
【ゲーム開始数十分後/C−4 イトーヨーカドー】
【稲田瑞穂の人@テラカオスロワ】
[状態]:電波 拡声器に気付いた
[装備]:つるぎ@シャドウゲイト 『道明寺家宝刀ズガン銃』(DHZG)@テラカオスロワ
[道具]:支給品一式 
[思考]
基本・やっぱりアフラ・マズダに従う
[備考]
※男。見た目がまんま亜人(FFのン・モゥ族)です
※稲田瑞穂並みの電波受信率です
※接近戦においてかなりの戦闘力を発揮出来ます
※ナイフを光の剣に変える能力を持っています
※光の魔法陣を描いて邪悪な者に対して姿を消す事が出来ます
※何もない場所から小爆発、又は重力波を起こせます(使うと激しく疲労)
※対象一人に対し時間を止める事が出来ます(ただし自分まで止まる)
※アフラ・マズダ様に従えば自分に出来ないことは無いと思い込んでいます
※射撃は苦手です
※ついでにチェスが大得意です
※はい、はい、はい
※◆M42qaoJlNA氏の拡声器に気付きました

【◆ilZClmYqFI氏@任天堂ロワ】
[状態]:絶好調 拡声器に気付いた
[装備]:ウージー@女神転生2(弾無限) ボロボロになった防弾チョッキ
[道具]:支給品一式 任天堂ファミリーベーシック@任天堂
[思考]何この電波
基本・方針はこれから決める。ゲームには乗らない
1・拡声器の元を確かめたい
[備考]
※見た目はか弱い少女っぽいがちょっと男口調気味。一人称『自分』
※射撃が得意です
※少しだけPSI(超能力)が使えます
※ハッキング技術を少し持っています
※体力があまりありません
※◆M42qaoJlNA氏の拡声器に気付きました

261名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 00:52:41 ID:vHa2wrfg0
>>257
まさかダンディで被るとはw

262二tuのT/ EYES OFF YOU:2007/05/23(水) 00:57:18 ID:GqrOnaRA0
それは主催者にすれば当然のことであった。
 しかし当人はそうは思わなかった。
 サングラスをかけた男、 ◆T0SWefbzRcは焦っていた。
(何故だ? 何故私の支給品が『手投げ式小型核ミサイル(操縦できません)』なのだ?)
 さっきから冷や汗が流れ続けている。
(いかん……。このままでは緊張と焦燥で私の心が持たん時が来る)
 ◆T0SWefbzRcは、ミサイルをディパックに戻した。
 主催者は自分たちに『殺し合いをしてもらいます』と確かに言っていた。
(いくら書き手だからといって、これは人権蹂躙というものではないのか?)
 苛立ちと焦りばかりが込み上げてくる。
 枝を踏む音がした。
「だ……誰だ!?」
 振り返ると眼鏡の黒い学生服を着た男が立っていた。
「待ってください! 自分は殺し合いに乗っておりません!」
「信用できん!」
 叫んで、顔を見つめる。たくましい身体を持つわりに、黒い長髪の下の顔は幼い。
(少年、か?)
 少年は無言でデイバックを◆T0SWefbzRcに向かって投げ捨てた。
 ◆T0SWefbzRは怪訝な表情を向ける。
「私の支給品を確認してください。決して、殺し合いに乗れるような物ではありません」
 刀を向けたまま、警戒して相手のデイバックを確認する。
 中身は◆T0SWefbzRの物と同じく食料等が見えた。
「これは?」
 四角い箱に、彼女の読めない日本語でこう書かれていた。『超光戦士シャンゼリオン DVDBOX』と。
 ◆T0SWefbzRはため息をついた。
「君もハズレ支給品を引いたようだね」
「別に仔細ありません。胸すわって進むのみです」
 ◆T0SWefbzRの口からため息が漏れた。
「その様子だと、君の目的は――」
「無論、主催者打倒です」
 ◆T0SWefbzRは天を仰いだ。
(これが若さか……)
 少しの間沈黙が満ちた。
「……失礼ながら、あなの方針をお聞かせ願いたいのですが」
 ◆T0SWefbzRは視線を戻した。
(さて……何と答えたものかね……)
 正直言って決めかねている。
 自分のような一般人が生き残ろうとするなら、対主催の強者に守ってもらうか、ステルスマーダーになるか、
 民家にでも隠れてやりすごすか、そんな所だろう。
 ◆T0SWefbzRが、思考を巡らし始めたその時、木の陰から人影が姿を現した
 ◆T0SWefbzRが驚いて立ち上がるより早く、それまで正座していた少年は身を起こし、構えを取っていた。
「……その行為宣戦布告と判断する!」
 少年の発した言葉に◆T0SWefbzRは驚いた。
(どうした? 随分と好戦的じゃないか?)
 横に移動して少年の前に立っているとおぼしき人物を見る。
 自分の顔がひきつるのを◆T0SWefbzRは感じた。
(デ、デザートイーグルだとぉ!?)
 私はヒキオタですと全力で主張している外見の小太りの少年が、銃を構えていた。
 支給品に差がありすぎやしないかと、◆T0は胸中で思い切り悪態をつく。
 自分も書き手である時はよくやったことだが、やられると異様に理不尽な気がする。
 本当に洒落にならない。
「ふ、ふひひひ。予備マガジンもたくさんありますし。
だから、か、観念した方がいいと思うのですが。
その方が弾が少なくてすみますし、あなた達も苦しまずにすむと思うのですが」
 ◆T0は頭を掻き毟りたい衝動に囚われた。
(厨書き手を優遇するとは! どうなっているんだ、主催者の頭は!)
 しかし、◆T0と対照的に少年は冷静そのものだった。
「当方に迎撃の用意あり! 変身!! 特 攻 形 態 !!
 凛とした声が響いた。
 と、◆T0が思ったのと少年が地を蹴ったのとは、ほぼ同時だった。
 轟音がひびき、少年の体が揺れた。
「だ、だから言ったじゃないです――」
 小太りの少年は全てを言い終えることはできなかった。
 跳躍した眼鏡の少年の踵が小太り少年の顔面を直撃し、血が噴出した。
「あべしっ!」
 古典的なやられ台詞を上げて小太り少年が地面に倒れ伏す。

263名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 00:57:59 ID:H7nikOIo0
>>261
投下乙です。
電波降臨か……状態票の※多すぎw

さっき失敗したののリベンジに、現在地をまとめてみたものを以下に。
ttp://kasamatusan.sakura.ne.jp/cgi-bin2/src/ichi91295.txt.html

264名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 00:59:11 ID:1dOLyhDE0
>>256
当初はホチキスを言葉責めにして動揺を誘うプランも有ったが書いてる内に忘れて没になったと告白。

265二つのT/二つの眼:2007/05/23(水) 01:04:41 ID:GqrOnaRA0
 それは主催者にすれば当然のことであった。
 しかし当人はそうは思わなかった。
 サングラスをかけた男、 ◆T0SWefbzRcは焦っていた。
(何故だ? 何故私の支給品が『手投げ式小型核ミサイル(操縦できません)』なのだ?)
 さっきから冷や汗が流れ続けている。
(いかん……。このままでは緊張と焦燥で私の心が持たん時が来る)
 ◆T0SWefbzRcは、小型核爆弾をディパックに戻した。
 主催者は自分たちに『殺し合いをしてもらいます』と確かに言っていた。
(いくら書き手だからといって、これは人権蹂躙というものではないのか?)
 苛立ちと焦りばかりが込み上げてくる。
 枝を踏む音がした。
「だ……誰だ!?」
 振り返ると眼鏡の黒い学生服を着た男が立っていた。
「待ってください! 自分は殺し合いに乗っておりません!」
「信用できん!」
 叫んで、顔を見つめる。たくましい身体を持つわりに、黒い長髪の下の顔は幼い。
(少年、か?)
 少年は無言でデイバックを◆T0SWefbzRcに向かって投げ捨てた。
 ◆T0SWefbzRは怪訝な表情を向ける。
「私の支給品を確認してください。決して、殺し合いに乗れるような物ではありません」
 刀を向けたまま、警戒して相手のデイバックを確認する。
 中身は◆T0SWefbzRの物と同じく食料等が見えた。
「これは?」
 四角い箱に、彼女の読めない日本語でこう書かれていた。『超光戦士シャンゼリオン DVDBOX』と。
 ◆T0SWefbzRはため息をついた。
「君もハズレ支給品を引いたようだね」
「別に仔細ありません。胸すわって進むのみです」
 ◆T0SWefbzRの口からため息が漏れた。
「その様子だと、君の目的は――」
「無論、主催者打倒です」
 ◆T0SWefbzRは天を仰いだ。
(これが若さか……)
 少しの間沈黙が満ちた。
「……失礼ながら、あなの方針をお聞かせ願いたいのですが」
 ◆T0SWefbzRは視線を戻した。
(さて……何と答えたものかね……)
 正直言って決めかねている。
 自分のような一般人が生き残ろうとするなら、対主催の強者に守ってもらうか、ステルスマーダーになるか、
 民家にでも隠れてやりすごすか、そんな所だろう。
 ◆T0SWefbzRが、思考を巡らし始めたその時、木の陰から人影が姿を現した
 ◆T0SWefbzRが驚いて立ち上がるより早く、それまで正座していた少年は身を起こし、構えを取っていた。
「……その行為宣戦布告と判断する!」
 少年の発した言葉に◆T0SWefbzRは驚いた。
(どうした? 随分と好戦的じゃないか?)
 横に移動して少年の前に立っているとおぼしき人物を見る。
 自分の顔がひきつるのを◆T0SWefbzRは感じた。
(デ、デザートイーグルだとぉ!?)
 私はヒキオタですと全力で主張している小太りの少年が銃を構えていた。
 支給品に差がありすぎやしないかと、◆T0は胸中で思い切り悪態をついた。
「ふ、ふひひひ。予備マガジンもたくさんありますし。
だから、か、観念した方がいいと思うのですが。
その方が弾が少なくてすみますし、あなた達も苦しまずにすむと思うのですが」
 ◆T0は頭を掻き毟りたい衝動に囚われた。
(厨書き手を優遇するとは! どうなっているんだ、主催者の頭は!)
 しかし、◆T0と対照的に少年は冷静そのものだった。
「当方に迎撃の用意あり! 変身っ! 特 攻 形 態 !!」
 凛とした声が響いた。
 と、◆T0が思ったのと少年が地を蹴ったのとは、ほぼ同時だった。
 轟音がひびき、少年の体が揺れた。
「だ、だから言ったじゃないです――」
 小太りの少年は全てを言い終えることはできなかった。
 跳躍した眼鏡の少年の踵が小太り少年の顔面を直撃し、血が噴出した。
「あべしっ!」
 古典的なやられ台詞を上げて小太り少年が倒れ伏す。

266二つのT/二つの眼:2007/05/23(水) 01:05:23 ID:GqrOnaRA0
 眼鏡の少年がとどめの一撃を打ち込もうとした、その時。
 轟音が連続で轟いた。
 眼鏡の少年の体が激しく揺れ、服が千切れ飛んでいく。
 普通の銃の音ではない、自動小銃とかそれに類別される銃の音だ。
(SS投稿のために集めた知識がこんな所でやくに立つとは……。
もっとも、分かったからといって何の役にも立たんがね)
 逃げようと思うのだが、あまりの展開に足が震えてしまって動けない。
「へぇぇ? 変わった身体ぁ」
 その声は澄んいた。
 風になびく銀白色の髪と可愛らしい顔は、まるで天使のようだった。
 持っている獲物は凶悪だった。
(ブローニング自動小銃……。あんな少女が何故撃てる!? ひっくり返るぞ普通は!
ええい! この会場にいる一般人は私だけか!?)
 そしてその一般人ではない人間には、礼儀正しい眼鏡の少年も含まれるようだった。
 どこの世の中に身体を鋼鉄の如く変化させられる人間がいるだろうか?
 白髪の少女と、身体を鋼鉄に変化させた少年はしばし睨みあった。
 と、少女がいきなりクスクスと笑い出した。
「また会いましょう。お兄さん!」
 言い置いて、地面でのたうっている小太り少年を片手で引き摺って遠ざかっていく。
 その後ろ姿が見えなくなるまで待って、眼鏡の少年は振り向いた。
「大丈夫ですか?」
「……どちらかといえばそれは私の台詞だと思うがね。君は大丈夫なのかね?」
「鍛えておりますれば」
 先ほどとまったく変わらない声だった。
 ◆T0Sの顔に苦笑が浮かんだ。
「……さっきの答えを言ってもいいだろうか」
「お願いいたします」
 ニヤリ、と笑うと◆T0Sはトントンと首輪を叩いて見せた。
 眼鏡の少年の顔に笑みが浮かんだ。
(私の機械工学の知識が通用するかどうかは分からんが……。挑戦してみるとするか)
 この眼鏡の少年に守られている間は、命の危険はないだろう。
「ところで君の名前を聞いていなかったね。君の名前は?」
「私の名前は――」


【開始1時間後/D-4】

【◆T0SWefbzR氏@二次スパ】
[状態]:疲労(小)
[装備]:なし
[道具]:支給品一式(地図無し)『手投げ式小型核ミサイル(操縦できません)』
[思考]
基本:生き延びること
1:とりあえず首輪を外すために動いてみる
[備考]
※:機械工学の専門家です

【◆TJ9qoWuqvA氏@ライダーロワ】
[状態]:疲労(小)
[装備]:身体に零式鉄球10個
[道具]:支給品一式(地図無し)『超光戦士シャンゼリオン DVDBOX』
[思考]
基本:対主催
1:首輪を外す方法を探す
2:力のない参加者を守る
[備考]
※零式防衛術らしきものが使えます(完全に同じというわけではない模様)
※学生服が破れて上半身裸です。

267◇L9juq0uMuoの憂鬱:2007/05/23(水) 01:08:34 ID:azc.agfM0
「まったく。急に殺し合いに乗れとは何と言う事ですか」
鬱蒼としげる森の中をキャプテンは歩いていた。
「まぁ。ハクオロや才人が犠牲にならないのは喜ばしい事ですが」
特に目的も無く歩く事数十分、ふと、キャプテンの視界に何かが現れた。
「……ピエロ?」
キリ、キリ、という駆動音と共に軽やかにステップを踏みながらそのピエロはキャプテンの前へと姿を現した。
「これはこれはお嬢さん、こんな殺し合いの場を一人で歩くなんて自殺行為ですよ?」
一礼をしたままのポーズで顔だけをキャプテンへと向け、ピエロがしゃべる。その顔はどこか作り物めいた感があった。
「一人で歩いていたくて歩いている訳ではありません。っていうか。あなたは誰ですか?」
あからさまに怪しいピエロに対して、怪訝な顔をしてキャプテンが言い放つ。
「ああ、ああ、申し訳ありません。あたしゃあ漫画ロワの◆L9juq0uMuoというケチな書き手でしてね、無論こんな殺し合いに乗る気はありません」
身振り手振り、一々大げさなポーズをしながら◆L9juq0uMuoが答える。
「もっとも、乗った相手に容赦をする気は微塵もありませんが」
にやり、とイイ笑顔で◆L9juq0uMuoは最後に付け足した。
「で。その漫画ロワの書き手が私に何のようですか?」
「いや、なに、こんな森の中、女性が一人で歩いているのを見て、いてもたってもいられなくなった次第で、お嬢さんさえよければ行動を共にしたいとか思いましてね」
しばしの逡巡、そしてキャプテンが答える。
「漫画ロワの人は。ゼロ魔のキャラを酷い目に合わせていないどころか。ルイズの見せ場まで作ってくれました。断る理由はありません」
「そいつはありがたい。しかし、偉くゼロ魔にこだわっているようですが、お嬢さんお名前は?」
「キャプテンです」
その瞬間、◆L9juq0uMuoの笑顔は凍りついた。
「……はい?」
「だからキャプテンです」
◆L9juq0uMuoの耳にどこからか『世界(ザ・ワールド)!』とどこぞの帝王の声が聞こえた気がして。
「……まぁ、言いだしっぺはあたしなので仕方ありません。では道中宜しくお願いしやす」
こうして、ピエロとキャプテンの旅は始まった。

【開始三十分後/D-5/一日目】
【◆L9juq0uMuo氏@漫画ロワ】
[状態]:激しい後悔
[装備]:ピエロの服
[道具]:支給品一式(ランダムアイテム1〜3)
[思考]
基本:殺しあいには乗りたくないが、状況によっては戦う
1:キャプテンと仲間を探す。
2:ゲームからの脱出
[備考]

【開始三十分後/D-5/一日目】
【キャプテン@キャプロワ】
[状態]:健康
[装備]:無し
[道具]:支給品一式(ランダムアイテム1〜3)
[思考]
基本:殺しあいには乗りたくないが、状況によっては戦う
1:◆L9juq0uMuo氏と仲間を探す。
2:ゲームからの脱出
[備考]
※容姿は黒髪長髪の女性です

268二つのT/二つの眼:2007/05/23(水) 01:08:59 ID:GqrOnaRA0
「ここまで来ればいいかしら」
 少女はゴミでも捨てるように、小太りの少年を放り捨てた。
「……い、いたいよ」
 少女は顔をしかめた。
「私はあなたのこと助けてあげたのよぉ? お礼が先じゃないかしら。
お兄さん、マナーってものがなってないわね!」
 頬を膨らませる少女はそれはそれで、とても可愛らしかった。
 痛みも忘れて、少年は胸をときめかせる。
(ひょ、ひょっとしてこの子……。僕に一目ぼれしたとか?)
 鏡と相談しろとツッコミを入れるものはこの場にはいなかった。
「あらぁ……。お兄さん、目を怪我してるのぉ?」
「さ、さっきのヤツにやられたんだよ」
「痛そうねぇ……。私がお手当てしてあげる!」
 コロコロと鈴の音のような音を響かせて少女は笑った。
 少女はロングスカートのポケットに入れ、何かを取り出すと、小太り少年の手を払いのけ、
 少年の左目に指を突っ込んだ。
「ぴぎぃいぃぃぃいいぴゃぁあああああぁああああああああぎががえぅがうぉぉぉ」
 豚のような悲鳴が響いた。
 ろくに抵抗もなく姿を現した眼球を眼窩から抉り、引きずり出された白い神経の束をぷつぷつと爪で千切って、眼球を捨てる。
 血が噴出し、少年の黒いシャツを赤く染め上げた。
 ポケットから出した何かを空洞になった少年の眼窩に押し当て、奥へと押し込む。
 口からあわを吹いて悶絶した少年から一歩離れ、出来上がりをまじまじと少女は確認した。
「うん! 素敵! まるでロー○メイ○ンの蒼○石みたいよ! 
お兄さん、すっごくカッコ悪いけどこれで目だけはとぉってもカッコよくなったわ!」
 そう言って、少女は朗らかに笑ったのだった。

【開始1時間後/D-3】

【◆o.lVkW7N.A氏@LSロワ】
[状態]:疲労(小)
[装備]:ブローニング自動小銃(10/20) マガジン×3
[道具]:支給品一式(地図無し)
[思考]
基本:皆殺し
1:1人では皆殺しにするのはきつそうなのでこの少年を手下として使う。使えそうにないなら殺す
[備考]
※◆QcxMJGacAMを殺したのは◆o.lVkW7N.A氏です


【キャプテン@アニロワ】
[状態]:頭部に裂傷。左目失明(左目に入れられた眼球は青)少女に対する絶対的な恐怖が刻み込まれました
[装備]:デザートイーグル(5/7) マガジン×5
[道具]:支給品一式(地図無し)
[思考]
1:優勝する
[備考]
 黒い服が血に染まっています。




◆o.lVkW7N.A氏ごめんなさい……。

269天使の笑み:2007/05/23(水) 01:09:31 ID:frZyMvU20
その男の心は怒りの炎で燃え上がっていた。
その火種となった者の名は――キャプテン。
今や前ロワから忌み嫌われるキャプ見沢のホスト。
直接、間接関わらず彼に迷惑をかけられたものは少なくないだろう。
だが、彼が怒りに燃えているのはそんな理由ではない。
彼こそはキャプテンの登場によりすっかりその存在を忘れ去られた男、勉強男である。

「こんばんは、勉強男さん」
唐突に、自分の名が呼ばれた事に足を止める。
振り返った先にいたのは見知らぬ男だった。
「あぁん、誰だテメェは?
 つか、なんで、オレ様の事知ってやがんだ、あぁん!?」
チンピラのようにいきり立てる勉強男。
それに対して男は怒るでもなく和やかな笑みを返す。
「ええ、もちろん知ってますよ。有名人ですから」
有名人。その響きに勉強男は満足げに笑った。
「へ。わかってんじゃねぇか。
 ところで、みたことねぇ顔だな? 誰だオメェ?」
「あぁ。失礼。僕は……そうですね、プチ執念の人、とでも名乗っておきましょうか。
 あ、執念の人ではないですよ、念のため」
「プチ執念? 聞いた事ねぇな」
「まあ、僕の名前が売れる必要は無いですから。
 僕は誰にも知られずに、ひっそりとでもロワが進行できればいいんです」
そんなプチ執念の言葉を、勉強男は鼻で笑う。
「はッ。くだらねぇ言い訳すんじゃねぇよ。
 名前が売れてないのはお前の実力がないからだ。
 知名度=実力。それくらいこの勉強男様を見ればわかるだろう?」
「はは、これは手厳しい。
 でもまあ、確かに僕は大した実力はありませんから、一人で生き残るのは厳しいでしょう。
 だから、共に行く仲間を探そうと思ってた所です。どうですか勉強男さん、僕と一緒に行きませんか?」
差し出される手。それを勉強男はパチンと弾き返す。
「は、だれがテメェみたいなのの仲間になるかよ。
 死にたくなけりゃ、黙って荷物を全部置いてきな」
そう言って勉強男は支給品であるナイフをギラつかせ、舌をなめずった。
こんなマイナーロワのマイナー書き手に負けるはずがない。
その観点から、勝てる喧嘩だと踏んだ勉強男は強気に出る。

270天使の笑み:2007/05/23(水) 01:10:23 ID:frZyMvU20
「う〜ん。そうですか、残念です」
プチ執念は残念そうに頭を掻く。

次の瞬間、赤い槍が舞った。

「は?」
気が付けば、勉強男の手首ごとナイフが弾き飛ばされていた。
いつの間に手にしたのか、プチ執念の腕には赤い槍が。
その槍が勉強男の喉下に突き付けられる。
「さようなら、勉強男さん」
これまでの温和な態度とは180度違う冷たい声。
「ちょ、待っ!?
 あぁ、そういや、お前、仲間になってくれるヤツを探してるんだったよな!?
 だ、だったら仲間になってやるよ! だから。な!?」
勉強男は必死に命乞いをする。
それに対し、プチ執念は天使のようにニッコリと笑いながら。

「――――やっぱり、あなたはいらないです」

心臓破りの槍を勉強男に突き立てた。

【ゲーム開始数十分後/A-6辺り】

【プチ執念の人@学生ロワ】
[状態]健康
[装備]ゲイボルク@LSロワ
[道具]支給品一式
[思考]
1:共に行く仲間を探す。
[備考]
※:不要な人間だと感じたらサクサク殺します。
※:ゲイボルクの真名解放はできません。

【勉強男@ジャンロワ 死亡】


なんか腹黒っぽくなってゴメンね◆sqiKf5uFtc氏。

271名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 01:10:47 ID:c5Vq9HpU0
キャプテン人気だなwwwwwwwwwwwwww

272名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 01:12:02 ID:azc.agfM0
備考入れ忘れ
※◆L9juq0uMuo氏は自動人形(オートマータ)です。

からくりキャラ何作か書いてたから◆L9juq0uMuo氏を自動人形&ジュビロキャラっぽくしてみた

273名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 01:13:05 ID:JP.5wRZM0
キャプテンが見事に被りましたな
しかし容姿等が正反対なのが笑えるw

274名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 01:13:55 ID:c5Vq9HpU0
と思ったらキャプテンダブりか。
>>267をキャプテンにして
>>268を小鯛長にしてはどうか

275名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 01:14:13 ID:xT3xPDqgO
被ったか。
優先法則上Tの方なんだろうが…なんか、キャプテンらしくない気がするのは気のせいかー?

276名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 01:14:30 ID:H7nikOIo0
投下乙です! 
また途中書き込みごめんなさいorz
オッドアイの人、途中で予想できたけど怖いよガクブル


とりあえずマップ改訂版。
キャプテン二人居るけど、別ロワだから別カウントでいいのかな?
ttp://kasamatusan.sakura.ne.jp/cgi-bin2/src/ichi91300.txt

ツキノ氏&ネスカ氏のところだけどうしてもずれる……

277名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 01:15:40 ID:c5Vq9HpU0
おっと、出展が違うのか。
ならいいんじゃね?

278名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 01:16:03 ID:c5Vq9HpU0
>>276
ちょっとExcel弄ってくる

279名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 01:17:33 ID:iNftzJ4U0
キャプテン被ったorz
さて、どうしよう。

280名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 01:17:38 ID:azc.agfM0
>>274
自分はそれで構わないっす

281名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 01:18:06 ID:gKOwdAkUo
ちょwwお前らwww
明日の夜には熱が冷めてたなんて事はないよな? な?

282名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 01:18:45 ID:JP.5wRZM0
>>279
出典が違うからおkってことでいいんじゃないっすかねぇ

283二つのT/二つの眼(状態表修正):2007/05/23(水) 01:20:10 ID:GqrOnaRA0
>>274
分かりました。では修正を

【小鯛長@アニロワ】
[状態]:頭部に裂傷。左目失明(左目に入れられた眼球は青)少女に対する絶対的な恐怖が刻み込まれました
[装備]:デザートイーグル(5/7) マガジン×5
[道具]:支給品一式(地図無し)
[思考]
1:優勝する
[備考]
 黒い服が血に染まっています。

284名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 01:20:41 ID:iNftzJ4U0
いや、おれは四人目なんだ。
しかもアニロワのを想定してたから……キャプロワのにするかw

285名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 01:22:52 ID:ra57GLDs0
いいじゃんキャプテンIP複数持ってたし
別にたくさんいても。

286 ◆M42qaoJlNA:2007/05/23(水) 01:23:15 ID:H7nikOIo0
書き忘れてたことがタイトルともう一つあった……
>>200の状態票を以下のように訂正します。


【開始数十分後/C-3/川の上に架かる橋の上】

【◆M42qaoJlNA@LSロワ】
[状態]:拡声器使用中、全裸ロリ
[武装]:拡声器
[所持品]:魔女の媚薬500粒、支給品一式
[思考]:何言おう……
1・拡声器フラグを完遂する
[備考]:素っ裸で橋の上から放送をかけようとしています。
[備考]:拡声器の音は周囲9マス以内にいれば聞こえるかもしれません。

287名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 01:30:56 ID:481lF26w0
キャプテンは殺しても殺しても、何度でも懲りずにやってくる……
そういうゴキブリ並みのしぶとさも特徴の内だからなぁw
だから遠慮せずにどんどん殺してしまえwww

288名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 01:37:25 ID:N8F0FGqo0
開始直後〜開始数十分後
A-1 【ホチキス@もえロワ:車椅子に乗る病弱そうな青年に見せかけた怪物】ロワを好き放題楽しむ、ラノベキラー。
A-2 【鉄槌@アニロワ:ヴィータとカズマの融合体、体はヴィータ】レイハと一緒、首輪を解除できる人募集。
A-4 【◆hXvyVozAPo氏@カオスロワ:unlimited walnut works使いの青年】脱出派、肩と手の重傷を治療したい。感電氏から逃走。
A-4 【感電氏@文房具ロワ:unlimited thumbtack worksを使う金髪の美少年、ロッカー風】無差別マーダー。
A-6 【プチ執念の人@学生ロワ:温厚そうで紳士的、要するに危険性の無さそうな男】使える仲間を探す。不要なのはサクサク殺害。
B-1 【瞬殺の人@学生キャラロワ:鎧を呼び出す召喚士の男】 スピーディに皆殺し、狩場探し。
B-2 【A(◆l8jfhXC/BA)@ラノベ・ロワイアル:外見パイフウ、口調はミズー。完璧超人】ほぼ全裸、方針未定。
B-2 【瀬戸こうへい@初代ハカロワ:ごくごく普通の青年】混乱中。最速の人に背負われ移動中。脱出派。
B-2 【最速の人(◆WwHdPG9VGI氏)@アニロワ:頭脳とアルター能力はクーガー、体はシグナム】瀬戸を背負って暴走中、脱出派。
C-2 【まーりゃん書き手@ハカロワ3:外見、内面共にまーりゃん先輩、ツキノと融合可能】ツキノ捜索中。
C-3 【◆M42qaoJlNA@LSロワ:頭脳はロリコンの大人、体は幼女】全裸、拡声器使用中(効果範囲は周囲9マス)
C-4 【稲田瑞穂の人@テラカオスロワ:アフラ・マズダを信仰するン・モゥ族の男】電波。◆M4氏の拡声器に反応。
C-4 【◆ilZClmYqFI氏@任天堂ロワ:男口調の超能力少女、見た目は深窓の令嬢】対主催。◆M4氏の拡声器に反応。
C-4 【◆qSSOg86y8s氏@カオスロワ:クルミ使いの美少女】対主催。仲間を探す。
C-4 【感想の人@脇役ロワ:謎の能力持ちの初老の紳士】ジョーカー、空気キャラキラー、傍観者。
D-1 【DGの人@スパロワ:DG細胞に感染している青年】贖罪をする、荒らしキラー。軍曹に同行。
D-1 【軍曹@アニロワ:軍服を着た赤いギコ猫、ついでに二頭身】DGの人の監視、脱出派、悪を断罪する。
D-5 【◆L9juq0uMuo氏@漫画ロワ:ピエロの格好の自動人形(オートマータ)】脱出派。キャプテンと仲間を探す。
D-5 【キャプテン@キャプロワ:黒髪長髪の女性、ゼロ魔大好き】脱出派。◆L9氏と仲間を探す。

289名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 01:38:12 ID:N8F0FGqo0
E-2 【ボマー@LSロワ:スタンド持ちの可憐な美少女】危険人物は爆破、指輪の契約者探し。
E-4 【キタキタの人@ガンガンロワ:まんまキタキタ親父、服装だけは現代人】キタキタ踊りで皆を救う。
E-4 【◆o0JMpFh/TM@カオスロワ:妖逆門のロンドン風の格好の少年】俺の歌を聴けぇぇぇぇぇぇぇ!
E-4 【ダンディ坂野@葉鍵ロワ:名前のまんま、黄色いスーツを着用】ダンディの芸が歌や踊りよりも優れていることを証明する。
E-6 【◆6/WWxs9O1s氏@カオスロワ:投擲武器使いの少女】生き残りたい。
F-2 【◆BRxsUzTn5A@任天堂ロワ:黒髪の内公的な少年、ただの一般人】脱出派。殺し合いはしたくない。
F-2 【リアルタイムカービィの人@カオスロワ:赤いシルクハットに赤マントで銀髪の少年】ドロッチェクオリティ!
F-6 【ツキノ@ギャルゲロワ:ぱっと見少女に見える美麗の少年】アンリミテッドうっかりワールド展開中。
F-6 【ネスカ(描き手)@FFDQロワ3rd:黒スーツエルフ耳の長い黒髪の魔女】脱出派、まともな人に会いたい。

開始1時間後以降
D-3 【◆o.lVkW7N.A氏@LSロワ:銀白色の髪と可愛らしい顔のロリっ子】無差別マーダー。キャプテン@アニを調教中。
D-3 【小鯛長@アニロワ:小太りの少年、後天的オッドアイ】無差別マーダー。◆o.氏に対する絶対的恐怖。
D-4 【◆T0SWefbzR氏@二次スパ:機械工学の専門家のおっさん】首輪を外すために動いてみる。◆TJ氏に同行。
D-4 【◆TJ9qoWuqvA氏@ライダーロワ:葉隠覚悟に酷似した少年】上半身裸。首輪を外したい。弱者を守る。◆T0氏に同行。

死亡済
A-6 【勉強男@ジャンロワ:男】加害者:瞬殺の人@学生キャラロワ
D-1 【◆QcxMJGacAM@アニロワ:男】加害者:◆o.lVkW7N.A氏@LSロワ
E-6 【二代目リアルタイム@カオスロワ:男】加害者:◆6/WWxs9O1s氏@カオスロワ

290名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 01:42:46 ID:GqrOnaRA0
>>288-289
まとめ乙であります!!
しかしまあ、何だこの進行スピードは……。

291思考回路はショート寸前:2007/05/23(水) 01:45:32 ID:bn.WwL3U0
「……なんじゃ、こいつは」
威風堂々とした……否。もはやそのような言葉では表現しきれない筋肉の塊か。
とにかく巨大な男が、何の脈絡も無く唐突に存在するプールの淵に佇んでいた。
その手には槍を握っている。そしてその先端にぶら下がる影がひとつ。
ぽたりぽたりと透明な水滴を零すそれは、プール学院作者と呼ばれる男だ。
自分の陣地から引きずり出されたと思えば目の前に巨大な筋肉、あまつさえ襟首を槍に引っ掛けられぶら下がっている状態。
プール学院作者のガラスのハートはいきなり挫け、現実から逃げてしまったようだ。
白目を剥いて気絶している。
もしかしたらただ水から引き上げられた魚状態であるだけなのかもしれない。
「……雑魚か」
ぺっ、と男が手首を軽く動かすと、哀れな被害者はぼちゃりと音を立ててプールに沈んでいった。
何ら外傷はないため、窒息さえしなければいずれ復活するだろう。
プール学院作者がぶくぶくと沈んでいくプールを後に、男は立ち去ろうとし――
「何者だ」
不意に足を止めた。背後に厳しい視線を投げかける。
「は、ははハッ! 死ねェ!」
その視線の先、茂みから飛び出してきたのは裏返った奇声と銃弾だった。
とっさに後退り木陰に飛び込むが、弾が掠めた腕や足からは血が滴っている。
「飛び道具とは卑怯な!」
「はァ!? 何言ってんだよオッサン、戦国時代の武将気取りかァ!?」
ゲラゲラ笑いながら敷かれる弾幕に舌打ちし、巨躯の男はその場から遠ざかろうとするが、
その巨大過ぎる体は即ち巨大過ぎる的となる。噴き出す血臭。

「……き、きゃああああああっ!!」

そしてその場に唐突に響き渡る、絹を裂くような甲高い悲鳴。

292思考回路はショート寸前:2007/05/23(水) 01:48:00 ID:bn.WwL3U0
「おッ! 獲物一名様、いらっしゃーい♪」
大きな瞳を見開いた少女が立ち竦み、口を押さえてふるふるとその身を震わせていた。
初めからそこにいた彼女は懸命に声を殺して気付かれない様耐えていたのだが、
自らの身スレスレを掠めていった流れ弾に思わず悲鳴を上げてしまったのだ。
ゴツい男より可憐な少女の方が殺しやすい。
そして、殺して楽しい。悲鳴が楽しいし、血も少女の方が何となく綺麗だ。
襲撃者は迷わず銃口をそちらに移す。
哀れな少女を犠牲にし、男はその場を離脱――
「くおおぉぉぉ!!」
しなかった。こちらにも迷いは微塵も無く、銃弾と少女の間に飛び込む!
パン。パン。パン。パン。
安っぽい音が響く度、少女を庇った男の体が跳ねる。
「邪魔だぞ、おっさん!」
苛立たしげな声を上げ、もう動かない男を少女から引き剥がすためそちらへ歩み寄る。
自分を庇った見知らぬ男の血に塗れ、少女は呆然と迫る死神を見上げた。薄い声で呟く。
「……ないで」
「はン、嬢ちゃん、観念しなァ? いい声で鳴きなよ」
ニヤリと笑い、少女の足に狙いを定める。
逃げられないようにしてたっぷり悲鳴を楽しみたい。
……既に脳内の嗜虐的な妄想に浸っていた襲撃者、名をキールと言うが、彼にはきっと何が起こったか最後までわからなかっただろう。
「来ないで――ッ!!」
少女の絶叫と共に辺りが光に包まれる。
爆発音にも似た重低音が響き――すぐに何事も無かったかのように、光は消え静けさを取り戻した。
起こった変化はただひとつだけ。
キールが、居なかった。どこにも。
これは少女の特殊能力。望んだ相手をどこかへ飛ばしてしまう異能だ。
もちろん少女自身への負担も大きく乱用は不可能であるし、禁止エリアや会場の外へは飛ばせない、
さらに飛ばす先も指定できないが、この場では間違いなく彼女の命を救った。へなへなとその場に座り込む。

293思考回路はショート寸前:2007/05/23(水) 01:50:39 ID:bn.WwL3U0
「娘よ、今のはお主がやったのか?」
「きゃあん!?」

死体が喋った。
もとい、死体と思っていた男が起き上がり、平然と胡坐をかいて喋っている。
「あ、あなた、死んだんじゃ」
「無論死んだが、我は不滅ゆえな!」
意味が分からない。だが現に彼のどこからも血は流れておらず、何処かが痛むそぶりもなく豪快に笑っている。
「治癒能力、いえ、蘇生能力……!?」
彼が流した血は間違いなく致死量。
ならば蘇生と考えるしかない。だがこのゲームにおいて、そんな能力が制限されないとは考えにくい。
「我は1人であって1人にあらず、故に一度程度の死、問題にはならん!」
ますます意味が分からない。
「……あなた、何者? いえ、こちらから名乗るべきかしら。私は◆A.Iというの、アイと呼んで」
「名乗りを返せぬのは心苦しいが、我に名は無い。無名の武将よ」
彼はのっそりと立ち上がる。そしておもむろにごそごそと取り出したものを見て、◆A.Iは焦った。
「それ、どうする気!?」
「決まっておろう。好敵手を探すのだ。戦いこそ我が生、我が全て」
笑みを浮かべ『それ』のスイッチを入れる。
「『あ、あー……我こ』」
「やめなさい、このばかっ!!」
助走を付けて思いっきり飛び上がった◆A.Iにはたき落とされた拡声器が、ころころと地を転がった。

「……痛いではないか、娘」
「黙りなさい、このばか、ばかっ!」

294思考回路はショート寸前:2007/05/23(水) 01:54:02 ID:bn.WwL3U0
【開始約1時間後/F-1】

【無名武将@お腹せっぷく @三国志ロワ】
[状態]:無闇に元気
[装備]:槍、拡声器
[道具]:支給品一式(地図無し)
[思考]
基本:強い者と正々堂々闘いたい
[備考]
※七つの命があります(残り6)。
※身長2m超、超筋肉。肉体的には鍛えられた一般人なので致死ダメージを7回受ければ普通に死にます
※正直三国志ロワ詳しく知らんけど「第7回」っての見てライフ7個とか思いついた。今はやや反省している
※無名武将@お腹せっぷく は三国志・戦国板の名無しさん(三国志ロワは鳥無し)

【◆A.IptJ40P.@ライダーロワ】
[状態]:精神的にやや疲労気味
[装備]:不明
[道具]:支給品一式(地図無し)
[思考]
1:できれば死にたくない
2:目の前の無名武将を取り合えず当面の盾にしよう
3:というか私の傍で拡声器使うな!
[備考]
※幼い少女の姿をしています。
※任意の人間ひとりをどこかへ飛ばす特殊能力を持っています。使用は6時間に一回が限度

【プール学院作者@大学ロワ】
[状態]:プールの底にいる
[装備]:プール
[道具]:支給品一式(地図無し)
[思考]
1:死にたくない死にたくない死にたくない
2:プールの中、気持ちいいナリ・・・
[備考]
※とりあえずプール

【キールの夜事件の作者@テイルズロワ】
[状態]:どこかに飛ばされました
[装備]:銃
[道具]:支給品一式(地図無し)
[思考]
1:皆殺しだヒャッホウ!(正気を失い気味)
2:殺すのは女子供がいちばん楽しいぜェ!?
[備考]
※マーダーの模様。
※外見は軽そうなタイプの青年

295名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 01:57:11 ID:0mzYYh7o0
現状まとめ:>>217

以下俺専用しおり

OP:>>141
瞬殺さん:>>154-156>>193
鉄槌さん:>>154-156>>206
◆6/WWxs9O1sさん:>>172-174
二代目RTさん:>>172-174 [Dead]
◆qSSOg86y8sさん:>>176
感想さん:>>176
ボマーさん:>>179
つきのん:>>183-186
ネスカさん:>>183-186
ホチキス:>>193-196
Aさん(◆l8jfhXC/BA):>>193-196 [Naked]
◆M42qaoJlNAさん:>>200 [Naked]
瀬戸さん:>>202-205
最速さん(◆WwHdPG9VGI):>>202-205
DGさん:>>221-223
軍曹殿:>>221-223
◆QcxMJGacAMさん:>>221-223 [Dead]
まーりゃんさん:>>227
◆BRxsUzTn5Aさん:>>233-234
RTカービィの人:>>233-234
◆hXvyVozAPoさん:>>244-245
画鋲さん:>>244-245
キタキタさん:>>254
◆o0JMpFh/TMさん:>>254
ダンディの人:>>254

296君は生き残ることができるか?:2007/05/23(水) 01:57:49 ID:WIdy1X/U0
『…………あー……あー、ただいま、マイクのテスト中……』

少女はそこまで言って、言葉に詰まる。
言う事を決めないままの見切り発車だったので、当たり前といえば当たり前だ。
しかし、スイッチを入れてしまった以上、言葉を考えている暇などない。
言葉を選んでいる間にマーダーが来て殺されてしまっては、拡声器所持者としての面子が立たない。
せめて、それらしいことを言わないと。

……そう焦った彼女は、そこで咄嗟に自分が書いたSS内での少年の演説を思い出す。

そうだ、どうせ何も言う事を決めていないのなら、あれでいいのではないのか?
よくよく考えてみれば、あれは自分が考えて文章にしたものなのだから。
そして彼女は意を決して、閉ざしていた口を開く。

『……私は、この殺し合いに、断固として乗らないことを誓います。
 どうか、あの言うことを信じたりしないで下さい。
 ……あれ? そういえば、これって優勝したら何か賞品とかあったっけ……?
 ――と、そ、それはともかく! もし人を傷つけたり、殺したりしたら、私達のいるスレの住人達は
 きっと悲しむだろうから……だから、絶対にあいつの言ったことを真に受けちゃいけない、と思う』

SS中の台詞を思い出しながら、彼女は思う。
自分がSS内で描いたあの眼鏡の少年は、こんな大それたことを言っていたのか、と。
対主催――パロロワでそう言われるだろう立場に立つことをあの時の少年は――そして今の自分は宣言してるのだ。
よりにもよって拡声器を使って。

『パロロワwikiで決まってるんだ、私たち書き手には義務もあるけど、権利がある!(あれ? あったっけ……?)
 こんな風にムリヤリ拉致して、殺し合いを強いることなんて、どんなスレ建ての主でもやっちゃいけないよ。
 ……殺し合いなんて、絶対にしちゃいけない。
 何とかして、この世界を脱出して、もとの世界に帰る方法を……』

そして、そこまで言ったところで、彼女はふと近づいてくる足音があることに気付く。
どうやら、早々に声を聞きつけた誰かがやってきたようだった。
(あぁ、もう来ちゃったんだ……)
少女は拡声器で喋るのを止め、自分の身の行く末を悟る。
自分があの少年と同じように演説をしてしまった以上、その末路も恐らく同じ。
演説を聴きつけた誰によって――――
(殺されるんだ私。……こんな訳の分からない場所で)
それは、拡声器を手にしたときから決まっていた事項。
拡声器を支給され、使うことで濃厚な死亡フラグが立つ――――それが、この世界での基本ルール。
そんなこと分かりきっている。
だから、覚悟はしているはずだった。
……だが現実には、足音が近づくたびに自分の足の震えが強まってゆく。
(やだ…………死にたくない! 殺されたくなんか……ない!)
そう、やはり本当は死にたくなんてない。
フラグがあるから、という理由だけで理不尽に殺されたくない。
死ぬ覚悟など、そう易々と出来るわけがないのだ。

だが、足音は無情にも刻一刻と近づいてくる。
一方の少女はといえば、足の震えのせいで動けないまま。
そして、そうこうしているうちに二人の距離は近づいてゆき――――――――

297君は生き残ることができるか?:2007/05/23(水) 01:59:11 ID:WIdy1X/U0
「おぉ〜、マジで拡声器使ってるところ初めて見たわ俺……」
接近した参加者がまず発したのは、そんな言葉だった。
少女がその声に、振り向くとそこに立っていたのは、どこにでもいそうな……特徴らしい特徴のない青年だった。
「拡声器が死亡フラグって分かっててよく使う気になったな、あんたも」
「………………」
「というか、何で全裸なんだ? あんた、ハカロワとか葱ロワの書き手?」
「――!!!」
少女はそう言われて、ようやく自分の現在の格好に気付き、慌てて前を隠してしゃがむ。
すると、青年は慌てたように目を逸らしながら弁明を始める。
「き、気にするな! てか、俺にはそういう気はない! いや、あったとしてもここは年齢制限とかなさそうだしな!」
そして、青年は目を逸らしたまま、少女へ向けて何かを差し出す。
「こ、これ、良かったら使えよ。……いや、使ってくれ、倫理的に」
差し出されたものを手に取る少女。
それは、メイド服であった……。

「ふぅむ…………やっぱりメイド服ってのは日本の文化だねぇ」
「あまりジロジロ見ないで下さい……」
メイド服を着こんだ少女は困惑したような表情を浮かべて、青年を見る。
「でもいいんですか?」
「何がだ?」
「だって、私拡声器持ちですよ? 死亡フラグの塊ですよ? 殺す気がないなら、ここにいたら危険なんですよ? 同じ書き手のあなたなら分かるでしょう」
「あ、いや。死亡フラグってのは分かってるんだけどよ、俺はちょっと違うんだよな」
男は鼻っ面を掻きながら、恥ずかしげに言う。
「……違う? どういうことですか?」
「俺は書き手じゃないんだよ。絵師でもなければ、特定のロワに大きく貢献したわけでもない。……いわゆる名無しってやつなんだ」




Classical名無しさん……。
それは、文字通りのどこにでもいるありふれた交流雑談所の名無し。
そんな彼が、何故この書き手主体のロワに参加させられたのかは分からない。
だが、そんなことを言っても後の祭りだ。
こうなったら、このパロロワを楽しむしかない。

ただし、楽しむといってもゲームに乗って、誰かを殺してゆくマーダーになるつもりはない。
自分はあくまでただのちょっとネットが好きな日本人男性であり、強力な武器もなしに人殺しを続けていくなどということは無謀そのもの。
支給品が、自分には全く似合いそうにないメイド服ならば尚更。
だが、だからといって対主催になって、首輪解除やらPKKをする気にもならない。
解除するスキルはないし、PKKをするほどの腕前もない。
それに何より、対主催なんて行為をしていたら、主催者に目を付けられかねないし、対主催を滅せんとするマーダーとの戦闘などという事態に陥る可能性もある。
故に、彼は選んだ。
マーダーにも対主催にもならない道を。

いつも通り名無しとして、傍観者としてこのロワの行く末を見守ってゆこうと。

298君は生き残ることができるか?:2007/05/23(水) 02:00:21 ID:WIdy1X/U0


「そうですか。あなたはマーダーでも対主催でも……」
「まぁな。だから、あんたを殺す気は毛頭ない。傍観者が手を下したらつまらないしよ」
名無しについて、話を聞いた少女は彼の飄々とした態度に納得がいった。
だが……。
「でも、それならばなおさらの事、私に近づいたのは間違いでは? 下手したら私と一緒に死んじゃいますよ?」
「ははは。まぁ、確かにな。だけど生拡声器声を聞いてたら、どんな奴がそんなことするのか気になってさ、つい――」
そこで名無しは言葉を切り、少女の顔を見る。
「それよりもお前こそ、いいのか? 拡声器の事知ってて、こんなことするなんて、フラグ祭りにも程があるぞ?」
「それは…………私がこれを手にした以上、使わないと拡声器所持者として恥ずかしいし……」
「ふぅん。ま、確かに出オチの支給品ほど悲しいものはないからなぁ。支給品ってのは使ってナンボだし」
名無しは少女の頭に手を乗せる。
「お前がそう言うなら、俺は止めないさ。思う存分フラグ立てまくれ」
「………………」
「あ、それとこれやるよ。一人で持ってても多すぎるから」
そう言うと、青年は少女の手にドラ焼きを乗せると、彼女に背を向ける。
「んじゃ、そろそろスタコラサッサするとしますか。流石にこれ以上いたら俺までフラグに巻き込まれちまう」
歩き出す青年。
だが、その歩みはすぐに止められる。
「――あ。そうだった。聞いてなかったけどよ、お前さん名前は?」
「えっと…………◆M42qaoJlNAです」
「◆M42…………あぁ、なるほど。道理で幼女で拡声器なわけだ」
青年は納得したように頷くと、再度歩き出した。
「じゃあな。今度の放送でお前のフラグがどうなったか楽しみにしとくよ」
腕を振りながら遠ざかる青年。
小さくなってゆく背中を見ながら、少女はその手にしたドラ焼きを口にする。

「…………やっぱり、チーズ入りなんだ」


【開始数十分後/C-3/川の上に架かる橋の上】

【◆M42qaoJlNA@LSロワ】
[状態]:メイドロリ、死ぬことへの恐怖の芽生え、満腹
[武装]:拡声器、防弾仕様のメイド服@ハカロワ
[所持品]:支給品一式、魔女の媚薬500粒
[思考]:
基本:どうしよう……
1:拡声器フラグを完遂する?
2:死にたくないかも……?


【Classical名無しさん@パロロワ交流雑談所】
[状態]:健康、平常心
[武装]:なし
[所持品]:支給品一式、カマンベールチーズ入りドラ焼き×99@アニロワ
[思考]:
基本:とりあえず生きてロワを見届ける。
1:拡声器幼女から離れつつ、盛り上がりそうな場所を探す。
2:なるべく死亡フラグは立てないように。
3:ロワの空気は乱さないように。
4:◆M42qaoJlNAが次の放送で呼ばれるかどうかについて少しwktk
[備考]
※あくまで純粋な読み手であり、特別な能力は一切持っていません。
※その代わり、各ロワの内容や書き手については熟知しています。

299名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 02:01:32 ID:iNftzJ4U0
「一体、どうなってるのよ!」
月明かりの差す廃城の中庭に少女の叫びが木霊する。
ここは地獄の一丁目――もとい、残酷無比な殺戮の島。
弱肉強食のこの空間では、彼女のような只の小学生女児が生き残るのは不可能。
恐怖と混乱に震え、泣き叫ぶのは当然の事と言えた。
……尤も、彼女の叫びは怒りによる物だったし、
そもそも2chパロロワ関係者である時点で只の小学生女児とは言えなかったのだけど。

「この私をこんな場所に拉致してきて、その上殺し合えですって!
 ふざけるのも大概にしなさいよ、あの変態男!」
手にしたデイバッグを物凄い勢いで振り回しながら、主催者への怒りを露にする少女。
大暴れする体の動きに合わせて色素の薄い長髪が揺れ、
何処かの私立小学校の物なのであろう、暖かい色合いのブレザー制服のあちこちが冷えた空気を切る。
本人は納まりきらない怒りを体全体で表現しているだけなのだが、
その様は傍から見ると――いや、どう考えても駄々を捏ねる愛らしい少女にしか見えない。
彼女がアニロワで悪名高い……
そして、不当な乱立を続け、今や交流所を含む多数のパロロワ住人に悪名高い、あの“キャプテン”だとは誰が想像できるであろうか。

「そうよ、こういう場合こそ誰かが助けてくれるはずよ!」
そう、根拠の無い自信に胸を張るキャプテン。いや、今は愚弟だったか。
彼女の脳内ではヒロインがピンチに陥った時は、かならずヒーローが助けに来てくれるのだ。
……たとえ、ここが残虐で非情な殺戮の島で、この場に居る者の殆どに絶望的なまでに避けられてたのだとしても。
というか本人にその自覚すらないのかもしれない。
やがて……体全体を使い、一頻り怒りを露にした少女は、疲れ果てたのか石でできた壁に背中を預け座り込んだ。
(助けを待つ、とは言っても……私も戦わないわけにはいかないわよね?)
脳裏に浮かぶのはこれからのプラン。
そう、彼女が求めるのはただ守られているだけのお姫さまでは無い。
少女が夢見るのは沢山の王子たちに守られながらも、自らの足で立ち、巨悪へと立ち向かう健気なヒロインなのだ。
「そうだ、武器……確認しなきゃ」
小さくそう呟いて、愚弟は未だに右手で握り締めていた、デイバッグを開けた。

「これは……!」
鞄の中身を確認した少女。その第一声は驚愕に彩られていた。
中から出てきたのはロワではお馴染みの通常支給品の数々……そしてそれに紛れるように入った……
「ル、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールの杖じゃない!」
彼女に支給された武器、それは彼女の大好きな作品『ゼロの使い魔』のヒロイン、ルイズ・フランソワーズ・ル(ryの杖だったのだ。
もちろん、虚無の魔法が使える訳でもない彼女には、完全なハズレ武器である。
だがそれを見た瞬間、少女の顔には笑みが浮かんでいた。別に気が狂った訳ではない。
それを見た瞬間、少女は自身のすべき事を即座に理解したのだ。
愚弟はルイズ・フランソワー(ryの杖を手に取ると、目を瞑って軽やかに謡い始めた。



「宇宙の果てのどこかにいる私のシモベよ……」

それは、王子の去来を願う少女の声。

「神聖で美しく、そして、強力な使い魔よ!」

それは、純真な(?)少女の一番の願い。

「私は心より求め、訴えるわ」

自身と確信に満ちた顔で少女は高らかに呪文を唱える。

「我が導きに…答えなさい!!」



愚弟がそう唱える終わるのとほぼ同時。少女の体を激しい衝撃と痛みが襲う。
撃たれた? 刺された? 殴られた? 否、降ってきたのだ。
突如落ちてきた物に、押しつぶされるような状態で倒れる少女。
地面が芝生だったからいいものの、もし硬いアスファルトだったら少女は死んでいたかもしれなかった。
(な、何が起こったの? 私の上に乗ってるのは、何?)
その生暖かい感触に恐る恐る目を開けると……そこには、一人の青年が居た。
(ほ、ほんとに来た!)
地面に手をつき、徐に立ち上がる青年。
それを見つめ、驚愕と歓喜に震えながら……愚弟はその言葉を口にした。
「貴方が、私の……使い魔、なの?」

300名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 02:02:22 ID:iNftzJ4U0
時間は数十分前に遡る。
廃墟と化した城が見える森の中で、一人の青年が佇んでいた。
通常の日本刀の倍はあろうかという獲物……俗に物干し竿と呼ばれる刀を手にした男は小さな小さな呟きを漏らす。
「敵は、何処だ?」
着流しに袴という一見三文文士のような姿には、似つかわしくない言葉。
だが、それを言った瞬間、男の周囲からは濃厚な殺気が溢れ出し……彼が素人などでは無いことを表していた。
彼の名は◆A.IptJ40P.――戦闘に命をかける男。(いや、もしかすると戦うしか能が無いのかもしれないが)
「俺の死合うべき、強者は何処だ」
再び言葉を口にすると同時に、男の姿がその場から掻き消える。
彼が求めるのは強者との死合い。それが出来るのならば、この身がどうなろうといい。
ただ、それだけを望み、願い、求め続け、ついにそれは空間を捻じ曲げるまでの境地へと至る。
彼は自らの能力――“強者による死合いが発生しそうな場所へと空間を跳躍する力”を最大限に発動し、跳んだ。

「!?」
突如感じた違和感に、◆A.IptJ40P.は微かに驚きの表情を作る。
同時に力の残滓が弾け、重力が体に絡みつき、彼は物理法則に従って自由落下を開始した。
(跳ぶ距離が短い? ……制限か)
能力制限。それは彼が嫌いな物の一つである。
幸い、下に柔らかい物体があったので怪我は無かったものの、内心舌打ちをしたい気分になった。
(何故、わざわざ力を押さえ込む? 全力を持って強者と殺し合う。それが俺の望みだというのに)
そんな事を考えながら立ち上がり……彼は目の前に少女が居ることに気がついた。
おそらく、自分の下敷きになったのは彼女なのだろう。そんな事を考えながら、少女を観察する。
仰向けに倒れた、月明かりに照らされた少女。
しかし、その上半身は肘を支点に起こされ、驚愕の表情をこちらに向けている。
そして、月明かりを背に佇み、少女を眺める自分。
(ん? この光景、何処かで)
と、不意に少女の口が開き……
「貴方が、私の……使い魔、なの?」
その言葉で理解する。そして、◆A.IptJ40P.は少女の言葉に答えるべく、言った。

「こちらこそ問おう。お前が俺のマスターか」

301名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 02:03:00 ID:iNftzJ4U0
【開始三十分後/C-3】

【愚弟@アニロワ】
[状態]:疲労(小)
[装備]:ルイズ(ryの杖
[道具]:支給品一式
[思考]
基本:死にたくないので敵と戦う
1:貴方が私の使い魔?


【◆A.IptJ40P.@アニロワ】
[状態]:健康
[装備]:物干し竿(Fate)
[道具]:支給品一式
[思考]
基本:強者と死合う
[備考]
※“強者による死合いが発生しそうな場所へと空間を跳躍する力”が制限を受けています。
  空間跳躍は出来ますが、目的に着く前に効果が切れます。

302名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 02:03:06 ID:0mzYYh7o0
稲田の人:>>258-260
◆ilZClmYqFIさん:>>258-260
◆T0SWefbzRさん:>>265-266
◆TJ9qoWuqvAさん:>>265-266
◆L9juq0uMuoさん:>>267
キャプテン:>>267
◆o.lVkW7N.Aさん:>>265-266,268
生真面目小体長:>>265-266,268
プチ執念の人:>>269-270
勉強男:>>269-270 [Dead]
無名武将@お腹せっぷく さん:>>291-294
アイさん(◆A.IptJ40P.):>>291-294
プール学院作者さん:>>291-294
キール事件の人:>>291-294

303名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 02:03:46 ID:iNftzJ4U0
すまん、あまりに被るんでやけになって投下した。供養でもしておくれ。

304名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 02:05:57 ID:0mzYYh7o0
しまった、まだ続きがあったのか……流れ止まってから落とした方がよかったね、ごめんなさいorz

305エロスは世界を救う:2007/05/23(水) 02:08:25 ID:PzcxIiN20
「まいったな……まさか僕までロワに巻き込まれるなんて」
建物の影に身を潜めながら溜息をつく人の良さそうな青年が一人。
彼こそが第二次スパロワを陰から支える功労者、『二次スパ仮まとめ』その人である。
今まで二次スパの住人に楽しんでもらえるようにサイトの更新を頑張ってきたのに、今度は自分が参加する側になるとは。
しかも支給品がよりにもよってこれである。
「……『コーヒーブレイクセット〜木星帰りのニュータイプ御用達☆〜』……これどう考えても空気化フラグだよなぁ」
よりにもよってスパロワ最大の迷支給品(?)を引き当ててしまうとは。
彼は改めてため息をついた。
空気化フラグということは、うまくいけば死にはしないということだ。
コーヒーでも啜りつつ某パプテマス氏のように死んだふりとかしていれば、生き延びることだけはできる。
しかし――それで、いいのか?
「いや……駄目だ! こんなゲーム、終わらせなきゃいけない!」
持前の真面目さと誠実さが二次スパ仮まとめの中に満ちてくる。
確かに自分一人では何もできないかもしれない。でも、他の参加者と力を合わせれば、きっと脱出できる!
彼は勢い盛んに立ち上がろうとして――

ふと、背後に気配を感じた。

背筋を寒気が駆け抜ける。振り返った仮まとめの視界に飛び込んできたのは、一人の少女だった。
一言で言うと、美少女だ。年は小学生ぐらいだろうか。凛とした雰囲気を全身に纏っている。
その美少女が口を開いた。

「驚かせてしまってすまない。私の名は◆CFbj666Xrwという。
 もちろんこのような馬鹿げた殺し合いになど乗ってはいない。安心してくれ」

クールな口調で彼女は名乗る。
何度か口をぱくぱくさせてから、ようやく仮まとめは返事をする。

「僕は二次スパ仮まとめといいます。◆CFbj666Xrwさん、でいいんですよね?」
「666で構わない。堅苦しいのはどうも苦手なんだ。その代わり私も君を仮まとめと呼んでも構わないか?」
「は、はい、もちろん」

あまりのクールビューティー(ただし小学生)っぷりにどうも調子が狂う。
しどろもどろに返事をする仮まとめを眺めて666は微笑み――急に真剣な目になった。

「ところで仮まとめ君。君はこのバトルロワイアルをどう思っている?」
「え? もちろん許せませんよ。666さんだってさっき言ってたじゃないですか」
「その通り。この殺し合いを続けさせるわけにはいかない。では、どうやったら殺し合いは止まると思う?」
「そりゃあ、首輪を解除して主催者を打倒すれば……」

仮まとめは困惑した。仮にもLSロワの筆頭書き手の一人ともあろうものが、何をいっているのだろう?
その疑問に答えるように666は言葉を続ける。

306名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 02:09:04 ID:frZyMvU20
6/7 【カオスロワ】○リアルタイムカービィの人/●二代目リアルタイム/○稲田瑞穂の人/
○◆6/WWxs9O1s/○◆qSSOg86y8s/○◆hXvyVozAPo/○◆o0JMpFh/TM
6/7 【アニロワ】○鉄槌/○最速の人/○軍曹/●◆QcxMJGacAM/○◆A.IptJ40P./○小鯛長/○愚弟
4/4 【LSロワ】○ボマー/○◆M42qaoJlNA/○◆o.lVkW7N.A/○◆M42qaoJlNA
2/2 【ライダーロワ】○◆TJ9qoWuqvA/○◆A.IptJ40P.
2/2 【任天堂ロワ】○◆BRxsUzTn5A/○◆ilZClmYqFI
2/2 【学生キャラロワ】○瞬殺の人/○プチ執念の人
2/2 【ハカロワ】○瀬戸こうへい/○ダンディ坂野
1/1 【ハカロワ3】○まーりゃん書き手
1/1 【ギャルゲロワ】○ツキノ
1/1 【文房具ロワ】○感電
1/1 【FFDQロワ3rd】○ネスカ
1/1 【ラノベロワ】○A
1/1 【脇役ロワ】○感想の人
1/1 【スパロワ】○DGの人
1/1 【二次スパロワ】○◆T0SWefbzR
1/1 【ガンガンロワ】○キタキタの人
1/1 【漫画ロワ】○◆L9juq0uMuo
1/1 【三国志ロワ】○無名武将@お腹せっぷく
1/1 【大学ロワ】○プール学院作者
1/1 【テイルズロワ】○キールの夜事件の作者
1/1 【キャプロワ】○キャプテン
1/1 【もえロワ】○ホチキス
0/1 【ジャンロワ】●勉強男
1/1 【パロロワ交流雑談所】○Classical名無しさん

41/44

参加者出典まとめ

307エロスは世界を救う:2007/05/23(水) 02:09:09 ID:PzcxIiN20
「そう、首輪を解除して主催者を打倒すれば殺し合いは止まる。それが常識だ。
 実際、対主催が首輪解除に取り組んだロワは多い。しかし、それは解除できればの話だ。
 解除するまでの間に、参加者達は次々と命を落としていく。君だって知っているだろう?
 だから、我々はもっとべつの方法で殺し合いを止めなければならない。
 もっと直接的かつ確実な方法で、だ」

666はここで一旦言葉を切り、仮まとめの方を振り返った。
仮まとめは思わず身を乗り出した。まるで666が妙案を持っているかのような口ぶりだったからだ。
しかし続いたのは予想斜め上をロケットで突き抜ける意外な言葉だった。

「人の心から闘争心を奪い去るもの……それはすなわち『究極の美』だ。
 究極の美を前にすれば人はおのずと武器を捨てる。争いなど無意味だと本能で悟るからだ。
 そして、私は究極の美とは――無垢な少年少女の裸体、これしかないと思っている」

………………………………はい?
思考が繋がらないアンド開いた口が塞がらない。
今、なんとおっしゃいました?

「そう、少年少女の裸体は、究極の美そのものだといっていい。
 凹凸のないその体型は緩やかなる曲線をもってその存在感を示し、未発達の鎖骨は成人には醸し出しえない色気を放つ。
 大人になるにつれて現れ出てしまう硬さなどとは無縁のその肌は、さしずめビスクドールの輝く陶器の肌のごとしだ。
 なにより彼女らのその無垢な魂は、その肌の奥から清純なる光を放っている!
 これこそが究極の美! It's a ultimate beauty! これを称賛しない人間などいるはずがない!
 ただ、私も容姿にそれなりの自信を持っているとはいえ、さすがに一人では戦力として心もとない。
 だいたい私は他の少年少女が裸体を見られて恥じらうのを見るのは大好きだが、私自身が裸体を見られて恥じらうのはあまり好きではない。
 しかし心配はいらない。 このようなロワだ、きっと年端もいかぬ子供達も巻き込まれているだろう。彼女らを説得すれば問題ない。
 加えて私には魔法『風花 武装解除(フランス・エクセルマティオー)』がある。裸にするのも一瞬だ。
 殺し合いをしている連中もそれをみれば心奪われて闘争心を失う! なんと完璧な計画! ええいこの私の頭脳は化け物か!?」

仮まとめは黙って聞いていた。そして、最後まで聞き終わると口を開いた。

「……つまりあなたは、ロリショタのエロスパワーで殺し合いを止めると?」
「身も蓋もない言い方をすると、そうなる」
「アホですかあなたは!? もう一回言いますよアホですかあなたは! そんなもので殺し合いが止まるわけが」
「いや止まる。ロリショタの嫌いな日本人なんていません」
「だいたいあなた自身がロリでしょうが」
「私もロリだがロリショタの裸は大好きだ。何か問題でも?」
「……………………」

断言する666に気圧されて、仮まとめはもう何も言えなくなる。
スパロワのお約束に幼女はろくな死に方をしないっていうのがあってですね、とか言おうとしたが彼女の迷いのない瞳の前にはどんな反論も無意味な気がした。
仮まとめの葛藤も知らずに666は出発の準備を始め、仮まとめの方を振り返った。

308エロスは世界を救う:2007/05/23(水) 02:09:36 ID:PzcxIiN20
どうやら仮まとめも一緒に行くのは彼女の中では決定事項らしい。
関わるとろくなことにならないという妙な確信がありつつも特に他にするべきことも見つからず、彼は何度目かの溜め息をつきながら従った。
666は満足げに頷き、ふと思いついたような表情で仮まとめに話しかけた。

「ところで仮まとめ君。デスノートのメロとニアなんだが、彼らはショタの範疇に入ると思うか?」
「唐突に何ですか? まあそこらへんの判断は人によると思いますけど」
「私の本拠地であるLSロワでも時々話題に上るんだが、彼らはLSに参加していながら、実年齢は19歳前後だ。
 逆にいえば、彼らがショタと認められるなら、人によってはその年代でもショタの範疇に入れることができる」
「……何が言いたいんですか?」
「君、なかなか華奢でいい体型をしているな。顔もやや童顔だし、これはひょっとすると……」
「アッー! 脱ぎません、脱ぎませんよ僕は!」
「……そうか、残念だ」

心底残念そうに肩を落とす666の整った横顔を見ながら、二次スパ仮まとめもまたこの先の行く末に不安を募らせるのだった。


【666(◆CFbj666Xrw)@LSロワ】
[状態]:健康
[装備]:無し
[道具]:支給品一式(地図無し)5MeO-DIPT@LSロワ
[思考]
基本:LSのエロスパワーで殺し合いを止める
1:ロリショタの参加者を集める
2:自分自身はできるだけ脱ぎたくない
[備考]
容姿はクールな印象の美少女。ロリ。
使える唯一の魔法『風花 武装解除(フランス・エクセルマティオー)』は対象の参加者を全裸にする程度の威力に制限されている。


【二次スパ仮まとめ@第二次スパロワ】
[状態]:健康、脱力
[武装]:無し
[所持品]:支給品一式、コーヒーブレイクセット@スパロワ
[思考]:
基本:駄目だこの人……早くなんとかしないと
1:とりあえず666についていく
2:ゲーム脱出の方法を探す
[備考]
人のよさそうな青年。真面目で誠実、敬語口調。

309名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 02:11:04 ID:frZyMvU20
すまん、割り込んだ

310エロスは世界を救う:2007/05/23(水) 02:11:23 ID:PzcxIiN20
あ、現在位置書き忘れた。

【開始数十分後/D-3/路上】でお願いします。

311名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 02:32:56 ID:GqrOnaRA0
>>308
コーヒーとロリは世界を救うで吹いたw
いやはや……。面白すぎるぜ、このロワ。

312名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 02:47:30 ID:0phr2Zowo
「参ったなぁ……」
色々あり過ぎて詳しくは覚えていないけれど、スタート地点から適当に、しかし一応は周囲に気を払いながら
歩を進めつつ、彼女は誰に向けるでもなくぽつりと呟く。
どう見ても社交的とは言い難い暗いオーラを纏ったメガネっ娘…パロロワの一つ、芸人ロワの書き手である
◆8eDEaGnM6sは溜息をついて、首に巻かれた金属の輪に指先をやった。
アニロワやラノベロワなどと違い、生身の人間を元ネタにしてロワを書いている、その天罰が下ったのだと思えば
多少はやむを得ないかと思えなくもないし、持ち前の空気の読めなさやスルースキルの低さから来るファビョりやすさなどから
何かとスレの治安を乱してばかりの自分がこういう形で排除されるのも当然ともいえようけども。
現状はやはりどこぞのラノベの台詞を借りれば『ここどこですか、何であたし連れてこられたんですか』状態という奴だ。

「殺しあえって言っても実感ないし…そもそもそれ以前に……」
聞いている人間などいないことは承知ながらも重ねて呟いて、彼女は視線をデイパックへと向ける。
確認した限りでは、デイパックに入っていた支給品以外のアイテムは、数日後に控えたとあるお笑いライブのチケット2枚と
ジオンの紋章の入ったグワジン級の戦艦のプラモデル(完成済)…多分トリを無理矢理読んだモノに引っかけて
この艦はグレート・デギンという事なんだろうな…ぐらいのもので。
その上、他の参加者達が持っているような特殊な力などにもまったく思い当たりはなく、
考えようによっては特殊能力の応酬の最中でよくぞ無事にここまで歩いてこられたな、と言ったところであろう。
その辺りは普通の…ちょっと発想が突飛かも知れない人間を題材に扱っているが故の(この場に於いては)弊害、という事だろうか。
「……………」

これはもうしょっちゅうスレで投げかけられる「氏んで^^」なんて可愛らしいモノでなくリアルに死ね、という事なのだろう。
とはいえ、こんな事になるならもっとライブに通えば良かった、などと月並みな後悔を紡いでみた所で現実味はなく、
結局、何だかなぁ…などと思っている内に彼女はエリア内を流れる川の近くへと足を進めていた。
水が流れる音が何とも心地よく、もっと川の側に近づこうと足を速めた所で、彼女はほど近い橋の上に立つ人影を見つける。

……女の子? 全裸?

首輪をはめられ、デイパックを持っている事から参加者の一人だというのは容易に想像できた。
しかしその幼げな容姿や格好に、ぎょっとしたように彼女は目を見開く。
「そこのあなた、何やってるの、服は……」
どうしたの? まさか奪われたの? 平凡な人間故の悲しさか、そう問いかけようと口を開こうとした時。


「…………あー……あー、ただいま、マイクのテスト中……」
幼女の発した声はその手に握られた拡声器によって辺り中へと響き渡った。


「……っ!」
拡声器。
一通り原作の書籍にも映画にも触れた事のある彼女には、そのアイテムが何をもたらすかぐらいは想像が付く。
しかも幼女が何らかの特殊能力持ちで、かのワードナの護符回収ゲームの忍者のように何も身につけていない状態が
一番強い…というのならともかく、どうみても全裸です、ありがとうございましたな格好で。
早く駆け寄って止めさせなければ、とかあの子を保護しなければ、というまっとうな思考よりもまず、
これ以上幼女に近寄るのは危険…という小心者の保身の思考が働き、彼女は音を立てぬように間近の木の陰に身を滑り込ませる。

故に、彼女は気付いていなかった。
彼女が木の陰で必死に息と気配を殺している最中に、橋の上でとある青年が幼女にアプローチを掛けていた事を。
その結果、幼女の思考に揺れが生じ始めていた事を。

313名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 02:50:30 ID:0phr2Zowo

【開始数十分後/C-3/川の近くの木の陰】

【◆8eDEaGnM6s@芸人ロワ】
[外見]内向的そうなメガネっ娘
[状態]:体調は万全 ガクブル
[所持品]:支給品一式 お笑いライブのチケット×2 グレート・デギンのプラモ(完成済)
[思考]:恐怖 自己嫌悪
1・隙を見て逃げる
2・奇跡的に周囲にマーダーがいないようなら、幼女を保護したい
[備考]:Classical名無しさんの存在、姿に気付いていません。
[備考]:特殊能力はなさそうです。


【開始数十分後/C-3/川の上に架かる橋の上】

【◆M42qaoJlNA@LSロワ】
[状態]:メイドロリ、死ぬことへの恐怖の芽生え、満腹
[武装]:拡声器、防弾仕様のメイド服@ハカロワ
[所持品]:支給品一式、魔女の媚薬500粒
[思考]:
基本:どうしよう……
1:拡声器フラグを完遂する?
2:死にたくないかも……?

【Classical名無しさん@パロロワ交流雑談所】
[状態]:健康、平常心
[武装]:なし
[所持品]:支給品一式、カマンベールチーズ入りドラ焼き×99@アニロワ
[思考]:
基本:とりあえず生きてロワを見届ける。
1:拡声器幼女から離れつつ、盛り上がりそうな場所を探す。
2:なるべく死亡フラグは立てないように。
3:ロワの空気は乱さないように。
4:◆M42qaoJlNAが次の放送で呼ばれるかどうかについて少しwktk
[備考]
※あくまで純粋な読み手であり、特別な能力は一切持っていません。
※その代わり、各ロワの内容や書き手については熟知しています。


とりあえず死体候補投下。
いや冗談抜きに普通の芸人ヲタにどうやって特殊能力持ちと闘えとw

314まとめ(出典五十音順):2007/05/23(水) 03:03:11 ID:vHa2wrfg0
【アニロワ】
・◆A.IptJ40P.『能力者』(>>299-301
・◆QcxMJGacAM『死亡』(>>221-223
・生真面目小体長(>>265-266>>268
・愚弟(>>299-301
・軍曹『亜人』(>>221-223
・最速の人『能力者』(>>202-205
・鉄槌『能力者』(>>154-156>>206

【FFDQロワ3】
・ネスカ『能力者』(>>183-186

【カオスロワ】
・◆6/WWxs9O1s(>>172-174
・◆hXvyVozAPo『能力者』(>>244-245
・◆o0JMpFh/TM(>>254
・◆qSSOg86y8s(>>176
・稲田瑞穂の人『亜人、能力者』(>>258-260
・二代目リアルタイム『死亡』(>>172-174
・リアルタイムカービィの人『能力者』(>>233-234

【書き手ロワ】
>>1『能力者、主催』(>>141

【学生ロワ】
・瞬殺の人『能力者』(>>154-156>>193
・プチ執念の人(>>269-270

【ガンガンロワ】
・キタキタの人(>>254

【キャプロワ】
・キャプテン(>>267

【ギャルゲロワ】
・ツキノ『分裂』(>>183-186

【交流雑談所】
・Classical名無しさん(>>296-298>>312-313

【芸人ロワ】
・◆8eDEaGnM6s(>>312-313

【三国志ロワ】
・無名武将@お腹せっぷく『残機制』(>>291-294

【ジャンプロワ】
・勉強男『死亡』(>>269-270

【スパロワ】
・DGの人『能力者』(>>221-223

【大学ロワ】
・プール学院作者(>>291-294

【テイルズロワ】
・キールの夜事件の作者(>>291-294

【二次スパロワ】
・◆T0SWefbzR『解除技能』(>>265-266
・二次スパ仮まとめ(>>305>>307-308

【ハカロワ1】
・瀬戸こうへい(>>202-205
・ダンディ坂野(>>254

【ハカロワ3】
・まーりゃん書き手『分裂』(>>227

【文房具ロワ】
・感電『能力者』(>>244-245

【任天堂ロワ】
・◆BRxsUzTn5A(>>233-234
・◆ilZClmYqFI『能力者』(>>258-260

【漫画ロワ】
・◆L9juq0uMuo『自動人形』(>>267

【もえロワ】
・ホチキス『怪物、能力者』(>>193-196

【ライダーロワ】
・◆TJ9qoWuqvA『能力者』(>>265-266
・アイ(◆A.IptJ40P.)『能力者』(>>291-294

【ラノベロワ】
・A(◆l8jfhXC/BA)(>>193-196

【LSロワ】
・◆M42qaoJlNA(>>200>>296-298>>312-313
・◆o.lVkW7N.A(>>265-266>>268
・666(◆CFbj666Xrw)『能力者』(>>305>>307-308
・ボマー『能力者』(>>179

【脇役ロワ】
・感想の人『能力者、ジョーカー』(>>176

315ズガンとクオリティはカオスロワの花:2007/05/23(水) 03:04:01 ID:xT3xPDqgO
「…やれやれ。脱出できたと思ったら、またこんな事に巻き込まれる訳か」
小学校の校舎の中、闇の中に溶け込むかのように、壮年の男が立っている。
服装は今時古めかしいトレンチコートだが、それが似合う偉丈夫であり、端正な顔立ちをしていた。
ルートFの人。テラカオスバトルロワイアル2ndに出場したことがある、分類的にはリピーターという奴である。
「全く、ああいう経験は 一度だけでいいっつーのに…」と言って、不機嫌そうに彼は頭を掻いた。
今の自分には神野陰之もいないし、何の力もない。だがそれでも、
「こういう命を大切にしない奴にはキツイお仕置きをしてやらないとな…」
その目標を心に決めて暗い校舎の中を歩きだす。と、その時。
「…泣き声?」
この小学校の校舎に相応しい、幼い少女の泣き声。だが、殺し合いの場には果てしなく合わない泣き声である。あからさまに怪しい。
だが、
「…あからさまにイヤな予感がするんだが、ほっとくのも気が引けるか…」
結局、声を辿って元に行ってみることにした。

「しく…しく…」
一人の男の死体の前で、小学4年生ぐらいの少女が泣いていた。
男の胸には一つの刺傷があり、それが彼の死んだ理由であろうことは理解できる。

316ズガンとクオリティはカオスロワの花:2007/05/23(水) 03:06:35 ID:xT3xPDqgO
それと共に溜息もついた。どうも、自分の知っている顔であるらしい。
あまり遭遇したくない顔ではあったが、見つけてしまった以上保護する義務があるだろう。
「いーさんか?」
泣いていた少女が顔を上げ、こちらに走り寄ってくる。その様子が妙だと思いつつも、何があったのか訪ねるべく声をかける。
「…何があった?こいつは何で死んでいる?」
「それはね…」
質問されても足を止めないいーさんを警戒しだした時―――

317名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 03:08:16 ID:xT3xPDqgO
「私が殺したの」
ぶす、という音と共に腹に何か鋭利な物体が突き刺さる。
「ぐ、う…!?」
呻きながら、フラつきらがらもなんとか距離をとる。あらためて見れば、いーさんが持っている物の正体がよくわかった―――HBの鉛筆だ。
「クリティカルってか―――趣味が悪いな。何故こんな事をする?」
「簡単よ。これじゃ家に帰れないでしょ?それに、これに優勝すれば空気嫁、とか言われなくなるもん」
確かに文句を言う人間がいなくなれば何も言われないが―――全く、物事をあまり考えない奴だ。
(くそ、本来なら支給品で反撃と行く所なんだが…傷が気になるな。支給品の確認もしてないし、ここは…)
ルートFの人はいーさんに背を向けて、
「あ!こら、逃げる気!?」
「お前を相手にしてる時間はないんでね。次に会ったときは相手してやるよ」
走り去った。

318名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 03:14:59 ID:xT3xPDqgO
【ロワ開始30分後】
【A-3 小学校】

【ルートFの人@カオスロワ】
[状態]:腹部に刺傷、全身に疲労感。
[装備]:不明支給品1〜3個
[道具]:支給品一式
[思考]
1:傷の手当をしたい
2:知り合いと早く合流したい
3:◆E3y/x3899E氏にリベンジしたい
4:仲間を集め、主催者を倒す

【◆E3y/x3899E氏@カオスロワ】
[状態]:ちょっと疲れた。
[装備]:HBの鉛筆@ゲーム版テラカオスバトルロワイアル
[道具]:支給品一式
[思考]
1:優勝して家に帰る。

【◆CuG3z3uZ1o@カオスロワ 死亡】

正直ノリだけで書いた。
今は反省している。

319名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 03:22:20 ID:vHa2wrfg0
俺リアルタイムで死体役になってる\(^o^)/オワタw

とまあそれは置いといて、上でまとめて気付いたが◆A.IptJ40P.氏が何気に二人いるな。
ライダーロワとアニロワで、まぁどうでもいいが

320名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 03:42:37 ID:1dOLyhDE0
ttp://takukyon.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/clip/img/114.gif
今夜はこれが精一杯か。
白地図に現在の配置を載せてみた。

321名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 03:51:06 ID:vHa2wrfg0
>>320
乙…だが、ボマーさんはE-2だね

322名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 07:25:04 ID:OkjWtK6c0
うはwww俺かっこいい

323名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 07:56:08 ID:Io9z5JNoC
うはwww 俺、超うっかりwwwww

324名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 08:42:26 ID:o2pCRHBUO
>>319
何気に両方とも人間が移動する能力持ちだなw
パラレル的存在ってことでいいんじゃね?

325名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 08:51:49 ID:gho3lMUA0
>>320に少し手を加えてみた。
ttp://takukyon.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/clip/img/115.jpg

灯台とか病院とか民家とかトラックとか欲しいね

326名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 09:09:06 ID:zNLHf2B60
俺が言うのもあれだがカオスロワの書き手人気ありすぎだろw
すでに主要書き手はほとんど出てるんじゃないか
てかいーさんww

327名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 09:12:25 ID:QEgSFhus0
カオスはロウルートで土台ができているからな。
キャラ把握しやすいのが要因の一つだと思う。

328名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 09:47:21 ID:PnxxiAv20
やっぱりというかなんというか、アニメ・カオス・LS辺りからの参加者が多いんだな
このスレの最初の方に他の候補も挙がってるし、不謹慎な話だけど何人か出てくれないかな・・・

329320:2007/05/23(水) 10:01:02 ID:hVENaxyc0
その三つ以外は殆どのロワから満遍なく出ているな。
同じロワから来て仲間捜しとかにも期待。

>>325
やろうと思っていた事がっw ナイスですよ、GJ!

330堕天の神:2007/05/23(水) 10:34:20 ID:9U0KEvPI0
彼はかつて、「神」と呼ばれていた。

話を投下すれば、大量の感想レスの嵐。
無数の信者を引き連れて、スレ1つを完全に牛耳って。
他の所には見られないシステムを彼1人で確立し、スレの方向性を決定付けた。
書き上げた総文章量は他職人の追随を許さず、信者たちの擁護もまた強く。
彼はまさに、新興宗教の教祖的存在――否、「神」そのものだった。

そんな彼が、今は。

……森の中、彼は泣きながら自らの支給品を確認していた。
痩せこけた頬。汚らしい無精髭。何日も風呂に入ってない、ぼさぼさの頭。
前歯は欠け、目は濁り、服もボロボロ。
そこにはかつての教祖的カリスマは微塵もなく、その姿はゴミを漁るホームレスにしか見えない。

「ちくしょう、ちくしょう、ちくしょう……!
 『奴ら』が余計なことさえ言わなければ、今頃『14部』は……!
 俺がこんな馬鹿げたゲームに巻き込まれることだって、なかったはずなのにッ……!」

逆恨みかつ筋違いな呪詛を吐きながら、彼は頭を抱える。
それは本来、火をつけた人々を恨むような話ではない。
完全に彼の自業自得。二次創作と言えど「絶対にやってはいけない領域」に手を出した彼への罰。

男の名は、ネギまロワ『 作者1 ◆0Z3l12M4xM 』。
その職業(クラス)は、SS職人――ではなく、盗作魔である。
自ら頭を捻り、苦しみながら作品を書くのではなく、他人の作品を丸ごとパクって改変してお手軽に仕上げる。
通常ならすぐに露見し批難轟々となるこの悪行。しかし彼は上手かった。
投下先として交流所との接点の少ない場所を選び、盗んだ元も投下先とは縁遠い野球関係などを選び。
露見しない自信は、あったのに。

転落してからは、名を捨て、ペンを捨て、息を潜めて暮らす日々。
謝罪の言葉を残して消えた彼だが、その心の中は穏やかではない。
あまつさえ、全てを捨てざるを得なかった彼を巻き込んでの、リアル・バトルロワイヤル……。
彼は血走った目で吐き捨てる。

「こうなったら……み、みんな殺してやるっ! 『オリジナル』たちを全部殺せば、俺が『本物』だッ!」

331堕天の神:2007/05/23(水) 10:35:08 ID:9U0KEvPI0
支給品のデザートイーグルを手に、彼は心を決めた。
ちょっと不吉な匂いはするが、支給品は文句なしの強力な火器。
扱い方は(他人の真似でしかないが)知っている。その気になれば十分に戦えるだろう。
それに――

「それに――俺には『この力』があるしなッ!
 どうせ他の連中も常人じゃないんだろうが……全部、俺がパクってやる!」

能力者としての彼の力は、『他人の超常能力をコピーする能力』。
コピーと言っても劣化は免れないし、コピーで得た能力は1回しか使えない。
その代わり、他人の能力の発動を見るだけでコピーが出来、また能力は何人分でもストックすることができる。
『その力』が健在であることを確認すると、彼はふらりと立ち上がる。

「さて……まずは、誰かと接触して、能力をコピーしなきゃな……。
 優勝してやる……絶対に、優勝してやる……。そして、またいつか再び、『神』の座に……!」

明らかにアブない笑みを浮かべながら、彼は他の参加者を求めて歩き始めた。
なんといっても、彼は「誰か」が居なければ何もできないのだ――SS職人ではなく、盗作魔なのだから。


【開始十数分後/D−2/一日目】
【作者1@ネギまロワ】
[状態]:不健康な外見
[装備]:デザートイーグル
[道具]:支給品一式(地図無し)
[思考]
基本:優勝を目指す。特にSSの書き手は全て(最終的に)殺す。
1:当面、ステルスマーダー路線で「他人の能力のコピー」のストックを得ることを優先
2:
※他人の特殊能力をコピーする能力を持っています。
 他人の特殊能力の発動を見ることでストック可能。使う際は元の能力の制限に準じます。
 コピーした能力は、1回しか使えませんし、オリジナルと比べると威力・精度共に多少劣化します。
 スタート時点では、ストックされている能力はありません。

332名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 10:35:58 ID:9U0KEvPI0
マーダーは多いが、悪党が少ないので「吐き気を催すような邪悪」を投下。

333名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 11:44:13 ID:GqrOnaRA0
>>325
GJ!! です。

>>332
投下乙です
なんつーか、知らない書き手ってたくさんいるんだな……。

334名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 13:13:22 ID:GDlFcEtY0
>>332
投下乙です。
ネギまのあの人か……いいのかな? でもコピー能力は面白そうだw
DGの人・ボマー氏・まーりゃん書き手(つきのん)・愚弟&A.I氏とかが近くに居て
コピー相手には困らなそうなだけにwktk

335【館の主】:2007/05/23(水) 13:18:38 ID:GqrOnaRA0
「……何だこれは?」
 瞬殺の男は目の前の建物を見上げた。
 それは黒を基調とした洋館だった。
 月明かりに照らされた林の中に立つその洋館は、この上もなくおどろおどろしい印象だった。
 近くに寄ってきた者に相手より先に気づけて、尚かつ逃げ道が複数有る場所、という条件に洋館は適合しない。
 しかし――。
 瞬殺の男の顔に喜色が浮かんだ。
(女、か)
 遠目でよく識別できなかったが、二階の窓に見えたのは紛れもなく女の顔。
 ク、と一言口から漏らすと、彼は意気揚々と扉へと向かい、洋館の中に足を踏み入れた。
(隠れているということは、戦闘能力に欠けるということだ。残念だったな! 俺に見つかったのが運のツキだ)
 これでやっとズガンを達成できる。
 階段に足をかけ、足音も高く上っていく。
「――警戒と遠慮の必要性はない。早く上がって来ることを推奨する」
 聞えてきた女の声に、瞬殺の男は不愉快そうに顔をしかめた。
 害意のないことを主張せずに接近していく自分がどんな存在であるかぐらい、書き手なら分かるだろう。
 分かっていながらこの態度。
(大した自信じゃないか)
 上等だ。
 それならば、正面から粉砕してくれる。
(俺は瞬殺の男だ!)
 鎧の中で敵意を滾らせながら、男は一歩一歩階段を登っていく。
 登り終え、目の前にある部屋のドアを蹴り開ける。
 その中には――。
 端整な顔つきのセーラー服姿の少女がいた。
 どんな演出のつもりか、椅子に座り分厚い本に視線を落としている。
(舐めているのか? この俺を)
 鉄の鎧をまとった瞬殺の男が、少女との間合いを詰めようとしたその時。
「序盤のマーダーは死亡フラグと同義。あなたはそれを理解しているのか?」
 淡々とした声が部屋の中に響いた。
「だから何だ? 俺は最速でこのロワを完結に導く! それだけだ!」
 少女の言葉を瞬殺の男は斬って捨てた。
「だがいい度胸だ……。その度胸に免じて死に行く貴様の名前は覚えておいてやる。
名は何だ。言ってみろ!」
「……◆S8pgx99zVs。地図氏と呼ばれることもある」
 瞬殺の男の目に殺意の灯がともった。
「過疎ロワ書き手の1人として、お前らアニロワの書き手に会ったら、
どうしても言ってやりたかったことがある……」

336名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 13:19:48 ID:GqrOnaRA0
 瞬殺の男は息を吸い込んだ。
「アニロワ調子乗ってんなっ!!」
 咆哮が部屋に響き渡った。
 瞬殺の男が一歩を踏み出そうとする。
 少女が口を開いた。
「私が調子に乗っているかどうかは第三者の判断に委ねられるから答えられない。
今の私にできるのは提案することだけ」
「……提案だと?」
「そう。私と組むことはあなたにとっても利益になる。だから私と組むことを提案する」
 少女は続けた。
「集められた参加者はみな書き手。書き手はロワのルールを熟知している。
当然、首輪の解除に積極的に動くものもいるだろう。主催者はそれを見越した上で対策を練っているはず。
これではあまりにも分が悪すぎる。よって優勝を目指した方が生き残れる確立が高いと私は判断した。
けれど私の力だけでは優勝できる可能性は低い。
だから初期段階からマーダーを選択できる力をもった参加者と同盟を組むことを選択した」
「……お前と組むことが俺の利益になるという理由は?」
 瞬殺の男は少女を見やった。
「あなたも書き手なら、首輪探知機を持つ者の優位性は知っているはず」
「持っているのか!?」
「持っていない。けれど、それに似たことが私にはできる」
 少女は腕を振った。
 すると、何もない空間に9つの升目が現れた。
 その9つの升目の中で光点がいくつか点滅している。
「ひょっとしてこの光点が?」
「黄色い点が参加者。中央の升目の黒点が私。赤い光点は死者を示している」
「なるほどな……。あんたの仕事の速さはこの能力のおかげだったというわけか」
 少女は頷いた。
「私の能力は伝えた。次はあなたの番」
 瞬殺の男は胸を張った。
「俺の能力は――」

337名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 13:20:27 ID:GqrOnaRA0
 ◆  ◆  ◆  ◆


「なるほど。あなたの能力はとてもユニーク。そして私の能力と相性もいい。
これはお互い運があったというべき」
「ああ。拠点を移しながらお前の能力で敵を探し、俺が遠隔操作でそいつらを襲う……。確かに悪くない」
「拠点に入ってきた人間の不意をついてあなたの鎧で攻撃するという手もある。
鎧のインテリアは眼を引くが、普通はそれが動くとは思わない」
 少女の提案に瞬殺の男は腕組みをした。
(なるほど……。そういう手もありだな)
 その時、少女が何かを放った。
「私の支給品。メモリに私の番号を入れておいた。確認しておいて」
 言い捨てて少女は部屋を出て行く。
「どこへ行く?」
「生理現象」
 ぼそっと答えて少女は、階段を下りていく。
 瞬殺の男は肩をすくめた。
(まあ、参加者がある程度減るまではせいぜい利用させてもらうとするか)
 所詮はマーダー同盟。
 互いに利用できなくなった時が縁の切れ目だ。
 瞬殺の男はゴロリとベットに横たわった。




 

「鎧使いか。クカッ! なかなか面白い芸を持ったヒューマンだ」
 階段を降り切った所で少女は独り言を口にした。
 その口調は先ほどまでの淡々としたものとはうってかわって荒々しいものだった。
 突然、少女の顔が変貌を始めた。
 黒髪の男の顔に、髭の老人の顔に、そして幼い少女の顔に。
 顔が変わるたびに髪がざわざわと音を立てて伸び縮みし、身体が嫌な音を立てて収縮をくりかえし、
 着ている服すらもその形状を変えていく。
(つくづくヒューマンとは度し難い。
外見で判断するなと自分の創作物で書くヒューマンは多いが、実行できる者は絶無だ)
 もっとも◆S8pgx99zVsも、自分が最後を描いた吸血鬼ほど絶対的な力を持っているわけではない。
 だからそれなりに力を持った人間と組むことにしたのだ。
(せいぜい利用させてもらぞ、ヒューマン。役に立たなければ、即刻貴様は私の餌だ)
 狂気と愉悦の笑みを吸血鬼は浮かべた。

338名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 13:21:33 ID:GqrOnaRA0
 ◆  ◆  ◆  ◆



「面倒なことになりやがったな……」
 嘆息と共に木の陰から男が姿を現した。
 巨躯であった。
 身長は2メートル近い。腕、太もも、胴周り、首、全てが太く、黒いサングラスの下で光る眼は猛禽のよう。
 スキンヘッドも相まって、子供が見れば泣き出すことは保証つき。
 執念の人◆SzP3LHozswはそんな男だった。
 開始以来、彼が行ってきたのは、危険人物とおぼしき男の尾行。
(まったく! できりゃ一般人だけを相手にしてたかったんだが……。そうもいかねぇか)
 アニロワやらLSロワに出てくるような超人がいるなどと、今日の今日まで思いもしなかったが、
 目の前で男が、何もないところから鎧を取り出したのだから、その存在を信じるしかない。
 組めば戦力になりそうなその男に声をかけなかったのは、ひとえにその男から邪悪なものを感じたから。
 他の参加者に手を出すような人間なら、片付けるのもやむなしと思って尾行してきたのだ。
 執念の人◆SzP3LHozswは剃り上げた頭をツルリとなで上げた。
 洋館の中という見知らぬ空間で戦闘になった場合、不覚を取る可能性がある。
 となれば、出てくるまでまつしかない。
 かなり面倒であり、忍耐が要求される作業だ。
 だが、執念の人◆SzP3LHozswの辞書に諦めるという文字はなかった。
 伊達に一人でスレを長きに渡って支え続けてはいない。
(諦めたらそこで試合終了、ってやつだぜ)
 自分の投稿作品では悪逆非道をやらせてしまったキャラの名台詞を一抹の後ろめたさと共に胸中で呟き、
 執念の人◆SzP3LHozswは、再びその身を木の陰に隠した。



 【開始数十分後/C-1/洋館の中】
【瞬殺の人@学生キャラロワ】
[状態]:精神疲労(小)、鎧装着
[装備]:召喚した鎧
[道具]:携帯電話、支給品一式(地図なし)、後は不明
[思考]
基本:ロワを完結させる(結末は自分の優勝エンド)
1:少女と組んで参加者を襲う(待ち伏せをするか、遠隔で襲うかは臨機応変)
2:誰も近寄ってこないなら拠点を移動する。
3:皆殺し
[備考]
・男の「召還」は鎧(アルフォンスエルリックみたいな感じ)を呼び出すものです。
・装着して動く事も出来るようです。

 
【◆S8pgx99zVs氏@アニロワ】
[状態]:絶好調
[装備]:なし
[道具]:支給品一式(地図なし)、携帯電話
[思考]
基本:皆殺しにして優勝
1:男と組んで参加者を襲う(待ち伏せをするか、遠隔で襲うかは臨機応変)
2:誰も近寄ってこないなら拠点を移動する。
3:皆殺し
[備考]
・地図氏の能力は自分を中心にMAP九マス分を投影し、生者と死者の動きを探るというものです。
 仮にフィールドの端にいて無駄になる部分があると分かっていても、自分を中心にしか投影できません。
・首輪は首と心臓の二箇所に嵌っています。
・他の能力に関する詳細は不明。あるかもしれないし、ないかもしれません。


【開始数十分後/C-1/洋館から少し離れた場所】
【◆SzP3LHozsw氏@ジャンプ2nd 】
[状態]:疲労(小)
[装備]:バズーカ(弾数5)、コンバットナイフ
[道具]:支給品一式(地図なし)
[思考]
基本:???
1:男(瞬殺の人)の危険度合いを見極める。マーダーなら殺す。



地図氏、ごめんなさい。

339名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 13:48:28 ID:GDlFcEtY0
>>338
投下乙、S8氏先を越されたw
しかしGJ。能力がいかにもそれっぽい。

>>325の地図をちょっと更新してみたよー
ttp://takukyon.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/clip/img/116.jpg
南はわりと安全だけど北がキナ臭いことこの上ない。

340名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 14:24:45 ID:Z2l4p2nM0
「無い。いや、マジでこれは無い」

暗い声を出しながら、誰もいないエリアを歩く男が一人。
彼の名はエド。FFDQロワにてラジオを配信した男だ。

「誰かいればなぁ。あんどれさんとかさ、ネスカさんとかさ……あ、他のラジオの人がいても心強いな」

そんな彼は、突然のバトルロワイアルへの強制参加によって、暗い気分になっていた。
大体一人でどうしろと。っていうか絶対グダグダな死に方するって俺。と、心中で呟く。
だがしかし、そんなことで状況が改善されるはずは無い。

「大体……支給品がこれって、ねぇ?」

彼は呟きながら、既に取り出していた支給品を眺めた。
――そしてそのまま大きくため息をつく。

「いやもうマジでこんなものでどうしろと!?
 デールの使ってたイングラムとか、そういうもの入れろよ!」

そう、彼の支給品は……見事なまでに大外れだった。

「こんなので勝てるわけが無い。絶対死ぬ、確実に。
 もう即効で死亡フラグが立つ。完璧に死ぬってこれ」

彼にここまで弱い考え方をさせる道具。
それが一体どんなものだったのか――皆さんに、こっそりお教えしよう。

まず取り出したるはハリセン。
そう、あの蛇腹折りの紙。パロロワにつき物の外れ支給品である。
続いて取り出したのは黄色いメガホン。そう、応援などに使われるアレだ。
特徴は叩いたら「カポコン」と良い音が鳴る――以上。

そして最後の支給品。これが極めつけであった。
それはラジオでも話題になりまくったものであり、もはや伝説と化したアイテム。

その名は、

官  能  小  説  三  巻  セ  ッ  ト  。

341名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 14:26:11 ID:Z2l4p2nM0

何故これが入っているのか、と虚空に問う。
当然だ。これは詳しく言えば「支給品」でもなんでもない。
我らがFFDQロワ3rdのアルスが”舞台で「現地調達」した”代物だ。
そんなものが何故、無理矢理「支給品」としてねじ込まれているのか。
というより、何故自分の支給品袋に入っていたのか。

ちゃんと読んでいないのでわからないが、内容はアルスの読んだ物に準じているのだろうか。
確かあれは「魔道師×人妻」「騎士×シスター」「青年×ロリ」という濃い内容だったが――。
いや、内容などはどうでも良い。

肝心なのは全支給品の外れっぷりだ。
こんなもので戦闘など出来るはずが無い。「うん、それ無理♪」ってものだ。
確実にどうにかしてこの状況を脱却せねばならない。
そう、その為には……まずは仲間を探さなければならない。
DQだってFFだって、主人公の旅にはそれがつき物だ。
いや、詳しく言えばDQ1は一人旅だったのだが……。

「よし、もう本当仲間を探そう。出来れば俺の支給品を見てドン引きしない、そんな聖人君主を」

今の自分の身の回りには誰も居ない。
むっつり勇者も武器庫な学生もロリコン賢者も殺不(ころせず)マーダーもいない。
暴走した配下もドS王女も黒スーツ皇帝も物真似師もイカもあらくれ仮面も二重人格僧侶もいない。
ステルスジョーカーもへたれ竜騎士もまるでヒロイン男も人妻好き赤魔道師も不幸王も狂気王もいない。
そう、自分の知っている人間はいないのだ。だからこそ今は自分の力で道を探し当てなければならない。

「さて、そうと決まればまずは一歩……か」

と、遂に覚悟を決める。
そんな彼はいつの間にか、いつもの美声を取り戻していた。

342「び……」「美声だッ!」「美形だッ!」:2007/05/23(水) 14:28:21 ID:Z2l4p2nM0




さて、その数十メートル後方。
そこから一人の青年がエドの一喜一憂を眺めていた。
年の頃は19歳ほど。正座と血液型は蟹座のB型と言ったところだろうか。
名は◆LXe12sNRSs。そう、あのアニロワの第一線で活躍するカリスマ書き手だ。

「人畜無害そうでは、あるか」

どこかへと向かい、歩き出すエドを観察しながら呟く。
どうにも立ち振る舞いが普通であり、喋っている言葉も聞こえなかったことから判断は難しい。
だがそれでも多くの作品を創ってきた自分ならわかる。恐らく自分の勘は正しいだろう。
しかし問題は支給品だ。見たところ外ればかり。非常に心苦しいはず。
例え何かの殺人術を持っていたとしてもこれでは敵に苦戦するに決まっている。
見れば体つきもマッスルだとかいうわけでもないし、現状では殺意も見えてこない。
それが◆LXe12sNRSsの立てた推測、推理だ。

ならば、今はまだ接触するのはやめておこう。

「もしも今後淘汰されずに残っていたならば、また会おう……」

◆LXe12sNRSsはエドを一瞥し、彼と全く正反対の方向へと歩いていく。
静かに呟く彼のその瞳は、その奥で多くの野望を滾らせていた。

343「び……」「美声だッ!」「美形だッ!」:2007/05/23(水) 14:30:24 ID:Z2l4p2nM0

――エドとの接触を是と判断せず、その場を去っていった◆LXe12sNRSs。
彼がその判断を下したのはただの気まぐれではない。そこには彼の真意がある。

『バトルロワイアル……この現状に関しては、僕は所謂”対主催”だ。』

風が彼の髪をなびかせ、果ては空に浮かぶ雲を動かしていく。
だがこの風も偽者。まやかしの世界に作られた模造品だ。

『だが僕には全ての人間を助けることは出来ない。
 暫くの間でもこの偽者の世界は主催者の思うが侭に廻り、人は死んでいくだろう』

辺りは静寂で包まれ、不気味さをも感じさせる。

『だがその中でそれを良しと思わない――僕の様な対主催が他にも現れるはずだ』

今この瞬間生きているということが貴重という世界。
そんな場所に飛ばされる等と、自分を含めた全ての人間は思わなかっただろう。

『しかし主催者はパロロワの集合体とも言うべき空間に存在していた存在だ。
 並大抵ではない……僕一人では考え付かないような策を披露して、必ず彼らの希望を奪う。
 だがそれでは駄目だ。一人でも多く生き残る為にゲームを破壊しなければならない』

だがそんな世界でも同じように――風は雲を動かし、空は新たな世界を造る。

『そうなると……殆どの人間が実行しないような策で迎え撃つしかない。
 選ばれた強者達で力を固め、選ばれた賢者達で策を始動させるしかない。
 だから僕は――その為の土台を作る。その為に、多くの死を呼び込んでみせる』

そう、あの空の様に世界を変化させなければならない。

『まずは僕が他人に取り込み、巨大な戦いを起こす。そしてその中で強者と賢者を呼び出し、生み出す。
 そうすれば弱者は自然に淘汰され、そして残るは……その中で生き残った者、または戦いの中で覚醒した者のみだ。
 その数少ない選ばれし人間が主催者に抗えば、必ず道は開けてくる。この偽者の世界は破壊され、ゲームも幕を閉じるだろう』

自分が、変化させなければならない。

『憎まれ役は僕だけで十分だ……』

戦いを呼び起こさなければならない。

『あのかつての”ホテル”のような巨大な闘争を起こしてみせる。
 そして、選ばれし強者達を集め――このゲームを終わらせる!』

344「び……」「美声だッ!」「美形だッ!」:2007/05/23(水) 14:31:45 ID:Z2l4p2nM0


エドと◆LXe12sNRSsが、正反対の方向へと歩いていく。

エドは共に戦ってくれる仲間を期待しながら歩く。
◆LXe12sNRSsは激しい闘争を呼び起こす為に歩く。

一つの光るものをを持っている二人は、何もかもが正反対だった。



【開始数十分後/B-3】

【エド@FFDQロワ3rd】
[状態]:健康。現状をどうにかしたい。どこかへ移動中
[装備]:無し
[道具]:支給品一式、ハリセン、黄色いメガホン、官能小説三冊セット@FFDQロワ3rd
[思考]
基本:ゲームには乗らない
1:仲間プリーズ
[備考]
能力は不明です(後続にお任せ)


【◆LXe12sNRSs@アニロワ】
[状態]:健康。エドと正反対の方向に移動中。
[装備]:無し
[道具]:支給品一式、ランダム支給品(1〜3?後続にお任せ)
[思考]
基本:主催を打倒する為、憎まれ役になる
1:大小問わず闘争を引き起こし、強者・賢者を発掘する
2:その為にまず戦闘能力の高そうな人間に取り入る
3:淘汰され、残った者達でゲームを破壊させる
[備考]
能力は不明です(後続にお任せ)

345名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 14:40:44 ID:eJmqjeFI0
>>338
ちょw地図氏は見た目ナガモンで、中身アーカードっすかww
しかもなんか超強マーダータッグになりそうだしw

>>344
うぅむ、ネタロワだと思っていたら、こういうシリアスっぽいすれ違いが出てくるとは……GJ!
LX氏をあえて憎まれ役にする冒険も凄いと思うw 外見はやっぱり漫画版ジグマールなのだろうかw


しかし、アニロワ書き手の登場率もすごいことになってきたなぁ。
>>89で挙げられた大半出てるしw
残るは絵師のプー太氏と繋ぎ書き手のlb氏、まとめに貢献したwiki管理人氏か……

346名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 15:12:13 ID:hDxxS.1Q0
 0,25%。
 これは、地球上における日本の占める陸地面積の割合である。
 陸地面積の僅か1%にも満たない国土でありながら、経済大国と呼ばれ他の大国と肩を並べる国、日本。その極東の小さな島国が世界に誇るものが二つある。
 一つは、国外でジャパニメーションと呼ばれ世の東西を問わずに高い評価を受けるアニメーション技術。
 そしてもう一つは、ロボット工学である。
 日本最初のアニメである鉄腕アトムや、世にロボットアニメというジャンルを打ち立てたマジンガーZ。
 綿密な時代背景を伴い、ロボット同士の戦争をリアルに描いた機動戦士ガンダム。
 幼き日、瞳を輝かせて魅入ったテレビの中で縦横無尽に活躍するそんなロボット達に憧れ、そしてその誰もが思った『何時の日か、自分の手でこんなロボットを』。
 そんな夢物語を何時までも抱え続けたまま成長した子供のような大人、あるいは、大人のような子供達が、今の日本という国の技術力を担っているのだ。
 そして、この殺し合いの場に一人たたずむ黒いスーツ姿の人物もまた、そんな科学者の一人であった。

「ふむ」

 スーツ姿の人物が、くぐもった声でつぶやく。
 この人物の名は教授。かつてスパロワにおいて良作と名高い「The Game Must Go on」を書き上げた人物、通称イングラム死亡の人である。

「……因果なものだな」

 教授とスパロワの出会いは、全くの偶然であった。
 幼き日に見たロボットアニメの影響を受け科学者の道を歩んだ教授は、大人になった今でさえロボットアニメ鑑賞やロボットゲームのプレイを趣味とし続けている。
 そんな教授が日課としていたのは、仕事の合間を縫ってのロボットゲー板閲覧だった。
 その日も僅かな暇を利用してロボゲ板を訪れ、そしてスパロボキャラバトルロワイアルスレに出会ったのだ。
 折りしも立ったばかりのそのスレに、教授は瞬く間に魅了された。
 アニメに出てくるようなロボットを作りたいと科学者になった教授であったが、現実と理想の壁は余りにも高く、厚かった。
 いかに最先端を行く日本の技術力とはいえ、教授の憧れである巨大ロボットなど、今の技術ではまだ実現には程遠いものだった。
 だから教授は書き手の一人として名乗りを上げた。現実では実現出来なかった夢をせめて空想の中だけでも手に入れようと筆を執ったのだ。
 しかし。

「まさか、このような事に巻き込まれるとは」

 ため息混じりに教授は呟き、首を振る。
 最近は仕事が忙しくなり、スパロワとも疎遠になっていた。正直に言ってあのスレのことは忘れかけていたのだ。
 それがいきなりこのような場所に集められ、そして殺し合いをしろ、などと無茶な要求を吹っかけられることになるとは、全く持って迷惑以外のなにものでもない。

「まぁ……仕方あるまい」

 眼鏡のズレを直すように顎の部分にかかる金属に手をかけて、踵を返す。
 こんな事態に巻き込まれるのは甚だ不本意ではあるが、そのことに不平を述べたところで現状が変わるわけでもない。
 抱く夢こそ空想の中でしか成し得ない産物だが、教授自身はリアリストでもある。
 すでに賽は投げられてしまったのだ。ならば、自分に出来ることを成す以外に道などあろうはずもない。
 幸い、自分は科学の造詣に長けている。設備とサンプルさえあれば、首輪の解析もできるはずだ。
 そう考えた教授は、見知らぬ光景を眺めながら足を踏み出し、歩き出した。

347名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 15:12:50 ID:hDxxS.1Q0
(まずは解析が出来そうな設備を探そう。首輪は……後回しにするしかないだろうな)

 パロロワに携わる人間である以上、首輪を入手するために必要なことは理解している。理解しているからこそ、教授はそれを保留した。
 ともかく、まずは設備を見つける。それに、出来れば仲間も欲しい。
 何せ自分は科学者だ。パソコンと睨めっこばかりしていた身では、少し腕に覚えのある人間に襲われればひとたまりもないだろう。

「ム……?」

 そうして当面の方針を定めた教授は、不意に右手の後方にある茂みから音が聞こえたような気がして立ち止まった。
 目を凝らすと、僅かだが茂みが揺れているのがわかる。

(他の参加者、か?)

 茂みを見つめたまま、教授は思案する。
 ただの犬や猫であれば、それでいい。だが、もし参加者であれば、どうするべきか。
 もしそうであるならば、うかつに接触するべきではない。もし相手が殺し合いに乗っているのならば、自分など瞬く間に殺されてしまうだろう。

(しかし……)

 そこで、教授は周囲を見渡した。あの茂みからここまで、あたりに遮蔽物はない。
 向こうの位置からすれば、こちらなど丸見えのはずだ。
 相手が殺し合いに賛同した参加者だったというのなら、既に自分の命など無くなっていてもおかしくはない。
 ならば、あの参加者もこちらと同じく殺し合いを否定し、仲間を探しているのではないだろうか。
 接触を避けているのは、こちらが殺し合いに乗っているかどうか探っているとすれば筋は通る。

(……接触してみるか)

 そうであるならば、こちらが敵意を見せなければとりあえず話すことだけは出来るはずだ。
 もちろん、この憶測がまるで的外れである可能性も否定できないし、もしかしたら殺し合いに乗った上でこちらを利用しようとしている手合いである可能性もある。
 その辺りは、自分の目で見極めるしかあるまい。
 意を決し茂みに向かって歩き出したところで、教授は茂みの中で何かが光るのを見たような気がした。
 その光の正体がなんであるか。それを考える時間も確かめる時間も無いままに、教授は眉間に強い衝撃を受けて倒れ伏した。

348名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 15:13:11 ID:hDxxS.1Q0
「ぁ……」

 硝煙のたなびく拳銃を握り締め、◆X7WwwzkoUUは声とも呻きともつかない音を喉から搾り出した。
 何が起こったのだろう。
 生い茂る葉の向こうに除く視界には、黒いスーツを着た人間が倒れている。
 いったい、何が起こったのだろう。
 わけも分からないうちにこの場に連れてこられ、そして殺し合いの宣告を受けた彼は、殺し合いが始まるなり渡された支給品を胸に抱きすぐ近くにあった茂みに逃げ込んだ。
 そんなバカな。冗談だろう。これは夢だ。誰かうそだと言ってくれ。
 全身を震わせ、ガチガチと音を立てる顎をもてあましながら、彼の頭の中をそんな言葉がぐるぐると駆け巡っていた。
 どれだけの時間をそうしていたのか。やがて彼の視界に映り込んだ人影に、◆X7WwwzkoUUは息を飲んだ。
 自らの身を隠す茂みのすぐ向こう。距離にして10Mも無いような距離を、黒いスーツを身にまとった一人の人物が歩いている。
 なんだ、あれは。
 その姿を彼の脳が認識すると同時に、全身へとけたたましく警鐘が鳴らされる。
 あれはだめだ。あれに近づいてはいけない。あれは俺の預かり知る場所に居て良いものではない――!!
 全身から汗が噴出すのを◆X7WwwzkoUUは感じた。だが、不快感はない。あるのは、純然たる恐怖だけ。
 見開いた目が食い入るように黒いスーツの人影を追う。瞬きをすることすら忘れたように見開かれたその目じりに涙が浮かんだ。
 たとえ瞬きほどの間であろうと、一瞬でも目を離せばその瞬間にあの黒スーツが自分の目の前に現れるような気がして、◆X7WwwzkoUUの瞳はただただその姿を追い続ける。
 このまま歩み去ってくれることを願う◆X7WwwzkoUUが、自らの震えによって茂みが揺れていることに気付いたのは黒スーツの人物がようやくこちらに背を向けた頃だった。
 まずい。
 慌てて自らを掻き抱くようにして無理やりに震えを鎮める。汗を吸い込んだシャツがぬるりと肌の上を滑った。その一瞬、彼は黒スーツの人物から、視線を外してしまったのだ。
 鎮めようと思えば思うほど、震えはどんどんと強くなっていった。ガサガサと音を立てる葉が酷く耳障りだ。
 大丈夫。だって、あいつはもうこっちに背を向けていた。
 だから、大丈夫。きっとあいつは、俺の事なんか気付かないでもう何処かに行ってしまった。
 自身の中の願望を事実と摩り替え、◆X7WwwzkoUUは必死に落ち着きを取り戻そうともがいた。
 後は、顔を上げるだけ。そうすれば、もうあの黒スーツはどこにもいない。
 都合のいい望みに縋りながら恐る恐る顔を上げる。
 そうして顔を上げた◆X7WwwzkoUUは、先ほどの場所で立ち止まってじっとこちらを見つめる黒スーツの人物を認め、自らの脊髄が氷に変わったかのような錯覚を覚えた。

「……ぅ……ぁ……ぁ、あ……!!」

 全身の汗が一瞬で消えうせ、氷と変わった脊髄から解けた冷水が血液の中をめぐっていくような寒気に背を押されるように、◆X7WwwzkoUUはほとんど意識しないままに傍らにおいてあったザックへと手を突っ込んだ。
 指先に当たった硬質な何かを手繰り寄せるように引き抜いて、構える。
 シグ・ザウエルP226。その自動拳銃が、彼へと渡された支給品だった。
 照星の向こうで、黒スーツの男はいまだこちらを見つめ続けていた。
 大丈夫。向こうからこっちのことは見えていない。
 だから、大丈夫。きっとあいつは、俺の事なんか気付いていない。
 頭の中でひたすらに大丈夫を繰り返す。そうでもしていなければ、直ぐにでも見えない何かに押しつぶされてしまいそうだった。
 しかし、こちらを見つめる物言わぬ四つの瞳が、彼の縋りつく僅かな希望すらも音を立てずに削り取っていく。

「ぁ……あぁ、あ……!! あぅ……ぁぁあ……!!!」

 不意に、男が足を踏み出した。まるで手術をする前の医者のように両手を掲げ、こちらへと歩み寄ってくる。
 それが、限界だった。
 あいつは、俺に気付いている。もうだめだ、これ以上ここには居られない。
 全身を支配する恐怖に突き動かされるように、彼は逃げ出そうとして。 



 それは、起こった。

349名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 15:13:34 ID:hDxxS.1Q0
 例えるなら、風船の割れたような音。
 重厚さも、派手さもなにもない。あっけない乾いた破裂音。少なくとも、彼の耳にはそう聞こえた。
 その音が響き渡ったと思った次の瞬間、こちらへと歩み寄っていた黒スーツの人物が地面へと倒れ伏したのだ。 

「ぁ……」

 硝煙のたなびく拳銃を握り締めたまま、◆X7WwwzkoUUは声とも呻きともつかない音を喉から搾り出した。
 何が起こったのだろう。
 目の前には倒れた黒スーツ。そして、自分の手には銃口から煙を上げる拳銃。
 違う、俺じゃない。俺は撃ってなんかいない。
 俺は撃つつもりなんか欠片もなかった。ただ、何かに縋っていたかったから銃を握っていただけ。
 俺じゃない。俺じゃない。俺は撃ってなんか……。
             ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 自らの握り締める拳銃を、その指で目いっぱいに引き金の引かれた拳銃を見下ろしながら、それが何を意味するか理解するまでの間彼は心の中で呟き続け、

「う……あぁ……ああ、あ……! あああああああぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!」

 その意味を脳が理解したとき、彼は喉が壊れるほどの絶叫をあげその場から駆け出した。
 どこからだ。どこから狂っていた。
 あの黒スーツを見つけたときか。この殺し合いに巻き込まれたときか。それとも、スクロワで話を書き始めた時点でもう狂ってしまっていたのか。
 俺の人生の歯車は、いったいどこから狂っていたというんだ。
 走る。走る。走る。
 胸を突き刺す痛みを忘れようと、人を撃ってしまった、殺してしまった痛みを忘れようと、ただただ走り続ける。
 そうすれば、その痛みは消えるのか。それすらもわからないでただ衝動のままに走り続け、

「う……っああ!?」

 ◆X7WwwzkoUUは茂みを抜けた先にあった崖に気付かず、そのまま切り立った断崖を転げ落ちていった。

350名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 15:14:07 ID:hDxxS.1Q0
「……ぅ」
「目が覚めたかね」

 全身のあちこちが訴える鈍痛におぼろげな意識を取り戻した◆X7WwwzkoUUは、自身に向けられたその言葉で覚醒した。
 うっすらと目を開き、

「う、うおおおぉぁあああ!?」

 その視界にこちらを見下ろす黒スーツの人物が映ると同時、手と足をわさわさと蠢かせて全力で後退する。

「っつ!」

 飛び退ったところで右ひじを地面に擦ってしまい、◆X7WwwzkoUUは思わず声を上げた。
 僅かに触れただけにもかかわらず鋭い痛みを訴えた肘に目を向けてみると、じわりと血の滲む擦り傷が出来ている事に気付く。

「あまり無理をしないほうがいい。大した高さではないとはいえ、あそこから転げ落ちたのだからな」

 手ごろな大きさの岩に腰掛けたまま、黒スーツが右手を指差した。見れば、3Mほどの高さの崖がある。自分はあそこから転げ落ちたのか。

「あぁ。それとすまんが、銃は没収させてもらったよ。流石に二度も撃たれるのはごめんなのでね」

 呆然と崖を見上げるこちらにかまいもせず、黒スーツは自分に支給されたシグ・ザウエルの銃身を指でつまんでブラブラと弄んでいる。
 崖と目の前の黒スーツを呆けたように交互に見比べ、いまだ正常な思考回路が復帰していない◆X7WwwzkoUUは、わけのわからないこの状況に戸惑うばかりだ。

「あ、あんた、さっき俺が撃……死んで……!? え、あれ、死者スレ? え!?」
「……まだ混乱しているのかね? もう少し落ち着きたまえ。ハイ、しんこきゅー。吸ってー。吐いてー」

 大きく手を広げて息を吸うジェスチャーをする黒スーツにつられて、◆X7WwwzkoUUも大きく息を吸う。
 何度かそれを繰り返すうち、昂ぶっていた感情が落ち着いていくのを◆X7WwwzkoUUは感じた。

「ふむ、落ち着いたようだね」

 土がむき出しの地面に座り込んで俯いている◆X7WwwzkoUUの気持ちが完全に落ち着くのを待って、黒スーツの人物、教授が声をかける。
 それに反応して、◆X7WwwzkoUUが顔を上げた。先ほど心を支配した恐怖は、完全に無くならないまでも目の前の人物と話をさせてもいいと思わせるほどになりを潜めている。
 少なくとも、こちらに害意のある相手ではないとわかったのが大きかった。

「あ、あの……貴方、俺に……その、撃たれた……はず、じゃぁ……?」

 恐る恐ると言った様子で、◆X7WwwzkoUUが問いかけた。

「あぁ、危ないところだった。ヘルメットが無ければ死んでいたな」

 さらりとシャアの台詞を吐いて、教授はくつくつと肩を震わせる。怪訝そうに眉をひそめる◆X7WwwzkoUUに向き直り、続けた。

「安心したまえ、私はこんな殺し合いなど乗っていないよ。見たところ、君もそのようだな。私を撃ったのは、私を殺し合いに乗った殺人者と勘違いでもしたというわけかね」
「あ、その……すいませんでした。謝ってすむ問題じゃないでしょうけど……その、すいません」
「なに、気にしなくていい。こうして生きているのだからな。全く、人間の感情も1か0かで判断しようとするのは私の悪い癖だ。
少し考えれば、君のようにどっちつかずで怯えてしまっている参加者がいることにも気がついたというに」

「は、はぁ……」

 教授が何を言っているのかイマイチ理解できなった◆X7WwwzkoUUは曖昧に頷く。なんとなくけなされているような気もしたが、口には出さなかった。
 そんな◆X7WwwzkoUUの様子を微塵も意に介さず、教授は腕を振ってさらに続ける。

351名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 15:14:25 ID:hDxxS.1Q0
「ともかく、まずは自己紹介から始めようか。私は教授。科学者としてロボット工学の研究をしている。君は?」
「教授……って、まさか!? あのイングラム死亡の作者……!?」

 黒スーツの名乗った名前に、◆X7WwwzkoUUは思わず立ち上がった。突如立ち上がった◆X7WwwzkoUUの尋常ではない様子に、教授が気圧されたように身を竦める。

「確かに、あの話を書いたのも私だが……何故君がそれを?」
「何故って……あんだけ交流所で話題にもされりゃ、そりゃ知ってるに決まってるじゃないですか! イングラム死亡って言えば、パロロワ関係者の殆どに知れ渡ってる作品ですよ!?」
「……交流所? パロロワ?」

 首をかしげる。無駄に可愛らしい動作なのがなんだかすげぇムカついた。

「もしかして……知らないんですか、パロロワ交流所のこと?」
「む。ハハハ、何をバカな。私は知らないことなんか何もありはしないのだよ」

 頼もしそうな言葉とは裏腹に、教授はそそくさと目を逸らした。何より台詞が棒読みだ。

「へぇ……それじゃ、他のロワのこともご存知なんですよね?」
「む。もちろんしっているとも。あぁしっているとも」

 ついに台詞から漢字が消えた。次は句読点だろうか。

「じゃぁ、そのロワの名前、言ってみてくださいよ」

 びしりと教授が硬直する。きっかり五秒の時間をかけて逸らしていた目線をギギギと戻すと、蚊の鳴くような声で囁く。

「……は、葉鍵ロワ?」
「そうですね、三大ロワのひとつに数えられてる有名なロワです。じゃぁ他は?」
「え、まだあるの?」
「……………」
「……………」
「知らないんですね?」
「すいません、見栄張りました。知りませんです。ハイ」

 Winner ◆X7WwwzkoUU。

352名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 15:15:11 ID:hDxxS.1Q0
 その後、◆X7WwwzkoUUは教授に現在の状況を説明した。スパロワのほかにも多数のパロロワが存在し、今回の事件はそこの読み手の一人が暴走した結果であること、その他諸々。

「なるほど……まさか私の去った後にそんなものが出来ていたとは」

 ◆X7WwwzkoUUの説明を興味深そうに聞いていた教授が、頷きながら言った。

「いや、貴方の居たころから交流所はあったんですけど……しかし、本当に何も知らないんですね。スクールランブルバトルロワイアルスレも、知らないですか?」
「スクールランブル。ほほぅ。で、それにはどんなロボットが出るのかね」
「いませんよ、そんなモン」
「ぇー」

 ぇー、じゃねぇ。

「僕はそのスクランロワで書き手をやってたんです。あぁ、そういえばまだ名乗ってませんでした。僕は◆X7WwwzkoUUです」
「ほうほう。で、どんなロボットを支給したんだね」
「だから出してませんよ、そんなモン」
「工工エエエエエ(´Д`)エエエエエ工工」

 うぜぇ。
 変なのに捕まっちゃったなぁ、とこっそりため息をつく◆X7WwwzkoUUの肩を、ちょいちょいと教授がたたいた。今度はなんだ、と振り向いた◆X7WwwzkoUUに、今度は地面を指差してみせる。

「まぁ、とにかく状況は理解した。それで、君はこれからどうするつもりだね?」

 言いながら、教授は近くに落ちていた枝で地面に何かを書き始めた。

「どうって……そりゃ、生きて家に帰りたいですけど……」

 教授の言葉に答えながら、地面を覗き込む。そこにはこう書かれていた。

【おそらく、首輪には盗聴機能がついているはずだ。ここから先は主催者に聞かれたくない。質問があれば、君も筆談で頼む】

 首輪の盗聴を警戒しての筆談。パロロワではありふれた光景だが、まさか、それを自分が体験することになるとは思わなかった。
 なんだか不思議な気持ちで◆X7WwwzkoUUは教授が地面に綴る文章をじっと見下ろす。

【君を信用に足る人物だと判断してこの話をしよう。さっき言ったとおり、私は科学者だ。こう見えても機械には強い】

 嘘だぁ。
 思わず喉まで出掛かった言葉を飲み込んで、続きを読む。

「それは私もだ。だが恐らくこの殺し合いを生き残るには多くの苦難を伴うだろう。まだ明確な目的も定めては居ないのだが、どうだろう? 良ければ、私と行動を共にしないかね?」

 主催者に悟られないように言葉を続けながら、教授は器用に地面へと文章を綴っていく。

353名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 15:15:30 ID:hDxxS.1Q0
「とにかく、私はこんなところで死ぬつもりは無い。最近は仕事が忙しくて、録画しておいた今週のグレンラガンをまだ観ていないのだ。
先週にあれだけの死亡フラグを積み重ねた兄貴の安否を確認するまでは死んでも死に切れるものではないからな。後、ヨーコは私の嫁。
それに、コードギアスの第二期だって楽しみにしている。私の嫁であるカレンがどうなるかも気掛かりだ。
ほかにもゲゲゲの鬼太郎、っていうかネコ娘にだってハァハァし足りないし、Yes! プリキュア5の続きも気になる。あー、しっかし最近増子さんでねーなチキショー!!」

 うわぁ。
 だんだんとヒートアップしていく教授の独り言にでかい汗を額に貼り付けつつ、聞こえない振りをして◆X7WwwzkoUUは地面の文面に集中することにした。

【首輪のサンプルと設備さえあれば、恐らく首輪解析することが出来るはずだ。君にはそれを手伝ってもらいたい。さし当たっては、まず設備を探そうと思う。
出来ればサンプルも手に入れたいところだが……君も書き手だったというのなら、首輪を手に入れるという事がどういうことかはわかるだろう。
とにかく、首輪は後回しにするとして設備探しだけでも手伝ってくれると有難いのだが】

 そこまで書き終えると、教授は枝を放り投げて◆X7WwwzkoUUに向き直り、

「どうだろう、私と一緒に行ってくれるかね?」

 と、問いかけた。
 正直に言って、◆X7WwwzkoUUにとってこの提案は渡りに船だった。
 この黒スーツの人物が自分に敵意を持っていないことははっきりしたし、何より脱出フラグを握っている存在と早々に出会えたのは幸運と言える。
 なにも問題が無ければ、二つ返事で了承していただろう。
 そう、何も問題が無ければ、だ。

「あの……その前にひとつ、いいですか?」
「ん、なんだね?」

 この人物と行動を共にするというのなら、どうしても聞いておかねばならない問題がひとつあった。

「あ、いや、その……」

 言葉がにごる。どうしても聞いておかねばならないことだが、それを聞くのはどうにも憚られた。
 もしかしたら、あれはこの人物の意思でそうしているわけではないのかもしれないと思うと、尚更だ。

「どうしたというのだね? 聞きたいことがあるのなら遠慮することは無い、言ってみたまえ」

 煮え切らない様子の◆X7WwwzkoUUを、教授が促す。それで彼は意を決した。
 とにかく、これだけははっきりさせておかなければならない。この答え次第によっては、この人と一緒に行くわけにはいかないからだ。

「え、と……その……頭に被ってる変な仮面は、一体……?」
「あぁ、コレかね? フフ……」

 ようやく◆X7WwwzkoUUが喉から搾り出した質問に、教授はその四つの目を輝かせてサムズアップした親指を得意げに自分へ突きつけた。

354名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 15:15:49 ID:hDxxS.1Q0

              /`く´  ̄ `> 、
              / /   ヽ _  /    ヽ
            / ,、  , ヽ ー┴ ス  ヽ-  、
         / V ヽ / / ヽ  / / ヽ ヽ\、ヽ
           / 冫/ヽ. Y   |  | |  l_, ..l _ ヽヽ\
        l  l lハ l l    l _ l l  lハヽ `ヽ! lヽヽ
        /{  l l  l l l _,. _'´ l´ヽヽニイ トトヽ   l ! ヽヽ
      / /ィスォj_!、_j j-ィテ∠ イ  }  j l llハヽ./ /  ! l
.     / イ/ lーt、ヽ /´ ̄ィjァ'´!  ト、,.イ ヽl ll | / /, ‐ ニヽ か っ こ い い だ ろ う ! ?
     i i { ! ト `ヽ ′/, ̄‐ ´/  l lヽヽ ヽ////  `
     | ! l l ハヽ. l /    / _/ -_ ニ フ /ト、j ハ
     lヘヽヽj_ i ! V   i´  /- ' r‐', - ´ --ヽ | , イ7
      ハ l ! ll ハ l    lヽ | , -| / /イ ̄ /  _l_
,. - ― フ l ! | |' ト、l  /j ヽ く l j | j/ ノ / , - ´
     l  ハー' |  ヽゝ'ィ/  Yl / ! レ'l / /













   /::::i::::、:::ヽ、:::::\:ヽ:\::::::ヽ:::、::ヽ::、:',
    /::i|::l::ト、ヽ::、:::ヽ:、::::::\::ヽ::::l::::ヽ::i:::i:::!
   /:/:!:::!:|::ヽ:\ヽ::::、:\::::ヽ:::ヽ!::::::i::|:::!::!
   !ハ::|::::i::l:|心、:ヽ::\:ヽ_\、\:::ヽ:::|!::|:|i
    i、:!:|:、N{、ヒjヽゝ\ヾイ ヒj >、ヽi:、|!:|:l
     ヽ:!::トヽ ̄ l! `  ` ̄´ |::l::|:|j:,!:!  変態だこいつ
      ト、::! u         j |::/lj:::!リ
        ヾ、  丶 -    u リイ:|リ      早く逃げださないと……
        リヽ ‐、ー- 、_   /イ:::i
       rー'"ト:l゙、   ̄   ./  , |::!
      / ヘ ヾ ヽ、 _,. '   / |:'



【教授(イングラム死亡の人)@スパロワ】
[装備]:ユーゼスの仮面(自前)ロジャーの黒スーツ(自前)
[所持品]:支給品一式、ほか不明
[状態]:健康
[思考]
基本:首輪を解析して脱出した後、録画しておいたグレンラガンを観たい
1:首輪解析の為の施設を探す
2:戦闘がおきたとき頼りになる仲間を探す
3:どうにかして死人を出さずに首輪を手に入れたい
【備考】
・交流所の存在を知らない。他のパロロワの知識は殆どありません
・グレンラガンのネタバレを警戒
・CV:大友龍三郎

【◆X7WwwzkoUU@スクロワ】
[装備]:シグ・ザウエルP226(残弾15発)予備弾装二個
[所持品]:支給品一式、ほか不明
[状態]:全身に軽い擦り傷、打撲。泥だらけ。
[思考]
基本:死にたくない。家に帰りたい
1:それはひょっとしてギャグで言っているのか
2:どうにかして目の前の変態から逃げたい

355名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 15:19:22 ID:hDxxS.1Q0
やべ、最後のAAのとこだけタイトルつけようとして忘れてた。
イングラム死亡の人、マジゴメン。でお願いします。

というか、ぶっちゃけるとコレ、前に交流所で上がったパロロワロワの時に思いついたプロット流用してます。
マジゴメン。

356名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 15:38:08 ID:c5Vq9HpU0
弟ロワ乗っ取って死者スレにするか

357名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 16:15:52 ID:hDxxS.1Q0
現在時刻とかも忘れてるやん、俺
爺さんの四十九日にこんなことやってるからこーなるんだ、バカか俺

【開始一時間弱/E-3】でお願いします。

あと四レス目の   
                   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 自らの握り締める拳銃を、その指で目いっぱいに引き金の引かれた拳銃を見下ろしながら、それが何を意味するか理解するまでの間彼は心の中で呟き続け、
という文はラノベとかであるような強調したい文の横に・をつける手法を試そうとしてズレました。
脳内保管かスルーでお願いします。

358名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 16:51:11 ID:KXTgeFNs0
ここまできて気付いた……
登場人物既に50人越え、はえーよ!

359名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 16:55:07 ID:9h9z.Kq20
げ、マジ!?
書いてるんだがどうしよう……

360名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 16:58:49 ID:wecJ8t6g0
まだ(第一放送まで)慌てる時間じゃない

361花咲く旅路1/3:2007/05/23(水) 17:22:40 ID:0T1sbjag0
想定外の事態、と言うのは往々にして全く予期していなかった時と場所を伴って現れる物である。
六人殺し@バトルROワイアル。あらゆるパロロワの中でも、最果ての果て。
2ch内部スレッドですらない辺境の地、『RO萌え板』にある一スレッドの男達の一人。
そう。数ヶ月の間忘れ去られていたそのスレッドを完結へと運んだ大馬鹿達の一人とて、勿論それは同じである。

「何で俺がこんな目にあっているんだ……ッ!?」

と言うか、そんな事を音速で置き去りにして、それが彼の偽らざる本音であつた。
それはそうであろう。バトROワ本スレは最早停止して長く、彼もこの忌むべき稼業から漸く足を洗いかけていたのだから。
寧ろ、更に本音を言うならば──

『まぁまぁ。仕方ないじゃないか。少し前にラジオの人だって来たし、この前、君が書いたっぽい最新作も上がってたしね。
 こんな事が計画されてたなら、書き手をやってて、名が知られてしまった以上、僕らに君が参加させられたとしても不思議じゃない』
「不思議じゃないですめば警察は要らない、35=ルール=誰かさん!
参加資格云々なら、俺よりROワの六割書いてたって豪語してたアンタこそが相応しいだろうが!」
『嫌だなぁ、僕らだってちゃんと憑いてきてるじゃないか。こう、スタンド的に』
「オラオラも出来ないスタンドに意味なんざねぇーーーーーー!!この引き篭もり!!」

絶叫。おっぺんぽろりのぷぅ。始まる以前に既に終了気味ってマジですか?
兎にも角にも六人殺しの絶叫が空しく響き渡る。当然、そこには彼以外の姿、35と呼ばれた書き手など影も形も無い。
故に、少しばかり説明を挟もう。

バトルROワイアル。題材となったMMOの悪名と、立地の辺鄙さから知る者とて数少ないと思われていたパロロワである。
その第一回目。完結への推進となった数人の書き手達がいた。
二人には、最後期に二つに分かれたルートをそれぞれ完結させた書き手。
名も知れぬ協力者達に書き手に読み手達。
更には、全ての因縁を終わらせ最後の決戦を直接導いた『六人殺し』。長いので略して六。
もう一人には、数多くの『叙情的な』SSとルールを作り上げ、六の一方でROワを支えた35。

この内、最後の二人にはちょっとした因縁がある。
一言で言おう。35は殺しが下手だった。故に、溜まりに溜まったROワでの因縁(フラグ)を清算する者が必要となった。
それが、六人殺しである。彼自身は、決してそんな役回りが好きだった訳ではあるまい。

無論、別に恨み合う間柄だった訳ではない。
35に限って言えば、むしろ六を信頼し尊敬してさえいた。
……話が逸れた。何故、35がこうして取り憑いているのかを説明せねばなるまい。

362花咲く旅路2/3:2007/05/23(水) 17:22:59 ID:0T1sbjag0
『要するに僕は六ちゃんの支給品の一つだった訳だね。いやはや、縁とは奇なる物だ』
「気楽に言うな!傍観者って立場から!」
『でも僕だって君が殺されれば死ぬ。どういう仕組みかは分からないけど、精神だけを君に付与したみたいだからね。
 未だかつて聞いた事の無い技術。いやいや、面白い面白い。そうでなくっちゃ、態々大学をサボる価値も無い。
 ああ、でもこうなったら僕の肉体はどうなってるのやら。干からびてミイラになってないと良いんだけど。
 ママンにパパン、兄弟達が悲しんでしまう。──でもまぁ』
「……」
『まずは生き残る事を考えないとね。それも、なるべく目立たないように。
 大丈夫、何と言っても君はROワ一の肉体派だ』
「逃げ足だけは速い、ってか?」
『そう言うこと。それに僕の知恵と素敵な能力がある!』
「能力?」

鸚鵡返しに言う六に35@スタンドは答える。

『これでもあの後、少し他のところで書き手もやってね。在り難い事にその能力もくっつけてくれたらしい』

言うと、何やら35は怪しげな詠唱を始める。曰く、アイアム・ザ・ボーン・オブ・ア・パンツ。
ゼロコンマの隙間もあるか否か。何処からとも無く『綿で出来ていて』、『如何にもふかふかしてそうな』小さな布切れが出現した。
それは通常、ショーツと呼ばれる女性用の下着であった。

「……」
『どうだ。他にも出せる下着は108種類まであるぞ』

取り敢えず、自らの生存確率がゴリゴリと減少する幻聴だけははっきりと六の耳に聞こえたが、何とか持ち直す。
この腐れNeetの精を一体どうしてくれようかとか考えつつも、彼は森の中で考えをまとめるべく座り込んだ。

『どうするか考えているのかい?』

無言の肯定。何せマイナーの中のマイナーとも呼ぶべきスレから呼ばれたのだ。
ROワスレ内部以外の知り合いなど期待できよう筈も無い。
セオリーから言えば、Flashの人と合流を果たすべきだが──

『その考えは止めた方が良いよ。主役になれるのはたった一人──七原君みたいになりたいって願望は、あんまりにもリスキーだ』
「♂ローグ。ROワの中であいつをプッシュしまくって主役にした人間の台詞とは思えねーな」
『こんな事を言うのは何だけど、現実とフィクションは違うよ。僕達は今は、現実的な思考をしなくちゃいけない。
 それに、上手く事を運ぶ為だったら、嘘だってつく』

少し黙ってから、六は言った。

363花咲く旅路3/3:2007/05/23(水) 17:23:37 ID:0T1sbjag0
「合流できると思うか?」
『難しいね。会えたとしても、手遅れだって事も考えられる。でも、そうしたいなら早い方が良いってのも確か。
 後、武器も足りないから、動ける内に行動を起こした方が良いかも。見つかったら、お終いになっちゃう』
「殺して奪うのか?」
『必要なら──と言いたいけど、素手で銃持った相手は殺せないね。出来れば、先ずは協力者がいた方が良い。
 無理なら、何処かから調達する必要がありそう』
「何処かって、何処さ」
『地図を出してくれないか?』

 取り出され、広げられた地図は大まかではあったが、必要十分には足りていた。
 その中の一点。デパートを中心として広がる市街地──如何にもバトロワにありがちな舞台装置を先ず見て、35は言う。

『出来れば、この場所に行ければ良いけど、集まってくるだろうなぁ……』
「だろうなー……じゃあ、この集落はどうだ?近いし」
『んー、そうだね。そこにしようか。あ、それと石ころと枝とか拾い集めてくれない?待ち伏せされてるかもしれないし』
「石ころでどうやって?」
『如何にも人が寄ってきそうな所に、少し離れた場所から投げるんだよ。囮だね』
「分かった。……しかし、よくこんな事考え付くな」
『岡目八目って言うからね』
「……やっぱ傍観者じゃねーか。まぁ良い。準備が終わり次第、行くぞ」
『うん。Flashの人と合流して、無事に帰れるといいね』


彼らの旅路はここから始まる。


【◆終盤六人殺し@バトROワ】
[装備]:35@背後霊
[所持品]:支給品一式、石ころ×10、木の枝
[状態]:心身共に健康
[思考]
基本:生き残りたい。
1:Flashの人@バトROワと合流
2:取り敢えず足場を固めたい

【◆】35@バトROワ】
[装備]:無し
[所持品]:無し
[状態]:背後霊(支給品)
[思考]
基本:取り敢えず生存を希望
1:無事に済むといいなぁ
2:背後霊ってお腹すかないのかな?

364名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 17:26:20 ID:0T1sbjag0
取り敢えず書いてみる。知名度が低いと思われるので自炊。

365今の僕に出来ることは:2007/05/23(水) 17:32:27 ID:Iz/KkK.A0
頭上に浮遊する緑色の光球を頼りに、デイパックを物色する青年が1人。
青年―――◆lbhhgwAtQEは考えていた、自らの置かれた状況を。

『最後の1人になるまで殺し合う』

まんまバトロワだ。
先程確認した名簿によると、参加者はよく知るトリップばかり。
中には〝鉄槌〟や〝勉強男〟など、2つ名で記された者もいた。
このロワに名前を付けるなら、【パロロワ関係者ロワイアル】だろうか。
その場合の略称は、パロロワロワ? 読みづらいな……

「って、そんな事考えてる場合じゃないな……」

ついつい、現実から逃避してしまった。
改めて考えよう。
僕は、このロワでどの様なポジションに付くべきか。

「やっぱり脱出派だよなあ」

一瞬で結論が出た。
しかし、あいにく僕は首輪の解析や、外部への連絡等に応用できる、気の利いたスキルは持ち合わせていない。
ならば襲い掛かってきたマーダーを撃退するという、パロロワ的にはおいしくも、危ないポジションに付くしかないのか。
いや、付くしかないのだろう。

「しかし、僕の能力には……」

366今の僕に出来ることは:2007/05/23(水) 17:33:03 ID:Iz/KkK.A0
襲い掛かってくるマーダーを殲滅できるようなパワーはない。
出来るのは、遠距離から攻撃と防御、飛行くらい。
しかし飛行能力は、先程試みたところかなり制限されている。
おそらく、10分も飛行すれば倒れてしまうだろう。。
1対1での真っ向勝負なら、相手が超人クラスの場合は、足掻くくらいしか出来ないだろう。

しかし、だ。
前衛になってくれる仲間さえいれば
僕を相手から一定の距離を保たせてくれる、僕をアシストにまわらせてくれる仲間がいれば、話は変わる。
僕のサポートがプラスになることはあっても、マイナスにはならないはずだ。
相手が、僕やその仲間のレベルを大きく超えていても……倒せるかもしれない。

なんにせよ今の僕に出来ることは、アシストだけ。
だがアシストなら、僕にも出来る!

「エタニティ・エイト!」

先程まで頭上に浮遊させていた、僕のアルター能力―――エタニティ・エイトを手元に移動させる。
さらに新たに2つの宝玉を精製し、それらも手元に移動させる。


「さぁ、行動方針は決まりましたね。仲間を集め……最後には、ここからエクソダスしてみせる!」

367今の僕に出来ることは:2007/05/23(水) 17:33:19 ID:Iz/KkK.A0
襲い掛かってくるマーダーを殲滅できるようなパワーはない。
出来るのは、遠距離から攻撃と防御、飛行くらい。
しかし飛行能力は、先程試みたところかなり制限されている。
おそらく、10分も飛行すれば倒れてしまうだろう。。
1対1での真っ向勝負なら、相手が超人クラスの場合は、足掻くくらいしか出来ないだろう。

しかし、だ。
前衛になってくれる仲間さえいれば
僕を相手から一定の距離を保たせてくれる、僕をアシストにまわらせてくれる仲間がいれば、話は変わる。
僕のサポートがプラスになることはあっても、マイナスにはならないはずだ。
相手が、僕やその仲間のレベルを大きく超えていても……倒せるかもしれない。

なんにせよ今の僕に出来ることは、アシストだけ。
だがアシストなら、僕にも出来る!

「エタニティ・エイト!」

先程まで頭上に浮遊させていた、僕のアルター能力―――エタニティ・エイトを手元に移動させる。
さらに新たに2つの宝玉を精製し、それらも手元に移動させる。


「さぁ、行動方針は決まりましたね。仲間を集め……最後には、ここからエクソダスしてみせる!」

368今の僕に出来ることは:2007/05/23(水) 17:33:42 ID:Iz/KkK.A0
【開始数十分後/C-6/海岸】

【◆lbhhgwAtQE@アニロワ】
[状態]:健康
[装備]:エタニティ・エイト×3
[道具]:支給品一式(支給品は確認してます)
[思考]
基本:ここからエクソダス
1:自分と共に戦える仲間を探す。
[備考]
※アルター能力『エタニティ・エイト』を使えます。(ただし、精神支配は不可能。)
※身体能力は普通
※エタニティ・エイトは、結構な光を発しています。

369名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 17:34:40 ID:Iz/KkK.A0
2つ目、2重投稿しちまった
すまん

370名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 17:55:57 ID:eJmqjeFI0
ちょww社長キタコレwww

371ロワの:2007/05/23(水) 18:00:55 ID:/g1iTkvk0
 一人の青年が木陰に腰を下ろし、思案を練っていた。
 彼は交流雑談所に数多く存在するClassical名無しさん、その中の何の変哲もないただ一人。
 書き手ではなく、まとめでもなく、したらば管理でもない一人の読み手に過ぎない。
 彼自身に他のClassical名無しさんとの違いがあるとすればそれは唯一つ。
 全てのロワを平等に愛しているがために、交流所が一部の話題に占有されることを極端に嫌うことのみである。
 だからこそそう言ったことが起こるたびに彼は「○○調子乗ってんな」と言って話題を終息させてきた。
 それほどロワ好きな彼にとってこの事態は見過ごせるものではなかった。
 書き手とは全てのロワにとって必要不可欠な人材。ただの一人として失うわけにはいかない。
 ――ならばやることははなから決まっている。
 すなわち、マーダー・対主催の区別なく書き手を保護し、主催者を打ち倒すこと。
 悠長に構えている暇はない。
 一刻も早く書き手を解放しなければ、どんどんと主力書き手を失ったロワ達の過疎化は進行していくのだ。
 とはいえ、まずはこの言葉だけは言っておかなければならない――

>>1調子乗ってんな!」

 その言葉こそが彼に与えられた能力。
 その声の届く範囲のあらゆる調子に乗っている事象を形を選ばすに終息させる力がその言葉に付加されている。
 だが彼はその力に気づかぬまま立ち上がり、彼は自分でも不可能だと自覚している道を歩み始める。
 全ての争いを止めるために。


【開始直後/E-3】

【調子乗ってんなの人@交流雑談所】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:支給品一式(支給品は確認してます)
[思考]
基本:マーダー・対主催問わずに書き手を保護。
1:書き手を探す。
[備考]
※能力:『○○調子に乗ってるな』というと、声の届く範囲内ならその事象を否定し終わらせることができます。
※終わらせ方は自分では選べませんし、本当に調子に乗っていること以外には発動しません。
※自分の能力に無自覚。

372ロワの過疎化を防ぐため:2007/05/23(水) 18:02:21 ID:/g1iTkvk0
誤ってタイトルタイトル打ち込んでいる途中で送信しちゃった

373361:2007/05/23(水) 18:28:59 ID:0T1sbjag0
場所の指定忘れてた。現在位置はE-3でお願いします。

374名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 19:00:28 ID:9VMu21zs0
>>371
本当に>>1が調子に乗ってたら終わってしまうじゃねーかwww

375名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 19:49:33 ID:OkjWtK6c0
まぁ、なんというか結局登場の1発ネタに終始してリレーされずに消滅しそうではあるが

十分面白いわコレwww

376名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 19:57:06 ID:9h9z.Kq20
投下します。

377名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 19:57:28 ID:9h9z.Kq20



「全く、全く因果なものだ」

グレイのスーツを身に纏い、カイゼル髭を生やした総髪の大柄な老人。
◆I0wh6UNvl6―――ラノロワにおけるオドー大佐の登場話。実にその半分以上を書いた書き手である。
彼の支給品、左手に提げた銃の名は、

「グレイゴースト、ワルサーP38カスタム……我らが、我らが母国のものではなく独逸製ではあるが、中々の当たりだと判断する」

側面に牙の装飾が幾つも施されたそれは、強臓式拳銃『魔弾の射手(フライシュッツェ)』。
然るべき使い手が扱えば世界を自在に書き換える強臓式の産物であり、そのベース故に拳銃としても優秀だ。

―――だが、彼は知らなかった。
拳銃などものともしない化物が、そこに近付いているという事を。



車椅子を動かしながら、ホチキスは呟いた。

「匂いますよ……生臭い、ラノベの匂いが……!」

それも、彼にとって最悪の。
ホチキスがもえロワの投票を強引にやめさせたのは、ラノベというジャンルに予想外の票数が集まったということもある。
だがそれ以上に、あるライトノベルが桁外れの票数を得たからだ。

「これは……『終わりのクロニクル』の匂いですよ……!」

途中集計で二位の七票上、倍以上の差を付けていたそれは、彼には理解出来ない作品だった。
それだけで、たったそれだけの理由で、異形の姿を顕した彼は、その匂いを発する老人の背中へ飛び掛る。

―――だが彼もまた、知らなかった。
自分が狙う老人は、鋼の巨竜ですらものともしない、超人であるという事を。

378名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 19:57:53 ID:9h9z.Kq20


まず、響き渡った音は三つだ。
一つは化物と化したホチキスが地を蹴ったそれ。飛び掛る猫のような放物線を描き、老人を踏み潰そうとする。
一つは◆I0wh6UNvl6の右手の指が強く打ち鳴らされたそれ。石をぶつけ合うそれに良く似た音が大気を震わせる。

最後の一つは―――骨が砕かれるそれ。骨というものは折れる時、小枝をへし折るような、実にあっけない音を立てる。


上空から飛来した打撃が、化物の背中を打ち据え地面に叩き伏せたのだ。


「ぐ……が、あ……!」

苦悶の声を上げるホチキスの視界の中で、老人がゆっくりと振り向き、口を開いた。

「―――すまん、すまんな。急に飛び掛られたもので加減が甘かった。
 こちらの、こちらの手違いだ。侘びとして―――追加の悪臭をくれてやろう」

再度、ホチキスの背中を打撃が襲う。
一度ではない。
二度、三度、四度。老人の右手が打ち鳴らされる度に、化物の体に重い衝撃が圧し掛かる。
骨は砕かれ肉は裂け、しかし、

「その程度じゃ、効きませんよ」

一瞬にしてその全てを再生し、立ち上がるホチキス。
それを見た◆I0wh6UNvl6は、

「私の、私の利き手は右手でな」

言いつつ、拳銃を右に握った。

「それがどうしたというのです。言っておきますが、拳銃程度の火力ではこの私は……」

老人の行動を、利き手による安定した銃撃を放つ為だと解釈したホチキスは、額の傷という都合の悪い事実は忘却しその行為を嘲笑う。
だが、それは大きな間違いだ。何故ならその行動は、右手で銃を握る為ではなく―――

「故に、故に―――左で放つ悪臭は、毛ほどの手加減すら出来ん」

左手の指を、弾く為のものなのだから。

音が、響いた。



「この程度で、この程度で充分か」

約八秒。
◆I0wh6UNvl6がホチキスの体を立体から平面へと変えるのに要した時間は、たったのそれだけだった。
本来ならば空間さえも殴り潰す悪臭だ。制限があるとはいえ、それもここではごくごく緩い。

「では、では行こうか。自由と正義の名の下に」

彼は歩き出した。
戦闘が激化するであろう、島の中央に向けて。



一つだけ、◆I0wh6UNvl6にとっても予想外だった事がある。

「……ま、だ、だ。ま、だ、終わ、らん、よ……」

致命的な打撃が来る直前に、その核だけを己の影に潜ませたホチキスは、肉体を再構成しようと蠢いていた。
否、ゆっくりと、しかし確実に、再生は進んでいく。

―――完全再生まで、およそ二時間。




【開始一時間数十分後・B-1/森/ホチキス@もえロワ】
[状態]:DO根性ガエル。完全再生まで、およそ二時間。
[装備]:車椅子(近くの森の中に放置)
[道具]:支給品一式(地図なし)、後は不明
[思考]
基本:このロワを好き放題楽しむ。
1:ラノベに関係している者に対する憎悪。積極的に殺す。
2:車椅子に乗った無害な姿を利用して行動する。
[備考]
・変身能力は下半身がよく判らない巨大な(数m〜10m程度の)怪物になるものです。
 本人は烈火の炎の天道地獄最終形態に準えていますが、外見が少し似ているだけです。
・影に潜む能力を持っているようです。
・鼻が効くようです(対ラノベ関連のみ?)。
・どうやら全てホチキス改造手術による能力のようです。改造手術って凄いね。
・『終わりのクロニクル』絡みの相手だと、割と我を忘れます。

【開始一時間数十分後/B-1/森/◆I0wh6UNvl6@ラノベ・ロワイアル】
[状態]:無傷。多少の消耗。
[装備]:強臓式拳銃『魔弾の射手(フライシュッツェ)』(残弾数不明)
[道具]:支給品一式
[思考]
基本:自由と正義の名の下に!
1:戦闘に介入し、積極的に弱者を護る。殺人者には容赦しない。
[備考]
・『悪臭』は指パッチンによって発動する重力打撃です。
 射程距離は約20m、上から下に殴りつけることしか出来ません。

379名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 19:58:31 ID:9h9z.Kq20
投下終了。

380名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 21:24:08 ID:GqrOnaRA0
>>379
大佐つええなw
ホチキスが何かサラマンダー街道を爆走し始めた気がするw

381分裂大騒動:2007/05/23(水) 21:56:55 ID:fqUkwau.0
「これは何かの罠だ、そうに違いない」
男は岩肌に背を預けながら、もとい脱力しながらそう呟く。
彼の眼前、そこには一つの大きな壷が置いてあった。

「いくらなんでも、こんなあからさまな支給品とかないでしょ。
 僕か、僕が悪いのか? あんな展開書いた僕がいけないのか?
 でもあれはあれで好評だったじゃないか!」

この男はアリーナを分裂の壷にぶち込んだ作者である。
なお、今後は彼の事をアリ2作者と呼ぶ。
彼がこのゲームが始まって直ぐに支給品を調べたら、この壷が出てきたのだ。
まさに因果応報、何かの作為を感じられずにはいられない。

「でもお生憎様だよ。
 この壷に入った者がどうなるかなんて、生み出した僕が一番よく知っている。
 主催の思い通りにはいかせないよ」

壷を使ったが最後、正反対の性格に分裂したアリーナは、
数多くの疑心フラグを撒き散らし散っていった。
しかも死して尚残る飛び切りの奴である。
「そうとも、こんな壷いらないよね。下手なマーダーが増えても困るしね」

突然の殺し合いと言う異常な出来事により、本来の壷の使い方すら忘れてそう結論する。
確かに現時点では他にアイテムはないとはいえ、持っている価値は十分にあるはずである。
だが、男はそんな判断すら下せない程に精神が参っていた。
「そうと決まれば、早く使えるアイテムを探しに行かなきゃ」
支給品の地図を手に取り近くでアイテムが手に入りそうな場所を探す。
「よし、とりあえずここに行こう」
彼は壷をその場に捨て置いて、誰にも見つからないように慎重に歩き出した。


◆  ◆  ◆  ◆


さて、アリ2作者が去っていった後、そこに一人の少年が近づいていた。

ガラガラガラガラガラ!

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

いや、正確には一人の少年が岩石を伴い落ちてきたと言った方が正しいだろう。
そして見事に、都合良く、展開ありきだが、『たまたま』そこに捨ててあった壷の中にジャストフィットした。
「いっててて……ってなんだ、転落の次は真っ暗闇かよ!」

ガラガラガラガラ!

そして未だ続く騒音。
「うおぉぉぉぉぉ、何が起こったか分からんが兎に角逃げなければ!」

ゴンッ☆

「ぐおぉぉぉ、頭に響いた〜!
 馬鹿野郎、そっちは今落ちてきたばっかの崖だろ」
「真っ暗なんだからわかんねーよ!
 それより狭いんだよ、もっと向こう行け!」
「無茶言うな、これ以上動けねーんだよ!」
「くそっ、言い争ってても仕方ねぇ、早くここから逃げるぞ!」
「それもそうだな、じゃあいっせーので向こうに転がるぞ!」

「「いっせーの……」」



「「 お 前 は 誰 だ ー ! ! ! ! ! 」」

382男が持つはアヤメの花、女が持つは菊の花:2007/05/23(水) 21:57:04 ID:QEgSFhus0
波が耐えず満ち干きする砂浜、髪を逆立てたいかにもガラの悪そうな青年はククッと喉をならし、
目前に広がる海をながめていた。

「クククッ……上等じゃねえかぁ。こんなお祭りにこのオレ様が招待されてないなんてのは、虫が良すぎるって話だ」

拳をグッと強く握りしめた男は、カッと見開いた目で大海原を見つめる。
すると、海は男を畏怖したのか、波がごうごうと荒立ち始め、やがて大きな渦潮が出現した。

そう、彼はジャンプロワに大事件を巻き起こした最強最悪の書き手。アルジャーノンに花束をの書き手、通称:「アルジャ書き手」である。
海原のど真ん中を陣取るかのような大きな渦潮を見たアルジャは、もはや狂気としか思いようの無い満面の笑みを浮かべていた。

「てめえらあああ! 首を洗って待ってやがれぇぇぇ! このアルジャーノン様が直々に血祭りにあげてやるからなぁぁぁ!! ヒャハハハハハハ!!!!」
アルジャは両手をめいっぱい広げ、これから血塗られた祭りに参加するへの喜びをかみしめていた。
しかし、アルジャは数秒した後に高笑いをやめ、不機嫌そうに砂浜にある岩の方をちらりと目線で見る。

「てめぇぇぇ、いつまでそこにいやがる。さっさと表に出やがれ!!! 」

アルジャは岩に向かって大きな声でどなりつける。
すると、岩が突如爆発し、煙の中から紫の亡霊のようなものが飛び出してきた。

「ヒャッハアアア!!!」
アルジャーノンは手の平をかざし、渦潮を発生させ亡霊を閉じ込める。
すると、渦潮は先ほどの岩と同じように爆発した。

「てめぇぇぇ、誰だぁぁ!?このアルジャ様に喧嘩を売ろうなんていい度胸してるじゃねぇぇぇかぁ!!」
アルジャはもうもうと上がる煙の方へ怒鳴り声をあびせるが、煙にいるであろう人物は何も答えない。

数秒した後、砂浜を覆い隠す煙が完全に晴れ、アルジャの前にはある少女がいた。
その少女はぶ厚い本を持ったゴスロリの少女だった。


「何だてめぇはぁ?」
アルジャはきなり現れた少女に不機嫌そうな顔でかみつくように話しかける。
「キミ、ゲームに乗ってるんだよね?」
ゴスロリの少女は淡々とした口調でアルジャに話しかける。
「あぁ?それがどうしたっていうんだぁぁぁ?まさか、「ころしあいはいけないんだよやめてー」とかでもいうのかぁ?ヒャハ!こいつぁ、オレ様よりも空気読めてねえんじ

ゃねえのぉ?」
アルジャは突然現れたゴスロリの少女に嘲笑する。
それを見たゴスロリの少女はアルジャを強く睨みつける。

「私がいる限り、無闇に人は殺させない。死者の秩序は私が守る。だから、私がキミを倒す。」

383分裂大騒動:2007/05/23(水) 21:57:28 ID:fqUkwau.0


◆  ◆  ◆  ◆


壷を捨て、アイテムを探しに歩いていたアリ2作者だが、先ほどいた場所で轟音が響くのを耳にする。

「な……なんだ!!?」

戦闘が起こったのかもしれないと思い、直ぐにその場から走って逃げる。
何もアイテムを持ってない彼にとって、戦闘に巻き込まれる事は死も同然である。
だが、逃げども逃げども一向に止む気配のない轟音。
というか、心なしかだんだん大きくなっているような……?

ゴロンゴロン!

「いてっ、もっと響かないように転がれって!」
「それはお互い様だ!」

あれ……ちょ、何これ、デジャヴ?
アリ2作者は恐る恐る後ろを振り向く。
…と、何と言う事か、自分が捨てたばかりの壷が転がってくるではありませんか!
しかも中から二つの声のオマケつきで。

「うわぁぁぁぁぁ、失明は嫌だぁぁぁぁぁ!!!」

もはや警戒なんて忘れて慌てて逃げ出した。
というか、そんな余裕もない。

「誰かいるのか!?」
「おーい、俺たちを出してくれー!」

しかしゴロゴロと追いかけてくる壷入り男。
壷から逃げ出そうと懸命に走るが、勢いに乗った壷は段々早くなってくる。
その距離が少しづつ少しづつ近づいていき、ついには……

ドンガラガッシャーン!


◆  ◆  ◆  ◆


「あれ、何か今大きな音が聞こえたような…」
「そうですかー?
 僕は何も聞こえませんでしたけどー」
海岸に座る美少女2人、もとい美少年と美少女。
ツキノとネスカである。
「いや、アタシこの通りエルフ耳なんで、人より耳がいいんですよね」
そう言って自分の耳を触りながら答えるネスカ。
「へー、凄いですねー」
と、ネスカの耳を掴むツキノ。

「だらっしゃああああああああああああああ!!!」
「ひでぶっ!」

盛大に吹っ飛ぶツキノ、さながらギャグ漫画のようである。

「エルフ耳は敏感ってのは常識でしょうがああああああああ!!!」
「うわあああああああ、スイマセンスイマセン、ホントスイマセン!
 うっかり忘れてました、っていうか女性の耳をいきなり触るなんて何してんだ俺ええええ!」
すっかり疲弊しながら「もういいです」と言うネスカ。
もはや諦めの境地である、この人のうっかりは一生直るまい。
「それよりさっきの音ですけど……どうしますかネー」
「あー、じゃあお詫びと言ってはなんですけど、僕が見に行きますね?」
そういうや否や早速走っていくツキノ。

ああ……疲れた。
そういえばまだ始まって直ぐなんだっけ。
こんなんでアタシ生き残れるかな。
あれ、そう言えば何か忘れてるような……?

「って、音の場所伝えてねええええええええええええ!!!」


◆  ◆  ◆  ◆

384分裂大騒動:2007/05/23(水) 21:57:58 ID:fqUkwau.0
壷の体当たりを受けて吹っ飛んだアリ2作者。
そしてその衝撃により壷が壊れ、無事に外に出れた男二人。

「いやぁー、外の空気は美味いぜ」
「ホントだな、生きてて良かったぜ」
「うあぁぁぁ、僕の左目がぁ〜」

窮屈な壷から出れた喜びで二人はやけにハイテンションだ。
ハイテンションな彼等には、もちろんもう一人の片目に壷の破片が刺さった男には気がつかない。

「崖から落ちて目の前が真っ暗になった時はもう終わりかと思ったね」
「全くだ、神様ってのは居るもんだなぁ、まさかみんな無傷とは!」
「血だ…僕の、俺の血!」

チラチラとアリ2の方を見ながらもそんな事を口にする二人。
どうやら、気がついていても知らない振りをしようとしていたらしい。
何が起こったか分からなかった彼等にも、自分達の体当たりでこうなった事くらいは分かったのだろう。

「ところで逃げるのに必死でお互い自己紹介してなかったな、俺は浩平」
「おお、そういえばそうだったな、俺は祐一だ。よろしくな」
「……血がー、血がー、いてぇぇーよぉ!」

自分達に都合の悪い事は知らぬ存ぜぬという事か。
あくまでアリ2の声をスルーする。
だが、耳障りなのも確かで……

「じゃあ祐一、あいつを何とかしてやれよ。やったのはお前だろ?」
「おい浩平、何言ってんだ。俺は転がってただけであれは事故だ。
 それに俺に責任あるんなら、お前にも責任あるだろ?」
「いやいやいやいや、俺もお前も悪くない」
「だよなー」

だが、対処しようと思ってもどうしようもない。
生憎と失った目を復元するなんて方法は知らない。
そう思って、知らない振りして立ち去ろうとした二人だが……

「おい待てよ、おまえら……」

左目を押さえながらゆらりと立ち上がるアリ2作者。
その恐ろしい気配に祐一&浩平の顔は引きつる。

「「やっぱお前がなんとかしろー!」」
「逃がすか、ぶっ殺す!」


【開始数十分後/F-5 右下の海岸あたり】

【アリ2作者@FFDQロワ3rd】
[状態]:左目失明
[装備]:無し
[道具]:支給品一式
[思考]
基本:ゲームには乗らない
1:祐一&浩平をぶっ殺す
2:使えるアイテムを集める
[備考]
※自分の血を見ると性格が豹変

【祐一&浩平@ハカロワ1】
[状態]:分裂
[装備]:無し
[道具]:支給品一式(ランダムアイテム不明)
[思考]
1:アリ2作者から逃げる
[備考]
※祐一も浩平も、自分達が同一人物だと知りません。
※片方が死ねば、もう片方も死にます。

【開始数十分後/F-6 海岸】

【ツキノ(書き手)@ギャルゲロワ】
[状態]:脛部と腹部にダメージ、アンリミテッドうっかりワールド展開中
[装備]:ハクオロのお面@ギャルゲロワ、ドライヤー
[道具]:支給品一式(地図なし)
[思考]
基本:ロワイアルからカレイ道に脱出してやるZE!
1:聞こえた音の方へ偵察(どっちへ向かってるかは不明)
2:信用できそうな人に会いたいなあ
3:とりあえずネスカさんと行動したい
[備考]
※天然搾り100%のうっかり
※ぱっと見少女に見える美麗の少年
※毒入り紅茶@FFDQ3rdは地面にブチまけられました。

【ネスカ(描き手)@FFDQロワ3rd】
[状態]:この人マジヤバイどうしよう。
[装備]:虫取りアミ
[道具]:支給品一式(地図なし)、ねとらじ放送キット、核爆弾@魔界塔士Sa・Ga
[思考]
基本:とりあえず脱出したい
1:ツキノを追っかける。
2:今後をどうするか切実に考える。
3:マトモな人に会いたい
4:FFDQロワの人に会いたい
[備考]
※ジョブ:物真似師 アビリティ:!黒魔法、!スケッチ、格闘
※黒スーツエルフ耳の長い黒髪の女性

385分裂大騒動:2007/05/23(水) 21:58:56 ID:fqUkwau.0
って投下タイミング被ったー!!!
スンマセンorz

386男が持つはアヤメの花、女が持つは菊の花:2007/05/23(水) 21:59:04 ID:QEgSFhus0
>>382の続き

ゴスロリの少女は先ほどの狂気の男を野放しにすることは出来なかった。
何故なら、彼女は死亡者の秩序を司る死亡者図鑑だからだ。
彼女はかつて所属していたロワで無残に殺されていく、キャラたちを憂いでいた。
そこで、死亡者図鑑というルールを設けようとした。
しかし、彼女の考えは受け入れてはもらえなかった。
何でもありなカオスロワと誠実な彼女の関係は火に油と等しいものだった。

カオスロワから追い出された彼女は失意の底にいた。彼女を取り巻くのはキャラたちを守れなかった挫折。
そして時は経ち、この世界に連れてこられた彼女の決意は揺らぎはしなかった。
今度こそ、私は守ってみせる。みんなを。そして、死者の秩序を。

「オレ様を倒すぅ?ヒャッハァ!!面白れぇ、やってみろよおおおおお!!! 」

大きく両手を広げたアルジャの周りを渦潮が包みこむ。
それに対して死亡者図鑑の周りに破黒きオーラが包みこんでいく。
両者はいつ戦闘が始まってもいいように互いをにらみ合う。



かくしてこの戦場のさいはての海岸で大きな火花がぶつかろうとしていた。



【ゲーム開始数十分後/D-6の海岸/一日目】

【アルジャ書き手@ジャンプロワ】
[状態]健康、死亡者図鑑への苛立ち
[装備]:
[道具]支給品一式
[思考]
1:あのガキ(死亡者図鑑)を殺す
2:手当たり次第に見つけた相手を殺害する。
[備考]
※:特殊能力「無常なる渦潮」
渦潮を発生させ、相手を呑み込むことができる。
水がある所ならどこでも渦潮が発生できるが、海や川の方が大きな渦潮を作りやすい。
※:外見はツンツンの髪型の、青いノースリーブの服を来たガラが悪そうな青年。

【死亡者図鑑@カオスロワ2nd】
[状態]健康、アルジャに対する怒り
[装備]:『死亡者の図鑑』(彼女自身が呼び出したスタンド)
[道具]支給品一式
[思考]
1:あの男(アルジャ書き手)の殺害
2:このゲームの死者をなくす。
3:カオスロワ住民とは会いたくない。
[備考]
※:スタンド能力:「スニビル・メモリアルズ」
スタンドのビジョンはぶ厚く、黒い図鑑。
図鑑はスタンド「トト神」のようにダメージを受けてもフィードバックしない。
主な能力は、パロロワの死者の怨念が具現化したものを飛ばしてそれを爆散させたり、
死者(ガイコツのようなもの)を召還したりする。
※:外見はゴスロリの少女です。

387男が持つはアヤメの花、女が持つは菊の花:2007/05/23(水) 21:59:55 ID:QEgSFhus0
いえ、別に気にしなくても大丈夫です。
ゲリラ投下みたいなものですし。
こちらこそすみません。

388名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 22:15:22 ID:azc.agfM0
来るとは思ったがやっぱり来たかアルジャ書き手www

389名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 23:41:57 ID:c5Vq9HpU0
つきのん自重wwwwwwwwwww
あとアルジャ書き手から死臭がぷんぷんするwwwwww

アリ2作者の血を見ると豹変はどの設定だろう…

390名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/23(水) 23:51:48 ID:fqUkwau.0
一応「分裂」→「二重人格」という強引な感じにキャラつけたんですけど
男女が入れ替わる新城運切風にするか、ランチみたいに性格豹変にするか迷った結果
ハート様みたいに血を見て豹変になった

精神が分裂→アリ2作者
体が分裂→祐一&浩平
元々分裂→ツキノ

って感じ、分かりづらくてスマン

391名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/24(木) 00:07:51 ID:n6G9uKhoO
今の所最も危険な参加者は誰だろ

392名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/24(木) 00:11:25 ID:o8LbJJyw0
命が危ないって意味なら拡声器持ちの裸ロリとバーサーカーな武将
危険人物って意味ならホチキス
能力的なら調子乗ってるなの人だがw

393名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/24(木) 00:13:12 ID:bc8n1xcY0
>>391
666氏。無論性的な意味で

394名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/24(木) 00:19:46 ID:.kydU64I0
そういえば心なしかロリと男の組み合わせが多いような気がする
いや、別に数えたわけでもないが感覚的に

395それでも君が:2007/05/24(木) 00:25:35 ID:oILJVDIs0
少女は北に向かっていた。
人を殺した、その事実から逃げるためであるかのように。
(名簿を見る限り、カオスロワの書き手は私以外にもかなりいる。何人かは信用できそうだけど・・・・・・)
出来ればもう、人殺しなどしたくなかった。死体を見ることすら御免だった。

しかしそんな希望はすぐに裏切られる。
(これは・・・・・・血の匂い・・・・・・ね)
そちらのほうに歩いていくと、予想道り血の海の中に倒れ付した男がいた。
甲冑に身を包んだその姿を見るに、戦国ロワあたりの書き手だったのだろうか。
しかし、それ以上に彼女の目を引いたのはその死体の傍らに立っていた男だった。
血のついた日本刀を持ち、着流しを着ているその男は少女に気がつくと口を開いた。
「ふん。殺気と血の匂いから獅子の類が出てくるものと思っていたが、なかなかどうして蝶々の類であったか」
「あんた・・・・・・その人を殺したの?」
「作用。戦国時代が日本史で最強などというたわけたことを抜かす男、某の前で一瞬たりとも生かしておかぬ」
男は飄々とした口調で語った。
「あんたは・・・・・・そっか、幕末ロワの・・・・・・」
「ご明察。そういうそなたはリリカルかみなり神にしてクルミ神と聞こえたカオスロワの重鎮か。その髪型、聞き覚えあり」
男は足元に倒れ付す甲冑姿の男の骸を一瞥して続けた。
「戦国時代などただの野蛮な時代に過ぎぬ。それに比べて幕末のなんと胸躍ることか。そうは思わんか?」
「悪いけど、私は南北朝時代ラブなの。大体日本史最強は足利氏に決まってるでしょ?」
そういいながら、◆6/WWxs9O1s氏はナイフを構えた。
「来るなら来なさいよ。いまさら人を殺すのなんて怖くないわ。さっさと来るがいいのよ」
自暴自棄に近かった。ここでこの男に殺されるなら、それが一番いいのではないか・・・・・・そう思った。
「あいわかった。幕末史を汚すもの、生かして置かぬ。そなたほど美しきものとなると心苦しいがな」
そう言って、男は構えを取る。
(あの構えは・・・・・・薩摩時限流!!)
さすがは幕末ロワの書き手。自分に果たして勝ち目はどのくらいあるだろうか?
そんなことを考えていたら、突如男が構えを解いた。
「ふむ。不遜な輩なり」
突然のことに、◆6/WWxs9O1s氏は面食らうしかない。
「邪魔が入った。これでは侍同士の戦いにはならぬ。士の戦いは常に一騎打ちでなければならぬ。それが叶わぬなら」
男は血振るいをすると、刀を納めた。
「そなたとの試合、次の機会に預けようぞ。武運を祈る」
そういい残し、男はそそくさと去っていった。
幕末の戦なんて集団戦ばっかりじゃないか、なんて突っ込む暇すらなかった。

396それでも君が:2007/05/24(木) 00:26:01 ID:oILJVDIs0
(まあとにかく、助かった・・・・・・てことかしらね)
肩の力を抜いた◆6/WWxs9O1s氏の元に、二組の足跡が追いついてきた。
現れたのは、なぜかピエロの格好をした男と、美しい女性。
珍妙な組み合わせに面食らっていると、ピエロのほうが叫んだ。
「あ、あ、あなたは!! なんてことをしてしまったのですか!!」
「え?」
ようやく気がついた。彼女の足元には、息絶えた男が横たわっているのだ。
「ち、違う、私じゃ無い」
「ではお聞きしますが、そのナイフはなんですか?」
ついさっきまで敵と対峙していたから・・・・・・なんて言っても信用されるわけが無い。
「私じゃないの!! 本当よ!! 信じて!!」
半ば泣きながら、◆6/WWxs9O1s氏は必死で訴えた。
「待ってください。そう簡単に決め付けてはいけませんよ。先入観は駄目です。だからゼロ魔がロワに出れないんです」
口を挟んだのは、ピエロの隣にいた女性だった。彼女は泣き叫ぶ◆6/WWxs9O1s氏の傍に歩み寄っていった。
「落ち着いて話しましょう。私はキャプテン。あたなは」
その時だった。すさまじい爆音とともに、キャプテンの体は宙に舞った。
そして、地面の上に落ち、二度と動かなかった。
火薬の匂いと煙の向こうで、ピエロが小刻みに動きながらわめいていた。
「なんて卑劣な!! 地雷におびき寄せ、暴殺するとは!!」
「ち、違う、私がやったんじゃない!!」
「確かに彼女はキャプテンでした。しかし、だからって殺される理由なんかなかったはずですぞ!!」
もはや、何を言っても信じてもらえないのは明白だった。◆6/WWxs9O1s氏は、動揺と悔しさと抱えたまま逃げ出すしかなかった。

(なんで・・・・・・こんなことに・・・・・・)


「キャプテン。短い間でしたが、お世話になりました」
ピエロは、キャプテンの骸に自分の持っていた鼻眼鏡を掛けてあげた。
「では、せめていい夢を」
あれほど憂鬱だった相方が、失ってみたらなんとも言えない心の欠落をもたらした。
ピエロは、また一人である。


【ゲーム開始一時間後/D−6】
【◆6/WWxs9O1s氏@カオスロワ】
[状態]:精神的に疲労
[武装]:投げナイフ×7
[所持品]:支給品一式
[思考]:
1・生き残る
2・自分から人殺しはしない
3・でも襲われたら容赦なく倒す
[備考]:投合武器をうまく扱う事が出来ます。

【◆L9juq0uMuo氏@漫画ロワ】
[状態]:怒りの感情
[装備]:ピエロの服
[道具]:支給品一式(ランダムアイテム1〜3)
[思考]
基本:殺しあいには乗りたくないが、状況によっては戦う
1:キャプテンの仇を取ってあげたい。
2:ゲームからの脱出

【幕末ロワの>>1@幕末ロワ】
[状態]健康
[装備]虎鉄(近藤勇の)
[道具]支給品一式
[思考]
1:幕末史の素晴らしさを喧伝する
基本方針:マーダー。特に幕末を馬鹿にする奴は許さない
[備考]
*着流しを来た、浪人風の男。剣の達人

【キャプテン@キャプロワ 死亡確認】
【無名武将@お腹せっぷく@戦国ロワ 死亡確認】
*三国志ロワの名無し氏とは別人です

397名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/24(木) 00:33:43 ID:z50qbcuwO
ちょwまた包囲網フラグキタコレwww
キャプテン死ぬとかどれだけwww

398名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/24(木) 00:35:40 ID:oILJVDIs0
あ、書き忘れてた
*地雷を仕掛けたのが誰かは不明です

399名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/24(木) 00:37:52 ID:l3WaWXyA0
>>396
投下乙!
これはいい誤解フラグですねw
けど、一体誰が地雷なんか埋めたんです?

400夜空に百円玉が煌いて……:2007/05/24(木) 00:38:45 ID:uSchl8TI0
 夜空を見つめ、男はため息を深々とついた。
 黒く癖のないまとめられた髪を持ち、鼻筋の通った甘いマスク。
 科学者然とした佇まいに、知性と情熱を持つ瞳が憂いに満ちていた。
 彼の右手の黒いグローブを脱ぐと機械の義手が現れた。微かなモーター音を上げ、五指を握ったり開いたりしている。
 古い街灯の下、黒いロングコートを着用した中程度の背丈をピンと伸ばしている。
 彼はライダーロワにおいて一、二を争うほど作品を投下し、まとめサイトを運用している男。
 書き手ライダー四号の称号を持つ彼の名は◆E1yyNEjdEc。ライダーロワ七人の書き手の重鎮だった。

「殺し合えか。仮面ライダーたちに殺し合いをさせた罰が当たったのか?」
 ため息をつき、再び月を見る。金にぼんやりと輝いているそれは綺麗で、しばし時を忘れてしまった。
 彼の支給品の、ヘルメットに似た物を持ち上げる。
「俺に縁のあるライダーマンマスクが支給されるとはな。笑うしかないな」
 目の前に青く輝く、口元を露にせざるえない、強化スーツと一体になったマスクを見つめた。
 カセットアームを持たない自分ではすぐにでも強力なマーダーの餌食になるだろう。
「それにしても、パロロワバトルロワイアル……俺は他のパロロワを余り知らないんだよな……」
 しょうがないことではある。ライダーロワの運営に必死で他のロワを勉強する暇もないのだから。
 ライダーロワのラジオのときに関わったときしか交流はない。
 そのときのアドバイスはまとめを見やすくするためにかなり役に立った。
 ため息をついているだけではしょうがないので、他にも何かないかデイバックを探ろうとしたときだった。
「動くな」
 首筋に冷たい金属の感触が当たる。心臓が飛び跳ね、両手をあげて武器を持たないことを示す。
 同時に警戒を怠っていた自分の迂闊さを呪った。
(そういえば、ライダーマン・結城丈二も似たよう目に遭っていたな)
 その時は助かったが、自分の場合はどうなるか想像つかない。
 沈黙がその場を支配し、時間が停止したような気がした。だがそれは所詮錯覚だ。 その証拠に風が頬をなぶって、虫の音が聞こえている。
 数分ほどそうしていたころだろうか。さすがに気の長い◆E1yyNEjdEcも焦れてくる。
「あなたの目的はなんだ? 対主催者か? 優勝か?
 できれば俺に協力して欲しい。俺は首輪を外せる技術や能力を、持った者を捜している」
「お前はその技術者が見つかると思っているのか?」
「それならば自分で外す方法を考えるしかない」
 沈黙が再び訪れた。
 男はやがて胸元を探り、一枚のコインを取り出した。日本人には馴染みの深い百円玉である。

 コインが弾かれ、夜空をクルクルと華麗に舞いながら上昇する。古い人工の、古ぼけた街灯の光を弾き、◆E1yyNEjdEcの頭上を越えていく。
 丸い銀の光をあらゆる方向に、数瞬だけ反射させてすぐ瞬いて消える。
 やがてコインは上昇運動の力を失い、一瞬停滞。頂点に上り詰め、後は落ちるのみだった。
 コインの回転が地面に落ちる瞬間、◆E1yyNEjdEcの目にはコマ送りにコインが落ちていく様子が見えてしまった。
 それは錯覚だっただろう。そのコインが自分の運命を決めるかもしれないと、本能で悟ったのだ。
 異常な集中力の中、コインが一回りするたびに地面へ近付いてくる。
 後三回転すれば地面に激突する。それを◆E1yyNEjdEcは認識してしまった。

 ―― 一回転目

 ◆E1yyNEjdEcのこめかみから汗が浮き出てくる。

 ―― 二回転目

 汗が目尻の辺りまで移動し、瞳が僅かに揺れ始める。

 ―― 三回転目

 とうとうコインは地面に激突し、数回転したかと思うとその動きを終えた。
 甲高い音を数回上げたコインは『表』を出していた。

「……そうだな。それも悪くない」

 男は呟き、銃を下げた。自分の提案に乗ってくれたことに嬉しくなり、勢いよく振り返る。

401夜空に百円玉が煌いて……:2007/05/24(木) 00:39:09 ID:uSchl8TI0
 黒髪を後ろに流してオールバックにした、学生服の端正な顔立ちをしている男がいた。
 手に提げている銃はイングラムM10。漫画版バトルロワイアルでも桐山が使っていた短機関銃である。
 男はやがて自分のデイバックからカバンを放りだした。
「これは……カイザのベルト!?」
「お前のものか?」
「いいや、違う。けど、彼らなら……」
 ◆E1yyNEjdEcの脳裏に浮かぶのは、自分とともにライダーロワを盛り上げていくほかの六人の書き手。
 考えたくはないが、彼らのうち誰かがともに参加しているとすれば、自分よりもうまく使ってくれるだろう。
 同時に、このベルトは誰にも渡せない。説明書を見ると『オルフェノク』ではなく、『能力者』であれば使えるようになってある。
 もし一般人に渡してしまったら死なせてしまう。優勝を狙うマーダーに渡しても、殺戮が行われるだろう。
 ベルトをカバンへ入れなおし、立ち上がる。
「行こう。そして首輪を解除し、この場を脱出しよう」
 無言で男は先を行き、◆E1yyNEjdEcは慌てて肩を並べる。
「ところで君の名を聞かせてもらえないか?」
「◆7jHdbxmvfI」
「よろしく頼む。◆7jHdbxmvfI」
 短く告げられ、二人は夜道を歩く。

 
 ◆E1yyNEjdEcは二つ知らない。◆7jHdbxmvfIにとって、ゲームに乗るか、優勝を狙うかはどうでも良かった。
 彼はただコインの裏表で結果を決めただけに過ぎなかった。
 そのお互いの認識の齟齬が、何をもたらすかは分からない。
 そしてもう一つ、知らないことがあった。
 ◆E1yyNEjdEcと◆7jHdbxmvfIには共通の知り合いがいる事を。

【ゲーム開始数十分後/E-1の道路/一日目】

【◆E1yyNEjdEc@ライダーロワ】
[状態]:健康
[装備]:ライダーマンマスク@ライダーロワ。
[道具]:支給品一式、カイザドライバー(装備全部付属)@ライダーロワ。
[思考]
基本:首輪を解除できる手段を持つ参加者を探す。もしくは自分で解除する。
1:ライダーロワの書き手と合流してカイザドライバーを預けたい。マーダーには渡せない。
2:◆7jHdbxmvfIと情報交換したい。
[備考]
※カセットアームは持っていません。ゆえにライダーマンの能力は一般人以上達人以下の戦闘能力です。
※外見は俳優・故 山口暁氏に酷似。
※カイザドライバーは『能力者』なら変身できます。それ以外は灰に。

【◆7jHdbxmvfI@漫画ロワ】
[状態]:健康
[装備]:イングラムM10(30/30)@漫画ロワ。
[道具]:支給品一式。
[思考]
基本:首謀者の思惑を外すべく、死者が一人でも減るように行動する 。
1:乗ってない人間を見つけ協力するなら仲間にする。
2:◆E1yyNEjdEcが協力するなら仲間にする。
3:襲ってきた人間に対しては一切の手加減をしない。
4:首謀者を倒す。
[備考]
※外見は漫画版バトルロワイアル・桐山和雄に酷似。
※◆E1yyNEjdEcとの共通の知り合いは◆TJ9qoWuqvAと◆ozOtJW9BFA(参加しているかは不明)です。

402名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/24(木) 00:41:47 ID:uSchl8TI0
ノリで書いた。後悔はしていない。

403名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/24(木) 00:44:10 ID:Yq3YBnaY0
>>399
爆弾設置はボマーさんの得意技だが、位置的時間的に無理か。

404ジョーカーのため息:2007/05/24(木) 01:29:06 ID:l3WaWXyA0
「――大地はまたも朱に染まり、二心に闇の旗は突き立った。
少女の心に満ちるは悲観。卑劣漢に対する烈火の憤り。
道化の顔に笑みはなく、機械仕掛けの心は軋む。
嗚呼、バトルロワイアルの悲惨なるかな。凶悪なるかな」
 ピエロと少女を眼下に見下ろしながら、歌うように感想の人は言った。
(とはいえ、ジョーカーが埋めた地雷で参加者が死ぬのは無粋というものですから、
処分するつもりであそこに埋めたんですけどねぇ……。まさか踏む人がいるとは思いませんでした)
 感想の人は嘆息を漏らした。
 命じられたのはゲームの円滑な進行。だが自分の本意はあくまでゲームを傍観し感想をつけることだ。
 それゆえ、できるだけ干渉は避ける心積もりで地雷をこの上もなく適当に一個だけ埋め、後は海に放った。
 なのに、キャプテンは死んだ。この上もなく呆気なく。
 ロワにおける人の命はキャンディーの包み紙程度の重さとはいえ、どれほどツイていないのかと、
 感想の人もさすがに少し呆れるものを感じていた。
 地割れに挟まれて救命阿と叫んで死ぬ。歩いていたら隕石が振ってきてITEと呻いて死ぬ。
 適当に埋められた一個の地雷を踏んで死ぬ確率は、それらと同程度に低い確率だろうに。
(まあ、ロワの進行の役には立ったようですから彼も本望というものでしょう……。
良かったですねえ、キャプテンさん。あなたは初めてロワの進行に貢献できました。
あなたの死は無駄ではない。誇りに思っていいですよ……)
 暗い笑みを口元に浮かべ、シルクハットを被った初老の男はマントを翻すと姿を消した。

(キャプテンですら使い道があったのです。参加者の選別は慎重に行うようにしましょうね)


【ゲーム開始一時間後/D−6】
【感想の人@脇役ロワ】
[状態]:健康
[武装]:不明(地雷は使い切りました)
[所持品]:支給品一式
[思考]:
1・物語を傍観し、感想をつける。
2・さっきのこともあるので、干渉は些細なこともできるだけ行わないようにする。
3・どうみても物語にならないと判断した参加者(空気キャラや地味なキャラ)のみ、自らの手で殺す。
[備考]:ジョーカー。
※空間を渡る能力と浮遊能力があります。

405名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/24(木) 02:03:28 ID:2UaMDwUo0
地雷埋めたの感想の人かよww
てか無駄にかっこいいよ感想の人w

406名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/24(木) 02:13:18 ID:o8LbJJyw0
とりあえずまとめて感想

>天使の笑み
勉強、恨みを果たすことなく散るw
しかしプチ執念の人、さらりと怖いなw

>思考回路はショート寸前
無名武将は女には優しいのか、アイとのコンビがよさげw
そしてプール学院www
キールの夜はそのままロストしそうだなw

>君は生き残ることができるか?
名無しさん言い味だしてるな、だが感想の人に狙われそうな悪寒。
でも全ロワ書き手情報熟知ってのは面白いな。

>299-301
キャプテン大量産w
小次郎はおとなしく使い魔になるのかw

>エロスは世界を救う
666氏ロリのバイキターw
とんでもない方法で殺し合いを止めようとする人が多いなw
仮まとめ、支給品と言い出あった人と言い多難だなw

>312-312
支給品の運の悪さに吹いたw
ダンディと二人で恋愛要因になるんだw

>315-318
いーさん、地味に凶悪な武器w
ルートFの人も例の如くリピーターかw
死んだ◆CUG3z3uZ1o氏はふとドーピングコンソメスープっていいながら生き返りそうだw

>堕天の神
コピーとか、流石ネギまの作者1だなw

>【館の主】
なんという強力マーダーチーム、執念の人補足されてないかw

>「び……」「美声だッ!」「美形だッ!」
タイトルから二人が出会うかと思ったのにw
選ばれし強者がみんなマーダーだったらどうすんだw

>346-354
教授、すげえネタキャラだなw
やはりスパ勢は首輪解除に強いんだな

>花咲く旅路
支給品に人キターw
しかし35氏、緊迫感がねえなw

>365-368
社長って時点でヘタレ臭しかしねえw

>ロワの過疎化を防ぐため
地味にとんでもない能力だなw

>377-378
オドー大佐ktkr、ってホチキスを軽くあしらうとかw

>分裂大騒動
祐一&浩平はやっぱり二人になるのかw
アリ2作者も因果応報とはいえ可哀想だな。
そしてうっかり自重wwwww

>男が持つはアヤメの花、女が持つは菊の花
アルジャの小物臭は異常w
死亡者図鑑、死者をなくす言ってるのに殺害目的かw

>それでも君が
ちょ、キャプテン早速死んだwww
◆6/WWxs9O1s氏、包囲網フラグ乙w
幕末ロワ>>1は一対一マーダーか

>夜空に百円玉が煌いて……
なんという桐山www

>ジョーカーのため息
無常すぎるw

407名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/24(木) 07:06:41 ID:/bEkDB5s0
こっちでも作っていたマップを載せてみる。
白っぽい所はまだ地形描写が出てない所。
ttp://takukyon.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/clip/img/117.gif
名前を載せて最新版。
ttp://takukyon.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/clip/img/118.gif

結構不確定部分が多い。

408名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/24(木) 07:09:53 ID:l3WaWXyA0
>>407
超乙!!

409花咲く旅路書いた奴:2007/05/24(木) 08:37:05 ID:Jj/RhFS60
>>407

乙! そして主に抜かしてた自分が原因だけど、追記を一つ、ここで書かせて下さい。
六人殺し@ROワ&35@ROワの位置は共にE-3であります。

410名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/24(木) 08:53:23 ID:/bEkDB5s0
>>409
ttp://takukyon.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/clip/img/118.gif
あいあいさー。
一度消して上げなおしたのでURLは変わらず。

411名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/24(木) 17:23:45 ID:rlrm3lvE0
>>410
乙と言わざるをえない

しかしこうしてみると下半分がスカスカだな
D-6に集まりすぎともいえるが

412名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/24(木) 17:34:10 ID:waFPix/k0
……あれ?A.I氏が三人……キャプロワ版も出てるのか?!

413名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/24(木) 18:23:11 ID:/bEkDB5s0
――修正、完了っ。

414DENPA2:2007/05/24(木) 22:19:00 ID:n6G9uKhoO
 ◆ilZClmYqFI氏は屋上の柵から少し身を乗り出して、それの姿を認めた。
 紛れも無く、何故か全裸。しかもその手には拡声器。
 見事な殺してくださいモード。
『…………あー……あー、ただいま、マイクのテスト中……』
 お前はそんなに目立ちたいのか。全裸で。
『……私は、この殺し合いに、断固として乗らないことを誓います。
 どうか、あの言うことを信じたりしないで下さい。
 ……あれ? そういえば、これって優勝したら何か賞品とかあったっけ……?
 ――と、そ、それはともかく! もし人を傷つけたり、殺したりしたら、私達のいるスレの住人達は
 きっと悲しむだろうから……だから、絶対にあいつの言ったことを真に受けちゃいけない、と思う』
 ああ。完全に死亡フラグだ。こいつ死んだ。
 ロワ的に考えて、まともに聞く奴なんて居ない。
 涼宮ハルヒレベルの強運でもない限り、生き残れる筈がない。その呪いから逃れることなど出来ないのだ。
 あの電波ン・モゥも気になったのか、柵に飛び付いた。(まだ名前を聞いていない。どうせ戦士なんたらと言うんだろうが)
 その時に稲田瑞穂の人の尾が◆ilZClmYqFI氏のふとももを掠めたが、◆ilZClmYqFI氏は気にも止めなかった。
『パロロワwikiで決まってるんだ、私たち書き手には義務もあるけど、権利がある!
 こんな風にムリヤリ拉致して、殺し合いを強いることなんて、どんなスレ建ての主でもやっちゃいけないよ。
 ……殺し合いなんて、絶対にしちゃいけない。
 何とかして、この世界を脱出して、もとの世界に帰る方法を……』
 そこでもう何も聞こえなくなった。まだそこに全裸女は立っていたけれど――
 それに男が近づいていた。その先は見ていられなかった。
 ◆ilZClmYqFI氏は柵に背中を見せると、座り込んだ。続けて稲田瑞穂の人も座った。
 このゲームに従うなら、いずれこの隣人も殺さなくてはならないのだ。
 きっと誰かが殺してくれるとか、そんな任天堂ロワのリュカみたいな考えなんて出来る筈もなかった。
 てかそんな思考出来たらとっくに殺してるって。こいつを。知らないし、こんなの。

415DENPA2:2007/05/24(木) 22:20:38 ID:n6G9uKhoO
 どっちにせよ、このゲームに乗るつもりなどないが。
 こんなクソゲームを本気で実行した奴を、さっさとこのウージーで――

 その時だった。
 突然、稲田瑞穂の人が、服を脱ぎ始めたではないか!
「君! 一体何を」
 驚いた◆ilZClmYqFI氏の制止を聞かず、あっという間に稲田瑞穂の人は下着だけになってしまった(ああ、やっぱり細い身体だ)。
 それから、銃(なんだこの型式は!)で何かを描き始めた。
 これは――まさか――
「この光の魔法陣の中にさえ入っていれば、邪悪な魔物から姿を消すことが出来る」
 こいつ――自分なんか、及びもつかない。完全無欠の稲田瑞穂厨だ!
 駄目だ、こいつ……何とかしなければ……
「描いてる間に、襲われたらどうするんだ?」
「アフラ・マズダ様が何も差し支えないと言っておられるのだから大丈夫だ」
 もう呆れたを通り越して笑ってしまう。
 こいつはン・モゥの皮を被った稲田瑞穂だ! 寸分の狂いなく、間違いない!
「戦士クリム・ヤクフィ・イルズも早く聖なる光の魔法陣を!」
 ああ。もう変な称号も与えられた。
 他の書き手がこの光景を見たらどう思うだろうか?
 デパート、しかもイトーヨーカドーの屋上で人外の稲田瑞穂厨が下着姿で必死に銃で魔法陣を描いているのだ。
 そして、それをセンスの悪い少女(このチョッキは仕方ないじゃないか。容姿より命だろ?)が当たり前のように落ち着いて見ている。
 何この変人コンビ。

 ああ――もう嫌だ。今なら江藤恵や南佳織が、かなり苦労して稲田瑞穂と付き合いをしていた事が分かる。
 早く家に帰りたい、クソ。

416DENPA2:2007/05/24(木) 22:21:24 ID:n6G9uKhoO
【ゲーム開始数十分後/C−4 イトーヨーカドー】
【稲田瑞穂の人@テラカオスロワ】
[状態]:電波 不必要なセミヌード 魔法陣作成中
[装備]:つるぎ@シャドウゲイト 『道明寺家宝刀ズガン銃』(DHZG)@テラカオスロワ
[道具]:支給品一式 服
[思考]
基本・やっぱりアフラ・マズダに従う
[備考]
※男。見た目がまんま亜人(FFのン・モゥ族)です
※稲田瑞穂並みの電波受信率です
※接近戦においてかなりの戦闘力を発揮出来ます
※ナイフを光の剣に変える能力を持っています
※光の魔法陣を描いて邪悪な者に対して姿を消す事が出来ます
※何もない場所から小爆発、又は重力波を起こせます(使うと激しく疲労)
※対象一人に対し時間を止める事が出来ます(ただし自分まで止まる)
※アフラ・マズダ様に従えば自分に出来ないことは無いと思い込んでいます
※射撃は苦手です
※ついでにチェスが大得意です
※はい、はい、はい

【◆ilZClmYqFI氏@任天堂ロワ】
[状態]:精神的に疲労
[装備]:ウージー@女神転生2(弾無限) ボロボロになった防弾チョッキ
[道具]:支給品一式 任天堂ファミリーベーシック@任天堂
[思考]何この超絶電波
基本・生き残る
1・稲田瑞穂の人を何とかしたい
[備考]
※見た目はか弱い少女っぽいがちょっと男口調気味。一人称『自分』
※射撃が得意です
※少しだけPSI(超能力)が使えます
※ハッキング技術を少し持っています
※体力があまりありません

417名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/24(木) 22:32:44 ID:l0qTC25s0
アフラ・マズダ自重wwwwwwwwwwwwwwwww
はい、はい、はいwwwwwwwwwww

418名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/24(木) 22:38:07 ID:l3WaWXyA0
ここまで電波なヤツも珍しい・・・
カオスロワに興味がわいてきたw

419名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/24(木) 22:40:53 ID:rlrm3lvE0
チェスの技能が役に立つ事はあるのだろうかw

420名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/25(金) 11:28:01 ID:noLA7DkM0

燃え上がる木々につられてやってきた2人は、そこに想像もしていなかったものを見た。

「……これって、どう見ても……」

ポツンと落ちていたその布切れの正体に気づいて、◆BRxsUzTn5Aは顔を赤らめる。

それはどう見てもパンツだった。
パンティーだった。
女物の下着だった。
腰の所で紐を結んで穿くタイプの、いわゆる紐パンツ。
それが燃え上がる木々の前に何の脈絡もなく落ちている。
純情なゲーム少年◆BRxsUzTn5Aには、何がなんだか分からない。想像もつかない。
そういえばこのロワは18禁ゲーム系の人も参加してるかもしれないんだよな……と思い出すのが精一杯だ。

「ふん、なんだ。ドロッチェともカービィとも関係ない、ただの布切れか」

対して、◆BRxsUzTn5Aの隣に立つ怪人は、実につまらなそうに吐き捨てる。
リアルタイムカービィの人にとって、問題になるのはドロッチェかカービィのことだけ。
そのどちらとも関係のない女物の下着など、何の興味も湧きはしない。

「で、でもおかしいじゃないか! こんなところにこんなものがあるなんて……」
「我々がドロッチェやカービィと遭遇できていないことの方が、もっとおかしい」

至極真っ当な疑問をぶつける◆BRxsUzTn5Aに対し、リアルタイムカービィの人は真顔で断言する。
そのあまりの自信に、常識的で内気な◆BRxsUzTn5Aは、混乱する。
おかしいのは、どっちなのだろう? リアルタイムカービィの人? それとも、自分の方?
現実感が根底から揺らいで行くような錯覚。
なんだか自信がなくなってきてしまった彼の目の前で、リアルタイムカービィの人は、無造作に、

「我々は『こんなもの』に構っているヒマはないのだ、早くドロッチェやカービィの手掛かりを……」

  ボ  ン  ッ  !

――それは、唐突に。
落ちていた布切れを何の気なしに蹴り飛ばそうとしたリアルタイムカービィの人は、◆BRxsUzTn5Aの眼前で、

爆散した。

421名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/25(金) 11:28:56 ID:noLA7DkM0

「…………え?」

問答無用だった。
木っ端微塵だった。
心の準備が整う間も何もなく、蹴り飛ばされた紐パンツもろとも、粉微塵に吹っ飛んだ。
マントも身体も、全て砕けて燃えて消えうせる。手にしていた共通支給品のデイパックが、どさりと落ちる。
ふわふわと、唯一爆発を逃れたリアルタイムカービィの人のシルクハットだけが、宙を舞う。

まるで現実味のない光景。
一般人に過ぎない◆BRxsUzTn5Aはしばし凍りつき。
ふわり、と遺品のシルクハットが自分の頭の上に舞い降りた所で、ようやく正気に返る。
ようやく、麻痺した脳が現実を認識する。

「う……う……うわぁぁぁあぁぁぁぁあぁぁぁッ!!」

彼は逃げ出した。大声を上げてパニックになりながら、全速力でその場から逃げ出した。
何がなんだか分からない。激しく混乱した頭で、それでも彼は、惨劇の現場から逃げ出した。

        *        *        *

「……うふふ♪ 爆破作戦、だいせいこ〜☆」

◆BRxsUzTn5Aの姿が見えなくなってから、しばらくして。
森の中に隠れて事の成り行きを見守っていた1人の人物が、姿を現した。
アンティークドールのような服を身にまとった彼女の隣には、奇怪な姿のスタンドが1体――。
もちろんその正体は、LSロワのボマー、及びそのスタンド『キラープリンセス』だ。
スタンドのお陰で攻撃力だけは突出しているものの、防御力は紙でHPは虚弱体質並みな彼女。
爆弾を仕掛けるだけ仕掛けておいて他人に爆破させるのには、それなりの理由があるのだ。
……まぁ、この結果がどこまで計算どおりだったのかは、かなり疑問なのだが。

「なんとなし、で組んだチームは破綻しなきゃいけないし、正気でいるより狂気でいるほうが楽しいよね?
 ズガンって非難を恐れてたらマーダーなんてできないし、相手がメジャーな方がかえって殺しやすいの☆
 どうせカオスな人だから蘇生するかもしれないし、報復ズガンされたらそれはそれでまた一興よ♪」

誰に聞かれているわけでもないのに、彼女は意味不明な言葉をブツブツと呟き続ける。
壊れきった笑顔を浮かべたまま残されたデイパックを拾い、◆BRxsUzTn5Aの去った方向を眺める。

「さて、と☆ 次はどんな『爆弾』仕掛けよっかな? 同じ手を繰り返すのはツマンナイしねェ……」

ちなみに――彼女が「爆弾トラップ」に使った「材料」については、突っ込んではいけない。
それが元々どこにあったか簡単に想像つくからって、言ってはいけない。
水に濡れたからと言って服を脱ぎ、他人の裸だからと平気で服を脱ぎ、クシャミ1つで服を剥ぐ。
それが、LSロワクオリティ。
彼女はただ、それに忠実だったというだけのことである。

「それに、危険人物は1人でも多い方がいいの。……ね?
 うーん、『あっち』の方は、もうちょっと『寝かせて』熟成させて美味しくなってから、かな?」

可愛らしく首を傾げる彼女の問いに、答える者はいない。
やがて彼女は楽しそうに歌いながら、その場を立ち去った。

422名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/25(金) 11:29:26 ID:noLA7DkM0

        *        *        *

「はぁっ、はぁっ……! な、なんだよ、あれ……ッ!!」

後も振り返らずに逃げてきた◆BRxsUzTn5Aは、とうとう息が切れてその場にしゃがみ込む。
膝をついたところで、不意に吐き気を催し、その場に嘔吐する。
その拍子に、頭に乗ったままだったシルクハットが地面に落ちるが、構っている余裕もない。

バトル・ロワイヤルに放り込まれて、すぐにリアルタイムカービィの人に遭遇して――
ブッ飛んだ人格に辟易しながらも、共通の趣味と話題を持つ友の出現に、僅かなりとも安らぎを感じて――
そして、さてこれからどうしようか、という時に訪れた、唐突な死。
そりゃ◆BRxsUzTn5Aでなくても参るだろう。

「な、なんなんだよ、『落ちてたパンツに触ったら爆死』って……! そんな死に方ありなのかよッ……!」

これなら、まだクルミで首を掻き切られる方がマシだ。便座カバーで絞め殺される方がマシだ。
リアルタイムカービィの人と出会ってからすっかり忘れていた恐怖。
ガチガチと、奥歯が鳴る。

いやだ。いやだ。いやだ。
あんな死に方、絶対にしたくない。
◆BRxsUzTn5Aの目が血走る。自分に支給された、武器の入ったデイパックを胸に抱えこむ。

「も、もう、変なモノ見つけても絶対に触らないぞ。絶対に近づかないぞ。
 もしも向こうから近づいてくるなら、こ、こっちから逆にやっつけてやる……!」

疑心暗鬼、そして狂気フラグ。
その危険さを知らない◆BRxsUzTn5Aでは無かったが、もうそんなことは頭の片隅にも残ってはいない。
もう何も信じられない。もう誰も信じられない。殺られる前に殺る。
そうしなければ、きっと自分も理不尽に殺される――
薄味な一般人キャラに過ぎない◆BRxsUzTn5Aに、その狂気の誘惑を振り払うだけの力は無かった。


【開始十数分後/F-3/一日目】
【◆BRxsUzTn5A@任天堂ロワ】
[状態]:健康、芽生え始めた狂気
[装備]:リアルタイムカービィの人の遺品のシルクハット
[道具]:支給品一式(地図無し)、ランダムアイテム(1〜3)(確認済み)
[思考]
基本:もう何も信じられない
1:もう誰も信じられない
2:どんな手段を使ってでも生き延びる
3:ゲームからの脱出、または優勝
[備考]
※黒髪の内公的な少年。
※特に使える能力はありません。(つまり一般人)
※あまりのショックに、壊れはじめています。

【開始十数分後・E-2 ボマー@LSロワ】
[状態]:精神疲労(小)、「穿いてない疑惑」
[装備]:マジカントバット@MOTHER2 契約の指輪@ローゼンメイデン、ランダムアイテム(1〜3)(未確認)
[道具]:支給品一式(地図なし)×2(片方はリアルタイムカービィの人のもの)
[思考]:基本:リ〜リカル・トカレ〜フ♪キルゼムオ〜ル♪
1:自分の身を守り、襲い掛かる危険人物は爆破。
2:危険人物でない人物は、危険人物にしてから爆破。
3:それでも正気を保つような人物は、ミーディアムにして一滴残さず搾り取る。
※特殊能力として、触れたものを爆弾にするスタンド『キラープリンセス』が使えます。
 ぶっちゃけ、シアーハートアタックのないキラークィーンです。

【リアルタイムカービィの人(書き手)@カオスロワ 死亡確認】

423何で大魔法○が好きだと分かったんd(ry:2007/05/25(金) 11:30:26 ID:noLA7DkM0

あ、タイトル忘れてた。タイトルはこれでお願いします。
……「自重しろ」の人に遭遇したらアカシックレコードごと完全に消滅させられるかもなぁ。。。。

424名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/25(金) 17:10:57 ID:bncYdV2gO
なんという極悪トラップ。
この死に方は怖い、変な意味でw

425名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/25(金) 17:16:56 ID:a3RlMaCQ0
しかしジョジョでもキラークイーンが同じコト(パンツ爆弾)をやっている罠w

426名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/25(金) 17:24:32 ID:8dDMzD4E0
>>422
投下乙!
いい感じに混沌としてきましたなw
それにしても確かに嫌な死に方だ……。
びびるのも無理はねえw

427名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/25(金) 17:27:51 ID:r77mzKCY0
俺、このトラップにきっと引っかかるわwww
そして、女性の下着拾って爆死なんて死に方したらきっとうちの親は泣く。

428名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/25(金) 17:30:22 ID:5ivIEH6U0
怖ろしいマーダーだな……
こんな少女が「紐パン」だったなんて!!

429名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/25(金) 18:33:25 ID:2nsPmPjkO
何より恐ろしいのは紐パンというある意味切り札を使ったのに掛かった側が反応を示さなかった事だ

430名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/25(金) 19:24:00 ID:UIm8HbyU0
もはやトラウマだな。
◆BRxsUzTn5A氏は今後、パンチラを見ても興奮する事はあるまい。
かわいそうに……

431名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/25(金) 23:44:12 ID:zopktT8cO
怪しい奴、か…。
むしろマトモな奴の方が少なくね?

432名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/26(土) 00:38:38 ID:KZcQIXZ20
ではこの辺りでどこにどんな奴がいるかお浚いしてみよう!
>>325>>410の地図と照らし合わせながら状況を想像してほしい。
(ちなみに時差は進んでる奴で1時間超え程度)

A-2 【鉄槌@アニロワ:ヴィータとカズマの融合体、体はヴィータ】レイハと一緒、首輪を解除できる人募集。
A-3 【ルートFの人@カオスロワ:壮年の男】カオスロワ経験有り。腹部に刺傷、全身疲労。
A-3 【◆E3y/x3899E氏@カオスロワ:いーさん。小学4年生ぐらいの少女】みんな殺して家に帰りたい。
A-4 【◆hXvyVozAPo氏@カオスロワ:unlimited walnut works使いの青年】脱出派、肩と手の重傷を治療したい。感電氏から逃走。
A-4 【感電氏@文房具ロワ:unlimited thumbtack worksを使う金髪の美少年、ロッカー風】無差別マーダー。
A-6 【プチ執念の人@学生ロワ:温厚そうで紳士的、要するに危険性の無さそうな男】使える仲間を探す。不要なのはサクサク殺害。

B-1 【ホチキス@もえロワ:車椅子に乗る病弱そうな青年に見せかけた怪物】DO根性ガエル状態。ラノベキラー。
B-1 【◆I0wh6UNvl6@ラノベ・ロワイアル:まんまオドー大佐】自由と正義の名の下に!
B-2 【A(◆l8jfhXC/BA)@ラノベ・ロワイアル:外見パイフウ、口調はミズー。完璧超人】ほぼ全裸、方針未定。
B-2 【瀬戸こうへい@初代ハカロワ:ごくごく普通の青年】混乱中。最速の人に背負われ移動中。脱出派。
B-2 【最速の人(◆WwHdPG9VGI氏)@アニロワ:頭脳とアルター能力はクーガー、体はシグナム】瀬戸を背負って暴走中、脱出派。
B-3 【エド@FFDQロワ3rd:美声の男】脱出派。仲間を集める。
B-3 【◆LXe12sNRSs@アニロワ:美形の男】強者に取り入り、戦いを起こし淘汰させ、対主催の強者を選りすぐる。

C-1 【瞬殺の人@学生キャラロワ:鎧を呼び出す召喚士の男】マーダー。即完結だっ。◆S8氏と組む。
C-1 【◆S8pgx99zVs氏@アニロワ:外見ながもん中身アーカード慎重派】マーダー。地図能力も有り。瞬殺と組む。
C-1 【◆SzP3LHozsw氏@ジャンプ2nd:海坊主】瞬殺の人を警戒。
C-2 【まーりゃん書き手@ハカロワ3:外見、内面共にまーりゃん先輩、ツキノと融合可能】ツキノ捜索中。
C-3 【◆M42qaoJlNA@LSロワ:頭脳はロリコンの大人、体は幼女】メイド服着用(名無しさんより)、拡声器使用中(効果範囲は周囲9マス)
C-3 【Classical名無しさん@パロロワ交流雑談所:特徴らしい特徴のない青年】傍観者。◆M4氏の拡声器フラグの成り行きを見る。
C-3 【◆8eDEaGnM6s@芸人ロワ:内向的メガネっ娘】◆M4氏を心配はしているが怖くて逃げたい。
C-4 【稲田瑞穂の人@テラカオスロワ:アフラ・マズダを信仰するン・モゥ族の男】電波。無意味にセミヌード。◆M4氏の拡声器に反応。
C-4 【◆ilZClmYqFI氏@任天堂ロワ:男口調の超能力少女、見た目は深窓の令嬢】対主催。◆M4氏の拡声器に反応。
C-4 【◆qSSOg86y8s氏@カオスロワ:クルミ使いの美少女】対主催。仲間を探す。
C-6 【◆lbhhgwAtQE@アニロワ:エタニティ・エイト使いの青年】脱出派。仲間を集めてエクソダス。

433名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/26(土) 00:40:22 ID:KZcQIXZ20
D-1 【DGの人@スパロワ:DG細胞に感染している青年】贖罪をする、荒らしキラー。軍曹に同行。
D-1 【軍曹@アニロワ:軍服を着た赤いギコ猫、ついでに二頭身】DGの人の監視、脱出派、悪を断罪する。
D-2 【作者1@ネギまロワ:ゴミ漁りのようなボロボロの男】マーダー。盗作能力を持つ。
D-3 【666(◆CFbj666Xrw)@LSロワ:クールな印象のロリ】LSのエロスで戦いを止める。
D-3 【二次スパ仮まとめ@第二次スパロワ:真面目で誠実な青年】脱出派。とりあえず666に同行。
D-3 【◆o.lVkW7N.A氏@LSロワ:銀白色の髪と可愛らしい顔のロリっ子】無差別マーダー。キャプテン@アニを調教中。
D-3 【小鯛長@アニロワ:小太りの少年、後天的オッドアイ】無差別マーダー。◆o.氏に対する絶対的恐怖。
D-4 【◆T0SWefbzR氏@二次スパ:機械工学の専門家のおっさん】首輪を外すために動いてみる。◆TJ氏に同行。
D-4 【◆TJ9qoWuqvA氏@ライダーロワ:葉隠覚悟に酷似した少年】上半身裸。首輪を外したい。弱者を守る。◆T0氏に同行。
D-6 【◆6/WWxs9O1s氏@カオスロワ:投擲武器使いの少女】生き残りたい。
D-6 【◆L9juq0uMuo氏@漫画ロワ:ピエロの格好の自動人形(オートマータ)】脱出派。◆6/氏をマーダーと誤認。
D-6 【幕末ロワの>>1@幕末ロワ:着流しを着た浪人、剣の達人】マーダー。特に幕末史を馬鹿にする者は許さない。
D-6 【感想の人@脇役ロワ:空間を渡り浮揚する初老の紳士】ジョーカー、空気キャラキラー、傍観者。
D-6 【アルジャ書き手@ジャンプロワ:ツンツン髪のガラ悪い青年、渦潮使い】マーダー
D-6 【死亡者図鑑@カオスロワ2nd:ゴスロリ少女、怨霊使い】マーダーキラー?

E-1 【◆E1yyNEjdEc@ライダーロワ:故・山口暁氏似の男】脱出派。◆7j氏と首輪解除法を捜す。
E-1 【◆7jHdbxmvfI@漫画ロワ:漫画版桐山和雄】脱出派。◆E1氏と共に一人でも死者を減らす。
E-2 【ボマー@LSロワ:スタンド持ちの可憐な美少女】危険人物は爆破、指輪の契約者探し。履いてない疑惑。
E-3 【教授(イングラム死亡の人)@スパロワ:黒スーツでユーゼス仮面の男】脱出派。首輪解除を目指す。
E-3 【◆X7WwwzkoUU@スクロワ:男】教授と組むか考えていたが逃げ腰
E-3 【◆終盤六人殺し@バトROワ:男】生存希望。Flashの人@バトROワを捜す。35が憑いてる。
E-3 【35@バトROワ:六人殺しの背後霊】アンリミテッド下着ワークス
E-3 【調子乗ってんなの人@交流雑談所:気づかず超能力を持つ男】あらゆる書き手を保護する。
E-4 【キタキタの人@ガンガンロワ:まんまキタキタ親父、服装だけは現代人】キタキタ踊りで皆を救う。
E-4 【◆o0JMpFh/TM@カオスロワ:妖逆門のロンドン風の格好の少年】俺の歌を聴けぇぇぇぇぇぇぇ!
E-4 【ダンディ坂野@葉鍵ロワ:名前のまんま、黄色いスーツを着用】ダンディの芸が歌や踊りよりも優れていることを証明する。

F-1 【無名武将@お腹せっぷく@三国志ロワ:七つの命を持つ超筋肉武将】求ム強敵トノ死合。残命数六。
F-1 【◆A.IptJ40P.@ライダーロワ:バシ○ーラ能力を持つ幼い勝ち気少女】生き残りたい。武将を盾にする。
F-1 【プール学院作者@大学ロワ:男】プールのなかにいる
F-3 【◆BRxsUzTn5A@任天堂ロワ:黒髪の内公的な少年、ただの一般人】RTカービィの死に壊れ始めた。
F-5 【アリ2作者@FFDQロワ3rd:自分の血を見ると豹変する男】左目失明、激怒、祐一&浩平をぶっ殺す。
F-5 【祐一&浩平@ハカロワ1:分裂の壷で分身した少年】
F-6 【ツキノ@ギャルゲロワ:ぱっと見少女に見える美麗の少年】アンリミテッドうっかりワールド展開中。
F-6 【ネスカ(描き手)@FFDQロワ3rd:黒スーツエルフ耳の長い黒髪の魔女】脱出派、まともな人に会いたい。

X-? 【キールの夜事件の作者@テイルズロワ:軽そうな青年】無差別マーダー。正気低下。どこかに飛ばされた。

死亡済
A-3 【◆CuG3z3uZ1o@カオスロワ:男】加害者:◆E3y/x3899E氏@カオスロワ
A-6 【勉強男@ジャンロワ:男】加害者:瞬殺の人@学生キャラロワ
D-1 【◆QcxMJGacAM@アニロワ:男】加害者:◆o.lVkW7N.A氏@LSロワ
D-6 【キャプテン@キャプロワ:黒髪長髪の女性】加害者:感想の人@脇役ロワ
D-6 【無名武将@お腹せっぷく二人目@三国志ロワ:男】加害者:幕末ロワの>>1@幕末ロワ
E-6 【二代目リアルタイム@カオスロワ:男】加害者:◆6/WWxs9O1s氏@カオスロワ
F-3 【リアルタイムカービィの人@カオスロワ:赤いシルクハットに赤マントで銀髪の少年】加害者:ボマー@LSロワ

さあこのロワで君は、どうする? どうする? どうする? どうする? 君ならどうする?

434名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/26(土) 00:51:43 ID:fDaQ1wMY0
>>433
まとめ超乙!
いやまあしかし、よくこれだけキワモノ(ホメ言葉)が集まったなあw

435名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/26(土) 00:52:14 ID:iluHDivY0
勉強を殺したのは瞬殺の人じゃなくてプチ執念の人だぞ、たしか。

436名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/26(土) 00:59:13 ID:KZcQIXZ20
あ、そうでした。

A-6 【勉強男@ジャンロワ:男】加害者:プチ執念の人@学生キャラロワ

何故だろう。
位置纏めも、地図も、キャラ纏めも、全て一ヶ所は間違いが生じているのはorz

437名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/26(土) 01:03:08 ID:wsRx0QTI0
おお、まとめ乙です。
こうしてみるとホントにカオスだなぁ

438名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/26(土) 01:05:31 ID:RjU8Y8ps0
まとめ乙です!
なんかこう……激しくカオスだなw
人物設定は基本オリジナルなのに、みんな見事にキャラが立ってるのが凄い

あと>>396の無名武将は三国志ロワじゃなくて戦国ロワっぽい
板が「三国志・戦国板」だからややこしいな

439名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/26(土) 01:11:41 ID:KZcQIXZ20
……ああっ、そういう事かー!!
名無し二人目が出たのかと思ったよorz

440アランの苦悩の人の苦悩:2007/05/26(土) 01:16:26 ID:h4RPAhcUO
(…?)
ふと、彼の足が止まる。彼は何を思ったか、目を閉じて天を仰いだ。
格好つけている訳ではないだろう。…彼が何を考え、何を見ているのか…それは彼にしか判らない。

…はずだった。


それははたして、どれほどの時がたったころだっただろうか?
彼の表情が誰の目にも明らかに、変わっていったのだ。
その目に宿る光は、殺意でも凶器でも正義でもない。



――――そう、それはただひとつ、明らかな――――












「…なぜ…こんな時に…ッ」








そう、彼は便意を催したのだ。
あせってズボンを下ろそうとする!間に合わない!

ブリブリブリブリブリジット♪

「と、止まらねえ…ウンコ、が」


それが彼の最期の言葉となった…

【多分夕方/イトーヨーカドー二階】
【アランの苦悩の人@アケロワ ウンコが土石流みたく止まらなくて死亡】

441名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/26(土) 01:52:29 ID:MQ2Wi9CU0
これはひどい

442名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/26(土) 01:53:45 ID:t5.cxmCAO
しかも夕方かよw

443名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/26(土) 07:51:21 ID:u20zNtkA0
死者も含めて計67人?かな?
解除技能持ちが少ないのが気がかりっちゃ気がかりだが、
大体ロワの人数としては平均的なところになってきたかね

444名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/26(土) 12:48:01 ID:TU1dRHNY0
>>440
大爆笑したじゃねーかw

445名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/26(土) 12:56:46 ID:fDaQ1wMY0
>>443
うわあ、60人越えかよ……。
結構多いなあ。

446ヤム子、がんばる!:2007/05/26(土) 13:42:37 ID:7o6eufSU0
「まったく、何でこんなことに巻きこまれちゃたんでしょうか……」
閑散とした民家の中をの中を一人の巨乳の美女が走っている。普通の女性ならこんな異常な状況に投げ出されたら、
その場に座って泣きじゃくり、このロワの舞台の隅っこでガタガタと震え、命乞いの準備をするだろう。
しかし、彼女は違っていた。

「こんな状況タカヤにもありましたね。どっかから牛人間が出て来るのでしょうか……それもいいかもしれませんね。私の武術の実力も試すことができますし」
彼女は決して気などは触れてはいない。彼女にとっては大真面目なセリフである。
それもそのはず、彼女はジャンプロワでヤムチャとタカヤの超絶カオスな闘いのSSを書いた書き手、ヤムチャvsタカヤなのだから。
彼女にとって一番大事なのは大好きななヤムチャとに着せられたレッテルを晴らし、ヤムチャを最強だと認めさせることである。
「それに、このヤムチャ様の武器もありますしね。これはきっとヤムチャ様が私を見守ってくれているに違いありませんね」
美女は両手に持ったパンツァーファウストを持ち、微笑む。
「ここにいる書き手さん達にヤムチャ様のカッコよさを教えないといけませんね。ヤムチャ様、見てください。
もうヤムチャだからって誰にもヘタレなんて言わせませんから!」

美女は走る。噛ませ犬のレッテルを貼られた狼の汚名を晴らすために


――もう今の彼女に切り拓けない道はない。

【ゲーム開始から数十分後/B-5(市街地)/一日目】
【ヤムチャvsタカヤ@ジャンプロワ】
[状態]:健康
[装備]:パンツァーファウスト@ジャンプロワ
[道具]:支給品一式 、ランダムアイテム(0〜2)は本人確認済み
[思考]
  基本:ゲームには乗らない。しかし、ヤムチャをバカにする奴は許さない。
   1:ヤムチャの汚名を晴らす。
   2:ゲームからの脱出
[備考]
※見かけは茶髪のポニーテールでスカートの巨乳美女
※あらゆる格闘技に精通している+ヤムチャの技を全て使えます。
※特殊能力:「ヤムチャ様の愛」
ヤムチャへの愛を攻撃や防御、変身能力に加算することができます。
最終的にはフリーザ、バーン、ハーデスを瞬殺するくらいのレベルになりますが、
このロワでは大きく制限されている可能性があります。

447名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/26(土) 14:51:49 ID:BzVc0CZw0
>>446
乙。タカヤはどうでもいいのかww

知らないロワの関係者が書けないという人が多かったので
生存者限定だがこのスレで出た紹介と各ロワの書き手紹介をまとめてみた。
抜けてるところはどなたか補完お願いします。

【瞬殺の人@学生キャラロワ】
紹介:>>35
作品:http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1174702316/226-243

【鉄槌@アニロワ】
紹介:>>84
作品:http://www23.atwiki.jp/animerowa/pages/315.html

【◆6/WWxs9O1s氏@カオスロワ】
紹介:>>28>>30
作品:http://www23.atwiki.jp/terachaosrowa/pages/138.html

【◆qSSOg86y8s氏@カオスロワ】
紹介:>>28
作品:http://www23.atwiki.jp/terachaosrowa/pages/456.html

【感想の人@脇役ロワ】
紹介:>>29
感想:DAT落ち?

【開始直後・E-2 ボマー@LSロワ(◆3k3x1UI5IA)】
紹介:>>30
作品:http://www25.atwiki.jp/loli-syota-rowa/pages/296.html

【ツキノ(書き手)@ギャルゲロワ】
紹介:>>50
作品:http://www29.atwiki.jp/galgerowa/pages/47.html

【ネスカ(描き手)@FFDQロワ3rd】
紹介:
作品:http://dog.oekakist.com/FDBR/?

【ホチキス@もえロワ】
紹介:
作品?:http://sports2.2ch.net/test/read.cgi/entrance2/1176910153/

【A(◆l8jfhXC/BA)@ラノベ・ロワイアル】
紹介:>>30
作品:http://www32.atwiki.jp/ranoberowa/pages/695.html

【◆M42qaoJlNA@LSロワ】
紹介:
作品:http://www25.atwiki.jp/loli-syota-rowa/pages/275.html

【瀬戸こうへい@初代ハカロワ】
紹介:
作品:ttp://hakarowa.orz.ne.jp/

【最速の人(◆WwHdPG9VGI氏)@アニロワ】
紹介:>>84
作品:http://www23.atwiki.jp/animerowa/pages/446.html

【DGの人@スパロワ】
紹介:>>119
作品:

【軍曹@アニロワ】
紹介:>>26
作品:http://www23.atwiki.jp/animerowa/pages/287.html

【まーりゃん書き手@ハカロワ3】
紹介:>>50
作品:

【◆BRxsUzTn5A@任天堂ロワ】
紹介:
作品:http://www24.atwiki.jp/ncbr/

【リアルタイムカービィの人(書き手)@カオスロワ】
紹介:>>28
作品:http://www23.atwiki.jp/terachaosrowa/

【◆hXvyVozAPo氏@カオスロワ】
紹介:
作品:http://www23.atwiki.jp/terachaosrowa/pages/457.html

【感電氏@文房具ロワ】
紹介:
作品:http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/5008/1172330537/

【キタキタの人@ガンガンロワ】
紹介:
作品:http://www.geocities.jp/gan2roy/007.html

448名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/26(土) 15:01:05 ID:BzVc0CZw0
【◆o0JMpFh/TM@カオスロワ】
紹介:
作品:http://www23.atwiki.jp/terachaosrowa/

【ダンディ坂野@葉鍵ロワ】
紹介:
作品?:http://www11.atwiki.jp/row/pages/88.html#hkglogを参照

【稲田瑞穂の人@テラカオスロワ】
紹介:
作品:http://www23.atwiki.jp/terachaosrowa/pages/466.html

【◆TJ9qoWuqvA氏@ライダーロワ】
紹介:>>87
作品:http://home.att.ne.jp/kiwi/verde/brsswriter.htm

【◆L9juq0uMuo氏@漫画ロワ】
紹介:
作品:http://www32.atwiki.jp/comicroyale/pages/70.html

【◆o.lVkW7N.A氏@LSロワ】
紹介:
作品:http://www25.atwiki.jp/loli-syota-rowa/pages/299.html

【小鯛長@アニロワ】
紹介:
作品:http://www23.atwiki.jp/animerowa/pages/386.html 後は捨てトリ?

【プチ執念の人@学生ロワ】
紹介:
作品:http://www22.atwiki.jp/rowa/

【◆A.IptJ40P.@ライダーロワ】
紹介:>>87
作品:http://home.att.ne.jp/kiwi/verde/brsswriter.htm

【プール学院作者@大学ロワ】
紹介:>>63
作品:http://matomeshi.nomaki.jp/sono7.htmlの813

【キールの夜事件の作者@テイルズロワ】
紹介:>>60
作品:http://www11.atwiki.jp/row/pages/77.html#keele

【Classical名無しさん@パロロワ交流雑談所】

【愚弟@アニロワ】
紹介:
作品:【小鯛長@アニロワ】に同じ?

【◆A.IptJ40P.@アニロワ】
紹介:
作品:http://www23.atwiki.jp/animerowa/pages/580.html

【666(◆CFbj666Xrw)@LSロワ】
紹介:>>26
作品:http://www25.atwiki.jp/loli-syota-rowa/pages/278.html

449名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/26(土) 15:03:09 ID:BzVc0CZw0
【二次スパ仮まとめ@第二次スパロワ】
紹介:>>17>>57
作品:http://srwbr2.noma ki.jp/

【◆8eDEaGnM6s@芸人ロワ】
紹介:>>63
作品:http://www16.atwiki.jp/br_laugh/

【ルートFの人@カオスロワ】
紹介:>>28
作品:http://www23.atwiki.jp/terachaosrowa/pages/357.html

【◆E3y/x3899E氏@カオスロワ】
紹介:>>28
作品:http://www23.atwiki.jp/terachaosrowa/pages/458.html

【作者1@ネギまロワ】
紹介:
作品:すべて撤去された?

【◆S8pgx99zVs氏@アニロワ】
紹介:>>84
作品:http://www23.atwiki.jp/animerowa/pages/292.html

【◆ilZClmYqFI氏@任天堂ロワ】
紹介:
作品:http://www24.atwiki.jp/ncbr/

【◆T0SWefbzR氏@二次スパ】
紹介:>>74
作品:http://srwbr2.noma ki.jp/

【◆SzP3LHozsw氏@ジャンプ2nd 】
紹介:>>26
作品:http://www25.atwiki.jp/jbr2ndwiki/pages/124.html

450名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/26(土) 15:03:23 ID:BzVc0CZw0
【エド@FFDQロワ3rd】
紹介:
作品:http://jbbs.livedoor.jp/game/22796/

【◆LXe12sNRSs@アニロワ】
紹介:
作品:http://www23.atwiki.jp/animerowa/pages/285.html

【教授(イングラム死亡の人)@スパロワ】
紹介:>>57
作品:http://www.geocities.jp/suproy2/174.html

【◆X7WwwzkoUU@スクロワ】
紹介:>>46
作品:http://netabaremk2.fc2web.com/brmain.html

【◆終盤六人殺し@バトROワ】
紹介:>>76
作品:http://www6.atwiki.jp/battleroyale/

【◆】35@バトROワ】
紹介:
作品:http://www6.atwiki.jp/battleroyale/

【◆lbhhgwAtQE@アニロワ】
紹介:>>84
作品:http://www23.atwiki.jp/animerowa/pages/286.html

【調子乗ってんなの人@交流雑談所】

【◆I0wh6UNvl6@ラノベ・ロワイアル】
紹介:
作品:http://www32.atwiki.jp/ranoberowa/pages/731.html

【アリ2作者@FFDQロワ3rd】
紹介:
作品:http://www.geocities.jp/ffdqbr3log/no1/a1-45.html

【祐一&浩平@ハカロワ1】
紹介:
作品:http://www11.atwiki.jp/row/pages/88.html#hkglog

【アルジャ書き手@ジャンプロワ】
紹介:
作品:http://www11.atwiki.jp/row/pages/83.html

【死亡者図鑑@カオスロワ2nd】
紹介:>>31
作品:http://www23.atwiki.jp/terachaosrowa/pages/

【幕末ロワの>>1@幕末ロワ】
紹介:
作品:http://academy6.2ch.net/test/read.cgi/history2/1170403327/

【◆E1yyNEjdEc@ライダーロワ】
紹介:>>87
作品:http://home.att.ne.jp/kiwi/verde/brsswriter.htm

【◆7jHdbxmvfI@漫画ロワ】
紹介:
作品:http://www32.atwiki.jp/comicroyale/pages/55.html

【◆ilZClmYqFI氏@任天堂ロワ】
紹介:
作品:http://www24.atwiki.jp/ncbr/

【ヤムチャvsタカヤ@ジャンプロワ】
紹介:>>26
作品:http://www11.atwiki.jp/row/pages/162.html

451名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/26(土) 15:09:10 ID:fDaQ1wMY0
>>450
まとめ超乙!
こういうのはマジで助かる支援ですよホント。

452カオスロワな勢いで:2007/05/26(土) 15:12:37 ID:TU1dRHNY0
◆86jbQTms.Uは地図の端っこの方で震えて泣いていた。
理由は単純、こんな端の方なら誰も来ないと考えたからである。

だから彼は頭を砕かれ死ぬ事になる。

「動かず、闘わず、ただ座って泣いてるだけか?
 何もせずに助かれる程バトロワは甘くないのだよ!」
◆86jbQTms.Uの頭を砕くと、ルーファウスの人は自らの力を鼓舞するように叫ぶ。

ズガンッ!

「愚かです」
ズガンの人は、食料の入ったバッグを掴み中身を調べる。

そう、こんな危険な場所で声を上げ続ければ、こうなる事など十分に予測できたはずなのである。
それこそが、彼が生きて帰る為に最初にすべきことだった。

その時、背後から声が聞こえてきた。

――だから、俺が負けるわけにはいかねえんだ!
七色光線の人の目から七色の光線が飛び出した!
「ぉぎょいあういぎゃああがかが」
それを受けたズガンの人の身体は…溶けていく、溶けていく。

全てを溶かしつくし、油断しているところに突然首にバットが突き刺さった。
「いやーーーーん!おじさん、七色光線なんか使っちゃってSMプレイなんてボク、嫌だよッ☆」
ロリ・・・ないし少女(アイアンクローの人)が顔を手で覆って恥ずかしそうに叫んでいた。そして七色光線の人に歩み寄る。
「き、貴様・・・何故この光線に・・・あらばっ!」
首からバットを引き抜き、なんども、何度も殴打する。
「お仕置き!お仕置き!お・・・死んじゃった☆」
顔を返り血に染めながら笑う少女。
「しかたないな〜ぴぴるp」

少女は、自分に何かが起こる……という可能性を初めから考慮していなかった。
故に、気付くのに若干の時間を必要とした。
まじまじと、自分の体に視線を落として、
「!!!」
ソレを、見た。
受け入れがたい現実を、目の当たりにした。
「な――何、これ!?」
呻く様に、かろうじて少年は言葉を搾り出す。
「お前は知らないだろうが、そいつの姿は――」
現実を思い知らせるように、弟ロワ>>1は欠片も躊躇せず、言い切った。

「たかまさだよ」

次の瞬間、弟ロワ>>1の総攻撃を受け、たかまさの形状をした生物が消滅した。

「殺人をおかしてしまっては見過ごす事は出来ませんね」
大石の人のはるか前方で争いあう二人の参加者の姿がかすかに眼に映る。
急いで現場に駆けつけようとしたが、時既に遅し、
後僅か五百mほどのところで片方がたかまさになるのがみえたのだ。
逮捕しなければならないとはいえ相手も丸腰ではないのだから、
反撃にあえば大石の人といえどもたかまさにされてしまうかもしれない。
「先手必勝、ですね」
大石の人はそう言うと手錠を取り出し弟ロワ>>1に繋いだ。
「いけませんねえ。殺人の現行犯です」
「あんたは・・・・・・警察・・・・・・?」

「悪いですが、他の殺人者も捕らえなければいけないので、ここに繋がせて貰いますよ」
大石の人は窓枠に手錠をかける。
「いやぁ、支給品が手錠セットで運がよかったと言うべきですかね」

【開始十数分後/A-1/一日目】
【大石の人@脇役ロワ】
[状態]:正義感
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、ランダムアイテム(0〜2)(確認済み)
     手錠×参加者分@ギャルゲロワ、警察手帳
[思考]
基本:どんな状況でも殺人を犯す人間を許せない
1:主催を逮捕する
2:殺人者を逮捕する
3:殺人未遂者を逮捕する
[備考]
※大石書いた人一人じゃないと思うけど、まぁネタ的に…

【弟ロワ>>1@弟ロワ】
[状態]:捕縛
[装備]:手錠
[道具]:支給品一式、ランダムアイテム(1〜3)(確認済み)
[思考]
基本:不明
1:不明
[備考]
※敵をたかまさに変化させる事ができる。
※ただし、この会場においてはたかまさが存在する限り、他にたかまさにする事はできない。
※現在窓枠と右手首に手錠がかけられている状態、なおギャルゲ使用なので鍵穴は無い。

【◆86jbQTms.U@カオスロワ 死亡確認】
【ルーファウスの人@FFDQロワ2nd 死亡確認】
【ズガンの人@葉鍵ロワ2 死亡確認】
【七色光線の人@アケロワ 死亡確認】
【アイアンクローの人@FFロワ2nd 死亡確認】

453名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/26(土) 15:13:08 ID:TU1dRHNY0
そしてまとめ乙です

454名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/26(土) 22:45:18 ID:t5.cxmCAO
ついでだが、ルートFの人についてはhttp://www23.atwiki.jp/terachaosrowa/pages/337.html?PHPSESSID=71b3e496e4c13a6f43cf52193a36ffe0も参照する事をお勧めする。
多分同一人物の作品で、ルートFはこれを元にしてるっぽい。

455遅れてきた、ぶっちぎり:2007/05/26(土) 23:48:34 ID:aMUADXjA0
「殺し合いだと……ゴルゴムの仕業だ!!」
どこかで聴いた様な、男の台詞が響く。
彼こそはライダーロワで、南光太郎にカラオケマイクを拡声器として使わせ
ガタックゼクターでホームランを打たせた男、◆ozOtJW9BFAだった。
更に彼はゴルゴムにその身を改造され、その上太陽光線を直接その身に浴びてパワーアップ。
書き手ライダーBLACK RXに変身する事ができるのだ。
「こんな殺し合いなど、この俺が許さん!! ゴルゴムの野望は必ず打ち砕いてやる!!」
そしてゴルゴムに改造されて以来、何か悪い事が起こると全てゴルゴムの仕業と推測……いや断定してきた。
当然今回の殺し合いも彼は、1秒の惑いも無くゴルゴムの仕業と断定し徹底抗戦を決意する。
 
早速◆ozOtJW9BFAは、支給品の確認にかかる。
「説明書によれば、頭にこのDISCをINすれば
 スタンドのスタープラチナを、使えるようになるんだな」
1秒の躊躇も無く、支給品の得体の知れないDISCを頭に差し込む。
流石は南光太……もとい◆ozOtJW9BFA、順応力が高い。
「次の支給品は、シルバースキンか」
どこぞの麻雀漫画の妖怪爺の様に、当たりを次々と引いていった。
3つ目、最後の支給品である紙をを取り出す。
「説明書によればこの紙の中に、ロードローラーが入っているんだな
 ならば今は開かずに取って置こう、誰かの頭上から落として使いたいからな」
なにやら物騒な事を言いながら、ロードローラーが入った紙をしまった。
 
「行こう、じっとしていても仕方ない。ゴルゴムめ、悪に生きる道は無いと知れ!!!」
荷物をまとめ、◆ozOtJW9BFAはゴルゴムを探しに出発する。
しかし◆ozOtJW9BFAに、ゴルゴムを探すあては無い。
そもそも殺し合いに、ゴルゴムが関わっている根拠が無い。
 
【ゲーム開始十分後/B-4/一日目】
 
【◆ozOtJW9BFA@ライダーロワ】
[状態]:ぶっちぎるぜ!
[装備]:スタープラチナのDISC、シルバースキン
[道具]:支給品一式、ロードローラー(エニグマで紙状態)
[思考]
基本:悪に生きる道は無いと知れ!
1:ゴルゴムに生きる道は無いと知れ!
[備考]
※外見は俳優・倉田てつをに酷似。歌声も酷似。
※書き手ライダーBLACK RXに変身できます。能力は仮面ライダーBLACK RXと同じですが、制限を受けている可能性が有ります。
 ついでに悲しみや怒りで変身するかもしれません。

456名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/26(土) 23:49:39 ID:CxV1QUls0
交流所の>>15見て思ったが、
LSで、丈(拡声器使用者)は
拡声器の人(第一話)→オッドアイ氏→666氏とリレーされてって、
しかも書き手ロワでもこの三人、現在かなり近い位置にいるんだよな。
〆にこぶたのしないの人が来たら、拡声器男の流れ再現として完璧になる

457名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/26(土) 23:52:33 ID:CxV1QUls0
うお、すまないリロるんだった。

て、これwwライダーロワと見せかけて漫画ロワwww

458名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/26(土) 23:55:28 ID:TQs4h.Vs0
キタ―――――――――――!!!!!!!

まさかの南光太……じゃなかった。oz氏登場!
スタープラチナにシルバースキンにRXって卑怯くせーw
何と厨性能w さすが光太……じゃなかった。oz氏、ぶっちぎるぜ!

459ある書き手の物語 ◆mMmMMMMmmM:2007/05/26(土) 23:59:18 ID:h4RPAhcUO
「自分は食料を集めてくるよ。無いと立て篭もりも出来ないだろ?」
 そう理由付けしてこいつから離れなければ……こいつのペースに完全に巻き込まれたら自分までアフラ・マズダに洗脳される!
「そうか……仕方ないな」

 もう屋上から、このデパートの中に入って何分経っただろうか?
 ◆ilZClmYqFI氏は稲田瑞穂の人から離れる為、ゲームセンターコーナーで暇を潰していた。
 しているアーケードゲームは『シャテキッズ』。メダルゲームだ。
 メダルは、まあ無人だったので両替機にウージーをぶっ放して盗った。どうせロワ中だ、何が悪い? 評決十二対ゼロ間違いなし。
 食料は食料で既に一階から掻っ払っていた。
 まあ一応二人分。仮に戻ることになったら。それから他に仲間が出来たら、まああって困るものではあるまい。

 それからまた時間が経ってちょうど三枚のメダルを投入した直後だった。
 ディスプレイの表示が黒く塗り潰されると同時にシャテキッズの苣体に突然大きい穴が空いた。もちろんそれを◆ilZClmYqFI氏はすぐに理解した。
 何故なら苣体に穴を空けた銃弾は◆ilZClmYqFI氏のボロボロになった不良防弾チョッキと肉体を貫通した後に突っ込んでいたので。
 
「ロワ中にメダルゲームなんて……人生丸投げね?」
 突然、明らかに◆ilZClmYqFI氏のものではない声が響いた。そう、奇襲されたのだ。
 そんなばかな――
 ◆ilZClmYqFI氏はすっかり萎えてしまった手をを背中のベルトに差し込んでいたウージーへ運び、一気にグリップを手に運んだ。
「……このど畜生ッ!」
 次の瞬間には相手の銃が火を吹いたが、◆ilZClmYqFI氏のウージーも正常に稼動した。

460ある書き手の物語 ◆mMmMMMMmmM:2007/05/27(日) 00:00:17 ID:1GJjOXkEO
 ぱららら、ぱらららと小気味よい音がステレオで響いた。
 何故か先に奇襲してきた敵のセーラー服から血が噴き出した。◆ilZClmYqFI氏はもうそこには居なかったので。
 かなりの致命傷だったが、負ける訳にはいかないのだ。自分は主催に一矢報いなければならない。

 ◆ilZClmYqFI氏は再び銃を構えた。相手も気付いたのか、銃口を◆ilZClmYqFI氏に回した。
 先に相手の銃が放たれ、◆ilZClmYqFI氏の頭にインド人の教徒のように穴が空いた。ナマステ。
 ――にも関わらず、◆ilZClmYqFI氏の顔は笑っていたのだ。
 意識したのかどうか分からなかったが、◆ilZClmYqFI氏のウージーが火を吹いた。
「丸投げね」と言い、奇襲を行った少女――◆1U9aQ7O4wM氏のまずまず美しかった顔が弾け、まるきりストロベリイ・パイをぶつけた状態になった。
 それから二人とも、互いにばたりと倒れると、それきり二度と起き上がることはなかった。

 こうして――かつて任天堂ロワに貢献した書き手、◆ilZClmYqFI氏は死んだ。

461ある書き手の物語 ◆mMmMMMMmmM:2007/05/27(日) 00:01:06 ID:1GJjOXkEO
【ゲーム開始数十分後/C−4 イトーヨーカドー四階ゲームコーナー】
【◆ilZClmYqFI氏@任天堂ロワ】
[状態]:死亡確認
[道具]:支給品一式 任天堂ファミリーベーシック@任天堂 ウージー@女神転生2(弾無限) ボロボロになった防弾チョッキ 食糧二人分

【◆1U9aQ7O4wM氏(丸投げの人)@任天堂ロワ】
[状態]:死亡確認
[道具]:支給品一式 ウージー@女神転生2(弾無限) セーラー服

【屋上】
【稲田瑞穂の人@テラカオスロワ】
[状態]:電波 不必要なセミヌード 魔法陣作成中
[装備]:つるぎ@シャドウゲイト 『道明寺家宝刀ズガン銃』(DHZG)@テラカオスロワ
[道具]:支給品一式 服
[思考]
基本・やっぱりアフラ・マズダに従う
[備考]
※男。見た目がまんま亜人(FFのン・モゥ族)です
※稲田瑞穂並みの電波受信率です
※接近戦においてかなりの戦闘力を発揮出来ます
※ナイフを光の剣に変える能力を持っています
※光の魔法陣を描いて邪悪な者に対して姿を消す事が出来ます
※何もない場所から小爆発、又は重力波を起こせます(使うと激しく疲労)
※対象一人に対し時間を止める事が出来ます(ただし自分まで止まる)
※アフラ・マズダ様に従えば自分に出来ないことは無いと思い込んでいます
※射撃は苦手です
※ついでにチェスが大得意です
※はい、はい、はい

462名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/27(日) 00:10:41 ID:FDEZqMHgo
稲田の人は運が良いのか悪いのかwww

463名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/27(日) 00:13:10 ID:tPcQzTGU0
トリップすげぇww

464名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/27(日) 00:14:37 ID:89jKgRf20
とりあえずトリップに吹いたwww

465名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/27(日) 00:28:42 ID:TmxypdnMO
トリップwwwwww

466名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/27(日) 00:33:15 ID:6hnRv9bc0
なんだそのトリップはwww
だれかこいつ参戦させてくれwwwww

467名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/27(日) 00:35:09 ID:WlQBp/Xk0
トリップ吹いたw
すげえwww

468名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/27(日) 00:36:49 ID:H98SYoJM0
書き手ロワの書き手を参戦させる。
つまり

ある種のループということになるな

469名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/27(日) 00:37:00 ID:BgPbiTY20
おい完全にトリップに話題持ってかれてるぞw

470 ◆.Qo.QQq.QQ:2007/05/27(日) 00:41:46 ID:HoWyVgVA0
あたしだって負けないんだからぁ

471名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/27(日) 00:43:22 ID:FeM6Wnwc0
相方ktkr

472名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/27(日) 00:46:56 ID:89jKgRf20
カップルフラグktkr

473名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/27(日) 01:19:38 ID:FDEZqMHgo
>>312

木陰に蹲り、息と身を潜めながら彼女は…◆8eDEaGnM6sは相変わらず自問自答する。
何故こんな事になってしまったのだろう、と。


彼女が書き手として参加していたロワ、お笑いバトルロワイアル2006はお笑い芸人板で2006年の夏の終わりに
それまで細々と続けられていたお笑いバトルロワイアル…こちらは2002年に始まった物だったが、
大半の有名な芸人達が死んだり放置された事から優勝や脱出や対主催といった全体のストーリーが続かず、
いつしかバトロワというシチュエーションに放り込まれた芸人達の姿を描くオムニバスの投下スレとなり
自然と2006年当時は廃ってしまっていた…に替わって発生したロワである。

しかしお笑い芸人板は何故かこういったネタスレが繁栄しづらい土壌にあるらしく、
同じように実在の人間を描いたロワが脈々と続けられているプロ野球板のそれと違って否定的な目で見られ、粘着に遭い、
やむなくお笑い芸人板から難民板に移動したという経緯がある。(そういう意味では頑張れ笑ロワⅡinエンタ)
もっとも、難民板に移っても尚『キモイ』だの『スレのURLを事務所に通報した』だのと住人のテンションを削ぐようなレスが付いたり、
まとめサイトの内容がGoogleの上位に来てしまう事から、検索避けが効く新しいまとめサイトを作る必要に駆られたり
他にも書き出すのをちょっと憚った方が良いのではという出来事がたびたび起こったりと
相変わらず受難は続いているようだけれども。

そんな芸人ロワの内情はさておき、
今回の話は最初はただの2ch内のロワの書き手を集めた懇談会的なモノだと思っていたのだ。彼女は。
芸人ロワに投下している他は、だいぶ昔にプロ野球板のロワにちょこっと投下したぐらいで
後は基本的に読み手であった彼女にとって、他のロワの書き手はどんな人達なのか。いかにして短い執筆時間で
キャラの性格を掴んだしっかりした話が投下できるのか。
さすがに知り合いになるなんて無謀な事は出来ないだろうけども少しでも知る事が出来たなら。
幸い、新しいまとめサイトが完成するまで投下を控えていた事もあり、時間なら多少はある。
そういう事で、珍しくライブ以外の目的で遠出してみたらこれである。


「……………」
はぁ、と彼女は一つ溜息をつく。
一般人ロワに携わっているためか、あるいは単純に凡庸だからか、彼女は己に与えられた道具をハズレとしか認識できなかった。
例えばチケットの半券を引きちぎったら己の身を守る存在がどこからともなく召還できるかも知れない。
例えば戦艦のプラモデルの主砲からだってメガ粒子砲が放たれるかも知れない。
それが本採用されるか否はさておいて、そうだと強く想えば、上手く描写すれば、何でも物語内で叶えられるのが
物語の紡ぎ手…書き手の最上級の特殊能力であるのだけれど。
それに思い至らない彼女に足りないのは、速さであり度胸であり超常現象でありカオス。

もう一度溜息をつき、ふと彼女は橋の上の幼女…◆M42qaoJlNAの方へ恐る恐る視線をやる。
「………?」
先ほどまでは全裸だった幼女が、いつの間にか俗にメイド服と言われるレースたっぷりの服を纏っていた。
いつの間に? あるいはあの拡声器は使おうとすると全裸になってしまう仕様なの?
単純に彼女がその現場を見ていないだけなのだけれども、幼女の服装の変化に疑問が頭の中にわいてくる。
けれど、相変わらず今のところマーダーらしい人の気配はない。
「チャンス…かな?」
拡声器や幼女の仕様については後々考えればいい事だ、とひとまず疑問は頭の隅のゴミ箱に放り込み、
己に言い聞かせるように彼女は口にすると、ゆっくりと立ち上がった。
周囲に声を聞きつけたマーダーがいないなら、幼女と一緒にここから逃げて拡声器フラグをへし折るだけ。
フラグを立てておくだけ立てておいてスルーするのも、一つの笑いの手法の筈だ。

故に、ゆらりと木の陰から姿を現し、彼女は橋の方へと向かう。
「ねぇ、そこの女の子?」
「……………」
ただ、彼女は一つ勘違いをしていた。知らなかっただけとも言うけれど。
橋の上の幼女はあくまで外観が幼女なだけであって、その内面はしっかりした…多分彼女以上の大人である事を。

474名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/27(日) 01:23:35 ID:FDEZqMHgo
【開始数十分+α後/C-3/川の近くの木の陰】

【◆8eDEaGnM6s@芸人ロワ】
[外見]内向的そうなメガネっ娘
[状態]:体調は万全 ガクブル
[所持品]:支給品一式 お笑いライブのチケット×2 グレートデギンのプラモ(完成済)
[思考]:幼女を保護したい変な義務感
1・幼女に話しかけて一緒にここから退散する
2・拡声器の仕様に興味
[備考]:Classical名無しさんの存在に気付いていません。
[備考]:特殊能力は今のところなさそうです。


【開始数十分+α後/C-3/川の上に架かる橋の上】

【◆M42qaoJlNA@LSロワ】
[状態]:メイドロリ、死ぬことへの恐怖の芽生え、満腹
[武装]:拡声器、防弾仕様のメイド服@ハカロワ
[所持品]:支給品一式、魔女の媚薬500粒
[思考]:
基本:どうしよう……
1:拡声器フラグを完遂する?
2:死にたくないかも……?


マーダー来ないし稲田さんの魔法陣も時間掛かりそうなので動いてみる。

475旗・即・折:2007/05/27(日) 02:19:22 ID:X4rQWv9M0
「あれ?書いてた俺が何で参加しているんだ?」
◆mMmMMMMmmMが気が付くと、そこには自分と◆.Qo.QQq.QQの姿があった。
「あんたのせいで私までとばっちりくっちゃったじゃないのよ!」
「なんだと!?お前が調子乗って変な鳥出すから―!!」
そして二人は言い合いを始めた。
二人は知らなかった。これが仲直りフラグであることを、そして、この場にフラグを折る男がいた事を。

―旗
「うるっさいわねぇ!元はと言えばあんたが悪いんでしょ!」
―即
「んだとぉ!? ……ん?何か聞こえn」
―折

その瞬間、牙突が二人を貫いた。牙突を放った男の名はK、ありとあらゆるフラグをへし折ってきた壬生狼である
「阿呆が、安直にフラグを立てるからこうなる」
日本刀の武装錬金、ソードサムライXについた血を振り払い、Kは物言わぬ肉塊と化した二人を一瞥しながら呟いた。
「せめて折られ甲斐のあるフラグがあることを祈るか」
そして壬生狼はいずこかへと歩いていった

【ゲーム開始一時間後/B-6/海岸】
【K@ジャンロワ】
[状態]:健康
[武装]:ソードサムライX
[所持品]:支給品一式
[思考]:
基本:旗・即・折
1:フラグを折る

476旗・即・折:2007/05/27(日) 02:21:25 ID:X4rQWv9M0
書き忘れ
【◆mMmMMMMmmM&◆.Qo.QQq.QQ:死亡確認】
二人のデイパックは放置してあります

477魔法ハードボイルドリリカルートFの人:2007/05/27(日) 03:35:44 ID:TmxypdnMO
「はぁ…はぁ…」
ルートFの人は、校舎を出てだいぶ走り回った所で足を止めた。息を整えながら辺りを確認するが、いーさんが追い付いて来たような様子は無い。
まあ、大人の足についてくるような小学生はいないだろう。もしついてくる様だったら玉砕覚悟で応戦するつもりだったので、これには少し安心した。
さて、一度窮地を脱して、冷静になるとマズいことに気付いた。
「…腹の傷…」
処置をしていない。今更じくじくと痛んで来た傷に顔を顰めながら、こんな事なら保健室に行っておけばよかったと痛切に思った。
とりあえずコート(長年使って来た愛用の品だった。これ以上破壊されたら泣きたくなるかもしれない)の裾を千切り、腹に巻きつける。
何とか最低限の処置を終えた所で、これからの行動を考える。
いーさんを止めに行くのは難しい。HBの鉛筆で刺されて終わりだろう。となれば仲間を探すのが優先だが、これも難しい。下手に包囲網や死亡フラグを張られている人間と合流しても、こちらが苦労するだけだろう。ステルスマーダーに引っ掛かってもロクなことになるまい。うまく人物を見極めて接触しなければ―――
と。

478魔法ハードボイルドリリカルートFの人:2007/05/27(日) 03:37:14 ID:TmxypdnMO
「…あ」
もっとも重要なことを忘れていた。…まだ、支給品の確認をしていない。
早速ディパックの中に手を入れ、出て来た物は―――
玩具のような形の杖だった。
…いや、これが何かはわかる。ただ、これが何故自分に支給されるのか納得が行かない。これを支給されるべきは◆6/WWxs3899E氏ではないのか。何故自分に?
それを使うべきか、使わないべきか随分悩んだ。これを使えば、自分は力を得られる。このロワを終わらせることができるかもしれない、力を。しかし、それは―――
―――そして悩んだ末に、それを使う事を決心した。どんな力であれ、自分には戦う力が必要なのだ。この殺し合いを終わらせるための力が!
杖を手にして、願う。
(殺し合いを終わらせる力が欲しい!)


薄暗い森の中に、力強い足音が響く。その足音を響かせるのは一人の少女だ。殆ど膝まで届いている赤色の長髪。背丈は140センチ程だろう。背丈等から推理すれば年齢は11、2と言った具合いだが、真実は本人に聞いてみなければわかるまい。

479魔法ハードボイルドリリカルートFの人:2007/05/27(日) 03:38:53 ID:TmxypdnMO
彼女の名は◆eUaeu3dols氏。かの有名なラノワの自演射撃や、大集団崩壊話を書いた書き手である。
ついでにだが、カワイソスなシャナもこの人が大体書いてたりする。
「…どうにも運がないわね」
◆eUaeu3dols氏は立ち止まると、ため息をつくように呟いた。
彼女の方針は主催者が説明を始めたときから決まっている。
ゲームの破壊。
その為の仲間を探して行動していたのだが、未だに仲間どころかゲームに乗った人間さえ発見できていなかった。
立ち止まって回りを見渡す。と、
「人の気配…?」
先程までは感じていなかった気配を、今では色濃く感じる。
(…変ね、鈍ったかしら?)
疑問に思いながらも、気配のする方向へ隠れながら歩いていく。
その気配を発しているらしい人物が見えたとき、彼女は失笑しかけた。
もう殆ど壮年と言っても良い年の男性が、子供の玩具のような杖を掲げている。どうもソレに集中しているらしく、こちらに気付いたそぶりすら見せない。
そんな隙だらけの男に、注意の言葉をかけようとした時―――
杖が光を放ち、男を包み込んだ。
「ッ!?」
突然の光に目を隠した彼女が、次に目を開いた時に見た物は―――

480魔法ハードボイルドリリカルートFの人:2007/05/27(日) 03:40:24 ID:TmxypdnMO

ルートFの人は、杖からの光が収まった事を確認して目を開いた。
目の前には、先程と変わらない風景が広がっている―――いや。違う所がある。それは、
「…猫耳メイドよりはマシか」
自分の体。
先程まで壮年男性から、巫女服を着た少女へと姿が変わっている。トレンチコートは相変わらず着ているが、正直全く似合っていない。
これがこの杖、レイジングハートに付加された能力なのだが―――説明は、状態表で確認すること。
「とにかく、これで幾らか戦える訳か…。魔法の練習がてら、飛行魔法で周囲の様子を見るのがいいか?」
「それにはちょっと待って欲しいわね」
背後から声。振り向けば、そこには一人の少女が立っていた。
「面白い能力を持っているわね。話を聞かせてもらうわ」
どうやら最初から見られていたらしい。下手な説明をしたら、最悪少女趣味の変質者と思われる可能性もある。
「…わかった、正直に話そう」

481魔法ハードボイルドリリカルートFの人:2007/05/27(日) 03:42:06 ID:TmxypdnMO

「…成程ね」
十数分後、ルートFの人と◆eUaeu3dols氏は簡単な情報交換を交わすことに成功した。
「つまり、あなたもこのゲームを壊すために行動している。そうね?」
「その通りだ」
「さてルートF、あなたは」
彼女の声はそこで途切れた。彼女の声よりも大きな声が、そこで割り込んだからだ。そして、それはそのまま放置できるような状況の声ではなかった。
『あー……あー、ただいまマイクのテスト中……』
「「…!?」」
「…ルートF、今のは」
「拡声器だな。書き手ならアレの危険はわかってるだろうに…。どうすんだ?」
「決まってるじゃない」
そういうや否や、◆eUaeu3dols氏は木々の向こうへと走り抜けて行った。
「やれやれ…。まだ、同行するとも言った訳じゃないんだがな」
溜息をつきながらルートFの人は立ち上がると、◆eUaeu3dols氏を追い始めた。

482魔法ハードボイルドリリカルートFの人:2007/05/27(日) 03:43:39 ID:TmxypdnMO
【ロワ開始数十分後】
【A-3 森林】

【ルートFの人@カオスロワ】
[状態]:腹部に刺傷(処置済み)、全身に疲労感。魔法ハードボイルドリリカルートF子化。
[装備]:レイジングハート@カオスロワ、巫女装束、コート
[道具]:支給品一式
[思考]基本:救える人間はできるだけ救いたい
1:拡声器の声が聞こえる方へ向かう
2:知り合いと早めに合流したい
3:◆E3y/x3899E氏を止める(殺害も辞さない)
4:仲間を集め、主催者を倒す
※レイジングハートには「魔法少女変身機能」が搭載されています。これによって、魔力が無い人間でも変身すれば魔法を使用できます。使用した際の姿は基本的にはランダムですが、こうなりたいと願えば叶うかも知れません。

【◆eUaeu3dols氏@ラノベロワ】
[状態]:健康
[装備]:不明支給品1〜3個(本人は確認済み)
[道具]:支給品一式
[思考]基本:仲間を集めて、主催者を打倒する
1:拡声器の方向へ向かい、その人物を保護する
※外見はシャナ、中身はダナティアな感じで。能力は不明です。

483おまけっぽいもの:2007/05/27(日) 03:45:37 ID:TmxypdnMO

いーさんだからこれもありだよな?
【A-3 小学校】
【◆E3y/x3899E氏@カオスロワ】
[状態]:健康
[装備]:HBの鉛筆@ゲーム版テラカオスバトルロワイアル
[道具]:支給品一式
[思考]基本:みんな殺して家に帰る
1:拡声器の声が聞こえた方向へ行き、集まって来た人間を殺害する

巫女服はかっとなってやった。
後悔はしていない

484名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/27(日) 05:43:12 ID:w5V.CwdY0
しかしまあ、拡声器がこんなに簡単に使われるロワがいまだかつて
あったであろうかw

流石中身が書き手だけあってみんなノリがいいぜw

485名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/27(日) 10:52:25 ID:qAu/iYAU0
ロワ参加者の名簿を更新してみた。

7/11【カオスロワ】●リアルタイムカービィの人/●二代目リアルタイム/○稲田瑞穂の人/○ルートFの人
○◆6/WWxs9O1s/○◆qSSOg86y8s/○◆hXvyVozAPo/○◆o0JMpFh/TM/○◆E3y/x3899E/●◆86jbQTms.U/●◆CuG3z3uZ1o
9/10【アニロワ】○鉄槌/○最速の人/○軍曹/●◆QcxMJGacAM/○◆A.IptJ40P./○◆lbhhgwAtQE/○◆LXe12sNRSs
○◆S8pgx99zVs(地図氏)○小鯛長/○愚弟
4/4 【LSロワ】○ボマー/○◆M42qaoJlNA/○◆o.lVkW7N.A/○◆M42qaoJlNA
3/4 【ジャンロワ】●勉強男/○アルジャ書き手/○ヤムチャVSタカヤ/○K
4/4 【ライダーロワ】○◆TJ9qoWuqvA/○◆A.IptJ40P./○◆E1yyNEjdEc/○◆ozOtJW9BFA
1/3 【任天堂ロワ】○◆BRxsUzTn5A/●◆ilZClmYqFI/●◆1U9aQ7O4wM
3/3 【ラノベロワ】○A/○◆eUaeu3dols/○◆I0wh6UNvl6
3/3 【ハカロワ】○瀬戸こうへい/○ダンディ坂野/○祐一&浩平
3/3 【FFDQロワ3rd】○ネスカ/○アリ2作者/○エド
2/2 【学生キャラロワ】○瞬殺の人/○プチ執念の人
2/2 【スパロワ】○DGの人/○教授(イングラム死亡の人)
0/2 【アケロワ】●七色光線の人/●アランの人
2/2 【漫画ロワ】○◆L9juq0uMuo/○◆7jHdbxmvfI
0/2 【FFDQロワ2nd】●ルーファウスの人/●アイアンクローの人
2/2 【脇役ロワ】○感想の人/○大石の人
2/2 【バトROワ】○◆終盤六人殺し/○FLASHの人
0/2 【書き手ロワ】●◆mMmMMMMmmM/●◆.Qo.QQq.QQ
1/1 【カオスロワ2nd】○死亡者図鑑
1/1 【葉鍵ロワ2】●ズガンの人
1/1 【ハカロワ3】○まーりゃん書き手
1/1 【スクロワ】○◆X7WwwzkoUU
1/1 【ジャンプロワ2nd】○◆SzP3LHozsw
1/1 【ギャルゲロワ】○ツキノ
1/1 【ネギまロワ】○作者1
1/1 【文房具ロワ】○感電
1/1 【二次スパロワ】○◆T0SWefbzR
1/1 【ガンガンロワ】○キタキタの人
0/1 【戦国ロワ】●無名武将@お腹せっぷく
1/1 【三国志ロワ】○無名武将@お腹せっぷく
1/1 【大学ロワ】○プール学院作者
1/1 【テイルズロワ】○キールの夜事件の作者
1/1 【芸人ロワ】○◆8eDEaGnM6s
1/1 【弟ロワ】○弟ロワ>>1
0/1 【キャプロワ】●キャプテン
1/1 【もえロワ】○ホチキス
2/2 【パロロワ交流雑談所】○Classical名無しさん/○調子乗ってんなの人

65/74

カオスロワとアニロワの参加者の多さは異常www

486名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/27(日) 11:30:25 ID:S6z2xVs.0
666(◆CFbj666Xrw)@LSロワ
二次スパ仮まとめ@第二次スパロワ

パッとみだけど、とりあえずこの二人が抜けてるな。

487名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/27(日) 11:42:57 ID:YfCM.0ZQ0
その二人加えれば暫定76人?
おいおい、どんどん増えてきてるなw

488名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/27(日) 12:52:35 ID:Wkf1cvw.0
生存キャラの数は合ってるけど死亡者含めた数を豪快に数え間違えてるぞw
その二人を合わせて65/83となるはず。

489名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/27(日) 13:52:08 ID:YfCM.0ZQ0
豪快すぎて気付きもしなかったwwwwwww

490名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/27(日) 15:50:38 ID:.HCv3O720
LSの◆M42qaoJlNAが二人いることには誰も突っ込まないんだな

491名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/27(日) 16:06:16 ID:NlJjCST60
アイアンクローの人はFFDQロワ2nd→FFロワ2ndで
幕末ロワ>>1が抜けてるな

492名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/27(日) 17:31:35 ID:qAu/iYAU0
みんな、すまん。訂正してみた。
これで全部網羅して、直っているはず…。

7/11【カオスロワ】●リアルタイムカービィの人/●二代目リアルタイム/○稲田瑞穂の人/○ルートFの人
○◆6/WWxs9O1s/○◆qSSOg86y8s/○◆hXvyVozAPo/○◆o0JMpFh/TM/○◆E3y/x3899E/●◆86jbQTms.U/●◆CuG3z3uZ1o
9/10【アニロワ】○鉄槌/○最速の人/○軍曹/●◆QcxMJGacAM/○◆A.IptJ40P./○◆lbhhgwAtQE/○◆LXe12sNRSs
○◆S8pgx99zVs(地図氏)○小鯛長/○愚弟
3/3 【LSロワ】○ボマー/○◆M42qaoJlNA/○◆o.lVkW7N.A/○666(◆CFbj666Xrw)
3/4 【ジャンロワ】●勉強男/○アルジャ書き手/○ヤムチャVSタカヤ/○K
4/4 【ライダーロワ】○◆TJ9qoWuqvA/○◆A.IptJ40P./○◆E1yyNEjdEc/○◆ozOtJW9BFA
1/3 【任天堂ロワ】○◆BRxsUzTn5A/●◆ilZClmYqFI/●◆1U9aQ7O4wM
3/3 【ラノベロワ】○A/○◆eUaeu3dols/○◆I0wh6UNvl6
3/3 【ハカロワ】○瀬戸こうへい/○ダンディ坂野/○祐一&浩平
3/3 【FFDQロワ3rd】○ネスカ/○アリ2作者/○エド
2/2 【学生キャラロワ】○瞬殺の人/○プチ執念の人
2/2 【スパロワ】○DGの人/○教授(イングラム死亡の人)
2/2 【二次スパロワ】○二次スパ仮まとめ/○◆T0SWefbzR
0/2 【アケロワ】●七色光線の人/●アランの人
2/2 【漫画ロワ】○◆L9juq0uMuo/○◆7jHdbxmvfI
2/2 【脇役ロワ】○感想の人/○大石の人
2/2 【バトROワ】○◆終盤六人殺し/○FLASHの人
0/2 【書き手ロワ】●◆mMmMMMMmmM/●◆.Qo.QQq.QQ
0/1 【FFDQロワ2nd】●ルーファウスの人
0/1 【FFロワ2nd】●アイアンクローの人
1/1 【カオスロワ2nd】○死亡者図鑑
1/1 【葉鍵ロワ2】●ズガンの人
1/1 【ハカロワ3】○まーりゃん書き手
1/1 【スクロワ】○◆X7WwwzkoUU
1/1 【ジャンプロワ2nd】○◆SzP3LHozsw
1/1 【ギャルゲロワ】○ツキノ
1/1 【ネギまロワ】○作者1
1/1 【文房具ロワ】○感電
1/1 【ガンガンロワ】○キタキタの人
1/1 【幕末ロワ】○幕末ロワ>>1
0/1 【戦国ロワ】●無名武将@お腹せっぷく
1/1 【三国志ロワ】○無名武将@お腹せっぷく
1/1 【大学ロワ】○プール学院作者
1/1 【テイルズロワ】○キールの夜事件の作者
1/1 【芸人ロワ】○◆8eDEaGnM6s
1/1 【弟ロワ】○弟ロワ>>1
0/1 【キャプロワ】●キャプテン
1/1 【もえロワ】○ホチキス
2/2 【パロロワ交流雑談所】○Classical名無しさん/○調子乗ってんなの人

65/83

493名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/27(日) 17:36:22 ID:NlJjCST60
志村ー、LSロワの総数ー!

494名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/27(日) 17:41:08 ID:1GJjOXkEO
死亡者図鑑をカオスロワ2ndに分けるなら、稲田瑞穂の人もカオスロワ2ndだな

495名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/27(日) 18:19:08 ID:qAu/iYAU0
ほんとうに申し訳ありません。orz
カオスはセカンドも統一して、LSも変更しました。

8/12【カオスロワ】●リアルタイムカービィの人/●二代目リアルタイム/○稲田瑞穂の人/○ルートFの人/○死亡者図鑑
○◆6/WWxs9O1s/○◆qSSOg86y8s/○◆hXvyVozAPo/○◆o0JMpFh/TM/○◆E3y/x3899E/●◆86jbQTms.U/●◆CuG3z3uZ1o
9/10【アニロワ】○鉄槌/○最速の人/○軍曹/●◆QcxMJGacAM/○◆A.IptJ40P./○◆lbhhgwAtQE/○◆LXe12sNRSs
○◆S8pgx99zVs(地図氏)○小鯛長/○愚弟
4/4 【LSロワ】○ボマー/○◆M42qaoJlNA/○◆o.lVkW7N.A/○666(◆CFbj666Xrw)
3/4 【ジャンロワ】●勉強男/○アルジャ書き手/○ヤムチャVSタカヤ/○K
4/4 【ライダーロワ】○◆TJ9qoWuqvA/○◆A.IptJ40P./○◆E1yyNEjdEc/○◆ozOtJW9BFA
1/3 【任天堂ロワ】○◆BRxsUzTn5A/●◆ilZClmYqFI/●◆1U9aQ7O4wM
3/3 【ラノベロワ】○A/○◆eUaeu3dols/○◆I0wh6UNvl6
3/3 【ハカロワ】○瀬戸こうへい/○ダンディ坂野/○祐一&浩平
3/3 【FFDQロワ3rd】○ネスカ/○アリ2作者/○エド
2/2 【学生キャラロワ】○瞬殺の人/○プチ執念の人
2/2 【スパロワ】○DGの人/○教授(イングラム死亡の人)
2/2 【二次スパロワ】○二次スパ仮まとめ/○◆T0SWefbzR
0/2 【アケロワ】●七色光線の人/●アランの人
2/2 【漫画ロワ】○◆L9juq0uMuo/○◆7jHdbxmvfI
2/2 【脇役ロワ】○感想の人/○大石の人
2/2 【バトROワ】○◆終盤六人殺し/○FLASHの人
0/2 【書き手ロワ】●◆mMmMMMMmmM/●◆.Qo.QQq.QQ
0/1 【FFDQロワ2nd】●ルーファウスの人
0/1 【FFロワ2nd】●アイアンクローの人
1/1 【葉鍵ロワ2】●ズガンの人
1/1 【ハカロワ3】○まーりゃん書き手
1/1 【スクロワ】○◆X7WwwzkoUU
1/1 【ジャンプロワ2nd】○◆SzP3LHozsw
1/1 【ギャルゲロワ】○ツキノ
1/1 【ネギまロワ】○作者1
1/1 【文房具ロワ】○感電
1/1 【ガンガンロワ】○キタキタの人
1/1 【幕末ロワ】○幕末ロワ>>1
0/1 【戦国ロワ】●無名武将@お腹せっぷく
1/1 【三国志ロワ】○無名武将@お腹せっぷく
1/1 【大学ロワ】○プール学院作者
1/1 【テイルズロワ】○キールの夜事件の作者
1/1 【芸人ロワ】○◆8eDEaGnM6s
1/1 【弟ロワ】○弟ロワ>>1
0/1 【キャプロワ】●キャプテン
1/1 【もえロワ】○ホチキス
2/2 【パロロワ交流雑談所】○Classical名無しさん/○調子乗ってんなの人

65/83

496名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/27(日) 19:23:01 ID:Wkf1cvw.0
ttp://takukyon.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/clip/img/126.gif

そうれ、地図の更新ですよ。
アランの苦悩の人だけおそらく第一回放送以降につき注意する事。
名前は既に有るけど出現は相当後になってからだなw

497名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/27(日) 19:33:36 ID:.HCv3O720
A-1の死者数半端ないなwwww

498名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/27(日) 19:34:54 ID:H98SYoJM0
その昔、ゲームサロン板に「RPGキャラでバトルロワイアル」というスレッドがあった。
癌板ゲサロで、叩かれながらもがんばってきた。
そう、あの事件が起こるまでは――――。



「懐かしい、な。あのころはラジオもやっていたりアケロワに遊びに行ったり……」
然し、それも過去のことである。
いまやゲサロのRPGロワを覚えている人間が居るかどうかである。
既に自分は忘れ去られた存在、時と共に流れていくべきだったのだ。
「そんな私を呼んだというのは……ある意味での見せしめなのかもしれないな」
そう呟いて、自分が可笑しくなって笑う。声の無い、乾いた笑いが頭の中で響き渡る。
もうパロロワとは関係ないのだ、自分は――外野に居るべき存在。

だが、呼ばれてしまった事実は曲げようがない。
知り合いも殆ど居ない、初対面の人間が自分に手を貸してもらえるのかどうかすら怪しい。
小説の中のように、コロっと人を信用してくれるとも思えない……。

ここで考えた、自分はここにいる殆どの書き手の名前を知らない。
逆にいえば相手も誰も自分を知らないということだ。

「……そうだな、それが良いな」




「殺し合い……かぁ」
HIPHOPロワを完結させた男、五代目はマイクを握り締めながら呟く。
彼の夢はラッパーである、どういう理由であれ人を殺して回るマーダーではない。
殺し合いの小説の書き手ではあるが、殺し合いをしたいとは思わない。
しかし、悲しいことに殺しあっている人もいるのだろう。
じゃあ、自分はどうすればいい? 黙って殺されるか? やっぱり人を殺して回るか?

もう一度、マイクを握りしめる。
「俺は、この歌で殺し合いを止める!」
キラリと彼の体から光がこぼれる、その光は――。

499名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/27(日) 19:35:11 ID:H98SYoJM0




視界の先に、一人の男が見える。
思っていた通り、自分の知らない人間のようだ。
アイスソードを持ち、少しずつ距離を縮める。

一瞬で縮められる距離になったら、突きの構えで駆け心臓を貫く。
そう、それだけ。

「おーい! ちょっと待ってくれー!」
機械で増幅された声が聞こえる、視界に移るギリギリの距離で見つかってしまったようだ。
その声にひとまず従い、歩みを止めることにする。

「こっちは殺し合いなんて乗ってないんだ。つーわけで何とかこの場所から逃げ出したいんだが力を貸してくれないかー?」
視界の先に見えるアフロの男がこちらを指差して言っている。
脱出……か、そういう手段もある。首輪を解除し、この空間から逃げ出す。
皆が夢見る理想の手段、「人をできるだけ殺さず皆で帰る」。
ああ、確かに理想だ。だが……。

「……悪いな、分の悪い賭けは好きじゃない」
脱出、もし首輪の解除手段が見つからなければ一気に望みを断たれる。
そして殺戮者とも確実に戦わなければならない、そこで命を落としてしまっては終わりだ。
仮に殺戮者にも襲われず、首輪を無事に解除できてもこの空間から逃げ出す術がなくては終わりだ。

二次創作だとかパロロワなら適当に理由をつければ首輪解除、脱出、そして生還も出来るだろう。
しかし、実際にそれを自分で考えて実行しろとは難しい話である。

人から恨まれ、血を流し、傷つき、生き残る。
構わない、生きて帰れるなら。荊の道を歩くことになっても、何が起ころうと。

自嘲の意味をこめた笑みを浮かべ、剣を構え一気に駆け出した。

「俺の、俺の話を聞け……よっ!」
その声を聞いた瞬間、SRSの体がぐらつく。
声を使う特殊能力か? どうやら相手も異能持ちらしい。

五代目には、隠された能力がある。
「黄金の精神」、自分自身に相当な自信を持つことによって周りの環境、相手の行動や思考、自分の能力を変貌させる能力だ。
自信を無くせば元に戻るし、自信が弱いとたいした力も出ない。
そしてその力を持っていることに五代目は気がついておらず、本人からあふれ出る黄金の粒子も本人には見えていない。
つまり、要約すると「自信さえ持っていればなんでもできる」能力なのだ。

500名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/27(日) 19:35:35 ID:H98SYoJM0
今は、殺し合いを止めるという自信が彼に纏うバリアとなっている。
「……人をぶっ殺して元の世界に戻ったってなんも面白くねえだろ!
 人殺しっていう汚名を背負ったまま! ずっと生きていかなきゃいけないんだぞ?!」
笑った、口元を歪ませもう一度俺は笑った。
「ああ、上等だ。どんな汚名でも知られなければいい話。……挽回してやるよ」
アイスソードから武器をチェーンソーに変え、バリアへ向かう。
そのバリアへ一直線にチェーンソーを振り下ろし、中へともぐりこむ。

「このチェーンソーは、自身より強いものを断つ伝説の斧でね。
 とある人間の戦士が神を切り裂くのに使ったんだ」
今度こそ一気に距離を詰め、相手の身体を二つに引き裂く――!!

「挽回するのは名誉だ! 汚名じゃないぜ! ベイーベー!」
横から声がし、チェーンソーが跳ね返される音がする。
その目線の先には……。
「十得ナイフは缶詰が開けられるんだぜ?! さて、汚名は返上するものだが……って、アンタは?!」
嘘だろ、と突然現れた人物が呟く。そしてSRSも舌打をする。
状況が飲み込めない五代目だけがテンパって居る。
「六代目さん。私はこのゲームに乗ります。
 あそこに最強の死亡フラグを置いていきますからそれに打ち勝って私と再び会ったとき。
 ……そのときなら、私は人殺しを止めてもいいです。あの剣を持って生き残れるならねっ!」

そして周囲に眩い光が降り注ぐ。その光から逃げるように目を覆う。
一つの足音がどんどん遠ざかっていく事が分かったが、どうしようもない。

「あーあ、逃げられちゃったか……」
「あ、あの。 どうもすいません、助けてもらっちゃって」
突然現れた特攻服を着た不良少年のような男にお辞儀をする五代目。
アフロがゆさっと揺れるのをみて、少年は笑った。
「あ、いいっすよ。只単に人が殺されるのは見たくないし。
 ……それにしてもあの人が乗るなんて、考えたくなかったなあ」
見た目からして少し引きそうだったが、根はとても良い人らしい。
「あ、俺HIPHOPロワで書き手やってた五代目って言います」
目の前の少年も笑顔でそれに受け応える。
「へぇー、HIPHOPロワなんてあったんだー。
 僕はアケロワの六代目……FLASH作ってる人なんだ。よろしくっ。
 とりあえず、SRSさんを追いかけようとおもうんだけど……ついてくる?」
その少年の笑顔に、僕は応えることにした。
見てろよ主催の野郎、俺はこの殺し合い。絶対に止めて見せるぜ。

俺の歌とソウルでな。

501名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/27(日) 19:37:12 ID:H98SYoJM0
【ゲーム開始から数十分後/F-4中心部/一日目】
【SRS@ゲサロRPGロワ】
[状態]:感情封印
[装備]:チェーンソー@ゲサロワ
[道具]:支給品一式(地図なし)
[思考]
基本:忘れ去られたことを利用し、全てをバラバラにして生き残る。
1:逃げる。
2:六代目を見て少し揺らぎが生じている?
3:殺戮
[備考]
※外見は「かみ」
※スタングレネードを使用しました。
※アイスソードを渡しました。
※RPG以降(継続表で言うアリスロワから下)のロワに関する知識がありません
※RPGに登場しそうな武器を全て上手に扱う事が可能です。
※その他の能力は不明

【ゲーム開始から数十分後/F-4南部 ライブハウス前/一日目】
【六代目(FLASHの人)@アケロワ】
[状態]:目がチカチカする、
[装備]:アイスソード@ゲサロワ
[道具]:支給品一式(地図なし)、各書き手の思い出の作品集@パロロワ、ドラムセット@アニロワ
[思考]
基本:この場から脱出をする。
1:SRSを止める為追いかける。
[備考]
※不良少年っぽいけど良い人、特攻服で赤い目で金髪。
※他ロワの知識はあまりありません。
※描かれた絵を動かす「FLASH化」の能力が使用できます。
※その他の能力は不明

【五代目@HIPHOPロワ】
[状態]:目がチカチカする
[装備]:マイク(私物)、コンパクトスピーカー(私物)、コロコロ進む台車(私物)、手動充電式発電機(私物)、十得ナイフ@アケロワ
[道具]:支給品一式(地図なし)、カレー@アケロワ、パンドラの箱、古今東西・書き手@パロロワ
[思考]
基本:脱出してラッパーになりたい。
1:とりあえずSRSを追いかける
[備考]
※すごいアフロにラフな格好
※黄金の精神(自分の信念を貫き通し、周りの環境、相手の行動や思考、自分の能力等を変貌させる力)が使えます。
 自分に相当な自信を持たないと使えません。また、その能力が使えるという自覚もありません。
 発動中は本人以外に見える黄金の粒子が本人から溢れ出します。
 この粒子には何か特別な力があるかもしれません。
※古今東西・書き手には全ての書き手が乗っています。
 あくまで「書き手」としての紹介なので能力だとかは乗っていません。
 代表作とかが乗っている程度です。

502名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/27(日) 19:37:28 ID:H98SYoJM0
黄金の精神が書きたかった。
反省はしていない。

503名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/27(日) 19:39:35 ID:1GJjOXkEO
せっかくだからまとめサイトが欲しいな

504名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/27(日) 19:48:41 ID:MAidDBts0
ちょ、ルートFの人がかみなりさん化しているwwwwww

505名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/27(日) 20:22:55 ID:TmxypdnMO
所で葉鍵ロワの総数がおかしな事になってるんだが

506名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/27(日) 20:23:11 ID:NlJjCST60
外見はかみで吹いたwww
それにしても5代目の私物多いな

507名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/27(日) 21:05:21 ID:lhFchRcw0
鉄槌さんのレイハは真面目なアニロワ仕様
ルートFの人のはハジケたカオスロワ仕様か?

508DENPA3:2007/05/28(月) 02:08:15 ID:cE1J.oBk0
「おおう!」
 キールはちょうどデパートの屋上に着地した。
 突然吹っ飛ばされたので、最初こそかなり焦ったが、近くに高いデパートがあったので心配する必要などなかったのだ。
 もちろん――殺意の高揚はまだ止まっていない。

「おっ、また早速獲物一名様発見〜★」
 そこには白いぬいぐるみの様な動物――キールが知るよしもなかったが、稲田瑞穂の人がいた。
 白い動物の回りには衣服が散乱してはいたのだけれど、もう白い動物は何も来ていなかった。全裸である。全裸!
(それでも見た目が見た目なので違和感はなかった)
 白い動物は何かで必死に丸い何か(魔法陣とか言うやつだろう。何かの遊びに使うなら本格的だ)を描いていた。隙だらけだ。

 キールは音を一切遮断しながら、動物に近づいた。それから、銃をその頭の約一センチ手前に構えた。
「じゃあな……ッ」
 キールが撃鉄を引こうとした次の瞬間、動物が空いていた左手で振り向かずに剣でキールを一閃していた。
 ひゅん、と剣が空中を切ると同時にキールの腹から血も出ずにソーセージらしきものがのぞけるではないか!
 それは――確かにキールは音を起てずに稲田瑞穂の人に近づいていたのだけれど、稲田瑞穂の人はアフラ・マズダからすでに存在を聞いていたからに他ならない。
「ぎ、ぎぐぁっ!」
 出血は無いとは言え――すっかり切り裂かれてしまった腹から激痛が走り、萎えてしまった腹筋は崩れ、キールの身体はそのまま倒れる――
 ――筈だった。

 そのまま稲田瑞穂の人はまたもや振り向かずに剣を投げた。
 それから呆気なく、回転しながら飛んだ剣がキールのデコから上を吹き飛ばし、もうゼリーだか肉片だか分からないものをぐちゃぐちゃと撒き散らした。
 その本体は死んだ振りをしていた訳でもなく、もうピクりとも動いていない。
 それから、稲田瑞穂の人は空中からUターンしてきた剣をこれまた振り向かずキャッチした。

509DENPA3:2007/05/28(月) 02:09:58 ID:.LwQ1fzs0
 そんなわけで狂気に捕われつつも優勝したかった、どちらかと言うと愚かな男、キールはあっさりと死んだ。
 稲田瑞穂の人の行動を見ていれば、すぐにヤバい(どんな意味でも)と感じられた筈だったのだが、彼にはその観察力が無かったのだ。
 なお――彼にはもはや関係のないことだが、この後も稲田瑞穂の人は何事も無かったかのように、下着も着ないで何やらぶつぶつ言いながらその作業に戻っていたのは、言うまでもない。

【ゲーム開始数時間後/C−4 イトーヨーカドー】
【稲田瑞穂の人@テラカオスロワ】
[状態]:電波 不必要なヌード 拡声器に気付いた 魔法陣作成中
[装備]:つるぎ@シャドウゲイト 『道明寺家宝刀ズガン銃』(DHZG)@テラカオスロワ
[道具]:支給品一式 服 下着
[思考]
基本・やっぱりアフラ・マズダに従う
[備考]
※男。見た目がまんま亜人(FFのン・モゥ族)です
※稲田瑞穂並みの電波受信率です
※接近戦においてかなりの戦闘力を発揮出来ます
※ナイフを光の剣に変える能力を持っています
※光の魔法陣を描いて邪悪な者に対して姿を消す事が出来ます
※何もない場所から小爆発、又は重力波を起こせます(使うと激しく疲労)
※対象一人に対し時間を止める事が出来ます(ただし自分まで止まる)
※アフラ・マズダ様に従えば自分に出来ないことは無いと思い込んでいます
※射撃は苦手です
※ついでにチェスが大得意です
※はい、はい、はい

【キールの夜事件の作者@テイルズロワ】
[状態]:死亡確認
[道具]:支給品一式(地図無し) 銃

510名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/28(月) 02:36:56 ID:KaADDUOU0
稲田瑞穂の人調子乗ってるな(褒め言葉)

いいぞ、もっとやれ。

511支給品を出すためだけにやった:2007/05/29(火) 02:58:52 ID:zatZ/9FE0
一人の男が何をするでもなく立っていた。
その顔は苦渋に満ちている。
「やれやれ……こんな事を本当に実行する奴がいるとはな」
男の脳裏に浮かぶは2007年5月23日に書かれた一つの妄想話。
それは書き手達が殺し合いをすればどうなるか…といったものだ。
まぁ、よくある妄想である。
できれば企画妄想所でしてほしい内容ではあったが、埋めネタだったのでいいだろう。
「そういう事は妄想だけで終わらせて欲しかったんだがな……」
男は拳を握り締めると、ワナワナと震える。
爪が手のひらに食い込むがそんな事は蚊ほどにも気にしない。
今大事なのは、こうなってしまった理由と、こうなってしまった現実である。
彼は駄スレが立つのを防ぐために企画妄想所を立てたというのに、現実は抑制にすらなっていない。
交流所の方で妄想レスが延々と続かないだけマシか。
「さて……どうするか、このままじゃ貴重な書き手達がどんどん減っていってしまう」
無論殺しあうつもりなど無いので脱出を目指す。
その過程で出来るだけ多くの参加者が救えると良い。
ホチキスやキャプテンなんかは……ゲームにのってなければ助けてやろう。
あくまで消極的に……だが。
道は難しいかもしれないが、主催者も全滅や優勝エンドを望んでるわけではないので、脱出フラグくらいあるだろう。
「とはいえ、何をするにしても支給品を見なくてはな」
バックのファスナーを開け、中を覗き込む。
「これか?」
中に手を突っ込み、支給品らしきものを取り出す。
…と、バックから出てきたものは、どこかで見たことのあるような2つの白いポケットだった。
そう、ドラえもんという作品に出てくる四次元ポケットとスペアポケットだ。
「これは……まさか中身は秘密道具か!?」
当たり武器を引いた喜びと共に、ポケットに手を突っ込んでみる。
「……ん?」
しかし、中をいくら弄ろうとも一向に何も出てこない。
タケコプターもどこでもドアも空気砲もドラ焼きも無い、何も無い。
「はぁ……ま、そうだろうな、そんな便利なものを支給するはずがないか」
そう落胆して他の支給品を探すためにバックを覗くと、今度は一つの紙が出てくる。
その紙にはぎっしりと文字が書いてあった。



支給品:四次元ポケット&スペアポケット

最初は役に立たないかもしれないけど、アイテムが増えてくるととても役に立つよ。
片方を他の参加者に渡すと、手に入れたアイテムを共用で使う事ができるんだ。
ただし中身が増減しても分からないから、必要な時に入っていなかったなんて事がないように気をつけようね。
使い勝手が悪いかもしれないけど頑張って活用してね。

あと、ポケットの中に参加者は入れないから注意してね。



「……使えるのか使えないのか分からない微妙な支給品だな」
その紙を早速四次元ポケットの中に入れ、ポケットの使い方を考える。
食料や水などの配給品は入れないほうがいいだろう。
荷物が軽くなると言う利点はあるが、知らないうちに無くなっていたら目も当てられない。
そういう点では武器なども同様と言えるが。
しかしスペアの方も自分が持っている間は、荷物入れとして使ってもいいかもしれない。
「まぁ……分配する必要があった時にでも考えるか」


【ゲーム開始から数十分後/B-1/一日目】
【Classical名無しさん@パロロワ企画妄想所】
[状態]:健康
[装備]:四次元ポケット、スペアポケット
[道具]:支給品一式(地図なし)
[思考]
基本:できるだけ多くの参加者と脱出をする。
[備考]
※各ロワの知識は全て把握しています。
※妄想癖は主催により封印されています。

512シフト「1」:2007/05/29(火) 22:13:26 ID:QErpWVO.0
「…………!」
草原に一人、少女が歩いていた。
セミロングな髪をし、顔つきはまだ幼い。
「………」
少女はただ黙し、心の中で、今の状況を把握しようとしていた。

(何でウチが巻き込まれたんやろか…!ラオウをまちごうて殺したのが未だに残ってるんやろうか!?それともうちの書いたSSがおかしいからなんか!?)
心で考えているのに自然と!が付く。それがジャンプロワ書き手、◆gnM9.np5nM、通称「!」である。
(こんなおかしなゲームにのって殺しあいするなんていやや!!!!はよ抜け出さんと!!!)

!はそう心の中で強く思いながらおもむろにデイバッグを取り出す。
デイバッグにノートパソコンがあるかもしれないからだ。
彼女はパソコンの知識があり、さらにコンピューターをハッキング能力を持っているからだ。
彼女はこのゲームを一刻でも早く、終わらすため薄い望みをかけ、中を探るが……

「…………!!!」

出てきたのは壮絶に思い漆黒の銃、小さな剣、そして自分のロワに登場したアイテム、打神鞭というどう見ても殺しあいをしろと言っているような支給品の面子であった。

(やっぱ簡単にパソコンは手に入らへんか…ま、そんな都合よく簡単に手には入らへんしな!!隣の市街地に行ってパソコンを探せば万事解決や!!!)

寡黙な少女は歩く、自らの試練を乗り越えるために。
この眠れし奴隷達を開放するために。


【ゲーム開始から数十分後/B-1/一日目】
【!(◆gnM9.np5nM)@ジャンロワ】
[状態]:健康
[装備]:コキリの剣@任天堂ロワ
[道具]:支給品一式、ジャッカル@アニロワ、打神鞭@ジャンロワ
[思考]
基本:ゲームには乗らない
1:パソコンを探すため、市街地へ向かう。
2:ゲームからの脱出
[備考]
※見かけは小学生くらいの少女です。
※喋り方は基本的には「…」と「!」で構成されるが、文章では多弁。
※スタンド・「ストリーム・ダイバー」
パソコンを介して、他のパソコンをハッキングできるスタンド。
能力値は低く戦闘向きではないが、電脳空間では最強クラス。
また、ムーディブルースのように電脳空間にスタンドが入っている場合は
本体は無防備。

513名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/29(火) 22:14:34 ID:QErpWVO.0
首輪解析係を増やしてみた。コンパクトだが後悔はしていない。

514名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/29(火) 22:32:27 ID:8WWXYh560
>>508-509
知らず知らずのうちに稲田瑞穂の周りにしたいが増えていくなw

>>512
なんて懐かしい奴だ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

515名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/30(水) 00:10:02 ID:EekPgYi.0
>>512
大阪弁少女って何か萌えるんだよな〜w
それにしても「!」って何なんだw
投下乙!

516名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/30(水) 00:30:03 ID:cRIkPFs60
>>516
WJロワの書き手。
この人は!(感嘆符)を多用する文章を書くため。
そう呼ばれているらしい。2chパロロワ事典やジャンプロワ作者のまとめをチェック

517名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/30(水) 00:30:30 ID:cRIkPFs60
安価ミス
>>516>>515

518名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/30(水) 00:47:16 ID:CLHP7zrw0
>>512
エクスたんか、懐かしいなw

519名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/30(水) 01:11:47 ID:S0opmhjM0
いい感じにぶっ飛んできてるなw

520名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/30(水) 07:53:40 ID:H7JysYKY0
しかしエクスたんを含めても解除技能持ちは僅か三人
そのうちまともなのは一人だけというw

521名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/30(水) 08:02:38 ID:AgHITLHk0
エクスたん以外に、解除技能持ちが誰かいた?

522名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/30(水) 08:33:11 ID:cRIkPFs60
>>521
◆T0SWefbzRと教授のことだと思われる。

523名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/30(水) 16:54:02 ID:xl1AZVrs0
とりあえずまとめですよー

【アケロワ】
・アランの苦悩の人『死亡』(>>440
・七色光線の人『死亡』(>>452
・六代目(FLASHの人)『能力者』(>>598-601

【アニロワ】
・◆A.IptJ40P.『能力者』(>>299-301
・◆lbhhgwAtQE『能力者』(>>365-368
・◆LXe12sNRSs(>>340-344
・◆S8pgx99zVs『能力者』(>>335-338
・◆QcxMJGacAM『死亡』(>>221-223
・生真面目小体長(>>265-266>>268
・愚弟(>>299-301
・軍曹『亜人』(>>221-223
・最速の人『能力者』(>>202-205
・鉄槌『能力者』(>>154-156>>206

【FFロワ2】
・アイアンクローの人『死亡』(>>452

【FFDQロワ2】
・ルーファウスの人『死亡』(>>452

【FFDQロワ3】
・アリ2作者『二重人格』(>>381>>383-384
・エド(>>340-344
・ネスカ『能力者』(>>183-186>>381>>383-384

【弟ロワ】
・弟ロワ>>1『能力者』(>>452

【カオスロワ】
・◆6/WWxs9O1s(>>172-174>>395-396
・◆86jbQTms.U『死亡』(>>452
・◆CUG3z3uZ1o『死亡』(>>315-318
・◆hXvyVozAPo『能力者』(>>244-245
・◆o0JMpFh/TM(>>254
・◆qSSOg86y8s(>>176
・いーさん(>>315-318>>477-483
・稲田瑞穂の人『亜人、能力者』(>>258-260>>414-416>>459-461>>508-509
・死亡者図鑑『能力者』(>>382-386
・二代目リアルタイム『死亡』(>>172-174
・リアルタイムカービィの人『能力者』(>>233-234
・ルートFの人(>>315-318>>477-483

【書き手ロワ】
・◆mMmMMMMmmM『死亡』(>>475
・◆.Qo.QQq.QQ『死亡』(>>475
>>1『能力者、主催』(>>141

【学生ロワ】
・瞬殺の人『能力者』(>>154-156>>193>>335-338
・プチ執念の人(>>269-270

【ガンガンロワ】
・キタキタの人(>>254

【企画妄想所】
・Classical名無しさん(>>511

【キャプロワ】
・キャプテン『死亡』(>>267>>395-396

【ギャルゲロワ】
・ツキノ『分裂』(>>183-186>>381>>383-384

【交流雑談所】
・Classical名無しさん(>>296-298>>312-313
・調子乗ってんなの人『能力者』(>>371

【芸人ロワ】
・◆8eDEaGnM6s(>>312-313>>473-474

【ゲサロRPGロワ】
・SRS(>>498-501

524名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/30(水) 16:54:28 ID:xl1AZVrs0
【三国志ロワ】
・無名武将@お腹せっぷく『残機制』(>>291-294

【ジャンプロワ】
・!『能力者』(>>512
・K(>>475
・アルジャ書き手『能力者』(>>382-386
・ヤムチャvsタカヤ『能力者』(>>446
・勉強男『死亡』(>>269-270

【ジャンプロワ2】
・◆SzP3LHozsw(>>335-338

【スクランロワ】
・◆X7WwwzkoUU(>>346-354

【スパロワ】
・DGの人『能力者』(>>221-223
・教授『解除技能』(>>346-354

【戦国ロワ】
・無名武将@お腹せっぷく『死亡』(>>395-396

【大学ロワ】
・プール学院作者(>>291-294

【テイルズロワ】
・キールの夜事件の作者『死亡』(>>291-294>>508-509

【二次スパロワ】
・◆T0SWefbzR『解除技能』(>>265-266
・二次スパ仮まとめ(>>305>>307-308

【ハカロワ1】
・瀬戸こうへい(>>202-205
・ダンディ坂野(>>254
・祐一&浩平『分裂』(>>381>>383-384

【ハカロワ2】
・ズガンの人『死亡』(>>452

【ハカロワ3】
・まーりゃん書き手『分裂』(>>227

【幕末ロワ】
・幕末ロワの>>1>>395-396

【バトROワ】
・35『支給品、能力者』(>>361-363
・終盤六人殺し(>>361-363

【HIPHOPロワ】
・五代目『能力者』(>>598-601

【文房具ロワ】
・感電『能力者』(>>244-245

【任天堂ロワ】
・◆BRxsUzTn5A(>>233-234
・◆ilZClmYqFI『死亡』(>>258-260>>414-416>>459-461
・丸投げの人『死亡』(>>459-461

【ネギまロワ】
・作者1『能力者』(>>330-331

【漫画ロワ】
・◆7jHdbxmvfI(>>400-401
・◆L9juq0uMuo『自動人形』(>>267>>395-396

【もえロワ】
・ホチキス『怪物、能力者』(>>193-196>>377-378

【ライダーロワ】
・◆E1yyNEjdEc(>>400-401
・◆ozOtJW9BFA『能力者』(>>455
・◆TJ9qoWuqvA『能力者』(>>265-266
・アイ(◆A.IptJ40P.)『能力者』(>>291-294

【ラノベロワ】
・A(◆l8jfhXC/BA)(>>193-196
・◆eUaeu3dols(>>477-483
・◆I0wh6UNvl6『能力者』(>>377-378

【LSロワ】
・◆M42qaoJlNA(>>200>>296-298>>312-313>>473-474
・◆o.lVkW7N.A(>>265-266>>268
・666(◆CFbj666Xrw)『能力者』(>>305>>307-308
・ボマー『能力者』(>>179

【脇役ロワ】
・大石の人(>>452
・感想の人『能力者、ジョーカー』(>>176>>404

以上、まとめでしたー

525名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/30(水) 16:55:55 ID:xl1AZVrs0
あー、ちょっと訂正

【ジャンプロワ】
・!『解除技能、能力者』(>>512
・K(>>475
・アルジャ書き手『能力者』(>>382-386
・ヤムチャvsタカヤ『能力者』(>>446
・勉強男『死亡』(>>269-270

直ぐ上で言ってたのに!に技術持ち言い忘れた

526名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/30(水) 17:13:34 ID:1O/PNc1.O
まとめ乙だけどリアルタイムカービィの人は死んでるんだぜ

527名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/30(水) 17:38:56 ID:xl1AZVrs0
うあああああ!

【カオスロワ】
・◆6/WWxs9O1s(>>172-174>>395-396
・◆86jbQTms.U『死亡』(>>452
・◆CUG3z3uZ1o『死亡』(>>315-318
・◆hXvyVozAPo『能力者』(>>244-245
・◆o0JMpFh/TM(>>254
・◆qSSOg86y8s(>>176
・いーさん(>>315-318>>477-483
・稲田瑞穂の人『亜人、能力者』(>>258-260>>414-416>>459-461>>508-509
・死亡者図鑑『能力者』(>>382-386
・二代目リアルタイム『死亡』(>>172-174
・リアルタイムカービィの人『死亡』(>>233-234
・ルートFの人(>>315-318>>477-483

間違えてばっかりだなorz
しかしこうしてみると、稲田の人と拡声器ロリだけリレーされまくりw

528名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/30(水) 17:44:31 ID:xl1AZVrs0
【カオスロワ】
・リアルタイムカービィの人『死亡』(>>233-234>>420-422

【LSロワ】
・ボマー『能力者』(>>179>>420-422

【任天堂ロワ】
・◆BRxsUzTn5A(>>233-234>>420-422

その…ゴメン、また間違えてた、これで消えるね

529名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/30(水) 21:46:14 ID:lEf4vxnYO
やっぱ書き手ばっかだからだろうが拡声器回りは全然賑やかにならないなw
マーダー(いーさんだが)は向かったしこれからに期待

530名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/31(木) 23:22:14 ID:/QxAvE9I0
>>432-433の現代地まとめを更新してみた。
文章だらけでごめん。そして間違ってたらごめん。
A-1 【大石の人@脇役ロワ:大石蔵人その者?】主催者や殺人者を逮捕する。弟ロワ>>1を逮捕中。
A-1 【弟ロワ>>1@弟ロワ:男?】行動方針は不明。相手をたかまさにする能力を持っている。
A-2 【鉄槌@アニロワ:ヴィータとカズマの融合体、体はヴィータ】レイハと一緒、首輪を解除できる人募集。
A-3 【ルートFの人@カオスロワ:壮年の男】カオスロワ経験有り。腹部に刺傷、全身疲労。ハードボイルドリリカルF子化


A-3 【◆E3y/x3899E氏@カオスロワ:いーさん。小学4年生ぐらいの少女】みんな殺して家に帰りたい。
A-3 【◆eUaeu3dols氏@ラノベロワ:外見はシャナ、中身はダナティア】主催者打倒。能力は不明
A-4 【◆hXvyVozAPo氏@カオスロワ:unlimited walnut works使いの青年】脱出派、肩と手の重傷を治療したい。感電氏から

逃走。
A-4 【感電氏@文房具ロワ:unlimited thumbtack worksを使う金髪の美少年、ロッカー風】無差別マーダー。
A-6 【プチ執念の人@学生ロワ:温厚そうで紳士的、要するに危険性の無さそうな男】使える仲間を探す。不要なのはサクサ

ク殺害。

B-1 【!@ジャンプロワ:セミロングの少女。】脱出派。解除能力あり。
B-1 【ホチキス@もえロワ:車椅子に乗る病弱そうな青年に見せかけた怪物】DO根性ガエル状態。ラノベキラー。
B-1 【◆I0wh6UNvl6@ラノベ・ロワイアル:まんまオドー大佐】自由と正義の名の下に!
B-1 【classical名無しさん@パロロワ企画妄想所】脱出派。各ロワの知識は全て把握。
B-2 【A(◆l8jfhXC/BA)@ラノベ・ロワイアル:外見パイフウ、口調はミズー。完璧超人】ほぼ全裸、方針未定。
B-2 【瀬戸こうへい@初代ハカロワ:ごくごく普通の青年】混乱中。最速の人に背負われ移動中。脱出派。
B-2 【最速の人(◆WwHdPG9VGI氏)@アニロワ:頭脳とアルター能力はクーガー、体はシグナム】瀬戸を背負って暴走中、脱

出派。
B-3 【エド@FFDQロワ3rd:美声の男】脱出派。仲間を集める。
B-3 【◆LXe12sNRSs@アニロワ:美形の男】強者に取り入り、戦いを起こし淘汰させ、対主催の強者を選りすぐる。
B-4 【◆ozOtJW9BFA@ライダーロワ:倉田てつをに酷似。歌声も酷似。】RXに変身できる。これはゴルゴムの仕業だ!
B-5 【ヤムチャVSタカヤ:ポニーテールでスカートの巨乳美女】能力者。ヤムチャの汚名を晴らす。
B-6 【K@ジャンプロワ:多分斎藤一っぽい】フラグを折る

531名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/31(木) 23:22:53 ID:/QxAvE9I0
D-1 【DGの人@スパロワ:DG細胞に感染している青年】贖罪をする、荒らしキラー。軍曹に同行。
D-1 【軍曹@アニロワ:軍服を着た赤いギコ猫、ついでに二頭身】DGの人の監視、脱出派、悪を断罪する。
D-2 【作者1@ネギまロワ:ゴミ漁りのようなボロボロの男】マーダー。盗作能力を持つ。
D-3 【666(◆CFbj666Xrw)@LSロワ:クールな印象のロリ】LSのエロスで戦いを止める。
D-3 【二次スパ仮まとめ@第二次スパロワ:真面目で誠実な青年】脱出派。とりあえず666に同行。
D-3 【◆o.lVkW7N.A氏@LSロワ:銀白色の髪と可愛らしい顔のロリっ子】無差別マーダー。キャプテン@アニを調教中。
D-3 【小鯛長@アニロワ:小太りの少年、後天的オッドアイ】無差別マーダー。◆o.氏に対する絶対的恐怖。
D-4 【◆T0SWefbzR氏@二次スパ:機械工学の専門家のおっさん】首輪を外すために動いてみる。◆TJ氏に同行。
D-4 【◆TJ9qoWuqvA氏@ライダーロワ:葉隠覚悟に酷似した少年】上半身裸。首輪を外したい。弱者を守る。◆T0氏に同行。
D-6 【◆6/WWxs9O1s氏@カオスロワ:投擲武器使いの少女】生き残りたい。
D-6 【◆L9juq0uMuo氏@漫画ロワ:ピエロの格好の自動人形(オートマータ)】脱出派。◆6/氏をマーダーと誤認。
D-6 【幕末ロワの>>1@幕末ロワ:着流しを着た浪人、剣の達人】マーダー。特に幕末史を馬鹿にする者は許さない。
D-6 【感想の人@脇役ロワ:空間を渡り浮揚する初老の紳士】ジョーカー、空気キャラキラー、傍観者。
D-6 【アルジャ書き手@ジャンプロワ:ツンツン髪のガラ悪い青年、渦潮使い】マーダー
D-6 【死亡者図鑑@カオスロワ2nd:ゴスロリ少女、怨霊使い】マーダーキラー?

E-1 【◆E1yyNEjdEc@ライダーロワ:故・山口暁氏似の男】脱出派。◆7j氏と首輪解除法を捜す。
E-1 【◆7jHdbxmvfI@漫画ロワ:漫画版桐山和雄】脱出派。◆E1氏と共に一人でも死者を減らす。
E-2 【ボマー@LSロワ:スタンド持ちの可憐な美少女】危険人物は爆破、指輪の契約者探し。履いてない疑惑。
E-3 【教授(イングラム死亡の人)@スパロワ:黒スーツでユーゼス仮面の男】脱出派。首輪解除を目指す。
E-3 【◆X7WwwzkoUU@スクロワ:男】教授と組むか考えていたが逃げ腰
E-3 【◆終盤六人殺し@バトROワ:男】生存希望。Flashの人@バトROワを捜す。35が憑いてる。
E-3 【35@バトROワ:六人殺しの背後霊】アンリミテッド下着ワークス
E-3 【調子乗ってんなの人@交流雑談所:気づかず超能力を持つ男】あらゆる書き手を保護する。
E-4 【キタキタの人@ガンガンロワ:まんまキタキタ親父、服装だけは現代人】キタキタ踊りで皆を救う。
E-4 【◆o0JMpFh/TM@カオスロワ:妖逆門のロンドン風の格好の少年】俺の歌を聴けぇぇぇぇぇぇぇ!
E-4 【ダンディ坂野@葉鍵ロワ:名前のまんま、黄色いスーツを着用】ダンディの芸が歌や踊りよりも優れていることを証明

する。

F-1 【無名武将@お腹せっぷく@三国志ロワ:七つの命を持つ超筋肉武将】求ム強敵トノ死合。残命数六。
F-1 【◆A.IptJ40P.@ライダーロワ:バシ○ーラ能力を持つ幼い勝ち気少女】生き残りたい。武将を盾にする。
F-1 【プール学院作者@大学ロワ:男】プールのなかにいる
F-3 【◆BRxsUzTn5A@任天堂ロワ:黒髪の内公的な少年、ただの一般人】RTカービィの死に壊れ始めた。
F-4 【SRS@ゲサロRPGロワ:男】:ロワを絶対に生き残る。RPGに登場しそうな武器を全て上手に扱うことができる。その他

にも能力がある?
F-4 【五代目@HIPHOPロワ:アフロにラフな格好な男】脱出派。相手の能力等の改変の能力持ちだが本人自覚無し
F-4 【6代目@アケロワ:特攻服で赤い目で金髪の男】脱出派。能力者。五代目と共にSRSを追跡中。
F-5 【アリ2作者@FFDQロワ3rd:自分の血を見ると豹変する男】左目失明、激怒、祐一&浩平をぶっ殺す。
F-5 【祐一&浩平@ハカロワ1:分裂の壷で分身した少年】
F-6 【ツキノ@ギャルゲロワ:ぱっと見少女に見える美麗の少年】アンリミテッドうっかりワールド展開中。
F-6 【ネスカ(描き手)@FFDQロワ3rd:黒スーツエルフ耳の長い黒髪の魔女】脱出派、まともな人に会いたい。

532名無し?ズガンしてやんよ:2007/05/31(木) 23:23:13 ID:/QxAvE9I0
死亡済
A-1 【◆86jbQTms.U@カオスロワ】加害者:ルーファウスの人@FFDQロワ2nd
A-1 【ルーファウスの人@FFDQロワ2nd】加害者:ズガンの人@葉鍵ロワ2
A-1 【ズガンの人@葉鍵ロワ2】加害者:七色光線の人@アケロワ
A-1 【七色光線の人@アケロワ】加害者:アイアンクローの人@FFロワ2nd
A-1 【アイアンクローの人@FFロワ2nd:少女】加害者:弟ロワ>>1
A-3 【◆CuG3z3uZ1o@カオスロワ:男】加害者:◆E3y/x3899E氏@カオスロワ
A-6 【勉強男@ジャンロワ:男】加害者:プチ執念の人@学生キャラロワ
B-6 【◆mMmMMMMmmM:男】加害者:K@ジャンプロワ
B-6 【◆.Qo.QQq.QQ:女】加害者:K@ジャンプロワ
C-4 【アランの苦悩の人@アケロワ:男】自滅(ただし夕方に死亡)
C-4 【◆ilZClmYqFI@任天堂ロワ】加害者:◆1U9aQ7O4wM氏(丸投げの人)@任天堂ロワ
C-4 【◆1U9aQ7O4wM(丸投げの人)@任天堂ロワ:女】加害者:◆ilZClmYqFI@任天堂ロワ
D-1 【◆QcxMJGacAM@アニロワ:男】加害者:◆o.lVkW7N.A氏@LSロワ
D-6 【キャプテン@キャプロワ:黒髪長髪の女性】加害者:感想の人@脇役ロワ
D-6 【無名武将@お腹せっぷく二人目@三国志ロワ:男】加害者:幕末ロワの>>1@幕末ロワ
E-6 【二代目リアルタイム@カオスロワ:男】加害者:◆6/WWxs9O1s氏@カオスロワ
F-3 【リアルタイムカービィの人@カオスロワ:赤いシルクハットに赤マントで銀髪の少年】加害者:ボマー@LSロワ
C-4 【キールの夜事件の作者@テイルズロワ:軽そうな青年】加害者:稲田瑞穂の人@テラカオスロワ

533名無し?ズガンしてやんよ:2007/06/01(金) 01:55:20 ID:luxxk25IO
Cラインの場所にいる参加者が抜けているんだよ

534名無し?ズガンしてやんよ:2007/06/01(金) 20:09:23 ID:RhKBMla.0
>>533
失礼。記入漏れしてた。

C-1 【瞬殺の人@学生キャラロワ:鎧を呼び出す召喚士の男】マーダー。即完結だっ。◆S8氏と組む。
C-1 【◆S8pgx99zVs氏@アニロワ:外見ながもん中身アーカード慎重派】マーダー。地図能力も有り。瞬殺と組む。
C-1 【◆SzP3LHozsw氏@ジャンプ2nd:海坊主】瞬殺の人を警戒。
C-2 【まーりゃん書き手@ハカロワ3:外見、内面共にまーりゃん先輩、ツキノと融合可能】ツキノ捜索中。
C-3 【◆M42qaoJlNA@LSロワ:頭脳はロリコンの大人、体は幼女】メイド服着用(名無しさんより)、拡声器使用中(効果範囲は周囲9マス)
C-3 【Classical名無しさん@パロロワ交流雑談所:特徴らしい特徴のない青年】傍観者。◆M4氏の拡声器フラグの成り行きを見る。
C-3 【◆8eDEaGnM6s@芸人ロワ:内向的メガネっ娘】◆M4氏を保護し、一緒にここから退散したい。
C-4 【稲田瑞穂の人@テラカオスロワ:アフラ・マズダを信仰するン・モゥ族の男】電波。無意味にセミヌード。◆M4氏の拡声器に反応。
C-4 【◆ilZClmYqFI氏@任天堂ロワ:男口調の超能力少女、見た目は深窓の令嬢】対主催。◆M4氏の拡声器に反応。
C-4 【◆qSSOg86y8s氏@カオスロワ:クルミ使いの美少女】対主催。仲間を探す。
C-6 【◆lbhhgwAtQE@アニロワ:エタニティ・エイト使いの青年】脱出派。仲間を集めてエクソダス。

535名無し?ズガンしてやんよ:2007/06/01(金) 23:03:40 ID:QN8xuc2o0
>>534
乙っす

536名無し?ズガンしてやんよ:2007/06/01(金) 23:34:29 ID:3YuJB/hw0
>>534
C-3の愚弟とA.I氏が抜けてますよー

537名無し?ズガンしてやんよ:2007/06/01(金) 23:49:45 ID:luxxk25IO
あとC−4の◆ilz氏は死んでたり稲田瑞穂の人は完全にヌードになってたり

538名無し?ズガンしてやんよ:2007/06/02(土) 00:40:09 ID:rqUm8n520
みんなごめんね。これでCラインのキャラは直ったはず

C-1 【瞬殺の人@学生キャラロワ:鎧を呼び出す召喚士の男】マーダー。即完結だっ。◆S8氏と組む。
C-1 【◆S8pgx99zVs氏@アニロワ:外見ながもん中身アーカード慎重派】マーダー。地図能力も有り。瞬殺と組む。
C-1 【◆SzP3LHozsw氏@ジャンプ2nd:海坊主】瞬殺の人を警戒。
C-2 【まーりゃん書き手@ハカロワ3:外見、内面共にまーりゃん先輩、ツキノと融合可能】ツキノ捜索中。
C-3 【愚弟@アニロワ:小学生の少女】死にたくないので敵と戦う。◆A.IptJ40P.氏と遭遇
C-3 【◆A.IptJ40P.@着流しに袴を着た青年】強者と死合う。能力者。
C-3 【◆M42qaoJlNA@LSロワ:頭脳はロリコンの大人、体は幼女】メイド服着用(名無しさんより)、拡声器使用中(効果範囲は周囲9マス)
C-3 【Classical名無しさん@パロロワ交流雑談所:特徴らしい特徴のない青年】傍観者。◆M4氏の拡声器フラグの成り行きを見る。
C-3 【◆8eDEaGnM6s@芸人ロワ:内向的メガネっ娘】◆M4氏を保護し、一緒にここから退散したい。
C-4 【稲田瑞穂の人@テラカオスロワ:アフラ・マズダを信仰するン・モゥ族の男】電波。完全にヌード。◆M4氏の拡声器に反応。
C-4 【◆qSSOg86y8s氏@カオスロワ:クルミ使いの美少女】対主催。仲間を探す。
C-6 【◆lbhhgwAtQE@アニロワ:エタニティ・エイト使いの青年】脱出派。仲間を集めてエクソダス。

539名無し?ズガンしてやんよ:2007/06/02(土) 03:25:19 ID:su.2G82w0

……いやあ見事にとんでもねーことになっちまってやがらぁ。

 胸の内で女はぽつりと呟いた。完全に江戸っ子喋りの彼女は、芸人ロワの書き手。その名を
114 ◆4kk7S4ZGb. という。
 そう、お前はおっさんかと思うほど、東京の下町の香りがぷんぷんしてくる口調ながら、実
は114 ◆4kk7S4ZGb. は女性だった。あれだけ女受けの悪い江頭を、笑いのヒーローにま
でしたてておきながら。体育会系だったのか、いくぶん筋肉質で長身の彼女は、そこそこ見ら
れる顔と身体の持ち主だったが、いかんせん格好がまともではなかった。頭に真鍮の鍋、唐草
模様の風呂敷をマントにして、腰には蛍光イエローのウエストポーチ、そのベルト部分にささ
れたおたま。下半身はあの黒タイツに黒のスニーカーで、上半身はまるでそれが良心だとでも
言うように、スポーツタイプのブラジャーのみがその乳房を覆い隠している。
 完全に自分の創りだしたヒーロー、エガちゃんマンの格好でこの場所に落とされた彼女は、
人目につきやすい場所を嫌い、森の木に登って身を隠していた。普段から日用品を使って人を
殺す方法を考えるのが趣味という危ない人間である彼女は、先ほど少しはなれた場所から聞こ
えた爆発音にわずかながら怯えたものの、怖がったところで何にもならないという結論にすぐ
さまたどり着いている。一般人ロワからの参加者ながら、結構な胆の座りようだ。
 地上から数メートルの、太い枝の上で彼女は自分の支給品を見つめている。右手に握られた
それは、彼女が光浦靖子に持たせたあの延長コードであり、横に飛び出た枝に引っ掛けられた
デイパックからは、江頭を禿げるほど悩ませたあの支給品、金だらいがのぞいている。

「……どうしてMP7出ねぇかなー。せめて中華鍋でも……いや、やっぱMP7がなー……」

 MP7は彼女が劇団ひとりに持たせ、中華鍋は土田晃之に持たせた。自分の支給品として手元
にやってきたのが、自分が芸人たちに持たせたものの中でも攻撃力の低そうな金だらいと延長
コードだった事実に軽く落胆しつつ、今後の行動方針を決めるために思案をはじめる。

540名無し?ズガンしてやんよ:2007/06/02(土) 03:26:33 ID:su.2G82w0

……さてどうしたもんかねぇ。仲間なんざいねぇし、こんなふざけた格好でうろつくってのも
いささか気が引けらぁね……。武器はこんなんだし、かといってあたしは芸人じゃあござんせ
んからねぇ、笑いで世界を救うってのもちょいと厳しい話だぁね……。ねぇアンタ、そう思い
ませんかね、ちょいとこりゃあ、べらぼうな話だ……ってあれだよ、アンタって誰だ。バッカ
じゃねーの自分。落語かってンだ。この状況は笑えねーぞ。この格好は笑うとか以前の問題だ
けどな!

 だんだん自分でもよくわからない方向に流れていく思考をどうにか押しとどめつつ、自分をバ
カにすることで冷静になり、客観的な視点をもとうとする。とりあえず手の中で延長コードを
こねくり回して、ぐいっと引っぱってみた。

「あれだな……ここにいるのはあたしが書き手だからだぁな。ってこた、イチ書き手としてあ
 たしがやるべきことは何かって話だよなぁ、江頭じゃねぇけどさ」

 ぼそぼそと独り言を言いながら、彼女は考えをまとめていく。書き手として、やるべきことと
は一体何なのか? 芸人なら笑わせる、書き手なら?

「……書けってか、新作」

 至極単純な結論にいきついて、彼女はハァ、とひとつ溜息をつく。そしてデイパックをまさ
ぐると、芸人ロワの初期支給品とは少しばかり違う物が出てきた。芸人ロワなら鉛筆、しかし
彼女が手にしたのは油性マーカー。とはいえ地図やら名簿やらがないので書ける紙がない。ま
た少しばかり考え込んだ後のち、彼女は言った。

「……しゃらくせぇ! とりあえずはネタ切れまで書くのみよ!」

 そしてマーカーのフタを開けると、金だらいの底に新たな物語をつむぎ出す。そう、それは
芸人たちの物語ではなく……。

541名無し?ズガンしてやんよ:2007/06/02(土) 03:27:27 ID:su.2G82w0

――――――――――――

 ……いやあ見事にとんでもねーことになっちまってやがらぁ。

  胸の内で女はぽつりと呟いた。完全に江戸っ子喋りの彼女は、芸人ロワの書き手。
 その名を114 ◆4kk7S4ZGb. という。

――――――――――――

 ……彼女自身の、物語だった。


【開始数十分後/F-2/一日目】
【114 ◆4kk7S4ZGb.@芸人ロワ】
[状態]:健康、強気、冷静
[装備]:真鍮の鍋の兜、唐草模様の風呂敷のマント、蛍光イエローのウエストポーチ、
ポーチのベルト部分にはさんだおたま、黒タイツ、黒スニーカー、スポーツタイプのブラジャー
[道具]:支給品一式(地図・名簿無し)、金だらい、油性マーカー、延長コード
[思考]
基本:書き手は新作を書くのみ
1:とりあえずネタ切れまで書く
2:ネタが切れたらネタを作るために「行動」に出る
[備考]
※長身、筋肉質で見た目はそこそこの女性、今のところ一般人です
※もともと「日用品で人殺し」する方法を考えるのが趣味です

542名無し?ズガンしてやんよ:2007/06/02(土) 03:28:24 ID:su.2G82w0
勢いでやった。後悔は少ししている。

543名無し?ズガンしてやんよ:2007/06/02(土) 13:18:04 ID:K1JRJYcso
>>473

「……だれ?」
木陰から◆8eDEaGnM6sがフラフラと歩み出るなり、橋の上から幼女…◆M42qaoJlNは呼びかける。
いきなりズガンしてこない所を見ると彼女はマーダーではないらしい……けれども、油断は出来ない。
「自分は…えぇと、◆8eDE……aGnM…6sって事になってる」
橋の上へと歩を進めながら◆M42qaoJlNの問いかけに答え、◆8eDEaGnM6sはぎこちなく笑みを浮かべた。
ついでに己を表す記号であるトリップの文字列を口に出すのは結構面倒くさいと知る。
「それはそうと…お嬢ちゃん、この状況、わかっているわよね?」
他のマーダーの存在を警戒してか、いささか早口で◆8eDEaGnM6sは◆M42qaoJlNAに告げた。
「もしお嬢ちゃんに何か策があるんでなければ、まだ死にたくないんなら…お姉さんと一緒にここから逃げましょう?」
初対面の相手にここまで積極的に喋り掛けたのは久しぶりだ。
調子が悪い時は挨拶の言葉ですら平気で噛む自分が良く噛まずに言い切れたと思う。
「…マーダーではないの?」
「私にはそんな事できる武器も力もないわ。でもね、あなたの言った通り死んで良い書き手なんかいない。
 それはあなたもそう。だから、あなたをむざむざここで死なせたくないの。私は。」
見上げてくる◆M42qaoJlNAに頷いて返し、◆8eDEaGnM6sは◆M42qaoJlNAへと手をさしのべる。

しかし。

「…でも、ことわります」
◆M42qaoJlNAは◆8eDEaGnM6sを見上げたまま、キッパリとそう言いきった。
「マーダーになれる力も武器もなく、対主催を名乗らないのなら脱出に有効な技能も知識もないのでしょう。
 そんなロワにとってメリットのない…どうみても死体要員な人に付いていっても、ここに残っても、
 私にとっての危険はさほど変わらないと思うし」
◆8eDEaGnM6sは忘れていた。
このロワは書き手や関係者を集めて行われているロワである。
保護しなければ、と思っていたこの幼女だって、LSロワの立派な書き手。しっかりと打算も計算も出来るのだ。
「それに…私気付いてた。私が拡声器を使った時、あなたは私から逃げてそこの木の陰に隠れたでしょう。
 万が一私がフラグ通りにズガンされても自分だけは生き残れるように」
そんな人の誘いに乗れるほど、私はバカじゃない。
見上げる眼差しに侮蔑の色を濃くして、◆M42qaoJlNAは◆8eDEaGnM6sに告げた。
「どうせ年下は守らなきゃなーんて変な正義感で動いたんでしょうけど…そういう事だから邪魔だから消えてよね、
 お ば さ ん 」

「……………」
◆8eDEaGnM6sの唇が真一文字に結ばれ、その顔が羞恥と怒りでさっと赤く染まる。
まさか、拡声器を使った◆M42qaoJlNAから木陰に逃げた所まで気付かれていたとは思わなかった。
しかし、それより何よりも、彼女の発した言葉は◆8eDEaGnM6sにとって図星だった。
図星を指摘されても笑って流せるほど、◆8eDEaGnM6sは人生経験を積んではいなかった。
故に。
せっかくの勇気と善意を足蹴にされた…その怒りから、◆8eDEaGnM6sの中で何かが切れた。

544名無し?ズガンしてやんよ:2007/06/02(土) 13:19:27 ID:K1JRJYcso
フ、と◆8eDEaGnM6sの右足の踵が橋から僅かに浮いた、次の瞬間。
◆8eDEaGnM6sの右膝が目前にいた◆M42qaoJlNAの顔面に襲いかかった。
幼い頃、スカートめくりをされた報復にクラスメートにも襲いかかった事のあるわがままな膝小僧。
左足を軸としたコンパクトな膝蹴りに、不意打ちと体格差もあって◆M42qaoJlNAは後ろへ数歩蹌踉めいた。
「なっ…にすんのよこの朝令暮改ババァ!」
よりによって顔面を狙った…と言うよりも身長差的にちょうど◆8eDEaGnM6sが膝を振り上げた所に
運悪く幼女の顔があっただけなのだが…その一撃に、◆M42qaoJlNAはヒステリックに声を上げる。
死んで良い書き手なんかいない…あなたを死なせたくない…そう言った直後に膝蹴りなんて、ふざけているにも程がある。
もっとも、トリを付けてスレを乱した詫びのレスをした直後にトリが付いたまま煽りレスを入れた事もある彼女にとって
この程度の変節はいつもの事だ。

「――あwせdrftgyふじこlっ!」
むしろ◆M42qaoJlNAの叫びに余計なスイッチまで点灯し、言葉にならない怒声を発しながら
◆8eDEaGnM6sは◆M42qaoJlNAとの間合いを詰めながらデイパックを闇雲に振り回す。
中の武器は使えない物ばかりだけれども、食料や水が収まっている分、それなりのダメージは与えられる。
ヒモの分だけさらに遠心力と破壊力を帯びたデイパックは◆M42qaoJlNAの頭部に、そして腹部に直撃し、
肉体へのダメージこそはメイド服が軽減してくれるとはいえ、衝撃までもは散らしきれずに
両足で支えきれなくなった◆M42qaoJlNAは大きく蹌踉めいて、橋の欄干に縋りつくように寄りかかった。




拡声器で呼びかける事でフラグを立てて、マーダーに襲われるのがロワの様式美。
最初は◆M42qaoJlNAもそれを望んでいた。
でも何だろう、これは。逆ギレしたババァにフルボッコ?
……せめてマーダーにサブマシンガン的なモノでズガンされた方がよっぽどマシじゃないの。

膝蹴りで潰れた鼻から生暖かい液体が流れ落ちるのをそのままに、肩を上下させ荒く呼吸を繰り返す◆8eDEaGnM6sを
◆M42qaoJlNAは睨み付ける。
この状況ではさすがに媚薬を◆8eDEaGnM6sに飲ませる事は出来ないだろう。
ならば、どうするべきか。
答えと真実はいつも一つ。


『――皆さん! 助けてください!』

拡声器を取り出してスイッチを入れ、◆M42qaoJlNAは叫んだ。

『私は今、残忍なマーダー◆8eDEaGnM6sに襲われています!』

545名無し?ズガンしてやんよ:2007/06/02(土) 13:23:30 ID:K1JRJYcso
【開始数十分+α後/C-3/川の上に架かる橋の上】

【◆8eDEaGnM6s@芸人ロワ】
[外見]内向的そうなメガネっ娘
[状態]:体調は万全 火病絶賛発動中
[所持品]:支給品一式 お笑いライブのチケット×2 グレートデギンのプラモ(完成済)
[思考]:
基本:あなたが、泣いても、殴るのをやめない!
1・◆M42qaoJlNAを黙らせる
[備考]:特殊能力は今のところなさそうです。


【◆M42qaoJlNA@LSロワ】
[状態]:メイドロリ、死ぬことへの恐怖の芽生え、満腹、顔面強打に伴う鼻血
[武装]:拡声器、防弾仕様のメイド服@ハカロワ
[所持品]:支給品一式、魔女の媚薬500粒
[思考]:
基本:どうしよう……
1:拡声器で誰でも良いので助けを呼ぶ
2:死にたくない


>>539-541
芸人ロワから二人目ktkr

546名無し?ズガンしてやんよ:2007/06/02(土) 16:07:43 ID:ZckpXETUO
ちょwwDQNwww

547名無し?ズガンしてやんよ:2007/06/02(土) 16:16:21 ID:YLOrY7aY0
どっちもDQNwww

548名無し?ズガンしてやんよ:2007/06/02(土) 19:49:14 ID:d0XFFy2c0
>>545
やべえwwww
この二人面白すぎる。
どっちもアホっつーか、根性捻じ曲がってるというか。

投下乙だぜ!

549魅惑のアフロガールズ:2007/06/03(日) 10:15:51 ID:u2EjyEdY0
(テンテンテケテンテケテンテン……)

「どもー、芸人ロワから来ました114 ◆4kk7S4ZGb. でーす」
「どもー、LSロワから来ました殲滅系新感覚魔法少女リリカル☆ボマーでーす♪」
「ってちょっとアンタ、いきなり初対面で何ぶっとばしやがるんですかこのべらぼうめ。
 だいたい『殲滅系』なんて物騒な名乗りする魔法少女がどこに居る!
 もうちょっとこう、魔法少女と言うからには、夢と希望に溢れた名乗りをだな……」
「じゃあ、いやらし系」
「流石ロリショタ!
 一瞬『癒し系』かと思いきや、大きなお友達の夢と希望に満ち溢れたサービス満点の……
 って違うだろっ! それもっとまずいから!
 全年齢だから! 18歳未満も見てるから!」
「でも、穿いてないよ?」
「ほうほうどれどれオジさんに見せてごらん……ってやめんか!
 何の恥じらいもなくスカートの端持ち上げようとしてんじゃない!
 ……不思議そうに小首傾げてもダメ! ったくこのロワにはマトモなヒトはいないんすかねぇ。
 あたしと話が合いそうな、常識の通じる……」
「私たち、お友達になれると思うんだけど」
「だぁぁぁぁっ!! 何をどうすればそういう結論になるって言うんだよ!?
 あんたらみたいな奇人変人と一緒にしないでくだせぇ、あたしゃただの一般人で……」
「ふーん。
 芸人ロワじゃ、『ただの一般人』が金ダライにSS書いてたりするんだー☆
 ロワの真っ最中に♪」
「うっ……!!」
「それに……素敵な格好ね♪ 鍋に風呂敷に黒タイツに……
 奇人変人の仲間に入っても何の違和感もないわ☆」
「あっ、し、しまったぁぁあっ!
 あたし今、エガちゃんマンだったんだ! あんな話を書いたばっかりに!
 ううっ……憎い! 自分の独創性と個性と筆力が憎い! 超一流の書き手にしか分からぬ苦悩!」

550魅惑のアフロガールズ:2007/06/03(日) 10:16:26 ID:u2EjyEdY0
「というわけで、114 ◆4kk7S4ZGb. はここの指輪にキスするの。
 契約しましょ?」
「はいはい分かりましたよ仕方ねーなー……ってちょっと待て!
 こっちのボケにはツッコミ無しかよ! 今のちゃんと空気読んでつっこめよ!
 それにこれ、明らかに何か変な儀式だろ! 大体『契約』って何だよ! 訳わかんねぇよ!」
「でも契約してくれないと、私あなたを殺さなきゃいけないのよ?
 爆死って痛いよ? モツとか色々飛び散って、汚いよ?」
「あーそーだねーいくらなんでも爆死はやだねーせめて死ぬ時は綺麗に死にたいねー、
 っておいこら死ぬこと確定!? それもグロな!?
 てか思いっきりズガンじゃねーか! 他の選択肢ねーのかよ?」
「ん〜、じゃあ狂気フラグ。
 面白い壊れ方するなら、生かしておいてあげる☆」
「ごめんなさいごめんなさいいきなり面白く狂えって言われてもできませんごめんなさい、
 って何であたしが謝ってんだよべらぼうめ! 立場逆だろ!」
「むー、アレもだめ、コレもだめじゃ話が進まないよぉ。
 大体あなた、対主催なの? マーダーなの?
 スタンスが分からないと話の進めようがないじゃない」
「ん〜、強いて言うなら、『現実逃避系』っすかねぇ。
 流石にアフラ・マズダ様との交信はできないっすけど、恋人でもいれば一緒に崖から飛ぶような。
 そう、恋人さえ……恋人さえいれば……。
 ロワと恋愛って両立できないんだよね……うふふ……あはは……! 男なんて、男なんて……!」
「まあ可哀想。ロワに夢中で恋人にフラれちゃったのね。自業自得よ。
 でも安心して114 ◆4kk7S4ZGb. さん、私が側にいてあげる」
「ボマーちゃん……!」
「私が恋人になってあげる。ずっと側にいてあげる。
 だから、ここにキスして♪」

551魅惑のアフロガールズ:2007/06/03(日) 10:17:09 ID:u2EjyEdY0
「ううっ、さよなら私の良識、男に絶望したから美少女に走るわ!
 さあ新たな禁断の世界の扉を開けるべくレッツ契約……
 ってちょっと待て! いつの間に最初に戻ってやがんだよ!
 さりげなく悪魔の契約交わそうとしてんじゃねぇこんちくしょうめ!」
「でも、契約してくれいないと、私あなたを殺さなきゃいけないのよ? 爆死って痛いよ?」
「ちょっ、こっちのツッコミ無視して無限ループ突入かよ! まさかローラ姫!?」
「じゃあ、狂気フラグ。面白く壊れて」
「だぁぁぁやっぱり無限ループ突入してるぅぅぅぅ! あーもうヒトの話聞かない子は、殺しちゃうよ?」
「……あれ? 一般人なのに、殺せるの?」
「ふっふっふ。よくぞ聞いて下さいました。
 あたしゃ芸人ロワじゃちったぁ名の知れた書き手、114 ◆4kk7S4ZGb. でございます。
 特技は日用品での意外な殺人! ヒト1人殺すのに武器も刃物もいらねぇんだべらぼうめ!
 スタンドやら魔法やらが無いと殺しすらできない他ロワの書き手とは一味も二味も違うんだよ!」
「ふーん。強そうだね♪
 で、不意打ちも何もできないこの状況で、スタンド使い相手に真正面から戦って勝てる?
 てかあんまり生意気なこと言ってると、『オラオラオラ』するよ?
 見開き8ページくらい使って『オラオラ』しちゃうよ?」
「……ごめんなさい調子乗ってました勝てませんだから『オラオラ』は勘弁してくだいいやマジで」
「ふーん、でも面白そうだね♪
 よく見たら体格いいし、ケンカ強そうだし、その日用品使った殺しってのも見てみたいし……
 決めた☆ 同盟組みましょ? 最終的に崩壊確定なマーダー同盟☆」
「崩壊確定なのかよ! てか勝手にあたしをマーダーにしてんじゃねぇ!」

552魅惑のアフロガールズ:2007/06/03(日) 10:17:40 ID:u2EjyEdY0
「あなたが囮で、私が本命♪
 あなたが前衛で、私が後方支援♪
 あなたが敵から攻撃受けて、私が敵を攻撃♪
 あなたが私を庇ってズタボロになって死んじゃって、私が無傷で一方的に利益を受け取るの♪」
「なんだよその露骨な不平等条約は! こっちにメリットねぇじゃねぇか! 誰がするかそんな同盟!」
「嫌? 嫌なら、ここにキスして♪」
「またそこに戻るのかよ! 無限ループはもういいって!」
「でも、爆死って痛いよ?」
「ヒトの話を聞けぇぇぇ!
 ……コホン、ま、まぁ、あたしも特に目的あるわけでもねーし、丁度ネタも尽きたことだし。
 アンタといればネタには困りそうにないし、取材させてくれるって条件ならついていってやっても……」
「じゃあ、狂気フラグ♪」
「まだ無限ループにハマってたのかよ!? 同盟受けるって言っただろこのスカポンタン!
 どれも最悪な3択はもういいの! その話はとっくに終ってんだよ!
 大体、そういうアンタはどんな能力持ってんだよ?
 スタンドはスタンドでも電気スタンドじゃねぇんだぞ、そこに突っ立ってるだけじゃ意味ねぇだろが」
「ん〜っとね、私のスタンド『キラープリンセス』は、何でも爆弾にしちゃう能力なの。
 例えばこうして、そこらに落ちてる石に触るだけでね……」
「?? 何の変化もねぇぞ? 不発弾かよ?」
「あっダメ、それに触っちゃ――!!」

  B O M ! !

「けほっ……触ったら爆発するよ、って言おうと思ったのに……」(ガクッ)
「けほっ……ば、爆発オチっていつの時代の……!」(ガクッ)

(テンテンテケテンテケテンテン。テンテンテケテンテケテンテン……)

553魅惑のアフロガールズ:2007/06/03(日) 10:18:13 ID:u2EjyEdY0
【開始1時間後/F-2/一日目】

【魅惑のアフロガールズ】
【ボマー@LSロワ】
[状態]:精神疲労(小)、「穿いてない疑惑」。
    爆発でダメージ小、目を回して気絶、髪の毛アフロ状態&顔面煤だらけ
[装備]:マジカントバット@MOTHER2 契約の指輪@ローゼンメイデン、ランダムアイテム(1〜3)(未確認)
[道具]:支給品一式(地図なし)×2(片方はリアルタイムカービィの人のもの)
[思考]:基本:リ〜リカル・トカレ〜フ♪キルゼムオ〜ル♪
1:しばらく114 ◆4kk7S4ZGb. と行動を共にする(ボマーの側はマーダーチーム結成してるつもり)
2:自分たちの身を守り、襲い掛かる危険人物は爆破。
3:危険人物でない人物は、危険人物にしてから爆破。
4:チャンスを見て、ノリと勢いに任せて114 ◆4kk7S4ZGb.と契約を結ぶ(まだ諦めてない)
※特殊能力として、触れたものを爆弾にするスタンド『キラープリンセス』が使えます。
 ぶっちゃけ、シアーハートアタックのないキラークィーンです。

【114 ◆4kk7S4ZGb.@芸人ロワ】
[状態]:健康、強気、冷静。爆発でダメージ小、目を回して気絶、髪の毛アフロ状態&顔面煤だらけ
[装備]:真鍮の鍋の兜、唐草模様の風呂敷のマント、蛍光イエローのウエストポーチ、
ポーチのベルト部分にはさんだおたま、黒タイツ、黒スニーカー、スポーツタイプのブラジャー
[道具]:支給品一式(地図・名簿無し)、金だらい、油性マーカー、延長コード
[思考]
基本:書き手は新作を書くのみ
1:とりあえずボマーと行動を共にする(114の側はネタの取材のつもり)
2:とりあえずネタ切れまで書く
3:ネタが切れたらネタを作るために「行動」に出る
[備考]
※長身、筋肉質で見た目はそこそこの女性、今のところ一般人です
※もともと「日用品で人殺し」する方法を考えるのが趣味です
※ボマーの爆弾の威力がギャグレベルに留まったのは、彼女の秘められた能力のせいでしょうか?
 詳細は後の書き手さんにお任せ。

554この名無しには、自分が正しいと信じる夢がある!:2007/06/03(日) 11:32:54 ID:wbSweryIo
ドリフ爆発ww

555この名無しには、自分が正しいと信じる夢がある!:2007/06/03(日) 16:17:32 ID:u.hMPID.0
ちょwwwおまwwwwwww

556この名無しには、自分が正しいと信じる夢がある!:2007/06/03(日) 16:59:19 ID:Z3Hk37JIo
一般人系の書き手が周りのカオスに影響されて
どう壊れていくかもちょっと楽しみだw

557この名無しには、自分が正しいと信じる夢がある!:2007/06/03(日) 20:55:15 ID:LwipI98Q0
>>553
>スタンドやら魔法やらが無いと殺しすらできない他ロワの書き手とは一味も二味も違うんだよ!」

ちょっと惚れそうになった……。
こいつぁ名言だぜ。
投下乙!

558この名無しには、自分が正しいと信じる夢がある!:2007/06/03(日) 21:42:22 ID:9Mau/N220
爆裂吹いたw
なんというコンビ。

559この名無しには、自分が正しいと信じる夢がある!:2007/06/04(月) 00:27:32 ID:movWSGW2O
凶マーダーコンビ……なのか?
とりあえず今後の活躍に期待
それと、そろそろ放送してキャラ止める時期じゃあないだろうか。

560この名無しには、自分が正しいと信じる夢がある!:2007/06/04(月) 00:28:35 ID:movWSGW2O
うはww誤字ったwww
ついでにあげ

561Electric shock:2007/06/04(月) 05:48:39 ID:aqgsvgN20
「遅いっ!」

テラスに続くガラス戸からの月明かりだけで照らされた薄暗い部屋の中央で、一人毒づく男がいた。
全身を鋼鉄の甲冑に身を包むその男は「瞬殺の人」――と呼ばれる人物である。

「トイレに行くってだけで、どれだけ待たせるんだよあの女はっ!」

八つ当たりに彼を待たせている女――「◆S8pgx99zVs」が座っていた高価そうな椅子を蹴り飛ばす。
いかにも怪しげなこの洋館に相応しいその椅子は、壁にぶつかると砕けて四散した。
ここまで苛立ちが募っても、まだ瞬殺の人は動かなかった――何故か?

トイレに行って戻ってこない人物を追って探しに行くなど書き手としては考えられない。

(……どう考えても死亡フラグだぜ、これは)

仮にも書き手の端くれである。この手の物語のいろはは熟知しているつもりだ。
そして自分は決して正義のヒーローや、物語の主人公という立ち位置にいる人物でないことも知っている。
ならば、ここは「動かない」というのが最良の選択であった。
最も気に食わない選択でもあったが、なまじ動けば何者かにこちらがズガンされかれない。

(早く帰ってこいよ。そしてボケた手前に俺が突っ込む……)

そういう展開にオチがつくのを待って、瞬殺の人は薄暗い部屋の中央で己が衝動を押さえ込んでいた。

562Electric shock:2007/06/04(月) 05:49:02 ID:aqgsvgN20
 ◆ ◆ ◆ ◆


苛立ちにより瞬殺の人が部屋の中の家具をズガンするよりも少し前。部屋を出て階段を降りたその後。

◆S8pgx99zVsは暗い廊下、足の長い絨毯の上を、短いスカートから伸びた白い足を交互に踏み出しながら
ある場所へと真っ直ぐに向かっていた。
歩みを止めた◆S8pgx99zVsの前にはトイレのドアがある。
だが、そこは男子トイレであった。しかも、館に勤める使用人が使う場所だ。
彼女の外見には似つかわしくない場所であったが、彼女は迷わずそのドアを開き中へと入り込む。
そして、また一切の躊躇なく一番奥の個室の前まで進むと、更にそのドアを開いた。

彼女はここに小用を足しに来たのだろうか? いや、違う。

「小便は済ませたか? 感電……いや、この場合はラジオ氏かな」

その個室の中、便座の上に座ってノートPCを開いている感電(@ろわらじおつあー)を殺しに来たのだ。



う……と、ヘッドセット・マイクを装着した青年――感電は声を洩らした。
このバトルロワイアルの場に落とし込まれてから、まだそれ程の時間は立っていない。
その間、ずっと音も立てずにこのトイレの個室に篭っていたのだ。何故、こうもあっさり見つかったのか?

「……どうして? という顔だな。いいだろう種明かしをしてやろう」
と言いながら◆S8pgx99zVsが手を振ると、中空に九つの升目と光点が浮かび上がる。
「……ずるくないですか? それ」
感電の言葉に◆S8pgx99zVsはにやりと口を歪める。
「さすがに数多くのロワを巡っているだけのことはある。理解が早い。
 ……だが、まぁそれ程使い勝手のよい力でもないのだ。
 動きながらは使えないからな。つまり、逃げる相手を追いながら見る……というのは無理なのだ。
 しかし……、ずっと同じ場所から動かない人間に対しては非常に有効だ。……お前のような」

うぅ……と、再び感電の口から声が漏れる。
自分がゲーム開始以来一切動いていないことがばれているのだ。しかも、この個室の中で。
つまりは……、
「ゲームにのってはいない。だが、それとは別に動きを起こすような実行力も戦力もなし……」
◆S8pgx99zVsの端整な少女の顔が暗い笑みに歪んだ。

563Electric shock:2007/06/04(月) 05:49:21 ID:aqgsvgN20
白く小さな手がのび、感電の膝の上にあったノートPCを取り上げる。
引っ張られたヘッドセット・マイクがタイルの上に転がりカラカラと音を立てた。

「各ロワのまとめサイトに……交流所。それにしたらば掲示板もか……」
得体の知れぬ相手を前に動けぬ感電をよそに、◆S8pgx99zVsは彼に宛がわれた支給品である
ノートPCを検品する。それは少し見ただけでも、このロワイアルにおいて非常に有用なものだと理解できる。

その、おそらくは脱出の要になるであろうノートPCを、◆S8pgx99zVsは――破壊した。

薄く湿ったタイルの上に、叩きつけられてバラバラになったノートPCが散らばる。

「な、何をするんだよっ!」
ついに感電が立ち上がって息を巻くが、目の前の少女を至極冷静だ。
「これは、脱出フラグだろう? つまりは君のような人間に取っては生き残りフラグだ。
 これがあっては私は君を殺せない……。
 逆に、こんなものを持っていては私のような人間は殺されかねない。
 なぜなら、私は――マーダーなのだから。
 ……だから壊した」

「マーダー……」
遂に言葉として明確に表されたそれに、感電は息を呑む。
”この”自分はマーダーでも脱出派でもない。俯瞰する立場だ。だから、この場で書き込みだけを
していればよい……と行動方針を立てたのだが、二時間も経たない内に窮地に追い込まれている。
やはり、実際にロワという盤上に置かれた人間が傍観者であることはできないのだ。

トイレの個室の中に立っていて、その前にはマーダーが一人。
どうやら相手は武器を持っていない様子だが、こちらも支給品は先程破壊されたノートPCだけだった。
それに、相手はあの「アニロワ」の書き手である。華奢な少女の姿はしていてもどんな能力を持って
いるか知れたものではない。

「……さて、お前はどうやって殺すとよいのかな? ”おしゃべりやさん”?」

◆S8pgx99zVsの言葉に、死を察知した感電の心臓がドクンと大きく音を立てた。
意識もせずがむしゃらに手を振り回し、目の前の彼女を突き飛ばして逃げようとするが――そうはならなかった。

突き出した手が◆S8pgx99zVsの小さく白い手に捕らえられ、万力で締められたかのように固定されている。

「知ってたか、感電? ◆S8pgx99zVsはとても力持ちなのだよ」

564Electric shock:2007/06/04(月) 05:49:44 ID:aqgsvgN20
 ◆ ◆ ◆ ◆

「ここは場所が悪いな。他のところへと移ろうか。
 お前もこんなところで糞尿に塗れて死ぬのは御免だろう?」

そう言って、◆S8pgx99zVsは再び暗い廊下を歩いていた。片手に感電の腕を掴んでである。
感電の方はなんとか抵抗しようとするが、締め付けられた腕を引きちぎられないよう、痛みに耐え
ただついて行くのが精一杯だった。
そんな感電をどう思うのか、◆S8pgx99zVsはまるで散歩をしているかのように気軽に語りかける。

「私がアニロワで最初に人を殺したのはどんなSSだったか知っているか?」
痛みに思考を占拠された感電にはその言葉は届いていなかったし、回答もできなかった。
だが、そんなことはお構いなしに◆S8pgx99zVsは自分語りを続ける。

「神父アレクサンド・アンデルセンらによる四人殺し……ではないんだなぁ、実は」
と、言いながら廊下の角を曲がる。
その迷いのなさから彼女にははっきりと目的地があるらしいと見て取れた。
「本当に最初だったのは、女が男を浴室で殺す話だ。予約被りで没スレに投下したがね」

そして、いくつかの部屋を経て辿り着いたのが、この館主の浴室だった。

浴室内は暖かい色の照明で照らされ、壁面のタイルに刻まれたレリーフの一つ一つが見て取れる。
更に浴室内は薔薇の香りを乗せた湯気が充満しており、外の無味乾燥な空気とは真逆に楽園のようだ。
真っ白い陶磁器の浴槽には熱い湯が張られており、この部屋は湯浴みをするには最適の状態が保たれていた。

一転した雰囲気に感電も気付き、痛みを忘れその優雅さに気を取られる。
その次の瞬間、目の前がぐるりと回り熱い湯の中に叩き込まれた。

宙を回転させられ、その際に手首が折れ、さらに熱い湯の中。混乱から回復し、自身の状況を
把握できたのは息も限界になる頃だった。

「ぶあっ! ぅあ……、はぁ、はぁ……」
けして広くはない浴槽。その中に感電と、そして◆S8pgx99zVsも一緒に入っていた。
「服を着たまま湯に入るのはいささか無作法と言うものだな」
感電の目の前でにやにやと笑うのは、制服のまま浴槽に入りずぶ濡れになった◆S8pgx99zVsである。
何が楽しいのか? 何の意味があるのか? 感電にはまるで解らない。
解るのは、目の前にいるマーダーが無闇に楽しそうだということだけだった。

全身を使って押さえ込み、身じろぎ一つさせず苦痛に悶える様を喜色を浮かべて観察する。
――猫を甚振る鼠。そんな言葉が頭の中に浮かぶ。だったら、窮鼠である自分は……と、
感電がそこまで考えたところで新しい痛覚に思考が遮断された。
湯の中に響く大きな音と共に右の大腿骨が◆S8pgx99zVsによって折られた。
脚が捥がれたような痛みに感電の全身が痺れて動けなくなる。

その様に満足すると、笑みを浮かべて◆S8pgx99zVsは感電にもたれかけていた身体を起こし浴槽を出た。
床が濡れるのもお構いなしに、身体の端々から水を滴らせながら浴室を横切り、洗面台の上から
ある物を取るとコードを引きながら身悶える感電の元へと戻った。

565Electric shock:2007/06/04(月) 05:50:00 ID:aqgsvgN20
感電は荒い息を吐きながら、戻ってきた◆S8pgx99zVsの手にある物を見た。
それはドライヤーだった。
もちろんそれが自分や彼女の濡れた髪や服を乾かしてやる――ンじゃねぇぜッ。というのは明白だ。
だが、身体が全然言うことを利かない。
助けを期待したいところだったが、このバトルロワイアル始まって以来フラグを一切立てていない以上、
選択肢があったとしても自分には(3)しか選ぶことはできないだろう。
むしろ、ロワの外で死亡フラグを立ててしまったからこそ、ここでこんな目にあっているのである。

「でわな、感電。楽しかったぞ」

熱い湯に上気した顔の、その中でも取り分け赤く染まった桜色の唇が感電の最後を告げた。


最初に来たのは、頭が割れるような大きな音と全身を壁に叩きつけられたような衝撃だった。
次に、全身の皮膚が捲り上がるような感触に襲われたが、幸いにも意識は糸を切ったかのように
すぐに途切れた。そして、最後に感じたのは羊水の中に回帰するような安息だった。


【感電@ろわらじおつあー  感電死】

566Electric shock:2007/06/04(月) 05:50:17 ID:aqgsvgN20
 ◆ ◆ ◆ ◆

「お前……、何があったんだ?」

薄暗い洋室の中、瞬殺の人の前に立つのは全身びしょ濡れの◆S8pgx99zVsである。

「入浴」
ほかほかと湯気を上げながら彼女はそっけなく答える。だが……、
「常識がないのかよ。……普通、服は脱ぐだろう」
やはり、これが真っ当な返答だろう。
それに自分達が参加者とは言え、創作でありロワなのである。ならばなぜ貴重なサービスシーンを
大事にしないのか。それも瞬殺の人には理解できないことであった。

「大体、生理現象じゃなかったのかよ」
「汗をかくのも生理現象の内」
「………………あっそ」

それよりも……と、◆S8pgx99zVsは床に散らばった家具の成れの果てを指差す。
待つことに耐えられなかった瞬殺の人のストレス解消の相手となった物達だ。

「別になんでもねーよ。それよかさっさと誰か見つけようぜ。
 大体、誰も死なない話しなんて無駄なんだよ。全部で何人いるかも知らされてねえんだ。
 どんどんズガンしてかないとよー」



部屋の中に鋼に覆われた拳を叩き合わせる音が鳴り響いた。

567Electric shock:2007/06/04(月) 05:51:52 ID:aqgsvgN20
 【開始から二時間足らず/C-1/洋館の中】

 【瞬殺の人@学生キャラロワ】
 [状態]:精神疲労(小)、鎧装着
 [装備]:召喚した鎧
 [道具]:支給品一式(地図なし)、携帯電話、後は不明
 [思考]
  基本:ロワを完結させる(結末は自分の優勝エンド)
  1:少女と組んで参加者を襲う(待ち伏せをするか、遠隔で襲うかは臨機応変)
  2:誰も近寄ってこないなら拠点を移動する。
  3:皆殺し
 [備考]
  ・男の「召還」は鎧(アルフォンスエルリックみたいな感じ)を呼び出すものです。
  ・装着して動く事も出来るようです。

 
 【◆S8pgx99zVs氏@アニロワ】
 [状態]:絶好調、全身ずぶ濡れ
 [装備]:なし
 [道具]:支給品一式(地図なし)、携帯電話
 [思考]
  基本:皆殺しにして優勝
  1:男と組んで参加者を襲う(待ち伏せをするか、遠隔で襲うかは臨機応変)
  2:誰も近寄ってこないなら拠点を移動する。
  3:皆殺し
 [備考]
  ・地図氏の能力は自分を中心にMAP九マス分を投影し、生者と死者の動きを探るというものです。
   (※1.仮にフィールドの端にいて無駄になる部分があると分かっていても、自分を中心にしか投影できません)
   (※2.自分が動いている間は投影できません。動いている相手を投影することはできます)
  ・首輪は首と心臓の二箇所に嵌っています。
  ・他の能力に関する詳細は不明。あるかもしれないし、ないかもしれません。
  ・感電を殺害したことは別に話さない。

568この名無しには、自分が正しいと信じる夢がある!:2007/06/04(月) 05:57:31 ID:OXB6RQg20
>>567
……うぉぉ、なんつうか文章力あるな、あんた。
読んでてゾクゾクしたぜ。
にしてもまあ、地図氏つええよw

これはGJ!!

569この名無しには、自分が正しいと信じる夢がある!:2007/06/04(月) 08:27:11 ID:JpNfn7g.O
このタイミングで地図氏と感電氏とは…
貴様ラジオを聴いていたな?!

570この名無しには、自分が正しいと信じる夢がある!:2007/06/04(月) 20:03:39 ID:Ylag4PK60
もう誰が優勝してもおかしくない化け物揃いだなw

571Electric shock を書いた人:2007/06/05(火) 18:56:47 ID:wdnoUgNg0
>>561-567
ラジオを聴いた勢いだけで書いたばっかりに、ちょっと誤字とか話の荒い部分があったんで
以下(↓)に改訂ver.を投下します。

572Electric shock (改訂ver.):2007/06/05(火) 18:57:15 ID:wdnoUgNg0
「遅いっ!」

ベランダへと続くガラス戸から差し込む蒼い月の光。
その月光だけが唯一の光源である薄暗い部屋の中央で、一人毒づく男がいた。
全身を鋼鉄の甲冑に身を包むその男は「瞬殺の人」――と呼ばれる人物である。

「トイレに行くってだけで、どれだけ待たせるんだよあの女はっ!」

八つ当たりに彼を待たせている女――「◆S8pgx99zVs」が座っていた高価そうな椅子を蹴り飛ばす。
漆黒の洋館に相応しい黒檀で作られたその椅子は、壁にぶつかると砕けてただの木片へと化した。
しかし、ここまで苛立ちが募ってもまだ瞬殺の人は動かなかない。――何故か?

トイレに行って戻ってこない人物を追って探しに行く――こんなことは書き手としては考えられない。
こんな怪しげな洋館の中でいなくなった仲間を探すなどと言う行為は……、

(……どう考えても死亡フラグだぜ、これは)

仮にも書き手の端くれである。瞬殺の人も、この手の物語のいろはは熟知しているつもりだった。
そして自分は決して、物語の最後まで生存が保障されている主人公や、正義のヒーローといった
立ち位置にいる人物でないことも知っている。
ならば、ここは「動かない」というのが最良の選択であった。
それは彼にとっては最も気に食わない選択でもあったが、なまじ動けば何者かにこちらがズガンされかれない。
自らの手でこのバトルロワイアルを終わらせることを目的とする彼にとって、自分がズガン対象になるなどと
いうことはとても許容できるようなことではなかった。

(早く帰ってこいよ。そしてボケた手前に俺が突っ込む……)

そういう展開にオチがつくのを待って、瞬殺の人は薄暗い部屋の中央でただ一人、己が衝動を押さえ込んでいた。

573Electric shock (改訂ver.):2007/06/05(火) 18:57:34 ID:wdnoUgNg0
 ◆ ◆ ◆ ◆


苛立ちにより瞬殺の人が部屋の中の家具をズガンするよりも少し前。
瞬殺の人と邂逅した部屋を出て階段を降りたその後。

その姿を再びセーラー服の少女へと落ち着かせた◆S8pgx99zVsは、足の長い絨毯の上に短いスカートから伸びた
白い足を交互に踏み出し、暗い廊下をある場所へと向かって真っ直ぐに進んでいた。
そして少しだけ時間が経ち、歩みを止めた◆S8pgx99zVsの前には一枚のドアがある。
そこは男子トイレであった。しかも、館に勤める使用人が使う場所だ。
彼女の外見には似つかわしくない場所であったが、彼女は迷わずそのドアを開き中へと入り込む。
そして、また一切の躊躇なく一番奥の個室の前まで進むと、更にそのドアを開いた。

彼女はここに小用を足しに来たのだろうか? ――いや、違う。

「小便は済ませたか? 感電……いや、この場合はラジオ氏かな」

その個室の中、便座の上に座ってノートPCを開いている感電(@ろわらじおつあー)を殺しに来たのだ。


「……◆S8pgx99zVs?」

唐突に現れた小柄の少女を前に、ヘッドセット・マイクを装着した青年――感電は驚きの息を洩らした。
彼がこのバトルロワイアルの場に落とし込まれてから、まだそれ程の時間は立っていない。
その間、ずっと音も立てずにこのトイレの個室に一人で篭っていたのだ。
――何故、こうもあっさり見つかったのか? 疑問が頭の中に浮かび上がる。

「……どうして? という顔をしているな。いいだろう種明かしをしてやろう」
と言いながら◆S8pgx99zVsが手を振ると、中空に例の九つの升目と光点が浮かび上がった。
「……ずるくないですか? それ」
感電の言葉に◆S8pgx99zVsはにやりと口を歪める。
「さすがに数多くのロワを巡っているだけのことはある。理解が早い。
 ……だが、まぁそれ程使い勝手のよい力でもないのだ。
 動きながらは使えないからな。つまり、逃げる相手を追いながら見る……というのは無理なのだ。
 しかし……、ずっと同じ場所から動かない人間に対しては非常に有効だ。……お前のような」

うぅ……と、再び感電の口から声が漏れる。
自分がゲーム開始以来一切動いていないことが彼女にはばれているのだ。しかも、この個室の中で。
つまりそれは……、
「ゲームにのってはいない。そして、それとは別に動きを起こすような実行力も戦力もなし……」
◆S8pgx99zVsの端整な少女の顔が暗い笑みに歪んだ。

574Electric shock (改訂ver.):2007/06/05(火) 18:59:04 ID:wdnoUgNg0
不意に白く小さな手がのび、感電の膝の上にあったノートPCを取り上げる。
引っ張られたヘッドセット・マイクがタイルの上に転がりカラカラと音を立てた。

「各ロワのまとめサイトに……交流所。それにしたらば掲示板もか……」
得体の知れぬ相手を前に動けずにいる感電をよそに、◆S8pgx99zVsは彼に宛がわれた支給品である
ノートPCを検品する。それは少し見ただけでも、このロワイアルにおいて非常に有用なものだと理解できた。

その、おそらくは脱出の要になるであろうノートPCを、◆S8pgx99zVsは――破壊した。

薄く湿ったタイルの上に、叩きつけられてバラバラになったノートPCが乾いた破壊音と共に散乱する。

「な、何をするんだよっ!」
ついに感電が立ち上がって息を巻くが、目の前の少女を至極冷静だ。
「これは、脱出フラグだろう? つまりは君のような人間に取っては生き残りフラグだ。
 これがあっては私は君を殺せない……。
 逆に、こんなものを持っていては私のような人間は殺されかねない。だから壊した。

 ……なぜなら、私はマーダーなのだから」

「……マーダー」
遂に言葉として明確に表されたそれに、感電は息を呑む。
「この」自分はマーダーでも脱出派でもない。俯瞰する立場だ。だから、この場で書き込みだけを
していればよい……と彼は行動方針を立てたのだが、二時間も経たない内に窮地に追い込まれている。
やはり、実際にロワという盤上に置かれた人間が傍観者であろうとすることは適わないのだ。

窮地に立たされた感電は現状を冷静に分析する。
彼はトイレの個室の中に立っていて、その前にはマーダーが一人。
目の前の少女は武器を持っていない様子だが、彼に与えられた支給品も先程破壊されたノートPCだけだった。
それに、相手はあの「アニロワ」の書き手である。華奢な少女の姿はしていてもどんな能力を持って
いるか知れたものではない。翻って、彼自身は正真正銘ただの一般人である。

絶体絶命だと言えよう。
ただこのまま殺されれば◆S8pgx99zVsはズガンの誹りを免れない。だが、また同時に彼女がそれを
気にしないであろうことも感電は知っていた。

時計の針が進まなくとも永く永く感じられる時間が過ぎ、先に動いたのは◆S8pgx99zVsの方であった。
彼女は何でもないような事のようにそれを尋ねた。

「……さて、お前はどうやって殺すとよいのかな? ”おしゃべりやさん”?」

――! ◆S8pgx99zVsの言葉に、死を察知した感電の心臓がドクンと大きく音を立てた。
意識もせずただがむしゃらに手を振り回し、目の前の彼女を突き飛ばして逃げようとするが――それはならなかった。
彼が突き出した手は◆S8pgx99zVsの小さく白い手に捕らえられ、それは万力で締められたかのようにそこに固定されている。
そして冷や汗を額に垂らす感電に、彼女は小さな子供を諭すように声をかけた。

「知っていたか、感電? ◆S8pgx99zVsはとても力持ちなのだよ」

575Electric shock (改訂ver.):2007/06/05(火) 18:59:23 ID:wdnoUgNg0
 ◆ ◆ ◆ ◆

「ここは場所が悪いな。他のところへと移ろうか。
 お前もこんなところで糞尿に塗れて死ぬのは御免だろう?」

そう言って、◆S8pgx99zVsは再び暗い廊下を歩いていた。片手に感電の腕を掴んでである。
感電の方はなんとか抵抗しようとするが、締め付けられた腕を引きちぎられないよう、痛みに耐え
ただついて行くのが精一杯だった。
そんな感電をどう思うのか、◆S8pgx99zVsはまるで散歩をしているかのように気軽に語りかける。

「私がアニロワで最初に人を殺したのはどんなSSだったか知っているか?」
痛みに思考を占拠された感電にはその言葉は届いていなかったし、回答もできなかった。
だが、そんなことはお構いなしに◆S8pgx99zVsは自分語りを続ける。

「神父アレクサンド・アンデルセンらによる四人殺し……ではないんだなぁ、実は」
と、言いながら廊下の角を曲がった。
その迷いのなさから彼女にははっきりと目的地があるらしいと見て取れる。
「本当に最初だったのは、女が男を浴室で殺す話だ。予約被りで没スレに投下したがね」

そして、いくつかの部屋と廊下を経て辿り着いたのが、この館主の浴室だった。

浴室内は明るく暖かい色の照明で照らされ、壁面のタイルに刻まれた華美な意匠の一つ一つがはっきりと見て取れる。
更に浴室内は香が焚かれ、薔薇の香りを乗せた湯気がいっぱいに充満しており、外の無味乾燥な空気とは真逆に楽園のようだ。
真っ白い陶磁器の浴槽には熱く透き通った湯が張られており……、つまり、この部屋は湯浴みをするには最適の状態が整えられていた。

一転した雰囲気に痛みと格闘していた感電も気付き、一瞬、その優雅さに気を取られる。
だがその次の瞬間、目の前がぐるりと回り彼は熱い湯の中に叩き込まれた。

宙を回転させられ、その際に手首が折れ、さらに熱い湯の中。
彼が混乱から回復し、自身の状況を把握できたのは息も限界になる頃だった。

576Electric shock (改訂ver.):2007/06/05(火) 18:59:40 ID:wdnoUgNg0
「ぶあっ! ぅあ……、はぁ、はぁ……」
けして広くはない浴槽の中で、飲み込んだ湯を吐き出し咳き込む感電。
目を開くと彼の直前には◆S8pgx99zVsの顔があった。
「服を着たまま湯に入るのはいささか無作法と言うものだな」
感電の目の前でにやにやと笑うのは、制服のまま浴槽に入りずぶ濡れになった◆S8pgx99zVsである。
何が楽しいのか? 何の意味があるのか? 感電にはまるで解らない。
解るのは、目の前にいるマーダーが無闇に楽しそうだということだけだった。

張られた湯の中で感電と◆S8pgx99zVsの身体が密着する。
華奢の彼女の身体は見た目通り軽かったが、人を支配する力でもあるのか感電は身じろぎすることもできなかった。
そんな感電の身体の上を、まるで蟲が這うかのように彼女の小さな手がまさぐる。

困惑する感電の前で◆S8pgx99zVsはただ無言で笑うだけだ。

感電の両肩に置かれた手が腕を撫でながら降りて、彼の手と◆S8pgx99zVsの手が合わさり組まれ……、
湯の中で小気味よいクラベスを叩き合わすような音が響き――感電の両の手は砕かれた。
それと音を合わせる様に感電の喉の奥から悲鳴以下の篭った空気が漏れる。

身体を小刻みに揺らす感電に満足すると、◆S8pgx99zVsは組み合わせた手を解き腕を彼の胴へと回した。
胸と腹が密着し抱きつくという形になる。彼女の顔は感電の肩の上、片方の頬を密着させその隣にあった。

早鐘の様に打たれる心臓の音。吃音を伴い短い間隔で荒く繰り返す吐息。全身を巡る血が管の中を走る音。
自分の手の中にある感電という楽器。それが奏でる和音を確かめると◆S8pgx99zVsはそれを演奏し始めた。

◆S8pgx99zVsが感電の身体に回した腕を締め付けるたびに、奏でられる音が変化する。
あばら骨が軋み、激痛に身悶える身体の中で血流が強弱する。圧迫された肺から空気が押し出され吹き出される。
背中に食い込む細い指に、背筋が引きつり音を変調させる。

苦悶に歪む感電の横で◆S8pgx99zVsは眼を閉じ、ただ感電の身体から奏でられる命という旋律を楽しんでいた。


ふと◆S8pgx99zVsの頬に熱いものが触れた。感電の両の瞳から零れ落ちた涙である。
◆S8pgx99zVsは小さく口を開けると、そこから伸ばした桃色の舌でそれを掬い舐めた。
そこにある恐怖と苦痛――それに満足するとさらにその舌を頬に這わせる。
涙が描いた筋をなぞり上へ上へと、流れる涙の源へと遡る。そして遂には辿り着いた。

見開かれ震える瞳。その片方に長い舌を這わすと、さらに顔を近づけて唇をつける。
じゅるり――と下品な音を立てて◆S8pgx99zVsは眼窩に溜まった涙を吸い上げた。
そしてもがこうとする感電を全身を使って押さえ込みながら、さらに眼窩の中に舌を這わせる。
◆S8pgx99zVsの舌が感電の眼球を飴を舐めているかのようにねぶる。そして溶け出す涙を密着した唇が吸い上げる。

一際大きく感電の身体が震えた。――◆S8pgx99zVsが遂に彼の眼球を眼窩から引きずり出したのだ。
◆S8pgx99zVsの唇の隙間から伸びた神経束。それが引かれ、一本一本切れるのを感電は残された単眼で見た。
そして、その感電の残された眼をまるでご馳走のように見つめる彼女の赤い両の目を。

577Electric shock (改訂ver.):2007/06/05(火) 19:00:00 ID:wdnoUgNg0
口腔の中で転がした眼球を飲み込むと、◆S8pgx99zVsはさらにもう一つを奪い自身の中に取り込んだ。
そしてさらにさらに感電の身体を貪る。彼から奪う。その身体の隅々までを犯す。

唇と唇を合わせ口腔を侵略した。整列した歯をビスケットのように砕き溢れる血を啜った。
耳の穴に舌を突っ込み、貝を食べるように下品に吸って蝸牛の味を確かめた。
首筋に這わせた指を中に刺し込み、肉の奥に隠れた頚動脈を引きずり出してその弾力を確かめた。

幼い少女が物言わぬ人形を相手にそうするように、熟年の娼婦が寝台の上で男を相手にそうするように
◆S8pgx99zVsは感電を犯した。


臍の穴から穿っていた指を抜き出すと、◆S8pgx99zVsはその指を身体の表面を這わせ更に下へと動かした。
されるがままの感電は、己が血で汚された熱い湯の中でただ凍えているかのように身体を震わせている。

――鼠を甚振る猫。そんな言葉がすでに希薄となっていた感電の意識の中に浮かんでいた。
自身が窮鼠であるならせめて最後に一矢を……と思っても、身体の感覚はまるで自分の物ではないのかと
思えるぐらい曖昧だ。光も音も匂いもなく、痛みすら感情すらも曖昧だった。

一際大きく響く音と共に感電の思考が中断された。
内腿に這わされた◆S8pgx99zVsの手が彼の大腿骨を圧して折ったのだ。
繰り返して感電の身体が引き攣り震え、水面が大きく揺れる。

もはや薄く浅い呼吸を絶え絶えに繰り返すだけとなった感電――と辛うじて言えるだけの物。
身体中の骨を砕かれ、糸の切れた操り人形の様に全身を弛緩させる感電。
食べ尽され、まるで皮を剥いた蕃茄(トマト)の様に真っ赤な顔――いや、顔があった場所を晒す感電。
それに満足すると、◆S8pgx99zVsは感電にもたれかけていた身体を起こし浴槽を出た。

まるで子供の様に、紅く染まった自身の十本の指を一本ずつねぶり、濡れたセーラー服の袖で口を拭う。
濡れた髪の端から、重さを増したスカートの端から、身体の端々から水を滴らせながら無邪気な歩調で、
床が濡れるのもお構いなしに浴室を横切る。
彼女は血臭と薔薇の香りが混じる浴室の隅、洗面台の上からある物を取るとコードを引きながら再び
身悶える感電の元へと戻った。

578Electric shock (改訂ver.):2007/06/05(火) 19:00:16 ID:wdnoUgNg0
◆S8pgx99zVsの凶眼が見下ろす感電の姿はまさに”虚”だった。
彼女によって何もかもが侵され――壊され――奪われた。肉の身体も――心も――魂までも。

辛うじて残っている命の灯火……、そして意識。その僅かな意識で感電は考えていた。
どうして……、どうしてこんなことになってしまったのか。あぁ……しかし、それを自分は知っている。
それは……、それは何故ならば…………、それは何故ならば……………………。


「人により感電と呼ばれる身ならば、そうであるならば、これこそがお前の命の灯を吹き消すに相応しい」
そう言うと、◆S8pgx99zVsはその手に持った漏電するドライヤーを感電が横たわる浴槽の中へと落とした。


感電の末期。最初に来たのは、頭が割れるような大きな音と、全身を石の壁に叩きつけられた様な衝撃だった。
その次に、全身の皮膚が捲り上がり身体が粟立つような恐ろしく不快な感触に襲われたが、幸いにも意識は
そこで糸を切ったかのように途切れた。そして、途切れる意識の最後の刹那。最後に感じたのは羊水の中に
回帰するような安息だった。


【感電@ろわらじおつあー  感電死】


「でわな。楽しかったぞ。感電」

熱と興奮に上気した顔。その中でも取り分け赤く染まった小さな唇で別れの言葉を告げると、◆S8pgx99zVsは
そこに無残な死体と死臭を残して浴室を後にした。


「おっと……、これはいけない」
鏡に写る自身のその頬に血の雫を確認すると、◆S8pgx99zVsはそれを指先で掬い取り口へと運んだ。
そして改めて鏡で自身の表面に感電の血が残っていないことを確認すると、彼女は濡れた身体を再び暗い廊下へと向ける。

濡れた髪、濡れた狂相を窓から差し込む蒼く静かな光に晒し、彼女は待ち人の元へと帰る。

579Electric shock (改訂ver.):2007/06/05(火) 19:00:35 ID:wdnoUgNg0
 ◆ ◆ ◆ ◆

「お前……、何があったんだ?」

薄暗い洋室の中、瞬殺の人の前に立つのは全身ずぶ濡れの◆S8pgx99zVsである。

「入浴」
ほかほかと湯気と上げながら彼女はそっけなく答える。だが……、
「常識がないのかよ。……普通、服は脱ぐだろう」
やはり、これが真っ当な返答だろう。
それに自分達が参加者とは言え、創作でありロワなのである。
ならばなぜ貴重なサービスシーンを大事にしないのか。それも瞬殺の人には理解できないことで、
やはり、アニロワの書き手はどこかおかしい……と、
濡鼠となった◆S8pgx99zVsを前にそう実感する瞬殺の人であった。

「大体、生理現象じゃなかったのかよ」
「汗をかくのも生理現象の内」
「………………あっそ」

それよりも……と、◆S8pgx99zVsは床に散らばった家具の成れの果てを指差す。
待つことに耐えられなかった瞬殺の人のストレス解消の相手となった物達だ。

「別になんでもねーよ。それよかさっさと誰か見つけようぜ。
 大体、誰も死なない話しなんて無駄なんだよ。全部で何人いるかも知らされてねえんだ。
 どんどんズガンしてかないとよー」



深黒の洋館に鋼に覆われた拳を叩き合わせる音が鳴り響く。
それは、次なる惨劇の開始の合図か……、それとも………………。

580Electric shock (改訂ver.):2007/06/05(火) 19:00:53 ID:wdnoUgNg0
 【開始から二時間足らず/C-1/洋館の中】

 【瞬殺の人@学生キャラロワ】
 [状態]:精神疲労(小)、少しストレスが溜まっている、鎧装着
 [装備]:召喚した鎧
 [道具]:支給品一式(地図なし)、携帯電話、後は不明
 [思考]
  基本:ロワを完結させる(結末は自分の優勝エンド)
  1:少女と組んで参加者を襲う(待ち伏せをするか、遠隔で襲うかは臨機応変)
  2:誰も近寄ってこないなら拠点を移動する。
  3:皆殺し
 [備考]
  ・男の「召還」は鎧(アルフォンスエルリックみたいな感じ)を呼び出すものです。
  ・装着して動く事も出来るようです。

 
 【◆S8pgx99zVs氏@アニロワ】
 [状態]:絶好調、全身ずぶ濡れ、仄かに薔薇の香りを漂わせている
 [装備]:なし
 [道具]:支給品一式(地図なし)、携帯電話
 [思考]
  基本:皆殺しにして優勝
  1:男(瞬殺の人)と組んで参加者を襲う(待ち伏せをするか、遠隔で襲うかは臨機応変)
  2:誰も近寄ってこないなら拠点を移動する。
  3:皆殺し
 [備考]
  ・地図氏の能力は自分を中心にMAP九マス分を投影し、生者と死者の動きを探るというものです。
   (※1.仮にフィールドの端にいて無駄になる部分があると分かっていても、自分を中心にしか投影できません)
   (※2.自分が動いている間は投影できません。動いている相手を投影することはできます)
  ・首輪は首と心臓の二箇所に嵌っています。
  ・普通の人間が敵わない程度に怪力です。(※上限は不明)
  ・他の能力に関する詳細は不明。あるかもしれないし、ないかもしれません。
  ・感電を殺害したことは、瞬殺の人に話しません。

581この名無しには、自分が正しいと信じる夢がある!:2007/06/05(火) 19:03:00 ID:wdnoUgNg0
以上、投下終了。
あー……、満足。満足w

582この名無しには、自分が正しいと信じる夢がある!:2007/06/05(火) 22:04:38 ID:ioV8ziHw0
すごいことになってるw

583この名無しには、自分が正しいと信じる夢がある!:2007/06/05(火) 22:45:32 ID:ZrRmxLgEO
何かグロいしエロくてワロタwww

584この名無しには、自分が正しいと信じる夢がある!:2007/06/05(火) 23:07:45 ID:rykbB9rA0
>>5706
同感。
原作だとあいつら二人不幸すぎるから・・・
ロワの中でくらい幸せになってくれと。

585この名無しには、自分が正しいと信じる夢がある!:2007/06/05(火) 23:10:07 ID:rgLE1p4Y0
なんという誤爆…
間違いなく>>584は参加させられる

586この名無しには、自分が正しいと信じる夢がある!:2007/06/05(火) 23:32:14 ID:OSIUFQ9o0
ところがどっこい、そんなこと言った>>585こそが(ry

587旗・即・折2:2007/06/06(水) 03:31:19 ID:e8mBZPAc0
「あれ?誤爆した俺が何で参加しているんだ?」
>>584が気が付くと、そこには自分と>>585>>586の姿があった。
彼等は既視感を覚えたが、そんな事はどうでもいい。
「お前のせいで俺までとばっちりくったじゃねーか!」
「なによ!?あんたが調子乗って参加させられるって書くから―!!」
「おおおおおおお落ち着けよ二人とも!」
そして三人は言い合いを始めた。
三人は知らなかった。これが仲直りフラグであることを、そして、この場にフラグを折る男がいた事を。

―旗
「うるっさいなぁ!元はと言えばお前が悪いんだろ!」
―即
「なによぉ!? ……あれ?何か聞こえn」
―折

その瞬間、牙突が三人を貫いた。
牙突を放った男の名はK、ありとあらゆるフラグをへし折ってきた壬生狼である
「我に折れぬ旗無し!」
日本刀の武装錬金、ソードサムライXについた血を振り払い、
Kはソードマスターヤマトの四天王のように串刺しになった三人を一瞥して呟いた。
「ふむ、そろそろ拡声器フラグを折にいくか」
そして壬生狼はいずこかへと歩いていった

【ゲーム開始一時間後/B-6/海岸】
【K@ジャンロワ】
[状態]:健康
[武装]:ソードサムライX、串刺しになった三人
[所持品]:支給品一式
[思考]:
基本:旗・即・折
1:拡声器フラグを折る

>>584@書き手ロワ 死亡確認】
>>585@書き手ロワ 死亡確認】
>>586@書き手ロワ 死亡確認】

588この名無しには、自分が正しいと信じる夢がある!:2007/06/06(水) 06:41:32 ID:e/7eyu7AO
素早いw

普通はフラグを折る=死んだりする、だが
拡声器フラグに限っては「生き残らせる」なのか?
なにしろ拡声器だし

589この名無しには、自分が正しいと信じる夢がある!:2007/06/06(水) 20:08:08 ID:jm0dCWzM0
は、はええwww
瞬殺されてしまったw

590この名無しには、自分が正しいと信じる夢がある!:2007/06/07(木) 12:23:53 ID:zrMj2sd20
そういやキャプ見沢って居ないな。キャプテンこんだけいるのに

591この名無しには、自分が正しいと信じる夢がある!:2007/06/07(木) 12:33:01 ID:UtE/eqSQ0
見沢は集合体って意識が強いんじゃないかな。
有名なコテもいないし

592この名無しには、自分が正しいと信じる夢がある!:2007/06/07(木) 13:22:52 ID:sRK2InYQO
つまりキャプ見沢はマルドゥックのシザースか

593この名無しには、自分が正しいと信じる夢がある!:2007/06/07(木) 19:13:04 ID:qNv2A2HQ0
ああそうだ、キャプ見沢出そう出そう思っててすっかり忘れてたw

594この名無しには、自分が正しいと信じる夢がある!:2007/06/07(木) 20:25:46 ID:IJw9XGxAO
DG細胞みたいに感染する支給品になるな

595この名無しには、自分が正しいと信じる夢がある!:2007/06/08(金) 19:26:57 ID:F4VBdyMo0
もし参加者として出るなら出典どこだろう?
少なくともアニロワ、パロロワ交流雑談所、キャプテン観測所
の3つがあると思う。

596この名無しには、自分が正しいと信じる夢がある!:2007/06/08(金) 23:51:50 ID:CSgflO3A0
ttp://takukyon.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/clip/img/4.gif
マップ更新ー。

597この名無しには、自分が正しいと信じる夢がある!:2007/06/09(土) 00:25:21 ID:TLJt2cGE0
>>596
乙。だが、C-4は稲田しか生存している書き手はいなかった気もするが。

598この名無しには、自分が正しいと信じる夢がある!:2007/06/09(土) 00:35:05 ID:gyWOqYrM0
ttp://takukyon.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/clip/img/6.gif
ミスった。C−4虐殺完了。

599この名無しには、自分が正しいと信じる夢がある!:2007/06/09(土) 01:02:14 ID:3AbO65ZA0
>>595
俺はキャプテン観測所から出す予定だった

600我が道を行く人とそのツレ:2007/06/09(土) 08:26:07 ID:MMr2osNQ0
人の手がまったく入ってないのか、二、三メートルほどの高さまで伸び、河原のそこら中に覆い茂っている葦を左右に掻き分けて、一人の人のよさそうな青年がひょっこりと顔を出した。
その青年――仮まとめは暫く注意深く周囲を見渡して誰もいないことを確認すると、葦の茂みから河原に姿を現し、背後を振り返って声をかけた。

「出てきても大丈夫ですよ。誰もいないみたいです」

その声を受けて、覆い茂る葦の半分程度の身長もなさそうな少女が姿を現す。

「山道を歩くのは路上をそのまま歩くのより安全だが疲れるな」

年端からすると不釣合いなほど凛とした口調で呟きながら、少女は近くの大き目の石に腰掛けた。
つられて仮まとめも手ごろな石に腰をおろし、ふと思い出したように質問を投げかける。

「そういえば、あなたの支給品は何だったんですか?」
「5MeO-DIPTだ」
「何ですか、それは?」

聞き覚えのない文字列。一体何なのかと首かしげる。

「平たく言うと媚薬だな」
「び、媚薬!?」
「興味があるのなら使ってみるか? 君のような童顔で華奢な体型の青少年が恥らいつつ徐々に狂っていく様は私も実に興味が……」
「アッー! 使いません、使いませんよ、僕は!」
「……そうか、残念だ」

心底残念そうに肩を落とす666を見て、頭痛を覚えた仮まとめは頭を抱える。

「どうした?」
「いえ、ちょっと軽い頭痛が……」

若干の皮肉を混ぜて返した言葉に、666は左手を口元に当ててちょっと考える姿勢を示した後、おもむろに荷物の中から何か取り出す。

601我が道を行く人とそのツレ:2007/06/09(土) 08:27:04 ID:MMr2osNQ0

「頭痛薬だ」
「バレバッレの嘘をつくのはやめてください」
「そうか……。ところで君の支給品は?」

再び666がガッカリと肩を落とした瞬間、一つの叫び声が二人の耳に届いた。

『――皆さん! 助けてください!』

咄嗟に立ち上がり二人は周囲を見渡す。不意を突かれたため方角が判然としない。
だが、直ぐに次の叫び声は続いた。

『私は今、残忍なマーダー◆8eDEaGnM6sに襲われています!』

弾けたように666が走り始める。その後ろを慌てて仮まとめも追いかける。

「いかん。拡声器フラグだ! 貴重なロリが一人減ってしまう」

拡声器フラグ――ほぼ確実に使用者を死に陥れるフラグ。
その凶悪さは拡声器に相当する物のない二次スパ出身の仮まとめでも知っていた。

「知り合いですか?」
「今の声はおそらくLSロワの◆M42qaoJlNAだ。彼女はかつてあるキャラに拡声器を使用させ四面楚歌の状況を作り出したことがある」
「だとしたら今回も……。そんな状況で、どうやって助ける気なんですか?」
「安心してくれ。私だって考えなしに行動しているわけではない」

力強い口調。強い意志をたたえた瞳。少女の持っている凛とした大人びた雰囲気と相まって、自然とその言葉に期待かかる。
そして、一拍おくと小ぶりで形の良い唇が開かれ、続きを紡いだ。

「◆M42qaoJlNAはロリだ。これは彼女の出身がLSロワであることを考えれば疑いようがない。
 ならば私がすることはただ一つ、『究極の美』を持って争いを止める!!」
「………………つまりあなたは、◆M42qaoJlNAさんを裸にすると?」
「端的に言えばそうなる」

602我が道を行く人とそのツレ:2007/06/09(土) 08:27:34 ID:MMr2osNQ0

わかってましたよ。ええ、十分にわかってましたよ。
けど、一瞬でも期待した僕が馬鹿でした。

「それにもとより完璧な私の理論だが、それは実際に君によって立証されつつある」
「僕ですか?」
「君は◆M42qaoJlNAの裸に期待しているのだろう?」
「なっ!? そ、そんなことは」
「隠すことはない。ロリショタの裸体に魅かれるのは人として当然のことなのだからな。
 何を隠そう私自身も実は期待している」
「してません! 僕はしてません!!」
「本当か?」
「本当です」
「絶対に?」
「絶対です」
「なら、私の目を見て答えてもらいたいものだな」
「…………………………」

目が泳いでいる仮まとめを確認して666が満足気な表情を浮かべる。

「だが、私にも不安はある。この方法によって争いが止まることは明白だが、『風花 武装解除(フランス・エクセルマティオー)』を実際に使用した経験が実は私自身にはない。
 近距離はともかく遠距離ではコントロールに若干の不安が残る。
 きっちり◆M42qaoJlNAに命中すればいいのだが、万が一◆8eDEaGnM6sとやらに命中して、それがロリショタではなかった場合の私と君の精神的ショックは計り知れない」
「はぁ……そういうものですか」

もはや仮まとめは話半分に聞き流している。

「だから出来れば私としては◆M42qaoJlNAの裸より君の……」
「絶っ対にお断りします」
「……そうか、強情だな」

そこで息が切れてきた666の言葉が途切れる。上流に向かって河原を駆けながら会話しているのだ。
二人の――特に、大人びているとはいえ小学生程度の体格しか持たない666の息が切れてくるのは、当然といえば当然であった。
その様子を横目に、『666も◆M42qaoJlNAも見捨てて本気で逃げようか』と思いつつも見捨てきれない仮まとめなのであった。

603我が道を行く人とそのツレ:2007/06/09(土) 08:27:54 ID:MMr2osNQ0
【開始数十分+α後/C-3/橋より下流の河原】

【666(◆CFbj666Xrw)@LSロワ】
[状態]:健康、ちょい息切れ
[装備]:無し
[道具]:支給品一式(地図無し)5MeO-DIPT@LSロワ
[思考]
基本:LSのエロスパワーで殺し合いを止める
1:ロリショタの参加者を集める
2:自分自身はできるだけ脱ぎたくない
[備考]
容姿はクールな印象の美少女。ロリ。
使える唯一の魔法『風花 武装解除(フランス・エクセルマティオー)』は対象の参加者を全裸にする程度の威力に制限されている。

【二次スパ仮まとめ@第二次スパロワ】
[状態]:健康、若干の葛藤
[武装]:無し
[所持品]:支給品一式、コーヒーブレイクセット@スパロワ
[思考]:
基本:駄目だこの人……早くなんとかしないと
1:とりあえず666についていく
2:ゲーム脱出の方法を探す
[備考]
人のよさそうな青年。真面目で誠実、敬語口調。

604この名無しには、自分が正しいと信じる夢がある!:2007/06/09(土) 09:40:46 ID:QZWadRQA0
>>603
う〜むw
バカだ、バカがいるw
なんというか、666のファンになっちまいそうだぜw

投下GJ!

605この名無しには、自分が正しいと信じる夢がある!:2007/06/09(土) 10:57:32 ID:g1HA68/U0
ちょっ、その支給品w

606この名無しには、自分が正しいと信じる夢がある!:2007/06/09(土) 18:09:55 ID:77rNR5wk0
666氏が武装解除使ったことないという点に触れたのに驚いたw
彼の作品では武装解除出てこなかったんだよな

607調子に乗りすぎ電波ン・モゥ:2007/06/10(日) 15:49:54 ID:p1/sdq3gO
「……出来ました、アフラ・マズダ様」
 稲田瑞穂の人は息を切らせながら言った。……全裸で。
 今やデパートの屋上駐車場には怪しげな、非常に細かい魔法陣が刻まれており、服が散乱し、死体が転がっている。
 まるでその場所だけが特別かのような異様な雰囲気を辺りが包んでいた。
 もちろん稲田瑞穂の人もその魔法陣の前に(全裸で)立っているのだけれど、その右手には銃が握られており、朱色の毛に包まれた白い尾は男の死体に向いていた。
 それでも稲田瑞穂の人は不気味に落ち着いており、また一層と殺伐とした空気を高めている。
”よくやりました、ミズキ”
 稲田瑞穂の人の頭の中に直接、声が響いた。
”しかしです、えーとですね、魔法陣の力を解放するには、周りの邪悪な者の血を全て絶たねばならないのです”
「周りの邪悪な者達を……」
”そうです”
 アフラ・マズダは続けた。
”弱き者を助ける為に、そして地球を守る為に、ミズキ、あなたは戦わなければなりません”
 稲田瑞穂の人の身体に光が満ちた。大いなる、大宇宙の力が。
”行くのです、戦士プリーシア・ディキアン・ミズキ!”
 はい!
 ――はっきり言って会話が唐突過ぎてさっぱりなのだが、アフラ・マズダに心酔しきった稲田瑞穂の人の心は、それが完全に適当だということに、全く気がつかないままだった。
 その声を寸分聞き漏らさず頭に刻んだ後、デイパックに散乱した衣類を詰め、出口に向かおうとし――
 出口のドアが開いた。

「あれ? まだ人居たんだ」

608調子に乗りすぎ電波ン・モゥ:2007/06/10(日) 15:50:51 ID:p1/sdq3gO
 目の前には狼。……二足歩行している狼。
 そしてその左手には人間の首(!)を掲げ、それを誇らしげに稲田瑞穂の人を見せ付けているかの様だった。
「ステキね」
 狼――ビアンカの人は輝く斧――☆ドルハーケンを右手に持っており、もはやそれを上に持ち上げていた(関係無いが、首は名無しさん@ピンキーのものだった)。
 獣面にしては美しい顔立ち(稲田瑞穂の人も同じだ)も殺気により、それは腐った邪悪な心を隠す為の単なる仮面でしかない。

 もちろん稲田瑞穂の人は全くひるむ様子は見られず、彼も剣を構えている。
 ――筈だった。
 剣を構えた、と言う表現は正しくなく、本来なら既に”振り終えていた”のだ。
 ビアンカの人は☆ドルハーケンを持っていた為、追加効果により攻撃をが半分防いでいたが、それが彼女の不幸だった。
 首を狙った攻撃はそれこそ☆ドルハーケンにより逸れており、全く切れていなかったが、きちんと首輪だけが部分的に切れており――

 ビアンカの人の頭と胴体が別れを告げ、頭は何処かへ行ってしまいました。

――

「い、一体何なんですか!」
 慌てる金髪の少女。
 それを追う一つの影。
(テラカオス名無しは移動しました。)
 その影――テラカオス名無しは生まれてこの方感情というものを感じた覚えがなく、
 彼は――C++言語の命令が実行されるのを待つ、所謂プログラムの集合隊なのだ。

(テラカオス名無しはよくわからないもので@拡声器を攻撃しました)
「きゃっ!?」
 よくわからないものが、少女――@拡声器のこめかみを掠め、それで@拡声器は尻餅をついてしまった。
「くっ!」
 もちろん@拡声器も丸腰、と言うわけではない。
 十分にテラカオス名無しに対応しうる武器を十分持っているのだ。
 ぱしゅん、と光弾が@拡声器のそれから発射され、テラカオス名無しの足元の土をえぐる。

609調子に乗りすぎ電波ン・モゥ:2007/06/10(日) 15:53:42 ID:p1/sdq3gO
(@拡声器に攻撃されました)
 それでも、テラカオス名無しは躊躇することなくよくわからないものを繰り出すのだ。
 しかも、必死に足を働かせていた@拡声器の視線に何かが入る。こんな状況なのに空き缶でブーイング――
 ――首だった。何かの、生き物の。
「きゃっ……もう嫌ッ……!」
 首に構わず、まだまだ全力で東へ走り続ける@拡声器。
 @拡声器には疲労が襲ってきたものの――テラカオス名無しには疲労とか一切関係なかった。

【ゲーム開始数時間後/C−4 イトーヨーカドー】
【稲田瑞穂の人@テラカオスロワ】
[状態]:電波 不必要なヌード 拡声器に気付いた
[装備]:つるぎ@シャドウゲイト 『道明寺家宝刀ズガン銃』(DHZG)@テラカオスロワ
[道具]:支給品一式 服 下着
[思考]
基本・やっぱりアフラ・マズダに従う
[備考]
※男。見た目がまんま亜人(FFのン・モゥ族)です
※稲田瑞穂並みの電波受信率です
※接近戦においてかなりの戦闘力を発揮出来ます
※ナイフを光の剣に変える能力を持っています
※光の魔法陣を描いて邪悪な者に対して姿を消す事が出来ます
※何もない場所から小爆発、又は重力波を起こせます(使うと激しく疲労)
※対象一人に対し時間を止める事が出来ます(ただし自分まで止まる)
※アフラ・マズダ様に従えば自分に出来ないことは無いと思い込んでいます
※射撃は苦手です
※ついでにチェスが大得意です
※はい、はい、はい

【ビアンカの人@テラカオスロワ】
[状態]:死亡確認
※首はB−4
【名無しさん@ピンキー@エロパロ】
[状態]:死体

610調子に乗りすぎ電波ン・モゥ:2007/06/10(日) 15:54:17 ID:p1/sdq3gO
【ゲーム開始数時間後/B−4 河川近くの道路】
【テラカオス名無し@ゲーム版カオスロワ】
[状態]:無傷
[装備]:よくわからないもの@ゲーム版カオスロワ
[道具]:支給品一式 中島朱実の石@メガテンロワ 内田たまきの石@メガテンロワ
[思考]
基本・生き残ってランキング上位に入る
[備考]
【アスリート】
息切れせずに走ることが出来る
【冷血】
接近戦での攻撃力が高くなる
【祈り】
神社で何かが起こる
【説得】
どんな説得内容でも相手を躊躇させることがある
【ハッキング】
周辺機器さえあればハッキングを行える
【セルフコントロール】
精神を乱さない
※よくわからない

【@拡声器@6ロワまとめサイトの人】
[状態]:良好
[装備]:パーティクルイレイザー@ゲサロワ
[道具]:支給品一式 ボム兵@任天堂ロワ
[思考]
基本・対主催を集めてゲームを潰す
[備考]
【拡声器】
拡声器が無くても広範囲に思念波を飛ばしてメッセージを伝えることが出来る。
また、思念波を聞いている相手は頭痛と疲労感に襲われ、行動不能になる。
※東へ逃げてます。

611この名無しには、自分が正しいと信じる夢がある!:2007/06/10(日) 22:20:32 ID:KW4SxKo.0
こんな序盤から強さのインフレーションっすかwwwww
ここまで先が読めないロワは初めてだ
クルミの人や画鋲の人がもはや中堅以下に見えるなw

612この名無しには、自分が正しいと信じる夢がある!:2007/06/10(日) 22:40:20 ID:p1/sdq3gO
>>607
細かいけどプリーシア・スエイン・ミズキだね
称号…

613この名無しには、自分が正しいと信じる夢がある!:2007/06/10(日) 22:54:30 ID:vBIn95hk0
ていうか参加者多すぎw
もう100人はいったんじゃねえか?

614この名無しには、自分が正しいと信じる夢がある!:2007/06/10(日) 23:02:42 ID:CzV9egkY0
主だった人だけでこの人数。
ロワ書き手の総数ってこんなに多かったんだな。

615この名無しには、自分が正しいと信じる夢がある!:2007/06/10(日) 23:42:16 ID:2f0tgYCU0
そりゃそうだろw
それにまだまだ増えるさ

616誤解フラグってレベルじゃねーぞ:2007/06/11(月) 03:08:30 ID:MxUjanTc0
人気の無い小屋の中にイヤホンをつけた一人の男がいた。
イヤホンのコードは画面と、ボタンが少しだけついた機械らしきものについている。
男は支給されたであろうそれを、良く分からないという感じでいじっていた。
画面に映っているのは参加者の顔写真だろうか。
卒業アルバムのように顔写真が並んでいる。
名前が書かれていないいところと、途方もなく多い人数が唯一違う点か。
男がカーソルを動かしてショートカットの女の娘の写真の上でボタンを押すと、声が聞こえてきた。

『殺し合いなんて嫌だよ、童話のキャラで殺し合いをさせた罰なのかな。
 それにこの支給品……確かに御伽だけど、せめてうちでのこづちとかがよかったな』

咄嗟の事にイヤホンを外してあたりを見回すも誰かがいる様子は無い。
怪訝に思いイヤホンを耳につけると、また声が聞こえる。
そう、彼は盗聴器を操っていたのだ。
その事が分かると、集中して耳を傾ける。

『と言いつつ着ちゃったけど、防弾でもないしやっぱりハズレか……って、なに!!!』

男は突然耳に響いた叫び声にびっくりして、直ぐにボイスをオフにする。
そして使い方が分かったところで、適当に顔写真をクリックしていく。

『―――れば自らの願望をねじ込み好き放題に楽しめば良い。
 気に入らないロワなら……30分ですら遅すぎる!
 始まる前に潰れてし―――!』
「やっぱりキャプテンもいるみたいだな……」
唐突に声の主をキャプテンと決め付けたこの男の名は、キャプ見沢と言う。
「主催の奴もキャプテンみたいだし、他にもキャプテンがいるかもしれないな……」
そう思い、続けてクリックしていく。

『これはマジで殺されても文句は言えないわね……』
(他の参加者に殺されて文句も言えないような参加者……こいつもか!)

『神様が居たら改めて感謝するよ、自分をこんな幸せゲームに招待してくれたことを』
(こんな事いう奴はキャプテンに違いない!)

『まぁ。ハクオロや才人が犠牲にならないのは喜ばしい事ですが』
(この二人をあげたって事はキャプテンだな!)

『ふぅむ…………やっぱりメイド服ってのは日本の文化だねぇ』
(メイド服→シエスタ→ゼロ魔でこいつもキャプテンだ!)

『ル、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールの杖じゃない!』
(ま た ル イ ズ か !)

『僕か、僕が悪いのか? あんな展開書いた僕がいけないのか?』
(あんな展開?キャプテンの超展開か!)

『キャプテン。短い間でしたが、お世話になりました』
(またキャプテンの自作自演か!)

『こんな状況タカヤにもありましたね』
(タカヤ→突然異世界に→才人って事でやっぱりキャプテンだ!)

『『風花 武装解除(フランス・エクセルマティオー)』を実際に使用した経験が実は私自身にはない』
(フランス→アンリエッタ・マリア→アンリエッタ女王、つまりキャプテン!)

「思ったとおりだ、キャプテンの奴だけは生き残らせちゃ駄目だ!」
無茶苦茶な理論で片っ端からキャプテンと決め付けたキャプ見沢は、声を張り上げて決意を固める。

―――と、突然小屋の扉が開く。

「だ、誰かいるんですか?」
おそるおそる扉を開けて入ってきたのは羽根の生えた兜をかぶったツインテールの女の子。
というか、まんまおとぎ銃士赤ずきんちゃんだった。
(くそ…油断した!)
咄嗟に物陰に隠れたキャプ見沢は、何かがひっかかり膨大なリストの中を探す。
「あの、誰かいるのなら聞いてください。私と一緒に協力して脱出を目指しませんか?」
数分、沈黙の時間が流れる……。
そこから動く様子のない少女を見て観念したのか、男はしぶしぶといった感じで答える。
「悪いが信用できない」
その声に少女は「どうすれば信じてくれますか?」と声を上げた。

617誤解フラグってレベルじゃねーぞ:2007/06/11(月) 03:08:46 ID:MxUjanTc0
『どうすれば信じてくれますか?』
イヤホンから聞こえてくる言葉にキャプ見沢は確信した。
(やっぱり、あの少女の声は最初に聞いた女の娘のもの)
最初に聞いただけあって印象に残っていたので、確かめてみたのだ。
だが何も声が女の娘のものか確かめたかったわけじゃない。
すぐそこの少女の顔と、顔写真の女の娘の顔が別人であるという事を確かめたかったのだ。
調べるついでに全参加者の顔を見回したが、そこの少女の顔は見当たらなかった。
これはどういう事か、そんなことは考えるまでも無い。
(こいつはキャプテンだ。あいつは嘘つきだからな、こうやって騙そうとしてるんだ。
 だけどキャプ見沢にとっては誰がキャプテンかなんて一目瞭然、残念だったね)
あとはどうするかだ。こっちに武器は無い、だが相手は何を持っているか分からない。
盗聴ではハズレという事だったが、今となってはそれも怪しいものだ。
用心をするなら、せめて武器を手に入れるまで騙された振りをする。
だがしかし、相手はあんな少女だ。何か武器を持っていても不意をつけば簡単だろう。
今なら会話しだいで油断を誘える、武器を持ってたらすぐに手に入るしな。

慎重に、騙された振りをして武器を手に入れるまで待つか、
危険を顧みず、今すぐ殺して武器を手に入れるか、

……さて、どうする?


【ゲーム開始後暫くした頃/D-5 小屋】
【キャプ見沢@キャプテン観測所】
[状態]:良好、キャプ見沢症候群発祥
[装備]:盗聴器
[道具]:支給品一式
[思考]
基本:キャプテンの殲滅
1:少女と話す
2:少女を殺すか保留か決める
[備考]
<キャプテンリスト>
暫定でホチキス、◆6/WWxs9O1s、◆ilZClmYqFI、キャプテン、Classical名無しさん、
愚弟、アリ2作者、◆L9juq0uMuo、ヤムタカ、666、◆Ax9.rAEGf2をキャプテンと認識しました。
<キャプ見沢症候群について>
どんな些細なことでもキバヤシ理論の如く全てキャプテンと結び付けてしまうかも。

【◆Ax9.rAEGf2@御伽ロワ】
[状態]:良好
[装備]:おとぎ銃士赤ずきん@おとぎ銃士赤頭巾のコスプレ
[道具]:支給品一式、御伽セット(他不明)
[思考]
基本:ゲームからの脱出
1:男と話す
[備考]
御伽セットの能力を知ったかどうかは任せます
<御伽セットについて>
おとぎに関係のあるキャラの服などが入ってます。
なおこれを着ると、なぜか外見と能力だけそのキャラになれます。
破れたりすると効果がなくなります。

618ステルスに騙された名無しさん:2007/06/11(月) 09:56:00 ID:EdZT2RDM0
キャプ見沢すげえ!?
>(フランス→アンリエッタ・マリア→アンリエッタ女王、つまりキャプテン!)
発想力が尋常じゃねえwww

619ステルスに騙された名無しさん:2007/06/11(月) 20:13:19 ID:5M36P8rE0
キャプ見沢ヒドスwww
そしてとうとう御伽からも参戦か

620描手の異常な愛情 また如何にして私は狂気を描くようになったか:2007/06/11(月) 21:56:53 ID:00oq72ic0
「あーあ、こんなことに巻き込まれるナンてなあ……」
木と草、大量の緑が生い茂っているこの山中で彼女は休息を取っている。
僅かに差し込む光がとても心地が良く、とても殺し合いをする現場とは思えない。
鳥や小動物でもいれば尚更良い……それは叶わない夢だが、鳥の囀り抜きの木々のざわめきを聞くだけでも十分な癒しになる。
身体を伸ばし、ゆっくりと座り込み巨木にもたれかかる。
その木から不思議と鼓動のような物を感じる。ずっしりした、存在感のある鼓動を。
そのままじっとしていれば眠ってしまいそうなくらい大きな安心感に包まれているような、実に不思議な気分だった。

しかし、現実は違う。
ここは殺し合いの現場である。何時、何処で、誰が、何故、何を、どのようにして殺しに掛かってくるか分かったものではない。
仮にそれがわかれば、それは未来予知ができる新人類だろう。
彼女はそんな力を持っていないし、そんな力を持っていたとしてもそれを防ぐ、対抗するべき手段があまりにも弱すぎる。
それらを抜きにしたとしよう。では彼女が安心しきっている理由とは何か?

答えは自身である。
自身は企画の早い目に抜けた身、つまり忘れ去られた存在。
彼女は知らないことだが、後の勉強男やらキャプテンが現れてからは全くと言って良いほど自分は相手にされていない。
一時期の叩きの的は、飽きられると忘れ去られるものだ。
しかし、幸運は彼女自身が忘れ去られたことに自覚を持っていることである。

だから、誰かに会っても適当な嘘がつけるし生き延びる事ができる。
影の薄さを利用してどこかに隠れることもできる。
ここでじっとして人が減るのを待つ事ができる。

自分には有限であって無限大の時間が残されている。なんとも気楽なものだ。
ただ、待てばいい。時が来るのをひたすらに……待ちつづける。
上を見上げると木々の間から見える空がなんとも綺麗だ。
ああ、本当にこのままずっと寝て居たいぐらい……。

621描手の異常な愛情 また如何にして私は狂気を描くようになったか:2007/06/11(月) 21:57:08 ID:00oq72ic0





激痛。
悲鳴。
出血。

右手が後ろの巨木に五寸釘で打ちつけられている。
考えられなかった、考えたくなかった。
殺されるかもしれないという唐突に突きつけられた絶望の可能性を。
片手にハンマーのようなものを持った女性が、こちらを見てニヤニヤと笑っていることを。
「旧まとめ、みいつけた」

自分は忘れ去られた存在ではない。
一部のFFDQ、AC民には未だにその記憶が焼きついている。
厨作品よりも何よりも逃げ出したことに対しての感情を持つ人間が何人もいる。
そして、目の前の人間は自分を知っていた。

それと、怖かった。
ハンマーと釘とナイフを持つ目の前の彼女がとても怖かった。

「ゆ……許してく、ください」
限界だ。自分に残された生の時間を使う事ができる終わりが来た。
とにかく目の前の彼女が。
笑っていることが。
ハンマーのようなものを持っているのが。
自分の胸ぐらを掴んでいる力が。

ひたすらに怖かった、だからこそ次に聞こえた言葉が救いに思えた。

「別に恨んでなんかいないですよ、寧ろ感謝したいぐらいです。
 3rdを立ててくれたりとか、テキトーとはいえ序盤の加速を作ってくれたことに関してね」

ほっとした、その一言を聞いて硬直しきっていた全身の筋肉が解け、一気に力が抜けその場に座り込んだ。
まるで二十四時間休憩無しの全力労働地獄から、何もしなくても屁をこいてるだけで金がどっさり入ってくるような夢のような生活になった時のような安楽感。
天使が回りに数人見え、こちらへと手招きをしている。天高く見える救いの扉が目と鼻の先だ。
ゆっくりと、しかし必死にその扉のノブを掴もうとして、ひたすらに空を泳ぐ。
やっとその扉のノブを掴んだときに、この上ない幸せを感じ。力いっぱいドアノブを捻り、引く。
その扉から暖かい光が差し込んできて、それが自分を包むように。

622描手の異常な愛情 また如何にして私は狂気を描くようになったか:2007/06/11(月) 21:57:30 ID:00oq72ic0



突き刺さった。

「教えてあげましょうか?」

自分の左手を見る。

「私が貴方を」

釘が刺さってる。

「襲った理由はですね」

目の前の女性を見る。

「貴方に恨みがあるからじゃない」

ハンマーを持っている。

「もっと単純な理由ですよ」

もう一度左手を見る。

「ただ単に」

血が出ている。

「こわしたいだけです」

痛い。

623描手の異常な愛情 また如何にして私は狂気を描くようになったか:2007/06/11(月) 21:57:47 ID:00oq72ic0

思考が全部切れた。
叫んで、喚いて、泣いて、狂って、暴れて。
それでも止まらなかった、止まる訳が無かった。
目のまえの彼女はハンマーを持って振り回してます。
くぎが刺さります、ざくっざくっ。血がたくさん出ます。
わたし、体捻って避けます。胴が千切れそうになって。
どんどん、力なくなってきて。ぐったりしてきた。マシンガンも地面に落ちた。私の魔法、すごいすごい。
手にあったマシンガンが地面に落ちました、すごい、すごい。私の魔法、マホウ、マジック。すごい。
目の前の彼、彼女は次にハンマーをしまいナイフを懐の袖から取り出しこちらに向かってニヤニヤニヤ。
笑いながら、何かを剥いでいます。なにをはいでいるのででしょうか?
わたしの、かわでした。皮膚とよべる全てをその小さなナイフできれいにピーラーのようにつるつるとむけて血がどくどくと。
両腕とりょうあしのおにくが丸見えになったところでつぎは釘がささったままの右てに近よってきました。
つめ、にくの間にナイフを突き立ててアジのように開いて掻っ捌いてブチブチと千切れていきます。
ていねいにていねいに、売り出すタメに一本一本ツメをはいでいきます。
おじょうずにとれたところで、次に左手のどうみゃくにナイフを突き立てて。一本のあかあいひもをとりだしました。
そのまわりにつく赤いえき体をすすったあとでその紐を鞭のようにふるいましました。
そしたら目がなくなったような気がして顔に手を当ててみるとナイフが刺さってました。
抜こうと思っても抜けないので、考えるのをやめ



「……ふふふ、ははは。あははは、あはははは!」
マシンガンで蜂の巣になった女性だった肉塊を見下ろし、ただひたすらに笑う。
木に両腕のような物を打ちつけられたそれは、説明するのも嫌になるぐらいの形をしていた。
全身の皮は剥がれ、右手の爪は指と直角を描き、左手の血管は剥き出しになり、目玉には十字が刻まれていて、足は何重にも直角を示し……。

624描手の異常な愛情 また如何にして私は狂気を描くようになったか:2007/06/11(月) 21:57:58 ID:00oq72ic0

地獄絵図を一本の巨木に残し、彼女は歩き始めた。
空を仰ぎ、笑ったまま、何処を目指す訳も無く。
「もーしーもーしー」
この男に捕まるまでは。

「ああ、ラジオさん?」
「あー、やっぱそう呼ぶよねー」
いきなり出てきた男性の声には聞き覚えがあった。
ラジオツアーをやっていた人物の声と酷似していたからであった。
しかし、目の前の男の反応はどうもいまいちである。
「あー、ちょっと良かったら長い話に付き合ってくれる? まずコレ見てほしいんだわ」
すると、ラジオ(仮)は全員に配られている名簿のとあるを指差していた。
「ここに、2人。感電がいるのよ。二人いる事はどうでもいいのよ、A.I氏なんてなんでか3人いるしね。
 まぁ、感電って言うのは俺のことだとは思うんだけど。問題はここなのよ」
数十メートル先の死体の帰り血を浴びている女性に臆することなく彼はベラベラと喋りつづける。
そして、彼は名簿を閉じ、一呼吸置く。
「俺、R-0109としてしか名乗ったこと無いんだわ。
 いや、ラジオとかやる立場の時は。皆が感電感電とか画鋲画鋲っちゅーからそれが馴染んじゃってるっぽいけど。
 つまり、感電という1人の人間……いや、コテハンは存在しない訳。でもここに存在する。どういうことか分かる?」
彼女は小さくも頷いていないのだが、頷いていることにして彼は話を続ける。
「だから、俺はこいつらを探したい。生き残るとかそれより前に皆が作り出した俺のイメージを見たいんだよね。
 一方的に話しちゃってるけどそれでもいい? もし、良いならあなたの名前聞いてもいいかな?」

625描手の異常な愛情 また如何にして私は狂気を描くようになったか:2007/06/11(月) 21:58:08 ID:00oq72ic0
さて、この男。言いたい事だけ一方的に喋ってきたが果たしてこれについていくメリットはあるだろうか?
これと行動していれば堂々と「壊す」事は出来なくなるだろう。
しかし今ここで壊して、「壊す回数」を多くすればどんどん壊したくなってしまう。
ここは我慢して、後で極上の素材を「壊す」事ができればその感覚は至上の物だろう。
良い暇つぶしにはなるだろう。

「ええ、いいですよ。私はあんどれです。FFDQで絵描きやってます」
あー!という驚嘆した声が返ってくる。伊達にラジオツアーで各ロワを回っている訳ではないようだ。
驚いていると思えば次はなにやらスピーカーとマイクとパラボラアンテナを取り出してきた。
これは自分でない自分を探す手がかりなのだろうか?

「まあ、こうして仲間にめぐり合えたことだし。ちょっとこれで遊んでみません?」
突きつけられた説明書には「死者通信機」と書いてあった。
各ロワの死者と通信する事が出来、各ロワの知識を得る事ができるそうだ。
但し、このバトロワの死者とは繋がらないらしい。当たり前か。
説明書を読んでいる間に、R-0109はどんどんと通信機を組み立てていく。
……この調子なら自分の背後数十メートル先にある死体の事は隠さなくても良さそうだ。

気づく事は、無いのだから。

626描手の異常な愛情 また如何にして私は狂気を描くようになったか:2007/06/11(月) 21:58:19 ID:00oq72ic0
【ゲーム開始から数十分後/C-5中心部/一日目】

【あんどれ@FFDQロワ3rd】
[状態]:ゴキゲン
[装備]:デールマシンガン(残弾99%)@FFDQロワ3rd、ナッツンスーツ@FFDQロワ3rd、ルールブレイカー@葱ロワ2、グラーフアイゼン@アニロワ
[道具]:支給品一式(地図なし)、ワライダケから造った麻薬@テイルズロワ、五寸釘(残りたくさん)
[思考]
基本:あは、あははは、あはははははははは!!
1:とりあえずR-0109と行動する。
2:つまんなくなってきたら誰かをとりあえず「壊す」
3:できるだけ色んな人を壊して愉しみたい。
[備考]
※外見は王族っぽい茶髪の女性です。
※ジョブ:白魔導師 アビリティ:ちょこまかうごく

【R-0109@みんなのしたらば】
[状態]:なげやり
[装備]:マウンテンバイク
[道具]:支給品一式(地図なし)、死者通信機@パロロワ、バンドスコア詰め合わせ
[思考]
基本:あーめんどくさ、なるようになれコラ
1:死者通信機でちょっと遊ぶ。
2:スタジオとか楽器店とかどっかにねーかなー
3:ギター弾きてえなぁ
4:俺のパチモンでて来いコラ
[備考]
※声だけなら殆どの参加者が聞いた事があります。
※名乗るのが時々面倒になります
※ラジオでやった分の各ロワの知識があります
※書き手としての知識は……?(他の自分に吸い取られているかも?)
※このロワに参加している自分以外の自分、つまり文具の感電やラジオの感電を、「みんなが作り上げた自分に対する偶像が具現化したもの」。
  つまりコピー人間だと考えています。
※死者通信機は書き手ロワ以外の色んなパロロワの死者と通信が出来ます。
  ただし、死者側はそのロワに関する情報しか与えられず、書き手の能力だとか書き手に関する情報を得る事は出来ません。

#R-0109が考える分裂図。
感電という名前がかなり浮いている為R-0109≒感電でありR-0109≠感電の公式が生まれつつあるのではないのか?
つまり、ラジオをやっているのも書き手をやっているのもパロロワ上では「感電」や「画鋲」であり、俺ではない。
しかし大元を辿れば自分にたどり着くので自分も呼ばれたのではないか?
というよく分からないキバヤシ理論。リレーする人が勝手に捻じ曲げていいよ

【旧まとめ@FFDQロワ3rd 死亡確認】

627ステルスに騙された名無しさん:2007/06/11(月) 21:58:33 ID:00oq72ic0
狂気描写の練習……かな?

628ステルスに騙された名無しさん:2007/06/11(月) 22:11:43 ID:z8TJfojwO
ちょwwwあんどれwww
超狂気wwww
てかCラインの参加者ヤバすぎww

629ステルスに騙された名無しさん:2007/06/11(月) 22:18:53 ID:00oq72ic0
まさにC亡フラグ

630ステルスに騙された名無しさん:2007/06/11(月) 22:20:37 ID:AjgxWVPU0
あんどれテラこええwwww
何気に絵描き参加者初じゃね?
GJですた!!

631ステルスに騙された名無しさん:2007/06/11(月) 22:21:10 ID:sPuirfyk0
>>630
ちょ、ネスカ!ネスカ!

632ステルスに騙された名無しさん:2007/06/11(月) 22:27:16 ID:AjgxWVPU0
>>631
そ、某としたことがー!!

633ステルスに騙された名無しさん:2007/06/11(月) 23:21:23 ID:5M36P8rE0
キャプテンもすごいが感電さんも何人出てくるんだw


実は俺も二人出場してるなんてことは秘密だ

634ステルスに騙された名無しさん:2007/06/12(火) 00:48:43 ID:PUqwcykkO
このままだとカオス化しそうだからあえて言うぞ
そろそろ放送して出場者確定する時期じゃね?
このままだとキャラ数がとんでもない事になる訳だが

635ステルスに騙された名無しさん:2007/06/12(火) 00:53:37 ID:JDHB..EQ0
とりあえず6月いっぱいまで様子見てみたい俺ガイル。

636ステルスに騙された名無しさん:2007/06/12(火) 01:15:09 ID:PkR54pbo0
>>634
あれ、もともとそういう感じでやるんじゃなかったの?

637ステルスに騙された名無しさん:2007/06/12(火) 01:17:44 ID:wRvw1NU60
本気で書き進める人はいるのか?

638ステルスに騙された名無しさん:2007/06/12(火) 02:09:06 ID:Lq09YqtY0
大学ロワ形式じゃないの?

639ステルスに騙された名無しさん:2007/06/12(火) 02:39:37 ID:q644FXoU0
とりあえず、分裂はもう飽きたけどな
書きたい人がいるなら、新キャラ追加してもいいからリレーしろと

640ステルスに騙された名無しさん:2007/06/12(火) 15:02:08 ID:W3da/F6k0
あんどれデールとアルカート混ざってるwwwテラコワスwwwwwww

同じくカオス形式(新キャラ出してもいいから最低限リレーはしようぜ)だと思ってた
キャラ確定するにしてももう少し様子みたいな。
ところで大抵のロワからはもう参加者出てると思うが、まだ出てないロワってあるのか?

641ステルスに騙された名無しさん:2007/06/12(火) 16:21:29 ID:vpwyEbAU0
>>640
SRPGロワ、富士見ロワ、ポケモンロワ、ジョジョロワ、AAロワ、AAAロワ、女神転生ロワ、サンデー
ハカロワ以外のR-18 のロワ、ジャンプ作者ロワ、騎手ロワ、どれロワ、ときメモロワ、ソニーロワ
バトロワinモナー、メフィスト作家ロワ、その他の企画ロワ

シリーズだとFFロワ1、FFDQロワ1、芸人ロワ2がなかった気がする。

642@拡声器 ◆eIYURA321E:2007/06/12(火) 18:45:26 ID:aDO4JvUI0
【DENPA】までまとめましたです。
ttp://13.xmbs.jp/n2.php?ID=parorowa&c_num=1106

643ステルスに騙された名無しさん:2007/06/12(火) 23:43:17 ID:sB74Z/Js0
GJ!
遂に纏めが出来たか。

644ステルスに騙された名無しさん:2007/06/13(水) 19:53:21 ID:yRv7Y7iY0
まとめ乙!!
書き手ロワも本格的になってきたぜ

645ステルスに騙された名無しさん:2007/06/13(水) 21:15:16 ID:2QqB.BXk0
名簿も更新しときますね。
盛大に間違えていたらごめんね。

8/13【カオスロワ】●リアルタイムカービィの人/●二代目リアルタイム/○稲田瑞穂の人/○ルートFの人/○死亡者図鑑/○◆6/WWxs9O1s/○◆qSSOg86y8s/○◆hXvyVozAPo/
○◆o0JMpFh/TM/○◆E3y/x3899E/●◆86jbQTms.U/●◆CuG3z3uZ1o/●ビアンカの人
9/10【アニロワ】○鉄槌/○最速の人/○軍曹/●◆QcxMJGacAM/○◆A.IptJ40P./○◆lbhhgwAtQE/○◆LXe12sNRSs/○◆S8pgx99zVs(地図氏)○小鯛長/○愚弟
4/5 【FFDQロワ3rd】○ネスカ/○アリ2作者/○エド/○あんどれ/○旧まとめ
4/5 【ジャンロワ】●勉強男/○アルジャ書き手/○ヤムチャVSタカヤ/○K/○!(◆gnM9.np5nM)
0/5 【書き手ロワ】●◆mMmMMMMmmM/●◆.Qo.QQq.QQ/●>>584/●>>585/●>>586
4/4 【LSロワ】○ボマー/○◆M42qaoJlNA/○◆o.lVkW7N.A/○666(◆CFbj666Xrw)
4/4 【ライダーロワ】○◆TJ9qoWuqvA/○◆A.IptJ40P./○◆E1yyNEjdEc/○◆ozOtJW9BFA
1/3 【任天堂ロワ】○◆BRxsUzTn5A/●◆ilZClmYqFI/●◆1U9aQ7O4wM
3/3 【ラノベロワ】○A/○◆eUaeu3dols/○◆I0wh6UNvl6
3/3 【ハカロワ】○瀬戸こうへい/○ダンディ坂野/○祐一&浩平
1/3 【アケロワ】●七色光線の人/●アランの人/○六代目
2/2 【学生キャラロワ】○瞬殺の人/○プチ執念の人
2/2 【スパロワ】○DGの人/○教授(イングラム死亡の人)
2/2 【二次スパロワ】○二次スパ仮まとめ/○◆T0SWefbzR
2/2 【漫画ロワ】○◆L9juq0uMuo/○◆7jHdbxmvfI
2/2 【脇役ロワ】○感想の人/○大石の人
2/2 【バトROワ】○◆終盤六人殺し/○FLASHの人
2/2 【芸人ロワ】○◆8eDEaGnM6s/○114◆4kk7S4ZGb.

646ステルスに騙された名無しさん:2007/06/13(水) 21:16:01 ID:2QqB.BXk0
0/1 【FFDQロワ2nd】●ルーファウスの人
0/1 【FFロワ2nd】●アイアンクローの人
1/1 【御伽ロワ】○◆Ax9.rAEGf2
1/1 【葉鍵ロワ2】●ズガンの人
1/1 【ハカロワ3】○まーりゃん書き手
1/1 【スクロワ】○◆X7WwwzkoUU
1/1 【ジャンプロワ2nd】○◆SzP3LHozsw
1/1 【ギャルゲロワ】○ツキノ
1/1 【ネギまロワ】○作者1
1/1 【文房具ロワ】○感電氏
1/1 【ガンガンロワ】○キタキタの人
1/1 【HIPHOPロワ】○五代目
1/1 【幕末ロワ】○幕末ロワ>>1
0/1 【戦国ロワ】●無名武将@お腹せっぷく
1/1 【三国志ロワ】○無名武将@お腹せっぷく
1/1 【ゲサロRPGロワ】○SRS
1/1 【大学ロワ】○プール学院作者
0/1 【テイルズロワ】●キールの夜事件の作者
0/1 【エロパロ】●名無しさん@ピンキー

647ステルスに騙された名無しさん:2007/06/13(水) 21:16:48 ID:2QqB.BXk0
1/1 【6ロワまとめサイトの人】○@拡声器
1/1 【弟ロワ】○弟ロワ>>1
0/1 【キャプロワ】●キャプテン
1/1 【もえロワ】○ホチキス
1/1 【キャプテン観測所】○キャプ見沢
0/1 【ろわらじおつあー】●感電
1/1 【みんなのしたらば】○R-0109
1/1 【ゲーム版カオスロワ】○テラカオス名無しさん
2/2 【パロロワ交流雑談所】○Classical名無しさん/○調子乗ってんなの人
1/1 【パロロワ企画妄想所】○Classical名無しさん

78/101

祝・参加者100人突破w

648ステルスに騙された名無しさん:2007/06/13(水) 22:12:52 ID:6hPpngvc0
無粋なことだが、6ロワまとめの人とかゲーム版カオスロワ作者なんかは
1人しかいないんだから、枠にするのはどうなのかなーなんて思った。
じゃあどうするかって言われたら6ロワの人はサガロワ、ゲーム版はカオスロワくらいしか思い浮かばないが…

649ステルスに騙された名無しさん:2007/06/13(水) 23:32:04 ID:1RAhmq8cO
…なあ、だから葉鍵ロワ2の表記がおかしいって。
ズガンの人が死んでるのに1/1になってるぞ?

650ステルスに騙された名無しさん:2007/06/14(木) 00:24:49 ID:FKLye4ns0
すみません
↓に脳内変換してください。
0/1 【葉鍵ロワ2】●ズガンの人

全体もこうかな
77/101

651ステルスに騙された名無しさん:2007/06/14(木) 00:46:08 ID:JhFMj4hU0
FFDQ3rdの旧まとめが生存になってるの

652ステルスに騙された名無しさん:2007/06/14(木) 00:54:04 ID:gq8vl2LI0
>>651
ドンマイ。まとめ乙だぜ〜

653あねおとうと?:2007/06/14(木) 01:07:24 ID:11UfuoKs0
突き刺さる眩しい日差しに、思わず彼女は目を細めた。
「日焼け止め家に忘れた時に限って・・・こんな事に巻き込まれるなんて」
よく手入れされた巻き髪をイライラしながら掻き分けて、彼女は吐き捨てる様に言った。
彼女の名は ◆Are8i01tmw 。JJの読者モデルにも選ばれた事のある、スラリとした長身の中々の美女だ。
今日も流行のエスニックスタイルのチュニックをセンス良く着こなしている。
「パロロワの参加者が集まるっていうから、全部新調してきたっていうのに!」
彼女の所属するロワはSRPGロワ。パロロワの中でも新しい部類のロワであり、まとめサイトもまだ仮の物。
ゲーム系、しかもプレイ時間を要するSRPGとあって盛況とは言い難い。
だからこそ彼女は今回の集まりに興味津々だった。随一の投下スピード&質を誇るアニロワ、大作揃いのラノロワ、
読んで字の如くのカオスロワなど、彼女の憧れてやまなかった他ロワの書き手が一同に会するというのだから。
しかし来てみればこの状況。絶望に苛まれた。書き手が集まっているロワなんて予想もつかない。
ただ交流所を見てる限り対主催よりも嬉々として殺すマーダーの方が圧倒的に多そうだ。
(ここにいるのはパロロワ歴の長い猛者・・・ロワ歴の浅い私じゃ勝てない。誰かに協力してもらわなきゃ。)
彼女は自分の容姿には自信がある。可能ならば男の参加者に色仕掛けでも使おうかなどと考えていた。
そう考えていた時に、ちょうどカモになりそうな男を発見した。

「・・・何してるの?」
「ああ、ミミズがやたらひからびてたもんでお墓を作ってるのです」(ひょいっ)
「ひぃっ!!」
カスカスに干からびたミミズを目の前に出され、思わず ◆Are8i01tmw は尻餅をついてしまった。
「あれ、大丈夫ですかぁ?あぁ、貴方初めてお会いしますねぇ。はじめまして!」
「こ、こんなとこで何ミミズいじってんのよっ!?」
「あ、申し遅れました。ぼく、731◆p8HfIT7pnUといいます」
「先に質問に答えなさいよ!!」
「あー、ぼく自ロワでお墓ばっかり作ってるんでつい・・・」
「そう、あなたどこのロワの人?」
「芸人ロワです。まとめサイトの問題がかたづいたので、良かったら遊びにきてくださいね!」
「(芸人ロワ・・・しばらくdat落ちしてる過疎ロワじゃないの)私、SRPGの ◆Are8i01tmw。」
「ああ、最近出来たとこですね。ぼくFE紋章とティアサガとTOとFFTしかやったことないもんだから
 まとめサイトしかチェックしてなくって・・・いやぁお恥ずかしい」
「・・・それだけ知ってるなら書き手にもなって欲しいわ。まぁ、雑談はさておき」
「はい?」
「あなたバトロワ中って自覚あるの?よっぽど支給品が凄いのかしら?」
「え〜、ぼくの支給品なんてハズレっぽいですよ。イデオン・・・」
「イデオン!?(最強じゃん!)」
「イデオン劇場版のDVDと、DVDプレーヤーです。一緒にみません?」
(ガクッ!)

654あねおとうと?:2007/06/14(木) 01:08:32 ID:11UfuoKs0
役に立ちそうな男なら利用しようと考えていたが、完全にこいつはハズレだと彼女は認識した。
「わっ、悪いけど私ここら辺で失礼するわ・・・あなたも早く逃げなさいよ」
「え〜、ぼくこのお墓つくりおわったら発動編後半みるつもりだったのにぃ。」
「あーもうっ!のんびりイデオン観るとか頭おかしいんじゃないの!?」
「だいじょうぶ。パロロワの人はみなさんイデオン好きそうだし、誘ったげたらみんな一緒にみてくれますよ」
(うわアホだこいつ。でも何かほっとけない自分がいるのがやだ!!)
彼女は実は弟萌え体質で、基本こういう頼りなさげなのがタイプなのだ。今まで付き合ったのも全部後輩だし、
よく見ると731◆p8HfIT7pnUはアホっぽい喋りに彼女より背が低いというどストライクな男だった。
「もういい!私についてきなさい!!」
「え、でもさっき失礼するわ、って・・・」
「べっ、別にあんたの事が心配でついてこいって言ってる訳じゃないんだからね!!」

無事ミミズの墓を作り終わり、2人は並んで歩き出した。
「いやぁ、待ってもらってすみません」
「別にいいわよ。・・・あんた、人の死体に遭遇した時もああやってお墓作るつもり?」
それは ◆Are8i01tmwの取り留めない会話の一部に過ぎない問い掛けだった。
それを聞いた731◆p8HfIT7pnUは少しの沈黙を終えて回答した。
「そんな訳ないでしょ」
「・・・違うの?」
「あれはあくまでパロロワの中だけでやってる事です。素人が死体を弄って碌な事無いですものね。
 蝿や蛆虫が集っている死体なんて、見つけ次第即行燃やす方が安全って事ですよ。
 腐って黒ずんだ眼球とか、腸の膨れ上がった醜い腹なんて想像するだに気分が悪い。
 そんな腐ったもんに使い道なんてないしね」
グロテスクな想像をしてしまった◆Are8i01tmwは思わずえづいてしまった。
「◆Are8i01tmwさん。僕のコテが何で731なのかわかりますか?」
「ううん・・・わかんない」
「旧日本軍の細菌兵器研究機関731部隊からです。人体実験なんかもやってたね。」
「へ、へぇ〜・・・知らなかった」
「フフッ」
「?」


「あはははははははははははははは!◆Are8i01tmwさんて、だまされやすすぎですよぉ」
「え・・・今のって」
「ウソですよ、ウソ!731っていうのは芸人ロワの初代スレに書き込んだのが731レス目だっただけ」
731◆p8HfIT7pnUは腹を抱えて笑っている。対して◆Are8i01tmwは訝しげな顔をしていた。


「この人・・・結構やばいかも」

655あねおとうと?:2007/06/14(木) 01:09:35 ID:11UfuoKs0
【開始約1時間後/E-2/森】

【◆Are8i01tmw@SRPGロワ】
[外見]:モデル系の美女
[状態]:ちょっと日焼けしちゃったかな 何よコイツ・・・
[所持品]:?
[思考]1・利用出来る物は利用する
   2・役に立ちそうな男の参加者を色仕掛けで協力させる
[備考]:弟萌えでツンデレ
【◆Are8i01tmw@芸人ロワ】
[外見]:背の低い童顔の青年
[状態]:別に普通 能天気
[所持品]:イデオンDVD(接触編・発動編)、DVDプレーヤー
[思考]1・早くイデオンのつづき観たいな
   2・先のことは考えない
[備考]:口調がアホっぽい 二重人格?(あと虚言症?)


人格勝手に作りすぎかと思ったけどまあいいや。

656状態表間違えたorz:2007/06/14(木) 02:15:46 ID:11UfuoKs0
【開始約1時間後/E-2/森】

【◆Are8i01tmw@SRPGロワ】
[外見]:モデル系の美女
[状態]:ちょっと日焼けしちゃったかな 何よコイツ・・・
[所持品]:?
[思考]1・利用出来る物は利用する
   2・役に立ちそうな男の参加者を色仕掛けで協力させる
[備考]:弟萌えでツンデレ
【731◆p8HfIT7pnU@芸人ロワ】
[外見]:背の低い童顔の青年
[状態]:別に普通 能天気
[所持品]:イデオンDVD(接触編・発動編)、DVDプレーヤー
[思考]1・早くイデオンのつづき観たいな
   2・先のことは考えない
[備考]:口調がアホっぽい 二重人格?(あと虚言症?)

657ステルスに騙された名無しさん:2007/06/14(木) 17:15:00 ID:JDzya7Fg0
芸人ロワ三人目ktkr
ツッコミの身長+ボケの中身みたいな性格だなあ

658ステルスに騙された名無しさん:2007/06/14(木) 20:38:20 ID:oCcioIAg0
>>641
DQもまだ出てなくね?

新作もまとめも名簿もGJ!SRPGからは初の参加者だな
このまま全ロワから参加者出たらすごいのにw

659ネコソギヤリタガル上 〜十八禁男〜:2007/06/15(金) 04:21:27 ID:5fDKuVYg0
「殺し合いなんて酷い!」
少女はそう言いながら無我夢中に走っていた。
その顔は恐怖に怯えているかと思いきや、何かの決意に満ち溢れている。
「ただの戦闘ならともかく殺し合いなんてやりすぎよ、私が止めなくちゃ!」
その少女は戦闘少女ロワを立てたまとめ人◆syISesQq1Aである。
闘いというもの自体になれているのか、ただ走っているだけに見える状態でも隙は無い。
ただ殺し合いを止めるという決意のため、少しの異変も見逃さないように辺りに気を配ったいたのだ。
ゆえに逃げ回る少年を襲っている男を一方的に発見できた。
まとめ人は簡単に殺し合いに乗る人物がいる事実に心を痛めながら、襲われている少年を助けに入る。
「やめなさい!」
突然の乱入に興を削がれたのか、襲っていた男、YUKI.Nは無表情に振り向く。
「……邪魔をしないで」
そう言うとまとめ人を無視して再び少年を襲い始める。
「これ以上するつもりなら私が相手をするわ!」
無視された事に腹を立てたまとめ人は、そう言って構えをとる。
「女には興味が無い、でも邪魔をするのなら別」
明らかな敵対行動に無視し続ける事はできなかったのか、YUKI.Nもまとめ人に相対する。
YUKI.Nはただ立っているだけだというのに一寸の隙もなく、まとめ人も攻め込めずにいた。
襲われていた少年は、その緊迫したムードにただただ動けずに事態を見守るしかない。
YUKI.Nが勝てば危ないのは自分だが、加勢に入れるレベルではない。
ただの一般人である少年にもその事は理解できた。


両者動かずのまま時間は流れ続ける。
数十分、いや数時間が流れたか分からない。
実際にはそれほどの時間はたっていないのだろうが、少年にはそれだけの時間が立ったと感じていた。
静寂の時間と言うものは斯くも長いものなのかと思わずに入られなかった。


だが、静寂は突然に終わる。
まばたきすらしていないと言うのに、突然景色が変わったのだ。
それには流石のまとめ人も驚愕を露にした。
「なに……これ!!?」
「静寂の時間の間、空間の情報を書き換えた。
 ここはスピリチュアルの世界、あなたでは破れない。降参して」
「そんなの、やってみなくちゃ分からない!」
降参という言葉に馬鹿にされたと感じたのか、まとめ人は支給品のグラムを取り出し空中に文字を書く。
「ここのエリアがどこだか分かるかしら?」
まとめ人の言葉にYUKI.Nが、
「E-3」
と感慨もなく答えると直後に光が発たれ、地面が隆起していーさんになった。
「そうよ。行けっ、いーさん!」
いーさんは右手の土をHBの鉛筆状に変えると、YUKI.Nに突き刺そうと踊りかかる。
如何にスピリチュアルの世界とはいえ、相手の武器はランダムで一撃死させるHBの鉛筆。
流石に攻撃を受けるのは良くないと判断したYUKI.Nは、すかさずに後方に飛ぶとカウンター気味にパンチを放つ。
一回のパンチの筈なのに、段々と数が増えてさながら流星のようなパンチの嵐になりいーさんを襲う。
「これが私の二つ目の能力、ペガサス流星拳」
エネルギー弾のようにいーさんに飛んでくるパンチだが、いーさんは動じることなく突きを放つ。
土で出来た体が少しづつ飛び散っていくものの、確実に流星拳にクリティカルを食らわせ数を減らしていく。
だが流星拳が全滅する頃には、いーさんも塵と消えていた。
「あなたの自立進化の可能性には驚いたけど、それもここまで」
というYUKI.Nの言葉に
「まだまだ!」
と言返し、もう一度空中にE-3の文字を書こうとするも、その前にもう一度世界が変わる。

660ネコソギヤリタガル中 〜青き変態vs.代替なる主:2007/06/15(金) 04:22:37 ID:5fDKuVYg0

「今度は何!?」
「これは や ら な い か の世界、この世界では誰もが男になる。」
その言葉にまとめ人は自分の体を確認する。
しかし胸は平坦になり、股間はもっこりしている。
女物のパンティーをはいていた訳だから、必然的にはみ出てしまっている。
スカートもなびき、完全に丸見え状態である。
「いやぁぁぁぁぁーーーっ」
まとめ人の野太い声が辺りに響く。
股間の気持ち悪い感触に耐えながらもスカートを押さえる。
その瞬間を狙ったかのようにYUKI.Nはまとめ人を押し倒し胸をはだけさせる。
さらにまとめ人の乳首を吸い上げると、男の萎えていたモノが立派に勃起する。
それを見てYUKI.Nも自分の青いツナギのチャックを下ろし全裸になると、
自分の菊穴をパンティーから覗く巨根にあてがい一気に挿入する。



自分を助けてくれた少女がどんどんと汚されていき、少年は恐怖におののく。
期待していただけあって、その恐怖はひとしおだった。
自分が出来た事は、襲われる前も、少女が戦っていた時も、そして今も恐怖に震えて動けずにいただけ。
もし自分がもっと強ければ、もし自分にもっと勇気があったら。
そう思っても最早意味の無いことであった。
武器も無い、力も無い、勇気もない。
そんな自分が一体今この状況で何ができると言うのか。
震えて動けずにいる自分がツナギの男に勝つ術なんてあるわけがない。
ネガティブな思考に陥っていく少年だったが、神が味方したのか二人のプレイ中にはじかれたのか、グラムが飛ばされてきた。
その剣を見て、少女の戦いぶりを思い出す。
E-3と書くことで人の形が現れた。
これなら僕にも出来るのではないか。不意をうてるのではないか。
少年はそう思うと、見つからないようにこっそりと文字を描き出した。



「ひっ、いやぁぁぁぁ〜〜〜!」
為す術もなくずぶずぶと穴に沈んでいく体の一部から感じる快感に嫌悪感を示し叫び声を上げる。
だが体は言う事を聞かずに、何故か腰が浮かび上がってしまう。
腰とお尻が接触するたびになるパンパンという音が現実を認識させる。
現実から逃げようとしても、快感に身を委ねようとしても、その音が、理性が邪魔をする。

突然YUKI.Nが動きを止める。
陵辱がやっと終わったのかと、絶望の表情でYUKI.Nの顔を見る。
「良い事を思いついた。貴方、私の肛門に排尿して」
そんなとんでもない言葉にも最早逆らうきも起きずに言うとおりにする。
ジョボジョボと言う音と共に大事なものが流れ落ちていく感覚。
だけど最早それが何だったのかは分からない。
ただ一つ言える事は、何でもいいから早く死にたいと思っている事だけだった。

だがその行為が終わってもまだ陵辱は続いていく。
「今度は私の番」
そう言うとまとめ人の菊門にゆっくりと肉棒をあてがう。
自分のお尻に当たる感触にまとめ人は慄き、慌てて逃れようとする。
死ぬのは兎も角、こんな訳も分からない場所で男にされて後ろを犯されるのだけはと思い必死に抵抗するも、
体は男でも体力は少女のままだったので、さしたる成果も上がらず諦めようと思ったその時。
突然あたり一面に光が灯り、足音が聞こえてきた。
まとめ人を襲おうとしていたYUKI.Nはそれに対処できずに、背後から走ってきたいーさんの鉛筆で肛門を刺される。

661ネコソギヤリタガル下 〜青色ツナギのエロ腰遣い〜:2007/06/15(金) 04:23:47 ID:5fDKuVYg0

『『ずぶぅっ』』

その衝撃によりYUKI.Nのイチモツはまとめ人の肛門に勢い良く侵入し、
鉛筆はYUKI.Nの前立腺にクリティカルヒットをして大量の精を吐き出した。
肛門から入ってくる液体の流動の感覚に、まとめ人も大量の精を撒き散らし失神する。



「あ…あ……そんな、そんなつもりじゃ……!」
好意により助けに入ったつもりの行動が陵辱の手伝いをしてしまい、少年は茫然自失に陥る。
なんで、なんで、せっかく武器を手に入れたのに、折角戦う力を手に入れたのに、せっかく勇気を絞ったのに!
僕はおとなしく恐怖に震える事しかしちゃいけないのかよ!

運命のいたずらにただ愕然とするしかない少年は、前から近づいてくるYUKI.Nに気付かない。
YUKI.Nの背後にはお尻から白い液体を垂れ流した土人形の成れの果てが転がっていた。
もう二発も出したと言うのにYUKI.Nはなんら衰えることなく悠然と向かってくる。
現実に打ちのめされていた少年は、YUKI.Nが目の前まで辿り着いても、身ぐるみを剥がされても気付くことはなかった。
そしてついに何をされているか分かることなくイった。

「アッー!」



失神した二人を回収したグラムで止めを刺すと、YUKI.Nは次の獲物を探しに去っていった。


【開始約1時間後/E-3/森】
【YUKI.N@ガチホモロワ】
[状態]:健康
[装備]:グラム@終わりのクロニクル
[道具]:支給品一式、二人分の支給武器
[思考]
1:男は犯してから殺す、女は男にして犯してから殺す。
[備考]:
<スピリチュアルの世界について>
YUKI.Nに有利な世界になるよ。
ボーボボ領域的なものでいいと思うよ。
<や ら な い か の世界>
女もロボも獣も人間の男になるよ。
ミッドナイトブリスの男バージョン的なものでいいと思うよ。
<ペガサス流星拳について>
ペガサス流星拳だけじゃなく聖闘士の技全部使えるよ。
別に冥闘士だろうと天闘士だろうとティターン神族の技だろうと使えてもいいと思うよ。

【まとめ人◆syISesQq1A@戦闘少女ロワ 死亡確認】
【◆h8sFAV3kjo@カオスロワ 死亡確認】

う〜……書いてたらこんな時間だ。ネムイ

662ネコソギヤリタガル下 〜青色ツナギのエロ腰遣い〜:2007/06/15(金) 04:30:35 ID:5fDKuVYg0
おっと大事なことを忘れていた。

※まとめ人の身体は、や ら な い か の世界を解除したので少女に戻ってます。

663ステルスに騙された名無しさん:2007/06/15(金) 09:53:18 ID:fOYqT.Vc0
これはエロい
新ロワからの刺客、YUKI.N強そうだw
地図氏との誤解フラグもありそうだな。同じ長門だし

664ステルスに騙された名無しさん:2007/06/15(金) 11:47:57 ID:BA8Y4Fj.0
スピリチュアルwww

長門強いw

665@拡声器 ◆eIYURA321E:2007/06/15(金) 13:41:53 ID:lKaiFF5sO
ネコソギヤリタガルまで更新。
ttp://13.xmbs.jp/n2.php?ID=parorowa&c_num=1106

ついでに参加者。
ttp://13.xmbs.jp/ch.php?ID=parorowa&c_num=88093

666ステルスに騙された名無しさん:2007/06/15(金) 23:31:19 ID:p9v.2hN.0
>>665
おお、最新作までまとまったか。乙です。
だけど参加者の方、3話以上登場したキャラとなってますが、
瞬殺の人と◆8eDEaGnM6s氏、ボマーさんも該当していたかと思います。

667ステルスに騙された名無しさん:2007/06/15(金) 23:49:54 ID:FYtLON7s0
>>665
お疲れサマー

668ステルスに騙された名無しさん:2007/06/17(日) 18:58:56 ID:9BHSCDOc0
ちょっと長いの投下行こう。
ちなみにメイド服についてはグーグル先生に教わった。

669長編化の波(1/11):2007/06/17(日) 19:02:51 ID:9BHSCDOc0
「見つけた。あの橋だわ」
少女の声が気品と勇猛さを秘めた言葉を紡ぎ出した。

◆eUaeu3dolsの視線は川の下流、かなり向こうにある橋を捉えていた。
ここからではそこに人が居る事しか判らない。
だが、居る。そこから聞こえる言葉があるのだから。
『――皆さん! 助けてください!』
届く叫びは恐怖と幾分かの含みを持った、やはり少女の叫び声。
『私は今、残忍なマーダー◆8eDEaGnM6sに襲われています!』
拡声器を使う◆M42qaoJlNAの声は東から吹いていた強い風の関係か思いの外に響きわたり、
C−3から二つ離れたエリアであるA−3の端にまで届いていたのだ。
そこから“彼女達”はひた走りB−3エリアに移動、向かう場所の上流まで辿り着いた。

「だが遠いな。走っても5分近くかかりそうだ。どうするつもりだ?」
別の少女の声が、ハードボイルドな響きと大人びた落ち着きを備えた言葉を紡ぐ。
ルートFだ。
本来は壮年の男性だが、彼の持つレイジングハートがその姿を巫女服の少女に変えていた。
しかし仕草や口調などは変わっていないため、その動作は奇妙なギャップを感じさせた。
巫女服の上から着続けているトレンチコートもそのギャップを増大させている。
「言っておくが、俺はまだこの杖を扱いきれん。飛行魔法を使いこなす自信は無いぞ」
『いえ、マスターは空を飛ぶ不思議な巫女となる素養を持っています。
 飛行魔法を使用する事も十分可能かと思われます。
 コートなど脱いで露出している脇のチラリズム全開で飛び回ってください』(実は英語)
「飛べても慣れない空中の機動に問題が有ると言っているんだ。あとこのコートは大事な一張羅だ」
カオスロワ仕様のイカレたレイジング・ハートの口出しに必要な部分だけ反論する。
ちなみに英語は問題なく喋れるらしい。
「飛べたとしても空からは危険すぎるわ。……この川、水深も川幅も相当有るわね。
 これならあたくしの支給品が使えるかもしれないわ」
◆eUaeu3dolsはそう言って小さな背中からデイパックを降ろしつつ、言った。
「ところで着いてくる気? ありがたいけれど、あそこは危険よ」
「それでもアンタは行くんだろう? 救える人間は救うもんだぜ。。
 まあ、拡声器を使った奴の言葉が本当かも怪しいがね」
「そうね。まあそれは助けた後で考えれば良いわ」
「だろうな。ああ、ところで……」
ルートFは目を細める。
巫女服の上にトレンチコートを纏った異装の少女が、鋭い目で◆eUaeu3dolsを見つめる。
◆eUaeu3dolsの艶やかな口元を見つめて問いかける。
「俺は今、一応巫女になってるわけだが……アンタの目的と手段は、信じて良いんだな?」
それは謎めいた問いだった。
だが◆eUaeu3dolsは当然のようにそれを理解して言葉を返した。
「少なくとも目的と理想に嘘偽りは無いわ。あたくしは殺し合いを止めて帰還する」
「そうか」
宣い、そして。
「それじゃ、行くわよ」
――◆eUaeu3dolsは支給品を使った。

   ◇ ◇ ◇

670長編化の波(2/11):2007/06/17(日) 19:03:39 ID:9BHSCDOc0
「ふぅ……ふぅ……つ、着いたか……?」
「ええ、あそこです」
一方、拡声器を使う橋に更に二名が辿り着きつつ有った。
二人の名は666、そして仮まとめである。
そこから見える橋の上には揉み合っている誰か二人の姿が見えた。
一人はメイド服の少女、一人はそれよりは年上の女性。
『誰か、誰か助けてください! この人は残忍なマーダーで「この、黙りなさいよ!!」』
少女の叫びと女の罵声が響きわたる。
それを見て666は言った。
「間違いない、あの少女の方はLSロワの◆M42qaoJlNAだ。
 中身の年齢が少し高いタイプのロリだな」
「え? ちょっと待ってください。どうしてそんな事が……」
何故そんな事が判るのかと聞こうとした時、既に666の指先は橋へと向いていた。
その時、丁度橋の上で揉み合っていた二人が片方を突き飛ばし、間合いが離れる。
666は快哉を響かせた。
「しめたぞ、世界は究極の美を望んだらしい」
「あ、あー!?」
止める間もあらばこそ。
「風花 武装解除(フランス・エクセルマティオー)」
666の指先から一陣の突風が放たれる。
正義の悪戯風は宙を駆け抜け、橋の上に居る◆M42qaoJlNAを包み込む。

次の瞬間、剥ぎ取られたメイド服が宙を舞った。

   ◇ ◇ ◇

『私は今、残忍なマーダー◆8eDEaGnM6sに襲われています!』
追いつめられた◆M42qaoJlNAが拡声器を使った叫びは、当然の事ながら◆8eDEaGnM6sを激怒させる。
いや、激怒させるという意味合いはおかしいのかもしれない。
既に◆8eDEaGnM6sは火病発症凶暴化状態にあったのだから。
「この糞餓鬼ゃああああがああああああああああっ」
◆8eDEaGnM6sの振り回す鞄が再び◆M42qaoJlNAに襲い掛かる。
腕が、足が、滅茶苦茶に振り回された体が襲ってくる。
「ぐえ」
喉元に直撃した一撃に蛙のような呻きが漏れた。
それを無様だと思う暇も無く頭を叩かれ、腹に足が食い込む。
「あがっ」
◆M42qaoJlNAはそれに対して体を丸くして耐えるだけ――ではなかった。
(こ、この――!)
腕を振り回し、体をぶつけて、必死になって威嚇する。
握っていた拡声器が◆8eDEaGnM6sの肩を打った。
◆8eDEaGnM6sは呻き声を上げて◆M42qaoJlNAから二歩三歩と距離を取る。
粗い息を吐き、◆8eDEaGnM6sは怒りを、◆M42qaoJlNAは怯えを交錯させて睨み合う。
だがそれも僅かな時間。
火病発症中の◆8eDEaGnM6sに待ちという思考は浮かばない。
だから◆8eDEaGnM6sが向かって来る前に、◆M42qaoJlNAは再び拡声器を構えた。
「誰か、誰か助けてください! この人は残忍なマーダーで」
「この、黙れえ!!」
◆8eDEaGnM6sの拳は◆M42qaoJlNAの顔面に再び直撃。
◆M42qaoJlNAはよろよろと後ずさり、◆8eDEaGnM6sは走って距離を詰め。
「氏ね!!」
「イヤアッ!!」
◆M42qaoJlNAの投げた拡声器が今度は◆8eDEaGnM6sの顔面に直撃を与える。
近寄ろうとした◆8eDEaGnM6sの出足が削がれて、間に距離が生まれた。
泥沼のような争いに、数秒の間が生まれた。

――◆M42qaoJlNAのメイド服が脱げた。

671長編化の波(3/11):2007/06/17(日) 19:04:32 ID:9BHSCDOc0
「「………………え?」」
それは全くもって突然の事である。
◆M42qaoJlNAを一陣の突風が包み込み、次の瞬間には渦巻く風がメイド服をさらって行った。
黒リボンで止められ頭を飾っていた白いカチューシャも。
肩から吊られウェストで締めていたフリルで飾られている白いエプロンドレスも。
手首から中指へと三角状に手の甲を包んでいたポインテッドスリーブ・カフスも。
首もとを留めていた赤いリボンも。
色合いを抑えた紺色のワンピースも。
動きやすく太股丈のミニサイズに抑えられたプリーツ・スカートも。
その下でスカートを膨らましていたペチコートも。
ストッキングを吊っていたガーターベルトも。
割合普通と変わらなかったシャツも。
レース模様で飾られたショーツも。
(設定上防弾効果は有った)それら全てが、突風に巻き上げられ一糸残らず脱げ飛んでしまった。

いや、正確には幾らかを残していってくれていた。
黒光りするオックスフォード(革靴)と膝上まで覆っていた純白のストッキングだけは残してくれた。
これなら素足で走っても痛くはないだろう。
ガーターベルトは飛んでしまったが、ストッキングは割とピッタリでずり落ちはしないかもしれない。
……あまり慰めにならない。
なにせ言うまでもなくその姿は肝心の場所が全然隠せていない生まれたままに近い姿であり、
靴と靴下だけが残っているのはむしろアブノーマルでデンジャラスでエクセレントな緊急事態である。
「え、あ、な…………?」
「な……んなの……!?」
突如そんな状態にされてしまった◆M42qaoJlNAは勿論、◆8eDEaGnM6sもまた思考が止まる。
二人は茫然と向かい合い、そして。
更なる混迷が場を襲った。

「そこの娘! 飛び降りなさい!!」
「は、はい!?」
突然どこからともなく響いた声は強い意志を秘めていた。
◆M42qaoJlNAは思わずそれに従い、欄干を乗り越える。
その場はもちろん空中。
遥か下の水面だけが彼女を待っている!
「ひっ、んきゃあああああああああああああああああああああああっ!?」
だが絶叫を上げて落下していく彼女を再度の風が包み込んだ。
今度の風は彼女の落下速度を、緩やかに軽減する。
「……え……え、え…………?」
戸惑う◆M42qaoJlNAが降り立った場所は水面だった。
水中に沈む事無く、確かな足場に立っているのが感じられる。
その足場は急激に持ち上がった。
「な、なんだっていうの!?」
水が流れ落ちていく音と共に、何か巨大な物が水中から浮上する。
それは川の水面を二つに割って、見る見るうちにその偉容を表した。
鋼鉄の甲板が日の光の元に姿を見せた。

「こっちだ、来い!」
声にハッとなると、そこに立っていたのは――巫女服の少女であった。
首には赤い宝石のペンダントが掛かっている。
「な、なんですかこれ!? こんな、これ、何が一体……!」
「話は後だ!」
『裸靴下姿によるジャミング効果中に行動すべきかと』(やっぱり英語)
喋る杖の言葉は◆M42qaoJlNAには判らなかった。
有無を言わせず手を引く巫女服の少女。
その先にはいつの間にか開いていた穴が有る。
そこへ彼女と巫女服の少女が滑り込んだ。
穴はすぐに閉鎖され、鋼鉄の甲板はその巨体を身じろぎさせて。
速やかに水中へとその姿を消していった。

――後には泡立ち水面を荒げる大河のみが残った。

672長編化の波(4/11):2007/06/17(日) 19:05:30 ID:9BHSCDOc0

「…………なによ、これ」
◆8eDEaGnM6sは泡立つ水面を見下ろして、茫然と呟く。
◆M42qaoJlNAの姿は最早無い。
川から浮上した謎の潜水艦に回収されてしまった。
「メイド服が脱げたら巫女服の少女が助けに来た? 川から潜水艦で?」
起きた物事を理解できず、もういちど繰り返す。
そして短い沈黙の後に。
「……ふざけんじゃないわよおおお!!」
遠い絶叫だけが響いた。

   ◇ ◇ ◇

その情景を、川沿いの茂みから青年と少女が見ていた。
二人は姿を隠し、適度に声を潜めて隠れていた。
青年はしゃがみこみ、少女は地べたに座り込んでいる。
「…………………………………………見たまえ」
やがて長い沈黙の後、666は呟くように宣言した。
その小さな唇を動かして、旋律のように美しい言葉を紡ぎ出す。
「――全て計算通りだ」
「嘘だッ!!」
仮まとめは思わず全力でツッコミを入れた。

状況を整理しよう。
風花・武装解除で◆M42qaoJlNAのメイド服を脱がした。
◆M42qaoJlNAと彼女を襲っていた誰かは数秒間だけ茫然となった。
突如飛び降りろという声が響いて、◆M42qaoJlNAはそれに従い橋から飛び降りた。
◆M42qaoJlNAは水面に軟着陸して、川から潜水艦が浮上した。
潜水艦から出てきた巫女服の少女が◆M42qaoJlNAを助けて潜水艦へと回収した。
潜水艦は再び水中へと消えていった。
以上、666の風花・武装解除に端を発した◆M42qaoJlNA救出劇の一幕である。

「どこをどう予測すればこんな超展開になるんですか!?」
「……それはさておきだ」
「さておかないでください」
「さておきだ。なにせ重要な問題は山ほど残っている」
妙に汗を流しつつ、666は無理矢理話を変える。
問題が山積みである事は事実だ。
666の幼さの見える顔が年不相応なまでに冷静に引き締まり、仮まとめを見つめて、言った。
「この状況、君ならどう見る?」
「どうって……理解できませんよ、こんな出鱈目な流れ。
 まさかスパロワとカオスロワ以外で潜水艦が支給されるとは思いませんでした」
今度こそ真面目な666に面くらいながらも、仮まとめは素直に答える。
主催の脱出用に準備されている事はたまに有るが、支給品として出る事は想像の枠外だ。
「それも近未来最新式だ、拠点としては最高だろう。
 しかも◆M42qaoJlNAを助けた……確証は無いがあれが救助だと仮定すれば、
 あの潜水艦には二人の対主催と◆M42qaoJlNAが乗っている事になる」
「二人……そうですね、艦の操作と外に出たので二人は必要でしょう」
「もしあれが対主催だとすればとてつもない戦力だ。
 しかしもしもマーダーだとすれば最悪の脅威と言えるだろう」
「そうですが……兵装までは付いて無いかもしれませんよ?」
仮まとめは冷静に考えた。
確かにあの潜水艦は脅威だが、人を襲おうと思えば兵器を搭載していなければならない。
いくらあんな物を支給したとはいえ、そこまでは搭載されていないのではないだろうか。
「何を言う、あの艦には間違いなく最強の兵器が複数搭載されている」
「な、なんですって!?」
だが仮まとめのそんな想いを666は容易く否定する。
666は自信を持って断言した。

673長編化の波(5/11):2007/06/17(日) 19:06:16 ID:9BHSCDOc0
「あの艦には現在3人ものロリが乗っているのだぞ。
 ロリの裸体3人分、即ち究極の美の三倍! いや相乗効果で三乗にもなろう!!
 それはもはや主催ズガンに乗り出しかねない圧倒的戦力だと言える!
 もしも彼女達がゲームに乗っていたらもうおしまいだ! ああ、神よどうすればいい!?」

「…………………………………………」
「いやまあ、そこまで諦めたものではない。
 絶望さえしなければきっと道は開ける。
 そもそも私は彼女達がマーダーである可能性は低いと思っている。
 希望は存分にある。だから君もそう気を落とさないでくれたまえ」
「……いえ、大丈夫です」
――現在の彼の心中はご想像にお任せしよう。

そして彼は、ふと気づいた。
「……って、ちょっと待ってください。
 三人のロリって、あの艦を動かしていたのも少女という事ですか?
 それにあの艦の事もちゃんと知っているみたいですけど、LSロワのあなたがどうして?
 そういえば最初も◆M42qaoJlNAさんの事を中の年齢は高いと言いましたけど、何故そんな事が?」
「ああ、そういえば詳しく話していなかったな。ではご説明しよう」
仮まとめの問いに答え、666は話し始めた。

「まずあの艦を動かしているのがロリである理由だが、◆M42qaoJlNAを急き立てた声がそうだったからだ。
 しかもそれは、◆M42qaoJlNAを回収に現れたロリ巫女とは別の声だった」
「一瞬の一言だけでしたけど、気づいたんですか?」
666はコクリと小さな首を動かした。
「もちろんだとも。ロリショタの事で私が気づけない事など何も無い」
まるで当然の事だと言うように。

「次にあの艦についてだが……そう、トゥアハー・デ・ダナンだ。
 あれの設計までした艦長のテレサ・テスタロッサはぶっちゃけロリに入る。以上だ」
「身も蓋も無い理由ですね……ロリショタだけじゃなくて、その装備の事まで知っているんですか?」
666はコクリと小さな首を動かした。
「もちろんだとも。ロリショタの事で私が知らない事など何も無い」
まるで当然の事だと言うように。

「最後に◆M42qaoJlNAの実年齢と外見年齢が違う事が判った理由だが……これは説明が必要か?
 見て台詞を一つ聞けばロリショタの属性は大体判るだろう」
「貴方くらいですそれは! ……というかロリショタなら全属性網羅しているんですか?」
666はコクリと小さな首を動かした。
「もちろんだとも。ロリショタの事で私が判らない事など何も無い」
まるで当然の事だと言うように。

それはまるでロリショタに限定すれば全知であるかのような物言いだった。

(これがLSロワ筆頭書き手の力……!?)
仮まとめも確かに自分のジャンル、ロボット物についてなら相当な知識を持っている。
なにせかの第二次スパロワの、仮とは自称しつつもまとめをやっているのだ。
スパロワ未登場とはいえ本家スパロボに登場したトゥアハー・デ・ダナンの事も熟知していた。
しかしロリショタに本家は無い。
それでもなお全て知っていると断言する666に、呆れればいいのか尊敬すればいいのか判らない。
「その私の予想で言えば中のロリもやはり、少なくとも精神年齢が外見より上のタイプだ。
 あの一言に秘められた自信、誰かに指示する事に対する慣れは声に似つかわしい年齢では身に付かん。
 最近はリリカルな魔砲少女など精神年齢の発育が異様に早い例外も存在するから確定はしないが。
 更にトゥアハー・デ・ダナンを動かせるという事はウィスパードか近似した能力者の可能性が有るが、
 まあこれは可能性に過ぎないだろう。制御AIが健在なら能力が無くとも一人で何とか動かせる。
 それからあの巫女は、元は多少歳の行った男では無いかと見ている。TS物だな」
「男? あれがですか?」
「口調や仕草も有るし、その上、首に待機モードのレイジングハートが掛かっていたからな。
 カオスロワ仕様のレイジングハートならそういう事も有り得る」
「………………」

674長編化の波(6/11):2007/06/17(日) 19:06:58 ID:9BHSCDOc0
レイジングハートはロリの武器である。
それ故にやや遠目のしかも待機モードでさえ666の目を逃れられなかったのだ。
更にそれが『もしカオスロワ仕様だったら』という大胆な推理までしてのけた。
(やっぱりこの人、凄いのだろうか)
仮まとめは666をどう評価すれば良いのか判らなくなりつつあった。

「話はそんな所だ。本当ならすぐにでもあの潜水艦を追いたいのだが……」
「無理ですよ。あれは通常運行でも最大30ノット、それも極めて高い静粛性を誇ります。
 もし超伝導推進が可能なら魚雷さえ振り切る程ですし、追いついても浮上していないと移れません」
「そうだな、それも有るのだが……追わないにせよこの場は離れるべきだろうが……」
666は気まずげに言葉を濁す。
「…………どうかしたんですか?」
怪訝に思う仮まとめに666は、少しだけ赤くなって答えた。
「腰が抜けた」
「は?」
問い返す仮まとめに666は再び言い直す。
「ここまで自分の体力も考えず走ってきて、慣れない魔法も使って、その後にあの大スペクタクルだからな。
 疲れた体には少々衝撃が強かったというかなんというか、そんな所だ。
 立てそうにない。
 話を長引かせればその内に治るかなと思ったのだがやはりもうしばらくは無理だ。
 そういうわけで出来れば力を借りたいわけだが……」
「……はぁ」
仮まとめは溜息を吐いた。
色々あっても、彼に666を見捨てる事は出来そうになかった
「判りました、担ぎましょう」
「ああ、そうしてくれると嬉しいのだが……一つ、約束をして欲しい」
「約束? 何ですか?」
666は再び静かに真面目な表情で、仮まとめを見つめた。
仮まとめは何度も肩すかしを喰らわされた事を忘れていないが、それでも真面目に見つめ返す。
その誠実な瞳を666のつぶらな瞳が見つめて、言う。
「君は見た所、実に健康かつ健全な青少年であるようだ」
「はあ」
相も変わらず飛躍する話に困惑しつつも相づちを打つ。
666は地面にへたりこんだまま、小さな体で仮まとめを見上げる。
「そして私は究極の美の体現ことロリである以外は、先程の風花・武装解除位しか能力は無い。
 もちろん普通の状況ならばそれでなんとかなると確信はしているのだが」
「今更水くさいですよ。少しくらい足手まといになった所で気にしません」
「いや、そうではない」
666はふるふると首を振って、続けた。
「私は、健全な第二次性徴期前後にある君が究極の美に対して良からぬ想いを抱く事を否定はしない」
「……は?」
(あのー、それはつまり……)
666はこれまで以上にしごく真面目な様子で言った。
「だが努々理性を絶やさず、ムラムラ来ても手を出したりしないでほしい。
 私とて乙女である以上、そういうのは極めて避けたい事態なのだ。
 ――ぶっちゃけ襲わないで欲しい」
「しませんよそんなの!」
「本当に?」
「本当です!」
「約束してくれるだろうか?」
「します、約束します!」
「目を見てくれ」
「み、見ますっ」
仮まとめと666の目が見つめ合う。
身長の差で上目遣いをしている少女の瞳は潤んで見えて、仮まとめは思わず胸の鼓動が早まるのを感じた。
少し赤くなったけれど、今度は目を逸らさなかった。
息づかいが感じられるような至近距離で、しばらくの時間が過ぎる。

……やがて666はふっと息を吐き、僅かに微笑んだ。

675長編化の波(7/11):2007/06/17(日) 19:07:48 ID:9BHSCDOc0
「ありがとう。では、よろしく頼む」
「も、もちろんです」
二人はその場を後にした。
666の体は見た目通り軽くて、仮まとめが運ぶのに大した労力は要らなかった。

   ◇ ◇ ◇

川底を突き進む巨影はやがて湖へと移り、静かにその身を沈ませる。
跡は残らず、音も響かず、最初から何も居なかったように。
全長218m全幅44mの潜水艦トゥアハー・デ・ダナンは姿を消した。

「…………ふぅ。こんな所かしら」
艦には現状維持を命じると、◆eUaeu3dolsはシステムを停止させた。
横になっていた台座のカバーが開き、直径4mくらいの薄暗いドーム状天井が目に映る。
ここは潜水艦トゥアハー・デ・ダナンの一室、聖母礼拝堂(レディ・チャペル)という。
彼女は、その中央に有るTAROSと呼ばれるシステムを搭載した椅子に近い寝台に横たわっていた。
それはある種の特殊能力により艦の制御系と自らの意志を融合させて、一人で艦を操作する為の装置だ。
本来は多人数のクルーが動かした方が良い、艦との意識融合が危険などの理由からあまり使われないのだが、
◆M42qaoJlNA救出の為、少しでも一人で精密な機動が行える艦との融合を選んだのである。
「終わったか?」
「ええ、今は隣のエリアにあった湖に居るわ。
 潜行状態だからその内に出なければならないわね。そういう風に制限がされている」
「そうか」
巫女服の少女ルートFは短く答えた。
「で、あの娘は?」
「あ、あの……助けてもらってありがとうございます」
◆eUaeu3dolsの言葉に応えて◆M42qaoJlNAがルートFの背後から姿を見せる。
その姿は今はルートFの着ていたトレンチコートに覆われていた。
「どういたしまして、ね。仮とはいえ衣服に余りが有って良かったわ。
 手を付けられる前に助けられたのもね」
(殴られはしたんですけど…………あ……)
◆M42qaoJlNAは少し考え、気づいた。
どうやら自分は殺されかかったというより、犯されかかったという事になっているらしい。
……◆eUaeu3dols達が見たのは◆M42qaoJlNAのメイド服が剥かれた瞬間なのだから当然だろう。
残忍なマーダーと噂を振りまいた◆8eDEaGnM6sが放置されたのもそれが要因だった。
◆M42qaoJlNAは何か言おうかと思ったが、既に話は移っていた。
「一通り話をしたら、次の行動の前にこいつの服を捜したいところだ。
 このトレンチコートは一張羅だからな。この艦内に有れば良いんだが」
「艦長室なら有るかもしれないわね。この艦の本来の艦長は丈が小さかったから。
 多分無いとは思うけど、兵装が搭載されているかも確認した方が良いわね」
◆eUaeu3dolsはルートFに答えると、寝台から降りて軽く伸びをする。
その小さな体は今のところ不調を訴えてはいなかった。
慣れない艦の操作による疲労だけが重くのしかかる。
「そうか。……勝手知ったるようだったが、やはりこの艦はおまえの馴染みの物か?」
「正確には没ネタよ。試験投下スレの時点で葬った没作に出した物だわ」
「おいおい、カオスロワの俺に言えた事じゃないがバランスに無理が有るだろう」
呆れるように言うルートFに◆eUaeu3dolsは平然と答えた。
「生憎と、この潜水艦はバトル・ロワイアルの進行を助長させる為に出そうとしたのよ。
 雁字搦めに機能を制限してね」
「機能を制限?」
「ええ。本来の艦長でもなければドックから出せなくして、限定的なミサイル発射機能は残した。
 その上で放送で潜水艦の位置を公表して多くの者が殺到するように仕組む。
 結果この入り組んだ艦内に人が入り込み混乱の中で殺し合いが起きる、いわば潜水艦密室殺人事件ね。
 安全地帯と見せかけた超危険地帯を狙ったのよ。
 まあそれでも今から思えば無茶をやった物だわ」
「ちょ、超危険地帯って……」
超危険地帯という言葉に背後で聞いていた◆M42qaoJlNAの顔が青くなる。
「安心なさい、今回の制限はそこまで危険ではないわ。
 一定時間毎に浮上しなければならないだけよ。
 まあ……誰か敵意有る者に入り込まれたら極めて危険なのは間違い無いわね」

676長編化の波(8/11):2007/06/17(日) 19:08:37 ID:9BHSCDOc0
「良いんですか? そんな艦内に私なんかを入れてもらって……」
◆M42qaoJlNAは弱々しく言った。
なにせ彼女は拡声器で非戦を訴えはしたが、本音はお約束に殉じようとしただけである。
もしそれで対主催だと信じられたのだとすれば、ちょっぴり気まずい。
そんな彼女に◆eUaeu3dolsはあっさりと答えた。
「保護した娘が多少不安定。その位の事を許容出来なければ対主催なんてやってられないわ。
 たとえそれで身を滅ぼしたとしてもね」
ルートFがヒュウと軽く口笛を吹く。
「良い女だな、あんた」
「お褒めの言葉、ありがとう。協力してくれた事も感謝してるわ」
「そういう危ない女に首を突っ込むのもハードボイルドなのさ」
その二人の姿がなんだかかっこよくて。
「あ、ありがとうございます」
◆M42qaoJlNAは二人に深々と礼を言った。

どうでも良いがこの三人、全て年齢詐称のロリっ娘である。

   ◇ ◇ ◇

「ああ、そうだ。忘れていた」
◆M42qaoJlNAを医務室で休ませた後、ルートFはふと気づいて◆eUaeu3dolsを振り返った。
ごそごそと懐を探り、パックを一つ取りだした。
「医務室から取ってきた。要るか?」
「……そうね、頂こうかしら」
◆eUaeu3dolsは苦々しげにそれを受け取ると、栓を取りその口をくわえた。
ちゅるちゅるとストローから吸うように、それを飲む。
赤い、紅い、鉄の味。
輸血パックの血液を飲み干していく。
――ルートFが◆eUaeu3dolsの口元に見たのは、長く伸びた吸血鬼の犬歯だった。
「風使いで吸血鬼とはね。変わった身の上だな」
「炎も使えるわ。あたくしは大集団の始まりと終わりを体現しているのよ」
◆eUaeu3dolsはラノベ・ロワイアルにおいて大集団関連を多く手がけていた。
特に大集団設立と運営の中心的人物になったダナティアと、
吸血鬼化と絶望の中で心を壊していき、大集団幕引きの主因となったシャナ。
「その二人があたくしの象徴なのでしょうね」
シャナの姿とダナティアの雰囲気を備えて、◆eUaeu3dolsは言った。
「どちらもオリジナルには及ばないわ。合わせて一人分という所かしら?
 器用貧乏だけど、色々出来るのは強みでしょうね。この艦も動かせたし」
ダナティアはテレサ・テスタロッサの声に応えオムニ・スフィアに潜った事が有るのだ。
その応用で艦を動かす事も、出来た。
『一粒で二度美味しいという事です。姉妹丼のようですね』(久しぶりだが英語)
カオスロワなレイジングハートの茶々入れは例によって全スルー。
「で、血はその輸血パックで十分なんだな?」
「もちろんよ。他人に手を付けるつもりは毛頭無いわ」
「なら、良い。それだけだ」
ルートFはそれだけ言うと、◆eUaeu3dolsに背を向けた。
その背中は成熟された渋みすら放っていた。
◆eUaeu3dolsは威厳と淑やかさを称えてそれを見送った。
疲労は有るため艦の探索は任せるつもりで、互いに無言でそれを理解していた。

しつこいが絵ではロリっ娘である。巫女服とセーラー服の綺麗な黒髪ロリ。

   ◇ ◇ ◇

「…………生き残っちゃった」
医務室のベッドでぐったりと横になりながら、◆M42qaoJlNAは茫然と呟いた。
正直、まだ信じられなかった。
LSロワにおいては一撃必殺とさえ言える拡声器フラグを切り抜けられるだなんて。
それもこんな超展開で。
怪我はしたが、それだって医務室の設備で手当がされている。

677長編化の波(9/11):2007/06/17(日) 19:09:50 ID:9BHSCDOc0
「でも……良いじゃない」
見上げる天井は蛍光灯の明かりが輝いている。
消毒液の匂いがする静かな医務室。
「やっぱり、私だって死にたくないし……」
それはどこか静謐な、病院のようだった。

「そういえば、あの女も生き残ったのかな」

   ◇ ◇ ◇

「ふざけんじゃないわよ……ふざけんじゃ……ないわよ…………」
芸人ロワの◆8eDEaGnM6sは怒りと混乱に呑まれていた。
「潜水艦? なんでそんな物が支給されてんのよ。
 見た目は幼女でも中身は狡猾? なんでそんな奴が居るのよ。
 風の魔法やら色々? 書き手なら人間やってなさいよ。
 なんで、なんで……?」

◆M42qaoJlNAへの怒り。
それは復讐フラグだった。
――旗

超展開への驚愕による精神不安定。
それは発狂フラグ、そしてマーダー化フラグだった。
――即

◆M42qaoJlNAが拡声器で危険人物と言いふらした事。
それは誤解フラグだった。
――折

故に。
次の瞬間、背後からの牙突が◆8eDEaGnM6sの心臓を貫いていた。
「が……あが…………っ」
何が起きたのかすら判らず、◆8eDEaGnM6sは絶命した。
理解すら出来なかった。
拡声器が使われたこの場所に、旗を折る男が近づいていた事など。
「フン。拡声器の周辺はフラグが多くて困るな。それも駄フラグばかりが」
壬生狼はそう吐き捨てると橋に転がっていた拡声器にも刃を向け、それを叩き斬った。
拡声器は失われた。
「それとそこの貴様、出てこい」
「………………」
「出てこねば、斬る」
しばしの沈黙の後。
橋の袂から、一人の青年が姿を表した。
「……何か用かい? あんた確か、Kさんだろ?」
「俺を知っているのか。何者だ、貴様」
Kの問いに青年は苦笑した。
「俺はただの傍観者さ。交流雑談所の名無しだよ。
 アンタの事はジャンロワ書き手ロワで知ってるからな。あんたの信念もさ」
◆M42qaoJlNAと別れてすぐにその場を離れた彼だが、すぐに橋の上の騒動に気づき、
しばらくその様子を遠くから見物していく事にしたのだ。
その後で改めて離れようと思ったら呼び止められた、というのが今の状況だった。
「俺は傍観者さ。死ぬまで全てを見続けるだけだ。
 それだけの存在で、話に介入するつもりも毛頭無いし、フラグだって立てちゃいない。
 だから俺はあんたの敵にはなりえないと思うね」
「……フン。そのようだな」
Kはそれだけを言って、背を向けた。
Kと名無しの道が接する事は、無い。
互いに互いを理解して、名無しは彼の背中に一つの問いを投げかけた。

678長編化の波(10/11):2007/06/17(日) 19:10:44 ID:9BHSCDOc0

「ハハ。やっぱりあんた、ここでも信念を貫くんだな。
 フラグがもてはやされ増えていく中で、それでも揺らがず進み続ける。
 ……あんたは、いつまでその道を行くんだい?」
「無論、死ぬまで」

その答えを聞いた名無しは笑って、言った。
「格好いいね。それじゃ俺も見習ってみようかな」
傍観者は、傍観者たる事を自らに誓った。



【◆8eDEaGnM6s@芸人ロワ 死亡】


【開始一時間半後/C-3/川の上に架かる橋の上】
【K@ジャンロワ】
[状態]:健康
[武装]:ソードサムライX
[所持品]:支給品一式
[思考]:さて、次はどこに向かうか
第一行動方針:折るべく旗を捜す。
基本行動方針:旗・即・折
※串刺しになった三人はどこかで捨てました。

【Classical名無しさん@パロロワ交流雑談所】
[状態]:健康、平常心
[武装]:なし
[所持品]:支給品一式、カマンベールチーズ入りドラ焼き×99@アニロワ
[思考]:ああは言ったけど、さてどうしようかな。
第一行動方針:盛り上がりそうな場所を探す。
第二行動方針:なるべく死亡フラグは立てないように。
第三行動方針:ロワの空気は乱さないように。
第四行動方針:◆M42qaoJlNAが次の放送で呼ばれるかどうかについて少しwktk
基本行動方針:ロワを見届ける。出来るだけ生き残る。
[備考]
※あくまで純粋な読み手であり、特別な能力は一切持っていません。
※その代わり、各ロワの内容や書き手については熟知しています。

橋の上に◆8eDEaGnM6sの死体とその支給品一式、お笑いライブのチケット×2、
グレートデギンのプラモ(完成済)、壊れた拡声器が転がっています。
防弾仕様のメイド服@ハカロワがどこかに飛んでいきました。


【開始一時間半後/D-3/湖中のトゥアハー・デ・ダナン内】
【ルートFの人@カオスロワ】
[状態]:腹部に刺傷(処置済み)、全身に疲労感。魔法ハードボイルドリリカルートF子化。
[装備]:レイジングハート@カオスロワ、巫女装束
[道具]:支給品一式
[思考]:まずは◆M42qaoJlNAの服捜しを兼ねて艦内調査だな
第一行動方針:知り合いと早めに合流したい
第二行動方針:◆E3y/x3899E氏を止める(殺害も辞さない)
第三行動方針:仲間を集め、主催者を倒す
基本行動方針:救える人間はできるだけ救いたい
※レイジングハートには「魔法少女変身機能」が搭載されています。
 これによって、魔力が無い人間でも変身すれば魔法を使用できます。
 使用した際の姿は基本的にはランダムですが、こうなりたいと願えば叶うかも知れません。

679長編化の波(11/11):2007/06/17(日) 19:11:26 ID:9BHSCDOc0
【◆eUaeu3dols@ラノベロワ】
[状態]:艦の融合操作により相当疲労
[装備]:トゥアハー・デ・ダナン@ラノロワ没ネタ
[道具]:支給品一式
[思考]:しばらく休んで、それからね
第一行動方針:少し休憩して艦操作の疲労を回復する。
第二行動方針:対主催の行動を行う。艦に篭もるつもりは無い?
基本行動方針:仲間を集めて、主催者を打倒する。
※外見はシャナ、中身はダナティアな感じで。能力はその両方を足して割った位です。
 透視、転移、金縛り、風使い、炎使い、超運動能力などなど。
※トゥアハー・デ・ダナンは一定時間毎にしばらく浮上するよう制限がされています。
 この時はロックなども出来ない為、外部から侵入可能です。
 一人でも制御AIに命令なら大雑把に、精神融合ならある程度は精密に操作できます。
 医務室の設備は有るようですが、武器や兵器の類が有るのかは不明です。

【◆M42qaoJlNA@LSロワ】
[状態]:裸コート、満腹、顔などに打撲傷(手当済)
[武装]:ルートFのトレンチコート、防弾ストッキングと靴(メイド服)@ハカロワ
[所持品]:支給品一式、魔女の媚薬500粒
[思考]:茫然
第一行動方針:どうしようかな……
基本行動方針:死にたくない


【開始一時間半後/C-3/橋より離れた場所】
【666(◆CFbj666Xrw)@LSロワ】
[状態]:健康、腰が抜けた
[装備]:無し
[道具]:支給品一式(地図無し)5MeO-DIPT@LSロワ
[思考]:仮まとめに助けてもらいこの場から離れる。
第一行動方針:ロリショタの参加者を集める。
第二行動方針:自分自身はできるだけ脱ぎたくない。
基本行動方針:LSのエロスパワーで殺し合いを止める。
[備考]
容姿はクールな印象の美少女。ロリ。
使える唯一の魔法『風花 武装解除(フランス・エクセルマティオー)』は対象の参加者を全裸にする程度の威力に制限されている。
また、ロリショタに関する事のみ相当博識。
※腰が抜けてしばらく歩けません。

【二次スパ仮まとめ@第二次スパロワ】
[状態]:健康。666を運搬中、持ち方は不明。
[武装]:無し
[所持品]:支給品一式、コーヒーブレイクセット@スパロワ
[思考]:この人は……
第一行動方針:666を護ってこの場を離れる。
第二行動方針:ゲーム脱出の方法を探す
基本行動方針:脱出派
[備考]
人のよさそうな青年。真面目で誠実、敬語口調。

680ステルスに騙された名無しさん:2007/06/17(日) 19:13:04 ID:9BHSCDOc0
>>669-679まで。
投下完了。
結構強力なの増えてるしドーンととんでもない物を支給してみた。

681ステルスに騙された名無しさん:2007/06/17(日) 19:19:58 ID:G4271SDs0
見た目ロリ大集合吹いたw
強さのインフレはもう止まらないな

682ステルスに騙された名無しさん:2007/06/17(日) 19:21:23 ID:rI8DNPks0
>>681
そこでDGさん暴走させて突撃ですよ
……というかあそこの有名人対主催コンビ、初期投下以来一切動いてないんだよな……勿体無い

683ステルスに騙された名無しさん:2007/06/17(日) 19:50:30 ID:vzF2DHi.0
>>680

一気に動かそうと思ったら案の定キャラかぶってる……
代案のキャラ探さなきゃ




あ、新キャラだせばいいんだ

684ステルスに騙された名無しさん:2007/06/17(日) 19:56:25 ID:51JU3e9M0
>>681
大作GJ!

潜水艦と666氏のロリ知識の豊富さに吹いたw
混沌としてきたなあ、さすがは書き手ロワw

685ステルスに騙された名無しさん:2007/06/17(日) 20:57:10 ID:bzFpBs/60
大作ktkr

ほんとロリまみれだなこのロワw
何人居るんだよロリ

686ステルスに騙された名無しさん:2007/06/17(日) 21:35:34 ID:ekU.ZP7UC
DQNは逝ったか…。
芸人ロワはまたスレが立って復活しつつあるみたいだし、
何よりダンディと鉢合わずに死ねてよかったのかな。

687ステルスに騙された名無しさん:2007/06/17(日) 22:18:57 ID:7EM2J1WM0
666のロリ知識に吹いたw
あの人とボマーさんの2人、登場させたキャラ数が尋常じゃないんだよ

688リリカルートF書いた人:2007/06/17(日) 22:53:46 ID:RWY1RfKgO
オレのミスの補完すまない。
下の数字しか見てなかったからズレに気付かなかったんだよ。
マップ見てから気付いて後の祭。

689ステルスに騙された名無しさん:2007/06/18(月) 23:58:13 ID:yCMlhIJwC
ロリじゃない女参加者のほうが少ないな
それに対してショタは……いたっけ?

690ステルスに騙された名無しさん:2007/06/19(火) 00:41:37 ID:/vz46m020
何、後付で女装少年だったとか何とか、いくらでも改変してしまえ。
あるいは大人の姿は仮の姿……とか、支給品で若返って「身体は子供・頭脳は大人!」とか

691ステルスに騙された名無しさん:2007/06/19(火) 00:47:37 ID:oLOXOfbo0
しかし真実はいつも一つなんだぜ。

692ステルスに騙された名無しさん:2007/06/19(火) 01:14:09 ID:MvWsZa460
731◆p8HfIT7pnUが1番ショタ臭いかな今んとこ。
青年って書いてあるから年齢でひっかかるかもしらんが。

693678部分:2007/06/19(火) 09:26:00 ID:2nhMDK6g0
感想沢山ありがとう。一つだけ書き忘れに気づいたので修正。
レイジングハートの戯れ言の結果。

【開始一時間半後/D-3/湖中のトゥアハー・デ・ダナン内】
【ルートFの人@カオスロワ】
[状態]:腹部に刺傷(処置済み)、全身に疲労感。魔法ハードボイルドリリカルートF子化。
[装備]:レイジングハート@カオスロワ、巫女装束
[道具]:支給品一式
[思考]:まずは◆M42qaoJlNAの服捜しを兼ねて艦内調査だな
第一行動方針:知り合いと早めに合流したい
第二行動方針:◆E3y/x3899E氏を止める(殺害も辞さない)
第三行動方針:仲間を集め、主催者を倒す
基本行動方針:救える人間はできるだけ救いたい
※レイジングハートには「魔法少女変身機能」が搭載されています。
 これによって、魔力が無い人間でも変身すれば魔法を使用できます。
 使用した際の姿は基本的にはランダムですが、こうなりたいと願えば叶うかも知れません。
※巫女装束は脇が空いているデザインの様です。

巫女装束にデザイン設定追加。実にどうでも良い。

694ステルスに騙された名無しさん:2007/06/21(木) 23:32:57 ID:nJ02KMlM0
>>693
修正乙
なんという腋巫女、これは間違いなく空を飛ぶ程度の能力標準装備w

695ステルスに騙された名無しさん:2007/06/23(土) 10:50:46 ID:ysFg5Duo0
ここって……書き手ロワ?

696ステルスに騙された名無しさん:2007/06/23(土) 21:20:25 ID:DCEwFzJY0
今更だが666氏に惚れそうなんだぜ

697ステルスに騙された名無しさん:2007/06/24(日) 22:28:13 ID:c.XF06o.0
ttp://takukyon.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/clip/img/18.gif

更新忘れてた。マップ最新版ですよー。
特に施設は無いがA−1、D−6、E−3が凄い密集度。
あとイトーヨーカドーが地獄絵図w

698ステルスに騙された名無しさん:2007/06/24(日) 22:34:36 ID:vT6.SfS60
>697
丁寧な仕事乙であります!

699ステルスに騙された名無しさん:2007/06/24(日) 23:21:52 ID:n2HtkaHo0
>>697
乙。こうして見ると地形もだんだん見えてきたな。

700ステルスに騙された名無しさん:2007/06/25(月) 01:48:01 ID:h0v1mwnkO
なんか、このまま参加者出し続けて行ったら地図の人の負担が偉いことになりそうな気がするwwww

701ステルスに騙された名無しさん:2007/06/27(水) 12:34:32 ID:qvpQqaBc0
新しい参加者は夕方で最後だからなァ…
ここで第一放送入れて歯止めをかけるのもアリだけど
それだとアラン作者が出ないことになるんだよな。

どうしたものか

702ステルスに騙された名無しさん:2007/06/27(水) 21:19:56 ID:O.vwfJ2Q0
アラン作者は一回目の放送で呼ばれないけど参加しているって事だろう?
その時点では参加してるけどマップ上の何処を捜しても出会えない隠しキャラw

703ステルスに騙された名無しさん:2007/06/27(水) 21:23:17 ID:rI9ZuwWg0
むしろ時間を遡って保管SS

704ステルスに騙された名無しさん:2007/06/28(木) 20:44:05 ID:4ZHOi87o0
ああ、そうか。
夕方だけアラン作者が動いた事にするってかw

705――そのうち名無しは考えるのをやめた。:2007/07/09(月) 01:02:27 ID:8pgoSy4IO
過疎ってんな…。
あげ

706誤解は無理やりにでも植えつけろ ◆CUG3z3uZ1o:2007/07/10(火) 20:17:07 ID:X4Cu8Tug0
◆LXe12sNRSsは、あれから特に何かを起こすでもなく彷徨っていた。
理由は二つ。
一つは、ただ単純に誰とも出会えなかったこと。
そしてもう一つは、巨大な闘争を起こせそうな気配が感じられなかったことだ。

彼には一つの能力があった。
大きな戦いを起こし弱者を淘汰するといっても、現地にいる以上なかなかそうはいかない。
だが彼はそれを成し遂げる事ができる力があるのだ。
『殺し合い』というものには役に立たないかもしれない。
しかし彼の目的としては十分役に立つそんな能力。
巨大な闘争を起こせそうな気配を知る事ができる能力だ。
言わば争いの火種を探る力。
そんな力があったからこそ、そんな大それた事を計画したのだ。

「いよいよか」
不意に立ち止まり、そう呟く。
争いの気配を感じたのだろう。
「今こそ言おう。……◆LXe12sNRSsのトリップは憎まれ役を任ずると!」
彼は進む。
正しく間違っていくために。

 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

707誤解は無理やりにでも植えつけろ ◆CUG3z3uZ1o:2007/07/10(火) 20:17:23 ID:X4Cu8Tug0
灯りもついていない暗い小屋の中、その中に二人の人物がいた。
一人は、入り口の扉の前に立っている赤い兜をかぶった少女。
もう一人は、物陰に隠れ様子を伺いながら機械を弄る、イヤホンを着けた男。

「どうすれば信じてくれますか?」
その、少女の問いから数分ほど経ち、漸く男は反応を見せた。
「じゃあ、先ず名前を教えてくれ。こっちの支給品は参加者の情報が載ったPDFだ。
 それでそっちの言っている事が正しいか分かる」
盗聴器のリストの部分を見せながら答える。
だが、言っている事はもちろん嘘だ。
それに相手が本当の名前を言おうと関係は無い。キャプテンと決め付けているのだから。
こっちの支給品を教えることで相手に、信用されつつあると思わせる目的だろう。
「あ、御伽ロワの◆Ax9.rAEGf2です」
少女はそんな目論見に気付くことも無く答える。
「◆Ax9.rAEGf2ね……合っているようだな」
キャプ見沢がそう言うと、少女は信用されたと思いはにかんだ。
「そうだね……とりあえずは信用するよ」
そう言ってキャプ見沢は物陰から姿を現した。
思い通りに事が運んでいく事に大笑いしそうなのだろう。口元が歪んでいた。
だが純粋な少女はそんな事に気付かずに微笑む。
「じゃあこっちも名乗ろうか。僕はカオスロワの◆6/WWxs9O1s」
当然嘘だ、他に自分みたいな支給品を貰った奴がいるかもしれない以上本当の事は言えない。
それに誤解フラグの塊みたいな奴への誤解が更に増えたところで痛くも痒くもない。
さらには有名な人物の方が、知らない奴よりは信用を得やすいだろう。
そう考えての答えだった。
キャプ見沢のその考えは見事に当たり、少女は驚嘆しながらも気を許していく。
「それで、僕の支給品はさっき言ったとおりだけど、君の支給品は?」
キャプ見沢は早速本題とでも言うように少女に問う。
「今着てるコスプレなんだけど、たぶん御伽繋がりで支給されたと思うんです」
少女はその問いに困ったように笑って答える。
キャプ見沢はその服を見て、特に戦力もなさそうだと判断。
戦利品も特にない以上今襲う必要はないわけだが、キャプテンと一緒にいては他の参加者に誤解される。
そう思い少女を今ここで襲う決断をしたようだ。
実は御伽セットの中には他にも衣装があるのだが、少女も調べていなかったのでそれは分からなかった。
兎も角、キャプ見沢は相手を一気に仕留めるために隙をうかがう。
この際怪しまれてしまっては元も子もないので、隙を作らせるように誘導するのだ。
「僕のPDFには支給品の情報も入ってるけど、それはどうやらただのコスプレじゃないみたいだよ」
盗聴器を操る振りをしながらそう言う。
「原作と同じように魔法が使えるようになるらしい」
これも当然の事ながら口からでまかせのはずだった。
常識的に考えて、そんな事ができるはずがない。
良くも悪くも常識的な一般人であったキャプ見沢はそう思っていたのだ。
「えー、魔法なんてあるわけないじゃないですかー」
案の定、少女も冗談と捉えたのか笑って聞き流す。
「いや、でもこれに載ってるって事は万が一って事もあるかもしれない。
 そもそも沢山の人間を拉致してこんな事ができるくらいだしな」
「そうですね、ダメもとで試してみますね」
キャプ見沢は「そうだね」と言いつつも、内心では大爆笑していた。

そんな事が出来るはずがないじゃないか。
ここまで来るとおめでたいガキだな。
お前がカードをセットしようとしてる間に無防備になるというのに。
俺が襲うなんて事考えてないのか?
それとも俺なんかに襲う勇気がないとでも思ってんのか?
くそっ、くそっ、キャプテンの癖して馬鹿にしやがって!
調子に乗っていられるのも今のうちだ!
直ぐにお前を絶望のふちに落としてやる!

708誤解は無理やりにでも植えつけろ ◆CUG3z3uZ1o:2007/07/10(火) 20:17:48 ID:X4Cu8Tug0
考えてるうちにだんだんムカムカしてきたキャプ見沢は、少女がカードをセットしようとした時に動き出す。
今、少女にとっては死角のほうからの突進。
「スウィートフォン!」
このままいけば為すすべなく少女が押し倒されてしまうはずだった。
「グリムテイラー!」
キャプ見沢もそう思っていたのだろう。
突然剣が現れるまでは。
だがその現象に驚き躊躇してしまう。
そして、何も知らない少女は本当に魔法が使えたことに喜んで、キャプ見沢の方へ振り向こうとする。
少女に魔法が使えるようになってしまった今、キャプ見沢にとってはこれが最後のチャンスだった。
魔法の力には驚いたが、少女が喜んでいる今なら最大級に油断しているはずだ。
キャプ見沢はそう思い、一度は減速した足をもう一度加速させる。

腕を振りかぶる。少女が振り向く。
そのまま殴りつける。少女の頬に当たる。
勢いに乗って腕を振りぬく。少女が吹っ飛んでいく。
吹っ飛んでいった方を見る。剣は弾き飛ばされている。
追撃に駆け寄る。少女は何が起こったか分からず呆然とする。
馬乗りになる。少女はようやく殴られたことに気付く。
「やめてください! なんでこんなこと!」
恐怖に、愛らしい顔を醜く歪め、涙を流しながら静止を呼びかける。
殴られ腫れた頬がやけに痛々しい。
「うるせえ! キャプテンの癖に僕を殺そうとしやがって!
 そんな格好で近づいてきたって騙されるもんか!
 お前みたいな奴がいるからロワが酷くなるんだ!
 お前みたいな奴がいるからこんな殺し合いが起きるんだ!」
一息にまくし立てながらも殴る、殴る、殴る。少女は反動で魚みたいに跳ねる。
「やめっ……ちが、わた………プテンじゃな…!」
「黙れ、正体はばれてんだ!」
聞く耳をもたずに更に殴りつける。少女の顔が見るも無残に変わって行く。
(やだ、死にたくないよぉ)
少女はもう一度カードを取り出す。キャプ見沢は殴るのに夢中で気付かない。
「…ウィー……フォン」
小声で呟く。キャプ見沢は気付かない。殴られる。
カードをセットする。気付かない。殴られる。
やたらと時間が長く感じる。気付かれる。殴られる。
「……シャ…ニ…ン……エッ…ジ」
小声で呟く。キャプ見沢は焦燥に駆られた表情で殴りつける。
詠唱は止まらない。首を絞められる。でももう遅い。
顔が青くなってくる。でももう遅い。詠唱は終わった。
スウィートフォンから光の刃が飛び出す。キャプ見沢に光が掠る。
怯んだその隙に股間を蹴りつける。キャプ見沢が悶絶する。
その間に馬乗り状態から抜け出し逃げる。自分のデイパックを持っていくのも忘れない。
キャプ見沢は追いかけようとするも動けずに、おとなしく見送るしかなかった。

 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

◆Ax9.rAEGf2は必死で走る。
あの小屋から、あの男から逃げ出すために。
ただ我武者羅にその事だけを考え足を動かしていた。
痛みはある。疲れもある。
だけどそんな事は関係なかった。
今止まれば、あの男に追いつかれてしまうかもしれなかったから。
警戒も忘れ、血と涙を流しながら走り続けていた。
だからこそ彼に発見された。

709誤解は無理やりにでも植えつけろ ◆CUG3z3uZ1o:2007/07/10(火) 20:18:09 ID:X4Cu8Tug0
「あ、あなたは! どうしたというのですか!」
前方から辺りを気にすることなく走ってきた少女はその声に、今気付いたと言うように反応をする。
身体に限界がきたのか恐怖によるものなのかは知らないが、腰を抜かしている。
その様はあからさまに怯えていて、唯でさえボコボコになった顔を更に歪めていた。
「ああ……泣き止んでください、私はあなたに危害を加えませんよ」
その言葉にも首を振りながら後ずさるばかりだ。
男はその少女の様子に困ったように頭を掻く。
そして何か思いついたように、着ていたピエロの服からカラーボールを取り出しお手玉を始めた。
その様は男の外見どおりに、陽気なピエロさながらといった感じだ。
男―――◆L9juq0uMuoは、ピエロの仕事そのままに少女を喜ばそうとしているのだろう。
ピエロのその行動により、少女の恐怖心は大分消え去り、落ち着いて話ができるまでになった。
(キャプテン、貴方の形見ではありましたが、おかげで少女を落ち着かせる事ができました)
ピエロは先程の悲劇を思い出しながらも無理に笑う。
ピエロは悲しんではいけない、いつでも笑ってなくちゃいけないからだ。
こうして、少女に何があったのかを話してもらう。
少女の顔は無残に膨れ上がって、元はかわいらしかっただろうそれは見る影も無い。
こんな酷いことをする奴があの女以外にもまだいるのだろうか。
「最初は穏やかそうな人だったのに、信用したらいきなり……」
少女はその時の様子を思い出しているのか震えている。
その姿を見て、ピエロは少女を守る決心をする。
キャプテンを助けられなかった贖罪ではないが、これ以上あんな酷い事は起こしたくなかったのだ。
「◆6/WWxs9O1sって名乗ってましたけど、たぶんあの人キャプ見沢だと思います。
 私の事、キャプテンの分際でって言いながら襲ってきたし」
キャプ見沢、その言葉を聴いたときにピエロの心に怒りがこみ上げてきた。
あのような奴がいるから、キャプテンは……
確かにキャプテンはこれまで酷いことをしてきた事は間違いが無い。
だからといって、なぜそうやって簡単に殺そうなんて思えるのか。
よくよく思い出したら、キャプテンを殺した女はカオスロワで書かれていた◆6/WWxs9O1sの外見そのまんまだ。
ピエロはこの少女とキャプテンを襲った◆6/WWxs9O1sを倒しに行くと決める。
キャプテンの仇もあるし、少女を守るためもある。
だが何よりその卑劣なやり口を許せなかった。
これ以上奴を放置しておけば、何も知らない犠牲者が増えるばかりだ。
カオスロワで誤解フラグを立てまくったのも、哀れみを誘うためだったのだろうか。
それがどうかは分からないが、◆6/WWxs9O1sが殺し合いに乗った危険人物である事には変わりが無い。
(キャプテン、これから貴方の仇を討ちに行きます)
心の中のキャプテンにそう言う。
「貴方はここで隠れていてください、私はその人の所に行きます」
恐らく戦闘になるだろう危険な場所に、少女を連れて行くわけにはいかない。
だが少女は、一人になるのが怖いのか首を振った。
「私も戦えます。魔法が使えるんです。だから私も行きます!」
でも少女を連れて行くわけにはいかない。
また地雷を仕掛けているかもしれない。
今度も守れないかもしれない。
そんなのは嫌だった。
如何に自分が人形であるとはいえ、感情くらいある。
もうこんな悲しい思いは、心に穴が開くような思いはしたくない。
だから少女の首に手刀を落とす。
少女はあっけなく気を失った。
子供の身体でこれほどの事にあったのだ、疲労も凄かったのだろう。
ぐったりと気絶した少女を草叢の中に隠す。
これで彼女は安全だろう。
「手荒な真似をしてしまってすみません、お嬢さん。
 ですが、私も無事に帰ってきますので許してください」
ピエロは少女にそう投げかけると、小屋がある場所へと歩いていく。
「そう言えば、お互い名乗っていませんでしたね。
 仕方ありません、無事私が帰ってきたときまでお預けですね」
最後にもう一度振り向いて、そう言った。
そして今度こそ小屋に向かっていった。

710誤解は無理やりにでも植えつけろ ◆CUG3z3uZ1o:2007/07/10(火) 20:18:28 ID:X4Cu8Tug0
ピエロの姿が見えなくなった頃、少女の口がかすかに開いた。
「絶対……帰ってきてください、優しいピエロさん……」

彼等は気付かなかった、一部始終を憎まれ役が見ていたことを。

 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

「ぐっ……」
いつの間に気絶していたのだろうか。
キャプ見沢は股間を押さえながらも起き上がる。
あの糞餓鬼、大事なところを蹴り飛ばしやがって……
だから腐女子は嫌いなんだ!
毒づいてみるも痛みは引くことは無い。
ただ虚しいだけなので直ぐにやめた。
良く見るとキャプ見沢はベッドの上で寝ていた。
おかしい、悶絶の末気絶したのだから、こんなとこに来る余裕なんてないはずだ。
一体気絶している間に何があったのだろう。

すると扉が開いて男が現れた。
黄色いスーツに赤い蝶ネクタイをしたふざけた格好の男。
だが、見た事がある男だ。
「ゲッツ! 起きたんだね?」
そう、お笑い芸人のダンディ坂野だ。
確か葉鍵ロワ初代感想スレとして乗っ取られたスレの持ち主。
だというのに爽やかにスレを明け渡した好漢だったか……
彼なら信用できるだろう。
彼がキャプテンという事はない。
それは確信できる。
理由はないが、強いて言うなら雰囲気……だろうか。
彼の周りの明るい雰囲気。
そこにいると、こっちも元気になりそうだった。
「どうして、助けてくれたんですか?
 僕は気絶していた、チャンスだったはずです」
だけどここは殺し合いの場。
殺し合いを許容するわけじゃないけど、もし僕が殺人鬼だったらどうするつもりなのだろうか。
「ダンディはね、みんなに笑っていて欲しいんだ。
 たとえこんな状況でもみんなで笑って手を取り合えば、殺しあったりせずにすむって思うんだ」
そう言ったダンディの表情は光り輝いていた。
いつも誰かを疑って、疑われて……そんな僕とは大違いだった。
なんだよ、こんな事を聞いた僕が馬鹿みたいじゃないか。
「ダンディは自分の芸が少しでも役に立つのなら、殺し合いを止められるならそれが嬉しいんだ」
そんなダンディが眩し過ぎて、いつしか僕は涙を流していた。
キャプテンを殺すことしか考えてなかった僕は愚かだったんだ。
キャプテンも最初から荒らそうと思ってSSを書いていた訳じゃないに違いない。
それなのに、いつしか僕達がキャプテンの事を疑って、罵って、そんな事の繰り返し。
そのせいでキャプテンは歪んでしまった。
他にも色々僕らの被害を受けた人もいるだろう。
こんな事でロワの行く末が良くなるわけ無いじゃないか。
涙がとめどなく流れてくる。
ああダンディ、慌てないで、君が悪いわけじゃないんだ。
ほら、だってこんなにも僕は笑っている。
それは自笑ではあったけれど、笑っている。
僕はダンディお決まりの芸『ゲッツ』をやって、二人で笑いあった。

 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

711誤解は無理やりにでも植えつけろ ◆CUG3z3uZ1o:2007/07/10(火) 20:18:52 ID:X4Cu8Tug0
ピエロ風の男―――に誤解されて逃げ出した後、私◆6/WWxs9O1sは◆lbhhgwAtQEと出あった。
悔しそうな顔をして走っていたところに声を掛けられたのだ。
彼はいわゆる脱出派と呼ばれるポジションに立っていたので、あんな顔して走ってた私を心配して保護しようとしたらしい。
二度と誤解されるのは嫌だった私は、その言葉に安心して彼を頼ることにした。
信用を得るために、今までの事を全て正直に話した。

男に襲われて殺してしまったこと。
着流しの浪人が甲冑の男を殺した所に出くわしたこと。
浪人に勝負を挑まれたが、第三者の介入で浪人は逃げ出したこと。
第三者のピエロの男は私が甲冑の男を殺したと勘違いしたこと。
ピエロの同伴者であった女性はキャプテンだったが、私を信用してくれたこと。
キャプテンは私の近くに埋められていた地雷により死んでしまったこと。
そしてピエロが益々私を疑ってきたのでやむなく逃げてきたこと。

彼、◆lbhhgwAtQEは私の話を信じてくれた。
カオスロワでの誤解フラグ包囲網を知っていたからだ。
今回もそれによる原因だろうと言ってくれた。
信じてもらえる事がこんなに嬉しいなんて思わなかった。
「しかし、そのピエロの男は怪しいですね」
突然◆lbhhgwAtQEはそう言った。
「こんな事言いたくありませんが、あのキャプテンと組んでいたんです。
 キャプテンを利用して、あなたに包囲網を作ろうとしたのかもしれませんし
 そもそも地雷ではなくてピエロの能力かもしれません。
 もしかすると彼は扇動マーダーなのかもしれませんね」
そんな事、考えもつかなかった。
だけど違和感は無い推理だ。
能力についてはなんともいえないが、そもそもあの格好が怪しすぎだ。
「でも、それじゃあどうするのよ。
 もしそうなら、早めに彼をなんとかしないと取り返しのつかない事になるんじゃ」
そうだ、扇動マーダーほど厄介なものはいない。
知らない間に偽の情報をつかまされたり、仲間同士で戦うことになるかもしれない。
もはや私独りの問題ではないのだ。
「確かにそうですが、◆6/WWxs9O1sさんは投げナイフ、僕はエタニティ・エイト。
 両方とも遠距離専門です。近距離で戦える人がいないと、下手すれば全滅の恐れもあります」
その通りだった。
彼のエタニティ・エイトは棒状にもできるが、接近戦が彼の本分ではない。
私の投げナイフなんて問題外だ。
ならば早く接近戦ができる人を仲間にしないといけない。
そんな事を考えていた時、都合よくも彼は現れた。
「お前の反逆、俺が引き受けた」

突然現れた男はそう言い放った。
野獣のような目をしたその男は、なぜか魔法少女のようなひらひらフリルの服を着ていて。
それで、それがさも当然のような顔をしているのだ。
明らかに変態、明らかに危ない人、そう見えるはず。
だけど怪しすぎて、逆に怪しく見えない。そんな不思議な人。
彼は名乗った。
「俺は、魔法反逆者……リリカルスクライドだっ!」

 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

712誤解は無理やりにでも植えつけろ ◆CUG3z3uZ1o:2007/07/10(火) 20:19:13 ID:X4Cu8Tug0
「今までの様子を見ていると、どうやら小屋が舞台になりそうだね。
 争いの気配が濃厚だ」
赤兜の少女とキャプ見沢の戦闘。
逃走した赤兜の少女とピエロの男の遭遇。
少女を追いかける時に見かけた、小屋に向かってくるダンディ。
ダンディの性格とキャプ見沢の思考回路からして、戦闘にはならないだろう。
となると、小屋に単身向かったピエロ男との戦闘を促すにはダンディは邪魔だ。
誰かにこっそり始末してもらうのがいいな、もちろん戦闘が起こるような状況で。
◆LXe12sNRSsは得た情報から推理して、そう結論する。
「さて、では早いところ協力者でも見つけないと」

 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

「このウィツァルネミテアの大神や―――」
「ロワ主催者である、この僕まで―――」
「簡単にズガンされるロワが、このカオスロワさ」
死者通信機から聞こえる声を楽しそうに聞く一人の女と、退屈そうに聞く一人の男。
あんどれとR-0109だ。
「こうして聞くと、結構ロワ毎に特色も違うんですね」
「俺、よくよく考えると、だいたい各ロワの知識知ってるじゃん」
FFDQロワ以外の知識が無いあんどれにとっては興味深いものであったが、
ラジオでやった場所の知識なら持っているR-0109にとっては退屈なものでしかなかった。
空想のキャラと会話できるという点では面白かったが。
「あー、結局俺の情報はろくな物がなかったしなー」
期待でもしていたのか、少し残念そうな顔をしている。
「あったと言えば文房具ロワでの、俺への怨み辛み」
「画鋲氏ね、感電の神氏ねって凄かったですね」
ふてくされて言うR-0109に、相変わらずのゴキゲン顔であんどれは言う。
「参加者の画鋲と主催への文句の筈なのに、な〜んか他意を感じるんだよな。
 あなたもそう思わない?」
R-0109は突然後ろを振り向いて、そう声を掛ける。
その行動に、初めてあんどれは背後の人物に気がつく。
「気付かれてましたか」
◆LXe12sNRSsは驚いた顔でそう答えた。
気配を消していた訳じゃないが、二人のいる場所とは大分離れていた。
それなのに見つかった事に、多少の疑念と賞賛を与える。
「いや、ラジオとかやってるとさ、リスナーの反応とかにも敏感になるのよ。
 あんどれさんの血塗れの格好とか、二人しかいないのに多人数の声が聞こえたり
 そういうので誰しもなんかしら反応するでしょ? それで分かったんだわ」
驚いている◆LXe12sNRSsに、めんどくさそうに説明をする。
「これで遊んでただけじゃなかったんですね」
その説明にあんどれも感心する。
「それで、あなたはどうするんです? ゲームに乗っているんですか?
 俺は他の自分を見つけられれば別にどうでもいいんですけど」
そして今回も、相手の反応を待たずに話を進める。
そんな彼の言葉に腕を組み考える◆LXe12sNRSs。

二人を小屋にけしかける事が出来るだろうか。
あんどれの方は血塗れで笑っていることから、人を殺すことに忌避感はなさそうだ。
楽しければどうでもいい快楽殺人者といったところか?
問題はもう片方の男。
ラジオをやっている上、他の自分とか言っていることからすると、感電氏か?
言動からすると、その、『他の自分』さえ見つけられれば他の事は感心がなさそうだ。
だったら、他の自分が見つかる可能性をしめせばいい。
確かキャプ見沢が小屋で盗聴器を使っていたな。
それで声を聴けば何かしら『他の自分』へのヒントが示されるかもしれない。

713誤解は無理やりにでも植えつけろ ◆CUG3z3uZ1o:2007/07/10(火) 20:19:32 ID:X4Cu8Tug0
「そうですね、ちょっと二人に協力をお願いしたいんですが。
 もちろん交換条件はあります」
◆LXe12sNRSsは考えをまとめ、二人にそう持ちかけた。
「ある男、まぁダンディ坂野なんですが。
 彼を殺して欲しいんですよ、誤解が起きそうな状況でね」
「となると、あなたはゲームに乗ったんですか」
◆LXe12sNRSsの殺人依頼にも、なんら動揺することなく切り返すR-0109。
「いえ、そういうわけではないんですが……
 そうですね、私は◆LXe12sNRSsです。これで分かりますか?」
「あぁ、ホテルの……
 と言う事は大きな争いを起こしたいと?」
流石はラジオをやっていただけあって理解が早いようだ。
「ええ、D-5の小屋で大きな争いが起こせそうなんですが、それには彼のような男は邪魔なんですよ」
「それで交換条件ってなんですか?」
今まで話しについていけなかったあんどれが割り込む。
「え、条件ですか。
 見た感じあなたは感電氏ですよね。」
「んー、ちょっと違うけど、まぁいいか」
その言葉に疑問を感じたが気にせずに続ける。
「で、さっきの会話からすると、他の自分を探していらっしゃるとか」
「居場所とか分かるの?」
「いや、私がじゃないんですが、そのさっき話した小屋に盗聴器を持った参加者がいるんですよ。
 それなら何か分かるんじゃないですか?」
その言葉にR-0109は考え込む。
「で、次はあなたですが、あなたはこの依頼自体が見返りと思っていいですよ」
「そうですねー、ちょっとつまらなくなって来たし、それもいいかな」
あんどれはあっさりと了承する。
「ラジオさんはどうしますか?」
「何も情報無いよりはマシだし、引き受けるよ」
◆LXe12sNRSsは、その言葉に良かったとばかりに頷いた。
「まぁ流石に何も渡さずにお願いしますとはいいませんよ」
そういうやいなや、◆LXe12sNRSsはデイパックからグルメテーブルかけを取り出す。
「これは制限で、ヨッシーやカービー、ガッちゃんの食べ物しか出せないんですが」
そう言いつつ適当に爆弾などの武器を見繕って取り出す。
「どうぞコレを活用してください」
それを、それぞれのデイパックに収める。
「一応、私も小屋の近くで待機しておきます。
 何か不測、もしくは不足の事態が起きるかもしれませんしね」

 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

そして彼等は小屋に集う。
彼等のうち、何人が生き残る事ができるのだろうか。


【開始二時間後/D-5/草叢の陰(D-5の下側)】
【◆Ax9.rAEGf2@御伽ロワ】
[状態]:気絶、顔面ボコボコ、走っている最中に処女膜が破れ股間から血が出ている
[装備]:赤ずきん@おとぎ銃士赤ずきんの服
[道具]:支給品一式、御伽セット(他不明)
[思考]:
基本:ゲームからの脱出
1:ピエロを待つ?
[備考]:
※御伽セットの能力を知りました。
<御伽セットについて>
おとぎに関係のあるキャラの服などが入ってます。
なおこれを着ると、なぜか外見と能力だけそのキャラになれます。
破れたりすると効果がなくなります。

714誤解は無理やりにでも植えつけろ ◆CUG3z3uZ1o:2007/07/10(火) 20:19:52 ID:X4Cu8Tug0
【開始二時間後/D-5/草叢〜小屋(D-5の下側)】
【◆L9juq0uMuo@漫画ロワ】
[状態]:怒りの感情
[装備]:ピエロの服
[道具]:支給品一式(ランダムアイテム1〜3)、カラーボール数個
[思考]:
基本:殺しあいには乗りたくないが、状況によっては戦う
1:小屋へ向かう
2:キャプテンの仇を取ってあげたい
3:戻ってきて少女を守る
4:ゲームからの脱出
[備考]:
※カラーボールはキャプテンの支給品です

【開始二時間後/D-5/小屋内部】
【キャプ見沢@キャプテン観測所】
[状態]:良好、キャプ見沢症候群発祥
[装備]:盗聴器
[道具]:支給品一式
[思考]:
基本:キャプテンの殲滅……?
1:ダンディとゲッツする
2:◆Ax9.rAEGf2はどうしようか……?
[備考]:
<キャプテンリスト>
暫定でホチキス、◆6/WWxs9O1s、◆ilZClmYqFI、キャプテン、Classical名無しさん、
愚弟、アリ2作者、◆L9juq0uMuo、ヤムタカ、666、◆Ax9.rAEGf2をキャプテンと認識しました。
<キャプ見沢症候群について>
どんな些細なことでもキバヤシ理論の如く全てキャプテンと結び付けてしまうかも。

【ダンディ坂野@葉鍵ロワ】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:支給品一式(地図なし)、ランダムアイテム不明
[思考]:
1:みんな、ダンディとゲッツしない?
2:次の放送時にキタキタと◆o0JMpFh/TMの約束に乱入
[備考]:
※黄色いスーツに赤蝶ネクタイ

【開始二時間後/D-6/D-6〜小屋(D-6の上側)】
【◆6/WWxs9O1s@カオスロワ】
[状態]:精神的に疲労
[装備]:投げナイフ×7
[道具]:支給品一式
[思考]:
1:◆L9juq0uMuoを追いかける
2:生き残る
3:自分から人殺しはしない
4:でも襲われたら容赦なく倒す
[備考]:
※投合武器をうまく扱う事が出来ます。
※◆L9juq0uMuoを扇動マーダーと誤解?

715誤解は無理やりにでも植えつけろ ◆CUG3z3uZ1o:2007/07/10(火) 20:20:06 ID:X4Cu8Tug0
【◆lbhhgwAtQE@アニメロワ】
[状態]:健康
[装備]:エタニティ・エイト×3
[道具]:支給品一式(支給品は確認してます)
[思考]:
基本:ここからエクソダス
1:◆L9juq0uMuoを追いかける
2:◆6/WWxs9O1sの保護
[備考]:
※アルター能力『エタニティ・エイト』を使えます。(ただし、精神支配は不可能。)
※身体能力は普通
※エタニティ・エイトは、結構な光を発しています。
※◆L9juq0uMuoを扇動マーダーと誤解?

【リリカルスクライド@アニメロワ】
[状態]:健康
[装備]:不明
[道具]:支給品一式(支給品は確認してます)
[思考]:
基本:とにかく反逆
1:◆6/WWxs9O1sの反逆を請け負う
2:◆L9juq0uMuoを追いかける。
[備考]:
※外見はなのはのコスプレをしたカズマ。
※もちろん魔法は使えない。
※でもシェルブリットは使える。

【開始二時間後/C-5/C-5〜小屋(C-5の右側)】
【◆LXe12sNRSs@アニメロワ】
[状態]:健康。
[装備]:無し
[道具]:支給品一式、ランダム支給品(1〜3?後続にお任せ)
[思考]:
基本:主催を打倒する為、憎まれ役になる
1:小屋で闘争をあんどれ等に任せる
2:小屋の闘争での不測の事態に備える
3:大小問わず闘争を引き起こし、強者・賢者を発掘する
4:その為にまず戦闘能力の高そうな人間に取り入る
5:淘汰され、残った者達でゲームを破壊させる
[備考]:
※闘争の火種を察知できる。
※距離は問わない。

716誤解は無理やりにでも植えつけろ ◆CUG3z3uZ1o:2007/07/10(火) 20:20:25 ID:X4Cu8Tug0
【あんどれ@FFDQロワ3rd】
[状態]:ゴキゲン
[装備]:デールマシンガン(残弾99%)@FFDQロワ3rd、ナッツンスーツ@FFDQロワ3rd、ルールブレイカー@葱ロワ2、グラーフアイゼン@アニロワ
[道具]:支給品一式(地図なし)、ワライダケから造った麻薬@テイルズロワ、五寸釘(残りたくさん)
[思考]:
基本:あは、あははは、あはははははははは!!
1:◆LXe12sNRSsの仕事を請け負い、小屋で闘争を引き起こす
2:とりあえずR-0109と行動する。
3:つまんなくなってきたら誰かをとりあえず「壊す」
4:できるだけ色んな人を壊して愉しみたい。
[備考]:
※外見は王族っぽい茶髪の女性です。
※ジョブ:白魔導師 アビリティ:ちょこまかうごく

【R-0109@みんなのしたらば】
[状態]:なげやり
[装備]:マウンテンバイク
[道具]:支給品一式(地図なし)、死者通信機@パロロワ、バンドスコア詰め合わせ
[思考]:
基本:あーめんどくさ、なるようになれコラ
1:◆LXe12sNRSsの仕事を請け負い、小屋で闘争を引き起こす
2:スタジオとか楽器店とかどっかにねーかなー
3:ギター弾きてえなぁ
4:俺のパチモンでて来いコラ
[備考]:
※声だけなら殆どの参加者が聞いた事があります。
※名乗るのが時々面倒になります
※ラジオでやった分の各ロワの知識があります
※書き手としての知識は……?(他の自分に吸い取られているかも?)
※このロワに参加している自分以外の自分、つまり文具の感電やラジオの感電を、「みんなが作り上げた自分に対する偶像が具現化したもの」。
  つまりコピー人間だと考えています。
※死者通信機は書き手ロワ以外の色んなパロロワの死者と通信が出来ます。
  ただし、死者側はそのロワに関する情報しか与えられず、書き手の能力だとか書き手に関する情報を得る事は出来ません。

#R-0109が考える分裂図。
感電という名前がかなり浮いている為R-0109≒感電でありR-0109≠感電の公式が生まれつつあるのではないのか?
つまり、ラジオをやっているのも書き手をやっているのもパロロワ上では「感電」や「画鋲」であり、俺ではない。
しかし大元を辿れば自分にたどり着くので自分も呼ばれたのではないか?
というよく分からないキバヤシ理論。リレーする人が勝手に捻じ曲げていいよ

717――そのうち名無しは考えるのをやめた。:2007/07/10(火) 20:22:01 ID:X4Cu8Tug0
終了。
無理やりな展開? それがどうした!

718――そのうち名無しは考えるのをやめた。:2007/07/10(火) 22:59:16 ID:Hb1MeToA0
おお、大作乙!!
一気に動いたな
誤解フラグとか煽動とかまさにロワって感じで燃えた
◆6/WWxs9O1s氏も理解者を得たようで何よりw

719――そのうち名無しは考えるのをやめた。:2007/07/10(火) 23:10:51 ID:X4Cu8Tug0
修正します。

【開始二時間後/C-5/C-5〜小屋(C-5の右側)】
【◆LXe12sNRSs@アニメロワ】
[道具]:支給品一式、グルメテーブルかけ、ランダム支給品(2〜3?後続にお任せ)
[備考]:
※闘争の火種を察知できる。
※距離は問わない。
<グルメテーブルかけについて>
制限により、【カービィ、ヨッシー、ガッちゃん】等の食べるものしか出てきません。

【あんどれ@FFDQロワ3rd】
[道具]:支給品一式(地図なし)、ワライダケから造った麻薬@テイルズロワ、五寸釘(残りたくさん)、爆発物セット

【R-0109@みんなのしたらば】
[道具]:支給品一式(地図なし)、死者通信機@パロロワ、バンドスコア詰め合わせ、爆発物セット

720――そのうち名無しは考えるのをやめた。:2007/07/11(水) 17:02:24 ID:lvRHQy2I0
リリカルスクライドって新キャラか。鉄槌氏かと思って一瞬焦ったw

721――そのうち名無しは考えるのをやめた。:2007/07/11(水) 22:09:44 ID:r.xxemWc0
なのはクロスSSスレの職人かと思った

722――そのうち名無しは考えるのをやめた。:2007/07/11(水) 23:02:28 ID:lvRHQy2I0
俺も鉄槌氏かと思ったw

723うっかりは伝染する? ◆CUG3z3uZ1o:2007/07/12(木) 10:58:58 ID:CVxYDCCE0
「うーん、別に異常はないみたいですねー」
ネスカが聞いたという音源に向かって偵察に向かったツキノは、そう言って辺りを見回す。
「それにしてもこうして見ると殺し合いが起きてるなんて思えませんねー。
 海も綺麗だし、風も気持ちいいし」
静かな砂浜で涼しいそよ風を身に受け、ツキノは荷物を置いて思わず欠伸をする。
「あー、なんか眠くなって来たなぁ。
 あんな所で赤い血溜まりの上で気持ち良さそうに寝てる人もいるし、僕もちょっとだけ寝ようかな」
そんな呑気なことを言いながら目を擦る。
「へ、血溜まり?
 ……って、うわああああああああああああああああ!
 死んでるじゃないかああああああああああああああ!!!」
さっきまでの眠気は何処に行ったのか、目を見開いて驚きを露にする。
目の前に転がっている三村信史似の男の死体は、ネスカが聞いた音と関係があるのか。
そんな事を考える余裕は最早なく、ツキノはただ動転していた。
「と、とりあえずネスカさんの所に戻らなきゃ!」
慌てて、ネスカの元へ戻ろうと荷物を手に取る。
ここでうっかり荷物を忘れないように、キチンと忘れ物がないか辺りを見回す。
「あれ……僕、どうやってここまできたんだっけ?
 ってゆーか、ここ何処だあああああああああああああああ!!!」


■数十分後

「……と、迷子の法則に基づき動かないでいる僕ですが、迎えが来ません。
 あれ、僕もしかして選択肢間違えた? バッドエンド確定?」
この場合のバッドエンドを想定してみる。

『主人公は何も起こらない退屈な日々を延々と過ごす』
今の状況からするとむしろハッピーエンドだから違う。
『僕達、ずっと友達だよね』
雅史に値する人物がいないのでこれも違う。そもそも平穏すぎる。
『急がずにのんびり行動していたせいで、ヒロインのネスカは悪漢に襲われ殺される』
「縁起でもねえええ、何考えてんだ俺ええええええ!」

ここで自分が殺されるバッドエンドを想定しないのは現実逃避だろうか。
それは兎も角、縁起でもない考えを振り払うかのように頭を振る。
一瞬でもそんなシーンを頭に思い浮かべた事に対し謝るツキノ。
殺される過程に、犯されるシーンも思い浮かんだのはツキノだけの秘密だ。
「スンマセンスンマセン、勝手に殺してスンマセンネスカさん!」
「ふむ、血の臭いがしたから来てみたが、またもや蝶々の類であったか」
そこに、一人騒いでいたツキノの声を聞いたのか、着流しの男が現れる。
「喉をナイフで一閃、なかなかの腕前と推察する」
男は二代目RTの死体を一瞥し、答えた。
(この人、僕が殺したって勘違いしてるうううううう!
 っていうか死体の傍で一人あんな事叫んでたら勘違いされても仕方ねええええええ!
 僕はなにやってたんだああああああああ!!!)
「あの、いや、それ僕じゃ……」
「某は幕末ロワの>>1、そなたに勝負を申し込もう」
男は楽しそうに笑いながら言った。
(あれ、もしかしてこれってゲームオーバー?)

724うっかりは伝染する? ◆CUG3z3uZ1o:2007/07/12(木) 10:59:18 ID:CVxYDCCE0
 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

「あーもう、ホント何処行ったのかナー、あの人は」
ネスカはうんざり顔で言いながらも、なんだかんだでツキノを探す。
あんなうっかりさんでも、一人でいるよりはマシだ。
「第一今の状況わかってるんですかネー。
 うっかり一人で行かせたアタシが言えた義理じゃないですけド。
 まさかアタシにまでうっかりワールドが!?」
独り言を延々と呟き続けるのも、勿論寂しいからである。
静かにしていないと危険? 誰かに聞こえるかもしれない?
そこんところは大丈夫、アタシの地獄耳にかかれば、
「うわああああああああああああああああ!」
ほら、あんな叫び声も簡単に聞こえるから。
へ、叫び声?
「うわああああああああああああああああ、誰か助けてええええぇぇぇぇぇぇ!」
「こーろーさーれーるー!」
え、なにこの声、何か近づいてきてるような……?
「いいところに人が!」
「おねーさん、助けてくれ!」
突然現れた二人組みはネスカの背中にしがみつくと、後ろから追ってきたもう一人から隠れるように動く。
追ってきた男は片目から血を流し、凄い形相で睨んでいる。
「あのー、アタシは何も関係ないんデー」
その顔に怯み、二人を振りほどきそそくさと立ち去ろうとする。
うん、アタシは何も見ていない聞いてない。
それにつきのん探さなきゃいけないし。


ネスカは逃げ出した。

「そりゃないよー、姐さん〜」

しかしまわり込まれた。


誰が姐さんだ、誰が。
でもここで見ない振りして二人が殺されるのも寝覚めが悪いし、仕方ないから助けるしかないか。
「何があったか知らないですけド、見逃してもらえないですかネー。
 アタシの支給品核爆弾なんで、下手に衝撃与えるとドカーンってなっちゃうんでー」
背後にいた二人がその言葉でズザザザーと遠ざかる。
誰のために交渉してると思ってるのか、マッタク。
「あいつ等を殺せるならそんな事知った事か!」
アチャー、火をつけちゃったかナ。
「邪魔をするならお前もぶっ殺すぞ、糞ビッチ!」
その暴言にムカっと来たアタシは近くにあったものを咄嗟に引っつかみ、その男の方へぶん投げた。
「ナメないでよ、ネスカなのよアタシ!」
投げられた祐一はアリ2作者に凄い勢いでぶつかり昏倒した。
アリ2作者も目に加えて鼻からも血が噴出してピクピクと痙攣している。
浩平は「リ、リアル七瀬だ……」などと訳分からないことを言っている。
そしてアタシは話を余計こじらせた事に気付いた。
「アハハ、やっちゃった?」

725うっかりは伝染する? ◆CUG3z3uZ1o:2007/07/12(木) 10:59:42 ID:CVxYDCCE0
 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

着流しの男は刀を抜き放ち構える。
その構えは素人目から見ても完璧な構えで、どう考えても勝ち目は無い。
幕末の時代でも十分やっていけたのではなかろうか。
男にはそう思わせるほどの気迫があった。
「さぁかかって来るがいい」
男は不敵に笑いこちらの行動を待つ。
だがツキノは幕末ロワ>>1の声など聞かずに、ひたすら助かる方法を考えていた。
(どう考えても殺る気まんまんだ、僕の事兵と勘違いしてるし)
「そなたから来ぬのなら某から参るぞ」
なかなか行動に移さないツキノに痺れを切らしたのかそう言い放ち鍔を鳴らす。
(うわあああああ、やべええええええええええ、なんか逃れる方法はないのか!
 幕末好きって時点で戦い好きそうだし、どうすればいいんだ!
 ……幕末、そうだ、僕も幕末好きだってアピールすればいいんだ)
短い思考の末単純な回答を導き出す。
これ以上長考すると問答無用で斬られそうだから仕方が無いといえば仕方が無い。
「あの……僕達が戦うのは不毛だと思うんですよ。
 数少ない幕末好き同士が今ここで殺しあうより仲良くしましょうよ。
 そして生きて帰って幕末ロワを再建しましょう!」
それにしてもこのつきのん、必死である。
今を助かるために心にも無いことを平気で言い放つ。
だが、そんな行為も身を結んだのか、
「ふむ、そなたも幕末史好きであったか。
 確かにここで同好の士を斬るのは忍びないな」
と言って幕末ロワ>>1は刀を納めた。
彼のその行動にツキノはホッと胸をなでおろす。
「して、そなたは誰が好きなのだ?」
と思ったのも束の間、そんな質問が飛んでくる。
「えっ……えーと、新撰組の土方さんとか(行殺新撰組でしか知らないけど)」
突然の質問にビックリしたが、怪しまれないように咄嗟に知ってるキャラを答える。
「ほう、某はこの刀の通り近藤勇局長が好きでな」
ツキノは話を振られない事を祈りながら、兎に角この場をやり過ごそうと相槌を打ち続ける。

そして数十分もの間、幕末ロワ>>1の幕末に対する、特に新撰組への情熱などが語られた。
それは殆ど知識が無い自分ですら新撰組の名前を全員覚えてしまったほどであった。
これほどまでにヲタクの知識を凄まじいと思った事はなかったし、これからも思う事はないだろう。
「さて、良い時間を過ごした」
満足した顔で幕末ロワ>>1は答える。
「そ、それはよかったですね(やっと解放される……)」
心なしかツキノの顔が青ざめている。
「では行くぞ」
「へ?」
その言葉に尚の事顔が青ざめる。
「む、生きて帰って某と幕末ロワを再建すると抜かしたではないか。
 それに、そなたともっと幕末史について語り合いたいでな」
幕末ロワ>>1は心底楽しそうに言った。
(言い逃れたつもりで墓穴掘ってるううううううううううううううううう!
 ネスカさん助けてええええええええええええええ!)
そんな男の姿を呆然と見ながら僕は絶望した。

726うっかりは伝染する? ◆CUG3z3uZ1o:2007/07/12(木) 11:00:07 ID:CVxYDCCE0
 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

その頃ネスカは、一人こっそり逃げ出そうとした浩平をとっ捕まえて二人の介護をさせていた。
流石にこの状況を作り出しておいて見捨てていくのも良心が許さないようである。
二人の怪我については、浩平達の支給品の中に草詰め合わせがあったので、中の弟切草を使わせてもらった。
ついでに片目を失ったアリ2作者には目薬草を飲ませた。
これで多少はマシになるだろう。
「なかなか起きませんネ」
「まったく、こんな時に寝ていられるなんて図太い神経の持ち主だな」
「何もしてないのにやたら態度がでかいですネー」
二人が気絶している間に、大まかな経緯について説明してもらっていた。
それにより、分裂の壷による悲劇であることもわかり、それも浩平に説明をする。
すると浩平は祐一を見て、嫌な顔をしながら「こいつが俺の分身かよ」と言っていた。
まあ、例え嫌がっても、それは自己批判をしているだけにすぎない。
そんなわけでこの騒動の原因は分かったわけだが、
「流石に眼については運が悪かった、諦めろなんて言えないですしね」
聞いた限りではどちらも悪くないし、事故としかいいようがない。
とはいえ、事故でしたで済むほど代償は安くない。
なにしろ片目を奪われたのだ、今後の生活にも支障は出るだろう。
「でも俺の支給品から目薬草を飲ませただろ。
 ただでさえ二人に分裂して、支給品が苦しいってのに」
自分も原因の一端であるにも関わらず、浩平は不満そうにそう言う。
「そりゃ確かに悪いとは思うけど、ただでさえこんな状況なんだ。
 五体満足なんて言ってないで、命があるだけ儲け物と思ってもらわなきゃ」
「確かにそうだけど、無傷のアンタがそれを言いますかー」
ネスカは呆れたように言う。
「無傷って……俺なんか生きて帰ったとしても親になんて言えばいいんだよ。
 分裂しちゃいましたなんて気軽に言えるわけないじゃないか」
浩平は沈んだ顔でそう言った。
ネスカはそんな浩平を見て、先程の言葉は軽率だったと悔いた。
「あの、スイマセン。浩平さんの気持ちも考えないで軽率でした」
「いや、スマン。俺のほうこそ、ただの八つ当たりだったな」
二人の間に重い空気が漂う。

(なんか起き難い雰囲気じゃねーか……)
いつのまにか起きていた祐一は、この重い空気に動くこともできず、ただ考えを巡らす。
(それにしても、俺と浩平が同一人物だったとは。
 いやまあ、薄々は感づいていたけどな、そもそも俺のコテ祐一&浩平だったはずだし。
 しかしそうなると親近感沸くな。さっきの浩平の懸念も分かるし。
 でも俺たちが死んだら母さん達はもっと悲しむだろう。
 だったら二人でなんとか生き残ってやらなきゃな)

(それにしてもあの野郎、俺の癖にあいつに追われた時に罪擦り付けてきやがって。
 俺と言えども信用は置けないよな、第一二人で生き残ったら母さんになんて言やいいんだ。
 気をみて祐一には死んでもらわないとな)
浩平はそう考えながら、こっそり抜き取っておいたルーラ草をポケットに入れる。
(これを使ってあいつを一人だけ飛ばすか、危険時に俺一人だけ逃げるか。
 まぁそれは状況次第だ)

祐一と浩平は知らない。お互いが正反対の考えをしている事を。
祐一と浩平は知らない。原作と違って、二人の命は繋がっている事を。

727うっかりは伝染する? ◆CUG3z3uZ1o:2007/07/12(木) 11:00:23 ID:CVxYDCCE0
【開始二時間後/E-6 海岸(二代目RTの死体そば)】
【ツキノ(書き手)@ギャルゲロワ】
[状態]:脛部と腹部にダメージ、アンリミテッドうっかりワールド展開中
[装備]:ハクオロのお面@ギャルゲロワ、ドライヤー
[道具]:支給品一式(地図なし)
[思考]
基本:ロワイアルからカレイ道に脱出してやるZE!
1:幕末ロワ>>1に殺されないようにやり過ごしたい
2:とりあえずネスカさんところに戻りたい
3:信用できそうな人に会いたいなあ
[備考]
※天然搾り100%のうっかり
※ぱっと見少女に見える美麗の少年

【幕末ロワの>>1@幕末ロワ】
[状態]:健康
[装備]:虎鉄(近藤勇の)
[道具]:支給品一式
[思考]
基本:マーダー。特に幕末を馬鹿にする奴は許さない
1:ツキノと共に幕末史の素晴らしさを喧伝する
2:ツキノと共に生き残り、幕末ロワを再建する
[備考]
※着流しを来た、浪人風の男。剣の達人

728うっかりは伝染する? ◆CUG3z3uZ1o:2007/07/12(木) 11:00:48 ID:CVxYDCCE0
【開始二時間後/F-6 海岸】
【ネスカ(描き手)@FFDQロワ3rd】
[状態]:アンリミテッドうっかりワールド汚染中?
[装備]:虫取りアミ
[道具]:支給品一式(地図なし)、ねとらじ放送キット、核爆弾@魔界塔士Sa・Ga
[思考]
基本:とりあえず脱出したい
1:アリ2作者の目覚めを待つ
2:ツキノを追っかける
3:今後をどうするか切実に考える
4:マトモな人に会いたい
5:FFDQロワの人に会いたい
[備考]
※ジョブ:物真似師 アビリティ:!黒魔法、!スケッチ、格闘
※黒スーツエルフ耳の長い黒髪の女性

【祐一&浩平(祐一)@ハカロワ1】
[状態]:分裂
[装備]:無し
[道具]:草詰め合わせ、支給品一式
[思考]
基本:浩平と一緒に脱出
1:この気まずい雰囲気なんとかしてくれ
[備考]
※浩平が死ねば、祐一も死にます

【祐一&浩平(浩平)@ハカロワ1】
[状態]:分裂
[装備]:ルーラ草
[道具]:草詰め合わせ、支給品一式
[思考]
基本:祐一が死んだ状態で生き残る
1:アリ2作者の目覚めを待つ
[備考]
※祐一が死ねば、浩平も死にます

【アリ2作者@FFDQロワ3rd】
[状態]:左目失明、流血は止まる、目薬草
[装備]:無し
[道具]:支給品一式
[思考]
基本:ゲームには乗らない
1:気絶
2:使えるアイテムを集める
[備考]
※自分の血を見ると性格が豹変

729――そのうち名無しは考えるのをやめた。:2007/07/12(木) 11:02:27 ID:CVxYDCCE0
以上。
なんか知んないけど、いつのまにかネスカさんにうっかりが伝染してた。

730――そのうち名無しは考えるのをやめた。:2007/07/12(木) 16:01:56 ID:9zoH1CTw0
ツキノンが銀魂みたいなノリになっとるwww

731――そのうち名無しは考えるのをやめた。:2007/07/13(金) 01:34:19 ID:1m95FznY0
ツキノさんなにやってんすかwww

732DENPA4:2007/07/14(土) 03:11:19 ID:8aTKpzTwO
 @拡声器は未だに走り続けて、ようやく建物――イトーヨーカドーにたどり着いた。
 敵はまだ自分に迫っている。
 そう思うと、焦りより恐怖が頭の中を占め、意思に関係なく、どうしてこうなったかを、計算する。

 自分が一体何をしたと言うのだろうか?
 仮まとめサイトを立てたことか?
 クソカイタンテと誤植したことか?
 秘法伝説と誤植したことか?
 妙に稲田瑞穂の人をマンセーっぽく説明してしまったことか?
 いや――

 とにかく悪いことなどした覚えが無かった、否、ありえない。
 なら、どうしてこんなことに?
 何故、自分がこんなクソゲームに参加しなければならない?
 自分は真っ当に生きてきた。
 当然のように生きてきた。
 その当然が崩れた時、自分は全てを捨てて逃げ出し――

 瞬間、ざくっと何か(野菜とか、レモンとか)が包丁で切られたような音が聞こえて、猛然と喉が熱くなり始めた。どうしたのだろう?
 身体が、不意に力が抜けていくのを感じ始めた。
 ぼやけた視界を熱く日照った喉に向けて――



 まとめサイトのこととか、脇役ロワや文房具ロワをどうするかとか考える間もなく、@拡声器は喉に刃物を突き立てられ、事切れていた。
 @拡声器の視線は今や空に向いており、けれども眼窩はそれを捉らえていない。当然なのだが。
 そしてその刃物を誰が握っていたかと言うと、白い肌の動物――稲田瑞穂の人だった。
 稲田瑞穂の人はつるぎを今は生命を失った@拡声器の喉から引き抜いた。
 ばしゅっと勢いよく血が噴き出し、地に落ちた首からはとろとろと水溜まりが出来始めていた。

733DENPA4:2007/07/14(土) 03:12:24 ID:8aTKpzTwO
――
(東へ移動しました。
 東へ移動しました。
 東へ移動しました。
 東へ移動しました。
 東へ移動しました。
 東へ移動しました。)
 テラカオス名無しは未だに@拡声器を追いかけていた。
 その行動を止める、というのは彼のプログラムに組み込まれていない。
(だれかの悲鳴が聞こえちゃいました)
 それが@拡声器のものであるとは、遂には気付かなかった(第一、@拡声器は悲鳴なんてあげてられない。喉を切られているので)。
(このエリアで発見した参加者
 稲田瑞穂の人)
 認識したのは、そんな文字列。姿形などテラカオス名無しには映っていない。

(稲田瑞穂の人から攻撃を受けました
 テラカオス名無しはよくわからないもので稲田瑞穂の人に襲い掛かった!
 おっと稲田瑞穂の人は寸前でかわした!
 稲田瑞穂の人はつるぎでテラカオス名無しに襲い掛かった!
 まずい! 痛烈な一撃!
 テラカオス名無しに確実に即死するはずのダメージを与えた!
 テラカオス名無しの頭と体が別れを告げ、頭はどこかへいってしまいました)

 テラカオス名無しのプログラムの全機能が、眠りについた。
 二度と覚めない、無の眠りへと。

734DENPA4:2007/07/14(土) 03:14:20 ID:8aTKpzTwO
 稲田瑞穂の人は邪悪な電波を感じ取っていた。
 そう、悪魔メフィストの黒き邪念が。
 それが何処から湧いていたのか分からなかったが、光の戦士として見過ごすわけにはいかない。
 罪の無い善良な人々の為、地球の為に。
”いいですか、ミズキ。必ず悪魔メフィストを滅ぼすのです”
 もちろんです。
 稲田瑞穂の人は、小さく頷いた。

 稲田瑞穂の人はつるぎをテラカオス名無しの死体から取り出すと、北へ向かった。

【ゲーム開始数時間後/C−4 イトーヨーカドーの外】
【稲田瑞穂の人@テラカオスロワ】
[状態]:電波 不必要なヌード 拡声器に気付いた
[装備]:つるぎ@シャドウゲイト 『道明寺家宝刀ズガン銃』(DHZG)@テラカオスロワ
[道具]:支給品一式 服 下着
[思考]
基本・やっぱりアフラ・マズダに従う
1・無差別に黒き邪念に取り憑かれた者の魂を解放する(殺す)
[備考]
※男。見た目がまんま亜人(FFのン・モゥ族)です
※稲田瑞穂並みの電波受信率です
※接近戦においてかなりの戦闘力を発揮出来ます
※ナイフを光の剣に変える能力を持っています
※光の魔法陣を描いて邪悪な者に対して姿を消す事が出来ます
※何もない場所から小爆発、又は重力波を起こせます(使うと激しく疲労)
※対象一人に対し時間を止める事が出来ます(ただし自分まで止まる)
※アフラ・マズダ様に従えば自分に出来ないことは無いと思い込んでいます
※射撃は苦手です
※ついでにチェスが大得意です
※はい、はい、はい
※北へ向かっています

【テラカオス名無し@ゲーム版カオスロワ】
[状態]:死亡確認

【@拡声器@6ロワまとめの人】
[状態]:死亡確認

735――そのうち名無しは考えるのをやめた。:2007/07/14(土) 17:57:10 ID:xnP30PG60
稲田瑞穂の人、強いなー。文句なしのトップマーダーだ

736Attack On You Crazy Ladies:2007/07/18(水) 12:14:59 ID:I6MGF4zc0
「あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
 『おれはいつものようにSSを書いていたと
  思ったらいつのまにか自分が殺し合いに参加させられていた』
 な… 何を言ってるのか わからねーと思うが
 おれも何をされたのかわからなかった…
 頭がどうにかなりそうだった…
 夢だとか幻だとか
 そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ
もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…」

などとブツブツ呟きながら岩山の表面を歩いているのは、ハンバーグみたいな形のリーゼントヘアに学ランを着た不良っぽい少年である。
彼の名前は◆fk8qEzlLPk。ジョジョロワで一番多くの作品を書いている書き手である。
ケンカに関しては百戦錬磨な彼だったが、流石にこの状況には戸惑いを隠せなかった。
何せゲームが始まってから今まで、上記の台詞をまるで壊れたテープレコーダーのようにひたすら繰り返し続けていたくらいである。
しかし流石はジョジョロワの書き手だけあって、徐々に彼は落ち着きを取り戻しつつあった。
どんなに信じたくなかろうが、自分が殺し合いに参加させられてるということは事実だ。
にもかかわらずこのままグチグチ呟いているだけで何も策を講じないままだったら、
いつかゲームに乗っている奴に殺されてしまうのはコーラを飲んだらゲップが出るっていうくらい確実なことである。
「……とにかく、方針を決めなきゃなッ……!」
ようやく踏ん切りをつけ、声に出して言う◆fk8qEzlLPk。
さてどう動くか。ゲームに乗るか?
それはありえないと◆fk8qEzlLPkは思った。
自らの勝手な都合だけで人の命を奪うということは『命を侮辱する』ということだ。そんなことはあってはならない。
それに、このゲームの主催者に対する個人的な恨みもあった。
せっかくSSを書き終わったら「ブラックジャックによろしく」を読んで寝るはずだったのに、この予定をぶち壊されたのは許せない。
(誰がてめえの思い通りに動いてやるもんか。必ずてめえのことをぶちのめしてやるッ!)
ここにはいない主催者に対し、◆fk8qEzlLPkは誓いを立てた。
「とくりゃあ、とりあえず……奴を倒すための仲間が欲しいところだな……。
 流石に俺一人だけじゃ心配だし、それにろくに武器も手に入らなかったことだし……」
先ほど支給品を確認して見たものの、残念ながら主催者やゲームに乗っている奴らに対しての有用な攻撃手段となり得そうなものは見当たらなかった。
自分には『能力』がある分まだマシだが、それでも不安は残る。
この不安を打ち消すためにも、ぜひとも信頼できる仲間の協力が欲しいところだった。
(そのためにはいったん山を降りたほうがいいだろーな……こんな辺鄙な岩山には人が集まりにくいだろうし)
そう判断し、下山の歩みをさらに進めようとする◆fk8qEzlLPk。
まるで運命に導かれるかのように一軒の山小屋を見つけたのはその時だった。

その山小屋の外見は至ってオーソドックスなものだった。
ブラウンを基調とした平屋建てで悠然と構えている。特に不審な点は見当たらない。
そんな山小屋を見て◆fk8qEzlLPkは考える。
(ひょっとしたら中には俺に協力してくれる奴がいるかもしれねえ……。
 それにたとえ誰もいなくても、役に立ちそうな武器ぐらいはあるかもしれない。
 ゲームに乗った奴がいたら……まあ、なんとかなるだろ)
そう判断し、山小屋の中に入るという結論を出す。
「もしもお〜〜し! ノックしてもしもお〜〜し!」
とりあえずノックで反応を見る◆fk8qEzlLPk。しかし返事はなかった。
「誰もいないんですかあ〜! それなら遠慮なく上がらせてもらいますよお〜!」
その言葉通り躊躇わずにノブに手を掛け、鍵がかかってないことを確認して屋内に侵入する。
その瞬間、◆fk8qEzlLPkは思わず目を見開いた。

737Attack On You Crazy Ladies:2007/07/18(水) 12:16:57 ID:I6MGF4zc0


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……………………


山小屋の中には先客がいた。
女だった。どうやらシスターらしく、修道女の衣装を着ている。
女は椅子に座って何やら立方体っぽいものをいじっている。どうもルービックキューブらしい。
殺し合いの場で呑気に時代遅れのアイテムと戯れている。
それだけでもこの女の正気は十分に疑われるべきものであることは確認できる。
が、真に彼女を異常たらしめていたのはその玩具ではなかった。
彼女の修道服には、いびつな青い染みが付いていた。
何処で付いたのだろうか。この世界に連れて来られる前だろうか。
否、そうでないことは彼女の後方を見れば明らかだった。
彼女の背後にあったのは、青のペンキ缶とその中に無造作に突っ込まれたハケ。
そして――青空よりも完璧な青色の鳥の壁画だった。
「グレート……」
今にも覆い被されそうなじっとりとした威圧感を感じつつ、◆fk8qEzlLPkは思わず呻く。
壁画に描かれた鳥は、まさしく怪鳥そのもので、自らのロワの参加者であるペット・ショップを思い出させる。
だが、ある意味では禍々しさ、猟奇性にかけてはこの鳥はペット・ショップをはるかに超越していた。
何故だろうか。何故こうもこの鳥に畏怖を感じるのか。
美しいというわけではない。芸術的なわけではない。
ただ、不気味だった。
(落ち着け、落ち着けよぉ俺……あんなもん何処にでもあるようなピカソの出来損ないじゃねえかよお……)
何とか自分を納得させられる答えを見つけ、深く息を吸い込む◆fk8qEzlLPk。
その時唐突に、女――芸人ロワの書き手の一人、◆xCi5vGY7XYが、ゆっくりと口を開いた。

「完璧な存在とは何か?」
◆xCi5vGY7XYの意外な第一声に、◆fk8qEzlLPkはきょとんとした顔を作る。
いや、この場合意外と言う言葉を当てはめてはいけないのかもしれない。
彼女の場合、どのような言葉を吐いても意外になって、その結果収拾が付かなく成り得るから。
「これを完璧と思うか」
返事を待たずに◆xCi5vGY7XYはルービックキューブを掲げる。
立方体の色はバラバラだった。それを根拠に◆fk8qEzlLPkは首を横に振る。
その返答に◆xCi5vGY7XYはくくっとくぐもった笑みを漏らし、仄暗い天井を見上げた。
「立方体。それは三次元空間のコンセプトにおいて最も典型なるもの、正確なるもの、そして……可能性に満ちたもの」
女らしからぬ口調で持論をぶちまけつつ、ルービックキューブを回し続ける。
すぐに立方体は完成され、六面の色が揃わされた。
その一方で◆fk8qEzlLPkは正直うんざりしていた。
何がしたいんだ、コイツは。わけがわからねえ。
おかしいのはわかる。明らかにバトロワにおいて正しい行動をしていないのはわかる。
ただ、こんなのは日常においてもおかしい。日常に溶け込むにはあまりにも不気味すぎるッ!
とにかく、残念ながらこの女は主催打倒へ向けての協力者にはなりそうもないのは確かだろう。
こんな不気味な女から得られるものなどもはやない。これ以上変な女の相手をしてる暇はあってたまるか。
そう結論付けた◆fk8qEzlLPkはここを出て新たな仲間を探しにいくために踵を返す。
その刹那、何かが落ちる物音が聞こえた。
◆fk8qEzlLPkが思わずそれに反応し振り返った瞬間、響いた。
「だがこれは違う!」
鋭く切り込むような一喝と、強烈な炸裂音が。

738Attack On You Crazy Ladies:2007/07/18(水) 12:18:05 ID:I6MGF4zc0
気が付いたらルービックキューブは大破していた。
そしていつの間にか女が銃を握っていた。       
「じょ、じょおおおだんじゃあねェ――――っスよッ! コラァ!」
白い煙が昇る銃口を見ながら◆fk8qEzlLPkは叫ぶ。逃げようにも腰が抜けてしまい逃げられない。
彼の魂の叫びもスルーして、◆xCi5vGY7XYは尚も語り続ける。
「完璧は永遠だ。完璧は何があろうとも崩れてはならない。だがこれは脆い。あまりにも脆い。よってこれは完璧ではない」
「だから何だっていうんだよお!」
ややキレた調子で◆fk8qEzlLPkは横槍を入れる。
しかしそれも無視して、◆xCi5vGY7XYは銃を持ったまま背後の空間に周ると、ハケを持ち上げた。
「これもそうだ!」
そのままハケが壁画に打ち付けられた。青い怪鳥の姿があっけなく消え去った。
「どんなに褒め称えられる絵画でも、一筆で崩れ去る。ピカソやゴッホであろうとも」
そう言うと◆xCi5vGY7XYは何故かにやりと笑った。顔に吹き飛んできていたペンキと相まり、その表情はいっそう不気味さを際立てる。
その瞬間、ケツの穴にツララを突っ込まれたような戦慄を◆fk8qEzlLPkは覚えた。
「完璧は凡庸でなければならない。だが完璧は見当たらない。このアイロニーはどう解決すべきか」
教授のような威厳をもって◆xCi5vGY7XYは唱える。
彼女を取り巻く空気は依然として変わりようがない。
「お前にとっての神は?」
唐突な話題の展開に◆fk8qEzlLPkは一瞬フリーズする。
しばしの沈黙の後、返事を待っているのだということにようやく気づいた彼は適当な答えを返した。
「神っスか……やっぱ神っていうくらいなんだから偉い存在なんじゃないっスか?」
返答を聞き、◆xCi5vGY7XYは満足げに再びにやりと笑った。とりあえず外してはなかったようだ。
「そう、偉い存在。……そして世界を手にする絶対的な存在」
再び沈黙が漂う。
何が楽しいのか尚もにやにや笑う◆xCi5vGY7XY。沈黙がそれを彩る。
だが、その表情は突然崩れ去り、般若の表情が湧き上がってきた。
ハケを壁に叩き付け、彼女は沈黙を破った。
「だがこの世界には存在しない!」
彼女の手を離れたハケがからりと床に落ちる。
その音を合図にするかのように◆xCi5vGY7XYはさらに独演を進める。
「ここは嘘で作られた世界。なにも信じてはいけない世界。そうでなければ説明が付かない。
 それなら何故私がここにいる? 何故お前がここにいる?
 神が送り込んだというのか? この不毛な世界に? そして神はこの世界の向こう側で傍観しているのか?」
徐々に彼女は早口になっていく。
◆fk8qEzlLPkはただひたすら呆然と見ていた。彼女を止める術を彼は持たない。
「ならば黙って見ていろッ! 私がこの世界の神になる! 
 カニバリズムやネクロフィリアさえも許容されるというこの空間で、私が世界を手に入れる!
 その暁には私が旧来の神を倒して、第三者として成り代わる!
 その時こそ私は完璧を、イデアを手に入れる! その時こそパラドックスは解決できる!
 そのためには誰にも邪魔はさせない! 従わない人間は裁いてやる!」
溢れ出る涎を拭おうともせずに◆xCi5vGY7XYは演説を続ける。
そして、とどめの言葉を放った。大きく両手を広げ、◆fk8qEzlLPkを包み込むかのように。

「私は世界を予約した! さあ、神と呼べ!」


ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド……………………

739Attack On You Crazy Ladies:2007/07/18(水) 12:19:35 ID:I6MGF4zc0
(やれやれ、へヴィだぜこれは……)
芝居がかったポーズで見下ろしてくる◆xCi5vGY7XYを見返しつつ、◆fk8qEzlLPkは心中で嘆く。
なにやら小難しい世迷い言で飾ってはいるが、要するにこの世界で優勝を目指すから、お前は私に協力しろ。断るなら殺すということらしい。
完全に狂っているようだ。プッチ神父も裸足で逃げ出しそうな気さえする。
◆xCi5vGY7XYは銃をこちらに向けた。従わなければ撃つということか。
銃口を見返し、◆fk8qEzlLPkはゆっくりと台詞を吐き出す。
どんなものを向けられようが、この状況で彼が言う台詞はこれしか有り得なかった。

「だが断る」

予定していた台詞と異なることに、◆xCi5vGY7XYは顔をしかめる。
その顔に向かって◆fk8qEzlLPkは更に言い放った。
「この◆fk8qEzlLPkが最も好きな事のひとつは自分で強いと思ってるやつに『NO』と断ってやる事だ」
◆fk8qEzlLPkは◆xCi5vGY7XYに協力するつもりなどさらさらなかった。
◆fk8qEzlLPkはあくまでまだゲームに乗るつもりはない。ましてやこんな狂人の計画に加担するなどもってのほかだ。
リキエルじゃあるまいし、神だの何だのに付き合ってられるか。
完全に期待を外された◆xCi5vGY7XYの頬が徐々に紅潮していく。
「裁く必要がある」
彼女は告げた。
紛れもない死刑宣告にもかかわらず、◆fk8qEzlLPkには動じる様子がない。
ようやく活動を再開した腰を浮かせて、裁けるもんなら裁いてみろと言わんばかりの表情で睨み返す。
そんな彼をあざ笑うかのように◆xCi5vGY7XYは引き金を引き、宣言した。
「消えろ。――お前は必要ない」
銃声が、こだました。


結論から言うと、弾は消え去り、◆fk8qEzlLPkはまったく変わらない様子で立ち続けていた。
「ば、馬鹿なッ……」
まさかの事態に流石の◆xCi5vGY7XYもショックを隠せない。
彼女は確かに◆fk8qEzlLPkの心臓めがけて発砲したはずだった。なのにその場を動かなかったはずの彼には傷跡一つない。
いったい何が起こったのか?
その秘密は◆fk8qEzlLPkの『能力』にあった。
◆fk8qEzlLPkはジョジョロワの書き手である。
ジョジョロワ。このロワの書き手なら持ってて当然とも言える『能力』。そう――スタンド。
彼が持つスタンドはずばり「クレイジー・ダイヤモンド」。
パワー、スピードは申し分なく、武器がないというハンデを補って余りある程の実力がある。
だが、何より特筆すべきなのは「触れたものを元通りにする」という能力だ。
クレイジー・ダイヤモンドが触ったものは、死者や自分の体でない限り何でも元に戻すことができる。
だから、いざ銃弾に対応する時も、簡単に切り抜けることができた。
飛んできた弾にクレイジー・ダイヤモンドが触り、弾を銃に戻させた。それだけのこと。
こうなれば立場は逆転する。
◆fk8qEzlLPkはずいと◆xCi5vGY7XYに歩み寄って、声を掛ける。
「さーてと、俺なんかを裁くことができなかったということは、あんたは神なんかじゃなかったってことかなあ〜?
 まあいいや、今度はこっちの番だぜ……
 ドララララララララララララララララララララララララァ!!」
掛け声とともに◆xCi5vGY7XYは容赦なく吹っ飛ばされ、壁に叩きつけられる。
結局、◆xCi5vGY7XYはあっけなく気絶し、その場に立つのは◆fk8qEzlLPkのみとなった。
(大層なことを言ってた割には弱かったなあ……ひょっとして一般人だったのか?
 まあとにかく、これ以上下手なことをさせないためにもこの銃は俺が持ってったほうがいいだろうな)
そう考えた◆fk8qEzlLPkはデイパックの中に銃(説明書によるとラドムという自動拳銃らしい)をしまい、ドアに向かう。
山小屋を出る際、ちらりと女のほうを振り向いて、次起きるときは正気に戻っているといいんだけどなと思った。

740Attack On You Crazy Ladies:2007/07/18(水) 12:21:26 ID:I6MGF4zc0
山小屋を出た◆fk8qEzlLPkは、自分が認識を改める必要があることを自覚していた。
どうやら思った以上に仲間集めというものは難しいらしい。
さっきの女みたいなクレイジーな奴に出会うのはもうこりごりだ。もっと効率よく信頼できる奴に巡り合いたいものだ。
では、どうやって上手く仲間を見つけるか。
そこまで彼が考えてから数十歩歩いた時だった。
突然殺気が人間とは思えない速さで迫ってくるのが分かった。

「うぅぅりィィィィィィィィぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!」

飛び込んできた影を間一髪のところでよけた◆fk8qEzlLPkは影の正体を確かめる。
次の瞬間、彼は目を疑った。
影の正体はまたしても女だった。
女はなんと膝から下以外は全裸だった。そして膝から下の両足は鎧のような装甲に包まれていた。
そのアンバランスさも十分奇妙だったが、完全にそっぽを向いた眼と抱えているチェーンソーがさらに異常性を増幅していた。
正常ならなかなか可愛らしいはずの顔立ちだが、存分に垂れ出ている涎と狂気に歪んだ表情がそれを台無しにしている。
「なっ、何をするだァ――――ッ!」
殺されかけたことを悟った◆fk8qEzlLPkはチェーンソーを持つ女に対し反射的に叫ぶ。
頭のネジが外れたかのような笑い声を上げながら、女――ギャルゲロワ版最速の人こと◆Qz0e4gvs0sは答えた。
「あひゃひゃひゃひゃひゃ! 逃げちゃダメでしょぉぉ〜。せっかく起こしてあげようと思ったのにぃぃぃ〜」
「はぁ? 起こすだぁ?」
「もぉ〜分かんないのぉ〜? この世界の人たちはみんな夢の中にいるんだだだだだだだだだから、これを使って私が起こしてあげるんだ
 よぉぉぉぉぉぉ〜」


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……………………


何ということか。
一瞬言ってることの意味が分からなかったが、どうやら彼女、◆Qz0e4gvs0sの中では既に自分たちが夢の中にいるというとんでもない前提が出来上がってしまっているらしい。
またしても狂人と巡り合ってしまったことを◆fk8qEzlLPkは悟った。
(じょおだんじゃあねェ――っスよお〜ッ! なんでここに来てからというものの俺が出会う人間にはロクな奴がいねえんだよお〜ッ!)
さっきの女みたいなクレイジーな奴は勘弁して欲しいと思ったばかりなのに、また似たようなタイプにぶつかるとは。
我が身の不幸を想い心中で泣き叫ぶ◆fk8qEzlLPk。
しかしその叫びもむなしく、◆Qz0e4gvs0sは彼に休む暇を与えない。
「ほらららっ、さっさと起きなさぁぁぁぁ〜〜〜〜いっ! もう学校に行く時間だよぉぉぉぉ〜〜〜〜んっ!!」
言うが早く、彼女はチェーンソーを突き出して再び人間を超えた速さで突っ込んでくる。
水色の髪を振り、結構大きなバストを揺らしながら走る姿はこんな状況でなければ欲情を誘うものだったかもしれないが、あいにくな事にそんな余裕などあるはずがない。
何とか回避体勢を取りつつ、◆fk8qEzlLPkはデイパックの中に手を入れる。
さすがのクレイジー・ダイヤモンドも、銃弾には対応できてもあれ程のスピードで体ごとぶつかられてきたら押さえ切れるかどうか分からない。
先程手に入れた銃にしても、使い慣れていないだけに超高速で動く彼女に当てる自信はない。
こんな時は逃げるにかぎる。三十六計逃げるに如かず、とよく言うではないか。
幸い、最初にもらった支給品の中には武器は含まれていなかったが、逃走に役立つものは入っていた。
デイパックの中から銃とともに紙を取り出す。
「ちぇぇすとぉぉぉぉぉぉぉぉぉ〜〜っ!!」
紙一重の差で◆Qz0e4gvs0sのチェーンソーをかわすとともに紙を開く。
中から現れたのは既に鍵が刺さっているバイクだった。
すぐにエンジンを掛けると、向き直ってきた◆Qz0e4gvs0sに向けて威嚇射撃をしながら飛び乗る。
「あばばばばばばば、危ないじゃないのぉぉぉぉぉぉ!」
怯みつつ自分のことを棚に上げて抗議する◆Qz0e4gvs0s。
そんな彼女を尻目に◆fk8qEzlLPkは急いでバイクを発進させた。

741Attack On You Crazy Ladies:2007/07/18(水) 12:22:28 ID:I6MGF4zc0
「逃がさないぞぉぉぉぉぉん! うへへへへへへへへ!」
後方からは尚も狂った笑みを浮かべながら◆Qz0e4gvs0sが物凄いスピードで追ってくる。
もちろん◆fk8qEzlLPkとてバイクだけでは逃げ切れない事は分かっていた。
だが、自分が持つのはバイクだけではない。
下りの山道は曲がりくねっている。そこを利用するのだ。
やがてカーブが見えてきた。普通の人間なら曲がり切れなかったら岩肌に激突してお陀仏である。
しかし◆fk8qEzlLPkは曲がる様子を見せない。クレイジー・ダイヤモンドに準備させつつ、最高速で岩肌に突っ込む。
そして彼は岩肌を破壊し、道なき道を突き進んでいった。
「ドララララララララララララララララララララララララララララララララララララララァーー!!!」
しかしただ破壊するだけではない。道なき道に◆Qz0e4gvs0sも突っ込む前に、破壊と同時に通り過ぎた道をクレイジー・ダイヤモンドの力で直して行く。
「ちょ、何なのこれえぇぇぇぇぇ〜〜!?」
流石の◆Qz0e4gvs0sも目の前の奇跡のような光景に驚いているようだ。
岩を塞がれた彼女は道なりに進むしかない。
つまりその分、◆fk8qEzlLPkは時間を稼げるというわけだ。
このようにして山道に出るのと岩を破壊して直す事を繰り返しながら、彼は今までの状況について考えていた。
それにしてもロクなことがない。いきなり殺し合いに巻き込まれたと思ったら、早速狂人二人に襲われた。
だが狂人といってもタイプが違う。
先程のシスターが何やら難解なタイプだったのに対して、こちらの裸女の方は相当分かりやすいタイプだ。
シスターが静の狂女なら、裸女の方は動の狂女といったところか。
これだけ対照的な狂人二人も珍しいかもしれない。
とにかく、今までは何とか切り抜けることができてはいるものの、このような状況は早く終わらせたい。
誰かまともな奴に会いたい――
しかし、そんな彼の願いもむなしく、更なる不幸が彼に襲い掛かる。
実は◆fk8qEzlLPkは生まれてこの方バイクの運転などしたことがなかった。まあまだ若いだけにもっともな事である。
その上クレイジー・ダイヤモンドでの破壊活動まで同時に行うのである。労力を要する事この上ない。
よって、何かの拍子でバイクの操作を誤り、転倒するのも当然ありうる事だった。

「うわ、やっべえ……」
山道に投げ出された◆fk8qEzlLPkは呻く。
バイク自体は問題ない。ある程度破損してはいるものの、クレイジー・ダイヤモンドで直せばまた動かせる。
だが問題なのは自分の体だ。バイクから投げ出された結果、全身、特に足をしこたま打ってしまった。
クレイジー・ダイヤモンドは自身は直せない。追っ手を早く振り払いたいこの状況では致命的な足へのダメージだ。
(と、とにかく、まずはバイクを……)
まずはバイクを直すべく、這いずるようにしてバイクに近づく◆fk8qEzlLPk。だが、
「イヤッッホォォォオオォオウ!  みいぃぃぃぃぃつけぇぇぇぇぇたぞおぉぉぉぉぉぉ!!!」
無常にも◆Qz0e4gvs0sはもう目に見えるところまで追いついてきてしまっていた。
何てことだ。あれだけショートカットしてきたのにもう追いつくとは。まさにバケモノとしか言いようがない。
◆fk8qEzlLPkは死を覚悟した。
一応クレイジー・ダイヤモンドで反撃はするつもりだが、あんなバケモノに勝てるかというと自信がない。
撃たれた時と違って、『元に戻す』ことで攻撃を回避できる要素もない。
(ごめんな、父ちゃん、母ちゃん。今まで親不孝で……)
襲い掛かる敵に対して諦めの境地に入りかける◆fk8qEzlLPk。
そんな彼に向かい◆Qz0e4gvs0sは容赦なく空気を切り裂いて刻々と迫ってきていた。
「ぐぎゃぎゃぎゃぎゃ! そぉのサザエみたいな変なヘアースタイル、かっこよくしてあげるよぉぉぉ〜!
 脳みそと血のドレッドヘアーにねぇぇぇぇぇぇ〜〜!!」


ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド……………………

742Attack On You Crazy Ladies:2007/07/18(水) 12:23:38 ID:I6MGF4zc0
一瞬の静寂の後。
◆Qz0e4gvs0sは目の前の光景が信じられなかった。
何せ、全力全開の勢いをもって◆fk8qEzlLPkの頭に突き立てられ、そして彼の体を真っ二つに切り裂くはずだったチェーンソーが、ピクリとも動かないのだ。
チェーンソーは血を滴らせてしっかりと押さえられていた。◆fk8qEzlLPkの両方の掌によって。
◆fk8qEzlLPkの目に浮かぶのは、燃え滾る憤怒の相。
もはや、つい先程まで戦意をほぼ喪失していた彼とは完全に別人となっていた。
「テメエ……誰の頭がサザエさんみてーだってーッ?」
ドスをきかせた声とともに◆fk8qEzlLPkは◆Qz0e4gvs0sを睨み付ける。
「他の事はどーでもいい、だがな……この俺の自慢の頭を侮辱されるのだけは許せねえ!!」
◆fk8qEzlLPkは、自らのヘアースタイルに誇りを持っていた。
それゆえ、たとえ何人たりともその誇りに傷をつけることを彼は認めなかった。
だからこそ、◆Qz0e4gvs0sに変なヘアースタイルと言われた瞬間、彼の頭は誇りを馬鹿にされた怒りで満たされ、諦めは消え去っていた。
怒りを原動力にしたパワーは強い。
俺の頭を馬鹿にする奴は許せない。そう思った時の◆fk8qEzlLPkの底力はすさまじい。
完全にやる気を取り戻した彼にとって、チェーンソーを止めることなどもはや朝飯前であった。
◆fk8qEzlLPkは押さえたチェーンソーに力を込め、バキリと刃を折る。
こうなれば立場は逆転する。
「あ、あひゃはひゃ、いや、その、何というかかかかかかかかか」
不利を悟った◆Qz0e4gvs0sはずるずると後退して逃げようとする。
しかしもう◆fk8qEzlLPkは止まらない。決して逃がさない。
後方の岩肌を見据えながら、彼はゆっくりと宣告した。
「さてと、どうもおイタが過ぎたようだし、ちょいとお仕置きさせてもらおうかなあ〜?
 くらえッ! 必殺ドララララッシュをーーッ!
 ドララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララ
 ララララララララララララァーーー!!!!」
「はぐう、うおああああああああ!」

◆fk8qEzlLPkはバイクに向かって手をかざす。
バイクの傷が見る見るうちに消え去っていき、あっという間に新品同然となった。
そのままバイクを起こしながら後ろを振り返り、口を開く。
「これ以上お前を野放しにしておくわけにはいかねえからな。当分そこで頭を冷やしてもらうぜ」
振り返った先にあるのは、ごつごつした岩肌と、その中に顔と手足を残して埋め込まれた◆Qz0e4gvs0sの姿だった。
そう、◆fk8qEzlLPkは先程のラッシュ攻撃の時に、クレイジー・ダイヤモンドの能力を利用して◆Qz0e4gvs0sを殴るとともに岩を破壊し、そして彼女と岩を融合したのだ。
「ちくしょおおおお、ここから出せゴルアァァァァァ!!」
遠吠えを続ける◆Qz0e4gvs0sを無視して、◆fk8qEzlLPkはエンジンを掛ける。
そして、ゆっくりとバイクを発進させていった。



――それから数十分後。
既に岩山を降り平地に出ていた◆fk8qEzlLPkは快調にバイクで飛ばしていた。
幸いにもさっきのバイク事故での怪我はただの打撲で済んだらしく、痛みももう引いている。
彼はこれからどうすべきか考えていた。
ゲームが始まってから仲間を探しているものの、立て続けに狂女二人と出会ったきり一向に誰とも出会えずにいる。
本当に信頼できる仲間はいるのだろうか。自分以外の人間は皆あのように狂っているのではないか?
いや、必ずいるはずだ。自分と同じようにこのゲームをぶっ壊してやろうと考えている奴が。
決して世界を予約したつもりの女や夢の中にいるつもりの女だけじゃ――

――その時、不意に◆fk8qEzlLPkの脳裏に一つの仮定が浮かび上がってきた。

743Attack On You Crazy Ladies:2007/07/18(水) 12:25:10 ID:I6MGF4zc0
待てよ。たしかあの裸女は言っていた。この世界の人たちはみんな夢の中にいると。
あのシスターも言っていた。ここは嘘で作られた世界、なにも信じてはいけない世界と。
……もしかして、これらこそが真理ではなかろうか?
そう、彼女たちの言うとおり、逆に考えるんだ。
『この殺し合いは実在しない虚構。全ては俺一人だけを陥れる為何者かが仕掛けた罠である』と考えるんだ。
これならば全て説明が付く。
わけの分からない戦いに参加させられた事といい、連続で変な女に襲われた事といい。
女たちがわざわざヒントを残しているという事が気になるが、それだけ主催者こと『何者か』が俺を仕留める自信があるという事か。
この可能性は大いに有り得るッ!!


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……………………


自らが思いついた余りにも大胆なひらめきに、◆fk8qEzlLPkは驚愕を隠せない。
という事は、これから出会う人、いや、人に見せかけた虚像は皆『何者か』によって仕向けられた敵ということか。
それならば、この先どんな人に出会っても警戒を怠ってはならないだろう。
例え信頼できそうな人に見えても、それは油断させてから自分を殺そうと企む虚像なのだろうから。
新たなる敵に出会う前に気づけてよかった。ひょっとしたらさっきのヒントはこの程度の事に気づけなかったら私を倒す事など出来んぞという『何者か』からの挑発なのかもしれない。
◆fk8qEzlLPkはデイパックの中からあるものを取り出す。
それは、先程の◆Qz0e4gvs0sとの戦いの後念のため回収した、刃の折れたチェーンソーだった。
彼はゆっくりとチェーンソーに手をかざす。
チェーンソーの刃が元に戻っていくのを見つめながら◆fk8qEzlLPkは誓った。
(人の命を奪うのは嫌だったが、虚像となれば仕方がない。
 何の恨みがあってこんな事をされるのかは分からないが、とにかく戦うしかない、という事か。
 見てろよ『何者か』め。お前の差し向けてくる敵は全て倒して見せる。
 そして最後にはお前を倒して元の世界に帰る。だからそれまで首洗って待っていやがれッ!!)

いつの間にか、主催者の与り知らぬ内に主催者の思い通りに動いてしまっている事に◆fk8qEzlLPkは気づかなかった。



――それからさらに数十分後。
「おかしぃぃぃなぁぁぁ〜〜、何で夢の中なのに思い通りにいかないんだろうなぁ〜〜? 何でこんな目にあうのだろうだろうだろう」
いいかげん叫び疲れていた◆Qz0e4gvs0sは、自分の身に起きた出来事を不思議に思っていた。
何であの少年の目を覚ましてあげる事が出来なかったのか? そもそもあの少年のわけの分からない力はいったい何なのか?
それにしてもあの少年のことを思い出すとやっぱり腹が立つ。自分をこんなところに閉じ込めたあの少年が憎い。
「あぁ〜くそぉぉ〜! あの恩知らず野郎に仕返し仕返し仕返し仕返し仕返ししてやりてえぇぇ〜〜!
 神様ぁ〜お願いですからどうかここから出してくださぁ〜い! これじゃあみんなを起こす事が出来ないじゃないですかぁぁ〜!」
◆Qz0e4gvs0sはついに神頼みにまで出る。

744Attack On You Crazy Ladies:2007/07/18(水) 12:25:43 ID:I6MGF4zc0


ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド……………………


神様なんてそんな都合のいいものは現れるはずがない、はずだった。
だが、神などいなくても、頭のおかしくなってしまった人間なら今ここにいる。
頭のおかしい人間には何が起きるかわからない。
頭に血が上った◆Qz0e4gvs0sの脳内ではドーパミンがふんだんに溢れ返っていた。
過剰に湧き上がったドーパミンは彼女に幻影を見せる。
それは紛れもなく、◆Qz0e4gvs0sにとっての神様だった。

――力が欲しいか? 力が欲しいのならば、くれてやる!

それは正しく神の啓示だった。
それを聞いた◆Qz0e4gvs0sは力を感じる。
ドーパミンの過剰分泌により得られた、火事場の馬鹿力。
その力を駆使し、固定されているはずの肉体に力を込める。

結果、あれ程彼女を縛り付けていた岩はあっけなく壊れ、彼女は再び自由の身となる事に成功した。

「あ、あはははは、出れた出れた、ぐげげげげげげ!」
自由になれたのが嬉しくて、自然とハイになる◆Qz0e4gvs0s。
「神様ありがとうございますぅ! これからもこの恩を忘れないでないでどんどんみんなを起こすよう励みますから、どうか見守っててて
 てててててくださいね!」 
神の慈悲に感謝しながら、転がっていたデイパックに手を伸ばす。
中から出てきたのは長柄の大型ハンマー。それを見て彼女はさらに相好を崩す。
「おおぉ、かっこいいなあ〜うぇへへへへへ〜。よ〜し、今度はこれでみんなを潰して起こしてあげるぞぉぉん!」
無駄に可愛げな声を出しながらハンマーを振り回してみる◆Qz0e4gvs0s。うん、ジャストフィットだ。
「それじゃあそろそろ行きますかぁぁぁぁっ! ラディカル・グットスピード脚部限定ぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!
 あひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ」
こうして再び、狂人は高笑いをもって戦場に解放されたのであった。


        *     *     *


二人の狂女は結果として、一人の真っ当な少年をも狂気の世界に引きずり込んでしまった。
これぞ正に、バトルロワイヤル。

745Attack On You Crazy Ladies:2007/07/18(水) 12:26:24 ID:I6MGF4zc0
【開始約一時間半後/E-5中部】
【◆fk8qEzlLPk@ジョジョロワ】
[状態]:両掌から出血。精神的に少し疲労。軽い全身打撲。
[装備]:バイク
[道具]:支給品一式、ラドムVIS-wz1935(9/11)@芸人ロワ、電動式チェーンソー@ギャルゲロワ
[思考]
基本:主催者こと『何者か』を打倒して元の世界に帰る
 1:狂った世界を破壊する
 2:この世界の人間は信用しない。殺される前に倒す
[備考]
※外見はリーゼントに学ランの不良っぽい少年です。
※スタンド「クレイジー・ダイヤモンド」が使用できます。
※『ゲーム』全てを何者かが自分一人のために仕掛けた謀略だと思い込みました。
※この世界の人間は皆主催者が用意した虚像だと判断しました。

【開始約一時間半後/E-5/山小屋】
【◆xCi5vGY7XY@芸人ロワ】
[状態]:気絶。
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、ルービックキューブ(大破)@芸人ロワ、青のペンキ缶とハケ
[思考]
基本:神になる
 1:? ? ?
 2:イデアを手に入れる
 3:必要ならば相手を裁く

[備考]
※外見は修道女の衣装を着たそこそこきれいな女性、今のところ一般人です。

【開始約一時間半後/E-5/岩山】
【◆Qz0e4gvs0s(ギャルゲロワ版最速の人)@ギャルゲロワ】
[状態]:完全にハイモード及び絶賛発狂中。全身打撲(ただしほとんど感じてない)。全裸。
     ラディカル・グットスピード(脚部限定)中。
[装備]:大型ハンマー@ギャルゲロワ
[道具]:支給品一式
[思考]
基本:あんなこ〜とイイなッ! で〜きたらイイなッ!
 1:ぐぎゃぎゃげげぎゃぎゃげげぎゃ!(神様ありがとう! 恩に報いるために頑張るぞ!)
 2:どわははははははははははははー!(そのためにはこのハンマーでみんなを起こして起こして起こしまくる!
                    みんなが、起きるまで、潰すのをやめない!)
 3:きゃははっ、きゃほきゃほきゃほ!(あの変な頭の少年にはいつか必ず仕返ししてやる!)

[備考]
※外見は水色の髪の美少女です。
※脳内より大量のドーパミン分泌により痛覚が完全に麻痺しています。幻覚も見えたりするかも。
※この殺し合いを夢の中の出来事だと思い込みました。そのため何をしてもいいと思っています。

746Attack On You Crazy Ladies:2007/07/18(水) 12:31:22 ID:I6MGF4zc0
以上で終了です。
個人的にこの人が出ないのはもったいないかなーと思う人達を出してみました。
とりあえず三人とも、本当にごめんなさい……。

747【名無し零番 死亡】:2007/07/18(水) 13:40:21 ID:NSJ5JQlk0
一気にマーダー3人追加かw

◆fk8qEzlLPkがジョジョロワのアヴさんにww

748【名無し零番 死亡】:2007/07/18(水) 15:43:55 ID:uYVcHXzY0
テラワロスwwww
「だが断る」って科白は予想通りだったにも関わらず爆笑してしまったw

749【名無し零番 死亡】:2007/07/30(月) 03:50:02 ID:DWuonPOE0
ttp://takukyon.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/clip/img/40.gif
話はさほど進んでないが地図更新しておこう。

750【名無し零番 死亡】:2007/07/30(月) 04:32:03 ID:ZS1St.CU0
おお、乙でございます。
しかしイトーヨーカドーは死屍累々だなw

751【名無し零番 死亡】:2007/07/30(月) 10:27:09 ID:dycF3wbcO
むちゃくちゃ乙。
でもイトーヨーカドーには◆ilz氏と相打ちになった丸投げの人の死体も転がっているんじゃ?


にしてもエド、孤立してる上にマーダー(鉛筆持ち、化け物、感電、川越しに電波)に囲まれてね?w

752【名無し零番 死亡】:2007/07/30(月) 17:42:10 ID:YPOXoRjI0
そして初期登場以来一歩も動いてない人が沢山……
軍曹&DGの人なんか面白そうな組み合わせだとは思うんだけどなあ

753【名無し零番 死亡】:2007/07/31(火) 11:44:53 ID:Snea2cRg0
正直、動かしやすい組と動かしにくい組がある……さっさとズガンしていくべきか

754【名無し零番 死亡】:2007/07/31(火) 19:12:47 ID:UAKQtm.k0
俺としては稲田の人が動かしにくいけどな。
ってか、どう動かせばいいのかが分からんw

755【名無し零番 死亡】:2007/07/31(火) 20:40:36 ID:5zBTbK1cO
>>754
自分もアフラ・マズダを信仰して宇宙の戦士になればきっと……!!

実際は無差別マーダーなんだろうけど。神を後ろ盾にして。

7561クールのコテハンより1回の名無し:2007/08/05(日) 11:20:07 ID:0yVJGY2sC
このロワってアイデア思い付いたはいいが、ネタ次第で書いた自分が思いっきり特定されかねないことが問題だな。
あとここで書く暇あったら自ロワで書けと。

7571クールのコテハンより1回の名無し:2007/08/28(火) 02:16:17 ID:9h0Ypz.g0
今書いてる。

758クソミソ特盛十人前:2007/08/28(火) 03:52:24 ID:9h0Ypz.g0

こんにちわ、よろしくね!
え、私は誰かって?そんなの決まってるじゃない。私は私よ。他の誰でもありはしないわ。
そんな事が知りたいんじゃない?何よ、誰だ誰だと聞かれたら誰かれだと答えるのが習いじゃない。
そうこう言っても聞くばかり。何一つだって示しやしない。そんなので何にも知れる訳ないじゃない。
貴方はきっと最初から間違ってるわ。知性を持つ存在として最下等ね。
げっぷ見たいに疑問を吐いて、そんな惨めったらしい臭いのする言葉に答えろだなんて、冗談もいい所。
私はだからエトガー・アリン・ボーなる皮肉屋の小説を読むだの、社会保障の文庫を眺めて知性貧困発想欠落嘆き悔みもいい所、
そのろくでなしの挙句に身を持ち崩した誰かの事を態々考えてやってるのよ。
私の愛は世界を救う!全て世は事も無く、賑やかな騒ぎ=コメディにのみぞ乱されん。
そもそも兎にも角にもそうしてやった事自体を云々かんぬん。

こうした中二的かつ患者的妄想はどっとはらい。言わばZAPにて筆誅。

天気が良かったから彼の頭も良くなった。それはすぐさまでもお分かり頂けるだろう!
逆に悪ければ、まるで全てが逆様だ。朝から飲んだ暮れの夜まで撃沈。ダメ人間もいい所。
そこまで考えて、35@バトROワは退屈しのぎの思索を打ち切った。
ちょっぴり基地外じみていたのは、何の事は無い。体が無い事による酷い違和感のせいだったのだろう。
兎も角、彼はそう言う事にした。これは確定事項なので批判その他諸々は無視──

「なあ、35。さっきから何ぶつぶつ独り言言ってるんだ?」
『!? まさか、六ちゃん聞こえてた?』
「いや、言っちゃ悪いけど、駄々漏れ」
『畜生、何て時代だ!』
「お前、結構電波なのな……」

まぁ兎に角。そんなこんなな調子で、二人は森の中を歩いて居たのであった。
目的は第一には、同じロワの出身者を探す事。そして、此方は35の提案であるのだが、
『僕達だけだと心もとないから、協力してくれる人を探そう』と言う事である。
勿論、六人殺しなどは、その申し出に少なからず疑問を抱いたものである。
と、言うのも、そもそも彼等は言わば知り合いも無く一人東京砂漠で餓死しかけている間抜けなお昇りさんのようなもので、
要するに、知り合いなど殆ど居ないに等しいのであるし、他のロワの事も殆ど解らない事ばかり、と言う有様であるからだ。
これが例えばピクニックなどであればそれも良いだろうが、残念ここは素敵なグランマ・ファーム人間屠殺場付きであり、
迂闊な手を打てば、子牛宜しくドナドナされてしまうのは目に見えていた。

「俺としては、正直、♂ローグじゃ無いが下手に動かずじっとしてる方がリスクは少ないと思うんだが」
『それも一つの正解。でも、消極策じゃ、最終局面で結局運試しになっちゃうよ。
仮に脱出を目指してるイイヒトが残ってくれれば、姑息だろうが靴を舐めさせられようが生き残れるけど、殺人鬼だったらどうするの?
素手同然で銃に勝てると思う?』
「けど、そうなる可能性も少ないんじゃ……」
『安易な先延ばしは生死に関わっちゃうよ。Neetが明日はきっと何とかなるって今日も寝て過ごすみたいにね』
「人をNeet扱いしてんじゃねぇ!」
『じゃあ何してるの?君は体力以外に何が出来る?技能でもあるの?それと静かにね、気づかれたらいけない』
「学生……それと、工事現場と郵便配達のバイトを……」
『ふぅん』
「うわ、酷ぇ。何だそれ、みたいに言いやがった」
『だってそこらの勤労学生じゃ、海千山千の参加者たった一人でどうにかできないよ』

759クソミソ特盛十人前:2007/08/28(火) 03:52:59 ID:9h0Ypz.g0
じゃあ下着しか出せないNeet同然の学生は何だよ、と言い返したくもなったが、どうやら思考が駄々漏れなのはお互い様らしいので、
口には出さずたっぷりの怒りをトッピングして思考してやる。喋っているのは単に間を持たせる為に過ぎない。

『まあ兎に角、僕らにはアドバンテージが一つある。
それは僕が普通の人には見えないって事と、10M以内なら君から離れて行動できるって事』
「それがアドバンテージ? 冗談言うなよ、下着しか出せない癖して」
『馬鹿いっちゃいけない。大きな利点だよ。初対面の交渉って、何が一番難しいと思う?』
「……相手の素性を確かめる事?」
『ビンゴ。やっぱ六ちゃんはやるよ。でもそれじゃ可ってとこ。
本当の利点は、僕が相手を色々……それこそスカートの中を覗いたりなんかも出来る、つまり、前や後ろから観察し放題って事さ』

あ、と六人殺しが思わず声を立てた。そう。35の言っている通りで、それは大きな利点となる。
話した相手が詐欺の上に殺害を企てているとして、例えばとっさに相手が銃を抜こうとした時、
一秒でも早くそれに気づき警告を発せられるのは大きい。
問題は幽霊には物体が触れないと言う事であるが、
それこそスカートの下から中の楽園を覗き放題、なんて真似さえ出来る以上、十分に補えるだろう。
パンツの中に地雷的一物でも付いていない限り、ダメージゼロと言う便利さだ。

とは言え、その姿には一つばかり問題があった。

「……」

草むらの中からウンザリした顔の青年──◆X7WwwzkoUUがその様子を見ていた。つい先ほどからの事である。
因みに、感想は芳しくない。一人ブツブツと喋りながら森を歩く六人殺しの姿はどう見てもキチガイ──
より穏当な表現を使ったとしても、重度の自閉症を患っている病人であったので。

何故だ。彼は思う。なんたって僕はこう変なモノばかりが寄って来るんだろう。
がさりと藪を動かす音。驚いて後ろを見ると──仮面。
仮面 in  藪であった。比喩ではない。変なのの筆頭である。
仮面──教授@スパロワは囁くほどの声で言った。

「どうやら早くも同行者候補を見つけたようだね。少しばかり変わっているようだが」

カエレ、このユーゼス!と言う言葉が真っ先に浮かび、続いてそれがもう少し穏当な表現へと変換されるが口からは何もでてこない。
何故なら、この状態で音を立てるのは発炎筒を炊くのと同義だからである。
矢張り、と言うべきかぴったりと六人殺しが足を止めた。

どうするどうなる一体全体どうしよう。逃げるか逃げよう逃げるべきだ。
間違ってもあんな池沼なんぞに関わる訳には──彼はそう考える。が、問題は寧ろ別な所にあった。
六人殺しは彼らの方を向いてはいない。向いているのは、ただ一点だけである。
驚いたような顔で、彼等は一点を見ていた。

何故なら。
栗の花の匂い。濃密な『雄』の香りである。
泡立つ白の花。それが放つ、禁忌の所業の証明である。
教授が何やら逃げるぞ、とでも言いたいらしく襟首をひっつかんでいるが、魅せられたように、
或いは畏怖しているかの如くに、◆X7WwwzkoUUは『ソレ』を凝視せざるを得なかった。

ジジィー、とツナギのホックを下ろす音がする。
じり、とへっぴり腰で後ずさった六人殺しをあざ笑うかのように……いや、寧ろ求めるかのように。

「や ら な い か」

それは、余りにも大きすぎた。大きく、黒く、図太く、そしてテラテラと滑っていた。
白日の下に何の恥じらいも無く曝け出されたそれは正しく男根であった。

「何て……不潔」

◆X7WwwzkoUUの言葉は、真実、彼の眼前で体現されていたのであった。
YUKI.N。つまりガチホモである。

760クソミソ特盛十人前:2007/08/28(火) 03:53:39 ID:9h0Ypz.g0

六人殺しとしては、先ず第一に茂みの中に居るらしい人間に気づいていた。
とは言っても、それは音と言うきっかけがあったからに過ぎず……奇しくも35が語った己の利点は、
YUKI.Nと言う変態=ガチホモの接近をいち早く捕らえた事で証明された事となる。

「一応、聞いておくが」

と、六人殺しは言う。その風体に似つかず酷く無表情な男は見るからに不気味さを放っている。

『聞くまでも無い事だと思うよ?彼、君の後ろを狙ってる。どう見ても』

嫌な事言うなとは思うが、現実は正にその通り。やらないかの一言で簡潔に示されている。
がさがさ、と茂みから音がしたかと思うと、妙な仮面をつけた男が、呆けた青年を引きずって逃げ出そうと現れた。
その瞬間、世界が変貌した。

「何だ!?何が起こった!?」

そう叫んだのは、教授であったがこの場に居る誰もが、この正体不明の現象への説明を求めたかったに違いない。

「説明なんて、親切なことはしない」
「それはどうにも手厳しいこって……見逃しては く れ な い か」
「ダメ。貴方達、男だから。一人も逃がしはしない」
「……い、嫌だ!!俺は嫌だッ!こんな訳のわからない場所で、変態に行き成り尻を狙われるなんて展開あんまりだ!!」
「それは私もだ。だが落ち着け。一応三対一、勝てない道理は無いはずだ」

奇妙な仮面を被った男に諭される青年の言葉に、六人殺しは心のそこから同意はしたかったが、
目の前のフォグの異様な威圧感に彼の方を向く余裕も無い。
つう、と冷や汗が背中を伝った。頭の中で能天気な声が、
『いやあ、見るからに絶体絶命だね。ザ・ワールドもどきを使えるガチホモ。これぐらい嫌な組み合わせは無いよ』と言った。
「ならそんな愉快げな声を出すなぁッ!!」

「私は、愉快だけど」
と、YUKI.Nが言う。ぱっくり口を開けて六人殺しが沈黙する。ガタガタとその足が震えて来る。
その癖、脳内同居人は黙ったままだ。クソの役にも立たないNeetだ、と悪態を心の中で付いておく。

『役に立たないって酷いなぁ……せっかく、色々考えてたのに』

考えてたって何をだよ、心の中でそう返した六人殺しに意外な答えが返ってくる。

『このこの腐れホモの口に山盛りの糞を詰め込んでやる方法さ。何が起こってるんだか解らないし時間無くてまとまらないけど』

驚きに声を上げかけた六人殺しは、しかし横から入ってきた教授の言葉によって制止を余儀なくされた。

「待ってくれないか、ええと……君、名前は?」
「YUKI.N」
「YUKI.N君か。君が……まあ、狙っていると言う事は良く解った。理解しよう」
「そう」
「だが、一寸待ってくれないか?何の因果かは知らないが、そう言うコトをするんだ。お互いの自己紹介ぐらいしてもいいじゃないか」

一体何を言っているんだこの仮面は、と彼は思うが脳内の声がその疑問に答えた。
『時間稼ぎをしたいんじゃないかな。きっと秘策を持ってるのかも。僕としても有難い展開だ』

「貴方達が逃げ出さないと言う保障は無い」
「確かにその通り。その通りだが、何と言うかな、君には随分と余裕がある……いや、あり過ぎるような、気が、するんだよ。
まるで……」
「まるで初めから逃げられないコトを知っている、みたいに?」
「ああ。その通り」

教授の声は、なるたけ落ち着こうとはしているようだった。
彼は◆X7WwwzkoUUを庇う様に彼の前に立ち、答えを待つ。

「当たり。貴方達は私からは決して逃げられない」

六人殺しとて薄々解ってはいたが、それは死刑宣告のようなものだ。

「なるほど、すばらしい自信だ。だからこそ、お願いしたい。自己紹介ぐらい構わないじゃないか」
「……そう、解った」

だが、その言葉には続きがあった。

761クソミソ特盛十人前:2007/08/28(火) 03:54:37 ID:9h0Ypz.g0
「でも条件がある。君」

と、彼は◆X7WwwzkoUUに言う。

「私の睾丸を見て。これをどう思う?」
「ヒッ……で、でかい……」
「舐めなさい。ソフトクリームに喜ぶ幼稚園児みたいな顔で。そうしたら、許してあげる」

その瞬間、青年の顔が青を通り越して真っ白になるのを、確かに六人殺しは見た。
同時に、今更気づいたみたいに、ベルトに突っ込んでいたジグ・ザウエルに手を伸ばすのを。

『あ、彼、あの鉄砲撃つよ』

相変わらず暢気な声が、その破滅的な行動を遅まきながら告げる。

パンパンパンッ!と、続けざまに乾いた音。素晴らしい反射で振り返った六人殺しが叫んだ。

「馬鹿!折角!!」
『ありゃメクラ撃ちだね。素人の拳銃って10mも当たらないのになー。さてと』

全くの唐突に35が切り出す。それは、今までの暢気な声が、何処か切り替わったみたいだった。

『考えがまとまったって事にして──さぁ、六。あの糞ホモ野郎をぶち殺しに行こうぜ。俺の言うことは聞いてくれよ?』

パンツしか出せない俺らがどうやって!そうは思うが、事態は無論それどころでは無く、
全くの見当外れに飛んでいった弾丸に、或いは当たっていた筈なのに『逸れた』弾丸に
YUKI.Nは熊みたいな笑みを、教授は愕然と、◆X7WwwzkoUUはおびえた顔で、カチカチと、玉の無くなった拳銃でリズムを立てている。

「残念。折角の機会を棒に振った」

ゆったりとした足取りで彼は歩み寄る。ぶらぶらと竿が揺れている。腰を抜かしてひっくり返っている青年は、
さぞかし絶望的なビジョンを思い浮かべている事だろう。

「止め給え! まだ話は終わって……」

横薙ぎに振られた丸太のような腕が、あっけなく教授を吹き飛ばした。
重苦しい音が響き、ゴミのように吹き飛び、地面に平たくなる。
人間であることを疑いたくなる腕力である。

「た、助けてやってくれ……あいつを。頼むッ!」

六人殺しに一言そう言うと、がっくりと教授が動かなくなる。
おい、いつまでこうやって、と六人殺しは脳内住人に叫ぶが、『まだだよ。あの人みたいになった後、カマ掘られたい?』と返してくる。
確かにそれは御免だった。彼は少し鍛えてるだけの一般人に過ぎない。二の舞になるのは明らかだった。
悲鳴。男にのしかかる男。破られる衣服。ついでに下着も。思わず目を背けたくなる惨状。
狂乱状態で暴れる姿に吐き気すら覚えながら、六人殺しは耐えた。実を言うと少しびびってもいた。

──無理やり、足を割り広げた瞬間。35の怒渇が脳内に轟いた。

『今だ、往けっ!!』

走り出す。二人との距離はおよそ十メートル。到達するには僅かな時間で十分。

『我が趣味は捩れ狂う……』

奇妙な詠唱。YUKI.Nが立ち上がり振り向いた。その瞬間。

「ギィッ!?」

昆虫みたいな野太い声。
……古来、男にとっての急所は金的であった。そこを握り締められ、耐えられる者など居ない。
鈍く、光る黒い皮と金属で出来た奇怪な下着。貞操帯、しかも明らかにサイズの小さいソレが、YUKI.Nの腰に『作り出されて』いた。
無論、鍵付きである。通常の下着であれば、一秒もあれば引きちぎっていただろう男は、しかし、
皮と鉄とで構成された頑強極まる戒めの証に急所を締め付けられ、前かがみになってそれを外そうとしていた。
普段であれば、それを快楽と取る事もできただろう。しかし、突然の事に、人とは存外弱い生き物である。
おまけに面の攻撃だ。どうにも避けようと言うものが無い。
脳内の声は冷酷な声で繰り返す。『I am bone of my pants』
酷い匂いがして、一瞬固め、引き絞ったいた拳を省みると老人介護用と思しきオムツ──中身付きがぴったりと張り付いており。

762クソミソ特盛十人前:2007/08/28(火) 03:55:03 ID:9h0Ypz.g0

「汚ぇ!!」

叫びつつ、汚物付きオムツの内側を外に向け貼り付けた拳をYUKI.Nの顔面に叩きつける。鈍い感触。
文字通り糞塗れになって何も見えなくなったその顔に吐き気を覚えている六人殺しに、再び35の声が響く。

『そいつの口を開いてくれ』
「言われなくても開いてる!!」
『良し!』

アイアムボーンオブパンツアイアムボーンオブパンツと繰り返し詠唱する様は正しく破壊の神に祈りを捧げる司祭か、
さもなければキチガイと言う様相であったが、しかし、その結果は苛烈なものであった。
何しろ、開いていた口の中に、先ほどと同じ介護用オムツが大量に、喉の奥に至るまで生成されたのだから堪らない。
目潰しの上に窒息状態に陥ったYUKI.Nは暴れ、六人殺しはいきり立って追撃しようとするが、脳内の声がそれを押しとどめた。

『馬鹿野郎!トドメなんてさしてる暇があったら、倒れてる連中助けてとっとと逃げる!殺しきれん相手に構うな!』

確かにその通りであった。一瞬、躊躇うがいい加減この精液臭い男からはスタコラサッサしたい気分でもある。
へたり込んでいた◆X7WwwzkoUUを引っ張り起こし、倒れている教授を背負うまで、大よそ3分弱。
びじり、と貞操帯を破りかけたYUKI.Nに35が再び『我が趣味は捩れ……狂う』と呟く。
結果、手まで巻き込まれた男を放置し、
素っ裸の◆X7WwwzkoUUに荷物を持たせ、まんまとこの急造三人組は逃げおおせる事に成功したのだった。


……風が、草木をざわめかせている。ぺっ、と汚物をはき捨て、怒りに顔を歪めながら、暫くして一人残されたYUKI.Nは呟いた。


「……やるじゃない」


(E-3 森 開始三時間後)


【教授(イングラム死亡の人)@スパロワ】
[装備]:ユーゼスの仮面(自前)ロジャーの黒スーツ(自前)
[所持品]:支給品一式、ほか不明
[状態]:打撲による怪我。気絶中。
[思考]
基本:首輪を解析して脱出した後、録画しておいたグレンラガンを観たい
1:気絶
【備考】
・交流所の存在を知らない。他のパロロワの知識は殆どありません
・グレンラガンのネタバレを警戒
・CV:大友龍三郎

【◆X7WwwzkoUU@スクロワ】
[装備]:シグ・ザウエルP226(残弾0発)予備弾装二個
[所持品]:支給品一式、ほか不明 素っ裸。
[状態]:全身に軽い擦り傷、打撲。泥だらけ。全裸。精神的ショック状態
[思考]
基本:死にたくない。家に帰りたい
1.もうやだこの変態集団
2.泣きたい
3.家に帰りたい

【◆終盤六人殺し@バトROワ】
[装備]:35@背後霊
[所持品]:支給品一式、石ころ×10、木の枝
[状態]:心身共に健康
[思考]
基本:生き残りたい。
1:ホモから逃げる
2:取り敢えず足場を固めたい

【◆】35@バトROワ】
[装備]:無し
[所持品]:無し
[状態]:背後霊(支給品)
[思考]
基本:取り敢えず生存を希望
1:ホモから逃げる
2:取り合えず、仲間が増えてよかったなぁ

【YUKI.N@ガチホモロワ】
[状態]:軽い負傷 クソミソ
[装備]:グラム@終わりのクロニクル
[道具]:支給品一式、二人分の支給武器
[思考]
1:男は犯してから殺す、女は男にして犯してから殺す。
2:さっきの連中に報復
[備考]:
<スピリチュアルの世界について>
YUKI.Nに有利な世界になるよ。
ボーボボ領域的なものでいいと思うよ。
<や ら な い か の世界>
女もロボも獣も人間の男になるよ。
ミッドナイトブリスの男バージョン的なものでいいと思うよ。
<ペガサス流星拳について>
ペガサス流星拳だけじゃなく聖闘士の技全部使えるよ。
別に冥闘士だろうと天闘士だろうとティターン神族の技だろうと使えてもいいと思うよ。


*三人組が逃げた方向は次の人に任せます。取り合えず、我武者羅なので方向は不明。

763クソミソ特盛十人前:2007/08/28(火) 03:55:53 ID:9h0Ypz.g0
ほい、とりあえず出来たよ。次の人を地道に待ってみる。

7641クールのコテハンより1回の名無し:2007/08/29(水) 06:38:51 ID:QgfIcxc60
六と35のコンビ地味にすげぇなw
貞操帯吹いたw

7651クールのコテハンより1回の名無し:2007/08/29(水) 19:00:55 ID:fLdfCVDY0
貞操帯っておまwwwなんて巧みな。かっこいいぜ。
どうでもいいが最初は違和感としか感じていなかったYUKI.Nの外見と口調の差が
そろそろ阿部さん+オカマ口調という怖ろしい物としてイメージ固まりはじめた。
やばい。

7661クールのコテハンより1回の名無し:2007/08/30(木) 13:17:00 ID:Y9gFvn4.0
寧ろ、綾波風無口っ子な安部さんというイメージなんだが。

7671クールのコテハンより1回の名無し:2007/08/30(木) 17:55:41 ID:kpSkyhAE0
なんにせよカオスなビジュアルのばっかりだなw

7681クールのコテハンより1回の名無し:2007/08/31(金) 20:24:30 ID:2Yi3Ptks0
ちょっ、そんなもんまで召喚できんのかよw 案外強いぞこの背後霊

7691クールのコテハンより1回の名無し:2007/08/31(金) 22:44:59 ID:gT28hiz60
◆X7WwwzkoUUが普通の人と認める人間ってこのロワに片手の指足りる程もいない気がする。
みんな性格やら外見やら能力やらが逸般人だもんなww

7701クールのコテハンより1回の名無し:2007/09/01(土) 01:39:42 ID:cKxAPStU0
教授なんかマシな方だよなw

7711クールのコテハンより1回の名無し:2007/09/01(土) 09:06:21 ID:NNBeGe260
格好はともかくとして、言ってることとやってることは割とまともな方だからな、教授。
デ・ダナンみかけたら暴走するかもしれんがw

7721クールのコテハンより1回の名無し:2007/09/01(土) 09:32:39 ID:JfUaHKr.0
下着のみ投影のアチャーさん。
つまり、危ない水着を大量生産してロリやペドや野郎に配布できる!

7731クールのコテハンより1回の名無し:2007/09/01(土) 12:40:20 ID:LgqPmOUIO
しまった、奴とボマーさんが組めばとんでもないことになるぞ!

7741クールのコテハンより1回の名無し:2007/09/01(土) 19:00:59 ID:0u.rnk/M0
◆X7WwwzkoUUは稲田瑞穂の人とか見たらそれだけでショック死するかもなww

7751クールのコテハンより1回の名無し:2007/09/24(月) 23:24:49 ID:btvLHlv60
人いない?

7761クールのコテハンより1回の名無し:2007/09/26(水) 02:48:19 ID:hnJB4GLM0
実に過疎

7771クールのコテハンより1回の名無し:2007/09/27(木) 04:01:17 ID:3PFMKn3g0
こうしている間に続々と新たな書き手が現れてるから、you達どんどん登場させちゃいなYO

7781クールのコテハンより1回の名無し:2007/10/06(土) 11:47:48 ID:nG9Oen8U0
ていうか書き手が多すぎるから収集つかなくなっている気が

7791クールのコテハンより1回の名無し:2007/10/08(月) 01:11:25 ID:GZcRgf/E0
そろそろ名簿確定させたほうがいいのかもね。
正直、今出てる人たちだけでも全員把握するのは大変そうだし

7801クールのコテハンより1回の名無し:2007/10/16(火) 23:04:06 ID:xXosPL8c0
上げてみる

7811クールのコテハンより1回の名無し:2007/10/17(水) 18:45:28 ID:ADCIIa/Y0
こうも止まってると書き込みにくい心理。

7822ちゃんねら(*^^*):2007/10/31(水) 19:00:12 ID:mMcc2Ca.O
検索エンジンで「杞やま岳史」と検索。
きやまたけしは漢字の杞と山と岳と史です。

出てきた杞やま岳史の情報を警察にTEL&メールで通報しましょう。(^^ゞ
情報共有って素晴らしいですね。(^-^)v

スペシャルホームページ
ttp://www.freepe.com/i.cgi?kiyamataiho

783パロロワマスター書き手バトルロワイアル>>1(完結編):2007/11/15(木) 09:00:46 ID:eg/jKDrg0
結論から言えば、書き手バトルロワイアル>>1の目論見は完膚なきまでに外れていた。
パロロワ関係者達に本物のロワを体感させ、その経験を元に書き手達に更なる良作を生んでもらいたい……
そして、パロロワの素晴らしさを再認識してもらいたい……彼は、その一念でこんな戦いを始めさせた。
だが、現実は非常である。確かに大勢のパロロワ関係者を参加させる事に成功した。
パロロワのお約束ともいえる対主催やマーダーとも言える者が複数現れ、最近の流行を受けてかロリやガチホモまで出てきた。

しかし、何よりだ。彼等はもはや、戦いをやめてしまっていた。

最後に作品が来たのは、恐ろしい事に3ヶ月以上も前の事。
もちろん実際の参加者達にはそんなに時間は経っていないが、この世界において神にも等しい>>1には、それほどの時間が流れていた。
では、その>>1の胸中は如何な物であろうか。ジョーカーを放ち殺し合いを進めるか? 或いは、禁止エリアを一気に追加するのか?

答えは、>>1の両目を伝う大粒の涙が示していた。

悲しみなど微塵も無い、感極まった>>1
それもそうだ。何せ>>1だってずっとこの世界だけに居た訳ではない。彼は幾つものパロロワの世界を見てきていたのだ。
葉鍵3rd、スクラン、アニロワ、ジョジョ……相次ぎ完結していくロワに、彼は惜しみない拍手を送っていた。
そして今も、テイルズやライダー、スパロボなど、古参から新しい方のロワまで幅広い層がクライマックスを迎えようとしている。
まして新規のニコニコやアニロワ2ndなど、躍動感溢れるロワもあるのだ。>>1の興奮は冷める事はない。

彼が真理に気付いたのは、まさにこの時だ。
そう、書き手ロワを続ける理由は、もうないのだ。
書き手ロワに参加した者は無論だが、書き手ロワから漏れた者達もパロロワ界を支え、活躍を続けている。
まして、今日この時にも新たな書き手が産声を上げ、パロロワの大海に旅立ち続けているのである。
>>1は悟った。もう、こんな事を続ける必要はない。パロロワは、まだまだ魅力ある企画なのだ、と……

784パロロワマスター書き手バトルロワイアル>>1(完結編):2007/11/15(木) 09:01:53 ID:eg/jKDrg0
>>1の周囲が喧騒に包まれ始めたのは、それからしばらくしての事だった。
>>1にこのロワを続ける意志が無くなった今、もはやこのロワは成り立たない。
即ち、本来パロロワでは参加者に対し越えられない壁を持って立ちはだかる主催者としての力は失効したのだ。
このロワの終わりを>>1は確信した。今自分の元に向かっているのが誰なのか、>>1は知らない。
だが、別に誰でも良かった。自分がどんな風に始末されても良かった。
>>1は昔を振り返る。かつて、ズガンの一言で何があったか分からぬままに死亡させられていたキャラの事を――

現在ではズガンの意味も変わってしまった。
死に際さえ呆気なければ、それまでの活躍があったとしてもズガンと言われ、時に非難の対象となる昨今。
これも時代の移り変わりか。そんな事を考え、>>1は一人ほくそ笑む。
だが、自分は昔のままのズガンでいい。そう自分の意志を確認し、彼はその目を閉じた。


ズ   ガ   ン   !   !


【書き手バトルロワイアル>>1@読み手 死亡】

【書き手バトルロワイアル:完】

7851クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/28(金) 11:05:24 ID:7vuwXcQM0
                                  ,ヘ
         , --- 、____ r―‐‐ャ        /ヽ /  ∨
         /     \    7; ; ; ; ; 〉     l\/  `′
      /   /      ̄  /; ; ; ;/l    _|
        j>r=〜==イ⌒'《_;_;_;_; ;ノヽ   \ 
     イァ--/⌒}`ー┬ '>、\ヽヽ 》; ; ;〉     > 我々新書き手ロワ(仮)がこのスレを
     V { ハ-、{ ヽu.l/ヽ j》. } 》 l〈; ; /    ∠__  乗っ取らせてもらう!
      .乂 Vヽィ㍉ヽ}ノィチ刋j レ ノノ  ̄ ャ-、    /
      7 》ハ.Lリ   ヽニノu∧} ハ   〉r、\  /_
      ノ〈 〈ヘ、 r‐y  ノ l! ハ ヽ ヽ // \ヽ   |  ,、
     〈 ハ人ハ≧ァ7.〈ノ{ ヽリ ノ》ハ〉//   ', i   .l/ ヽ   ,ヘ
         イl_l/7\// フ=<ム、   | |       \/ ヽ/
        ノ /; ;7l;\/ _そ    .l_ _ ,| |._
          〈  >ー;ll;ー; >ソ=-、{  /γ ノ _ノ,.ノン
       くム{;_;_;;jl; ; ; l    fゝ ゝ、ゝ_____,. '"
         7〜!    ̄  彡.j/ヽ、__,.ノ i
        /r‐┴===≠≠.┴- 、

786転載:2007/12/28(金) 11:06:47 ID:7vuwXcQM0
1337 名前:オープニング[sage] 投稿日:2007/12/28(金) 04:06:01 ID:???0
「…………ぅ」

少女の口唇から小さな喘ぎ声が漏れた。
薄れていた意識が次第に覚醒へと向かう。瞳を開く。
身体が重い。
まるで水泳の授業で何百メートルも泳いだ後のような気だるさが少女を襲った。
記憶があやふやだ。頭がボンヤリする。

自分は確か自室のパソコンの前でパロロワ妄想スレを見ていた筈だ。
学校も年末進行で絶好の執筆日和。
そろそろ休憩を切り上げて、二日前に予約したパートの推敲をするつもりだったのだが……。

「ここは……何処だ?」

少女が今、眼を覚ました場所は座り慣れた椅子の上でもベッドの上でもなくて、冷たいコンクリートの上だった。
ゆっくりと少女は辺りを見回す。
観察――書き手として培った経験がある。周囲の状況を分析するのには慣れていた。

闇に眼が若干適応したことを確認すると、少女は周囲に気を巡らす。
そこは打ちっ放しの鉄板に四方を囲まれた狭い正方形の部屋だった。
薄暗い。
天井には規則的に数個の照明、全て暗いまま。丁度中央部に位置するここからでは見る限り出入り口は無し。
少しだけ妙なのが壁際、数メートル上の方にガラス窓が幾つか存在する事だ。
だが、その先は暗黒。光は一切見えなかった。

――もしかして、攫われた?
少女の脳裏にそんな最悪な想像が浮かぶ。
確かにこの過酷な現代社会日本を生きる自分にとって、突然不可思議なガスを嗅がされ黒服の連中が押し入って来るような展開が絶対存在しないとは言い切ることは出来ない。
むしろ<<結構あること>>かもしれない。

「まさか人身売買の裏組織か……?」

少女はそこまで口にして、とあることに気付いた。
そう、この場にいる人間は自分だけではなかったのだ。
十人や二十人などという規模ではない。それよりも遥かに多数少なく見積もっても五十人以上。

しかもその他の人間と言うのが非常に在り得ない。
素っ裸に近い格好のょぅι゛ょや中国の奥地で修行を積んだ仙人のような風貌の老人、タイツだけを履き他は全裸に近い少女などあまりに多種多様である。
まさにノージャンル。まさにノーボーダー。

しかしコレでは人身売買という線は消えたと考えてもいいだろう。
少なくとも、そういう連中は集める人間を選ぶ筈。
<<若い女>><<少年少女>><<健康な人間>>などの共通点が必ず存在すると仮定するのが妥当だ。
では、ここに集められた人間の共通項目とは一体……?


「――まさか」


その瞬間、少女の中にとある<<仮説>>が頭を覗かせた。
意識を失う寸前まで見ていたアレ。

そう、バトルロワイアルパロディ小説。通称パロロワ。
そこの毒吐き掲示板で持ち上がっていた企画、『書き手バトルロワイアル2nd』
そしてその名簿の中に確かに自分は入っていたのだ。しかも面白おかしいあだ名を付けられて。
……まさか自分の持っている能力を察知されるとは思わなかったが。

というか――待て。今自分の首に付いているコレは……!!

787転載:2007/12/28(金) 11:07:22 ID:7vuwXcQM0
1338 名前:オープニング[sage] 投稿日:2007/12/28(金) 04:06:44 ID:???0

「く……びわ?」
「その通りさ! ◆10fcvoEbkoこと、<<衝撃のネコミミスト>>君!!」
「な――ッ」


天井の照明が一気に点灯した。


「ハハハハハハッ、ようこそ! 書き手バトルロワイアル2ndの会場へ!」


この空間に居た人間が一斉に声の方向に視線をやる。
聞こえて来たのは遥か上。
だが、そこに人間は誰も存在せずスピーカーのような物体が一つ設置されているだけだった。


「私は今回の主催者を勤めさせて頂く者だ。……そう<<読み手>>とでも呼ぶがいい。
 私達には君達のような素晴らしいあだ名は無いのでな!」


声の主は大声でそう告げる。
場の人間は誰もが一瞬で自らが置かれた状況を把握した。
つまり、今回のロワ参加者は自分達なのである。

気付けばガラス窓の向こう側も照明が灯り、そこには多数の人間の姿があった。
その大半がスーツに身を包んだ上品そうな男女。
この殺し合いの観客、という訳か。


「貴様……私達にゲームをやらせるつもりなのか?」
「さすが開始間もないアニロワ2ndを引っ張る新鋭だけある。飲み込みが早いな」


少女――衝撃のネコミミストは震える拳を握り締めながらスピーカーを激しい憎悪の感情を込めて見つめる。
当然その頭部にはフサフサとしたネコミミ。
片目には黒いアイパッチが装備され、額には真っ白いハチマキを巻いている。
服装はゆったりとしたワンピース。……単純に説明すれば某何とかモードの○月を想像してもらえばいいだろう。


「さて、ルール説明など君達には不要だろう。それではお待ちかねの見せしめタイムに入るとする」


その言葉に会場にいた人間が一斉に身構える。
見せしめ――パロロワにおける名物とも言えるその行為。
本来はこれがバトロワであることを参加者に理解させるためのものであるため、ロワを知り尽くした会場内の人間には全く不要なイベントである筈。
しかし、ソレとコレとは話が別である。やはりOPに見せしめは欠かせないのだ。


「ククク、殺す立場から殺される立場になる気分はどうだね? 見事見せしめに選ばれたのは――君だ」


言葉と同時に衝撃のネコミミストの背後から凄まじい爆発音が響いた。
彼女が振り返るとそこには倒れ伏す一人の男性の姿。
格好は至って普通、明らかにどこにでもいる一般人の装い。

もちろん、衝撃のネコミミストの記憶の中に彼は存在しない。
だが彼女の中に何処か懐かしさにも似た不思議な感情が芽生えた。
彼は一体……?

「彼の名前は……高見広春」
「何ッ!? まさか……」
「……そう、原作バトルロワイアルの作者さ。君達にとって神に近い存在である彼に見せしめになって貰った」

男は淡々と事実のみを告げる。
衝撃のネコミミストを初めとして、会場から凄まじいまでの怒気が発せられた。
そう、集められた書き手の大半は少なからず原作者に尊敬の感情を持っていた。
バトロワ小説を嗜む彼らにとって、まさにうってつけの見せしめである。


「それではゲームを開始する! 支給品や基本ルールは適当なwikiの内容を思い出したまえ!
 これはもう、何でもアリの戦い――」
「待って下さい」


声が高らかに開始を宣言した瞬間、一人の人間がスピーカーの方に進み出てきた。
何故か全身を黒いマントで覆い隠している。
はっきりと分かるのはその人物が女性であることぐらいだ。

788転載:2007/12/28(金) 11:09:01 ID:7vuwXcQM0
1339 名前:オープニング[sage] 投稿日:2007/12/28(金) 04:07:19 ID:???0


「ほう……これは<<予約被りに定評のあるtu4氏>>ではないか」
「一つだけ――確かめたいことがあります」
「何だね? いくつものロワを経験している君に話さなければならないことは無い筈だが……」
「……約」
「ん?」
「――予約は、あるんですか」


それは、あまりにも分かりやすい一言だった。
予約合戦――それは書き手にとって最も厳しい戦いと言える。
この制度が大半のロワで採用されているため、どれだけやる気があっても予約が取れなければ意味がない。
そして彼女はその予約合戦における決定的な弱者であった。

しかし、ロワの中で一体何を予約するというのだろうか。
明らかに彼女の様子は異常だった。
まるで何かに憑り付かれているかのような印象を受ける。衝撃のネコミミストの背筋を冷たいものが走り抜けた。
それは例えるならば、空っぽの鍋を掻き回す女に睨み付けられたような感覚――


「ふ――本当の殺し合いに予約があると思うかね? 君達は自由に行動していいのだ。
 そう、最後の一人になるまで殺し合うという事を除けばの話ではあるが」
「……よかった」


女は心底ホッとしたような安堵の声を漏らした。
対照的に場の人間の大半は彼女に危機感にも似た感情を覚えたようであるが。
彼女は明らかに危険な人間、そう見て間違いないだろう。


「――それではバトルロワイアルを開始するっ!! 各自検討を祈る!!」


再度高らかに声の主は宣言する。その場にいた人間の様子は様々だ。
殺る気満々といった感じの怪しい眼をした男、不適な笑みを浮かべる少女、ガクガクブルブルと震える男。

衝撃のネコミミストも腕を組み、どう行動するべきかを考える。
アニ2nd十傑衆の一人として、無様な真似は出来ない。
何をすべきなのか。
そこまで思索を巡らせた瞬間、彼女の身体がキラキラとした粒子に包まれる。





数秒後、ホールに残ったのは一つの死体だけだった。
誰も居なくなった会場を見つめながら、ガラス窓の向こうの読み手達は一様にこう呟いた。


「――書き手バトルロワイアル2nd、スタート」


【高見広春@原作バトルロワイアル 死亡】

7891クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/28(金) 11:10:44 ID:7vuwXcQM0
転載終了。
ワシの敷いたレールもここまでだ。後はお前達が切り開け……書き手ロワの、未来を!

7901クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/28(金) 11:48:50 ID:76GjC4Y.0
>>785
何やってるんですかお嬢様wwww

7911クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/28(金) 12:00:58 ID:8Uj5eOio0
>>785
ワロタw
さぁお祭り企画を盛り上げていこうぜぇぇぇぇぇぇっっっ!!

792お姉さまの珍道中?:2007/12/28(金) 13:02:20 ID:94aRFEDQ0
「なんで……こんなのに巻き込まれちまったかなー。かったるい」
そう呟いたのは紅の長髪をもつ美少女。
とはいっても口調は男そのものなのだが。
その呟きは誰にも聞こえることなく、ただ深い森の中に響く。

「そんでもってご丁寧にチャイナかよ……はあ」
そして見に付けたるは緑色のチャイナ服。
頭には星が付いている中国風の帽子。
スレンダーな彼女の体をさらに魅力的にするものだ。
このバトルロワイヤルの中では全く役にたたないものだが。

気落ちしつつも彼女は名簿を見ながら知り合いをさがす。
「知り合いは……っと……全部あだ名かよ!? まあギャルゲロワで解りやすそうなのは……tu氏……絶対あの状況だと乗ってるよな……
 バトルマスター……あの人は戦闘凄いから乗ってるとかなわないよな……っていうかほとんどのりそうな奴ばっかじゃねーか!? 
 なんか……また……これは……かったるい……」
そう彼女は肩を落とした。
(そういえば……うちのロワ……ヤンデレとか……奉仕とか沢山だもんなあ)
彼女は改めて自ロワのSっぷりを再確認しつつも気を入れ直す。
知り合いは皆危ないと思われる。
なら自分がやることは唯一つ。

「殺し合いになんか乗らない! 私は抗ってみせる! 殺し合いに乗ってる人間を止め全員での脱出する!」

そう彼女がやることは主催への抗い。
こんな殺し合いに乗る事は到底彼女には考えられなかった。
故に殺し合いに乗ってる人間を止め全員での脱出という理想をかがげる。
例え叶わない願いだとしても。

793お姉さまの珍道中?:2007/12/28(金) 13:02:45 ID:94aRFEDQ0

(よく考えたら……純一と同じ思想じゃん……まあ私はあれと違って戦う覚悟はあるけどね……まあやってやるさ……どんな相手でも)
そして彼女は苦笑いを浮かべる。
なぜなら彼女が掲げた思想は彼女がよく書いた純一の理想そのもの。
だが彼女にはその純一と違って戦う覚悟があった。
純一は戦う事をしなかった為悲惨な最期になりへたれとまでいわれた。
彼女だってこんなところで死ぬ訳にはいかない。
なら戦う事も辞さないと思った。
だって名簿には明らかにおかしい名前の連中が沢山いるのだから。

「じゃあ……まず支給品は……おい、こら、支給品まで中国のものにする必要ないだろ……でもまあ役にはたつか……取り敢えずはこれでいくか」
彼女が取り出したのは青龍偃月刀、かの軍神、関羽が使いし武器。
全くギャルゲロワとは関係ないのだが。
まあ主催者が中国関係のものにあわせたのだろう。
彼女はそれを軽々振り回し使いこなせる事を確認し
「まあ……かったるいけどいきますか。さてさてどうなることやら」
そう彼女は歩き出した。
向かう先はどこはわからないけど、彼女の目には希望に溢れていた。
そうこんなところで負けられないのだ。今まで精進したものをみせつけてやる気だった。あんなにも努力をしたのだから。

彼女のあだ名はお姉さま。某エルダーにあやかってつけられたあだ名。

彼女は進む。その先に見えるのはなんだろうか……まだ誰にも分からない。

ちなみに彼女の性別も未だに誰も分からない……。


現在地不明

794お姉さまの珍道中?:2007/12/28(金) 13:03:07 ID:94aRFEDQ0

【お姉さま@ギャルゲロワ】
【装備:青龍偃月刀、チャイナ服】
【所持品:支給品一式、支給品一式(他ランダムアイテム不明)】
【状態:健康】
【思考・行動】
基本行動方針:殺し合いに乗ってる人間を止め全員での脱出
1:取り敢えず進む。
2:戦う覚悟。

※容姿はくれないの長髪でスレンダーな美少女。というかまんま東方の中国w
※性別は不明。

795お姉さまの珍道中?:2007/12/28(金) 13:04:23 ID:94aRFEDQ0
なんか書いてしまったw
とりあえずお姉さまを。お姉さまごめんなさいw
まあ文章能力はそこまできにしないでくれorz

7961クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/28(金) 13:07:29 ID:NmI.zX2IC
投下乙!
これが噂のギャルゲのお姉様ってやつかw
というか性別不明ってなんだよw

7971クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/28(金) 13:12:12 ID:7vuwXcQM0
GJ!
性別不明のお姉様ってwww
いいぞいいぞもっとやれ!

そういやMAPのことすっかり忘れてたな。
どっかから流用する? それとも旧書き手ロワっぽく後から作る?

7981クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/28(金) 14:05:02 ID:puh.Ewto0
GJ!
かっこいいよ!お姉さまってこんな人だったのか!

799参加者リスト(あいうえお順):2007/12/28(金) 14:29:56 ID:hSR9R5dc0
・King of 脳内補完/・THE FIRST/・The god of chaos/・◆MJv.H0/MJQ/・◆ZhOaCEIpb2
・◆wKs3a28q6Q/・◆yHJSlOJmms/・◆zP1P5F0JNw/・愛の伝道師/・焦ったドラえもん
・歩く頭脳戦/・意外な影丸?/・大あばれ鉄槌/・お姉さま/・まとめキング
・アルレッキーノ/・欝のエル/・永遠のうっかり侍/・エース/・エロスの鐘の煩悩寺
・エロ師匠/・温泉少女/・管理人・したらば孔明/・影の繋ぎ師/・蟹座氏
・仮面ライダー書き手/・体はスクライドで出来ている/・起/・ギャグ将軍/・ギャルゲロワ版最速の人
・クールなロリスキー/・汚れなき愛/・激動のトウカリョウ/・暮れなずむ内面描写/・結
・ゲドー・ザ・マジシャン/・幻夜・フォン・ボーツスレー/・コ・ホンブック/・康一君/・孤高の黒き書き手
・コロンビーヌ/・差/・サプライズパーティー/・漆黒の龍/・承
・衝撃のネコミミスト/・静かなる 〜Chain-情〜/・書風連・その壱/・書風連・その弐/・書風連・その参
・地味子/・シルベストリ/・深淵/・神行太保のDIE/SOUL/・ステルス鬼畜
・素晴らしきフラグビルド/・速筆魔王LX/・ダイナマイトアンデッド/・地球破壊爆弾No.V-7/・底上中の残月
・転/・ドットーレ/・ネクストコナンズヒント『蝶ネクタイ』/・猫子頭の鬼軍曹/・熱血王子
・派手好き地獄紳士『666』/・バトルマスター/・パンタローネ/・ビクトリーム博士/・美形元帥
・フリクリ署長/・ブリリアント・ダイナマイト・ネオン/・ボイド/・忘却のウッカリデス/・ボマー
・ボンボン系の書鬼/・マスク・ザ・ドS/・ミスターマダオ/・無明幻妖side./・メリーゴーランドオルセン
・闇その1/・闇その2/・蘇った現代の熱血怪人/・予約被りに定評のあるtu4氏

参加者リスト(ロワ別・各書き手の解説つき)も作ってみたがむっちゃ長くなったぞ。

8001クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/28(金) 15:08:00 ID:kLfzlmpM0
その男は類稀なエースと呼ばれた男。
滾る血潮、沸きあがる情熱、そして不屈の闘志をその身に纏い、この地に降り立った。
そんな男が最初に出会った男、そいつは、頭が無かった。
「よう、お前さんもこんな所にいきなり放り込まれた口かい?」
陽気にそう言う男、明らかに問題のある自らの外見に気付いていないかのようだ。
エースは名前よりなにより、まずその不思議を解決する事にした。
「お前……頭皮と頭蓋骨の上半分どーした?」
その男は、額より上の頭皮と頭蓋骨が無かった。
つまり、脳がむき出しになっているのだ。
横ずれして落っこちないのが不思議でならない。
脳味噌むき出し男は苦笑しながら頭を掻こうとして、慌ててその手を止めた。
「いやさ、ここ来たらいきなり無くなっちまってやんの。誰だよ俺の名前ボイドとかにしたの。どうせゴッドハンドから引っ張るならスランだろ、サービスシーン的にも。それなら俺だってまずはストリップとか銭湯とか色々考える訳だし」
その名前には聞き覚えがある。
同じ漫画ロワで共に戦う同士の一人だ。
彼の書く話は覚えている、ラブコメだったり熱血だったりと忙しい奴だが、基本的には対主催ストーリーを書くいかにも漫画ロワな男だった。
「そうか、俺はエース。同じ漫画ロワ仲間だな」
ボイドは驚き喜ぶ。
ロワにおいていきなり同郷の仲間と出会える確率の低さを熟知しているからだ。
「あんたがエースか! 俺も一度あんたとは会ってみたかったんだ! ちくしょう、人が気合入れて書いたもんの後にあんなすげぇの書きあげて来やがって、次は俺が思い知らせてやるから覚悟しやがれ!」
文句を言いながらも顔は笑っている。なるほどこういう男か、イメージそのまんまだ。
「おいおい、その話はコイツが全て終わってからじゃないのか」
エースの言葉に頷くボイド。
この男の性格は非常にわかりやすい、だがその持つ力はどれほどのものか。
「それもそうだ、んじゃお互いの支給品でも確認するか。今後一緒にやっていくわけだしな」
エースは数歩後ろに下がる。
「いや、そのつもりはない」
ボイドはその瞬間に変わったエースの気配に、僅かに残念そうな顔をする。
「……そっか」
首と肩を鳴らして覚悟を決めるボイド。
「不意打ち無しとはありがたいね」
「隙の一つも見せなかった癖に良く言うぜ」
ボイドの武器は、恐らく膨らんでいる懐の中。銃か何かであろう。
僅かな隙も見逃すまいとお互いを睨むその相貌に、どちらも笑みが浮かんでいる。
二人に共通するのは、どちらも生粋のバトル好きだという事だ。
それ以上話す事も無いはず、後はどちらが先に動くか。そのきっかけは何時来るのか。
それだけのはずだったのだが、エースはふっと視線をボイドから外す。

「ん? それ何だ?」
「え?」

エースが見た方に顔を向けるボイド。

「隙ありだこの野郎! 必殺マジンガーチョーーーーーーーーップ!!」

マジンガーチョップとは、マジンガーZが放つチョップでは無論無く、マジンガーZの急所である頭頂に突き刺さっているパイルダーを狙った頭のど真ん中に垂直に振り下ろされるチョップの事だ。
まともにヒットしたその手は容易くボイドの脳を叩き潰す。
「ちょwwwwwwwwwwここまで盛り上げといてそれでケリかよwwwwwwwwwwwwwww」
それだけ言い残し、ボイドはその場に倒れ臥した。
「お前の敗因は、ネタ属性を捨てきれなかった事だ。期待に応えるそのリアクション、悪く無かったぜ」

エースが目指すは、読者の信頼に応え、更なる高み、ストライカーと成る事。

「俺はストライカーに、そう魔王になる! 何者が立ちふさがろうとこの俺の行く道は塞がせねえ!」

漫画ロワのエースは、その滾る血潮が導くまま、湧き上がる情熱を力に、不屈の闘志で全てを踏み潰す。
共闘? 共に脱出? ありえない。何故なら最強の二字をその手にするのはたった一人だけなのだから。


【ボイド@漫画ロワ】死亡

【エース@漫画ロワ】
【装備:不明】
【所持品:支給品一式×2、支給品一式×2(他ランダムアイテム不明)】
【状態:健康】
【思考・行動】
基本行動方針:最強のストライカーと成る為、何者だろうとブチのめす!
1:どいつもこいつも俺のこの手で叩き潰してやる!

8011クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/28(金) 15:09:15 ID:kLfzlmpM0
おっと、タイトル忘れた。『エース見参!』でよろしく

8021クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/28(金) 15:25:28 ID:GpGvgkTM0
乙。って誰が誰だかわかんねーよw
エースは強いだろうな。殺害数ナンバーワンだし。
熱血マーダーw期待がかかるぜ。

803番人が如く:2007/12/28(金) 15:34:11 ID:/hHc0gJw0
「殺し合い…か…」
殺し合い…現代の日本、いや全世界…あらゆる場合でも認められない行為。
それを…ただ趣味に近い形でバトルロワイヤルを書いていた面々で集めてやれと…?
ふざけている…馬鹿げている…誰がこんなものに乗るか…
普通の考えを持つ人間ならこう思うだろう。
があくまでそれは普通の考えを持つもののみに限られる。
「クク…どうして俺みたいな…たいして書いて無い奴も参加されちまうかな…」
彼の名はダイナマイトアンデッド…もとい彼の参加していた漫画ロワでは、
死者スレで多く書くことからの死者スレの番人と名乗っていた。

「名簿を見る限る、誰が誰だかまったくわからねえな…
ま…名前がわかっても結局全員初対面ってことになるから…知ってても意味が無いのだがな…」
彼はそう呟き名簿を閉じた。
実際問題そうである。同じバトルロワイヤルから参戦している
人間の名前を知っていたところで、容姿や特徴、癖などを知らないため、
名前を知ったところで何にも意味を成さない。
少なくともダイナマイトアンデッドという人間はそう考えている。

「さて…支給品を確かめるとしますか……クク…おいおい俺は敵役か…」
彼は少し笑いながら一つ目の支給品を取り出した。
彼の一つ目の支給品はAK-74、突撃銃─つまりアサルトライフルであった。
この突撃銃という武器は通常のバトルロワイヤルでは、
強力である代わりに結構な重さがあり、一般人が参加するバトルロワイヤルでは、
主に主催者、またはその部下たちが持っていることが多い。
またバトルロワイヤルと言うジャンルに限らなければ、
主人公の敵のしょぼい一般兵が常時装備していたり、
またはゾンビを殺すために雇われていた傭兵が持っていたりする。

「強力だが…そのぶん扱いにくいか…結構結構…!
さて…二つ目は…ククク…ハハハハッ…!」
彼は二つ目の支給品を取り出したとき思わず大きく笑ってしまった。
「おいおい…こいつは笑いがとまらねえ…なんたって…クク…
ヤバイ奴が少ないあのアニメの…唯一のヤバイ奴の武器だからな…」
二個目の支給品は『涼宮ハルヒの憂鬱』に登場した、
『朝倉涼子が使っていたアーミーナイフ』だった。

804番人が如く:2007/12/28(金) 15:35:26 ID:/hHc0gJw0
「クク…これは俺に…マーダーになれと言っている…
天が俺に優勝しろといっている…」
悪人が良く使っている武器とやばい奴が使っていた武器…
彼はこれを偶然と思わず、天が自分に与えたメッセージだと感じた。
『その武器を使い参加者を殺し…そして優勝しろ…』
彼にはこのように聞こえたのかも知れない…
「もともと確率の低い主催者を倒してみんなで帰還なんて…
クク…俺からしてみれば…くだらないことさ…
最後の一人まで戦っていたほうが俺は気分がいいからな…
なんたって…俺は…死者スレの番人だからな…」

最後の支給品は確かめないことにした、
なぜならこんなにテンションが高まっているときに、
外れアイテムが出てきたらテンションがまいってしまう。
またいつか自分が危機に陥った時、もしそれが的を一撃で倒せる有効アイテムだったら…と
危機のときの自分の運を調べたかったからという博打精神もあったからであった。

「さて…行くか死線に…クク…まるで赤木しげるみたいなしゃべり方だな…
そういえば…さっきからまるで恐れてねえや…死ぬことを…」
彼は完全に死という感情に恐れは無かった。
死んだらそれは天が選んだことだと思い
何も思わず何も感じず…ただまっすぐに死んでいけるだろう。

「クク…狂気の沙汰ほど面白い…!」
今ここに一人の死を恐れない狂気のマーダーが登場した…!
その名はダイナマイトアンデッド…!

【ダイナマイトアンデッド@漫画ロワ】
【装備:AK-74(残り100発)】
【所持品:基本支給品一式、朝倉涼子のアーミーナイフ、
AK-74の予備弾(残り200発)、不明ランダム支給品1個】
【状態:健康】
【思考・行動】
基本行動方針:殺し合いに乗る。
1:出来るだけ多くの人を殺す。そして優勝。
2:死んじまったら…ま、いいか…
※容姿や性格はアカギに近い感じです。(あごが若干長く、白髪です。)
※死を恐れていません。よって致命傷を受けても反撃してくる可能性があります。

8051クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/28(金) 15:37:08 ID:/hHc0gJw0
彼と同じくアカギが好きだから書いてみた
反省はして無い

つーか赤木になっちまったorz
そして投下してから誤字脱字に気づくorz

8061クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/28(金) 15:37:15 ID:NHAmO23o0
二作続けて漫画ロワktkr
つーか名前ww
出てきた連中が全員ゲームに乗ってるのはどうなのよw

8071クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/28(金) 15:37:39 ID:kLfzlmpM0
あんなに謙虚だった彼がアカギwwwwwwwwwwwww
名前がそれじゃーしょーがねーけどなーwwwwwwwwwwwww

808体は鉄槌でできている。:2007/12/28(金) 16:24:58 ID:puh.Ewto0
「ち・・・訳わかんねぇこと言いやがって・・・」
突風が容赦なく吹き付けるビルの上で男は苛立たしげに呟いた。
茶色交じりの短髪に、野獣のような獰猛さを宿らせた瞳。
ロストグラウンドのネイティブアルター、カズマ・・・じゃなかった、アニロワ1stの最燃え書き手◆2kGkudiwr6氏である。
名簿に載せられたあだ名は<大あばれ鉄槌>。
「まぁいいや、とりあえずはお約束どおり支給品の確認からはじめっか」
慣れた手付きで渡されていたデイパックの中をさぐる。
当然だ、今まで何度となく書いてきたキャラクター達に同様の行動を取らせている。まさかその経験がこのような形で役に立つとは思わなかったが。
何にせよ、冷静でいられることはこの状況ではそれだけで大きなアドバンテージとなる。すぐに、共通支給品を掻き分けて、ランダム支給品らしき物体を取り出した。
「・・・レイジングハート?」
それは英雄王ギルガメッシュの瞳のように赤く輝く宝石だった。見間違えるはずもない。SSを執筆するときにも、あるいはプライベートの時間にも何度となく見返した原作の中に出てきたインテリジェントデバイスである。
果たして、それは原作通りに声を発した。
『Hello.My master』
「のわっ!ほ、本物かよ」
『早速ですが、バリアジャケットを展開します』
こちらの返事を待たずに告げられ、<大あばれ鉄槌>の体が光に包まれる。
一瞬後には、その二つ名通りあるベルカの騎士と全く同じデザインの騎士甲冑姿へと変身していた。
「へ…すげぇじゃねぇか。デザインはちょっと気になるが」
しげしげと体のあちこちを見ながら<大あばれ鉄槌>がこれらか起きる争いを予期するかのように笑う。
「こいつがあれば思う存分暴れられるってもんだ」
書くだけではなく、自らの手で燃え展を作り出すというのも悪くない。
『まぁ、魔術は使えませんが』
「はぁ!?」
『ちなみに、防御力もそんなにありません。解除もできません』
「ちょっと待て!だったら俺は単なるコスプレ野郎じゃねぇか!」
『い、痛い!ちょ、そんな強く握りしめんといて!これには事情があるのです!』
必死の声にレイジングハートを握りつぶさんばかりにしていた指から力を抜く。
手の汗が付着した宝石はまるで泣いているように見えた。
「事情・・・?」

809体は鉄槌でできている。:2007/12/28(金) 16:25:43 ID:puh.Ewto0
『そうです!あなたもこのロワに参加を許されるほどの書き手なら「バトロワのジンクス」ぐらいご存知でしょう!
すなわち序盤に強化されすぎた者は早死にしてしまう!そうならいために私は敢えて自らの能力をセーブして・・・』
「そうか。なら『意思持ち支給品は嫌われる』という昨今の風潮もご存知だろうな?」
『爪っ、爪は痛い!反逆、反逆を推奨します!そのような風潮を吹き飛ばしてこその良書き手でしょう!
何でしたら私次の話から黙りっぱでも構いませんから!』
「くそ、気軽に言ってくれるぜ・・・」
いい加減ばからしくなって<大あばれ鉄槌>は頭を掻いた。
見た目は全く変化のないレイジングハートが、何だか咳き込んでいるように見えた。
『ごほ、ごほ・・・。そ、それにこの状態にもそれなりにメリットはあるのですよ?』
「メリット?」
本当に咳き込んでいたのはともかく、レイジングハートの言葉は<大あばれ鉄槌>の耳を捉えた。
パロロワにはそれなりに慣れ親しんできたつもりだが、この状態のメリットと言われてもすぐに思いつかない。
レイジングハートは終末を予言する学者のように自信に満ちた声で言った。
『そうです!ろくに武器もない!特殊な能力もない!しかし見た目はどう見ても変人!
このような人物をなんと呼ぶか知っていますか?そう、「ネタキャラ」というのです!
そしてネタキャラはそれだけでかなり強力な生存フラグ!少なくとも中盤までの生は約束されたも同然です!
つまり、これはあなたを生存させるために私が周到に練った計画だったんだよ!!』
「……」
『……あの?』
「……」
『……この場合のお約束というか、何と言うか、相槌か欲しかったり…』
「……」
『……な、何だってー。あ、自分で言ってしまいました私。はは・・・』
「おい」
『はい!』
黙りっぱなだった<大あばれ鉄槌>がやっと挙げた声に、半泣きになりそうだったレイジングハートは元気よく返事をした。
光の反射の具合が、親に褒められるのを待つ子供のように輝いている。
そんなレイジングハートににやりと笑いかけ<大あばれ鉄槌>は頼もしい口調で言った。
「俺のもう一つの二つ名を教えてやろうか?」
『へ?』
「『デ・バ・イ・ス・殺・し』だこのヤロオオォォォッ!!!」
「ぎぃやあああぁぁぁぁぁぁぁ!?」

810体は鉄槌でできている。:2007/12/28(金) 16:26:12 ID:puh.Ewto0


さんざんにレイハを甚振ってから<大あばれ鉄槌>は移動を開始した。
心中に焦りはない。
支給品はあほで格好は変態だが、まぁなんとかなると思っていた。
レイハは気付いていないようだが、自分には最強の切り札がある。
固有結界<無限の鉄槌>。
名前通りの技だ。これをくらって生きていられる参加者はいないだろう。
その余裕からか、心の中は他の参加者がどれ程の燃え展で自分を楽しませてくれるのかという期待で満たされていた。
しかし、彼は自信の固有結界が主催者の手によってひぐらしの前原圭一仕様に変更されていることに気付いていない。
ロワの最後のお約束、「能力制限」に気付かないまま<大あばれ鉄槌>は他の参加者を求めて歩き続けた。


【大あばれ鉄槌@アニロワ1st】
【装備:レイジングハート(待機状態)、バリアジャケット】
【所持品:支給品一式】
【状態:健康】
【思考・行動】
1:他の参加者と燃え展を楽しませてもらう。
2:デバイスは見つけしだい破壊する。

※容姿はスクライドのカズマ+ヴィータの騎士甲冑
※声は保志総一郎

8111クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/28(金) 16:27:19 ID:puh.Ewto0
ほいっ、アニロワ1stの氏を投下完了しました〜・

8121クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/28(金) 16:44:39 ID:qUlAFF1U0
>>801
ちょwww いきなりの死者がそんな理由で死亡かよww

>>805
テラアカギwww

>>811
デバイス殺しキタww やはり注目のお人だ

8131クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/28(金) 17:45:51 ID:UL7LJyC.0
>>811
投下乙!
さすが鉄槌さんだ、たとえロワでもなんともないぜ!

しかし、「大あばれ鉄槌」とはまさに言いえて妙な二つ名だなw

814:2007/12/28(金) 17:47:44 ID:33Bsx2CY0
 人知れぬ森の中を歩く少女――いや容姿から考えると幼女と呼ぶべきだろう――、地味子はとぼとぼと行く当てもなくさ迷っていた。
「はぁ……ボク、どうしたらいいんだろ」
 諦めの表情というよりは殆ど涙目という感じだ。

 それもそのはず、彼女はあまりに地味すぎるが故に支給品を渡されるのを忘れられていたからである。
 お陰で戦うどころかどんな参加者がいるのか名前すら分かりゃしない。とは言え……
「ボクなんて、きっとすぐにズガンされちゃんだろうなぁ……」
 筋骨隆々の化け物みたいな人間や、自分のスタイルなんぞとは比較にならないほどのナイスバディなおねーさまとか、ちらっと見ただけでもそれはもう個性に満ち溢れた人間がたくさんいた。それに比べて自分は……

「よりによって、なんでこの制服かなぁ……」
 彼女も一葉鍵板の書き手だから分かるのだが、制服はCLANNADのもの。可愛いと言えば可愛いが、どうせなら口調にあわせて月宮あゆのものにしてもらいたかった。いや彼女の場合は制服じゃなくてダッフルコートと羽リュックなのだが。

 身体的にも特徴らしき特徴もない。例えるならキミキスの星乃結美を黒髪にしたバージョンみたいな容姿なのだが、加えて胸がボリュームダウン、身長もボリュームダウンだった。付け加えるなら奇跡の力とかそういう特殊な力もない、ごくありふれた一般人だ。
 こういう人間がロワに参加した場合の末路は決まっている。空気うぜえと言われて序盤でズガンだ。それもそうだろう、こんな人間がいても戦闘で役にも立たない、ましてや彼女は存在感すら薄いのだ。たぶん大規模な戦闘に巻き込まれていつの間にか死んでましたというのがオチだろう。

「イヤ……誰にも気付かれずに死んでいくのは……イヤだよ」
 そもそも、自分が執筆している葉鍵3のルートは殆ど話題にされることもない。カオスなルートを書いているあの人ならきっと嬉々としてこんな状況でも活躍できるのだろうけど自分を助けてくれるとは思えない。いや、それよりも一番怖いのは……存在すら認知されずに一人で死んでいくことだ。
 死んでからも話題にされない、死者スレでも出番がない。それは文字通りの『消滅』を意味する。その様子を想像しただけでも、地味子は泣き出しそうになる。

 それとも、これは天罰なのだろうか。あっさりサックリキャラたちを殺してきた罪なのだろうか。
「そうか……うん、きっとそうなんだ」
 大体独自ルートなんて我がままをやってきた自分だ。リレーSS書きとしてはとっくの昔に失格だったのかもしれない。むしろ高見広春のように台詞もないまま死んでいくよりは、はるかに幸福に違いない。

 そう考え始めると、地味子の頭から急に死への恐怖が薄れ始める。リレーをしなくなった人間など死んでしまえ。
 自分など、リレーもされずに死んでしまえ。
 死のう。

815:2007/12/28(金) 17:48:13 ID:33Bsx2CY0
 そう思い立つと、地味子は近くにあった悠に10メートルはある大木に登り始める。支給品もない以上、手軽な自殺方法として飛び降りがベストだ。
 自殺方法まで地味なんだなあと地味子は自嘲せずにいられなかったが、まあそれが自分に相応しい最後なんだろうな、と思った。
 時間をかけて、手ごろな枝の一つに立つ。会場の風景が一望できるかとも思ったが目の前に広がるのは森ばかりで海や空、市街地なども見えなかった。
 綺麗な風景描写すらさせてくれないらしい。
 だけどもういい。後は飛び降りるだけだ。

 地味子は目を閉じ、大きく深呼吸する。
「……あ」
 息を大きく吸った瞬間、地味子はたった一つの地味な特技を思い出した。そう、木登りだ。木登りだったら、どんな高さも登っていける自信がある。
「あは、あははは……なんで、どうして今思い出しちゃうんだろ……いまさら、いまさら……」
 ぽろぽろと大きな瞳から涙が溢れて地面に落ちる。最後に言おうと思った台詞、「取り合えずネタもないから死んどくか」が出てこない。口は震えるばかりでまともな言葉にならない。
 だから、心の中で、叫んだ。

 いまさら……もう遅いよっ!

 前のめりになりながら、地味子は枝から……飛んだ。

816:2007/12/28(金) 17:49:18 ID:33Bsx2CY0
「おぉーっとォ! 危ないですよお嬢さん!」
 ……はずだった。

「いやぁ、脅かせてしまったみたいで誠にすみませェん。いえ、こんな真夜中の人気の無い森に独りで居られるうら若き 
乙女を見かけたものの、それを見捨ててゆくような紳士として有るまじき行動を取るなど私の中のシヴァルリィが許しませんので、 
お声をかけさせて頂きました。なお、シヴァルリィというのは騎士道精神のことで、忠義と礼節を重んじ、か弱きものをお助けする、 
といった内容のものでしたが、ご存知でしたか?ああ、これは失敬。話が逸れましたね。それよりもお独りで木に登られるなんて 
危険極まりないですよ。その小さなお体で、まずはご自分の状況を確かめようという冷静な思考力をお持ちなのかも知れませんが、
その精神だけを糧に渡り行くにはこの世界はあまりに過酷。そして何よりこの異常な状況下では、貴方のように可憐でいたいけな女性は真っ先に狙われ、
悪者の毒牙に狙われるというのは、悲しいかな、世界の必定。しかしご安心ください、そんな非常な世界においても、
そこには必ず熱き魂を内に秘めた正義の使者が舞い降りるものなのです。そう、それこそが私! It’s me ! I am the HERO !! 
そして貴方は言わばこの世界に舞い降りた一輪の薔薇の花!! さあお嬢さん、私と共に、この世界を駆け抜けませんか!?
……って、これは私の書いた作品からのコピペ改変なんですがね」 

 地味子を抱きかかえていたのはどっかのアニメで見たことがあるようなすっっっっっっっっっっっごい早口のイカしたサングラスの兄ちゃんだった。
 どうやら落ちる寸前に助けてくれたらしいが……
 目の前の状況を飲み込めない地味子はひたすら喋り続ける兄ちゃんを、ぽかんと口を開いたまま見つめていた。

「おや? お嬢さん泣いているじゃあありませんか? どうなさったのですか、もしや落ちた瞬間貴方の頭の中を走馬灯がよぎって敬愛すべき父母のお姿が見え、
二度と会えぬかもしれないとの痛切な想いが涙を流させたのですか? それは美しいと呼ぶに相応しい純粋で綺麗な感情かもしれないですが、
お嬢さんのような見目麗しい……そう、一言で言い表すなら美・少・女・! には甚だ似合わないものと」

817:2007/12/28(金) 17:49:47 ID:33Bsx2CY0
「う……」
「う?」
「うわああああぁぁああぁぁんっ!」
 いきなり大声を上げて兄ちゃん――フリクリ署長――の胸で泣きじゃくる地味子に、流石の署長も戸惑いを隠しきれない。だが、すぐに地味子の身体を抱いてやり、髪を優しく撫でる。
「……失礼。今は、こうしておいた方が良さそうですね」
 怖かった。寂しかった。そして何より……誰かの存在の中にあることが、嬉しかった。
 緊張が切れた地味子の嗚咽は、しばらく、続いた。


【地味子@葉鍵3】 
【装備:なし】 
【所持品:なし】 
【状態:健康】 
【思考・行動】 
1:緊張が切れて大泣き。

※CLANNADの制服を着用
※その他の設定は後続に任せます


【フリクリ署長@アニロワ1st】 
【装備:不明】 
【所持品:支給品一式、サングラス(クーガー仕様)】 
【状態:健康】 
【思考・行動】 
1:騎士道精神に準じて行動(要するにか弱い女性を助ける)
2:地味子を抱きかかえている

※容姿はサングラスをかけていること以外お任せ
※声もお任せ 

8181クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/28(金) 17:59:21 ID:s/dwuONY0
つまりクーガーボイズの大塚署長ということですね!

819そうあれかしと叫んで斬れば:2007/12/28(金) 18:03:01 ID:5TO3d52oC
殺し合え。確かにそう言われた。
何故数あるロワスレから自分達が選ばれたのか、何故このような格好になり似合いの武器を支給されたのかはわからない。
脱出は恐らく無理だろう、自分達の書いているリレーならまだしもこれは現実だ。そうそう穴があるとは思わない。
ならば、生き残る為に俺は自らを暴風と化そう。心無く、涙も無いただの恐ろしい暴風に。
今、俺がなっているこの姿の主がそうである事を望んだように。

--Amen(そうあれかし).

【蘇った現代の熱血怪人@漫画ロワ】
【装備:バヨネット×2】
【所持品:支給品一式】
【状態:健康】
【思考・行動】
1:優勝して帰る。迷いは無い

※イスカリオテの制服@ヘルシングに身を包んでいます。顔や髪型までアンデルセンではありません

8201クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/28(金) 18:10:24 ID:puh.Ewto0
怪人と最速が現れた!!
どんどんバトル物の様相を呈してきたなw

821黄金の旋風:2007/12/28(金) 18:23:29 ID:uAWd9HGI0
気づいたらここにいた。
殺し合いをして最後の1人になれという。
くだらないというのが、率直な感想だ。
この殺し合いで最後の1人になる『自信』が無いという訳ではない。
僕の『スタンド』は、自分で言うのもアレだが、結構強い。
ただ、

――――この◆hqLsjDR84wには、正しいと信じる『夢』がある。

僕の『夢』、黄金の様な僕の『夢』。それは立派な『英国紳士』になること。
仮にバトルロワイアルに乗ってしまった奴がいるとする、そいつは『紳士』なのか?
違うッ! この殺し合いで自分が生き残るために、弱者を利用し踏みつける奴は、吐き気のする『悪』だ!!
こんなところにあんなに大勢の人間を集める能力、そしてこの場所にワープさせる能力――おそらくはスタンド使いだろう。
そんな能力を持っている主催者は、『法』では裁けねえ。だから……
『僕』が裁くッ!

「いこうッ! 絶影!」

僕の『スタンド』を呼び出す。
特殊な能力は無いが、遠くまで移動させても攻撃力が下がらないのが長所だ。
ACT2、ACT3と形態を変えるごとに、体力の消耗が激しくなるのが短所だが。
参加者の中に、仮にACT3を使わねば勝てない輩がいたら――――使うしかない。
命などいらない。僕は『夢』を信じて死ねるのなら、それでもいい。


そうして康一君こと◆hqLsjDR84wは歩き出した。
彼は気づいていない。
彼の信頼するスタンド『絶影』が、制限によって弱体化していることに。
彼がそれに気づいたとき、彼の『夢』を信じるという決意が続くかは――――

  To be continued ......

8221クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/28(金) 18:23:47 ID:uAWd9HGI0

【康一君@漫画ロワ】
【状態】健康
【装備】絶影ACT1
【所持品】支給品一式(未確認)
【思考・行動】
基本:『夢』(英国紳士になる)の為に行動する。
1:英国紳士は、殺し合いに乗らない。
2:悪人は『僕』が裁く。

※スタンド『絶影』が使えます。(ACT1=第一形態、ACT2=真・絶影、ACT3=正義武装)
※スタンドなので、絶影が受けたダメージはそのまま返ってきます。
※制限に気づいてません。

8231クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/28(金) 18:25:27 ID:uAWd9HGI0
漫画からジョジョ好き書き手、康一君を投下しました。

824カミングアウト:2007/12/28(金) 19:22:30 ID:qUlAFF1U0

「こんな殺し合いに巻き込まれるとは。この拳王ごときが勝ち残れるわけもない。もう駄目だ死のう」

学校の校舎らしき建物の中、野太い声が響く。
さぞかしその声に見合う立派な体格の人物がいるのだろう……と思いきや、さにあらず。
廊下を歩いていたのは、不健康そうな銀髪の男。和装に蝶ネクタイを合わせた最低のファッションセンス。
見た目だけなら坂田銀時によく似た彼の名は、「ネクストコナンズヒント『蝶ネクタイ』」――

「……って長杉だろ、おいッ!? あれですか嫌がらせですかDQNネーム名付けるゆとり世代の親ですか?!
 こんな名前自己紹介するだけでも大変だって! テストの時とか答案用紙の名前欄からはみ出すから!」

思わず誰にともなく突っ込んだ声は、さっきの重低音ではない。もっと軽い、ごく普通の声。
これは首にしている蝶ネクタイの機能……ではなく、彼個人の特殊技能。
つまり、「知っている声を完璧に真似る能力」。今のが地声で、さっきのはラオウの声を真似ただけのこと。
なかなか常人離れした芸ではある。だが逆に言えば、彼の持つ能力はほぼこれのみ。
あとはせいぜい、打ち上げ花火職人としての技術を持っているくらいか。
漫画の中の坂田銀時のような戦闘力もない。剣も使えなければ逃げ足も遅い。これでどう生き残れと言うのか。
ま、ステルスマーダーでもやるには便利な技能かもしれないが……

「って、ステルスなんて絶対無理ィィィィィ! 無理だから俺! 疑心暗鬼とか向いてないから! 性格的に!」

普通に言って彼は善人だった。
勇次郎のように花火を打ち上げて敵を集めるような度胸もない。彼は天井を仰ぐ。

「そもそもなんで俺こんなとこに呼ばれてんだよ! 2本しか書いてないのに! それも結構前のことだよ!?
 漫画ロワの紹介者熱心杉だって! 呪うぞ紹介者ァァァァァァ!」

魂の絶叫。
叫ばずにはいられなかった、嘆かずにはいられなかった、呪わずにはいられなかった。
他ロワから呼び出されたのは、おそらく歴戦の書き手たちだろう。
10本とか20本とか平気で書き上げる、恐るべき書き手たちだろう。
投下数も少なく、リレーをしない序盤専門な自分が太刀打ちできる相手だろうか?
あーネタ抜きで本気で死のうかなー、と弱気になりかけた彼は、

  ふと、誰かの気配を感じてはッとした。

825カミングアウト:2007/12/28(金) 19:23:20 ID:qUlAFF1U0

彼が居るのは、学校らしき建物の廊下の途中。
そして、人の気配がするのは――並んだ教室のうちの1つ。耳を澄ませば、何やら熱い吐息が聞こえてくる。
微かな水音と共に、熱の篭った声が聞こえてくる。

  「……めてッ……ああッ……! もう、こんなに汚れちゃって……ッ! んあッ……!」

ゴクリ。『ネクストコナンズヒン(以下略)』は思わず生唾を飲み込む。
女の声だ。若い女性の声だ。他の誰かの声はしない、気配もしない。
まさか、これって……でも、こんな所で……!? 他の誰に見られるかも分からないのに……?!
さっきまで大声を出していたことも忘れて、彼は足音を忍ばせて教室のドアに貼りつく。
高鳴る鼓動を抑えながら、そーっと、気付かれないように、ドアを少しだけ開けてみる。隙間から覗き込む。
教室の中に、見えた光景は…………!

「…………何やってんすか、アンタ」
「……ん? ああ、これは失礼。1人で夢中に成り過ぎていたみたいだね、うふふ……」
「いやそれはいいッスけど、いったい何やってたんすか?」

部屋の中にいたのは、銀髪の若い女性。
無駄に溢れるフェロモンと髪の色のせいで気付くのが遅れたが、その顔の傷といい声といい、TQNにそっくりだ。
自分が銀時そっくりだったように、似た人もいるもんだなー、とか考えながら、彼は彼女の手元に目をやる。
そこには……。

「何って、見て分からないかい?」
「分からないから聞いてるんスよ」
「これは失礼。ちょっとヒマ潰しにね、付箋をマジックペンで塗り潰してたんだ。支給品がハズレだったのでね」
「……楽しいんスか、それ?」
「君には分からないかな、このエロスが?
 筆先を押し付けるだけで、染みて2枚3枚と穢されていく処女地、嫌がる付箋、悪ノリするマジック……!
 ああ、想像するだけでゾクゾクするようじゃないか。そうだろうカズキ?」
「…………すいません、全然分からないッス。あと誰っすかカズキって」

なんだか、色んな意味でヤバい人のようだった。
『ネクストコナンズヒ(以下略)』は早くも教室を覗いたことを後悔し始めていた。

      *    *    *

826カミングアウト:2007/12/28(金) 19:24:17 ID:qUlAFF1U0

「……そうか。つまり『ネクストコナンズ(以下略)』氏は殺し合いに乗る気はない、と。
 ところで『ネクストコナン(以下略)』氏、君は女の上に乗るのと女に上に乗られるの、どっちが好きかな?」
「いや今そんな話してないですから。殺し合いに乗ってるかどうかの話ですから。
 そういう貴方は? えーっと、何てお呼びすれば……」
「名前が気になるのかい? そんなに私のことが知りたいのかい?
 うふふ、彼ってば結構積極的だね、カズキ。私はこのまま押し倒されてしまうかもしれないよ。どうしよう?」
「誰がそんなこと言ったーーーッ!!
 てかなんでいちいちそんなに仕草や声がエロいんすか!? あとさっきからカズキって誰!?」

『ネクストコナ(以下略)』は怒って叫ぶが、斗貴子似の銀髪女は全く応えない。
余裕たっぷりに聞き流す態度の1つ1つが無駄に色っぽい。直視するとその表情だけで前屈みになりそうだ。
彼は頭を振って劣情を振り払うと、乱暴に話題を変える。

「えーっと、それでですね。もし良かったら一緒に対主催路線で行けたらいいな、と思ってるんですが……」
「聞いたかい、カズキ。『一緒にイケたらいいな』、だってさ。
 最近の若い子は過程も段階も全部すっ飛ばしてしまうらしい。まあその分、勢いはあって楽しめそうだが」
「……ヒトの話を聞け〜〜! ってかわざとやってるだろソレ!?

まるで会話にならない。まるで相手にしてもらえない。
彼はとうとう教室の隅で膝を抱えてうずくまってしまう。完全に落ち込んでしまう。

「……どうせ俺は2作しか書いてないダメ書き手だよ。
 どーせきっと俺は生き残れないんだ……エロ女には相手してもらえないし、俺にはロクな能力ないし……」
「君は何を見当ハズレなことで落ち込んでいるんだ。心配するな、君はダメ書き手なんかじゃない」
「……慰めてくれるんスか?」
「男の価値が『大きさ』だけで決まるものではないように、書き手の価値も『書いた本数』で決まるものではない。
 君なしに今の勇次郎やラオウは存在しなかった。君なしにはあの銀時の死に様はなかった。
 もっと胸を張れ。君の蒔いた種は、確実にその先に繋がったんだ」
「な……なんて有り難い言葉……ッ!
 そうか、俺は種を蒔いたんだ、そう考えれば……!」

落ち込んでいた所に暖かい言葉をかけられて、一瞬感動する。が、すぐに、

「……ってちょっと待って!? 今アンタ『大きさ』って言った!? いったい男の何の『大きさ』!? ねぇ!?」
「ん? それを私の口から言わせたいのか? ふふッ、君も案外いやらしいところがあるじゃないか。
 言葉攻めに羞恥プレイなんて、かなりの上級者だなぁカズキ?
 さらには、男の種を蒔いただなんて……! ああ、想像するだけでクラクラしてくるよ、うふふふ……」
「いやらしいのはアンタだろうがぁぁぁぁぁッ! あと『男の種』なんて言ってねぇぇぇぇ!」

827カミングアウト:2007/12/28(金) 19:24:54 ID:qUlAFF1U0

淫靡に笑う女に、『ネクストコ(略)』は怒りを爆発させる。
大体さっきからおかしいのだ。なんでさりげなく上から目線なのか。そりゃ悪意は無いのかもしれないが。

「そもそも、そういうアンタは何作くらい書いたんスか? そりゃ、俺よりは多いでしょうけどさ……」
「2本だ」
「……え?」
「さらに正確を期すなら、名前を与えられ、エントリーが確定した時点では1本だった。
 ある意味、君以上に驚いているよ。この場にこうして呼びだされたことをね……その『幸運』を喜んでもいるが」

それは、唐突な変化だった。
彼女のまとう空気から、艶っぽさが消える。ピンク色の空気が、一瞬にして反転する。
代わりにそこにあったのは、一種の傲慢さ。超展開のような暴力的な気配。
『ネクスト(略)』はその気配を知っている。それは彼も書いたことのある範馬勇次郎にも良く似たもので――!
投下数1本の段階でのエントリー。この空気。さっきまでのエロい雰囲気。彼は彼女の正体に思い至る。

「あ、あんた……あんたまさか、俺と同じ、漫画ロワの、新人の」
「しかし困った。私はこの殺し合いの場を利用して、『ある書き手』を抹殺する気でいたんだ。
 奴は馬鹿だ。あんなにエロスを堪能できるロワにいるはずなのに、ロクなエロネタを思いつかない。
 触手プレイだって夢オチで終わるなら意味ないじゃないか。5MeO-DIPTくらい使ってみせたまえ。
 直接描写でなくてもいい。文房具ロワでやった、付箋とマジックペンのような話でもいい。
 エロスはほどほどに留めてちゃダメなんだ。ネタにしたってもっと突き抜けないと。そうだろう、カズキ?
 だから……私は奴を倒して、『私が奴になる』。『あっちのロワ』を、私のエロスで染め上げてやる」

彼女は謳う。狂気の色を瞳の奥に宿し、楽しそうに謳う。
左胸に手を当てて、小さく呟いて――光と共に姿を現したのは、1本の槍。
サンライトハート、その後期型。
核鉄も見えなかったのに、ただ胸に手を当てただけで、呼び出した。

828カミングアウト:2007/12/28(金) 19:25:39 ID:qUlAFF1U0

「奴さえこの手で殺せれば、あとはどうでもいい。優勝でも脱出でも適当にして、さっさと終わらせてもいい。
 けれど……奴はきっと手強いはずだ。どういう姿や状態で呼ばれているかは知らないけどね。
 一応は考察もバトルもやれるし、鬱展開が酷い。変な『宗教』で仲間を洗脳して増やしているかもしれない。
 今の私が挑んでも、勝てるかどうか怪しいと思う――互いに手の内は分かっているしな」
「う……うあ……!」
「君が殺し合いに乗っていれば良かった。君が殺し合いに乗れる戦闘能力を持っていれば良かった。
 そうすれば、交渉次第で『アイツ』を殺すまでの間、マーダーチームを組むことも出来た。
 私は奴さえ殺せるなら、それ以外のことはいくらでも譲歩するつもりだったんだから」

彼女の迫力に、『ネクス(略)』は身動きが取れない。
おもむろに顔面を鷲掴みにされる。槍で刺しに来るかと思っていた彼は、虚を突かれて咄嗟に反応できない。
ぎりぎりと、こめかみに指が食い込んでいく。

「あるいは君に、私を襲ってしまうような『エロスの心』があれば良かった。
 バキ特別編・SAGA[性]を見るまでもなく、エロスとは強さだ。性の力で人は強くなれる。
 だが……君は私の期待を裏切った。私の挑発に反応しなかった。だからこの場で『さようなら』だ。
 私は君の支給品だけ貰って、戦力の強化を図ることにしよう。
 君が私を貫けないのなら、私が君を貫いてあげよう。体液をブチ撒けて、死ね」
「い、いやだ……この拳王が、こんな所でっ……!!」

グシャッ。
『ネク(ry)』の頭は、動けないように固定された頭は、あっさりとサンライトハートに叩き割られて――
白い脳漿と赤い鮮血を撒き散らし、彼は倒れ伏した。
それっきり、動かなくなった。

      *    *    *

829カミングアウト:2007/12/28(金) 19:26:24 ID:qUlAFF1U0

「私は倒さねばならないんだ。奴を……」

銀髪の女は駆ける。学校の校舎らしき建物の中、『エロ師匠』と名付けられた書き手は走る。
『ネ(r』の支給品を奪い取り、次なる接触と戦力強化の機会を求めて、動き出す。
彼女には倒さねばならない相手がいる。何としても倒さねばならない相手がいる。
それは、この殺し合いのゲームそのものより、ずっと大事なこと。
彼女の真のターゲット、それは。

「もう1人の『わたし』……LSで無駄に書き散らす最多書き手、爆弾魔『ボマー』を、私は倒さねば!」



【学校のような建物の中?/開始直後】
【エロ師匠@漫画ロワ】
【装備:サンライトハート(後期型)@武装練金】
【所持品:支給品一式×2、マジックペン@文房具、不明支給品×1(奪ったもの)】
【状態:健康】
【思考・行動】
1:エロスを楽しむ。ほどほどになんてしない。エロスでどんどんパワーアップ!
2:この殺し合いの舞台を利用して、LSのボマーを倒す。できれば自分の手で倒す。
3:そのための戦力強化を図る。主に、同盟相手の模索&他人の支給品強奪で

※外見と声は銀髪銀眼の津村斗貴子(エロ度200%増)です。無駄にエロいです。何でもエロくします。
※サンライトハート(後期型)は支給品ではなく自前です。核鉄として心臓の代わりも兼ねています。
※銀髪は見かけだけなのか、しろがねの力があるのかどうかはまだ不明です。
※支給品の「付箋とマジックペンのセット@文房具」のうち、付箋は汚しつくして捨ててしまいました。
※エロスで本当にパワーアップできるのかどうかは不明です。強くなった気がするだけなのかもしれません。

【ネクストコナンズヒント『蝶ネクタイ』@漫画ロワ 死亡】

8301クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/28(金) 19:27:04 ID:qUlAFF1U0
いきなり長文投下。
ネクストコナンズヒント『蝶ネクタイ』さん、ズガンすいません。

8311クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/28(金) 19:30:57 ID:kLfzlmpM0
よしっ、これでぶっ殺し俺だけじゃねえ! ……あー俺だけかと思ってひやひやしてたぜ
蝶ネクタイがやたらキャラ立っててワロタwwwwwwwwwww
……つか師匠ってマジ?

8321クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/28(金) 19:40:54 ID:NHAmO23o0
投下乙!面白かったです。
次々と討ち死にしていく漫画ロワ書き手諸氏……。
エロ師匠がなんか凄いいいキャラだw

8331クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/28(金) 19:43:53 ID:31tLasJsO
ちょ、付箋とマジックペンを持ってくるとは…流石エロいな!

8341クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/28(金) 19:52:24 ID:krV3n8W6C
エロ師匠暴走しすぎwwww腹痛いwwww

8351クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/28(金) 20:15:19 ID:SoY2a2AA0
ちょw漫画ロワばっかじゃねーかぁwww
他のロワの書き手の降臨はまだかw

8361クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/28(金) 20:34:42 ID:R4e/70T60
スパロワで、3人書いてみた。

【◆uiAEn7XS/.氏】
終盤でのデビューにも関わらず新人とは思えない筆力で様々な展開を書きこなす。
特に冥王こと木原マサキの描写は素晴らしく、冥王の思考を丁寧にトレース出来る氏は良い意味で鬼畜に違いない。
代表作に挙げた二作ではスパロワらしい重厚なバトルを見せてくれた。
破天荒な展開やそれの違和感を感じさせない文章力がナイス。投下量も多く、書き手不在期を支えた一人。
下の二人を足して2で割ったような、というと分かりやすいかもしれない。短所がなく、上手い。
また、つなぎも丁寧にこなしてくれる。まさに縁の下の力持ちで、この人無しではスパロワは生き残っていなかっただろう。
短所?ねぇよ!
代表作『銀河旋風速度制限』『ツキヨニサラバ』『マサキとシュウ』

【◆ncKvmqq0Bs氏】
スパロワでトリップ制が取り入れられたのが200話前後からなためはっきりとしないが、おそらく最多投下書き手。
スパロワの代名詞、超展開といえばこの人。他の書き手が転がしまくったフラグを更なる超展開で纏め上げる手腕はお見事。
話を盛り上げるのが上手く、面白さの最大風速はかなりのもの。特に戦闘描写はピカイチ。
またさり気に、リュウセイ死亡は半日、最新話も50時間で57kとべらぼうに書くのが早い。隠れて最速の人クラスのスピード。
趣味の幅が広く、色んなとこからネタを引っ張ってくる書き手でもある。キャラも全部把握しているようだ。
攻(文章力)、防(キャラ把握)、速(書く速度)そろった超人。……ただ超がつくほど対主催よりで、誤字が時々ある。
代表作『全ての人の魂の戦い』『閃光』『BIG-O!Show time!Last stage!』『限りある永遠の中で』『命あるもの、命なきもの』

 【◆KX4nhL0NJs氏】
スパロワ随一の鬱書き手。王道を往く鬱展開もだが、一つ一つの心理描写が丁寧で自然とキャラに感情移入してしまう。
「東方不敗は死なず」では「ゾンビになりながら動き続ける東方不敗」というホラー展開で住人を震えさせた。
「草は枯れ、花は散る」では対主催の死亡と狂化を、鬱と燃えを両立させながら書ききってくれた。
ヴィンデルの最期はかなり燃えた。
文章力、展開の見せ方はスパロワNO1。心理描写の自然さも素晴らしいのもあって、個人的には神の域。
最終話を是非書いて欲しい。とにかくSSの質だけで大量のおつりが来る人。
唯一欠点を言うとすると、リアルが忙しいのか1週間と予約期間が長いスパロワでも伸びたり、書ききれなかったり。
人が人だけにwkwkしすぎで心臓に悪いのであんまり延ばさないで、マヂで。
代表作『目覚め』『東方不敗は死なず』『草は枯れ、花は散る』



……ってあだ名が浮かばねぇえええええええええええ!!
誰か俺に変わってつけてくれorz

8371クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/28(金) 20:39:30 ID:puh.Ewto0
む、では上から順に『木原マサキ』『ミスターファイヤヘッド』『ゾンビ師匠』でどうだ。

8381クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/28(金) 20:40:43 ID:SoY2a2AA0
あれ?その三人ってもうエントリーされてるんじゃなかったっけ?

8391クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/28(金) 20:59:17 ID:oras.MeQ0
転、結、差だな

8401クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/28(金) 21:07:53 ID:AJ/Bn67M0
木原マサキにするなら冥王にしとけよw

8411クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/28(金) 21:11:30 ID:0Em.MY.kC
起承転結の誰かだった筈。
やはりあだ名だけじゃ誰が誰だか分からなくなる時があるな

8421クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/28(金) 21:48:46 ID:/hHc0gJw0
畜生…クーガー兄貴とエロ戦士斗貴子で思いっきり吹いちまった
(そして自分書いてた奴を見てをorz)

誰かまとめサイト(才人じゃないよ)を作る勇士はいないか!

843俺は影の王子!!:2007/12/28(金) 21:48:58 ID:7/0CFOucO
「この殺し合いの黒幕……さては神崎の仕業か!?」
 お約束の台詞と共に、赤い剣を持った『影の繋ぎ師』こと『◆ozOtJW9BFA』は怒りを燃やした。しかし、冷静にその可能性を否定する。
「いや、神崎は死んだ筈だ……。
 ならば……クライシス帝国の仕業か!?」
 斜め上どころか地球の大気圏を越え外宇宙に飛び出しているとも言える推理であるが、誰も突っ込みを入れられない。
 周囲には誰もいないのだ。
「俺を別ロワイアルへと飛ばし、その間にライダーロワイアルを侵略するつもりか……。
 くッ……クライシス帝国めッ!」
 既にライダーロワは完結しているからその可能性は無いのだが、自身の言葉を否定しようとはしない。
「あの読み手という男はクライシスの配下……もしくは奴らに魂を売り飛ばしたか……!
 それにしても、なんという残酷なことを考えつく! 人間を何だと思っているんだ!」
 怒りに燃え、光太……ゲフンゲフン……影の繋ぎ師は殺し合いに徹底抗戦することを強く決意した。
 
「……そうだ、支給品を確認しないと。どれどれ……」
 配られたデイパックを開く。その中には――――
「――カラオケマイクだ」
 …………お決まりの代物があった。
 
 
【会場のどこかビルの上/開始直後】
【影の繋ぎ師@ライダーロワ】
【装備】:サタンサーベル@ライダーロワ、シャドーセイバー@ライダーロワ
【道具】:カラオケマイク@現実
【所持品】:支給品一式
【状態】:健康。クライシス帝国への激しい怒り
【思考・行動】
1.ぶ っ ち ぎ る ぜ
2.殺し合いには乗らない
【備考】
※変身体はシャドームーンです

844俺は影の王子!!:2007/12/28(金) 21:49:31 ID:7/0CFOucO
勢いでやった……今は反省している

8451クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/28(金) 21:49:56 ID:76GjC4Y.0
>>830
何やってんだアンタはwwwww
向こうのほう最近エロ成分が足りないから
エロ師匠には目的を達してもらったほうがいい……のか?w

8461クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/28(金) 22:02:38 ID:uAWd9HGI0
ぶっちぎるぜキタコレwww
GJと言わざるを得ないww

8471クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/28(金) 22:11:09 ID:R4e/70T60
テラ光太郎wwwカラオケマイクはお約束だよなぁwww

>>839
いや一文字だけだとわかりずらいし、味気ないと思ってな
他みたいにもうちょっとアレなネーミングは出来ないか……てね

8481クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/28(金) 22:11:31 ID:S.D4/JB60
ぶっちぎるぜはお約束なのかwww
カラオケマイクに期待だw
GJww

8491クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/28(金) 22:12:56 ID:2A.MKipg0
全員、漫画とかのキャラに似せないといかんの?

8501クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/28(金) 22:15:35 ID:17/9xsJwC
>>849
その方がリレーされ易いと思うぞ。
イメージし易いしな。

8511クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/28(金) 22:20:59 ID:kLfzlmpM0
早めに出た方がおいしい所持ってけそーだなこりゃ
ぶっちぎるぜクソワラタwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

852温泉少女:2007/12/28(金) 22:23:33 ID:qUlAFF1U0


そのころ、温泉少女は温泉に入っていた。


【温泉・露天風呂(混浴)/開始直後】
【温泉少女@LS】
【装備:なし】
【所持品:支給品一式、不明ランダム支給品×1】
【状態:健康。全裸。】
【思考・行動】
1:極楽、極楽……。

※少女です。普段着は浴衣です。それ以外のことは後続にお任せ

8531クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/28(金) 22:24:53 ID:puh.Ewto0
本編より状態表の方がはるかに長いとかw懐かしいのりだぜww

854闇夜の少年:2007/12/28(金) 22:31:14 ID:16LvsYy20
「へえ、なかなか面白い事を思いつくんだ」
学校の校舎らしき建物に無邪気な声が響く。
彼にとっては殺し合いという行為も遊びに過ぎない。
まとめキングこと◆vHOqGgdf1Uは喜びに打ち震えていた。

【学校のような建物の中?/開始直後】
【まとめキング@ライダーロワ】
【状態】健康
【装備】オーバーオール@ライダーロワ
【道具】携帯電話@現実
【所持品】支給品一式(未確認)
【思考・行動】
基本:殺し合いを楽しむ。
1:遊び相手を探す。
2:気に入らない書き手の悪評を広める。

※外見は真紅のジャケットを着た茶髪の少年です。
※コーカサスUDに酷似した姿に変身できます。

855闇夜の少年:2007/12/28(金) 22:37:59 ID:16LvsYy20
初挑戦。ライダーロワのまとめサイト管理人を投下しました。

8561クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/28(金) 22:38:23 ID:kP4ZNG/kC
投下乙!
おぉーアンデッドに変身できるとは高性能すぎる!
というか学校のような建物の中って……エロ師匠がいるところかw

857導くものは愛とギャグ:2007/12/28(金) 22:45:27 ID:S.D4/JB60
「ほう、この余をバトルロワイヤルに参加させるとは。主催者も愚かよの」
 クックック、と低く笑うのは、黄金の仮面に黒いマントを羽織った怪人。
 2メートルに迫る長身に、肩幅の広いがっちりとした体型。仮面と同じく、黄金の身体という人には持ち得ない肉体。
 鬱蒼とした森を静かに進み、周囲を見渡す。舞台となったところはライダーロワのように異世界というわけではないのだろう。
 彼が日常を過ごした世界となんら変わることはなかった。
 ただ一つ違うのは己の身体。こんな……
「まさか、余がジャーク将軍のような身体を得るとはな。改造手術でもしたか? あの主催者」
 そう、彼はライダーロワにおける数少ないギャグ、恋愛話担当のギャグ将軍、その人だった。
 彼はのんびりと森を進みながら、脳内で情報を整理する。
(要するに、余らはあの主催者に集められ、殺し合いを強要されている。
ジャーク将軍の肉体というなら、どの程度のことが出来るか確かめねばな。変身は取っておかねばならぬ。
ライダーロワのように、制限がかけられてはたまったものではない)
 彼はライダーロワ以外については無知といっていい。
 ゆえに、制限の内容もライダーロワと同じだろうと考えた。
 ライダーロワの制限、それは変身について特殊なルールがある。
 一度変身をすると、二時間は変身できない。
 そして、怪人である者は一度戦闘の後、二時間の間は身体能力が人と変わらないところまで落ちる。
 ライダーロワ以外を知らない彼が制限について慎重になるのも、もっともな話だった。
 そのままギャグ将軍は名簿を覗く。
 他ロワの知識がない彼はニックネームを見ても誰が誰だか検討がつかない。
 しかし、味方に引き込めそうな名を見た瞬間、笑みを形作る。
(ほう、仮面ライダー書き手……欝のエル……まとめキング。
ライダーと関わり深い名から察するに余と同郷なのだろうな。
都合が良い。余が力を貸すといえば、お人好しばかりのライダーロワ書き手は余と組む。
優勝を狙うのも、脱出を目指すのも、まずはチームを組んでから。
つまり、今の余の目的は……)
 そこまで考え、ギャグ将軍は一旦思考を中断する。
 誰もいない繁みへと視線を向けると、威厳溢れる低い声を放つ。
「そこにいるのだろう? 下手な隠れ方だ。出てくるがよい」
「あら〜、ばれちゃった?」
 現れる影はギャグ将軍の見込みとは違い、小柄の女だった。
 しかし、ギャグ将軍はいつでも変身できるように身構える。
 この女、只者でないと判断をしたために。


 身体が浮遊感に包まれたかと思うと、彼女は森の中にいた。
 きょろきょろと周囲を見渡しても、ただ鬱陶しい森が続くだけ。
 主催者のセンスのなさに呆れて彼女はため息を吐く。
「やーね、どうせ飛ばすなら私にふさわしい、豪華なホテルとかにして欲しかったわ。
愛を語り合うためにね」
 軽い口調で大きい目を告げて、ゴスロリの黒い服装のひらひらしたスカートを揺らし、彼女は鼻歌を歌いながら前進する。
「このぶたちゃんはおかいもの♪ このぶたちゃんはおるすばん♪ このぶたちゃん――」

858導くものは愛とギャグ:2007/12/28(金) 22:46:07 ID:S.D4/JB60
 彼女は急に黙り、きりきりと音をたてて首を180度回転させた。
 その姿に常人が見れば驚いただろう。
 しかし、その程度彼女は難なくできる。なぜなら、彼女は自動人形。
 コロンビーヌと呼ばれている。
「ふふ、面白そうね。ダンディなオジ様、今いってあげるわ」
 微笑を浮かべながら、森を跳躍し続ける。
 彼女の周辺に銀の蟲が群れを成して集まってきた。


 こうして、両雄あいまみえる。
 片や、地球を侵略する将軍と同じ力を持つ怪人書き手。
 片や、世界に厄災を振りまく自動人形と同じ力を持つ自動人形書き手。
 出会うことのないはずの二人が、今出会った。
「そちの名を聞かせてもらおう」
「私ー? そうね、私のロワではコロンビーヌと呼ばれているわん」
 くすくすと笑う少女に、ギャグ将軍は余裕を持って対峙する。
 数秒にらみ合う二人。先に動いたのはコロンビーヌだった。
「ねえ、オジ様。あなたは戦うつもりー?」
「無駄な戦いは避けたい」
「そう……」
 コロンビーヌが俯き、ギャグ将軍からは表情を窺えない。
 殺気が衰えないことから、警戒は解かない。
 ギャグ将軍の周囲に銀の蟲が槍の形となり、四方八方降り注ぐ。
 ギャグ将軍の黒いマントが穴だらけとなり、コロンビーヌはため息を吐く。
「あら? もう終わり? つまんなーい」
 不満を示すコロンビーヌが盛り上がったマントに近付くと、目を見張って銀の蟲を腕に集めて刃を作る。
 後を斬り裂くと、金属同士がぶつかる甲高い音が周囲に響く。
 コロンビーヌが振り向いた先には、先ほどの黄金怪人を更に戦闘に特化させた姿、ギャーグミドラがいた。
 両耳の当たり生えた角が、より戦闘に特化したことを強調する。
 太刀を受け止めた腕が痺れ、コロンビーヌは感心する。
「へえ、やるじゃない」
「当たり前だ。仮面ライダーを苦しめた男、ジャークミドラの身体なのだからな」
 にやりと笑うギャグ将軍を見て、コロンビーヌは更に戦闘準備を……
「やーめた」
 整えなかった。すっかり戦闘の準備を終え、変身までしたギャーグミドラが思わずずっこける。
 その様子がおかしかったのか、コロンビーヌはけらけら笑いながらギャーグミドラに話しかける。
「なーにマジにとってんのよ」
「…………ライダーロワにはお前みたいな奴はいなかった」
「だって私、バトルはそんなに好きじゃないもの。
ギャグや恋愛フラグ(アッー限定)なら好きだけど」
「ふむ、気が合うな。それら二つは話を盛り上げる要因といえよう」

859導くものは愛とギャグ:2007/12/28(金) 22:46:32 ID:S.D4/JB60
「なかなか分かっているじゃない」
 あっさりと認めるギャグ将軍にコロンビーヌは機嫌をよくする。
 ギャグ将軍は戦闘解除の意を込めて、変身を解く。
「ふむ、ならコロンビーヌよ。余と手を組まぬか?」
「オジ様と? まあ、悪くはないけど、どうする気? 脱出? 優勝?」
「そうだな、とりあえず…………」
 ギャグ将軍は天を仰ぎ、顎を撫でる。
 風が吹いて、コロンビーヌの髪を宙に舞わした。

「新生クライシス帝国の結成だ!」

 余りにもこてこてな悪の組織の名にコロンビーヌは思わず吹いた。
 この書き手、悪くないかもしれない。無意識にコロンビーヌはギャグ将軍を認める。
「じゃあ、私は悪女というわけー?」
「うむ、何なら怪魔妖族大隊・諜報参謀の座を与えよう」
「うわ、ネーミングセンスださっ」
「ダサいとは何だ! これは栄光あるクライシス帝国において…………」
 二人はそれぞれの経緯を話しながら進む。
 傍から見るとまるで、漫才のようなやり取りだった。

【森林の中?/開始直後】
【ギャグ将軍@ライダーロワ】
【状態】健康
【装備】杖@ライダーロワ ジャーク将軍のマント@ライダーロワ
【道具】なし
【所持品】支給品一式(未確認)
【思考・行動】
基本:新生クライシス帝国の結成
1:仲間を増やす。
2:殺し合いに乗るかどうかは保留。

※ジャークミドラに似た、ギャーグミドラに変身できます。
※制限がライダーロワ基準だと思い込んでいます。


【コロンビーヌ@漫画ロワ】
【状態】健康
【装備】ゾナハ蟲@からくりサーカス
【道具】なし
【所持品】支給品一式(未確認)
【思考・行動】
基本:恋愛がしたい。
1:ギャグ将軍についていく。
2:ギャグ将軍と話のつくりが気が合う。

860導くものは愛とギャグ:2007/12/28(金) 22:47:04 ID:S.D4/JB60
投下した! 後悔はしていない!!

とりあえずお二方、申し訳ありません。

861すべては君をリレーするために:2007/12/28(金) 22:54:12 ID:hSR9R5dc0
「これは、勝ち抜けば願いが叶うって解釈で、いいのかな?」
◆WXWUmT8KJE、あるいは『仮面ライダー書き手』の名で知られる青年は呟いた。
彼の手の中にあるのは黄と紺で飾られた携帯電話。正しくは、カイザフォンという。
そう、彼がこよなく愛したキャラのベルトが、今現実に彼の手にあった。

彼には、母になってくれるかも知れない書き手がいる。
◆vHOqGgdf1U氏、まとめサイト管理人でもあり、27人予約の金字塔を打ち立てた人でもある。
パロロワ書き手として、彼は◆vHOqGgdf1U氏をこよなく慕っていた。執着に近いほどの思いだった。

あの人のために、俺は鬼になる。
仮面ライダー書き手は、そう強く心に決めた。

【校門?前/開始直後】
【仮面ライダー書き手@ライダーロワ】
【状態】健康
【装備】カイザギア@ライダーロワ
【道具】
【所持品】支給品一式(未確認)
【思考・行動】
基本:まとめキングこと◆vHOqGgdf1Uを優勝させる。
1:まとめキングを探し、守る。
2:俺を好きにならない奴は殺す。

※外見や声は草加雅人です。

8621クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/28(金) 22:56:20 ID:ZIpGS4dsC
乙!
ジャーク将軍とコロンビーヌ……何気に強力なコンビじゃないかw
それとコロンビーヌをロリ状態で出すとはわかってるなぁwww

8631クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/28(金) 22:58:42 ID:hSR9R5dc0
うおっと。ライダーロワ連発になってた。

早速、悪いが噂の惚れ込みとやらを使わせて頂いた。
お気に触ったら申し訳ありません。

8641クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/28(金) 23:00:36 ID:hdbZvmXIC
リロし忘れたw
投下乙!
おぉー!この書き手2ndの発端ネタとも言えるネタが出ているw
ライダーロワの書き手は愛されてるなぁ。

8651クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/28(金) 23:00:37 ID:S.D4/JB60
>>863
君に栄光を!!

てか、ライダーロワ書き手人気ありすぎww
俺しかいないと思ったのにw くやしいいいwwww

866貴重な貴重な燻し銀:2007/12/28(金) 23:03:49 ID:7/0CFOucO
「……温泉少女」
 囁く男の髪の無い頭に、白い手ぬぐいが乗っていた。
 
 
【温泉・露天風呂(混浴)/開始直後】
【シルベストリ@漫画ロワ】
【装備】:なし
【道具】:白手ぬぐい
【所持品】:支給品一式
【状態】:健康。全裸。健康的な張りのある肉体
【思考・行動】
1.サ ー ビ ス シ ー ン 担 当
【備考】

・両目があります
・金玉絶賛引き上げ中です

8671クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/28(金) 23:06:00 ID:Ia0AXYaI0
ライダー漫画勢が凄いことになっとるw
なんという熱血ロワとカオスの化学反応wいいぞ! もっとやれ!w

868貴重な貴重な燻し銀:2007/12/28(金) 23:06:47 ID:7/0CFOucO
いぶし銀って聞いたらこのキャラの最新話が思い浮かんだから、こうした
スマン……

8691クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/28(金) 23:09:20 ID:AJ/Bn67M0
転と名づけられた少年は支給品の『転ばし屋』を手にとって、頭を抱えていた。
その支給品に付属されていた手紙には、主催者からだろうメッセージが書かれている。

『これを使って上手に展開を転ばしてくれたまえ。
 なお制限により、トリップ名でしか効果が無いようになっているからあしからず』

転と名づけられた少年は付属された手紙を読み返して、またもや頭を抱えた。

【転@スパロワ】
【装備:不明】
【所持品:支給品一式、転ばし屋、ほか未確認】
【状態:健康】
【思考・行動】
1:コロンビーヌって転びそうな名前じゃね?

※少年です。それ以外のことは後続にお任せ

8701クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/28(金) 23:22:24 ID:46/jgqMEC
乙!
転ばし屋か
これは使い所が難しいな……って制限キツすぎだろw
鳥じゃ無理だwww

8711クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/28(金) 23:33:03 ID:2A.MKipg0
「男おーなーんてララララ〜〜〜 女もラララ〜〜♪」
本棚に囲まれた屋内……図書館に音程を外しまくった歌声が響く。
「らぶ ワズ ボ〜〜ん♪」
音源の容姿は0.01となった視力をカバーしてくれる分厚いメガネに、痩せ型である。
後頭部で手を組み、椅子でシーソーをしながら机に足を乗せる彼はブリリアント・ダイナマイト・ネオン。
オープニングからずっと同じ事をブリリアントは繰り返している。

「フゥ……」
やがてその行動も終焉を迎えた。
さっきから閉じていた眼を開き、天井を見上げる。
暗い所は苦手だが、今はそうも言っていられない。
ぴょん、と椅子から飛び降りる。

そして再び息を吸い込んで────

「 な ん で シアーが本体襲っちゃいけねえんだあああああ!! あのクソ読み手舐めやがってぇぇぇええ!!」
先ほど腰掛けていた椅子を持ち上げ、窓に思いっきり投げつける。
割れたガラスが景気良く外に四散した。
「大体、人気キャラが死にゃあ『クオリティが低い』とイチャモン! 『人気キャラのケンシロウ殺すなんてありえない』!!」
机にガン!ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!、と立て続けに蹴りを入れる。 
「あそこの読み手は調子のってんのか!? ぬううあにが『読み手あっての書き手だ』、書き手サマ舐めんな?
大体……過去に『ケンシロウの秘孔制限は難しい』なんて言って人の作品NGにしてえ……!!」
本棚にツカツカと歩み寄り、並べられた英和辞典に手をかけ……
「な・ん・で、な・に・ゆ・え! 新作では普通に制限が判明してんだコラァ!」
上記にあげられた愚痴は全て、根本的な勘違いと少し考えれば分かるのだが、生まれついて超ド短気の彼はその結論には至らない。
そのままダンベルとしても使える辞書を辺りに撒き散らす。
「いっぺん人気キャラズガンすんぞ、この、ド・チクショウがああああああ!!」
再び椅子を手に取り……

しばらくお待ちください(工事現場のオッサンが頭を下げながら)

8721クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/28(金) 23:35:20 ID:2A.MKipg0
「フゥ……フゥ……ヒィ、ハァ…………」
肩で息をしながら、とりあえずは一息をつく。
一つとして残らず破壊された机、ページが半分以下になった書物があたりに散らばり、本棚はもはや正方形の一面が外れた箱と化し、ホワイトボードは……
とまぁ図書館はまるでそこで一戦があったように滅茶苦茶だった……。
「!」
と、そこに来て彼は気付く。
こんな事をしている場合では無い、自分にはやるべき事があるのだ!

「明日のバイトに備えて……さっさと寝るか」

そして辺りを見渡して……。

【ブリリアント・ダイナマイト・ネオン@漫画ロワ】
【状態】疲労大
【装備】椅子の破片
【道具】なし
【所持品】支給品一式(未確認)
【思考・行動】
基本:イラつく事があれば、なんにでも当り散らす(優先度は 人間>物)
1.オレは確か……家に居たはずじゃあねえか!
2.ここは何処だ、何でこんなに荒れてるんだ?
3.ええい、またイラついてきた!

※呼び出されてきてから今まで歌っていたため、オープニングを全然聞いてません
※容姿はギアッチョ(@ジョジョ5部)の短髪ver

8731クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/28(金) 23:41:45 ID:UL7LJyC.0
投下乙!
眼鏡だからバーロかと思ったらギアッチョかよw
ポルノグラフィティ好きなところまで再現とか芸が細かいぜ

8741クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/28(金) 23:48:13 ID:AJ/Bn67M0
OP時周りにいた奴は歌ってる奴がいる事を気にしなかったのかw

8751クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/28(金) 23:54:33 ID:16LvsYy20
ライダー漫画勢のカオスっぷりは異常だw

8761クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/28(金) 23:56:32 ID:nmtA5v3.0
予想を遥かに上回る勢いに、描いても描いても追いつきませんw

【衝撃のネコミミスト氏/お姉さま氏/ボイド氏/ダイナマイトアンデッド氏/大あばれ鉄槌氏】
ttp://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6a/e6/762abe649d408226fa18f51c9a88282f.jpg

8771クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 00:02:22 ID:b7CfyDCQ0
楽しそうだな! お前等!

前回分裂した人より

8781クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 00:04:05 ID:KV7UOPdU0
>>876
すげえええええええええええ素敵な事に!! GJ!

8791クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 00:05:38 ID:lB7GjQ4E0
うおお、すげぇ!ずっとこれ描いてたのか!
超GJ!
こうしてみると、カオスな格好をした参加者がいかに多いかよく分かるw

8801クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 00:11:20 ID:Bosxcsfs0
なあ、お姉さま男である可能性もあるんだぜw
このGJな絵で男だったら……w

8811クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 00:13:01 ID:Z8YMhNSc0
>>880
なにを言ってるんだ
こんな可愛い子が女の子なわけ(ry

8821クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 00:19:23 ID:o6feMCz.0
>>876
すげえええええ!!
よしこのまま82人+αを書ききる(ムチャイウナ

8831クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 00:25:18 ID:aJvZyxrAC
>882
よし!やってみろ!
HURRY!HURRY!HURRY!

8841クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 00:33:40 ID:LLw1NkXc0
>>876
アンタ最高だwwwwwwwww マジスゲェwwwwwwwww
一人だけあからさまに人類じゃねえwwwwwwwwwwww

885きゃあ、じぶんごろし!:2007/12/29(土) 00:43:13 ID:lB7GjQ4E0
「う〜ん、バトロワはいいんだけど、まっさか僕が参加するとはね〜」
飄々とした声で苦笑するのは相羽シンヤの姿をした少年。
速筆魔王LX氏である。
「どうしよっかな〜」
彼が悩んでいるのは今後の身の振り方。
ロワの完結は書き手読み手を問わずそのロワの住民の努力の結晶であり、それだけで尊ぶべきものである。それは脱出、全滅、優勝とどのような形であれ同じことだ。
できれば、自身が参加者となったこのロワも完結させたいところだが。
「でもね〜、殺人はまずいよね。自分が書いてるものの中ならともかくねぇ」
このロワを優勝、あるいは全滅エンドに導くということは尊ぶべき他書き手をこの手にかけるということだ。
「やっぱり、目指すとしたら脱出かな。でも、書くのだけでも大変なのに自分でそれをやるなんてなぁ…」
脱出エンドに必要なものは何よりもまず首輪の取り外し。そして主催者の本拠地の発見、打倒など多数である。そのためには数々のフラグを積み重ねる必要があり、難しさは身をもって知っている。
そして首輪を外すためには、当然それについて調べる必要がある。
「まぁねぇ、だから『サンプルを集める』って思考になるわけなんだけれど。他の皆を殺すのは忍びないなぁ。キャラにやらせるのとは訳が違うんだからさ。懐かしい顔もいるみたいだし…ん?」
どうしたものかと困惑顔で名簿を眺めていた速筆魔王LXの目がある一つの名前に吸い寄せられるように止まる。
そこにいたのはもう一人の自分。
美形元帥と書かれた名前がその視線の先にあった。
名前だけでは誰のことかさっぱりわからないが、まぁ自分のことだから分かるのである。
「何だぁ、これなら全然問題ないじゃないかぁ…ははは、良かったあ」
問題が解決されたことに心底安心したように、爽やかな笑い声をあげる。
自分がもう一人いるなら、遠慮なく殺して首輪をいただくことができる。
脱出のためのフラグを一つ積み重ねることができるのだ。
「じゃあ、早速捜しに行くとしますか。殺してあげるよ、兄さん。なんてね〜」
の自分殺しの旅がこうして始まった。


【速筆魔王LX@アニロワ2nd】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式(未確認)
【思考・行動】
1:美形元帥から首輪を奪って脱出フラグを積む
2:でも別に何エンドでもおっけー

※容姿は相羽シンヤ。声子安。

8861クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 00:46:54 ID:QqP9bjLs0
「さて、とりあえず人を探すか」
まさか本当に殺し合いをさせられるとは思ってなかった。
だが、自分のこれからの行動に迷いは無い。
自分がどうなるのかとか、そういう事はどうでもいい。
自分はパロロワの『書き手』。考えるべき物語は自分の物語ではなく、他の人間の物語。
その人物はすぐに歩き出した。自分が『書くべき』者を探すために。

【◆Zp1p5F0JNw(空気の人)@AAAロワ】
【装備】:なし
【所持品】:支給品一式、他不明
【状態】:健康
【思考・行動】
基本:目立なさそうな人を探して、その人が活躍できるように補佐。スタンスは問わない。
※容姿はリドリー(金髪ツインテール)

鳥だけじゃ分かりづらいから、勝手に二つ名を付けさせてもらった。反省はしてない。

887会場の中心で宣伝を叫ぶ:2007/12/29(土) 00:48:32 ID:gttQINsc0
「何でボクはこんなとこにいるんだろ……。
 ボクはただ、ロリショタを愛でていたかっただけなのに……」

溜息と共に肩を落とす影がある。LSの深淵だ。
青いファンタジー系の半袖短パン。肩まで掛かる銀髪。
小柄で貧相な身体はとあるハーフエルフと瓜二つ。
ロワ世界ではほとんど話題にならない、マイナーキャラと似た容姿をしている。

「心理がどうとかキャラ付けされてたけど……。いやいやそんな大層なもんないから!
 ボクにあるのはあれだ、時間だ、暇を持て余す時間だけだよ。クーガーの兄貴も言ってるでしょ?
 『遅い事なら誰でもできる、2000年かければバカでも傑作小説が書ける』って。
 その時間があったから投下数だけは増えたけどさぁ……」

再度、深い溜息を一つ吐いて。
とりあえず足りない頭を酷使し、キャラ付けに従って薄〜く動いてみようと決意する。
手始めに支給された名簿を見て……どうしようもない眩暈を覚えた。

「何だよ……この物騒な名前の羅列は」

記載されている名前を見ただけで、100回は死ねる気がした。
誇張でもなんでもない。
何せ周りには、エターナル、アルター使い、しろがね、ライダー、十傑衆etc……
挙げるのも憂鬱になるくらいの人外魔境が広がっているのだから。
スパロワの連中に至ってロボットまで持ってくるかもしれない。
ディストラだのネオグラだのに乗ってこられたらロワどころではない。
間違いなく因果地平にデッドエンドシュートォッ! されてしまう。

「うぅ、今からどっかの宗教に入信すれば神父さんが助けてくれるかなぁ」

ただし、タバサ教だけは勘弁な。

「いや、弱気になっちゃいけないな。支給品の確認、確認と。
 モノによっては、ボクでもうまく逃げ切れるかもしれない」

心を躍らせながら支給品を取り出してみた。
拡声器とナイフ一本。
見間違いだ、目を擦る。
拡声器とナイフ一本。
これは夢だ、頬を抓る。
拡声器とナイフ一本。
あれ、おかしいな、どうしちゃっ――

「…………う、うわああああああああああああっ!
 無理っ! 絶ッ対無理ぃっ! 何だよこの理不尽な戦力差は!?
 支給品までボクに死ねって言ってるの!?
 あんな超人連中相手にするならデバイスとか永遠神剣とか
 宝具とかライダーベルトとかないと無理に決まってるじゃんかあ――ッ!!」

絶望の海に腰まで使ったところで、ふと思い直してみる。

「そうだ。自ロワの人たちと合流できればまだ希望が……」

脳裏に浮かんだのは、いつか見た書き手ロワ1stでの、LS書き手方の姿。
それは、とても頼りになるもの――であるがずがなかった。

「ダメだ、知らない人よりも危険だ!」

888会場の中心で宣伝を叫ぶ:2007/12/29(土) 00:48:47 ID:gttQINsc0
そもそも、前フリが全て欝に収束していくようなドSどもだ。
知り合いとはいえ、いや知り合いだからこそ。
出会ったら最後、絶対に碌なことになりはしないだろう。
一人穏健派がいることにはいるが、この人は眼球抉ったり四肢の腱を切ったりと、
殺さずに甚振ることに定評があるからやはりダメだ。誰にも会えない。
ちなみに自分がそのドSの集団に入っていることに深淵は気がついていない。

「もうダメだ……。ボクはどうすれば……。ん、待てよ?」

そこで深淵ははたと気付く。ここはロワ会場、今の自分は二次元世界の住人。
ならば死んだときに行き着く場所があるじゃないか。
即ち――死者スレだ。
疑心暗鬼と欝がひどいLSロワでは、ぶっちゃけ死者スレのほうが気楽で楽しい場所となっている。
漫才コンビが腕を磨き、電波ソングの流れる探偵事務所がある。空腹にも困らない。
そして、何といっても愛すべきロリショタが暖かく迎えてくれる場所だ。
今死ねば、あの死者スレに辿り着けるんじゃないだろうか?

「……そうだ、これだよ。なんでこんなところで生にしがみつく必要があったんだろう?
 うちのロワの主催の冥王も言ってたじゃないか、
 『悲しむ事はなにもない。それは敗北ではなく、回帰なのだ』って」

死ぬ決心はあっさりとついた。が、腐っても書き手である。
この世を去る前に、何かでかいフラグを残してみたい。
そこで目に付いたのは……

「拡声器、これだ」

死亡フラグの代名詞を手に取り、深淵は唐突に叫んだ。

『ボクがこのロワの黒幕だーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!
 くろまく〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!!!』

知っている人は知っている、どこかふとましいと思える声が、広く響き渡った。
大ホラ吹き、ここに極まれり。
突拍子もないことを言い放ったが、周囲にいるのは拡声器大好きなロワ書き手ばかりだ。
何人かは真偽を確かめようとやってくることだろう。

「ふふ、そのころにはボクはもうこんな世界とはお別れしているけどね」

拡声器を投げ捨て、ナイフを手に取り、喉元に当てる。
そして、天に向かって今生の別れを叫んだ。

「はは、もう全てが終わった!!
 さあ、ただのナイフ、路を繋げ!! 時間指定などこの際如何でもいい。
 此処より彼方へ!! 幻想郷へ、アルハザードへ、ボクのパラダイスへ!! 死者スレへ!!」

最近どこかで聞いたセリフをパクリながら、深淵は嬉々としてナイフを突き刺した。
彼が望みを叶えたのかどうかは、誰も知りえることはないだろう。



【深淵@LSロワ 死亡】
※現在位置不明。会場の中心付近?
※拡声器と基本支給品が近くに落ちている。喉にナイフが刺さっている。


    〜〜当方はテイルズロワ応援してます。完結が楽しみです〜〜

8891クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 00:53:43 ID:4TEjB8MQ0
やべぇ、(このロワの)死者スレ見てぇwwww

890第一印象がロリでも吸血鬼にロクな奴はいない?:2007/12/29(土) 00:54:15 ID:wYaLsbRU0
この殺し合いの会場には似つかわしくない一人の少女、いや幼女が佇んでいた。
透き通るような白い肌、黒曜石と絹糸を合わせたかのような美しい髪、
その愛らしい顔からあふれ出る笑顔は、にぱー☆という表現がよく似合う。
そしてその小さめの口からこぼれ出る白く整った鋭い犬歯……え?牙?

「やれやれ、まさか登場人物になってしまうとは。しかもこの格好では
名簿の名前と違ってしまうではないか。まあコイツにとっては姿形などは意味を成さない…
自分が最新作で言ってしまった以上しかたない、か」

そう、彼、いや彼女の名前はミスターマダオ。そして今の彼女の出で立ちは
パロロワ参加者なら泣く子も黙る吸血鬼アーカード!……のロリバージョン、
通称ロリ旦那である。無理やり名前と合わせるなら

まるで
ダメージを受けない
おかっぱ

と言ったところか。ちなみに声は勿論中田ヴォイスである。聞いただけで妊娠してしまいそうな
声を出す幼女…何というか、ロリとか萌えとかいう次元の話ではない。

891第一印象がロリでも吸血鬼にロクな奴はいない?:2007/12/29(土) 00:55:19 ID:wYaLsbRU0
「さて、まずは支給品のチェックから…ッ!!ハハハハハハハハ!主催者も
粋な計らいをしてくれる!吸血鬼にこの武器を渡すとは!!」

それは一目見ただけでは武器には見えない。なぜなら…それは巨大な十字架にしか見えないからだ。
しかし彼女がそれの正体を知っていたのは吸血鬼の能力である第三の目、ではなく、
ヤンキンアワーズの先輩で、大活躍したある武器にそっくりだったから…そう、パニッシャーである。

「吸血鬼に十字架…なかなかしゃれた組み合わせではないか。しかしどうせ使うならこう使ったほうが
より彼女…いやこの場では私らしい」
 
そういうとマダオはパニッシャーの底、機関銃の方を掴む。いや、手の大きさからいって摘む
といった方が正確か。しかしそこはアーカードのボディ、全く落としてしまう気配はない。
そうしてパニッシャーを振り回すとまるで鉄鎚、ウォーハンマーのごとく。そして十字架は
吸血鬼に相応しい逆十字と化す。

「さて、私のすべきこと…やはり、この体だからマーダーとして闘争を楽しむべきか?
しかし…その答えに反逆する!!なぜなら私は漫画ロワの書き手だからだ!
アミバを熱血対主催にした漫画ロワ!るるるでも覚悟完了しお美事な最後を飾った漫画ロワ!
ならば仲間と協力し、友情、努力、勝利を目指すアーカードがいてもいいではないか!!
見ているがいい読み手!!漫画ロワの底力を!!」

そういってマダオは歩き始める。仲間を求めて。
しかし彼は知らない。すでに自ロワから四人ものマーダーが出ていること。
そしてなにより、

「旦那が対主催? 信 じ ら れ る か ボ ケ 」

こう言われてしまう確率の方が圧倒的に高いであろうことを……

892第一印象がロリでも吸血鬼にロクな奴はいない?:2007/12/29(土) 00:55:40 ID:wYaLsbRU0
【ミスターマダオ@漫画ロワ】
【状態】健康、強い決意
【装備】パニッシャー(機関銃:残り弾数100%、ロケットランチャー:残り10発)
【道具】なし
【所持品】支給品一式、確認済みアイテム1〜2
【思考・行動】
基本:殺し合いには乗らないが、マーダーは犬の餌
1.友情!仲間を探すぞ!
2.努力!首輪をどうにかするぞ!
3.勝利!見てろよ主催!

※アーカード(ロリ状態)の姿をしています。身体能力も同様です。

8931クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 00:58:12 ID:GWL07cas0
なんだこの投下ラッシュはww

8941クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 01:00:15 ID:LLw1NkXc0
幸先良く一人撃退したエースは自らの支給品を再度確認する。
拳が巨大化する核金「ピーキーガリバー」
そして、スタンドディスク「マジシャンズレッド」
この組み合わせは防御に難が残るが、それでも大当たりに属するだろう。
そして、たった今倒したボイドの持ち物、対化物用拳銃ジャッカル。
本来これは人類に扱えるようなシロモノではないのだが、彼の熱き血潮がそれを可能にする。
恐らくボイドも同じ理由でこの拳銃を扱えたに違い無い。奴に出来て俺に出来ない事があろうか。
これだけ揃っていて、負ける要素など何処にも無い。
だが、僅かな油断が死を招く事も重々承知している。
油断無く、人目を避けるように道無き道を行く。
そこに、何処からか軽快な音楽が聞こえてくる。
(何処の間抜けだ? それともこちらを誘う罠?)
いずれにしてもその目で確認しない事には始らない。
慎重に、周囲に気を配りながらその音の元へと近づくエース。

その男は、とても特徴的な頭部をしていた。
エースはその男に心当たりがあったので、遠間から声をかける。
「おい、あんたもしかしてメリーゴーランドオルセンか?」
同じ漫画ロワに、そう呼ばれる男が居たと思う。
向こうもエースに気付いたのか、何やら話しかけてきている。
「すみませーん! 良く聞こえないです! 私はメリーゴーランドオルセン! どうか一緒にここから脱出するべく協力しませんかー!」
何やら大声をあげているようだが、全く聞こえない。
何故か?
それは、その男の頭の上にある半径数メートルはある巨大なメリーゴーランドの音が騒々しすぎるからだ。
電飾はピカピカと輝き、馬や馬車が上下に揺れながらぐるぐると回っている。
つか嘗めんな。お前の体よりメリーゴーランドの方が遙かにデカイじゃねーか。首折れるだろ絶対それ。
その男は更に何か言ってくる。
「私何としてもカミさんの所に帰らないといけないんですよ! ですから、一緒に頑張って戦いましょう! 私ちょっとだけ目立ちますけど、何、拡声器に比べれば可愛いものです!」
やはり何を言っているのかわからない。頼むから会話する気ならBGMの音量下げろ。
奴は両手を挙げてこちらに振ってみせている。
もうどうでも良くなったエースは、ぼそっと呟いた。
「……武装錬金」
その両腕に機械の塊が装着される。
腰を落とし、右腕を大きく後ろに引く。
「マジシャンズレッド!!」
更にその背後から炎を纏った鳥の頭部を持つ人間が現れる。

「いい加減頭ネタから離れやがれ! 火拳ッッッッ!!」

振りぬいた拳は巨大化しながら炎を纏い、一撃でメリーゴーランドごとオルセンを跳ね飛ばし、燃やし尽くした。
最早振り返る事すらせずその場を立ち去るエース。
「ウチのロワにゃまともな奴ぁ居ないのか……」


【メリーゴーランドオルセン@漫画ロワ】死亡

【エース@漫画ロワ】
【装備:不明】ピーキーガリバー マジシャンズレッドのスタンドディスク ジャッカル
【所持品:支給品一式×2】
【状態:健康】
【思考・行動】
基本行動方針:最強のストライカーと成る為、何者だろうとブチのめす!
1:どいつもこいつも俺のこの手で叩き潰してやる!

895第一印象がロリでも吸血鬼にロクな奴はいない?:2007/12/29(土) 01:00:44 ID:wYaLsbRU0
パニッシャー、というかアワーズ出展の銃は大抵コスモガンなんで
銃弾の表記はあんな感じにしました。

8961クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 01:02:45 ID:LLw1NkXc0
おっと、タイトルがねえ。『炎の男』って事でよろしく

897拡声器の呪い? 何だそりゃ、喰えんのか?:2007/12/29(土) 01:02:46 ID:Ft1V5oa20

 衝撃のネコミミストは走っていた。
 額にはおびただしい量の汗。しかし、彼女は足を止めない。
 後ろから、狂気が追いかけてくるから。
 その狂気とは何のことなのか。それを知るには、少し時を遡る必要がある……

 ◇ ◇ ◇

 この地に呼び出された衝撃のネコミミストは、支給品を確認して意気消沈していた。
 最初に出会ったのは少女だった。
 眼鏡をかけていて、背は低めで制服を着た少女だ。
 どう見ても見た目は普通の少女だったのに……衝撃のネコミミストが話しかけた瞬間、彼女は豹変した。
 声が少しハルヒに似てるなぁとか思う間もなく、まくし立ててきたのだ。

「良い月だと思わないか? ◆10fcvoEbko氏……いや、衝撃のネコミミスト。
こんな良い月の日に殺し合いをしろと命じるなど、主催者は分かっているとは思わないか?
さあ闘争を始めよう、フリークス! さあ、支給品を確認しろ! まだか!?
HURRY! HURRY! HURRY! HURRY! HURRY! HURRY! HURRY!」

 こいつは、ヤバイ。
 直感的にそう思った衝撃のネコミミストは、眼鏡の少女に背を向けて走り出した。
 その行動を見た眼鏡の少女――地球破壊爆弾No.V-7の口はニィと弧を描き、言葉を漏らした。

「追いかけっこか! 面白い! 逃げ切れるとでも思っているのか? 衝撃のネコミミスト!」

 ◇ ◇ ◇

「あっ!」

 足元を見ないで走っていたのがたたり、衝撃のネコミミストが軽い段差に足を取られてしまう。
 そのまま走っていたときの勢いで、地に伏してしまう。
 すぐに立ち上がろうとするが、目の前にある2つの紅い目を見て、足が竦んでしまう。
 その目の持ち主である地球破壊爆弾No.V-7が、嘲笑うように衝撃のネコミミストを見下ろす。

8981クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 01:02:58 ID:KV7UOPdU0
確かにそんなの信じられねえwwww

899拡声器の呪い? 何だそりゃ、喰えんのか?:2007/12/29(土) 01:03:14 ID:Ft1V5oa20

「どうした? 追いかけっこは、もう終わりか?」
「ひィ!?」

 地球破壊爆弾No.V-7の声を聞いた衝撃のネコミミストが、驚愕の声をあげる。
 先ほど聞いた少女のような声とは違い、低い男性のような声になっていたのだ。

「声が変わったのが不思議か? クハハッ、声などこの私にとって至極無意味なものだ。――ん?」

 地球破壊爆弾No.V-7が、衝撃のネコミミストが支給品であろう拡声器を口に宛がっているのを見て、怪訝な声を上げた後、笑い出す。

「HAHAHA! フリークス! 気でも触れたのか?
普通の人間ならともかく、パロロワを知り尽くしている書き手たちが、拡声器の呼びかけになど応じるとでも思っているのか?」
「誰か! マーダーに襲われてるの! 助けて!」
「無駄だ。『詰み』(チェック・メイト)だ」

 衝撃のネコミミストが拡声器で助けを呼んだのを、『無駄』の一言で一蹴し、手刀を振り下ろそうとした瞬間――

「零式積極重直突撃!!」

 地球破壊爆弾No.V-7の脇腹に強烈な拳を浴びせられ、放たれた矢のような凄まじいスピードで吹き飛ばされた。
 その拳を放った男が、状況を理解しきれていない衝撃のネコミミストに声をかける。

「近くにいたにもかかわらず、拡声器による呼びかけを聞くまで気づけなかった――すまない。君の名は?」
「えっ? 名簿には衝撃のネコミミストと……。あなたの名前は?」
「俺の名前は、体はスクライドで出来ている。……スクライドキャラは書いていないんだがな」

 衝撃のネコミミストと体はスクライドで出来ているが、互いの名を知り合ったとき。
 地球破壊爆弾No.V-7が吹き飛ばされた方向から、パンパンと手を叩く音が響き渡る。

「素晴らしいぞ、ヒューマン。私に気づかれずに迫り、拳を叩き込むとは……
しかし、何故わざわざ拡声器が使用された場所に近づいてきた? マーダーが集まる可能性が高いというのに」
「笑止! この児戯に乗った者がここに集うというのなら、当方にその全てを迎撃する用意あり!」

 体はスクライドで出来ているは、衝撃のネコミミストを庇うように彼女の前に立つと、拳を握り締めて咆哮する。

「覚悟完了!!」

9001クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 01:03:30 ID:Ft1V5oa20


【森の中/開始数十分ほど】
【地球破壊爆弾No.V-7@アニ1st】
【装備】無し
【所持品】支給品一式(本人確認済み)
【状態】健康
【思考・行動】
基本:闘争を愉しむ。
1:目の前の男(体はスクライドで出来ている)との闘争を愉しむ。
2:目の前の少女(衝撃のネコミミスト)とも闘争を愉しむ。
※見た目は長門で中身はアーカード。CVは平野綾で台詞はクーガー。


【衝撃のネコミミスト@アニ2nd】
【装備】拡声器
【所持品】支給品一式
【状態】疲労中
【思考・行動】
基本:殺し合いに乗るつもりは無い。
1:体はスクライドで出来ていると一緒に行動したい。


【体はスクライドで出来ている@漫画ロワ】
【装備】無し
【所持品】支給品一式(本人確認済み)
【状態】健康
【思考・行動】
基本:我が身は牙を持たぬ人の剣なり
1:目の前の悪鬼(地球破壊爆弾No.V-7)を倒す。
2:衝撃のネコミミストを守る。
3:名簿にはああ書いてるけど、俺はスクライドキャラを書いていない。
※零式防衛術が使えます。

9011クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 01:05:21 ID:KV7UOPdU0
ああっ、ネコミミスト被ったあああああああああorz
GJだこの野郎ちくしょううううう!!

9021クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 01:06:35 ID:1q5ksE.I0
>>888
盛大に吹いたw

9031クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 01:07:09 ID:SBeiM/zwC
ロリ旦那が対主催w
扱いにくいが、漫画ロワらしくていいwww
それにしても、エースの引きが良すぎる。
ジャッカル、核鉄、スタンドてwww
拡声器で来るのが、スクライドな辺りも漫画ロワだなぁw

9041クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 01:08:36 ID:Z8YMhNSc0
>体はスクライドで出来ている

改めて思ったが、名前が呼びづらいなw

9051クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 01:09:10 ID:lB7GjQ4E0
くそ、感想が追いつかん!w
>>901
没・ネタ!没・ネタ!

9061クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 01:11:13 ID:Ft1V5oa20
>>899
×零式積極重直突撃
○零式積極直突撃

ミスミス

9071クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 01:12:18 ID:Bosxcsfs0
取り敢えず登場人物まとめ
対主催
お姉さま、地味子、フリクリ署長、康一君、影の繋ぎ師、ミスターマダオ、衝撃のネコミミスト、体はスクライドで出来ている
マーダー
エース、ダイナマイトアンデッド、蘇った現代の熱血怪人、エロ師匠、まとめキング、仮面ライダー書き手
地球破壊爆弾No.V-7
立場不明
あばれ鉄槌、温泉少女、ギャグ将軍、コロンビーヌ、シルベストリ、転、ブリリアント・ダイナマイト・ネオン
速筆魔王LX、◆Zp1p5F0JNw、

908 ◆L9juq0uMuo:2007/12/29(土) 01:14:06 ID:SlJFuPgQ0
鬱蒼と茂る森を一人の少女が走る。
緑のチャイナ服に身を包んだ女性、通称お姉さまは、信じられないと言った顔をしている。

「AAAAAAAAAAAAAAAAmmmmmmeeeeeeeeeennnnnnnッッッ!」

咆哮を上げながら襲い掛かるは法衣を身に纏った男、現代に甦った熱血怪人、通称怪人。

「冗談じゃ無いわよ! あんな化け物の相手を私にしろっていうの!? あんなのは超人だらけの漫画ロワやアニメロワの奴等が相手をするべきじゃないの!?」

二人の出会いは突然だった。互いに目的も無く彷徨っているいる所、偶然鉢合わせした。
目を合わせるやいなや、怪人は二本のバヨネットを振り回す。
それを間一髪でよけたお姉さまが隙を見て青龍偃月刀で胴は薙ぐ。
寸断とはいかずとも確かな手応えを感じたお姉様だが、彼女はその時、怪人が笑っているの見逃さなかった。
悪寒に襲われ数歩下がると目の前をバヨネットが通過した。
目の前には腹部の裂傷など気にも留めず、舌打ちをする怪人の姿。
そして彼女は目を疑った。怪人の腹部の傷、彼女の与えた傷が段々と修復していく。
にぃ、と笑った怪人を相手に今の自分では殺しきれない事を悟るとお姉様は即座に逃走を開始した。
そして現在に至る。
まだ捕らえられてはいない物の、その距離は確実に縮まっていく。
焦りを募らせる彼女に絶望が襲い掛かる。
夢中で逃げた先に広がる奈落。彼女はよりにもよって崖の方へと逃げてきてしまったのである。

「嘘……、こんな事って……」

ついていないってレベルじゃない、そんな事を考えていると、ジャリ、という音が背後から聞こえた。

「悪いな、だが俺はこんな所で終わる気はないんだ」

そう言うと怪人は手に持ったバヨネットを振り上げた。
お姉さまの脳裏に今までの人生が、ギャルゲロワでの書き手の日々が浮かんでは消えていく

(皆、ごめんね)
「Amen」

その一言と同時にバヨネットが振り下ろされ、恐怖によりお姉さまは目を瞑った。
その時、ビスッという音と共に怪人の足元の地面が爆ぜた。

「ぬ!!」

何事かと、怪人が振り返る。
森の暗がりから穴のあいた人差し指が姿を覗かせていた。

「!!」

悪寒を感じた怪人が右へと飛びのく。彼の法衣に小口径の穴が開いた。

「圧縮された空気弾、それにその手……! あんた、まさか……」

暗がりにいる人物に心当たりがあるのか、怪人が吼える。

「まったく、訳のわからんとこに飛ばされて、殺し合えって言われて、人が死んで、気がついたら自動人形になってて……。
何がどうなってるのかわからん!」

心底不機嫌だと言った様子で愚痴を吐きながら、暗闇にいた人物が姿を現す。
西欧の舞台劇からそのまま持ってきたような衣装を纏った青年がそこにいた。

「だが、今目の前で女の子が襲われそうになってるのを見捨てたら、書き手、いや、男じゃあないよなぁ」

不敵な笑顔を浮かべながら彼は五本の指それぞれと手のひらに穴が開いた手を怪人へと向けた。

「漫画ロワ最古の四人、パンタローネさんか」
「そういうあんたは怪人さんかい? まさか同郷のマーダーと出会うとは思わなかったよ」

909 ◆L9juq0uMuo:2007/12/29(土) 01:15:21 ID:SlJFuPgQ0

月明かりの元、二人の漫画ロワ書き手が対峙する。

「あんたが相手でも容赦はしない、俺は何人殺そうと生きて帰る。必ずだ」
「心変わりする気は?」
「無い!」

改めてバヨネットを構える怪人に対して、パンタローネは悲しげに瞳を伏せた。

「そうか、なら」

パンタローネの目が開く、その目には決意の光を宿している。

「容赦はしない」

パンタローネの右手から圧縮された空気弾が無数に放たれる、目に見えぬ弾丸の雨を相手に心臓と頭だけを守りながらパンタローネに疾走、肉薄する。

「取った!」

バヨネットを勢いまかせにパンタローネの胴体に突きたてる。
いや、後少しで突きたてられた。

「俺の深緑の手はもう一本あるぞ」

左手から発せられた無数の空気弾が怪人の体を撃ち抜いた。
怪人は後方へと吹き飛んだ。

「ゴッ……ガハッ……!」
「こいつで終わりだ」

血を吐く怪人に対し、パンタローネは無慈悲に言い放つ。
その一言と共に左手で攻撃をしている最中、空気を充填していた右手から空気弾が発射
……されなかった。

「あら?」

そこでパンタローネは右手の空気残量が空気弾一発を撃つレベルまでも充填できていない事に気づいた。
そして、それを好機と見た怪人はボロボロの体で跳躍した。

「あ! 待て!」

しかし、怪人は既に夜の闇の中鬱蒼と茂る森の中へと消えていった。

【森】
【お姉さま@ギャルゲロワ】
【装備:青龍偃月刀、チャイナ服】
【所持品:支給品一式、支給品一式(他ランダムアイテム不明)】
【状態:疲労中】
【思考・行動】
基本行動方針:殺し合いに乗ってる人間を止め全員での脱出
1:取り敢えず目の前の書き手とコンタクト。
2:戦う覚悟。

【パンタローネ@漫画ロワ】
【装備:無し】
【所持品:支給品一式、支給品一式(ランダムアイテム不明)】
【状態:健康、自動人形】
【思考・行動】
基本行動方針:殺し合いには乗らない、乗った人間には容赦しない
1:取り敢えず目の前の女の子とコンタクト
2:助けられる人はなるべく助ける。

※パンタローネの服を着ていますが顔は若いです。
※深緑の手の空気供給率が低下しています。
※深緑の手:手の平の穴から空気を吸収し、指から圧縮された空気で攻撃する技。原作では片手撃ち尽す→もう片手で撃ちながら、撃ちつくした手は空気供給で弾切れの心配が無かったりする。

【蘇った現代の熱血怪人@漫画ロワ】
【装備:バヨネット×2】
【所持品:支給品一式】
【状態:全身に無数の穴、自己回復中】
【思考・行動】
1:優勝して帰る。迷いは無い
2:とりあえず傷を癒す

※イスカリオテの制服@ヘルシングに身を包んでいます。顔や髪型までアンデルセンではありません

9101クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 01:16:46 ID:SlJFuPgQ0
うぎゃああああああ鳥消し忘れた!!!!
死にたい……

9111クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 01:17:28 ID:Ft1V5oa20
ちょwwパンタローネ氏本人じゃねえかwww

9121クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 01:18:11 ID:rwg2771g0
ワザとじゃねえのかよw 俺も後に続きやすくはなったけどもw

9131クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 01:18:14 ID:4TEjB8MQ0
本人吹いたwwww
いいぞ、もっとやれwwww

9141クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 01:19:40 ID:W12oU5oU0
>>910
大丈夫だ…!俺みたいなしょぼい書き手も自分で自分で書いたから…!

狂気の沙汰ほど面白い…!

9151クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 01:19:42 ID:o6feMCz.0
森の中を行く男が一人。
彼の名は欝のエル。
ライダーロワ随一の欝書き手である。
彼は冷静に今自分がが置かれた状況を判断していた。

「まさか参加させられることになるとは、な。
 色々な展開を書いてきたつもりだがこんな展開は予想してなかったぜ……」

だが参加させられたからといってムザムザ死ぬつもりはない。
まだ自分は若い。人生半ばで死ぬつもりなど何一つないのだ。
なんとしても主催者を妥当し、現実に帰還する。そんな決意を胸にする。
たとえ二つ名の通り化け物になったとしても――

「……ってエル違いじゃボケェェェェェ!!」

そう、今の彼の姿は妙な猫背に白いロングTシャツ。
某人気漫画の人気キャラ『L』にそっくりな姿になってしまっていたのだ!

「つうかコレじゃ漫画ロワじゃないか!(※漫画ロワにもいません)
 俺はライダーロワの書き手だっつううの!」

さっきまでの冷静沈着な彼はそこにはいなかった。
フルスロットルで一人突っ込みを繰り返す青年がいるだけである。
というか欝なのは作品だけで彼は欝でも何でもない。
さっきまでの冷静沈着さも混乱がいい方向に進んでいただけである。
彼自身は健全な精神を持ち合わせた常識人であった。意外なことに。

「と、とりあえず名簿の確認はロワの常識だって橘さんも言ってたし(※言ってません)見てみるか」

動揺を抑えつつ名簿を見渡し……そして絶望する。

9161クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 01:19:43 ID:9Z3YeNPY0
>>910
その生き様、刻んだ!!

うむ、怪人だwwまさしくw

9171クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 01:20:20 ID:o6feMCz.0
「だ、誰ともお近づきになりたくねぇー!!」

名簿を見渡せばわらわらと出てくる怪しげな名前の数々。
っていうか何だよ『マスク・ザ・ドS』とか『地球破壊爆弾』とか。
“派手好き地獄紳士『666』”には地獄を見せられそうだし、『クールなロリスキー』なんて別の意味で会いたくもない。
おいおい『ステルス鬼畜』とか俺が一番恐ろしさわかっとるっちゅうねん!
とか一人でテンションを上げつつ、息をつく。

「うう……せめてトリップが乗ってれば同じロワの人の傾向と対策を練れるんだが……
 とりあえず確実に同じ書き手の“仮面ライダー書き手”さんを探すか……」

この人は出来れば熱血書き手でありますように――そんなことを考えながら一人とぼとぼと歩を進める欝のエル。

だが、そんな彼を背後から見つめる一人の少女がいた。
一見小学生のようにも見えるロリボディ。
ただいまアニロワ2ndで囚われのお姫様中の病弱少女にそっくり――ただし髪の毛は緑色だったが――な少女。
彼女の名はアニロワ2nd十傑集が一人『素晴らしきフラグビルド』であった。

彼女の思考回路を占めているのは発見した獲物をどう料理するか――それ以外にない。
外見のモデルとなったキャラとは正反対の邪悪な思考が彼女の全てであった。
彼女の最優先命題、それは――

(やっぱりここはベタに命辛々逃げてきたって感じがいいのかな?
 それともうっかり寝てて発見されるっていうほのぼの系がいいのかな?
 ううん、いきなり空から降ってくるってのも今時逆に新鮮かもしれない!)

フラグ立て(ビルド)。そう、二つ名の通り彼女はフラグを立てることに全力をかける。
彼女は追跡を続行しながら出会い頭のフラグを考え始める。
すでにその数64通り。そしてその数は増えていく。
加速度的に。そして、狂的なまでに――

【森の中・川の傍】
【欝のエル@ライダーロワ】
【装備】無し
【所持品】支給品一式(本人確認済み)
【状態】健康
【思考・行動】:元の世界に返りたい
1、“仮面ライダー書き手”を探す。
2、主催者を倒して、もとの世界に帰りたいなぁ……
※見た目は何故かデスノートのLです。


【素晴らしきフラグビルド@アニ2nd】
【装備】無し
【所持品】支給品一式(本人確認済み)
【状態】健康
【思考・行動】:フラグを立てて立てて立てまくる
1、目の前の青年(欝のエル)と素敵なフラグを立てる
※外見は小早川ゆたか@らき☆すた(ただし髪の色は緑色)です。

9181クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 01:21:22 ID:LLw1NkXc0
>>910
盛大に吹いたwwwwwwwwwwwwwwwwwww
あんた放送待ちだからって何してんのwwwwwwwwwwwwww

9191クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 01:21:46 ID:SlJFuPgQ0
ごめんよう、ごめんよう、出てなかったから自分で書いちゃえって調子乗っちゃったんだよう。
でも自分の性格はあんまいじってないんだよう……

9201クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 01:23:15 ID:Z8YMhNSc0
>>919
そのうっかり属性もロワ中で反映させるから無問題だw
むしろもっとやれw

9211クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 01:23:41 ID:Ft1V5oa20
>>919
おいしすぎですよww

9221クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 01:24:51 ID:rwg2771g0
今から外見トウカさんに変えられないかな?w

9231クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 01:25:14 ID:9Z3YeNPY0
>>917
乙だぜ。
リロード忘れごめんなさいorz
エル違い腹いてえww

9241クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 01:25:50 ID:wYaLsbRU0
L9氏としたことが…
こうですかわか(ry

9251クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 01:28:17 ID:Y4bCf5ac0
やはり自分で自分を書いた書き手がいたかwwww
他にも文体が本人とメチャクチャ似てるのが何人かいるんだよなw
怒らないから正直に名乗り出なさいwww

9261クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 01:28:44 ID:Ft1V5oa20
>>917
フラグビルド氏こええええwww
エル氏の「誰ともお近づきになりたくねー!!」が切実過ぎるww

9271クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 01:29:42 ID:lB7GjQ4E0
おいおいw他人が書いた自分を読んでるときの心臓ばくばく感は最高だぜ?ww
参加キャラの気持ちが良く分かる。

9281クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 01:30:35 ID:KV7UOPdU0
ほんと近づきたくない名前ばっかりだよw

>>905
元から短い序盤の話のそれほど書き上がってない段階だったから没ネタとしてもあんま意味無いw
というわけで気を取り直して改めて書くぜ。

9291クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 01:32:13 ID:LLw1NkXc0
すげー勢いで書いてるから、絶対俺はバレてないね、マジでマジで
…………バレテナイヨネ。恐い事言わんとってや。マジガクガクなんすから勘弁してください

9301クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 01:34:05 ID:SlJFuPgQ0
しかも題名忘れてた……orz
題名は「熱血怪人対自動人形〜特別ゲストお姉さま〜」で
え?漫画ロワで聞いた事がある?
……何の事だかわからないな

9311クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 01:34:13 ID:1q5ksE.I0
エル違いとかwww
頑張って考察しろw

9321クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 01:34:19 ID:W12oU5oU0
>>925
正直に先生申し訳ありませんorz
恐らく誰も書いてくれないと思って書いてしまいましたorz

お詫びとして数時間前、漫画本編を予約してきましたorz
これで勘弁してくださいorz

9331クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 01:36:15 ID:o6feMCz.0
あ、俺も題名忘れてた。
『常識人のなく頃に〜手違い編』でw

934全ては愛しの人の為に。:2007/12/29(土) 01:42:05 ID:Bosxcsfs0
「ロワか〜誰かに奉仕しようかな?」
汚れなき愛はまず名簿に目をやった。
自分はよくDC作品を書いているがまさか本当にロワに参加するとは思わなかった。
そしてここで望むは誰かに奉仕する事。
奉仕マーダーを書いてた自分だからこそ誰かに奉仕したかった。

「知り合いがいいけど……あ、お姉さまがいる……この人、純一をよく書いてたし……きっと純一にそっくりかも」
まず目に付いたのは自ロワのお姉さま。
この人もDCの純一を書いておりDCの事を好きだと汚れなき愛を感じていた。
そして今、自分の容姿にピッタリだと思ったから。
その容姿は
「まさかさくらとはね〜。嬉しいけど……よし決めた! 私、お姉様のために奉仕する!」
そう芳乃さくらそのものであった。
「ふふ……待っててね。お姉さま。私が守って貴方を優勝させるから!」
彼女はにんまり笑い、手には支給品のミニウージーを持って駆け出した。

だが彼女は知らない。
お姉さまは純一の性格には似てるが名の通りお姉さまの容姿にぴったりなのだから。


【汚れなき愛@ギャルゲロワ】
【装備:ミニウージー】
【所持品:支給品一式、支給品一式(ランダムアイテム不明)】
【状態:健康】
【思考・行動】
基本行動方針:お姉さまに奉仕
1:お姉さまに奉仕する
2:お姉さまと合流したい。
3:ああ、お姉さま。

9351クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 01:43:35 ID:Bosxcsfs0
ギャルゲロワを書いてる人があまり居ないのでかいてみた。
なんかお姉さまがもういろんな話に絡んでしまったw

9361クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 01:44:11 ID:Ft1V5oa20
>>934
>基本行動方針:お姉さまに奉仕
 1:お姉さまに奉仕する
 2:お姉さまと合流したい。
 3:ああ、お姉さま。

何だよ、これwwww

9371クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 01:44:43 ID:Z8YMhNSc0
ああもう自分の出番が気になって眠れないw

9381クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 01:49:08 ID:o6feMCz.0
お姉さま人気者過ぎるw

939嫌すぎるこった:2007/12/29(土) 01:52:55 ID:bJENIRzIO
「あああああああああああああああーーーーーーーーーーーーー」
 一人の女性――正しくは少女と女の中間は激しく錯乱していた。
「ないないないない無いッ! 無いッ!!」
 動きにあわせて、二つのスイカやメロンもかくやという魔乳も揺れる。
 それは普通の成人男子にとって天上界の光景だが、LSの変態紳士には便所のタンカスにも劣る地獄の光景だろう。
「ブッキーブッキーブッキーブッキーブッキーブッキーブッキーブッキー」
 鞄を激しく漁るが何も出てこない、と――、
「あれ?」
 手応えがあった。早速掴み出してみることにした。
 銀色に輝く体、一振りの大剣を思わせる流線型のフォルム、そう、それは、
「……ブリ?」
 ブリだった。
 
 ブリを片手に対主催、殺し合いの会場に降り立った婦警、その名も『焦ったドラえもん』!
「ぬわああああああああああああああ」
 頭に浮かんだイメージを一新する為にブリを振る。嫌だ、嫌すぎる映像だ……。
 
 
 気を取り直して……もう一度。
「ブッキーブッキーブッキーブッキーブッキー」
 ぬめり。何かを掴んだ。
 ……ぬめり?
 
 嫌な予想は案の定、それはぬめってテカテカして真っ赤茶色な……タコだった。
 右手にブリ、左手にタコ、この会場に降り立った美少女戦士……その名は『焦ったドラえもん』!
「ぬわああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
 両手に持った支給品と書いて海産物と呼ぶ代物を全力で投げ捨てる。
 常識外れの膂力にそれら二つは空の星となった。運が良ければ人に巡り会えるだろう。きっと。
 
「なにか普通のものなにか普通のものなにか普通のもの…………」
 ブツブツと呟きながらバッグを漁る。
 ごつり。なにか硬い感触だ。
 引き出して見るとそいつは――
「真っ黒だ……」
 ――重くて硬くて太い真っ黒な板切れだった。
「……って」
 異なる世界の自分――のモチーフキャラ、セラス・ヴィクトリア――が死亡寸前に使用していた、龍をも殺す黒き大剣……『ドラゴンころし』。
「普通のものって言ったでしょーがッ!!」
 それを、一切の慈悲無く空の彼方に投げ飛ばした。
 
「なにか普通のなにか普通のなにか普通のなにか普通のなにか普通のなにか普通のなにか普通のなにか普通の……」
 
 少女の、苦悩は続く。

9401クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 01:53:36 ID:Bosxcsfs0
いや、中国が好きだから何となく奉仕元にしてしまったw
中国は偉大だw

941嫌すぎるこった:2007/12/29(土) 01:53:46 ID:bJENIRzIO
【市街地】
【焦ったドラえもん@漫画ロワ】
【装備】無し
【道具】支給品一式
【状態】錯乱。強い疑心暗鬼
【思考・行動】
1.なにか普通のなにか普通のなにか普通のなにか普通の……
 
【備考】
・ブリとタコは温泉の方に飛んでいきました
・ドラゴンごろし@アニロワ1stは森の方に飛んでいきました

9421クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 02:04:14 ID:.63FrpPE0
そういえば、名簿作られた後に投下された紹介の人も書いていいのだろうか
サド紳士淑女ばかりのLSが4→8人になるんだぜ(1、2人穏健派が居るが)、マーダーに最適じゃないか
後ニコロワのカオス書き手も参加させてーw

9431クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 02:07:39 ID:1q5ksE.I0
ドラゴンころし投げ飛ばす力あるならそれ武器にしろよwww

9441クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 03:47:34 ID:51AVnnZMO
【とりあえずこれからは卑屈っぽく見えないように『過疎ロワ』のことを高貴っぽく『カソリーヌ』って呼ぼう←タイトル】


「……先を越されたか」
彼、◆MJv.H0/MJQは死体を前に呟いていた。
数分前に聞こえた拡声器ボイス。
実際の所どうかは分からないが、少なくとも◆MJv.H0/MJQは呼び掛けの主の真意をこう解釈していた。

――――HEY!俺のことをモアルッキング!

これは恐らく魂の叫び。
過疎ロワ住人の自分には分かる。
彼は恐らく最期にせめて目立ちたかったのだろう。
それならば黒幕を名乗るという不可解な行動も納得できる。

「……それにしても酷いことを」
なのに現実はどうだ?
彼は戦闘の模様を、最期の台詞を拡声器に乗せることが出来ないままに殺されてしまった。
“言葉”を発することすら許さないなど、最も許せぬ悪である。

(……ごめんなさい、君の意思は僕が継ぎます。だから、君の二番煎じをすることを許して下さい)
形見である拡声器を手に取る。
すぐに死んでは元も子もない。
出来るだけ長い間、かつ広範囲に己をアピール出来る位置から皆に呼び掛けをせねばならない。
そう、私と彼は黒幕グループだから私を倒しにここまで来いというパロロワ史上最高に目立つ嘘を。


「◆MJv.H0/MJQ!◆MJv.H0/MJQじゃないか!」
その声に振り返ると、そこには第一話を執筆した古参書き手・◆ZhOaCEIpb2氏がいた。
わりと無茶なバトンをさらりと返す頼りになる男だ。
モッサリしたリーゼントが歩く度に縦揺れしている。
「ふ……さすが我らがAAAロワ最速の男だ!俺達の内の誰よりも早く着くだなんてやるじゃないか」
その背中に背負われているのは◆wKs3a28q6Q氏。
最近姿が見えなかった古参書き手だ。
こんな状況でまで休暇を取らなくてもいいと思うんですが。
◆ZhOaCEIpb2氏も◆ZhOaCEIpb2氏で「おんぶ」なんて無茶な要求飲むんじゃありません。

9451クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 03:51:20 ID:51AVnnZMO
「……先輩。僕は拡声器を使って目立ってから死にたいと思っています。
 ですから、僕がこの後行う呼び掛けには応えなくて構いません。危ないですから」
それだけを告げ一礼をする。
すると、肩を掴まれた。
振り返るとそこには◆ZhOaCEIpb2氏の真顔があった。
「……俺達は、過疎ロワ書き手だ。目立とうとしてもろくなことがない。だから俺は目立ちたいと思ったことなどない。
 それでもお前は、過疎ロワの名を背負っているお前が、拡声器なんて人気アイテムを使うのか?」
「…………」
言わんとせんことはよくわかる。
確かに、過疎ロワが混ざっても惨めなだけかもしれない。
過疎ロワの自ロワ語りは宣伝臭のキツいウザいアピールなのかもしれない。
……だけど……
「僕は、書き手です。脚光を浴びなくていいなんて、そんなの嘘だ。
 本当は目立ちたい。光の中で生きていたい。もう白面の者みたいな妬むだけの人生は嫌なんです」
殴られることも覚悟して、そう言った。
この言葉に嘘はない。
最悪、袋叩きも覚悟していた。
……だが、自分より数話ばかり先輩の二人は、決して自分を咎めたりしなかった。
ただ、そうか、とだけ呟いた。



「……行かせていただきま「俺も行こう」
台詞の途中に割り込むな。
……じゃない。
今、この人はなんて……?
「お前の意見に全面賛成は出来ない……が、俺は同じロワの仲間であるお前の意思を尊重したい。お前がそうしたいなら、俺達も付き合うさ」
「俺も目立って死にたいしな!」
「先輩……」
二人は笑顔でそう言ってくれた。
それが嬉しくて駆け寄ったら◆ZhOaCEIpb2氏にぶん殴られた。
「……痛いんすけど……何かしましたか、僕」
「いや、さっき殴るタイミングを掴み損ねたからな。それよりさっさと移動をしよう。さっきのを聞いたマーダーがここに来て、派手な演説をする前に殺されたんじゃたまらんからな」



「残念だが、もう遅い」

9461クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 03:53:38 ID:51AVnnZMO
「「「――――――――!?」」」

三人同時に振り返る。
そこには一人の中年男性が佇んでいた。
「誰だお前は!?」
「ハンバーグラー!?」
「みんな、逃げるぞ!」
「……一人ずつ喋るんだな」
怪しいおっさんにつっこまれ、三人が同時に口を閉じてしまう。
これは不味い。
空気を読みあって誰も喋らなくなるパターンだ。
ここは切り込み隊長の僕が口を開かねば……!

「貴方の目的はなんですか……?」

僕の頬を汗が伝う。
背後で◆ZhOaCEIpb2氏が構えたのが気配で分かった。
ついでに◆ZhOaCEIpb2氏の背中の◆wKs3a28q6Q氏が鼻をかんだのも音で分かった。そろそろ休息モード解除しろお前は。

「己の目的はひとつ――漫画ロワ住人様に笑って頂くことよ!」

デブ中年がニタリと笑う。
それだけで分かった。
……俺達じゃ、束になってもかなわないと。

「……◆wKs3a28q6Q、◆MJv.H0/MJQ、やるぞ」
視界に◆ZhOaCEIpb2氏の背中が映る。
◆ZhOaCEIpb2氏は歩みを止めることなくデブ中年へと近付いていく。
「ふ……あれをやるのか。よかろう!いくぜ!」
急にテンションをあげ、◆ZhOaCEIpb2氏の背中から飛び下りる◆wKs3a28q6Q氏。
「◆MJv.H0/MJQ、拡声器をしまえ!」
◆ZhOaCEIpb2氏のこの言葉で、作戦の全てを理解した。
過疎ロワを初期から支えるもの同士が使えるテレパシーの様なものかもしれない。
(そうだ……バトル描写の◆ZhOaCEIpb2氏に心理描写の◆wKs3a28q6Q氏、そして最速エースの僕が揃えば!
 全員の生存は見込めなくとも、拡声器フラグは……“AAAロワの存在感”だけは残せるかもしれないっ!)
そういう習性だからか、呑気に◆wKs3a28q6Q氏が所定の位置につくまでデブ中年は黙って見守っていてくれた。
その傲慢さからくる油断が足元を掬うことを思い知らせてやるッ!
過疎ロワの意地を思い知れッ!

9471クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 03:58:24 ID:51AVnnZMO
「行くぞ、ミスターメタボリック! 我等“トライ三連星”の合体技を見るがいい!」
待て、初耳だぞその名称は。
ていうかやめませんか噛ませ臭がしますし。
『――行くぞ、◆MJv.H0/MJQ!』
◆ZhOaCEIpb2氏からのテレパシー。
ええい、この際名などどうでもいい!
最終的に――目立てばよかろうなのだぁーッ!
「「「チョット過疎りーむアタック!!」」」


説明しよう!
チョット過疎りーむアタックとは、AAAの象徴である三角をつくることで、三角形の内側に限り強力な嵐を起こすことが出来るのだ!

「……なるほど、面白い芸だ。だが、それがどうかしたのか?」
うっせーデブ。芸扱いしてんじゃねーよゲイ顔のくせに。
さすがにそろそろキレますぞオンドリャー。
「HAHAHA! 俺達の目的は目立つこと! すなわち“拡声器を持った者”がお前から逃げ切り無事長時間放送を果たすことだ!
 つまり……こうすることで1パーセントでも“勝率”をあげることだ!」
背中を降りた途端饒舌になった◆wKs3a28q6Q氏。
あんま喋るとまた休みたくなっちゃいますよ?

「へい!」「へい!」「ほー!」
三人同時に三角形内にデイパックを放り込む。
するとデイパックは嵐の中を高速で駆け回り――

「なるほど、さすがの己でもどれが拡声器とやらが入ったデイパックかはわからんな。面白い芸だ。読み手様がお笑い下さった時に名を教えておくくらいはしてやろう、貴様らの名は?」
「貴様に名乗る名なd「ピザの1号!」
おま……人がクールに決めようとしたのに……!
ていうかピザの自覚あるなら他人の背中で歩いてないで自力で歩けよ!
もうアンタにもつっこまないぞ!

>>1からの2号!」
えぇぇぇーーッ!?
ちょ、◆ZhOaCEIpb2氏も名乗っちゃうわけ?
ま、待って下さいよ、僕そんなの聞いてな……
え、ちょ、何よその期待の眼差しは……!

「あ……えと、◆MJv.H0/MJQ……です、はい」
はい滑ったー!うん殺せ!そら殺せ!
どうせ僕は自己紹介も出来ませんよぉ〜〜だ!
「ふん……貴様らの芸もそろそろ飽きたな」
このタイミングで言うんじゃねぇよテラピッツァ。
お前に比べたら◆wKs3a28q6Q氏がスリムに見えるっつーの。
死ね。蜂蜜盗みに入ったウサギん家の穴にはまって救出されずに餓死して死ね。

9481クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 04:04:47 ID:51AVnnZMO
「……散れッ!」
◆ZhOaCEIpb2氏が叫ぶと同時にデイパックが三角形から弾き出され三者の手に行き渡る。
拡声器はどれにあるのかこちらにもわからない。無論、奴にだって分からない。
これなら状態欄に記述されないし、拡声器の呪いは少しの間でも薄れてくれる。
あとは逃げるだけだ。
三人がバラバラの方向に。拡声器を持った者が逃げ切れることを願って。



【現在地:不明(中央付近のどこか)】

【◆MJv.H0/MJQ@AAAロワ】
【状態】地味に健康
【装備】ない
【所持品】不明
【思考・行動】
1・目立つ!
2・そのためにもテラピッツァなデブ中年から逃げ切って拡声器!
【備考】ルックスは地味な好青年風ですが、地味なため比較できるキャラがいません

>>1からの2号(◆ZhOaCEIpb2)@AAAロワ】
【状態】地味に健康
【装備】ない
【所持品】不明
【思考・行動】
1・目立つ!
2・そのためにもミスターメタボリックから逃げ切って拡声器!
【備考】ルックスはリーゼントなオールドヤンキー風ですが、顔が地味なため比較できるキャラがいません


【ピザの1号(◆wKs3a28q6Q)@AAAロワ】
【状態】地味に健康
【装備】ない
【所持品】不明
【思考・行動】
1・目立つ!
2・そのためにもハンバーグラーから逃げ切って拡声器!
【備考】ルックスは小太りな合コンとかで替歌歌って滑っちゃう青年風ですが、何となく地味なため比較できるキャラがいません

【共通備考】
三人は皆「ロワの中でAAA書き手が一人でも目立てば全員の勝利」という連帯感を持っています

9491クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 04:08:26 ID:51AVnnZMO
楽しそうに口許を歪め、ドットーレはバラバラに逃げる三人を眺める。
誰一人武器を持たぬせいで、超スピードは出すことが出来ない。
それでは“武器を持たぬから荒らしではない者”――つまりは“読み手様”に己の“芸”を見せることが出来なくなるからな。
要するに一人も逃がさずに殺すには無駄のない動きが要求されるわけだ。

「くく……なかなか楽しませてくれるではないか、過疎ロワども」
いや……奴らもそこそこはやるようだ。
少なくとも死に体というわけではない。
進路を妨害する小石くらいには成り得る存在だ。
ならば、もう少し敬意を込めて呼ぶべきだろう。
彼らを己ら盛況ロワに近い存在として、死ぬまでの数瞬だけ親しみを込めて呼んでやるとしよう。

――書き手は礼儀正しくしろよ。

これも、敬愛する読み手様の御命令のひとつである。


「今まとめて地獄に送ってやるぞ――過っちゃん!」
読み手様の笑顔のためだけに造られた狂気の自動執筆人形が、書き手ロワで漫画ロワ読み手を沸かせるために、今、始動した――!


【ドットーレ@漫画ロワ】
【状態】健康(ただしコレステロール値を除く)
【装備】刃物付きの帽子
【所持品】不明
【思考・行動】
1・読み手様に喜んで頂くために書き手ロワでも殺人という名の“芸”を見せる
2・AAAロワの書き手三人を早急に虐殺

9501クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 04:11:23 ID:lB7GjQ4E0
GJw寝ようとしてたのに笑いすぎて寝れなくなったじゃないかww

9511クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 05:05:27 ID:KV7UOPdU0
この弩阿呆共wwwwwwGJw

9521クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 05:18:37 ID:1q5ksE.I0
どうせならジェットストリームアタックじゃなくてデッドトライアングルにすりゃよかったのにw
いや、笑ったけどさw

9531クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 05:59:45 ID:T0ckiEAo0
過疎ロワの意地をここに見たw
面白すぎるwww

9541クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 06:04:55 ID:o6feMCz.0
なにこの面白い人たちw
恐るべし過疎ロワ書き手の意地w

9551クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 08:12:14 ID:spVPcKjs0
寝て起きたらエライことになってるなwww

9561クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 09:19:50 ID:LLw1NkXc0
だから漫画ロワ殺しに乗りすぎだっつーのwwwwwwwwwwww
そして良くやったAAAトリオ! なんつー時間に落としてやがんだよwwwwwwww

9571クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 09:37:58 ID:gR1///n.0
これがカソリーヌの意地ってヤツかwww
というか頑張りすぎだろwwwwww

しかし未だ全員出揃っていないのに
お姉さま、エース、ネコミミストはリレーされたなw
しかし密かに二人も殺したエースには笑ったwwwww

958渡る世間は鬼畜ばかり(1/6):2007/12/29(土) 09:54:45 ID://DE5sak0
「クク、面白い。素晴らしい、そして最高だ」
地球破壊爆弾No.V-7は夜闇の如き嗤い声を上げた。
その様は正に魔王、吸血鬼。
長門有希の姿をしたアーカード@CV平野綾……theクーガーだったもの。
この殺し合いに向かないと感じたのか、彼はクーガーの台詞を使わずにいた。
相対する男にとっては関係のない事だ。
葉隠覚悟の姿をしたスクライドの体は徒手空拳の構えで地球破壊爆弾に挑む。
地球破壊爆弾はにぃっと嗤い、言った。
「来い」
スクライドは答えた。
「応」
疾走する二人が、激突する。
「シィィィィィィィィィッ」
「零式積極重爆蹴!」
必殺の手刀と蹴りが交差した。
拳と拳が、脚と脚が、踏み込みと踏み込みが、全て真っ向から激突する。
一瞬の空白。そして併走。
互いの間に木という障害物が来た瞬間、地球破壊爆弾の手刀が木を粉砕する。
木は無数の礫となってスクライドに襲い掛かり、しかしそれを払おうともしない。
目に入らない事だけは判っていた。頬を掠め、眉を削ぎ、額を打ち、それだけの事。
「当方の拳は悪鬼を討つもの! 零式積極直突撃!!」
それどころか咆哮と共に突撃した。
必殺の拳が地球破壊爆弾の顔面に炸裂する。爆弾は、嗤った。
「なに!?」
地球破壊爆弾は一切の防御をかなぐり捨てて――否、端からしようともせずに、
必殺の打撃を迷わず受けてその反動を攻撃へと転用したのだ。
即ち力点である上半身に受けた衝撃を、支点である腰と軸足が伝達し、作用点である振り足にて解放する。
息を飲むスクライドは咄嗟に体を引いたが、一瞬のそのまた一瞬だけ遅かった。
その蹴り足はスクライドの顎を掠め打ち抜いた。
「ガ――ッ」
脳が震盪する。
全身が跳ね視界が揺れ感覚が浮き意識が断線し――
「終わりだ、ヒューマン」
地球破壊爆弾の手刀が弓矢の如く引き絞られる。
スクライドの体は動かず、その手刀は必殺の威力を持つ、逃れえぬ死神の手。
その必殺の槍が放たれんとした瞬間、そこに小さな人影が飛び込んでいた。
その影は一瞬の隙を突き二人の間に滑り込み、地球破壊爆弾の懐にまでその体を押し込める。
それは正しく一瞬の攻防。
衝撃のネコミミストの手が地球破壊爆弾の胸に当てられる。
地球破壊爆弾はその手から強い力を感じた。
「な、貴様……!」
「貫けええええぇっ!!」
放たれた衝撃は地球破壊爆弾の胸を貫き、風穴を開けていた。

     ♪ ♪ ♪

「大丈夫か!? 目を開けろ、あなたはこんな所で死んでいい書き手じゃない!
 体はスクライドで、心は弓兵で出来ているんだろう! ならお願いだ、目を開けて!」
「う…………」
呻き声を漏らし、スクライドは目を開けた。
パッと明るくなるネコミミストを見て、スクライドは言った
「……そんな大騒ぎするほどの怪我は、してないはずだろう」
「だけどあいつの蹴りを受けたじゃないか。あの攻撃を受けて生きているなんて信じられない」
「大げさだな、全く」
スクライドは体を跳ね上げ、起きあがる。少しよろめいた。
確かに強烈な一撃だったのは事実のようだ。
更にその前の格闘でも短い間に無数の傷を受けていた。だが、その程度でしかない。
彼の行動を妨げるものではない。

959渡る世間は鬼畜ばかり(2/6):2007/12/29(土) 09:55:56 ID://DE5sak0
「それより君の方が驚きだ。あんな技、どうして使わなかったんだ」
「し、仕方ないだろう。とても勝てる気がしなかったんだ。
 だって彼女は多分…………あの、地球破壊爆弾No.V-7なんだから」
少女の名は衝撃のネコミミストだ。衝撃波を使える事自体はそれほど驚きではない。
ネコミミストだから猫耳が生えているのだ、衝撃だから衝撃波を使ったってなんら不思議ではない。
幾ら理不尽だろうがそういう物だと納得できる。
だがそれなら何故追われているときに使わなかったのか。
理由は単純、勝ち目を感じられなかったからだ。
2ndの住人は誰よりも1stの力を知っている。偉大なる先駆者。圧倒的な凄み。
その中でも最凶最悪を誇ったあのアーカード互換であり、決戦を描いた地球破壊爆弾No.V-7。
その事に気付いた瞬間、ネコミミストは震え上がっていた。
ネコミミストには彼女に刃向かう勇気が、無かった。
「でも、君は俺を助けてくれたな」
「それはその……あなたは、私が怯えて呼んだから巻き込んでしまったんだ。
 そう思うとあなたが彼女に殺されそうになった時、自然に体が動いて……」
今でも体が震える。
信じられない。
幾ら衝撃波を使えると言ったって、あの地球破壊爆弾No.V-7を撃退できるなんて。
ネコミミストは恐る恐る足下の地球破壊爆弾No.V-7を見下ろして……。

「ならば仲良く殺してやろう、ヒューマン」
穴の空いていない胸を露わに、地球破壊爆弾No.V-7がにぃっと嗤った。
「ひっ……」
「馬鹿な……!」
二人が驚愕した瞬間、手刀が乱舞した。

   ♪ ♪ ♪

ネコミミストはざくりという音を“感じた”。
「ぁ……ぎぃきやあああ」
次の瞬間、両足から伝わる激痛に絶叫を上げて倒れた。
「貴様ぁっ!!」
怒りに吼えるスクライドの蹴りが地球破壊爆弾を蹴り飛ばす。
爆弾は宙を舞い、しっかりと足から着地する。
「…………クッ」
スクライドの腕と脇腹からも血が噴き出す。交差の瞬間にやられたのだ。
一方の地球破壊爆弾は悠々と殆ど無傷の姿を晒していた。
ネコミミストはその姿に恐怖した。
「そんな……ウソだ! どう……して……!?」
「幾ら私でも心臓を貫かれて生きているはずが無い、か?」
爆弾は嗤い、言った。
「だが支給品の効果が有ればどうだ?」
「支給品……!?」
「ああそうだ、このようなな」
地球破壊爆弾は懐から取りだした奇妙な人形を、投げ捨てた。
藁人形にもどことなく似た簡素な人形の胴体には、風穴が空いていた。
それはネコミミストの衝撃波が貫いたはずの場所。
ゲーム・テイルズシリーズに登場する身代わり人形・リバースドール。
たった一度だけ致命傷を完全に無効化する、絶大なる切り札。
「貴様等の札では鬼札を破るには役が足りんな」
「くそ……!」
スクライドは歯噛みし、ネコミミストを庇い前に立つ。
「だ、ダメだ逃げろ! さっきだってあれじゃ、怪我をしていて勝てる筈がない!」
「そうしたら君が逃げられない!」
ネコミミストは足を負傷した。その足で逃げ切る事なんて出来はしない。
だが戦って勝てるか?
(ダメだ、強すぎる……!)

960渡る世間は鬼畜ばかり(3/6):2007/12/29(土) 09:56:41 ID://DE5sak0
ネコミミストは再び爆弾の威圧感に呑まれていた。
再び衝撃波で心臓を吹っ飛ばせば確かに勝てるはずだ。しかしもう不意打ちは通用しない。
その上、ネコミミストは足を怪我して機動力を失ってしまった。
万全の状態でも一対一では勝てる気がしなかった。スクライドが居てもこれでは勝ち目が見えない。
「二人が無理なら、せめてあなただけでも……!」
「断る! 我が身は牙持たぬ者の剣也! だから……」
スクライドは一度だけ、ネコミミストを振り返った。
「……だから、君だけは護ってみせる」
「スクライド!!」
ネコミミストの声を背に、スクライドは再び地球破壊爆弾へと向き直る。
そして構えた。体を低くした突撃の構えで。
「ほう、面白い。どうするつもりだ? ヒューマン」
「こうするんだ!」
そしてスクライドは突進した。
駆けて、駆けて、加速して、地球破壊爆弾へと突撃する。
「この期に及んで無策の突撃か!」
爆弾の貫手が放たれ、狙い過たずスクライドへと突き刺さる。
「スクライド!」
ネコミミストの悲鳴。だがスクライドは、止まらなかった。
「うおおおおおおおおおおおおおぉっ!!」
そのまま長門の形をした小柄な地球破壊爆弾を抱え込み、走った。
腕で胴を貫かれたまま疾走した。
「なに……!?」
「これで……終わり、だ!!」
わずか十数m。それだけで、地形が変わっていた。
これまで戦っていた森はそこで途切れていたのだ。
そしてその向こうは、地面までもが途切れていた。
「なんだと!」
遥か下に流れるのは川。
二人は奈落の底へと吸い込まれていく。
深い遠くから、水飛沫の音が響きわたった。
「あ……ああ…………わああああああああああああああああぁっ」
ネコミミストの悲鳴は、闇に溶けた。

   ♪ ♪ ♪

961渡る世間は鬼畜ばかり(4/6):2007/12/29(土) 09:57:22 ID://DE5sak0
どれだけ茫然としていただろう。短い時間のはずだったが。
ネコミミストは何時しか、全身を気怠さと寒気が包んでいる事に気が付いた。
(ぁ……そうだ、止血しないと……生きないと……)
両足をざっくり深くと切り裂かれているのだ。血を止めないと命に関わる。
だけどどうする。道具は無い。
(まず布が無いと……ワンピースを破るしか…………)
のろのろと動く腕は芋虫のように遅かった。既に殆ど力が入らない。
このままでは応急処置の体力すら残っているかどうか。
(そんな……こんな所で死んだら、スクライドのした事が……)
「どうやらお困りらしいな」
「誰……!?」
気怠い体を振るって声の方を見ると、そこには1人の少年が立っていた。
紳士が着るような燕尾服を身につけた少年だ。その鼻には丸眼鏡が乗っている。
「怯えなくても良い。私はキミの味方だとも」
一つ訂正する。少年のようだが、少女だった。
ネコミミストよりはほんの少し年上の、幼い少女。
胸の膨らみこそ無いものの、体の各部が微妙な柔らかみを帯びている。
そもそも三つ編みに纏められているその髪は女性特有のボリュームで腰まで有るようだった。
「味方って……どうして……」
「ふむ、話せば長くなるが……」
少年のような少女はびしりとネコミミストを指差した。
「君が少女だからだ。以上」
なんと出鱈目な理由か。だがそれだけで直感した。
「そうか……あなたはLSの書き手なのか……」
「その通りだ。まあ飲みたまえ」
彼女はネコミミストに一本の瓶を差し出していた。
中で液体がゆらゆらと揺れる。ネコミミストはゆっくりと口を開き、中の液体を飲み干して。
一発で全快した。

「こ、これって一体……」
「なに、驚くことはない。回復という面で支給品は全く遠慮しないのだから。
 といってもその足が消し飛んでいたら治らなかったし、数も無いがね」
燕尾服の少女は空っぽになったエリクシールの瓶を投げ捨てた。
そしてそっとネコミミスト頭に手を乗せて、優しく抱き締めた。
「わっぷ、な、なにを……!」
動揺するネコミミストに、優しい言葉が掛けられた。
「私は君の力になりたいんだ。ここで何があったか話して貰えるかな?」
「………………」
ネコミミストはこくりと頷いた。そして目に涙を湛えて、言った。
「私のせいで、体はスクライドで出来た書き手が死んでしまったんだ。
 地球破壊爆弾No.V-7を道連れに……そこの崖から落ちてしまったんだ」

   ♪ ♪ ♪

962渡る世間は鬼畜ばかり(5/6):2007/12/29(土) 09:57:52 ID://DE5sak0
「く……フ、クハハ、やってくれたなヒューマン……!」
下流の川岸。
地球破壊爆弾は岸辺で粗い息を吐き、消耗した体を休めていた。
いや正直な所、消耗したという程度ではなかった。
吸血鬼は渡り水を渡れない。それを急流の中に叩き落としたのだ。
本来なら全身が溶解しかかる程の大ダメージだった。
「貴様の血がなければ滅んでいたかもしれんなあ」
そのダメージを凌ぐために揉み合いながら血を吸い尽くした遺体を降ろす。
その死体は川を流れてきたというのにミイラ化していた。
体はスクライドで出来ている。心は弓兵で、萌えはゼロ魔。
その瞳は最後まで地球破壊爆弾No.V-7を睨み付けていた。
「貴様との闘争はなかなかに楽しかったぞ。だが、私は浪漫を追求するつもりはない」
そこが彼女とアーカードの微妙な違い。地球破壊爆弾はスクライドを嘲笑う。
その腕が引き絞るように振り上げられた。
「ではな、スクライド。私の糧として砕け散れ」
振り下ろした地球破壊爆弾の拳は、乾燥しきったスクライドの胸部を打ち貫く。
そこから無数のヒビが全身へと広がったかと思うと、彼の死体は粉々に砕け散ってしまった。
地球破壊爆弾は酷薄な笑みと共にそれを見下ろして……ふと、呟いた。
「しかし……何者だ? あの闘争の最中、一瞬だけ感じた気配は」

   ♪ ♪ ♪

「そうか。辛かったのだろうな」
「そんな事……全ては私のせいなのだ。私が助けを呼ばなければ良かった。
 私がもっと勇敢だったら何か違ったかも知れない。
 私が地球破壊爆弾の切り札に気付いていれば確実に何か違ったはずなんだ」
「かもしれない。だけど彼は、こうやって君が立ち止まる事を望むだろうか?」
衝撃のネコミミストは沈黙した。
判っている、そんなわけは無い。彼に報いる術は前に進むことだ。
それは判っているのだ。
「それなら進むしかない。君に出来るのは道を過たずに生きることしかないのだから。
 死ねばそこで終わってしまうのだから」
「…………判って……いる……っ」
ただとても悲しくて、切なくて、涙が止まらないだけで。
助けてくれた人が。巻き込んでしまった人が。自分の無力で死んでいったその事が。
悔しくて、苦しくて、辛いだけで。
「でも……もうしばらくは、こうして……」
「なら今は、好きなだけ泣けばいい。私が君を護ろう。私が君と共に往こう。
 だから悲しみで命の価値を見失わないように。
 苦しさで正しい道を見失わないように、今は涙を流せば良い」
ネコミミストは静かに泣き続けた。
派手好き地獄紳士『666』の胸で泣き続けた。

   ♪ ♪ ♪

(そう、私は君に道を過たずに生きて欲しいのだ)
666はネコミミストを優しく抱き締めて、思う。
愛おしいと。
衝撃のネコミミストが心底から愛おしいと思った。
その第一の理由はもちろん、彼女がロリに分類される事だ。
この時点で666にとって彼女は愛おしい存在に分類される。
しかしその中でも彼女は特別な存在だった。
(なにせ君は正しい道を歩む強さと、良き人の死に悲しむ優しさを合わせ持っているのだから)
それは666にとってとても大切な事だった。
その二つを兼ね備えているネコミミストは、666にとって掛け替えのない愛しい存在となった。
だから正しい道を生きて欲しい。
ああ、だって。

963渡る世間は鬼畜ばかり(6/6):2007/12/29(土) 09:58:24 ID://DE5sak0
(君は仲間が死ぬ度に傷付くだろう。道を見失えば怯えるだろう。
 信念を持つ事が出来、それを折られれば打ちのめされるだろう。
 過ちを冒せば苦しむだろう。希望を持つから絶望するだろう。
 勇気を知るから恐怖も判るだろう。想いが汚されれば辛いだろう。
 それでも君は地獄の中でさえ正しい道を進み続けられる可能性を持っている。
 地獄の中で痛みに悶え、喪失を嘆き、絶望を知り、辛い選択を迫られて、
 それでも正しく狂わずに地獄の更に底に降りていける可能性を持っているのだ。
 これほど愛しい存在が居るだろうか。
 これほど美しい存在が在るだろうか。
 ああ、私はもっと君が苦しむ所が見たい。
 仲間を失って悲しむ姿を。悪魔の選択肢に苦悩する姿を。
 血に染まった両手に慟哭する姿を。激痛に悶える姿を。
 それでも立ち上がり、より深く打ちのめされ、それでも立ち上がろうとする姿を。
 未来の可能性が全て絶望に塗り潰されても懸命に諦めず藻掻きのたうつ姿を見たい!
 ああ愛おしい、愛おしい! これほど愛しい存在が在るものか!
 私は君が愛おしい!
 私は君のためならなんだって出来るだろう。
 君のために戦い、君のために生き、君のために死ねるだろう。
 君の苦痛に満ちた生を引き延ばす為に戦い、君の最後の希望となるために生き、
 最後の最後で君をこれ以上ない絶望の底に叩き落とすために死ねるだろう。
 私は君を愛する。だから君も私を愛してほしい。
 そうすれば私は君のために史上無惨極まりない死に方をして、君の心の傷となる事が出来る。
 君の心の古傷として永遠に君を苦しめ、美しく足掻く少女の姿に固める事が出来るのだから)

彼女は真摯に衝撃のネコミミストを愛していた。
だが彼女の愛は……致命的なまでに病んでいた。
その為に、体はスクライドで出来ている書き手も“見殺しにした”のだ。
(そう、私はあの時も陰から全てを見ていたのだ。
 彼が乱入したその瞬間からあの闘争を見ていたのだ。メタルイーターMXの狙撃スコープを使って。
 私にはあの時、地球破壊爆弾と戦う術が有った。互角に渡り合う自信があった。
 私がこれまでロワの参加者に支給してきた派手すぎる地獄の武器を取り出す最凶の宝具、
 ゲート・オブ・バビロンの力で戦う術があったのだ)
それが彼女に与えられた支給品。
ゲート・オブ・バビロン。アニロワ2ndで登場したギルガメッシュの宝具。
アニロワ2ndではデイパックの中身を射出できるだけの弱々しい力しか持たなかった。
だがこのロワイアルの舞台では、どういうわけかこの宝具は使用者がかつてロワ内に登場させた、
即ち書き手が参加者に与えた支給品を取り出す事が出来るという本来に近い性能を発揮していた。
そして彼女は、その全てを一応使える程度の自信があった。
それは正に本来の持ち主ギルガメッシュと同じ、本人がイマイチでも強力な武器で大ボス張れる強さ。
(私はこの力で君を守り抜く。君だけを守り抜く。
 君の大切な人達は護りきれない。君には幾度も残酷な選択肢を突きつけよう。
 それでも君には正しく、決して過たずに生きてほしいのだよ)
派手好き地獄紳士『666』は、愛しい衝撃のネコミミストを大切に抱き締めていた。

【死亡確認 体はスクライドで出来ている@漫画ロワ】

964渡る世間は鬼畜ばかり(報告):2007/12/29(土) 10:00:21 ID://DE5sak0
【川の下流/開始一時間ほど】
【地球破壊爆弾No.V-7@アニ1st】
【装備】無し
【所持品】支給品一式(本人確認済み、未定支給品1)
【状態】 中程度のダメージ
【思考・行動】
基本:闘争を愉しむ。
1:次なる闘争の相手を捜す。
※見た目は長門で中身はアーカード。CVは平野綾で台詞はクーガー。
※スクライドから未定支給品を奪いました。戦闘中に役に立つ物では無い様子?
 共通支給品一式分は粉々になったスクライドの元に置き去りました。
 ミイラ化した挙げ句粉々に粉砕された体はスクライドで出来ているの死体が川岸に散っています。

【森の中/開始一時間ほど】
【衝撃のネコミミスト@アニ2nd】
【装備】拡声器
【所持品】支給品一式
【状態】 疲労中、精神的に消耗
【思考・行動】
基本:殺し合いに乗るつもりは無い。前に進む。
1:666を今のところ信用。今はもう少しスクライドを悼んで泣きたい。
※衝撃波を使えますが、戦闘面にはそれほど自信が無い様子。

【派手好き地獄紳士@LSロワ】
【装備】ゲート・オブ・バビロン@アニロワ2nd(※特殊仕様)
【所持品】支給品一式
【状態】 健康
【思考・行動】
基本:衝撃のネコミミストを地獄に落とし且つ狂わせずに生かす。ネコミミスト心から愛してる。
1:ネコミミストを護りつつ、出来るだけ精神的に傷付く方向に陰ながら誘導する。
2:ネコミミストに愛されるよう務める。
3:死ぬ時は出来るだけネコミミストの心に傷を残す形で死ぬ。
※ゲート・オブ・バビロンで出せるアイテムをどれも『一応は何とか使いこなせ』ます。
 エリクシールを一本使用しました。

【ゲート・オブ・バビロン@アニロワ2nd(※特殊仕様)】
使用した書き手が当人投下作で参加者に支給した事がある支給品を出す事が出来ます。
ただし支給品は当人にしか使えず、使い手が変わると前の使用者の物は消えます。
射出する事もできます。
それ以外はアニロワ2nd参照。

9651クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 10:11:55 ID:spVPcKjs0
な……なんて凄まじいサディスト聖人ッ……!! まさにLSの地獄紳士ッ!
支給品強過ぎだけど、それでやるのがソレだもんなぁwww
てかネコミミスト、なのはさんにされるのかよwww

9661クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 10:54:25 ID:J/yCGlIo0
「やれやれ……まさかこんな所に連れてこられるとはな。
……つーか3度目の気がするのは気のせいか?」
黒翼を広げ、空に滞空していた男がつぶやいた。
「しかもまぁこんな体かよ……人が見たらショック死しかねん」
そっと、自分の体を見やる。そこには、鉤爪のように鋭い指。細い手足。2m近い巨躯。
おそらく、鏡をのぞきこめば自分の眼は赤く光っているだろう。
どう見たってディス・アストラナガンです本当にありがとうございました。
正直、殺し合いに乗る気かどうかかかなり微妙な心境だった。
自分がこんな姿になってる以上、他の人もこんな調子で強化されていることは十分にありうる。
というか殺し合いなんぞ常識的にしたくない。だがここはバトロワフィールド。
うかうかしてたら後ろからバッサリ……というのもある。
第一姿だけ変えられても武器が全部ボッシュートされてりゃ世話はない。
ラアム・ショットガンもZOサイズも、ガンスレイブもない。
使えるのは内臓火器のメス・アッシャーと……極退逆行消滅兵器アイン・ソフ・オウル。
だがそんな寿命を縮めかねない必殺技に頼るのは勘弁願いたいというのは正直な気分である。
「いや……これがある分まし……ってことかね」
手に握られてるのは彼の支給品、『存在』である。支給品は、これ一つだった。
大してギャルゲに詳しくなければただの剣と思っただろう。
しかし彼はアセリア大好き人間にして、ライダーをこよなく愛する男である。
もちろん、使い方も知っている。柄を握り、精神を集中させる。すると――

「お……おお……ッ」

彼が驚嘆の声を上げた。
ディス・アストラナガンのメカニカルな悪魔の黒い翼に加え、白鳥のような青みがかった白い翼が出てきたのだ。
ミスマッチな4枚の翼をはためかせ、感動をあらわにする。
昔から、人は飛びたいと思ってきた。だから、飛行機もできた。
翼をもち、飛行できるというのは根源的な人間の喜びなのかもしれない。
「……試し切りがしたい」
眼を前よりさらに赤く光らせる。
機械の彼に、口がないためわからないが、おそらく口があれば……裂けるような笑みを漏らしていただろう。
彼は忘れていた。永遠神剣のもつ強制力……意識の矯正を。

マナを奪え。

「ハハハハ……ハハハハハ!」

【結@スパロワ】
【装備】永遠神剣『存在』
【所持品】支給品一式
【状態】 最高にハイ
【思考・行動】
基本:切りたい

967再生怪人:2007/12/29(土) 11:10:14 ID:QdORLL2kO
「まったく……あんなところで……同郷の書き手に出会うとは思わなかった」
 
 イスカリオテの制服に身を包んだ、長躯の男が息をついた。
 忌々しげにバヨネットを木々に突き立て、叫ぶ。
 
「ぶぅるぅあああああああああああああああああああああ」
 
 顔や髪が異なろうとも、声はアレクサンド・アンデルセンそのものだった。
 くしゃり、とパーマがかった髪を掻き上げる。
 その髪は本郷猛で、顔は村雨良だった。
 
「しかし……いくら戦闘能力が上がったとは言え、先程の様では優勝して帰るのは難しそうだ」
 
 しかし、全く引くつもりもない。ならば、どうするか?
 
「決まっている。鏖だ。全ての敵対勢力を叩いて潰す。全ての塵を塵に帰す。
 それになりより、俺は此処で死ぬつもりなど無い」
 
 そうだ、そうだとも。全ての参加者を等しく平らに叩いて潰す。一切合切一点の例外も無く、だ。
 しかし、無残に死ぬつもりなどは全く無い。
 あくまでも優勝、あくまでも生存がこの蘇った現代の熱血怪人の目的だ。
 
 ならばどうする?
 ――無闇やたらに狂うつもりは無い。
 
 然らばどうする?
 ――自分は知性の無い獣では無い。
 
 其れならば如何にする?
 ――答えは決まっている。自分は、自分は効率的に人を狩るだけだ。
 
「そうだ、そうだとも」
 
 自らが書いた才賀勝の様に、三村信二の様に、熱血怪人は頭を働かせる。
 自分は今強い。しかし先程のパンタローネの様に自分より強い人間もいる。
 
「流石は、投下数が多いだけある……」
 
 流石は最古の4人。流石は漫画ロワ書き手。
 あのまま戦いが続けば塵芥となっていたのは自分の方だ。
 悔しいが、奴との間には差があることは認めなくてはならない。
 
 でも、だからと言って、むざむざやられるつもりがあるか? と問われたら、否と答える。
 しかし、そうしても、確実に倒せる画策があるか? と聞かれても、否である。
 
 漫画ロワ書き手、最古の4人、他ロワ主力書き手……強敵は多い。
 1人倒して、はいさようならとは行かない。
 
 ならば――

968再生怪人:2007/12/29(土) 11:12:51 ID:QdORLL2kO
「そうか……俺もそうすれば良いのだな」
 
 バヨネットを抜きとり、十字に構える。
 
「俺は漫画ロワ書き手、蘇った現代の熱血怪人。
 俺が使命は漫画ロワに逆らう愚者を、その肉の最後の一片まで絶滅すること。
      ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 そして……最高のタイミングで横合いから殴りつけること」
 
 そうだ、そうだとも。
 わざわざ自分が戦闘力の高い漫画ロワ住人と戦う必要は無い。
 奴ら化け物《フリークス》は化け物《フリークス》共で潰し合えば良い。
 そうして残った最後の欠片を、最高のタイミングで、思い切り横合いから叩き潰してやれば良い。
 
 そう、ならばそれまでは沈黙を決め込むのが良い。
 或いはステルスとして対主催グループに潜り込むのも良い。
 ……尤も、他ロワ書き手《異教徒》を目の前に何時まで冷静になれるかわからないのだが。
 どちらにせよ、正面から鉄火の口火を切るのは得策ではない。
 無駄な手傷は優勝を遠ざける。
 一先ず紛れて、確実に狩っていく。
 
 
「ならば、親しみ易い様にこの格好をどうにかするか……そうだな、短パンなんて良いかもしれないなあ」
 
 そうと決まればバヨネットで下履きの太ももから下を断つ。
 うむ、心なしか大分動きやすい。

 自らの衣装を満足そうに眺めると、高らかに怪人は嗤う。
 
 
「フハハハハハハ……踊れ、踊れ、化け物《フリークス》共、俺の手の上でな」
 
 
 そうして蘇った現代の熱血怪人は、勝ち上がる策を考えた。
 しかし彼は――考察は出来ても――ステルスや鬱などを得意とする書き手ではないのだった。
 
 
==================================================
 
【森】
【蘇った現代の熱血怪人@漫画ロワ】
【装備:バヨネット×2】
【所持品:支給品一式】
【状態:全身に無数の穴、自己回復中】
【思考・行動】
基本:優勝して帰る。迷いは無い
1:一先ず紛れる
2:とりあえず傷を癒やす
3:他ロワ書き手(異教徒)と一般人(化け物)は鏖
 
※イスカリオテの制服@ヘルシングに身を包んでいます。顔や髪型までアンデルセンではありません
※声はアンデルセン、髪型は本郷猛、顔は村雨良です

969森に咲く炎:2007/12/29(土) 12:13:09 ID:9Z3YeNPY0
 一歩、一歩近付いてくる『欝のエル』を前に、『素晴らしきフラグビルド』は胸をどきどきさせる。
 タイミングしだいで、自ロワのゆーちゃん並みのシンデレラヒロインになれるのだ。
 緊張しないわけがない。
(うん、ここは彼と出会う少し前に、怖がっていましたってシチュエーションを作れば、反故欲を刺激されてくれるはず。
あの人は一般人みたいだし、強い人に出会うまでの繋ぎで利用って感じだけど、シンデレラストーリーには必須よね。
私のゆびぱっちんは秘密にしなきゃ)
 『素晴らしきフラグビルド』は外見に似合わず腹黒いことを考えながら、撃つのエルを待つ。
 その彼女の背後に、忍び寄る影。水のエルとの出会いの演出を考えていた彼女は気づかない。
 やがて影は彼女の背後に立ち、腕をかざした。
 『素晴らしきフラグビルド』はその時点でやっと気づき、後ろを振り返る。
 同時に、彼女の身体が炎に包まれた。


「んなっ!!」
 『欝のエル』が驚きと共に振り返ると、火柱が上がる。
 その状況から、やはりここがバトルロワイアルであり、ライダーロワのように超人が跋扈している魔境だと悟る。
 炎から出てきた小柄の影に構えるが、その顔を見て考え直す。
「助けてください!!」
 ぶつかってくるのは背の低い、緑色という非現実的な髪をリボンで縛り上げた少女。
 顔だけを見れば美少女といっていい。『欝のエル』としては、突然の出来事で戸惑うばかりだ。
「貴様、なんだ? 私の緋色の手(レ・マン・スカラティーヌ)の炎が真っ二つに切り裂かれたぞ」
 現れた男を見て、『欝のエル』は絶句する。
 長身に整った顔、長髪を風になびかせる男は一見優男に見える。
 しかし、その身を中世の貴族が着るような服に包み、リュートを構え、右目に二つの瞳をもつ姿。
 『欝のエル』は一瞬で理解する。こいつは超人だと。
「な、何やってんだよ」
「人間、私は読み手様の笑顔を見るために、この殺し合いに乗ることにした。
さあ、抗え。キサマのような人間たちが健気に立ち向かう姿を見るのが、読み手様の望みだ。
無論、最後は無情に死ぬのもまた、読み手様の望み」
「わ、わけ分かんない。とりあえず君、逃げるぞ!」
「は、はい」
 少女の手を取り、『欝のエル』は闘争を開始する。
 もっとも、読み手のために身を捧げた相手は逃がさない。
 彼の指が分離し、炎が迸る。『欝のエル』はこれがこいつの能力かと舌打ちをした。
「無駄だ。大人しく抗え。そして、美しいまま散るがいい」
 彼の声が、一般人である『欝のエル』に重くのしかかる。


 『欝のエル』の背中に隠れながら、『素晴らしきフラグビルド』は眉を寄せて、困った顔をする。
 マーダーに襲われ、逃げ惑う二人。美味しい、美味しすぎる。

970森に咲く炎:2007/12/29(土) 12:13:38 ID:9Z3YeNPY0
 だが、敵は強大。いくら当たり支給品を持ってしても、一般人である『欝のエル』が勝てそうにもない。
 自慢のゆびぱっちんで『欝のエル』ごと真っ二つにしようかと一瞬血迷うが、頭を振って否定する。
 自分はこの『欝のエル』とフラグを立てることを決めた。なら、最後まで成就させる。
 『欝のエル』のピンチにいつでも助けれるように、指を構えようとするが、『欝のエル』が『素晴らしきフラグビルド』を後ろに押す。
「君、今は逃げてくれ」
「そんな……あなたを一人にして逃げれません」
「俺、欝書き手といわれて、戦闘も同じロワの書き手に負けるんじゃないかなーって弱気になることもある。
正直さ、こんなところ連れられても戦えるなんて思っちゃいない。
けどさ、格好つけさせてよ。君」
 引きつった笑顔を向ける『欝のエル』に『素晴らしきフラグビルド』は一瞬呆ける。
 やはり、彼とフラグを成就させるべきだ。構えをとる彼女の前で、『欝のエル』はデイバックから四角い箱を取り出す。
「運がいいよ。俺はあたりを引いたよ。何より、今この瞬間、ライダーロワの書き手でよかったっていえるよ」
「……何が言いたい?」
「あんたと、戦うってことさ!」
 『欝のエル』はペットボトルを地面に置き、四角い箱をかざす。
 すると、銀のベルトがペットボトルより顕在し、彼の腹に巻かれる。
 右腕を真っ直ぐ右方向へと向け、クマのできた瞳で敵を睨みつける。

「変身ッ!!」

 ベルトに四角い箱、カードデッキをはめた瞬間、重なる戦士の鏡像が『欝のエル』に集まっていく。
 一瞬の間の後、赤いスーツに銀の鎧を着込み、シャッター上の仮面をつけ、龍の紋章を額に持つ戦士が姿を見せる。
 その戦士の名を、『欝のエル』は知っている。
「ほう、面白い。私の名は漫画ロワの最古の四人が一人『アルレッキーノ』。貴様の名を聞かせてもらおうか」
「『欝のエル』……今は仮面ライダー龍騎だ、こんちくしょう!!」
 今炎と炎のぶつかり合いが、始まろうとしていた。

971森に咲く炎:2007/12/29(土) 12:14:04 ID:9Z3YeNPY0

【森の中・川の傍】
【欝のエル@ライダーロワ】
【装備】カードデッキ(龍騎)
【所持品】支給品一式
【状態】健康。仮面ライダー龍騎に変身中。
【思考・行動】:元の世界に返りたい
1、アルレッキーノを倒す。
2、少女の保護。
3、“仮面ライダー書き手”を探す。
4、主催者を倒して、もとの世界に帰りたいなぁ……
※見た目は何故かデスノートのLです。


【素晴らしきフラグビルド@アニ2nd】
【装備】無し
【所持品】支給品一式(本人確認済み)
【状態】全身軽い火傷。
【思考・行動】:フラグを立てて立てて立てまくる
1、目の前の青年(欝のエル)と素敵なフラグを立てる
1、1のためにアルレッキーノから欝のエルと共に逃げる。
3、ゆびぱっちんを使うか、否か……
※外見は小早川ゆたか@らき☆すた(ただし髪の色は緑色)です。
※ゆびぱっちんで真っ二つに出来ます。


【アルレッキーノ@漫画ロワ】
【装備】リュート。
【所持品】支給品一式(本人確認済み)
【状態】健康
【思考・行動】:読み手様に喜んで頂くために殺し合いに乗る。
1、目の前の欝のエルに興味。
2、しかし、邪魔をするなら殺す。

9721クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 12:21:43 ID:4TEjB8MQ0
ちょ、鬱のエルが燃え展やっとるwww

9731クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 12:25:43 ID:LLw1NkXc0
つーか感想挟む間も無く投下の嵐ってどうよwwwwwwwwwwww
これでようやく最古の四人は全員出てきたか
龍騎は一番好きだ、やってやれ鬱のエル!
敵はとんでもねーバトルヤってきやがるぞ! しかも熱血鬱バトルだ!w

9741クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 12:34:24 ID:bJENIRzIO
おおブラボー……スゴい投下ラッシュwGJwww
AAAロワ書き手、ロリ紳士、最古の四人、仮面ライダー龍騎……みんな輝いている。そして漫画ロワはマーダー大杉
だがそれがいいwwwwwww
 
そして名前間違えられるKOOL……(´・ω・`)カワイソス

975海鮮鍋温泉(効能:やけど・外傷・打ち身・不妊症・空腹):2007/12/29(土) 13:25:58 ID:spVPcKjs0

温泉少女は、温泉に入っていた。

シルベストリは、温泉に入っていた。

ブリは、温泉でピチピチと跳ねていた。

タコは、温泉でタコ踊りをしていた。

コイキングは、温泉でじたばたしていた。


「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」

2人と3匹は、互いに見つめ合って言葉を探す。
けれど温泉があまりに気持ちいいので、みんな考えるのを止めることにした。


【温泉・露天風呂(混浴)/開始直後】
【温泉少女@LS】
【装備】:なし
【所持品】:支給品一式、モンスターボール@ニコロワ
【状態】:健康。全裸。つるぺったん。
【思考・行動】
1:極楽、極楽……。
2:ところでこのおっさんとブリとタコは何?
※少女です。普段着は浴衣です。それ以外のことは後続にお任せ
※支給品は『たいやき(Lv99コイキング)@ニコロワ』でした。勝手にボールから出てきた模様。
 現在、温泉で気持ち良さそうに泳いでいます。

【シルベストリ@漫画ロワ】
【装備】:なし
【道具】:白手ぬぐい
【所持品】:支給品一式
【状態】:健康。全裸。健康的な張りのある肉体
【思考・行動】
1:サ ー ビ ス シ ー ン 担 当
2:ところでこの少女とブリとタコは何だ?
【備考】
※両目があります。金玉絶賛引き上げ中です

※焦ったドラエモン@漫画ロワの投げたブリとタコは、露天風呂に着水しました。
 どちらもまだ茹で上がることもなく(何故か)生きています。

9761クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 13:38:04 ID:2Eq4aBOA0
投下はやすぎで感想がおいつかねえw

977『必殺技は受け止めなければならない』:2007/12/29(土) 13:53:01 ID:J/yCGlIo0
鬱のエルは、すぐさま一枚のカードを抜き放ち、龍召機甲〈ドラグバイザー〉に収納する。

―SWORD VENT―

角張った厳めしい男の声と共に、その手には剣が握られた。
彼が選択したカードは、龍騎の最もよく使用した武器を呼び出すカード、「ソードベント」だった。
「ソードベント」で召喚されたドラグレッダーの尾を模した刀、ドラグセイバー。
突如現れた物質の重量を手で感じ、今の自分が本当に龍騎なんだなと仮面の裏で苦笑する。
厚さ40cmの鋼鉄をも切り裂く威力を持つ剣をしっかりとつかみ、アルレッキーノと対峙する。
アルレッキーノはというと、その様子を邪魔することなく傍観する。
あまつさえ、突如現れた剣に「ほぅ」と息をはいて見せた。とても、敵を前にしたという様子ではない。
「では、準備はいいか?」
リュートを軽くかき鳴らし、冷えた瞳で問いかける。
「……もちろんだッ!」
先に仕掛けたのは、鬱のエル。その手に握ったドラグセイバーを振り上げ、駈け出した。
100m5秒の走力が、人間3人分ほど空いていた距離をゼロにする。
大上段から勢いを肩から腕に乗せ、振り下ろす。もちろん、ライダーの力で振られた剛剣。
風を切り、アルレッキーノの頭に振り落とされる一撃。
だが、バトルメインの漫画ロワの最古の4人の一人である、アルレッキーノ。
体を半身にそらすだけで、それをかわす。紙一重の場所を剣は通り過ぎ、地面に鈍い音ともに突き刺さった。
「え? ちょ……」
アルレッキーノの掌が、鬱のエルの胸を打つ。同時に撃たれる緋色の手(レ・マン・スカラティーヌ)。
からだが2重の衝撃で浮き上がり、さらに体で覆い切れなかった炎がそこに流れていく。
「あちちちちち!!」
その勢いで、剣はどうにか抜けた。
自分の武器を手放さないで済んだことに微妙に安堵しつつ、冷や汗を流す。
ドラグレッダーが炎を司る巨龍だけあって、龍騎は、炎や熱に極端に強い。それでも、これだけ熱いのだ。
もしゾルダやナイトだったら……考えたくもない。
ライダーに全く劣らぬ脚力で、アルレッキーノが走る。
『読み手様を楽しませる』という条件ゆえに、相手が武器を持とうと目に見えない速度で動くことは禁じられている。
だが、自動人形の健脚はその条件下でも十二分。
起き上ったばかりの鬱のエルに、容赦や仮借ない猛打を打ち込んでくる。
相手は空手で、バトルの技量を武器に変幻自在の拳を繰り出してくるのだ。右左だけでなく、上下までも。
それに対して剣で対処はできない。まして慣れぬ得物となればなおさらだ。
その一発が剣をすり抜け、自動人形の長い腕が顎をたたいた。足を滑らせ、盛大に転倒する鬱のエル。
慌てて追撃を開けようと地を転がる。だが、まったくアルレッキーノは追撃しようとしない。
それを確認し……剣を構えながらもゆっくり体を起こす鬱のエル。
「……手加減してくれてるのか?」
肩で息をする。いくらライダースーツを身にまとおうと、基礎体力は上がらない。
体力をもっと鍛えとくんだったと思いながらアルレッキーノにいぶかしげな声を絞り出す。
アルレッキーノはさも当然といった調子で、
「倒れた相手を壊しても、読み手様は喜ばないだろう? 死力を尽くして抗い、倒れるからこそ感動を呼ぶ」
「……そういうもんですか」
「『鬱のエル』さん……」
背中にすがりつく『素晴らしきフラグビルド』の手に、安心させるように軽く自分の手を重ねる。
「隠れてるんだ、多分、きっと……すごく危ない」
自分でも微妙に確信を持てないだけに、おかしな言い方になってしまった。
そのせいで余計に不安にさせてしまったのか、悲しそうに顔をゆがめる『素晴らしきフラグビルド』。
その背をぽんぽんと叩く。アルレッキーノは相変わらず傍観している。
こういうシーンあってこそ、死にざまが映える……とか内心思っているのだろう。
だが、こんなところで死ぬつもりなどさらさらない。
やっと、後ろの木陰に入ってくれた、『素晴らしきフラグビルド』を最後まで見届けた後、敵に向かい合う。
「――終わったか」
その『終わった』というのは、おそらく自分の活躍と出番は、というのも含まれているだろう。
「おかげで、準備がね」
ベルトから、2枚目のカードを引き抜く。これが、自分の全力全開。龍騎の最強カード。
龍召機甲〈ドラグバイザー〉の上部カバーを開きそのカードを装填する。
人を人とも思わぬ態度。そしてその油断を命取りにしてやる……!

978『必殺技は受け止めなければならない』:2007/12/29(土) 13:53:39 ID:J/yCGlIo0
鬱展開の使者とか言われた自分が、熱血している。そりゃ、自分だって燃えるときくらいあるさ。
たまたま、そっちが目立ってただけさ。証拠に、最初は熱血してたろ?
……ちょっとすれただけ。それだけさ。

―FAINAL VENT―

ペットボトルのわずかな鏡面から巨龍現れ、のたうつように螺旋を描き、舞いながら天へと昇る。
鬱のエルは腕を振って前に突き出す構えをとる。
「ハァァァァァ……」
何十mの跳躍。それはさながら天への飛翔だった。その中で前方宙返りを加える。
狙いは、睨下のアルレッキーノ。足を、ゆっくりと突き出した。

「……ハァァァッッ!!」

爆音、豪熱。ドラグブラッカーの灼熱の火球の衝撃を受けて、赤熱化した蹴撃。
それが赤光をまとい、流星のように加速しながらアルレッキーノに迫る―――!
落下中も身体がどんどん加速していく。
緋色の手(レ・マン・スカラティーヌ)で、それを返り討ちにしようとしたアルレッキーノ。
自動人形のアルレッキーノが、初めて恐怖を覚えた。
即座に迎え撃つという判断を放棄しよけようとし―――

『読み手を楽しませねばならない』

――そのままその一撃を叩き込まれた。
隕石の落下を思わせる衝撃。地震となって大地を伝う。
ドラゴンライダーキックが、爆心地のようなクレーターを作り、轟音を響かせた。
その中心にいたのは………

「なああんた、今の一撃……かわせただろ? なんでよけなか……かった……んだ?」
息も絶え絶えに、膝をついたまま顔も見ずに鬱のエルが訊く。
「当然………『必殺技は受け止めなければいけない』。それでこそ燃える展開」
アルレッキーノは立っていた。顔の半分と、右胸から右サイド全てをえぐり取られていながら。
人間だったら即死のそれを受け止め、なお平然と無事だった両足で立っている。
だが、立っているだけだ。逆を返せば、それで精一杯。
「そうか……なら……」
最後の力を振り絞って、鬱のエルが立ち上がる。
別に大けがというわけでない、単純に疲労困憊、限界というだけだ。
手を握り、拳を作る。押せば倒れるようなアルレッキーノにとどめを刺すために。
「うああああああっっっ!!」
走りながら、拳を突き出した。
アルレッキーノは、最後の力で、緋色の手(レ・マン・スカラティーヌ)を放とうとする。
しかし、遅い。確実に鬱のエルの拳の到着のほうが早い。
最後の一撃がアルレッキーノの視界いっぱいに移る。その時、

――パキィィィン

鏡が割れるような音がした。
「え……あ……10分………――」
拳が止まる。
体を覆っていた龍騎の鎧が砕け、破片となって散っていく。
ライダーの俊敏な体から、力ない人間の体へ。そのタイムラグ。『――制限?』とつぶやく暇もなかった。
次の瞬間、緋色の手(レ・マン・スカラティーヌ)が、鬱のエルの体を貫いた。

「嘘……だろ……勝ったと思ったんだ……思った……の……に……」

こんなところで、心半ばに。

からだが、ドサリと倒れる音。 立てているのは自分のはずなのに、現実味がない。

――ああ、これが………

「鬱………展開………か…………」


【欝のエル@ライダーロワ  死亡】

979『必殺技は受け止めなければならない』:2007/12/29(土) 13:54:06 ID:J/yCGlIo0


だが、これで終わらない。
ろくに動かないアルレッキーノの首も、次の瞬間はねられていた。
もちろん、はねたのは、
「せっかく、フラグを立てたのに……」
悲しみという感情の薄い声。ただ、フラグが折れたことだけを純粋に悲しんでいた。
目の前に転がる男たちには、ひどく無感動。

そう、素晴らしきフラグビルドだった。

【アルレッキーノ@漫画ロワ 死亡】


【素晴らしきフラグビルド@アニ2nd】
【装備】無し
【所持品】支給品一式(本人確認済み)
【状態】全身軽い火傷。
【思考・行動】:フラグを立てて立てて立てまくる
1、目の前の青年(欝のエル)と素敵なフラグを立てる
1、1のためにアルレッキーノから欝のエルと共に逃げる。
3、ゆびぱっちんを使うか、否か……
※外見は小早川ゆたか@らき☆すた(ただし髪の色は緑色)です。
※ゆびぱっちんで真っ二つに出来ます。

9801クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 14:03:41 ID:9Z3YeNPY0
ああ、無情。
これがバトルロワイヤルというものか……

てか、リレー早いwww

9811クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 14:11:37 ID:gttQINsc0
>>949
予想以上に熱い連中が釣れちまったwwwごめん、そしてありがとうwwwww
トライ三連星と過っちゃんに盛大に吹いたww
てか三人とも地味でもなんでもねーじゃえかwww

>>964
途中までは熱かったのに外道のせいで台無しだ、本当に仕込みを全部欝に持っていく気かwww
確かにネコミミストには萌えるけど……。ああ、もう違ってもいいや本人乙w
あなたみたいな歪んだ嗜好と思考持ってる人が二人もいるとは思えんw

>>979
何と言う壮絶な相打ち。そしてやっぱり欝展開か……。
てかマジでリレー早いよwww あ、状態票が直ってないみたいですよ。

9821クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 14:12:22 ID:Z8YMhNSc0
ちょ、最古の四人の一人がもう散ったw
なんというリレーの早さだw

983ギャグ将軍の道標 ◆0RRqL7JorI:2007/12/29(土) 14:19:48 ID:6MG.VRuU0
「我々は使命を共にする同士を探さないとな」
「オジ様の知り合いに頼めばいいじゃないですの」
「奇遇だな。まさか余の知っている影の繋ぎ手や仮面ライダー書き手に似た存在がいたとはな」
「ええ、最古の四人のメンバーであるアルレッキーノやドットーレと似た存在がいたとは気付きませんでしたわ」
森林で話し合う改造人間ギャグ将軍と自動人形であるコロンビーヌ。
彼らは新生クライシス帝国と名乗っているが二人しかいない。とても帝国とは程遠い人数である。
「我々は森を出て町に向かう。同士となるべき書き手が多く集まっているかもしれん」
「このコロンビーヌ、どこまでもオジ様に付いて行きます!」

【森の中/深夜】
【ギャグ将軍@ライダーロワ】
【状態】健康
【装備】杖@ライダーロワ ジャーク将軍のマント@ライダーロワ
【道具】なし
【所持品】支給品一式(未確認)
【思考・行動】
基本:新生クライシス帝国の結成
1:町を出て同士を集める。
2:殺し合いに乗るかどうかは保留。
※ジャークミドラに似た、ギャーグミドラに変身できます。
※制限がライダーロワ基準だと思い込んでいます。
※アルレッキーノ・ドットーレに興味を持ったようです。

【コロンビーヌ@漫画ロワ】
【状態】健康
【装備】ゾナハ蟲@からくりサーカス
【道具】なし
【所持品】支給品一式(未確認)
【思考・行動】
基本:恋愛がしたい。
1:ギャグ将軍についていく。
2:ギャグ将軍と話のつくりが気が合う。
※影の繋ぎ手・仮面ライダー書き手に興味を持ったそうです。

984ギャグ将軍の道標 ◆0RRqL7JorI:2007/12/29(土) 14:22:31 ID:6MG.VRuU0
気分で鳥を付けてみた。ちなみに闇夜の少年を書いたのも俺。

9851クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 14:24:36 ID:Z8YMhNSc0
OP除いて未登場の参加者を纏めてみたぜ

【AAAロワ】
・◆yHJSlOJmms
【漫画ロワ】
・クールなロリスキー/・愛の伝道師/・King of 脳内補完/・熱血王子/
【LSロワ】
・ボマー
【スパロワ】
・起/・承/・差/・闇その1/・闇その2
【ギャルゲロワ】
・予約被りに定評のあるtu4氏/・バトルマスター/・永遠のうっかり侍/・ギャルゲロワ版最速の人/・蟹座氏/・孤高の黒き書き手/・歩く頭脳戦/・ステルス鬼畜
【アニロワ2nd】
・マスク・ザ・ドS/・暮れなずむ内面描写/・激動のトウカリョウ/・エロスの鐘の煩悩寺/・底上中の残月/・ボンボン系の書鬼/・忘却のウッカリデス
・管理人・したらば孔明/・コ・ホンブック/・ゲドー・ザ・マジシャン/・ビクトリーム博士/・書風連・その壱/・書風連・その弐/・書風連・その参/・幻夜・フォン・ボーツスレー
【アニロワ1st】
・美形元帥/・静かなる 〜Chain-情〜/・神行太保のDIE/SOUL/・無明幻妖side./・意外な影丸?/・猫子頭の鬼軍曹
【ハカロワ3】
・サプライズパーティー/・The god of chaos
【ライダーロワ】
・THE FIRST/・漆黒の龍/

まだまだ未登場のキャラは多いな、特にアニ2ndはまだ殆どが残ってる。
この書き手達に活躍の機会を与えるのは、モ ニ タ ー の 前 の 貴 方 達 で す !(オンエアバトル風に)

986吠えろ! 獣戦機:2007/12/29(土) 14:28:19 ID:T0ckiEAo0
「!? ここは……?」
目が覚めたとき、そこは狭くて薄暗い空間の中だった。
彼は慌てて周囲の状況を確認する。正面には巨大なモニターらしきもの。
そしてその下には、整然と沢山のスイッチやレバーなどが並んでいる。
「これは……まさか……」
実際に見たことはない。だがアニメでは何度も見たことがあるし、想像だってしてきた。
そう、彼――スパロワの切り込み隊長『起』が座っていたのは巨大ロボットのコックピットだったのだ。

操縦方法など習ったこともないのに自然に身体が動く。これもスパロワで書き手として経験を積んできたゆえか。
起はまず最初に自分が乗っている機体の情報をモニターに呼び出した。
「ふ…ふふ……はっはっはっは! そういうことか! 主催者って奴もなかなか粋なことするじゃねえか!」
それを見た瞬間、起は思わず笑い出していた。これが笑わずにいられようか。
彼が乗っていたのは獣戦機AGT−1『イーグルファイター』。
残りの3機、ランドクーガー、ランドライガー、ビッグモスと合体することで超獣機神ダンクーガとなることのできる獣戦機隊の一番機である。
スパロワからは、自分の他に『承』『転』『結』が呼ばれている。
統一性から考えても、間違いなくこの4人に残りの獣戦機が支給されているのだろう。

――合体。
なんと甘美な響きだろうか。想像しただけで、心の底からうち震えるような歓喜の塊が昇ってくる。
ロボ好きで合体に憧れない奴などいるだろうか、いやいない(反語)。
夢にまで見た巨大ロボを操縦する機会を与えられたことに加え、こんな取り計らいまでしてくれるとは……。
起は主催者を恨むどころか、むしろ感謝までしたい気持ちだった。まあ、それと殺し合いに乗るか否かはまた別の問題だが。

「まずは……残りの3人を見つけねえとな! 行くぜ、イーグルファイター!」
彼の意志を受けたかのように、巨大な鋼鉄の翼は轟音を立てて夜の空に飛び去っていった。


【起@スパロワ】
【装備】:イーグルファイター
【所持品】:支給品一式
【状態】:健康。テンションアップ。
【思考・行動】
1:やぁーってやるぜぇー!!
2:合体のために、残りの仲間を探す。
【備考】
※他の仲間が獣戦機に乗っているものと勘違いしています。

9871クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 14:29:43 ID:9Z3YeNPY0
>>984
志村ー! 同一人物、同一人物ー!
面白そうなコンビだw

>>985
まとめ乙だ!
さあ、誰にしよう。

9881クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 14:33:30 ID:o6feMCz.0
あれー? 俺が欝のエル書いたのって確か今朝のはず……
リレーするの早すぎるよあんた達w GJw
やはり二つ名のの呪いからは逃れられなかったか……

9891クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 14:36:24 ID:gttQINsc0
ホントにロボが出てきやがったwww 今は戦闘機みたいだがw
アニ2ndから誰かラガンにでも乗って出てきてくれないかな

9901クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 14:39:02 ID:6gGUtzLMO
>>985
まとめ乙!
ボマーさんも鬼軍曹も未出だったのかよw
他にも面白そうな人(二つ名的な(ryが多いし、まだまだ気が抜けないなw

9911クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 14:41:23 ID:t/2TJRboC
ギャルゲからはまだほとんど出てないな
もう少しでスパロボOG外伝がクリアできるから終わったら何人か書かせてもらうぜ

9921クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 14:46:56 ID:.nYqlKKMC
クリアはええw書いてもらったからには、私も書かねばならんか!

9931クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 17:40:35 ID:nmiPtjrY0
転ばし屋をデイパックにしまった転は次なる支給品を探す。
次に出てきたのは自分にも馴染みがある、ロボットだった。
「こ、これは……ビッグモス!」
そう、あのランドクーガー、ランドライガー、イーグルファイターと合体する事で超獣機神ダンクーガになるロボット―――ではない。
「ってビッグモス違いかよ! スパロボに出てないビーストウォーズのかよ!」
ビーストウォーズⅡ サイバトロンの昆虫指令ビッグモス。
それが彼のデイパックから出てきた第二の支給品だった。
「ま、まあ転ばし屋よりは戦力になりそうだからいいか……」

【転@スパロワ】
【装備:不明】
【所持品:支給品一式、転ばし屋、ビッグモス@ビーストウォーズ、ほか未確認】
【状態:健康】
【思考・行動】
1:ビッグモスってビッグマックのモス版じゃね?
2:コロンビーヌって転びそうな名前じゃね?
【備考】
※少年です。それ以外のことは後続にお任せ
※転ばし屋はトリップ名でしか動きません

9941クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 18:08:37 ID:LLw1NkXc0
ちょwwwwwwwwwwwwネタキャラ決定キタコレwwwwwwwwwww
昆虫指令 ビッグモスって蚊じゃねーか、マンモスとは比べるべくもねええええ

9951クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 18:12:02 ID:Z8YMhNSc0
まさかの昆虫司令ビッグモスwwww

知らない人は下記参照↓
ttp://kaiser.jpn.org/kadou/beastwars2/bigmos.html
しかし改めてみるとキモいなw

9961クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 18:14:15 ID:o6feMCz.0
うわキモッ!
しかもこれでサイバトロンかよ!w

997エンゲージ:2007/12/29(土) 18:40:13 ID:4TEjB8MQ0
 木々がまばらになり、枝の間から星影がのぞく。そろそろ街が近いのだろう。
「ねえ、今のうちに支給品の確認をしておいた方がよくないかしらー?」
 コロンビーヌの言葉に、ギャグ将軍は頷いた。
「敵を知り、己を知れば百戦危うからず。至言よの」
 その言葉とともに背負ったデイパックを下ろし、開いて中をのぞく。
 最初に手に触れたものを取り出した時、緑の目が月の光にきらりと輝いた。
「む、これは……」
 思い出深いライダーブレスがそこにあった。
 なんとなく、それを腕に填めてみる。
 刹那、闇を切り裂いて現れた黄金のコーカサスゼクターは、スコーンという軽やかな音を立てて彼の後頭部をどつくと、再び闇に消えた。
 つまり彼はあのゼクターの資格者ではないということだ。ライダーロワでも、ジャーク将軍は資格者ではなかった。そして、その場のノリと勢いで資格者となった小沢澄子と恋愛フラグを立てることになる。
 自らがフラグを立てる道具として用いた支給品が自らに支給される。これぞまさしく、運命というものではあるまいか。
 これを以て自らフラグを立てよ、との。

「なんかそれ、しょぼくない?」
 コロンビーヌの素直な感想に苦笑すると、彼はさらに荷物を探った。
 やけにかさばる包みを引っ張り出し、封を解く。
 出て来たのは、上品な作りのコーヒーセットであった。
「ふむ、これは……当たり、だな」
 他ロワの事情に疎い彼は、『コーヒーセット』がパロロワ界全般においてどのような意味を持つかを知らない。ただ、恋愛フラグを盛り上げるのに使えるという認識を持ったのみである。
 付属の豆は日本では入手すら不可能に近い逸品、ウストー・ド・ボマニエールのハウスブレンド。更にはピエール・マルコリーニのチョコレートまでついている。
 まさに、苦い大人の恋愛を演出するには最高の小道具と言えよう(スイーツ(笑)的な意味で)。
 そしてコーヒーの用法は恋愛フラグの強化ばかりではない。あらかじめ口に含んでおき、誰かが渾身のギャグを繰り出したタイミングで思い切り吹き出せば、そのギャグの面白さを明確に表現することが出来る。
 愛とギャグを掲げる怪人書き手に取って、まさに万能の武器。それがコーヒーセットなのだ。

「さて。そちの支給品は?」
 ジャークの仮面同様、黄金に光り輝くコーヒーセットをうっとりと眺めていたコロンビーヌは、促されて自らの荷物を解いた。そこにもやはりかさばる包みが入っている。
 開けてみると、こちらは銀のティーセットであった。付属の茶葉はマニアックにもベッチマン・アンド・バートンのエデンローズ。淡い薔薇の花びらを浮かべた名品ときた。
 コロンビーヌにとって、それは乙女の甘酸っぱい恋愛にはなくてはならない小道具であった。
 付属のショートブレッドとともにテーブルに並べれば、いかにも優雅なティータイムの完成だ。憧れの人とこのティーセットを挟んで頬を染めるもよし、届かぬ思いに漏らした溜息で、琥珀色の水面を揺らすも良し。
 恋に恋した自動人形書き手にとって、最高の友。それがティーセットなのだ。

「これさえあれば、余の戦略は鉄板。ククククク……ワーッハッハッハ!」
「これさえあれば、私の夢も実現するわ。うふふふふっ……あははははっ!」
 丑三つ時の森に、男女の高らかな笑いがこだまする。
 神聖モテモテ王国、いや新生クライシス帝国の夜明けは近い、かもしれない。

【森の出口/深夜】
【ギャグ将軍@ライダーロワ】
【状態】健康
【装備】杖@ライダーロワ ジャーク将軍のマント@ライダーロワ
【道具】支給品一式、コーヒーセット一式@スパロワ、コーカサスブレス&ゼクター@ライダーロワ(資格者ではないので変身はできません)
【思考・行動】
基本:新生クライシス帝国の結成
1:町を出て同志を集める。
2:コーカサスゼクターの資格者を探し、フラグを立てる。
3:殺し合いに乗るかどうかは保留。
※ジャークミドラに似た、ギャーグミドラに変身できます。
※制限がライダーロワ基準だと思い込んでいます。
※アルレッキーノ・ドットーレに興味を持ったようです。

【コロンビーヌ@漫画ロワ】
【状態】健康
【装備】ゾナハ蟲@からくりサーカス
【道具】支給品一式、ティーセット一式、他未確認。
【思考・行動】
基本:恋愛がしたい。
1:ギャグ将軍についていく。
2:ギャグ将軍と話のつくりが気が合う。
3:優雅なティータイムを実現。
※影の繋ぎ手・仮面ライダー書き手に興味を持ったそうです。

9981クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 18:43:22 ID:lB7GjQ4E0
なんでこの二人でラブコメの序盤みたいなことになってんだよw

9991クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 18:46:39 ID:b7CfyDCQ0
前回は参加させられたけど今回はマジ書き手だけだし変な枠で参加させられずにすみそう……

10001クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 18:47:26 ID:rwg2771g0
ちょwタイトルちょっとは捻れやw

10011クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 18:53:53 ID:Z8YMhNSc0
しかし……この濃い面子でまだ全体の半分(43/85)が未出ってんだから凄いなw

10021クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 18:58:35 ID:4TEjB8MQ0
>>1000
(交際的な意味で)ってつけるか悩んだんだ……。

10031クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 18:59:39 ID:LLw1NkXc0
コイツラアホスwwwwwwwwwwwサイコウwwwwwwwwwww

10041クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 19:37:51 ID:yxERx87YO
ティーセットと言われると死者スレの劉鳳しか思い浮かべられないw

10051クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 20:18:55 ID:cTtn3lqA0
リーゼントを大きく上下に揺らし、息を切らしながら森を駆け抜ける男がいた。
とある過疎ロワで一番最初のSSの書き手であり、今では古参書き手と呼ばれた男。
AAAロワの◆ZhOaCEIpb2だ。
「ふっ、神様は皮肉なもんだな」
◆ZhOaCEIpb2は己のパックにナイロンの上から盛り上った物体を摩り、呟く。
「この俺に拡声器だとわなーーーー!!!」
拡声器……そう、このアイテムはバトルロワイアルにとって最大の死亡フラグ。
拡声器の呪いによって数々のロワが数々のキャラたちが絶望に突き落とされた。
そして―――そのほとんどが死んだ。
拡声器の呪いを知っているものなら、このアイテムがいかに恐ろしいか分かっているだろう。
◆ZhO(ryもしかりこのアイテムの恐ろしさを知っている。
だが、◆ZhOはそんなことに臆せず、吹っ切れた笑みを浮かべる。
「俺はあいつらを裏切ってしまったんだ。仕方ねえか……」
今、AAAロワの主力書き手たちが漫画キャラロワの最古の四人に追われていた。
AAAロワの主力三人で束になってかかっても敗北は目に見えていた。
強力な支給品を駆使すれば勝てるかもしれないが、あのとき俺たちは丸腰だった。戦えば陰惨な虐殺が目に見えていた。
そして、俺たちは逃げ切れるはずもない。
それほど、奴のとの力の差は歴然だ。
だが、拡声器があれば……
「ここまで離れれば大丈夫だろう」
◆ZhOはパックから拡声器を取り出し、

――――俺はここにいるぞーーー!!!

10061クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 20:24:19 ID:cTtn3lqA0

発動させた。
「へっ、後悔はしてねえぜ。あいつらが生き残れるなら俺は……」

すると、林の中から不細工なシルクハットを被り、奇妙なマスクを付けた男が現れた。
「ほう、仲間のために、自ら囮になるとはな」
◆WXWUmT8KJEことドットーレは◆ZhOに不敵な笑みを浮かべながらゆっくりと歩を進める。
「さて、お前は読み手と書き手と己を楽しませてくれるのかな?」
ドットーレは腕のギミックを伸縮させ、◆ZhOに拳を伸ばす。
◆ZhOはすかさず、避けようとするが、あまりにも早く、複雑に向かってくる拳を正面から喰らってしまう。腹に強烈な一撃を貰い、地面を転がる。
「ほんの小手調べ程度なのに避けられないとは……」
地に手を付き、腹を押さえながら◆ZhOは立ち上がる。
「まあ、そう言わずに相手になってくれよ。まだ俺はくたばっていねえんだからよおッッッ!!」
拳を振りかぶりながら◆ZhOはドットーレに突撃する。
全力で何度も何度も拳を振り上げ振り下ろす。

だが、いくら拳を突き入れようとも空を切る。
「踏み込み、体捌き、機動力……全てにおいて己より劣っている!! つまらん!!」
ドットーレは大きく右手を伸ばし、◆ZhOを掴み、木に投げつける。
「ぐはあっ」
背中を強打され、◆ZhOの口元から夥しい血痕が吐き出る。そのまま地面に地面の上に横たわる。
「つまらん!! つまらんぞ!! そんなことでは書き手も読み手も飽きさせてしまうぞ」
ドットーレは地面に倒れる◆ZhOの胸元を掴み上げる。◆ZhOは息が切れ切れになりながらも生きていた。
「ほう、生きていたか…だが、お前は全てを楽しませてくれそうにない。
もう少し抵抗してくれれば、書き手も読み手も満足させられるのだが、弱すぎる……全てにおいて弱すぎる。
さっき逃げて行った二人も期待できそうにない? つまらん、心底つまらん!!」
ドットーレはひどく残念そうに語りかける。

「…ちが…せんだよ」
「ん、命乞いか?」
「く…がく……んだよ」
「だが、もう遅い、貴様は己をひどくがっかりさせた。つまり、少しでも読み手を楽しませてくれるために嬲り殺しだ」

「―――口が臭えって言ってるんだ!!!」

◆ZhOは唾を吐きつける。ドットーレの頬に唾がべちょっと引っ付く。
ドットーレはもう一度◆ZhOを木に叩きつける。
◆ZhOは支えられるように木にもたれ掛けたまま動かない、それほど◆ZhOは満身創痍であった。

「貴様を心底、己を怒らした。貴様にはロワにとって最も不名誉の死を与えよう」

10071クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 20:27:27 ID:cTtn3lqA0
ドットーレは被っていた帽子を外す。
すると帽子の柄の部分から鋭い刃が突起する。
「―――ズガンだ」
ズガン。
それはロワにとってキャラにとって最も不名誉な死。
キャラの死を軽い描写で終わらせる、キャラにとって最も屈辱な終わり方である。
「貴様に帽子を投げ、首を刎ねる。そうすれば、ズガンの完成だ」
帽子を構える。

「ズガンでも、何でもしやがれ、俺の目的は済んだんだからよう」
「貴様が逃がしたあの二人か? 所詮は貴様程度の力しかない雑魚なのだろう?
 雑魚は雑魚でしかならない。読み手も書き手も楽しめさせることも出来ない屑だ」
「へ、なんとでも言いやがれ。俺は信じている。◆wKs3a28q6Qと◆MJv.H0/MJQが生き残ってあんたを倒すってな」
「笑わせる。AAAロワの書き手の分際でほざきよるわ」
ドットーレは口元を歪ませ言葉を続ける。
「所詮は過疎ロワの分際。漫画ロワの最古の一人であるドットーレ◆WXWUmT8KJEには勝てんよ。
 いくら雑魚が群れようとは盛況ロワには勝てん、過疎が盛況に勝てる道理はない。
 漫画は良いぞ。熱血展開が華の盛況なロワだ。それに比べ……AAAロワは何もない。
 華もなければ、住民もいない。だれも、AAA(トライエース)みたいなクソゲーに住民なぞ付くはずもない。
 貴様はその程度なんだよクソゲーの書き手さんよお」
ドットーレがそう言い終わると木にもたれていた◆ZhOが突然起き上がる。
「今何て言いやがった? 今なんて言いやがったんだああああぁ!!!!」
よれよれになりながらも◆ZhOは立ち上がる。
「AAA(トライエース)がクソゲーだって!? クソゲーだとおおおおぉ!!!?」
「何度でも言おうか? AAA(トライエース)はクソゲーだ!!!」
ドットーレは邪悪な笑みを浮かべながら言い切る。

10081クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 20:31:36 ID:cTtn3lqA0
「AAA(トライエース)作品は断じてクソゲーではないッッッ!!!
 SO1は3、SO2は10、SOBS は2、VPは3、SO3は5、RSは3、SO3DCは3、VP2は2。
 ―――全て、俺がクリアした回数だ。最大難易度でクリアもしたし、全作品隠しボスも倒した。
 インアンのために360も買った。現在PSPでリメイクSO1をやっているし、最低三周はするつもりだ。
 無論、好きな作曲者は桜庭統だあぁあぁ!!!!
 それほど、中毒性がある作品がクソゲーだと!!!!」
「だからどうした? いくら貴様がはまろうとも糞は糞だ。猫のえさにしてしまえ」
「なんだとおおお!!!」
◆ZhOは激昂しながら、ドットーレに猪突する。
ドットーレに攻撃を避け、脳天に拳を突き出す。
◆ZhOはカウンターとなって大きく吹き飛ぶ。だが、立ち上がる。
「トライア神は最高最大の神だ。ソレを侮辱することは万死に値するッッ!!」
◆ZhOは両手に莫大な魔力を溜める。
AAA(トライエース)の神―――トライアを最大までに信仰することによって得られる最強最大の技を発動させるため。
◆ZhOの命を引き換えに奇跡が今ここに舞い降りる。

「なんだと、こいつは……」
ドットーレは驚いた。今目の前に雑魚に溢れ出る魔力に、それはまさに大き過ぎる規格外の魔力量だ。
「大いなる創造神トライアよ」
ドットーレに焦りが生まれる。
こいつはやばい、本能が身体の節々に訴えかける。
「全ての敵を……」
「貴様ああぁあぁあああ……」
「滅せよ!!!」

「―――トライエース!!!」「―――させるか!!!」

ドットーレの仕込みの帽子が◆ZhOの身体の右半分を腹の上から切り裂いた瞬間。
辺りが真っ白な光に包まれた。
まるで延々と続く何もない空間を意味するような膨大な光の魔力が辺り包みこんだ。
魔力が大爆発した。

1009AAA(トライエース)は永遠に不滅です:2007/12/29(土) 20:38:24 ID:cTtn3lqA0

胸元が痛い。身を裂けられそうなぐらい痛い。
ど……う…して……ん…よ
ど……う…して……ん…よ
泣き声。誰かの嗚咽交じりの泣き声が聞こえる。
重くなった瞼をゆっくりと開ける。薄くぼやけた視界の中に、ひどく顔が腫れ上がった男の顔が映る。
「目が…覚め…たんすか…」
涙をこすりながら男は安堵する。

「お前は…◆yHjSlOJmmsか」
◆yHjSlOJmms―――AAAロワに現れた期待の新人である。
「最期に◆yHjSlOJmmsに…会えて良かった」
「そ、んな最期なんて言わないでくださいよ」
「俺はもう駄目だ。自分のことは自分がよく分かっている」
「先輩がいなくなったらAAAロワは誰が完結に導くんですか? 先輩がいなければAAAロワは……」
「AAAロワか……俺にAAAロワを導く資格なんてないのさ……」
「そんなことありませんよ、先輩!!! 先輩はAAA初のSSを書いた古参の一人じゃないですか?
 それをどうして、そんなふうに言うんですか!?」
少しずつ掠れる視界に◆ZhOは語りかける。己の大罪を。
「……俺はお前たちを裏切っていたんだ。俺はAAAロワ以外にも他ロワでも書いていたんだ
 そして、トリを変えたことをそのロワで報告したんだ。つまり、俺はそのロワの住民であること認識させてしまったんだよ。
 その瞬間、俺はお前らを裏切ったんだよ。AAAロワが本当に好きなら、そこで報告するじゃなくて、AAAロワでするべきなのに。
 俺は……自分自身に軽蔑するよ……」
◆yHj(ryは嗚咽しながら◆ZhOを見据える。
「そんなことないッス、先輩は先輩はいつまでもAAAロワの書き手です……お願いです。
 そんな弱音を吐かないで下さい、お願いッス」
「お前にそう言って、もらえて嬉しいよ」
◆ZhOは微かな笑みを浮かべる。それは今にも砕けそうである。
「最後に聞いてくれないか……俺の新トリがこのロワに参加しているんだ。
 驚いたよ、まさか自分自身がいるなんて……名前はシルベストリ◆O4VWua9pzsだ。
 自分自身とはいえ…どんな思考に向かうか、分からない。気をつけろ、俺は燃え展開でも欝展開でもエロ展開でも好きな男だ。
 流れ次第では対主催とも殺人者とも転ぶ要素がある」
「でも、先輩は善い人です。もう一人の先輩も……」
「俺はお前らがいたから……悪の道に進まなかっただけだ。
……もうお別れのようなだな」
視界が真っ白になっていく。全身の細胞はもうすでに限界を超えていた。
「俺はどうすればいいんですか? 先輩がいないとAAAロワは……」
「こ…れからは…お前が導くんだ……」
何も聞こえなくなってきた。死のお迎えが来た証拠だ。
◆ZhOは最後に天を仰ぐように片手を掲げる。
「…ト……ラ…イア様…万…ざ…い」

その瞬間、◆ZhOaCEIpb2は息絶えた。その顔は安堵に満たされていた。

【ドットーレ◆WXWUmT8KJE@漫画ロワ 死亡】
>>1からの2号◆ZhOaCEIpb2@AAAロワ 死亡】

【森の奥/深夜】
【◆yHjSlOJmms(ルーキー)@AAAロワ】
【状態】慟哭
【装備】ピストル(15/15)
【所持品】なし
【思考・行動】
基本・対主催
1・先輩の跡を引き継ぐ
2・シルベストリ◆O4VWua9pzsに接触する
3・AAAロワ書き手を探す

1010 ◆O4VWua9pzs:2007/12/29(土) 20:43:38 ID:cTtn3lqA0
自分自身のSSを書くとは
なんかもうめちゃくちゃで本当に申し訳ないOTL

SSに出ていた人にもお詫びいたします

10111クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 20:44:02 ID:spVPcKjs0
AAA、熱い! 誰だ過疎なんて言ったの!
……ところで、そのもう1人はなんか平和そうに幼女と温泉入ってるんですが。

って俺が言うこっちゃないか

10121クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 20:50:29 ID:LLw1NkXc0
お前等これ幸いとカミングアウト多すぎだwwwwwwwwwwwwwww
クソ熱いAAAイカスぜwwwwwwwwwwwwww

10131クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 20:53:43 ID:SwGlnpno0
カミングアウトwww
ていうかその別人はギャグ担当じゃねーかw

10141クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 21:00:35 ID:DPT8eL86O
>>999
既に他ロワに出てる俺は高見の見物


つーか全部で85人もいたのかww

10151クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 21:04:43 ID:Z8YMhNSc0
>>1014
まだ半分も残ってるんだぜw(>>985参照)

というわけで、ヘイお客さん! 
まだギャルゲやアニ2ndはほとんど手つかずですぜ!
贔屓の書き手や気になる二つ名のキャラがいたら、これを機にぜひ一筆を!

10161クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 21:05:34 ID:YEY7Mp0MC
漫画ロワ死にすぎだろw
もう半分くらいじゃないのかwww

10171クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 21:09:09 ID:gttQINsc0
>>1010
熱い! あんたら熱過ぎだろwww
TOPくらいしか知らないけど今度少し読んでみるw

>>1016
数が多いからなー。なんかどの死に様も印象的だがw

10181クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 21:10:44 ID:vCsWmbyE0
思ったけど、60人くらいで区切って本気でやると面白かったかもなぁw

85人は多いよママン……orz

1019やらないか?:2007/12/29(土) 21:15:21 ID:lB7GjQ4E0
男は水面に映る己が体に見とれていた。
様々にポーズを変え、そのたびにほう、とかこれは、などと感嘆の吐息をもらし
ている。
程よく鍛えられた上半身の筋肉に酔いしれているのだ。
「困ったことになったと思いましたが…これはなかなか」
上半身裸のまま一人言を言うのは明智健吾の姿をした◆1sC7CjNPu2氏こと暮れなずむ内面描写その人である。しっとりと汗に濡れた肉体が艶かしい。
服は脱いだのではない、最初から着ていない状態で参加させられた。
最初は驚いたか、自分の肉体の美しさを見るにつれそんなことは気にならなくなっていった。
むしろ、この状態が自然なのだとさえ思えるようになった。
恐らくこれも主催者側の意図なのだろう。
つまり、主催者は自分に「アーッ!」な方面での活躍を期待しているのだ。
聞くところによると、あるロワでは「アーッ!」の権化たる人物が大変な活躍をしているそうだ。
負けてはいられない。聖夜に「アーッ!」なことをしでかした自ロワの誇りにかけても。
出会った男には「やらないか?」と声をかけ、ノンケであろうと構わずほいほい喰ってしまうのだ。
「アーッ!の真髄」は自ロワにあり、ということを見せてやる。
背後の繁みからがさがさという音がした。
早速最初の犠牲者がやってきたか、暮れなずむ内面描写は怪しく笑う。
たとえ相手がマーダーであろうと関係ない。いや、シリアスな雰囲気で迫ってくるマーダーならなおさら「やらないか?」と言ったときのインパクトは大きくなり、簡単に「アーッ!」な空間に引きずり込むことができる。
次の瞬間には蹲ってしくしく泣く相手の横で優雅に煙草を吸うシーンになっているだろう。
暮れなずむ内面描写は絶妙のタイミングで振り返り、全身の筋肉をはち切れんばかりにひくひくさせて口を開いた。
「やら…」
「あの、できればお話を…」
しかし、暮れなずむ内面描写は自分が声をかけようとした人物をみて文字通り絶句した。
オレンジの髪をツインテールにした、見た目はまんまティアナ・ランスター。
しかも、衣服は何も身につけておらず美しく成熟した張りのある肉体を覆うのは僅かにシーツ一枚であった。
そのあられもない格好を見て、暮れなずむ内面描写の思考は沸騰した。

1020やらないか?:2007/12/29(土) 21:15:44 ID:lB7GjQ4E0
いや。
いやいや。
いやいやいや。
まずいって。こりゃまずいって。
間違っても「やらないか?」とか言えねぇって。
いや、男にね、言うのはね、何て言うかネタ的な面白さがある訳よ。
仮にまじで喰っちゃったとしてもそれこそ「アーッ!」とか言ってりゃ笑い話で済むのよ。
でも女の人に言うのはまじしゃれになんないって。しかも俺ら二人併せていつもの4分の1くらいの服しか着てないしさぁ。
こんな状況でんなこと言ったりしたらセクハラどころじゃないじゃん。リアルにドン引きされちゃうちゃうって。
しかも今なんかもじもじしてる?この人?うちの方のtu4氏でしょう。
そりゃ分かるってだってこのティアナ書いたのtu4氏だもん。そりゃもう読み返しましたよ。そのシーンに限っても何度も読み返しましたとも。
正直、たまりませんよ。ええ。
それはともかく自ロワの人に「やらないか?」とか言うのはまずいって。
そんなことしたらこれからずっと変に意識してかなくちゃならなくなるって。
予約のときとかさ、俺とこの人が並んだらみんなちょっとにやにやしちゃうよね。
あまつさえ予約被りとかなったら何?落としたもの拾おうとして手と手が重なっちゃう感じ?そういう雰囲気でちゃうじゃん。この人よそではそういうのに定評あるしさぁ。
あ〜でも恥ずかしそうにうつ向く格好とか見てると、ど〜にかなりそうだぁ。
考えてみればやっぱ最初に決めたスタンスってのを簡単に変えるのは喜ばれない訳だし、そもそも俺は「アーッ!」なスタンスの人間な訳だからあくまでギャグ展で進んでいけるとも考えられる。
そもそも「やら…」までは言っちゃってる訳だし、その先はどうあれひとまず言い切ってしまわないといけないのではないだろうか。

でも…大丈夫かな?

散々に迷った挙げ句、暮れなずむ内面描写は自分の決心を言葉にすべく口を開いた。
「や―――」

1021やらないか?:2007/12/29(土) 21:16:18 ID:lB7GjQ4E0


【暮れなずむ内面描写@アニ2nd】
【状態】強い決心 上半身裸
【所持品】なし
【思考・行動】1:自分の決意にしたがって行動する。
見た目は明智健吾


【エロスの鐘の煩悩寺@アニ2nd】
【状態】詳細不明、衣服はシーツ一枚
見た目はティアナ・ランスター

10221クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 21:19:30 ID:51AVnnZMO
帰宅してみたらアホみたいにスレが進んでた件
お前ら早すぎだろバーローwww
なんで一日立たずにリレーが成立しまくってんだwww
感想つける暇がありゃしねぇ……


>>1010
いきなりのカミングアウトにガチで鼻からサトウのゴハン吹いた
米粒がコップについだ爽健美茶をぷかぷか漂流してるじゃねーか!
謝罪と賠償を(ry


>>1018
原作みたいに死ぬ時まで出ない奴がいたっていいんだぜ><

1023スーパー書き手大戦:2007/12/29(土) 21:21:29 ID:8BZ4pmFU0
「ちっ……どうして俺がこんなふざけた事に巻き込まれなきゃならんのだ」
 説明が終わった後、転送された場所に座り込み、物思いに耽る男が一人。『闇その2』である。
「そもそも何だこの名前は。その2、なんてまるでモブキャラみたいな扱いじゃねぇか。まぁ『闇』ってのは認めるがな」
 一人納得するようにうんうんと頷く闇その2。それもそのはず、彼はスパロワにて工場組の崩壊を引き起こした書き手なのだから。

「だが気にいらねぇな……」
 彼が言ったのは自分がここに連れてこられたことに対して、ではない。あまりにカッコ悪い自分の名前が、である。
 確かに彼の書いた作品数自体は自ロワの他の書き手と比べても少ないであろう。しかしだからといってこんなテンプレみたいな名前はご免被る。

「変えさせてやる……俺の名前を! もっとイカした、漫画ロワやアニロワにも劣らないくらいのなァ!」
 彼の挙げたロワの書き手の名前がカッコいいかどうかはともかくとして、自分をこんな名前にした主催者だけは許さない。
 闇その2は栄光を掴むべく主催者を打倒することを決意したのだった。

「しかし仲間がいるな……それにご丁寧に用意されている首輪を解除しなくちゃならんしな……面倒だ」
 まあそれについてはおいおい考えることにしよう。まずはロワの定番、支給品の確認だ。
「何が出るかな、何が出るかな、何が出るかな〜ちゃちゃちゃちゃん♪」
 ご○げんようのテーマを口ずさみながらデイパックの中身を確認する。

「む? これは……」
 出てきたのはロボゲ板住民ならば誰でも知っているであろう、赤い彗星シャアが最後に乗り込み、アムロ・レイのνガンダムと死闘を繰り広げた機体……サザビーだった。もちろん、デイパックに入る理由は大人の事情で割愛である。
「フ、フフ、ハハハハッ! 成程、まさに俺に相応しい機体だ!」
 自身がスパロワの書き手であることからロボ系の支給品が来るとは思っていたが……まさかここまで高性能なものを寄越してくれるとは。これならあの化け物クラスがウヨウヨいる漫画やアニの書き手を相手にしても互角以上に戦える。しかし一つ問題がある。

「俺はニュータイプじゃないぞ……」
 サザビーの最大の武器であるファンネルはニュータイプでなければ使うことすら叶わない。闇その2は現代の日本に生まれた日本人であり、宇宙進出などまだまだ遠い未来の話であるからして、ニュータイプ能力など会得しているわけがなかったのである。
「……まあいい。それ以外の武装は豊富に揃っているだろうしな」

1024スーパー書き手大戦:2007/12/29(土) 21:22:35 ID:8BZ4pmFU0
 コクピットに乗り込んでシステム系統のチェックを始めようと思ったとき、背後から一人の男が声をかけた。
「ほぅ……中々面白そうなモノを持ってるじゃないの」
「!?」
 まったく気配を感じさせずに忍び寄ってきていた人物の存在に、闇その2は驚愕した。慌てて後ろを向きその人物を確認する。

「おいーす! 俺様はThe god og chos……人呼んでカオス神様だ。まぁここはフランクにカオちゃんとでも呼んでくれぃ」
 実に馴れ馴れしく手を挙げて挨拶するThe god of chaosことカオちゃんに、闇その2は呆気に取られるばかりだった。
「どうした? 続きはいいのか? その赤いザリガニに乗り込んで巨悪に立ち向かうんじゃあなかったのかい?」
 ザリガニじゃない、サザビーだとスパロワ書き手として小一時間説教してやりたい気分に駆られたがそんなことをしている場合ではない。

「貴様……何者だ」
「だから言ったじゃないの。俺様はThe god of chaos。カオちゃんだってば」
「俺が訊いているのはそんなことじゃ――」
「そうそう、付け加えとくと俺様は葉鍵3の……カオスルートの書き手だ」

 続きを紡ごうとした闇その2の表情が強張り、反射的にカオちゃんと距離を取る。
 闇その2は知っている。パロロワ界に於いてあのカオスロワに匹敵するものを執筆している書き手がいることを。そして……奴がイヴの夜に、ガチホモSSを投下したことも。
「そうか……なら貴様は、俺の敵だ」
 ひらりと身を翻すと、闇その2はサザビーのコクピットに乗り込み、ハッチを閉め、サザビーを起動させる。

「あらま、いきなり戦いっスか」
「貴様を放置しておくわけにはいかない」
 奴のことは噂程度にしか知らないがとにかくカオスな話を書きまくっているらしい。そんな奴だ、まずこの殺し合いに乗っているはずだった。
 それより何より……闇その2は、ガチホモが大の苦手だった。

1025スーパー書き手大戦:2007/12/29(土) 21:23:03 ID:8BZ4pmFU0
「いいねぇいいねぇ、これは所謂悪を叩き潰す正義の味方のお話……燃え展開だなぁそうだろう?」
 余裕綽々という調子でぱちぱちと拍手するカオちゃん。その様子に闇その2は顔をしかめながらも言い放つ。
「余裕なのは結構なことだが……いくら貴様とは言えどモビルスーツを相手に戦えるのか?」
 そう言われると、カオちゃんは少し悩むような表情になる。
「むぅ、確かになぁ……確かに、ちぃーっと厳しいと言わざるを得ないねぇ」
 しかし、それでも人を小馬鹿にしたような口調は変えない。苛立った闇その2が一思いにビームサーベルで焼き殺してやろうとサザビーの腕を動かした時だった。

「でもロボットを持ってるのはお前だけじゃないもんねー! アヴ・カミュ! ショーターイム!」
 カオちゃんがどこからか取り出した腕時計に呼びかける。
「なっ、それはビッグオーの……」
 闇その2が突っ込もうとした瞬間、地面が激しく揺れ、カオちゃんの背後で木々が倒れ、女性型と思しきロボットの顔がせり出していく。

『お父様……お仕事?』

 そしてあろうことか、そのロボットは呼び出した主に応えるかの如く音声と思しきものを発する。
「喋って……いるだと」
 スパロボでも見たことのない機体だが、その上喋るとは。突如として現れた脅威に、闇その2は慄かずにはいられなかった。
 カオちゃんは「そうだよ、お楽しみの時間だ……愛しきカミュよ」と聞いた闇その2がゾクッとするくらいの優しい声で言うと、アヴ・カミュに乗り込む。
 途端、全てをなぎ倒すかのような激しい嵐が巻き起こり二対の黒き翼が上下に揺れ、ゆっくりとアヴ・カミュを上空に押し上げる。同時に、その全体が明らかになる。
 完璧な女性の体型をそのまま形にしたような丸みを帯びた肢体、美しく揺らめく銀色の髪、そしておっぱい。まさにそれは……『美』であった。
(っ! 気を取られてる場合じゃない!)
 サザビーもバーニアを利用し、崩れ往く地面から距離を取って、改めてアヴ・カミュと対峙する。

「さてさて……どんなことをして楽しませてくれるのかなぁ? ザリガニのモノマネか? 俺様はお笑いも好きだがなぁ……まぁ何でもいい、俺様を……楽しませてみせろッ!」
 カオちゃんはアヴ・カミュを通して叫ぶと、ゆっくりとカミュの細く、白い手を天へ、蒼穹の空へと向ける。

1026スーパー書き手大戦:2007/12/29(土) 21:23:28 ID:8BZ4pmFU0
『――ヒム・トゥスカイ』

「――!」
 それは予感だった。カミュの放った言葉がどんな意味を為すのかなど、考える暇はなかった。
 離れた時と同じくバーニアを噴射させ、横に跳ぶようにして移動した瞬間……まるで噴火のように、地面……いや虚空から、炎が噴き上がった。後一歩反応が遅れていれば……まずその攻撃に巻き込まれていたであろう。
「舐めた真似をっ!」
 ビームショットライフルを飛んだままの体勢で構えると、アヴ・カミュ目掛けて連射する。やはりスパロワの書き手である故か、不安定な姿勢ながらもその狙いは外していない。しかしカミュは避ける素振りを見せるどころか、棒立ちの姿勢のまま、また不可思議な言葉を唱える。

『――テヌ・トゥスカイ』

 すると今度は、カミュを守るようにして唱えた本人の数倍はあろうかという巨大な岩石が突如として現れ、ビームを遮る。
 もちろんそれは岩石であるから直撃を受けた途端、ぼろぼろと崩れ落ちてしまったのだがどれ一つとしてカミュにビームを届かせてはいなかった。
「……成程、ただの機体ではなさそうだ」
 闇その2はニヤリと笑うと、ビームサーベルを抜き放ち眼前の好敵手へと向けて迫る。遠距離がダメでも、近距離ならどうだ。白兵戦はモビルスーツのお手の物である。

 高速で迫るサザビーに対し、ようやくカミュが動きを見せた。二対の翼をせわしく動かし始めると、カミュもサザビーに接近してくる。
(何!? 距離を取らないのか!?)
 てっきり逃げて距離を取るかと思ったのだが、しかし関係ない。正面から真っ二つにしてくれる。
 サザビーがサーベルを振りかぶった瞬間、カミュの手から黒いオーラのようなものが溢れ出し、それが剣の形を為していく。

1027スーパー書き手大戦:2007/12/29(土) 21:23:52 ID:8BZ4pmFU0
「ビームサーベルまで持っているか! ならば……勝負!」
 サザビーの振り下ろしたビームサーベルと、カミュの黒い剣がぶつかり合いバチッと火花を散らす。
 パワーで押し切ろうとするサザビーを、しかしカミュも負けじと押し返す。サーベルの力は全くの互角だった。

「ハハハハ! 面白い! 面白くなってきた! いいぞこの調子だ、もっと俺様を楽しませろ……
ガチホモだろうがガチレズだろうがスパロボだろうが……楽しけりゃいい……俺様を飽きさせるな!
楽しませろ、笑わせろ、もっと俺様を満足させてみせろ!
神様ってのは……いつだって退屈してるのだからなァ!」

 カオちゃんが叫ぶと、カミュが剣を返し、弾いて距離を取った。お互いの距離が、数十メートルは離れる。
 それが、第二ラウンドの開始を告げていた。

1028スーパー書き手大戦:2007/12/29(土) 21:24:10 ID:8BZ4pmFU0
【荒地/深夜】
【闇その2@スパロワ】
【状態】サザビーに乗り込んでいる
【装備】サザビー
【道具】支給品一式、まだ何かあるかも
【思考・行動】
基本:カッコいい名前をつけ直し、主催者を倒す
1:目の前のアヴ・カミュを倒す
2:全力全開だ!
3:ところで首輪はどうしよう?
※今はファンネルが使えません(そのうち覚醒するかも)
※モビルスーツの操縦には長けているようです

【The god of chaos@葉鍵3】
【状態】絶好調であるっ!
【装備】アヴ・カミュ@葉鍵3
【道具】支給品一式、他にもあるかも
【思考・行動】
基本:常に快楽を求める
1:目の前のザリガニと心躍るような燃え展を楽しみたい
2:ガチホモ・ガチレズ・陵辱からお笑いまで何でも(楽しめるなら)可!
3:カミュは俺の嫁
※アヴ・カミュは土の術法(テヌ・トゥスカイ)、火の術法(ヒム・トゥスカイ)が使用可能。他にも色々な術法が使えるかも
※アヴ・カミュの全長はアヴ・カムゥと同じくらい
※できればカオちゃんと呼んで欲しいようです

10291クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 21:27:51 ID:LLw1NkXc0
遂に巨大ロボバトルまで始っちまったよwwwwwwwwwww
誰がこのカオス収束すんだwwwwwwwwwwwww

10301クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 21:28:50 ID:rKTlobi20
お前ら早過ぎるっつーのw

>>1021
ガチホモ明智www
tu4氏は闇メイドではなく、全裸シーツの方かw
さて…どうなる?

>>1028
ロボットバトルは絶対あると思ったがアヴ・カミュww
カオスルートの人はいいキャラだ。


さて、そんなボクから君達にプレゼントだ

http://www13.atwiki.jp/kakiterowa/

投下が早過ぎて更新が間に合いません><

10311クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 21:28:57 ID:gttQINsc0
状態票の御大将自重しろwww

10321クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 21:31:59 ID:KzcarFwM0
感想を描くヒマすらないこの速度www
みんなGJ!

>>1030
おぉぉぉぉぉぉ!超GJ!
しかし言いにくい事なんだが一話はギャルゲのお姉さまの話だと思うぜ。

10331クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 21:34:45 ID:RY2hacpYO
>>1015 表作成の後に追加されたLS・スパロワ追加面子&ニコロワ面子も書いてみたい奴らいるが
入れると100近くなるからなぁ……

10341クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 21:53:40 ID:SwGlnpno0
早い物勝ちで90名までにするとか?

10351クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 21:55:16 ID:xbVvNbqo0
お祭りなんだし、普通に入れても良いんじゃない?

10361クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 22:00:21 ID:Z8YMhNSc0
>>1035
待て、それはさすがに前回の二の舞だ
新規参入ばっかりでリレーが崩壊しちゃうw

10371クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 22:01:15 ID:KzcarFwM0
まぁ空気を読むってコトで!

10381クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 22:02:57 ID:PKrKxwOA0
取り敢えずまだ出てない人優先にしようぜw

10391クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 22:08:22 ID:spVPcKjs0
スタート時の切り方もいい加減だったし、紹介文がきっちり書かれていればいいだろう……とは思う
とはいえ、増やしても金曜に紹介文が投下されたLSとニコロワが限界だろうなぁ。

10401クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 22:13:04 ID:SYWqZYGk0
増やす時には、必ず表作成のメンバーの生贄込みとか。

10411クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 22:20:17 ID:4vNtkpQI0
とりあえず、名簿に載っているキャラで未出の奴ら

21/21【漫画ロワ】
○クールなロリスキー/○愛の伝道師/○King of 脳内補完/○熱血王子
4/4【LSロワ】
○ボマー
7/7【スパロワ】
○承/○差/○闇その1
10/10【ギャルゲロワ】
○バトルマスター/○永遠のうっかり侍/○ギャルゲロワ版最速の人/○蟹座氏/○孤高の黒き書き手/○歩く頭脳戦/○ステルス鬼畜
18/18【アニロワ2nd】
○マスク○ザ○ドS/○激動のトウカリョウ/○底上中の残月/○ボンボン系の書鬼/○忘却のウッカリデス
○管理人○したらば孔明/○コ○ホンブック/○ゲドー○ザ○マジシャン/○ビクトリーム博士/○書風連○その壱/○書風連○その弐/○書風連○その参/○幻夜○フォン○ボーツスレー
9/9【アニロワ1st】
○美形元帥/○静かなる 〜Chain-情〜/○神行太保のDIE/SOUL/○無明幻妖side./○意外な影丸?/○猫子頭の鬼軍曹
3/3【ハカロワ3】
○サプライズパーティー
7/7【ライダーロワ】
○THE FIRST/○漆黒の龍


総勢37人也。
人数トップだった漫画ロワがどんどん出てくるのに対して、人数二番目のアニ2ndは出が悪いね…はたしてこの先どうなるか
そして俺が登場してズガンされる(予定)なのはいつの日かw

10421クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 22:20:29 ID:o6feMCz.0
しかし年末だと言うのにこの加速w

10431クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 22:38:30 ID:FkMuMnFU0
ちょっとアニロワ2ndの面子が間違ってる気がする。正しくは

18/18【アニロワ2nd】
○マスク・ザ・ドS/○激動のトウカリョウ/○底上中の残月/○ボンボン系の書鬼/○忘却のウッカリデス
○管理人・したらば孔明/○コ・ホンブック/○ゲドー・ザ・マジシャン/○ビクトリーム博士/○書風連・その壱/○書風連・その弐/○書風連・その参/○幻夜・フォン・ボーツスレー

なんかよく分からないけど○と・が誤変換されている。



さあ、私が登場するのはまだか? ズガンでもいいけど。

10441クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 22:41:12 ID:SwGlnpno0
4/5【AAAロワ】
○◆MJv.H0/MJQ/○ピザの1号/○空気の人/●>>1からの2号/○◆yHJSlOJmms
15/21【漫画ロワ】
●アルレッキーノ/○エース/○パンタローネ/●体はスクライドで出来ている/●ボイド/
○コロンビーヌ/●ドットーレ/○蘇った現代の熱血怪人/○ミスターマダオ/○康一君
・クールなロリスキー/●メリーゴーランドオルセン/○シルベストリ/
○ブリリアント・ダイナマイト・ネオン/○焦ったドラえもん/・愛の伝道師/
・King of 脳内補完/・ダイナマイトアンデッド/
●ネクストコナンズヒント『蝶ネクタイ』/・熱血王子/○エロ師匠
3/4【LSロワ】
・ボマー/○温泉少女/○派手好き地獄紳士『666』/●深淵
7/7【スパロワ】
○起/・承/○転/○結/・差/・闇その1/○闇その2
10/10【ギャルゲロワ】
○予約被りに定評のあるtu4氏/・バトルマスター/・永遠のうっかり侍/
・ギャルゲロワ版最速の人/○お姉さま/・蟹座氏/○汚れなき愛/
・孤高の黒き書き手/・歩く頭脳戦/・ステルス鬼畜
18/18【アニロワ2nd】
○速筆魔王LX/○衝撃のネコミミスト/・マスク・ザ・ドS/○暮れなずむ内面描写/
○素晴らしきフラグビルド/・激動のトウカリョウ/○エロスの鐘の煩悩寺/
・底上中の残月/・ボンボン系の書鬼/・忘却のウッカリデス
・管理人・したらば孔明/・コ・ホンブック/・ゲドー・ザ・マジシャン/
・ビクトリーム博士/・書風連・その壱/・書風連・その弐/・書風連・その参/
・幻夜・フォン・ボーツスレー
9/9【アニロワ1st】
・美形元帥/・静かなる 〜Chain-情〜/○地球破壊爆弾No.V-7/○大あばれ鉄槌/
・神行太保のDIE/SOUL/・無明幻妖side./○フリクリ署長/・意外な影丸?/
・猫子頭の鬼軍曹
3/3【ハカロワ3】
・サプライズパーティー/○地味子/○The god of chaos
6/7【ライダーロワ】
・THE FIRST/○影の繋ぎ師/○まとめキング/・漆黒の龍/○仮面ライダー書き手/
●欝のエル/○ギャグ将軍

・未登場
○登場済生存中
●死亡
75/84

生死も含めた全キャラリストだとこう。漫画ロワが凄い勢いで燃えている。

10451クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 22:57:37 ID:xs25/r4I0
「だからボクは蟹座じゃないんだっつうのーーー!!」

森の中に響き渡る少女の声。
左右計六本のおさげを下げた黄色の髪、ちびっと涙を流しているパッチリとした大きめの薄緑の目、元気が余っていそうな活発そうな表情、制服の上からでもはっきり判る明らかに足りていないふくらみ。
恐らく百人中八十人が「中学生?」と聞いてくる外見。(因みに残る二十人は「小学生?」)
背中に背負ったデイパックがランドセルを彷彿とさせ、その幼い外見を助長させる。
だが彼女はこれでも歴とした「十九歳、蟹座のB型」
「だからそれはもういいんだってんだろー!!」

再び叫ぶ少女。
目が更に潤み、大きな瞳から涙が零れる。
「な、泣いてない!泣いてないもんね!」
特に誰も居ないのだが、袖で涙を拭いながら慌てて弁解する。

(うう、なんでこんなことになってんだよ…)
そう、思い起こすはギャルゲロワデビューから数日後の事。
何の気無しに告げた十九歳という自分の年齢。
だが、その時を境に周囲の状況は一変した。

ー‐-、    .‖            /l ,!,!   !、
. ___,,,,`ヽ -※-       __,.  / ,! ,!,! 、    \
{  `” }} ‖   ___,.-‐''"" _,. // / //  |ヽ\  /
`ー、,,,,,ノ ,.;',.-彡''"-‐'''"_,.-''"'ノノ ノ/ /  { ハ  /  ◆TFNAWZdzjA
//  /,,.====-,,,, -==≡≡フ''ノ ,/,// ,,,,,{ |、}  .j
,//-<{ { ` ,,,,,,,,,,;;;;;;;;;__ ///,,,,,,〃"7}}j } /   年齢19歳 蟹座のB型ッ!!!
{{ノ | | ( ,ス_ヽニ.ノ''フー`//k-=ラ'''7'/'' |.|/ ,.イ
ヽヽ ノ| |ヽヽ  '`ー‐'''"   {{. |` ー‐'"lj ノ /,/
/\` `|ミ、`-        {{ |    // /×   ━━━━━美形だっ!!!
//l.\ |ヽミ_           ヽ  / / / ヽ
| |、从|~ | `ー          〃  /{/ |  | \
| |从| ト、\     ー、..__,..   /_{,..!--- 、_ヽ `、
.| |∧{ヽ `ヽ \   ヽ`ー一’j  / jー,!二ニ、ヽ`ヽ、\
ヽ|j'ヽヽ,     \    ̄ ̄  /くノ ノ メ、-、ヽヽ } ゝ\
、`j`-、ヽヽCヽ___  \    / | / / {ヽヽン 冫} ,!}、  \
|ヽ、  ̄`ー'',ニ、 `ヽ___`ー一1  ト{ヽ<`=='// j { ヽ  {
ヽヽ    {    }""''''''"/`ー、__}\`ー--'-'"/'" |  }
 ヽヽ、   ヽ___.ノ  / /,/;;;; ; ; 、=`ーヽ..ヽ,.-‐" |  |  |

10461クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 22:58:11 ID:xs25/r4I0
のAAを皮切りに一瞬で定着した自分のキャラ。
性別が女だと告げても、
「逆に考えるんだこのAAは実は女性と考えるんだ 」
とあっさりスルーされた。
その後は誰一人自分の事をトリでは呼ばず、蟹座氏と呼ばれる事に。
そして気が付けば「蟹座氏」の名前でロワに参加させられている始末。
それで名簿を確認した瞬間に、思わず魂の叫びを放ってしまったわけだが……

「蟹座じゃないって言ってるのに……」

しかも何故だかそれほど書いた回数が多いわけでも無いのに、お約束のように蟹沢きぬの外見になっていると。
「普通に考えてカニはお姉さまを連想するだろ」
と思うべきか、
「AAの外見にならなかった事で最低限の女のプライドは保たれたのかもしれない」
と慰めになっていない事を考えるべきか……。


「……とりあえず、ギャルゲの人たちと合流するのが先決かなー」
深くは考えない事にして名簿のチェックに戻る。
現実逃避とも言うが

「んー、ししょーとお姉さまとtu4氏は判るとして、他の人はどれだろ?」
普段からあだ名で会話する文化のおかげか、何人かは判る。
師と(勝手に)仰ぐ”バトルマスター”◆guAWf4RW62 氏
”お姉さま”と称される◆UcWYhusQhw氏
そもそもトリが書いてある◆tu4bghlMI 氏
この辺りの投下上位陣は名簿で判断出来る。

この内、バトルマスター氏とお姉さまは確実に対主催派だと断言出来ると思うのだが、
「tu4氏はなんか乗ってるみたいな雰囲気だったなー」
最近でこそ燃え展大目と言われるギャルゲロワだが、自分がデビューする少し前は、ギャルゲの名に相応しい鬱展と疑心暗鬼に満ちたロワだったと聞く。
その中でも、「楓演説」や「ことりレ○プ未遂」といった鬱展を一貫して書き続けているtu4氏は要注意かもしれない。
だが、
「でも、ボクはみんなで帰るのを目標に頑張るぜ。 最終回の為に!!」
そう、ギャルゲロワにて行われるパロロワ初の試み”合同最終回”
そのゴールはもうすぐそこだ。
その為には優勝なんて文字は頭の中には無い。
”書き手皆で生きて帰る”これ以外の道は無い。

「ボクは頑張るぜ、ギャルゲの、いや他の皆の書き手と共に、このロワから必ず生きて脱出してやるぜ!!」
気合を入れて口に出す。
書き手として培った経験を今こそ生かす時だ。

10471クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 22:58:43 ID:xs25/r4I0


……だが、その気合は、
「だから蟹座じゃないんだってばーーーーーーー!!!!」
数十秒後、支給品の中にあった”蟹座の黄金聖闘衣”によって早くも挫かれる事になった。


【何処かの森/開始直後】

【蟹座氏@ギャルゲロワ】
【状態】へこみ中
【装備】無し
【道具】支給品一式、蟹座の黄金聖闘衣、他に何かあるかも?
【思考・行動】
基本:仲間と共に主催者を倒す
1:蟹座じゃない、蟹座じゃないもんね!!
※外見はつよきすの蟹沢きぬ(カニ)です

10481クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 22:59:47 ID:xs25/r4I0
とりあえず、お姉さまと並んで有名?な蟹座氏を投下。
ネタまみれですいません蟹座氏。

10491クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 23:05:36 ID:LLw1NkXc0
蟹座の元ネタってそっちかよ!? 俺はてっきり蟹沢のほーかとばかりwwwwww
おーけい、そういう事なら漫画ロワ軍団は君を歓迎する! 美形の人気はこっちでもたけえんだよ!
さーかかってこい! マーダー多いけど対主催とぶつかれればきっとお前の道は開けるぞwwwwwww

10501クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 23:08:43 ID:xbVvNbqo0
蟹座氏はカニかよwwwwww
思いっ切り吹いた

10511クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 23:10:36 ID:Y4bCf5ac0
ちっ、蟹座氏は蟹沢きぬでもジグマール隊長でもなく本当にただ普通の蟹にしてやろうと思ったのに

10521クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 23:12:28 ID:spVPcKjs0
あー。海鮮鍋で何か入れ忘れたと思ったら蟹か。

10531クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/29(土) 23:25:59 ID:lB7GjQ4E0
蟹座氏ktkr!つか普通の蟹案うけるw

あ〜で、どれだけ振りかわからないくらいここに人が集まってる状況なんで言わせてもらうけど、
隣にある「作品批評スレ」もよろしくね!俺じゃ無理だけどね!

1054うっかり〜ん☆しゃむらいさん:2007/12/30(日) 00:06:27 ID:LAbS2flgC
「外道め・・・・・・!某や仲間達を殺し合わせるとは何という事を・・・・・・!」

森の中を進みながら一人の女性が憤る。
その服装、その口調、耳が人のそれだと言うことを除けば、うたわれるもののトウカその物である。
彼女の名は永遠のうっかり侍。ギャルゲロワ書き手の一人だ。

「ギャルゲロワが完結に向けて歩む今、某が必ずや皆を連れて帰らねば!」

支給品の斬鉄剣を片手に彼女は闘志に燃える。

「しかし、tu4殿は大丈夫であろうか」

参加者が一同に介したあの場で主催者に質問をしていたtu4氏を思い出す。
虚ろな、生気が感じられない目。寒気のする笑顔。その姿を例えるならば、まさに狂気。

「いや、ここで悩んでいても仕方あるまい。某は自分がすべき事をするのみだ」

そのときである。

「AAAAAAAAAAAAAAAAmmmmmmeeeeeeeeeennnnnnnッッッ!」

獣のような叫びが森に木霊した。
その殺気を纏った叫びにうっかり侍は身構える。
「今のうなり声は!?よもや誰かが襲われているのか!?」

考えるより先にうっかり侍は駆け出す。襲われているのは自分の知り合いかもしれないのだ、いてもたってもいられない。
「待っていろ!今、某が助けに行く!」

彼女は夜の闇の中を疾走する

--数分後。

「み、道に迷うとは・・・・・・、某としたことが〜」

そのとき、うっかりが発動した。
元々どこから聞こえたかわからない、しかも一瞬聞こえただけの声を頼りに暗い森の中を探し回るのは土台無理な話である。
それでも彼女は諦めない。まだ間に合うかもしれない、そう、挫けそうな心に言い聞かせながら、彼女はすすむ。
偶然ではあるが彼女の進む方向の先にあるのは崖。そう、二人の漫画ロワ書き手が争っていたあの崖である。
果たして、彼女はその場にいる二人を見つける事ができるのか?
またその光景を見てどう思うのか?
それは誰にもわからない。

【森】
【永遠のうっかり侍@ギャルゲロワ】
【装備品:斬鉄剣@ルパン三世】
【道具:支給品一式、不明支給品(ランダムアイテム)】
【状態:健康】
【思考・行動】
基本:打倒主催、乗った人間は斬り捨てる。
1:さっきの声の主に襲われているであろう人を助ける
2:無事に皆で帰る

※姿形は耳だけは人間になった「うたわれるもの」のトウカ

1055彷徨の雷鳴:2007/12/30(日) 00:08:27 ID:oSu2RDX2O
 森の中、
「天が呼ぶ!」
 その中でもなだらかな丘の上から、叫び声が上がる。
 
「地が呼ぶ!」
 声の主は赤いジャケットの男。
 
「人が呼ぶ!」
 その目に灯る怒りの炎は理不尽に自分が集められたことにか、それとも軽々と人を殺した主催者に対してのものなのか。
 
「愛を語れと俺を呼ぶ!」
 ただただ熱い思いを胸に、咆哮する。
 
「聞け、住人共……」
 あたりを見回し右手を上げる。
 
「俺は愛の伝道師……◆rnjkXI1h76!!」
 言葉に合わせて、親指を人差し指に当てると愛の伝道師の背後で爆炎が上がる。
 
 しかし悲しきかな……当たりには誰もいなかったとさ。
 
【森】
【愛の伝道師@漫画ロワ】
【装備:『キラークィーン』@漫画ロワ】
【所持品:支給品一式(未確認)】
【状態:健康】
【思考・行動】
基本:愛を語り伝える
1:植物の様に静かに暮らすつもりはない
 
※黒い皮手袋に、赤いジャケットを羽織った吉良吉影です

10561クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/30(日) 00:09:22 ID:Nn4Z8pkQC
うっかり侍と聞いたその日からイメージは彼女に固まってしまっていた。謝罪はするが後悔はしない。

10571クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/30(日) 00:10:31 ID:/UcpeYBY0
>外道め・・・・・・!某や仲間達を殺し合わせるとは何という事を・・・・・・!
ギャルゲキャラを殺し合わせてる奴のセリフじゃねえwww

10581クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/30(日) 00:12:11 ID:PhhoQ1Og0
愛を語る奴に(良い意味で)アフォが多いなw

10591クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/30(日) 00:18:20 ID:XURVeEWc0
伝道士さんwwwwww その装備は愛じゃない何かしか伝えられませんwwwwww

10601クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/30(日) 00:20:53 ID:mq9lOZ7.C
オープニング見て思ったんだが、オープニングに全裸タイツの格好した人がいるって事は漫画ロワの書き手さんの一人は全裸タイツなんかね?

10611クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/30(日) 00:26:52 ID:oSu2RDX2O
うっかり発動ktkrwwwwwwwwww

1062どっきり、びっくり、サプライズ:2007/12/30(日) 00:38:27 ID:h7W.aX8s0
「くく……この俺がステルス鬼畜だと? ぴったりじゃないか! はは! それで岸田か! 最高だ!」
ステルス鬼畜は喜びながら自分の姿を見た。
そうそれは自分があこがれる鎖の岸田洋一そのものだから。
ステルス鬼畜は岸田洋一にピッタリのあだ名であり、自分にもそれがつけらるとは思わなかった。

そんなご満悦な彼は遠くに人が居るのを見つけた。

「なんでサプライズパーティーだけで、容姿がこんなことに……」
そう呟きながら歩く彼を見てステルス鬼畜は絶叫した
そしてサプライズパーティーも絶叫した。

なぜなら

「「お、俺が、もう一人居るーーーー!?!?」」

2人とも容姿が岸田洋一だったのだから。

現在地、市街地

【ステルス鬼畜@ギャルゲロワ】
【装備品:なし】
【道具:支給品一式、不明支給品(ランダムアイテム)】
【状態:健康】
【思考・行動】
基本:???
1:お、俺が、もう一人居るーーーー!?!?

容姿は鎖の岸田洋一。


【サプライズパーティー@葉鍵ロワ3】
【装備品:なし】
【道具:支給品一式、不明支給品(ランダムアイテム)】
【状態:健康】
【思考・行動】
基本:???
1:お、俺が、もう一人居るーーーー!?!?

容姿は鎖の岸田洋一。

10631クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/30(日) 00:42:08 ID:s2WXKX1Y0
>>1062
ちょwwwwwwww
テラwwwカオスwwwwwwwwwwww

10641クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/30(日) 00:42:32 ID:oA8KvL.s0
タイムリー過ぎる投下乙www

10651クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/30(日) 00:42:52 ID:hBGJ57vg0
>>1063
貴様、ギャルゲロワのチャット覗き見してるなwwwwwwwwwwwww

10661クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/30(日) 00:43:53 ID:zzlKBQLw0
鎖のメインヒロイン岸田さんktkr!!
しかも2人wwwどうなるんだw

10671クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/30(日) 00:48:58 ID:Y7Q3BlhE0
もし、このままコンビを組んだら、どうなるんだw

10681クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/30(日) 01:29:06 ID:PhhoQ1Og0
まとめwikiを見ていて気づいたが、
無題の作品はページタイトルを通し番号かなにかにしておかないと
あとでいろいろと困ったことになる気がする。

回収手伝おうとしてそこでつまってしまった。

10691クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/30(日) 01:34:40 ID:mveVvwI20
無題(1069)とかこのスレのレス番付けて行ったらどうだろう。
順番に(1)(2)(3)でもいいんだけど。

1070同郷の人間はよく知る人物が、想定外のことするとは予想できない。:2007/12/30(日) 02:03:54 ID:NQNB6I.20
無人の商店街を一人の少女が歩く。
『◆jbLV1y5LEw』こと『書風連・その参』はご機嫌だった。

(うふふのふ〜。全く、<<読み手>>には感謝したいものですわ。こんなチャンスを与えてくれるなんて)

その参は邪悪に笑いながら、足を動かす。
開始早々あまり考えることなく彼女はゲームに乗った。
新人である彼女にとってはLX氏を始めとして、アニロワ2ndの熟練書き手達は目の上のたんこぶであったために
この舞台を己にとって邪魔な書き手を殺害するチャンスだと考えたのだ。

(それに、当り武器も支給されましたし)

その手には『乖離剣・エア』が握られていた。
彼女に支給された武器はそれだけでしかなかったが、バトルロイヤルを勝ち抜くにはその剣一本で充分である。

(あら、獲物はっけ〜ん♪)

そして、そんな彼女の視界に人影が映った。
ピンク色の長髪をした少女が歩いている。しかも無防備にこちら気づくこともなく背を向けながら。
少女の手にはアームドデバイス『グラーフアイゼン』が握られているが関係ない。一撃で決めればいい。
その参は舌なめずりをしながら、最初の獲物とするべく少女に向かって剣を構える。
彼女にとっては、他ロワ書き手の命などゴミに等しい。
剣をがっしりと構え最大出力の乖離剣・エアの力を解き放つ。
赤色の幾本もの光が少女に向かって殺到し爆発が起こり、少女がいた辺りに爆炎が立ち昇る。
直撃である。たとえ、リバースドールを持っていたとしてもオーバキルと思われるほどの威力が解き放たれたのだ、
生きているはずがない。

「まずは一人」

書風連・その参はたちこめる煙を見つめながらうっとりした表情でそう呟き、光に包まれた。
そして光が収まった跡には、はめ込まれていた首輪以外の書風連・その参の全てが消滅していた。

「うふ、うふふふふふふふふ」

そして、今だ煙が立ち込めるエアの破壊跡から狂気を纏った笑い声と共に少女が一人抜け出る。
それは書風連・その参が殺したと判断した、桃色の髪の少女であった。
全身に切り傷が走りつつも彼女は生きていた。健在であった。
少女の名は『◆LXe12sNRSs』こと『美形元帥』。アニロワ1stの投下NO.1書き手である。
最多投下数を誇る彼女にとっては杖一本あれば、エア如きを防ぐバリアを張り、
最高クラスの宝具を消滅させる虚無の光を放つことなど雑作もない。

1071同郷の人間はよく知る人物が、想定外のことするとは予想できない。:2007/12/30(日) 02:04:57 ID:NQNB6I.20
そんな少女の目的はいったい何か?

(みんな殺してアニロワ2ndを始まるるるるるるるるぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!)

美形元帥は寂しかった。アニメキャラバトルロイヤルが終わり、孤独の日々を送っていた。
2nd反対者に押しやられ、書き手として陰鬱たる日々を送り心を磨耗していった。
そして、アニロワ2ndが始まる1週間前にこの舞台に放り込まれた彼女は、これをチャンスだと信じる。


優勝してアニメキャラバトルロイヤル2ndの始動を御褒美として願う。


ただその願いを糧として、強大な力を持つ美形元帥はグラーフアイゼンを片手に次の獲物を探す。





【美形元帥@アニロワ1st】
【状態】全身傷だらけ、魔力消費(少)
【装備】グラーフアイゼン@魔法少女リリカルなのはシリーズ
【道具】支給品一式
【思考・行動】
基本:優勝してアニロワ2ndを始動する。
【参戦時期】アニロワ2ndが始まる一週間前から。

【書風連・その参@アニロワ2nd 死亡】
【備考】『書風連・その参』の遺体支給品は消滅しました。首輪がその場に落ちています。

10721クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/30(日) 02:05:34 ID:NQNB6I.20
色々ごめんなさい。

1073天才的戦術家達の遭遇:2007/12/30(日) 02:12:55 ID:oA8KvL.s0
歩く頭脳戦はこのあまりにカオスな惨状にわくわくしていた。
彼――いや、彼女は青い髪を靡かせながら学校の屋上から会場を見渡す。
その風貌はギャルゲロワで歩く武器庫の異名を取ったSHUFFLE!のネリネと瓜二つであった。

彼女が得意とするのは圧倒的な心理戦、そして頭脳戦だ。
様々な支給品や地形を生かしたその戦闘スキルは他のロワを見渡しても匹敵するものはいないほどの独創性に満ちている。


だが、彼女を"最凶"と言わしめる訳はそれだけではない。


永遠神剣ならばギャルゲロワの大半の人間が使った。
武器庫にならば某女装戦士だってそれ以上の存在へと進化した。
では一体彼女が最凶の名を欲しいままにした理由とは?
彼女がロワにて、全ての人間を恐怖のどん底へと叩き落したその原因。

それは――やはり彼女が持つ生首収集癖であろう。


「さてと、首を……集めましょうか」


歩く頭脳戦はにやりと口元を歪め、支給品の大鉈を取り出した。

自分にとってロワに参加させられたことは大した問題ではない。
首、ただ首さえ手に入れることが出来れば自分の心は満たされるのである。

しかも、ただ集めるだけではない。
その後のアフターケアも完璧な本格派であると自負している。
切り落とした生首はアルコールにて保存し、しっかりとコレクションするつもりである。
時々勢い余って手に入れた首に悪戯をし過ぎてしまうこともあるが、そんなことは気にしない。
彼女はポジティブなのである。

「ふふふ……楽しみですね。いったいどんな首が――」
「見つけましたっ!!」
「――ッ!?」

1074天才的戦術家達の遭遇:2007/12/30(日) 02:13:26 ID:oA8KvL.s0

恍惚の表情を浮かべていた歩く頭脳戦の背後でガチャっという扉を開く音と共に、女の声が響いた。
襲撃者だろうか?
確かに、極端に目立つ位置である校舎の屋上に長居をし続けたのは明らかな失態である。
彼女は当然大鉈を構え、臨戦態勢で振り返った。しかし、

「ようやく見つけました……ご主人様!!」
「な――ご、ご主人様?」

背後に居たのは明らかに戦う力を持たない幼い少女だった。
ご主人様?
あどけない少女の口から発せられた一言に思わず首を傾げる歩く頭脳戦。
少女はスウッと息を大きく吸い込むと、更に意味不明な言葉を続ける。


「はい、ご主人様です」
「……どういうことでしょう。それにあなた……お名前は?」
「はわわ、あの。姓は諸葛、名は亮。字は孔明――またの名を管理人・したらば孔明ですっ!」


殺る気満々だった歩く頭脳戦もさすがに少女のあまりの無垢な笑顔を見て、襲い掛かることは出来なかった。
なぜなら本来彼女のマーダー区分は奉仕マーダー。
確かに生首を集めることには興味津々だが、奉仕相手もいないのに誰彼構わず殺して回る意思はなかったのだ。


「なるほど、したらば孔明さんですか。しかし、何故私がご主人様なのでしょう?
 英国式メイド以外はぶっちゃけ趣味ではないのですが」
「それは――刷り込みだからです」
「……刷り込み?」
「はい。キャラ的に私がこの空間で初めて見た方には、私のご主人様になってもらわないといけないんです」

1075天才的戦術家達の遭遇:2007/12/30(日) 02:13:51 ID:oA8KvL.s0


そしてしたらば孔明はニッコリと微笑んだ。
歩く頭脳戦は逡巡する。目の前の少女の生首をゲットすることは容易である。
だが、孔明というからには恐らく類稀な戦術能力を持っている筈。
さっくりズガンしてしまうのは上策ではないだろう。

「分かりました。私は歩く頭脳戦。あなたのご主人様として――」
「あっ!!」
「……どうしました?」

歩く頭脳戦がしたらば孔明のご主人様となることを承認しようとした瞬間、少女は不可解な大声を上げた。
当然、歩く頭脳戦は顔を顰め、不機嫌そうな声でしたらば孔明に問い掛ける。


「忘れてました! は、はわわ、ご、ご主人様、敵が来ちゃいます!
「は……?」


歩く頭脳戦が訝しげな眼で再度したらば孔明の顔を除き込んだ瞬間だった。
屋内へと続くドアが開き、そこから明らかに殺る気に満ちた顔の少年が現れた。
そう――つまり、したらば孔明がここまで呼び寄せたであろうマーダーという訳だ。
彼女は頭を抱えた。
なにしろ自分は「孔明使えねー」と文句を言う暇もなく、目の前の少年の相手をしなければならないのだから。


【学校屋上】
【歩く頭脳戦@ギャルゲロワ】
【装備品:なし】
【道具:支給品一式、大鉈@ギャルゲロワ、不明支給品(ランダムアイテム)】
【状態:健康】
【思考・行動】
基本:生首を集める。
1:適当にゲームに乗っている人間、気に入らない人間の生首を集める
2:したらば孔明を利用して生き残る。

※外見はSHUFFLE!のネリネ。

【管理人・したらば孔明@アニロワ2nd】
【装備品:なし】
【道具:支給品一式、不明支給品(ランダムアイテム)】
【状態:健康】
【思考・行動】
基本:ご主人様を勝利に導く
1:て、敵が来ちゃいました!

※諸葛亮としての実力は未知数。
※外見は恋姫†無双の諸葛亮。


【まとめキング@ライダーロワ】
【状態】健康
【装備】オーバーオール@ライダーロワ
【道具】携帯電話@現実
【所持品】支給品一式(未確認)
【思考・行動】
基本:殺し合いを楽しむ。
1:遊び相手を探す。
2:気に入らない書き手の悪評を広める。

※外見は真紅のジャケットを着た茶髪の少年です。
※コーカサスUDに酷似した姿に変身できます。

10761クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/30(日) 02:16:05 ID:NQNB6I.20
>>1075GJ
ちょ、管理人さんw
役にたちそうもねえw

10771クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/30(日) 02:18:03 ID:gmAVrV9w0
孔明そっからもってくんの!?
いや待て、それが既に罠かも知れん。

10781クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/30(日) 02:19:05 ID:s2WXKX1Y0
ちょwww基本方針生首収集ってwwwwwww

10791クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/30(日) 02:19:15 ID:q2252lt60
ぎゃーLX氏1stだとるるるなのかよw マジ怖えええええw
あとしたらば孔明、恋姫無双Verかよw つかえねえww

10801クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/30(日) 02:22:05 ID:HxWDUCN60
アニ2ndだからGロボ仕様かと思ったら恋姫無双かよw
いろいろと斜め上すぎるw

るるるのLX氏も含めて段々とやばくなってきたなw

10811クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/30(日) 02:22:15 ID:/UcpeYBY0
恋姫の方かよwww

10821クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/30(日) 02:23:14 ID:oSu2RDX2O
そう思わせる孔明の罠かもしれんぞwwwwwww

10831クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/30(日) 02:32:51 ID:HxWDUCN60
現時点での未出まとめ。

【漫画ロワ】
○クールなロリスキー/○King of 脳内補完/○熱血王子
【LSロワ】
○ボマー
【スパロワ】
○承/○差/○闇その1
【ギャルゲロワ】
○バトルマスター/○ギャルゲロワ版最速の人/○孤高の黒き書き手
【アニロワ2nd】
○マスク・ザ・ドS/○激動のトウカリョウ/○底上中の残月/○ボンボン系の書鬼/○忘却のウッカリデス
○コ・ホンブック/○ゲドー・ザ・マジシャン/○ビクトリーム博士/○書風連・その壱/○書風連・その弐/○幻夜・フォン・ボーツスレー
【アニロワ1st】
○静かなる 〜Chain-情〜/○神行太保のDIE/SOUL/○無明幻妖side./○意外な影丸?/○猫子頭の鬼軍曹
【ライダーロワ】
○THE FIRST/○漆黒の龍

残り28人。
彼らはいったいどんなキャラとして登場するのか?
そして同ロワの書き手があらかた登場してるのに未だに書いてもらえない俺の明日はどっちだ!

1084ドSとの出会い:2007/12/30(日) 03:09:59 ID:gmAVrV9w0
「予約は…無いんだ…良かった……」
狂気に満ちた顔でにこやかに笑いながら、予約被りに定評のあるtu4は歩いていた。
手には、空っぽのなべとお玉。お馴染み空鍋である。もちろん姿は楓である。
お玉で空っぽの鍋をかき混ぜながらの道行きは、その表情と相まってかなり危ない人に見える。
しかし、「空鍋をかき混ぜ続けないと死んでしまう」という彼女に課せられた能力制限上これは仕方のないことなのだ。
tu4は予約被りの不安から解放されたことに、ヤンデレだけが持ちうる狂気全開で大喜びしていた。
喜びの余り、鍋をかき混ぜる速度が大幅にアップする。空鍋の回転速度は彼女の感情の大きさに比例するのだ。
そして、自身の生命に直結する制限を抱えたtu4は一人のドSと出会った。
「何故、あなたは空っぽの鍋なんかかかき混ぜていらっしゃるのですか?」
「あ、これは私の制限で…」
絶望先生そっくりの姿に人目でドSと分かる派手なマスクを付けたその男はマスク・ザ・ドSと名乗った。
tu4の説明を一通り聞いたドSはふむ、とあごに手をあてる。
話が本当かどうか思案顔といったところだ。
「ほ、本当なんです!信じてください」
竜巻でも起きるのではないかという勢いで鍋をかき混ぜ、必死で訴えるtu4。
そんなtu4の様子を見ながら、ドSは何かを思いついたようににやりと笑った。
「実はですねtu4さん。先日私は観覧車に乗ったのですが…」
「はいぃ…?それがどうしたと…」
「てりゃ」
さっと伸ばされたドSの手が鍋をかき混ぜるtu4の手を止めた。
「ごはばぁ!」
tu4は、自身が人間の体が如何に多くの水分で構成されているかを教える教材であるかのようにそれはもう盛大に血を噴出した。
「おお、本当だったのですね」
悶えるtu4を満足げに見下ろしながら、ドSが何度も頷く。
「な、何をしゅるんですきゃ…」
弱弱しく鍋をかき混ぜながら訴える。その手をまたドSが止めた。
「てりゃ♪」
「ごはどっばぁ、べふ!」
再び、身をもって人体の神秘を伝えるtu4。
苦しみ悶えるその姿はとても通好みであった。
(これは…実に面白いですね…)
今、ドS の心に赤々と炎が燃え上がった。


【予約被りに定評のあるtu4氏@ギャルゲロワ】
【道具:支給品一式、不明支給品(ランダムアイテム)】
【状態:健康】息も絶え絶え
【思考・行動】
1:予約制度がなくて嬉しい

容姿はSHUFFLE!の楓。
制限により、空鍋をかき回すのを止めると死にます。


【マスク・ザ・ドS@アニ2nd】
【道具:支給品一式、不明支給品(ランダムアイテム)、一目でドSと分かるマスク(出展不明)】
【状態:健康】健康
【思考・行動】
1:ドSっ気を満たせる人と出会えて嬉しい

容姿は絶望先生の糸色望。

10851クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/30(日) 03:16:44 ID:RCNroH520
こwれwはwひwどwいw

10861クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/30(日) 03:22:28 ID:s2WXKX1Y0
なんという制限wwwww
無理だろwwwwwwww

10871クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/30(日) 03:23:15 ID:oA8KvL.s0
ちょっとwwwwwwまってwwww
いったい何が制限されているんだww

10881クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/30(日) 03:24:21 ID:mveVvwI20
制限ひどすぎるだろwwwなんだこれwwwww

10891クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/30(日) 03:24:45 ID:SH3/SQ5Y0
永遠神剣「空鍋」の制限

10901クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/30(日) 03:26:41 ID:q2252lt60
ひどすぎる制限wwwww

1091岸田バスターズ!Ex〜エクスタシー〜:2007/12/30(日) 04:27:34 ID:RBvJ/Re20
「お、おま、おま、おまえわ!?」
 ステルス鬼畜は目の前の岸田洋一――というか自分自身に向かって必死に指を差す。驚いているのは相手方も同じようで、瓜二つどころか鏡写し、いやコピーとすら呼べるほどの類似っぷりにぽかんと口を開いていた。

 そういえば聞いたことがある。この世にはドッペルゲンガーなるものが存在しており世界のどこかに、姿かたちがまったく同じ人間が存在しているという。
 それだけならヒターチ世界不思議発見!程度の認識で済むのだが、厄介なことにドッペルゲンガーを見た人間は死んでしまうという。
 なんで死ぬのか、というところまでは忘れてしまっていたステルス鬼畜であったがまさかこれがドッペルなのか、ということはこれから自分は死んでしまうんじゃ、つーかそれってどうよステルス関係ねーじゃんもっと生きたかったよマ・マー(ハウエンクア風に)などとお袋さんに別れを告げていたところ、目の前の岸田洋一(サプライズパーティー)は何をトチ狂ったかいきなり「ヒャハハハッ!」と笑い出した。

「なるほどな……お前、B-10かD-5の書き手だな?」
「は?」
 まったく見当違いも甚だしい物言いに、素っ頓狂な声を上げてしまうステルス鬼畜。構わずにサプライズパーティー(めんどくさいのでサプラに略す)は続ける。
「岸田さんが出ていいのは18歳未満禁止の板だけ……この書き手ロワでその条件を満たしているのは我が葉鍵板のみ。なら、お前が先に言った書き手のどちらかなのは明白だ」
 なんという迷推理。毛利のおっちゃんも裸足で逃げ出すぜ。おい新一なんとかしてくれよ。

「岸田さんは人気キャラだからな……だがまだまだ甘いわ! 僕が一番……岸田さんを上手く扱えるんだ!」
 どこかで聞いたような物真似をした後、サプラが咆哮を上げながら突進してくる。
「どちらが岸田マスターか……勝負だああぁぁぁあぁぁぁっ!!!」
「なにをぉ……よっしゃあああぁぁあぁぁぁぁっ!!!」

 応じるように雄叫びを上げると、ステルス鬼畜も目の前の自分に突進する。ステルスもクソもない展開だが、もうヤケクソだった。
 ヤケクソといえば、つい先日リトルバスターズ!エクスタシーが発表されたときにもエクスタシーエクスタシー言いながら執筆していたのを思い出す。なんというか、もうどうにでもな〜れと思っていたら本当にどうにでもなってしまった。あははは、もうどうでもいいやー♪

「うおぉぉぉおおお!!!!」
「おりゃあぁあぁああぁぁぁっ!!!」

 二人が額から激突し、第一ラウンドが始まった。

1092岸田バスターズ!Ex〜エクスタシー〜:2007/12/30(日) 04:28:04 ID:RBvJ/Re20
「俺の(岸田さんの)チンチンの方が大きいぞッ!」
「何を! 俺の(岸田さんの)チンチンこそ最強だッ! オラオラオラオラオラッ!」
「へーんだ! 俺のマンモスに比べれば貴様などヘナチンだろうが!」
「調子に乗るな鉛筆チンコの癖にぃぃぃぃ!!!」

 いきなりベルトを外したかと思うとお互いのズボンの中のアレを見せ付けあう二人。
 傍から見ればなんとくだらないことで争っているかのようにも思えるが岸田さんの象徴はなんといっても精力の証である男性のソレ。これが相手に劣るということは、すなわち岸田さんとしての敗北を意味する。例えこの後にズガンされようが、ここだけは譲れない。
 しばらくの間18歳未満のお子様が聞いてはいけないような言い争いが続いた後、ステルス鬼畜が待ったをかける。

「ゼェゼェ……く、口で言っても何も始まらん……ここからは実力で決めた方がいいと思うんだが、どうだ?」
「そ、そうだな……クソッ、フルボッキの状態の長さを測ってもまったく大きさが同じだったしな……」
「ならば」
「競技はただ一つ」

「「どちらがより多く女を【禁則事項です】させられるか勝負だッ!!!」」

 このロワを18歳未満の純粋な少年少女が見ていることなどお構いなしといった様子である。岸田さんに国境(年齢制限)などないのだ。
「岸田さんはテクも重要だからな……【ピーーー】を使おうが【検閲により削除されました】しようが構わん……別に女を【お察しください】しても反則にはしない。それでよろしいな?」
「対象年齢は」
「もちろん制限なしだ」

 ニヤリと二人が笑う。既に二人は、好敵手だった。
「ちなみに勝負に公平を期すために俺は貴様についてくぞ。反則などしようと思わないことだな」
「ククク、なら見ているがいい、俺の絶技をな」
 お互いに牽制し合いながら歩き出す二人の岸田さん。ここに今、最悪のタッグ(性的な意味で)が生まれた……!

1093岸田バスターズ!Ex〜エクスタシー〜:2007/12/30(日) 04:28:34 ID:RBvJ/Re20
【ステルス鬼畜@ギャルゲロワ】
【装備品:なし】
【道具:支給品一式、不明支給品(ランダムアイテム)】
【状態:健康】
【思考・行動】
基本:俺こそが最強の岸田さんだっ!
1:もう一人の俺にゃ負けん!
2:ちなみに俺はロリ巨乳が好みです

容姿は鎖の岸田洋一。


【サプライズパーティー@葉鍵ロワ3】
【装備品:なし】
【道具:支給品一式、不明支給品(ランダムアイテム)】
【状態:健康】
【思考・行動】
基本:俺こそが最強の岸田さんだっ!
1:もう一人の俺にゃ負けん!
2:ちなみに俺は人妻が好みです

※こっちの岸田さんはステルス鬼畜を葉鍵3の書き手と勘違いしてます
容姿は鎖の岸田洋一。 

10941クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/30(日) 04:34:29 ID:RBvJ/Re20
岸田さん二人を見て勢いで書き殴った。即リレーでも後悔はしてない

10951クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/30(日) 04:37:03 ID:mveVvwI20
この阿呆共がwww
最悪のマーダーコンビ……いや、ロワにゃ乗ってないのかこいつら。
なにやってんだよおまえらwww

10961クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/30(日) 04:37:28 ID:s2WXKX1Y0
何という変態対決w

10971クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/30(日) 04:42:04 ID:RCNroH520
俺何してんだwwwいいぞもっとやれwww
ズガンでも変態でも対主催でもマーダーでも一向に構わん!!!

10981クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/30(日) 04:50:59 ID:/UcpeYBY0
ああ、完成したと思ったら岸田さん先越された・・・orz

10991クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/30(日) 04:54:27 ID:mveVvwI20
完成してるなら没ネタを見せてくれ!

11001クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/30(日) 05:03:02 ID:/UcpeYBY0
ん、じゃあ没投下する。

1101ステルスパーティー ◆CUG3z3uZ1o:2007/12/30(日) 05:04:08 ID:/UcpeYBY0
あ……ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
『俺は自分の姿に喜んでいたと思ったら、目の前で俺が驚いていた』
な……何を言ってるのかわからねーと思うが、おれも何をされたのかわからなかった……。
頭がどうにかなりそうだった……。
催眠術だとかドッペルゲンガーだとかそんなチャチなもんじゃあ断じてねえ。
もっと恐ろしい物の片鱗を味わったぜ。

しかし俺と同じ外見……となると葉鍵ロワのサプライズパーティーが思い当たるが。
あの様子じゃ乗ってるのか乗ってないのか分からんな。
「まさか……」
俺が考えていると男がブツブツ呟き始める。
ドッペルゲンガーでも見て気でも触れたか?
「お前は―――」
ん、ドッペルゲンガー?
そういえば葉鍵のキャラには似たような奴がいたような……?
「ココロか!?」
男の言葉にピンと来る。
そうだ、確かまじかる☆アンティークというゲームに『自分の本心を話す分身』を生み出せるキャラがいた。
なるほど、葉鍵ロワ出身だからその能力が付加されたとでも考えているのか。
だがココロは確か全裸だったはず。まぁこれは18歳以下のお子様読み手のための制限とでもしておけばいいが。
とにかく、これはステルスとして利用するには丁度いい。
相手がココロと思ってる分には、自分自身の情報を報せる必要もないしな。
「ああ、そうだ。最初の会場では流石に出れなかったが、ここに来た事で出れるようになったみたいだな」
「だけどなんで俺にこんな能力が……」
それは尤もな質問だ、だがこんなものモノは些細な問題だ。
「何を言っている、自分の姿を見たのなら分かっているはずだ。
 俺は、いやお前はそう改造されたんだよ。奴らに」
俺のその言葉に押し黙る。が、やはり納得しきれない様子だ。
まぁいきなり改造だなんて言われては無理もない。
だが俺たちの身体を見る限り事実だ。
「最初の会場でも見ただろう、脳みそ向き出しの人間とは思えない奴までいた。
 何よりお前も薄々気付いてるんだろ?俺の言葉が証拠だ」
「そうだな……ココロの言うとおりだ」
いやーっはーっ!!! 本当に信じやがった!
後は俺の『本心』の言葉で誘導してやれば殺し合いも楽になる。
まさか『自分』相手にステルスをするとは思わなかったがな。
あとは捨て時さえ間違えなければいい。
信じてた『本心』に裏切られた時の奴の顔が今から楽しみだぜ。

【ステルス鬼畜@ギャルゲロワ】
【装備品:なし】
【道具:支給品一式、不明支給品(ランダムアイテム)】
【状態:健康】
【思考・行動】
基本:絶望の、苦悩の、葛藤の顔が見たい
1:サプryを利用して基本方針を満たす
2:頃合いを見てサプryを裏切る

※容姿は鎖の岸田洋一。

1102ステルスパーティー ◆CUG3z3uZ1o:2007/12/30(日) 05:04:33 ID:/UcpeYBY0

あ……ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
『俺は自分の姿に絶叫したと思ったら、目の前にも俺がいて一緒に驚いた』
な……何を言ってるのかわからねーと思うが、おれも何をされたのかわからなかった……。
頭がどうにかなりそうだった……。
催眠術だとかドッペルゲンガーだとかそんなチャチなもんじゃあ断じてねえ。
もっと恐ろしい物の片鱗を味わったぜ。

しかし俺以外に岸田洋一になりそうなのが思い浮かばないが……。
地味子は論外だしカオス神は恐らく名前の通りカオスなんだろう。
となると葉鍵以外だが……一番葉鍵に近いのはギャルゲロワ。
一番合いそうなのはステルス鬼畜といったところか。
さて、どうするか。殺し合いに乗っているかもしれないしな。
とはいえ確かめるにしても直接聞いて実際に殺し合いに乗ってたら直ぐに殺されてしまう。
こんな開始早々に何も出来ずに死ぬのなんてのはゴメンだ。
まてよ、岸田の姿をしているということは他の葉鍵作品を知ってる可能性も高いな。
すこし試してみるか。
「まさか……お前は、ココロか!?」
これで反応があればいいが……。
なかったとしても別の手で聞く事はできるが、これが一番面白そうな手だ。
自分の本音を言う分身、ココロ。
そのココロになりきったのなら俺を利用するつもりで、殺し合いに乗っている可能性が高い。
「ああ、そうだ。最初の会場では流石に出れなかったが、ここに来た事で出れるようになったみたいだな」
よし、乗ってきた。だが問題はここからだな。
「だけどなんで俺にこんな能力が……」
ここで直ぐに、ああそうなのかと納得すれば利用価値がないと思われるかもしれない。
「何を言っている、自分の姿を見たのなら分かっているはずだ。
 俺は、いやお前はそう改造されたんだよ。奴らに」
まだだ、あくまでばれない様に、利用されてると思われなくては。
「最初の会場でも見ただろう、脳みそ向き出しの人間とは思えない奴までいた。
 何よりお前も薄々気付いてるんだろ?俺の言葉が証拠だ」
「そうだな……ココロの言うとおりだ」
俺の顔を見て、本当に信じたと思っているようだ。
後は奴の『本心』に適度に誘導されてやればいい。
そうすれば暫くは奴に殺される心配はないだろう。
あとは俺の趣味、他人を驚かせる事を兼用できれば最高だ。
利用してると思っている奴に騙されてると知ったら驚くだろうな。

【サプライズパーティー@葉鍵ロワ3】
【装備品:なし】
【道具:支給品一式、不明支給品(ランダムアイテム)】
【状態:健康】
【思考・行動】
基本:死ぬ前に、殺し合いパーティーにでっかいサプライズを残したい。
1:序盤に何もできず死ぬのは嫌なので、ステルス鬼畜に利用されているフリをする。

※容姿は鎖の岸田洋一。

11031クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/30(日) 05:05:42 ID:/UcpeYBY0
岸田さんと聞いて急ぎ駆け足で書いたんだが、ぎりぎり間に合わなかったようだ。残念無念また来世

11041クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/30(日) 05:13:07 ID:mveVvwI20
こんな形で騙し合いか、これはこれで面白かったな。GJ。
シリアスでなくギャグ路線に入った事は吉と出るか凶と出るか。

1105温泉話っスか! Chain-情さん:2007/12/30(日) 05:48:28 ID:Ngih0otI0
「何でこんなことになったんだが……」
青髪の青年は森の中を歩きながら、うんざりとした顔をする。
少年の名前は、『静かなる 〜Chain-情〜』。
◆lbhhgwAtQEというトリをつけて、主にアニロワ1stでSSを投下していた書き手の一人だ。
「よりにもよって書き手達で殺し合い? しかもこんな姿で……。一体どこのしたらばの企画なんだよ?」
かつて、自分が今置かれているのとほぼ同じ状況のパロロワ「書き手ロワ」なる企画がしたらば掲示板で開催された。
そして、彼はそのロワにも参加させられていたのだ。今の彼と同じような青髪以外に際立った特徴のない青年のイメージで。
しかし、今回のそれはしたらばの企画でも何でもない。
本当に殺し合いの舞台に参加者として放り込まれてしまったのだ。
したらばの書き手ロワで見せたようなエタニティエイトのアルター能力など当然のように無い、一般人として。
「しかも、殺し合えって言ってるのに、あんなの支給してどうするんだ……」
Chain-情は一人呟きながら、自分に支給された二つの個別支給品のことを思い返す。

一つは、ジャムが挟み込まれたパン。
付属されていた説明書……というか印刷されたSSによると、一見人畜無害そうなそのパンは、相当の破壊力を持つ劇物らしい。
「食べられないんじゃ、カマンベールチーズ入りドラ焼きみたいに全滅させることもできないじゃないか……」
彼は、食べられない食料には興味が無いようだった。

そしてもう一つは、ドリル状の小さな円錐。
アニロワ2ndにも顔出しした彼にはそれがロボットの一種であるラガンを起動させるために必要なキー、“コアドリル”であることがすぐに分かった。
……が、そのラガンが無い現状では、何の役にも立たないアクセサリーに過ぎない。
「というか僕としては、グレートピンチクラッシャー……いや、それよりもキングゲイナーの方がデザインとか好きなんだけどな」
彼は、ロボットの美的センスが他の人とは一線を画しているようだった。

「……ま、嘆いてても仕方ないか。とりあえず護身用の武器あたりでもさg――――ん?」
言葉の途中でChain-情は歩みを止める。
いや、止めざるを得なかったといったほうが正しいだろうか。
何せ、突如目の前の光景が森の中から一変してしまったのだから。
「あ、あれ? これって……」
自身の支給品運の無さを嘆いている間に、足を踏み入れていた場所。
そこは、硫黄臭が立ち込め、足元には湯気の立つ泉が沸いているような地であった。
そう、それはいわゆる……
「露天……風呂? しかも温泉?」
温泉といえば、アニロワ1stでは初めて温泉施設を登場させたのは他ならないChain-情であった。
それゆえに、彼は目の前の温泉を見て、どこか懐かしい気分になった。
「温泉か……。そういえば、あの時は魅音の入浴シーンを省いて非難轟々だったっけなぁ……」
当時の事を思い出しながら、しみじみと温泉を眺めるChain-情。
そんな彼の耳に、ひたひたと背後に近づいてくる足音は届いていなかったらしく――
「ねぇ」
「うわぁぁぁ!!!」
少女のその一言に彼は酷く驚き、足元にあった温泉にダイブしてしまった。
大きな水音を立てて。

1106温泉話っスか! Chain-情さん:2007/12/30(日) 05:49:33 ID:Ngih0otI0


殺し合いのことなどすっかり忘れたかのように温泉を満喫していた温泉少女が、新たな来訪者の存在に気付いたのが5分前。
温泉に浸かることを優先して、男をスルーしようと決めた矢先に温泉の前で何やらブツブツと喋りだしていたのが耳に届いたのが2分前。
男がこのまま喋るのであれば、温泉を満喫する邪魔になると思い、注意しに行こうと立ち上がったのが30秒前。
実際に男に声を掛けたのが、つい5秒前。

そして今。

男は温泉少女の目の前で着衣のまま温泉にいきなりダイブを敢行した。
「ぶへっ!! あちっ! げほっ!! あつっ!」
「服は脱がなくていいの?」
「――いや、僕だって服着たまま入るつもりなんて……って、え? え? え……ええええええええ!!!」
ずぶぬれになりながら、温泉少女へと向き合う男。
男は視線を少女に向けた瞬間、唐突に叫びだした。
「どうしたの?」
「い、いや、だって、その……え、だって……ねぇ。というかそれは自分の胸に聞いてみろっていうか……」
「……?」
少女は男のしどろもどろとした言葉を理解できないまま、言われるままにその平たい胸を両手をぺたぺたと触る。
「がはっ!!!」
それを見て、男は鼻血を噴き出す。
男の周囲の湯がそれにより赤く染まってゆくのを見て、少女は顔をしかめ、その腕を引っ張る
「……な、ななな、ど、どうしたの? ま、まさか僕をゆ、ゆゆ誘わ……」
「温泉を汚しちゃダメ。鼻血なら、温泉の外で出して」
「え? あ、は、はい……」
温泉少女の注意に、男は素直に頷き、彼女に引っ張られるままに温泉の外に出る。
……だが、次の瞬間。

「こ、今度こそは迷わずにたどり着けた!! ……して、一体何事だ!?」

温泉に更なる闖入者が姿を現した。
今度の来訪者は、ポニーテールの髪形をした侍のような格好の少女だ。
そして、少女は目の前にいた少女と男の姿を見るなり、顔を真っ赤にして……

「こ、このような非常時を狙っていたいけな少女を襲うとは不届き千万!!! 覚悟しろ変態め!!」

刀を抜いて、二人目掛けて走り出してきたからさあ大変。
「な、何だあのうっかり侍!? あれも参加者ってか!?」
「私は知らない」
「……耳に水が入っててよく聞こえなかったけど、いきなり襲い掛かってきたってことは要するに彼女は発狂系マーダーってやつ? ……だとしたらマズい! ここはスタコラサッサだ!!!」
男はずぶ濡れの体もそのままに侍少女から逃げるべく走り出した。
温泉少女の手を握りながら。

1107温泉話っスか! Chain-情さん:2007/12/30(日) 05:50:31 ID:Ngih0otI0


――幸運と不運は常に隣り合わせである。

Chain-情は改めてそう実感した。
温泉にて全裸のつるぺた幼女を見て、某電波ソングが脳内でリピート再生されたのも束の間、今度はいきなり謎のうっかり侍に刀を持って追いかけられたのだから無理も無いだろう。

「開始直後にマーダーに追いかけられるとか、一体どういう展開なんだよ!! 日頃の行いが悪かったっていうのか?
 あれか? 普段繋ぎばっかりで殺害数が極端に少なかった罰か? そうなのか!?」
Chain-情は誰に聞くでもなく、ひたすらに自らの不運を呪う。
「そんな理由で殺されてたまるか! 繋ぎメインだっていいじゃないか! ……そうだ! 僕は反逆してやる! 殺し殺されがデフォのパロロワに反逆してやる! 人殺しなんて絶対にノゥだ!」
「…………」
「よし、そうと決めたら、まずはあの発狂マーダーから逃げよう! いいね!」
「…………」
あまりの突然の展開に今度は少女の方が呆然としており、思考を停止しているのだが、今のChain-情がそれに気付くことはない。

……いや、思考を停止しているというのは間違いだろうか。
少女は全裸のままの自分をひたすらに引っ張りまわすChain-情を見て、彼の事をこう考えていたのだ。

――彼が所謂一つの“変態という名の紳士”なのでは、と。



【森/開始から1時間ほど経過】
【静かなる 〜Chain-情〜@アニロワ1st】
【装備】:なし
【所持品】:支給品一式、レインボーパンwith謎ジャム@ギャルゲロワ、コアドリル@アニロワ2nd
【状態】:健康。ずぶ濡れ。鼻血
【思考・行動】
基本:殺し合いに反逆ゥ!
1:うっかり侍から逃げる
2:温泉少女を保護
3:護身用の武器の調達
※永遠のうっかり侍を発狂マーダーと勘違いしています。
※容姿はスクライド(アニメ)の橘あすか。

【温泉少女@LS】
【装備】:なし
【所持品】:なし
【状態】:健康。全裸。つるぺったん。
【思考・行動】
1:いつになったら手を離してくれるんだろう?
2:……少し寒いかも
※静かなる〜Chain-情〜を変態と勘違いしています。
※少女です。普段着は浴衣です。それ以外のことは後続にお任せ
※支給品等は全て温泉に置き去りにしていってしまいました。

1108温泉話っスか! Chain-情さん:2007/12/30(日) 05:51:32 ID:Ngih0otI0


「おのれ変態め!! あのようないたいけな少女を襲うとは……許せん! 刀の錆にしてくれる!!」
うっかり侍は、森の中を少女を連れ去った男を追いかけながら疾走していた。
己のうっかりなどは露知らぬまま。

【森/開始から1時間ほど経過】
【永遠のうっかり侍@ギャルゲロワ】
【装備品】:斬鉄剣@ルパン三世
【道具】:支給品一式、不明支給品(ランダムアイテム)
【状態】:健康
【思考・行動】
基本:打倒主催、乗った人間は斬り捨てる。
1:変態(Chain-情)を倒す。
2:さっきの声の主に襲われているであろう人を助ける
3:無事に皆で帰る
※Chain-情を幼女趣味の幼女誘拐犯と勘違いしてます。



一方、そんな騒動があったことなど、温泉で寛ぎすぎて全く気付かなかった男はといえば。
「………………………………………………………………………………………………
 ………………………………………………………………………………………………
 ………………………………………………………………………いい湯だな、アハハン♪」
温泉少女がいなくなったことに全く危機感を抱かずに、暢気に温泉の定番ソングを歌いだしていたのであった。

【温泉・露天風呂(混浴)/開始から1時間ほど経過】
【シルベストリ@漫画ロワ】
【装備】:なし
【道具】:白手ぬぐい
【所持品】:支給品一式
【状態】:健康。全裸。健康的な張りのある肉体
【思考・行動】
1:サ ー ビ ス シ ー ン 担 当
2:温泉少女を待たざるを得ない
3:ところでこの少女とブリとタコは何だ?
【備考】
※両目があります。金玉絶賛引き上げ中です
※温泉少女は大方コーヒー牛乳でも買いに行ったのだろうと勘違いしています。

※たいやき(Lv99コイキング)@ニコロワと焦ったドラエモン@漫画ロワの投げたブリとタコは、温泉で気持ち良さそうに泳いでいます。
※温泉少女の支給品一式、モンスターボール@ニコロワが放置されています。

11091クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/30(日) 05:52:47 ID:Ngih0otI0
>ちなみに初めて温泉を描写し、初の女性入浴シーンを書くという偉大な功績を成したのも氏である。
雑談スレのこの一文を見て、温泉に絡めたくなった。
後悔はしてない。

1110書き手じゃないからといって安心できるほどバトロワは甘くないのだよ:2007/12/30(日) 08:11:24 ID:Z7UOp0o60
ビッグモスをデイパックにしまった転は、次の支給品を捜す。
「こ……これは!」

あ、ありのまま起こった事を話すぜ!
デイパックの中からネコミミサンタコスの、ピンク髪を三つ編みにしたロリが出てきやがった!
な……何を言ってるのかわからねーと思うが、俺も何を言ってるのか分からなかった……。
二次元から飛び出してきた幻とか、それなんてギャルゲ?とかそんなちゃちなもんじゃあ断じてねえ。
もっとおそろしい書き手ロワの片鱗を(ry

「もしもし?」
「――――はっ!?」

その少女の一声が、ポルナレフになった転の思考を中断させることとなった。
改めて見るとまんまネコミミサンタコスのヴィータである。
なんでまたデイパックなんぞに入っていたのやら。
まさか支給品とか言わないだろうな。
「よくわかりましたね!私は支給品のクマのプー太といいます。
 特技は絵を描くことです、よろしくお願いしますねっ!」


「絵師さんじゃねえかああああああああああああああああああああああ!!!!」


転と呼ばれる少年はまたもや頭を抱える羽目になったのであった。


【転@スパロワ】
【装備:不明】
【所持品:支給品一式、転ばし屋、ビッグモス@ビーストウォーズ、クマのプー太氏、ほか未確認】
【状態:健康】
【思考・行動】
1:クマのプー太なのにネコミミっておかしくね?
2:ビッグモスってビッグマックのモス版じゃね?
3:コロンビーヌって転びそうな名前じゃね?
【備考】
※少年です。それ以外のことは後続にお任せ
※転ばし屋はトリップ名でしか動きません

1111タチムカウ:2007/12/30(日) 08:25:18 ID:9QmGtc..0
 フリクリ署長の胸で泣いていた地味子の耳に、その女の声は突然届いた。
「いやはや、これは予想外。私の同類でありながら恋愛フラグ持ちとは」
 高くも低くも美しくも醜くもない、個性が無いことのみを特徴とする声だ。
 ビクリと硬直して服にしがみついた地味子へ、フリクリ署長が言う。
「おや? どうかしましたか?」
 不思議そうに首をかしげる彼を見上げ、地味子はますます混乱する。
 いきなり第三者が現れたのだから、本来なら焦って当然の状況であるはず。
「ああ、そこの人は私を知覚できない。そういうことになっている」
 さらに聞こえた女の声に、地味子は急いで振り向く。
 金髪のツインテールが見えた。
「過疎ロワ書き手な上に空気の人である私は、大概の人にとって不可知の存在。
 認識できるのは同郷の連中か、私の同類――活躍する可能性が低い者だけ」
 透き通るように淡い笑みを浮かべて、異様に存在感の薄い何かがいた。
「そう、こんなことだってできる。空気さえあれば、私はそこに出現できる」
 女の声は、フリクリ署長の背後から聞こえた。
「!?」
 地味子が慌てて視線を向けた先には、奇怪な光景が待っていた。
「ん? がっ! ぐっ、ぐ!?」
 色素の薄い細腕が、フリクリ署長の首を絞めている。
 だが、どうして息ができないのか彼には理解できない。喉にかかった細腕を
掴むことすらせず、すぐ後ろにいる敵の姿を懸命に探している。
「や、やめ――!」
 地味子が言い終える前に、フリクリ署長は白目を剥いて意識を失った。
 彼の体に押し潰される地味子を金髪ツインテールが見下ろし、言う。
「『ただ死んではいないだけ』の生など、単なる生き地獄にすぎない。死んで
 フラグを撒きなさい。放送で名を呼ばれれば、多くの人があなたを想う。
 それこそがロワにおける『大活躍』。恋愛フラグという名の死亡フラグを、
 今こそ完遂してみせて。大丈夫、シナリオは私が『書く』から」
 空気の人がナイフを投げる。凶器は地面に突き立った。
「自殺して。そうすれば、そこの人は殺さない」

1112タチムカウ:2007/12/30(日) 08:25:58 ID:9QmGtc..0
 地味子はガタガタ震えながら立ち上がり、ビクビク怯えながらナイフを拾った。
 涙で歪んだ地味子の視界が、フリクリ署長の姿を捉える。
 遺言を告げるように、地味子は彼に語りかけた。
「ごめんね、せっかく助けてくれたのに……」
 泣き笑いの表情は、決して綺麗ではない。鼻水だって垂れている。
「ボクは、また、生きることを諦めちゃったよ……」
 しかし、その瞳には力強い光が宿っている。
「だって――」
 ナイフを構えて、地味子は走り出した。
 弱く遅く小さな刃の切っ先が、空気の人を狙っている。
「何もできないまま死ぬなんて、絶対にイヤなんだもん!」
 戦力差は絶大だ。勝負にならない。犬死にして終わりだと地味子は思う。
 狂い咲くように地味子は笑う。泣きながら、それでも笑うのをやめない。
 そして――
「これでいい」
 空気の人は、ナイフを避けなかった。己を突き刺す地味子を抱きしめ、囁く。
「これであなたは、殺人者。存在感が、一気に増した。もう、私の同類じゃない。
 己の存在意義を、証明しなさい。あなたがここにいることを、教えてやりなさい。
 ……そう、これで、いいの」
 愕然とする地味子に、空気の人は悪戯っぽく告げる。
「空気人間(エアーマン)を倒せるのは、葉鍵の迎撃(リーフシールド)だけなんだから」
 空気の人は、空気の人であるがゆえに、空気を読む能力に長けている。
 退場するべき時期も、果たすべき役目も、悲しいほどに読めてしまう。
 森の中に、手を血で染めた地味子の慟哭が響き始めた。

【◆Zp1p5F0JNw(空気の人)@AAAロワ 死亡】

1113人は勝ち誇った時、すでにその戦いに負けている:2007/12/30(日) 08:26:37 ID:n33ajnJY0

市街地のすぐ近く、学校。
その宿直室で、2人の男と1人の女による激しい戦いが繰り広げられていた。
とても直接描写などできない人知を超えた戦いを、それでもなんとか比喩的に婉曲に表現するならば……



飢えた狼が、見るからに美味しそうな羊に襲い掛かる。
羊はひらりと避けようとするが、紙一重の差で、狼の牙に美しい毛皮を剥ぎ取られる。小さな悲鳴が上がる。
さらにそこに襲い掛かるもう1匹の狼。挟みこまれては逃げ場もない。ついに羊は狼の牙に捕らえられる。
肉食獣と草食獣、2匹と1匹。羊に最初から勝ち目などない。その抵抗さえも狼たちの愉悦の一部。
2匹の狼は、容赦なく噛み付く。好き放題に羊を嬲る。己の欲望のままに羊を傷つけていく。
……だが何だろう、この違和感。
噛んでも噛んでも羊は倒れない。いやこれは本当に羊なのか。自分の知る無力な獲物なのか。
狼たちはケダモノの勘で直感的に恐怖を覚え、その場から飛び離れようとするが、少し遅い。
周囲の地面は沼地に変わり、熱いぬかるみに膝までずっぽりとはまってしまっている。逃げることはできない。
そして、彼らが無力な羊だと思っていたものは、その真の正体を明らかにする。
ぬらぬらと光った、食虫植物。狼さえも丸のみに出来そうな巨大なウツボカズラ。獣さえも喰らう怪物。
狼たちは悲鳴を上げる。絶対的な捕食者であるはずの自分達が、逆に喰われるというのか!?
それはあまりにも甘美な絶望。破滅が待っていると分かっているのに抜け出せない。
彼らはそのまま、ごくりと飲み込まれた――。



「……君たち、どっちか煙草を持ってないかね?」
「ば……ばかな……この俺たちが……」
「ダブルアタックさえも易々と返り討ちにするとは、この女化け物か……!?」
「ふむ。持ってないか。しかしまだこんな時間か、朝チュン展開にしてもまだ雀も鳴いてないよ。
 私を朝まで泣かせて欲しかったんだが、期待はずれもいいところだ」

女1人が部屋の中で立ち上がる。男2人は腰が抜けて立ち上がるところではない。
男たちは女を襲うのには慣れていても、女に襲われるのには慣れていなかった。だからだろうか。
どちらもこの程度で参るような安っぽいキャラでもないだろうが……。
乱れきった宿直室の布団の上、女は一糸纏わぬ姿のまま、荷物を手早くまとめる。

「ずいぶんと汚れてしまったね。私はシャワーを浴びてくるよ。体育館にでも行けばあるだろう。
 そうそう、君たちのランダム支給品は、私を失望させた罰としてここで没収だ。
 直接描写だけがエロスではないということさ。もっとエロスのセンスを磨きたまえ。
 では失礼。次会うことがあったら、その時はもっと楽しませてくれよ」
バタン。
疲れも何も感じさせない声で、女は別れを告げて部屋を出て行く。
男たちにはそれを止める力も残っていない。
ただ、呆然と呟くだけだ。

「……どうせ襲うなら、ロリ巨乳にしておくんだった」
「……どうせ襲うなら、人妻にしておくんだった」

11141クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/30(日) 08:27:09 ID:9QmGtc..0
【地味子@葉鍵3】
【装備:なし】
【所持品:血まみれのナイフ】
【状態:返り血まみれ/心に深い傷】
【思考・行動】
1:緊張が切れて大泣き。

※CLANNADの制服を着用
※その他の設定は後続に任せます


【フリクリ署長@アニロワ1st】
【装備:不明】
【所持品:支給品一式、サングラス(クーガー仕様)】
【状態:気絶中】
【思考・行動】
1:騎士道精神に準じて行動(要するにか弱い女性を助ける)

※容姿はサングラスをかけていること以外お任せ
※声もお任せ

1115人は勝ち誇った時、すでにその戦いに負けている:2007/12/30(日) 08:27:32 ID:n33ajnJY0

【学校・宿直室/開始から約3時間後】
【ステルス鬼畜@ギャルゲロワ】
【装備品:なし】
【道具:共通支給品一式】
【状態:疲労(極大)、ミイラ化寸前】
【思考・行動】
基本:俺こそが最強の岸田さんだっ!
1:も、もう出ねぇ……
2:もう一人の俺にゃ負けん……つもりだが……ッ!
3:ちなみに俺はロリ巨乳が好みです
※容姿は鎖の岸田洋一。

【サプライズパーティー@葉鍵ロワ3】
【装備品:なし】
【道具:共通支給品一式】
【状態:疲労(極大)、ミイラ化寸前】
【思考・行動】
基本:俺こそが最強の岸田さんだっ!
1:も、もう立たねぇ……
2:もう一人の俺にゃ負けん……つもりだが……ッ!
3:ちなみに俺は人妻が好みです
※こっちの岸田さんはステルス鬼畜を葉鍵3の書き手と勘違いしてます
容姿は鎖の岸田洋一。

【学校・体育館シャワー室】
【エロ師匠@漫画ロワ】
【装備:サンライトハート(後期型)@武装練金】
【所持品:支給品一式×2、マジックペン@文房具、不明支給品×3人分】
【状態:健康、お肌ツヤツヤ、パワーアップ?】
【思考・行動】
1:2人とも、ごちそうさま♪
2:エロスを楽しむ。ほどほどになんてしない。エロスでどんどんパワーアップ!
3:この殺し合いの舞台を利用して、LSのボマーを倒す。できれば自分の手で倒す。
4:そのための戦力強化を図る。主に、同盟相手の模索&他人の支給品強奪で
※外見と声は銀髪銀眼の津村斗貴子(エロ度200%増)です。無駄にエロいです。何でもエロくします。
※サンライトハート(後期型)は支給品ではなく自前です。核鉄として心臓の代わりも兼ねています。
※エロスで本当にパワーアップできるのかどうかは不明です。強くなった気がするだけなのかもしれません。

11161クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/30(日) 08:28:05 ID:n33ajnJY0
うわ、被った。申し訳ありません。

1117名前で判断するのはお約束 ◆0RRqL7JorI:2007/12/30(日) 08:59:50 ID:/H./2FK20
「なんで俺達が殺し合いをしなければならないのかよ……!!」
漆黒の龍こと『◆ooH1rChbak』は愕然とした様子で森を彷徨っていた。
彼は気配を押し殺し、やっとのことで小さな山小屋に辿り付いた。
「『影の繋ぎ手』彼は大丈夫だ。きっと殺し合いに乗っていないはずだ。
危険と思えるのは、『蘇った現代の熱血怪人』『派手好き地獄紳士』『ステルス鬼畜』『マスク・ザ・ドS』以上の四名か」
名簿には彼が知っている顔ぶれだけではなく、普通の人間とは到底思えない名前も数多く含まれていた。
「まずは態勢を立て直すのが先決だ。何としても生き残るんだ」

【森の中・山小屋】
【漆黒の龍@ライダーロワ】
【装備】カードデッキ(ナイト)
【所持品】支給品一式(未確認)
【状態】健康
【思考・行動】:生き残りたい
1:態勢を整えたら町へ向かう。
2:同じライダーロワの書き手と合流する。
3:『蘇った現代の熱血怪人』『派手好き地獄紳士』『ステルス鬼畜』『マスク・ザ・ドS』に警戒する。
※外見や声は城戸真司です。

1118 ◆0RRqL7JorI:2007/12/30(日) 10:25:56 ID:/H./2FK20
投下完了。一応被っていないでしょうか?

11191クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/30(日) 12:11:16 ID:RjIdkzOA0
宣伝
ttp://www13.atwiki.jp/kakiterowa

11201クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/30(日) 12:17:28 ID:NQNB6I.20
おお、主人公ぽいポジション。

1121たこ焼き屋は闇に踊る:2007/12/30(日) 12:31:48 ID:PhhoQ1Og0
 我はアルパなり、オメガなり。いやさきなり、さいはてなり。始めなり、終わりなり。

 THE FIRST????始めなるもの。
 その呼称は、直接名を呼ぶも恐れ多い創造主に捧げられたものと同じだ。
 神に等しい二つ名を与えられた男は、重々しい仕草で交差点の鏡に映る自分の姿を見上げた。
「いや本当に重い……重いよこれ……」
 鉛色に輝く装甲の胸の部分には、白いパネルに描かれた黒い鯛のマーク。
「なんでよ!ここはTHE FIRSTの一号だろ常考!二つ名そのまんまだし!ライダーだし!鬱展開だし!童貞だし!」
 閑静な住宅街に、男の叫びが虚しく響き渡る。
「なのになんで同じ『始まり』から強引につなげて相川始……の、しかもそっくりさんの方になるよ!名前の意味、まるで逆だろ!」
 説明台詞も悲鳴まじりではどこか痛々しい。
「それに超一般人じゃねぇか!勝ち目あるとかないとか以前だろコレ!登場時期が遅くなったからって出オチ狙わなくてもいいんだよ!柄じゃないから!」
 ひとしきり叫んでその場に座り込む。
 冷たい夜風がヒートアップした彼に冷や水を浴びせ、少しずつ冷静さを取り戻させる。
 小さなくしゃみとともに、ロワの掟に精通する彼はあることを思い出した。
 一般人ステルスマーダーは、ロワの最大の華である。そしてライダーロワ最高のキルカウントをたたき出したのは、他ならぬ彼が生み出した一般人ステルスマーダー、安達明日夢だった。
「こうなったら、皆殺しにしてやる。俺の鯛焼きで、全参加者をあの世へ送ってやる!」
 そのためにもまずは材料だ。最高の小麦粉に最高の卵、そして最高の粒あん。それらを駆使して最高のたこ焼きを焼きまくり、他の参加者に死ぬほど食わせてやろうじゃないか。
 THE FIRSTは立ち上がり、拳を握りしめて夜空を仰いだ。
 やけっぱちの咆哮が、傾いた電柱をきしませる。
「アルティメットフォオーーーーーム!スペシャルターボっ!!」

【市街地】
【THE FIRST@ライダーロワ】
【装備】鯛焼き名人アルティメットフォーム
【所持品】支給品一式(未確認)
【状態】健康・かなりヤケ
【思考・行動】:鯛焼きを焼いて焼いて焼きまくる。
1:食材を調達。
※外見や声は三上了@仮面ライダー剣29-30話です。
※鯛焼き名人アルティメットフォームは、スペシャルターボのスイッチを入れることで
 鯛焼きをものすごく速く焼くことが出来ます。
※本職はたこ焼き屋です。

1122たこ焼き屋は闇に踊る:2007/12/30(日) 12:33:09 ID:PhhoQ1Og0
これでライダーロワ陣はコンプかな。
出オチ狙ってすみませんTHE FIRST氏。

11231クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/30(日) 12:33:58 ID:NQNB6I.20
ら、ライダー碌に知らんけど、熱いぜTHE FIRST。

1124ロリスキーはクールに怯える:2007/12/30(日) 12:59:32 ID:oSu2RDX2O
 ――逃げなきゃ
 
 ◆qvvXwosbJAこと『クールなロリスキー』は戸惑いを隠せずにいた。
 自分が書いていたバトルロワイアルの参加者の様に知らない場所に集められ、
自分が書いていたバトルロワイアルの参加者の様に人が見せしめになり、
自分が書いていたバトルロワイアルの様に殺し合いがスタートし、
自分が書いていたバトルロワイアルの様に殺されかけていた。
 ついでに加えて言うならば、自分が書いていたキャラクターの様に容姿が変化している、ということもある。
 
 ――あ
 躓いて、その場に倒れ伏してしまう。
 ダメだ、逃げなきゃ――そう思うが体は別人のものの様に動かない。
 そこへ見計らったかの様に、ゆったりと歩きながら彼女を追い立てていた狩人が登場する。
 
「おかしいな……どうしちゃったのかな……?
 生き残りたいのはわかるけど、逃げてちゃ……殺し合いの意味、ないじゃない」
 
 異様に湾曲した紫の刀を手に、『熱血王子』と名乗った『男』が現れる。
 その刀を男は確か――《破棄すべき全ての手(リスト・ブレイカー)》と呼んでいた。
 
「私の指摘、私の行為……そんなに間違っているかな?」
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ」
 恐怖で歯がかみ合わず、碌に声さえ出せない。
 そんな『ロリスキー』を冷めた目で見下ろすと、『熱血王子』は右手の刀を上げた。
 
「《破棄すべき(リスト)》……《全ての手(ブレイカー)》ーーーッ」
 
 言葉と共に振り下ろされる刀は『ロリスキー』の頭に当たって……何故か右手首を吹き飛ばした。
 熱した鉄棒を押し付けられた様な……いや、熱した鉄そのものとなった様な『何か』が、『ロリスキー』の体を駆け巡る。
 それは既に痛みを通り越している別の何かだった。
 しかし、
 
「おかしいな……どうしちゃったのかな?
 手首を断ったのに、元に戻ってちゃ……《破棄すべき全ての手》の意味、ないじゃない」
 
 愕然と右腕を見ると、確かに手首は繋がっていた。そんな、荒れほど痛かったのに……。
 
「まあ、いいよね。千切れまで全力でやればいいんだから……」
 そう言って、『熱血王子』は刀を振り上げ――下ろす。
 再び起こる灼熱の痛み。しかし、王子は……、 
「全力全開!! 《破棄すべき全ての手(リスト・ブレイカー)》ーーーーーーーッ!!」

1125ロリスキーはクールに怯える:2007/12/30(日) 13:00:15 ID:oSu2RDX2O
 全く気にせず、再び手首を断ち切った。
 
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッ」
「《破棄すべき全ての手》! 《破棄すべき全ての手》!! 《破棄すべき全ての手》!!!
 《破棄すべき全ての手》!!!! 《破棄すべき全ての手》!!!!! 《破棄すべき――――」
 
 呻き声すら上げられず痛みに身悶えするロリスキーに構わず、何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度もその手の刀を振り下ろす。
 
「――――全ての手》!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
 《破棄すべき全ての手》!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! 《破棄すべき――――――」
 
 
「――――全ての手》ッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
 永劫と続くかと思われた灼熱地獄も、一旦は休止された。
 しかし、一休みついたら再び永久と感じる拷問が再開だろう。
 クールなロリスキーの地獄はまだ終わらない――――
 
「待て」
 いや一声の元、一先ずの終焉を告げた。
 振り下ろされる筈だった刀は、ロリスキーの寸前で停止する。
 
「どうしたのかな?」
 
 銀髪を揺らして王子が声の主を見る。少し遅れてロリスキーもそちらを向く。
 視線の先には、角のついた白い仮面の男。
 手に持った鉄扇を構えて……ロリスキーを一瞥すると、急に両膝を寄せて前かがみになった。
 
【市街地】
【熱血王子@漫画ロワ】
【装備:『破棄すべき全ての手』】
【所持品:支給品一式(確認)】
【状態:健康】
【思考・行動】
基本:手首を狩る
1:目の前の二人に全力全開
 
※銀目銀髪の高町なのはの顔に、ウルトラマンレオの体、声は赤木しげるです
 
※【『破棄すべき全ての手(リスト・ブレイカー)』@漫画ロワ&誤爆スレ】
 一話で二人の人間の手首をはねた逸話に由来する宝具。真名を解放しながらの攻撃は、全て手首を斬り飛ばす一撃となる。
 ちなみに外見はfateのルルブレ。存在は誤爆スレと漫画ロワ毒吐きを見て作者が勝手に作った

1126ロリスキーはクールに怯える:2007/12/30(日) 13:01:11 ID:oSu2RDX2O
【クールなロリスキー@漫画ロワ】
【装備:江頭2:50のタイツ@漫画ロワ】
【所持品:支給品一式(未確認)】
【状態:恐慌状態、熱血王子への恐怖】
【思考・行動】
1:怖い
2:とにかく怖い
3:死にたくない、怖い
 
※上半身裸の柊かがみです
※何故か不死身です
 
 
【ギャルゲロワ版最速の人@ギャルゲロワ】
【装備:鉄扇@ギャルゲロワ】
【所持品:支給品一式(確認済)】
【状態:健康】
【思考・行動】
1:ま……マズい!
2:銀髪をどうにかし、少女を保護する
 
※まんまハクオロです
※違う意味で最速です

11271クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/30(日) 13:04:51 ID:oSu2RDX2O
作者さん達……スマン!
だが後悔はしていない

11281クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/30(日) 13:08:44 ID:EKCIQOXo0
ちょw
最強クラスのマーダーじゃねぇか、熱血w
見た目がカオスすぎるw

11291クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/30(日) 13:28:10 ID:soY4AvnoO
違う意味で最速w
そう来たかww

11301クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/30(日) 13:32:46 ID:RjIdkzOA0
ロリスキーかぶったorz

11311クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/30(日) 13:39:20 ID:DFpJpDIYO
せっかくだから投下するんだ

1132:2007/12/30(日) 13:45:45 ID:RjIdkzOA0
じゃあいくぞ。

支給品。それはパロロワにおいて持ち主の生存確率、あるいはキャラ属性の決定、ロワでの役割などを
決定する重要なものである。ある人は脱出のカギを握り、またある人はネタキャラまっしぐら、
また別の人は支給品が目立ちすぎて本人空気、などと千差万別である。
そして彼、クールなロリスキーの支給品はどうかというと…

「ふ…まさか実際にロワに参加できるとは。つまり、実際にアルルゥや蒼い子やヴィータなどの
人外ロリをこの目で拝めるということか…!素晴しい!そのためにも俺は一分一秒でも長生き
しなければならない…そのためにも支給品を調べなくては……おお、コレは」

彼の最初の支給品はDISC。漫画ロワの書き手である彼ならこの支給品の価値がどれほどの
ものかよく分かる。それはスタンド能力云々よりも、DISCは一つたりともハズレが無いことである。
そのため彼はよく確認もせず自らの頭に押し込んでいった。そして現れたのは…

「あなたは……私の『仲間』、だよね?」

………どうみてもタバサです本当にありがとうございました

1133:2007/12/30(日) 13:46:32 ID:RjIdkzOA0
「…俺はLSの書き手ではないのだが(多分)。あれか、名前のせいか?俺が求めているのは
愛くるしいロリであって、こんな教祖では無「お話を聞いてくれる?」はいすいません、拝聴いたします」

そう言ってタバサはいつの間に取り出したのか、もう一つの支給品である破戒すべき全ての符、
ルールブレイカーを突き付けてきた。クールとて前髪は大事だ。命はもっと大事だ。

「ありがとう、私の名前は王宮のトランペット。やっぱりスタンドなんだからそれっぽくしないとね。
決して毎回吸血鬼に殺される青髪じゃないよ」

そう言ってタバ…王宮のトランペットは喋り出した。というかそもそも本体に反逆する時点でスタンド
というよりも同じLSのチャチャゼロの方がしっくりくるが、クールも余計なことは言わない。

「ああ、よろしくトランペット。俺はこの殺し合いに乗る気はないんだけど、君のスタンスは…やっぱり
まずは戦闘ありきなのか?」
「勿論じゃない。だって最初からこんな大きな棺桶が用意されているんだもの。このサイズなら
エミリーでも十分に入るくらいよ」

そう言われてクールが最後の支給品である棺桶をみる。確かに大きな棺桶で、身長が2mぐらい
あっても問題なさそうだ。さらによく見ようと棺桶に近づいて行って……そこで彼は硬直した。

「ん?どうしたのクール、棺桶を見たら動きが止まっちゃって…あれ?この棺桶、何か書いてあるわ。
えーとなになに、『私はヘルメスの鳥 私は自らの羽を喰らい 飼い慣らされる』?これがどうかしたの?」

トランペットは知る由もないが、コレを他の参加者、特に漫画とアニロワの書き手が見たら即座に
その場からラディカルグッドスピードで逃げ出すシロモノだ。なにしろチートofチートであるこの棺桶の
所有者に唯一といっていいほど掛けられている制限、そのものなのだから。

11341クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/30(日) 13:48:30 ID:RjIdkzOA0
「……頼む。君のいうことは何でも聞こう。君のやり方に賛同もしよう。だから頼む。この棺桶だけは
この場に放置させてくれええぇぇ!!これはシャレにならなすぎるんだああぁぁ!!!」
「えー、勿体ないよ〜。せっかくこんな立派なのに…あれ?なにやだ、この棺桶さん自分で動ける
みたいじゃない!すごいすごい、魔法のじゅうたんみたい!さあクール、行くよ!」

そう言ってスタンドにズルズルと引きずられていくクール。もはやただのロリスキーでしかない。

(そうだ、おちつけ、KOOLになるんだ…いくらなんでもこれ…拘束制御術式第零号には制限かかってる
だろう、バランス的に考えて…そうだよな、いくらなんでもな…)

たしかに「普通」のロワならそれは当然のことだろう。しかしここは全くもって普通ではない。そのため
制限がかかっているかはわからない。それ以前に彼らの支給品である宝具がもしこの棺桶に
刺さったら…とりあえず生きた蜀軍三万よりも笑えない状況になることは間違いない。そしてなにより、
アーカードが一人とは限らない…


以上。やはり零号解放はまずいということなのだろう

11351クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/30(日) 13:51:40 ID:H5ScbD7k0
ロワがバイオハザードになっちまうじゃねえかw

1136信じる者:2007/12/30(日) 14:12:49 ID:NQNB6I.20


「調子に乗ってんじゃねえぞ読み手どもが!」

人気がない灰色の街中で、『猫子頭の鬼軍曹』こと『◆wlyXYPQOyA』は憤っていた。
絶対正義を信じる軍曹は読み手どもが起こした暴挙を許すことができない。
故に目指すは対主催。打倒読み手。

「まずは現状の把握だな」

軍曹は支給されたデイパッグの中を全て確め、まずは名簿を取り出し書かれている名前を読む。
そして、今では懐かしい1st書き手達の名を見つけた。

「気の善いあいつらが、こんな殺し合いに乗ってるわけがねぇ」

鬼軍曹は信じる、かつての仲間達を。
故にアニロワ1st書き手達を殺し合いに乗っていないと判断する。

「だが◆5VEHREaaO2こと田老。いや、フェムト。あいつだけは信じられねえ!!」

だが一人、彼には1st書き手の中でたった一人だけ信じられない人間がいる。
それは2nd書き手の『◆5VEHREaaO2』こと『コ・ホンブック』。
鬼軍曹は彼の書き手のことだけは敵視はしていた。

(奴だけは絶対マーダーだ!)

猫子頭の鬼軍曹の脳裏にかつての戦いの記憶が思い起こされる。
それは『「汝は人狼なりや?」続わかめてエディション』の2007年08月22日のこと。
その日軍曹は人狼に参加し、村人として惨敗した。
その時の狼側の最後の刺客が、田老と名乗っていた◆5VEHREaaO2であった。
彼の人物は無害な村人を装いまんまと鬼軍曹を嵌めたのだ。
そして◆5VEHREaaO2がフェムトの称号を得てそのまま人狼から去ってしまったために、軍曹の恨みは蓄積し強い思い込みを植えつけていた。
故に彼との間に修復しようがない溝を心に作り上げていた。

「奴だけは絶対俺の手で滅ぼす」

名簿には2nd書き手として乗っている彼の人物に狙いを定め、鬼軍曹は歩き始める。
目指すは打倒読み手、◆5VEHREaaO2ことコ・ホンブックの必殺。



【猫子頭の鬼軍曹@アニロワ1st】
【装備:不明】
【所持品:支給品一式】
【状態:健康】
【思考・行動】
1:殺し合いには乗らずに読み手を倒す。
2:アニロワ1st書き手達との合流。
3:危険視しているコ・ホンブック(◆5VEHREaaO2)の殺害。


    /ノ 0ヽ
   _|___|_
   ヽ( # ゚Д゚)ノ <対主催だ、ゴルァ!
     | 个 |
    ノ| ̄ ̄ヽ
     ∪⌒∪

11371クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/30(日) 14:14:38 ID:NQNB6I.20
駄目ですかい?

11381クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/30(日) 14:37:18 ID:TDSF9vII0
逆恨みじゃねーかw

11391クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/30(日) 14:44:36 ID:soY4AvnoO
もしかして本人かwww

11401クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/30(日) 14:45:05 ID:oSu2RDX2O
殺し合いには乗ってないが、『殺し』はするってかwwwwwwwww

11411クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/30(日) 15:21:29 ID:qw16f23w0
現在の未出キャラ


【漫画ロワ】
○King of 脳内補完
【LSロワ】
○ボマー
【スパロワ】
○承/○差/○闇その1
【ギャルゲロワ】
○バトルマスター/○孤高の黒き書き手
【アニロワ2nd】
○激動のトウカリョウ/○底上中の残月/○ボンボン系の書鬼/○忘却のウッカリデス /○コ・ホンブック/○ゲドー・ザ・マジシャン
○ビクトリーム博士/○書風連・その壱/○書風連・その弐/○幻夜・フォン・ボーツスレー
【アニロワ1st】
○神行太保のDIE/SOUL/○無明幻妖side./○意外な影丸?

やっぱりアニ2ndが飛びぬけて少ないな…いや漫画ロワの勢いが異常なだけか…?

11421クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/30(日) 15:41:38 ID:2tjI5IqQ0
ボマーとか意外と誰もが出しそうで出してないな。
エロ師匠に宿敵認定されている強者なのにw

11431クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/30(日) 16:08:47 ID:i4H13OJI0
書き手把握しようとしてたら、頭の中がカオスってきたwww

1144史上最強の厨性能支給品:2007/12/30(日) 16:32:31 ID:69xPRe5Q0
「全く、何の騒ぎだ……」
 静かに暮らしたい男『King of 脳内補完』は一人つぶやく。
 彼は見た目も中身もごく普通のサラリーマン。
 どのぐらい普通かというと、朝は目覚ましテレビで目を覚まし、夜は古館さんを見ながら一日を反省するぐらい普通だ。
 しかし、そんな彼が普通でない事件に巻き込まれた。
 殺し合いをしろ。そんな事を言われてしまったのだ。
「一応、書き手だからルールは分かるんだが……」
 しかし、ルールはわかっても殺し合いで生き延びる自信はない。
 仮に相手がただの一般人であったとしても、こちらも一般人。
 体力はスポーツジム通いをしているが、至って普通。
 ナイフや銃器の取り扱い経験など当然ない。いや、ナイフを使ったことぐらいならあるが、それで人を切った経験などない。
 そんな状態では、死に物狂いで闘ってくるであろう一般人相手に一度や二度ぐらいなら勝てるかもしれないが、全勝は無理だ。
「せめて支給品が当たりならいいんだが……」
 昨今の風潮だと、支給品は三つ。
 当たり支給品三セットとかだと、儲けものだ。
 彼は祈るような気持ちを込めて、支給品を取り出す。
 支給品はスーパーのレジ袋に入れられた紙の集まりだった。
「何々……厨性能支給品セット。エニグマの紙に入っています……こ、これは……」
 な、何たること……
 手が震えそうになった。
 確かに、当たり支給品を望んでいたが、これは……厨性能支給品セット。
 望み通り、いや、望み以上の支給品かもしれない。
「はは、はははっ、これで私も優勝できるかもしれないぞ」
 ごく普通のサラリーマンであり、爆弾魔のスタンド使いなどとは全く縁もない彼にとっては天から与えられたチャンス。

1145史上最強の厨性能支給品:2007/12/30(日) 16:32:56 ID:69xPRe5Q0
 震える手を落ち着かせながら、少しずつ支給品を取り出していく。
「さて、一つ目は……蜀軍30万…………」
 ……
「な、なるほど……確かに厨性能だ。しかし、少々扱いづらいな。私は普通のサラリーマンだ、軍師の才はない」
 この支給品は保留。
 厨性能とは言え、必ずしも当たりとは限らないらしい。
 蜀軍と書かれた紙は、左側に置いて次の確認。
「次だ……二つ目はスカウター…………無難に当たりだな。しかし、言うほど厨性能でもない」
 彼はスカウターと書かれた紙を、自分の右隣に置く。これは支給品確認後すぐに使うという意味。
 右側に使用しやすいアイテムを置き、左側には使えないアイテムを置く。
 そうやって、支給品セットを篩い分けていく。
「さて、三つ目は……5MeO-DIPT…………ま、まぁ……厨性能? なのかこれ」
 ちょっと微妙な支給品。これは左側。
「では、気を取り直して四つ目。スタンド『ザ・ワールド』………ほぉ、初めて厨性能の当たり支給品が来たじゃないか」
 喜んで、それを右側に置こうとしたとき、小さい文字でスタンドの下側に追記されている事に気付く。
「ん? スタンド『ザ・ワールド』。ただし、DIO付き…………使えるかボケ!!!」
 全く……厨性能ってのはハズレばかりか。
「ま、まぁいい……これまで1/4とは言え確かにアタリもあったんだからな。これだけあれば、他にもアタリ支給品があるはずだ」
 エニグマの紙はまだまだたくさんある。
 どれ程の厨性能支給品が存在するというのだろうか。
「次の支給品は……『黒王号』……中々やるじゃないか……しかしな、引っかからんぞ。どうせ、ラオウ付きとかそんなんだろ」
 罠にかかるつもりはない、とこの支給品は左側に置く。
 ちなみに、『King of 脳内補完』がよく読まなかったこの支給品は、別にラオウ付ではなかった。

1146史上最強の厨性能支給品:2007/12/30(日) 16:33:45 ID:69xPRe5Q0
「次は……特車二課所属イングラム…………ま、まぁ厨性能なのは認めるが、これは使えないだろ……」
 極端なのが多すぎる。
 厨性能にアタリを期待しては駄目なのだろうか。
 もう、一々少しずつ確認していく手間も惜しいので、彼は全部を流し読みにしていく。
 その中で、使えそうなもの、使いやすそうなものを探していく。
 ふと、『King(ry』の目に止まったものがあった。
「なんだと……漫画ロワwiki管理人…………いや、これって支給品なのか?」
 『K(ry』の手が、その紙を前にして止まる……

 これは、ある意味でかつてない支給品だった。


【◆wSaCDPDEl2@漫画ロワ】
【装備:スカウター】
【所持品:支給品一式、厨性能支給品セット】
【状態:健康】
【思考・行動】
1:現状を把握する。

※厨性能支給品セットには今のところ、次の支給品が確認されています。
1.蜀軍30万
2.スカウター(既に装備済みです)
3.5MeO-DIPT
4.スタンド『ザ・ワールド』(DIO付)
5.黒王号(ラオウ無しの単体だが、◆wSaCDPDEl2氏はラオウ付と勘違いしています)
6.イングラム(銃じゃなくてパトレイバー)
7.漫画キャラバトルロワイアルwiki管理人(中身未確認)

11471クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/30(日) 16:35:24 ID:69xPRe5Q0
誰も出してくれないから、いじけて自分で出した。
負けたとは思っていない。反省もしていない。

11481クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/30(日) 16:36:36 ID:mq9lOZ7.C
ちょwww漫画ロワのフランシーヌ様がやってきよったwww
っていうかなんだその支給品www

11491クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/30(日) 16:38:05 ID:H5ScbD7k0
DIO付きwwwwwwwwwwwwwwwwww
どうやって紙にしたんだよwwwwwwwwww

11501クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/30(日) 16:39:23 ID:NQNB6I.20
>>1149
エ二グマのスタンドは人間も紙にできるうんだぜい。

1151超展開! 漆黒と真紅は混迷の果てに何を見たか!?:2007/12/30(日) 16:45:30 ID:lbsE49WA0
「いっくぞぉぉ、このド変態がッ!!」
叫びながら真紅の機体を駆るのは闇その2こと◆tgy0RJTbpA。
「ヘンタイとは心外な、何事も限界超えて楽しみたいだけさ、俺様は。
 意外、存外、予想外……さあ見せてくれよ、お前の限界の向こうをさっ」
ビームライフルの射線を避けながら答えたのがカオちゃんことThe god of chaosである。
「貴様如きが……」
サザビーが突っ込む。その手にはビームサーベルがある。
「貴様如きがカオスを語るなよ! 貴様如きが! ガチホモのくせに!
 俺はアスカとシンジを殺し合いに導いたことだってあるんだッ!」
一閃。袈裟懸けに振り下ろされた光の剣を、夜から染み出したような闇の剣が受け止める。
「へえ、そりゃあ予想外だ。うん、その調子でもっともっと混沌に浸ってくれ」
「そんなに予想外がお好みなら……これは、どうだッ!?」
闇その2の言葉と共にサザビーが取った行動は、まさに予想外であった。
鍔迫り合いの状態のまま、手にしたビームサーベルを放り捨てるようにして半身を入れ替えたのである。
「!? なんと……!」
急に支えを失い、カオちゃんの駆るアヴ・カミュが体勢を崩す。
黒翼の美少女の巨大な背中が、無防備に流れた。そこへ、
「覚えとけ―――」
先刻手放したものよりも一回り大きな光の剣が、
「サザビーのサーベルは……二本あるんだよッ!!」
吸い寄せられるように、
『―――シスエ・ゥンカ―――』
防護に唱える術法すら間に合わないタイミングで、叩き込まれた。

1152超展開! 漆黒と真紅は混迷の果てに何を見たか!?:2007/12/30(日) 16:46:00 ID:lbsE49WA0
閃光と、衝撃。
「グ……ウォォォォォッ!?」
カオちゃんの絶叫が響き渡る。暴風が、辺りを薙ぎ払う。
「ファンネルが使えなくたって……このくらいのことは、できるのさ」
闇その2の声が届いていたのかどうか。
閃光が収まると、そこには巨大な黒翼の美少女が倒れ伏していた。
その肩口から背の半ばまでを割り裂かれ、美少女の身体からは細かな火花が散る。
『お父……さ、ま……』
巨大な美少女が、掠れた声で主の名を呼んだ。傷口から幾つものスパークが飛ぶ。
それがまるで本当に生身の少女が虫の息の中、手を伸ばすような光景に見えて、闇その2は表情を険しくした。
「待っていろ、……楽にしてやる」
闇その2の静かな声と同時、サザビーの腹部から淡い光が漏れ出す。
新生ネオ・ジオン総帥専用機、その最大火力―――メガ粒子砲の充填光であった。
「貴様とて、世が世ならMS少女の如く慕われることもあったろうに……。
 因果なものだな、子は親を選べないというのは……」
散りゆく美少女の運命に一瞬だけ目を閉じて黙祷を捧げると、闇その2はトリガーのボタンを、そっと押した。
夜を真昼に変えるような膨大な光量が、周囲を染め上げた。
音もなく、ただ熱量だけが黒翼の少女を炙り……一瞬の後、黒の機体はその内部から破裂するように、四散していた。
「恨むなら恨むがいい……俺と、愚かな親をな」
呟いて、機体を反転させる。
バーニアを吹かそうとした、その瞬間だった。
「ククク……フフフ、ハァーハハハハハハ!! どこに行こうというんだい、イカした名前の君ィ!?」
タガの外れた笑い声に、闇その2が戦慄する。
ほんの刹那、機体の制動が乱れ―――そして、それが致命傷となった。
半身、振り向きかけた真紅の機体のモノアイに映ったもの……それは、
『カミーユが……男の名前で、何で悪いんだぁぁっ!!』
巨大な、拳であった。
モニタが、ブラックアウトする。直撃だった。
最期の一瞬、闇その2は薄れゆく意識の中で思う。
瞬く間に間を詰め、鉄拳をもって時代最強と謳われたMSを大破せしめた影。
それは先程まで刃を交えていた黒翼の美少女よりも一回り小さな、しかし人間としてはあり得ぬサイズの、

(巨大カミーユ・ビダンて……カオスすぎる、だろ……)


【闇その2@スパロワ 死亡】

1153超展開! 漆黒と真紅は混迷の果てに何を見たか!?:2007/12/30(日) 16:46:17 ID:lbsE49WA0
【荒地/深夜】

【The god of chaos@葉鍵3】
【状態】絶好調であるっ!
【装備】アヴ・カミーユ
【道具】支給品一式、他にもあるかも
【思考・行動】
基本:常に快楽を求める
1:ガチホモ・ガチレズ・陵辱からお笑いまで何でも(楽しめるなら)可!
2:駄洒落でカミーユを呼び出したけどどうしよう、まあこれはこれでカオスだからいいか!

※アヴ・カミーユは巨大な生身のカミーユ・ビダン。全長10mくらい。
※生身なので中には搭乗できません。Gロボのように肩に乗っています。
※できればカオちゃんと呼んで欲しいようです

※サザビーは頭部コクピットを砕かれ大破しました。

11541クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/30(日) 16:47:56 ID:lbsE49WA0
なんていうか、カオスって整理されないままの思い付きが命だと思うんだ。

11551クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/30(日) 16:50:18 ID:VTQt3wk20
TV版か劇場版かスパロボ版か、話はそれからだ……
誰も収拾つける気ないだろwww

1156小さなエロスとEGO:2007/12/30(日) 16:50:48 ID:8PzKQ2iI0
 校内を探索する仮面ライダー書き手。
 まとめキングを探さなくてはならないが、そのために高いところへと一旦登ろうと考えたのである。
 ライダーロワは完結している。ゆえにまとめキングが死んだところで、ライダーロワに支障などはない。
 だが、仮面ライダー書き手にとってまとめキングはそんな存在ではない。
 全てを懸けて守るべき存在。草加雅人となった自分のように、彼に関連する何者かと化しているのだろう。
 それでも、彼の性別が何であれ、己の愛をかけて守る存在だ。
 ただ、それだけでいいと校内を進むと、人の声が聞こえてきた。
 眉を顰め、耳を向けると小さな喘ぎ声が保健室から聞こえてくる。
 お盛んなことだとあきれ果て、ついでに人数を減らせるいいチャンスだと考えて仮面ライダー書き手は進む。

「ん……あ……。カ……、君は本当に我慢が…………」

 声が小さくて聞こえづらい。中の様子を探るためにも、ドアの隙間から覗こうとする。

「ああ、カズキ。君は…………本当に、大きく……太くて、硬くて、暴れっぱなしなんだな…………」

 その台詞を聞いた瞬間、仮面ライダー書き手は腰にベルトを巻きながら、カイザフォンに変身コードを打つ。
 瞬間、壁が破壊され、仮面ライダー書き手が存在していた空間が吹き飛ばされた。
「おや、今のでイってしまったと思ったのだが。まあ、いい。
君もカズキと一緒に混ざるか? 私は10Pまでのプレイに対応可能だぞ、フフフ…………」
「痴女が……キサマだったとはな、エロ師匠!!」

『9・1・3・ENTER』
『Standing By』

 待機音を鳴らすカイザフォンを右腕に握り締め、左肩まで持ち上げる。
 そのままベルトへとカイザフォンをセットした。

「変身」
『Complete』

 姿を仮面ライダーカイザへと変えた、仮面ライダー書き手はエロ師匠へと対峙する。
 対して、エロ師匠は頭に疑問符をかしげていた。
「私は君のような書き手には見覚えはない。しかし、その声はどこかで……ああ!
我が漫画ロワのしたらば管理人、◆WXWUmT8KJE氏ではないか。君の描く斗貴子はエロくてよかった。
なるほど、ドットーレの着ぐるみの下の素顔はそれか。なかなかハンサム顔じゃないか」
「それはそっちの俺だろ。今の俺はライダーロワのしたらば管理人であり、地図製作者であり、書き手である男だ」
「それで漫画ロワのしたらば管理人、書き手やっているんだから、なかなか精力的だな、彼は。なあ、カズキ。
きっと精も濃くてしつこそうだ。腕が鳴る」
 ぺろりと上唇を舐めながらエロ師匠はセクハラ発言をする。
 仮面ライダー書き手は気にも留めず、十字架のような柄の剣に黄金の刀身を生やし構える。
 そういうキャラだというのは、漫画ロワで斗貴子をリレーした彼が一番よく知っている。
 彼の変身した姿に、エロ師匠は悦に入った表情になる。
「太さや大きさはカズキに及ばないが、なかなか硬そうな物を持っているな。
私も君に応えねばな」
 そういったエロ師匠はデイバックよりアイテムを取り出した。
 それを目撃した瞬間、仮面ライダー書き手は息を呑む。
「ふむ、少しビクッとしたな、仮面ライダー書き手。カズキの感じたリアクションにそっくりだ。
ネクストコナンズヒント『蝶ネクタイ』に与えられたこのカードデッキ、使わせてもらうぞ」
 エロ師匠は校舎の窓ガラスにカードデッキをかざし、銀のベルトにはめる。

「変……ンア……身……ンギモッヂイイ」

 なぜか、喘ぎながら。黒衣の戦士に身を変えて、緑の強化スーツに銀の鎧を着込んだ雄牛の戦士と化す。。
 仮面ライダーゾルダInエロ師匠。仮面ライダー書き手の前に、ただいま参上した。

1157小さなエロスとEGO:2007/12/30(日) 16:51:18 ID:8PzKQ2iI0
「てか、キャラに合っていないんじゃないかな?」
 誰に突っ込んだか分からない、仮面ライダー書き手の声が校舎に響いた。


「なかなか射精する側というのは気持ちいいものだな! カズキ!!」
 ハッピートリガーよろしく、銃弾を放ち続けるエロ師匠がハイになって叫ぶ。
 その様子を忌々しそうに見つめながら、仮面ライダー書き手は応戦するべくカイザブレイガンをガンモードに変形させる。
 剣より刃が掻き消え、銃口をエロ師匠へと仮面ライダー書き手は構える。
 引き金を引くと、エロ師匠の持つ銃型バイザー、マグナバイザーと違い実弾ではなくエネルギー弾を発射させる。
 正確無比な射撃は、銃の扱いに慣れていないエロ師匠を撃ちぬく。
「んぁ……熱い…………」
 エロ師匠の喘ぎ声を無視して、仮面ライダー書き手は突き進む。
 ゾルダの欠点は、接近戦が苦手という部分だ。
 一気に間合いを詰める仮面ライダー書き手に、エロ師匠が変わらず笑い声を上げる。
「フフ……なかなか激しいな。私も負けていられない!! なあ、カズキ! 武装錬金!!」
 叫ぶ彼女の手に、白い槍が顕在する。ヤバイ。仮面ライダー書き手は急ブレーキをかけて、地面に伏せる。

「臓物をブチ撒けろ!!」

 山吹色のエネルギーを纏った槍を持って、突進してくるエロ師匠。
 仮面ライダー書き手の身体を掠め、壁に叩きつけられた。
「ちょっときつか……なに!!」
 槍のエネルギーを収め、振り返ろうとしたエロ師匠の身体が動かない。
 己の身体を見つめると、光に拘束されている。
「ちょっと……手間取ったけど、変身を上手く扱えるのは俺のほうのようだな」
 ゆらりと仮面ライダー書き手は黄金の刀身を復活させたカイザブレイガンを逆手に構える。
 そのまま光の矢となって、エロ師匠に迫った。


「フフ……死ぬかと思ったぞ」
「フン」
 仮面ライダー書き手はまだゾルダに変身しているエロ師匠を前にイラついていた。
 攻撃が届く瞬間、エロ師匠はサンライトハートのエネルギーの刃を増大させ、無理矢理身体を移動したのだ。
 必殺の一撃を躱され、仮面ライダー書き手は乱暴に剣を引き抜いて構える。
 しかし、エロ師匠は待ったをかけるように右手を突き出した。
「なかなかのスパンキングだ。仮面ライダー書き手、私と組まないか?」
「お前とだと……?」
「そうだ、君は殺し合いに乗っているが、一回の戦闘でこうも消耗しては優勝を狙えまい。
何より、君の描くかがみや斗貴子はエロくてよかった。殺すには惜しい」
「そういう台詞は、優勢な方が言うものだ」

1158小さなエロスとEGO:2007/12/30(日) 16:51:45 ID:8PzKQ2iI0
「まあ、そういってくれるな。今なら私と一晩過ごせる権利つきだぞ」
「いらない。まあ、いいだろ。ただし、まとめキングだけには手を出すな。
あの人は、俺が守る」
 その台詞を聞いて、エロ師匠はゾルダの仮面の下で目をぱちくりさせる。
 瞬間、エロ師匠の変身が解けた。
「おや、十分経ってしまったか」
「十分? 俺はまだ変身できているが」
「正確には九分五十五秒だな」
「……龍騎の設定には、ミラーワールドでその時間しか活動できない。
ここはミラーワールドとでも言うのか? ばかばかしい」
「なるほど。ところで、君が奉仕マーダーとして参加するとは意外だな。
そんなにいい女なのか? まとめキングとやらは」
「さあな。ライダーロワの男女比率から考えれば、女である可能性は低い」
「! 聞いたか、カズキ!! 彼は堂々と同性愛者である事を告白した!」
「いっていろ。だが、どちらにしろあの人は守る価値はある。俺の話を上手くリレーしたあの人にはな!!」
「ふむ、バイセクシャルか。良かった、私の相手が出来ないでは、組むメリットがないからな」
 エロ師匠の呟きを無視して、仮面ライダー書き手は変身を解いて踵を返す。
 ここで無駄に時間を過ごして、まとめキングを危険に晒したくないからだ。
「ところで仮面ライダー書き手」
「何だ?」

「や ら な い か ?」

「断る」
「噂に聞くレイパーライダーの外見をしているのに?」
「…………なんで知っている」
「私のエロ知識に底はない。そこで裸エプロンになってやるから、来い」
 もう、こいつ置いていこうか。
 仮面ライダー書き手はチーム組む相手を選ぶべきだったと後悔した。

1159小さなエロスとEGO:2007/12/30(日) 16:52:00 ID:8PzKQ2iI0

【学校・保健室前】
【エロ師匠@漫画ロワ】
【装備:サンライトハート(後期型)@武装練金 カードデッキ(ゾルダ)@ライダーロワ】
【所持品:支給品一式×2、マジックペン@文房具、不明支給品×2人分】
【状態:健康、お肌ツヤツヤ、パワーアップ?】
【思考・行動】
1:仮面ライダー書き手、や ら な い か ?
2:エロスを楽しむ。ほどほどになんてしない。エロスでどんどんパワーアップ!
3:この殺し合いの舞台を利用して、LSのボマーを倒す。できれば自分の手で倒す。
4:そのための戦力強化を図る。主に、同盟相手の模索&他人の支給品強奪で
5:バイセクシャルとはスペック高いぞ、仮面ライダー書き手!!
※外見と声は銀髪銀眼の津村斗貴子(エロ度200%増)です。無駄にエロいです。何でもエロくします。
※サンライトハート(後期型)は支給品ではなく自前です。核鉄として心臓の代わりも兼ねています。
※エロスで本当にパワーアップできるのかどうかは不明です。強くなった気がするだけなのかもしれません。
※カードデッキだけはなぜか九分五十五秒しか変身できません。


【仮面ライダー書き手@ライダーロワ】
【状態】健康
【装備】カイザギア@ライダーロワ
【道具】
【所持品】支給品一式(未確認)
【思考・行動】
基本:まとめキングこと◆vHOqGgdf1Uを優勝させる。
1:まとめキングを探し、守る。
2:俺を好きにならない奴は殺す。
3:駄目だ、こいつ(エロ師匠)。早く何とかしないと。

※外見や声は草加雅人です。

11601クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/30(日) 16:55:48 ID:XURVeEWc0
誰かエロ師匠なんとかしろwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

11611クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/30(日) 16:59:10 ID:H5ScbD7k0
>>1150
いやそうじゃなくて、あのDIOの恐怖のサインをどう読み取ったんだよw

11621クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/30(日) 17:06:51 ID:yFP6GAUYO
蜀軍三十万を引いても全く有利な気がしないこのロワって何なんだww

11631クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/30(日) 17:21:27 ID:i4H13OJI0
「バトルマスターですか」
手に持った名簿と『支給品』を見つめ、軽くため息をつく。
少年のような面立ちとは裏腹に、つぶやいた台詞はどこか重々しさを感じられた。
彼は仲間たちから『バトルマスター』と呼ばれるほどの大黒柱だ。
こんな状況に陥っても、冷静なまま状況を判断できるのがその証拠である。
ならば、こんな殺し合いは即座に中断させ、すぐにでも脱出すべきだ。
殺し合いなど、想像の中やお話の中だからこそ楽しめる存在なのだ。
こんな状況に放り込まれて、喜ぶような人間が、この世に何人いるだろう。
だが……

「どうしましょうかね」

彼は、自分の性格とは別の意思が、自身の心を支配しようとしているのに気がついていた。
それは現在の姿のモデルである『前原圭一』の燃えるような情熱や、『アセリア』のような強過ぎる闘争心。
それらの心が、彼の心を奪うかのように侵食してきているのだ。

(これは……まさか自分の執筆したキャラと同化している?)

かろうじて頭だけは冷静だが、それもいつまで続くか確証はもてない。
現に、肉体は戦いを求めて火照り続けている。

「……」

一度だけ大きく深呼吸すると、彼はポケットから一枚のコインを取り出した。

「こういうのはガラじゃないんですが」

そして親指の上にそっと乗せると、無造作にコインを真上へと弾き飛ばした。
空中でクルクルと回り続けたまま、コインはゆっくりと彼の手の平に落ちていく。

(表が出たら徹底的に抗いますよ。けど、裏が出たら――)




今、コインと言う名の運命は、ゆっくりと彼の手の平に舞い降りる。


【学校の屋上/深夜】

【バトルマスター@ギャルゲロワ】
【状態】冷静
【装備】不明(支給品は確認済)
【道具】支給品一式、コイン、名簿、
【思考・行動】
基本:コインの表が出れば徹底的に抗う。、裏が出たら殺し合いに乗る。
1:コインの結果を確認する

※自分の心がキャラに影響されていることに気付きました

11641クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/30(日) 17:22:43 ID:i4H13OJI0
タイトル忘れてた。中二病のごとく格好よくしてみる。

『コインは今投げられた』

11651クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/30(日) 17:24:31 ID:XURVeEWc0
バトルマスターかっけえええええええええええ!! 全然名前負けしてねえよ!

11661クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/30(日) 17:36:14 ID:hGxEoyVQ0
ちょwwwギャルゲロワ伝統コイントスwwww

1167BIG−JOE SHOWTYME:2007/12/30(日) 17:40:25 ID:/vSL9DtE0
「いきなり殺し合いってなんだよ。っていうか承ってなんだよ。
他の人に比べて何で俺たちスパロワ勢はこんな簡単な名前なんだ。
体はスクライドでできているさんとかみたいに呼びにくい名前よりましだけど」
スパロワ書き手・承は名簿を見ながら言った。
「それにビッグオー復活書いたからって、何もロジャースミスの格好にしなくても……ビッグ承ショウタイムってか?」
そうぼやいた瞬間、ビッグオーサイズの承太郎が現れた。
「まさかこんな能力まで付加されてるとは……っていうかたまたま駄洒落言ったからいいけど、普通は気付かんぞ」
あまりの驚きに少しチビったのは内緒だぞ。
「と、とりあえず支給品でも調べるか。」
ゴルディオンハンマーが現れた。
「ああ、今度はゴルディオンハンマー発動『承』認ですか。もう何でもありだな」
承は呆れているが、間違いなく当たりの武器にカテゴリーされるだろう。
「ええと、次の支給品はっと。了……承?なんだこれ」
説明書を読んでみる。
「これを見ると、どんな事でも1秒で了承してしまいます」
その文を読んだ承の顔が真っ青になる。
「ちょ、待てぇぇぇぇぇぇぇ。俺は殺し合いになんか乗るつもりはn了承(この間1秒)」
意思とは裏腹に勝手に殺し合いに乗る事にさせられた承は、ビッグ承にゴルryを持たせ移動を開始した。


【承@スパロワ】
【装備:スタンド『ビッグ承』(ゴルディオンハンマー装備)】
【所持品:支給品一式、了承@フリーソフト、他不明】
【状態:健康】
【思考・行動】
1:殺し合い? 了承(1秒)
2:うおぉぉぉぉ、殺し合いなんて嫌だー!(本心)

※外見はBIG−Oのロジャー・スミス
※スタンド『ビッグ承』がスタンド『スタープラチナ』を使えるかどうかは不明です。

11681クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/30(日) 17:44:59 ID:soY4AvnoO
くっ、チャットで出たnice boatネタを使おうと思ってたんだが、先を越されたか。

11691クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/30(日) 18:00:24 ID:soY4AvnoO
タイミング悪かったかスマン。
つか承ってあーたwww

11701クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/30(日) 18:05:59 ID:2tjI5IqQ0
時速1作くらい有るぞ、現在の勢い。
感想付けようと思った作品がどんどん流れてくじゃねーか!
GJだこの野郎共!w

11711クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/30(日) 18:21:17 ID:2tjI5IqQ0
第五十話以降のみ感想付けてみるか。

>書き手じゃないからといって安心できるほどバトロワは甘くないのだよ
プー太さんってちょ、ちょwww。
地獄をプレゼントするサンタルックとは愛らしい。ロワ内で和めるだけで当たりだこれはw

>タチムカウ
エアーマンがたおせ〜ない〜よ〜。がんばれ地味子。あと空気の人は何かがひどいw

>人は勝ち誇った時、すでにその戦いに負けている。
流石はエロ師匠、やってくれる。

>名前で判断するのはお約束
このロワ物騒な名前が多すぎんだよwwwというか実際ヤバイ奴は多いしな!

>たこ焼き屋は闇に踊る
原作で立派に怪人を倒した超強い一般人フォームじゃないか、凄いぜw

>ロリスキーはクールに怯える
待て待て、王子様、あなたはちょっぴり怖すぎる、ていうかやばすぎるwww

>信じる者
軍曹テラ逆恨みwww

>史上最強の厨性能支給品
これは確かに、ヤバイ。やばすぎる! なにがヤバイって許容出来ちゃうこのロワが!

>超展開! 漆黒と真紅は混迷の果てに何を見たか!?
アヴ・カミーユとか出ちゃうこのロワが!

>小さなエロスとEGO
エロス大奮発のこのロワが! ……流石はエロ師匠、やってくれる。

>コインは今投げられた
バトルマスターかっこいいよ。表と裏とどっちが出るかな。

>BIG−JOE SHOWTYME
ロボが激闘する足下で生身の奴らが戦うロワになりそうだな……カオス。

1172バトルマスター:2007/12/30(日) 20:15:23 ID:gmAVrV9w0
巨大なカミ―ユ・ビダンと化したかおちゃんは、自身の圧倒的な力に上機嫌で鼻歌を歌っていた。
バトルロワイヤルなどといったところで、このような状態になった自分に最早敵はいない。
辛うじて対抗可能かと思えたモビルースーツでさえも自分を倒すには及ばないということは、ぐしゃぐしゃに潰れたサザビーのコックピットが証明している。
「ふっふ〜ん。つまんないといえばつまんないかなぁ?でもま、さっさと終わらせて新たなカオスルートの執筆にとりかかろうかねぇ」
退屈そうにあくびをしながら、周囲を見渡す。荒野には自分のほか草一本の生物も存在しないが、その代わり遠くまで見ることができた。
そして、かおちゃんの視力カオスの瞳が、学校と思わしきたてものとその屋上に一人たたずむ人間の姿を捉えた。
「獲物み〜〜っけ!いっただっきま〜〜すっ!」
新たなカオスの犠牲者を発見に狂喜しながらそちらへ走り出す。
10mもの巨体で全力疾走しているので、地響きも相当なものである。
ウルトラマンガイアが走ってるみたいに、着地するたび地面がぼがんぼがん立ち上がる。
そのまま速度を抑えることなく学校の目の前まで走りより、
「じゃあね!君みたいな大人、修正してやるっ!!」
巨大な拳を無造作にしかし全力で屋上の人間めがけて振り下ろした。
なすすべもないといったように動かずにいた人間はそのままミンチのごとく潰れ、破砕された校舎の瓦礫に埋もれる。
はずだった。
「あ…れ…?」
実際は校舎には傷一つつかず、それどこらかおちゃんの拳はそこに到着する寸前で何か強い力に受け止められてかのようにぴくりとも動かなくなっていた。
かおちゃんの拳と校舎の間には、ちょうど人間一人分程度の隙間があった。
「一つ…いや二つ教えて差し上げましょう」
隙間から声が響いた。
「っ!?」
かおちゃんの目が驚愕に見開かれ、同時に意思に反して動かないままだった拳が大きく弾かれる。
目の前の小さな人間が、僅かな動作だけで自分の手を弾いたとのだと理解するのには結構な時間がかかった。
「あれ…おかしい…なぁ……?」
ここにきてはじめての混乱に冷や汗をかくかおちゃんを無視して人間は言葉を続ける。
「私の名はバトルマスター。ギャルゲロワのバトルマスターです。そして…」
バトルマスターと名乗った男が跳躍した。
「うわ!」
あきらかに人間の限界を無視した速度で一瞬のうちに目の前に踊りこまれ、かおちゃんは焦りを含んだ声をあげた。
文字通りの眼前の遥かな空中で、物理法則を超越しているとしか思えない滞空時間の中、戦闘態勢を取った小さな人間が厳かに告げる。
「ここでカオスなのはあなただけに限りません。カオスルート出身だからといって……調子にのってんじゃねぇ!!」
バトルマスターの放った蹴りがカオちゃんの顔にめりこみ、同時に凄まじい衝撃がかおちゃんの全身をかけめぐる。
「ぐわああああああ!?」
なすすべもなく、その巨体は地平線の彼方へと吹き飛んでいった。
完全に見えなくなったあたりで、蹴り反動を利用してバトルマスターがすた、と綺麗に屋上に着地を決める。
何事もなかったかのような平然とした顔で、息一つみだれていない。
ただ、足元に転がったコインの表面だけが、月光を反射してきらきらと輝いていた。


【状態】絶賛吹っ飛び中
【装備】アヴ・カミーユ
【道具】支給品一式、他にもあるかも
【思考・行動】
基本:常に快楽を求める
0:な、何だと!こんな馬鹿なぁ!?
1:ガチホモ・ガチレズ・陵辱からお笑いまで何でも(楽しめるなら)可!
2:駄洒落でカミーユを呼び出したけどどうしよう、まあこれはこれでカオスだからいいか!

※アヴ・カミーユは巨大な生身のカミーユ・ビダン。全長10mくらい。
※生身なので中には搭乗できません。Gロボのように肩に乗っています。
※できればカオちゃんと呼んで欲しいようです


【学校の屋上/深夜】

【バトルマスター@ギャルゲロワ】
【状態】冷静
【装備】不明(支給品は確認済)
【道具】支給品一式、コイン、名簿、
【思考・行動】
基本:コインの表が出たので徹底的に抗う。

※自分の心がキャラに影響されていることに気付きました

1173紙の子どもたちはみな踊る阿呆に見る阿呆。同じ阿呆なら……?:2007/12/30(日) 20:22:22 ID:8TOAuoNQ0
まばらに広がる黒い枝葉の間から差し込む月光。それによって夜の森と言うイメージからは幾分歩きやすい木々の間。
そこを一人の小柄な少女がおっかなびっくりといった風で歩いていた。

支給品であるデイバッグを胸に抱えて震えをこらえ、竦む脚を機械のように動かして進む少女の名前は「コ・ホンブック」。
アニロワ2ndで書き手を務める中の一人で、またこの凄惨で混沌とした殺人遊戯の盤上に連れて来られた一人でもある。

10メートル程進んでは暗がりに誰か潜んではいないかと、そのくせっ毛の目立つピンクの髪がのった頭をキョロキョロと振り回す。
コ・ホンブック(◆5VEHREaaO2)――彼女の姿は、彼女が話を書いたアニタ・キング。その姿によく似ていた。

「…………嘘だ、夢だ、幻だ。……冗談か、それかドッキリか、それとも白昼夢か……」

湧き上がって止まない恐怖を紛らわす言葉をブツブツとその小さな唇から零しながら、彼女はカチコチと足を動かす。
彼女が足を前後させ身体を捻るたびに、彼女の纏うパンダカラーのミニチャイナもカサカサと囁く様な音を漏らした。

「……か、紙の服って、こんなだったん、だ。 思ってたより、着心地が……よくない……」

なるほどアニタも文句を零すはずだと彼女は納得した。
何故か、あのコンクリートの部屋で気付いた時にはもうこの紙の服を着せられていた。
身体の上下を包むミニチャイナだけでなく、足の付け根からおへその下までを包む下着も紙製で、
その着心地の悪さを感じる度に、自然と内股を擦ったり足を大きく広げたりしてしまう。

「アタシってもしかして、ここじゃぁ……紙使いだったり、して? ……書き手ロワ? だし?」

独り言は普段からの癖なのか、それとも身体一杯に詰まった恐怖に押し出されるからなのか、それを続けながら彼女は歩く。
紙使い――言葉通り紙を自在に操る力。それがここに来た時から自分に具わっていることがなんとんなくだが解る。
それを実際に確認することは容易い。力一杯抱きしめているデイバッグの中からメモを一枚取り出してみればそれで済む。
だが彼女はまだそうしていない。それどころか、まだデイバッグを開けることすらしていなかった。
別に今着ている紙の服を実験の材料にすることも可能であったが、元に戻せる保証がないのでその案は却下した。
なら何故、彼女はメモ紙を取り出そうとしないのか? 何故、支給品の確認すらしていないのか? それは――、

「……”アレ”が入ってたらどうしよう。……”アレ”が入ってたら、入っていたら……どうしよぅ……」

――やはり恐怖だった。
彼女が恐れる”アレ”とは「乖離剣・エア」――英雄王の財宝の一つにして絶対最強の威力を誇る宝具のことである。
自分が書き手としてアニタへと与え、そしてその直後に彼女を死へと導いた曰くつきのアイテムだ。

今、アニタと化している自分がアレを引き当てたら同じ様に死んでしまうんじゃないか……。
勿論例え引き当てたとしても、それを使わず捨てるかバッグの中に仕舞っておけば問題ないと彼女も解っているのだが、
運命というものが書き手という神の掌の上にあるロワという舞台の中では、何がどうされるのか解ったものじゃない。
だから彼女はその身を危機に曝しながらも一人夜の森を行き、一緒にバッグを開けてくれる誰かを探しているのだった。

1174紙の子どもたちはみな踊る阿呆に見る阿呆。同じ阿呆なら……?:2007/12/30(日) 20:22:47 ID:8TOAuoNQ0
 ◆ ◆ ◆


――コ・ホンブックは不幸な少女だ。


 ◆ ◆ ◆


「あら? そこにいるのはもしかしてアニロワ2ndの書き手さんじゃないですか?」

唐突にかけられた明るい女の声にコ・ホンブックの身体がビクリと跳ね上がる。
すぐさまに声が飛んできた方向へと視線を向けるが、彼女は最初そこに人がいるということに気付けなかった。

「それ、アニタちゃんの格好ですよね? だったらアニロワ2ndの書き手さんなんじゃないかなーって思うんですけど」

再び声をかけられたことでやっと彼女は気付いた。相手はずっと目の前に居たということに。
ソレを一言で例えるなら「影」だ。
頭を覆う黒髪。上下に身に着けたスーツ。足先を包む革靴に掌に填められたグローブ。どれも真っ黒だった。
スーツの中に着込んだシャツも、ネクタイも、ボタンも何もかも。光を跳ね返さない闇色で統一されていた。
それ故に暗がりの中に立っていることに気付けなかったのだ。
しかし気付いてみると、周囲の闇よりも遥かに真っ黒なソレは逆に浮かんで見える。

「だ……誰?」
「――? ああ、ごめんなさい。コレじゃあ、誰だかわからないですよね」

突然現れた何者かは、コ・ホンブックの言葉に失笑を漏らすとそれまで顔を覆っていた漆黒の仮面に手を伸ばす。
そしてその下から現れたのは、仮面や衣装とは対照的な白い顔だ。
小動物を思わせる真ん丸い目と、その上に屋根のように架かった半月の眉。そして小さいが形のよい鼻。若干色素が薄めの唇。
一歩明るい場所に踏み出して来たことによってより際立ったシルエットは、控えめながらも女性らしさをアピールしている。
突如現れた謎の影。それは――風浦可符香の顔をしていた。

「こんばんわ。私は◆AZWNjKqIBQ――いや、ここでだとマスク・ザ・ドSだね。よろしく♪」


 ◆ ◆ ◆


コ・ホンブックは不幸な少女だ。

何故かと問われると、それは枚挙に遑がない。
しかし、此処で語るに必要な分だけを取り出していけば、ぶっちゃけ――彼女は「間が悪い」。可哀相なぐらいに……。

1175紙の子どもたちはみな踊る阿呆に見る阿呆。同じ阿呆なら……?:2007/12/30(日) 20:23:18 ID:8TOAuoNQ0
「それにしても、私の名前って変ですよね。
 マスクはともかく、ドSのSって何の略でしょう?
 サービス(気配り)? それともスマイル(笑顔)かな? それともそれともサーべランス(監視者)?
 スクリプター(記録係)? サルベージ(回収)? んーなんなんでしょうねー?
 サラミソーセージは好きだけど、それは……やっぱり関係ないですよねぇ……?」

――最悪だ!
ひとり取りとめもなく戯言を繰り出し始めた女の前で、コ・ホンブックは歯をガチガチと鳴らしてその恐怖を表現していた。
コ・ホンブックは一緒にバッグを開けてくれる人物を探しており、特に同じアニロワ2ndの書き手と出会えることを願っていたが、
同じロワ出身と言えど目の前に立つ女は最悪だった。
何かにつけて彼女とは相性が合わない。アニタを抹殺したのもこの女である。それだけではなく色々と――……。

「サスペンス(不安)? サクリフィス(生贄)? サヴェッジ(残忍)? サック(略奪)? サッド(悲哀)?
 んー……、イマイチどれもピンときませんねー? なんなんだろう?」

サディズム(加虐変態性癖)だろう……と、コ・ホンブックはボソリと零す。
目の前の女はキャラをまるで鼠を角に追い詰めた猫の様に甚振り、無慈悲にゴミの様に殺す。そんな加虐主義者なのである。
聞かせるつもりはなかったのだが、マイペースな様に見えて割かし敏感だったらしい女はいけしゃあしゃあと反論を口にした。

「やだなー。私がサディストなわけないじゃないですかー♪
 私は――あ、そうだ。セイント(聖人)ですよセイント。ポロロッカ聖人なんちゃって〜!

 ……ね。あなたも、そう思いますよねコ・ホンブックこと、◆5VEHREaaO2さん?」

早鐘の様に打ち鳴らされていたコ・ホンブックの心臓が一際大きく弾んだ。一瞬、ショック死したかと錯覚するぐらいに。

「お、お、お、お前ッ! アタシの正体に……ッ、き、きづ、気付いて――!」

湧き上がる本能からの警告に、コ・ホンブックは必死に手足へと命令を出してそれから逃れようとする。
だが、恐怖に犯された身体はまるででたらめに配線された機械のようにしか動かず、
それはまるで地震を現すパントマイムをしているのか、一人でツイスターを遊んでいるかのような有様だった。

そんな狼狽に踊りのたうつ少女の様を、黒い怪人は静かに静かに、楽しそうに楽しそうに、微笑んで見下ろしている。


 ◆ ◆ ◆


逃げなきゃ殺される! 逃げられないなら殺される! 逃げられないなら殺すしかない! 殺すしかないから殺すしかない!
殺されないためには殺すしかない! コイツを殺すしかない! アタシが殺すしかない! 殺されないためには殺されない!
アタシが殺されない!  コイツは殺すしかない!  アタシが殺されたくないから!  殺すからアタシは殺されたくないから!
コイツを殺したいのはアタシが殺す!  殺されないアタシのためにコイツは殺されないと!  殺さないと殺されるから殺す!
殺す! アタシは殺すからコイツを! 殺すからコイツを! コイツは殺されるから!  アタシはコイツを殺したいから殺す!

コ・ホンブックは暴れ狂い四肢を引き裂こうとする感情を一つの衝動へと集束してゆく。生きるために殺すという真理に向って。

1176紙の子どもたちはみな踊る阿呆に見る阿呆。同じ阿呆なら……?:2007/12/30(日) 20:23:48 ID:8TOAuoNQ0
「――エッ、ハ! ゥ……! ――ッ! ――――――――――――――!」

窮鼠猫を噛むがごとしと言ったところであろう。
それまでバラバラに動いていた手足が一瞬、正確な同調を見せ目の前の怪人を殺すための動きを見せる。
最速の手順と早さで、それまでは決して開けるまいと必死に抱き込んでいたデイバッグの口へと手を差し込んだ。
目の前の怪人を倒すための武器を取り出すために。だが――、

「ピギャアアァァァァァ―――――――――――――――――――――ッ!」

手が掴んだソレを見た瞬間。コ・ホンブックは絶叫をあげて何もかもを放り出し、火を見た獣の様に後ずさった。
怪人の足元に残されたのは、口を開けられたままの状態で放り出されたデイバッグと、そこから転び出た”アレ”。

「……や、や、やだ。なんで、……どうして。なんで、”ソレ”が、ここに……あ、あ……――」

月光を跳ね返し、「そう言えばこれ既出じゃない?」っていう指摘も跳ね返して、”ソレ”はそこにあった。
いたいけな一人の少女を膾斬りにし、その真空の刃で幾多の人間にトラウマを刻みこんだ最強最悪の武器。

――英霊王の宝具。乖離剣・エアがそこにあった。


 ◆ ◆ ◆


背中を木に預け足を大地に張り、コ・ホンブックはただイヤイヤと首を振り続けていた。

目の前のトラウマを否定するため、一心に不幸な少女は首を振る。
それがどこかへと行ってしまうことを願って不運な少女は首を振る。
どうか悪夢よ覚めてくださいと小さく憐れな少女は必死に首を振る。
誰か私を此処から連れ出して下さいと、青褪めた少女は首を振る。
母親を見失い、独り取り残された惨めな子の様に少女は首を振る。
少女はただただ首を振る。 イヤイヤと可哀そうな少女は首を振る。首を振る――。


 ◆ ◆ ◆


ひうんひうん――と。風を切る不可視の獣が走る様な、そんな奇妙な音が夜の森に疾った。

「――――ひぐッ!」

一瞬の後。
木にもたれていたコ・ホンブックの身体が、そこに縛りつけられたかの様に硬直、……いや、実際に縛りつけられていた。
黒い怪人――マスク・ド・Sの十本の指から伸びる色の無い糸によって、その小さな身体を磔にされている。

「普通の人間が糸を操るなんてできるはずがないじゃないですか。――けど私は『ニンジャ』ですから」

聞かれてもいないことを答えながら、怪人は十本の指に込められた力をゆっくりと調整する。
ゆっくりと――、じっくりと――、少女の身体を舐めるように――、少女の身体を嬲るように――。
その度に、木々の間に張り巡らされた鋼線がギィン……と弦を弾く様な音を静寂の中に響かせる。

1177紙の子どもたちはみな踊る阿呆に見る阿呆。同じ阿呆なら……?:2007/12/30(日) 20:24:25 ID:8TOAuoNQ0
「暴れないで下さいね……怪我をしますから。じゃあ――」

ソレと小さな掛け声と共に怪人が十本の指を腕ごと引き絞る。
すると、今度はひゅるひゅると見えない蛇が空を泳ぐような音がし、続けて森の中に無数の白い破片が飛び散った。
可哀相な少女を包んでいたモノだった真っ白な紙片は、澄んだ森の空気の中を舞い月光を跳ね返して雪の様に降り注ぐ。

束の間の幻想の後、其処には傷一つ無く紙の様に白い肌の全てを露にする少女だけが残されていた。


 ◆ ◆ ◆


短い草の上に積もった紙片を踏みしめ、目を三日月の形に歪めた怪人が少女へとゆっくり歩み寄る。
だが、怪人が迫っているのにも関わらず少女は逃げられないでいた。
全身を束縛していた糸はもうないが、木の後ろへと回された両腕のその先――親指同士が短い糸によってまだ縛られたままだったからだ。
それをなんとか解けないかと少女はもがくが……、

「動かないほうがいいですよ。その糸、砥いでありますから引っ張ると喰いこみます」

怪人の忠告は一瞬遅く、縛り付けられた少女の顔が苦痛に歪む。その背後では、白く小さな手の中にべったりと血が溢れていた。

「抗うと辛くなるばかりですよ。幸せは受け入れることから始まるんです。前を向いてください――」

漆黒の皮手袋に包まれた両手が、少女の白い顎を持ち上げる。怪人が覗き込む瞳は恐怖に湛えられ今にも割れんばかりだ。

「不安な気持ちは忘れて、楽しい未来を思い描きましょう」

言いながら怪人は手を顎から放し、少女の陶磁器の様な肌の上へと滑らせていく。
冷たく這いずる蛇の様におぞましい感触。それを月光を浴びて蒼く光る身体の上へと走らせる。
二つの黒い蜘蛛の様な掌を小さい身体の隅々にまで行き渡らせる。

平らにした両の掌を、小さな肩の稜線の上に産毛を撫ぜる様に走らせる――。
五本の指を揃えて鎖骨の上を走らせ、もう片方の五本は別れさせ別々の肋骨の上をなぞらせる――。
耳の付け根から掌を重力に任せるままに下方へと滑らせる――。
可愛らしくその存在を主張する柔らかな膨らみの上を躍らせる様に指を躍らせる――。
産まれた時には母親と繋がっていた場所から下へと、暖める様に軽く掌を押し当てる――。

かたいところ。やわらかいところ。ふくらんでいるところ。へこんでいるところ。ひらいているところ。とじているところ。
いつくしむように。おいたてるように。もとめるように。みつけださせるように。ひきだすように。おしいれるように。

それはあまり長い時間ではなかったが、怪人は最も鋭敏な場所を使って少女の身体を隈なく探った。
十本の指をそこから離して再び覗き込んだ少女の瞳からは、幾分か恐怖は減っている様に見える。だが、まだまだだ。

怪人は目の前の少女のために別の手段を取ることにした。


 ◆ ◆ ◆


今や囚われの少女――コ・ホンブックは困惑していた。
困惑は強い恐怖を和らげたが、その代わりに水の様に柔らかくなった恐怖は、それまでは達していない場所にまで行き渡る。
突き刺し衝動を駆り立てるような不安は去ったが、今度はひたひたと足元から湧き上がってくる不安が彼女を窒息させようとしていた。

1178紙の子どもたちはみな踊る阿呆に見る阿呆。同じ阿呆なら……?:2007/12/30(日) 20:24:52 ID:8TOAuoNQ0
「ブックちゃんの裸はとても綺麗だから、恥ずかしがることはないよ。」

地面へとしゃがみこみ、何やら作業をしていた怪人が不意にそんなことを言う。
そのにこやかな顔を見て、少女の背筋を悪寒が登り、肌がざわめく。
相手も女性であるからなのか、それとも人間ではないように感じるからか不思議と羞恥心はない。あるのは気味悪さだけだ。
もう思い出したくもない先程のアレも、決して高揚を誘うものではなく不快の一言に尽きるものであった。
人と人の触れ合いとは程遠く、
まるで自分という一本の木に多種多様な蟲が蜜を得に集まり、それを貪り喰い散らかしたとイメージするしかないようなものだった。
少し思い返しただけでも、触れられた場所に凍った鉄を押し付けられた様な感触が蘇り、脳を振るわせる。

「――――……ッはぁ」

堪えられなかった分の悪寒が吐息となって口から漏れる。
だがやはり、決してそれは暑さからくるものではない。身も凍るような痺れる寒さからくるものだ。

「……〜一筆書き、☆の絵には〜。5つのトンガリがあるでしょう〜♪ ……と、出来た」

いつの間にかに電波な歌を歌っていた怪人は、それが絵描き歌だったのか歌い終わると同時に走らせていた筆の動きを止めた。
地面の上に敷かれたメモ紙の上に書き上げられたのは、何やら星を基調とした複雑な模様で、その上に銀色の鋏が乗っている。
コ・ホンブックがそれに注視していると、それは間もなくして火花と煙を散らして彼女の理解できないいくつかの金属片へと変化した。

「普通の人間である私が錬金術を使える訳ないじゃないですか。――コレは忍法『金遁の術』ですよ」

またしても聞かれていないことを告げながら怪人はその金属片を摘みあげ、そして再び裸の少女の前へと近づいてきた。
黒い指先にある銀色に光るソレが、近づいたことによって少女の目の中にも入ってくる。
少女が感じたソレの印象は――「小さな傘の骨」だった。せいぜい3センチ足らずの小さな傘。その骨組みだけの物に見える。

「コレ見えます?
 今からコレをあなたに刺すんですけど、見ての通り『返し』がついてて、引っ張って抜くと☆型に肉が抉れるんです♪」

――ナンダッテ?
トクンと少女の小さな心臓が音を立てて、血液と共に緊張と不安を全身に行き渡らせ始めた。

「私達もう少し先のお付き合いへと進むべきだと思うんですよね。」

言いながら怪人は銀色の針の一つを摘み上げた。少女には怪人の掌に残った針は少なくとも10本はあるように見える。

「不安ですか? でも大丈夫ですよ優しくしますから。痛いのは最初だけ……」

押し当てられた針の先端に柔らかな肌が歪み、次の瞬間プツ……とそれが皮膜を破って少女の中へと侵入した。
思っていた様な痛みは「まだ」ない。緊張で感覚が麻痺しているのかも知れないが、今は少し太めの注射を刺されたという程度だ。
だが迫り来る予感に心臓はさっきよりも倍の早さで音を打ち鳴らし、嫌な汗がじわりと浮かんで肌の上に玉を作る。

「――……や、やめて、やめッ、……やめ、やめ、って。や、や、や、や、ヤ、ヤ、ヤ……」

差し込まれた針の末尾にはいつの間にかあの鋼糸が結ばれており、その糸は怪人の手の中へと繋がっている。

それが1ミリの半分も引かれただけで全身に痺れが走り、いやがおうでも感覚が其処に集中する。
いつの間にかに呼吸を忘れ、酸素を取り込まないままその早さを増す鼓動に吐き気を催す。
極度の緊張に浮かんだ汗は、自分の身体から夜の冷たい空気へと熱を明け渡してしまい。悪寒が止まらない。

1179紙の子どもたちはみな踊る阿呆に見る阿呆。同じ阿呆なら……?:2007/12/30(日) 20:25:27 ID:8TOAuoNQ0
 …………プスリ。 …………プスリ。 …………プスリ。 …………プスリ。
「――……ッ!    …………ィキュ! …………ッハ!  …………ェッ!」

怪人は目の前の少女の反応などお構いなしとでもいう風に、マイペースに次々と針を差し込んでゆく。


 …………プスリ。 …………プスリ。  ………プスリ。  …………プスリ。
「――……ッテェ! ……………ヒァ! …………メェ! …………ン”ッ!」

馴れたケーブルの配線をしているかの様に一本一本差し込んでゆく。


 …………プスリ。 …………プスリ。 …………プスリ。 …………プスリ。
「――……ッン!  …………フゥ!  …………ヒンッ! …………ァ”あ!」

不安と緊張を高まらせる少女とは対照的に、とてもとても楽しそうに。無邪気な表情で。


そして、合わせて12本の針が彼女の薄い胸の肉の中へと差し込まれた。
まだ血は一滴も外には垂れておらず、代わりに真っ白な胸板から垂れているのはキラキラと輝く銀色の糸だ。

「身体を固くしているとよけい痛いですからね。
 リラックスしてください。リラックス。脱力ですよ。身体が水みたいになったってイメージするんです。」

そう言いながら、怪人は片手で少女の髪を撫ぜ、もう片方の手で糸を絞る。

「そしたら痛くないですから。とっても気持ちいいですから…………」

少女の前髪をかき上げ、びっしりと汗が浮かんだ其処に口づけをすると、怪人は持っていた糸を力の限りに引き絞った――。


 ◆ ◆ ◆


森の中のシンとした空気を引き裂き、彼らを囲む無数の葉を振るわせる大きな悲鳴――は、あがらなかった。

「――………………………………………………!!!!!!!!!!」

可哀相な少女のなだらかな胸の上で発生したその激しい痛みは、彼女がピクリとも動くことを許さなかったのだ。

胸が爆発した……と、錯覚するほど激しく迸った痛みと衝撃に彼女は死んだだろうと思ったが、実際にはそうはならなかった。
痛みと派手な出血ほどにはその傷は深くは無い。そして、その傷を作った張本人にも殺す気などは全く無かったのだ。

小さな身体に刻まれた12の星に、漆黒の怪人はうっとりとした表情を浮かべた。
星……といっても抉られた傷跡は決して綺麗なものではない。
真赤な血を一斉に垂らす12の孔は、この後どういう処置をしても消えない痕を残すであろうことが想像できる酷いものだ。
12の孔から垂れる12の赤い線は、緊張に固まった下腹を通り過ぎ、ビクビクと小刻みに震える足を辿って地に達している。

1180紙の子どもたちはみな踊る阿呆に見る阿呆。同じ阿呆なら……?:2007/12/30(日) 20:25:54 ID:8TOAuoNQ0
「――ゲバァッ! ッガ! エッ、ウェッ! ブァッ、ハッ!」

働くことを忘れていた肺と口が限界にまで達したことでそれを思い出し、詰まった水道管のような汚い音を立てて仕事を再開した。
未だ縛られたままの少女は、身体を限界まで捻ってのたうち、下品な音を立てて涎を撒き散らす。
そして怪人が優しく見守る中、動く全ての場所をひくつかせ、時には獣のようなくぐもった息を吐き痛みに馴れるまでの間を堪えた。

激しい痛みが感覚が麻痺することによって和らぎ、少女が人間らしい思考ができるようになるまで大よそ10分程の時間がかかった。
か細く血塗れとなった身体はまだ熱病に罹ったかのように震えてはいるが、クリリとした二つの目だけは意思を持って動いている。

「…………、もぉ……やだよぅ……〜〜…………」

弱々しく嗚咽交じりの言葉を漏らす不幸な少女。その視線の先には怪人の用意した新しい道具の姿があった。

「大丈夫。大丈夫。ここから先はとても素敵だよ。とぉっても気持ちよくなれるよ……」

言いながら、顔を興奮で桜色に上気させた怪人は手にした長さ50センチ程の鉄針を少女へと突き出した。
それは彼女の可愛いおなかの中でも、まだ白が残っている部分へと侵入し、細い体を通り越して後ろの木の幹にまで達する。
たった一本の真っ直ぐな鉄針。それを刺しただけで、少女は12の針を剥がされた時よりも激しい反応を怪人に見せた。

表皮を突き破り、薄い脂肪の層を超えた鉄針はそのまま肝臓を貫いている。
両足を強く踏ん張り、上半身を陸揚げされた魚のように激しく痙攣させている少女が感じているのは、単純な痛みではない。
たった一本の針を刺されただけなのに、その瞬間彼女の世界が回り始めたのだ。
刺された場所を中心に、まるでルーレット盤の様にグルグルと回されていると、彼女はそう感じていた。
それに加えて、明らかに通常のものとは違う重くてゆっくりと染み入る痛みと、異物の挿入感。
乗り物酔いを何百何千倍にしたこの様なその感覚に、身体が内側から引っくり返り内蔵が口から飛び出すような錯覚を覚える。

「痛みから逃げないでブックちゃん。全てを受け止めるの。そしたらよくなるから……」

暴れる少女の身体を押さえ込みながら、怪人は次々と鉄針を彼女の腹へと突き立てる。何本も何本も……突き立てた。


 ◆ ◆ ◆


あまりにも激しく暴走する感覚によって、前後不覚へと陥ったコ・ホンブック。
彼女の意識は、突然頭の中に響き渡った大きな破裂音と今までに無い鮮やかな痛みによって取り戻された。

未だ収まらない回る世界の中で彼女が知覚したのは、
口内に砂を飲み込んだような強い不快感と、火柱が上がっているのかと思うほど鮮やかな痛みだ。
それが何かは僅かにしかなかった理性でも簡単に理解できた。あまりの苦しみに自分で奥歯を噛み割ったのだ。

不幸な少女は、鮮明な痛みを取っ掛かりに少しずつ知覚を取り戻し、今度は先程より倍の時間をかけて現世へと帰還した。

1181紙の子どもたちはみな踊る阿呆に見る阿呆。同じ阿呆なら……?:2007/12/30(日) 20:26:25 ID:8TOAuoNQ0
「……コろ……して…………」

もう少女には死を懇願する意外に取り得る手段はなかった。
このままではただ徒に生を弄ばれるだけ、ならば退場するしか安息を得る方法はないのだ。

「死んじゃあだめですよブックちゃん。死んでしまっては何の花実も咲きはしません。
 この世は可能性に満ち溢れているんですから、幸せを得るためにがんばって生き続けないと」

彼女を抱く怪人の言葉に、磔にされた少女の双眸からはらはらと大粒の涙がこぼれる。
事ここに至って、彼女の思考と感情は擦り切れて失われた。今はただ残された身体が溢れるままに涙を流す。

「…………ブックちゃん」

怪人はそんな不幸な少女の頬に舌を這わせ、零れる涙が枯れるまでずっとずっと舐め続けた。

「愛がなければこんなことはできない。……それだけはどうか覚えておいてね」


 ◆ ◆ ◆


「さてと、急がないと大変!」

コ・ホンブックの意識が失われたことを確認すると、マスク・ザ・ドSはすぐさま彼女を縛より解き放ち、処置へと移った。
何も彼女は目的も無く延々と少女を甚振っていたわけではない。

血塗れになった少女をゆっくりと草の上に寝かせると、自分のデイバッグからいそいそと何かを取り出す。

「究極の万能薬〜♪」

取り出したのは錬金術において究極の到達点の一つであるエリクシア――つまりは不老不死の酒である。
洋酒の瓶に詰められたその琥珀色の液体を口に含むと、彼女は口移しでそれを少女へと与えた。
ほどなくして、エリクシアは効果を発揮し瀕死に陥っていた少女の身体に活力が戻ってきた。だが――、

「うんうん。やっぱりこういう風になるんだねー」

不死身の身体になろうとも、エリクシアを飲む前に受けた傷まで治る訳ではない。
いやそれどころか、不死の酒はそれを飲んだ時の状態を維持するので――その傷は以後『絶対に治らない』。

活性化した少女の身体は、その決して消えない痛みにビクリビクリと身体を振るわせる。
その様はまるで出来損ないのフランケンシュタインか、霊安室から蘇ってきたゾンビを連想させる感じだ。

「OK、OK。次はコ・エンシャクセット〜♪」

コ・エンシャクセットと言ったものの、実は違う。本当はバッカーノに登場するアイザックが使った兜とマントである。
のたうつ少女を押さえ込みながら、マスク・ザ・ドSは彼女にマントを羽織わせ、顔を隠す面と戦国兜を被せた。

「出来た出来た。これで完成――と」

そこに新しく誕生したコ・エンシャクっぽいものの出来栄えにウンウンと頷くと、
マスク・ザ・ドSは、最後に彼女の支給品である乖離剣・エアを握らせ、その場から脱兎のごとく逃げ出した。

「アハハハハハハハ〜♪ 後は知〜〜らな〜〜いっと♪」

1182紙の子どもたちはみな踊る阿呆に見る阿呆。同じ阿呆なら……?:2007/12/30(日) 20:26:53 ID:8TOAuoNQ0
 ◆ ◆ ◆


「……何が恐ろしいって、彼女のその発想が恐ろしいわ」
「と言うか、コ・ホンブックちゃんがカワイソスすぎるぞ」

マスク・ザ・ドSがいたいけな少女に蛮行を繰り返したそこに現れたのは、書風連その壱と、その弐の二人であった。
その壱は、先の割れた顎に派手な金髪。派手な衣装と、フォルゴレの様な容姿をしている。
そして一緒に現れたその弐は、爽やかな少年の風貌に鮮やかな黄色のコート。つまりは王ドロボウジンの容姿だ。
二人は始まってすぐに合流し、この凶行の最中に居合わせることとなったのだ。
だが、取り立てて超人的な能力を持たない二人は、茂みの中に一緒に隠れただの目撃者でいることに甘んじていたのである。

「それにしても、まさか本当に乳をもぐとはな〜……。私もモゲ♪と歌ったことはあるが……」
「馬鹿なこと言ってるな! そもそも彼女は俺のジンガール候補なんだぞ……、って」

気がつくと、地面の上に転がっていたコ・ホンブックが立ち上がっていた。
マントと兜のスタイルはパッと見、元ネタとそっくりであるが、身に纏う虚無的で不穏な気配もなんら劣るところがない。


それは――『悪魔将軍コ・ホンブック』誕生の瞬間であった。


「お、俺がやられたら無敵のフォルゴレって歌ってくれる……?」
「多分無理だと思う。……俺も一緒に死にそうだから……ハハ……」

悪魔将軍コ・ホンブックは曰くつきの獲物である乖離剣・エアを構える。
これを使えば、彼女はあの時のアニタと同じ様に傷つき倒れるだろう。だが、もう何度倒れても心配はないのだ。
彼女はすでに不死者だから。唐突で不幸な死はもう訪れない。ずっとずっと戦っていられるのだ……終わり無く。

「な、なぁお前、『最期の言葉』って意識する……?」
「あー……、どうだろう。あんまり気にしてなかったかも……、でどうするの? 『最期の言葉』」


 ◆ ◆ ◆


背後に響いた爆音を聞き、糸色望へと姿を戻したマスク・ザ・ドSは口の端を歪めた。

「さっそく殺っちゃってくれているようですね彼女。
 私達の秘め事を覗いていたのが誰だったのかは知りませんが、ご愁傷様なことです。
 ちゃんとした遺言は残せたんでしょうか?」

1183紙の子どもたちはみな踊る阿呆に見る阿呆。同じ阿呆なら……?:2007/12/30(日) 20:27:22 ID:8TOAuoNQ0
熱血話があれば陰鬱話が、光があれば陰が、ポジがあればネガが――そして『表』があれば『裏』がある。

「表裏の無い人間。表裏のない書き手。そんな者は存在しないんです――!」


つまり、今の糸色望の姿を取っているマスク・ザ・ドSは、彼の『表』面なのである。
そして、先程まで取っていた風浦可符香の姿は彼のもう一つの隠された面――『裏』面だったのだ。

「スターウォーズの暗黒面といい、格闘ゲームの暴走ver.といい、その他諸々といい、
 最早『裏』面はエンターテイメントに欠かせません!
 ……まぁ、ウルトラ怪獣の使いまわしとか、ニューver.商法とか、ダメ裏面も少なからず存在しますが」

誰に聞かれている訳でもないのに、マスク・ザ・ドSは独り言を続けながら歩いていた。

「……まぁ、後付も楽ですしね(ボソ)」


 ◆ ◆ ◆


不幸を呼ぶ支給品――乖離剣・エア。
その力が振るわれたそこは、まさに不幸が溢れる地獄と化していた。
生い茂っていた木々は根こそぎ薙ぎ倒され、草地は抉られて黒い地面をむき出しにしている。
そして、そんな物騒な風景の中にポツン、ポツンとアクセントを加えている赤いモノ――それはバラバラになった人間だ。

つい数分前まで転がっていたのは人間にして3人分の肉片。だが、今は2人分だけだ。
無くなったその肉片はもう肉片ではなく人の形を取り戻している。

絶望のどん底に落とされ、なお不幸から抜け出すことを許されない極めつけて不幸な少女。
理性を失い殺すためだけの傀儡と化した狂える魔人――悪魔将軍コ・ホンブックが地獄のような光景の中、独り立っていた。

マスク・ザ・ドSの狙い通り、そこには強力な無差別マーダーが誕生していた。
しかし、彼にも一つの誤算があったようだ。それも極めて致命的な……それは――、

吹き荒ぶ風が少女の白い肌を撫ぜる。

――乖離剣・エアを使うとマントが千切れ飛び、少女は全裸に兜というネタ臭い格好になってしまうことだった。


……もうとてもじゃあないが、コ・エンシャクっぽいとは言えない。
でも、まぁ全裸マーダーはアニロワ2nd本編にもいるからこれはこれでよいか……なぁ?

1184紙の子どもたちはみな踊る阿呆に見る阿呆。同じ阿呆なら……?:2007/12/30(日) 20:27:50 ID:8TOAuoNQ0
【コ・ホンブック@アニロワ2nd】
【状態】不死者化、胸に12の傷(※)、腹に10の刺し傷(※)
【装備】乖離剣・エア@Fate、戦国の兜(面付き)@バッカーノ
【道具】
【思考】
 基本:痛イから殺すカら痛いかラコロすからイタいカら殺スかラ……

 ※容姿はR.O.D-TVのアニタ・キングです。
 ※不死者化するまえの傷は治りません。ずっと痛いままです。


【書風連その壱@アニロワ2nd 死亡】
【書風連その弐@アニロワ2nd 死亡】

 ※3人の支給品は乖離剣・エアの真空刃によってどっかにいっちゃいました。


 ◆ ◆ ◆


「ただいまでーす。
 ずいぶんお待たせしましたけど、まだ生きていますか?」
「ムー……、ムー……!」

中央部が俄かに不穏な空気を醸し出し始めた森。
その端っこの方は未だ平穏で、微笑ましい光景が見られた。……もちろん、それはマスク・ザ・ドS的にはということだが。

「ムー、ムーって、私はあんないかがわしい雑誌は読まないですよ。
 にしても、偶々見知った顔と出会いましてね。
 それで、こんな境遇でしょう? だったら、そこはホラ。ねぇ……人肌恋しさにってヤツで。
 ……と、すいませんこんな恥ずかしいお話をして」

森の中から一仕事終えて帰ってきたドSの前で、tu4氏は口にお玉を加えて必死に空鍋をかき回している。
本来そのために使うはずの両手は、どちらもグーの状態で鋼糸によってグルグル巻きにされており、他に方法がないのだ。
まぁ、ドS的にはちょっとした茶目っ気である。

見渡せば地面に染みこんでいる血の量が、先ほどよりも少しばかり多くなっている。
恐らくtu4氏が何度かお玉を取り落としてしまったのだろう。もしかしたら、此処で死んでいたのかも知れない。

「……フフフ。でも私は信じていましたよ。あなたは死なないってね。
 こう見えても、この手のさじ加減は得意なんですよ。生かさず殺さずってやつです! ハハハ!」

とんでもない事を言う男にtu4氏は文句をぶつけるが、所詮それはムーという音しかならず目の端に悔し涙が溜まるばかりであった。

「死にたいー! なんて思っても絶対に死なせませんからね。……ずっと、ずっと一緒ですよ」

え? と、思わずなんかいいことを言われたtu4氏の頬が赤らむ。(……もしかして、ツンデレ?)

「じゃあ、そろそろ出発しましょうか。
 ところでtu4氏は『石蹴り』って知っていますか? 私が小学生の頃はよく石を蹴りながら下校したものです。
 懐かしいなぁ……って、丁度よいものが転がっているじゃありませんか! そーれ、キーック!」

1185紙の子どもたちはみな踊る阿呆に見る阿呆。同じ阿呆なら……?:2007/12/30(日) 20:28:07 ID:8TOAuoNQ0
カ――――ンと気持ちのよい音が夜空に響き、空鍋が月光を浴びながら宙を舞った。



【予約被りに定評のあるtu4氏@ギャルゲロワ】
【状態】瀕死、両手をグーの形に縛られている
【装備】お玉(咥えている)、空鍋(蹴っ飛ばされました)
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】
 基本:予約制度がなくて嬉しい
 1:あばばばばばばばばばばばばばばばばばば!

 ※容姿はSHUFFLE!の楓。
 ※制限により、空鍋をかき回すのを止めると死にます。


【マスク・ザ・ドS@アニ2nd】
【状態】健康
【装備】一目でドSと判るマスク(出展不明)
【道具】支給品一式、鋼糸@HELLSING
【思考】
 基本:Sっ気の導くままに
 1:tu4氏を玩具にして遊ぶ

 ※『表』と『裏』の人格を使い分けることで姿や能力が変化します。
 ※『表』:容姿は糸色望。明るいドS。能力は糸色望並。
 ※『裏』:容姿は黒一色のスーツを着る風浦可符香。黒いドS。能力は「ニンジャ」。

11861クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/30(日) 20:29:11 ID:8TOAuoNQ0
投下終了。ちょっと書いてみようか……と思ったら、何故かこんなことに……。

11871クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/30(日) 20:35:44 ID:NQNB6I.20
GJ
なんかすげえ。
ただ一つ欠点があるのなら、エアはLX氏(美形元帥)に消滅させられてしまっていることだ。
でも面白いから良し。

1188出る杭は打たれる ◆wSaCDPDEl2:2007/12/30(日) 20:40:24 ID:c.wqlMek0
脳内補完は支給品の紙をマジマジと見つめる。
「なるほど……管理人が支給品ねぇ」
そうすれば、かなりインパクトのあるキャラとして長期活躍が期待できる。
戦力になることを考えれば、かなりの当たり支給品と言っていい。
「でもただでさえ毒吐きで存在忘れられたんだから、これ以上空気キャラになるのは避けないとな」

脳内補完はwiki管理人と書かれた紙を破いて捨てた。

【◆wSaCDPDEl2@漫画ロワ】
【装備:スカウター】
【所持品:支給品一式、厨性能支給品セット】
【状態:健康】
【思考・行動】
1:現状を把握する。

※厨性能支給品セットには今のところ、次の支給品が確認されています。
1.蜀軍30万
2.スカウター(既に装備済みです)
3.5MeO-DIPT
4.スタンド『ザ・ワールド』(DIO付)
5.黒王号(ラオウ無しの単体だが、◆wSaCDPDEl2氏はラオウ付と勘違いしています)
6.イングラム(銃じゃなくてパトレイバー)

【漫画キャラバトルロワイアルwiki管理人 出番も無く死亡】

11891クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/30(日) 20:41:49 ID:c.wqlMek0
>>1188はNGにします
……ごめん、ホントゴメン、マジゴメンなさい

11901クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/30(日) 20:42:37 ID:UmGFz24g0
面白かったのにw

11911クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/30(日) 20:42:42 ID:BjVd8LbA0
案の定俺死んでてフイタwwww

11921クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/30(日) 21:00:31 ID:soY4AvnoO
管理人哀れwww

そして、ドS…近寄りたくねー。

11931クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/30(日) 21:00:58 ID:hGxEoyVQ0
>>1172
なんというカオスバトル
いきなり超人過ぎるwwwww

>>1173
拷問シーン、久しぶりに寒気がしたくらい怖かった
ってか文章力マジすげえ、気合入れすぎw

>>1188
ちょ、ズガンってレベルじゃねえぞ!(AAry

11941クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/30(日) 21:11:31 ID:2tjI5IqQ0
>>1186
とあるLSロワの書き手は尊敬の目でドSを見ている。
邪悪すぎる発想も実行する気概も文章力も素晴らしい。御馳走様。

1195首狩り女と不死者 ◆0RRqL7JorI:2007/12/30(日) 21:14:37 ID:/H./2FK20

大鉈を構えた歩く頭脳戦は、オーバーオールを携えたまとめキングを見据えていた。
「……自分から殺されるために来たんだ。手間が省けましたよ」
「僕は君に興味はないんだけどね。でも、せっかくだから遊びに付き合ってやってもいいけど」
まとめキングは、もうひとつの姿であるコーカサスビートルの始祖たる不死生物に姿を変えた。
「ご主人様がカブトムシの化物と対決ですか!?こ、これは大変な事になっちゃいました〜!!」
無論、したらば孔明は知らない。彼女自身が、少年ことまとめキングを呼び寄せた事に。

今から語るのはまとめキングが屋上に来るまでの空白の1時間である。

コンピューター室で、まとめキングが参加者名簿を確認していた時の事。
「『仮面ライダー書き手』あの人は僕を最も慕う人間だ。『漆黒の龍』あいつはバカだよ。お人よしで超ド級のバカだよ!
『影の繋ぎ手』こいつは気に入らない。自分が最も嫌うタイプの人間だ。『THE FIRST』彼はライダーロワ最初の書き手。そう簡単には死なないだろう。
『鬱のエル』この人とは気が合いそうだ。『ギャグ将軍』ライダーロワで数少ないギャグ担当…か」
彼は遊び相手と、仮面ライダー書き手を探すために屋上に向かった。全ては欲求を満たすために。

1196首狩り女と不死者 ◆0RRqL7JorI:2007/12/30(日) 21:14:59 ID:/H./2FK20
【学校屋上】
【歩く頭脳戦@ギャルゲロワ】
【装備品:なし】
【道具:支給品一式、大鉈@ギャルゲロワ、不明支給品(ランダムアイテム)】
【状態:健康】
【思考・行動】
基本:生首を集める。
1:目の前にいるカブトムシの化物(まとめキング)を殺す。
2:適当にゲームに乗っている人間、気に入らない人間の生首を集める。
3:したらば孔明を利用して生き残る。

※外見はSHUFFLE!のネリネ。

【管理人・したらば孔明@アニロワ2nd】
【装備品:なし】
【道具:支給品一式、不明支給品(ランダムアイテム)】
【状態:健康】
【思考・行動】
基本:ご主人様を勝利に導く
1:て、敵が来ちゃいました!
2:ご、ご主人様を守らなくちゃ!
3:た、助けを呼ばなくちゃ!

※諸葛亮としての実力は未知数。
※外見は恋姫†無双の諸葛亮。

【まとめキング@ライダーロワ】
【状態】コーカサスUDに変身中。
【装備】オーバーオール@ライダーロワ
【道具】携帯電話@現実
【所持品】支給品一式(未確認)
【思考・行動】
基本:殺し合いを楽しむ。
1:青い髪の少女(歩く頭脳戦)と遊ぶ。
2:気に入らない書き手の悪評を広める。
3:遊び相手を探す。

※外見は真紅のジャケットを着た茶髪の少年です。
※コーカサスUDに酷似した姿に変身できます。

1197燃えよロワ:2007/12/30(日) 21:21:26 ID:NXYEI7HI0
「俺はここにいるぞーーー!!!」
◆wKs3a28q6Qことピザの1号がその叫びを聞いたのは、ハンバーグラーから逃げて森へ入った時だった。
これと言って特徴の無い声だが、自分には分かる。あれは◆ZhOaCEIpb2こと、>>1からの2号の声だ。
その直後、叫びが聞こえた方角から今度は爆発音。
これと言って特徴の無い爆発音だが、自分には分かる。
あれは我らがAAAに於ける最強奥義、『トライエース』によるものだと。
「そうか…先輩…拡声器を…」
走りながら呟く。全てを悟った。
>>1からの2号が拡声器を使った。それがどんな意味なのか、パロロワ書き手ならばすぐに分かる。
きっと、>>1からの2号はもう…。

そこまで考えた所で、ようやく彼はもう逃げなくていい事に気付く。
ピザの1号はその場に座り込んだ。
少し太り気味な上運動不足がたたり、彼の体力は決してある方では無い。
座ると少し落ち着いた。そこでようやく未だ支給品を確認していない事を思い出す。
ロワでは支給品が明暗を分けるなんて常識なのに、この期に及んでそんな重要な事を忘れるとは。
(拡声器が先輩の手に渡ったとしたら、このデイパックには何が…?)
ピザ1号(めんどいのでここから省略)はデイパックを逆さにして支給品を出した。
その中身は…。


『同人誌』『同人誌』『同人誌』


「………」
ピザ1号はガッカリして頭を垂れる。
何それ。同人誌三冊って。
これらの同人誌は、すべて自ロワで出された同人誌と同じ物だった。
ていうか、一つのロワで三冊も同人誌が出るってどうよ。しかもその内二冊は腐女子向けだし。
外れアイテムを引かされたキャラの気持ちがこれほど理解できたことは無かった。
ごめんよ自ロワのキャラ達、今までこんなアイテムを支給して…。

「こんなんで、一体これからどうしろと言うんだ…」
目標は目立つことだが、同人誌三冊でどうやって目立てばいいんだ。
いっその事腐女子向け同人誌でオナるというパロロワ史上最も愚かな行為を狙うか…いやそれはさすがにマズイだろ人として…。

精神的にもダメージを受けたピザ1号を、急激に疲労が襲う。
半ば自暴自棄になっていた彼は、そのままその疲労に身を任せた。

11981クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/30(日) 21:22:35 ID:lbsE49WA0
短期目標なら月3投下を維持〜

11991クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/30(日) 21:23:10 ID:lbsE49WA0
って誤爆スマソ…

1200燃えよロワ:2007/12/30(日) 21:23:21 ID:NXYEI7HI0
――――ピザ!

…ん?誰だ、俺を呼ぶのは…。


――――目を覚ませ!ピザ!


ちょっと、いくら何でもピザピザ失礼でしょ。
俺はふくよかってだけで、ピザでは…。


――――自分で名乗ってただろ!ピザの1号!


「はっ!?俺は一体…!?」

目を開けると、そこには金髪のツインテールの女が立っていた。

ああ、この人は確か、自ロワで殺害数単独二位の活躍をしているのに登場話数が生存者中最下位で空気扱いされているあの…!
「気付いたか、ピザの1号!」
そう言ってこっちを見るその人物。見た目は自ロワの参加者だが、俺には分かる。
「◆Zp1p5F0JNw、空気の人…」
そう、彼(彼女?)は絶賛過疎中のAAAロワで空気扱いされているキャラを優先的に書き、ロワの進行を影で支える書き手。
◆Zp1p5F0JNw、通称空気の人(さっき知ったけど)!
「あんたが現れたって事は…」
「そう、お前はこの書き手ロワにおける空気キャラ!だから私はお前を『書き』に来たッ!」
俺が空気…。
まあ、仕方がないか…。AAAロワの知名度的に…。
そもそも何で我らAAAロワ書き手がこのロワに参加できたかが疑問なのだ。
他は漫画、ギャルゲ、アニ、アニ2、ライダー…。今を輝く盛況ロワから、最終回まで突っ走った完結ロワ。
分かっている。どう考えたって、俺達は浮いている。
俺達はいわば強キャラの中に放り込まれた一般人キャラ。その上空気とくれば、自分の役割なんて一つしかない。
噛ませ犬。ズガン。これがバトルロワイアルというものだ。
どうせロクな扱いはされないだろう。

「さあ、ピザ1号。いつまで空気でいるつもりだ。早く現実に戻って目立つ準備をするんだ!」
「…いいんだ、もう」
「何だと?」
「いいんだよ。俺は過疎ロワですら毎回毎回予約キャラがかぶって、書けるキャラを失っているダメ書き手だ。
こんな俺がこの面子の中で目立とうだなんて、嘉門先生もビックリさ…」
そうだ。もういいんだ。
拡声器も先輩が発動させた。少なくとも、AAAの書き手を目立たせるという最低目標は達成したんだ。
俺がすべき事なんて、もう何もない。

1201燃えよロワ:2007/12/30(日) 21:23:54 ID:NXYEI7HI0
「…失望の極みだ、◆wKs3a28q6Q!今のお前は『書く』価値も無いッ!」
突如空気の人が怒鳴る。
「目立てなさそうだから生を諦めるだと!?お前は、そんな理由で殺されたキャラの気持ちが分かるのか!?
パロロワに参加させられたキャラが、生を渇望していたキャラ達が、そんな下らない事で死んで納得いくと思うか!」
「でもネタ無いからって自殺したキャラもいるし」
「黙れ!」
ピザ1号の反論をシャットアウトしてなおも空気の人は叫んだ。
「予約かぶり?書けるキャラがいない?それが何だ!私なぞ、自ロワの参加作品なんて一作しかクリアしてないし、持ってないぞ!」
「え…マジで?」
空気の人の突然の発言にピザ1号は固まる。
「いやいやマジマジ。だからクレスの初登場話も『こいつ駄洒落言うのか…じゃあ適当に駄洒落でも言わせとけばいいか』という発想で書いたのだ」
「ええー…」
「そんな状態の私が未だ書き手を続けているのに、お前は何だ!?恥ずかしくないのか!?」
いや、そんなので威張られても…つうか、それ書き手としてダメだろ。


「空気の人の言う通りだ」
ピザ1号の背後から聞き覚えのある声がする。
髪をリーゼントにしたヤンキー風の男、しかしこれと言って特徴のない顔。
先程まで自分を背負ってくれて、そして拡声器を発動させたはずの偉大な先輩。
>>1からの2号先輩…」
「ピザの1号よ!お前のロワに対する熱情はその程度なのか!?お前にAAAロワを託した俺の気持ちを踏みにじるのか!?
過疎という理由で、盛況ロワの前に屈するのか!?」
「そ、それは…」
>>1からの2号がピザ1号の右肩に手を置く。
「ピザの1号!年が明ける瞬間、お前はどこにいた?」
「…AAAロワスレに張り付いていました」
今度は空気の人が左肩に手を置く。
「ラジオツアーが来た時、お前は何をしていた?」
「…ラジオ直前に作品を投下しました」
今度は>>1からの2号と空気の人が同時に問いかける。
「「受験を控えた一週間前、お前は何をしていた!?」」
「…ロワを書いていました!」
「「自ロワを愛しているか!?」」
「愛している!この思いは誰にも負けない!」
「「そうだ!それでいい!」」

1202燃えよロワ:2007/12/30(日) 21:24:16 ID:NXYEI7HI0
そうだ。俺の自ロワに対する思い!自ロワに対する情熱!完結への意欲!
盛況ロワの書き手でも、過疎ロワの書き手でも、自ロワへの愛にレベル差は無い!
目立つ事だけを考えていて忘れてしまっていた。初めてロワを書いた時の初心という物を。
「…どうやら、もう私の出る幕は無いようだ。お前は立派に空気を脱出した。ここからは、お前がお前自身の物語を紡いでいくんだ」
空気の人が肩から手を離す。
「これからのAAAロワは任せた。俺達の情熱を受け取って、必ずや完結まで駆け抜けてくれ」
続いて、>>1からの2号も手を離した。
それと同時に、ピザ1号の視界が白に埋め尽くされていく。
「先輩…ッ、空気の人…ッ」
二人に何か言いたい。けれど、何故か声を発する事が出来なかった。
だが消えゆく二人を見て口を動かす。自分達の心が一つなら、言うべき事も同じはずだ。


「「「トライア様、万歳…ッ」」」


ピザ1号が目を覚ます。そこにはただ森が広がるのみ。
「…夢、か?」
今のは一体?夢だったのか?それにしてはハッキリと覚えている。
だが夢であろうと何であろうと、自分の情熱に再び火が灯ったは事実だった。
(拡声器を発動させた先輩…それと一緒にいたって事は空気の人も…恐らく…)
だが悲しまない。
自分にはすべき事があった。いなくなった二人の書き手の分まで、自分達が動かなければならないのだ。
足下に落ちていた同人誌を手に取る。
これは、自分たちのロワがここに存在する証だ。


「俺達のロワは、確かにここにある」
誰に言う訳でもなく、ピザ1号は静かに呟いた。




【ピザの1号(◆wKs3a28q6Q)@AAAロワ】
【状態】地味に決意
【装備】ない
【所持品】不明
【思考・行動】
1・目立つ!
2・そのためにも活躍して生き残る!
3・脱出してロワを完結させる!

12031クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/30(日) 21:30:19 ID:NQNB6I.20
また主人公がきたぜ。

1204ウルトラミキサー:2007/12/30(日) 22:46:25 ID:/vSL9DtE0
脳内補完は手にした紙を見て迷う。
「戦力が増えるというのはありがたいが、とはいえわざわざ彼を殺し合いに巻き込むのも気が引けるな」
そう考えてとりあえず保留、左側に紙を置く。
続けて流し読みしていると『核ミサイル』とか『永遠神剣『言葉』』とか『デスノート(火口卿介付)』など、微妙なモノばかり目に入る。
「まさかスカウターしか使えるのないなんて言わないよな」
少し心配になりながらも続けて読み漁る。
すると気になる文字を見つけた。
「ウルトラミキサー? 確かドラえもんに出てくる合成アイテムだったかな?」
紙を開いて中身を出す。
出てきた中身は確かに記憶通りの物だった。
「ふむ、これでエニグマ同士を混ぜてみたらどうなるかな」
少しの興味が湧き、早速保留に置いたエニグマを二つ取り出す。
片方に蜀軍30万を、もう片方に管理人を取り付ける。
「管理人30万になるのか、それとも支給品には効かないのか、さてどうなる?」
もし管理人30万になったら、全滅しない限り彼に対する罪悪感もなくなるだろう。
それに失敗したとしても構わない。
ただ使える支給品で試して失敗するのが嫌だっただけだ。
だからどう転ぼうが彼にとっては別に問題ない事。
そう考えながら緊張の面持ちでスイッチを押す。

その瞬間、どこからともなくやってきた蠅が彼の鼻の穴付近に止まり、ムズムズしてくしゃみをしてしまう。
「ヘーックショイ!」
盛大なくしゃみと共に取り付けたエニグマがはずれ、横に置いてあったエニグマがくっつく。
しまったと思う間もなく二つのエニグマは合成され、一つになった。
恐る恐るそれを手にとって見る。
そしてそこに書かれた文字を見て、彼は絶句した。


【◆wSaCDPDEl2@漫画ロワ】
【装備:スカウター】
【所持品:支給品一式、ウルトラミキサー、厨性能支給品セット】
【状態:健康】
【思考・行動】
1:現状を把握する。

※厨性能支給品セットには今のところ、次の支給品が確認されています。
1.5MeO-DIPTを使用した蜀軍30万
2.スカウター(既に装備済みです)
3.スタンド『ザ・ワールド』(DIO付)
4.黒王号(ラオウ無しの単体だが、◆wSaCDPDEl2氏はラオウ付と勘違いしています)
5.イングラム(銃じゃなくてパトレイバー)
6.漫画キャラバトルロワイアルwiki管理人(中身未確認)
7.核ミサイル
8.永遠神剣『言葉』
9.デスノート(火口卿介付)
10.ウルトラミキサー(既に開封済みです)

12051クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/30(日) 22:48:25 ID:H5ScbD7k0
ちょwwwwwwwwwおまwwwwwwwwwwふざけんなwwwwwwwwwww

12061クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/30(日) 22:51:16 ID:2tjI5IqQ0
いかん、これは開封すると言い尽くせぬほどひどい事になるwwwww

1207ラジオ支援:2007/12/30(日) 23:29:57 ID:gmAVrV9w0
「む…どうした?参加者達の動きが止まったぞ」
主催者である読み手の一人が訝しげに声を挙げた。
あれだけ活発にロワを遂行していた書き手達の動きが、ある時間を境にぷっつりと止まったのである。
何が起きたのかと、モニターを担当していた読み手に至急原因を探らせる。
しばらくして、その読み手が驚愕の声をあげた。
「大変です!」
「どうした!?」

「書き手達はみな ロ ワ ラ ジ オを聞いてます!」
「なんだと!」
「ちなみに俺も聞いています!」
「ふざ…、いや許す!というか私も聞く!」

1208嵐を呼ぶカオス:2007/12/31(月) 00:16:43 ID:K/ozY1VY0
「いやーあんな奴もいたとはねぇ……こりゃびっくらこきまろ〜」
 空中をすっとびながら腕組みをしているThe god of chaos、通称カオちゃんはこのままの速度で地面に激突すればまず助からないだろうというのに暢気に喋っていた。
「でもいいねぇいいねぇ……ああいう奴はいい男とアッー!させたいなぁ……あーでもあいつも乗ってるみたいだしぃ、そりゃ無理かなぁ……っと、そろそろ地面か」

 残り数秒ほどで地面に激突すると予想したカオちゃんは天空へと両腕を上げる。
「カモォーン、アヴ・カミーユ!」
 カオちゃんが呼びかけると、ズンズンズンズンズンという忙しい足音と共にアヴ・カミーユの手のひらがカオちゃんのクッションになるように滑り込んできた。

「よーしよしよしいい子じゃないか〜」
 アヴ・カミーユを褒めつつ、優雅に手のひらの上で立ち上がるカオちゃん。さっきはちょっと焦ったが、今まで幾度となくギャグの人が出してきた無理難題をネタへと昇華してきたのだ。この程度の超人など慣れっこである。

「ちょっとだけ、本気だしちゃおっかな〜」
 次なる命令を待つアヴ・カミーユを一瞥すると、カオちゃんは指をぱちんと鳴らし、高らかに叫ぶ。
「アヴ・カミーユ! トランスフォームっ!」

「おおっと説明しよう! 実はアヴ・カミュには変形機能があり、高起動型のカミュと重装甲型のカミーユの二形態があったのだぁー! んあ? 後付設定? そんなもん自ロワじゃ当たり前だっつーに。あ? 俺様のルートでアヴ・カミーユが出ない理由? そりゃそうだろぅ、葉鍵のロワでガンダム出すわけにゃーいかんでしょ。俺様はな、楽しいことは大好きだが空気は読めるんだよ! 分かったかね読者諸兄」

 カオちゃんが説明を終えた頃には、再び美しい黒色の翼をたなびかせたアヴ・カミュがゆっくりと目を開く。しかしその全身には、先程サザビーとの戦闘で付けられたサーベル傷が痛々しく残っていた。

「むぅ、まだ戦える状態じゃなさそうねぇ〜。痛いかい? 愛娘よ」
『ごめんなさい、お父様……』
 くぎみーボイスで申し訳なさそうに言うカミュを、「気にすることはないよ」とギャルゲの主人公のような優しい声で慰める。それもそのはず、彼はU-1の血筋を色濃く受け継ぐ実はSSSランクなんだけどめんどくさいからEランクで申請を止めている(以下U-1設定略)なのだから。
『お父様……ぽっ』
 頬を赤く染めるカミュ。なんで惚れるのという突っ込みはU-1SSのお約束だからここでは問わないようにしてもらいたい。

1209嵐を呼ぶカオス:2007/12/31(月) 00:17:14 ID:K/ozY1VY0
「仕方ない……ここは『お姉様』を使うか。休んでていいよ、カミュ」
『はい、お父様……』
 カオちゃんの開けたデイパックに導かれるようにして戻っていくカミュ。入れ替わりに現れたのは、カミュとはまったく正反対の色の……神々しい、白色の太陽の如き輝きを持つ翼を持ち、黄金の髪を煌めかせ、そしてカミュのよりも一回り大きいおっぱいを持つ『アヴ・ウルトリィ』だった。

「ミスズ化していないのが気に入らんが……まあ神尾観鈴と同じような姿形をした参加者がいれば代替品には、なるかもな。どうだい、ウルト、気分は」
『ええ、全く問題ありません』
 恭しく頭をたれるウルトリィに、カオちゃんは優しく微笑む。
『……ぽっ』
 ウルトはそんなキャラじゃないだろという突っ込みはU-1SSを一度見てから言ってもらいたい。

「早速で悪いが、変身してもらうぞ。あの書き手にギャルゲキャラは無意味だ」
 ギャルゲの書き手は作品把握能力に遥かに長けており、ギャルゲロワ症候群を難なく克服してきたような猛者ばかりだ。うたわれるものはギャルゲ本編にも参加しており、ウルトの性質については熟知しているはずだからだ。
『では、あれを……?』
「うむ、ウルトをさっき使わなかったのはスパロワ書き手にはアレが通じないと思ったからだ」
『分かりました……神の御心のままに』

 ウルトはそう言うと、カオちゃんに跪くようにして手を合わせ、祈りを捧げ始める。するとウルトの周りを、何やら神々しい七色の光が包み込み始める。

「フッフッフ、出でよっ! アヴ・ウルトラマン!」

『デュワ!(エコー)』

 カオちゃんの前に降り立ったのは、『特撮』の名を知る人間なら知らぬものはない、伝説のヒーロー……ウルトラマンだった。
「真のカオスとはなぁ……こういうもんだってことを見せてやるよ! かぁ〜くごしやがれぃっ!!! 行けぃ!」

『デュワ!(エコー)』

 カオちゃんが一声かけると、アヴ・ウルトラマンが地上から数十メートルは飛び上がり、バトルマスターがいた学校の屋上へと向かって飛んでいく。
「さて、後は報告待ちだが……もう一つ種をバラ撒いておくか」

1210嵐を呼ぶカオス:2007/12/31(月) 00:17:57 ID:K/ozY1VY0
 カオちゃんはデイパックから12個のモンスターボールを取り出す。
「どーもこのロワにはヘタレ分が足りん足りんのノータリン! この俺様自らヘタレ分を補給してやる……出て来い! ヘタレ12神!」

          /            i |        ',
        i   i   |     / ハ! /      i
        |! i   | | !  j/  }j/イ / /  |
         N、 !≧x{!  /k=≦二 j/イrく /   
          ヽハ,r''"'∨  ´''""'ヽ  レ⌒}'   
             `i    !        fj /    はははははは
             、 く          /rク       呼んだかい?
             \ 、;:==ヲ'  / !′      
                \` ‐ '゜. く  ノi
                i了    j/  \
              __r┴辷ァ弋7    /\


 鳴海孝之。彼だけでなく、歴代のエロゲ界の名作の主人公が、その前に立っていたのだ。
 エロゲ板では伝説となっている彼等。
 そして彼等の伝説の初代に君臨していたのがこの藤井冬弥。
 神を助けるために今ここに藤井冬弥の魂を受け継ぐ後輩たちが全て集結したのである。

「俺様から直々に命ずる……何でもいいからゆけぃ!」
 カオちゃんが一声浴びせると、ヘタレ12神が各々の方向へ散り散りになっていく……はずだった。

1211嵐を呼ぶカオス:2007/12/31(月) 00:18:25 ID:K/ozY1VY0
「ファンキィィィィ……ダイナマーイッ!!!」

 カオちゃんの目の前で突如大爆発が起こり、ヘタレ12神のうち8人程が吹き飛ぶ。
「ぬぅわにぃぃぃぃ!?」
 目の前の惨状に驚愕するカオちゃん。ちろちろと揺らめく炎の舌の向こうから現れたのは、大量のダイナマイトを抱えた……『激動のトウカリョウ』だった。
 生き残ったヘタレたちは皆「ひぃぃぃぃっ」と情けない声をあげながらどこかへ逃げていく。

「ふんふんふんふんふ〜ん♪」
 そんな様子を眺めながら、激動のトウカリョウはダイナマイト数本に火をつけてぽいっと後ろへと投げ放つ。
「芸術は……爆発だぁーっ!」
 さらに爆発。凄まじい轟音と共にまたヘタレが三人ほど吹き飛んだ。

「Oh……クールだぜ……」

 爆風の名残を感じながら「カ・イ・カ・ン」と至福の表情を浮かべる激動のトウカリョウ。
 一方僅か数秒の間にヘタレ11人がズガンされ、硬直していたカオちゃんだったがやがて「ククク……ヒャーッハッハッハ!」と狂乱した笑い声を上げると、
「たぁのしくなってきたじゃあないの……こんな展開、久しぶりだぁ! こんな大量虐殺久しぶりだよ! いいねぇいいねぇ! お前最高だよ! 最高だから……もっと俺様を楽しませろぉッ!」

 カオちゃんが一声上げるやいなや、まばゆい光がカオちゃんを包み込む。
「ビーストモードォ! 変身できるのはウルトやカミュだけじゃないもんねー!」
 激動のトウカリョウの前に現れたのは……白色の虎。ウルトリィやカミュと同じ、『うたわれるもの』の、森の主……『ムティカパ』だった。

1212嵐を呼ぶカオス:2007/12/31(月) 00:19:04 ID:K/ozY1VY0
【深夜/森の中】
【The god of chaos@葉鍵3】
【状態】ムティカパ化
【装備】爪
【道具】支給品一式、アヴ・ウルトリィ(ウルトラマン)、アヴ・カミュ(カミーユ) 
【思考・行動】 
基本:常に快楽を求める 
0:見たか俺様のカッチョいい姿を!
1:ガチホモ・ガチレズ・陵辱からお笑いまで何でも(楽しめるなら)可! 
2:駄洒落でカミーユとウルトラマンを呼び出せたぞ。神様ってすげー
3:後付設定多いけど気にすんな!
4:ヘタレ?もうどうでもいいや

※アヴ・ウルトラマンは本物のウルトラマンと同じ性能。生身なので中には搭乗できません
※ヘタレ(鳴海孝之)は無事に逃げたようです 
※できればカオちゃんと呼んで欲しいようです 
【その他:U-1SSとは】
U-1とはKanonという昔の感動系エロゲーの主人公「相沢祐一」のこと。

原作においては特殊な能力など何も持たない一般学生だったが二次創作においては最強の魔術師だったり暗殺者だったりMSパイロットだったりでクロス先の世界の強敵を蹂躙し(シャアの乗るジオングを秒殺とか)、そこのヒロイン連中や主役級キャラに惚れられたり尊敬されたりする。そういう最強化改竄祐一が通称U-1だ。

型月世界とクロスした場合はゼルレッチや青子の弟子やって、埋葬機関や27祖からも一目置かれる退魔師とかやってることが多い。
以上。


【激動のトウカリョウ@アニ2nd】 
【状態】カ・イ・カ・ン♪
【装備】ダイナマイトたくさんとライター 
【道具】支給品一式、他にもなんかあるかも 
【思考・行動】 
基本:何でも爆破爆破ァ!

※見た目はクレしん映画「嵐を呼ぶジャングル」のパラダイスキング

12131クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/31(月) 00:22:00 ID:xZDvMa1w0
>ウルトはそんなキャラじゃないだろという突っ込みはU-1SSを一度見てから言ってもらいたい。
ここで噴いた。
なんとひどいU−1www

12141クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/31(月) 00:54:04 ID:Y4jor1iQ0
U-1がここでもwwwwww
さすがカオスwwwwww

12151クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/31(月) 01:02:03 ID:70lfxvEIO
ここのあの人と向こうのあの人が同一人物なんて
ただのネタと思ってたら本当だったのかw
これには吹いたww

1216逝っちゃった神:2007/12/31(月) 02:22:59 ID:LJOHyVUg0
「んで、取り敢えず助けてくれてありがとうな。私はギャルゲの書き手でお姉さま。あんたはパンタローネって言ってたよね?」
「ああ、その通りだ。怪我はなかったか?」
「うん、特には」
蘇った現代の熱血怪人を撃退した2人は情報交換を行なっていた。
そのなかで、互いが対主催で、ゲームに乗ってない事を確認すると二人さらに話は始める。
そして随分と話し合った後お姉さまは
「ねえ……ここのロワさ、あんたやさっきの怪人みたいな強いの沢山居ると思う?」
「ああ……たぶんもっといるだろう。そして俺以上にに強いものは確実に居る」
「そっか……そうだよね」

そう呟くおねえさまはそっと顔をうつむかせ目に涙に立て
「私、無力なのか……皆で生きて帰ろうと思って理想を立てたけど……力が足りないよぉ……理想に敵う力がない」
「お姉さま……」
お姉さまは悔しがりなき始めた。
理想をかなえたいのに力が足りなくて。
どんなに頑張っても所詮は非力な少女。
さっきみたいな怪人みたいに特殊な能力がない。
ただそれが悔しくて、悲しくて。

「力が欲しい……力が欲しいよぉ……」

そして力を欲し始めた。
でもその純粋な願いは叶わないと。
そう自分でも解っているのに願わずに入れなかった。

1217逝っちゃった神:2007/12/31(月) 02:23:28 ID:LJOHyVUg0


だがその瞬間

「―力が欲しいか。力が」

その願いを聞く者が表れた。

「私のバックから!?」
その声はお姉さまのバックはから聞こえる。

そしてバックからひとりでに現れる者。

それは

「我名はディー。ぶっちゃけ神だ」

ギャルゲロワの黒幕ディー。
のはずなんだけどなんかやたらフランクである。

「なんで……私のバックから」
「汝に力を与えに……ぶっちゃけ支給品のひとつだ」
「はあ!? なんかやたらディーにしては軽いわね」
「こんなものだ……ぶっちゃけ我も知りたい」

ただ、お姉さまとパンタローネは呆気に獲られていた。
突然変なのが出たのである。
そしてゲームよりやたら性格が軽い。
どっかで頭でもぶったのだろうか?

お姉さまは呆気に獲られてつつも質もんする、目の前の自称神に。
「あんた力をくれるって言ったよね? なんで?」
「汝が望んでたのであろう?……ぶっちゃけさっさとバックから出たかった」
「そ、そう。でも力をくれるのなら契約しないといけないんでしょ? 私はあんたなんかに全てをささげたくはないわ」
お姉さまはこのディーとは契約したくはなかった。
そんな今の自分捨ててまで力を手に入れたくはない。
特にこんなどこか逝っちゃってるディーなんかに。

1218逝っちゃった神:2007/12/31(月) 02:24:01 ID:LJOHyVUg0
だがディーは何の問題ないように
「何……契約はとらんよ。私はただ私を捕らえた読み手のことが赦さん。あいつらに復讐できるなら力ぐらいかしてやろう……ぶっちゃけさっさともとの性格に戻りだけだ」
そういいのけた。

「そう、でも……私は」
お姉様はそのこたえに迷いつつもいずれ
「なら……力を貸して! 理想を貫く為に! 皆を助けられる力を!」
「了解した。なら授けよう」
ディーは頷きそっと手を掲げる。
その瞬間お姉さまを光に囲まれそしてその光は少しずつなくなっていった。
しかし全部無くなった時お姉さまは特に変わりようもない姿でたたずんでいる。

お姉様は不服そうに
「何よ……何も変わってないじゃない」
「いや変わってる……手を掲げ、チェンジといってみろ」
「はあ……チェンジ……ってあれ!?」

そうお姉様がそういった瞬間またもお姉さまは光に包まれまた晴れた時お姉様は変わっていた。

そうその姿は。

フリフリのエプロン付きのドレス。
頭には白のカチューシャ。
髪の毛は白髪。

その姿を見てパンタローネは絶句し、ただ一言。

「メイド……そしてなぜ十六夜咲夜?」

お姉様の新しい姿は東方の咲夜。
なぜか。

お姉さまは絶叫し

「orz……なんでーーーーーー!!!! 中国の次はこれやねんーーー!!! おいこの似非神! どういうこと!」
そうディーに向かって叫んだ。
やっと力を手入れたと思ったのに。
なぜかメイドになってるなんて。
しんじられなかった。

1219逝っちゃった神:2007/12/31(月) 02:24:32 ID:LJOHyVUg0

ディーは笑いながら
「驚くではない。しっかりと十六夜咲夜の力を発揮できる。時を操るのは制限されているが……ナイフ裁きはそのままだ」
「まじで? あんたの力っていったいなんなの?」
「汝に与えたのは東方キャラに変身できる力能力は制限されて入るが強力だろう?……まあぶっちゃけると私の趣味だ」
「そう、凄い力ね……でなんで咲夜?」
「ぶっちゃけると我&作者の嫁だ!」
ディーはそう言い放った。

が、その瞬間ディーの周りには無数のナイフが刺さっている。
お姉様は怒りながら
「あんた……いいかげん自重しろよ……ホントにさ。次、刺すよ」
「わ、悪かった……とりあえず中国に戻す」

ディーは顔を真っ青にして直ぐに中国に戻した。
それはもう、おどろくような速さで。

「ちなみに中国でも腕力は上がってるからな」
「そうありがとう……変わるキャラは選べないの?」
「ああ……ぶっちゃけ我が決める! 次は巫女だな。腋! 腋! わ……ふべぅ!?!?」

ディーは腋といったは瞬間顔がゆがむのを感じた。
そして吹っ飛ばされる。

殴ったのはお姉さま。
もう顔が悲壮なぐらい真っ赤である。
「……頭来た……フルボッコにする! 手伝え! パンタローネ!」
「……あ、ああ」
「ちょ……まw やめ! ギャアアアム!!!! 」

こうしてお姉様は力を手に入れた。
理想を貫く為の力を。
ついでに似非神も。

さあどうなることやら。

いつまで経っても彼女の性別は分からない。

1220逝っちゃった神:2007/12/31(月) 02:25:13 ID:LJOHyVUg0
【お姉さま@ギャルゲロワ】
【装備:青龍偃月刀、ディー、チャイナ服】
【所持品:支給品一式、支給品一式(他ランダムアイテム1)】
【状態:怒り】
【思考・行動】
基本行動方針:殺し合いに乗ってる人間を止め全員での脱出
1:ディーフルボッコ
2:戦う覚悟。

※容姿はくれないの長髪でスレンダーな美少女。というかまんま東方の中国w
※性別は未だ不明。
※ディーにより東方キャラに変わる力を得ました。何に変わるかはディーの気分次第。確率的には咲夜が高い。
 やばすぎる能力には制限がかかってます。

ディーは制限により弱まってます。そしてそれが原因でちょっと逝ってます。


【パンタローネ@漫画ロワ】
【装備:無し】
【所持品:支給品一式、支給品一式(ランダムアイテム不明)】
【状態:健康、自動人形】
【思考・行動】
基本行動方針:殺し合いには乗らない、乗った人間には容赦しない
1: ディーフルボッコ
2:助けられる人はなるべく助ける。



※パンタローネの服を着ていますが顔は若いです。
※深緑の手の空気供給率が低下しています。
※深緑の手:手の平の穴から空気を吸収し、指から圧縮された空気で攻撃する技。原作では片手撃ち尽す→もう片手で撃ちながら、撃ちつくした手は空気供給で弾切れの心配が無かったりする。

12211クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/31(月) 02:26:18 ID:LJOHyVUg0
お姉さまが中国だったのでかっとなって書いた。
後悔しまくりw
ディーはその御免なさい。

12221クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/31(月) 02:42:05 ID:cBWQqgrA0
葉鍵鬼ごっこのディーを思い出したw
まぁ奴はヘタレだったがw

12231クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/31(月) 03:13:07 ID:xZDvMa1w0
とてもおかしな事に。しかしお姉様素敵ですよwww

12241クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/31(月) 10:04:25 ID:j6sPCS8EO
少し前の感想になるけど永遠神剣「言葉」ってオイwww
ギャルゲのチャットに居たな貴様www

12251クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/31(月) 10:31:10 ID:uugHJ83.0
くるくると妙な回転をしながら、放物線を描きながら空鍋が宙を舞った。
彼女は、制限により鍋をかきまぜるのをやめた瞬間、死ぬような激痛を追う。
ただでさえ手を縛られ、お玉を落とすこと数回。何度も何度もそれを味わわされた。
その痛みはもう脳に焼き付いている。ただ絶望的な気分で、天の空鍋が戻ることを祈る。
だが、戻ってくるはずがない。もう自分は鍋をかき回すことはできない。
だが、その痛みで死ぬこともできないだろう。それをこのドSが許すとは思えない。
また適当なタイミングで拾ってくるに違いない。涙がにじみ、視界がぼやける。
鍋はそのまま今度は落下を始め―――

カ――――ンと、空中で鍋が何かにぶつかった。
「ひでぶぁッ!!」
夜の暗闇に混じってよく見えなかったが、何か黒いものがそこにいたのだ。
しかも、人間に当たったとは思えない澄んだ音だった。
柔らかいものに当たった時のような鈍い音ではない。くるくると回転しながら鍋と黒いものは落下し、
「なにするんだこの……」
草むらのむこうから怒った声が聞こえる。
「野郎―――ッ!!」
足だけが、草の隙間から見える。すがすがしいほどのサッカーキックポーズ姿の黒いそれの足。
そして次の瞬間、3度の衝突音とともに目の前に空鍋が現われていた。
神様ありがとう……と日ごろ予約が取れぬことを呪っていた神様に感謝の祈りをささげる。
口でお玉を支え、鍋をかき回す。痛みは来ない。……間に合った。
ひどく安堵しながら、その鍋にぶつかってくれ、あまつさえこちらに蹴り返してくれた天使様を見る。
「ああもう、せっかく手に入れた『存在』も落っことしちまうし、なんてことしてくれんだ!」
前言撤回、天使ではなく悪魔だった。
2枚の黒い翼、ギラギラ光る目、黒い文様の体。鋭く鋭角的なフォルム。
見るからに悪魔ですと言わんばかりの風貌。
「何やってんだよ、もしかして殺す気か!?」
ものすごい勢いで憤慨する悪魔。
実は彼も神剣にのまれていたのを、ぶつかった衝撃で手放したおかげで自分を取り戻したので、
感謝されてもいいのだが、そんなことを知る人はだれもいない。
……ていうかこの人はどこの書き手?
悪魔だから女神転生とかいうゲームのロワの人?
「ディスアストラナガンの複合ゾルオリハルコニウム装甲じゃなかった頭蓋骨陥没で死ぬぞ、おい!!
 スーパーリアルロボットの今の俺じゃなかったらどうするつもりだったんだ、 
デビルガンダム倒す話は書けてもおれはデビルガンダムじゃないんだぞ!?」
『スーパーリアルロボット』? 『デビルガンダムを倒す話』……スパロワの書き手さん?
お玉を加えているので無理だが、やった、やった、やった!と喜びの声を心の中で上げる。
DGの人といえば、対主催展開、熱血展開、超展開大好きの人のはずだ。
きっとこの状況から助け出してくれるはず!
「いや待ってください、人が飛んでいるとは思わなかったもので」
もっともなことをドSが言っている。
「殺す気なんてありませんよ」
顔が鉄仮面のようなもののせいで、感情は読み取れないが、
何度も何度も自分――手を縛られ、血だらけで口でお玉をかき回す――と、
飄々と立っているドSを見比べる(多分)DGの人。
しばらくした後、びっと指を立て、ドSを指差した。
「うっさい黙れ! その見た目一発ドSとわかるマスク! そして血を流すこの子!
 どう見ても拷問してたんだろ、名前はなんていうんだ!」
さすがは、その筋の人。あんまりにもストレートな物言いだった。
逆に一歩間違えば敵を作るんじゃないだろうか……と思ったが、逆にこの状況では力強かった。
「マスク・ザ・ドSですが。出身はアニロワ2ndです」
「よし!」
拳を握り、どっかで聞いたことがあるような口ぶりで絶叫した。
「アニロワ2ndマスク・ザ・ドS! いたいけな少女をいたぶり、涙を流されたその悪行!
    断  じ   て   許   さ   ん  !  !   」

12261クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/31(月) 10:31:59 ID:uugHJ83.0


【予約被りに定評のあるtu4氏@ギャルゲロワ】
【状態】瀕死、両手をグーの形に縛られている
【装備】お玉(咥えている)、空鍋(蹴っ飛ばされました)
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】
 基本:予約制度がなくて嬉しい
 1:あばばばばばばばばばばばばばばばばばば!
 ※容姿はSHUFFLE!の楓。
 ※制限により、空鍋をかき回すのを止めると死にます。


【マスク・ザ・ドS@アニ2nd】
【状態】健康
【装備】一目でドSと判るマスク(出展不明)
【道具】支給品一式、鋼糸@HELLSING
【思考】
 基本:Sっ気の導くままに
 1:目の前のヘンテコをどうにかする
 ※『表』と『裏』の人格を使い分けることで姿や能力が変化します。
 ※『表』:容姿は糸色望。明るいドS。能力は糸色望並。
 ※『裏』:容姿は黒一色のスーツを着る風浦可符香。黒いドS。能力は「ニンジャ」。


【結@スパロワ】
【状態】健康
【装備】なし 永遠神剣『存在』は草むらに落ちました
【所持品】支給品一式
【思考】
基本:まだ考えてない
 1:とりあえず目の前のやつをぶっ飛ばす
※外見は第三次スーパーロボット大戦のディスアストラナガン
※武器は没収されてます
※体と一体化しているアインソフオウル、メスアッシャー、ディフィレクトフィールドは使用可能

12271クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/31(月) 10:50:43 ID:hz5GdZow0
その頃他の書き手達は

「……出番まだ?」

救いの手を求めていた。

【???@色々】
【状態】健康
【装備】???
【所持品】支給品一式
【思考】
基本:暇だ……
 1:出番……
 2:他の人が何回も出てるのに……

1228 ◆0RRqL7JorI:2007/12/31(月) 12:37:06 ID:ACq7rix20
まだ登場していない書き手は何人いるのでしょうか?

12291クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/31(月) 12:49:34 ID:hSciZL9k0
>>1228
まだ10人はいたはず……しかも一番多いのは自ロワorz

1230荒野の中心で、不幸を嘆く。:2007/12/31(月) 13:03:35 ID:r/ySJObgC
「いや、確かに書いたのは俺だけどさ」

彼は途方に暮れていた。
「だからって東方腐敗はねーだろーがよぉぉぉぉぉ!」

スパロワ書き手の差。
荒野のど真ん中で、彼が書き、没にした東方腐敗の姿で彼は絶叫した。

【荒野】
【差@スパロワ】
【装備:不明】
【道具:不明】
【思考・行動】
基本:この姿でどーしろと

※姿形は東方腐敗(ゾンビ状態の東方不敗)です

12311クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/31(月) 13:05:08 ID:Q2bgkIjwC
出落ち気味だが書いてみた。差さんにはすまない事をしたと思うが後悔はしない

12321クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/31(月) 13:07:07 ID:wl8MqGZs0
>>1228
【LSロワ】
○ボマー
【スパロワ】
○差/○闇その1
【ギャルゲロワ】
○孤高の黒き書き手
【アニロワ2nd】
○底上中の残月/○ボンボン系の書鬼/○忘却のウッカリデス /○ゲドー・ザ・マジシャン
○ビクトリーム博士/○幻夜・フォン・ボーツスレー
【アニロワ1st】
○神行太保のDIE/SOUL/○無明幻妖side./○意外な影丸?

あと13人。まだアニ2ndが多いな。
逆にキャラ数最多の漫画ロワはすでに全員登場済みw

12331クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/31(月) 13:09:47 ID:wl8MqGZs0
何というリロ忘れ……>>1230投下乙なんだぜ
しかしスパロワの書き手陣はいろいろとフリーダムだなw

【LSロワ】
○ボマー
【スパロワ】
○闇その1
【ギャルゲロワ】
○孤高の黒き書き手
【アニロワ2nd】
○底上中の残月/○ボンボン系の書鬼/○忘却のウッカリデス /○ゲドー・ザ・マジシャン
○ビクトリーム博士/○幻夜・フォン・ボーツスレー
【アニロワ1st】
○神行太保のDIE/SOUL/○無明幻妖side./○意外な影丸?

残り12人。LS・スパロワ・ギャルゲは後一人ずつ。

1234俺の容姿:2007/12/31(月) 15:13:48 ID:2xp0809o0
「ちょっ、なんでこの格好!?」

ようやく自分の姿を確認した孤高の黒き書き手はその姿に絶句した。
あろうことかギャルゲロワの最凶フラグにして死んでからの方が出番の多かった朝倉音夢の姿とは。

「まずいー、まずいよー。このままじゃ自分は首チョンパされて早期退場ですか!?」

考えてみればギャルゲロワで音夢の目ん玉ほじくり出す作品を書いたのは他でもない自分自身だ。
これってもしかしてそのせいでこうなっちゃったってわけ?などと思いながら

「できればよっぴーとかさゆりんとかの方がよかったなー」

なんてつぶやいている自分がいる。

「とにかく名簿確認したほうがいいや……」

………………。
名簿を開いてみた。
見知った名前があった。
その一つ歩く頭脳戦が目に入った。
首チョンパにされる自分の姿が目に浮かんだ。
こいつとは会いたくないと心底思った。

「と、とりあえずこれで何とか今の姿を……」

支給品にあった変化の杖で別の姿になればと思い使ってみた。
次の瞬間地面が一気に近づき丁度顔面から叩きつけられるような状態になる。
あれ?姿が変わってない?それより自分の胴体はどこ行った?

暫らくして孤高の黒き書き手は自分の今の姿に気がついた。
今の自分が


朝 倉 音 夢 の 生 首


になっているということに。

「うわああああああああああああああああああああっ!」

悲惨な叫びが周囲に響いた。

1235俺の容姿:2007/12/31(月) 15:14:11 ID:2xp0809o0
【孤高の黒き書き手@ギャルゲロワ】
【装備:変化の杖】
【所持品:支給品一式(他ランダムアイテム2)】
【状態:驚愕】
【思考・行動】
基本行動方針:どうすればいいんだ
1:絶賛絶叫中

※外見は「D.C.P.S. 」の朝倉音夢。
 変化の杖により「朝倉音夢の生首」になってます。

12361クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/31(月) 15:15:36 ID:2xp0809o0
とりあえず投下終了ということで

12371クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/31(月) 15:22:43 ID:IxgsK35Y0
ひでえwwwww
いきなり生首かよwwwww

1238貫けよ、その仮面で:2007/12/31(月) 16:16:26 ID:hSciZL9k0
NdG5hiFT6氏こと【忘却のウッカリデス】は、現在緊急事態に陥っている。
下手すれば登場話で死亡してしまうくらい危険な状況だ。
このままでは、ズガンよりも扱いの酷い、登場したときには既に死んでいたという事態になりかねない。
ちなみに彼の頭の中では、走馬灯の代わりにスーツを着たイタリア人が、丁寧に額を寄せて説教してくれている最中だ。
「いいかウッカリデス。死亡してしまうと思った時には、既にテメェは死亡しているんだ!
  俺達が使っていい言葉は一つだけ。「死亡した!」なら使っていい!」
頭の中に浮かんだ嫌な展開に、思い切り首を振る。
(いやいやいやいや! 「死亡した」じゃ余計だめじゃん! つか、なんで死亡前提なんだよッ!)
選択肢が全部同じなんて、ギャルゲぐらいでしか見かけないものだ。や、それ選択でもなんでもないけどな。
ラ○フカードのCMだって正解がちゃんとある。まぁ、トラップカードも混じってるけどさ。
(ええい、俺の視界のどこかに選択肢とか出て来ないわけ!? もしくはライ○カードとか!?)
360度見回すが、そんなもの何処にもありゃしない。現実は非情である。
(お父さん、お母さん。アニロワ2ndのみんな……先立つ不幸をお許しください)
とうとう観念したのか、彼は両手を組んで全てに身を委ねた。
説明が遅れたが、現在彼がいるのは上空500m。
ヒモ無し、パラシュートなしの、実にスリリングな空のお散歩中である。
補足しておくと、彼の向かっているのは地面がある方向。
視界の隅で、どこぞの赤いロリコンが、彼に向かってサムズアップしている。
なんだか悔しいので、その幻影に向かって中指を突き立て返す。
そろそろ空の旅も終わる……ウッカリデスはゆっくりと瞳を閉じた。(←目です)


ぶっちゃけ、その落下している原因は、彼らしいうっかりが発端なのだが……




   ♪   ♪   ♪


落下する数分前、ウッカリデスは会場に着いたと同時に支給品の確認を始めていた。
もちろん、きなりこんな所に連れてこられて軽い恐怖を覚えたが、名簿を見てそれは吹き飛んだ。
そこには彼にとって仲間とも言える書き手達が名を連ねていたからだ。
これが分かっただけでも、心の安定感はずいぶん違う。
さらに、名簿を見ているうちに、大胆な考えが頭に浮かぶようになっていた。
可能ならば、他のロワの書き手とも協力しようという考え始めていたのだ。
「ちょっと怖いけど、書き手だって同じ人間じゃないか」
男は度胸、何でも試してみるもんさ。と、いい男だって言っていた。
自分だって男だ。今度胸を見せないでいつ見せるか。
「っと、僕の支給品は……おぉ?」
最初に出てきたのは、今の外見に良く似合う代物だった。
「ゼロの仮面って、これ狙って渡されたのかな」
仮面を装着し、ウッカリデスは身に纏っていたマントを翻して華麗にターンを決める。
そこ立つ姿はまさに、アニメの中のゼロそのもの。
彼の容姿は、ルルーシュ=ランペルージュとなっていたのだ。
「ま、さすがにギアスとかは使えないっぽいけど」
先ほど仮面に反射した瞳を見たが、例の模様は入っていない。
安堵しつつも、少しだけ残念だとウッカリデスは心の中で呟いた。
あの能力があれば、生き残る確立もグンと上がる。
アニロワ2ndだったら修正要請が飛んできそうだが、ここならきっとそんな事はないだろう。
「あとは……なんだこりゃ」
最後に出てきたのはCDよりもやや大き目なディスクだった。
「説明が書いてある。えっと、マン・イン・ザ・ミラー?」
付属されてた説明書には長々と文が書かれていたが、要約するとこんな事だった。

1239貫けよ、その仮面で:2007/12/31(月) 16:17:01 ID:hSciZL9k0


【マン・イン・ザ・ミラー(0)】
当てた相手と位置を入れ替える。
足元に自分以外しか踏めない、鈍足状態にさせる罠を仕掛ける。


「……う〜ん」
ディスクの表裏を眺めながら、ウッカリデスは溜め息をついた。
結局、支給品の中からは武器らしきものが一つも見つからなかったのだ。
「唯一の当たりはこれかなぁ」
呟きつつ、被っていた仮面を軽く小突く。
説明書に寄ると、非常に頑丈な素材で出来ているらしい。どんな魔法も衝撃も無効にすると書いてある。
ようするに、頭に装着する防弾チョッキのような物だ。
「ま、これ被ってたら他の人たちを怖がらせちゃうから、普段は外し――あれ」
仮面を外そうとするが、どういう仕組みなのかしっかりと首に固定されて外れない。
さらに強い力で引っ張っても剥がれず、着脱用のボタンも見つからない。
困ったウッカリデスは、両手で剥がそうと、手に持っていたディスクを放りなげる。
が、それがいけなかった。
「ぅえ」
彼の手を離れたディスクは、ビゅーンという効果音とともに空の彼方へと飛んでいく。
その数秒後、彼の体は一瞬で空中へと移動していた。彼の居た地面では、一羽の鳥が首を傾げている。
「え、な、え、いや、の……」
両手を仮面に当てていたウッカリデスは、そのままムンクの叫びの絵のように頬の部分に手を当てる。
「NOooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooo!!」



   ♪   ♪   ♪



「で、どうするのかなそこの仮面の人」
握った刀を軽く振りつつ、王子は仮面の男を見て余裕の笑みを浮かべている。
対して仮面の男のほうは、未だ前かがみの状態でもじもじしていた。
顔を見ただけでは気付かれないが、すでに股間はガビガビである。
早く褌を洗いたいが、そんな悠長なことをしている余裕も時間もない。
「もちろんその娘を助けるさ。あと、自分の名前は最速の人だ」
左手で股間を押さえつつも、右手はしっかりと鉄扇を握っていた。
そんな様子に、王子はさらに余裕の笑みをこぼす。
「ああ面白い。けど、ちょっとお下品だよね。それにもう飽きてきちゃった……とりあえず」
ロリスキーの手首に当てていた刀を上にずらし、ゆっくりと最速の人の方に構え直す。
「少し、頭を冷やそうか」
「!」
喋り終えるとともに、その切っ先が最速の人の手首を撫でる。
が、それをぎりぎりの所で回避して、お返しにと鉄扇を振り下ろす。
だが、最速の人よりもさらに早く、王子の刀が牙を飛ばしてきた。
「《破棄すべき全ての手》! 《破棄すべき全ての手》!! 《破棄すべき全ての手》!!!」
「くっ、ぐぉッ」
反撃どころか、回避すら許さないその攻撃に、最速の人は着実に傷を増やしていく。

1240貫けよ、その仮面で:2007/12/31(月) 16:17:39 ID:hSciZL9k0


腕。
肘。
耳。
肩。
頬。
膝。


致命傷とまではいかないが、決して大丈夫とはいえない傷が次々に刻まれていく。
「ほらほら、反撃しない……のッ!」
「うぐぅ!」
刀に集中しすぎたためか、腹部まで潜り込んできた王子の膝に気付けず、最速の人は初めて直撃をくらう。
そのあまりの威力に、胃から口まで悲鳴が逆流する。
「おかしいなぁ……。こっちはまだ全力じゃないんだけど、もしかしてもう限界なのかな?」
「ぅ……」
余裕で話す王子に比べ、最速の人は苦しそうに腹部と股間を押さえ、脂汗を浮かべている。
あまりの戦力の差を目の前にして、最速の人は半ば絶望のような物を感じていた。
(せめて、両腕がもっと動けば)
ゆっくりと近づく王子を睨みつつ、最速の人は唇を強くかみ締めた。いよいよ一方的な戦いも終わりだ。
と、絶望に染まりつつある光景に一つの希望の光が飛び込む。
次の瞬間、最速の人は強くかんだ唇をゆっくりと開いた。
「最後に……聞かせてくれ。君の名前は?」
「よく聞くような台詞だけど、それを知ってどうするのかな?」
「そこをなんとか」
「王子だよ。熱血王子。で、こういう時って何か仕掛けとかあるけど、そんな状態で何をしてくれるのかな?」
王子の体からは、妙な動きをしたら即座に手首を切り落とすという気配が滲み出ていた。
「いやなに」
刀を突きつけられた手と反対側の手を、弱々しそうに王子の上空に向ける。
「君が放送で呼ばれたとき安心したいからさ!」
王子が空から落下してくる人影に気をとられたその一瞬、
最速の人は空に伸ばしていた手で王子の足首を、力の限り引っ張る。
「なッ」
「ふぬぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおお!」
ゆっくりと体が傾いていく王子に、落下していたウッカリデスが直撃する。
そのあまりの衝撃の余波で、王子の周囲に巨大なクレーターが生まれていく。
ここに来て、中央で仰向けに倒れる王子の顔が、初めて苦痛の色に染まった。
(今しかない!)
最速の人は体に鞭打って立ち上がると、落下してきたウッカリデスの所まで走り彼を背負う。
背負ったウッカリデスの顔は見えないが、助けてくれた人物をこのままにしてはおけない。
「今のうちに逃げるんだ」
「!」
差し出された手に一瞬怯えたロリスキーだが、このままここに居る方が危険だと判断したのかその手を握り返す。
クレーターの中央で三人を見つめる王子を尻目に、ロリスキー達はその場から立ち去っていった。
「やれやれ、これはちょっと動けないなぁ」
空を見上げる王子の顔は、新しい玩具を手に入れた子供のように愉快そうだった。

1241貫けよ、その仮面で:2007/12/31(月) 16:18:42 ID:hSciZL9k0




【市街地】
【熱血王子@漫画ロワ】
【装備:『破棄すべき全ての手』】
【所持品:支給品一式(確認)】
【状態:健康】
【思考・行動】
基本:手首を狩る
1:とりあえず休む
2:休憩したらまた獲物を全力で獲物を探す

※銀目銀髪の高町なのはの顔に、ウルトラマンレオの体、声は赤木しげるです

※【『破棄すべき全ての手(リスト・ブレイカー)』@漫画ロワ&誤爆スレ】
 一話で二人の人間の手首をはねた逸話に由来する宝具。真名を解放しながらの攻撃は、全て手首を斬り飛ばす一撃となる。
 ちなみに外見はfateのルルブレ。存在は誤爆スレと漫画ロワ毒吐きを見て作者が勝手に作った



【市街地外れ】
【クールなロリスキー@漫画ロワ】
【装備:江頭2:50のタイツ@漫画ロワ】
【所持品:支給品一式(未確認)】
【状態:疲労、軽い恐慌状態】
【思考・行動】
1:とりあえず最速の人と一緒に逃げる
2:死にたくない、怖い
3:怖い

※上半身裸の柊かがみです
※何故か不死身です



【ギャルゲロワ版最速の人@ギャルゲロワ】
【装備:鉄扇@ギャルゲロワ】
【所持品:支給品一式(確認済)】
【状態:所々に切り傷。かなりの疲労。股間がガビガビ】
【思考・行動】
1:とにかく逃げよう!
2:褌を洗いたい!

※まんまハクオロです
※違う意味で最速です(すでに何度か果ててます)



【忘却のウッカリデス@アニロワ2nd】
【装備:ゼロの仮面(蝶高性能)@アニロワ2nd】
【所持品:なし】
【状態:気絶中】
【思考・行動】
1:気絶中
2:様々な仲間を集める

※【ゼロの仮面(蝶高性能)】
銃弾から魔法、科学兵器、核に至るまで全て防いでしまう恐ろしい仮面。
ただし、守れるのはあくまで首から上だけに限られている。
ちなみに、視界は蝶良好で酸素の補給も問題なく出来る。
その代わり、一度装備すると死ぬまで外せない。

12421クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/31(月) 16:19:38 ID:hSciZL9k0
今までの没ネタを混ぜあわせて書いた。
反省はしているが、後悔はしていない。

12431クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/31(月) 22:22:15 ID:xI08/Z560
「む…どうした?参加者達の動きが止まったぞ」
主催者である読み手の一人が訝しげに声を挙げた。
あれだけ活発にロワを遂行していた書き手達の動きが、ある時間を境にぷっつりと止まったのである。
何が起きたのかと、モニターを担当していた読み手に至急原因を探らせる。
しばらくして、その読み手が驚愕の声をあげた。
「大変です!」
「どうした!?」

「書き手達はみな年越しの準備をしています!」
「なんだと!」
「ちなみに俺もしています!」
「ふざ…、いや許す!というか私もする!」

読み手達は年越しの準備をし始め盗聴や監視が一時的に麻痺をしてしまった。
だから舞台から一人の男が脱出したのにも誰も気付かなかった。

【ヘタレ(鳴海孝之) 脱出】

12441クールのコテハンより1回の名無し:2007/12/31(月) 23:54:04 ID:sHWEV/to0
止まった……誰か書いてくれるもの居ないのか。
それとも大晦日だからか?

1245dddddddd:2007/12/31(月) 23:57:51 ID:hz5GdZow0
「逃がさぬぞ変態め、止まれ!」
(クソ……まだ耳がよく聞こえねえ)
寄り添いあう木々の枝で傷つく事が無いように、温泉少女をしっかりと抱きかかえる。
その代わり自分の顔や肩がどんどん切り裂かれていくのだが、勿論そんな事は気にしていられない。
こうやって密林地帯をかけぬければ少しは引き離せるのでは無いかと思ったが甘かった。
「ハァ……ッ、ハァ…………」
(ヤバイ……な)
ズブ濡れた服が身体に絡みつき、何度も足がもつれそうになるのを必死に堪える。
後ろの女は相当山歩きに慣れているか足が強いらしい、転んだら終わりなのだ。
自分一人が消えたとしても、きっと他の書き手が2ndを完結に導いてくれるだろう。
自分が命を失う事は正直言えば怖いが、それだけなら恐怖を長引かせるより、諦めて背後の女に殺される事を選んだろうと思う。
だがこの腕の中で震えている小さな命……今の自分はそれを背負っているのだ。
それだけは失わせるわけにはいかない、絶対に。
「…………い、いいかな……」
「なに?」
まだ耳に水が残っていて良く聞こえないが、それでも相手の言っている事は理解できる。
Chain-情はその瞳を真っ直ぐ温泉少女へと向ける。

1246dddddddd:2007/12/31(月) 23:58:34 ID:hz5GdZow0
その瞳を、綺麗だな、と温泉少女が思った事を彼が知るよしも無い。
ついでに身体の火照りとは別の意味で頬を赤らめていた事にも。
少しだけ速度を落とし、彼女を地面へと下ろす。
「走って!」
それだけ言うと彼は背後のうっかり侍へと向き直る。
「振り返らないで、さっさと行け!」
呆けていた温泉少女に、もう一度叫ぶ。
突然怒り出したChain-鯖にビクりとなった温泉少女だが、すぐに彼の心意を理解してくれたらしく、一度だけ頷くと森の向こうへと駆け抜けてくれた。

再び振り返ると、すでにうっかり侍は追い付いていた。
「観念したか? 小僧」
自分の正面からいわゆる一足一刀の間合い……よりも深く入った所にうっかり侍は居る。
「何て言ってるか、全然聞こえねえよ」
道端に落ちていた木の枝を目の前の女に突きつけてはいるが、正直腰が引けてしまう。
情けないとは思う、だが心がどんなに立ち向かおうとしても実際に刃物を前にするとどうしてもなのだ。
まして相手の獲物は、不良が威張るために使う飛び出しナイフでも無く、
女の子がオシャレ感覚で持つダガーナイフでも無く、
主婦が子供にシチューを作るための肉きり包丁でも無い

1247dddddddd:2007/12/31(月) 23:59:12 ID:hz5GdZow0
人殺しを前提として作られた日本刀……それが自分に向けられているのだ。
仮に自分がマシンガンでも持とうが、きっと自分は同じ気持ちになっていたと思う。
二度言うが、本当に情けない。
「来ぬのか?」
今度はハッキリと聞こえた。
その何でもない一言で全身がすくんでしまう。
怖い。正中線に沿っているソレが、ほんの2メートル進んだだけで、自分の喉や胸が切り裂かれる……。
イヤでもそんなビジョンが浮かぶ……だが、睨み返す。
「………………」
こんな醜態を……あのどこかで見ているに違い無い読み手に見せ付けるのか?
引けていた腰を元に戻す。
冗談じゃない、せめて、立ち向かって死────
「うぁッ!!」

一瞬……どころか瞬きをする間も無かった。
何をされたかも良く分からない。
うっかり侍が自分に近づいてきたと思ったら、枝を払われ、そのまま尻餅を付いてしまう。
相手の刀は自分の眼前……終わりだ、と言う考えが頭を支配する。
「一つ聞きたい」
だが……
「そなた……あの少女を何故逃がした?」

1248dddddddd:2007/12/31(月) 23:59:58 ID:hz5GdZow0
「は?」
意外な質問。だがその質問で、少なくとも死の危険が去っていくのを何故か感じた。
「あの少女を襲おうとしていたのであろう? ならば人質にでもとれば」
「はああああああああああ!?」

☆   ☆   ☆

「じ、じ実に申し訳ない!! 某とした事がとんでもない勘違いを!!!」
「全くだよ……下手すりゃ死んでた所だ。それとビックリマーク付け過ぎんな、読み辛い」
はいそこ、メタ発言禁止。
あれから一部始終を話し、案外あっけなく誤解は解けてしまった。
少なくともカオスロワ4期の6/氏みたくなる事は防げたと言うわけだ。
うっかり侍からしても、自分を睨むChain-情の瞳からは一欠けらの悪意も感じ取れなった事もあるのだが。
「まことに申し訳に無い……何と侘びをいれれば良いか」
うっかり侍の顔には縦線が入りまくり、今にも泣き出しそうだ。
「あーもういいよ」
これ以上責めたら切腹を始めかねない、という事で話を切る事にする。
殺されかけたのも、まぁ自分が原因(このロリコンめ!)の部分もあるんだし。
結果として対主催が二人もできたわけだ……うっかり侍と…………
「てああああああああああああああ!!」
「ど、どうなされた!」
「さっき子ッ!!」
「あっ!」
ここら辺に危険なヤツがいないとは限らないのだ。
本当に危険人物に出会ったらヤバイ。
「ささ探すんだ!!! あのくらいの子なら遠くには行ってないはず!!!!」
さっきうっかり侍に言った事をもう自分でやっている事にも気付かないChain-情。
ビックリマークは三個まで。

1249dddddddd:2008/01/01(火) 00:00:49 ID:8slVIicA0

ガサリ

と言う足音が二人の耳に届いた。

ガサリ  ガサリ

音はさきほど温泉少女が逃げた場所から聞こえる。

「おいおい……逃げろつっただろうが……」

笑いながら、安堵感で思わず腰を付き添うになるのを堪える。
どうやら戻ってきてしまったようだ。
深い闇を切り裂くように、一糸纏わぬ温泉少女が姿を現した。



その全身を、真っ赤に染めて……。

「…………え?

1250dddddddd:2008/01/01(火) 00:02:00 ID:8slVIicA0
その染みの一つも無かった、まるで真珠のようにペタペタで白い肌はもうそこには無い。
全身に数え切れないほど切り刻まれ、腹からは……多分腸、だろうか?……赤い紐のような物がはみ出ている。
削り取られた、まだ平原でしか無かった胸からは、肋骨がはみ出している。
両手両足は存在しない。
片方の目からは木の枝が生え、もう片方の開かれた目……。
かつての無垢な瞳は空ろなガラス玉になり、瞼からそれをわずかにのぞかせていた。

「あ…………あぁ…………!」

顔を抑える。
目を逸らす事ができない。

彼がさきほど出会った温泉少女は……死んでいた。
そしてそれは、ボトリと地面に落とされる。

「ムカつくんだぜぇ?」

もう二度と動く事が無い彼女を持って来た眼鏡の男……ブリリアント・ダイナマイト・ネオンは、誰に向けているのか分からない言葉を呟く。
いや、それは誰にも向けていないのだ。

1251dddddddd:2008/01/01(火) 00:02:23 ID:8slVIicA0

「なんで……よぉ。 なんでパックマンの誕生が欠けたピザを見て思い浮かんだ、てんだ? そんなくだらん事で……」

彼が温泉少女を殺した動機は、殺し合いにのったでも無く、怯えていた所に人が現れて怖くて、というわけでもない。
そもそも、彼は自分が殺し合いに巻き込まれている事すら自覚していないのだ。
純粋なストレス解消。
そして、そうやってもストレスが晴れないのをまたストレスとしている。今もそうであるように……。
そうやって何度も何度も殺人を繰り返す……彼が平穏な時間など音楽を聞いている時くらいしか無いのだ。

「チェ……Chain-情殿、気を確かに!」

我を失いかけているChain-情に声をかけながら、うっかり侍は再び斬鉄剣を抜く。

「そんな……いい加減な…………事でえ?」

それを気にしてか、ブリリアント・ダイナマイト・ネオンもその手に持つ刀で、いわゆる八相の構えと呼ばれる型を取った。

「マジに……マジによぉ」
「下がって!」

1252dddddddd:2008/01/01(火) 00:03:13 ID:8slVIicA0
向かってくるうっかり侍にも関係無く、再び叫ぶ。

「 ム カ つ く ん だ よ お お お お っっ!!!」


【森/開始から1時間ほど経過】
【静かなる 〜Chain-情〜@アニロワ1st】
【装備】:なし
【所持品】:支給品一式、レインボーパンwith謎ジャム@ギャルゲロワ、コアドリル@アニロワ2nd
【状態】:健康。ずぶ濡れ。鼻血
【思考・行動】
基本:殺し合いに反逆ゥ!
1:うああ……あ!
2:護身用の武器の調達
※容姿はスクライド(アニメ)の橘あすか。

【永遠のうっかり侍@ギャルゲロワ】
【装備品】:斬鉄剣@ルパン三世
【道具】:支給品一式、不明支給品(ランダムアイテム)
【状態】:健康
【思考・行動】
基本:打倒主催、乗った人間は斬り捨てる。
1:ブリリアント・ダイナマイト・ネオンを倒す。
2:Chain-情を守る
3:無事に皆で帰る

1253dddddddd:2008/01/01(火) 00:03:27 ID:8slVIicA0
向かってくるうっかり侍にも関係無く、再び叫ぶ。

「 ム カ つ く ん だ よ お お お お っっ!!!」


【森/開始から1時間ほど経過】
【静かなる 〜Chain-情〜@アニロワ1st】
【装備】:なし
【所持品】:支給品一式、レインボーパンwith謎ジャム@ギャルゲロワ、コアドリル@アニロワ2nd
【状態】:健康。ずぶ濡れ。鼻血
【思考・行動】
基本:殺し合いに反逆ゥ!
1:うああ……あ!
2:護身用の武器の調達
※容姿はスクライド(アニメ)の橘あすか。

【永遠のうっかり侍@ギャルゲロワ】
【装備品】:斬鉄剣@ルパン三世
【道具】:支給品一式、不明支給品(ランダムアイテム)
【状態】:健康
【思考・行動】
基本:打倒主催、乗った人間は斬り捨てる。
1:ブリリアント・ダイナマイト・ネオンを倒す。
2:Chain-情を守る
3:無事に皆で帰る

1254dddddddd:2008/01/01(火) 00:03:55 ID:8slVIicA0
【ブリリアント・ダイナマイト・ネオン@漫画ロワ】
【状態】疲労中
【装備】合成された刀(名刀“電光丸”+ 妖刀かまいたち + はやぶさの剣)@ドラえもん+風来のシレン+DQ
【道具】なし
【所持品】支給品一式、不明支給品(ランダムアイテム)
【思考・行動】
基本:イラつく事があれば、なんにでも当り散らす(優先度は 人間>物)
1.パックマンの誕生秘話、マジでイラつく!

※呼び出されてきてから今まで歌っていたため、オープニングを全然聞いてません
※容姿はギアッチョ(@ジョジョ5部)の短髪ver

【温泉少女@LSロワ 死亡】

1255dddddddd:2008/01/01(火) 00:04:55 ID:8slVIicA0
あ……二重投稿すんませんorz

1256dddddddd:2008/01/01(火) 00:12:18 ID:8slVIicA0
再び訂正
×呼び出されてきてから今まで歌っていたため、オープニングを全然聞いてません
○オープニングを全然聞いてません

1257 ◆0RRqL7JorI:2008/01/01(火) 00:27:03 ID:7gIwzLO60
新年最初の投下オメ!
自分も書き手ロワ2ndの書き手として頑張っていこうと思います。

1258希望と絶望のサイボーグ:2008/01/01(火) 00:59:10 ID:FVG.hlYU0
 彼は己の黒い体毛で包まれた身体を見つめる。
 その身体は仮初。下にある肌は銀色。鋼鉄よりも硬い。
 全身に内蔵された火気はいかなる敵をも砕き、己が快楽を満たす。
 彼の名は……
「にゃー……って、クロちゃんかよ」
 思わず呟く彼の名は、ボンボン系の書鬼こと◆hNG3vL8qjA.
 その身を不思議に思いながら見回し、ため息を突く。
「オイラがボンボン系のキャラ書きだからって、クロちゃんってのはどうよ?
大体、オイラクロちゃん書いてねーっての。タイトルもオイラと関係ないじゃないか」
 愚痴を次々漏らしながらも、肉球を持つ前足で顔を洗い、大きなあくびをする。
 なかなか猫ライフを楽しんでいるらしい。
「このまま猫として過ごそうかな。しばらくすりゃ、オイラ以外の熱血対主催者書き手が主催者を倒してジ・エンドだろうし」
 やる気のない声で、不貞寝を決めこみ瞼を瞑るボンボン系の書鬼。
 うとうととして、眠気が彼を襲う

『みなさん!! 俺の声を聞いてください!!!』

 そんな彼の耳を怒声が貫き、思わず目をひん剥く。
 きょろきょろと周りを見渡すが、声は上の方向から聞こえてくる。

『こんなクライシスの野望に踊らされてはなりません!! 俺と一緒に戦いましょう!!!』

「だー! うるせー!!」
 不貞寝を決め込んでいたボンボン系の書鬼にはたまらない。
 文句を言わねば。怒りの感情に任せるまま、彼は屋上へと走った。
「ちったー黙れ!! こんな夜中に近所迷惑だ!!」
 ボンボン系の書鬼はドアを蹴破り、屋上へと飛び出す。
 そんな彼を、哀れむような目つきで見下ろす存在がいた。


 影の繋ぎ師はカラオケマイクを手に燃える瞳で眼下を見下ろす。
 暗い闇に包まれた街。そこにどれだけ殺人鬼に脅える人たちがいるのだろうか。
 そう思うと、南光太……ゲフンゲフン、影の繋ぎ師の正義に燃える心が黙っていなかった。
 彼はカラオケマイクを手に取り、正義の宣言を吐き出す。

『みなさん!! 聞いてください!!!』

 増幅された声の大きさに、彼は安心をする。

1259希望と絶望のサイボーグ:2008/01/01(火) 00:59:30 ID:FVG.hlYU0
 これなら多くの人に声が届く。安心させれる。

『こんなクライシスの野望に踊らされてはなりません!! 俺と一緒に戦いましょう!!!』

 そう、クライシスの思い通りにはさせない。
 彼の正義が導く答えは絶対だ。
 やがて、誰かが駆け上がってくる足音に振り向く。
 仲間になる同志だ。影の繋ぎ師はそう信じて疑わなかった。
「ちったー黙れ!! こんな夜中に近所迷惑だ!!」
 しかし、ドアを蹴破って現れたのは、二本足で立つ黒猫。
 言葉を喋るその猫に、影の繋ぎ師はツツ……と涙を流す。
「な、なんだ? いきなり泣いて! お前男だろ〜」
「俺の力が……」
 影の繋ぎ師が呟く。その声にボンボン系の書鬼が怪訝な表情をする。

「俺の力が足りないために……何の罪もない猫がクライシスの魔の手に……。
クライシス帝国、ゆ る さ ん !!」

 そのとき不思議なことが起こった。
 ボンボン系の書鬼の身体を見て、クライシスに改造された哀れな猫だと思い込んだ影の繋ぎ師の身体が輝く。 
 悲しみに支配された影の繋ぎ師の身体がキングストーンの光を浴びて、その姿を変えた。

「俺は悲しみの王子! RX! ロボライダー!!」

 彼はいきなり、シャドームーンへの変身を飛ばしてロボライダーへとぶっちぎった。
 いきなりのことでボンボン系の書鬼が唖然とする。
「クライシスに改造された哀れな猫。君に同情する。君はクライシスの魔の手によって危険な存在にされたのだ。
哀れだが、俺が倒す! 悪く思わないでくれ!!」
「こいつ、意味わかんねー!!」
「黙れ! 哀れな猫のふりをして、無垢なる人を殺さんとするその残虐さ、俺が許さん!!」
 影の繋ぎ師は、カラオケマイクを片手に、ボンボン系の書鬼へと右指を向ける。

「クライシス帝国の悪魔め! 俺の正義の歌を聞け!!」

 こうして、ボンボン系の書鬼は地獄へと招待された。

1260希望と絶望のサイボーグ:2008/01/01(火) 00:59:48 ID:FVG.hlYU0

【会場のどこかビルの上/開始直後】
【影の繋ぎ師@ライダーロワ】
【装備】:サタンサーベル@ライダーロワ、シャドーセイバー@ライダーロワ
【道具】:カラオケマイク@現実
【所持品】:支給品一式
【状態】:健康。クライシス帝国への激しい怒り。ロボライダーに変身中。
【思考・行動】
1.ぶ っ ち ぎ る ぜ
2.殺し合いには乗らない
3.目の前のクライシス帝国の手下を倒す
【備考】
※変身体はシャドームーンです。
※いきなりロボライダーに変身可能になりました。ぶっちぎりです。


【ボンボン系の書鬼@アニロワ2nd】
【装備】:内臓火器(ミサイル)。何でも切れる剣@サイボーグクロちゃん
【道具】:なし
【所持品】:支給品一式(未確認)
【状態】:健康。目の前の変身に戸惑い。
【思考・行動】
1.なに? こいつ?
2.不貞寝したい。
3.とりあえず逃げよう。

12611クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/01(火) 01:12:30 ID:8slVIicA0
拡声器の呪い依然の問題だwwwww

12621クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/01(火) 01:39:04 ID:ZNPbz5HM0
サイボーグコンビに、新年初笑い〜!
シャドームーンだから、大丈夫と思っていたのに、
ロボライダーとなると、マジでこの後音撃地獄がwww

1263私には早急に手に入れたい物がある。:2008/01/01(火) 03:55:58 ID:aykhi0wE0
「ふうん。そう、こうなるのね私は」
金髪の長いツインテールと幼くも凛々しい風貌。
小麦色の健康的な肌はその内に力強い活力を秘めている。
その姿は漫画ガンスリンガーガールに登場するトリエラという少女に酷似していた。
彼女が居るのは廃墟の一室。息を潜めて状況を整理している。
(さ、それじゃ一考察と行きましょうか。これからの方針とこのバトルロワイアルについて)
彼女はあぐらをかくと、まずは支給品を床に並べてみた。
最初に出てきたのは年齢詐称薬。青い薬で10歳若返り、赤い薬で10歳歳を取る。五個ずつ入っている。
LSロワではこれを使ったステルスが格別幼くなった風貌を利用して穏健チームに取り入っていた。
(使える……けど少し幅が大きいのが難点ね)
今の彼女の風貌が10歳若返ると小学校入学前になってしまう。
効果は幻術の一種で、リーチ等は変わっても身体能力は変わらないのだが……幼すぎて少し使いづらい。
とりあえず保留し、次の品を取り出す。
……説明メモにはキラークイーンのディスク、とあった。
(……なるほどね)
少女はくすりと笑い、迷わずそのディスクを自らの頭部に差し込んだ。
傍らにスタンドが寄り添い立つ。
キラークイーン。三種類の爆弾を持つ強力かつトリッキーなスタンド。
「康一少年のスタンドで動きを封じられ倒されたボスね。
 OK、よく知っているわ。これは私に合っている」
即ち、ショタに倒された大ボスである。
更にスタンドをディスクに変える能力も、別の部でショタに倒された大ボスの第一の能力だ。
彼女が知らないはずは無かった。
何故なら彼女の名は。
「つまり読み手共はこう期待しているわけね。私がボマーとしてゲームに乗ることを」
――LSロワ筆頭書き手、ボマー。

数多のLSキャラ達を把握し巧妙な爆弾を無数に仕掛ける卓越した書き手。
彼女にとって爆弾を仕掛けることなど呼吸をするようなものだった。
「さあて、どうしようかしら」
おそらくは首輪で盗聴している読み手共を焦らすように、ボマーは呟いた。
LSロワの書き手として自分はどう動くべきなのか。
「……LSロワの書き手達はどう動くかしら」
ボマーは参加者名簿を開いた。

(温泉少女……温泉の書き手ね。堅実派の繋ぎ型書き手。どう動くにせよ、無理はしないはず)
もしゲームに乗ったとしても積極的に狩りをしたりはすまい。
チャンスが転がり込むのを待ってから仕掛ける、そういったステルス系マーダーになるはずだ。
(逆に対主催になっても劇的な活躍はしないでしょう……単独では)
彼女は繋ぎなのだ。チームを組んだ時にこそ真価を発揮する、チームメイトとしては頼もしい書き手。

(深淵……『あの』悲劇を描いた書き手ね。作品の傾向から見るとマーダー寄りかしら。
 殺害数自体が多い訳じゃないけど、不和の種を撒くのは上手いわね)
かなり危険なタイプだと言えるだろう。氏の作品では行き違いにより破滅するケースが多い。
その一方で喋る支給品の描写には心温まるものが多い不思議な書き手である。
なんとなく、デバイスでも引き当てれば良い話を展開しているかもしれないと思った。

(派手好き地獄紳士『666』……派手な展開と鬱と疑心暗鬼をAIする書き手。
 殺害数は私と並ぶトップタイ。脱衣キャラ数では負けている……少し悔しいわね。
 作品の傾向から考えるなら氏は…………対主催? まさか)
氏の作品は拷問や疑心暗鬼、ド鬱展開が山盛りなのだが……よく見るとそこはかとなく対主催寄りの気はしてくる。
序盤にマーダーを贔屓して戦績としては微妙な結果にしたのを気にした為かもしれないが……。
「それさえも掌の上? …………まさかね」
考えすぎた勘ぐりを振り払う。

1264私には早急に手に入れたい物がある。:2008/01/01(火) 03:57:22 ID:aykhi0wE0
(それから……漫画ロワの、もう一人の私)
エロ師匠の名で呼ばれているもう一人の自分。
というか向こうではたった二作なのに来ているとは思わなかった。
「ああもう、下劣なやり方をしていそうね」
そう思うと自分の事ながら嫌になる。おそらく向こうは自重すまい、色んな意味で。
適度に抑える事がサービスシーンの魅力を強める事が判っていないのか。
なんで自分が二人居るのかなどは置いておいて、永遠に解り合えないと感じてしまう。
自分そのものだけに確信的にそう思えてしまった。
どういう形になるかは判らないが、恐らくなんらかの形で雌雄を決しなければいけないだろう。

「……それにしても支給品は本当にこれで品切れなのかしら」
腹立ち紛れにボマーは支給品の入っていたランドセル(LS書き手だけに)をひっくり返す。
だが残りは参加者一覧だとかそういう物だけだ。品切れである。
しかし、彼女は何をこれほど苛立っているのだろう?
キラークイーンのディスクという強力な支給品を引いて、まだ何が不満なのだろうか?
「…………無いわね、何も」
それはこう、文章ではなく画像や映像なら一目で分かっていた事である。
これだけで通な人は完全に判ってしまった事だろう。
「本当に腹の立つ読み手共だわ。殺してやろうかしら」
ボマーは腹立ちを隠そうともせずに、ランドセルへ荷物を戻すと立ち上がった。
その姿は実にLSロワ的な姿をしていた。
ここまで言うとちょっと判る人でも判ってしまった事だろう。
「着替え中に連れ去るなんてやってくれるじゃない」
そう、つまり。

ボマー の そうび
Eキラークイーンのディスク
Eランドセル
E下着一枚
E何故かちゃんと有る靴下と靴と髪止め
年齢詐称薬

「……髪止めと靴下と靴を残している辺り故意の匂いがするわね。
 まずは衣服の調達からか。断られたら殺してでも奪い取ってやるわ」
ボマーは固い決意を薄い胸に秘めると、廃墟から移動を開始した。
対主催路線を選ぶかマーダー路線を選ぶかは結局決まってはいない。
だがこの調子だと、対主催路線を選んだ所で殺人に禁忌は見られないだろう。
LSロワにおける対主催とは往々にしてそういうものだった。
……むしろマーダーの方に同情できる奴が多いってどうよ。

【どこかの廃墟/開始直後】
【ボマー@LSロワ】
状態:健康。裸ランドセル。髪止めと靴は有り。
装備:キラークイーンのディスク@ジョジョロワ
道具:年齢詐称薬@LSロワ、支給品一式
【思考・行動】
1.とりあえず服。必要なら殺してでも奪い取る。
2.今後の方針について決める。
3.エロ師匠と対決する。
【備考】
※ガンスリンガーガールのトリエラの姿をしています。義体の身体能力等も有ると思われます。

12651クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/01(火) 03:59:33 ID:aykhi0wE0
投下終了。
ごめんなさいわざとじゃないんだ、このロワ的にこれが正しいと思っただけなんだ。
じゃ。

12661クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/01(火) 04:11:33 ID:kC7TxhTk0
誰が来るかと思えばトリエラかよwww
タバサ教じゃないだけマシ、か……?
どうせマーダーだらけだからタバサ教よりこっちのほうがヤバイか?w

12671クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/01(火) 04:21:26 ID:aykhi0wE0
出した後で気付いたがキラークイーンのディスクってジョジョロワ、
どころかどのロワでも出てない気がする。しくじったがあれだ、見逃してorz

12681クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/01(火) 04:24:10 ID:jRNa/2ZQ0
んな事気にしてる奴いないだろw

12691クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/01(火) 06:51:39 ID:8/tK4FvI0
恒例の現在の未出キャラ〜


【スパロワ】
○闇その1
【アニロワ2nd】
○底上中の残月/○ゲドー・ザ・マジシャン
○ビクトリーム博士/○幻夜・フォン・ボーツスレー
【アニロワ1st】
○神行太保のDIE/SOUL/○無明幻妖side./○意外な影丸?

残り3ロワ計8人まで絞り込まれましたな
さーてこの後どうなるか…そして俺はいつになったら書かれるのか…

12701クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/01(火) 09:36:25 ID:Jwpno2060
今その中で5人使って1作書いてて、昼ぐらいには投下できると思う。
5/8の確立だから、それなりに期待しててくれ。格好いい役だとよいねw

12711クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/01(火) 11:19:01 ID:txK/TkO60
>>1269
YOU自分で書いちゃいなYO!

俺も自分が書かれないから、いっその事自分をズガンしちゃうSSを書いたんだ。
で、いざ投下しようとしたら、直前に別の人が書いてくれていて、しかも結構扱いがよくて泣いた。
扱いがいい事と、別の人が俺を書いてくれた事と、また予約被りループに陥った事。三重の意味で泣いたosz

12721クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/01(火) 11:28:59 ID:5.cNTlXs0
>>1271
「また」…?
もしやあなたは予約被りに定評のあるあの方ですか?

12731クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/01(火) 12:00:22 ID:txK/TkO60
>>1272
いや、似ているのは予約被ってるだけw
それ以外はどこも被ってなんかおりませんよ。

12741クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/01(火) 13:41:42 ID:tZBQJ4m2C
次の5人投下でキャラがかぶらなければ、ネタがあるから自分も書こう。
それでも>>1269が取り残されたら、また別に二つ名が付きそうな予感

1275Zero noise (+l):2008/01/01(火) 13:44:20 ID:Jwpno2060
バトルロワイアルが執り行われている広大な敷地の一角にある、様々な種類の建物が立ち並ぶ市街地。
その中に、他よりも一際巨大でその威容を夜空に浮かべる一つの建物があった。
所謂現代を舞台としたパロロワでは定番の施設――ホテルだ。
宿泊。つまりは休息を目的とした施設だけあって、病院や学校なんかと同様に人が集まりやすい場所である。
そして、この書き手ロワ2ndにおける場合においてもそれは同じであった。

地下2階から地上8階まで全10フロアあるそのホテルの5階。
そのフロアの半分程を使った披露宴やショーを行うための大広間に4人の書き手が集まっていた。

4人の書き手は全員男性で、全員いい声をしており、そして全員アニロワ2ndの書き手だった。



「……フム。この超展開は意外と参考になるかもしれんなぁ (CV:小杉十郎太)」

オールバックにした長い銀髪を頭の後ろで一本に縛った長身の男が、目の前のモニターを見ながら呟く。
彼の名前は『激動のトウカリョウ』。
オープニングにて花々とデビューし、その後もメキメキと実力を伸ばしているニュージェネレーション筆頭である。

「ふぅん? まぁ、他人が七転八倒しとるんを見るぶんには、コレは愉快なもんやなぁ (CV:速水奨)」

全身を真っ黒な牧師の衣装に包み、顔面にそれよりもなお暗い薄ら笑いを浮かべる男が言う。
彼の名前は『ゲドー・ザ・マジシャン』。
名前が表す通り、心迷わす弱き者を非業の舞台へと誘惑する外道の説法師である。

「……ただの見世物ならばな。
 だがこれは紛れもなく我々の前に突きつけられた現実だ。笑ってばかりもいられまい (CV:関智一)」

その男を言い表すのに使う言葉は多くを必要としない。ただ一言――『金ピカ』と言うだけでいい。
彼の名前は『幻夜・フォン・ボーツスレー』。
幻の夜と呼ばれるように彼の力のほとんどは表には出てきていない。だが、その実力は万人の知るところだ。

「ブルァァァァァァァァァァ〜〜〜〜ッ!! ベリ〜〜…………メロンッ!! (CV:若本規夫)」

他の3人を無視し、また目の前のモニターをも無視して一心不乱にメロンを食い散らかすVの体にVの頭を持つ男。
彼の名前は『ビクトリーム博士』。
心の中に黄金に輝くVを持つ男。彼の手にかかれば誰もがVになる。どんな逆境だろうが黄金のVになる。

1276Zero noise (+l):2008/01/01(火) 13:44:41 ID:Jwpno2060
 ◆ ◆ ◆


熱心にモニターを見詰める3人とVの字の1人。
彼らは人と出会うことを期待してこのホテルに集まり、期待通りに出会えた後は争うことなく平穏な一時を過ごしていた。
だがそれは、彼らが争いや殺し合いを忌み嫌う人間だということを意味するものではない。
逆に、どちらかと言えば全員が多少の違いはありながらも、少なからずそれを肯定する性質を持っている。
なら何故、彼らは今にも殺しあわないのか? ――それは彼らの目の前のモニターに理由がある。

大広間の一角に置かれた巨大なモニター。
おおよそ100インチ程の大きさで、外殻を合わせれば縦も横もゆうに2メートルを超える。
そこに映されているのは、このバトルロワイアルに参加させられた全員分の映像だった。


「しかし……、とんでもないものだな。書き手という連中は……」

目の前のモニターの中で超常の力を振るい、また巨大な兵器を操る他の書き手達。
画面の中に分割して映し出されるその姿を見て、トウカリョウは感嘆と驚愕の交じった言葉を漏らす。

「――ハ。自分がそれを言うか。」

トウカリョウの発言を受けて、ゲドーは短い笑いと皮肉を含んだ言葉を彼にぶつけた。
彼の視線が追うのは血の色の紅。今見ているのは、一人の少女が無残にも一方的に惨殺される場面だ。
そして、その画面は間もなく暗転した。彼女が死に至ったということである。
モニターの中には所々黒い四角となっている場所があり、それを数えれば命を落とした者の人数が解った。
ゲドーは暗転した少女の画面から視線を彼女を殺した男の方へと移す。そこでなら先程の惨劇の続きが見れるからだ。

「全く持って愚かな事よ。
 あやつらは書き手として殺し合いを描く内に、己もその中に取り込まれていたというのか」

幻夜はその黄金の隙間から暗鬱な溜息を零す。
程度の差はあれど、この部屋の外にいる連中は受け入れているのだ。
殺し合い……ではなく、『バトルロワイアル』そのものを。
対主催などと言うものはその最たるものと言える。殺し合いに乗る方がある意味人間として正しい。

「キャッチ! マイ! ハァァァァァァァァァァァァァ――――――――ッ! お・か・わ・り!」

五月蝿いなぁ、この若本。
……などと言う他の3人の視線を何もともせず、若本……ではなくビクトリームはメロンを食べている。

と、Vの字はともかくとして彼らに共通するのは冷静だったと言うことだ。
それはこの大広間に見つけたモニターの影響も大きいが、ともかくとして今はこの事態を静観している。
何事においてもマイペースに事を進める参加者が多いアニロワ2ndらしい光景とも言えた。


べ、別にモニターの中に映る他ロワの連中のカオスさに気圧されて此処から出られなかったとか、
自分にはそんな濃いキャラクターはねーよとか思ったんじゃないからネッ! ――本当だからネッ!

1277Zero noise (+l):2008/01/01(火) 13:45:04 ID:Jwpno2060
 ◆ ◆ ◆


豪華な食事と休む場所、その他諸々に情報を得るためのモニターまで完備された高級ホテル。
バトルロワイアルが始まってより1時間足らずで4人がそこに辿り着いてより、更に数時間後。

彼らの物語も動き出す――。


「見ろ。客だ」
「――ククッ。これはまた、なんやえらい怖そうな兄ちゃんやないか」
「こやつがどう出るとあれ、歓待してやろうではないか。我々4人でな……」
「ブルァァァァァァァアアアアアアア――――――――――――――――――――ッ!!」


大広間にある無数の扉の内の一つが静かに開く。
そこらか姿を現した大男の方へと、3人とVの字の視線が差し向けられた。

その男の持つ印象は『黒』。だが、その黒は単純なものではない。
様々な何か――因縁か経験か執念か。それらが渾然一体となり煮凝りとなった限りなく黒に近い他の色だ。

実戦で鍛え抜かれた必要過不足のない浅黒の筋肉に、見るからに重そうな無骨な黒金の鎧を着込んだ男。
そしてなによりも目立つのが、その男が背負った彼の背よりも長い鉄塊――竜殺し。
彼の名前は『神行太保のDIE/SOUL』。
アニロワ1stより来た古強者の一人にして、九大天王の末席に身を置く者。またの名を『最速』と呼ばれる者だ。

1278Zero noise (+l):2008/01/01(火) 13:45:44 ID:Jwpno2060
 ◆ ◆ ◆


「あんたら、こんな所で固まってる所を見ると対主催か?」

3人とVの字の視線を一身に浴びながら、大男は大広間を彼らに向けて大股で渡ってゆく。

「ここは縁起が悪い。悪いことは言わねぇから、篭るんなら他を当たりな」

そして彼らの前、一足飛び込めばその長大な剣の切先が丁度届くという位置で足を止めた。

「それはどういう意味やろうなぁ、神行太保のDIE/SOULさん?」

黒服の男の言葉に、大男の顔にいぶかしげな表情が浮かぶ。そして、彼は男達の後ろにあるモニターの存在に気付いた。

「そうだ。我達は貴様の……、いやここに来た全員の姿と振る舞いを見ていたのだ」

重ねてかけられた黄金の男の言葉に、大男はモニターを仔細に観察する。
巨大な画面に区分けされ、それぞれの小さな四角の中に映されている参加者達。
その四角の端にそれぞれの名前があることを見て、彼は黒服の男の発言にあった疑問を解消した。

「成る程、便利な物があったもんだ。
 で、それで何であんたらは動かない? 助けたい仲間や、討ち取らなけりゃいけない仇なんかはいないのか?
 それとも、もう何人かは外に出て行ったか?」

大男の疑問は最もだった。バトロワの道理に従えば、まずそうしなければ嘘だろう。

「確かにそうしたいのも山々なんだが……、残念なことにこの画面には位置を知らせる情報が映らない」

同程度の上背を持つ銀髪の男の発言に、大男は改めて画面を見直した。
確かに場所を指し示す『C-5』という様な表記はない。というよりも、位置云々の前にそもそも地図すらなかった。
となると、頼りになるのは映像の中の風景となるが、それだけを見てもやはり特定は難しいだろう。
それに加え音声が無いという事も、この場合は意外と足枷になる。目的地を告げられていたとしても聞けないのだから。

「まぁ、そもそも。どの書き手さんともお近づきになりとうない……ってのが本音やけどな」

黒服の男は薄ら笑いの表情を崩すことなくそう言う。
ホテルの外は檻の無い動物園どころではない。奇獣、怪獣、珍獣、魑魅魍魎が跳梁跋扈する人外魔境である。
そんな所に出て行けば、どこぞの眼鏡女の様な悲惨な目に合うのがありありと想像できた。

「それよりも気になるのは貴様の先程の発言だ。
 『縁起が悪い』とはなんのことだ? そして何故、貴様はこの『縁起の悪い』と言う場所に来た?」

豪華絢爛な大広間の中で最も派手で目立つ男が大男へと問い返す。

1279Zero noise (+l):2008/01/01(火) 13:46:04 ID:Jwpno2060
「……俺のいたロワ。それはアニロワ1stの事だが。
 そこにあったホテルは跡形も無く破壊され、そこで13人の人間が死んだ……」

一つ目の質問への返答に黄金色はふむと頷く。
人が集まりやすい場所と言うことは、逆に言えばそれだけ人が『処理』されやすい場所と言うわけでもある訳だ。
理由をつけて安全な籠の中から誘い出されるか、はたまた籠の中に不穏分子を混ぜ込まれるか……。
それはここにいる4人とて例外ではないはず。ロワ内実況ネタなど繰り出しても、精々2・3話で『処理』されるだろう。

「せやけど、うちの方のロワ……アニロワ2ndのことやけどな。
 こっちのホテルは平和なもんやでぇ。ハハ、人っ子一人もおらん。どないしたろか思うわ」

確かに、『ホテル』だからといって必ずしも惨劇が起こるとは限らない。
『病院』程だとそれはかなりの確立で起こるが、『ホテル』『学校』『駅』なんかはロワによりけりだ。

「……まぁな。
 しかし、俺も他に当てがなかったんで、とりあえずは目に見えた此処に来たわけだ。
 あの男と会い、殺すために――!」

一瞬、男の気配が膨れ上がる。『あの男』と言う単語には今までにない感情が込められていた。

「それはもしかしてグリフィスか? 君……いや、ガッツの仇敵であるという?」

大男の容姿がベルセルクのガッツであることからして、銀髪の男はそう考えたが答えは違った。

「いや、俺が探してるのは――『アーカード』だ。漫画ロワでもアニロワでもいいが奴と戦いたい。
 アニロワでは、待望されていた『ガッツVSアーカード』は結局実現しなかったからな。
 俺がガッツとなったのなら、是非とも俺の手でそれを実現させたい。
 地図氏が書き手ロワの様に、アーカードとして参加しているのなら助かるのだが……」

こやつもつくづく『書き手』よの……と、心の中で呆れながら黄金色はモニターの上に視線を走らせる。
目が止まったのは『地球破壊爆弾No.V-7』と名前のついた所だ。
幾多のパロロワがあろうと、実際にロワの中で地球破壊爆弾を使って舞台を木っ端微塵にしたのは彼ぐらいだろう。
十中八九、『地球破壊爆弾No.V-7』はアニロワ1stの『地図氏』に間違いない。

「よろこべ古強者よ。お前が当たりをつけた通りに事は運んでおる」

黄金色が指し示す先、そこにはアーカードの姿を取ってホテルのロビーに立つ地球破壊爆弾No.V-7の姿があった。

1280Zero noise (+l):2008/01/01(火) 13:46:25 ID:Jwpno2060
 ◆ ◆ ◆


「こ、これはこのホテルのロビーやないか?」
「おい見ろ! るるるのルイズ……いや、美形元帥が見下ろしているのってこのホテルじゃなか?」
「……べべべのベリーメロンだとぉッ?」
「再現展開……というやつだな。
 まぁ、我らの姿かたちからしてさもありなんといったところだ。
 しかし、むやみやたらな再現展開は他作品に疎外感を与えると言うに……解っておるのか『この書き手』は?」

俄かに高まってきた『ホテル\(^o^)/オワタ』の予感を受けて、部屋の中に緊張が高まり始める。

「グズグズしちゃいられねぇ!
 手を拱いていたら、瓦礫に押し潰されている間に獲物を横取りされちまう!」

大男は竜殺しを背中から抜くと、踵を返して入ってきた時の倍のスピードで入り口へと歩き始め――、

「死にたくなかったら手前ぇらはここから脱出しろ。
 脱出しようとすれば十中八九死なねぇ。
 だが、誰かを追ったり、もう一度ホテルに戻ってくると死ぬからな! その点に気をつけろ」

――4人に先人としての忠告を残して、入ってきた時と同じ扉を潜って大広間より姿を消した。


 ◆ ◆ ◆


「……で、俺達はどうする?」
「そら、逃げの一手やろ。逃げれば助かる言うてんねんから」
「そうだな。我達がやつらの戯けた遊戯に付き合う必要も理由も存在せんしな」

意思を確認すると、3人はそれぞれの足元に置いてあった荷物を手に取り大広間を後にした。
だが、非常階段の前で彼らの進む道は二手に別れる事となる。

「なんや? 上は違うぞ。向うんは下の非常口やろが」
「……貴様。それが死亡フラグと知っての行いか?」

一人、銀髪の男――激動のトウカリョウは屋上へと向う方の階段へと足を掛けていた。

「……解っている。
 だが、俺は見せたいんだ。2nd最初の書き手が1st最強の書き手と戦えるということを!
 俺……いや、俺達2ndの書き手の実力をあの時の、そして今のLX氏に見せたい。
 それが、俺を『激動のカワラザキ』と言うポジションに据えてくれた紹介者への酬いになると思うし、
 この会場の中で悪戦苦闘している同じロワの仲間達への励みになると思う……」

言い終わると、トウカリョウは一歩ずつ階段を登り始める。
相手は美形元帥。しかもるるるのルイズである。それは傍から見れば処刑台の階段を上るに等しく見えただろう。

「ええよ。アンタの力で過去の栄光の残りカスに引導渡してきたらええ」
「貴様が我らの先陣であることを我は誇りに思うぞ……激動のトウカリョウ」

激動のトウカリョウは、その大きな背中を見せたまま見送る二人に頷き返す。

「……ありがとう二人とも。
 もし、速筆魔王LX氏に会うことがあったらよろしく伝えてくれ……」

そう言い残すと、激動のトウカリョウは響く足音だけを残して二人の前から姿を消した。

1281Zero noise (+l):2008/01/01(火) 13:46:58 ID:Jwpno2060
 ◆ ◆ ◆


ダムダムと重い音を響かせ、黒色の猛獣がホテルの中をその巨体からは考えられぬ速さで疾る。
速い速いと言われるアニロワ1st書き手の中でも随一の速さを誇る男が、神行大保の速さで疾る。

「(待ってろよ地図氏。今から俺がお前をぶった切ってやるからな!)」

竜殺しを持ったガッツと吸血鬼アーカードとの闘い――それはそれは壮絶なものになるに違いない。
その予感に最速の男は興奮を高め凶相を顔に浮かべる。
そして、間もなくして最速の男はホテルのロビーへと到着した。しかし――、

「(……いない?)」

――天井より吊られた豪奢なシャンデリアに照らされ、真赤なビロードが敷かれたロビーに求める姿はなかった。

最速の男は2階の踊り場より身を乗り出し、ロビーを隈なく見渡すが目当ての吸血鬼はいない。
その代わりに、ロビーの中央にそこに似つかわしくない物が置いてあった。
1メートルほどの黒い円筒形の物質。それと解りやすいフォルムを持った、あの――、

「――地球破壊爆弾ッ!?」

最速の男は踊り場から飛び降りそれに近づく。それは紛れもなく地球破壊爆弾そのものだった。

「まさか奴が……置いていったのか?」

地球破壊爆弾に地球破壊爆弾が支給される――ありえない話ではない。恐ろしい話ではあるが。

ロビーの中央に鎮座している地球破壊爆弾へと、最速の男は慎重に近づく。
あの男がいないという事は、すでにタイマーは作動させた後なのだろうか……? だとすれば――。

「このまま爆発して終了したら、ある意味伝説のラストだな…………」


 ◆ ◆ ◆


「なんや、コゲ臭くあらへんか……?」
「うむ。確かに」

トウカリョウと別れて後、順調に非常口へと向っていた二人だが、出口ももうすぐという所で足が止まった。
周囲に漂う異臭。明らかに先程までより高くなった室温。考えられるのは――、

「――ッ!!」

――次の瞬間。通路の奥にあった一つの扉が撓み――爆発した。

「バックドラフトだ!」
「ブックやのうて、ほんまもんの方か!」

一瞬、灼熱の風が二人を押し戻す様に噴出し、その直後より開け放たれた扉より炎が溢れ出して来る。
それは偶然か、それとも放火魔の計算どおりなのか、見る見る間にホテル内を赤色で蹂躙し陥落せしめんとする。

「どこのロワの書き手や! 放火なんぞ傍迷惑なッ!」
「しかし上策だ。力を必要とせず、複数を巻き込み、しかも自身は安全地帯に逃れられる」

二人が状況を分析している間も炎の勢いは止まらない。策を考える間も無く炎の海は二人を取り囲む。

「……これが、十中八九のうちの一ちゅうやつか。ハ」

――退路は断たれた。

1282Zero noise (+l):2008/01/01(火) 13:47:22 ID:Jwpno2060
 ◆ ◆ ◆


「温かい、温かい」

ホテルの敷地内。屋外駐車場の端に放火魔の姿はあった。
その放火魔がくすんだ赤色のおさげ髪を揺らしながら、両手を燃え上がる建物へと向けて暖を取っているのには訳がある。
――彼女は全裸だからだ。
と言っても、別にただ暖を取るために放火したという訳でもない。

「はは。これだけでかい建物を燃やせば、いい目印になるだろうさ」

そう。夜風にお尻や胸などをあられもなく曝している彼女の目的は人集めだった。
どこからでも見える目印。それを立ててやれば、善い人悪い人合わせてどんどん人が集まってくるだろうと考えた。
逆に、実は中にもう仲間が集まっているなんてことはこれっぽちも考えなかった。
さらに彼らが自分のせいで窮地に立たされているとは全く想像もつかない。

「あーそれにしても、冷たい夜風は腰にくるねぇ……」

そう言いながら一仕事を終えた彼女は皮の弛んだ腰をトントンと叩く。
彼女の名前は『底上中の残月』。
面白い仕掛け。面白い作戦。面白いお話でみんなを驚かせるのが大好きな、全裸の肉感溢れる――、

――鷲鼻がチャーミングな老婆である。

1283Zero noise (+l):2008/01/01(火) 13:47:47 ID:Jwpno2060
 ◆ ◆ ◆


るるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるる――――――――――――――――――――。


るるるのルイズこと、美形元帥は上機嫌だ。 飛んでいたら『ホテル』を見つけることができたから。
『ホテル』を壊せば願いが叶う ―― そんなことをどこかで聞いた覚えがある。誰からかは忘れた。
でもいい。壊せばよいのだから。壊し方も覚えている。でもそれもどこで覚えたのかはわからない。
それもかまわない。何せ壊せばよいのだから。壊せば帰ってくるるるるるるる――のだ? 誰が?
大切な人だった気が――何が? 何をするんだっけ? そうだそうだ壊すんだ壊すんだ壊すんだ。
壊すんだ壊すんだ壊すんだ壊すんダ壊すン だ壊すんだこわすんだ壊すんだコワすンだ壊すンダ。
壊すんだんダ壊すン だ壊すん壊すんだコワ壊すんだ壊すんすンだ壊すンダ。だこわすんだだ壊す
んだ壊すんだコワすンだ壊すンダ。んだ壊すんだ壊すんすン だ壊すんだこわす壊すんだ壊すダ壊
すんだすんだすんだすんダすン 壊壊壊壊壊壊すンだ壊す壊すんだこわすんだんだコワすンだダ。


――――――――――るるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるる――――――――――?


なんだるう? 『ホテル』の上に誰かがいるるる……? 誰だっけ? 見たことあるけど誰だっけ?
願いが叶う方法を教えてくれた人? 違う? 壊し方を教えてくれた人? 違う。 アレ 誰だっけ? 
私の私の大切な人? サヰト? 違うなあ? 知っているけど違うなあ。アレほんとうに誰だろう?
解らないけど素敵だなあ。 どこの誰かは忘れたけれど素敵だなあ。 ワタシは願いを決めました。

『優勝したらあの素敵な人をアニロワ2ndに出してもらおう。それがとってもいいとおねがいします』

じゃあ、持って帰ろうそうしよう。たいせつなものはなくさないように。二度となくさないようにしよう。
最後のひとりになったなら、それをかかげてこういおう――『コレをアニロワ2ndに出しってって♪』


――――――――――――――――――――るるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるる♪


 ◆ ◆ ◆


「――聞いているのかッ!? 美形元帥!」

ホテルの上空に浮かぶ美形元帥の前に、同じ様に浮かぶ異形の存在があった。
体内に埋め込まれたテッククリスタルを発動し、テッカマンランサーと変身した激動のトウカリョウである。

「(……やはり、この状態では話が通じないか)」

るるるのルイズと化した美形元帥は、トウカリョウが屋上へと現れた時も。その後変身した後も変わらない。
ただ時々、「るる……」とその愛らしい唇から零すだけだ。思考や認識があるようには見えなかった。

「……止む終えん。あなたとは幾らか言葉を交わしたかったが――行きますッ!」

発した気迫と共にトウカリョウの身体が加速し、美形元帥へと迫る。
一瞬すらもない。気がつく間もなく、その巨体は彼女の直前に現れ、手にしたランスを大きく振るう。
それに、呆けて無防備だった美形元帥は胴体を両断され絶命するはずだった。が――。

起こったのは連続する爆音だった。

「(――速いッ!)」

美形元帥は元の場所から動いておらず、トウカリョウは屋上の一角。瓦礫の中にその巨体を埋めている。
あの一瞬以下の狭間。トウカリョウが振るうランスよりも、より速く美形元帥のグラーフアイゼンが振るわれた。
その結果だった。

「……だが、勝てるぞこの勝負!」

トウカリョウは何事もなかったかのように瓦礫の中から立ち上がり、鎚の一撃を受けた胸部装甲を撫ぜた。
テックセットによって体内より生み出された外骨格の鎧に、なんら損傷は見当たらない。
強力無比な破壊のデバイスの力もテッカマンの能力には及ばなかったのだ。

「テッカマンランスは見せしめ、つまりはオープニングよりの出展――故に未制限状態!
 美形元帥には悪いが、制限なしのテッカマンに勝てる存在などパロロワ界には存在しないッ!
 今、死者スレに送ってやるぞ――美形元帥ッ!」

再び突風と共にトウカリョウの姿が消え――次に轟音。すでに美形元帥の姿も消えている。そしてその後は、
何者もの姿もなく巨大な満月が見下ろすだけの夜空に、ただ鉄と鉄を打ち合せる様な音が木霊し続けるだけだった。

1284Zero noise (+l):2008/01/01(火) 13:48:19 ID:Jwpno2060
 ◆ ◆ ◆


「――糞ッ、危ねぇッ!」

地球破壊爆弾を手に取ろうとそれに近づいた最速の人だったが、既の所で『ソレ』に気付き身を翻した。
『ソレ』は鎮座したままだ。地球破壊爆弾のフリをした『ソレ』は。

「……正体を現せよ、化物」
「残念♪ 実に、実に惜しかった。あともーちょいだったネ」

真っ黒な爆弾の頭頂部からピョコンと何かが伸びると、『ソレ』は見る見る間に形を変え――、

『ジャジャーン!』

――泉こなた(〓ω〓.)の姿となった。

「なんなんだよソレは――地図氏!」

期待を外され、また意味不明な展開に最速に人はあからさまな不満を目の前の少女にぶつける。
だが、少女――地球破壊爆弾No.V-7の方は飄々としたものだ。

「何って……変身。私にとって姿かたちに意味はなんとか〜ってヤツだよ。
 ねぇねぇ知ってる? 神行太保のDIE/SOULさん。
 私の方の元ネタのディック牧(地球ナンバー7)ってね、7つの超能力が使えるんだよ」

「本編未登場キャラのさらに元ネタの設定まで知らねぇよ……、このオタク」

「ま。だからさ、それにあやかって――」

「――7つの姿って訳かよ」

気の抜ける会話に最速の男の口から大きな溜息が漏れる。
だが、竜殺しの切先を地球破壊爆弾に向けると最速の男は再び気合を充填する。

「御託はいい。オタクもな――手前ぇのその姿には用はねぇから、さっさとアーカードになれ」
「やだプー」

ふざけた即答に最速の男の顔が真赤に染まる。

「……お〜ま〜え〜な〜」
「かがみんの真似してツンデレ風に言ってくれたら、言うこと聞いてあげるよ」

次に最速の男の口から発されたのは言葉ではなかった。それは遥かに原始的な怒りの表現――咆哮!

「らぁぁぁぁぁぁきぃぃぃぃぃぃ――――すたぁぁ〜〜〜〜ッ!」

鉄塊としか呼びようもない重厚で長大な剣が、驚異的な膂力で以って空気を割りアホ毛の少女に激突した。
そして、ガイ〜〜ン☆と平らな胸がその渾身の一撃を跳ね返す。

「貧乳は(防御)ステータス(あっぷぷーい☆)DA! 希少価値(レアスキル)なんだ!」
「このインチキ野郎〜〜〜! なんでも許されると思うなよ――ッ!」

自由気ままを始めた地球破壊爆弾に、最速の人の顔色が赤からドス黒いものへと変わってゆく。
限界突破した怒りは燃えるような殺気を身体の表面から発せさせ、ロビーの中の空気を塗り替えてゆく。

「お、最速の人の本気が見られるのかな〜?」
「例え五体全てを失おうと、手前ェはここから生かして返さねぇ……!」

ヒリつくような空気の感触に、(〓ω〓.)な表情の地球破壊爆弾の顔が一瞬孤城の主のそれを見せる。

「おkおk。見た目は変わっても中身は変わんないかんねー。本気だしてきな――『人間(ヒューマン)』!!」



まだ傷一つ無い血色の舞台に火薬の様な黒い気配を充満させ、狂戦士と吸血鬼の激突が始まった。



【場所】ホテルのロビー

【神行太保のDIE/SOUL@アニロワ1st】
【状態】激怒
【装備】竜殺し@ベルセルク、ガッツの装備一式@ベルセルク
【道具】支給品一式、未定支給品×1(本人確認済み)
【思考】
 基本:ガッツVSアーカードを実現させ、死闘を繰り広げる
 1:さっさとアーカードの姿になりやがれゴラァ!

 ※容姿はガッツ@ベルセルクです。
 ※神行太保・戴宗の神行法(高速移動)が使えます。


【地球破壊爆弾No.V-7@アニロワ1st】
【状態】(〓ω〓.)、ダメージ(小)
【装備】なし
【道具】支給品一式、未定支給品×1(本人確認済み)
【思考】
 基本:闘争を愉しむ
 1:あっぷぷーい♪
 2:神行太保のDIE/SOULとの闘争を楽しむ

 ※変化する姿に7つのバリエーションがあるらしいです。
 【1:地球破壊爆弾】【2:アーカード】【3:長門有希】【4:泉こなた】
 【5:?不明?】【6:?不明?】【7:?不明?】
 ※基本的に中身はアーカードで、CVは平野綾です
 ※クーガーの早口台詞が言えます!

1285Zero noise (+l):2008/01/01(火) 13:48:46 ID:Jwpno2060
 ◆ ◆ ◆


並みの者には目に映すことすら適わない空中の超高速戦闘。
分厚い鉄の鐘を叩き付ける様な音が、繰り返し夜空に木霊して空気を激しく振るわせる。

この闘い。始まってより一度もトウカリョウは攻撃を成功させたことはない。響く音の正体は全て彼が打たれる音だ。
だが、50を超えるグラーフアイゼンの攻撃を受けても、まだ彼の装甲には一つの傷もついていなかった。

「――――――るるるるるるる!」

空に奇妙な呟きを残し、独楽の様に回る美形元帥が亜音速でトウカリョウに突っ込んでくる。
トウカリョウは限りなく高速の世界でタイミングを見計らい迎撃しようと目論むも――、

「――――る〜! る! るる! るるるるるるる……!」

――彼女の存在そのものを表しているかの様な、単純でなお奇怪な軌道により失敗してしまう。
なすすべなく更に2つの打撃を貰ったトウカリョウだが、勝利の確信はより大きなものとなっていた。

「(……打ち付ける力が弱まっているのを感じる。次か、その次には捕れるはずだ)」

そして、再び孤を描いて急接近した美形元帥に対し、トウカリョウは武器を構えるのではなくあえてその身を差し出した。
一発の一際高い音が響き、今までとは違った形で二人は離れあう。

トウカリョウの手にランスはない。落としたのではなくあえて捨てた。
その代わりに身を曝し防御に徹することで、相手が受ける反動を大幅に増すことに成功したのである。
そして、その今までにない反動を受けた美形元帥は――鎚から片手を離しばんざいをする格好で宙に放り出されていた。

お互いに体勢を大きく崩した状態。だが僅かながら、予め事態を想定していたトウカリョウの復帰の方が速かった。
それは1秒の100分の1程度の極々僅かな差だったが、それは超高速戦闘においては致命的に長い時間だ。

「ボォルテッカ――――――――――――――――ッ!!」

魂の叫びと共に、テッカマンの身体に備え付けられた反物質放射器官が輝き、
そこから通常空間へと解放された粒子が反応爆発の波となって美形元帥を――飲み込んだ。


 ◆ ◆ ◆


「なんだい、なんだい。おっかないねぇ……!」

人の注目を集めるためにホテルに火をつけ、それを離れた場所で眺めていた婆さんこと残月であったが、
直後より起きた奇妙な出来事に、その太い肝を揺さぶられていた。

「なんだよ、この音は一体。どこかででっかい花火でも上げているのかい?」

どおん、どおんと大きな音が鳴るたびに、その空気の振動が婆さんの立つ地面にまで伝わってくる。
まるで大きな打ち上げ花火を観覧している時の様だが、実際には夜空は暗いままでどこにも花火は見えない。

「わわわっ! なんだい今度は!?」

その見えない花火の音が一際高く鳴ったと思ったら、今度は今まで見えなかった光が空を埋め尽くした。
あまりにも眩いその粒子の流れは、まるで空の上から天の川がそこまで降りて来たかと思うほどのものだ。
光が流れたのは一瞬ではあったが、何かないかと目を凝らしていただけに、貫かれた際の衝撃はかなりのものだった。

「あたたた……、目が……、目が見えやしないよ。このコンチクショウめ!」

不必要なまでに肉感たっぷりの全裸の婆さんが、目だけを隠して、ぶよぶよの尻やら胸やら、ここやらあそこやらを隠さず、
夜中の駐車場をフラフラと徘徊する様は、それはもう筆舌にし尽くしがたい程の不気味さなのだが、幸いなことにその時間は短かった。

「うー……畜生め。仕方がない、こんな薄気味悪いところは取り合えずおさらばだ!」

そしてこんな事を言うと、婆さんは自分が起こした騒動の後始末を何一つすることなく夜の街へと駆け出した。
200メートルを40秒で駆け抜けるという、妙齢の女性とは思えない驚異的な速度でどんどんホテルから離れてゆく。


でっかい身体に白い手足を元気よく振り、ついでに乳と尻と余った肉をブルブルと震わせながら夜の中を全力疾走する婆さん。

――どう見ても妖怪かその類にしか見えなかった。



【場所】市街地

【底上中の残月@アニロワ2nd】
【状態】全裸、ちょっと目がチカチカする
【装備】なし
【道具】支給品一式、放火セット(燃料、松明、マッチ)、未定支給品×2(本人確認済み)
【思考】
 基本:対主催を集めて主催者を打倒する
 1:人を集めるのに手段は選ばないよ
 2:でも、おっかないのは御免だねぇ……

 ※容姿はドーラ@天空の城ラピュタです。
 ※全裸主義者なので服を着ることをいやがります。

1286Zero noise (+l):2008/01/01(火) 13:49:11 ID:Jwpno2060
 ◆ ◆ ◆


「いかに美形元帥と言えど、この至近距離から放たれたボルテッカからは逃れられないはず……」

ボルテッカ発射の瞬間。その時はまだ半ば体勢を崩していたはず。だから避けられるはずがない……。
仮に防御できたとしても、バリアジャケットの持つ防御力などでは、対消滅反応の前には紙一枚程の抵抗にもならないだろう。
そうトウカリョウは考え、自分に言い聞かせる。得も知れぬ不安を押し込めるため。

「…………終わったか」

反応爆発によって照らされた空が再び元の暗さを取り戻した時、そこに彼女の姿は確認できなかった。
美形元帥は木っ端微塵になって死んだ――そう彼が確信しようとした時、それは木っ端微塵に打ち砕かれた。

「………………………………………………………………るるる」

彼の真上。天蓋の頂上より、彼女の生存を証明するあの声が降りてきた。
彼女の速さは音速に達するゆえに、声が届くということはもうそれはすでに終わっていることを意味している。
次の瞬間の衝撃の前にトウカリョウができたのは後悔の―― 一念のみ。

「(……十分な距離はなかったはずなのに!)」

その思考が終わると同時に脳天に衝撃が走った――が、それは想像していたよりも遥かに弱いものだった。
何故? そう思い瞑っていた眼を開くと、そこにはパラパラと散り落ちる何かがある。

「(美形元帥?)」

彼の目の前からその直下へ、
耐久力を超えて四散したグラーフアイゼンと、魔力を失い重力に行き先を委ねるだけの美形元帥の姿があった。

高速戦闘をしていた時より遥かにゆっくりで、そしてまた印象としてもゆるやかに、なのに人を殺すには十分な落下速度で――


――美形元帥はホテルの屋上の上へと叩きつけられた。


果汁のたっぷりつまった果物を固い床に落とした様な音が、トウカリョウの耳に届き。
皮の破れたところから果汁が漏れるように、赤い何かが彼女から漏れるのを、トウカリョウはその目に映した。


 ◆ ◆ ◆


「(――こんな終わり方になってしまうとは)」

美形元帥が叩きつけられた屋上へと戻り、変身を解いたトウカリョウは釈然としない気持ちを胸に抱えていた。

確かに激動のトウカリョウは美形元帥に勝利した。
これがバトルロワイアルである以上、途中経過はどうにせよ生きていた者が勝者である。
運不運や、能力、支給品の性能差を議論することがどれだけ意味のないものなのかも知っている。
それは全て承知している。だが、理屈では解っていてもやはり釈然としない気持ちは心から払うことはできなかった。



「――……ガッ! ゥエ”ハッ! …………ハッ!」

不意に届いた異音に、トウカリョウは背を向けていた美形元帥の方へと振り向いた。

「……ど、……コ。…………ドこ? …………どコ?」

もう動くのはそこだけなのであろう。ふるふると弱々しく首を振り、血塗れの右腕で何かを探す様に床を叩いている。

「何コ? ……ド処? ……どコ、ド……こど処? ……何、?」

細く真っ赤な腕が床を叩くたびに、そこに広がった血がピチャパチャと音を立て、見る者の憐憫を誘う。
何処――ピチャ? 何処――パチャ? 何処――ピチャ? 何処――パチャ? 何処――ピチャ? 何処――パチャ?
……彼女が何を探しているのかは解らない。だがそれがもう得ることのできないものだろうという事は想像できる。

「(こんな事となってしまうとは……)」

――親鳥を失った生まれ立ての小鳥。
そういうものを見た時に感じるのに近い居た堪れなさを持ったトウカリョウは、その最期を看取るためにそこへと近づく。


一歩踏みしめる度に何かが浮かんできては消えていった。そして、不思議とバトルロワイアルを理解してゆく自分がいる。
そして、8歩目にして彼は彼女の元へと辿り着いき……そっと、その掌を取った。

「(――これがバトルロワイアルというものなのか)」

掌を取られたことが解ったのだろう。彼女が繰り返す今わの際の言葉がその意味を変化させる。

「……あっタ。……アっ、た。……あッ、……タ。……あった。……あ。……あ。……あ」

砕けてくしゃくしゃになった身体を抱き上げると、彼女は口に笑みを浮かべ白濁した眼からとめどない涙を流していた。
今までどんな夢つらいを見てきたのだろうか。そして、今はどんな幸せな夢を見ているのだろうか?
それは解らない。誰にも解らないだろう。多分、狂ってしまった彼女自身にも解らないはずだ。それは――、


――ガブリ。


「…………ェ? ………………? ………………………………」

激動のトウカリョウの意識は不意に暗転した。

1287Zero noise (+l):2008/01/01(火) 13:49:36 ID:Jwpno2060
 ◆ ◆ ◆


――――――――――――――――――――るるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるる。


やりました。わたしやりました。わたしついにやりました。みてくださいわたしついにやったんです。
みてください。みにきてください。どうかここまでみにきてください。 ほうらね、ここにあるでしょう?
すごいでしょう? がんばったんですよ? なかなかなかできなくて。ぜんぜんぜんぜんできなくて。
でも、とうとうとうとうできました。ほうら、ちゃんともってきたでしょう? わたしちゃんとできました。
いっしょうけんめいがんばりました。 いやなことやつらいこともあったけど、いっしょうけんめいに。
だれもみてないところでひっそりないたり。わんわんないたり。しくしくないたり。しましたけれどね。
できたんです。できたんです。わたしついにできたんです。さぁみてください。とうとうできたんです。
これでみんながほめてくれる。みんながわたしをよいことほめてくれる。 わあとてもたのしみです。


――――――――――――――――――――るるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるる。


さあささげましょう。さあどうぞうけとってください。これがわたしからのせいいっぱいのたからもの。
わたしはこれをかかげます。おそらにむけてかかげます。 そうすればきっとねがいはかなうもの。
だいすきなたからもの。 おひさまのひかりうけたらきらきらきらきらかがやいて わたしをみちびく。
あたらしいせかいへ。あたらしいせかいへ。あたらしいせかいへ。あたらしいせかいへ ――――。
あたらしいせかいへ。あたらしいせかいへ。あたらしいせかいへ。あたらしいせかいへ ――――。
あたらしいせかいへ。あたらしいせかいへ。あたらしいせかいへ。あたらしいせかいへ ――――。
あたらしいせかいへ。あたらしいせかいへ。あたらしいせかいへ。あたらしいせかいへ ――――。
あたらしいせ ――――――――――――――――――――――――――――――――――。


――――――――――――――――――――るるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるる。


 ◆ ◆ ◆


その頂を包む黒の緞帳が開けてそこから何かが飛び出し、誰も気付いてないのにそのまま落ちた。
誰も聞いてないのにそれは大きな音を立てて、誰も見ていないのにそれはそこでバラバラになった。
誰も片付けないのに散り散りになったそれは、 不思議な事に頭だけが一つ多く 余っているらしくて。
誰もいなくて寂しい筈なのに、 おかしなことにその一つはとても可愛い笑顔を 浮かべていたんです。


【激動のトウカリョウ@アニロワ2nd 死亡】
【美形元帥@アニロワ1st 死亡】

 ※激動のトウカリョウの容姿はモロトフ@テッカマンブレードです。

1288Zero noise (+l):2008/01/01(火) 13:50:05 ID:Jwpno2060
 ◆ ◆ ◆


「仕方あらへんな……。幻夜さん、コレ持って行き」

通路の中は先程よりも遥かに火勢を増し、熱風が取り残された二人を舐りその頭上を黒煙が覆っている。
遠からずの内に二人が一酸化炭素中毒で死ぬか、焼死するのかは明白でだった。
そんな身体極まった中。二人の内の一人であるゲドーは自分の首輪を指し、それを持って行けと言う。

「オレにつきあって一緒に死ぬ必要はあらへんやろ? コレ持って自分だけで行きぃや」

滝のように流れる汗に顔は覆われている。だが、それでもその表情はあの飄々とした薄ら笑いのままだ。

「名前の通り魔法でも使うてこの状況を打破したいとこなんやけど、種も仕掛けも用意しとらんから」
「……貴様」
「ハハ。さすがにあの泣き虫みたいに自分で首を斬るんは無理やで。それもついでにお願いするわ。
 正直な話。この死に方が一番楽っぽいしなぁ……」

赤く揺らめく炎の色を跳ね返す黄金色の男――幻夜・フォン・ボーツスレーは押し黙っている。
確かに黄金の鎧に身を守られている自分一人ならば、この炎の中でも脱出は容易だった。
しかし、それでも此処に止まっていたのは、目の前の男が言うとおりに彼を救う策を考えるためだ。

「代わりにお願いを一個するで。
 首輪を取ったらな、状態表にはちゃんと『ゲドー・ザ・マジシャンの首輪』って書いとくんや。
 でもって、それ使って金色さんは脱出してくれ」

目の前の男はプロットを公開するように喋る。だが、それは…………。

「あんたやったらできる思うて言ってるんやけどなぁ。あかんか?」

黄金色の男が虚飾の魔術師を見る瞳に燃え上がらせるのは底知れない怒りだ。

「……『書き手』という者は、本当に救いがたい業の持ち主ぞ。アイツも貴様も……そして我も」

そんな怒りさえも彼は仮面の様な表情で受け流す。

「ハハ。言うなやそんなこと。どこまで行ってもどーしようもないことや。
 あ、も一つ願い事を思いついたわ。この火、点けた奴。そいつを見つけたら殺しといてくれ。
 これも、フラグ……の一つ、やな」

轟と音を立てて一気に火勢が強まる。最早建物自体がいつ崩れてもおかしくない。

「……ハァ。……あかんわ。もう、息も……あんまりでき、へん。
 ボーっとしとらんと、はよ……せぇや。男同士で心中とか、気持ち悪い……で?」

黄金色の男は、無言でデイバッグから漆黒の長剣を取り出し――仲間の命を絶つために構える。

「……おおきに。」
「礼には及ばん……これは我の義務だ」

「最後に、言うとくわ。……恨むなよ。読み手を、な。
 酷いこと言う時もあるかもしれん……し、こないな、けったいなことやらかすこともある……けど。
 どんな時でも、……恨むな。あれは、あかん。……辛いのは、自分だけやで。いーこと無しの損しっぱなし、や。
 それにな――

 ――大事なもんも、いっぱいもらったやろ?」

笑っている。自身の死の間際にして、それまで酷薄な笑みしか浮かべなかった男が笑っている。

「……貴様は、……貴様とい奴は!」
「なんや? ……めっちゃ、いい……書き手……か?」

黒い刃が赤い海を掻き一人の書き手の命を持っていった。

「――どうしようもなく、どこまでも『書き手』だったよ」


赤い世界を黄金色の男が駆ける。灼熱の地獄を抜け出し、より辛い業を背負う者が生きる煉獄へと。

その男もやはり――『書き手』だった。


【ゲドー・ザ・マジシャン@アニロワ2nd 死亡】

 ※ゲドー・ザ・マジシャンの容姿はニコラス・D・ウルフウッド@トライガンです。



【場所】ホテルの非常出口付近

【幻夜・フォン・ボーツスレー@アニロワ2nd】
【状態】健康
【装備】巳六@舞-HiME、黄金の鎧@Fate
【道具】支給品一式×2、未定支給品×1(本人確認済み)、未定支給品×3(未確認)
     ゲドー・ザ・マジシャンの首輪
【思考】
 基本:このバトロワの破壊。または脱出。
 1:協力者を探す
 2:首輪の解析
 3:放火魔を見つけたら殺す

 ※容姿はギルガメッシュ@Fateです。

1289Zero noise (+l):2008/01/01(火) 13:50:27 ID:Jwpno2060
 ◆ ◆ ◆


「んんん〜〜〜〜〜ッ! いける! いけるぞぉぉぉぉッ! 茹でたメロンもぉ、また、格・別!
 熱されたことによーりぃぃ! 増した甘みは、ま・さ・に! な〜ん〜ご〜く〜パラダイスゥゥ〜!
 おぉぉぉおおおおおおおぉぉぉぉ〜〜ッ! 感じるゾ! 南国の日差し! 真っ赤な太陽ぅをおお!
 暑い! 暑いぃ! 熱いぃぃぃぃぃ! トロピカルメロンが生み出す夏の固有空間はあああああッ!
 まるでイメージが具現化してぇ! 実際に肌に焼け付くようなヒリヒリ感がぁああぁぁぁぁぁああぁぁあ!
 ってええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇ――、


 ――なんで、燃えてんだよおぉぉ――――っ!」  



【場所】ホテル・炎上している大広間

【ビクトリーム博士@アニロワ2nd】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式、ベリーメロン×27個(※いくらか火に当てられている)、未定支給品×1
【思考】
 基本:ビクトリーム
 1:ちくしょぉぉぉぉぉ――っ!
 2:広げたメロンを集めて逃げなくては!
 3:というかあいつらはどこにいったんだ?

 ※容姿はビクトリーム@金色のガッシュベル!!です。

12901クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/01(火) 13:53:28 ID:Jwpno2060
投下終了しました。
大晦日の昼に軽い気持ち(プロット)で始めたら、丸一日経ってたw
まぁ、休み休みだし、お雑煮も食べたけど。

なんか、前のと言いコレといい、脳内の妄想マシーンの調子がおかしいw

12911クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/01(火) 13:56:25 ID:Jwpno2060
えーと……、


【スパロワ】
○闇その1
【アニロワ1st】
○無明幻妖side./○意外な影丸?

残りは3人となりましたね。
>)1269さんは自分が書いた中にいたんだろうか? いたとしたらどう思っただろうか?

12921クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/01(火) 13:59:18 ID:Jwpno2060
ああああっ!しまった! 激動のトウカリョウさんが被ってるwwwww

1293嵐を呼ぶカオス・リターンズ:2008/01/01(火) 14:43:05 ID:5.cNTlXs0
 カオちゃんがムティカパに変身し、さあ飛び掛ってやろうと助走に入ったとき、ふとどこからか「笑点」のテーマが聞こえてきた。
「んあ? あーもしもし、どうしたヘタレ」
 トラの形態のまま、器用にどこからか携帯を取り出して話を始めるカオちゃん。通話相手は、先程自らが野に放ったヘタレ、鳴海孝之だった。
『あー大将? 俺読み手たちが大晦日楽しんでる間に脱出できたんで、後よろしく』
「何!? ちょっと待てこのヘタ……」
『それからですね、あんたの目の前にいるの、激動のトウカリョウさんじゃないっすよ。さっき死亡確認されましたから』
「何だと!?」
 思わず視線を変え、目の前の爆弾魔を凝視するカオちゃん。
「じゃあ、あれは一体全体誰なのさ!?」
『それは――』

 続 く !

【深夜/森の中】
【The god of chaos@葉鍵3】
【状態】ムティカパ化
【装備】爪
【道具】支給品一式、アヴ・ウルトリィ(ウルトラマン)、アヴ・カミュ(カミーユ) 
【思考・行動】 
基本:常に快楽を求める 
0:見たか俺様のカッチョいい姿を!
1:ガチホモ・ガチレズ・陵辱からお笑いまで何でも(楽しめるなら)可! 
2:駄洒落でカミーユとウルトラマンを呼び出せたぞ。神様ってすげー
3:後付設定多いけど気にすんな!
4:ヘタレ?もうどうでもいいや
5:後付設定パート2! ってか誰よあのアフロ

※アヴ・ウルトラマンは本物のウルトラマンと同じ性能。生身なので中には搭乗できません
※ヘタレ(鳴海孝之)は無事に逃げたようです 
※できればカオちゃんと呼んで欲しいようです 
【その他:U-1SSとは】
U-1とはKanonという昔の感動系エロゲーの主人公「相沢祐一」のこと。

原作においては特殊な能力など何も持たない一般学生だったが二次創作においては最強の魔術師だったり暗殺者だったりMSパイロットだったりでクロス先の世界の強敵を蹂躙し(シャアの乗るジオングを秒殺とか)、そこのヒロイン連中や主役級キャラに惚れられたり尊敬されたりする。そういう最強化改竄祐一が通称U-1だ。

型月世界とクロスした場合はゼルレッチや青子の弟子やって、埋葬機関や27祖からも一目置かれる退魔師とかやってることが多い。
以上。


【激動の???@???】 
【状態】カ・イ・カ・ン♪
【装備】ダイナマイトたくさんとライター 
【道具】支給品一式、他にもなんかあるかも 
【思考・行動】 
基本:何でも爆破爆破ァ!
0:いきなり別人設定…クールだぜ

※見た目はクレしん映画「嵐を呼ぶジャングル」のパラダイスキング 

1294嵐を呼ぶカオス:2008/01/01(火) 14:46:20 ID:5.cNTlXs0
あ、状態表しくじった
【???@???】 
【状態】カ・イ・カ・ン♪
【装備】ダイナマイトたくさんとライター 
【道具】支給品一式、他にもなんかあるかも 
【思考・行動】 
基本:何でも爆破爆破ァ!
0:いきなり別人設定…クールだぜ

※見た目はクレしん映画「嵐を呼ぶジャングル」のパラダイスキング  

こっちで

12951クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/01(火) 16:41:34 ID:ptWS6JP2O
投下乙です。参加者の現在位置とマップは全員出揃ってからかな?
個人的にはマップも早い者勝ちでいいと思うのだがw

12961クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/01(火) 16:55:48 ID:txK/TkO60
というか、MAPないとリレーや登場位置に矛盾がでまくるw
現に、学校に関してはかなりカオスな状態になってるし。
あと時間とかも出揃ってからでいいから合わせたほうがいいかも。
ロワによっては時間の記し方が違う所もありそうだし……
お祭り企画だけど、ここら辺だけはしっかり決めときませんか?

12971クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/01(火) 17:02:39 ID:DaiVXONA0
「それは――」
「ふふふ、どうやら俺がトウカリョウではないことをみやぶったようだな」
その男の体がモヤが掛かったように見えなくなる。それは闇のようで。
幻妖なるその影は、闇その1にも無明幻妖side.にも意外な影丸?にも見えた。
「あんたは一体誰なんだい!?」
カオちゃんが自分も予想しなかったカオス具合に驚く。
「俺の正体は◆6/WWxs9O1s、誤解をばら撒く男!」
「な……名簿にもいないカオス書き手だとぉ!」
6/はそう名乗ると、カオちゃんが驚いてる間に岸田洋一の姿に変身して一目散に逃げていった。

【深夜/森の中】
【The god of chaos@葉鍵3】
【状態】ムティカパ化
【装備】爪
【道具】支給品一式、アヴ・ウルトリィ(ウルトラマン)、アヴ・カミュ(カミーユ)
【思考・行動】
基本:常に快楽を求める
0:見たか俺様のカッチョいい姿を!
1:ガチホモ・ガチレズ・陵辱からお笑いまで何でも(楽しめるなら)可!
2:駄洒落でカミーユとウルトラマンを呼び出せたぞ。神様ってすげー
3:後付設定多いけど気にすんな!
4:ヘタレ?もうどうでもいいや
5:6/を俺様のライバルに認定だ!

※アヴ・ウルトラマンは本物のウルトラマンと同じ性能。生身なので中には搭乗できません
※ヘタレ(鳴海孝之)は無事に逃げたようです
※できればカオちゃんと呼んで欲しいようです
【その他:U-1SSとは】
U-1とはKanonという昔の感動系エロゲーの主人公「相沢祐一」のこと。

原作においては特殊な能力など何も持たない一般学生だったが二次創作においては最強の魔術師だったり暗殺者だったりMSパイロットだったりでクロス先の世界の強敵を蹂躙し(シャアの乗るジオングを秒殺とか)、そこのヒロイン連中や主役級キャラに惚れられたり尊敬されたりする。そういう最強化改竄祐一が通称U-1だ。

型月世界とクロスした場合はゼルレッチや青子の弟子やって、埋葬機関や27祖からも一目置かれる退魔師とかやってることが多い。
以上。


【◆6/WWxs9O1s@カオスロワ】
【状態】岸田洋一
【装備】ダイナマイトたくさんとライター
【道具】支給品一式、他にもなんかあるかも
【思考・行動】
基本:参加者に変身して色んな奴の誤解フラグをばら撒く

※変身能力があり、誰にでも変身できます

12981クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/01(火) 17:02:59 ID:qzlH1rvs0
>>1295 地球がリングだ!
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
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::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;;:-‐'"^;;;;;;;;;;-―-、,;.:,;:.;:;:.;:;  `ー-、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
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::::::::::::l ;;;;;;;;;;;,, ''';;;;;;;:;:;:;,;:.;:.:,:;.:,;;,,,-―'´::::: :......::::::::::::::::::::::ゝ.:.:.  ..;;;;;;:l.::::::::::::::::::::::
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12991クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/01(火) 17:29:53 ID:8KZSDgas0
乱入者出たwwwでもこのパートなら有りな気がしてしまう。
こいつら、可笑しい中でも他を飛び抜けて可笑しいからなあw

1300 ◆0RRqL7JorI:2008/01/01(火) 17:32:29 ID:ztAsL84o0
地図案を説明したいと思うけどいいよね?

13011クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/01(火) 17:45:49 ID:8KZSDgas0
地図遂に来るのかな。説明求む。

13021クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/01(火) 17:46:17 ID:ezRkdQ4c0
答えは聞いていない。どうぞおねがいします。

13031クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/01(火) 17:49:41 ID:T/hknbVM0
宜しくお願いします。どんな地図案か、わくわくw

13041クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/01(火) 18:00:42 ID:txK/TkO60
すごく…地図が見たいです

1305 ◆0RRqL7JorI:2008/01/01(火) 19:39:43 ID:ztAsL84o0
 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 
A森 森 森 森 森 森 森 森 森 森 森  

B森 森 森 森 森 森 森 森 森 森 森 

C森 森 森 町 町 町 町 町 森 森 森 

D森 森 森 町 町 町 町 町 森 森 森 

E町 町 町 ビ ビ ビ ビ ビ 町 町 町 

F町 町 町 ビ ビ ビ ビ ビ 町 町 町 

G町 町 町 ビ ビ 学 ビ ビ 町 町 町 

H廃 廃 廃 ビ ビ ビ ビ ビ 温 温 温 

I廃 廃 廃 ビ ビ ビ ビ ビ 温 温 温 

J廃 廃 廃 町 町 町 町 町 温 温 温 

K廃 廃 廃 町 町 町 町 町 温 温 温 

現時点での地図案です。改良点があったら指摘ヨロ。

13061クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/01(火) 19:46:13 ID:8yTbat7I0
>>1305乙!
だが温泉地帯でかすぎw

13071クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/01(火) 19:50:04 ID:7ZficJ8U0
呪溺郷なんだよ多分

13081クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/01(火) 21:29:11 ID:.yJMAKg20
この広い温泉内を、ブリとタコが泳ぎまくっているのかw

13091クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/01(火) 21:53:10 ID:txK/TkO60
乙です。
あえて意見を言うなら、もう一回り小さくてもいいかもしれないですね。
小さければ、書き手同士が遭遇する確立がグッと増えますし。
って、勝手なことばかりで申し訳ないっす。
ちなみに施設とか配置とかは全然問題ないと思います。
何度か出てるホテルは町にあると考えればいいんですよね。

13101クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/01(火) 22:05:06 ID:pRGHBQ1o0
乙です。大きさは自分の意見ではこの大きさがいいかな。
後やっぱ温泉は小さくした方がいいと思います。

1311 ◆0RRqL7JorI:2008/01/01(火) 22:12:17 ID:ztAsL84o0
1 2 3 4 5 6 7 8 9
A森 森 森 森 森 森 森 森 森

B森 森 森 町 町 町 森 森 森

C森 森 町 町 町 町 町 森 森 

D町 町 町 ビ ビ ビ 町 町 町

E町 町 町 ビ 学 ビ 町 町 町

F町 町 町 ビ ビ ビ 町 町 町

G廃 廃 町 町 町 町 町 旅 旅

H廃 廃 廃 町 町 町 温 温 旅

I廃 廃 廃 海 海 海 温 温 旅

地図の改定案です。温泉地帯は旅館もセットで入れました。

13121クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/01(火) 22:44:33 ID:8slVIicA0
そんな感じでいいと思う。
マップの端と端は繋がってるでOK?

1313 ◆0RRqL7JorI:2008/01/01(火) 23:09:47 ID:ztAsL84o0
【作中での時間表記】(0時スタート)
 深夜:0〜2
 黎明:2〜4
 早朝:4〜6
 朝 :6〜8
 午前:8〜10
 昼 :10〜12
 日中:12〜14
 午後:14〜16
 夕方:16〜18
 夜:18〜20
 夜中:20〜22
 真夜中:22〜24

混乱を防ぐためにも、今後の時間表記は12分割で統一したいと思います。

13141クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/01(火) 23:32:24 ID:TRM.q8zYO
乙!
しかし、今まで投下された作品のほとんど時間と場所が不明だったりするが、投下してくるた書き手諸子に確認すべきか?

13151クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/01(火) 23:36:13 ID:yoEtYMP20
殆ど本人確認出来ないから、基本的に深夜で良いんじゃない?
一部結構リレーされてるけど二時間内に収まらない事もあるまい。

13161クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/01(火) 23:47:35 ID:TRM.q8zYO
了解した。
明日余裕が出来次第、今までのやつに時間と場所(無いやつは空白にしておく)を補足してみる。

1317ほとんど無害:2008/01/02(水) 00:33:48 ID:iWcXf2bo0
 稲妻とみま号(ロンドン行き)。ネギ臭いランドローラー。丸太の鷹。スウェーデン製ペニス延ばし。スパゲッティの缶詰。納豆。以下略。
 デイパックから出て来た品にろくなものはなかった。
 唯一のまともな支給品を膝に乗せ、焦ったドラえもんはため息をついた。
 彼女の膝の上に置かれた電子ブックの表紙には、親しみやすい文字で「Don’t Panic!(あわてるな!)」と書かれている。
「おとーさーん。おかーさーん。私は帰りたい。帰りたいよー!!!!」
 銀河ヒッチハイクガイドと呼ばれるその本で、彼女は目の前のデイバッグを幾度となく叩いた。そうすればまともな支給品が出て来る、とでも言うように。
 何度目に叩いたときだろうか。堅い手応えに続いて、デイバッグから何か巨大なブツが這い出して来た。
「何だお前は!」
「おとうさんです」
 純白のボディに包まれた全天候型重機動兵器は答えた。
「お……と……さん……?」
 それはおもむろに右手の人差し指を立てる。
「クイズ・ここはどこでしょう」
「は……?」
「ヒント・ここは第二次書き手ロワ会場」
 暗闇の中でも彼女の肩ががっくりと落ちるのがわかる。
「泣いている……」
「だーまらっしゃぁい!」
 彼女の腕力を持ってしても、空間破砕砲を備えた超兵器をぶん投げることは出来ない。仕方なく、電子ブックでがんがんとそいつを叩く。
「帰れ!ハウス!火星人ゴーホーム!」
 可変型間惑星戦闘システム・おとうさんは「あうあうあう」とか呟きながら宇宙の果てへと安全運転で帰って行った。

 これ以上支給品に期待してもだめかもしれない。焦ったドラえもんはよろよろと立ち上がった。
「何か普通の何か普通の何か普通の…………」
 うわごとのようにつぶやきながら、市街地をさまよう。
 その耳に、平和そうな売り声が聞こえて来た。
 なんと普通な。そう思った彼女は、売り声に引かれるように進む。
 商店街のど真ん中で、ごく普通のあんちゃんが、ごく普通の屋台を、ごく普通に開いていた。
「おねえさんおねえさん、夜食に鯛焼きどう?うちの鯛焼きは絶品だよ。サバイバルのお供に最適だよ〜」
 普通よりちょっと愛想のいいあんちゃんの声に、彼女は思わず声をかけてしまう。
「鯛焼き、ひとつ下さい」
「はーい鯛焼き一つ!」
 男は明るい笑顔で紙袋を手に取った。
「美人のお姉さんには一個おまけしちゃおうかな〜っ。むしろ二個おまけ!いや三個つけちゃおう!!」
 ぽんぽん、と四つ鯛焼きを放り込み、その袋を焦ったドラえもんに押し付ける。
「あ、ありがとう……」
「あざ〜っす!また来てくださいね〜!」
 焦ったドラえもんは、こくこくと頷いてその場を後にした。

1318ほとんど無害:2008/01/02(水) 00:34:24 ID:iWcXf2bo0

 THE FIRSTは笑顔で女を見送った。その姿が交差点の向うに消えた瞬間、口元が陰惨な笑みにゆがむ。
 これであの女は太る。
「太って太って太り続けてしまえ。そうすれば貴様はいずれ糖尿病で死ぬ……って気い長過ぎだろ俺!」
 THE FIRSTはその場にしゃがみ込んで頭を抱えた。
 食べ物を使って他の参加者を殺すなら毒を混入するのが早いのだが、生憎彼の支給品にそのような便利な品は含まれていなかった。
 参加者の誰かに支給されている可能性もあるが、それより丸腰に近い状況で自分から他の参加者に接触しようと言う気にはなれない。
 いっそトリカブトから育てようか、と本気で考えながら、彼はとりあえず鯛焼きを焼き続けた。
 たいやきマーダー・THE FIRSTの次なる犠牲者は誰か。

【C7ら辺・黎明】
【THE FIRST@ライダーロワ】
【装備】鯛焼き名人アルティメットフォーム
【所持品】支給品一式(確認済み)
【状態】健康・かなりヤケ
【思考・行動】
基本行動:鯛焼きを焼いて焼いて焼きまくる。
1:食材を調達。
2:毒かなんかも調達。
※外見や声は三上了@仮面ライダー剣29-30話です。
※鯛焼き名人アルティメットフォームは、スペシャルターボのスイッチを入れることで
 鯛焼きをものすごく速く焼くことが出来ます。
※本職はたこ焼き屋です。

1319スーパーお夜食タイム:2008/01/02(水) 00:35:11 ID:iWcXf2bo0

 焦ったドラえもんは、暖かい鯛焼きの袋を抱えてなおも進んだ。
 どこか、落ち着いて食べられる所でこれを齧りつつ対策を考えることにしよう。あれっ、よく考えたら鯛焼きの代金払ってないや。明日また買うついでに払うとするか。
 そんなことを考えながら歩いてゆくうちに、辺りはいつの間にか建物もまばらになっている。
 目の前は森。引き返そうかと思ったが、よく見れば向こうの方に灯りがともっている。
 夜の夜中を建物の中でやり過ごそうというのは実に普通の考えだ。とすれば、あそこには割と普通の人間がいるかもしれない。
 足取りを速めて近づくと、それは小作りな山小屋だった。辺りには薪が積まれ、煙突からは煙が立ち上っている。
 ああ、なんて普通の光景。
 感動のあまり駆け寄って、ノックも忘れて扉を開く。
 中では黒いマントに身を包んだ黄金のおっさんと、狙いすぎなほど乙女趣味の黒い服をまとった愛らしい少女がテーブルを挟んでお茶していた。

「こ、これは……いわゆる……」
 あまりにも普通でないその光景に、彼女の口から一つの単語が漏れる。
「 援 助 交 際 」
「我らの至福の一服を邪魔しておいて、言うことはそれだけか」
 ギャグ将軍が立ち上がり、杖を彼女の胸に突きつける。
「じゃあ普通のロリコンだとでもいうのっ!?こーの変態!」
「あくまで余を愚弄するか!」
 ギャグ将軍が振り下ろした杖を、焦ったドラえもんは間一髪で飛び退いて避けた。
 黄金に輝く巨躯がのしのしと近づいて来る。これは普通に怒っているかも知れない。
 彼女は辺りを見回し、暖炉に火掻き棒代わりに刺さっていた剣を掴んだ。
 重さを確かめるように軽く振るうと、触れただけで壁もろとも暖炉が崩れ、辺りに火のついた薪が飛び散る。
「これは……普通に強い剣!」
 威力を目にしたギャグ将軍が足を止める。
「もらったぁ!」

 すこーん。 

 ギャグ将軍の脳天を過たず捉えた剣は、明るく楽しく元気よい音を立てて跳ね返された。

「ええっ!?」
 焦ったドラえもんは愕然として手の中の剣を見た。
 その剣の柄には、Aを三つ重ねたような紋章が刻まれている。 
 咎人の剣「神を斬獲せし者」。それが、彼女が握った禍々しい剣の名前である。
 どれくらい禍々しいかと言うと、グラフィックに無駄に力を入れるトライエース作品において、装備してもポリゴンに反映されないくらいである。絵にも書けない禍々しさ、と言えば良いだろうか。
 咎人の剣「神を斬獲せし者」は名前にふさわしい強大な破壊力を持つ剣だった。ただ問題は、切れ味に恐ろしくムラがあるということだ。
 6桁ダメージをたたき出したかと思ったらゼロ連発なんてこともしばしばで正直使えねー、っていうか頼むから槍使いにも使わせれと何度(バグが発生しました。続きを読むにはPSをリスタートしてください)。

1320スーパーお夜食タイム:2008/01/02(水) 00:35:38 ID:iWcXf2bo0
「笑止!」
 ギャーグミドラに変身した将軍が大剣を振り下ろす。
 ひとたまりもなかった。分断された胴体からは赤黒い内容物が漏れ、辺りに飛び散る。
 コロンビーヌは頬についたまだ暖かいそれを指で拭い、口元に運んだ。
「ふふ……結構紅茶と合うかも」
 テーブルの上に、無惨に切り飛ばされた頭が恨めしそうに横たわる。
 人形の純白の手がそれを掴み、引き寄せた。うっとりとした表情で口づけると、その
指に黒ずんだ汚れが絡む。
「すてきな『おやつ』をありがとう、おじさま」
 にっこりと微笑む笑顔は、どこか不気味ですらあった。
「私、鯛焼きを食べたの、初めてだわ」
「それは私の夜食よっ!」
 焦ったドラえもんは空になった紙袋を抱きしめつつ、その指を人形に突きつけた。
「そちはまず、夜食の前に考えるべきことがあるのではないかな」

 (ここで普通のバトルがありましたがあまりに普通なため中継は省略します)
 
 豪剣同士の苛烈な争いにすっかり瓦礫と化した小屋の中、武器を失った女が呆然と立ちすくむ。
 咎人の剣は、先ほどまで壁があった場所に寂しくつきたっていた。
 やわな木材で出来た壁も屋根も、微塵に砕かれて辺りに散らばっている。先ほどまで暖炉で燃え盛っていた薪がその間に紛れ、小屋は今や巨大なキャンプファイヤーに変わろうとしていた。
「それで終わりか?」
 ギャグ将軍は熱風にマントを揺らし、焦ったドラえもんを睨んだ。テーブルとその上の食器をさりげなく保守していたコロンビーヌが、声を立てて笑いながら椅子を降り、彼女に近づいて来る。
「そちに残された道は二つ」
 少女は酷薄さの宿る瞳で、焦ったドラえもんの煤だらけの顔を覗き込んだ。
 ゆっくりと、運命の選択を言葉に紡ぐ。
「紅茶にする?それとも……コーヒー?」

 テーブルの上の紅茶も、鯛焼きも、まだ冷めていなかった。

1321スーパーお夜食タイム:2008/01/02(水) 00:35:52 ID:iWcXf2bo0
【B7ら辺・黎明】
【焦ったドラえもん@漫画ロワ】
【装備】無し
【道具】支給品一式 。銀河ヒッチハイクガイド。咎人の剣「神を斬獲せし者」@AAAロワ。他にまだあるかも。
【状態】錯乱。強い疑心暗鬼
【思考・行動】
1.鯛焼きには緑茶に決まっておろうが!
【備考】
※ドラゴンごろし@アニロワ1stは森のどこかに落ちています。
※銀河ヒッチハイクガイドには、全書き手のトリップや代表作も含め、
 参加者が知りたいことは何でも記載されています。
 ただし容量の都合で、かなり記述が切り詰められている場合があります。

【ギャグ将軍@ライダーロワ】
【状態】健康。
【装備】杖@ライダーロワ ジャーク将軍のマント@ライダーロワ
【道具】支給品一式、コーヒーセット一式@スパロワ、コーカサスブレス&ゼクター@ライダーロワ
【思考・行動】
基本:新生クライシス帝国の結成
1:とりあえず一服。
2:その後、町を出て飲み友達を集める。
3:コーカサスゼクターの資格者を探し、コーヒーを飲む。
4:紅茶を飲むかどうかは保留。
※ジャークミドラに似た、ギャーグミドラに変身できます。
※制限がライダーロワ基準だと思い込んでいます。
※アルレッキーノ・ドットーレとコーヒーを飲みたいようです。

【コロンビーヌ@漫画ロワ】
【状態】健康
【装備】ゾナハ蟲@からくりサーカス
【道具】支給品一式、ティーセット一式、他未確認。
【思考・行動】
基本:恋愛がしたい。
1:優雅なティータイムを満喫。
2:ギャグ将軍についていく。
3:ギャグ将軍と話のつくりが気が合う。
※影の繋ぎ手・仮面ライダー書き手に紅茶を入れてあげたいそうです。

備考:山小屋付近は、辺り一面火の海です。

13221クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/02(水) 00:36:28 ID:iWcXf2bo0
場所と時間はこんな感じでいいのかな。
とりあえずその辺も加えて投下してみました。

13231クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/02(水) 00:48:36 ID:eXPB475U0
アホだこいつらww
ギャグ将軍のコーヒーフラグがたった!!

13241クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/02(水) 00:49:36 ID:pcGGoNG.0
乙w何気に最強コンビじゃないかw

1325戦爵様だぞーえらいんだぞー!:2008/01/02(水) 01:08:58 ID:VG9gpfwc0
「――あれ?」

ざんばらの白髪、そして全身にひどい火傷を負った隻腕の老人が訝しげに周囲を見回した。
どうやら何処かのビルのなかにいるようだ。
窓から見える夜景は、ここがかなりの高さである事を教えてくれる。
「……おかしいぞ。俺はたしか荒野にいたはずなのに」
そう、この書き手ロワにおいて『差』と名づけられた書き手――◆KX4nhL0NJsである。
自分の書いた東方腐敗の姿でここに召喚された彼は、荒野のど真ん中で己の不幸を嘆いていたはずであった。
だが今はこの高層ビルの中、企業のオフィスのような部屋に景色が移り変わっている。
「ワープか?でも転移装置とかそういうものはなかったぞ」
それどころか何も無い荒野だったはずだ。
夢か幻覚の類ではないかと考えてみたが、自分の姿は焼け爛れたゾンビ状態のまま。
この点を一番変えて欲しいというのに。

「まったく、この姿じゃ誰も近づくわけが無い。コーヒーブレイクのシロッコの方がまだまし――」
「こんばんは」
「――って、え?」

『差』が振り返った先は、その部屋の入り口。
非常灯の灯りだけが頼りの薄暗い空間だが、スパロワ書き手の彼がその姿を間違えるはずがない。
ピンク髪のショートカット。
体のラインを浮き出させる黒いタイトな服。
額に怪しげな文様が浮かぶオッドアイの少女――レビ・トーラーが立っていた。
ちなみにどうでもいいことだが――、
彼女の声はロリなのに折笠愛ボイスという、ある意味暴挙とも言えるほどチャレンジャーなキャスティングである。
ロリのイメージじゃないという者もいれば、そこがいいという物好きもいるのだが、まあそれは本当にどうでもいい。

「君のその姿から察するに◆KX4nhL0NJs氏か、◆uiAEn7XS/.氏だろう?この二人以外に暴走した東方腐敗を書いた書き手はいないからな」
「あ、ああ。俺は◆KX4nhL0NJs。このロワでは『差』って名前だ。君は?」
「私は『闇その1』。トリップは◆JevR7BMAcoだ」
「そうか……しかしこの姿の俺によく声をかける気になったな。スパロワ住人なら尚更だ」

スパロワ本編における東方不敗マスターアジアの最期は、ロワ住人の間では恐怖とともに語り継がれている。
例え知ってなくとも近づくものなどいないだろうが、わざわざ知っていながらこの姿をした者に接触するなど、正気の沙汰ではないといっていい。
「たしかにそれは考えたが、『この姿じゃ誰も近づかない』とか至極まっとうな事を言ってたからな、最低限正気は保ってると思った」
「ああ、聞かれてたのね……そうだ、俺ってばさっきまで荒野にいたはずなんだけど――」
『差』はさっき自分の身に起こった事を『闇その1』に説明する。
だが、それを聞いても彼女?は別段驚く様子はなかった。
「スパロボならよくあることじゃないか。トロンベは崖を召喚し、フォルカは荒野を召喚し、ガンエデンは太陽系を召喚する。いちいち驚く事でもないだろう」
……いや、それでいいのか?たしかにそうだけどもさ。
「それに、荒野でなく氷山なら私も召喚できるぞ」
……え?、ちょっと待て、今なんと?


「最終地獄……ジュデッ――」


「すとおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっぷ!わかった!わかったから!」


『差』は慌てて『闇その1』を止める。
その技が発動したが最後、鋏で挟まれて、氷の中に突っ込まれて、虫にたかられて、黒くて長くて太い何かに触手レイプされてしまう。
こう書くと何だかとてもエロい気がするのは何故だろう。
まあ、とにかくここが彼らの本当のスタート地点である。
ゾンビじじいとロリっ子の珍道中の行方やいかに。

1326戦爵様だぞーえらいんだぞー!:2008/01/02(水) 01:09:36 ID:VG9gpfwc0
【D4:ビルの中・深夜】
【差@スパロワ】
【装備:不明】
【道具:不明】
【思考・行動】
基本行動:とりあえず『闇その1』と行動をともにする。方針は未定
1:この姿を何とかしたい

※姿形は東方腐敗(ゾンビ状態の東方不敗)です 。ざんばらの白髪に全身火傷、左腕欠損状態。グロイです。



【D4:ビルの中・深夜】
【闇その1@スパロワ】
【装備:不明】
【道具:不明】
【思考・行動】
基本行動:不明

※姿形はレビ・トーラー。
※能力:第一地獄カイーナ>鋏で挟みます
    第二地獄アンティノラ>氷をぶつけます
    第三地獄トロメア>虫をたからせます
    最終地獄ジュデッカ>第一〜第三を全部食らわせてから触手レイプします

13271クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/02(水) 01:12:30 ID:VG9gpfwc0
これで自ロワは全員……かな?

13281クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/02(水) 01:13:19 ID:eXPB475U0
ちょww東方腐敗www
いやなこんびww乙

13291クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/02(水) 01:22:48 ID:zAJ0SDw.0
何このラスボスコンビw
つーか召喚言うなwww

1330ウラガワ:2008/01/02(水) 01:34:54 ID:SzPxeXts0
「……で、何が目的なんだ?
 書き手を集めて、殺し合いをしようなどと正気の沙汰ではない。
 本当に何を求めてるんだ?」

参加者たちがフィールドへと消えていった数分後のことである。
主催である<<読み手>>が背後の人物に問い掛ける。

その人物は、一万人が執事を思い浮かべた時に真っ先に思いつく服装を纏い。
白いテーブルに腰掛け、優雅に紅茶を啜っている。
もちろん、問い掛けていることには目もくれず。
「アールグレイはね、香りが強いんだ。
 落ち着いた、ベルガモットのね」

ゆっくりと立ち上がり、読み手へと近づいていく執事。
腰までの長髪を靡かせながら数歩歩いて立ち止まる。
ふくよかな胸の上で腕を組み、読み手へと眼光を飛ばす。
「でもね、温度を上げると香りはどんどん“臭い”に変わっていくの。
 熱を増せば、増すほど。だから、紅茶を冷やして香りを落ち着かせてあげるの」

大きな溜息を一つ落とし、もう一度紅茶を啜る。
読み手は苛立ちを覚えながら、落ち着いた声でもう一度問い掛ける。
「……何が言いたい」

「ずっと影の仕事に専念してきたからね、“どこがどうなっているか”なんて分かりきっている。
 “全体としてどうなっているか”というのもね」

紅茶の入ったカップを口元に持っていく。
中の紅茶を口の中へ入れる前に、たった一言だけ呟く。
「君も、読み手なら分かっているんじゃないのかな?」

読み手がその言葉を聞き取った瞬間だった。
少なからずほんの数刻前までの姿勢とは全く違うものになっていた。
己の左手には先ほどまで執事が持っていたカップ。
右手は己の顔を隠すように当ててあり。
足は内股になっている、「女の真似ー」とふざけている場合ではないのだが。
そして何よりも驚いたのは……。
「おやおや、紅茶が冷めますよ。早く召し上がっては如何です?」
そう、執事が。
さっきまで百メートルは軽く離れていたはずの女が。
今、自分の耳元で囁いている。

「ま、君は大人しく私に従っていなさい」
冷たく、そう言い残すと彼女は……どこかへ消えていった。

1331ウラガワ:2008/01/02(水) 01:35:06 ID:SzPxeXts0



「おーい、そっちの調子はどうですかー?」
「あー、まあぼちぼちだなー。三日ぐらいならしっかり動くと思うぜー!」
彼女が次に向かったのはなんとも質素なモニタールーム。
正面に大きな103インチの大きなモニターが一つ。
そして青年が弄っているのは……よいこのみんなに当時衝撃を与えた100メガショック! NEOGEOのコントローラー。
ご丁寧に血飛沫でコーティングがしてあるお墨付きのものである。

「しかし、コンなんでマジに運営していく気か?
 もっとこう、人数雇うとかモニター何個もつけるとか監視体制って言うのはバッチリすべきなんじゃないの?」
至極当然とも思える青年の言葉に執事、いや女性は微笑む。
「いや、これだけでいいんですよ。もとより監視なんてするつもりはなかったんです。
 ただ誰かの面白い動きを私が見るために作らせましたし、首輪も禁止エリアに入ったとき爆発するようにしか出来てません。
 こちらから爆破することは……ほぼないでしょうし。「主催介入は諸刃の剣」分の悪い賭けは嫌いです」
女性は笑顔を崩さず、青年に言う。
青年はどこか腑に落ちない表情で問い返す。
「作った俺が言うのもなんだがな……で、どうして首輪に盗聴機能をつけなかった? しかも首輪はちょっとした仕掛けに気がつけば中学生でも解除できる仕掛けだ。
 殺し合わせるつもりなら俺ならもっと緻密な仕掛けにするし、盗聴だってつける。いつ謀反の狼煙が上がるか分かったもんじゃないからな」
「“殺し合いを完遂させようとするなら”それは必要ですね」
やはり執事の女性は笑顔一つ崩さずに青年へと話し掛ける。
裏があるはずなのに、裏がないその笑顔に青年は戸惑いを隠せない。
「優勝、脱出、全滅。どれになろうが私は構わないんですよ。
 盗聴をつけなかったのも、監視をほとんどしないのも、脱出がしたいならそうすればいい。
 彼らがどう転ぼうが、既に私の勝ちは決まっているんですよ? あの場所で人が一人死んだ時点で私的には成功したと言ってもいいです」
女性はにこやかに、語りつづける。その様子を見て、青年は考えるのをやめた。
「大体分かったようでわかんねえが……ま、あんたが何考えてようが俺には関係ねえしな。
 あんたが成功したと思えばソレでいいだろ、なぁ?」
青年は呆れ返ったのか、そこらへんで横になり始めた。
まさに今から睡眠をとろうともしそうな勢いで。
「……そこにあるマイクで放送がいつでもできる。赤いスイッチで電源のON、OFFだ。
 ついでにそばにある小さなモニターで好きなカメラの映像が見れる…………あとは好きにしな」
青年はそれだけ伝えると三秒で眠りについた。
「感電さん、手伝って頂いて有難うございます。
 ……私が作る事ができるのはWikiだけですからね、こういう機械的な物は無理なんですよ。
 では、祈りましょう。少なくともあの殺し合いに放り込まれた彼らの未来が――暗いことを」

そして執事、いや「パロロワWiki管理人」は再び闇へと消えた。
読み手ではなく、彼こそが。彼こそが真の主催者なのだ。

「技術を買われたのは嬉しいけど。さて、俺は取り返しのつかないことをしたのかねぇ……。
 ま、あんたの目的は大体読めたさ。でもそんなんで屈するヤツらじゃねえさ。
 ……ドコまでやれるのか、俺も楽しく見させてもらうぜ」
Wiki管理人が去った後。寝たはず青年、R-0109も呟く。
彼もまた、主催であり。主催ではない立場にいる。

1332ウラガワ:2008/01/02(水) 01:35:22 ID:SzPxeXts0



「くそ、何者なのだあいつは……本当に何を考えている?
 書き手を殺し合わせてメリットのある者? 分からん……一体誰だ?!
 いや、そんな事はどうでもいい。
 書き手諸氏が一人でも多く生き残る為に、何かできる事は……俺に出来る事はないのか!」
操られた人形が、糸を一本ずつ引きちぎり操り主に反逆の牙を向こうとしている。
今は、その炎が燻っているだけ。

しかし、彼が反逆しても。
おそらく、目的は達成されるのだろう。
そう、この殺し合いの目的は――――――


※主催である読み手はただの読み手ではないようです。黒幕はwiki管理人のようです(?)。
※wiki管理人の外見(のみ)は執事服を着た稲田瑞穂です。情報を編集する能力(?)のようなものを持っています
※首輪は至極簡単な作りで盗聴機能もなく、“気がつけば”すぐに分解できるようです
※設備管理はR-0109のようですが、主従関係というより……?

13331クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/02(水) 01:35:51 ID:SzPxeXts0
主催サイドの話

むしゃくしゃして書いた
没覚悟で書いた
反省はしないさせない持ち込まない

13341クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/02(水) 02:26:12 ID:Dyfe86cYO
まぁ少し聞いてくれ
書いてた奴を書き上げて軽く推敲してる内に違和感に気がついた

俺参加者じゃないニコロワの奴書いてたwwww
紹介があったのと最近スレ見てなかったから参加者だと素で思ってたぜww

13351クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/02(水) 02:33:26 ID:.PW24djY0
支給品にして参加させてしまえ。

13361クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/02(水) 02:34:36 ID:m8CG.DmwO
>>1334
なんてうっかりwww
まあとりあえず落としとしてみたらどうだろうか。

13371クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/02(水) 11:33:35 ID:k9SkmEIE0
名簿に無くても支給品として出れるからな、「逃亡した支給品」扱いにでもしてしまったらどうか?ww
包囲網王も最初は誰かの支給品だったんだろう、「誤解フラグセット」かなんかの一つでw

13381クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/02(水) 14:50:11 ID:S7IzfvNU0
現在位置と時間更新中……
森とか町とかビルならばら撒けるが、それでも学校に密集しすぎw

13391クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/02(水) 15:56:02 ID:Q/dgVAsEO
感想・雑談スレ欲しいなぁ…

13401クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/02(水) 16:05:40 ID:rJTvMqAg0
ここにある「新生・雑談スレ」を使うってのはどう?
8月からレスもないし、お邪魔させてもらっても問題ないように思うけど。

>wiki管理人さん
更新お疲れ様です。応援してるんで頑張ってください。

13411クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/02(水) 16:08:04 ID:zsionM5o0
毒吐き別館辺りに立てて貰うのはどうかな
書き手ロワってことで、各ロワの人間が集まるあそこが一番適当な気がする

13421クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/02(水) 16:14:08 ID:CGQ0TXWk0
毒吐き別館は基本毒スレばかりだからなあ
普通の雑談とは空気が合わない気も

つっても書き手2nd自体があそこ起源ではあるが

13431クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/02(水) 16:34:33 ID:VG9gpfwc0
>>1334の投下が気になるぜ。実は紹介があったけど間に合わなかった書き手をスタンドDISCにして支給しようと思ってた

13441クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/02(水) 16:35:45 ID:S7IzfvNU0
とりあえず、位置と時間はすべて更新してみた。
ただ、通しでやったから漏れがあるかもしれないので誰か確認ヨロ。

あと事後報告なるけど、一部の書き手キャラの時間を少しずらしました。
そうしないと矛盾したりするところが出てきたので。申し訳ない。

最終登場地点とかもやりたかったが、どうやらここまでのようだ……後は頼むorz

13451クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/02(水) 20:53:12 ID:BTYc3OxE0
まさに乙!

13461クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/02(水) 21:36:41 ID:5by3vzg20
現在の未出キャラ

【アニロワ1st】
○無明幻妖side./○意外な影丸?

まさが最後に残ったのがアニ1stとは…ちと意外
はたしてラスト二名が飛び出すのはいつなのか!?


ついでにもう一つ、現在の生存者名簿も投下

3/5【AAAロワ】
○◆MJv.H0/MJQ/○◆wKs3a28q6Q/○◆yHJSlOJmms
15/21【漫画ロワ】
○エース/○パンタローネ/○コロンビーヌ/○蘇った現代の熱血怪人/○ミスターマダオ/○康一君
○クールなロリスキー/○シルベストリ/○ブリリアント・ダイナマイト・ネオン/○焦ったドラえもん/○愛の伝道師/○King of 脳内補完/○ダイナマイトアンデッド/○熱血王子/○エロ師匠
2/4【LSロワ】
○ボマー/○派手好き地獄紳士『666』
6/7【スパロワ】
○起/○承/○転/○結/○差/○闇その1/
10/10【ギャルゲロワ】
○予約被りに定評のあるtu4氏/○バトルマスター/○永遠のうっかり侍/○ギャルゲロワ版最速の人/○お姉さま/○蟹座氏/○汚れなき愛/○孤高の黒き書き手/○歩く頭脳戦/○ステルス鬼畜
13/18【アニロワ2nd】
○速筆魔王LX/○衝撃のネコミミスト/○マスク・ザ・ドS/○暮れなずむ内面描写/○素晴らしきフラグビルド/○エロスの鐘の煩悩寺/○底上中の残月/○ボンボン系の書鬼/○忘却のウッカリデス
○管理人・したらば孔明/○コ・ホンブック/○ビクトリーム博士/○幻夜・フォン・ボーツスレー
8/9【アニロワ1st】
○静かなる 〜Chain-情〜/○地球破壊爆弾No.V-7/○大あばれ鉄槌/○神行太保のDIE/SOUL/○無明幻妖side./○フリクリ署長/○意外な影丸?/○猫子頭の鬼軍曹
3/3【ハカロワ3】
○サプライズパーティー/○地味子/○The god of chaos
6/7【ライダーロワ】
○THE FIRST/○影の繋ぎ師/○まとめキング/○漆黒の龍/○仮面ライダー書き手/○ギャグ将軍

1/1【カオスロワ】
○6/WWxs9O1s


66/84 +1

13471クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/02(水) 21:57:53 ID:nhhCwJ0g0
ギャルゲとハカロワの似たもの同士だけ無傷なんだなw

13481クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/02(水) 22:07:09 ID:S7IzfvNU0
MAPに挑戦したんだが、それに関する知識が全くないからお手上げ状態。
どなたか作れMAP作れそうな方いらっしゃったらお助けください。

13491クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/02(水) 22:21:48 ID:BTYc3OxE0
おれには生暖かい視線を送る事しかできない……がんばってくれ!

13501クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/03(木) 00:21:42 ID:dRk4D./k0
>>1348
超簡単だけど、こんなのでよければ……。
ttp://blogimg.goo.ne.jp/user_image/53/1c/ea3f48059e856ff39ee33cfd1825c952.jpg

1351支給品次第で参加者のモチベが変わるのは必然である:2008/01/03(木) 00:28:31 ID:7A10wUjo0
知ってるか?
パロロワ参加者は三つのタイプに分けられる。

マーダーになって殺戮を自ら進んで行う奴。
主催に反旗を翻し、ロワの破壊を目論む奴。
そして、そんな現状を把握できずに居る奴。

俺か?
ああ、俺は…………



「って、それっぽいこと語ったはいいが……」
廃墟地帯の一角にある廃工場。
その作業員詰所にて、高校の制服に身を包んだごくごく平凡な容姿の少年が座りながら、頭を抱えていた。
「俺は……どうすりゃいいんだよ……」
頭を抱える原因はそう、彼の目の前におかれた支給品にあった。
……いや、“品”と言い切るのはいささか不適切であろうか。
それは意志を持っていたのだから。
「まぁ、元気出しなよ、影丸君」
「……いや、お前が原因で落ち込んでるんだけどな、うん」
影丸と呼ばれた少年は、目の前を改めてみて、もう一度頭を抱える。

彼の目の前にいたのは、青い狸、もしくは起き上がり達磨のような容姿をしたロボット。
世間一般的に“ドラえもん”と呼んだ方が分かりやすいだろう。
(余談ではあるが、彼の声は多くの書き手諸氏にとって馴染み深いであろう大山のぶ代氏のままであった)
ドラえもんといえば、そのお腹の四次元ポケットから取り出す無数の秘密道具が何よりの強み。
事実、影丸少年――意外な影丸?氏――が書き手として参加していたアニロワ1stでも、秘密道具は終始活躍していた。
つまり、裏返してみれば、秘密道具こそがドラえもんの要。
それなのに、劇場版の多く、そしてアニロワ1stにてそうであったように少年に支給されたドラえもんの腹には、その夢のたっぷり詰まったポケットは存在していなかったわけで……

「秘密道具なしのドラえもんなんざ、仮面の無いハクオロ、斬鉄剣を取られた五ェ門より意味が無いじゃないか」
「うう、ひどいや影丸君……」
影丸少年は、溜息をついて机に突っ伏す。

すると、その拍子に机の上に置いてあった一枚の紙が床にひらりひらりと落ちてしまう。
その紙は、支給品と一緒に入っていたものであり、こう書かれていた。

――あなたの支給品はドラえもんよ by玉子――


【I-2・廃工場/深夜】
【意外な影丸?@アニロワ1st】
【装備】:なし
【道具】:ドラえもん(四次元ポケットなし、CV:大山のぶ代)
【所持品】:支給品一式
【状態】:健康。呆然
【思考・行動】
1:ど う し た ら い い ん だ
【備考】
※容姿はキョン@涼宮ハルヒの憂鬱です。

13521クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/03(木) 00:29:57 ID:ZQw/vbn20
どうすればいいんでしょうか的にGJ

13531クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/03(木) 00:32:20 ID:7A10wUjo0
未登場キャラをいつまでも残しておくなんてとんでもない!

というわけで書いてみました。
残り一人も早く誰か書くンダ!

13541クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/03(木) 00:37:35 ID:EqpV/T2M0
四次元ポケット無しのドラえもんなんて、身代わりにもならないw

13551クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/03(木) 00:51:04 ID:xr4XVkfs0
残り一人今書いてる。出来次第投下するよ。

13561クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/03(木) 00:55:06 ID:TrmlPtV20
どのキャラが割り当てられるか想像しながらwktkしてまっす!

1357月下の騎士の虎退治:2008/01/03(木) 01:12:06 ID:xr4XVkfs0
ムティカパになったカオちゃんはひたすら森を進んでいた、目的もないまま。
「ウルトは遅いな……まさかあんな奴にてこずってるんじゃないのか? まったく仕方ない奴だ」
そうウルトのことを心配してるカオちゃんの前に一人の女が居た。
その少女はこちら気付かないようで後ろを向けたままだ。
「なんかムカツクから……食べちゃおうか、B−4では普通に人、食ってるし」
そう思ったカオちゃんは隙だらけの女に向かい駆け出し今、爪を向け襲い掛かろうとした。

だがその隙はその少女がわざと作り出したもの。
背後に向かってる来るものを討つため。
そしてその女は瞬時に振り返り持ちたる得物―永遠神剣「誓い」―をカオちゃんに向け繰り出した。
「ほあ!?」
「……ちっ、仕留められなかったか」
だがその攻撃をカオちゃんは身を翻し、間一髪避けた。
カオちゃんは目の前の女に吼える。
「お前何もんだ!」
「喋る虎とは珍しい……私の名は無明幻妖side. 貴様を狩るものだ」
「貴様ぁ!」

無明幻妖side. は不適に笑い
「まさか会うのが虎とは……まあいい。さあ始めるか、虎退治を」

カオちゃんに向けて突撃した。

【黎明】【A−5森】
【無明幻妖side.@アニロワ1st】
【装備】:永遠神剣「誓い」
【所持品】:支給品一式(ランダムアイテム残り二つ)
【状態】:健康。
【思考・行動】基本:ゲームには乗らない。マーダー積極的にに排除
1:虎退治。
【備考】
※容姿はシグナム@リリカルなのは

【The god of chaos@葉鍵3】
【状態】ムティカパ化
【装備】爪
【道具】支給品一式、アヴ・ウルトリィ(ウルトラマン)、アヴ・カミュ(カミーユ)
【思考・行動】
基本:常に快楽を求める
0:この女を食う。
1:ガチホモ・ガチレズ・陵辱からお笑いまで何でも(楽しめるなら)可!
2:駄洒落でカミーユとウルトラマンを呼び出せたぞ。神様ってすげー
3:後付設定多いけど気にすんな!
4:ヘタレ?もうどうでもいいや
5:6/を俺様のライバルに認定だ!



※アヴ・ウルトラマンは本物のウルトラマンと同じ性能。生身なので中には搭乗できません
※ヘタレ(鳴海孝之)は無事に逃げたようです
※できればカオちゃんと呼んで欲しいようです
【その他:U-1SSとは】
U-1とはKanonという昔の感動系エロゲーの主人公「相沢祐一」のこと。



原作においては特殊な能力など何も持たない一般学生だったが二次創作においては最強の魔術師だったり暗殺者だったりMSパイロットだったりでクロス先の世界の強敵を蹂躙し(シャアの乗るジオングを秒殺とか)、そこのヒロイン連中や主役級キャラに惚れられたり尊敬されたりする。そういう最強化改竄祐一が通称U-1だ。



型月世界とクロスした場合はゼルレッチや青子の弟子やって、埋葬機関や27祖からも一目置かれる退魔師とかやってることが多い。
以上。

13581クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/03(木) 01:12:40 ID:xr4XVkfs0
これで全員でたかな?

13591クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/03(木) 01:28:54 ID:WBoNa3IcO
たぶん全員でたんじゃないかな
あと、これって上で出てる雑談スレとか、本編に出てた死者スレとかいるのかね?

13601クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/03(木) 01:37:44 ID:HJ/pz2pU0
いつの間にかまとめwiki収録の各話に位置座標入ってるのな。

1361蟹座氏の憂鬱:2008/01/03(木) 01:49:37 ID:5s1VBDv.0
「コスプレじゃない・・・コスプレじゃないもんね・・・」
森の木陰で蟹座の黄金聖闘衣を着衣しようとする少女。
場内満場一致コールで美景扱いな蟹座氏だった。
とりあえず戦う術という意味でも、この衣は装備して自衛を図るべきなのだが。
一応、うら若き乙女な蟹座氏はせめて着替えるところを探すが、近場は森ばかりで。
「・・・うん、誰も見てない。見てないよね」
その言葉こそが覗きフラグなのだが、誰も突っ込まない。今はそうやって突っ込む人はいない。

衣擦れの音。
恥ずかしげな吐息。
着ている衣服を脱ぎ。
聖闘衣を着て・・・

「って、やっぱり着れるか、こんなのーーーーーー!!!!」
すぐに地面に叩きつけた。
ガシャンと音を立て、そしてデイパックの中に戻っていく。
高速で元の服に着替える。はあはあ、と荒い息をつきながら膝を抱えた。
「だって、だってさ・・・分かってるよ、このままじゃ、ってのは分かってるよ・・・だけどさぁ!」
シクシク、と嘆く。
森の中、静かに顔を埋めて自分の不運に涙する。

「これでコレ着たら、自分で蟹座氏って認めるようなもんじゃないかーーーーーっ!!!」

遅いのだが。
既に定着の仕方が異常なのだから。
僅か四日で定着し、しかもそれからの行動で数々の渾名をつけられた。
その種類は恐らく、あのお姉さまに勝るとも劣らない。
「・・・支給品、他の支給品」
デイバックを思いっきり開けてみる。

『僕は富竹、フリーの』
「フリーの時報はまたの機会に!!」

まったく何てことだ、と蟹座氏は溜息をついた。
ほとんど書いていたのが自分で登場させたのも自分だが、よりによって支給品として付いてくるとは。
どうせなら桑古木のほうがよかった。設定的に強そうだから。
まあでも、盾にはなるような気がする。きっと『時報はもう嫌だぁぁああっ!!!』とか言って消えていってくれるに違いない。
「あれ・・・? もしかして、まともな支給品が、ない?」
それは燃え展至上の蟹座氏にとっては致命傷に近い。
たとえ弱者でも意地があることを知らしめたい、それが蟹座氏クオリティだ。
だけどまともな支給品がないと、展開以前の問題になってしまう。
「だから・・・蟹座じゃ・・・ナレーター・・・」
もうボロボロだった。遠くどこかの誰かにツッコミを入れるぐらい。
一縷の望みを込めて最後の支給品。
取り出すとボタン出現。
あー、これってうちの文化だったっけねー、っと投げやりにボタンを押してみる。


『いやっほぉぉぉおおおう、蟹座のONiぃ様、最高ーーーーーっ!!!!!』


「うわぁあああああああぁぁあああんっ!!!!」
様々なものに絶望しながら蟹座氏は走る。
彼女の明日は果たして、どっちだ。


ちなみにだが。
彼女の渾名は『蟹座氏』『カニ座氏』『三代目うっかり侍』『蟹座のONiぃ様』『毘沙門天』などなど。
最後の支給品はチャット内で蟹座氏が狂化した際に用いられた、鉈(本人曰く、バトルマスターの形見)なのだが。
基本的に支給品は三つまで、という常識に囚われた彼女は、その存在にまだ気づかないようだ。

蟹座氏の憂鬱と苦悩はまだ続くようだった。


【C-3 森/開始直後】

【蟹座氏@ギャルゲロワ】
【状態】へこみ、Lv2
【装備】無し
【道具】支給品一式、蟹座の黄金聖闘衣、最高ボタン、富竹時報、鉈
【思考・行動】
基本:仲間と共に主催者を倒す
0:うわぁあああああああぁぁあああんっ!!!!
1:蟹座じゃない、蟹座じゃないもんね・・・蟹座じゃないんだってば!

※外見はつよきすの蟹沢きぬ(カニ)です
※最高ボタンには『いやっほぉぉぉおおおう、蟹座のONiぃ様、最高ーーーーーっ!!!!!』というハクオロの声が流れます。
  シークレットボイスにも何かあるかも?

13621クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/03(木) 01:52:59 ID:5s1VBDv.0
ネタにしてごめん
でも反省していない、時間帯は深夜に変えといてくださいw

13631クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/03(木) 01:54:41 ID:vNZJKyC20
壮絶に吹いた
蟹座氏最高ボタン、しかもハクオロさんの声とかw

>シークレットボイスにも何かあるかも?
絶対まともなものじゃねーだろwwww

13641クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/03(木) 01:59:37 ID:WBoNa3IcO

さすが蟹座氏だ!俺たちの期待に十二分に答えてくれたぜ!

13651クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/03(木) 02:15:44 ID:/pyisN4Q0
全員コンプ乙
これで安心して眠れるぜ

>>1359
死者スレ兼雑談スレでよくね?
かなりの確率で死者の中の人が自虐ネタを披露しに現れるだろうし。

13661クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/03(木) 04:51:15 ID:HCaBRz0E0
そういえばまとめwikiによるとカオちゃんことThe god of chaosが
登場話数頭一つ抜きん出てるんだな

13671クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/03(木) 12:12:27 ID:QZIuO15g0
オチ担当の便利屋として主に他のキャラを立てるのに使われてるけどなw

13681クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/03(木) 22:03:15 ID:dRk4D./k0
MAPの上に現在位置をのせてみました。
ttp://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6d/44/c4928a0abc7aa778135d36c01d6b1340.jpg

13691クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/03(木) 22:24:09 ID:WBoNa3IcO
>>1368
おお、乙!
しっかしかなり密集地帯あるなぁ〜

13701クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/03(木) 22:24:57 ID:djdsgb8Y0
乙です

13711クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/03(木) 22:26:33 ID:aY4EGqdA0
誰がやったか知らんが、ブリリアント・ダイナマイト・ネオンをBDNと略すあたりわかってるねぇ

13721クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/03(木) 22:28:09 ID:TrmlPtV20
乙です!俺の周りはそんなに人いないな…。
つか名簿がカオス過ぎて笑えて来るw

13731クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/03(木) 22:29:25 ID:2.hHe7I60
GJ!
全員出そろって少し落ち着きそうだが、次はどの辺りが動くかな。
密集地はホテルと学校、妙に多いG7だが、森も全体としてはかなり抱えてるんだよな。
……さくっと第一回目だけ特別に早い第一回放送する手もあるが。

1374ゼットン:2008/01/03(木) 23:05:04 ID:k2Sampgk0
 鬱蒼と生い茂る森を進む漆黒の龍。
 彼の持つカードデッキは、蝙蝠のモンスターを雨露に映し出す。
 奇妙な鳴き声を聞きながら、命を常に狙われる緊張感とはこうなのだろうかと思い、思わず唾を飲む。
 しかし、すぐに頭を振って移動を開始する。
 諦めてはいけない。殺し合いを止めなければならない。
 彼が描いてきた仮面ライダーが願い、その願いを彼らはかなえた。
 次は自分の番だ。仮面ライダーにも負けない仲間を作って見せる。
 大丈夫だ。きっとこの殺し合いに反対するような人たちばかりだから。
 漆黒の龍はそう信じて疑わなかった。



 獲物を求めてさすらう獣。
 彼、蘇った現代の熱血怪人はただかだと笑いながら木々をくぐり抜けていた。
 奇襲を仕掛ける。彼の考えとは逆に、目立つこと仕方のない移動の仕方だ。
 だが、彼の思考は正常。
 他ロワ書き手《異教徒》を殺す。それが漫画ロワと自分のためになると彼は信じて疑わない。
「フハハハハハ! フハハハハハハハハハハハハ!!!」
 彼の笑い声が木々に木霊し、血走った目に茶髪の現代人風な青年が映る。
 脅威的な視力ゆえ、声が届くような距離ではない。ピタリと笑い声をやめ、一気に跳躍する。
 横合いから切りつける? 柄ではない。

「ぶぅるぅああああああああああああああああああああ!!」

 アーメン。漫画ロワに幸あれ。
 彼の狂気の笑い声は、祝福の言葉でもある。



「のわっ!!」
 漆黒の龍が身体をのけぞらせると、弾丸のような勢いで影が通り抜ける。
 カードデッキが弾かれ、男が踏んでそびえ立つ。
「し、神父様?」
「黙れ、他ロワ書き手《異教徒》め! 漫画ロワに属しない貴様は邪魔だ!
もっとも、俺が生き残るのを邪魔するなら、漫画ロワの書き手でも容赦はしないがな」
「……あんた、このライダーバトルに乗ったのかよ!!」
 シィィィィと口から瘴気を出しながらバヨネットを構える熱血怪人。
 漆黒の龍は震えながらも、デイバックを片手に立ち向かう。
「なら、俺があんたを止める! カードデッキはそっちだけど、こっちにも切り札がある!」
「ほざけぇぇぇえ!!」
 迫る熱血怪人を何とか避け、漆黒の龍は神速の速さで自らに支給されたアイテムを着込んだ。
 脅威的なスピードで『それ』を装着した漆黒の龍が構えをとる。
「いくぜ! 多分、どこかの特撮ヒーローであろう、日本一のがんがんじいが相手だ!」
 日本一の旗が夜風になびき、胸に二つのG。
 銀の鎧に武者のような兜。かえるのような不細工な姿。
 がんがんじい。そのヒーローは……

1375ゼットン:2008/01/03(木) 23:05:25 ID:k2Sampgk0
「行くぜ! どりゃぁ!!」
「……ぶぅるぅああ」
 勢いよく吹き飛ぶ漆黒の龍。自分の速さが一切速くならないことに戸惑う。
「な、何だよこれは!! 特撮ヒーローじゃないのか!?」
 そのヒーローは、スカイライダーにおけるボスボロット的存在。
「こうなったらやけだ! エクスカリバーをくらえ!!」
 彼の振るったエクスカリバーが熱血怪人に迫る。
 熱血怪人はバヨネットを横になぎ払うと、あっさりとエクスカリバーは折れた。
「お、折れたぁぁぁぁぁぁ!!」
 彼が持つ剣はエクスカリバーではない。エクスカリパーだった。バッタもんだ。仮面ライダーなだけに。
 漆黒の龍。彼支給品を確認しながらも、説明書には目を通さなかった。
 彼は申し分ない正義感の持ち主だ。
 しかし、彼は……馬鹿だった。


「ひでぶ!」
「他ロワ書き手《異教徒》よ、小便は済ませたか? 神様に祈りは?
部屋のスミでガタガタふるえて命ごいをする心の準備はOK?」
「ちくしょう……俺は認めねえぞ!」
 ゆらりと嬲るように迫る熱血怪人を見据えながらも、漆黒の龍は抵抗をやめない。
 なぜなら、彼は正義の味方、仮面ライダーを描いてきたのだから。
「ぶるぅ……なっ!」
 熱血怪人がのけぞる。彼の回りを赤いカブトムシ型の機械が牽制をしている。
「カブトゼクター……?」
 突如、轟音が轟き、土砂が吹き飛ぶ。
 振り返ると、植物のような暮らしをしたそうな男が派手に現れた。

「天が呼ぶ! 地が呼ぶ! 人が呼ぶ! 愛を語れと俺を呼ぶ!
聞け、住人共……俺は愛の伝道師……◆rnjkXI1h76!!」

 決まったと快楽に身体を震わせる男。
 快感に身を包んだまま、彼はカブトゼクターを掴んだ。
「変身!!」
『HENSHIN』
 金属片を身に纏い、銀と赤の鎧を形成する。
 漆黒の龍はその戦士の名を知っている。仮面ライダーカブト。
 そのマスクドフォームと共に、彼は背後にドドドドドドドという効果音を出しながら『キラークイーン』を出した。
「俺の愛を受け取れ!!」
 突如爆破する地面。
 実は、一回かぶとに変身して地面を触っていたのだ。派手な演出が好きらしい。

1376ゼットン:2008/01/03(木) 23:06:00 ID:k2Sampgk0
 もっとも、カブトのライダーとキラークイーンの組み合わせの反則さに愛の伝道師は気づいていない。愛を伝える為に。
 ちなみにどのぐらいやばいかというと、クロックアップは加速装置。時の流れをゆっくりとする機能。
 キラークイーンの能力+ザ・ワールドのごとくなのだ。
 そんな危険な相手に熱血怪人は地面を蹴って迫る。
 愛の伝道師は余裕でカブトゼクターの角を倒す。
「脱衣<キャストオフ>」
『Cast Off』
 飛び散る銀の鎧の破片が熱血怪人に命中する。
 吹き飛んでいく熱血怪人を前に、愛の伝道師は赤いカブト虫の戦士へと完全変態を終了させていた。
『Change Beetle』
 油断なく構える愛の伝道師。しかし、熱血怪人の姿は無い。
「いったか」
「あんた……ライダーロワの書き手か?」
「いや、違う。俺は漫画ロワの書き手、愛の伝道師だ!」
「まあ、いいや。俺は漆黒の龍。よろしくな」
「うむ。お前に愛を伝道しよう。ところで、それを脱いだどうだ?」
「分かった。よいしょっと。……あれ?」
 マスクを脱ぐのに苦労する漆黒の龍。
 愛の伝道師は仮面の下で怪訝な表情をした。
「どうした?」
「ぬ、ぬげねー!!」
 漆黒の龍のマヌケな叫び声が響いた。

1377ゼットン:2008/01/03(木) 23:06:16 ID:k2Sampgk0

【黎明】【B-3 森】
【愛の伝道師@漫画ロワ】
【装備:『キラークィーン』@漫画ロワ カブトゼクター&ベルト@ライダーロワ】
【所持品:支給品一式】
【状態:健康】
【思考・行動】
基本:天の道を往きながら愛を語り伝える
1:植物の様に静かに暮らすつもりはない
2:漆黒の龍に愛を伝道する
※黒い皮手袋に、赤いジャケットを羽織った吉良吉影です


【漆黒の龍@ライダーロワ】
【装備】カードデッキ(ナイト) がんがんじいスーツ(脱げない)@特撮ロワ
【所持品】支給品一式 折れたエクスカリパー
【状態】健康
【思考・行動】:生き残りたい
1:態勢を整えたら町へ向かう。
2:同じライダーロワの書き手と合流する。
3:『蘇った現代の熱血怪人』『派手好き地獄紳士』『ステルス鬼畜』『マスク・ザ・ドS』に警戒する。
4:ぬ、脱げない。
※外見や声は城戸真司です。
※がんがんじいスーツが脱げません。


【蘇った現代の熱血怪人@漫画ロワ】
【装備:バヨネット×2】
【所持品:支給品一式】
【状態:全身に無数の穴、自己回復中】
【思考・行動】
基本:優勝して帰る。迷いは無い
1:ぶぅるぅああああああああ
2:とりあえず傷を癒やす
3:他ロワ書き手(異教徒)と一般人(化け物)は鏖
※イスカリオテの制服@ヘルシングに身を包んでいます。顔や髪型までアンデルセンではありません
※声はアンデルセン、髪型は本郷猛、顔は村雨良です

13781クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/03(木) 23:06:56 ID:k2Sampgk0
この二人が近くにいたんで思わずやった。
後輩はしていない。

13791クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/03(木) 23:19:47 ID:2.hHe7I60
キラークイーンも二つ目出たか。
……でもこっちは馬鹿だ、もの凄くw GJ。

1380噛み合わない二人+α ◆0RRqL7JorI:2008/01/03(木) 23:55:26 ID:AEPH6Lgk0
「クライシス帝国の悪魔め!俺の正義の歌を聞け!!」
「うるせーよ!クライシス帝国に訴えっぞ!」
影の繋ぎ手によって地獄のコンサートに招待される事になったボンボン系の書鬼。
ボンボン系の書鬼の安眠を妨害した事を、影の繋ぎ手が気付かないだけだが。
「真夜中に絶叫すんな!近所の迷惑ぐらい考えろよ!」
「こんな罪の無い猫まで改造されていたとは……おのれクライシス!悪に生きる道は無いと思え!」
「だからクライシス帝国って何だよ!それに大体、あんたはどのロワの書き手なんだよ!」
果たして、ロボライダーこと影の繋ぎ手はその事実に気付く事ができるのか!
そして、その様子を冷やかに見つめる謎の男の正体とは!?
「全ては読み手と、書き手ロワの繁栄の為に……!!」

【黎明】【D-6 ビルの上】
【影の繋ぎ師@ライダーロワ】
【装備】:サタンサーベル@ライダーロワ、シャドーセイバー@ライダーロワ
【道具】:カラオケマイク@現実
【所持品】:支給品一式
【状態】:健康。クライシス帝国への激しい怒り。ロボライダーに変身中。
【思考・行動】
1:ぶ っ ち ぎ る ぜ
2:殺し合いには乗らない
3:目の前のクライシス帝国の手下を倒す
【備考】
※変身体はシャドームーンです。
※いきなりロボライダーに変身可能になりました。ぶっちぎりです。

【ボンボン系の書鬼@アニロワ2nd】
【装備】:内臓火器(ミサイル)。何でも切れる剣@サイボーグクロちゃん
【道具】:なし
【所持品】:支給品一式(未確認)
【状態】:健康。目の前の変身に戸惑い。
【思考・行動】
1.なに? こいつ?
2.不貞寝したい。
3.とりあえず逃げよう。

1381噛み合わない二人+α ◆0RRqL7JorI:2008/01/03(木) 23:59:19 ID:AEPH6Lgk0
【◆6/WWxs9O1s@カオスロワ】
【D-6 ビル街】
【状態】岸田洋一
【装備】ダイナマイトたくさんとライター
【道具】支給品一式、他にもなんかあるかも
【思考・行動】
基本:参加者に変身して色んな奴の誤解フラグをばら撒く
1:ククク、こいつは面白そうだな…
2:書き手ロワの繁栄に尽くす。
※変身能力があり、誰にでも変身できます
※主催者によってジョーカーとして召喚されたっぽい。

名簿に記されていなかったので主催者側として動かしてみた。

13821クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/04(金) 00:23:14 ID:/H33FTMQO
結局ジョーカーが参加者たちに包囲されて追い詰められる様が目に浮かぶぜww
つーか一人だけ書いたSSの内容と全然関係のない能力だなw

1383 ◆0RRqL7JorI:2008/01/04(金) 01:03:18 ID:DGIUaCeo0
スマソ。まとめに掲載する際にはこの一文を追加してくれ。

そう言うと、男の姿はギャグ将軍と同じ姿に変わっていた。

【◆6/WWxs9O1s@カオスロワ】
【D-6 ビル街】
【状態】ギャグ将軍
【装備】ダイナマイトたくさんとライター
【道具】支給品一式、他にもなんかあるかも
【思考・行動】
基本:参加者に変身して色んな奴の誤解フラグをばら撒く
1:ククク、こいつは面白そうだな…
2:書き手ロワの繁栄に尽くす。
※変身能力があり、誰にでも変身できます
※主催者によってジョーカーとして召喚されたっぽい。

◆6/WWxs9O1sの状態表のみ、上記に訂正してください。

13841クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/04(金) 14:06:07 ID:DttBNDmg0
むう、止まってしまったorz

1385支給品以外でも登場の仕方はある:2008/01/04(金) 15:09:04 ID:/eN7qvWM0
◆MJv.H0/MJQは後悔していた。数分前に聞こえた>>1からの2号氏の最後の言葉
そして最強奥義、『トライエース』の発動…これらのことから考えられることは一つ。

「先輩…あなたが拡声器を使うことになるなんて…なんで僕じゃなくて先輩が…
やっぱりあの時に多少強引でも僕が使っておくべきじゃなかったのか…!ちくしょううぅぅ!!!」

そうして◆MJ(ryが叫んでいると、どこからともなく声が聞こえてきた。


「◆MJv.H0/MJQ……◆MJv.H0/MJQ……私の声が聞こえるか……」


いきなり自分の近くから何者かの声が聞こえてくることにビビった◆MJがせわしなくあたりを見渡すが
誰もいない。これはただの空耳か?それともついにあっちの世界に精神がイってしまったか?


「◆MJv.H0/MJQ……◆MJv.H0/MJQ……私の声が聞こえるか……」


いや…違う。この直接頭の中に響いてくるような声…こういう声の正体はRPGではたいてい決まっている
――それは!

1386支給品以外でも登場の仕方はある:2008/01/04(金) 15:10:38 ID:/eN7qvWM0
「まさか、あなたはトライアさm「残念だが違う。まあ似たようなモノではあるが。名乗り出るわけには
いかないのだよ、表立って参加していない我らは」」

そうして自分の頭の中で聞こえてくる声と会話を続ける◆MJ。傍から見れば典型的な電波デンパ
デンパッパな男にしか見えないが、そこは触れてやらないのが優しさ。

「えーと、つまりあなたはこのロワに参加できなかったRPGのエライ人…そうですか?」

沈黙。

「名乗り出るわけにはいかないと言ったばかりなのだが……さて◆MJよ、我らが現れた
理由は一つだけ。それはこのロワに参加すること!しかし、今さら参加者としてはあまりにも
空気読めなさすぎるので、支給品として登場しようというわけだ。そこで、支給品が不明で
RPGに縁のある君が選ばれたということだ。さあ、ディパックを開けてみるといい……」


そう言われて◆MJがディパックを開けてみると、中からは装備品が二つ。

チェーンソー
えいゆうのたて

………あれ?

「あのすいません、一つ足りない気がするのですが」

思わず聞き返してしまう◆MJ。支給品が当たりの部類に入るのにも関わらずさらに要求する辺りは
他人の家でも容赦なく漁るRPGロワの出身である。

「おや、よく気付いたな。さすがにCOMPは幅が広すぎるので却下したが、そのかわりに素晴らしい場所を
用意した。現在地を右に曲がったところにある施設に行ってみるといい。さて…そろそろ時間だ。
頼んだぞ◆MJ、これらの支給品とあの施設を使いこなし、我らもパロロワの一員であることを
ほかの参加者に知らしめてくれ……!」

そういってポロロkk…もとい、他ロワのエライ人の声は聞こえなくなった。そのまま◆MJは言われた
通りに右へ曲がってみると……その施設はあった。

1387支給品以外でも登場の仕方はある:2008/01/04(金) 15:11:43 ID:/eN7qvWM0
「ははは…確かに支給品より目立つなぁ…」

その施設の名は



―― 邪 教 の 館 ――



そしてその脇で頭を抱えている少年が一人。



【黎明】【H-5 邪教の館前】
【◆MJv.H0/MJQ@AAAロワ】
【状態】地味に健康
【装備】チェーンソー@サガ1、えいゆうのたて@FF6
【所持品】支給品一式
【思考・行動】
1・目立つ!
2・あれ?持ち物に存在感負けてね?
3・コ、コンゴトモヨロシク…?
【備考】ルックスは地味な好青年風ですが、地味なため比較できるキャラがいません

※えいゆうのたてには×10アルテマ、つまり通算で10話以上所持しているとアルテマが
習得できます。魔力っぽいステータスや、触媒があれば使用可能です。


【黎明】【H-5 邪教の館前】
【転@スパロワ】
【装備:不明】
【所持品:支給品一式、転ばし屋、ビッグモス@ビーストウォーズ、ほか未確認】
【状態:健康】
【思考・行動】
1:ビッグモスってビッグマックのモス版じゃね?
2:コロンビーヌって転びそうな名前じゃね?
【備考】
※少年です。それ以外のことは後続にお任せ
※転ばし屋はトリップ名でしか動きません

13881クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/04(金) 15:13:49 ID:/eN7qvWM0
場所が離れているのはあの三人の現在地で▽にしたかったから。

13891クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/04(金) 15:25:35 ID:/eN7qvWM0
しまった、間違えた。状態表をこちらに訂正

【黎明】【H-5 邪教の館前】
【転@スパロワ】
【装備:不明】
【所持品:支給品一式、転ばし屋、ビッグモス@ビーストウォーズ、クマのプー太氏、ほか未確認】
【状態:健康】
【思考・行動】
1:クマのプー太なのにネコミミっておかしくね?
2:ビッグモスってビッグマックのモス版じゃね?
3:コロンビーヌって転びそうな名前じゃね?
【備考】
※少年です。それ以外のことは後続にお任せ
※転ばし屋はトリップ名でしか動きません

13901クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/04(金) 15:42:58 ID:e5RGT41c0
このカオスな参加者を合体で更にカオスれと申すか

13911クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/04(金) 18:25:07 ID:lh4HFkQsO
投下乙。とりあえずプー太氏逃げてー
悪魔絵師にされてしまうw

13921クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/04(金) 19:02:43 ID:aTPGCn4s0
なんか合体事故起きそうじゃね?w

1393ありえたかもしれない死闘:2008/01/04(金) 19:38:59 ID:tNnfUaYQ0
ミスターマダオが仲間を求めて歩き出して暫くすると……

いきなり剣が降ってきた。それも、かなりの速度で。

その剣に真っ二つにされるかと思われたが、

「やれやれ、いったいなんだこれは?」

しかし、そこはアーカードの身体能力を持つミスターマダオである。
剣が風を切る音を察知すると、すぐさま回避行動に移り、難なくそれを避けた。
よく見るとそれは剣と言うにはあまりにも大きすぎた。
大きくぶ厚く重く、そして大雑把すぎた、それはまさに鉄塊だった。

「敵襲か?
 ここでマーダーを待つのもいいが、まずは仲間集めを優先するとするか」

そういってマダオは更に歩を進めていった。

 ◇ ◇ ◇

暫くしてこの剣は、ある書き手が発見する事となる。
そして神行大保の速さで駆け抜けていった。
その書き手は、とある吸血鬼――アーカードとの死闘を望んでいた。
マダオが待っていれば、それが実現したかもしれないが、結局はまたしても稀代の死闘は起きなかった。



【ミスターマダオ@漫画ロワ】
[状態]健康、強い決意
[装備]パニッシャー(機関銃:残り弾数100%、ロケットランチャー:残り10発)
[道具]なし
[所持品]支給品一式、確認済みアイテム1〜2
[思考・行動]
基本:殺し合いには乗らないが、マーダーは犬の餌
1.友情!仲間を探すぞ!
2.努力!首輪をどうにかするぞ!
3.勝利!見てろよ主催!

※アーカード(ロリ状態)の姿をしています。身体能力も同様です。

1394ありえたかもしれない死闘:2008/01/04(金) 19:42:15 ID:tNnfUaYQ0
ちょっと思いついたんで投下してみました。
初めてロワに作品を投下したんですが、
SS作るのって難しいですね。
改めて書き手の苦労と努力を感じ入りました。

13951クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/04(金) 19:54:05 ID:050u8c2.C
投下乙!
今日は投下されたのが両方自分で吹いたwwww

1396吼える男:2008/01/04(金) 22:35:07 ID:uLM.3UqQ0
開始間もなく二人の同ロワ出身の書き手を倒したエース。
エースは武装錬金を待機状態にし、スタンドは引っ込め、ジャッカルを片手に持ちながら移動していた。
辺りをギロギロとした瞳で警戒しながら徘徊するエース。
その瞳は某反逆の人のように鋭い瞳。
いや、瞳だけでなく、身体つきや顔つきも謀反逆の人、カズマさん! に似ている。
そう。初投下でいきなり人気キャラのカズマさん! 死亡話を手がけたエースの容姿はカズマさん! そのものだったのだ。
ストライカーになるために黙々と歩き続けるエースの視界には未だ獲物は現れない。
そんなエースの瞳には諦めの文字など見えやしない。
「他の野郎と協力する……そんな弱い考えに俺は反逆する!
あぁそうさ! 俺はストライカーを目指す男だ! そんな俺が『協力する』だと!?
絶対にノゥだ! それしかねぇ!!」
大声をあげて、更に大股で歩き出すエース。
だが、エースは初投下でカズマさん!死亡を手がけただけでなく、同時にあの外道アミバの改心フラグを回収に成功した男。
その事がどんな意味をもたらのか、それは誰にもわからない。

【深夜】【C-5 町】
【エース@漫画ロワ】
【装備:不明】ピーキーガリバー マジシャンズレッドのスタンドディスク ジャッカル
【所持品:支給品一式×2】
【状態:健康】
【思考・行動】
基本行動方針:最強のストライカーと成る為、何者だろうとブチのめす!
1:どいつもこいつも俺のこの手で叩き潰してやる!
【備考】
※外見はカズマさん!です
※シェルブリット、進化の言葉が使えるかは不明です

13971クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/04(金) 22:36:19 ID:uLM.3UqQ0
かってにキャラ決めをしてしまった。
だが私は謝らないw

13981クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/04(金) 23:25:46 ID:exjLWY3AC
投下乙!
よりによってカズマでマーダーかよ!
これは期待できそうだw

13991クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/05(土) 20:15:40 ID:2zgkhiJc0
ああっ、急に流れが止まったw

14001クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/05(土) 21:17:26 ID:5Ar/UUzEO
いやネタはあるんだが、自ロワの方に時間を割いてしまうんだ。たぶん、他の書き手も同じだと思う。
ま、気長に待とうよw

14011クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/05(土) 22:08:06 ID:IFO2aBwY0
今までが異常すぎただけさw
自ロワはもうすぐ予約合戦だからそれが終わったらまた来るぜ!

14021クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/05(土) 22:14:11 ID:HNrLXPd6C
そろそろ鳥付けて予約制度とか

1403 ◆0RRqL7JorI:2008/01/05(土) 22:43:30 ID:ByL4u78k0
まとめwikiで最新話までのSS一覧を更新しておいた。

14041クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/05(土) 22:50:42 ID:sV1wBEWM0
おお乙です。やっぱりwiki編集してくれる人がいるとかなりありがたい。

>>1401
俺も予約合っs……って同じところかよw
とりあえず、週明けてからはこちらでもぼちぼちイかせてもらうぜ。

14051クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/06(日) 01:36:29 ID:gnATd3I60
「…………や……く……?」

「は?」
「何?」

林の中に、少女の声が響いた。
その声は決して大きいものではなく、むしろか細い、それこそ虫が鳴くかのような声だった。
しかし、何故だかその声は戦闘に突入する寸前の二人、
一目でドSと判るマスクを着けたマスク・ザ・ドS氏と、
ディスアストラナガンの外見をした結氏の耳に確かに届いた。

双方とも、現在戦闘状態であり、お互いから意識をそらす事など自殺行為でしか無い。
だが、二人とも、その『声』を無視することが出来ず、結果として戦闘態勢の書き手二人が、数歩進めば互いを攻撃できる位置にありながらその場で停止し、両者とも現在の敵を見ずに、同じ方向にいる俯いている少女、tu4氏の事を見据えていた。
それは、どんな異常だろうか。
戦闘中であれば…いや、常時でさえ聞き逃してしまいそうなほどの小さな声に、二人の書き手による戦闘が中断されるなどとは。
その、傍から見ていれば明らかに異常な事態は、
「「……」」
その当事者達にとっては、異常でも何でも無かった。

…いや、当人達にとっても「異常」であることには変わらない。
だが、その「異常」は、その場にいる人間にしか感じ取れぬ「異常」であった。

「…………予……」

――どこかから、まるで鍋を空焚きしたかのような、鉄の焦げる匂いがする――

「……約が…………」

否、何処かでは無く、それは少女の「縛られているはずの」両手から匂ってきている。

「あるん……ですか……?」

カラカラと、鍋をかき混ぜる音がする。
カラカラ、カラカラ、カラカラと、

―その音は、異常なものでは無い。
この殺し合いにおいて、tu4氏に課せられた制限、空鍋をかき混ぜ続けなければならない事情によるものだ。
その事を知っているドS氏の耳にも、知らぬ結氏の耳にも、先ほどから止まることなく聞こえ続けていた。

カラカラ、カラカラ、カラカラ、カラカラ、

―だが、その音は、これほど大きいものであっただろうか?

カラカラ、カラカラ、カラカラ、カラカラ、カラカラ、カラカラ、カラカラ、カラカラ、

―少女の顔の傍から発せられる音が、これほど大きくなるのだろうか?

カラカラ、カラカラ、カラカラ、カラカラ、カラカラ、カラカラ、カラカラ、カラカラ、

カラカラ、カラカラ、カラカラ、カラカラ、カラカラ、カラカラ、カラカラ、カラカラ、

空空、空空、空空、空空、空空、空空、空空、

―何故、この音は「辺り一帯から響いているように聞こえる」のだろうか?

空空空空空空空空空空空空空空空空空空空空

―その、激しくなる音に、二人とも気が付けば冷や汗を流していた。

14061クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/06(日) 01:37:21 ID:gnATd3I60
「よや…くが……」

―否、それは、冷や汗などでは無い。

空空空空空空空空空空空空空空空空空空空空空空空空空空空空空空空空空空空空空空空空

「あるんですか?」

―何故だろうか…酷く、空気が熱い。
ドS氏も、結氏も、気が付けば、全身に汗が滲んでいた。

空空空空空空空空空空空空空空空空空空空空空空空空空空空空空空空空空空空空空空空空
空空空空空空空空空空空空空空空空空空空空空空空空空空空空空空空空空空空空空空空空

―いつの間にか、周囲の温度が、上がっている。
そう、まるで「空焚きしている鍋の中に居る」かのように、加速度的に気温が上昇している。

空空カラ空空カラ空カラ空空空カラカラカラ空空空カラ空空空カラ空空空空カラカラカラカラカラ空空空空カラ空カラ空空空カラ空空空空空カラ空カラ空空空カラ空カラ空空空空
カラカラ空空空カラ空空カラ空空空空カラ空空カラ空空カラ空空空カラ空カラ空カラ空カラ空空空空空空空空空空空カラ空空カラ空空空空空カラカラカラカラカラ空空空カラカラ

最早、騒音にまでなった音の中で、
「予約が、あるんですね」
少女の、否『予約被りに定評のある』tu4氏の声だけは、何故か普通に二人の耳に届いた。
伏せられていた顔が、ゆっくりと持ち上がる。

その顔にある二つの球体は、おおよそ人の眼球とは呼びたくも無い色に染まっていた。
その、仮に『眼球』と称される物体を除けば、tu4氏の表情は普通の少女のモノだ。
それが、よりいっそう、少女の異常を引き立てる。

最早、呼吸すら困難な程の熱量の大気と、
両手で塞いでも何の効果も無い騒音の中、
それでもtu4氏は変わらない。
相も変わらず、口に咥えたお玉で空鍋をかき混ぜ続けている。
その両の腕を戒めていた鉄糸は、とうの昔に焼き切れ、真っ白な灰になっているにも関わらず、tu4氏は姿勢すら変えない。

そもそも、恐らくtu4氏には、何かをしているという意識すら無い。
ただ、「予約がある」という事態に対して、強いて言うなら『恐怖』しているだけだ。
だがその感情が、彼女の支給品の力を引き出す。

――永遠神剣第二位「空鍋」

チャットの雑談より生まれた最悪の武器の力が、今開放されようとして。

「あ、ありませんよ!」

瞬時に、異常の片鱗すら残さずに、消えた。

「よ、予約なんてある筈無いじゃないですか! リレーや小説じゃあるまいし!」
「そ、そうだぞ! 殺し合いにそんなものある筈が無いだろう!」

ドS氏の言葉を、結氏が肯定する。
そう、そもそもこの殺し合いが始まるときに、読み手は言った筈だ。
”予約は無い”と。
他ならぬtu4氏自身が、聞いた筈ではないか。

14071クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/06(日) 01:37:59 ID:gnATd3I60

「本当……ですか?」

だが、tu4氏は未だに半信半疑だ。
そして、二人にとっても、不思議な事に半信半疑なのであった。
予約など無いと知っている筈なのに、何故だかありそうな気がするのだ。

「ああ、本当だ!! なっ、そうだよなドS!」
「ええ、勿論そうですよ! ……ええと」
「ん、あ、俺はスパロワの結だ」
「ああ、はい。 ……そうこの結さんの言うとおり、予約なんてありませんよ!」

二人して、必死に予約を否定する。
本来敵同士なのだが、今はそんな事を言っていられない。
そして、

「…良かった……」

という言葉と共に、笑顔を浮かべるtu4氏。
その笑顔は、狂気に侵されたモノだけが成せる、酷く綺麗な笑顔だった。



「あら、手…外してくれたんですね…」
そうして落ち着いたtu4氏が、今更ながらに両手の自由に気付く。
当然のように、空鍋とお玉を手に持ち替えながら、
「ありがとうございます」
何故だか、ドS氏に礼を言った。

その言葉で、二人とも理解した。
さっきのは、無意識の行動であったのだと。
そうして一足早く理解し終えたドS氏は。
「ははは、礼には及びませんよ」
自覚されないように、首肯しておいた。

その、見様によっては微笑ましい光景を見ながら、
「……成る程、俺の勘違いだったという事か」
ポツリと、結氏が言った。

「「……は?」」
思わず聞き返すドS氏とtu4氏。
だが、それには構わず、
「ドSとその被害者だと思っていたが、痛めつけられておいて礼を言う辺り、ドSとドMだったのだな。
 しかも、その理解度は恐らくはカップル…!!
 ……邪魔をしてすまなかった」
一方的に告げて、結氏は踵を返す。
盛大に勘違いをしていたが、気付くことも無く、足早に。
この場から離れたいという意思もあってかちょっぱやで歩く。

そうして、
「えっ、ちょっと待っモガッ」
「ええ、理解いただけて幸いです」
後ろのやり取りには構わず、そのまま森の中に消えていった。

【黎明】【D-9 森】

【結@スパロワ】
【状態】汗びっしょり
【装備】なし 永遠神剣『存在』は草むらに落ちました
【所持品】支給品一式
【思考】
基本:まだ考えてない
 1:祝福…するぜ。
※外見は第三次スーパーロボット大戦のディスアストラナガン
※武器は没収されてます
※体と一体化しているアインソフオウル、メスアッシャー、ディフィレクトフィールドは使用可能

14081クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/06(日) 01:38:26 ID:gnATd3I60

そうして、その場には二人が残され。
「……えと、その……」
「ははは、怯える事はありませんよ」
そう、笑顔で告げながら、
カーンと
当然のごとく、空鍋を上空に蹴り飛ばした。

「ゴハッ」

吐血するtu4氏を眺めながら、
(絶大な力を持ちながら、ソレを自覚できずにいい様に玩ばれる美少女……これほどのいじめがいのある相手だったとは!!)
これまでに無い歓喜に包まれていた。
思わず零れる笑みを隠さず、
落ちてきた鍋をもう一度、今度はより高くまで蹴り上げた。


【黎明】【D-9 森】
【予約被りに定評のあるtu4氏@ギャルゲロワ】
【状態】瀕死
【装備】永遠神剣第二位「空鍋」、お玉
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】
 基本:予約制度がなくて嬉しい
 1:あばばばばばばばばばばばばばばばばばば!
 2:ドM……?
 ※容姿はSHUFFLE!の楓。
 ※制限により、空鍋をかき回すのを止めると死にます。
 ※『予約』の単語を聞いた場合、空鍋が発動します。威力は予約の状況によって変わります。


【マスク・ザ・ドS@アニ2nd】
【状態】歓喜、汗びっしょり
【装備】一目でドSと判るマスク(出展不明)
【道具】支給品一式、鋼糸@HELLSING
【思考】
 基本:Sっ気の導くままに
 1:素晴らしい……
 ※『表』と『裏』の人格を使い分けることで姿や能力が変化します。
 ※『表』:容姿は糸色望。明るいドS。能力は糸色望並。
 ※『裏』:容姿は黒一色のスーツを着る風浦可符香。黒いドS。能力は「ニンジャ」。

14091クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/06(日) 01:39:53 ID:gnATd3I60
予約の文字を見た瞬間に書き始めていた。
後悔はしていない。

でも謝罪します、ごめん。

14101クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/06(日) 03:32:05 ID:8JAJ9g5M0
永遠神剣『空鍋』の恐怖、来る。
剣じゃねー!?w

14111クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/06(日) 07:24:19 ID:TA1AF.3sC
第二位の永遠神剣とか普通に強すぎるw
下手したら書き手ロワが氏一人に終了させられるぞw

14121クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/06(日) 12:05:11 ID:K0hfi71w0
ちょっと確認したいんだが、マップの上下左右は繋がってるでOKなんだよね?

14131クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/06(日) 12:46:45 ID:mj55BxCQ0
ん?なんで?

14141クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/06(日) 12:51:36 ID:K0hfi71w0
いや、そのつもりで一本書いたんだが、違ってたら通らなくなるからさw

14151クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/06(日) 12:58:24 ID:ssNBrBfcC
多分>>1412はアニ2nd住人だからそう思ったんだろうなぁ。
しかし大抵のロワでは繋がっていないのが現実。
まぁどっちでもいいんじゃね?

14161クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/06(日) 13:19:18 ID:3UbHA.9kO
ちょいと前のレスで繋がってる云々言ってたし、いいんでない?

>>1415
俺も別ロワで気づかされたクチw
一番最初のロワでしばらく過ごすと、その設定が自分の中でロワの基本になっちゃうからなぁ。

14171クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/06(日) 17:50:16 ID:g9sDBYpY0
>>1410
永遠神剣は形が剣とは限らんからね
槍とか杖とか鞭とか融合型とか指輪とかそもそも形がないとか盛りだくさん

1418交錯していく雄と雌〜旅館で朝食を〜:2008/01/06(日) 18:13:37 ID:K0hfi71w0

「気がつけば、そこは温泉だった」

孤高の黒き書き手は、努力が報われた事に少しだけ涙していた。
生首状態にとなった直後は、どんなに叫んでも誰も来ない事に安堵していたが、
それから数時間後には、あまりに人の気配が無さ過ぎて恐ろしくなっていた。
想像して欲しい、だだっぴろい旅館の廊下で、生首だけポツリと放置されている光景を。
だから彼女は転がった。その先に誰か居ることを信じて、ゴロリゴロリと。
想像して欲しい、彼女が生首のままゴロンゴロンと懸命に転がる健気な姿を。

「えっと、ところで誰か居ないのか?」

首だけの状態で転がってきたため、景色が90度ずれている。
最初の一時間は気持ち悪くなっていたが、慣れれば案外平気なものだ。
その状態で目玉をぐるりと回転させ温泉を見渡すが、人影が見当たらない。

「あちゃ〜……ここも外れだったか」

序盤ならば、温泉に集まるものだと錯覚していたが、どうもそうではないらしい。
と、落胆する孤高の黒き書き手の視界の端に、黒いシルエットが浮かび上がる。
相手が誰だとも確認しないまま、孤高の黒き書き手は思わず声を掛けてしまう。

「えっと、本日は良いお日柄で!」
「まだ早朝ですが」

浮かび上がったシルエットが首を傾げる。
湯気の向こうに居たのは、かれこれ数時間温泉に浸かっていたシルベストリであった。
というか、彼は一度もここを動かなかったのだろうか?
そんな事情も知らず、孤高の黒き書き手は初めて人と会えたことに喜ぶあまり、自分の姿を忘れて温泉に飛び込んでしまった。

「わぷっ」

ばたつくための手足も無く、浮かぶ脂肪も少ない首の彼女はもちろん温泉へと沈んでいく。

「ちょ、たぶげべぶばばば……」
「助けざるを得ない」

つかつかと首に近づくと、それをムチムチな大胸筋を使い、大事そうに抱きかかえる。
盛り上がった逞しい胸板に抱かれ、孤高の黒き書はようやく呼吸をすることに成功した。

「げほっげほっ。あ、ありがとうございました」
「なに。気にすることは無い」

シルベストリの艶やかな鎖骨下筋に身を委ねながら、孤高の黒き書は礼の言葉を吐く。
助けてくれたという事は、殺し合いに乗っていない可能性が高いだろう。
仮に殺し合いに乗っていたとしても、この姿では抵抗なんて出来ない。
この数時間。生首のままで居たためか、孤高の黒き書は開き直っていた。
強く抱きかかえてくれているシルベストリの隆々とした胸に向き直ると、出来る限りの笑みで自己紹介を始めた。

「えっと、自分の名前は――」

1419交錯していく雄と雌〜旅館で朝食を〜:2008/01/06(日) 18:14:16 ID:K0hfi71w0
☆☆☆




「森を抜ければ、そこは旅館だった」
「なに言ってるのよ貴女」
「そうだ。森を抜けたら森があるはずなかろう」

焦ったドラえもんの呟きに対し、淡々としたツッコミが入る。
ちなみにツッコミを入れたのは、いつの間にかセットした椅子に腰掛けるギャグ将軍とコロンビーヌだ。
さらにはどこかからかテーブルを取り出し、その上にお茶を用意したり花瓶を添えたりしている。

「というか、なんで私達いっしょにいるんですか?」
「なんでって……なんでだったかしら」
「ほれ。このたい焼きを海に帰したいと、そちが申したからであろう」
「あ、そうだったわね」

ぺロリと舌を出しながらも、コロンビーヌの顔からは全く謝罪する気持ちが見えない。
だが、そんな事は気にしていないのか、ギャグ将軍も特に何も言わずにただただ頷く。
ただ一人、焦ったドラえもんだけは頭を抱えてしゃがみ込んでいた。

「一応聞きますけど、私達さっきまでバトルしてましたよね?」
「してたわね。数時間くらい前かしら」
「で、その後なぜかお茶を飲まないかとコロンビーヌさんに誘われましたよね?」
「運動した後の水分補給は大切だからな。みんなで飲むお茶は美味しいものだ」
「そして、その後三人でたい焼きを食べていたら一匹余ってしまい」
「ええ」
「何を考えたのか、コロンビーヌさんが「なら、海に帰してあげましょうと」言い出して」
「まさに目から鱗の発想だな。褒めてつかわすぞコロンビーヌ」
「ふふ、ありがとうおじさま。そもそも、たい焼きを上手に三等分するのは難しいものね」
「……それで、磯の匂いがするとギャグ将軍がおっしゃって」
「うむ。余の鼻は素晴らしいからな」
「その結果、じゃあ海を目指そうという流れになった」
「そうね。ところで、貴女は何が言いたいのかしら」

仲良さげに首を傾げるギャグ将軍とコロンビーヌを見て、焦ったドラえもんの血管が一本切れる。

「だぁぁああああああああ!! だから、どうして!? なぜ!? 私『も』一緒に連れられてるんですか!?
  そりゃ、お茶をした所の流れは受け入れます。けど、そこから先に私の意見や意思が挟まれてないじゃないですか!」
「まぁ落ち着きたまえ。おおコロンビーヌ、今回のお茶も素晴らしいぞ」
「そうよ。怒ってばかりだと小皺が増えて大変よ。あら、おじさまったら本当にお上手ね」

怒りで顔を真っ赤にしている焦ったドラえもんを左に受け流し、二人は優雅にお茶を始めている。
このやり取り、出会ってから何度も行われている事なのだが、途中の流れは全部同じなので割愛。
結局最後は、うな垂れた彼女を二人が椅子に座らせ慰める事となる。
テーブルに突っ伏して泣き崩れる焦ったドラえもんの頭をヨシヨシしながら、コロンビーヌは愉快そうに囁く。

「ほら。温泉に入って全て水に流しましょ」
「うぇ……おかぁさぁ〜ん」

泣き疲れたのか、焦ったドラえもんの意識はゆっくりと沈んでいく。
その様子を見ていたギャグ将軍は、何かに納得したのか腕を組みながら何度も頷いた。

「ふむ、これがいわゆるホームアローンというやつか」
「おじさま。それを言うならホームシックよ。さ、この子をおぶってあげてくださいな」
「よかろう」
「ふふ。それじゃ、参りましょうか」

そんなやり取りをしつつ、三人は旅館の中へと足を進めていった。

1420交錯していく雄と雌〜旅館で朝食を〜:2008/01/06(日) 18:19:48 ID:K0hfi71w0
☆☆☆




「目を開ければ、そこは食卓だった」

目が覚めた焦ったドラえもんの眼前には、磯○家のような食卓が広がっていた。
そのテーブルを囲むように、何人かが座っている。
と、そのうちの一人が目を覚ましたことに気付いて振り返った。

「む、目を覚ましたか。ああシルベストリよ、そこの味噌を取ってくれ」
「味噌を取らざるを得ない」
「あら、目を覚ましたのね。気分は大丈夫かしら。さ、お口を上げて孤高さん」
「あ〜ん。んん〜、美味しいですね」
「美味いと言わざるを得ない」
「あら、お世辞でも嬉しいわ」
「どれ、余にもアーンしてみせよ」
「うわ〜こういう時って、目を瞑ったほうがいいんですかねシルベストリさん?」
「なに。気にすることはない」

目を覚まして早々、焦ったドラえもんは頭を抱えて床に突っ伏して……泣いた。




【早朝】【G-8 旅館の一室】

【焦ったドラえもん@漫画ロワ】
【装備】ドラゴンごろし@アニロワ1st
【道具】支給品一式 。銀河ヒッチハイクガイド。咎人の剣「神を斬獲せし者」@AAAロワ。他にまだあるかも。
【状態】錯乱。強い疑心暗鬼
【思考・行動】
1.誰かこの状況を説明してよ!
【備考】
※ドラゴンごろし@アニロワ1stはきっちり回収しました。
※銀河ヒッチハイクガイドには、全書き手のトリップや代表作も含め、
 参加者が知りたいことは何でも記載されています。
 ただし容量の都合で、かなり記述が切り詰められている場合があります。

【ギャグ将軍@ライダーロワ】
【状態】健康。
【装備】杖@ライダーロワ ジャーク将軍のマント@ライダーロワ
【道具】支給品一式、コーヒーセット一式@スパロワ、コーカサスブレス&ゼクター@ライダーロワ
【思考・行動】
基本:新生クライシス帝国の結成
1:朝食をとる
2:その後、旅館を出て飲み友達を集める。
3:コーカサスゼクターの資格者を探し、コーヒーを飲む。
4:紅茶を飲むかどうかは保留。
※ジャークミドラに似た、ギャーグミドラに変身できます。
※制限がライダーロワ基準だと思い込んでいます。
※アルレッキーノ・ドットーレとコーヒーを飲みたいようです。

【コロンビーヌ@漫画ロワ】
【状態】健康
【装備】ゾナハ蟲@からくりサーカス
【道具】支給品一式、ティーセット一式、他未確認。
【思考・行動】
基本:恋愛がしたい。
1:優雅な朝食を満喫。
2:ギャグ将軍についていく。
3:ギャグ将軍と話のつくりが気が合う。
※影の繋ぎ手・仮面ライダー書き手に紅茶を入れてあげたいそうです。


【孤高の黒き書き手@ギャルゲロワ】
【装備:変化の杖】
【所持品:支給品一式(他ランダムアイテム2)】
【状態:驚愕】
【思考・行動】
基本行動方針:どうすればいいんだ
1:朝食中
※外見は「D.C.P.S. 」の朝倉音夢。
 変化の杖により「朝倉音夢の生首」になってます。


【シルベストリ@漫画ロワ】
【装備】:なし
【道具】:白手ぬぐい
【所持品】:支給品一式
【状態】:健康。全裸。健康的な張りのある肉体
【思考・行動】
1:サ ー ビ ス シ ー ン 担 当
2:朝食を取らざるを得ない
3:温泉少女を待たざるを得ない
4:ところで温泉にいた少女とブリとタコは何だ?
【備考】
※両目があります。金玉絶賛引き上げ中です
※温泉少女は大方コーヒー牛乳でも買いに行ったのだろうと勘違いしています。



※たいやき(Lv99コイキング)@ニコロワと焦ったドラエモン@漫画ロワの投げたブリとタコは、温泉で気持ち良さそうに泳いでいます。
※温泉少女の支給品一式、モンスターボール@ニコロワが放置されています。

14211クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/06(日) 18:21:03 ID:K0hfi71w0
自重しないでやった。某所のネタをリスペクトした。
後悔はしていないが、謝罪をせざるを得ない!

14221クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/06(日) 18:30:43 ID:UJSgX9S60
恐ろしい食卓だ。
……生首が平気な顔して並んどるwww

14231クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/06(日) 20:29:22 ID:hEarKSrM0
いやいやwwww
生首が食卓囲むとかwwww

14241クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/06(日) 21:10:52 ID:3UbHA.9kO
あ、ありのまま(ry
エロいタイトルに釣られたら、いたのは生首だった。
なにを言ってるか(ry

14251クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/06(日) 21:13:09 ID:aOL5uQrg0
こいつら、全力で満喫してるなwww

14261クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/06(日) 22:39:01 ID:LRtlsHxY0
こいつらロワやる気ないだろwww

ゲームにも乗らず、かといって対主催進める気も全然見えねぇwww
強いて言えば現実逃避派。
しかし現実逃避派がここまでフリーダムなロワがあったろうかw

14271クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/06(日) 22:46:52 ID:Xi2dLwbw0
こいつら戦闘力はトップレベルなのに全くやる気がねぇwwww

14281クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/06(日) 22:49:07 ID:QPvU4P4k0
侮っていた……
これが究極の戦闘回避フラグ『コーヒーブレイク』の威力なのか……!

14291クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/06(日) 22:59:47 ID:Gn4CNeIo0
そういえばカオスロワでも発動したよなwwwww

さすがコーヒーブレイク

14301クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/06(日) 23:00:49 ID:LRtlsHxY0
そういや、ティーブレイクとダブル発動だもんなwww

14311クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/06(日) 23:06:56 ID:9nREJDukO
ネタにマジレスはカコワルイと判ってはいるんだが、
生首が食ったものって何処にいくんだwww

14321クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/06(日) 23:48:52 ID:WO3w0QRE0
きっと変化の状態が解除したら猛烈に便&尿意を催すんだwww

14331クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/06(日) 23:57:08 ID:Gn4CNeIo0
多分首から下に抜けてるんだろ

14341クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/07(月) 13:07:23 ID:5w0Roe9U0
ニコチャン大王的なものだろう

14351クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/07(月) 14:31:17 ID:1IguZAL.C
後頭部にもうひとつの口ならぬ肛門があるのかよ

14361クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/07(月) 15:20:40 ID:nNfn4UBc0
≪深夜≫
【ダイナマイトアンデッド@漫画ロワ】
【大あばれ鉄槌@アニロワ1st】
【康一君@漫画ロワ】
【速筆魔王LX@アニロワ2nd】
【まとめキング@ライダーロワ】
【汚れなき愛@ギャルゲロワ】
【衝撃のネコミミスト@アニ2nd】
【派手好き地獄紳士@LSロワ】
【起@スパロワ】
【◆yHjSlOJmms(ルーキー)@AAAロワ】
【暮れなずむ内面描写@アニ2nd】
【エロスの鐘の煩悩寺@アニ2nd】
【地味子@葉鍵3】
【フリクリ署長@アニロワ1st】
【猫子頭の鬼軍曹@アニロワ1st】
【コ・ホンブック@アニロワ2nd】
【歩く頭脳戦@ギャルゲロワ】
【管理人・したらば孔明@アニロワ2nd】
【まとめキング@ライダーロワ】
【◆wSaCDPDEl2@漫画ロワ】
【熱血王子@漫画ロワ】
【クールなロリスキー@漫画ロワ】
【ギャルゲロワ版最速の人@ギャルゲロワ】
【忘却のウッカリデス@アニロワ2nd】
【ボマー@LSロワ】
【差@スパロワ】
【闇その1@スパロワ】
【意外な影丸?@アニロワ1st】
【蟹座氏@ギャルゲロワ】
【エース@漫画ロワ】

14371クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/07(月) 15:21:11 ID:nNfn4UBc0
≪黎明≫
【素晴らしきフラグビルド@アニ2nd】
【ステルス鬼畜@ギャルゲロワ】
【サプライズパーティー@葉鍵ロワ3】
【エロ師匠@漫画ロワ】
【仮面ライダー書き手@ライダーロワ】
【承@スパロワ】
【バトルマスター@ギャルゲロワ】
【ピザの1号(◆wKs3a28q6Q)@AAAロワ】
【お姉さま@ギャルゲロワ】
【パンタローネ@漫画ロワ】
【静かなる 〜Chain-情〜@アニロワ1st】
【永遠のうっかり侍@ギャルゲロワ】
【ブリリアント・ダイナマイト・ネオン@漫画ロワ】
【神行太保のDIE/SOUL@アニロワ1st】
【地球破壊爆弾No.V-7@アニロワ1st】
【底上中の残月@アニロワ2nd】
【幻夜・フォン・ボーツスレー@アニロワ2nd】
【ビクトリーム博士@アニロワ2nd】
【THE FIRST@ライダーロワ】
【無明幻妖side.@アニロワ1st】
【The god of chaos@葉鍵3】
【愛の伝道師@漫画ロワ】
【漆黒の龍@ライダーロワ】
【蘇った現代の熱血怪人@漫画ロワ】
【影の繋ぎ師@ライダーロワ】
【ボンボン系の書鬼@アニロワ2nd】
【◆6/WWxs9O1s@カオスロワ】
【◆MJv.H0/MJQ@AAAロワ】
【転@スパロワ】
【結@スパロワ】
【予約被りに定評のあるtu4氏@ギャルゲロワ】
【マスク・ザ・ドS@アニ2nd】
【ミスターマダオ@漫画ロワ】

≪早朝≫
【焦ったドラえもん@漫画ロワ】
【ギャグ将軍@ライダーロワ】
【コロンビーヌ@漫画ロワ】
【孤高の黒き書き手@ギャルゲロワ】
【シルベストリ@漫画ロワ】

14381クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/07(月) 15:23:21 ID:nNfn4UBc0
現在の各自の最終登場時刻。
【速筆魔王LX@アニロワ2nd】
【承@スパロワ】
【ミスターマダオ@漫画ロワ】
のお三方は、位置が?だったり時間が未定だったので勝手に入れてしまいました。
次に書いてくれる人がいたら、上の時間表を参考にしてもらえればと思います。

1439 ◆0RRqL7JorI:2008/01/07(月) 19:10:00 ID:GS3W3vzA0
まとめwikiのSS一覧を更新しました。
が、投下ペースが早いため参加者全員の登場SS一覧までは手を付けていません。
本当に申し訳ありません…orz

14401クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/07(月) 21:41:49 ID:FlLbHjVU0
まとめwikiって何処で見られるんだろ?

14411クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/07(月) 21:49:33 ID:8eAAhN0Y0
>>1440
ほい
http://www13.atwiki.jp/kakiterowa/pages/2.html

>>1420
>※温泉少女は大方コーヒー牛乳でも買いに行ったのだろうと勘違いしています。
…………orz

14421クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/07(月) 22:46:55 ID:5w0Roe9U0
>>1439
あーすいません、支給品以外でも〜を書いたものですが、
状態表が訂正前のものでした。
あと>>1368のMAP
ttp://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6d/44/c4928a0abc7aa778135d36c01d6b1340.jpg
も載せてくれるとありがたいです。
ついでにこれもw
ttp://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6a/e6/762abe649d408226fa18f51c9a88282f.jpg

14431クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/07(月) 23:00:17 ID:9BBbfUEY0
王子はゆっくりと立ち上がり、そしてクレーターから這い上がる。
中々の深さではあるが、今の自分ならば脱出は十分可能だった。
そして、完全に脱出した時。

「……時間切れ、か」

突如として、王子の姿が変化する。
銀目銀髪の高町なのはの顔に、ウルトラマンレオの体、声は赤木しげる。
この場に集められた中でも、間違いなく最もカオスなその井出達。
しかしそれは、本来の姿ではないのだ。
というか、本来の姿だったら怖い、怖すぎる、怖すぎて夢に出る。
今は、至って普通な状態……何てことない、ただの青年だ。
声でさえも、すっかり別人の様なものになっている。

「短時間でしか変身して動けないのは、やっぱりウルトラマンの宿命か。
まあいいさ……時間はまだまだある、ゆっくりやろう」

異様な戦闘能力を発揮した、言うなれば戦闘形態ともいえるあのカオスな形状。
あれは、支給品で変身した姿である。
変身に使った道具は、それぞれ両手の薬指に装着された指輪。
透明な麻雀牌がついた指輪と、レイジングハートっぽい赤い玉がついた指輪。
この二つを、ウルトラマンエースみたく合わせる事で、何か訳分からない化学反応が起こり、あの姿になったわけである。

「さて……近くに、誰かいないかな……?」

王子がこのゲームに乗った理由は、唯一つ。
掲示板で「手首ブレイカー」だの「銀目銀髪の高(ry」だのと散々言ってくれて、
そうしたら本当にこの書き手ロワで、そんな滅茶苦茶な風貌にしてくれた者への復讐。
何が何でも、そんな風にキーボードを打ったそいつの手を切り落とす。



……ただ、問題は誰がやったのかは分からない。
だから、まあ……面倒だし、参加者全員の手を切ってしまえばいい。
その内に、多分当たるだろう。
それが彼の、今の思考である。

「は〜る〜か〜空響いてる〜祈りは〜軌跡に〜……」

【黎明】【G-7 市街地】
【熱血王子@漫画ロワ】
【装備:『破棄すべき全ての手』、ウルトラリング】
【所持品:支給品一式(確認)】
【状態:健康】
【思考・行動】
基本:手首を狩り尽くし、復讐を果す。
1:誰でもいいから、手首を狩りたい
2:逃げていった最速の人達をもう一度見つけ出し、手を狩る

※現在は、ウルトラマンメビウスのヒビノ=ミライの様な容姿です。
※変身時の姿は銀目銀髪の高町なのはの顔に、ウルトラマンレオの体、声は赤木しげるです

※【『破棄すべき全ての手(リスト・ブレイカー)』@漫画ロワ&誤爆スレ】
 一話で二人の人間の手首をはねた逸話に由来する宝具。真名を解放しながらの攻撃は、全て手首を斬り飛ばす一撃となる。
 ちなみに外見はfateのルルブレ。存在は誤爆スレと漫画ロワ毒吐きを見て作者が勝手に作った
※【『ウルトラリング(書き手ロワ特別バージョン)』】
 透明な麻雀牌がついた指輪と、レイジングハートがついた指輪の二つで一つ。
 この二つを合わせる事により、戦闘形態へと変身を遂げる。


勢いで何となく書いてみた。
色んな意味で、アレな人になってしまってすまぬ王子

14441クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/08(火) 00:38:22 ID:GOQLGL0s0
>>1406-1407
ちと遅いが…
結氏、体はロボのくせに汗びっしょりってw
さてはその装甲は着ぐるm(ry

14451クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/08(火) 10:34:20 ID:BQMYKaHU0
>>1444
きっと「中の人」はロリ(ry

14461クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/08(火) 18:20:30 ID:QUxdWBTU0
>>1442
少し亀になったが、GJ!!
上手すぎだろ、常識的に考えて

14471クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/08(火) 21:12:10 ID:BQMYKaHU0
こうして改めて見れば凄いよな。
絵師の方々にも、こちらに降臨して頂けたら嬉しいなぁ。

14481クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/08(火) 23:20:37 ID:tV4r7RkI0
既に支給品の一つとして参戦している絵師が(ry

1449諸君、私はかがみんを苛めるのが大好きだ:2008/01/09(水) 11:22:08 ID:jWDMKwwk0
諸君 私はマーダーが好きだ。
諸君 私はマーダーが好きだ。
諸君 私はマーダーが大好きだ。

まーりゃんが好きだ、
よっぴーが好きだ、
酢飯が好きだ、
冥王が好きだ、
ガウルンが好きだ、
セイバーが好きだ、
アーカードが好きだ、
雛苺が好きだ、
ドラスが好きだ、
アリーナ2が好きだ、
ニコ兄が好きだ、
ついでにマーダーといえなくとも臨也が好きだ、
なのはさんが好きだ、

葉鍵で FFDQで
テイルズで スパロボで
アニメキャラで 漫画キャラで
ロリショタで ニコニコで
ジョジョで スクランで
このパロロワで跋扈するありとあらゆる殺戮者が大好きだ。

剛勇無双のマーダーがその力に任せて弱者を蹂躙するのが好きだ。
泣き叫び逃げ惑う無力な参加者が無残にもオーバーキルされた時など心がおどる。

ステルスマーダーがお人好しを欺いて背後から騙し討ちをするのが好きだ 。
何が起こったのか信じられずあっけに取られた顔のままで死んでいく参加者に、
嘲りの言葉を吐きかけるシーンなど胸がすくような気持ちだった。

バトルロワイアルの舞台に戸惑い徐々に正気を失っていく一般人が好きだ
ついには正気を失い恐慌状態に陥り、既に息絶えた人間を何度も何度も刺突している様など感動すら覚える

疑心暗鬼の渦に投げ込まれた対主催集団が崩壊していく様などはもうたまらない。
脱出の希望を掴んだはずの参加者達が混乱とともに、
徐々に絶望の淵に追い込まれていき、最後に力尽きるのも最高だ。

一切合財容赦なく奪い尽くす外道に滅茶苦茶にされるシーンが好きだ。
必死に守るはずだった仲間達が蹂躙され、女子供が犯され殺されていく様はとてもとても悲しいものだ。

吐き気がするほどのどす黒い快楽の為だけに拷問されるシーンが好きだ。
思い入れのあるキャラが目を潰され、耳をそがれ、鼻をそがれ、芋虫の様に地べたを這い回るのは屈辱の極みだ。

1450諸君、私はかがみんを苛めるのが大好きだ:2008/01/09(水) 11:22:45 ID:jWDMKwwk0
諸君。私はバトルロワイアルを、地獄の様なバトルロワイアルを望んでいる。
諸君。私達の有り様をそこで監視している黒い兄弟諸君。
君達は一体、何を望んでいる?

更なる殺戮を望むか?
情け容赦のない糞のようなバトルロワイアルを望むか?
鉄風雷火の限りを尽くし、三千世界の鴉を殺す、嵐の様な鬱展開を望むか?
よろしい。ならばバトルロワイアルだ。

通常のロワならばマーダー不足が懸念されるところだが、今回は書き手ばかりが集められた書き手ロワイアル。
空気を読んでマーダーになる参加者も多数いるだろうから、おそらく心配は要らない。

では私は健気にも主催者に立ち向かい、マーダーに打ち滅ぼされる対主催となろう。
地道に脱出フラグを積み重ね、仲間との絆を深め、そして光に届く寸前で力尽きる哀れな生贄となろう。
そのときに私を滅ぼすのは、できれば心に巨大な闇を抱えた誰の目もひきつけてやまぬ素敵な殺戮者であってほしい。
それにぶっちゃけアーカードが対主催というのも――――ネタとして面白いだろう?

……おや、必死にどこかに向かって走っている者達がいる。怪我を負っている者もいるようだ。
意識がない者をわざわざ背負って逃げているあたり、殺し合いには乗ってなさそうだな。
もし、マーダーから逃げているのであれば面白くなりそうな展開だが……それにしても以外と早く仲間が見つかった。
闇雲に走り回るのをやめて、高所からあたりを見渡して捜すというのは間違ってなかったようだ。
では接触するとしよう。


見ているか読み手?
征くぞ、諸君。


☆  ☆  ☆


あたしはクールなロリスキー。
べ、別に本名じゃないんだからねっ!
勝手につけられた何だか少し引っかかるネーミングだけど、今はそんなこと言ってる場合じゃない。
私の手首を何度も何度も何度も切り落とした、異常過ぎるあの銀髪の悪魔から逃げなくてはいけない。
あの焼けるような感触の後に襲ってくる激痛、何度もそれを繰り返される恐怖、いや……もう思い出したくもない。

今、あたしの手を引いて一緒に逃げているこの人。
仮面でふんどし一丁……普段なら絶対お近づきになりたくないタイプの人間……あれ?つーか変態?
で、でも助けてくれたし……それに気を失ってる仮面の人もわざわざ背負って逃げるなんて、自分の命の危険が迫ってる状況でなかなかできることじゃない。
なんかふんどしの股間のあたりに変なシミが浮かんで嫌な匂いがしてるけど、それは見ないことにするのが優しさってやつよね。
…………見ないことにするんだってばっ!!

それにしてもどうしてこんなことになってしまったのか。
確かに数作書いたけれど、序盤オンリーで最近は全く書いてない。
正直ほとんど忘れかけてたところなのに……。
うう……殺し合いなんてやだよぅ……帰りたいよぅ……。

1451諸君、私はかがみんを苛めるのが大好きだ:2008/01/09(水) 11:23:24 ID:jWDMKwwk0

しかも、何であたしみたいなのがよりによって、
「あの」柊かがみなのよぉぉぉぉおおぉぉぉぉおおおお!!!!


パロロワにおける不幸の代名詞じゃない!
しかも複数のロワにおいて、

  絶  対

まともなカッコさせてもらえないっていうとんでもないおまけジンクスまでついてるし!んで、さっそくタイツ一丁だし!
手首を何度もぶった切られるし、リストカットの趣味があるほどあたしはメンヘラじゃないっ!

……嫌な予感がしてきた。
もしかしてここからさらに不幸のジンクスがさらなる災難を運んでくるんじゃないかという予感。
あの悪魔が追いついてくるんじゃないかとか、このふんどし仮面(たしか、最速の人って言ったっけ)があたしを見て……その、欲情してゴニョゴニョなことになったりとか……。
別に自分を美少女とかおめでたい戯言を言う気はないけど、この人ふんどしだし……あたし自身も人のこといえないカッコだし……。
あいつからはどうやら逃げ切れたみたいだし、ひとまず御礼を言ってそれから別れて服を探そう――

轟音。

そこであたしの思考は中断させられた。
どぉん、と至近距離から打ち鳴らす低音の打楽器に似た音に空気が震え、地面が揺れる。
その音のあまりの突然さに「ひゃうっ」とかあまり人に聞かれたくない声を上げてしまう。
でも、その声を同行者の最速の人に聞かれたかとか、そんな考えは目の前の光景を見た瞬間に吹っ飛んだ。
いきなり空から女の子が降ってきたのだ。
さっきの音はその子が着地した時の音。
その子は十字架の形をした馬鹿でかい銃を抱えていて、黒くて長い髪がとても綺麗で――

「驚かせてすまないな。流石にいきなり高層ビルの屋上から飛び降りるのはやりすぎだったかな?」




――アーカードの声をしていた。


【黎明】【F-6 ビル群】
【ミスターマダオ@漫画ロワ】
[状態]健康、強い決意
[装備]パニッシャー(機関銃:残り弾数100%、ロケットランチャー:残り10発)
[道具]なし
[所持品]支給品一式、確認済みアイテム1〜2
[思考・行動]
基本:殺し合いには乗らないが、マーダーは犬の餌
1.友情!仲間を探すぞ!
2.努力!首輪をどうにかするぞ!
3.勝利!見てろよ主催!


※アーカード(ロリ状態)の姿をしています。身体能力も同様です。

1452諸君、私はかがみんを苛めるのが大好きだ:2008/01/09(水) 11:23:51 ID:jWDMKwwk0
【クールなロリスキー@漫画ロワ】
【装備:江頭2:50のタイツ@漫画ロワ】
【所持品:支給品一式(未確認)】
【状態:疲労、軽い恐慌状態】
【思考・行動】
1:とりあえず最速の人と一緒に逃げる
2:死にたくない、怖い
3:怖い


※上半身裸の柊かがみです
※何故か不死身です




【ギャルゲロワ版最速の人@ギャルゲロワ】
【装備:鉄扇@ギャルゲロワ】
【所持品:支給品一式(確認済)】
【状態:所々に切り傷。かなりの疲労。股間がガビガビ】
【思考・行動】
1:とにかく逃げよう!
2:褌を洗いたい!


※まんまハクオロです
※違う意味で最速です(すでに何度か果ててます)




【忘却のウッカリデス@アニロワ2nd】
【装備:ゼロの仮面(蝶高性能)@アニロワ2nd】
【所持品:なし】
【状態:気絶中】
【思考・行動】
1:気絶中
2:様々な仲間を集める


※【ゼロの仮面(蝶高性能)】
銃弾から魔法、科学兵器、核に至るまで全て防いでしまう恐ろしい仮面。
ただし、守れるのはあくまで首から上だけに限られている。
ちなみに、視界は蝶良好で酸素の補給も問題なく出来る。
その代わり、一度装備すると死ぬまで外せない。

14531クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/09(水) 11:25:09 ID:jWDMKwwk0
投下完了。色々とごめんなさい。

1454前門の虎。後門の狼。そして……:2008/01/09(水) 15:14:18 ID:8IN1vqeM0
気絶しているフリクリ署長の頭を膝に乗せながら、地味子はある決意をしていた。
一度人を殺してしまった以上、もう被害者の立場ではいられない。
理由はどうあれ、地味子が殺し合いに足を踏み入れたことは否定できないのだ。
例えその場に死体が無くても、汚れた真っ赤なまでは騙せない。

(……そういえば、まだ名前聞いていなかったっけ)

気絶状態ながらも幸せそうな顔をするフリクリ署長を見下ろし、フッと笑みを零す。
おそらくこの男が目覚めるまでが、地味子にとって最後に残された安らぎの時間。
ならば、今は一秒でも多くそれを噛み締めていたい。
だが、殺し合いの行われているここでは、そんな願いは一瞬にして砕け散ってしまう。

「よぉ、シケたツラしてどうした」

白いもやの中から軽快な声が響き渡る。
地味子はフリクリ署長を地面に寝かせると、立ち上がって声のほうにナイフを構えた。

「く、来るなら殺すからね!」
「おっと、話が早いな。嫌いじゃないぜそういうの……ただな」

声の主が近くの木に向かって拳を突き立てた。その直後、辺りにあったもやが一瞬で散っていく。
姿を現したのは、周囲に炎を撒き散らすエースだった。

「そう言う台詞は相手見てから言えやッ!」

怒鳴り声を上げながら、エースは己の腕を横なぎに払う。
すると、腕の先から鳥頭の人間が飛び出たかと思うと、その鳥頭が地味子目掛けて炎を吐き出した。
突然の出来事に唖然とするが、防衛本能が行動を優先させる。

「葉鍵の迎撃(リーフシールド)!」

必死の叫び声とともに、地味子の周囲に木の葉が円を描きながら集まっていく。
炎が直撃する寸前だったが、間一髪で集まった木の葉がその炎を未然に防いだ。
その行動に、エースの顔は喜びに変わっていく。

「こいつは倒しがいのある女だな。で、テメェはいつまで隠れてるつもりだよオイ」

エースは地味子がいる場所からさらに奥の方を睨みつける。
その指先には、いつの間にか弾丸が握り潰されていた。
無言の状態が数秒間続く。やがて、静かな茂みの中から一人の男が銃を構え姿を現す。

「クク…野生の勘って……やつか」

何がおかしいのか、笑い続けるその男。それはダイナマイトアンデッドだった。

「ぶつぶつ言ってねーで、大きい声でしゃべれや!」

今度はダイナマイトアンデッド目掛けて炎を吹き散らすエース。
だが、眼前に迫る炎の群れに恐怖することなく、ダイナマイトアンデッドは悠然とそれを回避した。

1455前門の虎。後門の狼。そして……:2008/01/09(水) 15:14:42 ID:8IN1vqeM0

「威力は強いようだが……大雑把だな……」
「テメぇ」

今まで喜びの顔だったエースの頬に、一筋の傷跡が走っている。
ダイナマイトアンデッドは、迫っていた炎の僅かな隙間から、銃を発砲していたのだ。
頬から滴り落ちる血を手で拭いながら、エースは指を盛大に鳴らす。
一方、間に挟まれた地味子は、滝のように流れる背中を肌で感じながら、どうすべきか必死に思案していた。
自分一人ならば逃げ切れる。だが、フリクリ署長が居るためそれは出来ない。

「ま、まてぇ!」

地味子の思考を中断させたのは、前後の二人とはまた違う方向から飛んできた、別の声だった。
前二人の空気を重くさせたのと違い、今度の声は一生懸命叫んだのが伝わるような、そんな声。
三人が声の方向に視線を送ると、飛び出してきたのはふくよかな体系の青年ことピザの1号だった。
彼は両足を震わせながらも、必死の形相で声を張り上げる。

「さ、最初から見せてもらってたぜお嬢さん! 今助けてやるぞ!」

震える拳を握り締めながら、ピザの1号は地味子を安心させようと白い歯を見せて作り笑いを浮かべる。
そして、今度は硬い表情に戻すと、両手の指をエースとダイナマイトアンデッドに向けて突きつける。

「お前達の相手は……お、俺だぁ! 二人まとめて相手してやる!」

そのあまりの無謀な宣言に、三人は肩を竦めたり歯軋りをしたりという態度で答えていた。
だが、そんな中大きな拍手が地味子の隣から響き渡る。

「勇気ある男です、惚れがいがある、残りの書き手人生を懸けるに値するほど! 」

惜しみない拍手を送っていたのは、気絶から回復したフリクリ署長だった。
やがて満足したのか、フリクリ署長はピザの1号と同じように両手の指を左右に伸ばし、高々に声を張り上げる。

「私も共に戦いましょう!」

その様子を黙って見ていたエースは、腰に下げていたジャッカルを抜き出すと、上空に向かって発砲した。
響き渡る轟音で、周囲に隠れていた鳥たちがいっせいに飛び去っていく。
右手にジャッカル。左手にはピーキーガリバー。背中にはマジシャンズレッド。
攻撃こそが防御であると言わんばかりの装備である。
対してダイナマイトアンデッドは、AK-74を構えているだけなのに、寒気がするほどの狂気が滲み出ている。
この男が戦いで苦しむ姿など、どう想像しても浮かんではこない。
最後にピザの1号。丸腰であるが、勇気だけはこの場の誰よりも強い色を見せている。
同じようにフリクリ署長も丸腰だが、なぜか自信満々でその場に仁王立ちしていた。
唯一武器を握り締める地味子が、前後の二人に意識を集中させる。

「じゃあ、そろそろおっぱじめるか」
「ククッ……いいぜ……ゲーム開始だ」
(せめて、フリクリ署長だけは逃がさないとッ!)


圧倒的戦力差の中、戦いの火蓋は切って落とされようとしていた。

1456前門の虎。後門の狼。そして……:2008/01/09(水) 15:15:17 ID:8IN1vqeM0
【早朝】【C-9 森】
【ピザの1号(◆wKs3a28q6Q)@AAAロワ】
【状態】地味に決意
【装備】ない
【所持品】不明
【思考・行動】
1・勇気を出して地味子とフリクリフリクリ署長を助ける
2・そのためにもダイナマイトアンデッドとエースに立ち向かう!
3・脱出してロワを完結させる!


【地味子@葉鍵3】
【装備:ナイフ】
【所持品:なし】
【状態:健康】
【思考・行動】
1:フリクリ署長を逃がしてから逃げる
2:ピザの1号も助けられたら助ける
※CLANNADの制服を着用
※葉鍵の迎撃(リーフシールド)
周囲の木の葉を風で巻き起こし、強力なシールドを張り巡らせる
※その他の設定は後続に任せます


【フリクリ署長@アニロワ1st】
【装備:不明】
【所持品:支給品一式、サングラス(クーガー仕様)】
【状態:健康】
【思考・行動】
1:地味子とピザの1号を守る
2:騎士道精神に準じて行動(要するにか弱い女性を助ける)
※容姿はサングラスをかけていること以外お任せ
※声もお任せ


【ダイナマイトアンデッド@漫画ロワ】
【装備:AK-74(残り98発)】
【所持品:基本支給品一式、朝倉涼子のアーミーナイフ、
AK-74の予備弾(残り200発)、不明ランダム支給品1個】
【状態:健康】
【思考・行動】
基本行動方針:殺し合いに乗る。
1:目の前の四人を全員殺す
2:出来るだけ多くの人を殺す。そして優勝。
3:死んじまったら…ま、いいか…
※容姿や性格はアカギに近い感じです。(あごが若干長く、白髪です。)
※死を恐れていません。よって致命傷を受けても反撃してくる可能性があります。


【エース@漫画ロワ】
【装備:ピーキーガリバー マジシャンズレッドのスタンドディスク ジャッカル】
【所持品:支給品一式×2】
【状態:健康】
【思考・行動】
基本行動方針:最強のストライカーと成る為、何者だろうとブチのめす!
1:どいつもこいつも俺のこの手で叩き潰してやる!
【備考】
※外見はカズマさん!です
※シェルブリット、進化の言葉が使えるかは不明です

14571クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/09(水) 15:26:10 ID:8IN1vqeM0
投下終了。熱血がやりたくなって書いたぜ


>>1453
乙。かがみんのジンクスが、まさかここでも(ry

14581クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/09(水) 20:31:52 ID:JwT9RcoI0
投下乙!
派手な戦いが起こりそうだな、てかこんな面子でバトルするなんて予想外だよw

14591クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/09(水) 21:05:14 ID:1bT//YUc0
>>1456
>(せめて、フリクリ署長だけは逃がさないとッ!)

野暮な突っ込みだが、いつの間に名前を知ったんだw

14601クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/09(水) 21:14:27 ID:8IN1vqeM0
>>1459
今気付いた……失礼しました。
wikiに登録されたら直しておくので、見なかったことにしてくださいorz

14611クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/09(水) 21:25:56 ID:4SwsVvrw0
お二人とも乙です。

>しかも複数のロワにおいて、絶対まともなカッコさせてもらえない
漫画以外でもそうだったのかw

14621クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/09(水) 21:57:16 ID:/mT3ZX62C
まあカオスでの話だがw
>まともなカッコさせてもらえない
アニロワ2の書き手さんは紳士ですね。ドSだけどな!

14631クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/09(水) 22:05:05 ID:8IN1vqeM0
wikiで訂正したついでに【深夜】【黎明】【早朝】で分けてみました。
取りこぼしは無いと思いますが、見つかったらお知らせくだされ。

14641クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/09(水) 22:45:10 ID:JgiQxNFE0
wiki編集乙です。
でも……「投下順で読む」でそこに飛ぶのはどうでしょう?
「投下順」と別に「時間順」の目次ページ必要では?

と問題提起しながら、黎明枠のを1本投下。 ↓

1465カミングアウト【Side.B】:2008/01/09(水) 22:46:54 ID:JgiQxNFE0

「てめぇ……そこで何してやがる?」
「あー、見つかっちゃったか……。こんな、いかにも誤解されそうなタイミングで……」

派手な戦闘があったとおぼしき戦場跡で、その2人は出会った。
方や、見るからに熱血な青年。どんなことにでも反逆を貫きそうな鉄の意志を漲らせた男。
方や、クールな印象の国籍不明な少女。冷徹な意思を感じさせる鋭いまなざしの娘。
そして――今、少女の足元にあるものは――!

「……念のため聞いておく。アンタがやったのか?」
「いいえ。私が来た時には死んでいたわ。ひょっとしたらと思って、機体の外に引き摺りだしてみたのだけど」

焼け野原と化した廃墟の中で、大破し動かなくなった真紅の巨大人型兵器。
そして、そこから引っ張りだされた、かつて人間だった肉塊。
血に濡れた少女の手には、おそらくはその参加者のものなのだろう、首輪が1つ握られている。
おそらくはこの構図、ロワの定番シチュエーションの1つ『死体から首輪を確保している』絵なのだろう。
ということはこの少女、対主催キャラか。そう思いつつも男は一応確認しておく。

「アンタがやってない、っていう証拠はあるのか? 殺し合いに乗っていないという証拠は?」
「証拠、と言われても困るわね。それは悪魔の証明よ。
 ただ……このサザビーを撃破できるような力も支給品も、私にはないわ。
 これはきっと、普通に強い厨参加者や厨支給品ではなく、ギャグ度やカオス度の高い参加者の仕業ね。
 パイロットがヘタレだっただけで、スペック上は破格の性能を誇る『最後のジオン系MS』・サザビー。
 ……あ、『最後』ってのはアニメ作品として、という意味ね。小説でいいならクシャトリアとかいるけどさ。
 しかも、機体が大破しても落下するアクシズに押し込まれても壊れなかった、頭部コクピットブロック。
 こんなものをピンポイントな打撃で破壊するには、シリアス系の攻撃では絶対に足りない。
 純度の高いギャグで、ノリと勢いに任せて超展開を叩き込まなければ、こうはならないわ」
「……詳しいんだな」
「まあ、一応ギャグもシリアスも書いてるから。どっちもあんまり自信ないんだけどさ」
「いやそうじゃなくて、ガンダムの話。
 聞いてもねぇのにペラペラペラペラと」
「ああ……パロロワの世界に首を突っ込むまでは、新旧シャア板に住んでたのよ。
 てか、私がSS書きとしてデビューしたのはあの板。
 正直な話、こんな格好してるけど、萌えアニメなどよりガンダム系の知識の方が豊富なくらいよ」

褐色の肌を持つ少女はそう言って、ツインテールとなった金髪を揺らして微笑む。
その姿、そのモチーフとなった元キャラに、男はようやく気付く。

「あんた……LSのヒトか」
「あら、分かるんだ。ひょっとして、あなたも?」
「俺もLSで書いたことあるからな。その姿はガンスリのトリエラだろ? それくらい分かるぜ。
 おっと、自己紹介が遅れたか。
 俺の名は『大あばれ鉄槌』。アニロワ1stからの参戦だ。あんたは?」
「…………」

気持ちのいいくらいに開けっぴろげな、大あばれ鉄槌の問いに、少女は少し逡巡する。
何を気にしているのか、視線を少しずらして、言いにくそうな口調で、

1466カミングアウト【Side.B】:2008/01/09(水) 22:47:42 ID:JgiQxNFE0

「あ〜、その、名前を名乗る前に、1つだけ約束して欲しいんだけど……」
「何だい? 気にせず言ってみな?」
「その……名前を聞いても、怒ったり引いたり暴れたりしないで欲しい、んだけど……」
「なんだそんなことか! 心配すんなって、アンタ対主催だろ? それに平和的に話もできる。
 怒る理由も引く理由も暴れる理由もねぇよ! さぁ、心配しないで言ってみな!」
「…………マー」
「あん?」
「だから……ボマー。私の名前。LSの、ボマー。」
「…………」
「…………あの、大暴れ鉄槌さん?」

「 思 い っ き り 危 険 人 物 じ ゃ ね ぇ か 馬 鹿 野 郎 ッ ! ! ! 」

ドンッ!
絶叫と共に叩き込まれた鉄槌の拳が、ボマーを殴り飛ばすべく放たれて……少女はギリギリで回避する。
空振りした拳が大破しているサザビーの残骸に命中し、頑丈な装甲が大きく凹む。
脂汗を流すトリエラ似の少女、ボマーに対し、反逆者カズマの姿をした大あばれ鉄槌は大きく吼える。

「なんだそりゃぁ!? 名簿見回しても1、2を争う程の要注意人物じゃねぇか!
 書き手1stでもやりたい放題の暴れっぷりだったじゃねぇか!
 それが対主催だと!? あの鬱と疑心暗鬼と爆弾設置魔の『ボマー』が対主催に回るわけねぇだろっ!!」
「い、いや、あなたの危惧はよく分かるわ。私だって逆の立場なら絶対に信じないもの。
 でもね、ちょっとばかし事情があるの。易々と殺し合いに乗るわけにはいかない、私なりの事情が」
「事情?! なんだそりゃ!?」

MSに突き刺さった拳を引き抜きながら、鉄槌は胡散臭そうにボマーに向き直る。
必死に弁明しようとする彼女の表情に、嘘を言っている様子はない。
一応は話だけでも聞いてやるか、と、鉄槌は先を促す。

「えっと、理由を聞いても怒らないでね。暴れないでね。殺さないでね」
「もうとっくに怒ってるんだ、これ以上俺が怒るようなモンが出てくるもんか。
 ちゃんと約束してやるから、さっさと言ってみろ」
「……あなたは、この書き手2ndが始まった経緯を覚えてる? 始まるまでの流れを覚えてる?」
「ん? えーっと確か、毒吐き別館の交流所毒吐きで、書き手にあだ名をつける話が盛り上がったんだよな?
 で、次々に書き手が上げられていって、その勢いで誰かが『これで書き手ロワやらね?』とか言い出した。
 あっはっは、馬鹿な冗談を、とか思って読み流してたら、いつの間にやらこんなことになってた」
「そう。正確には、この1レス↓が『書き手に名前をつける流れ』を生んだわ」

>178 :やってられない名無しさん:2007/12/22(土) 10:37:20 ID:???0
> 自ロワのメイン書き手に「あだ名」をつけるという企画はどうだい?
> 正直、そう深く突っ込んで読んでないロワで書き手のトリだけ挙げられても困る。
> でも「鉄槌の人」とか「感電氏」とか言われたら「ああ、あの人か」と分かるわけでさ。
>
> 既にあだ名がついている人の紹介でも可。あるいは新しいあだ名をつけ直すのでも可。
> その名を贈る理由などを簡単に紹介してもらえれば、印象も深まるかと……。
> 思いつかない分は後回しにしてもOK。
> というか「思いつかないから後回しにしました、誰か考えて」という建前で自分自身をスルーすることも可。

1467カミングアウト【Side.B】:2008/01/09(水) 22:48:36 ID:JgiQxNFE0

「あー、こんなのあったな。で……それがどうかしたのか?」
「…………なの」
「ああん? 聞こえねぇぞ。もっとはっきり言いやがれ」
「だから……私、なの」
「何が」
「上のレス書いたの、私。
 名前もIDも出してなかったから完全に自己申告になっちゃうけど……これ、私が書いたの。
 この、LSの、ボマーが書いたの」
「…………」
「ほら、私さ、この流れが出来るよりもずっと前に、『ボマー』ってあだ名つけられたじゃない?
 その、あんま口に出したことないけど、正直、ちょっとだけ嬉しかったのよね。
 何かの雑談の折にその名前が出てくると、思わず顔が緩んじゃう感じで。
 で、きっとトリップの文字列だけだったら、こういう風に名前出てくることも無いんだろうなー、と。
 だから、その、他の書き手さんにもあだ名があったなら、みんなで幸せになれるのかなー、なんて……」
「…………」
「あっ、言っておくけど、『書き手ロワやらね?』って言ったのは私じゃないわよ!? これは本当!!
 だから主催側の情報とか持ってないし! 何の見当もついてないのはみんなと一緒!
 だけどさ、その、多少は私のせいでもあるし、何て言うのかな、責任取らなきゃ、って言うのかな?」
「…………」
「だから……戦えない人を守ってみせる!とかいうガラじゃないんだけど、それでも、その、
 対主催で頑張ってみようかなー、首輪の解除とか脱出とか頑張ってみようかなー、なんて思ったり……」
「…………」
「…………」
「……あの、鉄槌さん? もしもし? その、黙られると逆に怖いんですけど……。
 その、怒ってませんよね? 怒らないって約束でしたよね?
 ほら、私だけが悪いわけじゃないですし……別に、全部私のせいってわけじゃな……」

「 怒 ら ね ぇ わ け ね ぇ だ ろ 馬 鹿 野 郎 ! !
   全 部 て め ぇ の せ い じ ゃ ね ぇ か ! ! 」

轟ッ!!
豪腕が唸る。大あばれ鉄槌の、その名に恥じぬ鉄槌のような拳撃が再度振るわれる。
転がるように回避したボマーを捉え損ね、拳は大地に突き刺さる。
響き渡る地響き。弾け飛ぶ土砂。
数時間前のサザビーとアヴ・カミュの死闘、その破壊の痕跡に劣らぬ巨大なクレーターが生み出される。

「ちょっ、約束が違うわよ! それにこんなとこで争ってる場合じゃないでしょ!?
 ほら、この首輪の解析とか、主催の狙いの考察とか、いろいろやんなきゃならないこと山積みだし……!」
「うるせぇ! その前に1発、いや最低でも10発くらい殴らせろ! でなきゃ気が済まねぇ!」

鉄槌は叫ぶが、しかし素直に殴られてやるわけにもいかない。
冗談ではない。あんな熱血な拳を10発も叩き込まれたら、どう考えたって死んでしまう。

「謝るから! 私が悪かったから! だから暴力は……!」
「その謝罪に反逆する! 喰らえ、断罪のシェルブリッド!!」
「きゃぁっ!?」

1468カミングアウト【Side.B】:2008/01/09(水) 22:49:13 ID:JgiQxNFE0

鉄槌の攻撃をまたも髪一重でかわしたボマーは、回れ右して逃げ始める。一目散に逃げ始める。
キラークィーンのスタンドなど、使っている余裕もない。ただひたすらに、義体の体力とスピードで逃げる。
もちろん鉄槌の方も逃がす気はない。怒鳴りながら追撃を開始する。
逃げる少女。追いかける青年。
彼らはそのまま、サザビーの残骸から離れ、そして……。

  *   *   *

……余談だが。
現在の大あばれ鉄槌の格好:スカートから覗くすね毛も眩しい、バリアジャケット・ヴィータフォーム。
現在のボマーの格好:下着1枚。何故か髪留めと靴、ランドセルのみ装着。
悲鳴を上げて逃げ惑う半裸の少女に、必死の形相で追いかける変態丸出しの女装男……。

明らかに、アレな光景ではある。
もしこの2人を目撃する者がいたら、いったいどう思うことやら。



【黎明】【G-1 廃墟 (闇その2氏死亡地点・サザビー残骸付近) 】

【大あばれ鉄槌@アニロワ1st】
【装備】:レイジングハート(待機状態)、バリアジャケット
【所持品】:支給品一式
【状態】:健康
【思考・行動】
1:とりあえずボマーをぶん殴る
2:他の参加者と燃え展を楽しませてもらう。
3:デバイスは見つけしだい破壊する。
※容姿はスクライドのカズマ+ヴィータの騎士甲冑
※声は保志総一郎

【ボマー@LSロワ】
【状態】:健康。裸ランドセル。下着・髪止めと靴は有り。
【装備】:キラークイーンのディスク@ジョジョロワ
【所持品】:年齢詐称薬@LSロワ、支給品一式、首輪(闇その2@スパロワ)
【思考・行動】
1:とりあえず大あばれ鉄槌から逃げ延びる。
2:とりあえず服。必要なら殺してでも奪い取る。
3:基本的に対主催路線。ただし弱者を守る気は皆無。
4:エロ師匠と対決する。
【備考】
※ガンスリンガーガールのトリエラの姿をしています。義体の身体能力等も有ると思われます。
※あ、声や演技や顔の造作は基本的にアニメ第一期で

※この2人がどっちの方向に向かうかは次の書き手さんにお任せします。

14691クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/09(水) 22:50:55 ID:JgiQxNFE0
投下完了。

……あー、苦情・文句・八つ当たりは書き手ロワ内でよろしくお願いします。何されても文句言いませんから。
あとごめんなさい、色々と。

14701クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/09(水) 22:57:54 ID:nP.2Fjh6C
なんという史上最悪の爆弾魔。
ロワ開催の爆弾まで仕込むとは…これは間違いなくパロロワ辞典に名を刻む流れ。

14711クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/09(水) 23:13:37 ID:JwT9RcoI0
あんたか!!正直Gjだ!!
ていうか、最近皆投下しては誤ってるなw
自由にやってもらうためにも
「実際の書き手達とはそんなに関係ありません」とかの注意書きが必要か。

14721クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/09(水) 23:35:01 ID:zPc61OEYC
投下乙!
なんというカミングアウトw
あだ名を付けようと言ったのがボマーだったとはw
書き手ロワやろうって言った人は漫画ロワのある書き手だと噂が……。

14731クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/09(水) 23:40:48 ID:5.QOOY7sC
すいません。少なくとも私は謝りつつも確信犯で書いてるんで、お気遣いなくw
ところでやっぱりロリスキー氏の一人称はかがみんに習って「私」にしたほうがいいですね。
個人的な好みであたしにしたけど

1474R-0109★:2008/01/09(水) 23:46:53 ID:???0
<チラシの裏>
今全話読み終わった……

また俺が二人いるじゃね―――――――か!
しかも主催は二度目だし、まあ片っぽは前みたいに俺色がすごく薄れてるからいいけど……
面白いことになるかもしれない支援sage
</チラシの裏>

14751クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/09(水) 23:47:09 ID:sqh0ZVdc0
ゲェッ! キャップ!!
……ミスったぜ

14761クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/09(水) 23:50:16 ID:0f0aG0zgO
みんな乙。そしてはっちゃけ過ぎw

14771クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/10(木) 00:00:59 ID:gErY5X/M0
>>1464
そうですね。後になりますが、そういう形に直してみます。

1478「繋ぐ」ということ:2008/01/10(木) 00:43:02 ID:S8lTaRVc0
全身が一部も余すところ無く、異様なほどに冷たかった。
傍から見ても分かるほどにがくがくと大きく肩口が震え、力の抜けた膝が自身の体重を支えきれない。
倒れこみそうになるのを意志の力だけで無理やり抑え込み、温泉少女は森の中を前進する。
一歩、また一歩。青虫が這うのよりも遅々としたスピードで、けれど確実に両足を前へ進めた。

……逃げなくちゃ。1メートルでも1センチでも、ううんそれこそ1ミリでもいい。
あの眼鏡から少しでも遠くへ逃げなければ、私は死んでしまう。このまま殺されてしまう。

先ほど突然斬り付けられた背中には、既に深々としたな刀傷が何本も刻み込まれていた。
ぱっくりと口を開いた傷口からはピンク色の脂肪と赤黒い筋繊維が覗き見えており、背骨の一部までが露出している。
子供が無邪気にカッターで切り傷をつけたセルロイド人形のように、その傷跡は痛々しい。
だらだらと零れ落ちる血液は背中を伝って裸の大腿部を滑り落ち、少女の全身をぬるりと汚した。
滝のように流れ落ちる血が汗と混ざり合うべっとりとした感触に、吐き気がするほどの気持ち悪さを覚え、
食道に込み上げてくるすっぱいものを嘔吐せぬよう必死でこらえる。

「痛い」「苦しい」「辛い」「気色悪い」「寒い」「凍える」「眠い」「怖い」「恐い」――――。
それら負の感覚ばかりが一秒ごとに消えては現れ、圧倒的な質量で彼女の脳内を蹂躙する。
疲労と恐怖で目が霞み、眼前には白いもやの様なものが広がって視界を塗りつぶした。
けれどその痛みや苦しみを感じ取れるだけ、自分はまだ正常なのだ、とそう思えば安堵もできる。
何も考えられなくなった瞬間、自分の命は終わってしまうのだから。
そう。だから今はまだ大丈夫。「痛い」「苦しい」と、そう言っている余裕があるうちは、まだ平気。

無理にそう言い聞かせ、温泉少女は泣き言を言いたくなる弱い心を押さえ込んだ。
破裂しそうなほど鼓動の早い心臓を宥めるかのように、その少年のように薄い胸へそっと手を当てる。

ああ、そうだ。こんなところで死んでなんかやるもんか。あんなやつに、殺されてたまるもんか。
私はまだまだ、やらなきゃいけないことが残ってる。だって、私は――――。

「……だって、私は繋ぎ書き手だから」

そう口にした一瞬だけ、温泉少女の表情が、怯えに満ちたそれから誇らしげな笑みへと変化する。
幸せな思い出を回想するように、楽しかった日々を懐かしむように、彼女は小さく目尻を下げた。
――『堅実な繋ぎ書き手』。それが、LSロワ内で彼女が多く口にされる評価だ。

無数の爆弾を至るところに設置しては、その様子を眺め楽しむ『ボマー』。
ど派手な戦闘から鬱々とした疑心暗鬼の行き違いまで、どんな展開でも思うままの『666』。
そして、一見穏健派に見えたにもかかわらずあれだけの悲劇を生み出してみせた『深淵』。

彼らの描く圧倒的な魅力に満ち溢れた作品は、温泉少女が書き手をする上で何よりの原動力となるものだった。
恐ろしいほどのインパクトと、予想を何重にも裏切る怒涛の展開を兼ね備えた作品群。
温泉少女は、彼らの紡ぐ物語が好きだった。
彼らとともに一つの物語を作り上げていることは、少女にとって最大級の喜びだった。
自分はあくまでも『繋ぎ書き手』で、彼らのようなキラキラと輝く華なんて少しも無いかもしれないけれど。
けれどだからこそ、彼らが作品を生み出す上での土台になれることが嬉しかったのだ。

伏線を撒き、或いは回収し、集団をばらし、キャラクターを誘導し、時間を進め、疑心暗鬼の種を植えつけ、
誤解フラグを、再会フラグを、再戦フラグを、死亡フラグを、狂化フラグを立て、そうして次へと繋ぐ話を作る。

自分の書いた作品を元に、次の誰かが最上級の作品を書いてくれたときは至上の幸福だ。
こっそりと撒いた伏線やフラグを他の書き手が巧みに拾ってくれたときなど、思わず心が躍ってしまう。
繋ぎ書き手には繋ぎ書き手の幸せがあることを、彼女は今のロワに来て初めて知った。
話を繋ぐこと。繋がっていくこと。一本の長い長い物語の途中に、自分の作品が存在するということ。
それが何より楽しくて。だから。

「だから私は、こんなところで無意味に死ねないよ。お話を、ぶっつり途切れさせるわけにはいかないから。
 何とかして、誰かに何かを繋がなきゃ……、託さなきゃいけないから」

1479「繋ぐ」ということ:2008/01/10(木) 00:45:45 ID:S8lTaRVc0


力強い面持ちでそう言って、温泉少女は再び森の中を駆けようとする。
重い右足を引き摺るようにして一歩出し、必死に前へ前へともがく。――――けれど。

「ちくしょう、ガキの癖に手間かけさせやがって。マ ジ ム カ つ く ってんだよ。
 おい、ガキぃ? 鬼ごっこはそろそろ終わりだぜ?」

その言葉に振り向けば、先ほど自分を襲った青年が数メートルの距離で自分に対峙していた。
追いつかれたのだと、そう分かった瞬間、一層目眩が強くなった。
先刻突然切り裂かれたときの衝撃を思い出し、改めて背中の傷がじくじくと痛み出すのを再認識する。
冷たい身体のなかで、その傷の部分だけが熱をもったように熱く、まるで業火にじりじりと嬲られているようだった。
恐怖に身体が竦む。けれど、死ぬことが怖いのではない。

何も残せないことが怖かった。何も繋げない事が辛かった。

青年の手にした剣が目深に振り被られる。
疲弊した身体では最早逃げることもかなわず、温泉少女は腹部を大きく貫かれ泥の中に倒れんだ。
剣の刺さった腹腔からは食べかけのソーセージのような腸が飛び出し、傷穴からだらりと垂れ下がっている。
男は仰向けになった少女へと馬乗りになると、周囲に落ちていた細い木の枝を無造作に掴み取った。
自動販売機を蹴ってイラつきを解消させる男子高校生のように、彼は少女を自身の腹立ちを紛らわす玩具として手荒く扱う。
手始めに手にしていた小枝を少女の片目に突き刺し、腕をもぎ足を斬り落とし、傷跡を雨霰と増やしていく。

「っ……、痛、い……」

ミミには悪いことをしたなぁ。眼を抉られるのがこんなに痛いなんて思わなかったよ。
それからシャナにも。四肢の健を切断は、ちょっとやりすぎだったかも。……あやまる、ごめん。

ぼんやりとした意識でそう考えながら、温泉少女は流石にそろそろ自分の死を覚悟した。
ぼうっとした頭の隅っこで眼前の男の舌打ちと暴言を聞き流しながら、少女はそれにまぎれて聞こえる誰かの会話に気付く。

「……じ、じ実に申し訳な……とした事が……勘違……」
「くだよ……下手すりゃ死んで……」
「まことに申し訳……何と侘びをいれれば……」

どうやら、眼鏡の男から逃げている間に元いた場所の近くへと戻ってきてしまっていたらしい。
ひとしきり会話を耳の端で拾っていた温泉少女は、その声の片方が、先ほど自分を逃がそうとしてくれた青年であるのに思い当たる。
そうして改めて考えてみれば、もう片方の声の主は自分達を襲おうとした獣耳の人のようだ。

……ああ、和解できたんだな。というか、多分最初から誤解だったんだ。
よかった、とそう思って安堵の息を吐いた少女が、何かに思い当たりはっと顔を上げる。
自分は何もできていないと思っていた。何も残せていないと、繋げていないと思っていた。
けれど、ほんの少しでも自分と行動をともにしてくれた彼になら。
命を張って自分を逃がそうとしてくれた、勇気あるあの青年になら――――。

        『――――――私のバトンを、渡すから』

視線の先で、地面に転がしていた血まみれの刀を男が再び持ち出した。
べっとりとした脂に塗れながらもまったく切れ味の衰えぬその刀は、少女の咽喉下にすっぱりと真一文字の線を引く。
己の咽喉から噴出す血で真紅に縁取られた唇を僅かに綻ばせ、けれど温泉少女はふわりと微笑んだ。
その表情に、自身の死に対しての怯えは無かった。苦悩も絶望も後悔も、無駄な感情は何一つ存在しない。
代わりに抱くのは、夜明けの星の如くきらきらと輝く希望の光だ。
自分の手では掴みきることのできなかった、取りこぼしてしまったその光。
その光を、せめて他の書き手達は手にすることができるのを祈って。
そして、自身を救ってくれた強き青年が己の願いを受け継いでくれることを想って。



……私の願い、託すから。だから、あなたが繋いで終わらせて。
お願いだから……ね?


【温泉少女@LSロワ 死亡】

[備考]この後、ddddddddに続きます。

14801クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/10(木) 00:46:42 ID:S8lTaRVc0
最近は自ロワでもあんまり書いてないのに、なぜここでこんなの書いちゃってるんだ…orz

14811クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/10(木) 01:01:45 ID:f.blewygC
ぐっじょおおおおおおおおおおおおぶ!!
ロワは違うが、同じ繋ぎ書き手として全俺が泣いた。いやマジで。
そーだよねー自分の繋ぎを予想の斜め上の展開でリレーしてくれると本当に嬉しいよねー……。

14821クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/10(木) 01:14:48 ID:gwPz5LEY0
本人降臨か?! GJ!
なんか鳥肌立った。状況の活かし方が上手いなぁ

14831クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/10(木) 01:58:58 ID:LtsK01Ng0
これが繋ぎというものだ……
GJ!

14841クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/10(木) 02:22:55 ID:2Koa.0BU0
GJだ、けど言わせて貰う。輝く華はあるじゃないか!
繋ぎが楽しいならいいさ。だけど、周りから「繋ぎ書き手」って言われたから、
その枠に自分を収めようとしているならそんな枠は壊してほしい。
今みたいに胸を打つ話だって書けるんだし、そもそも地力が高いんだから。
……本人かどうかは分からないけどもこの際どっちでもいいや。
俺はあなたを含めたLSの書き手に置いていかれたくないから頑張っているんだ、もっと自信を持ってほしい。

14851クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/10(木) 07:49:03 ID:qQEoLHiMC
別に繋ぎ書き手という意識はないし、いつも全力全開でバトルも死亡話も書くのだが、他の人がすごすぎて、いつのまにかそういうポジションになっていた。
そんな俺みたいな書き手もいることを時々でいいから思い出してください。
じゃあ歌います。「ヘミソフィア」聞いてください。
それでも〜いったいこの僕に〜何ができるっていうんだ〜♪

14861クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/10(木) 13:05:54 ID:oJXvGgsc0
昨日は投下ラッシュだったのか。それも燃えから泣きまでよりどりみどりとは!!

かがみのジンクスも発動しかけてるし、他のジンクス持ちにも期待

14871クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/10(木) 14:53:11 ID:roKRPcZQ0
GJ!
繋ぎメインの俺が泣いた。

そして何気に温泉少女と最後に行動をともにしていたchain-情も同じ繋ぎ書き手。
果たして、温泉少女のバトンはきちんと渡されるのだろうか……。

14881クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/10(木) 17:21:21 ID:8./ojcggO
かがみんのジンクス発動と言っているがちょっと待って欲しい、このアーカードは対主催なのだが。

……いや確かに前科が有りすぎるから仕方ないのかもしれん、ウッカリデス氏もいるのだしw

14891クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/10(木) 20:03:57 ID:gErY5X/M0
投下順と時系列順の項目をメニューに追加したんだけれど、うっかり余計なページも作成してしまった。
しばらくPCから離れなければならなくなったので、どなたか一番最後に更新した「時系列順に読む」を削除しておいてください。

14901クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/10(木) 22:36:30 ID:xUAk06TA0
カミングアウトに噴いて、ミスキャップに和んで、繋ぎ話に切なくなった。
まずカミングアウト、キッカケあんたかよw
爆弾仕掛けすぎだwww

あと繋ぎ話は切なくなった。イイハナシダナー。
紹介書いた時は印象薄いとか書いてごめんなさい。
そこから最近はそれ以外も手を広げ始めたって部分を強調したかったんだけど文脈間違えたorz
グラフにすると二次関数みたいな期待をしてます。今後も期待。

1491 ◆0RRqL7JorI:2008/01/11(金) 18:48:35 ID:Ohqp6pXs0
近日に第一放送の案を投下したいけどいいかな?
ついでに禁止エリアの案や現時点での死亡者まとめもお願いします。

14921クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/11(金) 20:41:26 ID:R7lqO7L20
このロワ面白すぎwwww
まさか自分がこんな事になっているとは…。ガンバレ、俺w

14931クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/11(金) 22:13:13 ID:S1djnr1c0
ここはあえて参加者密集地を禁止エリアに

14941クールのコテハンより1回の名無し:2008/01/11(金) 23:14:04 ID:soDd3Qfk0
たった今このロワを知って追いついた。書き手として自分が参加しているのは素でうれしい。

……がんがんじいが脱げないところは懐かしき特撮ロワの真司みたいだなぁ。

1495名前を捨てた人:2008/01/12(土) 21:22:02 ID:39ygUi5.0
ああ、自分が参加してるのを見るのは楽しい。
例え何回目であってもな

1496名前を捨てた人:2008/01/14(月) 18:56:20 ID:sZszx2f20
一日書き込みが無いって・・

1497名前を捨てた人:2008/01/14(月) 19:14:58 ID:biQ8K/hU0
過疎ってるな……連休だからか?

1498名前を捨てた人:2008/01/14(月) 19:16:03 ID:BzL13N0k0
予想だが、これからここは予約合戦待ちとかで時間ができた書き手の息抜きとして使われていくのではないだろうか。

1499名前を捨てた人:2008/01/14(月) 19:36:23 ID:vY0hzXkAC
大学は明日から学校か?
他にも受験の人や連休中に自ロワで書いてる人とかいるだろう。
あとギャルゲロワ最終回でもある。

1500「混ぜるな危険」とか言われるとかえって混ぜてみたくなるよね:2008/01/14(月) 20:22:17 ID:chCbGA9Y0

蜀軍の士気は、乱れきっていた。
それは軍師の不在によるものでも、主君の不在によるものでもない。
軍に蔓延した、悪魔の粉のせいだった。

5MeO-DIPT、通称『フォクシー』。
『ろりしょたろわ仕様』のそれは、相手が同性であろうと見境なしに、倒錯した性の世界に落とし込む。
つまりは……30万もの筋骨隆々たる男たちが、仲間同士男同士手当たり次第に、

 (省略されました……以下の妄想を見たい人は ここ をクリックして勝手に思い描いて下さい)



DIOはその馬を完全に乗りこなしていた。
この乗る者を選ぶ巨大な馬は、最初こそ抵抗はしたものの、今はすっかり従順になっている。
『世界』と力比べをし、時間停止を経験し、その不可解な力に勝てぬことを悟り、DIOを主人と認めたのだ。

「この黒王号さえ居れば、大陸横断レースすら制することができるッ!!
 仮に世界が一周したとしても、帝王は依然このDIOだッ!!」

そしてDIOは手綱を握ると、広大なる北米の大地を

 (省略されました……以下の妄想を見たい人は ここ をクリックして勝手に思い描いて下さい)



火口卿介は歓喜していた。
デスノートが手元にやってきただけでもあれだけのことができたのだ。
この永遠神剣があればどれだけのことが出来るのだろう?
彼はそして、自滅すらもたらしかねないその剣を、

 (省略されました……以下の妄想を見たい人は ここ をクリックして勝手に思い描いて下さい)



漫画ロワwiki管理人は、己に与えられた機体を感慨深げに見上げた。
自分のロワに登場してこそないが、彼とて漫画読みの端くれ。パトレイバーくらい知っている。
白と黒に塗り分けられたスリムなボディ。菊の御紋も眩しい、警察用の機体。
AV-98、イングラム。
それが今、暴徒鎮圧にも暴走レイバー制圧にも向かない、恐ろしい武装を施されて彼の前にある。

黄色と黒で描かれた、放射能を模したマーク――核ミサイルである。

おそらくはコレを撃ったら彼自身も無事では済むまい。レイバーに対熱・対放射線の備えは無い。
撃ったらきっと、彼自身も確実に終わる。そんな無駄に熱い機体。
そして彼は展開の熱さでは定評のある漫画ロワの管理人なのだ。
これが自分に与えられたモノだというのなら、ここで逃げるわけにはいかな

 (省略されました……以下の妄想を見たい人は ここ をクリックして勝手に思い描いて下さい)

1501「混ぜるな危険」とか言われるとかえって混ぜてみたくなるよね:2008/01/14(月) 20:22:43 ID:chCbGA9Y0


融合した2本の知恵ある杖は、選ばれし者に新たなる力を与える。
刻まれた命令は『愛と正義(ラブアンドパワー)』。
新幹線のアナウンスでお馴染みな声で紡がれるのは、たちの悪い冗談のような発言。
多元転身で無数のコスチュームを使い分け、カートリッジシステム搭載で爆発的なパワーを発揮する。

融合によって生まれ変わった愉快型インテリジェントデバイス、『レイジングハート・エクセリオン・カレイド』。
新たなる力を手に、老人はそして光の中で新たな伝説を作る。

「新感覚魔法少女・リリカルアンバーかみなり、セ〜ット、ア〜〜ップ!!」

 (省略されました……以下の妄想を見たい人は ここ をクリックして勝手に思い描いて下さい)



……どれほどの間、呆然としていたのだろう。
King of 脳内補完は、そしてようやく正気に返った。
半ばヤケクソで回し続けたウルトラミキサーは、やがて煙を吐いて動かなくなった。
もう付き合いきれない、ということなのだろうか?
手元にはずいぶんと数の減ったエニグマの紙。書かれているのは、いずれも危険過ぎる文字ばかり。

脳内補完から現実に戻ってきた彼は、そして、少しだけ泣いた。


【黎明】【F-1 市街地】
【King of 脳内補完@漫画ロワ】
【装備】:スカウター
【所持品】:支給品一式、ウルトラミキサー(故障?)、厨性能支給品セット
【状態】:健康
【思考・行動】
1:現状を把握する。

※エニグマの紙入りの(未開封の)厨性能支給品セットには今のところ、次のものが確認されています。

1.5MeO-DIPTを使用した蜀軍30万
2.黒王号に乗った『ザ・ワールド』(DIO付き)
3.デスノート(永遠神剣『言葉』を手にした火口卿介付き)
4.AV−98イングラム・核ミサイル装備型(パイロット:漫画キャラバトルロワイアルwiki管理人)
5.愉快型デバイス『レイジングハート・エクセリオン・カレイド』(リリカルアンバーかみなり付き)
(元は『レイジングハート・エクセリオン(かみなりさん付き)』と『愉快型魔術礼装カレイドステッキ』でした)

1502名前を捨てた人:2008/01/14(月) 20:44:55 ID:NCMtXcH20
まさに妄想王、クソワラタwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

1503名前を捨てた人:2008/01/14(月) 20:58:08 ID:biQ8K/hU0
腹 筋 大 決 壊

1504名前を捨てた人:2008/01/14(月) 22:47:16 ID:OI98hLYc0
やっちまいやがったwww

ところで、5MeO-DIPTを使うとアレが萎える。
代わりに後ろが少々緩くなる。
つまり男の場合、受け専用って事だな。

1505名前を捨てた人:2008/01/14(月) 22:58:33 ID:biQ8K/hU0
>>1504
それを知っているということは……まさか経験者!?

1506名前を捨てた人:2008/01/14(月) 23:44:03 ID:NCMtXcH20
調べればすぐわかんだろw おったてる薬との相性がよろしという話も確かに聞いた事がある

1507名前を捨てた人:2008/01/15(火) 00:25:41 ID:IWIW8DTA0
放送後の投下ラッシュの嵐の前の静けさに包まれて……

1508名前を捨てた人:2008/01/15(火) 01:08:43 ID:PYTrVpyk0
あれは催淫剤って書いてあるけど、効果は覚せい剤と同じようなもんなんだぜ……
エロだけを目的に使うと、とんでもないシッペ返しを喰うだろうな。


俺は未経験者だけどな。

1509名前を捨てた人:2008/01/15(火) 17:20:45 ID:I62NfTgA0
わろた。『レイジングハート・エクセリオン・カレイド』やばすぎ。

1510名前を捨てた人:2008/01/15(火) 17:22:59 ID:ZBIZMdfQ0
名無しのデフォルトネームが変わっているのに今気付いた
無駄にかっこいいな

1511名前を捨てた人:2008/01/16(水) 22:05:33 ID:SyDquDKU0
wikiをちまちまと更新してみた。
途中何度かくじけそうだったけど
しかも途中まで。これ以上やるとたぶんゲシュタルト崩壊する

1512名前を捨てた人:2008/01/16(水) 22:24:08 ID:7ZBwgGIQ0
乙!乙でござりまする!

1513名前を捨てた人:2008/01/17(木) 00:39:12 ID:KXZBHnas0
乙です。この作業はかなり疲れますよね……ありがとうございます

1514このロワがスタートしたのと同じ日にOG外伝発売:2008/01/17(木) 23:18:55 ID:zJTT7KXE0
ここは危険度特A級の殺戮地帯。
人間をはるかに超えた連中が跋扈し、あるものは隙を伺い、あるものはその力を以って容赦なく他者の命を刈り取る。
書き手バトルロワイアルの会場。
そしてそこに召喚された、とある二人の人間はビルの一室で……ゲームをしていた。
「いやーまさかヒューゴがここで出てくるとはねー」
「むう、まだ機神猛撃拳は使えないのか」
モニターの前でゲームに興じているのはピンクの髪の少女。
そしてその傍らで興味深そうに眺める隻腕の老人。
スパロワの書き手『闇その1』と『差』である。
隻腕ではプレイできない『差』はほぼ見物役だが。
まず最初にこの場所で出会った二人は自己紹介の後、さっそく至急品の確認にとりかかった。ロワの基本だね!
そこで出てきたアイテムとは……

PS2ソフト「スーパーロボット大戦OG外伝」
PS2本体

二人は顔を見合わせる。
「……これはつまり」
「ゲームをしろってことか?ギャルゲとかアニ1みたいにクリアすると何かあるとか」
「モニターがないぞ」
「そこらへんの設備から調達すればいいじゃないか」
彼らのいる部屋は、元は企業のオフィスといった風情であり、PCも机ごとに一台完備されている。
この分なら電源も問題ないだろう。
というわけで――、

「お、宇宙ルートが追加されてるぞ」
「前作の2.5をプレイした人への配慮だろう」

「本当にラミア死んだのかな……」
「不思議パワーで生き返って終盤で復活に1000ペリカ」

「アクセルゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!」
「アルフィミィィィィィィィィィィ!!!!」


(しばらくお待ちください)


「いやーあっという間にこんな時間か。あ、もうそろそろ放送だから一区切りしようか」
「ああ……ところでな」
「ん?何だ」
スパロワ書き手だけに楽しくてしょうがないといった表情の『闇その1』。
だがそんな彼女とは対照的に『差』は、何か思いつめたような表情だ。


「――――俺、そろそろ死ぬから」

1515このロワがスタートしたのと同じ日にOG外伝発売:2008/01/17(木) 23:20:52 ID:zJTT7KXE0
「……え?」
「いや俺、全身火傷で片腕無いし。ここに来た時点で寿命だったんだよ」
「そんな……」
「おいおい、そんな顔するなよ。楽しかったぜ?少なくとも残り少ない命で、誰かを道連れにするために暴れまわるよりかは、な」
「お前……」
夜明けの太陽を浴びた『差』その顔は、後悔とかそういった感情ではない、澄み切った表情を浮かべていた。
だがそれだけに『闇その1』には、それが痛々しくてたまらなかったのだ。
「じゃあな。最後に外伝をプレイできて……楽しかった……ぜ……」

「『差』ぁぁぁぁぁああああぁぁぁぁああああ!!!!」


  ◆  ◆  ◆


どのくらい泣いただろうか。
『闇その1』は涙で晴れた眦を手でこすり、立ち上がった。
いつまでも悲しみに浸ってなんかいられない。
そろそろ第一回の放送が始まる時間だ。
こうなったら『差』の無念を晴らすためにも、主催者の奴らに一泡吹かせてやる。
次元の壁を超え、核ミサイルすらものともしないスパロワ書き手の力というものを思い知らせてやる。
私たちを敵に回した愚行を、最終地獄を百回繰り返しても飽き足らない程の罰を与えて後悔させてやる。

「見ていてくれ、『差』。お前の仇は必ず討ってみせる」

地平線から登る太陽に向かって誓う。
だが彼女は大切なことに気付いていなかった。
スパロワ住人なら気付けたはずだった。
だが、キャラクターは必ずしもロワ内において最適な行動をとるわけではない。
彼女の判断ミス――それは『差』の死体から速やかに離れなかったこと。
彼の体は東方腐敗。
その死体はただの死体ではない。
もっとおぞましい何かだ。
その死体と二人っきりになることは死を意味する。
そうスパロワ本編の――トウマ・カノウのように。


ずる…………。


(いるよ……)


ず……ずる……。


(来るよ……)


ずり……ずり……。


(あなたの後ろに……)


「―――――え?」

こきゃ。



【早朝】【D-4 ビルの中】
【差@スパロワ:死亡】
【闇その1@スパロワ:死亡】

※どこかのビルに【OG外伝@現実】と【PS2本体@現実】および支給品一式×2(未確認支給品あり。数は不明)が放置されています。

1516名前を捨てた人:2008/01/18(金) 00:30:24 ID:nWglh7tM0
す、スパロワ書き手勢が妙に大人しいと思ったらそういうことだったのか!w
楽しそうだなぁこいつら。死んだけど。

1517名前を捨てた人:2008/01/18(金) 19:10:23 ID:r5l3qLbQ0
84人中17人が脱落か。ロワ的にも問題ないペースだなw

1518名前を捨てた人:2008/01/18(金) 19:43:47 ID:9eLw2Q8g0
というかもう99話とかペースが速すぎるw

1519100話目だからって調子に乗って自分を書く。後悔?ないねッ!:2008/01/19(土) 23:32:11 ID:SXIx3mIM0
「ふむふむ、つまりはその先ほどの戦闘で不細工な鎧が脱げなくなったわけだ。」
「そうだ。そして不細工とか言うな、割と気に入ってるんだから。」
「いいじゃないか。それはそれで中々似合っているぞ。」
「………それはそれで何か大切なことを無くした気がする。」
バトルロワイアルだというのに、どこか温い会話をしている男が二人。
片方は赤いジャケットを羽織り、もう片方は青いジャンパーを着込んでいる。
この戦いの中では、比較的まともな格好の二人。
「ふっふっふ……それは俺に対する挑戦と受け取ってよいのだな?漆黒の。」
「どうしてそうなるんだよ!?」
この二人――漆黒の龍と愛の伝道師――が町に来たのはある理由があってのこと。
それは、生存者を集めてゲームから脱出する。
そのためにはまず、人が集まっていると思われる町へ出るのが得策と考えたためだった。

―――――――が、結果としてその行動は仇となった。

「……危ないッ!!」
突如、漆黒の龍は愛の伝道師を道路へと突き飛ばす。
「なっ……!?」
いきなりの行動に、愛の伝道師は碌な受身も取れずに地面へ突っ込む。
その時に頭でも打ったのだろう、意識が薄れていく。
最後に聞いたのは、漆黒の龍とは違う声。

「アアァァアァアアアァァアア!!」



一体どれ位の時間が経っただろうか。
徐々に愛の伝道師の意識が戻ってくる。
「つつ……お前一体何を……!?」
怒りと共に起き上がった愛の伝道師が最初に見たものは、
「ゥァアアァァアアァァアァッッ!!」
「グァッ……!」
……漆黒の龍が崩れ落ちる姿だった。

1520100話目だからって調子に乗って自分を書く。後悔?ないねッ!:2008/01/19(土) 23:32:42 ID:SXIx3mIM0
「し、漆黒のォォォォォォォォ!!」
絶叫と共にカブトゼクターが飛んでくる。
襲撃者を脇を掠め、素早く愛の伝道師はそれを掴む。
「変身ッ!!」
『HENSHIN』
瞬時に愛の伝道師は装甲に包まれ、カブト・マスクドフォームへと姿を変える。
「ウオオオオオッ!!」
クナイガンを構え、襲撃者――コ・ホンブック――目掛け走り出す。
制限を受けているとはいえ、マスクドフォームの走力は100m走っても9秒を切る。
コ・ホンブックとの距離を埋めるのにそう時間はかからない。
「ハァッ!!」
下からアックスモードの刃を、相手の体を切り裂かんばかりに振り上げた。
対するコ・ホンブックはその手に持った乖離剣・エアで衝撃を防ぐ。
二つの力がビリビリとぶつかり、辺りのものを吹き飛ばしていく。
そのままの体制でカブトはゼクターの角に手をかけ、叫ぶ。
「キャストオフ!」
『Cast Off』
体中の装甲が弾け飛び、一斉にコ・ホンブックを襲う。
「グッ!?」
咄嗟に飛び退き、乖離剣・エアで防ぐ。
一つ一つ落としていくが、弾が複数あるということは、それ即ち全て回避するのは不可能に等しい。
装甲の一つがコ・ホンブックに命中し、地面に激突する。
「グ………ッ!?」
ふら付きながらも立ち上がったコ・ホンブックが最初に見たのは、
『Change Beetle』
既に昇りかけている朝日を背に受けた―――――赤き戦士だった。
――――今、愛の伝道師を突き動かしているのは三つの事実。

一つ、突然の襲撃に対応できなかったこと。

二つ、そのせいで、漆黒の龍を助けられなかったこと。

そして、最も重要な三つ目。それは、もう漆黒の龍に愛を伝道出来なくなったこと。

1521100話目だからって調子に乗って自分を書く。後悔?ないねッ!:2008/01/19(土) 23:33:06 ID:SXIx3mIM0
「ウアアアアアアアア!!」
そのすべてが混ざり合い、雄たけびとして現れる。
ベルトのボタンへと手をかけ、様々な想いを込めて押していく。
『One』
『Two』
『Three』
ボタンを押し終え、ゼクターの角を押し上げる。
そして、一瞬の間も置かずに再び押し戻し――――――
『Rider Kick』
―――――稲妻を纏った回し蹴りが炸裂した!
「グッ、ガァアアアァァア!!」
コ・ホンブックはライダーキックをまともに食らい、周りの建物を巻き込んで吹き飛ぶ。
その隙にカブトは漆黒の龍を脇に抱え、ベルトのスイッチを押す。
『CLOCK UP』
電子音声が流れ、カブトの姿が消える。
吹き飛ばされ戻ってきたときには、もう全てが終わっていた。
「……」
剣を振り、真空刃で辺りの物を吹き飛ばす。
満足したのか、あるいは二人を探しにいくのか。
コ・ホンブックは、無言でその場を後にした。

【早朝】【E-3 町】

【コ・ホンブック@アニロワ2nd】
【状態】不死者化、胸に12の傷(※)、腹に10の刺し傷(※)
【装備】乖離剣・エア@Fate、壊れた戦国の兜(面付き)@バッカーノ
【道具】
【思考】
 基本:痛イから殺すカら痛いかラコロすからイタいカら殺スかラ……
1:……
2:皆殺シ
 ※容姿はR.O.D-TVのアニタ・キングです。
 ※不死者化するまえの傷は治りません。ずっと痛いままです。
 ※E-3の半分程度の建物が壊滅しました。

1522100話目だからって調子に乗って自分を書く。後悔?ないねッ!:2008/01/19(土) 23:33:43 ID:SXIx3mIM0
『Clock Over』
加速を終え、カブトは大分離れた場所で息をつく。
変身を説くと、脇に抱えた漆黒の龍を地面へと降ろした。
見れば、鎧の頭部がへこんでいる。
よほど強い衝撃だったのだろう、もう脈が止まっている。
鎧の上からで表情はわからないが、彼は苦しまずに逝けたのだろうか。

「……命の恩人を、野晒しにはしていけないな。」
そっと呟くと、彼は漆黒の龍を土へと返すために穴を掘り始めた。

【漆黒の龍@ライダーロワ 死亡】

1523100話目だからって調子に乗って自分を書く。後悔?ないねッ!:2008/01/19(土) 23:34:09 ID:SXIx3mIM0
―――――――数分後。
「って、ちょっと待てェェェェェェェェェ!!」
突然、埋葬されかけていたその男が大声を上げた。
半分くらい土に埋まっているが、確かに生きている。
「のわァッ!?」
素っ頓狂な声を上げ、思わず飛び退く愛の伝道師。
「勝手に埋めるな!ていうか埋める前に脈とか測ろうぜ!?」
「……脈は止まっていたように思えるが。」
「だーかーらー幾ら脈が止まってたからって……え?」
漆黒の龍は頭の中の怒りのメーターが一瞬でマイナス方向へ落ちていくのを感じた。
脈が止まった? 僕のが? もしかして人間離れした?
「ちょっ、それどういう……!」
思わず土の中から這い出し、愛の伝道師へ掴みかかろうとする。
…………が!
「はぅっ」
丁度よくそこに存在していた小石に躓き、思いっきり転倒した。

すぽんっ。

その拍子に妙な音を立て、がんがんじいの鎧が漆黒の龍から外れる。
カラカラと鎧が転がり、やがて静寂がその場を包む。
「……脱げたね。」
居た堪れなくなった漆黒の龍が一言呟く。世はなべて事もなし。

【漆黒の龍@ライダーロワ 生存確認?】

【早朝】【E-4 町】

【愛の伝道師@漫画ロワ】
【装備:『キラークィーン』@漫画ロワ カブトゼクター&ベルト@ライダーロワ】
【所持品:支給品一式】
【状態:健康】
【思考・行動】
基本:天の道を往きながら愛を語り伝える
1:漆黒の龍に心底びっくり
2:漆黒の龍に愛を伝道する
※黒い皮手袋に、赤いジャケットを羽織った吉良吉影です

【漆黒の龍@ライダーロワ】
【装備】カードデッキ(ナイト) がんがんじいスーツ(頭部に凹みあり)@特撮ロワ
【所持品】支給品一式 折れたエクスカリパー
【状態】軽く脳震盪、下半身と背中土塗れ
【思考・行動】:生き残りたい
1:脈が止まってた?
2:生存者の確保、及び首輪の解析
3:脱げてよかった
※外見や声は城戸真司です。
※他ロワの知識は皆無です。
※脈については何か能力を持っているかも知れません。

1524100話目だからって調子に乗って自分を書く。後悔?ないねッ!:2008/01/19(土) 23:35:18 ID:SXIx3mIM0
※ですが鎧の上から計ったので愛の伝道師の勘違いかもしれません。



最後の一行だけ忘れたorz
言いたいことは全部タイトルに込めた。既にwikiにも項目を作った。
ついかっとなって書いたには余りにもアレなのでちょっと反省中。後悔はしていない。
……中の人の一人称は僕だったりする。

1525名前を捨てた人:2008/01/19(土) 23:46:04 ID:DKXk0WxY0
GJ!
笑ったw 漆黒のおとぼけすぎw
タイトルから予想するに……つきのんだと考える!

1526蟹座氏の憂鬱Ⅱ:2008/01/20(日) 04:02:27 ID:GI5Fc.P20





「蟹座じゃない、蟹座じゃないもんね……!」

走る、走る、走る。
森を抜け、知らない場所まで行っても彼女は走る。
呪縛から逃れるように。
蟹座、という名前から逃れるために彼女は走り続ける。
名簿にも、住人にも、そして支給品からも蟹座氏定着していても、彼女は負けない諦めない。

(そうだ、ボクは蟹座じゃ……って、なんで一人称がボクになってるんだろ)

ふと、違和感に気づく。今までの蟹座氏の一人称はボクではない。
思えばこの身体になって変だった。
口調はだいぶ『蟹沢きぬ』というキャラから脱却しかけてはいるものの、一人称はどうやっても直せない。
身体能力もそうだし、そう……体の特徴。
例えば身長、例えば胸の大きさも……大きさも……

「……………………」

ペタペタ、触ってみる。
大して変わらない感覚、中学生とも思われかねない体つき。
思い出す、自分がギャルゲーをやっているときのことを。
シナリオは泣けて好きだが、必ずと言っていいほど大人なシーンがついてくる。
胸の大きいキャラを見ていて、自嘲気味に笑ってみたこともあった。なんという自虐プレイ。

「た、大差なくなんてない……大差なくなんてないもん、ね……」

ペタペタ。
ペタペタペタペタ。

「……くすん」

あっ、泣いた。
頑張れ、蟹座氏。気にしなくても需要はあるさ。

「うわあああああああああああんっ!!」


     ◇     ◇     ◇     ◇


「……おや、何故でしょう? 蟹座……いえ、TF氏の叫びが聴こえたような……?」

バトルマスターは市街を歩きながら、ふと空を見上げる。
魂の叫びが聞こえたというか、なんというか。
もしかしたらすぐ近くにいるのかも知れないが、回りを見渡しても蟹座氏の姿は確認できなかった。
距離的に考えれば聴こえるはずがないのだが、魂の叫びは心の中に響いてくるものかも知れない、多分。

「ふむ……」

The god of chaosに一撃をくれた後、学校から離脱してきた。
対主催ならば仲間を集めなければならない。そのためにも信頼できる人間を探さないと。
名簿を見る。
見て、あまりのカオスさに改めて眩暈がする。この名前で名乗って、まともに情報交換できるものか。
……ステルス鬼畜とか、名乗った瞬間に警戒されること請け合いだろう。彼も燃え展が多いのに。

「とにかく、私たちのロワの二大新人は信頼できるでしょう」

お姉さまと蟹座氏。
執筆したものは燃えの度合いが強く、悪を憎む心はきっとあるに違いない。
確かにロワは何が起こるか分からない。
もしかしたら意外な人物が殺し合いを肯定しているかも知れない。
お姉さまにしてもお気に入りの朝倉純一の欝死亡プロットを電撃的に没に落としているし、不安だ。

「でもまあ、信じてやるしかない……か」

前原圭一の影響が強い、のだろうか。
この性格はロワ向けとは言いがたいが、悪くない。むしろ対主催にはピッタリだ。
コインを弾く。
このコインは書き手たちによって弾かれ、多くの参加者の生死を左右したとされるが、果たして。

「そろそろ、第一回放送ですか。早いものですね」

もう一度、コインを弾く。
表なら自ロワの参加者は誰も死んでいない、裏なら誰かに犠牲者が出ている。
ちょっとした願掛けのような遊び心。
虚空に舞うコインを眺めながら、バトルマスターは今後の方針について考え始めた。


     ◇     ◇     ◇     ◇

1527蟹座氏の憂鬱Ⅱ:2008/01/20(日) 04:03:05 ID:GI5Fc.P20


同じ頃。
絶叫の後、走り回っていた蟹座氏はついに立ち止まる。

「…………蟹座じゃないんだってば」

遠い呟きが虚しいが、立ち止まったからには理由がある。
通常なら誰かに遭遇したからこその行動だ。
だが彼女が立ち止まった理由はまったく別の理由だった。
人に逢えない。
さっきからずっと走り回っていたが、まだ人に逢えない。

「まさか……これって……!」

蟹座氏は思い出す。
自ロワにおいて第一回放送で誰にも逢えずにいた参加者のことを。
フラグは立てられず。
誰にも出逢うことはできず。
故につけられた渾名を『空気王』……そう、白鐘沙羅と同じ状況に立たされていることに。

「……まずいって、それは」

毒吐きでの話題性の異常さを思い出す。
まさにネタの宝庫。
同格は本当に勘弁してください、と言ったところだが……本格的にフラグも立てていない。
フラグは重要だ。
ないキャラはズガンされても文句は言えない。

「……もうすぐ、第一回放送……」

名簿をもう一度見てみる。
もう分けが分からない。まさか自ロワの人間ですら渾名じゃ理解できない面々もいる。
ふと、バトルマスターのところに目が行った。

「……ししょー」

そう、弟子入りを一方的に宣言したのはいつだったかな、と蟹座氏は思う。
作品投票で宣戦布告して、それでも敗北したあと……チャットで再び宣告した。
逢いたい、と思う。
自ロワを支えた憧れの人に逢いたい、と心から思う。

「……逢える、かな」

自分が参戦するまでのキャラたちを思い出す。
元の世界で逢いたい、と思ってもほとんどが再会できないままに生涯を終えている。
九割がた、逢えないのだろう。
この世界はご都合主義という言葉はない。無常さが漂う殺戮の宴だ。
支給品を確認し、ようやく最後の支給品である鉈を見つけた。
ししょーの遺品、という設定だったか。巡るめく回って自分に支給されたのは中々に愉快だ、と思った。

「いや……逢うんだ、やってやる」

まずは仲間探しだ。
突然こんなところに連れてこられて殺し合いに乗る奴なんて一握りのはず。
支給品は自分向けの武器も出てきたし、他の支給品たちといえば……蟹座の黄金鎧、と。


「僕は富竹、フリーのカメラマンさ!(ポチッ!)」


『いやっほぉぉぉおおおう、蟹座のONiぃ様、最高ーーーーーっ!!!!!』


「うわあああああああああああんっ!! ぶち壊しだあああああああああっ!!!」


まずはあの時報支給品を始末しよう、鉈で。
心の中で決めた蟹座氏はとにかく走る。
ははははは、と富竹は走る。機関車は走る、三秒で捕まってボコボコに殴られ、デイパックの中に放り込まれた。

まだ、誰にも逢える気配はない。


【早朝】【C-5 市街】


【蟹座氏@ギャルゲロワ】
【状態】へこみ、Lv3
【装備】鉈
【道具】支給品一式、蟹座の黄金聖闘衣、最高ボタン、富竹時報
【思考・行動】
基本:仲間と共に主催者を倒す
0:ぶち壊しだあああああああああっ!!!
1:蟹座じゃない、蟹座じゃないもんね……蟹座じゃないんだってば!
2:バトルマスターを始めとした、自ロワの参加者を捜索する



※外見はつよきすの蟹沢きぬ(カニ)です
※最高ボタンには『いやっほぉぉぉおおおう、蟹座のONiぃ様、最高ーーーーーっ!!!!!』というハクオロの声が流れます。
  シークレットボイスにも何かあるかも?
※自分の心がキャラに影響されていることに気付きましたが、キャラに抵抗するため無駄な努力をしています


【黎明】【E-3 市街】

【バトルマスター@ギャルゲロワ】
【状態】冷静
【装備】不明(支給品は確認済)
【道具】支給品一式、コイン、名簿
【思考・行動】
基本:コインの表が出たので徹底的に抗う。
1:第一回放送を待つ
2:対主催として仲間を探し、殺し合いに乗った敵を倒す


※自分の心がキャラに影響されていることに気付きました

1528名前を捨てた人:2008/01/20(日) 04:05:32 ID:GI5Fc.P20
蟹座氏にはもう謝った、だからここでは謝らない。
バトルマスターの時間は『早朝』で編集をお願いします。
せっかくなので似非恋愛フラグを立ててみた、どうだ!……ごめんなさい。

1529名前を捨てた人:2008/01/20(日) 11:10:03 ID:UFTHys3c0
現時点での俺的萌えキャラランキング

一位:ドS氏
二位:ネコミミスト氏
三位:空鍋氏
四位:蟹座氏
五位:エロ師匠氏

今回はかなりキャラが立ってる人が多くて悩んだぜ!
ギャグ将軍氏や地球破壊爆弾氏、AAAの皆さんもイイ!

1530名前を捨てた人:2008/01/20(日) 16:24:40 ID:BXQJQFfQ0
エロ師匠は、萌えと言うより18禁ド直球な気がするw

1531名前を捨てた人:2008/01/20(日) 17:28:07 ID:mmtalX4A0
蟹座氏……なんという萌えキャラ化w
キャラ立ち過ぎてて、とても沙羅さん化しそうには無いけどw

1532あなたと合体したアッーい:2008/01/20(日) 21:06:29 ID:BXQJQFfQ0


「や――」

暮れなずむ内面描写が覚悟を決め、エロスの鐘の煩悩寺に言葉を続けようとした瞬間、
上空から嫌な空気をかき消すような叫び声が舞い降りてきた。

「やぁーってやるぜぇー!!」

空から降ってきたのは、高速で接近するイーグルファイター。
しかもその先端には、声の主である起が仁王立ちで内面描写を睨みつけていた。
一方、睨まれている内面描写は、浮かび上がったそのシルエットに思わず喉を鳴らす。
同じように上空を見上げていたエロスの鐘の煩悩寺は、その光景に思わず自分の肩を抱きしめた。

「とぅ!」

起は華麗に空中七回転三回捻りを決めると、腰に手を当てて二人の眼前に舞い降りる。
厳密に言えば煩悩寺の眼前に舞い降りた。
起を降ろしたイーグルファイターは、上空で旋回するとどこかに飛び去って行く。
そう言えば忘れていたが、そろそろ起の姿をお教えしよう!
顔はユーゼスと同じような仮面!その肩には立派なマント!
以上である!
靴も履いていなければ、服も着ていない。
当たり前だが、下着なんてつけてすら御座いません。
……どうみてもご同輩です。本当にありがとうございました。

「どうやら合体する直前だったようだが、その権利は俺に譲ってもらおう」

股間を隠さず近付く起に、煩悩寺は小さな悲鳴を漏らす。
が、その二人の間に内面描写はにゅるんっと割り込む。
割り込んだ際にぷるんと揺れた乳首が実にいやらしくてみずみずしい。

「おやめなさい。彼女が怯えている」

怯えている理由は起だけの所為ではないが、そんな事は気にしてはいない。
胸の谷間を流れていく汗を拭いながら、内面描写は眼鏡に手を掛ける。

「怯えてるって、そりゃお前の上半身全裸な姿にだろうが」
「いえ、貴方のその下半身剥き出しのほうが危険です」
「何だと!? 俺のこの姿のどこが危険なんだよ!? 武器なんざ何処にもないだろうが!」
「嘘をおっしゃい! その股間の斬鉄剣は立派な武器です! 銃刀法違反で逮捕しますよ」
「ぁあ? 俺が銃刀法違反なら、お前は猥褻物陳列罪だなオイ」
「ちん(ry」
「ちん(ry」

自分の頭上で乳首を擦り合わせて激論を交す二人を見上げ、煩悩寺は目に涙を浮かべていた。
上の二人が密着しながら議論を交して、かれこれ数時間経過している。
残酷にも過ぎゆく恐怖の時間が、彼女の心を冷静にさせていった。

(ど、どうしよう……この人達、悪い人じゃないみたいだけど……ちょっと)

頭上より滴り落ちてくる汗を必死で払いながら、今後の事を考える。
ここから逃げ去るべきか。それとも、この二人を頼って頑張るか。
前者はまたこの姿で孤独を味わう事になるが、変態から逃げられる。
後者は非常にアレな二人と一緒にいなければならないが、寂しさは紛らわせる。
ここの選択は後々大きな影響をもたらすかもしれない。
未だ降り注ぐしょっぱい雨をシャツで受け止めながら、煩悩寺は肩を振るわせ続けた。

「大丈夫ですかお嬢さん」

と、どうするべきか悩んでいる煩悩寺の背後から、紳士的な口調の声が届く。
この状況から抜け出せる、天の助けかと思い振り向いた煩悩寺。

「あっ、その……きゃッ」

煩悩寺の悲鳴に、口論していた二人も声の主に目を向ける。

「なんだこの露出狂は!」
「露出狂じゃない、紳士の嗜みだ。そう言うお前こそなんだその格好は!」
「君達の姿は実に卑猥だ! はっ、いまなら例の台詞を言うチャンス!」

そこに立っていたのは、逞しい肉体にぴっちぴちブーメランパンツ姿の康一君だった。

1533あなたと合体したアッーい:2008/01/20(日) 21:06:44 ID:BXQJQFfQ0
【早朝】【H-6 町】
【起@スパロワ】
【装備】:ユーゼスセット(仮面とマントだけ) 上半身裸(大絶賛発汗中)
【所持品】:支給品一式 イーグルファイター
【状態】:健康。ハイテンション。
【思考・行動】
1:やぁーってやるぜぇー!!
2:合体なら俺にやらせろ!
3:舐めやがってこのちん(ry
4:合体のために、残りの仲間を探すのも私だ。
【備考】
※ユーゼスの仮面とマントだけを装着しています
※他の仲間が獣戦機に乗っているものと勘違いしています。
※指パッチンすればイーグルファイターが自動で飛んできます。


【康一君@漫画ロワ】
【状態】健康
【装備】絶影ACT1、吉良のネクタイ、パピ☆ヨンのビギニ、上半身裸
【所持品】支給品一式(未確認)
【思考・行動】
基本:『夢』(英国紳士になる)の為に行動する。
1:英国紳士は、殺し合いに乗らない。服は着ない。
2:か弱い女性を辱める裸の男と合体野郎を断罪する。
3:悪人は『僕』が裁く。
※DIO(第六部Ver)の姿をしています(ただしネクタイにブーメランパンツ一丁)
※スタンド『絶影』が使えます。(ACT1=第一形態、ACT2=真・絶影、ACT3=正義武装)
※スタンドなので、絶影が受けたダメージはそのまま返ってきます。
※制限に気づいてません。


【暮れなずむ内面描写@アニ2nd】
【状態】強い決心、いい男としての正義感、上半身裸(大絶賛発汗中)
【所持品】なし
【思考・行動】
1:今度こそ男たちに向かって「 や ら な い か 」と仕掛ける。
2:と、とりあえず煩悩寺に服を!服を……いやまて、ロワ的にはこの方向で(ry
※見た目は明智健吾


【エロスの鐘の煩悩寺@アニ2nd】
【状態】絶望、汁だく、衣服はシーツ一枚(若干湿り気味)
【所持品】なし
1:集った男たちに恐怖
※見た目はティアナ・ランスター

1534名前を捨てた人:2008/01/20(日) 21:08:14 ID:BXQJQFfQ0
へっ、俺一人だけ変態になってたまるか!
という事で全然関係ない方々に出演願った……許してたもう

1535名前を捨てた人:2008/01/20(日) 21:38:47 ID:qHEmzxKUC
ちょwwwww更なるカオスにwww
実はネタがかぶってました。
ふた●りだった煩悩寺氏に内面描写氏がアッー!されて死亡する話。
んで、「セカンドNo.1の煩悩神は私よ!速筆魔王!首を洗って、いやお尻を洗って待ってなさい!」
タイトルは【性的な意味でただ撃ち貫くのみ】(PSYボルテッカー!

1536名前を捨てた人:2008/01/20(日) 21:40:23 ID:BXQJQFfQ0
>>1535
うわ、まじごめんなさい。
正体はばらさないが、代わりに俺を好きなように弄ってくれ!

1537名前を捨てた人:2008/01/20(日) 21:43:32 ID:mdM64PgYO
なんというwwwそのコメントが非常にロワらしいなwwwww

1538名前を捨てた人:2008/01/20(日) 22:24:39 ID:BXQJQFfQ0
≪深夜≫
ルーキー、派手好き地獄紳士『666』、深淵 、汚れなき愛
歩く頭脳戦、速筆魔王LX、衝撃のネコミミスト、したらば孔明
意外な影丸?、鬼軍曹、まとめキング

≪黎明≫
MJv.H0/MJQ、パンタローネ、熱血怪人、Mr.マダオ、クールなロリスキー
BDN、K of脳内補完、熱血王子、エロ師匠、ボマー、承、転、結、tu4氏
永遠のうっかり侍、GR版最速の人、お姉さま、ステルス鬼畜、マスク・ザ・ドS
フラグビルド、底上中の残月、ボンボン系の書鬼、忘却のウッカリデス、ビクトリーム博士
幻夜・F・B、静かなるC情、地球破壊爆弾、大あばれ鉄槌、DIE/SOUL/、無明幻妖side
The god of chaos、THE FIRST、影の繋ぎ師、仮面ライダー書き手


現在の深夜と黎明に残っている参加者をまとめてみたよ。
これ以外の人は早朝にいってます。

1539名前を捨てた人:2008/01/20(日) 22:46:10 ID:4e7k1EE60
管理人さん、編集乙です。
それと、現在位置の書いてある地図もWikiに掲載してはもらえないでしょうか?

1540名前を捨てた人:2008/01/20(日) 22:50:24 ID:X2UiVGFk0
放送の仮案ってどうなったの?

1541名前を捨てた人:2008/01/20(日) 23:07:50 ID:eGTkAh2I0
ほとんど更新にはノータッチだったwiki管理人です。
SSの収録などをしてくださっている方には本当頭が下がります。

とりあえず、地図は掲載しておきました。
それと参加している各ロワへのリンクを追加。
そして若干怖いですが、カウンタを。

参加しているロワの書き手の方もしていない方も楽しんでいきましょう。
私の分身も酷い目に合っています。

1542名前を捨てた人:2008/01/20(日) 23:33:10 ID:vFAORrFk0
乙です!酷い?むしろ美味しいじゃないかと小一時間(ry

1543虚空からの転生:2008/01/20(日) 23:41:25 ID:Y7NVFmn60


カランカラン……ころころころ……かんっ……


高く蹴り上げられた鍋が虚しく地面を転がる。
tu4氏にとってそれはもはや絶望にも等しい音だった。

「あっ……あ、あ、ぁぁぁぁぁああ……」
自らが吐き出した血の海に沈んだtu4氏。
「鍋……私の鍋が……」
悲痛な声をあげてtu4は鍋を拾いに行こうと這いずる。
ずる……ずると血の跡を引き摺りながらゆっくりと空っぽの鍋に手を伸ばそうとする。
その光景をドS氏は嗜虐の笑みを浮かべ眺めていた。

「あと少し……少しで……」
鍋との距離は一メートルにも満たない。
あと七十センチ。だがその距離があまりも遠かった。
「う……う……う……ぁ……鍋をかき回さないと……」
あと五十センチ。たった数センチを動くのに凄まじい苦痛が全身を突き刺す。
身を裂かれ、骨が砕けそうになる苦痛に耐えながらも、tu4氏は身体を動かす。
あと三十センチ……あと二十センチ……
「もう少し……で」

あと十センチ。
あと少し手を伸ばせば鍋に手が届く。
右腕を伸ばす。ほらもう少し。

「わ、たしの鍋――」

1544虚空からの転生:2008/01/20(日) 23:42:39 ID:Y7NVFmn60


ドスッドスドスドスッ……!!


tu4氏の伸ばされた右腕に何本もの細い鋼糸が突き刺さる。
「残念だったなァ! あともー少しだったのにィィィィ!!! クハハハハハハ!」
歓喜に打ち震える声でドS氏は高らかに笑っていた。
「残された希望が目の前に砕け散る様、それ見てどう思った?」
「いや……いやあ……」
「その扇情的なウィスパーボイス! 最高にHighって奴だァァァッ!」

まさに外道、まさにドS。
このままでは終わらない、ドS氏はtu4氏をいかに痛ぶってやろうかと思考を巡らし――
「うむ……?」
ドS氏はある異変に気がついた。
tu4氏が口に咥えていたお玉がいつの間に無くなっていたのだ。
それだけでは何ら問題なく虐待を続けられるはずなのだが……

お玉はあった。
だがそれは地面に転がってはいなかった。

カラカラ、カラカラ、カラカラ、カラカラ

回っている。
ゆっくりとそのスピードを上げながら、
いつのまにかにお玉は空鍋の中で回っていた。

1545虚空からの転生:2008/01/20(日) 23:43:34 ID:Y7NVFmn60
「なにィッ!!」
ドS氏は驚愕の声を上げtu4氏を睨みつける。
「貴様ァ〜〜〜〜〜何をしたッ!!!」
「あ、ぅぃぁぁ……」
だがtu4氏は白目を剥き、悲鳴ともうめき声ともつかない声を上げて痙攣していた。
(美少女が白目を剥いてビクンビクンとのたうつ姿……(・∀・)イイ! いや、そんな場合ではない!)

カラカラ、カラカラ、カラカラ、カラカラ
カラカラ、カラカラ、カラカラ、カラカラ
カラカラ、カラカラ、カラカラ、カラカラ
カラカラ、カラカラ、カラカラ、カラカラ

なおも高速回転するお玉。
空気が激しく震動する。
(なんだこれは……マズイ……これは非常にマズイ)
ドS氏は思った。この少女と鍋をそのままにしておくと大変なことになる、と。
「く……お楽しみはまだまだこれからだが致し方ありません。ここでお前を殺すッ!」

ヒュン!
tu4氏の腕に突き刺さっていた鋼糸が全て抜けドS氏の手に戻る。
「ハアァァッ!!!」
ドS氏は両手を前に突き出して無数の鋼糸をtu4氏に向けて放つ。
ぎちぎちと軋む音を辺りに響かせ鋼糸は、tu4氏に絡みつきながらその身を空中に持ち上げる。
それはさながら空に磔にされたキリストの様な姿だった。

1546虚空からの転生:2008/01/20(日) 23:44:29 ID:Y7NVFmn60

そしてtu4氏を拘束していた無数の鋼糸は、その鎌首をもたげ――
ギ、ギ、ギ、ギ――ドスドスドスドスドスッ!
「ぁ……が……が……ぎぃ……」
鋼糸はtu4氏の身体に突き刺さった。いや潜り込んだ。
白く細い腕、しなやな太股におびただしい数の鋼糸が潜り込む。
ドS氏の放った極細の鋼糸は大事な筋肉や神経を傷つけることなく、
皮膚や筋肉繊維の隙間に張り巡らされていく。
今やtu4氏の美しい柔肌にはまるで植物の葉脈の様な筋が無数に現れていた。
その一本一本がドS氏の鋼糸。
少しドS氏が力を入れるだけで体内の鋼糸はtu4氏を内側からズタズタに引き裂き食い破るだろう。

一方、鍋はtu4氏から数メートル離れた地面でなおも高速回転を続けていた。

「もう少しその姿を楽しみたいですが……その鍋がある以上そうとも言ってられません」
「………ゃ………」
「あ?」
息も絶え絶えなtu4氏の口がかすかに動いた。何か言葉を発しようとしている。
「何が言いたい?」
「ょ……ゃ……く、予約は……あるんですか……?」
「はっ、何かと思えばそんなことですか……そんなものあるわけ――」
そんなものあるわけねーだろヴァーカ。そう言おうとした時……


よやくはあるよ、ここにあるよ――

1547虚空からの転生:2008/01/20(日) 23:45:33 ID:Y7NVFmn60
どこからともなく少女の声が森の中に響き渡った。
その瞬間ピキピキと音を立てて空鍋が砕け散り、
鍋のあった場所を中心に闇黒の空間が沸き出した。
「なにィッ!!!!」
闇が現れた瞬間、tu4氏の身体の鋼糸は全て消滅する。
全く想定外の展開にドS氏はただ狼狽するのみだった。

ぞわり……

闇が蠢く、漆黒の空間がじりじりとtu4氏に近づく。
tu4氏との距離が一メートルほどに近づいた時、異変は起った。
「な――」
漆黒の空間から無数の闇黒の触手が噴き出した。
闇の触手はtu4氏の身体に巻きつき絡まってゆく。
だがtu4氏は歓喜と恍惚の笑みを浮かべその触手を受け入れていた。

(うおおおおお!!! この展開はもしやッ!)
ドS氏の脳裏にある五文字が浮かび上がる。

『触 手 プ レ イ』

うら若き乙女が怪しげな触手にあんなことやこんなことをされちゃう展開。
かの有名な葛飾北斎も自らの絵に描いた伝統的シチュエーション。
それがドS氏の眼前で繰り広げられようとしていた。

だが現実はドS氏の期待をあっさりと打ち砕く。

1548虚空からの転生:2008/01/20(日) 23:46:34 ID:Y7NVFmn60

する……

闇の中から白い腕が伸びた。
細い、女の腕。やがて全身が露になる。
どこかの制服を着た銀髪の少女が十個のバスケットボール大の光球を従えtu4氏の眼前に現れた。
その姿を見たtu4氏はにっこりと微笑んで、
「これで……予約ができるんですね……ありがとう沙――」

音も無く、tu4氏の顔が消滅した。
腕、脚、胴。十個の光球がtu4氏の身体を削り取る。
まるで穴開きチーズのようになったtu4氏の身体を、少女は優しく抱きしめた。
その刹那、黒い光が森を包み込んだ。
「うおおおお!?」
あらゆる光をかき消す闇が二人を飲み込む。
外側にいるドS氏からは何が起っているのか全くわからない。

やがて闇の奔流は何事も無かったように消え去り。
跡には呆然と立ち尽くすドS氏と一人の少女がいた。

1549虚空からの転生:2008/01/20(日) 23:47:26 ID:Y7NVFmn60
「う……ここは……?」
銀髪の少女はきょろきょろ辺りを見渡す。
自分はなぜここにいるのか、そして何より自分は――
「私は『予約被りに定評のあるtu4』そして……」
何も思い出せない、自分の名前以外は何も。
「神剣は!? 永遠神剣はどこに……って私は何言ってるのよ」
とっさに出た永遠神剣という単語。なぜ自分はそれを知っている?
わけがわからない。ふと足元に金属の感触があった。
柄の長い幅広の大剣、それは結氏が忘れていった永遠神剣『存在』だった。
「これは……『存在』……ああっ! 何で私はまた知らない単語を知ってるのよっ」
なんかムカついてきた。
「あーーッ! もうわけわかんないわ! とにかく予約しないと!」
彼女は存在を握り締めると、背中から白い翼――ウイングハイロゥを展開させ飛び上がった。

(うっわー……私ったら空まで飛べてる……一体何者なのよ私は……)
ふと胸元を見る。そこには銀色の何らかの金属片をペンダントに加工したものが、
月の光を受けて輝いていた。
(なんだろうこれ……とても大切な物のような気がする……)


【早朝】【D-9 森】
【予約被りに定評のあるtu4氏@ギャルゲロワ】
【状態】健康 記憶喪失
【装備】永遠神剣第七位「存在」、ペンダント(空鍋の欠片)
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】
 基本:自分が何者か知る
 1:予約しないと…って予約って何よ
 ※容姿は白鐘沙羅。アセリアの服を着ています。
 ※実は永遠神剣第一位「空気」を宿していますが何らかの因子が足りないため使えません。

1550虚空からの転生:2008/01/20(日) 23:47:57 ID:Y7NVFmn60



「く……一体何が……!?」
一人森に残されたドS氏は事態の把握に苦心していた。
黒い光が森を覆った後、tu4氏は影も形も無くなっていた。
そして代わりに残された銀髪の少女、意志が強く勝気な印象を持った少女。
(あの少女は一体……?)
そういえば少女は飛び去る前に「予約しないと」と言っていた。
(この場で予約なんて口走るのはtu4しかいない……だがアレがtu4なら奴に何が起きたのでしょうか)
考えても一向に答えは出なかった。
これ以上ここにいてもしょうがない、ドS氏はその場を立ち去った。

(気が強そうな美少女を屈服させる……なんて甘美なシチュエーション。次会った時が楽しみですね)


【早朝】【D-9 森】
【マスク・ザ・ドS@アニ2nd】
【状態】やや疲労
【装備】一目でドSと判るマスク(出展不明)
【道具】支給品一式、鋼糸@HELLSING
【思考】
 基本:Sっ気の導くままに
 1:あ…ありのまま今(ry
 2:今度tu4氏と出会ったら確実に屈服させる
 ※『表』と『裏』の人格を使い分けることで姿や能力が変化します。
 ※『表』:容姿は糸色望。明るいドS。能力は糸色望並。
 ※『裏』:容姿は黒一色のスーツを着る風浦可符香。黒いドS。能力は「ニンジャ」。

1551名前を捨てた人:2008/01/20(日) 23:48:55 ID:Y7NVFmn60
突然電波を受信して書いてしまった
でも反省していない。

1552名前を捨てた人:2008/01/20(日) 23:50:39 ID:GI5Fc.P20
永遠神剣第一位『空気』wwwwww
最終戦で沙羅さんとアセリアを書いた影響なのか、これはwwwww

1553名前を捨てた人:2008/01/20(日) 23:57:12 ID:mdM64PgYO
第一位、つまり「空気に全てを奪われた書き手tu4氏」ということかwww

1554名前を捨てた人:2008/01/21(月) 00:35:02 ID:tF6.9Puo0
空鍋はこれの封印してたのかwww
てっきり、「空鍋を回すのを止めると死ぬが、それ以外の方法では死なない能力」かと思ってたぜ
……まあ没ネタなんだけど。

1555冥王ってよく考えたら邪気眼設定の塊だよね:2008/01/21(月) 02:31:36 ID:nwWuIi1I0
邪教の館を見つけたMJ氏の視界に入ったのは、頭を抱えて何やらブツブツ言ってる黒髪の少年。
その脇で「元気出しましょうよ」とか慰めてる?サンタルックのコスプレ少女。
まずは声をかける。

「あの――」
「誰だっ!?」

怯えた様子で反応した少年と、それにつられるようにして少年の背後に下がるサンタ少女。
明らかに警戒している。まあ当然だが。
まずは自分が怪しいものではないとアピールして、彼らを宥めることにする。

「僕は殺し合いには乗っていません。ほら、武器も捨てます。話を聞いてくれませんか?」
「……」

チェーンソーとえいゆうのたてを足元の地面におろし、万歳のポーズをとる。
無差別マーダーならよほどのことがない限り、一緒に行動はしないはずだ。
そう考えて捨て身ともいえる行動に出たMJ氏であった。
もっともこのサンタルックの少女――クマのプー太氏が支給品であるとは思いもしなかったわけだが。

「後ろを向いてそのまま十歩下がれ。そしていいというまで動くな」
「……いいですよ」

黒髪の少年が言うとおりに、背中を晒したままゆっくりと歩みを進める。
正直、このまま後ろから襲われるんじゃないかという考えが浮かばなかったわけではない。
その不安を押し殺して、MJ氏はさらに歩を進める。落ち着け、大丈夫だ、と心の中で呟きながら。

「……それで何の用。一緒に脱出を目指しましょうってとこかな?」
「ええ、そうですよ。あなたたちも殺し合いには乗ってないんですよね?」
「……」

答えない。
頼む、乗ってないと言ってくれ。
心臓の鼓動が早くなるのが嫌でもわかる。

「……ああ、乗ってないよ」

MJ氏はそれを聞いて大きくため息をついた。
何とか対主催グループの結成、その第一歩というやつに成功したようだ。


   ◆   ◆   ◆


「すごいことがあったんですねー、お仲間の人たちも……」
「いえ……まあ大丈夫ですよ。あの人たちもきっと無事ですから。僕はそう信じてます」

MJ氏はまずこれまでのいきさつを二人に話した。
その話を聞きながら、驚いたり沈んだ表情を見せたりと感情表現豊かなリアクションを返すプー太氏を見て、MJ氏の顔から思わず笑みがこぼれる。
いい人たちに出会えてよかった、とそう思う。
プー太氏が支給品だとわかった時には、驚きと一緒にさっきの自分の判断が間違っていたことに冷や汗をかいたが。

1556冥王ってよく考えたら邪気眼設定の塊だよね:2008/01/21(月) 02:32:48 ID:nwWuIi1I0
それはともかくもう一人、目の前の黒髪の少年はスパロワの転というらしい。
見た目も、実際話してみても、どこにでもいるようなおとなしい少年だ。
だけど「あの」スパロワの書き手というからには、きっとロボを呼んだりとかものすごい力を持っているのだろう。
敵に回せば恐ろしいが、こうして協力体制をとってくれると分かれば、これ以上に頼もしい存在はいない。

「ところで……転氏はロボットを呼んだりとかできるんですか?
 僕はこのとおりのザマで、正直ここの邪教の館で合体するしかないとか考えてたんですけど」

そう言いつつ目の前の奇妙な建物を見上げる。
残りの二人の視線もそれを追った。
すでにこの施設に関しては彼らに説明済みだが、転氏の力があればそれも必要ないかもしれない。
もっとも自分が空気になる恐れもあるが、それはそれだ。
まずは生き残ることが先決だし、空気も極めればギャルゲのあの人のようになれる。
それもひとつの目立つ方法だ。
もっともそこまでしなくとも、プー太氏と恋愛フラグを立てるとか色々方法はあるだろう。
そんな不届きな考えをMJ氏が抱いてるとは知るはずもなく、プー太氏は転氏の支給品から勝手にとりだしたパンをもふもふと頬張っていた。

「…………ないんだ」
「え」

転氏の声でMJ氏は思考を中断させる。
え、何がないって?

「俺、何も力とかないんだよ。何でここに呼ばれたのか、どうしてなのか自分でも分からない」
「え……?嘘でしょ?スパロワの書き手さんでしょ?DG細胞とかデッドエンドシュートとかそれも私だとか」
「……あったらこんなところで頭抱えてたりしないよ」

なんということだ。
この全ジャンルバトルロワイアルとも呼べるほどの超人軍団の巣窟で、手持ちのカードは一般人二人と絵師さん一人。
いや過疎ロワにとってはとても貴重な支援成分なのだが、プー太氏にできるのは絵を描くことだけだというし、この殺し合いで戦力になるとは思えない。
こうなったら――

「転さん……合体しましょう!」

自分たち一人一人では単なる火でも、二人合わせれば炎となる。
このままズガンされるのを待っていたところで道は開けない。横でプー太氏が、
「わ、私はショタ同士の合体なんて描けませんよ〜で、でも頑張って描いてみます!」
とか顔を赤らめながらブツブツ言っているが気にしないことにする。
その次の瞬間だった。

1557冥王ってよく考えたら邪気眼設定の塊だよね:2008/01/21(月) 02:33:41 ID:nwWuIi1I0




『……おい。てめぇみてーなチンカス君が何ぬかしてやがんだ?』




とても冷たい、ナイフを突き刺すような声が、何の前触れもなく空気の温度を一気に下げた。

「「な……」」

MJ氏とプー太氏が揃ってその声の発するほうに振り返って、そして思わず絶句する。
転氏、いやその顔はまるで別人に変わっていたからだ。
口の端をゆがめ、邪悪な笑みを貼り付けて、大きく見開いた目の奥には、何の感情も読み取れない獣か魚のように異様な瞳が存在していた。


   ◆   ◆   ◆


――なんで?どうして誰も書き手がいなくなっちゃったの?ねえ……過疎は嫌だよ……誰か……誰か書いてくれよぉぉぉぉ!!


……とある過疎ロワの読み手がいるとします。
いつまでも書き手が現れない不安とロワが潰れてしまうのではないかという恐怖。
えんえんと続く不安と絶望的な寂しさのなかで、やがて彼はある逃げ道を作ります。
自分の中に全く別のもう一人の人格を作り、この酷い現実に直面しているのはあのかわいそうな読み手で、自分ではないと思い込むのです。
それだけならただの現実逃避だったのですが……


――助けて!戻ってきてよ!DGの人!イングラムの人!


そのもうひとつの人格が、書き手になってしまったのです。
元の人格である『転』を助けようとしたのか、それともその人格そのものが過疎を打破しようと決意したのかは不明ですが。
彼の得意キャラはロリ鬼畜の冥王こと木原マサキ。
このキャラも原作で二重人格であることは真に奇妙な偶然と言えるでしょう。
私はこのもうひとつの人格を木原マサキの原作専用機である、「天のゼオライマー」からとってこう名付けました。


――――『天』と。


※これは転氏こと◆uiAEn7XS/.氏が過疎っていたころのスパロワで書きはじめた新人さんであるという事実を元に設定したフィクションです。
 本人とは何の関わりもないことを念のため、固くお断りしておきます。

1558冥王ってよく考えたら邪気眼設定の塊だよね:2008/01/21(月) 02:34:45 ID:nwWuIi1I0


【早朝】【H-5 邪教の館前】
【◆MJv.H0/MJQ@AAAロワ】
【状態】地味に健康
【装備】チェーンソー@サガ1、えいゆうのたて@FF6
【所持品】支給品一式
【思考・行動】
1・目立つ!
2・あれ?持ち物に存在感負けてね?
3・コ、コンゴトモヨロシク…?
【備考】ルックスは地味な好青年風ですが、地味なため比較できるキャラがいません



※えいゆうのたてには×10アルテマ、つまり通算で10話以上所持しているとアルテマが
習得できます。魔力っぽいステータスや、触媒があれば使用可能です。




【早朝】【H-5 邪教の館前】
【転@スパロワ】
【装備:不明】
【所持品:支給品一式、転ばし屋、ビッグモス@ビーストウォーズ、クマのプー太氏、ほか未確認】
【状態:健康】人格反転中
【思考・行動】うざいクズは殺す
1:消えうせろ……天の力の前になあっ!!

【備考】
※容姿は秋津マサト及び木原マサキ
※転ばし屋はトリップ名でしか動きません

1559名前を捨てた人:2008/01/21(月) 02:36:37 ID:nwWuIi1I0
投下終了です。
トライガン読んでたら何か電波が来ました。
皆さん本ーーーーー当にごめんなさい。やりすぎは否定しない。

1560名前を捨てた人:2008/01/21(月) 11:28:21 ID:Hsg5oTGc0
少年ってその容姿かwww
悪魔合体と聞いて、むしろこっちのタイトルも「虚空からの転生」でも
違和感を感じないと思ったのも私だ

1561名前を捨てた人:2008/01/21(月) 18:05:45 ID:2I2DyWLw0
この三日かの投下ラッシュは異常

1562新しい朝が来た、対主催の朝だ:2008/01/21(月) 21:03:35 ID:ba1Hd/qo0

地面に舞い降りた幼女を見て、最速の人は息を呑む。
ふわりと広がる美しい髪。その一本一本が、意思のある生物のように重力に従順していく。
ゆっくりと頭を垂れるその姿が、状況判断を鈍らせるほど優雅で美しい。

「驚かせてすまないな。流石にいきなり高層ビルの屋上から飛び降りるのはやりすぎだったかな?」

むしゃぶりつきたくなる様な唇の割れ目から聞こえる声は、欲情を掻き立てる渋い声。
あまりにも不釣合いなのに、有無を言わせない妖艶な魅力が、彼女にはあった。
手に携えた巨大な十字架を軽々と持ち上げると、降りた衝撃で陥没した場所からこちらに足を延ばす。
最速の人は、無意識のうちにロリスキーを背中に庇った。

「彼と、逃げてください」
「え?」

ロリスキーを見ずに、目の前の女性だけを凝視する。
最速の人は、彼女を警戒して凝視しているのではない。圧倒的な恐怖と言う呪縛から逃れられずにいるのだ。
一瞬だけ思案した後、覚悟を決めたように最速の人を睨む。

「どれぐらい時間が稼げる?」
「3分……持たないと思います」
「早ッ、と、とりえずそれまでに仲間とか連れて帰ってくるから、死ぬんじゃないわよ」
「ぜ、善処します」
「じゃあ!」

背負っていたウッカリデスを預けると、最速の人は全神経を相手に集中させる。
一方ウッカリデスを任されたロリスキーは、持てる限りの速さでその場から立ち去って行く。
しばしの睨み合いの後、最速の人は褌に差していた鉄扇を取り出し相手に飛び掛かる。
相手の目を見る限りバレバレの奇襲だが、とにかく少しでも隙を作る事が重要だ。
例え相手が少女の姿をしていても、その強大な力の前では見た目など霞んでしまう。
余裕の表情を浮かべる少女の顔と、最速の人の顔が近付いていく。
だが、この決死の一撃も相手が悪すぎた。
あろう事か、彼女は鉄扇を空いていた指二本で挟み受けると、軽々とそれをへし折ってしまう。

「なっ――」
「ふむ。まずは実力を見たいと言う事か」
「……ぁ」
「そうだ、その前に名乗っておこう。私の名前はミスターマダオだ。あと――」

そしてへし折った指を拳の塊に変えると、容赦なく最速の人の腹部にぶち込んだ。
拳を話す直前、彼の耳元に甘い吐息を吹きかける。

「お、ほぉ」
「骨が脆いぞ、そんな事では戦うのは辛かろうに」

口から胃液を漏らしながら、最速の人がビルの壁に叩きつけられる。
ちなみにこの瞬間、ちょっぴり股間からも変な液が漏れていた。
一方やすやすと殴り飛ばしたマダオはある結論に達していた。つまりはこういう事だ。
『仲間になるなら、熱血漫画のイベントである戦闘をこなせ』と。
全力でぶつかり合った敵同士が仲間になるのは、王道中の王道ではないか。
ミスターマダオは待ち望んだような展開に胸を高鳴らせ、指を軽く鳴らす。
戦力的にはこちらが圧倒的だ。ならばハンデとして素手で相手してやるべきだろう。

「で、次はあちらのお嬢さんかな」

踊るようなステップで離れていたロリスキーの方に一歩踏み出す。
だが、それを遮るように、鉄扇の柄の部分が一直線にマダオ目掛けて飛来する。
マダオはそれを蝿を叩き落すように手を振るうと、再び最速の人に向き直った。

「ま、まだです」
「その心意気は認めるが、このまま続けると死んでしまうぞ」

壁にもたれかかりながらも立ち上がる最速の人。
力が入らないのか、内股の状態で足が震え続けている。
それでも、ここでくたばってしまう訳にはいかない。

「決めたんです……この姿になった時から、対主催として死亡フラグを集めると」
「死亡フラグなど集めてどうする気だ」
「決まってます」

ありったけの覚悟で右手を握る。腕の痛みなどとうに消えている。
一発限りの大勝負。天文学的な数字の果てにある勝ち目。
それでも、それでも絶対と言う名の台本がないのだから。
バトルロワに絶対などないのだから……

「二桁確保したまま、この殺し合いを生き抜いて見せるんです!」

その予想外だけを求めて、最速の人は気持ちごと前に爆進する。
















「フタエノキワミ、アッー!」





――――

1563新しい朝が来た、対主催の朝だ:2008/01/21(月) 21:04:24 ID:ba1Hd/qo0




「うぅ」
「あ、気が付いた?」
「ぴんく!?」
「な、何よ!」

気絶から回復したウッカリデスは、目が覚めた瞬間飛び込んできたモノに、思わず奇妙な声をあげてしまう。
彼の目に飛び込んできたのは、ロリスキーの桃色○○(自主規制)だったからだ。
一面に広がる柔らかそうな肌を押しのけ、ウッカリデスは座ったままその場から後ずさる。

「ななな、なななな!」
「うるさいわね。それより、気が付いたなら私はもう行くわよ」
「え?」

見れば、いつの間にか景色が変わっている。
と言うか、目の前のロリスキーが誰かすら分かっていない。
ただ、彼女の燃える様な瞳が、ウッカリデスの心臓を高く打つ。
姿が背徳的なこともあるが、それ以外にもどこか魅力的なものを彼女から感じる。
背中を向け、形のいい尻を揺らしながら、ロリスキーはウッカリデスから離れて行く。

(あれ、もしかして下着も穿いてな――じゃなくて)
「あの、どこに?」
「向こうでね。その、えっと、あー……な、仲間」
「はい?」
「仲間が戦ってるのよ!私達を逃がすために」
「仲間……」

ウッカリデスが何かを確かめる様に呟く。
それに気付かないまま、ロリスキーはギュッと唇を噛み締める。

「その、失礼ですがあなた……えっと」
「クールなロリスキーよ」
「あ、僕忘却のウッカリデスです」
「言いにくいわね。で、何よ」
「えっと、失礼ですがロリスキーさんが行って倒せる相手なんですか」
「……きっと無理ね。だってアレ、アーカードみたいだもん」 
「あ、アーカード!?」
「姿は幼女だけど、中身は多分一緒よ」

一部のロワを除いて圧倒的な力を誇るアーカード。
そんな相手と分かっていて立ち向かうなんて、正気の沙汰とは思えない。
だが、ロリスキーの瞳からは、自暴自棄なんて気持ちは見えないのだ。

「そんな奴の所に戻るだなんて、怖くないんですか?」

真剣な声で尋ねるウッカリデスに、ロリスキーは必死の形相のまま振り返る。

「そりゃ怖いし、逃げたいわよ」
「なら――」
「けどね!あんな変態じみた格好してても、私を助けてくれたのは事実なのよ!
  そんな奴が立ち向かってるのに、私だけ逃げるだなんて漫画ロワ住人として出来ないわ!」
「ロリスキーさん……」
「けどね、アンタまで巻き込むつもりはないわ……」
「なら、僕だって逃げられないっすよ」
「ちょっと!」

ロリスキーの静止も気にせず、ウッカリデスは覚悟を決めて呼吸を整える。
今の言葉で決まった。頭のてっぺんから爪先まで燃えるような熱が伝わっていく。
ここまでお膳立てされて、逃げ出すなんて選択肢は選べない。
今にもなきそうなロリスキーの頭に手を置くと、親指をグッと突きたてた。

「これでも対主催の端なんだ。それなのに女の子ひとり助けられなきゃ、アニロワ2ndのみんなに合わせる顔がないっすよ」
「ウッカリデス……」
「大丈夫です。生きて帰ってきますから」

クラウチングスタートの体勢から、ウッカリデスは持てる力の全てを振り絞り突撃する。
目標は褌じゃない方だ。例え少女の姿をしていても、相手はアーカードであることには変わりない。

「うおぉぉぉおおおおおおおお!」


ぐんぐんと景色が変わっていく。自分ひとりだけ加速しているような感覚。
やがて、壁を背に立ち上がる褌の男と、少女の姿をしたアーカードが見えてくる。
目標との距離はあと数十メートル。

1564新しい朝が来た、対主催の朝だ:2008/01/21(月) 21:04:48 ID:ba1Hd/qo0
――――


最速の人が全身全霊を込めた一撃は、容易にマダオの顔へと直撃した。
だが、ダメージなどまるで感じないのか、ニヤリと猛禽類の様な牙を見せつつ笑う。

「なかなかいいパンチじゃないか。気に入ったよ」

そう言うと、マダオは最速の人と同じように拳を固め、その額目掛けて突きを放つ。

「ぐぁぁぁぁぁぁァッー」

ある程度の衝撃は仮面が受け止めたが、それでも脳が揺す振られる痛みに耐えられず、再び壁に激突してしまう。

「おほぅ」

ずるずると崩れ落ちていく最速の人に、マダオは足を向ける。
が、それを遮るような叫び声が二人の間に届いた。

「うぉりぁりゃぁぁぁあああああああ!!」

マダオが声の方に視線を向けると、その先に頭を突き出すように爆進するウッカリデスの姿があった。
彼はマダオを視認すると、止まるどころか更に加速し始める。

「なんと素晴らしい……仲間の危機に駆けつけるとは」
「人呼んでぇぇぇぇええええ、ウッカリスペシャルゥゥゥゥゥゥ!」

ウッカリデスは仮面の突起部分をマダオに向けながら、大地を蹴り飛ばし跳躍する。
それを、先ほど最速の人を待ち構えた時と同じような体勢で受け止める。
だが、それが間違いだと気付いた時には、既にウッカリデスとマダオは衝突していた。

「ぐッ!」
「ぬぉぉりゃぁっおぁぁぁっ!」

額にぶつかった仮面の先端が離れると同時に、小さな血飛沫が舞い散っていく。
初めてマダオにダメージを与えた瞬間である。
一方ウッカリデスは、反撃をさせないためそのままマダオを押し倒す。
彼女の両腕を押さえて、自由を剥奪した所で違和感を覚える。
押さえ込まれているはずのマダオの顔から、余裕の表情が消えない。

(え?)
「なるほど、その仮面のお陰と言う事か」

押さえていたはずの腕が、メリメリと押し返される。
幼い外見をしているとは言え、中身はれっきとしたアーカード。
そんな相手など、一般的な身体能力しかないウッカリデスが押さえ込めるはずもない。
次の瞬間、ウッカリデスは巴投げの要領で投げ飛ばされてしまう。

「そら!しっかり受け身を取るがいい」
「おわぁぁぁッ!」

景色が上下反転したまま、ウッカリデスも壁に叩きつけられる。
ダメージこそ浅いが、打ち所が悪かったのか足腰に力が入らない。

「くそっ」
「うぅ……」

同じ壁を背に座り込む二人に、今度こそマダオは近寄る。
褌姿で立ち向かった最速の人も面白いが、自分を押し倒したウッカリデスはもっと素晴らしい。
よもや、こんな序盤で恋愛フラグが立つとは思わなかった。
と、そんなマダオの前に上半身裸のロリスキーが飛び込んでくる。。

「結局全員戻ってきたのか」
「こ、こいつらは殺させないわ!」

全身を震わせながらも、ロリスキーは歯を食い縛って立ち塞がる。
何十秒と言う時間が、悠久のように流れ続けていく。
何度も気を失いそうになったロリスキーだったが、後ろの二人を思い出し気を保つ。
静寂に包まれた中、朝陽がゆっくりと姿を現していく。
長い沈黙を破ったのは、マダオのほうだった。






「見事だ。お前達とならば本当の仲間になれるだろう」
「は?」
「仲間を守るために突撃する勇士。その仲間を助けるために突撃する勇気。そしてその仲間を庇う優美」
「えっと、何を……」
「私は幸運の女神、いや、ロワの女神に微笑まれているようだ。こんな素晴らしい仲間と巡り合えるとは」
「な、なか、ま?」

マダオの唇から吐き出された言葉に、一同は頭上にハテナマークを浮かべる。
呆気にとられている三人の前に立つと、スカートの端を摘み優雅に頭を垂れる。
その態度に、ますます困惑する三人。
未だ呆然とする三人が面白かったのか、マダオはカラカラと楽しそうな笑みを浮かべて答えを明かす。

「おや、言ってなかったか?」

マダオは髪をかき上げると、余裕の表情で言い放った。










「私は対主催だ」

1565新しい朝が来た、対主催の朝だ:2008/01/21(月) 21:05:05 ID:ba1Hd/qo0



【早朝】【F-6 ビル前】
【ミスターマダオ@漫画ロワ】
[状態]健康、強い決意、強い仲間意識
[装備]パニッシャー(機関銃:残り弾数100%、ロケットランチャー:残り10発)
[道具]なし
[所持品]支給品一式、確認済みアイテム1〜2
[思考·行動]
基本:殺し合いには乗らないが、マーダーは犬の餌
0:お前たち……気に入った!
1:友情!もっと仲間を探すぞ!
2:努力!首輪をどうにかするぞ!
3:勝利!見てろよ主催!
※アーカード(ロリ状態)の姿をしています。身体能力も同様です。
※押し倒したウッカリデスを気に入りました


【クールなロリスキー@漫画ロワ】
【装備:江頭2:50のタイツ@漫画ロワ 下着は未装着】
【所持品:支給品一式(未確認)】
【状態:かなりの疲労】
【思考·行動】
1:つ、疲れた
2:んな、対主催だなんて冗談でしょ
3:で、でも……普通なら殺されてたわよね
4:れ、礼を言うべきかしら。最速の人ととウッカリデスに
※上半身裸の柊かがみです
※何故か不死身です
※最速の人に心揺れています


【ギャルゲロワ版最速の人@ギャルゲロワ】
【装備:鉄扇@ギャルゲロワ】
【所持品:支給品一式(確認済)】
【状態:所々に切り傷。右手骨折。肋骨にひび。重度の疲労。股間がかなりガビガビ】
【思考·行動】
1:じ、自分の苦労は……
2:褌を洗いたい!
※まんまハクオロです
※違う意味で最速です(向こう岸が見えるくらい果ててます)
※マダオの吐息に股間が反応しまくりです


【忘却のウッカリデス@アニロワ2nd】
【装備:ゼロの仮面(蝶高性能)@アニロワ2nd】
【所持品:なし】
【状態:心は蝶元気、肉体は蝶疲労。腰痛】
【思考·行動】
1:と、とりあえず、この調子で仲間を集めましょう!
2:もっと仲間を集める
※ロリスキーを見ると、胸が高まります
※【ゼロの仮面(蝶高性能)】
銃弾から魔法、科学兵器、核に至るまで全て防いでしまう恐ろしい仮面。
ただし、守れるのはあくまで首から上だけに限られている。
ちなみに、視界は蝶良好で酸素の補給も問題なく出来る。
その代わり、一度装備すると死ぬまで外せない。

1566名前を捨てた人:2008/01/21(月) 21:08:05 ID:ba1Hd/qo0
いやっほぉぉおおおう!
自重しない俺が溜まっていた熱血分を吐き出しに来たぜ!
文句なんぞ受け付けないぞ!

余談だが、最速氏とウッカリデス氏は、予定ではお亡くなりになるはずだったが
コイントスで両方とも生き残るが出たため生存したんだぜ。

1567名前を捨てた人:2008/01/21(月) 21:41:23 ID:Czfzk6hMC
かぁぁぁぁっ!甘い、甘いぞドモン!(違
どうせならもっとエロを(ry
しかしこいつら、外見の怪しさが半端ない対主催だなww

1568名前を捨てた人:2008/01/21(月) 22:58:46 ID:08mUr9lE0
かがみんにまたロワ内で恋愛フラグが立ちましたね

1569名前を捨てた人:2008/01/21(月) 23:25:36 ID:QkzefvEA0
ロリスキー→最速→マダオ→ウッカリデス→ロリスキ→(以下略

1570名前を捨てた人:2008/01/22(火) 00:50:57 ID:TlbOIBqgO
なんというフラグ永久機関w

1571名前を捨てた人:2008/01/22(火) 01:00:11 ID:DBBT6h8E0
かがみんの状態表www

1572名前を捨てた人:2008/01/22(火) 02:30:36 ID:6ypfkOmk0
なんか毎回ロクな奴と恋愛してないように思うのは気のせいだろうかw

1573すごい……誤解です:2008/01/22(火) 03:17:01 ID:1K0i7BbA0

「まて、こっちくんな」
「もう逃げ場はありませんよ。お姉さまの為に死んでください」
「人の忠告は聞けって!」
「ふふふ、待っていて下さいお姉さま。貴女のために、私頑張ります」
頭を抱える猫子頭の鬼軍曹。
その向こうでウージーを構える汚れなき愛は、さっきからこちらの話全然聞いてない。
どうやら、お姉さまという人物に操られているようだ。
「いいか!冗談抜きでやばいんだよオイ!」
「ああ、お姉さまっ!私頑張りますぅ〜」
一歩一歩と、汚れなき愛はウージーを撒き散らしながら近付いてくる。
飛んでくる流れ弾をボロボロの壁で防ぎながら、猫子頭の鬼軍曹は最後の呼びかけを行う。
「これが最後だ、それ以上近付くな。出ないと嬢ちゃんが死んじまうぞ!」
「うふ、うふふふふふ」
警告空しく、汚れなき愛は最後の一歩を踏み出す。
その踏み出した足の下から、カチッと言う音が聞こえ――
「お――」
汚れなき愛の呟きをかき消すように、爆熱が彼女を包み込んでいった。
「だから言ったのによ。死んじまうって」
猫子頭の鬼軍曹は気まずそうに頭を掻き毟る。
軍曹の周囲には、支給品として入っていた対戦車地雷が適度な感覚で敷き詰められていたのだ。
その威力を確認する予定だったが、配置の途中で汚れなき愛と遭遇してしまったのがまずかった。
「しっかし、凄い威力だなこりゃ」
辺り一面焼け野原だ。ここが廃墟でよかったと本当に思う。
とりあえず、無事な地雷をいくつか回収しておく。
「お姉さまか……」
猫子頭の鬼軍曹は目の前の惨劇を見て、激しい怒りを覚える。
「こんな女の子を利用するなんて、お姉さまとやらめ!俺がお仕置きしてやる!
  が、まずは休むとするか。人間休みもとらなきゃ死んじまうしな。じゃ、おやすみノシ」
程よく空洞となった穴の中に潜り込むと、猫子頭の鬼軍曹はしばしの休息へと旅立っていった。


【汚れなき愛@ギャルゲロワ】死亡


【黎明】【I-3 廃墟】
【猫子頭の鬼軍曹@アニロワ1st】
【装備:対戦車地雷(17/20)】
【所持品:支給品一式】
【状態:やや疲労】
【思考・行動】
0:とりあえず、放送まで寝る(寝過ごしたらそれはそれで)。
1:殺し合いには乗らずに読み手を倒す。
2:アニロワ1st書き手達との合流。
3:危険視しているコ・ホンブック(◆5VEHREaaO2)の殺害。
4:お姉さまをお仕置きする。
※周囲が焼け野原になりました。


    /ノ 0ヽ
   _|___|_
   ヽ( # ゚Д゚)ノ <対主催だ、ゴルァ!
     | 个 |
    ノ| ̄ ̄ヽ
     ∪⌒∪

1574名前を捨てた人:2008/01/22(火) 03:20:54 ID:5oA8aGoYC
きゃあ、1レスごろし!
って死んだwwwww
あと君達、普通にかがみん呼ばわりですかwwww

1575名前を捨てた人:2008/01/22(火) 14:15:32 ID:1gpLLRWIC
かがみんワロタw

1576名前を捨てた人:2008/01/22(火) 14:54:29 ID:DCy/GDW20
アーカードに半裸のかがみん、そして仮面男二人。
……あ や し い

1577名前を捨てた人:2008/01/22(火) 16:40:21 ID:AOYdXOss0
一番まともに見えるのがアーカードだなんて……

1578すれ違う二人+α+……:2008/01/22(火) 18:45:11 ID:cZh5hIJsC
 森を抜けた、市街地のはずれ。
「ぶぅるあああああああああああああああ」
 咆哮。又もや殺し損ねた。
 ――我等《漫画ロワ書き手》は神《漫画ロワ》の代理人。神罰の地上代行者。
   我等の使命は、我が神《漫画ロワ》に逆らう愚者《他ロワ書き手》を、その肉の最後の一片までも絶滅すること。
 だと言うのに、なぜ、何故にあの男達はそれに逆らうのか?
 
「パンタローネ、愛の伝道師」
 それが、破戒者の名前。
 奴らは、同じ漫画ロワの書き手だというのに。
 それに加え、異教徒《他ロワ書き手》を庇うなどとは……その破戒、御しがたい。
 
「そうか、貴様らは……書き手だというのに、そうなのだな」 
 
 熱血怪人は、拳を握り、歯軋りをする。
 我が神の元にいながら、我が神に抵抗する。それはすなわち――
「抵抗者《プロテスタント》」
 
 ならば、どうする?
 
 ――決まっている。いいプロテスタントは、
「死んだプロテスタントだけだ」
 そう、殺すまでだ。
 先程は遅れをとったが、今度はそうも行かない。
 俺には、まだ、隠していた切り札があるのだから。
 この体のもう一人の主、その能力。
「ゲハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ」
 次は殺す、必ず殺す。奴らを、我が神に逆らう愚者を、殺す。
 
 
「…………………………さん!」
 なにやら、爆音と共に叫び声が聴こえる。
 これは、待ちに待った戦闘だろう。絶好の好機。
 ならば、ならば、横合いから殴りつける。
「征くぞ……フゥリィィィークゥゥス」
 言って、両足に力を込める。
 その目的地は中央より少し右外れに建つビル街d――、
 『中央』より少『し』右外れに『建』つビル街、『中央』……『し』……『建』、『センター』……『し』……『けん』、
「センター試験、よもやそこま――――ガッ」
 唐突な光と共に、蘇った熱血怪人の意識は途絶えた。
 
 
 
               ◇  ◆  ◇
 
 
 一方、ここはビル街。
 一人の男が叫び声をあげる。
「貴様は……ジャーク将軍! 罪もない猫を俺と戦わせ、それを観察しようなど……この俺が許さん!」
 怒りを高らかに、男はマイクを仕舞い、変わりに右手の銃を構える。
「破壊光弾ハードショット!」
 舞い上がる火花。光が三度、男の足元を穿つ。
「ぐううう……ッ!」
 金の男が呻る。ギャグ将軍の姿をしている、◆6/WWxs901だ。
 誤解フラグをばら撒こうと、参加者に変身した◆6/WWxs901(以下、◆6/)だったが、彼の目論見は見事に外れた。
 書き手ロワの反映を願った言葉が、影の繋ぎ師の耳に入ってしまったのだ。
 別に◆6/は誰に聞かせるつもりもなかった。ただ、変身して高性能になった影の繋ぎ師の耳が、勝手にキャッチ。
 それから、彼の姿を見た繋ぎ師は、叫ぶなり、ボルティックシューターを取り出してきて、今に至る。
 ちなみに、その間にちゃっかりボンボン系の書鬼は逃げ出してたりする。

1579すれ違う二人+α+……:2008/01/22(火) 18:46:34 ID:ipTqAlRQC
「逃がさん!」
 影の繋ぎ師が更に光弾を放つ。今度はわき腹を掠め、彼方へ。
 制限からか(あるのかわからないが)、ハードショットは追尾性を失っていたのが幸いした。
 それにしても、拙い。このまま戦闘で撃たせていては書き手ロワの繁栄どころか、舞台を破滅させてしまう。
 かといって、後ろを見せれば、その瞬間に撃ち抜かれ、ジ?エンド。
「く……仕方がない」
 ◆6/は、覚悟を決めた。
 参加者を自らの手で葬る、その覚悟を。
 
「変身!」
『HENSHIN』
 電子音と共に、◆6/の姿が変わる。赤い装甲を纏った、仮面の戦士。
 カブトゼクターなしの過程を飛ばした変身。姿を自在に変え、その能力を操る――それが◆6/の特殊能力だった。
 ここで選択したのは、仮面ライダーカブト。ジャーク将軍のままでは、ロボライダーには勝てない。多分。きっと。
 だったら、目には目を、歯には歯を、ライダーにはライダーを、だ。
 時を自在に操る、この能力、このライダーに、ただのライダー勝てるはずがない。
 そう思って◆6/は仮面ライダーカブトに変身した。
 それがハイパーカブトでないのは一種の慢心からだろう。
「クロックアップ」
『Clock Up』
 そのまま間髪をいれず、影の繋ぎ師の元へ。そして頭部に一閃。その命を、刈り取る。
「なッ!」
 しかし、必殺の筈だった攻撃は、受け止められていた。掌握。そして、
「うぼァァァァ!」
 鳩尾に、一撃。
 手放され、◆6/はあまりの痛みに膝をついた。
「な……なぜだ」
 息も絶え絶えに問う◆6/に、影の繋ぎ師は簡潔に答える。
 
「創世王は異なった時間を生きている。だから、俺に時間攻撃は効かないッ!!」
 
 見誤った、そう思う頃には遅かった。
 
 ――いや、まだ遅くない。◆6/はジグマールに姿を変え、ワープで影の繋ぎ師の後ろへ。
 そして背後から、彼の首にある首輪へ衝撃波を加える。しかし、彼が見込んだ爆発は起きない。
 足りない、まだ足りないと、ワープで影の繋ぎ師を撹乱し、首輪に圧力を加える。
 だが、皹は入るものの、首輪は一向に壊れようとしない。
 
 まどろっこしい。◆6/は影の繋ぎ師――ビルの上空へとワープする。そして、
 
 
「『恋符』マスタースパーク!!」
 支給品のミニ八卦炉をもって、ビルごと影の繋ぎ師を蒸発させた。
 
【影の繋ぎ師@ライダーロワ 蒸発】

1580すれ違う二人+α+……:2008/01/22(火) 18:48:04 ID:FROb719UC
               ◇  ◆  ◇ 
 
「う……ここは」
 目を開けて、ゆっくりと頭を起こす。それから、あたりに目を向ける。
 ぐらぐらゆれる頭を押さえて、熱血怪人はありのまま自分に起こった状況を反芻する。
 そして、結論付けた。自分は、法王庁に洗脳されていたと。
 
 自分は、熱血書き手といわれている。
 しかし元来自分は、どちらかと言うと鬱展の方が好きなのだ。
 ヅラと灰原がDIOに無残に殺されたのも好きだし、しんのすけ豚をばらしてしまった話も好きだ。
 なのはが親友の前で喉を喰いちぎられて死んだのには滾ったし、デビルマスタングが友人をブチ殺したなんてのはもうたまらない。
 一般人のはずの明日夢が、パーティメンバーを毒殺した話など心が躍った。
 強力マーダーがノロウィルスで倒れる話も好きだ。
 阿部さんが男で勃起できなくなったなんてのは、死後にもて遊ばれるカズキ並みに絶頂の極みだ。
 沙羅さんがまったく活躍できないなんて話は……いや、活躍できないのは普通だから、鬱でも何でもないか。
 兎に角、自分は真正面から戦って死ぬ話より、戦闘も含めて、対主催者が無残に殺されていく話の方を好んでいるのだ。
 ただ、だからと言って熱血が嫌いなワケでもなく――実際とても好きだ。
 そうなのだが、それよりも他人の書く鬱話のほうが好物なのだ。
 しかし自分は、それら全てと同じくらい――対主催が活躍する話も愛しているのだ。
 
 そんな自分が、『易々と』他人をブチ殺そうとするとは、洗脳されている以外にありえないのだ。
 しかし自分は鬱な心と、熱く戦う心を蘇らせた。愛と平和と自由を望む正義の心で。
 
 などと思い込む熱血怪人。
 しかしてその実態は、センター試験の無残な結果で鬱になったことと、
 頭に撃ち込まれたハードショットの所為で頭脳が麻痺しただけなのだが、熱血怪人は知る由もない。
 
「おのれ法王庁……俺を洗脳して、あまつさえ悪の手先として使おうとするなど、許さん!」
 それどころか熱く滾り、強い怒りに燃えていた。
 その思いを胸に左の拳をぎゅっと握りしめ、右の掌に万感の思いを乗せる。
 
「ライダー……」
 斜め上に突き出した右手で頭上に円を描きつつ、逆の手を右上に突き出す。
「変身ッ!」
 腰に現れたベルトが、はじめと真逆のポーズを光で包む。
「トウッ!」
 
 ハイジャンプの後、殺し合いの地に降り立ったその姿は、飛蝗――仮面ライダー一号そのものだった。
 
 
               ◇  ◆  ◇
 
 
「はあ、はあ、はあ…………」
 肩を大きく上下し、◆6/は地上へと降り立った。
 先程の砲撃で、影の書き手のいたビルを中心にクレーターが出来上がっていた。
 少し派手にやりすぎた。クレーターの中は、溶岩のように赤熱していた。
 しかし、これはやりすぎだっただろうか?
 ――いや、ここまでしなければ自分はやられていた。
 
 そこまで至らしめた影の繋ぎ師への恐怖に、◆6/は今更ながら膝を折った。
 影の繋ぎ師との戦いで、多くの力を使ってしまった。
 恐らく変身能力は使えても、変身した相手の能力はもうきっと使えまい。
 だが別にいい。今自分は生き残った。
 変身能力だけでも書き手ロワを盛り上げるには十分だ。
 ◆6/は衰弱した体で書き手ロワの繁栄を願い、神に感謝した。生き残れてよかった、と。

1581すれ違う二人+α+……:2008/01/22(火) 18:49:36 ID:JsslZEswC
 しかし、現実は非情である。
 確かに消し飛ばしたはずのクレーターから、奴は立ち上がってきたのだから。
 
「俺は炎の王子! 炎の力は……俺のエネルギーだ!」
 
【影の繋ぎ師@ライダーロワ 生存確認】
 
 
 そう吼える影の繋ぎ師の右手が、黄金に輝く。
 マズイ、逃げなければ。そう思っても、腰に力は入らない。
 死にたくない。自分はまだ、書き手ロワを盛り上げていない。
 この世に未練があるのと同様に、この場に未練でもあるかの様に体はこの場から退こうとしない。
 腰が抜けて、逃げられない。
「嫌だ、し、死にたくない!」
 そう悲鳴をあげる◆6/の髪は、いつの間にか海草のようなウェービーヘアーになっていた。
「貴様が生きることは、この俺が許さん!」
 怒りを露に、影の繋ぎ師は◆6/目掛けて拳を振り下ろそうとして――
 
「待て!!!!」
 
 闖入者の言葉に拳を止めた。
 
 
【早朝】
【D‐6/ビルの跡地】
【影の繋ぎ師@ライダーロワ】
【装備】:サタンサーベル@ライダーロワ、シャドーセイバー@ライダーロワ
【道具】:カラオケマイク@現実
【所持品】:支給品一式
【状態】:健康。クライシス帝国と熱血怪人への激しい怒り。ロボライダーに変身中。
【思考?行動】
基本:殺し合いには乗らない
1:ぶ っ ち ぎ る ぜ
2:まさか……先輩?
3:目の前のクライシス帝国の手下を倒す
4:先程のクライシス帝国の手下を倒す
【備考】
※変身体はシャドームーンです
※いきなりロボライダーに変身可能になりました。ぶっちぎりです。
※首輪に皹が入っていますが、ぶっちぎりです。
 
【蘇った現代の熱血怪人@漫画ロワ】
【装備】:バヨネット×2
【道具】:なし
【所持品】:支給品一式
【状態】:仮面ライダー一号に変身中
【思考?行動】
基本:打倒、主催!
1:目の前のワカメを保護する。
2:他ロワ書き手(異教徒)と一般人(化け物)は鏖・・・・・・なのか?
3:どこかで鬱展開にもって行きたい
 
※イスカリオテの制服@ヘルシングに身を包んでいます。顔や髪型までアンデルセンではありません
※声はアンデルセン、髪型は本郷猛、顔は村雨良です
※法王庁に洗脳されていたと思い込んでいます
※頭部に衝撃が加わることで、また元に戻るかもしれません
 
【◆6/WWxs901@カオスロワ】
【状態】ワカメ、精神疲労大
【装備】ダイナマイトたくさんとライター、ミニ八卦炉@LSロワ
【道具】支給品一式、他にもなんかあるかも
【思考?行動】
基本:参加者に変身して色んな奴の誤解フラグをばら撒く
1:何やってるライダー! は、早く僕を助けろ!
2:書き手ロワの繁栄に尽くす。
※変身能力があり、誰にでも変身できます
※主催者によってジョーカーとして召喚されたっぽい。
※精神疲労が大きい為、能力を使う能力は使えません
 
【共通備考】
※D−6にクレーターが出来ました

1582すれ違う二人+α+……:2008/01/22(火) 18:50:47 ID:YszsiMLAC
 
               ◇  ◆  ◇
 
 
 そんなカオスなクレーターから一キロほど離れたビルの中。
 ボンボン系の書鬼は、奇妙な寝相で夢の中にいた。
 
【D-5 どこかのビル】
【ボンボン系の書鬼@アニロワ2nd】
【装備】:内臓火器(ミサイル)。なんでも切れる剣@サイボーグクロちゃん
【道具】:なし
【所持品】支給品一式(未確認)
【状態】:健康。
【思考?状態】
1:zzz………………。
2:おいらを巻き込むな。
3:なんだったんだ? あいつら。

1583すれ違う二人+α+……:2008/01/22(火) 18:55:59 ID:YszsiMLAC
タイトルは、 すれ違う二人+α+曖昧ネッケツ怪人 で
 
自ロワに行かないで、勉強するわけでもなしにもこんな物を書いてる自分……orz

1584名前を捨てた人:2008/01/22(火) 19:02:41 ID:L6xh7cbM0
ああっ、熱血怪人被ったw てか本人か?w センターってオイw

1585名前を捨てた人:2008/01/22(火) 19:30:22 ID:AOYdXOss0
>>1583
乙……といいたい所だが、今は勉強しろおおおお!


≪深夜≫9人
ルーキー、派手好き地獄紳士『666』、深淵、歩く頭脳戦、速筆魔王LX、
衝撃のネコミミスト、したらば孔明、意外な影丸?、まとめキング

≪黎明≫24人
パンタローネ、BDN、K of脳内補完、熱血王子、エロ師匠
ボマー、承、結、永遠のうっかり侍、お姉さま、ステルス鬼畜
フラグビルド、底上中の残月、ビクトリーム博士、幻夜・F・B、静かなるC情
地球破壊爆弾、大あばれ鉄槌、DIE/SOUL/、無明幻妖side、The god of chaos
THE FIRST、仮面ライダー書き手、鬼軍曹、


まだまだ半分ぐらい残ってるww

1586名前を捨てた人:2008/01/23(水) 08:13:01 ID:neld8otAC
あれ…ロリカードって原作ではスカートじゃないような?
つまりあれか、セーラーふくでもアリってことか!

1587名前を捨てた人:2008/01/23(水) 12:18:07 ID:xDX/2KgkO
ここはカオス…もとい書き手ロワだ、
何も 問題は ない

1588名前を捨てた人:2008/01/23(水) 23:14:06 ID:HA7WSwwI0
亀だけど
>>1583
カオス2・書き手1では萌えキャラでカオス4では変態でここではワカメかよwwwwww

1589以外!それは紙切れ!:2008/01/24(木) 16:31:18 ID:LT3v1YK60
意外な影丸?は、とりあえず移動することにした。
自分のスタート地点は会場の端の方だし、ずっと隠れていれば安全かもしれないという
考えも当然あった。
しかし、それでは駄目なのだ。
今の自分は、キョンというただでさえ地味なキャラの姿なのだ。危険を冒してでも
目立つ行動を取らねば、空気扱いされいつの間にか死亡という事態になりかねない。

(とは言っても、まだ対主催でいくかマーダーでいくかすら決めてないんだよなあ…。
どうしよう…。)

考えながら、影丸?は歩く。その不注意がたたり、彼は瓦礫につまずいてしまった。

「おわっ!」

派手に転倒する影丸?。その衝撃でデイパックが開き、中の荷物が周囲にぶちまけられた。

「あーあー、大丈夫?ちゃんとカバンを閉めておかないから…。」

背後から大山のぶ代ボイスでお説教が飛んでくるが、影丸?はそれに反応することなく
散らばった荷物を拾い集める。

(あれ?こんなのあったか?)

ある物体を発見し、影丸?の手は止まる。それは輪ゴムで無造作に止められた、紙の束だった。
最初はメモ用紙かとも思ったが、彼の脳裏にパロロワともゆかりが深いあるアイテムの
存在が浮かび上がる。

(まさか…。これが噂のエニグマの紙!)

そう、それは彼の予想通りのものだった。支給品が収められたエニグマの紙である。
しかも、その枚数は1枚や2枚ではなかった。

(あんな足手まとい支給されたときには自分の不幸を呪ったが…。十分おつりが来るぜ!
ありがとう神様!)

一人浮き足立つ影丸?は、中身を確かめもせず1枚目の紙を開いた。
そこから出てきたのは、上等なあんこを皮で上下から包んだお菓子。要は…。

1590意外!それは紙切れ!:2008/01/24(木) 16:32:59 ID:LT3v1YK60
どら焼き。

「………。ドラえもん、これあげる。」
「えっ、いいの?ありがとう!」

大好物を渡されたドラえもんは、早速それをほおばり始める。
それを横目に、影丸?は新たな紙を手に取った。

(まだだ!まだ終わらんよ!)

己を奮い立たせ、紙を開いていく影丸?。しかし…。

2枚目 ドライフラワー
3枚目 ドライヤー
4枚目 ドライバー

(ロクなのがねえ…。一応、ドライバーは首輪解除に使えるかもしれないが…。)

すっかり気力を失い、影丸はうなだれる。ちなみにこの支給品はドラえもんにちなんで
「ドラ」縛りになっているのだが、彼にとってはどうでもいい事実である。

(最後の一枚…。おまえにかけるぜ!)

意を決して、最後に残された紙を開く。そこには、「ドラゴンキラー」の文字があった。

「よっしゃあぁぁぁぁ!!やっと当たり支給品きたー!」

ドラえもんが大声に驚いてどら焼きをのどに詰まらせたのも無視して、影丸?は
喜び勇んでドラゴンキラーを紙から取り出す。そしてそれを右腕に装備した瞬間、
どこからともなく「あの音楽」が聞こえてきた。

でろでろでろでろ でっでっ♪

「呪われてんのかよ、こんちくしょぉぉぉぉぉ!」

やり場のない怒りを、その辺の瓦礫にぶつける影丸?。

(落ち着け、俺…。確かに外せないのはいろいろやっかいだが、ドラゴンキラー自体には
特にマイナス効果はない。攻撃力もそれなりにある。あの猫型ロボットに比べれば、
こっちの方がはるかに「当たり」だ!)

1591意外!それは紙切れ!:2008/01/24(木) 16:37:00 ID:LT3v1YK60

何とか自分を納得させた影丸?は、ドラえもんに声をかけ移動を再開した。
目指すは人の集まりそうな所。すなわち、会場の中心部。

しかし、彼は気づいていなかった。輪ゴムを外した際、エニグマの紙を1枚落としていた
ことを。
そして、それが一番の当たり支給品だったことを。

紙は、風に吹かれどこかに飛んでいった。

【黎明】【H-2 廃墟】
【意外な影丸?@アニロワ1st】
【装備】:ドラゴンキラー−1(呪)@トルネコの大冒険
【道具】:ドラえもん(四次元ポケットなし、CV:大山のぶ代)、
ドライフラワー、ドライヤー、ドライバー
【所持品】:支給品一式
【状態】:かすかな擦り傷。
【思考・行動】
1:とりあえず中心部を目指す。
2:対主催かマーダーか…。
【備考】
※容姿はキョン@涼宮ハルヒの憂鬱です。
※クレイジーダイヤモンドのDISC@漫画ロワが、エニグマの紙に入った状態でどこかに飛ばされました。

タイトル間違えた…。「意外」が正解ですね。
アニロワ2ndの死者スレでは何回かSS書いてるんですが、本編はこれが初です。
力不足かとは思いますが、大目に見てください。

1592名前を捨てた人:2008/01/24(木) 17:23:30 ID:JAO1wJq60
投下乙です。
クレイジーダイヤモンド?かけ声か!

1593名前を捨てた人:2008/01/24(木) 19:27:51 ID:db6vqCs.0
投下乙
支給品wwwクレイジー以外全部頭二文字がドラっすかwww

1594学校屋上戦争:2008/01/25(金) 15:18:40 ID:sp8WZIiM0
E-5の学校屋上で二人の書き手が死力を尽くして戦いを繰り広げていた。
かたや、ギャルゲロワきっての作戦家、◆/P.KoBaieg氏こと「歩く頭脳戦」
かたや、ライダーロワのまとめサイトの管理人、◆vHOqGgdf1U氏こと「まとめキング」
そして隅の方で「は、はわわ」とか言って震えているアニロワ2ndしたらば掲示板の管理人、◆B0yhIEaBOI氏こと「管理人・したらば孔明」

本当ならコーカサスビートルの始祖たるUDに敵うはずもないのだが、実際はコーカサスUDに「酷似した」姿であるだけで、実力の方は本物の半分程度である。
しかし、その強さは並の参加者は凌駕するものであった。
さらに得物も歩く頭脳戦が鉈で、まとめキングがオーバーオール。差は歴然である。
それでも歩く頭脳戦はよく持ち堪えた方である。だがもう限界は刻一刻と近づいていた。
しかし、ここまで彼女が持ち堪えられてきたのは実力もさることながら、ある作戦があったからである。
そのために歩く頭脳戦は勝負をわざと焦らしていたのである。結構きつかったりするが。

(だいぶいらついているようですわね、じゃあそろそろ……)
「君との遊びもそろそろ飽きたよ。これで終わり♪」

そしてもう一つ彼女が持ち堪えられていた理由。単純にまとめキングが「遊んでいた」という理由。

「!?」

刹那、まとめキングのオーバーオールが今までの倍ぐらいのスピードで迫ってきた。
なんとか鉈で軌道をずらすことには成功したが、完璧には無理で、鉈は破損して肩は浅く切られ、
オーバーオールは後ろのタンクへと勢いよく突き刺さった。
タンクは破裂し水は勢いよく吹き出た。
歩く頭脳戦はその隙に紛れようとしたが……

「僕を甘く見ないでくれるかな」
「な――」

その隙を見逃すまとめキングではなかった。
まとめキングはオーバーオールの切っ先をおもむろにこちらに向けた。
タンクから吹き出る水を背中に浴びながら立つコーカサスビートルの始祖(に酷似した姿)は、ある種幻想的でもあった。

1595学校屋上戦争:2008/01/25(金) 15:21:06 ID:sp8WZIiM0
「いや……いや……」
「往生際が悪いな」
「来ないでー!!」

歩く頭脳戦は手持ちのデイパックの中身をまとめキングに向けて滅茶苦茶に投げつけた。
その中に紛れて密かにある物も投げられていたことに、まとめキングは気がつくことができなかった。
そう、スタンガンというものが。

「ふん、いい加減にし――! ぎぃゃああああぁぁあああ!!」

何が起こったのかわからなかった。辛うじてわかったのは、全身をすさまじい激痛が走ったということだけであった。
元の少年の姿に戻りながら、まとめキングはその場に倒れ伏した。

「ふぅー、なんとか上手くいきましたわね。正直もつかどうか不安でしたわ。
 でも実際にやると、ひやひやですわね」
(な、にぃ……)

そう、歩く頭脳戦はこれを狙っていたのである。つまりは――感電。
相手を水浸しにして隙を突いてスタンガンで感電させる。以前自分の書いたSSで使った作戦と似たようなものである。
さらに今回使用したスタンガンは、あのグギャリオンこと園崎詩音の特注スタンガンである。もちろん、電圧は最大まで上げておいた。
勝負を焦らしたのも、タンクを壊してまとめキングを水浸しにしたのも、全てはこの瞬間の布石であった。
ちなみに、感電の瞬間に歩く頭脳戦は水たまりを避けていたので被害はほとんどなかった。これも計算の内であった。
したらば孔明も運よく巻き込まれてはいないようである。

「さてそれでは、記念すべき生首コレクション第1号としますか。
 ちょっと好みじゃないですけど、まあいいでしょう。
 じゃあ、その首、刈り取らせていただきます」

彼女の手の中には、まとめキングが落としたオーバーオールが鈍く光っていた。

 ◇ ◇ ◇

まとめキングは消えゆく意識の中で最後の言葉を聞いていた。

(くび、を、かり、とる…………かりと、る…………かり……とる……あっ)

まとめキングの真意は誰にもわからない。

【まとめキング@ライダーロワ  死亡】

 ◇ ◇ ◇

1596学校屋上戦争:2008/01/25(金) 15:24:16 ID:sp8WZIiM0
(でもこれって、本当にあのSSのまんまですねえ。しかも武器も結構ありますし)
「よし、生首コレクション第1号です。本当は女の子の生首がほしかったんですけど、これはこれでいいですね。
 どこかにアルコールでもないかしら。
 あっ、そうだ。孔明さん――」

歩く頭脳戦は満足であった。首が手に入ったから当然である。そして……
その瞬間をさらに待っていた者がいた。

「へっ――」

歩く頭脳戦は自らの体に起こった異変に戸惑った。


胸から赤い魔槍――ゲイボルグが突き出ていた。


「がぁっ――」

なにが、なにが起こったというのだ。
彼女にはわからなかった、なぜ自分の肩から槍が出ているかが。
しかしその疑問は、

「不穏分子は排除するべきでしょう」

自分をご主人様と呼んだ少女の一言によって解決した。

「なんで……」
「は、はわわ、すいませんご主人様。ご、ご主人様にはここで死んでもらいます」
「……なん……ですって」
「では説明しましょうか」
「あっ」

次の瞬間衝撃が全身を走った。ゲイボルグが引き抜かれたこともあるが、それだけではない。
そう、それは自分がついさっき使用したスタンガンであった。電圧は最大ではなかったが、しばらく動くことは無理そうである。
しかもいきなりしたらば孔明の口調が変わった。これはまるで――

1597学校屋上戦争:2008/01/25(金) 15:26:36 ID:sp8WZIiM0
「お察しのとおり、これでは恋姫†無双の孔明というよりは、ジャイアントロボの孔明のようですね。
 実を言うと、私は外見は恋姫†無双ですが、中身つまり頭のほうはGロボの孔明なんです」
「なっ!! けど……孔明がこん、な……槍を扱え、るなん、て……」
「ああ、力のほうは水滸伝の孔明になっているんです」
「水滸伝の……孔明?」

水滸伝に登場する孔明は姓は孔で名は明であり、荒っぽい口調で槍術や棒術がそこそこ使える梁山泊の頭領の一人という、水滸伝の中でもかなりのマイナーキャラである。
つまり管理人・したらば孔明は、外見は孔明(恋姫†無双version)、頭脳は孔明(Gロボversion)、力は孔明(水滸伝version)というスーパー孔明であった。

 ◇ ◇ ◇

したらば孔明はこの地に転送されてすぐさま現在の状況を把握し、脱出を目指すことにした。
しかし、脱出といってもやることは山のようにある。そして中でも厄介なのが、マーダーやステルスといった危険人物である。
マーダーはもちろんのこと、ステルスは非常に厄介である。狡猾な奴がやれば、被害は甚大である。
だからこそ、したらば孔明は、

「我らがアニロワ2ndのために、危険人物は排除する必要がありますね」

そう全てはこの世界から脱出してアニロワ2ndしたらば掲示板を円滑に運営するため、延いてはアニロワ2nd完結のために。

基本はこの外見を利用して孔明(恋姫†無双version)を完璧に演じつつ相手を見極め、ことにあたればいい。
そしてしたらば孔明はまとめキングと歩く頭脳戦を見つけたのである。もちろん見つかるようなまねはしない。
そしてどちらとも危険人物であると判断すると、まとめキングを屋上へと誘い出し、潰しあいを仕向けたのである。
これが孔明のワ(ry

 ◇ ◇ ◇

「生首の収集とは、随分と物騒な趣味だな。
 ああ、この口調は水滸伝versionだ。意味はあまりないんだが、状況と気分で変えさせてもらっている」
「くっ、それは……」
「けっ、貴様みたいな危険人物は排除するべきだが、
 は、はわわ、でも一度ご主人様といたしたので、
 あなたに対する処置はここまでにしておきましょう。この状態なら出血多量でそのうち死ぬでしょうし、運が良ければ誰か来るかもしれません」

したらば孔明は屋上に散らばる道具とまとめキングの首輪を拾い集めて、
「は、はわわ、ご主人様さようなら」と言って去って行った。
後に残ったのは、首と胴体が分かれたまとめキングと、血の池の中にいる歩く頭脳戦のみである。

1598学校屋上戦争:2008/01/25(金) 15:28:16 ID:sp8WZIiM0
「たす……かった……の」

体の痺れが和らいできて安堵すると同時に、歩く頭脳戦は改めて今の状況を確認した。
肩を刺されて出血しているとはいえ、まだ治療を施せば死は免れそうである。
所詮孔明といっても、いささか詰めが甘いようである。
すぐさま自分の服を破って包帯代わりとして、あとは下手に動かずに安静にすることにした。

それからしばらく屋上で安静に努めた。
なにやら別の屋上で巨人が何かと戦っていたようだが、気のせいだろう。
血を流しすぎたせいか、少々意識が不安定なようだ。

そして動けるぐらいに回復すると、本格的な治療のために屋上から移動しようと立ち上がった。

「あの孔明、次に会ったら……私のコレクションに……加えてさしあげましょう」

そう決意を新たに歩く頭脳戦がドアを開いた瞬間――
彼女の世界は光と熱に支配された。

 ◇ ◇ ◇

「おやっ」

学校の方から爆発音が聞こえたと思ったら、案の定黒煙があがっていた。

「歩く頭脳戦でしょうが、他の参加者の可能性は……
 まあそれはないでしょう。屋上より高い所ならかなりありますし、わざわざあんな所に行く人はいないでしょう」

実はしたらば孔明、屋上からの去り際にドアを開くと作動する爆弾を仕掛けておいたのである。
仕掛け自体はあの騒動の前に用意しておいたので、あとは設置するだけで良かった。
ちなみにその爆弾は孔明の支給品の一つである爆弾(二見瑛理子のお墨付き)@ギャルゲロワ、であった。

「それになにより――」

それはしたらば孔明からの慈悲というサービスであった。

「助かるかもしれない。そんな希望を抱きながら一瞬で死んでいけるのは、とても幸せなことだ。
 誰のセリフかは忘れましたけど」

そしてしたらば孔明は次なるターゲットを見極めるべく、周辺の参加者の様子見を続行した。

そう全ては我らがアニロワ2ndのために!!

【歩く頭脳戦@ギャルゲロワ  死亡】

1599学校屋上戦争:2008/01/25(金) 15:29:00 ID:sp8WZIiM0
【早朝】【E-4】
【管理人・したらば孔明@アニロワ2nd】
【装備品:スタンガン@アニロワ1st】
【道具:支給品一式×3、ゲイボルグ@アニロワ2nd、オーバーオール@ライダーロワ、鉈(破損)@ギャルゲロワ、不明支給品(ランダムアイテム)】
【状態:健康、服に若干の血痕】
【思考・行動】
基本:脱出に向けて行動する(基本的に恋姫†無双の孔明を演じる)
1:は、はわわ、次の参加者を見極めます!
2:脱出に有能な方なら手を組みましょう。
3:危険な野郎なら排除するぜ。

※外見は孔明(恋姫†無双version)、頭脳は孔明(Gロボversion)、力は孔明(水滸伝version)です。
※口調は基本的に恋姫†無双versionでいくようですが、状況と気分で恋姫†無双version・Gロボversion・水滸伝versionのどれかにするようです。
※爆発の規模、学校にいた他の参加者への影響は不明です。

1600学校屋上戦争:2008/01/25(金) 15:33:05 ID:sp8WZIiM0
投下終了です。やっとできたーー
いろいろとすいません。投げっぱなしやら、二人やるやら。
これからはもっと精進します。

追悼の意を表して、二人の代表作を改めて読んできます。

1601名前を捨てた人:2008/01/25(金) 16:22:30 ID:amCzeCgM0
乙!
孔明のワ(ry……恐ろしい。

ちなみにオーバーオールではなく、オールオーバーが正しい。

1602名前を捨てた人:2008/01/25(金) 16:26:37 ID:8IWHVy/wC
これはヒドい孔名の罠wwwwwしかもバッカーノですかwwww

1603名前を捨てた人:2008/01/25(金) 17:19:58 ID:wmSjscXEO
乙!まさかステルス潰しとは……さすが孔明だ。


しかしこの書き手ロワ。実に順調である。

1604覚醒フラグ:2008/01/25(金) 19:53:42 ID:qGxgRLHY0
調子に乗って二日連続で投下!


森の中で、刃を持つ二人の参加者がぶつかり合う。
片や永遠のうっかり侍。片やブリリアント・ダイナマイト・ネオン。
剣術の実力で言えば、トウカの能力を持つうっかり侍の方が上。
だが、戦局はネオンの方が若干有利であった。
理由はひとつ。ネオンの持つ刀に込められた能力が凶悪すぎるのだ。
電光丸の必中能力。妖刀かまいたちの三方向攻撃。隼の剣の2回攻撃。
それらを併せ持つ刀で攻撃されては、いかに卓越した剣豪と世界有数の銘刀の組み合わせ
でも捌ききれるものではない。
すでにうっかり侍の体には、無数の刀傷が刻まれていた。もっとも、ネオンの方も
少なからず傷を負っていたのだが。

「斬鉄剣ってよ〜…。何でも斬れるって言われてるよな〜。でも、ぬあああああああんで
こんにゃくだけは斬れねえんだよ!!こんにゃくなんてそこらの包丁でだって切れるじゃねえか!
くそっ!くそっ!くそっ!納得いかね〜!」

わめき散らしながら、ネオンは刀をむちゃくちゃに振るう。それを受け止めきれず、
うっかり侍は地面に膝をついた。

静かなる 〜Chain-情〜は、その光景をうつろな瞳で見ていた。自分のミスで罪のない
少女を死なせ、そして今、自分の目の前で傷ついている人がいる。
なのに、自分には何も出来ない。自分には、力がないから。
悔しかった。恨めしかった。自分の無力が。力さえ、力さえあれば…。

「力が…欲しいですか?」
「え?」

1605覚醒フラグ:2008/01/25(金) 19:55:31 ID:qGxgRLHY0
突如後ろから聞こえてきた声に、反射的に振り向くChain-情。そこには、死んだはずの
温泉少女が立っていた。いや、それは彼の後悔の念が見せた幻だ。よく見ればそこにいた
のは、体格こそ温泉少女に似ているものの全くの別人だった。

「君は…?」
「すいません。ちょっと前から様子を見させてもらっていました。今戦っているのは、
あなたのお仲間ですね?」
「ああ…。女の人の方が、俺の仲間だ。でも、見ての通り状況は不利…。俺に力があれば、
助太刀できるのに…。」
「力なら、あります。」

少女の発言に、Chain-情は思わずいぶかしげな表情を浮かべる。そんな彼の前に、少女は
二つの物体を差し出した。

「これは…?」
「私と…私をかばって死んだ仲間の支給品です。私には使いこなせそうにないけど、
あなたなら…。おねがいです!これを使ってください!もう、私と同じ思いをする人が
出るのはいやなんです!」

目に涙を浮かべ、嘆願する少女。そのけなげな姿が、Chain-情の心を打つ。

「断る理由なんて…ない!!」

Chain-情は少女の手から二つの支給品…カードデッキとDISCを受け取った。


「うあっ!!」

うっかり侍は、絶体絶命の所まで追いつめられていた。ネオンの猛攻に、とうとう斬鉄剣
を取り落としてしまったのである。

「ようやく終わりそうだなあ〜。無駄に粘っていらいらさせやがって…。死ねや!!」

止めの一撃を放とうと、刀を構えるネオン。だが、その体を何者かが横から突き飛ばす。

「なにぃぃぃぃぃぃ!?」

素っ頓狂な声を挙げ、地面に倒れ込むネオン。その視線の先にいたのは、仮面ライダー。
鬱のエルの遺品によって変身した、Chain-情であった。

「最初に言っておく!俺はかーなーりきれている!!」

1606覚醒フラグ:2008/01/25(金) 19:57:48 ID:qGxgRLHY0
「きれてんのはこっちだ、このボケがぁぁぁぁぁ!」

すぐさま立ち上がり、Chain-情に刀を振り下ろすネオン。それをまともにくらうChain-情。
だが、ライダーがこの程度の攻撃で死んだりはしない。Chain-情が変身によって得たかっ
たのは、この防御力。攻撃力ならば、もう一つの支給品が補ってくれる。

「ごがあッ!」

ネオンの体が、再び地に伏す。攻撃したのはChain-情ではない。その後ろにいる「もの」だ。

「て、てめえぇぇぇぇ!まさかそれは…。」

「よく聞け、メガネ野郎…。名も知らぬ幼き少女の心の安らぎのため…。我が友の誇りの
ため…。てめーは俺が裁く!!」

Chain-情の背後にいた黄金の人影が、ネオンに突っ込む。

「オラオラオラオラオラ!裁くのは俺のスタンドだー!!」

そのかけ声は、本来このスタンドの持ち主が使うべきものではない。だが、彼にとって
そんなことはどうでも良かった。ただ目の前にいる「吐き気を催す邪悪」への怒りが、
そのセリフを口走らせたのだ。

「ヤーダッバァー!!」

奇声を上げながら、ネオンは遙か遠くまで吹き飛ばされる。

(何で俺がこんな目に…。納得…いかねえ〜…。)

そんな思考を最後に、彼の意識は永遠に絶たれた。

「勝った…。」

絞り出すようにつぶやきながら、スタンドと変身を同時に解除するChain-情。
次の瞬間、彼の体は崩れ落ちる。

「危ない!」

とっさに駆け寄ろうとするうっかり侍。だが彼女がたどり着くよりも先に、少女が
Chain-情の体を受け止める。

「大丈夫…。気を失ってるだけです。」

うっかり侍に向かって、少女は笑顔で言った。

「そうか、それは良かった…。」

ほっと胸をなで下ろすうっかり侍。そんな彼女を気にすることなく、少女は考える。

(期待以上かもね、この人…。無力だった少年が成長していくのを、傍らで見守り続ける
ヒロイン…。そういうのもありかな。あ、でもそれにはこの女の人が邪魔かもなあ…。
適当に機会を見つけて殺しちゃおっか。)

内面の黒い考えをまったく表に出すことなく、少女は再び笑顔でうっかり侍に言った。

「私、素晴らしきフラグビルドといいます。あなたのお名前は?」

1607覚醒フラグ:2008/01/25(金) 20:00:43 ID:qGxgRLHY0
【黎明】【A-8 森】
【静かなる 〜Chain-情〜@アニロワ1st】
【装備】:カードデッキ(龍騎)、ゴールド・エクスペリエンスのDISC@漫画ロワ
【所持品】:支給品一式、レインボーパンwith謎ジャム@ギャルゲロワ、コアドリル@アニロワ2nd
【状態】:過労による気絶。ずぶ濡れ。鼻血
【思考・行動】
基本:殺し合いに反逆ゥ!
1:……。
※容姿はスクライド(アニメ)の橘あすか。


【永遠のうっかり侍@ギャルゲロワ】
【装備品】:斬鉄剣@ルパン三世
【道具】:支給品一式、不明支給品(ランダムアイテム)
【状態】:全身各所に刀傷。軽い貧血。
【思考・行動】
基本:打倒主催、乗った人間は斬り捨てる。
1:Chain-情とフラグビルドを守る
2:無事に皆で帰る


【素晴らしきフラグビルド@アニ2nd】
【装備】無し
【所持品】支給品一式(まだ何か持っているかも)
【状態】全身軽い火傷。
【思考・行動】
基本:フラグを立てて立てて立てまくる
1、目の前の青年(静かなる 〜Chain-情〜)と素敵なフラグを立てる
2、邪魔と判断したら、永遠のうっかり侍を殺す。
※外見は小早川ゆたか@らき☆すた(ただし髪の色は緑色)です。
※ゆびぱっちんで真っ二つに出来ます。


【ブリリアント・ダイナマイト・ネオン@漫画ロワ 死亡】


Chain-情氏、アニロワの書き手さんなのに関係ない作品のパロばかりやらせてごめんなさい。
そしてネオン氏、「吐き気を催す邪悪」呼ばわりした上、殺してしまってごめんなさい。

1608名前を捨てた人:2008/01/25(金) 23:15:22 ID:hANuANmw0
毛頭星の孔明が来るとは思わなかったwww

うっかり侍逃げてー!

1609名前を捨てた人:2008/01/25(金) 23:31:36 ID:sp8WZIiM0
wiki編集してくれた人すいませんでした。オールオーバーなんで間違えたんだろ。

フラグビルドのりのりだ〜。うっかり侍、普通にうっかりやられそうだ

1610名前を捨てた人:2008/01/25(金) 23:33:28 ID:mJOaHcr6C
これはゆーちゃん逃げてー! でなくうっかり侍逃げてー! と言わざるを得ないなww

1611名前を捨てた人:2008/01/26(土) 03:36:13 ID:lLR8IJZk0
ようやく追跡のwiki編集が終わった……
他の用事と同時進行してたとは言え、5時掛かると思わなかった。
疲れた……寝ます

1612名前を捨てた人:2008/01/26(土) 04:12:30 ID:lLR8IJZk0
≪深夜≫4人
ルーキー、派手好き地獄紳士『666』、速筆魔王LX、衝撃のネコミミスト

≪黎明≫25人
パンタローネ、BDN、K of脳内補完、熱血王子、エロ師匠
ボマー、承、結、永遠のうっかり侍、お姉さま、ステルス鬼畜
フラグビルド、底上中の残月、ビクトリーム博士、幻夜・F・B、静かなるC情
地球破壊爆弾、大あばれ鉄槌、DIE/SOUL/、無明幻妖side、The god of chaos
THE FIRST、仮面ライダー書き手、鬼軍曹、意外な影丸?

1613類は友を呼ぶ:2008/01/26(土) 04:20:44 ID:LGwbMEMo0
ここはC-5、市街地の一角。このロワが開催されてそれなりの時間がたち、東の空がうっすらと明るく
なり始めたころ、ようやく彼―速筆魔王LX―は支給品の訓練に一区切りをつけ、少し離れた場所に
置いていたジャケットを羽織った。ちなみに彼の服装は革製のジャケットに白シャツ、ジーンズという
格好であり、最近彼自身が投下した支援MADの中の相羽シンヤそのままである。

―――変態ばかり増やしてたまるか。

「あれ?いまどこからか声が聞こえた気がしたけど…まあいいか。それにしてもこの武器は…
……なんというか、かなり癖が強いね。でも使いこなせれば、ジャッカルやエクスカリバー、
いや乖離剣や地球破壊爆弾すら凌ぐ、ある意味さいきょうと言ってもいいのかな、コレは」

彼をしてそう言わしめるその支給品とは――竹刀。傍から見ただけではなぜたかが竹刀一本が
対フリークス用兵器や宝具、ひみつ道具よりも強力と言えるのか。

勘の良い方ならすでにお気づきかもしれないが、その正体は虎竹刀。一撃で戦車を破壊し、
魔術師だろうがサーヴァントだろうが問答無用で固有結界へ引きずり込み、勝敗を花札で決めて
しまう「あの」虎竹刀である。もちろんこれだけでLXがさいきょうと言ったわけではない。その神髄は
附属されているアクセサリー。よりにもよって虎のマスコットなどと言ったカーワーイーイーものでなく、

1614類は友を呼ぶ:2008/01/26(土) 04:21:51 ID:LGwbMEMo0

千年パズル

コレが付いていた。つまり、この武器の効果とは、
『複数の相手を』 『強制的に』 闇のゲームへと参加させてしまう。しかもメインは虎竹刀なため
若干のギャグ補正付。つまりゲーム終了まで脱出不可能。正に最強、いや最狂、いや最凶、
いやいや最興の武器である。

「しかしゲームの種類が…使い込まれて傷や汚れが目立つトランプ、4枚中3枚の牌が透けている麻雀、
人の顔が刻まれているチップを使うポーカー、最後のはスライムA〜Dの中から勝ち残りを予想しろ…
本当にカオスだね。まあ逆にいえば支給品や身体能力が勝負の決め手にならない以上どんな
化け物相手にも勝負ができるということでもあるし。さて、そろそろ移動しようか。朝になるまで誰にも
合わなかったんだ、こちらから行動しないと……おや?あそこにいるのは」

そう言ってLXが西の方角を見ると、下を向いて何やら呟きながら歩いてくる少女の姿が目に入った。
そう言えば現在本編でも同じような体形をした子が一緒にいるなぁ…そんなことを思いながらLXは
その少女――蟹座氏へと声を掛けた。

「あの、もしも「……座じゃない、蟹座じゃないもんね…」」


蟹座氏、出会った相手が悪すぎた。彼もまた、君と同じ蟹を…もとい十字架を背負いし者なのだ。
まあ彼のは軽めだが。

1615類は友を呼ぶ:2008/01/26(土) 04:23:16 ID:LGwbMEMo0
【早朝】【C-5 町】
【チーム蟹座】

【速筆魔王LX@アニロワ2nd】
【状態】健康 、ごく軽度の疲労感
【装備】虎竹刀with千年パズル
【道具】支給品一式
【思考・行動】
1:なんだろう、この妙な親近感は…
2:美形元帥から首輪を奪って脱出フラグを積む
3:でも別に何エンドでもおっけー
※容姿は相羽シンヤ。声子安。

虎竹刀with千年パズル:今までパロロワに参加したことのある作品の原作で登場、紹介された
全てのゲームを召喚できる。ただしこちらから選択はできない。賭ける対象は武器使用者が選ぶ。
合意は不必要。


【蟹座氏@ギャルゲロワ】
【状態】へこみ、Lv3.5
【装備】鉈
【道具】支給品一式、蟹座の黄金聖闘衣、最高ボタン、富竹時報
【思考・行動】
基本:仲間と共に主催者を倒す
1:蟹座じゃない、蟹座じゃないもんね……蟹座じゃないんだってば!
2:バトルマスターを始めとした、自ロワの参加者を捜索する
※外見はつよきすの蟹沢きぬ(カニ)です
※最高ボタンには『いやっほぉぉぉおおおう、蟹座のONiぃ様、最高ーーーーーっ!!!!!』というハクオロの声が流れます。
  シークレットボイスにも何かあるかも?
※自分の心がキャラに影響されていることに気付きましたが、キャラに抵抗するため無駄な努力をしています

1616名前を捨てた人:2008/01/26(土) 04:24:15 ID:LGwbMEMo0
以上。二人とも偶然同じところにいたから描いた。反省はしない。

1617名前を捨てた人:2008/01/26(土) 10:29:19 ID:iLq5IP/QO
相変わらず投下が早すぎて感想が追いつかねぇ。

『かり…とる…あっ』には笑った。
確かめにいったら外れてたし。

1618名前を捨てた人:2008/01/26(土) 11:01:14 ID:5Q7d3p9EC
>>1611
まとめ編集ご苦労様です。すごく助かります
 
>>1615
スライムレースワロタwwwww

1619名前を捨てた人:2008/01/26(土) 11:42:59 ID:WztUlnEA0
暇なので、現時点での参加者の行動方針をまとめてみました。

マーダー
エース、Dアンデッド、熱血王子、承、コ・ホンブック、地球破壊爆弾、THE FIRST、
仮面ライダー書き手

対主催
ピザの1号、パンタローネ、熱血怪人、マダオ、康一君、ロリスキー、ボマー、転、
バトルマスター、うっかり侍、最速の人、お姉さま、ネコミミスト、残月、幻夜、
ウッカリデス、したらば孔明、Chain-情、鉄槌、無明幻妖side.、鬼軍曹、地味子、
影の繋ぎ師、漆黒の龍

自分の道を行く!(割と無害)
MJv、コロンビーヌ、愛の伝道師、DIE/SOUL、フリクリ署長、ギャグ将軍

自分の道を行く!(かなり有害)
エロ師匠、起、地獄紳士「666」、ステルス鬼畜、ドS、内面描写、サプライズパーティー、
chaos

行動方針がはっきりしない
ルーキー、シルベストリ、焦ったドラえもん、脳内補完、tu4氏、蟹座氏、黒き書き手、
煩悩寺、ビクトリーム、速筆魔王LX、影丸?

完全に主観による分類なので、異論大歓迎。ゲームに乗っていなくても明確に
対主催と書かれてない人は、自分の道(無害)かはっきりしないに入れました。
あとエロ師匠は迷いましたが、殺人<エロと判断して自分の道(有害)に。

1620名前を捨てた人:2008/01/26(土) 11:55:30 ID:FxY8MFh20
あ、フラグビルド入れ忘れた…。orz
昨日自分で書いたばっかりなのに…。
ちょっと真っ二つにされてきます。

1621名前を捨てた人:2008/01/26(土) 15:07:24 ID:P5gkSZwI0
>>1619
蟹座氏は対主催だと思われる。そしてライダーロワの対主催が二人しかいないのはこれいかに。
まぁ、もう一人の対主催である欝のエルが退場したからしょうがないかw

1622名前を捨てた人:2008/01/26(土) 15:59:35 ID:gxhHv4r20
>>1611
編集本当にお疲れ様でした。

>>類は友を呼ぶ
そういやLX氏もでしたね〜蟹座氏の方がインパクト強くてすっかり頭から抜けてました

>>1619
意外と純粋なマーダーって少ないんですね。印象的に多いような気がしたのに。
というか、そんな貴重なマーダー退場させたの自分じゃんorz

報告。したらば孔明氏の所持品に「携帯電話@現実」が抜けていたので、wikiにて修正しときました。
今度からもうちょっと見直しを徹底しときます。

1623名前を捨てた人:2008/01/26(土) 18:41:40 ID:uDAsuigA0
蟹座同盟wwwww
さて、地味に着目したい点がある。
蟹座氏、第一回放送までずっと走りっぱなしなのに疲労感0。なんという体力ww

1624二時間制裁:2008/01/26(土) 21:57:52 ID:uDAsuigA0



「ところでさ、パンタローネには頼りになる知り合いはいないのか?」
「うむ……漫画ロワは……ほら、あんなに熱いから」
「十分に頼りになる知り合いは心当たりがあると思うんだけど? 私は完全燃え特化型だし、気が合うかも」


ただいまディーをフルボッコ中です、しばらくお待ちください。


「例えば、えーと……このエースって人は?」
「まさにストライカーだな。熱いバトルを書き上げる漫画ロワのまさにエースだ。確かに味方になれば頼もしい」
「アッー、アッー、アッー!(ドップラー効果)」
「問題は敵に回ったときだ。熱い展開と共に葬られかねないぞ。もしも彼がマーダー側ならばな」


ただいまディーを青龍偃月刀で十七分割中です、しばらくお待ちください。


「じゃあ、確実に対主催で味方に加わってくれる人はどうかな?」
「……………………うむ」
「何で黙るんだよ、おいっ!!」
「いや、皆が熱い対主催だと信じたいんだが……君も分かっているはずだ。ここがロワである以上、何がキッカケでマーダーになるか分からない」
「ああ、待て! 羽を毟るな! あ、が、ちょ、その間接はそっちの方向には曲がらな……アッーッ!!」


ただいまディーを吊るし上げてランタンの火で炙っております、しばらくお待ちください。


「むしろ、君のところはどうだ? 例えばそう………………あれ、ステルス鬼畜とか孤高の黒き書き手とか、マーダーっぽい人たちが」
「……私ね、結構そのステルス鬼畜と予約合戦で激しく戦ったのよ。最後は手を取り合ったけど、どうなるのかな……」
「予約といえばこのtu氏なんて……」
「燃え展開多めの自ロワにおいて、貴重に欝をプレゼンしてくれますが、何か?」
「ぉぉおぉおおおお!? 魔女狩り!? 魔女狩りなのかこれは……アッ、ギィィィ……!」


次はディーを的にしてナイフダーツ中です、どうぞご鑑賞ください。


「そういえばパンタローネって書いてる作品はどんなスタンス?(ヒュン……)あぁ、外したか」
「繋ぎが主だ。実は一度病院で大集団崩壊とかさせたが、心配しないでほしい。ちゃんと対主催だ(ヒュン……)おっ、肩に当たった」
「私は燃え展開がほとんどで……(ヒュン……)あっ、やった! やっと額に当たったよっ!」
「む、俺の負けか……どれ、最期の一刀(ヒュン)おっ、喉に当たったな」
「…………………………返事ガナイ、ダダノ屍ノヨウダ」


気づいたら、朝日が昇っていた。
どうやら数時間に及びフルボッコをしたまま雑談していたらしい。
お姉さまはディーのほうを見るが、息はあるらしい。さすが神、こうなったらオーラフォトンブレイクを用意するしかない。

「さて……行動するか。目標は仲間集めと主催者打倒ってことで」
「ああ。有能で信頼できる人を探していこう」
「……いや、その前に放送ですか。まずはメモを取ろう、メモを」
「ああ、誰が犠牲者で禁止エリアは、だろう? まさか自分たちがこうしてキャラと同じことをするとはなぁ……」

二人はその場に待機して放送を待つことにした。
時間が少し余っている。
なので、もう少しの間だけ、そこで片言で転がっているディーを蹴っ飛ばしておくことにした。

1625二時間制裁:2008/01/26(土) 21:58:19 ID:uDAsuigA0
【早朝】【B-2 森】


【お姉さま@ギャルゲロワ】
【装備:青龍偃月刀、ディー、チャイナ服】
【所持品:支給品一式、支給品一式(他ランダムアイテム1)】
【状態:健康】
【思考・行動】
基本行動方針:殺し合いに乗ってる人間を止め全員での脱出
1:とりあえず蹴ろう、ディーを。
2:戦う覚悟。
※容姿はくれないの長髪でスレンダーな美少女。というかまんま東方の中国w
※性別は未だ不明。
※ディーにより東方キャラに変わる力を得ました。何に変わるかはディーの気分次第。確率的には咲夜が高い。
 やばすぎる能力には制限がかかってます。
※ディーは制限により弱まってます。そしてそれが原因でちょっと逝ってます。


【パンタローネ@漫画ロワ】
【装備:無し】
【所持品:支給品一式、支給品一式(ランダムアイテム不明)】
【状態:健康、自動人形】
【思考・行動】
基本行動方針:殺し合いには乗らない、乗った人間には容赦しない
1:……そろそろ、お姉さまを止めるべきか? まあいいや、蹴ろう。
2:助けられる人はなるべく助ける。

※パンタローネの服を着ていますが顔は若いです。
※深緑の手の空気供給率が低下しています。
※深緑の手:手の平の穴から空気を吸収し、指から圧縮された空気で攻撃する技。
 原作では片手撃ち尽す→もう片手で撃ちながら、撃ちつくした手は空気供給で弾切れの心配が無かったりする。


任務完了。
そしてディーの扱いやすさは異常だw

1626名前を捨てた人:2008/01/26(土) 22:15:47 ID:m2/r2MxE0
ちょwwwなんという鬼畜プレイwww

1627名前を捨てた人:2008/01/26(土) 22:34:02 ID:az8MPuFAC
投下乙!
>熱い展開で葬られる
何故かここで笑ってしまったw

というかディーがサンドバック状態じゃないかw
どういう支給品なんだって次元の話だwww

1628名前を捨てた人:2008/01/26(土) 23:08:59 ID:gxhHv4r20
投下乙
なんというディーフルボッコ、これはあれか、ラスボスで活躍した反動か。

1629名前を捨てた人:2008/01/27(日) 00:43:23 ID:VxGMZ.eQ0
それにしてもナレーターがノリノリであるw
さあ、次は…ってアンタw そして欝展開をプレゼンww

1630走れたい焼きくん:2008/01/27(日) 07:21:41 ID:5UpcCiWA0
焦ったドラえもんとの接触以降も、THE FIRSTは不眠不休で鯛焼きを焼き続けていた。
少しぐらい休んでも、とは自分でも思う。しかし、手が止まらない。アドレナリンとか
エンドルフィンとかそういうのが出っぱなしなのかもしれない。

そんな彼の元に、一人の男が近づいてきていた。黒いスーツに身を包んだ、いかにも紳士
といった風貌の男だ。

「はい、いらっしゃ…。」

新たな客が来たものと思い、顔を上げるTHE FIRST。が、その表情は一瞬で凍り付く。
スーツの男の後ろに立つ、ハンマーを携えた巨大な不良少年を見てしまったからである。

(な、何あれ?支給品?巨大ロボ?というか、あんなもの歩いてきたら地響きとかするだろ!
何でこんな接近するまで気配も何もなかったんだよ!)

正解は、その巨大不良少年がスタンドだから。あ、「スタンドはスタンド使いにしか見え
ないはず」とか今更言い出してはいけない。パロロワのお約束である。

それはさておき、THE FIRSTは巨大承太郎を見上げたまま固まってしまっていた。
そんな彼に向かってスーツの男…承は、死刑宣告に等しい言葉を放つ。

「ゴルディオンハンマー、発動承認!」

「へ?」

未だ呆然とするTHE FIRSTに、黄金の鉄槌が振り下ろされる。そんな光景を目に
しては、さすがにTHE FIRSTも固まっているわけにはいかない。

「ふざけんなぁぁぁぁぁ!!オーバーキルにも程があるわぁぁぁぁぁ!!」

火事場の馬鹿力か、はたまたアドレナリンの過剰分泌のおかげか。THE FIRSTは
迫り来るハンマーの攻撃範囲から、何とか逃れることが出来た。だが、自ら動く術を持た
ない屋台と鯛焼きたちはそうもいかない。

「ああああああ!!なにしてくれるんじゃ貴様ぁぁぁぁぁ!!」

命の危機にさらされたショックと、大切なものを失った絶望に彼は叫ぶ。
もはや元キャラの面影などない。というか、誰だおまえ。

1631走れたい焼きくん:2008/01/27(日) 07:23:29 ID:5UpcCiWA0
「許せん!貴様はこの俺が成敗…出来るかオイィィィ!!」

かっこよく啖呵を切ろうとしたTHE FIRSTだが、改めて敵の巨体を見てやっぱり
ビビる。どうでもいいが、さっきから叫びっぱなしでのどがちょっと痛い。

(あんなの相手に、一般人がどう戦えっていうんだよ!いっそのこと俺にも巨大化能力
とかくれよ!神様仏様東映様円谷様、俺に奇跡を〜!)

残念ながら、奇跡とはそう易々と起こるものではない。まあ、この世界ではあながちそう
とも言い切れないのだが…。
とにかく、この場では彼に奇跡は訪れなかった。自分の願望が叶えられないと悟った
THE FIRSTは、次善の策に移る。
逃走。否、一時的撤退である。

「覚えてろ!必ずおまえを倒す方法を見つけてきてやるからな!鯛焼きの恨みは忘れねえぞ!」

捨てぜりふを残し、全力疾走で駆けていくTHE FIRST。
その後ろ姿を、承は黙って見送る。本当は言いたいことがあるのだが、口が、いや、
体が言うことを聞いてくれない。

(ああああ、やってもうたー!ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!自分の意思じゃ
ないんですー!)

不本意に殺し合いに乗らされた男、承。彼もまた絶望していた。

【早朝】【C-7 市街地】
【THE FIRST@ライダーロワ】
【装備】鯛焼き名人アルティメットフォーム
【所持品】支給品一式(確認済み)
【状態】健康・かなりヤケ・精神的にやや疲労
【思考・行動】
基本行動:鯛焼きを焼いて焼いて焼きまくる。
1:食材を調達。
2:毒かなんかも調達。
3:スーツの男(承)にリベンジする方法を見つける。
※外見や声は三上了@仮面ライダー剣29-30話です。
※鯛焼き名人アルティメットフォームは、スペシャルターボのスイッチを入れることで
 鯛焼きをものすごく速く焼くことが出来ます。
※本職はたこ焼き屋です。

【承@スパロワ】
【装備】:スタンド『ビッグ承』(ゴルディオンハンマー装備)
【所持品】:支給品一式、了承@フリーソフト、他不明
【状態】:健康
【思考・行動】
1:殺し合い? 了承(1秒)
2:うおぉぉぉぉ、殺し合いなんて嫌だー!(本心)
※外見はBIG−Oのロジャー・スミス
※スタンド『ビッグ承』がスタンド『スタープラチナ』を使えるかどうかは不明です。

【THE FIRST特製の鯛焼き 全滅】

勢いだけで書いた。反省はしていない。

1632名前を捨てた人:2008/01/27(日) 13:23:52 ID:Zdj1Au6AO
クソワロタwww
史上初、たい焼きマーダーの行方やいかに!そしてゴルディオンハンマー避けれるとか凄すぎるw

1633名前を捨てた人:2008/01/27(日) 21:43:38 ID:C/6mvvlM0
ライダーロワにはまともなやつがいないのかwwwwww

あ、影の繋ぎ師は割りとまともだな。

1634名前を捨てた人:2008/01/27(日) 21:59:30 ID:z7K5R7as0
みんなぞくぞくと早朝までいってるなw

>>1633
スパロワなんて、全員アレです

1635名前を捨てた人:2008/01/28(月) 00:57:56 ID:WerRgh4kO
その点我等がAAAはまともなパンピーばかりだな!

……誰だ今地味っつった奴

1636名前を捨てた人:2008/01/28(月) 05:46:47 ID:6SBylUkI0
まだ早朝に到達していない書き手の現状をリストアップしてみた。
これをみてティン!と閃いたらどんどんやってくれたまえ。

≪深夜≫3人
ルーキー(C-2 シルベストリ捜索中)
衝撃のネコミミスト(A-4 弔い中)
派手好き地獄紳士『666』(A-4 ネコミミストを個人的な理由で護る)


≪黎明≫18人(うち、早朝抜きでも平気そうな11人には○を付けてみた)
○鬼軍曹(I-3 休息中)
○蘇った現代の熱血怪人(B-3 休息中)
○熱血王子(G-7 索敵中)
○K of脳内補完(F-1 苦悩中)
○結(D-9 移動中)

○ボマー(G-1 おいかけっこ中)
○大あばれ鉄槌(G-1 おいかけっこ中)

○底上中の残月(F-3 ホテル周辺から逃走中)
○幻夜・フォン・ボーツスレー(F-3 ホテルから脱出中)

○ステルス鬼畜(E-5 全部搾り取られた)
○サプライズパーティー(E-5 全部搾り取られた)

地球破壊爆弾No.V-7(F-3 戦闘中)
神行太保のDIE/SOUL(F-3 戦闘中)

無明幻妖side(A-5 戦闘中)
The god of chaos(A-5 戦闘中)

ビクトリーム博士(F-3 パニック中)

エロ師匠(E-5 ヤる気満々)
仮面ライダー書き手(E-5 貞操の危機)

1637レクイエムは静かに奏でられる:2008/01/28(月) 07:05:07 ID:z6G2sm7.0
上の表には載ってないけど、この人たちもまだ黎明だったよね?
ということで、結構長い話になっちゃったけど投下!

「いい湯だな、アハハン〜♪」
一人の男が、温泉に浸かっていた。歌など歌って、上機嫌だ。
だが、そんなのんきな光景は長く続かなかった。彼のまわりのお湯が、赤く濁り始めたのだ。

「ん?なんだこれ?…って、このにおいは…。血!?」

異変を悟り、慌てて周囲を見渡す男。すると、自分以外にも温泉に入っている人間がいるのを発見する。
その人物のまわりは、血の色が一段と濃かった。

「ちょっと、君!大丈夫か?」

とっさに、彼は声をかける。返事はない。代わりにその人物…幼い少女の体が崩れ落ちる。

「え?」

近づかなくてもわかった。湯船に浮かぶその少女は明らかに

死 ん で い た。



「うあああああああああ!!」

静かなる 〜Chain-情〜は、叫び声と共に覚醒した。

「だ、大丈夫ですか?」

すぐ後ろから、声がかけられる。Chain-情が首をひねって後ろを見ると、そこには自分を
心配そうに見つめる少女の姿があった。

(この子は、えーと…。俺はいったい何を…。)

まだ完全に稼働していない脳みそを無理矢理動かし、Chain-情はこれまでのことを思い出す。

(そうだ、俺はバトルロワイアルに放り込まれて…。それで女の子を殺したメガネ野郎と、
この子からもらった支給品で戦って…。たしか勝ったんだ。たぶんその後、緊張の糸が
切れたか何かで気絶してたのか…。しかし、いやな夢だったな…。)

1638レクイエムは静かに奏でられる:2008/01/28(月) 07:06:21 ID:z6G2sm7.0

「あの…。お水飲みます?」
「ん?ああ、ありがとう。」

少女が差し出したペットボトルを受け取り、Chain-情はその中に入れられていた水を一気
に口に流し込んだ。

「あれ?」

そこで彼は、ようやく自分の身に起きた異変に気づく。
よく見れば、自分の着ていた服が学ランに変化していたのである。

「ねえ、これは…。」

右手で左腕の袖をつまみながら、Chain-情は少女に尋ねる。

「ああ、その服ですか?お兄さん、服がずぶ濡れだったじゃないですか。このままじゃ風
邪を引いちゃうってうっかり侍さんが言い出したんで、気絶している間に着替えさせても
らいました。ちょうどうっかり侍さんの支給品に、お兄さんが着られそうな服があったんで。」

「うっかり侍?ああ、あのトウカの姿の人か。」

考えてみれば、彼女とChain-情はお互い名乗ってすらいなかった。
しかし、トウカといえばうっかり侍。うっかり侍といえばトウカ。
Chain-情の脳内ではその名前と姿は、驚くほどあっさりと結びついた。

「ん?ちょっと待って。さっき、着替えさせたって言ったよね?」
「はい。」
「つまり…。いろいろ見ちゃったわけ?」

ダイレクトに聞くわけにもいかず、ぼやかした言い方をするChain-情。
それに対し、少女は頬を赤く染めてうつむく。

「すごく……大きかったです。」
「ええーーーーー!!」

今度はChain-情の顔が、完熟トマトも裸足で逃げ出すくらいの赤さに染まる。

「なーんて。冗談ですよ。」

からかうような口調で、少女が言う。しかし、目が笑ってない。

(本当に冗談なんだろうか…。)

Chain-情の心は、何とも表現しがたい複雑な感情に支配されていた。


そのころ、彼らがいる場所から遠く離れた学校では…。

「むっ!」
「どうした、エロ師匠。」
「今、私のエロセンサーにかすかな反応が…。すぐ消えてしまったが…。」
「知るか!というか、なんだそれは!」


話は再び森の中に戻る。

「おお、気づかれておられたか。」

何とも微妙な雰囲気になっていた二人の元へ、うっかり侍が戻ってきた。
その体には先の戦いで負った傷を覆うように、大量の布が巻かれている。
そして、両手は土で汚れていた。それを見て、Chain-情は彼女が今まで
何をしていたのかを理解する。

「えーと…。そういえば、まだ名を聞いておりませんでしたな。某は永遠のうっかり侍。
ギャルゲロワの書き手でござる。」
「私はアニロワ2ndの書き手、素晴らしきフラグビルドです。」
「え…?」
「どうかしました?」
「あ、いえ。俺は静かなる 〜Chain-情〜。アニロワの書き手です。」

実はChain-情は、いろいろショッキングなことがあったせいでこのロワに参加している
他の人間もパロロワの書き手であることを忘れていたのである。

「Chain-情さんって、たしか2ndでも書いてましたよね。ということは、私と同郷ですね!」
「ああ…。」

フラグビルドの言葉も、Chain-情の頭には入っていっていなかった。

1639レクイエムは静かに奏でられる:2008/01/28(月) 07:07:26 ID:z6G2sm7.0
彼の脳内は、ひとつの考えに支配されていた。

(そうだ、このロワに参加しているのは書き手だけ…。つまり殺されたあの女の子も、
俺が倒したメガネ野郎も…。)

「Chain-情殿、いかがなされた?顔色が優れぬようだが…。」
「うっかり侍さん…。すいませんが、あの女の子を埋葬したところまで案内してくれませんか?」
「ええ?何故そのことを!まだ話しておらぬというのに…。」
「簡単な話ですよ。あなたの手には土が付いていた。ロワで手に土が付く行動といったら、
遺体の埋葬以外あり得ません。」
「な、なるほど…。」
「で、案内してくれますよね?」
「Chain-情殿が何を考えておられるのか某にはわかりませぬが…。わかり申した。
案内いたしましょう。」


温泉少女の遺体は、三人が会話していた地点から歩いて五分とかからぬ場所に埋葬されていた。
そしてその近くには、もう一つ土を掘り返した跡があった。

「うっかり侍さん、あっちは?」
「我らを襲った男の墓です。いくら罪もなき人を殺めた外道とはいえ、死んでしまえばただの亡骸。
放っておくのも忍びないと思い、あそこに…。」
「そうか、やっぱり死んでたのか…。俺は、殺してしまったんだ…。俺と同じ書き手を…。」

Chain-情の体が、小刻みに震え出す。それは自分への怒り故か。それとも悲しみか、恐怖か。
あるいは、本人にもわかっていないのかもしれない。

「Chain-情殿が気に病む必要はござらん!奴はゲームに乗っていた!Chain-情殿が奴を
殺していなければ、死んでいたのは我ら三人だったかもしれぬ!」
「わかってます。けど、彼だってこんな殺し合いに参加させられなければ、殺人なんて
する人間じゃなかったのかもしれない。生きていれば、素晴らしいSSを書いて多くの人
を感動させていたのかもしれない。それを俺は…。」
「もうやめてください…。そんなに自分を責めないで…。」

なおも震えが止まらないChain-情。その体を、背後からフラグビルドの小さな腕が抱きしめる。

「Chain-情さんに武器を渡したのは私です。Chain-情さんの行動に罪があるというなら、
私だって同罪です。だから、一人で背負い込まないで…。」
「フラグビルドさん…。」

Chain-情は自分の胴に回されていたフラグビルドの腕を、優しく外した。そして、彼女の
頭に手を置く。

「ありがとう。そう言ってくれるだけで、俺は十分救われる。」

震えは、もう止まっていた。そして彼はフラグビルドから離れると、おもむろに落ちて
いる石を拾い出した。

「Chain-情殿?いったい何を…。」
「まあ、見ていてくださいよ。」

拾い上げた数個の小石を、Chain-情は空中へ放り投げる。

「ゴールド・エクスペリエンス!」

Chain-情の背後から、黄金のスタンドが出現した。そのスタンドは、空中の石に向かって
拳のラッシュを放つ。
ゴールド・エクスペリエンスの能力。それは無生物を生物に変化させるというもの。
その拳を受けた石は白い花へ変身を遂げ、二つの墓の上に降り注いだ。

「わあ…。」
「おお…。」

その幻想的な光景に、女性陣二人は思わず声をあげる。

(今はこんな事しかできないけど…。君たちが命と引き替えにつないだバトンは、
確かに俺たちが受け取った。たとえ俺たちが死んでも、きっと他の誰かがバトンを拾ってくれる。
君たちの死は無駄じゃない。無駄になんかしない。だから、今はゆっくり休んでくれ…。)

1640レクイエムは静かに奏でられる:2008/01/28(月) 07:12:42 ID:z6G2sm7.0
その後、三人は支給品のチェックおよび交換を行うことにした。
まず、ネオンが持っていた刀。これはChain-情が持つことになった。
すでに二つの強力な武器を持っているChain-情だが、カードデッキは使用に制限時間がある。
スタンドは、漫画ロワ制限により使用に精神的疲労を伴う。
そしてChain-情はライダーもジョジョも熱心なファンというわけではないため、
これらを完璧に使いこなせるかと聞かれると疑問符が付く。
以上のことから、デメリットのない武器をひとつ装備していてもいいだろうということになったのだ。
そしてうっかり侍が回収したネオンのデイパックに入っていた、彼の支給品。
これは表紙に「みWiki」と書かれた本と、真っ白なケースに入ったCDだった。
CDの方はスタンドDISCというわけでもなく、本当にただの音楽CDであるらしい。
要するに、二つともハズレ支給品だ。これは誰が持っていてもいいだろうということになり、
とりあえずChain-情が持つことにした。
それからChain-情が持っていたコアドリルは、「本編でゆたかが持っているから」という
理由でゆたかに似た外見を持つフラグビルドの手に渡ることになった。


「それで、これからどうなされる、Chain-情殿。」
「対主催として行動するなら、どこかに拠点を作った方がいいでしょうね。
とりあえず、温泉に戻りましょう。細かいプランを練るにしても、こんな森の中より
しっかりした建物の中の方が都合がいいでしょうし。」
「なるほど、承知した。」
「私も異存はありません(温泉ならフラグを立てる手段にも事欠かないだろうし…)。」
「それじゃあ、いきましょうか。」

うっかり侍とフラグビルドを従え、歩き出すChain-情。その身には、すでに気高き魂が
育っていた。だが、その気高き魂があっさりとつみ取られるのがバトルロワイヤルである。

次に鎮魂歌が奏でられるとき、彼らはそれを奏でる側か、それとも聞く側か。
それを知る者はいない。


【早朝】【A-8 森】
【静かなる 〜Chain-情〜@アニロワ1st】
【装備】:カードデッキ(龍騎)、ゴールド・エクスペリエンスのDISC@漫画ロワ、
仗助の学生服@漫画ロワ、合成された刀(名刀“電光丸”+ 妖刀かまいたち + はやぶさの剣)@ドラえもん+風来のシレン+DQ
【所持品】:支給品一式×2、レインボーパンwith謎ジャム@ギャルゲロワ、みWiki@らき☆すた?、CD『ザ・ビートルズ』、
元々着ていた服(ずぶ濡れ)
【状態】:健康。強い決意。
【思考・行動】
基本:殺し合いに反逆ゥ!そしてなるべく多くの仲間と生還し、死んだ書き手の分まで頑張る。
1:温泉を拠点に、対主催の仲間を集める。
2:マーダーも出来れば殺したくないが、説得不可能な場合はやむを得ない。
※容姿はスクライド(アニメ)の橘あすか。


【永遠のうっかり侍@ギャルゲロワ】
【装備品】:斬鉄剣@ルパン三世
【道具】:支給品一式、パロロワ衣服詰め合わせ
【状態】:全身各所に刀傷。軽い貧血。
【思考・行動】
基本:打倒主催、乗った人間は斬り捨てる。
1:Chain-情とフラグビルドを守る
2:無事に皆で帰る
※私立真白学園中等部の制服@アニロワ2ndを破り、包帯代わりに全身に巻いています。

【素晴らしきフラグビルド@アニ2nd】
【装備】無し
【所持品】支給品一式(まだ何か持っているかも)、コアドリル@アニロワ2nd
【状態】全身軽い火傷。
【思考・行動】
基本:フラグを立てて立てて立てまくる
1、静かなる 〜Chain-情〜と素敵なフラグを立てる
2、邪魔と判断したら、永遠のうっかり侍を殺す。
※外見は小早川ゆたか@らき☆すた(ただし髪の色は緑色)です。
※ゆびぱっちんで真っ二つに出来ます。


※パロロワ衣服詰め合わせ
歴代パロロワに登場した衣服(支給品だけでなく、現地調達のものも含まれる)の詰め合わせ。
仗助の学生服@漫画ロワと、私立真白学園中等部の制服@アニロワ2nd以外の中身は
次の書き手さんにお任せします。あくまで衣服なので、鎧などは入っていません。
ただし、鎧より防御力の高い服が入っている可能性はあります。

以上になります。自分でやっといてなんですが、Chain-情さん強化されすぎ…。
過剰な強化は死亡フラグなのに…。
どうやらフラグビルドさんは、恋愛フラグより死亡フラグをばらまいて
しまっているようです。

1641おっぱいの大きい熟女は好きですか?:2008/01/28(月) 08:06:48 ID:nFlv9P1c0

◆yHjSlOJmmsことルーキーは、先輩の遺言通りシルベストリを探し続けていた。
だが、一人で探すには会場はあまりにも広すぎる。
それに、歩き続けてそろそろ体力的にも限界が来ていた。

(ちくしょう……早くしなきゃいけないのに)

心とは正反対に、体はどんどん鉛のようになっていく。
先輩の死を目の当たりにしたと言うのも、相当堪えているのだろう。
そんな彼の前に、頭を抱えて唸り声をあげ続けるサラリーマンの姿が目に飛び込んできた。
見たところ傷を負っているようではないが、何か大変な事になっているのかと思ったルーキーは、思わず声を掛けた。

「あ、あの、大丈夫ッスか?」
「ああ、どうすればいいん……はッ! 誰ですか!?」
「す、すいません。俺は◆yHjSlOJmmsッス。あ、ルーキーって呼んでください」
「おお、これはご丁寧に。私はKing of 脳内補完です。」

顔を上げたのは、あの合成からかれこれずっと悩み続けていたKing of 脳内補完だった。
脳内補完はルーキーの顔を見ると、指で頬を掻きながら困ったように溜息を吐いた。

「それが、かくかくしかじかで」
「は?」
「ですから、かくかくしかじかと言う事が」
「あの」
「なんです?」
「……その「かくかくしかじか」なんですが、俺にはそのまま「かくかくしかじか」にしか聞こえないんスけど」
「あれ、おかしいな……漫画やアニメの方には通じると思ったんですけど」
「……えっと、俺AAA出身なんで」
「えと、AAA……ですか」
「……そス」
「そう……でしたか……」
「……」
「……」
「……」

気まずい沈黙が二人を覆う。
それを打ち破ったのは、東方から近付いてきた一人の熟女だった。
その熟女こそ、底上中の残月。
彼女は巨大な生おっぱいをブルンブルン揺らしながら、二人のもとへと突進している。

「なんですかアレはッ!?」
「げぇ!化け物!」

バチンバチンと町中に響き渡るおっぱい同士の衝突音をBGMに、彼女は着実に距離を詰めていく。
さらに嫌な事に、近づいた事でその引き締まった肉体と下半身までもしっかり目視できるようになっていた。
妙齢の美女ならまだしも、外見が熟女なドーラでは勃つモノも勃たない。
二人は気まずい雰囲気など忘れたかのように、呼吸を合わせて頷きあうと、荷物を持って走り出した。

「お待ち! 逃げるんじゃないよ!」
「そんな格好で追いかけられたら逃げるだろう!常識的に考えて!」
「み、右に同じ」
「この格好のどこがおかしいって言うんだい!? この小僧どもっ!」

上下左右。変幻自在に揺れるおっぱいの隙間から顔を覗かせる残月。
そんな彼女から泣きそうな表情で逃げ続ける二人の男。
必死で逃げるも、その距離は凄い勢いで縮み続けている。
疲労がピークを越えていたルーキーの足はとうとう縺れてしまい、彼は地面へと倒れこむ。

「ルーキー君!」
「脳内補完さん! 行って下さい!」
「そんな……」
「最後にお願いがあります。シルベストリって人に会ったら、「AAAは不滅です」って伝えてください」
「何を馬鹿な! 諦めたらそこで試合終了だぞ! と言うか、シルベストリってうちの人じゃないか!」
「お願い……しま――グハッ」
「ルーキー君! るぅぅぅぅぅぅうううううううううううきぃぃぃぃぃいいいいいいいいいいいいいい!」
「やれやれ、ようやく捕まえたよ」
「あ」

最後のシーンを演じる二人の腕を、残月は容赦なく握り締める。
そして、白い歯を見せながらひまわりのような笑顔で二人に顔を擦りつけた。

「あたしゃ底上中の残月ってんだ。
  見たところ二人とも殺し合いには乗ってないみたいだね。どうだい? アタシと組まないかい?」

二人が今流した涙が全くの無駄だった事に気付くのは、それからすぐの事。
どうやら軍配は、残月のほうにあがったようである。

1642おっぱいの大きい熟女は好きですか?:2008/01/28(月) 08:07:18 ID:nFlv9P1c0


☆☆


三人は近くの民家に移動すると、それぞれの方針を話し合う事にした。
ちなみに全裸である事を何度も指摘したが、何度もスルーさてた。
キッチンでお茶を飲みながら、それぞれ順番に今までの事を話し始める。
が、自分の番となったルーキーは、先輩の事を思い出すと喉を詰まらせ言葉を失ってしまった。
そんなルーキーの顔を、残月はそのおっきなおっぱいで彼を強く抱きしめた。
そして、「良く頑張った。あんた男だよ」と囁きながら彼の髪の毛を優しく撫でた。
疲れていたのあったのか、我慢していたルーキーは、その行為に耐え切れず大きく泣いた。
それを横で見ていた脳内補完の目尻にも、きらりと光る粒が浮んでいる。

「さて、あたしゃちょっくら飯の仕込を始めるよ。あんた達は寝てな」
「あ、俺にも手伝わせて下さ……うっ」
「ほれ、あんた疲れてるんだよ。ここはアタシに任せて寝ておきな」
「ルーキー君。ここは彼女の言う通りにしましょう」
「……じゃあ、お願いします」
「あんたも今のうちに寝ておくといいよ」
「では、お言葉に甘えて」

二人は残月に荷物を預け後を任せると、ルーキーと脳内補完は隣の部屋へと移動していった。
そんな二人を見送った残月は、一人鍋の前に立つ。
そして、達人のような包丁捌きで具材を切り刻むと、豪快に鍋へと放り込んでいった。
牛肉、豚肉、人参、玉葱、じゃが芋、スパイス、etc……どうやら作っているのはカレーらしい。
火を灯した鍋の中から、ぐつぐつと具材が煮えていく音が聞こえる。

「さて、時間も掛かるし、ちょっくら雑誌でも読み……ぶぅうぇっくスゥィィィン!」

熟女の香りを残した吐息が空中に吐き出されると、それは隣の荷物を直撃する。
その生温かい風を受け止めたエニグマの紙を一枚残らず巻き上げると……




蓋の開いた鍋の中へと落下していった。
もちろんそんな現状を知らない中身達は、ようやく出番が来たと思い込み飛び出そうとする。
が、飛び出そうとするのを阻むように、真っ赤に煮えたぎるカレーが余す事無く彼らを包み込む。
こちらの世界に飛び出す隙すら与えぬまま、カレーは着実に彼らを飲み込んでいく。

「いぐぅぅぅぅぅうううううううう!!」
「むおぉぉぉおおおおおおおおおおん!」
「WRYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYY!!」
「来るなー!誰も来るなーー!!」

鍋から聞こえてくる数多の悲鳴に気付く事無く、残月は家にあった成人向け雑誌を読みながら鍋をかき回す。
だが、そんな小さな悲鳴の横で、一枚の紙が空中を待って窓から飛び去っていった。
紙の中身は「漫画キャラバトルロワイアルwiki管理人」。
この紙だけは、まるで見えない力が働いたように宙を舞い続けると、一直線に空えと飛び去っていった。
いっぽう残った支給品達の様子は――


(想像以上に地獄絵図なので、省略させて頂きます)


それから数十分後、声が聞こえなくなった鍋をかき回すのをやめた残月は、おたまで中身を掬うと小皿に垂らす。
食欲をそそる香りが、彼女の鼻にすうっと入っていく。
次に小皿に指を突っ込んでカレーを掬い取ると、それを口の中へともっていく。

「ん、なんだかいつもと違うけど、旨いから構やしないね。さ、これで仕上げだよ」

味に満足した残月は、最後の仕上げにと自家製スパイスをぶち込む。
そして弱火にして鍋の蓋を閉じると、眠っている二人を起こしに向かった。

「さて、ほらあんた達ご飯ができたよ!」
「んんぅ。あ、この匂い!」
「カレー……でしょうか」
「ほれ、二人とも顔を洗ってきな!」
「ういっス」
「分かりました」

二人を洗面台に向かわせている間に、残月はてきぱきとカレーを皿に盛っていく。
やがてルーキーと脳内補完がキッチンに顔を出すと、三人はそれをテーブルへと運んでいった。
そして、三人はテーブルを囲んで座ると、一斉に手を合わせ合唱する。

「いただきます!」
「いただきま〜す」
「おうさ。たーんと食いな」

こうして、誰一人真実を知らぬまま、三人は空腹を満たしていった。

1643おっぱいの大きい熟女は好きですか?:2008/01/28(月) 08:08:55 ID:nFlv9P1c0



【5MeO-DIPTを使用した蜀軍30万】死亡
【DIO】死亡
【黒王号】死亡
【火口卿介】死亡
【デスノート】焼却
【永遠神剣『言葉』】消失
【AV−98イングラム・核ミサイル】溶解
【レイジングハート・エクセリオン】死亡
【かみなりさん】死亡
【漫画キャラバトルロワイアルwiki管理人】生還



【早朝】【E-1 民家】
【King of 脳内補完@漫画ロワ】
【装備】スカウター
【所持品】支給品一式、ウルトラミキサー(故障?)
【状態】健康
【思考・行動】
基本:対主催だけど成り行き任せ
1:おお、なかなかに美味いぞ
2:あれ、そう言えば私のエニグマの紙どこいったよ
※エニグマの紙は燃え尽きました


【底上中の残月@アニロワ2nd】
【状態】全裸、空腹を満たす
【装備】なし
【道具】支給品一式、放火セット(燃料、松明、マッチ)、未定支給品×2(本人確認済み)
【思考】
基本:対主催を集めて主催者を打倒する
0:なかなかいい出来じゃないか
1:人を集めるのに手段は選ばないよ
2:でも、おっかないのは御免だねぇ……
3:まあこの二人は最初の仲間って事かね
※容姿はドーラ@天空の城ラピュタです。
※全裸主義者なので服を着ることをいやがります。


【◆yHjSlOJmms(ルーキー)@AAAロワ】
【状態】決意
【装備】ピストル(15/15)
【所持品】なし
【思考・行動】
基本・対主催
0:とりあえず腹ごしらえッスかね
1:先輩の跡を引き継ぐ
2:シルベストリ◆O4VWua9pzsに接触する
3:AAAロワ書き手を探す

1644名前を捨てた人:2008/01/28(月) 08:10:37 ID:nFlv9P1c0
カレーです。ええ


>>1640
乙。大丈夫、他の参加者とかもっとスゴイのいるしw

1645名前を捨てた人:2008/01/28(月) 08:14:46 ID:MuUBvTkE0
カレーwwwwwwwwwあなたって本当に最低の屑ねwwwwwww

1646名前を捨てた人:2008/01/28(月) 13:02:54 ID:yIsLmXUA0
どんなカレーだよwww

1647名前を捨てた人:2008/01/28(月) 13:08:11 ID:tuhZ.3yEO
しかし第一回放送までに四分の一が脱落とはアニロワ並のペースじゃないですかwww

果たして俺は乗りきれるのか

1648名前を捨てた人:2008/01/28(月) 15:07:14 ID:BXEf3EXA0
これは……(嫌な分99%の)精が付きそうだ!
怖いよこのカレー!?www

1649名前を捨てた人:2008/01/28(月) 19:13:03 ID:L8DwCw3.C
カレー……

パロロワにおいて惨劇の予兆の定番…

だがこれ事態が惨劇の塊だww

1650名前を捨てた人:2008/01/28(月) 21:56:49 ID:O3hUsrp60
アニロワ ドラえもんカレー→不二子襲来
アニロワ2nd ジャガイモカレー→悪魔軍人大虐殺

他にもあったっけ?

1651名前を捨てた人:2008/01/28(月) 22:18:42 ID:WerRgh4kO
AAA チサトカレー→毒盛られてステルス以外死亡(つっても二人だけだけど)

1652名前を捨てた人:2008/01/28(月) 22:27:33 ID:2ApzVuDcO
LS→はやて特製カレー:リリカルカワイソス

1653名前を捨てた人:2008/01/28(月) 22:54:32 ID:r4CLOmDoC
アスカ>カレーを竜馬と交換>神雷くらって消滅
カレーを食い損ねた竜馬>脱出

1654名前を捨てた人:2008/01/29(火) 07:54:08 ID:LgQPhEXo0
皆さん、情報感謝です。
しかし、これでは拡声器並みの死亡フラグじゃないか…。

1655ドラえもん 鬼軍曹のバトルロワイアル:2008/01/29(火) 13:28:33 ID:NG1gJ2GY0
…って俺がいねぇ!by影丸(ここまでタイトル)

「はあ…。」

意外な影丸?は、思わずため息を漏らしていた。中心部を目指すことにしてから1時間以上。
しかし、その進行スピードは決して速くない。

「待ってよ、影丸く〜ん。」

その理由がこのロボット、ドラえもんであった。何せこの猫型ロボット、歩幅が小さい。
彼に合わせるとなると、どうしてもスピードを落とさざるを得ない。
都合良くネズミでも出てきてくれれば、また話は別なのだが…。

(いっそのことドライバーでバラしてやろうか、こいつ…。)

物騒なことを考えながら、ドラえもんが追いつくのを待つ影丸?。そのとき、彼は気づいた。
ドラえもんの背後、すなわち自分たちが歩いてきた方向から、煙が上がっていることに。

「ドラえもん…。あれはいったい…。」
「ん?ああ、さっきあった爆発のせいじゃないかな。」
「爆発?そんなのあったか?」
「あったよ、僕たちが工場を出るちょっと前に。ぼくがそのことを言っても、
全然反応しなかったじゃないか。」

どうやら影丸?はそのとき呆然としすぎていて、爆発音もドラえもんの声も耳に入って
いなかったらしい。

「くそっ、何で今まで気づかなかったんだ…。いくぞ、ドラえもん!」
「えっ?行くってあそこに?中心部を目指すんじゃなかったの?」
「中心部を目的地にしたのは、そこに人がいる可能性が高いと考えたからだ。
もっと近くに人がいる可能性が高いなら、そっちを優先するさ。」
「でも…。爆発があったって事は危険かもしれないんだよ?もっと慎重に決めた方が…。」

ドラえもんの言うことは正論である。だが、それでも影丸?の考えは変わらない。

「ドラえもん、俺にとっての最悪とは何かわかるか?」
「え?何の話?」
「殺人者に襲われなすすべもなく殺されることか?違う!我が身かわいさに他人を見殺し
にすることか?違う!黎明で止まっていることに気づかれないような空気として扱われることだ!!」
「いや、その理屈はおかしい。」
「ごちゃごちゃ言うな、行くぞ!」

影丸?はドラえもんの鼻をひっつかみ、強引に引きずって移動を開始した。

「ちょ、影丸くん、痛い、痛いって!」

余談だが、ドラえもんの体重は129.3kg。何故人並みの体力しか持たない影丸?が
これを片手で引きずることが出来たのかは、定かではない。

1656ドラえもん 鬼軍曹のバトルロワイアル:2008/01/29(火) 13:29:39 ID:NG1gJ2GY0
「これはひどいな…。」
「うん…。」

数十分後、彼らは焼け野原の真ん中で立ちつくしていた。

「見たところ、人はいそうにないけど…。」
「そうだな。だが、何か痕跡が残っているかもしれん。二手に分かれて調べてみよう。
俺はこっちを探す。ドラえもん、おまえはあっちを頼む。」
「わかったよ。気を付けてね、影丸くん。」
「そっちもな。」


それから、さらに数分経過。

「ドラえもん、ちょっと来てくれ!」

影丸?に呼ばれ、ドラえもんは短い足を賢明に動かして彼の元に向かった。

「どうしたの、影丸くん。」

影丸?は巨大なクレーターの縁に立ち、その中に視線を向けていた。

「あれを見てくれ、ドラえもん。」

クレーターの中心部を指さす影丸?。ドラえもんは、素直にその先にあるものを見る。

「あれは…人?死んでるの?」
「わからん。何かの罠という可能性もないわけじゃない。死体を使ったトラップというのも、
ロワじゃ珍しくないからな。」
「まさか、ぼくに確かめに行かせるつもりじゃ…。」
「いや、俺が行く。おいしいところを支給品に持っていかれたら困るんだよ。ドラえもん、
おまえは生き証人だ。俺に何かあったら、なんとしても生き延びて他の参加者に伝えてくれ。
意外な影丸?は、勇敢に戦って死んだと…。」
「いや、それ事実の捏造じゃ…。」
「じゃあ、頼んだぞ!」

ドラえもんのつっこみには耳を貸さず、影丸?はクレーターに飛び込んでいった。

1657ドラえもん 鬼軍曹のバトルロワイアル:2008/01/29(火) 13:31:12 ID:NG1gJ2GY0
「…もしもし。生きてますかー?」
(ん?何だよ、人が気持ちよく寝てるのに…。)

熟睡していたところを誰かの声に起こされ、猫子頭の鬼軍曹は渋々目を開けた。
彼の視界に飛び込んできたもの。それは、右手に刃物を持った少年の姿だった。

さて、ここで問題です。目を覚ましたとき、目の前に凶器を持った見知らぬ人間がいたら、
普通はどういう反応を見せるでしょう。

「うおおおおお!!ローリングサンダー!!」

はい、警戒して当然ですね。さすがに必殺パンチをぶち込むのはやりすぎですが、
寝ぼけているということで大目に見ましょう。

「あべしっ!」

もろに鬼軍曹のアッパーをくらった影丸?は、バックに宇宙を背負いながらクレーターの
外まで吹き飛ばされた。違う漫画が混ざってるだろ、とか言わないように。彼も必死なんです。

「ああっ!影丸くん!やい、いきなりなんてことするんだ!」

一部始終を見ていたドラえもんは、たまらず鬼軍曹に抗議を行う。

「なに、大山のぶ代ボイスだと?まさか、ドラえもんなのか?」
「そうだ!未来の世界の猫型ロボット、ドラえもんだ!」
「そうか、そりゃ済まないことをした。許してくれ、ドラえもん。」
「え?」

突然態度を軟化させた鬼軍曹に、さすがのドラえもんもとまどう。

「俺も猫子頭の鬼軍曹と呼ばれる男。良い猫か悪い猫かはにおいでわかる!というか、
日本人なら誰でもわかる!ドラえもん、あんた良い猫だ。あんたの仲間だというのなら、
そいつも悪人のはずがない!」
「鬼軍曹さん…。」

ドラえもんは感動していた。初めて会う自分を、そこまで信用してくれるということに。
そして、自分を猫扱いしてくれることに。
ドラえもんはクレーターを一気に駆け下り、鬼軍曹の手を握った。

「改めて名乗ろう。猫子頭の鬼軍曹だ。」
「ぼく、ドラえもんです。」
「ドラえもん、俺に力を貸してくれるか?」
「もちろんだよ。僕たち、もう友達じゃないか!」

今ここに、ひとつの友情が誕生した。

「で、俺は…?」

影丸?は、まだ地面に倒れていた。

1658ドラえもん 鬼軍曹のバトルロワイアル:2008/01/29(火) 13:33:31 ID:NG1gJ2GY0
【早朝】【I-3 廃墟】
【意外な影丸?@アニロワ1st】
【装備】:ドラゴンキラー−1(呪)@トルネコの大冒険
【道具】:ドラえもん(四次元ポケットなし、CV:大山のぶ代)、ドライフラワー、ドライヤー、ドライバー
【所持品】:支給品一式
【状態】:かすかな擦り傷。あご打撲。
【思考・行動】
基本:何でもいいから空気になるのだけは防ぐ。
1:何という放置プレイ…。
2:鬼軍曹と接触。
3:その後、改めて中心部を目指す。
4:対主催かマーダーか…。
【備考】
※容姿はキョン@涼宮ハルヒの憂鬱です。


【猫子頭の鬼軍曹@アニロワ1st】
【装備:対戦車地雷(17/20)】
【所持品:支給品一式】
【状態:やや疲労、まだ眠い】
【思考・行動】
0:心の友よ…。
1:殺し合いには乗らずに読み手を倒す。
2:アニロワ1st書き手達との合流。
3:危険視しているコ・ホンブック(◆5VEHREaaO2)の殺害。
4:お姉さまをお仕置きする。
※周囲が焼け野原になりました。




    /ノ 0ヽ
   _|___|_
   ヽ( # ゚Д゚)ノ <対主催だ、ゴルァ!
     | 个 |
    ノ| ̄ ̄ヽ
     ∪⌒∪


大学が入試休みで暇なので、昼間っから投下させてもらいました。

1659ドラえもん 鬼軍曹のバトルロワイアル:2008/01/29(火) 18:11:17 ID:3OHhwjYk0
他に書き込みがないうちに補足を。
なんだか隕石が落ちたようなクレーターが空いているようにも読めますが、
クレーターの大きさは直径、深さともに3〜5m程度と思ってください。

1660名前を捨てた人:2008/01/29(火) 22:03:50 ID:.Jvy9T7Q0
GJ
おお、軍曹と影丸?氏が接触か。
脱空気率が半端なく上がった気がするぜ。

1661名前を捨てた人:2008/01/29(火) 22:22:18 ID:hf37Gy6Y0
なんという放置プレイ……影丸?氏はこのロワでは空気に一番近付い(ry
このロワで怖いのは空気化だろうから、いっそのことネタに走るのもありか。

1662名前を捨てた人:2008/01/30(水) 00:30:52 ID:J8FmI9tc0
あれ? RHからカレイドステッキ分離してね?
ま、まさかッ! 奴は、カレーの惨劇から生き残ったのかッ!!

1663名前を捨てた人:2008/01/30(水) 00:52:20 ID:wGTxImVs0
カレー・井戸・ステッキとかよく判らない名乗りで再登場するに違いない。

1664名前を捨てた人:2008/01/30(水) 01:56:34 ID:AcHOGiSg0
加齢・イド・素敵でもいいw

1665名前を捨てた人:2008/01/30(水) 06:22:20 ID:9L1.X5VoO
没ネタを投下してみる。
要はあと一週間早かったらなぁ、って話です。

1666突然過ぎる覚醒だった、はずなのに:2008/01/30(水) 06:23:31 ID:9L1.X5VoO
「バトルロワイアル、か。書くにあたっては問題無いが、自分がやるのは厳しいな」
痛く苦しい経過に加えて、最後に待つのは地獄か死だろう?
などとクール、いやネクラに呟く、彼の名はナナシ。
テイルズロワの最終話、読む側の胸に痛くて苦しくて、死ぬほど鬱になる結末を書き切った男だ。
「だからといって、この格好は……」
ダウナーなため息を末尾に添えるナナシの姿は、案の定彼が引導を渡した青年、ヴェイグ=リュングベルのそれである。
せっかく外見が変わるなら自分がフラグ立てた魔法元少年とか、ネタにするにはうってつけだろうに。
いや――しかし、彼の姿であるのなら。
「絶・瞬鋭迅」
ぼそぼそと小さな勇者王ボイスとは裏腹に、彼の体を蒼い光が覆った。
目に見えてナナシの移動速度が速くなり、森の更に奥へと駆ける。
氷のフォルス。この青年がテイルズオブリバースで身に付けていた特殊能力だった。

「ヒトの強さを決めるのは、フォルスや武器なんかじゃなく心、だったか。……フォルスは心の力というくだりと、明らかに矛盾していたな」

そんなツッコミをこの姿で行う趣味の悪さを自嘲しながら、ナナシは支給品の剣を握る。
ロワ終盤で馴染みのひと振りになった、それはソーディアン・ディムロス。
コアレンズを破壊された状態のそれは言葉を発する事はないが、炎の力は残っているらしい。
そして、彼は跳んだ。

「風神剣――ゴールド・エクスペリエンス!」

氷と炎の生み出す気流に乗りながら、もうひとつの支給品であったスタンドDISCの力でディムロスを花に変える。
紅い花弁が炎を想起させるそれを、彼は着地した樹上で一瞥した。
似合わないと苦笑する顔には、ナナシ自身のものでは無いぎこちなさが滲んでいる。
「世にも珍しいティートレーイの花、か? いや、奴の能力より汎用性はあるな……」
末路がGERを受けたディアボロ状態だったキャラとしては複雑だが、ナナシは冷静に自分の力を分析していた。

彼の目的はただひとつ。
マーダーとして、より多くの書き手を惨殺する事。

いくら希望に向けたフラグを積もうが、フラグを立てる者自身が“-1”なら全ての札が裏返る。
その極地とも言える結末を、自分は書いた。
だが今の状況、書き手ロワそのものが、すでに“-1”の存在であるなら。
“-1”たる者たちが、この状況を打破する事も可能かもしれない。

1667突然過ぎる覚醒だった、はずなのに:2008/01/30(水) 06:27:17 ID:9L1.X5VoO
それに、フラグを積む――物語を紡ぐ書き手達の力は決して侮って良いものではない。
だから他の書き手達と協力して、このふざけたゲームを破壊する。
そうも考えていた。
だが、その選択はこの状況が……あるいは彼の気性が許さなかった。

“何気に書き手ロワもマーダー足りないんだぜ”

誤爆スレで見かけた、このような文面のレス。
自分が最後に傍観者として閲覧した一文。
それを思い出して、青年は左手を顔にやる。
「書き手として、ロワ企画自体が間違っているなどとは、俺は思わない。
 ……だが、呼ばれたからには空気を読み……殺さなければならないと思う俺は、間違っているんだろうな」
情熱を込めて各々のロワを進行させる書き手達の思いなど、痛いほど分かっている。
だが、それでも。

「それでも俺は、……やらなければならないんだッ!」

それでも彼は、テイルズロワ随一の空気を読む書き手だった。
書き手が立てた鬱フラグと、読み手が期待した秘奥義フラグなどを活かして全滅エンド、という所業を成し遂げた男だった。
古参チャットにおいても、個性的な書き手達の間を取り持つポジションだったのだ。

だから。
マーダーが足りないと言うのなら。
自分はいち書き手として、その空気を読まなければならない。

沈黙の後、ナナシは一瞬だけ苦渋の表情を浮かべ、人の気配を探し始める。
その様子を視ていたのは、眠りから覚めた一人の男だった。
見ているのではない。
モニターのひとつから、観察しているのだ。
「気付かない、か。すげーわコレ」
R-0109は、ナナシの行動を驚嘆と憐憫のないまぜになった表情で眺めていた。

「主催介入は諸刃の剣。だが、介入された事に気付かれなければどうという事はない、ねぇ?」

そう。ナナシは単純な疑問さえ抱く事なく、森林地帯を北上していた。
テラカオスロワでもないのに、何故自分が途中参加などしているのか、と。

「あの“ピピピ電波”って響きはともかく、性能は本物だな。
ジョーカーってバレた時はまずいが、いいや。首輪もあるし」

テイルズロワにおいて参加者を操り、惨劇を織りなした一因であるアイテム、チャネリング。

それを“奴”がディムロスのコアに仕込んだ事を知る彼は、だからナナシを憐れむ。
チャネリングの発する電波は自動的に受動的に、装備した者を操る。
森に潜み、影を跳ぶナナシはその事実に気付く事はない。

1668突然過ぎる覚醒だった、はずなのに:2008/01/30(水) 06:28:40 ID:9L1.X5VoO
「いや、気付かない方が幸せなんだけど、たぶん。
 ……しっかし名簿とダブった支給品、どうすっかなー」

R-0109は沸き起こった感情から思考を切り替えるべく、NEOGEOのコントローラーを握る。
そんな彼にも、知らない事はあった。

テイルズロワにおけるヴェイグの、マーダーと対主催を一往復半もさまよった優柔不断、あるいは人間らしさ。
そしてナナシが鬱展開だけでなく、暴走したヴェイグと対主催のバトル――彼が対主催の決意を固める事となった熱血ものを手掛けた事を。

……ピピピ電波が、途切れる事はあるのかどうか。
もしも電波の途切れた時、真実を知ったナナシはどうするのか。
覚醒の瞬間を思い出す事もなく、青年は花から戻した剣に心を沿わせていた。


【C-1/森/早朝】
【ナナシ@テイルズロワ】
[状態]:やや疲労、迷い?
[装備]:チャネリング付きS・D@テイルズロワ、スタンドDISC(ゴールド・エクスペリエンス)@漫画ロワ
[道具]:荷物一式
[思考]
基本:場の空気を読み、ロワを進行させる
1:マーダーとなり、無差別に参加者を惨殺する。とりあえずは北へ向かう
2:対主催にも希望はあるかもしれないが……
[備考]外見、声はヴェイグ・リュングベル@テイルズオブリバース。
チャネリングに気付いていません。

※R-0109はナナシにチャネリングを取り付けた者を知っています。
また、細かな行動・思考まで統御出来るわけではないようです。
※剣を離せばピピピ電波の影響から逃れる事は可能ですが、チャネリングを破壊しない限りは一時的なものにしかなりません。

1669名前を捨てた人:2008/01/30(水) 06:32:03 ID:9L1.X5VoO
以上です。
憧れの書き手氏を書く事が出来たので、後悔はないさ…。

1670名前を捨てた人:2008/01/30(水) 13:00:32 ID:0anmUSyg0
新規乱入キター……と思ったらコントローラーNEOGEOかよ!!www

1671名前を捨てた人:2008/01/30(水) 20:08:14 ID:aizT47tEO
これは何という空気王…

1672名前を捨てた人:2008/01/31(木) 00:00:46 ID:AhLuBvMg0
凄い力作で勿体無いけれど、後から追加は諸刃の刃だからねぇ
他に異論がなければ、今回限りのジョーカーって事でいいと思うけど……

1673名前を捨てた人:2008/01/31(木) 00:06:08 ID:hoU4w4QY0
今回限りということで一票。せっかくだからねえ……w まあ、誰も文句がなければだけど。

1674名前を捨てた人:2008/01/31(木) 00:17:27 ID:JSpAv2zAO
そもそも投下した本人が没ネタと言っている訳だが。

1675名前を捨てた人:2008/01/31(木) 00:30:17 ID:AhLuBvMg0
あ〜、本人がそう言ってるのを忘れてた。
なら、wikiの項目に没ネタのページ作って、そこに掲載でいいかな?

1676名前を捨てた人:2008/01/31(木) 01:00:09 ID:Prla5/2U0
そうだね。
他にも没ネタあったし、予約無しならこれからも増えるだろうしw

16771665 ◆69O5T4KG1c:2008/01/31(木) 04:54:27 ID:0BNsnvsYO
のんびり寝てたら議論になってた…言葉足らずで申し訳無い。
没ネタとしたのは、>>1672氏の仰るとおりの理由からでした。
なので、没と明記してのwiki収録はありがたいくらいです。

と、せめて日付が変わる前に言えたら良かったのですが、無理だったのでカミングアウト添えときます。
最終話の挿絵を、速攻で投下したのも私だ。

1678名前を捨てた人:2008/01/31(木) 09:51:58 ID:hgO3Ufd60
現在の主だった破損状況です。抜けている部分があるかもしれませんが、参考程度に眺めてください。

【深夜】
B-6:ブリリアント・ダイナマイト・ネオンによって町の図書館の内部が半壊(16話参照)
C-2:>>1からの2号◆ZhOaCEIpb2の魔力爆発によって森の奥に被害?(38話参照)
G-1:The god of chaosと闇その2によって激しい戦闘痕(40話、58話参照)
E-2:書風連・その参の乖離剣エアによって市街地に被害(45話参照)
D-9:コ・ホンブックの乖離剣エアによって森に被害(63話参照)
G-7:忘却のウッカリデスによって市街地にクレーター(73話参照)

【黎明】
F-3:底上中の残月によってホテル炎上中(77話参照)
I-3:猫子頭の鬼軍曹の地雷によって一面焼け野原とクレーター(クレーターの大きさは直径、深さともに3〜5m程度)(106話参照)

【早朝】
E-3:コ・ホンブックの乖離剣エアによって建物50%損壊(100話参照)
D-6:◆6/WWxs901のミニ八卦炉によってクレーター(107話参照)
F-5:管理人・したらば孔明によって学校の屋上で爆発(爆発の規模・学校にいた参加者への影響は不明)(109話参照)

1679名前を捨てた人:2008/01/31(木) 11:15:13 ID:IRlGWtD20
テイルズは次回があったらだな……
勿体ないけど、最初からいるならともかくあの特濃連中が途中参戦したらいろんな物がメチャメチャになるw

1680名前を捨てた人:2008/01/31(木) 12:30:07 ID:hgO3Ufd60
ああ、間違えてる……すいません、学校はE-5でした。

1681名前を捨てた人:2008/01/31(木) 14:06:05 ID:8o4DieBw0
ニコとテイルズは中々特徴的な人が来そうだぜ

1682名前を捨てた人:2008/01/31(木) 14:55:26 ID:v63gnltQ0
とりあえず、今回は書いてくれた>>1677も言ってくれたように没ネタに入れて
この書き手ロワ2ndをキッチリ終えてから改めて3rdに入るって事でFAかな?

1683没ネタ 覚醒フラグ・裏:2008/01/31(木) 15:34:38 ID:Y7PCid8U0
投下された没作品にGJと言いつつ、自分も没ネタを晒してみようと思います。
没ネタと言っても他の方の作品とかぶったわけではなく、自分が書いたSSの
別案です。
元ネタ(?)は110話「覚醒フラグ」。Chain-情氏とネオン氏の戦闘の
途中から話が分岐していると思ってお読みください。


「無駄無駄無駄無駄無駄ァッ!」
「意味もなく叫んでんじゃねえっ!!」

ゴールド・エクスペリエンスにラッシュを放たせるChain-情。しかし、ネオンはすべてとはいかないまでも、
そのほとんどを刀で防いでしまう。

「ダムダムうるせえんだよ!てめえはどこかの県知事か!」

ラッシュがやんだ一瞬の隙をつき、ネオンが斬りかかる。その刃は、容赦なくChain-情を切り裂いた。
ライダーの防御力により致命傷にはならないものの、受ける衝撃は小さくない。
たまらず、Chain-情は地面に膝をつく。

(くそっ、スタンドで仕留められないのなら…。)

Chain-情はカードを1枚手に取り、それをセットしようとする。しかし…。

「させるかよっ!」

ネオンの刀が、容赦なくChain-情の右腕を襲う。その衝撃で、カードはChain-情の手を
離れ飛んでいってしまった。

「しまった!」
「打つ手なし、ってやつだな。なあ〜、県知事さんよ〜。」

Chain-情の頭部めがけて、刀が振り下ろされる。急いでスタンドで受け止めようとする
Chain-情だが、間に合わない。鈍い音を立てて、刀が仮面ライダー龍騎の、Chain-情の
頭部にめり込む。そしてその直後、変身からちょうど10分。龍騎の鎧が消え去り、
その下から頭部を血に染めたChain-情の姿が現れる。

「貴様…。あの少女のみならず、この青年まで…。よくも!」

怒りに顔をゆがませ、うっかり侍が再び斬鉄剣を手に取る。それを見たネオンも、
刃を彼女に向ける。二人が再び剣を交えようとした、正にそのとき。

「まだ…だ…。」

Chain-情が、ゆっくりと立ち上がった。

「てめえ…まだ動けんのかよ!しぶとすぎるぜ、くそが!」
「まだ俺は…やるべき事をやってない…。」

ネオンの罵声には耳も貸さず、Chain-情は再びスタンドを出現させる。今のChain-情の
状態が反映され、ゴールド・エクスペリエンスもぼろぼろの状態だ。しかし、何故かその
右手だけが、鮮やかに光り輝いていた。

「なんだ…。何をしてやがる!!」
「俺は…誰一人救えなかった!俺を信じてくれたあの子に何もしてやれなかった!
そんな自分に、腹が立つぅぅぅぅぅぅ!!」

右手の光が、さらに輝きを増していく。

「これが静かなる 〜Chain-情〜の、ビッグバン・パンチだぁぁぁぁぁ!!」

ゴールド・エクスペリエンスの拳が、ネオンに向かってまっすぐに突き出される。
かわしきれないと判断したネオンは、それを刀で受け止める。だが、その拳はあっさりと
刀をたたき折り、ネオン本人に到達する。

1684没ネタ 覚醒フラグ・裏:2008/01/31(木) 15:36:00 ID:Y7PCid8U0
「WRYYYYYAAAAAAA!!」

人間のものとは思えぬ叫び声。それを残し、ネオンの体はすさまじいエネルギーに
焼き尽くされ、消滅した。

「なんというすさまじい技…。お見事です!」

敵を打ち倒した安堵に表情をゆるめ、うっかり侍はChain-情に声をかける。
だが、返事は帰ってこない。

「まさか…。」

胸騒ぎを覚え、うっかり侍はChain-情に駆け寄る。そして彼女は、胸騒ぎの通りの現実に愕然とする。

「なんということだ…。」

ビッグバン・パンチの正体。それは、自分の生命力のすべてをスタンドパワーに変え、
自らのスタンドに送り込んだ渾身の一撃。生命力を使い果たしたChain-情は、弁慶
さながらの立ち往生で力尽きていた。

「おぬしの貴い犠牲、無駄にはせぬ。必ずや某…が…?」

突然鼓膜をふるわす、肉を切り裂く音。それと同時に、うっかり侍は声を失う。
自分がまっぷたつにされたのだ彼女がと気づいたのは、その命が失われる寸前のことだった。

「また…。まただ…。何でフラグを立てるそばから相手が死んじゃうのよ…。」

うっかり侍を殺した少女…素晴らしきフラグビルドは、暗い声でつぶやく。
彼女がうっかり侍を殺したのに、深い理由はない。はっきり言ってしまえば、
ただの八つ当たりだ。

「はあ、また相手を捜さなきゃ…。今度はずっと生き残っててくれそうな人がいいなあ…。」

無表情で死者から荷物を回収し、少女は森の中に消えていった。


【ブリリアント・ダイナマイト・ネオン@漫画ロワ 死亡】
【静かなる 〜Chain-情〜@アニメロワ 死亡】
【永遠のうっかり侍@ギャルゲロワ 死亡】

1685没ネタ 覚醒フラグ・裏:2008/01/31(木) 15:37:02 ID:Y7PCid8U0
【素晴らしきフラグビルド@アニ2nd】
【装備】斬鉄剣@ルパン三世
【所持品】支給品一式×3、レインボーパンwith謎ジャム@ギャルゲロワ、コアドリル@アニロワ2nd
【状態】全身軽い火傷。
【思考・行動】
基本:フラグを立てて立てて立てまくる
1、フラグを立てる相手を捜す。


以上です。序盤で1話3人殺しはまずいと思ったのと、後は個人的好みで以前投下した方
のストーリーになりました。ちなみに別案というほどのものではないですが、Chain-情氏
がライダーに変身したときの決め台詞は
「倒しちゃうけど、いい?」
「いいわけねえだろぉぉぉぉ!」
「答えは聞いてない!」
というリュウタロスバージョンも考えてました。

1686名前を捨てた人:2008/02/01(金) 01:55:32 ID:S2jTj7dUO
没ネタGJ、ダム→知事のコンボに吹いたw
三人殺しは確かに問題あったかも知れないけど、フラグビルド氏の
存在が(他人の)死亡フラグな方向性が見ていて面白かった。

1687名前を捨てた人:2008/02/01(金) 10:03:44 ID:ZO9bWlrM0
とりあえず2nd開始後の没ネタを拾ってみました。
項目は、メニュー欄のその他に分類してあります。
あと書き手欄に酉を入れたんだけど、「酉入れないで」って方がいらっしゃったら言ってください。

1688一行状態表:2008/02/02(土) 10:56:40 ID:Mq7xIER60
Wikiへの没ネタ収録、そして殺害数ランキングの作成、乙です。
さて、自分は三行状態表ならぬ一行状態表を作ってみました。
(正直、三行も書けない人とかいますし…)
話のネタにでもなれば幸いです。

◆MJv.H0/MJQ おや? てんの ようすが…
◆wKs3a28q6Q(ピザの1号) 怖いけど、少女を助けるために頑張るぜ!
◆yHJSlOJmms (ルーキー) カレー美味いッス
エース 持ってい〜け 最後に生き残るのは俺のは〜ず〜♪
パンタローネ とりあえずお姉さまに従っておこう
コロンビーヌ 素敵な恋愛エピソードを作りたいです
蘇った現代の熱血怪人 対主催だ、ぶるぁああああ!!
ミスターマダオ 諸君、私は対主催が好きだ
康一君 紳士として女性を助ける!
クールなロリスキー え?旦那が対主催?
シルベストリ 旅館でくつろいでいると言わざるを得ない
焦ったドラえもん 帰りたいよ〜
愛の伝道師 生きていたのか、漆黒の龍!
King of 脳内補完 カレー美味い。どんな隠し味が…
ダイナマイトアンデッド 敵は4人か…。ククク…おもしろい…
熱血王子 さあ、悪い子はどんどん手首切っちゃおうね〜
エロ師匠 えろろの師匠タイム発動
ボマー らめぇぇぇぇ!!鉄槌ぶちこなないでぇぇぇぇ!!
派手好き地獄紳士『666』 「ロリ」=「愛」!
起 あなたと合体したいのも私だ
承 誰か俺を止めてくれー!
転 俺は冥王!魔王でも拳王でもない!
結 そういやまだ行動方針決めてないや
予約被りに定評のあるtu4氏 私は誰?予約って何?
バトルマスター 仲間たちは無事かなあ…
永遠のうっかり侍 Chain-情殿とフラグビルド殿をお守りする!
ギャルゲロワ版最速の人 速い!速いよ俺の息子!
お姉さま ディー?ぼっこぼこにしてやんよ
蟹座氏 蟹座じゃないもん…
孤高の黒き書き手 なんか成り行き任せだけど別にいいや
ステルス鬼畜 燃えたよ…燃え尽きた…真っ白な灰に…
速筆魔王LX あのー、お嬢さん?
衝撃のネコミミスト スクライドさん…っていうか、私まだ深夜なの?
マスク・ザ・ドS Sっ気満たしまくりで、絶望する暇もありません
暮れなずむ内面描写 ウホッ、いい男たち
素晴らしきフラグビルド Chain-情、君に決めた!
エロスの鐘の煩悩寺 ひょっとして私、変態コレクター?
底上中の残月 熟女の魅力で仲間ゲット!
ボンボン系の書鬼 そのうち誰かが主催者倒してくれるだろ
忘却のウッカリデス よくわからないけど仲間が出来た
管理人・したらば孔明 はわわ、危険人物は排除です
コ・ホンブック 痛いよぉ…
ビクトリーム博士 熱いんじゃコラァァァァァ!
幻夜・フォン・ボーツスレー 書き手とは因果な生き物よ…
静かなる 〜Chain-情〜 ライダー+スタンド!この二刀流に勝てるやつなどいない
地球破壊爆弾No.V-7 炎、無音、ホテルにて。さあ、闘争だ!
大あばれ鉄槌 うるせえ!一発やらせろ!
神行太保のDIE/SOUL だから、アーカードになれっつーの!
無明幻妖side. 虎退治といくか
フリクリ署長 女性と勇気ある男は守りますよ!

1689一行状態表2:2008/02/02(土) 10:57:39 ID:Mq7xIER60
猫子頭の鬼軍曹 ドラえもんと組んで対主催だゴルァ!
サプライズパーティー 今夜も俺のK.O負け…
地味子 絶対負けるもんか!
The god of chaos  最終的にィ、面白ければよかろうなのだぁぁぁ!
THE FIRST 俺の血と汗と涙の結晶が…
影の繋ぎ師 クライシス帝国の手下は許さん!…って、先輩!?
漆黒の龍 あれ?俺、人間超えた?
仮面ライダー書き手 駄目だこいつ、早く何とかしないと…
ギャグ将軍 私がギャグ展開を巻き起こしてやろう!

以上です。

意外な影丸?「いや、俺抜けてるから!わざとか?わざとなんだな?」
【意外な影丸? 空気王化計画進行中】

1690名前を捨てた人:2008/02/02(土) 11:35:04 ID:8CVSKAyE0
>>1689
乙wどいつもコイツもカオス過ぎるwww
もしよければ、一行状態表としてwikiに登録したいんだけど、いいかな?

1691名前を捨てた人:2008/02/02(土) 12:24:47 ID:tcInv9fsC
一行状態表乙!
流石書き手ロワ!カオスすぎても不自然さがないぜw
まともなヤツがマジでいない事を再確認したw

>>1690
いいんじゃないかな?

1692名前を捨てた人:2008/02/02(土) 12:52:27 ID:8CVSKAyE0
勝手ながらも、wikiに編集してみました。
あと、ある程度分かりやすいように最終登場時刻も併せた。
場所も入れようか悩んだけど、とりあえず今回はこんな感じで。

16931689:2008/02/02(土) 13:34:21 ID:a40kWRJA0
おおっ!投下から2時間足らずでWikiに収録までしていただけるとは…。
感謝の極みです。
というわけで調子に乗りますが、よかったらこちらも追加お願いします。

【ジョーカー】
◆6/WWxs9O1s  早朝 死にたくない!助けてかがみーん!

1694名前を捨てた人:2008/02/02(土) 13:45:09 ID:8CVSKAyE0
ほいさ。掲載しておきました〜

1695名前を捨てた人:2008/02/02(土) 14:08:51 ID:Yr4OSb/YO
ちょ、このロワではかがみん関係ねえwww

1696名前を捨てた人:2008/02/02(土) 19:32:45 ID:xrM1tggM0
Help Me Kagamiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiin!!!

1697名前を捨てた人:2008/02/02(土) 21:11:49 ID:VcCAnStI0
まあこの人なら異世界からかがみを召還する、くらいは出来そうだけどなw

1698名前を捨てた人:2008/02/02(土) 21:22:07 ID:pC52jH0cC
かがみんなロリスキー氏に付いて来る変態仮面×2とロリカードに色々される未来しか見えない。

1699名前を捨てた人:2008/02/02(土) 23:14:52 ID:Yr4OSb/YO
また新たなジンクスが生まれてしまうな
まあこのロワ自体ジンクス持ちの巣窟みたいなもんだが

1700:2008/02/03(日) 03:05:58 ID:Ewu/7.Xk0

底冷えのする森の中、巨獣が吼える。
ずらりと並んだ乱杭歯の間から漏れるその咆哮はしかし、紛れもない人の言葉だった。

「虎退治とは粋だねえ。清正公でも気取るかい?」
「いずれ妖の類が、よく吠える……」

巨獣、白虎を前に怯むことなく佇む影は、無明幻妖side.。
夜明けの風に靡く髪も美しい、妙齢の女である。
左半身のまま抜刀した長剣を高く掲げ、顔の高さで刃を構える女を見て虎が笑う。

「これはまた、西洋かぶれの清正公もいたものだね」
「―――抜かせ」

短い言葉と共に、女が消えた。
否、一瞬の内に重心を移動させ、加速したのである。
烈風の如き突きが狙うは、身を低く屈めてなお見上げるほどの巨体を誇る虎の前脚、その付け根。
獣と相対したとき、最も恐るべきは筋力よりもまず、その敏捷性である。
単なる体当たりであっても体重差が大きければ致命傷となりかねず、また懐に飛び込まれれば
獣の持つ爪や牙が密着戦においてその真価を発揮するのを身を持って知ることになる。
故に無明幻妖side.が狙ったのは、その足を奪うことであった。
疾、と走る剣先が、虚を突かれた巨獣の関節へと吸い込まれていく。
だが、

「何ッ―――!?」

驚いたように声を上げたのは無明幻妖side.である。
がつり、という手ごたえは獣の肉に食い込むそれではない。
まるで甲冑を相手にするような、金属的な響き。
反射的に剣を引こうとした女の耳朶を、くつくつという笑い声が打った。

「葉鍵の虎に刃は通じず……覚えておくんだね。もっとも―――」

女の至近、踏み込んだ右の足を引くよりも早く、笑う虎の口腔が、がぱりと開いた。
その吐き気を催すような生臭い吐息の源、喉の奥に光が灯るのを見て、女の表情が変わる。
飛び退りながら手にした剣を正眼に構えなおしたか否かの刹那。

「次があれば、の話だけれどね」

1701:2008/02/03(日) 03:06:41 ID:Ewu/7.Xk0
言葉と共に、虎の口から真白い霧が迸っていた。
ひょう、と風が吹くや辺りに生えた草の表面が白く染まる。
薄く粉砂糖をふいたようなそれはよく見れば、真冬であるかのように霜が下りていた。
白い霧が、一瞬にして大気そのものの温度すらを下げていたのである。
あらゆるものを凍らせる極寒の吹雪が、女を直撃していた。
女を中心に爆発的に吹き荒れる霧に触れた草が、木が、音を立てて凍り付いていく。
夜明けの森が、瞬く間に樹氷の林立する凍土へと変貌していた。

「……ちょーっと、やりすぎたかな?」

白い霧のたちこめる中、ぶるりと一つ身震いした巨獣が、霧の中心で氷像と化しているだろう女の
最後の表情を思い描いて、苦笑気味に呟く。

「もっとこう、洒落のきいた感じにすべきだったかなあ……キレ的にイマイチっていうの?
 けどまあ、いっか……森の中でいきなり氷付けの女の子に会う、ってのも相当カオスだし」

ぶつぶつと呟きながら踵を返す白虎。
凍った草を踏みつけるぱりぱりという音だけが響く、筈だった。

「―――聞いてはいた。刃を通さず、吹雪を吐き、尾に毒を持つ虎がどこかのロワにいると」
「……ッ!?」

獣の顔に精一杯の驚愕を浮かべて振り返ろうとする虎が、声にならない悲鳴を上げた。
白い霧の中心に向けたその尻の先、いつの間にか蠢く蛇と化していた尾が、その根元から切り飛ばされていたのである。
宙を舞う大蛇を包み込むものがあった。
濃く立ち込める白い霧を吹き飛ばすような、鮮やかな緋色。
轟々と音を立てて存在を誇示するそれは、燃え盛る炎であった。

「烈火の将が持つ太刀は焔を纏う……覚えておけ、妖。
 もっとも次があれば、だがな」

1702:2008/02/03(日) 03:07:05 ID:Ewu/7.Xk0
言いながら、霧を断ち割るように歩を踏み出したのは無明幻妖side.。
その手にした永遠神剣『誓い』の刀身から、赤々と炎が噴出していた。
炎の照り返しを受けて笑んだその眼前に、ぼとりと落ちるものがある。

「……おっと、落し物を返しておこうか」

蹴りつけたそれを、巨獣の牙が受け止めた。
黒焦げになった大蛇の尾を咥えて、虎がもう一度大きく身震いする。

「ご親切にどうも。……君の作品も今度ゆっくりと読んで見ることにするよ」

自らの尾だったものをばりばりと噛み砕きながら、虎が吼える。
対峙する女が、炎の魔剣と化した『誓い』を打ち振るって艶然と笑んだ。

「必要ないさ。貴様にその機会を与えるつもりはない」
「そうかい、残念だ。けど……尻尾の一つくらいで勘違いしてもらっちゃ困るな。
 いくらその魔剣でも、俺様の身体は斬れないよ?」

黒焦げの蛇を嚥下して、虎が生臭い息をついた。
白い体毛を誇示するようにゆっくりと身を捩る巨獣を見て、女の笑みが深くなる。

「私の二つ名を言ってみろ、妖」
「何か考えでもあるのかい、無明幻妖side.。……見せてみなよ、面白かったら褒めてやるからさ」

ぐる、と喉を鳴らしながら応えた巨獣の眼前、女が手にした炎の魔剣を天に掲げる。

「よかろう、ならばその眼にとくと焼き付けろ! 九大天王の力を!」

叫ぶと同時。
大地に、文字通りの激震が走っていた。

1703:2008/02/03(日) 03:07:31 ID:Ewu/7.Xk0
「な……!?」

戸惑ったように辺りを見渡す巨獣。
轟音と共に地割れが走り、地面が陥没し、また隆起する。
凍り付いていた木々が次々に倒れ、地割れに飲み込まれていく。
次の瞬間、飛び退ろうとした獣が、言葉を失うことになる。
大地が、爆ぜていた。

「……ッ!?」

地中に大量の爆薬でも仕込まれていたかのような、土と石と砂礫の爆発。
天高く舞い上がったそれが放物線を描いて頭上に落ち、ばらばらと身を叩くのにもかかわらず、
巨獣はただ呆然と立ち尽くしていた。

「そ……んな、バカな……」

視線を動かせない。
その見つめる先に、巨大な影があった。
大の大人を丸呑みする獣の巨躯をして、見上げんばかりの高さに積み上げられた見事な石垣。
その上に聳え立つ壮大な建築物を、城塞という。
天主と呼ばれる最上段の屋根、そそり立つ鯱に寄りかかるように立つ影があった。

「見事なものだろう? 日本三名城が一、加藤清正が手になる銀杏城……そして」

遥か頭上に立つ無明幻妖side.の朗々とした声が、巨獣に降り注ぐ。
言葉もなくそれを見つめていた虎が、不意に姿勢を崩した。
慌てて足元を見れば、いつの間にかそこには大きな地割れが走っている。
飲まれてならじと身を捩る巨獣の聴覚が、ふと異質な音を捉える。
轟、という力強い音。
自然の中にいくらもあろう、しかしこの場にあるはずもない音。
違和感に戸惑う巨獣に、無明幻妖side.が告げる。

「この城の内堀を、坪井川という……!」

言うが早いか。
獣の目にも、それは映っていた。
轟々と音を立てて流れくる、大量の水。

「しま、……っ!」

しまった、と言葉にするより、水に飲み込まれるほうが早かった。
土砂を押し流す濁流の中、巨獣が必死に水面へと顔を出そうとする。
体重をかける傍から崩れていく地面に苦労しながら、ようやく鼻から上だけを突き出した巨獣に迫るものがあった。

「聞いているぞ、妖……! 刃を通さぬその毛皮、水に濡れれば神通力を失うと……!」

白み始める東の空に、小さな黒い影。
瞬く間に大きくなっていくそれは、城塞の天主から飛び降りた、炎の剣士の姿であった。

「破ァァァァ―――ッッ!」

たなびく炎の尾を引いて、烈火の将の魔剣が、違いなく巨獣の眉間を刺し貫いた。

1704:2008/02/03(日) 03:07:53 ID:Ewu/7.Xk0
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殺った、と確信する。
灼熱の剣先は濡れた毛皮を容易く貫き、分厚い頭蓋を断ち割り、脳髄を焼き尽くす。
蛋白質の沸騰する手応えに内心で首肯すると、女は巨獣の頭を踏み台にして再び跳んだ。

「名も知らぬ妖であったが……この力までを使うことになろうとは、な」

音も立てずに着地すると、女は堀の向こうに聳える巨大な城を振り返り、呟く。
同時、抜き放っていた刃を鞘に収める、澄んだ音が響いた。
と、奇妙なことが起こった。
遥か高みにある天守閣、その天辺が陽炎に包まれたかのようにゆらゆらと揺れたかと見えるや、
その姿を見る見るうちに薄れさせていったのである。
陽炎は瞬く間に城全体を包み込んでいく。
堀が、石垣が、天守閣が、まるでそこには最初から何もなかったとでもいうように消えていく。

「少し目立ちすぎたな。長居は無用か」

いまや完全にその姿を消しつつある城郭に女が背を向けた、そのときである。

(―――なるほどね。九大天王・無明幻妖斉の名を持つのは伊達じゃないってことか)

声が、響いていた。
思わず目を剥いて振り向くが、そこには誰もいない。
巨獣の死骸は既にただの地割れへと戻りつつある堀の中に落ち、見えなかった。

「莫迦な……! 手応えはあった、確かに仕留めた筈……!」

腰の一刀を抜き放って辺りを見渡すが、気配はどこにも感じられない。
しかし、

(あの城も呪術、幻術の類ってわけだ。……濡れたように感じたのも自己暗示。
 いや、見事にしてやられたね)

声を切り裂くように、風が鳴った。
『誓い』の刃が中空を切り裂く音である。

1705:2008/02/03(日) 03:08:24 ID:Ewu/7.Xk0
「何処だ! 姿を現すがいい!」

自身にも感じられるほどの、明らかな焦燥と狼狽が口調に浮き出ていた。
全方位に気を張り巡らせても、小兎の気配一つ感じ取れない。
それが女の精神を侵食していく。

(でもね、脳味噌を刺したくらいで勝ったと思い込むのは、少し油断が過ぎるんじゃないかなあ。
 まさかその程度で俺様が死ぬとは思ってないよね? ……おっと、そういえば)

声は前後左右、天地のあらゆる方向から響いているように感じられた。
姿なき嘲笑が、女の耳朶に絡みつくように聞えてくる。

(自己紹介が遅れたね。……俺様こそはThe god of chaos。カオちゃんと呼んでくれると嬉しいな)

混沌神。
その名を耳にして、女が総毛立つ。
そうだ、何故気付かなかった。
先程まで戦っていた妖、刃を通さぬ白虎の話。
それこそは葉鍵の混沌が生んだ異形。
数万の意志ある支給品が跋扈し、男が男を犯し抜く世界の主。

「貴様が聖夜の変態か……!」
(褒め言葉として受け取っておくよ、無明幻妖side.―――盛況ロワを支えた力強き一柱。
 さて、相互理解も済んだところで……楽しい無茶の時間と洒落込もうか)
「何……!?」

言うが早いか。
名状し難い禍々しさが、女の全身を包んでいた。
五感が最大限の音量をもって警鐘を鳴らす。

「何を……っ!」
(後ろをご覧くださぁい)

思わず言葉通りに振り向いてしまい、女は自らの迂闊さに歯噛みする。
だがその後悔は一瞬にして消し飛ぶことになった。
驚愕と、そして恐慌が振り向いた女の精神の大部分を占めていたのである。
その視界に映る巨大な影は、幻と消えた筈の熊本城。
しかし、白み始めた空の薄明かりに照らされたそれは、

1706:2008/02/03(日) 03:08:54 ID:Ewu/7.Xk0
(混沌とは即ち『死』―――)

つんとした臭いが、女の鼻を刺す。
思わずこみ上げた嘔吐感を必死に堪えて、女は抜き放った刃を地面に突き立てる。
杖のようにしたそれに縋ることで、ようやくへたり込まずに立っていられるのだった。
それほどに、眼前の光景は異様だった。

「貴、様ァ……!」

震える声を絞り出す。
そこには指が、あった。指の向こうには手が。手の向こうには腕が。腕の向こうには肩が。
肩の向こうに胸、胸の向こうには腹と首。首の横にはそして、無数の首が並んでいた。

(人は石垣、人は壁。名言だよねえ。なので……再現してみました)

武者返しと称された美しい算木積みの石垣は、すっかり失われていた。
代わりとでもいうようにそこに詰め込まれていたのは、人間の屍である。
隙間を埋めるように乱雑に積み上げられた無数の死体が、城の土台を支えていた。
石垣の上にも、死体の首が無数に並んでいる。
死体を積み上げた壁の上に屋根を置き、その上にまた死体を積み上げて屋根を置く。
まるで全体が屍の山であるかのように、その城は存在していた。
吐き気を堪えながら見れば、詰め込まれた死体はすべて少女のようだった。
異様なことに、少女はすべて同じ顔かたちをしているように見えた。
眼鏡をかけた、額の広い少女の死体が何千、何万とそこには積み重なっていた。

(これぞ天下の名城……だよねえ。うん、見れば見るほどカオスだ)

楽しげな声音。
いまだ姿を見せぬ相手に、女が眦を吊り上げる。

1707:2008/02/03(日) 03:09:37 ID:Ewu/7.Xk0
「許さん……! 命に対する冒涜、決して許さんぞ、貴様……!」
(おやおや、命を弄ぶロワの書き手が随分とお怒りのご様子で)
「黙れッ!」

女の大喝が響いていた。

「絶望の中を生き抜く強さ、弱さ、命の営みと輝きこそが我々の描くものだ!
 我々は、我々の手によって散るすべての命に誇りと愛を持っていると、私は信じている!
 貴様の如き外道の嘲弄するを捨て置けるか!」

女の叫びは、心底からの激昂と憤怒に満ちていた。
純粋な怒りが滲み出したとでもいうように、手にした長剣の刃から緋炎が立ち昇る。

「姿を見せろ、外道ッ! その腐り果てた魂、一片たりとも残さず消し炭にしてくれる!」
(……わあ、怖い怖い)

女の怒声に唾するような薄笑いが、死臭の満ちる夜明けの森に響いた。
ぎり、と奥歯を噛み締めた女が長剣を振り上げる。
転瞬、女の姿が掻き消えた。大気を断ち割らんとする勢いの疾走。
刹那の間に、屍の城へと迫る。

「―――紫電、」

振り上げた刃に宿る炎が、一瞬にして膨れ上がった。
真昼の如き光が夜を貫き、森を照らし上げる。

「一閃―――ッ!」

膨大な炎熱を乗せた必殺の一撃が、

(おっと、待った)

必殺の一撃が、屍の城塞を焼くことは、遂になかった。
嘲るような声と共に女へと浴びせられた、ほんの微かな衝撃が、その一刀を止めていた。

1708:2008/02/03(日) 03:10:02 ID:Ewu/7.Xk0
「貴、様……」

刀身から炎が消えていく。
からりと乾いた音を立てて、長剣が地面に落ちた。

(いやだなあ、せっかく造ったんだから、すぐに壊されちゃたまんないよ)

痰の絡んだような笑い声も、女は聞いていなかった。
女は、ようやくにして気付いていた。
憎むべき敵が、切り裂くべき悪が何処に潜んでいるのか。
先程の、ほんの僅かな、衝撃。

「まさ、か……」

喉がひりつく。
口の中が、ひどく渇いていた。

(混沌とは即ち『生』―――。やっと、気がついてもらえたみたいだねえ。寂しかったなあ)

声が、響いていた。
それは眼前でも、背後でもなく。

「……この、腐れ外道、が……!」

左右、天地、女を取り囲むありとあらゆる方向、そのすべてでなく。
それは、女の内側から、響く声だった。

(せっかくのマイホームなんだからさあ、少しくつろいでいってよ。
 ……ねえ、『お母さん』?)

とん、と。
ほんの微かな、やわらかい衝撃が、女の腹を叩いた。

1709:2008/02/03(日) 03:10:46 ID:Ewu/7.Xk0

【早朝】【A−5森】

【無明幻妖side.@アニロワ1st】
【装備】永遠神剣「誓い」(気合で炎が出ます)
【所持品】支給品一式(ランダムアイテム残り二つ)
【状態】妊娠。
【思考・行動】基本:ゲームには乗らない。マーダーは積極的に排除
1:愕然。
【備考】
※容姿はシグナム@リリカルなのは。
※呪術が使えます。


【The god of chaos@葉鍵3】
【状態】胎児(無明幻妖side.の胎内)
【装備】なし
【道具】なし
【思考・行動】 基本:常に快楽を求める
1:さあ、生を謳歌しようか。ねえ、お母さん?
2:ガチホモ・ガチレズ・陵辱からお笑いまで何でも(楽しめるなら)可!
3:6/を俺様のライバルに認定だ!

※できればカオちゃんと呼んで欲しいようです。
※アヴ・ウルトリィ(ウルトラマン)、アヴ・カミュ(カミーユ)は別行動。

※A−5に死体でできた熊本城が築城されました。
※付近一帯は凍ったり焦げたり地割れがあったり大変なことに。

1710名前を捨てた人:2008/02/03(日) 07:21:19 ID:oWEB1Img0
投下乙です。
いや〜、素晴らしいまでのカオスですね。
しかしここまでできるとなると、カオちゃんが死ぬところが思いつかない…。

1711テイルズからの物体X、もといV:2008/02/03(日) 10:52:42 ID:842QZfy20
「ぬぉぉぉぉおおおおおおぉぉぉぉおおおおおおおおお!!!!
 熱い!熱すぎる!このままでわぁああぁぁあああああ!!!!
 丸焼けて、栄光のVがバーベキューのVになってしまうぅぅぅぅうううう!!!!」

 燃えさかるホテルの大広間でビクトリーム博士は、書き手人生最大の危機を迎えていた。
 周りをぐるりと見回しても、既に逃げ場は炎によって塞がれている。
 まさにこのままではバーベキューまっしぐらだ。
 ちなみにバーベキューの頭文字はVではなくBだが、もはやそんなことはどうでもよかった。

「熱い熱い熱いあつぅぅぅぅふううぃいいいぃいいぃいいいぃぃいいい!!!!
 このまま死ねってか!?今時ズガンとか、毒吐きで粘着してNGにするぞコンチクショオオオオ!!!!」

 残念ながらこのロワに毒吐きはありません。
 台詞無しでいきなり死体役で登場する参加者もいたのが、昔のパロロワなんだよな。
 今はそういうことすると、すぐズガンとか言い出すから困る。
 とまあ、それはさておき。

「ぐうっ!?」

 ヤケクソでわめき散らしていたビクトリーム博士が、突如として苦しみだした。
 原因は彼に支給されたメロン、いや正確にはその中に仕込まれていたOC細胞。
 それは主催者がロワを円滑に進行するための時限式の仕掛けだった。
 発動の為の条件は二つ。
 一つはそのメロンを食った参加者が、何らかのピンチに陥る事。
 それにより、体内のOC細胞とアドレナリンかなんかが反応して化学変化を起す。
 二つ目はロワ全体でマーダーが少ないこと。
 マーダーが少なければ、主催者介入でも何でもやってマーダーを増やせばよい。
 だれだってそーする。わたしもそーする。
 それは運命にも等しい、ロワにおける絶対の因果律(アカシックレコード)だ。
 その二つが揃った時、化学変化を起したOC細胞は、爆発的な増殖を起す。
 そして寄生した参加者を無差別マーダーへと変化させるのだ。

「うぐうっ……う、お、お、お、お、おおおおお、おお――――」

 濃ゆすぎる若本ヴォイスのうめき声が響く。
 Vにのボディからおぞましい触手が幾筋も飛び出す。
 ぞるぞると大広間の床を這い回り、炎に焼かれながらも再生を繰り返し、この灼熱地獄の出口を捜す。
 だがそれは見つからない。それができるならとっくにビクトリーム博士自身がやっている。
 そこでOC細胞は自身を保護する為に、融合した宿主の体に命令を下した。

 ――打ち壊せ。

 自身の生命保護。
 それは細胞の本能とも言うべき最優先事項であり、宿主はその為の器に過ぎない。
 融合、侵食、強制進化。
 体の各所がボコボコと形を変えていき、徐々に体自体のサイズすら変化していく。

1712テイルズからの物体X、もといV:2008/02/03(日) 10:53:20 ID:842QZfy20
  
「お、お、お、おぐうおおお、おお、おあああぁぁぁぁああぁぁおおお」

 Vの字の中心点、いわゆる股間の紳士に光が集まる。
 その光はどんどん強くなり、周囲の炎の輝きすらかき消す勢いだ。
 彼のモデルであるビクトリームの攻撃手段、マグルガを細胞の力でパワーアップさせた殲滅兵器。
 マグルガがその掛け声と共に発動するように、この技もある掛け声で発動する。
 ちなみにテッカマンブレードの中の人が、必殺技「ボルテッカ」の叫び声でマイクを壊したという逸話がある。
 そんなノリで絶叫する若本ヴォイスを、できれば何か飲み物を含んだ状態で、リアルに脳内再生していただきたい。
 せーの、さん、はい。




「ONII−CHAAAAAAAAAAAAAAAANNNNNNNN!!!!」




 凄まじい光の奔流。
 それは炎の壁を軽々と吹き飛ばし、ホテルの外壁を砕き、大穴を開けるほどの破壊力。
 轟音とともに外壁の破片が大地に降り注ぐ。
 遠くからホテルを眺めれば、それは灯台の光のように遥か遠くまで届くのが見えたことだろう。
 やがて光が徐々に消え去り、そして間もなく、そこから触手だらけのおぞましいVの字が外界へと飛び出した。
 

 ここまでくればピンと来た方もいるかもしれないが、一応説明しておく。
 このOC細胞は、とあるロワの、とあるキャラの細胞をモデルにして作られている。
 このキャラは生前、残虐非道の限りを尽くし、対主催に打ち倒された後も、別のキャラの死体を乗っ取って復活した。
 正に怪物。そしてその殺害方法はグロの極致と恐れられた。
 OC細胞とはONII−CHAN細胞の略。
 
 
 そして別名を――――酢飯細胞という。


【早朝】【F-3 ホテル周辺】
【ビクトリーム博士@アニロワ2nd】
【状態】酢飯細胞侵食中
【装備】なし
【道具】なし
【思考】
 基本:皆殺し
 1:ONIICHAAAAAAAAAAAAAAAAAANNNNN!!!!

1713名前を捨てた人:2008/02/03(日) 12:09:50 ID:Or9Zy7J60
>>1712
ちょ、てめええええwwwwww
腹の底から噴出しちまったじゃねえかwwwwwww
アロエドリンク返せ馬鹿野郎wwwwwwwwwwww

1714食べ歩き:2008/02/03(日) 12:21:21 ID:eZV5HvFc0


崩壊していくホテルから脱出した幻夜・フォン・ボーツスレーが辿り着いたのは、学校の校門だった。
ここを選んだ理由は、協力者を探すためのあらゆる条件が満たされているからだ。
大きい施設と言うのは、どのロワでも必ず人々が集う。
また、学校と言うだけあって、多種多様な環境を設けていると言うのもある。
だがその反面、集合した人間目当てに狩りをしようというマーダーを集めてしまう一面もあった。
確立としては五分五分だったが、幻夜が引いたクジは間違いなくハズレ。
彼の目の前にいるのは、こちらを狩らんと目を輝かせる男女だったからだ。
二人を見た瞬間、幻夜は剣となった巳六を握り締めて臨戦態勢をとる。

「ふふ。どうやら向こうもヤル気みたいじゃないか」
「それはお前がそんな目で煽ったからだろう」

一方、対峙していたのはエロ師匠と仮面ライダー書き手の二人。
一時的に協力すると決めた二人は、獲物を探すためと出口へ向かっていた。
そこに現れたのが、遠目からでも分かるくらい派手な鎧を着た幻夜。
二人の共同作業としては、中々に申し分ない外見である。
エロ師匠はサンライトハートを、仮面ライダー書き手はそのままの姿で拳を構えた。

「フン! 悪いが貴様らのような雑魚に構っている暇はない。そこを退け」
「あぁ……なかなか威勢がいいじゃないか。もっとも――」

エロ師匠は幻夜の股間に切っ先を向けると柄の部分を自らの股間に押し当てながら身を捩じらせる。

「そっちまで威勢がいいとは限らないかな」
「チッ、下品な女だ! 貴様も仲間を選ぶならもっとマシな奴を選べ」
「ごもっともな意見だ」
「おやおや、二人で私を言葉で嬲るプレイか? なら、もっと執拗にヤッて欲しいな」

怒りを露にするどころか、あまりの珍解答に幻夜は溜息をつく。
そして、巳六を構え直すと腰を屈めて足を目一杯踏みしめる。

「戯言に付き合うつもりはない。退かぬなら蹴散らすのみ!」

全て言い終わる前に、剣が風圧を伴いながらエロ師匠の胴体に抉りこむ。
だがその一撃を、エロ師匠はサンライトハートの柄を股からずらし、余裕の表情で受け止める。
そして鍔迫り合いのような状態まで押し返すと、幻夜の顔にふっと吐息を残す。

「ちぃッ!」
「おっと悪いが二体一なのを忘れるな……ッよ!」
「ぐぉ」

サンライトハートを弾き返そうとした幻夜の肝臓に、仮面ライダー書き手の回し蹴りが突き刺さる。
気付けば、仮面ライダー書き手は仮面ライダーカイザへと変身を遂げていた。
さらに悪い事が続くように、今度はサンライトハートが幻夜の肩を貫通する。

「くはっ……っ」
「浮気はいけないな。そんな事じゃ、私が泣いてしまうじゃないか」

お互い幻夜の死角を熟知しているかのように、防御すら許さない一撃を浴びせていく。
何度か反撃を試みるも、逆にそれを利用され見事なカウンターを決められてしまう。
断っておくが、押されている幻夜の実力が劣っているのか言えばそうではない。
そのポテンシャルを数値化するなら、この書き手ロワ参加者の上位に入ってもいい。
しかし、今回は相手が悪すぎた。目の前の二人も、個々で上位に食い込む実力者。
それが二人同時に襲ってくるのだから、彼が押されるのも無理はない。
そうこうしている間に、幻夜はついに片膝を地につけてしまう。

1715食べ歩き:2008/02/03(日) 12:21:49 ID:eZV5HvFc0

「こういう時は、味方が現れて助けてくれる所だが、どうやら君にはいないようだな」
「ふんっ、今は、まだ、な」
「時間が来れば集うということか。悪いが、その希望はここで絶たせてもらう」
「……ぅ」
「ふぅ。本当はもっとじっくり味わってみたかったけど、彼が急かすからね」
「こんな奴を相手にしている時間は無いからな。早くやってくれ」
「分かったよ。せっかちさんだな君も」

エロ師匠は喉元にサンライトハートの先端を添えると、ゆっくりと柄を喉へと押し込む。
一方の幻夜は、既に諦めたのか剣を地面に突き立てうな垂れている。

「さよなら名も知らぬ金ピカ君」
「……を」

喉元に傷口が生まれる刹那、幻夜が握る巳六が微かに震えたのを、仮面ライダー書き手は見逃さなかった。
反撃の芽を潰そうと、エロ師匠より速い動きで、トドメを刺しに掛かる。
必殺技でない分威力は落ちるが、この状態なら蹴り一つで十分……そう思って踵を回す。

「させるか!」
「ん?」
「我を……舐めるぅなぁぁぁぁああああああ!!」

幻夜の叫び声と共に、地中から巨大な棒状の物体が幾つも飛び出す。
それらは、仮面ライダー書き手やエロ師匠の足元からも顔を出していく。
二人はそれを咄嗟に回避したが、そのせいで幻夜との距離を開けてしまう。

「これはまた、随分ぶっとくて逞しい棒じゃないか」
「なんなら、貫かれてみるか?」
「遠慮するよ。色艶も申し分ないが、好みタイプではないからね」

雑談を交す二人を尻目に、幻夜は全速力で校舎内へと去っていく。
てっきり反撃してくると思っていた仮面ライダー書き手は、握った拳を緩めつつ変身を解いた。

「どうする? 追いかけるか?」
「んふ。あれならすぐに死ぬさ。それより、もっと食べがいのある男を」

彼女返り血を浴びていた指をむしゃぶりながら、腹部を優しく撫でる。
そして、撫でていた腹部に視線を落として柔らかな表情で小さく囁いた。




「なぁ、カズキ」と。




――

1716食べ歩き:2008/02/03(日) 12:22:34 ID:eZV5HvFc0




あの場所から戦略的撤退をはかった幻夜だったが、予想以上の怪我で体が重くなっていた。

(くっ……我とした事が……)

自身を過信していたのもあるが、それ以上に相手が強すぎたのが計算外だった。
己のように見た目が優れているなら判別できるが、今回のようなのは予想できない。
流れる血を手で防ぎながら、幻夜は壁伝いに廊下を突き進んでいた。
そして、ようやく目的の部屋を探し当てる。

「ここなら……少し休めるか」

扉に掛かっているのは宿直室と書かれた札。
本当ならば保健室に向かいたかったが、万が一あの二人が追ってきた場合、
保健室の方が見つかる可能性が高いと思われるため、あえてこちらを選んだ。
宿直室なら、保健室に劣るものの簡単な医薬品は揃っている。
あれこれ考えながら扉を開いた幻夜は、床に放置されている二つの影に思わず警戒態勢をとる。
だが、そこに倒れているミイラが幻夜に牙を向ける事はなかった。

「だ、誰か精気を……」
「このままだとマジで死ぬ……」

倒れている二人も、幻夜以上に危険な状態だったからだ。

「……」

警戒を解いた幻夜は棚から薬箱を取り出すと、簡単な応急処置を済ませていく。
本当に適当な処置だが、構う事などない。なぜなら放送はあと僅かで始まるからだ。
それを聞いた後で、改めて保健室に行けばいい。

「ひぐぅぅ」
「むぐぅぅ」

床に転がっているミイラは、無視することにした。




【早朝】【E-5 学校・宿直室】
【幻夜・フォン・ボーツスレー@アニロワ2nd】
【状態】疲労大、ところどころ出血中、左肩に直径5cmの貫通後、内臓も痛み
【装備】巳六@舞-HiME、黄金の鎧@Fate
【道具】支給品一式×2、未定支給品×1(本人確認済み)、未定支給品×3(未確認)
     ゲドー・ザ・マジシャンの首輪
【思考】
基本:このバトロワの破壊。または脱出。
1:放送後、保健室に行く
2:協力者を探す
3:首輪の解析
4:放火魔を見つけたら殺す
※容姿はギルガメッシュ@Fateです。



【E-5 校門】
【エロ師匠@漫画ロワ】
【装備:サンライトハート(後期型)@武装練金 カードデッキ(ゾルダ)@ライダーロワ】
【所持品:支給品一式×2、マジックペン@文房具、不明支給品×2人分】
【状態:健康、お肌ツヤツヤ、パワーアップ?】
【思考・行動】
1:仮面ライダー書き手、や ら な い か ?
2:エロスを楽しむ。ほどほどになんてしない。エロスでどんどんパワーアップ!
3:この殺し合いの舞台を利用して、LSのボマーを倒す。できれば自分の手で倒す。
4:そのための戦力強化を図る。主に、同盟相手の模索&他人の支給品強奪で
5:バイセクシャルとはスペック高いぞ、仮面ライダー書き手!!
※外見と声は銀髪銀眼の津村斗貴子(エロ度200%増)です。無駄にエロいです。何でもエロくします。
※サンライトハート(後期型)は支給品ではなく自前です。核鉄として心臓の代わりも兼ねています。
※エロスで本当にパワーアップできるのかどうかは不明です。強くなった気がするだけなのかもしれません。
※カードデッキだけはなぜか九分五十五秒しか変身できません。


【仮面ライダー書き手@ライダーロワ】
【状態】健康
【装備】カイザギア@ライダーロワ
【道具】
【所持品】支給品一式(未確認)
【思考・行動】
基本:まとめキングこと◆vHOqGgdf1Uを優勝させる。
1:まとめキングを探し、守る。
2:俺を好きにならない奴は殺す。
3:駄目だ、こいつ(エロ師匠)。早く何とかしないと。
※外見や声は草加雅人です。

1717食べ歩き:2008/02/03(日) 12:22:55 ID:eZV5HvFc0


【E-5 学校・宿直室】
【ステルス鬼畜@ギャルゲロワ】
【装備品:なし】
【道具:共通支給品一式】
【状態:疲労(極大)、ミイラ化寸前】
【思考・行動】
基本:俺こそが最強の岸田さんだっ!
1:死ぬ……精気をくれ
2:もう一人の俺にゃ負けん……つもりだが……ッ!
3:ちなみに俺はロリ巨乳が好みです
※容姿は鎖の岸田洋一。



【サプライズパーティー@葉鍵ロワ3】
【装備品:なし】
【道具:共通支給品一式】
【状態:疲労(極大)、ミイラ化寸前】
【思考・行動】
基本:俺こそが最強の岸田さんだっ!
1:逝く……精気をくれ
2:もう一人の俺にゃ負けん……つもりだが……ッ!
3:ちなみに俺は人妻が好みです
※こっちの岸田さんはステルス鬼畜を葉鍵3の書き手と勘違いしてます
容姿は鎖の岸田洋一。

1718名前を捨てた人:2008/02/03(日) 12:25:18 ID:eZV5HvFc0
投下終了。流石の金ぴかも超人を二体一にするのは苦しいんじゃないかと思って書いた。

>>1709
乙。なんというやりたい放題。まさにカオス

>>1712
俺のアセロラドリンク返せwww

1719名前を捨てた人:2008/02/03(日) 13:59:52 ID:CcoVoQbU0
>>1709
文体ですぐに特定した。こんなところで何やってんすかwww
軽くホラーだし…恐ろしい

>>1712
なぜかYOKODUNA思い出した

>>1718
重箱の隅をつつくようで悪いような気もするが、ミロクは「弥勒」が正しい書き方じゃなかったっけ?
それよりも岸田さん二人で笑ってしまったのだがw

1720名前を捨てた人:2008/02/03(日) 14:08:41 ID:kOweOVSYO
あれ?舞himeのやつなら合ってるんじゃないのか?

1721名前を捨てた人:2008/02/03(日) 14:20:33 ID:Ewu/7.Xk0
み、見逃してください…。
軽い息抜きのつもりだったんです…。

1722名前を捨てた人:2008/02/03(日) 14:21:39 ID:CcoVoQbU0
>>1720
調べたらアニメ版では「巳六」なんだな。勘違いしてた。ゲーム版では「弥勒」なんだよ…ややこしい

1723名前を捨てた人:2008/02/03(日) 14:24:06 ID:kOweOVSYO
え、アニメとゲームは漢字違うのか。初め知ったぜ。
まさか、こんな所でトリビア発見するとはw

1724名前を捨てた人:2008/02/03(日) 14:40:23 ID:CcoVoQbU0
>>1721
本人降臨!…いや、一応念の為に聞きたいけど(メル欄)だよね?
間違ってたらマジでごめんなさい

1725名前を捨てた人:2008/02/03(日) 14:49:50 ID:Ewu/7.Xk0
>>1724
仕方なかったんです…もう、こうするしか…(火サスのラストで自白する犯人のように

1726私のかがみ様、ツンデレのかがみ様:2008/02/03(日) 15:18:53 ID:Gt5SCNkc0
盛り上がってるところ恐縮ですが、自分も投下させてもらいます!

(やれやれ、困りましたねえ…。)
Wiki管理人は、モニターを見ながらため息をついていた。モニターに映し出されている
のは、二人の仮面ライダーに囲まれ怯えた表情を見せる青年の姿だ。

(せっかく送り込んだジョーカーが第一放送まで保たずに死亡では、さすがに物足りない…。
それに、彼には人気があります。読み手諸君のためにも、もう少し頑張って欲しいですね。)

そんなことを考えながら、管理人は紅茶を口に運ぶ。

(まあ、何とかなるでしょう。彼には最後の能力が残っていますから。もっとも、
その能力を与えたことについては本人にも説明してませんけどね…。)



そして、モニターに映された森の中。今ここでは、怯えるワカメを放置して二人の仮面
ライダーが言葉を交わしていた。

「あなたは…仮面ライダー1号!まさかあなたも、クライシス帝国によってライダーロワ
からここへ?」
「いや、私は漫画ロワの住人だ。だが、ライダーを愛する気持ちは持っている。
で、クライシス帝国ってなんだ?」
「漫画ロワ?嘘を付け!漫画ロワに仮面ライダーが参戦しているわけないだろう!」
「は?いや、ちょっと待て。仮面ライダーSPRITSというのがあってだな…。」
「さては貴様、クライシス帝国が作った偽ライダーだな!よりにもよって偉大なる1号
ライダーの姿を騙るとは…。許さん!」
「ちょっとは人の話を聞け、てめーは!」

一方的な勘違いにより、険悪な雰囲気に陥る二人のライダー。その隙に逃げようとする6/
だが、その頬をハードショットがかすめていく。

「おまえを見逃したわけじゃない!こっちが片づくまでおとなしくしていろ!」

(駄目だ…。このままじゃ殺される!くそっ!助けて…誰でもいいから助けてよ!)

6/は、心の底からそう渇望する。そのとき、彼の体がまばゆい光に包まれた。

「な、なんだ!?」

1727私のかがみ様、ツンデレのかがみ様:2008/02/03(日) 15:19:51 ID:Gt5SCNkc0

思わぬ事態に、二人のライダーも立ちすくむ。やがて光は6/の体を離れ、空中で人の形
を作っていく。

ヤマネェェェン

奇妙な音と共に、光は完全な人の姿となる。そこには、紫の髪をたなびかせた一人の少女
が立っていた。全裸で。

『か…かがみん!』

その少女をよく知っている6/と熱血怪人は、声を揃えて叫ぶ。影の繋ぎ師は、
何がなんだかわかっていない。

「私は柊かがみではない。かがみの姿を持つアルター。そう、言うなればスーパーかがみん!」

(いや、そのネーミングはどうなのよ…。)

凍り付くその場の空気。だがそれにかまわず、スーパーかがみんは6/に向かって言う。

「ほら、何やってんの!さっさと逃げるわよ!」
「え?あ…うん。」
「待て!逃がすわけにはいかない!」

逃走を阻止すべく、影の繋ぎ師はスーパーかがみんに跳びかかる。

「無駄よ!」

だがスーパーかがみんは、冷静に迎撃。彼女の背中から伸びたイカの足のような触手が、
空中で影の繋ぎ師をはじき飛ばす。はじき飛ばされた影の繋ぎ師は、見事背後にいた熱血
怪人に激突した。

「さあ、今のうちに早く!」
「お、おう!」

スーパーかがみんに手を取られ、6/はその場から逃げ出した。

「くっ、俺としたことが…。奴に手を貸していたということは、あの少女もクライシス
帝国の手先か!」

1728私のかがみ様、ツンデレのかがみ様:2008/02/03(日) 15:21:05 ID:Gt5SCNkc0

残された影の繋ぎ師は、悔しさに歯噛みする。その後ろでは、熱血怪人がもだえ苦しんでいた。

「異教徒は…殲滅…。いや、俺は…正義の…。センター…試験…。ぶるぁああ…。」

「なんだ…。この男、何を言って…。まさか!偽物じゃなくて、本物の先輩がクライシス
帝国に洗脳されていたのか!今のショックで洗脳が解けかけて…。」

微妙に惜しい。熱血怪人は中途半端にショックを受けたことにより、元の思考と改変後の
思考が入り交じって錯乱状態に陥っているのである。

「あの男を倒せば、洗脳も解けるはず!待っていてください、先輩!すぐに元に戻してあげます!」

どう考えればそういう結論になるのか。しかし、残念ながらこの場につっこみを入れられ
る人間はいない。己の出した結論を疑うことなく、影の繋ぎ師は6/を追って走り去っていった。


【早朝】【D‐6 ビルの跡地】
【影の繋ぎ師@ライダーロワ】
【装備】:サタンサーベル@ライダーロワ、シャドーセイバー@ライダーロワ
【道具】:カラオケマイク@現実
【所持品】:支給品一式
【状態】:健康。クライシス帝国への激しい怒り。ロボライダーに変身中。
【思考・行動】
基本:殺し合いには乗らない
1:ぶ っ ち ぎ る ぜ
2:逃げたクライシス帝国の手下を追う
3:先程のクライシス帝国の手下を倒す
【備考】
※変身体はシャドームーンです
※いきなりロボライダーに変身可能になりました。ぶっちぎりです。
※首輪に皹が入っていますが、ぶっちぎりです。


【蘇った現代の熱血怪人@漫画ロワ】
【装備】:バヨネット×2
【道具】:なし
【所持品】:支給品一式
【状態】:仮面ライダー一号に変身中、錯乱状態
【思考・行動】
基本:打倒、主催!
1:俺は正義の味方……?
2:他ロワ書き手(異教徒)と一般人(化け物)は鏖……なのか?
3:どこかで鬱展開にもって行きたい

※イスカリオテの制服@ヘルシングに身を包んでいます。顔や髪型までアンデルセンではありません
※声はアンデルセン、髪型は本郷猛、顔は村雨良です
※法王庁に洗脳されていたと思い込んでいます

1729私のかがみ様、ツンデレのかがみ様:2008/02/03(日) 15:25:08 ID:Gt5SCNkc0
一方6/とスーパーかがみんは、地図でいうと1ブロック分ほど移動していた。

「ふう…。ここまで来ればひとまず安心かしらね。」
「なあ、かがみん…じゃなくて、スーパーかがみんだったか…。あんた、いったい何者なんだ?」

一息つくスーパーかがみに、6/は尋ねる。彼女が味方だということは理解しているようだが、
まだその存在については理解できていないらしい。

「言ったでしょ?私はあんたのアルター。ジグマールにとってのギャラン=ドゥみたいなもんよ。」
「アルター?でも、そんな能力が俺にあるなんて聞いてないぞ?」
「そうみたいね。でもまあ、いいじゃない。もう出せるって事はわかったんだから。」

怪訝な表情の6/に対し、明るく答えるスーパーかがみん。だが、その体は徐々に透けていく。

「お、おい、スーパーかがみん!体が…。」
「ああ、これ言っとかないとね。私にも行動制限があるのよ。ひとつは、あなたが心の底
から絶望しないと出てこられない。もう一つは、出現から10分しか実体化できない。
ちょうどタイムアップってわけ。」
「ちょっと、何それ!漫画ロワのギャラン=ドゥより制限厳しいじゃん!」
「ごちゃごちゃ言わないの。あんたには変身能力もあるんだから、それぐらいでちょうど
いいのよ。それじゃ、これからも頑張りなさいよね。べ、別にあんたを心配してるわけ
じゃないんだからね!」

最後におきまりのセリフを口にすると、スーパーかがみんは光の粒子となって消えていった。

「どうしよう、これから…。」

残された6/は、誰に言うともなしにつぶやいた。空は、明るくなりかけていた。


【早朝】【C‐6 市街地】
【◆6/WWxs901@カオスロワ】
【状態】ワカメ、精神疲労大
【装備】ダイナマイトたくさんとライター、ミニ八卦炉@LSロワ
【道具】支給品一式、他にもなんかあるかも
【思考・行動】
基本:参加者に変身して色んな奴の誤解フラグをばら撒く
1:これからどうしよう
2:書き手ロワの繁栄に尽くす。
※変身能力があり、誰にでも変身できます
※主催者によってジョーカーとして召喚されたっぽい。
※精神疲労が大きい為、能力を使う能力は使えません
※アルター能力を持つことが新たに判明しました


※アルター・スーパーかがみん
漫画ロワ、アニロワ2nd、ニコロワ、カオスロワ4thのデータを総合して
生み出された、究極の柊かがみ。
右手に激戦@漫画ロワ、左手にUZI@アニロワ2nd、両足にローラーブーツ
@アニロワ2ndを装備。基本的に全裸だが、大事なところは自主規制くん@ハヤテの
ごとく!が隠してくれている。
さらに特殊能力としてマジシャンズ・レッドの火炎、衝撃のアルベルトの衝撃波、
マリンデビモンの触手が使える。
主である◆6/WWxs901の生存を最優先しており、戦闘には消極的。
制限として6/が心から絶望したときにしか実体化できず、実体化から10分で消滅する。
あと、こなたには弱い。

以上です。ええ、お察しの通り、昨夜の流れを見て思いつきました。
ちなみに、発端となった一行状態表を作った本人です。
いろいろ無茶な内容なので、没にされるのも覚悟してます。
では、最後に一言だけ。
「タイトルはああなっているが、俺はななこ先生が好きだ!」

1730名前を捨てた人:2008/02/03(日) 15:55:57 ID:Or9Zy7J60
>>1636を弄ってみた。

≪深夜≫2人
衝撃のネコミミスト(A-4 弔い中)
派手好き地獄紳士『666』(A-4 ネコミミストを個人的な理由で護る)

≪黎明≫6人(うち、早朝抜きでも平気そうな11人には○を付けてみた)
○熱血王子(G-7 索敵中)
○結(D-9 移動中)
○ボマー(G-1 おいかけっこ中)
○大あばれ鉄槌(G-1 おいかけっこ中)
地球破壊爆弾No.V-7(F-3 戦闘中)
神行太保のDIE/SOUL(F-3 戦闘中)

こいつらが片付いたら第一放送か。死亡者の数が半端ないな。

1731名前を捨てた人:2008/02/03(日) 16:42:35 ID:lCbBBeGQ0
>>1730
とりあえずホテルで戦闘してる二人以外を書いてるぜ。
だから、一番下の二人を誰か書いて(ry

1732名前を捨てた人:2008/02/03(日) 17:22:20 ID:59tbteAs0
>>1729
ちょ、本当に召還しやがったwww
しかも何の役にも立ちそうにねえwwww

1733名前を捨てた人:2008/02/03(日) 17:46:20 ID:CcoVoQbU0
>>1729
かがみ…カワイソス、つか普通に強くね?化け物だらけで霞んでしまうように見えるが厨装備ばっかだし…
そうかあれか、これは死亡フラグなんだな?この鬼畜さんめ

>>1725
え、マジで本物?ならバレてしまった以上例のアレのネタにさせてもらいますが…よろしいですね?

1734名前を捨てた人:2008/02/03(日) 17:57:21 ID:Or9Zy7J60
>>1731
アルター・スーパーかがみんはこなたに弱い……
そして下二人のうち地球破壊爆弾No.V-7は現在(〓ω〓.)

つまりそういう事だ

1735名前を捨てた人:2008/02/03(日) 18:00:46 ID:CuwiSVj2O
いかん、何が来てもにやにや笑う俺がいるwww
まともに感想を書く事を腹筋が許してくれねーぜ……


>>1730
戦闘中の奴らは戦闘中に放送か……w
しかし順調だなオイ

1736書き手交差点:2008/02/03(日) 19:50:11 ID:lCbBBeGQ0


「あはは〜ま〜て〜」
「ほら〜捕まえてごらんなさ〜い」
うっすらと太陽が見え始めた頃、街に設置された道路の真ん中を、二人の影が追いかけっこをしていた。
追いかけている方は、大あばれ鉄槌。カズマの顔に甲冑を纏ったなかなかにいい男。
追いかけられている方は、ボマー。小麦色の肌で、胸に見える二粒のぽっちはまさしく乳首。
そんな二人は、周囲など気にしない様子で追いかけっこを楽しんでいた。
「あはは〜ま〜て〜」
「ほら〜捕まえてごらんなさ〜い」
一生懸命に手を伸ばす鉄槌。そしてそれを軽やかに避けるボマー。
追われているボマーの頬が、遠目でも分かるくらい紅潮しているのが分かる。
それを爽やかな顔で見つめる鉄槌も、少女漫画の様なトーンを背景に笑いかけている。
きっと捕まえたら、直視するのすら辛い、甘い甘い展開となるのだろう。



「おっと、捕まえた……もう離さないよ」
「いゃん。鉄槌ったら乱暴ね」
「おいおい、俺の腕を噛むなんて、何て寂しがり屋の仔猫ちゃんなんだい?これはお仕置きだ」
「や、ァ、んぁ……もう、そんな所舐めないでぇ」
「ごめんごめん。でも、このお仕置き……ボマーは大好きだろう?」
「んもう!私知らない!」
「ははは。拗ねた顔も可愛いよ。俺だけのお・ひ・め・さ・ま」
「だめ、人が見てるわ」
「構いやしないさ。誰が見ていようと、俺達の愛の行為は止められない」
「でも恥ずかしいわ……それに、私……」
「ん?」
「私の恥ずかしい所は……鉄槌だけに……見てほしいの」




バカップル自重しろと思ったモニターの前の君……正解だ。
こんなキャッキャウフフな話を読みたくて、こんな所にきたって訳ではないよな。
きっと君たちは「なんで俺達の二次作でバカップルを見て、イラつかなきゃならないんだよ!」と思っているのだろう。
だが、これが現実だ。これが世の理なんだ。
君たちはこの光景を理解しながら、次にリレーを繋げなければならないんだ。
例えキャラに嫉妬しても。
例えキャラに性欲を持ってしまっても。
例えキャラがロワの中で勝ち組になっても。
君たちはたすきを繋がなければならない。
それでは、健闘を祈る。

1737書き手交差点:2008/02/03(日) 19:50:35 ID:lCbBBeGQ0














……嘘です。上の二人がこんな甘い展開をやるはずがありません。
ロワですもんね。しかもこのロワの原因の一人ですもんね。
では、一体どんな状況だったのかと言うと。


「一発済まさせろオラァァァァァァァ!」
「痛いのはイヤっていってるでしょぉぉぉぉぉぉ!」


数時間前と全く変わっていませんでした。



☆☆☆



「やれやれ、プレイの最中だったとは」
気付けばあのSMカップルから離れるため、全力で走り続けていた結。
町を抜け、ビル群を抜け、気が付けばまた町に戻ってきていた。
「って、もしかしてグルリと一蹴したか俺?」
自分に問いかけてみるが、答えなんて返ってくるはずがない。
なんとなく周囲を見渡すと、結は溜息を吐いた。あ、白い息がコロネっぽくなった。
「やっぱ仲間とかほしいわな。つっても、あんなSMカップルはやだけど」
またも愚痴をこぼすが、当然のように反応は返ってこない。
よくよく考えれば、こういうことをギャルゲーの主人公がよくやるが、寂しくないのだろうか。
「はぁ……これからどうするよ」
そんな結の元に、謎のの声が聞こえてくる。
「おいおい、ついに幻聴かよ」
だが、その声は着実に大きくなり、しかもこちらに近付いてくる。
「おいおい、マジで誰かいるのかよ」
気が付いた時には、すでに体は声のほうに走り出していた。
そして、声の発信源を見つけたところで思いとどまる。
「見つけたはいいが、この姿で出てって平気か俺?」



☆☆☆



「くそ、見失っちまったか」
新たな獲物を探していた熱血王子は、異様な速度で駆け抜ける結を追って走り続けいていた。
だが、夏場のアレの如く俊敏に動く結に、少しずつながらも距離を広げられていく。
いっその事変身しようと考えたが、無駄に力を使うのもよくないと考え諦めた。
「不味いな、同じ街でもこうも構造が違うと迷ってしまう」
最初にいたところは、ここまで整備された場所ではなかった。
けれど、今いるところはしっかりと整備されているため覚えにくい。
街頭に地図や掲示板があれば良かったのだが、残念ながらまだ見つけていない。
「もう少し進んでみるか」
参加者全員狩り獲る予定だが、出来る事なら一人ずつやりたい。
相手が大勢でも勝てる自信はあるが、前回の様に思わぬ不意打ちは喰らうのは面倒だ。
と、効率よく狩りを済まそうと頭の中で計算していた王子の耳に、微かながら幼い子供の声が届く。
方向は、今いる道の右側からだ。
「ツいてるな」
先に変身しようか考えたが、相手を油断させて襲うのもありと判断しそのままの姿で足を向ける。
むしろ油断させるなら、歌なんて唄って近付くなんてのもありかも知れない。
「持ってい〜け 最後に生き残るのは俺のは〜ず〜♪」
とりあえず、なるべく相手が油断するようにアニソンで。



☆☆☆

1738書き手交差点:2008/02/03(日) 19:50:50 ID:lCbBBeGQ0



弔いを済ませた衝撃のネコミミストと、それに合わせた666は、新たな協力者を得るため移動を続けていた。
だが、数時間歩き続けても誰とも会うことができない。
森にいた頃は仕方ないと思っていたが、街に出ても同じ状況であったのは予想外だ。
666がいるとは言え、女二人では心細すぎる。
歩き疲れていたネコミミスとは、募りつつある不安を口に出した。
「どうして誰とも会えないのかしら」
「これは、おそらく置いてきぼりを喰らったのでしょう」
「置いてきぼり?」
「ほら、ロワをやる時必ず出るじゃないですか。「ああ、こいつらだけまだ深夜だよ」とか」
「ああ!……ってまさか、私達が」
「ええ、他の参加者に置いていかれたんでしょうね」
「そんな……」
「けど安心してください。時間的に、そろそろ早朝です」
「早朝、あっ!」
「そうです。LSと違い、ここで放送の入るロワなら、我々がいる限りみんな早朝で足止めを喰らう」
「つまり、この時間帯なら誰かに会えるって事よね」
「正解です。ほら」
二人からみて左の方角だ。声からして、二人組みだろう。
「どうします?行ってみますか」
666の言葉に、ネコミミストは力強く頷いた。



☆☆☆



「だから、一発済まさせろっつってんだろこのアマァァァァァァァ!」
「だから、痛いのはイヤっていってるでしょぉぉぉぉぉぉこの分からず屋ぁぁぁぁぁ!」
鬼のような形相で追いかけてくる鉄槌から、ボマーは泣きそうな表情で逃げる。
このやり取りも数十分。いい加減体力の限界も近付いてきている。
ぶっちゃけ死ぬ。このままだと走り続けて死んでしまう。
こんなロワで、アテネの伝令フェイディピデスの様な目に合いたくない。
「誰かぁぁぁ!この男を止めてぇぇぇ!」
「うるせぇ!テメェ殴ったら止まってやっから殴らせろぉぉ!」
背後から届く容赦ない言葉を無視して、ボマーは左右に首を振り、希望の光を見つける。
「あ」
そこにいたのは、同じロワの出身と一目で分かる666の姿があった。
姿ではない。ロリ好きとしての直感が彼女の正体を見破ったのだ。
「た、助け――」
だが、666はボマーの投げかけた視線を思い切り無視し、隣にいるネコミミストの髪を撫でている。
(む、無視したわね……気付いたのに)
もっとも、彼女の場合助けてくれるかは微妙だからこれで良かったのかもしれない。
第三者の介入も、武力介入も無いと判断したボマーは、再び逃亡へと意識を集中させる。
「一発ぶち込ませろやぁぁぁぁぁぁァァァァ!」
後ろから聞こえてくる怒声に涙しながら。



☆☆☆



去っていくボマー達を見送りながら、666はネコミミストが動き出す前に次の行動の計算を終わらせる。
(まだ彼女の愛は私に傾いていない。もっと積重ねてから出ないと深い傷にならない)
ここで死ぬのは早いと判断した666は、ネコミミストの手を握って逆方向へと走り出した。
「え、ちょっと」
「逃げましょう!彼は危険です!」
「でも、追われている彼女は――」
「彼女なら絶対に大丈夫です。私が保証しますよ」 
「でも、そんな保証!」
「私を信じてください!お願いします。ネコミミストさん!」
「わ、分かったわ!」
666の力強い発言に圧されたネコミミストは、手を引かれた状態のまま666の後を追う。
(ごめんなさいねボマー。けれど、貴女は危険なんですよ……色々とね)
一瞬だけボマーに視線を送る、その時向こうもこちらを見た気がするがスルーした。



☆☆☆



去っていく両端と交差する横断歩道の両側にいた結と王子は、お互いに気付く前に思考を張り巡らせていた。
(まずいな、どっちを追うべきか)
(ちょ、あっちはマーダーと追いかけっこで、向こうは女子二人かよ!)
その一瞬が致命的となる。二人は、前方にいるお互いなど目に入らぬ様子で方向転換し動き出す。








―――大きい交差点の四方向。貴方が進むのはどっち?

1739書き手交差点:2008/02/03(日) 19:51:16 ID:lCbBBeGQ0





【ボマー@LSロワ】
【状態】かなり疲労。裸ランドセル。下着・髪止めと靴は有り。
【装備】キラークイーンのディスク@ジョジョロワ
【所持品】年齢詐称薬@LSロワ、支給品一式、首輪(闇その2@スパロワ)
【思考・行動】
1:あはは〜捕まえてごらんなさ〜い(とりあえず大あばれ鉄槌から逃げ延びる)
2:とりあえず服。必要なら殺してでも奪い取る。
3:基本的に対主催路線。ただし弱者を守る気は皆無。
4:エロ師匠と対決する。
【備考】
※ガンスリンガーガールのトリエラの姿をしています。義体の身体能力等も有ると思われます。
※あ、声や演技や顔の造作は基本的にアニメ第一期で
※この2人がさらにどっちの方向に向かうか(ただし、ネコミミストと反対)は次の書き手さんにお任せします。



【早朝】【D-4 巨大交差点】
【大あばれ鉄槌@アニロワ1st】
【装備】レイジングハート(待機状態)、バリアジャケット
【所持品】支給品一式
【状態】やや疲労
【思考・行動】
1:あはは〜ま〜て〜(とりあえずボマーをぶん殴る)
2:他の参加者と燃え展を楽しませてもらう。
3:デバイスは見つけしだい破壊する。
※容姿はスクライドのカズマ+ヴィータの騎士甲冑
※声は保志総一郎



【早朝】【D-4 巨大交差点】
【結@スパロワ】
【状態】やや疲労
【装備】なし 
【所持品】支給品一式
【思考】
基本:とりあえず、誰かと仲間になる
1:やべ、誰追えばいいんだYO!
※外見は第三次スーパーロボット大戦のディスアストラナガン
※武器は没収されてます
※体と一体化しているアインソフオウル、メスアッシャー、ディフィレクトフィールドは使用可能
※永遠神剣『存在』は【D-9】草むらに落ちました
※誰を追うかは次の書き手さんにお任せします。



【早朝】【D-4 巨大交差点】
【熱血王子@漫画ロワ】
【状態】健康
【装備】『破棄すべき全ての手』、ウルトラリング
【所持品】支給品一式(確認済み)
【思考・行動】
基本:手首を狩り尽くし、復讐を果す。
1:ち、去っていったどいつの手首を狩るべきか
2:逃げていった最速の人達をもう一度見つけ出し、手を狩る
※現在は、ウルトラマンメビウスのヒビノ=ミライの様な容姿です。
※変身時の姿は銀目銀髪の高町なのはの顔に、ウルトラマンレオの体、声は赤木しげるです
※【『破棄すべき全ての手(リスト・ブレイカー)』@漫画ロワ&誤爆スレ】
 一話で二人の人間の手首をはねた逸話に由来する宝具。真名を解放しながらの攻撃は、全て手首を斬り飛ばす一撃となる。
 ちなみに外見はfateのルルブレ。存在は誤爆スレと漫画ロワ毒吐きを見て作者が勝手に作った
※【『ウルトラリング(書き手ロワ特別バージョン)』】
 透明な麻雀牌がついた指輪と、レイジングハートがついた指輪の二つで一つ。
 この二つを合わせる事により、戦闘形態へと変身を遂げる。



【早朝】【D-4 巨大交差点】
【衝撃のネコミミスト@アニ2nd】
【装備】拡声器
【所持品】支給品一式
【状態】 疲労、精神的に消耗
【思考・行動】
基本:殺し合いに乗るつもりは無い。前に進む。
1:に、逃げるのね
2:666を今のところ信用。今はもう少しスクライドを悼んで泣きたい。
※衝撃波を使えますが、戦闘面にはそれほど自信が無い様子。
※「大あばれ鉄槌」を幼女好きの変態と勘違い。
※この2人がどの方向(ただし、ボマーと反対)に逃げるかは次の書き手さんにお任せします。


【派手好き地獄紳士『666』@LSロワ】
【装備】ゲート・オブ・バビロン@アニロワ2nd(※特殊仕様)
【所持品】支給品一式(エリクシール×3)
【状態】健康
【思考・行動】
基本:衝撃のネコミミストを地獄に落とし且つ狂わせずに生かす。ネコミミスト心から愛してる。
1:ネコミミストを護りつつ、出来るだけ精神的に傷付く方向に陰ながら誘導する。
2:ネコミミストに愛されるよう務める。
3:死ぬ時は出来るだけネコミミストの心に傷を残す形で死ぬ。
※ゲート・オブ・バビロンで出せるアイテムをどれも『一応は何とか使いこなせ』ます。
※エリクシールを一本使用しました。
※「大あばれ鉄槌」を(ロリ的に)危険人物と断定しました。

【ゲート・オブ・バビロン@アニロワ2nd(※特殊仕様)】
使用した書き手が当人投下作で参加者に支給した事がある支給品を出す事が出来ます。
ただし支給品は当人にしか使えず、使い手が変わると前の使用者の物は消えます。
射出する事もできます。
それ以外はアニロワ2nd参照。

1740名前を捨てた人:2008/02/03(日) 19:52:18 ID:lCbBBeGQ0
投下終了。台詞さえ変われば、バカップルの行為だよなぁ〜

あと、放送までこれで残り二人かな?

1741名前を捨てた人:2008/02/03(日) 20:07:19 ID:XoqgCN2s0
投下乙。
……ああっ、ネコミミストコンビ先越されたッ!
でも手直しすればきっと行けるか。放送前には間に合わせるぞ。

それはそうと冒頭吹いたw エロ師匠がボマーに乗り移ったかと思ったw

1742名前を捨てた人:2008/02/03(日) 20:21:00 ID:3Cva40vg0
投下乙です。
って、熱血王子が状態表の歌を歌っている!
本編に組み込んでいただいて、作成者として光栄の極みです。
しかし、一日に何回書き込んでるんだよ、俺…。

1743名前を捨てた人:2008/02/03(日) 22:01:03 ID:kOweOVSYO
誰も書いている人がいなければ、最後の二人挑戦してみようと思う。
といっても、まだ書いてすらないから、もし書いてるよって人がいたら教えてくださいな。

1744名前を捨てた人:2008/02/03(日) 22:18:39 ID:XoqgCN2s0
>>1740
あーっと、ちょっと質問。
地獄紳士666が持ってるエリクシール、残り3本ってことですか?
前の話で明記が無く、LSで出した際の本数が「2本セットで支給」だったんですが……。
(だからてっきり残りは1本きりかと)

17451740:2008/02/03(日) 22:35:18 ID:nWuYjwFg0
>>1744
うわ申し訳ない。
数の表記がなかったから思いついた数字を入れてしまった。
LSのご利益にあやかるのも兼ねて、残り一本に変更しておきます。

1746名前を捨てた人:2008/02/03(日) 22:44:55 ID:XoqgCN2s0
>>1745
いえいえ、まあ普通は気付かないでしょうからw

ではこっちも脅威の即リレーで投下。
……嘘です、既に9割方書きあがってたのを直しただけです。

1747愛ゆえに:2008/02/03(日) 22:46:04 ID:XoqgCN2s0

  ★  ★  ★

――彼女の『宝物庫』には、まさに彼女の二つ名に恥じぬ派手な宝具がいっぱいに詰まっている。
試しに列挙してみれば、以下の通り。

【レイジングハート・エクセリオン@魔法少女リリカルなのは】
【ゲイボルグ@Fate/stay night】
【シルバースキンAT@武装錬金】(ただし身長185センチのブラボーサイズに固定)
【エリクシール@テイルズ・オブ・シンフォニア】
【F2000R@とある魔術の禁書目録】
【懐中時計型航時機『カシオペア』@魔法先生ネギま!】
【飛翔の蝙也の爆薬(火打ちがね付き)と翼セット@るろうに剣心】
【エスパー錠&エスパー錠の鍵@絶対可憐チルドレン】
【ミニ八卦炉@東方Project】
【メタルイーターMX@とある魔術の禁書目録】
【ドラゴンころし@ベルセルク】
【i-Pod@現実?】(LSロワ登場作品ゆかりの曲や音声が詰まっている)
【勇者の拳@魔法陣グルグル】
【浄玻璃の鏡@東方Project】 (制限により、参加者(死体も可)のロワ内での過去が分かるのみ)

詳しい性能は、LSロワのまとめwikiで「登場アイテム」の項からでも確認してもらうとして……
流石にこれには、絶句する。
どれもロワを盛り上げる魅力的なアイテムだし、支給品の選択センスも書き手の才能の内だろう。
それはいい。これが複数の登場人物に振り分けられていれば、大した問題は起きない。
だが――これが全て「当の書き手自身」の手の内に納まったら、いったいどうなってしまうのか。

オーバーキルここに極まれリといった武器の数々に、防御面でも無敵な『シルバースキン・アナザータイプ』。
完全回復薬の『エリクシール』が2本に、情報収集面でも役に立つ『浄玻璃の鏡』。
中には『カシオペア』のように制限で使えない代物や、『蝙也の爆薬』のように微妙な品もある。
だが、普通に言って強すぎる。
のっけから貴重なエリクシールを1本使用してしまったことなど、大した問題ではない。
接近戦も銃撃も魔法砲撃も空中戦も防御も回復も拘束もツッコミも情報収集も何でも出来る。
これだけの宝の山を抱えているのだ、その気になればマーダーでも対主催でも大活躍できるだろう――

――しかし、これだけの力を手に彼女が望んだことは、『優勝』でも『主催者の打倒』でもなく。

  ★  ★  ★

1748愛ゆえに:2008/02/03(日) 22:47:23 ID:XoqgCN2s0

「ここまで来れば、大丈夫か……」
「…………」
「ところで……私たちは行動方針を決めてなかったね。
 私は君を守り、君に従いますが……君はどうしたいのですか?」

うっすらと明るくなってきた街の中、2人の少女が連れ立って歩いていた。
1人は頭に猫の耳の生えた幼い少女、その名を『衝撃のネコミミスト』。
1人は燕尾服に身を包んだ男装の少女、その名を『派手好き地獄紳士』、または『666』。
666の咄嗟の判断でボマーたちとの遭遇を回避してから数分後。
十分距離を置いたと判断した666は、問い掛ける。
この先、他の参加者と出会った際に迷わないよう、改めて尋ねかける。
しばしの逡巡の後、ネコミミストはゆっくりと口を開く。

「私は……彼の遺志を継ぎたい」
「彼? ああ、君を守って散った『体はスクライドで出来ている』か。で……彼の遺志とは?」
「彼は、『我が身は牙持たぬ者の剣也』と言っていた。
 そう言って、彼は地球破壊爆弾に突っ込んでいった。
 私は、彼ほどには強くない。衝撃波は出せるけど、元ネタのアルベルトほど強くない。
 でもきっと、この会場にはもっと弱い人がいる。衝撃波すら使えない人たちがいる。
 私は――その人たちの『剣』になりたい。殺し合いに乗っている人たちを止めるための、『剣』になりたい」

『牙なき者たちの剣』になる……それはすなわち、対マーダーの戦いに挑むということ。
対主催陣営の中でも、首輪解析や考察の担当よりも危険で報われないことの多い、マーダーキラー路線。
時に誤解を受けることもある。同じ対主催の者たちから恐れられることもある。
労多くして報われず、生還すら怪しい厳しい道を前に、それでも彼女ははっきりと断言する。
拳を握り締め、キッと虚空を睨んで……ふと、隣を歩く同行者の視線を感じ、照れたように頭を掻く。

「……っていうか、私は首輪解除とか見当もつかないからさ。
 まさか彼の思いを無視して優勝狙いなんて出来ないし、だったら他にやれることなんて……」
「……ネコミミスト君」

猫耳の少女の熱い語りを黙って聞いていた666は、おもむろに鼻に乗せた丸眼鏡を外す。
レンズの下から現れたのは、思いがけなくも鋭い、真摯な目。
彼女はそして、真顔で誓いの言葉を口にする。

「衝撃のネコミミスト君――ならば私も、君を手伝おう。いや、手伝わせてくれ。
 私は君のその美しい心に打たれたんだ。君のためなら、私は私の命すら惜しまない。
 私に、君の力に成らせてくれ」
「地獄紳士666さん……!」

「熱い……熱いね。熱血だねッ!!」

それは、唐突に。
背後から、聞き覚えの無い声がかけられる。少女2人はハッとして振り返る。
そこに居たのは――なんというか、存在自体がカオスな人物だった。

  ★  ★  ★

1749愛ゆえに:2008/02/03(日) 22:48:23 ID:XoqgCN2s0

銀目銀髪。高町なのはの顔。ウルトラマンレオの身体。そして、赤木しげるの声。
怪人は再びカオスな戦闘形態を取り、2人の少女に歩み寄る。
あの交差点で見つけた、新たな獲物。一度は通常の姿で近寄り、不意打ちで討って取ることも考えた。
しかしあんな話を聞いてしまえば、そんな勿体無い真似は出来るはずもない。
彼の二つ名に賭けて、そんな萎える展開にするわけにはいかない。

「亡き仲間の遺志を継いで、戦いを終わらせるために戦う……クククッ、実にいい話……!
 そしてその想いに感動する新たな仲間……! 普通なら、誰もが好む熱血展開ッ……!」
「あ、あの、あなたは……?」
「熱血王子。漫画ロワの書き手だよ」

ざわ……ざわ……。
ネコミミストのおずおずとした問いかけに、声をかけてきた人物は静かに名乗る。
ただそれだけで、空気が歪む。
思わず呑まれかけたネコミミストは、それでも必死に声をかける。

「え、えーっと、私は衝撃のネコミミスト。こっちは地獄紳士666さんです。
 あの……エースさん。さっきまでの話、聞いていてくれたなら話が早いです。
 良かったら、私たちと一緒に……」
「一緒に対主催で頑張りましょう、って? だけどね……」

ニヤリ。熱血王子の顔が不敵な笑みに歪む。
ゾクリ。ネコミミストの背に冷たいものが走る。

「積極的マーダーで生き残ろうなんて、狂気じみた考えだよね……
 だけど――狂気の沙汰ほど面白いッ!!」

斬ッ。
抜く手も見せずに振るわれた刀は、『破棄すべき全ての手(リスト・ブレイカー)』。
衝撃波で迎撃する間もなく、その最悪の宝具がネコミミストの小さな手首を切り飛ばそうと……

「そうであるなら――君は、私の、いや私たちの敵だ」

切り飛ばそうとして、風のように割り込んできた巨大な鉄塊に遮られた。
そこにあったのは、剣と呼ぶにはあまりに厚く、重く、大雑把過ぎる鉄の塊。
切っ先はアスファルトの地面に突き立てられ、盾のような格好で受け止めている。
声の主はもちろん地獄紳士666。掛け直された丸眼鏡が、キラリと光る。

小さな身体に似合わぬ巨大な『ドラゴンころし』を手に、紳士の心持つ男装少女は熱血王子を睨み付けた。

  ★  ★  ★

1750愛ゆえに:2008/02/03(日) 22:49:15 ID:XoqgCN2s0

――戦況は、しかし、一方的だった。

「《破棄すべき全ての手》! 《破棄すべき全ての手》! 《破棄すべき全ての手》!」
「くっ……!」

もとより無理があったのだ。
666の体格に比して巨大過ぎる狂戦士の大剣。いくら「一応は使いこなせる」と言っても限界がある。
取り回しが悪い。振り回せば身体の方が泳ぐ。持っているだけで疲労が蓄積する。
対する熱血王子は、言ってみればこれは彼専用の宝具だ。自らの身体の一部のようなものだ。
その真名を叫ぶだけで、自動的に敵の手首に向けられる正確無比な「小手」の連撃。
まだ直撃こそないが、ドラゴンころしに逸らされた刃は666の身体に小さな傷を刻んでいく。
燕尾服のあちこちが裂けていく。

「あああっ……!」

そしてその戦いを横から見守る格好になったネコミミストは、介入のタイミングを掴み損ねていた。
彼女の能力は衝撃波を放つこと。本来なら後衛としていくらでも援護できるはずである。
だが、2対1を承知で襲い掛かっただけあって、熱血王子は戦闘巧者だった。
666を攻め立てると同時に激しく動き回り、ネコミミストに狙いをつけさせない。
溜めて放つ、その僅かなタイムラグの間に移動してしまっている。無闇に撃てば666にも流れ弾が当たる。
衝撃のアルベルトならいくらでも戦いようがあったのだろうが、ネコミミストは彼そのものではない。
あまりに実戦経験が不足している。一方的に翻弄される。
666と違って刀を受け止める武器も無いため、下手に踏み込むこともできない。
ただオロオロしながら、見守ることしかできない。

そして、それは必然的に。
均衡は、すぐに崩れ去った。

「全ての書き手の手首は、斬りおとされる運命なんだよ――《破棄すべき全ての手》!」
「ネコミミスト君、今のうちに、君だけでも、先に、逃げッ……!」

ネコミミストに撤退を呼びかけながら、666はなんとか手首だけは斬りおとされまいとする。
片手を失えば、もうドラゴンころしは振るえない。他の武器を運用するのにも支障をきたす。
だから、疲労で持ち上げるのもやっと、といった風のドラゴンころしで、それでも手首を守ろうとして――
無理に庇おうとしたのが、良くなかった。
強引に弾かれた紫の刃は、そして打ち下ろした者にも予想しなかった軌跡を描き、跳ね上げられて。

666の顔面を、下から斬り上げた。

血飛沫が迸る。声にならない絶叫が上がる。小さな丸眼鏡が、宙を舞う。
そして、ゆっくりと棒のように666の身体が倒れて……どさり、と音を立て、動かなくなった。

  ★  ★  ★

1751愛ゆえに:2008/02/03(日) 22:51:18 ID:XoqgCN2s0

ネコミミストは、何が起こったのかすぐには理解できなかった。
いや、理解したくなかった。

「おかしいよね……素直に手首を落とされてたら、死なずに済んだかもしれないのに……」
「…………」

怪人が何かを言っている。666を倒した怪人物が何かを言ってる。
でもネコミミストは彼の方を見ない。ただ倒れたまま動かぬ666を見ている。
じっと、見ている。
視線の先には、倒れて、動かなくて、でも、僅かに胸が上下している、666の身体。
――生きているのだ。まだ、息があるのだ。
顔を真下から切り裂かれて、なお生きてるのだ。
『シグルイ』で無明逆流れを受けた牛股権左衛門の如き生命力で? あるいは、傷が浅かったのか?
ともかく、もしかしたら、今手当てをすれば助かるのかもしれない――!
そのことに気付いた瞬間、ネコミミストの中に「何か」が湧き上がる。
絶望に染まりつつあった世界に、違う色が差す。

「でも、まだ肝心の手首を落としてないよね。じゃあ……」
「……うぁぁぁぁぁあぁぁッ!!」

倒れて動けぬ666の手首を斬りおとすべく、熱血王子が刀を振り上げたその瞬間。
ネコミミストの足元が爆発する。足裏から衝撃波が放出される。彼女の身体そのものが一個の弾丸と化す。
衝撃のアルベルトの飛行方法――の、乱暴な再現による突進。
つい先ほどまで、彼女自身出来るとは思っていなかった応用技。
虚を突かれた熱血王子は、避けられない。
鳩尾にネコミミストの頭突きが突き刺さる。熱血王子の身体がくの字に折れ曲がる。

「ごほぉっ……!?」
「くぅっ……!!」

後先を考えぬ体当たり。喰らった熱血王子も放ったネコミミストも、ただでは済まない。
熱血王子は腹を、ネコミミストは頭を押さえて悶絶する。地面を転げまわる。
しばらく転がって、震えながら立ち上がったのはほぼ同時。熱血王子は憎々しげにネコミミストを睨む。

1752愛ゆえに:2008/02/03(日) 22:52:55 ID:XoqgCN2s0

「や……やってくれたなッ、この小娘ッ!!」
「この身は、牙なき人のための剣……ならばッ!」

泥で顔を汚し、武者震いに震えながらも、ネコミミストは身構える。
『牙なき者の剣となる』――大切なヒトから受け継いだその誓いが、彼女を突き動かしていた。
動けぬ666を、牙を失った666を守るために、彼女は。
目に闘志が宿る。勝ち目の見えない戦いを前に、それでも彼女は、傍観者のポジションから脱する。

さっきの体当たりの後、追い討ちをかけられなかったのは痛かった。あれがほぼ唯一の勝機だった。
まともに戦ったら、きっと熱血王子の方が強い。ネコミミストには《破棄すべき全ての手》を凌ぐ手段はない。
そして掌からの衝撃波を主な武器とする彼女にとって、この敵は最悪の相性だ。手を突き出した所で切り落とされる。
それでも、彼女は退かない。
最悪の場合――『体はスクライドで出来ている』がしてくれたように、相討ちとなってでもいい。
悲壮な決意を胸に、ネコミミストは高らかに宣言する。

「あなたはここで止める! 私が止める! 他の無力な人々を、襲う前に!」
「でも、あなたには止められないよ。運否天賦に任せてただ突っ込むだけじゃぁ……」

「――――おい」

……それは、唐突に。
状況は、対峙する2人の真横からひっくり返された。

「さっきから、声と顔が合ってなくて気持ち悪いぞッ!!」

激しいツッコミと共に繰り出されたのは、冗談のように巨大な石の拳。
魔法陣グルグル出典、『勇者の拳』。

「――って、ここまで盛り上げといてギャグ展開かよッ!?」

気絶していると思い込んでいた666からの不意打ちに、熱血王子は一言叫ぶのが精一杯。
避ける間もなく、そのまま思いっきり弾き飛ばされて……
遥か遠くの空に吹き飛ばされ、見えなくなった。

  ★  ★  ★

1753愛ゆえに:2008/02/03(日) 22:54:00 ID:XoqgCN2s0

「……我ながらツッコミのキレが甘かったな。残念ながら、あれではきっと大したダメージにはなるまい。
 追いかけるべきかもしれないね」
「あ……あああっ……!」
「ああ、『死んだフリ』なんて姑息な真似して、済まなかったね。心配させちゃったかな。
 なかなか武器を持ち換える余裕がなくて……キミが気を引いてくれて助かった。
 痛かったかい? 怖かったかい? 怪我とか、していないかな?」
「う……ううん……それより、その顔……!」

666は微笑む。穏やかに微笑みながら、ネコミミストの身を案じる。
ネコミミストはしかし、涙をボロボロと零して。激しい自責の念に表情を歪ませる。

地獄紳士666の端整な顔は、片目が潰れていた。

あの、弾いた刃が顔に命中する刹那――。
666は咄嗟に首を逸らし、避けようとしていたのだ。
そのお陰か、傷は深い所でもほんの1センチほど。刃は頬骨を削り右目を潰し、しかし脳にまでは到達せず。
片目を失ったが、命には別状のない範囲に留まっていた。
熱血王子が手応えで気付けなかった理由は2つ。
手首を斬りおとすことにのみ特化した剣術経験と、手応えを感じさせない鋭すぎる切れ味のせいだった。

綺麗に縦に走った傷跡は、まるで道化師のメイクにも似て……
しかし、眼球からドロリと零れた粘りけのある液体が、メイクでも冗談でもないことを示していた。
右目の視力は永遠に失われ、傷跡もきっと残ってしまうだろう。
社会的に、身体的に、そして未来ある女性として、あまりにも大きな代償――しかし666は優しく微笑む。

「そんな顔をしないでくれたまえ。私も生き延びた、君も生き延びた。それでいいじゃないか」
「で、でも……でも、私がもっと早く勇気を出せていれば……! もっと早く頑張っていれば……!」

ネコミミストは泣く。自分を責めて、泣き続ける。
666は、いつまでもそんな彼女を抱きしめ、頭を撫で続けた。

  ★  ★  ★

1754愛ゆえに:2008/02/03(日) 22:55:13 ID:XoqgCN2s0

本当のことを言えば――
こんな傷を負わずに済ませる方法はいくらでもあった。熱血王子を返り討ちにする手段もあった。

『シルバースキン・アナザータイプ』を使っていれば、防御面は完璧だった。
『レイジングハート・エクセリオン』を呼び出し、バリアジャケットを展開しておいても鉄壁だった。
どちらも『ドラゴンころし』を扱う上で問題は起こさない。どちらかでも使って入れば、この怪我は防げた。
いや、それどころか。
『レイジングハート』があったなら、空中から魔法で一方的な攻撃をすることも可能だったのだ。
『ゲイボルグ』を手にその真名を開放すれば、確実な死を届けることも可能だったのだ。
『ミニ八卦炉』でも火力は十分、『メタルイーター』を撃っていればきっと死体も残らない。

そう。
考えうる選択肢の中でも、『ドラゴンころし』と『勇者の拳』は、この相手にはいまいちの選択だったのだ。
相手の土俵に合わせ過ぎな巨大な剣と、逆転の一撃にしてはギャグ度が高すぎる巨大な拳。
絵的には映えるが、実戦的ではない。
そしてこういう結末になってしまった後でも、まだ『エリクシール』がある。
残り1本の万能治療薬を使えば、この程度の傷は痕も残さず治ってしまうはずだ。
エリクシールを温存するにしても、『シルバースキンAT』の核鉄を当てておけばいずれ癒える可能性もある。

だが――彼女はそれらの選択を選ばなかった。
思いつかなかったのではなく、「あえて選ばなかった」のだ。
何故なら。

(ああ、確かに痛いよ。
 この傷はすごく痛い。片目が潰れてしまったのはとても悲しい。顔に傷が残ってしまうことは憂鬱だ。
 その苦痛、喪失感、絶望感は相当なものだ。
 けれど――)

派手好き地獄紳士666は、歪んでいた。
正常は判断能力は残しつつ、価値基準において正しく狂っている。
そんな彼女にとって、己の身についた傷などよりもっと重要なことがある。もっと大事なことがある。

1755愛ゆえに:2008/02/03(日) 22:57:17 ID:XoqgCN2s0

(ああ、衝撃のネコミミスト! 私の愛する乙女!
 君はもっと痛いだろう!
 君自身が傷ついた時よりもなお痛いだろう!
 君は頭の良い子だ。
 君は人の痛みが分かる良い子だ。
 私が感じる痛みも喪失も、全て手に取るように分かってしまうことだろう。
 君のようなタイプにとっては、自分の怪我よりも他人の怪我の方が遥かに重い。
 自分の痛みなら我慢できる。けれど、他人の痛みに我慢を強いることは出来ないからだ。
 そして君は、自分を責め続ける。私に負い目を感じ続ける。
 『自分に勇気が無かったせいで、仲間に一生消えない傷を残してしまった』――
 ああ、その自責の念こそ、一生消えない心の傷となるのだ!
 君は私のことを一生忘れることはない。
 君は私に負わせたこの傷のことを一生忘れることが出来ない。
 君はあっさり忘れてしまうような薄情な子ではない。
 かくして私は、君の心の中で永遠の命を手に入れる!)

そうなるために、あえて不利になる武器を選んだ。
そうなるために、あえて疲れたフリをして見せた。
そうなるために、あえて剣を弾き、あえて顔に受けた。
命に直結するような怪我ではなく、人間として女性として、悲惨な印象の強まるような怪我を、あえて受けた。
まだ死んでみせる頃合ではなかった。
そして「手首だけを狙う」という敵の性質上、この種のコントロールは容易な相手だった。
限りない実力を持ちながら、素直に勝利を目指したりしない666の性向。
666は真にネコミミストを愛していた。ただ、その愛は、どこまでも深く歪んでいた。

(この経験は、きっと君を変える。より積極的な少女へと君を変える。
 私の手で、君は変わるんだ。
 もう君は私の後ろで震えているのを良しとはしないだろう。
 もう君は残酷な運命を前に怯えたりはしないだろう。
 『牙なき人たちの剣になる』――その茨の道を、どこまでも進んでいくことが出来るだろう。
 血の涙を流しながら、1歩進むごとに傷つきながら、それでも止まらずに進んでいけるだろう。
 私はそんな君を愛しているんだ。
 本当に、心の底から愛しているんだ)

今後懸念されるのは、ネコミミストが「前に出過ぎる」展開だろうか。
その時こそ666は彼女を守ってやらねばならない。
ネコミミストの命を守ってやらねばならない。幸い、後方支援向きの武器は『宝物庫』にいくつもある。
それらを駆使すれば、きっと守りきれる。きっと彼女を支えられる。
そして時期が来れば、666自身の命と引き換えにしてでも。

泣き続けるネコミミストを胸に抱きしめながら、666は、真に心の底からの微笑みを浮かべたのだった。

1756愛ゆえに:2008/02/03(日) 22:57:41 ID:XoqgCN2s0

【早朝】【D-5 街】
【衝撃のネコミミスト@アニ2nd】
【装備】:拡声器
【所持品】:支給品一式
【状態】:疲労中、精神的に消耗。
【思考・行動】
基本:殺し合いに乗るつもりは無い。前に進む。
1:スクライドの遺志を継ぎ、牙なき人の剣になる。積極的にマーダーキラー路線。
2:666を今のところ信用。
3:薬局か病院を探し、666の傷の手当てをする。
4:熱血王子と再会したら、今度こそ彼を止める。
※衝撃波を使えます。掌からだけでなく、足の裏からも出せるようになりました。
※「大あばれ鉄槌」を幼女好きの変態と勘違いしています。

【派手好き地獄紳士666@LSロワ】
【装備】:ゲート・オブ・バビロン@アニロワ2nd(※特殊仕様)
【所持品】:支給品一式
【状態】:右顔面に刀傷(右目失明)、身体中に細かい掠り傷、疲労、精神的には激しい充足感
【思考・行動】
基本:衝撃のネコミミストを地獄に落とし且つ狂わせずに生かす。ネコミミスト心から愛してる。
1:ネコミミストを護りつつ、出来るだけ精神的に傷付く方向に陰ながら誘導する。
2:ネコミミストに愛されるよう務める。
3:死ぬ時は出来るだけネコミミストの心に傷を残す形で死ぬ。
※ゲート・オブ・バビロンで出せるアイテムをどれも『一応は何とか使いこなせ』ます。
 エリクシールは1本使用済みです(残り1本)。
※「大あばれ鉄槌」を(ロリ的に)危険人物と断定しました。

【早朝】【???】
【熱血王子@漫画ロワ】
【状態】:全身に軽い打撲
【装備】:『破棄すべき全ての手』、ウルトラリング
【所持品】:支給品一式
【思考・行動】
基本:手首を狩り尽くし、復讐を果す。
1:666とネコミミストと会ったら今度こそ手首を狩る
2:逃げていった最速の人達をもう一度見つけ出し、手を狩る
※現在は、ウルトラマンメビウスのヒビノ=ミライの様な容姿です。
※変身時の姿は銀目銀髪の高町なのはの顔に、ウルトラマンレオの体、声は赤木しげるです
※【『破棄すべき全ての手(リスト・ブレイカー)』@漫画ロワ&誤爆スレ】
 一話で二人の人間の手首をはねた逸話に由来する宝具。
 真名を解放しながらの攻撃は、全て手首を斬り飛ばす一撃となる。
 ちなみに外見はfateのルルブレ。存在は誤爆スレと漫画ロワ毒吐きを見て勝手に作った
※【『ウルトラリング(書き手ロワ特別バージョン)』】
 透明な麻雀牌がついた指輪と、レイジングハートがついた指輪の二つで一つ。
 この二つを合わせる事により、戦闘形態へと変身を遂げる。

※D−5の町からどこかに吹き飛ばされました。どこに落ちたかは次の書き手さんにお任せします。
 大した怪我は負っていません。
※この3名の戦いを見ていた者が他にもいるかもしれません(前の話に出た他の参加者等)。
 少なくとも外部からの介入は間に合いませんでした。

1757名前を捨てた人:2008/02/03(日) 22:58:41 ID:XoqgCN2s0
以上。
……これがLSロワクオリティ。
愛してるよネコミミスト、愛してるよ地獄紳士

1758名前を捨てた人:2008/02/03(日) 23:00:00 ID:Or9Zy7J60
今日一日で四本か、大量すぎるなwwwwwww

1759名前を捨てた人:2008/02/03(日) 23:00:05 ID:Or9Zy7J60
今日一日で四本か、大量すぎるなwwwwwww

1760名前を捨てた人:2008/02/03(日) 23:01:54 ID:CDK/FEJM0
今ひどい策士を見たwww

1761名前を捨てた人:2008/02/03(日) 23:02:39 ID:Or9Zy7J60
二重投稿の上に書き込んでいるうちにさらにもう一本キタコレ

つーわけで、そろそろ第一放送か。

1762名前を捨てた人:2008/02/03(日) 23:02:50 ID:XoqgCN2s0
おっとミス発見。
>>1758 の熱血王子の状態表が、変身前の表記になってました。
正しくは変身後です。

1763名前を捨てた人:2008/02/03(日) 23:03:23 ID:nWuYjwFg0
乙です。
まさか即リレーを味わえる日が来るとは思いませんでしたwww

1764名前を捨てた人:2008/02/03(日) 23:11:28 ID:jhEYuMTA0
一瞬『我が身は牙持たぬ者の剣也』が『我が身は牙持たぬ者の剣鉄也』に見えてしまった

1765名前を捨てた人:2008/02/03(日) 23:18:07 ID:kOweOVSYO
俺も「なんでここでプロが?」と首を傾げて、読み返して納得したw

1766名前を捨てた人:2008/02/03(日) 23:48:49 ID:RqP4wRDU0
大量投下GJ!
何とか第一放送まで生き残ることができたか…。

1767名前を捨てた人:2008/02/04(月) 00:14:35 ID:99K1Dh72O
絶対生き残れないと思ってたんだが…何だかんだで頑張ってるみたいだな、俺よw

1768名前を捨てた人:2008/02/04(月) 00:16:17 ID:vCSn.Atw0
何でここはこんなにも盛況なんだwww

1769名前を捨てた人:2008/02/04(月) 00:23:13 ID:bzAIkB1IO
俺が生きていられたのは、間違いなく一緒にいる書き手さんのおかげだと思う。
その人と会わなければ、確実に空気化しながらあっという間に死亡してたな。

1770名前を捨てた人:2008/02/04(月) 00:26:58 ID:nKEfFRyw0
「があっ!!」
 長大な剣が高速で、地図氏の頭上めがけて弧を描く。
「う〜ん、痛そうだ――なぁっ!!」
 咆哮が空気を割いた。
 殺気が、最速の男を貫いた。
 袈裟懸けの一撃を最速の男は最速で剣を引き戻す。
 禁――と一音。
 地図氏の手には、鎖鎌があった。
 竜殺しの腹の上で、跳ね上がった分銅が地面に落下する。
「おい……。鎖鎌なんぞどっからだした?」
「HAHAHA! 知らなかったのか、ヒューマン? 私には投影が可能だということを」
「そりゃ、書き手1stの能力だろがっ!! しかも地図限定のはずだろうがっ!!」
 わめきざま、最速の男は竜殺しを振るう。
 長大な横薙ぎを長大な剣が受け止めた。
「……次は鳳凰寺風の剣かよ」
 呆れと皮肉を存分に込めて、最速の男は呻いた。
(しっかし、デケェ剣だな……。どうみても女が使えるサイズじゃねーぞ)
 自分の持っている剣のことは成層圏の彼方に投げつつ、最速の男は心の中でぼやいた。
(しかも、この力ぁ……)
 最速の男の両腕の筋肉が膨れ上がる。
(とんでも、ねえ!)
 押されているのだ、片手一本で。
 軋む刃が徐々に最速の男に向かう
「吸血鬼に力を比べを挑むのは無謀。他の手段を考えるべき」
(長門かよ……。そんなにアーカードになるのが嫌かコラ!)
 いつの間にか制服姿の女子高生に姿を変えている地図氏に向かって最速の男は悪態をつく。
 しかし、ツッコミを入れている余裕もない。
(だが、力だけでどうにかなるほど――)
 ふっと力をぬく。
 地図氏の左腕が力のベクトルをそらされて上にそらされ、その体が前におよぐ。
「甘くねぇえんだっ!!」
 超重量の斬撃が、旋風をまいて地図氏の顔面に激突した。
 ビグシャガッっと異様な音が響いた。

1771アーカードVSガッツ!?:2008/02/04(月) 00:29:19 ID:nKEfFRyw0
 最速の男の背筋を氷塊が落ちた。
「ふはぁまえたっ!」
 半壊した顔面の中から声がする。
 地図氏の奥歯が竜殺しを噛みとめていた。

 ずどん。

 地図氏と最速の男が同時に弾けとんだ。
 地図氏の鉄拳が最速の男の胸板に突き刺さる寸前――否、突き刺さった瞬間、
 最速の男が義手から砲弾を発射したのだ。
「がはっ!!」
 最速の男の口から血が噴出した。
 鎧の胸部が凹んでいる。
(こりゃ、ヒビぐらい入ってやがるな)
 最速の男が憎悪を込めて見つめる先、
「素晴らしい……。その反射速度、判断速度、実にすばらしい!」
 ざわざわと地図氏の足が蠢き、みるまにその足が再構築されていく。
「愉しい愉しい、キサマをカテゴリーA以上の化物と認識する!」
「そりゃ、どうも……」
 地図氏の愉悦の混じった狂気の視線と最速の男の殺意の篭った視線が虚空で激突。
「しかしこれ以上のアナタとの戦闘継続は無益と判断した。
まだ敵は多く、これ以上の損傷と体力の低下は得策ではない」
「……黙ってやられてやるつもりはねぇんだが?」
「だから速攻で片付けちゃうことにしたの! 銃でっ!!」
(そんっなに、アーカードが嫌なのか!?)
 地図氏がまとうはゴシック調の赤いドレス、そして手にはソード・カトラス。
 見まごうことなき、銃撃女・ラジカルレヴィさんであった。
「つーことで、さっさとケツから鉛のクソしてくたばれや!」
 咄嗟に最速の男は、竜殺しを翳す。
 鉄塊は、銃に対しても十分な盾となろう。
「無駄だぜ……。くらいなっ! スーパーキョン・タイムっ!!」
 地図氏以外のモノ、全てがスローとなる。

1772アーカードVSガッツ!?:2008/02/04(月) 00:30:27 ID:nKEfFRyw0
 その中を地図氏は悠然と進んでいく。
 地図氏の唇が弧を描いた。
「こぇぇか? まぁ、そりゃこええだろうなあ。
体がゆっくりとしか動かねえのに、意識は元のまんまだもんなぁ……。
クク……。ぜいぜい、ガタガタふるえながら神様にお祈りでもしてくれや」
 ぴたりと銃口が最速の男の脳天を捕えた。
「ワリィな、この技はそう何度も使えねぇんだ。つーことで、死に――」

(ラディカルグッドスピード碗部限定!!)
 
 最速の男の腕に装甲が発生。
「な、なにぃ!?」
 スーパーキョンタイムのスローさとラディカルグッドスピードの超速が相殺。
 つまり、最速の男の腕は通常の速さ。
 地面から竜殺しの刃が跳ね上がり、地図氏の腕を切断。
 飛ばされた腕が赤い飛沫と共に宙を舞った。
 地図氏の目が飛ばされた腕を追う。
 機、なり。
 脱兎の如く、最速の男は窓に向かって突進していく。
「待ちやが――」
 最速の男が振り向きざま、何かを投擲。
 その時には既に地図氏は腕の再構築を終えていた。
 無造作に照準。発砲。
 爆裂。次の瞬間――部屋は白い粉塵で多い尽くされた。
「ケホっ……。消火器かよ」
 舌打ちしつつ、地図氏は銃をおろした。
「逃げやがったか……」
 逃げるのも最速かよ、などと思いつつ、地図氏は頭をかいたのであった。

【早朝】【F-3 ホテルのロビー】
【地球破壊爆弾No.V-7@アニロワ1st】
【状態】(〓ω〓.)、ダメージ(中)顔面に傷跡、右腕に深い裂傷(どちらも再生中)
【装備】なし
【道具】支給品一式、未定支給品×1(本人確認済み)
【思考】
 基本:闘争を愉しむ
 1:ちょっと休むか
 ※変化する姿に7つのバリエーションがあるらしいです。
 【1:地球破壊爆弾】【2:アーカード】【3:長門有希】【4:泉こなた】
 【5:銃撃女ラジカル・レヴィさん】【6:?不明?】【7:?不明?】
 ※基本的に中身はアーカードで、CVは平野綾です
 ※クーガーの早口台詞が言えます!
 ※鎖鎌、鳳凰寺風の剣、ソード・カトラスが投影可能です
 ※「スーパーキョンタイム」地図氏以外の者はゆっくりとしか動けなくなります。一度使うとそれなりの時間使用不可能です。

1773アーカードVSガッツ!?:2008/02/04(月) 00:32:56 ID:nKEfFRyw0
(ふざけやがって……。アーカードってレベルじゃねえぞ!)
 神行法を発動させてホテルから遠ざかりながら、最速の男は悪態をついた。
(こりゃ手段なんぞ選んじゃいられねえ……やっぱここは……)
 
 ――仲間を集めてフルボッコだな。

 次に会うときは、「孤城の主」を実現させてやると、最速の男は誓うのであった。


【神行太保のDIE/SOUL@アニロワ1st】
【状態】激怒  胸部にダメージ
【装備】竜殺し@ベルセルク、ガッツの装備一式@ベルセルク
【道具】支給品一式、拡声器(本人確認済み)
【思考】
 基本:地図氏は殺す。
 1:今の所は逃げる。
2:仲間を集めて「孤城の主」を実現させる
 ※容姿はガッツ@ベルセルクです。
 ※神行太保・戴宗の神行法(高速移動)が使えます。
 ※ラディカルグッドスピード腕部限定は、腕だけが速く動きます。

1774アーカードVSガッツ!?:2008/02/04(月) 00:33:24 ID:nKEfFRyw0
投下終了です。

1775名前を捨てた人:2008/02/04(月) 00:48:51 ID:vCSn.Atw0
投下乙!よく考えたらドラゴンころし二本あんのかwwww
そして地図氏はあと二回変身を残しているwwwこれなんてフリーザ様?

1776名前を捨てた人:2008/02/04(月) 00:51:19 ID:NxCV57D.0
もう一本あるよw

1777名前を捨てた人:2008/02/04(月) 01:01:05 ID:5XCswacw0
>>1729
スーパーかがみん様たのもしい。たのもしいが超限定的だなおいw
というか心から絶望した時にだけ顕現って条件を知ってしまうと、
次からは追いつめられても絶望出来なくてそのままやられそうな気がするw

>>1740
投下乙。良いな。やはりロリ好きは互いを見抜けるのか!
それよりもバーボンハウスっぽいバカップル幻想に吹いたんですがw

>>1757
素敵にすぎる。
マーダーを撃退して対主催を育ててるのに凄まじく邪悪な気配がするよw
あとネコミミストは良い子だな。うん、前向きなのは良い事だ。多分。

>>1774
地図氏にフリーダムを感じた。いや、こう書いても意味不明ではあろうが。
姿6と7に何が出てくるのか期待してしまうw

1778名前を捨てた人:2008/02/04(月) 01:23:31 ID:BAjLRelk0
あれ、もしかして放送いける?
ってか誰か書いてる人いるかい?

1779名前を捨てた人:2008/02/04(月) 02:08:42 ID:wfl..SJ6O
出来ることなら放送は鳥付きで書いて欲しいなw

1780名前を捨てた人:2008/02/04(月) 02:11:57 ID:GqQbF6k.0
MAPだよー。
ttp://blogimg.goo.ne.jp/user_image/53/c1/cb970765876e032c080b4c210f2d1119.png

>>1778 今書いてるんで、ちょっと待ってて。

1781名前を捨てた人:2008/02/04(月) 06:52:15 ID:3JFQumM60
>>1780
今気づいたが、メリーゴーランドオルセンは既に死亡している。

1782名前を捨てた人:2008/02/04(月) 09:21:55 ID:96e.0oVkO
そういえば放送で名前呼ばれても、あだ名だから「自ロワの誰?」って事になるんじゃないか?

1783名前を捨てた人:2008/02/04(月) 10:41:01 ID:824xChO20
つーかこの放送、もしリアルでこの会場にいたとしても確実に吹くなw

1784POWER STAGE:2008/02/05(火) 02:04:10 ID:970wTDas0
「ら〜いどーん しゅーてぃんすた〜♪ ここーろーのーこ〜え〜で〜……」

夜明けも近く、色を青白く変化させてより無機質さを増した静かなビル街。
そこを力無い声を零しながらフラフラと歩く一つの小さな影があった。

「お腹が減った〜……」

足取りが揺れるたびにその膝裏まで届く長い髪も一緒に揺らしているのは、こなたの姿をした地球破壊爆弾No.V-7だ。

「……さっきのは流石にちょっと力を使いすぎたなぁ」

言いながら地球破壊爆弾はへこんだお腹を抑える。
複数回の変身にアイテムの投影。さらにはスーパーキョンタイム……相手が相手だったとしても、力の使いすぎだった。
最速の人を追って燃え盛るホテルから脱出した後、支給品の中にあったチョココロネをかじってはみたものの、
所詮吸血鬼の身であってはそれは回復の役に立つわけも無く、気持ちを少し高揚させる程度にしかならなかった。
とりあえずは道の隅っこに丸まって休んだおかげで身体の形は再生したものの、減った生命を取り戻そうとする渇きは募るばかりである。

「どっかに可愛い女の子はいないものか……」

とりあえずはこの渇きを癒したい。
できれば、出会ってもガチバトルには発展せず、大人しく血を吸わせてくれる可愛い女の子だといい。
――などと考えながら地球破壊爆弾はビル街をフラフラと彷徨う。

と、何かに気付いたのか地球破壊爆弾が不意に跳躍。そして、近くにあった信号機の上に降り立つ。
前屈の体勢で足元を覗く彼女の足の間――そこには一つの黒い箱があった。

「見えてますか〜? 聞こえてますか〜?」

黒い箱の前面には真ん丸なレンズが一枚あり、彼女の顔を逆様に反射している。つまり、これは監視カメラだった。
会場内に無数と配置された監視カメラ。それを覗いていている相手が『彼』であることを期待して、彼女はそこに語りかける。

「ぱわーすてーじ。ナイスライブ。ナイス生き様だったよw しかとこの眼に焼き付けたからね。キヒヒ……。
 選曲もグッドチョイス! 次があったら、私はクレイジーサンシャインかブルースドライブモンスターを希望です。
 後、同じ学校の女の子の方のボーカル。彼女いい声してたね〜……」

んと、それぐらいかな? そう締めくくると、地球破壊爆弾はくるりと回転し、猫の様に地面へと戻る。

「とりあえずは、朝ごはんだよね〜……」

そして、再びフラフラと夜明け前のビル街を彷徨い始めた。

1785POWER STAGE:2008/02/05(火) 02:04:33 ID:970wTDas0
 ◆ ◆ ◆


冷たい道路の上に積み重なる朝靄。それを掻き分け疾走する一つの黒い影があった。
最速の人――神行太保のDIE/SOULである。
その黒く鈍重そうな見た目からは想像もできないような速さで、彼は早朝のビル街を駆ける。

「(ホテルに集まってたやつらは、もう近くにはいないのか……?)」

対アーカードフォーメーション――『孤城の主』を作り上げるために、まずは人集めとあの後より走りっぱなしだった彼だが、
数時間経っても目当ての対主催参加者はおろか、マーダーの一人とも出会うことが出来ずにいた。

「(……地図がないってのは、痛いな)」

市街地であることから、とりあえずはここらへんが中心部――人が集まる場所であるだろうと彼は当たりをつけていたが、
地図が無いことにはそれを確認する術は無い。
パロロワの様式に則れば、まずは地図上に記載された建物へと向うのがセオリーだが、やはりそれも地図あってのものである。

「でっちあげる。……ってのも一つの手か?」

言って、ピタリと最速の人は足を止める。
街の中で周りを見渡せば、無個性なビルだけでなくスポーツジムやコンビニ。カフェや銀行などを見つけることができる。
そしてそれらを丁寧に描写していけば、ここはただの『ビル街』ではなくなっていくという寸法だ。

「(朝時。放送も近いとなりゃあ……食事処だな)」

最速に人は視線をのばし、そこに一軒のファミリーレストランを『見つける』。
対主催チームが放送を前に休憩を兼ねて食事を取りながら情報交換……ありがちな光景だ。
そんなありがちな光景――それが、彼の期待通りにそこに存在した。

「――ビンゴ!」

にやりと顔を歪める最速の人の視線の先。ガラスウィンドゥの中に目当ての集団が見える。
確認できるのは四人。……ハクオロ。……ゼロ。……柊かがみ。……そして、

「(……あの後ろ姿は梨花ちゃんだろうか? だとしたらステルスの可能性もあるが)」

まぁ、それでもあれが対主催のチームであることには変わらない。
最速の人はそう考えると意を決し、彼らと出会うべくファミリーレストランの入り口へと足を向けた。

1786POWER STAGE:2008/02/05(火) 02:05:00 ID:970wTDas0
 ◆ ◆ ◆


「レトルト……って知っちゃうと、ちょっと味気ない気がしないでもないけど。
 誰が作ってもそれなりにってところはありがたいわよね。私、料理は得意じゃないし」

ファミリーレストランの中、窓際の四人掛けのボックス席の中で柊かがみの姿をしたロリスキーはそんなことを言う。
彼女の目の前、テーブルの上には湯気をあげる人数分のカレーライスが並べられていた。
同伴するマダオ。ギャルゲロワ版最速の人。ウッカリデスと彼女の分。合わせて四皿である。

先の言葉の通り、ファミレスの中でこれを見つけて調理(レンジでチン)したのはロリスキーだ。
調理するにあたってそこにあったエプロンを身に着けているため、今は全裸にタイツという姿からは脱却している。
最も、このファミレスにあったエプロンは実用性よりも見栄えを重視しているため、ヒラヒラで身体を覆う面積は少なく
チラチラとそこやあそこが覗く様になった分、むしろエロティシズムは大幅に上昇していた。

「さぁ、食べましょう。……うん。悪くない味ね♪」

みんなを促しながら、口へとスプーンを運びロリスキーはその味に舌鼓を打つ。
彼女の隣りに座っている最速の人も同じ様にし、そして同じ様にその味に舌を喜ばせていた。だが目の前の二人は……、

「どうしたんだ食べないのか? 中々うまいぞ」

カレーに手をつけない二人を訝しがって最速の人が声をかける。何故、彼らは食べないのか?

「それが……、仮面が外れないんで……食べれません」
「吸血鬼だからな。食物よりも血液の方がありがたいんだ。……できれば、この後病院を探してくれると助かる」

そうか。と、最速の人とロリスキーは納得した。だが、マダオはともかくウッカリデスの方は少しアレだ。

「仮面が外れないって、あんたこの後どうすんのよ。二日三日も飲まず喰わずですごすわけ?」
「……まぁ、水とかならストローを使えば隙間からなんとか。僕も後でコンビニによってゼリーとか探します」
「ふーん……。まぁ、それなら大丈夫そうね――って、お客さんがきたわよ」

ロリスキーの視線の先。自動ドアを潜って神行太保のDIE/SOULがその巨躯をファミレス内へと滑り込ませてくる。
描線が多く黒く描き込まれた鉄と筋肉の塊は、現代社会をモチーフとした舞台の上ではかなり異質な存在だ。
あまりの風体の恐ろしさにロリスキー達は身構えるが、近づいてくる彼には一切物怖じする様子はない。

「対主催チームかと思ったが……、ハクオロとかがみがカレーを食ってるってことは、おまえら自殺志願者の集まりか?」

いきなりかけられた男の言葉に、言われた内のロリスキーの方は頭に?マークを浮かべている。
だが、もう一方の最速の人は違った。

「君が言いたいことは解るよ。カレーは死亡フラグ……だろ?
 だが、『それがイイんだ』。ディモールトにね。私はこのフラグという『試練』を乗り越えるつもりなのだから」
「……なるほど。だったら、俺は失礼なことを言ったな。非礼を詫びるよ」
「って、あんた解ってて私にカレーを作らせたのっ! ていうか、私もうカレー食べちゃったじゃない!」
「うっかり食べなくてすんだのはよかったけど。アイデンティティー的にどうなのかなこれは?」
「あえて困難を呼び込む……。フフフ、これはよい熱血」

喧々諤々と内輪喧嘩をはじめたロリスキーと最速の人に、黒鉄の男はボリボリと頭を掻く。

「そうやって和気藹々とするのも死亡フラグの一つなんだが……、まぁいいか」

1787POWER STAGE:2008/02/05(火) 02:05:20 ID:970wTDas0
テーブルの上に余っている二人分のカレー。腹も減ったし自分も貰うか……と、手を伸ばした時彼はそれに気付いた。

「――て、てめぇ! なんで此処にいやがる――ッ!」

突然の怒声にファミレス内は静寂に包まれる。
黒鉄の男、そして他の全員から視線を浴びせられているのはロリカードことマダオだった。

「初対面のはずだが、どうやら人違いをしているらしい……」

立ち上がり優雅な所作で通路へと出たマダオの前に立つ黒鉄の男は、すでにその巨大な鉄塊を構え戦闘体制に入っている。

「ステルスたぁ、らしくねぇなアーカード。さっきの今だが、出会ったからには仕方がねぇ――殺すッ!」
「(アーカード……。なるほどなるほど――キャラが同じなのか。これは後に同キャラ戦を期待してもよいのだろうか)」

剣呑な気配を吹き付けてくる男を前にしてもマダオは至極冷静だ。
誤解フラグによる対主催同士の殺し合いというのは普通避けたいものだが、彼女にとっては逆にそれがよい。

人違いから始まる戦闘――その中で解ける誤解――深まる友情――共に戦う戦友――壮絶な別れ。そして、受け継がれる遺志。

「うむ。素晴らしくよいぞ。では闘争だ――と言いたいが、ここは手狭だな。場所を移そう」

マダオはその愛らしい童顔に獰猛な喜色を浮かべ、警戒する黒鉄の男を伴い自動ドアを潜ってどこかへと姿を消した。
そして、ロリスキー達前回の被害者達がファミレス内へと残される……。

「あれ、どうにかしないと集まった仲間が全員満身創痍ってことになりかねないわよ」
「うーむ。それはそうだが、我々の実力ではいかんともしがたいしなぁ……」
「……ですよね。できることと言ったら、せいぜいあの大男さんが無事に帰ってくるよう祈るぐらいのものです」


 ◆ ◆ ◆


「ぴんぽんぴんぽ〜ん♪ お一人様ですよ。ウェイトレスさん〜……」

二人がファミレスより姿を消していばらく後、3人が食事を終えドリンクバーのジュースを混ぜて遊んでいる頃に彼女はやってきた。
自動ドアを潜ったところで(〓ω〓.)<こんな顔をしてぼーっとしているのは、カレーの匂いに釣られた地球破壊爆弾である。

「いらっしゃいませーって、あら? こなたじゃない。あなたは何処の書き手さん?」

ウェイトレスと呼ばれたからか、パタパタとフリルいっぱいのエプロンを翻してロリスキーが出迎える。
徹夜明けっぽい気だるげな表情の地球破壊爆弾だったが、目の前に現れたのが裸エプロンのかがみんだと気付くと――、

「かがみんだーッ☆ いっただきま〜すッ♪」

――ルパンダイブよろしく服だけをその場に残してロリスキーに飛び掛り、あっと言う間に組み伏せるとぱくりと彼女を噛んだ。

1788POWER STAGE:2008/02/05(火) 02:05:40 ID:970wTDas0
 ◆ ◆ ◆


かぷっ――という気の抜ける効果音と共に首筋を噛まれたロリスキーだったが、その次に来たのは魂が抜けるような快感だった。

「――あっ! ……っ! ひぁ……」

溢れる快感に思考を根こそぎ持っていかれ、何がどうなっているのか解らなくなる。
解るのは裸のこなたに抱きつかれ、噛み付かれている。そして、そこから血を吸われているということだけ。
後の全部は、今までに感じたことのないえもいわれぬ快感。あまりにも艶かしい感触。

「はぁっ……うぁあ……、んぁ…………!」

ぴたりと首筋に張り付いた、しっとりとしていて小さく弾力のある唇の環。その中に篭る桃色の熱い吐息。
まるで初めからそこに挿し込まれる孔があったかの様にスムーズに入り込んだ白く長い犬歯。
肉を掻き分け動脈までに達したその牙の隙間から血が吸われる度に、頭が真っ白になる様な快感に襲われる。
孔の淵から零れた血を掬う小さな舌が肌を掠める瞬間、太腿の付け根から足の指先まで電流の様な感触が走る。

「あぁ……ん…………ぅ、…………ひぃ、……ぁ!」

重なりあった白い肌はまるで上等な絹の様な滑らかさで擦りあわされ、その感触を求め合い互いに身体を絡めあう。
程無くして互いに全身が薄紅色に上気し、浮かんだ汗やその他のものが潤滑油となって交合を促進する。
ぬるりぬるりと光を反射する濡れた身体を、まるで隙間に埋め込みあうように押し付けあう姿は非常に官能的だ。
全身を強張らせ、時折びくりと跳ね上げさせながら二人はまるで一つの生物であるかの様にお互いを重ね合う。

「――ッ、うわぁあ! あぁッ! はぁん――ッ! あっ、あっ……」

挿し込まれた長い牙が、角度を変えそしてより深く突き立てられる。
その先端が当たる場所が変わり、新しくより深未知の感触に身体が慄き、同時に歓喜に震える。
拡げられた孔からは更に多くの血が零れ、忙しく動き回る舌の感触に今までにない痺れが全身を走る。
嬌声を吐き出すばかりで全く役割を果たさない肺のせいで、意識に靄がかかりさらに現実感が奪われてゆく……。

「…………ッ! …………、………………――! ――! …………」

どこもかしこもヌトヌトで、まるで全身が熱い泥と化した様だと覚える。
絡み合う身体の何処を何処までが自分でそして相手なのか、隙間を流れる液体が汗なのか涙なのか涎なのかも、もう解らない。
ただお互いの心臓が奏でるドクンドクンと響く二重奏と、首筋に重ねられた相手の激しい息の音だけがはっきりと聞こえる。
上も下も時間も無く、何もかもが曖昧でそれでいて快楽だけが溢れていて……溺れ……沈んで……――。

1789POWER STAGE:2008/02/05(火) 02:06:05 ID:970wTDas0
 ◆ ◆ ◆


「……ふぅ。ごちそうさまでした」

一つになっていた身体が離れ、覆い被さっていた小柄な方がぬらりと立ち上がる。
全身も、そして床につきそうなぐらい長い髪のその先端までもが熱く濡れており、まるで油の風呂から上がってきたかの様相だ。

「かがみ汁は最高だなぁ……。元気100倍になったよ」

妖しく笑う地球破壊爆弾の足元では、同じ様に全身を濡らしたロリスキーが意識を失いびくりびくりと身体を揺らしている。
所々に紅い、そして場所によっては白い濁りを交えた琥珀色の液体は、どこからこんなにという程の量で床にも大きく広がっていた。
そして、その床の先に黒く濁った血を零す二つの身体が横たわっていた。
テーブルと椅子に突っ込み、身体を不自然な形に歪ませているのは彼女達の食事を邪魔した無礼な男二人である。

「とりあえずは、場所を移そうか……。ここだとそろそろ不味いし」

視線を窓の方へと移せば、外は白み始めそろそろ夜が明けるといった風情である。
吸血鬼である地球破壊爆弾にとって、致命的ではないにせよ太陽の光はあまり気分のよいものではない。

「かがみんゲットだぜ☆ っと――!」

ぬるぬると滑るロリスキーの身体を小さな身体で器用に持ち上げると、地球破壊爆弾はそのままの姿で其処から姿を消した。


 ◆ ◆ ◆


「――…………ヘルメットが無ければ即死だった」

言いながらウッカリデスはその身体を真っ二つに折れたテーブルの隙間から抜き出す。
仕切りの板三枚にテーブル二つと、椅子四つを破壊して壁に突き刺さっていたウッカリデスだったが、
どれも頭から突っ込んだことと被っていた蝶高性能ヘルメットのおかげで、なんとか気絶するだけに済んでいたのだった。

「カレーに手をつけなくて正解だったな。っと、最速の人は無事かな……?」

あの人はカレーを食っていたなと思い返しながらウッカリデスは彼を探すが、それに労力は全く必要なかった。
床に零れた大量の血が彼の居場所を教えていてくれたからだ。

「うげぇ……酷いなこれは。……あっ、でもまだ生きているぞ」

サラダバーの真ん中に卍の様な体勢で突っ込んでいた最速の人だったが、幸か不幸かまだその息はあった。
全身ボロボロであったが、元々頑丈なのか辛うじて命だけは繋ぎ止められている。

「血かと思ったらそうじゃないし……。そう言えば血は鉄の匂いだっけ?」

床に広がった赤黒い液体は血――ではなく、ぶちまけられたトマトとドレッシングの混ざっていたものだった。
周囲に漂っているのもヘモグロビンに含まれる鉄の匂いではなく、胡麻とサラダ油の匂いである。

1790POWER STAGE:2008/02/05(火) 02:06:31 ID:970wTDas0
 ◆ ◆ ◆


「……で、どうしましょう? 最速の人さん」
「ツツ……、そうだな。とりあえずマダオ氏の帰りを待つというのがベターだとは思うんだが……」
「まさか僕たちだけでロリスキーさんを助けに行くとか、そんな死亡フラグを立てようって考えているんじゃあ――?」
「うん。それも考えたんだがな……。その、なんだ……随分汚れたし、えーと……」
「――下着を替えたい?」
「うむ。とすると君もか?」
「ええ、恥ずかしながら……」
「…………」
「…………」


突然現れたこなたの姿をした何者かが張り巡らしたピンク色の固有結界――桃色オーバーロード(過負荷)。
その中で始めちゃった二人を引き離し、仲間であるロリスキーを救い出そうとした二人ではあったものの、
『何故か』ちょっと時間がかかって……、でも二人は『TIME OF SAGE(賢者の時間)』を利用して結界内に踏み込んだのだ。
しかし、勇気を振り絞って化物に向かい合った二人であったものの、力及ばずパンチ二発でそれぞれぶっ飛ばされ
現在に至ると言う訳である。

兎も角として、その過程で『何故か』二人とも下着が汚れて気持ち悪くなってしまったのだ!



【早朝/F-6/ファミレス店内】

【ギャルゲロワ版最速の人@ギャルゲロワ】
【状態】:疲労(大)、全身に打ち身、所々に切り傷、右手骨折、肋骨にひび、股間がかなりガビガビ
【装備】:なし、褌一丁
【道具】:支給品一式
【思考】:
 1:褌を洗いたい!
 2:後、ドレッシング塗れの身体も洗いたい……
 3:マダオ氏の帰りを待とう

 ※容姿はハクオロ@うたわれるものです。
 ※違う意味で最速です(向こう岸が見えるくらい果ててます)
 ※マダオの吐息に股間が反応しまくりです
 ※もしマダオとあんなことできるかと思うと……


【忘却のウッカリデス@アニロワ2nd】
【状態】:疲労(蝶)、首を捻挫、腰痛、股間がかなりガビガビ
【装備】:ゼロの仮面(蝶高性能)@アニロワ2nd
【道具】:なし
【思考】:
 1:パンツを洗いたい!
 2:ロッカーに換えがあると助かるんだけど……
 3:マダオ氏の帰りを待とう

 ※ロリスキーを見ると、胸が高鳴ります
 ※ロ、ロリスキーのを……見てしまった……
 
 【ゼロの仮面(蝶高性能)@アニロワ2nd】
 銃弾から魔法、科学兵器、核に至るまであらゆる攻撃を防いでしまう恐ろしい仮面。
 ただし、守られるのはあくまで仮面に覆われた部分(頭部)のみ。
 視界は蝶良好で窒息の恐れもなし、ただし一度被ると死ぬまで外す事ができない。

1791POWER STAGE:2008/02/05(火) 02:06:53 ID:970wTDas0
 ◆ ◆ ◆


「……………………う、寒……」

暗がりの中で白い身体が芋虫の様にそもそと動いていた。地球破壊爆弾に連れ去られたロリスキーである。
しばらくは冷たいエナメル質の床の上でそうしていたが、意識がはっきりしたのか緩慢ながら数分程で起き上がった。

「何これ……? 気持ち悪い……、それになんか身体も痛いし……」

馴れてしまっているため、裸になっていたことにはあまり驚かなかったが、
全身がぐっしょりと粘り気のある液体で濡れているのは、彼女にとっても気持ちのよいものではなかった。
それに全身の筋肉が悲鳴を上げている。まるで、ものすごく激しい『運動』をした後のような…………。

「(――あああああああああああああああああああッ!)」

先刻のアレを思い出しロリスキーの顔が真っ赤に染まる。
意味が解らないが、突然こなたに噛み付かれその後アレな感じになった……ということを彼女は今思い出した。

「(今は一体どういう状況なんだろう……?)」

周りを見る限り、どうやら何かのお店の中らしい……。照明は点いていないが不思議とそれに不便さは感じない。
棚の上に並べられているのは、蝋燭、鞭、首輪、目隠し、手錠、張型、ローション、避妊具……etc.etc.――。

「――ってぇええええぇっ!」

どう見ても成人向け玩具屋さんなそれに、ロリスキーの中の危機感が膨れ上がる。生命的にではなく主に貞操的な部分の。
棚の上でその異様を誇らしげに主張している色んな凸凹……。もしこの切先が自分に向けられたら――!

「ああ、かがみん起きた? お風呂沸いてるから、かがみんも入ってきなよ」
「――うひぃ!」

棚の間からヌッと現れたこなたに、短い悲鳴を上げてロリスキーは後ずさる。
風呂上りだからなのか、このなたの姿は頭の上に髪を纏め上げてくくったバスタオル以外は全裸である。
上気した頬と緩んだ表情。そして、全身から立ち昇る湯気がそのことを証明していた。

「あ、あ、あんたっ! なんで裸っていうか、どこのこなたなんだっていうか! せ、説明しなさいよッ!」
「んー、私はアニロワ1stの地球破壊爆弾No.V-7です。
 どの部分を切り出しても名前として使いづらいのがネックなんだよねー。地球とか爆弾とか、一般名詞すぎるから。
 まぁ、呼びづらいって思った時はその時のキャラ名でもいいよ。今だったら『こなた』だね。
 ……それと、裸に関してはもうそういう仲だからいいじゃん? ね、かがみん☆」

ふざけた対応だったが、今まで会ったのはどれも変人ばかりだったのでロリスキーは取りあえず納得した。
解ったことは彼女が地球破壊爆弾であると言うことと、どこのロワにも変態書き手の一人や二人はいるってことだ。

「……まぁ、いいわ。私はクールなロリスキー。漫画ロワ出身の書き手よ」
「ロリスキー……。クールなロリスキー……」
「うっさいな! 名前を繰り返すな! ……そ、それよりも、そういう仲って……その、どういう仲よ?」
「んー……? 解ってるでしょう? かがみん☆」
「かがみんって言うなよ……」

床の上に垂らしたままだった腕を上げて、ロリスキーは手を首筋へと移動させる。
はめられた首輪より少し下の部分。そこに空いた二つの深い傷孔……それはつまり……――、

「わたし、吸血鬼になっちゃったってこと……?」

――そういうことだった。
夜族の世界へようこそとこなたの小さな唇が動き、最後ににやりと半月の形に歪んだ。

1792POWER STAGE:2008/02/05(火) 02:07:16 ID:970wTDas0
 ◆ ◆ ◆


「まぁ、吸血鬼の身体にはおいおい慣れていくと思うから、今は休むとよいよ。
 あとさ、このお店衣装がすっごい豊富だから後で選びあいっこしようね☆」
「あんたがマスターで、わたしがスレイブ……?」
「うんそうだよ。けど、あんまり上下の関係とか気にしないから大丈夫、大丈夫。仲良くやっていこう」
「…………はぁ。……とりあえずお風呂入ってくるわ。気持ち悪いし」
「いてらーノシ」

主人に見送られてロリスキーは店内を奥へと進む。
そこには確かに彼女が言うように様々な衣装が取り揃えられていた。
オーソドックスな学生服やナース服などの各種制服から、体操着、レオタード、スク水など、さらにはゴシック系の派手なもの、
ウェディングドレスや着物の様な冠婚葬祭系、エナメルのボンテージ衣装。更にはアニメや漫画のコスプレまでもが……。

「(あ、らき☆すたのセーラー服だ……)」

それら多種多様な衣装を取りとめも無く見ながら、ロリスキーは通路を進みカウンターの向こう側にあるバスルームへと入った。
何故こんな店のこんな場所にバスルームがあるのか。それは取りあえず考えないようにしながら……。



【早朝/E-6/地下街-大人の玩具屋さんの中】

【地球破壊爆弾No.V-7@アニロワ1st】
【状態】(〓ω〓.)、つやつやの元気100倍☆
【装備】なし、全裸
【道具】支給品一式、未定支給品×1(本人確認済み)
【思考】
 基本:闘争をかがみん(ロリスキー)と一緒に愉しむ
 1:かがみんが風呂から上がったら衣装の選びあいっこをする
 2:お腹が減ったら、かがみんから血を吸う
 3:かがみん用の血を探す(他の参加者か、輸血用血液)

 ※基本的に中身はアーカードで、CVは平野綾です
 ※変化する姿に7つのバリエーションがあるらしいです。
 【1:地球破壊爆弾】【2:アーカード】【3:長門有希】【4:泉こなた】
 【5:銃撃女ラジカル・レヴィさん】【6:?不明?】【7:?不明?】
 ※クーガーの早口台詞が言えます!
 ※鎖鎌、鳳凰寺風の剣、ソード・カトラスが投影可能です。
 【スーパーキョンタイム】
 地図氏以外の者はゆっくりとしか動けなくなります。一度使うとそれなりの時間使用不可能です。


【クールなロリスキー@漫画ロワ】
【状態】:不死者、吸血鬼、疲労(大)
【装備】:なし、全裸
【道具】:支給品一式、未定支給品×?(本人未確認)
【思考】
 1:とりあえずお風呂に入ろう……
 2:何がなんだか……

 ※容姿は柊かがみ@らき☆すたです
 ※何故か不死身です
 ※ギャルゲロワ版最速の人に心惹かれています
 ※地球破壊爆弾No.V-7に血を吸われ、彼女の下僕になりました

1793POWER STAGE:2008/02/05(火) 02:07:39 ID:970wTDas0
 ◆ ◆ ◆


「人違い……ってなら、最初に言えよ。この糞野郎」

神行太保のDIE/SOUL。彼の状態を一文字で表すなら『大』。
アメリカのカートゥンよろしく、彼はその形でアスファルトの中に埋まっていた。
子一時間に及ぶ死闘の末の結果がこれである。

「しかし、拳を交わしたことで何かが芽生えたとは思わないか?」

そう言いながら、マダオはその小さな身体には似合わない怪力で彼を引き上げる。

「夕焼けが定番ではあるが、朝焼けの中で拳を交わすのもまたよいものだったな」
「そんな風にいい顔をして言われても、よけいムカつくだけなんだが……。クソッ、身体が痛ぇ……」

ぶつぶつと文句を言う傷だらけの巨漢と、吸血鬼としては似つかわしくないがその幼い姿にはよく似合う爽やかな笑顔の少女。
全く逆の存在ではあったが、不思議とお似合いな雰囲気ではあった。

「『孤城の主』か――中々に面白そうだ。是非とも協力させてもらうよ」
「それはありがたいが、お前もアーカードってことには変わらないんだからな。ヤツの次はお前だって事を忘れるなよ」
「それもまた燃え展開さ!」
「言ってやがれ……」

そんな二人が昇ったばかりの太陽を真正面に受け、静かな街中を歩いている。



【早朝/F-5/路上】

【ミスターマダオ@漫画ロワ】
【状態】:疲労(小)、額に切り傷、強い決意、強い仲間意識
【装備】:パニッシャー@トライガン(機関銃:残り弾数100%、ロケットランチャー:残り10発)
【道具】:支給品一式、未定支給品×1〜2(本人確認済み)
【思考】:
 基本:対主催! 殺し合いには乗らないが、マーダーは犬の餌
 0:いい仲間がまた出来た!
 1:さぁ、ウッカリデスのところへと戻ろう
 2:友情! もっと仲間を探すぞ!
 3:努力! 首輪をどうにかするぞ!
 4:勝利! 見ていろよ主催者!

 ※容姿はアーカード(ロリ状態)@ヘルシングです
 ※押し倒したウッカリデスを気に入りました


【神行太保のDIE/SOUL@アニロワ1st】
【状態】:疲労(中)、胸部にダメージ、全身に打ち身
【装備】:竜殺し@ベルセルク、ガッツの装備一式@ベルセルク
【道具】:支給品一式、拡声器
【思考】
 基本:アーカード(地図氏、マダオ)は殺す。
 1:仲間を集めて『孤城の主』を実現させ地図氏を打倒する
 2:それまではマダオと協力関係を結ぶ
 3:地図氏を始末した後はマダオを始末する

 ※容姿はガッツ@ベルセルクです。
 ※神行太保・戴宗の神行法(高速移動)が使えます。
 ※ラディカルグッドスピード腕部限定は、腕だけが速く動きます。

1794POWER STAGE:2008/02/05(火) 02:08:48 ID:970wTDas0
投下終了しました☆

1795名前を捨てた人:2008/02/05(火) 02:20:37 ID:970wTDas0
MAPです。
ttp://blogimg.goo.ne.jp/user_image/10/dc/14aab9f3bd240753516f1d78ade401d3.png

1796名前を捨てた人:2008/02/05(火) 02:33:20 ID:ca8cIrLc0
>「かがみんだーッ☆ いっただきま〜すッ♪」
投下乙。台詞が脳内再生されたぞこの野郎。
ていうかエロいな。あと順応性高いなかがみん。
…………ってえーっとかがみんじゃなくて、そう、ロリスキー。
サービスシーン担当になりそうだががんばれ。
GJだこの野郎。

1797名前を捨てた人:2008/02/05(火) 03:00:00 ID:nNBeB4gUO
投下乙!
まさかもうアーカード同士が!?と思ったがニアピンでしたか。
あと、かがみんが襲われてた時の男二人の気持ちは痛いほど分かった。
そんなエロシーンが展開されたら、誰だって魅入っちまう。俺だって魅入る。

1798名前を捨てた人:2008/02/05(火) 03:17:59 ID:mwEfLcS.C
投下乙です!
駄目だ書かれた本人のニヤニヤが止まらないwwww
ガッツとアーカードのコンビなんて、なんという夢のタッグ。
あと、アダルティなお店のお風呂って、まさかガラス張りじゃ(ry
あと状態表が何気にとんでもないことにwwwww
なんてことしてくれてんだGJだこの野郎!

1799名前を捨てた人:2008/02/05(火) 13:30:13 ID:nulz14/.0
投下乙!
仮面の人、食事摂れないってこれからどうすんだwww
ゼリーとかプリンだけで凌ぐのか?
かがみんはなんかどこへ行ってもエロ担当だなw

1800名前を捨てた人:2008/02/05(火) 14:18:04 ID:cNmaOa6oC
投下乙!あと私信自重w
放送は感電の人か?

1801名前を捨てた人:2008/02/05(火) 14:30:28 ID:ZcEKFdNo0
そういえば、みんな会場の地図持ってないんだよね。
読み手が、放送後に不思議パワーで地図を配布するってできないかな?
もし>>1780がまだ放送かいてる途中なら、その一文をちょろっと追加して欲しいです。

1802名前を捨てた人:2008/02/05(火) 17:03:36 ID:q3QYdArI0
地図がない→エリア移動するたびにwktk

新しい……が、不便だなw

1803名前を捨てた人:2008/02/05(火) 17:55:39 ID:TQUlGsLQ0
まあその辺も見切り発車っぽくていい。
「読み手」が地図配ってないのに気付いて、慌ててフィールド上にいる参加者への配り方を考えた挙句、
「この放送終了と同時に適当に空から撒いておくから」と、ヘリコプターから紙吹雪のように大量の地図が……
風向きや居場所によっては1枚も拾えなかったりしてね?

1804名前を捨てた人:2008/02/05(火) 18:04:20 ID:NDLD0knw0
いっそ地図じゃなくて方眼紙配るとか
「地図は自分たちで作ってね、懐かしくていいでしょ〜」

昔はオートマッピングなぞ無いゲームもあってな…

1805名前を捨てた人:2008/02/05(火) 18:15:02 ID:yH2CZBhw0
「テレビにラップ被せてなぞる」が分かる俺20歳。

1806名前を捨てた人:2008/02/05(火) 18:30:53 ID:9Vk3MVs60
>>1804
昔を知らない若い人でも「世界樹のやつ」で通じそう>マッピング

1807名前を捨てた人:2008/02/05(火) 18:45:27 ID:ZcEKFdNo0
方眼紙が無いからチラシの裏に必死でマッピングして、
翌日気合を入れてダンジョン攻略しようと思ったらゴミと一緒に捨てられてた26歳。

1808名前を捨てた人:2008/02/05(火) 18:49:23 ID:NDLD0knw0
もしやロンダルキアの洞窟か?
FC版はドラクエ史上最凶のダンジョンであることに異論はあるまい

1809名前を捨てた人:2008/02/05(火) 18:59:11 ID:gvqpehpo0
初めてのマッピングは中古で買った箱取り説なしのFC版WizⅢ二千円也でした。
……あの中古屋のクソジジイイイイイ!!

1810名前を捨てた人:2008/02/05(火) 19:09:56 ID:ZcEKFdNo0
>>1808
正解だwよく分かったね。あん時はマジで泣いたしw

でも、この各自マッピングしろって面白いかもね。
お互い情報交換で埋まってなかった場所を埋めてみたりとか。
もっとも、それは執筆するほうの苦労がグンと増えるって事なんだが……

1811支給品の末路:2008/02/05(火) 19:26:36 ID:dVUhySgs0
幻夜・フォン・ボーツスレーは目の前でがつがつと食べまくっている二人を見ていた。
どちらも岸田洋一の姿をしているがドッペルゲンガーではなく、一人はステルス鬼畜、もう一人はサプライズパーティー。
どちらも幽霊の類ではなく、れっきとした書き手である。
無視して治療していたが、「精気を……」「マジで死ぬ……」などとうるさく言うので、餌付けして黙らせたのである。
目の前に広がるのは自らの支給品であるグルメテーブルかけ@アニロワ1stである。
使用回数が30回だったので使いすぎないよう、しっかり釘は刺しておいた。

(それにしても、あの二人組はなぜ追ってこない? 探すのを諦めて去ったか。
 いやいや、手負いの我は格好の獲物。わざわざ見逃すとは思えんが……)
「幻夜さん、ありがとうございました」
「おかげで助かりました」
「終わったか、家臣達よ」

思考の海に沈んでいるうちに、二人の食事が終わったらしい。
ちなみに、食事を提供する代償として二人を自分の家臣とした。役に立つのかは不明であるが。

「それにしてもかなり使ったようだな。何回使った?」
「「15回です」」
「はっ!?」
「「あっ」」

一人で15回、つまり二人で30回。残り回数は……0回。あわれグルメテーブルかけはこうしてただの布切れとなった。

「貴様らーーーー!!!!」
「「お許しをーー」」

幻夜がグルメテーブルかけを引き千切り、怒り心頭に巳六を振り上げた瞬間――――
天井が崩壊した。

 ◇ ◇ ◇

時は少しばかり遡る。

「お姉さま、しっかりしてよ」
「ごめんなさい、アヴ・カミュ」

大空を翼でもって飛んでいるのは、The god of chaos通称カオちゃんの支給品であるアヴ・カミュとアヴ・ウルトリィである。
アヴ・ウルトラマンになって飛び立ったはいいが、アヴ・ウルトリィは学校を見失い途方に暮れてしまっていた。
そこへ幻夜無明sideとの戦闘中にカオちゃんが援軍として派遣したアヴ・カミュが来て今に至る。

「あ、学校が見えたよ。じゃ、さっきの仕返しに行ってきまーす」
「アヴ・カミュ、油断してはなりませんよ。相手はギャルゲロワの書き手らしいですから」
「平気よ。くらえ、ヒム・トゥスカイ」

アヴ・カミュは屋上まで後10メートルの所でヒム・トゥスカイを放った。この距離なら間違いなく命中する、そう確信しての行動であった。

しかし学校にいる誰一人として知らなかった。
屋上にいるのが彼女らが探していた「バトルマスター」ではなく、同じギャルゲロワの書き手「歩く頭脳戦」である事に。
そして今まさに彼女が孔明の罠に嵌まる瞬間であるという事に。

そして世界は光と熱に支配された。

1812支給品の末路:2008/02/05(火) 19:27:28 ID:dVUhySgs0
 ◇ ◇ ◇

結果は凄まじいものであった。
まず孔明の罠である爆弾が仕掛けによって爆発。その爆弾は某天才少女によって作られ、ロワ中でもその威力を遺憾なく発揮し、建物を使用不能にまで追い込んだ代物である。
続いてそこにアヴ・カミュの放ったヒム・トゥスカイが炸裂して、威力は当初の規模を上回るものとなった。
その爆発は仕掛けを発動させた者はもちろんの事、ヒム・トゥスカイを放ったアヴ・カミュに加えて、
危険を察知してアヴ・カミュを連れ戻そうとしたアヴ・ウルトリィをも巻き込むものとなった。
爆発が収まった後、そこには瓦礫の山ができた。

 ◇ ◇ ◇

少しして瓦礫の山で蠢くものがあった。

「がはっ、何なんだいったい。おい、生きているか」
「何とか……助かりました」
「この、ご恩は……決して忘れません」

多少ショックを受けているようだが、まあ大丈夫そうである。
あの瞬間、幻夜は巳六を地面に突き刺すと、その能力でもって無数の黒い棒状の物体を地面から出現させると、
円錐のような形を人一人を中心として3つ作り、危うく何を逃れたのであった。

(しかしこれで奴らの行動にも説明がいく。
 動けぬ奴を置いて、爆弾をセットして自分達は安全な所へ避難か。
 すると我はまんまと爆弾の仕掛けられた学校に誘い込まれたわけか。
 幸い放送はまだのようだが、あの雑種共め、今度会ったらただでは済まさん!)

怒り心頭の幻夜の横ではステルス鬼畜とサプライズパーティーが半ば放心状態であった。
なんとなくステルス鬼畜がふと空を見上げると、紙が降ってくるのに気づいた。サプライズパーティーは気づいていない。
ステルス鬼畜は目の前に降ってきた紙をおもむろに拾ってみた。それは――――エニグマの紙。
中身は「漫画キャラバトルロワイアルwiki管理人」「愉快型魔術礼装カレイドステッキ」「クレイジーダイヤモンドのDISC」であった。
彼の心の中の鬼畜の魂に小さな灯がともった。

【アヴ・ウルトリィ、アヴ・カミュ 大破】

1813支給品の末路:2008/02/05(火) 19:28:35 ID:dVUhySgs0
【早朝・放送直前】【E-5 学校跡地】
【幻夜・フォン・ボーツスレー@アニロワ2nd】
【状態】疲労大、ところどころ出血中・左肩に直径5cmの貫通傷・内臓に痛み(全て処置済み)、
    エロ師匠と仮面ライダー書き手に対して強い怒り
【装備】巳六@舞-HiME、黄金の鎧@Fate
【道具】支給品一式×2、未定支給品×1(本人確認済み)、未定支給品×2(未確認)、ゲドー・ザ・マジシャンの首輪
【思考】
基本:このバトロワの破壊。または脱出。
1:放送後、あの二人組(エロ師匠と仮面ライダー書き手)を探し出して殺す。
2:協力者を探す。
3:首輪の解析。
4:放火魔を見つけたら殺す。
※容姿はギルガメッシュ@Fateです。

【ステルス鬼畜@ギャルゲロワ】
【装備品】エニグマの紙×3(「漫画キャラバトルロワイアルwiki管理人」「愉快型魔術礼装カレイドステッキ」「クレイジーダイヤモンドのDISC」)
【道具】共通支給品一式
【状態】満腹、半ば放心状態、心に鬼畜の火がともる
【思考・行動】
基本:俺こそが最強の岸田さんだっ!
1:…………俺はステルス鬼畜。
2:もう一人の俺にゃ負けん……つもりだが……ッ!
3:ちなみに俺はロリ巨乳が好みです
※容姿は鎖の岸田洋一。
※鬼畜の火がともった事による影響は次の書き手さんにお任せします。

【サプライズパーティー@葉鍵ロワ3】
【装備品】なし
【道具】共通支給品一式
【状態】満腹、半ば放心状態
【思考・行動】
基本:俺こそが最強の岸田さんだっ!
1:…………助かった。
2:もう一人の俺にゃ負けん……つもりだが……ッ!
3:ちなみに俺は人妻が好みです
※こっちの岸田さんはステルス鬼畜を葉鍵3の書き手と勘違いしてます
容姿は鎖の岸田洋一。

※学校は全壊しました。
※アヴ・ウルトリィ、アヴ・カミュは大破しました。破片がどこかに降ってくるかもしれません。
+

1814支給品の末路:2008/02/05(火) 19:32:54 ID:dVUhySgs0
投下終了です。
なんとなく気になっていたものをさらってみました。破壊しすぎたかなあ。
SS書くのって大変ですね。

ちょっと聞きたいんですけど、このロワ中のキャラの移動速度ってアバウトで大丈夫でしょうか。

1815名前を捨てた人:2008/02/05(火) 19:38:44 ID:NDLD0knw0
よほどの速度でない限り問題無いかと。

そもそもキャラ自体アバウト過ぎるとかガタガタ(ry

1816名前を捨てた人:2008/02/05(火) 19:40:23 ID:ZcEKFdNo0
>>1814
乙。慢心王……もとい幻夜の配下になったのか二人ともw
つっても、片方は思わぬ拾い物したが。
あと、速度はアバウトでいいと思うよ。
あえて基準を持たせるなら、設定されてるキャラに見合ってれば平気かと。

1817名前を捨てた人:2008/02/05(火) 20:05:50 ID:GK0AH1Tw0
来たか……ギャルゲロワ方面で今が旬のステルス鬼畜の覚醒フラグが。
もうステルスいらないんじゃないか、って思うのは自分だけでしょうか……変化の杖が怖い、怖い。

1818名前を捨てた人:2008/02/05(火) 20:58:44 ID:Ot9FL5gs0
こんなものを作ってみたので、投下させてもらいます。

書き手バトルロワイアル2nd 非公式イメージソング
かいてけ!かきてロワ

地球破壊爆弾「さあ、始めるとしよう」
エロ師匠「イクでガンス」
ビクトリーム「ONII−CHAAAAAAAAAAAAAAAANNNNNNNN!!!!」
スーパーかがみん「まともに始めなさいよ!」

ネコミミ3センチ そりゃロリってコトかい? ちょっ!
らっぴんぐがヴィータコス…だぁぁ不利ってこたない ぷ。
がんばっちゃ やっちゃっちゃ
そんときゃーっちTHE死亡フラグ
投下!投下!の谷間に パソコン パソコン F R E E Z E!!

なんかダるー なんかデるー あいしテるー
あれフラグが立ってるんるー
暴れん坊 食いしん坊 火事ボーボー
いいかげんにシナサイ

飛んでった空鍋にほてるカラダって
所謂ドSの男の子
驚いたあたしだけ? 鯛焼きカレーおかわりだだだ

BON−BON 破壊爆弾
Let’s get! 超展開
RAN−RAN ギャグ展開
Look up! ぼるてっか
はい! 熱血漢 ・・小学生?
ぶつかって勝ちましたもーぜん
大いに殴ってオラオラー

もっていけ!
最後に生き残るのは俺のはず
ストライカーだからです←結論
日曜日なのに! 過疎ってるのどうするよ?
ロリカードいいのです←キャ? ワ! イイv

感想3レス つくまでってちゅーちょだ やん☆
がんばって はりきって My writer writer P L E A Z E!!

もってけ!は歌詞の記述が独特なので、再現するのが意外と面倒で…。

それから、ついでにお願いが。
先日自分が投下した「私のかがみ様、ツンデレのかがみ様」の中に
>そして、モニターに映された森の中。
という一文があるのですが、彼らがいたのは森ではなくて市街地でした。
何をとち狂ってたんだ、自分…。
というわけで、どなたかWikiの方で「森の中」から「市街地」に修正をお願いします。
自分でやれたら一番いいんですけどね…。

1819名前を捨てた人:2008/02/05(火) 21:05:08 ID:NDLD0knw0
すげぇwww
カオスってレベルじゃねーぞ!!

>地球破壊爆弾「さあ、始めるとしよう」
>エロ師匠「イクでガンス」
>ビクトリーム「ONII−CHAAAAAAAAAAAAAAAANNNNNNNN!!!!」
>スーパーかがみん「まともに始めなさいよ!」

淹れ立ての緑茶返せwww

1820名前を捨てた人:2008/02/05(火) 21:19:08 ID:PozLEK1M0
何時間で考えたのか教えてもらおうw

1821名前を捨てた人:2008/02/05(火) 21:35:01 ID:ZIrShNKo0
Vのそのシャウトを見るたびにテリーとドリーを思い出さずにはいられない。

1822名前を捨てた人:2008/02/05(火) 22:42:11 ID:DEXyFdi.0
>>1782
参戦時期(笑)によっては開催直前に一連の流れを見てたってのが実際にあるし、
そういう設定にするならあだ名も把握しててもいいんじゃね?

18231818:2008/02/05(火) 22:48:19 ID:35B5iGpg0
>>1820
大学の自習室で約1時間。
家に帰って歌詞カードを見ながら微調整30分という感じです。

1824温泉三昧:2008/02/05(火) 22:49:43 ID:TQUlGsLQ0

パシャッ。パシャパシャッ。

(えー、第23回『俺たちすっかり放置されてないか?検討会議』〜〜! みんな全裸で元気かブリ〜〜ッ!?)
(おおお〜! タイタイッ!)
(……え? いつの間に22回も会議やってたタコ?)
(……そこはたぶん突っ込み所と違うコイ)
(はぁ……)
(司会はこの私、螺旋力バリバリ覚醒中の『ブリ@アニロワ2nd』が務めますブリ)
(待ってたタイ〜! ヒューヒューヒュー!
 あ、申し遅れました、ぼくは『タイヤキ@コロンビーヌたちの食い残し』といいますタイ)
(……ちょっと待つコイ! 『たいやき』というのはこの『コイキングLv99@ニコロワ』の固有名詞だコイ!)
(だから『タイヤキ』。ひらがなじゃなくてカタカナ表記だタイ。
 改名するならむしろお前の方がするべきだタイ。鯉なのか鯛なのかはっきりしろだタイ)
(そ、それは関係ないだコイ! 新入りのくせに生意気だコイ!
 大体、この中でもお前の存在が一番非常識だコイ! そもそもお前、生物じゃなくて食い物だコイ!)
(ふっふ〜ん。一世を風靡した『およげ!たいやきくん』を知らないとは言わせないタイ。
 その連想のお陰で、コロンビーヌたちが海に帰そうと考えた所で魂が宿って動けるようになったんだタイ!)
(ちょっと待てそれ何十年前の曲だコイ!? いい加減カビ生えてるコイ! それにロワ関係ないコイ!)
(……まぁまぁ、2匹とも落ち着いて、一緒にタコ踊りでも踊るタコ)
(……そういう君は自己紹介もまだしてないよ、『タコ@漫画ロワ』君。これじゃ会議が進まないブリ)

パシャッ。パシャパシャッ。

(……で、支給品の我々だが、持ち主たちはどこかに行ってしまったようだブリ。
 これから我々は、どうするべきだろうブリ?)
(適当にタコ踊りでもしてればいいんじゃないタコ?)
(お前と違ってそんな奇怪な踊りはできないコイ)
(傍から見てれば、『じたばたする』も似たようなものに見えるタイ)
(いや、タコ踊りでも『じたばたする』でも好きにしてもらったらいいブリ。
 ただこのままここで支給品だけで会話してても、いずれ存在自体を忘れられるブリ)
(……そもそも、これ、どうやって会話してるタコ?)
(……そこは突っ込んだら負けだと思うコイ)
(はぁ……)

パシャッ。パシャパシャッ。

(……でも、あんまり支給品が目立っても良くないコイ。藪蛇つつくのは御免だコイ)
(ほう? 何か実感篭った言葉だブリ)
(自分の知り合い……ニコロワの支給品仲間の話なんだけど、大暴れした奴がいたコイ。
 下手な参加者よりも派手な暴れっぷりで、主催者に反抗しようとしたコイ。
 でも……まあ、ロクな結果にならなかったコイ。こういう話してると、奴のことを思い出しちゃうタイ)
(それは……ご愁傷様だタイ)
(はっはっは。登場話で、エニグマの紙ごと破られて死体で登場、よりも悲惨なことなんてあるわけないタコ。
 こうしてタコ踊りできるだけで十分幸せだと思うタコ)
(……嬉しいのは分かったから、いい加減その奇怪な動きは止めるブリ)

パシャッ。パシャパシャッ。

1825温泉三昧:2008/02/05(火) 22:50:17 ID:TQUlGsLQ0

(……それにしても、よくお前ら死なないなぁコイ。
 自分は元々ポケモンだし、そっちのタイヤキは最初っから常識無視してるからいいとしても。
 なんで、ブリとタコの2人は茹で上がらないコイ? けっこう熱いし、この温泉、海水じゃないのに……コイコイ)
(全ては螺旋力ブリ。きっと気合と根性でみんな螺旋力に覚醒したブリ。
 螺旋力に目覚めれば、半日以上陸地を運ばれても平気でピチピチしていられるブリ)
(……でも、俺は螺旋力なんて知らないタコ。そもそもロワが違うタコ。
 普通に考えて死んでるはずなのに、なんで俺、こうしてタコ踊りできてるタコ?)
(こっちに聞かれても困るコイ)
(……もしかしたら……)
(タイヤキ、何か気づいたブリ?)
(ぼくが目覚めたのは、海と間違えたコロンビーヌが、この身体を温泉に放流した瞬間だったタイ。
 ひょっとして、この温泉に何か不思議な力でもあるんじゃないかと……)
(癒しの力があるとか? そういや、効能表にもちゃんと『火傷』って書いてあるブリ)
(ブリとタコは茹でられてて、でも茹でられる端から癒しの力で治ってるとでも言うコイ? そんなバカな……)
(でも、ありえないことじゃないタイ)

パシャッ。パシャパシャッ。

(ってことは……慌てなくても、これに気付く参加者がいたら、向こうの方から来てくれるってことかブリ?)
(えーっと、効能表には『外傷・打ち身』にも効くと書いてあるタイ。
 ってことは、火傷も含めて大抵のダメージは対象になるタイ。ロワやってりゃみんな怪我くらいするタイ)
(ところで、みんな人間の文字読めるタコ? いや俺も話の都合上何故か分かるけど)
(そこは突っ込んだら駄目だコイ)
(はぁ……)

パシャッ。パシャパシャッ。

(そろそろ放送だブリ。時間が進めばまた誰か温泉に来てくれるブリ)
(ねぇ、ところで気になってるんだけど……効能の所に、『不妊症』とも書いてあるけど、あれどういう意味タコ?)
(そこは突っ込んだら18禁だコイ)
(はぁ……)
(要するに、男と女が一緒に風呂入ったら何か起きない方がおかしいって意味だタイ。
 十月十日(とつきとうか)後には元気な赤ちゃんとご対面だタイ)
(ちょっと待てー! 『みんなのうた』のタイヤキがそんなこと口にしちゃダメだコイ!)
(お前も似たようなもんじゃねーかタイ。子供向けゲーム・アニメのキャラがそんなこと分かっちゃダメだタイ)
(……ねぇ、じゃあさ)

パシャッ。パシャパシャッ。

(あの、『空腹』って何だタコ?)
(…………知らないブリ。鰤しゃぶなんて知らないブリ)
(…………知らないタイ。『およげ!たいやきくん』の最後なんて覚えてないタイ)
(……自分には関係ないコイ。流石にポケモン食べる外道はそう居ないコイ)
(…………)
(…………)
(…………)
(…………)

パシャッ。パシャパシャッ。

1826名前を捨てた人:2008/02/05(火) 22:50:54 ID:EdEDDVAU0
>>1782
本編読み直してきたが、何人か名簿だけで判断したりしてたな。
少なくとも、自ロワの人ぐらいなら分かるんじゃないか?

1827温泉三昧:2008/02/05(火) 22:51:07 ID:TQUlGsLQ0

(……自分のご主人の『温泉少女』、どうなったか気になるコイ。
 もしも名前呼ばれたら、自分は自由になれるけど……ちょっと悲しいコイ)
(毎日鉄板で焼いてくれたおじさん、いやおにいさん、どうなったかな……気になるタイ)
(開始早々ぶん投げてくれたアイツにはあまりいい思いはないブリ。さっさと死んでればいいブリ)
(……ひょっとしてみんな、現実逃避してるタコ? 『空腹』の意味、深く考えないようにしてるタコ?)
(そこはそれ以上突っ込んだら命に関わるコイ)
(はぁ……)

パシャッ。パシャッ……。…………。…………。

――やがて、温泉に朝日が差し始める。
やがて始まるであろう放送を前に、元気に跳ねていた4匹は僅かに水音を押さえ、耳を澄ませた。


【早朝】【H-8 温泉・露天風呂(混浴)】

※この時間、この場所にいる『参加者』はいません。
※以下のものが気持ち良さそうに温泉で泳いでいます。
 たいやき(Lv99コイキング)@ニコロワ、ブリ@アニロワ2nd、タコ@漫画ロワ
 鯛焼き(THE FIRST@ライダーロワが焼いたもの。なぜか「およげ!たいやきくん」状態)
※温泉少女の支給品一式、モンスターボール@ニコロワが放置されています。

※温泉に、僅かながら治癒効果が確認されました。
 服を脱いでゆったり浸かっていれば、ゆっくりとですが傷が治癒します。
 怪我などをしていなければ、ただの気持ちのいい温泉です。
 また、ちゃんと裸にならなければ効力を発揮しません。湯船にバスタオルは持込禁止です。
 効能表には何故か「空腹」「不妊症」とも書かれていますが、こちらの詳細は不明です。

1828名前を捨てた人:2008/02/05(火) 23:05:50 ID:1qn3pjHA0
ここ最近の作品はニヤニヤが止まらないwwwwwww

1829名前を捨てた人:2008/02/05(火) 23:16:45 ID:PozLEK1M0
語尾wwww

1830名前を捨てた人:2008/02/05(火) 23:17:43 ID:ZIrShNKo0
放送いってもおかしくないってのになんでな盛況なんだww

1831没ネタ:幻夜ハード:2008/02/06(水) 00:52:22 ID:WQiSqlPg0
休憩の為に保健室に入り込んだ幻夜・フォン・ボーツスレー。
だが、それはいったん引いたかと見せかけたエロ師匠の巧妙な罠だった。
「金ピカの書き手としてのプライドは、私に崩される為に築いてきたんですものね」
「我の剣さえ、我の剣さえあれば……こんな奴らに……ッ!」
ビクビクッ。
「よかったじゃないですか、油断と慢心のせいにできて」
「んんんんんんんっ!」
「へへへ おい、ベットを用意しろ。みんなで気持ちよくしてやる」
(耐えなきゃ…!!今は耐えるしかない…!!)
「金ピカ様の生金玉ゲ〜ット」
(いけない…! 金ピカな金玉が感じやすくなってるのを悟られたら…!)
「生金ピカ様の生金玉を拝見してもよろしいでしょうか?」
「こんな雑種どもにこの我が……くやしい……っ! でも、感じちゃう!」
「おっと、金玉に当たってしまったか。甘い痺れがいつまでもとれないだろう?」
「アァー!」

1832名前を捨てた人:2008/02/06(水) 00:53:07 ID:WQiSqlPg0
思いついたから書いた。
金玉金玉書きすぎたことに関しては反省しているが、自分で自分を大活躍させたことについては特に反省してない。

1833第一回放送原案 ◆cuX/igOogs:2008/02/06(水) 05:52:52 ID:8x/sO72.0
あーたーらしーい あーさがきた きーぼうのあーさーだ♪


太陽の光がフィールドを静かに照らす、朝の六時ジャスト。
ビルの屋上から、廃墟から、市街地の施設から、森の木の上から、温泉旅館のスピーカーから。
会場中にとりつけられた放送用の拡声器から、現代日本に生きる者なら誰でも知っている、ラジオ体操のあの曲が流れだした。
だが最初のさわりだけでいきなり音楽が止むと、続いて場違いなほどに陽気な男の声が聞こえてきた。


「皆さん、おはよーございます。
 人呼んで感電ラジオ、第一回チキチキ定時放送in書き手ロワイアル2nd〜ドンドンパフパフ。
 と、まーやっぱ朝といったらラジオ体操だよね。そーゆーわけで流してみました。さわりだけ。
 さーて、皆さん殺し合いで忙しいだろうから、手短に業務連絡いくよー。
 では死者の発表デース。

 ・AAAロワ
  ◆zP1P5F0JNw
  ◆ZhOaCEIpb2
 ・漫画ロワ
  アルレッキーノ(◆05fuEvC33)
  体はスクライドで出来ている(◆7jHdbxmvfI)
  ボイド(◆1qmjaShGfE)
  ドットーレ(◆WXWUmT8KJE)
  メリーゴーランドオルセン(◆DO.TxVZRzg)
  ブリリアント・ダイナマイト・ネオン(◆YbPobpq0XY)
  ネクストコナンズヒント『蝶ネクタイ』(◆5zoI.SnQGo)
 ・LSロワ
  温泉少女(◆o.lVkW7N.A)
  深淵(◆IEYD9V7.46 )
 ・スパロワ
  差(◆KX4nhL0NJs)
  闇その1(◆JevR7BMAco)
  闇その2(◆tgy0RJTbpA)
 ・ギャルゲロワ
  汚れなき愛(◆Noo.im0tyw)
  歩く頭脳戦(◆/P.KoBaieg)
 ・アニロワ2nd
  激動のトウカリョウ(◆P2vcbk2T1w)
  ゲドー・ザ・マジシャン(◆ZJTBOvEGT)
  書風連・その壱(◆hsja2sb1KY)
  書風連・その弐(◆/eRp96XsK)
  書風連・その参(◆jbLV1y5LEw)
 ・アニロワ1st
  美形元帥(◆LXe12sNRSs)
 ・ライダーロワ
  まとめキング(◆vHOqGgdf1U)
  鬱のエル(◆CbOjjnQoXQ)

 以上24名でーす。
 流石だねー、ペース速い、速いよ!
 あ、そうそう、実は君らに地図を支給するの忘れてたんだけどね。ジェバンニが一晩でやってくれました。
 皆さん右手をご覧くださーい。いまから転送しまーす。
 ……はい、皆行き届いたかなー?行き届かなかった子は、隣の人に見せてもらいなさいネー。
 禁止エリアは最初だから無難にいこうと思います。
 一時間後にA-1、三時間後にF-9、五時間後にI-9です。
 それじゃあ皆頑張ってー。じゃあねー愛してるよー♪」


ブツッ ザーッ ザーッ ザーッ

1834 ◆cuX/igOogs:2008/02/06(水) 05:53:56 ID:8x/sO72.0
つーわけで軽く書いてみました。
>>1832
活躍してるのはどっちなのかと小一時間(ry

1835名前を捨てた人:2008/02/06(水) 06:14:08 ID:4lWLxRT60
ついに放送キター!乙です!

1836名前を捨てた人:2008/02/06(水) 08:02:19 ID:ICXx3ouoC
もうまとめに放送が収録されてるw
速い、速いけどいいのかこれ?w

1837名前を捨てた人:2008/02/06(水) 13:28:45 ID:bvvIgvpc0
>>1836
いいんじゃねえ? 小ネタもきいてて面白いしw
しっかし、24人も死んでたんだな・・・。

1838名前を捨てた人:2008/02/06(水) 13:55:13 ID:tr2ermsw0
恐ろしいのは、次の放送もこのペースを維持しかねないところだw

1839集まれ!コスプレ温泉:2008/02/06(水) 15:31:00 ID:ytnEO6fQ0
早すぎるかもしれませんが、放送後のSS投下させていただきます!

ここは旅館の一室。それまでお気楽ムードでくつろいでいた彼らも、さすがに放送を
聞かされたことで動揺を見せていた。

「アルレッキーノ、ドットーレ…。まさか、最古の四人がもう二人も欠けるなんて…。」
「スクライドの人にメリーゴーランドの人…。ボイドにネオン…。蝶ネクタイの人も…。」
「温泉少女…。」
「汚れなき愛、歩く頭脳戦…。くっ…。」
「まとめキング…鬱のエル…。巨星が墜ちたか…。」

同じロワの出身者や、このロワで出会った人物。散っていった人々のことを思い、
それぞれが胸の中にこみ上げてくるものを整理する。
そんな中、旅館の入り口の方から若い男の声が聞こえてきた。

「すいません、誰かいらっしゃいませんか?対主催のグループなんですが。」



時間は少しさかのぼる。
Chain-情、うっかり侍、フラグビルドの三人は、温泉まであと少しというところで放送を
聞くことになった。

「美形元帥さんが…。くそっ!あの人がいればアニロワ勢の柱になってくれたかも
しれないのに…。」

悔しさに顔を歪めるChain-情。実際の所美形元帥はるるるのルイズとして参加しており、
とても彼が望むような働きが出来る状態ではなかったのだが、それをChain-情が知るはずもない。

「激動のトウカリョウ、ゲドー・ザ・マジシャン、書風連…。」

フラグビルドも、死んでいった同じロワ出身者の名前を口にする。しかし、彼女の場合は
ショックを受けているという演技をしているに過ぎない。実際には、彼女にとってもう
フラグを立てられない死者などどうでもいい。

「うあぁぁぁぁ!ギャルゲロワの同志が二人も…!おのれぇぇぇ!」

そして、一番取り乱していたのがうっかり侍であった。

「某が無力だったばかりに…!こうなれば、腹を切って天国の二人にわびを…!」
「わ〜!やめてください、うっかり侍さん!」

とうとう切腹しようとしだすうっかり侍を、Chain-情は必死に止める。そんなどこかで
見たような光景を、フラグビルドは面白くなさそうに見つめている。

(あの人は私の獲物なのに…。やっぱりうっかり侍、そのうち殺す…。)



それから数分後。一行は旅館の前に到達していた。

(死者の出ないロワなんてない…。それでも俺は、犠牲を最小限に食い止めたい…。
ここに、協力してくれる参加者がいればいいんだけど…。)

そんな思いを胸に抱きながら、Chain-情は旅館の玄関をくぐる。そこに待っていたのは…。

マントを羽織ったいかにも悪役面なおじさん。ゴスロリ少女。半泣きの巨乳美女。
何故か全裸のマッチョマンと、その腕の中に抱きかかえられた少女の生首。

「え?何、この集団…。」

この程度で出鼻をくじかれるな、Chain-情。このロワには、彼ら以上の変人がごろごろいるぞ。

1840集まれ!コスプレ温泉:2008/02/06(水) 15:32:59 ID:ytnEO6fQ0
さらに数分後。ギャグ将軍たちはChain-情たちをさっきまで朝食を食べていた部屋に招き、
情報交換を行っていた。

「つまり貴兄たちは、対主催の仲間を募っていると…。そういうことだな?」
「ええ。ご協力いただけますか?」

ギャグ将軍に対し、Chain-情は真剣な表情で頼み込む。

「ふむ、どうしたものか…。」
「いいんじゃないかしら、おじさま。」

悩むギャグ将軍にそう告げたのは、コロンビーヌだ。

「マーダーよりも対主催の方が、おじさまの好きなギャグ展開がやりやすいのではなくて?」
「なるほど、言われてみればそうかもしれぬ。よかろう、貴兄に力を貸そうではないか。」
「ありがとうございます!」

ギャグ将軍から快諾を受け、Chain-情は深々と頭を下げる。
ちなみにこのロワではマーダーもガンガンギャグ展開をやっていたりするのだが、
それをギャグ将軍たちが知らなかったのはChain-情に取って幸運というほかない。

「さて、我が部下たちはどうする?余に付いてくることを無理強いはせんが…。」
「いつから部下になったのよ!まあ私は元からゲームに乗るつもりなんてなかったし…。
喜んで協力するわよ、Chain-情さん。」

真っ先にそう発言したのは、焦ったドラえもんだ。

「温泉少女を埋葬してくれた人たちだというのなら、協力せざるを得ない。」

続いて、シルベストリが協力を表明する。

「まあ、みんなが協力するなら…。というか、一人だけ反対してもフルボッコ確定だし。」

最後に、孤高の黒き書き手も協力を受け入れた。

「皆さん…。本当にありがとうございます!」

心からの感謝を込めて、頭を下げるChain-情。その瞬間、彼の体がぐらりと揺れる。

「Chain-情殿!」
「大丈夫ですか!?」

すかさずうっかり侍とフラグビルドが彼のそばに駆け寄り、その体を支える。

「ああ、大丈夫…。」
「無理しないでください。Chain-情さん、ずっと思い詰めてたから…。きっと心労が出て
きたんですよ。」
「ならば、温泉にでも浸かってくるがいい。疲れも取れよう。」

Chain-情にそう勧めるのは、ギャグ将軍だ。

「いや、まだやることがありますし…。」
「無理をするな。やることがあるからこそ、疲れは取っておかねばならぬのではないか?
この場は余に任せて、ゆっくり温泉で疲れを取ってくるがいい。」
「そこまでおっしゃるのなら…。では、好意に甘えさせてもらいます。」

おぼつかない足取りで、Chain-情は部屋を出て行く。彼が去ったあと、コロンビーヌは
ギャグ将軍に尋ねた。

「おじさま、何故そこまで彼に温泉を勧めたの?」
「フフフ、わからぬかコロンビーヌよ。」

口元をゆがませながら、ギャグ将軍は答える。

「ギャグ展開のにおいがするからだ!」

1841集まれ!コスプレ温泉:2008/02/06(水) 15:34:11 ID:ytnEO6fQ0
「ふう…。」
温泉に身を浸し、Chain-情は肺の中の空気を吐き出す。熱い温泉に浸かっていると、
体中に出来たかすり傷がひりひりとした痛みを発生させる。

(あの子は…。こんな痛みじゃなかったんだろうなあ…。)

Chain-情の脳裏に浮かぶのは、この温泉で出会った少女の顔。自分はあの少女を
守れなかった。見殺しにしたも同然だ。そんな自分が今更対主催として張り切ったところで、
罪滅ぼしになるのだろうか?温泉の心地よさとは裏腹に、Chain-情の思考はどこまでも
後ろ向きだった。

ガラリ

そんな中、ふいに脱衣所と温泉を仕切る扉が開いた。

(ん?)

反射的に、音のした方に視線を向けるChain-情。彼が見たのは、バスタオルを巻いた
フラグビルドの姿だった。

「ええ!?ふ、フラグビルドさん!?」
「すいません。Chain-情さんのことが心配で…。つい来ちゃいました。ご迷惑でしたか?」
「い、いや、迷惑っていうか…。」

慌てふためくChain-情の前で、フラグビルドはバスタオルを取り去る。そして彼女の、
一糸まとわぬ裸体があらわに…ならなかった。

「…スクール水着?」
「ええ、うっかり侍さんの支給品の中にあったので、お借りしてきました。」

そう、フラグビルドはスクール水着を着ていた。漫画ロワで支給品として登場した、
「泉こなたのスクール水着」である。

「うふふ、がっかりしましたか?」
「何言ってるんだよ、そんなわけないじゃないか…。」

そう言いながらも何となくばつが悪くなり、そっぽを向くChain-情。そんな彼のリアクションに
微笑を浮かべながら、フラグビルドも湯船に浸かる。

「いいお湯ですねえ…。」
「あー、そうですねー。」
「Chain-情さん、こっち見て話してください。」
「いやです。」

Chain-情はあさっての方向を向いたままだ。全裸ではないとはいえ、スクール水着もまた
全裸とは違った魅力を持つコスチュームだ。直視して変な反応でもしてしまえば、確実に
気まずくなる。

「わひゃん!」

そんな中、突如としてフラグビルドが素っ頓狂な声をあげる。

「なんだ!?」

さすがに無視できず、フラグビルドに視線を戻すChain-情。彼がそこで見たもの、それは
未成熟な少女の体にからみつく軟体動物の姿だった。

(お嬢ちゃん、かまってくれタコ〜。)
「ああ…。タコさん、駄目ぇ…。そんなに締め付けないで…。」

(なぁぁぁぁ!!スク水美少女が触手プレイだと!?いや、厳密には触手じゃないけど…。
それにしたってこれは反則だろぉぉぉぉぉ!)

Chain-情の鼻から、再び血が噴出する。温泉を赤く染めながら、Chain-情はお湯の中に
沈んでいった。


「ああ、えらい目にあった…。」

数十分後、Chain-情は脱衣所の前でフラグビルドが出てくるのを待っていた。元の服は
まだ乾いていないので、再び学生服姿である。

(まあ、おかげで気分はだいぶ楽になったけど…。というか、とてもシリアスなことを
考えられる気分じゃない…。)

そんなことを考えていると、脱衣所からフラグビルドが姿を現した。

「お待たせしました。」
「ああ…って、うおっ!」

Chain-情は、再び慌てふためく。フラグビルドは、今度はメイド服を身にまとっていたのである。

「それもうっかり侍さんの支給品?」
「はい。」
「なんか、ずいぶんマニアックな組み合わせだねえ…。」
「まあまあ。それより、早く皆さんの所に戻りましょう。ご・主・人・様?」
「グハァッ!」

【静かなる 〜Chain-情〜@アニロワ 死亡】
死因:萌え死に

「いや、生きてるっつうの!かってに情けない死因で殺すな!」

1842集まれ!コスプレ温泉:2008/02/06(水) 15:36:48 ID:ytnEO6fQ0
「温泉から戻ると、そこは仮装パーティーだった。」

Chain-情は、大粒の汗を顔に浮かべながらつぶやいた。元の部屋に戻った彼を待っていたもの、
それは3人のメイドだった。目と同じ幅の涙を流している焦ったドラえもん。
頬を赤らめ恥ずかしそうにしているうっかり侍。そして二人の真ん中にいるのは、
さっきまで生首状態だった少女。いつの間にか体が生えてきたらしい。そして彼女たちの
横では、コロンビーヌが満足そうな表情で紅茶を飲んでいる。彼女自身は、元のゴスロリ
衣装から着替えていないようだ。

「ひどいよ、眠らせてる間に着替えさせるなんて…。元の服返してよ…。」
「駄目。そっちの方が似合ってるもの。」

焦ったドラえもんの懇願を、コロンビーヌは即座に却下。彼女の腕には、おなじみの
腕時計型麻酔銃がはまっている。どうやら彼女の支給品だったようだ。

「ほほう、漫画ロワというのもなかなか面白そうな世界だな。」
「非常に熱い世界だと言わざるを得ない。」

一方部屋の別の位置では、元々の装備品よりさらに豪華なマントを身にまとったギャグ将軍と、
覆面マントのマッチョマンが談笑していた。

(なに、この異次元空間…。俺、何か変なことした?つうか、メイド多すぎだろ。
どれだけメイド好きなんだよ、主催者…。)

現実を受け入れられないChain-情は、手当たり次第にその辺のものをゴールド・
エクスペリエンスで殴り、カエルを大量生産する。別に、その行動に意味はない。
ただの現実逃避だ。

「Chain-情さん…。戻ってきてください…。」

傍らにいたフラグビルドがつぶやく。フラグ立て以前に、人間として見ているのが辛い。

「おお、Chain-情!帰ってきていたか!」

そんな様子など気にかけることなく、ギャグ将軍は二人に声をかける。

「ちょうど今、みんなで今後について話し合っていたところだ。」
「嘘付けー!!思いっきり遊んでただろ!いや、温泉入ってた俺が言うのも何だけど!
放送直後だぞ!少しは落ち込むとかしろよ、あんたら!」

いらだちを、すべて吐き出すChain-情。ギャグ将軍はすべてを受け止めた上で、
微笑を浮かべながらChain-情に言う。

「我々とて、死者が出たことに悲しみを感じないわけではない。だが、いつまでも
悲しんでいてもなにも生まれん。ならば今は悲しみを一時胸にしまい、明るく笑って前を
見るべきではないのか?」
「………!」

Chain-情は、言い返す言葉が見つからなかった。威厳は多少あるがアホなおっさんだと
思っていたギャグ将軍にまともなことを言われ、反論できなくなっていたのである。
もっともギャグ将軍の言葉は、なんの策も練っていなかったことについては言い訳にも
何にもなっていないのだが…。

「さあ、皆の衆、お楽しみの時間は終わりだ!そろそろまじめな話に移るぞ!」

1843集まれ!コスプレ温泉:2008/02/06(水) 15:38:07 ID:ytnEO6fQ0
「さて、Chain-情よ。主催者打倒のため、まずはどう動く?」
「最重要事項は、当然首輪の解除でしょう。これをやらずして対主催などあり得ませんから。」

ギャグ将軍の問いに、Chain-情はきっぱりと答える。

「とりあえず、この中に首輪を解除できそうな人は…いませんね。」

その言葉に、一同は揃って頷いた。

「まあ、これだけむちゃくちゃな顔ぶれが集まっているなら、参加者の中に一人ぐらい
首輪解除のスキルを持った人がいるでしょう。その人を捜し出して、仲間に加えたいところです。」
「至極まっとうな主張だな。まっとうすぎて面白味に欠けるが。」
「元々俺は頭脳派じゃありませんからね。」

ギャグ将軍の言葉に、Chain-情は苦笑を浮かべる。

「それはそうと、メンバーの配分はどうする?せっかくこれだけの人数がいるのだ、
ごちゃごちゃ全員まとまって行動する必要もなかろう。」
「ええ、どのみち序盤での大集団結成は、あまり縁起がよくないですからね。」

ロワでは対主催が大量に集まったところで、その先に待っているのはトラブルで散り散り
になるか、何人か死者を出すかしかない。なぜなら、あまり人数が多いと書くのが大変だからだ。

「せっかくこの旅館という、拠点に出来る建物があるんです。ここを防衛する班と、
外に出て仲間を捜す班に分かれたいと思うんですが…。」
「なるほどな。いいだろう、片方のリーダーは余が引き受けよう。もう片方は任せたぞ、
Chain-情。」
「え?俺ですか?けど、さっきも言ったように俺は頭脳派じゃないし…。」

ギャグ将軍の発言に、Chain-情は驚きを隠せない。

「何を言う。ここに来てから、貴兄はしっかりとリーダーシップを発揮しているではないか。」
「そうですよ。Chain-情さんなら大丈夫です。」
「Chain-情殿の実力は、某も保証いたします!」
「フラグビルドさん、うっかり侍さん…。」

仲間からの励ましの声に、Chain-情は胸が熱くなるのを感じていた。

「わかりました、やります!」
「うむ、それでこそ余が力を貸すにふさわしい。主催者打倒が成功した暁には、貴兄を
新生クライシス帝国の県知事に任命してやろう。」
「謹んで辞退いたします。というか、帝国で県知事って!何ですかそれは!」
「没ネタ…いや、何でもない。軽いジョークと思ってくれ。」
「まったく…。頼みますよ…。」


その後、白熱した議論の末最終的にはくじ引きで班の編制が決められた。
Chain-情、フラグビルド、コロンビーヌ、シルベストリが旅館の防衛。
ギャグ将軍、焦ったドラえもん、孤高の黒き書き手、うっかり侍が仲間になってくれる
参加者の探索である。
ちなみにフラグビルドは本来ギャグ将軍の班だったのだが、「Chain-情と離れたくない」
とごねてうっかり侍と変わってもらっていた。

1844集まれ!コスプレ温泉:2008/02/06(水) 15:39:49 ID:ytnEO6fQ0
そして、次に行われたのは支給品のチェックと交換であった。

「ほう、この本はなかなか興味深い…。」

ギャグ将軍が興味を抱いたのは、Chain-情たちがネオンから回収した一冊の本だった。

「Chain-情、これを譲ってくれぬか?」
「ええ、かまいませんよ。俺が持っていても仕方ないし。」
「恩に着るぞ。しかし、ただでもらうのは気が引けるな。代わりに余のコーヒーセットを…。」
「お気持ちだけで結構です。」

「私はこの変化の杖が欲しいなあ。孤高ちゃん、もらっていい?」
「どうぞ。もう生首になるのはゴメンだしね。」
「ありがとう♪」

変化の杖を譲り受けたコロンビーヌは、嬉しそうにそれを振り回す。

「武器、武器、何かまともな武器は…。」
「よかったらこれを使うか?」

普通の武器を求める焦ったドラえもんに、シルベストリが六角形の金属板を差し出す。

「これ…。核鉄じゃないですか!いいんですか?」
「ああ。素手で戦う俺には必要ないと言わざるを得ない。」
「じゃあ、遠慮なくいただいちゃいます!」

何の武装錬金が発動するのかわからないことに一抹の不安を感じつつも、焦ったドラえもんは
それを受け取る。

「それじゃあ早速…。武装錬金!」
『ぶるぁあああああ!!』
………
「なに、今の声。」

謎の声が聞こえたことに、唖然とする焦ったドラえもん。だがすぐに、それどころでは
ないことに気づく。

「なんじゃこりゃあ!」

発動した武装錬金は、バルキリースカート。それ自体は当たり武器といえるだろう。
しかし、彼女が今着ているメイド服との相性が悪かった。
このメイド服はロングスカートのため、足が露出していない。しかしスカートという衣服
の構造上、その上からバルキリースカートが装備されるのも困難である。
その結果、素足に装着されたバルキリースカートのアームが、メイド服のスカートを
たくし上げて外に出ているというセクシーなんだかシュールなんだかよくわからないこと
になっていたのである。

「せっかくまともな武器が手に入ったと思ったのに…。ねえ、コロンビーヌ。
やっぱり私の服返してよ…。」
「駄目。」

焦ったドラえもんの再度の懇願を、コロンビーヌはやっぱり即座に却下した。

1845集まれ!コスプレ温泉:2008/02/06(水) 15:41:06 ID:ytnEO6fQ0
支給品の交換も終わり、ギャグ将軍の班は旅館を後にすることになった。

「それじゃあ頼みましたよ、ギャグ将軍。」
「任せろ。余を誰だと思っておる。」

Chain-情とギャグ将軍は、出発前にがっちりと握手を交わす。

「次の放送の前後には、一度戻ってくる。それまで昼飯でも作って待っているがいい!」
「おじさまー!お気を付けてー!」

自信に満ちた表情で離れていくギャグ将軍に、コロンビーヌが声を張り上げて語りかける。
やがて、旅立った四人は視界から消えていった。

「さて、それじゃあおじさまたちが帰ってくるまで、お茶でも飲んでのんびりしてましょうか。」
「そうはいかないと思いますよ、コロンビーヌさん。」
「あら、どうして?」

Chain-情の発言に、コロンビーヌは首をかしげる。

「施設に参加者が立てこもれば、そこをマーダーが襲撃してくるのはロワのお約束…。
だが、俺は犠牲を出すつもりもみすみす拠点を捨てるつもりもない!返り討ちにしてやりますよ…。」

そう言い放つと、Chain-情は自信ありげに笑った。


【朝】【G-8 旅館の前】
【新生クライシス帝国・Chain-情班】
【共通思考】
1:旅館の防衛。
2:ギャグ将軍班が戻ってくるのを待つ。

【静かなる 〜Chain-情〜@アニロワ1st】
【装備】:カードデッキ(龍騎)、ゴールド・エクスペリエンスのDISC@漫画ロワ、
仗助の学生服@漫画ロワ、合成された刀(名刀“電光丸”+ 妖刀かまいたち + はやぶさの剣)@ドラえもん+風来のシレン+DQ
【所持品】:支給品一式×2、レインボーパンwith謎ジャム@ギャルゲロワ、CD『ザ・ビートルズ』、カエル×10
【状態】:健康。強い決意。
【思考・行動】
基本:殺し合いに反逆ゥ!そしてなるべく多くの仲間と生還し、死んだ書き手の分まで頑張る。
1:襲撃者に備えて警戒。
2:マーダーも出来れば殺したくないが、説得不可能な場合はやむを得ない。
※容姿はスクライド(アニメ)の橘あすか。
※元々着ていた服は、旅館内の適当な部屋で乾かしています。
※フラグビルドの度重なるアタックに、少し心が動いています。

1846集まれ!コスプレ温泉:2008/02/06(水) 15:43:10 ID:ytnEO6fQ0
【素晴らしきフラグビルド@アニ2nd】
【装備】エルルゥのメイド服(ハルヒデザイン)@アニロワ1st、いちご柄のパンツ@ジャンプロワ
【所持品】支給品一式(まだ何か持っているかも)、コアドリル@アニロワ2nd 、泉こなたのスクール水着@漫画ロワ、元々着ていた服
【状態】全身軽い火傷。
【思考・行動】
基本:フラグを立てて立てて立てまくる
1、静かなる 〜Chain-情〜と素敵なフラグを立てる
2、コロンビーヌは一応警戒。
3、うっかり侍に関しては、別行動になったのでひとまず保留。
※外見は小早川ゆたか@らき☆すた(ただし髪の色は緑色)です。
※ゆびぱっちんで真っ二つに出来ます。
※水着着用で温泉に入ったため、火傷は回復していません。


【コロンビーヌ@漫画ロワ】
【状態】健康
【装備】ゾナハ蟲@からくりサーカス、腕時計型麻酔銃(残弾1/1)@漫画ロワ
【道具】支給品一式、ティーセット一式、麻酔銃の予備針×4 、変化の杖、
焦ったドラえもん・うっかり侍・孤高の黒き書き手の服
【思考・行動】
基本:恋愛がしたい。
1:襲撃者に備えて警戒。
2:ギャグ将軍の帰りを待つ。
3:ギャグ将軍と話のつくりが気が合う。
4:アルレッキーノとドットーレが死んだのは、少なからずショック。
※影の繋ぎ手・仮面ライダー書き手に紅茶を入れてあげたいそうです。



【シルベストリ@漫画ロワ】
【装備】:覆面&マント@FFDQロワ
【道具】:白手ぬぐい
【所持品】:支給品一式
【状態】:健康。健康的な張りのある肉体
【思考・行動】
1:サ ー ビ ス シ ー ン 担 当
2:襲撃者に備えざるを得ない
3:ところで温泉にいたブリとタコは何だ?
【備考】
※両目があります。金玉絶賛引き上げ中です
※覆面&マントを装備したことにより、外見が荒くれ仮面(FFDQロワ参照)になりました。


※以下のものが気持ち良さそうに温泉で泳いでいます。
 たいやき(Lv99コイキング)@ニコロワ、ブリ@アニロワ2nd、タコ@漫画ロワ
 鯛焼き(THE FIRST@ライダーロワが焼いたもの。なぜか「およげ!たいやきくん」状態)
※温泉少女の支給品一式、モンスターボール@ニコロワが放置されています。

※温泉に、僅かながら治癒効果が確認されました。
 服を脱いでゆったり浸かっていれば、ゆっくりとですが傷が治癒します。
 怪我などをしていなければ、ただの気持ちのいい温泉です。
 また、ちゃんと裸にならなければ効力を発揮しません。湯船にバスタオルは持込禁止です。
 効能表には何故か「空腹」「不妊症」とも書かれていますが、こちらの詳細は不明です。

1847集まれ!コスプレ温泉:2008/02/06(水) 15:45:27 ID:ytnEO6fQ0
【新生クライシス帝国・ギャグ将軍班】
【共通思考】
1:対主催の仲間を集める(首輪解除スキルを持つ者を優先)
2:第二回放送の頃には旅館に戻る。
※どの方向に向かうかは、次の書き手さんにお任せします。


【ギャグ将軍@ライダーロワ】
【状態】健康。
【装備】杖@ライダーロワ 王者のマント@FFDQロワ
【道具】支給品一式、コーヒーセット一式@スパロワ、コーカサスブレス&ゼクター@ライダーロワ みWiki@らき☆すた? ジャーク将軍のマント@ライダーロワ
【思考・行動】
基本:新生クライシス帝国の結成
1:Chain-情の計画に協力。
2:ついでに飲み友達を集める。
3:コーカサスゼクターの資格者を探し、コーヒーを飲む。
4:紅茶を飲むかどうかは保留。
※ジャークミドラに似た、ギャーグミドラに変身できます。
※制限がライダーロワ基準だと思い込んでいます。
※シルベストリから、漫画ロワの知識を若干得ました。
※今はChain-情に協力的ですが、ちょっとしたことで心変わりする可能性があります。



【焦ったドラえもん@漫画ロワ】
【装備】ドラゴンごろし@アニロワ1st 、核鉄(バルキリースカート)@漫画ロワ、朝比奈みくるのメイド服@アニロワ1st
【道具】支給品一式 。銀河ヒッチハイクガイド。咎人の剣「神を斬獲せし者」@AAAロワ。他にまだあるかも。
【状態】とりあえず健康
【思考・行動】
1.ようやくシリアス展開…なのか?
2.また鯛焼きを買いに行きたい。
【備考】
※ドラゴンごろし@アニロワ1stはきっちり回収しました。
※銀河ヒッチハイクガイドには、全書き手のトリップや代表作も含め、
 参加者が知りたいことは何でも記載されています。
 ただし容量の都合で、かなり記述が切り詰められている場合があります。
※核鉄(バルキリースカート)は主催者の改造(嫌がらせ)により、発動の度に
 若本規夫ボイスが再生されます。セリフはランダムです。



【孤高の黒き書き手@ギャルゲロワ】
【装備:防弾繊維のメイド服@カオスロワ2nd】
【所持品:支給品一式(他ランダムアイテム2)】
【状態:開き直り】
【思考・行動】
基本行動方針:もうどうとでもなれ
1:とりあえずみんなに合わせよう
2:生首はもう勘弁
※外見は「D.C.P.S. 」の朝倉音夢。
※変化の杖の効果は解けました。


【永遠のうっかり侍@ギャルゲロワ】
【装備品】:斬鉄剣@ルパン三世、ティアナのメイド服@アニロワ2nd
【道具】:支給品一式、パロロワ衣服詰め合わせ
【状態】:全身各所に刀傷。貧血は回復。
【思考・行動】
基本:打倒主催、乗った人間は斬り捨てる。
1:仲間たちを守る
2:無事に皆で帰る
※私立真白学園中等部の制服@アニロワ2ndを破り、包帯代わりに全身に巻いています。

※各自の服は、すべてパロロワ衣服詰め合わせに含まれていたものです。

以上です。やたら長くなってしまってすいません。詰め込みすぎたか…。
正式タイトルは「温泉話っスか! Chain-情さん2 集まれ!コスプレ温泉」
でお願いします。

1848名前を捨てた人:2008/02/06(水) 15:55:38 ID:bMhrWKfg0
さっそくの作品投下乙です。
コスプレ祭っすね。もうちょっと温泉描写が詳しくても……いや、なんでもないっす。
それとフラグビルドのメイド服はアルルゥなんで、まあエルルゥのメイド服も見てみたいっすけど。

そして……やっぱりかぶったーーーー!!!!
くそ、やはり温泉組を狙っていた人がいたか。唯一の救いはまだ文章にしていなかった事か。
ちなみに自分の奴だとエロ展開+惨劇になる予定でした。

1849名前を捨てた人:2008/02/06(水) 15:58:45 ID:tr2ermsw0
GJ。かなり笑わせてもらった……貰ったんだが




うおおおおおおおお!!俺も被ったあああああああああ!!orz
いや、まだプロットだけだったけど、まさかもろ被りとは思わなかったw

1850名前を捨てた人:2008/02/06(水) 16:00:18 ID:tr2ermsw0
あ、責めてるとかそんな意味で言ってるのでは無いから気にせんでおくれ。
しっかし、このメンバーはホント面白すぎるw

1851名前を捨てた人:2008/02/06(水) 16:01:34 ID:xtLNwZ8E0
>>1814-1815
ちらっと追跡してみたら49話とか凄かったw
あれだよね、南端から南に移動したら北端に出る事もあるよね!

1852名前を捨てた人:2008/02/06(水) 16:10:36 ID:xtLNwZ8E0
……地図ができるまでの経緯とか知らなかったんだ、ごめん。
>>1851は忘れてくれ……

1853名前を捨てた人:2008/02/06(水) 17:42:20 ID:cZoEZOpwO
>>1848-1849
おいおい、何のためにウィキに没ネタ用のページがあると思ってるんだい?
まぁつまり、

投下して下さい、お願いします。ぜひ!

1854名前を捨てた人:2008/02/06(水) 18:50:15 ID:El4X9D860
投下乙。
なんという強力だが奇怪すぎる対主催集団theほのぼの温泉。
ほんとまともな奴がいねー!?
……まあ、それはいい。良いのかわからないが良い。
その前に言いたい事があるんだ。それはだな。

>>1847-1849
おまえら温泉で結婚しろwww

1855名前を捨てた人:2008/02/06(水) 20:02:42 ID:xEHQrFCYO
自ロワの書き手と会ったのにノーリアクションとは、まさかうっかり気付いてないのかw

1856名前を捨てた人:2008/02/06(水) 21:03:47 ID:n1ymf5ao0
お前ら温泉組好きだなwwwww

1857貴方だけに教えます:2008/02/07(木) 00:10:12 ID:puQO/IhI0
乱雑に紙束を捲る音が、静かな部屋に響く。
焦る息づかい。落ち着かない視点。動揺は行動から精密さを失わせている。
それでも――急げ。急げ、急ぐしかない。
時間があとどれだけ残されているかも判らない。
その上に何を見つければ良いのかも判らなかった。
(くそっ、何か無いのか。何か……何か、手掛かりは!)
思わず臍を噛む。
今はチャンスなのだ。定時放送が流れた直後の今が。
今なら奴は、放送直後の参加者達を見物するためモニターに釘付けされている。
定時放送直後、参加者達の悲喜こもごもは頂点に達するのだから。
無数の死、幾つもの喪失が参加者達を傷つけ、無数の悲しみと絶望を撒き散らす。
会場の見物を楽しみにしていた奴が、それを見物していない筈は無い。
少なくとも十数分は確実に。

――ブゥンと、胸ポケットでマナーモードの携帯が鳴った。

「チィッ」
思わず舌打ちする。放送後十分経過のアラームだ。
それが真主催者ことWiki管理人の私室を捜索する限界として定めた時間だった。
撤収までにかかる数分も計算に入れた限界ギリギリの設定時間。
これ以上時間を費やすと彼女が戻ってくるかもしれない。
彼はデジタルカメラを取りだすと、目星をつけた書類を撮影した。
高解像度のカメラだ、後でパソコンに映せば十分可読に耐えるだろう。
それから急いで書類を元の場所に戻す。
最後に部屋の全景を何度か撮影してから退室し、元通り鍵を閉めた。
足早に鍵を管理室に戻し、モニタールームの前に来た所で。
目の前で扉が開いた。
「おや、どうしましたそんなに急いで」
「――――っ!」
顔を見せたのはWiki管理人だった。

彼は動揺する鼓動を必死に落ち着かせる。
(大丈夫、気取られてはいないはずだ。俺の来た方向は他にも設備がある。
 その上にこいつがまだここに居た。下手を打たなければばれない)
彼、読み手は落ち着いた口調で答えた。
「別に。少し用を足していただけだ」
Wiki管理人はくすりと笑みを浮かべる。
それだけで読み手の心拍数は跳ね上がった。
「ダメね、君。嘘はいけないよ」
絶句する。
(まずい、気付かれた!?)
焦りを押し込め、返答。
「嘘など……吐いていない」
「そう? どうせ君の事だから」
Wiki管理人は笑う。今から告げられる次の言葉で読み手の命運は決する。
果たしてその言葉は。

「放送直後に嘆く参加者達を見たくなくてモニタールームから離れていたんでしょう?」

……読み手にとっては幸運なものだった。
「…………そ、そんな事は無い」
内心の安堵を隠して動揺を見せる。本当はその通りだと思わせる為の動揺だ。
「そうかい? ……ふふ、まあいい、少し休憩をあげるよ。自室で休んできなさい」
「くそ……お言葉に甘えさせてもらう」
読み手はモニタールームに背を向け、自室へと足を向けた。
滝のような汗が流れる背中に、くすくすと笑い声を浴びながら。

     * * *

1858貴方だけに教えます:2008/02/07(木) 00:12:14 ID:puQO/IhI0
読み手は自室に戻ると、早速撮影した書類をパソコンに映し出した。
だが彼にとって重要な情報はそうそう無い。
主催側である彼は大半の情報を最初から知っているし、そもそも……。
例えば参加者達のプロフィールがある。
(性格や外見が記されているな。書き手同士の繋がりも有る。参加者達にとっては垂涎物だろうが……)
ロワ内に干渉する手段を殆ど持たない彼にとっては意味が無い。
どうにかして内部にこの情報を届けられなければ、この情報は無価値だ。
あるいは、首輪の内部構造。
対主催にとって喉から手が出る程に欲しい、首輪の解除法法。
(これも俺にとっては意味が無い。くそ、中にこれを届けられれば……!)
参加者にこれを渡せれば、対主催組は一気に決起できる。
彼、読み手こそ黒幕だと思われているのは問題だが、それでもこの価値は大きい。
参加者側に融通する事さえ出来れば。
「……くそ、なんてことだ」
思わずほぞを噛む。
読み手は主催側という安全な側に立ち、自由に内部を見物出来る権限を持っている。
だが参加者達を救おうと思っても、まるで手が出せない立場でもあるのだ。
その焦れったさが読み手には悔しく仕方がなかった。
(それでも、何か無いのか? 参加者達を……書き手達を助ける鍵は)
読み手は書類の写真データを次々にめくる。
次の書類を。次の書類を。
――管理体制。
――定時放送におけるカンペ。
――支給品のリスト。
――会場内の施設とその設備一覧。
――第一回書き手ロワ主催側記録。
………………。

「ん?」
それが気になったのはなんとなくだ。
第一回書き手ロワに関する記録。
この世界とは別の可能性世界で行われた書き手ロワイヤル。
その世界における人物は、この世界の人物と一部同じであり、同時に全くの別人だ。
(どこかの名も知らない読み手>>1が始めた企画だったな)
恐ろしい事だと思う。
書き手がSSを書かなければ読み手が読むSSは無いというのに、
その読み手は書き手達を集めて殺し合わせたのだ。
なんという矛盾。
だが1の野望は>>783-784で敗北を認めたズガンにより終わった。
ただそれだけの話。
もう終わり、そもそも別の可能性世界で行われた、全く接点の無い話。
この内容が何であれ、今回のバトルロワイアルに関係は無いはずだ。
だから読み手がそれに目を向けたのは限りなく偶然に近かった。
そして何か、違和感を感じた。
(なんだ……?)
写真を拡大し、縮小で潰れていた文字を見る。
そして気付いた。
(主催…………1、の後に何か書かれているな。これは、トリップか?)
1は名無しであると同時に、非公開だがトリップを持った人物でも有ったのだ。
恐らくは書き手か。
読み手は興味を持ち、更に写真を拡大した。
拡大しすぎた文字が画面一杯に広がる。
「…………え?」
表示された文字は半角英数字の三文字。拡大しすぎたせいで他の文字は画面外だ。
普通、これを見て判るトリップは既知ロワの有名人くらいだろう。
それでも判った。このトリップが誰を指しているのか、ほぼ確信した。

縮小した。思った通りのトリップが表示された。

1859貴方だけに教えます:2008/02/07(木) 00:13:49 ID:puQO/IhI0
「…………あんた、1stじゃ一応人畜無害じゃなかったのかよ」
混乱しながら漏らした呻き。

モニターには――『666』の三文字が表示されていた。

書き手ロワ1st主催、1◆CFbj666Xrw。
1stでも2ndでもロリな参加者として絶賛参加中。
コンゴトモヨロシクオネガイシマス。


※:読み手がWiki管理人の部屋から撮影してきた書類は『参加者達のプロフィール』
  『首輪の内部構造』『管理体制』『定時放送におけるカンペ』
  『支給品のリスト』『会場内の施設とその設備一覧』『第一回書き手ロワ主催側記録』
  他にもあるかも。どれも参加者にとって大変価値のある物ですが、
  そもそも読み手は主催側なので大半を知っていた上、参加者に伝える手段を思いつけずにいます。
※:666が1st主催である事が何か関係有るかは不明。単に別可能性世界の住人かもしれない。

1860 ◆CFbj666Xrw:2008/02/07(木) 00:18:28 ID:puQO/IhI0
ボマー氏のカミングアウトを見て、無性にばらして楽になりたくなりました。
当人に言わせようor思考でやろうと思いましたが思いつきませんでした。
結果、こんな事に。
1st主催がこんなだったので1stでロリが溢れたのはある意味で必然だったのです。

――嘘ですが。
1stのロリは一人たりとも自分で出しませんでした。
1stの自分を考えた奴はちょっぴり天才だと思います。誰か知らないが凄いです。まる。
では影ながら、コンゴトモヨロシク。

1861名前を捨てた人:2008/02/07(木) 01:08:49 ID:3VgIyhMo0
投下乙…って、あんたかー!
このことが対主催側にとって有利になるのか…といっても本人ドSだから
なかなか協力しないだろうなぁw
さて、参加者(生存者限定)を登場作品数(第一回放送まで)でランク付けしてみた。
何かの参考にどうぞ。

登場作品数:2話
ルーキー
康一君
ダイナマイトアンデッド


孤高の黒き書き手
速筆魔王LX
暮れなずむ内面描写
エロスの鐘の煩悩寺
底上中の残月
コ・ホンブック
ビクトリーム博士
無明幻妖side.

1862名前を捨てた人:2008/02/07(木) 01:15:52 ID:3VgIyhMo0
登場作品数:3話

MJv.H0/MJQ
ピザの1号
パンタローネ
焦ったドラえもん
愛の伝道師
ボマー
派手好き地獄紳士『666』
バトルマスター
ボンボン系の書鬼
管理人・したらば孔明
幻夜・フォン・ボーツスレー
大あばれ鉄槌
神行太保のDIE/SOUL
フリクリ署長
意外な影丸?
猫子頭の鬼軍曹
地味子
THE FIRST
漆黒の龍
仮面ライダー書き手

1863名前を捨てた人:2008/02/07(木) 01:19:46 ID:3VgIyhMo0
登場作品数:4話

エース
シルベストリ
King of 脳内補完
エロ師匠

お姉さま
蟹座氏
忘却のウッカリデス
静かなる 〜Chain-情〜
地球破壊爆弾No.V-7

1864名前を捨てた人:2008/02/07(木) 01:23:42 ID:3VgIyhMo0
登場作品数:5話

コロンビーヌ
ミスターマダオ
クールなロリスキー
熱血王子

ギャルゲロワ版最速の人
ステルス鬼畜
衝撃のネコミミスト
マスク・ザ・ドS
素晴らしきフラグビルド
サプライズパーティー
影の繋ぎ師
ギャグ将軍

1865名前を捨てた人:2008/02/07(木) 01:37:33 ID:CWo5mM620
>>1864
       .//:.:.:.:.:.: /.:.:.:.:.:.:.:.;.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\.:.:.:.:.:.:.:.:ト、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
     ./:.:/:.:.:.:.:.:.:/:.:.:./:.:.:./:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:∨.:.:.:.:.:ト、\:.:.:.:.:.:.:.:.:.|    おかしいなぁ……どうしちゃったのかな
     /:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:/:.:.:.:.|:.:.:.:.:.|:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l.:.:.:.:.:.:| \\:.:.:.:.:.: |     
     l:.イ:.!:.:.:.:.:.:./|:.:.|:.:.:.:./!:./l:.:.|:.:.:.:|:.:.:.:|:.:.:.l:.:|:.:.|:.:.:.|:.:.:.:.:∧  | |:.:.:.:.:.:.|    がんばったのはわかるけど、俺様がいないじゃない 
     l/|:.:|:.:.:.:.:/.:.|:.:.|:.:.:/‐l/-|:.:ハ:.:.:ハ:.:. |:.:.:.|: |:.:.|:.:.:.|:.:.:.:/ |   | l:.:.:.:.:.:.:,     
       V',:.: /:.:.:.|:.:.l:.:.:.|<圷示 ∨|ー-|:./」_:|:.:.|:.:./:.:.:/  :|   | |:.:.:.:.:.:.:',     参考にしてくださいとか言っておいて、結局誰かが抜けてるなら
       !:∨:.:.:.:.:|:.:.|、.:|l ゞ='   ヘ| 'イ圷示/|: /:/'^レ   ∨  |:.:.:.:.:.:.:.:',     
        |:.:.:.:.:.:.:. |ヽ| ヽ|    ,    ゞ=' ′|/:/|r;/      \. |:.:.:.:.:.:.:.:.:',    これの意味、ないじゃない 
        |:.:.: / ̄ ̄\ヘ.    ′       /イ:.:.|/、   ___ヽ|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:',    
        |:/      /|:.:\  ` `     / |:.:/  「|Y´     \:.:.:.:.:.:.:.:.:.',     ちゃんと、確認くらいやろうよ 
      /       //|:.:.| \__ .. イ |,|/  l|:| |      ∧:.:.:.:.:.:.:.:.:',     
     ./       /〈. Vリ   | \_>'′  l      |:| |         ∧:.:.:.:.:.:.:.:.',     ねぇ、俺様の言ってること 
   ./       / \\  l| !ニニ}   /    ,./ |           \:.:.:.:.:.:.:',     
  /.        ;' //  | |::|    /'     \ |           \:.:.:.:.|     俺様の書き手ロワ2nd、そんなに間違ってる?
 「 \         /  \\   .|/⌒ニニニ/      〉〉 |        /  〉:.:.:|     
  \ \   _|    \\ .|    /     //  |        /    /:.:.:.:.|     
   \  ̄    |     \\V   /  _ <イ    |     _,/    ∧:.:.:.:.|     少し、頭冷やそうか…… 
.      \   _ハ     __\ ∨ /r<<___    ハ´ ̄、       / |:.:.:.:.|     
      ノ  / ハ   |:::::::::::::`T::T::´ ̄::::::::::::::/-.、  / ゞ   ー  イ  ',:.:.:.:|     
     〈       ト、 ハ:::::::::::::::L::i::::::::::::::::::::::/::::: || ∧  ∨      `ヘ   ',:.:.:|  ←カオちゃん

1866名前を捨てた人:2008/02/07(木) 01:42:18 ID:fvLDySXE0
>>1860
思わず>>1のID追って納得しちまった、何やってんだアンタとボマーはwwww

1867名前を捨てた人:2008/02/07(木) 01:46:49 ID:3VgIyhMo0
登場作品数:6話

蘇った現代の熱血怪人
予約被りに定評のあるtu4氏

登場作品数:8話

The god of chaos

以上です。
ちなみに
平均登場作品数:約3.5話

ロワごとの平均登場作品数

AAA:2.7話
漫画:3.9話
LS:3話
スパロワ:3.3話
ギャルゲ:4.3話
アニ2nd:3話
アニ1st:3.1話
ハカロワ3:5.3話
ライダー:3.8話

集計、計算ミスがあっても御愛嬌ということで。

1868名前を捨てた人:2008/02/07(木) 01:48:53 ID:3VgIyhMo0
>>1865
スイマセン平均値出してたら遅くなったんですダカラユルシ…アッー!

1869名前を捨てた人:2008/02/07(木) 01:48:54 ID:QhT0SwK.O
乙、だが自分も居ない…。
というか生き残りが60人なのに56人しか居ないから、自分とカオちゃん氏を足しても後二人足りない筈。

1870名前を捨てた人:2008/02/07(木) 01:56:51 ID:QhT0SwK.O
おっとしまった続きがあったのか。
これで居ないのは自分だけという事ですなw

……ネタないし自殺コースかなw?

1871名前を捨てた人:2008/02/07(木) 01:59:18 ID:tnHuWm5E0
アフリカではよくあること

1872名前を捨てた人:2008/02/07(木) 02:02:13 ID:3VgIyhMo0
なんといううっかり…

永遠のうっかり侍:5話追加しておきます。
>>1870氏、申し訳ありませんでした。
高校の時数学の時間ちゃんと起きてるんだった…
算数のレベルだとかガタガタ(ry

1873名前を捨てた人:2008/02/07(木) 02:07:10 ID:QhT0SwK.O
>>1872
いえいえ、むしろオイシイかとw

というかレス見直したら自分の名前を書いておかなかった事に気付いたorz
手間かけさせてすいません。

1874一種のカミングアウト ◆wSaCDPDEl2:2008/02/07(木) 02:31:36 ID:2RkNX2vw0
放送の直前、異変は起こった。
(な……何だ!?)
カレーを半分ちかく食べ終えた脳内補完の頭に突如頭痛が走る。
「…………グッ!」
「あ、ちょっと大丈夫ですか?」
(何なんだこの映像は……!)
破壊しつくされた図書館、目の前で切り刻まれる少女、そしてこっちに切りかかる凛々しい女侍……
デコの広い少女にナイフを突きつけられ、大量の人間に追いかけられ、少女を陵辱し、
何の罪も無い家族を殺し……
(止めろ! 私はこんな物は知らない! こんな映像は見ていない!!)
中でも最も堪えがたかったのは、死して他人のために尽くした少女の亡骸を破壊しつくし……
(止メろ!! 私の中に入ってくるな、止めろ止めロヤメロやメロやめろぉおおおおおおおお!!)

「───ぅぶですか! 大丈夫ですか脳内補完さん!」
気がつくと脳内補完は椅子から転げ落ちて、頭を抱え蹲っていた。
ルーキーが見下ろしながら、そしてすぐ横には残月が自分を抱きかかえて自分を心配そうに見つめている。
「……ねえよ」
「え?」
「大した事ねえよ。ちょっとカレーが辛かっただけだ」
「全く、あんな程度で辛いだなんてあんた子供だね」
「はは、まあな……それよりもうすぐ放送だろ? 聞き逃しちまったからマズイぜえ」
先ほどの、どちらかと言えば気弱な態度から一気に変貌した脳内補完。
それに何となく違和感を覚え、ルーキーは首をかしげるのだった。
(さて……)
だが……。
(オレを一回殺したクソったれに礼をしねえとな……倍返しで)
彼の身に何が起こったかなど知るよしも無かった。

1875一種のカミングアウト ◆wSaCDPDEl2:2008/02/07(木) 02:34:24 ID:2RkNX2vw0
【早朝】【E-1 民家】
【King of 脳内補完@漫画ロワ】
【装備】スカウター
【所持品】支給品一式、ウルトラミキサー(故障?)
【状態】健康
【思考・行動】
基本:ステルスマーダーとして参加者は皆殺し
1:あのクソガキ(Chain-情&クソビッチ(うっかり侍)、次あったら殺してやるぜ……マジでな
2:チッエニグマの紙どこ行きやがった?
※中の人がB・D・Nであったために、人肉カレーとがきっかけで異世界の自分、
およびもう一人の自分と記憶がシンクロしました

【底上中の残月@アニロワ2nd】
【状態】全裸、空腹を満たす
【装備】なし
【道具】支給品一式、放火セット(燃料、松明、マッチ)、未定支給品×2(本人確認済み)
【思考】
基本:対主催を集めて主催者を打倒する
0:なかなかいい出来じゃないか
1:人を集めるのに手段は選ばないよ
2:でも、おっかないのは御免だねぇ……
3:まあこの二人は最初の仲間って事かね
※容姿はドーラ@天空の城ラピュタです。
※全裸主義者なので服を着ることをいやがります。

【◆yHjSlOJmms(ルーキー)@AAAロワ】
【状態】決意
【装備】ピストル(15/15)
【所持品】なし
【思考・行動】
基本・対主催
0:………………?
1:先輩の跡を引き継ぐ
2:シルベストリ◆O4VWua9pzsに接触する
3:AAAロワ書き手を探す

1876 ◆YbPobpq0XY:2008/02/07(木) 02:35:16 ID:2RkNX2vw0
調子乗りすぎたかなと、反省はしている

1877名前を捨てた人:2008/02/07(木) 02:37:28 ID:bJJqNVdIO
ちょwwwカミングアウトラッシュwww

しかしメイオウといい脳内ブリリアンといいAAA書き手が組む相手は二重人格ばかりだなw

1878その名は「火蜥蜴」:2008/02/07(木) 18:56:17 ID:17YrgGW60
投下します。

……はい、皆行き届いたかなー?行き届かなかった子は、
 隣の人に見せてもらいなさいネー。
 禁止エリアは最初だから無難にいこうと思います。
 一時間後にA-1、三時間後にF-9、五時間後にI-9です。
 それじゃあ皆頑張ってー。じゃあねー愛してるよー♪」

熱血王子が目を覚ましたのは、放送が後半に入ってからだった。

(チッ、気を失っていたか…。まあ、禁止エリアが聞けたのだから良しとしよう。
死者の数も知っていた方がいいのはたしかだが、無差別マーダーの俺にとっては情報と
しての重要性は低い…。)

気絶から立ち直ったばかりにもかかわらず、熱血王子は冷静に思考を巡らせる。
その体が受けているダメージは、本人の予想以上に低い。おそらく、自分を吹き飛ばした
攻撃がギャグ属性だったからだろう、と彼は考えていた。仮に自分がくらったのが
スタンドのラッシュや北斗剛掌波だったとしたら、吹き飛ばされた距離が同じでも
おそらく死んでいただろう。

やがて彼は、自分の傍らに落ちていた地図に気づき、それを拾い上げる。

(支給品に地図が入っていないのはおかしいと思っていたが、このタイミングで配られるとはな。
何かの策略か、それとも単に計画がずさんなだけか…。何にせよ、地図があっても自分の
現在位置がわからないんじゃ意味がないな。)

熱血王子は自分の現在位置を確認すべく、周囲を見渡す。そこは一言で言えば、荒れ地だった。
しかし長い年月をかけて荒廃していったというよりは、大規模な破壊行動によって
そうなったという感じだ。

(戦闘の跡地か…。これだけ大規模な破壊を行える参加者がいるとは、はっきり言って
やっかいだな。どこかでくたばってくれていれば楽なんだが、そう都合よくもいかないだろう。
ん?あれは…。)

彼はふと、自分の視界内に何かが落ちているのに気づく。近づいて拾い上げてみると、
それは爪形の武器であった。

(これは…。)

1879その名は「火蜥蜴」:2008/02/07(木) 18:57:50 ID:17YrgGW60
それは、コ・ホンブックに殺された書風連二人のどちらかに支給された武器だった。
エアの攻撃に巻き込まれても、奇跡的に損害を免れたらしい。
その武器の名は、ジ・アベンジャー。FFシリーズを出典とする、なかなかに強力な武器だ。
予備知識を持たない者がこれを拾ったなら、労せずして武器を手に入れられたと喜ぶだろう。
しかし、不幸にも熱血王子は知ってしまっていた。FFDQロワ3rdにおいて、
このアイテムを支給された参加者の名を。

その名は、サラマンダー・コーラル。

「クッ…ククク…。なんだこれは…。俺に対する皮肉か?この俺が、サラマンダーだというのか?」

クールなロリスキーを襲った。最速の人を追いつめた。ネコミミストと地獄紳士のコンビと戦った。
だが、彼の殺害数は未だ0。一人も殺せていない。それはまさに、「サラマンダー」と
呼ぶにふさわしい状態だった。

「クックック…。アーハッハッハッハッハ!!」

熱血王子は笑う。大声で。狂おしく。そして…。

「少し、頭冷やそうか…。」

自分の顔面を、思い切り殴りつける。己の拳に脳を揺らされ熱血王子はよろけるも、
何とか踏みとどまる。

(落ち着け…。KOOLに…いや、COOLになるんだ熱血王子!こんな偶然起きた
出来事に動揺してどうする。むしろ、これを戒めとするべきだろう。)

ジ・アベンジャーを投げ捨て、熱血王子は歩き出す。その表情は、すでに冷静そのものだ。

(次の失敗はない…。次に出会った相手こそ、全力全開で殺してみせる!)

汚名を返上すべく、彼は次の闘争に備える…。


【朝】【D−9】
【熱血王子@漫画ロワ】
【状態】:全身に軽い打撲、顔面に小ダメージ、変身解除
【装備】:『破棄すべき全ての手』、ウルトラリング
【所持品】:支給品一式
【思考・行動】
基本:手首を狩り尽くし、復讐を果す。
1:脱・サラマンダー。相手は誰でもいいので見敵必殺。
2:666とネコミミストと会ったら今度こそ手首を狩る
3:逃げていった最速の人達をもう一度見つけ出し、手を狩る
※変身後の姿は銀目銀髪の高町なのはの顔に、ウルトラマンレオの体、声は赤木しげるです
※変身前は、ウルトラマンメビウスのヒビノ=ミライの様な容姿です
※第一回放送の前半を聞き逃しました。
※かなり大きな声で笑ったため、同じエリア内に他の参加者がいればほぼ確実に聞こえています。
※【『破棄すべき全ての手(リスト・ブレイカー)』@漫画ロワ&誤爆スレ】
 一話で二人の人間の手首をはねた逸話に由来する宝具。
 真名を解放しながらの攻撃は、全て手首を斬り飛ばす一撃となる。
 ちなみに外見はfateのルルブレ。存在は誤爆スレと漫画ロワ毒吐きを見て勝手に作った
※【『ウルトラリング(書き手ロワ特別バージョン)』】
 透明な麻雀牌がついた指輪と、レイジングハートがついた指輪の二つで一つ。
 この二つを合わせる事により、戦闘形態へと変身を遂げる。

※D−9のどこかに、ジ・アベンジャー@FFDQロワ3rdが放置されています。

1880名前を捨てた人:2008/02/07(木) 20:55:51 ID:KgjgtMO2C
いや、そりゃ手首ばっかり切ってちゃマーダーにはなれんだろw
つまりマーダー覚醒フラグか?

1881MURDER PRINCESS:2008/02/08(金) 23:33:57 ID:I.ll9T5Y0


空を飛び続けていた剣を持つ少女。彼女の名前は、予約被りに定評のあるtu4氏。
彼女は放送を聴きながら、自分が何をしたいのかおぼろげに見えてきていた。
それはロワでの予約を勝ち取り、空気から脱却する事である。
では、そうするには何をすればいいか……簡単だ。

「ようするに、私の予約を阻害する書き手を殲滅するってだけよ」

そう。ライバルがいなければ、必然的に予約は確定となる。
他の書き手が予約を取れなければ、ロワは彼女の独壇場となるのだ。
あっという間に覚悟を決めたtu4氏は、持っていた存在をその手に握り直す。

「ん、思ったより軽いわね。まるで木の棒みたいじゃない」

軽やかな動きで剣を薙ぐ。
一太刀縦に振るえば、剣の通った残像が流星のように消えていく。
横に払えば、空気を上下にして小さな竜巻を生み出す。
パリィ。
霞二段。
残像剣。
無拍子。
黄龍剣。
無月散水。
どんな技も、次々と頭の中から湧き出てくる。
しかも、全く疲労を感じないオマケつきだ。

「これならある程度は楽に戦えるわね」

ひとり納得すると、tu4氏は剣を鞘に戻す。
その時、彼女は気づかなかった。自らの左手の甲に浮ぶ奇妙な紋様を。
それこそ、彼女を強くしていた秘密。どのような武器すら操るガンダールヴの証。
ゼロの使い魔を知る人にはでお馴染みの、チート能力だ。
圧倒的力を秘めた永遠神剣「存在」に加え、その存在を自在に扱えるガンダールヴ。
今の彼女に、恐れるものなど無い。唯一あるとすれば――

「エロスの鐘の煩悩寺……ね」

もう一人存在する。自分の分身の様なもの。
己が怖いとはよく聞くが、まさにその通りだろう。
いくら同一人物でも、こうやって分離された以上、もう相手の心など分からない。
彼女は対主催になっているだろうか。それとも、マーダーとなっただろうか。

「ま、私の活躍のため犠牲になってもらうわ」

唇に指を当てながら、tu4氏は似つかわしくないほど優艶な笑みで空に笑いかけた。
と、視線が不思議な生き物をビルの一角に確認する。
即座に剣を鞘から抜くと、一気にその影まで跳躍する。
高さにして五階はあるであろうそのビルを、彼女はジャンプ一つで到達した。
そしてハッキリと目視できる所まできて、思わず軽い笑みがこぼれる。
目に写った姿は、無防備な状態で寝続けるクロちゃんこと、ボンボン系の書鬼だった。
こちらが近付いたのに、何の反応も示さない。
よっぽど眠いのか、鼻提灯を膨らまして幸せそうに眠っている。

「記念すべき一人目にしてはあっさりだけど、ま、いっか」

少しだけ物足りないと言う顔をしながらも、彼女は躊躇せずに剣を振り下ろす。
危険が迫っているのに、彼は未だに夢の世界から戻る気配をみせない。
こうやって何の抵抗もできぬまま、彼の書き手ロワはあっさりと幕を引いた。
だが、これは幸せな最期とも言えるだろう。
これから生き抜く書き手たちは、きっと想像以上の思いをするのだから。

「ばいばい。可愛い書き手さん」

綺麗に切断された断面を見ることも無く、支給品だけを回収する。
ボンボン系の書鬼が装備していた剣は、邪魔なので捨てておく。
そして窓から飛び去ろうとした所で、ふと部屋の中を見直す。

「そうそう、処理もしておかなきゃ」

思い返したようにボンボン系の書鬼の前に立つと、その首に装着されていた首輪を足で踏み潰す。

「下手に回収されたら、対主催が元気になっちゃうしね♪」

粉々になった首輪にウインクすると、tu4氏はようやくその場から立ち去っていった。




    ☆    ☆    ☆

1882MURDER PRINCESS:2008/02/08(金) 23:34:41 ID:I.ll9T5Y0




「くそっ、予想以上に多すぎるぞおい」
「ああ。これではみんなに愛を伝える前に全滅してしまう」

ビルの近くのオープンカフェで、漆黒の龍と愛の伝道師の二人は顔を突き合せて悩んでいた。
今放送を聞いたばかりだが、死者の数が多すぎる。
どこの盛況ロワだよと言いたくなるくらいの死にっぷり。
下手したら、今日で終わってしまうのではと錯覚するくらいの数だ。

「やっぱ、マーダーがかなりいるって事かね?」
「だろうな。自ロワはそんな奴はいないと思ったが、よくよく考えれば最初の奴は自ロワだし」
「ライダー勢は……難しいな。くそっ、情報が少なすぎるぜ」
「うむ。せめてあと一人、別のロワからの仲間が欲しい所だな」

店にあったクロワッサンを咥えながら、漆黒の龍は周囲を見渡した。
あの放送があってから突如現れた地図。それが示す限り、ここは街の中心部なのだろう。
なのに、未だにマーダー以外と遭遇できない。
もしかしたら、これを予見した対主催スタンスの書き手は、みんな郊外に逃げてしまっているのだろうか。
それならば、自分たちも一刻も早くどこかに移動するべきだ。

(だが、何処に移動すればいい?)

二人で歩くには、この会場は広過ぎる。
それに、他の参加者だって常に同じ位置にいることは無いだろう。
第一、そうしないための禁止エリアなのだから。

「おい漆黒の、あれを見てみろ」
「ぶつぶつ……ん?」

愛の伝道師が指さした方向を見ると、そこには重そうな剣を抱えて走ってくる少女の姿があった。
見たところ、襲ってくるような気配は感じられない。
幾分警戒心を残しつつも、二人は少女に手招をきした。
それに気付いた少女は、泣きそうな表情をしながら手を振り返えしてきた。
やがて、二人のもとに辿り着いた少女は、胸に手を当てながら呼吸を整えると、その場に崩れ落ちた。

「お、おい!」
「ぁう、た、助けてください!」
「え!?」
「向こうで、奇妙な格好をした人に友達がッ!お願い。助けてください!」

俯きながら懸命に訴える少女に、二人は思わず息を呑む。
これが物語の中ならば、セーブでもしてからOKの返事が出せる。
だが、ここは物語の中じゃない。現実だ。軽はずみに受けて、死んでしまう訳には行かないのだ。

「……」
「……」

答えに窮する二人に、少女はさらに顔を崩しながら泣き続けた。
その訴えに耐え切れなくなったのは、愛の伝道師の方だった。

「分かった、助けに行こう!」
「おい、正気かよ!?」
「これも性なんだろう。なにより、愛の伝道師としては、こんな状況こそ愛を説かねばなるまい」
「お前……よし、助けには俺が行く。お前さんはこの少女を守ってやっててくれ」
「……承知した。無理はするなよ」
「おう。で、その友達ってのはどっちにいるんだ?」
「あ、あの……あっち、に、真っ直ぐ行くと。変な格好の人と、友達が……うぅ」

漆黒の龍の問いかけに、少女はボソボソと詳細を答える。
少々情報が少ない気がするが、行けば分かるのだろう。

「その友達とやらを助けるのと、生きて帰ってくる。両方とも守ってくれよ」
「厳しい条件だが、ま、やってみるさ」

お互い拳を付き合わせると、漆黒の龍は駆け足でビルの向こうへと消えていった。
それを見送ると、愛の伝道師は少女に優しく笑いかけた。

「そこに、座っておくといい。いま飲み物を出す」

そうして踵を返し、キッチンへ足を踏み出した瞬間、一気に景色が変わる。
いままで歩いていた地面が天井に、天井が地面へと。

「は?」

次に映ったのは、地面と言う名の天井に張り付いた自分の下半身。
根を張ったように、しっかりと天井に固定されているのがよく分かる。
そこから視線を落としていくと、今度は腹部が見えてきた。
一体、どこから垂れ落ちてきたのか、服には赤黒い液体が染み付いている。
そしてさらに視線を下にしたところで、愛の伝道師の視界は真っ暗に染まっていった。



    ☆    ☆    ☆

1883MURDER PRINCESS:2008/02/08(金) 23:35:20 ID:I.ll9T5Y0




「駄目ね。もっと警戒しなきゃ」

首だけ刎ね飛ばされた愛の伝道師の体を床に突き倒すと、予約被りに定評のあるtu4氏は髪をかきあげた。
彼が後ろを向いた刹那、彼女は存在を抜き出すと無駄の無い動作で首を一閃したのだ。
その証拠に、彼女の足元には見事に刎ね飛ばされた愛の伝道師の首が仰向けになっていた。

「首輪は壊して……っと、あ、これもしておかなきゃ」

掃除用具入れからモップを取り出すと、その先端に断面から流れる血を十分に吸わせ、壁に思い切り文字を書き始める。

「ふんふん〜。よし♪」

そこには、達筆な文字でこう書かれていた。
『エロスの鐘の煩悩寺参上(はぁと)』と。

「ん〜、次の書き手さんを探しにい〜こうっと」

背伸びをしながら、軽やかな足取りでその場から飛び去る。
その体には、返り血一つ付着していなかった。





【ボンボン系の書鬼@アニロワ2nd】死亡
【愛の伝道師@漫画ロワ】死亡





【朝】【E-4 街】
【予約被りに定評のあるtu4氏@ギャルゲロワ】
【状態】健康、気合十分
【装備】永遠神剣第七位「存在」、ガンダールヴの証(ゼロの使い魔@漫画ロワ)、ペンダント(空鍋の欠片)
【道具】支給品一式、不明支給品×2(未確認)
【思考】
基本:空気にならないため他の書き手をみなごろし。
1:書き手はみんな滅する。私を空気とか呼ぶ奴はグロ死な。
2:エロスの鐘の煩悩寺がマーダーだと広める。
3:ギャルゲロワ陣営は欝に叩き込む。
※容姿は白鐘沙羅。アセリアの服を着ています。
※実は永遠神剣第一位「空気」を宿していますが何らかの因子が足りないため使えません。
※ガンダールヴの能力は、どんな武器でも自在に操れます。
  また本来は使うと疲労を伴いますが、tu4氏の場合それはありません。チートですし。



【漆黒の龍@ライダーロワ】
【装備】カードデッキ(ナイト) がんがんじいスーツ(頭部に凹みあり)@特撮ロワ
【所持品】支給品一式 折れたエクスカリパー
【状態】かなりの疲労、全身に鈍い痛み、下半身と背中土塗れ
【思考・行動】生き残りたい
1:待ってろ変な格好の奴とやら!
2:それが終わったらカフェに戻る。
3:生存者の確保、及び首輪の解析。
※外見や声は城戸真司です。
※他ロワの知識は皆無です。
※脈については何か能力を持っているかも知れません。
※ですが鎧の上から計ったので愛の伝道師の勘違いかもしれません。

1884名前を捨てた人:2008/02/08(金) 23:36:36 ID:I.ll9T5Y0
あ、ありのまま(ry
自ロワの没ネタを流用したら、マーダーが誕生していた。
何を(ry


と言うわけで投下終了。反省はするが後悔はしない!

1885名前を捨てた人:2008/02/08(金) 23:45:28 ID:Ll8hRXiI0
GJ!予約被り……恐ろしい子っ!
愛の伝道師が死んだから、カブトゼクターは開放かな。

そ、し、て。

うおおおおおおお漆黒の龍被ったあああああorz
自己リレー&本人執筆なんかしようとしたからか……
まだ話を書き換えれば何とか……燃えてきたッッ!

1886名前を捨てた人:2008/02/08(金) 23:53:43 ID:LMggUmN6O
GJ!すげぇチートだよ沙羅さん!
しかし、ギャルゲロワに対してそんなに恨みを持っていたのか……

1887名前を捨てた人:2008/02/09(土) 00:46:52 ID:i1xwluZ60
チートですし。吹いたwwww

ところで没ネタっていきなりwikiに投下していいの?

1888名前を捨てた人:2008/02/09(土) 01:02:27 ID:1lqqwipMO
okだと思うよ。ただ編集前かした後なら一声欲しいかな。

1889名前を捨てた人:2008/02/09(土) 01:19:04 ID:/qFFvb.Y0
沙羅さんすげー!
存在+ガンダールヴ+サガの剣技ってどんだけ〜w

1890え?かおが?:2008/02/09(土) 03:47:02 ID:XYCAA9M60
 なんであんな大見栄を張ってしまったのだろうかと、地味子は密かに後悔し始めていた。
 よくよく考えてみれば自分の身体能力は中の下だし、何より存在感がない。見ろ、目の前にいるスクライドっぽい人はそばにいるだけで喉がカラカラに渇いて思わずコーラを一気飲みしたくなるくらい暑苦しいし、後ろにいるAKを持ったおっさんからは『ざわ・・・ざわ・・・』と何かヘンなオーラを醸し出している。
 そして何より……

「お嬢さん! 私が気を失っている間、ずっと見守ってくれていたのですね!?
 いやはや言わずとも分かります、この後頭部に残るほのかな女性の温もり、花のような優しい香りが全てを教えてくれましたからねェ。
 どうして気を失っていたのかは常日頃から真実を最短距離で追い求める私にとって現時点でバーミューダ・トライアングルの謎に匹敵するほどのミステリィですが、今はそのことは保留しておきましょう。
 それよりあなたのようなうら若き可憐な乙女がそのような物騒なものを手にしているのはあまりにも場違い! あまりにも頂けない!
 何より私はあなたを守ると誓った英雄! H E R O ! なのですからどうかここは私に任せ、離れて見守って下さい!
 そして勝利した私を笑顔で迎え入れてくだされば……幸いです」

 フッ、とニヒルな笑顔で己の大きすぎる存在感を誇示するフリクリ署長。この人の存在感が異常な程にでかかった。
 いや、その、ボクにも何か喋らせて……
 地味子は口を開けようとしたが、状況がそれを許さなかった。

「いつまでもくっちゃべってんじゃねぇぞッ! い・く・ぜぇっ!」
「まずはそこの五月蝿い……貴様からだ」
「フフフ、私の『速さ』についてこれるかな……? 『ラディカルグッドスピード』! 脚部限定ッ!」

1891え?かおが?:2008/02/09(土) 03:47:47 ID:XYCAA9M60
 ピーキーガリバーで叩き潰そうとするエースと、AKを構えるダイナマイトアンデッド(面倒なので『ダイアン』と省略する。ジャイアンみたいでしょ?)を横目でチラリと見て笑うフリクリ署長(これも面倒だからフリクリでいいや)。彼が言葉を為し終えた時には、地面のいくらかがまるで消失したかのように削れ、虹色の光がフリクリの脚部を覆っていた。ついでにその衝撃で地味子が吹っ飛ばされる。
「何、アルター能力……」
 エースの目がそれを捉え、脳が情報を認識したときには、既にフリクリの姿はそこになかった。
「遅い! 遅すぎる!」

 後ろ――!
 声が聞こえるが早いか、フリクリの蹴りがエースの背中に突き刺さる。威力は大したことはないが、空中で蹴られたが故バランスを崩し、地面に膝をついてしまう。
「全くだ」
 AKの銃口が、エースの目の前に現れる。バランスの崩れたところを狙って、ダイアンが漁夫の利を得んとしていた。だが。

「俺をコケにしてんじゃ……ねぇぇぇぇぇぇぇっ!!!」
 地面を裂いて現れる、マジシャンズレッドの轟炎。ほぼゼロ距離にも関わらず、畏れることなくエースが攻撃を繰り出す。だがそれはダイアンとて同じ。彼も、死を畏れてはいない。
 逃げる素振りさえ見せず、ダイアンがAKを全弾、撃ち尽くす。そのいくらかはマジシャンズレッドの炎さえ貫き、エースに肉薄する。
「ぐっ!」
 さらにそのいくらかはピーキーガリバーに当たって弾かれたものの、最後まで執念を見せた一発がエースの肩を掠る。一方、エースの放った炎は……

「……」
 感情に任せて放たれたためか、全身を焼き尽くすことこそなかったものの、それは左腕をこれでもかと炙り、ついに消し炭にしてしまったのだった。

「へへ、ざまァねえな!」
「ぐ、ぐぐ……っ!」

1892え?かおが?:2008/02/09(土) 03:48:08 ID:XYCAA9M60
 よろよろと呻き、そのまま地面に尻餅をついてしまうダイアン。結果的に武器の差が勝負の明暗を分けてしまったのだ。止めを刺そうと、エースは即座に立ち上がりジャッカルのトリガーを引こうとするが。
「私をお忘れかな!?」
 凄まじい速さで地を奔り、風を切りながらフリクリが拳を叩き込もうとする。
「はッ、忘れてなんかしねェよ!」

 ジャッカルの銃口が向かった先はダイアンではなくフリクリだった。
 人間とは思えない早業で、いや並みの人間には扱えない代物が火を吹いた。
「だがこれも遅い!」
 驚異的な速度で反応し、フリクリはエースの頭上を飛び越え反転して迫ろうとするが、それもエースは読んでいた。
 マジシャンズレッドのスタンドが、立ち塞がるようにして灼熱の炎を吐き出した。こればかりはフリクリも反応が出来ない。

 アルター化した部分で炎を受け止めようとするが防ぎきれず、炎から来る熱風で吹き飛ばされ、体をしたたか木にぶつける。いくらフリクリが早かろうとも生身の部分を激しくぶつければダメージは免れない。この間に、エースは今度こそ止めを刺そうと再びジャッカルを構えようとした。
「!? いねェ!」
 今までダイアンが倒れていたはずの場所。そこから忽然と彼の姿が消えていた。

「ここだ……間抜けめっ……!」

 ざくっ、と腕を斬り付けられる感触。弾けるような鮮血の飛沫と共に、エースの手からジャッカルがドスンという音を立てて落ちる。
「バ、バカな!? 身体半分真っ黒コゲにしてやったはず……」
 斬られた部分を押さえながら、エースはダイアンを見て狼狽する。確かに焼き尽くしたはずのダイアンの左腕は、まるで何事もなかったかのように元通りになっていた。
「クク……! 支給品に助けられたってとこかな……! 覚えておくんだな、勝負に……『絶対』はない、と」
 高らかに笑うダイアンの足元には、何かのビンらしきものが落ちていた。

1893え?かおが?:2008/02/09(土) 03:48:46 ID:XYCAA9M60
「むう! あのビンは!」
「知っているんですかピザさん!?」
「ああ……我がAAAロワの作品、ヴァルキリープロファイルに出てくる回復アイテムでな……『プライム・エリクサー』といって味方一人のDME……まあHPを回復するアイテムなのだが……まさか黒コゲになった腕まで元通りになるとは……」
「……」
「……」
「ボクたち、いてもいなくても同じだよね……」
「ああ……参加する暇がない……というか逃げても気付かないよな」

 エース、フリクリ、ダイアンが激しく戦う様をぽつんと離れた場所から観戦する地味子とピザの一号。もう自己紹介までしている。過疎ロワ同士、気も合ったようでほのぼのと会話している。

「ところで、地味子さんの支給品はどうしたんだ?」
「あ、ボクね、存在感薄すぎて支給品貰えなかったんだ……このナイフはある人から貰ったというか……奪っちゃったというか……」
「そうなのか……」
「あの人とあの足の速い人のお陰で今も生きてるようなものなんだけどね、でも人を一人殺しちゃったんだ……地味に」
「は、はあ……」

「でもそれだけ。序盤くらいによくある話の一つだし、リーフシールドって能力も手に入れたんだけどね、これボクの体力に依存するみたいで、もう2回くらいしか使えないの。それに攻撃力も皆無だし……あんな人たちと張り合えるわけないんだよ……でも目立ちたい」
「それは俺も同感だ。過疎ロワでもやる時はやりたいっすよね!」
「大体今だって台詞ばっかりで描写とか全然ないし、そもそもボクどっかの誰かと口調が被ってる気がするんだよね……しかもその人ボクより萌えキャラだし」
「俺も特殊な能力なんてないからなぁ……最初の方で笑いはとったけど一発芸みたいな感じだしさ。支給品に頼ろうにもこれじゃあねえ……」

 がっくりしたように、自らの支給品だった同人誌三冊を出す。一つは全年齢向け(百合だけど)、後の二つは腐女子向けの品である。どう考えてもハズレの品。
 だが地味子の反応は違った。彼女は腐女子ではない。ただ知っていたのだ。この本の真の力を。彼女が葉鍵の書き手であるが故に。

1894え?かおが?:2008/02/09(土) 03:49:09 ID:XYCAA9M60
「も、もしや、これは!?」
「知っているのか地味子さん!?」
「夜天の書……その源流は古代魔法世界に存在していた膨大な魔力……『BL』を司り、数々の文明とオタク界を崩壊させてきた、禁忌の書であり、その本の中には力を制御する精霊がいるという話です。契約を交した者にはあらゆるBL力が集い、いい男を食い尽くすほどの魔力を得られるとか……すごいじゃないですか! 大当たりですよ! いいなぁ……」

 大はしゃぎする地味子だが、ピザの一号は複雑な表情で首を振る。

「いや、その、凄いのは分かったが、俺はノンケだし、そんな世界に足を踏み入れる気もないんだが……」
「あ、大丈夫だよ。これは自分がそんなことをするわけじゃないんだ。あくまでも使用者が力を制御して、BL力を他人にぶつけるんだって。見たくなかったら目を瞑ればいいし」
「いやでもそういう問題じゃ……」
「ピザの一号さん! 今がキミの目立つときなんだよ!? ボクたち過疎ロワ勢が、強者に立ち向かえるいい機会なんだよ!? ボクだってまだ力は弱いけどさ、それでも一生懸命頑張ってこの力を得たんだよ。もっと目立って、もっとアピールしなきゃ新規さんは来てくれないんだからね! そのチャンスをみすみす見逃してもいいの!?」

 地味子の懸命な説得。同じような境遇であるが故の、嘘偽りのない真摯な気持ち。真っ直ぐな目。ピザの一号は、堅く口を真一文字に結ぶ。
「そうだな……俺は、早く帰ってAAAを完結させなければ……続きを読みたがってる住民のためにも、ここで退くわけにはいかない!」
 ピザの一号はBL本の一冊を手に取ると、それを胸に抱える。

「おおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!」

 まばゆいばかりの閃光が彼を包み込み、少しずつその姿を変えていく。
 フリフリのスカート。可愛らしいリボン。まあかいつまんで言えば
 ゴ ス ロ リ だ。
 忘れてはならないが、彼はピザの一号である。男である。
 つまり女装である。だがそれは雄雄しく、猛々しく、そしてキモかった。

1895え?かおが?:2008/02/09(土) 03:49:40 ID:XYCAA9M60
「輝いてる……輝いてるよ! ピザさん!」
「……行ってくるよ。そしてありがとう! 行くぞ俺! BLの限りッ!」
 D-5ルート随一の『乙女』こと観月マナの持つなんだかよくわからんボーイズラブパワー、通称『NYBLP』による波動を放射しながら、ピザは戦いの渦中へと飛び込んでいく。
「そして、コスプレっ!」
 夜天の書のもう一つの力。芳賀玲子の得意とする『変身』能力。それは文字通り彼の所属であるAAAロワの参加者に変身し、その能力を得られるというものであった。彼が選択したのは、不死者の王と呼ばれる『奴』だ。

「……ん?」
「何だァ!?」
「これは……アンビリーバボォー……」

 激しい戦いを続けていた三人が、思わずぎょっとしてピザの一号……いや『ブラムス』を凝視する。

「……ヅラだな」
「……ヅラじゃねェか」
「ウィッグ、ですねェ」

 いや正確には『ブラムス』の頭……明らかに『カツラ』となっている部分を。
「ああ、その通りだ……お前達も知ってるだろ? かの国民的に有名なお茶の間アニメの人物の、カツラだ」
 訂正しておこう。ピザの一号が変身したのは『ブラムス』ではなく――
「波平のカツラを被った『ブラムス』……通称『ヅラムス』だ。笑いも戦闘力も兼ね備えた俺の実力……見せてやる! そしてそこの漫画ロワ書き手二人! 盛況ロワだからっていい気になるなよ! サービスカットだのホモヤローだの、そんなにいい男が好きならくそみそにしてやるぜ! BLの力、受けてみやがれ!」

 戦いは、佳境を迎える――

1896え?かおが?:2008/02/09(土) 03:50:06 ID:XYCAA9M60
 さぁ〜て、次回の書き手ロワ2ndは?

「地味子です。はりきってピザさんを送り出したはいいけど、これでボクは本格的に解説役になるしかないよね。でもいいや、葉鍵ネタ解説できるし。さて次回は
・エース、戦いの果てに見た世界は?
・ダイアン、ヘンな呼称にキレる
・フリクリ、いい男の世界に興味を持つ
の三本です」

次回もまた見てくださいねー、じゃーんけんぽんっ!ウフフッ

1897え?かおが?:2008/02/09(土) 03:50:38 ID:XYCAA9M60
【早朝】【C-9 森】 
【ピザの1号(◆wKs3a28q6Q)@AAAロワ】 
【状態】変身っ!ヅラムス!
【装備】夜天の書(BL本) 
【所持品】BL本一冊、GL(全年齢)一冊 
【思考・行動】 
1・BLの力を見せてやる!
2・そのためにもダイナマイトアンデッドとエースに立ち向かう! 
3・脱出してロワを完結させる! 
4・でも俺はノンケです。…本当だぞ!
※BL力を手に入れました。観月マナのNYBLP(なんだかよくわからんボーイズラブパワー。なんだかよくわからん力でバリアを張ったりいい男の世界に引きずりこめます)
と芳賀玲子のコスプレ(変身能力。所属しているロワに出てきた参加者になれる。ただしネタのあるキャラに限る。能力は本物同然)
※今の見た目はゴスロリで波平のカツラをかぶったブラムスことヅラムスです。


【地味子@葉鍵3】 
【装備:ナイフ】 
【所持品:なし】 
【状態:健康】 
【思考・行動】 
1:フリクリ署長とピザの一号を応援 
2:頑張って目立ちたい! 
※CLANNADの制服を着用 
※葉鍵の迎撃(リーフシールド) 
周囲の木の葉を風で巻き起こし、強力なシールドを張り巡らせる。使用回数は体力に依存。今のところ後二回が限度。攻撃力は皆無 
※その他の設定は後続に任せます 

1898え?かおが?:2008/02/09(土) 03:51:11 ID:XYCAA9M60
【フリクリ署長@アニロワ1st】 
【装備:不明】 
【所持品:支給品一式、サングラス(クーガー仕様)】 
【状態:ちょっと背中が痛い】 
【思考・行動】 
1:地味子とピザの1号を守る 
2:騎士道精神に準じて行動(要するにか弱い女性を助ける)
ラディカル・グッドスピードが使えます。ほぼ原作と同じレベルです 
※容姿はサングラスをかけていること以外お任せ 
※声もお任せ 


【ダイナマイトアンデッド@漫画ロワ】 
【装備:AK-74(残り98発)】 
【所持品:基本支給品一式、朝倉涼子のアーミーナイフ、 
AK-74の予備弾(残り170発)、プライム・エリクサー(後何個かあるみたい)】 
【状態:割と完全回復】 
【思考・行動】 
基本行動方針:殺し合いに乗る。 
1:目の前の四人を全員殺す 
2:出来るだけ多くの人を殺す。そして優勝。 
3:死んじまったら…ま、いいか… 
※容姿や性格はアカギに近い感じです。(あごが若干長く、白髪です。) 
※死を恐れていません。よって致命傷を受けても反撃してくる可能性があります。 

1899え?かおが?:2008/02/09(土) 03:51:29 ID:XYCAA9M60
【エース@漫画ロワ】 
【装備:ピーキーガリバー マジシャンズレッドのスタンドディスク ジャッカル】 
【所持品:支給品一式×2】 
【状態:左腕を大怪我】 
【思考・行動】 
基本行動方針:最強のストライカーと成る為、何者だろうとブチのめす! 
1:どいつもこいつも俺のこの手で叩き潰してやる! 
【備考】 
※外見はカズマさん!です 
※シェルブリット、進化の言葉が使えるかは不明です 
ジャッカルは足元に落ちてます

1900名前を捨てた人:2008/02/09(土) 03:52:40 ID:XYCAA9M60
勢いだけで書いた。色々ごめんなさいな部分はあるけど許してちょ

1901名前を捨てた人:2008/02/09(土) 04:12:23 ID:MbIbrqJs0
GJ、最後の予告で吹いたw
地味子とAAA勢というのは相性がいいんだろうか。
というか、他三人が突出して凄すぎるって意見もあるか。


では、俺も続けて投下。
先に言っておくが、夜中に酔っ払いが書いた作品だ……責任はとらないぜ。

1902蟹座の雫:2008/02/09(土) 04:14:00 ID:MbIbrqJs0


声を掛けたものの、蟹座氏は速筆魔王LXをスルーしてずんずん先に進んでいってしまう。
一瞬無視されたのかと思ったが、通り過ぎた瞬間何か呟いていたのを思い出し、
おそらくは何か考え事をしていたのだろうと納得する。

(う〜ん、こういう時は声掛けない方がいいかな?)

考え事をしている相手に対し話しかけるなど、あまりよろしい態度とは思えない。
そう結論付けたLXは、少し離れた状態から蟹座氏を見守る事に決めた。
こうしていれば、悩みが終わった瞬間を即座に判別できるし、襲われても助けてあげられる。
頭を抱えながら歩き続ける蟹座氏を、LXはゆっくりと追いかけることに決めた。

「……じゃない……座じゃやないもん……」
(ちょっと遠過ぎたかな。もちっと近くにいかないと何を考えてるか聞こえないし)

そう思って距離を詰め様とした時、上空から放送の声が聞こえてきた。
チェックを入れたいが、もたもたしていると前に置いて行かれてしまう。
が、幸いな事に前を歩いていた蟹座氏も、これに気付いたのかピタリと足を止めた。

(よし。これなら余裕でチェック出来るよ)

地図が無いのは不便だが、放送は聴いておいて損はない。
そう考えて放送に耳を傾けていると、突然魔法のように地図が出現した。
これには、流石のLXも少しだけ驚いてしまう。
そっと地面に落ちた地図を手に取ると、その内容と現在地を照らし合わせる。
やはり地図があるのと無いとだとでは雲泥の差だ。

「しかし、ちょっとマズい状況になっちゃったなぁ」

地図はありがたいが、予想外の事が起きたのがかなり手痛い。
探しているはずの美形元帥が既に死亡していたからだ。
こうなってしまうと、サンプルを入手するのが難しくなる。

(ただ、この死者数を考えるに、最悪他の死体からでも回収できるかな)

出来ればそういう事はしたくないが、万が一の事も考えておかなければならない。
どちらにせよ、今は目の前の蟹座氏に声を書けるのが先決だ。
と、前方を見たところで目標が居なくなっている事に気付く。

「え?あれ?どこいったの?」

目を離したほんの一瞬で、蟹座氏はLXの目の前からいなくなっていた。




1903蟹座の雫:2008/02/09(土) 04:14:16 ID:MbIbrqJs0



放送を聴き終わった蟹座氏は、安堵の表情を浮かべていた。
ギャルゲロワの仲間は二人散ってしまったが、探し人であるバトルマスターはまだ生きている。
少しばかり不謹慎かもしれないが、それだけが不幸中の幸いだった。

「っとと、安心したら緊張の糸が切れちゃったよ」

ついお腹に力を込めて聞いていたためか、膀胱が刺激されたようだ。
周囲を確認するが、タイミング悪く周囲の建物はみんなシャッターが下りている。
せめてコンビニかファミレスみたいな場所があればよかったのだが、
店どころか町全体がゴーストタウンの様に静まり返っているため、そんな施設など見当たらない。
さらに間の悪い事に、今まで忘れていた分の尿意までもが込み上げてきたのだ。
いっそ窓でも割ってどこか入り込もうかと考えたが、下手に力むと漏れてしまいそうになる。
もう既に一歩進むだけでも危険な状態だと、蟹座氏の腹部はキリキリ訴えかけていた。
覚悟を決めた蟹座氏は、よろよろと壁に手を伝わせながら物陰に隠れる。

「うぅ……こ、この場合しかたないよね」

こんな所で致してしまうなど、羞恥プレイもいいところだが、幸いな事に誰も見ていない。
生理的欲求に逆らえなくなってきている蟹座氏は震える手つきでパンティを下ろしていく。
(ちなみに柄は蟹でなく普通のストライプだった。ここまで来たなら蟹にすればいいのいね)
太腿までずり下げた所で膀胱からの第一波が来るが、足をハの字にして要求を拒む。
数秒間その状態で耐えると、危険を伝える波がゆっくり過ぎ去っていくのが分かる。
これで、次の第二波が来るまでかなりの安全が確保されたと言えよう。
くるぶしまで一気にパンティを下ろすと、蟹座氏はゆっくりとその場に腰を下ろした。
下手に膀胱を刺激しないように。溜まった水分が波打たないように、慎重に事を進める。
緊張で足が震える中、その剥き出しの小さな尻が、静かに地面へと迫っていく。
そこへ、本能の決壊を求める第二波が彼女の腹部で雄叫びを挙げる。
縦横無尽に駆けずり回るその痛みに、蟹座氏は額に脂汗をかきながら必死で耐えた。

(も、もう少し我慢すれば……せめて足は広げないとッ)

顎から滴り落ちる汗を見下ろしながら、蟹座氏は両手を隣の壁に当てて最後の戦いに挑む。
ここを過ぎれば天国がある。ここさえ乗り越えれば、あとは開放の鐘が鳴る。
震える足を丁寧に外側に移動させ、太腿がゆっくりとハの字に変化させる。
ようやく見えてきたゴールライン。長い長い戦いも、ここでようやく完結するのだ。
膀胱から押し出されていく本能を肌で感じながら、蟹座氏は達成感に満ちた表情で空を見上げた。

(もう、ゴールしてもいいよね――)
「お嬢さん。あっちにちゃんとしたトイレがあるよ」
「ほぇ?」

頬桁表情で発射準備に入っていた蟹座氏の眼前に、上空からLXが飛び降りてくる。
いきなりの登場に、蟹座氏はその場に尻餅をついてしまう。
陽の当たっていないアスファルトは、やけに冷たくザラザラしていた。

「さっき屋根伝いにお嬢さんを追ってた時、そこで公園を見つけたんです。
  あそこなら扉もあるし、しかも紙もウォシュレットも完備でしたよ。
  ともかく、こんな所で花など摘まずに、もっと文明の利の働く所で致しましょうよ」
「ぃ……に……」
「に?」

1904蟹座の雫:2008/02/09(土) 04:16:20 ID:MbIbrqJs0






「かにゃあああああああああああああ!!」






頭の回転だけが戻った蟹座氏は、現在の状況と自分の状況と尿意とで、パニック状態を引き起こした。
それでも本能でLXから逃れようとするが、焦ったため下げていたパンティが足に絡まって転倒してしまう。
この衝撃が、膀胱からの予期せぬ第三波を引き寄せてしまった。
トドメとばかりに猛攻を仕掛けてくる腹部に、蟹座氏は大粒の涙を浮かべて耐える。
そして、意を決してその場から全速力で逃げ去った。
ちなみにその瞬間、脱ぎかけのパンティが完全に両足から外れて宙を舞ったが、気付く余裕はない。
今、彼女の頭にあるのは一つ。早くこの男から逃げて、安全なトイレに向かう事。
すでにちょびっと漏らしてしまっているが、まだ全部出し切った訳じゃない。
真人間として越えちゃいけない線を越えないため、蟹座氏は痛みに耐えて走り続けた。
ふと、突然現れたLXが追ってきていないか確認するため振り返る。振り返って後悔した。
視界の先に居たのは、脱げてしまったパンティを握り締め、真面目な顔で追いかけてくるLXの姿だった。
それと、見たくなかったが道すがら、自分の通った後に水で一筆書きしたような跡を発見してしまう。
負担が軽くなっていたのは、こう言うカラクリガあったからか。

「うわぁあああああああぁぁあああんっ!!!!」
「待って、待ってくれパンツの君!」
「うわぁああああああああああああああああぁぁあああんっ!!!!」



蟹座氏の通った道は、朝日を浴びてきらきら輝いていた。






【早朝】【B-5 町外れ】
【チーム蟹座】
【速筆魔王LX@アニロワ2nd】
【状態】健康
【装備】虎竹刀with千年パズル。蟹座氏のパンティ(紺と白のストライプ)
【道具】支給品一式
【思考・行動】
1:まってパンツの君!
2:死んだ参加者から首輪を奪って脱出フラグを積む
3:でも別に何エンドでもおっけー
※容姿は相羽シンヤ。声子安。
※虎竹刀with千年パズル:今までパロロワに参加したことのある作品の原作で登場、紹介された
全てのゲームを召喚できる。ただしこちらから選択はできない。賭ける対象は武器使用者が選ぶ。
合意は不必要。
※蟹座氏の秘部を見ましたが、紳士なので公言しません。


【蟹座氏@ギャルゲロワ】
【状態】逃走(闘争)中、へこみ、ノーパン、放尿中、Lv4.5
【装備】鉈
【道具】支給品一式、蟹座の黄金聖闘衣、最高ボタン、富竹時報
【思考・行動】
基本:仲間と共に主催者を倒す
0:うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!
1:とにかく逃げる!逃げて文明の理を利用させて!
2:蟹座じゃない、蟹座じゃないもんね……蟹座じゃないんだってば!
3:バトルマスターを始めとした、自ロワの参加者を捜索する
※外見はつよきすの蟹沢きぬ(カニ)です
※最高ボタンには『いやっほぉぉぉおおおう、蟹座のONiぃ様、最高ーーーーーっ!!!!!』というハクオロの声が流れます。
  シークレットボイスにも何かあるかも?
※自分の心がキャラに影響されていることに気付きましたが、キャラに抵抗するため無駄な努力をしています。
※まだ結構尿意が残っています

1905名前を捨てた人:2008/02/09(土) 04:17:46 ID:MbIbrqJs0
投下終了。ふぅ、色々スッキリしたぜ。
なに?反省してるのかだと?
断るッ!反省なんかする気は無いね!

1906名前を捨てた人:2008/02/09(土) 05:26:03 ID:/qFFvb.Y0
投下乙!しかし両者ともカオスwww
それと
>逃げる素振りさえ見せず、ダイアンがAKを全弾、撃ち尽くす。そのいくらかはマジシャンズレッドの炎さえ貫き、エースに肉薄する。
とあるが、
>【ダイナマイトアンデッド@漫画ロワ】
>【装備:AK-74(残り98発)】
結局何発撃ったの?

1907名前を捨てた人:2008/02/09(土) 06:24:31 ID:zeTjW6260
カニと失禁、そしてストライプのパンツと地味に原作ネタを使ってやがる……
貴様、このゲームやり込んでいるな!?

1908名前を捨てた人:2008/02/09(土) 08:58:18 ID:zzSJN/qo0
夜天の書(ニコニコバージョン)に吹いて、カニさんに萌えたw

1909没ネタ:Laziness killed The Cat:2008/02/09(土) 11:23:05 ID:spHoyYE60
初心者です。そんな簡単に被る訳が無いと思っていたら見事に(><;)


これは夢なのか、現実なのか……。暑い真夏の朝、過熱した睡眠欲は遂に危険な領域へと突入する――

むせ返るような熱気に包まれた事務所風のとあるビルの一室に、黒い物体が転がっている。
サイボーグのくせに猫の着ぐるみを身に纏ったボンボン系の書鬼だ。おう、首輪もしてんのか。
『世界一器用かつ快楽に溺れやすい猫』と『欲望すらコントロールする王ドロボウ』という相反するキャラクターをメインに動かす書き手である。
だが、その挙動にクールで聡明な泥棒少年の面影を窺うことはできない。
あるのはただ、己の欲望に従い労から逃避する怠惰なサイボーグ猫の本能だけだ。書いた事無いのに。
それが書き手の都合によるものなのか、「ボンボン系」という冠に対する理不尽な呪いによるものなのか、理由を推測するのは恐らく下策であろう……。
そんなわけで彼は今、ロワをほったらかして眠りについている。もしくはロワに置いていかれて。
時折、機械の耳と尻尾をピクリと動かしながら奇妙な姿勢で眠る様はまさに猫そのものと言っていい。
なんか「ぐがー」とかいびきが可愛いぞ。
んじゃ、ちょっと夢の中でも覗いてみようかー。あれ、なんかデイパックから丸いのが落ちた。


 ☆ ☆ ☆


薄暗く怪しい雰囲気の、よくあるキャバレー。もしくはナイトクラブ。
あちこちから女性が官能的に囁く声が耳に入ってくる。
申し訳程度の照明が、辛うじて店内の様子を照らしだす。
男装した将軍のよーな幼女、とろろ芋にまみれた女教師、胸を露わにして酔いつぶれる女性警官……が居るのがわかるだろう。
モビルトレーススーツを着込んだ女子小学生や、シャア専用プラグスーツの女子中学生の姿も見える。
舞台ではボンデージに身を包んだくの一によるSMショーが行われている。
ボンボン系の書鬼はそんな中、カウンターで意識を取り戻した。
ゆっくりと辺りを見まわしてBRAVO、と呟く。
カウンターの内側で棚の整理をしていたマスターが、彼に気付いて話かける。
このマスター、どこかで見たような格好だ。
クローン人間? いいえ、違います。宇宙人でもないです。

「やあ(〒) ようこそ、ボンボンハウスへ。
 この泥水はサービスだから、まず飲んで落ち着いて欲しい。
 うん、『ネタ』なんだ。すまない。調子乗ってるって言うしね。
 謝って許してもらおうとも思っていない。でも、この光景を見たとき、
 君はきっと言葉では言い表せない『性欲』みたいなものを感じてくれたと思う。
 殺伐としたアニロワ2ndで、そういった欲望を忘れないで欲しい。
 そう思って、この宴を開いたんだ。――じゃあ、注文を聞こうか」

唐突にまくし立てるマスターを前に、ボンボン系の書鬼は呆気に取られる。
だが、全てを理解すると、こう呟いた。

「牛乳と…エッチなサイン色紙……」

にわかに周囲がざわめく。
「ゲゲッ!? あ…あいつ素人じゃねえ!」
「う…うろたえるんじゃあねえ――っ! レプリロイドはうろたえないッ!
 所詮一夜漬けの“鬼”よ! 生まれながらの真の“鬼”はこの俺だ!」
それにしてもこのマスター、イレギュラーである。チップがいかれているのではないか?

場の空気の濃さに辟易した様子のアンドロイドが、無表情なままピアノを奏でる。
その旋律を耳にした途端、何故か店内の女性達の胸が膨らみ始めた。
幼い者も年が行った者も、大きな物も小さな物も区別無く。大きく大きく。どんどん膨張して……。
そして遂におっぱいは爆発した。 これが世に言うビッグバンである。宇宙はこうして生まれた。
そして数十億年の歳月が経ち、ボンボン系の書鬼は再び目を覚ましたのである。
……プリンをおっぱいに見立てるのはいけないと思います!

1910没ネタ:Laziness killed The Cat:2008/02/09(土) 11:23:43 ID:spHoyYE60
 ☆ ☆ ☆


「――はっ! オイラ一体何を……?」

(暗い暗い、とにかく暗い。まだ夜なのか? 誰かに見られてるような気がする……。)
どこかからNERV司令の声が聞こえる。

「いやっほーぅ! ガンタンク最高!」

司令の声に呼び寄せられた魑魅魍魎が、ボンボン系の書鬼を見つけるや否や襲いかかってくる。
ロシア人科学者の娘、緑の恐竜、ワイリーロボット、その他諸々だ。
「最低よあんた! やっぱり血も涙も無いロボットね!」「人間のアンタに、オイラの気持ちはわからねーよ」
「なんだ坂! こんな坂! ともさか〜!」「で?っていうw」
「エアーシューター!(バビィ)」「ぎょっ! 倒せないよ!」
「おまえの家族もがいるだろう……」「ぷらとーん!」
「ウホッ!いい代用品……」「やらにゃいよ!」
「何この猫」「オイラはおっちゃんじゃねえ!」
「にゃーにゃー! にゃーにゃーじゃないか!」「うるせえな変態覗き魔」
「×××! ○○○!」「……? ――!」

ネタをかわしつつ必死の形相で逃げ続けるボンボン系の書鬼。しかしその時、一筋の光明が!
目に入ったのは黄色い服を着た少年と思しき人物のシルエット。
(あの派手な服はジン……まさか、書風連・その弐さん?)

「助けて! 書風連・その弐さん!」

突然、その姿がはっきりと見えた。その顔は王ドロボウのハンサム顔などではなく…
巨大な、アゲハチョウの幼虫だった。振り向いた“それ”が言葉を放つ。

「あ…? あ…? お前は一体誰だ?」

呆然とするボンボン系の書鬼。その耳から零れ落ちる無数のMS蜘蛛。
「うにゃっ うにゃっ うにゃーっ!! 無(ゼロ)に帰れ!」
半狂乱になりながら手持ちの剣を振り回し、ミサイルを乱射する。
巻き起こる爆風と共に、ボンボン系の書鬼は再び意識を失った。

【ゆめだまにっき プレイ1にちめ おわり】


 ☆ ☆ ☆


寝汗と冷や汗でびっしょりになりながら、ボンボン系の書鬼は目を覚ました。
荒い息を落ち着かせながら辺りを見回す。大丈夫、これは現実だ。
ふと、やけに周りの景色がすっきりしているのに気付く。開いたままになっているミサイルの発射口。
どうやらやってしまったらしい。でもそんなの関係ね(ry
空を見上げると太陽は既にそれなりの位置にあり、うんざりする熱を送り込んできている。
放送を聞き逃した。それはいい。そんな事より――
ボンボン系の書鬼はガトリング砲を右手に装着し、天に向かって砲撃を始めた。
「むかつくんだよ、太陽!」
悪夢を太陽のせいにして撃ちまくる。しかし勿論、太陽を墜とすことなどできない。
ひとしきり乱射して気が晴れたのか、ボンボン系の書鬼は砲撃を止める。
とにかくここを離れよう。ゆっくり眠れる、どこか涼しい、静かな場所へ行こう。
側に落ちている地図に気付くことなく、彼はビルから飛び降りた。

焦土と化したD-5。その中で一本だけビルが生えている。なんだか芸術的だ。
「メッセージくらい遺しておくかな」
そう言うとボンボン系の書鬼は剣を携えビルに飛びかかる。
「うにゃにゃにゃにゃにゃにゃ、うにゃにゃにゃにゃ――!」
猛烈なスピードで、ビル全体に文字を刻み付けていく。その間、わずか3秒。

「ビンゴォ……できたぜ、っと」

『猫の手お貸しできません
         それよりお暇を拝借します
                  NYAN☆NYAN☆NYAN☆
                                  ドロボウ猫』

「うーん、ちょっと捻りが足りないかなー。まあいいや、早く行こう」


【朝】【D-5 どこかのビル】
【ボンボン系の書鬼@アニロワ2nd】
【装備】:ガトリング(残弾:そこそこ)&なんでも切れる剣@サイボーグクロちゃん
【所持品】支給品一式、夢玉@王ドロボウJING×2(本人は未確認)
【状態】:健康。
【思考】基本:やりたい事だけやる。面倒は御免蒙る。
1:全っ然寝た気がしねえ。静かで涼しそうな場所を探そう。
2:誰かにあったら放送内容だけ聞こう。
3:おいらを巻き込むな。


あ、誰か来た。

 ザ ク ッ !

【ボンボン系の書鬼@アニロワ2nd】死亡

1911名前を捨てた人:2008/02/09(土) 11:26:07 ID:spHoyYE60
うっお―――っ!! くっあ―――っ!! ざけんな―――っ!
このSSの使い道はまだあるぜ――っ!! サニー投下!

俺、このSSが通ったらボンボンロワで書き手やるんだ……\(^o^)/

1912名前を捨てた人:2008/02/09(土) 11:39:16 ID:XYCAA9M60
>>1906
あ、状態表書き間違えた
ははは、深夜に無理矢理なハイテンションで書いたからこうなっちゃったぜ、てへ
ということで直してくる〜

ちなみに30発分撃った

1913名前を捨てた人:2008/02/09(土) 15:24:48 ID:A5vNBl/U0
そういや地味子が殺したのってAAAの奴だよな
死体がそばにあるならピザ1号がそれに気付く…なんて事も

1914名前を捨てた人:2008/02/09(土) 15:35:43 ID:f4QCtO1E0
空気だから気付かないとか。

ところでVに寄生した酢飯細胞って何?

1915名前を捨てた人:2008/02/09(土) 15:58:39 ID:KldWTcfE0
>>1914
ブラコン・狂気・再生・触手・独占欲・キモウト・破滅・全滅・殲滅

こんなキーワードを混ぜた可愛い妹モンスター

1916名前を捨てた人:2008/02/09(土) 16:25:26 ID:iwGqnR5k0
酢飯=シャリ=シャーリー

テイルズロワ参照のこと。

1917名前を捨てた人:2008/02/09(土) 16:58:39 ID:UdgGXGS.0
ふと、パロロワ総合お絵かき掲示板とかあったら、いろんなロワの絵師が集まって面白いんじゃないかなー、と思った。
そうすれば個別にお絵かき掲示板を新しく作る必要もなくなるし、絵師の人もお互いに腕を磨きあったりして良い感じになるんじゃないないかと。
そしてあわよくば過疎な自ロワにも絵が(ry

1918名前を捨てた人:2008/02/09(土) 17:03:18 ID:UdgGXGS.0
……誤爆って、結構恥ずかしいよね。ない2回いってるし。

1919街の狩人:2008/02/09(土) 19:58:55 ID:8BeKdo.A0
投下します。

「まとめキング」
その名が放送で呼ばれたとたん、仮面ライダー書き手はその場に崩れ落ちた。

「バカな…。こんなに早くあの人が死ぬなんて…。」

視線を宙に漂わせ、仮面ライダー書き手はぶつぶつと呟く。

(守るべき対象を失い、混乱しているのか。まあ、無理のない話ではあるな。)

相棒の状態に関して考察を巡らせながら、エロ師匠は冷静に名簿に書かれた参加者の名前
を塗りつぶしていく。そして、余白に禁止エリアもメモしておく。
彼女は変人であっても、狂人ではない。いかなる状況下でも、ロワの基本作業を怠るよう
なへまはしない。

やがて、放送は終わりを告げる。それとほぼ同時に出現した地図をつかむと、仮面ライダー
書き手は無言で歩き始めた。

「どこへ行く?」

エロ師匠が尋ねる。

「俺が守りたかった人は死んだ。ならば、敵を討つだけだ。それに、優勝したらひょっと
して主催者が願いを叶えてくれるかもしれんからな。」

仮面ライダー書き手は、淡々と答える。その声には、若干の狂気がにじみ出ているように
も聞こえた。

(典型的な奉仕マーダーの思考パターンだな…。こうなってしまった相手と同盟を維持
するのはある程度のリスクもはらむが、それを差し引いても彼の戦闘力は捨てがたい。
まあ、もう少し様子を見るか。もし彼が完全に狂ってしまうようであれば、見捨てるなり
始末するなりすればいい。彼を失うのは惜しいが、どうしても彼が相棒でなくてはいけない
というわけでもないのだからな…。)

わずかな時間で結論を導き出し、エロ師匠は仮面ライダー書き手の後を追った。

1920街の狩人:2008/02/09(土) 20:00:00 ID:8BeKdo.A0
一方、こちらは鬼軍曹と空気王…もとい、影丸?のチーム。

「最初の放送までで24人だと?ふざけるな!」

鬼軍曹は、あまりの死者の多さに激怒していた。彼の仲間であるアニロワ1stの書き手
は一人しか死亡していなかったが、彼はそれを喜ぶような男ではない。

「何で同じ書き手同士で殺し合うんだよ!おかしいだろうが、こんなの!」
「その通りだよ、鬼軍曹!」

鬼軍曹の言葉に、ドラえもんも同意する。親密度が上がり、すでに呼び捨てである。

「おまえさんもそう思うだろ、影丸!」
「え…。ああ、そうッスね。」

影丸?は、とまどい気味に言葉を返す。そもそも彼は、マーダーになるといった覚えは
ないが対主催になるといった覚えもない。自らの支給品であるドラえもんと鬼軍曹が仲良
くなってしまったので、成り行きで同行しているだけだ。

(けどまあ、このまま対主催でもいいか。外見がキョンで支給品がドラえもんじゃ、
どう考えてもマーダーは似合わないもんなあ…。)

「おーい!何やってんだ、影丸!置いてくぞー!」
「ああ、待ってください。」

先行する鬼軍曹たちを追う影丸?。その脳裏を、一瞬黒い考えがよぎった。

(まあ、それを逆手にとってステルスマーダー、ってのもありだけどな…。)



「えーと、今どの辺だ?」
「たぶんあそこからがビル街だから…。この辺かな?F-4かG-4あたり。」

支給されたばかりの地図を見ながら、鬼軍曹とドラえもんは現在地を確認する。
その後ろで、影丸はある施設の存在に気づき足を止めていた。

「影丸?どうしたんだ?何か見つけたのか?」
「ええ、まあ。あれがちょっと気になって。」

影丸?が指さしたもの。それは「倉田書店」と看板がかかった建物だった。

「本屋?あれがどうかしたのか?」
「アニロワ2ndでは、図書室にいろいろ出展作品に関係ある本が置いてあったりした
じゃないですか。だから、何か役に立つ本があるんじゃないかと思いまして。」
「なるほどな。うーん、でもなあ…。」

影丸?の話に納得しつつも、鬼軍曹はそれを受け入れることを渋る。本というと、どうし
ても宿敵であるコ・ホンブックのことを思い出してしまうのだ。

「悪い、俺パス。まだ寝足りないから、適当なところで寝てくるわ。調べ終わったら呼んでくれ。」

そう言い残すと、鬼軍曹はそそくさと移動を開始してしまう。

「ああ、ちょっと、鬼軍曹!」

ドラえもんは困惑した様子で、鬼軍曹と影丸?に交互に視線を送っている。

「ドラえもんは鬼軍曹さんに付いててくれ。こっちは大丈夫だろうから。」
「でも…。わかったよ。気を付けてね、影丸くん。」

迷った様子を見せたものの、結局ドラえもんは鬼軍曹の後を追っていった。

1921街の狩人:2008/02/09(土) 20:01:12 ID:8BeKdo.A0
「さて…。それじゃ、調査開始といくか。」

一人残された影丸?は、独り言を呟きながら店内に足を踏み入れた。
店の中で最初に彼の視界に入ってきたのは、入り口の前に平積みにされた分厚い小説だった。

(原作の「バトル・ロワイアル」か…。やることが細かいねえ…。)

苦笑いを浮かべながらも、影丸?は本棚に収められた書物をチェックしていく。

(HELLSINGにひぐらしの漫画版と小説版…。パロロワの常連作品ばっかりだな…。
お、ハルヒもあった。)

気まぐれに一冊取ってデイパックに放り込み、影丸?はさらに店の奥へ進む。
すると、やがて女のささやくような声が聞こえてきた。

(何だ?先客がいたのか?)

本のチェックを一時中断し、影丸?は声の主を捜した。やがて、彼は一人の女性を発見する。

『腕も、足も、頬も、蜜を滴らせる花びらも。青年は口付けを交わしたまま、幼い肢体をあますことなく愛撫する。
未成熟ながらも、いや、未成熟であるが故に完璧な美しさを備えた姿。
少女はつぶらな瞳を潤ませて、今にも理性が弾けそうな青年に問い掛ける。
「Chain-情さん……私のこと、好き?」
「もちろんだよ」
青年は劣情を必死で押し隠し、にっこりと笑って答えた。
「僕は、世界で一番―― 」』

「待て待て待てーい!何やっとんのだあんたは!!」

いてもたってもいられず、影丸?は女性の行動につっこみを入れた。ひょっとしたら彼が
与えられたキョンの体に染みついたつっこみ属性が発動したのかもしれないが、まあそう
でなくても普通は突っ込むだろう。

「何って…。単に官能小説を立ち読みしていただけだが?」

一方つっこみを受けた方の女性…エロ師匠は、さも何でもないかのように答える。

「いやいやいやいや、立ち読みするなよそんなもん!まあ百歩譲って立ち読みを認めたと
してもだ、音読するな。非常識にも程がある。」
「おや、これは心外だな。非常識には慣れっこではないのかね、キョンくん。」
「俺はキョンじゃない。まあ、見た目はそうだが…。俺のここでの名前は、意外な影丸?だ。」

マイペースを崩さないエロ師匠に多少むっとしつつも、影丸?は名乗る。

「ほう、影丸くんというのか。では、影丸くん…。」
「何だ?」
「や ら な い か」

1922街の狩人:2008/02/09(土) 20:01:53 ID:8BeKdo.A0
その瞬間、エロ師匠の目つきが変わる。その視線をもろに浴びた影丸?は、金縛りにでも
あったかのように動けなくなってしまった。

(何だ、これは…。体が…熱い!)

影丸?は、エロ師匠のオーラに飲み込まれつつあった。しかし、後少しで彼がエロ師匠の
軍門に下ろうかというそのとき…。

「うおおおおお!!」

悲鳴が、周囲に響き渡った。

「今のは…。鬼軍曹さんの!」

その悲鳴を聞いて正気に戻った影丸?は、エロ師匠に背を向け店を出ようとする。
しかし、エロ師匠は影丸?の頭上を飛び越え、彼の行く手を阻むように着地する。

「つれないじゃないか、こんな美人をほったらかしていこうだなんて…。」
「どけよ…。あんたの遊びに付き合ってる場合じゃないんだ!」
「つまり、私の相手はしたくないと?」
「見くびるなよ…。」

影丸?はドラゴンキラーの切っ先をエロ師匠に向け、高らかに叫ぶ。

「ただの色情狂に興味はない!このロワにわがまま万能娘、無口宇宙人、巨乳未来人が
いたら俺の所まで連れてこい!以上!」

「よくぞ吠えた。その言葉、当方への宣戦布告と判断する。武装錬金!」

なまめかしい表情を崩さぬまま、エロ師匠はサンライトハートを構える。

「君は運がいい。本来ならこのまま殺してしまうところだが、今の私は官能小説を読んで
うずいている。両手両足を砕いて反抗できなくした後、思う存分味わってやろう。」
「ケッ、そうそう思い通りにさせてたまるかよ。」

対する影丸?も、額に冷や汗を浮かべつつドラゴンキラーを構える。

「意地があんだろ!男の子には!」

思わず口走ってしまった後で、影丸?はハッとする。

(やべえ…。自分から死亡フラグ立てにいっちまった…。)


【朝】【F-4 本屋】
【エロ師匠@漫画ロワ】
【装備:サンライトハート(後期型)@武装練金 カードデッキ(ゾルダ)@ライダーロワ】
【所持品:支給品一式×2、マジックペン@文房具、不明支給品×2人分】
【状態:健康、興奮状態(性的な意味で)、お肌ツヤツヤ、パワーアップ?】
【思考・行動】
1:影丸?を食べちゃう。もちろん、性的な意味で。
2:エロスを楽しむ。ほどほどになんてしない。エロスでどんどんパワーアップ!
3:この殺し合いの舞台を利用して、LSのボマーを倒す。できれば自分の手で倒す。
4:そのための戦力強化を図る。主に、同盟相手の模索&他人の支給品強奪で
5:バイセクシャルとはスペック高いぞ、仮面ライダー書き手!!
※外見と声は銀髪銀眼の津村斗貴子(エロ度200%増)です。無駄にエロいです。何でもエロくします。
※サンライトハート(後期型)は支給品ではなく自前です。核鉄として心臓の代わりも兼ねています。
※エロスで本当にパワーアップできるのかどうかは不明です。強くなった気がするだけなのかもしれません。
※カードデッキだけはなぜか九分五十五秒しか変身できません。
※服に若干の返り血

【意外な影丸?@アニロワ1st】
【装備】:ドラゴンキラー−1(呪)@トルネコの大冒険
【道具】:ドライフラワー、ドライヤー、ドライバー、小説「涼宮ハルヒの憂鬱」
【所持品】:支給品一式
【状態】:かすかな擦り傷。あご打撲。
【思考・行動】
基本:何でもいいから空気になるのだけは防ぐ。
1:目の前の痴女(エロ師匠)をどうにかして、鬼軍曹たちと合流。
2:ステルスマーダー…。まあ、今のところは保留で。
【備考】
※容姿はキョン@涼宮ハルヒの憂鬱です。

1923街の狩人:2008/02/09(土) 20:03:44 ID:8BeKdo.A0
時は少しさかのぼり、鬼軍曹と影丸?が別れた直後。鬼軍曹は本屋のすぐ近くにあるコンビニにいた。
店の奥に、運良く仮眠用のベッドを発見したのである。

「じゃ、俺寝るから。ドラえもんは影丸にここの位置を伝えてきてくれ。」
「うん、わかった。」

鬼軍曹の指示に従い、ドラえもんがその場を後にしようとしたそのとき、異変は起きた。

ドゴォォォォォン!!

轟音が鳴り響き、壁が崩れ落ちる。そこから姿を現したのは、カイザに変身した
仮面ライダー書き手であった。

「おいおい、何やってんだおまえ。ちゃんと入り口から入ってこいよ。」
「いや、鬼軍曹!そんなこと気にしてる場合じゃないよ!」

漫才のような二人の会話にも表情を変えず(もっとも、変えたところで変身中の今では
わかりようがないが)、仮面ライダー書き手は彼らに言った。

「答えろ。今日の深夜から早朝の間に、まとめキングという男を殺したのはおまえたちか?」
「まとめキング?悪いが知らねえ名前だな。」

仮面ライダー書き手の問いを、鬼軍曹は即座に否定する。

「そうか…。」
「用件はそれだけか?俺、これから寝るから早くどっか行って…。」
「ならば、俺が優勝するために死ね!」
「はぃぃぃぃぃぃ!?」

唐突に、仮面ライダー書き手はカイザブレイガンを振り下ろす。鬼軍曹は、それを間一髪でかわした。

「危ねえ!ちくしょう、マーダーかよ!」
「もっと早く気づいてよ!明らかに危ない雰囲気だったじゃないか!」

ドラえもんを連れ、慌てて部屋から逃げ出す鬼軍曹。だがその背後から、仮面ライダー
書き手がガンモードにしたカイザブレイガンを放つ。

「うおおおおお!!」

ビームが肩を貫通し、鬼軍曹は苦悶の声をあげる。だがそれでも、彼は足を止めない。
そのまま部屋を出て、コンビニの店内へ逃れる。

「チッ、仕留め損ねたか…。まあいい、殺すのが少し遅くなっただけだ。」

悪態を付きつつも、仮面ライダー書き手は店内に足を踏み入れる。立ち並ぶ陳列棚が視界
を遮り、鬼軍曹の姿は見あたらない。しかし彼は焦ることなく、店内を歩き回る。

(さて、これからどうするかな…。)

身を隠しながら、鬼軍曹はこれから取るべき行動を考える。今の状況では、地雷は使えない。
まさか、むき出しの地雷を踏むバカはいないだろう。だいたい、こんな狭い場所で地雷を
使ったら、自分もただでは済みそうにない。

(となると、これを使うしかねえか…。俺のイメージに合わねえから、なるべく使いたく
なかったんだがなあ…。)

鬼軍曹は、デイパックから二つ目の支給品を取り出した。


店内に響き渡る、ガチャガチャという金属音。そこから鬼軍曹の居場所を察知し、
仮面ライダー書き手は動く。

「そこか!」

勢いよく飛び出す、仮面ライダー書き手。その前に現れたのはドラえもんと、ねずみにも
犬にも見える着ぐるみだった。

「ふもー!ふもっふ!(さあ、かかってこいや!)」

1924街の狩人:2008/02/09(土) 20:07:20 ID:8BeKdo.A0
【朝】【F-4 コンビニ】
【仮面ライダー書き手@ライダーロワ】
【状態】健康、仮面ライダーカイザに変身中
【装備】カイザギア@ライダーロワ
【所持品】支給品一式(未確認)
【思考・行動】
基本:皆殺しで優勝。可能ならばまとめキングを生き返らせる。
1:目の前の男(鬼軍曹)を殺す。
2:手こずるようならエロ師匠と合流。
3:俺を好きにならない奴は殺す。
※外見や声は草加雅人です。



【猫子頭の鬼軍曹@アニロワ1st】
【装備:対戦車地雷(17/20)、ボン太くんスーツ@スパロワ】
【所持品:支給品一式、ドラえもん(四次元ポケットなし、CV:大山のぶ代)】
【状態:やや疲労、右肩負傷】
【思考・行動】
1:目の前の仮面ライダーをどうにかして、影丸?と合流。
2:殺し合いには乗らずに読み手を倒す。
3:アニロワ1st書き手達との合流。
4:危険視しているコ・ホンブック(◆5VEHREaaO2)の殺害。
5:お姉さまをお仕置きする。
※ボン太くんスーツの具体的な武装については、次の書き手さんにお任せ。



  ,>-、_       `ー、;;;;;;|::... `ヽ,
   /:::..{ ̄`ヽ,_ |      }_ノ ̄`、  ヽ
  ./:::...,ri   |::`~'  〕 _,,,-一!    :i   i
  {:::....{;;;\_ノ}    ´~|:.{ `、 i     :i   l
   !:...(_);;;;;;ノ.:i     |:r!、_ハi   ..::}  :i
  _}_::...`ー´、ノ     |:|;;;;ノ.:! i::.....:::ノ  :i
   `ー-、;;;ム     |0-'.::i ト--'´  ..::/ <対主催だ、ゴルァ!
 ´"''~゙゛、、,r-一ー、   !、;;;;/ i ゙゛   ::ノ
      /:     'v´ ̄`ヽ 、L_;;;-ー´
\/   {::.         `,゛ `,
::../\   '、::..    ,i::..    ノ   i
::::::,-一、..  `ー-一´`ー-一'´  /
:::/;;;;;;;;;;;`ー、_:::::::::::..._ノ_::::::_ノ´
`|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`、;-、_;-´;;;;;;`i´ 
 !;;;;;;;;;;;;;;;;;;;へ;;};;;;;;`i;;;;;;;;;;;;;}\



以上です。
官能小説の部分はFFDQロワからコピペして細部だけ変えたんですが、
大丈夫ですかね?まずいようだったらオリジナルの文に差し替えようと思うのですが。

1925名前を捨てた人:2008/02/09(土) 20:50:27 ID:zzSJN/qo0
エロ師匠、音読自重ww
チームがバラけてそれぞれバトルか。どうなるかなコレ

1926暴走する力:2008/02/09(土) 20:57:44 ID:pJIA5EeQ0


焼け落ちたホテル周辺で、二人の超人が音も越える速さで『けん』を交えていた。
崩れた瓦礫の上に立ち、空を見上げるのは暴徒と化したコ・ホンブック。
そして廃墟と化したビルに片手でぶら下がり、もう片方の手ではコインを握り締めるバトルマスター。
二人の距離は直線にしておよそ100メートル。
その間合いに持ち込んだのは、バトルマスターの方だった。
初見でこそ油断したが、目の前にいるのが常識外れの化け物なのは既に納得済みだ。
なにせ、どれだけ一撃必殺の拳を見舞おうとも、暫くすれば傷が回復してしまうのだから。
とは言え、不死者となったコ・ホンブックも痛みを感じる機能は残っているらしく、
その点がバトルマスターに勝機を見出せる一筋の希望となっていた。
だが一撃離脱を繰り返す間にも、『乖離剣・エア』の猛攻は確実にバトルマスターを追い詰めていく。
武器の威力もさる事ながら、この埋めようの無い間合いが彼を苦しめていた。
こちらが相手に攻撃するには、どう頑張っても拳の届く範囲まで接近しなければならない。
対してコ・ホンブックの射程は、多く見積もって20メートルはある。
一撃見舞う間に一太刀浴びるだけならまだいいが、最悪即死の可能性もある。
そんな中で確実ダメージを与えていくのは、神様の気まぐれすら味方につけなくてはならない。
今だって、襲い掛かってきた形無き刃を紙一重で回避して、何とかここまで離脱したのから。

「ごほっ」

口から吐き出された血の塊が、瓦礫の底へと落下していく。
どうやら、避けたつもりが完全に回避できていなかったらしい。
何処に一撃喰らったか確認するため、バトルマスターは空いた手で触診を始める。
その瞬間、下にいたコ・ホンブックがエアを構えてビルの壁を駆け上ってきた。

「イダイイダイイダイダイダイダイダイダイダアアアアアアアアアアア!」
「ッ……残念ながら、何度も喰らうつもりはありませんよ!」

迫り来る赤い旋風に対し、バトルマスターは壁から手を離し頭から急降下する。
ちりちりと体中を切り刻んでいく余波に耐えながら、本丸を回避するため体を横に捻じ曲げる。
アバラの軋む音が聞こえるが、それを無視してバトルマスターはさらに体の軸を動かす。
この無理が功を成し、ずれた僅かな場所をエアの本体が風を切りながら突き抜けていった。
が、巻き起こっていた竜巻がバトルマスターの脇の肉を紙のように引き裂き、抉っていく。

「ぐっ……まだァ!」
「!」

体中の肉をノミのように削られても、バトルマスターはコ・ホンブックに接近する。
危険を察知したコ・ホンブックがエアを突き出そうとするが、それよりも先に彼の手が胸まで伸びる。
これを遮るように、バトルマスターはコ・ホンブックを抱き寄せ、お互いの距離をゼロまで詰める。
そして、空いたもう片方の手に目一杯の力を込め、容赦なくその胸の中へと捻じ込んでいった。
『抜き手』と言われる空手の技の一つである。
もちろん常人ならばこんな荒業出来ないが、この人物はその常人の域を超えていた。

「ギャアアアアア!――ャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」

鼓膜を破るかのような悲鳴を挙げるコ・ホンブックを壁側に蹴り飛ばし、距離を取る。
そして、バトルマスターはそのまま地上へと向かい、受身を取りつつ墜落した。
その手には、まだ温かく脈打つコ・ホンブックの心臓が握られている。
一方心臓を抉り取られたコ・ホンブックは、糸が切れたように大人しくなると、ゆっくり地面へと落ちていった。
数秒後、埃の舞う瓦礫の中から、バトルマスターはゆっくりと立ち上がる。
その右手には、激しく蠢く心臓がしっかりと握られていた。
ジッと握ったモノを眺めていたバトルマスターは、ちらりとコ・ホンブックの方に視線を向ける。

「申し訳ない。だが、貴女をこれ以上放置するのは危険です。
 それに、そんな状況で苦しみ続けるのも、貴女だって辛いでしょう」

瓦礫の隙間から突き出た血まみれの腕を見つめながら、少しの間だけ黙祷する。
シンと静まり返った戦場で、ただ右手の心臓だけが強く存在を訴える。
そこでようやく違和感に気付く。心臓が未だに動き続けている事に。

(?まさか!)

だが気付くのが遅すぎた。
コ・ホンブックは片腕だけ瓦礫に残し、本体はエアを握ったままバトルマスターの背中まで来ていたのだ。
振り向く余裕すら与えず、無形の剣はバトルマスターの胸部を抉る。
ミチミチと骨が悲鳴をあげ、あっさりと粉々に粉砕されていく白い骨。
だがそれでも進行は止まらず、バトルマスターの体を器にエアは内部にミキシングをかけていく。

1927暴走する力:2008/02/09(土) 20:58:18 ID:pJIA5EeQ0

「ジンゾォ!カベジデェェェェェェ!」
「ァ!……はぐッ……がああああああッッ」

飛んでいきそうにな意識を必死で握り締め、バトルマスターは後方に蹴りを放つ。
けれども、コ・ホンブックはそんな攻撃など気にせずエアを上下に揺らす。
ミキサーの作動音がバトルマスターの中で響き渡る。

(もう……駄目か……)

沈んでいく景色の中、バトルマスターはくるくる宙を舞う物体を見つける。
そしてそれは、二人の前までゆらゆらと近付いてくると、その眼前で弾け飛んだ。
周囲を包んでいく光の中、バトルマスターはついに意識を手放なした。

「ダァァ!オガアアァァアアア!」

一方もろに閃光を見つめてしまったコ・ホンブックは、あまりの眩しさに量目を覆う。
数秒後、視界が回復したコ・ホンブックの目の前にバトルマスターの姿は無く、エアだけが地面に放り出されていた。
そんな彼女の胸部に、奪われた心臓がゆっくりと戻っていく。
だが、心臓を取り戻しても、失った体までは取り戻せない。
痛みと狂気の中、コ・ホンブックは両手で顔を覆いながら悲痛な叫び声を挙げた。




「クオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ
 オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ
 オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ
 オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!」







あの場所から少し離れた街の一角。
商店街にありがちな個人病院の一室に、バトルマスターはいた。
傷だらけで危険な状況だが、とりあえずまだ生存している。
と言っても、パッとみた限りでは死体と言われても納得してしまう状況だ。
もし彼が一般人の生命力しかなければ、事は切れていただろう。

「はわわ。今すぐお助けします〜」

手術台で横たわるバトルマスターの前には、管理人・したらば孔明がいた。
彼女は先の戦いを見ていて、もしかしたら彼こそご主人様かもしれないと感じ助け出したのだ。
そして、気配を消しつつあの場から退避し、ここまで逃げてきた。
知識はあるものの、人を助ける手術なんて数えるほどしかしていない。
それでも、今やらなければ彼は確実に死んでしまうだろう。

「や、やってみせますぅ〜」

可愛く拳を握り締め、したらば孔明は目の前の状況に意識を集中さえていく。





果たして、彼女の処置は間に合うのか……次回に続く!

1928暴走する力:2008/02/09(土) 20:59:10 ID:pJIA5EeQ0





【朝】【E-3 小さな個人病院】
【バトルマスター@ギャルゲロワ】
【状態】気絶中。重体。大量出血。胸に抉り傷。両腕に削り傷。内臓の一部に破損。
【装備】不明(支給品は確認済)
【道具】支給品一式、コイン、名簿
【思考・行動】
基本:コインの表が出たので徹底的に抗う。
1:気絶中
2:対主催として仲間を探し、殺し合いに乗った敵を倒す
※自分の心がキャラに影響されていることに気付きました



【管理人・したらば孔明@アニロワ2nd】
【装備品:スタンガン@アニロワ1st】
【道具】支給品一式×3、ゲイボルグ@アニロワ2nd、オールオーバー@ライダーロワ、大鉈(破損)@ギャルゲロワ、
    携帯電話@現実、首輪(まとめキング)、閃光弾、不明支給品(ランダムアイテム)】
【状態:健康、服に若干の血痕】
【思考・行動】
基本:脱出に向けて行動する(基本的に恋姫†無双の孔明を演じる)
1:はわわ、あ、新しいご主人様(バトルマスター)かもしれない彼を助けてませす!
2:脱出に有能な方なら手を組みましょう。
3:危険な野郎なら排除するぜ。
※外見は孔明(恋姫†無双version)、頭脳は孔明(Gロボversion)、力は孔明(水滸伝version)です。
※口調は基本的に恋姫†無双versionでいくようですが、状況と気分で恋姫†無双version・Gロボversion・水滸伝versionのどれかにするようです。
※爆発の規模、学校にいた他の参加者への影響は不明です。


【朝】【E-4】
【コ・ホンブック@アニロワ2nd】
【状態】不死者化、胸に12の傷(※)、腹に10の刺し傷(※)、心臓部に穴
【装備】乖離剣・エア@Fate、壊れた戦国の兜(面付き)@バッカーノ
【道具】なし
【思考】??
 基本:痛イから殺すカら痛いかラコロすからイタいカら殺スかラ……
1:……
2:皆殺シ
 ※容姿はR.O.D-TVのアニタ・キングです。
 ※不死者化するまえの傷は治りません。ずっと痛いままです。
 ※E-3の半分程度の建物が壊滅しました。
 ※E-4のビルのいくつかが崩壊しました。

1929名前を捨てた人:2008/02/09(土) 21:02:47 ID:pJIA5EeQ0
投下終了。自ロワの人がいなくても案外把握できるものだと確認できた。
とは言え、どっか間違ってるかもしれないから、なんかあったら教えてください。

1930名前を捨てた人:2008/02/09(土) 21:33:00 ID:f4QCtO1E0
お二方GJ!
エロ師匠自重wwwボンタ君対草加戦はある意味見ものだな。
バトルマスター対コ・ホンブック、なんと熱い戦い。

そして。

漆黒の龍に続きしたらば孔明もかぶったああああああああっっorz

1931名前を捨てた人:2008/02/09(土) 22:01:10 ID:GRkp4oaI0
どちらも投下乙。
影丸?君、そのセリフを言っちゃーいけないよ。
今気づいたが、仮面ライダー書き手とまとめキングってどっちも学校にいたんだな。あそこで会っていたら……
コ・ホンブックは正直どうやったら死ぬんだろう。なんか見ててちょっとかわいそうになった。
バトルマスターは熱いな!

1932名前を捨てた人:2008/02/09(土) 22:15:30 ID:79Sm9pjY0
ふう、四日分ログは流石に長……

>>1784
ヽ、;,.r''" ̄`゙ヽ,`ヽ.;;;;;,r'"{´ ̄`゙`ヽ、;/:/
、/,.r'"´ ゙̄ヽノ  ,}二!  \    ,j l/l、__,.
/{ (、    ,./ ,ノj;;;;,'`ヽ、,_` ̄ ̄_,ノ /,'"´
l `'‐--‐''" _,.-'"イ ;;、;:}   : ̄ ̄:/〈/r"
ヽ、'‐--‐_,,.-‐'"_,.!  ヽ.゙、.,___;;;;::,ノ /::/´
:::ノ` ̄´__,,.、-'''゙、.___,. `'---‐'"、 l:::l
`''=-‐''" __,,,...,_ヾ、==ァ' _,.‐''"゙ヽ,ヽ!r';
゙,   ,r''"o_,.、-`'' '=,-‐'・'-、,._l! l,.'、!
::〉  -‐'"´,. : '''"/ ヾ:、``''‐-、__,. }r:}     なにやってんだお前〜〜〜〜〜
:l  ヽ‐''"  ゝ:::;     ゙'‐i::::.. ' , ゙V     _,.
:l U     ; :::;   r / l 、:::.. ',=゙, ,r-''゙´
=ヽ       :     l' r' ',   j=〉'゙
:==\  u      ヽ、::',    ,':=:/
、:===ヽ       u  ヾ゙、  ';゙ /  ,r'"´ ̄
::ヽ   i;;::  U      ,  `   /l /
:::::゙,           :       !/
、_::;'、   u   u  ,.r‐''"゙'''''""´`'、._
 `l.     ,'   ,.r'‐''"´二二´゙ヽ,、/   、
  ヽ.    ;   / ,,.-'"ニ---、 ゙̄''-、    ヽ
    l!ヽ、,' / ,.-'゙/´:::;;;;;;;:::`ヾ,‐''゙    , '
    l!: ヾ'-'゙ /´  .,;;::゙、: /´  ,  ,
 r-''"l!:  `'‐‐'、    ,゙;:: ` ./   r'゙  ,'  .,'
 j  、.l!:::::     \   ,゙;:   /  rァ'   l   j
'´゙、  l゙、:::::      ヽ、.,__,,./  //'"゙' /!'"゙' l
  ゙、 l `ヽ、      ,.、‐''" / /   / l   l
   ゙、l:::::::::゙ヽ、  r''"´   ,.r''゙ノ'" ゙' ./ !   l
   ヾ、::::::::::::゙ヽ, ゙'‐--‐'"r'"´ヽ、 / /    !
    ゙ヽ、::::::::::::::`''‐---、ヽ、.__,,..-'゙ :/''"゙ヽ、j

1933ある決闘の再現:2008/02/10(日) 02:46:28 ID:86QkBNrc0
「はわわ、なんとか……大丈夫ですぅ」
バトルマスターの怪我を治療したしたらば孔明は一息をつく。
結果は何とか成功。
正直どうなるかは解らない状況だった。
しかしここで彼を殺してはならない、ただその一身で治療を施す、全てはご主人になるべき人の為に。
そのお陰でどうにか治療をできることができた。
バトルマスターは今ぐっすり眠っている。

「でも……これで……」
「悪いけど……それは無駄になるわ」

背後から底冷えする声が響く。
したらば孔明が振り返るとそこには一人の少女。
その少女は笑いながらバトルマスターをの方を指差す。
「バトルマスターともある方がこんな無様とはね……正直拍子抜けだわ」
「なぜ名前を!?」
「簡単よ……これ」
彼女はが取り出したのは紙束。
何か色々書いてあるようだ。

「写真つき名簿。助かるわ……ギャルゲロワの書き手がわかるもの」
「貴方は?」
「予約被りに定評のあるtu4氏よ……早速だけど死んでもらうわ……ふふ、バトルマスターは圭一なのよね……私の出番を奪った罪はでかいわよ」

1934ある決闘の再現:2008/02/10(日) 02:46:55 ID:86QkBNrc0
そのまま予約被りに定評のあるtu4氏は存在を構えしたらば孔明に向かう。
したらば孔明はゲイボルグを構えるが簡単にtu氏の斬撃にはじき返される。
完璧なチェックメイト。
予約被りに定評のあるtu4氏は剣をしたらば孔明に突きつけ

「貴方の首を刎ねて、バトルマスターに見せ付ければ鬱を演出できるわ……最高じゃない? 助けてくれた少女が無様に首になってるんだから
 散々絶望させた後殺すわ……くくっ……あはは……あはははははははは!!」

予約被りに定評のあるtu4氏をまるで狂気を見せるかのごとく笑う。
よっぽど圭一に恨みがあったのか。

だがその笑い声に乱入するものが一人。

「残念ですが……それは無理ですよ」
「えっ?」

その瞬間予約被りに定評のあるtu4氏は訳もわからず突然の衝撃に襲われ壁にたたきつけられる。
吹っ飛ばした者は

「やれやれ……tu氏は乗ってましたか……私に恨みがあるようですが……まあいいでしょう。乗ってるのなら叩き潰すのみです」
「起きてたの!? バトルマスター!」

そう、バトルマスター。
彼は復活していた。
彼は一息つき
「貴方みたいな人がまさか……悲しいですよ」
「うるさいっ……あんたなんかに分かるもんか! 常に目だってたあんたなんかに」
「キャラの影響を受けすぎのよう……ですね……支配でもされましたか」

バトルマスターは嘆きつつもしっかりと彼女を見つめ
そして彼は告げる。
「貴方を解放してみせる! そのゆがんだ思考から!」
「なによ……私は普通よ! 私は狂ってなんかない!」

バトルマスターは決意した。ただ彼女を救う為。
圭一と同じような考え方をし。
そして予約被りに定評のあるtu4氏は気付かない。
自分が狂気の取り付かれてることに。
あの倉成武のように。

1935ある決闘の再現:2008/02/10(日) 02:48:20 ID:86QkBNrc0
「バトルマスター……貴方をご主人様に認めます。これを貴方の支給品から見つけました」
「これは……そういえばありましたね……あり難い」

したらば孔明からバトルマスターが受け取ったもの。
それは永遠神剣「冥加」
圭一が武を救った刀。

「では再現しましょう……あの戦いを! 狂気に染まった貴方を救って見せます!」
「馬鹿にするなああああ!! 私は狂ってなんかいない!」

バトルマスターはかけだす、予約被りに定評のあるtu4氏に。
予約被りに定評のあるtu4氏も向かう。

あの倉成武と前原圭一の戦いの再現のような決闘が遂に幕を開けた。

【午前】【E-3 小さな個人病院】
【バトルマスター@ギャルゲロワ】
【状態】胸に抉り傷。両腕に削り傷。内臓の一部に破損。
【装備】永遠神剣「冥加」
【道具】支給品一式、コイン、名簿、不明支給品2つ
【思考・行動】
基本:コインの表が出たので徹底的に抗う。
1:予約被りに定評のあるtu4氏を救う
2:対主催として仲間を探し、殺し合いに乗った敵を倒す
※自分の心がキャラに影響されていることに気付きました



【管理人・したらば孔明@アニロワ2nd】
【装備品:スタンガン@アニロワ1st】
【道具】支給品一式×2 ゲイボルグ@アニロワ2nd、オールオーバー@ライダーロワ、大鉈(破損)@ギャルゲロワ、
    携帯電話@現実、首輪(まとめキング)、閃光弾、不明支給品(ランダムアイテム)】
【状態:健康、服に若干の血痕】
【思考・行動】
基本:脱出に向けて行動する(基本的に恋姫†無双の孔明を演じる)
1:はわわ、あ、新しいご主人様を助けます!
2:脱出に有能な方なら手を組みましょう。
3:危険な野郎なら排除するぜ。
※外見は孔明(恋姫†無双version)、頭脳は孔明(Gロボversion)、力は孔明(水滸伝version)です。
※口調は基本的に恋姫†無双versionでいくようですが、状況と気分で恋姫†無双version・Gロボversion・水滸伝versionのどれかにするようです。


【予約被りに定評のあるtu4氏@ギャルゲロワ】
【状態】健康、気合十分 怒り、狂気
【装備】永遠神剣第七位「存在」、ガンダールヴの証(ゼロの使い魔@漫画ロワ)、ペンダント(空鍋の欠片)
【道具】写真付き名簿、支給品一式、不明支給品×1(未確認)
【思考】
基本:空気にならないため他の書き手をみなごろし。
0:私は狂ってなんかない!
1:目の前の敵を滅す。
2:書き手はみんな滅する。私を空気とか呼ぶ奴はグロ死な。
3:エロスの鐘の煩悩寺がマーダーだと広める。
4:ギャルゲロワ陣営は欝に叩き込む。
※容姿は白鐘沙羅。アセリアの服を着ています。
※実は永遠神剣第一位「空気」を宿していますが何らかの因子が足りないため使えません。
※ガンダールヴの能力は、どんな武器でも自在に操れます。
  また本来は使うと疲労を伴いますが、tu4氏の場合それはありません。チートですし。
※白鐘沙羅に心を乗っ取られ狂気に染まってます。雛見沢症候群のよう名感じです。
 空気に対して過度のの怒り。

1936ある決闘の再現:2008/02/10(日) 02:48:51 ID:86QkBNrc0
罰ゲーム終了。
ふう……tu氏ごめんなさい。

1937I WANT TO,YOU WANT TO,THEY WANT TO:2008/02/10(日) 03:28:48 ID:ZMp6xC6g0
死者スレ専門なので地の文は下手だが投下します。

『じゃあねー愛してるよー♪』
そんなふざけた言葉とともに第一回の放送は終わりを告げた。

その森の惨状を表すのに、戦場跡という言葉ほど相応しいものはないだろう。
地は割れ、草木は凍り、岩は焼かれ、幾万もの骸がその姿をさらす。
そこを戦場と言わずなんと言えばよいのだろう。
そしてその渦中にその女はいた。
この惨状の原因の片割れ、無明幻妖side.。
烈火の将の姿を持ち、それにふさわしい魂を持つ少女。
だが今の彼女を見て誰がその事実を想像しえようか。
つい先刻まで強い意志の刻まれていた顔からは色が失せ眼前の屍に等しいものと化していた。

その能面のような表情がわずかに、動いた。
(いやあさすが書き手ロワだねえ〜、みんなどう行動するかわかっているじゃないかあ)
声がした。少年のようにも老婆のようにも聞こえる声だ。
だが森には少女以外に人の姿はない。
では、この声はどこから響いているのだろうか。
いや、そもそも本当にその声は音を伴っているのだろうか。
なぜならその声の主は女の胎内にいるのだから。

「……っ」
己が内から響く声に女は歯を噛みしめる。
26人、26人もの書き手の命がただの一日に満たない時間に奪われた。
いくら今彼女の内に潜む者が強者だとはいえ、一人で殺すにはあまりにも多すぎる人数。
つまり殺し合いにのった者がいるのだ、The god of chaos以外にも。

(も〜しも〜し、いい加減返事してくれないかなあ?)
「……くそっ」
そのことがたまらなく悔しくて悲しかった。
中には彼女とともに死線を書きぬけた書き手もいたのだ。

(ほら俺様今こんなだし〜、U1補正で力の行使はできるけど自分じゃ動くこともままならないんだよね〜。
ウルトが帰ってきてくれたら運んでもらえるんだけど。
途中で赤ちゃんでも見つけちゃったのかなあ、ベイビーフェチだしさあ)
「………くそっ」
けらけらと笑う男の声に苛立ちがさらに募る。

なのに自分は何をやっている?
ただ一人助けることなく、殺しあいにのった人間にその身を利用されている。

(まあ君が動かないところで誰かが近づいてきてくれたらなんら問題はないんだ
けどね。あっそうだ、赤ちゃんといえばLSでは一人出場してるんだっけ。
いや〜やるね〜、カオスだね〜。いっそのことひまわりの姿で生まれてみるのもいいかもしんないね。ハクオロの仮面でも被ってさ。
ステルス誤解赤ちゃんマーダー。うん、すんごくカオスだね。あれ、でも誤解フラグ持ちな時点でステルスじゃないような。
それに僕たちのように自分の楽しみだけを目的にしているキャラをマーダーと一括りするのもおかしい話だよね。
もういっそ外道とかでいいんじゃないかな?あ、今俺様すんごい書き手らしくまじめに考えてるよ?)
「…………黙れ」
なんて、無様。
こんな姿を晒す位なら潔く死を選んだほうがマシではないか。
地に落ちた剣に手を伸ばす。
だがカオちゃんはそれほど甘い相手ではなかった。

1938I WANT TO,YOU WANT TO,THEY WANT TO:2008/02/10(日) 03:30:36 ID:ZMp6xC6g0
(あ、そうだ。死のうとしても無駄だからね。そう簡単に死なせやしないし、最悪君が死んでも俺様は消滅しないし。
 なんせカオちゃんだからね。混沌とは『生』、混沌とは『死』。命を終わらせ生み出すもの。はは、すごいね、我ながら)

ただ一言。たったそれだけで人はこれほどの絶望感に苛まれるものなのだろうか。
ぎりりと、歯を食いしばる。
自分にもっと力があればしんでいった者たちを救うことができたかもしれないのだ。
我が身に巣食う怨敵ほどの力があれば。
沸々と怒りの炎が燃えていく。
その勢いは留まってくれない。
わかってる、それが八つ当たりに過ぎないのだということは。
それでも、彼女は叫ばずにいられなかった。

「……何を、やっている」
(ん?)
「それだけの力を持ちながら、貴様は何をやっている!」

混沌神。
ありとあらゆる展開を描き切り、いかなふざけた前ふりからもおもしろくつなげてみせた彼の器の大きさは、
もはや人の域を超え神の域にまで達し、その体も物質界から外れアストラル体へと昇華されていたのだ。
故に姿を変えることなど造作もなく、肉体を失っても死ぬことはない。

自らの身に胎児という形で融合されたからこそ、女は混沌神の力の強大さを理解した。
誰よりも、理解してしまった。
だからこそ悔しかった。


(どういうことだい?)
「私には受け入れがたいが、貴様は構成力・文章力・ストーリー性etc、私達書き手が望むほぼすべての力を兼ね備えている。
なのに貴様は何故カオスな話ばかり書き綴るのだ!」

もし混沌神がその力を対主催として振るっていれば。
多くの命を救えたのではないのだろうか。
もし混沌神がその力を過疎ロワで振るっていれば。
いくつものロワが消えずに済んだのではないだろうか。

だから彼女は最初気付かなかった。
それまで響いていたカオちゃんの声がぱたりとやんでいることを。

(何やら君は誤解をしているようだね?)
「なんだと?」
(何をやっているのかだって?決まってる。やりたいことをだ。俺様だけじゃない。パロロワ書き手はみんなそうさ。
ロワに参加している作品をキャラクターを愛しえいるからこそ、彼らの命を書き綴る。
ただ俺様は欲張りだっただけ。すべての可能性を捨てたくなかったから、その全てを含有していった結果カオスと化しただけさ)

何もカオスな話を書こうと思って書き手となったのではない、と。
ただ己が望むままに話を書き続けつなげ続けた結果、カオス作家という形に行き着いたにすぎないのだと。
人を小馬鹿にしたような口調でされど確固たる信念のもと答える彼は確かに一人の書き手だった。

1939I WANT TO,YOU WANT TO,THEY WANT TO:2008/02/10(日) 03:31:31 ID:ZMp6xC6g0
その姿がやけに眩しく思えた。
そして思い出す、自らが初めてパロロワ作家になろうと思い立った日のことを。
あの時自分は何を考えていた?
「そうか、そうだったな」
自らの前に残された話にも自らのあとに続く者にも縛られずされど軽視せずただ今ある自らの全力を振り絞る。
「書き手とはそういうものだったな!!」
女は今度こそ剣を再び手に取った。
その眼に先ほどまで浮かべていた絶望はすでになく、ただ強い光のみを宿していた。
(やれやれ。やる気になってくれたのはいいけど忘れちゃったの?俺様は殺せない。君が死んでも意味がない。だめなお母さんだなあ)
無駄だ。もうその程度の事実になど屈しはしない。
それどころか嘲る声ににやりと笑みまで浮かべて見せたのだ。

「貴様こそ忘れているのではないか?――我らアニロワ1stの十八番が原作設定を持ち出すことだということを!」

(原作設定?まさか!)

混沌神の脳裏に浮かんだのは、一つのロワの決着を飾った剣の姿。
参加者の一人アセリア・ブルースピリットが振るい、文字通り神すら葬ったその剣は、
されど原作とは違う神剣が姿を変えたものだった。

「我が命の炎を以て、いでよ永遠神剣『世界』!」
故にその声にこたえるが如く纏っていた炎を散らし、一本の剣が女の腕にまとわりつく。
永遠神剣『世界』。
本来はどのルートを通ろうとも『求め』ではなく『誓い』が上りつめた筈の第二位永遠神剣が、
六本の蒼き羽剣を従え、今ここにその禍々しくも赤い刀身をさらす。

(ぐあああああ!?)
時を合わせるが如く胎内のThe god of chaosが悲鳴をあげる。
神剣の担い手である無明幻妖side.の体と同化していたが故に『世界』はカオちゃんからもマナを奪ったのだ、
アストラル体を強引にマナに変換し搾取するという形で。
自らの魂を削る痛みに耐えかねカオちゃんが声を荒げる。


(君はアニロワの書き手なんだろ!?他ロワの展開に頼るなんて誇りはないのかい!?)

もしもこの『世界』すらも原作設定だったのなら、The god of chaosもこうは慌てなかっただろう。
剣に吸収されると同時に神剣の意思を乗っ取れば生きながらえることも可能だったのだから。
だがギャルゲロワ版の不完全な『世界』は無茶な第二位化とその維持にマナを常に消費し続けている。


「あるさ。だが私はアニロワに所属する以前に一人の書き手だ。だからこそ他ロワであれ偉大な書き手に敬意を払う」
怪しい光を放ち続ける太刀を右手にまとった無明幻妖side.の体も同じく透けていた。
当然だ。魔力で構成されたヴぉルケンリッターの体もまた『世界』にとっては高効率なエネルギー源なのだから。

だが、それがどうしたというのだ。
女は思い出す。

紅の鉄騎は主の思いと自らの仲間を守るため、死してなお反逆者の力となった。
最速の男は己が信念のため命を燃やし尽し、ついぞ倒れることはなかった。
烈火の将はただ最後まで主を想い、壮絶に散っていった。

ならば一度でも彼らの書き手であった自分がどうして臆していられよう。

1940I WANT TO,YOU WANT TO,THEY WANT TO:2008/02/10(日) 03:32:15 ID:ZMp6xC6g0
既に自身の魔力は使い切りもはや目も耳も機能しない。
それでも足りない分は無理やり補う。
胎内のThe god of chaosという名のカーットリッジをロードし尽して。

「それにクロスオーバーこそ我らの本望。
 混ざりに混ざっているという意味では貴様の大好きな混沌とも言えるだろ?」
剣に更に気合を注ぎ込む。
その裂帛の気合いに応えるが如く神剣が一つの形に姿を変える。
すなわち大弓へと!
そうこれから放つのも舞台は違えど大好きな人達を守るため光と消えた妖精の少女の一撃なのだ。
故に鉄槌の騎士の力となったこの弓につがえて撃つになんの遜色があろうか。

「さあ、楽しむがいい。なにせ私『達』の全力全開の一撃なのだからな!」
(や、やめろおおおおおおおおおおおお!!)
ただでさえ不安定な神剣での最大魔法の行使に、これだけの死亡フラグを重ねたのだ。
間違いなく二人ともその魂をエネルギーとして使い果たし、この世から完全に消滅することだろう。

それでも女は迷うことなく約束された終焉の呪文を紡ぎだす。

「集えマナよ……」

重く響く美しい声だった。
だが、それ以上に、命をかけようとしている人間の歌だとは信じられないほどに、穏やかな声だった。
光があふれ炎と化し、矢へと集う中、唄は続く。


「我に従い……」

混沌神が胎内から神剣魔法の発動を阻止しようと干渉し続けるが、
女の詠唱もマナの搾取も一向に止まらない。
そもそももはやマナを求めるのは神剣自身の意思であり、目覚めたが最後『世界』は術者ですらとめられまい。
さらには『世界』は姿を変えたとはいえ未だに無明幻妖side.の腕に融合したままだ。
いかに女に干渉したとこで剣が再びその手より落ちることもない。
混沌の神は知る、もはや消滅を防ぐ手立てはないということに。


「敵を爆炎で包み込め!」
無明幻妖side.が敵に向かって矢を引き絞る。
敵とはなにか。マーダー、疑心、主催、不運、否!
敵とは殺し合いを是とするこの世界そのもの!
だから、狙うは、唯一つ!

「抹殺のオオオオオオ」
矢が放たれ、光がほとばしる。
違う、もはや矢にかけていた右腕が消滅したのだ。
続いて左腕もマナの粒子と化す。
足などもはや光すら残さず霧消し切っていた。
それでも最後に残された頭部で女は天高く飛翔する矢に名前を与える。

「デットエンドオオ」
反逆の牙を心に持った男の言葉を借りて。
世界のありようすら覆す反撃の狼煙は、名前と共に形を得る。
そは鳳、名をシュツルムファルケンという!

「シューーーーーーーーート!!!」

オーラフォトンの爆炎を纏い鳳は飛ぶ。
屍の城を焼きその先にある天へと。
厚く群れなす雲を払い、青く輝く空を赤く染め、はるか高き天を貫き、
そして――

1941I WANT TO,YOU WANT TO,THEY WANT TO:2008/02/10(日) 03:37:32 ID:ZMp6xC6g0

声が、した。
(愚かだね。無明幻妖side.。)
女は消えゆく意識を奮い立たせ、聞き逃さないよう耳を傾ける。


(完結した君たちアニロワと違い、まだD-5は終わっていない。
ここで俺様を倒したとしてもすぐに復活するよ。書き手ロワ3にも登場するかもしれない)
どうやら一時的なこととはいえ自分はこの強大な力を誇る相手を倒すことに成功したようだ。
その事実に安堵しつつ、残念ながら間違いなく本心である言葉を贈る。

「かまわない。いや、むしろ喜ばしいことだ。貴様を必要とする読み手は確かに沢山いるのだから。」
あの最後の瞬間、世界』が真の力を発揮した一瞬に、The god of chaosが自らの残ったすべての力を使い、外界に命の因子を逃がしたことには気づいていた。
あきらめなかった彼を称賛こそすれ、恨む言葉を自分は持ち合わせていなかった。

対してわずかに息をのむ気配がした。

(ふん、まあ結構楽しめたかな。ロボットに不条理にギャグにダークに鬱に。ガチホモができなかったのが未練だけど、
楽しみは次の機会に取っておくことにするよ。じゃあ少し休もうかな。次の混沌のために。次の次の混沌のために……。)

もはや声が胎内から響くことはない。
これでやっと心おきなく眠ることができる。
少し、疲れた。
夜まで寝て、また、深夜にでもSSを投下しよう。

私が望んだ物語が、誰かが望むものであることを、切に願って。





こうこうと、戦跡を癒すかのように、光が舞う。

地が割れ、草木が凍り、岩が焼かれたその森の中心には、一本の剣が刺さっていた。
光に照らされた担い手のいない剣はまるで墓標のようだった。


【無明幻妖side.@アニロワ1st 死亡】
【The god of chaos@葉鍵3 死亡?】

*カオちゃんが本ロワ内で復活することはありません。
*A-5に永遠神剣『誓い』と支給品一式(ランダムアイテム残り二つ)が落ちています。







その一撃は、確かに届いていた。
空間の壁すら越えた魂の一撃は、その威力を大きく落とし、されど確かに穴を穿ち、二つの場所を繋げた。
そのことに最初に気づくのは誰だろうか?読み手か、あるいはR-0109か、はたまたwiki管理人か、それとも……。



*A−5の上空に人間の頭一つ大の穴があきました。
 主催者たちの本拠地のどこかにつながっています。
 遠近法や雲により普通に歩いていたのでは地上から上空の穴に気づくのは困難です。
 空間を越えたからか、はたまたとんでもない場所につながったからなのか、
 主催者側も穴のことには気づいていません。

1942名前を捨てた人:2008/02/10(日) 03:39:05 ID:ZMp6xC6g0
投下終了。
つたない文章で、色々やらかしました。てへ♪

1943名前を捨てた人:2008/02/10(日) 03:49:55 ID:qCGoUzwU0
道連れか…
なんて熱く雄々しく、壮絶な散り様…GJ!

1944名前を捨てた人:2008/02/10(日) 04:12:19 ID:Pkf2V5SMO
ヤバい、すげえええええ燃えた!
色んなロワのアツい部分を凝縮したみたいで読んでて鳥肌たったわ。
カオちゃんも書き手として信念貫いてたし、何やら対主催の重要フラグは立ってるし、
言うことなしの読み応えでした!

1945名前を捨てた人:2008/02/10(日) 04:12:53 ID:GsvNMo7o0
>>1942
熱すぎだろ……。
すげえよ、アンタ。
マジでGJ!

1946名前を捨てた人:2008/02/10(日) 04:59:25 ID:G9ZlD4XI0
なんという熱さ。
GJだこの野郎!

1947罪と罰〜全てはフラグ・ビルドのために〜:2008/02/10(日) 07:25:53 ID:4v1n/8dc0
予告通りに朝6時からの放送はつつがなく行われ、そして終了した。
舞台の隅々にまで行き渡るよう大音量で流されたそれが過ぎ、そこに再びの静寂が訪れる。

「……彼のことだからてっきり遅刻するかと思ってたけど、意外と『きっちり』だったわね」

立ち並んだ建物の隙間から射し込み、ガラス窓や観葉樹、複雑な形の壁面に跳ね返る陽光。
複雑な幾何学模様を描いて降り注ぐそれを、真っ直ぐで黒い髪で受け止めながら彼女はそんなことを言った。
スタンダードなデザインのセーラー服に身を包む彼女は一体何者か――?

万物に表と裏があるというのならば、その狭間に中庸が存在するのもまた道理。
そう。手にした地図へときっちり書き込みを済ませる彼女の正体は、マスク・ザ・ドS――その真中面である。

先刻までは表面である糸色望の姿を取っていたドSであったが、Sっ気を発揮する相手が目の前からいなくなったので
汎用アサルトタイプである真中面――木津千里の姿へと今は姿を変えているのであった。
また、地図もフラグも状態表もきっちりしておかないと気がすまない彼女は、放送を聞くに当たっては最適の姿である。

「28.5714285714285714285714285714288714……285714……285714……って割り切れないじゃない!?」

彼女が放送を聞いての感想は、24/84は割り切れない数字であったということだった。
死んだ人間の名前などには一切の感傷を得ていない。せいぜい、目をつけているtu4氏の生存を確認したぐらいだ。

「次の放送では割り切れる数字にしないとね。できれば50%丁度がよいわ」

そう一人ごちると彼女はきびきびとした姿勢で真南の方角へと歩き出した。
目的地は温泉及び隣接する温泉宿。おそらくはそこに対主催とネタ要員が集まっていると推測して――。

1948罪と罰〜全てはフラグ・ビルドのために〜:2008/02/10(日) 07:26:16 ID:4v1n/8dc0
 ◆ ◆ ◆


一軒の温泉宿を対主催の砦とし、その中で一際高い棟の最上階を見張り台とし警戒の目を走らせていたChain-情は、
少し前に聞いた第一回目の放送を思い出して憂鬱な気分になっていた。

「(……24人)」

参加者がロワに馴れしんだ書き手達だから、そう簡単には殺しあわない。
そう希望的な観測を持っていたが、実際には書き手達だからこそ嬉々として殺し合いに勤しんでいる。
そう判断せざるを得ないと、Chain-情はあの時痛感した。
そして、積極的なマーダーでなければそう殺害数を稼げない第一回放送までの間で24人死亡となると、
少なくとも死者の半数……最悪の場合、死者と同数のマーダーがいると推測される。
ならば、生き残った60人の内約3分の1がマーダーということになる訳だ。
パロロワのお約束に則れば、これから第二放送までの間は死者が増える傾向にある。つまり……――。

「みんな無事で帰ってこれるだろうか……?」
「――大丈夫ですよ」

仲間を求めて出立した連中のことを心配するChain-情の後から声をかけたのは、可憐な少女フラグビルドであった。
その両手の中にはそれぞれ湯気を上げるコップを持っている。

「風にあたると冷えるでしょう? どうぞ。あったかい紅茶をいれてきました」
「ああ、色々と悪いね。助かるよ」
「そこは、”ありがとう”って言ってくれると嬉しいんですけど」
「……あ、ありがとう」

ほどよい温かさの紅茶を流し込んで、心なしか淀んでいた気持ちも暖かくなったような――とChain-情は感じる。
思えば、出会った当初から目の前の少女からは助けられてばかりだ。ならば――、

「(この娘だけは、何があっても守り抜かなくちゃな……)」


 ◆ ◆ ◆


「心配することないですよ。絶対、みんな元気に帰ってきます♪」

フラグビルドは、殊更明るい口調で出立した連中の無事を確信する言葉を吐く。勿論、嘘だ。
彼女は連中の無事などどうでもよい。ただ、『こう言えば絶対に帰ってこられないだろう』と思っているだけである。
彼女の至上命題はフラグ立て。自身に対してでないならば、死亡フラグも立てるべきフラグなのである。
特に帰ってきてほしくないのはウッカリデスという名前の泥棒猫だ。

「……それまでは、Chain-情さんが私を守ってくださいね///」

そんな台詞に顔を赤らめ、胸を叩いて「うん。任せてくれ」なんて言う彼に彼女は心の中でほくそえんでいた。

「(ちょれーw 純情派なんて今時だが、その分一昔前のメインヒロイン並に落としやすいな)」

何も考えずとも選択肢の一番上だけを選んでゆけば落とせそうな相手に、フラグビルドは満更でもない。
後は、外敵の存在をうまく排除できれば――……と、

「ち、Chain-情さん。あ、あれは――」
「……え? ってぇぇ! あ、あれは――!」

「「 ビッグ・ゴールド! 」」

対主催の砦とした温泉宿。そこに一体の巨人がゆっくりと宙を滑って近づいてきていた。

1949罪と罰〜全てはフラグ・ビルドのために〜:2008/02/10(日) 07:26:40 ID:4v1n/8dc0
 ◆ ◆ ◆


「貴様はマスク・ザ・ドSか!?」
「うわははははは☆ いかにも!」

全長40メートル程の岩石の巨人。その胸部に身体を半分埋めたドS(裏面)が、Chain-情の言葉を肯定する。
次の瞬間、巨人にかかっていた浮力が失われ、その巨体が地面へと激突し局地的な地震を起こした。
ゆうに5000トンは越えるその超重量に、足元だけではなく周囲数十メートルの建物も雪崩を打って倒壊する。

「こんな無茶苦茶なマーダーが襲撃してくるなんて想定外だよ――ッ!」
「うわははははは☆ 私(裏面)だけではないぞ――見よっ!」

真後ろから聞こえたフラグビルドの悲鳴にChain-情が振り返ると、そこにはもう一人の襲撃者――ドS(真中面)が立っていた。

「し、襲撃者が一度に二人も――?」

狼狽するChain-情とフラグビルドを前に、目を不穏な菱形へと変えたドS(真中面)はニヤリと笑う。

「君達は運がいい。今日は特別でね……――もう一人来ているんだ」

言い終わるが早いか、温泉の一つが水柱を上げそこより最後のドS(表面)が姿を現す。



……Chain-情は納得してしまった。
そう、こんな調子でマーダーが暴れ回っているというなら24人と言う数字はあり得ると。そして次はもっと増えるだろうと。


 ◆ ◆ ◆


一歩ごとに爆音と振動を発生させ、周囲の何もかもを瓦礫と変えながら迫るビッグ・ゴールド。
その前に立ちふさがる一つの小さな影があった。

「キャハハハハハハハハ♪ 何ソレ? 何なのよソレ? あなたの人形は酷くブサイクなのねぇ♪」

岩石で出来た巨大で重い人型に立ち向かうのは、とびきり小さく軽い人形であるコロンビーヌ。
ビッグ・ゴールドに乗ったドSは踏み潰してやると、虫を潰すかのように彼女の上へと足を下ろすが――、

「何ぃ――!」

彼女は踏み潰されるどころか、一歩も動くことなくその場でビッグ・ゴールドの重量を受け止めた。
しかし指先一本ピクリとさせることなく、その端整な顔立ちも済ましたままだ。
ビッグ・ゴールドの超重量を受け止めているのは彼女の支給品である――自由自在に姿形を変えるゾナハ蟲。
それが、傘の様に展開して華奢な彼女の身体を巨人から守っていたのであった。

支えるゾナハ蟲が限界を迎える直前にコロンビーヌは中空へと飛び出し、さらに集めた蟲を足場に跳躍する。
一瞬の間に、コロンビーヌはビッグ・ゴールドの胸の高さまで――つまりは、ドSの目の前へと姿を移した。

「うふふ……。あなた、恋愛に興味はあって?」
「勿論☆ 愛がなくては傷つけることも殺すこともできはしないもの♪」

コロンビーヌの周囲より浮かび上がった無数の銀の槍。そして、ドSの指先から伸びた同じく銀の糸が宙を走る。
死守すべき温泉宿の上空にて、可憐な女同士の煌びやかな対決が始まった――!

1950罪と罰〜全てはフラグ・ビルドのために〜:2008/02/10(日) 07:27:06 ID:4v1n/8dc0
 ◆ ◆ ◆


「――守るべき砦を落とされるは、恥辱の限りといわざるをえない」

現れてより、そのパロ元の設定ゆえに無言であるドS(表面)に対峙するのは、シルベストリその人だ。
湯上りにより一層艶やかで張りのある肉体を惜しげもなく晒しながら、ゆっくりと襲撃者の方へと近づいてゆく。

「(なんですか、このデスストーカーかエリミネーターかって感じの人は!)」

一方、ドSの方と言えばそんなシルベストリに対しドン引きであった。
覆面とパンツで顔と股間だけを隠したいかにもガチムチな男。どう考えても、好みのタイプではない。
何も持ってない掌をわきわきとしながら近づいてくる様はどう見てもパンツレスリングで、怖気が走る。

「(……クローンリキッドでもあれば血風連を作れたのですが、支給品枠はもうありませんし。仕方がありません)」

きっ――と、覚悟を決めるとドSは両手を振るい鋼線をシルベストリへと殺到させる。
あのような筋肉自慢。接近戦はどう見ても不利。というか触ることすらおぞましい。そう考えて選んだ戦法であったが、

ワックスオーン! ワックスオーフ! なシルベストリの両手の円運動によってあっさりと跳ね返されてしまう。

「(マ・ワ・シ・ウ・ケ ……なんと見事な!)」
「矢でも鉄砲でも火炎放射器でも持ってこいと言わざるをえない」

火炎放射器どころか、本来ならば左手をスパっといかねばならない鋼線が防がれたことに、ドSは戦慄する。
正直な話、表面のドSは裏面や真中面に比べると戦闘力はいまいちなのである。

しかしそんなドSにはお構いなく、シルベストリは前羽の構えをとりじわりじわりとその間合いを詰めてくる。


 ◆ ◆ ◆


「――ていッ! とぉッ! やあっ!」

温泉宿の廊下をフラグビルドと逃げながら、Chain-情は片手に持った刀を振るう。
彼自身に刀を扱う技量はなかったが、合成された刀の大元は勝手に動いてくれる電光丸であったために、
辛うじてではあるが襲撃者の猛攻を防げていた。

逃げる彼らを襲撃者であるドS(真中面)は、きっつりとしたリズムでステップを踏み指を鳴らしながら追う。
そしてその指を鳴らす度に不可視の真空の刃が彼らを襲うのだ。

「クソッ!」

言いながら、Chain-情はまた真空刃を刀で弾く。いや、正確には刀に弾いてもらっている。
彼らを襲うはずだった真空刃は、傍らにあった壷へと触れるとそれを綺麗に真っ二つした。
触れたものをどんなものであれ『きっちり丁度半分』に割るのが彼女の真空刃の性質だ。

「はぁっ、はぁっ……、このままじゃあジリ貧だぞ。どうすれば……?」

逃げる先々に真っ二つの犠牲者を増やしながらChain-情はフラグビルドと逃げるが、それも限界に近づいてきていた。
走った距離の分だけ体力は消耗しているし、勝手に身体を振り回す刀によって筋肉が悲鳴を上げている。
Chain-情の先を行くフラグビルドの小さな身体ももうフラフラと揺れており……――と、激しく転倒した。

「フラグビルドちゃんッ――!」
「……逃げて、ください。私なんかほうっておいて」

1951罪と罰〜全てはフラグ・ビルドのために〜:2008/02/10(日) 07:27:29 ID:4v1n/8dc0
固い廊下の上に横たわり、フラグビルドは駆け寄るChain-情へといじらしく言葉を吐く。勿論――、

「そんなことはできない! 君は僕が守るって約束しただろうっ!」

――という台詞を彼から引き出すためだ。
見えない位置で拳を固めるフラグビルドをそのままに、Chain-情は立ち上がりドSと対峙する。


 ◆ ◆ ◆


「きっちりと覚悟を決めたみたいね」

必死の形相を浮かべるChain-情を前に、ドSの顔は冷静であり余裕綽々でもある。
Chain-情が手にした刀は自動防御に加え、範囲攻撃+二回行動とかなりやっかいではあるが、
動きを止めたならやりようはいくらでもあった。

――パチリ。
ドSが指を鳴らした次の瞬間。廊下に倒れこんでいたフラグビルドのメイド服が真っ二つに裂ける。

「――なっ!」
「きゃあぁぁっ!」

弱点その1。自分以外を対象とした攻撃には反応できない。
手で敗れた服を押さえながらも、きっちりと苺柄のパンツだけはアピールしているフラグビルドと、
それを見て赤面し前へと振り返るChain-情。
二人がその弱点に気付くまでの十分な時間を与えてから、ドSは次の行動に出た。

――パチリ。パチリ。

右手からの真空刃はChain-情へと、そして左手の真空刃は彼の頭上の電灯へと撃ち出す。
勿論、右手からの真空刃は防がれる。そして、続けて落ちてくる真っ二つになった電灯も防がれるはずだが――、

――パチリ。パチリ。

電灯の破片が落ちてくるまでのタイムラグに更に二発の真空刃。
片方は再びChain-情にへと、そしてもう片方はフラグビルドの方へとだ。

弱点その2。行動回数以上は防ぎきれない。
直接迫る真空刃。落ちてくる破片。フラグビルドへの真空刃。
2回行動できる彼は、その3つの攻撃の中から2つを選ばなくてはならない。
フラグビルドを見捨てれば、自分自身は守れる――が、彼女を守れば自分はどちらかの攻撃を受けなければならない。

ドSがSっ気たっぷりの微笑みを浮かべた次の刹那――事は彼女の想定通りに決着がついた。

ドゴッ――と、重たいガラスの破片を脳天に受けたChain-情は、気を失いそのままフラグビルドの横へと倒れる。
互いの命を守るためには致命傷となる真空刃を優先するのは最善手ではあったが――、

パチリ。と、手をのばすフラグビルドの目の前で、Chain-情の手から落ちた刀は真っ二つとなった。

――その二手三手先を考えれば、最悪の手としか言わざるを得なかったであろう。

「さてと……、今度は死ぬ覚悟の方をきっちりと決めて貰いましょうか」

ニヤリとSっ気たっぷりの凶暴な笑みで顔を歪ませながらドSは再び両手を構える。
彼女――つまり真中面の持つSは一方的かつ、独善的で身勝手なSだ。
子供が虫を殺す時の様な、自身が上位で被害者が下位ということを確認するためだけのS。
故に容赦はない。


――パチリ。パチリ。

1952罪と罰〜全てはフラグ・ビルドのために〜:2008/02/10(日) 07:27:57 ID:4v1n/8dc0
 ◆ ◆ ◆


――ぱっちん。ぱっちん。

ドSの指先から放たれた真空刃はどちらも、狙った相手へと届く前に叩き落された。同じ、真空刃で。

「ぱっちん。ららら〜、ゆびぱっちん♪」

それまで必死に抑えていた振りをしていたメイド服の残骸を振り払い、フラグビルドがゆらりと立ち上がる。

「――計画通り……って訳ですよ。ドSさん」
「な、何だと!?」

覆う物がなくなり、露になった白い肌を曝すことを全く厭わぬ様子のフラグビルドが、今度はドSへと相対する。

「守られるヒロインとしては、彼の目の前で能力を使うわけにはいきませんでしたので、
 あえてあなたの策に乗ったんですよ。フフフ……」

気を失ったChain-情をいとおしげに見下ろすフラグビルド。それを好機と見てドSは指を鳴らすが――、

――パチリ。パチリ。
――ぱっちん。ぱっちん。ぱっちん。ぱっちん。ぱっちん。ぱ……。

「ぎゃあぁぁぁぁぁぁ――っ!」

――逆に、全身を切り刻まれ、血飛沫を巻き上げながら固い廊下へと身体を叩きつけられてしまう。

「この『ゆびぱっちん』も、あなたみたいに付け焼刃とは違うんで、勝てるとか思わないでくださいw」

両手足の腱を切られ芋虫の様にのたうつドSを、正体を現したフラグビルドはにやにやと見下ろしている。
その表情は先刻までドSが浮かべていたものと同種で、より捻じれて悪質なものだった。


 ◆ ◆ ◆


「……さてと、このままあなたを切り刻んで殺したんじゃChain-情さんに説明がつかないので、
 少し本気を出させてもらいますよ」

今まであったことのない事態に狼狽し、悲鳴と罵倒をぶつけてくるドSを無視しながらフラグビルドはソレを始める。

「螺旋力の力を思い知るがよい――」

手にしたコアドリルを身体の内へと差し込んだ瞬間。
フラグビルドの目が緑の光を点し、続けて全身がその光に包まれる。
緑色の小さなツインテイルが硬質化し、次の瞬間ツインドリルへと変形。
光の奔流が水の様に身体から溢れ始め、物理的な威力をもって温泉宿の中を侵略してゆく。


緑――緑――緑――緑――緑――緑――緑色の螺旋が描く――メイルシュトローム。


螺旋の力が世界に満ちてゆく……。

1953罪と罰〜全てはフラグ・ビルドのために〜:2008/02/10(日) 07:28:31 ID:4v1n/8dc0
 ◆ ◆ ◆


「(……頃合ですね)」

建物の中から溢れ出して来た緑色の何かに気付き、ドS(表面)はドS(真中面)の敗北を悟った。
やはりパロネタ的に、成功はありえなかったのだ。せいぜい道連れを作っていることを期待するぐらいである。

「引き上げ――ッ!」

撤退の台詞を口にし、緑の奔流に困惑しているシルベストリを置いてドSは逃げ出す。
そして、ドSが隣りのエリアへと飛び出した瞬間――、


緑の奔流が爆裂し――、


――G-8エリアが、G-8エリアにある全てを伴ってそこより消失した。

1954罪と罰〜全てはフラグ・ビルドのために〜:2008/02/10(日) 07:28:59 ID:4v1n/8dc0
 ◆ ◆ ◆


「……無茶苦茶でしたね」
「ええ、全くです」

二人のドS――表面と裏面がG-7エリアの東端。積みあがった瓦礫の頂点に並んで立っていた。
彼らの目の前である、G-8エリアは全くの更地へと変貌しており、先刻までの面影は一切ない。

「みんな、どこに行っちゃったんでしょうか……?」
「さぁ……? 会場内のどこかだとは思いますが。……それよりも、そろそろですよ裏面さん」
「……? ――あ、アレですね。解りました。えーと、……あった♪」

見下ろしていた瓦礫の狭間に目的のものを見つけると、ドSの裏面はタン、タンと跳ねてそこへと降りて行く。
彼女が発見したそこにあった『もの』。ソレは――、

「……た、たすけてくれぇ……裏面……」

――身体の右半分を『いしのなかにいる』状態にしたドSの真中面の姿であった。
強制転移に巻き込まれ、憐れな姿を曝す彼女ではあったがまだ辛うじて生きている。
で、そんな彼女を残った二人のドSがどうするかと言えば、やはり――、

「助けてあげますよ。そんな状態で生き恥を曝すのは辛いでしょう? きっちりしてあげます――☆」

――こうするのであった。
続けてお約束通りに、真中面が今際に放った真空刃を軽くいなすと、裏面は表面への元へと戻る。

「さぁ、次へといきましょう☆」

言いながら、返事もまたずに彼女はそのまま表面の影の中へと潜り込み姿を消す。
これで、己の存在を3つに分けていたドSが再び一人の書き手へと戻ったのであった。
尤も、真中面の存在が失われた分だけはもう戻らないため、その実力は以前通りというわけにはいかないが……。

「……やはり、3分割は愚策でしたね。ネタに走ったが故に我が身の3分の1を失うことになるとは、いやはや。
 まぁ、温泉という因縁のある場所で私が死ななかっただけでも御の字というものでしょうか」

ひとりごち、溜息をつくとドSは振り返りゆっくりとその場を離れてゆく……。

「ガチムチもガチバトルも私向きじゃあないんですよね……」

出来れば、次に出会うのは虐めがいのある人物であることを――そう願いながら、ドSはその姿を朝の街中へ紛らせて行った。



【午前/G-7/市街】

【マスク・ザ・ドS@アニ2nd】
【状態】:真中面を消失、疲労(中)
【装備】:一目でドSと判るマスク(出展不明)
【道具】:支給品一式、鋼糸@HELLSING
【思考】
 基本:Sっ気の導くままに
 1:疲れましたね……、朝食なんかをいただきたいところですが
 2:今度は、虐められる相手を探すことにしましょう
 3:今度tu4氏と出会ったら確実に屈服させる

 ※『表』と『裏』、『真中面』の人格を使い分けることで姿や能力が変化します。
 ※『表』:容姿は糸色望。明るいドS。能力は糸色望並。
 ※『裏』:容姿は黒一色のスーツを着る風浦可符香。黒いドS。能力は「ニンジャ」。
 ※『真中』:容姿は木津千里。能力はきっちり(指パッチンの亜流)。※消失しました。


※G-8エリア全域が更地になりました。

1955罪と罰〜全てはフラグ・ビルドのために〜:2008/02/10(日) 07:30:17 ID:4v1n/8dc0
 ◆ ◆ ◆


轟音。衝撃。振動。それが気を失っていたChain-情の意識を再び取り戻させた。

「――じ、地震か? って、ええ!? ……………………なんなんだ。何があったんだ……?」

目の前に飛び込んできた光景。それはまさしく地震の、それも大地震の後の様な有様であった。
おそらくはあの温泉宿があった場所なのであろうと、目の前に積み重なった残骸を見れば判別はつく。だが、

「一体……何がどうなってこんなことに……? 半日も経たないうちに超展開か?」

四方八方全てが瓦礫の山であった。まるで、エリア全域を一度持ち上げてから叩き落した様な、そんな有様であった。
ガスが漏れ出したのか所々に火の手があがっており、未だ高く吹き上がったままの粉塵と合わせて見ればまさに地獄である。

「そ、そうだ! フラグビルドはっ? それに他のみんなも――」

気付き、Chain-情は改めて周囲を見渡す。
巻き上がった粉塵によってほとんどが灰色の世界だったが、程無くしてそこに白と赤のアクセントを見つけ出すことができた。

「――フラグビルド!」

苺柄のパンツに、Chain-情は駆けつける。幸いなことに、そのすぐそばに二人分のバックも転がっていた。
そして、フラグビルドも気を失っているらしいが生きていることが確認できた。
その小さな胸が呼吸に合わせて微かに上下している。そして彼女はブラジャーを着けないということも確認できた。

「って、何を考えてんだ僕は! えーと、えーと苺の蕾が……でなくて、みんなは? 襲撃者は?」

少しHなイベントに狼狽するChain-情の姿を盗み見ながら、気絶した振りをしているフラグビルドはほくそえむ。


――全ては計算通り。



【午前/B-3/破壊された温泉宿】

【静かなる 〜Chain-情〜@アニロワ1st】
【状態】:疲労(中)、混乱
【装備】:カードデッキ(龍騎)、ゴールド・エクスペリエンスのDISC@漫画ロワ、仗助の学生服@漫画ロワ
【道具】:支給品一式×2、レインボーパンwith謎ジャム@ギャルゲロワ、CD『ザ・ビートルズ』、カエル×10
【思考】:
 基本:殺し合いに反逆ゥ!そしてなるべく多くの仲間と生還し、死んだ書き手の分まで頑張る。
 0:苺が! 苺が! 苺が!
 1:フラグビルドを保護
 2:シルベストリとコロンビーヌ。そして、襲撃者はどこに……?
 3:とにかく体制を立て直さなければ

 ※容姿はスクライド(アニメ)の橘あすか。
 ※元々着ていた服は、転移の際の崩壊により行方知らずとなりました。
 ※フラグビルドの度重なるアタックに、けっこう心が動いています。


【素晴らしきフラグビルド@アニ2nd】
【状態】:疲労(絶大)、全身に火傷(小)
【装備】:いちご柄のパンツ@ジャンプロワ
【道具】:支給品一式(まだ何か持っているかも)
     コアドリル@アニロワ2nd 、泉こなたのスクール水着@漫画ロワ、元々着ていた服
【思考】:
 基本:フラグを立てて立てて立てまくる
 0:気絶したフリを続けてChain-情の様子を見る
 1:ものすごく疲れたのでゆっくりと、二人きりで休みたい
 2:静かなる 〜Chain-情〜と素敵なフラグを立てる

 ※容姿は小早川ゆたか@らき☆すた(ただし髪の色は緑色)です。
 ※ゆびぱっちんで真っ二つに出来ます。
 ※コアドリルを使用することで螺旋力を発揮することができます。
 ※螺旋力を発揮することで強制転移が可能。その規模によって疲労の度合いが変わります。

1956名前を捨てた人:2008/02/10(日) 07:30:20 ID:fyEa1KhIC
なんという才能の無駄遣い(褒め言葉)。
デッドエンドシュートまでもってくるとは、スパロワ住人としても嬉しい限り。
あ、でも放送で呼ばれたのは24人ですが>>1937で26人になってますね。

1957罪と罰〜全てはフラグ・ビルドのために〜:2008/02/10(日) 07:30:37 ID:4v1n/8dc0
※G-8エリアの地表にあった全ての物がB-3エリアへと転移しました。
※その際、衝撃によりほとんどの建物が崩壊し、所々から火の手が上がっています。


 ◆ ◆ ◆


※コロンビーヌとシルベストリは、フラグビルドの意思により、彼女たちより離れた場所に飛ばされました。
※その位置は、次回を書く人におまかせします。



【午前/?-?/不明】

【コロンビーヌ@漫画ロワ】
【状態】:???
【装備】:ゾナハ蟲@からくりサーカス、腕時計型麻酔銃(残弾1/1)@漫画ロワ
【道具】:支給品一式、ティーセット一式、麻酔銃の予備針×4 、変化の杖、
     焦ったドラえもん・うっかり侍・孤高の黒き書き手の服
【思考】
 基本:恋愛がしたい。
 0:???

 ※容姿はコロンビーヌ(ロリ)@からくりサーカスです。
 ※ギャグ将軍にシンパシーを感じています。
 ※影の繋ぎ手・仮面ライダー書き手に紅茶を入れてあげたいそうです。


【シルベストリ@漫画ロワ】
【状態】:???
【装備】:覆面&マント@FFDQロワ
【道具】:支給品一式、白手ぬぐい
【思考】
 基本:サ ー ビ ス シ ー ン 担 当
 0:???

 ※容姿はシルベストリ@からくりサーカスです。
 ※両目があります。金玉絶賛引き上げ中です
 ※覆面&マントを装備したことにより、外見が荒くれ仮面(FFDQロワ参照)になりました。

1958罪と罰〜全てはフラグ・ビルドのために〜:2008/02/10(日) 07:31:18 ID:4v1n/8dc0
投下終了しました!

1959名前を捨てた人:2008/02/10(日) 07:41:14 ID:X/pJnFiEC
ぐえ、投下に被るとは申し訳ない。投下乙です。
なんか本当何でもありだなここはwカオちゃんがいなくなっても、まったくおとなしくなる気配がない。

1960名前を捨てた人:2008/02/10(日) 07:49:49 ID:4neAaLrI0
投下乙!
ツインテールがドリル化だと……ww
マリみての瞳子の巻き髪がリアルドリルになる話はいろいろ見てきたが、
まさかゆたかのツインテールをドリルにするとはww

1961名前を捨てた人:2008/02/10(日) 09:26:23 ID:K702p64wC
>特に帰ってきてほしくないのはウッカリデスという名前の泥棒猫だ。

志村ー!ウッカリデスはルルーシュ!うっかり侍のほうだと思われ。

1962名前を捨てた人:2008/02/10(日) 09:27:51 ID:9Wvmq.pA0
投下乙!なんというジャイアントロボwwww

1963そうびはもってるだけじゃいみがないんだぜ。:2008/02/10(日) 13:16:52 ID:ZUZJR9H60
『アイテムなぞ使ってんじゃねえ!』

『現在この電話番号は、ただいま貴様の様なYellow Monkeyに対して一切使用されておりません。
クソおかけになった電話番号を、もう一度そのミニマム脳味噌とfusiana・EYEで糞お確かめの上、
クソ改めて――って真須美くんではないか』

『フぅグ田くぅん、一杯やらないか?』

『お前達は一人一人では単なる火だが、二人合わせれば炎となる……炎となったガンバスターは無敵だ!』


「だぁああああああああ!!! 何よこれえーーーーーー!!!!」
繰り返される若本台詞の大合唱、なぜこんな声がするのかと言うと……

主催者の嫌がらせで発動の度に若本ヴォイスがランダムで再生されるようになってしまった、
焦ったドラえもんのバルキリースカートから発せられる音声だった。

『どうしたのだ? さっきまでの勢いは……笑えよ、ベジータ』





「フム、発動する度に若本ヴォイスが発せられるバルキリースカートか。
素晴らしいぞ! これぞ神聖クライシス帝国の次期主力兵器にふさわしい! フハハハハ!」
腕を組み大きな声で笑うギャグ将軍。
「性能はオリジナルと何ら変わらない。いや、むしろ若本ヴォイス再生機能が備わったことで、より洗練された物となったであろうッ!」
「でもスカートをたくし上げた状態で『ぶるぁああああ!』と叫びながら攻撃する姿なんて思いっきり変な人です!」
「心配するな! このロワの参加している人間で、まともな者はおらぬ!」
「あの、帰っていいですか?」
「ならぬ、もはや余と貴様は運命共同体だ!」
「もう嫌〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」

1964そうびはもってるだけじゃいみがないんだぜ。:2008/02/10(日) 13:18:24 ID:ZUZJR9H60

ギャグ将軍と焦ったドラえもんの微笑ましいやりとりを永遠のうっかり侍と孤高の黒き書き手は、遠目で眺めていた。
「仲の良い二人ですなぁ孤高殿」
「まずいですねこれ」
腕を組み、手を顎にあてて悩むポーズとる孤高の黒き書き手。
「はあ、何がまずいのかと?」
「ギャグ・ほのぼの展開は鬱フラグ……そして私達がさっきまでいた場所――」
「むむっ、それは……」
孤高の黒き書き手の言葉でうっかり侍はある事実に気がついた。
二人の出身ロワ――ギャルゲロワである施設に集ったものが二人を除いて全滅してしまったこと。
「温泉ではないか!」
「ウチのロワで温泉に集まった人数は七人、そして私達は八人……これが指し示す予測は……」
「某達は限りなく死ぬ確率が高いと、そう言いたいわけだな」
「考えたくないことですが……」
心配する孤高の黒き書き手の表情を見たうっかり侍は、彼女の両肩をガッシリと掴んで優しく微笑んだ。
「ご心配めさるな孤高殿、某がついている限りそなたには指一本触れさせぬ。某はそのようなフラグやジンクスに反逆するのだ!」
「うっかり侍さん……」
「孤高殿……」

見詰め合う二人、孤高の黒き書き手のまっすぐな瞳が永遠のうっかり侍を射抜く。
(ドキドキ……なっなんだ……この感覚!? そ、某としたことが!?)
(うっかり侍さん……その台詞自体が死亡フラグですよ……)

「そこの二人! そんな所で何をしておるのだ……早くこっちにこんか。これから作戦会議を始めるぞ」
そこはかとなくいい雰囲気の二人に水を差すギャグ将軍だった。




1965そうびはもってるだけじゃいみがないんだぜ。:2008/02/10(日) 13:19:51 ID:ZUZJR9H60
「さて、我々は新生クライシス帝国を結成すべく動いているわけであるが……」
「いやいやいや、違うでしょギャグ将軍さん。私達の目的は仲間を集めてこのロワから脱出することなの!」
すかさずツッコミを入れる焦ったドラえもん。
「無論それも目標である、部下を集めぬことには脱出も敵わぬ。そして貴殿らは余の大切な部下、恐ろしいマーダーから余を守るのだ」
「ちょっ……あんたは戦わないのかい!」
「ドラえもんよ、余を誰と心得る。新生クライシス帝国初代大統領だぞ? 君主自ら先陣を切るなんて馬鹿げた行為と思わんかね?」
「帝国で大統領とかありえないって! てか何なのその理屈……」
「部下の健闘、朗報を玉座で待つ、それが君主としての勤めだ」
「あの〜ギャグ将軍さん……私達を信頼してくれるのは良いですが、あまり慢心するのも……」
と、呆れ顔の孤高の黒き書き手。
「慢心せずして何が王か」
「そんなどこぞの慢心王みたいなこと言わないで下さいよ……肝心なところで『貴様、よもやそこま――――ガッ』なんて洒落になりませんって」
「心配するな孤高よ、余には切り札がある。だがそれはここぞと言う時にしか使えないのだ」

ギャグ将軍の切り札――ギャーグミドラ変身。
強力だがライダーロワの制限により何度も使えない(と本人は思っている)

「少し良いですかなギャグ将軍殿」
「申してみようっかり侍」
「はい、全員の武器のことですが……ギャグ将軍殿やドラえもん殿や某は十分な武器がありますが、孤高殿が丸腰なのはいささか危険かと」
「むぅ……すっかり忘れていた……これならどうだ?」
彼はライダーブレスを孤高の黒き書き手の腕に填めてみた。

1966そうびはもってるだけじゃいみがないんだぜ。:2008/02/10(日) 13:21:07 ID:ZUZJR9H60

 スコーン!

「あいた!」
どこからともなく現れたコーカサスゼクターは彼女の後頭部をどつくと何事も無かったように消え去った。
「む、どうやら彼女も資格者では無かったらしい……残念だ」
「私の核鉄を貸してあげるよ」
「カッコ悪いから結構です(きっぱり)」
「そんなぁ……」
「あっそういえば私まだ支給品を確認してませんでした。確かランダムアイテムがまだ二個あると思います」
「えーっ何でそれを早く言わないのよ」
「いや、生首状態でそれどころじゃなかったし……」
そう言って彼女はデイパックを探る、当たりのアイテムを引けるように祈りながら。
「これは期待せざるを得ない」
「ギャグ将軍さん……シルベストリさんの真似はしなくていいから」

そしてデイパックから最初の一つが顔を覗かせる。
「これは――バット?」
デイパックから出てきたのは一振りの金属バットだった。
『悟史』と名前が書かれている。
「悟史の金属バットか〜まあ無いよりはマシだけど……」
「私はうっかり侍さんやドラえもんさんのようにでかい武器を振り回すのは苦手ですからこのぐらいが丁度いいです」
「まだ支給品はもう一つある、そちらに期待しようではないか」
「そうですね……」
さらにデイパックを漁る。
そして二つ目の支給品は――

1967そうびはもってるだけじゃいみがないんだぜ。:2008/02/10(日) 13:22:46 ID:ZUZJR9H60

「この指輪は……」
現れたのは鎖に通された四つの指輪。
「……これはクラールヴィントではないかね」
「ええ、間違いなくクラールヴィントです」
言わずと知れたシャマルのデバイスであるクラールヴィント。
攻撃力は皆無に等しいが高い補助・支援能力をもったデバイスである
「う〜ん……なんか微妙、レイハとかグラーフアイゼンとかレバ剣なら大当たりなんだけどなあ」
「レヴァンティンなら某も自在に扱えるがこれではな……」

微妙に期待はずれなアイテムだったため肩を落とすうっかり侍と焦ったドラえもん。

「これだから若い者は……正面切って殴りあうのが戦いではなかろう?」
「いやあんたも私達とそんな年変わらないって」
「確かに……私はこれはこれで当たりだと思います。ドラえもんさん、クラールヴィントの能力を知ってますよね」
「え、まあ通信とか結界とか索敵……あと回復ぐらいだよね」
「そうです。そして強力なジャミングによる通信妨害、電子戦は現代戦の要ですよ」
孤高の黒き書き手は両手の人差し指と薬指にクラールヴィントを装着する。
「これで……よし、クラールヴィント起動」

『うるさいうるさいうるさぁーーーーい!!!』

「……すみません、どこか間違ったようです」
彼女はもう一度クラールヴィントを待機モードに戻す。
「クラールヴィント!」

『こっこっこ……このバカ犬ーーーーーっ!!!』

今度は誰も聞き間違いでは無いと確信した。
謎の少女の声はクラールヴィントから発せられていることを。
「なんと! 釘宮声で喋るデバイスとな!?」
「これも主催者の嫌がらせってことね……」
「こんなカッコの悪いものなんて……さっさと外そう――」

1968そうびはもってるだけじゃいみがないんだぜ。:2008/02/10(日) 13:23:37 ID:ZUZJR9H60

デロデロデロデロデロン
クラールヴィントはのろわれている!

「なんじゃこりゃぁあああああああ!!」
爽やかな朝日が射しこむ街中に孤高の黒き書き手の悲痛な叫びが木霊するのであった。


『この変態! ド変態! Da変態!!!!』


【朝】【G-7 市街】
【新生クライシス帝国・ギャグ将軍班】
【共通思考】
1:対主催の仲間を集める(首輪解除スキルを持つ者を優先)
2:第二回放送の頃には旅館に戻る。
※どの方向に向かうかは、次の書き手さんにお任せします



【ギャグ将軍@ライダーロワ】
【状態】健康。
【装備】杖@ライダーロワ 王者のマント@FFDQロワ
【道具】支給品一式、コーヒーセット一式@スパロワ、コーカサスブレス&ゼクター@ライダーロワ みWiki@らき☆すた? ジャーク将軍のマント@ライダーロワ
【思考・行動】
基本:新生クライシス帝国の結成
1:Chain-情の計画に協力。
2:ついでに飲み友達を集める。
3:コーカサスゼクターの資格者を探し、コーヒーを飲む。
4:紅茶を飲むかどうかは保留。
※ジャークミドラに似た、ギャーグミドラに変身できます。
※制限がライダーロワ基準だと思い込んでいます。
※シルベストリから、漫画ロワの知識を若干得ました。
※今はChain-情に協力的ですが、ちょっとしたことで心変わりする可能性があります。

1969そうびはもってるだけじゃいみがないんだぜ。:2008/02/10(日) 13:24:29 ID:ZUZJR9H60



【焦ったドラえもん@漫画ロワ】
【装備】ドラゴンごろし@アニロワ1st 、核鉄(バルキリースカート)@漫画ロワ、朝比奈みくるのメイド服@アニロワ1st
【道具】支給品一式 。銀河ヒッチハイクガイド。咎人の剣「神を斬獲せし者」@AAAロワ。他にまだあるかも。
【状態】とりあえず健康
【思考・行動】
1.主催者め…ふざけたアイテムばかりよこしやがって
2.また鯛焼きを買いに行きたい。
【備考】
※ドラゴンごろし@アニロワ1stはきっちり回収しました。
※銀河ヒッチハイクガイドには、全書き手のトリップや代表作も含め、
 参加者が知りたいことは何でも記載されています。
 ただし容量の都合で、かなり記述が切り詰められている場合があります。
※核鉄(バルキリースカート)は主催者の改造(嫌がらせ)により、発動の度に
 若本規夫ボイスが再生されます。セリフはランダムです。



【孤高の黒き書き手@ギャルゲロワ】
【装備:防弾繊維のメイド服@カオスロワ2nd 悟史の金属バット@ひぐらしのなく頃に クラールヴィント(呪)@リリカルなのはシリーズ】
【所持品:支給品一式】
【状態:開き直り】
【思考・行動】
基本行動方針:成り行きにまかせる
1:なんじゃこりゃあ!
2:生首はもう勘弁
※外見は「D.C.P.S. 」の朝倉音夢。
※クラールヴィントは主催者の嫌がらせにより全ての音声が釘宮理恵ボイスでランダム再生されます。
 おまけに呪われているため外せません



【永遠のうっかり侍@ギャルゲロワ】
【装備品】:斬鉄剣@ルパン三世、ティアナのメイド服@アニロワ2nd
【道具】:支給品一式、パロロワ衣服詰め合わせ
【状態】:全身各所に刀傷。貧血は回復。
【思考・行動】
基本:打倒主催、乗った人間は斬り捨てる。
1:仲間たちを守る
2:無事に皆で帰る
※私立真白学園中等部の制服@アニロワ2ndを破り、包帯代わりに全身に巻いています。



※各自の服は、すべてパロロワ衣服詰め合わせに含まれていたものです。

1970名前を捨てた人:2008/02/10(日) 13:25:38 ID:ZUZJR9H60
投下終了しました
しかしここ数日の投下ラッシュは異常w

1971名前を捨てた人:2008/02/10(日) 13:29:29 ID:lr0MZ4M60
投下乙〜
またなんつう支給品をw

ちなみに突っ込まれていた私のIwantto(略)の
死者数と誤字脱字気づいた分だけ修正完了

1972名前を捨てた人:2008/02/10(日) 13:47:40 ID:cVCLvVNU0
>>1958
ドSは自分の一部に対してもやっぱりドSか。……あれ? これってM?
それはそうとフラグビルドの計算高さが恐ろしいようなでもなんだか吹くような。

>>1970
メイド服を着たうっかり侍が一番まともに見えるのっておかしいと思うんだ。
GJだこの野郎。

1973名前を捨てた人:2008/02/10(日) 20:37:20 ID:4v1n/8dc0
MAPです
ttp://blogimg.goo.ne.jp/user_image/24/13/cadea01187993df65c959aefa00e9cbc.png

1974貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/10(日) 21:16:12 ID:GsvNMo7o0
>>1973
素早いMAP乙であります!

1975貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/10(日) 21:23:03 ID:BCKwcJs20
map乙だ!

1976貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/10(日) 21:29:11 ID:EMgj6yxM0
>>1973
おお、毎度お疲れ様です!
地図即座に更新してくれるのはすげぇありがたいッス。

1977悶え〜蟹座の乙女のいけない秘密〜:2008/02/10(日) 22:25:10 ID:EMgj6yxM0



やあ (´・ω・`)ようこそ速筆魔王LXハウスへ。
この残り汁はサービスだから、まず飲んで落ち着いて欲しい。

うん、「また」なんだ。済まない。
読み手の顔も三度って言うしね、謝って許してもらおうとも思っていない。

でも、このタイトルを見たとき、君は、きっと言葉では言い表せない
「ときめき」みたいなものを感じてくれたと思う。

殺伐とした書き手同士の探りあいで、そういう気持ちを忘れないで欲しい
そう思って、このタイトルをつけたんだ。



じゃあ、本編を見ようか。




♪♪♪




 やっほー♪初めての人ははじめまして。何度目かの人はこんにちは☆
 ボクの名前は蟹座氏。
 ギャルゲロワに生息する書き手で、名前の通り蟹座でB型です♪
 みんなが萌えキャラだって言うんだけど、全然そんな事無いんですよぉ。
 でも……あの……ご、ご期待に答えられるように出来る限り頑張りますね!
 ところで、今ボク大ピンチを迎えてるんです。
 あのね、実はおトイレを探してるんだけど、なかなかみつからないんです。
 さらに困った事に、後ろから変な人がボクのパンツもって追いかけてくるんだ。
 だから止まろうにも止まれなくて……うぅ、どうすればいいのかなぁ〜。
 んッ、くッ、やだ、もう我慢の限界だよぉ(///)
 こんなに揺らしちゃ、あ、だめぇ。こんな、も、やだぁ。
 う、くぅ、ふくゥ……ひぁ、はぁ、ダメ、ダメぇ。


「ってんな訳あるかゴラァァァァァァァァァァァァァ!!」


 何考えてんだボクは!つか、なんだあの妄想は!
 あれか?どっかからか毒電波受信したか?
 ボク、チャネリングとか持ってねーッスよ?
 それともあれか?月島兄か?あのシスコン野郎の仕業かァァ!?
 ああもうめんど臭い!ゴルゴムだ!ゴルゴムの仕業でいいやもう!
 つか、さっきから追ってくるあの人は誰ですかマジで!
 なんかこっちの事変な呼び方で呼ぶし、なんか子安っぽい声だし。
 基本的に子安キャラは危険なのか変態が多いんだよね。
 人のパンツぶんぶん回してるのを見ると、後者っぽいけど。
 そう言えば、昔変態仮面とかやってたけど、あれやられたほうは地獄だよね。
 って、そんな事考えてる暇は無いよ。腹ん中パンパンですよコンチクショウ!
 くっ!こうなったら、あの角を曲がってやり過ごすしかない!
 後ろは……来てないね。うん、これなら曲がった事に気付かないはず。
 へへ〜ん。今回ばかりは、カニの身体能力に助けられたか――

「パンツの君ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!」

 ちょ、なんで曲がったの分かった……ってドジこいたーッ!
 上手く撒き散らすつもりが、ボク自身なんか撒き散らしてたってオチですか!?
 しかも、なんか朝陽を浴びてきらきら光ってますよ。てか、ちょっと綺麗だと思った自分が悔しい。
 誰だシャイニングロードって言った奴。お前もお漏らしさせてやる。
 
「ぬぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」



♪♪♪

1978悶え〜蟹座の乙女のいけない秘密〜:2008/02/10(日) 22:25:37 ID:EMgj6yxM0




 「はぁはぁ、全然見えなくなっちゃったよ。」

 かなりの距離を追いかけてたけど、結局追いつけなかったよ。
 この身体だって結構いい感じだと思ったんだけどなぁ。
 しっかし、このパンツどうしよ?まさか捨てるわけにいかないよなぁ。
 あ、被って「フォー!」とかやるのは勘弁ね。キャラじゃないし。
 まあこういう思わぬアイテムが脱出の鍵になる可能性だってあるしね。
 (※注意:そんな鍵、ロワでは聞いたことありません)
 
 「あれ?」

 あそこで倒れてるのって、死体だよね。おお、首輪残ってるじゃない。
 置いてかれて困ってたけど、拾う神ありって所かな?
 とりあえず首を上手く切断して……っと。よし、首輪ゲットだぜ。
 んん〜、見た限り普通の首輪だよね。あ、これもしかして監視カメラ付いてない?
 まさか『読み手』が付け忘れたとか?そんな事あるのかな。
 うーん。どっちにしろ、詳しそうな人に見せるしかないなぁ。
 えっと場所的に街の真ん中ぐらいかな?それともこっちの方かな?
 
 「あ、そう言えばご飯食べてなかった。」

 決めた。まずは腹ごしらえだ。今後の事はそれから決めよっと。
 何食べようかな。朝から肉だとちょっともたれるから、軽い奴にしようかな。
 でも、この様子だとファミレスとか言っても店員さんいないんだろうなぁ。
 自分で作るのはちょっと面倒臭いし……うん。コンビニで良いや。
 たまにだし、今日ぐらいいいよね。






【午前】【C-6 街(ボイドの死体周辺)】
【速筆魔王LX@アニロワ2nd】
【状態】健康
【装備】虎竹刀with千年パズル。蟹座氏のパンティ(紺と白のストライプ)
【道具】支給品一式。首輪(ボイド@漫画ロワ)
【思考・行動】
1:コンビニ探してまーす
2:パンツの君を見失ったけど、首輪は手に入ったよ
3:可能ならもう一つ首輪を回収して、脱出フラグを積む
4:でも別に何エンドでもおっけー
※容姿は相羽シンヤ。声子安。
※虎竹刀with千年パズル:今までパロロワに参加したことのある作品の原作で登場、紹介された
全てのゲームを召喚できる。ただしこちらから選択はできない。賭ける対象は武器使用者が選ぶ。
合意は不必要。
※蟹座氏の秘部を見ましたが、紳士なので公言しません。



【午前】【E-6 街中】
【蟹座氏@ギャルゲロワ】
【状態】逃走(闘争)中、へこみ、怒り、ノーパン、ちびっと放尿中、Lv4.7
【装備】鉈
【道具】支給品一式、蟹座の黄金聖闘衣、最高ボタン、富竹時報
【思考・行動】
基本:仲間と共に主催者を倒す
0:うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!
1:も、死ぬ……恥ずかしいけど死ぬ……うぅ(///)
2:蟹座じゃない、蟹座じゃないもんね……蟹座じゃないんだってば!
3:バトルマスターを始めとした、自ロワの参加者を捜索する
※外見はつよきすの蟹沢きぬ(カニ)です
※最高ボタンには『いやっほぉぉぉおおおう、蟹座のONiぃ様、最高ーーーーーっ!!!!!』というハクオロの声が流れます。
  シークレットボイスにも何かあるかも?
※自分の心がキャラに影響されていることに気付きましたが、キャラに抵抗するため無駄な努力をしています。
※まだ結構尿意が残っています。
※こんな状況に持ち込んだ犯人を捜しています。ご一報ください

1979貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/10(日) 22:28:59 ID:U1i49ah.0
投下乙です。
支給品は使い様によってはなんとかなるっしょ。


そして……またかぶったーーーー
なんでこんなにかぶるんだ。呪いか、クラールヴィント(呪)のせいなのか。
まだだ、まだ微調整を加えれば何とか何とかなる……はず?

19801979:2008/02/10(日) 22:45:20 ID:U1i49ah.0
そしていつの間にか投下乙。
蟹座氏、落ちた方が幸せって事もありますよ。

1981黄昏、来まくって 1:2008/02/10(日) 23:06:31 ID:XcqLKBSk0
「――――――――――――――――――崩れた、か?」
ヘッドフォンをつけて目を瞑り、音楽を聴いていたwiki管理人は、ぼそりとそうつぶやいた。
ゆっくりとフォンを耳から外す。滲んだ汗が外気に曝されて耳の裏を冷やす。
wiki管理人は「究極の読み手」である。
投下されたSSはすぐさま彼女の目に入り、情報は総括され、本来点に過ぎない情報が面として複合される。
AとBの再会フラグktkr!と読み手が知っても参加者は何も知らないというアレだ。
故に、パロロワの中で確定した全ての現象はSSになってしまった時点で管理人の内的宇宙(=wiki)に包括されてしまう。
平たく言えば、wiki管理人は現時点までで起きたことを何でも知っているのだ。
『SSの中で起きたことをwiki管理人に知られない』というのは大いなる矛盾をはらんでいるが故あり得ない。
書き手は読み手に読まれるためにフラグを積み、展開を練り、物語を紡ぐからだ。
だからwiki管理人に隠し事などできない。完全な隠し事をしたければそれはwikiに掲載しない、ということと同義だ。

だが、wiki管理人には一つだけ見えないものがある。
たった一つの事象、それが『書き手の思惑』、それこそが展開の未来だ。
それだけはwiki管理人には読めない。書き手も読まれてはいけない。
理性的な読み手は展開予測をおおっぴろげにしないのだ。
読まれてしまえば、読んでしまえばいかな名作もその魅力をそいでしまう。

パロロワは原則、読み手の予想を裏切ってなんぼなのだから。

この構図は奇しくも現象を全て把握する主催と、筆談で必死に物事を隠す対主催に似ているとも言え無くない。
故に読み手でありながら主催である相反した属性を一心に宿す管理人は、現状について非常に甘い知覚しかできなかった。

「どうやら、対主催フラグが一手進んだようですね…………それがいったい何なのか、までは分かりかねますが」
読み手は指を折りながら二進法で数字を追っていく。マウスを持っていると片方の手が余るのだ。

1982黄昏、来まくって 2:2008/02/10(日) 23:07:05 ID:XcqLKBSk0

三十二を折ったところでwiki管理人は止めた。
さてどうしたものか、と自らの頭の中で議論を進める。
放っておけばいい、というのが彼女の頭というスレッドの主流だった。
『対主催フラグが進んだ』という事実は、書き手ロワイアルの結果に興味のないwiki管理人にしてみれば至極どうでもいい。
まだ参加者の殺し合いは進んでいるし、かがみんというカードを切ったとはいえジョーカーは未だ機能している。
このまま対主催ルートに突入するもよし、やっぱり優勝エンドにいくもよし。実にどちらでもよかった。
むしろここで急に内部調査を行い、せっかくのフラグを潰すなどバカな手を打つわけにはいかない。
どんだけKYなのかと突っ込まれること請け合いだ。

さして勘案する必要もない。ここは静観するのがベターだ。

「ですが、かといって何も手を打たないというのも面白くないですね。
 結果には興味はありませんが、そこに至る過程が詰まらなくては仕方がない」
wiki管理人は顔をしかめる。

盗聴のできない首輪、無音、しかも数に限界のあるカメラ。最低限のことしかできない簡素なシステム。
意図してそうしたとはいえ、こちらの守備は限りなく手薄だ。
このまま対主催フラグを進めさせると、
いくら空気を読める猛者たちがあの会場内に犇めいているとはいえ半数生き残っているうちに対主催フラグが完成してしまうかもしれない。
それほどまでにロワという物語は蝋細工より脆い。
それでは駄目なのだ。駄目というより、面白くない。
せっかくの対主催バトルに突入しても興奮もへったくれもない。
ギガ○ンビよりも闇の○との戦いの方が派手になるのと、物語としてはともかくロワとしては悲しくなるようなものだ。
wiki管理人はすくっとたった。その洗練された動作には一点の揺るぎも油断もない。

「仕方ありません。攻め手が読めないのであればせめてディフェンスを固めましょう。湘北のベンチのように」
つける主のいなくなったフォンからは、グルメタルな曲調の音楽が流れていた。

1983黄昏、来まくって 3:2008/02/10(日) 23:07:29 ID:XcqLKBSk0
「やった……やりやがったッ!!」
感電は自分が小さくガッツポーズを取るのを押さえきれなかった。
その方が無理だ、と笑みがこぼれる。
放送後、相変わらず微妙に「扇風機に喋っているかのような」音声になる感電ラジオの定期メンテを行っているときにその異変に気づいた。
この空間に微妙な亀裂が走っていることをチェックできたのだ。
音声が無いため詳細は判別しかねるがタイミング的に考えて、無明幻妖sideあたりだろう。
「くっそお……気に入ったぜ!今度家にきて姉貴をレバ剣で○uckしていい!!」
テンションあがりすぎてまた自分というラジオが落ちそうになる感電は必死に己を律し、指を走らせる。
(穴は開いた……が、まだ早すぎる! 対主催フラグが固まるまでには相当に時間が要るはず……それまでに読み手や管理人にみつかっちまったらアウトだ!!)
そう、まだ半数を切っていないこの段階でこの重要フラグは早いといわざるを得ない。
通常のロワならば、まだまだ読めないと形勢を見守るところだが、あらゆる意味でラディカルグッドなこのロワでも早すぎるのだ。
まだ優勝と対主催の天秤は揺れている……この段階では対主催フラグなんて結構折れる。俺なら折る。むしろ折っていい? あ、だめ?
修繕プログラムを応用させて、空いた穴を「ただの壁」に偽装する。これが完全に機能すればこちらからは俺以外にはこの穴を知覚できないはずだ。
そうすれば、このフラグの完全防御は完成する。
カツンカツン、カツン。
運命はそれほど甘くはない。とでも言いたげに、冷たい空気に足音が伝播した。
(ひたひたって足音じゃない……羽入の線は却下。まずいな……誰か来たか!!??)
表示を見る目に冷や汗が入った。
あと70%。つばを飲み込む音が自分を圧迫する。
カツンカツン
(早く、早く、早く!)
あと80%、耳鳴りのような音が自分を急き立てる。
カツンカツンカツンカツン
(ハリー!ハリー!ハリー!)
そういえばラドクリフ君のアゴの割れはさらに進んだのだろうか。
カツンカツンカツンカツンカツンカツン
あと90%。
(エドさん! 俺に力をおおおおおまおままま!!!!!!!)

…………カツン。

1984黄昏、来まくって 4:2008/02/10(日) 23:07:49 ID:XcqLKBSk0
ドアが開き、読み手が入ってきた。
「悪い。邪魔だったか?
「うんにゃ、全然。どうした?」
感電は、爪を切りながら鷹揚に答えた。
「管理人サマから招集だとよ」
バキン、と嫌な音がした。深爪したところからつうと血が滴る。
「直接招集とは面妖だなあ。なんかあったか?」
「今の時間おまえが監視してたんだろ。おまえが知らないものを俺が知るかってんだ」
そりゃ全く、とあきれ顔を作る感電。その内心は無論穏やかではない。
「だな、じゃあ行きますか」
爪切りを仕舞い、よっこらせいのどっこいせと立ち上がる。
(糞……表示95%までしか粘れなかった……すまねえ)
誰ともなしに、心の中で感電は謝罪する。
最後の5%を粘っていては確実に間に合わなかった。それを弱さと笑うか、英断と誉れにするかはなんとも微妙な数字だ。
この数字が後でどれだけ響くか…………

「ううンッ」
その思考に沈んでいた感電に電流が走った。ある意味感電。
指ににゅるりとした触感、舌のざらつくような感覚、啜られることによる振動が、
指先から広がってもぞかしいようなこそばゆいような微電流の如きものを脳に送った。
その祷けかけた脳が辛うじて視覚野から情報を正確に入手する。
「ちょ、おま。や、やめ……読み、てぇぇぇッ」
感電の指にたっぷりと唾液を塗して啜る読み手は妙に熱っぽく、それでいて恍惚とも解釈できるような不可思議な表情だった。
あれか?この味は嘘をついている味だぜとか完全にガチホモルートか?
そういうのは会場の中でやれよマジおまらめえ気持ちよくなっちゃらめえええ!!!
「っぷはあ」
感電の下帯に粥の如きものがあふれそうになる寸前、読み手の舌は感電の指を離れた。
糸を引く唾液を腕で拭い、一言つぶやく。

「おまえ、いくら何でも血出過ぎ。もう0.5リットルは出てたぞ」

そういいながら、扉を潜っていく読み手の姿はもう見えない。
呆然とする感電の深爪から、もう血は流れていなかった。

1985黄昏、来まくって 5:2008/02/10(日) 23:08:17 ID:XcqLKBSk0
書き手たちが会場に飛び立った最初の場所に、三人が集う。開始時の喧噪を失ったここは、ある意味にて一番静かな場所だった。
「俺たちを集めてどうしようってんだ? 何かあったのか?」
感電が明け透けな態度で単刀直入に切り込んだ。
「いえ、死者の数も28人、これで丁度三分の一になりました。そろそろフェイズを第二段階に移行してもいいように、と思いまして」
「第二段階? この超絶適当ロワにそんな計画的なものがあるとは知らなかったな」
読み手がおちょくるように言った。背中に意識を集中させて、同じように驚くことだけは無いようにと思う。
「いえ、タイミングとしてはこれから中盤戦ですしね。マーダーも対主催もそろそろ絞られてくるところです。
 中盤戦の壁……フラグを厳選する篩いに入ってくるでしょう」
感電はのどを鳴らすのを懸命にこらえ、隠し事をしていることを徹底的に隠した。
やはり、ロワの心臓に近いwiki管理人だ。いい勘をしているとほめたくなる。自分の行為に気づいていないと確信したら、だが。
中盤戦とは、文字通り中盤の戦いのことだ。
参加者が一通りスタンスを決めて、手持ちのフラグを整理して、いよいよ本線に乗り出してくる過渡期。
妙に人が集まって線を繋いでいく。この線の並べ方で終盤、ひいては物語の全体像が決まっていく重要なラインだ。

ここを超えられる参加者は少ない。
なぜなら中途半端にフラグを持っているが故に、誰もが『中盤の見せ場』という死に場所が作りやすいからだ。
そして終盤戦の複雑さ人の殺しにくさを考えると、ここで殺れるだけ殺っとくのが書き手の心理である。
孤城の主が死んだり、慢心王が裸になったり、圭一が決闘したり、やっぱりアーカード死んだり。

「そして、そろそろ主催の陣容を構築していく段階でもあります。こちらには運営用の人材しか置いていませんからね。
 もし対主催になった場合に突入されてもこちらは白旗を揚げるくらいしかできません」
wiki管理人はそういった後、つかつかと歩いて『何か』の中心にラジカセを置いた。
「で、そんなラジカセでどうするってんだ? 俺ら自慢じゃないが腕っ節は無いぞ」
読み手は両手でやれやれというモーションを作る。それが嘘か本当か、実に疑わしい。
wiki管理人は、そのきれいな曲線を引く顎をゆっくりと下げてうなずき、そして笑った。

「ええ、ですから『戦闘向きの人材を用意しましょう』。その為に彼らを残したのですから」

管理人がマスタングやヒィッツもかくやという指パッチンを鳴らす。ラジカセのスイッチが入った。

1986黄昏、来まくって 6:2008/02/10(日) 23:08:49 ID:XcqLKBSk0
スイカ お寿司 カキ お団子に

  トマト ソフトクリーム バナナ 

    キャンディ ケーキ アイス オムライス

       カボチャ コーラ ぶどう おせんべい 桃


「こいつは……この曲は?」
感電が狼狽えながらも記憶を検索する。常にラジオのBGMとして妙に濃い選択をする感電はすぐにそれに思い至った。
「グ、グルメレース?」
読み手が感電の答えを引き継ぐ。一体何故グルメレースなのか。
その疑問に答えるようにして、ラジカセの周りに紅い線が走った。


  どんな食べ物も 残さず食べよ

   おいしい物は (あっあー) 世界にまだいっぱい

    どんな食べ物も 必ず食べよ 好き嫌いばかり しちゃいけないのさ

円をベースにして、ラジカセを起点にして、魔法陣は床に記されていく。
「サーヴァント召還の魔法陣? いや、微妙に違うが……まさか」
「そう、今から呼ぶのはサーヴァントのような影ではなく、本物です」
管理人がニィっと嗤った。

1987黄昏、来まくって 7:2008/02/10(日) 23:09:13 ID:XcqLKBSk0
 誰よりも早く 走り抜けろ もたもたしてると 遅れちゃう

  おいしいものは 待ってくれない すぐに誰かの 口の中

   誰よりも早く 駆け抜けろ もたもたしてると なくなっちゃう

    目の前にあるのに 届かないなんて

「彼らにゆかりのある物で、彼らを召還するってのか? ってことは今から呼び出されるのは?」
あふれ出すパワーを前に腕を立てにして目を細める読み手。
魔方陣からあふれ出す光が八つに収束し始める。
「8……!? 一体何を出す気だ管理人!!」
叫ぶ感電の言葉を遮る様に、締めの歌詞が紡がれる。

   『食いしん坊の名がすたるでしょ!?』

一気に音階が変わった。今までのSFCぽい昔ながらの音声とは打って変って、荒々しいメタルの叫びが轟く。
「こ、こいつは……そういうことか、そういうことだったんだ!! AAAはもう出ているから!」
「どういうことだ読み手!?」
「俺たちは思い違いをしていた……全てはもっと根源的なことだった。こいつはグルメレースであると同時に、グルメタルだったんだ!!」
「グルメタル……はッ!?」
感電が唖然とする。こいつはまさか、一つの触媒で二つのロワを召還するつもりなのか。
「Exactly(その通り)! グルメレースが最近になってその存在を再び知らしめる切欠になったのは、二つの要因があります。
 一つはニコニコによるグルメレースMAD。そしてもう一つは、大乱闘スマッシュブラザーズによるアレンジです。編曲は、桜庭統」
感電は歯軋りした、この女、よりにもよってあの二つを呼ぶ気か!!
「グルメレースと桜庭でグルメタル回路を繋ぎ、彼らは現れる。たった数日の差でその舞台に立つことができなかった彼らを!!
 その無念を晴らせ! 天秤の壊し手よ!! 我等主催陣営のカードとして!!!」

その一言で、大広間は白に満たされた。

1988黄昏、来まくって 8:2008/02/10(日) 23:10:50 ID:XcqLKBSk0
そして靄が晴れたその場所に、新たな八つの影が静かに立っていた。

なんだかんだで誰もが一度は躊躇う優勝エンドをぶち抜いて参加者全滅まで突き抜けた魔人の集団テイルズ『最凶の四人』。
YOKODUNAやガチホモと、カオスを除いて一番カオスな世界でロワを継続させる混沌の申し子達ニコロワ四天王『最狂の四人』。

全員が全員マントで姿を隠してはいるが、その邪悪なオーラは隠しようがない。
こいつらは本物なのか、何か制約を負っているのか、様々な疑念が感電と読み手の中で浮かんでは消えていく。
その圧倒的なKIのなかで感電は思った。


(お前ら、どうせマント脱いだら体型変わるんだろ…………)


ニコニコ動画バトルロワイアル及びテイルズオブバトルロワイアルから

◆qwglOGQwIk 『裸になってすぐアッー〜殺意のqwglOGQwIk〜』
◆0RbUzIT0To 『愛媛の0RbUzIT0Toは大変な演説をしていきました』
◆OZbjG1JuJM 『人外アドベンチャー〜OZbjG1JuJMのウォーゲーム〜』
◆CMd1jz6iP2 『C.M.超展開はデフォなのか?』
HN「名無し」
HN「nanasinn」
HN「七氏」
HN「ナナシ」

が主催陣営として召還されました。詳細不明。

*感電の行った偽装工作で無明幻妖sideが空けた穴は「ほぼ」隠されました。
*読み手がどういうつもりで感電の血を舐めたのかはわかりません。むしろわかりたくないです。

1989貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/10(日) 23:13:01 ID:XcqLKBSk0
こ、これが書き手ロワの魔力……気づいたら何か投下してた……

ギャルゲ最終決戦見てたら思いついてしまった。
反省も後悔もします。没前提の喜劇です。

1990貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/10(日) 23:17:40 ID:QdWWFp4s0
げえっ、バーボンハウスネタとスマブラXネタ使われた!?
本当に書き手ロワは地獄だぜ!

1991貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/10(日) 23:19:05 ID:IzGoSiuE0
ちょwww主催陣営が魔王軍の如き豪華ラインナップにwww
バトル物の準備はOKという事か!

……まだ中盤だけど誰か主催本拠乗り込んで潰れてこいと思ったw
おっけい、いっちまえ。

1992貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/10(日) 23:43:27 ID:RmUhMeec0
ちょっとまて主催陣営凄すぎだろ、こいつら!
ここまで人数増えると、自分から会場内に出向く奴とか出そうだなー

……LSの紹介で出遅れた連中も出番とかありうるんだろうか。
ひょっとして……外部からの干渉要員?w 助けに来る仲間?w

1993貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/10(日) 23:48:51 ID:nE63iTcU0
いやまて、外部からの干渉なら微妙な所だと思うが
それでもこれ以上キャラ増やすのは間違いなく自殺行為だぞ。

1994貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/10(日) 23:51:10 ID:nE63iTcU0
あ、>>1993のは今回のがイヤだって言ってるんじゃないぞ。
これは主催側の強化を兼ねてOKだし、最悪本拠地を守らせれば良い。
ただ、マジで後から追加ってのは、経験上コレが最初で最後にしたほうが良いって事だ。
せっかく盛り上がってるんだから、下手に流れを崩したくないし。

19951979:2008/02/10(日) 23:51:42 ID:U1i49ah.0
これ以上捌ききれるのかこれwww

1996自ロワから一人死んだので出張してきました:2008/02/10(日) 23:59:23 ID:Ob0TkqXE0
さぁ〜て、来週の書き手ロワ2ndは?

「おいーす!急に呼ばれた気がしたので出てきたぞ!D-5創造主のThe god of chaosことカオちゃんだよん」
「…無明幻妖side.だ。本来ならこういうネタは死者スレに投下されてしかるべきなのだが…ないしな」
「いやはや栄光だね。あんな最高の展開で退場させてもらえるとはさ。まぁ出産シーンがなかったのはちーっと残念だけどね。
でも俺様がズガンした連中から報復を受けなくて安心したよ。この前のハカロワ3の予告であんなこと書かれるからさぁ。さて次回は
・俺様フルボッコ
・俺様サンドバッグ
・俺様オラオラで吹っ飛ばされる
って何だこのカンペ?つかなんか凄まじい数の殺気を感じるんだけ…アッー!いやんばかんちょっと無明幻妖さん助けt
「さっさとやられて来るんだな。書き手として敬意は払うが…おどれは男として最低の男なんじゃい!!!つか私も斬る!カートリッジロードッ!!!」
「こ、こんなんでいいんかーーーーっ!?」

【The god of chaos:死亡確認(2回目+継続中)】

来週もまた見てくださいねー、じゃーんけんぽんっ!ウフフッ



ごめんなさい、ごめんなさい。ついやってしまいました。本編でもあったし、いいよね?
それとお二方をネタにしてしまってごめんなさい

1997大乱戦!Vは大声で叫ぶ  ◆ooH1rChbak:2008/02/11(月) 00:12:53 ID:mQcmMS060
投下しますー。最初に謝っておきます。調子乗りすぎました。

「おーい!大丈夫かー!?」
ビル街のど真ん中、漆黒の龍は叫んでいた。
が、返事は返ってこない。
「おかしいな……。」
ふと、違和感を感じる。
人の気配一つしないのもそうだが、何より襲撃の痕跡がない。
奇襲の可能性もあるが、あの少女一人逃げて来たことからその線は薄い。
返り血なども見当たらない。毒殺や絞殺でもしない限り、少なからず血痕が残るはず。

……残る可能性は一つ。

「……ッ!」
踵を返し、全速力で走り出す。
考えたくはないが、今はそうとしか考えられない。
――――そう、「襲われた」ということ自体が嘘だったのではないかと。あの少女こそがマーダーではないのかと。
しばらくして、もと居たカフェが見えてくる。
(頼む……気のせいであってくれ!)
「デャアアアアアア!!」
力の限りタックルをかまし、扉をぶち破る。

まず最初に気がついたのが、血の匂い。

目を開いていくけれど、何があったか理解するのには時間がかかった。
たっぷり二分ほど固まった後、糸が切れたように崩れ落ちた。
「間に合わなかった……クソォッ!」
思わず床に拳をぶつける。
脇に愛の伝道師の首と、少し離れた場所に首輪の残骸らしきものがある。
そして、壁に書いてあるあの文字。
「エロスの鐘の煩悩時参上か……ご丁寧にはぁとまで書きやがって。」
文字を憎憎しげに見つめ、遺品になりそうなものを探す。

1998大乱戦!Vは大声で叫ぶ  ◆ooH1rChbak:2008/02/11(月) 00:13:38 ID:mQcmMS060
その結果、黒い皮手袋とライダーベルトを持っていくことにした。
それと念のため、首輪の残骸も持っていく。
最後に見開いた愛の伝道師の目を閉じさせ、外へ出る。
空が眩しい。もうすぐ九字を回る頃合だろうか。
首輪に手を当て、主催者側に聞こえるように大声で叫ぶ。

「聞こえるか!主催者様よぉ!何度もいうとおり、僕は殺し合いには乗らない!

 一人一人は小さいけれど、一つになれば無敵になるから!!

 もう二度と僕の前で、誰も死なせたりはしない!

 仲間を集めてこんな戦いぶっ壊してやる!だから覚悟しとけッ!!!」

拡声器も使っていないから、死亡フラグにはならないだろう。
自分の思いを口にした漆黒の龍は、大きい息を吐く。
「………ん、僕?」
ふと漆黒の龍が自分自身の口調に違和感を覚えた、その時。
「うわあああああああん!」
間に入ってきた声に、漆黒の龍はは瞬時に身構える。
だが、同時に力抜けしてしまった。
「君!何があった!?」
「あ!助けて助けて!!追われているの!」
現れた少女が話始める。割とかわいい顔をしている。
その上なぜかランドセルに下着姿と来た。関係ないが。
そして、彼女がこのロワでの名前を名乗ろうとした瞬間。

1999大乱戦!Vは大声で叫ぶ  ◆ooH1rChbak:2008/02/11(月) 00:14:51 ID:mQcmMS060

「私はボm「ONII−CHAAAAAAAAAAAAAAAANNNNNNNN!!!!」……えええ!?」

超がつくほど濃い若本ヴォイスが台詞を遮ると共に、触手塗れのおぞましいVが少女に襲い掛かる。
接触したら最後、その触手でとても口には出せないような事をされるだろう、色々な意味で。
「危ないッ!」
間一髪、を抱えて漆黒の龍が飛ぶ。
ワンテンポ遅れて、Vの触手が地面を抉った。
「えと、ありがと。」
「……あれがお前を追ってたやつか?」
「い、いや。あんな変なのは知らないわ。ところで……」
脇にに抱きかかえられたその少女、ボマーが上目遣いに問う。
「どうして、私を助けてくれたの? 一歩間違えたら自分だって危なかったじゃない。」
「……だって、僕に向かって助けを求めたじゃん。」
少し含みながらも、すぐさま答えを返す。
ボマーを自分の脇に下ろし、ゆっくりと立ち上がる。
「たとえたった今会ったばかりの他人でもな……」
――――脳裏を先ほどの惨劇が掠めていく。まるで今の状況そっくりだ。
――――あの少女に騙されていなければ、愛の伝道師は死なずにすんでいたかも知れない。
「いくら凶悪な殺人鬼でもなぁ……」
――――脳が告げる、逃げろと。さもなければ、また惨劇を繰り返すぞ、と
――――だが、彼は一歩も引かないし、逃げもしなかった。
「目の前で困ってる人を……放ってなんか措けないんだよ!!」
なぜなら彼は人一倍お人よしで、果てしない馬鹿で――――

「変身ッッ!!」

――――とびっきりの、燃え展開好きだからだ。

目の前にいるVの瞳にデッキを映し、それをベルトへ装填する。
瞬時に仮面ライダーナイトに変身して、謎のVに向かって斬りかかる。
「BULLLLLLLLUUUUUUUUAAAAAAA!!!!」
叫びとも奇声とも突かぬ音を出し、目の前のVは触手でダークバイザーを掴む。
「クッ!」
――SWORD VENT――
天から降ってくるウイングランサーを掴み、触手を切断する。
続けざまに開放されたダークバイザーで目の前のVを刺し貫いた。
「ッ!?」
が、手ごたえはなく逆に刃が侵食されていく。
バイザー部分に届く前にウイングランサーで剣の部分を叩き折る。
「BU−LLLLLLLL………」
剣での攻撃を加えたのに、ぴんぴんしている。というか、心なしか元気になっている気がする。
ちらりと左手のダークバイザーを見る。
バイザー部分は死守したが、刃を折ってしまったのでもう武器としては使えないだろう。
ベルトからカードを引き抜き、バイザーに読み込ませた。
――TRICK VENT――
一瞬でナイトの姿が五人に分裂し、攻撃を加える。

2000大乱戦!Vは大声で叫ぶ  ◆ooH1rChbak:2008/02/11(月) 00:15:43 ID:mQcmMS060
一撃目、触手で防がれた。だがそれは想定の範囲内。
続いて二人目が触手を切断しながら蹴りを入れる。
さらにVの背後から三人目が迫り、ウイングランサーで吹き飛ばす。
吹き飛ばされた向こう側では五人目が立ち塞がり、拳で地に叩きつける。
「ONII−CHAAAAAAAAAAAAAAAANNNNNNNN!!!!」
負けじとばかりに咆哮を上げ、触手で二人のナイトを砕く。
四人のナイトが攻撃を加えるが、すべて触手でいなされる。
触手が一人のナイトを掴み、宙に上げて捻る。残り二人。
Vの延びている部分がもう一人のナイトを捕らえ、潰す。残り一人。
残った一人はアドベントでダークウイングを呼び出し、飛び上がる。
「ウォォッ!」
ウイングランサーを投げ、Vを刺し貫く。
が、やはり取り込まれ、硬質化した触手がが逆にナイトを貫いた。

バァン!

「貰ったッ!」
砂煙が上がると共に、隠れていた本物のナイトが飛び上がり、カードを引く。
――FINAL VENT――
電子音声が流れると同時に、バイザーを投げ捨てる。
背中のマントが体を包み、天高く飛び上がる。
そして、螺旋を描くように回りながら地上のV向かって突き進む!
「ウォォオオォォオォオオオオッッ!!」
雄叫びを上げ、力の限り進むナイト。
わずかではあるが、Vの装甲を砕いていく。
(あと少しで……勝てる!)
ナイトが勝利を確信した瞬間、それは起こった。

バキンッッ

「ガ……ァ」
鏡が割れるような音と共に、変身の解けた漆黒の龍からわずかに声が漏れる。
「WRYYYYYYYYYYYYYYYYYY!!!」
どこぞの吸血鬼のように吼え、触手を振るうV。
そのうちの一本は――――カードデッキごと、その腹を刺し貫いていた。
「逃げ、ろォ!」
宙吊りになりながらも、ボマーの心配をする。
「LLLLLLLAAAAAAA!!」
Vは触手を一振りし、漆黒の龍を地面にたたきつける。
まるでゴムボールのように跳ねたそれは、やがて動かなくなった。
「……拙いわね。」
ボマーは今の状況に歯噛みする。
先ほどの男も勝てなかったあの触手だらけの化け物。
自分にはキラークイーンがあるが、それでも勝てるかどうか。
……やるしか、ない。
ボマーは叫ぶ、自分の傍らにいる者の名を。
「キラークi「ウゥゥウウゥゥオォォオォォオオ!!!!」……今度は何、ってああー!?」
怒りに任せて振り返るが、瞬時にそのことを後悔した。
忘れていた。何故自分がここにいるのかを。

「 一 発 ぶ ち 込 ま せ ろ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ッ ッ ! 」

先ほどのVに勝るとも劣らない、強烈な保志ヴォイスが飛び込んでくる。
―――――ひとつの戦いは、今転回点を迎えた。

2001殴る鉄槌、殴られる少女 ◆ooH1rChbak:2008/02/11(月) 00:16:46 ID:mQcmMS060
保志ヴォイスの男――大あばれ鉄槌は、現在の状況をすぐさま理解していた。
あのVは無差別マーダーで、傍らに倒れている男はそいつに殺されたこと。
そしてその男はボマーを守るためVと戦い、死んでいった事。
「……いい燃え展開だ。」
誰に言うわけでもなく呟き、ボマーへと視線を向ける。
「ヒッ!?」
思わず身がすくむボマーだが、傍らではキラークイーンが構えている。
「おい、お前を殴るのは後回しだ。まずは……」
ろくに返事も聞かず、前を見る。
「このトンチキ野郎からだァッ!!」
一瞬で間合いを詰め、拳を振り上げる。
「ウオオオオオオオオッッ!」
気合を入れ、何発も殴る。殴る。殴る。
傍から見れば、まるで一方的に殴っているように見えるだろう。
だがそうでないことは、大あばれ鉄槌自身が一番判っていた。
(何だコイツ!? 殴っても手ごたえが全然ねェ!!)
もちろん、判っていても拳を止めない。
「断罪のォォォォォォォ!!」
先ほどボマーにかましかけた技を使う。それはただ殴るだけだが―――

「シェルブリットオォォオォオォォォオォォオ!!!」

―――それだけに、最も信頼できる技であった。
ズガァンッ、と巨大な音が響く。まるで鉄骨同士を重機でぶつけた様な音。
ズガンかと思われたが、Vも鉄槌も生きている。
「なッ……」
驚愕の声を上げたのは大あばれ鉄槌の方。
渾身の拳をもろに、しかも顔にぶつけたのだ。
顎が砕けてもおかしくはない。いや、顔の形でも変わらなければ割に合わない。

2002殴る鉄槌、殴られる少女 ◆ooH1rChbak:2008/02/11(月) 00:17:20 ID:mQcmMS060

だというのに……そいつは笑っていた。そのままの、Vの形で。

一瞬の隙を突いて、触手が鉄槌の足を掴む。
「なッ、しまっ―――」
言葉の途中で振り回され、思わず舌を噛んでしまう。
一頻り振り回された後、思いっきり地面に叩きつけられた。
「グゥ、ァ」
「BUUULLLLLLAAAAAAAA!!!!」
呻き声をかき消すように、そのVが叫ぶ。
(クソッ、ここまでか……いや! 俺は、反逆するッッ!!)
大あばれ鉄槌の諦めない姿勢に天は味方したのか。

――――奇跡は、起きた。

突如、Vの体が揺らぐ。
一発、二発と見えない何かが攻撃を加えている。
「なんだ、ありゃあ……?」
傍らにいた大あばれ鉄槌はただ狼狽していた。
ガァンッ!
一際Vが大きく跳ねたかと思うと、その何かが地面に向かって大きく叩きつけた。
衝撃で砂煙が上がり、晴れた中からはV以外にもう一人の異形がいた。
「まさか!?」
ボマーは思わず漆黒の龍が倒れていた場所を見る。
想像通り、そこには誰もいなかった。
龍を模したその禍々しいフォルム、体中を包む漆黒の硬質化した皮膚。
その色さえ違えど、その姿はまさにあの姿だった。
かつて仮面ライダーバトルロワイアルに参加し、有力マーダーとして期待されるも誰も殺せずに退場したあの怪人。
ここにライダーロワの書き手、特に仮面ライダー書き手がいたならばその名を口にしていただろう。
「……大丈夫か!?」
――――ドラゴンオルフェノク・竜人態、と。

2003殴る鉄槌、殴られる少女 ◆ooH1rChbak:2008/02/11(月) 00:17:53 ID:mQcmMS060
変身を解いた漆黒の龍が大あばれ鉄槌に話しかける。
「あ、あんた死んでたんじゃないのか!?」
「みたいだけどね。あの姿から察するに、たぶん人外になっちゃったんだろうな。」


※ただいま大あばれ鉄槌にオルフェノクについて教えています。


「……というわけだ、わかった?」
「……アッハハハハハハハハ!!」
大あばれ鉄槌は黙って話を聞いていたが、いきなり腹を抱えて笑い出した。
余りにも大きい笑い声だったためか、漆黒の龍もボマーもあっけに取られていた。
「ハハハハ……つーとあれか、お前さんは燃え展開のために死んで、また生き返ったってわけか?」
今で息を切らしながら、大あばれ鉄槌は問う。
「……ま、そんなところだろうね。」
軽く舌を出しながら答える漆黒の龍。
その肩に手を置き、鉄槌はサムズアップをする。
「おもしれェ!燃え展開は俺の大好物だ!」
そういったかと思うと急にシリアス顔になり、立ち上がる。
「さぁて、じゃあ最後の締めと行くかァッ!」
大あばれ鉄槌の視線の先には、起き上がったVが居た。
「OOOOOOOOONIIIIIIIIII−CHAAAAAAAAAAAAAAAANNNNNNNN!!!!」
辺りの空気を揺るがすほどの大声。どうやら無茶苦茶怒っているようだ。
ナイトのカードデッキは壊れ、ドラゴンオルフェノクへの変身はもう解いてしまった。
「なーにぼさっとしてやがる。腰のそれは飾りか、あぁん?」
言われて気がついた。漆黒の龍はライダーベルトを見やる。
「け、けどこれは資格者じゃないと使えなくて……」
「知るか!燃え展開ってのは、カオスやギャグ並に色々出来るんだよ!」
「……ッ!」
その一言で目が覚めた。
自分は何だ? 燃え展開好きの書き手だ。
ならば――――これしきの逆境、跳ね除けて見せよう!

2004殴る鉄槌、殴られる少女 ◆ooH1rChbak:2008/02/11(月) 00:18:38 ID:mQcmMS060
覚悟を決め、天に向かって右手を掲げる。
「来い!カブトゼクター!!」
空気を切り裂く音と共に、赤いカブト虫が手に収まる。
それを顔の前に持って行き、叫ぶ。
「変身!」
『HENSHIN』
「キャストオフ!」
『Cast Off』
二つの動作を同時に行い、装甲が体を包んでいき、そして弾ける。
紅き角が起き上がり、すべてが完了する。
『Change Beetle』

「準備は出来たか?」
「ああ。」
大あばれ鉄槌が肩に手を置き、漆黒の龍はぶっきらぼうな返事を返す。
「オーケイ、じゃあ―――いくぞォッ!」
言うが早いか、二人はV向かって走り出す。
まず最初に鉄槌が脇から拳を叩き込み、カブトがクナイガンで射抜く。
続いてカブトの蹴りを二発続けざまに食らわせ、そこに追撃で鉄槌のアッパーが炸裂する。
「BU、BLL!! U!!! BUUULLLLLLAAAAAAAA!!!!」
もはや声とはいえない何かを口走りながら、目の前のVは吹き飛んでいく。
「逃がすかよォォォォォォッッ!!」
完全に吹き飛ぶ前に後ろに回り、再び拳を叩きこんで行く。
「決めるぞォッ!」
「応!」
――――それが、合図だった。
鉄槌は一度後ろに飛び、構えを取る。
対するカブトはベルトのボタンを押し、角を持ち上げる。
『Rider Kick』
「「オオオオオオオオオオオオッッ!!」」
二人が走り出し、叫ぶ。
「ライダァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」
「断罪のォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!」

――――刹那、二つの衝撃が同時にVに激突する!!

「キィイィィイイイィイイィイィィイイィック!!!」
「シェルブリットオォォオォオォォォオォォオ!!!」

2005殴る鉄槌、殴られる少女 ◆ooH1rChbak:2008/02/11(月) 00:19:31 ID:mQcmMS060
ドゴォォッ!!
「BU、BUUULLLLLLAAAAAAAA!!!!」
さしものVも天高く吹き飛び、やがて見えなくなった。
「やったな。」
「ああ。」
二人の戦士が拳を合わせる。
「さぁーって、と。」
鉄槌が満面の笑みで振り返る。
視線の先には今までほとんど出てこなかったボマー。
心なしか、蛇に睨まれた蛙のように震えている。
「一発殴らせろォォォォォォォッッ! 」
「イヤアアアアアアアアアッッ!!」

数分後。

「うぅ……」
泣きながら蹲るボマーの頭には、一つの大きなたんこぶが出来ていた。
「ところで、二人はこれからどうするの?」
「あ? 俺はお前についてくけど?」
「えぇッ!?」
驚愕の声を上げる漆黒の龍。
「何驚いてんだよ。見たところ、お前は対主催だろ?」
鉄槌はなんでもないといったように言い返す。
「俺も、後こいつも対主催路線だ。」
「ええ、私にも責任はあるし。」
「責任?」
「出来れば聞かないで頂戴。」
こんな二人に驚くも、次第に顔が緩んでいく。
「んじゃま、行きますか。」
漆黒の龍の言葉を皮切りに、三人は歩き出す。
決意を胸に抱き、まっすぐ前を見て。
彼らの行く道には―――――――不安など何一つなかった。

2006殴る鉄槌、殴られる少女 ◆ooH1rChbak:2008/02/11(月) 00:20:12 ID:mQcmMS060

「ハァッ、ハァッ、待て〜……」
――――後ろからもう一人ついてきていることは、だれも知らない。


【午前】【E-4 町】
【チーム:燃え展開】

【漆黒の龍@ライダーロワ】
【装備】カブトゼクター&ライダーベルト@ライダーロワ、がんがんじいスーツ(頭部に凹みあり)@特撮ロワ
【所持品】支給品一式 折れたエクスカリパー 黒い皮手袋、首輪の残骸(愛の伝道師)
【状態】かなりの疲労、全身に鈍い痛み、下半身と背中土塗れ
【思考・行動】
基本:対主催。そして脱出。
1:まずは服だ。土塗れはもう嫌だし下着姿とかアレだし鉄槌はもう論外(ry
2:ボマーを守る。
3:鉄槌はまあどうにでもなるだろ。
4:生存者の確保、及び首輪の解析の出来る人物の捜索。
5:愛の伝道師の意志をついで愛を説く。
6:リュウガのカードデッキとかないかなー
※外見や声は城戸真司です。
※他ロワの知識は皆無です。
※ドラゴンオルフェノク@ライダーロワに覚醒しました(ただし黒色)。触れたものを灰にする能力はありません。
 直接の原因はコ・ホンブック戦ですが、ビクトリーム博士戦も何かあったかもしれません。
※『蘇った現代の熱血怪人』『派手好き地獄紳士』『ステルス鬼畜』『マスク・ザ・ドS』を危険人物として認識しました。
 『予約被りに定評のあるtu4氏』を『エロスの鐘の煩悩寺』だと思い込み、危険人物として認識しました。
 尚、名前は知りませんが『ビクトリーム博士』も危険人物として認識しました。
※一人称が僕に変わりつつあります。
※カードデッキ(ナイト)@ライダーロワは破壊されました。
※ダークウイングの行方は後続の書き手さんに任せます。

【ボマー@LSロワ】
【状態】かなり疲労。裸ランドセル。下着・髪止めと靴は有り。たんこぶ。
【装備】キラークイーンのディスク@ジョジョロワ
【所持品】年齢詐称薬@LSロワ、支給品一式、首輪(闇その2@スパロワ)
【思考・行動】
1:しばらくはこの二人と一緒にいる。
2:とりあえず服。必要なら殺してでも奪い取る。
3:基本的に対主催路線。ただし弱者を守る気は皆無。
4:エロ師匠と対決する。
【備考】
※ガンスリンガーガールのトリエラの姿をしています。義体の身体能力等も有ると思われます。
※あ、声や演技や顔の造作は基本的にアニメ第一期で

【大あばれ鉄槌@アニロワ1st】
【装備】レイジングハート(待機状態)、バリアジャケット
【所持品】支給品一式
【状態】疲労
【思考・行動】
1:隙を見てボマーを殴る。
2:他の参加者と燃え展を楽しませてもらう。
3:デバイスは見つけしだい破壊する。
※容姿はスクライドのカズマ+ヴィータの騎士甲冑
※声は保志総一郎

2007殴る鉄槌、殴られる少女 ◆ooH1rChbak:2008/02/11(月) 00:20:49 ID:mQcmMS060

【午前】【E-4 漆黒一行の後方】

【結@スパロワ】
【状態】やや疲労
【装備】なし 
【所持品】支給品一式
【思考】
基本:とりあえず、誰かと仲間になる
1:待てー!
※外見は第三次スーパーロボット大戦のディスアストラナガン
※武器は没収されてます
※体と一体化しているアインソフオウル、メスアッシャー、ディフィレクトフィールドは使用可能
※永遠神剣『存在』は【D-9】草むらに落ちました


【午前】【???】

【ビクトリーム博士@アニロワ2nd】
【状態】酢飯細胞侵食中、体の至る所に負傷、大激怒
【装備】なし
【道具】なし
【思考】
基本:皆殺し
1:ONIICHAAAAAAAAAAAAAAAAAANNNNN!!!!
※触手を使って色々なことが出来ます。
※ビクトリーム博士がどこに飛ばされたかは次の書き手にお任せします。

2008EXo9YyM87U:2008/02/11(月) 00:21:36 ID:mQcmMS060
投下完了。突発的に浮かんだ死亡フラグ。燃え展開については独自解釈もちらほら。
Vは単に面白そうだから混ぜてみた。>>1915-1916㌧クス。
以前自分にオルフェ覚醒の複線仕込んでみたけれども、誰か気づいてくれただろうか。
誰も気づいてなさそうだから自分で回収したけどね。
ドラゴンオルフェ&ボマーってエロ師匠たちとあったら凄いことになりそうだな。

……ごめん、いくら気分が乗ってたからってやりすぎたよ。

2009EXo9YyM87U:2008/02/11(月) 00:22:20 ID:mQcmMS060
うあ、しかも鳥バレorz

2010貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/11(月) 00:24:20 ID:bkJnZp8g0
>>2009
あんた、ここで書いてたのかぁー!!
何気にライダーで書いていたころから数段レベルアップしている!
熱いジャマイカww勇者ww
GJ!

2011貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/11(月) 00:24:45 ID:4O06wdb60
燃え展キター! GJだっ。
Vは恐るべき敵であったが結局ロリに絡みつかずじまいか。生きてるけど。
というかげんこつ(?)で済んだのか、助かったなボマーw

2012 ◆ooH1rChbak:2008/02/11(月) 00:40:21 ID:mQcmMS060
鳥バレしてしまったんで新鳥。ライダーロワセカンドでも色々やりたいと思います。

ちなみにこれ、vipで作ってもらったやつです。

2013 ◆RIDERjbYCM:2008/02/11(月) 00:41:17 ID:mQcmMS060
表示されとらんがなorz

2014とある天使の超電磁砲:2008/02/11(月) 01:07:45 ID:OHMal1Yc0
「きゃああああああああああ!!」

絹を裂くような悲鳴と共にtu4氏が病院の外壁へと叩き付けられる。
そして間髪入れず響くドサッ、という一人の人間が倒れこむ音。
前のめりでドミノの駒のように、ゆっくりとtu4氏は地面へと倒れ伏す。

勝敗は誰の眼から見ても(もっとも、この場の観客はしたらば孔明だけだったのだが)明らかだった。


「甘いです……tu4氏。確かに貴女は強い。その戦闘力は圧倒的だ。
 しかしいかに貴女がチートな能力を持っていたとしても、『バトル』という舞台では私に敵う訳がないのです」


それがバトルマスターの元キャラとなっている前原圭一が持っていた固有結界を彼なりにアレンジしたものだった。
戦闘に特化した作風を持つバトルマスターが持つ固有結界は【自らの心象風景を投影した力場を発生させることによって、ありとあらゆるバトルに敗北しなくなる】――そんなインチキ臭い能力だ。
つまり、いかに第一位の永遠神剣である『空気』の力を宿すtu4氏であろうと彼には絶対敵わないのである。
(しかしこの能力は真っ向からのバトルに限定されるため、不意打ちや毒殺などにはとても弱い←ここ注目)

そして、またまた余談ではあるが一つ。
前回の引きにおいて【決闘】という魅力的なイベントが提示され、次の展開にwktkしていた諸兄もいると思う。
だが見ての通り、このSSが始まって一行で決闘は終了してしまった。
それもまた紛れもない事実なのだ。
つまり、

        ,. -‐'''''""¨¨¨ヽ
         (.___,,,... -ァァフ|          あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
          |i i|    }! }} //|
         |l、{   j} /,,ィ//|       『前回のラストで決闘が始まったと思ったら
        i|:!ヾ、_ノ/ u {:}//ヘ        次の話の冒頭ではもう終わっていた』
        |リ u' }  ,ノ _,!V,ハ |
       /´fト、_{ル{,ィ'eラ , タ人        な… 何を言ってるのか わからねーと思うが
     /'   ヾ|宀| {´,)⌒`/ |<ヽトiゝ        おれも何をされたのかわからなかった…
    ,゙  / )ヽ iLレ  u' | | ヾlトハ〉
     |/_/  ハ !ニ⊇ '/:}  V:::::ヽ        頭がどうにかなりそうだった…
    // 二二二7'T'' /u' __ /:::::::/`ヽ
   /'´r -―一ァ‐゙T´ '"´ /::::/-‐  \    催眠術だとか超スピードだとか
   / //   广¨´  /'   /:::::/´ ̄`ヽ ⌒ヽ    そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ
  ノ ' /  ノ:::::`ー-、___/::::://       ヽ  }
_/`丶 /:::::::::::::::::::::::::: ̄`ー-{:::...       イ  もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…


という気分になっている方が少なからず居ると思う。

2015とある天使の超電磁砲:2008/02/11(月) 01:08:39 ID:OHMal1Yc0

ちなみにコレは決して手抜きなどではなく、常日頃から
『バトルは極力書きたくない』
『中学から書き溜めたエログロSS100本』
『性的な意味で現実のバトルが嫌い』
『エロは好きとかそういうレベルじゃない』
『どこをどうすればバトルが書けるのか分からない』
『ヤンデレは女性の理想像』
などと豪語するtu4氏の内情を反映しているのだと、強く宣言しておく。

両者の息も付かせぬ攻防は実際の所、一時間近くも続いており、病院の周辺は荒野と化していた程だ。
その戦いの壮絶さは言葉に表すことなど到底不可能なのだ。

(……ようやく終わりましたか)

二人の勝手な盛り上がりっぷりに「はわわ」と言いながら観戦することにさえ飽きていたしたらば孔明は、遊んでいた携帯電話のアプリ『信長の野望』を終了させる。
せっかくもう少しで九州を平定させることが出来たのに、と後ろ髪を引かれる気持ちで一杯だ。


「tu4氏、君は狂気に囚われているだけなんだ! 大丈夫、今ならやり直せる!」
「……くっ……が……ふざけたこと……言ってんじゃないわよっ……!」


したらば孔明は思索を巡らせる。
つまり、このままバトルマスターが彼女を説得するのを傍観するかそこに割って入るかの二択だ。
バトルマスターの固有結界はガチバトル専用であるため、自分が不意打ちをかけることも十分に可能ではある。
ただし、メリットは皆無だ。この場において最大のイニシアチブを握っているのは彼であり、tu4氏の方に付く理由も見当たらなかった。

(決まりましたかね……)

もはや、状況は火を見るよりも明らかだと言ってしまっていい。
おそらくtu4氏はバトルマスターの説得に耳を貸さないだろう。
彼女は自分を空気として認める一方で、『空気のまま生還』の代名詞となってしまったその運命を激しく憎悪している。
訪れる結末は眼を瞑っていても外すことはないだろう。

予約被りに定評のあるtu4氏の死亡――それでこの戦いに決着が付く。

2016とある天使の超電磁砲:2008/02/11(月) 01:09:34 ID:OHMal1Yc0
「どうしてこんなに言っても分からないんですか!? 私は貴女の気持ちを理解できているつもりだ。
 貴女にそんな歪んだ思想は似合わない!」
「うるさいっ……!! あんた何かに……あんた何かに……」

(……おや?)

もはや両者の言い争いはピークに達していた。
必死に声を張り上げ、派手なアクションでtu4氏を説得するバトルマスター。
傷だらけの身体を持ち上げ、固くなに拒絶の姿勢を崩さないtu4氏。

だが、その時。
唯一の傍観者であるしたらば孔明はtu4氏のとある変化に気付いた。
それは本当に小さな小さな、彼がアニロワ2nd出身でなかったら絶対に意識しなかったであろう些細な変貌であった。

だが創造神レベルの力を持つ永遠神剣第一位「空気」は覚醒にはまだ程遠い。
では彼女に残されたその他の能力とは一体?
転生前の人格である芙蓉楓はアニメ版では少しだけヤンでしまったこともあったが基本は普通の女子高生だ。
FDで魔法少女化し幼馴染の少年に対して奴隷宣言をしたりもするが、あくまで常識的な少女である。
つまり、彼女のルーツから来る能力ではない。
そうなると答えは自ずと絞られる。
彼女、予約被りに定評のあるtu4氏のモチーフとなっている白鐘沙羅の最大の特徴、それは……、

(これはこれは……面白くなって来ましたよ)

したらば孔明は愉悦を噛み殺せず、思わず口元を綻ばせた。
彼の瞳に移るのはtu4氏の艶やかな銀髪。

そして――

一部だけが《黒髪》になった彼女の後姿だった。


 □

2017とある天使の超電磁砲:2008/02/11(月) 01:12:20 ID:OHMal1Yc0
「……バトルマスター。一つだけ質問があるわ」
「何ですか? 私に答えられることなら何でもどうぞ」
「ええ、それじゃあ遠慮……なく」

tu4氏はボロボロの身体をゆっくりと持ち上げ、バトルマスターを睨みつけた。
その言葉は淀みなく。
春に謡う小鳥のようにはっきりとした言葉で紡がれる。

「――私のあだ名を言ってみろ!!!!!」
「な……!?」
「聞こえなかったかしら。こう見えても私、ブチギレてるのよ?」
「ッ…………」

tu4氏はいきなり押し黙ってしまったバトルマスターを冷ややかな眼で見つめる。
軽蔑、侮蔑、怨嗟――どす黒い感情の波が彼女から湧き出る。
バトルマスターが彼女の言葉に応えることが出来ないのも当然だ。
なぜなら、彼女が空気化した原因の半分近くはバトルマスターのモチーフである前原圭一にあるのだ。
(ちなみにコレは言い掛かりであって、本当は偶然の産物である)

「答えられる訳がないわよね。あなたはいつだってL5になった人間を救うために奮起する熱血対主催なんだから!」
「tu4氏……それは……」
「熱血バトルキャラには熱血バトルキャラらしい戦い方がある……。
 鬱キャラには鬱キャラ、エロキャラにはエロキャラの……。
 見せてあげる……空気王と呼ばれた私の本当の力、空気キャラの戦い方を!」
「――な、こ、これは……ッ!」

瞬間、tu4氏の身体を眩いばかりの光が包み込む。
二度目の転生?――否。
永遠神剣の覚醒?――否。

それは空気キャラとしての矜持。決して譲ることの出来ないプライド。
そして同胞達に向ける比類なき愛。
書き手ロワに参加している数少ない空気キャラとしての意地が発露したものであった。

「はああああああああああああああ!!!」

tu4氏の右腕が凄まじい勢いで変化していく。
メキメキと音を立て、人ならざる形へと進化を遂げる。彼女の口唇から放たれる大声が周囲に木霊する。

2018とある天使の超電磁砲:2008/02/11(月) 01:13:08 ID:OHMal1Yc0
「はわわ、これはッ!!」
「あ、あれ? したらば孔明さんさっきまで何処に……?」
「あの、ご主人様、こういう時は空気を読んで下さい」
「え……も、申し訳ありません。えーと、知っているのか孔明!?」

突然ひょっこりと現れたしたらば孔明がバトルマスターに合いの手を求める。
なし崩しの形ながらも彼はそれに応えた。
したらば孔明も最高の笑顔のまま、自らの頭に刻まれた民明書房のデータを紐解く。

「はい、あれは《エンジェル・アーム》です!」
「エンジェル・アーム……ですか?」
「見て下さい、彼女の髪の毛を。微妙に黒髪になっている所があるでしょう?
 あれはアニロワ2ndの空気王、人間台風【ヴァッシュ・ザ・スタンピード】の切り札エンジェル・アームに間違いありません!
 その破壊力は驚天動地、天上天下一撃必殺!
 黒髪化は漫画版の設定なので、2ndでは決して見られない超レアものですよ!」
「な、なるほど……しかし、何故彼女にそんな力が……?」
「おそらくですが、彼女は他ロワの空気キャラと密接にリンクしているものと思われます。
 例えばLSロワのミミ、スパロワのフォルカ、アニ1stのキートン……差し詰め空気の集合体と言った所ですか」

――エンジェル・アーム。
アニロワ2ndに参加するトライガンの主人公、ヴァッシュ・ザ・スタンピードの奥の手である。
しかしアニメ版と漫画版において大きな差異が存在するため、アニ2ndでは色々と厄介なことになっていたりする。
その威力は一発で一つの街を滅ぼし、月に穴を空ける強力無比な一撃だ。

「そう、エンジェル・アームよ。彼も中々不憫なことになっているものね……。
 出会った人間が片っ端から死ぬせいで、未だにロワ中の知り合いが一人(しかもマーダー)しかいないんだもの」

tu4氏はそう呟くと、天を仰ぎ見て、一粒涙を零した。
それは同じ境遇の同胞に向けた慈愛の現れであった。
そう、彼女を包んでいた空気に対する過度の怒りは昇華され、空気キャラを愛でる心へと変化していたのだ。

2019とある天使の超電磁砲:2008/02/11(月) 01:14:08 ID:OHMal1Yc0

「つまり、その超兵器で私を狙い撃つと言う訳ですか? しかし私の固有結界の前では……」
「因果を捻じ曲げる――ってこと? そんな型月の理論がどこででも通用すると思ったら大間違いよ!」
「な、何て恐ろしい台詞を……!」

凄まじい暴言を吐きながらtu4氏はエンジェル・アームの発射体勢に入る。
自分には当たらないと分かっていても、バトルマスターはさすがに気が気ではない。
しかも、したらば孔明の言う通りのパワーならば、彼女も無事では済まない。
ならば、

「したらば孔明さんっ! 逃げますよ!」
「ご主人様!」

三十六計逃げるに如かず。
困ったら退却するのが一番ベストな回答だったりするのだ。
バトルマスターはひょいっとしたらば孔明を脇に抱えると、tu4氏には眼もくれずその身を翻す。


「光になれええええええええええええ!!」


背中のウイング・ハイロウを展開し、エンジェル・アームを発射するtu4氏はまるでどこぞのガンダムのようであった。
太陽と錯覚するほどの圧倒的な光の氾濫。
バスターライフルの如く発射されたその一撃をバトルマスターはギリギリで回避する。
もちろん反撃に移る意志はこれっぽちもない。この場はただ逃げるのみだ。


打ち出された極光は何処まで飛んでいくのか。
某ロワのように彼女の同胞を消滅させてしまうのか。
それとも、特別な状況を打破する切っ掛けになるのか。それはまだ分からない。



【午前】【F-3 小さな個人病院】
【予約被りに定評のあるtu4氏@ギャルゲロワ】
【状態】ダメージ(大)、同胞に対する深い愛、黒髪化、エンジェル・アーム
【装備】永遠神剣第七位「存在」、ガンダールヴの証(ゼロの使い魔@漫画ロワ)、ペンダント(空鍋の欠片)
【道具】写真付き名簿、支給品一式、不明支給品×1(未確認)
【思考】
基本:空気にならないため他の書き手をみなごろし。
1:目の前の敵を滅す。
2:書き手はみんな滅する。私を空気とか呼ぶ奴はグロ死な。
3:エロスの鐘の煩悩寺がマーダーだと広める。
4:ギャルゲロワ陣営は欝に叩き込む。
5:空気キャラは保護する。
※容姿は白鐘沙羅@フタコイ オルタナティブ。アセリアの服を着ています。
※実は永遠神剣第一位「空気」を宿していますが何らかの因子が足りないため使えません。
※ガンダールヴの能力は、どんな武器でも自在に操れます。
  また本来は使うと疲労を伴いますが、tu4氏の場合それはありません。チートですし。
※空気王として他ロワの空気キャラの能力を使用できます。
※E-3から南東の方角にエンジェル・アームが発射されました。
 どこに着弾するのか、LSロワのように誰かが巻き込まれるのかは不明です。

2020とある天使の超電磁砲:2008/02/11(月) 01:14:34 ID:OHMal1Yc0
【午前】【F-4】
【バトルマスター@ギャルゲロワ】
【状態】胸に抉り傷。両腕に削り傷。内臓の一部に破損。
【装備】永遠神剣「冥加」
【道具】支給品一式、コイン、名簿、不明支給品2つ
【思考・行動】
基本:コインの表が出たので徹底的に抗う。
1:ひとまずその場から退却する
2:対主催として仲間を探し、殺し合いに乗った敵を倒す

※外見は前原圭一@ひぐらしのなく頃に
※自分の心がキャラに影響されていることに気付きました
※【自らの心象風景を投影した力場を発生させることによって、ありとあらゆるバトルに敗北しなくなる】固有結界が使えます。
 名前は募集中。


【管理人・したらば孔明@アニロワ2nd】
【装備品:スタンガン@アニロワ1st】
【道具】支給品一式×2 ゲイボルグ@アニロワ2nd、オールオーバー@ライダーロワ、大鉈(破損)@ギャルゲロワ、
    携帯電話@現実、首輪(まとめキング)、閃光弾、不明支給品(ランダムアイテム)】
【状態:健康、服に若干の血痕】
【思考・行動】
基本:脱出に向けて行動する(基本的に恋姫†無双の孔明を演じる)
1:はわわ、あ、新しいご主人様を助けます!
2:脱出に有能な方なら手を組みましょう。
3:危険な野郎なら排除するぜ。
4:面白いんじゃねぇの?あの能力。

※外見は孔明(恋姫†無双version)、頭脳は孔明(Gロボversion)、力は孔明(水滸伝version)です。
※口調は基本的に恋姫†無双versionでいくようですが、状況と気分で恋姫†無双version・Gロボversion・水滸伝versionのどれかにするようです。

2021貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/11(月) 01:16:02 ID:OHMal1Yc0
投下終了です。
黒髪化がやりたくて書いた。反省はしていない。
別に型月アンチなどではなく、月姫とか大好きですよ。はい。

2022貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/11(月) 01:17:18 ID:kDe1c3Go0
本人じゃねえかw
GJw

2023貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/11(月) 01:17:52 ID:4O06wdb60
タイトルの禁書目録……解説のポルナレフ……極めつけに人物紹介の魔女の騎士!
見事なネタっぷり……!

2024貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/11(月) 01:30:12 ID:EwFIrs3I0
ちょwwwwww
tu4氏何やってんすかwwwwwwwww
凄まじいまでのネタ・チートバトル……!

2025貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/11(月) 01:37:44 ID:XZvheIQo0
なんと言う本人……この作品は間違いなく(パロ的な)力作www

2026貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/11(月) 02:39:49 ID:hQ.qxyWU0
 会場中に大音量で響き渡った放送が終了し、そのあとのチープなノイズもわずかな残響を残しただけですぐに消えていく。
 再び静寂が訪れた市街地の道路で、神行太保のDIE/SOULとミスターマダオの二人が、地図と名簿に放送の内容を書き写していた。
「ちっ、思ったよりペースが早いな……地図氏を叩くための駒が足りなくなっちまう」
 片腕が義手なので、ドラゴンころしを下敷き代わりに使って書き込んでいたDIE/SOULが舌打ちする。
「やあやあ、存外に死んだな!でたらめに死んだな!べらぼうに死んだな!」
 その傍らで無邪気に笑う幼女、だが声はその外見とはかけ離れているマダオが楽しそうに言った。
「これならマーダーの一人や二人殺しても空気嫁と言われることもなさそうだ。腹が減ったらマーダーを食えばいいということだな、安心した」
「食えるようなマーダーばかりともかぎらねえがな……最後に対主催とは名ばかりの足手まといが残った、ってのは勘弁してほしいぜ」
「地図氏をそんなに倒したいのか?まあ因縁というのもロワを盛り上げるフラグではあるが、対主催というからには脱出を優先せねばいかんぞ?」
「うるせえ。俺は俺のやりたいようにやる。脱出に関しては手伝うが、あくまで最優先事項はこっちだ。てめぇもターゲットに含まれてるって事を忘れるな」」
「何をされたんだ。そこまで拘る理由は何だ」
「ああ!?決まってんだろ、アニロワで実現しなかったアーカードVSガッツをこの舞台でやってやるのさ」
「……それだけか?」
「てめぇは本当に書き手かよ?最高のネタじゃねえか。夢想するだけでワクワクしてこねぇか?書いてみたいとおもわねえのか?」
「ふむ……」
 顎に手を当てて、何やら思索にふけるマダオ。
 それに疑問を抱いたDIE/SOULが声に出して問いかけた。
「……何だよ」
「……なあ、我々は本当に書き手なのか?」


「…………は?」


 DIE/SOULは呆気にとられる。何を言っているのかわからない。
「お前は単純に殺すというが、それがどれほどのことかわかっているのか?死ねば書き手はいなくなる。ひいては書き手不足。ロワも成り立たない」
「あ……」
「まあ私も人のことは言えん。今さっきまで書き手の死についての重大さを理解せずに発言していた。
 三人寄れば文殊の知恵とはいうが、他人だからだろうな。お前の考えを客観的に判断して、やっとこの理解に辿りつけたのだから。
 私自身だけでは自分の思考の矛盾に気づけなかっただろう。そしてもうひとつ気になった点がこれだ」
 マダオが指差したのは参加者名簿のスパロワ書き手の項だった。
 「転」という名前がそこには記されている。
「これは同鳥、つまりもう一人の私だ。普通に考えて書き手が分裂するなどありえんだろう。それができれば過疎ロワなど存在しない」
「そりゃあ……そうだが。じゃあ俺たちは何だってんだよ?」
「……歩きながら話そうか。今のところ何も確証はない」

 仲間たちが待つファミレスに向かってマダオは歩き出す。
 DIE/SOULも横に並んで歩き出す。
 どこまでも静かな市街地の街並みに、ガチャリ、ガチャリというDIE/SOULの甲冑の音がやけにうるさく響く。
「……このロワは参加者、主催者、支給品などをチェックしてみると、全て我々が書いているパロロワに基づいていることがわかる」
「……そうだな」
「その法則で言えば、我々をこうした形で殺し合いに参加させている方法にも、そのパロロワのネタの一つが使われているのではないか」

2027貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/11(月) 02:40:38 ID:hQ.qxyWU0
「……うちのスゲーナスゴイデスならできるか?」
 アニロワ1stでギガゾンビが使ったスゲーナスゴイデスならば。
 キャラクター設定そのものを作り変える。分裂させる。一から作り出す。
 それもできる……だろう、おそらくは。
「うちの漫画ロワにおける大首領も何とか説明がつけられるだろう。クローン・洗脳・改造といった救いがたい未来しか見える気がしないが」
「流石、昭和ライダーの悪の組織といったところだな……」
「あと、もう一人の私が所属するスパロワのクロスゲートパラダイムシステム(SHO仕様)でも可能だ。
 このシステムは単独でも、キャラどころではなく世界そのものをクロスオーバーさせ、そして形成することができる。
 つまり特撮ヒーローやウルトラマン、ガンダムといった世界観が一つになり、それを誰もが当たり前のことと認識している世界をだ」
「……そのあたりか?妥当なのは」
 ほかのロワに関しては主催者のネタバレがまだ不明瞭だったり、キャラそのものを改変させる力について不可能と思える点がある。
「ふむ、そして次の問題は主催者の目的だ。これである程度の推論を消去法で限定できる」
「まあ……お祭りだろ?交流所の流れから察するに」
「そう、そしてこんなことをやろうと考え付くのは余程のパロロワマニア……というか、ぶっちゃけ書き手だろう。
 ロワに参戦しているキャラや作品が好きなだけの読み手が、私達を参加者にして面白いと思うだろうか?」
「ねえな……だけどその理屈で言ったら、ここに参加してない書き手が真の黒幕ってことだぜ?ニコ、テイルズ、FFDQ、某……」
「私は違うと思う。おそらくその書き手は参戦している。理由はお前が言った言葉だ」
「何……?」
 DIE/SOULが訝しげにマダオを見つめる。
 自分が何を言ったというのか?心当たりが思い浮かばない。


「『最高のネタじゃねえか。夢想するだけでワクワクしてこねぇか?書いてみたいとおもわねえのか?』
 ――これだ。
 高クオリティ、超スピードで駆け抜けたアニロワ1st。その後を継ぎ、セカンドは失敗するという説を覆して進み続けるアニロワ2nd。
 熱血の漫画ロワ。欝グロのLS。鋼の意思で荒らしを退けたライダーロワ。超展開を力技で大真面目にやってのけるスパロワ。
 分岐という独自のシステムで900話以上の物語をつむぐハカロワ3。地味だが、しかし中盤にさしかかり確実に進み続けるAAAロワ。
 いやっほーう、蟹座氏最高なギャルゲロワ。
 彼らが一同に集い、一つのパロロワを企画、開催するとしたら、書き手なら自分も参加したいとは思わないか?」


「……そこまで言うなら目星もついてるんだろうな?」

2028貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/11(月) 02:41:08 ID:hQ.qxyWU0
「ああ。心当たりが一人いる。
 まず絵が描ける……つまり我々の容姿を自在に設定できる。
 次に地図も作れる……このフィールドを思いのままに作ることができる。
 そして書き手としての力量はトップクラス……つまりこのロワにおいての力もトップクラス……。
 そうそう早い段階では死なないだろう……つまり」




「真の主催者は地図氏こと地球破壊爆弾No.V-7だったんだよ!!!!!!!!」




 ……………………しーん。




「ねーよ」
「やはりないか」




「ま、放送やってた感電氏と一緒にラジオやってたし、ジョーカーって線はあるかもな」
「ふむ。ま、いいさ。分からんことをあれこれ考えるのも楽しいが、まずは首輪だ」

 二人の前に伸びる大通りの道路の先、仲間たちが待つファミレスの看板が見えてきた。
 だが、彼らが歩む対主催の道は、まだまだ遥か遠く険しい。
 最後までまで踏破することができるのか。道半ばにして倒れる運命か。それともロワ自体が廃れて消えるか。
 それはまだわからない。

2029貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/11(月) 02:41:45 ID:hQ.qxyWU0
【朝】【F-6 ファミレス近くの路上】
【ミスターマダオ@漫画ロワ】
【状態】:疲労(小)、額に切り傷、強い決意、強い仲間意識
【装備】:パニッシャー@トライガン(機関銃:残り弾数100%、ロケットランチャー:残り10発)
【道具】:支給品一式、未定支給品×1〜2(本人確認済み)
【思考】:
 基本:対主催! 殺し合いには乗らないが、マーダーは犬の餌。しかし……?
 0:いい仲間がまた出来た!
 1:さぁ、ウッカリデスのところへと戻ろう
 2:友情! もっと仲間を探すぞ!
 3:努力! 首輪をどうにかするぞ!
 4:勝利! 見ていろよ主催者!


 ※容姿はアーカード(ロリ状態)@ヘルシングです
 ※押し倒したウッカリデスを気に入りました
 ※地図氏(地球破壊爆弾No.V-7)がジョーカーではないかと思っています。
 ※自分が本物の書き手なのか疑問が生まれました。他の書き手を殺すのにわずかな躊躇いが生まれました。


【神行太保のDIE/SOUL@アニロワ1st】
【状態】:疲労(中)、胸部にダメージ、全身に打ち身
【装備】:竜殺し@ベルセルク、ガッツの装備一式@ベルセルク
【道具】:支給品一式、拡声器
【思考】
 基本:アーカード(地図氏、マダオ)は殺す。しかし……?
 1:仲間を集めて『孤城の主』を実現させ地図氏を打倒する
 2:それまではマダオと協力関係を結ぶ
 3:地図氏を始末した後はマダオを始末する



 ※容姿はガッツ@ベルセルクです。
 ※神行太保・戴宗の神行法(高速移動)が使えます。
 ※ラディカルグッドスピード腕部限定は、腕だけが速く動きます。
 ※地図氏(地球破壊爆弾No.V-7)がジョーカーではないかと思っています。
 ※自分が本物の書き手なのか疑問が生まれました。他の書き手を殺すのにわずかな躊躇いが生まれました。

2030キバヤシ考察はパロロワの華:2008/02/11(月) 02:43:39 ID:hQ.qxyWU0
投下完了。流石に細かいところで間違いがあるかもしれません。突っ込みよろしく。
てか、なんで考察話なんか書いてるんだ自分w
あ、あとタイトルは名前欄にて。

2031貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/11(月) 02:59:36 ID:4O06wdb60
事実1stは書き手が真主催だったわけだし割と合ってるよ名探偵レナンだよマダオ。
GJ!

2032貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/11(月) 03:30:41 ID:UCTHlrCk0
>>2030
そこまでいって結論がそれかあああああああああwwwwww
いあはや、こりゃまたGJ!!

2033時よ止まれ、お前は美しい:2008/02/11(月) 04:22:24 ID:y2DFSrbE0

きらきらと輝くものがある。
中天に燦然と煌めく日輪の下、陽炎のように揺らめきながら続く光の道だ。

「ふむ……絢爛たる往路(シャイニング・ロード)といったところですか」

どこまでも続く黄金の街路を見つめながら、和装の男が呟く。
人気のないビル街を吹き抜ける風が男の髪を揺らした。
奇妙な静けさの中で、男はそっと目を閉じると深々と息を吸い込む。
肺腑いっぱいに吸い込んだ大気を味わうように一瞬だけ呼吸を止めると、
今度はゆっくりと吐き出していく。
久方ぶりに娑婆へと戻った咎人が紫煙を燻らせるようにも、熟練のソムリエが
繊細にテイスティングを重ねるようにも見える、静かな深い呼吸。

「…………」

息をすっかり吐き出した後も、男はしばらく瞼を開こうとはしなかった。
荘厳な交響楽の余韻でも楽しむかのようにその口元に淡い笑みを浮かべたまま、じっと佇んでいる。

「……素晴らしい」

ほぅ、と息をついた後。
しばしの間をおいて、男が最初に発した言葉がそれであった。
いつの間にか見開かれた瞳に爛々とした光を湛え、整った歯の間からべろりと真っ赤な舌を覗かせて、
男は静かに笑んでいた。

「一晩熟成の早朝搾り―――そして何より、限界に近い忍従を強いられたが故の強い芳香」

詩人が歌を吟ずるように、男の口から異様な言葉が並べ立てられる。
閑散たるビル街に小さな音が響く。
男が腕を打ち振った拍子に、風を孕んだ袂が鳴らす音であった。
姿なき聴衆を前に、男は身振りも鮮やかに熱弁をふるい始める。

「素晴らしい、素晴らしい、素晴らしい! 私には見えますよ、その表情が! その闘争の様が!
 小さな臓器に湛えられたほんのグラス一杯に満たない水分が、圧倒的な存在感を以って襲い来る!
 屈従を強いる理性と解放の悦楽を希求する本能、苦渋と快感の狭間に喘ぐその息遣いまでを、私はいま此処に再現できる!
 大気に満ちた芳香の奏でるヴィオロンの音色を、大脳辺縁系と新皮質の演じる一幕芝居を、水と蛋白質のデュエットを!
 私はすべての人類に要求する! 万雷の拍手もて迎えよと! 乙女の苦悩を! 筆舌に尽くし難き恥辱を!
 煌めく道の果てに流れるであろう涙の麗しさを思い心震わせよ! 辱めに歪む貌の貴さを想起し詠歎の声を上げよ!
 称えよ我が名を、哀れな子羊を儀式の庭へと追い詰める祭祀の名を! 我こそは、我こそは―――」

―――マスク・ザ・ドS。
嗜虐の名を持つ、仮面の紳士。

「朝食を探して、こんなご馳走に出逢えるとは……幸運ですね、私は」

加虐の紳士が、にい、と牙を剥いて微笑んだ。

2034時よ止まれ、お前は美しい:2008/02/11(月) 04:22:48 ID:y2DFSrbE0
 ◆ ◆ ◆



「ボクは……ボクは、それでも……」

荒い呼吸の中、少女は一歩を踏み出す。
下腹に力をこめてはいけない。
忍耐はとうに人体の限界を超えていた。
治水工事は間に合わない。
氾濫は始まっている。
堤防は既に決壊五秒前だ。
力を加えてはいけない。
それは積んだ土嚢に蹴りを入れるが如き愚行だ。
じんわりと、脇に冷たいものが流れる。
嫌な汗だ。
気分は命綱無しの綱渡り。
震える腿をそっと撫でて、新たな一歩を踏み出す。
撫でた掌もまた、べっとりと汗に濡れていた。

「だい、じょうぶ……まだ、まだ……ぜん、ぜん……」

濡れているのは脇と背中と掌と足の裏と額と首筋と顔と胸と腹だけだ。
流れるのは汗だ。
香るのは体臭だ。
幾分か軽くなった負担は、苦痛への慣れだ。
それ以外の何かでは、断じてない。
ぐらりと、視界が歪む。
脂汗が流れ、眼に入ったのだった。
拭いもせず、少女は更なる一歩を踏み出す。

「もう……少し……だけ……、ガンバレ、ボク……」

朦朧とする意識の中、少女の薄く煙る瞳が捉えていたのは一つの看板。
見慣れたマークは全国チェーンのファミリーレストラン。
入り口にシャッターを下ろすこともなく存在するそれこそが、少女の目指す約束の地であった。
ぼたり、と汗が垂れる。

2035時よ止まれ、お前は美しい:2008/02/11(月) 04:23:26 ID:y2DFSrbE0
 
 ―――汗だ。汗だ。汗だ。

ぶつぶつと呟く少女の脳裏に、白と黒の縞模様が浮かぶ。
ああ、審判だ、と少女はぼんやりと思う。
それは野球の審判員の着る服のようであり、サッカーのそれでもあり、また他のスポーツのそれのようでもあった。
丁度いい、と少女は断片的な思考の中で薄く笑う。
とりとめもない映像に集中しろ。何でもいい、「あれ」と遠い感覚に身を委ねろ。
そうすればほんの数歩の間、自分を誤魔化すことができる。
ひゅうひゅうと細い呼吸を漏らし、ねっとりと粘度の高い汗に全身を濡らしながら、少女は自らの中にイメージを広げていく。
白と黒の服を着た審判員がいる。審判員はたくさんいる。俯いていた無数の審判員が、顔を上げる。

「……ひ、っあ……!」

思わず声が漏れた。
審判はすべて、鼠の顔をしていた。
嫌らしい、小さな眼に底意地の悪そうな光を湛えた大きな鼠たちが審判員の服を着ている映像が、
少女の脳内映像に大写しにされた。ぎらぎらと輝く無数の眼光が少女を刺し貫く。
ぼたりぼたりと、汗が垂れた。
太腿の内側に流れる生温かいそれは、

 ―――汗だ、汗だ、断じて汗だ!

少女が心中で叫んだ瞬間、脳内に巣食う無数のアンパイアが、一斉にきいきいと喚き声を上げていた。
鼠たちが薄汚いドブ色の小さな右拳を、天高く掲げる。
きいきいという喚き声が、次第に何かの意味を持った大合唱へと変わっていく。

ぅ、ぁう。
……あぅ、ぁうっ。
―――アウ、

ぶち、と。

2036時よ止まれ、お前は美しい:2008/02/11(月) 04:23:51 ID:y2DFSrbE0
小さな音が響き、喚き声がやんだ。
何かの意味を持った言葉が発せられようとした瞬間、一匹の鼠の脳天を、大きな木槌が粉砕していた。
一瞬だけ遅れて、群れを成していた鼠の審判員たちが、蜘蛛の子を散らすように逃げ出しはじめる。
それを追いかけるように、見えない巨人の振るう木槌が振り下ろされていった。
ぶち、ぶち、ぶち。
逃げる鼠が、一匹づつ音を立てて潰れていく。
ぶち、ぶち、ぶち。
鼠の潰れる音に合わせるように、少女が歩を進める。
ぶち、ぶち、ぶち。
己の中を満たした凄惨な殺戮劇が苦痛を相殺していく。
ぶち、ぶち、ぶち―――きい。
最後の鼠が断末魔の叫びを上げるのと同時。

「たど、り……つい……た」

少女の眼に映っていたのは、約束の扉であった。
報われる、と思った。
救われる、と思った。
重い硝子戸が、ぎい、と開いた。

「……、え……?」

重い硝子の扉は、少女がその手を伸ばすよりも前に、開いていた。
暗い店内に、人影があった。
人影が、にい、と笑った気がして。

「―――ァァァァァッァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」

少女は、己の喉が血を吐かんばかりに張り上げる絶叫を、どこか他人事のように聞いていた。

2037時よ止まれ、お前は美しい:2008/02/11(月) 04:24:23 ID:y2DFSrbE0
【午前】【F-6 ファミレス】

【蟹座氏@ギャルゲロワ】
【状態】闘争中、ノーパン、わりと放尿中、Lv4.9
【装備】鉈
【道具】支給品一式、蟹座の黄金聖闘衣、最高ボタン、富竹時報
【思考・行動】
基本:仲間と共に主催者を倒す
0:限界突破
1:死ぬ……
2:蟹座じゃない、蟹座じゃないもんね……蟹座じゃないんだってば!
3:バトルマスターを始めとした、自ロワの参加者を捜索する
※外見はつよきすの蟹沢きぬ(カニ)です
※最高ボタンには『いやっほぉぉぉおおおう、蟹座のONiぃ様、最高ーーーーーっ!!!!!』というハクオロの声が流れます。
  シークレットボイスにも何かあるかも?
※自分の心がキャラに影響されていることに気付きましたが、キャラに抵抗するため無駄な努力をしています。
※こんな状況に持ち込んだ犯人を捜しています。ご一報ください



【マスク・ザ・ドS@アニ2nd】
【状態】:真中面を消失、疲労(中)
【装備】:一目でドSと判るマスク(出展不明)
【道具】:支給品一式、鋼糸@HELLSING
【思考】
 基本:Sっ気の導くままに
 1:それでは往きましょう、黄金の道を
 2:今度は、虐められる相手を探すことにしましょう
 3:今度tu4氏と出会ったら確実に屈服させる

 ※『表』と『裏』、『真中面』の人格を使い分けることで姿や能力が変化します。
 ※『表』:容姿は糸色望。明るいドS。能力は糸色望並。
 ※『裏』:容姿は黒一色のスーツを着る風浦可符香。黒いドS。能力は「ニンジャ」。


※蟹座氏の闘争、及び人影の正体に関しては次の書き手氏に一任します。

2038貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/11(月) 04:26:51 ID:y2DFSrbE0
大暴投、ぶん投げてみました。
我らが萌えキャラには一滴の悪意もありません、断じて!

2039貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/11(月) 05:04:53 ID:QrOdIWQIC
なんという文章力、なんというサド展開……

2040貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/11(月) 05:22:45 ID:diohpRIo0
がんばれ蟹座氏!
そしてがんばれテイルズ・ニコ動軍団!
自分でも早すぎると思った脱出フラグが、
まさか彼らが召喚される一因となるとわ。

でもそれ以上に、ちょっと偉そうかなあとおもってた、
貴様らに名乗る名など無い!が採用されてて驚いていたりするw

2041貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/11(月) 08:51:30 ID:rmt8xbUEO
早過ぎて感想追い付かねえw

ただ一つ気になったんだが…MAPってループしてるんだっけ?
その場合エンジェルアームって自分の背中に当たるんじゃ…

2042貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/11(月) 08:57:14 ID:5JmUPHt60
貴様は俺のギャグネタを殺した!
いや冗談ですよ、8割ぐらいw

2043貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/11(月) 08:58:11 ID:1aApDhOw0
>>2041
さあ、後ろから自分の放ったエンジェルアームに撃ち抜かれるネタを書くんだ!w

2044仕事:2008/02/11(月) 09:20:37 ID:XD/lKt6M0
カタカタカタ……
カタカタカタ……、カタカタカタ……

暗く静かな部屋の中に、素早くキーボードを叩く音が鳴り続けている。
多種多様なアダルトグッズが並んだ店内の端で、一人の少女がノートPCの鍵盤を叩いていた。
少女――少女の姿をしている者の名は地球破壊爆弾No.V-7。そして、現在のその姿は長門有希であった。
ディスプレイから発せられる光で、白い顔をより白くしながら彼女は与えられた仕事をこなす――。


 ◆ ◆ ◆


 [V-7---]:作業は滞りなく終了した。情報は随時、そちらのサーバへと転送される。
 [R-0109]:ありがとうございます
 [R-0109]:いやぁすいません。参加者なのに、こんなこと頼んじゃって……
 [V-7---]:問題はない。好きでやっていること。感謝は受け取るが、負い目を感じる必要は無い。
 [R-0109]:ほんとありがとうございます
 [V-7---]:例え私が死亡した場合でも、システムは残留し情報の更新は行われる。
 [V-7---]:なので以後、私の安否を気遣う必要はない。あなたは運営に尽力してくれればよい。
 [R-0109]:さすがジェバンニ ……いや、地図氏w
 [V-7---]:作成した地図はこちらから直接他の参加者のもとへと転送しておく。
 [V-7---]:なので、あなたはその旨だけを放送で知らせておいてくれると助かる。
 [R-0109]:あーおkです。てか、そこまでしてもらうって運営側としてはwww
 [V-7---]:放送が近い。
 [R-0109]:ほんと感謝です。それじゃあ、ちょっと放送してくるんで
 [V-7---]:了解した。


 ◆ ◆ ◆


長門有希の姿をした地球破壊爆弾がキーボードからその白い指を離したのが05:58。
そして、その直後の06:00。予定通りに感電氏による第一回放送が流され始めた。

『皆さん、おはよーございます。
 人呼んで感電ラジオ、第一回チキチキ定時放送in書き手ロワイアル2nd〜ドンドンパフパフ。
 と、まーやっぱ朝といったら…………、

 …………実は君らに地図を支給するの忘れてたんだけどね。ジェバンニが一晩でやってくれました。
 皆さん右手をご覧くださーい。いまから転送しまーす。…………』

感電氏の発言に合わせて、彼女は手の中に投影した地図をそれぞれの参加者の元へと転送する。

地形を把握し地図を作り、更にはそれをそれぞれの参加者の元へと実体をもたせて転送。
そして、運営にはその参加者達の現在位置を送信する。――どちらも彼女にとっては簡単なことだった。
舞台に降り立ってより彼女の身体から放出され続けていた情報因子は、すでに舞台の隅々にまで満遍なく行き渡っており、
それにより彼女はこの舞台上のことを余すことなく把握することができる。

それが彼女の持つ――『地図』――という能力の真価。

2045仕事:2008/02/11(月) 09:20:57 ID:XD/lKt6M0
 ◆ ◆ ◆


サー、サー……
サー、サー……、サー……

霧雨の様な音を立てる柔らかいお湯の奔流に身を任せ、
ロリスキーは一人バスルームという密室の中で一回目の放送を聞いていた。

「(……最速の人も、ウッカリデスさんも無事だった)」

バスルームに入ってからその事に気付いたため、自分を攫った地球破壊爆弾に二人の安否を聞きそびれていたが、
とりあえずは彼らの名前、そしてマダオやDIE/SOULの名前が呼ばれなかったことに彼女は安堵した。
しかし……、

「(漫画ロワのみんな……、それに他のロワの人達も……)」

一度に呼ばれた参加者の名前は多かった。特に同郷の漫画ロワの書き手の名前が……。
その密度の高い熱血展開という燃料でエンジンを熱く燃やし爆速で邁進する漫画ロワ。
そこのロワで物語を綴る書き手もやはり同様だったのかと、ロリスキーは思う。
きっとみんな最初っからフルスロットルで燃え上がったのだろうと……、

「(……何もこんなところで生き急がなくたっていいのに)」

頭の上からかぶるシャワーの水とは別種の水滴が頬を垂れる。
パロロワの中でも、第一回の放送を迎えたところでロワというものを実感するキャラは少なくない。
そして自分はそんなタイプだとロリスキーは実感していた。
殺しあうということ、慣れ親しんだ仲間が失われること、誰かの命を奪うことを是とするものがいる現実。

――これがバトルロワイアルというものであること。


 ◆ ◆ ◆


ガチャリと音を立ててバスルームの扉が開き、そこより白い湯気が天井を伝って店内へと逃げ込んでくる。
続けて扉を潜ってくるのは、バスタオルを身体と頭にそれぞれ巻いたロリスキーだ。

「こなたー。わたしの地図濡れちゃったんだけど……って、何してるの?」
「んー? 感電ちゃんとメッセしてるー」
「こんな時まで、メッセかよ――ってぇぇぇッ! 何? なんて言ったアンタッ!」

大声を上げるロリスキーを背に、
再びその姿をこなたに戻した地球破壊爆弾は、キーボードを叩いて感電氏に別れを告げるとノートPCをパタンと閉じた。
閉じられたノートPCはまるで空気に溶けてゆくように消え去ってしまう。

「え? 何そのパソコン? 支給品じゃあないの?」
「いや、今のは能力だよ。かがみん☆」
「だから、かがみんでなくロリスキーって、……いや、ロリスキーもあれだからクールって呼べ」
「クーデレ? いやぁ、かがみんはクーデレではないでしょうw」
「だー! っもう! そんなことはどうでもいい。それより感電氏と通じてるってことは……つまり、あんたは……」

温かかったはずのロリスキーの身体に不安と共に寒気が走り、緊張が身体を強張らせる。

2046仕事:2008/02/11(月) 09:21:19 ID:XD/lKt6M0
「ジョーカー? って、別にそんなつもりはないけど……」
「で、でも、運営側と通じているってんでしょ?」
「運営ってか、感電ちゃんと、だね。黒幕さんとかについてはよく知らない。聞いて無いし」
「そ、そうなんだ。でもそれじゃあ、どういうポジションなの? よくわかんないんだけど……」

こなたの猫口が、ロリスキーの前でにやりと歪む。

「いやさー、ロワが始まってすぐに感電ちゃんからメッセが入ってサー。地図がないんですってw」
「な、何それ……」
「ちなみに、メッセは完結ラジオの時にアドレス貰ったんだけどねw
 今回は向うもなんだか突貫だったらしくて、支給品とかちゃんと用意できなかったみたい。
 んで、私に白羽の矢が立ったと言うわけだ☆」
「じゃあ、この地図はあんたが作ったの……?」

ロリスキーが、バスルームの中で水浸しになりクタっとへたっている地図を持ち上げる。

「そだよ。でもって、それをみんなのところに送ったのも私♪」
「送った……って、じゃあ他のみんなの位置も把握してるってわけっ?」
「まぁ、能力を使えばね。――ちょっと見てて」

一瞬。地球破壊爆弾の姿がぐにゃりと歪み、その次の瞬間に姿をこなたから長門へ変化させる。
そして、それに驚くロリスキーの前で手を振り中空に淡く光る地図を浮かばせた。

「これが、私――『地図氏』としてのもっとも基本的な能力」
「地図を作り……、更新する……、ちから……」

ロリスキーの目の前に浮かんだ地図には、つい先程彼女が貰ったものと同様の図が表されており、
更にはその上に各参加者の位置と生死の区別までが表示されている。
だが、彼女がそれに気付き記憶に留め様とする前に、地球破壊爆弾はそれを消してしまう。

「あの、ソレがあれば仲間のみんなを探しにいけるわよね?」
「推奨しない」
「どうして? あなた別にジョーカーじゃあ、ないんでしょう? だったら……」
「レーダーを持つという事は、それだけ抱える情報量が増すという事。
 情報量の増加は執筆難易度と正比例する。故に、レーダーや詳細名簿等のアイテムを易々と持つことは推奨できない」
「そういう問題なの!? 殺し合いをさせらてんのよっ。だったら、そんなこと……」

「それに……」と、地球破壊爆弾は呟き、その姿を再び長門からこなたへと戻す。

「――面白いじゃん☆ 誰が近くにいるのがわかんないほうがサw」


 ◆ ◆ ◆


「……あんたは一体、何者なの? こなた……いや、地球破壊爆弾」

バスルームより漏れてきていた熱気はすでに失われ、暗闇の中は再び冷気に包まれている。
そして、その中で対峙する二人の瞳にもそれぞれ別種の冷たい光が浮かんでいた。
片方には怖れ。もう片方には愉悦の……。

「ただの書き手ですが、なにか?」
「外ではそうかもしれないけど、この中じゃあそうじゃないでしょっ! バトロワなのよ!」

激昂するロリスキーの瞳に再び涙が浮かび上がる。

2047仕事:2008/02/11(月) 09:21:37 ID:XD/lKt6M0
「あんた強いから、だから平気なの? 殺し合いでも生き残られるって思ってるの?」
「んーいや、別に。たださぁ……、面白い方がいいなって」

対する地球破壊爆弾の顔に浮かぶのは、互いのギャップに対する僅かな動揺だ。

「わたしは面白くない。自分が死ぬのもみんなが死ぬのも面白くないっ!」
「……パロロワの書き手なのに?」
「そんなの関係ないっ。……書くのと、実際に殺し合うは全然違うもん――ッ!」
「まぁ、それはそうなんだけどねぇ……」

膝を折り、とうとう床の上で泣き始めたロリスキーに地球破壊爆弾はポリポリと頭を掻く。

「(……――書き手によって、『なりきり』の深度が違うんだなぁ。まぁ、この場合はかわいいからいいんだけど)」


 ◆ ◆ ◆


「……終わらせる方法ならあるよ」
「――へ?」
「このバトロワ。終わらせる方法なら――ある」

俯いていた顔を上げ、ロリスキーは泣きはらした眼をパチクリとさせる。

「感電氏とはメッセが繋がってるだけだし、地図があってもそれだけじゃ脱出フラグにはならないんだけど……」
「うん。それで……」

「私を殺せば――全部、終わるよ」

2048仕事:2008/02/11(月) 09:22:02 ID:XD/lKt6M0
 ◆ ◆ ◆


「どう……いう、意味? 実はあなたが黒幕だったの……?」
「ううん。それは違う。最初から話すから、ちゃんと聞いてね」

地球破壊爆弾は床の上に腰を下ろし、ロリスキーと視線の高さを合わせるとゆっくりとそれを語りだした――。

「そもそも、私に『地球破壊爆弾No.V-7』って名前をつけたのは私自身なんだ」
「え、と……。じゃあ?」
「うんw 1stの書き手紹介は私が書いたんだよ……w
 いや、ほら。2ndが十傑集じゃん。だったら、GRファンの私としては、ねぇ……w
 でー……、1stの書き手を九大天王に当てはめていったんだけど、地球破壊爆弾ってのは『いない』んだよ」
「……え? どういう意味なの。それって……?」
「本来、私こと地図氏のところに当てはまる元キャラの名前は――『ディック牧』」
「全然……違う」
「まぁねw でも、彼の出展元が『地球ナンバーV-7』だから、全然って訳でもないんだけどねw」
「それは解ったけど、でもそれに何の意味があるの?」

地球破壊爆弾はコホンと咳払いをすると、こなたの顔に神妙な顔を浮かべる。

「私も、私以外の書き手達も、そして感電氏も――書き手ロワ2ndにはいくらか懐疑的な部分があった。
 それは、やっぱり今回もすぐに過疎化してしまうんじゃないかってこと」
「うん。それは私にもわかる。あくまで設立はその時のノリだもんね」
「だから、私達は密かにそうなった時のための最終手段を用意しておくことにしたんだよ」
「そ、それって、もしかして――」

そう。それが――『地球破壊爆弾』

「……地球破壊爆弾と名前をつけた私には、それに変身する能力が持たされている。
 その状態の私を殺せば、私はその姿通りの威力を発揮し――このロワを終わらせることができる」


 ◆ ◆ ◆


「――爆破オチじゃないッ!!」

地球破壊爆弾の衝撃的?な告白に、ロリスキーはつっこみながら立ち上がっていた。
巻いていたバスタオルがズレかけるが、それはすんでのところで抑えられる。

「いや、最初に言ったじゃん。終わらせる方法だって――」

ロリスキーの足元、正座の姿勢で畏まっている地球破壊爆弾の姿は母親に叱られている子供の姿に近い。

「つか誰よ! そんなふざけた解決案を考え付いたヤツはッ! 私達ってことは他にもいるんでしょう!?」
「んまー、基本的には私なんだけどw 後は、感電氏と……したらば孔明ちゃんも知ってるよw」
「あんたらねー……」
「怒らないで! かがみんっ☆」
「かがみん☆ じゃなーい!!」

――――(〓ω〓.;)

2049仕事:2008/02/11(月) 09:22:26 ID:XD/lKt6M0
 ◆ ◆ ◆


「――で、これからどうするのよ。あなたは」

色とりどりの衣装が織り成すジャングルの中を、ロリスキーと地球破壊爆弾は探索している。
互いに着せる衣装を探しあうためだ。
オーソドックスにセーラー服か? バニーちゃんか? はたまたもっとマニアックなものにか?
それ以前に、両者ともに全くの全裸であるために下着選びから始めなくてはならない。
勿論、『履いてない』を選ぶのも一つの選択だ。

「いやまぁ、普通にロワを楽しみたいと思いますが……」
「……対主催よね?」
「え? いや、どちらかというとマーダーでいたいなー……なんてw」
「……対主催よね?」

綿素材の女児用ショーツを手に取っている地球破壊爆弾に、以前の様な主人としての威厳は全く無い。

「はい。地球破壊爆弾は対主催キャラです……;;」

片や、随分とデザインに凝ったシルクの紐パンを持つロリスキーの方が、今は主人に見える。


 ◆ ◆ ◆


「つーかさ。そもそもなんであんたは私を下僕にしたのよ。マーダー路線だったんでしょう?」

姿見の前に地球破壊爆弾を立たせ、着せ替え人形にしながらロリスキーはそんなことを尋ねる。

「えぇ? んまぁ、半分はその場のノリだけど……」
「半分はノリで……、もう半分は?」

一枚のショーツを地球破壊爆弾の足から抜き、用意しておいた別の一枚を履かせながらロリスキーは続きを促す。

「……殺されるんだったら、かがみんがいいなぁ……って」

地球破壊爆弾はロリスキーにされるがまま、両手だけを胸の前でいじいじさせながらそんな風に答える。

「あんた殺したら。次の瞬間にはあたしも死んでるんだけど――?」
「無理心中でロワ完結って……斬新じゃない?w」
「それでいーのか、おまえは」

ポカリと頭を叩き、地球破壊爆弾のアホ毛をへこませるとロリスキーはさらにもう一枚へと手をのばす。

「ともかく! 私は死ぬ気ないし。あんたもおかしなこと考えないことっ!」
「はーい……」

2050仕事:2008/02/11(月) 09:22:51 ID:XD/lKt6M0
 ◆ ◆ ◆


「かがみーん、コレはちょっと動きづらいんだけどー……」

ロリスキーが地球破壊爆弾(こなた)に選んだ衣装は一言で言うと少女趣味。もっと解りやすく言うと『真紅』だった。
真っ赤で目一杯のフリルがついたヘッドドレスを頭の上に乗せ、長い髪をモデル通りに結わえている。
そして、首元には深緑色の大きなリボンを、凝った意匠の割られたらブチ切れそうなブローチで止めている。
ヘッドドレスと同じ紅色のスカートは何重ものペチコートで、これでもかというほど膨らまされていた。
足元は真っ白なハイソックスと、少し固めに作られた先端が丸くてかわいいローファーである。

「あたしには、あんたの趣味の方がよく解らないんだけど……」

地球破壊爆弾がロリスキー(かがみん☆)に選んだ衣装は、いわゆる男装。簡単に言うと『不死身の村雨健二』だった。
スタンダードな白いカッターシャツに、闇色をした上下のスーツ。暗い臙脂色のネクタイにそれを止めるピン。
何よりも特徴的なのが、ピンクというありえない色をしたトレンチコートと揃いの中折れ帽子。
足元はソックスに男性用の革靴。ちなみに下着はちゃんと女性用のものを身に着けています。

……ともかくとして、放送より2時間ほど女同士で楽しんでいた二人はようやく出発の用意を終えたのであった。

「……で、結局。地図の投影はしてくれないの?」
「それだけは勘弁してよ、かがみん☆
 前回でもそうだったんだけどさ。アレはほんとにやっかいな能力だったんだ。使わない方がいいって」
「じゃあ、一日に一回。それで妥協するわ」
「うーん。それぐらいならいいかな……? じゃあ、次は今晩の0時ってことで」

こうして二人は闇が溜まっている地下より這い出し、陽光の元へと上がった。
太陽は吸血鬼に取っては弱点となるが、地球破壊爆弾にとっては嫌いなだけで大きな問題はない。そして――、

「絶対、日焼け止めクリーム忘れちゃだめだよ。焼け死んじゃうからね」
「わかってるって。……ったく、面倒な身体になったわ」

――普通の吸血鬼であるロリスキーにとっても、なんとか大丈夫らしい。



【早朝】【E-6/市街地】

【地球破壊爆弾No.V-7@アニロワ1st】
【状態】:(〓ω〓.)、つやつやの元気100倍☆
【装備】:『真紅』の衣装
【道具】:支給品一式、着替え用の衣装(複数)、アダルトグッズ(大量)、未定支給品×1(本人確認)
【思考】:
 基本:とりあえずは、こなた&かがみという方向で……
 1:ファミレスに戻る
 2:お腹が減ったら、かがみんから血を吸う
 3:かがみん用の血を探す(他の参加者か、輸血用血液)

 ※基本的に中身はアーカードで、CVは平野綾です
 ※変化する姿に7つのバリエーションがあるらしいです。
 【1:地球破壊爆弾】【2:アーカード】【3:長門有希】【4:泉こなた】
 【5:銃撃女ラジカル・レヴィさん】【6:?不明?】【7:?不明?】
 ※クーガーの早口台詞が言えます!
 ※鎖鎌、鳳凰寺風の剣、ソード・カトラス、ノートPCの投影が可能です。
 【スーパーキョンタイム】
 地図氏以外の者はゆっくりとしか動けなくなります。一度使うとそれなりの時間使用不可能です。
 【地図氏の地図】
 参加者の位置、生死を含めた地図を投影できます。※長門有希の状態でのみ可能。
 使いすぎるとアレなので、毎晩0時にのみ使うことにします。


【クールなロリスキー@漫画ロワ】
【状態】:不死者、吸血鬼、疲労(中)
【装備】:『村雨健二』の衣装
【道具】:支給品一式、着替え用の衣装(複数)、日焼け止めクリーム(大量)、未定支給品×?(本人確認)
【思考】:
 基本:脱出か対主催!
 1:とりあえずレストランまで戻るわよ!
 2:仲間と合流したら今後のプランを練るわ

 ※容姿は柊かがみ@らき☆すたです
 ※何故か不死身です
 ※ギャルゲロワ版最速の人に心惹かれています
 ※地球破壊爆弾No.V-7に血を吸われ、彼女の下僕になりました

2051仕事:2008/02/11(月) 09:24:56 ID:XD/lKt6M0
投下終了-☆w

2052仕事:2008/02/11(月) 09:40:48 ID:XD/lKt6M0
あ、状態表間違えてた。【早朝】ではなく【午前】です。

2053貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/11(月) 09:44:57 ID:5JmUPHt60
まさか本人ですかー!?
というか
>……――書き手によって、『なりきり』の深度が違うんだなぁ。
一番なりきってるのはアンタじゃないのかwww

2054貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/11(月) 10:02:08 ID:cERM6Zz.0
投下乙!またしても本人光臨w
なんというこなた×かがみ。
どこのロワでも成立しなかった取り合わせが好き放題展開している……。
GJというしかない。

2055貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/11(月) 10:10:22 ID:s8/SQX5w0
おいこらちょっと待てwwww
カミングアウトにも程があるぞwww

2056貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/11(月) 11:03:43 ID:7bW2/LI60
感想が追いつかないw

>>2038
本当に悪意はないのかと小一時間(ry
ヤバいな、Lv……5になったら惨劇の引き金になることを、この時誰も知らなかっただろうw

>>2051
らきすた勢満喫してるなw
それにしてもこのペースだと過疎にはならないような気がして恐ろしいw

2057貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/11(月) 12:00:49 ID:9iZt.XAMC
あ、ありのまま起こったことを話すぜ!
昨晩、適当ぶっこいてでっちあげたキバヤシ考察が本当になっていた…!
嘘から出た真とか、ゴルゴムの仕業だとか、そんなチャチなもんじゃあ断じてねえ、もっと恐ろしい地図氏の片鱗を味わったぜ…!
GJ!

2058杉田は杉田であって杉田以外の何者でもない:2008/02/11(月) 12:10:40 ID:lF8jnlLc0
アイディアが思い浮かんだので、自己リレーしちまいました。

「おねがい…。やめて…。」
半裸の少女は、その褐色の肌を恐怖で震わせる。
「やめて、だと?さんざん俺のこと挑発しておいて、今更何言ってやがる。」
少女の哀願も、その体を押さえつける男には届かない。
「いや…。私、そんなつもりじゃ…。」
「往生際が悪いんだよ。おとなしくしてな。そうすりゃ、すぐに終わる。」
そう言いながら、男は少女の肌に手を伸ばし…。


「待てーい!」

ここは町中にある平凡な本屋、「倉田書店」。その店内に、意外な影丸?のつっこみボイスが響き渡る。

「今から戦闘開始って流れだったはずだろ!何でまた官能小説読み始めてるんだよ!
あれか?前回ちょっとウケたもんだから調子に乗ってんのか?」

一気にまくし立てる影丸?。それに対しつっこまれた相手であるエロ師匠は、官能小説を
片手に持ったまま不敵に笑う。

「気にするな。これはハンデだ。仮に君の身体能力がキョンくんに準拠したものだとすると、
私との戦闘力の差は天と地ほどもあるからな。」
「NARUTOのカカシ先生か、あんたは!」
「君にはおあつらえ向きのシチュエーションではないのかね?意外性ナンバー1忍者くん。」
「俺は意外な影丸?だってばよ!…って、だからあんたと遊んでる場合じゃないんだよ!」

これ以上時間を浪費するわけにはいかないと判断し、影丸はドラゴンキラーをかざして
(今度は物理的な意味で)つっこむ。しかしエロ師匠は片手で軽々とサンライトハートを
振るい、その攻撃をはじいた。

「くっ!」

バランスを崩した影丸?に、エロ師匠の追撃。右足での蹴りが、影丸?の腹部にめり込む。
影丸?の体がくの字に折れたところで、官能小説を持ったまま彼の頭を抱え込むようにし、
顔面へ膝蹴り。床に倒れ込んだ影丸?の左腕を、めいっぱい体重を乗せて踏みつける。

「ぐああああ!!」

ボキリ、という音が影丸?の脳に届く。当然ながら、それは彼の腕の骨が折れた音だ。

2059杉田は杉田であって杉田以外の何者でもない:2008/02/11(月) 12:12:23 ID:lF8jnlLc0
「まずは左腕…。さあ、次はどこを攻めてほしい?」
「ふざけんな!」

倒れたまま、ドラゴンキラーを振るう影丸?。だがその攻撃はあっさりと回避され、
刃はむなしく空を切る。

「やれやれ…。この年頃の男の子は、元気がよすぎて少々扱いに困る。」

余裕の表情を浮かべながら、エロ師匠は影丸?の右脚にサンライトハートを突き刺す。

「がああああ!!」

再び店内に響く、苦悶の声。切断はされていないが、この傷では歩くのも困難であろう。

「右脚ももらった…。そろそろ諦めたらどうだい?こっちも、この後に備えて無駄な体力は
使いたくないのでね。」
「まだまだ…。元気いっぱいだぜ。」

痛みに顔を歪めながらも、本棚にしがみついて影丸?は立ち上がる。

「ふう…。元気なのは結構だが、それを無駄に使うのは感心しないな。素直に私に従っていれば、
痛い目に遭うこともなく楽しめたというのに…。ハルヒにいじめられているうちに、Mに目覚めたのかい?」
「だから俺は、キョンじゃねえっての…。」

苦痛に耐えながら、影丸?は口を動かす。

「そう、俺はキョンじゃねえ…。だが、キョンの姿を与えられた以上、あんたみたいな奴
には従えない…。」
「どういうことだ?」
「俺はアニロワの書き手なんで、畑違いの話になるが…。ニコロワでは、キョンは
性犯罪者の手にかかって命を落としたそうだ…。ならば、同じ無念をこの体に味わわせる
わけにはいかない。あんたみたいな性犯罪者に屈するわけにはいかない!」

小さくも、力強い声で宣言する影丸?。その言葉に、エロ師匠は笑みを浮かべる。

「ブラボー。おお、ブラボー!君の信念、しっかりと聞かせてもらった。その信念を
快楽で溶かし尽くす様を想像すると、それだけでゾクゾクしてくるよ!」

サンライトハートを影丸に向け、エロ師匠は突撃する。その攻撃を、影丸?は何とか
ドラゴンキラーで受け止めた。だが、片足が使用不能では踏ん張りが効かない。
勢いそのままに吹っ飛ばされ、壁際の本棚に激突する。その衝撃で一冊の漫画……
「銀魂」の一巻が本棚から落ち、影丸?の脳天に直撃した。

2060杉田は杉田であって杉田以外の何者でもない:2008/02/11(月) 12:14:08 ID:lF8jnlLc0
(影丸……影丸よ……。)
(誰だ…。俺を呼ぶのは…。)

影丸?は、いつの間にか閉じていた目を開けた。そこは先ほどまでいたはずの本屋ではなく、
真っ暗闇の謎の空間だった。そして目の前には、死んだ魚のような目をした銀髪の男が
立っている。

「気が付いたか、影丸よ。私はおまえが持つ斬魄刀、ドラゴンキラーの具現化した姿…。」
「嘘つけぇ!これ、斬魄刀じゃないから!つうかあんた、どう見ても銀さんじゃねえか!」
「ああ、嘘だ。」
「あっさり認めちゃったよ、この人は!」
「だが、銀さんでもない。」
「どういうことだ?」

銀さんにしか見えない目の前の男の言葉に、影丸?は首をかしげる。

「おまえもキョンの姿をしているが、キョン本人じゃないだろ?俺も同じことだ。」
「つまり、銀さんの姿になった参加者ってことか?」
「そうだ、俺は漫画ロワの書き手、人呼んでネクストコナンズヒント「蝶ネクタイ」だ。」
「いやいや、長すぎるだろその名前!テストで名前書くとき記名欄に入りきらない…。」
「そのネタはもう俺がやったわー!っていうか、さっきから会話続きすぎ!
いい加減、地の文入れないとベテランの書き手さんに怒られるから!」
「そんなメタフィクション的事情、知るかー!」

影丸?くんはああ言ってますが、とりあえずここらでちょっと一息。

「で?そのネ(略)さんが俺に何の用なんだ?」
「いや、それいくらなんでも略しすぎ!略語大好きの今時の若者でもそこまで略さんわ!」
「いいから、答えろ。」
「ああもう、しょうがねえなあ…。」

ネ(略)は不満そうな表情をしつつも、影丸?の問いに答える。

「単刀直入に言うとだな。おまえに力を貸しに来た。」
「俺に?そりゃあありがたいが、なんで縁もゆかりもない俺なんかに?」
「俺もあの女…エロ師匠の被害者だからだ。というのは建前で、ぶっちゃけ中の人つながりだ。」
「おいぃぃぃぃぃ!!それぶっちゃけすぎだろぉぉぉぉぉ!!」
「いや、それこっちサイドのつっこみスタイルだから!声かぶってる上にキャラまで
かぶったら、もうわけわかんないから!っていうか、また会話続きすぎだから!」

なんかもう、収集つかなくなってきたなあ…。

「愚痴るな、地の文!っていうか書き手!とにかく!俺がおまえに力貸してやるから!
いいな!」

やけ気味に叫ぶと、ネ(略)の姿は闇に溶けていった。

2061杉田は杉田であって杉田以外の何者でもない:2008/02/11(月) 12:15:19 ID:lF8jnlLc0
影丸?が気がつくと、そこは元の本屋だった。

(何だったんだ、今のは…。白昼夢?)

状況を飲み込めず、呆然とする影丸?。そんな彼に、エロ師匠がゆっくりと歩み寄る。

「さて、残っているのは右腕と左脚だが…。どっちを先に攻められたい?」
「はっ…。どっちも御免だ。」
「そうか…。君の意見を尊重しようと思ったが、そう言うのならこっちで勝手に決めさせてもらう。右腕だ!」

サンライトハートの穂先を影丸?の右腕にロックオンし、エロ師匠が攻撃に移ろうとする。
だがそのとき、突如としてガラスが割れる音と共に、店内に何かが飛び込んできた。

「何だ!?」

思わず構えを解いたエロ師匠の上を、何故か蝶ネクタイが飛んでいく。それはCG加工のような変形を見せ、
コウモリをデフォルメしてさらに機械化したような姿になった。

「よう、影丸。約束通り助けに来たぜ〜。」
「その声は…。俺!」

影丸のリアクションに、コウモリは空中でずっこけるような仕草を見せる。

「違〜う!けどまあいい。早速、ガブッといくぜ!」

コウモリは口を開け、影丸?の左手の指に噛みつく。その瞬間、影丸?の体は光に包まれた。

「これは…。」

やがて光が消え、そこに現れた姿にエロ師匠は目を見張る。それはすでにキョンの姿ではない。
キョンや銀さんと同じ声を持つ熱血青年が操縦したことのある、紺色のロボットがそこにいた。

「……ガンダム?」
「違ぁぁぁぁぁう!!」

2062杉田は杉田であって杉田以外の何者でもない:2008/02/11(月) 12:17:03 ID:lF8jnlLc0
【朝】【F-4 本屋】
【エロ師匠@漫画ロワ】
【装備:サンライトハート(後期型)@武装練金 カードデッキ(ゾルダ)@ライダーロワ 官能小説】
【所持品:支給品一式×2、マジックペン@文房具、不明支給品×2人分】
【状態:健康、興奮状態(性的な意味で)、お肌ツヤツヤ、パワーアップ?】
【思考・行動】
1:影丸?を食べちゃう。もちろん、性的な意味で。
2:エロスを楽しむ。ほどほどになんてしない。エロスでどんどんパワーアップ!
3:この殺し合いの舞台を利用して、LSのボマーを倒す。できれば自分の手で倒す。
4:そのための戦力強化を図る。主に、同盟相手の模索&他人の支給品強奪で
5:バイセクシャルとはスペック高いぞ、仮面ライダー書き手!!
※外見と声は銀髪銀眼の津村斗貴子(エロ度200%増)です。無駄にエロいです。何でもエロくします。
※サンライトハート(後期型)は支給品ではなく自前です。核鉄として心臓の代わりも兼ねています。
※エロスで本当にパワーアップできるのかどうかは不明です。強くなった気がするだけなのかもしれません。
※カードデッキだけはなぜか九分五十五秒しか変身できません。
※服に若干の返り血

【意外な影丸?@アニロワ1st】
【装備】:ドラゴンキラー−1(呪)@トルネコの大冒険、キバットバット3世(特殊仕様)@仮面ライダーキバ
【道具】:ドライフラワー、ドライヤー、ドライバー、小説「涼宮ハルヒの憂鬱」
【所持品】:支給品一式
【状態】:かすかな擦り傷。あご打撲。左腕骨折。右脚に裂傷。(以上は変身によって、一時的に回復。変身を解除すると元に戻る。)
ヒュッケバインMk-II(等身大)に変身中。
【思考・行動】
基本:何でもいいから空気になるのだけは防ぐ。
1:目の前の痴女(エロ師匠)をどうにかして、鬼軍曹たちと合流。
2:ステルスマーダー…。まあ、今のところは保留で。
【備考】
※容姿はキョン@涼宮ハルヒの憂鬱です。
※ネ(略)と会話している間、現実世界ではほとんど時間は経過していません。

※キバットバット3世(特殊仕様)
ネクストコナンズヒント『蝶ネクタイ』の残留思念が、彼が身につけていた蝶ネクタイに
憑依した姿。杉田ボイスを持つ者のみ使用可能。ヒュッケバインMk-II以外の姿にも変身
出来るかもしれないし、出来ないかもしれない。変身の制限時間はなく、任意で解除可能。
ただし、一度解除すると2時間以上間隔を空けないと再変身できない。

以上です。
暴走しすぎですか、そうですか。

2063貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/11(月) 12:24:14 ID:mQcmMS060
ここでキバが来るとは思わなかったぜ!

GJ!

2064書き手の誓い:2008/02/11(月) 20:05:39 ID:bgW0rBQY0


放送の前、シャワーで身体の汚れ&心の穢れを綺麗にしようとしている二人の男がいた。
忘却のウッカリデスとギャルゲロワ版最速の人である。
二人はファミレスの隣に建っていた空き家にこっそり侵入すると、
そこに備えてあった簡易シャワー室を見つけ大喜びで身体を洗い始めていた。
体中に付着したドレッシングや白い粘々は、微妙に固まり始めている。
置いてあったヘチマで身体を丹念に擦る仮面の男二人。

「「共○美容外科〜♪○立美容外科〜♪」」

鼻歌交じりで腰をくねくね動かすあたり、本当に気持ちいいんだろう。
というか、ウッカリデスは仮面の下が蒸れたりしないのだろうか?
それと最速の人も、腕折れてたり身体傷だらけなんじゃないのか?
そんな問題など無視して、二人はヘチマを上半身から股間の付け根(ry
(シャワーシーンは省きました。各々適当に脳内補完して下さい。)


シャワーを済ませた二人は、その間に掛けておいた洗濯機の前に立つ。
最近の洗濯機は便利なようで、感想機能まで付いている。
とは言え、ウッカリデスの服までは乾いていない。
すぐに装着しても平気そうなのは、下着だけのようだ。
最速の人は褌を、ウッカリデスはボクサーパンツを股間にあわせる。
とりあえず洗濯が終わる頃またこっちに来る事にして、二人はファミレスへと足を向けた。
一応書置きは残してきたが、店内を見る限り意味はなかったようだ。

「それにしても、二人とも遅いですね。」
「ええ、出来れば早めにロリスキーさんを助けに行きたいんですが。」

ちなみに、ミスターマダオも神行太保のDIE/SOULも死亡するとは思っていない。
あの二人が出て行く際の雰囲気を見る限り、殺し合いまではハッテンしないと踏んだからだ。
何となく暇だった二人は、世間話をしつつファミレスの掃除をし始めた。
床をモップで磨きながら、他愛も無いおしゃべりを続ける。

「では、アニロワ2ndもいよいよ二日目突入という事ですか。」
「ええ。色々ありましたが、これも他の書き手さん方や、アニロワ2ndの住人達みんな協力があったからですね。」
「なるほど。確かにリレー企画でそれは絶対不可欠な事だ。」
「だから、この殺し合いでも俺は絶対みんなと協力して、生きてアニロワ2ndに帰るんだって……決めたんです。」
「ウッカリデス君……」

だが、そんな決意を揺るがすように、第一回目の放送は無常にも流れ始める。
あまりに多すぎる戦線離脱者。
自ロワで経験していたが、自らが体験する事で、それがどれだけ重いものか実感した。
顔を下にして拳を震わすウッカリデスの肩に、最速の人はそっと手を添える。

「ウッカリデス君。」
「最速の人さん……」
「確かに死んでしまった書き手を悔いる気持ちは分かる。だが、君は決めたのだろう?」
「そう……ですね。」

きっとまだまだ離脱者は増えるだろう。ならば、自分に出来る事は何だろうか。
ウッカリデスは、嘆きの淵から力強く這い上がる。
立ち止まる余裕なんてない。殺し合いはまだ続いているのだから。

2065書き手の誓い:2008/02/11(月) 20:05:55 ID:bgW0rBQY0

「何だあれは!!」

最速の人の声に、ウッカリデスは顔を上げる。
呆然とする最速の人の視線の先には、遠目でも分かるくらい巨大なハンマーを担いだ男がいた。
彼の名は承。本心とは裏腹に、殺し合いに乗ってしまったスパロワの書き手だ。
その姿は時間が経過するごとにどんどん大きくなっている。
いや、大きくなっているのではない。近付いてきているのだ。
もしあのハンマーで叩かれたら、二人の身体は一瞬で光となってしまうだろう。

「馬鹿な!こちらに突っ込んで来るつもりか!」
「そんな!」

ファミレスで待機していた二人目掛けて、巨大なハンマーを抱えた承太郎が猛スピードで近付いてくる。
あの目は殺ル気満々の目だと、二人は即効で認識した。
もちろん迫り来る当の本人は殺し合いに乗ってなどいないのだが、それを伝える術は無い。

「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオナラオラオラオラオラオラァ!!」

しかも、巨大化した承太郎がその背後にぴったりくっついている。
なんか変な単語が混じっていた気がするが、オラオラするつもりなのは間違いないようだ。
ゴルディオンハンマーでオラオラなど、誰が耐えられるだろう。
ウッカリデスの仮面なら防げるだろうが、万が一仮面以外に当たってしまったら即死だ。
最速の人なんて、どこが当たっても死ぬ。
なのに、最速の人はファミレスから褌一丁で飛び出していく。

「な、何してるんですか!?」
「前も言っただろう?私は『死亡フラグ』を集めていると……あの男は私が誘導する。君はここで待っていてくれ。」
「無茶ですよ!そんな体で囮だなんて!」
「……見たいのさ。」
「え?」
「君がその意志を貫いて、対主催の要になる所を。一人の書き手としてね。」

一度だけ振り返り、最速の人は白い歯を見せて笑う。
例え足が震えていても、身体がボロボロでも、瞳だけは揺らぐ事は無かった。
ならば、こちらもそれに気付かぬフリで答えるしかない。

「分かりました。その代わり、絶対戻ってきてくださいよ。死んだら見せられませんからね。」
「大丈夫。伊達に24時間戦ったりしてないさ。」
「次の放送まで待ってます。それが駄目だったら、その次の放送の時またここで」
「ああ!それじゃあ!」

ファミレスから飛び出すと、最速の人は左手を大きく振って存在をアピールした。
これに気付いた承は、方向をわずかに変えて最速の人に狙いを定める。

「オラオラオラオラオナラオラオラオラオラオラオナラオラオラオラオラオラァ!!」

爆走してくる巨体。
完全に意識がこちら向いたのを確認して、最速の人は走り出す。
ウッカリデスも自分も生き残るため、出来る限り遠くを目指して。
去っていった二つの影を、ウッカリデスはしっかりと見送った。
最速の人は戻ってくる。例えどれだけ死亡フラグを積み重ねたとしても。
そのために、自分がするべきことはたくさんある。

「ロリスキーさんを助ける。仲間を集める。両方こなす事こそが、僕の仕事だ」

2066書き手の誓い:2008/02/11(月) 20:07:36 ID:bgW0rBQY0
【午前】【E-7 大通り】
【承@スパロワ】
【装備】:スタンド『ビッグ承』(ゴルディオンハンマー装備)
【所持品】:支給品一式、了承@フリーソフト、他不明
【状態】:健康
【思考・行動】
1:殺し合い? 了承(1秒)
2:うおぉぉぉぉ、殺し合いなんて嫌だー!(本心)
※外見はBIG−Oのロジャー・スミス
※スタンド『ビッグ承』がスタンド『スタープラチナ』を使えるかどうかは不明です。


【ギャルゲロワ版最速の人@ギャルゲロワ】
【状態】:全身に打ち身、所々に切り傷、右手骨折、肋骨にひび、股間はさっぱり
【装備】:なし、褌一丁
【道具】:支給品一式
【思考】:
1:絶対に逃げ切る!
2:次の放送が始まるまで、ファミレスに戻る。駄目ならその次で。
3:そう言えば、今どれくらい死亡フラグ溜まってましたっけ?

※容姿はハクオロ@うたわれるものです。
※違う意味で最速です(向こう岸が見えるくらい果ててます)
※マダオの吐息に股間が反応しまくりです
※もしマダオとあんなことできるかと思うと……
※次の放送の時に【E-7 ファミレス】に戻る予定。無理なら次の放送で。



【午前】【F-6 ファミレス店内】
【忘却のウッカリデス@アニロワ2nd】
【状態】:首を捻挫、腰痛、
【装備】:ゼロの仮面(蝶高性能)@アニロワ2nd
【道具】:なし
【思考】:
1:ロリスキーを助け、仲間を集める
2:マダオ氏の帰りを待とう
3:最速の人との誓いを守る

※ロリスキーを見ると、胸が高鳴ります
※ロ、ロリスキーのを……見てしまった……
※次の放送の時には【E-7 ファミレス】にいる予定。無理なら次の放送の時に戻る。
【ゼロの仮面(蝶高性能)@アニロワ2nd】
銃弾から魔法、科学兵器、核に至るまであらゆる攻撃を防いでしまう恐ろしい仮面。
ただし、守られるのはあくまで仮面に覆われた部分(頭部)のみ。
視界は蝶良好で窒息の恐れもなし、ただし一度被ると死ぬまで外す事ができない。

2067貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/11(月) 20:08:58 ID:bgW0rBQY0
最近熱血展開が続いたせいか、気付けば俺も影響受けてたぜ。
という事で投下終了。

2068貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/11(月) 20:42:23 ID:rmt8xbUEO
投下乙です。
まあ聖上だしなあ、女子高生に会わない限りは死なないだろうなぁ…

2069貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/11(月) 21:02:32 ID:mQcmMS060
GJ!
オラオラに混じって別のものが入ってる下りで腹筋が光になったw

2070貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/11(月) 21:29:17 ID:oX91pxNw0
投下します。

「はぁはぁ…ここまでくれば大丈夫だろ」
全力疾走を続けた結果、THE FIRSTは市街地の端まで辿り着いた。
途中、何度か後ろを確認しながらの逃避行だったが幸いなことに彼の後を追いかける者は居なかった。
先程の紳士風な男、そして不良学生風の巨大兵器。
いずれも彼の持つ知識に該当する物は無く、困惑は深まるばかり。
「いくら仮面ライダーでもあんな化け物を相手にすんのは無理だろ!」
悲痛な叫びが市街地に木霊する。
「しかしこいつを着けたまま走るのは骨が折れたぜ…。」
鯛焼き名人アルティメットフォームを脱ぎ捨てると一筋の汗が頬を伝った。
ようやく色々な物から開放され、一息つくかと思いきや…彼は思わず途方に暮れてしゃがみこんでしまった。
鯛焼きによるステルスマーダー化を目論んでいたTHE FIRST。
傍から見ればギャグにしか思えないその一挙一動も、本人は至って真剣。
本気でこのロワを制する気でいたのだから救えな・・・・・・いや、今回の一件は災難であった。
なにしろ数時間かけて作った鯛焼きは全滅、屋台も全壊してしまった。
あの衝撃では再興は不可能だろう。
「チクショー!あのオッサン、次に会ったら容赦しねぇ!!この俺の鯛焼きで地獄に…」
言いかけたところで気が付いた。
「…もう鯛焼き焼けねーじゃん」
今、自分のもとに有るのは鯛焼き名人のみ。
当然これだけでは鯛焼きを焼くことは出来ない。
材料も無ければ屋台も無い。
THE FIRSTから鯛焼きを取ったら最早何も残らないのである。
「それは言い過ぎだろ、オイ!俺だってなぁ、鯛焼きが無くても何とか・・・」
またしても言いかけて気が付く。
脳裏に浮かぶのは先程の男の姿。
もう1秒遅ければ間違いなく命を落としていただろう、紛れも無い生死のやりとり。
彼がライダーロワで何度も描いた話そのものであった。

2071貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/11(月) 21:29:46 ID:oX91pxNw0
あんな男達がここには沢山居る。
躊躇い無く人を殺す連中で溢れ返っているだろう。
「お、俺には無理だ…。あんな奴等を倒せる気がしない…!」
先程の啖呵はどこへやら、速攻ヘタレるTHE FIRST。
しゃがみこんで肩を落とすその姿は余りにも頼りない。
「最初から分かってたんだよ・・・俺みたいな奴が生き残るなんて絶対無理。」
自身の情けなさから来るものなのか、それとも別の要因なのかは分からない。
THE FIRSTは泣いていた。
嗚咽交じりの泣き声は静かな市街地に寂しく響き、滴る涙が無機質な道を濡らす。
「他のライダーロワ書き手を蹴落として勝ち残る覚悟も無ければ、人間を殺す覚悟も無い、ただ殺す殺すって息巻いてただけだ…グスッ」
何が有っても生き延びたいと思った。
彼が生んだ最狂のステルスマーダー、安達明日夢のように。
明日夢を生んだ自分ならば殺し合いの場においても躊躇いなく殺し合いに参加出来ると思った。
しかし彼は明日夢とは違う。
狂ってもいなければ、殺し合いをする理由も無い。
「自分は殺し合いに乗る!」と高らかに叫ばなければ、この空気に呑まれてしまいそうで怖かった。
平静を保つにはバカに振舞うしかなく、明るい自分を演出しなければいつしか心を闇に支配されてしまいそうで…怖かった。
彼は明日夢よりずっと臆病で、根性無しである。
それ故、必死だった。
藁にもすがる思いで鯛焼きを焼き続けた。
その結果がアレでは報われない。

2072貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/11(月) 21:30:03 ID:oX91pxNw0
「これからどうするかなぁ」
大きな溜息を吐き出し、目尻に浮かんだ涙を腕で拭った。
これから何をすべきか…サッパリ何も浮かんでこない。
鯛焼きという心の支えがあったからここまでやってこれたのだ。
どうしようも無くなり、途方に暮れているTHE FIRST。
そこに彼自身も馴染みのある「アレ」が辺り一帯に響き渡った。


あーたーらしーい あーさがきた きーぼうのあーさーだ♪


「皆さん、おはよーございます。
 人呼んで感電ラジオ、第一回チキチキ定時放送in書き手ロワイアル2nd〜ドンドンパフパフ。
 と、まーやっぱ朝といったらラジオ体操だよね。そーゆーわけで流してみました。さわりだけ。
 さーて、皆さん殺し合いで忙しいだろうから、手短に業務連絡いくよー。
 では死者の発表デース。 ・・・」

先程までのTHE FIRSTもビックリな明るい男の声が定時放送の始まりを告げる。
そこで耳にしたのは驚愕の事実。
彼の同郷、ライダーロワの書き手が2人死亡した。
「…マジかよ…。」
呆気に取られているのも束の間、禁止エリアの指定も行われていたため、慌ててメモを取る。
生きたいという切なる思いも混じっているのだろうが、彼はパロロワに慣れ親しんでいる。
やはり条件反射というのが大きいのかもしれない。

2073貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/11(月) 21:30:23 ID:oX91pxNw0
やがて放送は終わりを告げ、再び辺りは静寂を取り戻した。
「ライダーロワの書き手だけじゃない…総勢24名だぞ?殺し合いに乗った奴は沢山居るってことだ・・・。」
優勝など夢のまた夢。
生き長らえることすら難しいだろう。
THE FIRSTの心を絶望が支配していく。
そしてふと気が付いた。
「ははは…俺、明日夢と同じこと考えてるよ」
乾いた笑いが込み上げてくる。
「あーあ、嫌になるな・・・ホント」
身体の力を抜き、後ろへ倒れこんだ。
気が付けばもう朝だ。
眩しい朝焼けが目に飛び込んでくる。
「綺麗だ…」
しかし美しく輝く朝日は自分の心を見透かしているようで何となく嫌になった。
(どんだけ卑屈だよ)
表情を歪めながら横に寝返りを打った。
目の前には自分のバッグ」がある。
慌てて走って来たせいかチャックは開いたまま、無残に転がっている。
中身も半分顔を覗かせていた。
そしてTHE FIRSTの目に良く見知った物が飛び込んできた。
「こ、これは…!」
仮面ライダー龍騎に登場、序盤に退場し、その方面には熱烈な人気を誇ると言われている仮面ライダーシザースのカードデッキである。
今まで存在を忘れていた。
荷物確認をした時に勿論気づいていたのだが…彼はシザースのデッキを支給されたことを良しとしなかった。
鯛焼き名人を装着していたため、使用することが出来なかった点。
そして、なにより龍騎で最弱なスペックを持つシザースということから思わず首を捻ってしまったのだ。
先程の襲撃時もデッキのことなど忘却の彼方へ行ってしまっていた。
全く救えない男である。

2074貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/11(月) 21:30:45 ID:oX91pxNw0
しかし最早贅沢は言ってられない。
使える物は何でも使用しなければ。
「これがあれば何とかなるかもしれないな!シザースでも一般人相手なら…」
カードデッキを握る手に力が入る。
「でも…良いのか?本当に殺し合いに乗って…」
この手で誰かを殺すことなど想像も出来ない。
だが、無残に殺されるのも嫌だ。
THE FIRSTは迷っていた。
このまま悪意に身を任せ、殺し合いに乗るか。
それとも…。

彼は人一倍臆病だった。
それ故にこの戦いにおいて自我を保とうと必死に明るく振舞った。
だが、やはり彼は根本的なところで書き手なのである。
それもライダーロワの。
ヒーローとして戦い、散っていく覚悟ならば最初からあったのだ。
自分でウジウジ考え、その可能性すら潰していただけに過ぎない。
怖い。
それでも、放送を聞いて生まれた感情は恐怖だけではない。
主催者に対する怒り。
殺されてしまった人の悲しみ。
それを思う心はまさしくヒーローそのものである。
「変身」
ビルのガラスに映った彼の表情に先程の情けない姿は無い。
カードデッキを正面に掲げ、合言葉を唱える。
ただそう呟くだけの変身は、彼と同じ顔を持つ男…まるで相川始を思わせる。
眩い光がTHE FIRSTを包み、彼は変身を遂げた。
龍騎では典型的な悪党であったシザース。
しかし彼の心には熱い…いや冷たい闘志が蔓延していた。

2075貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/11(月) 21:31:23 ID:oX91pxNw0
「…震えてる…まだ怖いのか?それとも武者震いというやつか」
THE FIRSTは仮面の下で薄く笑みを浮かべる。
彼に余裕など無い。
ただ、吹っ切れただけである。
「どうせ死んでいく命だ…主催の連中に一泡吹かせてやる。何もせずに死んでいくのだけは…避けなければ。」
ヒーローとして戦うと決めたTHE FIRST。
殺し合いには乗らないと決めた。
だが、それは生き延びるためではない。
醜く足掻くのを止め、死を受け入れた者の思考であった。
対主催が敵と戦い…そして激闘の末に果てる。
彼がロワで描いたものは確かにTHE FIRST自身にも存在していた。
人一倍臆病な男を奮い立たせた覚悟、そしてほんの一握りの度胸。
しかし彼を仮面ライダーとして、ライダーロワの書き手として立ち直らせるのには充分であった。
「俺は三上了じゃない…相川始でもない。」

「俺はTHE FIRST、ライダーロワの書き手だ。恥ずかしくは死ねない…!」


たこ焼きでも、鯛焼きでも無い。
新たな力、蟹を使って戦うことを決めたTHE FIRST。
生きる覚悟では無い、死を覚悟したヒーローの後ろ姿はどこか寂しげであった。

2076貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/11(月) 21:31:38 ID:oX91pxNw0
【早朝】【C-7 市街地】
【THE FIRST@ライダーロワ】
【装備】鯛焼き名人アルティメットフォーム
【所持品】カードデッキ(シザース)@ライダーロワ
【状態】健康・精神的にやや疲労・対主催として戦う決意
【思考・行動】
基本行動:ヒーローとして戦って死ぬ。
1:死に場所を見つける。
2:ヒーローとして悪と戦う。
3:スーツの男(承)を敵と認定。次に出会ったら戦う。
※外見や声は三上了@仮面ライダー剣29-30話ですが、性格は相川始に近くなりました。
※鯛焼き名人アルティメットフォームはC-7に放置。

2077貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/11(月) 21:33:48 ID:oX91pxNw0
以上です。
おいしいフラグ沢山持ってたから書いてみましたw
THE FIRST氏、色々酷いこと書いてしまってスミマセンですorz

それとタイトルはtake it a tryでお願いします。

2078貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/11(月) 21:54:16 ID:qU5G4VpE0
改心してもやっぱり海鮮系なんだwwww
THE FIRST氏はもういっそライオかG3マイルドとか、使えねー系ライダーコンプしてしまえ。

連休も終わるので没ネタ投稿。
本当は直接wikiに挙げようかと思ったんだけど登録の承認がまだ来ないんだ。
wiki管理人さん、見てたらよろしくです。

2079【没ネタ】最強のたいやきと最も美しい活け造り:2008/02/11(月) 21:54:55 ID:qU5G4VpE0
 磨き上げられた裸の上半身に黒マントを羽織ったいかつい金ぴかハゲが、小指を立てて食後のコーヒーを堪能している。
「失礼なことを申すな。余はこれでも、クライシス帝国で一番モボだと言われた男ぞ」
 カメラ目線で書き手に抗議を申し立てると、ギャグ将軍はかちゃりと音を立ててカップを置いた。
 隣では、全裸の腰に手ぬぐいを巻いたシルベストリが番茶をすすっている。
 同じく番茶の入った湯のみを、焦ったドラえもんはどん、とちゃぶ台に叩き付けた。
 耳元で響いたその音に、哺乳瓶でコーヒーのお相伴に預かっていた孤高の黒き書き手がきゃあとかなんとかいいながら首をすくめた(ものと思われる)。
「お行儀わるいわね」
 コロンビーヌが眉をひそめる。
「うむ。人の耳元で大きな音を立てるものではない」
 ホイップクリームをカップに山盛りにしたギャグ将軍が、金色のポットからおかわりを注ぐ。香ばしい匂いとともに、クリームが熱いコーヒーに溶ける。
「でーすーかーらー!なんで生首なんですかこの人!」
「えっと、それはいろいろ事情がありまして」
 困ったように俯こうとしたとたん、孤高の黒き書き手はバランスを崩して鼻面からちゃぶ台に倒れ込んだ。シルベストリがさっと手を伸ばして彼女を引き起こす。
 ことほどさように、生首とは不安定な物体であった。
 ギャグ将軍が銀のスプーンを受け皿に置く。
「おおかた改造に失敗したのであろう。よくあることだ」
「いやいやいやいや」
 焦ったドラえもんは、思い切り身を乗り出してその言葉を遮った。
「改造自体そんなによくあることじゃないでしょう!」
「人間、一生に3回位は改造されるものではないか」
「されません!盲腸だって一生に一回ですっ!」
「そこまで言うなら、余の背中を見てみよ。ちゃんと改造された痕が残っておる」
 応じつつ、ひょい、とぞろびく黒のマントをたくし上げたギャグ将軍の背中には、くすんだ真鍮色のチャックがついていた。
「ああ、触るでないぞ。中の人などおらぬのだからな」
「発言が矛盾してます!」
 思わず叫んだ焦ったドラえもんの声は、完全に裏返っている。
 いったいどういう代物なんだ、このポンコツは。っていうか全員なにものだ。コーヒーとか紅茶とか全裸とか生首とか。
 そういえば自分はなんちゃらガイドだかなんだかを持っていたことを思い出し、デイパックの中から引っ張りだす。
 見よう見まねで項目を探し出すまで約30秒。
 そこにはとっても親しみやすいフォントでこう書かれていた。

  【ギャグ将軍@ライダーロワ(◆s.0z/S/80k)】
   ほとんど無害。

「短っ!」
 思わず素直な感想を漏らしてしまったが、他のものは自らの一服に没頭していて気づいた様子はない。
 焦ったドラえもんは、ことのついでの他の連中のことも調べてやることにした。

  【コロンビーヌ@漫画ロワ(◆d4asqdtPw2)】
   所により無害。

 確かに今のところ、やたらとロワ以外の何かを満喫してるだけだしな。

  【シルベストリ@漫画ロワ(◆O4VWua9pzs)】
   PC無害。

 見る人によっては精神的ブラクラって奴だな。

  【孤高の黒き書き手@ギャルゲロワ(◆VtbIiCrJOs)】
   首から下は無害。

 つか、首から下ないじゃん、今。

 この調子では自分の解説もさぞ省略されているんだろうと思いながら、一応調べてみる。

  【焦ったドラえもん@漫画ロワ(◆33iayeGo/Y)】
   無害。

 単純にして明快。端的にして明瞭。
「私だけ……私だけどうして!!そこのからやかんすら7文字なのにーー!」
 焦ったドラえもんは手の中のガイドブックでやけくそのようにデイパックを叩き始めた。
「金色のモビルスーツとか純金のモーターヘッドとか黄金のサーヴァントあたりに負けるなら我慢します!でも、よりにもよってただ金ぴかなだけの変なおっさんに負けるなんてーーー!!」
 デイパックのふたがちょっとだけ開き、百式とナイトオブゴールドと幻夜・フォン・ボーツスレー氏が一瞬顔をのぞかせたが、焦ったドラえもんの剣幕に押されておとなしく引っ込んだ。

2080【没ネタ】最強のたいやきと最も美しい活け造り:2008/02/11(月) 21:55:55 ID:qU5G4VpE0


 賢明な読者諸兄姉はもうお気づきのことだろう。
 焦ったドラえもんの真の「支給品」はこのデイパックであった。
 たとえ焦っていようが仮にも「ドラえもん」の名にふさわしい、ありとあらゆる物体をその胎内に宿した超便利アイテム、四次元ポケット(デイパック型)。
 ただ、持ち主の作風に呼応してか、この四次元ポケットは『ネタ仕様』のあまのじゃくな性格であった。持ち主が期待しているものは絶対に出てこないが、逆に期待していないものなら自分から飛び出してくる、という全自動ありがた迷惑式アイテム取捨選択機能がついているのだ。
 この事実に本人が気づいたらさぞ焦ることだろう。
 なお、途方に暮れて泣きじゃくる彼女に対して今回四次元ポケットが選択したアイテムはーーーー「目薬」であった。
 皆様もドライアイにはお気をつけて。

「何をしておる。コーヒーが冷めるではないか」
「いりません。コーヒーなんていりません。いりませんったらいらないんです」
 焦ったドラえもんが、妙に語呂よい台詞とともにコーヒーカップを押し返す。
「余の入れたコーヒーが飲めぬと申すか」
「入れたのがあんただろうが誰だろうが飲めません!つかコーヒーも飲めないくらいに胃が痛い!」
「ならば胃を改造すれば……」
「解決しません!」
 ばんっ、と平手で叩き付けると、ちゃぶ台が思い切り床にめり込んだ。
「おじさま!おじさま!」
 険悪な空気をまるっと無視して、外を散歩していたコロンビーヌが飛び込んでくる。
「む、どうした」
 立ち上がる拍子に握り直したギャグ将軍の杖が、金属の打ち合う澄んだ音を立てる。
 コロンビーヌは将軍の腕を取って三和土まで引きずり出すと、温泉の中を指差した。
「ほらみて、たいやきがあんな元気に泳いでるわ」
「おお、それはよかったの」
 鷹揚に頷くギャグ将軍の目の前で、何かが水の中から姿を現す。
 ゆであがったエビのように赤い鱗に身を包んだ、ひとかかえはあろうかと言う巨大な鯉もどき。それが露天風呂の湯煙の中でひときわ高く、はねた。
 コロンビーヌの肩越しにその様子を見た焦ったドラえもんが、恨めしげに叫ぶ。
「あれのどーこーがーたいやきですかっ!」
「どこもかしこもたいやきよ。だって呼んだら答えたもの」
 コロンビーヌは言い返すと、浴槽に向かってこれ見よがしに呼びかけた。
「たいやきちゃん、お手!」
 それに答えるように、コイキングが高く跳ねてヒレをぱたつかせる。
「ほらね」
 勝ち誇るコロンビーヌの前で、焦ったドラえもんはへなへなと崩れ落ちた。その腕から某ガイドが滑り落ち、勝手に開く。

  【たいやき(たいやき)】
   コイキング、Lv.99。コイキングだがそんじょそこらのポケモンよりはよっぽど強い(きらーん☆)。
   それでもコイキングなので攻撃力は微妙だったりなんかしちゃったりして。

 明らかにCV.広川太一郎な説明文に、思わず噛み締めた焦ったドラえもんの唇から血がにじむ。
 腕の中の孤高の黒き書き手(生首)とともに表に出て来たシルベストリが、何かに気づいたように身を乗り出す。
 排水溝近くにきつね色の固まりがこそこそと隠れている。なぜふやけていないのかは解らないが、どう考えても本物はあれだろう。
 今一度高らかに水面から跳ねた『たいやき』を見て、シルベストリが深く頷く。
「進化と言わざるを得ない」
「 ぜ っ た い ち が い ま す 」
 焦ったドラえもんの凄まじい剣幕に、孤高の黒き書き手が思わず悲鳴を上げて顔を背けようとしーーーーシルベストリの腕から落ちる。
「ひやああああぁぁぁぁ」
 盛大に悲鳴を上げながら露天風呂に転げて行った生首の後を、シルベストリがのんびりと追う。一方、露天風呂見学を始めた黒服二名は、そちらには全く注意を向けていないようだった。

2081【没ネタ】最強のたいやきと最も美しい活け造り:2008/02/11(月) 21:56:32 ID:qU5G4VpE0
「それにね、ここにはたいやきちゃんのお友達もいるの!」
 コロンビーヌが白い手を伸ばし、温泉の中から『それ』をつかみあげる。
 湯気に当てられてほのかな紅色に染まったそれは。
「うむ、実に見事なタコである」
 ギャグ将軍は受け取ったブツを朝陽にかざした。触手が陽の光を受けた頭にうねうねと絡み付く。
「この吸着力、まことにすばらしい……」
「それだけピカピカのハゲ頭ならくっつかないものもくっつくでしょうって」
 焦ったドラえもんのつぶやきをよそに、コロンビーヌはまた別のものを温泉から掬い上げる。
「ほら、この子も!」
「おお、なんと立派な鯖」
「 魚青 じ ゃ ね ぇ ! 」
 ドラゴンころしの黒い刃が銀色の躯体を切り裂き、生臭い血が辺りに飛び散る。
「ブリでしょうがブリ!さかなへんに師匠の師と書いて鰤!ハマチは鰤のお子さんです!」
 一言ごとに打ち振られる剣の閃きが、立派な鰤を三枚におろして行った。鰤は自分がおろされていることすら感じなかっただろう。それほどの鋭い剣捌きである。
 シルベストリが片手でひょい、と大皿をだして鰤の活け造りを受ける。無駄のない動きに、孤高の黒い書き手が感心のため息をついた。
「二人とも、見事である。誉めてつかわすぞ」
 ギャグ将軍は頭にタコを載せて頷いた。
「時にコロンビーヌ、余のコーヒーはまだかの」
「さっき飲んだばかりですわよ、おじさま」
 最強怪人と恐怖の自動人形は、ぴちぴちはねるコイキングを抱えてのんびりと旅館の中へと戻って行く。その背中に、焦ったドラえもんが言葉をぶつける。
「人の話、訊いてます?」
 どこかで鹿威しの明朗な音が鳴った。



 朝焼けに染まる空に、放送が響き渡る。告げられた死者の名は思いのほか多い。
「今時モノラルか……」
 テーブルに突っ伏して呟く焦ったドラえもんをよそに、シルベストリがなにか考えるように視線を辺りに一巡させる。
「温泉生首、温泉婦警、温泉人形、温泉おやじ……と言わざるを得ない」
「はいはい、そういうあなたは温泉露出狂ですねー」
 やる気のない焦ったドラえもんの声は完全に無視して、彼は記憶の糸をたぐった。
「温泉青年、温泉侍……温泉少女。やはり彼女と判断せざるを得ない」
「放送で呼ばれてた人、ですか?」
 いつの間にか植木鉢に植えられていた孤高の黒き書き手が訊ねる。
「知り合いか?」
「説明せざるを得ない」
 シルベストリが訥々と語る言葉に、一同は珍しく神妙に耳を傾ける。
「温泉少女……◆o.lVkW7N.A@LSロワ、か」
「あの時気づいていれば、もっと温泉を満喫させてやれたのだが」
「それはなんか違くない?」
 つっこみながら、焦ったドラえもんは銀河ヒッチハイクガイドを繰った。放送のメモを片手に、脱落者と生存者の素性をチェックして行く。
「アルレッキーノに、ドットーレ。そちの同郷者は斃れたようだな、コロンビーヌよ」
「残念だわ。まったく二人とも、付き合いが悪いんだから……それで、あなたたちはこれからどうするつもりなの?」
 白い指先で『たいやき』をなでなでしながら、コロンビーヌがTOMA(ゲフンゲフン)孤高の黒い書き手に訊ねる。『たいやき』がじたばたと嫌がっているように見えるのは気のせいだろうか。
「あはは、どうしたらいいんでしょう……」
「あのー、私の意見は?」
 挙手をする焦ったドラえもんを軽々とスルーして、ギャグ将軍が本日何度目か数えるのもばかばかしいコーヒーのカップを置いた。
「ならば余と手を組まぬか、シルベストリ、そして孤高の」
「ですからー私の意見はー?」
「おじさま、なにか妙案があるの?」
「 わ た し の い け ん は ど う し て く れ ま す か 」
「うむ」
 ギャグ将軍はぽん、と杖の先でテーブルを叩いた。
「当温泉を占領し、我が帝国の前線スパリゾート、四国クライシスランドとする」

2082【没ネタ】最強のたいやきと最も美しい活け造り:2008/02/11(月) 21:56:53 ID:qU5G4VpE0
 突然の宣言に、全員が揃って椅子から立ち上がる。孤高の黒き書き手も立ち上がろうとして、植木鉢から転げ落ちた。
「姉さん、事件ですと言わざるを得ない」言いながら、シルベストリが屈んで孤高の黒き書き手を拾い上げる。
「そうです!なんで四国……」
「素敵!」
 焦ったドラえもんの突っ込みを、コロンビーヌの嬉々とした声が遮った。
「不治の病に冒され、スパリゾートで闘病生活を送る私の前に、運命の人が現れるという筋書きね!そして二人は恋に落ち、その人は私の手を取ってこう言うの……『おおコロンビーヌ、お前はどうして自動人形なのだ!』『ああ(ここに好きな書き手の名前を入れてください)様、あなたはどうして(同上)様なの……!』」
 コロンビーヌは両手の指を絡めてうっとりと天井に視線を及がせる。ギャグ将軍は深く頷き、朗々とト書きを読み上げた。
「互いに手を握りしめて見つめ合う二人、その背後でたいやきが跳ねる水音が涼しげに響く。ころは二月十八日の酉の刻ばかりのことなるに、. をりふし北風激しくて、磯打つ波も高かりけり……」
「那須与一と言わざるを得ない」
 ボケだか突っ込みだかわからないシルベストリの台詞に、焦ったドラえもんは別の意味で天井を仰いだ。
「だいたいリゾートでもカフェでもいいですけど、マーダーが押し掛けて来たらどうするんですか……」
「ふん、そんじょそこらの怪人ごときにはコロンビーヌとの交際は許さぬ」
「ちょっと、どういうことなの?おじさま!」
「そうそう、マーダーの目的は交際じゃなくて殺しです、殺し!」
 将軍は突っ込みの不協和音を意にも介さない。
「そちと交際する者は城茂より強く、氷川誠より正義感に溢れ、乾巧よりイケメンで、上城睦月より心優しく、南光太郎より理不尽でなければならぬ!」
「あのー、最後のはむしろいただけないんじゃないですか?」
 光太(ゲフンゲフン)影の繋ぎ手が聞いたらクライシスの仕業だと激怒するに違いない焦ったドラえもんのコメントを、ギャグ将軍は明後日の方向に受流した。
「安心するがよい。そちに言い寄る雑魚どもは余が一刀の元に切り捨ててくれるわ」
 コロンビーヌが胸元で手を組んで目を輝かせる。
「おじさま……そんなに私のことを心配してくださるなんて……!」
 この二人、明らかに間違った方向に情熱を傾けている。ここがどこか解ってんのか畜生、という思いを込めて焦ったドラえもんがテーブルを叩くと、テーブルは思い切り床にめり込んだ。
「だいたい、パロロワ会場にスパリゾートなんて作っても客が来るわけないでしょう!」
「我らが来たではないか」
 ギャグ将軍は平然と答えたが、これは屁理屈と言わざるを得ないだろう。それでもダンディな声で断言されるとなんとなく正しいような気がして来るからお得である。
「幸いこの旅館には、出不精な客を当て込んだしょぼい喫茶店が併設されておる。それを使えば死者スレの需要も賄うことが出来る」
「相手かまわずお茶したいだけですね」
「そうとも言う」
「 み と め な い で く だ さ い 」
 恨みがましい焦ったドラえもんの言葉を、ギャグ将軍は冷徹に一蹴する。
「死者にも一服する権利はあろう。それが戦って死したつわものであれば、なおさら」
 ギャグ将軍が杖を高く掲げ、コロンビーヌとともにカメラ目線を決める。
「さあ、来るが良い諸ロワの精鋭書き手どもよ。余が手ずから入れたコーヒーを飲んで地獄に堕ちるのだ……フハハハハハハ!」
「高身長高収入高筆力の人は特に歓迎するわ……ウフフっ!」
 高らかな笑い声とともに、柱時計が八時を告げた。

♪ババンババンバンバン 「飯は食したか?」
♪ババンババンバンバン 「歯、磨いたかしら?」
♪ババンババンバンバン 「風呂に入らざるを得ない」
♪ババンババンバンバン 「宿題やろうねっ!」

「こんな生活、もうイヤーーー!」
 焦ったドラえもんの悲鳴が、湯煙にエコーを帯びて辺りに轟く。

2083【没ネタ】最強のたいやきと最も美しい活け造り:2008/02/11(月) 21:57:18 ID:qU5G4VpE0
【G-8・旅館 朝】

【焦ったドラえもん@漫画ロワ】
【装備】ドラゴンごろし@アニロワ1st
【道具】全部入り四次元ポケット(デイパック型)・ありがた迷惑仕様。
    銀河ヒッチハイクガイド。咎人の剣「神を斬獲せし者」@AAAロワ。
【状態】錯乱。強い疑心暗鬼
【思考・行動】
1.少しは人の話を聞け!
【備考】
※銀河ヒッチハイクガイドには、全書き手のトリップや代表作も含め、
 参加者が知りたいことは何でも記載されています。
 ただし容量の都合で、かなり記述が切り詰められている場合があります。

【ギャグ将軍@ライダーロワ】
【状態】健康。
【装備】杖@ライダーロワ ジャーク将軍のマント@ライダーロワ タコ
【道具】支給品一式、コーヒーセット一式@スパロワ、コーカサスブレス&ゼクター@ライダーロワ
【思考・行動】
基本:新生クライシス帝国の結成
1:コーヒーを飲む。
2:四国クライシスランドを開業する。
3:コーカサスゼクターの資格者を探し、コーヒーを飲ませる。フルーツ牛乳でも可。
4:活け造りを食べるかどうかは保留。
※ジャークミドラに似た、ギャーグミドラに変身できます。
※制限がライダーロワ基準だと思い込んでいます。

【コロンビーヌ@漫画ロワ】
【状態】健康
【装備】ゾナハ蟲@からくりサーカス
【道具】支給品一式、ティーセット一式、たいやき(コイキングLv.99@ニコロワ)、他未確認。
【思考・行動】
基本:恋愛がしたい。
1:優雅なスパリゾート滞在を満喫。
2:ギャグ将軍についていく。
3:ギャグ将軍と話のつくりが気が合う。
※影の繋ぎ手・仮面ライダー書き手に紅茶を入れてあげたいそうです。
※『たいやき』が自分の放流した鯛焼きだと思っています。

【孤高の黒き書き手@ギャルゲロワ】
【装備:変化の杖】
【所持品:支給品一式(他ランダムアイテム2)】
【状態:驚愕】
【思考・行動】
基本行動方針:どうすればいいんだ
1:朝から活け造りはちょっと……。
※外見は「D.C.P.S. 」の朝倉音夢。
 変化の杖により「朝倉音夢の生首」になってます。

【シルベストリ@漫画ロワ】
【装備】:なし
【道具】:白手ぬぐい
【所持品】:支給品一式 ブリの活け造り
【状態】:健康。全裸。健康的な張りのある肉体
【思考・行動】
1:サ ー ビ ス シ ー ン 担 当
2:営業努力をせざるを得ない
3:温泉少女が楽しめなかった分、他の参加者に温泉を満喫させる
【備考】
※両目があります。金玉絶賛引き上げ中です

※温泉少女の支給品一式が温泉に放置されています。
※ブリ@アニロワ2ndは活け造りになりました。温泉につかって元に戻るかは不明です。

2084貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/11(月) 21:57:55 ID:qU5G4VpE0
以上、没ネタでした。

放送前に書き上がってたんだけど様子見してて良かったwwww

2085貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/11(月) 22:06:28 ID:IHsDHj1M0
なんというカオスw
焦ったドラえもんの意外な活躍がワロスw

2086書き手って一体何ですか?:2008/02/11(月) 22:20:33 ID:JrP/mM9E0
オッス、俺鬼軍曹。今凄いピンチです。
だってさぁ、目の前に戦闘態勢の仮面ライダーとか。いやちょっとちょっとちょっと。
っていうか俺の支給品のこのボン太くんスーツは何?
フルメタルパニックシリーズはOPしか見たこと無いですよ!?
これはあれか、ハートマン軍曹がフルメタルジャケットでそういうことか!
成る程ね! ああそういうことね! 帰りたい!


◇        ◇        ◇


「ふもー! ふもっふ!(お前さん、案外容赦無いのなー!)」
「何を言っているのかわからん!」

結論から言おう。
ボン太くんスーツを引き当て、それを着た鬼軍曹に平和は訪れはしなかった。

「ふもふもっ! ふもも!(畜生! やっぱ仮面ライダーって強い!)」
「『Burst Mode』」

結論から言おう。
仮面ライダーの前では、付け焼刃のボン太くんスーツは無力だった。

「ふもももっふもーふもー!!(何だー!? 今ジュッって言ったジュッって!!)」
「下らん。そんなきぐるみでこのカイザブレイガンを防げるものか!」

結論から言おう。
豚に真珠、猫に小判。鬼軍曹にボン太くんスーツを支給するのは勿体無かった。

「ふももふもふも! ふももももももももも(やばいこれはやばい! 殺られるるるるるるるるる)」
「そのきぐるみが貴様の棺だッ!」

結論から言おう。
カイザエネルギーガンは、鬼軍曹を蜂の巣にすることなど容易過ぎた。

2087書き手って一体何ですか?:2008/02/11(月) 22:21:46 ID:JrP/mM9E0
F-4、コンビニ。ここは今、壮絶な修羅場と化していた。
必死に逃げる鬼軍曹、それを追う仮面ライダー書き手。
書く人が書けば鬱にも燃えにもギャグにも出来るであろう。そんな状態だ。
しかしそれはあくまで客観的に見ただけの話であり、当人たちは必死。
鬼軍曹は相変わらずカイザブレイガンのビームを避け続け、
仮面ライダー書き手も、相変わらず敵に向かって連射を続けている。

「お、鬼軍曹〜!」
「ふもっ! ふもももーん! ふももふもっふ!(くそっ! ドラえもーん! お前は逃げろ!)」
「何言ってるかわかんないよ!」

そしてそんな中でも相変わらず、ドラえもんは軍曹に漫才を吹っかけていた。
――いや、彼自身はそのつもりでは無いのだろうが。

「ぼ、ぼくはどうすれば……あああ」
「ふっもふ! ふももふもふも……(ガッデム! これじゃギャグじゃねぇか……)」
「何を呟いている! 相手はこちらだろう!」
「ふもっ!(何っ!?)」

だがそんな混沌とした流れはふいに終わりを告げた。
業を煮やした仮面ライダー書き手が、鬼軍曹を壁際に追い詰めたのだ。

「さぁ、逃げ場は無いぞ。足掻いても無駄だ」
「……ふもっ(……やばっ)」
「お、鬼軍曹!」

カイザと化した仮面ライダー書き手の攻撃によってボロボロとなったこの戦場へ、
やっと、いや、遂にギャグにも燃えにも鬱にもエロにも出来ない緊迫感が訪れてしまった。
この状況を簡単に打破するなど不可能。絶体絶命、という言葉が今の鬼軍曹にはよく似合う。

(……万事休す、か)

もはやこれまで。鬼軍曹は確信した。
これ以上の抵抗は無駄だとばかりにボン太くんスーツを外す。
そして力なく両手を上げ、「降参だ、お前さんの方が強いよ」と呟いた。
コンビニでの戦闘の勝者が、あっさりと決まったのだ。

「何のつもりだ」
「”まいった”宣言だよ。このコンビニでの戦いはお前さんの勝利だ」
「ふざけるな! さっきまでの威勢はどうした……全く、癇に障る!」
「いや、だってこの強化服、俺には使いこなせないしな。無理無理」

仮面ライダー書き手はカイザブレイガンの構えを解かず、警戒の意思を示す。
しかし鬼軍曹はあくまでも飄々としたままだ。

2088書き手って一体何ですか?:2008/02/11(月) 22:23:32 ID:JrP/mM9E0
「で、だ。一つお願い事を聞いてくれ」
「……」
「あのドラえもん、逃がしてやってくれないか? あいつ、支給品らしいんだ」
「何だと?」
「パロロワだから殺すのは参加者だけで十分だろ? 頼むよ」

鬼軍曹の視線の先には、緊迫した雰囲気の中で恐怖と焦りが入り混じった表情を浮かべるドラえもんがいる。
仮面ライダー書き手もそれを眺める。よくよく見るとポケットが無い。成る程、今の彼はほぼ無力か。
相手の言うとおり、ここで逃がしたところで害は無いだろう。そう結論付けた。

「いいだろう、奴は逃がしてやる」
「だとよ。良かったなドラえもん、お前さんは助かる」
「そんな……そんな事出来ないよ! 鬼軍曹を置いていくなんてぼくには……」

仮面ライダー書き手と鬼軍曹の突き刺さるような視線を感じながらも、ドラえもんは躊躇をする。
当然だ。彼はのび太に匹敵するほどの友達思いであり、そして優しいロボットだ。
だが、

「早く行け! そんでお前さんが残りの参加者に伝えるんだ。『鬼軍曹はアニロワを愛していた』とな……!」
「早く行け! 俺に殺されたいのか? この男の努力と俺の慈悲を無駄にするのか?」

2人の願いと問い。それは彼を焦りへと駆り立てる。

「うう……ごめんよ……ごめんよ鬼軍曹〜!!」

そして結局、彼は涙を流しながら鬼軍曹たちの下から走り去っていった。
残るのは2人。鬼軍曹と仮面ライダー書き手。敵同士の2人だけだ。

「お願い聞いてくれて、サンキュな」
「……」

仮面ライダー書き手は鬼軍曹の問いにも答えず、ただただドラえもんの後姿を睨み続けていた。
”彼が仲間を呼んでくるようであれば後ろからでも構わず撃ち殺す”という意思の表れである。
それはマーダーとしては当然の考え。それはマーダーとしては当然の行動だ。

だから、鬼軍曹にボン太くんスーツを投げつけられたのには気付けなかった。

2089書き手って一体何ですか?:2008/02/11(月) 22:25:41 ID:JrP/mM9E0
「うおッ!!」
「っしゃ! してやったり、これはしてやったり!」

ボン太くんスーツの大き目のボディが、余所見をしていた仮面ライダー書き手へとぶつかる。
突然の事に反応できなかった彼は、視界を奪われながら多少の衝撃によって倒れこむ。
カイザの身体能力を遺憾なく発揮し、すぐに鬼軍曹を仕留めようとするも遅い。
相手はボン太くんスーツを抱えながら一心不乱にコンビニから離れていく。

仮面ライダー書き手の、何かが切れた。

「飄々とした態度も……降参も何もかもがフェイクかッ! 貴様ァァァアアアアアア!!」
「うわ怒ってる超怒ってるこれは逃げないと殺されるだろう常識的に考えてェェェェェエエエエ!!」
「死ねッッッ!! グランインパクトッッッ!!」
「嘘だろ追いつくの早いって!!」

カイザの脅威の脚力、そしてカイザの必殺技で仮面ライダー書き手は怒りのままに鬼軍曹を再襲撃する。
鬼軍曹はボン太くんスーツを盾にしたことでなんとか防御、しかしその衝撃によって地面に転がされてしまった。
あっという間にコンビニの状況へと後戻りする二人。形勢は逆転せず、それどころか鬼軍曹にとっては最悪の状況。
だが、それでも鬼軍曹は足掻く。足掻き続けようとする。

「足掻いたり諦めたりまた足掻いて俺を怒らせたり……何故貴様は俺の逆鱗に触れる事をするッ!?」

怒りに震え、我を忘れそうにもなる仮面ライダー書き手の怒号と問い。
鬼軍曹はそれに圧倒されながらも、言葉を紡ぐ。

「俺が書き手だから……対主催の書き手だからだよ!」

敵に負けじと、ただの意地で張り合う。
相手を打ち負かす為に、鬼軍曹は叫んだ。

2090書き手って一体何ですか?:2008/02/11(月) 22:27:17 ID:JrP/mM9E0
――だが、それは届いてはいなかったらしい。

「書き手? 貴様が書き手だと? ……ククッ……クハハハハハハ!」

鬼軍曹のその叫びを境に、突如仮面ライダー書き手が落ち着きを取り戻したのだ。
口調は一瞬にクールダウン。鬼軍曹は不気味に思ったか、訳がわからないといった表情で相手を見る。
更に気になる事に、仮面から表情は伺えないが何故だか彼の口調からは嘲りが感じられる。
「な、何がおかしい!?」と鬼軍曹は怒りを篭めて問いかけた。
すると仮面ライダー書き手は、ゆっくりと口を開き始める。

「貴様が自分の事を書き手だと言っている事が可笑しいのだ」
「なん……だと……?」

可笑しいのはこちらのほうだ、と鬼軍曹は言いたくなった。

そう、自分はれっきとした書き手だ。アニロワのWikiにだってそう書かれている。
稚拙だったかもしれなかったとはいえアニロワに作品を投下し、話を動かした。
それだけではない。LSにだって一話だけだが――うっかりトリップ変更してなかったが――作品を投下した。
何よりアニロワが出来るずっと前からもFFDQ3rdでは書き手としてお世話になっている身だ。
感電ラジオだって聞いた。書き手として楽しんだ。書き手として、書き手として日々を過ごしている。
過去も現在も。そしてこれから先も書き手であり続けるだろう。
そんな自分を書き手だと言って、そう名乗って何が可笑しいのだ。

「おいライダーさんよ……俺はアニロワで書き手だってしたらば運営だってやった男だ!
 そんな俺が書き手じゃないだと? 俺がお前のようなパロロワの書き手じゃないだと!?」
「そうだ。”だからこそ”可笑しいんだよ」
「”だからこそ”……?」
「そうだ。パロロワに熱を入れていたんだろう? だったら……その姿は何だ?」

仮面ライダー書き手の笑い声が更に増していく。
そして訳がわからないと言わんばかりの表情の鬼軍曹に対し、言葉を続けた。

「ハートマン軍曹のAAの使いまわしのようなその姿……パロロワと関連性があるか?」
「……なッ」
「お前の支給品のボン太くんスーツ……そしてもう一つの地雷は、貴様の書いた作品と関連性はあるのか?」
「いや、こ、これは……」
「ならば能力は? アニロワや他のロワをモチーフにした能力の一つも無いのか?
 俺のこの仮面ライダーへの変身能力のような、自分の属する場所に関する能力は?
 自分の作品に関連した行動や展開、性格は? それらがこの”場所”で発揮、具現化されたことは!?
 貴様のそのハートマン軍曹の服装すらも”自分が得意なキャラの模倣”だという訳でもないのだろう!?
 アニロワでなければ他は!? 闇化は!? 呪文や魔法は!? どうなんだ!? ええ!? おい!!」
「……」

鬼軍曹は、答えられなかった。

2091書き手って一体何ですか?:2008/02/11(月) 22:29:11 ID:JrP/mM9E0
彼の言うとおりだ、と鬼軍曹は呟く。
そして同時に、疑問にも襲われていた。


自分はこのバトルロワイアルで何をした?
ドラゴンころしを持った相手に特攻したか? 違う。
関係のない人と行動をシンクロさせたのか? 違う。
レヴァンティンを引き当てて彼と漫才したか? 違う。
圧倒的不利から物干し竿で形勢逆転したか? 違う。

自分の支給品は何なんだ?
地雷を使って敵を殺した作品は投下したか? 否。
スパロワで書き手をしたという経験があった? 否。
アニロワに関するものが支給されていたのか? 否。

自分の能力は?
腕が剣と化し、翼手の姿に変身する能力は? 無い。
鋏を剣の如く振り、敵を切り裂くという能力は? 無い。
吸血生物を自分の血で石化させて殺す能力は? 無い。
雷の呪文や杖等で敵を一瞬で消し飛ばす能力は? 無い。

今の自分の姿は?
ボーイッシュなボクっ娘人形? 絶対にノゥ。
長身の白or黒スーツのイケメン? 絶対にノゥ。
実は人間じゃない不老の女子高生? 絶対にノゥ。
金髪でお父さん思いの小さな勇者の妹? 絶対にノゥ。


自分はそれのどれでもない。
自分の書き手としての経験が生かされた姿も、能力も、支給品も、何も無い。

「俺は……書き手として認められて……無い?」

この世界で何も無い自分は書き手でもなんでもなかったのか?
役目を終えた跡地と化したしたらばで引きこもるただの一般人だったのか?
――自分には、何も無いのか?

「……散々足掻いた挙句に、俺の問いに困って、この様か。
 まぁ良い。輪廻転生した先で姿だけでも書き手らしくなっておけ」
「…………」

黙り込んでしまった鬼軍曹に、仮面ライダー書き手は言葉を投げつける。
「輪廻転生」の言葉が意味するのは、即ち「死」そのもの。
彼は円錐状の光を鬼軍曹に浴びせかける。
カイザポインターの光が意味するのは、即ち「必殺技」そのもの。

「覚えておけ! 強き書き手を殺すのは強き書き手だけだと言う事を!」

全力全開の必殺技が、鬼軍曹に襲い掛かる。

「ゴルド……スマァァァァァッシュッッッッ!!」

鬼軍曹はこの攻撃は避けられない。
残る選択肢は、受けるか、防御するか。

彼は後者を選択し、ボン太くんスーツを構え――

2092書き手って一体何ですか?:2008/02/11(月) 22:31:37 ID:JrP/mM9E0
◇        ◇        ◇


F-6、市街地のどこかに鬼軍曹はいた。
彼は大破したきぐるみらしき物と共に倒れている。
そう、彼は全力全開のゴルドスマッシュによってここまで吹き飛ばされていたのだ。
ボン太くんスーツを防御壁として使用したおかげで、目立った外傷は無いが、
自身の体を動かせなかった。衝撃が彼の体を容赦なく責め立てる所為だ。
――いや、違う。それだけではない。一番の要因は、あの言葉。
書き手ではないという、あの否定の言葉が頭を廻っているから。
疑問が立つ気力を失っているから。だから彼は動かない。動けなかった。

「俺は……書き手じゃ……ない、のか……?」

倒れたまま、悔しさを込めて呟く。

「なんで力が……俺には……くそ……っ」


◇        ◇        ◇


仮面ライダーは一人、獲物を求めて流離う。
次の獲物を探しながら、餓えた獣すら脅かすような目で歩き続ける。
さっきの男のように全てを殺しつくしてみせよう、と言わんばかりに堂々と進む。
それは修羅の道、外道の道。だがこの男はそれを茨とも思わずここに立つ。

彼は書き手。彼の名は、仮面ライダー書き手!!

2093書き手って一体何ですか?:2008/02/11(月) 22:33:19 ID:JrP/mM9E0

【朝】【F-4 コンビニ】
【仮面ライダー書き手@ライダーロワ】
【状態】健康、仮面ライダーカイザに変身中
【装備】カイザギア@ライダーロワ
【所持品】支給品一式(未確認)
【思考・行動】
基本:皆殺しで優勝。可能ならばまとめキングを生き返らせる。
1:次の獲物を探す為移動。
2:手こずるようならエロ師匠と合流。
3:俺を好きにならない奴は殺す。
※外見や声は草加雅人です。
※鬼軍曹は死んだと思っています。


【朝】【F-6 市街地】
【猫子頭の鬼軍曹@アニロワ1st】
【装備:対戦車地雷(17/20)】
【所持品:支給品一式、ボン太くんスーツ@スパロワ(大破)】
【状態:多大な疲労、右肩負傷、湧き上がる疑問】
【思考・行動】
基本:殺し合いには乗らずに読み手を倒す。
1:自分自身への疑問が止まらない。
2:アニロワ1st書き手達との合流。
3:危険視しているコ・ホンブック(◆5VEHREaaO2)の殺害。
4:お姉さまをお仕置きする。
※ボン太くんスーツはゴルドスマッシュの防御に使用したおかげで大破。一部パーツが散乱しています。
※自分の姿、関連グッズや能力の皆無っぷりをふり返り、疑問が浮かびました。


    /ノ 0ヽ
   _|___|_
   ヽ( ; ゚Д゚)ノ <俺って一体……。
     | 个 |
    ノ| ̄ ̄ヽ
     ∪⌒∪

2094貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/11(月) 22:34:25 ID:JrP/mM9E0
投下終了ー。
正直我慢できなかった。そして戦闘無理。今は反省している。

2095貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/11(月) 22:40:51 ID:tq7M6r2g0
うお、一気に四作きてるよオイw
みんなGJッス。>>2064はウッカリデスが覚醒しそうな感じだな。
>>2070のTHE FIRSTは、もういっそそっちの道に堕ちた方が(ry
そして>>2079。俺の飯を返せwww読んでて何度吹いた事かwww
最後に>>2086。心理戦カッコ良かったよ。しかも結構考えさせられる内容だし。


そして……ちょっとだけ叫ばせてくれ



初めてかぶったァァァァァァァァァァァ!!
まあ、流用すれば使えそうなネタだから、別の人で書くとするかw

2096貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/11(月) 23:09:36 ID:hpihX2nU0
>>2038
こ・の・ド・S・め☆

>>2051
こなた……じゃない、地球破壊爆弾がらぶりぃだ。
というか一キャラで何味美味しいんだあんたwww

>>2062
エロ師匠が、単純な下ネタに過ぎない、はずなのに、相変わらず濃いな。なんて手強い。
キバはまだ見てないや。ロボが出るのか今ライダーw

>>2067
このオラオララッシュ……なんか臭うんだよなあ?
それはそうと聖上、最凶の死亡フラグ女子高生との遭遇はまだか。

>>2077
新たなる蟹の目覚め。
死ぬ覚悟を決めてってのは普通有りそうでそんなに多くないんだな。意外だ。

>>2084
ああ、タイヤキが泳いでいる……本物の鯛焼きは隠れてて、蛸がハゲの上に居て、鰤がおいしい活け作り……
…………………………………………なんかすげえ和む気がしてきた。
脳が溶けそうだが。

>>2094
軍曹が……軍曹のアイデンティティがやばい事に……!
しっかりしろ軍曹、傷は浅いかわからんが。
個人としてのキャラが立ちまくってた弊害か。AAが切ないぜ。

2097書き手って一体何ですか?:2008/02/11(月) 23:15:33 ID:JrP/mM9E0
失礼、>>2093の【F-6 市街地】を

【F-6】

に変更していただきたい。
【F-6】はビルだということをすっかり忘れていた……。

20982077:2008/02/11(月) 23:18:24 ID:luukBcVYO
>>2077
すみません、装備の鯛焼き名人は外して下さい。
携帯ですが本人ですorz

2099貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/11(月) 23:24:15 ID:tq7M6r2g0
>>2097>>2098
ほいさ。編集しました〜

21002077:2008/02/11(月) 23:32:40 ID:luukBcVYO
>>2099
無理言ってスミマセン。迅速な対応有難うございました!

2101貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/11(月) 23:46:29 ID:zrwFe1Zs0
>>2096
あー、どうやら誤解を招いてしまったようで…。
ヒュッケバインの出展はキバじゃなくてスパロボなんです。
キョンと銀さんとキバの変身アイテムとヒュッケバインのパイロットの
声優さんが全部同じというネタだったんですよ。

2102 ◆wlyXYPQOyA:2008/02/11(月) 23:51:20 ID:YMlq9wfcO
>>2099
携帯から失礼。修正してくれて感謝です。

2103貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/11(月) 23:52:22 ID:YMlq9wfcO
……やっちまったorz

2104薔薇のように、萌えキャラにだって棘はあるものさ:2008/02/11(月) 23:57:18 ID:7bW2/LI60



「ひっく……ひっく……」
蟹座氏はトイレの前で力なく跪いていた。
全ての計画は水泡に帰した。
何が起こったかなど説明するまでもないだろう。むしろ乙女の赤っ恥ということで察していただきたい。
太ももに気持ち悪い感触がべったりと残っているが、それを気にしている余裕はない。
そうだ、逆に考えるのだ。もうそのネタで弄くられることはないと考えるんだ。
このまま放尿ネタだけで第二回放送を乗り越えようだなんて、死に物狂いの他の参加者たちに申し訳ないと思わないかい?
そう、あと少しだったのだ。だが、楽園にも思えたトイレは破壊されていた。
トイレから襲い掛かるナニカと闘争してまで向かったのに、骨折り損だったのだ。
しかも、そのナニカとは・・・触手だ。
絶賛触手注意報発令中だ。トイレが破壊されていた理由は、大激怒状態のビクトリーム博士がファミレスの……ピンポイントで直撃していたのだから。

「ONIICHAAAAAAAAAAAAAAAAAANNNNN!!!!」

思考回路は皆殺し。
蠢く触手と自分の身体を抱えて泣いている少女。
「ひっく、ひっく……ひどい……こんな、あと少しだったってのに……」
などと泣いている場合ではない。
画面の向こう側の皆、よく考えてみよう。これは簡単な計算式だ。
少女+触手=()
さあ、当てはまる答えはハカロワの皆さんにはイージー過ぎる問題というやつだ。

「BU、BL!! BUUULAAAAAAAA!!!!」
「……え、ちょっ……まっ……や、やぁぁあぁぁあっ!?」

即座に反応するビクトリーム博士の触手たち。
半ば茫然自失の蟹座氏の四肢を絡めとり、宙に吊るし上げる。
「う、嘘……これ、洒落にっ……なら、な……」
じゅるりと息をまく湿ったモノが蟹座氏の頬を撫でる。
気持ち悪い、とかそんな話じゃない。とりあえず嫌悪感と恐怖が頭の中をグチャグチャにしていた。
「やっ……やだあっ! やだってばぁぁぁぁ!!」
ジタバタ暴れて拘束を外そうとするが、どうにも歯切れが悪い。
宙を浮かんでいるために踏ん張ることができないのだ。蟹座氏はその事実に愕然とする。

2105薔薇のように、萌えキャラにだって棘はあるものさ:2008/02/11(月) 23:58:18 ID:7bW2/LI60

(そんな……これでも、筋力は倉成武と同格って設定なのに……なんでさぁ……ふぁ!?)

突然の衝撃に身体がビリビリと痺れた。
無数の触手がうねうねと伸び、ビクトリーム博士の雄たけびを合図にして未成熟な身体に巻きついてくる。
逆さに吊るされると同時に、下着を喪失している蟹座氏の秘部が……以下略。
これ以上の模写は成年男子以下の少年には刺激が強すぎる。あとついでに個人的に殺されてはたまらないので自重します。
なので、以下はライブ中継をお楽しみください。

「……はぁ、放せぇ、この卑怯者……あううっ!? どこ触って、やあ……!」
「BUUULAAAAAAAA!!!!」
「いやいやいや、冗談にならなっ……うっく、やめろぉぉ……いい加減にぃ……んっ……っ……〜〜〜〜っ!!」
「ONIICHAAAAAAAAAAAAAAAAAANNNNN!!!!」
「ち、違っ……ボク、は……お兄ちゃ……ん、じゃ……」

『いやっほぉぉぉおおおう、蟹座のONiぃ様、最高ーーーーーっ!!!!!』

「そこぉぉぉぉぉ!! そこの富竹! ボタンなんて押してないで助けろよっ! お前ボクの支給品だろお!?」
「ははは、ははは、ははははははは……へぇあ」
「笑うなあ!! ああ、でも少しギャグ風味になって良かっ……うぁんっ、やぁ……もう、空気読めこのVっ……うぁぁ……だ、ダメだってばぁぁ……」
「BUUULAAAAAAAA!!」
「この……このぉ……! あ、や、やめ……やだ、やだやだ! 助けて! 助けてししょーーー!!!」

助けは来ない。
来ない。

2106薔薇のように、萌えキャラにだって棘はあるものさ:2008/02/11(月) 23:59:01 ID:7bW2/LI60


「うぉぉおおおお〜〜〜〜っ!!」
「おらおらおらおらおらっ!!」
その頃、最速の人は全力で逃げていた。
ウッカリデスと別れて数分も立っていない。別れ立てホヤホヤのまま全力で北上していた。
もともと長く走る気はない。身体はボロボロだ、だからこそ隠れてやり過ごすと決めていた。
(ここらはファミレスばっかだな……どのファミレスで待ち合わせだっけ?)
とりあえず近くのファミレスに逃げ込むことにした。
勝算は十分だった。何しろ相手は機械……そう、所詮、機械なのだ。他の人間には重要でも、最速の人に限っては関係ない。
彼がもっとも危惧するべきは女子高生だ。だから、それ以外では殺されない。そういう鉄壁のジンクスがある。
予想通り、承はこちらに気づくことなく去っていった。
「うおおお!! 誰か止めてくれえええ!!」
……なんだかそんな声を聴いた気がするが、無視した。正直なところそんな余力はないし、意味も分からなかった。


【昼】【E-6 大通り】
【承@スパロワ】
【装備】:スタンド『ビッグ承』(ゴルディオンハンマー装備)
【所持品】:支給品一式、了承@フリーソフト、他不明
【状態】:健康
【思考・行動】
1:殺し合い? 了承(1秒)
2:うおぉぉぉぉ、殺し合いなんて嫌だー!(本心)
※外見はBIG−Oのロジャー・スミス
※スタンド『ビッグ承』がスタンド『スタープラチナ』を使えるかどうかは不明です。
※そのまま北上していきました。


「……帰るか」
悲しいほどアッサリと終わった死亡フラグ。簡単に折れてしまったフラグに興味はない。
そういえば再会の約束も死亡フラグだっけ、などと呟きながら近くを見渡し、
「……………………」
トイレの方向、触手によって嬲られるままの少女を見つけてしまった。彼を待っていたのは(禁則事項)な光景だった。
「あれは……蟹座氏!……くっ、せっかく褌を洗ったのに意味のなくなりそうなほど目に毒な光景が……」
彼女は同じロワの仲間だ。ここで見過ごすわけにはいかない。
何よりピンチの仲間を助けるなど素晴らしい死亡フラグではないか。
たとえ相手が触手だろうが、Vだろうが、人外だろうが最速の人には関係ない。敵は女子高生にあらず。
「おっと、はい。そこの変態はここで一時停止の後、転回してくださーい」
助けに駆けつけようとする彼の目の前に現れたのは、マスク・ザ・ドS……和服を着た彼は嗜虐の心のまま笑っている。
シャイニングロードを追ってきた彼が目にしたのは同じ光景だった。
一目見た瞬間に感じ取った。彼女は生粋のドMだ、と。まさに苛めがいのある天然の原石。

2107薔薇のように、萌えキャラにだって棘はあるものさ:2008/02/11(月) 23:59:33 ID:7bW2/LI60
「何故、止める!? というか貴様何者だ!?」
「マスク・ザ・ドS。とは言ったものの、君には用はないんだよ。ただ、目の前の宴の邪魔をしないでもらいませんか?」
「どういうことだ!?」
ウッカリデスの問いかけに、彼は目を見開いて笑う。それはもう、極上の笑みをもって。
真っ赤な舌が狂気と興奮を示すように覗かせる。

「分かりませんか? 彼女のあの必死に抗う姿に対する感動が!
 苦痛と快感の狭間に彩られた清楚にして淫靡なる展開! まさに読者諸君の多くが待ち望んだ機会!
 そんな少女の恥辱を我々は見届け、そして全てが終わった頃に……彼女は思うでしょう、悪夢だった。だけど悪夢は終わった、と。
 そこで私が更なる屈辱の夢へと誘うのです! どのような絶望を見せてくれるでしょうか!
 どれほどその相貌は尊く、そして切なげに揺れるのでしょうか! 私はそれが見たい……私の、この心の望むままに」

最速の人はその姿に息を呑んだ。
狂っている、と思うのは間違っているだろうか。これほどの異常、人間がより醜悪に哂うことができると証明していた。
「なら……ぶつかるだけだ!」
「おや、できますか? 武器も持たない貴方が? 不可能というものですよ」
「くっ……」
歯軋り。何もできない悔しさが彼を苛んだ。
彼は邪魔をしなければいい、と言った。このままでは問答無用で殺されるところを、見逃してやると言っているのだ。
マスク・ザ・ドSの瞳が語る。今のが最後通牒だ、と。
こうしている間にも蟹座氏の嗚咽が、助けを求める叫びが聞こえてくる。これを、聴かなかったことにしろ、と言う。
無駄死にはできない。クールなロリスキーもまた、彼を待っているのかも知れないのだから。だから、答えは決まっていた。
だというのに。

「……無理、だな」

最速の人はゆっくりと、拳を構えた。

「なら、ここで死になさい。麗しき儀式の邪魔をする変態。……この姿になれば、貴方の特性など回避できるんですよ?」
裏面のマスク・ザ・ドSは女子高生だった。これで唯一の強みである特性が尽きることになる。
それは死刑宣告にも似ていた。
最速の人は覚悟を決めた……と、そのとき。


ぞくり。


全身の背筋が総毛だった。


「……マスク・ザ・ドSと言ったか? すまないが、多少反則してでも蟹座氏の状態表を見てくれるか?」
「はい……? 意味分かりませんが、自分で見ないんですか?」
「嫌な……予感がする。状態の部分だけでいい、ピックアップしてほしい」

【状態】絶賛サービスシーン中、ノーパン、Lv4.9

「はい、これ……ん?」
「ギャァァァァァァァァァァァアアアッ!!」
「えええ!? なんですかその反応!?」
最速の人がムンクの叫びのような悲鳴を上げる。
事態の飲み込めないマスク・ザ・ドSは首をかしげるだけだが、少なくともこの寒気の原因は知っているらしい。
しかし、理由の説明の必要はなかった。
何故なら、いつの間にか蟹座氏の嬌声が聞こえなくなっていたことに気づき、二人ともが同じものを見ていたからだ。

2108薔薇のように、萌えキャラにだって棘はあるものさ:2008/02/11(月) 23:59:51 ID:7bW2/LI60


「ぅ……っ……く……っ……っ……っ……」
もはや叫び声をあげることすらできない蟹座氏は俯いたまま、身体を痙攣させていた。
聞こえるのはビクトリーム博士の雄たけびと富竹のシャッター音。
(シャッター音……?)
ふと、それに気づいて呆然と下のほうを見ると。
「蟹座氏はどの角度から撮っても絵になるねえ」
「………………………………」
富竹が、自分の姿をカメラに収めていた。
触手で身体のあちこちを弄られ、吊るされて紅潮しているその姿を。

「―――――――――」

それが引き金になったのだろう。
この時、その場にいる全員が寒気を感じ取った。正気を失っているビクトリーム博士ですらもだ。
右腕の触手が恐怖で緩んだ。その瞬間、蟹座氏は行動に移していた。
気づいたときには蟹座氏を拘束していた触手が断ち切られていた。
ぐちょり、べちゃりと触手が千切れていく。ビクトリーム博士の触手が次々と鉈で破壊されていく。
「…………あ……?」
「BUUULAAAAAAAA!!」
今度こそ、ビクトリーム博士は蟹座氏に襲い掛かった。
戯れではない、皆殺しの本能に従った乱舞攻撃だ。その一撃は並の者に破れるようなものではない。
ただ、今の少女にだけは近づいてはいけなかった。

「くっ……っ……くっ……う、くっ……」

俯いた顔があげられる。
嗚咽のような微かな声、その正体を理解した瞬間……彼の書き手ロワは終わっていた。


「くけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけ
 けけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけ
 けけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけ
 けけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけ
 けけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけ
 けけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけ
 けけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけ
 けけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけ」


 ぐちゃ、ねちゃ、ぐしゃ、べちゃ、ぺた……ぺた……グチョリッ!


「O、O……ONIICHAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAANNNNN!!!!」


【ビクトリーム博士@アニロワ2nd 死亡】

2109薔薇のように、萌えキャラにだって棘はあるものさ:2008/02/12(火) 00:00:32 ID:f.3ZGr/o0


「………………(凝然)」
「…………説明、しよう。この状態表のLv4.9だがな……これが5になると、彼女は恐ろしいことになる」
「………………(唖然)」
「あまりにも弄りすぎると、こうして敵味方関係なく襲い掛かるようになるんだ。我々はこれを【蟹見沢症候群】と呼んでいる」
「………………(呆然)」
「戦闘力はチート、方向性はギャグだが元々の身体能力が組み重なってて……うん、オワタ」

蟹見沢症候群。
ギャルゲロワにおいて、チャットや毒吐きなどで囁かれる謎の病気。
その本性は蟹座氏特有の体質というのが主な説だ。へこみLvなどと書いてあるが、これは症候群のLvと言っていい。
苛められれば苛められ、嬲られれば嬲られるほど溜まる鬱屈した怒りが一気に解放されるのだ。
特徴は反則な戦闘力と、語尾に♪を多用するところか。
すでにチャットでも何名もの人間が犠牲になっている。最速の人も犠牲者の一人だが……これは、本物の犠牲者になるかも知れない。

最速の人の説明にも、マスク・ザ・ドSは呆然としたままだ。
今度こそ、目をそらしたくなる光景だった。
触手を操っていたビクトリーム博士の身体はもはやVではない。その身体はどうしようもないほどにバラバラだった。
だが、蟹座氏は止まらない。ゆっくりと、歩いている。己が支給品である富竹の下に。
「まっ……ちょ、こんなシリアス聴いてないよぉ!? ひでぶっ!」
一瞬で、富竹もまた蟹座氏の餌食となった。ビクトリーム博士と同じ道を辿ったのだ。
まさに惨殺。まさに惨劇の幕開けを告げていた。


「あは、あははははは♪ みんな、みんなこうしてやるんだ……ボクを苛めて喜ぶやつ、全員を……あははは♪」
ガリガリと首を掻きながら、都合二人の命を奪った少女が最速の人たちの下に歩いてくる。
「仕方あるまい。私が……止めるしかないようだ」
「おやおや。それ、死亡フラグですよ。それも極大の」
「しかも相手は(一応)女子高生……約束したのだが、それも叶いそうにない」
聖上のジンクスも完璧だ。
確実に生きては帰れない。そんなこと、敵であるはずのマスク・ザ・ドSに言われなくても分かっている。
だが、退かない。そうできない理由があるのだから。
「何故、そこまでして……」
対して、最速の人は自嘲をこめて愉快に笑った。

「……いいか、ドSとやら。蟹座氏とお姉さまという存在は我らがロワの希望だ。萌えキャラの原点だ。
 ギャルゲロワにおける重要な萌えキャラなのだ。そんな彼女が萌えを捨て、狂気に走ろうとしている。
 なんてもったいない。せっかく放尿シーンを書いて……ゴホン。せっかく萌えキャラ計画を進行……じゃなくて、アレ?
 まあ、とにかく言いたいことは分かったな? 我々のロワに元々少なかった萌え要素。これを取り戻さなければいけない。
 蟹座氏の萌えキャラぶりを楽しみにしている他の皆に、申し訳が立たないのだ。だから止める、だから……死亡フラグを立てる意味がある」

いやに本音が駄々漏れだなぁ……とか思いつつマスク・ザ・ドSは笑った。
素晴らしい、と……だがもったいないと残念そうに。
「コ・ホンブックちゃんやらtu氏やら、本当に素晴らしい……だけど、こうなるとドMちゃんじゃなくなるなぁ」
そう言うと彼は踵を返す。今の蟹座氏では彼の期待に添えられない。
彼女が再び返ってきたとき。それが彼の出番で……それはきっと、もっと後の楽しみとしてとっておくべきものなのだ。
「分かりました。今回は見逃しましょう……ただし、ちゃんと戻してくださいよ? 苛めがいのある少女にね」
すっ、とその姿が消えた。最後に彼はゆっくりと笑いながら、暴走を始める蟹座氏を一瞥して、
「元に戻ることを祈ってますよ、小蟹ちゃん?」
そんな言葉を口にした。



【昼】【E-6 大通り】
【マスク・ザ・ドS@アニ2nd】
【状態】:真中面を消失、疲労(小)
【装備】:一目でドSと判るマスク(出展不明)
【道具】:支給品一式、鋼糸@HELLSING
【思考】
 基本:Sっ気の導くままに
 1:蟹座氏は一時放置。楽しみは後、それも終盤に取っておくものさ
 2:他にも、虐められる相手を探すことにしましょう
 3:今度tu4氏と出会ったら確実に屈服させる

 ※『表』と『裏』、『真中面』の人格を使い分けることで姿や能力が変化します。
 ※『表』:容姿は糸色望。明るいドS。能力は糸色望並。
 ※『裏』:容姿は黒一色のスーツを着る風浦可符香。黒いドS。能力は「ニンジャ」。

 ※次の進路は書き手氏に一任します。

2110薔薇のように、萌えキャラにだって棘はあるものさ:2008/02/12(火) 00:01:31 ID:f.3ZGr/o0



「あれ、最速の人だ……喉が痒いなぁ……あはは、こんにちは、最速の人♪ 以前の借りを返さないとね♪」
「………………蟹座氏。君にシリアスキャラは似合わない。落ち着くんだ」
「うん、とりあえず殺すね♪ 斬殺、射殺、刺殺、圧殺、轢殺、爆殺、撲殺、写殺、滅殺、全殺……選択肢はあげるよ♪」
写殺に突っ込んでいいか? とは言わない。
最速の人は死ぬ覚悟を決め、それでも引いてはいけない事情で震える体を抑えた。
蟹座氏が走る。最速の人を殺すために……かつての理想、想いすらも忘却して豹変してしまった少女に、最速の人は叫ぶ。

「蟹座氏、よく聴くんだ。君は……君だけはそんな路線に入ってはいけな、ぐぎゃっ……
 こんなに弄ったりする我々を君は憎んでいるかも知れない。それは知っている、分かっている。ぐえっ!
 だが、敢えてギャルゲロワを代表して私は訴える……蟹座氏、君は……が、がぎギ……そのままの君でいてく、れ……
 我々は決して悪意があるわけじゃ、ないんだ……ただ、愛しいとすら思……ってる、これはまぎれもない事実……なのだ。アッー!
 だからこそ、敢えて言うぞ。君は、もっと、シリアスがいい……というが……そのポジション(ネタキャラ)を捨てるなんてとんでもない!」

もう、何度斬られただろうか。
だが、蟹座氏を弄る者たちの代表として伝えなければならない。
彼女がどれほど愛された存在であるかということを。

「そのままの……君が……好きなんだ、みんな……だから、決して憎まないでくれ。
 蟹座の名前を否定し続ける姿勢、いちいち反応する素直さ、それこそが萌えポイント。
 ギャルゲロワに少なかった萌えという一大要素を、書き手が再現するという貴重さ。それすらも価値だ。
 これからも君を弄る。弄り続ける。だけど、それは愛情の裏返しだ……だから、今は怒りを収めてほしい……頼むよ」

蟹座氏の手が止まった。
鮮血にまみれた手が震えていた、飛沫を浴びた瞳から涙が毀れていた。
(ふっ、これまでか)
最速の人は静かに笑うと倒れこみ、そうして少女に抱きとめられた。
その様子を見て満足げに最速の人は笑って見せた。死亡フラグを集めて生き残る野望は達成できなかったが、仕事はできた。
(応急処置はした……後は、任せたぞ……)
もう、聞こえない。
謝罪の声も嗚咽も聞こえなかった。


【ギャルゲロワ版最速の人@ギャルゲロワ 死亡】


「……あっ……あっ……」
殺してしまった。
あんなに手を差し伸べていたのに、何度も斬りつけたからだ。
何度も何度も何度も、怒りに任せて鉈を振り下ろしたから。
「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい……!」
蟹座氏はただ謝り続ける。
「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい」
明らかに腕の中の男が死んでしまったと分かっても、いつまでも謝り続けていた。
そうするしか、できなかった。
 

【昼】【E-6 ファミレス】
【蟹座氏@ギャルゲロワ】
【状態】蟹見沢症候群発症、ノーパン、へこみLv5→Lv3、顎部に痒み
【装備】鉈
【道具】支給品一式、蟹座の黄金聖闘衣、最高ボタン
【思考・行動】
基本:???
0:ごめんなさい……
※外見はつよきすの蟹沢きぬ(カニ)です
※最高ボタンには『いやっほぉぉぉおおおう、蟹座のONiぃ様、最高ーーーーーっ!!!!!』というハクオロの声が流れます。
  シークレットボイスにも何かあるかも?
※自分の心がキャラに影響されていることに気付きましたが、キャラに抵抗するため無駄な努力をしています。
※身体能力は本気を出せば倉成武ぐらいの力が出ます。通常はカニ。
※蟹見沢症候群について。
 へこみのLvが5になったとき、発祥します。発症した場合、自分を苛めたり辱めたりした者を優先的に殺します。
 現在は沈静化してますが、しばらく苛め続けると再び発症する恐れがあります。
 基本的な症状は雛見沢症候群と同じです。発症中は蟹座氏のチャット状態の特徴により、語尾に♪がついたりします。

2111貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/12(火) 00:03:28 ID:f.3ZGr/o0
ふう、投下終了だ
この場を借りてひとつ言うぜ
調子に乗って蟹座氏を追悼したのは俺です、ごめんなさい
怖くて閲覧者のままだったぜ

2112貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/12(火) 00:20:01 ID:VTz7iIyo0
>なんてもったいない。せっかく放尿シーンを書いて……ゴホン。せっかく萌えキャラ計画を進行……じゃなくて、アレ?
ち ょ っ と 待 て 聖上www

というか初期からじわじわ上がっていたあのレベルにはそんな意味が有ったのかw
検索してみたらしっかりしたネタ仕込みに吹いた。

2113貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/12(火) 00:21:53 ID:4NkRzwik0
乙。わずかな時間でリレーされて吹いた。
あと
>なんてもったいない。せっかく放尿シーンを書いて……ゴホン。せっかく萌えキャラ計画を進行……じゃなくて、アレ?
書いた人判明してたのかwww

2114貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/12(火) 00:23:33 ID:HgsETCgw0
>>2078
承認しました。
んーと、でもメンバー登録しなくてもwikiは編集可能じゃなかったかな…。
メンバー用のページとかないんでログインはしなくてもおkかと。
設定などで要望がありましたら、言ってください。

2115貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/12(火) 00:26:16 ID:UJ494XpE0
丁寧な解説乙だ!
なるほど、こりゃギャルゲロワの人たちが蟹座氏を愛するわけだぜ!w

2116貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/12(火) 00:48:21 ID:kOQbCfQ20
やっぱりジンクス発動したかwww

つーか投下多すぎで感想が追いつきませんw

2117特別編 支給品通信:2008/02/12(火) 01:27:13 ID:skotG36U0
注:これはあくまで特別編です。肩の力を抜いて、死者スレ感覚でお読みください。

「クラールヴィントと!」
「バルキリースカートの!」
『支給品通信!』
「というわけで、唐突に始まったこのコーナー!お相手は『くぎみーのジンクス?でもそんなの関係ねえ!』なクラールヴィントと、」
「『若本ネタ多すぎ?でもそんなの関係ねえ!』な核鉄(バルキリースカート)だ!」
クラ「しかしおまえ、単に声が録音されてるだけで別に意思持ち支給品じゃないだろう。
   まあ、私も微妙だが…。こんなことやっていいのか?」
バル「それこそ『そんなの関係ねえ!』。所詮これは番外編だ、ぶるぁあああ!!」
クラ「意味もなく吠えるな!それはさておき、今回のテーマはこちら!」

バレンタイン直前特集 書き手ロワ2ndカップル紹介

クラ「…ということなんだが。」
バル「カップルだぁ?特集するほど成立してたか?」
クラ「まあ、とりあえず台本通りに進めていこう。まずはこの二人!」

No.1 静かなる 〜Chain-情〜&素晴らしきフラグビルド

クラ「今のところ、もっとも恋愛フラグを積んでいるカップルと言っていいだろうな。」
バル「そうは言っても、全部フラグビルドの作戦じゃねえか。Chain-情のやつは、
   ただもてあそばれてるだけ…。」
クラ「遊びから真実の恋が生まれることもあるかもしれないぞ?お相手がChain-情の
   ような純情タイプならなおさらだ。」
バル「愛が生まれる前に死ななきゃいいけどなあ…。それはそうと、Chain-情はいつから
   純情キャラになったんだ?あいつ、最初の頃は「変態という名の紳士」呼ばわり
   までされてたのに…。」
クラ「あれはただの誤解だろう。まあ確かに、彼はお色気系のイベントに結構遭遇して
   いるな。」
バル「所謂ラッキースケベってやつか…。あやかりたいもんだねえ…。」
クラ「何を言う。自分こそ女の太股に張り付いているくせに。」
バル「誤解を招くような言い方するんじゃねえ!」

No.2 ギャグ将軍&コロンビーヌ

バル「今俺たちが世話になってるチームのリーダーと、その相方だな。」
クラ「この二人の間に恋愛感情はあるのか?」
バル「俺が知るか。まあひとつ言えることは、ギャグ将軍のほうはコロンビーヌが
   いなくても、新しい相方と楽しくやってるってことだな。」
クラ「そういう言い方すると、なんだかコロンビーヌがかわいそうに思えてくるな…。
   まあ、本人は気にしてないだろうけど…。」

No.3 大あばれ鉄槌&ボマー

バル「いや、この二人はカップルじゃねえだろう。常識的に考えて。」
クラ「いやいや、出会いが最悪だった男女こそ、意外と恋愛に目覚めるものなのだ。
   ラブコメの定番ではないか!」
バル「恋愛に目覚める前に死ななきゃ(ry」

2118特別編 支給品通信:2008/02/12(火) 01:29:52 ID:skotG36U0
No.4 地味子&フリクリ署長

クラ「命を救ってくれた相手へのあこがれ…。定番だな!」
バル「個人的には、未だにフリクリ署長のルックスが謎なのが気になるがな…。
   クーガーならまだいいが、大塚署長だったら…。絵的に厳しいぜ…。」

No.5 地球破壊爆弾No.V-7&クールなロリスキー

バル「女同士じゃねえか!」
クラ「何を言う。こな×かがは基本だろう、二次創作的に。それに、地球破壊爆弾は男も
   入ってるぞ。」
バル「今のところ1/7だけどな…。」
クラ「ところで、『ちきゅうはかいばくだん』で変換しようとすると『地球は海馬九段』
   となって笑えるんだが。」
バル「テーマ関係ねえぇぇぇぇぇ!!」

No.6 派手好き地獄紳士『666』&衝撃のネコミミスト

バル「また女同士…。」
クラ「このカップルは一方的ながら、非常に強い愛情があるな。この地獄紳士のような
   愛し方をプラトニック・ラブというんだろうか。」
バル「こんなどす黒いプラトニック・ラブ、聞いたことねえよ。」

クラ「おっと、そろそろ放送時間がなくなってきたようだ。それではみんな、次は本編で
   会おう!」
バル「次回はァ、我々のチームが超絶凶悪マーダーと戦いまァす。」
クラ「これが本当になったりするのが、このロワの怖いところなんだよな…。」
END


すいません、調子乗りました。
いちおう、釘宮の性格は三千院凪がベースです。
若本の方は割とフリーダムで。

2119貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/12(火) 01:32:59 ID:hBl15p1c0
乙wwwカップル多いなw
これにガチホモとか一方通行な感情とか入れたらもっと凄い事になりそうww

というか、ここに死者スレがないのが本当に勿体無いw

2120貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/12(火) 02:09:38 ID:.R1kWUlc0
予想外に受けがよかったので調子にのって調子に乗った作品投下します




ザザンザーザザン♪ザザンザーザザン♪ザザンザーザザン♪
ドン!ひゅるるる〜♪チャンチャチャーチャチャン
それも私だー♪
あれもー私だー♪
あなたもー僕もーやあぱあり私だ〜♪イエイ!!

チャラララララ〜♪
 さあ今日もこの時間がやってきました、『クイズ!それも私だ!』
本日はここ書き手ロワで特別出張スペシャルでお送りしたいと思います!
司会は私『目立ちすぎだこの主催!』ことユーゼス・ゴ……む?

お前今『我らが稀代の開き直り型ステルス外道対主催でもちょっぴり不運風味』めい☆おーと
闘っているんだろうが、こんなところで何してやがる!だと?
わっはっはあ、ここ最近にらみ合いしっぱなしで暇なんだよ!
後、ユーゼスってそんな性格じゃない、そもそも『クイズ!それも私だ!』ってなんだよ!?だって?
ふ、知らんのか、スパロワの私のすごいはっちゃけぶりを。
それにここには既にディーという先例がいるではないか。
奴に比べれば私のほうがよほど原作準拠だ。
まあ、天の声の代理である点は否定しきれんからな。
よし、今から私のことは、ゆーくん、と呼んでくれ。
ちょうど、永遠神剣もあることだしな、わっはっは!

さあ、これでもう文句はあるまい。
気を取り直して本日のゲストを紹介することにしよう!
む?またクレームか。
なになに、そんなことはいいからとっとと問題出せ、とな。
はっ、これだから素人はせっかちで困る!
不思○発見!しかり、世界うるる○滞在記しかり、最近のクイズ番組はクイズだけでは成り立ってはいないのだよ!
さあ、ゲストの入場だ!
素晴らしきフラグビルド、静かなる 〜Chain-情〜、カモン!

2121貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/12(火) 02:10:37 ID:.R1kWUlc0


「ちょ、待ってください、フラグヒルドさん、そんなに急いでどうしたんですか!」
具体的には午後までかからずB-3からD-5まで移動してしまうくらいのスピードである。
まあ、割と移動時間が曖昧なスパロワ発のこの番組では些細なことである。

「……フラグヒルド」
「え?」
「フラグヒルドって、呼び捨てにしてくれたら、待ってあげます」
「いや、でも……」
「私が目を覚ました時は、何度もそう呼んでくれたじゃないですか」
「あ、あれは、その、苺にじゃなかった、フラグビルドさんが心配で、つい」
「そうですか、じゃあ、止まりません」
「あう」

ちなみに言うまでもないがこの展開も全てフラグビルドの計算通り。
Chain-情との恋愛フラグを推し進めつつD-5へと向かうためである。
温泉にとどまることにより、襲撃してくるであろうマーダーを利用して、
Chain-情と二人きりになることに成功した彼女を、予想外の事態が襲った。

自分以外の誰かの手によって、フラグが建てられたのである。それもかなり大きなものが。
フラグ建てを生きがいとする彼女はそれ故に他人のフラグにも敏感であった。
建てられたフラグの種類や大きさによっては、自らが立てようとしているフラグを制限されることも多々あるからである。
だが逆にやわなフラグや時を読み違えたフラグならば、さらに大きなフラグを建てる生贄にすることができる。
そう考えた彼女はいてもたってもいられなくなり、眼を覚ますふりをするや否や、
「見てないですか」「み、見てない」「本当ですか?」トークを繰り返しつつ服を着て、
「あはは〜まってよ〜」「つかまえてごらんなさ〜い」ごっこをしながら猛スピードで燃え盛る宿から、
フラグセンサーに反応した現場に急行したのである。
え、フラグビルド疲労は大丈夫なのかって?
そんなものは気合だ、気合!



む?ほかの人たちは無事でしょうか的な会話も省略されているだと?
そんなありふれたものを流してもつまらないではないか。
編集時にカットしておいたわ。さあ、CMはここまでだ。続きを見よ!

2122貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/12(火) 02:11:36 ID:.R1kWUlc0


「チェ、Chain-情さん、あれ!」
「どうしたのって、まさか!」
欝蒼と茂る森を駆け抜けてきた二人の視界が急に開いた。
そこはまさしく戦場跡だった。
どこを見渡しても激しい戦いが繰り広げられたであろう痕が目に入る。
そして何よりもその戦場の中心に突き刺さる一本の剣の姿。
「ま、まさか……」
それはわりとよくどのロワでも見られる光景だ。
善悪問わず最後まで戦い抜いた戦士の墓。
「ここでも、誰かが、死んだのか」

そしてChain-情は気付いた、その剣の柄にまるで輪投げのようにはまっている一つの首輪の存在に。

「あ、ああ」
ふらりと、まるで呼び寄せられるように近づき、その首輪を右手に取る。
見てはいけない、見なくてはいけない。相反する思いに葛藤するChain-情の左手をそっと温かい何かが包み込む。
「フラグ、ビルド、さん?」
「大丈夫です。Chain-情さんは、いつも私を助けてくれました。だから」
Chain-情は、花を見た。この世にただ一つしか咲いていない美しい華を。
「あなたを襲う悲しみは、私も一緒に受け止めます」
その笑みに力をもらう。
この少女の前では絶対に逃げないと心に誓い、そして、

「う、うわああああああああ!」
男は膝をつき、崩れ落ちる。
知らなかった。放送ではない予期せぬ形で、誰かの死を知ることがこんなにもつらいなんて。
無明幻妖side.。かって彼とアニロワ1stを支えた仲間の名前。
視界が、霞む。
自分よりも多くの仲間を失った少女の前で泣くわけにはいかないと空を仰ぐ。
その空が、不意に曇った。
「……泣いても、いいんです。
誰かのために泣いてあげることは、悪いことじゃないんですから」
ああ、知らなかった。世の中には晴れよりも暖かい曇りがあるということを。
「あ、うううう」
地に立つ剣を見た時から覚悟はしていた。
その速さ・質・量、どれをとっても最高だと自負できるアニロワ1st。
だが、だからこそ、こんなおいしい死に方をしたのは自分の大切な仲間かもしれないと。
それでも、それでも自分は。
「かっこよくなくていい!俺はおいしい死に方なんてしなくていいから、
 情けなく命乞いをしてでもあの人に生きていて欲しかった!」
生きてさえいてくれたら、またSSを書くことができた。
でも、無明幻妖side.はもういない。美形元帥もかえってこない。
彼らと自分の物語が、Chainすることは、二度とない。
そのことがたまらなく悲しくて、男は少女の胸で泣き続けた。

その花が毒と刺を持つことも知らず、太陽に近づきすぎたイカロスが地へと叩きつけられたことも忘れて。

2123貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/12(火) 02:12:19 ID:.R1kWUlc0

やあやあ、ゆーくんだよ!インターミッションは楽しんでいただけたかな?
え、私が出しゃばらなければいい話・黒い話で終われたって?
わはははは、ただのSSじゃあ終わらせない。それも私だ!
ではお待ちかねのクイズといくぞ!

今見てもらったVTRのあと、二人は剣に手を合わせ遺品のデイパックを開けて支給品を確認するのだ。
パロロワではよくある展開だな。
真面目なChain-情は遺品を持っていくことを気にしてはいるが、
ここは私の考えをフラグビルドの心情で代弁しよう!
「っつうか、そもそもパロロワの支給品って大抵他人のものだろ?」
はっはっは、パロロワは主催者の財布事情に優しいのだよ。

話がずれたな。
このクイズの問題とはずばりその支給品の中身を当ててもらうことだよ!
無明幻妖side.はなんとまだ二つも謎の支給品を残していたのだ!
カオちゃんに使わなかったところを見ると、よっぽどのハズレだったのかもしれんな。
……ゆーくんが状態表書くまでその存在を忘れていたんじゃないからね!?本当だよ!?
首輪のことだって慌てて自己リレーしたんじゃないからね!てかカオちゃん、あんた首輪ついてたのか、おい!
ぜーはー、ぜーはー。すまない、ダイダルゲートが暴走して、変な思念をキャッチしてしまったようだ。
気にしないでくれたまえ。

それでは問題です!
無明幻妖side.の遺品Aと遺品Bの中身はなんでしょう!
無論パロロワらしくちゃんと各原作ロワの出身だ。と言えなくもない。
なんだその曖昧さは!だと?
ふん、仕方ないだろ。確かに所持品としては登場したがどれも支給品ではないのだから。
ははははは、これは大ヒントだぞ?
む?現地調達はギャルゲロワの印象が強すぎるとな。
まあ確かに。スパロワでもないのにアムロ爆誕しおったからな。
ではヒントを出そう。
A・Bともにそのアイテムに馴染みのある人物を上げていく。

2124貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/12(火) 02:13:42 ID:.R1kWUlc0

まずはAからだな。
じゃじゃん!
ヒント1 ラトゥーニ・スゥボータ
勘のいい奴はここでもう気づいただろうな。
まあスパロワを読んでいない者もいるであろうからな、次は大手ロワからだ。
ヒント2 平賀・才人
そうだ、あのるるるのって今度はなんだ!最終的にさらに進化しただと!?
それに別ロワじゃイメージ違うだと!わかったならばこれなら文句はあるまい!
ヒント3 朝倉・音夢
わっはっは、恐るべし!まさかあれだけの死亡パターンが用意されているとわな。

次はBだな。
じゃじゃじゃん!
ヒント1 八神・太一
まさかあんなにも切ない再会を演出することになろうとは。
む?太一も2か所出身だから嫌?ええい、次の奴は存在自体が答えだ!
ヒント2 吉良・吉影
まさに因果応報!そのせいで無差別マーダーも一体増える始末!
ここまで来たのだから、とどめのひと押しだ!
ヒント3 八神・はやて 才賀・勝 摂津・きり丸
これが全てあの悪魔じみた正義の味方の誤射によるものとはな。
最高の鬱展開だったわ!

さてもう視聴者の皆にも分かったであろう。ではVTR続きスタート!


正解はこちらで〜す!
「ぎゃああああーーーーーーーーー!!」
「…………あ、きゃあああーーーーーーーーー!!」
良い悲鳴だ!あのフラグビルドですら一瞬演技をし忘れたくらいだからな!
二人が手に持つものは皆ご存じであろ?
そう四次元ポケットだよ!
そしてそこから次々と湧いてくる首、首、首、首、首、首、首、首、首、首、首、首etc!!!
同じく手首、手首、手首、手首、手首、手首、手首、腕、腕、腕、腕、腕、腕、腕etc!!!

支給品A お徳用原作パロロワ全生首セット(目玉セット他に換装可能)

支給品B 原作パロロワ全手首詰め合わせ今なら腕も付いてくる!

2125貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/12(火) 02:15:06 ID:.R1kWUlc0
「いやああ!Chain-情さん、捨てましょう、これ!」
「そうしたいのは山々だけど、それはそれで誰かに鬱フラグを建ててしまう!」
それこそがフラグビルドの狙いなのだが、Chain-情は断固阻止。
「でも、持ったままじゃ私たちに!」
それでもいいかと思っているとは思うがね。
「いや、アニロワ1stじゃあ、劉鳳の腕はブロークンして対主催の決め手にって、なんで無いんだ!?」
いやあれ、生じゃねえし。石じゃん!
「くそせめてどっかの読み手が論争起こしたように、イマジンブレイカーでも入っていれば!!」
え、どっかの誰か?では、皆さん、ご拝聴!!



―― そ れ も わ た し だ !!


【午前】【D-5 戦場跡】
【静かなる 〜Chain-情〜@アニロワ1st】
【状態】:疲労(中)、混乱、茫然
【装備】:カードデッキ(龍騎)、ゴールド・エクスペリエンスのDISC@漫画ロワ、仗助の学生服@漫画ロワ
【道具】:支給品一式×2、レインボーパンwith謎ジャム@ギャルゲロワ、CD『ザ・ビートルズ』、カエル×10、
     お徳用原作パロロワ全生首セット(目玉セット他に換装可能)
【思考】:
 基本:殺し合いに反逆ゥ!そしてなるべく多くの仲間と生還し、死んだ書き手の分まで頑張る。
 0:不幸だあああああああああああ!
 1:フラグビルドを保護
 2:シルベストリとコロンビーヌ。そして、襲撃者はどこに……?
 3:とにかく首をどうにかしたい



 ※容姿はスクライド(アニメ)の橘あすか。
 ※元々着ていた服は、転移の際の崩壊により行方知らずとなりました。
 ※フラグビルドの度重なるアタックに、けっこう心が動いています。




【素晴らしきフラグビルド@アニ2nd】
【状態】:疲労(超絶大)、全身に火傷(小) 、思考中
【装備】:いちご柄のパンツ@ジャンプロワ 元々着ていた服
【道具】:支給品一式(まだ何か持っているかも)
     コアドリル@アニロワ2nd 、泉こなたのスクール水着@漫画ロワ
     原作パロロワ全手首詰め合わせ今なら腕も付いてくる!
【思考】:
 基本:フラグを立てて立てて立てまくる
 0:このセット、意外とフラグ建てに使えるかも
 1:さすがに無理しすぎた、やべえ
 2:静かなる 〜Chain-情〜と素敵なフラグを立てる



 ※容姿は小早川ゆたか@らき☆すた(ただし髪の色は緑色)です。
 ※ゆびぱっちんで真っ二つに出来ます。
 ※コアドリルを使用することで螺旋力を発揮することができます。
 ※螺旋力を発揮することで強制転移が可能。その規模によって疲労の度合いが変わります。

 ※両セットには、書き手ロワに参加したあらゆる原作パロロワの首と手首と腕が含まれています。
  某自律戦車などの取り扱いは次以降の人たちにお任せです。


挿入歌
『それも私だ』
作詞 それも私だ
作曲 それも私だ
歌   やはり私だ
リメイク もっと私だ

2126クイズ それも私だ!が、ついにそのベールを脱いでしまいました:2008/02/12(火) 02:17:39 ID:.R1kWUlc0
投下終了
ああ、なんで私はこういろいろやらかすんだ。
題名は「クイズ それも私だ!が、ついにそのベールを脱いでしまいました」で

2127貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/12(火) 02:31:57 ID:VTz7iIyo0
この支給品は……想像すると本気で怖いな、これw

2128書き手ロワ2ndの火薬庫:2008/02/12(火) 03:30:45 ID:hBl15p1c0


沈黙を続けたまま、お姉さまとパンタローネは歩き続けていた。
あの放送からかれこれ数時間、ずっとこうだ。
と言っても、別に喧嘩していると言うわけではない。
多すぎたのだ。死者の数が……あまりにも。
正統派を地で行くこの二人の想像をはるかに超える数。
放送を聴いたパンタローネは、一度だけお姉さまを見た。
悲しそうで、けれども諦めてはいない。そんな目だった。
その直後、お姉さまもパンタローネに視線を向けた。
辛そうで、けれども挫けてなどいない。そんな目をしていた。
二人は無言で荷物を整理すると、森を抜けるため歩み始める。
主催者に伝わるように、力一杯足を踏みしめて。

「……お姉さま」
「ああ。気付いてる、この匂いは」

日本人なら9割以上の人間が嗅いだ事のある匂い。
その匂いが、近くの民家から強烈に匂ってきている。
二人は頷きあうと、その民家のチャイムを鳴らした。

「あの、誰か居ますかー?」

パンタローネの呼びかけの数秒後、ドアが勢いよく開放される。
そして、扉を開けた人物は二人を見ると、胡散臭そうに顔を顰めた。

「悪いけど、新聞は要らないよ」
「「……」」
「おや、新聞じゃないのかい?なら、牛乳とかかい?悪いけど、それも要らないよ」
「「……」」

二人は言葉を失って喋る事が出来ない。
それもそのはず、出てきたのは、全裸でBIN☆BINな熟女こと底上中の残月だったからだ。
その後ろから、慌てた様子で◆yHjSlOJmmsことルーキーが飛び出してくる。

「ちょ、残月さん!初見の人にはブラクラですから!」
「何言ってるんだい!?アタシのどこがブラクラだってんだい」
「あだッ、いだだだだだだだッ!」

突き出していたルーキーの頭を脇で抑えると、強烈なヘッドロックを極める。
香ばしい脇の匂いと肉肌に、ルーキーの顔が真っ青になっていく。

「残月さんよぉ、そいつ死んじまうぜ」
「おっと。こりゃいけないね。ほら、目を覚ましな」
「う、うぅん……」

首を絞めていた残月の後ろから、気だるそうな顔をしたKing of 脳内補完が姿を現す。
そこに来て、ようやくお姉さまは気を取り直した。
ちなみに、パンタローネは未だに硬直している。

「あ、あの……もしかしてアンタら対主催グループか?」
「おいともさ!アタシら三人真っ当な対主催だよ」

既にその格好が真っ当でない気がするが、後ろの脳内補完が首を振っていたためスルーすることにした。
と、安堵してしまったのか、お姉さまのお腹から可愛らしい音が全員の耳に届く。
これを聞いた残月は、540度ターンするとプリケツを振りながら民家の中へと戻っていった。

「とにかくあがりな。今から食事を用意するよ」

ふらつくルーキーを抱えた脳内補完も、顎で二人を促し奥へと戻っていく。
残された二人は、あまりの急展開についていけず呆然としていたが、
やがてどちらからと言う事も無く、三人の後へと続いていった。



――――

2129書き手ロワ2ndの火薬庫:2008/02/12(火) 03:31:13 ID:hBl15p1c0



「そっか、アンタらも大変だったねぇ」
「ああ。けど、俺は絶対殺し合いをやめさせるぜ」

カレーを貪りながら、お姉さまは残月と情報を交す。
パンタローネもちゃっかり食べてるが、あれはいいんだろうか。
ちなみにテーブルを挟んで乳全開な残月だが、流石のお姉さまも諦めたようだ。
なんとも適応能力の早い人だ。さすが性別不明を自称するだけある。
一方のパンタローネは、未だ慣れないのか目を会わせようとしない。
それと、さっきから脳内補完の視線が微妙に気になるのだ。
話しかけたものの、気だるそうに自己紹介をされたっきり言葉を交していない。
それなのに、なぜか彼から微妙な気配を感じてしまう。

「お姉さまよ。我にもカレーをく「出てくるな変態神」……うぐぅ」

それはお前の口癖じゃねぇ。と言う突っ込みは、誰もしてくれなかった。
と言うか、お姉さまがディーを呼び出した時も誰一人反応してくれなかった。
ギャルゲ1stの最後に立ち塞がったその勇姿も形無しである。
お姉さまは改めて、椅子の下で「蟹座氏萌え〜」と呟く変態を見下す。
この男は下手に調子に乗らせると、「クイズそれは私だ」以上の事をやりかねん。
そう思ったお姉さまは、足に絡みつくディーの股間を踏みつけながら無視を続ける。
が、股間を踏まれるディーは「か・い・か・ん」といった表情を隠し、脳に直接語りかけてきた。

(ここからはオフレコだが……我の半身を有する参加者が死んだ)
「え?」
「ん、どうかしたかい?」
「あ、いや、なんでもない」

声を掛けられた残月に作り笑いを見せ、お姉さまは心の中でそっと呟く。

(どういう事だ?)
(うむ。どのロワかは不明だが、おそらくハクオロの姿をした参加者がいたのだろう)
(だろうって事は、その人は)
(死んだ……たった今な)
(くそっ)
(落ち着け。今動いてもその男は帰ってこぬ)

ディーを踏んでいた足に力が入ってしまったのか、下から悶絶するような音が聞こえる。
だが、それが聞けたお陰で、お姉さまは心に冷静さを取り戻した。

(で、だ。本題はここからなのだが、その死体を探してはくれんだろうか?)
(なんだって!?)
(もしかしたら、その男を取り込めば多少だが力を取り戻せるかもしれんのだ)
(けど、取り戻したらお前は!)
(安心しろ。我とてこうなった以上最後まで協力する。決着はそれからで構わんだろう?)

ディーからの思わぬ提案に、お姉さまは思考を巡らせる。
この場合、最大のデメリットはディーに力を取り戻させる事だ。
が、言葉を鵜呑みにすれば、力を全部取り戻せると言う訳でもないらしい。

(考えておく。けど、もし変な事を考えたら)
(分かっておる。言ったであろう。「我もこの主催には腹を立てている」と)

それだけ脳に残すと、ディーは真面目な顔をアヘ顔へと一瞬で戻した。
一方、新たな情報をもたらされたお姉さまは、空になった皿を見つめ沈黙を続けていた。

2130書き手ロワ2ndの火薬庫:2008/02/12(火) 03:31:36 ID:hBl15p1c0

「お、元気になったかい」
「ええ」

残月の声に、お姉さまとパンタローネは背中の方へと顔を動かす。
そこには、壁にもたれかかり、顔に手を当てるルーキーの姿があった。

「ご心配おかけしました」
「なに、アタシのしちまった事だからね。それより、二人に挨拶しな」
「ええ」

静かに呟くと、ルーキーは座っていたパンタローネとお姉さまの前で跪く。
目の前で突然跪いたルーキーに、二人は思わず姿勢を正す。

「お初にお目にかかります。私は◆yHjSlOJmms。気軽にルーキーとお呼び下さい」

二人は思わず顔を見合わせる。初めて会った時、この男はこんな口調だっただろうか。
だが、お姉さま達より前から一緒に居た残月と脳内補完が何も言わない所を見ると、これが普通なのだろう。
そんな事を思われているとは知らず、ルーキーは恭しく頭を垂れ、お姉さまの手をとった。

「綺麗なお人だ」
「!」

避ける前に、ルーキーはお姉さまの手の甲にそっと唇を乗せる。
またも唐突な出来事に、今度はお姉さまの身体が凍る。
それを良い事に、ルーキーの唇や舌は未だお姉さまの甲を這い続ける。
この行為から数秒後、ようやくルーキーの唇が離れ、その瞬間お姉さまの硬直も解けた。

「ちょ、いきなり何を――」

文句を言おうとして、言葉が詰まる。
ルーキーのお姉さまを見る目が、一瞬だけ強烈な寒気を思わせるように見えたからだ。

「おや、一目惚れかい?」
「ええ。そのようなものです」

残月の茶化す言葉を、ルーキーは少し陰のある笑みで返す。
ただ一人異変に気付いたパンタローネは、お姉さまにそっと近付く。
見れば、その顔は真っ青に染まっている。

「大丈夫?」
「あ、ああ」

パンタローネを盾にルーキーをそっと覗くが、先程のような目はしていない。
それどころか、今の彼の目は純真な子供のような目をしている。

(見間違い……だったのか?)

体の隅から隅まで覗かれているような嫌な気配を振り切り、お姉さまは自分に渇を入れる。
そんなお姉さまに安心したパンタローネだったが、ふと微妙な視線を後方から感じ振り返った。
視線の先にいたのは、爪を切って指を綺麗にする脳内補完しかいない。

(疲れてるのかしら……けど、今の視線は……)

さて、爪を切っていた脳内補完は、パンタローネの睨みを無視して爪を磨き続けていた。
怪しんではいるだろうが、決定打の無い今は何を言っても意味が無い。
下手に混乱を招けば、パンタローネ自身がステルスの烙印を押されかねないから。
それを確信した脳内補完は、心の中でそっと嘲笑う。

(さて、暫くはお手並み拝見って奴だ。パンタローネちゃんよぉ)

そしてもう一人、どこか様子の変わったルーキーは、愛しい人を見るようにお姉さまに視線を向けていた。
彼にも、脳内補完と同じように変化が起きていた。
と言っても、彼の場合別の書き手の記憶が移った訳ではない。
ルーキーの引き起こした変化は、一言で言うならば『覚醒』である。
今まで内に秘めていた書き手としての『欲望』の部分が、あのカレーで目覚めてしまったのだ。
そしてそれは、彼の外見から口調。さらには性癖までも塗り替えていく。
今ここにいるのは、ルーキーと言う名のレザード・ヴァレスだ。
知る人ぞ知る変態ストーカー魔術師レザード・ヴァレス。
その一途な想いだけなら、神ですら手の付けられない天才魔術師。
これでもう、AAAのキャラが地味だなんて言わせない。

(ふふふ。これから綺麗に染めて差し上げましょう……私だけの愛しいお姉さま)



和気藹々とした雰囲気が、一瞬にして微妙なものに変わっていた。
だが、こんな微妙な空気になっているとは気付かず、残月はパンと景気良く手を叩く。
そして、自分に注目が集まった事を確認すると、自信満々に胸を突き上げた。


「よし、腹も膨れて仲間も増えたんだ。そろそろ次の仲間を見つけに動き出すよ!」

2131書き手ロワ2ndの火薬庫:2008/02/12(火) 03:32:23 ID:hBl15p1c0




【昼】【E-1 民家】
【チーム『ニトログリセリン』】

【お姉さま@ギャルゲロワ】
【装備:青龍偃月刀、ディー、チャイナ服】
【所持品:支給品一式、支給品一式(他ランダムアイテム1)】
【状態:健康】
【思考・行動】
基本行動方針:殺し合いに乗ってる人間を止め全員での脱出
1:仲間が出来てよかったぁ
2:戦う覚悟。
3:あのルーキーって男、大丈夫だよな?
4:ハクオロの姿をした参加者……候補のロワは三つ(ギャルゲ・葉鍵・アニロワ1st)か
※容姿はくれないの長髪でスレンダーな美少女。というかまんま東方の中国w
※性別は未だ不明。
※ディーにより東方キャラに変わる力を得ました。何に変わるかはディーの気分次第。確率的には咲夜が高い。
 やばすぎる能力には制限がかかってます。
※ディーは制限により弱まってます。そしてそれが原因でちょっと逝ってます。
※ギャルゲ版最速の人の死体を見つけると、もしかしたらディーの力が少し復活するかもしれません。
 また、その後ディーがどれだけ協力してくれるかは、次の書き手さんにお任せします。


【パンタローネ@漫画ロワ】
【装備:無し】
【所持品:支給品一式、支給品一式(ランダムアイテム不明)】
【状態:健康、自動人形】
【思考・行動】
基本行動方針:殺し合いには乗らない、乗った人間には容赦しない
1:あの脳内補完って男とルーキーって男、何か変ね……
2:助けられる人はなるべく助ける。
※パンタローネの服を着ていますが顔は若いです。
※深緑の手の空気供給率が低下しています。
※深緑の手:手の平の穴から空気を吸収し、指から圧縮された空気で攻撃する技。
 原作では片手撃ち尽す→もう片手で撃ちながら、撃ちつくした手は空気供給で弾切れの心配が無かったりする。
※脳内補完とルーキーに僅かに警戒


【King of 脳内補完@漫画ロワ】
【装備】スカウター
【所持品】支給品一式、ウルトラミキサー(故障?)
【状態】健康
【思考・行動】
基本:ステルスマーダーとして参加者は皆殺し
1:こいつらは利用させてもらうぜ。ま、使い道が無くなったらそれまでだがな
2:あのパンタローネって女。確か同じ漫画ロワだったな……ちっ
3:あのクソガキ(Chain-情&クソビッチ(うっかり侍)、次あったら殺してやるぜ……マジでな
4:つか、マジでエニグマの紙どこ行きやがった?
※中の人がB・D・Nであったために、人肉カレーとがきっかけで異世界の自分、
 およびもう一人の自分と記憶がシンクロしました
※本人は気付いてませんが、スタンド『ホワイトアルバム』が使えます。詳しくはググレ。


【底上中の残月@アニロワ2nd】
【状態】全裸、空腹を満たす
【装備】なし
【道具】支給品一式、放火セット(燃料、松明、マッチ)、未定支給品×2(本人確認済み)
【思考】
基本:対主催を集めて主催者を打倒する
1:これもアタシのカリスマってやつかねぇ
2:積極的に動くけど、おっかないのは御免だねぇ……
※容姿はドーラ@天空の城ラピュタです。
※全裸主義者なので服を着ることをいやがります。
※もちろんBIN☆BINです


【◆yHjSlOJmms(ルーキー)@AAAロワ】
【状態】覚醒
【装備】ピストル(15/15)
【所持品】なし
【思考・行動】
基本・対主催……のフリした優勝狙い
1:好青年を装ってお姉さまの全てを美味しく頂く(色んな意味で)
2:シルベストリ◆O4VWua9pzsに接触する。どうするかは不明
3:AAAロワ書き手を探す……が、生かす保証はなし
※人肉カレーが原因で、外見も口調もレザード・ヴァレス(CV:子安)に進化しました。
 そのため、ありとあらゆるロワの『魔術』を使えるようになりました。
 何が使えるかは、今後の書き手さんとAAA本編によります。
 さあ、今すぐAAAを読んでくるんだ!

2132貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/12(火) 03:33:39 ID:hBl15p1c0
以上、投下終了でござる。
あんなカレーを食ったら、きっと無事ではすまないと思うしだいにござりまする。

2133貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/12(火) 07:00:20 ID:fEJwqUgU0
ああああもう何この投下ラッシュww

>>2111
聖上……まさか蟹座氏に葬られるとは。
つか、あの二人相手に割と善戦したVを一瞬で殺すって蟹身沢症候群ヤバくね?w

>>2132
カレーのジンクスまたしても発動か。
チーム名がまさにぴったりジャマイカw

2134貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/12(火) 07:02:08 ID:fEJwqUgU0
っと、もう一つあったな。
>>2126
それも私だの歌で腹筋大決壊クソワロタ

2135闇の声:2008/02/12(火) 13:18:53 ID:kG1W7aPQ0
空気を引っ掻き、鉄をも切り裂く恐るべき触鞭が地面を叩きそこに真新しい傷を刻む。
撒き散らかされたアスファルトの破片の雨を掻い潜り、ロス仕込みのステップで銀髪の男は間合いを取る。

絶影という名の幽波紋で苛烈な攻撃を繰り出しているのは漫画ロワ出身の書き手――康一君。
それを華麗な足捌きと体技のみで避け続けているのはアニロワ2nd出身の書き手――暮れなずむ内面描写。

銀髪の男を襲う触鞭はその数を1本から2本に増やし、その熾烈さを倍にする。
が、それでも触鞭は男を捉えることが出来ない。ただ、男が一瞬前までに立っていた場所に穿たれるだけだ。
直線的に、そして時には螺旋を描き千変万化に襲い来る触鞭を、男は人類の範疇内の運動能力だけで避け続ける。

「――ちぃっ!」

痺れを切らしたブーメランパンツの男――絶影を操る康一君は、今度は絶影を本体ごと突進させる。
スピード:Aである絶影は、名前の通り影も残さぬ速さで銀髪の男の背後へと移動するが――、

「――ふぅッ!」

――真後ろからの斬撃を男は身体を前屈させて回避。さらにその状態から手を伸ばし、裸の上半身を円運動。
遠心力によって生じた威力を腰を通して下半身へと伝達し、強力な後ろ回し蹴りを絶影の身体に叩き込んだ。
理合の力をその身に受けた絶影の身体がくの字に折れ、それは同時に本体である康一君の元へとそのままの威力で伝わる。

「げばあぁ――ぁッ!」

絶影と同じ姿勢で悶絶し、空気と涎を口から撒き散らす康一君。
そんな大きな隙を暮れなずむ内面描写が見逃す訳もなく、操り糸の切れた絶影に理合の拳をしこたまに打ち込む。
一発。二発。三発。四発。五発――と、そこでサンドバックは男の前から陽炎の様に消えた。

「ぐぅッ! よくもっ、貴様。紳士の身体に――!」

一旦消失させた絶影を再びその脇へと出現させながら、康一君は銀髪の男を怒りに滾った瞳で睨み付ける。
目の前の男は特殊能力を持たない一般人。いわばモンキー。なのに、紳士である自分が遅れを取っている。
絶対正義の力が通用しないことに、康一君の心はその身体同様打ちのめされていた。

「……人間を侮らないほうがいい。特に私の様な美しい人間は」

一方、20メートル程の間を空けて対峙する内面描写の顔に浮かんでいるのは余裕の表情だ。
だがしかし、それが表面上のものだけでしかないことは、露にされている肌の上に流れる汗が証明している。
一見すれば相手を手玉に取っている様に見えるが、根本的なパワーとスピードの差は比べるべくもない。
針の穴に糸を通す慎重さを常に意識させられている分。疲労の度合いも全く違っている。それに――、

「やぁ――ってやるぜ――ッ!!!」

互いに敵は一人だけではなかった。しかも、もう一人は戦闘機に乗り、上空から襲い掛かってくるのである。
青空を鉄の翼で掻き進み、烈火と共に鋼鉄の弾丸を雪崩落としてくるイーグルファイター。
康一君は咄嗟に絶影をACT2へと進化。撃ち込まれる鉄の塊を分厚い装甲でガードする。
かすっただけでも死を免れない内面描写は、弾丸の軌道を瞬時に判断。安全地帯へと避難する。

一瞬の仕切りなおしの後、
地上に残された二人は再び漆黒の鷹が戻ってくるまでの間を互いの闘争に費やすべく、その身を躍らせた。

2136闇の声:2008/02/12(火) 13:19:11 ID:kG1W7aPQ0
 ◆ ◆ ◆


「(…………私はどうすればいいんだろう?)」

目の前で起こっている、異能者と一般人と兵器による激しく真面目な三つ巴のガチバトル。
その描写を離れた位置で見守りながら、彼らの優勝トロフィー役である少女は悩んでいた。
夕焼け色の美しいオレンジの髪をした彼女の名前は――エロスの鐘の煩悩寺。

変態的な男達によるガチムチ3P――それが始まってより、すでにもう一日の四分の一ほどが経過している。
その途中で、第一回目の放送も流れた。だが、どこにその精力があるのか彼らは未だ闘争中だ。

「(ここで、こんなことしてていいのかな……?)」

オレンジ髪の少女は、唯一の所有物である地図を見ながらそんなことを思う。
紳士を名乗る康一君より借りたペンによってそこに書き込まれているのは、余りにも多すぎる死者の名前だ。
単純に数字だけで言えば24人。
それだけの人数がたった6時間。彼女がこの場で手をこまねいているうちに失われてしまったのだ。
雄度ばかり高くてなんの役にも立ちそうにない目の前の3人。彼らをうっちゃってでも、動くべきではないかと彼女は思う。

「…………、ご主人様〜……」

――え? と、不意に聞こえてきた声に少女は顔を上げる。

「……ご主人様〜。……ここですよ〜♪」

幻聴ではない。小さいがはっきりした女の子の声が耳に届いていた。しかも、この声はどこかで聞き覚えがある。

「あなたは……――私?」

謎の声の主はすぐそばにいた。少女に預けられていた康一君のバック――その上に小さなメイドさんが立っていた。


 ◆ ◆ ◆


掌サイズの小さなメイド。そのかわいらしい少女は夕焼け色の髪の毛をし、煩悩寺と同じ顔をしていた。
ありていに言えば、アニロワ2nd内で生まれた闇メイド――サスペリアの姿をしていた。しかし――、

「あ、あんたデッサンが狂ってない……? なんかムーミンみたいな顔よ」

――真ん丸とした茄子のような顔の輪郭はムーミンか、クレヨンしんちゃんっぽい感じである。

「――失礼しちゃうわッ! あんたこ○みようじに喧嘩売ってるつもり?」
「え? でも、外伝は従来のファンから見るとあんまり評判はよくないらしいんだけど……?」
「うるさーい! と言うか、今はそんなロワ外のネタはいいでしょッ――!」

2137闇の声:2008/02/12(火) 13:19:31 ID:kG1W7aPQ0
顔を真っ赤にして金切り声を上げていたメイドは、一つコホンと咳払いすると本題へと入った。
足元にあるデイパックの口から、自分と同じくらいの大きさがある一つのハンドベルを取り出す。

「はい。あなた専用の大人向けデバイス――『エロスの鐘』よ!」
「エロスの……鐘……?」
「そう。そして私は、あなたを助けるマスコットキャラ――ミニけ……ではなく、ミニ・サスペリアよ♪」

ふふーん♪ と薄い胸を張るメイドからベルを受け取ると、煩悩寺はそれを一つ凛と鳴らしてみる。

「……なんだろう。力が沸いてくるような気がする」
「あったり前じゃない。あなたはコレとわたしがあって、やーっと本来の実力を発揮できるんだから」
「本来の、実力? 私に秘められていた……力?」

「ええ! 魔法妖女デザイア・ベル――の誕生よ♪ さぁ、変身しましょう!」


――エロの道 求め進むが 煩悩寺 ☆


 ◆ ◆ ◆


海辺に嬌声の様な鐘の音が甲高く響き、桃色と赤黒い瘴気が裸になった少女の身体を包み込む。
そして、実時間にして一瞬。だが、演出としては十分な尺が取られた変身シーンが過ぎ、
立ち込めていた瘴気が晴れたその場所には、先程と同じでそれでいて全く違う少女が立っていた。

その身を包むメイド服は、彼女の肩の上にいるミニ・サスペリアが着ている物とそう変わらない。
だが、薄く艶のある生地は肌にぴたりと張り付いて彼女のプロポーションをくっきりと浮かび上がらせ、
花弁の様なフリルのついた真白なエプロンは、胸やお尻を鷲づかむ様にデザインされそこを艶かしく強調している。
そして何よりも、彼女の表情、眼差し、唇のツヤ、舌の赤さが先刻までとは明らかに違う。
姿形が変わった訳ではないが、最早そこに少女の面影はない。今のそれは魔艶の妖女のものである。

未だ彼女の目の前で死等を繰り広げている三匹の雄。
それを確認すると、魔女はクスリと童女の様でいてまた妖婦の様でもある笑いを浮かべた。


 ◆ ◆ ◆


立ち並ぶ灰色の建物の群れ、その中に翼をもがれた黒鉄の鷹が叩き込まれる。
とうとう康一君が操る絶影の剛なる両拳――ドリルミサイルがその大きな翼を穿ち貫いたのだ。
だがそれは、そこに乗り込んでいた男――スパロワの書き手、起の命を奪うまでには至ってない。

「やぁ――って、やるぜ――ッ!!!」

雄叫びと共に瓦礫の山の中から、全裸に鉄仮面という出で立ちの男が飛び出してくる。
そこを狙って絶影の触鞭が払われるが、彼は手足を振ってそれを跳ね返すと、そのままザンッ――と、海辺に着地した。

「てめぇら、絶対許さねぇ……! 野生の本能の力を思い知らせてやるぜ――ッ!」
「フンッ! 貴様もすぐに断罪してやるぞ! 絶対正義の力を見るがいい!」
「……野生だの本能だの、知性を放棄したあなたは最早、人にも書き手にもあらず!」

それぞれの鍛え上げられた肉体をぶつけ合うべく、3人の漢達は足を踏みしめ気を練り高める。
だが! それは、全く別のものへと変貌する。その場に乱れ入ってきた4人目の雌の力により――!

2138闇の声:2008/02/12(火) 13:19:56 ID:kG1W7aPQ0
「――十傑集が英雄本色! 玩具で遊ぶは笑止千万!」

その存在に、雄達が気付いた時にはもうすでに遅かった。
彼らの耳に、脳に、精神に、根源的な欲望の源に――エロスの鐘の音は、もう届いていたのだから……。


「――エロに楯突く無法が者共、諸行を背負えば現世に還る! 聞けい! 盛者必衰! エロスの鐘の響きあり!」


 ◆ ◆ ◆


「美しい――! 美しすぎるッ! ああっ、あぁ……、あぁんっ! 私はなんて綺麗なんだ――ッ!」

水面に映る自分自身の前で、銀髪の乗った頭を振り、素っ裸になった身体から垂れる汗を掻き集め啜る男がいた。
剥き出した瞳に恍惚の表情を浮かべ、自身が分泌するあらゆる液体を再び自身の中へと取り込んでいる。
上気させた身体を軟体生物の様にくねらせ、ただただ己への愛を確かめ貪っている。


「おおぉっ! うおぉぉ――っ! ヤあぁぁぁぁ――ってヤるZE――ッ! うおおおおぉぉうあぁぁぁ――ッ!」

獲物の上に覆いかぶさり、獣の様にただひたすらに腰を振り欲望を擦り上げ、種を吐き散らす男がいた。
その目に映るのは――肉。ただそれだけ、頭の中にあるのは野生という原始的かつ根源的な欲望のみ。
本能の赴くまま、ただ獰猛に喰らい。歓喜の咆哮をあげながら蹂躙し、他者を征服する。


「うひぃぃぃ――――ッ! もっとぉッ! 私が! 啼くぅ……までぇぇ――ッ! ヒィィィ…………ッッッ!!」

土の上に伏し、ただただ押え付けられ、乱暴にされ、虐げられることを喜びにしている男がいた。
自分の全て――世界を征服されること。世界を囲われ限定されることに安寧を見出し、支配者に世界を委ねる。
首輪を差し出し、自我を放棄し、ただの道具にまで身を窶す事に歓喜を覚え、身体を打ち振るわせる。


 ◆ ◆ ◆


鐘の音の中で変貌してしまった三人の男達。それらを前に、少女はその妖しい顔に恍惚とした表情を浮かべていた。

「これが、エロスの鐘の――私の力。これが、こいつらの……本性」
「そうよ。これが、こいつらの内側に隠されていた欲望。醜悪でありながらどこまでも正直な自分自身の姿よ」
「匂う……、匂うわ。とっても匂う。
 内臓が腐りそうなぐらい臭くて、それでいて粘膜が溶けそうなぐらい甘く、胎がひくつく匂い。精の匂いが――!」

快楽を貪る雄の間から立ち昇る熱い靄を吸い込み、少女はすらりとした四肢を細かに振るわせる。

「はぁ……っん! 滾るぅ……、漲るぅぅ……っ! うぅ……んおぉ――――ッ!」
「それがエロス。そしてエロスこそが魔法妖女の力の源!
 吸いなさい。もっと吸って吸いまくって、こいつらをカラッカラの木乃伊にしてあげなさい!」

リィ――ン♪ リィ――ン♪ と鐘が鳴るたびに、メイド服に包まれた身体が波打ち、窄まった唇が靄を吸い込む。
リィ――ン♪ リィ――ン♪ と鐘が鳴るたびに、少女の身体が張りを増し、生気を漲らせてゆく。
リィ――ン♪ リィ――ン♪ と鐘が鳴るたびに、駆け巡る血が滾り、頭の中を、胸の房の中を、胎を湯立ててゆく……。

2139闇の声:2008/02/12(火) 13:20:17 ID:kG1W7aPQ0
リィ――ン♪ リィ――ン♪ と108回目の鐘が鳴り終わった時、ようやくそれは終わりを迎えた。


張り付いたメイド服も、流れる髪も、厚い唇も、煌く瞳も、内から外に通じる全ての孔をも濡らした少女。
艶やかで、生気に満ち、眼差しに魔力を走らせ、全身から甘い瘴気を発し、エロスの顕現と化した少女。

少女は全身に走る甘痒い余韻が引くのを、長い時間をかけて待つと、
ゆっくりと足を踏み出し、一歩毎に噎せ返るような熱い息を吐き出しながらその場を後にし始めた。

遺されたのはただの絞りかす。今後、永遠に彼女の気を引くことはないであろう醜悪な3つのオブジェ。
それらを背に、少女は次なるエロスの予感に長く赤い舌を伸ばし、顎に垂れる涎を掬い取る。


「――もっとエロスを。こんなのじゃ……たったこれっぽちじゃあ、全然足りない」


究極のエロスを探求すべく、少女――魔法妖女デザイア・ベルは街を往く…………。



【康一君@漫画ロワ 死亡】
【暮れなずむ内面描写@アニロワ2nd 死亡】
【起@スパロワ 死亡】

※3人の死体(木乃伊)とそれぞれの装備がその場に残されています。
※墜落したイーグルファイターの中に起の支給品一式が残されています。



【昼】【G-6/市街地】

【エロスの鐘の煩悩寺@アニロワ2nd】
【状態】:魔法妖女デザイア・ベル、精気満々、魔力全快
【装備】:エロスの鐘、ミニ・サスペリア
【道具】:支給品一式
【思考】:
 基本:エロスの限りを尽くす
 1:他の参加者を探す

 ※容姿はティアナ・ランスター@なのはstsです。
 【エロスの鐘】
 大人向けデバイス。魔法妖女デザイア・ベルへの変身アイテムでもある。
 その音色を聞かせた者が隠し持っている欲望を引き出し、暴走させてしまう。
 暴走した欲望からエロスを吸い取ることで相手の精気を自分のものにできる。
 【ミニ・サスペリア】
 掌サイズのメイドさん。闇のメイド・サスペリア@アニロワ2ndの姿をしている。
 魔女っ娘に必要なマスコットキャラで、ご主人様に色々とアドバイスをしてくれる。

2140闇の声:2008/02/12(火) 13:20:55 ID:kG1W7aPQ0
投下終了しました!

2141貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/12(火) 13:34:37 ID:drkMlkZ60
>>2140
乙……ん?
まさか、こっちも本人なん気が……

と言うか、このロワでエロキャラは何か強い補正が効いてるのかw!?

2142貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/12(火) 14:02:45 ID:HgsETCgw0
投下乙!
完全なる元ネタの逆輸入に盛大に吹かせて頂きました。
ブサイクネタ使うにも程があるってもんだぜ……。
ちびKならぬ、ミニサスペリアとなw

2143貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/12(火) 14:19:16 ID:f.3ZGr/o0
おい、これwwwwwwww
つーか第二回放送までの殺害者、第一回放送のときに殺せなかった奴が大活躍過ぎるwww
今、マーダー何人残ってるっけな?

2144貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/12(火) 14:20:50 ID:drkMlkZ60
>>2143
ステルス含めれば、15人以上居たはず……選りすぐりでチートな奴らばかり


多いよマジでwww

2145貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/12(火) 14:25:59 ID:mftq.1JM0
自重しないレベルに入るとエロが怖いな、このロワw

2146貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/12(火) 14:26:38 ID:zmCqn1FQO
投下乙です。
どうにも本人な気がするな…
しかし、この能力ってエロ師匠くらいしか破れる人いなそうな予感。

2147覚醒の黒き書き手:2008/02/12(火) 14:50:59 ID:Gr9uklZU0
G-7での作戦会議を終えたギャグ将軍、焦ったドラえもん(以下焦ったドラ)、孤高の黒き書き手(以下孤高)、永遠のうっかり侍(以下うっかり侍)はF-6へとたどり着いていた。
仲間を求めてここまでやってきたが、未だに一人も出会えない状況に一行は少々うんざりしていた。

「なかなか他の書き手に会えぬな」
「ど、どうしよう、みんなもうどこかへ行っちゃったのかな」
「だから向こうに行くべきだって言ったんです」
「まあまあ孤高殿、焦っても仕方のない事です。地道にさg――がぁっ」

ここでうっかり侍のスキル・うっかり発動。
地面の凹凸に見事に足を取られてきれいに転倒。
そしてそのまま地面に勢いよくダイビング。
ちなみに、温泉を出発してからこれで三度目だ。

「二度ある事は三度ある。至言よの」
「この調子なら三度どころか十度ぐらい軽くいきそうですね」
「ドラえもんよ、ならば三度ある事は十度あるじゃな。これも至言」
「そんな諺ありませんって〜」
「某とした事が……面目ない」

いささか気落ちした様子のうっかり侍を見ながら、孤高は心中穏やかではなかった。
(何やっているんだか。
 成り行き任せでここまで来たとはいえ、なんか不安になってきました。
 こうしている間にもロワは着々と進んでいるかもしれないのに……いや、実際に着々と進行しているんでしょう。
 第1回放送までの死者が24人。まさかここまで乗り気の人がいるなんて……
 あぁー、考えただけで先が思いやられる。それなのにこの人たちときたら……
 ギャグ将軍と焦ったドラえもんは二人で漫才しているし、永遠のうっかり侍は――自ロワの人ですけど――うっかり転んでばっかりですし……はぁ〜)
そんな事ばかりを考えていたからだろうか。
いつしか孤高の心の中には、本人も気づかないうちに、黒いシミのようなものが広がっていた。
それはほんの小さなの心の迷い。
けれどシミは少しずつ広がっていく。
じわじわと……じわじわと……心に広がっていく。

 ◇ ◇ ◇

コ・ホンブックの精神は既に限界に達していた。
常人なら廃人になるようなところだが、コ・ホンブックも書き手である。
その強靭な精神で最後の精神を保っていた。
それはコ・ホンブックに残っていた最後の心。
それがあったところでコ・ホンブックが狂人であるという事実に変わりはない。
ただ単にそれがあったという事実があるだけ。
だがそんな最後の心も心臓と共に体外へと出されて、霧散した。
そして心臓だけが体内へと戻り――真の狂気の血が全身へと広がっていく。
じわじわと……じわじわと……全身に広がっていく。

コ・ホンブックは歩み始める。
頭の中にあるのは純粋な狂気のみ。
その狂気の捌け口を求めて、歩いていく。

そして見つけた、狂気の捌け口――視線の先にいる4人組。
コ・ホンブックはその顔に狂った笑みを浮かべて乖離剣・エアを正面へと向ける。
あとは、その力を解放するだけ……

 ◇ ◇ ◇

某が彼女に気づいたのは偶然だった。
不覚にも転んでしまい、立ち上がろうとしたその時だった。
兜をかぶり、素っ裸で、右手には何やら面妖な……剣?、そして体中から血を流し続けている少女。
あからさまに異常な恰好だが、それにもまして異常と思えたのは兜から僅かに窺えた表情だ。
言葉にするなら……それはまさしく『狂気』の表情。

「みn――――」

皆に注意を呼びかけようとしたが、それは無駄に終わった。
某の意識は赤い暴風と共に薙ぎ払われた。

2148覚醒の黒き書き手:2008/02/12(火) 14:52:01 ID:Gr9uklZU0
◇ ◇ ◇

「……うっ……あぁ……いったい、何が……」

孤高は意識が回復すると、周りを見渡してみた。
アスファルトはところどころ剥がれ、周りの建物にも大小の被害が見受けられる。
自分はというと、防弾繊維のメイド服のおかげもあって少し体が痛む程度だ。
他の皆は……見当たらない。もしかして今の衝撃で――

「痛いカラコロスイタクシテカラ殺スイタイカラ殺ス痛クシテカラコロス……」
「――ッ!?」

目の前に現れたのは明らかに常軌を逸した存在――コ・ホンブックだった。
その姿も十分異常だが、何より身に纏うオーラが異常だった。
それはどうしようもなくどす黒い狂気の塊だった。
それを目の当たりにしたとたん、孤高は金縛りにあったかのように身動き一つ取れなくなった。
もちろん、悲鳴を上げる事なんて無理だ。声が狂気に潰されたみたいだ。

――本来なら最初のエアの攻撃を受けた4人は死体となるはず。
――それが傷だらけとはいえ、五体満足でいるのはどういう事か。
――いくつか理由は挙げられるが、一番の理由はコ・ホンブックが無意識にセーブした事にあった。
――そうコ・ホンブックは支配されていた。
――己の内から湧き上がる、たったひとつの感情に。
――すなわち『狂気』に。

孤高は何とかこの場から逃れるべく必死に全身に命令を下すが、身体は全く命令を受け付けない。
ふと目の前を見ると、コ・ホンブックがエアの切っ先をこちらへゆっくり、ゆっくりと近づけてきていた。
その狙いは……自分の左目!?

「えっ、ちょっと待った。た、確かに今は朝倉音夢の格好だけど、だからって、そ、それはちょっ、え、あっ、クラールヴィント!
 これでn『死んじゃえばいいよ♪』ってなんなんですかっ! この――――」

ブシュッ!
孤高の言い分など全く関係ないとばかりに、エアはその左目へと吸い込まれていった。

「――――ぎぃゃああアアぁぁああああァァぁぁっっッッッッ!?
 目が、目がぁぁああああーー」

伝説では天と地を乖離させたと伝えられるその剣による痛みは、敢えて言葉にするなら魂と身体の乖離の痛みか。
地面をのたうちまわる孤高とそれを見下ろすコ・ホンブック。
コ・ホンブックはさらなる狂気を振りまくべく再度切っ先を向ける。
動けるようになったが、孤高は痛みで頭が混乱して何がなんだがわからない状況だった。

(なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんでっ!!
 なんでこんな目に遭わなくちゃいけないっ! 何が悪い! 誰が悪い!
 こんなロワを開いた主催者? ふざけた漫才ばかりしていたギャグ将軍や焦ったドラえもん? なんども転んだ永遠のうっかり侍?
 それとも……ここまで成り行き任せで来た自分?
 いやだ……そんな……こんなところで終るなんて――)

孤高の意識はそこで途絶えた。
いや彼女だけでなく、コ・ホンブックも同様だった。
それは幸運か、はたまた不運か。
別の場所で起こったある事象が今この事態を急変させた。
その瞬間、E-5で大破したアヴ・カミュの残骸の破片がなぜかタイムラグを生じさせてこの場所に降り注いだ。
かくして一帯に轟音が響き渡る事となった。

2149覚醒の黒き書き手:2008/02/12(火) 14:53:07 ID:Gr9uklZU0
 ◇ ◇ ◇

孤高は気づくと闇の中にいた。
そこは自分の存在がひどく不安定な感じで、そのくせ確かに存在していると思わせる、異質な空間だった。

「……ここはd」
『終わりたくないのだな……おまえは……』
「誰ですか」
『おまえには生きるための理由があるらしい……』
「……理由? ええ、ありますよ。私はこれからも書き手としてロワを書き続けていくんです」
『力があれば……生きられるか……?』
「力ですか? そうですね、力さえあれば。もしかして何かくれるんですか」
『これは契約。力をあげる代わりに私の願いを一つだけ叶えてもらう』
「契約ですか」
『契約すればおまえは、人の世に生きながら、人とは違う理で生きる事になる。
 異なる摂理、異なる時間、異なる命。
 王の力はおまえを孤独にする。
 その覚悟があるのなら……』
「いいですよ、契約しましょう」
『早いな』
「私の名は『孤高の黒き書き手』です。
 『孤高』が示すように、一人抜きんでる存在になる事を宿命づけられた我が名前!
 いまさら、孤独を恐れるような事はありません!!」
『まあいい。それで契約の内容だが――――
 ――――以上だ』
「そうだったんですか。分かりました。やるだけの事はやってみます。
 それで力というのは……」
『もう与えている。新しい左目だ』
「へっ、あぁ、見える、見えますよ。
 ……へえぇー、こういう力なんですか」
『もう理解したか。本当に早いな、まあいい。では行くがいい』
「はい。じゃあ……あーそうだ。」
『なんだ』
「なんでそのキャラでこの力なんですか? 私ギャルゲロワの書き手ですけど」
『左目が無くなっていたから、ぴったりだと思ったんだが』
「こじつけ臭いですね」
『気にするな』

そう最後に『彼』が言うと、孤高の黒き書き手の意識は再び途絶えた。

2150覚醒の黒き書き手:2008/02/12(火) 14:54:00 ID:Gr9uklZU0
 ◇ ◇ ◇

漆黒の龍、大暴れ鉄槌(以下鉄槌)、ボマーの3人は愛の伝道師を埋葬し終えると、新たな仲間を探して移動し始めた。
道中、鉄槌がボマーを殴ろうとするのを漆黒の龍が止めるという行動を繰り返しながら歩くこと数十分。
突然F-6の辺りから轟音が響いてきた。

「あの轟音、もしかしてマーダーか!?」
「けっ、そんならいっちょぶっ飛ばしに行くか。助けが必要な奴がいるかもしんねえしな」
「あんまり首を突っ込まない方が――アイタッ」
「何言ってんだ。元はと言えば、てめえのせいでもあるんだからな。責任とれよな」
「うぅ、分かったわよ」

そうして一行はまだ見ぬ仲間を求めて全速力でF-6に向かった。

 ◇

「これは……いったい何があったんだ」

それは酷い有様だった。
道路はところどころひび割れたり陥没し、周辺の建物の窓ガラスという窓ガラスはことごとく割れていた。
まるで隕石でも墜落したかのようだった。
とりあえず手分けして辺りを探る事にした。
この惨状では生存者は絶望的か、と思われた瞬間、漆黒の龍は倒れ伏す一人の少女を見つけた。

「おいっ、大丈夫か! しっかりしろ!」
「……うぅ……あなたは」
「僕は漆黒の龍、ライダーロワの書き手だ。安心してくれ、対主催だ」
「そうなんですか……あっ」
「どうしたんですか!?」

漆黒の龍はいきなり苦しそうに蹲る相手を気遣い、顔を寄せる。
そこで彼は気づく事になる――彼女の左の瞳が赤紫色に輝いている事に。
その瞳は見た瞬間、

「ぎぃゃああアアぁぁああああァァぁぁっっッッッッ!? あガァげぇえぐぎャアあぐィげぁァっっッッ――――」

この世のありとあらゆる苦痛が同時に押し寄せ、地獄でもまだ生ぬるいとばかりに自分に襲いかかってくる。
10秒もしない内に漆黒の龍はその場に倒れ、動かなくなった。
そしてそれを見下ろしているのは、さっき彼に介抱された少女――孤高の黒き書き手。

「すごいですねえ、この力は。これならどんな人にも負ける気はしません。
 とりあえず、すいません。一応試しておきたくって。
 それにしても……さっきの兜かぶった人どこに行ったんでしょうね。
 せっかく仕返しできると思ったのに……死んじゃったんでしょうか。
 ま、それならいいんですけど」

孤高が手に入れた力はアニロワ2ndでなんとなく持て余され気味な雰囲気にある王の力『ギアス』だった。
だが相手の目を見るという点においては同じだが、こちらはギャルゲロワ仕様で本来の効果『絶対遵守』とは違う。
こちらの効果は『ギャルゲロワに参加したキャラが味わった苦痛のイメージを全て再現する』というものだった。
あくまでイメージなので物理ダメージはないが、精神ダメージはえげつない。
普通の人なら精神が耐えられずに廃人か自殺という道に進むだろう。
だが、孤高はあまりに早くこの力を理解したために制限に関する部分を一部把握し損ねていた。
それは『同じ人物にこのギアスを使用した場合、その威力は回数に比例していくが、2回目以降は自分にも相手に与えた苦痛のイメージが再現される』というものだった。
つまり同じ人物にギアスを再びかける事は出来る事は出来るが、かけた瞬間自分も無事では済まないという事だ。
つまり孤高は同じ人物にギアスを再びかける行為に関する事象を全く知らなかった。

そしてもう一つ孤高が手に入れたもの……というよりも、現れたものがある。それは……

「成り行き任せはもうこりごりですからねえ。
 皆さんには悪いですけど、私こんな所で生涯を終えたくありませんし」

裏モード。モチーフでもある朝倉音夢の特性が孤高の書き手にも発現したのだった。
このモードの時は基本的に自分のためなら他人を犠牲にするのも厭わない性格のようだ。

「この力で絶対生き残ってみせ『何かを得るためには、それ相応の代価を支払わなければならない』
 ったくうるさいデバイスですね。
 とりあえず、当面は役に立ちそうな人でも見つけて、ついでに脱出に邪魔そうな人を始末していきますか。
 あ、そうそう。ちゃんと契約は果たしますよー。後でね♪」

2151覚醒の黒き書き手:2008/02/12(火) 14:55:03 ID:Gr9uklZU0
 ◇ ◇ ◇

漆黒の龍は気づくと闇の中にいた。
そこは自分の存在がひどく不安定な感じで、そのくせ確かに存在していると思わせる、異質な空間だった。

「……ここはd」
「敢えて言うなら夢の中というところだ」
「誰だ……って、あんたは!?」

そこにいたのは白い拘束服に緑髪の少女……ではなく、赤いジャケットを羽織った吉良吉影、そう『愛の伝道師』だった。

「愛の伝道師!? こんなところで何をして……もしかして、ここは死者スレか?
 そういやこの世のものとは思えない衝撃に襲われたっけ。ああ死んじゃったのか」
「いや違う。ここは死者スレじゃないし、第一お前はまだ生きてるぞ」
「えっ、それじゃあ――」

夢の中、死んだはずの仲間、妙な感覚……そうか、これは、このイベントは――

「死者からの伝言、ていう事か」
「そうだ。時間がないから手短に言うぞ。
 (あいつがちゃんとしていれば良かったんだが……こうなった以上やむを得んからな)」

何かひどく複雑そうな表情をしているが、おそらく会えるのは最後だろう。己の耳に全神経を集中させる。

「単刀直入に言う。
 『予約被りに定評のあるtu4氏』を止めてやってくれ!!」

どういう訳かはさっぱり不明だが、こんなに真剣に頼んでいるんだ。ここは引き受けるべきだろう。助けてもらった恩もあるし。

「分かった。引き受けよう」
「すまん。お前に迷惑をかけてしまって」
「いいんですよ。えっと、理由教えてもらえますか」
「ああ、一言で言うと、同じロワのよしみというやつだ」
「という事は、tu4氏も漫画ロワなんですか」
「いや、ギャルゲロワだ」

えっ、あんたって確か漫画ロワの書き手じゃなかったっけ。あんたボケたか。

「実を言うと、俺『愛の伝道師◆rnjkXI1h76』は、ギャルゲロワのしたらば管理人『ツキノ◆56WIlY28/s』でもあるんだ。
 トリップは違うが同一人物だ、後で確かめてみてくれ」
「!?」
「したらばの管理人だから……予約スレで起こる予約合戦でtu4氏が被るのを結構見てきたというわけだ」
「そうだったんですか」
「そしてお前に渡したいものがある。これだ」
「こ、これは……ハイパーゼクター!!」

そう、それこそライダーロワで序盤から最重要脱出アイテムとして注目されていたハイパーゼクター。
まあ、実際脱出に貢献したのは時空を超える車だったんだが……

「俺は伝道師。これをお前に伝えよう。
 それと俺の代わりに愛を伝道してくれ」
「ありがとうございます、愛の伝道師」

思いは伝わった。愛の伝道師、僕はあなたの思いをしっかり受け継ぎます!
ああ、意識が薄れていく……別れの時かぁ……あれ、まだ何か伝えて…………

「これは俺の推測なんだが……このロワどうも奇妙なんだ。
 同じしたらば……人の…明……なに…知っ…………それに……地図…………地球……爆弾…………」

そして僕の意識は完全に落ちた。

 ◇

最後のは伝わらなかったか。まあ、根拠のないただの推論だしな。
でも……もし当たっていたら……読み手、感電氏、したらば管理人、地図氏、そしてもう一人の自分ツキノが参加していない事……
もしあの時の事が関係しているなら…………俺は…………

2152覚醒の黒き書き手:2008/02/12(火) 14:59:57 ID:Gr9uklZU0
 ◇ ◇ ◇

鉄槌は無事な参加者を探していると、黄金仮面をつけてマントを羽織った怪人を見つけた。
全身に傷を負っているが、幸いな事に致命傷はなさそうだ。

「こいつも書き手だよなぁ。おいっ、しっかりしろ! おいっ!」
「……うっ……おぬしは」
「俺は大暴れ鉄槌、アニロワ1stの書き手だ」
「そうか。余はギャグ将軍。ライダーロワの書き手で、新生クライシス帝国初代大統領だ」
「その倉椅子帝国が何か分かんねえが、ライダーロワって事は漆黒の龍と同じロワの書き手か」
「おお、我らが同志の漆黒の龍を知っておるか」
「たぶんあっちの方だ。立てるか?」

ギャグ将軍を支えて漆黒の龍がいると思われる方へ歩いていくと、ボマーが見知らぬ二人と一緒にいた。
そこにいたのは、焦ったドラえもんと永遠のうっかり侍だった。

「おお、ドラえもんにうっかり侍。二人とも無事だったか。して、孤高も無事か」
「いや、私が見つけたのはこの二人だけ。他には誰も……」

ボマーがそう答えると、5人の間に重い空気が漂い始める。
そんな空気を吹き飛ばそうとギャグ将軍は言葉を発した。

「なに、孤高も新生クライシス帝国の一員。無事に違いない。
 ところで、貴兄らには改めて礼を言わしてもらおう。
 新生クライシス帝国の幹部として心から迎え入れようぞ」
「だからその倉椅子t「お〜い、待ってくれ〜」って誰だっ?」

鉄槌が声のした方を見ると、自分たちが来た方角からこれまた異様な姿をした書き手が走ってきた。
鉤爪のように鋭い指。細い手足。2m近い巨躯。赤く光る目。
そう彼はスパロワ書き手の『結』だった。
その姿ゆえ声をかけようか悩んでいたが、ようやく意を決して出てきたのだった。

「(ああ、やっと一人彷徨うのもここで『終結』だ。やっと仲間にめg――――がぁっ!?」
「イタイコロスイタイコロスイタイコロスイタイコロスイタイコロスイタイコロスイタイコロスイタイコロスイタイコロスッ!!」

その瞬間、文房具店から白い槍のようなものが何本も現われて、結を串刺にした。
白い槍――それは文房具店にあるありとあらゆる紙でできた槍だった。そしてそれを操る者は……

「なによ、あいつは!?『グワッハハハハハ!!! あやつ、やりおったか!!!』」

焦ったドラがそう言ったのも無理はない(核金は余計だったが)。
その者は全身傷だらけの裸体をあます所なく見せ、さらに血がまるで生きているかのように蠢いている。
その者は不死身の悪魔将軍――どす黒い狂気の権化――コ・ホンブックだった。
隕石の直撃を受けたコ・ホンブックは不死の力で再生したのだが、時間が多少かかったためこの瞬間での覚醒となった。

「あれは紙使いの能力に不死の酒の効力……アニロワ2ndの奴か!?」
「鉄槌、あんたってアニロワ1stじゃ――イタッ!?」
「2ndでも書いたんだよ。となると、やばいぜこりゃ」
「どういう事だ鉄槌よ」
「ギャグ将軍か。はっきり言ってあいつは不死身だ。
 制限がアニロワ2nd準拠ならまだ手はあるが、そうじゃなかったら倒す手がねぇ。
 これじゃあ『孤城の主』だぜ」
「ほう〜、ライダーロワで言うと『パーフェクトミッション』か『正義の系譜』というところか」
「まっ、とりあえず……最高の燃え展だな!」

不死身の怪人と5人の戦士。今、ゴングは高らかに鳴り響いた。

【結@スパロワ】死亡

2153覚醒の黒き書き手:2008/02/12(火) 15:00:42 ID:Gr9uklZU0
【午前】【F-6】
【新生クライシス帝国・ギャグ将軍班】
【共通思考】
1:対主催の仲間を集める(首輪解除スキルを持つ者を優先)
2:第二回放送の頃には旅館に戻る。

【ギャグ将軍@ライダーロワ】
【状態】健康。
【装備】杖@ライダーロワ、王者のマント@FFDQロワ
【道具】支給品一式、コーヒーセット一式@スパロワ、コーカサスブレス&ゼクター@ライダーロワ、みWiki@らき☆すた?、ジャーク将軍のマント@ライダーロワ
【思考・行動】
基本:新生クライシス帝国の結成
1:目の前の敵に対処する。ギャグ展開にはできそうにないな。
2:Chain-情の計画に協力。
3:ついでに飲み友達を集める。
4:コーカサスゼクターの資格者を探し、コーヒーを飲む。
5:紅茶を飲むかどうかは保留。
【備考】
※ジャークミドラに似た、ギャーグミドラに変身できます。
※制限がライダーロワ基準だと思い込んでいます。
※シルベストリから、漫画ロワの知識を若干得ました。
※今はChain-情に協力的ですが、ちょっとしたことで心変わりする可能性があります。

【焦ったドラえもん@漫画ロワ】
【装備】ドラゴンごろし@アニロワ1st 、核鉄(バルキリースカート)@漫画ロワ、朝比奈みくるのメイド服@アニロワ1st
【道具】支給品一式 、銀河ヒッチハイクガイド、咎人の剣「神を斬獲せし者」@AAAロワ、他にまだあるかも。
【状態】とりあえず健康
【思考・行動】
1:なによ、あいつは!? というか、やっとシリアス展開!?
2:主催者め……ふざけたアイテムばかりよこしやがって。
3:また鯛焼きを買いに行きたい。
【備考】
※銀河ヒッチハイクガイドには、全書き手のトリップや代表作も含め、
 参加者が知りたいことは何でも記載されています。
 ただし容量の都合で、かなり記述が切り詰められている場合があります。
※核鉄(バルキリースカート)は主催者の改造(嫌がらせ)により、
 発動の度に若本規夫ボイスが再生されます。セリフはランダムです。

【永遠のうっかり侍@ギャルゲロワ】
【装備品】:斬鉄剣@ルパン三世、ティアナのメイド服@アニロワ2nd
【道具】:支給品一式、パロロワ衣服詰め合わせ
【状態】:全身各所に刀傷。貧血は回復。
【思考・行動】
基本:打倒主催、乗った人間は斬り捨てる。
1:目の前の敵に対処する。
2:仲間たちを守る。
2:無事に皆で帰る。
【備考】
※私立真白学園中等部の制服@アニロワ2ndを破り、包帯代わりに全身に巻いています。

【ボマー@LSロワ】
【状態】かなり疲労。裸ランドセル。下着・髪止めと靴は有り。たんこぶ。
【装備】キラークイーンのディスク@ジョジョロワ
【所持品】年齢詐称薬@LSロワ、支給品一式、首輪(闇その2@スパロワ)
【思考・行動】
1:目の前の敵に対処する。
2:とりあえず服。必要なら殺してでも奪い取る。
3:基本的に対主催路線。ただし弱者を守る気は皆無。
4:エロ師匠と対決する。
【備考】
※ガンスリンガーガールのトリエラの姿をしています。義体の身体能力等も有ると思われます。
※あ、声や演技や顔の造作は基本的にアニメ第一期で。

【大あばれ鉄槌@アニロワ1st】
【装備】レイジングハート(待機状態)、バリアジャケット
【所持品】支給品一式
【状態】軽い疲労、最高の燃え展にテンションMax
【思考・行動】
1:目の前の敵に対処する。最高の燃え展だぜ!!
2:隙を見てボマーを殴る。
3:他の参加者と燃え展を楽しませてもらう。
4:デバイスは見つけしだい破壊する。
※容姿はスクライドのカズマ+ヴィータの騎士甲冑
※声は保志総一郎

【全体備考】:コ・ホンブックの出現により5人とも孤高の黒き書き手と漆黒の龍の事は一時的に思考の外に追いやりました。

【コ・ホンブック@アニロワ2nd】
【状態】不死者化、胸に12の傷(※)、腹に10の刺し傷(※)、精神崩壊
【装備】乖離剣・エア@Fate、壊れた戦国の兜@バッカーノ、文房具店にあった紙類
【道具】なし
【思考】??
基本:イタイコロスイタイコロスイタイコロスイタイコロス……
1:皆殺シ
※容姿はR.O.D-TVのアニタ・キングです。
※不死者化するまえの傷は治りません。ずっと痛いままです。
※兜の面はなくなりました。
※E-3の半分程度の建物が壊滅しました。
※E-4のビルのいくつかが崩壊しました。
※F-6のビルにかなりの被害が出ました。

2154覚醒の黒き書き手:2008/02/12(火) 15:01:14 ID:Gr9uklZU0
 ◇ ◇ ◇

「ふう、とりあえずここで休憩としますか。それにしても……」

ここはF-6にあるビルの一室。
この部屋に現在いるのは二人。孤高の黒き書き手と漆黒の龍の二人だ。
無意識のうちに加減したのか、よくよく見ると漆黒の龍がまだ生きている事に気づいた孤高は、
漆黒の龍がこのまま目を覚まして誰かと合流されたら自分の立場が危ういと考え、目を覚ますまで傍にいる事にした。
本当は殺してもよかったんだが、なんとなくそんな気になれず、ここまで運んでしまった。

「なんででしょうね。
 それに愛の伝道師に頼まれた事もやらなくちゃいけないし。
 はあ、とりあえず周辺の探索でもしm『たった一つの真実を見抜く、見た目はツンデレ頭脳はニート、その名は』はあ〜」

孤高が溜息をつく横で気絶している漆黒の龍がわずかに動いた。
漆黒の龍の覚醒は近い――――

【午前】【F-6にあるビルの一室】
【孤高の黒き書き手@ギャルゲロワ】
【装備】:防弾繊維のメイド服@カオスロワ2nd、悟史の金属バット@ひぐらしのなく頃に、クラールヴィント(呪)@リリカルなのはシリーズ、ギアス(ギャルゲロワ仕様)@コードギアス
【所持品】:支給品一式
【状態】:裏モード
【思考・行動】
基本行動方針:ここからの脱出。そのためなら他の人は遠慮なく利用する。
1:とりあえずしばし休憩。
2:漆黒の竜が目覚めたら自分の事はうまく誤魔化す。
3:自分にとって役に立ちそうな人を見つける。
4:脱出に邪魔な人(マーダーや弱者)をできる範囲で始末する。
5:愛の伝道師との契約通り、tu4氏を止める(後回しにする気です)
6:生首はもう勘弁。
※外見は「D.C.P.S.」の朝倉音夢。
※クラールヴィントは主催者の嫌がらせにより全ての音声が釘宮理恵ボイスでランダム再生されます。
 おまけに呪われているため外せません。
※ギアス(ギャルゲロワ仕様)について:
 効果は『ギャルゲロワに参加したキャラが味わった苦痛のイメージを全て再現する』
 あくまでイメージなので物理ダメージはないが、精神ダメージはえげつない。
 普通の人なら精神が耐えられずに廃人か自殺だが、書き手の皆さんは多かれ少なかれタフなので死ぬ事はない……はず。
 『同じ人物にこのギアスを使用した場合、その威力は回数に比例していくが、同じ人物に2回目以降使用すると自分にもその相手に与えた苦痛のイメージが再現される』という制限がある。孤高の黒き書き手はこの制限を知らない。
 その他に何かあるかは以降の書き手にお任せします。
※裏モード:基本的に自分のためなら他人を犠牲にするのも厭わない性格……のはずだが、なぜか漆黒の龍が気になる。
      その他の設定は次の書き手にお任せします。

【漆黒の龍@ライダーロワ】
【装備】カブトゼクター&ライダーベルト@ライダーロワ、がんがんじいスーツ(頭部に凹みあり)@特撮ロワ、ハイパーゼクター@ライダーロワ
【所持品】支給品一式 、折れたエクスカリパー、黒い皮手袋、首輪の残骸(愛の伝道師)
【状態】気絶中、かなりの疲労、全身にひどい痛み、下半身と背中土塗れ
【思考・行動】
基本:対主催。そして脱出。
1:予約被りに定評のあるtu4氏(姿は知らない)を止める!
2:とりあえず服だ。土塗れはもう嫌だし下着姿とかアレだし鉄槌はもう論外(ry
3:ボマーを守る。
4:鉄槌はまあどうにでもなるだろ。
5:生存者の確保、及び首輪の解析の出来る人物の捜索。
6:愛の伝道師の意志をついで愛を説く。
7:リュウガのカードデッキとかないかなー
※外見や声は城戸真司です。
※他ロワの知識は皆無です。
※ドラゴンオルフェノク@ライダーロワに覚醒しました(ただし黒色)。触れたものを灰にする能力はありません。
 直接の原因はコ・ホンブック戦ですが、ビクトリーム博士戦も何かあったかもしれません。
※『蘇った現代の熱血怪人』『派手好き地獄紳士』『ステルス鬼畜』『マスク・ザ・ドS』を危険人物として認識しました。
 『予約被りに定評のあるtu4氏』を『エロスの鐘の煩悩寺』だと思い込み、危険人物として認識しました。
 尚、名前は知りませんが『ビクトリーム博士』も危険人物として認識しました。
※一人称が僕に変わりました。
※ダークウイングの行方は後続の書き手さんに任せます。
※愛の伝道師の推論を聞いたかどうかは次の書き手にお任せします。
 またその推論の真偽は不明です。

2155覚醒の黒き書き手:2008/02/12(火) 15:06:03 ID:Gr9uklZU0
投下終了です。
はい、いろいろやらかし過ぎました。反省します。
でも、後悔はしません。
プロット被りに被りを重ねた結果、当初を上回る規模に……

P.S.ノルマ達成しました。by Nameless

2156貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/12(火) 15:17:18 ID:f.3ZGr/o0
>P.S.ノルマ達成しました。by Nameless
アンタかぁぁぁぁぁぁwwwww
それにしても盛況だな、このロワw そしてやりたい放題だな、皆してw

2157貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/12(火) 15:20:18 ID:zmCqn1FQO
>>2155
え?
あの、その、良く理解できないんだけど……つまり、その、Nameless氏はツキノン氏だった、という事ですか…?
有り得ないステルス力……

2158貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/12(火) 15:21:15 ID:ZiDTdMUA0
投下乙、っていうかみんな自重ww
ギアスとエロス、両方とも精神干渉系じゃトップクラスのスキルだな。
これを破るのは技を越えた熱血か、それよりもえげつない鬱耐性か……

2159覚醒の黒き書き手:2008/02/12(火) 15:35:48 ID:Gr9uklZU0
すいません。なんか混乱させてしまったようなので謝罪します。
先日のギャルゲロワ完結チャットにおいて、名無しで進行して誰かを当てるという企画の際に、
罰ゲームとして何か書くということになったので書きました。
ちなみに自分はツキノ氏ではありません。すいません。
でもトリップを見たら同一人物だったので、ネタとして使わせてもらいました。
誤解を招くような事を仕出かしてすいませんでした。

2160貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/12(火) 15:40:27 ID:f.3ZGr/o0
>>2159
ははは、そんなはず……えええ、マジか!?
よく見つけたなぁ、同一トリップって……そこはそこでGJ!

21612157:2008/02/12(火) 15:46:25 ID:zmCqn1FQO
>>2159
あ、いえいえ、こちらこそ勝手に勘違いしてすいませんでした。
そして驚愕の余りに言ってませんでしたが、
投下乙です。

しかし…良く見つけたなあ、凄い。

2162貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/12(火) 17:59:04 ID:UJ494XpE0
うははははw これはそそられる展開だ。
ええい書き手ロワなんて書いてる場合じゃねーのに

2163貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/12(火) 18:06:34 ID:uY2jbRjIC
>>2162
少なくとも予約入れてるならやめとけw

2164貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/12(火) 18:12:14 ID:f.3ZGr/o0
>>2162
そうだぞw これで予約切れしてみろ。書き手ロワに新たな伝説がまた一ページw
『書き手ロワには現行の予約を捨て置いてでも書きたい魔力がある』とかw

2165貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/12(火) 18:18:13 ID:19HeO0HM0
>>2164
だ、大丈夫だ……と……思ってい……いたかったり……していい?
>>2162じゃないが、自ロワとこっちと同時進行で書いてる俺アホスor2
まあ、自ロワの方は推敲中だから大丈夫だろうけど……はは

2166貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/12(火) 18:55:55 ID:gPuZzgOI0
しかし俺も含めて放送後もばんばん死人出してくよな。
もう10人超えたぞw

2167貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/12(火) 19:27:35 ID:UoW7qhHI0
大人しかった書き手が次々と覚醒していってやがるwww

2168貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/12(火) 19:49:25 ID:zmCqn1FQO
つーかギャルゲ勢残り七人中三人覚醒ってどんな比率だよwww
しかも既に四人が放送後に三回登場してるしw
完結してヒマだからってやる気ありすぎだろw

2169貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/12(火) 19:55:40 ID:EgJ0cRvY0
>>2168
ところがぎっちょん、その一部はギャルゲロワでなく漫画ロワの俺が書いたのさ!

2170貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/12(火) 20:02:40 ID:uY2jbRjIC
蟹座の人とか鉈もって漫画ロワに突撃してくるぞw

2171とっても!アンラッキーマン:2008/02/12(火) 20:04:44 ID:Ff78UAiA0
短めの話ですが、投下させてもらいます。

(放送があってから、約2時間…。パロロワの時間の区切りでいえば、朝から午前になるあたりか…。)

ここはとある小さなビルの一室。◆6/WWxs901は、なんとなしに心の中でそう呟く。
現在に至るまで、彼はここでずっと休息につとめていた。最初のうちはあのでたらめな
仮面ライダーに見つかったらどうしようと気が気ではなかったが、彼は放送直後に
「おのれ、クライシス帝国めぇぇぇぇぇ!!」とわかりやすく存在をアピールしながら
ビルの横を通過していったため、不安はすぐに消えた。

(そろそろ動かなきゃ、さすがにまずいかな…。ジョーカーがこんなのんびりしてたんじゃ、
主催者に怒られそうだし。)

そこまで考えて、彼はふと気づく。

(俺……なんでジョーカーやってるんだっけ?)

すべては書き手ロワ繁栄のために。そう考えて、彼はここまで行動してきた。
だが冷静に考えると、自分が命を賭けてまで書き手ロワに尽くす理由が思いつかない。

(そう、俺は主催者だというあいつに呼び出されて、このロワでの自分の役割を説明されて…。
なんで俺は、それを素直に受け入れたんだ?)

これまで幾度となくロワへの参加を強いられてきた◆6/WWxs901だが、基本的には
いつも対主催であった。そもそも彼の専売特許である誤解フラグは対主催でなければ
ほとんど意味がないのだから、当然といえば当然だ。なのに今の彼は、主催者の忠実な
手駒と化している。今までとはまったく逆の行動と言ってしまってもいいだろう。

(俺は……本当に◆6/WWxs901なのか?)

おのれの存在にすら疑問を抱き、彼は頭を抱える。だが、その苦悩はすぐに振り払われた。

(ぐだぐだ悩んでてもしょうがないか…。今、俺がここにいる理由…。それは誤解フラグをばらまくためだ!)

迷いを振り切り、彼は動き出す。その姿は、先ほどまで自分を追いつめていた仮面ライダーのものになっていた。

(十分に休んだおかげで、変身した相手の能力は問題なく使える…。まずは借りを返す意味でも、
こいつに化けて一暴れしてやるか。)

2172とっても!アンラッキーマン:2008/02/12(火) 20:05:42 ID:Ff78UAiA0
特に必然性もないのに、ライダーっぽさを重視して◆6/WWxs901は窓ガラスを突き破ってビルの外に飛び出した。
そして、華麗に着地。そして正面を見据えると、そこには自分と同じ姿をしたライダーがいた。

「え?」

説明しよう!影の繋ぎ手は現在に至るまで、◆6/WWxs901を探して周囲を探索していた。
そして諦めていったん引き返そうとビルの前に戻ってきたところで、
ちょうど◆6/WWxs901がビルから飛び出してきたのだ。
あまりにもタイミングがよすぎる……いや、悪すぎるが、これが◆6/WWxs901クオリティなのだ!

「えええええ!?」

さあ、果たして彼は再び訪れたピンチを切り抜けることが出来るのか!待て、次回!

「た…助けてかがみーん!」


【午前】【C‐6 市街地】
【◆6/WWxs901@カオスロワ】
【状態】ロボライダー、精神疲労(小)
【装備】ダイナマイトたくさんとライター、ミニ八卦炉@LSロワ
【道具】支給品一式、他にもなんかあるかも
【思考・行動】
基本:参加者に変身して色んな奴の誤解フラグをばら撒く
1:俺ってついてねー!
2:仕方ないから何とかしますよ、ちくしょう…。
3:書き手ロワの繁栄に尽くす(?)。
※変身能力があり、誰にでも変身できます
※主催者によってジョーカーとして召喚されたっぽい。
※自分の行動理念に、わずかですが疑問を抱き始めました。
※まだスーパーかがみんを出せるほどは絶望していません。


【影の繋ぎ師@ライダーロワ】
【装備】:サタンサーベル@ライダーロワ、シャドーセイバー@ライダーロワ
【道具】:カラオケマイク@現実
【所持品】:支給品一式
【状態】:健康。クライシス帝国への激しい怒り。ロボライダーに変身中。
【思考・行動】
基本:殺し合いには乗らない
1:ぶ っ ち ぎ る ぜ
2:もう一人の俺?さてはクライシス帝国の作った偽物か!
3:逃げたクライシス帝国の手下を見つけて倒す
4:先程のクライシス帝国の手下を倒す
【備考】
※変身体はシャドームーンです
※いきなりロボライダーに変身可能になりました。ぶっちぎりです。
※首輪に皹が入っていますが、ぶっちぎりです。
※目の前のロボライダーと自分が追っていた男が同一人物であることは、まだ気づいていません。

2173とっても!アンラッキーマン:2008/02/12(火) 20:06:56 ID:Ff78UAiA0
以上で投下終了です。
しかし、ここのところはすごい投下量ですねえ…。

2174「狂」:2008/02/12(火) 21:02:18 ID:UJ494XpE0


――業が疼く。

目の前に、愛すべき存在がいる。目の前に、何よりも好みの存在がいる。
せっかく責任感を感じて頑張ろうと思っていたのに、思わず何もかも投げ出したくなってくる。
集まりすぎた対主催陣営の面々の中、半ば背景に溶け込みながら、彼女はぼんやりと考える。

いったい何がそこまで彼女の心を揺り動かしているのか?
相手の体型? ――否。
確かにそのつるぺったんな体型、一糸纏わぬ姿は彼女の所属ロワを考えれば好意の対象だ。
けれど、それはあくまで好意止まり。全てに優先するとまでは言い難い。
相手の纏う強烈な鬱展開の気配? ――否。
確かにその属性は彼女の所属ロワの代名詞のようなものだ。
けれど、それはあくまで味付けの1つ。そればかりを喰って生きているわけでもない。
相手の身体に刻まれたいくつもの傷? ――否。
確かにサディスト聖人の1人である彼女にとって、その無惨な傷は詳しく検証したい対象だ。
けれど、この距離からでも見れば大体分かる。医学的知識から見当がついてしまう。

彼女が「その相手」の中に見出し、激しく惹かれ、業を刺激されたもの――それは体型でも鬱でも傷でもない。
それは、狂気。
明らかに正常から外れた、その精神のありかた。

  『蒼星石は、私の『仲間』、だよね?』
  『真紅は、ヒナの中で生きるのよ。永遠に、ずーっと一緒なの☆』
  『……今は殺人機械でいい……鬼でいい……優しさじゃ、辛過ぎるから……』

タバサ教。狂マーダー雛苺。優しさを拒否した殺人人形イヴ。
いずれも彼女が生み出したものだ。彼女がそのきっかけを作ったものだ。
逆に、狂ってもおかしくない状況だったキャラを正気に引き戻したこともある。正気に留めたこともある。
ブラックラグーンの双子、ヘンゼルとグレーテルのように元から狂ってるキャラも大好物だ。
この辺りの性向は、このロワ内にいる「もう1人の彼女」にも認められる性質である。

爆弾魔、という評価と名前が先行する、LSの書き手ボマー。
だが、そんなボマーが何よりも愛するものは、狂気。
狂気と正気の境界で揺らめく心が好きだからこそ、パロロワに辿り着き、パロロワに腰を落ち着けたのだ。

そんな彼女の前に、正真正銘の狂人がいる。
コ・ホンブック。
見るからに「おかしい」存在。暴走を続ける存在。自分を見失ってる存在。

ああ――「こんなもの」と遭遇してしまって、我慢なんて出来るわけがないだろう!
1書き手としても! ロワの参加者としても!
たとえリアルの事情がシャレにならない状況だとしても!

……ごめん、訂正。上の一行は見なかったことにして下さい。
深くツッコまれても、その、困るから。うん。

        *     *     *

2175「狂」:2008/02/12(火) 21:03:08 ID:UJ494XpE0

「えーっと、何とかガイドによれば……って、別に不死者とか狂ってるとかって記載はないんですけどー!?
 どー読んでも、アニタの外見したコ・ホンブックって、人畜無害な女の子のハズなんですけどッ!
 紙使いの能力以外はっ!!」
「つまりは、ロワが始まってから『何か』があったということか。支給品と……他の参加者が何かしたかな?」
「ふむ。興味深いな。出来ればコーヒーでも飲みながらじっくり聞き出したいところであるが」
「とりあえずぶっ飛ばさなきゃコッチがヤラれるぜ、って……」

焦ったドラえもんがヒッチハイクガイドをめくり、うっかり侍が珍しくマトモな推理を巡らせ、
ギャグ将軍がのんびりしたコーヒーブレイクを懐かしみ、大暴れ鉄槌がグルグルと腕を振り回す中。
半裸の少女が、1歩足を踏み出した。

「……おい。何のつもりだ、この爆弾魔」
「あの子は、私が何とか出来るかもしれないわ」

ざわっ。思わず残る4人がざわめく。
無限に再生を重ねる不死者に、破格の攻撃力を誇る乖離剣エア。
これを前に、いったい何が出来るというのか?
LSで何か対抗できるようなものがあったろうか?
だが迷っている時間は無い。コ・ホンブックがその手の宝具を構える。攻撃の構えを取る。

「イタイカラ殺すコロスカラ痛い遺体にシて頃ス遺体カラコロス殺すからイタイ――」
「見込みは五分といったところだけど……そのためには、奴の耳に私の言葉を届ける必要があるわ。
 多少時間もかかるかもしれない。一言呪文を唱えてはい終わり、とはいかないしね。だから――」
「コロスコロス痛いコロス痛く殺すゥ――ッ!!」
「だからみんな、支援お願いッ!!」

ボマーの叫びとほぼ同時に、全てを破壊しつくす竜巻が振り下ろされる。
5人の戦士も、ただ立ち尽くしていたりはしない。瞬時にその場を飛び離れて四散して――

激しい戦いが、始まった。

        *     *     *

狂人というのは、「理解のできない存在」などではない。
狂人というのは、「言葉の通じない存在」などでもない。

ほんの少しだけ、噛み合わせがズレてしまっただけの存在だ。

その根底にある想いは、大抵の場合は純粋にしてシンプル。
仲間を守りたい。孤独を避けたい。優しくされるのがかえって辛い。痛いのをなんとかしたい。
純粋でシンプルなはずなのに、世界との噛み合わせが少しズレたせいでとんでもないことになる。
どこまでも堕ちていくアリ地獄、もがいてももがいても脱出できない底なし沼に嵌ることになる。

それでも、狂気というのは意外と筋が通っているものなのだ。分析可能なものなのだ。
その気になって見てやれば、理解可能なものなのだ。

――それが、自然発生した狂気ならば。

2176「狂」:2008/02/12(火) 21:04:03 ID:UJ494XpE0

        *     *     *

(誰かが“刷り込んだ”わね、これは――)

乖離剣エアが振るわれるたびに、周囲のビル群が壊れていく。
焦ったドラえもんが悲鳴を上げて飛びのき、
うっかり侍がうっかり倒れてきた建物の下敷きになりかけ、
ギャグ将軍が「これじゃギャグにもならん」と愚痴りながら助け出し、
大暴れ鉄槌が逆に突進、雄叫びと共に拳を突き出す。
シェルブリッドが炸裂しコ・ホンブックの小さな体が水風船のように弾け飛び、
しかし次の瞬間には素早く再生を開始する。

仲間が気を引き、攻撃を撃たせ、反撃を叩き込み、再生のために動きが止まった、数秒にも満たぬ時間。
その機を逃さず、ボマーは駆ける。義体の脚力を活かし、一気に距離を詰める。
近づいたことで、コ・ホンブックの裸身に刻まれた傷がはっきり見える。胸の12の傷と、腹部の10の傷。

(見た事もない拷問器具による胸の傷――そしてロワ内で獲得したという不死者の能力。
 まったく、どこのロワの誰なのかな。
 お腹の傷の方はしっかり肝臓やら腎臓やら狙って貫いてるし、そりゃ気が狂うほど痛いはずよ)

破壊の嵐が吹き荒れる戦場で、遠くから叫んでも言葉は届かない。だから距離を詰める。
下手をしたら『自分を中心に』放つ自爆攻撃に巻き込まれるかもしれない。それでも距離を詰める。
戦闘の騒音が無くても、彼女は延々と呟き続けているのだ。壊れたレコードのように繰り返しているのだ。
痛いから殺す。痛いから殺す。痛いから殺す。痛いから殺す。
コ・ホンブック自身の呟きを越えて、彼女の意識に声を届けなければならない。
近づきながら、ボマーは考えを巡らせる。

(でも……ただ身体が痛むだけじゃ、外部への攻撃性には転化しないわ。
 『痛い』から『殺す』――そこには通常ではありえない飛躍がある。普通に狂ったんでは、こうはならない。
 明らかに、そこに悪意が介在している。誰かが彼女の思考を誘導している)

きっと、正気と狂気の境目、まさに彼女が「向こう側」に堕ちる瞬間、誰かが一言囁いたのだろう。
『誰かを殺せばその痛みも和らぐよ』とでも。
まさに地獄に垂らされた蜘蛛の糸。永遠に続く苦しみの中に見えた唯一の光。
手を伸ばさない方がどうにかしている。
いくらボマーが狂気に通じていると言っても、この自然で必死な感情を打ち消すことなどできない。
彼女にできること、それは――

コ・ホンブックと目が合う。コ・ホンブックが乖離剣エアを構える。
コ・ホンブックが不死者のみに可能な自爆攻撃を放とうとする。
まさにその瞬間に、ボマーの囁きが滑り込む。

「――『痛い』んだね?
 その『痛み』、私なら治せるよ。『みんなを殺す』以外の方法もあるよ。
 少し手間と時間はかかるけど、私は、私だけが、貴女を救うことができる」
「あ…………?」

それは、もう1本、別の「蜘蛛の糸」を垂らしてやることだけだ。
たとえそれが何の根拠も裏付けもないはったりだったとしても、
耳元近くで囁かれた、その優しい嘘に、

コ・ホンブックは、縋るように手を伸ばし、そしてそのまま気を失った。

2177「狂」:2008/02/12(火) 21:04:48 ID:UJ494XpE0

        *     *     *

「……『タバサ教』ならぬ『ボマー教』での洗脳上書き、ってか」
「まあね。人は信じたいものを信じる生き物だから。
 それは正気だろうと狂ってようと、変わりのない真実よ」

戦い終わって。
ボマーの膝の上でコ・ホンブックは寝息を立て始め、残りの4人も彼女たちの所に恐る恐る近づいてくる。
激痛と疲労の中、ようやく見つけた微かな希望――
ほッとしたのか気が緩んだのか、気絶したコ・ホンブック。だがそう長く寝ていてはくれないだろう。
彼女の身体の傷はいつまでも痛み続けるのだ。いずれ目を覚ますに決まっている。

「しかし……こーゆーつもりなら、最初っから言いやがれ! ハラハラしたじゃねぇか!」
「あイタッ。もう、ポンポン殴らないでよ。
 仕方ないじゃない、万が一彼女にこっちの意図がバレたらそれで終わりだったんだから」

鉄槌の怒りに、ボマーは口を尖らせる。
そう、間違ってもコ・ホンブックに真意を悟られるわけにはいかなかった。
もしも仲間たちに懇切丁寧に作戦を語って、それがコ・ホンブックの耳に届いていたら台無しだった。
なにしろ……ボマーは本当は、コ・ホンブックの痛みを確実に取る方法なんて、持っていないのだから。

「で……これからどうするのかな? このまま休憩というなら、コーヒーでも入れるが」
「ん〜、あんまりのんびりここに……というか私たちと一緒に留まるのも、危険だと思うのよね。
 この子に『刷り込まれた』条件を考えると」

呑気な言葉を吐くギャグ将軍に、ボマーは渋い表情で答える。
今は気絶しているが、コ・ホンブックに『刷り込まれた』狂気は未だ変わりない。
痛いから殺す。痛みを和らげるために誰かを殺す。
そこに「ボマーに従えば治るかもしれない」との希望を織り込んだが、前の洗脳が解けたわけではない。
彼女が今後どう行動するかは全く読めないが、最悪、当面の苦痛緩和のために人を襲う危険がある。
ボマー以外はどうでもいい、とばかりに、同行者の命を狙う危険がある。

「……って、てめー何ちゃっかり自分の安全だけは確保してやがんだ!」
「いたッ! ちょ、ちょっと待ってよ! 私だって別に安全と決まったわけじゃないわよ!?
 実は危険な賭けなのよ、『私だけが希望だ』って思わせるのって。放り出して行くわけにもいかないし。
 ま、私もこの子の『狂気』を最後まで見届けたかったから、丁度良かったんだけど。
 私の嘘を信じたからと言って、こっちの言うこと全部聞いてくれるとは限らないしさ
 彼女を納得させる結果が出せなきゃ、いずれ私も殺されるでしょうね。ほんの一時凌ぎよ、こんなもの」
「それで……これからボマー殿はどうするつもりで?」

なおもボマーを殴ろうとする鉄槌を押し留めながら、うっかり侍は彼女に問い掛ける。
ずーっと付き纏われかねない、コントロール困難な狂人と共に、ボマーはいったい何をやるつもりなのか。
その問いに返ってきたのは、不敵な笑み。

「そうね……どうせ『不死者』という格好の異能力者がいるんだから、ここは……!」

        *     *     *

2178「狂」:2008/02/12(火) 21:05:17 ID:UJ494XpE0

かくして、一行は二手に分かれる。
ボマーは気絶したコ・ホンブックと共に。鉄槌はギャグ将軍・焦ったドラエモン・うっかり侍と共に。
それぞれ、別れて行くことにする。
そうそう、別れる前に、ボマーがうっかり侍の支給品から服を分けて貰ったことは追記しておかねばなるまい。
ああ、うん、別に「ころしてでもうばいとる」と脅したわけじゃない。あくまで善意で「分けて貰った」だけ。
そういう発言してたとしても、きっと冗談だろう。そうに決まってる。

「しかし、首輪の爆破実験、ね……そりゃ、対主催で行くなら、いつか誰かがやらなきゃいけないことだけど」

焦ったドラえもんは小さく溜息をつく。
ボマーがコ・ホンブックを「使って」やろうとしている実験。
それは、禁止区域へ「あえて」踏み込ませる、というものだった。
禁止区域に入れば、コ・ホンブックの首輪は当然爆発する。そして死に至るような傷を負う。
さて、それで果たして、コ・ホンブックは死ぬのだろうか? 死による苦痛からの開放を得られるのだろうか?

普通に考えれば、首輪の爆発による死は、ロワ内で得られる支給品では回避できない。
首輪を無効化する支給品などナンセンスだ。能力制限がそこにかけられるのは必至。
……それならそれでもいい。少なくとも、コ・ホンブックは永遠の苦しみから解放される。
はっきりいって彼女の今の状態、楽に一瞬で死なせてやるのがほぼ唯一の救いだろう。
だが、もしもコ・ホンブックが不死者の能力で「生き延びた」……爆死からも復活してしまった場合。

『その時は……この首輪の管理は、かなりいい加減だってことになるわ。
 例えば、漫画ロワの『激戦@武装練金』でもあれば、誰でも首輪解除が可能になる。
 アーカードとかその辺のキャラも、簡単に外せるんじゃないかな。
 もしそうなら、分解するのも、そう難しくないと思うわ』
『でも、そんな抜け道、ロワの常識としてあるわけが……』
『地図の支給も後からやるくらい杜撰な管理だもの。ダメで元々、一応確認してみないと』

ボマーはコ・ホンブックが目覚めたら、彼女を上手く言いくるめて立ち入り禁止区域に突っ込ませる予定だ。
生き残ってしまったらその後の扱いに悩むことになるが、まあそれはその時考えるとして。
その結果がどうあれ、その結果は後でギャグ将軍たちのチームに報告する。
旅館での合流予定も聞いたことだし、それまでには結果が出ているだろう。
その間、残る4人の仲間たちは。

「とりあえず、あの2人がどこに行ったかだな」

コ・ホンブックとの戦いの中、行方不明になった漆黒の龍と、孤高の黒き書き手。
ひょっとしたら既にあの破壊の余波で死んでいるのかもしれないが、放置しておくことなど出来ない。
怪我を負って動けなくなっているなら、見つけて手当てしてやる必要もあるだろう。

「某は仲間を守ると誓ったのです。孤高殿を見捨てることなどできはしません」
「漆黒の龍の奴は燃え展をよく知った男だからな。あいつとはもう一回熱い展開を繰り広げてぇ」
「……って、また私の意志も無視して話が進んでるんですけどー!?」
「まあ落ち着くがよい。コーヒーでも飲まんか?」
「飲みませんッ!!」

4人4様のテンションで、彼らは仲間を探して歩き出す。
目指すは新生クライシス帝国の建設――ではなく対主催の戦い。首輪の解除と脱出エンドへの道。
果たしてその先にあるのは、希望か、絶望か、それともギャグか――。

2179「狂」:2008/02/12(火) 21:06:39 ID:UJ494XpE0

【午前】【F-6】
【新生クライシス帝国・ギャグ将軍班】
【共通思考】
1:対主催の仲間を集める(首輪解除スキルを持つ者を優先)
2:第二回放送の頃には旅館に戻る。

【ギャグ将軍@ライダーロワ】
【状態】健康。
【装備】杖@ライダーロワ、王者のマント@FFDQロワ
【道具】支給品一式、コーヒーセット一式@スパロワ、コーカサスブレス&ゼクター@ライダーロワ、みWiki@らき☆すた?、ジャーク将軍のマント@ライダーロワ、
【思考・行動】
基本:新生クライシス帝国の結成
1:孤高の黒き書き手と漆黒の龍を探す。
2:Chain-情の計画に協力。
3:ついでに飲み友達を集める。
4:コーカサスゼクターの資格者を探し、コーヒーを飲む。
5:紅茶を飲むかどうかは保留。
6:ボマーの首輪解析実験に僅かに期待。
【備考】
※ジャークミドラに似た、ギャーグミドラに変身できます。
※制限がライダーロワ基準だと思い込んでいます。
※シルベストリから、漫画ロワの知識を若干得ました。
※今はChain-情に協力的ですが、ちょっとしたことで心変わりする可能性があります。

【焦ったドラえもん@漫画ロワ】
【装備】ドラゴンごろし@アニロワ1st 、核鉄(バルキリースカート)@漫画ロワ、朝比奈みくるのメイド服@アニロワ1st
【道具】支給品一式 、銀河ヒッチハイクガイド、咎人の剣「神を斬獲せし者」@AAAロワ、他にまだあるかも。
【状態】とりあえず健康
【思考・行動】
1:孤高の黒き書き手と漆黒の龍を探す。
2:主催者め……ふざけたアイテムばかりよこしやがって。
3:また鯛焼きを買いに行きたい。
【備考】
※銀河ヒッチハイクガイドには、全書き手のトリップや代表作も含め、
 参加者が知りたいことは何でも記載されています。
 ただし容量の都合で、かなり記述が切り詰められている場合があります。
※核鉄(バルキリースカート)は主催者の改造(嫌がらせ)により、
 発動の度に若本規夫ボイスが再生されます。セリフはランダムです。

【永遠のうっかり侍@ギャルゲロワ】
【装備品】:斬鉄剣@ルパン三世、ティアナのメイド服@アニロワ2nd
【道具】:支給品一式、パロロワ衣服詰め合わせ
【状態】:全身各所に刀傷。貧血は回復。
【思考・行動】
基本:打倒主催、乗った人間は斬り捨てる。
1:孤高の黒き書き手と漆黒の龍を探す。
2:仲間たちを守る。
3:無事に皆で帰る。
【備考】
※私立真白学園中等部の制服@アニロワ2ndを破り、包帯代わりに全身に巻いています。

【大あばれ鉄槌@アニロワ1st】
【装備】レイジングハート(待機状態)、バリアジャケット
【所持品】支給品一式
【状態】軽い疲労、最高の燃え展にテンションMax
【思考・行動】
1:孤高の黒き書き手と漆黒の龍を探す。
2:隙を見てボマーを殴る。
3:他の参加者と燃え展を楽しませてもらう。
4:デバイスは見つけしだい破壊する。
※容姿はスクライドのカズマ+ヴィータの騎士甲冑
※声は保志総一郎

2180「狂」:2008/02/12(火) 21:07:03 ID:UJ494XpE0

【午前】【F-6】
【ボマー教団?】
【ボマー@LSロワ】
【状態】かなり疲労。たんこぶ。
【装備】キラークイーンのディスク@ジョジョロワ、ホーリーの制服@漫画ロワ
【所持品】年齢詐称薬@LSロワ、支給品一式(ランドセル)、首輪(闇その2@スパロワ)
【思考・行動】
1:コ・ホンブックをなんとかコントロールし、その狂気を最後まで見届ける。
2:不死身のコ・ホンブックをとりあえず禁止区域に突っ込ませてみて、首輪と不死性の検証実験をする。
  その結果、コ・ホンブックが死んでも生き残ってもどっちでもOK。
3:その実験結果をギャグ将軍たちのチームに伝える。
3:基本的に対主催路線。ただし弱者を守る気は皆無。
4:エロ師匠と対決する。
5:コ・ホンブックを狂気に追いやった者への強い興味(まだマスク・ザ・ドSの名前までは知りません)
【備考】
※ガンスリンガーガールのトリエラの姿をしています。義体の身体能力等も有ると思われます。
※あ、声や演技や顔の造作は基本的にアニメ第一期で。
※第二回放送の前に旅館に集まる予定を聞きました。

【コ・ホンブック@アニロワ2nd】
【状態】不死者化、胸に12の傷(※)、腹に10の刺し傷(※)、精神崩壊、気絶中
【装備】乖離剣・エア@Fate、壊れた戦国の兜@バッカーノ、ザ・チルドレンの制服@LSロワ
【道具】文房具店にあった紙類
【思考】??
基本:イタイコロスイタイコロスイタイコロスイタイコロス……
1:とりあえずボマーに従い、痛いのをなんとかしてもらう。
2:でも我慢しきれずにボマー以外は殺しちゃうかもしれない。ボマーも殺しちゃうかもしれない。
※容姿はR.O.D-TVのアニタ・キングです。
※不死者化するまえの傷は治りません。ずっと痛いままです。
※兜の面はなくなりました。
※E-3の半分程度の建物が壊滅しました。
※E-4のビルのいくつかが崩壊しました。
※F-6のビルにかなりの被害が出ました。

※ボマーとコ・ホンブックの服は、
うっかり侍の支給品「パロロワ衣装詰め合わせ」の中から譲られた(脅し取った?)ものです。

2181貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/12(火) 21:08:04 ID:UJ494XpE0
投下完了。
誰もマトモに進めないもんだから、ちょっとだけ対主催進めてみました。
首輪の解析に繋がるかな?

2182貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/12(火) 21:56:16 ID:EgJ0cRvY0
乙!良く考えたら殆どの対主催連中はあんま対主催してないんだよなw
これがきっかけで進展が生まれるかな?

2183愛する者たちの為の書き手:2008/02/12(火) 22:06:30 ID:pDEhXfNw0
「気がつけばそこはビルの屋上だった」
屋上に吹く風がコロンビーヌの髪を揺らした。
「…超展開ってわけね」
突然の事態にも驚いた様子はなく、ゆっくりと辺りを見渡す。
一緒に温泉にいたChain-情もフラグビルドもシルベストリもいない。
数秒前まで戦闘をしていた三人組もいない。
「あら…フラグビルドもいないの…。残念だわ」
こめかみに細い指を当てて、残念そうに呟いた。
真面目なChain-情や寡黙なシルベストリとはぐれた事は大した問題ではない。
どちらもギャグ展開からは乖離した人物だ。
しかしフラグビルドは違う臭いがしていた。
あの女は無力な人間を装いながら、腹の中でとんでもないことを考えている。
上手く料理すれば最高のギャグ展開だったのに。
「あーあ…もったいない」
とはいえ、彼女も人のことは言えない。
対主催だとか言っておきながら、ステルスマーダーは放置する。
その理由は、面白そうだから。
面白そうなギャグ展開、うっとりするような恋愛展開を生み出す。
それが彼女の最大の目的だった。
対主催集団に加わったのも、温泉でのマーダーとの戦闘も、そのためのオマケにすぎなかった。

「面白そうなものはないかしら〜」
ビルの端っこへと移動すると、下界を見下ろして状況を探る。
「あら? 誰かいるわね」
顔は見えないが、俯いて力なさそうに歩く男が一人。
「あんまり面白そうじゃないけど…ま、いっか」
えい! と叫ぶと、少女は事もあろうにビルの屋上から飛び降りた。
言い忘れていたが、このビルは20階立てである。



「俺は…俺は…」
鬼軍曹の足取りは重い。
その原因は、仮面ライダー書き手に浴びせられた言葉だ。
「俺は…書き手じゃないのか…」
――お前は書き手じゃない
仮面ライダー書き手の言葉に、一切反論できなかった。
今の自分の姿も能力も、支給品も彼が書き手であることの証明などしてくれない。
もうこの疑問は自分では解決できない。
だから、早くアニロワ1stの書き手に会いたい。
会って、『お前は書き手だ』と呼びかけて欲しい。
しかし、その足取りは重い。
怖いのだ。
アニロワ1st書き手たちからも、否定されることが。
もし、彼らが自分のことを書き手じゃないなどと言えば、自分は…。

「…ッ! クソ!」
思うように足が進まないことにイラついて、その場に腰を下ろした。
ビル街はとても静かで、この世界に一人取り残されたような気持ちになる。
その雰囲気は、支えを失い、フワフワと迷いの森を漂っている彼の心に同調した。
このまま、無機質な景色の一部として消えてしまいたい。
そうすれば、悩むこともしなくてもいい。
この苦しみからも解放される…。

2184愛する者たちの為の書き手:2008/02/12(火) 22:06:51 ID:pDEhXfNw0

眼を閉じ、全身の力を抜くとビル風が鬼軍曹を包み込んだ。
強風の直撃を受けた体が冷えるが、もうどうだっていい。
今は何も考えず、このまま眠ってしまおう。
そう決めだが、眠る前に空を見上げたくなって一度だけ眼を開け、上を向いた。

「あら? お疲れのようね。乳酸菌とってるぅ?」

そこには…鋼鉄の翼を生やした少女がいた。
ゴスロリファッションに大きな羽。それはアニロワ1stにいたあるキャラを連想させる。
まさかアニロワ1st出身の書き手か?
期待しながら顔を覗き込むが、逆光が邪魔をして顔が判別できない。
それでも懸命に眼を凝らすと、少しずつ彼女の顔が認識できる。
確かに人形のような顔だが、彼の想像していたものとは少し違う。
「お前は…」
「私ぃ? そうねぇ…うん、天使よ! 天使。それがいいわ」
大きな羽をはためかせながら、たった今自称天使となった少女はカラカラと笑った。

これが天使なら、天国なんてものはロクな場所じゃあないんだろうな。
心の嘆きは天使には伝わらなかったが、鬼軍曹は少しだけ気持ちが楽になった気がした。


【午前】【E-6】
【コロンビーヌ@漫画ロワ】
【状態】:健康
【装備】:ゾナハ蟲@からくりサーカス、腕時計型麻酔銃(残弾1/1)@漫画ロワ
【道具】:支給品一式、ティーセット一式、麻酔銃の予備針×4 、変化の杖、
     焦ったドラえもん・うっかり侍・孤高の黒き書き手の服
【思考】
基本:恋愛がしたい。
1:とりあえず鬼軍曹と話してみる。
2:新生クライシス帝国民と再会したい(?)。
※容姿はコロンビーヌ(ロリ)@からくりサーカスです。
※ギャグ将軍にシンパシーを感じています。
※影の繋ぎ手・仮面ライダー書き手に紅茶を入れてあげたいそうです。


【猫子頭の鬼軍曹@アニロワ1st】
【装備:対戦車地雷(17/20)】
【所持品:支給品一式、ボン太くんスーツ@スパロワ(大破)】
【状態:多大な疲労、右肩負傷、湧き上がる疑問】
【思考・行動】
基本:殺し合いには乗らずに読み手を倒す。
1:何だこいつは?
2:自分自身への疑問が止まらない。
3:アニロワ1st書き手達との合流。
4:危険視しているコ・ホンブック(◆5VEHREaaO2)の殺害。
5:お姉さまをお仕置きする。
※ボン太くんスーツはゴルドスマッシュの防御に使用したおかげで大破。一部パーツが散乱しています。
※自分の姿、関連グッズや能力の皆無っぷりをふり返り、疑問が浮かびました。




    /ノ 0ヽ
   _|___|_
   ヽ( ; ゚Д゚)ノ <俺って一体……。
     | 个 |
    ノ| ̄ ̄ヽ
     ∪⌒∪

2185貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/12(火) 22:08:37 ID:pDEhXfNw0
投下終わり。
いろいろ書こうとしたけど、ここまで書いて飽き(ry

2186貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/12(火) 22:45:16 ID:PuaCwj2s0
書き手さん方乙!
投下速度が衰えないのが怖いw

ロワ中では恋愛フラグが立ってるのに、リアルでは立ちそうにもない自分と来たら……orz

2187貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/12(火) 22:59:17 ID:fEJwqUgU0
とりあえず現時点での全員の時刻を書き出してみた。

早朝
○サプライズパーティー
○幻夜・フォン・ボーツスレー
○◆MJv.H0/MJQ/
○ステルス鬼畜
○蘇った現代の熱血怪人
○派手好き地獄紳士『666』
○転
○衝撃のネコミミスト



○エロ師匠
○忘却のウッカリデス
○ミスターマダオ
○◆wKs3a28q6Q
○ダイナマイトアンデッド
○神行太保のDIE/SOUL
○フリクリ署長
○熱血王子
○意外な影丸?
○地味子
○THE FIRST
○仮面ライダー書き手
○エース

2188貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/12(火) 23:00:54 ID:fEJwqUgU0
午前
○バトルマスター
○管理人・したらば孔明
○予約被りに定評のあるtu4氏
○静かなる 〜Chain-情〜
○素晴らしきフラグビルド
○コロンビーヌ
○シルベストリ
○漆黒の龍
○ボマー
○大あばれ鉄槌
○ギャグ将軍
○永遠のうっかり侍
○焦ったドラえもん
○孤高の黒き書き手
○地球破壊爆弾No.V-7
○クールなロリスキー
○コ・ホンブック
○影の繋ぎ師
○猫子頭の鬼軍曹
○wiki管理人
○R-0109
○◆6/WWxs9O1s
○読み手
○裸になってすぐアッー〜殺意のqwglOGQwIk〜
○愛媛の0RbUzIT0Toは大変な演説をしていきました
○人外アドベンチャー〜OZbjG1JuJMのウォーゲーム〜
○C.M.超展開はデフォなのか?
○HN「名無し」
○HN「nanasinn」
○HN「七氏」
○HN「ナナシ」





○マスク・ザ・ドS
○蟹座氏
○承
○お姉さま
○パンタローネ
○King of 脳内補完
○底上中の残月
○◆yHJSlOJmms
○エロスの鐘の煩悩寺

多分これで全員のはず。午前民が多いな。
全員が昼に行ったら第二回放送かな? 早すぎるなw

2189貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/12(火) 23:12:17 ID:o/WCmeL6O
乙!だがコロンビーヌは午前なんだぜ

2190貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/12(火) 23:23:06 ID:fEJwqUgU0
>>2189
コロンビーヌは午前にいるぜ(ノ)・ω・(ヾ) 上から六番目

2191幸せは願うもの。叶えるもの:2008/02/12(火) 23:40:31 ID:EgJ0cRvY0



「あつーい。引き篭もってかがみんで遊びたいよぉ」
「駄目よ……ってか、あたしで遊ぶってなんだおい」

外に出て最初に口に出した言葉がコレだ。
この女(?)は本当にヤル気が……ないわよね。だってこなただもん。
いくら中身がアーカードだの長門だの言われても、目の前に居るのは本当にただのこなた。
地球破壊爆弾No.V-7って厄介な奴だけど、根っからの悪でもない変わった奴。

「ん?どしたのかがみん」
「だから、あたしはロリスキー……じゃなくてクールだってば」

あたしの身体にぴったりしがみついて、駄々っ子のように腕を振り回す。
きっと漫画のらきすたのキャラ達も、普段はこんな感じだったのよね。
けど、今の漫画ロワもアニロワ2ndもそんな面影はないんだっけ。
なんだか、そう考えると辛いわね。
今のあたしも、こいつやウッカリデスさんや最速の人と死別するのは嫌だ。
けれど、それが現実になっちゃうのがバトルロワイヤル……

「ねーねーかがみーん」
「……」
「ペロッ」
「きゃあ!」

いきなり人の耳に舌突っ込んできたぞこいつ!
同性(?)とは言え、貞操を奪われたとは言え、そんな事いきなりするか普通。
……するのよね。こいつはそういう奴よね。

「こいつは何か考え事をしている味だぜかがみん♪」
「意味分かんないわ!」
「あー怒らない怒らない。ほら、そろそろ付くよ」

あたしの腕をとって、一人ずんずんと歩いてく。
あまりのマイペースっぷりに、あたしは自然と笑みをこぼしていた。
って、どうしたのよ?そんな真面目な顔して。

「元気でたね。それでこそかがみんだよ」
「ぇ?」

ひょっとして、元気付けてくれたのかしら?
あたしが暗い顔してたの見て、わざとあんなことを?

「(〓ω〓.)〜♪」

まさか、ね。そんな気の利いた事出来る奴じゃないわよね。
でも、ありがとね地球破壊爆弾……じゃなくて、こなたか。



   ◇   ◇   ◇

2192幸せは願うもの。叶えるもの:2008/02/12(火) 23:40:44 ID:EgJ0cRvY0



ふう。あれから結構経ったけど、最速の人さん無事かな。
と言うか、ミスターマダオさんと神行太保のDIE/SOULさんは何処まで行ってんだろ。
あれから結構経ってるけど、全然戻ってくる気配ないよ。
しっかし熱いね。仮面の中は結構快適だけど、暑いことには変わりないし。
そう言えば、マダオさん太陽の光とか平気か――

「何だ……アレ」

目を擦って……って、今は目を擦れないんだった。
ってボケてる場合じゃなくて、もう一回確認しよう。

「あるよね」

空の隙間みたいな所が見える。あれって、何かの建物?
けれど、あんな空に建物あったっけ。なかったよね。朝だってなかったはずだし。
第一、あんな大きな建物が空中に浮いてたら、誰だって気付くよねぇ。
いや、それ以前にあんなのどうやって……

(まさかッ!)

あんな高い所に浮かせた建造物なんて、用途は一つぐらいしか思い浮かばないじゃないか。
恐らくアレは、主催者の本拠地……でも、なんで姿を現した?
こんな言い方なんだけど、死んでしまった書き手さん達はまだ半分に満たない。
言ってみれば、序盤から中盤といったところだ。
なのに、主催者がもう介入してくるのか?こんな殺し合いをさせて?僕らを連れてきておいて?
違う。もしかしたら、正体を現さざるを得ないほど、誰かが力を蓄えたのか?
いや待て、それでも姿を見せる意味が分からないじゃないか。
破られたならまだしも、そうでないのに姿を見せる必要が何処にある。

「おーい」

ならば誰かがその本拠地を発見する術を見つけたのか?
けど、それなら今度は向こうからのアプローチがあっておかしくないはず。
見つけてから、かれこれ数分は経過しているが、あの建物に変化はない。
同じように、あの建物に向かって飛ぶ物体も見逃さないよう、目を凝ら続けたけど見えない。
主催も他の書き手も、見た限り動く様子はないって事か?

「おおーい」

ありえない。主催者は馬鹿なのか?それとも別の意図が?
考えろ。力のない僕に出来る事は考える事だ。
何故突然現れた。何故何も動かない。

「返事しなさいよこの馬鹿!」
「むぉ!」

な、なんだ!?いつの間に近付い――

「ロリスキーさん!」
「あ、ちょ、何抱きついてんのよ!」
「よかった!無事でよかった!」
「ウッカリデス…」

涙と鼻水でぐちょぐちょになってるけど、見えないんだ、構うもんか!
嬉しいんだから。居なくなった仲間が戻ってきて嬉しいんだから。
カッコ悪いって言われても、僕は泣きますよ!

「全くもう……」



   ◇   ◇   ◇

2193幸せは願うもの。叶えるもの:2008/02/12(火) 23:40:59 ID:EgJ0cRvY0



こっちに気付いた途端泣き出して、ウッカリデス(もうさん付けはいいや)ったら馬鹿ね。
そんなに泣いたら、何だかこっちまで涙出てくるじゃない。
しかもあんた、誤魔化してるつもりだけど仮面の下から涙がボロボロこぼれてるわよ。

「全くもう……ほら、気が済んだ?」
「あ、はい」

やれやれ、身体と同じくらい繊細なのかしら。
って、あんた何驚いてるの?

「あ、ああ……」
「(〓ω〓.)ご無沙汰〜元気してた〜?」
「あんた、何でこ、ここに」
「硬くなってるぞヒューマン!」
「!」
「なんちて。あ、そんな構えなくていいよ。とりあえず味方だから」
「味方って、そんなの信じられる訳ないだろ!?」

駄目だ、分かってはいたけどあたしが間に入らないと先に進まない。
ほらほら、ウッカリデスは落ち着きなさい。平気だから。
こなたも、遊んでないで真面目にしてなさい。話すすまないでしょ。

「じゃ、簡潔に話すわよ」

ウッカリデスは信用できるよね。
一応、こなたが特別な位置だって言うのは伏せておいて、後は全部話しましょ。
あ、でも本人の許可取らないとだめよね。

「いいよ〜かがみんの好きにしておくれ〜♪」

なんで人の考えてる事分かったのかしら。
ともかく、本人の許可も出たことだし、さっさと説明済ませましょ。

「そうでしたか」

あら、ウッカリデスって意外と冷静だったのね。
最近じゃ吸血鬼って珍しくないのかしら。
あたしなんか驚きのあまりちょっとパニくったのに。
あれ?そう言えば、最速の人がいないわね。

「ねえ、最速の人は?」
「あ。最速の人さんは――」

言いにくそうに口ごもるウッカリデスを強引に喋らせた。
けど、話を聞いてるうちに、何だか無性に腹が立ってきた。

「何それ?カッコつけてるの?自分から死亡フラグ集めるだなんて馬鹿じゃないの!?」

分かってる。最速の人が囮を買って出たのは。
分かってるけど、それを認めるわけにはいかないのよ。
だから、あたしは目一杯の強がりで本心を隠すしかない。

「帰ってきたらお灸を据えてあげないと駄目ね!」

そうだ。帰ってきたら色々言ってやろう。
な、仲間に心配掛けるだなんて、大人として恥ずかしくないのかと。

「(〓ω〓.)ニヤニヤ」

ちょっと、あんた人の顔見て何ニヤニヤしてるのよ。
べ、別に深い意味なんてないわよ!本当なんだから!

「ペロン」
「ひゃう!」

な、な、な……こいつ〜。また人の耳に舌を入れやがりましたよ。
この!やっぱりさっきの悪戯もただの趣味か!

「この味は、嘘をついている味だぜかがみん」
「なァッ!」
「んちゅ〜」
「ひぅ、んッ、あァ、やぁ、んくゥ」
「ごちそうさま〜♪」

こいつ……白昼堂々、なんて事してくれやがる。
見てみなさいよ。せっかく穿き直したショーツに染みが……って、そんな事言わせんな!
あら、ウッカリデスったら背中向けて何やってるのかしら。

「駄目だよかがみん。そういう時はそっとしておくもんさ」

なにそれ、意味がわかんないわよ。



   ◇   ◇   ◇

2194幸せは願うもの。叶えるもの:2008/02/12(火) 23:41:14 ID:EgJ0cRvY0



とにかく無事で良かった。
なんか変なオマケつきだけど、今の所ロリスキーさんの言う事聞いてるからいいか。

「あ、そうだ二人とも、あれ見てください」
「あれって何よ」
「ん〜見えないよ〜」

は?いやいや、あそこにあるじゃないですか。
ラピュタ城に勝るとも劣らない変な建物が。
って、二人とも胡散臭そうな目で僕を見ないで下さい。

「ほら、あんた疲れてるのよ。こっち来て休みなさい」

ああ、ロリスキーさん完全に変なもの見る目でファミレスの中入って行っちゃったよ。
てか、この地球破壊爆弾さんを残されると、凄い不安なんですが。

「貴方の見たものは、他言しない方がいい」
「おわ!」

なに?なんでこの人長門になってるの?
この人さっきまでこなただったよね?やっぱり僕、幻覚引き起こしてる?

「おそらく、例の一撃と貴方のその仮面の性能が上手く重なった」
「言ってる意味が、良く分からないんだけど」
「……その推論は間違っていない。けれど、今はまだその時でない」
「え、あ、ちょっと!」

何だそれ、全然分からないって。
って、人の話聞かないで行っちゃったよ。
けど……最後の言葉。あれってまさか。

(推論……あれが本拠地って事が?それとも……)



   ◇   ◇   ◇

2195幸せは願うもの。叶えるもの:2008/02/12(火) 23:41:29 ID:EgJ0cRvY0



さて、こなたもいる事だし、何か元気の出る料理を作ってみますか。
それにほら、最速の人だって走り疲れて帰ってくるだろうしね。
あ、いや、別にそういう意味じゃないわよ!
あたしはただ、疲れて帰って来たところに食事を与えれば躾けられるかなって……
もぅ!なに自分で自分に言い訳してるのよあたしは。

「こなた〜。ちょっと手伝って〜」
「ん〜なにぃ〜」
「ちょっと料理作りたいんだけど、あんた手伝ってよ」
「(〓ω〓.)ニヤニヤ」

ニヤニヤすんな。ほら、分からないんだから色々教えてよ。

「仕方ないなぁ〜♪じゃ、ハンバーグとかどうだい?」
「良いけど、ウッカリデスが食べられないわよ」
「ふふん。そんなときのために、ジャジャーン!」
「げぇ!ミキサーって、なにやらせるのよ」

思わず突っ込んじゃったじゃない。
てか、そんなもんでどうにかなるのかしら。

「ま、それは出来てからの楽しみって事で。じゃ、かがみんの愛のエプロ○始め〜」
「余計な事は言わんでいい!」

全く。人をおちょくるなって言うのに。
と言うか、いつの間にあたしを裸エプロンにしたんだお前は!

「(〓ω〓.)ん〜、その微妙なラインがそそりますなぁ〜」
「この!いいから服を返しなさいって!」

そうだ。こんな感じで最速の人が帰ってきたら叱ってやろう。
それでウッカリデスと一緒に正座させて、マダオさんと説教しよう。
この調子なら、こいつもきっと馴染める。
神行太保のDIE/SOULはちょっと怒りっぽいけど、きっと最後は折れてくれるはずだ。
ふふ、こんな時なのにちょっぴり楽しいって思っちゃった。
けど、良いわよね……これぐらい。

「ほら、もう時間無いんだから、遊んでないで始めましょ」
「ふぃ〜」

料理に自信は無いけど、みんなの楽しい顔を想像したらやる気出てきちゃった。
よし!頑張るぞ!




(せっかく作るんだから、冷めないうちに帰ってきなさいよね!)

2196幸せは願うもの。叶えるもの:2008/02/12(火) 23:42:41 ID:EgJ0cRvY0





【午前】【F-6 ファミレス店内】
【忘却のウッカリデス@アニロワ2nd】
【状態】:元気、首を捻挫、腰痛、
【装備】:ゼロの仮面(蝶高性能)@アニロワ2nd
【道具】:なし
【思考】:
1:僕の推論が合っているのか?
2:あとは、マダオ氏の帰りを待とう
3:最速の人との誓いを守る

※ロリスキーを見ると、胸が高鳴ります
※ロ、ロリスキーのを……見てしまった……
※次の放送の時には【E-7 ファミレス】にいる予定。無理なら次の放送の時に戻る。
※ウッカリデスが見た上空に存在する建物は、今の所彼にしか見えません。
【ゼロの仮面(蝶高性能)@アニロワ2nd】
銃弾から魔法、科学兵器、核に至るまであらゆる攻撃を防いでしまう恐ろしい仮面。
ただし、守られるのはあくまで仮面に覆われた部分(頭部)のみ。
視界は蝶良好で窒息の恐れもなし、ただし一度被ると死ぬまで外す事ができない。





【地球破壊爆弾No.V-7@アニロワ1st】
【状態】:(〓ω〓.)、つやつやの元気100倍☆
【装備】:『真紅』の衣装、シルクのエプロン
【道具】:支給品一式、着替え用の衣装(複数)、アダルトグッズ(大量)、未定支給品×1(本人確認)
【思考】:(〓ω〓.)
 基本:とりあえずは、こなた&かがみという方向で……
 1:かがみんのお手伝い〜
 2:お腹が減ったら、かがみんから血を吸う
 3:かがみん用の血を探す(他の参加者か、輸血用血液)

 ※基本的に中身はアーカードで、CVは平野綾です
 ※変化する姿に7つのバリエーションがあるらしいです。
 【1:地球破壊爆弾】【2:アーカード】【3:長門有希】【4:泉こなた】
 【5:銃撃女ラジカル・レヴィさん】【6:?不明?】【7:?不明?】
 ※クーガーの早口台詞が言えます!
 ※鎖鎌、鳳凰寺風の剣、ソード・カトラス、ノートPCの投影が可能です。
 【スーパーキョンタイム】
 地図氏以外の者はゆっくりとしか動けなくなります。一度使うとそれなりの時間使用不可能です。
 【地図氏の地図】
 参加者の位置、生死を含めた地図を投影できます。※長門有希の状態でのみ可能。
 使いすぎるとアレなので、毎晩0時にのみ使うことにします。



【クールなロリスキー@漫画ロワ】
【状態】:不死者、吸血鬼、疲労(小)
【装備】:裸エプロン(キュートなシルク仕様)
【道具】:支給品一式、着替え用の衣装(複数)、『村雨健二』の衣装、日焼け止めクリーム(大量)、未定支給品×?(本人確認)
【思考】:
 基本:脱出か対主催!
 1:さて、いっちょ頑張るわよ!
 2:仲間と無事に合流したら、今後のプランを練るわ

 ※容姿は柊かがみ@らき☆すたです
 ※何故か不死身です
 ※ギャルゲロワ版最速の人に心惹かれています
 ※地球破壊爆弾No.V-7に血を吸われ、彼女の下僕になりました

2197貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/12(火) 23:44:07 ID:EgJ0cRvY0
以上、投下終了。
束の間の幸せほど、欝展開が楽しみなものは無い。
かがみんの不幸はこんな所まで続きます。

あと、裸エプロンは断然シルク派。これは譲れないぜ。

2198貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/13(水) 00:27:31 ID:gVMqJ2QM0
2〜3日振りに来てみたら、なんだよこのありえない速度wwwww
申し訳ないけど一つ一つに感想付けれねえwwww

とりあえず、第一回放送まで地味だった面々の覚醒続発吹いたw
そしてやっぱりかがみん・ハクオロ・6/氏らジンクス持ち組は順調に発動し始めたか……w

2199貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/13(水) 01:33:02 ID:lfGDr/Pk0
ごめんなさい。ゆるしてください。とうかします。

「うおおおおおおおおおおおお!!」
THE FIRSTは走っていた。
死への恐怖を怒りという仮面で覆い、弱き心に鎧を纏って、ただ男は吠え続ける。
目指すは中心部の学校。
先ほど支給された地図を見つつ彼はひたすら南下する。
隠れることなくその身を晒し、目立つように声まで上げる。
この殺し合いの場において目立つことこの上ない行為だ。
だが、それこそが彼の望みだ。
戦うと決めた。
仮面ライダーとして戦うと決めた。
ヒーローとして悪と戦い死のうと決めた。
その為に彼は己の存在をアピールしつつ、人が集まっているであろう中心部に向かう。
おあつらえ向きに学校まであるのだ。
きっとそこにならこの殺しあいにのった人間と救いを求める誰かがいるだろうと考えながら。

己が死に場所を求めるあまり、彼は気付いていなかった。
自らの望みのために悪を求めるその姿が、決定的にヒーローの思考からずれているということに。
そして幸か不幸かその矛盾を自覚するよりも早く、彼は戦うべき『悪』を見つけたのだった。

振るうは全てを光と帰す黄金の鉄槌。
担うは天を貫くほどの巨体の不良。
従えるは支配者たるスーツ姿の紳士。

「見つけた、見つけたぞ!」
THE FIRSTは歓喜する。
自分から屋台とタイ焼き器を奪ったその姿を見間違えるはずがない。
「悪の怪人・大槌タイタン!!」
「悪の幹部・ブラック紳士!!」
そのネーミングセンスは正直どうかと思うが、特撮ヒーローの敵の名前は概ねこんなものである。
「俺の名は仮面ライダーシザース!闇を切り裂く正義の光だ!!」
しかし、THE FIRSTは知らない。
彼が悪と認識したその男もまた自らの意思に反して戦わされているということを。
そして彼もまたその現実に絶望しているということを。
「変身!」
かくして正義の味方は牙を剥く。
救うべき犠牲者に向けて。

2200貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/13(水) 01:33:51 ID:lfGDr/Pk0
「ちょっと待て、ブラック紳士って俺のk承認!!って、うっそー!?」
晴れて自他共に悪の幹部・ブラック紳士と認識されてしまった彼は心の中で大きく後悔した。
北上するんじゃなかった、と。
ちなみに今彼らが闘っているのはD-6とE-6の境目あたりである。
中心部へ向かっていたTHE FIRSTと北へと進んでいた承が出くわした形だ。

「ストライクベント!ガードベント!」
赤銅色に輝く鋏が右腕に、盾が左腕に装着される。
承からすればよほど目の前のライダーの方が悪人面しているように感じられる。
事実原作では悪役なのだが。
そんな承の感想なんてなんのその。
右腕のシザースピンチを突き出し攻撃してくるライダーにビッグ承が勝手に応戦する。
「光になああれええええええええ!!」
ついでに承の口から無理やりセリフが漏れる。
こうなったならもうどうにでもしてくれ。
突っ込むのも、叫ぶのも、もう疲れた。
ただただ破壊を撒き散らし、無差別に人を殺そうとし、
正義の象徴たる仮面ライダー(に見えなくもない人物)に悪と断定された男は、
全てに絶望し、諦め、考えるのをやめた。




「がはっ!!」
うめき声が上がる。
ヒーローに倒される悪の末路、ではない。
むしろ逆である。
「く、くそ!!」
これで何度目であろうか。
打ち合うごとにTHE FIRSTは大きく吹き飛ばされ壁に叩きつけられる。
片やBIG-Oサイズの承太郎、片や最弱のライダーとさえ言われるシザース。
両者のサイズ・性能には圧倒的すぎる差が存在していた。
さらにはシザースの唯一の利点とも言える装甲の頑強さもゴルディオンハンマーの前には無力。
故に自然とTHE FIRSTのとれる戦術は、巨体故に大振りなハンマーをかわし、
その隙にビッグ承に爪を叩き込むというものに限られていた。
だがそもそも敵を挟み切るシザースの鋏は、ビッグ承を切り裂くには小さすぎた。
結果攻撃しようにも大したダメージを与えられず、反撃の蹴りで吹き飛ばされるという状況を繰り返すこととなった。

2201貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/13(水) 01:35:12 ID:lfGDr/Pk0
「あ、ぐ」
がれきを押しのけ立ち上がる。
近くに学校が見えることから、ついにE-6まで押し負けたらしい。
「やっぱ、俺は仮面ライダーにはなれねえのか?」
戦いの果てに散ることに問題はない。
ただ、何も残せず、何も守れず死ぬことが怖かった。
果たしてこのまま俺が負けて死んだら、ライダーロワの仲間たちは俺をライダーとして認めてくれるだろうか。
いや、巨悪に最後まであきらめずに立ち向ったんだ。
例え腕の一本も取れなかったところでみんなきっと許してくれる。
そうさ。そうに違いない。だからもう終わらせてもらおう。
俺はここで眠りにつこう。
THE FIRSTは膝をつき、眼を瞑ろうとする。
はたしてその時、彼はその声に気づいた。

「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい……」
それは少女の声だった。
誰かに許しを求める悲痛な訴えだった。
その声はTHE FIRSTの心を打つものだった。
声のする方に足を運ぶ。
ブラック紳士と大槌タイタンが追ってきたが気にも留めなかった。
自分はヒーローなのだから、涙を流す少女を救わなければならない。
その一念で傷ついた体を引きずり、彼は鳴き声の主を探す。
そして、彼は少女を見つけた。

「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい」

その手を血に汚した少女が仮面の男の死体にただただ謝り続けていた。
すぐそばに落ちている鉈。それが男の命を奪った凶器なのだろうか。
ならば犯人はこの少女?
だがはたしてこのファミレスの惨状は少女一人になせるものなのか?
だが少女の慟哭はとてもではないが演技には思えない。
何よりも男の死体とは別に散乱している物体はなんだ?
とてもではないが人間のものには思えない。明らかに触手と思えるものもある。
触手?
そうだ、人間は触手を持たない。
触手を持つもの、それはすなわち――怪人か怪物だ。
THE FIRSTの脳裏でいくつものピースが合わさり一つの考察をなす。

仮面の男は怪人から少女を守ろうとして闘って相打ちになったのではないか?
そのことに少女は責任を感じ謝っているのではないか?

あまりにも穴がある推測である。
だが、ヒーローとして闘って死ぬことを命題とするTHE FIRSTにとって、
これほど説得力のある理論はなかった。
なによりもこの展開は彼にとって都合のいいものだった。
救うべき対象を得ることができるのだから。

偶然はさらに連鎖する。

2202貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/13(水) 01:36:50 ID:lfGDr/Pk0
「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!」
ハンマーでファミレスの外壁を薙ぎ払い、大槌タイタンが姿を現す。
そう、この巨人もまさに怪人だ。
そして特撮では大抵悪の幹部が従える怪人は一体ではない。
ならば、触手怪人(仮)もあの男の配下だったのではないか?
そういえばブラック紳士がやってきた方角はちょうどこのファミレスがあるあたりである。
「そうか、そういうことか!この少女を泣かせたのも貴様ということかあ、ブラック紳士!」
「……了承」
怪人を引き連れ、何の表情も浮かべることなく首肯するブラック紳士にTHE FIRSTの怒りが募る。
実際は下手人は少女であり、承は思考を停止させたまま頷いたにすぎないのだが、
THE FIRSTが知る由もない。

確かなことはただ一つ。
今のTHE FIRSTに先ほどまでの弱気な考えは微塵もなかった。
この少女を守る。
そのためになんとしても怪人を打倒する。
その思いが今の彼の全てだった。

「そこの少女よ!」
だから彼女にここにいては危険だと、俺に任せろと声をかける。
謝り続けていた少女はびくっと体を震わし、初めて他社の存在に気付いたかのように顔を上げ、
こちらの姿を認めつぶやく。
「……蟹」
どこかうつろな声だったが、THE FIRSTはショックが抜けていないのだと判断する。
「ここは危ない。その男の死を厭う気持ちはわかるが今すぐ逃げろ!」
「…………最速の人、蟹」
恐らく最速の人というのが仮面の男の名前なのだろう。
だがまたしても聞こえた蟹という言葉はどういう意味なのだろうか?
さすがに不審に思ったTHE FIRSTだが、不幸にも彼はどこまでも仮面ライダーの書き手だった。
「大丈夫だ、心配しなくていい!確かに蟹は、TV版ではたった二話で退場し小者で、SPでも次第に力に溺れたり、
 能力的にも最弱だとさえ言われているが、今の俺は正義の仮面ライダーだ!!正義は勝つ!!」
あろうことか少女が仮面ライダーシザースのことを知っており、故に不信感を抱いていると判断したのである。
「カニ、小者、力に溺れ、最弱」
「まあ、そう言われると傷つくが、そこが弄りやすくて可愛いと一部熱狂的なファンもいる!」
「弄りやすくて可愛い……」
「ああ、だから俺を信じろ!君を助けようとした、その男の死を無駄にするな!!」
「死を無駄に、あ」
その言葉に弾かれるように動きだした少女のことは大丈夫だと判断し、
THE FIRSTは承を引き離しにかかる。
だから、彼は気付かなかった。
少女――蟹座氏に自分が徹底的に止めを刺してしまったということに。

2203貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/13(水) 01:38:23 ID:lfGDr/Pk0

「うおおおおおおおお!!」
守るべき者があるだけで、
救うべき人がいるだけで、
ヒーローはどこまでも強くなれる。
敵を引き付けもうずいぶん南下した。
これであの少女が巻き込まれることはない。
そう判断したが故にTHE FIRSTは賭けに出た。
目の前の怪人・大槌タイタンははっきり言って強すぎる。
とてもじゃないが勝ち目はないだろう。
だがもう一人のブラック紳士はどうだろうか?
戦闘は全てタイタンに任せ、本人はただ指示を出すのみ。
しかも、その割にはタイタンの傍を離れない。
またよくよく思い出せばタイタンは今まで一言も声を出していない。
怪人とはいえ明らかにそれはおかしい。
つまりこの怪人は、ブラック紳士の能力で生み出されたか、支給品そのものなのだ。
ならばブラック紳士を倒せばタイタンも止まるはず!!

何度も彼らと闘ったTHE FIRSTは当然のことながら、その考えに行き着いた。
恐らくこの場にいたのが彼以外でも同じ状況に置かれれば気づけたであろう。
だが果たして気付いたところで何人が承に打ち勝つことができるだろうか?
彼のスタンド『ビッグ承』は全参加者中屈指の攻撃力を誇り、その上オラオラ補正で一撃も早い。
さらにはその巨体。
そんなスタンドをかわして承本人だけを倒すのは至難の業である。
tu氏なら遠距離攻撃、カオちゃんなら不条理パワー、バトルマスターなら固有結界といった反則で勝てるかもしれない。
だがTHE FIRSTには強力な遠距離攻撃も特殊能力もないのである。
その差を埋めるために、だからこそ彼は命を賭ける。
「どおした、怪人!この程度の攻撃じゃ、何度やってもヒーロー立ち上がるぞ!!
 見せてみろよてめえの必殺を!!」
無論ブラック紳士こと承の答えは一つ。
「了承。ゴルディンハンマー、発動、承認!!」
それまでオラオラ連撃の為、エネルギー消費を抑えただの鈍器と化していたゴルディオンハンマーが黄金に輝きだす。
いや、ハンマーだけではない。ビッグ承自身もだ!!
ビッグ承が空に飛び上がり、ハンマーヘルアンドヘブンのモーションに入る。
だがそれこそが、THE FIRSTの狙い。
必殺技ほど動作が大きく隙だらけなものはない。
重力波を形成しそれを叩きつけることで目標を光子に昇華して消滅させる?
は、こちとら死ぬのは前提なんだよ!第一オラオラでも直撃したら死ぬのは同じだ!

2204貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/13(水) 01:39:11 ID:lfGDr/Pk0
ファイナルベント!!

左腕に装備されたハサミ型の召喚機シザースバイザーがカードを読み取り、
カニ型モンスターボルキャンサーが姿を現す!!
「ライダアアアアアアアアーーー!!」
ボルキャンサーが両腕でシザースを投擲する。
だが余計な回転など必要ない!求めるのは速さ。
背後のタイタンがハンマーを振り下ろすより先にブラック紳士を蹴り敗れるスピード!!
「キイイイイイイイイック!!」
ハンマーが迫る。
THE FIRSTが加速する。
ハンマーが。THE FIRSTが。ハンマーが。THE FIRSTが。ハンマーが。THE FIRSTが。ハンマーが。THE FIRSTが。
ハンマーが。THE FIRSTが。ハンマーが。THE FIRSTが。ハンマーが。THE FIRSTが。ハンマーが。THE FIRSTが。
THE FIRSTが。THE FIRSTが!THE FIRST!!THE FIRSTが!!!

抜ける!振り下ろされたハンマーの打撃面は何もない地を光と化し、その懐にTHE FIRSTは入り込む!
目前にはブラック紳士。大技を外したタイタンはすぐには動けまい!
勝った!!そう確信するTHE FIRSTの耳に、その無情な宣告ははたして聞こえていたであろうか?

「緊急事態発生 サポートツール・ザ・ワールド、発動、承認」

時が、とまった。






「がはああああああああ!」
何が起きたのかわからなかった。
確かに勝ちを確信した次の瞬間、彼は吹き飛ばされていた。
「くそ、まさか、タイムベント!?」
仮面ライダー龍騎に登場する切り札の姿が脳裏をかすめる。
今までの中で一番真実に近い考察である。
ただ、時を戻すタイムベントと違い、ザ・ワールドは時を止める能力だ。
しかも、2秒のみ。
THE FIRSTが生きていられたのはその点に依存するところが大きい。
さすがのビッグ承も振り切ったハンマーをもう一度振るう暇はなく、
やくざキックでTHE FIRSTを吹き飛ばすのが限界だったのである。
故に彼はなんとか生き残り、そして地獄を見ることになる。

2205貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/13(水) 01:40:01 ID:lfGDr/Pk0
「君は……」
倒れ伏したTHE FIRSTを覗き見るのは見覚えのある少女だった。
逃げたのではなかったのだろうか?
少女が、THE FIRSTに手を差し出す。
その手に握られているのは見覚えのあるカードデッキ。
どうやら今のダメージで変身が解除されてしまっていたようだ。
「ああ、ありがとう」
例を言い受け取ろうとする、THE FIRST。
その前で少女が黄金の衣を纏った。
「え?」
わけが、わからない。
「蟹座じゃないもん」
そう言われてみれば金ピカの鎧は蟹のように見える。
そんな場違いの思いは、次の瞬間絶たれることになる。

「天舞宝輪」
え?
光が、消えた。
音が、しない。
香りが、届かない。
「あ、あああああ」
天舞宝輪、それは聖闘士星矢における乙女座のシャカの技。
相手の五感をどんどん奪っていき、廃人と化す奥義。
THE FIRSTは、まず視覚を奪われた。
次に聴覚を奪われた。
続いて嗅覚を奪われた。
本来なら味覚、触覚と続く奥義は、されど最後まで行き着くことはない。
何故なら。
じゅっ。
それよりも早くTHE FIRSTは命を奪われたのだから。
体が一瞬で消滅していく。
ただ痛みだけを感じる。
熱い、痛い、嫌だ、死にたくない、助け

【THE FIRST@ライダーロワ 死亡】

THE FIRSTを焼いた光。
それはE-3より放たれたエンジェル・アームの一撃だった。
その圧倒的な光景を前にしても、少女――蟹座氏に怯えはない。
彼女のまとう黄金聖衣はエンジェル・アームの直撃すら防ぐというのだろうか?
――不可能だ。
このままではTHE FIRST同様、蟹座氏も灰と化す。
だが、蟹座氏がその運命をたどることはない。

2206貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/13(水) 01:40:32 ID:lfGDr/Pk0
「もう、大丈夫だから。見てろよ、最速の人」
右手にデッキを掲げ、左手に持つ鉈の刃に蟹座氏は自らの姿を映す。
「変身」
言うまでもなく姿を現すのは仮面ライダーシザース。
一言でいや、蟹。
どこからどう見ても、蟹。
「これで、いいんだよね?」
最速の人は言った。
『蟹座の名前を否定し続ける姿勢、いちいち反応する素直さ、それこそが萌えポイント。』だと。
『これからも君を弄る。弄り続ける。だけど、それは愛情の裏返しだ』
だから、『彼の死を無駄にしない』為にも、自分は今まで以上に、蟹っぽく、それでいて蟹を否定し続けなければいけない。
このデッキもその為の道具の一つ。
蟹を馬鹿にした男の持ちモノ。
「蟹座じゃないもん」
だから、彼を否定した。
「ボクを弄っていいのは、ギャルゲロワのみんなだけなんだから」
カードを抜く。どんなカードかは問題ではない。
だってこれは蟹のカードだから。
「蟹座じゃないもん」
不思議なことが起きた。
蟹座氏の持つデッキは確かに仮面ライダーシザースのものだった。
なのに今の彼女の手に握られているのは明らかに別人のカード。
名を、
「じゃあ、ボクが生き残る為に、もう一回、死んで?」
タイムベントという。


【THE FIRST@ライダーロワ 蘇生】

2207貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/13(水) 01:41:13 ID:lfGDr/Pk0
「がはああああああああ!」
何が起きたのかわからなかった。
THE FIRSTは確かに命を落とした筈だった。
なのに現状はブラック紳士と大槌タイタンに吹き飛ばされたところである。
「くそ、まさか、タイムベント!?」
仮面ライダー龍騎に登場する切り札の姿が脳裏をかすめる。
正解である。彼はついに真実を当てることができたのである。
「は、はは、見える、見えるぞ!音も聞こえる!!俺は、生きているんだ!!」
無論天舞宝輪をかけられる前の状態だ。
五感を奪われ、わけもわからぬまま死を迎えた彼は、生きていることを喜んだ。
もともと彼はなにがあっても生き残りたいと思っていたのだ。
醜く足掻くのを止めた結果、せめてヒーローとして死にたいと思ったに過ぎない。
だが現実はどうだろう?ヒーローとして振舞った最後があれである。
彼は忘れない。あの痛みを。熱さを。苦しみを。
一度あの恐怖を知れば、もう二度と死のうなどとは思えない。
「生きる、生きてやるぞ、今度こそ!!」
死が、彼に人を殺してでも生き残る覚悟を決めさせた。
「ははははは、あはははははははは!」
笑う、かって彼が生み出した最狂のステルスマーダー、安達明日夢のように。

そう、安達明日夢のように、彼は、予期せぬ生をその場に留まり喜んだが故に、
防いだはずの死因で死ぬこととなる。

「ははは、は?」
光が、迫る。
町一つ消し去るほどの圧倒的な光だ。
エンジェル・アームの、光だ。
「え?」
あまりにも眩しい光を、目が捉えた。
障害物が炭化する音を、耳が捉えた。
世界が焦げ行く匂いを、鼻が捉えた。
乾いた己のつばの味を、舌が捉えた。
命を奪う膨大な熱量を、肌が捉えた。

「あ、あああ、あああああああああああああああああああああああああああああ
 あああああああああああああああああああああああああああああああああああ
 あああああああああああああああああああああああああああああああああああ
 い、嫌だ、二度も、俺は、死にたく、ぎゃああああああああああああああああ
 ああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

じゅっ。
THE FIRSTは、死んだ。一回目よりも苦しんで、死んだ。
己がロワでの生き方を決められず、何かから逃げ続けた男は、
死ぬ覚悟を決めた男は、それでも生きたいと願った男は、
鬱展開からは逃げられず、無情にも、二度死んだ。

【THE FIRST@ライダーロワ 死亡】

2208貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/13(水) 01:41:49 ID:lfGDr/Pk0
蟹座氏にとっても、エンジェル・アームの出来事は予想外だった。
故に先ほど気づいたばかりの新たな力『蟹座じゃないもん』を使い時を戻したのだ。
『蟹座じゃないもん』、それは一種の言霊である。
強い意志で蟹座であることを否定することにより、文字通り蟹に縁のあるアイテムから、
『蟹座じゃないもん』つまり『蟹座じゃないもん(者、物)』の力を引き出す。
彼女はこの力で、蟹座のゴールドクロスから、乙女座のシャカの力を、
蟹のモンスターのデッキから、フェニックスのオーディンの力を使用したのだ。
本当はタイムベントで時を戻し、最速の人も蘇らせたかったのだが、
この能力があの悲劇のあとの覚悟により覚醒したからか、はたまた死者蘇生に対する制限か、
彼女がエンジェル・アームを避ける時間を稼ぐのが限界だった。
THE FIRSTの蘇生はどうせすぐ死ぬからか見逃されたようである。

悲しかった。でも、最速の人は言ったのだ。
みんながそのままのボクを好きだと。
知らなかった。自分がそんなにも愛されていたんだということに。
だから、ボクが生き続けることこそが、彼や仲間たちへの償いと手向けになるというのなら。
「ボクは……生きる! 進み続けてやる!」
例えどんな手を、使ってでも。

【昼】【G-6 更地】
【蟹座氏@ギャルゲロワ】
【状態】蟹見沢症候群発症、ノーパン、へこみLv3→5→2、顎部に痒み 、『蟹座じゃないもん』覚醒
【装備】鉈
【道具】支給品一式、蟹座の黄金聖闘衣、最高ボタン、カードデッキ(シザース)@ライダーロワ

【思考・行動】
基本:対主催・優勝・送還 どんな手でもいいから生き残る
0:生きる。
1:ギャルゲロワの仲間を助けたい。でも会って発症するのが怖い。
2:敵は殺す。
3:ギャルゲロワ以外でいじめてくる人は敵。

※外見はつよきすの蟹沢きぬ(カニ)です
※最高ボタンには『いやっほぉぉぉおおおう、蟹座のONiぃ様、最高ーーーーーっ!!!!!』というハクオロの声が流れます。
  シークレットボイスにも何かあるかも?
※自分の心がキャラに影響されていることに気付きましたが、キャラに抵抗するため無駄な努力をしています。
※身体能力は本気を出せば倉成武ぐらいの力が出ます。通常はカニ。
※蟹見沢症候群について。
 へこみのLvが5になったとき、発祥します。発症した場合、自分を苛めたり辱めたりした者を優先的に殺します。
 現在は沈静化してますが、しばらく苛め続けると再び発症する恐れがあります。
 基本的な症状は雛見沢症候群と同じです。発症中は蟹座氏のチャット状態の特徴により、語尾に♪がついたりします。
※言霊『蟹座じゃないもん』に覚醒しました。
 強い意志で蟹座であることを否定することにより、文字通り蟹に縁のあるアイテムから、
『蟹座じゃないもん』つまり『蟹座じゃないもん(者、物)』の力を引き出せます。

2209貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/13(水) 01:42:28 ID:lfGDr/Pk0
THE FIRST。
彼は誰も自分の意志で救えなかった。
彼は誰も自分の意志で殺せなかった。
ならば彼の人生に価値はなかったのだろうか?

「仮面ライダー……」
そんなことはなかった。
彼が望みもしなかった形で、確かにここに一人救われたものがいるのだから。
彼の名は承。
支給品により望みもしない戦いに駆り出された男。
だが彼の傍らにはビッグ承の姿はない。
当然だ。
ゴルディオンハンマー+オラオラ+巨大承太郎+時止め。
そんなチートをなんの制限もなく連発されたらたまったものではない。
まあ、この会場では制限されているのか不思議な者達もいるが、
幸運にも自分の意志で戦っていなかった承はその莫大な精神的負担に耐えられなかった。
気絶したのだ。
一度意識を失ったからだろうか?はたまたタイムベントの影響か?
彼はこころはもはや了承の呪縛から解き放たれていた。
「俺は、お前の姿を忘れない。誰かを守り、本気で怒り、決して倒れなかったその姿を忘れない」
あくまでもそれは承の主観のTHE FIRST像だ。
それでも。
彼の戦いは確かに一人の書き手を救ったのである。


【昼】【F-6 町】
【承@スパロワ】
【装備:】
【所持品:支給品一式、了承@フリーソフト、スタンド『ビッグ承』(ゴルディオンハンマー装備)、他不明】
【状態:健康】
【思考・行動】
1:仮面ライダー……。
2:仮面ライダーの意思を継ぐ。
※外見はBIG−Oのロジャー・スミス
※スタンド『ビッグ承』はスタープラチナ・ザ・ワールドの効果のみ使用可。(二秒時止め。ただしスタープラチナは出せない)
 また、今は省エネモードとして緊急防御時にのみ使えますが、連発も可能です。ただ、その場合それ相応の反動を受けます。
※了承の効果が切れました。
※THE FIRSTを殺したと思っています。

※エンジェル・アームは効果を失ったかもしれません。
いまだに貫通し続けているかはお任せします。

2210仮面ライダーよ永遠に/THE FIRSTは二度死ぬ。:2008/02/13(水) 01:46:22 ID:lfGDr/Pk0
※また、承は気絶してたのでエンジェル・アームに気づきませんでした。

投下終了
仮面ライダーよ永遠に/THE FIRSTは二度死ぬ。
えっと、一回目が熱え、二度はギャグ、だからか鬱になってしまった。orz
おれ、どのロワもファンなのに。

2211貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/13(水) 01:56:03 ID:tIkXNAAAC
投下乙です!
これはいい鬱展開。だが真の鬱とは誰にも何も一切の救いが与えられないことを言うのだよ!
書き手ロワでそんなこと無理くさいけどw
それにしてもF-6激戦区過ぎる。逃げてー!私逃げてー!

2212貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/13(水) 02:06:36 ID:innwNVfM0
>>2197
ああ、放送後の嫌な展開が目に浮かぶ。
かがみんのジンクスはここでも発動してしまうのか……

>>2210
今まで散々暴れてたとは言え、承も被害者なんだよな。
そしてTHE FIRST。最後とは言えちょっぴり格好よかったよ。


しかし、F-6マジで激戦区だな。どんだけ密集してんだよwww
いいぞ、もっとやれ!

2213貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/13(水) 02:38:00 ID:icVSJ4Wo0
>>2210
aaa、間に合わなかったあああww
けどGJ! 凄い面白かったです
途中のバトルも熱かったし、結末も凄い良かった
正に鬱展の鑑ですね

それでは自分も、没ネタになるけど作品を投下させて頂きます

2214空気少女(没ネタ):2008/02/13(水) 02:39:08 ID:icVSJ4Wo0
「ハ―――――ク、ハァ、ハァ――――」

前原圭一の姿をした男が、荒ぶる呼吸と共に酸素を全身の臓器へと巡らせてゆく。
悠然と立ち並ぶビル郡の中、バトルマスターはしたらば孔明と共に、一路東へと逃亡を続けていた。
圧倒的脅威――予約被りに定評のあるtu4氏から、少しでも大きく距離を離す為だ。

自分とて決して弱者であるという訳では無い。
『全てのバトルに敗北しなくなる』という固有結界を用いれば、並大抵の敵は打倒出来る筈。
しかし今回ばかりは、敵が余りにも強大過ぎる。
あの時tu4氏が放ったエンジェル・アームは、世界の理すらも覆す程に凄まじい威力だった。
固有結界を展開した所で、秒を待たずして吹き飛ばされてしまうだろう。

ならば、此処は逃げの一手だ。
今自分が倒れてしまっては、tu4氏の暴走を止める者は居なくなってしまうだろう。
それだけは、断固として拒否する。
妄執に囚われた同ロワ書き手を野放しにしたまま逝くなど、絶対に許容出来ない。
まずは何としてでも逃げ切って、tu4氏に対抗し得るだけの策を整えるのだ。

「ご主人様、あれを!」
「――え?」

隣を走るしたらば孔明に呼び掛けられて、バトルマスターは思考を一旦中断する。
見れば、しばらば孔明の指差す先、半壊したファミリーレストランから一人の少女が出て来くる所だった。
左右に計六本のお下げがある特徴的な髪、一際大きな薄緑の目、子供と呼んでも違和感の無い小躯。
眼前の少女が何者か、バトルマスターには直ぐ様理解する事が出来た。
彼女の名は――

「かに……ざ…………氏……?」

間違い無い。
『蟹』沢きぬの外見をしている上に、ギャルゲロワチャットに於ける彼女の象徴である鉈も持っている。
これ程までに、蟹座氏らしい特徴を有しているのだ。
確実に、今目の前に居る人物は蟹座氏である筈。
しかし彼女の風貌は、一見しただけでも明らかに異常が見て取れる程だった。

――手にした巨大な鉈は、赤一色に染め上げられている。
――服の所々には、乱暴に引き裂かれた跡がある。
――大きな瞳は完全に光を失い、酷く虚ろなものとなっている。

2215空気少女(没ネタ):2008/02/13(水) 02:39:52 ID:icVSJ4Wo0

どう考えても、尋常な状態では無い。
恐らくは想像を絶するような、凄まじい仕打ちを受けてきたのだろう。
バトルマスターが呆然と立ち尽くしていると、蟹座氏の方から声を投げ掛けて来た。

「貴方……は……?」
「……私はバトルマスターです」
「し、しょう?」

蟹座氏の大きな瞳が、一直線にこちらへと向けられる。
瞳の奥底には、何処までも深いブラックホールのような闇が宿っていた。
バトルマスターは一瞬息を飲んだが、直ぐに気を取り直して叫んだ。

「ええ、そうです! 蟹座氏、しっかりして下さい!」

そう云って、蟹座氏の下へ駆け寄ろうとする。
だがバトルマスターが駆け出すや否や、蟹座氏は制止するような形で右手を前へと伸ばした。
蒼紫色に変色した唇が、酷く弱々しい声を紡ぎ出す。

「ししょう、一つお願いがあります」
「……何ですか?」

バトルマスターは一旦足を止めて、怪訝な表情となりながらも蟹座氏の言葉を待つ。
自分にとって蟹座氏は、ギャルゲロワ完結まで共に走り抜いた仲間である。
並大抵の願いならば応えてあげたかった。
だが次の瞬間蟹座氏が要求して来た事柄は、バトルマスターの想像を遥かに超えていた。



「――ボクを殺して下さい」



瞬間、バトルマスターの思考が停止した。
冷え切った風が、二人の間を吹き抜けてゆく。

2216空気少女(没ネタ):2008/02/13(水) 02:41:10 ID:icVSJ4Wo0

「蟹座氏……貴女、何を……?」
「ボクを殺して、ししょう。ボクは……取り返しの付かない罪を犯してしまったから」
「罪……ですか?」

急激な展開に理解が追い付かず、バトルマスターは呆然とした声を返す。
バトルマスターが蟹座氏の真意に至るよりも早く、したらば孔明が口を開いた。

「充満する死の匂い……鉈に付着した血……分かりませんか、ご主人様?
 この方は、人を殺してしまったんです」
「――――え?」

そこまで言われて、ようやくバトルマスターも察知した。
この場に漂った、異常なまでの濃度の死臭を。
注意深く周囲へと視線を動かすと、ファミリーレストラン内部に倒れ伏せる男の姿があった。
男は夥しい量の鮮血に塗れており、確認するまでも無く絶命していると理解出来た。

「ボクは同じロワの仲間を――ギャルゲロワ版最速の人を殺しちゃった……。
 だからお願い……。ボクを殺して…………っ!」

蟹座氏の瞳から、大粒の涙が零れ落ちる。
ギャルゲロワ版最速の人――ギャルゲロワ過疎期の序盤を支えてきた功労者。
間違い無く、ギャルゲロワの完結に最も貢献した人物の一人。
蟹座氏は、その功労者を自らの手で殺してしまったのだ。
罪の意識に押し潰されるのも、無理の無い事だろう。
したらば孔明が深く腰を落として、長槍の切っ先を蟹座氏へと向ける。

「そうですか。なら、不穏分子は排除させて貰いましょう」

したらば孔明が手にした得物は、心臓を刺し穿つ魔槍ゲイ・ボルグ。
一撃の下に、蟹座氏を仕留められるだろう。
躊躇は無い。
今眼前に居る女は、同ロワの書き手をも殺害してのけた危険人物。
此処で仕留めておかなければ、後々自分や他のアニロワ2nd書き手に災いを及ぼすかも知れなかった。
だがしたらば孔明が槍撃を放とうしたその瞬間、バトルマスターがずいと一歩前に歩み出た。

「……ご主人様?」

訝しむ孔明を意にも介さず、バトルマスターは蟹座氏へと近付いて行く。

2217空気少女(没ネタ):2008/02/13(水) 02:41:45 ID:icVSJ4Wo0

「蟹座氏、貴女は殺して欲しいと言いましたね。それは、贖罪のつもりですか?」
「……うん、そうだよ。仲間を殺してしまったボクに、生きる資格なんか無いもん。
 だからボクは、死んで自分の罪を償わなきゃいけないんだ」

死罪。
それが、蟹座氏が自らの許されざる罪に対して下した判決だった。
深い後悔と苦渋を味わった末に選んだ決断。
しかしその決断を、バトルマスターは迷わず一蹴する。

「断わります――貴女は逃げているだけだから」
「ボクが……逃げている……?」

蟹座氏が確認するように問い掛けると、バトルマスターは強く頷いた。
大きく息を吸い込んでから、力の限り叫ぶ。

「死んで償うなんて言葉があるけど、あれは嘘だっ!! 死んだらそこで終わりでしょう!?
 償えないでしょう!? その事は、倉成武の改心シーンを書いた貴女が一番良く分かっている筈だ」

嘗て蟹座氏が執筆した作品では、仲間殺しの大罪を背負う倉成武が改心した。
安易な死という選択肢を振り払って、生きて罪を償い続ける道を選んだのだ。
立ち直った武は仲間の遺志を受け継いで、その後は住人から主役扱いされる程の大活躍を見せた。

「……生きてる限り、生きなさい蟹座氏! それが貴女の書いて来た、罪の償い方なんだから!」

無意味に自殺する事と、殺してしまった仲間の分も戦い続ける事、どちらが罪を償えるかなど考えるまでも無い。
だが蟹座氏はあくまで蟹座氏であり、他の何者でもない。

「でも、ボクは……」

自分は倉成武とは違うんだ、と。
架空の人物と違って、強い心なんて持ち合わせていないんだと、蟹座氏は主張したかった。
しかし蟹座氏が言葉を喋り終えるよりも早く、底冷えのするような声が突如響き渡った。

2218空気少女(没ネタ):2008/02/13(水) 02:42:17 ID:icVSJ4Wo0


「――見付けたわよ、バトルマスター」
「…………ッ!?」


驚愕と共に、バトルマスターが声の聞こえて来た方向へと振り返る。
バトルマスター達の右方向、無骨なコンクリートで覆われた路上の上に、一人の異形が屹立していた。
天使の形を模した巨大な右腕、左手の甲で光り輝くガンダールヴの証、全身に纏った圧倒的な量のオーラフォトン。
それは、この島で生き延びようと思うのならば決して出会ってはいけない存在だった。
バトルマスターが唖然とした声を洩らす。

「――tu4、氏」
「わ……忘れてました! は、はわわ、ご、ご主人様、敵が来ちゃいます!」

逃亡は不可能。
tu4氏と自分達の距離は、僅か十数メートルしか離れていない。
そしてtu4氏の右腕であるエンジェル・アームは、月に巨大な穴を穿つ程の破壊力がある。
逃げようとした所で、背後からの砲撃により消し飛ばされてしまうのがオチだろう。
バトルマスターとしたらば孔明は、戦慄に震えながらも各々の得物を構えた。

「tu4氏……貴女は私達を殺すつもりですか?」
「当然でしょ。アンタも、蟹座氏も殺してやるわ」

冷徹な宣告。
告げるtu4氏には、何ら躊躇う様子が見受けられない。
その瞳に宿った揺ぎ無い殺気が、先の言葉が決して虚言ではないと物語っていた。

「何故、ですか……! 同じロワを完結させた仲間の筈なのに、どうして!」
「言わなかった? 私は目立ってるキャラが憎いって。アンタはギャルゲロワ本編で目立ってた前原圭一の姿をしているし、蟹座氏は存在そのものが目立ってる。
 殺すのには、十分過ぎるくらいの理由よ」
「そんな――そんな理由で仲間を殺すだなんて…………!」

バトルマスターにはtu4氏の言い分が何一つ理解出来なかった。
目立っている、目立ってないなど、大した問題では無い筈。
それよりも仲間達と手を合わせて生きていく事の方が、何百倍も大切なように思えた。
バトルマスターの言葉に反応して、tu4氏が小さな呟きを零す。

2219空気少女(没ネタ):2008/02/13(水) 02:42:59 ID:icVSJ4Wo0

「そんな理由……か。やっぱり目立ってる奴には、沙羅さんや空気キャラ達の気持ちが分からないのね」

その台詞の中には、バトルマスターが今まで一度も感じた事の無いような、酷い憤怒と憎悪とそして殺意が込められていた。
怒り等という言葉だけでは全く足りない、もっと根本的で純粋な殺意。
ただひたすら相手の事を憎いと思うあまり発せられる、負の感情の波。
そしてもう一つ。
そんな黒ずんだ感情とはまるで反対の想いも同時にヒシヒシと感じ取る事が出来た。
愛。愛だ。
『沙羅さん』と『空気キャラ達』と呟いた時のtu4氏の表情はまるで、薬物でも服用しているのでは無いかと言うくらい、昂揚し、陶酔しきっていた。
妄執に近いような、狂った偏愛。
異常、異常だ。


「可哀相な沙羅さん、可哀相な空気キャラ達、皆に空気扱いされちゃって。でも大丈夫、アンタ達より目立ってる奴は全員殺して上げるから。
 そして目立たせて上げる。
 沙羅さんを目立たせて上げる。空気キャラ達を目立たせてあげる。
 ううん、沙羅さんが他のキャラを殺さなきゃ目立たないような魅力無いキャラだなんてそんな事、これっぽちも思ってないよ。
 沙羅さんは強くて優しくて格好良くて、誰からも頼られるような素晴らしいキャラだもの。
 でも沙羅さんにだって限界はあるのよ。
 どんなに魅力的でも、強力な書き手補正やフラグを得たキャラには敵わない事もあるのよ。
 それに沙羅さんは誰からも見せ場を奪ったりはしない。沙羅さんは優しいから。
 沙羅さんだけじゃない、他の空気キャラ達だってそうよ。
 どんな虫けらみたいで卑屈で最悪なキャラにも見せ場を譲ってあげてしまう、そんなキャラ達なのよ。
 本当に、本当にいつも、誰にも、誰にだって優しくて。
 時々、胸の中が張り裂けてしまいそうなくらいの痛みに襲われる事もあるのよ。なんだろうね、コレ。
 ふふふ、私は何を言っているんだろ。
 沙羅さんや他の空気キャラ達を活躍させる、それだけで、それさえ出来れば他には何も要らないはずのに。
 でもそんな沙羅さん達の意志を生きたゴミ達は無下にしてしまう。踏み躙ってしまう。
 出番を奪う? 沙羅さんから?
 見せ場を横取りする? 空気キャラ達から?
 そんな事、罷り通る訳が無いじゃない。
 何の為に私がいるのよ。何の為にこのロワがあるのよ。
 守るのよ。何を犠牲にしても。どれだけ血を流しても。
 私が、沙羅さんの代わりに、沙羅さんを嫌な気持ちにする書き手達を殺してやる。
 害を成す書き手達を消し去ってやる。
 沙羅さんより目立つキャラを殺すの。一人残らず、全部。
 空気キャラ達より目立ったキャラ達、どうして、何で。本当に馬鹿よ。
 だから殺すの。一遍の情けも、容赦も無く、骨の髄まで。
 ギャルゲロワ本編の前原圭一のように殺して、殺し尽くしてやるの」

2220空気少女(没ネタ):2008/02/13(水) 02:43:42 ID:icVSJ4Wo0


tu4氏の言葉は止まらない。
既に完全に会話の文脈からはハズレ、ただひたすら喋り続ける。
まるで壊れかけたラジオのように。 まるで彼女が描いた芙蓉楓のように。
誰に向けて話しているのかも既に分からない。独り言というレベルを完全に逸脱している。
まるで半ば演説を聞いているような気分になってくる。

バトルマスターも、したらば孔明も、余りの狂気に気圧されて一歩も動けない。
そのまま五分以上は経っただろうか。
ようやく演説を終えたtu4氏は、天高くエンジェル・アームを掲げた。
途端にエンジェル・アームは変形し、只の少女の腕へと戻っていった。

「アンタ達は殺す。でも即死だなんて、そんな楽な死に方をさせるのも詰まらないしね。
 だから接近戦で、ジワジワと嬲り殺しにしてあげる」

そう云ってtu4氏は、大剣型の第七位永遠神剣『存在』を両腕で深く構えた。
『存在』に秘められた膨大な量のオーラフォトンが流出し、tu4氏の身体を覆ってゆく。
tu4氏の左甲では、全ての武器を自由自在に扱えるガンダールヴの証が光り輝いている。
この証があるからこそ、tu4氏は『存在』に秘められた全ての力を引き出す事が出来るのだ。

「掛かって来なさい、バトルマスター。燃え展書き手を気取ってるアンタに、真の鬱展をたっぷり教えてやるわ。
 でも固有結界なんてウザったい技を使ったら、こっちも直ぐにエンジェル・アームを使わせて貰うからね?」
「…………っ」

バトルマスターは焦燥を隠し切れぬ面持ちで、日本刀型の永遠神剣第六位『冥加』を握り締める。
エンジェル・アームによる砲撃が行われない以上、瞬殺される事は無いだろう。
だが今tu4氏が纏っているオーラフォトンの量は、明らかにこちらを凌駕している。
正面から斬り合ったとしても、勝ち目が薄い事は明白だった。
ちらりと後ろに視線を動かして、したらば孔明へと語り掛ける。

2221空気少女(没ネタ):2008/02/13(水) 02:44:18 ID:icVSJ4Wo0

「したらば孔明さん、貴方は逃げて下さい。tu4氏の狙いは私と蟹座氏だけ……貴方一人なら、見逃して貰える筈ですから」

バトルマスターにとって、したらば孔明は傷を治療してくれた命の恩人だ。
ならばこれ以上、危険に巻き込む訳にはいかなかった。
しかしそんなバトルマスターの意に反して、したらば孔明は大きく首を横へと振った。

「……私も戦います。ご主人様を見捨てるだなんて、そんな事出来ないですから」

短く答えると、したらば孔明はゲイ・ボルグの切っ先をtu4氏に向けた。
その態度、その声からは迷いが全く感じられない。
今は少しでも戦力が欲しい状況。
バトルマスターは僅かな躊躇の後、したらば孔明の加勢を受け入れた。

「分かりました、力を貸して下さい。蟹座氏は――――」

首を後ろに向けると、力無く肩を落としている蟹座氏の姿が見て取れた。
蟹座氏はこの絶望的な状況も目に入ってないのか、武器を構えようとすらしていない。
余程精神的ショックが大きかったのだろう。
とても、戦力として期待出来る状態では無い。
そして、一秒後。
バトルマスターが意識を前方へと戻した瞬間、tu4氏の足元が爆ぜた。


「ハアアアアアアアアアァァァッ!!」

最強の死神が咆哮を上げる。
空気キャラ達の活路を切り拓くべく、tu4氏が一直線に獲物の下へと駆ける。
永遠神剣により強化された脚力は、並の人間ならば目視出来ぬ程の速度を生み出していた。

「ク――――」

バトルマスターが前方へと疾駆する。
本来固有結界に費やすべきエネルギーを使って、自らの身体能力を強化する。
バトルマスターが『冥加』を振るうのとほぼ同時、tu4氏の『存在』が一閃された。
激しい金属音と共に衝突する剣戟。
バトルマスターとtu4氏は、鍔迫り合いの形で顔を突き合わせる。

2222空気少女(没ネタ):2008/02/13(水) 02:44:46 ID:icVSJ4Wo0

「この程度の力しか出せないの? バトルマスターの名前が泣いてるわよ?」
「ぐっ……があぁぁっ…………!」

tu4氏は恐るべき膂力を発揮して、バトルマスターを得物ごと押し込んでゆく。
余りにも強大なその圧力に、コンクリートで覆われた地面に皹が刻み込まれる。
バトルマスターも超人に分類されるだけの力を有してはいるが、tu4氏は更にその上を行っていた。
鍔迫り合いに耐え切れなくなったバトルマスターが、一旦後方に飛び退こうとする。

「馬鹿ね、逃がす訳無いじゃない!」

思い切り地面を蹴り飛ばして、tu4氏はバトルマスターに追撃を仕掛けてゆく。
秒に満たぬ時間で、『存在』の射程圏内にまで詰め寄った。
だが大剣を振り下ろす直前、tu4氏は横から迫る何かを察知して、咄嗟の判断で上体を低く屈めた。
次の瞬間、それまでtu4氏の頭部があった場所を疾風が切り裂いてゆく。

「外し、ましたかっ……」

済んでの所で槍撃を回避されたしたらば孔明だったが、直ぐに次の攻撃へと移ろうとする。
現在tu4氏は大きく態勢を崩している以上、その隙を見逃す手は無い。
上体を屈めたままのtu4氏に向けて、紅の長槍が振り下ろされる。
しかし槍が振り切られるよりも早く、tu4氏は爆発的な脚力でサイドステップを踏んだ。

「……遅いわね」
「な――――!?」

tu4氏は常軌を遥かに逸した速度で、間髪置かずにしたらば孔明の背後へと回り込んだ。
余りにも桁違いの動きに、したらば孔明は対応し切れない。
仲間のピンチを見て取ったバトルマスターが高速で接近して来たが、tu4氏は何ら慌てる事無く対応する。
右手に握った『存在』で迫る剣戟を受け止めて、空いている左手でバトルマスターの顔面を殴打した。

「ガ、ハァァァ――――」

只の拳撃とはとても思えない、爆発にも匹敵する衝撃力。
バトルマスターが凄まじい勢いで、後方へと吹き飛ばされてゆく。
そのまま十数メートル程地面を転がった後、ビルの壁面に背中から思い切り衝突した。

「さて、次は――…………っ!?」

バトルマスターが吹き飛ばされてゆく姿を確認したtu4氏は、したらば孔明への攻撃に移行しようとする。
だがしたらば孔明とて、卓越した知力を持つ戦士。
味方が攻撃を受けている間、何も行動を起こさない筈が無い。
tu4氏が視線を戻した時にはもう、したらば孔明の攻撃準備は完了していた。

2223空気少女(没ネタ):2008/02/13(水) 02:45:33 ID:icVSJ4Wo0


「――――ゲイ」


したばら孔明の手にした紅槍が、禍々しいまでの魔力を解き放つ。
途端に周囲の空気が凍り付き、tu4氏の背筋を寒気が襲った。
したらば孔明は僅かな時間の内に、真名開放の準備を終えていたのだ。
自らの危機に気付いたtu4氏が跳躍した瞬間、必中の槍は放たれた。


「ボルグ――――!」


紅の魔槍が十メートル以上の長さとなって、上空のtu4氏を追撃する。
したらば孔明が放った槍撃は全ての物理法則を無視し、標的の心臓に向けて襲い掛かる。
tu4氏が何処まで遠くに逃げようとも、まるで無意味。
ゲイ・ボルグは真名開放さえ行えば、因果を逆転させて『敵の心臓に命中する』という事実を作り出す。
故に必中。
故に必殺。
逃れる術は無い――狙われたのが、tu4氏以外の者であれば。

ゲイ・ボルグが命中する直前、突如tu4氏の姿が掻き消えた。


「消え、た………!?」

消えた標的、敵を貫く事無く戻ってきたゲイ・ボルグの刃先に、したらば孔明が狼狽の声を上げる。
tu4氏が超速度で逃れた訳では無い。
どれ程tu4氏が高速で動こうとも、その程度ではゲイ・ボルグから逃れられない。
文字通り、tu4氏は『消えた』のだ。

「フフフ、甘いってんのよ。どんな攻撃も、私の空気力の前には無意味なんだから!」

嘲笑と共に、tu4氏の姿が上空に浮かび上がる。
tu4氏の言葉は、決して大言壮語などでは無い。
各ロワに於いて、空気キャラの存在感は限りなく希薄である。
空気キャラの王たるtu4氏ならば、自らの存在自体を一時的に世界から消滅させる事も可能。
存在そのものの空気化。
正しく絶対防御。
存在していない人間を倒すなど、どのような攻撃でも不可能なのだから。

2224空気少女(没ネタ):2008/02/13(水) 02:45:58 ID:icVSJ4Wo0


「もう、化け物と言う他ありませんね………!」

絶望的な光景を目の当たりにしたバトルマスターが、尚も諦めずにtu4氏へと斬り掛かる。
それとは反対方向から、したらば孔明もゲイ・ボルグによる槍撃を試みる。
左右両側から繰り出される苛烈な連撃。
しかしtu4氏は冷静に『存在』を振るって、迫る剣戟を確実に打ち払っていた。

「当たら、ない…………っ」

一撃防がれる毎に、バトルマスターの表情が絶望に侵食されてゆく。
至近距離で二人掛かりの連撃を行っても、まるで通用しない。
バトルマスター達とtu4氏の間には、何をやっても埋め切れぬ実力差が存在していた。

「弱いアンタ達に私が教えて上げる。攻撃ってのはねえ、こうするものなのよ!」
「チ――――」
「はわわっ!?」

一瞬の隙を突いて、tu4氏が天高く『存在』を振り上げる。
半ば本能的に危険を察知したバトルマスターとしたらば孔明は、各々の得物を盾のように構えた。
次の瞬間、防御など関係無いと言わんばかりの勢いで、『存在』の刃先が二人へと叩き付けられた。

「くああっ…………!」
「あづぅ――――」

交通事故のような衝撃に、バトルマスター達が別々の方向へと弾き飛ばされ行く。
そんな中、tu4氏は即座に追撃対象をバトルマスターへと定めた。
ほんの数秒の間に間合いが詰まる。
苦し紛れに振るわれるバトルマスターの『冥加』を掻い潜って、懐へと潜り込んだ。
tu4氏は敵の左肩に向けて、『存在』を深々と突き刺した。

「うがアアアアアアァァッ!!」

バトルマスターの絶叫と共に、真っ赤な鮮血が飛散する。
後はtu4氏がもう少し腕に力を加えれば、バトルマスターの左腕はこのまま切り落とされるだろう。
したらば孔明の援護も、とても間に合わない。
完全なるチェックメイト。
しかしその時、刹那のタイミングでtu4氏の脇腹を激しい衝撃が襲った。

2225空気少女(没ネタ):2008/02/13(水) 02:46:39 ID:icVSJ4Wo0

「あ、く―――――――!?」

tu4氏の身体が斜め上空へと跳ね上げられる。
ダメージこそ取るに足らないものだったが、tu4氏には何が起きたか理解出来なかった。
バトルマスターやしたらば孔明は、とても反撃が行えるような状態では無かった筈だ。
なのに一体何故――その疑問は、一秒後に解消される事となった。


「そう、アンタもやる気なのね――蟹座氏」


上空で停止したtu4氏の眼下に、一人の少女が屹立していた。
蟹座の黄金聖闘衣を身に纏った少女は、あだ名を蟹座氏という。
蟹座氏は先程までとは打って変わって、戦意に満ちた目でtu4氏を睨み付けている。

「蟹座氏、どうして…………?」

何とか態勢を立て直したバトルマスターが、今も血の溢れる左肩を抑えながら問い掛けた。
蟹座氏は倒れ伏すギャルゲロワ版最速の人を一瞥してから、ゆっくりと言葉を紡いで行く。

「……ギャルゲロワ版最速の人は最期にこう言ったんだ――『そのままの……君が……好きなんだ』って。
 その想いにどうやって応えれば良いか、ボクには分からない」

蟹座氏の萌えキャラ的ポジションは、決して本人が狙ってやっている訳では無い。
天性の萌えキャラであるからこそ、蟹座氏にはギャルゲロワ版最速の人に報いる方法が、少し前まで分からなかった。

「だけど、こんなボクでも、戦う事なら出来るから。皆を守る為になら、戦えるから」

戦えるだけの力は、ある。
今蟹座氏が着用している黄金聖闘衣は、装備した者に多大な力を与える。
だからこそ蟹座氏は、先程tu4氏の脇腹に強烈な拳撃を打ち込む事が出来たのだ。

「だから――ボクも戦う。皆を守る事で、罪を償う!」

戦う萌えキャラ。
それこそが、蟹座氏の目指すべき新たなポジションだった。

2226空気少女(没ネタ):2008/02/13(水) 02:47:03 ID:icVSJ4Wo0

バトルマスター、したらば孔明、蟹座氏。
三人の戦士達が肩を並べて、上空の怪物と対峙する。
しかしtu4氏からしてみれば、人数が三人に増えた所で大した脅威とは成り得ない。

「……ちょっと覚醒フラグを手に入れたからって、調子に乗ってんじゃないわよ。
 こうなったらこれ以上目立たれる前に、跡形も無く消し飛ばしてやるわ」

tu4氏の右腕が再びエンジェル・アームへと変形してゆく。
空気キャラを良しとするtu4氏からすれば、書き手ロワで燃え展が行われるなど、決してあってはならない事。
燃え展が行われれば、空気キャラ達の影が益々薄くなってしまう。
これ以上燃え展化が進む前に、全てを終わらせる腹積りだった。

「終わりよ、本当の意味での『空気』になりなさい!」

エンジェル・アームの先端がバトルマスター達へと向けられる。
二メートルを越す銃身から放たれる攻撃は、このエリア一帯すらも吹き飛ばしかねない程強力なものだ。
今のtu4氏は白鐘沙羅そのもの。
空気キャラの代名詞と化した白鐘沙羅の怒りが、天から叩き付けられようとしている。

しかしキャラと同化しているは、tu4氏だけでは無い。
バトルマスターは前原圭一の姿を、蟹座氏は蟹沢きぬの姿をしている。
両キャラ共に、決して諦める事の無い姿勢を貫いて来たキャラだ。
故に二人もまた、途中で諦めたりなどしない。


「――終わりかどうかは……」

バトルマスターが永遠神剣第六位『冥加』を構える。
己が信念を籠めて。


「……ボク達が決めるっ!!」

蟹座氏が黄金の拳を握り締める。
己が決意を籠めて。
揺ぎ無い意思と意思、tu4氏とバトルマスター達の視線が交錯する。
激突は最早必死だった。

2227空気少女(没ネタ):2008/02/13(水) 02:48:29 ID:icVSJ4Wo0



「私が時間を稼ぎます! その間に貴女達がtu4氏を!!」

正面から撃ち合っては勝ち目など無い――だからこそ、バトルマスターは即断を下した。
少しでも長く自分がエンジェル・アームの砲撃を防いで、その間に仲間達が敵本体を叩く。
それが自分達の勝利し得る、唯一の方法だった。


「……蟹座氏、でしたよね? 私に策があります」
「――え?」

したらば孔明が蟹座氏に耳打ちする。
今tu4氏は上空に留まっており、余程の攻撃で無ければ命中させる事すら難しいだろう。
何か、秘策を講じる必要があった。
しかし今は殺し合いの最中であり、敵が悠長に待ってくれる筈も無い。
tu4氏はしたらば孔明が話し終えるのを待たずして、エンジェル・アームの射出動作へと移行する。



「エンジェル――――」

異形と化したtu4氏の腕が、太陽と見紛わん程の光を発した。
tu4氏の髪が所々黒く染まって、周囲一帯に激しい突風が渦巻いてゆく。
膨れ上がる重圧が、これから巻き起こるであろう絶望的な破壊を予感させる。

「――――アームッッ!!!!」

煌く閃光。
漆黒のエネルギーの奔流が、一直線に撃ち放たれる――!



全てを蹂躙する破壊の濁流が、恐るべき勢いでバトルマスター達へと迫る。
しかし、濁流が獲物を飲み込む寸前。


「――オーラフォトン・バリア!!」

バトルマスターは全ての力を『冥加』に注ぎ込んで、巨大なデルタ状のバリアを形成した。
凄まじい暴風を巻き起こしながら、破壊の矛と守りの盾が衝突する。

2228空気少女(没ネタ):2008/02/13(水) 02:49:00 ID:icVSJ4Wo0


「くっ……があああぁぁぁっ……………!!」

バトルマスターが苦悶に顔を歪める。
エンジェル・アームの破壊力は圧倒的だった。
防御に全ての力を回しているにも関わらず、バリアに次々と皹が刻み込まれてゆく。
長くても、後数秒程度しか持ち応えられないだろう。
しかし、それで十分。
ほんの僅かでも時間を稼げれば、後は仲間達が何とかしてくれる筈だった。


「――ゲイ…………」

したらば孔明が腕を大きく後ろに振りかぶる。
己が愛槍に、可能な限りの魔力を注ぎ込んで――

「ボルグ――――――!!!」

真名開放と共に、槍を上空に向けて投擲した。
放たれた槍は紅の光を纏った魔弾と化して、上空のtu4氏目掛けて突き進む。


「このっ……小賢しい真似を…………ッ!!」

tu4氏も、直撃を受けてしまえば流石に危ういと判断したのか。
エンジェル・アームの射出を中断して、意識を防御へと切り替える。
先のエンジェル・アームで大幅にエネルギーを消耗した為、自分自身の存在の空気化は行えない。
物理的な手段で防御するしか無かった。
tu4氏は異形と化した右腕を盾にして、ゲイ・ボルグの刃先を受け止めようとする。

「く……こんな、物でえええええええっ…………!」

エンジェルアームの砲身が貫かれる事は無かったものの、桁外れの衝撃力がtu4氏の身体へと襲い掛かる。
魔槍の勢いは未だ衰えていない。
今吹き飛ばされてしまえば、ゲイ・ボルグに心臓を貫かれてしまうのは確実。

「負けられない……私は…………負ける訳には行かない…………!」

宙に浮いた状態のまま、tu4氏は殆ど執念だけで踏み止まる。
負けられない。
此処で自分が倒れれば、誰が空気キャラ達の出番を取り戻すというのだ。
誰が空気キャラ達の尊厳を取り戻すというのだ。

2229空気少女(没ネタ):2008/02/13(水) 02:50:01 ID:icVSJ4Wo0

「…………ハアアアアアアッ!!」

裂帛の気合が籠められた雄叫びと共に、ゲイボルグの勢いがピタリと停止する。
tu4氏の空気キャラに対する想いが、伝説の魔槍をも凌駕したのだ。



だが――息を吐く暇すら無いままに。
tu4氏は見た。
ゲイボルグの上に屹立する、黄金の少女の姿を。


「ま、さか――――」


tu4氏が大きく目を見開く。
したらば孔明の攻撃は二段構えだった。
あの時投擲されたのは、魔槍だけにあらず。
ゲイ・ボルグにしがみ付いていた蟹座氏こそが、勝負を決する本命の弾丸…………!



「いっけえええええええええええ!!!」
「か……蟹座氏ィィィィィィィ!!!」


雄叫びと共に、蟹座氏の正拳突きが放たれる。
黄金の闘気を纏った一撃は、正確にtu4氏の腹部へと突き刺さった。
今度こそtu4氏は踏み止まる事が出来ずに、思い切り後方へと吹き飛ばされてゆく。

しかしtu4氏にとって幸いだったのは、予想以上に蟹座氏の攻撃が強力だった事だ。
その分ダメージは大きくなるが、弾き飛ばされる距離もまた大きくなる。
圧倒的な衝撃力により生み出された飛距離は、実に数百メートル以上。
tu4氏は蟹座氏達が見えぬ距離まで飛ばされて行き、計らずして離脱に成功した。

2230空気少女(没ネタ):2008/02/13(水) 02:50:27 ID:icVSJ4Wo0


「ふー……、疲れたぁ…………」

大きく息を吐きながら、蟹座氏は地面へと降り立った。
投擲されたゲイ・ボルグを掴み続けるのは、黄金聖闘衣を纏っていても重労働だった。
両腕の筋肉は激痛を訴え、肺は懸命に酸素を全身へと送り込んでいる。
蟹座氏はその場に腰を落として、何度も何度も深呼吸を繰り返した。
しかし休息が許されたのも、僅かの間だけ。
蟹座氏が周囲に視線を移すと、力無く地面に倒れ伏すバトルマスターの姿が目に入った。

「し、ししょうっ……!? しっかりして、ししょう……!!」

蟹座氏が慌てて駆け寄ったが、一言の返事すらも帰っては来ない。
バトルマスターは意識を失ったまま、弱々しく胸を上下させている。
数秒間とは言え、エンジェル・アームの砲撃を正面から防いだ代償は大きい。
バリアの強度を限界まで引き上げる為に、体力のほぼ全てを消耗してしまったのだ。




「さて……如何するべきでしょうか」

狼狽する蟹座氏の姿を眺め見ながら、したらば孔明は無表情のまま考え込んでいた。
あの場で戦ったのは、バトルマスター達に肩入れしたからでは無い。
全てはアニロワ2ndの為。
アニロワ2ndの書き手達を守る為に、皆の脅威となるであろうtu4氏を倒そうとしただけだった。

しかし今考えれば、少々軽率な判断だったかも知れない。
話を聞く限り、tu4氏の興味は『空気キャラを目立たせる』の一点に尽きるようであった。
上手くやれば、懐柔する事も十分可能なのではないか。

(私のご主人様は……誰になって頂くべきでしょうか)

今の戦闘のお陰で、バトルマスター達の信頼は完全に得られた筈。
この先上手く利用し続けて、アニロワ2ndの為に働かせるのも良いかも知れない。
だがバトルマスターは消耗し切ってしまったようだし、蟹座氏も精神面で弱い部分が見受けられる。
戦力としては少し不安が残るだろう。

一方でtu4氏を味方に付ける事が出来れば、これ以上無いくらい強力な手札になる。
先の戦闘で自分達が勝てたのは、上手く策が嵌ったからに過ぎない。
次に戦えば恐らく勝ち目は無いだろう。
しかも自分の推測が間違いで無ければ、tu4氏は更に強くなり得る余地を秘めている。
ならばバトルマスター達の首を手土産として、説得を試みるというのも一興だ。

どうするべきか――アニロワ2ndを支えし策師は、何処までも冷静に思案を巡らせる。

2231空気少女(没ネタ):2008/02/13(水) 02:50:50 ID:icVSJ4Wo0

【昼】【E-6 ファミレス付近】
【蟹座氏@ギャルゲロワ】
【状態】蟹見沢症候群発症、中度の肉体的疲労、ノーパン、へこみLv3、顎部に痒み
【装備】蟹座の黄金聖闘衣
【道具】支給品一式、鉈、最高ボタン
【思考・行動】
基本:罪を償う為、皆を守る。自らの萌えキャラ化を受け入れるかは不明。
0:混乱中
※外見はつよきすの蟹沢きぬ(カニ)です
※最高ボタンには『いやっほぉぉぉおおおう、蟹座のONiぃ様、最高ーーーーーっ!!!!!』というハクオロの声が流れます。
  シークレットボイスにも何かあるかも?
※自分の心がキャラに影響されていることに気付きましたが、キャラに抵抗するため無駄な努力をしています。
※身体能力は本気を出せば倉成武ぐらいの力が出ます。蟹座の黄金聖闘衣を着れば、更に強力な力を発揮出来ます。通常はカニ。
※蟹見沢症候群について。
 へこみのLvが5になったとき、発祥します。発症した場合、自分を苛めたり辱めたりした者を優先的に殺します。
 現在は沈静化してますが、しばらく苛め続けると再び発症する恐れがあります。
 基本的な症状は雛見沢症候群と同じです。発症中は蟹座氏のチャット状態の特徴により、語尾に♪がついたりします。


【バトルマスター@ギャルゲロワ】
【状態】胸に抉り傷。両腕に削り傷、左肩に深い刺し傷。内臓の一部に破損、身体の所々に打撲。極度の肉体的疲労、気絶中。
【装備】永遠神剣第六位「冥加」
【道具】支給品一式、コイン、名簿、不明支給品2つ
【思考・行動】
基本:コインの表が出たので徹底的に抗う。
0:???
※外見は前原圭一@ひぐらしのなく頃に
※自分の心がキャラに影響されていることに気付きました
※【自らの心象風景を投影した力場を発生させることによって、ありとあらゆるバトルに敗北しなくなる】固有結界が使えます。
 名前は募集中。


【管理人・したらば孔明@アニロワ2nd】
【装備品:ゲイボルグ@アニロワ2nd】
【道具】支給品一式×2 スタンガン@アニロワ1st、オールオーバー@ライダーロワ、大鉈(破損)@ギャルゲロワ、
    携帯電話@現実、首輪(まとめキング)、閃光弾、不明支給品(ランダムアイテム)】
【状態:中度の肉体的疲労、服に若干の血痕】
【思考・行動】
基本:脱出に向けて行動する(基本的に恋姫†無双の孔明を演じる) 。アニロワ2ndの為に動く(アニロワ2nd書き手は出来るだけ助ける)
1:誰を主人にするべきか考える。
2:脱出に有能な方なら手を組みましょう。
3:危険な野郎なら排除するぜ。
4:面白いんじゃねぇの?あの能力。
※外見は孔明(恋姫†無双version)、頭脳は孔明(Gロボversion)、力は孔明(水滸伝version)です。
※口調は基本的に恋姫†無双versionでいくようですが、状況と気分で恋姫†無双version・Gロボversion・水滸伝versionのどれかにするようです。

2232空気少女(没ネタ):2008/02/13(水) 02:51:10 ID:icVSJ4Wo0




【昼】【場所不明】
【予約被りに定評のあるtu4氏@ギャルゲロワ】
【状態】ダメージ(不明)、同胞に対する深い愛、黒髪化、エンジェル・アーム
【装備】永遠神剣第七位「存在」、ガンダールヴの証(ゼロの使い魔@漫画ロワ)、ペンダント(空鍋の欠片)
【道具】写真付き名簿、支給品一式、不明支給品×1(未確認)
【思考】
基本:空気にならない為、空気キャラを救済する為、他の書き手をみなごろし。
0:???
1:書き手はみんな滅する。私を空気とか呼ぶ奴はグロ死な。
2:エロスの鐘の煩悩寺がマーダーだと広める。
3:ギャルゲロワ陣営は欝に叩き込む。
4:空気キャラは保護する。
※容姿は白鐘沙羅@フタコイ オルタナティブ。アセリアの服を着ています。
※実は永遠神剣第一位「空気」を宿していますが何らかの因子が足りないため使えません。
※ガンダールヴの能力は、どんな武器でも自在に操れます。
  また本来は使うと疲労を伴いますが、tu4氏の場合それはありません。チートですし。
※永遠神剣の力を引き出してる時や、エンジェル・アーム発動中は、空だって飛べます。
※空気王として他ロワの空気キャラの能力を使用できます。
※空気王として、自身の存在を世界から一時的に『消せ』ます。但し大きくエネルギーを消耗します。
※E-3から南東の方角にエンジェル・アームが発射されました。
 どこに着弾するのか、LSロワのように誰かが巻き込まれるのかは不明です。
※tu4氏が何処まで飛ばされていったのか、どの程度のダメージを受けたかは、後続の書き手さん任せ。

2233空気少女(没ネタ):2008/02/13(水) 02:52:41 ID:icVSJ4Wo0
投下完了です
空気を読まず、思いっ切り超人バトルに走りました
没ネタを長々と投下してすみませんでした

2234貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/13(水) 02:55:17 ID:qb6NpoJY0
熱い!熱すぎるぞ!
これがヴォツネタになってしまうとは
予約無しのスリルは底無しっ……!

2235貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/13(水) 02:57:30 ID:NFVjKvJw0
>>2233
思いっきり特定したw
こんなところで憂さ晴ら…じゃなくて熱い戦い投下してないでどうか自ロワに戻ってきてくだしあ><

2236貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/13(水) 02:58:39 ID:rz4lPyUM0
>>2333
はい特定wお疲れ様でしたw
次回もきっと書いてくれると信じてますぜ。

2237貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/13(水) 03:04:31 ID:99T9hjwQ0
うおお、熱い!?
そしてやっぱり持ってたか、攻撃回避に本当の空気化www有ると思ったぜ畜生www
GJでしたよこの野郎。

2238貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/13(水) 03:04:56 ID:08zbpzoAO
>>2210
ぶっちゃけ空気だったんで、こんなにオイシく描いて貰えてとても嬉しく思いますw
自分が戦い、そして死んでいくというのにワクワクして仕方ありませんでした。妙な言い方になっちゃいますけど「凄く面白かった」です。

本当に有難うございました。
そして投下乙&GJです!

2239貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/13(水) 03:09:07 ID:rv9VT9P2O
皆さんGJです!
携帯からだと追いつかないぜ……嬉し涙が出ちまう。

しかし、書き手ロワで恐ろしいのは、死亡する事じゃなくて空気化する事だと感じた。
……ああ、そういえば自分、まだ早朝なんだよな……ははは。

2240貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/13(水) 03:11:02 ID:kd00D8sg0
>>2233
いやいやすごい楽しかったです!
こっちはこっちで波乱の種もまいてますし。
>>2238
ほ、本人様ですか!?
は、ははーありがたき幸せ。
いや、マジで嬉しいです!

2241貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/13(水) 03:24:56 ID:qb6NpoJY0
>>2239
あなたが誰かはわからんが、一組は俺が責任もって書くぞ!
あんな施設出しちまった以上書かないとな!





時間があればorz

2242貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/13(水) 04:22:39 ID:99T9hjwQ0
ふと気付いたけど、>>2019のtu4氏の現在地、E-3の間違いかな。
それまでの話で個人病院の位置がE-3ってされていたけど、
>>2019のtu4氏はF-3個人病院ってなってて、砲撃発射地点はE-3と書いてある。

2243貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/13(水) 06:28:10 ID:mecd.DHk0
――現状をまとめてみた。


【対主催】_23人
◆wKs3a28q6Q、パンタローネ、ミスターマダオ、クールなロリスキー、焦ったドラえもん、
ボマー、バトルマスター、永遠のうっかり侍、お姉さま、衝撃のネコミミスト、
底上げ中の残月、忘却のウッカリデス、管理人・したらば孔明、幻夜・フォン・ボーツスレー、
静かなる〜Chain-情〜、大あばれ鉄槌、フリクリ署長、意外な影丸?、鬼軍曹、
地味子、影の繋ぎ師、漆黒の龍、ギャグ将軍


【マーダー】_11人
エース、ダイナマイトアンデッド、熱血王子、エロ師匠、仮面ライダー書き手 (<ノーマル)
◆yHjSlOJmms、King of 脳内補完 (<ステルス)
予約被りに定評のあるtu4氏、蟹座氏、エロスの鐘の煩悩寺、コ・ホンブック (チート)


【危険人物】_7人
蘇った現代の熱血怪人、地獄紳士『666』、承、転、孤高の黒き書き手、マスク・ザ・ドS、素晴らしきフラグビルド


【その他】_8人
◆MJv.H0/MJQ、コロンビーヌ、シルベストリ、ステルス鬼畜、速筆魔王LX、地球破壊爆弾No.V-7、
神行太保のDIE/SOUL、サプライズパーティー、


【ジョーカー】_1人
◆6/WWxs9O1s

2244貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/13(水) 08:12:15 ID:5qSsXpBo0
なに、この盛況ロワwwwwwwww
旅行から帰ってきたらマーダー化&チート扱いな自分っていったい……
しかしヤバイな、覚醒に次ぐ覚醒……これは、大量死フラグ。主に自ロワ。

2245貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/13(水) 12:35:45 ID:LO0U4TPY0
>>2242
失礼、確かに間違いです。
前回バトルになった場所から動いてない筈なので、E-3が最終行動地点になります。

2246岸田洋一の誇り:2008/02/13(水) 15:30:05 ID:5qSsXpBo0


「ははははははははははははははははははっ!!!」

男は笑っていた。愉快に、痛快に笑っていた。
彼の背後には二人の男が倒れている。一人はギルガメッシュの容姿で、一人は笑う男と同じ姿をした男だ。
一人高笑いする男と、這い蹲る二人の表情は対極。まさに天と地とに分かれている。

「くそっ……」
「貴様……恩は忘れない、と言ったあの言葉は偽りか、雑種っ……」

ギルガメッシュの容姿をした男、幻夜は苛立たしいと言いたげに……助けたはずのステルス鬼畜を睨み付ける。
アヴ・カミュなどの瓦礫から護ってやったし、それ以前に体力回復もしてやった。
何故、それなのに、こうして自分は地に倒れているのか分からなかった。むしろ、配下となることを申し込むぐらいが相場のはずだ。

放送後、いきなり幻夜は殴り飛ばされた。
人の力ではない。少なくとも干からびていたミイラの腕力ではなかった。
いきなりの一撃に気絶させられ、気がつけば……サプライズパーティーと一緒に拘束させられている。

「いや、悪いなぁ……俺、ステルス鬼畜だから。この意味、分かるかな?」
「はっ……その岸田の姿もそれか? それはそうと、一緒に縛っているそいつは仲間ではないのか?」
「違うね。そいつは偽者だ。俺こそが岸田、俺こそが最強の岸田だよ」

ステルス鬼畜はにやにやと笑いながら、サプライズパーティーの腹を蹴っ飛ばす。
空気の乾いた音がして、サプライズパーティーが咳き込むのを見て益々彼の邪にも似た笑みが広がっていく。

「……初期と性格が違うものだな」
「そりゃあ、そうだ。俺はな……ギャルゲロワ内じゃ、初期では清涼剤と呼ばれてた。最高ボタンとか書いて、読み手を和ませたもんさ」
「ぐはっ……」
「だがなぁ、後半じゃ鬼畜の名を欲しいままにしたものだ。俺の真の目的は、熱い戦いや和み話の裏で……参加者を欝に追い込むこと」

ガスガス……何度も幻夜の腹を蹴り上げる。
そうだ。ステルス鬼畜の名に相応しい生き様をする必要がある。そのためならば、裏切りなど問題ではない。
否、裏切りも何も味方ですらないのだ。なら、徹底的に欝展開に追い込んでやる。ステルス鬼畜の笑みに凍りついた。

彼の背後には、クレイジーダイヤモンドが具現化していた。
エニグマの紙に書かれたディスクを、面白愉快型ステッキで本物を再現し、味方に加えて圧倒した。
不意打ちをされた幻夜はもちろん、支給品まで失ったサプライズパーティーにも抗う術を持たなかったのだ。

「……で、もう一人の俺……わざわざ殺さず、縛り付けたってのには理由があるんだろうな?」
「ああ、せっかく覚醒フラグを手に入れたんだ。なら、俺に相応しい渾名に則ってお前たちを殺す必要がある」
「……そりゃあ、つまり」

ひくっ、とサプライズパーティの喉が動いた。
喉がカラカラだ。まるで水分を取られたかのように(実際に搾り取られてたが)体が本能的な恐怖を感じる。
ステルス鬼畜は、そんな同じ姿の同胞を嘲笑うような声で告げた。

2247岸田洋一の誇り:2008/02/13(水) 15:32:03 ID:5qSsXpBo0


「クレイジーダイヤモンドの力は知ってるか?」

ジョジョの奇妙な冒険第4部の主人公、東方仗助のスタンド能力(命名は空条承太郎)。
近距離パワー型スタンドにして、スタープラチナを凌ぐパワーとスピードを兼ね備える。

その腕力はスタープラチナのガードを崩すほど。
しかし最大の特徴は空条承太郎曰く「この世の何よりも優しい能力」=傷付いた物を元通りに修復する力にある。
但し、自分自身を治したり、死んだ者を生き返らせる事は不可能。

また、仗助が怒りに我を忘れているとき、治されるものが元通りになる保障はない。
その能力を利用して、人と物を一体化させることも可能(アンジェロ岩、エニグマの本など)――――(以上、コピペ完了)

「傷ついた物を元通りにできる能力……つまりはぁ」

どんなに傷ついても、どんなに地獄を見ても死ねない。
死ななければ、死なない。痛みと回復を同時に行使する。恐らくはステルス鬼畜が飽きるまで何度も何度も何度も。
死にたくても、死ねない。それがカワイソス四天王を量産し続けた男の凶器。

「欝展開って話だ。……簡単に死ぬなよっ!?」

まず、一撃目。
身動きの取れない二人に、ステルス鬼畜は腕を振り上げた。



「ふざけんじゃねえ」


だが、その記念すべき一撃目を彼は邪魔された。
驚きに目が見開く。莫迦な、と喉が動いたが、声にならなかった。
だが、咄嗟に後退したのは成功だった。本能に従ったバックステップはステルス鬼畜の命を救った。

シュン、と前方を通り過ぎる刃。

見れば、拘束を断ち切ったサプライズパーティーが立っていた。
そこらから拾ってきた縄などでは拘束できない、と言いたげに。ステルス鬼畜の敵はそこに立っていた。
永遠神剣第六位『冥加』……本来、持っているはずもない漆黒の武器を構えて。

「っ……莫迦な、エニグマの紙だと!? 確かに回収した! 貴様は惚けていただけだろう!?」
「ああ。だが、貴様が確認した紙で全部だと誰が決めた? 俺だって一枚は隠し持ってもいいだろよ?」

実際はついさっき拾いましたー、なのだが気にしない。
ハカロワの書き手、サプライズパーティーにとってはその程度のイレギュラーなど問題にならない。
そう、彼は真剣に怒っていた。
ステルス鬼畜の行為に、言動に、発言に……激怒していた。

「俺が偽者の岸田だと……?」

一歩、前に出る。
スタントであるクレイジーダイヤモンドと、永遠神剣である『冥加』の激突が近い。

「岸田を、岸田として描き続けた、このサプライズパーティーを……偽者だと!?」

自分の書いた話には誇りを持っている。
そして、この姿で登場したことに誇りを持っている。
たとえ何人、岸田洋一がいようが関係ない。誰が本物を主張しようが関係ない。

だが、偽者と呼ばれることだけは許さない。

2248岸田洋一の誇り:2008/02/13(水) 15:32:36 ID:5qSsXpBo0


「そういや、お前も岸田洋一を名乗るからには、ハカロワ3出身だろ?」
「いいや、俺はギャルゲロワだ。お前らカオスと一緒にすんな」

は? と最初に呆けるサプライズパーティー。
やがて、あまりにも可笑しくて高笑いした。はははははは、と哄笑が響く。

「ギャルゲロワ……? あんな、制限だけで岸田が立ち入り禁止になるロワ? は、はははははははっ!!」
「何が可笑しい?」
「……別に。ただ、そんなロワ出身の奴が、本物の岸田洋一を名乗ることが、可笑しかっただけだぜ……」

ぶちり、とステルス鬼畜のこめかみに皺が寄った。
もはや、決定的な対立は避けられない。

「潰してやるよ、ドッペルゲンガー(己の影)。俺の空蝉……キャラが被るんだよ、お前がいると」
「上等だ。欝死に追い込んでやるよ、フェイカー(偽者)。お前を殺して、俺が唯一の岸田洋一になる」


【午前】【E-5 学校跡地】

【ステルス鬼畜@ギャルゲロワ】
【装備品】エニグマの紙×3(「漫画キャラバトルロワイアルwiki管理人」「愉快型魔術礼装カレイドステッキ」「クレイジーダイヤモンドのDISC」)
【道具】共通支給品一式
【状態】満腹、心に鬼畜の炎
【思考・行動】
基本:俺こそが最強の岸田さんだっ!
1:ステルス鬼畜の名のとおり、参加者を欝死に追い込む
2:もう一人の俺にゃ負けん。ここでサプライズパーティーは殺す
3:ちなみに俺はロリ巨乳が好みです
※容姿は鎖の岸田洋一。



【サプライズパーティー@葉鍵ロワ3】
【装備品】永遠神剣第六位『冥加』
【道具】共通支給品一式
【状態】満腹、強い怒り
【思考・行動】
基本:俺こそが最強の岸田さんだっ!
1:岸田の誇りを胸に
2:もう一人の俺にゃ負けん。ここでステルス鬼畜を殺す
3:ちなみに俺は人妻が好みです
※ステルス鬼畜をギャルゲロワの書き手と知りました
容姿は鎖の岸田洋一。



「……で、我は?」

ハカロワ出身の奴が燃え展開をやっているのに、自分は放置プレイ。
少々納得のいかない幻夜は、とりあえず拘束を外す案を探すことにするのだった。


【午前】【E-5 学校跡地】

【幻夜・フォン・ボーツスレー@アニロワ2nd】
【状態】疲労大、ところどころ出血中・左肩に直径5cmの貫通傷・内臓に痛み(全て処置済み)、
    エロ師匠と仮面ライダー書き手に対して強い怒り
【装備】巳六@舞-HiME、黄金の鎧@Fate
【道具】支給品一式×2、未定支給品×1(本人確認済み)、未定支給品×2(未確認)、ゲドー・ザ・マジシャンの首輪
【思考】
基本:このバトロワの破壊。または脱出。
0:拘束を外す方法を考える
1:放送後、あの二人組(エロ師匠と仮面ライダー書き手)を探し出して殺す。
2:協力者を探す。
3:首輪の解析。
4:放火魔を見つけたら殺す。
※容姿はギルガメッシュ@Fateです。

2249貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/13(水) 15:34:13 ID:5qSsXpBo0
投下完了。
とりあえず、自分の罰ゲームの課題はひとつ終わりました――――by名無し

2250貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/13(水) 15:57:55 ID:zLnhmsb60
着々と襲来するギャルゲロワの方々!GJ!!
ってか、幻夜の最後の一言がつぼに。

2251絶望可憐少女達:2008/02/13(水) 17:17:31 ID:mecd.DHk0
希望。そして、成功や成長の象徴でもある登り続ける午前の太陽。
それがある方角――東へと向って温かくなってきた路の上を真っ直ぐに進む二人の少女がいた。

正義と規律、秩序の象徴であるHOLYの制服をまとい、長い黄金のツインテールを揺らしているのはボマー。
今回の騒動の発端となった人物であり、狂気と正気の境界線上をなぞり歩く名前の通りに危うい少女。

そして、彼女の手に引かれ、淡く綿菓子の様なピンク色の髪の毛を揺らしている幼子はコ・ホンブック。
身を包む薄い空色の制服の中に20以上の永遠に癒えぬ傷を抱え、熱く無明の絶望の中を往く少女だ。

フラリフラリと身体を揺らし、足取り覚束無いコ・ホンブックを励ましながらボマーは一路、東へと道を邁進する。


 ◆ ◆ ◆


「……ねぇ、おねえちゃん。――ッ、ほ、ホんとぉ……うに、たぁ、すかるのぉ……ッ?」
「ええ、本当よ。助けてあげるから、少しだけお姉ちゃんに強力してね」

空いた方の手で痛む腹を押さえ、嗚咽と涙まじりに言葉を吐くコ・ホンブックであったが、
彼女につい先程までの狂気、狂乱は見られない。
それをなしたボマー自身はまだ気づいていないが、彼女の手にアレがないことこそがその原因であった。

――人喰い。希望に見せかけた絶望。禁忌の財宝。呪われた支給品――『乖離剣・エア』。

アニロワ2ndにて彼女に心的外傷を刻み、また数多くの読み手の怨嗟の声を浴び、吸い取った悪魔のアイテム。
それこそが、傷ついて意思の手綱を放した彼女の心を乗っ取り、暴走させた原因だったのである。
煌びやかなれど血を誘う黄金の剣はここには無い。
起き上がったコ・ホンブックに危害を加えられることを怖れたボマーが、瓦礫の山の中に隠してしまったからだ。

「脱出エンドに向う為には、首輪解除フラグの積み重ねが最も重要――解るでしょう? あなたも書き手なんだから」

対主催の障害となるマーダーの残りは神の意思をもって調整される為、参加者自身が考慮するのは無意味。
また、主催者への道程や出し抜く方法なども、その目的や戦力、ネタが明らかにならない内は考えなくてもいい。
序盤から中盤へと移行しようとしている現在。最も必要なのは首輪――その解除フラグの積み重ねだ。

「……ぅ。あ、あ……、あたし……、――ッ。よぉ……く、わかん――ッ、ない……よぉ……」

ポロポロと大粒の涙を零しながら、ピンクの髪の可哀相な子供は頭を振る。
境界線を越え、狂気から正気の側へと戻ってきたものの、まだ言葉の意味を組み立てられる程には回復していなかった。

「そう。……じゃあ、お姉ちゃんの言うことだけをよく聞いてね。そうすれば助かる――から」

自分の言葉に首肯し、涙を地面へと叩きつける少女を見て、ボマーは少しの戸惑いと罪悪感を覚える。
幾度と無く繰り返してきたことだが、書き手として文を綴るのと実際にその手を下すとのではやはり明確な違いがあった。

「――ウッ! エぅ……、ひぐっ。たすけてえぇ……。たすけ、ってぇ……。おねえちゃん……!」
「うん。大丈夫だから……。絶対、助けてあげるから……」

彼女が戻ってきたら。もし彼女が禁止区域の向うから戻って来れたのなら……。
絶対に。――絶対に、彼女とだけはその最後まで一緒でいてあげよう。どちらが先に死んでしまうとしても。
そう、贖罪の少女は心の中で密かに誓いを立てる。

それが、危ういフラグ立ての一つであることを意識しながらも……。

2252絶望可憐少女達:2008/02/13(水) 17:17:49 ID:mecd.DHk0
 ◆ ◆ ◆


「――止まらないで! 真っ直ぐ。真っ直ぐに、……そう。そのまま前に進んで!」

禁止エリアであるF-9。その西端の境界線のすぐ手前。F-8のエリアの東端へと、二人の少女は到達していた。

一人の少女は立ち止まり、もう一人の不幸な少女をその先へと導く。
結んだ小さな掌を離すことに抵抗し、むずがっては何度もこちらへと振り返る少女を宥め、死地へと追いやっている。
死を――少なくともそれに等しい苦痛をその子供に強要している。
そのまま死ぬことができたならこれ以上は不幸にならぬと、もし死ななければ絶対に助けてみせると思っても。
たった独り。何も解らずぽつんと立っているその少女が、泣いている少女の姿が――、

――居た堪れなかった。

「こ、こわいよぅ! こわいよぉ……、おねえちゃん――! ひ、ひぐぅ……っ。えぐっ、ぅ――!」
「大丈夫だから! お姉ちゃんの言うことを聞いて! ――そう。そうよ、いい子だから、ね?」

一歩……一歩と、不幸な少女はたどたどしく足を進める。
重苦しい痛みを堪え、押し潰されそうな不安に耐え、瞼を震わせ、歯を鳴らし、涙と血を零し、竦む脚で進む。
どこまで進めばよいのか解らない。どうして進まなければならないのかもよく解らない。
でも、進めば助かる。助けてもらえる。そう信じて、それが本当であることを願って、不幸な少女はゆっくりと進む。

「(…………………………………………)」

そこで死んでしまえばよいのか。それとも戻ってきて欲しいのか。ボマーには、もうそれがよく解らない。
何が幸せで、何が不幸せなのか。どこまでが正気で、どこまでが狂気なのか。そして、自分はまだ正気なのか?
自分はものすごく惨いことを強いているのではないだろうか。それは今ここで許されることなのか……。
私は書き手なのか。それともここでは不幸を演出するための駒でしかないのか。人間ではないのか――?

「(…………………………………………)」

危うい所まで来ている。……と、ボマーは自覚する。
正気と狂気の境界線――その線上に自分は足を掛けていると。
ここまで来たのは自分の意思か。それとも運命の悪戯か。それとも、誰か――他の書き手の意思ではなかろうか?
書き手であり――参加者であり――また書き手でもある。
このメタフィクショナルな入れ子構造。
『私』は――、『私』は――……、

――『私』は一体誰だ? 『私』は一体何者だ? 『私』は人間か? それとも駒か? ――書き手なのか?

――『私』を書いているこいつは一体誰だ?

2253絶望可憐少女達:2008/02/13(水) 17:18:10 ID:mecd.DHk0
 ◆ ◆ ◆


――パンッ、という手を打ち鳴らした様な乾いた音で、ボマーは思索の迷宮から現実へと帰還した。


「――コ・ホンブック?」

目は前を見据えたままで、彼女の姿はずっと映していた。だが、見てはいなかった。
ボマーは意識の焦点をそこへと合わせ、その瞬間から現在までを脳内で再生し目の前の光景へとつなぐ。

それは唐突だった。怯える少女にとっては幸か不幸か、一切の警告なしに首輪は爆破された。
火も煙も立たず爆破と言うには些か迫力不足であったもののその威力は申し分なく、ピンクの頭は宙へと舞った。
一切の悲鳴も、表情すら変えることなくそれは宙から地へと落ち、少しだけ転がり僅かに遅れて血が降り注ぐ。

ここまでが記憶の中から掬い出せた映像。そして、ここからが決して止まることなく進行する現実――。

アスファルトの上に広がった血は順逆の流れで少女の傷口へと殺到し、血は再び注がれ直される。
欠けた骨。肉の一部を集めながら怯えた表情のままの少女の首が転がり、ぴたりと分かれた部分は貼り付けあう。
程無くして、不幸な少女はやはり不幸なままに生を取り戻した。そして、そんな彼女を――、


――黒い影が抱き上げた。


 ◆ ◆ ◆


「誰――なの?」
「影――ですよ」

回答はその影ではなく、少女の後ろに現れた一人の男より与えられた。
その男の名前は――マスク・ザ・ドS。愛しき想いで希望を断つ男。袋小路に立つ者を愛でる者。

「アレは私の――簡単に言うとスタンドやアルターの様なものでしてね。
 ああやって禁止エリアの中にも自由に入り込めたりできるんですよ。理解できましたか?」

それと、忘れ物です――と言って、ドSはボマーの目の前に一本の『剣』を転がす。
ガランと楽器の様な音を立て、日を跳ね返して黄金に輝くそれは隠してきたはずの乖離剣・エアだった。

「生きた人間を使っての爆破実験とは……、さすがは『ボマー』と名乗られるだけのことはあります。
 ……ですが、ちょっとお優しすぎやしませんか?」
「何……ですって?」

突如現れた怪しい男に、ボマーは緊張を高め姿勢をそれとなく戦闘のためのものへと移す。

「あわよく死んでしまえば……いや、私の手で殺してしまおう。とは、優しすぎると言ったんです」
「……私があの子を殺そうと、してた?」

少なくとも変化を齎せるつもりではあった。そうでしょう? ――と、男は言う。

「私が『ここ』にいることで、彼女は死なずにすみましたが……、ええ本当に幸いなことです」
「――お前がっ!?」

その口振りに、ボマーは目の前の男こそがコ・ホンブックを堕とした張本人であると気付き、そして確信する。

「お前は、またあの子を――」
「ええ、そのつもりです。そして、人を奈落に落とし続けたあなたにも――本当の絶望というものをお見せいたしましょう」


――ひうんひうん。ひうんひうん。と、絶望が音を立てて少女達を包み込んだ。

2254絶望可憐少女達:2008/02/13(水) 17:18:30 ID:mecd.DHk0
 ◆ ◆ ◆


「持ち上げて――落とす。落とすために、持ち上げる。――セオリーですよね? ボマーさん」

暗い笑みを浮かべる男。それに寄り添う無言の影。
その背後には縛り上げられた不幸な少女。そして、彼らに対峙するのは贖罪の少女。

「では、この場合。どうすればより皆が不幸になれるのか?
 皆――とは、勿論。私を含む、参加者全員のことです。
 その場における幸不幸というのは、あまり重要ではない。重要なのは、全員が揃って絶望できるのかということ。
 皆が皆、手を取り合って地獄の底に飛び込んでゆく――そんな方法を、私達は考えなくてはならない。
 なぜなら――」

――それこそが、バトルロワイアルなのだから。

「では、不幸ってなんでしょう――?
 死んだら不幸? ――違います。死なれたら不幸? ――それもまた違う。
 私が思うに不幸とは、『途中』であることだと思います。
 終わりでなく途中。途中を維持すること。中途半端なままになってしまうこと――それこそが不幸だと」

自分勝手に弁舌を振るう男を前に、贖罪の少女は動けないでいた。
気を呑まれたという訳ではない。単純に、物理的に動くことができないでいたのだ。
男の隣りに立つ影――仮面を被った女が操る鋼糸が彼女の皮膚の中に侵入し、神経の一本一本を絡め取っている。
激痛に苛まれながらも悲鳴を上げることもできず、ただ男の絶望論を聞かされ続けていた。

「不幸であることは幸せであることよりもなお幸せである。なにせ幸せでないのだから」

誰の言葉であろうか? 男はいくつもの矛盾を孕んだ言葉を嬉しそうに吐く。

「さぁ、では皆で手を取り合って仲良く奈落の穴へと飛び込もうではありませんか。
 夢は見れても希望は無い。後悔はあっても懺悔は許されない。罰はあっても罪は無い。そんな世界へ――」


――絶望の世界へ、往こうじゃありませんか。

2255絶望可憐少女達:2008/02/13(水) 17:18:51 ID:mecd.DHk0
 ◆ ◆ ◆


再開された舞台。その上には再び少女だけが二人――。


「――おねーちゃんっ! おねーちゃんっ! な、な……っで、……んで? 行っちゃうの――?」

目を覚ましたコ・ホンブック。彼女の前で、彼女を救うはずだった少女はゆっくりと後ずさって行く。
恐怖に顔を引き攣らせ、おぞましいものを見る目つきで、涙を流し、ガクガクと震える足で遠ざかって行く。
無論。それは本意ではない。全ては舞台袖に控え、采配を振るう男の仕業である。

「待って! ねぇ……、ぅえ、……ぃやだ。――ッ! たすけて、くれるって……、いった。たすけてくれるって、いった……」

可哀相な少女は追いすがろうとする。だが、男の仕業により腱は断たれており、立ち上がることができない。
しかしそれでも、腕だけを使い、激痛を訴える胸と腹を地に擦り、救いを求めて這いずり進もうとする。
頭の中にはどのような考えも無く。謀などとは全く気付くこともなく。ひたすらに、ただ一生懸命に、救いを求めて。

「お願い、だからっ! ひっ……っく、は! み、みすてないで――ッ! おねーちゃんっ! おねーちゃんっ!」

後ずさる先は、先刻目の前の憐れな少女が飛び込んだ禁止エリア。そこで自分は死ぬとボマーは理解している。
だが、なんということか。男の言うとおり、今恐怖を感じているのは死ぬことにではない。
恐ろしいのは、――この子の目の前で死んでしまうということ。しかも、何も言い残せず。誤解されたままで。

「いやぁ――ッ! だめぇえぇぇぇええ――ッ! いっちゃいやだ――ッ! うわあぁぁああぁあん……!」

どれだけ足掻こうとも、どれだけ抵抗しようとも、少女と少女の間は縮まらない。ただ、少しずつ離れてゆくのみ。
一人の少女は、目の前に現れたたった一つの救いを意味も無く奪い取られ、
一人の少女は、何を成すことも無く全くの無為に死す事を強要されている。

望みを絶つと書いて――絶望。少女と少女の間に生まれかけた希望。それを踏み躙り、絶望先生は暗く哂う。

どうせなら、人形にされてしまうなら、耳も目も塞いでくれればよかったのにと贖罪の少女は思う。
そうならば、彼女の泣き顔を見ずにすんだのに。彼女の悲鳴を聞かずにすんだのに。
だが、これも全ては男の計算通りなのだと少女は悟る。これがあの男のやり口なのだと。
そうと言う資格はなかったかもしれないが、せめて一人は救いたかった――こう思わせるのも全部合わせて。
恐ろしい男だと、そう彼女が思った瞬間に、――頭が爆ぜた。


 ◆ ◆ ◆


「ひぎゃああぁぁぁあああぁぁ――ッ! おねえぇちゃあ――ん! いやだッ! やあぁあぁだあぁぁ――ッ!!」

独り残された少女は、訳も解らず泣き叫ぶ。
血を零すだけの皮袋となったそれに追い縋り、叫び、叫び、叫び、叫び、――泣いて、――啼く。
泣くことにも叫ぶことにも意味はない。少女は意味など考えてはいない。ただ泣き叫ぶだけだ。

だが、その涙に悪意を持って意味を与えようとする男がいる。

2256絶望可憐少女達:2008/02/13(水) 17:19:18 ID:mecd.DHk0
 ◆ ◆ ◆


「ご縁がありますね。コ・ホンブックさん」

不幸な少女の前に、再び風浦可符香の姿をした影が立つ。もう一度、今度はより深く少女を堕そうと……。

「――その人は。――あなたを助けようとしたので。――私が。――殺しました」

泣き腫らし、呆然とした顔を上げる少女へ、影は彼女が理解できるようゆっくりと言葉を区切り――ぶつける。
そして、ゆっくりと待つ。壊れた少女がその意味を解し、再び歪な心を転がし始めるまで。

「……ろした? おねーちゃんを、……ろした、の……?」

少女が言葉の意味を解するのに、どれぐらいの時間が過ぎたろうか……。
何時の間に陽は頂上へと昇っていた。
そして、その青い空に浮かぶ真っ白な太陽めがけて、真っ赤な螺旋が立ち昇る。
螺旋に紛れ、空にばら撒かれる黒い破片は、ドSの影だった者の成れの果てだ。

「……っく。ひぐ……っ。えっ、えぅ……」

不幸な少女は今度は自らの意思で剣を手に取った。これで、彼女の不幸は完成したのだろうか?
――いや、そうではない。こんなものでは、まだ足りない。これじゃあ、皆が不幸になるにはまだ足りない。
男は、不幸な少女をより美しく不吉な存在とすべく、自ら舞台の上へと立つ。
己の望みさえ断ち、この後誰も彼もが等しく不幸になれることを想い、自らを最後の供物とすべく――。


 ◆ ◆ ◆


おねーちゃんを殺したヤツを――恨みがあるからを殺した。では足りない。
誰も彼をも殺す。でなくてはならない。誰も彼をも問答無用で殺す。そんな化物。不幸の顕現でなくてはならない。
化物であり。化物と認められ。また自身も化物と認め。決して行く先の無い者。そんな者に仕上げてやらねばならぬ。

「――死ねっ、化物! 死ねっ、人殺し! いなくなれっ、化物! 消えてなくなれっ、人殺し!」

ひうんひうん。ひうんひうん。
鋼糸を振るい、男は少女の身体を削ぎ、血を流させ、骨を抉り、心を解体し、人であることを剥奪してゆく。
再生し続ける少女の身体をバラバラの部品に分解しながら、その隙間に悪意を流し込み丁寧に化物を仕上げてゆく。
絶望を抱えるだけの自我を保ちながらも、決してそこからは逃れられないような言霊を少女の魂に吹き込む。
己が不幸を呪い。人生を呪い。神を呪い。世界を呪い。敵を呪い。味方を呪い。隣人を呪い。そうでない者も呪う。
そんな恐ろしい化物に。そんな憐れな化物に。そんな可哀相な化物に。男は少女を組み替える。

2257絶望可憐少女達:2008/02/13(水) 17:19:42 ID:mecd.DHk0
 ◆ ◆ ◆


「(……次の放送には、間に合いましたか)」

腕に嵌めた時計を見れば、12時はもう目前だった。
マスク・ザ・ドSは視線を時計から外すと、今度は目の前のそれを感慨深げに見つめる。

そこにあったソレは、彼の理想通りの、醜く、身の毛も弥立つ様なおぞましい――化物だった。

「――それが、あなたの選択した答えなんですね」

再びその身の全てを曝した少女の片手にはあの黄金の剣が、そしてもう片方にはそれとそっくりな真白い剣があった。
自らを殺し、不幸な運命を刻みつけたソレこそが、彼女の攻撃性の象徴であり、自分を守るために選んだ武器だったのだ。
不幸な少女は目の前の者に対し、両方の剣を並べて突きつけその力を解放する。
破壊と復讐の衝動。怨みと呪いの疾風。苦痛と悔恨の波動。紅と白の暴風がドSを襲い、彼をこの世から居なくしてゆく。

「(――二本の螺旋剣から生まれる破壊の小宇宙はさながら、神砂嵐ではなく紙砂嵐といったところですか)」

死の淵に立ち己が存在の消滅を前に、男は絶望の微笑を顔に浮かべる。
彼の目の前。紅く怨念に満ちた死眼を持った少女だったもの。自分の作り上げたモノの美しさに満足する様に。
だが、その完全な完成形は決して見ることができない。なぜなら、それは彼の死を持って成されるからだ。
男はそれだけを未練にこの世から去ってゆく――、

「(私を殺しても、あなたは決して救われない。あなたは私を殺して、初めてその事に気付き、絶望するのです)」

――そして、化物が完成した。



頂上に登った太陽の下に、白くて小さい、決して救われ無いが――美しい。そんな化物が完成していた。




【マスク・ザ・ドS@アニ2nd  死亡】
【ボマー@LSロワ  死亡】




【昼】【F-8/市街地】
【コ・ホンブック@アニロワ2nd】
【状態】:不死者化、絶望、胸に12の傷(※)、腹に10の刺し傷(※)、
【装備】:乖離剣・エア@Fate、乖離剣・エア(白)
【道具】:なし
【思考】:
 基本:生きているモノを呪う
 1:殺す

 ※容姿はアニタ・キング@R.O.Dです。
 ※不死者化する前に出来た傷は治りません。ずっと、痛いままです。
 ※嵌めていた首輪は爆発してなくなりました。
 【乖離剣・エア(白)】
 絶望へと追い詰められたコ・ホンブックが、自分を護るために紙使いの力で作り出したエアの模造品。
 威力や性能は本物と同様で、二本同時発動させることで奥義『紙砂嵐』を繰り出すことができる。


※紙砂嵐によって、近くにあったボマー、ドSの遺体や所持品は木っ端微塵に吹き飛びました。

2258絶望可憐少女達:2008/02/13(水) 17:20:24 ID:mecd.DHk0
……――投下終了しました。

2259貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/13(水) 17:43:02 ID:3LOMrQQo0
乙!遂に完全に逝ってしまったか……
そしてマスク・ドSの暗躍もここで終止符か。

いや、マジで誰が生き残って誰が死んでもおかしくないな書き手ロワってやつは!

2260貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/13(水) 18:02:21 ID:rMf6H9ws0
や、やべええ!ポリシーに徹するドSがかっこいいい!!!
境界にたつボマーもうまい!!

そしてコ・ホンブックううう。
誰が彼女を救えるのだろうか。

すげえええええ!!!

2261貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/13(水) 18:04:17 ID:3LOMrQQo0
激戦区と呼ばれるF-6にいる人物をまとめてみた。
・コロンビーヌ(午前)
・ミスターマダオ(朝)
・クールなロリスキー(午前)
・承(昼)
・永遠のうっかり侍(午前)
・孤高の黒き書き手(午前)
・忘却のウッカリデス(午前)
・地球破壊爆弾No.V-7(午前)
・神行太保のDIE/SOUL(朝)
・猫子頭の鬼軍曹(午前)
・漆黒の龍(午前)
・ギャグ将軍(午前)

※また、F-6ではビルが全壊・ファミレスが1店崩壊
 地面は抉れ大通りも一部大破損。などなど……etc


どう見ても激戦区です。本当にありがとうございました。

2262貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/13(水) 18:57:36 ID:nlC.T.BA0
す……すげぇ……! これは凄い。痺れた。参った。

2263混ぜるな自然:2008/02/13(水) 19:05:00 ID:1dstV9vw0
クールなロリスキー達が料理を作ろうと意気込むファミレスの中に、その二人は突然現れた。
人間ワープでも用いたように一瞬前まで何もなかった空間にいきなり出現したのだ。
全身をすっぽりと覆う真っ黒なマントを被っているせいで、表情はおろか体型すらさっぱり分からない。
しかし、その二人が発しているどうしようもない禍々しい雰囲気だけはロリスキー達にも痛いほど感じることができた。
「な、何なのよあんた達…」
「す、凄いいやな雰囲気がします」
「あ〜かがみん達や。ちょっと下がってもらえるかな。
なんか不味い雰囲気」
忘却のウッカリデスを庇いながら、またぞろ他ロワの変○書き手かと意気込むロリスキーを地球破壊爆弾が押し止める。
口調こそ相変わらずの緊張感のないものだが、ロリスキーは自分達の前にかざされた手に予想以上に強い力が込められていることに気付いた。

「こなた…?」
「キミ達どこのロワの人かな?別にこっちから攻撃したりはしないけど私とかがみんの愛の道行きを邪魔するっていうなら…」
ロリスキー達を守るかのように二人に近づきながら質問をしていた地球破壊爆弾の頭がそこで弾けて消えた。
頭部を失ったこなたのボディがどさりと崩れ落ちる。
「ひ……」
息を漏らしたてばたんと気絶したのはは忘却のウッカリデスだ。
地球破壊爆弾から飛び散った肉片をまともに被ってしまったのだ、無理もないだろう。
ロリスキーも気絶こそしなかったものの、何が起きたのか理解できず呆然と突っ立っていることしかできない。
状況からみて目の前の二人が攻撃をしてきたのだろうということは想像できる。しかしその方法が分からない。
ロリスキーの目には地球破壊爆弾の頭が勝手に爆発したようにしか見えなかった。

「こ、こなた…!」
ウッカリデスも心配だが、とにかくより重傷と思われる地球破壊爆弾に駆け寄ろうとする。
アーカードを基にしているので生きてはいるだろうが、さすがに全く苦しくないということはないはずだ。
しかし、頭部を失ったままの地球破壊爆弾が振り上げた腕が、再びロリスキーの体を静止させた。

2264混ぜるな自然:2008/02/13(水) 19:05:55 ID:1dstV9vw0
「くるんじゃあない、かがみんよ」
頭部の中身をぶちまけて転がる地球破壊爆弾の体が深みのある低い声でそう言った。
首なしのこなたの体からアーカードの声を発しながら、地球破壊爆弾がゆっくりと立ち上がる。
完全に起き上がった頃には失った頭部はすっかり再生し、ついでにその姿もアーカードのものになっていた。
不死の王の、狂気と愉悦に満ちた歪んだ瞳が眼前の敵を見据える。

「手荒なあいさつじゃあないか、ヒューマン?今のはどういう手品だ?
私の頭を撃ち抜いたのは確かに私が使うジャッカルの銃弾だった」
「お久しぶりですね…」
「ん…?」
マント姿の片方が静かに発した声に地球破壊爆弾が訝しげに言葉を止めた。
口ぶりからすると旧知の間柄のように聞こえる。
「あんた…こいつらと知り合いなの?」
「いや〜全然覚えがないよかがみ〜。私ももう年かな?」
「声だけこなたにするんじゃない!気持ち悪いっての!」
申し訳なさそうに頭をかくアーカード姿の地球破壊爆弾にロリスキーは怒鳴った。
親しげにあいさつをしてくる相手に対し、地球破壊爆弾には覚えがないらしい。
状況を読めずにいると、言葉を発した方のマントがくっくっと愉快そうに笑い声を上げた。
「このような姿では分からないのも無理はないですね…。
私ですよ地球破壊爆弾…いえ、昔のように地図氏とお呼びしましょうか」

「おお!あなたは!」
ばさっとマントを脱ぎ捨て露になった男の姿を見て、地球破壊爆弾が目を見開いて驚きの声をあげた。
しかし、ロリスキーにはそれが誰なのか分からない。
ロリスキーに分かるのは目の前の男が仮にとっている姿の名称のみである。
「阿倍さん…?」
男は言わずと知れたイイ男の代名詞、阿倍さんの姿をしていた。
パロロワに携わるもので知らぬものはいないであろうその姿から、男もまたどこかのロワの書き手であることは間違いないだろう。
しかし、単に他ロワの書き手に会ったというだけでは地球破壊爆弾の喜びようは説明できない。
「こなた、あんたやっぱりその人と知り合いだったの?」
「お〜う、ごめんねかがみ。知ってるも何もこの人は…」
こなたの姿に戻った地球破壊爆弾は阿倍さんの回りをぴょんぴょんと飛びはねたかと思うと、讃えるようにびしっと両手を広げ高らかに紹介の声をあげた。

2265混ぜるな自然:2008/02/13(水) 19:07:08 ID:1dstV9vw0
「qwg氏!今はニコロワで大活躍中の元アニ1st書き手だよ!」
「どうも、始めまして。qwgと言います。このような姿ですが、よろしくお願いします」
「は、はぁ。どうも」
「いゃん!阿倍さんイイ男!今夜私と…やらないか?」
後半だけわざわざアーカードの姿になって言う地球破壊爆弾は無視してロリスキーは曖昧にあいさつを返す。
地球破壊爆弾と知り合いである理由は分かった。だがまだ何かしっくりこない。
それはこの状況下で落ち着きすぎている男の雰囲気のせいか、あるいは未だに黙り続けているもう一人のマントの人物の存在のせいか。
言語化しがたい不安の中で、ロリスキーはふと一つのことを思った。
さっき地球破壊爆弾を攻撃したのは誰だ?

「そいでどうしたの?その姿できてるってことはニコロワからの参戦だよね?
名簿にはニコロワの人達は居なかったはずだったけどな〜」
「ええ、途中参加という奴です。まぁ、分かりやすく言うと…」
能天気に笑う地球破壊爆弾の前で、阿倍さんがすっと両手を構えた。
「あなた達を、殺しに来ました」
轟音と共に地球破壊爆弾の頭が再び吹き飛んだ。
「こ、こなた!」
衝撃に弾き飛ばされた地球破壊爆弾の軽い体をロリスキーが抱き止める。
傷口が再生を始めているのだけ確認して、きっと阿倍さんを睨み付けた。
「どういうことよ!あんたこいつの知り合いなんでしょ!?」
「どういうことも何も…バトルロワイアルの参加者が互いに殺しあうことに一体何の不思議が?」
「だからって…」
「そいつの言うとおりだ。かがみんよ」
再生を終え、アーカードの姿を取る地球破壊爆弾がロリスキーに抱き止められたまま愉快そうに声を挙げた。

「あんた…けがは大丈夫なの!?」
「ふん、不死の吸血鬼にそれを言うか?大分慌てているな、かがみん。
それよりも奴の手をよく見てみろ。さすがに、二度も食らえばからくりは知れる」
「手?」
言われるままに阿倍さんの手に視線を移す。
阿倍さんの両手は硬く組まれ、何と言うかよく影絵遊びでやった「犬」をもっとかっこよくしたような形をしていた。

2266混ぜるな自然:2008/02/13(水) 19:07:46 ID:1dstV9vw0
「あれこそがジャンケン十三奥義の一つ"ジャッカル"だ」
「はあ!?」
「なるほど…チョキの五倍の威力を持つというあの技なら私のジャッカルと同等の威力を持っていることも頷ける」
「ねーよ!チョキどんだけ強いんだよ!てか、そんな駄洒落で攻撃できるはずないじゃない!」
「さすがですね地図氏…たった二度見ただけでこの技の正体を見破ったのはあなたが初めてです」
「おまえら馬鹿だろ!」
ていうか、と荒くなった息を整え阿倍さんにつかつかと歩みみよると、ロリスキーはびしりと指を突きつけた。

「あんたそれギャラクシーエンジェル4期のやつでしょ!
ニコロワどころかパロロワにも全然関係ないじゃない!
いくらカオスってりからって守らなきゃならない一線ってのはあるんじゃない!?」
「おや」
ロリスキーの激しい叱責にも阿倍さんは全く動じずに、心外だと言わんばかりに肩をすくめて見せた。
「ニコロワと無関係とは酷い言い様ですね。
あなたもニコニコ動画くらいはご覧になるでしょう?」
「み、見るわよ…。それがどうしたっていうの」
今のパロロワの定番ネタを全て把握するためにはニコニコ動画は欠かせないものになっている。
「でしたら今度ご覧になるときには、キーワード検索に「ジャンケン十三奥義」
と入れて見ると良い。出てきますよ?その動画が」
「な…たったそれだけの繋がりで…?」
こじつけに近い主張に二の句が継げられず息を飲む。
対する阿倍さんには全く悪びれた風もない。

「カオスの坩堝と化したあなた方に放たれたジョーカーとして満足に働くには、これぐらいの強化は当然です。
どこぞの公務王のようになってはたまらない」
「ニコロワの書き手皆があんたみたいってこと…?そんな…」
「もう良い、かがみん。あとは私にまかせろ」
ロリスキーはいつの間にか近づいていた地球破壊爆弾の手で無理やり押し退けられた。
たたらを踏んで、依然気絶中のウッカリデスの頭を踏みそうになる。
「いいぜ、やろうじゃないかヒューマン。
だがその前にそっちの黙りこくってる奴を紹介してもらおうか?」
「もとよりそのつもりです。さぁ、もういいですよ!」
阿倍さんが声をかけると現れてから微動だにしていなかったもう一人の人物がゆっくりと自分のマントに手をかけた。
脱ぎ捨てられたマントが床に落ち、現れた姿に二人が驚嘆の息を漏らす。
そして、地球破壊爆弾は素早く腕を上下させ始めた

2267混ぜるな自然:2008/02/13(水) 19:08:24 ID:1dstV9vw0

「えーりん!えーりん!」
マントの下から隠されていた人物の姿は八意永琳その人だった。
「えーりん!えーりん!」
しかし、えーりんは姿を現しただけで相変わらず何もしようとしない。
「えーりん!えーりん!」
さらには生気のない目をしており、原作の面影は感じられない。
「えーりん!えーりん!」
それは、えーりんというよりはむしろ長門有希を連想させるようでもあり…。
「えーりん!えーりん!」
「うるせぇよ!」

ロリスキーはアーカードの姿のまま腕を降ってひたすらえーりんコールをする地球破壊爆弾の頭を思いっきりどついた。
「いた〜。もう、ノリが悪いなぁかがみんは」
「だから、その姿で言うなって…」
懲りない様子の地球破壊爆弾にロリスキーがため息をつく。
一向にアクションをとる気配のないえーりんを前に、さてどうしたものかとロリスキーが思ったとき、えーりんの細くしなやかに伸びた腕がぴたりと二人の眼前に突きつけられた。
そして、えーりんが初めての言葉を宣告した。
「……弾幕符「ニートの軍勢」……」
その瞬間、世界が一変した。

2268混ぜるな自然:2008/02/13(水) 19:08:58 ID:1dstV9vw0
「何、これ……」
気付くとロリスキーはまったく見知らぬ土地に立っていた。
天高く清み渡る、遥かな蒼穹。
乾燥した風を吹かせるどこまでも広がる平原。
地平線の彼方には大河が横たわっているのが見える。
鼻をくすぐる大地の匂いは、今いる場所が先程までのファミレスなどではありえないことを教えてくれた。

「ここって、一体…?」
「ここは三国志の世界ですよ」
「うわあ!」
いきなりの横から投げかけられた声にロリスキーは思わず飛び上がった。
顔を向けると、そこには冷静に腕を組んでこちらを見つめる阿倍さんの姿があった。
「あ、あんたいつの間に!それに三国志って」
「私はこの空間ができたときからここにいましたよ。
ああ、それと正確には東方三国志の世界です」
「東方三国志って……まさかあの?」
ニコニコ動画における三国志系動画のさきがけとなった動画であり、短期間に投
下されたシリーズの数は60を越える。
多数の魅力的なニコニコキャラクターによるクロスオーバーは必見である。あと、後半の盛り上がりが半端ねぇ。続き超見てぇ。
正式名称は「新世紀東方三国志〜ひぐらしの憂鬱〜」である。
「あのいいところで第一部完状態になって続きが見たいでも見れないっていうあの東方三国志!?」
「そうです!全国に数万はいると思われるファンが続編の発表を待望して止まない、あの東方三国志です!」
「何てこと…」
東方三国志がいかに素晴らしい動画であるかは知っている。
だが、だからと言ってロリスキーにはどうすることもできない。
ただ、一瞬でこんな空間を作り出すことのできる敵の強大さを思い知らされただけだ。

「そ、そうだ、こなたとウッカリデスは!?」
「ウッカリデス氏はともかく地図氏なら、あちらに」
阿倍さんのムチムチの太い腕が平原のある一点に指を差す。
そうと示されなければ分からない程の遠くに、平原に一人ぽつんと取り残されたように立っている地球破壊爆弾の姿があった。
「うお〜い!かがみ〜ん!」
「こなたあ!」
小さい体で大きく跳び跳ねながら、精一杯存在をアピールしてくる。
豆粒程度の大きさにしか見えないが、どういう訳か声は届くらしい。
「待ってなさい!今そっち行くから!」
「それは止した方がいい」
駆け出そうとしたロリスキーの肩を、阿倍さんのガチガチの硬い腕が掴んだ。

2269混ぜるな自然:2008/02/13(水) 19:09:46 ID:1dstV9vw0
「何でよ!こなただけあんな遠くにやって、どういうつもり!?」
「あなたが危険だからですよ。
意図はと聞かれれば…じきにわかります。…ほらきた」
「な、なに…?」
もう何度目かも分からないロリスキーの疑問の声は、大地を揺らす地響きの音によって掻き消された。
音の源を探して首をキョリキョロさせるロリスキーに阿部さんが厳かに告げる。

「処刑の時間です」
地響きの発生源はすぐに知ることができた。
地平線のかなたから、土煙を挙げて何かがやってくる。
地震と見紛うかりの地面の揺れは、それの力があまりにも大きすぎるために起きているのだ。
最初は地平線に舞い上がる砂煙としか見えなかったものが、近づくに連れて段々とその細部の様子が明らかになる。
それが何なのかはっきりと認識するに至って、ロリスキーは茫然と掠れた声を挙げることしかできなくなった。
「うそ……そんなの反則じゃない」
そこには魔理沙がいた。社長がいた。ビリー教官がいた。活動家がいた。
地響きは益々大きくなる。
SOS団がいた。ボーカロイドがいた。雛見沢の人々がいた。ローゼンメイデンがいた。それとは別枠で銀様がいた。
地響きはもはや立っていられない程に大きくなっている。
スパイダーマッ!がいた。ゴッドマンがいた。ウマウマを踊る者達がいた。男女男男女男女の並びでやってくる者達がいた。チーターマン三兄弟がいた。イ゙ェアアアアがいた。それと、便座カバー。
その他、ニコニコ動画に存在するありとあらゆる英雄達が一丸となって地球破壊爆弾目掛けて突撃を敢行していた。

「あれこそが彼女のスペルカード。
ニート軍を始めとしたニコニコ動画の猛者達を召喚し、一斉に攻撃を行う能力です」
「スペルカード何てもんじゃ……ないわよ……」
ちなみに、君主ニートの姿はなかった。
「こなたぁぁぁ!!早く逃げてぇぇぇ!!」
ロリスキーの必死の叫びも地球破壊爆弾の耳にはもう届いてはいないようだった。
嬉々として自分を討ち滅ぼさんと向かってくる軍勢を見つめ、半月の形に広がった口からくぱあ、と牙を覗かせる。
内に究極の混沌を内包した書き手と、カオスの権現と化した軍勢がここに激突した。
「近づかなくて良かったでしょう?」
「……うるさい。黙って」
ワンモアセッ!という気合いの声とともに放たれた教官の攻撃によってこなたの体はたやすく吹き飛んだが、瞬時にアーカードの姿をとって再生した。
孔明の罠に引っ掛かっていたマリオを二人、三人と引き裂いてほふり、四人目に手をかけたところに降り注いだ社長の矢雨によってそれ以上の攻撃を阻まれた。
すぐにラジカルレヴィちゃんの二丁拳銃で応戦する。しかし鍋から飛び出した愛らしいってレベルじゃねーぞ、な無数のぬこ達たちによってぬこぬこのふるぬっこにされてしまう。
「ふむ、一進一退といったところですか。
ですが、あれ程の軍勢を相手にどれだけ持ちますかね?」
「……」

2270混ぜるな自然:2008/02/13(水) 19:10:27 ID:1dstV9vw0
地球破壊爆弾が次第に劣勢に追い込まれているのはロリスキーの目から見ても明らかだった。
いくら超再生の吸血鬼と言えど戦力に差がありすぎる。
超絶技巧で攻めるマリオと何故か一切動かないマリオの連携攻撃に四肢を持っていかれる。
イ゙ェアアアアと勝手に飛び上がっていたひろしを食いつくすことで体力を回復させたが、回復しきる前に俺がガンダムだと言い張る男の追い討ちが入った。
血を吐き膝をつく地球破壊爆弾。しかし、未だにその瞳は闘争の愉悦に浸っている。
その証拠に、マトリックスな動きをするミクのネギとロードローラーの会わせ技で全身を挽き肉のようにされても瞬時に再生して……。

「ああ、ついに長門さんの姿が出ましたよ。
結構焦ってるんじゃないですか、あの人?」
「……黙りなさい。あいつはまだこんなもんじゃないのよ……」
光の帯と化した長門の両腕が周囲をなぎはらい、ハルヒ姿の吉田君やらパンツアカイッス!なデバイス達やら鬼緑さんやらを消し炭に変える。
しかし、その何倍もの太さを持つマスタースパークと、バッツ代わりのゴルベーザがいいですとも!と息を合わせて放ったメテオが逆に地球破壊爆弾を消滅寸前にまで追い込む。
不利を見てとったのか地球破壊爆弾はスーパーキョンタイムを発動させた。しかし、元から超速で動くエリオ・クーガーの前ではほとんど意味をなさない。
「ひどい汗ですよ?お体の具合でも悪いのでは?」
「うるさいって言ってんでしょ!あんたたち、こんなことしてただじゃすまないわよ!」
「それは、地図氏が文字通り"地球破壊爆弾"であることを指しているのですか?」
「まさか……あんた達知ってたの?」
何でもないことのように頷いて見せる阿倍さんにロリスキーが言葉を失う。視界の端に、英語で喋るハルヒに適当な字幕をつけるキョンの姿が見えた。
安部さんはキモい微笑みを湛えながら、ホモっぽく言う。

「当然です。我々は主催者側の人間ですよ?参加者の情報は大体把握しています」
「だったらなおさら!今あいつが死んだら大変なことに…」
「大変なこと、ですか」
「な、何よ」
動揺する素振りのない安部さんにロリスキーは怯む。右から左に流れる真っ赤なちかあああああああいいいいいい!!という文字列に地球破壊爆弾がすりおろされるのが
見えたことも関係しているかもしれない。
「地球破壊爆弾がそんなに恐ろしいですか?」
「あ、当たり前じゃない!みんな…死んじゃうんだし…」
回りくどく喋る安部さんに苛立ち食って掛かる。
言葉様の手で中に誰もいないことを確認されている地球破壊爆弾の心配は後だ。実況はジョン・カビラ氏。あと誠死ね。
「そうですか。しかし、正直我々にとってはそう大した問題ではないのですよ。
まずあれは地図氏が地球破壊爆弾の姿をとらないと発動しない。その点はおきましょう。
そして何より、お忘れですか?我々がニコロワの住人だということを」
「あ……」
そこまで言われてロリスキーにも思い当たることがあった。阿部さんが微笑とともに頷く。

2271混ぜるな自然:2008/02/13(水) 19:11:00 ID:1dstV9vw0
「気づかれましたか?
そう、我々ニコニコ動画の出身者にとって"人類滅亡"など日常茶飯事なのですよ」
ロリスキーの頭に何度見たか知れない地殻雪崩の映像が、盆回りの曲をバックに再生される。
ロリスキーにとってはあり得ないこと。だが目の前の男達にとってはそれすらも取るに足りないことなのだということが、痛いほど分かった。
「人類滅亡動画など、我々には一分半から長くても五分程度の中堅シリーズに過ぎません。
今さら「地球破壊爆弾で人類滅亡」などという動画が投稿されたところで、さてどれほどのコメントがつくものやら」
「う…うぅ…」
敵がいかに規格外の存在であるかを今さらになって思い知らされ、意思に反して体が勝手に後ずさる。
冷や汗とともに戦い続ける地球破壊爆弾を見た。グルメレースの最中のようだが、心なしかさっきまでより再生のスピードが落ちているようにも見える。

「もう止めて!私はいいからせめてあいつだけでも!」
たまらずロリスキーは涙を流して懇願した。
「そこは"地図氏のライフはとっくに0よ!"というべきでは?
まぁ、とにかくもう無理ですよ。……彼はあまりに危険すぎる」
その一瞬だけ真剣になった阿部さんの表情を、ロリスキーはうずくまっていたために見ることができなかった。
「とにかく顔を上げて彼の最期を見届けましょう。ほら、出ますよ。
あれが最終奥義、「組曲ニコニコ動画」です」
10分にも及ぶ攻撃を地球破壊爆弾が全てその身に受ける寸前、顔を上げたロリスキーはこちらにちらりと視線をやった地球破壊爆弾と目を会わすことができた。
その口が言葉を紡ぎだそうと弱々しく動く。
こなたの姿をした地球破壊爆弾はの絞りだした言葉をロリスキーははっきりと聞くことができた。

「ごめん、かがみん。……ちょっと無理」
地球破壊爆弾の姿は人の波に飲まれてたちまち見えなくなった。
「こなたぁっ!!」

2272混ぜるな自然:2008/02/13(水) 19:11:43 ID:1dstV9vw0
軍勢が消えるのと入れ替わりに現れたえーりんが無言で差し出したのは、銀の輪をつけたとてもの小さな地球破壊爆弾の心臓だった。
阿部さんがうやうやしい手つきでそれを受け取る。
「もう再生する力も残ってませんか。だが、それでも生きているのは驚異的です。
かすかに脈動がある。やはり、あなたは危険だ」
手の中の心臓に向けて話す。そして、それを泣き止む気配のないロリスキーの前に差し出した。
「……う、ひぐ……こなたぁ」
「これ、母さんです。といったところですか。いかがです?最後にお別れでも」
「う……うあああああ!」
涙に汚れた手で阿倍さんからむしりとるように地球破壊爆弾の心臓を奪う。
手にすっぽりと収まる心臓は少し力を入れるだけで潰れてしまいそうで、とても脆いものに思えた。

「こなた……こなたぁ……」
「あなたも書き手ならば、ほのぼの展開の後にこうなるのは分かっていたでしょう?
では、そろそろ時間です。それを返して……」
<<泣いてるの、かがみん?>>
「何っ?」
どこからともなく空間を振るわせて響いた声に、阿倍さんが眉根を寄せた。
音はロリスキーの手の中から周囲全体に届けるかのように響き渡っている。
「こな…た?」
「まだ喋る力があるというのですか?まさか…」
<<かがみんを泣かせたのは、お前かぁ!>>
手の中の心臓が再び音を発した瞬間、ロリスキーの手の中からじゃおおおおおとばかりに何かが飛び出した。
背の低い小さな体。全身を覆えるのではないかと思えるほどに長い特徴的な青い髪。一向に成長する気配のないロリボディ。
ロリスキーの横にしゅたっと着地したその人物は、心臓一つから瞬時に再生を果たしたこなた姿の地球破壊爆弾だった。

「じゃ〜〜ん!私、ふっかぁあつ!!ちなみに今のはバギーちゃんの真似〜」
「こ、こなた!」
目を星にして産声を挙げる地球破壊爆弾に、ロリスキーが駆け寄る。
胸に顔を埋めて泣きじゃくるロリスキーの頭を地球破壊爆弾の腕が優しく撫でた。
「元気にしてたかい、かがみ。
いや〜かがみの声が聞こえたんでおちおち寝てもいられなくてね。墓場から舞い戻っちゃったよ」

2273混ぜるな自然:2008/02/13(水) 19:12:22 ID:1dstV9vw0
「さすがのしぶとさですね。正直驚嘆するほかありません。しかし……大分無理をなさったようで」
不足の事態にも関わらず冷静さを失っていない阿部さんの声に、ロリスキーははっと顔を上げ地球破壊爆弾を見た。
再生はしているものの、よく見れば目には隈が浮かび顔中びっしりと脂汗をかいている。
肌にも髪にも艶は失われ、立っているだけでもかなり辛そうだ。

「あれだけの攻撃を受けた後にさらに無理な超再生。あなたはとっくに限界のはずだ。違いますか?」
「フン。私を舐めるなよ、ヒューマン」
しかし、地球破壊爆弾は限界を訴える体を気にする様子もなくニィと笑い、こなたの姿でアーカードの言葉を話した。
「最後に多少抗って見せたところで私達に勝つことなどできません。
あなた程の方ならとっくに分かっているはずです」
「『変身をあと二回もオレは残している…その意味がわかるな?』だよ」
「術式解放…ですか。ですがアニロワ版アーカードのあなたにそれができるとでも?」
「クク…できるさ。ここは、もうそんな程度のことを気にするような空間じゃあない」
「こなた…大丈夫なの?」
こなたの姿でアーカードの言葉を紡ぎ続ける地球破壊爆弾にロリスキーが心配そうに声をかける。
地球破壊爆弾はロリスキーに顔を向けてにっこりと笑った。
「かがみんは離れててよ〜。危ないからね…ってうぐぅ…」
「ほら!やっぱり辛いんじゃない!」
苦しそうに口を押さえ背中を折った地球破壊爆弾を慌てて抱き起こす。顔色が真っ青だった。

「うう…子供ができたの…かがみんの子よ」
「こんなときにふざけないで!」
「……もう、ほんとに冗談が通じないんだから」
苦笑しつつ、ロリスキーの肩をかりて地球破壊爆弾が立ち上がる。
何度が深呼吸して体が動くことを確認すると、地球破壊爆弾はロリスキーの体をそっと押しやった。
「こなた…」
「ほんとに大丈夫だから。
じゃあ、あんまりかがみんに心配かけるといけないんでちゃっちゃといくよ〜」
不安げに見つめるロリスキーをよそに、あくまでおどけた口調の地球破壊爆弾が光に包まれ姿を変化させる。
全身を覆う光が消失したあと、その場に現れたのは長髪のサイドテールに白と青の制服を着た大人の女性、高町なのは教導官だった。
「ククク…じゃあ、始めるかヒューマン」
声はアーカードのままだった。違和感がないのは不思議でも何でもない。

2274混ぜるな自然:2008/02/13(水) 19:13:02 ID:1dstV9vw0
「なのはさん…ですか。
正直失望しましたよ。切り札にしていたのがそのようなありきたりな姿だったとは」
対する阿部さんは言葉通り期待はずれだと言わんばかりにやれやれと首を振る。
確かに、今更少々食傷気味の感すら漂うなのはさんになったところで、できることは知れているのではないかとロリスキーでさえ思ってしまう。
だが、地球破壊爆弾は二人のそんなものどこ吹く風と口を引きつらせてニタァっと笑った。

「勘違いするなよ、ヒューマン。それにかがみん。こんなものは私の変身の内には入らない。
単に姿を真似ただけにすぎん。これは貴様等へのちょっとしたサービスだ」
「サービス…どういうことでしょうか?詳しく伺いたいものです」
「……拘束制御術式第3号第2号第1号、解放」
阿部さんの質問には答えず地球破壊爆弾は顔を片手で覆い、詠唱を開始した。
ぶつぶつと術式解放のための言葉を重ねる。
「状況A<<クロムエウェル>>発動による承認認識……眼前的の完全沈黙までの間、能力使用限定解除開始……」
「仕方ありませんね。では、見せてもらうとしましょうか。あなたの切り札というもの…僕も中々興味がある」
何がきても大丈夫という自身があるのだろう。余裕の態度で阿部さんがガチムチの両腕を組み、静かに待ち始める。
それ程間を置かず、術式解放の詠唱は終了した。
「では教育してやろう!……豚のような悲鳴を上げろ!!!」
そして、それと同時に一切の音を立てず地球破壊爆弾の姿が消失した。
「え…?」
訳が分からずロリスキーが疑問符を漏らす。地球破壊爆弾の姿が忽然と消えてしまった。
「どこへ行きました?まさか、これで終わりではないでしょう。
言っておきますが、原作アーカードの零号解放でも、我々にはかないませんよ」
阿部さんの態度に慌てた様子はないが、地球破壊爆弾がどこにいるのか分からないのは同じのようだ。首を振って辺りを見渡している。
そんな二人といるんだがいないんだが分からないえ−りんの周囲を暗い影が覆ったのは、そんな風に馬鹿みたいに何もない平原を探し回っているときだった。

「ん……?」
自然、三人が同時に顔を上げる。
頭上に浮かぶものが視界に入るにつれて、その場にいる全員の耳に音楽が届いた。
力強く炸裂する金管の音。
鋭く打ち震えるエレキギター。
高らかに響く女性コーラス。
そして、圧倒的なパワーでその場の色を塗り替える強烈なボーカル。
誰もが一度聞いたら忘れられない、この田中公平作の楽曲は。
「兵士諸君、任務ご苦労……さようなら」
「キ、キングゲイナーーー!!!???」
白亜の巨大ロボット、オーバーマン・キングゲイナーにその姿を変えた地球破壊爆弾がテーマソングを垂れ流しながら頭上に佇んでいた。
再び軍勢を呼び戻す準備に入るえーりんに、さすがに色をなくし汗を浮かべる阿部さん。
二人が始めて見せる慌てようを見ながらロリスキはー小さく呟いた。
「……では諸君、戦争だ」
ロリスキーの頬が、ふっと緩んだ。

2275混ぜるな自然:2008/02/13(水) 19:13:53 ID:1dstV9vw0

――外部との連絡が取れません!
――敵です!敵の攻撃です!

「死ぬよ」

――ああ…あ…あああ……
――助けてくれ、助けてくれ化け物だ!

「もっと死ぬ」

――チクショウ、畜生ーーーーー!!!
――ぐああぁぁぁぁっぁぁぁぁぁ!!!

「あの男がこんなもので済ますものかよ」

――クソッタレ、地獄だぞまるで!!!

さぁ行くぞ!!悲鳴を上げろ……豚のようなぁぁっ!!
などと叫びながら狂喜して軍勢を蹂躙する地球破壊爆弾の様子を、ロリスキーは近くの民家の縁側で茶をすすりながらぼ〜っと見ていた。三国志時代の民家に縁側あったかどうかは知らない。中を見ると気絶中のウッカリデスが転がっていた。
いないと思ったらこんなとこにいたのか。
ちなみに、少佐のセリフを呟いていたのはロリスキーである。
圧倒的な反撃が始まってもう結構な時間が経っている。
「いやはや、全く凄いものですねぇ。チートとはああいうもののことを言うのでしょう」
「……あんたは行かなくていいのか?」
すっかり諦めたのか静観の構えで隣に腰を降ろす阿部さんに言うと、アレを相手にどうしろと、と微笑を返された。
確かに、どうしようもない。

2276混ぜるな自然:2008/02/13(水) 19:14:20 ID:1dstV9vw0
サイズ的に何とかなりそうなのはゴッドマンだけど、ありゃダメだろうなほぼどつくだけだし。ほら負けた。
おいおい、お前が突っ込むとかもうネタ振りの領域だろうミスターファイヤヘッド。あ、腕折られた。タイラントの方か。助けて(by)ゾフィ〜。
流星人間ゾーンもだめだ。ミサイルマイトは強力だけど鬼畜さではあっちの方が遥かに上を行く。
人間サイズの方はもう話しにもならない、人がゴミのようだって楽太郎、今はお前もゴミの内なんだよ。
オワタ式ロックマンはひたすらティウンティウンし続けてるし。ロイツマ勢はひたすら同じ動作を繰り返してるだけ。
って、つかさの首が大量に転がってったぞ。作者また病院から脱走したな。
地上の奴はひたすらチェーンガンで狙い打ち。逃げようとすればオーバーフリーズ。右に旋回。左に加速。
あ、何かA.C.E3したくなってきた。

「ねぇ〜、A.C.E3対戦しない?」
ロリスキーの提案に阿倍さんは待ってましたとばかりに頷いた。
「いいですねぇ。ちょうど僕もそういう気分でした」
さっそく準備をといいながら立ち上がり、テレビやらソフトやらをがさごそ準備し始める。
「私マクロスね、マクロス。イサムの方」
「了解です。僚機はなしで良いですね」
「結局マクロス7参戦しなかったわね〜。楽しみにしてたんだけど」
「まったく残念なことです。では僕はてゐを使いましょう」
「てゐいねぇよ」
外の悲鳴がおさまるまでにはまだ結構な時間がありそうだった。

2277混ぜるな自然:2008/02/13(水) 19:15:05 ID:1dstV9vw0
「さあ、そいつを連れてとっとと失せたまへ!」
目を渦巻きにしてきゅう、と伸びたえーりんを阿部さんに投げつけ、地球破壊爆弾は勝利の宣告を突き付けた。
えーりんが戦闘不能になるに伴い、空間はすでに消滅しもとのファミレスに戻っている。
あれから結局A.C.E3→連ジ→マリオパーティと進み、スマブラXがちょっとだれてきたかな、ぐらいのとこまで行ったので結構な時間が過ぎているはずなのだが元の空間ではそれ程ではないらしい。

「く、覚えていなさい!この借りは必ずお返しします!」
阿倍さんのセリフが捻りのないのを通り越してセリフが埋まればもう何でもいいや的な雰囲気さえただようのは、よっぽど慌てていたのかそれとも単なるゲーム疲れか。
ともかく、ロリスキー達はは降って湧いた大きな危機を撃退することにひとまずは成功したのであった。
「ふう……」
緊張が解けると同時に、ロリスキーは大きく息をはいて床にへたりこんだ。
見るとウッカリデスがう、と小さくうめき声を上げている。
じきに目を覚ますだろう。気絶しすぎによる空気化の心配はなさそうだ。
それにしても、今度ばかりはもう駄目だと思った。
「いや、危なかったね〜。かがみんがいなかったら私もどうなっていたか」
「何言ってるのよ、もう」
何より、地球破壊爆弾が死ぬと思ったときのあの全身が押しつぶされるような気持ちは二度と味わいたくない。
この気持ちが、吸血によって支配されているからなのかそれとも個人的な感情なのかはロリスキー本人にも分からなかった。

「何か気が抜けちゃって、体に力が入んないわ。ちゃっちゃとご飯作っちゃいましょうか。この人もじきに目を覚ますだろうし」
「そだね……早くかがみのご飯が食べたいよ……」
「あんたも手伝うのよ。ああでも、疲れてるわよね。ちょっとだけだけど休んでたら?」
「……」
「こなた?」
返事はなかった。
代わりに何かがどさりと倒れる音がした。
「こなた、こなたぁっ!?」
抱き寄せた地球破壊爆弾の体はとても冷たかった。

2278混ぜるな自然:2008/02/13(水) 19:15:55 ID:1dstV9vw0
【昼】【F-6 ファミレス店内】
【忘却のウッカリデス@アニロワ2nd】
【状態】:元気、首を捻挫、腰痛、 気絶から目を覚ましそう。
【装備】:ゼロの仮面(蝶高性能)@アニロワ2nd
【道具】:なし
【思考】:
0:一体何が……
1:僕の推論が合っているのか?
2:あとは、マダオ氏の帰りを待とう
3:最速の人との誓いを守る
※ロリスキーを見ると、胸が高鳴ります
※ロ、ロリスキーのを……見てしまった……
※次の放送の時には【E-7 ファミレス】にいる予定。無理なら次の放送の時に戻る。
※ウッカリデスが見た上空に存在する建物は、今の所彼にしか見えません。
【ゼロの仮面(蝶高性能)@アニロワ2nd】
銃弾から魔法、科学兵器、核に至るまであらゆる攻撃を防いでしまう恐ろしい仮面。
ただし、守られるのはあくまで仮面に覆われた部分(頭部)のみ。
視界は蝶良好で窒息の恐れもなし、ただし一度被ると死ぬまで外す事ができない。


【地球破壊爆弾No.V-7@アニロワ1st】
【状態】:疲労(大)
【装備】:『真紅』の衣装、シルクのエプロン
【道具】:支給品一式、着替え用の衣装(複数)、アダルトグッズ(大量)、未定支給品×1(本人確認)
【思考】:(〓ω〓.)
 基本:とりあえずは、こなた&かがみという方向で……
0:さすがにきついね…こりゃ… 
1:かがみんのお手伝い〜
 2:お腹が減ったら、かがみんから血を吸う
 3:かがみん用の血を探す(他の参加者か、輸血用血液)

 ※基本的に中身はアーカードで、CVは平野綾です
 ※変化する姿に7つのバリエーションがあるらしいです。
 【1:地球破壊爆弾】【2:アーカード】【3:長門有希】【4:泉こなた】
 【5:銃撃女ラジカル・レヴィさん】【6:キングゲイナー】【7:1〜6とか目じゃないよ?びびるよ、まじで】
 ※クーガーの早口台詞が言えます!
 ※鎖鎌、鳳凰寺風の剣、ソード・カトラス、ノートPCの投影が可能です。
 【スーパーキョンタイム】
 地図氏以外の者はゆっくりとしか動けなくなります。一度使うとそれなりの時間使用不可能です。
 【地図氏の地図】
 参加者の位置、生死を含めた地図を投影できます。※長門有希の状態でのみ可能。
 使いすぎるとアレなので、毎晩0時にのみ使うことにします。

2279混ぜるな自然:2008/02/13(水) 19:16:10 ID:1dstV9vw0
【クールなロリスキー@漫画ロワ】
【状態】:不死者、吸血鬼、疲労(中)
【装備】:裸エプロン(キュートなシルク仕様)
【道具】:支給品一式、着替え用の衣装(複数)、『村雨健二』の衣装、日焼け止めクリーム(大量)、未定支給品×?(本人確認)
【思考】:
 基本:脱出か対主催!
 1:こなたを看病する
 2:仲間と無事に合流したら、今後のプランを練るわ

 ※容姿は柊かがみ@らき☆すたです
 ※何故か不死身です
 ※ギャルゲロワ版最速の人に心惹かれています
 ※地球破壊爆弾No.V-7に血を吸われ、彼女の下僕になりました

【裸になってすぐアッー〜殺意のqwglOGQwIk〜@ニコロワ】
【状態】:健康
【装備】:なし
【道具】:支給品一式(ランダム支給品があるのかは不明)
【思考】:
 基本:参加者の抹殺
 1:とりあえずえーりんを連れて逃げる
 2:地図氏には借りを返す。
※なぜか地球破壊爆弾を危険視しています。
※容姿は阿部さん、性格は古泉。その名はイイ男、キモカッコゲイ!!
※ニコニコ動画に存在する動画ゆかりの技を全て使えます。


【C.M.超展開はデフォなのか?@ニコロワ】
【状態】:気絶
【装備】:なし
【道具】:支給品一式(ランダム支給品があるのかは不明)
【思考】:
 基本:参加者の抹殺
 1:きゅう……
※容姿はえーりん!えーりん!何故か無口なようです。
※ニコニコ動画に存在する動画ゆかりの技を全て使えます。

2280貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/13(水) 19:16:41 ID:1dstV9vw0
投下終了しました。
予約なしで書くこのプレッシャー……

2281貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/13(水) 19:19:00 ID:nlC.T.BA0
超展開ってレベルじゃねーぞw
こりゃ蜀軍30万が普通に支給されてるわけだわw

2282貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/13(水) 19:43:19 ID:1X5je1yw0
これだけの大作をよくぞ…乙であります!
つーかあのクロムウェルもニコニコだろwww
しかもえーりんのはイスカンダルだしwww

2283貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/13(水) 19:57:30 ID:xR/0mpcI0
しかしえーりんがイスカンダルだとコ・ホンブックのダブル・エアに……

2284貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/13(水) 20:01:52 ID:39KG9CRE0
こんな人気チームでこんな長文なんて俺には被るのが怖くて出来ませんw
超乙!!

2285貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/13(水) 20:58:37 ID:YdtMcTP.O
もしかして主催陣と同数の参加者が残っていれば脱出は何とかなるんだろうかw

そしてなのはさんが出てきたときSLBで結界破壊と思ったぜ。

2286貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/13(水) 20:58:55 ID:.cXdEISs0
ニコロワ強すぎるだろwwwこのレベルが後二人にテイルズロワ面がいるんだぞwww

……いや、やめておこう、そういやニコで書いてた人が参加してるロワがあったなーとか思ったけど主催側以外で参加者増やすのは書き手としてやっちゃいけない……

2287氷の青年:2008/02/13(水) 21:22:29 ID:3LOMrQQo0

「おい、気付いてるか」
「うむ。我々をも飲み込もうとする強烈な敵意……何処から来たのやら」

ファミレスへと向かっていたミスターマダオと神行太保のDIE/SOUL。
その後ろから、強烈な殺意の塊が背中へと突き刺さっていた。
振り返らずとも分かる。だから、DIE/SOULは背中を向けたまま声を掛けた。

「やろうってんなら付き合うぜ」
「……悪い事は言わん。そのまま立ち去れ」

おかしな事を言う。と、マダオは思った。
これだけの殺気を放っておきながら、立ち去れなどと言うだろうか。
まさか後ろから襲い掛かるのかとも考えたが、恐らく違う。
では、背後の男は何を思って先の言葉を放ったのか。
興味が湧いたマダオは、一体どんな輩か興味を持って振り返る。
同じように、振り返ったDIE/SOULは、訝しげな表情でその男を睨みつけた。

「テメェは……」

そこに立っていたのは、壁にもたれかかり腕を組む青髪の青年。
外見はヴェイグ・リュングベル。テイルズオブリバースの主人公だ。
そしてこの男こそ、テイルズロワを制した戦士でもある。
だが、なぜテイルズの人間がここにいるのか。
マダオは頭の中で名簿の名前を全部思い出す。
該当する名前は無い。テイルズロワに共通する読み方である『ななし』と言う呼び名が。
ならば、この参加者はどのロワの書き手なのか。

(いや、これは恐らく……)

前提が違う。参加者の中から選別していては該当者など出ない。
なぜなら、この男は参加者の外から来たのだから。

「ジョーカと言う事か」
「お察し頂けて助かります。俺の名はナナシ。テイルズロワの書き手です」

マダオの答えに、ナナシは簡潔に答える。
一切感情の篭っていないような。
そう、例えるなら自分すら他人事のような空気を、彼は纏っていた。

「はッ、主催側も相当あせてるみてぇだな。こんな早期にジョーカー寄越すなんてよ」
「そうですね。確かに俺もそう思います」

竜殺しを肩に構え、既に戦闘態勢のDIE/SOUL。
だが、ナナシの方は依然腕を組んだまま沈黙を守り続けていた。
この様子に、DIE/SOULは怒りの表情を浮かべる。

「手ぇ出すなマダオ。こいつは俺が殺す」
「好きにしろ。燃え展ならタイマンは華だからな。邪魔などせん」

それだけ答えると、マダオは二人から一瞬にして離れる。
どうやら、本当に手を出すつもりは無いらしい。

「あんだけ大口叩いたんだ。さっさと、その腰に下げた剣を抜きやがれ」
「……」
「どうした?いまさら泣いて詫びても許しはしねぇぞ」
「……ハンデです」
「あ?」

DIE/SOULのこめかみがピクリと動く。
ギッと歯を噛み締め、最後の一線を踏みとどめる。

2288氷の青年:2008/02/13(水) 21:22:57 ID:3LOMrQQo0

「……悪いな。俺の耳までテメェの声が届かなかったみてーだわ」
「ハンデだと言ったんです。貴方ほどなら5秒あれば俺を殺せます」
「!!」

怒りの頂点に達したDIE/SOULは、全身のバネを利用して前に飛び出す。
目指すは腕を組んで目を瞑るナナシの首。
一撃で決めるべく、竜殺しは轟音を鳴らしながら横一直線に風を薙ぐ。
だが、ナナシは首の皮に竜殺しの切っ先がが届くまで動こうとはしなかった。
そして、竜殺しがナナシの首に当たった所で異変は起きた。

「なン、だっ――」

竜殺しを握るDIE/SOULの腕が、足が、身体が、氷と言う名の悪魔に締め付けられていた。
突然現れたこの氷こそ、ヴェイグの身体を有したナナシの力の一つ。
『氷のフォース』と呼ばれる力。暴走すれば周囲を凍りつかせてしまうほどの威力を誇る。
この力がDIE/SOULから自由を奪い、轟音を鳴らす竜殺しすら停止させた。
それでも、竜殺しはナナシの首の皮一枚を切り裂き、僅かながら傷を負わせていた。
だが、ナナシは首筋から流れる血を気にもせず、依然同じ姿のまま動こうとしない。

「あとコンマ4秒早ければ、きっと俺を殺せてました」
「ふざ、けんな!こん、な、氷な、んぞ、ぶち、やぶ、って!」
「無理はしない方がいい。下手をすれば体がバラバラになってしまいますよ」
「ぐぬ、ぬぅぅぅうううあああああ!」
「そのまま凍り付くのを待った方が貴方の為です。もがけばもがくほど、苦しみは大きくなる」
「ぬお、おおおお、おおおおおおおお、おおおおおおおおおおおおおおお!!」

メキメキと氷が剥がれていく。
凍っていく身体に纏わり付いた氷をDIE/SOULは己が発する熱で溶かそうとしているのだ。
氷がDIE/SOULを覆うより早く、全身から発せられる熱気が氷の侵攻を押し返す。
さすがのナナシも、この行為に少しばかり驚く。
そして、悲しそうな瞳をDIE/SOULに見せると、その場からゆっくり下がる。

「下手に希望を残すべきじゃありませんでしたね」
「ぐお、おおおおおお、ぬおおおおお!」
「いいでしょう。希望を見つけてしまうなら、それすら途絶える世界を見せればいい」

10メートルほど離れると、ナナシは淡々とした口調で呪文を口ずさむ。
避けることすら許されない、絶対を誇るその呪文を。

2289氷の青年:2008/02/13(水) 21:23:21 ID:3LOMrQQo0






――― 天光満つる所に我はあり



   ――― 黄泉の門開く所に汝あり



         ――― 出でよ神の雷







「いかん!避けよDIE/SOUL!」

先に危険に気付いたのは、傍観していたマダオだった。
この殺し合いで一度も挙げなかった驚きの声が漏れたのも気付かない。
それほどまでに、DIE/SOULの頭上に集まる力は危険なのだ。
邪魔するつもりは無かったが、あんな所で無駄死にさせるつもりは無い。
意を決すると、マダオは一気にDIE/SOULへと距離を詰める。
そのすぐ後に、ナナシは唱えていた言葉を紡ぎ終えた。



「これで終わりです……インディグネイション!」



この瞬間。光りが地上へと落ちた。
まるでDIE/SOULの周囲を囲うように、全ての存在が光に包まれていく。
全ての音さえ遮り、全ての色さえかき消される。
幾重も降り注ぐのは、うねりをあげて暴れまわる雷の魔物。
これに喰われれば、壁が。道路が。窓が。全てが塵も残さず飲み込まれていく。
無論、それはDIE/SOULとて例外ではない。

「――!!」

痛みの限界を超えた咆哮すら、神の雷の前では声にならない。
全身を焼き尽くしていく圧倒的なまでの力が、DIE/SOULの希望を霧散させていく。
体中から堪えきれなくなった血管が、皮膚を破き外へ剥き出しになる。
眼球は水分を失い、また同じように乾いていく皮膚は皹が入ったように割れる。
意識が消えるのが先か、それとも命が尽きるのが先か。
最後に見えた光景は、光のカーテンの向こう側で目を閉じるナナシの姿だった。



◇◇

2290氷の青年:2008/02/13(水) 21:24:43 ID:3LOMrQQo0




「くっ」
「おお、目を覚ましたか」

意識を取り戻したDIE/SOULが最初に見たのは、体の半分が黒くこげたマダオだった。

「おま、ぐッ」
「ああ無理するな。その身体では生きていたほうが不思議なの酷さなのだからな」

身体を起して自分を体を見てみると、確かにマダオの言うとおり不思議な状態だった。
足や手からは焦げた匂いと黒ずんだ跡、水脹れと言うには大きすぎる膨らみ。
極めつけは、指先が完全に炭となった右手。

「痛みは無いか?」
「痛てぇに決まってんだろ」
「良ければ吸血鬼にしてやれるが」
「断る」

それだけ言うと、DIE/SOULは再び床へ身体を戻す。
この時、DIE/SOULの目に飛び込んでのは、右半分が焼け爛れたマダオの姿だった。
髪は焦げ、皮膚に至っては殆どめくれている。

「お前まさか――」
「危機を救うと言うのも燃え展の一つだ。ま、今回は流石にマズかったがな」

愉快そうに笑うマダオに、DIE/SOULはカチンと来た。
この女は、身の危険だと言うのに何を考えていたのだろうか。

「ふざけんじゃねぇ!それで二人ともお陀仏したらどうすんだよ!」
「なに、その時はその時さ。それにな」

今にも噛み付かんとするDIE/SOULの頭を撫で、マダオは真面目な顔で口を開く。
DIE/SOULを見るその瞳は、冗談を言うような色をしていなかった。

「仲間だからな。マーダーなんぞに殺させはせんさ」

あまりにも王道な答えに、DIE/SOULはどう答えていいか視線を彷徨わせる。
数秒間の沈黙の後、我慢できなくなったのかマダオから目を逸らす。
よくよく考えてみれば、アーカードとは言え今のマダオは女だ。
それなのに礼もいえなければ、男として恥ずかしい。

「ありがとよ」

本当に小さな声で呟く。
耳のいいマダオは、その言葉を聞いて満足気に頷いた。

「人間積み重ねが大事だからな」



お前は人間じゃないだろうと言う突っ込みは、何処からも飛んでこなかった。




【昼】【F-5 路地裏】
【ミスターマダオ@漫画ロワ】
【状態】:重症(回復中)、額に切り傷、右半分が大火傷(回復中)、強い決意、強い仲間意識
【装備】:パニッシャー@トライガン(機関銃:残り弾数100%、ロケットランチャー:残り10発)
【道具】:支給品一式、未定支給品×1〜2(本人確認済み)
【思考】:
 基本:対主催! 殺し合いには乗らないが、マーダーは犬の餌。しかし……?
 1:まずは休憩だな。
 2:ウッカリデス達の所には、それから戻ろう
 3:友情! もっと仲間を探すぞ!
 4:努力! 首輪をどうにかするぞ!
 5:勝利! 見ていろよ主催者!

 ※容姿はアーカード(ロリ状態)@ヘルシングです
 ※押し倒したウッカリデスを気に入りました
 ※地図氏(地球破壊爆弾No.V-7)がジョーカーではないかと思っています。
 ※自分が本物の書き手なのか疑問が生まれました。他の書き手を殺すのにわずかな躊躇いが生まれました。




【神行太保のDIE/SOUL@アニロワ1st】
【状態】:疲労(中)、胸部にダメージ、全身火傷(処置済み)、右指炭化(処置済み)、全身に打ち身
【装備】:竜殺し@ベルセルク、ガッツの装備一式@ベルセルク
【道具】:支給品一式、拡声器
【思考】
 基本:アーカード(地図氏、マダオ)は殺す。しかし……?
 1:今は休む
 2:あのナナシとは必ず決着をつける。
 3:仲間を集めて『孤城の主』を実現させ地図氏を打倒する
 4:それまではマダオと協力関係を結ぶ
 5:地図氏を始末した後はマダオを始末する……つもりだ

 ※容姿はガッツ@ベルセルクです。
 ※神行太保・戴宗の神行法(高速移動)が使えます。
 ※ラディカルグッドスピード腕部限定は、腕だけが速く動きます。
 ※地図氏(地球破壊爆弾No.V-7)がジョーカーではないかと思っています。
 ※自分が本物の書き手なのか疑問が生まれました。他の書き手を殺すのにわずかな躊躇いが生まれました。

2291氷の青年:2008/02/13(水) 21:29:12 ID:3LOMrQQo0










逃げていった二人を追うことはせず、ナナシはゆっくりと移動を続けていた。
自分に課せられたのはジョーカーという主催側の駒。
だが、その役目は出来る限りしたいとは思っていない。
理由は不明だが、ナナシはこの殺し合いには消極的な姿勢を構えていた。
それでも、向かってくる書き手には容赦はしないだろう。
だから、ナナシは祈り続けていた。
『これ以上、乗り気の書き手と会わないように』と。




【昼】【D-6 道路】
【ナナシ@テイルズロワ】
【状態】:健康。消極的態度。
【装備】:剣(詳細不明)@テイルズロワ
【道具】:荷物一式、不明支給品×1(未確認)
【思考】
基本:ジョーカを担う
1:ジョーカーだが、出来る限り殺したくない
2:逃げるなら追わない。来るなら殺す
【備考】
外見、声はヴェイグ・リュングベル@テイルズオブリバース。
※インディグネイションの威力は書き手にお任せします。

2292貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/13(水) 21:30:44 ID:3LOMrQQo0
投下終了。ちと強くしすぎたか?
けど二人掛かりなら倒せる……はず。

2293√re:birth:2008/02/13(水) 22:05:08 ID:NFVjKvJw0
 ――時はサプライズパーティーが拘束を解く少し前に遡る。
 丁度、クレイジーダイヤモンドの拳が振り上げられた時だっただろうか。

 閃光。フラッシュバック。目の前が突然白くなったのを、サプライズパーティーは自分が遺言を残す時間だと勘違いした。
 あの拳が振り下ろされれば、自分は死ぬ。頭を粉微塵に潰され、脳漿を撒き散らしながら。
 嗚呼、糞、嫌だ嫌だ!
 突然連れてこられ、突然殺されるのは嫌だ。どうして自分がこんな惨めな目に遭わなくてはならないのか。
 だが。
 考えてみれば当然のことなのではないか?
 登場からしてステルス鬼畜のついでみたいな登場だったし、ロクに活躍もできてないし、チート能力もないし。
 仮にこの一撃を耐え凌いだところで更なる苦痛が、筆舌に尽くしがたい絶望が待っているはずだ。
 ならいっそのこと、ここで楽になってはどうか。
 死んでしまえばもう何も心配することはない。書き手を困らせることもないだろう。あれ、何言ってんだ俺?

 ともかく、もう鬱だ死のうと己の生を諦め目をじっと閉じていたサプライズパーティーだったが、いつまで経ってもクレイジーダイヤモンドの拳が振り下ろされることはなかった。代わりにどこからか懐かしい声が聞こえてくる。

『目を覚ませ。お前さんはそれでも葉鍵の書き手か』

 誰だ? もううんざりなんだよ。空気になっていくのも、惨めになっていくのも。

『この駄々っ子め、マンモーニめ。仕方ないなぁ、俺様が叩き起こしてやんよ!』

 は? 叩き起こすってひでぶ!

 あたたたたたたたたたたたたた、とか言う声と共にサプライズパーティーの頬が盛大に張られる。
 どうしてだか痛くはなかったのだが首がぶわんぶわん首が左右に振られ、脳みそが回転する。ぴよぴよ。

「き、貴様何を……」
『よっ、おはようさん』

2294√re:birth:2008/02/13(水) 22:05:37 ID:NFVjKvJw0
 とうとう耐えかねてサプライズパーティが目を開くと、その前には意外な人物があぐらをかいて座っていた。
 知っている。サプライズパーティが唯一にして絶対の尊敬を抱く、葉鍵の書き手を。

「か、カオス神……!? なぜ貴様が、いやそれ以前にここはどこだ!?」

 見れば、周りはなんかぐにゃぐにゃとしていて全ての境界線が曖昧だ。色々な風景が混ざり合っていて何がどれか分からない。
 ただ一つ言えるのは、これは現実ではない、ということだ。

『決まっているだろう』

 仰々しく、目の前のカオス神ことThe god of chaos が口を開く。

『ワープだ』
「まじめにやれ!」
『あいて! ……もぅ、U-1展開は俺様の十八番だってあんたも分かってんでしょ?』
「それとこれとは関係ないだろう!」

 サプライズパーティに殴られた頭をさすりながらぶつぶつ文句を言うカオス神を苛立たしげに見つめる。

「どうしてここに連れてきた」
『んあ?』
「どうしてあのまま殺させてくれなかった。どうせこのまま覚醒しましたって展開にしたいのだろうが、俺ごときが覚醒したところでチート能力が身につくわけがない。精々ムティカパに変身したりルミラ様になれるくらいだろうが……そんなもの付け焼刃に過ぎないだろう」
『……』
「大体、俺はあんたに比べてあまりにも無力すぎる。敵う訳がないだろ? あんな盛況ロワの連中に、俺のような過疎の中でひっそりとやっているような人間が……」
『お前、なぁんか勘違いしてないかい?』

2295√re:birth:2008/02/13(水) 22:06:06 ID:NFVjKvJw0
 失望とも嘲りとも言えないような、なんでそんなに悩んでんの? とでも言いたいようにカオス神は首を傾げる。
 サプライズパーティは何か反論しようとしたのだが、言葉が出てこなかった。

『お前さ、どうして書こうと思ったの? 今のB-4をさ』
「どうして……?」
『俺様は』

 一瞬で答えられなかったサプライズパーティに、子供に言い聞かせるようにゆっくりと言葉を紡ぐ。

『やりたいことをやろうとしただけ。面白そうなネタを面白おかしく書いていっただけさ。だって楽しいからねぇ。ああ、本当に楽しかったよ。毎日が超展開だった』
「あんた、まさか」

 カオス神の語尾が過去形になっていることに、サプライズパーティは気付いた。死んだというのか? あの絶対的な力を誇る神が。

『そっ、死んだよ。でも良かったさ、半分くらいやりたいことはやれたし、何より楽しかったしさ。まるでD-5の世界に入っていったような気分だった』
「……」
『さて、もう一度聞こうか。なんでキミはB-4を書こうと思ったの? 義務? 責任? 意地?』
「……違う」

 カオス神が死んだと分かったとき、サプライズパーティはさらに生を諦めようと思った。
 だが満足そうな顔、本当に楽しそうな顔を見て忘れかけていた、最初に投下したときの熱い思いがふつふつとこみ上げているのを、彼は感じていた。
 故に、かれは違う言葉を、違うルートを刻む。

「俺は愛していたんだ。葉鍵というジャンルを、その登場人物たちを。だから、あのナイトライター勢がやってきたとき、俺は決めたんだ」

 どんな乱入も許す。全てのキャラを書ききってみせる。たとえ、数年という時間がかかろうとも。

「好きなんだ。書くのが。葉鍵のキャラたちが、物語を刻んでいくのがな。出てはいけないキャラがいるなんて、ありえない」
『そう……お前さんのキャラにかける愛は俺様達葉鍵の書き手の中でも一番だ。俺様すら超えるくらいにな』
「当たり前だ。神のあんたでも負ける気はしない。それに……限られたキャラしか書いていないあの連中にも」

2296√re:birth:2008/02/13(水) 22:06:31 ID:NFVjKvJw0
 今度は怒りが、サプライズパーティの中に灯る。
 どうしてあいつらはキャラを増やすのを拒むのか。意思持ち支給品の存在を疎むのか。あいつらは、今か今かと出番を待っているというのに。

『お前のルートの特徴はなんだ』
「キャラが際限なく出られること……そして今までのルートの記憶を引き継いでいること」
『ならその主たるお前が力を使いこなせない訳がない。吹っ切れてみろ。お前は力を出すのを畏れているだけだ』
「……もう」

 世界に、罅が入っていく。光が漏れ出す。そこにあるのは彼の望んだ新しいルート。

「吹っ切れているさ!」

 ぱりん、と。
 音を立てて、彼の殻が割れた。

     +     +     +

「なぁ、影。お前、キャラの……外部からの乱入を許したことはあるか? 葉鍵3の、岸田さんのように」

 崩れ落ちた学校。コンクリート片の散らばる廃墟で、サプライズパーティは静かに問う。
 は、とバカにしたような表情でステルス鬼畜は返す。

「そんなものが許されるわけがないだろう。そんなものを許してたらいつまでたってもロワが完結しないじゃねーか。批判だってある」
「なら、意思持ち支給品は? 明らかに人間の言葉を発しなくてもいい。ポテトやムティカパのような」
「あのなぁ……いいか、俺達ギャルゲは投票で作品を選出し、投票で出るキャラを決めてる。
 その厳しい障害を乗り越えて出られるのがギャルゲロワのキャラたちなんだよ。
 投票もなくいきなり乱入やら支給品やらで出てきてみろ。
 住人から、いや書き手からも不満が爆発するのは目に見えてるだろうが」

2297√re:birth:2008/02/13(水) 22:06:58 ID:NFVjKvJw0
 は、と。
 今度はサプライズパーティが嗤う。

「そうだろうな。そうだろうとも。そうやってキャラを使い捨てにしている貴様らには分からんだろうな」
「……何だと」

 こめかみに青筋を立てるステルス鬼畜を、サプライズパーティは無視して言葉を続ける。

「投票という名目でキャラを選り好みし、制限という名目で登場を許さない。
 リレーという建前で打ち捨て、物語からはじき出されたキャラの気持ちなど分かるものか」
「ふざけるな……俺だって書き手の端くれだ! キャラを使い捨てにしているなどと」
「違うとでも言うのか!? ならどうして『うたわれるもの』のクロウは出られない!?
 スオンカスは? オリカカンは? ヌワンギは? ドリィグラァは? あれだけ作品自体が何回と出ているのに、何故一度として出られない!?
 人気がないからか? 書きにくいからか? ネタがないからか?
 本当に投票で『選出』した作品が好きならどうしてその作品から全部出そうと考えない?
 活躍の場を与えてやろうと考えない? 無残に殺してやろうと考えない? ネタキャラにしてやろうと思わない!?
 そうやって貴様らは、数あるキャラの夢を奪ってきたのではないのか!」

 今までとは質の違う、狂気さえ孕んだサプライズパーティの迫力にステルス鬼畜は言葉を失う。

「だが俺は違う。俺はどんなキャラの乱入だって許すことが出来る。それが理由で完結しなくともな。
 どんな理由であろうとも、そいつらは殺されるかもしれないということを承知の上で乗り込んできたんだ……
 なら惨たらしく殺してやろう、ズガンでも構わないから殺してやろうとは考えもしないのか? NGという言葉一つでその存在を闇に葬るのか?
 結局貴様らは『面倒だから』、『不満が出るから』、『完結しないから』などとグダグダ言い訳して妥協しているだけではないのか?
 そんな奴らがキャラを愛しているなどと言うな。思うな。反吐が出る」
「……世迷い事だ」

 静かに、ステルス鬼畜は言った。そんなものは我が侭に過ぎない。

2298√re:birth:2008/02/13(水) 22:07:22 ID:NFVjKvJw0
「ただの自分勝手じゃないか……出したいから出す、完結なんて度外視、ルールを破る……あんたは書き手として失格だ!
 ルールがあるからこそスポーツもゲームも面白いものだろう!
 いやそれだけじゃない、読み手も他の書き手も無視したその言い分は絶対に許されるものか!
 だからお前は一人じゃないのか!? だから独自ルートで、一人で書き続けるしかなくなったのではないのか!」
「ああ、そうだ」
「な……」

 あっさり認めたサプライズパーティーに、ステルス鬼畜は絶句する。
 開き直りか? こいつ、どこまで腐った書き手なんだ……
 だが、次にサプライズパーティーが口に出した言葉は、予想とは違うものだった。

「分かっているさ。俺がパロロワ書き手として最悪な奴だということくらいな」
「……」
「くくく、俺は全てを受け入れられる。だからお前の言い分も正しいと分かる」
「なら、なら……どうして」
「愛しているからさ」

 大きく手を広げて、サプライズパーティーは空を仰ぎ見る。先程までの狂気は、その言葉からは微塵も感じられない。
 聖母マリアのような、慈愛に満ちた優しい音色だった。

「俺は葉鍵というジャンルを愛している。だから出てはいけないキャラがいる、なんて考えたくもない。
 どんな書き手が、どんな思惑でキャラを乱入させたのだとしても、それは誰かが望んで、期待して投下したものだ。
 俺は見捨てられなかった。物語に乗り込んできたキャラ達を見放したくはなかった。
 俺は書き手よりもルールよりも何よりもキャラを優先した、それだけのことだ」

 ステルス鬼畜は気付く。彼は、まったく自分達と同じ、ごく普通の書き手だ。ただ少し、ほんの少しだけ他の書き手と違ったのだ。
 キャラを愛するがあまり、見捨てられないがあまり、彼は他の書き手から離れ、いつしか一人になってしまったのだ。
 なんてサプライズ。

「貴様らは他の書き手と読み手と共に在ることを優先した。俺は葉鍵のキャラと共に在ることを優先した。それだけだ。でもそれでいい。
 俺はそれを望んだ。俺はキャラへの愛と共に在る。そう、犯してしまいたいくらいにな。だが……白黒はつけさせてもらう。
 俺は一人でもいい。しかし俺のキャラへの愛が見下されるのは我慢ならないんでな」

2299√re:birth:2008/02/13(水) 22:07:48 ID:NFVjKvJw0
 サプライズパーティーは、永遠神剣『冥加』を地面に突き刺す。それはカオス神と会話することで得た、新たなる彼の力。

「固有結界……『サプライズ・パーティー』」

 それは『うたわれるもの』と同じく幾度となく様々なロワに選出されながらも未だ出られぬキャラが数多くいる作品の能力。
 それはあらゆるキャラが無差別に跋扈する異界。
 世界はグレーに包まれ、色は姿を失う。白と黒のモノクロが彩り、色彩を残すのはサプライズパーティー、ステルス鬼畜、そしてまだ縄で締め上げられている幻夜・フォン・ボーツスレーのみ。

「おいお前! それは我の世界の専売特許だぞ! 我の出番を返せ!」
「構わんだろうが。オリ能力だし」

 キーキーうるさい幻夜の言葉は無視して、サプライズパーティーが言葉を続ける。

「貴様に岸田の名を名乗る資格はない……年齢などという下らない理由で『鎖』を締め出した貴様にはな。
 だが貴様らギャルゲの書き手の実力は認めている。文章力やキャラ造形では敵わん。だから、俺のルートのキャラの能力は通じないだろう」
「何を言い出すかと思えば……そうやって油断を誘うつもりだろうが、そうはいくかバカめ。お前の境遇は分かった……
 分かったからこそ、俺は全力でお前を叩き潰す。鬱死させてやろうと思っていたがやめたよ。
 全力のお前を一瞬で叩き潰すことが、本気とやらを出したお前にとっては最大の『鬱』だろうからな!」

 『冥加』は地面に突き刺さったまま。好機だと判断したステルス鬼畜がクレイジー・ダイヤモンドを突進させる。ラッシュで一思いに殴り殺してやる。
 しかし。

「――行け」

 その前に、突如として人影が現れる。その人物は『冥加』を素早く引き抜くと既に一発目の拳を放っていたクレイジー・ダイヤモンドの拳に向かって切りつける。
 凄まじい拳の応酬。だがその人物はそのどれもを打ち払い、一撃としてそれを通すことはなかった。人間では到底不可能な絶技。

2300√re:birth:2008/02/13(水) 22:08:02 ID:NFVjKvJw0
「だから、偉大なるハカロワの先人に力を貸してもらうことにしたよ」

 ファサ、と。
 白い翼が、高貴な単が揺れる。滑らかな黒髪は地面につくほど長く、しかし一糸も乱れぬ。

「ま、さか」

 クレイジー・ダイヤモンドの後ろにいるステルス鬼畜が、目を見開く。初代ハカロワのラスボスにして、絶大な力を誇る翼人――

「俺の固有結界は……ハカロワの名を持つのであれば、どんな人物でも俺の盾になる」

 ――神奈備命が、永遠神剣『冥加』を持ち、クレイジー・ダイヤモンドの攻撃を受け止めていた。
 ファサ、と。
 翼が揺らめく。その存在を、誇示するように。

「さぁ……パーティの開幕だ」

2301√re:birth:2008/02/13(水) 22:08:22 ID:NFVjKvJw0
【午前】【E-5 学校跡地、固有結界内】

【ステルス鬼畜@ギャルゲロワ】 
【装備品】エニグマの紙×3(「漫画キャラバトルロワイアルwiki管理人」「愉快型魔術礼装カレイドステッキ」「クレイジーダイヤモンドのDISC」) 
【道具】共通支給品一式 
【状態】満腹、心に鬼畜の炎
【思考・行動】 
基本:俺こそが最強の岸田さんだっ! 
1:ステルス鬼畜の名のとおり、参加者を欝死に追い込む
2:もう一人の俺にゃ負けん。ここでサプライズパーティーは殺す
3:ちなみに俺はロリ巨乳が好みです 
※容姿は鎖の岸田洋一。 



【サプライズパーティー@葉鍵ロワ3】 
【装備品】永遠神剣第六位『冥加』
【道具】共通支給品一式 
【状態】満腹、強い怒り
【思考・行動】 
基本:俺こそが最強の岸田さんだっ! 
1:岸田の誇りを胸に、キャラへの愛を胸に
2:もう一人の俺にゃ負けん。ここでステルス鬼畜を殺す
3:ちなみに俺は人妻が好みです 
※ステルス鬼畜をギャルゲロワの書き手と知りました
容姿は鎖の岸田洋一。
※固有結界『サプライズ・パーティー』が使えるようになりました。
あらゆるハカロワの登場人物を乱入させることが可能です。ただし呼び出されたキャラが死んでしまうと二度と呼び出すことはできません

2302√re:birth:2008/02/13(水) 22:08:36 ID:NFVjKvJw0
【午前】【E-5 学校跡地】 

【幻夜・フォン・ボーツスレー@アニロワ2nd】 
【状態】疲労大、ところどころ出血中・左肩に直径5cmの貫通傷・内臓に痛み(全て処置済み)、 
    エロ師匠と仮面ライダー書き手に対して強い怒り 
【装備】巳六@舞-HiME、黄金の鎧@Fate 
【道具】支給品一式×2、未定支給品×1(本人確認済み)、未定支給品×2(未確認)、ゲドー・ザ・マジシャンの首輪 
【思考】 
基本:このバトロワの破壊。または脱出。 
0:拘束を外す方法を考える。つか我空気?やばくね?
1:放送後、あの二人組(エロ師匠と仮面ライダー書き手)を探し出して殺す。 
2:協力者を探す。 
3:首輪の解析。 
4:放火魔を見つけたら殺す。 
※容姿はギルガメッシュ@Fateです。 

2303貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/13(水) 22:12:31 ID:NFVjKvJw0
投下多すぎて感想つけられませんw
色々批判的なことを書いてしまっているのですがみんな大好きですよ?
でも全力で謝っておきます。サプライズパーティー氏、ステルス鬼畜氏、そして放置の幻夜氏ごめんなさい!

2304貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/13(水) 22:33:04 ID:TppEAsog0
連日の投下ラッシュに感想つけきれない俺涙目ww
ボマー氏とドS氏の散り際は深いし、ニコ勢は別の意味で深いのが素敵すぎだ。
岸田さんの戦いも、別ロワゆえのスタンスの相違が読んでて面白かったです。

>>2292
強さ自体はニコ勢の例があるし、問題ないと思う。
ただ、ニコ勢みたく元キャラから離れた術を使うなら、何故使えるかって描写は欲しいかなあ。
それがキバヤシ理論でも、筋が通ってたらそれで納得できるのがここだしw
ナナシ氏のスタンスは面白いし、お祭り企画に水を差して申し訳無いが、そこは少し気になってしまった。
鳥無しで把握しづらいテイルズ書き手を書いた勇気にGJを送ります。

2305貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/13(水) 22:35:42 ID:EB01KEco0
GJ!かっこいいぜサプライズ!!そしてカオちゃんも助力ぐっど!
鬼畜氏も認めた上での全力行使!!

幻夜?ん、がんばれ!

2306貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/13(水) 22:51:27 ID:517cO0Zk0
>>2292
マダオ氏と神保氏のコンビが熱いぜ!!
真にGJ!!

>>2300
乙!
なんつーか貫禄ありすぎでしょww
何このラスボス的雰囲気ってラスボスだけどw

2307貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/13(水) 23:11:11 ID:hb7QpPBM0
早朝
◆MJv.H0/MJQ。蘇った現代の熱血怪人。派手好き地獄紳士『666』。転。衝撃のネコミミスト。


◆wKs3a28q6Q。エース。ダイナマイトアンデッド。熱血王子。エロ師匠。
速筆魔王LX。フリクリ署長。意外な影丸?。地味子。仮面ライダー書き手。

午前
コロンビーヌ。シルベストリ。焦ったドラえもん。予約被りに定評のあるtu4氏。バトルマスター。
永遠のうっかり侍。孤高の黒き書き手。ステルス鬼畜。素晴らしきフラグビルド。管理人・したらば孔明。
幻夜・フォン・ボーツスレー。静かなる 〜Chain-情〜。大あばれ鉄槌。猫子頭の鬼軍曹。サプライズパーティー。
影の繋ぎ師。漆黒の龍。ギャグ将軍。◆6/WWxs9O1s。


昼まで到達していないのはこの人たち。
一応漏れは無い様にしたと思うけど、いたら教えてください。
つか、マジで第二回放送見えてきたね。

2308貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/13(水) 23:17:24 ID:v4ks9.uU0
ただの同キャラ対決では終わらない、まさに書き手哲学同士のぶつかり合い…GJ!

2309貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/13(水) 23:25:07 ID:5qSsXpBo0
それ以前にジョーカーたちがヤバすぎるwwww 絶望したよ、さすがに。
これは間違いなく自分は生きて帰れないwwww こんなのが七人とかどう考えても対主催だけじゃ間に合わないwww

2310貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/13(水) 23:27:06 ID:aDifHZzU0
とりあえず言っておく。

第一回放送が投下されたのはまだ一週間前だってこと忘れてないか?w

2311貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/13(水) 23:29:09 ID:.cXdEISs0
落ち着け、マーダ―同士のつぶし合い……つまりチート組との激突も考えられる!
蟹座氏の症候群やtu4氏の空気化ならば……!

2312貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/13(水) 23:34:22 ID:IOxWiNGI0
そう、コレは書き手ロワ2ndが始まる少し前の話である。
全員がご存知の通り>>784で主催>>1、もとい「ボマー」がズガンされて1stは無事(?)終焉を迎えた。



ように、見せられているだけだった。無論、真実は違う。
これは、嘘のようで本当の話。

「えー、こほん。皆さんお疲れ様でした。
 ご存知の通りこのスレは物の見事に過疎ってしまいました。
 一時のお祭りももう終わったようですね」
ふと気がつけば参加者は一つの部屋に集められていた。
過疎スレだのなんだの良く分からない言葉を並べる目の前の女性に誰もが困惑を隠せない様子だった。
「ですが、お祭りってのは何度も起こりえるんです。
 そう、楽しければいいんですよ。書き手という人たちはね。
 闘争、鬱展開、熱血、駆け引き、裏切り。様々なものを日々求め、こういう場所にいるのかもしれません」
女性は喋りつづける。
その場にいる大半が怪しいと思いながらも話を黙って聞いている。
「勘の良い人は分かっていますよね、そうです。 2ndが始まるんですよ。
 ですから、みなさんはここにいてもらっては困る訳です。
 というわけで―――――――――ちょっと死んでもらいます」



「ま、黙って死ねる訳はないわね」
一歩前に出たのはラノロワの「A」である。
「右に同じだ――加減の余地は無いと思え」
そして、◆I0wh6UNvl6。
「そうね、私達の数は軽く見ても50。
 あなた一人で対抗できるものではないと思うけど?」
最後に、◆eUaeu3dols。
不幸にも1stに参加させられたラノロワの三人が女性を囲む。

「……黙っていれば楽に死ねたのに、残念ですね」
その一言が、始まりの合図。
◆I0wh6UNvl6の放つ「左の悪臭」が女性を圧し潰し――――――



ていなかった。
「鬱陶しいんですよね、正直言って」
悪臭を軽くあしらい、一気に三人へと肉薄する。
ほんの一瞬の出来事だった。
「新しい時代は」
左手でAの頚動脈を掻き切り。
「もう直ぐそこに」
右手で◆I0wh6UNvl6の心臓を砕き。
「迫っているんですからね」
左足で立ち、右足で◆eUaeu3dolsの目から上を吹き飛ばしていた。

「ま、黙っててくれれば元の過疎スレに戻しますよ。
 彼らだってそうです、つい弾みで殺しちゃいましたけど。
 あとでしっかりもとの場所に戻しますよ」
誰もが今起こった出来事を飲み込めず。
そこに転がる三つの死体を受け入れる事が出来ず。
「逃げたい」と、誰もが思った。




「……五代目サン、ちょっと頼まれてくれるか?」
そんな中、R-0109@みんなのしたらば は五代目@HIPHOPロワ に耳打ちをする。
「そこに転がってる俺っぽい死体、ちょっと取ってくれるか?
 奴はいま説明に夢中っぽいしな、でも何やるかわかんねえ。
 だから、そいつの体を取り戻して俺の力を取り戻したい」
五代目は言われるがままその死体をR-0109の元へ引き寄せた。
「サンキュー…………っと、よし。 終わったぜ」
数秒の間に、その死体は消えてなくなっていた。
「元々俺の物だからな、元に戻るのは簡単だよ。レイアースのノヴァみたいなもんさ」
良く分からないたとえだが、分かったことにしておく。

「で、手間取りたくないので皆さんにはこれから一瞬で死んでもらいます」
Wiki管理人が両手に光を溜める、右の手に削、左の手に除と書かれている。
「……というわけで、俺もくたばりたくねえ。野郎の言いなりなんざごめんだしナ。やれるだけ、やってやろうぜ!」
R-0109が五代目にアイコンタクトを送る。
それで全てを理解したのか、五代目は静かに目を瞑った。



光が、広場全体を覆い残ったのは女性だけとなった。
「さて、と。 2nd参加者の皆さんだけ「復元」しますか」
彼女以外何も残っていなかったはずの空間に、数人の姿が突如現れる。
「記憶の「削除」、性格を2nd仕様に「編集」……と、これで十分です」
現れた数人の頭に手を当て、何かしら光を当てていた。
これが、「ツキノ」を始め、1st参加者が2ndにも何食わぬ顔で参加できた「理由」である。

そして、女性は参加者のほかに「一人の人間」も復元させていた。
文具ロワの「感電の神」である、彼の記憶の削除と性格の編集を行えば、技術はロワ運営上で非常に役立つ。
気まぐれなことだが、彼女は「役に立つと思った」から蘇生させた。
無論、最低限のシステムが組めればそれでいい。R-0109の力の断片を持つ「感電の神」で十分だったのだ。

こうして、書き手ロワ1stは終焉を向かえた。
女性がその場を去ったことにより、後には何も残らなかった。
Aを始め、様々な人たちが。元の場所に帰ることなく、塵となった。

2313更にその裏側、黄金の心の下に。:2008/02/13(水) 23:35:14 ID:IOxWiNGI0





しかし、反逆の意志というのはどこの世界でも尽きないものである。
女性は気が付かなかったが自分が出て行く際に少量の黄金の粒子が流出していたのだ。
そう――――――それこそ!!

「っぷはぁっ! 助かったッ! あぶねーところだったぜー」
五代目、R-0109。そして他の六人は、とある真っ白い空間にいる。
「あんにゃろーの根城に来たっぽいけど、俺のもう一人の分身をいいように使ってるみたいだな……」
R-0109は何かとムカついているが五代目には何のことかサッパリ分からない。
「……あ、あの。Rさん」
「ん? なんスか?」
「ここ、バレないんですか?」
五代目の素朴な疑問に、R-0109は笑顔で答える。
「五代目サンの黄金の精神で作り出したいわば「個室」だからねー。
 ま、よっぽどの事でも無い限りバレないでしょ。 ここは根城のすげー僻地に出来てるみたいだし」
その満面の笑顔に、五代目も思わずサムズアップをする。
「さて、みんな起きて来た見たいだし、まずは状況説明。そして今後の行動方針を固めるとしますか!」
そう、R-0109と力をあわせて作った黄金の精神による空間で助けることの出来た6人。
なんの因縁かは知らないが、ある程度R-0109と関わった人間である。
反逆の狼煙が、いま煙を立とうとしている。



「デ、どうなってるんでス? このバカ嫁」
「あー、ハナから説明するからちょっと聞いてくれ」
エルフ耳(という設定を無理矢理押し付けられた)少女が、R-0109へと質問をする。
めんどくさそうにR-0109はまとめて説明しようとする。

「まず、この場所じゃ書き手ロワ2ndが行われてるみたいだ。
 参加者は結構有名なロワの主力の書き手さん達ばっかりだ。
 現に乗ってる人間はめちゃくちゃいる見たいだし、総数もどんどん減ってる。
 でも、ラッキーなことにあの主催はどーもやる気がないらしい。
 参加者が乗り込んでくることを上等と言ってるからな、参加者が乗り込んでくることも予想しているんだろう。
 そこでだ、この黄金の精神の部屋から抜け出して参加者と共闘する。それが理想だ」
「はい、質問」
そこで手を挙げたのは、JUMP2ndの執念の書き手、◆SzP3LHozswである。
「もし、参加者が乗り上げてこなかったらどうする?」
「乗り上げさせるんですよ」
R-0109が自信たっぷりの顔で返答をする。
「どうやら、黄金の精神ってのは良くわかんないけど凄いエネルギーでね。盗聴は直ぐ出来ましたよ。
 時間さえあればプログラムハックもできるかもしれない、盗聴した限りそんな対したシステムじゃない見たいだしね」
「はーい、質問です」
次はスクラン最終話作者の◆X7WwwzkoUUである。
「武装はどうするんですかー?」
「ま、それは参加者頼みだけど……乗り上げてくるようならきっと武装も凄いんじゃね?
 それに……」
そこで言葉を少し詰まらせる。
一瞬くらい顔になるが、元の明るい顔へと戻る。
「俺の分身が二人いるんだ、1stの時の能力がまだ使えるなら皆もある程度闘えるかもしれない。
 俺も、分身が全員揃えばスーパーソニックみたいな感じで強くなれるかもしれない」
「つまり、現状を纏めると――参加者がここに乗り上げてくるまで待たなきゃいけないって事?」
「そうなりますね、でも今のペースなら対主催の炎はメラメラと燃え上がっていますよ」
R-0109の説明をいまいち飲み込んでいないアケロワの六代目だが、なんとか理解したようだ。

「とりあえず、状態表っぽくするとこんな感じですね」

【思考・行動】
基本:主催の野郎をぶ殺死ろす
1:とりあえずシステムのハッキング。
2:できれば対主催者への援助
3:分かる限りの内部情報の垂れ流し

「ま、難しいですけど。何とかなりますよね
 ……無責任かもしれないですけど、やるだけやって見ましょうよ。
 反逆――いいね、ぐっと来るゼェ……」



「ねぇねぇ、ネスカさん」
「ウン? なんですかあんどれさン?」
FFDQ3rdのあんどれがネスカへと疑問を投げかける。
「なんで彼はあんなに元気なの?」
「……ムカついてるからじゃないですか?」
「良くわかんない理由だね……でも面白いんじゃない?」
3rd勢は不安と安堵が混じったような微妙な表情で、待ち受けるしかなかった。
先はまだまだ長い。

2314更にその裏側、黄金の心の下に。:2008/02/13(水) 23:35:29 ID:IOxWiNGI0
【五代目@HIPHOP】
【六代目@アーケード】
【ネスカ@FFDQ3rd】
【あんどれ@FFDQ3rd】
【エド@FFDQ3rd】
【◆SzP3LHozsw@ジャンプ2nd】
【◆X7WwwzkoUU@スクラン】
【R-0109@みんなのしたらば】

以上八名。
黄金の精神により、1stという死の舞台から。
Wiki管理人に地獄の土産を届ける為に、舞い戻ってきた。

彼らは、対主催に光を灯すのか?
まだ、わからない。



※主催のいる空間のどこかに「1stに参加させられた人間たちが潜む空間」があるようです。
 彼らの容姿は1stのままです。
※主催空間の会話はある程度筒抜けです。
※主催サイドにいるR-0109は文具ロワの「感電の神」、つまり偽者のようです
※Wiki管理人は偽R-0109のみ救出し洗脳していいように使っているようです
  また、1stの参加者で2ndに参加している人間は記憶を消されていますが、何らかのショックで取り戻せると思います。
※もうすこし時間があればシステムハックができる「かも」しれません。
※参加者がこの空間に入ってきた瞬間に共闘を企んでいます。
※主催サイドの人間は気がついていないようです。
※R-0109の分身が全て彼に吸収されれば凄い力が出るかもしれません。
※ひょっとすると2nd参加者もR-0109と同じ原理でで「同一人物」と言う保障があれば合体できるかもしれません。

2315貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/13(水) 23:36:16 ID:IOxWiNGI0
ムシャクシャしてやった、1stネタが使いたかった。
今では反省している。

ま、まあ何とかなると思っているさ……ハハハ!!

2316貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/13(水) 23:42:16 ID:q68OG.J.0
さすがに増やしすぎだろ。
これ以上は止めろ。
1st使いたいのも分かるがな。
ジョーカーで終わりにしよう。

2317貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/13(水) 23:43:54 ID:5qSsXpBo0
どうするんですかwwwwww 混沌の上に更なる混沌がwwwww
まあ、確かに現状戦力では対主催に光はないけど……ああ、でも彼らチート能力持ってないっぽいなぁw
とりあえず投下乙です。

2318貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/13(水) 23:45:18 ID:f65UHoq60
正直、ジョーカーもNGにしてほしいくらいだ。
いや、他の書き手さんが大丈夫、書けるっていうならこっちも安心して読み手に回れるが。

2319貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/13(水) 23:46:04 ID:aDifHZzU0
オーケイオーケイ、早速1stをウィキに登録するんだ。

2320貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/13(水) 23:48:09 ID:.cXdEISs0
>>2318
ジョーカーは任せろ、伊達にニコに隠れ住んでた訳じゃないぜ!

ただ、その、さすがにwikiにないのはちときつい

2321貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/13(水) 23:48:32 ID:hb7QpPBM0
や、今回の追加は流石にNGだ。
祭りにもある程度の締まりがないとだめになっちゃう。
せっかく盛り上がってるのにこれは不味いだろうって。
今回はそれを越えちゃってると思う。

あと、追加のジョーカーは、いっそこの事書かれた三人だけにする?
少なくともこのメンツ書いてくれた人がいる以上、まだ大丈夫そうだし。

2322貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/13(水) 23:49:13 ID:xO0Ij7qk0
さすがにまずいだろ…
まだメガザルやリカームドラなんかで死者蘇生の方がマシ。
じゃあこれからメガテンやサガやロボも有りなんてことになったらどうすんだ?
スパイスは微量だからこそ意味があるんだぞ。

2323貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/13(水) 23:50:21 ID:517cO0Zk0
>>2321
そうした方がいいかもね。
1度認めだすと際限がなくなる。

2324貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/13(水) 23:52:08 ID:517cO0Zk0
>>2321
賛成。
SSが落ちたのだけで十分。
せっかく減るペースが速いのに、人員補充しちゃったら意味ねーじゃん。

2325貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/13(水) 23:53:03 ID:.cXdEISs0
ジョーカーの二人ほど向かわせて速攻全滅という形も考えてはいる

23262324:2008/02/13(水) 23:53:28 ID:517cO0Zk0
あれ? 書き込み出来てたのか……。
とにかくこれ以上の人員は増やさんほうがいいってことで。

2327貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/13(水) 23:54:06 ID:qu0LRCjE0
>>2321
自分も賛成。
でもせっかく投下してくれたんだし、没ネタに収録ぐらいでどうか。

2328貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/13(水) 23:55:28 ID:1BVszbTw0
没ネタにするに一票。
ていうか死者スレ兼雑談スレ欲しくない?
そういうところで活躍するならいくら増えても基本的に大丈夫だし。

2329貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/13(水) 23:55:59 ID:hb7QpPBM0
一声挙げたついでに、これからどうするべきか質問していいかな?

1.追加されたジョーカー8人のうち、登場したジョーカーのみ参加してもらう
2.追加されたジョーカー8人全員をOKとして参加してもらう。
3.追加のジョーカーを認めない

1と2は問題ないが、3の場合かなり面倒な事になるかな。
2は残りのジョーカーを書けるって人がいればまだ安心できる。

あと、今回の追加を認めるかどうかも聞きたい。

2330貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/13(水) 23:56:21 ID:LXl34zSQ0
残りのジョーカー5人は、主催陣の護衛ってことにすればいい。
そうすりゃ彼らを温存できるし、脱出エンドになった時の障害として活躍してくれるだろう。

2331貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/13(水) 23:56:45 ID:Nv6berCk0
パロロワ毒吐き別館に作ってもらう?
今は誤爆とか交流所毒吐きで会話してるが

2332貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/13(水) 23:57:21 ID:517cO0Zk0
>>2329

1に一票。
そして今回の参加は認めないにも一票。

2333貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/13(水) 23:57:29 ID:xO0Ij7qk0
>>2321
賛成。だがそうすると残った五名の扱いをどうするかだが…
意見としてはテイルズからもう一人だけ出して
2:2の同数がいいと思うのだがどうだろう?

2334貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/13(水) 23:58:03 ID:LXl34zSQ0
あとさすがに今回の追加はなあ〜。いやちょうどネタはあるんで、
一話限りで死亡としてなら登場させられるが。

2335貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/13(水) 23:58:21 ID:9JAVuNRU0
テイルズはもう一人くらい会場行ってもいいかな。4:4がちょうどいいバランスだろう。

2336貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/13(水) 23:58:52 ID:.cXdEISs0
>>2329
個人的には2を
すでに一人だけだが、ニコのジョーカーを使って書き途中なのがある
……まあ、遅筆だから無視してくれても構わない

2337貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/14(木) 00:01:08 ID:YEQA/V0E0
>>2329
残りのジョーカーを書ける人がいるかも問題の一部だが、
それ以上にせっかく減らした人数が安易に増えるというのも問題だと思う。
同じ生存者が増えるなら、むしろ既にフラグを抱えたまま死亡したキャラが一人二人生き返る方がまだマシ。
よって個人的には3を推す。むろんこれ以上の追加はNGで。

>>2330
その時のキャラづけに困るだろ。問題を先送りにするだけだ。

2338貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/14(木) 00:02:13 ID:lqk4c92c0
主催人の護衛に一票かなぁ。さすがに七人全員に暴れられると現書き手たちの影が薄くなる。
まあ、三人か追加できて後一人ぐらい。

2339貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/14(木) 00:04:21 ID:5fKtuTDY0
3だとすでに投下されてるSSまでNGになるってことだろ?
それは色々と嫌だな
主催側の人間が突然現れることなんて珍しくもないし

2340貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/14(木) 00:04:56 ID:QegdXsCI0
えっと、簡単にまとめるとこんな感じかな?
「今回の参加は没ネタへ」
「追加されたジョーカーはニコロワ&テイルズから2名ずつ」
「残ったものは主催の護衛に回す」

あと、仮に追加のジョーカーを認めない場合、「混ぜるな自然」と「氷の青年」も没行きになるかな。

2341貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/14(木) 00:08:03 ID:YEQA/V0E0
SSが投下されればセーフ、となるとダブルスタンダードの悪しき前例を作りかねない。
追加されたこと自体をNGにするのが一番安全、かつ公正な基準だと思う。

2342貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/14(木) 00:09:57 ID:j8Ku2lFs0
さすがにその二つを没にするのはマズイ
ジョーカー自体は通ったのに今更無しってのも無いだろう

2343貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/14(木) 00:11:18 ID:rkgflcak0
慌ただしい中ですが、MAPです。

ttp://blogimg.goo.ne.jp/user_image/67/c8/aa7112f29b316fbf5d4565c185b4dba7.png

2344貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/14(木) 00:13:06 ID:gY7Z2N660
MAP乙!

2345貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/14(木) 00:13:14 ID:5fKtuTDY0
さすがにジョーカー自体からは問題提起が遅すぎる
半分だけ会場入り、残りは主催防衛へ、でいいだろうよ
ジョーカーは書ける、構想練ってる、って人も出てるんだしさ

2346貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/14(木) 00:14:28 ID:zQeutd/A0
>>2340
1.「今回の参加は没ネタへ」
2.「追加されたジョーカーはニコロワ&テイルズから2名ずつ」
この二つはOKだと思う。
最後の「残ったものは主催の護衛に回す」
これはNGにしたい。理由なぞ「ごめんなさい、ハリボテでした。見栄張ってみただけです」
でもいいんじゃないw
それと、「混ぜるな自然」と「氷の青年」
とくに混ぜるな自然は予約無しのこのロワであそこまで書いてくれた方の苦労を無駄にしたくないので
黄昏、来まくっては通しにしてほしい。

2347貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/14(木) 00:15:22 ID:lqk4c92c0
MAP乙です。いやー、激戦区だなぁ……ってエンジェルのアレ、いつまで旋回し続けるんだろwww

2348貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/14(木) 00:15:35 ID:gY7Z2N660
エンジェル・アームは利用したものとして助かる。

あと、2343に同意。
ジョーカー追加の是非はともかく、今更NGはどうかと。

23492329:2008/02/14(木) 00:15:45 ID:gA.RMOoI0
1=1票
2=2票
3=1票

票だけ見ると全員OKって形。
でも、話を聞く限りだと「ニコ2テイルズ2」って支持が多いのかな?
残りのキャラに関しては防衛。
最悪『黄昏、来まくって』の作者さんの了承を得て「居なかったこと」にしてもらう。
それと、今から書けばセーフっていうのはちょっとだけ空気を読んで欲しいかも。

こんな所かな?

2350貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/14(木) 00:15:49 ID:MQLho4NA0
問題提起が遅過ぎると言うか、進行が早過ぎると言うか。

書ける人がいる、と言うのと皆が書ける、と言うのは違うってのは大事。
ようやく書き手もキャラもこなれて来た所で……ねえ。

2351貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/14(木) 00:16:44 ID:gY7Z2N660
い、一応、俺、エンジェルは効果なくしたかもとは書いといたからな!?
まあ、一発目に限ってだが。

2352貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/14(木) 00:19:39 ID:gA.RMOoI0
>>2343
それと、遅くなったけどMAP乙です!
混乱してて申し訳ない。

2353貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/14(木) 00:20:05 ID:gY7Z2N660
護衛なら戦う時には対主催もへっているから、書くのに苦労はせんだろ。
特にテイルズには薬中マーダーもいたし、あんな感じで理性がないバーサーカーにすれば、
キャラ付けは大丈夫だと思う。

2354貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/14(木) 00:21:40 ID:5fKtuTDY0
>>2348
MAP氏に何を同意する気だあんたw

MAP氏乙でっす

2355貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/14(木) 00:21:45 ID:zQeutd/A0
ちなみに
>1981 :黄昏、来まくって 1:2008/02/10(日) 23:06:31 ID:XcqLKBSk0
>2263 :混ぜるな自然:2008/02/13(水) 19:05:00 ID:1dstV9vw0
>2287 :氷の青年:2008/02/13(水) 21:22:29 ID:3LOMrQQo0

…やっぱはえぇなあ

2356貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/14(木) 00:22:19 ID:YEQA/V0E0
>>2353
一人や二人ならともかく、8人だぞ?

2357貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/14(木) 00:23:19 ID:lBrKxuPU0
で、今現在、氷の青年の続編を書いてるわけだが……いや、もともとマダオコンビのネタ書いてたのが被ったから手直ししてる最中なわけだが。

2358貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/14(木) 00:24:16 ID:lqk4c92c0
確かに8人は多すぎるwwwww

23592348:2008/02/14(木) 00:25:35 ID:gY7Z2N660
ぎゃーっす!ミスった。おれは何を同意したんだ―――!!!

2360貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/14(木) 00:26:02 ID:5fKtuTDY0
ニコで四人、テイルズで四人
で、すぐに必要なのはニコではすでに出た二人、テイルズは一人
これに一人入れても入れなくても

ロワ単位で見れば平均人数だけどな

23612329:2008/02/14(木) 00:26:30 ID:gA.RMOoI0
ちょっと強引かもしれないけれど、「黄昏、来まくって」の追加ジョーカー。

・今現在降りてきている「混ぜるな自然」と「氷の青年」以外は出さない。
・乗り込んだときに暴走状態にしておくorハリボテだったなど、対策を考えておく。
・最新の追加に関してはNG

こんな所でどうでしょうか?

2362貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/14(木) 00:27:31 ID:5fKtuTDY0
……あれ、ニコ二人……
しまったー!テイルズロワの人に変えてプロット書き直しかちくしょーーー!?

2363貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/14(木) 00:31:08 ID:YEQA/V0E0
>>2361
もう出てしまった人たちをどうしても維持したいなら
一旦「偵察だった」とかの名目でエリア外に帰ってもらって
脱出エンドになった時にその3人だけ防衛班で出てもらうのはどうよ。

2364貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/14(木) 00:32:21 ID:I16QpHhU0
分かりにくい?需要?そんなの関係ねぇ!
「混ぜるな自然」に登場したニコニコキャラのまとめです。
リンクは貼っていいものかか迷った結果自重。タイトルで検索すればでてくるはず。
どれも面白いよ!

……というのを投下しようと思って作ってたら何か議論になってるorz。
これでも見てなごめよと言おうにも思いっきり渦中の話題だし…。
ま、まぁ、一応置いとくよ!

『ジャンケン十三奥義』
『新世紀東方三国志〜ひぐらしの憂鬱〜』シリーズ
「〜な男、スパイダーマッ!」シリーズ
「ゴッドマン」シリーズ
「ウッーウッーウマウマ」シリーズ
「『男女』」シリーズ
「チーターマン」シリーズ
「呪いの館」シリーズ←イ゙ェアアアア
『春原…それと便座カバー』←便座カバー
「自作マリオ」シリーズ
「ぬこぬこ動画」シリーズ
「TAS動画」シリーズ
「全自動マリオ」シリーズ
『初音ミク-リローデッド-』
『キョンとハルヒが世界征服を企んでいるようです』その1,2
『くらっとけ!スターライトブレイカー』
『愛しの彼が振り向かない』シリーズ←鬼緑さん
『FF5 バッツの代わりに旅に(ry』シリーズ
「魔法少年ラディカルエリオ」シリーズ
『あのアニメにプロの実況と解説を付けてみた』
「〜で人類滅亡」シリーズ
「グルメレース」シリーズ
『組曲「ニコニコ動画」』シリーズ
『新訳・涼宮ハルヒの憂鬱』シリーズ
『ゾフィーやられ場面集』
『鬼畜すぎるヒーロー・その名はゾーン』
『非公開ラピュタ』
「オワタ式ロックマン」シリーズ
「ロイツマ」シリーズ
『つかさが雛見沢で大暴れしているようです。』
『ウサテイ』シリーズ
『武力介入できないソレスタルビーイング』シリーズ
そして
『予告編風なのはさん』

2365貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/14(木) 00:34:17 ID:5fKtuTDY0
>>2364
その空気の読まなさは紛れもなくニコ住人……ッ!
そこに痺れる憧れる……ッ!

2366貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/14(木) 00:37:20 ID:gA.RMOoI0
>>2363
そうですね。それで切り上げた描写をして元の場所に戻すのも良いと思います。
これなら今後出てくる事もないし、その場しのぎですが問題を保留にできますしね。

>>2364
そんなに元ネタあったのかw

2367貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/14(木) 00:37:24 ID:gY7Z2N660
今、変な光景が浮かんだ。

主催陣に呼び出された残り五人がついに舞台に降り立った!!
エンジェル・アーム!!
ご愛読、ありがとうございました。完

2368貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/14(木) 00:41:29 ID:JeJJLbAA0
>>2367
SOREDA!

2369貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/14(木) 00:42:15 ID:zQeutd/A0
>>2367
いい!ディ・モールトいい!!
ジョーカー五人がズガンwww

2370貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/14(木) 00:48:39 ID:lBrKxuPU0
>>2357ですが投下します。
NGだったら没ネタ行きでお願いします。

2371ロリカードさんの超密集激戦区F-6ガイド:2008/02/14(木) 00:50:07 ID:lBrKxuPU0
 皆さん、こんにちわ。
 ミスターマダオです。
 時はかなり遡る。
 え?いきなり遡ったって、わけがわからないって?
 うるせーよ、このロワって速度が速すぎて、リアル一日二日で劇的に状況が変化しまくりなんだよ!
 しかもF-6という超密集地帯で、自分とDIE/SOULだけ朝に取り残されるとか、それなんてイジメ?
 いや、もちろんまだ早朝から動かない人たちもいるし、贅沢だってのはわかるんですが、私たちが向かってる先のファミレスが昼で、んで私らまだ着いてないし。
 たった1kmの移動で6時間経過とか、どんだけ時間かけてんだって話ですよ。
 せめて着かせろ!空気でもいいから!物語の時間軸に矛盾が出るだろうが!
 ああ、なんとなく見える。吸血鬼パゥワーで見える。目と鼻の先のファミレスで18禁こな×かがが繰り広げられてるような気がする。
 でも、私たちはそこには行けないんですね。ええ、わかってます。
 キングクリムゾンとかレクイエムとかメイドインヘブンとかそんな感じで。
 おい、未来がわかる事で覚悟することが人類の幸福とかいってた、某第六部の電波神父。
 全然、幸福じゃねーよボケ。ロワ的に詰みな状況じゃねーか。
 市ね。ドリアンで頭勝ち割って市ね。身体中の穴という穴にV様の触手を突っ込んで市ね。
 何?口調がアーカードっぽくない?これは心の声ですよ。
 書き手紹介をよく見ろ。DIOと銀魂キャラが得意って書いてあんだろ。ぶっちゃけ旦那口調って書きにくいんだよ!
 だから私が心の中で銀魂口調で喋ろうが、ジョジョ風味で喋ろうが、何も問題はなかろうなのだァ――――ッ!
 まあ、私視点で現在F-6朝なわけですが、実にカオス。
 遠くの空を見れば、温泉ぽい施設が宙に浮いて、それから墜落してます。
 別の方向を見ればロリンビーヌが、とあるビルの上に何の前触れもなくテレポートしています。
 そして目の前をビッゴーサイズの承る太郎がオラオラ言いながら通り過ぎていきます。
 なんか赤い衝撃波があたりの建物をぶっ壊しながら、だんだんこっちに近づいてきてるんですが。大丈夫かオイ。
 

「――お察し頂けて助かります。俺の名はナナシ。テイルズロワの書き手です」


 タイマン勝負が始まりました。
 まあ、これで時間潰せってことか?
 いやいや良かった。エンジェルアームでズガンされないかとか、マジで焦ってました。
 LSなのはさんのアレのようにね。ジョーダンじゃねーですよ。
 さて、時間も午前に差し掛かって、もう一回周りを見ていきましょう。
 なんか学校の方から、えらいデッカイ破片が飛んできて、ビル街をどっかんどっかんと破壊していきます。
 別の方を見てみると触手の生えたV様が空を飛んでいます。シュール。
 飛ぶって言うか、吹っ飛ばされてるだけじゃねーか。ロリスキーたちの待つところとは別のファミレスに突っ込んでいきました。
 なんか「―――ァァァァァッァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」とかいう、蟹座っぽい絶叫が聞こえた気がするけど気のせいだな、ウン。

2372ロリカードさんの超密集激戦区F-6ガイド:2008/02/14(木) 00:51:02 ID:lBrKxuPU0
 で、だ。
 あの赤い衝撃波が、すぐ近くまで来てるんだけど。
 ビルをドッカンドッカン破壊しまくってるんだけど。
 オイオイ、大丈夫かマジで――って止まった?
 吸血鬼パゥワーで詳しく見てみよう。
 半裸ロリが全裸ロリを説得しています。
 メイドを二人引き連れた金ぴかマントハゲがそれを見ています。
 あ、もう一人いた。メイドにしちゃ随分、派手なフリフリだな……て、カズマかよ。
 メイドじゃなくて、単なる女装癖の変態でした<結論
 

「これで終わりです……インディグネイション!」


 あ、なんかやばそうだ。そろそろ助けないとなー。
 えーと、DIE/SOULの氷を溶かすにはこれだ。わたしの支給品。
 核鉄『ブレイズオブグローリー』。
 うちの漫画ロワ本編にて、かがみVSアーカードのバトルの際に使われた支給品だ。
 あまりに厨すぎて後でマジシャンズレッドに修正された幻の、そして禁断のアイテム。
 んで、次。
 これって漫画ロワ準拠だから実体もあるし、そのくせ攻撃されれば本体にダメージがいく。
 発現するだけで体力使うし、体力がない状態で無理すれば発動することもなく死ぬ。
 はっきり言って弱点だらけだから、あまり使いたくないが仕方ない。
 

「――!!」


 青白い雷槌を受け、DIE/SOULが声にならない叫びを上げる。
 もう少し我慢しろ。コントロールを失ったら、お前まで消し炭だから。
「武装錬金……ブレイズオブグローリーッ……!」
 雷光のあまりの眩しさに、私が放った炎の熱は、あちらにも気づかれていない。
 だがコンマ一秒がとてつもなく長い。
 DIE/SOULにとっては更に――いや、もう一瞬のうちに意識は燃え尽きて、生きていないかもしれない。
 そうなって欲しくはないが……よし、ここだ!




「時よ止まれッ!ザ・ワールドッ!!!!」




 私に与えられた時間は三秒。
 これが私の、そして漫画ロワにおけるDIOのスタンド『世界』の限界だ。

2373ロリカードさんの超密集激戦区F-6ガイド:2008/02/14(木) 00:51:41 ID:lBrKxuPU0
 一秒でDIE/SOULの元へ飛び込む。
 もう一秒で右半身を犠牲にして、DIE/SOULを電撃から引きずり出す。
 時を止めても雷撃のエネルギーはそこに留まったまま。
 だからその空間に侵入すれば、もちろん自身の身体が焼かれていく。
 くっくっく、自らを犠牲にして仲間を助ける……いい燃え展じゃあないか!
 さて、残り一秒で全力で離脱だ。


「そして――――時は動き出す」


  ☆  ☆  ☆


 そして私はDIE/SOULを連れての離脱に成功し、今はここで英気を養っているわけだ。
 逃げる途中で遠目に、蟹座っぽい少女の触手プレイを鑑賞してる変態仮面二人が見えたり、ビッグ承る太郎にライダーキックかます勇者が見えたりしたが。
 おまけに街のど真ん中を極太のビームが突き抜けていったりもした。
 まあ、こんだけ働いたんだから、そろそろ私にも地図氏みたいに、可愛いおにゃのこな血液をプレゼントしたりしてくれませんか神様。
 何?駄目?ふざけんなコノヤロー。変わらんな。貴様らは二千年前から何も変わらん。
 あ、ちなみにこれは私の白昼夢です。現実の私は地図氏がロリスキーに18禁もののセクハラをかましていることなど、全く知りませんとも。
 さて、DIE/SOULが目を覚ましたようだ。
 見るからにひどい状態のDIE/SOULは私の、吸血鬼にしてやろうか――という問いに絶対にノゥ!と答えた。
 いや、正確には違うかもしれないが、まあニュアンスとしてはそんな感じだ。
 まあ、予想はついていた。
 だが、核鉄を回復のために貸してやるくらいはいいだろう。
 



 あー、腹減った。

2374ロリカードさんの超密集激戦区F-6ガイド:2008/02/14(木) 00:52:10 ID:lBrKxuPU0
【昼】【F-5 路地裏】
【ミスターマダオ@漫画ロワ】
【状態】:重症(回復中)、右半分が大火傷(回復中)、強い決意、強い仲間意識
【装備】:パニッシャー@トライガン(機関銃:残り弾数100%、ロケットランチャー:残り10発)
【道具】:支給品一式、未定支給品×1(本人確認済み)
【思考】:
 基本:対主催! 殺し合いには乗らないが、マーダーは犬の餌。しかし……?
 1:まずは休憩だな。
 2:ウッカリデス達の所には、それから戻ろう
 3:友情! もっと仲間を探すぞ!
 4:努力! 首輪をどうにかするぞ!
 5:勝利! 見ていろよ主催者!



 ※容姿はアーカード(ロリ状態)@ヘルシングです
 ※押し倒したウッカリデスを気に入りました
 ※地図氏(地球破壊爆弾No.V-7)がジョーカーではないかと思っています。
 ※自分が本物の書き手なのか疑問が生まれました。他の書き手を殺すのにわずかな躊躇いが生まれました。
 ※スタンド『世界』は漫画ロワ準拠の制限がかかっています。時止めの時間は3秒です。

 ※漫画ロワにおけるスタンドの制限について
 ・スタンドの特殊な力を使用する際、精神力の他に体力も『必ず』消費する。弱っている時に無理をすると、無駄に体力を使って発動もせず下手をすれば死ぬ。
 ・連続で時を止める/飛ばす事はできない。チャージ時間は一呼吸(十秒)。
 ・スタンドは一般人にも見ることが可能。
 ・スタンドは一般人にも触ることが可能。物理攻撃も可。
 ・スタンドは発現、能力の発動に体力と精神力の両方を使用する。




【神行太保のDIE/SOUL@アニロワ1st】
【状態】:疲労(中)、胸部にダメージ、全身火傷(処置済み)、右指炭化(処置済み)、全身に打ち身、核鉄による治癒中
【装備】:竜殺し@ベルセルク、ガッツの装備一式@ベルセルク  核鉄『ブレイズオブグローリー』@武装錬金
【道具】:支給品一式、拡声器
【思考】
 基本:アーカード(地図氏、マダオ)は殺す。しかし……?
 1:今は休む
 2:あのナナシとは必ず決着をつける。
 3:仲間を集めて『孤城の主』を実現させ地図氏を打倒する
 4:それまではマダオと協力関係を結ぶ
 5:地図氏を始末した後はマダオを始末する……つもりだ



 ※容姿はガッツ@ベルセルクです。
 ※神行太保・戴宗の神行法(高速移動)が使えます。
 ※ラディカルグッドスピード腕部限定は、腕だけが速く動きます。
 ※地図氏(地球破壊爆弾No.V-7)がジョーカーではないかと思っています。
 ※自分が本物の書き手なのか疑問が生まれました。他の書き手を殺すのにわずかな躊躇いが生まれました。

2375貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/14(木) 00:53:07 ID:lBrKxuPU0
投下終了です。

2376貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/14(木) 00:53:56 ID:5fKtuTDY0
なんというダイジェストwwww

2377貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/14(木) 00:54:52 ID:lBrKxuPU0
あ、マダオ氏の状態表の【状態】を

空腹、重症(回復中)、右半分が大火傷(回復中)、強い決意、強い仲間意識

と差し替えです。

2378貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/14(木) 00:58:59 ID:Lhl12cxc0
>>2375
マダオがいい味出しすぎてる……
真にもってGJ!!

2379貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/14(木) 00:59:18 ID:1maCc2/g0
そもそものスタート時点の間違いとして、防衛要員で呼ばれた8名が会場に入ってきてることなんだよなぁ。
それってジョーカーじゃないだろと。
いっそ会場への乱入を「命令違反の暴走」だったってことにして、
既に会場に出た3人に処刑指令、残る5名が3人を殺しに出て8人で潰しあいで数減らすのはどうだ


あーあと>>2312は冒頭部2行に明らかな事実誤認があるから。
既にロワ内で提示されたネタをリレーして消化してるつもりなら、ちゃんと読もうね。
そういう意味でも荒すぎるよ。まあ既にNGの雰囲気だけど、念のため。

2380貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/14(木) 01:02:24 ID:gA.RMOoI0
>>2375
GJですww外の状況と中の心理のギャップに拭いたwww

それと、毒吐き交流所にスレを立ててもらえたから、ご存知で無い方はどうぞ。
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/8882/1202917537/

2381貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/14(木) 01:02:58 ID:YEQA/V0E0
>既に会場に出た3人に処刑指令、残る5名が3人を殺しに出て8人で潰しあいで数減らす

それを傍観した参加者が呆れつつなんか考察すれば面白くなるかもな。
っていうか、専用雑談スレできてるので一応宣伝。
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/8882/1202917537/

2382貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/14(木) 01:07:05 ID:fQf3CH2M0
もうお前ら結婚しちゃえよ

2383貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/14(木) 01:10:58 ID:gA.RMOoI0
どうしよう。
議論に決着付いてないけど、>>2371の投下してくれた作品登録していいのかな?
それとも、もう少し待ったほうがいいですかね?

2384貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/14(木) 01:14:18 ID:5fKtuTDY0
ジョーカーはとりあえず出てる三人
残りは主催の守りか張りぼてかは主催陣突入時の書き手にお任せ
これでどうだ

2385貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/14(木) 01:15:02 ID:Ta6kApN20
落としどころとしちゃそんなところかなー、と。

2386貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/14(木) 01:15:53 ID:lqk4c92c0
自分も問題ないけど……他にないかな、意見。後で掘り起こされないためにも。

2387貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/14(木) 01:18:42 ID:gY7Z2N660
大丈夫だろ。いざという時用の内輪もめによる5人の消滅を、
とりあえず準備はしとくさ。

2388貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/14(木) 01:18:47 ID:gA.RMOoI0
自分もそれで。
これ以上本編に出ない&出さないって事なら問題ないと思います。

2389貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/14(木) 01:29:54 ID:GQyLgFd60
>>2384
ジョーカーの緊急回収はそれに含めていいか?

2390貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/14(木) 01:35:12 ID:5fKtuTDY0
>>2389
それこそ書き手任せでいいんじゃね?
書けない!と思った人は納得いく形で回収すればいいし
書ける!と思った人は書いていけばいい
回収話ならそれこそいつでも書けるしな

2391貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/14(木) 01:37:56 ID:gA.RMOoI0
そうですね。
あとは、これから書く人は「追加ジョーカー出さない」「遭遇させない」って感じで。
良く考えたら、まだ第二回放送も行ってないですし、
せっかく雑談兼議論スレも出来たんだし、おいおい詰めていくって事でどうでしょう?

2392貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/14(木) 01:39:49 ID:GQyLgFd60
テイルズはあと一人…駄目ですかそうですかorz

2393貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/14(木) 01:40:07 ID:YEQA/V0E0
そんなとこかな。
ビミョーっぽいものを手がけたいときはここで事前に聞くなり、雑談スレで相談するなりで。

2394貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/14(木) 01:40:45 ID:YEQA/V0E0
>>2392
それを言い始めるときりがなくなるからやめとけ。

2395貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/14(木) 01:40:54 ID:gA.RMOoI0
>>2392
書いてしまった場合は没ネタっていう手もありますが、
今の流れではちょっと厳しいかと思います。申し訳ない。

2396貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/14(木) 01:42:05 ID:Ta6kApN20
>>2392
とりあえず舞台に放り出さない状態でキャラ付けしていくのも手では。
主催内情的な話は問題ないわけですし。

2397貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/14(木) 01:44:32 ID:GQyLgFd60
>>2396
なるほど…考えて見ます。

2398貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/14(木) 01:45:16 ID:5fKtuTDY0
>>2392
落ち着いてきたら没ネタで、ぐらいならたぶん許容されるさ!
……少なくとも次の放送ぐらいまでは待つべきかもしれんが

2399侵食汚染:2008/02/14(木) 02:01:42 ID:k70c7DbE0
おかしい。
それが、俺が今ここで感じている事だ。
この家にいた三人の先客は対主催だというが、それにしては纏っている空気がどこかおかしい。
残月と呼ばれた非常に目の毒なドーラ婆さんは特におかしな感じは見られない。だが問題は残る二人だ。
まずは自ロワの脳内保管氏。見た限りではただの気だるげの男だが、先程から感じる、彼からの微妙な視線と気配。
この殺し合いのせいで神経過敏になっているのかも知れないが、もしも、脳内保管氏が意図して自分へとその視線と気配を向けていたとしたら、それが意味する事はなんだろうか?
次にルーキーと呼ばれた書き手。最初に遭遇した時は特に何も感じなかったが、自己紹介した時はどこか人が違うように感じた。
そして彼から感じた危うい雰囲気。それはお姉さまの青ざめた顔が何より物語っていた。
この殺し合いで初めて会った対主催だ。行動は共にした方が互いに心強いだろう。
だが、疑念を持った相手が二人もいて、うまくいくだろうか?対主催陣営が疑心により崩壊なんていうのはよくある事だ。
何よりルーキーの狙いと思われるのは俺の同行者のお姉さまだ。お姉さまに危害が加えられるのだけは避けるべきだ。
お姉さまのあの『美しい手』はこの私の物だ、それを他の書き手にみすみすくれてやる訳には――
「――え?」
俺は今、何を考えた?
『お姉さまの手は私の物』だと?『手』そして『私』、これじゃあまるで……
「どうかしたの?」
「あ、いや、なんでもない。ちょっと、な」
自分の思考に動揺していた俺はお姉さまに曖昧な返事で返す。
いきなり声を上げた俺を不思議に思ったのか、お姉さまが俺の顔を覗き込む。
ああ、美しい。そしてお姉さまの手もそれと同様に美しい。やはりその美しいその手は私の物――違う!
「ちょっと、本当に大丈夫?」
表情に出てしまったのだろうか、心配そうな顔をしてお姉さまが尋ねてくる。
自分の中に突如として現れた『私』という一人称の『手首』を愛する男。それは間違いなく、自ロワに参加している『吉良吉影』だ。
非常にまずい、俺の中に『吉良吉影』という危険人物が形成され始めている。このままでは『吉良吉影』がお姉さまや残月、他の対主催を手にかけてしまう。
かといって被害を出さないよう俺一人が出ていったら、脳内保管とルーキーがお姉さまや残月に手を出すかもしれない。
『お姉さまと残月は守る』『脳内保管とルーキーの真意を探る』それに加えて『吉良吉影に侵食され始めた自分を何とかする』。
その全てをやらなきゃならないってのが今の俺のつらいところだな。
覚悟はいいか?俺は俺に問いかけた。

2400侵食汚染:2008/02/14(木) 02:03:36 ID:k70c7DbE0

【昼】【E-1 民家】
【チーム『ニトログリセリン』】
【基本方針】移動して新たな仲間を探す

【お姉さま@ギャルゲロワ】
【装備:青龍偃月刀、ディー、チャイナ服】
【所持品:支給品一式、支給品一式(他ランダムアイテム1)】
【状態:健康】
【思考・行動】
基本行動方針:殺し合いに乗ってる人間を止め全員での脱出
1:仲間が出来てよかったぁ
2:戦う覚悟。
3:あのルーキーって男、大丈夫だよな?
4:ハクオロの姿をした参加者……候補のロワは三つ(ギャルゲ・葉鍵・アニロワ1st)か
5:パンタローネの様子がおかしい
※容姿はくれないの長髪でスレンダーな美少女。というかまんま東方の中国w
※性別は未だ不明。
※ディーにより東方キャラに変わる力を得ました。何に変わるかはディーの気分次第。確率的には咲夜が高い。
 やばすぎる能力には制限がかかってます。
※ディーは制限により弱まってます。そしてそれが原因でちょっと逝ってます。
※ギャルゲ版最速の人の死体を見つけると、もしかしたらディーの力が少し復活するかもしれません。
 また、その後ディーがどれだけ協力してくれるかは、次の書き手さんにお任せします。
※カレーは完食しました

【パンタローネ@漫画ロワ】
【装備:無し】
【所持品:支給品一式、支給品一式(ランダムアイテム不明)】
【状態:健康、自動人形】
【思考・行動】
基本行動方針:殺し合いには乗らない、乗った人間には容赦しない 、
1:『お姉さまと残月は守る』『脳内保管とルーキーの真意を探る』『吉良吉影に侵食され始めた自分を何とかする』
2:助けられる人はなるべく助ける。
3:お姉さまの手綺麗だよな……いかんいかん。
※パンタローネの服を着ていますが顔は若いです。
※深緑の手の空気供給率が低下しています。
※深緑の手:手の平の穴から空気を吸収し、指から圧縮された空気で攻撃する技。
 原作では片手撃ち尽す→もう片手で撃ちながら、撃ちつくした手は空気供給で弾切れの心配が無かったりする。
※脳内補完とルーキーに僅かに警戒
※人肉カレーが原因で吉良吉影の性格に侵食され始めています

【King of 脳内補完@漫画ロワ】
【装備】スカウター
【所持品】支給品一式、ウルトラミキサー(故障?)
【状態】健康
【思考・行動】
基本:ステルスマーダーとして参加者は皆殺し
1:こいつらは利用させてもらうぜ。ま、使い道が無くなったらそれまでだがな
2:あのパンタローネって男。確か同じ漫画ロワだったな……お手並み拝見だぜ
3:あのクソガキ(Chain-情&クソビッチ(うっかり侍)、次あったら殺してやるぜ……マジでな
4:つか、マジでエニグマの紙どこ行きやがった?
※中の人がB・D・Nであったために、人肉カレーとがきっかけで異世界の自分、
 およびもう一人の自分と記憶がシンクロしました
※本人は気付いてませんが、スタンド『ホワイトアルバム』が使えます。詳しくはググレ。

【底上中の残月@アニロワ2nd】
【状態】全裸
【装備】なし
【道具】支給品一式、放火セット(燃料、松明、マッチ)、未定支給品×2(本人確認済み)
【思考】
基本:対主催を集めて主催者を打倒する
1:これもアタシのカリスマってやつかねぇ
2:積極的に動くけど、おっかないのは御免だねぇ……
※容姿はドーラ@天空の城ラピュタです。
※全裸主義者なので服を着ることをいやがります。
※もちろんBIN☆BINです

【◆yHjSlOJmms(ルーキー)@AAAロワ】
【状態】覚醒
【装備】ピストル(15/15)
【所持品】なし
【思考・行動】
基本・対主催……のフリした優勝狙い
1:好青年を装ってお姉さまの全てを美味しく頂く(色んな意味で)
2:シルベストリ◆O4VWua9pzsに接触する。どうするかは不明
3:AAAロワ書き手を探す……が、生かす保証はなし
※人肉カレーが原因で、外見も口調もレザード・ヴァレス(CV:子安)に進化しました。
 そのため、ありとあらゆるロワの『魔術』を使えるようになりました。
 何が使えるかは、今後の書き手さんとAAA本編によります。
 さあ、今すぐAAAを読んでくるんだ!

2401貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/14(木) 02:04:56 ID:k70c7DbE0
何か前投下された奴でパンタローネ氏が女になってたんだが、
あの人初登場の時、青年だったから男に戻したんだけどいいよね?

2402貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/14(木) 02:06:11 ID:gA.RMOoI0
>>2401
乙です。この状態での投下はありがたい。
性別はカレーを食べたから一時的に変になってたって事で大丈夫かとw

2403貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/14(木) 02:08:47 ID:lqk4c92c0
乙! お姉さま、逃げてーwwww
それにしても危険すぎるチームだ。まさに火薬庫www

2404貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/14(木) 02:31:43 ID:zQeutd/A0
パンタローネ氏、もしかしてKOOLフラグか?w

2405断罪の光:2008/02/14(木) 06:21:13 ID:GVOatjcs0
「さすがに私のギアスをもってしてもあの狂人を止めることは難しいですか……」

無人のビルの一室で孤高は右手を前にかざし瞳を閉じて集中していた。
両手に填められたクラールヴィントが目まぐるしく変化する周囲の戦況の情報を彼女の脳裏に送信していく。
クラールヴィントは釘宮声で喋るのと、なぜか外そうとすると呪いの曲が流れて外せないことを除いてはオリジナルと何ら変わらない性能であった。

彼女の足元にはギアスによる精神攻撃を受けた漆黒の龍が今だ気絶していた。
彼の心拍数および血圧、呼吸の乱れも今は正常値に戻り目を覚ますのも時間の問題だろう。
目を覚ましたら普通に「大丈夫ですか?」と声を掛け、ここへ運んで介抱していたと説明すれば無用な疑いをかけられる心配もない。
(この男については特に注意すべきことはないでしょうね)
孤高は漆黒の龍から意識を逸らし、クラールヴィントからの情報に意識を集中させた。
クラールヴィントは孤高がギアスを手に入れる原因となった少女――コ・ホンブックを重点的にマークしていた。

『イタイカラ殺すコロスカラ痛い遺体にシて頃ス遺体カラコロス殺すからイタイ――』

支離滅裂な言葉を吐くコ・ホンブック。
対峙するのはギャグ将軍、焦ったドラえもん、永遠のうっかり侍のさっきまで行動を共にした人間と見知らぬ男女。

『コロスコロス痛いコロス痛く殺すゥ――ッ!!』

コ・ホンブックの手に握られた乖離剣エアが辺りに破壊を撒き散らす。
隙を衝かれたコ・ホンブックにありったけの攻撃が叩き込まれる。が、瞬く間に傷が修復される。
(もはや『再生』と言うよりも『復元』と言ったほうが正しいですね……悔しいですが私のギアスの通用する相手ではありませんね)
孤高の失った左眼に宿った力――『ギアス』
本来のルルーシュの能力とは違い、彼女の持つ力はギャルゲロワの参加者が受けた苦痛のイメージを対象に送る。
良くて気絶、最悪の場合精神崩壊に追い込む恐るべき能力である。
だがコ・ホンブックには壊すべき精神が残っていない。
完全に精神崩壊した人間にギアスは何の意味がない。

歯がゆい思いをしながら戦況を眺める孤高。
やがて戦況が変わる。
見知らぬ女――ボマーが一瞬の隙を衝いてコ・ホンブックに何かを囁いた。
その瞬間、コ・ホンブックはその場に崩れ落ちたのであった。


 ◇ ◇ ◇


(どうやら戦いは終わったようですね……)
戦いを終えた五人は何かを話してるようだが、何を話しているかまではわからない。
ややあってボマーとコ・ホンブックが別行動を取ることになった。
ギャグ将軍のチームには新しいメンバー―大あばれ鉄槌が加入していた。
(ギャグ将軍は私を探すつもりでしょう……合流するとしたらこの男が目覚めてからですね)
足元の漆黒の龍は静かな寝息を立てて眠っていた。
孤高はコ・ホンブックのマークを外し、広範囲のエリアを探索することにした。

2406断罪の光:2008/02/14(木) 06:22:49 ID:GVOatjcs0

ある地点で見つけたのは首から上が泉こなたで首から下がアーカードな人間。
ある地点では蟹沢きぬの姿をした少女が失禁しながら泣いている様子。
(あれもしかして蟹座さんじゃあ……?)

周囲を探索している孤高はある異変を感じた。
超高密度のエネルギーがある一点に集中しているのだ。
「何この力……どこから……? クラールヴィント! もっと探索範囲を広げて」
『だったらこの家で……私の執事をやらないか!?』
クラールヴィントはさらに探索範囲を広げる、さらにさらに広げる。
探索範囲の増加に反比例して孤高に送られる情報が不明瞭なものになっていく。
それでも孤高は明確にエネルギーの集中してる地点を割り出すことができた。
(なんですかこれ……こんなに離れているのにはっきりとクラールヴィントのサーチに引っかかるなんて……)
場所はここから北西のE-3、そこから凄まじいエネルギーが集中しているのだ。
すでにクラールヴィントの探索範囲から外れているのにも関わらずはっきりと感知できるほどのエネルギーである。
「クラールヴィント! 映像を私に!」
『働いたら負けかなと思ってる!! 』

孤高の脳内にその場所が映し出される。
ノイズが混じってはっきりとその様子を伺うことができない。
その中に翼を広げた少女が異形と化した右腕に膨大なエネルギーを集めている姿が何とか見て取れた。

「あの翼……まさかウイングハイロゥ!?」
少女の右腕の先端に集まる光の粒子。
間違いなくあれは――
「クラールヴィント!!! 彼女の右腕の角度から射線軸を計算して! 早くッ!!!」
あれが発射されるととんでもないことが起きる。
クラールヴィントの計算結果が、禍々しき右腕――エンジェルアームの射線軸が孤高にフィードバックされる。

「――ッ! 射線はこのビルに向いてる!! 早く逃げないと!」

できるだけ射線上から離れないと……!
だが今だ気絶中の漆黒の龍がいる。
彼を担いでいては到底間に合わない。
もちろんこの場面では彼を見捨てるのが当然だが――

2407断罪の光:2008/02/14(木) 06:25:08 ID:GVOatjcs0

(まさか……彼も一緒にとは思っていませんよね私!)

ここで漆黒の龍が消滅してくれたほうが自分にとって好都合のはず。
でも見捨てることが躊躇われる孤高。
「……私もヤキが回ったってことですか」

ここで彼を見捨てられない――
彼女が想った瞬間左手のクラールヴィントの宝石部分が外れる。それはペンダルフォルムへ移行。

「クラーヴィント……フルドライブ!!」
『私、悠二が好き!』

勢いよくワイヤーが伸びてゆく。一メートル、二メートル……さらに伸びる。
「まだ……足りない……あの光が通る扉の大きさにはまだまだ!」
伸びたワイヤーは彼女の数メートル前で巨大な円を描き出す。
「カウントダウン開始……発射までニ十秒、着弾まで約三十秒――『旅の鏡』展開!」
ワイヤーに切り抜かれた空間が深い藍色に染まる。

旅の鏡――クラールヴィントのワイヤーによって作られた輪の内側の空間を目標の場所に繋げる魔法。
原作においてなのはのリンカーコアを抜き取ったり闇の書のコアの転送に利用された魔法である。
孤高の狙いは一つ、エンジェルアームの砲撃を旅の鏡で受け止め、別空間に転送して回避すること。

「砲撃の着弾が先か旅の鏡の座標指定が先か……勝負です!」

翼を広げた少女が発射体制に入る。
その姿はまるで天使のようで、
愚かな人間に裁きを下す断罪の光が放たれた。

射線上の全てのものを粉砕し消滅させてゆくエンジェルアーム。
座標指定に間に合わなければ孤高も光の粒子に還元されるだろう。

「座標指定、私の頭上百メートル! 向きは……大気圏外に!!!!」

わずかに孤高の座標計算が早かった。
次の瞬間、ビルの壁を突き破り凄まじい光の奔流が彼女を襲う。
だがエンジェルアームの砲撃は彼女の前方に展開された旅の鏡に吸い込まれていく。

「いっけぇえええええええええええええええ!!!!!!!!!」

吸い込まれたと同時に上空の旅の鏡の出口から垂直にむかって光がのびていく。
巨大な光柱が天を灼く。
それは会場全てから視認できるほどの神々しいまでの光景だった。


 ◇ ◇ ◇


やがて光の奔流は収まり半壊したビルに孤高の姿はあった。
「やりました……私……あれ……?」
強烈な疲労感が体中を襲う、完全な魔力切れ。
「こんなところで……倒れたら……」

意識を保っていられない、孤高の黒き書き手の意識はゆっくりと闇に沈んでいった。

2408断罪の光:2008/02/14(木) 06:26:04 ID:GVOatjcs0



【昼】【F-6にあるビルの一室】
【孤高の黒き書き手@ギャルゲロワ】
【装備】:防弾繊維のメイド服@カオスロワ2nd、悟史の金属バット@ひぐらしのなく頃に、クラールヴィント(呪)@リリカルなのはシリーズ、ギアス(ギャルゲロワ仕様)@コードギアス
【所持品】:支給品一式
【状態】:裏モード、気絶中、かなりの疲労
【思考・行動】
基本行動方針:ここからの脱出。そのためなら他の人は遠慮なく利用する。
1:やった……助かった……
2:漆黒の竜が目覚めたら自分の事はうまく誤魔化す。
3:自分にとって役に立ちそうな人を見つける。
4:脱出に邪魔な人(マーダーや弱者)をできる範囲で始末する。
5:愛の伝道師との契約通り、tu4氏を止める(後回しにする気です)
6:生首はもう勘弁。
※外見は「D.C.P.S.」の朝倉音夢。
※クラールヴィントは主催者の嫌がらせにより全ての音声が釘宮理恵ボイスでランダム再生されます。
 おまけに呪われているため外せません。
※ギアス(ギャルゲロワ仕様)について:
 効果は『ギャルゲロワに参加したキャラが味わった苦痛のイメージを全て再現する』
 あくまでイメージなので物理ダメージはないが、精神ダメージはえげつない。
 普通の人なら精神が耐えられずに廃人か自殺だが、書き手の皆さんは多かれ少なかれタフなので死ぬ事はない……はず。
 『同じ人物にこのギアスを使用した場合、その威力は回数に比例していくが、同じ人物に2回目以降使用すると自分にもその相手に与えた苦痛のイメージが再現される』という制限がある。孤高の黒き書き手はこの制限を知らない。
 その他に何かあるかは以降の書き手にお任せします。
※裏モード:基本的に自分のためなら他人を犠牲にするのも厭わない性格……のはずだが、なぜか漆黒の龍が気になる。
      その他の設定は次の書き手にお任せします。
※ビルはエンジェルアームの影響により半壊です。
※エンジェルアームを放った人物はギャルゲロワの書き手と認識しましたがtu4氏とは気づいていません

【漆黒の龍@ライダーロワ】
【装備】カブトゼクター&ライダーベルト@ライダーロワ、がんがんじいスーツ(頭部に凹みあり)@特撮ロワ、ハイパーゼクター@ライダーロワ
【所持品】支給品一式 、折れたエクスカリパー、黒い皮手袋、首輪の残骸(愛の伝道師)
【状態】気絶中、かなりの疲労、全身にひどい痛み、下半身と背中土塗れ
【思考・行動】
基本:対主催。そして脱出。
1:予約被りに定評のあるtu4氏(姿は知らない)を止める!
2:とりあえず服だ。土塗れはもう嫌だし下着姿とかアレだし鉄槌はもう論外(ry
3:ボマーを守る。
4:鉄槌はまあどうにでもなるだろ。
5:生存者の確保、及び首輪の解析の出来る人物の捜索。
6:愛の伝道師の意志をついで愛を説く。
7:リュウガのカードデッキとかないかなー
※外見や声は城戸真司です。
※他ロワの知識は皆無です。
※ドラゴンオルフェノク@ライダーロワに覚醒しました(ただし黒色)。触れたものを灰にする能力はありません。
 直接の原因はコ・ホンブック戦ですが、ビクトリーム博士戦も何かあったかもしれません。
※『蘇った現代の熱血怪人』『派手好き地獄紳士』『ステルス鬼畜』『マスク・ザ・ドS』を危険人物として認識しました。
 『予約被りに定評のあるtu4氏』を『エロスの鐘の煩悩寺』だと思い込み、危険人物として認識しました。
 尚、名前は知りませんが『ビクトリーム博士』も危険人物として認識しました。
※一人称が僕に変わりました。
※ダークウイングの行方は後続の書き手さんに任せます。
※愛の伝道師の推論を聞いたかどうかは次の書き手にお任せします。
 またその推論の真偽は不明です。

2409貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/14(木) 06:27:53 ID:GVOatjcs0
投下終了
クラールヴィントに見せ場あってもいい…よね?

2410貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/14(木) 08:01:11 ID:vZkW/g6sC
投下乙!
カッコいいぜ、孤高氏にクラールヴィント!なんか、ナギとシャナネタが多いけど、次は神楽や、おとぼくの小鳥遊さん希望w

2411貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/14(木) 10:36:14 ID:lqk4c92c0
投下乙。
孤高氏、妙に捨てきれない感情があるんだろうな。
それにしてもエンジェルアーム、どこまで旋回するつもりwwwww

2412さあ、立ち上がれ:2008/02/14(木) 11:27:04 ID:lqk4c92c0


「そんな……空気の人、>>1からの2号氏……AAAロワの四番打者までが、この短期間でっ……!」

自分が生き残っているんだ。
大黒柱や空気の読める彼らまでが早々に退場してしまうなんて有り得ない。
呆然と、たっぷり二時間は衝撃を受けたままだった。
邪教の館にへたれこみ、転もまた仲間を失った衝撃に打ち震えていた。

「はっ……こりゃあ、いい。こりゃ、いいじゃねえか……」

訂正、むしろ歓喜に震えているのかも知れない。

「えーと……」

とりあえずその思考がよく分からない。大人しそうな彼が突然、覚醒……?
放送はもうとっくに終わっている。
二人とも同じロワ内の仲間が多く命を落としたというのに、片やニヤニヤと。片や困惑しているご様子。
スパロワの書き手だった転は、放送を聞いてこう思った。

また、あの時と同じだ、と。

過疎していくスパロワ。そして打開するべく書き手として登場した、あのときと。
また、仲間の書き手がいなくなる。つまり再び過疎の原因が出来上がっていくということだ。
ニヤニヤと、転――――否、天は笑う。
こうなればもう一度、自分が頑張るべきだ。うざいクズは殺す? 結構。だが、この原因を作った主催者は許さない。

「今の俺には過疎の力がある。これが、天の力ってやつだ。これで、主催者をぶっ潰す」
「……えーと、じゃあ改めてよろしく?」
「おい、てめえ。うざいクズじゃねえよな? そうだと言え、そうだと決まった。頷くだけでいい」

性格も何もかも変わってて怖いんですけどー!? ってな叫びは心の中で。
ここでそんなこと叫んだりして、口論になったりしたら怖い。MJ氏も十分に空気が読める男である。

「まあ、いい……てめえら、ついてきやがれ。チンカス君でも物の役には立つだろ」
「すごい言われよう……と言いますか、怖いのです」
「まあ、対主催であるって言うなら……ついていくけど。ところで過疎の力って、どんな力なんですか?」

MJ氏の問いかけに、待ってましたと転は口元を歪める。
両手を広げ、宣言するかのように。
まるで新世界の神のようなポーズのまま、堂々と転は言い切った。


「次回に続くっ!!」


MJ氏とクマのプー太氏の両者が一斉にすっ転んだ。
それはあんまりなキラーパスで嫌がられるぞー、とは言わない。言えない。
何度でも言おう。MJ氏はきっと空気の読める男である。


【午前】【H-5 邪教の館前】
【◆MJv.H0/MJQ@AAAロワ】
【状態】地味に健康
【装備】チェーンソー@サガ1、えいゆうのたて@FF6
【所持品】支給品一式
【思考・行動】
1・目立つ!
2・あれ?持ち物に存在感負けてね?
3・ああ……また、目立ちそうなキャラ付けをされた人が……
【備考】ルックスは地味な好青年風ですが、地味なため比較できるキャラがいません
※えいゆうのたてには×10アルテマ、つまり通算で10話以上所持しているとアルテマが
習得できます。魔力っぽいステータスや、触媒があれば使用可能です。



【午前】【H-5 邪教の館前】
【転@スパロワ】
【装備:不明】
【所持品:支給品一式、転ばし屋、ビッグモス@ビーストウォーズ、クマのプー太氏、ほか未確認】
【状態:健康】人格反転中
【思考・行動】主催者をぶっ潰し、うざいクズは殺す
1:消えうせろ……天の力の前になあっ!!
2:MJ氏を引き連れて、強力な仲間を捜す
【備考】
※容姿は秋津マサト及び木原マサキ
※転ばし屋はトリップ名でしか動きません
※過疎の力については次回の書き手氏にお任せします。キラーパス? 何のことで(ry

2413貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/14(木) 11:28:57 ID:lqk4c92c0
短くてすまない、キャラ把握できてなくてすまない。
だが他のメンバーを進ませてやりたかったんだ。……うん、暇つぶしだったよ、ごめんなさい。

2414sage:2008/02/14(木) 11:36:44 ID:5pauxrfM0
投下乙。
気になったんだけど、愛の伝道師の遺言を聞いたのは
漆黒の龍じゃなかったっけ。
前の投下からそうなんだよね。

2415貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/14(木) 11:38:51 ID:5pauxrfM0
>2414
sage間違い。

2416貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/14(木) 11:43:16 ID:lqk4c92c0
愛の伝道師の意志を継いだのが漆黒の龍。
予約かぶりの沙羅さんを止めてくれって遺言を聞いたのが孤高氏……じゃなかったっけ?

2417貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/14(木) 11:45:00 ID:lqk4c92c0
いや、違う、ごめん。
どっちも漆黒の龍だよ。上のは勘違い、ごめん。

2418貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/14(木) 11:48:01 ID:lqk4c92c0
ん……何度も書き込んで本当にごめん。
確かに止めてくれ、と言われたのは漆黒の龍だけど……孤高氏にもギアスの代償として頼んでいるみたい。
契約がどうのこうの、っていうのはその力でtu氏を止める契約とか、それみたいだね。

2419貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/14(木) 11:55:46 ID:ni7/OYkg0
>>2412
乙。なんというなげっぱなしジャーマン。
だが、逆に考えればいくらでも味付けが出来るということかッ。

あと、上の話は
愛の伝道師の生前関係は
「殺害したのがtu4氏」で「意思を引き継いだのが漆黒氏」
で、愛の伝道師が夢の中(?)に出てきたのは
「ギアスを手に入れた孤高氏」と「何らかの力を得た可能性のある漆黒氏」
こういうことかな。

2420貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/14(木) 13:04:04 ID:MJyckEiE0
すげえ今更な話だが、ニート軍勢の中に楽曲があるならGONGからスパロボでるよな……

よく勝てたなキングゲイナー。

2421【書き手ロワ2nd】地図氏を暗殺しにいってみた:2008/02/14(木) 13:55:08 ID:rkgflcak0
「……――ウッーウッーウマウマ(゚∀゚) ♪ ☆☆☆☆☆☆☆ ウッーウッーウマウマ(゚∀゚) ♪ ☆☆☆☆☆☆☆ 」

――殺人遊戯の盤上より遥か上空。次元の狭間に浮かぶ天空の城。
その最下層にして最奥の薄暗い部屋の中で、調子を合わせ奇妙なダンスを踊る二人組がいた。
頭の上に挙げた両手を猫パンチの形にし、リズムに合わせて延々と腰を左右に振り続けている。
どちらも黒いマントを被っているため、その容姿は男女というだけでなく背格好すら判別はつかない。

密命を帯びて地上へと降りた他の二人を、ニコニコ(RC2)しながら待つこの二人のニコ厨。
そう。主催者によって召喚された強力な助っ人。その内のニコロワ側の刺客の残り二人――、
 ――愛媛の0RbUzIT0Toは大変な演説をしていきました(以後、愛媛)と、
 ――人外アドベンチャー〜OZbjG1JuJMのウォーゲーム〜(以後、人外)の二人であった。


 ◆ ◆ ◆


「何をやっているんでしょうかね……」

リピートのチェックボックスに印を入れ延々とウマウマしている二人の前に、残りの二人である――、
 ――裸になってすぐアッー〜殺意のqwglOGQwIk〜(以後、ガチホモ)と、
 ――C.M.超展開はデフォなのか?(以後、えーりん)の二人が帰ってきた。
気絶してしまっているえーりんは、ガチホモの肩の上である。

「……存外に早い戻りだったな。どうだった。作戦は成功か? 失敗か?」
「残念ながら、失敗ですね」

未だ踊り続けながら問う愛媛に、ガチホモはそのいい男な顔を顰めて首を振る。

「そうか……」「………………」

よほどその報告が残念だったのか、黒マントの二人は踊りを止めて肩を落とした。

「……やはり色々と無理があったと思います。
 最大の好機ではありましたが、それでも彼を落とすことは叶いませんでした」

気絶したえーりんを部屋の隅にある簡易ベッドの上に寝かせると、ガチホモは宛がわれた自分のデスクへと移動する。

「とりあえず、地上での活動は全てうpり終わっていますんで、二人もご覧になってください」

ガチホモは、ニコロワ四人集の中で唯一の動画うp能力の持ち主である。
そして、それこそが彼が地上に降りながらも、地球破壊爆弾とえーりんの戦いに加わらなかった理由でもあったのだ。
ともかくとして、気絶しているえーりんを除いた3人のニコ厨は、そのうpられた動画へとそれぞれにアクセスを開始した。

2422【書き手ロワ2nd】地図氏を暗殺しにいってみた:2008/02/14(木) 13:56:44 ID:rkgflcak0
 ◆ ◆ ◆


 □SMILVIDEO
 【書き手ロワ2nd】地図氏を暗殺しにいってみた_(ダイジェスト版)
 (作者コメント)
 うはwwwwwwwwww地図氏チートすぐるwwwwwwwwwwwwwww
 とりあえず速攻で地図氏暗殺にいったけど、全然無理ゲーでした。ちなみにうp主は記録係りなんでほとんど戦いませんw
 [登録タグ]:「書き手ロワ2nd」「パロロワ」「混ぜるな自然」「地図氏」「こな×かが」「ガチホモ」「えーりん!えーりん!」「人がゴミのようだ」


 1 1 45 6 糞画質wwww      2  画質wwwwwww
  かがみは俺の嫁                                       誠死ね
   ↑いやかがみは俺の嫁だ ←かがみはこなたの嫁だろJK   画質ワロタ
 wwww   端っこにルルーシュ映ってね?      これ何? MAD?   こなた
          俺の嫁キター <なんだ?この黒マントがお前の嫁なのか
 きめぇえぇぇえええwwwwww <氏ね           ↓ネタバレ死ね <うp主のコメ読め
      水色自重                    地図氏が圧勝します
    ガ チ ホ モ wwwwwwwwww   うほっいい男    これより濃厚なくそみそタイムが始まります
 初めてはコメ消し推奨 コメ荒れ注意      うほっwwwww      声wwwwwwwwwww
 かがみん! かがみん!          ↓そいつにはふれてやるな
  一人だけマントを脱いでないヤツがいるんだが……         ! グロ注意 !
 こなた――――!                ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!
  グロい……      ■■■■■■■■ うほっ   !   !   wwwwwwwww
             ■■■■■■■■      うp主wwwwwwwww    w
           ■■■■■■■■      ガチホモ自重
 ちょwwwwまたwwwwwwwwwグロwwwwwwwwwww    ガチホモ自重しろwwwwwwwwwwwwwwww
 【ジャンケン十三奥義”ジャッカル”】    ねーよwwwwwww   www
  あるあ……ねーあるねーwwwwwwwww         つまんね ←お前がつまんね
 俺の嫁はマダー                                   ↑そういうお前がつまんね
 えーりん!えーりん!    えーりん!えーりん!    (゚∀゚)o彡゜えーりん!えーりん!
 (゚∀゚)o彡゜えーりん!えーりん!      (゚∀゚)o彡゜えーりん!えーりん!      えーりんえーりn
 ちょwwwww目がwwwwwww    (゚∀゚)o彡゜えーりん!えーりん!
     死んでるwww   (゚∀゚)o彡゜えーりん!えーりん!        暗黒えーりんか……   w
 【弾幕符「ニートの軍勢」 】   キター      えーりん!えーりん!!!!1!!!
 お前らの世界キター!     ニートの軍勢wwwwwwwww    お前ら乙wwwwww
    東方三国志キター      盛 り 上 が っ て ま い り ま し た  ↓黒マント <それじゃわかんねwww
 イミフwwww      東方三国志の続きマダー?    ウッカリデス?って誰だっけ? 
 こな×かが     かがみ〜ん こなたぁぁぁぁぁああああああ       wwww    何が始まる?

2423【書き手ロワ2nd】地図氏を暗殺しにいってみた:2008/02/14(木) 13:57:47 ID:rkgflcak0
 ガチホモ俺の嫁にさわんな!!1111!    
  w      ホモ自重               キタ━━━ヽ( ゚∀)人(∀゚ )人( ゚∀)人(∀゚ )ノ━━━ !!!
 キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ !!!!!  ニートの軍勢キター!!11!!!!111!!   キター   w
 おおおおおおおおおおおおおおおおおおお           ww
  キタキタキタキタキタキタキタキタ━━━(゚∀゚≡(゚∀゚≡(゚∀゚≡(゚∀゚≡(゚∀゚)≡゚∀゚)≡゚∀゚)≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━━━!!!!!!!!!!
 カオスw                         キタ━━━(゚∀゚)━( ゚∀)━(  ゚)━(  )━(゚  )━(∀゚ )━(゚∀゚)━━━!!!!
 ここからはえーりんのターン! キタ─wヘ(゚∀゚)√レ( ゚∀)wヘ(  ゚)√レ(  )wヘ(  )√レ(゚ )wヘ(∀゚ )√レ(゚∀゚)√レv〜 !!
  キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ !!!!            キターーーーーーーーーーーーー!!!! キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ !!!!
 俺の嫁コネーーー! 水銀燈!キタ   キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ !!!!
    ↑みえた             イ゙ェアアアアアアアアアアアアアアアアアアア    ↑俺の嫁
 ↓ここにいる   ちょwwwwwwwwwwwカオスwwwwwww    カオスすぐるwwwwwwwwww
 孔明wwwwwwww        TASさんキター!  社長!!!!!!!         今のは死んだw 
               /ニYニヽ       コ ウ メ イ  wwwww     テラ自演wwwwwww
   wwwww      /( ゚ )( ゚ )ヽ                             ↑自演>「自動演奏」
 ちょw         /::::⌒`´⌒::::\   でっていうwwwwwwww      タイムwwwwwwww
 やりすぎだろwww | ,-)___(-、|          AAズレてんぞwwwwwwwww
  | l   |-┬-|  l |    俺のターン!                 ひょ   w           w
   \   `ー'´   /        でっていう自重wwwwwwwwww        ↓残念!ソレは俺の嫁だった!
        旦那つえええぇぇぇええええ!     トゥーハンドキタコレ    俺の嫁きたーーーー!!11!!
 ちょ何回死ねるんだよwwww      地獄すぎるw     ピタゴラスイッチ     カオスwwwwww
 みっくみくにしてやんよ        かがみんかわえええ      福田首相キター イラネ
    ネギから金属音がwwwwwww       テラマトリックスwwwwwwwww  スゲー
 Uryyyyyyyyyyyyyyyyyyyyy      wwwwwwwwwwwww       ミク     ふとましいwwww
    鳥肌www     ロ ー ド ロ ー ラー だ っ !
 ロードローラーダッ!    ロードローラー      無駄無駄無駄無駄無駄無駄!     ちょつぶれたwww
 脱出不可能だ   wwww      嫁キターーーーーーーーーーーー!    長門キター
 キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ !!!!   ナガモン!ナガモン!    ハァハァ  キタコレ
  ヒューマノイドインターフェースキター      キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ !!!!    眉毛消滅wwwwwwww
 弾幕注意     弾幕くるぞー     wwwwwww      長門有希    いいですとも

2424【書き手ロワ2nd】地図氏を暗殺しにいってみた:2008/02/14(木) 13:58:06 ID:rkgflcak0
                    「もう一息じゃ パワーをメテオに!」
 いいですとも!        いいですとも! いいですとも!   いいですとも!
  いいですとも!   い い で す と も ! !      いいですとも!    いいですとも!
   弾幕自重wwww        いいですとも111  いいですともwww       wwwwwwww
 「Wメテオ」        ザ・ワールド!      かがみの汗ハァハァ  <キメェwwwwww
 ガチホモはいいからかがみんを映せ      長台詞自重w         空気の読めないうp主
 かがみんかわいいよかがみん     こなたああぁぁぁあ!!!!!!!!     w   ガチホモいらね
 組曲キター!   キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ !!!!    組曲飽きたwwwwwwwww
 キタ─wヘ(゚∀゚)√レ( ゚∀)wヘ(  ゚)√レ(  )wヘ(  )√レ(゚ )wヘ(∀゚ )√レ(゚∀゚)√レv〜 !!    おっくせんまん
 ミク復活!        旦那ああぁぁあああああ!    こなた消滅のお知らせ   ちょwww
 かがみんカワイソス   ガチホモ死ね     俺の嫁を泣かしたな!!!
 www        これは……      ↑全人類の嫁です 独占禁止     グロい
 ク リ リ ン の こ と か ー ー ー ー ー ー ッ (違う)  旦那復活?    かーがーみーんー
 海底鬼岩城は名作                ↓最高傑作は日本誕生って決まっているんだが
  ↑いや神作だろ ←同意 ←はぁ?最高傑作は魔界だろJK     ↑ギガゾンビ乙
 こなたあああああああ!    かがみはこなたの嫁   www       ガチホモ涙目wwwwww
  キター!      キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ !!!       こなたはかがみの旦那
 「私は後変身を二回残しています……その意味が解りますか?」
 おぉ    フリーザ様      こなた! かがみ!      ガチホモ脂汗w    www
 こなたおめでた      かが×こなだったのか!   1 wwwwwwwwwwwwwww  つわりキター
   悪魔  高     終わったwwww
        町  キタ━━━(゚∀゚)━( ゚∀)━(  ゚)━(  )━(゚  )━(∀゚ )━(゚∀゚)━━━!!!!    www
    白い悪魔キター    うp主終わったなwwwwwww
 w       な     ここからずっと地図氏のターン         ガチホモ終了のお知らせ
        の   さぁ!いくぞっ!          キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ !!!
        は ……拘束制御術式     旦那! 旦那!         地獄開始
                第3号         クロムウェルきた
 おおおおおお       第2号               生きて帰れると思うなよガチホモ
                第1号  キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ !!!
   たくさん死ぬぞw    解放            オワタw    死ぬ!!1111!!!!11
      状況A<<クロムエウェル>>発動による承認認識……         豚の悲鳴が聞こえます
    眼前的の完全沈黙までの間、能力使用限定解除開始……
                  では教育してやろう!
  クロムウェルクルー!!1111!                 豚のような    悲鳴を上げろ!!!

2425【書き手ロワ2nd】地図氏を暗殺しにいってみた:2008/02/14(木) 13:58:25 ID:rkgflcak0
 …………あれ?          ?
              ??                    ん?         旦那は?
 くるぞ……           総員弾幕用意!!!!              鳥 肌 注 意 !

 兵士諸君、任務ご苦労     キングゲイナー     キング  キング  キングゲイナー
     キングゲイナーwwwwwwwwwwww         さようなら  キングゲイナー   キング
 キング  キング   キング   キング キング    キングゲイナー   キング  キング
 真っ白い地平の向うから            オーバーマンキター!! 乙
  ↓歌詞感謝         ↓間違えたorz 呼ぶんだ……です
      あいつの影が 俺を余分だ キタ━━━(゚∀゚)━( ゚∀)━(  ゚)━(  )━(゚  )━(∀゚ )━(゚∀゚)━━━!!!
 キンゲ強すぎワロタwwwwwwwwwww    こもるだけでは  なにができると   wwwwww
 いじける俺に 教えてくれた    「……では諸君、戦争だ」  かがみwwwww   戦争始まったwwww
 さようなら さようならガチホモ       君と出会って 胸を合わせば 命が    !!!111!!
  w   メタル・ファイター  燃えてきた  メタル・フルコート   歌詞乙    一方的すぐるww
 キング キング キングゲイナー        キングキングキングゲイナー   キング
 ――外部との連絡が取れません!  愛と勇気は言葉    身震いするほど恐ろしいw  悪魔
 感じられれば 力   wwwwwwwwww     ――敵です!敵の攻撃です!   ニイイ……
     「死ぬよ」      キング キング キングゲイナー 探すのさ 今ここで    ずっと俺のターン
 キング キング キングゲイナー    この旦那ノリノリである     ――ああ…あ…あああ……
  ――助けてくれ、助けてくれ化け物だ!    メタル・オーバーマン キングゲイナー
 キングゲイナアアアアアアアアアアアアアアアア!!11!!    「もっと死ぬ」    wwwwwwwww
 wwwwwww   w  ――チクショウ、畜生ーーーーー!!!     大佐の台詞はかがみんかwwww
 ――ぐああぁぁぁぁっぁぁぁぁぁ!!!       人 が ゴ ミ の よ う だ
                                ↑楽太郎自重  「あの男がこんなもので済ますものかよ」
  ww  ――クソッタレ、地獄だぞまるで!!!          終 わ っ た な

 さぁ行くぞ!!
                          悲鳴を上げろ                   豚のようなぁぁっ!!

2426【書き手ロワ2nd】地図氏を暗殺しにいってみた:2008/02/14(木) 13:58:49 ID:rkgflcak0
 ◆ ◆ ◆


「……とまぁ、こんな有様で」

動画を停止させると、ガチホモは苦笑を浮かべながら残る二人の方へと向き直った。

「『旦那』はニコニコにおいても、最強という属性の持ち主の内の一人。そう簡単にはいかないか」
「イチローをぶつければ……、いやアレでは元もコもなさすぎる……」

三人は深く息をつき、椅子に預ける重量を増して揃って頭を項垂れる。
しかし、何故ここまで彼らが地球破壊爆弾No.V-7の抹殺失敗に落ち込むのか……?

「ニコニコが一番軽い平日の昼間。そして、吸血鬼の力が一番弱まる昼間においても勝てないとなると……」
「ええ。エコノミーが発生し、動画がつながりにくくなる夕方以降では……正直、全く歯が立たないかと」
「ましてや、夜はその名前通りに夜族の時間……」

そう。まず一つにそれが重要な要素であった。
召喚されたばかりなのに、空気を読まずジョーカーとして二人を地上に送り込んだのはそんな訳だったのだ。
だが、まだ謎は残っている。どうして、地球破壊爆弾――地図氏だけを狙ったのか?

「……となると、チャンスは明日の夜明けまでお預けになる訳だが」
「その頃にはもうクライマックスでしょうね。このロワのスピードならば……」
「そう。そして、地図氏はその時間違いなく長門&トグサの力を使ってここへと電子戦をしかけてくる」

マントの間から漏れた人外の言葉にガチホモの顔が青褪める。

「ニコニコへのアクセス妨害。または、ニコニコ自体に障害を与えての緊急メンテ……」
「我々のアカウントを凍結。いや、最悪の場合……アカウント剥奪処理が行われる可能性がある」
「そう。そうなれば、我々はただの一般人とほとんど変わりなくなる」

ニコロワより召喚された4人が恐れていたのは、地図氏が持つ電子戦の能力。
彼はアニロワ1stにて、長門とトグサの力を使って実際にハッキングを成功させている。
しかも、全参加者を首輪から解放し、敵の防衛システムを乗っ取り、思考戦車の奪取にまで成功しているのだ。

「……そうなっては、所詮我々の存在など」
「ええ。ミステリアスな強敵……ではなく。所謂、主催の周りにいる雑魚扱いになるでしょうね」
「よくて、ソードマスター展開。最悪の場合――名無しのツチダマ以下の扱いも考えられる」

誰でもパロロワに参加したからには目立ちたいと考える。死ぬのは仕方がないとしても、せめて見せ場が欲しいと。
描写もなく死体で登場とか、ズガンされるとか、空気だから殺された……なんていうのは決して望まない。
それはもちろん途中参加のニコロワの連中も同じだ。

「……っく。下手をすれば、このマントを脱ぐことなく脱落させられてしまうかもしれん」
「私も……つい、下手な捨て台詞を残してきてしまいました。再戦すれば……雑魚扱いでしょうね」
「奇襲が失敗したことにより、空気の流れもよくなくなってしまった。状況はすでにマイナスの域に入っている」

最終回――『GAMEOVER』という、アニロワを終わらせた能力を持っている彼が、このロワでもその場面にいる可能性は高い。
そうなればまず十中八九、彼の能力を生かした電子戦イベントが発生するだろう。
そして、彼らが予想するようにニコロワ勢は無力化され、踏み込んできた対主催のいいかませになるはずである。

2427【書き手ロワ2nd】地図氏を暗殺しにいってみた:2008/02/14(木) 13:59:11 ID:rkgflcak0
「……地図氏が自然に脱落する可能性は?」
「どうでしょう? シリアス展、ギャグ展、エロス展とかなり使いでのいいキャラとフラグを持っていたようですが」
「映像を見る限り、明らかな補正を受けている。便利なマーダ+脱出フラグの塊+こなかが需要――脱落は考えられない」

ニコロワの3人は改めて深い溜息をつく。
彼の脱落に成功していれば、今頃は悠々自適でニコニコに勤しみ、対主催の突入をゆっくりと待てたはずなのだ。
しかも、もうそれも叶いそうにない。奇襲の失敗は、KYと言う最大のハンデを背負わされるというペナルティになった。

「……とりあえず、地上に降りるのは自重しよう」
「そうですね。元々、地図氏以外の参加者を間引くことに意味はありませんから」
「クライマックスに向けて、4人という数を減らすのも得策ではない。万全の体制であれば、見せ場もあるはず」

失敗にクヨクヨするのはニコニコらしくないと、彼らは頭を切り替える。
ここらへんのフットワークの軽さは、彼らの持ち味の一つである。熱しやすく冷めやすいとも言われるが……。

「今回の接触もフラグが立ったと考えればいいだろう」
「そうですね。私もアレは再会フラグだと前向きに考えることにします」
「電子戦ともなれば、ニコニコ(RC2)内での直接対決もありえる……と、ここでネタを振っておこう」

そして、彼らはそれぞれのディスプレイへと向き直る。勿論、ニコニコ(RC2)するために。
ガチムチは自作の動画に自演コメを打ち込み、愛媛は弾幕を貼り、人外はお気に入りをダウソする。
今はベッドの上で休んでいるえーりんも起き上がれば、職人字幕の貼り付けに勤しむことだろう。


――ニコロワ勢による最初で最後の奇襲は失敗した!
だが、それでも彼らはめげない。ニコニコ(RC2)ある限り、24時間ニコニコと戦い続けるのだ!

2428【書き手ロワ2nd】地図氏を暗殺しにいってみた:2008/02/14(木) 13:59:36 ID:rkgflcak0
「……次の出番はいつになるんだろうか?」
「高望みは自重しますが、せめて裏方話の中に混ざれればよいですね」
「次にこの扉を開けた時。fooさんの笛が聞こえたりしてな……」「「それは縁起でもない」」



【昼】【不明-ニコロワ勢控え室】

【裸になってすぐアッー〜殺意のqwglOGQwIk〜@ニコロワ】
【状態】:健康
【装備】:なし
【道具】:不明
【思考】:
 基本:主催者側の人間として活動。参加者の抹殺
 1:とりあえず、次の出番までニコニコ
 2:地図氏と再会すれば、借りを返す

 ※容姿は阿部さん@くそみそ、性格は古泉@ハルヒ。その名はイイ男。キモカッコゲイ!
 ※地球破壊爆弾No.V-7を危険視しています。
 ※ニコニコ動画に存在する動画ゆかりの技を使えます。
 ※ニコニコに自分が見たものを動画としてうpできます。


【愛媛の0RbUzIT0Toは大変な演説をしていきました@ニコロワ】
【状態】:健康
【装備】:なし
【道具】:不明
【思考】:
 基本:主催者側の人間として活動。参加者の抹殺
 1:とりあえず、次の出番までニコニコ 

 ※容姿やその能力は未だ不明。
 ※地球破壊爆弾No.V-7を危険視しています。


【人外アドベンチャー〜OZbjG1JuJMのウォーゲーム〜@ニコロワ】
【状態】:健康
【装備】:なし
【道具】:不明
【思考】:
 基本:主催者側の人間として活動。参加者の抹殺
 1:とりあえず、次の出番までニコニコ 

 ※容姿やその能力は未だ不明。
 ※地球破壊爆弾No.V-7を危険視しています。


【C.M.超展開はデフォなのか?@ニコロワ】
【状態】:気絶
【装備】:なし
【道具】:不明
【思考】:
 基本:主催者側の人間として活動。参加者の抹殺
 1:きゅう……

 ※容姿はえーりん!えーりん!何故か無口なようです。
 ※ニコニコ動画に存在する動画ゆかりの技を全て使えます。

2429【書き手ロワ2nd】地図氏を暗殺しにいってみた:2008/02/14(木) 14:00:07 ID:rkgflcak0
投下終了!

2430貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/14(木) 14:26:51 ID:LsthYqOk0
投下乙です。
てかコメントすごいなwww

そして…エンジェルアーム消えたああああああorzナンテコッタイ
むう、消えたのは直撃分だけで半分以上残ってたって事には…なりませんよねやっぱり。

まあいいか、投下直後ですいませんが、時間の都合で投下させて貰います。
まあ、没ネタですが。

2431貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/14(木) 14:27:57 ID:LsthYqOk0
地上を光の河が走る。
その通り抜けた後には、何も残りはしない。

『エンジェル・アーム』

天使の名を冠するその一撃は、一度放たれれば進路上の全てを焼き尽す光の奔流。
その射程たるや地上から成層圏を越え月を穿ち、その速度は言うまでも無く光と同等である。

その、神罰にも等しい一撃を軽々と放っておきながら、予約被りに定評のあるtu4氏の心の中には、正の感情はひとかけらも存在しなかった。
いや、それどころか、
(…………何でなのよ!)
彼女の心は悲しみで満たされていた。
tu4氏の頬を一筋の涙が伝う。
何故、
何故、これだけの力を持ちながら、ヴァッシュ・ザ・スタンピードは「空気」なのだろうか。
使えば自らの命をも削る力だから?
人で無いが故に強大な力を人々を守る事にしか使わないから?
彼が参加しているのはあくまで「アニロワ」であり、漫画版の力は無関係だから?

(違う)
どれも正解ではない。
答えは……「他のキャラに出番を取られたから」だ。
他のキャラがいるから。
他の参加者達が目立っているから。
だから、彼の印象は削られ、フラグは立たず、彼は空気となったのだ。
そう、忌むべきは空気キャラを生み出した他の参加者達。
そして、何よりもそれを放置した書き手達こそが諸悪の根源だ。
特に、その事を反省するどころか、あろうことか「沙羅さん空気祭り」を開催し深夜にも関わらず騒ぎまくった所為で、次の日ログを見て寂しい思いを…ゲフンゲフン、
毒吐きという本来の用途に使わずにスレを埋め立てた、ギャルゲロワの書き手達など「ボコボコにして、泣かせた後『助けてマ・マー』と言わせる」の三倍位酷い目に合わせても飽き足らない。 とりあえずスパゲッティ六人前食わせるのは確定な。

(そう、私のこの力はその為にある)
全ての空気キャラに救いを。
全ての目立つキャラに制裁を。
空気を放置した書き手に裁きを。
その為には、のんびりしている暇なんて無い。
恐らく、バトルマスターはまだ生きている筈。
ギャルゲロワ最大の難敵である彼を生かしておく理由なんて無い。
すぐさま、追撃に移るべき。

エンジェル・アームを放ったことで生じた僅かな、恐らく一秒にも満たない時間の中でtu4氏は考え、次の行動に移ろうとした。
……だが、
(…………え?)
突如、彼女の背中を冷たい感覚が走り抜ける。
理解は、出来ない。
「……ウォーター…!」
否、している暇など無い。
ただ……感じた。
自分の身に、逃れようの無い「死」が迫っていることを。
「シールドォ!!!」
刹那の間に、取りうる唯一の手段を発動させる。。
左手に握る「存在」のディフェンススキルを発動する。
tu4氏の全身を、水のバリアが覆い、
「!?」
次の瞬間、咄嗟に振り向いた彼女の視界を埋め尽くす規模の光の奔流が、彼女を襲った。

2432貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/14(木) 14:28:28 ID:LsthYqOk0
「くっ……」
神剣に力を込める。
「存在」の出し得る限りの力を発揮し、
「っううぅぅ……っ」
瞬く間に破られそうになる。
元より、青属性の神剣は防御には適していない。
「頑、張って、…『存在』……っ」
だが、それにしたってこれは異常だ。
防御には適さないといっても、それはあくまで神剣同士の話。
並みの書き手が相手ならば、揺るぎもしないバリアが、気休め程度にしかならない。
だが、現に光の奔流は弱まる気配を見せず、自分はそれこそ光の河に浮かぶ泡程度でしかない。
こんな、それこそ「エンジェル・アーム」に匹敵するかもしれない一撃が、なんの兆候も無しに放たれたなんて信じられない。
「あ…あああああっ!!」
だが、それでも他に手段は無い。
或いは、最初から防御を捨ててアタックスキルを用いていれば、打ち破れたのかもしれない。
この一撃に匹敵するエンジェルアームを用いるだけの時間があれば、相殺出来たのかもしれない。
だが……今は、

(…エンジェル…アーム……!?)
圧力に耐えながら、変化したままの己の右手を見る。
確かに…それなら可能性はある。
今の絶望的な状況下において、唯一の光明と言ってもいい。
…だが、
(…撃てるの?)
既に、全ての力を「存在」に費やしている。
この状況で力をエンジェルアームに割けば、その瞬間に自分は蒸発しているかもしれない。
リスクは、高すぎる。
けれど、
(他に……手段なんて無い!)
このままでは、どの道蒸発して終わりだ。
なら、僅かな可能性に全てを賭けようと考えて、

――彼女は、絶望の淵に追い込まれた。

(……ごめん)
全ての空気キャラ達に詫びる。
私は……ここで終わりだ。
そもそも、賭けにすらならなかった。
力を割こうという思考の段階で、水の守りはその八割を食い破られた。
一度力を弱めた守りは、もう数秒も持たない。
このまま、この誰とも知れぬ相手の放った一撃によって葬られる。
それが、結末。
全ての空気キャラを救うなんて大層なお題目を掲げた私の、馬鹿みたいに早い終焉てワケだ。

そして、最後の時。
守りが、破られた。
……目を閉じる。
(…何で、なんだろ?)
全ての空気キャラに救いを。
それは間違った願いだったのだろうか?
全てのキャラは、元々が投票を勝ち抜いた人気キャラ達なのだ。
だから、そもそも空気なんて事がある筈無い。
だが、現実に空気キャラは生まれる、否、今この書き手ロワにおいてさえ生まれ続けている。
それらの悲しき運命を背負ったキャラ達を、その呪われた定めから解き放ってあげたい。
その願いが、…間違っているなんて思いたくない。
(ううん、そうじゃない…)
判ってる。
間違いとか正しいとか、そんなことは関係無いなんて事ぐらい。
これは『バトルロワイヤル』だ。
だから、正しいとか正しくないなんて事は、なんの意味も無い。
そんな主義主張なんて関係無しに、キャラは死んでいく、そんな事は百も承知だ。
だから、考えたって無駄なんだけど、でも、だからこそ考える。

閉じた瞼の上からでも、光が迫っているのがわかる。
もう、まもなく私のこの思考も終わるだろう。
だから、最後に一言だけ呟いた。
「私は…何をすれば……良かったのかな」

2433貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/14(木) 14:29:03 ID:LsthYqOk0



「そうですね……とりあえず、仲間に頼ってみることから始めてみるのはいかかでしょうか」
なにやら、声が聞こえた。
「…………え?」
目を開ける。
光の奔流は、未だ私には届いていない。
私の少し前の位置で、黒い光の壁に遮られていた。
そして私の少し前には、
「何で……!」
黒い短髪。
活発そうな少年の衣服
「さて…『仲間』を助けるのに理由など必要なのでしょうか?」
迷いの無いその言葉。
あらゆるロワにおいて揺るがぬ、運命に抗う強い意志。
「……! その『貴方』の行動が、『私』を生み出したんだって知ってるわよね!」
手に構えた日本刀。
黒き波動を放つは永遠神剣「冥加」
「まあ、その件は後で話すことにしませんかね? 取りあえずはまあお約束という事で…、」
ギャルゲロワにおいては熱い戦いを繰り広げ、
燃え展から対主催エンドの流れを築いたと言っても過言でもない人物。
神に抗う参加者達の最後の戦いを描ききった、紛う事無きギャルゲロワの中心人物。

「tu4氏、貴女を…助けに来ました!!」

『私』にとっては忌むべき敵。
バトルマスターの声が響き渡った。

「……馬、鹿……」
呆然とした。
バトルマスターは、一欠けらの迷いも無しに言ってのけた。
つーか思わず赤面しそうなぐらいの真っ直ぐさだ。

「……この馬鹿! 死ぬ気なの!?」
私ごとバリアで守るバトルマスターに憤る。
未だに弱まる気配を見せない砲撃は、不意打ちの範疇に含まれる。
故に、バトルマスターの固有結界は効果を発揮しない。
彼は、己の持つ「冥加」の力のみで自身と私を守っている。
「いいえ、そんなつもりは毛頭ありませんよ。
 …そうですね、少なくとも、貴女を助けないことには死ねませんね」
だけど、そもそも黒属性の神剣の守りは、カウンターという特性を持つが故に純粋な防御力には欠ける。
このままでは、どの道二人とも蒸発して終わりだ。
彼の行動は、自殺行為でしかない。
死体を一つから二つに増やしただけの無駄な行為だ。
そう…
「……天然で言っているみたいだから突っ込まないわよ…
 でも、そうね、確かに私も、死にたくなんかないのよね」
ここで、私が何もしなければ、そうなる筈だった。
変化したままの右手に力を込める。
大体、バトルマスターの守りが破られるまで後三秒って所かしら。

三、

右手に光が生まれる。
さっき一発撃っちゃったから、そんな短い時間で集められる力では、この砲撃にどのぐらい抗し得るのかはわからない。
……十秒もあれば全力でぶっ放せたんだけど、まあ贅沢は言わない。
あのままだと何も出来ずに死んでいたんだから、贅沢なんて言ったら罰が当たる。

二、

心なしか、力が集まるのが早い気がするけど…まあ気のせいね。
特に嬉しいとか、やる気出てきたとか、そんなこと感じてないし…感じてないわよ。
しっかし、位置関係の問題で、私がこの砲撃を相殺した場合はバトルマスターも助かってしまう。
出来るなら、某部隊長とバーニングみたいな状況なら文句なしだったんだけどね。
無論私がバーニングの方で。

一、

右手の前には、既に新たな光が誕生を待ちわびている。
でも、まだ足りない。 全開時の、おおよそ半分程度でしかない。
まあ、3割くらいしか集まらないことを予想していたから充分な成果ではあるんだけど、
ここまで出来たのが、バトルマスターのおかげだってのは非常に不本意だ。
……まあ、ついでに、あくまで『ついでに』助けてあげるんだから貸し借り無しって事にしとこう。

零、

「いっっけえええぇぇぇぇぇっっっっ!!!」

全力で、力を放った。

2434貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/14(木) 14:29:33 ID:LsthYqOk0


黒いオーラの守りが破れるのと同時に、目前の砲撃と同質の力が放たれる。
目前に迫る光の河が、あたかも水面に映し出されたかのように、同様の、僅かに小さい河が現れる。
その光は、刹那の間前進し、やがて目前のそれと衝突。
そして、

「ああああああああぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

押し合いが始まった。
進路上の全てを押し流す光の奔流が、互いにぶつかり合い、しのぎ合う。
二つの大蛇は、己以外は不要と、抵抗など許さぬと、その身を捻らせる。
二匹の蛇は、お互いの身を食い合い、やがて…

「ぅううううぅぅぅぅぅ……!!」

片方が、もう片方を圧倒し始めた。
そう、元より大きさの異なる二つの流れは、その自然の理に従い、大きな流れが徐々に小さな流れを押し流し始める。
当然の帰結。
元より判り切った結末。
そう、

「さて…」

この場に居る、もう一人の人物、バトルマスターの存在がなければ、だ。



まあ、予想通り。
根性とかそんなものを挟む余地なんて無い。
力と力のぶつかり合いは、非情だ。 …少なくともギャルゲロワにおいては。
無茶を通して道理を引っ込めるというのは、『私たち』には似合わない。
だから、このまま消えるしかない、
「さて…」
なんて事は、無い。
無茶が通らないなら、道理を通せばいい。
「これも、『バトル』ですからね」
力が足りないなら、別の法則を当てはめてやればいい。
そう、力と力のぶつかり合い。
これ以上無いくらいシンプルな『戦い』だ。
「そう、『故に、この身に敗北はありません』」
言霊とともに、力が放たれる。
固有結界。
一方的な砲撃相手では何の効果もないけど、この状態なら別。
力と力の争いになった時点で、わ…………『私、たち』に敗北は無い。
……相談しなくても動けたのが不本意なんだけど。
「結局、貴方頼みというのが気に食わないわね」
「いえいえ、そもそも貴女がこの『バトル』の状態に持ち込んでくれなければ、私にはどうにもできませんでした。
 まあ、つまり力を合わせた結果と言ったところですね」
「……言ってなさいよ…………」
力を消費しすぎたせいか、微妙に頬が紅潮しているのが自覚できるわね…
それとも、暑さのせいかしら……
……まあ、いいか。
「さて、まあ」
微妙に気の抜けた頭に渇を入れる。
一応、まだ非常事態には変わらないんだし。
「それじゃあ…終わりにしちゃいましょうか!!」
持ちうる力でもって、止めを刺すことにした。



光が、光を切り裂く。
二つの流れは、ついにその争いに終焉を迎える。
片方が、片方を切り裂き、貫き、飲み込んで行く。
こうして、地上に生まれた二つの河は一つとなり、やがてその残った河も彼方に消えた。

2435貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/14(木) 14:31:34 ID:LsthYqOk0


「……ふう」
右手を、元に戻す。
それと同時に、髪の色も元に戻る。
黒髪も、随分進行してしまっていた。
別にチートだから全部黒くなったって死にはしないけど、それでもエンジェルアームは使えて後三回くらいかな?
「つっかれたー」
それでも、かなり消耗しているのは間違いない。
(このまま寝転がれれば楽なんだけども)
顔を後ろに向ける。
「で、……それで…どうするの?」
そこに居る少年に声を掛ける。
(そうも言ってられない事情があるのよね)

「……殺し合いに乗る事を、止めては頂けませんか」
予想通りの返事が来た。
相も変わらず迷いが無い。
「答えるまでも無いわね」
こちらにも迷う理由は…無い。
全ての空気キャラに救済を。
その道を曲げるつもりは無い。

そうして、静寂。
……多少、不味いわね。
戦闘になれば、バトルマスターには勝てない。
エンジェルアームを使えば別だけど、消耗が激しい今は使えないし、何よりも…あの一撃を放った相手がまだこちらを見ている可能性は高い。
兆候すら掴めないあの一撃を撃たれたら、今度こそ助かる気がしない。
撃った相手の正体は、完全に不明だしね。
スパロワの書き手でも、あれだけの一撃を撃てる相手は限られる筈。
他のロワでも、アニ1stかLSのSLB、アニ1・2のエクスカリバー、AAAのトライエースにビッグバン、ギャルゲだとオーラフォトンノヴァくらいか。
エアや、オーラフォトンブレイク、メテオスォーム辺りは属性が違うし、ヴァッシュの姿な書き手なんか居るはずも無い。
いずれにしろ、油断は禁物。
(今ここで戦うのは得策ではないわね…って、アレ?)
なんだろう?
(今、何かが見えたような………!)
理解するより先に、
「危ない!!」
体が動いていた。



(さて、どうするべきでしょうか?)
戦闘になればこちらの勝ちは揺るぎませんが、向こうもそれは理解している筈。
そして何よりも、
(あの狙撃手、というには威力がありすぎですが、とにかく攻撃の主がどう動くか)
自分の能力は、不意打ちにはめっぽう弱い。
先程の一撃はtu4氏を狙っていたようですが、その矛先が自分に向かないとも限らない。
(ここでこのまま戦闘を続けるのは得策では…)
そこまで考えた所で、
「危ない!!」
「えっ?」
私の体はtu4氏の体当たりによって右側に飛ばされ、
次の瞬間、tu4氏の体を光が襲った。



(何やってるんだろ…私)
痛い。
半端じゃなく痛い。
全身をとんでもない衝撃が襲っている。
甘かった。
砲撃の主は、間を空けずに二発目を放ってきたらしい。
それも、反対側から。
高速移動能力? 
テレポーテーション?
時間の流れを変えた?
攻撃の軌道を曲げた、くらいなら対処も楽なんだけど。
流石に、連射のためか威力は落ちていたみたいだけど、いずれにしても、この一撃は不味い。
まだ、何とか生きているけど、もう、次は無い。
(ううん、そうじゃなくて)
そもそも、何で私はバトルマスターを助けたのだろう?
あのまま何もしなければ、労せず強敵を葬れたのに。
何でか、体が自然に動いてしまった。
(何…やってんだろ)
その思考を最後に、
私は意識を失った。

2436貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/14(木) 14:32:21 ID:LsthYqOk0


「tu4氏!!」
倒れそうになるtu4氏を抱き上げる。
怪我は酷いが、適切な治療をすれば命に別状は無い。
(だが、問題なのは)
周囲をすばやく確認して、すぐさま移動する。
まだ、あの狙撃手が狙ってくる可能性は高い。
だから、ここは一先ず建物を盾にしながら移動するしかない。
そうして、さっき咄嗟に置いてきた少女の下に移動する。
「はわわ、ご主人様、そ、その人怪我が」
慌ててこちらに近づいてくるしたらば孔明氏。
それを手で制して。
「移動しながら話しましょう。
 次撃がくる可能性があります」
相手の索敵方法は不明。
まず、アレだけの光属性の攻撃を撃てる相手となるとスパロワの書き手の一部。
他のロワでも、アニ1stかLSのSLB、アニ1・2のエクスカリバー、AAAのトライエースにビッグバン、ギャルゲだとオーラフォトンノヴァくらいですか。
「ふえ、次って?」
どういう方法で反対側に移動したのかは不明。
支給品という可能性もありますが……
「先程の攻撃の主です。
 あれだけで諦めた可能性は低いですから」
いずれにしろ、このまま留まっているのは……
「攻撃の主…って、その人ですよね?」


止まった。


肉体も、思考も。
孔明氏も、私に釣られて止まったみたいです。
一瞬、時間さえも凍りついたような気がする。
とにかく、止まった。

だが、やがて、
「ああ、ご主人様は知らないのですね。
 この会場は、端でループしているんです」
「ルー……プ?」
ギギギとさびた機械のように顔を上げる。
ループ…意味は知っている。
つまり
「エンジェル・アームが、会場を一周して後ろから飛んできたのですね。
 それで、真後ろから攻撃が来た訳です」
そういう訳だ。
ループ性のMAPを採用しているアニ2ndの孔明氏からすれば、当然の事なのだろう。
「は、は、は」
膝の力が抜ける。
思わず蹲りそうになる。
要するに、単なる事故…と。
狙撃手なんてのは、最初から居なかったと。
「えーと…まあ、メデタシメデタシといきませんか?」
「ええ、まあとりあえず危険は無いわけですが……」

チラリ、と顔を下げる。
「……この事を、tu4氏に何て説明しましょうか…」
教えたら、確実に襲い掛かってくるでしょうねえ。
うっかり死に掛けた口封じの為に。


【午前】【E-3 小さな個人病院】

【予約被りに定評のあるtu4氏@ギャルゲロワ】
【状態】ダメージ(大)、消耗(大)、全身にダメージ、気絶、同胞に対する深い愛、
【装備】永遠神剣第七位「存在」、ガンダールヴの証(ゼロの使い魔@漫画ロワ)、ペンダント(空鍋の欠片)
【道具】写真付き名簿、支給品一式、不明支給品×1(未確認)
【思考】
基本:空気にならないため他の書き手をみなごろし。
0:気絶中
1:私もヤキが回ったものね。
2:書き手はみんな滅する。私を空気とか呼ぶ奴はグロ死な。
3:エロスの鐘の煩悩寺がマーダーだと広める。
4:ギャルゲロワ陣営は欝に叩き込む、ついでに制裁。
5:空気キャラは保護する。
6:バトルマスター…ありがとうなんて言わないわよ
※容姿は白鐘沙羅@フタコイ オルタナティブ。アセリアの服を着ています(服への被害は次の書き手さんにおまかせします)
※実は永遠神剣第一位「空気」を宿していますが何らかの因子が足りないため使えません。
※ガンダールヴの能力は、どんな武器でも自在に操れます。
  また本来は使うと疲労を伴いますが、tu4氏の場合それはありません。チートですし。
※空気王として他ロワの空気キャラの能力を使用できます。

2437貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/14(木) 14:32:40 ID:LsthYqOk0
【バトルマスター@ギャルゲロワ】
【状態】消耗(中)、胸に抉り傷。両腕に削り傷。内臓の一部に破損。
【装備】永遠神剣「冥加」
【道具】支給品一式、コイン、名簿、不明支給品2つ
【思考・行動】
基本:コインの表が出たので徹底的に抗う。
1:墓まで持って行かなければ…
2:対主催として仲間を探し、殺し合いに乗った敵を倒す
※外見は前原圭一@ひぐらしのなく頃に
※自分の心がキャラに影響されていることに気付きました
※【自らの心象風景を投影した力場を発生させることによって、ありとあらゆるバトルに敗北しなくなる】固有結界が使えます。
 名前は募集中。

【管理人・したらば孔明@アニロワ2nd】
【装備品:スタンガン@アニロワ1st】
【道具】支給品一式×2 ゲイボルグ@アニロワ2nd、オールオーバー@ライダーロワ、大鉈(破損)@ギャルゲロワ、
    携帯電話@現実、首輪(まとめキング)、閃光弾、不明支給品(ランダムアイテム)】
【状態:健康、服に若干の血痕】
【思考・行動】
基本:脱出に向けて行動する(基本的に恋姫†無双の孔明を演じる)
1:はわわ、あ、新しいご主人様を助けます!
2:脱出に有能な方なら手を組みましょう。
3:危険な野郎なら排除するぜ。
4:こいつら…言わなかったら気づかなかったんだろうか。
※外見は孔明(恋姫†無双version)、頭脳は孔明(Gロボversion)、力は孔明(水滸伝version)です。
※口調は基本的に恋姫†無双versionでいくようですが、状況と気分で恋姫†無双version・Gロボversion・水滸伝versionのどれかにするようです。

2438貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/14(木) 14:38:12 ID:LsthYqOk0
以上です。
>>2043で言われた通りネタにした筈なんだが、
気がつけば恋愛フラグみたいなものを含むよく分からない結果に。
まあ、話自体がネタということで一つ。

しかし…一応、一つ目完了――ナナシ3とか書いとくべきなのかな…?

2439貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/14(木) 14:57:38 ID:lqk4c92c0
両者とも投下乙!
なんというコメントの再現率wwwwwww 本当に唖然としたwwwww

これが没ネタとは悲しいと言わざるを得ないなw
バトルマスターとしたらば孔明、tu氏の被り率は異常だ。どちらも長編だしw

2440貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/14(木) 15:05:23 ID:Ta6kApN20
>>2429
超力作乙w
そのコメ弾幕から動画が想像できてしまう俺もニコ厨確定。
思いっきり米消し推奨が流されてるのに思わずにやついてしまったw

>>2438
うわあ、力作…没とは実に勿体無い。
というか、リアルステルス性能高いな皆w

2441貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/14(木) 15:06:26 ID:lBrKxuPU0
没ネタとは残念です。
ていうか人気パートの長編って、書く人はどれくらいで書き上げてるんだろうw
あとニコ動コメント吹いたwww誰かマジで動画作ってくれたら神www

2442貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/14(木) 16:02:15 ID:1maCc2/g0
ボツネタ惜しい。
でもって動画コメ自重w タネ明かされるとニコ勢のチート能力って案外脆弱だなw

2443貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/14(木) 16:26:46 ID:JnCPEhXA0
すいません。
wiki編集を手伝ってるものなんですが、用事があって週明けまで手が出せません。
と言っても、他にやって下さっている方がいらっしゃるので大丈夫だとは思います。

ただ、稀に時系列と投下順がごっちゃになって編集されている場合もあったりしたので、
もし編集していただける方が見てらっしゃってたなら、それだけ確認お願いします。
失礼しました。

2444貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/14(木) 17:12:47 ID:ViXztCFIC
いつも迅速な編集乙です。
書き手紹介のリンクなどは気付いたら手伝ったりしますよ。

2445ハートブレイク・ショット:2008/02/14(木) 18:51:28 ID:kbiHu4020
「うおおおおお!!」

静かなる 〜Chain-情〜は、またしても走っていた。理由は先ほどと同じ、「追いかけっこ」。
ただし、今回彼は追われる側である。そして彼を追いかけているのは、フラグビルドではない。

「コッチヲ見ヤガレ〜!!」

そう、「ジョジョ」ファン並びに漫画ロワ住人の方々ならもうおわかりであろう。
恐怖の暴走爆弾戦車、シアー・ハート・アタックである。

そもそも、何故こんな状況になったのか。それは言葉にしてしまえば一文で足りる。
あふれ出した生首と手首をどうにかこうにか四次元ポケットに押し戻した二人の前に、
ひょっこりシアーが現れたのだ。以上。
おそらく手首詰め合わせの中に含まれていた吉良吉影の手首@漫画ロワのおまけとして、
シアーはこの世界に現れたのだろう。それなら無明幻妖side.にそれが支給された時点で
出現しても良さそうなものだが、未開封の状態では出てこられなかったのかもしれない。
まあ、その辺はどうとでも解釈は可能だ。

「ハア…。ハア…。」

そんなわけで必死で逃げているChain-情だが、そのスピードは明らかに落ちていた。
フラグビルドとの追いかけっこを合わせればもう何時間も走っているのだから、
それも無理はない話である。
ちなみにそのフラグビルドは、とっくに力尽きてChain-情にお姫様だっこされていた。
今回ばかりは演技ではなく本気である。彼女もChain-情と同じ距離を走っている上、
その前に螺旋力の発動で大幅に体力を消耗していたのだから。

「Chain-情さん、このままじゃ追いつかれちゃいます!」
「わかってるけど…もう…体力が…。」
「あの、ゴールド・エクスペリエンスであれを別の動物に出来ないですかね?」
「面白いアイディアだけど…たぶん無理…。他人のスタンドにも効果あるんだったら、
それこそレクイエムなしでもジョルノが最強…。いや、待てよ?」

ゴールド・エクスペリエンスと聞いて、Chain-情の脳裏にあるアイディアが浮かぶ。
彼は疲れた体にむち打ってスタンドを発現させると、自分のデイパックからあるものを取り出させた。
それはゴールド・エクスペリエンスの能力で作り出されたカエルだった。Chain-情も、
何の意味もなくこんなものを持ち歩いていたわけではない(まあ、今の今まですっかり忘れていたが)。
ゴールド・エクスペリエンスで作り出された生物は、普通の生物にはない特徴を持っているのだ。

「カエルよ、『あの戦車の進路をふさげ!』」

そう叫びながら、Chain-情はシアーにカエルを投げつける。そう、その特徴のひとつとは、
「能力者の意思にある程度従うこと」。これは原作にはっきり書かれているわけではないが、
そうでなければ説明がつかない場面がいくつかある。
そして、もう一つ。こちらははっきりと描かれている。

2446ハートブレイク・ショット:2008/02/14(木) 18:52:23 ID:kbiHu4020

カエルと激突したシアーは、その能力により爆発を起こす。本来なら、これによってカエルは粉々になるはず。
だが実際には、カエルは無傷だった。
ゴールド・エクスペリエンスによって作られた生物は、その身に受けた攻撃を反射する。
作中で忘れ去られたが故に、かえって読者の記憶にはネタとしてしっかり刻まれている能力だ。
カエルが受けるはずだったダメージは、シアーに反射される。だがその程度ではシアーは破壊されない。
シアーは再びChain-情に向かっていこうとする(この場合、カエルは人間より体温が低い
ため攻撃の対象にはならない)。しかしシアーに密着したカエルが、その進路をふさぐ。
カエルに接触したシアーは、その場で爆発。こうしてシアーは、その場から動けぬまま
爆発を繰り返すことになる。

「すごいです、Chain-情さん!こんな作戦思いつくなんて!」
「いやあ、ジョジョはあんまり詳しくないけど、主人公の能力ぐらいは知ってたんでね。
それに、フラグビルドさんの言葉がなかったらたぶん思いつかなかったよ。」

謙遜しつつも、Chain-情はまんざらでもなさそうな表情を浮かべる。

「さあ、早くここから離れよう。一応動きは止めたけど、あれはあくまでその場しのぎだからね。
しかし、ここどこだろうなあ…。無我夢中で走ってたもんだから、全然見当が…。」

フラグビルドを抱えたまま、Chain-情はその場を後にしようとする。だがその直後、
シアーの爆発音とは別の攻撃音がChain-情の耳に届く。

「え…?」

おそるおそる振り向くChain-情。彼の目に映ったのは、炎の槍に吹っ飛ばされるシアーとカエルの姿だった。

「………。」

その場しのぎ、早くも崩れたり。

2447ハートブレイク・ショット:2008/02/14(木) 18:54:15 ID:kbiHu4020
「おまえは何をやってるんだ、ルーキー!スピードはともかく訳を言えー!!」

パンタローネの怒声が、周囲に響く。彼らのチームは、脳内補完のスカウターを頼りに他の参加者を捜索していた。
その過程で爆発し続ける謎の物体を発見したのだが、その直後にルーキーが問答無用で攻撃を仕掛けたのである。

「どう見ても危険物でしたからね…。さっさと破壊してしまおうと思ったんですよ。」

そう答えるルーキーの顔は、若干ゆがんでいる。別にパンタローネに怒られたからではない。
シアーと一緒にカエルも攻撃したため、反射ダメージを受けたのだ。ちなみにこの場面で彼が使用したのは、
「ヴァルキリープロファイル」に登場する魔法「ファイア・ランス」である。

「まったく、よけいなことしてくれたもんだぜ。よりによってあいつにちょっかい出すなんてよ〜!」

不気味な声をあげながらこちらに向かってくるシアーを見て、脳内補完は悪態をつく。
その後ろでは、主の命令を果たそうとカエルが必死でそれを追っている。
しかし、その移動スピードはどんなに頑張ってもシアーと互角。吹っ飛ばされたときに
開いてしまった距離を埋めることは出来ない。

「あいつは原作じゃ、スタープラチナのオラオラでもまともなダメージ与えられなかった野郎だぜ?
生半可な攻撃じゃ何の意味もねえんだよ、クソが!」
「生半可じゃなければいいんですね?」
「ああ?」

すごむ脳内補完を前にしても、ルーキーは不敵な態度を取る。

「わかりました。責任を取って、僕が何とかしましょう。ただ、これから使おうとしている呪文は
少々発動に時間がかかるんでね…。誰か時間を稼いでくれるとありがたいんですが。」
「時間を稼ぐって、どうするのよ!あいつ、もうすぐそこまで来てるわよ?」

焦るお姉さまが、金切り声をあげる。

「熱だ!あいつは熱に反応する!何か火をおこす道具があれば…。」
「それなら私に任せな!」

パンタローネの発言を受けて、残月が自分のデイパックから支給品である放火セットを取り出した。
そしてたいまつに火を付け、思い切り放り投げる。シアーはその熱に反応し、進路を変えた。

「今だよ!30秒で支度しな!」
「30秒あれば十分です!契約に従い、我に従え、氷の女王。来れ、とこしえのやみ、
えいえんのひょうが。全ての命ある者に等しき死を。其は、安らぎ也。」

朗々と呪文を詠唱するルーキー。それが進むにつれ、シアーの周囲が凍り付いていく。
彼が使おうとしている魔法、それはLSロワの参加者であるエヴァンジェリンが持つ、
上級古代魔法だ。

「おわるせかい。」

詠唱が完了すると同時に、シアーは完全に凍り付く。そして次の瞬間、粉々に砕け散った。

2448ハートブレイク・ショット:2008/02/14(木) 18:56:04 ID:kbiHu4020
「すごい…。あのシアー・ハート・アタックを、こうも簡単に葬ってしまうとは…。」
「簡単ってわけじゃありませんよ。こっちもだいぶ消耗してしまいましたから。」

感嘆の声を漏らすパンタローネに、微笑を浮かべて答えるルーキー。だがその表情とは裏腹に、
彼の心には後悔の念が芽生えていた。

(チッ、よく考えればバシルーラか何かでどこかに飛ばしてしまえば、こんなに魔力を
使わずに済んだんじゃないか。しかも、飛ばした先で誰かを殺してくれたかもしれないし…。
僕もまだまだ甘いということか…。)

「さて、問題がひとつ片づいたところで…。」

そんなルーキーの様子など気にとめることもなく、ふいに脳内補完は口を開いた。

「そこに隠れてるやつ、出てきな。スカウターはごまかせねえぜ。」

その言葉に反応し、全員が脳内補完が見ている方向に視線を向ける。
そこから、Chain-情と彼に抱きかかえられるフラグビルドが姿を現した。

「別に隠れていたわけじゃありません。出て行くタイミングを失っただけですよ。」
(こいつは…!)

Chain-情の顔を見て、脳内補完は驚愕する。

(間違いねえ…。「俺」を殺しやがったクソガキだ…。まさか、こんなに早く見つかるとは思ってなかったぜ…!)

仇にめぐりあい、歓喜に心を振るわせる脳内補完。だが彼はそれを表に出すことなく、
演技を始める。

「気を付けろ、みんな!こいつはゲームに乗っている!俺は、こいつが他の参加者を殺すところを見たんだ!」

『ええ!?』

その場にいた全員が、彼の発言に少なからず動揺を見せる。

「あんた、それ本当なの?」

最初に明確なリアクションを起こしたのは、お姉さまだ。その語調には、明らかに疑いの色が混じっている。

「ああ。確かに見た。こいつはメガネをかけ刀を持った男を、スタンドで殴り殺したんだ!」
「な…!」

脳内補完の回答に、Chain-情は絶句する。彼が言っている特徴は、紛れもなく
自分が殺してしまった男のもの。しかも、殺し方まで合っている。これでは、
本当に見られていたのだと信じるしかない。

「正当防衛じゃないのかい?こんな優しそうな坊やがマーダーとは思えないけどねえ…。
おまけに、か弱そうなお嬢ちゃんまで連れてるんだよ?」

Chain-情をかばうような発言をする残月。だが、脳内補完はそれを真っ向から否定する。

「何を甘いことを…。見た目でマーダーかどうか判断するなんて、愚の骨頂だろうが。
それに、マーダーが他人と一緒に行動するはずはない、なんて素人意見は今更言い出さねえよなあ?
マーダーコンビなんてこれまで吐いて捨てるほど出てきてるし、同盟関係じゃなくても
洗脳とか人質とか、マーダーが他人を連れてる理由はいくらでもある!」
「僕は脳内補完さんを信じますよ。」
「ルーキー!」

2449ハートブレイク・ショット:2008/02/14(木) 18:57:33 ID:kbiHu4020
パンタローネが思わず声をあげるが、ルーキーは気にせずに続ける。

「だって、脳内補完さんは僕らの仲間ですから。仲間の言うことを信じるのは当然でしょう?」

もちろん嘘だ。彼にとって、Chain-情がマーダーであろうがなかろうがどっちでもいい。
だがChain-情が自分たちの敵であるということにしてしまえば、本性を隠したまま参加者を減らすことが出来る。
ただそれだけだ。

「僕は…。僕は…。」
「いいかげんにしてください!」

動揺でまともにしゃべれないChain-情に代わって、これまで沈黙していたフラグビルドが叫ぶ。
その目には、涙がたまっている。

「Chain-情さんも私も、マーダーなんかじゃありません!Chain-情さんは、私を何度も
助けてくれた優しい人なんです!おねがいだから…彼を疑わないで…。」

最後のほうは泣きじゃくりながら、フラグビルドは訴える。これは、彼女一世一代の大芝居だ。
Chain-情の前で、自分の戦闘力を見せるわけにはいかない。その制約がなくても、
疲労困憊の今の自分ではとても勝てないだろう。となれば、頼れるのはもはや演技力しかない。
彼女はその、最後の武器にすがる。これまで共に恋愛フラグを築いてきたパートナーを、
ここで失うなど御免だ。それに、これは紛れもなく誤解フラグ。目の前で他人にフラグを
立てられるなど、彼女のプライドが許さない。


その場に立つは七人の参加者。思惑はそれぞれ違う。
Chain-情の純粋さ。フラグビルドの計算。脳内補完の執念。ルーキーの知略。
この場の流れを決めるのは、果たして…。

2450ハートブレイク・ショット:2008/02/14(木) 18:59:46 ID:kbiHu4020
【昼】【C-3 市街地】
【静かなる 〜Chain-情〜@アニロワ1st】
【状態】:疲労(大)、大きく動揺
【装備】:カードデッキ(龍騎)、ゴールド・エクスペリエンスのDISC@漫画ロワ、仗助の学生服@漫画ロワ
【道具】:支給品一式×2、レインボーパンwith謎ジャム@ギャルゲロワ、CD『ザ・ビートルズ』、カエル×9、
     お徳用原作パロロワ全生首セット(目玉セット他に換装可能)
【思考】:
 基本:殺し合いに反逆ゥ!そしてなるべく多くの仲間と生還し、死んだ書き手の分まで頑張る。
 1:この場面…。 僕はいったいどうしたら…。
 2:フラグビルドを保護
 3:シルベストリとコロンビーヌ。そして、襲撃者はどこに……?
 4:とにかく首をどうにかしたい



 ※容姿はスクライド(アニメ)の橘あすか。
 ※元々着ていた服は、転移の際の崩壊により行方知らずとなりました。
 ※フラグビルドの度重なるアタックに、けっこう心が動いています。
 ※人を殺したことを指摘されテンパっているため、首のことを忘れています。
 ※どたばたしていたため、無明幻妖side.の首輪と永遠神剣「誓い」は回収し損ねました。



【素晴らしきフラグビルド@アニ2nd】
【状態】:疲労(超絶大)、全身に火傷(小)
【装備】:いちご柄のパンツ@ジャンプロワ 元々着ていた服
【道具】:支給品一式(まだ何か持っているかも)
     コアドリル@アニロワ2nd 、泉こなたのスクール水着@漫画ロワ
     原作パロロワ全手首詰め合わせ今なら腕も付いてくる!
【思考】:
 基本:フラグを立てて立てて立てまくる
 0:このセット、意外とフラグ建てに使えるかも
 1:こんな誤解フラグ、へし折ってやる。
 2:体力が本気でやばい。死にそう。
 3:静かなる 〜Chain-情〜と素敵なフラグを立てる



 ※容姿は小早川ゆたか@らき☆すた(ただし髪の色は緑色)です。
 ※ゆびぱっちんで真っ二つに出来ます。
 ※コアドリルを使用することで螺旋力を発揮することができます。
 ※螺旋力を発揮することで強制転移が可能。その規模によって疲労の度合いが変わります。



【チーム『ニトログリセリン』】



【お姉さま@ギャルゲロワ】
【装備:青龍偃月刀、ディー、チャイナ服】
【所持品:支給品一式、支給品一式(他ランダムアイテム1)】
【状態:健康】
【思考・行動】
基本行動方針:殺し合いに乗ってる人間を止め全員での脱出
1:脳内補完を信じるべき?それとも…。
2:戦う覚悟。
3:あのルーキーって男、大丈夫だよな?
4:ハクオロの姿をした参加者……候補のロワは三つ(ギャルゲ・葉鍵・アニロワ1st)か
5:パンタローネの様子がおかしい
※容姿はくれないの長髪でスレンダーな美少女。というかまんま東方の中国w
※性別は未だ不明。
※ディーにより東方キャラに変わる力を得ました。何に変わるかはディーの気分次第。確率的には咲夜が高い。
 やばすぎる能力には制限がかかってます。
※ディーは制限により弱まってます。そしてそれが原因でちょっと逝ってます。
※ギャルゲ版最速の人の死体を見つけると、もしかしたらディーの力が少し復活するかもしれません。
 また、その後ディーがどれだけ協力してくれるかは、次の書き手さんにお任せします。
※カレーは完食しました



【パンタローネ@漫画ロワ】
【装備:無し】
【所持品:支給品一式、支給品一式(ランダムアイテム不明)】
【状態:健康、自動人形】
【思考・行動】
基本行動方針:殺し合いには乗らない、乗った人間には容赦しない
1:本当にこの青年はマーダーなのか?
2:『お姉さまと残月は守る』『脳内補完とルーキーの真意を探る』『吉良吉影に侵食され始めた自分を何とかする』
3:助けられる人はなるべく助ける。
4:お姉さまの手綺麗だよな……いかんいかん。
※パンタローネの服を着ていますが顔は若いです。
※深緑の手の空気供給率が低下しています。
※深緑の手:手の平の穴から空気を吸収し、指から圧縮された空気で攻撃する技。
 原作では片手撃ち尽す→もう片手で撃ちながら、撃ちつくした手は空気供給で弾切れの心配が無かったりする。
※脳内補完とルーキーに僅かに警戒
※人肉カレーが原因で吉良吉影の性格に侵食され始めています

2451ハートブレイク・ショット:2008/02/14(木) 19:01:59 ID:kbiHu4020
【King of 脳内補完@漫画ロワ】
【装備】スカウター
【所持品】支給品一式、ウルトラミキサー(故障?)
【状態】健康
【思考・行動】
基本:ステルスマーダーとして参加者は皆殺し
1:よっしゃあ!クソガキぶっ殺す!
2:こいつらは利用させてもらうぜ。ま、使い道が無くなったらそれまでだがな
3:あのパンタローネって男。確か同じ漫画ロワだったな……お手並み拝見だぜ
4:クソビッチ(うっかり侍)も探し出して殺してやるぜ
5:つか、マジでエニグマの紙どこ行きやがった?
※中の人がB・D・Nであったために、人肉カレーがきっかけで異世界の自分、
 およびもう一人の自分と記憶がシンクロしました
※本人は気付いてませんが、スタンド『ホワイトアルバム』が使えます。詳しくはググレ。



【底上中の残月@アニロワ2nd】
【状態】全裸
【装備】なし
【道具】支給品一式、放火セット(燃料、松明、マッチ)、未定支給品×2(本人確認済み)
【思考】
基本:対主催を集めて主催者を打倒する
1:どうしたもんかねぇ
2:積極的に動くけど、おっかないのは御免だねぇ……
※容姿はドーラ@天空の城ラピュタです。
※全裸主義者なので服を着ることをいやがります。
※もちろんBIN☆BINです



【◆yHjSlOJmms(ルーキー)@AAAロワ】
【状態】覚醒 、全身にダメージ(小)、魔法使用による疲労(中)
【装備】ピストル(15/15)
【所持品】なし
【思考・行動】
基本・対主催……のフリした優勝狙い
1:とりあえず脳内補完に同調して、目の前の二人を殺す。
2:好青年を装ってお姉さまの全てを美味しく頂く(色んな意味で)
3:シルベストリ◆O4VWua9pzsに接触する。どうするかは不明
4:AAAロワ書き手を探す……が、生かす保証はなし
※人肉カレーが原因で、外見も口調もレザード・ヴァレス(CV:子安)に進化しました。
 そのため、ありとあらゆるロワの『魔術』を使えるようになりました。
 何が使えるかは、今後の書き手さんとAAA本編によります。
 さあ、今すぐAAAを読んでくるんだ!

以上です。
タイトルはバレンタインにちょっとだけ引っかけてみました。
シアー封じはちょっと強引だったかも…。

2452貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/14(木) 19:41:58 ID:u.OVQx0w0
それでは、こちらも投下します。

2453名状しがたき名も無き者:2008/02/14(木) 19:43:04 ID:u.OVQx0w0
誰もいない、交差点。
その中央に、突如として1つの光の柱が現れる。
それは人一人がすっぽりと包まれるにはちょうどいいほどの大きさを持ち、辺りを照らす。
光の柱はやがて、何重にもかぶせられた薄布を取り払うかのように、静かに虚空の中にほぐれ消え去った。
その後に、残されたもの。
1人の、黒いローブに包まれた、人影。
そのローブの下から覗ける、ぎょろりとした眼光。
ローブが、突如として崩れ去った。
否、これは崩れ去ったのはローブそのものではない。
ローブのその下の、肉体が崩れ落ちているのだ。
「……へへ……へ…………」
プシィーッ!!
まるで火山近くの間欠泉から吹き上がった蒸気が、岩石のトンネルをこするかのような奇怪な音が、
ローブの表面から響く。
ローブは、すでにぐらぐらと煮えたぎる、衣服と粘液の中間の物質と化していた。
べちゃりぼちゃりと溶け崩れ、それが地面に黒い水溜りを作る。
その黒い水溜りに落ちる、人の形をした影は、一度瞬きを終えた後にはもう、人の形をしていなかった。
それどころか、生物の形さえも。
ビキビキ、ブチブチ、という不気味な音と共に、その生物の形をしていない何者かは膨脹する。
肉の表面からは無数の半ば液体化した腐肉色の泡がボコボコと吹き上がり、
その隙間からはまた新たな肉色の泡が伸び上がる。
吹き上がり、野放図にその質量を増幅させる腐肉のスライムは、刹那。
一気にその肉を中央に寄せ集め、伸び上がった。
ただれた肉のスライムは球状に変形し、その球からは五つの突起が伸び上がる。
そのうち二つは地面に着き、球体の本体を宙に持ち上げる。
そのうち二つは、球体の側面から生え、直ちに先端が裂けて巨大な爪を作り上げる。
そして最後の一つの突起は、球体の上部から伸び上がり、その中ほどには裂け目と二つの穴が出来上がる。
百足の足を思わせる歯列が、裂け目の上下から一気に生え揃い、二つの穴の中にはオレンジ色の球体が生成される。
いつの間にか、肉色のスライムは人間の形を取り戻していた。
その身長が優に3mを越え、しかも全身が筋肉を丸出しにしたようにも見える皮膚で覆われ、
かつ明らかに過剰とさえ言えるほどの超攻撃力を臭わせる巨大な鉤爪を両手両足に備えていることさえ無視すれば、
「人間の形」と言ってもまあ差し支えはあるまい。
その肉色のスライムは、彼のもといたスレッドの言葉を使えば、こう言い表すことが出来よう。
すなわち、「エクスフィギュア」と。

2454名状しがたき名も無き者:2008/02/14(木) 19:43:35 ID:u.OVQx0w0
エクスフィギュアの胸の上部から、頭部と思わしき突起のてっぺんまで、肉色の皮膚が一気に裂ける。
その中から、蝶が羽化するかのようにして生え出てきたもの……
それは、完全に「イッちまっている」目つきをした、1人の青年の裸の上半身であった。
エクスフィギュア上部からまるで冬虫夏草のように生え出た男は、笑った。
嗤った。
これから我が身を駆け巡るであろう、快感の予感にその身を打ち震わせて。
「キヒヘハハハハハハハハハハハ!」とも、「グフュエヘヘヘヘヘヘヘ!」とも、
「フヘヘヘヘヘヘヘヘヘ!」とも、どうとでも表現できそうで、けれどもやはり筆舌には尽くせぬ奇怪な笑い声で、
彼は笑う。
彼の頭部にもし一つバンダナでも巻けば、多くの者は我が目を疑わざるを得ないような事態になっていたであろう。
彼はグリッド……すなわち、テイルズロワでその翼をはかなく散らせた、あの青年。
しかし、「グリッド」の中身はもう、「グリッド」であるはずもなく。
「最高だ……最高だぜ畜生が! ヒャハハハハハハハハハハハハ!!!
あの野郎がいきなり俺様を呼びやがったと思ったら、『ここで参加者を好きなだけ殺してもいい』だとよ!
ざけんじゃねえぞあのゲリクソ野郎が!!!」
そのエクスフィギュアは、大地を殴りつける。
叩きつけられた彼の拳を爆心地として、地面に一気にひび割れが走った。
ぐちゅり、ぐちゅりと彼のいびつな拳が、内臓のように蠕動する。
これ以上ないほどの愉悦が、これ以上ないほどの憤激に変わるまで、そう長い時間は要らなかった。
「ここで他にいるブタ野郎どもを思う存分ぶち殺していいってのぁなかなか愉快な話だが、
誰かに指図されてやんのは気に食わねえ……気に食わねえんだよクソボケが!!
次にテメエにあったらブチ殺す!
生皮引っぺがして筋肉を一つ一つ引き裂いて内臓をうどんみてえに引きずり出して
テメエのチンポコをぶっこ抜いてキンタマに五寸釘をブチ込んでやらぁ!!!」
天に向け、品性下劣としか言いようのない最低の罵言を吐くエクスフィギュア。
だがそれもまた無理もないことか。
先ほど自らのいたスレッドから強制転移を受け、いきなり「下界のバトルロワイアルに参加して来い」と命じられた。
こんな扱いを受ければ、全く不快に思わない人種がいる方が珍しかろう。
もっとも、彼の場合「誰かの勝手な都合で呼び出されたこと」についてのみ不愉快に感じ、
そして「殺し合いへの参加を強要された事」についてはそれほど不愉快には感じてはいないのだが。
彼の右手が、突如沸騰した。

2455名状しがたき名も無き者:2008/02/14(木) 19:44:16 ID:u.OVQx0w0
それは、さながら実体を持った混沌そのもの。
あるときはあぶくのように湧き出てはぱちんぱちんと弾け続ける、数千もの眼球。
あるときは不気味に蠢く触手の束。
あるときは四方八方どこから見ても球形にしか見えない正八面体。
あるときは蛭のようにビチビチとうねる、三つ又に裂けた象のペニス。
彼の右手はそんな不可解かつ常人の浅薄な語彙では表現しきれぬ、謎の物体と化していた。
彼の右手が混沌からようやく、辛うじて秩序のある形を取ることに成功したとき。
そこには、先ほどの巨大な爪を持つ類人猿じみた手は、どこにも存在していなかった。
代わりにそこにあったのは、苦悶の表情を浮かべる肉色の髑髏。
肉色の髑髏は極限まで開かれた顎の中から、長大かつ重厚な舌をびょろりと伸ばして、地平線を睨んでいる。
その舌の先は孔が空いており、すなわち今この肉色の髑髏が繰り出した舌は、中空の筒になっていることが推測できる。
そして、舌の先に空いたその穴からは、濁った高粘度の液体が滲み出している。
どう見ても、その液体は人体……否、まっとうな生命体にとって有益なものだと見えるものではなかった。
「『抑えられないグロ描写衝動』……
エクスフィアと水の民の遺伝子的相互作用を再現して、
更に闇のフィブリルを作用させて出来た純粋培養の酢飯細胞幹体を、
キバヤシ理論とデミテルの呪術で魔改造して俺様の体内で自在に操れるよう超進化を遂げさせた、
最凶最悪の生体融合型兵器……
まさか、もう一度こいつを使う機会が来ようとはなァ!! 『名無し』……『七氏』……それから『ナナシ』!
この俺様を過去ログの闇の最深部に幽閉しただけで、安心したのは大間違いだぜ!
フヘヘヘヘヘヘ……ヒャァッハハハハハハハハハハハハハァ――――ッ!!!」
エクスフィギュアは、突如としてその肉色の髑髏の舌を街路樹に向け、固定した。
肉色の髑髏の目が、きらりと光り。
次の瞬間には髑髏の舌の先から、例の粘液が発射された。
それは粘液とは言え、あまりに射出速度が高速。
もはや純粋な破壊力だけでも鉛の弾丸に匹敵しようかと言う勢いで、街路樹を幹の中ほどから爆散させる。
街路樹を、たちまちのうちに悪臭を放つでゅるでゅるの液体に変えながら。
宙に吹き飛ばされた街路樹の上半分が地面に着くころ。
街路樹の上半分は、すでに原型をとどめている箇所など一箇所もなく。
それは、何も知らぬ人間が見れば、ただ大量の吐瀉物が地面から降って来ただけのようにも見えるだろう。
その地面に広がった吐瀉物は、元は街路樹だったと気付くことなくして。
地面に辛うじて残された街路樹の下半分も、ぐらぐらと沸騰しながら流れ落ちるその中。
頭部からグリッドの上半身を生やしたエクスフィギュアは、満足げに狂った微笑みを浮かべる。
「……いいぜ、砲身の変形具合も狙いも、毒液のブレンドも俺様の狙った通りじゃねえか!
俺様のカンは、まだまだ鈍っちゃいねえ!! キヒャハハハハハハハハハハハハハ!!!
見ろよあの街路樹! ブタのゲロみてえじゃねえかよ!!」
この場には自分以外誰もいないというのに、このエクスフィギュアは先ほどから誰とも知れぬ相手に叫ぶ。
3mを優に越える巨体から、悪夢のような笑い声が聞こえるその様子は、まさに悪趣味としか言いようがあるまい。
その笑い声が収まるまでには、およそ1分近い時間が必要となったであろうか。

2456名状しがたき名も無き者:2008/02/14(木) 19:44:54 ID:u.OVQx0w0
ひとしきり笑ったエクスフィギュアは、その右手を再び混沌を経由して、もとの鉤爪を持った巨腕に戻す。
一度だけ深呼吸を行ってから、男は言い聞かせるようにして独り言を放った。
「さて、これからどうするかだが……」
もちろん、基本的な行動は決めている。
他の奴らをブチ殺す。それも、状況が限り惨たらしく、苦痛と恐怖を極限まで与えた上で。
そのためにはどうするか?
もちろん、偵察を行わねばなるまい。
エクスフィギュアは、その巨大な鉤爪を器用に操り、体内に取り込んであった支給品入りの袋を取り出す。
その中に入っていた地図を、これまた器用に開いてみせて、この部隊の把握にとりかかる。
地図を参照するに、自分のこの居場所はG5あたりか。
エクスフィギュアは更にその周囲を見渡して、にやりと顔を歪める。
彼とて狂人ではあるが、腐ってもパロロワのSS職人。
地図を一瞥すれば、激戦区と思しき地形はおよそ推測が付く。
幸いにも、ここからならば激戦区と思わしき地区はかなり近い。
ブチ殺しまくり、決定。
では、そのブチ殺しを実行するための、『抑えられないグロ描写衝動』の形状は何にしようか?
毒液の射出量も射出速度も桁外れの、ひたすら大火力のみを追い求めた『メガグランチャー』形態でいくか?
毒液をそれなりの速度で発射でき、何より弾幕を張るには持って来いの『ウージーサブマシンガン』形態にするか?
はたまた、最近ハマった某アニメに出てきたあれを真似して、広範囲掃射に特化した『庭師の如雨露』形態で決めるか?
それから、体内でブレンドする毒も決めなければならない。
全身を腐食させ、最終的には悪臭を放つ下痢便のような汚物に相手を変える毒か?
毒液を受けた部位から蛆虫やゴキブリが湧いて、体内から蟲に食い殺されるような毒にするか?
はたまた、喰らった瞬間口と肛門から内臓をウンコやゲロのように飛び散らす羽目になる、あの毒を調合するか?
彼は地図をもう一度小器用に懐にしまいこみながら考え、そして結論した。
砲身本体の形状は、先ほどの試射に使ったあの形態……『スナイパーライフル』形態で決定。
そしてブレンドする毒は、あまり捻らずに即効性の麻痺毒をチョイス。
市街地戦では、このチョイスがおそらく最も適切であろう。
市街地では当然のごとく建造物が多く存在する。その建造物が遮蔽となり、死角になる箇所も決して少なくはない。
ならば、射撃精度なら随一の『スナイパーライフル』形態での死角からの狙撃で、
獲物を一撃必殺で仕留めるのが最も戦術的に優れたチョイスであろう。
無論、こんな巨大な体では気配を消しきるのは難しい相談だが、見つかったならばそれはそれ。
相手がこの異形の姿に恐れをなして逃げたなら、その背中を狙撃すればいい。
向かってくるならば、接近戦に向いた形状に砲身を変形させて、白兵戦を挑む。
最終的に麻痺毒を撃ち込むなどして、相手の抵抗力を奪えばいい。それだけのことだ。
そうしたなら、後に待つのは「お待ちかねの時間」である。

2457名状しがたき名も無き者:2008/02/14(木) 19:45:30 ID:u.OVQx0w0
「最初の獲物はどうやってブチ殺すかなァ?
肉をカッ捌いて骨だけブッコ抜くか?
目ン玉とキンタマをくりぬいて、位置を逆にしてやんのも面白そうだし、
生きたまんま臓物を抉り取って、ぶちまけた後内臓のジズソーパズルと洒落込むのもゾクゾク来るぜ!
たまんねえなぁ……たまんねえぜぇ!!
ヒヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘ!! フヘハハハハハハハハハハハハ!!!」
げらげらと笑い転げるエクスフィギュアは、そして。
その右腕を先ほども使ったあの肉の髑髏の形態に変化させながら、その血みどろの歩みを始める事となる。




彼の名は、「nanasinn」。
鬱展開とグロ描写にかけてはLSロワと双璧をなすとされるテイルズロワ……
それを牽引した「四凶」の一角。
そして。
その「四凶」の他の3人ですら眉をひそめるほどに、あまりにも下劣かつ残虐で冷徹な、
傍若無人過ぎる振る舞いゆえに。
第六クールの中途より、他の3人の手により過去ログの闇の最深部に幽閉された、
最凶かつ最狂の書き手にして殺人鬼であることを知る者は、この舞台ではそう多くはなかった。


【昼】【G-5 道路】
【nanasinn@テイルズロワ】
【状態】:健康。殺る気120%
【装備】:『抑えられないグロ描写衝動』スナイパーライフル形態+即効性麻痺毒
【道具】:荷物一式、不明支給品×?(未確認)
【思考】
基本:見かけた奴らは皆殺し。ジョーカーとして招かれた自覚・使命感はゼロ
1:状況が許す限り、犠牲者には極限の苦痛と恐怖を与えてから殺す
2:そのためならば手段は一切選ばない
3:テイルズロワの他書き手に仲間意識はない(むしろ過去ログの闇に幽閉したことを恨んでいる)。やっぱり殺す
4:最終的には主催者も殺す。いきなり呼ばれてムカついている
5:自分の力が暴走しても、それはそれで面白い(下記参照)
【備考】
現在nanasinnは自身が「激戦区」と予想した場所へ移動中。詳細な行く先は以降の書き手に委ねます


【ロワ内性別】男
【外見設定】頭部からグリッドの上半身が生えた、身長3mを越えるエクスフィギュア
【特徴その他】
異能『抑えられないグロ描写衝動』:
自身の肉体を変形させることで、毒液を発射する能力を持つ腐肉製の火器を展開する。
砲身の形態や毒液のブレンドを変えることで、毒液の射程や効果範囲、毒の効果などを自在に調整可能。
高速で射出される毒液の持つ運動エネルギーで、対象を物理的に破壊・殺傷することも一応可能。
nanasinnは相手に苦痛や恐怖を与えることを主目的に、この異能を用いる。
ただしブレンドされる毒液は生命体由来の物質にしか効果はなく、石、金属、プラスチックなどとは全く反応しない。
またnanasinnはこの能力を完全に制御しておらず、暴走の危険を常に伴うが、
本人は暴走したらしたで、それもまた面白いと思っている。

2458貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/14(木) 19:47:01 ID:u.OVQx0w0
以上です。

もしこいつの扱いに困ったら、
異能の暴走でいつでもズガンできると思うので、サクッと消しちゃっても結構です。
それでは。

2459没ネタ:2008/02/14(木) 19:59:13 ID:hZD8AuWY0
投下乙です。
そして被ったorz
取り敢えず完成済みなんで没ネタとして投下します。
でも修正次第で何とかなるかな?


なんだろ?
折角チームが出来たのに皆おかしい。
なんか嫌な感じだなあ?

「腹減った〜」
「うっさい、ディー」

頭きたから蹴っ飛ばす、主に顔を。
まったく、油断もすきも無い。

(ところで兄貴に最初に進められたギャルゲが修羅場ゲーだったお姉さまよ)
(うっさい……結構トラウマなんだから)

あの時、マジで恋愛に関して恐怖を抱いたんだから。
純愛のドラマがハッピーエンドで終わった瞬間、どうせ主人公が浮気して修羅場になるんだろとか、ヒロインが交通事故で死ぬとかネガティブな事しか考えられなかったり。
マジで大変だった。

まあそんな内輪話はよしとして
(何?)
(いや……調子はどうだ?)
(うにゃ……特に変わりはないよ)
(ふむ……効果は無いか……何故? はっ我がいるからか!)

何こいつは自分で結論付けてるんだ。
さっぱり解らん。
なんか頭きた。
さらに踏みつける……主に肝臓を。

(ちょ!? レバー止めて!? ひでぶ!)
(悲鳴まで頭の中で喋るな……がんがんする……気になったんだけどさ、何で東方キャラで私がよくなるのが咲夜なん? お前の嫁な訳ないだろ)

そう何故……東方キャラで咲夜なのか。
たぶんディーの嫁なわけないだろ……そんなの多くの咲夜ファンに失礼だ。
何か理由があるはず。
まあその前に何故東方キャラなのか考えたが、一向に考えても思いつかんので私は考えるのを止めた。
きっと今世紀最大級の謎だろう。

2460没ネタ:2008/02/14(木) 19:59:42 ID:hZD8AuWY0
(ふむ……咲夜でよくよばれてる名はなんだ?)
(瀟洒で完全? まさか私のイメージから……だったらやるわねディー)
(あほか。汝ほどガサツな人間いないだろう)
(なんだとー!)
(沢山の誤字脱字は?)

あー! 本当にごめんなさい!
ギャルゲロワでは本当に迷惑かけました!
この場を借りてお詫びします。
以後は本当に気をつけます!

(分かればいいのだ)
(……で他に何があるって言うのよ)
(ほら……有名なのがあるだろう。そうパッドちょ……)
「あーーーーーー!!! なんで知ってんのよお!」

私はつい大声をあげてしまった。
「どうした? お姉さま?」
「いや……何も無いよ」
私は心配したパンタローネを制し、何も無い風に装った。

何で知ってるのよ……ディー。
私がパッドしてる事を。
私の隠された秘密の一つなのに……。
だから咲夜なのか……あん畜生。
(汝の事なら唯一つ以外の事ならしってるぞ)
(その残りの一つは?)
(汝の性別だ……我の力を持ってもわからんのだ? 何故だ? 女の子だったら余りの貧乳でいいのに。蟹座氏より無くて小学生にも負けるかも知れん。 
 そしてそれをコンプレックスに持つ……こう、なんか来ないかね? え? なに……ぐぎゃあ!?)

なんか凄い頭にきたので思いっきり踏み潰した。
かなりの全力で。
ディーが悲鳴を上げるが知らない。

そう、これは私最大の秘密。

絶対教えてあげないから。


【チーム『ニトログリセリン』】
【基本方針】移動して新たな仲間を探す

2461没ネタ:2008/02/14(木) 20:00:43 ID:hZD8AuWY0
【お姉さま@ギャルゲロワ】
【装備:青龍偃月刀、ディー、チャイナ服】
【所持品:支給品一式、支給品一式(他ランダムアイテム1)】
【状態:健康】
【思考・行動】
基本行動方針:殺し合いに乗ってる人間を止め全員での脱出
1:それは秘密だ。
2:戦う覚悟。
3:あのルーキーって男、大丈夫だよな?
4:ハクオロの姿をした参加者……候補のロワは三つ(ギャルゲ・葉鍵・アニロワ1st)か
5:パンタローネの様子がおかしい
※容姿はくれないの長髪でスレンダーな美少女。というかまんま東方の中国w
※性別は未だ不明。
※ディーにより東方キャラに変わる力を得ました。何に変わるかはディーの気分次第。確率的には咲夜が高い。
 やばすぎる能力には制限がかかってます。
※ディーは制限により弱まってます。そしてそれが原因でちょっと逝ってます。
※ギャルゲ版最速の人の死体を見つけると、もしかしたらディーの力が少し復活するかもしれません。
 また、その後ディーがどれだけ協力してくれるかは、次の書き手さんにお任せします。
※カレーは完食しました。今の所平気の様子。ディーのお陰?
※胸はパッドです。
※ディーも性別についてはしりません。



【パンタローネ@漫画ロワ】
【装備:無し】
【所持品:支給品一式、支給品一式(ランダムアイテム不明)】
【状態:健康、自動人形】
【思考・行動】
基本行動方針:殺し合いには乗らない、乗った人間には容赦しない 、
1:『お姉さまと残月は守る』『脳内保管とルーキーの真意を探る』『吉良吉影に侵食され始めた自分を何とかする』
2:助けられる人はなるべく助ける。
3:お姉さまの手綺麗だよな……いかんいかん。
※パンタローネの服を着ていますが顔は若いです。
※深緑の手の空気供給率が低下しています。
※深緑の手:手の平の穴から空気を吸収し、指から圧縮された空気で攻撃する技。
 原作では片手撃ち尽す→もう片手で撃ちながら、撃ちつくした手は空気供給で弾切れの心配が無かったりする。
※脳内補完とルーキーに僅かに警戒
※人肉カレーが原因で吉良吉影の性格に侵食され始めています



【King of 脳内補完@漫画ロワ】
【装備】スカウター
【所持品】支給品一式、ウルトラミキサー(故障?)
【状態】健康
【思考・行動】
基本:ステルスマーダーとして参加者は皆殺し
1:こいつらは利用させてもらうぜ。ま、使い道が無くなったらそれまでだがな
2:あのパンタローネって男。確か同じ漫画ロワだったな……お手並み拝見だぜ
3:あのクソガキ(Chain-情&クソビッチ(うっかり侍)、次あったら殺してやるぜ……マジでな
4:つか、マジでエニグマの紙どこ行きやがった?
※中の人がB・D・Nであったために、人肉カレーとがきっかけで異世界の自分、
 およびもう一人の自分と記憶がシンクロしました
※本人は気付いてませんが、スタンド『ホワイトアルバム』が使えます。詳しくはググレ。



【底上中の残月@アニロワ2nd】
【状態】全裸
【装備】なし
【道具】支給品一式、放火セット(燃料、松明、マッチ)、未定支給品×2(本人確認済み)
【思考】
基本:対主催を集めて主催者を打倒する
1:これもアタシのカリスマってやつかねぇ
2:積極的に動くけど、おっかないのは御免だねぇ……
※容姿はドーラ@天空の城ラピュタです。
※全裸主義者なので服を着ることをいやがります。
※もちろんBIN☆BINです



【◆yHjSlOJmms(ルーキー)@AAAロワ】
【状態】覚醒
【装備】ピストル(15/15)
【所持品】なし
【思考・行動】
基本・対主催……のフリした優勝狙い
1:好青年を装ってお姉さまの全てを美味しく頂く(色んな意味で)
2:シルベストリ◆O4VWua9pzsに接触する。どうするかは不明
3:AAAロワ書き手を探す……が、生かす保証はなし
※人肉カレーが原因で、外見も口調もレザード・ヴァレス(CV:子安)に進化しました。
 そのため、ありとあらゆるロワの『魔術』を使えるようになりました。
 何が使えるかは、今後の書き手さんとAAA本編によります。
 さあ、今すぐAAAを読んでくるんだ!

投下終了です。
なんか流用できる場面が出来たらそのときでも。

2462貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/14(木) 20:10:32 ID:/kJnUhaQO
投下乙です。
>>2458
むう、グロい。ら
つーか何と恐ろしい怪物がいたものだ…

で、>>2459
まさか本人?

2463貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/14(木) 20:12:36 ID:Sb7/TuSwO
>>2458
もしかして追加キャラ?いいのかこれ?

2464貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/14(木) 20:28:29 ID:19aFRnQA0
>>2463
逆に考えるんだ
実はここ主催アジトの片隅でしたと考えるんだ

2465貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/14(木) 20:33:56 ID:I16QpHhU0
>>2463
そう、逆に考えるんだ。
「その頃のニコ・テイルズ書き手」みたいな別コーナーだと考えるんだ。

2466貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/14(木) 20:35:04 ID:lqk4c92c0
投下乙。
チームニトロが爆破する、あわわ……これは相当にヤバいな。
次回の放送の後が楽しみすぎる。これはまさに素晴らしい展開w

これはまた濃い奴が出てきたな……本当にラスボスクラスw
確かジョーカー勢は全員引き上げたらしいから、他のジョーカーが回収に来る話でもあれば問題ないかな。

没ネタかぁ、確かに残念だ。誤字脱字とか兄からやらされた〜のところはチャットでも言ってたね。
そうか、パットか。だがディー、ひとつだけ言わせろ。誰ガ貧乳ダト……?

2467これが過疎の力だ!:2008/02/14(木) 21:30:29 ID:/KHDvR7.O
空気を一切読まずに投下



「フヘヘヘヘ!! フハハハハハ!!! ……ハァ!?」
その異変は本当に突然起こった。余りに突然すぎて、nanasinnにはそれが何時起こったのか分からなかった程だ。
今の彼の目に写る景色は路上ではない。白、白、ただ真っ白な壁だけ。
「んだよこれ!? 主催者か!? アイツの仕業だろ、そうなんだな!? くそ、クソ、糞、ふざけやがって!!」
地団駄を踏んでも何故か音がしない。ここに存在する音は彼の声だけ。
「おいおいおい、マジかよ? まだ誰もブチ殺しちゃいねぇんだぞ! ここから出しやがれぇぇえぇえええぇぇえ!!!」
彼の叫びは誰も聞かない、誰にも届かない。当たり前だ、ここにはnanasinn以外の人は一人もいないのだから。



「追加キャラなどさせるか! だが、リレーはしてやらんこともない」
「えっと、何してんですか?」
「これが過疎の力のちょっとした応用だ。てめえには理解できねえだろうがな」
「はぁ、そうなんですか」
【昼】【H-05 邪教の館前】
【◆MJ.H0/MJQ@AAAロワ】
【装備:チェーンソー@サガ1、えいゆうのたて@FF6】
【所持品:支給品一式】
【状態:地味に健康】
【思考・行動】
1:目立つ!
2:あれ? 持ち物に存在感負けてね?
3:いい加減ここから移動しませんか?
【備考】ルックスは地味な好青年風ですが、地味なため比較できるキャラがいません
※えいゆうのたてにはアルテマ×10、つまり通算で10話以上所持しているとアルテマが習得できます。魔力っぽいステータスや、触媒があれば使用可能です。

【昼】【H-05 邪教の館前】
【転@スパロワ】
【装備:不明】
【所持品:支給品一式、転ばし屋、ビックモス@ビーストウォーズ、クマのプー太氏、ほか未確認】
【状態:健康】人格反転中
【思考・行動】主催者をぶっ潰し、うざいクズは殺す
1:消え失せろ……天の力の前になあっ!!
2:MJ氏を引き連れて、強力な仲間を探す
【備考】
※容姿は秋津マサト及び木原マサキ
※転ばし屋はトリップ名でしか動きません

【昼】【過疎空間】
【nanasinn@テイルズロワ 隔離】
※過疎空間:過疎の力のちょっとした応用。過疎スレのような誰もいない空間です。

2468貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/14(木) 21:32:31 ID:/KHDvR7.O
投下完了。
うん、ごめんね空気読めなくて。

2469貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/14(木) 21:40:37 ID:3lnIk5m6C
とりあえず投下乙です。
まあ…基本方針には合ってるの…かな?

2470残酷な天使の紅茶:2008/02/14(木) 22:19:09 ID:MQLho4NA0
「ねぇ、あなた、なにをそんなに落ち込んでるのよ」
 黒いゴスロリ服に銀の羽と言う出で立ちのどう見ても悪魔な自称天使が、体育座りの猫子頭の鬼軍曹の顔を覗き込む。
「いろいろあってな。少し考えたいんだ」
「なるほど、若きウェルテルの悩みってやつねー」
 自称天使ことコロンビーヌが、何か解ったように首をしきりに振る。
「それなら、私が解決できるわ」
 どー考えても期待出来ないが、鬼軍曹は特に止めなかった。何を言われるにしても、気が紛れるくらいの効果はあるだろう。
 黙って次の出方を待った鬼軍曹に、コロンビーヌは小さな箱を手渡した。
「はい」
「……なんだ?」
「開けて見なさいよ」
 困惑した鬼軍曹の問いには、やや突き放すような答えが返って来る。鬼軍曹は素直にリボンを解き、包装紙を外した。
「チョコレート……これを、なぜ俺に?」
「今日はバレンタインデーだもの」
 眉をひそめて自分を見つめる鬼軍曹に、少女は満面の笑顔を作った。ちなみにこれはギャグ将軍のコーヒーセットから、すごく食べたいと言う理由で分けてもらったものである。もちろん、断ってはいない。
 そんな事情を全く感じさせない表情で、コロンビーヌは続けた。
「義理でも、貰わないよりマシでしょ?」
 ぶっちゃけ一言多いのだが、むしろその方が緊張しなくていい。鬼軍曹は言葉少なのままチョコレートを一つつまんで口に運んだ。コロンビーヌは満足したかのように笑顔を浮かべて荷物からティーセット一式を引っ張り出した。

 そして数刻。
 二人はビルの屋上でのんびりとティータイムを満喫していた。積極的にお茶を飲みたいコロンビーヌと、他に何をしていいか迷っている鬼軍曹の利害が一致した、といったところだ。
 肩肘をつき、銀のスプーンでカップをかき混ぜていたコロンビーヌがふと顔を上げる。
「あ、ほら、流れ星」
 彼女は冬の青空に線を引いて流れるエンジェルアームを指差した。
「願い事をしなくちゃね」
「願い事、か……」
 鬼軍曹は、再び考え込む。
 自分がもし書き手なら、何を望むべきだろう。あるいは自分がもし書き手でないならーーーー何を願えば良いのだろう。
 コロンビーヌはチョコレートの箱を取り上げると、それを空に向けて放り投げた。
「何してる」
「願い事よ。このチョコレートが、読み手の皆の所に届きますように、って」
 振り返って微笑む彼女のブロンドが陽の光に揺れて、一瞬本物の天使のように映る。
 鬼軍曹が息をのむ前で、コロンビーヌは再び空を仰いで手を振った。
「消費期限切れてるけど気にしないでねぇ〜!」
 やはり、一言多い。

【午前以降】【E-6】
【コロンビーヌ@漫画ロワ】
【状態】:健康
【装備】:ゾナハ蟲@からくりサーカス、腕時計型麻酔銃(残弾1/1)@漫画ロワ
【道具】:支給品一式、ティーセット一式、麻酔銃の予備針×4 、変化の杖、
     焦ったドラえもん・うっかり侍・孤高の黒き書き手の服
【思考】
基本:恋愛がしたい。
1:とりあえず鬼軍曹とティータイムを満喫。
2:新生クライシス帝国民と再会したい(?)。
※容姿はコロンビーヌ(ロリ)@からくりサーカスです。
※ギャグ将軍にシンパシーを感じています。
※影の繋ぎ手・仮面ライダー書き手に紅茶を入れてあげたいそうです。


【猫子頭の鬼軍曹@アニロワ1st】
【装備:対戦車地雷(17/20)】
【所持品:支給品一式、ボン太くんスーツ@スパロワ(大破)】
【状態:疲労、右肩負傷、湧き上がる疑問】
【思考・行動】
基本:殺し合いには乗らずに読み手を倒す。
1:一言多いが、いい奴だな。
2:自分自身への疑問が止まらない。
3:アニロワ1st書き手達との合流。
4:危険視しているコ・ホンブック(◆5VEHREaaO2)の殺害。
5:お姉さまをお仕置きする。
※ボン太くんスーツはゴルドスマッシュの防御に使用したおかげで大破。一部パーツが散乱しています。
※自分の姿、関連グッズや能力の皆無っぷりをふり返り、疑問が浮かびました。

※どれほどの時間ティータイムを満喫していたかは、次の方にお任せします。

2471貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/14(木) 22:20:06 ID:MQLho4NA0
さっき思いついたので日付けが変わらないうちに投下。

2472貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/14(木) 22:56:37 ID:8FyuaipE0
投下乙。バレンタイン再開のお知らせktkr!
激戦地の隣のエリアでティータイムww

2473自重の意味を知るRPG:2008/02/14(木) 23:03:37 ID:MJyckEiE0
何もない荒涼とした大地D6。
生き物は殆ど見当たらず、大地そのものの生気も薄い。
太陽の熱を吹くんだ温い風が更に地面を乾かしていく。
そんな死せる大地に、その青年は居た。

「……これから何処へ行きましょうか…………」
銀髪を風に揺らしながら氷の剣士ヴェイグ――――――――ナナシは目を細めた。
先程まで辺りを走っていた恐るべき光の束、
テイルズでいうなら誰もが一度は聞いたことのあるマーダー・酢飯ことシャーリィの滄我砲のような一撃が
突如点に登り、荘厳な光の柱となっているのだ。
「あれほどの急激な方向転換……自然現象ではないですね」
そこには何者か誰かの明確な意図がある。つまり、あの光の柱の辺りには「複数の人間が密集している」だろう。
自分だけの身を守るだけならわざわざ弾道を逸らす必要がない。
言われなくてもスタコラサッサだぜぃと逃げるのが最も賢い選択だ。
それをせず、挙げ句島全域に自らの位置をアピールするかのような行為。
いや、それ以前にあの光を直角に曲げるだけの力を使って無事でいられるだろうか。
十中八九、逸らした書き手は後先は考えてない。残りの1、2は規格外のチート書き手が理不尽に曲げた可能性だが、
それは考えなくても良いだろう。
なぜなら既にこの砲撃そのものがチート級なのだから。

考えられる可能性は
「動けない誰かを守るために、誰かが後先考えずにあれを曲げた。曲げた本人も相当に消耗している可能性大」であることだ。
理屈っぽく何でも考えるテイルズ書き手らしい推論だった。
だが、それでもその動揺の無さはキャラとして、否、書き手としてあまりにも人間離れしすぎていた。
まるで感情を作る器官を失ってしまっているかのようだ。

2474自重の意味を知るRPG:2008/02/14(木) 23:04:24 ID:MJyckEiE0
「俺は、どうしたらいいんでしょうか……」
ナナシはぐぐもったような声を上げた。
それもそのはずだった。ナナシは本来心優しい書き手だ。
争いを好まず、和を尊んだテイルズロワの中でも一・二を争うほど出来た人間である。
このジョーカーとしての立ち位置にも、彼は消極的だ。出来ることなら誰一人殺したくない。静かに縁側で茶を啜っていたい。
「だけど……」
だが、ナナシはその欲求に従順な僕というわけではなかった。

「だけど……あんな拡声器に近いフラグを立てられたら……空気を読まないと不味いような……」

そう、ナナシは“空気を読む書き手”なのだ。
そこに材料が用意されていると分かっているのに、料理しない料理人もそうはいない。
書き手という料理人なら尚更だ。
殺したくない、でも空気を読まなきゃいけない。
そして、ジョーカーとして空気を読むと言うことは、ジョーカーの仕事と言うことは、「殺す」ということだ。

殺さない、空気を読む、殺すな、空気を読め、殺せ、殺さん。
殺し殺され殺し、もう一度殺す。

本編で味わったような究極の二択を前に、ヴェイグの姿をしたナナシは苦悶する。

殺し殺さない殺さずに生かさない、半死のまま全殺し、血液を循環させたまま心臓を止める。
一割を残しながら110%を壊滅させ、餓死しかけた胃袋を食物で破裂させる。
脳死させながら内臓破壊、生命を讃えるように窒息死、左の頬を打たれたら眉間に拳銃。
殺して生かして殺して生かして殺して生かさず交互に殺す。

俺はどうすればいいんですかですかですかですかディスカ。

消極的なジョーカー、その構造だけでナナシの心は矛盾に満たされていた。

2475自重の意味を知るRPG:2008/02/14(木) 23:05:00 ID:MJyckEiE0
<そろそろですかね。ナナシさん、聞こえてます? おーい、現場のナナシさーん?>

どちらを選べばいい? 俺の心と空気。どちらを、対主催とマーダー。どちら、陰と陽。熱血と鬱。

<あー、もう聞こえてないわコレ。やっぱ急いで派遣したからなあ。
 伝説のネオアームストロングサイクロンジェットアームストロングナナシ完成度低いなオイ>

ああ、脳裏にあの記憶が蘇る。ナナシとしてではない、ヴェイグとして味わったあの選択のキヲクヲ

<いいんじゃないですか? ニコニコの皆さんも撤退したようですし。此方も潮時ですよ>

ニア「殺す」ニア「殺す」 ニア「殺す」ニア「殺す」ニア「殺す」 ニア「殺す」ニア「殺す」ニア「殺す」ニア「殺す」ニア「殺す」ニア「殺す」ニア「殺す」
ニア「殺さない」ニア「殺さない」ニア「殺さない」ニア「殺さない」 ニア「殺さない」ニア「殺さない」ニア「殺さない」ギリ「殺さない」

<既に参加者とのフラグは立てましたし。はい、はい。じゃあそのように。じゃあナナシさん、手筈通りに>

ニア「殺す」ニア「殺さない」ギシ「殺す」ニア「殺さない」ニア「殺す」ニア「殺さない」ニア「殺す」ニア「殺さない」ニア「殺す」ニア「殺さない」
ニア「殺さない」ニア「殺す」ニア「殺さない」ニア「殺す」ニア「殺さない」ミシ「殺す」ニア「殺さない」ニア「殺す」ニア「殺さない」ニア「殺す」


ニア「   <死んでください。まずは挨拶代わりの惨劇を>     」


ザク、っという音がした。肉の切れると言うよりは、寧ろ果実を切ったような爽やかな音だった。
「選べま、せん、俺には、選、べなひで、ぷ」
その手に持たれていたのは、邪剣ファフニール。
短剣ほどに短いその刀身はまるで血を吸える面積をより多く増やしたいかのように、その身をくねらせている。
LSロワでも登場した、人を殺す度に自らの攻撃力を増す魔装備である。
喉を三回貫いた。
肺が空気を往復させる度に、紅い泡が蟹のように噴き出た。しかし明らかに萌とも燃えともかけ離れたものだった。

(ああ、こうすれば良かったんですね……)

2476自重の意味を知るRPG:2008/02/14(木) 23:05:32 ID:MJyckEiE0
その間もエチュードは続く。
まず脚を解体することにした。腿の肉筋を丁寧に絶ち、肉をグズグズになるまで揉んで軟らかくする。
頭の脳細胞一つ一つが小さく弾けるようなビジョンを感じたが、直ぐに万を超えて混ざり全部真っ白になった。
つまんで引っ張って直ぐに千切れるまで柔らかくなったら捨てて、露出した骨を握る。
分厚い手袋のままザラザラと骨をさすり、手頃な所で強く握った。
そして一気に凍らせた股関節を壊して外す。
ガクリ、と鳴って、ナナシが文字通り腰を抜かした。
気を取り直して反対側も同じ手順を踏もうか。
殺すことと、殺さないこと、2つを同時に成立させるスバラシイ理屈。
“自分を殺せばそれで終わるじゃないか”

(殺すとか、殺さないとか、関係無い……)

腿だけ骨が露出した二本の脚は放置して、次は左腕を切り落とす。
先の方から丁寧に関節を崩し、創意と工夫を以て知恵の輪のように解体していく。
腰から下と同じように、直ぐに凍結して失血死を防ぐ。
普通なら有り得ない、一人解体ショーを、一人の観客も居ない舞台で完遂しきる。

笑いながらそれを成す“ナナシだった何か”は、確かに道化として存在している。

(死んでしまえば、矛盾なんて、なくなるんだから)

胸の骨を残った腕でこじ開け、蔵の中に納められた内臓がてらてらと鈍く光った所で、その演劇は幕を閉じることになった。
凍らせながらもなお広がる血の海は、まるでカーテンコールの紅幕のようにゆっくりと広がっていく。
握られた短剣は、勿体ないとばかりに血の中で蠢き続ける。すでにその手にはなんの動きもなかった。

ここに、道化の芝居は完全に幕を閉じた―――真っ赤に、いつまでも真っ赤に冷え切った、まるでヴェイグのような血の幕で。

2477自重の意味を知るRPG:2008/02/14(木) 23:06:09 ID:MJyckEiE0
ずずず〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜。
それは血のような紅……とは少し離れた赤色だった。
トマトの鮮やかな赤はニンニクや白ワインと混ざり、少し濁っている。
ずずずずず〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜。
しかし、それよりもその赤を渾然とさせているのはそれら調味料側ではなく、
アサリ、イカ、エビ、ホタテ等ふんだんに盛り込まれた海の幸のエキスだった。
ずずずずずずず〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜。
上にトッピングとしてのったバターをかき混ぜて、更にコクを足す。うーんマイルド。
味に飽きが来ないように、タバスコと粉チーズを適度に振りかけ直す。
「まるで雪と血の赤のようですね。そういや最後の惨劇は雪の上だった? ……流石にこれはサムいか」


自分で言っていて恥ずかしくなったのか、マントの人間は汁を啜るのを止めて、フォークでそれを突き刺す。
ぐり、ぐり、グリグリグリ、内臓をかき混ぜるように抉り込むように、それを回す。
そうして一気に引き抜いて、そのホカホカのそれを口元へ……

「おい……なにをしてる」
ブス。

「おちゃ痛っちゃ熱ゥあ痛熱やっっあまむぅきゅゥゥゥゥゥ!!!!!」

突如後ろから掛けられた声に黒いマントは驚き、口元まで運んでいたフォークを鼻に向けて入れてしまう。
勿論人間は鼻から飯を食えるようには出来ていない。
深皿に、鼻血を垂らしながら黒マントはタバスコ混じりのそれを鼻に直撃させた傷みに数分悶えることになった。
「……一体何をしてるんだお前ら?」
部屋に入ってきた銀髪の剣士は、そういって無事な残り二人の黒マントに訪ねた。
その内の一人麺をずずっと啜りきってから、答えた。

「見たら分かるじゃないですか。ペスカトーレ喰ってたんですよ、ナナシさん」

粘膜をやられまくった一人は未だ悶えのたうち回っていた。きっと涙のせいで、そのスパゲッティは少し塩味が効くだろう。

2478自重の意味を知るRPG:2008/02/14(木) 23:07:15 ID:MJyckEiE0
「……つまり、昼飯を食っていた、と?」
ナナシは大きな釜から自分の分量のスパゲッティを取りながら訪ねた。
おさげを編むほどに長く束ねられた銀髪に、特徴的な檜山ボイスは紛れもなくヴェイグ=リュングベルそのものだった。
先程確かに死んだ、ヴェイグだった。
ただ一つ違うところと言えば、彼は左の目を布で覆っていた。そこにあるべき左目が失われている。
「はい。なんか主催の本拠地を守る戦闘員達はスパゲッティを食べなきゃいけないらしいんですよ。変わってますよね」
そういってカラカラと笑いながら手際良くスープとスパゲッティを交互に食べていくのは名無しだった。
黒マントに包まれて誰かも分からないが、その料理の手前から見てテイルズキャラのようだ。
料理スキルはテイルズキャラには必須科目である。忙しいときは戦闘一回につき料理を作るのだから。
もっとも、声口調もその状態もマントを脱ぐまでは当てにならないのだが。

「それで、俺を殺したのはなぜだ? 七氏」
ナナシはフォークを手に持ちながら睨んだ。その向こうには七氏が鼻を摘みながら涙を堪えている。
「痛〜〜〜。あ、ああ、それですか。あの人が出撃しちゃったんで、ルール違反になる前に手を打つする必要があったんですよ」
七氏はようやく涙を拭って再びフォークを握った。

「そうか……で、あいつはどうした……やはりまだ俺たちの事を恨んで……」
ナナシはしんみりしたような口調で言った。かつての記憶が脳内で揺り起こされる。
しかし、それを語ることはない。
それは既に終わってしまった話だ。そして、

「それを判断することはできません。あの人の消失が確認されましたから」

「……何?」
ナナシは疑問符が見えるほどに大きく目を見開いた。
「回収する前に反応がロストしたんですよ。座標も不明です。多分閉鎖空間系能力の仕業ですね」
ナナシはペスカトーレを見続けながら黙ってしまう。
「とりあえずこのまま静観しましょう。我々がこれ以上介入すると確実に因果律に揺り戻し……KYの力が働きます」
「nanasinnさんはどうします?」
「これも静観ですね。その内戻ってきますよ。あの能力は時間さえあればなんでも出来ますから」
「一体何になって帰ってきますかね。もうグリッドの原型なかったりして」
誰も一笑もしなかった。充分想像できる事態だったからだ。

2479自重の意味を知るRPG:2008/02/14(木) 23:08:38 ID:MJyckEiE0
「ま、気にしても仕方ありません。ファーストアタックは概ね成功しましたし、ポジティブに行きましょう」
七氏が手を合わせてごちそうさまのポーズを取る。
「人間一人使ってあれだけの印を付けたんですから、まあ、多少なりとも目を引きます。
 テイルズロワの存在を示し、全滅の可能性を見せつけました。
 あの支給品、チャネリングもあのナナシさんの袋に未だ入っている。この状況下でチャネリングという見せ札に彼らがどう反応を示すか?
 無視するか、電波を遡って進軍するか、それとも敢えて泳がせてくるか。手並みを拝見です。それに、私達の力は終盤入ってからがナンボですし。
 もっとも、その前に全滅しても毎日人類滅亡のニコニコほどとは行かないまでもまあテイルズロワ的にはアリでしょう」
「個人的にはLSかAAAの人たちのリアクション気になりますよねえ。あ、漫画もか」
七氏は茶を啜りながら淡々と言った。名無しも適当な相づちを打つ。
ナナシは、漫画ロワと言う単語であの二人を思い出した。
ミスターマダオ、そしてアニロワ1stの神行太保のDIE/SOUL。自分の偶像(アナザー)とはいえその顛末は自らにダイレクトリンクされている。
彼らとの再会も、ありうるかもしれない。いきのこっていれば、だが。
もうこれ以上は彼らも何もしないつもりなのだろう。ターンを終了して、次のフェイズを譲ってしまった。
次に手を打ってくるとすれば、それは相手のフェイズが終わった後。彼らは駒を指して遊ぶ凶人達なのだ。


「それにしても……あのアナザーナナシさん、凄かったですね。本物そっくりでしたよ」
名無しが思い出すように言った。
そう、まだ根本的な謎が残っている。ここにいるナナシがナナシなら、一体会場で死んだナナシは何者なのか。
「まあ、急いで拵えたにしては外見は作られていましたがね……インディグネイションが使えたり言語機能も少しバグがみられました。
 やはり、アナザールート(平行世界)が完成していない以上、あれは本物のナナシさんにはなり得ないということです」

そう、テイルズロワの世界は2つ存在する。彼らはその未完成の世界から因子を集め、ナナシのクローンを作り上げたのだった。
「でも無理でしたね〜〜。因子が足りない……ってやつですか。しかも、もう新しいクローンを作るだけの因子は残っていない、と」
「お前ら……平行世界の俺とは言え少しは人の身にもなれ…あれだけの惨劇を身内にやられるというのは堪った物じゃ……」
そう言いかけてナナシは止めた。自然と笑いがこみ上げていく。

全滅を敢行してしまった俺たちにそんなことをいう資格はない。
ナナシはスパゲッティを口に入れた。これだけの惨劇の後に、俺たちは平気で飯を食える。
名無しがにへらと笑った。
「まあ仕方ないですよ。だって俺ら……テイルズロワですし♪」


しかも俺たちは、対「対主催」なのだから。

2480自重の意味を知るRPG:2008/02/14(木) 23:09:14 ID:MJyckEiE0
【昼】【不明-テイルズロワ勢控え室】



【ナナシ@テイルズロワ】
【状態】:健康 (ただし左眼がない)
【装備】:なし
【道具】:不明
【思考】:
 基本:主催者側の人間として活動。参加者の抹殺
 1:とりあえず、ペスカトーレ食う
 2:次の出番まで縁側で茶を飲む
 3:出会った二人とは生き残っていればもう一度戦う?

 ※容姿はヴェイグ=リュングベル

【七氏@テイルズロワ】
【状態】:健康
【装備】:なし
【道具】:不明
【思考】:
 基本:主催者側の人間として活動。参加者の抹殺
 1:とりあえず、茶を飲みながら出番待ち
 2:チャネリングに対する反応を見る

 ※容姿やその能力は未だ不明

【名無し@テイルズロワ】
【状態】:健康
【装備】:なし
【道具】:不明
【思考】:
 基本:主催者側の人間として活動。参加者の抹殺
 1:とりあえず次の出番まで茶を飲む

 ※容姿やその能力は未だ不明。


 ※D6にナナシ(アナザー)の惨殺死体と邪剣ファフニール@テイルズロワ、チャネリング@テイルズロワがあります
 ※アナザー体の精製はもう出来ません

2481貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/14(木) 23:10:28 ID:MJyckEiE0
投下終了。スパゲッティがやりたかっただけです。
あと分岐制っぽさを狙ってみた。

2482貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/14(木) 23:20:51 ID:JA9ahpRs0
>インディグネイションが使えたり言語機能も少しバグがみられました。

口にしようか迷ってたことにメスを入れるとは……。
丁寧語でインディグネイション使うのって誰がモチーフなんだと首を捻ってたよw
これがテイルズアナザールートでヴェイグがインディグネイション使う複線だったりしたら笑ってやるぜw

2483シリアスの次に来るのがシリアスとは限らない:2008/02/14(木) 23:49:38 ID:pZL997Zg0
「ぁ……ぅ……」
あの出来事の後、コ・ホンブックはただただ歩いていた。
口から漏れるのは感情の篭っていない呟きで、その目に最早生気はない。
時間の感覚もなく、どれだけ歩いたのか既に見当はつかない。
周りの景色が少しづつ変わってきたが、そんな些細なことはどうでもいい。
――――彼女は今、絶望の真っ只中に居た。
闇の中に見えた唯一の希望を壊され、より深い絶望へと落とされた。
それを引き起こした男――いや、男というのは少し不適切かもしれないが――は既にこの世に居ない。
しかし、彼の思惑通り少女は正真正銘の化け物になった。

……なった、が。さすがの彼も、その後に何が起こるかまでは予想していなかったようだ。

シュルルルルル!!
「……!? ゥ……ァ!!」
謎の触手がコ・ホンブックの足を捕らえる。
一本だけではない、何本もだ。
何者かはわからない、だが、これだけはわかる。

――――この触手は生きようとしている。

それに答えたのは本能か、はたまた僅かに残った理性だろうか。
剣を捨て、自分に縋り付く触手を愛しそうに、力いっぱい抱きしめる。
時折口に含み、愛撫しながら別の触手を頬に摺り寄せる。
ドシュッ!ドシュッッ!!
一本の触手が体を貫く。それに続けて腹、太腿。
当然血が吹き出るが、彼女は苦しみ一つ見せていない。
寧ろ頬を赤らめ、恍惚とした表情を浮かべていた。
やがて体が修復を初め、触手ごと体を戻そうとする。
触手の方も、自らを一つの存在とすべく、内部で蠢いていく。
「……アッ……ィイ……」
ナカで何かが起こる度、艶声を上げる。
その体はピクピクと痙攣し、口元には笑みさえ見えた。
ドクンッ!!!
鼓動が聞こえ、少し遅れて一際大きく跳ねる。

「ア――ォ――アァアアアァァァアアァア!!!」

全てを掻き消す咆哮。全てを呪う負の意思。全てを飲み込む細胞。
その三つが混ざり合い、溶け合い、やがて一つになる。
「……ONEE−CHAAAAAAAAAAAAAAAANNNNNNNN!!!!」
――――――地獄軍神、コ・ホンブックVの誕生だ。


【昼】【E-6/市街地】
【コ・ホンブック@アニロワ2nd】
【状態】:酢飯細胞侵食中、不死者化、絶望、胸に12の傷(※)、腹に10の刺し傷(※)
【装備】:乖離剣・エア@Fate、乖離剣・エア(白)
【道具】:なし
【思考】:
 基本:生きているモノを呪う
 1:ONEECHAAAAAAAAAAAAAAAAAANNNNN!!!!

 ※容姿はアニタ・キング@R.O.Dです。
 ※不死者化する前に出来た傷は治りません。ずっと、痛いままです。
 ※嵌めていた首輪は爆発してなくなりました。
 【乖離剣・エア(白)】
 絶望へと追い詰められたコ・ホンブックが、自分を護るために紙使いの力で作り出したエアの模造品。
 威力や性能は本物と同様で、二本同時発動させることで奥義『紙砂嵐』を繰り出すことができる。
 ※地獄軍神コ・ホンブックVについて:
  不死者としての生命力と酢飯細胞のチート能力、そして凄まじい絶望による負の力が
  いい感じに混ざり合って出来た蝶人。触手つきのVつき。
  色々なものが作用しあい、科学反応とかもうそんなレベルじゃない。
  お姉ちゃんことボマーを求める心が、お兄ちゃんではなくお姉ちゃんと叫ばせ続ける。
  触手はやはり色々なことに使用できる。プレイとかプレイとかプレ(以下自主規制
 ※魂の叫びがE-6エリアに響き渡りました。

2484貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/14(木) 23:50:53 ID:pZL997Zg0
……ごめんなさい。

2485貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/14(木) 23:54:54 ID:lqk4c92c0
炊飯細胞どんだけwwwwwwwwww
ビクトリーム博士のアレもそうだけど、この愉快型インフルエンザはどうするべきかwww
投下乙。

2486それぞれの意地ゆえに:2008/02/15(金) 00:07:56 ID:O5h2N6Xc0


「ちいっ・・・!!」

ステルス鬼畜は弾き飛ばされる。
クレイジーダイヤモンドが劣っているとは思えない。だが、開始から数十分・・・形勢は逆転していた。
敵はハカロワのラスボス、神奈備命。
偉大なる先人。パロロワのオリジナル。自分たちが繋いできたパロロワというジャンルの最初の走者たちの物語。

(ぐっ・・・ふざ、けるな・・・)

ステルス鬼畜は地に手を当てて受身を取ると、敵をにらみ付ける。
敵と認識したライバルをにらみ付ける。
サプライズパーティー。なるほど、彼は強敵だった。確かに強かった。滅茶苦茶なルール(法律)の中に自分のルール(信念)を持っていた。
だからこそ、全力を持って叩き潰さなければならない。

「貴様を認めることはできない。書き手であるが故に。リレー小説であるが故にっ!」
「結構だ。俺は、誰にも認めてもらうつもりはない。それが最低最悪と呼ばれようとも・・・この道に、誇りを持っている。だから、書けた」

たとえ万人が認めずとも。
その道を貫いてきた。たとえ孤独になろうとも、一人になろうとも。
サプライズパーティーは楽しんできた。その道が、今までの自分は間違っていないと信じている。

「誰よりも、俺がっ! このサプライズパーティーがっ! 俺自身が俺を認めてやらないで、どうしろって話だよっ!!」
「独りよがりに過ぎない。独善に過ぎない。貴様は・・・いずれ後悔するぞっ!?」
「楽しめればいいさっ・・・後悔も、罪悪も、何もかも。それも全部織り交ぜてこそ、サプライズパーティーッ!」

神奈備命が冥加の振るう。
一撃は速い。日本刀の本来の使用用途のように、斬ると同時に引く。
クレイジーダイヤモンドの一撃のほうが威力は上だ。そして、決して攻撃が当たらないわけでもない。
押されてはいる。ステルス鬼畜はそのことを認め、それでも決して逃亡はしない。

効いているはずだ。
いかに初代ハカロワのボスとは言え、こちらの攻撃が全く効かないはずがない。
確実に、一撃を叩き込み・・・だが、やはり強大な敵の前に後退せざるを得ない。そんなことを繰り返してきた。

「どうしたっ! あんまりつまらねえ戦いを続けるってんなら、もう終わりだっ! この世界がお前を殺し尽くすっ・・・!」

そうだ、そもそもどうしようもない現状だ。
敵は世界そのもので、こちらの戦力は乏しいと言わざるを得ない。いや、敵が強大すぎるだけだが。

(エニグマの紙はまだ落ちてないか・・・? ないか、まあ、さすがにもうないよなぁ)

現状戦力はクレイジーダイヤモンドと、面白愉快デバイス。そして漫画ロワのwiki管理人。
いやぁ、ちょっと辛いと思う。いっそ、カレイドステッキのオーバーヒートでも狙ってみるか。それとも管理人の真価をここに発揮させるべきか。
その全てに否と付けるしかない。
そんなことに意識を回している間に、神奈備命はステルス鬼畜本人に向かって迫ってきたのだから。

「くそがあっ!!」

戦いは続く。

2487それぞれの意地ゆえに:2008/02/15(金) 00:11:10 ID:O5h2N6Xc0


ぶっちゃけよう。今の我は空気だ。
縛られたまま、じっと二人のドッペルゲンガー共が己の信念を胸に殺しあう姿を鑑賞するだけ。
なんだ、これは。
こうして空気でいることは・・・許されることか? 我はこうして空気のまま、人員あわせの際に殺されるとでも言うのか?

(―――――――)

我に対して、死の間際にフラグを立ててくれたゲドー・ザ・マジシャンの心意気を無駄にするのか?
このまま、そこらの奴らがチート能力を発動している中、我はこうしていていいのか?
アニロワ2ndの書き手として、ハカロワやギャルゲロワのような奴らよりも下に見られることを・・・許容しろ、と言うのか?

ふざけるな。

我は、我らはここで止まっているわけにはいかんのだ。
2ndは必ず失敗する、というジンクスを打ち砕くために。まだ、ロワで出番を待っているキャラたちのために。
書き手の誇りは我にもある。たとえ、それがちっぽけだろうとも。我は、ここで傍観に徹するなどできない。許されない。

「・・・・・・・・・」

ゲドー・ザ・マジシャンから渡された襷を、投げ出したくない。
せめて、彼が生きていた証を。あの首輪を、あのフラグを、成就してやらなければ死んでも死に切れない。
そのためには動かさなければならないのに。
どうして、どうして拘束が外れん・・・! 我は、このまま空気でいるわけにはいかんのだ! このまま沙羅さんに保護でもされたら泣く。

「くそっ・・・くそおっ!」

ガチャガチャ、と奮戦する我を嘲笑うかのように事態は進展していく。
許せん、あの二人。我の助けを、恩赦を蹴るなど許せん。
ステルス鬼畜は当然だが、あのサプライズパーティーも空気キャラ脱出。そこはそこで納得できない。

どうにか、どうにかして脱出を!

そんな、願いが届いたのかも知れない。
突然誰かに抱え上げられた。スタコラサッサだぜい、とか遊ぶような声と共に運ばれていく我。

2488それぞれの意地ゆえに:2008/02/15(金) 00:14:16 ID:O5h2N6Xc0


「ふう……とりあえず、これでいいね。ネコミミスト君」
「うん、ご苦労様。これで許してあげるよ……ホントは、私、謝らなければいけないのにね……」

衝撃のネコミミストと地獄紳士666。
二人は放送後、まずは傷の治療……主に地獄紳士666の顔の傷の治療を優先していた。
丁寧に、丹念に包帯を巻きながら顔を曇らせるネコミミストに、地獄紳士666は悶えたものだ。

だが、そこからがいけない。
地獄紳士666は危険な香りを感じた。主に、多方向からのチート能力の覚醒である。
中には自分の力では及ばないクラスのチート能力も感じた。これをネコミミストに教えたとしても、きっと彼女は飛び出していくに違いない。
この身は牙なき人のための剣。彼女の、信念なのだから。

だから、地獄紳士666はごめん、と断りを入れて彼女を気絶させた。
完全に信頼している少女の意識を刈り取るなど簡単なことだった。本当はやりたくなかったが、それでも彼女を死なせたくなかった。
彼女は衛宮士郎のようなものだ。きっと、いつか無茶をする。
申し訳ないが、その前に手を打たせてもらった。もちろん、たっぷり二時間気絶したネコミミストは激怒したのだが。

『今の疲労状態じゃ、そんな奴らのところに向かっても死体が増えるだけだったんだ。
 人を救いたいなら、意志を継ぎたいなら、絶対に無理をしてはいけない。だけど、君を言いくるめる手段がなかった。
 今の君は最初こそ納得するかも知れないけど、たとえば悲鳴が聞こえたらじっとしていられないだろう? だから、気絶させた。

 私は君に死んでほしくないから。誰よりも、死んでほしくなかったから』

こう言われればネコミミストも引き下がるしかない。
彼女の言っていることは正論なのだ。理屈も分かる。自分の性格もちゃんと判断されていて、納得するほかない。
だけど、自分が安眠を貪っている間に牙なき人々が死んでいくのは耐えられなかった。

『じゃあ、約束。これから動くから……困っている人がいたら、助けてあげよう?』
『ああ、分かったよ。私は君を守り、君に従う』

そうして、南に進んだ。
とりあえず中心地点に行けばマーダーも牙なき人もいるだろうと思ったから。
やがて、見えてきたのは崩壊した学校だ。
そして、激突している二人の岸田洋一と……縛られたギルガメッシュというカオスな光景だった。

2489それぞれの意地ゆえに:2008/02/15(金) 00:17:03 ID:O5h2N6Xc0


「……と、言うわけです」
「ふん……牙なき人のための剣、か。我には理解できん。……そう、思ってもいたのだがな」

かくして、二人に救出された幻夜・フォン・ボーツスレーも含めた三人の対主催軍団が結成された。
とりあえずの方針は目の前の敵だ。
どちらも危険人物には違いなかった。だが、幻夜ははっきりと伝えた。

「ステルス鬼畜……奴は確実に殺し合いに乗る。我の太鼓判だ」
「なら、標的は……」
「ええ、ステルス鬼畜。彼でしょう」

さて、と……激震する戦場に視線を戻して。

「……どちらがステルス鬼畜ですか?」
「………………うーむ」

ドッペルゲンガーの決闘に唖然とするのだった。
まあ、とりあえず神奈備命を使役しているほうがサプライズパーティーなのは知っているのだが。
それ以前として、サプライズパーティーは対主催だっただろうか?

2490それぞれの意地ゆえに:2008/02/15(金) 00:20:01 ID:O5h2N6Xc0


「あはははははははっ!!」

そうして、決着がついていた。
鮮血が噴出し、翼人の青い髪が朱に染まる。ステルス鬼畜の苦痛の声が響いた。

「あはははははははは、は……?」

だが、高笑いまでしていたサプライズパーティーの喉が引きつった。
ステルス鬼畜は神奈備命によって冥加を突き刺され、ビクッ、ビクッと痙攣しているところだ。
この時点で勝者は決まった。
ならば、何故サプライズパーティーの高笑いは停止しなければならなかったのだろうか?

「俺は……どこまでいっても……貴様を、認めん……」

ステルス鬼畜は獰猛な笑みを浮かべて笑う。
その表情は死人そのもののように青い。だが、彼は刺し貫いた本人を見ていなかった。ただ、サプライズパーティーを見ていた。

「……まずは、貴様だ、神奈備命」

セット。愉快型デバイス……カレイドステッキ。
フル稼動全力全開、クレイジーダイヤモンド。
その全て、存在自身を賭けて。神奈備命の存在そのものを叩き潰す――――!!

ガガガガガガガガガガガガガッ!!!

神奈備命が崩れ落ちる。
いかにハカロワのラスボスとはいえ、支給品をオーバードライブさせてまでの一撃だ。
これで、無手。ステルス鬼畜には漫画ロワwiki管理人しかない。
対してハカロワの世界を操るサプライズパーティーにとって、強力な手駒をひとつ失ったに過ぎない。

「っ……!」

ステルス鬼畜は走る。
サプライズパーティーの下まで走り、抱きついた。

「なっ……なななな!?」
「いいか、貴様は認めない。だから、俺は、せめて鬼畜の名を……残す」

すう、っと息を吐いた。
サプライズパーティーは反撃を予知して、柳也を召喚した。剣が深々とステルス鬼畜に突き刺さる瞬間。


「はははははははははっ!! まずはステルス鬼畜! 次の標的は誰だっ!? このサプライズパーティーが殺し、犯し尽くすっ!!ははははははっ!!!」


それが、最期の叫び声となった。


【ステルス鬼畜@ギャルゲロワ 死亡】

2491それぞれの意地ゆえに:2008/02/15(金) 00:22:33 ID:O5h2N6Xc0



「……こいつは、最期に何がしたかったんだ?」

疑問を口にする、サプライズパーティー。
その答えは数秒後、すぐに理解することとなる。目の前に立ちふさがった、三人の人影を見て。

「決まりだな。我も、こやつは好かんと思っていたところだ」
「貴方がそうするというのなら、私は貴方を……倒すっ!」
「ネコミミスト君の意志のままに」

瞬間、サプライズパーティーは腹の底から叫び倒した。


「あの野郎ぉおおおおおおおっ!!!?」


【昼】【E-5 学校跡地】

【サプライズパーティー@葉鍵ロワ3】
【装備品】永遠神剣第六位『冥加』
【道具】共通支給品一式
【状態】満腹、強い怒り継続
【思考・行動】
基本:俺こそが最強の岸田さんだっ!
0:これが真の狙いかぁああああっ!!
1:岸田の誇りを胸に、キャラへの愛を胸に
2:ちなみに俺は人妻が好みです
※ステルス鬼畜をギャルゲロワの書き手と知りました
容姿は鎖の岸田洋一。
※固有結界『サプライズ・パーティー』が使えるようになりました。
あらゆるハカロワの登場人物を乱入させることが可能です。ただし呼び出されたキャラが死んでしまうと二度と呼び出すことはできません

2492それぞれの意地ゆえに:2008/02/15(金) 00:23:03 ID:O5h2N6Xc0


【幻夜・フォン・ボーツスレー@アニロワ2nd】
【状態】疲労大、ところどころ出血中・左肩に直径5cmの貫通傷・内臓に痛み(全て処置済み)、
    エロ師匠と仮面ライダー書き手に対して強い怒り
【装備】巳六@舞-HiME、黄金の鎧@Fate
【道具】支給品一式×2、未定支給品×1(本人確認済み)、未定支給品×2(未確認)、ゲドー・ザ・マジシャンの首輪
【思考】
基本:このバトロワの破壊。または脱出。
0:目の前のサプライズパーティーを殺す
1:放送後、あの二人組(エロ師匠と仮面ライダー書き手)を探し出して殺す。
2:協力者を探す。
3:首輪の解析。
4:放火魔を見つけたら殺す。
5:とりあえず、地獄紳士666とネコミミストは味方と判断
※容姿はギルガメッシュ@Fateです。


【衝撃のネコミミスト@アニ2nd】
【装備】:拡声器
【所持品】:支給品一式
【状態】:精神的に消耗。
【思考・行動】
基本:殺し合いに乗るつもりは無い。前に進む。
0:サプライズパーティーをマーダーキラーとして倒す。
1:スクライドの遺志を継ぎ、牙なき人の剣になる。積極的にマーダーキラー路線。
2:666を今のところ信用。
3:熱血王子と再会したら、今度こそ彼を止める。
※衝撃波を使えます。掌からだけでなく、足の裏からも出せるようになりました。
※「大あばれ鉄槌」を幼女好きの変態と勘違いしています。



【派手好き地獄紳士666@LSロワ】
【装備】:ゲート・オブ・バビロン@アニロワ2nd(※特殊仕様)
【所持品】:支給品一式
【状態】:右顔面に刀傷(右目失明)、身体中に細かい掠り傷、精神的には激しい充足感
【思考・行動】
基本:衝撃のネコミミストを地獄に落とし且つ狂わせずに生かす。ネコミミスト心から愛してる。
0:ネコミミストの仰せのままに。
1:ネコミミストを護りつつ、出来るだけ精神的に傷付く方向に陰ながら誘導する。
2:ネコミミストに愛されるよう務める。
3:死ぬ時は出来るだけネコミミストの心に傷を残す形で死ぬ。
※ゲート・オブ・バビロンで出せるアイテムをどれも『一応は何とか使いこなせ』ます。
 エリクシールは1本使用済みです(残り1本)。
※「大あばれ鉄槌」を(ロリ的に)危険人物と断定しました。

2493貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/15(金) 00:24:43 ID:O5h2N6Xc0
投下完了。
投下の途中で三点リーダーを置換していないことに気づき、慌てて修正ー……ごめんなさい。

2494貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/15(金) 00:26:41 ID:O5h2N6Xc0
おっと、クレイジーダイヤモンドとカレイドステッキ、神奈備命は使用不可。
漫画ロワwiki管理人は風に乗って飛んでいく、どこまでも。
案外、近くに落ちているだけかも知れませんがw

2495貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/15(金) 01:02:49 ID:ferXgZnAC
投下乙
俺を殺してくれてありがとう
嫌味で言ってるんじゃなくて100%感謝してるからな!
その調子でこれからも頑張って下さい

2496貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/15(金) 01:04:50 ID:VujSLglE0
ぐはあああああああああネタ被ったあああああああああ!
まあまだほとんど書いてないから問題ないけど
出来上がったら投下します
放置するかもしれないけどね

2497忘れられたフラグ:2008/02/15(金) 01:45:13 ID:TtkttLLk0
「さてと……とりあえず温泉いくかぁ」
いきなりそう言い出した転さん。
いや、なんで?
「おまえなぁ……ああ、トリップで言うのめんどくせぇ。VPのルシオに似た地味なツラしてるから、お前今からルシオな」
いきなり人の渾名をつけてくれた。いや、全然脈絡ないですよ。
「チンカスのほうがいいか、ああ?」
はい、ルシオでいいです。
で、何で温泉なんですか。
「今なら誰もいなさそうだろ。朝に妙な光が立ちのぼって、それから音沙汰がねえ。
 ゴタゴタがあったとしたらその時だ。で、今は誰も近寄ってないんじゃねえか?」
まだ、よくわかりません。誰もいないってそれじゃ目立てないじゃないですか!
あ、無視して東に向かって歩き出したよ、この人。ひどくないですか?
「アホか、てめぇは。あんなビームだのビル崩壊だののど真ん中に突っ込んで何かできるほど、お強いんですか。
 じゃあ行ってこい。そして死ね。市ねじゃなくて死ね。ゴミのように死ね」
そういいながら転さんは、さっきまで遠目からでもわかるほど、えらい事になっていた北のビル街を指す。
いや、わかるんですけど、それにしても口が悪い……あれ?これって僕たちのことを考えてくれてるのかな?
見るからにこの人、自信満々だし、きっとそれなりに本人も強いんだろうし。
「でも……それじゃあ空気キャラまっしぐらですよ。他の対主催の人たちとフラグも作れないまま、脱出の時も空気じゃあまずくないですか?」
「別にいいだろ……とにかく俺は生きて帰って自ロワ完結させなきゃならねえんだ。
 ド終盤で新規書き手も見込めねえし、盛況ロワの奴等がいくら死んだって関係ねえよ。
 俺と差や結以外は今はほとんど投下がないし、その差も死んじまった。あとは……DGの人こと結か。
 まあ心配するだけ損だな、あの人は」
あの転さんが悲しげな目で遠くを見つめている。この人でも自ロワの書き手が死んだら悲しいのかな。
でもそれを考えたら、他のロワの書き手さんだって同じはずだ。僕だってそうだ。
プー太さんもアニやLSの書き手さんがいなくなってしまったら悲しいはずだ。
え、バトロワだから仕方ないって?ずいぶんドライですね。
ぼくだけのけ者っぽいですね。ちくしょう。多数決の馬鹿野郎。
それにしても過疎ロワと盛況ロワの壁がこんなところで浮き彫りになるとは。
「でもですよ、言うじゃないですか。『〜してるだけで生き残れるほどバトロワは甘くない』って」
そうなのだ。
何もしない対主催なんて、マーダーの噛ませになるための生贄に等しい。
よほどの終盤まで運よく生き延びることができる空気王ならともかく、長生きするには何かフラグが必要なのだ。
それができなければ、どこからともなくサラマンダーがやってきて、僕らを犠牲にしてマーダーにクラスチェンジするだろう。
で、そのマーダーも主役級対主催に食われて燃え展の踏み台にされる。
いわゆるロワ的な食物連鎖。
「うるせえな……お、あった、あった」
転さんが見つけたのは、干からびた三体のミイラだった。
そういえばさっきこのあたりに戦闘機が墜落するのが見えてたっけ。
つまりここで戦闘があった可能性が高いってことか。
実際、この市街を見渡す限り、アスファルトにひびが入ってるし、建物もあちこち壊れてる。
待てよ……じゃあもしこの戦いに勝ち残ったのがマーダーなら、そいつは次に僕らを狙ってくるんじゃあ?
ま、まずいですよ。いや待て、これはチャンス?
ここでどこぞの君島みたいな散り際を見せるのも目立つ方法の一つか。
だがそんな期待に反して、すでに戦闘の勝者はどこかへ去ってしまっていたようだ。
何も起こることなく、転さんが三体のミイラから首輪を回収するのを見ているだけの僕。
うう……まずいなあ、じつにまずい。空気への階段をまた一歩。
しかもいつの間にか転さんの荷物も持たされてパシリ扱い。
だが、その時だった。
「わっ!」
その転さんのデイパックから何かキモイ茶色いロボットが勝手に飛び出した。
そしてすぐ先の地面に突き刺さった戦闘機に向かっていき、そして機械的な音声が聞こえてきた。


「コード承認。二神合体モード」


あふれ出す光。
思わず目をつぶるも、まぶたを透過するほどに眩しい。
やがて光が消えて、そこにあったのは足のない、人間と同じ様な大きさのロボットだった。
例えるなら川下りのカヌーに乗ったような形をした紺色カラーの……



――――ガンダム?

2498忘れられたフラグ:2008/02/15(金) 01:45:33 ID:TtkttLLk0
【昼】【H-6 市街】
【◆MJ.H0/MJQ@AAAロワ】
【装備:チェーンソー@サガ1、えいゆうのたて@FF6】
【所持品:ヒュッケバインMk−Ⅲガンナー(人間サイズ・リモコン式)@スパロワ、支給品一式】
【状態:地味に健康】
【思考・行動】
1:目立つ!
2:あれ? 持ち物に存在感負けてね?
【備考】ルックスは地味な好青年風です。強いて言えばヴァルキリープロファイルのルシオに似ています。
※えいゆうのたてにはアルテマ×10、つまり通算で10話以上所持しているとアルテマが習得できます。魔力っぽいステータスや、触媒があれば使用可能です。
※ヒュッケバインはビッグ承、結のディストラと融合することで、三神、四神モードにパワーアップします。
 それぞれ三機合体、四機合体の機体に変化。二機合体ではSSサイズ(人間大)ですが、サイズも大きくなっていきます。

【転@スパロワ】
【装備:不明】
【所持品:支給品一式、転ばし屋、クマのプー太氏、首輪×3、ほか未確認】
【状態:健康】人格反転中
【思考・行動】主催者をぶっ潰し、うざいクズは殺す
1:とりあえず温泉で一休み。
2:首輪の解析でもするか。
【備考】
※容姿は秋津マサト及び木原マサキ
※転ばし屋はトリップ名でしか動きません

2499貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/15(金) 01:47:01 ID:TtkttLLk0
投下完了です。
MJ氏、勝手に外見を変更させていただきました。

2500貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/15(金) 10:53:51 ID:O5h2N6Xc0
投下乙!
てか、完全に忘れてたwww 
それにしても支給品に存在負けてるなwwww

2501影の参入者:2008/02/15(金) 15:34:15 ID:O5h2N6Xc0
「んー、対主催グループは……」
速筆魔王LXは指を振りながらそんな言葉を呟いた。
あれからパンツの女の子は見失うし、コンビニを捜して彷徨いまくったし、あれから誰にも会えないし。
せっかく首輪を回収したのだから、もう少し展開早くしてもいいんじゃないかなー、とか思ったり。
「どちらにしよう、かな……天の神様の言うとおり……こっちだ!」
コンビニで食料を調達し、腹いっぱいに食べ物を食べて満足だ。
コンビニ弁当はロワが二日目に入った頃あたりから、食物ダメになっていくような気がするなー。
豆知識。実はコンビニとかの弁当は消費期限が過ぎても、一日までなら大丈夫なのさ! もともと本当の消費期限の一日前に設定してるから!
「せっかく首輪を手に入れたんだから、解除できる人を捜さないと。つまりはいっぱい人のいるところへ!」
人のいるところに辿り着けますようにー。


……………………………………
……………………………………
……………………………………


「うん、僕は運が良いらしい。ちゃんとたくさん人がいるところに辿り着けたよ」


合計七人。
なんだか険悪な雰囲気な七人だったけど。
一人は全裸は熟女で目に毒だけど。
「……さすがに、これは様子を見たほうが良いかなー」
そんなことを考えて、少し遠くから口論する彼らを見計らうことにするのだった。


【昼】【C-3 市街地】
【速筆魔王LX@アニロワ2nd】
【状態】健康
【装備】虎竹刀with千年パズル。蟹座氏のパンティ(紺と白のストライプ)
【道具】支給品一式。首輪(ボイド@漫画ロワ)
【思考・行動】
1:チーム『ニトログリセリン』の様子をうかがう
2:パンツの君を見失ったけど、首輪は手に入ったよ
3:可能ならもう一つ首輪を回収して、脱出フラグを積む
4:でも別に何エンドでもおっけー
※容姿は相羽シンヤ。声子安。
※虎竹刀with千年パズル:今までパロロワに参加したことのある作品の原作で登場、紹介された
全てのゲームを召喚できる。ただしこちらから選択はできない。賭ける対象は武器使用者が選ぶ。
合意は不必要。
※蟹座氏の秘部を見ましたが、紳士なので公言しません。
※チーム『ニトログリセリン』と静かなるChain-情たちの現場に遭遇しましたが、出て行くかどうかは次の書き手任せです。

2502貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/15(金) 15:36:27 ID:O5h2N6Xc0
簡単な小話ですまなかった。彼は激戦の証人となるだろうw

2503貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/15(金) 19:20:31 ID:fO6sXFGM0
無情の早い者勝ちレース。それが此処の仕来り。だから私は誰にも見えない処でハンカチを濡らそう。

……という訳で、被っちゃったLX氏の没作を投下させてもらいますw

2504【没】 これより先怪物領域:2008/02/15(金) 19:21:03 ID:fO6sXFGM0
何の変哲もない道路。
そのザラザラのアスファルトの上に、真上に昇った太陽と相対する様な真っ黒な環がある。
カタコトカラカラ……カトコトカラカラと鳴くそれは、正体を明かしてみれば只のマンホール。地下への入り口。
勿論、濁り溜まった腐臭のする闇への扉は、同時に染み一つない青空のキャンバスへの覗き穴でもある。

――カタコトカラカラ……カタコトカラカラ……ゴン、コロン、コロコロ……。○い口が鳴くのを止める。

開きっぱなしになった歯の無い口から這い出てくるのは黒い小人の行列――ではなく、一柱の魔王。
それは――混沌の仕掛け人にして、万能の代名詞。
最も慈悲深き悪魔にして、最も罪深き天使。短気にして寛大。鷹揚でありながら卑屈。学者の目聡さと怠慢さを併せ持つ男。
彼の名前は……、彼を呼ぶ際に必要とする言葉の組み合わせは……、その音の連なりが織り成す言霊は……、

――速筆魔王LX。それが、彼の、此処での、名前、だ。


 ◆ ◆ ◆


「――うーん。やっぱりお日様は偉大だなぁ。僕をこんなにも安心させてくれる」

道路の真ん中。マンホールの隣り。そこに立った速筆魔王は大きく伸びをしながらそんなことを言う。
それにしてもこの男。どうして、マンホールの中から飛び出すなどという意味不明を実行したのか?

「変わったシチュエーションに飛び込めば、イベントの一つも起きると思ったけど……」

そう。殺戮競争開始の合図より一日の四半分を過ぎても、一向に死神は自分の首を刈り取りにやってこない。
見つけたのは後姿の少女だけで、得られたのは彼女がぬくもりを残した縞々の絶対防衛線のみ。後、首輪。
だったら、自ら死地に飛び込んでやろうと、奈落の底。吸血鬼の首を刈る断頭台の上へと頭を乗せに往ったのだ。
だが無人。無風。……彷徨えど狂王の迷路の内には誰も居らず、どの扉の向こう側にも驚きはなかった。
指を咥えて地上のパレードの喧騒を頭上に聞くだけ。そこで魔王一人の冒険は終わってしまったのである。

「……でも、トンネルの向こう側としては、ここは悪くないかな?」

彼が踏みつける道路。黒いのはアスファルトだからという訳ではない。炭の様に黒いのは言葉通り炭が積もっているからだ。
目の前にあるのは、天まで届きそうな漆黒のジャングルジム。今まさに落ちかけんとするバベルの塔。
正解は――F-3のホテル。無責任な首領が残していった死者の為のキャンプファイヤーである。

「もう大きなイベントは終わったっぽいけど、まぁさすがに話の一つぐらいはできるでしょう」

未だ火勢の衰えない危険な其処。未だ燻り続ける危険な底へと、魔王は喇叭を吹きたった一人の軍勢を進める。
五月の雨の様に降りかかる火の粉をなんともとせず、地面に散らばった炭の塊をタップで鳴らす楽器にして歩を刻む。
肌に感じるのは熱気。そして熱気から熱病。熱病から死病を連想し、足踏みを連ねる。ザッザッザッザッ……ザ。SE.by DQ.

2505【没】 これより先怪物領域:2008/02/15(金) 19:21:40 ID:fO6sXFGM0
「さっそく発見-♪」

でも、やはり無人。何故ならそれは『ヒトノカタチヲシテイナカッタ』のだから。無形のそれは人とは数えられない。
頭が一つ。頭が二つ――だ。計二つ。それ以外はもう数えられる様な形を訴えていなかった。故に魔王は無視する。
とりあえずは拾い上げて検分。鑑識に回す。三日掛かったが、その日の内に解ったことにした。改竄は得意である。

「モトロフ……ってことは、多分トウカリョウさんかな? こっちのルイズは……僕?」

胴体の代わりにぶら下っていた銀色の名札を確認して、魔王はそれを知り、そして苦笑する。おねーさんもびっくりだ。
もう一人の自分。ドッペンゲルガーではなく、遠い日から呼び起こされたペルソナ。それが、るるる……とは。
しかも! とてもとても素敵な笑顔を浮かべて終わっている。こちらは全く碌なこともなかったと言うのに。

「羨ましいね。僕の兄さん。――いや、この場合は姉さん? いやまてよ。妹になるのかな?」

まぁどっちでもよい。文字で綴られている分には意味は無い。それよりも、それならば――合体だ。
♂と♀と言うのならば丁度都合がよい。あなたの凸とわたしの凹。丁度よいところを組み合わせましょう。
なぁに、やり方は解っている。プラモデルと一緒だ。穴に差し込むだけだ。さぁ、諸君。合体を望むか? >回答欄「    」

「ぱいるだ〜……、オン!」

るるるの目玉を片方奪い彼女をゲゲゲにしてしまう。しかし間違えてしまった。取ったのは右目だ。だが手遅れだ。
ともかくとして、掌の上で転がる目玉を今度は自身の右目へと移植する。無許可の医療行為だが咎める者はいない。
いやそもそも医療行為ですらなかった。只の無理矢理だ。ならば、今後も裁判の心配はしなくてよいだろう。ホッ。

「――痛っ! さすがに痛いね。でも、これはちょっと面白いぞ」

俄かに持ち上がった右目消失ミステリー。彼の眼窩にあった元々の右目はどこに? 答えは次の行↓
アンサー。答えは簡単。るるるの右目を入れる前に、自ら抜き取ったのだ。ものすごく痛いが理論上は間違っていない。Q.E.D。
疑問が氷解したところで次のシーンへと移ろう。その右目には何が映るのか? これから何が写るのか?

「これが、姉さんの……るるるのルイズが見ていた世界なのか?」

姉さん。それが彼の妥協点であったらしい。まさしく妥協としか言えない着地点ではあるが、仕方が無い我々も妥協しよう。
それはさておき、今彼の脳内には二つの世界が送信されている。全くブレきった世界。立体映像にもならない世界。
生来の左目が見るのは今まで通りの普通?の世界。るるるの右目が見るのはるるるの世界。説明はできない。

「……おや? 何か見えるね。綻びが、取っ掛かりが……面白そうだ」

真っ赤な炎を舌の代わりにベロベロと振り回しているホテルの入り口。そのお歯黒の中に何か別のものが見える。
真っ青な水に満たされたアルカリ性っぽい25メートルプール。波は無し。ただ誘うようにツンと澄ましている。
これに対する選択肢は3つある。A:「飛び込む」 B:「飛び込む」 C:「飛び込む」 ――つまり、選択の余地はない。

「はたして、鬼が出るか蛇が出るか……?」

魔王は水も浴びずに炎の中へと飛び込んだ。尤も、水はこれから被りにいくのだから問題は無い。結果論ではあるが。
傍から見れば自殺行為に見えたかもしれない。そんなに大事な物が火事場にあるのかと泥棒に期待させるかもしれない。
でもまぁ、私は思う。速筆魔王LX氏を知っている私はこう思うよ。――『彼ならやりきるだろう』と。些か無責任ではあるが。

2506【没】 これより先怪物領域:2008/02/15(金) 19:22:03 ID:fO6sXFGM0
 ◆ ◆ ◆


※)これより、当SSはステレオ放送でお送りします。一緒に読んだ方が愉快なのでオススメ♪
※)←が魔王視点。→がるるる視点。↑が神視点(嘘)。↓が紙視点(嘘)です。



「――……これは、閉鎖空間? まいったな完全に罠だ」
               /『わあ、なんておいしそうなんでしょう。でも名前はどこに記せばよいのかしら?』

そこは真っ白な空間だった。サイコロの内側……と言えば解り易いだろうか? どうだろうか?
出たとこ勝負な点では合っていると思う。転がれば進むと言う点においても……。
しかし、潔癖な空間ではあったが清潔ではなかった。腐った何かがそこに立っていたからだ。
               /真っ赤なビロードの包みを開くと、そこはとっても可笑しいお菓子のお家でした。
               /屋主が亡くなったので、記帳しなければいけないんだけど。不可思議なことに文字が読めません。
               /仕方が無いので黄緑色のコオロギに詩の意味を聞いてみました。

「クハハハ――! 閉じ込めておいても餌は出るのか! 安心したぞっ! ムカツクがなっ!」
               /『特売セールは午後5時からだよ。でもお嬢ちゃんは特別サ! この金の卵をあげよう』

立方体の一面を垂れる汚物でペイントしていた男は、飛び込んできた生餌に舌鼓を打つ。
ぐるるぅ……と凶暴な音を立てる腹を持っているからには、それはそれは腹ペコだったのであろう。
そう言えば、今更ながらに思い出した。魔王はコンビニを探していたんだ。これは失念☆(※大嘘である)
               /奥の壁に立てかけられていた柱時計がボーンボーンと鐘を鳴らし開始の知らせを告げます。
               /たいへんです。はやくバイキングに参加しないと、お菓子が全て食べられてしまう。
               /チョコレートの床の上に金の卵を転がし、私は一生懸命走りました。記帳は後にします。

「えっと……、どういう展開だろう? と言うかあなたは誰ですか?」
               /『待って下さい! 私もその列車に乗ります。どうか置いてゆかないでっ!』

アリス・イン・ザ・ワンダーランド・オン・ザ・ホワイトジャングルとは意味不明にも程がある。
四角いマットの上でモンスターとタイマンさせられるなんて、パロロワの常識には無い。
パロロワ最強が、世界最強なのか? 別に興味はないが、男の子だったら妄想ぐらいはしただろう。
               /蜂蜜色の練り飴でできたレールの上を行くビスケットの列車へとわたしは飛び乗ります。
               /ああなんとか間に合った。綿菓子の煙突雲が入り込んでくるので窓は閉めておきましょう。
               /後は白パンのソファの上でまどろみに揺られていれば……と、ノックの音がします。

「名前は無い。名乗る意味も無い。だが、まぁ、便宜上ここではnanasinnと呼ばれている」
               /『お嬢さん。君はこの列車でどこまでゆくんだい? ところで、切符を拝見……』

餌に向ってはバカ丁寧すぎるかと、無名はバカ受け。△を折り、■を打って馬鹿笑いする。
この男。人の形をしてはいるものの、どこがどこだか解らない。ちっとも描写できない。
名前まで無いとはどういう了見だろうか? しかしまぁ、よい。フォローは簡単よ。
               /赤い蝶ネクタイの箒は、車掌さんでした。しかし、なんということでしょう!
               /わたしが切符を持ってないと知ると、片手に下げたバケツからベリージュースを撒き散らします。
               /見る見る間に赤い液体は部屋を満たしてゆき、わたしは溺れそうになりました。

2507【没】 これより先怪物領域:2008/02/15(金) 19:22:27 ID:fO6sXFGM0
「名も無き怪物……ですか? 全く持って、ますます罠ですねコレは」
               /『その名はレイルトレイサー! 嘘つく子供は食べちゃうゾ!』

名状しがたきソレに魔王は自分が嵌められたのだと勘違いする。選択肢はあったのだ。
と言っても表情は余裕のソレ。いやむしろ、嬉々としている。決して危機とはしていない。
ゴングの音は聴き逃したらしい。気付いた次の瞬間には化物の手が目の前にあった。
               /わたしは逃げます柊の生い茂る道を――ああ、なんてツンツン! デレはどこかしら?
               /銀色のカタツムリの上を跳び越し、煉瓦の上に敷かれた兎の皮を踏みつけ走ります。
               /でもそれは追いかけてきます。赤と白の糸で縫い合わされた金管楽器の群れ。

「さぁっ! お前の苦し紛れを見せてみろ。それが最高の調味料になる――!」
               /『カンラ――カンラ♪ 誰だ誰だ。私の歌にケチをつけたのは、もう一度聞いてもらおうじゃないか』

挨拶代わりの一撃を避けた生贄に、グチャグチャの塊はソースを要求する。かなりの横暴だ。
入ってきた客にもてなしを強いるとは、つくづく我侭な料理人である。でもまぁ、都合がよい。
つまりは、味付けは自由だと言ってくれているのだから。せっかくだからハバネロ味にしてやろう。
               /金の管と銀の管。金の歯車と銀の歯車。金の鍵盤と銀の鍵盤。金の弦に銀の弦。
               /煌びやかなそれは、ガチャラン、ガチャラン――♪ と、わたしを追いかけてきます。
               /水色の蓮の上を走り、紫色の蔦を滑り、どこまでもわたしは逃げます。

「――フ。成る程。ボクの実力を見せ付けるには丁度都合がよさそうだ」
               /『ああ。どうしてこんなことになったのかしら? どうしてあの人は怒っているのかしら?』

子安の声で魔王はそんなことを言う。子安と書いても母の様な声ではない。むしろ子供は泣く。
背負った鞄から抜き出したのは一本のバンブーブレイド。簡単に言えば竹刀。しかも虎柄の。
それを右手からぶら下げ子安――ではなく魔王は思案する。調理法は焼くか煮るか……?
               /どこからともなく子守唄が聞こえてきました。耳を澄ませば、すぐ近くの様です。
               /ああいけない。右足にはいた赤い長靴が居眠りを始めました。彼はここにおいていきましょう。
               /左足にはいたオレンジのサンダルは頑張り者。でもやっぱり少しは眠いみたい。

「ゲハハッ! そんな玩具で俺と立ち向かう!? いや、いいぞ。『ソレ』がいい」
               /『道場では靴を脱がんか! さぁ、パンを焼くぞ。小麦粉をまな板の上に広げろ!』

名前で呼んでもらえないソイツは下品に喜ぶ。相手がこれから足掻くその様を想像して。
だが、残念なことに君には想像力が全然足りなさ過ぎると忠告してやらねばならないだろう。
ほうら。竹を束ねただけの刀で◎が落ちた。◆も落ちた。次はどこだ? ▼か? ○か?
               /粗相を怒られてしまいました。知らない国の知らない規律。正義は立場によるのね。
               /ピカピカのレインコートを羽織って、わたしは一生懸命小麦の袋を引き摺ります。
               /これをあの水玉毛皮の虎の口に入れれば、晴れて私の罪は許されます。

「ボクは別に特殊な能力は持っていないけど、それは弱いって意味じゃあない……」
               /『さぁ、芽を出してのびてゆけ! 天まで届け、ジャックの豆の木!』

竹を振るうだけで肉の包みが破れ、骨の籠が砕ける。膿の血が零れて、鬼の泣声が轟く。
打ち鳴らされ箱の中に響く音は、あくまでパシンパシンという威力に相応しくない竹刀の音。
魔王は無造作に竹刀を振っているだけだ。剣道の真似事さえしていない。
               /金平糖の畑に蒔かれた白い種が芽を吹き出し、萌え萌えと金管楽器に絡んでゆきます。
               /豆色のそれはあっというまに意地悪者の姿をかき消してしまいました。
               /さぁ、逃げよう。まだ練り飴のレールが溶けきるまでには時間があるから。

2508【没】 これより先怪物領域:2008/02/15(金) 19:22:47 ID:fO6sXFGM0
「ギッ! ……ざああッ――ま”ああ”あ”ああぁぁっ!」
               /『柿の木の占拠は独占禁止法違反なので、栗の木の蜂が当たりますよ!』

勿論手足がバラバラになったぐらいでは化物にとってダメージにならない。それが化物だ。
落ちたあれの代わりになるこれを突き出して怪奇な存在は魔王に反撃する。
だが再びそれは回避される。技術があるわけでも、幻惑されているわけでもない。
               /蟹の泡が落ちた黄金の踏み石をわたしは時計を片手に必死に走ります。
               /S字カーブをアウトインアウト――で、コースアウト。ガードの外はまっ黄色の薔薇園でした。
               /トゲトゲの棘がとっても痛いけど、わたしの零した赤色で薔薇さんが喜んだので結果オーライ。

「速筆魔王――自己紹介が遅れたけれど、ボクの名前は速筆魔王LXだ」
               /『あぁ、なんということでしょう。薔薇の棘に名前を奪われてしまったわ!』

これこそ不要だったと魔王は笑う。そして動く――速く――速く――速く――速く!
速さを取り得にしている書き手は他にもいる。なので、ただ早いだけでは個性にならない。
彼の場合は速いだけでなく――強い――強い――強い――デタラメに強い!
               /道程は振り出しに巻き戻ってしまいました。じゃあ今度は強くてニューゲーム。
               /サイコロ振って――振って――振って――振って――振って――振って――振って!
               /大丈夫。この調子なら、すぐに元のところまで戻れる。

「……ッズア”ぁ! ジュア――ィィイイエア”アアァァァア――!!!!」
               /『パンパカパーン! パ、パ、パ、パンパカパーン♪ パパーン!』

言葉を忘れた怪奇の反撃を魔王は宙に舞い避ける。無防備な宙。追い詰められたかと思えたが、彼は走った。
真っ白だったために気付かなかっただけでそこに壁があった。そこを彼は走る。
尤も、壁の上を走るというのも尋常ではない。初めてやったのだとしたら拍手喝采ものだ。
               /ゲートを潜って、わたしは螺旋階段を駆け足で上ります。一等賞は苺のタルト♪
               /牢塔の頂上で眠り姫を押しのけベッドから白い空へとダイビング。
               /レモンイエローの蝙蝠傘を落下傘代わりに100メートルを自由落下。ゴールは近い!

「――後ろだよ。耳が聞こえないのか? ――後ろだって。耳がないのか?」
               /『シャンパンを用意して! 表彰台の一番上はわたしの指定席よっ!』

壁を蹴って跳躍。左手を添えたシュートの様に丁寧に魔王は汚物の死角へとインする。
そして、汚物がぐるりと半周するに合わせて自身も半周。勿論、声をかける度に一撃をくれている。
後ろ。後ろ。後ろ。後ろ……と、亀をいじめる漁村の子供の様に、魔王は竹刀を振るう。
               /最終コーナーを曲がり――ああ、やっと追いついた! まだ列車は走ってる!
               /苺マシュマロの崖を上り、一足先に先回り。そこから綿菓子の煙に飛び降りれば……、
               /やった。わたしはお客様よ♪

「!!! ――ッ! !!?! ――――――ァ”!?!! !!! ――!?」
               /『何か大きな音がしとるようだけど、このまま列車を走らせてもよいんかい?』

残っていた目に映った魔王の姿にグロテスクなそれは目を見張った。
手前と遥か後方に二人の魔王? 見間違いだということは次の瞬間に解った――アレは残像だ。
目から消える前に魔王は動く。考えれば、一番新しい像が本物だ。しかし解っても間に合わない。
               /半分半分の身体でできた二人の老人が氷砂糖の石炭を火にくべている。
               /答えはもちろんイエス、イエス、イエス、イエス、イエス、イエス、イエス、……オーマイゴッド。
               /氷砂糖だけじゃ足りないわ。ラムネも一緒にくべましょう♪

2509【没】 これより先怪物領域:2008/02/15(金) 19:23:07 ID:fO6sXFGM0
「……フフ。面白い。これは実に面白い」
               /『ああ。間に合った。さぁ、みんでお菓子を食べましょう☆』

サディストという訳ではないが、魔王はこの状況に歓喜していた。
やはり腕を振るってこその料理人である。食材をメッタメタにしてこそ料理人だ。
しかし食材も黙って調理はされない。食材としての最低限のプライドがある。
               /一番大きなテーブルの上にのっているのは砂糖で作られた不夜城。
               /虹色のねばねばを吐く蟻も、千代紙で折られた蜜蜂もこぞって頂上を目指している。
               /わたしももちろんそれに参加するわ。ああ、蜂蜜の匂いがもう我慢できない♪

「ズギャアアァァァアァァアアアァァアアアァァァァァアアァァ――ッ!!」
               /『さあひょうしょうしきだ! なにぃっ リュウがいない――?』

抑えられないグロ描写衝動――そんな名前をつけられた必殺技。それを化物はぶちまけた。
魔王を狙ってか? いや、当てられるはずもない。だから真上に。絶頂するかのようにそれを天井に叩きつけた。
若さ溢れるその粘液は最悪の雨となって部屋中に降り注ぎ、事後の匂いを充満させてゆく。
こうすれば本人とて無事には済まないが、元々誰も無事には済ます気はないのだからそれは一緒だ。
               /彼はどこにいったのかしらね? でもいいわ。さぁ、みんなでシャンパンを振りましょう。
               /一等賞。二等賞。三等賞――全部わたし。大変ね、わたしの足は二本しかないのに。
               /スコールがお菓子の部屋にまんべんなく降り注ぐ。まるでいっぱいの箒星。
               /ああ楽しかった。さぁて、金の卵に書かれていた数字は何番だったかしら?


サイコロは転がり終えた。こちらの出目は――『●』
               /サイコロは転がり終えた。こちらの出目は――『●』




――『●』『●』:スネーク・アイズでゲーム終了。親の総取りです。

2510【没】 これより先怪物領域:2008/02/15(金) 19:23:25 ID:fO6sXFGM0
 ◆ ◆ ◆


壁に背を預け、残った四肢で身体を支えながら名無しの化物は再び真っ白へと染まった部屋を見ていた。
白と言っても、青臭く咽る様な死臭を撒き散らす嫌悪すべき白である。
何もかもをも溶かしてしまうその白濁液は、彼の身体の半分も溶かしていたが、その顔に浮かぶのは安堵の笑みである。
自身を数に入れても最早この部屋の中に動くものはいない。彼を打ちのめした男の姿も見えなくなっていた。
その死に様を描写できないことだけが心残りだが、道連れなら悪くない。そう怪物が考えた時――、

「悪いけど、死んでませんよ」

――魔王の声が壁の『後ろ』から聞こえた。


 ◆ ◆ ◆


「いやあ、まったくたまんない特技を持っていますね。毒がないとしても、さすがにアレは喰らいたくない」

魔王は、壁の中にいる名前の無い何かを見てケラケラと哂う。それは今まで死闘を演じていた者のそれではない。
翻って化物の方は信じられないといった表情である。先程までの威圧感溢れる狂相は見る影も無い。

「それだけ驚いているところを見ると、あなたは本当にそこから出られないんですね」

声だけを頼りに彼を探す怪奇に、魔王はクスリと息を零す。そう、最初から勝負などではなかったのだ。
るるるの魔眼で不可思議な眼力を手に入れた魔王には、この結界の出入り口が見えていると言う、それだけの話。

「じゃあ、ボクは一足先に戻らせてもらいます。あなたも此処から出られるとよいですね」



――返事はない。只の屍のようだ。

2511【没】 これより先怪物領域:2008/02/15(金) 19:23:47 ID:fO6sXFGM0
 ◆ ◆ ◆


焼け落ちるホテルを背後に、魔王は至極真っ当な道路の上を闊歩する。次こそはコンビニだ。
爛々と輝く両目。しかし、右目が見せてくれる世界はあまりにも頭が痛い世界。――じゃあ、ウィンクしよう。

「いやしかし、探せば面白いこともあるもんだ」

片目を瞑り、両手を振って魔王は真昼の街を往く。
いやしかし、『面白いこと』で済ませるのかよこの男は。そうなのだ済ませるのだ。これが筆頭の貫禄である。
その普通の振る舞いが異次元。キャッチボールで魔球を全力投球。異世界から来た男。それが――、


――速筆魔王LX。アニロワ2nd最強の存在のその有様なのである。




【nanasinn@テイルズロワ 死亡】



【昼】【F-3 市街地】

【速筆魔王LX@アニロワ2nd】
【状態】:モードゲアス・反転のるい〜ず、疲労(小)、空腹
【装備】:虎竹刀with千年パズル、蟹座氏のパンティ(紺と白のストライプ)
【道具】:支給品一式、首輪×3(ボイド@漫画ロワ/美形元帥@アニロワ/激動のトウカリョウ@アニロワ2nd)
【思考】
 基本:バトルロワイアルを満喫しよう
 1:今度こそコンビニだな。ランチ&放送だ♪
 2:誰も見つからないなら、首輪を解析して暇を潰そう
 3:別に何エンドでもいいんだけどね

 ※容姿は相羽シンヤ@テッカマンブレード。もちろんCVは子安。
 ※特殊能力はないけど、人類最強。
 ※蟹座氏の秘部を見ましたが、紳士なので公言しません。

 【虎竹刀with千年パズル】
 今までパロロワに参加したことのある作品の原作で登場、紹介された全てのゲームを召喚できる。
 ただしこちらから選択はできない。賭ける対象は武器使用者が選ぶ。合意は不必要。

 【モードゲアス・反転のるい〜ず】
 右目にはめ込んだるるるのるいずの眼を開くと、世の中が違って見える。
 常人には見えない何かが見えることもあるらしいです。

2512【没】 これより先怪物領域:2008/02/15(金) 19:24:37 ID:fO6sXFGM0
投下終了しました。これを喜んでいただければ幸いです。

2513貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/15(金) 19:35:56 ID:tS/zNJj6C
ちょwwwwwとんでもないのがきたwwwww
この歌のフレーズが素敵過ぎる。元ネタはあるんでしょうか?
ところどころに挟んだ小ネタもGJ。リュウがいないには吹いたw

2514貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/15(金) 19:52:12 ID:IZOF3VbM0
そーだよな、あの人アニ2ndのエースofエースだから
チートでもおかしくはないんだよな



それとMJ氏と天氏すいません、あなた方を空気にしてしまったのは私のようだ。
邪教の館なんて使いずらいよな、普通は。
合体法則考えてたら設定厨乙にしかならなかったから…

2515貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/15(金) 20:01:47 ID:tY80DxxAO
いや…別にロワのエースだからチートという訳では無いのでは?
わかりやすいネタがあるかどうかじゃないかと。

2516貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/15(金) 20:27:46 ID:O5h2N6Xc0
あああ、被らせてしまったorz
すいません、ごめんなさい。でも投下乙です。ていうか強いな、速筆魔王wwww

2517シゴフミ:2008/02/15(金) 20:53:47 ID:5i3PpxIA0

――きっとこれは、ガラにもないことをしようとした罰なんでしょうね。

だいたい、私がマーダーでなかったこと自体、特大の死亡フラグよ。
どう考えたって1stの時のような無差別マーダーが期待されてたはずだもの。
爆弾の1つも仕込まないで、やってることは罪滅ぼしと対主催。
あまつさえ、狂気フラグを立てるどころか、へし折る側に回ろうとして……。
そこにこれ幸いと微かな希望を見出してごらんなさい。すぐに死ねること請け合いよ。
適度に見せ場も貰えたし、このまま私の死が特大の鬱に繋がるなら、頃合なのかもしれないわ。
彼女の行く末を見届けられないのは、ちょっと残念だけど……ね。

だけど。
彼女のことについては、負けを認めるにしても。
実はもう1つだけ、心残りがあるの。
まだこのまま死ぬわけにはいかない理由があるの。

ちょっと聞くけど……このロワ、誰か対主催、ちゃんと進めてるの?
「対マーダー」じゃなくて「対主催」。いい、ここの所は大事よ。混同しちゃいけない所よ。
マーダーに反発して戦ってる人はきっと居るとしても、誰かちゃんと主催の思惑とか考察してるの?
私以外に誰か、首輪の解析とか、会場からの脱出方法とか、考えてるの?

……きっと、誰も進めてないわね。
いいえ、進める気があっても噛み合ってないのね。直感的に分かっちゃう。
空に向かって放たれた攻撃とかが、いつかどこかに繋がるのかもしれないけれど……それだけじゃ足りない。

ああ、ぶっちゃけちゃうけど、別に脱出エンドそのものに固執する気はないわ。
でも現時点で優勝エンドに決まってしまうのも、勿体無さ過ぎる。
かといって、裏設定開示や主催側の内紛で無理やり脱出に引っ張られるのも、かなり萎える。

もうちょっと……もうちょっと人数が減るまで、どちらに行くのか分からない状態でなきゃならない。
狂気と正気の狭間でみんなが揺れ動くためにも、微かな希望は存在しなきゃいけない。
そしてその、吹けば飛びそうな小さな希望の火は、私の手元にある。

私の名前は『ボマー』。
誰が名付けたかは知らないけれど、自他共に認める『爆弾魔』、よ。
この隔離された閉鎖空間からの脱出については、完全に門外漢だけど……

――爆弾を解析し、分析し、解除するに当たって、これ以上の『キャラクター』がいると思う?


     ☆   ☆   ☆

2518シゴフミ:2008/02/15(金) 20:54:51 ID:5i3PpxIA0

「死ぬかと思った、と言わざるを得ない」

海の中から這い上がりながら、その見事な肉体美を誇る男・シルベストリは溜息をついた。
旅館ごと弾け飛び転移を強要され、吹き飛ばされた先は海の上。
必死に泳いで泳いで泳ぎ抜いて、ようやく海辺の温泉エリアに戻ってきた所である。
はっきり言って彼の視点からは、何が起こったのか見当もつかない。
見当もつかないが……とりあえず、温泉に戻らねば、とは思った。
何しろ仲間が集まる拠点なのだ。そして彼はそこを「守る」役目を請け負ったのだ。

「……建物は吹き飛んだと言わざるを得ない。
 そして、ここで風邪を引かないためにも、温泉に入らざるを得ない」

海水をたっぷり吸い込んだマントと仮面を脱ぎ捨て、手荒に絞って手近にあった洗面器の中に入れておく。
開始時同様、素っ裸になったシルベストリは、そして……

温泉傍の洗い場スペースで、その蠢く「モノ」と出会った。


     ☆   ☆   ☆


たった1回、実際の爆発を見れれば十分だった。

最初の見せしめの時には、爆破自体が不意打ちだったわ。だから見逃してしまった。
でも、絶対に起こると分かっている爆発なら、絶対に見逃したりはしない。じっくりと観察できる。
ま、集中し過ぎてたのと、同時に別の考えごとしてたのが私の敗因になっちゃったんだろうけど……。

あの男の言葉に、私は敗北した。
鋼線にでもなく、技術にでもなく――言葉に。そして発想に。私は敗北した。
持ち上げて落とす。落とすために持ち上げる。それがセオリー。
そして、終わらないことこそが不幸。終わることが出来ないことこそが不幸。
……まさにその通りだ、と、不覚にも思ってしまった。
ああ言われてしまえば、あれ以上足掻いても無意味なだけ。より深く傷を広げるだけ。
仮に状況をひっくり返せたとしても、惨めなだけ。
用意された極上の鬱展開を前に潰せなくなってしまったのは、ふふふっ、LS書き手のサガかしらね。
そこまで読んで仕掛けてくるんだから、もう、白旗を上げるしかないわよ。

だから――抵抗のために使えるはずだった『力』は、別のことに使おうと思った。
私自身の力ではなく、スタンドDISCによる借り物の力でしかなく……
しかし同時に、「全ての能力が揃った」スタンド。
それを、この戦い「以外」の所に使おうと思った。


     ☆   ☆   ☆

2519シゴフミ:2008/02/15(金) 20:55:51 ID:5i3PpxIA0

じたばたしていたコイキングが湯船に飛び込み、タコが踊りながら後退りする。
ブリが水面を打つ音が悲鳴のように響き渡り、小さな鯛焼きがコソコソと物陰に隠れる。
彼らは野生の勘で察知したのだ。
「それ」に近づいてはならないと。「それ」は死を齎す存在だと。
キュラキュラと、キャタピラの軋む音が近づいてくる。小さな影が、物陰から姿を現す。

「……コッチヲ……ミロォ〜〜!」

奇妙な声。
その正体に思い至った時、シルベストリは血の気が引くのを感じた。

「これは……逃げるべきだと言わざるを得……」

漫画ロワ書き手の彼にとっては、よく知った存在。
『シアーハートアタック』。
吉良吉影のスタンド「キラークィーン」第二の爆弾。
自動的に人間の体温を追尾する無敵の戦車。
狙われれば苦戦必至、承太郎のスタープラチナをもってしても破壊しきれぬ絶対的な強度。

「…………」

だが……何かがおかしい。
腰を浮かしかけたシルベストリは、異変を感じて湯煙の中で目を凝らす。
逃げ遅れる危険が増すのを承知で、そのシアーハートアタックをじっと見つめる。

……無敵のはずの戦車のボディに、ヒビが入っていた。
片方のキャタピラが、外れかけていた。
戦車に刻まれた髑髏のレリーフにも損傷があり……その欠けた部分に、何か引っ掛かっている。
何かを引っ掛けて、ズルズルと引き摺っている。
満身創痍のボロボロの姿で、それでもなお、「それ」を落とさないよう、必死に這いずっていた。

「……ミツ……ケ……タゾ……! ニンゲン……ノ……タイオン……!」
「これ、は……!」

シルベストリの脳裏に、JOJO第四部のとあるシーンがよぎる。
それはシアーハートアタックが使われた場面ではない。キラークィーンが大暴れした場面でもない。
むしろ、キラークィーンの被害者の姿。殺人鬼・吉良吉影の犠牲になった1人の少年の姿。

「これはむしろ、『重ちー』の、『ハーヴェスト』の最期の……!」
「コッチ……ヲ……ミロ……ォ……!」

呆然と、口癖すら忘れて呟くシルベストリの目の前で、シアーハートアタックはついにその動きを止めた。
ボディに入ったヒビ割れが広がり、割れ、壊れ、砂のように崩れ落ちていく。
無敵のはずの自走戦車が、あっけないほど簡単に自壊していく。
後に残されたのは……1つの首輪。
軽い音を立てて落ちたそれは、カラカラとシルベストリの足元まで転がっていって、そして……

パカッ、とまっぷたつに割れて、動きを止めた。


     ☆   ☆   ☆

2520シゴフミ:2008/02/15(金) 20:56:52 ID:5i3PpxIA0

実のところ……首輪は、恐ろしくシンプルな構造だったわ。
それこそ、私の持つ爆弾技術を使えば一瞬で分解できてしまうような、そんな雑な作り。
流石に自分の首元に嵌った首輪は、作業も面倒だし鏡も無かったし、そう簡単には行かなかったんだけど……
私の手元には、もう1つ、別の首輪があった。

開始早々に死体から入手した首輪。名前も所属ロワも知らない人の首輪。
これを使って、私の発見を伝えなければ。

『首輪は簡単な構造である。首輪は構造を知ってれば中学生でも解除できる。
 首輪には、なんと盗聴器すらついていない。主催者側は、首輪のことをさほど重視していない』

……このメッセージのどれだけの部分が伝わるかは、私にも分からないわ。
でも、私はやれるだけのことをやった。
自分の身体を盾に、相手の死角に隠れるようにして、キラークィーンの腕と小さな爆発を用い、首輪を分解。
キラークィーン第二の爆弾、シアーハートアタックにそれを委ねる。
自爆機能を破壊した上で、みんなとの集合の約束をしていた温泉の方に、密かに送り出した。

きっと「あの首輪」を受け取った人は、その内部構造を理解できる。素人でも一目で構造を理解できる。
元から簡単な構造だったところに加えて、私が「理解しやすいように」分解しておいたのだから。
理解さえできれば、あとは命を預け合える仲間と、ほんのちょっとの勇気があればいい。

誰に出会い、誰に届けてくれるかは完全に賭け。
下手をすればマーダーに見つかり、そこで全てが止まってしまうかもしれない。
下手をすれば誰かに出会う前に私が死に、どこにも届かずに終わってしまうかもしれない。
けれども、私はやれるだけのことはやったのだ。

……ああ、別に贖罪のつもりはないわ。今さら誰かを救おうなんて気もない。
そんなつもりなら、この力を使ってこの束縛から脱している。
マスク・ザ・ドS氏を倒して、コ・ホンブックちゃんを助け出している。
そんなつもりじゃなくて。

贖罪のためでもなく――
不幸を脱するためでもなく――
どこかの誰かを、一旦持ち上げるために。
その後に落ちるやもしれぬ危機に陥れるために。
天秤の揺らぎを、まだ止めないために。

この「書き手ロワ」という「不幸」を、どこまでも引き伸ばすために。

ああ……でも流石に、コ・ホンブックちゃんが泣き喚く姿を見せつけられると、心が痛むわね。
そんなこと言う資格は無いんだろうけれど、せめてこの子だけでも救いたかった。
あるいは、この気持ちもあの男の想定内なのかもしれない。
シアーハートアタックのことも分解した首輪のことも、全て分かった上で見逃してくれたのかもしれない。

全く、何て恐ろしい男――

                    【 B O M B ! 】


     ☆   ☆   ☆

2521シゴフミ:2008/02/15(金) 20:57:30 ID:5i3PpxIA0

「……どこの誰かは知らないが……これは、受け取らざるを得ない」

シルベストリは落ちていた首輪を拾い上げる。
こうして見れば一目瞭然。
外装が2つに割れ、内部の機械や爆薬らしきものが露出し、首輪の構造がこれ以上ないほどよく分かる。
分解防止のための回路もないようだ。盗聴器らしきマイクも見当たらない。
この分解された首輪と、首に嵌っている首輪を見比べて、適切な部分を適切な方法で壊せば――!

「……だが、その前に身体を温めざるを得ない。ここで風邪を引いたら元も子も無いと言わざるを得ない」

だがとりあえず、今シルベストリ1人で出来ることはあまり無い。
その首輪を大切そうに洗面器に入れて置くと、彼は再びその見事な肉体を温泉に沈めるのだった。


【昼】【H-8 温泉・露天風呂(混浴)】
【シルベストリ@漫画ロワ】
【状態】:全裸。
【装備】:なし。
【道具】:支給品一式、白手ぬぐい、覆面&マント@FFDQロワ(海水で湿ってる)、
     『闇その2@スパロワ』の首輪(分解され内部構造がよく分かる)
【思考】
基本:サ ー ビ ス シ ー ン 担 当
1:海で泳いで冷えたので、温泉で身体を温めざるを得ない。
2:風呂から上がったら改めて首輪のことを調べざるを得ない。
3:みんなが帰ってくるのを待たざるを得ない

 ※容姿はシルベストリ@からくりサーカスです。
 ※両目があります。金玉絶賛引き上げ中です
 ※覆面&マントを装備した場合、外見が荒くれ仮面(FFDQロワ参照)になります。

※以下のものが気持ち良さそうに温泉で泳いでいます。
 たいやき(Lv99コイキング)@ニコロワ、ブリ@アニロワ2nd、タコ@漫画ロワ
 鯛焼き(THE FIRST@ライダーロワが焼いたもの。なぜか「およげ!たいやきくん」状態)
※温泉少女の支給品一式、モンスターボール@ニコロワが放置されています。

2522貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/15(金) 20:58:02 ID:5i3PpxIA0
投下完了。
まあ蛇足なんだけどさw

2523貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/15(金) 21:12:52 ID:O5h2N6Xc0
投下乙!
そうだよね、そういえば対主催を真面目にやっている奴、あんまりいなかったよねw
そしてようやくのシルベストリ登場w 一躍、対主催の希望にw

2524貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/15(金) 21:15:16 ID:v1FAyJ6cC
投下乙です。
これはナイス置き土産。
というか、考察とかそういうことを書こうと思う前に予約が被るんですがw
うん、ごめん。
いざとなったら次元連結システムの応用で首輪解析機(@スパロワ)でも引っ張ってこようかと考えてたw

2525貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/15(金) 21:17:38 ID:HURO7e0g0
投下乙。首輪解除フラグまできやがったw

>>2524
マシンファーザーを生贄に首輪解析機を召還という電波が

2526貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/15(金) 22:01:02 ID:W5Y8WyosO
投下乙!置き土産を手に入れたシルベストリに期待が高まる。

そういえば、着実に対主催の行動とってるキャラって誰がいる?
首輪と本拠地以外に何か出てたっけ?

2527貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/16(土) 01:07:48 ID:kx.pUKYc0
一度目に燃えを、二度目にギャグを、三度目に鬱を。
今まで以上にキバヤシだが、投下するぜい。

2528貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/16(土) 01:08:08 ID:kx.pUKYc0
『テイルズ オブ シンフォニア』
書き手ロワ2ndの住人の中には、このゲームを知っている人も多いだろう。
その名の通りかの『鬱ロワ』『全滅ロワ』として名高く、晴れて主催者側の護衛として、
『アンチ対主催』という独自のスタンスで登場した『テイルズロワ』の参加作品である。
さてそのゲームの主人公ロイド・アーヴィングは、RPGでは珍しい二刀流の主人公である。
「100+100=200だろ?」
彼がこのスタンスを選んだのは、そんなどこかのマッスルな超人漫画的な理論によるものである。
当然だが、剣を二つ持ったとしても、単純に攻撃力が2倍になったりはしない。
使い手の技量により100+100は200にも150にも70にも300にもなるのである。
だがしかし、漫画やゲームの世界では、使い手の技量の他に武器の性質によっても100+100は変化する。
共振、対消滅、二対一刀などなど、武器同士がその性質により相乗・相克することが多々あるからである。

ならばもし、一振りで天と地と海を分かち、有象無象を塗り替えた創世の剣を2本装備したとしたら?
100どころか那由他と無限を掛け合わせたとしたら?
その答えが今眼前に広がっていた。

「ONEE−CHAAAAAAAAAAAAAAAANNNNNNNN!!!!」

横薙ぎに振るわれた赤き暴風がビルを灰燼へと帰し、
縦に振り降ろされた白き竜巻が大地に空と大地に大きな亀裂を残す。
あまりにも圧倒的すぎる様だった。
さらにその担い手は不死の酒による再生能力と酢飯細胞による様々な肉体強化をなされている。
とてもではないが一人で立ち向かえたものではない。
チートとされるバトルマスターやtu4氏クラスでも負けないのが限界であろう。

それでも、その漢はただ一人でこの怪物に対峙し続けていた。

漢の名は承、結果的に仮面ライダーに救われたスパロワの書き手である。

2529貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/16(土) 01:08:59 ID:kx.pUKYc0

「信じてくれ!俺はお前の敵じゃない!!」
承を守るかのように、それでいて全てを受け入れるかのように、
ビッグ承が承と怪物の前で手を広げ続ける。
その手にゴルディオン・ハンマーはない。
この戦いが始まってすぐ承が放棄させたのだ。
以来漢は訴え続ける、敵ではない、信じてくれと。
まるでかって彼の仲間が描いたヴィンデル・マウザーのように。

「ONEE−CHAAAAAAAAAAAAAAAANNNNNNNN!!!!」
再び螺旋が巻き起こり全てのものを消し飛ばす。
破壊と復讐。怨みと呪い。苦痛と悔恨。
余りにも強すぎる負の念故に狙いが定まっていない現状において、
なんとかビッグ承はジョジョ補正とサポートツール:プロテクト・シェードの併用で、
余波を逸らしつつ気合いで踏みとどまっているが、
全身に負った傷がそう長くは持たないことを無言のまま語っていた。
言うまでもなくスタンド:ビッグ承のダメージは使用者にかえる。
勇者王が混ざっている分ダメージのフィードバックは本家の半分ほどだが、
承自身にも相当のダメージがいっていることは間違いない。

だが、それでも。
彼に目の前の怪物を倒す気はさらさらなかった。
それどころか何としてでも救おうと考えていた。
正気の沙汰とは思われないだろう。
全てを飲み込み、全てを滅ぼし、全てを恨む怪物を救おうといったい何人の人間が思うだろうか?
かっての少女の姿だった時ならともかく、酢飯細胞を取り込んだことによりエクスフィギュアと化したその姿は、
怪物と化したその心にふさわしいものだった。
彼からすればデビルガンダムと形容するのが一番ぴったりくるくらいだ。
早々少女――コ・ホンブックは心身ともに怪物としか言いようがないというのに。

2530貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/16(土) 01:09:25 ID:kx.pUKYc0
「怪物な、もんかよ」
けれども、彼にはわかるのだ。
形は違い、規模も違うだろうが、思い通りにならない体に絶望し、意思に反する役を押し付けられ、
怪人と見なされ、考えることをやめていた彼にはわかるのだ。
どうしようもない痛みに対する苦しみが。
化け物たれと定められた絶望が。
救い手に見放された悲しみが。
心を閉じるほどの諦めが。
だから彼は手を伸ばす。
読み手の誰もがチートなマーダーと見なしても、
書き手の誰もが彼女に人を殺させ、彼女自身を滅ぼさせようとしても。
ただ一人、救おうとあがき続ける。

「ONEE−CHAAAAAAAAAAAAAAAANNNNNNNN!!!!」
なによりも、まだ、彼女は間に合うのだ。
諦観と絶望のはてただの殺人機械となったはずの自分すら、仮面ライダーに救われたのだ。
なら、
「ONEEEEEE−−−−−−−−CHAAAAAAAAAAAAAAAANNNNNNNN!!!!」
「怪物が、こんなにも悲しそうな声で、誰かを求めたりするもんかよおおお!!」

一つ、怪物は言葉を喋ってはならない。
二つ、怪物は正体不明でなければならない。
三つ、怪物は不死身でなければ意味がない。

なんだったか、どこかで聞いたことがある言葉だ。
目の前の誰かは、確かに知らない人物だ。
攻撃を放つごとに自壊し再生する様は不死身と言えるだろう。
だけど、そいつは確かに声をあげているのだ。
かっての自分とは違い、まだ言葉を口にするだけの、してしまうだけの心があるのだ。
怪物は、泣かない。怪物は、憎まない。怪物は、呪わない。怪物は、悲しまない。
ならばこいつは人間だ、人間なんだ!!

「ビッグ承、もう一度ハイパースキャンだ!!」
決意を新たに己が力に命を下す。
承はなにもただただ防戦にまわっていただけではない。

2531貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/16(土) 01:10:06 ID:kx.pUKYc0
スパロワの書き手、承。
彼はいわゆる繋ぎ作家である。
他の起・転・結等と比べればどうしても地味な印象がぬぐえない。
しかし繋ぎ作家ほど書き手の力量が問われる役職はない。
彼らは事前に起こった事態の影響やそれに対するそれぞれのキャラの動きや心情、
更には伏線への考察の第一歩や事態の後始末など、ぶっちゃけかなり手間のかかることを力技に頼らず、
前後がうまく繋がるよう対処しなければならないのである。
故に彼らは求められる、あらゆるものをきちんと把握する力を。
スタンド・ビッグ承は、まるで主催者のお遊びで支給されたネタ装備なようだが逆に考えると承専用装備ともとれる。
そして専用装備の定番に従うかのように装備者たる承の把握能力を全開に引き出すことに特化していたのだ。
さらにはもともとビッグ承のモデルである承太郎は能力者ものでも考察・知略で有名なジョジョの奇妙な冒険の主要キャラである。
よってその眼光から放たれるハイパースキャンは、時間さえ掛ければ能力・性質・感情を読み取れるのである!
……目を光らすビッグ承が、ガンを飛ばしてているようでものすごく怖いという欠点はあるが。

彼はこの戦いにおいてその能力を今までに度々使って解析を続けてきた。
最後のスキャンを終え、その結果が遂に身を結ぶこととなる。

(読み通り、あれは元は書き手。その体が酢飯細胞で変容したっつうことか。さらにあの再生能力。不死の酒か、やっかいだな。
 永遠に痛み続ける胸や腹の傷。これが根源なのは間違いないが、そのうえさらに憎悪や悲しみや懺悔が上乗せされてる。
 くそっ、誰がこんなひどいことを!!いや、今は私情は捨てろ。加えて大切なのは、あの少女の中に三つの意思が滞在している点だ。
 関わるもの全てを滅ぼし、数々の読み手の怨嗟の声を浴びたが故に、いつしかそれ自体が破壊の意思を持つようになった、
 アニロワ2nd版『乖離剣・エア』。
 同じく歪んだ愛が暴走した果てに、その身が朽ちようと他者に寄生し乗っ取るといった悪魔じみた少女の想念を宿した、
 テイルズロワ原案『酢飯細胞』。
 あの攻撃衝動はこの二つによるところも大きいみてえだが)
 
「ONEEEEEE−−−−−−−−CHAAAAAAAAAAAAAAAANNNNNNNN!!!!」

原作からも考えて、彼女は恐らく姉のような人物をなくしたのだろう。
だがそれはただの姉だったのだろうか?

酢飯ことシャーリーが、兄セネルに求めたのは愛だ。
ならばこの少女が姉に求めたものはなんだ?
それを叶えることこそがこの少女を救うということならば。
思い出せ、勝手の自分を。
諦めきる前に何を望んだ、何を願った、会う人々になんと言った?
そんなのは、決まってる。

2532貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/16(土) 01:10:46 ID:kx.pUKYc0
止めてくれ、助けてくれ。

ただ、それだけの、切なる願い。
きっと少女の姉は少女を助けようとしてくれたのだろう。
けど、届かなかった。
少女を助けようとして、もしかしたら少女自身に殺されたのかもしれない。
かっての自分のように。

俺は、ライダーを殺して、そこで、救われた。

あの子は、姉を殺し、どこまでも、救われなかった。

だったら、俺が引き継ごう。
俺を助けてくれたライダーのように、少女の姉の意思を引き継ごう。
神ならぬこの身では、今あるものしか見通せない。
ハイパースキャンでも、過去の出来事はわからない。
だから少女と姉の関係は、推測にしか過ぎないことだけど、それでも。

少女のいう姉が、彼女を救おうとしたことは、間違いないのだから。


「ONEEEEEE−−−−−−−−−−−−−−−−CHAAAAAAAAAAAAAAAANNNNNNNN!!!!」

なかなか倒れないビッグ承に業を煮やしたのか、先ほどまで別々に放たれていた二本のエアが、
一点に向けられ同時に発動する。
『紙砂嵐』
グオングオンと唸りをあげる二本の螺旋剣から生まれた破壊の小宇宙が、ビッグ承を蹂躙する。
さすがの最強クロスオーバースタンドも遂に膝をつく。
それでも承はひるまず少女へと歩を進め、声を届ける。

「俺は、お前のお姉ちゃんには、なれない。けどお兄ちゃんにはなってやる!お父さんでもいいぞ!!
 少し自信はないが、まあ、なんとかしてみせる!!弟は、あーっと頑張るから!!
 もうやけだ、じーさんでもおじさんでもどんと来い、だ!!」
自分でもわけがわからなくなってきた。
なんかすごく脱線した気がするが、それが思わぬ効果を生んだ。

「ONI、ICHAN?ONI、ICH、AN」
酢飯細胞がお兄ちゃんという言葉に反応して活性化し、少女の意識との合一に混乱が生じたのだ。
続いてエアがビッグ承を倒したことによりその破壊衝動が一時鎮静化する。
少女の本来の意思が起きるとしたら、今をおいて他にはない!!

「だから言え!!おまえの本当の願いを!!お前の味方はここにいる。俺は死なない、負けない、放っていかない。
 ずっと、一緒にいてやるから!!」
どこまでも強い訴えだった。
例え他の誰が同じセリフを叫んでも、これほどの誠意を感じさせることはなかっただろう。
度重なる未完の危機を乗り越えたスパロワの書き手であり、
ロワ内で似たような苦境にあい、それでいてそこから救われた承の言葉だったからこそ、
本当にどうにかしてくれるように思える力を持っていた。

だから、届いたのだろうか?

「あ…う、た…す、…け、…て」
確かに、声がした。
囁くかのような、小さな声だった。
もしかしたら錯覚だったかもしれないとさえ思える。
それでも承は応えた。
初めて己が意志で口にするその言葉を以て。
ただ一人、泣き続ける少女に。

2533第二次スーパー書き手大戦 第181話 了承!!:2008/02/16(土) 01:12:10 ID:kx.pUKYc0
第二次スーパー書き手大戦
第181話 了承!!

自分では、目の前の怪物は殺しきれない。
だが幸いにも今の彼には少女を救う力はある。
「ゴルディオンハンマー、発動、承認!!」
ゴルディオンハンマーが光を帯びる。
だが担い手であるはずのビッグ承は動かない。
当たり前だ、紙砂嵐の直撃を受けたばかりなのだ。
むしろ消滅していないのが奇跡である。
そんなことは承本人も百も承知だ。
ビッグ承はもう十二分に戦ってくれた。
それに彼(?)にはまだ役目が残っている。
ここからは承自身の戦いだ。

(幸い、ビッグ承の能力使用権限は了承によって俺に移行することができた。
 つまり、ゴルディオンハンマーを俺が使用することも可能っつうことだが)

誰が、何処を、どう見ても、承とハンマーにはサイズ差がありすぎる。
片やただの人間、片や勇者系では小さい方とはいえ30メートル前後を誇るロボットの巨大武器。
普通の人なら扱えるとは考えまい。
そもそも手で握れる大きさではない。
それなのに、彼の顔には笑みが浮かんでいた。

(普通?常識?は、そんなもん俺の無茶でいくらでもぶっ飛ばしてやんよ)

「クラッシャアアアアアアアア、コネクトオオオオオオ!!」
目を疑う光景だった。
承が自らの拳でゴルディオンハンマーの柄の装甲を貫き、無理やり腕の先に固定してハンマーを掲げてみせたのだ。
驚天動地、何がなんやら。
「ゴオオオオルディオン」
その上そんな重そうなハンマーをぶんぶん振りまわしながら天高く跳躍までしてしまうのだから開いた口がふさがらない。
あ、なんかハンマーの先が光って展開した。
原作に沿っているようで盛大に無視してるじゃねえか。
「クラッシャアアアアアアアアーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」

           だが、そんな非常識がまかり通る世界こそが、

「ONEEEEEE−−−−CHAAAAAAAAAAAAAAAANNNNNNNN!!!!」
「うおおおおおおおお、不屈、根性、ド根性!!」
再び酢飯細胞がコ・ホンブックの意思と混ざりきる。
頭上の光の鉄槌を危機と感じたのか、浸食衝動に駆られただけか、体からいくつもの触手を出し、
承本体を貫いていく。
「無駄、無駄、無駄ーーーーーーーーー!!」
その痛みを文字通り気合いと根性だけで無視する。
ってか、なんか体が緑に光だし、触手が蒸発しちゃったりしている。
ありえねえ!!

           彼が、彼らが、愛した世界なのだから。

2534第二次スーパー書き手大戦 第181話 了承!!:2008/02/16(土) 01:13:24 ID:kx.pUKYc0
「ONEEEEEEEEEE−−−−−−−−−−−−−−−−CHAAAAAAAAAAAAAAAAANNNNNNNN!!!!」
エアが敵が果てきっていないのを感知し再起動する。
廻る、廻る、廻る。くるくると、狂狂と。
天地を分かつ創世の剣が二本掛かりで唸りをあげる。
対するハンマーもといクラッシャーがいかに太陽一つを消し去る力があるとはいえ、数の不利は覆せまい!!
「そっちが2倍なら、こっちは2.5倍だああああ!!」
え、嘘、そんなのアリ!?どうやって!?

           そして、その世界の一つの担い手である彼らを、

「この“魂”の炎、限界まで燃やし尽せば」
また精神論かよ!!うわっ、本当に威力がすんげえ増したあ!?
その上なんか緑から金色に光の色までかわってるう!?
なんなんだよ、なんなんだよ、あんたはいったい!?
「救えぬものなど何もない!!」
なんで、なんで、なんで、なんで、そんなに、

           世界やその住人もまた、愛していることだろう。

「クラッシャアアーーーヘル!!」
赤と白の力の本流を文字通り黄金の光の巨鎚が叩き伏せ押し返す。
地獄軍神コ・ホンブックVは出せるだけの触手を出し防御にまわすが、
そんなものでふさぎ切れる筈がない。
白きエアが元の紙へと戻りすぐさま燃え尽きる。
怪物に身をやつした少女が光と化す。
本来の4.5倍もの力を受けた赤きエアが力を失う。

「お、ねえ、ちゃ、ん」
それほどの力を受けても、例え光に昇華されようとも、
不死の酒と酢飯補正による鉄壁の生命力が少女に死すら許さない。
さすがに速度は遅いが光が集まりだし、今まで同様に少女をかたづくる。
周囲では酢飯細胞がやはり怪物の姿をかたづくり、生体コアを待ち構えている。

そうだよ、無駄なんだよ、相手がすごすぎるんだよ。
なのに、なのによう、

        故に誰よりも愛されている彼らは、

「クラッシャアアアアーーーーーーーーーーヘブン!!!!」
時が、止まる。
承の眼前には人間として再生寸前のコ・ホンブック。
少女を回復にまわしていたビッグ・承のスターフィンガーで怪物の体から引き抜く。
同時に承は最後の支給品を取り出し、了承のソフトともども今あけた空洞に投げ入れる。
二面作戦によりJUST二秒!

2535第二次スーパー書き手大戦 第181話 了承!!:2008/02/16(土) 01:14:02 ID:kx.pUKYc0
「光に、なああれええええええええええええええええええええええええええ!!」
時が動き出し、抜けた部分を補おうと少女と再び合一する前に、
返すハンマーを受け地獄軍神の体がまたもや光と化す。
ゴルディオンクラッシャーの覚醒・補給で二連攻撃。
あまりの乱用に耐えかねたのか、ハンマーが砕け散る。
ありがとう、と心の中でずっと一緒だった武器に礼を言い、
承はコ・ホンブックに手を伸ばす。
勇者王ガオガイガーの最終回を再現するために。

           多くの素晴しい世界を紡げる

「クーラティオー!」
紡がれるは一つの呪文。
痛い、痛いと口にしようとした少女は、そこで一つの事実に気づく。
「テネリタース」
傷が、消えていく。
呪いのようにその身を蝕んだ二十二の星が呪文に合わせるかのように、塞がっていく。
「セクティオー」
それだけではない。
あれほど身を蝕んだ憎悪の念が鎮まっていく。
「サルース」
今ならきっと、自分も他人も責めることなく、命を奪った人たちに謝れる。
今ならきっと、自分も他人も責めることなく、助けようとしてくれた人にお礼を言える。
「コクトゥーラ!」
ありがとう。
ごめんなさい。

「うまくいった、みてえだな」
彼の最後の支給品名を継“承”石という。
最近のRPGやSRPG必須の二週目引き継ぎを具現化したアイテムである。
元ネタはテイルズオブイノセントにおける転生石のよくある名前間違いからだろう。
まだロワに参戦していない作品の道具のさらにパチモンを支給するとは、
そこまで“承”ネタにこだわりたかったのか、主催者は!と思わず叫びたくなる。

「だがまあ、おかげでこの子は助けれたんだしな」
死と再生を繰り返す少女。
そのさまはまさに何周も何周も人生を繰り返しているかのようだった。
壊しては死ぬ、死んでは生き返る、生き返っては壊す。
同じ物語をたどり続ける彼女にならこの支給品も効果をなすのではと彼は考えたのだ。
結果は見ての通り。
少女がその身に負っていたありとあらゆる呪いは継承するのに成功した。

2536第二次スーパー書き手大戦 第181話 了承!!:2008/02/16(土) 01:15:48 ID:kx.pUKYc0
「一度死なないと効果が発揮しないなんて、意味あんのかよ、これ」
実は持ってるだけで力を発揮するこの支給品の為、
その余波であっちこっちで同一人物だった書き手が色々覚醒していることを彼が知る由はない。

「ああ、そういや、もう一個欠点があったけ」
「……お兄ちゃん?」
どうしよかなあと自嘲していると、助けた少女に声をかけられる。
(あっちゃあ、もう少し寝ていてほしかったなあ)
「ああ、どうした?」
「アタシは、コ・ホンブック。お兄ちゃんの、名前、教えて」
いまさら気づく。そういえば少女の名前すら知らなかったことに。
それがなんだかおかしくて、声をあげて、笑う。
「あははははははははははは!」
「お兄ちゃん?」
キョトンとする少女を見て、救えてよかったと心底思う。
でも、だからこそ、心苦しい。
「悪い、俺の名前は承。仮面ライダー・シザースに命を救われた男だ」
よくよく考えれば、恩人であるあの男の名前さえ知らない。
だからか知らないがせめて彼女にも覚えていてやってほしいと思った。
「承ね。承お兄ちゃん、あたしを助けてくれて、その、ありがとう!」
少し照れたようにお礼を言う少女。
なんとなくまだもとの人格に戻り切っていないような、ちぐはぐさを感じるが、
そこらへんのことは後の書き手に任せるしかない。
「俺は、どこまでいっても、繋ぎ手か」
そのことは俺の誇りでもあるんだが、さすがに今回はきつい。
どっちかというと起や結の野郎の丸投げじゃねえか、はは。
……もう、あいつらの無茶の後始末をすることもないんだな。
「お兄ちゃん?」
どうも様子が変なことに気付かれたらしい。
まあ、そろそろ読み取りも終わって頃合いだろう。
ブックの奴が再生しきったから、不死の酒の能力も完全に継承されたことだろう。
だから。

「ごめんな、ブック。お兄ちゃんな、嘘ついた」

2537第二次スーパー書き手大戦 第181話 了承!!:2008/02/16(土) 01:16:39 ID:kx.pUKYc0
俺の一言にブックは表情を失う。
まったく、なんて残酷なんだ俺は。
「一緒には、行ってやれない」
「ONIICHAAAAAAAAAAAAAAAAAANNNNN!!!!」
「え?」
そう、これが答え。
継承石はあくまでも能力を同キャラに継承させるものにすぎない。
今回の件も了承の無理やり承諾パワーを使い、
ブックと一体化していた酢飯細胞の意思に強引に継承させたにすぎない。
本来なら細かい調節も利くのだが、おあいにく様、
裏技みたいな手段ではそんなに細かい選択はできないんだな、これが。
まあ、つまりだ。
本来ブックの初期状態に含まれていなかったもの全部、
二十二の傷はともかく不死の酒の効果まで受け継いでちまったてわけ。
幸運にもエアが使えないんで攻撃力は落ちてはいるが、
チートなのには変わりはない。
「まあ、そういうこった。行け、ビッグ承!!」
スターフィンガー後ずっとブックを掴んでいてもらったMYスタンドに指示をだす。
「お、お兄ちゃん、待って、お兄ちゃんが!!あんた、近接型のスタンドなんでしょ。
 使用者から離れすぎることなんて……」
おお、そうだったのか、初めて知った。
う〜む、大丈夫だろ。
なんせあのBIG-Oだからなあ。
我がロワ内で最も熱いロボ!
イングラムの意思に応え出典のスパロボDじゃ使えないラストステージぶっ放したり、
リュウセイの望みの為に勝手に動き続けて死亡表記まででたロボのなかのロボだし。
承太郎も相当の漢だっていうし、きっと根性でどうにかしてくれるだろ。

「ずっと、ずっと一緒にいてくれるって、言ったじゃない!!もう一人は嫌なの!!」
耳が痛い。ん、でも聞き捨てなんねえな、これは。

「なあ、覚えておいてくれ。世界には結構ヒーローがいるもんさ。
 言ったと思うが、俺は仮面ライダーに助けられたし、お前は俺に助けられた。
 さすがにこのロワほど破天荒なことはそうはねえが、基本は同じさ」

ブックだったものが動き出す。面倒だから命名デビルシャリダム。

「わからない、わからないよお」

本能からかKYなデビルシャリダムが触手をブックに向ける。
それをこの時の為に温存しといたザ・ワールドで止める。

2538第二次スーパー書き手大戦 第181話 了承!!:2008/02/16(土) 01:17:24 ID:kx.pUKYc0
「パロロワはリレー小説だってことだよ。
 俺たちは一人でSSを書いてるんじゃない、みんなで書いてるんだ。
 今回のようにどうしようもなさそうなチートが生まれてしまうかもしれない。
 伏線のばら撒き過ぎであとあとすんげえ苦労するかもしれない。
 誰も書こうとしない空気が生まれて扱いに困るかもしれない。
 けどな、そんな俺たち一人一人じゃ打破できないような問題を、
 誰か一人がスパーンと片付けてくれるかもしれない。
 五人がかりで少しづつ問題を解きほぐして解決してくれるかもしれない。
 それがリレーするっつうことなんだ。
 んでもってその誰かには俺やお前だってなれるんだ。
 そしたら俺らは一躍ヒーローだぜ?
 みんながすごく喜んでくれるしな」

まあ、待てシャリダム、最後くらい俺にもまともなセリフ言わせろ。
もう一回時止め。

「でも、わたしは知ってる。世の中いい人ばかりじゃないって」
「はっ荒らし?
 んなもんこっちにはそれ以上の絵師やMAD職人や地図書きや読み手がついてるだろ!
 最強勇者ロワ軍団だ!お、うまいこと言うなあ、俺」

自画自賛しつつさらに時止め。やべえ倒れそう。
でも妹の前で兄としてかっこ悪い姿さらしたくねえし。

「それでも、そこに、お兄ちゃんはいない!」
「……いるさ」

すまん、もっと大きな声で話してくれ。
ちょっと考えて間が空いちまったぞ。

「え?」
「俺だけじゃねえ、スランプになった奴も、書き手引退した奴も、骨折しちまった奴も、書き逃げした奴も。
 一度でも書き手であったなら、俺らの作品はずっと残る。
 DAT落ちしようが、まとめサイトがつぶれようが、没作品になろうが、誰かが覚えていてくれる。
 みんな死んじまったらおしまいかもしれねえが、それは永遠なんかの何倍も価値のある完結だ。
 だからもう、諦めるな!!お前はずっと一人なんかじゃなかったんだ」

今よく考えたらこのGGGパワーって、ロボロワ補正もあるんじゃね?
スパロワには全く参加してねえし、感謝だな。

「ほんとに?」
「ああ、なんせ一度壮大に詰まってぶっつぶれかけたとこから、
 立て直した経験のあるスパロワ書き手の俺が言うんだぞ?
 本当に決まってる」

我ながら悲しいやら誇らしいやらの超説得力。
でもだからこそ言いきれる。

2539第二次スーパー書き手大戦 第181話 了承!!:2008/02/16(土) 01:18:16 ID:kx.pUKYc0
「俺は、俺たちはずっとお前と一緒だ!!」
さすがに離れすぎたんだろう。
ブックの声はもう聞こえない。
んじゃま、いつもどおりできるだけ後始末しますか。
「ディバイディング・ドライアバー!!」
あらわれた巨大マイナスドライバーを大地に打ち込む。
これで万が一にもブックは戻ってこれねえだろうし、
エアを使えないデビルシャリダムがいくら攻撃しても脱出不能。
これはこれで30分しか持たないという弱点があるのだが。
そこはもうシャリダムを打倒できる奴らを妹が連れてきてくれることを祈るしかない。
仕込みはバッチリだ。
きっと俺のセリフを聞いたあいつは兄を助けようと仲間を集めてきてくれることだろう。
「やれやれ、俺もどこまでいっても書き手ってことか」
さてとブックにああ言ったのだ。
兄である俺が諦めるわけにはいくまい。

「ONIICHAAAAAAAAAAAAAAAAAANNNNN!!!!」
「ああ、待たせたな」
とはいっても、こいつの兄貴なんてまっぴらごめんだが。
手にはウィルナイフが握られている。
幸運にもこいつはジェネシックではない人間サイズ。
とりあえずは俺にも扱える。

「さあ続きを始めようか?」
シャリダムの劣化には成功したのだ。
なんとかなるかもしれない。
今ある手持ち、今ある力でなんとか自分が望む形に持っていく。
なんだ、SSを書くのとちっとも変らないじゃないか。
いつもと同じじゃ仕方がない。
俺がうまくいかなかった時は他の奴らに言わなきゃな。

2540第二次スーパー書き手大戦 第181話 了承!!:2008/02/16(土) 01:19:04 ID:kx.pUKYc0





「あとはまかせた」
























【承@スパロワ 死亡】

2541第二次スーパー書き手大戦 第181話 了承!!:2008/02/16(土) 01:20:28 ID:kx.pUKYc0
【夕方】【E-7/市街地】
【コ・ホンブック@アニロワ2nd】
【状態】:不明 
【装備】:ビッグ承
【道具】:なし
【思考】:
 基本:もう諦めない
 1:仲間を集める

※不死者化、酢飯細胞の効果が切れました。
 また、浄解により負の感情も治まりました。
 ただ新生したことにより、能力変化などが起こったかもしれません。
 お任せします。



【昼】【E-6/戦闘フィールド内】
【デビルシャリダム】
【状態】:酢飯細胞侵食中、不死者化、胸に12の傷(※)、腹に10の刺し傷(※)
【装備】:乖離剣・エア@Fate※
【道具】:なし
【思考】:
 基本;ONIICHAAAAAAAAAAAAAAAAAANNNNN!!
  1:全てを飲み込む

※不死者化する前に出来た傷は治りません。ずっと、痛いままです。
※エアは取り込まれていますが、過負荷により機能停止中です。
 このままでは再起動しません
※E−6に戦闘フィールドが形成されました。
30分の間は、いかなる手段を使っても脱出・介入不可能です。
また30分後のフィールド消滅時に、デビルシャリダムは空間融合に巻き込まれます。
シャリダムが邪魔ならこれにより活動不能にして下さい。
無論他のフラグに使ってくれても構いません。








いつも思うんだ。
登場人物多すぎだろって、フラグ建てすぎだろって、話長すぎだろって。
なのになんで諦めないんだろおなあ、書き手って奴わよお。
今回も同じだよ。
ぜってえ勝てねえ戦いだったんだ、化け物相手にナイフ一本なんて滑稽な姿のはずなんだ。
なのに、なんで、なんで、なんで、あんなにも、あの笑って死地に向った漢の背中はかっこよかったんだろおなあ。

                   とある読み手の手記より

2542貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/16(土) 01:21:50 ID:kx.pUKYc0
以上投下終了
4回目には感謝を
いつも楽しませてもらってます。
ありがとうございます。

2543貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/16(土) 01:30:03 ID:0uGXM8soO
全俺がボロ泣きした

2544貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/16(土) 01:34:44 ID:xd/bb/ScO
乙!
泣いた……まさか書き手ロワで目頭が熱くなるとは思わなかった……!
承の覚悟、確かに他の書き手に伝わったぜ!

2545貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/16(土) 01:44:18 ID:3x5HkW860
燃えた、噴いた、泣いた。

スマン……先日酢飯ネタで暴走したばかりにorz
承の戦いはまさに漢。脳汁出すぎて未だ震えが止まらない(((((;゚д゚)))))

2546貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/16(土) 02:17:23 ID:4WlcXKyI0
好評で何よりです。
えっと、実は181話ではなく182話の間違いだったようです。
あと、ディバイングドライアバー→ディバイングドライバー 盛大なミスです。
WIKIにUP時に修正お願いします。

後2454の方
あなたの一手がコ・ホンブックを救ったのです。
正直ドS死亡時に、
VStu4 知れ、空気の悲しみを 
VS承 了承!!
が思いついたのですが、決着他で両方詰まり、
そんな時に酢飯化が来たのを見て、これならいける!!
と今の形に落ち着きました。
リレー力を自分でも実感。

25472546:2008/02/16(土) 02:18:22 ID:4WlcXKyI0
2545の方の間違いでした。ぺこり。

2548貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/16(土) 04:19:06 ID:9tp/0f1k0
熱いなあ。
GJだわほんと。
ついでに俺の脳内でネタが没り、しかし次のネタに転生しようとしている。

あ、ところでブックの時間進みすぎてやしませんか?
演出効果で夕日召喚したのかと思ったw

2549貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/16(土) 07:40:19 ID:aXjuR9ZE0
これは……名作乙、と言わざるを得ない。
くそ、承め、無茶しやがって……すげえヒーローだよ、やり遂げたよ、意志を見せてもらったよ。
もう絶対に救われないと思っていたコ・ホンブックが救われる話なんて、きっと見れないと思ってた。
とにかく、GJと言わせてくれ!

2550学園に行こう!:2008/02/16(土) 13:07:56 ID:Me9tGNDs0
  『ミニ・サスペリア テーマソング 「勇気・輪・凛☆」』
  曲/歌:ミニ・サスペリア


  エロスの鐘が リンリンリン〜♪ けらくの交合 ルンルンルン〜♪
  輪姦☆ 獣姦☆ 触手姦〜☆ つるぺたようじょに ダンダンダン〜♪
  ルンルン可愛い〜 メイドさん〜♪ ゴシゴシしごくよ〜 マーラさま〜♪
  まっかに腫れてる 桃のしり〜♪ それゆけ〜 ぼくらの〜 サ〜スペリ、アッ――☆


  バタ犬チーズ わんわんわん〜♪ 気持ちが悪いな ポンプ責め〜♪ 
  痛いの大好き ドMちゃーん♪ てんてんどんどん 親子姦〜♪
  どこからきたのか〜 変な仲間〜♪ ほらほらはじまる〜 大騒ぎ〜♪
  なんなんなんでも〜 とんちんかん〜♪ ぼくらの〜 ともだち〜 サ〜スペリ、アッ――☆ 


  ドキドキさせるよ〜 ドSさん〜♪ 優しく責めるよ〜 容赦なく〜♪
  バタバタはしるよ〜 メイドさん〜♪ みんなが〜 だいすき〜 サ〜スペリ、アッ――☆


 ◆ ◆ ◆


「耳元で変な歌、歌わないでよ……」

自分の肩の上に乗り、やたらと楽しそうに大声で卑猥な替え歌を歌っている小さなメイド。
それをじと目で見ながら、エロスの鐘の煩悩寺は大きな溜息をついた。
ちなみに彼女の姿は前話の魔法妖女から、元のいたいけな少女(シーツ一枚)のものへと戻っている。
なぜならば、魔法少女とはトラブルが発生するまで変身しないというのがお約束だからだ。

「あーら何? 今度は歌にまでケチをつけようっての――ッ!」

ケチも何もと言った変態ソングではあったが、肩の上のちびメイドにとってはそれなりに愛着があったらしい。
顔を真っ赤にしながらじたんだを踏んで、煩悩寺の肩こりを解消するのに役立っている。
しかしまぁ、それはとてもとてもどうでもよい話だろう。本筋とは全く関係ない。

「……で、どうして学校なのかしら? まぁ、誰かと会えそうではあるけどね」

少女と小さなメイドの二人?は、海辺でのアレの後、一路地図の真ん中に記された学校へと進んでいた。
何か着替えを探させて……と言う煩悩寺のお願いを蹴っ飛ばしての、メイドの提案である。
どうやら肩の上のちびは、メイドの姿をしていても主従関係についてはかなりおおらかな考えの持ち主らしい。

2551学園に行こう!:2008/02/16(土) 13:08:20 ID:Me9tGNDs0
「学校じゃなくて――学園! 間違えると大変な目にあっちゃうわよ。気をつけなさい」

実際には学校なのだが……、ちびメイドにとってはそこは拘らなくてはならない点らしい。
尤も、未だ舞台の中央にある学校に具体的な描写はないので、もしかしたら彼女の言うとおり学園かも知れない。
むさ苦しい男子校かも知れないし、女装生徒が潜むお嬢様学園かも知れない。小学校かも知れないのだ。

「はぁ……、別にそれはいいけど……」

ぺたりぺたりと裸足を踏み鳴らし、温かいアスファルトの感触に妙な心地よさを覚えながら煩悩寺は歩く。
状態表にはエロスの限りを尽くす……などと書かれてはいるものの、今の彼女にその気はあんまりない。
どちらかと言えば対主催でいきたいかなと思っていたのだ。まぁ、3人も殺していれば、もう手遅れではあるが。

「ともかく! エロスと言えば学園なの! それがお約束なの!」

小さなメイドはない胸を反らして力説する。確かに彼女の存在的には、それがお約束であろう。
多分彼女は、学園を淫楽の園と化したり、学園の周囲にエロスの五芒星を書きたいとか……そう考えているのだ。
しかしどうだろう。いくらネタ元のエロスの鐘の煩悩寺がエロゲ好き(偏見)だからって、そういう方向へ行くのは……。


優勝なんかできっこない。だから対主催に転向したい。いや、あなたはエロ展を邁進しなさい。
そんな言い合いをしながら、一人の魔法少女見習いと小生意気なちびメイドは、道をひたすらに北上するのであった。
彼女達の行く末にあるのは何か?

病院行きを進められる様なカオス展開か? 下品ですが、勃起……しちゃいましてね。なエロ展開か?
はたまた、自重を進められる様な無理矢理な不条理展開か? まさか空気になってしまうのか? それとも――。



【昼】【F-5 市街地】
【エロスの鐘の煩悩寺@アニロワ2nd】
【状態】:精気満々、魔力全快
【装備】:エロスの鐘、ミニ・サスペリア
【道具】:支給品一式
【思考】:
 基本:成り行きに任せる(変身中:エロスの限りを尽くす)
 1:学校……いや、学園に向かい人を探す

 ※容姿はティアナ・ランスター@なのはstsです。
 【エロスの鐘】
 大人向けデバイス。魔法妖女デザイア・ベルへの変身アイテムでもある。
 その音色を聞かせた者が隠し持っている欲望を引き出し、暴走させてしまう。
 暴走した欲望からエロスを吸い取ることで相手の精気を自分のものにできる。
 【ミニ・サスペリア】
 掌サイズのメイドさん。闇のメイド・サスペリア@アニロワ2ndの姿をしている。
 魔女っ娘に必要なマスコットキャラで、ご主人様に色々とアドバイスをしてくれる。

2552学園に行こう!:2008/02/16(土) 13:08:43 ID:Me9tGNDs0
 ◆ ◆ ◆


「――ふぅむ。ここいらで、僅かなギャグ展開の気配を感じたのだが……?」

エロスの鐘の煩悩寺がそこを過ぎてから10分足らず後、そこに負けじ劣らじの奇怪な四人組がやってきた。
黄金の顔、黄金の身体をマントで包み、異様な威厳と貫禄を感じさせる男はギャグ将軍。
金ぴか、金ぴかと描写を重ねるとなんだか某王様みたいな印象だが、こっちは黄金マッチョの化物である。
それはともかく、彼とその仲間は先の発言通り。ギャグ展の匂いに釣られてここまでやってきたのだ。

「俺にも何か感じるものがあるぜ。何と言うか……俺の中に滾る何かと反応する何かを感じる」

目の前に持ち上げた拳を固め、保志総一郎の声で発言する熱い男の名前は大あばれ鉄槌。
真っ赤な少女趣味全開のドレスに包んでいる女装男。しかし、決して女装っコと呼べる存在ではない。
どれだけ鈍感なエロゲの住人であろうと、こんな奴を女性であると勘違いすることはないだろう。

「あの、孤高殿や、漆黒殿はもう探さなくともよいのでしょうか……?」

この道を先に行ったちびメイドと同じデザインのメイド服に身を包む女侍は、永遠のうっかり侍である。
メイド服に刀とは、些か使い古されたデザインではあると言わざるを得ないが、中々によいものである。
発言にある通り、彼女たちは仲間を探していたのだが、彼らは未だ行方不明中だった。

ちなみに、ぶっとんできたエンジェル・アームを跳ね返し、天へと打ち上げるというビッグイベントがあったのだが、
その瞬間に彼女がうっかりと「あっ、向うにかわいい野良犬が」と言って皆の視線を逸らしてしまった。
故に、見つかるはずの彼らを見つけられず、彼女たちはこんな所をウロウロとしているのである。

『あまくて〜 おいしい〜 ベリィィメロンッ!』

核鉄にその機会を奪われ、発言できないでいるのは焦ったドラえもんだ。
彼女もうっかり侍同様にメイド服を着用している。バルキリースカートによってスカートがたくし上げられているのは、
目の毒……と言うよりも気の毒といった印象の方が強い。メイド服の由来であるみくる同様、気の毒な人なのだ。


――ということで、金ぴかの怪人+女装男+メイド×2という4人組がここに現れた。
さて、彼らはこれからどう行動するのであろうか?


 ◆ ◆ ◆


「ギャグ展の気配はここより北へ――学校の方へと向っておるな。ここは一つ追ってみるか」
「俺の中の燃え展レーダーも、ビンビンに反応しているぜ。これを追わないわけにはいかねぇな」

男二人は気配を追うと言う。だが、ギャグ将軍のレーダーは正確であるが、鉄槌のレーダーは不正確だぞ。
彼自身は気付いていないが、彼の中にある保志因子はカズマのものではなく、実は圭一のものなのである。
使える固有結界もK1のもの。嘘だと思うなら登場話を読み直してみるといい。
――つまりは、彼の中で反応しているのは燃え展ではなく……そう、エロ展の方である。

「しかし、今からではもう昼には間に合いませんよ。それに某はやはり漆黒殿たちが心配で……」
『――……そうだ。それでいい。ロボには命令するんじゃない。一緒に闘うんだ』

しかし、メイドさんズはそれには賛成できないようだ。見失った仲間を捨て置くには忍びないし、
それにもうそろそろ拠点である旅館に戻らなくてはならない時間でもある。
このまま戻らず、気分に合わせて会場をウロウロしていたのでは待っている人に申し訳ない。
そう責任感の強いうっかり侍は思うのだ。若本に発言を邪魔されている方に関しては知らん。

2553学園に行こう!:2008/02/16(土) 13:09:06 ID:Me9tGNDs0
――さて、どうしたものか?


「ならばここで別れるか。さすがの余も、せっかく感じたギャグ展の気配は捨て置けん」
「右に同じだぜ。俺もそろそろスカッとした一発を決めたいと思っていたんだ」

何やら鉄槌の勘違い発言が危うい前振りになっている気がするが、二人は考えを譲る気はないらしい。
少しずつ遠ざかってゆく気配にそわそわとしている様は、エロ本を買いにきた中学生みたいだ。

「そうですか……、ならば某は伝令として一度温泉へと戻ることにします」
『――……親父は伝承者を誤った。二千年の北斗神拳も、最早これまで……(※)』

ここであっさりと同意してしまうところが、うっかり侍のうっかり侍たるところであろうか。
目上の人から言われることには、ほいほいと従ってしまうのである。その内酷い目に合うのではないかと心配である。
ところで、(※)の事であるがこれは間違いなく若本御大の台詞である。
一話限りであるが、シルエット状態のラオウに御大が声を当てていたことがあるのだ。


 ◆ ◆ ◆


「うむ。ならば帰り道には気をつけてな。くれぐれも鬱展には巻き込まれぬ様注意せよ」
「鬱展へ巻き込まれそうになったら力の限りに雄叫ぶといいぜ。正義の熱血野郎が飛び出してきてくれる」
「お気遣いかたじけなく思います。では、今度は陽が落ちる頃に再会いたしましょう」
『死をくれてやる……』


――こうして、男二人と女二人はそれぞれに道を別った。
男二人は彼らが望む展開がその先にあると信じ進み、女二人は彼らが帰ってくる場所を守るために戻る。
彼らと彼女らに待ち受けるのはいかなる展開か?

腹筋にトレーニングを強いるギャグ展開か? 血圧と心拍数に負担をかける熱血展開か?
はたまた、カワイソスと書き込まざるを得ない鬱展開か? 頬が緩むほのぼの展開か? それとも――。



【昼】【F-5】
【新生クライシス帝国・ギャグ将軍班】
【共通思考】
 1:対主催の仲間を集める(首輪解除スキルを持つ者を優先)
 2:第三回放送の頃には旅館に戻る。

【ギャグ将軍@ライダーロワ】
【状態】:健康
【装備】:杖@ライダーロワ、王者のマント@FFDQロワ
【道具】:支給品一式、コーヒーセット一式@スパロワ、コーカサスブレス&ゼクター@ライダーロワ
     みWiki@らき☆すた?、ジャーク将軍のマント@ライダーロワ、
【思考】:
 基本:新生クライシス帝国の結成
 1:気配を追って学校へと向う
 2:Chain-情の計画に協力
 3:ついでに飲み友達を集める
 4:コーカサスゼクターの資格者を探し、コーヒーを飲む
 5:紅茶を飲むかどうかは保留
 6:ボマーの首輪解析実験に僅かに期待

 ※容姿はジャーク将軍@仮面ライダーBLACKです。
 ※ジャークミドラに似た、ギャーグミドラに変身できます。
 ※制限がライダーロワ基準だと思い込んでいます。
 ※シルベストリから、漫画ロワの知識を若干得ました。
 ※今はChain-情に協力的ですが、ちょっとしたことで心変わりする可能性があります。

2554学園に行こう!:2008/02/16(土) 13:09:26 ID:Me9tGNDs0
【大あばれ鉄槌@アニロワ1st】
【状態】:疲労(小)
【装備】:レイジングハート(待機状態)、バリアジャケット(ヴィータ)
【道具】:支給品一式
【思考】:
 基本:主催に反逆! 燃え展開でぶっとばす!
 1:気配を追って学校へと向う
 2:人と出会ったら問答無用で燃え展開だ!
 3:デバイスは壊す!
 4:ボマーと再会したらまたぶん殴る

 ※容姿はカズマ@スクライド+ヴィータ@なのはA'sの騎士甲冑。
 ※CVは勿論、保志総一郎。
 ※本人は自覚していないが、圭一@ひぐらしのなく頃にの因子が体内に存在する。



【昼】【F-5/市街地】

【永遠のうっかり侍@ギャルゲロワ】
【状態】:全身各所に刀傷、貧血は回復
【装備】:斬鉄剣@ルパン三世、ティアナのメイド服@アニロワ2nd
【道具】:支給品一式、パロロワ衣服詰め合わせ
【思考】:
 基本:主催を打倒し皆で元の世界へ帰る。殺し合いに乗った人間は斬り捨てる
 1:一旦旅館に戻って、事の経緯をChain-情たちに説明
 2:それから、再び漆黒の龍と孤高の黒き書き手を探しにいくか検討する
 3:対主催チームの一員として尽力

 ※容姿はトウカ@うたわれるものです。(ただし耳は普通の人間のもの)
 ※私立真白学園中等部の制服@アニロワ2ndを破り、包帯代わりに全身に巻いています。

【焦ったドラえもん@漫画ロワ】
【状態】:健康、不遇
【装備】:ドラゴンごろし@アニロワ1st 、核鉄(バルキリースカート)@漫画ロワ、朝比奈みくるのメイド服@アニロワ1st
【道具】:支給品一式 、銀河ヒッチハイクガイド、咎人の剣「神を斬獲せし者」@AAAロワ、他にまだあるかも
【思考】:
 基本:流されてる?
 0:台詞が……
 1:うっかり侍と一緒に旅館へと戻る
 2:主催者め……ふざけたアイテムばかりよこしやがって
 3:また鯛焼きを買いに行きたい

 ※容姿はセラス@ヘルシングです。
 【銀河ヒッチハイクガイド】
 全書き手のトリップや代表作など、パロロワに関する全てが記されています。
 ただし、容量の都合で記述が切り詰められている箇所も多々あり。
 【核鉄(バルキリースカート)】
 主催者の改造(嫌がらせ)により、発動の度に若本規夫ボイスが再生されます。※台詞はランダム。

2555学園に行こう!:2008/02/16(土) 13:11:52 ID:Me9tGNDs0
投下終了しました!

2556貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/16(土) 13:19:08 ID:aXjuR9ZE0
投下乙!
というかラオウの豆知識www そして鉄槌の登場話読み直して吹いた。
焦ったドラえもん、頑張れw 数少ない巨乳キャラよw
そしてエロスの鐘の妖精、自重しろwwwwwwwwwww

2557貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/16(土) 15:01:22 ID:hZuC1E1YO
投下乙です。
替え歌www
何てイヤな妖精だw
つか、豆知識やら登場話やら一言も喋れないドラえもんやらネタが多いな。

しかし、何故わんこ大好きと知っ(ry

2558とある書き手の独り言:2008/02/17(日) 15:00:44 ID:pQL.5TO60



生き残ることってなんだろう?

ボクはもうすぐ第二回放送が流れることを思い出して、ようやく我に返ることができた。
また人が死んだんだろう。それも仲間内から……そう、自分が殺した最速の人の名前も呼ばれることになる。
誰かは分からないけど、きっとボクが殺した残りの二人も呼ばれる。殺した相手の名前も分からないことが妙に悲しかった。
ボクが殺した人の名前すら、ボクは知らずに殺し合いを遂行する。妙に、悲しかった。

「あっ……?」

悪い夢を見ていたような気がする。
どんなに生き残ったって、結局はいずれ同じこと。それ以前に……ボクはボク自身の矛盾に気がついた。
そのままの君が好きだ、と言ってくれた。
自分が愛されていることなんて知らなかった。だから弄られて憎いと思う気持ちの一端が、ボクを狂わせたのだと思う。

だけど、そうだ。よく考えてみろ。
生き残って何が残るんだろう。優勝を目指して、ギャルゲロワの仲間も、ししょーも殺して何を手に入れられるんだろう?
世界が戻ってくるのだろうか。
ギャルゲロワという世界で、書き手と読み手たちが笑いあいながらチャットをするような、あの平穏が帰ってくるのだろうか?
ボクが優勝したらギャルゲロワの書き手は、ここで皆、死んでしまうというのに?

「あ……れ……?」

あの世界が好きだった。
初めて予約をしたときは盛大に大失敗した。だけど、皆は親切にやり方を教えてくれた。
トリップのつけ方、予約のルール、wikiの編集。右も左も分からない新人にも分かりやすく。
厳しい世界だと覚悟して始めた書き手の道で、優しく伸ばされた手は嬉しかった。少しだけ心が軽くなった。

あの予約合戦を前にした緊迫感。胸がドキドキした。緊張で潰れそうだった。
取った喜びと被ってしまった仲間への申し訳なさがあって、なおのこと決意した。
被った人が『被っても良かった』と納得させるものを書き上げよう、って。誰にも文句は言わせないぐらい、ボク自身ですら満足するぐらいに。

できたSSを投下し、高い評価を得たときは喜びで胸がいっぱいだった。
本当に嬉しかった。現実でも力が湧き上がるぐらいだった。何度も何度も感想を読み直して、嬉しくて口元が緩みっぱなしだった。
この世界がいつの間にか好きになっていた。
読み手のままじゃなくて、書き手として参加して……やりたいことを書き上げて、それを評価してくれる世界が大好きだった。

ボクの力を認めてくれる場所だった。
確かに何度も失敗し、指摘を受けて落ち込んだりもしたけど……それ以上にたくさんの喜びをくれた。


そして、まあ、いつの間にか萌えキャラという称号を頂戴していた。
あれえ、おかしいなぁ……どうしてそんなことに?
本来、それは二次元キャラに使う固有名詞であって、ボクに使うのは他の萌えキャラに申し訳が立たないというか、冗談は程ほどにと言うか……
え、マジですか? 本気でそんなこと仰いますか? いやいや、それはちょっと可笑しいような、常識的に考えて。
もっと他にもいるでしょう、適任が。萌えキャラとか、何かが間違ってるってば、絶対! あまり盛り上がると後が怖いよー? 刈り取るよー?

2559とある書き手の独り言:2008/02/17(日) 15:01:21 ID:pQL.5TO60



ところで今、チャットで何故かボクは大変なことになっているんだ。うん、リアルタイムで眺めているんだけどね。
何故か出産シーン。いつの間にかベッドにぐったり。そして逃れられない惨劇への扉に。
もしも本当に蟹化か小蟹産卵とかなったら、このチャットに参加してる奴全員襲おう。ボクを弄っていいのはギャルゲロワの皆だけなんだから。
こっちをずっと見ればいいのかな? うん、その顔をよく憶えておくね。それにしても地図氏、ノリノリである。
うん? 話が分からない? うん、ボクもリアルタイムで見てるけど何が起きているのか分からなかった。多分、ログも微妙なところなんだ。
…………なんか、終わったみたい。
一仕事が終わって……お水ありがとう。痛いところ? うん、ちょっと心が痛いかな。
緊張した、ってこっちは恥ずかしかったよ。ちょっと待ってネコミミスト氏、あれの何処に涙腺が決壊したんですか。影丸氏が羽入になってるよ?
地図氏、何を書かせるんだってボクからすれば何を書いてくれやがりますか、と小一時間(ry
ボクは本気を出せばステルス強いんだぞー、前のチャットで証明したんだぞー……っと、ステルス鬼畜氏。よくぞ見破った。画面の前で青筋立ててるよ。
安心してくれ、地図氏。既に築き上げてきたものなんて大爆発さ。さて、この辺で纏め上げておくか。……地図氏。即興すぎます、出産話は。

2560とある書き手の独り言:2008/02/17(日) 15:01:56 ID:pQL.5TO60


閑話休題。
うん、ごめん。本来はこういう話じゃなかったんだけどね。つい挿入したくなったんだ、この余談。
ここからは真面目に行くから、是非聞いてほしい。


そして、いつの間にかボクはここにいる。
書き手ロワ。書き手同士でバトルロワイヤルを繰り広げるという謝肉祭に。
そういえば『書き手ロワに推挙したい』とか言うコメントが、それなりに寄せられたのを覚えている。

ここで、世界は壊れてしまったのかも知れない。
いや、自分の手で壊してしまった。最速の人を……自ロワの仲間をこの手で殺害したのだ。
この瞬間、もうボクは救われないことを自覚した。
仲間を殺した書き手を……ロワの皆がまた迎え入れてくれるはずがないから。そんなはず、ないのだから。

「あは、ははは……」

仲間殺し。
かつて倉成武を書いた。彼は自分を助けようとした圭一を殺害し、それでも意志は受け継いだ。
ボクはできるだろうか? それをすれば罪を償えるのか? 仲間は……それで、赦してくれるのだろうか?
萌えキャラになれ、といった意志を受け継げるか? そもそも、萌えキャラとはどの言動を指すんだろう。それすらも分からない。

否定した言葉は覚醒の引き金になった。
力は手に入れた。だけど代わりに大切なものを無くしてしまったのかも知れない。
萌えキャラになれ、と言われて『なります』と答えた時点で……きっと、ボクの中に巻き起こった矛盾がボクを殺しに来る。
意図した行動に萌えを感じるはずがない。そういう矛盾がボクという存在を殺し尽くしていた。

「分かんない……分かんないよ……」

それ以前に今のボクのスタンスは、ただ生き残ることだけだ。
誰かに似ている。よく似ていた。
しばらくして、ああ、と自覚する。絶望と諦観に近い溜息が零れた。ああ、なんだ、ボクはつまり……彼女だ。

「月宮あゆと……そっくりだ」

生き残るために人を殺して。
仲間であるはずの人も殺して、ただ優勝でも脱出でも何でもいいから生き残る。
そんな、決意の欠片もない状態なんだ。

2561とある書き手の独り言:2008/02/17(日) 15:02:22 ID:pQL.5TO60

「あは、莫迦みたい……」

両手で体を抱きしめて、そのまま跪いた。喉をガリガリと掻いた。
血だらけの両手が知っていた。冒した罪の感触と、永劫に消えない罰の痛みを。
皆で生き残りたかった。合同最終回を書ききって、そして皆でエピローグ……果ては2ndでも楽しくやりたかった。
そんな誓いを確かに数時間前は持っていた。

そして、その理想はボク自身がその手で汚していた。

今のボクはギャルゲロワでも忌み嫌われていたトップマーダーと同じ存在。
ボクが殺したのは、他のロワできっと同じような気持ちを持っていた人たちだった。きっと、誰もが同じだったはずなんだ。
頑張ってSSを書いて、感想を貰うのを楽しみに投下したあと何度も更新ボタンを押して、貰った言葉に一喜一憂する……そんな人たちだったはず。
その人たちを殺した。果てはボクを救おうと手を伸ばしてくれた人も殺した。

「……っ……うっ……」

もう、仲間たちにも逢いたくない。逢えない。
こんな穢れたボクなんて見てほしくなかった。でも、このまま自分で自分を殺して終わりなんて、どうしようもなく悔しかった。
死ぬのは嫌だ。こんなに一人でロワを歩き回るのも嫌だ。そんな、寂しいのは嫌だった。
もう手に入らない日常。楽しかった、壊れてしまった世界に帰りたかった。仲間と歩いて、笑って、ちょっと恥ずかしい思いして、皆で強敵と戦いたかった。

だけど、きっともう手に入らない。

三人も殺した。皆、きっと面白いSSを書き上げる人たちだったに違いないのに。
一人は襲われた。貞操と命の両方が危機だった。だけど、書き手たち皆で脱出する以上、殺していい理由なんてなかったはずなのに。
一人は救おうとしてくれた。一切の非なんてない。なのに殺してしまった。踏み越えてはいけない一線を超えてしまった。
一人はボクが生き残るために駒として使った。もう、ボクは月宮あゆと何にも変わらないことに、それでようやく気がついた。

「ああ……莫迦だ、ボク……」

正直、流れに身を任せればどれだけ楽だろう。
そのうち死ねる。それまでの苦痛なんてきっと走馬灯のようなものだろう。それが楽。一番楽だ。
だけど、ボクは莫迦だった。知ってのとおり莫迦だった。
絶望なんて知ってるのに。期待すれば裏切られたときに痛いのを知ってるのに。

まだ、ボクを受け入れてくれる仲間がいることを期待してる。

浅ましい。無様だ。本当に救いようがない。
だけど楽しかったんだ。嬉しかったんだ。あの世界での……書き手としての世界が。まだ、求めていたかった。
色々と弄られてたけど。ここでも弄られっぱなしだったけど。
こうして、こうやって……莫迦らしく、楽しく過ごすのが好きだった。ボクの反応にもいちいち弄り返してくる人も好きだった。

2562とある書き手の独り言:2008/02/17(日) 15:02:51 ID:pQL.5TO60


「………………」

ドM? さすがに違うと思いたい、けど、そうかも知れない。
でも縁があると知りたかった。こうして会話して繋がりを感じていたかった。恥ずかしいけど楽しい日常が欲しかったんだ。

誰かに助けを求めれば、手を伸ばしてくれるだろうか?
ギャルゲロワの仲間たちは助けてくれるだろうか? もしかしたら、って希望が浅ましい。
だけどボク一人が助けを求めるなんて卑怯だと思った。あまりにも甘ったれた行為だと思った。

「そう……そう、だよね……」

ボクのせいでもう三人が死んだ。
助けを求めることでその人物に死亡フラグが立つ。常に死と隣り合わせになることは間違いない。
両手を血で染め上げ、何人もの参加者を殺害した怪物が、一人助けを求めるなんて赦されないと思ったから。


「助けて……」


ぽつり、と呟いた。
誰にも届かない。誰にも届かせてはならない弱音は、本当に誰もいないことを確認して行った動作だった。
そんなところでしか、ボクはその言葉を呟くことを許されないから。

「助けてよ……誰か……」

決して誰にも届かない叫びが、耐え切れずに口から零れた。
ボクはずるいから。あの覚醒した月宮あゆのように。
殺してきた彼らは助けを求める機会すら許されなかったのに。何でボクだけがその言葉を口にすることを許されるんだろうか。

2563とある書き手の独り言:2008/02/17(日) 15:03:17 ID:pQL.5TO60


(ほら、もう十分だろ、ボクの未練)

そして、ボクの最後の懺悔の時間は終わった。
いい加減認めてしまったから。もう戻れないことを。そうして、ボクは書き手ロワの歯車になるだろうことを。
弄っていいのはギャルゲロワの皆だけ。
だけど、優勝するには仲間も殺すことになるのだ、と気づいた。脱出するにはあまりにも手を血で汚しすぎたことにも気づいた。

「はは、なんだ……最初から八方塞がってんじゃん」

それが終焉への鐘の音。
真っ暗な闇の迷路。どこを通っても袋小路。そうしていつしか闇に囚われていく。
ああ、相応しいかもね。
ふらふらと足取りのおぼつかないまま、前に歩く。目的地なんてない。目的だってない。

ああ、そういえば富竹のカメラ。処分し忘れたけど……ま、いいや。
あれだけの激戦だから壊れてるだろうし、現像できる場所だってないはずだし。それにもう、今更だ。
ボクは穢れてしまったから。
ただ、悲しいだけ。ただ、虚しいだけ。仮初めの目的すらも手に入らないまま、ボクはゆっくりと歩き続けた。


【昼(放送直前)】【G-6 更地】
【蟹座氏@ギャルゲロワ】
【状態】蟹見沢症候群発症、ノーパン、へこみLv2、顎部に痒み 、『蟹座じゃないもん』覚醒
【装備】鉈
【道具】支給品一式、蟹座の黄金聖闘衣、最高ボタン、カードデッキ(シザース)@ライダーロワ


【思考・行動】
基本:対主催・優勝・送還 その全てに迷い
0:ふらふらと歩き回る
1:ギャルゲロワの仲間には逢いたくない
2:敵と認定した者とは戦う
3:ギャルゲロワ以外でいじめてくる人、襲い掛かってくる人は敵
4:助けて……


※外見はつよきすの蟹沢きぬ(カニ)です
※最高ボタンには『いやっほぉぉぉおおおう、蟹座のONiぃ様、最高ーーーーーっ!!!!!』というハクオロの声が流れます。
  シークレットボイスにも何かあるかも?
※自分の心がキャラに影響されていることに気付きましたが、キャラに抵抗するため無駄な努力をしています。
※身体能力は本気を出せば倉成武ぐらいの力が出ます。通常はカニ。
※蟹見沢症候群について。
 へこみのLvが5になったとき、発祥します。発症した場合、自分を苛めたり辱めたりした者を優先的に殺します。
 現在は沈静化してますが、しばらく苛め続けると再び発症する恐れがあります。
 基本的な症状は雛見沢症候群と同じです。発症中は蟹座氏のチャット状態の特徴により、語尾に♪がついたりします。
※言霊『蟹座じゃないもん』に覚醒しました。
 強い意志で蟹座であることを否定することにより、文字通り蟹に縁のあるアイテムから、
『蟹座じゃないもん』つまり『蟹座じゃないもん(者、物)』の力を引き出せます。

2564貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/17(日) 15:04:24 ID:pQL.5TO60
さあ、いつ気づくか楽しみなのです。くけけけけけけけけけけけけ。

2565貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/17(日) 15:12:56 ID:17mIl59UO
なんというドM。やはり蟹座氏は蟹座(ドM)だったか……そして言い忘れたが乙です。

2566貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/17(日) 15:13:54 ID:svM7XNa60
投下乙ですwww何と言うリアルタイム投下www
放送の後、これから自分の身に降りかかる出来事を蟹座氏はまだ想像すらしていなかった――

2567貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/17(日) 15:14:10 ID:YllV5efw0
ちょ、何やってんすかwwwwwwwwww
本人乙ってレベルじゃねーぞ!w

2568マスク・ザ・ドS  ◆AZWNjKqIBQ:2008/02/17(日) 15:17:47 ID:gA32sGdw0
ご出産おめでとうございます。産後はご自愛くださいねw

2569炬燵で蜜柑ならぬ…。:2008/02/17(日) 19:14:54 ID:6.MUvks6O
没ネタとはちょっと違うんですけど…死者スレでの一幕ってことでどうか一つ。

死者スレにて再会したTHE FIRSTと承。
とある一室にて炬燵に入って暖を取っていた。
ちょっとその様子でも見てみようか。


「いや〜寒ィね」
「いや全く」

「…」
「…」
「あのさ」
「…ん?」

「…ブラック紳士とか言って正直スマンかった。あの時はヤケになってたっていうか何ていうか…」
「そんなこと気にするなよ。…俺なんかお前殺したんだぜ?」
「いや、違う違う。俺を殺したのは別の奴だから」
「あ、そうなの?…ずっと勘違いしてたんだけど」

「まあお互い色々あったからなぁ…」
「俺なんか操られてたからね」
「みたいだな。でも最期の承は格好良かったぜ、いやマジで」
「よせよ。それを言うなら仮面ライダーのお前の方が…」


「…(ぬくぬく)」
「…(まったり)」

「…鯛焼き食う?」
「死者スレで鯛焼きってのも乙なもんだな。んじゃ貰うわ」
「あいよ、ちょっと待ってな」
ジュー
「へぇ、手作りなのか」


「へい、お待ち!」
「いただきまーす。…うめぇ。」
「だろ?たこ焼きもあるぜ」
「んじゃたこ焼きも貰うわ」
「あいよ!」
ジュー


「…死者スレって平和だな」
「…だな。こんな場所だったとはちょっと意外だ」

2570炬燵で蜜柑ならぬ…。:2008/02/17(日) 19:19:25 ID:6.MUvks6O
「…ライダー書き手ってみんなアンタみたいに熱い奴なのか?」
「俺なんか全然大したことねーよ。もっと凄い人達が沢山居るしな」
「そりゃスゲー」
「俺はむしろスパロワの連中に興味持ったけど。アンタ見てたら巨大ロボットも良いかな…って」
「奇遇だな。正義のヒーローも悪くない…って俺も思ってたんだ」


「…」
「…」


「…たこ焼きもうめぇ」



色々あった二人だが、死者スレではすっかり打ち解けていた。
男二人の夜は更けていく…。

【THE FIRST&承 死者スレにて寛ぎ中】


書き手ロワイアルしたらばを見て電波を受信した。
正直自分でもどうかと思う。だが私は謝らな(ry
しかも改行が上手く反映されてないっていう…

2571貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/17(日) 19:21:31 ID:VZrqhdoU0
こういうしみじみした死者スレの交流もいいですねえ。
書き手同士だから通じる部分もあってw

2572貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/17(日) 20:27:33 ID:8bOwDc5M0
やっぱり死者スレ欲しいかもw

2573貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/17(日) 21:29:30 ID:YllV5efw0
現在までの書き手ロワチャットログです
普通に纏めてうpすると長過ぎるので(合計約700kb)、分散してUP
また重要シーンだけを抜粋したテキストファイルも、別個に準備致しました

全ログ(但し中の人が離籍中はログ無いです、すみません)
ttp://3rd.geocities.jp/takatukirori/kakiterowa1.txt
ttp://3rd.geocities.jp/takatukirori/kakiterowa2.txt
ttp://3rd.geocities.jp/takatukirori/kakiterowa3.txt
ttp://3rd.geocities.jp/takatukirori/kakiterowa4.txt
ttp://3rd.geocities.jp/takatukirori/kakiterowa5.txt



抜粋ログ
黒幕1
ttp://3rd.geocities.jp/takatukirori/kutomaku1.txt

黒幕2
ttp://3rd.geocities.jp/takatukirori/kuromaku2.txt

出産
ttp://3rd.geocities.jp/takatukirori/syussansi-n.txt

2574貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/17(日) 21:45:13 ID:Uz0DLUOwO
乙です。
しかしなんという膨大な量……w

2575禁忌の技:2008/02/17(日) 21:55:59 ID:l0WF/bfg0
Chain-情とフラグビルドにとって今の状況は最悪であった。
二人とも度重なる追いかけっこで既に疲労困憊。
対主催のような5人組が現れたと思ったのもつかの間、今この空間には不穏な空気が充満している。
それというのも、5人組の一人、脳内補完が二人を見るなり開口一番に、Chain-情がマーダーだ、と言ってきたのである。
只の言い掛かりかとも思ったが、脳内補完の話は正当防衛とはいえ本当の話であった。
そのために渦中のChain-情は動揺してまともに喋れない。
フラグビルドは何とか誤解を解こうとするが、状況は非常に不味いものであった。
5人組の内、ルーキーが早々に脳内補完の側に付き、残りの3人も態度を決めかねているといった状況だ。

(どうしよう。この状況、すごくヤバい事だけは確かね。
 誤解フラグはもう完全に立ちかけているし、もう正攻法で誤解フラグを処理する時間はない。
 ……こうなったら、禁断のあの技を使うしかない、けど……)

フラグビルドはあの技を使うべきか悩んでいた。
合理的に考えれば、もうそれを使うしかないのだが、自身のプライドがそれを許さなかった。

(あれを使う事はフラグを立てる者にとっては最大の禁忌。
 できれば使いたくなかったけど、もう躊躇している場合じゃない。
 Chain-情さんは、やらせません!)

フラグビルドは意を決して精神を集中させた。
そして誰にも気づかれないように静かに指パッチンを行った。
しかしその指パッチンはいつものとは違い、真空波を発生させなかった。
だが確かにその瞬間、あるものが真っ二つになった。

そう――誤解フラグという名のフラグが。

2576禁忌の技:2008/02/17(日) 21:58:41 ID:l0WF/bfg0
 ◇ ◇ ◇

「5対2っていうところかな。
 どうしようかな〜。とりあえずパンツの君はいないみたいだけど、なんかヤバそうな雰囲気だなあ。
 ……もうしばらく様子見に徹しとくか」

部外者である速筆魔王LXがそう考え、もうしばらく様子を見る事にした直後、
いきなり状況は変化した。
そうあたかも超展開といわれるような状況に――

 ◇ ◇ ◇

脳内補完は勝利を確信していた。
自身の策略が上手くいった事にかなりご満悦であった。

(へへっ、早々にルーキーの野郎が賛同して、残りの奴らが俺の方を信じるのは時間の問題。
 Chain-情のクソガキも、なんか必死こいて訴えている緑チビも見たところヘロヘロじゃねえか。
 しかもこっちは5人。
 たっぷり『俺』を殺したツケは払ってもらうぜ!
 そうだ。ついでにこの騒ぎに乗じてパンタローネ辺りでも始末するか。
 な〜に、クソガキも反撃の一つや二つしてくるだろうからな。)

だからだろうか。脳内補完は場の空気が変化した事に気付けなかった。
それはこの場では致命的な失態であった。

(どう始末してやろうか。
 まあ、とりあえず怪しまれない程度にy「私はChain-情を信じるよ」って、なにーー!?)

突然お姉さまがChain-情の側の言い分を信じたのである。
さっきまで迷っていたのにいったいなぜ?

「見たところ、Chain-情っていう人は誠実そうだし、あんな小さな子を連れているんだし、マーダーとは思えないしね」
「俺もお姉さまの意見に賛成だな。何よりあんなに必死に想われているんだ。
 マーダーならあんなに慕われないだろ」
「あんな小さな子が庇うんだ。私もChain-情がマーダーじゃないって信じるよ」

お姉さまに続いてパンタローネ、残月が賛同し、一気に場の空気はChain-情擁護となった。
いきなり状況が変化した事に脳内補完は混乱した。
さらにそれに追い打ちをかけるように、

「そう言われればそうかなあ」

と、ルーキーまでもがChain-情擁護派に回ったのである。
場の構図は一気に2対5から6対1へと変化した。
脳内補完の立場はたちまち悪いものとなった。
場の空気の変化を読み取った脳内補完は大勢を覆そうと、必死の説得を試みた。

「みんな騙されんな! こいつはゲームに乗っているんだ!
 俺はこの目で、こいつが他の参加者を殺すところを見たんだ!
 仲間の俺の言う事を信じてくれ!」
「違います! あれは正当防衛なんです!
 Chain-情さんは……Chain-情さんは……襲ってきたマーダーを倒しただけなんです!」

脳内補完とフラグビルド両人の必死の言葉を聞いてお姉さま、パンタローネ、残月、ルーキーの4人は、

「やっぱり、そうだと思ったよ」
「苦労したんだな」
「私の目に狂いはなかったね」
「それより脳内補完さんの方が怪しいですよ」

なんと満場一致で脳内補完の意見は無視されてしまったのだ。
さらにあろう事か悪人扱いまで受け始めた。
この状況に脳内補完の焦りは頂点に達した。

(まずいこれは! どういう訳か知らねえが、このままだとこっちの立場がますます悪くなりやがる。
 こうなったら死なば諸共だ! Chain-情、貴様だけは――)

激情に任せて脳内補完は仇であるChain-情へと飛びかかった。
傍にいたお姉さまから青龍偃月刀を奪い取ると、そのままChain-情との距離を詰めにかかったが――

「ひでぶ!?」

残念ながらその行動はいきなり飛んできた物体によって失敗に終わった。
それは紺と白のストライプ模様のパンティ――そうパンツの君こと蟹座氏のパンティだった。
勿論投げたのは今まで様子見に徹していた速筆魔王LXだった。
一連の流れを見ていた速筆魔王も脳内補完を危険視したのだった。
ちなみにパンティは『なぜか』湿っていたのでブーメランのように投げ易かったという。

「――くそっ、貴様ぁぁ!!」

脳内補完は怒りのままに青龍偃月刀を速筆魔王に投げつけるが、あっさりと弾かれてしまった。
ことここに至って脳内補完はこの場にいる不利を悟り、一目散に逃走を開始した。
蟹座氏のパンティをその手の中に納めて……

2577禁忌の技:2008/02/17(日) 21:59:39 ID:l0WF/bfg0
「待ちな! あぁ、なんでこんな……私はあいつを追いかけるからね。
 とりあえず話を訊かなきゃいけないし」
「残月さん、僕も行きます」
「すまないね。あんたらはしばらくここで待ってておくれ。行くよ、ルーキー!」

そう言い残して残月とルーキーは脳内補完を追って行った。
後に残ったのは、「……パンティ取られたかぁ」と呟く速筆魔王LXに、
「大丈夫かなあ」と青龍偃月刀を拾いながら心配するお姉さまに、
「とりあえず話でも聞いとくか」と考えるパンタローネに、
「信じてもらえた……?」と少し混乱しつつも息を撫で下ろす静かなる 〜Chain-情〜に、そして――

「よかったですね、Chain-情さん」

この状況を作り出した張本人――素晴らしきフラグビルド。

 ◇ ◇ ◇

フラグビルドが使った技は『素晴らしき指パッチン(仮)』
これは一定以上のフラグを立てる事で使用可能となるフラグビルドの奥の手であった。
簡単に言うと、対象のフラグを問答無用に真っ二つに折る技である。
空気を読むとか、段階を踏むとか、そんな事は一切無視して、
某全身青タイツの気の良い兄ちゃん風の狗の如く、フラグを叩き折るいささか反則気味な荒技である。
そしてフラグが折られると、立てた相手にとって理不尽ともいうべき超展開になり、
しかも周りの人にもその影響は及び、無意識のうちにしばらく何らかの行動をとる。

その代わり、制御が上手くできずに余計なものにまで影響を与えたり、しばらく指パッチンが使えなくなるというリスクもある。
また一回この技を使ったら、再び一定以上のフラグを立てないと再使用は不可能である。

だがこの技の効果はそれだけではない。
通常の指パッチンはなんでも真っ二つにするといっても、それは形あるものに限定されていた。
しかし『素晴らしき指パッチン(仮)』は形なきもの――つまり信頼や愛情、仲間との絆、呪いや特殊能力といった類のものまで、
全て真っ二つに破壊する事ができる強力な技なのである。
ただし相手の『命』そのものまでは真っ二つにはできない。
まあ、その場合は普通の指パッチンで十分だから問題はない。

ところでこの技の名前は『素晴らしき指パッチン(仮)』というように仮の名前です。
皆さんで素晴らしい名前を付けてください。
新しい技の名前は放送後に発表される…………はず?

2578禁忌の技:2008/02/17(日) 22:00:44 ID:l0WF/bfg0
 ◇ ◇ ◇

(とりあえずChain-情さんとのフラグは大丈夫そう。
 指パッチンが使えるようになるのは……だいたい放送後しばらくしないと無理かぁ。
 それまで何もないといいんだけど……大丈夫かなぁ。
 でもChain-情さんも私も無事だし、誤解も何とか解けたみたい)

フラグビルドは概ねこの結果に満足だった。
だが一点だけひどく罪悪感を覚える部分があった。それは――

(……ごめんなさい……『誤解フラグ』。ああするしかなかったんです。
 フラグを立てる者にとって無理やりフラグを折る事は許されざる行為――禁忌とでもいうべきもの。
 だけど仕方なかったんです……Chain-情さんを救うためにはあれしか手段がなかったんです。
 恨むなら、私以外に立てられたその身を恨んでください……)

フラグビルドはフラグを立てる。
それが自分の目的だから……全てを捧げる行為だから……

(Chain-情さんとの恋愛フラグは誰にも邪魔はさせません!)

2579禁忌の技:2008/02/17(日) 22:01:41 ID:l0WF/bfg0
【昼】【C-3 市街地】
【静かなる 〜Chain-情〜@アニロワ1st】
【状態】:疲労(大)、若干混乱
【装備】:カードデッキ(龍騎)、ゴールド・エクスペリエンスのDISC@漫画ロワ、仗助の学生服@漫画ロワ
【道具】:支給品一式×2、レインボーパンwith謎ジャム@ギャルゲロワ、CD『ザ・ビートルズ』、カエル×9、
     お徳用原作パロロワ全生首セット(目玉セット他に換装可能)
【思考】:
基本:殺し合いに反逆ゥ! そしてなるべく多くの仲間と生還し、死んだ書き手の分まで頑張る。
1:信じてもらえた……?
2:フラグビルドを保護する。
3:シルベストリとコロンビーヌ。そして、襲撃者はどこに……?
4:とにかく首をどうにかしたい。
※容姿はスクライド(アニメ)の橘あすか。
※元々着ていた服は、転移の際の崩壊により行方知らずとなりました。
※フラグビルドの度重なるアタックに、けっこう心が動いています。
※若干混乱しているため、首のことを忘れています。
※どたばたしていたため、無明幻妖side.の首輪と永遠神剣「誓い」は回収し損ねました。

【素晴らしきフラグビルド@アニ2nd】
【状態】:疲労(超絶大)、全身に火傷(小)、指パッチン使用不能(放送後しばらくしたら使えます)
【装備】:いちご柄のパンツ@ジャンプロワ 元々着ていた服
【道具】:支給品一式(まだ何か持っているかも)、コアドリル@アニロワ2nd 、泉こなたのスクール水着@漫画ロワ、
     原作パロロワ全手首詰め合わせ今なら腕も付いてくる!
【思考】:
基本:フラグを立てて立てて立てまくる。
1:このセット、意外とフラグ建てに使えるかも……
2:体力が本気でやばい。死にそう。
3:静かなる 〜Chain-情〜と素敵なフラグを立てる。(誰にも邪魔はさせない)
※容姿は小早川ゆたか@らき☆すた(ただし髪の色は緑色)です。
※ゆびぱっちんで真っ二つに出来ます。(放送後しばらくするまで使用不能)
※コアドリルを使用することで螺旋力を発揮することができます。
※螺旋力を発揮することで強制転移が可能。その規模によって疲労の度合いが変わります。
※『素晴らしき指パッチン(仮)』について:
 一定以上のフラグを立てる事で使用可能となるフラグビルドの奥の手。
 簡単に言うと、対象のフラグを問答無用に真っ二つに折る技。
 空気を読むとか、段階を踏むとか、そんな事は一切無視して、フラグを叩き折る。
 そしてフラグが折られると、立てた相手にとって理不尽ともいうべき超展開になり、
 しかも周りの人にもその影響は及び、無意識のうちにしばらく何らかの行動をとる。
 その代わり、制御が上手くできずに余計なものにまで影響を与えたり、しばらく指パッチンが使えなくなるというリスクもある。
 また一回この技を使ったら、再び一定以上のフラグを立てないと再使用は不可能である。
 形なきもの――つまり信頼や愛情、仲間との絆、呪いや特殊能力といった類のものまで、全て真っ二つに破壊できる。
 ただし相手の『命』そのものまでは真っ二つにはできない。
 仮の名前のため正式名称募集中。
※『素晴らしき指パッチン(仮)』の影響で他のもの(特にフラグ)に何らかの影響が出る可能性があります。

【速筆魔王LX@アニロワ2nd】
【状態】:健康
【装備】:虎竹刀with千年パズル
【道具】:支給品一式 、首輪(ボイド@漫画ロワ)
【思考・行動】
1:しばらくここで待機。
2:パンツの君を見失ったけど、首輪は手に入ったよ。
3:可能ならもう一つ首輪を回収して、脱出フラグを積む。
4:でも別に何エンドでもおっけー。
※容姿は相羽シンヤ。声子安。
※虎竹刀with千年パズル:今までパロロワに参加したことのある作品の原作で登場、紹介された全てのゲームを召喚できる。
 ただしこちらから選択はできない。賭ける対象は武器使用者が選ぶ。
 合意は不必要。
※蟹座氏の秘部を見ましたが、紳士なので公言しません。

2580禁忌の技:2008/02/17(日) 22:02:36 ID:l0WF/bfg0
【チーム『ニトログリセリン』待機組】

【お姉さま@ギャルゲロワ】
【装備】:青龍偃月刀、ディー、チャイナ服
【所持品】:支給品一式、支給品一式(他ランダムアイテム1)
【状態】:健康
【思考・行動】
基本行動方針:殺し合いに乗ってる人間を止め全員での脱出。
1:しばらくここで待機。残月とルーキーが心配。
2:戦う覚悟。
3:あのルーキーって男、大丈夫だよな?
4:ハクオロの姿をした参加者……候補のロワは三つ(ギャルゲ・葉鍵・アニロワ1st)か。
5:パンタローネの様子がおかしい 。
※容姿はくれないの長髪でスレンダーな美少女。というかまんま東方の中国w
※性別は未だ不明。
※ディーにより東方キャラに変わる力を得ました。何に変わるかはディーの気分次第。確率的には咲夜が高い。
 やばすぎる能力には制限がかかってます。
※ディーは制限により弱まっています。そしてそれが原因でちょっと逝ってます。
※ギャルゲ版最速の人の死体を見つけると、もしかしたらディーの力が少し復活するかもしれません。
 また、その後ディーがどれだけ協力してくれるかは、次の書き手さんにお任せします。
※カレーは完食しました。今のところ平気の様子。ディーのお陰?
※胸はパッドです。
※ディーも性別についてはしりません。

【パンタローネ@漫画ロワ】
【装備】:無し
【所持品】:支給品一式、支給品一式(ランダムアイテム不明)
【状態】:健康、自動人形
【思考・行動】
基本行動方針:殺し合いには乗らない、乗った人間には容赦しない。
1:しばらくここで待機。とりあえず話でも聞いとくか。
2:『お姉さまと残月は守る』『脳内補完とルーキーの真意を探る』『吉良吉影に侵食され始めた自分を何とかする』
3:助けられる人はなるべく助ける。
4:お姉さまの手綺麗だよな……いかんいかん。
※パンタローネの服を着ていますが顔は若いです。
※深緑の手の空気供給率が低下しています。
※深緑の手:手の平の穴から空気を吸収しながら、撃ちつくした手は空気供給で弾切れの心配が無かったりする。
※脳内補完を警戒。ルーキーを僅かに警戒。
※人肉カレーが原因で吉良吉影の性格に侵食され始めています。

2581禁忌の技:2008/02/17(日) 22:03:18 ID:l0WF/bfg0
 ◇ ◇ ◇

(なんでこんな事に……なんであんな浅はかな行動をしたんだ!?)

脳内補完は走りながらなぜ自分があんな行動に出たのか考えていた。
彼は知る由もないが、それこそ『素晴らしき指パッチン(仮)』の影響であった。

「待てー、待つんだよー。
 ったく、全然追いつけやしない」
「でもここで見失ったらまずいですよ、残月さん。
(それよりなんで僕はこんな事しているんだ。さっぱり分からない。
 ……ん、もしかしてこれはチャンスかな。隙を見て残月さんを始末するのも悪くない)」

バラけても火種は健在だった。

【昼】【D-4】
【チーム『ニトログリセリン』逃げる者・追う者】

【King of 脳内補完@漫画ロワ】
【装備】:スカウター、蟹座氏のパンティ(紺と白のストライプ)
【所持品】:支給品一式、ウルトラミキサー(故障?)
【状態】:健康
【思考・行動】
基本:ステルスマーダーとして参加者は皆殺し。
1:とりあえず逃走。
2:Chain-情とパンティ投げた野郎に復讐する。
3:クソビッチ(うっかり侍)も探し出して殺してやるぜ。
4:つか、マジでエニグマの紙どこ行きやがった?
※中の人がB・D・Nであったために、
 人肉カレーがきっかけで異世界の自分、およびもう一人の自分と記憶がシンクロしました。
※本人は気付いてませんが、スタンド『ホワイトアルバム』が使えます。詳しくはググレ。

【底上中の残月@アニロワ2nd】
【状態】:全裸
【装備】:なし
【道具】:支給品一式、放火セット(燃料、松明、マッチ)、未定支給品×2(本人確認済み)
【思考】
基本:対主催を集めて主催者を打倒する。
1:脳内補完を捕まて、仲間の元に戻る。
2:積極的に動くけど、おっかないのは御免だねぇ……
※容姿はドーラ@天空の城ラピュタです。
※全裸主義者なので服を着ることをいやがります。
※もちろんBIN☆BINです。

【◆yHjSlOJmms(ルーキー)@AAAロワ】
【状態】:覚醒 、全身にダメージ(小)、魔法使用による疲労(中)
【装備】:ピストル(15/15)
【所持品】:なし
【思考・行動】
基本・対主催……のフリした優勝狙い。
1:隙を見て適当な所で残月さんを始末しようかな。
2:好青年を装ってお姉さまの全てを美味しく頂く(色んな意味で)
3:シルベストリ◆O4VWua9pzsに接触する。どうするかは不明。
4:AAAロワ書き手を探す……が、生かす保証はなし。
※人肉カレーが原因で、外見も口調もレザード・ヴァレス(CV:子安)に進化しました。
 そのため、ありとあらゆるロワの『魔術』を使えるようになりました。
 何が使えるかは、今後の書き手さんとAAA本編によります。
 さあ、今すぐAAAを読んでくるんだ!

2582禁忌の技:2008/02/17(日) 22:04:37 ID:l0WF/bfg0
投下終了です。
自分こそ空気読めてませんね。すいません。

2583ぬくもりを抱きしめて:2008/02/18(月) 00:29:33 ID:QgC3IWg60


予約被りに定評のあるtu4氏の前から姿を消し戦場を離脱した二人。
バトルマスターと管理人・したらば孔明は、少しでも安全地帯へ向かおうと足を急がせていた。
だが、割れ物を扱うようにお姫様抱っこをしていたバトルマスターの手が突然力んだ。
その拍子で、したらば孔明の尻にその指が強烈に食い込む。
いきなりの行為に、涙目になったしたらば孔明は、頬を膨らませ顔を上げる。

「うぅ。いきなり酷いですよご主人様」
「す、すみませ……ごぼッ」

謝罪を述べたバトルマスターの口から、赤い塊が飛び出す。
直径8センチはあるだろう塊は、したらば孔明の頭上を飛び越え、地面へと落下し飛び散る。
落下地点から漂う鉄の錆びた様な匂いに、したらば孔明の脳裏に嫌な予感が走った。
予感が的中したかのように、バトルマスターの身体が糸が切れた人形ようにその場へと倒れていく。
意識したのか、それとも無意識からなのか、したらば孔明を巻き込まないようにと仰向けになって。

「え! だ、大丈夫ですかご主人様!?」

バトルマスターの胸板をクッションに座り込んだしたらば孔明は、青い表情で尻の下に手を置く。
触れた相手の体は、氷のように冷たい。
否。現在進行形で冷たくなっているのだ。

(しまった! いくらご主人様といえど、病み上がりであの戦闘の負担は大きすぎましたかッ!)

幸い新たな出血はしていないが、黙っていても状況は悪化し続ける。
いま現在可能な介護手段を、したらば孔明は早急に知識から引き上げていく。
呼びかけ。これは進行形。
内臓の処置。おそらく違う。
外傷の処置。これは済ませた。
エネルギー補給。確実に必要な行動。
体温の上昇。今やらなければならない重大な事。

(であれば、全てを同時にこなせるアレしかありませんね)

小さい体でバトルマスターを背負うしたらば孔明。
その視線の先には、昼間からライトアップされたいかがわしいお城が悠然と立ち構えていた。




   ☆   ☆   ☆

2584ぬくもりを抱きしめて:2008/02/18(月) 00:30:25 ID:QgC3IWg60



念のため周囲の気配を探るが、幸いなことにホテルの中に人の気配はどこにもなかった。
とりあえずバトルマスターをエレベーター前に座らせ、入り口まで足を運ぶ。
数秒しないうちに管理人室のドアまでたどり着くが、最悪な事にドアには鍵がかけられていた。
だが、したらば孔明は慣れた手つきで管理人室のドアをこじ開けると、臆する事無く中へ侵入する。
そして中から部屋の鍵と数枚のカードを取り出すと、急ぎ足でバトルマスターの元へと走った。
戻ってから何度か呼びかけるしたらば孔明。
返事はあるものの、バトルマスターの意識が朦朧としているのは確実だ。
支給品から未開封のペットボトルを取り出すと、それを自らの口に溜め込む。
次にバトルマスターの鼻を強く摘み、口を開けたところへ一気に含んだ水を流し込んだ。
万が一漏れないように、唇と唇の粘膜をしっかりと擦り合わせる。
したらば孔明の白い鼓動を含んだ水分が、バトルマスターの中へと注がれていく。
やがて全てを出し切ったその唇がゆっくりと離れる。
つり橋のように糸をひく雫を舌で切り、したらば孔明は再びバトルマスターをその小さな背に担ぐ。

「もう少しです! がんばって下さいご主人様!」
「……ぅぅ」

呼びかけて返事がある所を見ると、まだ大丈夫のようだ。
やがて降りてきたエレベーターのカゴに飛び込むと、迷わず最上階のボタンを押した。
本来は一番近い階で降りたかったが、それでは部屋に入れない。
些細な凡ミスだが、したらば孔明が持ってきた鍵は、VIP料金の部屋の鍵だったのだ。
あるまじきミスだが、それだけバトルマスターに気をとられていたという事とも言える。
だが、したらば孔明は自分を責めたりなどしなかった。
いまここで気持ちを落とせば、次はどんなミスをしてしまうかわからない。
それなら、反省は後回しにして、今やるべきことに気持ちを優先すべきと判断した。
沈黙が続くカゴの中で、バトルマスターの呻き声だけが何度も反響する。
と、ようやくドアの上にあるランプが最上階を示す。
したらば孔明はバトルマスターを背負いなおすと、ドアが開いた瞬間一気に飛び出した。
そして、持っていた鍵のある部屋まで突撃すると、焦る事無く鍵穴へ鍵を貫く。
ドアを開いた先には、紫の照明に照らされた回転ベッドが、圧倒的な存在感を醸し出していた。

「よっこいしょ……っと」

背負っていたバトルマスターをそっとベッドに下ろすと、したらば孔明は上着を脱ぎ、胸の鈴に手をかけた。
絹を擦るような音とともに、ゆっくりと胸を守る衣類が足元へ落下していく。
露になった小さな胸を隠そうともせず、流れ作業のように淡々と腰元のリボンを外しスカートを脱ぎ捨てる。
縞々のストライプをベースした健康的なパンティ。
尾てい骨の部分には、可愛い小動物がプリントされている。
したらば孔明はそれをも簡単に脱ぎ捨て、遂には生まれたままの姿となってベッドへと足を伸ばす。
小鹿のようにしなやかな脚が、股の根元を基準に前に出る。
これと前後して、桃のような丸い尻が元気良く上下に振るえた。
そして、中心で倒れていたバトルマスターを手際よく全裸にしたところで、ふと手が止まってしまう。

「駄目です……このままじゃ」

自分とバトルマスターの身体を見比べて嘆く。
小さ過ぎるのだ。あまりにも。
バトルマスターを包み込むには……受け入れるには、この身体ではキツ過ぎる。
一瞬だけ判断に迷ったが、意を決したのか目を開いて立ち上がるしたらば孔明。

「この能力は負担も大きいですが、背に腹は変えられません!」

ぎゅっと可愛く拳を握ると、両目を閉じて大きく深呼吸した。

2585ぬくもりを抱きしめて:2008/02/18(月) 00:30:44 ID:QgC3IWg60

「メタモルフォーゼ!!」

可愛らしい叫び声と共に、したらば孔明の身体が光に包まれていく。
シルエットとなったその姿が、次の瞬間には突然変異が起こったかのように大きくなっていた。
まず、胸がまな板から筋肉質な胸板へと変化。
次に、柔らかかった肌が金剛石のように硬く熱を帯びる。
その次には、顔の輪郭が大きく歪み、いかにも孔明な渋い顔へと整形される。
あれだけ小さくてロリロリだった女の子が、今は見るも耐え難い逞しい漢へと変異したのだ。
歴史上で見られる孔明にしてはやや雄臭いのは気のせいだろうか。
もちろん、股間にはにょっきりと孔明ジュニア(ハンバーガー四個分くらい)がいきり立っている。
自分の姿を確かめたしたらば孔明は、納得したように拳に力を入れる。

「うむ。時間制限はあるが、やはりこの身体も捨て難い」

張りのいい胸板の中心部から飛び出ている乳毛が、その気持ちを汲むようにもそもそ蠢く。
太陽のような乳首も、呼応するようにぴくぴくと伸縮を繰り返す。
満足いったのか、今度は躊躇わずに全裸のバトルマスターにぴったりと重なる。
そして注意深く抱きしめると、腕や足。手のひらから首筋までを丹念に擦り続けた。

「ふっ……ふんッ……しゅッ」

室内を照らすカラーボールに合わせ、したらば孔明の背中が前後左右に揺れ動く。
熱を帯びた自身の身体で、冷え切った身体を漏らすことなく包み込む。
心に宿る生命の炎を、汗という形に変えて刷り込んで。
全身の毛穴から湧き出る息吹が、バトルマスターの毛穴の中まで届くように。

「はぁ、はぁ……大分暖まりましたね」

数十分に及ぶ行為のお陰か、バトルマスターの体温は着実に回復に向かっていた。
おそらく、危険な領域は越えたのだろう。
安どの表情を浮かべたしたらば孔明は、次のステップに移るべく一時ベッドから外に出る。
そして、備えてあった簡易式自動販売機の前に立つと、管理室から奪ったカードを差し込んだ。

「いけませんね。私の合うサイズが……ほ。ありましたか」

一番右に設置されたボタンを押すと、軽快な音楽とともに取り出し口に四角い箱が落下する。
したらば孔明はそれを取り出すと、もぞもぞと自分の下半身へとあてがった。

「どうやら、ギリギリ大丈夫なようですね」

若干パツンパツンなのが気になるが、破れにくいという謳い文句を信じる事にした。
ぶらんぶらんさせながら、ゆっくりとバトルマスターの元へと足を運ぶ。
苦悶の表情が和らいでいるのを見る限り、もう少し熱を注げば大丈夫なのだろう。
再び仰向けになる全裸のバトルマスターの上に跨ると、したらば孔明は撫でるように肌に指を這わす。
最初は顔へ。
顔から顎へ。
顎から首へ。
首筋からは二本指で鎖骨。
鎖骨からは三本指で胸板。
胸板に届いた指を離すと、今度は自分の腹部を前に倒す。
二人の唇の距離が音もなく近づいていく。
その間に、したらば孔明の両手はバトルマスターの股間と尻へ接近していく。
やがて、お互いの吐息が重なり合うところまで来ると、したらば孔明は労わるように指を同時に動かし――






――この続きは、『書き手ロワイアル2nd 性〜SAGA〜 Vol.07』でお楽しみください






☆   ☆   ☆

2586ぬくもりを抱きしめて:2008/02/18(月) 00:30:59 ID:QgC3IWg60




「う、んん……」

バトルマスターが目を覚ますと、そこは見知らぬ天井となっていた。
即座に状況判断しようとするが、右腕が重くてあがらない。

「なに……が……」

右腕の重みを確認しようとして絶句する。
そこにいたのは、全裸ですやすやと眠る可愛らしい少女……したらば孔明がいたのだ。
頭が混乱して処理が追いつかない。
ナニをしたのか。なぜここで寝ているのか。どうして二人とも全裸なのか。
どれをとっても、バトルマスターが正解に辿り着ける問題は存在しなかった。
あと、理由は不明だが尻の穴が裂けるように痛い。

(そうです。素数を数えましょう……1、4、6、8、9、10……)

間違っているのに気がつかない。
数えるたびに、紫の照明や果実のような香り。右腕の上下する重みに意識をとられるからだ。
視線を逸らそうにも、別の場所には脱ぎ捨てられたパンティが存在感を強く光らせている。

「ふぁ〜。あ、ご主人様〜」

右腕の重みが、目を擦りながら眠たげな声をあげる。
したらば孔明の甘い言葉に、バトルマスターは無意識のうちに顔を左に向けた。
隣に居る少女が無防備すぎて、眩し過ぎるらしい。

「ご主人様……」

恥ずかしそうにシーツを被りながら、したらば孔明はバトルマスターの背中をそっと指でなぞる。

「みなさんには、内緒にしてくださいね」




バトルマスターは、激しい頭痛と尻痛に悩まされるまま、放送を迎えた。









【昼】【G-4 いかがわしいお城のようなホテルの回転ベットのある部屋】
【バトルマスター@ギャルゲロワ】
【状態】全裸。健康。胸に抉り傷(回復中)。両腕に削り傷(処方済)。内臓の一部に破損(回復中)。尻に猛烈な痛み。
【装備】永遠神剣「冥加」
【道具】支給品一式、コイン、名簿、不明支給品2つ
【思考・行動】
基本:コインの表が出たので徹底的に抗う。
0:わ、私はナニをしたんだ……あと、この尻の痛みは?
1:ひとまずその場から退却する
2:対主催として仲間を探し、殺し合いに乗った敵を倒す


※外見は前原圭一@ひぐらしのなく頃に
※自分の心がキャラに影響されていることに気付きました
※【自らの心象風景を投影した力場を発生させることによって、ありとあらゆるバトルに敗北しなくなる】固有結界が使えます。
 名前は募集中。
※管理人・したらば孔明と本当に「ゆうべは おたのしみ でしたね」だったかどうかは、今後の書き手さんにお任せします。




【管理人・したらば孔明@アニロワ2nd】
【装備品】スタンガン@アニロワ1st
【道具】支給品一式×2 ゲイボルグ@アニロワ2nd、オールオーバー@ライダーロワ、大鉈(破損)@ギャルゲロワ、
    携帯電話@現実、首輪(まとめキング)、閃光弾、不明支給品(ランダムアイテム)】
【状態】全裸。健康、服に若干の血痕
【思考・行動】
基本:脱出に向けて行動する(基本的に恋姫†無双の孔明を演じる)
0:ご主人様……
1:はわわ、あ、新しいご主人様を助けます!
2:脱出に有能な方なら手を組みましょう。
3:危険な野郎なら排除するぜ。
4:面白いんじゃねぇの?あの能力。


※外見は孔明(恋姫†無双version)、頭脳は孔明(Gロボversion)、力は孔明(水滸伝version)です。
※口調は基本的に恋姫†無双versionでいくようですが、状況と気分で恋姫†無双version・Gロボversion・水滸伝versionのどれかにするようです。
※「メタモルフォーゼ」することにより、ガチムチな孔明に変身できます。(ただし、効果は1時間前後)
 消耗が激しいため、これをすると2時間は猛烈な眠気に襲われます。
※バトルマスターと本当に「ゆうべは おたのしみ でしたね」だったかどうかは、今後の書き手さんにお任せします。

2587貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/18(月) 00:32:27 ID:QgC3IWg60
投下終了。
ああ、自分は本当に何を血迷っているのだろうと猛省しております。

2588貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/18(月) 00:38:34 ID:EKxbQXRo0
アッー!
投下乙でした
ってか文章力が高くて表現も上手い分、余計に生々しいw

2589貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/18(月) 00:50:19 ID:w6d0F4/M0
なにやってやがりますかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!
ああ、ついにししょーが、ししょーがぁ……
とりあえず、投下乙です。なんと言いますか、タイトルとかが素晴らしいのに、文章がすごいうまいのに……

2590貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/18(月) 19:31:52 ID:imQnInls0
昨日の分のチャットログです
基本的には前回と同じような感じで、UPしました
中の人離籍等で一部のログが欠けていますが、何卒ご了承下さいませ

ttp://3rd.geocities.jp/takatukirori/kakiterowa6.txt
ttp://3rd.geocities.jp/takatukirori/kakiterowa7.txt
ttp://3rd.geocities.jp/takatukirori/kakiterowa8.txt
ttp://3rd.geocities.jp/takatukirori/kakiterowa9.txt
ttp://3rd.geocities.jp/takatukirori/kakiterowa10.txt




抜粋ログ
早熟社会
ttp://3rd.geocities.jp/takatukirori/soujyuukusyakai.txt

2591地球破/ドS/壊爆弾  ◆AZWNjKqIBQ:2008/02/18(月) 20:41:51 ID:u4sIF55A0
ログうpありがとうございます。早速保存させていただきました。

!業務連絡! ↑のおでんやスレを死者スレとして感電氏からいただいてきたゾ☆

2592エロス頂上決戦前夜:2008/02/18(月) 23:19:43 ID:RcNhkdO.0
「く…!武器は!?何か武器はないのか!?」
エロ師匠の猛攻を右に左に突きをかわしながら、意外な影丸?は焦りを含んだ声を挙げる。このエロ師匠、戦闘面に関しても相当以上の手練れだ。
「ははは、どうした!ガチバトルがお望みなんじゃなかったのか!ガチ……ガチムチ……ハハハ、さらにパワーが増したぞ!」
「あんたそっちも行けるのかよ!?」
実際にスピードを増したサンライトハートの突きに、影丸の声からはほとんど余
裕が感じられない。
対するエロ師匠は疲れている訳でもないだろうに頬を上気させねっとりとした汗を浮かべている。はぁはぁ言ってる吐息ととろんと垂れた瞳がエロ師匠が快楽のただ中にいることを教えてくれた。
だがエロ師匠がサドという訳ではない。エロ師匠はただ、肉と肉の間に槍を突き入れるという行為に純然とした性的喜びを感じているに過ぎない。
そして、エロ師匠の性的興奮はヒュッケバインに姿を変えた影丸と言えどたやすく抑えられない程の高まりを見せていた。

「ち、さすがに分が悪いな……。
おい、武器ならあるぜ!『G・インパクトキャノン』と叫べ!」
「もっと早く言えっての!G・インパクトキャノン、セット!!」
「何っ!?」
しびれをきらしたキバットの支持に従い、影丸が必殺の武器を召喚する。にわかに影丸を包む光に性的ではない危機を感じ、エロ師匠は飛び退き距離をとった。
本来のG・インパクトキャノンはスパロボのいわゆる謎時空からやってくるタイプの武器なのだがまぁいい。
えらくでかい武器が飛んできたと思ったらいきなり色々パージしだして手元にはちっちゃい銃しか残らない戦闘でもにがっかりしたのも私だ。

2593エロス頂上決戦前夜:2008/02/18(月) 23:20:01 ID:RcNhkdO.0
とにかく、威力は制限されるとはいえ武器の姿そのものは変わらない。光が消え
さった後の影丸には原作そのままに光輝くG・インパクトキャノンが装着されていた。
鈍い銀色を通り越して黒くさえ見える銃身は雄々しくそそりたち。先端部からは発射を我慢できないと言わんばかりに垂れた一滴の透明な朝露がつっと砲身をなぞる。
砲身の根元は体の正中線上に位置し、丹田の下の急所を保護するかのように存在している。そう、そこは人体における最大の急所の一つ。両足の付け根。太ももの間。股関節の近く。股。股関。まとめると影丸の股間からそそり立つ黒い銃身の先端部から先走る朝露。

「なんじゃこりゃあああ!と言いたいとこだが大体原作通りだあああああ!!」
「威力には関係ねぇぜ。さぁ早くあの女にぶっかけてやれ。腰か?胸か?それともやはり顔か?」
「お前何か毒されてきてないか!?」
「さあ、一発で妊娠(き)めてやるぜ」
「ねぇよ!この世のどの辞書見てもそんな読み方乗ってねぇよ!」
「意外だ……。何と素晴らしい……」
顔を真っ赤にして性的な恥辱を怒る影丸の叫びに、恍惚としたエロ師匠の声が割って入った。

「素晴らしいよ…。こんなに素晴らしいモノに出会うのは先行者の中華大キャノン以来だ…」
よだれが零れ落ちないか心配になるくらい大きく口を歪め、エロ師匠が呟く。
「あれは発射ムービーの腰の動きが何ともたまらなく……ふふ、君のはどうかな?」
試してみよう、とエロ師匠が再び槍を構える。
「くそ…おい!本当に威力は関係ないんだな!?」
「おう、威力はもちろん臭いも濃さも飛距離も段違いだぜ」
「威力だけでいい!」
言って、射せ…もとい発射体制に入ろうと影丸が両手をがしっと腰に当てぐいと突き出す。
「ええい、もう何でもいい!くらえ…」
「遅い!遅いのも好きだけどなぁ!」
「く、はやい!?」
「さあ、その素敵なイチ物を……ぶちまけろぉっ!!」

2594エロス頂上決戦前夜:2008/02/18(月) 23:20:31 ID:RcNhkdO.0
急激な性的興奮により圧倒的なパワーを得たエロ師匠が一瞬で影丸の懐に潜り込み、サンライトハートの柄で顎を殴り上げる。
完全にしゃせ……んからエロ師匠を外してしまい仰け反る影丸だが、爆発寸前なG・インパクトキャノンを止めることはできない。
意識を必死でつなぎとめる影丸の視界の隅に、ソレの中身がぶちまけられる様を見ようとさらに力を上げるエロ師匠の顔が見えた。

(させ……るかよ!)
影丸の脳が叫ぶ。
出すな出すな出すな。まだ出しちゃいけない。我慢するんだ。一発撃ったら再充填にはそれなりの時間がかかる。変な意味じゃないぞ。
必死で腰に力を入れ、筋肉に力をこめる。これを外したら恐らくエロ師匠に勝つことはできない。何より、こんなことでエロ師匠を大喜びさせてなるものか。
脳裏に、死亡フラグで有名な皇の姿が映った。


「ち、これ程までに我慢強いとは……正しく意外だな」
気を失った影丸を見下ろしながら、エロ師匠は言った。
影丸の変身は解かれていない。
G・インパクトキャノンは――発射されなかった。ちょろっとしか。
そのちょろっとだけ発射されたのがナニであるかの描写は省くが、辛くも影丸は発射の衝動を抑えきったのである。
不満げなエロ師匠の表情とは対象的に、気絶した影丸の顔は誇らしげに輝いている。
目が覚め次第、二回戦に移行可能だろう。

「まぁいい、お楽しみはとっておくさ。それよりも……今はこっちだ」
エロ師匠の顔が空の一点に向けられる。
風に乗って漂ってくるのは、濃密な雄のスメル。
「何だこの臭いは…自力だとすれば素晴らしいが尋常じゃない。だとすれば……誰かがこれを……?」
エロ師匠が感じたのは煩悩寺によって枯死させられた者達が死ぬ直前まで放っていた性的なスメル。
通常感じられない程の濃度に薄められたそれを、エロ師匠の嗅覚は性的な意味でなく敏感に感じ取っていた。
手で顔を押さえ、臭いの元を探るのに集中していたエロ師匠の顔が弾かれたようにナニか
を感じ取った。

2595エロス頂上決戦前夜:2008/02/18(月) 23:20:54 ID:RcNhkdO.0

「貴様か……!貴様がやったのかぁっ!!」
エロ師匠のエロレーダーが感じ取ったのは、肩にメイドのような小人を乗せシーツ一枚で歩く女性の姿。
その姿にもそそるものがあるが、今はそれでころではない。
エロ師匠の性的な本能が異常な程強く警告していた。
こいつは敵だと。エロスの覇者はこの世に一人で十分だと。
「くくく……まさか私にライバルが現れるとは。
行ってやるよ。エロスは私一人のものだ。貴様にはタナトスをくれてやる」
気絶しっぱなしの影丸のG・インパクトキャノンを掴んで引きずりながら、猛然とエロ師匠が走り出す。
行く道に迷いはない。
敵の気配はどうしようもないくらいに、強く、濃厚に届いているのだから。
「さぁ、精液を……ぶちまけろぉっ!!」





「きゃっ!!」
「どうしたの?……ああっ!!」
学園を目指して歩いていた煩悩時とミニ・サスペリア達の体に突如衝撃が走った。
たまらず、腹を押さえて蹲る。
(ナニ……これ……?体が熱い……正確には丹田の下とか太ももの付け根とか、何かその辺が……たまらなく、熱い)
「どうしたの!大丈夫、ご主人様!?」
動けない程に苦しがる煩悩寺を心配するサスペリアもまた、胸中を蝕む言いようのない不安に混乱していた。
何か大変なことが、起きている。だが、それが何なのかは分からない。
「くる……」
「ご主人様……?」
「私の敵が……来る!」
きっと顔を上げた煩悩時とエロ師匠の視線が、遥かな距離を越えて交錯した。

2596エロス頂上決戦前夜:2008/02/18(月) 23:21:23 ID:RcNhkdO.0
【昼】【F-5 市街地】
【エロスの鐘の煩悩寺@アニロワ2nd】
【状態】:精気満々、魔力全快
【装備】:エロスの鐘、ミニ・サスペリア
【道具】:支給品一式
【思考】:
 基本:成り行きに任せる(変身中:エロスの限りを尽くす)
0:くる……私の敵が!
 1:学校……いや、学園に向かい人を探す
 ※容姿はティアナ・ランスター@なのはstsです。
 【エロスの鐘】
 大人向けデバイス。魔法妖女デザイア・ベルへの変身アイテムでもある。
 その音色を聞かせた者が隠し持っている欲望を引き出し、暴走させてしまう。
 暴走した欲望からエロスを吸い取ることで相手の精気を自分のものにできる。
 【ミニ・サスペリア】
 掌サイズのメイドさん。闇のメイド・サスペリア@アニロワ2ndの姿をしている。
 魔女っ娘に必要なマスコットキャラで、ご主人様に色々とアドバイスをしてくれる。


【昼】【F-4 移動中】
【エロ師匠@漫画ロワ】
【装備:サンライトハート(後期型)@武装練金 カードデッキ(ゾルダ)@ライダーロワ 官能小説】
【所持品:支給品一式×2、マジックペン@文房具、不明支給品×2人分】
【状態:健康、興奮状態(性的な意味で)、お肌ツヤツヤ、パワーアップ?】
【思考・行動】
1:殺す……私の敵を!
2:エロスを楽しむ。ほどほどになんてしない。エロスでどんどんパワーアップ!
3:この殺し合いの舞台を利用して、LSのボマーを倒す。できれば自分の手で倒す。
4:そのための戦力強化を図る。主に、同盟相手の模索&他人の支給品強奪で
5:バイセクシャルとはスペック高いぞ、仮面ライダー書き手!!
※外見と声は銀髪銀眼の津村斗貴子(エロ度200%増)です。無駄にエロいです。何でもエロくします。
※サンライトハート(後期型)は支給品ではなく自前です。核鉄として心臓の代わりも兼ねています。
※エロスで本当にパワーアップできるのかどうかは不明です。強くなった気がするだけなのかもしれません。
※カードデッキだけはなぜか九分五十五秒しか変身できません。
※服に若干の返り血

【意外な影丸?@アニロワ1st】
【装備】:ドラゴンキラー−1(呪)@トルネコの大冒険、キバットバット3世(特殊仕様)@仮面ライダーキバ
【道具】:ドライフラワー、ドライヤー、ドライバー、小説「涼宮ハルヒの憂鬱」
【所持品】:支給品一式
【状態】:かすかな擦り傷。あご打撲。左腕骨折。右脚に裂傷。(以上は変身によって、一時的に回復。変身を解除すると元に戻る。)
ヒュッケバインMk-II(等身大)に変身中。でも気絶中。G・インパクトキャノン発射可能。
【思考・行動】
基本:何でもいいから空気になるのだけは防ぐ。
1:……
2:ステルスマーダー…。まあ、今のところは保留で。
【備考】
※容姿はキョン@涼宮ハルヒの憂鬱です。
※ネ(略)と会話している間、現実世界ではほとんど時間は経過していません。

※キバットバット3世(特殊仕様)
ネクストコナンズヒント『蝶ネクタイ』の残留思念が、彼が身につけていた蝶ネクタイに
憑依した姿。杉田ボイスを持つ者のみ使用可能。ヒュッケバインMk-II以外の姿にも変身
出来るかもしれないし、出来ないかもしれない。変身の制限時間はなく、任意で解除可能。
ただし、一度解除すると2時間以上間隔を空けないと再変身できない。

2597貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/18(月) 23:21:49 ID:RcNhkdO.0
投下終了です。ごめんなさい。
ノルマ一本目ということで。

2598貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/18(月) 23:32:20 ID:w6d0F4/M0
投下乙。
ああ、ついに雌雄を決するときが来てしまいましたかw
エロスの鐘の煩悩寺は○○氏の劣化コピーw さあ、エロ師匠は打ち勝つことができるのかw

2599貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/18(月) 23:58:11 ID:ZUaQvlDc0
地上を洗い流す光の河。
E-3より放たれたその光の名は「エンジェルアーム」
アニロワ2ndにおいて空気と称されるヴァッシュ・ザ・スタンピードが、漫画版で使用可能な能力である。
つまり当然、放ったのはヴァッシュではなく、
(……逃げられたか)
空気王の名を持つ少女、『予約被りに定評のあるtu4氏』こと『沙羅さん』である。

バトルに敗北しないという反則級の能力を持つバトルマスターを打ち破る為に放ったその一撃は、しかし彼には命中しなかった。
エンジェルアーム発射の直前、小さな可愛らしい女の子を連れて離脱するバトルマスターの姿が確認出来ている。
(まあ、いいわね)
少なくとも、エンジェルアームを用いればバトルマスターを倒せる事は確認出来た。
だから、この一撃は無駄では無い。
「さて、それじゃあ」
すぐに追いかけましょうか、と続けようとした沙羅さんの口が閉ざされる。

彼方、
エンジェルアームの進行方向にて、全てを押し流す筈の光の奔流が『曲がった』

それは、本来あり得ない事。
光速で放たれる砲撃は、発射後に対応する事は不可能。
時間やら空間やらの『法則を捻じ曲げる能力』であればその範疇ではないが、そういう力は大抵本人のみに作用する物が多い。
そうなると、
「遠距離を感知する能力、あるいは予知という可能性もあるわね」
知覚範囲外の事象を感知する能力者がいるという事になる。
それは、非常に厄介な相手だ。
どの程度かは不明だが、沙羅さんに関する情報を奪われたという事になる。
もし、仮に沙羅さんの外見や能力まで知られたとしたら、それは余りに大きな足かせとなる。
いくら沙羅さんの能力がチートであるといっても、多数の書き手達が相手では不覚を取るという可能性はある。
その上、その能力者、…或いはその協力者は、エンジェルアームを曲げることすら可能という事だ。
戦闘面でも油断の出来ない相手と見るべきなのだろう。

「でもね…だから何だって言うの?」
そう、彼女こそは空気を統べし者。
全てのロワに存在する空気キャラの能力を使用出来る彼女にとって、
「見えてるわよ?」
『たった三エリア程度先の光景など、見るのは容易いのだ』
かつてロワにおいては扱いにくいとされ、生かされることの無かった技術がある。
それにより、彼の持つ超人性は失われ、銃の達人レベルの能力者となったのだ。
そうして、気が付けば空気と化し、単独行動を繰り返した。
(……それが後に脱出フラグを生んだので空気キャラなのかと言われると微妙だと思いますが、まあ元空気ということでお願いします)
そう、彼の名は『ゲイン・ビジョウ』またの名を『黒いサザンクロス』、2キロ先の標的をも撃ち抜く並外れたスナイパー。
その視力を、神剣の力で持って強化すれば、この程度の距離なんて問題ではない。

「へえ…『孤高の黒き書き手』氏かぁ。
 うん、バトルマスターを見失ったと思ったら、直にギャルゲの人が見つかるなんてついてるわね」
同じロワの参加者故に見間違えようの相手、朝倉音夢。
手元の名簿によれば、孤高の黒き書き手氏。
ギャルゲロワにおいては数少ない、鬱展を書ける書き手である。

「うーん……どうしようかしらね?」」
そう言いながら、彼女は腕と髪を元に戻す。
完全には見えないが、ビルの風穴から見える彼女は、どうも意識を失っている?ようだ。
つまり、殺すのは容易いのだが、
「彼女なら、いいかもね」
ギャルゲ書き手は欝に叩き落す。
それは揺るがぬ誓いだが、彼女なら、或いは手を組むくらいの余地はある。
他の燃え展メインの書き手は確実に対主催だろうから、言うまでも無く欝+グロ死(どうせ空気祭りに参加してただろうから)なのだが、彼女と「ステルス鬼畜氏」はマーダーという可能性もある。
別に戦力は必要ないが、マーダーは多い方が効率は上がる。
だからまあ、話してみる価値はある。
どうせ自分には無意味だから、優勝させてあげるという事も…
(…アレ?)
何やらノイズが混じったが…まあいいか。

とにかく、即殺す必要は無いのだが、
「うーん、でもそうなるとどうしようかしらね?」
そうなると、あのビルまで移動しなければならないのだが、
「気絶?している以上直に向かう必要はないし、何よりも…」
辺りを見回す、人の気配は無いが、
「バトルマスターはまだ健在だし……」
何処に移動したかは不明だが、健在なのは間違いない以上、放置する訳にもいかない。
そうして、
「先に、バトルマスターから片付けるとしますか」
悩むこと数秒、無難な案に纏まった。
バトルマスターを片付けて、その後気絶した孤高氏の所に移動すればいいのだから。

2600貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/18(月) 23:58:36 ID:ZUaQvlDc0

…余談だが、強化された視力はあくまで遠距離が得意なのであって、広範囲の索敵には向かない
なので、バトルマスターのを探すに辺り、彼女は『聴力』を強化してしまった。
……もう、おわかりだろうか。
勘と運と天の導きによって、バトルマスター達の居所を探し当てた彼女は……、





「はっ!?気付いたらもうこんな時間? ……何で?」
気付いたら、何やら妙に派手な外装の建物の入り口に居た。
超スピード?催眠術?
でも時間は普通に流れてるから特殊能力ではないような…
となると…
「バトルマスターじゃない…もう一人の女の子……アレ? いや、うん、女の子……の力?」
なんだろう?
何故だか凄い拒否感を感じる?
「うん…、落ち着こう…。
 多分だけど、あの二人はこの建物の中に居る」
それは事実として認識出来たのだが…
「だけど…何でだろう?」
足が、この建物に入る事を拒んでいる。
何故だか完全に不明なんだけど……



数分後

「うん」
バサッとウイングハイロウをはためかせる。
「こっちを優先しよーと」
深く考えない事にした。


【昼】【F-5 上空】
【予約被りに定評のあるtu4氏@ギャルゲロワ】
【状態】ダメージ(大)、同胞に対する深い愛、飛行中
【装備】永遠神剣第七位「存在」、ガンダールヴの証(ゼロの使い魔@漫画ロワ)、ペンダント(空鍋の欠片)
【道具】写真付き名簿、支給品一式、不明支給品×1(未確認)
【思考】
基本:空気にならないため他の書き手をみなごろし。
0:一体何が?
1:孤高の黒き書き手氏と接触する
2:書き手はみんな滅する。私を空気とか呼ぶ奴はグロ死な。
3:エロスの鐘の煩悩寺がマーダーだと広める。
4:ギャルゲロワ陣営は欝に叩き込む。
5:空気キャラは保護する。
※容姿は白鐘沙羅@フタコイ オルタナティブ。アセリアの服を着ています。
※実は永遠神剣第一位「空気」を宿していますが何らかの因子が足りないため使えません。
※ガンダールヴの能力は、どんな武器でも自在に操れます。
  また本来は使うと疲労を伴いますが、tu4氏の場合それはありません。チートですし。
※空気王として他ロワの空気キャラの能力を使用できます。
※F-6の孤高氏を目指して移動しています。目標を見据えている為、多少周囲の知覚能力が落ちています。
※何を見て聞いたのかは次以降の書き手さんにお任せします。

2601貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/18(月) 23:59:36 ID:ZUaQvlDc0
こっそり投下。
さて、密集地帯だしどんな被害がでるかな

2602貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/19(火) 00:20:00 ID:C.jlq88s0
投下乙!

ついにチート野郎沙羅さんが激戦区に襲来
ますますカオスな事態に。そして孤高氏のピーンチ!w

2603愛だよ、愛:2008/02/19(火) 06:32:06 ID:MLK1lSc20
「こなた! ちょっと起きなさいよ、こなたぁ!?」
かがみことクールなロリスキーはこなた・地球破壊爆弾の体を揺する。
返事は返らず、その体はとても冷たかった。
呼吸はしている。緩やかに動く、生きている反応がある。
それでもその体は明らかなほどに消耗しきっていた。
「一体何が有ったんですか、ロリスキーさん」
「ウッカリデス……」
いつの間にか、すぐ横には先程まで気絶していたウッカリデスの姿があった。
どうやら目が覚めたらしい。
「確か謎のマント姿が現れて、いきなりこなたさんの……頭が……」
裸になってすぐアッー〜殺意のqwglOGQwIk〜のジャンケン十三奥義ジャッカルがこなたの頭部を粉砕し、
その肉片が飛び散った所でウッカリデスの意識は途切れていた。
衝撃的すぎる場面、ヘルメットの視界を覆い尽くした血と肉片の恐怖が彼の意識を刈り取ったのだ。
「そうよ、ニコロワのジョーカー二人に襲われたの。どうにかこなたが撃退してくれたんだけど」
「ジョーカーを二人もですか!? 流石というかなんというか……」
「本当に無茶苦茶な戦闘だったわ。でも、そのせいでこなたがおかしいの!
 凄く消耗して、冷たくて目を覚まさなくて……このまま死んじゃったらどうしよう!?」
こなたの消耗は当然のことだ。
C.M.超展開はデフォなのか?が召喚したニコニコ動画大軍勢は恐るべき攻撃だった。
それに対し第六の姿キングゲイナーに変身して薙払うなど尋常の行為ではない。
幾ら制限が一時的に無効化された異次元での戦いといえど、あまりにも出鱈目である。
カオスロワやハカロワ3rdDルートに匹敵するカオスの中のカオス。
並べた字面だけでも冷静に考えると意味不明にも程がある。ツッコミたい。
とにかくその濃密すぎる狂的な激闘の末、こなたの消耗は限界に達していたのだ。
「おちついてください、ロリスキーさん。まずは安静にするとか、栄養を与えるとか……」
「栄養……そうか、吸血鬼だから血を与えれば……!」
だが血を与えようとするロリスキーを、ウッカリデスは慌てて制止した。
「それも待って下さい! ロリスキーさんもその……血を吸われたんでしょう?
 あなたも血は足りてないんじゃないんですか?」
「そ、それは……そうだけど……」
血を吸われて成り立ての吸血鬼は当然ながら、血が足りない。
下手をすれば共倒れになる。あるいはロリスキーがミイラになる鬱展開か。
ウッカリデスはそんな結末などまっぴらだった。
それに、ロリスキーの血を地球破壊爆弾に与えたくないとも感じていた。
(言葉に出来ないこの苛立ち、焦り……言うまでもありませんね、これは)
有り体に言えば、ウッカリデスは地球破壊爆弾に嫉妬していたのだ。
「まずはあなたも栄養を補給するべきです。地球破壊爆弾にも別の人の血が必要です」
「そこまでしてやる必要があるかよ」
だがそこに割り込んだのは別の声だった。

振り返るとそこに居たのは、神行太保のDIE/SOULとミスターマダオの二人だ。
二人とも高熱に焼かれボロボロの姿ながら、確固とした意志が二人を支えている。
DIE/SOULが吼え猛る。
「見つけたぞ、地図氏! 退け、かがみ! 今度こそそいつの息の根を止めてやる!」
僅かによろめきながらもしっかりと床を踏みしめて、DIE/SOULは疾走する。
その狙いが誰かなど言うまでもない。こなたの姿を取る地球破壊爆弾No.V-7だ。
左手一本で握られたドラゴンころしが渾身の力で、そして正確に振り回された。
かがみことクールなロリスキーにも、ウッカリデスにも当たらないように。
だが。
「ダメ!!」
「馬鹿野郎!?」
ロリスキーは退かなかった。
それどころか手を広げて立ち塞がり、地球破壊爆弾を守ろうとしたのだ。
DIE/SOULは慌ててドラゴンころしの巨大な刃にブレーキをかけるが、如何せん片手。
右手が炭化し、左手一本でどうにか使っている今の彼にそんな器用な事は叶わない。
「いかん!」
マダオが慌てて行動を起こそうとし、残念ながらそれもまた遅い。
マダオはDIE/SOULが即座にこんな行動に出る事を予想できなかったのだ。
だからザ・ワールドすら間に合わない。
スローモーションのようにゆっくりと、ドラゴンころしの刃はロリスキーへと迫り。

2604愛だよ、愛:2008/02/19(火) 06:33:25 ID:MLK1lSc20

硬質な仮面を叩いた。

「げぺっ」
――と、変な声を上げてウッカリデスが跳ね飛ばされた。
ドラゴン殺しの軌道が逸れ、床を穿つ。
「ウ、ウッカリデス!?」
ロリスキーが悲鳴を上げる。
ウッカリデスは物の見事に跳ね飛ばされ、ファミレスの壁に突き刺さった。
それでもロリスキーの声は聞こえたらしい。
ぷるぷると震えながらもロリスキーの声が聞こえた方に腕を上げて。
……グッと、親指を立てて見せる。

「生きているか、ウッカリデス」
マダオが若干慌てた様子でウッカリデスに駆け寄り、壁から引き抜いた。
蝶高性能なゼロの仮面にはヒビ一つ入っていない。
「だ、大丈夫です……この通り」
その全身はふるふると震えているが、まあ大丈夫なのだろう。恐らく。
「存外に無茶をする奴だ。ふふ、熱いぞウッカリデス」
マダオはウッカリデスを誉めるが、DIE/SOULはそれどころではなかった。
ウッカリデスはまだ判る。だがその前に。
「ロリスキー。テメエ、なんでそいつを庇う。そいつは、地球破壊爆弾だぞ」
「そ、それは……でもこなたは、私達を助けてもくれたのよ!」
反論するロリスキー。だがその言葉が、声が、DIE/SOULの怒りを更に助長する。
「フン、そういう事かよ。牙を生やした自分の従者を守ったって事だな」
「え、あ……こ、これは……」
僅かに垣間見えたロリスキーの口元には、少々鋭く伸びる犬歯が見えていた。
いつの間にか眼が紅く染まっている事に気づいた。
DIE/SOULから見たこの光景は、吸血鬼に支配された従者が主人を護ろうとしただけだ。
温情を掛ける所か、ますますその怒りを助長していく。
「待て、DIE/SOUL」
「止めるなマダオ。あいつは、こいつらの血を吸って吸血鬼にしたんだぞ。
 元から敵な上、危険な奴だ。容赦する理由なんざ何もねえ!」
「だから待てと言っている」
マダオは言った。
「吸血鬼にされたのはロリスキーだけのようだぞ?」
「なんだと?」

DIE/SOULが振り返る。
そこにはぴくぴくと痙攣するウッカリデスが転がっていた。
その頭部はゼロの仮面に覆われ、牙が生えているか、目が紅いかなど確認できない。
確かに吸血鬼にしては壁を突き破った位でダメージを受けすぎだが、それも証拠にはならない。
ならマダオはどうしてそんな事を言えるのだ?
「見るが良い、ここだ」
そこはフロアの隅であり、壁際であると同時に窓際だった。
すぐ横の窓からは燦々と真昼の日差しが差し込んでいる。
ウッカリデスの全身はその陽の光に照らされていた。だがそれだけ。
「そっちのロリスキーは、よく見ると肌に何か塗っているようだな」
「え、ええ。私は吸血鬼になっちゃったから、日焼け止めクリームを塗ったんだけど……」
「だがこちらは正真正銘素肌だ。成り立てが昼の日差しを受ければ無事ではいられん」
ウッカリデスは人間(?)のままだった。
彼は純粋に自らの意志だけで、身を挺してドラゴンころしの刃を逸らしたのだ。
それが彼の選んだ道だった。
「テメエ……なんでだ?」
DIE/SOULの問いにウッカリデスは呻きながら答えた。
「うぐ……ロ……ロリスキーさんを護りたかったからです…………いけませんか?」
「ウッカリデス……」
DIE/SOULは暫く沈黙して、それから言った。

2605愛だよ、愛:2008/02/19(火) 06:34:54 ID:MLK1lSc20
「じゃあこいつは殺さずに退かせて、それから地図の奴を殺すのならいいな?」
「ダ、ダメ!!」
ロリスキーの悲鳴。ウッカリデスは仮面の奥で唇を噛んだ。
確かにそれは願ったり叶ったりかもしれない。地球破壊爆弾が死ねばどんなに良いか。
吸血鬼化により半ば奪われたロリスキーを取り返す機会が生まれる。
剰りにも濃すぎる地球破壊爆弾の横で空気になる心配も無い。
大体ロリスキーだって吸血鬼化により支配されているのかもしれない。
だが、思うのだ。
(流石にそれはみっともないにも程が有るじゃないか)
彼にも僅かながら矜持というものがある。そんな無様な勝利の何が嬉しい。
彼は最早はっきりと認識していた。
自分は、クールなロリスキーに惚れているのだと。
それを明確に認識してしまったから、曖昧な誤魔化しに逃げられない。
地球破壊爆弾に対して正面からロリスキーを取り返す程の度胸も自信も無い。
それでも、そんな他の者の手で奴を殺させておこぼれにありつくなんて出来る筈がなかった。
「それも待って下さい。一応ですが、地球破壊爆弾のおかげで私達が助かったのは本当です」
だから恋敵を弁護する。
「下僕を護ろうとしただけじゃねえのか?」
「かもしれませんね。それどころか、狙われたのは地球破壊爆弾の方でしたし」
「ウッカリデス!!」
ロリスキーの焦った声。彼女に片手を向けて、もう暫く黙らせる。
DIE/SOULはウッカリデスの言葉に戸惑う。
「それなら尚更、なんでこいつを殺さない。
 危険なだけの疫病神、いやもっとおぞましいものだ、こいつは」
「彼女を狙ってきた連中が問題なのです。DIE/SOULさんでしたか、良いですか。
 襲ってきたのは、ニコニコロワの連中が二人です」
「……なんだと?」
ウッカリデスは正確にはその光景を見ていない。
ロリスキーから聞いただけ。だがウッカリデスがロリスキーを疑う理由は何も無い。
「判りますか。ジョーカーがわざわざ狙ってきたんです。
 彼女はただの一参加者じゃない、対主催の重要な鍵を担っているかもしれないのです」
「……悪い冗談だ。マーダーが対主催の鍵だと? キーアイテムを握る程度にしてくれ」
「事実です。そして彼女はきっと、ロリスキーが居る間はゲームに乗らない」
「なに?」
全ての視線がロリスキーへと集中する。
その視線に対し、ロリスキーは堂々と答えた。
「ええ、そうよ。私がさせないわ、そんな事。私の目が黒い間、こなたは対主催よ」
それだけは言えること。
地球破壊爆弾を……こなたをマーダーに戻してなるものか。
その点については、絶対に譲れないと思った。
「最も……この突飛な話をあなた達が信じてくれないなら話は変わりますが」
「……………………フン」
DIE/SOULは忌々しげに鼻を鳴らした。信じざるを得ない。
何故ならDIE/SOULとマダオもまた。
「そうだな、信じざるを得ないとも。なにせ我らもまたジョーカーに襲われたのだからな」
「え? ほ、本当ですか!?」
「こっちはテイルズロワの奴だったがね。くくっ、くはははは! 主催は一体何匹狗を差し向けたのだろうな!?
 こちらも対ジョーカーを軸に燃え展開で結束できるというものだ!」
ジョーカーの実在を知っているのだから。

「……勘違いするなよ。俺はまだ、そいつの事を信じたわけじゃねえ」
DIE/SOULは苦々しげに言った。
地球破壊爆弾は剰りに危険で、劇薬だ。むしろ毒ガスか核兵器か、いえいえそのまんま地球破壊爆弾でした。
「だが……そうだな、しばらく様子を見ても良い。
 考えてみれば行動不能状態のアーカードにトドメなんざ俺の目指す事じゃねえ」
彼の望みは危険視するアーカードを倒すのが一つ、そしてアーカードVSガッツを実現するのが二つだ。
行動不能のアーカードを仕留めるのではその半分しか達成できない。

2606愛だよ、愛:2008/02/19(火) 06:35:48 ID:MLK1lSc20
「じゃあ……!」
「しばらくは行動を共にする。てめえらの様子も見ないといけねえからな。
 いいか、仲間だと思ったわけじゃねえぞ! そいつも、ロリスキーてめえもだ!」
マダオが愉しげに嗤った。
「素晴らしいツンデレだ。もえる」
「黙れ」
DIE/SOULはドラゴンころしを背中に戻した。

「でも……どうしよう。こなたが目覚めないの」
そして状況は後戻る。
ジョーカーを撃退して消耗したこなた。その回復に必要なのは、血。
ならば血を与えるしかないが、かがみことロリスキーの血では恐らく足りまい。
「ではこんな物はどうだろう」
そう言って同じ吸血鬼であるロリカードことマダオが、ファミレスのテーブルに紙を広げた。
そこに記載してあるのは支給された地図よりも詳しい、市街地に限定された地図。
「おい、そんな物何時の間に……」
「来る途中に見つけた店から頂いてきた。
 どこまで信用できるかは判らないが、これによると輸血パックが有りそうな病院は……」
マダオの指は、地図の一点を差した。
「E−8に大きな病院が有るらしい」
幾つもの目が見つめ合い、頷いた。
地球破壊爆弾の為だけではなく、同じく重傷を受けたマダオにとっても血は必要だったのだ。

数分後、ファミレスには一つの置き手紙とメモに書かれた地図が残されていた。

『最速の人へ
  マダオに必要な物を取りに東の大きな所へ向かいます。
  もしも生きてここに帰ってきたら、あなたも来て下さい。
                    ロリスキー』

彼女達はまだ信じていたのだ。
このチームの皆が、仲違いせず、力を合わせ、生き残り、元の世界に帰れる事を。
その確率が極小という事なんて判っていて、それでもまだ、懸命に信じ続けていたのだ。

※:市街地に有った街の詳細地図を信じるなら、E-8に大きな病院が有るようです。

【昼】【F-6 ファミレス周辺】
【アーカードとかは行く】
【忘却のウッカリデス@アニロワ2nd】
【状態】:元気、首をかなり捻挫、腰痛、
【装備】:ゼロの仮面(蝶高性能)@アニロワ2nd
【道具】:なし
【思考】:ロリスキーの為に対主催!
 1:僕の推論が合っているのか?
 2:最速の人との誓いを守る
※ロリスキーへの恋心をしっかり認識。
※ウッカリデスが見た上空に存在する建物は、今の所彼にしか見えません。

【クールなロリスキー@漫画ロワ】
【状態】:不死者、吸血鬼、疲労(中)
【装備】:裸エプロン(キュートなシルク仕様)
【道具】:支給品一式、着替え用の衣装(複数)、『村雨健二』の衣装、日焼け止めクリーム(大量)、未定支給品×?(本人確認)
【思考】:こなた……
 基本:脱出か対主催!
 1:こなたを連れて病院まで向かう。
 2:落ち着いたら今後のプランを練るわ
 ※容姿は柊かがみ@らき☆すたです
 ※何故か不死身です
 ※ギャルゲロワ版最速の人に心惹かれています
 ※地球破壊爆弾No.V-7に血を吸われ、彼女の下僕になりました

2607愛だよ、愛:2008/02/19(火) 06:39:08 ID:MLK1lSc20
【ミスターマダオ@漫画ロワ】
【状態】:空腹、重症(回復中)、右半分が大火傷(回復中)、強い決意、強い仲間意識
【装備】:パニッシャー@トライガン(機関銃:残り弾数100%、ロケットランチャー:残り10発)
【道具】:支給品一式、未定支給品×1(本人確認済み)
【思考】:病院に辿り着いたら輸血パックで血盛りだ! もう少し休憩も欲しいか。
 基本:対主催! 殺し合いには乗らないが、マーダーは犬の餌。しかし……?
 1:友情! もっと仲間を探すぞ!
 2:努力! 首輪をどうにかするぞ!
 3:勝利! 見ていろよ主催者!
 ※容姿はアーカード(ロリ状態)@ヘルシングです
 ※押し倒したウッカリデスを気に入りました
 ※地図氏(地球破壊爆弾No.V-7)がジョーカーではないかと思っています。
   ジョーカーに襲われた事と合わせての考察はまだしていません。
 ※自分が本物の書き手なのか疑問が生まれました。他の書き手を殺すのにわずかな躊躇いが生まれました。
 ※スタンド『世界』は漫画ロワ準拠の制限がかかっています。時止めの時間は3秒です。
 ※漫画ロワにおけるスタンドの制限について
 ・スタンドの特殊な力を使用する際、精神力の他に体力も『必ず』消費する。弱っている時に無理をすると、無駄に体力を使って発動もせず下手をすれば死ぬ。
 ・連続で時を止める/飛ばす事はできない。チャージ時間は一呼吸(十秒)。
 ・スタンドは一般人にも見ることが可能。
 ・スタンドは一般人にも触ることが可能。物理攻撃も可。
 ・スタンドは発現、能力の発動に体力と精神力の両方を使用する。

【神行太保のDIE/SOUL@アニロワ1st】
【状態】:疲労(中)、胸部にダメージ、全身火傷(処置済み)、右指炭化(処置済み)、全身に打ち身、核鉄による治癒中
【装備】:竜殺し@ベルセルク、ガッツの装備一式@ベルセルク  核鉄『ブレイズオブグローリー』@武装錬金
【道具】:支給品一式、拡声器
【思考】:まだ地図氏を信じたわけじゃねえ。
 基本:アーカード(地図氏、マダオ)は殺すつもりだったのだが……。
 1:病院に向かう。義手とか有るだろうか
 2:あのナナシとは必ず決着をつける。
 3:仲間を集めて『孤城の主』を実現させ地図氏を打倒する?
 4:それまではマダオと協力関係を結ぶ
 5:地図氏を始末した後はマダオを始末する……つもりだ
 ※容姿はガッツ@ベルセルクです。
 ※神行太保・戴宗の神行法(高速移動)が使えます。
 ※ラディカルグッドスピード腕部限定は、腕だけが速く動きます。
 ※地図氏(地球破壊爆弾No.V-7)がジョーカーではないかと思っています。
  ジョーカーに襲われた事と合わせての考察はまだしていません。
 ※自分が本物の書き手なのか疑問が生まれました。他の書き手を殺すのにわずかな躊躇いが生まれました。

【地球破壊爆弾No.V-7@アニロワ1st】
【状態】:疲労(大)、気絶中
【装備】:『真紅』の衣装、シルクのエプロン
【道具】:支給品一式、着替え用の衣装(複数)、アダルトグッズ(大量)、未定支給品×1(本人確認)
【思考】:ばたんきゅ(〓ω〓.)
 基本:とりあえずは、こなた&かがみという方向で……
 1:かがみんのお手伝い〜
 2:お腹が減ったら、かがみんから血を吸う
 3:かがみん用の血を探す(他の参加者か、輸血用血液)
 ※基本的に中身はアーカードで、CVは平野綾です
 ※変化する姿に7つのバリエーションがあるらしいです。
 【1:地球破壊爆弾】【2:アーカード】【3:長門有希】【4:泉こなた】
 【5:銃撃女ラジカル・レヴィさん】【6:キングゲイナー】【7:1〜6とか目じゃないよ?びびるよ、まじで】
 ※クーガーの早口台詞が言えます!
 ※鎖鎌、鳳凰寺風の剣、ソード・カトラス、ノートPCの投影が可能です。
 【スーパーキョンタイム】
 地図氏以外の者はゆっくりとしか動けなくなります。一度使うとそれなりの時間使用不可能です。
 【地図氏の地図】
 参加者の位置、生死を含めた地図を投影できます。※長門有希の状態でのみ可能。
 使いすぎるとアレなので、毎晩0時にのみ使うことにします。

2608貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/19(火) 06:46:25 ID:MLK1lSc20
こそっと投下してみる。

2609貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/19(火) 07:46:45 ID:XHfXOeJAC
朝っぱらから投下乙ですw
色々と人間関係がややこしいチームだなあ。
というかロリスキーはいつまで裸エプロンなんだw

2610貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/19(火) 13:51:40 ID:/wbipA7U0
投下乙です!
あ、ありのままおこったことを話すぜ…!
『書き手ロワなのに、普通にロワっぽいことをやっていた』
超ス(ry

いや、もちろんGJなんですけどね?w
このチームがこれから誰と出会うのか。

2611貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/19(火) 16:05:34 ID:OFALZtZ.0
乙!
むしろ書き手ロワだからこそ、真面目にロワをする話が読みたかった!
このチームの戦闘力は異常だなぁ、っというか、ジョーカーとの激戦で削られてるのか、何人かはw

2612貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/19(火) 16:12:52 ID:KZjRkyNM0
MAPで〜す
ttp://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1c/d8/abcbfc605d20aa2d19de0655f748ff05.png

2613貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/19(火) 16:27:55 ID:wRKdh3f20
>>2612
乙です
密集地帯と蚊帳の外とに綺麗に分かれてるかもw

まだ昼に進んでない人ってあと何人くらいだっけ?

2614さらなる高みを目指して:2008/02/19(火) 16:41:48 ID:74dh1zw.0
人気のない森の中にその書き手はいた。
ここは中央部から離れたC-8の森の中。
鬱蒼と茂った森ゆえに、太陽があるにもかかわらず暗い森を形作っている。
そのような森だから静かな所かと言われれば、実はそうでもない。
さまざまな音がここには響いている。
木の幹を打つ音。
落ちてくる葉を叩く音。
大地を蹴る音。
腕を振るう音。
その者が発する魂の音。
それらの音が融合し、独特のハーモニーを奏でている。

この者の名は「熱血王子」
漫画ロワの書き手の一人である。
彼がここで黙々と腕を振るうのには、それ相応の訳があった。

サラマンダーからの脱却を決意した王子だったが、ふと自分の能力に関して疑問を持った。
自分の力である『破棄すべき全ての手(リスト・ブレイカー)』は果たしてこのロワで如何ほどのものなのかと。
確かに自分は手首を刈り取る手首マーダーをこころざしてここまで行動してきた。
しかし、その成果はどうだ! 未だに奪った命は0だ!
理由は薄々感じていた。
『破棄すべき全ての手(リスト・ブレイカー)』が有効な技とはいえ、言ってみれば相手の手首をはねるだけの技。
それでは出血多量しか死因は望めまい。
これではだめだ。自分の復讐は果たせない。
今のままではだめだ……もっと強く……更なる高みへ昇らなければ――

そう思い立って今に至る。
今の彼の行為を表すとしたら「修行」や「特訓」という言葉が当てはまるだろう。
古来より自分の限界を打ち破るには「修行」や「特訓」と相場が決まっている…………のかどうかは知らないが、
彼がそれで新たな境地を開いたなら、その時が彼が真のマーダーとして新生する時であろう。
そして――――ついにその時がきた。

ウルトラマンメビウスのヒビノ=ミライのような姿をした熱血王子が『ウルトラリング(書き手ロワ特別バージョン)』を合わせると、
その姿は銀目銀髪の高町なのはの顔に、ウルトラマンレオの体、声は赤木しげるというカオスなものとなる。
彼の足元には二人の死体があった。
それはA-8からわざわざ運んできたアルレッキーノと欝のエルだったもの。
もちろん王子はこの死体が誰なのかは知らないが、最後の仕上げに必要なものだった。
そして既にアルレッキーノの方はどういう訳か、見るも無残な姿へと変貌していた。
王子は欝のエルの死体を天高く放り投げると、構えを取った。

「《破棄すべき全ての手(リスト・ブレイカー)》ブラストモード……」

その言葉を紡いだ瞬間、彼の手の中の『破棄すべき全ての手』が禍々しい光を放ち始めた。
その光に辺りの空気も毒されているようだ。

「……全力全壊……《破棄すべき全ての首(ネック・ブレイカー)》ーーーッ!!!!」

その言葉と共に王子の手によって7つの斬撃が同時に放たれ、欝のエルへと突き刺さる。
下から……両足首……両手首……両乳首……そして首。
合計7箇所に同時に放たれる高速無比の斬撃。
それが熱血王子が編み出した新たな牙『破棄すべき全ての手(リスト・ブレイカー)』のブラストモード――
――『破棄すべき全ての首(ネック・ブレイカー)』
欝のエルの死体はアルレッキーノのものと同じように見るも無残な姿になった。

「そう、手首だけじゃ足りないね……首と名のつくものは全て――ッ!?
 ……乱発は控えた方がいいかぁ、まさしく最後の切り札か。
 少し休んだら、活動再開だ」

熱血大路は変身を解くと、しばらく休憩する事にした。
復讐はその後だ。

2615さらなる高みを目指して:2008/02/19(火) 16:44:55 ID:74dh1zw.0
【午前】【C-8】
【熱血王子@漫画ロワ】
【状態】:疲労(中)、全身に軽い打撲、顔面に小ダメージ、変身解除
【装備】:『破棄すべき全ての手』(ブラストモード『破棄すべき全ての首(ネック・ブレイカー)取得)、ウルトラリング
【所持品】:支給品一式
【思考・行動】
基本:手首と言わず全ての首を狩り尽くし、復讐を果す。
1:脱・サラマンダー。相手は誰でもいいので見敵必殺。
2:666とネコミミストと会ったら今度こそ手首そして全ての首を狩る。
3:逃げていった最速の人達をもう一度見つけ出し、手首そして全ての首を狩る
※変身後の姿は銀目銀髪の高町なのはの顔に、ウルトラマンレオの体、声は赤木しげるです。
※変身前は、ウルトラマンメビウスのヒビノ=ミライの様な容姿です。
※第一回放送の前半を聞き逃しました。
※【『破棄すべき全ての手(リスト・ブレイカー)』@漫画ロワ&誤爆スレ】
 一話で二人の人間の手首をはねた逸話に由来する宝具。
 真名を解放しながらの攻撃は、全て手首を斬り飛ばす一撃となる。
 ちなみに外見はfateのルルブレ。存在は誤爆スレと漫画ロワ毒吐きを見て勝手に作った。
 ブラスターモード『破棄すべき全ての首(ネック・ブレイカー)について:
 このモードは『破棄すべき全ての手(リスト・ブレイカー)』の強化版。
 真名を解放しながらの攻撃は、相手の首と名のつく場所、つまり両足首・両手首・両乳首・首の合計7箇所に高速無比の斬撃を同時に繰り出す。乱発すると身体がもたないので、最後の切り札的な位置づけです。
※【『ウルトラリング(書き手ロワ特別バージョン)』】
 透明な麻雀牌がついた指輪と、レイジングハートがついた指輪の二つで一つ。
 この二つを合わせる事により、戦闘形態へと変身を遂げる。


短いですが、投下終了。
よく見たら朝の人ってまだ何人かいますね。
死体を粗末に扱ってすいません。

2616貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/19(火) 17:10:13 ID:OFALZtZ.0
投下乙です。
ああ、奥義を習得したwwww熱血王子の次の戦いに期待せざるを得ない。
ところで修行してたというなら、時間帯は昼まで進めておいてもいいかも?
放送のためにもw

2617貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/19(火) 17:17:40 ID:OOBNE2kY0
MAP・投下乙

>>2599-2600のタイトルって何だろ?

2618さらなる高みを目指して:2008/02/19(火) 17:34:50 ID:74dh1zw.0
>>2616
一応他に書いている人がいたらいけないと思ったので、極力影響のないようにしてみたのですが、
進めたほうがいいならこちらとしては進めてもらって結構です

2619貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/19(火) 17:45:05 ID:uNm7Ip5A0
第五弾投下します!

2620Sa・Ga/Drastic our soul:2008/02/19(火) 17:46:28 ID:uNm7Ip5A0
「ホモ散雨!!」
手に入れたはBLの力。
その力を信じピザの1号はダイナマイトアンデッドの懐に入り込みものすごい勢いで腰を前後に振り始める。
「っぐう!」
ダイアンは見た、己を打つ物体の正体を。
「ヒヒ、正気の沙汰じゃねえな」
所謂“あれ”である。
男性の一番大切なところである。
ぶっちゃけこのロワなら正式名称で書いてもスルーされんじゃねえ?っていう物体のことである。
とりあえず物干しざおと呼称しよう。
ピザの1号が変じたヅラムスは物干しざおにBLバリアーを張ることで、
即席の突撃衝角に仕立て上げたのである。
……ということにしといてくれ、頼むから!
ほら、ダイアンの反撃の銃弾数発も弾いたし!

「男にとっての急所を武器にするか。くくく、いいぜ、おもしれえじゃねえか」
そんな本来多くの男が嫌悪するような攻撃にもダイアンは眉一つひそめない。
ピザの1号は舌を打つ。
尻を狙わなかったとは言え今の攻撃で動揺したところを追撃するのが本来の作戦だったからだ。
やはり元ロワにおけるその手のネタの少なさがNYBLP(なんだかよくわからんボーイズラブパワー)の
全力発動の足を引張っているようである。
加えて目の前の男から感じる狂気。
奴は目の前の戦いに勝つことしか意識していないのである。
恐らく隙を突くことは不可能であろう。
だが、負ける気は毛頭ない。
「BLでカリウス!」
さらに追撃をダイアンに叩き込む。
先程の一撃で確信したことだが、この男身体能力的には大したことがないのだ。
ならば埋めれる。
NYBLPの足を引っ張ってしまう分はAAAパワーで補えばいい。
幸いヴァルキリープロファイルにおける必殺技の発動条件である必殺ゲージは、
コンボを繋ぐことが醍醐味の一つであるテイルズオブファンタジアの技と相性がいい。
それらをうまくBL化すれば不条理奥義を連発できるということだ。
存外持ち札は悪くない。
ちなみに今の変異型ブッラディ・カリウスは相手の股間を潰す気で狙った技だったが、
両腕を犠牲にうまくふさがれてしまった。

2621Sa・Ga/Drastic our soul:2008/02/19(火) 17:46:55 ID:uNm7Ip5A0
「おお怖え怖え、ネタかつ高性能の技っつうのは」
地に叩き伏せられたダイアンが即座にプライム・エリクサーで腕を回復するのを見届け、
にやりと笑うのエース。
その手のピーキーガリバーはすでに巨大化し更に炎を纏っている。
「そうそう、そういやおたくのとこの技にこんなのがあったよな?」
あえて回復アイテムを使う間は手を出さず、回復直後に大技を叩き込む。
本人の能力でないのなら限界はあるだろう。
いやそれ以前に道具ごと焼いてしまえばいい。
一撃で殺すのもありだ。
そう読んでエースが放った技とはすなわち!
「うぉー!」
ガリバーのジェット噴射を使い炎を纏ったまま空高く上昇するエース。
「まずい!あれは……」
即座に気づいたピザの一号が地味子を抱えバックステップで急速後退する。
あんな叫び声をあげるAAAのネタ技など一つしかあるまい。
ならばその威力・範囲はまともにくらえば今のズラムスとてただでは済まない。
そう、あれこそがSO2における最も有名であろうネタ技が一つ
「あっちーーーーーーーー!!」
名をスピキュールという。

炎に包まれた巨大な拳が地に叩きつけられる。
恐るべきはその拳自身の威力だけではない。
大地に拡散し円形状にほとばしった炎である。
広い。
とにかく広い。
エリア一つを焼き尽くしたのではないかというほどである。
「はっ、俺を苔にした借りは返したぜ」
その成果を確かめ炎を消すエース。
視界の隅には黒く焼けただれたダイナマイトアンデット。
逃げようとあがいて着弾点から離れたためか、消滅こそしていないものの生きているとは到底思えない。
デイバックからあの薬の入った瓶を取り出した直後の広範囲攻撃だ。
早口野郎はなんか叫んで姿を変えてたが、少なくとも今回の一番の標的は逃がさずに済んだようだ。
回復薬ともどもお陀仏に決まっている。

2622Sa・Ga/Drastic our soul:2008/02/19(火) 17:47:29 ID:uNm7Ip5A0

それが、エースの命取りになった。
「ごっは、な、に?」
突然の痛みに膝をつくエース。
ピーキーガリバー、マジシャンズレッド、ジャッカル。
エースの装備はどれも攻撃力的には一品である。
ただいかんせん防御力は皆無である。
巨大化したピーキーガリバーは盾としても使えるが、
あくまでもそれは応用としての使用法である。

つまり。
「てめえ、どうして!?」
不意打ちにはからっきし通用しないのである。

「言った、はずだ、ぜ?勝負に、絶対はない、と」
エースの心臓を打ち抜いた男はひどい有様だった。
左半身に至っては完全に炭化しておりそのままではもはや助からないっことは明白だ。
それでも霊薬の力に頼れば生き残ることができるかもしれない。
だがその男の手には霊薬の瓶ではなく一丁のライフルが握られていた。
AK-74、先ほどエースを打ち抜いた凶器である。
「そうか、そういうこと、か」
ダイアンはエースの狙いと技の特性を完璧に見抜いていた。
プロミネンスド・ラピュータフォール――スピキュールは、
その拳の巨大さと炎拡散時の熱エネルギーにより、
技が発動し終わるその瞬間一時完全に使用者の視界が奪われる。
ダイナマイトアンデットはその一瞬を狙い、
武器を持った右手を優先して守るように身を隠したのだ。
戦闘序盤マジシャンズレッドの炎が噴き出した亀裂を利用して。
気づかれないようギリギリまでエースを引き寄せてからの行動だった。
時同じくして高速で離脱した他の3人もいい目隠しになったといえるだろう。

「っは、馬鹿な奴だ。どうせなら回復アイテムの方をまもりゃあ死なずに済んだのによう」
エースは笑う。
ダイアンが使った戦術は確かに彼に致命傷を与えるという大きな成果を成し遂げた。
しかしその代償は余りにも大きすぎた。
マジシャンズレッドが生み出した亀裂は人一人が隠れきれるほど深いものではない。
だからダイアンは埋め切れなかった左半身を大きく負傷した。
さらには限界まで引き寄せたが故に圧倒的な熱風に肌を嬲られた。
もしも銃ではなくエリクサーを守ることを優先していたなら死の運命を免れることも可能だっただろうにと。

2623Sa・Ga/Drastic our soul:2008/02/19(火) 17:47:51 ID:uNm7Ip5A0
「クク、負けない方法になんて興味はない。あんたも書き手なら、わかるだろ?」
ダイアンも笑い返す。
回復を優先してたならおまえは隙を見せずに追撃し俺を殺していただろうと。
てめえも同じ状況なら負けない方法ではなく勝つ方法を選んでいたに違いないと。

「わかるぜ、いてえほどビンビンとなあ!」
エースが立ち上がる。
左手のジャッカルを杖代わりに右手に核金を握りしめる。
核金――サンライトハートではないとはいえピーキーガリバーもまた武装錬金には代わりない。
なら心臓の代わりに埋め込めば生き残れるのではないか?
脳裏をよぎるその誘惑を男は否定する。
体に埋め込むよりもに早く敵の銃に脳天をぶち抜かれておじゃんだ。
何よりも彼自身の意地が否定するのだ。
負けないだけなどくそくらえと!
「ある日すんげえおもしれえ名作が投下されちまう」
エースが語りだす。
「ククク……読み手の奴らは大喜びで読み漁るだろうな」
ダイアンが続ける。
「違いねえ、だが俺たちは書き手だ。
 ただ極上の餌をもらってしっぽを振る犬みてえに喜んで終わりじゃねえ」
ともに笑みを浮かべたまま、
「そうさ……どうしても思うのさ…ククク…ハハハハッ…!」
誰よりも獰猛にほえる!
「「勝ちてえと!絶対これよりもおもしれえ話を書いてやると!!」
更に燃える話を、もっと笑える話を、最悪を上回る鬱を!!
「「意地があんだよ、書き手には!!」」
我こそが最高だと、誰よりもおもしろい話を書くのだという意地が!
その意地こそが彼ら各々を名だたる書き手へと押し上げ、
彼らが共に綴るロワ全体の質をも向上させていく。
もっと、もっとと、名作が投下されるにつれ上がっていく底なしのモチベーション。
どこまでも伸びていくその様はまさに一種の螺旋力と言っていい。
そんな天も次元も突破する力を原動力にする彼らが、
まして燃えロワとして名高い漫画ロワの二人が、我が身かわいさの保身に走るはずなどない!

2624Sa・Ga/Drastic our soul:2008/02/19(火) 17:48:10 ID:uNm7Ip5A0
「俺の名はエース、ストライカーになる漢だ!」
エースは敵と認めた男に誇らしげに名を告げる。
「ダイナマイトアンデッド、死者すらも統べる、者だ」
対するダイアンもAK-74を杖代わりに立ち上がりつつ答える。
「はっ、同郷かよ!」
「クク……ハハハ、いいね、手間が、省ける」
同ロワ出身だとわかっても二人が手を取り合うことはない。
すべからく書き手にとって仲間とは友であると共にライバルなのだ。
彼らがその後者の関係を優先したとしてなんら不思議なことはない。
「なら、ケリをつけようぜ、ダイアン!」
拳が炎を纏う。
「ハハハ……それでいい、エース!」
ナイフが光を反射する。
共に満身創痍の二人は、されど誰よりも活気に満ちあふれていた。
「俺の!」
エースが全力で拳を打ち出す!
「あんたの……」
ダイアンのナイフが疾く閃く!
「勝ちだああああああああああああああああ!!」
ただ強く、何処までも熱い強烈な一撃がダイアンの胸を抉る。
「負けだ……クははははははははははははは!!」
速く鋭く、何よりも冷たい深淵の一閃がエースの喉を切り裂く。
交差は一瞬、そして――

2625Sa・Ga/Drastic our soul:2008/02/19(火) 17:48:34 ID:uNm7Ip5A0
「馬鹿だよ、あの二人」
地味子は涙を流しながらどこか寂しげに呟いた。
彼女を襲った二人が共倒れしたのだ。
本来は喜ぶべき場面である。
なのに、なんで、自分は泣いているのだろう?
「何も不思議がることはありませんよ、お嬢さん」
まるでこちらの心を読んだかのように、静かに、そういつもと違い静かにフリクリ署長が告げる。
「あなたも、そしてそこの君も、散っていった彼らや私たちと同じ、書き手だからです」
言われて初めて気づく。
自分の隣で変身を解いたピザの一号も天を見上げたまま動かないことに。
きっと彼も涙を堪えているのだろう。
「過疎?独自ルート?そんなものは関係ありません。
 私たちはみんなどうしようもないほどの負けず嫌いなんです。
 でも、その意地は大切に抱え続けなさい。
 盛況ロワと言われるアニロワの担い手の一人として、私から贈れる言葉はそれで全てです」
「でも、できないよ。死んだらボクたちのような小数によるロワなんてすぐに瓦解するんだよ?」
だから、無茶はできない。
超展開にも頼れない。
キバヤシ理論も使えない。
ご都合主義などもっての他だ。
それでも、それでもこの人は意地を通せというのか。
「そうですね。命は一つきりです。
 それに比べたら意地なんてゴミのようなものかもしれません。
 でも、そのゴミは、涙に似ているんです。
 塩辛くてしょっぱいだけの排出物にすぎないはずなのに、
 人として大切なことを感じさせてくれるあの涙に」
ああ自分はさっきから何もわかってはいなかったんだなあ、と地味子は思う。
どこまでも穏やかな顔で語るこの人の手は、血が滴るほど強く握りしめられていた。
きっと彼も本当はあの場で戦い続けたかったのであろう。
全身を装甲で包んだ彼のスピードをもってすればスピキュールが発動する前に潰せたかもしれない。
なんらかの手で行われた銀髪の男の不意の狙撃もかわせたかもしれない。
けれどもフリクリ署長は自身の魂の高まりにすら反逆して自分とピザさんを守るために、
二人を抱えて逃げることを選択したのだ。
その背はどこか悲しげで、それ以上に誇り高かった。

地味子は、きっと生涯忘れないだろう。
最後まで意地を貫いた彼らの姿を。
そしてそれ以上に強く誓う。
ボクは絶対に彼らに勝る書き手になると。

決意を胸にふと黙り続けているピザの一号に気になってた事を聞いてみる。
「ピザさんは、どっちが勝ったとおもう?」
腰をフリクリの腕に抱えられながら移動する中地味子は見たのだ、
倒れ伏した二人の内片方が天に拳を突き上げるのを。
残念ながらフリクリ署長のあまりの速さに酔ってしまいどっちかは判別できなかったのだが。
そんな彼女の質問に同じ光景を見ていたであろうピザの一号は眼を擦り、
涙を誤魔化し笑って答える。
「決まってる。二人ともだ」
眩しいくらいのいい笑顔だった。

どうやら彼女が勝つべきライバルは、すぐ近くにももう一人いたようである。

2626Sa・Ga/Drastic our soul:2008/02/19(火) 17:49:00 ID:uNm7Ip5A0
【ダイナマイトアンデッド@漫画ロワ 死亡】
【エース@漫画ロワ 死亡】


【午前】【B‐8 森】
【ピザの1号(◆wKs3a28q6Q)@AAAロワ】
【状態】強い決意
【装備】夜天の書(BL本)
【所持品】BL本一冊、GL(全年齢)一冊
【思考・行動】
 1:脱出してロワを面白く完結させる!
 2:そのために仲間たちと対主催!
 3:俺はノンケです。…本当だってば!
※BL力を手に入れました。観月マナのNYBLP(なんだかよくわからんボーイズラブパワー。なんだかよくわからん力でバリアを張ったりいい男の世界に引きずりこめます)
と芳賀玲子のコスプレ(変身能力。所属しているロワに出てきた参加者になれる。ただしネタのあるキャラに限る。能力は本物同然)
※変身は解除されました




【地味子@葉鍵3】
【装備:ナイフ】
【所持品:なし】
【状態:健康】 強い決意
【思考・行動】
1:脱出して自ルートを地味でも面白く完結させる!
2:頑張って目立ちたい!
※CLANNADの制服を着用
※葉鍵の迎撃(リーフシールド)
周囲の木の葉を風で巻き起こし、強力なシールドを張り巡らせる。使用回数は体力に依存。今のところ後二回が限度。攻撃力は皆無
※その他の設定は後続に任せます




【フリクリ署長@アニロワ1st】
【装備:不明】
【所持品:支給品一式、サングラス(クーガー仕様)】
【状態:実は結構しんどい】
【思考・行動】
1:地味子とピザの1号を守る
2:騎士道精神に準じて行動(要するにか弱い女性を助ける)
ラディカル・グッドスピードが使えます。ほぼ原作と同じレベルです
※容姿はサングラスをかけていること以外お任せ
※声もお任せ

※C‐9は焼け野原となりました。
※AK-74(残り60発)、朝倉涼子のアーミーナイフ、核金(ピーキーガリバー)、支給品一式(エース)
 マジシャンズレッドのスタンドディスク、ジャッカル、死体、焼け焦げた死体が転がっています。
 プライム・エリクサー、支給品一式(ダイアン)はスピキュールで燃え尽きました。

2627名乗る名は無い:2008/02/19(火) 17:51:57 ID:uNm7Ip5A0
以上投下終了です。
ぶっちゃけ前回夕方まで進めた反省に取り残されてた方々を。
テーマは意地。
この身は一時の幻なれど、書き手であるのは確かなり。
勝つ気で行かせてもらいます。

前回のチャットで教わったことを早速使用です。ぺこり。

2628貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/19(火) 17:56:53 ID:OFALZtZ.0
ぐっじょぉぉおおおおおぶっ!!!
熱い、なんて熱いんだ、漫画ロワ! ていうか意地と意地のぶつかり合いが一番弱いんだ、自分は!
そうだよ、前回ノチャットでも言ったけど…名作書かれたら、自分も書きたいって思うんだよ!
あの2人の意地にすごく同意しつつ、GJを贈らせてください。

2629さよなら誤解先生:2008/02/19(火) 21:24:02 ID:OEpwI7XA0
「さて、これからどうするか…。」

修行により新たな力を手に入れた熱血王子は、考える。本来なら、すぐにでもこの力を
実戦で試してみたいところだ。だが、焦りは禁物。対主催であれマーダーであれ、
目的を達するのに必要なのは平常心だ。焦ればその行動は失敗し、さらなる焦りを生む。
その負の連鎖に取り込まれるのは御免だ。

「そうだな、だいぶ体力も使ったことだし…。少し、体休めようか…。」

休息を取ることを決め、どこか適当な場所に移動しようとする熱血王子。しかし…。

「なんだあれは…。」

彼の視界に、追いかけっこを繰り広げる二人の仮面ライダーが現れた。



「待て、クライシス帝国の手先め!!」
「しつこいわ、おまえ!いい加減諦めろこの野郎ォォォ!!」

◆6/WWxs901は、ひたすら影の繋ぎ師から逃げ回っていた。彼の変身能力は、
このロワのすべての参加者および、古今東西あらゆるパロロワの参加者に化けることが出来る。
そして、その能力もコピーすることが可能。よって、互角に戦うことが出来ないわけではない。
逃げるにしても、有効活用できそうな変身はいくらでもある。
ジグマールの「人間ワープ」、野上葵の「テレポート」、クーガーの「ラディカル・グッドスピード」、
世直しマンの「こっちからあっち移動」、バッファローマンの「ゼロパワー」、
瞬間移動や高速移動だけでも、これだけの数がある。草薙素子の「光学迷彩」や、
セッコの「オアシス」も逃亡には役立つ能力だろう。しかし、◆6/WWxs901は
そのいずれも使おうとはしない。原因は「恐怖」。先ほど影の繋ぎ師と戦った際に
植え付けられたトラウマが、彼の思考回路を麻痺させているのである。

2630さよなら誤解先生:2008/02/19(火) 21:25:31 ID:OEpwI7XA0
(ああもう、どうすりゃいいんだ!!)

なにも解決策を生み出さない頭をそれでもフル回転させながら、彼は走る。そのうち、彼の前に一人の男が現れた。

「そこの人、助けてくれ!!」

必死に呼びかける◆6/WWxs901。その呼びかけに対し、男…熱血王子は手にした刃物を構えた。
その瞬間、◆6/WWxs901は悟った。ああ、こいつ助けてくれるつもりゼロだわ、と。

『破棄すべき全ての手(リスト・ブレイカー)。』

そう呟き、熱血王子は剣を振り下ろす。その一撃は、◆6/WWxs901の右手首を吹き飛ばした。
ちなみにここで「破棄すべきすべての首(ネック・ブレイカー)」を使わなかったのは体力消耗の問題と、
まだ生きている相手に確実に決める自信がなかったからである。

「うあああああ!!」

手首を切り落とされた◆6/WWxs901は、痛みに悶絶しながら転げ回る。彼は急いでアーカードに変身し、
右手を再生。それにしても、痛みに転げ回る旦那の姿はあまり見たいものではない。
貴重な光景であることには間違いないが。

「変身だと…。貴様、さっきのクライシス帝国の手下だったのか!」

ようやく◆6/WWxs901の正体に(まあ、彼が思っている正体は間違っているのだが)
気づく、影の繋ぎ師。そんな彼を無視して、熱血王子は◆6/WWxs901に歩み寄る。

「アーカードは、心臓を破壊すれば死ぬんだったな…。本来ならもう少し弱らせてから
新技の実験台になってもらうところだが、あいにくこっちも万全じゃないんでね…。
とりあえず殺害数1を稼がせてもらうよ。」

「破棄すべきすべての手」の切っ先を、◆6/WWxs901の胸に突きつける熱血王子。
もはや◆6/WWxs901は、誰が見ても絶体絶命。そのはずだった。

「ぐっ!」

突然、熱血王子の後頭部を衝撃が襲う。反射的に振り向く王子だが、そこにいたのは影の繋ぎ師だけだ。

「貴様…。背後から不意打ちとはやってくれるじゃないか。」
「何を言ってるんだ?俺はなにも…。」
「この期に及んでしらを切るか。少しばかり頭に来たぜ。おまえから先に片づけてやる!変身!」

両手のウルトラリングを合わせ、熱血王子は銀髪の高町なのはへと変身する。

「くっ、これもクライシス帝国の仕業か…。仕方ない。力ずくでもおとなしくしてもらうぞ!」

対する影の繋ぎ師も、戦闘態勢に入る。今ここに、仮面ライダー対ウルトラマン(ただし
ボディーだけ)という、ドリームマッチが始まろうとしていた。
…約一名の存在を忘れて。

2631さよなら誤解先生:2008/02/19(火) 21:26:34 ID:OEpwI7XA0
(まさか、こうもうまくいくとはなあ…。)

二人の注意が自分からそれたのを幸いに、◆6/WWxs901は一目散にその場から去っていた。

すべては、彼の計算通り。この場面で彼が使ったのは、主催者に与えられた能力ではない。
それ以前から彼が習得していた能力。「クルミ投げLv2」である。彼は食料として支給
されていたクルミを熱血王子から見えないようにブーメランの軌道を描くように投げ、
背後から命中させたのだ。
ちなみに彼に支給された食料は、クルミの他はポッキーとカレーだけである。
ジョーカーに嫌がらせしてどうするんだ、主催者。

(あのピンチでとっさにこんな策を思いつくとは、俺も捨てたもんじゃないね。
とりあえず誤解フラグも立ったことだし、後は…。逃げるんだよォ!)

ジョセフ・ジョースターのセリフを吐きつつ、◆6/WWxs901はクーガーに変身して走り続けた。



【昼】【C-8】
【熱血王子@漫画ロワ】
【状態】:疲労(中)、全身に軽い打撲、顔面に小ダメージ、変身中
【装備】:『破棄すべき全ての手』(ブラストモード『破棄すべき全ての首(ネック・ブレイカー)取得)、ウルトラリング
【所持品】:支給品一式
【思考・行動】
基本:手首と言わず全ての首を狩り尽くし、復讐を果す。
1:脱・サラマンダー。相手は誰でもいいので見敵必殺。
2:目の前の仮面ライダーのすべての首を狩る。
3:666とネコミミストと会ったら今度こそ手首そして全ての首を狩る。
4:逃げていった最速の人達をもう一度見つけ出し、手首そして全ての首を狩る
※変身後の姿は銀目銀髪の高町なのはの顔に、ウルトラマンレオの体、声は赤木しげるです。
※変身前は、ウルトラマンメビウスのヒビノ=ミライの様な容姿です。
※第一回放送の前半を聞き逃しました。
※【『破棄すべき全ての手(リスト・ブレイカー)』@漫画ロワ&誤爆スレ】
 一話で二人の人間の手首をはねた逸話に由来する宝具。
 真名を解放しながらの攻撃は、全て手首を斬り飛ばす一撃となる。
 ちなみに外見はfateのルルブレ。存在は誤爆スレと漫画ロワ毒吐きを見て勝手に作った。
 ブラスターモード『破棄すべき全ての首(ネック・ブレイカー)について:
 このモードは『破棄すべき全ての手(リスト・ブレイカー)』の強化版。
 真名を解放しながらの攻撃は、相手の首と名のつく場所、つまり両足首・両手首・両乳首・首の合計7箇所に高速無比の斬撃を同時に繰り出す。乱発すると身体がもたないので、最後の切り札的な位置づけです。
※【『ウルトラリング(書き手ロワ特別バージョン)』】
 透明な麻雀牌がついた指輪と、レイジングハートがついた指輪の二つで一つ。
 この二つを合わせる事により、戦闘形態へと変身を遂げる。

2632さよなら誤解先生:2008/02/19(火) 21:28:13 ID:OEpwI7XA0
【影の繋ぎ師@ライダーロワ】
【装備】:サタンサーベル@ライダーロワ、シャドーセイバー@ライダーロワ
【道具】:カラオケマイク@現実
【所持品】:支給品一式
【状態】:健康。クライシス帝国への激しい怒り。ロボライダーに変身中。
【思考・行動】
基本:殺し合いには乗らない
1:ぶ っ ち ぎ る ぜ
2:目の前の男(熱血王子)を、力ずくででも説得
3:逃げたクライシス帝国の手下を見つけて倒す
4:先程のクライシス帝国の手下を倒す
【備考】
※変身体はシャドームーンです
※いきなりロボライダーに変身可能になりました。ぶっちぎりです。
※首輪に皹が入っていますが、ぶっちぎりです。


【昼】【C-8 移動中】
【◆6/WWxs901@カオスロワ】
【状態】ストレイト・クーガー、精神疲労(小)
【装備】ダイナマイトたくさんとライター、ミニ八卦炉@LSロワ
【道具】支給品一式、他にもなんかあるかも
【思考・行動】
基本:参加者に変身して色んな奴の誤解フラグをばら撒く
1:すたこらさっさだぜ!
2:書き手ロワの繁栄に尽くす(?)。
※変身能力があり、誰にでも変身できます
※主催者によってジョーカーとして召喚されたっぽい。
※自分の行動理念に、わずかですが疑問を抱き始めました。


以上です。
熱血王子にどうやって時間つぶさせるか悩んでいたので、
他の方が特訓の話書いてくれて助かりましたわ。

2633貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/19(火) 22:35:06 ID:wRKdh3f20
乙です。
これで残ってるのは熱血怪人さんだけかな?

しかしここまで能力の高い(変身+能力コピー+アルター)空気キャラなんてそうそう見れるもんではない
さすが書き手ロワww

2634貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/19(火) 22:56:55 ID:kC/4kfzQ0
投下乙!
ウッカリデス…ごめん、もう君がベルナドット隊長にしか見えないんだ…
エース…最初見た時は「何この最強キャラwww」と思ったけど今やチート無双なんだよねこのロワ…
熱血王子…『破棄すべき全ての首(ネック・ブレイカー』、パッと見プロレス技かと思ったんだ…

そしてかがみん…どこぞの紫ターバンな魔物使いもドン引きするフリークスを二人も連れているって、どんだけ…

2635貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/20(水) 00:10:28 ID:8HUzlkCI0
>>2617
おっとすいません。
「空白(空気にあらず)」でお願いします。

2636貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/20(水) 10:33:26 ID:oTvPj5qY0
すいません、>>2615にて抜けがあったんで↓の文を最後尾にを追加しておきます

>※C-8にアルレッキーノと欝のエルの死体(両方とも見るも無残な姿)が放置されています。

2637貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/21(木) 01:26:46 ID:HyLmu4Kg0
最初に言っておく!
ごめんなさい。

2638熱血と奇跡:2008/02/21(木) 01:27:09 ID:HyLmu4Kg0

 激戦の跡を色濃く残す荒野にて仮面ライダー書き手は佇む。
 エロ師匠との合流を目指したが、どこかへ向かったのか影も形もなかった。
 それほどチームを組むことに執着していなかったのと、エロ師匠の性格から考えて、むしろ開放されたという思いが大きい。
(そろそろ俺の支給品の使い時か)
 エニグマの紙を取り出し、パッと開く。姿を見せたのはサイドバッシャー。
 仮面ライダーカイザの愛車だ。もっとも、ライダーロワでは姿も形も見せていないが。
 黒光りする大型バイクに、サイドカーがついたフォルム。仮面ライダー書き手は跨り、キーを回して、エンジンを吹かせる。
 ブオン!と力強い排気音を響かせ、バイクを進めようとした時、仮面ライダー書き手の視界に一人の神父が現れる。
「なんだ? キサマは」
「ぶ…………」
 鬱陶しい男だと内心吐き捨てる仮面ライダー書き手を前に、男は雄たけび跳びかかる。
「ぶるぅぅぅあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
 バヨネットを両手に構え、切り込んでくる。二本の刃がサイドバッシャーの黒いボディを跳ねる。
 仮面ライダー書き手はバイクから飛び降り、カイザフォンに変身コードを打ち込む。

「変身」

 右手に構えた黒い携帯電話をベルトへと収め、仮面ライダー書き手の身体に脈のごとく黄色いラインが走る。
 ラインよりエネルギーが溢れ、強化スーツが形成される。
 バッテン印の仮面が、紫色のバイザーの上に輝き、仮面ライダーカイザへと姿を変えた。
「ブル……? 仮面……ライ……ダー?」
 戸惑う神父の男。構わず、カイザはカイザブレイガンにミッションメモリーをセットし、黄色い刃を神父へと向ける。
「アニロワだか漫画ロワだかの書き手かは知らんが、死ね」
 無慈悲な刃がひらめき、熱血怪人へと迫った。


 センター試験が頭を痛め、再び洗脳状態となる熱血怪人。
 彼は血を求めて、飢えた獣のように彷徨い続け、一人の男を見つける。
 襲い、剣を振るう男の姿が変わる。
(異教徒!(他ロワの書き手)? 違う……この声は……)
 頭が痛む熱血怪人はカイザブレイガンの、ビームサーベルのごとくエネルギーで構成された刃をバヨネットで受け止める。
 カイザが頭痛で苦しむ熱血怪人の隙を突き、腹を殴りつける。
「グェッ!」
「醜い悲鳴だな。そのまま死ね! 俺のために、まとめキングのために!」
 嗜虐心に満ちた笑い声を聞く熱血怪人の身体が刻まれる。
 皮一枚で止めたが、熱で所々焦げており、傷は浅くはない。
「しぶとい奴だな。さっさと死ね」
「……お……前は……ライダーロワの…………書き手……か?」
「ほう、喋れたのか。そうだ」
「なら……誰……だ?」
「仮面ライダー書き手。ライダーロワのしたらば管理人、マップ製作者、書き手。好きに取れ」
「!??」
 熱血怪人の表情が驚愕に彩られ、カイザの顔を見つめる。
 身体を震わせ、カイザが神速で間合いを詰め、回し蹴りを仕掛けるが、無防備に受けた。
「なんの真似だ?」
「お前は……いや、あなたはドットーレ氏なのか?」
「それはもう一人の俺だ。放送で死んだらしいな。まあ、漫画ロワの俺なら、当然の結果だ」
「どういうことだ?」
「くだらないんだよ。たった一話欝話を書いただけ。あとは熱血展開?
漫画ロワの売り? クックックック……馬鹿げている。そして、とんだお人好しだ。ドットーレの俺は」
「あんただって……ちゃんと熱血展開をかいたじゃないか!? ライダーロワの最終話も……」
「そうだな。あれは俺の失策だった。光太郎を一人優勝させ、マンガ版Blackのようなラストシーンにするべきだったな」
 熱血怪人は唇の端を噛み締め、血が流れ落ちる。

2639熱血と奇跡:2008/02/21(木) 01:28:05 ID:HyLmu4Kg0
「仮面ライダーが好きなんだろ? 愛しているんだろ!?」
「ああ、愛しているさ。ライダーロワが、俺を愛しているあいだはな」
「どういう意味だ?」
「まとめキングが死んだ。それは俺を愛したライダーロワが死んだに他ならない。
いいか? ライダーロワはリアルで忙しい書き手が多かった。筆が早い書き手少なかった。なにより書き手の数が不足していた。
その中で、まとめキングは違った。俺と同じ時期に頑張り、俺と同じように進行に手を貸した。
途中ギャグ将軍が入り、欝のエルと漆黒の龍が戻って余裕が出るまで、ひたすら進行にお互い力を注ぎ続けた。
それが、俺の愛したライダーロワだ。俺を愛したライダーロワだ。
まとめキングのいない今、ライダーロワは俺を愛さない存在でしかない。
俺を、好きにならないロワは邪魔なんだよ!!」
「めちゃくちゃな……漫画ロワはどうなんだ!?」
「ハッ! あそこは書き手が多いだろ? 俺がいなくても、回る。
そんなロワ、俺を賞賛する以外、存在価値はない!!」
「…………」
 熱血怪人が押し黙る中、カイザは話は終わりだと剣を構え、切りかかる。
 熱血怪人は、ジュッと、掌が焼けながらも、剣を受け止めた。
「なにっ!」
「……今分かったよ。お前、『草加雅人』に引きずられているな?」
「違うッ! これは俺の意思だ!」
「俺が法王庁によって若本神父に引きずられたように、あんたも自分の元となったキャラに引きずられているんだ。
思い出せッ! あんたが……あなたが仮面ライダーを愛していたことを……」
「くだらない。仮面ライダーなど、正義など吐き気を催す!
俺さえ良ければ、それでいいんだ!!」
「お前が刻んでいる草加の記憶は……最悪なものだぞ。仮面ライダー……書き手!!」
 熱血怪人が剣ごとカイザを投げ飛ばし、右腕を僅かに動かす。
 左拳を腰溜めに構え、左腕を右方向に真っ直ぐ伸ばす。
 そのまま天を介して一回転、左腕と右腕を交換する。

「ライダー……変身んんん!!」

 ベルトの風車が回り、掛け声と共に熱血怪人は空を跳躍する。
 フワッと体重を感じさせないほどの軽さで地上に着地、仮面ライダー書き手を正面に睨みつける。
 黒い強化スーツ。緑のボディアーマー。
 鋼の仮面。昆虫のような触角と赤い複眼。銀のクラッシャー。
 男の名は、熱血怪人の正義の姿は、
「1号……ライダーだと? きさまぁ、漫画ロワの書き手だったか!?」
「仮面ライダー書き手。俺が、あなたを止める!」
 

 交差する二人の仮面ライダー。
 カイザが剣を振るい、1号ライダーが手刀で迎え撃つ。
「おぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
「ライダーチョップ!!」
 金属が反響する音が響き、二人が再び距離をとり、一度の跳躍でまたも間合いを詰める。
 カイザの回し蹴りを1号ライダーが受け止め、カイザの顎を狙った拳を放つ。
 右腕で受け止めたカイザは僅かに呻き、地面に着地したと同時にカイザブレイガンをガンモードに変形、黄色い光弾を放つ。
 1号ライダーは地面をジグザグに走り、着弾と共に降りかかる土砂を無視してカイザの目の前へと迫る。

2640熱血と奇跡:2008/02/21(木) 01:28:55 ID:HyLmu4Kg0
 1号ライダーの速さに舌打ちして後ろに跳躍するカイザ。しかし、1号ライダーは追撃の手を緩めない。
 地面が爆ぜ、一度の跳躍でカイザへと1号ライダーが蹴りを放つ。
 ブレイガンの刃で受け止めたカイザは、パンチングユニットにエネルギーを送り込む。
「グランインパクト!!」
 光り輝く拳をライダーの右胸に当て、衝撃で1号ライダーが揺らぐ。
 だが、ダメージなどないかのように、カイザの身体が掴まれた。
 1号ライダーは凄まじい力でカイザを固定、上半身の捻りで竜巻を巻き起こす。

「ライダーきりもみシュート!!!」

 翻弄されるカイザを視界の中心にすえ、両脚に力を込める。
「トォォォォォォッ!!」
 1号ライダーは上昇中に右脚をカイザへと向けた。
 カイザも、カイザブレイガンの銃口を1号ライダーへと向ける。

「ライダーキィィィィィィィック!!」
「カイザスラッシュ!!」

 1号ライダーの砲弾のような勢いで繰り出す飛び蹴りが、カイザの放つ黄金の高速エネルギーを砕き、疾風のごとくカイザへと迫る。
 全身を光の刃へと変えたカイザが、全てを切り裂かんと1号ライダーへと稲妻のごとく迫る。
 風と稲妻がぶつかり、衝撃の荒らしが生まれる。
 吹き荒れる暴風にビルにひびが入り、亀裂が広がる。
 衝撃が一際強まり、雑居ビル群の窓ガラスがいっせいに割れた。
「ぐぅ!」
「まだだ!!」
 呻きながら天に吹き飛ぶカイザに、1号ライダーは地面に着地と共に再び空へと跳躍する。
 カイザもカイザポインターを足につけて、1号ライダーへと向けた。

「電光ライダーキィィィィィック!!」
「ゴルドスマッシュ!!」

 光の三角錐を稲妻をまとうライダーキックで押し込みながら、カイザに迫る。
 カイザの両脚は1号ライダーを砕かんと、光の中へと飛び込んだ。
 ドリルのような回転で1号ライダーを砕かんとカイザは全力で蹴りこむ。
 1号ライダーはカイザの目をさまさんと、稲妻の出力を上げる。
(仮面ライダー書き手。俺は知っている。ライダーロワでのあなたを)
 書き手チャットで暴露した、ライダーロワとの付き合い。
 シャドームーンの死より、熱血怪人はライダーロワと共にいた。
 目の前の書き手の燃え展を見て、平成ライダーの視聴もした。
(あなたには『ライダー魂』が眠っている。草加雅人の精神に押されるんじゃない! 読み手の洗脳に踊らされるんじゃない!
神父としての洗脳から人を襲ってきた俺が言えた義理じゃないかもしれないが、欝展開は大好きだが、それでも!)
 カイザのゴルドスマッシュが1号ライダーを徐々に押していく。
 1号ライダーは仮面の下で苦悶の表情を浮かべながらも、全身に力を込める。
「それでも、『ライダー魂』を失うあなたを見ていられない。取り戻せ……とりもどせぇ! 仮面ライダー書き手ぇぇぇぇ!!」
「ッ!? どこにそんな力が……」
「うぉぉぉぉぉぉぉ!! ライダーパワー!!」
 技の風車がライダー魂を乗せて唸る。

2641熱血と奇跡:2008/02/21(木) 01:29:37 ID:HyLmu4Kg0
 その力、二倍どころではない。
 電光ライダーキックがカイザの身体を押し込む。
 光の三角錐に、ヒビが広がっていく。

「ま……だ……だぁぁぁぁぁ!!」

 カイザのエネルギーが黄色のラインを通し、カイザポインターを通して光の加速を速める。
 今度押されるのは、1号ライダーだ。
 地面へと目掛けてカイザの蹴りが落下していく。
 1号ライダーはその凄まじさに絶望を……
「甘いぞ! 仮面ライダー書き手!!」
 していない。弾かれたように地面に飛ばされ、脅威的な脚力で1号ライダーは地面を蹴る。
 ライダーに詳しいカイザは、その技を耳にする。

「ライダー反転キィィィィィック!!」

 地面に落下する加速を、特撮特有の強引さでカイザを迎え撃つエネルギーへと変える。
 勢いを三倍、四倍、五倍に跳ね上げたライダーキックが、カイザに向かって放たれる。
 ゴルドスマッシュの三角錐がついに砕け、濃く銀の胸のアーマーに1号ライダーの蹴りが届いた。
「がぁぁぁぁぁぁぁ!!」
 跳ね飛ばされるカイザ。
 無事に着地する1号ライダー。
 二人の仮面ライダーの決着は、正義の勝ちで決まった。


「仮面ライダー書き手」
「……俺の負けだ。手を貸してくれ」
 素直に負けを認める仮面ライダー書き手にホッとして、1号ライダーは右手を差し出す。
 相手は変身をしていない。だから、そのときの1号ライダーには油断が浮かんでいた。
 1号ライダーが仮面ライダー書き手を掴もうとした瞬間、バイクが走り出し跳ね飛ばした。
「ぐぅ!」
「キサマ、顔は覚えた。次は殺す」
 ボロボロの身体ながら、惚れ惚れするような身軽な動きで仮面ライダー書き手はバイクに乗り込む。
 去っていく仮面ライダー書き手を、熱血怪人は悔しげに右手を振るわせるだけだった。

「俺は諦めないぞ。仮面ライダー書き手!」
 草加雅人を説得するなど、そのキャラを知っている人物なら無理であると答える。
 それほど歪で、根本の狂った存在なのだ。
 それでも……
「草加雅人が抑える……あなたの『ライダー魂』を呼び起こしてみせる!」
 熱血怪人は呟く。
 その魂、呼び戻せと……。

2642熱血と奇跡:2008/02/21(木) 01:29:58 ID:HyLmu4Kg0

【昼】【E-4 荒野】

【蘇った現代の熱血怪人@漫画ロワ】
【装備】:バヨネット×2
【道具】:なし
【所持品】:支給品一式
【状態】:変身状態解除。
【思考・行動】
基本:打倒、主催!
1:俺は正義の味方!
2:仮面ライダー書き手の『ライダー魂』を蘇らせる。
3:どこかで鬱展開にもって行きたい


※イスカリオテの制服@ヘルシングに身を包んでいます。顔や髪型までアンデルセンではありません
※声はアンデルセン、髪型は本郷猛、顔は村雨良です
※法王庁に洗脳されていたと思い込んでいます




「ふう……ふう……あの男ぉぉぉ」
 怒りを吐き出す仮面ライダー書き手。彼は1号ライダーに変身したあの漫画ロワ書き手が気に入らなかった。
 気に入らないのだ。
 正義を盾に燃え展を繰り広げる男。
 説得に命を懸け、仮面ライダーへの理想をぶちまけるその青臭さ。
 許せなかった。許せるはずがなかった。
「絶対に……殺す!」
 復讐に燃える仮面ライダー書き手。復讐を決意した彼の呪詛が、天へと届いた。


 傷を癒すためにバイクを進める彼は、一つの怪物を発見する。

「ONEEEEEEEEEE−−−−−−−−−−−−−−−−CHAAAAAAAAAAAAAAAAANNNNNNNN!!!!」

 醜い化け物。思わず顔を顰める彼の視界に、一人の男が戦いを挑む姿が眼に入った。

「ゴオオオオルディオン」

 非常識な大きさのハンマーを振るう男。

2643熱血と奇跡:2008/02/21(木) 01:30:33 ID:HyLmu4Kg0
 その桁外れた実力に思わず目を見張る。

「クラッシャアアアアアアアアーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」

 怪物に叩き込まれる一撃。
 もはや、あの怪物に訪れるのは滅びしかない。滅びしか、なかったはずだった。

「光に、なああれええええええええええええええええええええええええええ!!」

 男が少女に手を伸ばし、化け物から切り離す。
 少女は傷だらけ。死ぬ運命だろうと冷酷な事実を認識する。
 だが、仮面ライダー書き手の予想は崩された。
 緑の光を放つ男によって、少女が癒されていく。
 唖然とすると同時に、怒りを覚える。
(なんでお前たちなんだ?)
 なにが?と、第三者がその思考を読み取れば、そう疑問に思ったのだろう。
 仮面ライダー書き手は答えを毒づく。
(なんで救われるのが、まとめキングでなく、お前たちなんだ!
たまたま、チートに近い能力があり、たまたま熱血展開を行っただけじゃないか!?
たったそれだけで、救われるのか? ふざけるな!!)
 仮面ライダー書き手は知っている。熱血展開で行われる奇跡がどれほど素晴らしいかを。
 だからこそ、草加となった彼は、自分以外でおきた奇跡に恨みを持つ。
(お前たちが俺を愛して奇跡を起こさないというのなら……)
 男が、少女を残して、復活した化け物へと突進していく。
 俗に言う「ここは俺に任せて先にいけ」、という奴だ。
 反吐が出る。
(俺が、全てを砕いて手に入れてやる。血に汚れている? 死んだ人間はそう思わない?
ただの戯言だ。誰がどう思おうが、どうでもいい。俺さえ良ければ、それで!!)
 仮面ライダー書き手は、少女へと近寄った。



「お……兄ちゃん……」
 泣き崩れる少女に、仮面ライダー書き手はバイクを走らせ近寄る。

2644熱血と奇跡:2008/02/21(木) 01:31:22 ID:HyLmu4Kg0
 あの渦に向かう前に、男は確か「後を頼む」と言っていたような気がする。
(ああ、後は任せろ。ただし、俺が優勝するためだがな!)
 悪魔の笑みを心の中に隠して、少女に話しかける。
「間に合わなかったか……」
「? ひっく……あなた……は……?」
「俺は仮面ライダー書き手。ライダーロワの書き手で、悪を倒すために戦っている」
 自己紹介をしながら、自分の黒いジャケットを羽織らせてやる。
 その行為に、少女は警戒心を僅かに解いて尋ねてくる。
「仮面ライダー……? 承お兄ちゃんを助けた……仮面ライダーシザースの仲間……?」
「!? あの人は、俺と同郷のロワの人と……」
 悔しがるそぶりを見せながら、内心ほくそ笑む。都合がいい、と。
「ねえ……仮面ライダーさん。力を……貸して……」
 いたいけな瞳に、涙を溜めて懇願する少女。
 この願いに抵抗できないものはいない。ただし、善人であるならという前提が付だが。
(ああ、そうだ。この少女を利用すれば、対主催者のチームを作ることはたやすい。
幸い、俺は漫画ロワでは熱血書き手として有名だ。それを餌に、ライダーロワに疎い連中を纏め上げる)
 そうすれば、今後の戦闘も楽になり、自分が傷つくことを避けることが出来る。
 あの漫画ロワの書き手や、邪魔になる書き手の悪評を広めれる。
 そして、対主催者のチームリーダーがステルスマーダーであることなど、誰が予想できるだろうか。
(そして、この少女は最悪のタイミングで裏切る。
今は殺さない。せいぜい俺を信用しろ。そして……救いを求めてきたところで、信頼する俺が無残に殺してやる。
それが、まとめキングに起こらなかった『奇跡』をあっさり起こしたお前に対する罰だ)
 もしも、彼の内面を覗ければ、からくりサーカスのフェイスレスの邪悪な「イイ笑顔」並みのデビルスマイルが拝めたであろう。
 それほど、歪んだ精神構造を持っていた。
「ああ、もちろんだ。この場を離れよう。放送を聞き逃すと大変だ。仲間を集める必要もあるしな」
 少女を絞め殺す欲求に抗いながら、仮面ライダー書き手はサイドバッシャーのサイドカーに乗せる。
 仮面ライダー書き手。
 彼は修羅の道を行く。
 本来ならあるはずの、『ライダー魂』を執念で黒く塗りつぶしながら。




【放送直前】【E-7/市街地】
【コ・ホンブック@アニロワ2nd】
【状態】:不明 
【装備】:ビッグ承。仮面ライダー書き手の黒いジャケット
【道具】:なし
【思考】:
 基本:もう諦めない
 1:仮面ライダー書き手と共に仲間を集める


※不死者化、酢飯細胞の効果が切れました。
 また、浄解により負の感情も治まりました。
 ただ新生したことにより、能力変化などが起こったかもしれません。
 お任せします。
※首輪は外れたままです。


【仮面ライダー書き手@ライダーロワ】
【状態】健康
【装備】カイザギア@ライダーロワ。サイドバッシャー@仮面ライダー555
【所持品】支給品一式
【思考・行動】
基本:皆殺しで優勝。可能ならばまとめキングを生き返らせる。
1:コ・ホンブックを利用して、対主催者チームを作る。
2:対主催者チームのリーダーとなり、ステルスマーダーとして行動する。
3:俺を好きにならない奴は殺す。
4:コ・ホンブックの信頼を得る。
5:コ・ホンブックを最悪のタイミングで裏切る。
※外見や声は草加雅人です。
※鬼軍曹は死んだと思っています。

2645貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/21(木) 01:32:23 ID:HyLmu4Kg0
投下終了。
反省はしています。後悔はないがな!

2646貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/21(木) 04:56:31 ID:Ec27M13I0
いやいやGJですよ〜、とブックを救った本人が言ってみるw
すげえ、見事に草加ってるw

2647貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/21(木) 09:15:19 ID:CWFHk9V20
GJ
まさに外道という言葉がふさわしい仮面ライダー書き手。

2648貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/21(木) 14:25:31 ID:QIX2wl1UC
貴重な外道ステルス誕生GJです。
まだまだバトルロワイアルは激しくなりそうで、期待大!
これで放送いけるかな?書いてる人いらっしゃるだろうか。

2649貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/21(木) 18:06:47 ID:4JiYw5yA0
放送前の話書いてますー

2650貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/21(木) 18:13:39 ID:fn/4qb/w0
放送前の話……ってことは放送じゃないね。誰か放送書いてほしい!
(そして放送前の話、どうか被りませんように)www

2651貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/21(木) 18:46:46 ID:lk53dkmk0
まだ書き始めてないけど、放送を書きたい人がここに一人います。

2652貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/21(木) 19:06:52 ID:fn/4qb/w0
>>2651
勇者光臨。
さあ、今すぐ放送に着手するんだ。放送だって早いもの勝ちなのさw

2653新たなる力☆彡:2008/02/22(金) 00:56:30 ID:qHNi2dAY0

さて、待機組となったお姉さま(性別不明)は、現在緊急事態に陥っていた。
そのトラブルの原因は、先刻口にしたカレーである。
食べた直後は問題がなかったが、どういう訳か今になって腹部に反乱の狼煙をあげたのだ。
額に脂汗を浮かべながら、お姉さまは他の仲間に一言入れて近くの民家へと入っていく。
玄関をくぐり、直感で見つけたトイレに潜り込むと、その安全地帯へと一気に腰を下ろした。

(まったく、冗談じゃないわよ)

チャイナ服のスリットを上手にたくし上げ、どこにも接触しないよう細心の注意を払う。
やがて最大の危機を乗り切ったお姉さまに、新たな刺客が舞い降りた。
その敵は巧みにお姉さまの身体の中を駆け抜けると、とある一点にて襲撃を開始。
思わぬところからの痛みに、お姉さまは思わず胸を押さえた。

「くぅ……ぃッ、った」

山脈の頂上から心臓に向けて、針を刺したかのような痛みが響く。
もちろん性癖はMなどではないお姉さまにとって、この激痛は本当に苦しい。
ひざに頭を押さえつけながら、お姉さまは声を殺して苦痛に意識を集中させる。
仮に悲鳴をあげてしまった場合、仲間達は迷わずこの中に突入してくれるだろう。
だが、前部を晒したこの状態に、彼らは何と言うだろうか。

(冗談、じゃ、な、い、って)

自分にはそんな趣味はない。
光り輝く道を残したり、アッーな展開にされたり、空気やりたい放題だったり。
そんな濃ゆいキャラになど、なってたまるものか。

(大丈夫。私は乙女として越えちゃいけない線は越えない)

この強い意志で、先端部を中心に広がる追撃隊をねじ伏せていく。
すると、あれだけ猛威を振るっていた胸の痛みが、自然と和らいでいった。
高く鳴り続けていた心臓も、今はゆっくりと速度を落としている。

「ふぅ……ようやく収まったか」
「お姉さまよ。安心するのはまだ早いぞ。事件現場を見よ」
「うわぁ! ど、どこから出てくるんだお前はッ!」

股間からにょっきりと現れたディーに青龍刀を突き刺しながら、お姉さまは胸をなでおろす。
と、ここで妙な手触りを感じる。無意識に触れた左手が直接肌に触れ、しかもなぜか湿っているのだ。
しかも、ちょっとだけネバネバしているのと、懐かしくて甘い匂いまでする。
事実を確かめるべく、自らの胸元に視線を下ろすお姉さま。
警戒せずに下げた目線の先には、酸でも浴びたかのように溶けたパッドと、腹部だけ穴の開いたチャイナ服。

「……」
「恐ろしいぐらいに溶けておるな」
「……」
「ちなみに、我はおっきいおっぱいも好きだが、お姉さまぐらいのちっぱいぱいも大好きだ」
「……」
「ところで、この溶かした液体が何処から出たか、我はそろそろぶっちゃけたいのだが……」
「……言うな」

言わなくても解る。なにせ、自分の身体だ。
目を背けようにも、未だに垂れ流し状態であることは肌で感じている。
どうやら間違いない。なぜか大きくなった胸に装飾してある、ピンクな突起物から溢れているそれは――

「「母乳だ」」

声が重なる。片や沈んだように。片や賛美歌を歌うかのように。
ピンクな先端目掛けて手を伸ばすディーを踏み潰しつつ、お姉さまは頭を抱えて思考を高速回転させる。

「まてまてまてまて! 私の胸から何か出てきた。うん、それは認めよう。
 けど、何で私なんだ!? 他にもうってつけの存在とかいたんじゃないのか!?
 というか、私はマジで性別どっちなんだ!? 女? 男? えっと、母乳ってどっちもでる…… 
 いやいやいや。それ以前に、どうして突然母乳が出てきたのよ! 二段階ぐらい飛ばしてるわよ!
 それと、なんでその母乳が洋服とかパ……パッドとか溶かしちゃうわけ!?
 つーか、よくよく考えたら一人称がいつのまにか私になってて、しかも違和感ないってどういう事!?」

一つの疑問を口にした途端、芋蔓式のように次々と疑問がわきあがってくる。
頭を左右に振り、軽く錯乱状態に陥っているお姉さま。
その肩にそっと手を置いて、ディーは珍しく真面目な顔を作った。

「お姉さまよ……原因はともかく、一つ良い事が判明したぞ」
「な、何? 良い事って何よ? この状態でどんないい事が起こるのよ!?」

涙目のお姉さまを抑え、こほんと咳をしたディーは真剣な瞳で口を開く。

2654新たなる力☆彡:2008/02/22(金) 00:56:44 ID:qHNi2dAY0

「逆に考えよ。これにより、お姉さまはえぐれ乳と巨乳の両方の属性を手に入れたと考えるのだ」
「……」
「それともう一つ、その母乳は浴びた物をなんでも溶かすらしい、例外はお姉さま自身という事か」
「……」
「ちなみに、定期的に母乳を出さないと、お姉さまの中で暴発して結構危険らしい。これだけは注意だ」
「……」
「どうだ。我のおっぱいソムリエセンスもなかなかのものだろう。さて、服も新たな物にせねばなるまい……ソイヤ!」

沈黙を続けるお姉さまを無視しして、ディーは至極真面目な顔で解った事を述べていく。
そして軽く指を鳴らすと、お姉さまの服装をチャイナ服からメイド服へと変化させた。
物言わぬまま下を向き続けるお姉さまに気付かずに、ディーは本当に嬉しそうな顔で何度も頷いた。

「そのメイド服の胸の部分に、特別にマジックテープで開閉できる部分を作っておいた。
 これならば、咄嗟の時に母乳弾幕を張ることが出来るぞ……うむ。我ながら良いセンスをしている」

お姉さまは淡々と自らの胸に手をやり、マジックテープの有無を確認する。
テープをはがすと、そこには何十にも重ねられたパッドが姿を現していた。

「その特製パッドならば、お姉さまの母乳を一時的に抑えられる。溶ける事はあるまい。
 また、普段母乳が溜まっていない……えぐれ胸状態の時も、胸の厚みが変わらぬよう自然とパッドが補充される」

トイレの窓を開けながら、ディーは一仕事終えた顔を覗かせる。
肩を震わすお姉さまの気配など、未だに気付く気配がない。

「そうであった。その姿になったらこれをやらなくてはなるまい」

踏み込んではいけない線を越えたことも気付かず、両手を口に添えてお姉さまに向き直る。










「よ!パッド長!」

とりあえず、無意識な暴発を防ぐのも兼ねて、お姉さまはディーに母乳弾幕を浴びせる。
溶けていくデイーの顔は、どこか達成感に満ちた顔だった。



【昼】【C-3 市街地】
【お姉さま@ギャルゲロワ】
【装備】:青龍偃月刀、ディー、冥土服(メイド服)
【所持品】:支給品一式、支給品一式(他ランダムアイテム1)
【状態】:健康、やや怒り
【思考・行動】
基本行動方針:殺し合いに乗ってる人間を止め全員での脱出。
0:ちょ、私にどうしろっていうのよorz
1:しばらくここで待機。残月とルーキーが心配。
2:戦う覚悟。
3:あのルーキーって男、大丈夫だよな?
4:ハクオロの姿をした参加者……候補のロワは三つ(ギャルゲ・葉鍵・アニロワ1st)か。
5:パンタローネの様子がおかしい 。
※容姿はパッドち……というかまんま東方の十六夜咲夜です。
※性別は未だ不明。
※ディーにより東方キャラに変わる力を得ました。何に変わるかはディーの気分次第。確率的には咲夜が高い。
 やばすぎる能力には制限がかかってます。
※ディーは制限により弱まっています。そしてそれが原因でちょっと逝ってます。
※ギャルゲ版最速の人の死体を見つけると、もしかしたらディーの力が少し復活するかもしれません。
 また、その後ディーがどれだけ協力してくれるかは、次の書き手さんにお任せします。
※カレーは完食しました。今のところ平気の様子。ディーのお陰?
※胸はパッドです。
※ディーも性別についてはしりません。
※母乳弾幕が使用可能になりました。設定や詳細は後の書き手さんにお任せします。

2655貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/22(金) 01:05:56 ID:qHNi2dAY0
投下終了。チャット見てるお姉さま〜見てる〜ノシ

2656貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/22(金) 01:38:53 ID:E3jW96hs0
投下乙。
この一言に尽きると思う。なんてこと仕出かしてますかwwwwwwwwww

2657貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/22(金) 04:51:01 ID:m5Ar1OwQC
私には最早、こう言うことしかできない…


「あなたって本当に最速のQzね!」

2658貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/22(金) 06:47:48 ID:/epamm/E0
げえっ、Qz氏!
投下乙です

2659第二回放送:2008/02/22(金) 12:46:00 ID:Rmei48Fw0
トンテンカン♪ トンテンカン♪ トンテンカン♪ トンテンカン♪

リズム良く打ち鳴らされる金属質な音。だが、これは別に楽器を叩いている音ではない。
その部屋の中央に鎮座したなんらかの巨大な機械。それを鈍色のレンチで打っている、作業の音だ。

ブーンという羽虫の様な振動音に満たされ、無数のケーブルが血管の様に這い回るその部屋。
丸い計器が目玉の様に付けられた機械と、それを個別に囲む金網。天井に張り付き、そこをデコボコにしているダクト。
いわゆる――機械室という所だった。

そして、その部屋の中央で仕事に勤しんでいるのは、おてんば姫アリーナだった……――って、アレ?
おかしいな、ドラクエロワは不参加なはずなのに……と、よく見たら女装したR-109(感電)でしたw
知ってますか? 感電氏は女装が大好きらしいですよ(誇張表現)♪

まぁ、どうしてか女装しているR-109なのだが、それは別段本筋と関係のあることではない……多分。
このシーンで重要なのは、彼がここで一人っきりでコソコソと何をしているかということだろう。
けっして、女装するために彼が足の毛を全部剃ったということではない。

この部屋と、この機械達がどんな役割を持っているのか? 彼が何をしているのか?
それはまだ不明である。というか別にまだ考えていない。それっぽく、後で使えそうな描写を仕込んでいるだけである。
彼のスタンスは主催の中の対主催らしいし、こういう描写を増やせば後々役に立つだろうと……ぶっちゃけてみる。

――ピピ♪ ――ピピ♪

どこからともなく……ではなくR-109の腕時計からアラーム音が聞こえてきた。
それに気付くと、彼は床に広げていた工具を広い集め、工具箱へと乱暴に突っ込みそれを機械の陰へと蹴りこみ隠蔽した。
んで、深い藍色のマントを翻し、トンガリ帽子の位置を直してその部屋の出口へと向かう。

そう、もう放送の時間である。

2660第二回放送:2008/02/22(金) 12:46:24 ID:Rmei48Fw0
 ◆ ◆ ◆


ラジオ……ではなく、放送用のPCをスリープから復帰させると、R-109はマイクを取り早速放送を開始した。


「アロー、アロー。みなさんお元気ですか? R-109の放送の時間がやってきました。
 丁度、お昼時ということもあって食事中のかたもいると思いますが、
 ショッキングな内容にお茶を吹いたり、食べるのに夢中で聞き忘れたなんてことがないよう注意してくださいねー。
 では、死亡者の発表からスタートします。



 【漫画ロワ】
 エース(◆3OcZUGDYUo )
 康一君(◆hqLsjDR84w )
 愛の伝道師(◆rnjkXI1h76 )
 ダイナマイトアンデッド(◆NIooiMe9JM)

 【LSロワ】
 ボマー(◆sUD0pkyYlo)

 【スパロワ】
 起(◆9dKLkOLTDQ)
 承(◆JsFbBPFCWM)
 結(◆ncKvmqq0Bs)

 【ギャルゲロワ】
 ギャルゲロワ版最速の人(◆Qz0e4gvs0s)
 ステルス鬼畜(◆4JreXf579k)

 【アニロワ2nd】
 マスク・ザ・ドS(◆AZWNjKqIBQ)
 暮れなずむ内面描写(◆1sC7CjNPu2)
 ボンボン系の書鬼(◆hNG3vL8qjA)
 ビクトリーム博士(◆WcYky2B84U)

 【アニロワ1st】
 無明幻妖side.(◆q/26xrKjWg)

 【ライダーロワ】
 THE FIRST(◆naAqV94LaU)



 ――と、計16名。今回も多いですね。喜ばしいことでしょうか? それとも悲しいことでしょうか?
 まぁ、それは人それぞれですが、そろそろお仲間がいなくなって寂しい人も出てきましたね。
 しかし寂しいからといってやけにならずに頑張ってほしいです。
 逆に、まだ仲間が多く残っている人達。油断してると、揺り返しで一気に死んじゃいますよ〜w
 特に空気を読む能力に長けているとまとめwikiにまで書かれているアニロワ1stの皆さん。
 次の放送の時には1人か2人しか残ってなかった……なんてことがないよう気をつけてください!

 それじゃあ、今回の放送は……――と、禁止区域の発表を忘れていました。あぶない、あぶない。

 えーと、最初の放送では3つしか指定しなかったんですけど……、
 よく考えたらそれじゃあ全然埋まらないよ――ってことに気付いたんで、今回から数を増やします。
 で、今回の禁止区域は、

 13:00から、【I-2】【B-6】
 15:00から、【D-8】【F-1】
 17:00から、【A-3】【G-5】

 ――以上、6箇所になります。入っちゃうと首輪がボン! なので、気をつけてくださいね。
 次回も増えるかもしれませんが……、まぁ、そこはその時のノリで決めますんでヨロシク。

 ……んーと、あんまり長く放送してもアレなんでそろそろ終了しますね。
 それでは、よい一日を――……」


ポチっとな……と、右上の×をクリックしてR-109は放送を終了する。
そして、書き手達によるバトルロワイアルは再開された――――――――…………。

2661貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/22(金) 12:48:19 ID:Rmei48Fw0
第二回放送投下終了しました♪ (ノルマの1/3を達成☆)

でもって、最新のMAPです。
ttp://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2d/18/adcdfa377dd6368956295edb8de06eeb.png

2662貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/22(金) 15:26:02 ID:9Vq4w64s0
放送&地図乙です。
如実にチャットの影響が現れているw
さあ、皆のもの投下じゃあ!

2663貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/22(金) 15:37:33 ID:YRhChDZUC
放送乙です。しかし、雑談スレで言われてる通り、まとめの死亡者リストと照らし合わせると、やはり死亡者は17名のようですね。

2664))2660 修正:2008/02/22(金) 16:09:37 ID:Rmei48Fw0
 ◆ ◆ ◆


ラジオ……ではなく、放送用のPCをスリープから復帰させると、R-109はマイクを取り早速放送を開始した。


「アロー、アロー。みなさんお元気ですか? R-109の放送の時間がやってきました。
 丁度、お昼時ということもあって食事中のかたもいると思いますが、
 ショッキングな内容にお茶を吹いたり、食べるのに夢中で聞き忘れたなんてことがないよう注意してくださいねー。
 では、死亡者の発表からスタートします。



 【漫画ロワ】
 エース(◆3OcZUGDYUo )
 康一君(◆hqLsjDR84w )
 愛の伝道師(◆rnjkXI1h76 )
 ダイナマイトアンデッド(◆NIooiMe9JM)

 【LSロワ】
 ボマー(◆sUD0pkyYlo)

 【スパロワ】
 起(◆9dKLkOLTDQ)
 承(◆JsFbBPFCWM)
 結(◆ncKvmqq0Bs)

 【ギャルゲロワ】
 ギャルゲロワ版最速の人(◆Qz0e4gvs0s)
 ステルス鬼畜(◆4JreXf579k)

 【アニロワ2nd】
 マスク・ザ・ドS(◆AZWNjKqIBQ)
 暮れなずむ内面描写(◆1sC7CjNPu2)
 ボンボン系の書鬼(◆hNG3vL8qjA)
 ビクトリーム博士(◆WcYky2B84U)

 【アニロワ1st】
 無明幻妖side.(◆q/26xrKjWg)

 【ハカロワ3】
 The god of chaos(トリップ不明)

 【ライダーロワ】
 THE FIRST(◆naAqV94LaU)



 ――と、計17名。今回も多いですね。喜ばしいことでしょうか? それとも悲しいことでしょうか?
 まぁ、それは人それぞれですが、そろそろお仲間がいなくなって寂しい人も出てきましたね。
 しかし寂しいからといってやけにならずに頑張ってほしいです。
 逆に、まだ仲間が多く残っている人達。油断してると、揺り返しで一気に死んじゃいますよ〜w
 特に空気を読む能力に長けているとまとめwikiにまで書かれているアニロワ1stの皆さん。
 次の放送の時には1人か2人しか残ってなかった……なんてことがないよう気をつけてください!

 それじゃあ、今回の放送は……――と、禁止区域の発表を忘れていました。あぶない、あぶない。

 えーと、最初の放送では3つしか指定しなかったんですけど……、
 よく考えたらそれじゃあ全然埋まらないよ――ってことに気付いたんで、今回から数を増やします。
 で、今回の禁止区域は、

 13:00から、【I-2】【B-6】
 15:00から、【D-8】【F-1】
 17:00から、【A-3】【G-5】

 ――以上、6箇所になります。入っちゃうと首輪がボン! なので、気をつけてくださいね。
 次回も増えるかもしれませんが……、まぁ、そこはその時のノリで決めますんでヨロシク。

 ……んーと、あんまり長く放送してもアレなんでそろそろ終了しますね。
 それでは、よい一日を――……」


ポチっとな……と、右上の×をクリックしてR-109は放送を終了する。
そして、書き手達によるバトルロワイアルは再開された――――――――…………。

2665貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/22(金) 16:10:26 ID:Rmei48Fw0
失礼しました。以後、気をつけます。

2666静かなる〜Ge-道〜:2008/02/22(金) 18:06:12 ID:XrR1r/QA0
放送後の投下一番乗りは、自分がもらいます!

それは、放送直前のことだった。

「さて、そろそろ温泉から出ざるを得ない。」

それまでゆっくりと温泉に浸かっていたシルベストリだが、放送が近づくに当たって一度温泉を出ることにした。
禁止エリアはメモしておかなければいけないし、そろそろ仲間たちが戻ってくるはずだ。
この場に残っているのが自分一人である以上、ほとんどわからないとはいえこうなるに
至った経緯をを説明しなければならない。
シルベストリは湯船からあがり、マントに手を伸ばす。そのときだった。

「失礼。少し取材させてもらっても…よろしいかな?」

突如として、背後からかけられる声。シルベストリが振り向くと、そこには奇妙なヘアバンドを付けた青年が立っていた。



時は少し流れて、放送直後。永遠のうっかり侍と焦ったドラえもんのメイド服コンビは、
温泉までの道中で放送を聞いていた。

「くっ…。ギャルゲロワの同志が、さらに二人…!」
「漫画ロワも、半分がリタイアしちゃったか…。全体としても半分切ったし…。」

それぞれの出身ロワからさらなる死者が出たことを嘆く二人。そして今回の放送では、
彼女たちが短い間とはいえ行動を共にした仲間の名前も呼ばれていた。

「ボマー殿も亡くなられたか…。」
「あのコ・ホンブックって子の名前は呼ばれなかった…。ということは彼女を制御しきれなかったか、
あるいは第三者に襲われて…。どっちにしろ、首輪の実験については期待出来なさそうね。」
「非常に残念ではありますが、終わったことをとやかく言っても仕方ありませぬな。
まずは急ぎ温泉に戻り、これまでのことをChain-情殿達に報告せねば…。」
「そのことなんだけどさあ…。」
「どうかされましたか、ドラえもん殿。」

焦ったドラえもんは返答を返す前に、自分たちの進行方向を指さす。

「私の目がおかしくなってなければ…。旅館、消えてない?」
「な、なんとおおおおお!!」

うっかり侍の素っ頓狂な声が、周囲に響き渡った。

2667静かなる〜Ge-道〜:2008/02/22(金) 18:07:54 ID:XrR1r/QA0
「これはいったい…。」

旅館があったはずの場所にたどり着いた二人は、ただ呆然とするしかなかった。
そこは、完全な更地と化していた。「破壊された」のですらない。旅館は完全に「消滅」しているのだ。

「わ、訳がわかりませぬ!いったい何が起こったというのですか、ドラえもん殿!
Chain-情殿やフラグビルド殿はどこへ!」
「ちょ、落ち着いてうっかり侍さん!私にわかるわけないでしょ!」

ただ混乱するしかない二人。そこへ、ひとつの人影が近づいてくる。

「あ、うっかり侍さんに焦ったドラえもんさん。お帰りなさい。」

学生服を身にまとった、端整な顔立ちの青年。その男はまさしく、二人の知る静かなる〜Chain-情〜その人だった。

「Chain-情殿、ご無事でしたか!」
「ええ。ところで、お二人だけですか?ギャグ将軍さんと孤高さんは?」
「いろいろと事情がありまして、我ら二人だけで戻ってまいりました。そのことは後で詳しく話します故、
今はそちらの事情をお聞かせ願いたい。いったい、誰がこんなことを…。」

「ああ、僕ですよ。」

「え?」

空気が、凍り付く。

「Chain-情殿、こんな時に冗談は…。」
「冗談なんか言ってませんよ。この状況は、紛れもなく僕が作りました。どうやったかのかは、トップシークレットですけどね。」
「バカな!Chain-情殿がそんなことをして、いったい何の得があるというのです!」
「混乱…ですかねえ?まあ、もっと大きな目的があるんですが。これはそのためのファーストステップですよ。」

Chain-情の顔に浮かぶのは、さわやかな笑顔。だがそれが、かえって眼前の二人には恐ろしさを感じさせる。

「他の…他の三人はどうなったのです!」
「ご心配なく。ちゃんと生きてますよ。さっきの放送で、名前呼ばれなかったでしょ?
まあ、死ぬより辛い思いをしてるかもしれませんけどね。」
「何を言っておられるのです、Chain-情殿!あなたはあのフラグビルド殿にも危害を加えたとおっしゃるのですか!
あれほどまでにあなたを慕っていたあの少女を!」
「ええ、本当に扱いやすい相手でしたよ、彼女は。けど、もう用済みです。」
「な…。」

顔を青ざめさせるうっかり侍。そしてその横で、これまで会話に入らなかった焦ったドラえもんが呟く。

「武装錬金…!」
『AAAAAAAAAAAAAAAAmmmmmmeeeeeeeeeennnnnnnッッッ!』

2668静かなる〜Ge-道〜:2008/02/22(金) 18:09:23 ID:XrR1r/QA0
若本ボイスもスカートの乱れも気にすることなく、焦ったドラえもんはバルキリースカートを展開させてChain-情につっこむ。
彼女を動かしたのは怒りや憎しみではなく、むしろ嫌悪感。「おまえは生きてちゃいけないんだーっ!」的な思いである。

「『んー、おっぱい』をぶち撒けろぉぉぉぉぉ!!って、めっちゃ嫌なセリフかぶったぁぁぁぁぁ!!」

絶叫しながら、焦ったドラえもんはChain-情に刃を振り下ろそうとする。だがそのとき、
何者かが彼女とChain-情の間に割り込んできた。

(え?)

反射的に、焦ったドラえもんは攻撃を止める。その人影の正体は、彼女の仲間であるはずのシルベストリだった。
動きの止まったドラえもんに対し、シルベストリは容赦なくその腹に正拳を叩き込む。

「ガハッ!!」

ここに来るまでの道中で胃に詰め込んだものをぶち撒けながら、焦ったドラえもんは地面に叩きつけられる。
その体はけいれんを起こし、焦点は宙をさまよっている。カウンター気味に入ったこともあり、
かなりのダメージを受けてしまったようだ。

「ど、ドラえもん殿ーっ!シルベストリ殿、何故あなたまで!!」

悲痛な叫びをあげるうっかり侍。シルベストリはそれに答えず、ただ顔を無念そうに歪める。

「さて、この辺でお開きとしましょうかね。そうそう、僕の目的は人を殺すことじゃないんですよ。
だから、隙だらけのあなたも殺しません。縁があったら、またお会いしましょう。
アリーヴェデルチ(さよならだ)。」

さわやかな笑顔を保ちながら、Chain-情は言う。そして彼はポケットからダイナマイトを取り出すと、
それに火を付けて放り投げた。たちどころに起こる爆発。そして爆風と砂煙が収まったときには、
Chain-情とシルベストリの姿は消えていた。

「ううっ…。認めぬ!某は認めぬぞ!Chain-情殿が…。某が信じたChain-情殿が、あのような男であるはずがないぃぃぃぃぃ!!」

地面に座り込み、涙を流しながらうっかり侍は叫ぶ。その叫びは、ただむなしく更地にこだました。

2669静かなる〜Ge-道〜:2008/02/22(金) 18:11:02 ID:XrR1r/QA0
「いやあ、上出来!なかなかやるじゃないか、俺!」

G−7に、満面の笑みを浮かべる美形が一人。その足下には、気絶したシルベストリが転がっている。
そう、大多数の読み手さんはすでにお気づきだと思うが、この男こそ先ほどまでうっかり侍達の前にいたChain-情の正体。
◆6/WWxs901その人である。
彼は岸部露伴に変身し、ヘヴンズ・ドアーでシルベストリの記憶を読んでいた。
そして彼の仲間たちの動向を知り、Chain-情に化けて戻って来るであろううっかり侍達を待ちかまえていたのだ。
そして今は爆風の中でジグマールに変身し、人間ワープで逃げてきたところだ。
とても数時間前に影の繋ぎ師に追いつめられていたヘタレとは思えない積極的な行動だが、
一度誤解フラグを立てることに成功したという自信が、彼を蚊トンボから獅子に変えたのだ。

「しかし、ヘヴンズ・ドアーはさすがに反則だったかな…。漫画ロワじゃNGくらった能力だし…。
よし、これの使用は今回だけにしておこう。いくらカオスロワ出身でも、空気を読むぐらいはしますよ、俺も。」

独り言を呟きながら◆6/WWxs901は再び露伴に姿を変え、ヘヴンズ・ドアーでシルベストリを本に変える。
そして「声を出せない」「◆6/WWxs901に危害を加えようとする者に攻撃する」という書き込みを消し、
代わりに「◆6/WWxs901と会ってからのことは忘れる」と書き込む。

「あ、そういやあそこにあった首輪、置いて来ちゃったな…。まあいいや。俺の役割は
フラグを立てることであって、折ることじゃないもんな。さっさと次の誤解フラグを
立てにいくか。」

まだ意識を失っているシルベストリを放置し、◆6/WWxs901は露伴の姿のまま歩き始めた。



【日中】【G-8 旅館跡】
【メイドさんズ】

【永遠のうっかり侍@ギャルゲロワ】
【状態】:全身各所に刀傷、茫然自失
【装備】:斬鉄剣@ルパン三世、ティアナのメイド服@アニロワ2nd
【道具】:支給品一式、パロロワ衣服詰め合わせ
【思考】:
 基本:主催を打倒し皆で元の世界へ帰る。殺し合いに乗った人間は斬り捨てる
 1:Chain-情殿、いったい何が…。
 2:再び漆黒の龍と孤高の黒き書き手を探しにいくか検討する
 3:対主催チームの一員として尽力

 ※容姿はトウカ@うたわれるものです。(ただし耳は普通の人間のもの)
 ※私立真白学園中等部の制服@アニロワ2ndを破り、包帯代わりに全身に巻いています。



【焦ったドラえもん@漫画ロワ】
【状態】:腹部にダメージ(大)、意識朦朧
【装備】:ドラゴンごろし@アニロワ1st 、核鉄(バルキリースカート)@漫画ロワ、朝比奈みくるのメイド服@アニロワ1st
【道具】:支給品一式 、銀河ヒッチハイクガイド、咎人の剣「神を斬獲せし者」@AAAロワ、他にまだあるかも
【思考】:
 1:何が起きているのか、誰かここに来て説明しろ。
 2:とりあえずChain-情はぶっ飛ばす。
 3:主催者め……ふざけたアイテムばかりよこしやがって。
 4:また鯛焼きを買いに行きたい。

 ※容姿はセラス@ヘルシングです。
 【銀河ヒッチハイクガイド】
 全書き手のトリップや代表作など、パロロワに関する全てが記されています。
 ただし、容量の都合で記述が切り詰められている箇所も多々あり。
 【核鉄(バルキリースカート)】
 主催者の改造(嫌がらせ)により、発動の度に若本規夫ボイスが再生されます。※台詞はランダム。

2670静かなる〜Ge-道〜:2008/02/22(金) 18:14:01 ID:XrR1r/QA0
【日中】【G-7 市街地】
【シルベストリ@漫画ロワ】
【状態】:全裸。気絶。
【装備】:なし。
【道具】:なし。
【思考】
基本:サ ー ビ ス シ ー ン 担 当
1:気絶していると言わざるを得ない。

 ※容姿はシルベストリ@からくりサーカスです。
 ※両目があります。金玉絶賛引き上げ中です
 ※覆面&マントを装備した場合、外見が荒くれ仮面(FFDQロワ参照)になります。
 ※◆6/WWxs901と接触して以降の記憶が消されました。そのため、自分が焦ったドラえもんを攻撃したことは覚えていません。
 ※所持品(支給品一式、白手ぬぐい、覆面&マント@FFDQロワ(海水で湿ってる)、
  『闇その2@スパロワ』の首輪(分解され内部構造がよく分かる) )はすべてH-8に放置されています。



【◆6/WWxs901@カオスロワ】
【状態】岸部露伴、精神疲労(中)
【装備】ダイナマイトたくさんとライター、ミニ八卦炉@LSロワ
【道具】支給品一式、他にもなんかあるかも
【思考・行動】
基本:参加者に変身して色んな奴の誤解フラグをばら撒く
1:次行くぞ、次。
2:書き手ロワの繁栄に尽くす。
※変身能力があり、誰にでも変身できます
※主催者によってジョーカーとして召喚されたっぽい。
※調子が出てきたため、自分の行動理念に対する疑問は消えました。
※ヘヴンズ・ドアーにより、第二回放送直前までのシルベストリの記憶を読みました。


以上です。
時間帯は昼の次は、日中でO.Kでしたよね?

2671貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/22(金) 19:48:08 ID:OnFjOZrs0
うおおおおおおお被ったああああああorz

移動の時間さえ無視すれば何とか……いや流石にそれは無茶か……

2672貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/22(金) 22:22:52 ID:E3jW96hs0
投下乙!
これはなんという誤解フラグ。ジョーカーもようやく本領発揮かw
では、自分も投下します。

2673大いなる意思:2008/02/22(金) 22:25:40 ID:E3jW96hs0



放送が流れる。
脳内補完は倒れていった人数の多さに驚きながらも、密かにほくそえんだ。
特にエースの死は大きい。きっと手ごわいだろう漫画ロワのストライカーは、脳内補完にとって障害でもあったからだ。

残月もまた、放送を聴いて遺憾に思った。
ボンボン系の書鬼。彼は自分よりも多くの作品を投下してくれる人だった。彼の死は痛手に他ならない。
暮れなずむ内面模写もだ。彼らはアニロワ2ndをもっと盛り上げてくれるはずだったのに。
マスク・ザ・ドSやビクトリーム博士も含めて四名が犠牲となった。前者は……少々警戒に値していたりしたのだが、それは置いておく。

だが、悲しむのも喜ぶのも後にするべきだ。
今は目の前に集中せよ、と総員が意識を集中し……目の前の逃亡劇に力を入れていた。

「待てーーーーっ!」
「待つか、このクソ野郎っ……ああくそ、なんでこんなことに……」

追う者と追われる者。
追跡する底上げ中の残月とルーキー、逃走する脳内補完はとっとこ走るよハムゴロー。

「埒が明きませんね……バーンストーム」

ドガンッ!!

「があっ!?」

突如、噴出した火炎が脳内補完を吹っ飛ばした。
二回転、三回転して地面に叩きつけられ、目を回す。火炎自体にはダメージはないようだ。
慌てて起き上がった頃には、バインッと目の前に巨大な何か。残月の大きな胸が視界を塞いでいた。

「あっ、あがががが!?」
「まったく……手間かけさせるんじゃないよ。さあ、一緒に来てもらうからね」
「わ、分かった! 分かったから離れろ! お、お、おう……ぐぉぉぉぉぉ……」

短い逃走劇の果てに脳内補完を捕縛することに成功する。
ルーキーはどのタイミングで残月を葬るかを考えて、今なら二人まとめて大魔法で葬れるかなぁ、と黒い考えを巡らせていたとき。


「く……くっ、くはははははははははは……」


地獄の底から聞こえてくるような、怨嗟の高笑いが聞こえた。

2674大いなる意思:2008/02/22(金) 22:26:19 ID:E3jW96hs0

「……なんだい、今のは? アンタ……じゃないねえ」
「俺じゃねえぞ。……ていうか、何か嫌な予感がしやがるなぁ」
「ふむ……とりあえず……」

こんなことをしている場合ではない、と全員が感じた。
よって、踵を返して全員がその場から離れる。脳内補完も、今だけはルーキーたちに追従する形で待機組に戻っていった。
どうせ捕まるぐらいなら、まだ自由の利く状態のままがいいと判断したからだ。

「はっ……ハハハハ、無駄無駄無駄ぁ……テメエらの背後、つかせてもらうぜエェェェ?」
「「「逃げろ〜〜〜〜〜〜〜っ!!!」」」

声が脳の中に叩き込まれるような感覚。
封印が、結界が破られるような疑問と予感。とにかく三人は急いで、待機組のほうへと退却するのだった。


     ◇     ◇     ◇     ◇


同じく放送を聴いた待機組。
お姉さまはステルス鬼畜や最速の人の死に崩れ落ちそうになるのを、何とか持ちこたえた。
パンタローネはエースやダイナマイトアンデッド、康一君の名前を心に刻み込む。
速筆魔王は黙して何も語らなかった。ただ、仲間だろう人物の名前を反芻する。特にマスク・ザ・ドSの死には衝撃が大きかったようだ。
Chain-情とフラグビルドも、仲間たちの死を必死に受け入れ、今やらなければならないことをする。

2675大いなる意思:2008/02/22(金) 22:27:18 ID:E3jW96hs0

まずは速筆魔王LXに事情を説明、そして情報交換だった。
脳内補完が突然Chain-情を疑いだしたこと、そして突然襲い掛かってきたことを詳細に説明していく。

「なるほど、そういう事情でしたか。とりあえずこれが首輪かな、お姉さまにでも預けておくよ」
「いいの? いや、私としては助かるんだけどね?」
「うん。どうせそこらで調達できそうな気がするし。対主催陣に脱出フラグをたくさん持っていってもらえば、脱出の可能性は増えるかも」

お姉さまに首輪を渡すと、速筆魔王LXは踵を返してしまう。

「ん? ここで皆を待たないのか?」
「うん。ちょっと惜しいなぁ、ってのはあるけど、ひとまず僕は他の首輪を取りにいってくるよ。一波乱ありそうだけどね」

そう言うと、LXはその場から立ち去ってしまった。
本人としても待機するつもりだったのだが、直感がここにいることはまずい、と判断したからだ。
波乱の意味をフラグビルドが小首をかしげて考え、そして理解する。

「波乱……まあ、あの男が捕まったらそうなるでしょうけどね……うぐ……」
「フラグビルドさん、大丈夫かい? 誰か、支給品で治療用のものとか、ないのかな?」

Chain-情の言葉に全員が考え込む。
残念ながらLXはパーティーから離れてしまった。とはいえ、もともと彼にも回復アイテムに類似するものは所持していない。

試しにごそごそとデイバックを漁り、首やら手首やら取り出されたときには驚かれたが、誤解フラグはすでに折られている。
支給品であると説明し、ついでに説明書を見せたことでようやく納得してもらった。あの禁忌の技を使った意味もあるというものだ。
うーん、とパンタローネが首をかしげると、デイバックからひとつのダンゴを取り出した。

「これとかはどうだ?」
「何ですかそれ? ダンゴ大家族?」
「一本しかないのだが……? 確か、ツチノコダンゴって言うらしい。『HPとVPを全回復』って説明書に」
「……VPってなに?」
「さあ……?」

とにもかくにも、回復アイテムらしい。
このままの体力では死にかねないので、フラグビルドは感謝の言葉と共に受け取る。
要するに体力とか完全回復って代物だろう、と結論付けたからだ。

と、フラグビルドが試しに一口食べようと小さな口をあけたところで。

2676大いなる意思:2008/02/22(金) 22:28:33 ID:E3jW96hs0

「……あ、帰ってきた。脳内補完も一緒だ」
「だけど、何か様子がおかしくない? 脳内補完を拘束してるわけでもないし、むしろ一緒に逃げてきたかのような……」

そうこうしているうちに、残月たち三名が滑り込むようにゴールイン。

「一位、ルーキー。ビリは残月かな」
「罰ゲームは何がいい? 残月さん」
「アンタたち、随分余裕そうだねえ!? こっちはホラー体験まっしぐらだってのに!」

そんなこんなでバタバタ。
とりあえず落ち着かせて(脳内補完はChain-情たちと距離を置かせて)何があったか話を聞こうとしているところで。


「くっ、くははははははははァァァァッ!! いいぜいいぜ、餌を求めりゃたくさん釣れたァァアァアアッ!!!」


歓喜の雄たけびが響いた。
何が起こる、と告げる時間はなかった。突如、空間が裂かれるような断裂。空が割れたと形容するのが正しいだろう。
空気に真っ黒な亀裂が四方八方へ、彼らの視界の隅々までひび割れていく。ガラスに弾丸をぶち込んだようだった。

どんどん、どんどん亀裂が広がっていく。
僅かに露になった亀裂の隙間から、腐食した身体が垣間見えた。それは、この世の醜悪な光景を混ぜ合わせたようなもの。
腐った物体がぐちょぐちょと気持ちの悪い音を立てて、眼下に見える七つの餌を見て舌なめずりをする。

唐突に彼らは理解した。
桁違いの何かが現れるのだ、と。理屈も常識もない、圧倒的な何かが封印を破って現世に顕現しようとしている。
彼らの鼻を腐食した匂いが刺激した。
やがて現れたのは怪物。亀裂が完全に破壊され、胎児のように生まれ出た存在は高笑いを続けて生まれ落ちた奇跡を祝福した。


「はははははははははははははっ!!! 過疎スレ? いまさら急ごしらえのスレに閉じ込めた程度で、この俺の衝動を止められるものかァアアアッ!!!」

テイルズロワの四凶、nanasinn。
ジョーカーとして呼ばれ、だが過疎スレに閉じ込められたはずの怪物。
獲物たちは、揃って同じ表情をした。
さぞかし、絶望の表情をしているのだろう、と愉悦にも似た視線を下に向けて見ると。

2677大いなる意思:2008/02/22(金) 22:29:14 ID:E3jW96hs0


「……空気の読めてない奴が来たな」(お姉さま)
「この状況で出てくるとか……」(パンタローネ)
「いやぁ、俺も今まで結構見てきたけどよ……ここまでってのはねえな」(脳内補完)
「ていうか、存在自体が空気の読めてない奴じゃありませんでしたっけ……?」(フラグビルド)
「ああ、ここまで台無しってのは、いっそ清々しいねえ……」(残月)
「ええ。ですが……どうやら、内輪もめなどしている場合ではないようですよ。こうなってしまえばね」(ルーキー)
「まあ……そうだね、こうなれば……はは」(Chain-情)


全員が全員、呆れ顔でnanasinnを見上げていた。
もう、凄い歓迎のされ方だった。
それはもう、全員から武器を向けられて絶賛フルボッコ五秒前ぐらいに。

「今だけは、共闘です。書き手ロワの秩序を護るためにも、あのエクスフィギィアはここで葬らなければ」
「ええ……出てくるだけで台無しなのは、ここだけに留めなければ」

完全に邪魔者扱いである。
当然だ。ジョーカーのように参入話は没の可能性すらあったというのに、その翌日に彼は出てきてしまった。
せっかく過疎スレに叩き込んだというのに、様々なフラグを叩き折って乱入。おかげで爆発寸前で不完全燃焼である。
ぶっちゃけると空気嫁。ちなみに作者も同じことを言われることは覚悟済みである。

「ヘハ、グフュヘヘヘヘヘッ!! てめえらが俺を葬る? チート能力も持っていない、てめえらがぁ?」
「覚醒フラグの幕開けかもよ」
「はっ、だったら……てめえら全員、グロ死なっ!!愚者は飲み込む、泥の中に毒の中に! てめえらの身体で俺の肉体を肉付けしてやるよおっ!!」

右腕かられろり、と髑髏の舌を標的たちに向けて固定する。
銃弾の如き毒液。麻痺性の毒液はスナイパーライフルとして活用。一体一体を動けなくして、そこから救いようのないグロ展開にしてやろう、と。
もちろん、そんな奴の思い通りになるつもりはない。
それぞれの意図を胸に秘め、今は邪魔者を排除するために。七人は同時にその場から飛んだ。

書き手ロワの秩序の護るための戦いの始まりである。


     ◇     ◇     ◇     ◇

2678大いなる意思:2008/02/22(金) 22:29:56 ID:E3jW96hs0


「ファイアランス」

nanasinnから十数メートル離れたところから、ルーキーは攻撃を仕掛けていた。
炎の槍が放たれ、nanasinnの身体に突き刺さる。ぐちょりと不快な音と共に火が燃え移るが、すぐに鎮火されていく。
身体に埋まっては消えていく幾千もの眼球がぎょろりとルーキーを見た。
返答代わりにルーキーはピストルを構える。他の支給品に比べれば力負けするが、これでも牽制にはなるものだ。

(……さて、と)

ルーキーは簡易魔術を唱えながら、考える。
確かにジョーカーは撃破しなければならない。こうもルール違反が続けばこの企画自体が過疎りかねないからだ。
だが、だからといって命を懸けて戦うつもりはない。あくまで後方支援。そしてあくまで自分は優勝狙いのマーダーなのだ。

隙を見て対主催の残月を始末するつもりだったのが、仕方がない。
書き手ロワを廃れさせないためにもジョーカーの撃破は必須だが、それ以前に強大な敵相手に倒されては元も子もない。

(時機を見て、退かせていただきましょうか……もちろん、報酬はいただきますがね)

ピストルを放つルーキーの視線はnanasinnに向かっていない。
彼が恍惚の笑みを浮かべながら見つめる先には、青龍偃月刀を構えて勇ましく立ち向かうお姉さまの姿があった。

「くっくっく……クロスエアレイド」

光の弾丸を放ちながら、ルーキーは不気味に笑う。
たとえ想定外のジョーカー乱入だろうが、彼は動じない。ステルスマーダーとして、好青年を装いながら目的の物を手に入れてみせる。
彼の思惑の向こう側、一番安全な地点で静かにルーキーは後方支援をする。
視線は、あくまでお姉さまに固定されたまま。


     ◇     ◇     ◇     ◇


「っ……ディー! 真面目に力を貸して! 力をくれるんでしょう!?」
「むっ……我は空気だと思っていたのだが、ちゃんと人数はカウントされて……ああ、待て! デイパックにまた詰めなおすな!」
「いいから、とっとと力を貸せ、と!」

馬鹿神の尻を蹴っ飛ばしてお姉さまは力を得る。
基本的には身体能力の強化。東方キャラに変身する能力よりも、数少ない前衛として彼の怪物を足止めしなければ。
nanasinnの左の豪腕が振るわれる。その一撃を受け流し、青龍偃月刀で全力をこめて斬り付けた。

「ぐっ……」
「はっはあっ! なんだその蚊みてえな一撃は! そんなにその可愛らしい顔、ぐちゃぐちゃにされてえのか、てめえはあっ!!」

身体能力を強化した一撃は確かに奴の身体を切り裂いた。
だが、すぐにその身体は元通りに戻ってしまう。再生能力……それ以前にこの程度では苦痛すら感じないのか。
続けて与えた連撃も結果は同じ。もう一度、蚊を払うように振るわれた豪腕に距離をとる他ない。

2679大いなる意思:2008/02/22(金) 22:31:09 ID:E3jW96hs0

(……ダメだ。私の攻撃じゃ効かない。頼りは……魔法や銃撃)

一応最終奥義として、例の母乳があるにはあるが。
さすがにこの衆人環視の中で胸元をはだけさせるなんてことは、性別不明なお姉さまにも出来ない。
だからその奥義は封印するとして、頼れるのは後方支援をしている魔法使いやらの類なのだが。

背後に視線をやる。
ルーキーと目が合った。さっきから何故か舐めまわすような視線を感じていた。

(ううう……? なんだろ、恥ずかしいな……私の顔に何かついてるとか……?)

嫌な感じがしたので、もう一人の後方支援へと視線を向けた。
グーサインを出されたので、一気にお姉さまはnanasinnから距離をとる。さっきまでの牽制ではない、本命が用意されていた。
底上げ中の残月。全裸主義者の熟女は、ロックオンとばかりに敵に狙いを付けていた。


     ◇     ◇     ◇     ◇


「さあ、行くよ! あたしの秘密兵器、九十七式自動砲さあ!」

対戦車ライフル。
残月に支給された兵器だ。重いのでその場に設置する必要があったので、今まで出さなかったが。
彼女にとって初めての戦闘がジョーカー戦。荷が重いとは思わない、彼女もまたロワを愛したもの。だからこそ、祭りの邪魔はさせない。

ドォンッ!!

「ぐはあっ!?」

直撃を受けたnanasinnの口調に初めて苦痛の声が漏れる。
いかに怪物の体をした存在とはいえ、これほどの一撃を受ければ無傷では済まない。先ほどのお姉さまの一撃とは比べ物にならない。
ぐちょり、と千切れた肉が地に落ちた。
まるで腐乱した肉のようなそれは異臭を放ち、穿たれた身体は再生能力のままに失った肉体を補完していく。

「はっはっは、どうだい!? いかにアンタでもこれは辛いだろ?」
「はっ……このクソババアァアアアアアッ!!! てめえはグチョグチョに腐って土に還ってろォォオ……ッ!!」
「アンタにできるのかいっ!?」
「舐めんな、抑えられないグロ模写衝動……スナイパーライフル形態ィィィイッ!!」

右手の髑髏の舌が吼える。
標的を狙い撃ち、完全に腐らせ、ドロドロにしてしまおうという意思の下に毒液という名の銃弾が放たれた。
銃弾のような速度で放たれた一撃は必殺。
残月には避ける術はない。本来ならそのまま一撃を受け入れ、そして異臭を放ちながら地面と同化するはずだった。

「はっ……頼んだよ、お嬢ちゃん!」
「はいっ……」

じゅっ、と肉の溶けた形容詞。
文字通り接触した肉は腐乱し、異臭を放ちながら沈んでいった。
だが、残月は無事だった。何故なら、その隣りには援護役として少女……フラグビルドが、首やら手を持って構えているのだから。

同じアニロワ2ndの仲間だ。
だからこそ、残月はフラグビルドを信じていたい。たとえ疑われていても、皆で信じると決めたのだ。
だから自分の身の安全はフラグビルドに一任して、自分は何度も引き金を引いた。轟音が響く。nanasinnの体を……何度も削っていった。

2680大いなる意思:2008/02/22(金) 22:31:47 ID:E3jW96hs0


     ◇     ◇     ◇     ◇


(……困りましたね)

表面上はノリノリを演じながら、フラグビルドは内心で舌打ちした。
飛翔してくる毒液は、生命体由来の物質にしか降下がないらしい。だから首やら手首やらに反応して盾となる。
まあ、首やら手首は生きていないので何とも言えないが……フラグビルドはとにかく、今の状況が不愉快だった。

(ぽっと出のジョーカーにフラグは立てられるし、私はここで知らないお婆さん守ってるし……まあ、誤解フラグは真っ二つにできましたけど)

今の状態は本当に摩訶不思議な状態だ。
本来なら避けられない誤解フラグに殺し合うはずの両者が、手を取り合って空気の読めないジョーカーを撃破しようとしている。
だが、付け焼刃だ。全員が全員、このジョーカーを撃破しようとは考えていないだろう。少なくとも自分は考えていない。
ただ、書き手ロワという世界の秩序を守らなければ、という不思議な義務感で行動しているに過ぎない。

(ああ、本当に腹立たしいです。いっそ、このお婆さん捨ててしまいましょうか。タイミングをずらすとか……まあ、意味もないですね)

頭に浮かんだ考えはすぐに打ち消す。
フラグビルドの思考は静かなるChain-情と素敵なフラグを立てることだ。恋愛フラグが一番好ましい。
こんなところでジョーカーと戦うつもりはない。とりあえず、隙を見てChain-情を連れて逃げ出さなければ。
そうして、Chain-情さんに死んでほしくないんです、とでも言えば……更に良好なフラグが立てられるだろう。

(とにもかくにも、今は疲労でボロボロです……様子を見ましょう)

心配なのは、nanasinnと接近戦を挑んでいるChain-情だった。
こんなところで死なれては困る。極上のフラグを、立てて、立てて、立てまくる。それがフラグビルドの生きがいなのだから。


     ◇     ◇     ◇     ◇

2681大いなる意思:2008/02/22(金) 22:32:23 ID:E3jW96hs0


「てめえらァァア、うざったいんだよォオオオっ!!」
「いや、君には一番言われたくないかも……『カエルよ、あの毒液から僕の身を護れ』!」

Chain-情はゴールド・エクスペリエンスによって作られたカエルを使い、毒液を反射させる。
隙を突いてカエルを接触させて爆破。こうしてバランスを崩している間に距離をとる。
無理をする必要はない。ヒット&アウェイ。自分ひとりで戦おうとは考えるな、と自分自身に言い聞かせる。

(でも、この後って結局どうなるんだろ?)

今は共通の敵であるジョーカーを殲滅するために手を組んでいるが、脳内補完はまだ疑っている。
戦う理由はこうした事態によって、書き手ロワが荒れる前にジョーカーを始末するためだ。
戦いが終わればさっきの続きかも知れない。信じてくれた人たちが守ってくれるだろうけど、やっぱり誤解だから脳内補完とも和解したい。
勘違いの末に殺しあう……それは嫌だなー、と思うんだけど……他に手段もないし、何より現在進行形でピンチだし。

「うおぉぉおおらぁあああっ!!」
「っ……だから、僕は今は味方だってっ……!」
「おお、わりい! わざとじゃあねえんだ……わざとじゃ……なっ!!」

そう言いながらも脳内補完はChain-情に攻撃を仕掛けてくる。
要するにどうしようもないほど、誤解の溝は出来上がっているわけで。しかも、共通の敵を前にしても狙ってくる執念さ。
たまに怪物にも攻撃をするのだが、五割以上がChain-情を狙ってくる。どう考えてもわざとだ。

まあ、元々がもう一人の自分を殺した、という事実の下に行動している。
Chain-情はただの誤解フラグじゃないよなぁ、などと呟くほかない。もしかしたら彼と仲間同士だったりするんだろうか、同じロワの。
答えは見つからない。ただ、ジョーカー参入においても自分は狙われる立場だった。

「くそおっ! 一体、何だっていうんだあっ!!」

叫んだ直後。
脳内補完が突然、氷を展開させたと思えば……nanasinnごとChain-情に射出してくるのだった。


     ◇     ◇     ◇     ◇


「お、おお? なんだこりゃ?」

ホワイトアルバム。脳内補完すら気づいていなかった力が覚醒していた。
氷を生み出して攻撃するスタンドだ。Chain-情もまた、ゴールド・エクスペリエンスを宿している。
突如、生み出せた一撃は……次の瞬間、力に溺れるように高笑いと共に放たれる。

「はっ……はっはっはっはっは!!!」

脳内補完にとって、このジョーカーは復讐の邪魔をした存在。自重しろ、と言ってやりたい。
信じないあいつらも一緒に皆殺しにしてやってもいいぐらいだ。
だからこそ、脳内補完はジョーカーなど無視してChain-情に攻撃を仕掛けていた。

(あのクソガキを殺す、それだけだぜえっ!!)

ガガガガガガガガ、と氷の弾丸が発射される。
当然、nanasinnごとなのだが、それにしても危険すぎる乱射だった。肉が削げる音と沼に石を投げ込むような濁音。
正直に言って、こんな豆粒のような攻撃ではnanasinnは倒れない。だが、それは関係ない。ただ自分を殺した相手への復讐を果たすために。

2682大いなる意思:2008/02/22(金) 22:33:25 ID:E3jW96hs0

「……おい、脳内補完! いい加減にしないか! まだChain-情を疑っているのか!」
「うっせえっ! どうせどっちも潰すべき対象なんだよぉ、パンタローネ! てめえも漫画ロワの人間なら熱くやろうぜえっ!!」
「ぬっ……」

きいきい煩いパンタローネの声も聞かない。
脳内補完は自分の激情のままに行動する。Chain-情は少し涙目になりながら、うまく脳内補完の攻撃から逃れていった。


     ◇     ◇     ◇     ◇


「まったく……どうして、あそこまで憎むんだ?」

深緑の手による指からの空気圧縮で作られた銃弾を放つパンタローネ。
主に効果は薄いので、青龍偃月刀を使って前衛を守るお姉さまの援護がパンタローネの役割だ。
自分の支給品に頼ってもいいのだが、やはりそれなりの一撃でなければnanasinnには通じない。ならば、援護に徹するのが上策だろう。

(ああ……お姉さまの手、綺麗だな……勇ましいお姉さまの……)

ふと、気づいて思いっきり顔を横に振った。いかんいかん、と。
この吉良吉影の侵食が思ったよりも強力だ。気を抜いたら、お姉さまに何かしてしまいそうで困る。
それにしても厄介なのが脳内補完とルーキーだ。特にルーキーは先ほど使った大魔法を使えば、もっとうまく行くはずなのに。
この脳内補完も、どうしてかChain-情を集中攻撃。せっかく覚醒した力も無意味になっている。

「っ……くっ、空気切れか……」

制限なのか、それとも深緑の手を使い慣れていないのが原因なのかは知らないが、片手を撃ち尽くしたとしても同時に供給はできない。
一時、怒りに狂うnanasinnから距離を取ると、空気の供給作業に入る。
だが、その一瞬の隙がいけなかったのだろう。ふと、嫌な予感がしてパンタローネはお姉さまのほうへと視線を移して。

「っ―――――お姉さま、危ないっ!!」
「え―――?」

援護ができなくなったその刹那の隙をついて。
お姉さまが宙を舞う。nanasinnの野太い左腕の薙ぎ払いの直撃を受けて。

「あぐっ……!?」
「はっははははァァアアッ!!! まずは一人、グロい彫像の完成だァァァアッ!!」

更に毒液のスナイパーライフルがお姉さまを狙いを定めた。
たった一撃を受けるだけで、見るも無残なオブジェに変えられるだろう。誰もが行動が間に合わない。
発射される毒液。そして、直撃する必殺の猛毒。

2683大いなる意思:2008/02/22(金) 22:34:43 ID:E3jW96hs0

ジュゥゥウウウッ!

「ぐっ……おのれ。我が敷いた防御壁が……一撃で破られようとはっ……」

ディーの呻きが聞こえた。自身に防御壁を敷き、身を挺してお姉さまを庇った結果だった。
どさり、と倒れるお姉さまと……力を一撃で使い果たしたディーがデイパックの中へと緊急的に避難した。
七人で築いた対ジョーカーの包囲網が破れた瞬間だった。


     ◇     ◇     ◇     ◇


「キシャ、シャハハハハハッ!! ヘハハハハハハッ!!」

nanasinnの動きは迅速だった。悪夢から思うほど、図体では考えられない速度で走る。
目標は残月とフラグビルドだ。前衛が崩れた以上、もっとも攻撃力の高い者を撃破するのは当然だった。
お姉さまなどいつでも料理できる。まずは、この身体に何発もライフルをぶち込んでくれた奴らを、思いっきりグロテスクな彫像に変えてやる。

「ちっ……まずいねえ、こりゃあ……」
(引き時、でしょうか……)

焦る残月と冷静に計算するフラグビルド。
がくん、と足から崩れ落ちてしまう。どうやら、疲労が限界のようだった。

(こんなときに……お姉さまから貰ったツチノコダンゴを……!)

お姉さまから貰った虎の子の回復アイテム『ツチノコダンゴ』を口にする。

「ぐっ……ツチノコダンゴですら、ほとんど効果がないなんて……命が繋げただけ、儲けものってことですか……」

本来、体力と気力を全回復させるAAA出展のラジアータ・ストーリーズの最高の回復アイテム。
それを以ってしてもフラグビルドの命を繋ぐことが精々らしい。
彼女の視界がとある光景を捉える。それは、自分の名前を呼びながら走ってくるChain-情の姿。

2684貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/22(金) 22:35:25 ID:E3jW96hs0

(……ふむ。ここで命を懸けるフラグでも立ててみますか)

残月が慌ててその場から離脱する中、フラグビルドはそのまま立っていた。
恋愛フラグなら、一度彼に自分が失われるかも知れない、という実感を与えてみたい。これで助かれば、恋愛フラグが成就されそうな気がする。
危険な賭けだが、やってみよう……と、その瞬間、ガツンッ!!

振るわれた左腕にフラグビルドが弾き飛ばされた。

「フラグビルドーーーーーっ!!!」
(あっ……これ、ちょっと、ヤバいかも……)

疲労困憊だったフラグビルドには、避ける手段がなかった。せめて受身を取るぐらいだ。
残月の支給品だった九十七式自動砲はその場に放置され、nanasinnは優先的にそれを破壊する。
フラグビルドなど邪魔だから振り払ったに過ぎない。そうした事情がフラグビルドの命を繋いだ。

「さあ、さあさあっ! 随分痛めつけてくれたんだ。覚悟はできてるかぁ、てめえらァアア!! 思いっきり叫ばせてやるから、のど飴でも舐めておけよォオ!?」

そうして振り上げた右腕の砲台。テイルズロワの砲兵隊長の名に相応しい、圧倒的な負が狙いを定める。
標的はお姉さま。まずは麗しいその顔を見るのも躊躇われるぐらいの汚物にまみれた存在にしてやろうと、毒液を用意する。
援護は間に合わない。パンタローネが、ルーキーが手を尽くそうとするが、遅い。
絶体絶命の危機において、どうしようもないほどの詰み将棋。

それを。


ゴオオオオオオオオオオオオオオオンッ!!!


眩い光の奔流が救った。

2685大いなる意思:2008/02/22(金) 22:36:47 ID:E3jW96hs0


「ぉおおぉおおぉぉおおうぅうううぅあぁあぁぁあああああああっ!!!!?」

耳を塞ぎたくなるような絶叫。
絶対たる裁きの光。巻き込んだ者を全て消し飛ばすために生まれた貫通兵器。
全員の視界が真っ白に染まり、光臨する暴力そのものに身を委ねるしか道はない。

「こ、れ……は……エンジェルアーム……? 莫迦なぁぁ、あいつらかっ!? 主催者の野郎、俺を用済みと判断しやがったなァァアアッ!!」

この書き手ロワにおいて、エンジェルアームはズガンの代名詞とも言えた。
扱いに困ったジョーカーの面々を葬るために、大いなる意思が働いていたのかも知れない。

孤高の黒き書き手が上空に反射したエンジェルアーム。
だが、会場はループしている。右端から左端へ、そして上空から地下へと。
間欠泉のように噴出した断罪の光。大地すらも貫通してきたエンジェルアームは『都合よく』名も無き怪物に直撃した。

「ふざけ、るなァァアッ!! 都合よく、だと……こんな……こんな、こんな、こんな、こんな終わり方、認めるかァァァァァアッ!!!!」

浄化していく身体は繋ぎ止める。
これが大いなる意思とやらで行われているとしても、易々と従ってなどやるものか。
過疎スレに閉じ込めた奴を殺す。過去ログに封鎖した奴を殺す。
グロく、グロく、救いようも無く参加者たちを皆殺しにする。それだけが存在理由。この抑えられない衝動のままに。

「参加者は殺せ、って言ったじゃねえかァ! あれは間違いか、勘違いか、手違いか!? だがそんなの関係ねえ、俺は俺の欲望のままに生きるんだァアア!!」

エンジェルアームを……押さえ込む。
こいつを貫通させたまま素通りさせれば、またいずれズガンの憂き目に合うだろう。だからここで食らい尽くす。
こんなところで用済み扱いなどされてたまるか、と名も無き怪人は吼えた。

彼の者はテイルズロワの砲兵隊長。
その力は展開を一変させる異能力。キャラなど駒、最終的な目的のために使い捨てるための駒だ。
我が異能の砲弾の先には無残な死を、読み手の誰もが忘れられない欝を。全ては動かしづらいキャラを葬り、ロワを円滑に進めるために。

そうして、地獄のような数分間。
抑えられないグロ模写衝動、その本能まで注ぎ込んだ頑強な意志は……光の奔流を完全に粉砕した。


     ◇     ◇     ◇     ◇

2686大いなる意思:2008/02/22(金) 22:38:30 ID:E3jW96hs0


「……潮時ですね」

裁きの光が怪物に直撃したとき、ルーキーは静かにそう呟いた。
あのエンジェルアームが何であろうと、これ以上付き合ってやる必要は無い。後は優勝を狙うために行動するだけだ。
だが、せっかくの報酬が気絶して倒れてくれている。
くっくっく、と嫌らしい笑みを浮かべながらルーキーは走る。その先には気絶したお姉さまの姿が。

ルーキーはお姉さまを抱きかかえると、未だエンジェルアームの咆哮で唖然としている一行を尻目に戦線を離脱した。
さあ、全てはルーキーの狙い通りに。あとは脳内補完の望むとおりに殺せばいいし、何ならジョーカーが復活して皆殺しにしてくれて構わない。

(さあ、お姉さま……貴女の全てをいただきますよ……くっくっくっくっく……)

こうして、この段階。
二名が戦場より離脱した。もちろん、ディーの入ったデイパックも同様に。


     ◇     ◇     ◇     ◇


「フラグビルドさんっ……フラグビルドさんっ!」
「大丈夫……ですよ。ちょっと意識飛んじゃっただけで、そんな……大した怪我じゃ……」

確かにあんな太い腕で殴られたにしては軽い怪我と言える。
全身を打ち身したのだろうか。あんな腐乱した左腕でもさすがに触れるだけで腐るとか、そんな類の特殊能力は持っていなかったようだ。
命に別状は無い。だが、Chain-情の肩は震えていた。怒りで、悔しさで……どうしようもなく震えていた。

「僕が……ふがいないから」

もしも、もしもだ。
フラグビルドに加えられた一撃が取り返しのつかないものだったとしたら?
一生涯、きっと後悔する。今までのどんな痛みよりも比べ物にならなかった。これが失う痛みだと知った。

「フヘヘヘヘヘヘヘヘヘッ!! どうだ、俺は……大いなる意思に打ち勝った! エンジェルアームによるズガンの未来を捻じ曲げたァァアッ!!」

名も無き怪物が復活する。
このままでは為す術もなく殺されるだろう。助かったフラグビルドは、結局殺されるかも知れない。
それも、あんな奴に。グロ死のみを肯定する怪物に……彼女は殺される。このままでは自分も含めて、殺される。

2687大いなる意思:2008/02/22(金) 22:39:13 ID:E3jW96hs0

「ごめんなさい、フラグビルドさん……少し、待っていてください」
「え……?」

もう、たくさんだ。
大切な人を、仲間を……温泉少女のように、また護れないなんて、許さない。
ふと、向こうから脳内補完が走ってくるのが見えた。どうやら、彼もまた自分たちを害するつもりらしい。

「おっと、逃がさねえ……ここでてめえは死ぬんだよ、クソガキ……」
「なにを怒っているのか、僕には分からない。だけど―――――」

轟、と戦意と殺意の入り混じった気合。
それは脳内補完の潜在的な恐怖を掘り起こすに十分だった。Chain-情は、ゆっくりと丁寧に告げる。


「退け。どかないなら、君ごとあの化け物を滅ぼす」


背後に揺らめくゴールド・エクスペリエンスの右腕が輝いた。
そう、このままではあの化け物を倒せない。そして、また護れない。そんなのは絶対に嫌だった。
たとえ、命と引き換えにしても護りたいと思えた。素直にフラグビルドを見て、そう感じられたのだ。

「何度も、何度も、何度も、護れなくて……後悔した、苦しかった、悔しかった、ただそう思うだけだった! そんなっ……そんな自分に腹が立つっ!!!」
「て、めえ……そりゃ、没ネタで、俺を殺した……」

事態を察した脳内補完はすぐにその場から撤退した。
巻き込まれて溜まるものではない。それは、静かなるChain-情の命を注ぎ込む最終奥義だ。
元ネタ、静かなる中条の最初にして最後、唯一の究極奥義――――『ビッグバン・パンチ』。

「オ……ォォオオ……?」

その異様な様子に名前も知らない怪物が凍りつく。
せっかく乗り越えた死の気配が再び、彼を飲み込もうとしている。
じゅるり、右腕の砲台が……髑髏の舌、触手のうねりを受け入れたnanasinnの本能が逃げろ、と告げていた。

「うっ―――おおおおおおおおおおおおぉぉぉおおっ!!!!」

地面を強く踏んで駆けた。
たった一撃で確実に敵を葬る最強の一撃。たとえジョーカーだろうと関係ない。この技は問答無用に相打ちを実現する。
一度だけ、フラグビルドにごめんと呟いた。
絶対に帰ってこれないことを本人も承知していたから。だから、一度だけ謝った。

でも、護りたいと思ったから。
自分の命を犠牲にしてまで護りたいって思えるのは、とても素晴らしいことだと思えたから。
だから静かなるChain-情は拳を握れた。命を捨てる覚悟ができた。

「や、やめろォオオオオオオオオッ!!? やめろぉオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!?」

異形の怪物が恐怖と共に絶叫した。
戦場には三つの叫び。
Chain-情の雄たけび、nanasinnの絶叫、そして―――――他ならぬ、フラグビルドの悲鳴。

2688大いなる意思:2008/02/22(金) 22:40:50 ID:E3jW96hs0


「ダメーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!!」


コアドリル起動による螺旋力を確認。
強引な空間制御能力により、その戦場に立つ怪物以外の全ての参加者が……テレポートによって消失した。


     ◇     ◇     ◇     ◇


「……ここまで来れば安心、ですね。くっくっく」

レザード・ヴァレス。
AAAの世界でもトップクラスの変態の名を手に入れた男の姿を模した青年が哂う。
手にした戦利品は端整な顔立ちの少女(?)お姉さま。
彼女の全てを手に入れ、自分色に染めてやる。さながらヴァルキュリアを愛する変態ロリコン眼鏡のあん畜生の如く。

木々の茂る森、そして目の前には気絶した(見た目)女の子。
これで興奮するな、というのは無理の話なのかも知れない。木の葉を隠すには森の中。なぁに、誰にも見つけることはできないさ。

「それではお姉さま、荷物を拝借……っと、都合よく手錠が入ってるじゃないですか。まさに運が良い……」

しゃらん、とお姉さまの最後の支給品である手錠を拾い上げる。
ルーキーは抑えられない笑いを必死に隠しながら、ゆっくりと近づいていく。手をわきわきとさせながら、倒れたままのお姉さまに。
ガチャリ、と拘束される。鍵はルーキーのポケットの中に。
大木を背にして、吊るし上げられるような形にされる。なんとそそられる状況だろうか。レザード・ルーキーは笑みをもって告げる。


「さあ、調教の時間ですよ……」
「させるかぁぁぁぁぁあ、こっの変態がぁあああああっ!!!」


ガツン!

「ふぼほっ!?」

なんということでしょう。
突如としてルーキーは背中に手痛い衝撃を受け、空中をたっぷり三回転半。竹とんぼのように回転して崩れ落ちた。
どうやら今の攻撃で口の中を切ったらしい。唇の端から鮮血を垂らしながら、ルーキーは恨めしげに攻撃の主を睨み付ける。

2689大いなる意思:2008/02/22(金) 22:42:54 ID:E3jW96hs0

「邪魔をしますか……パンタローネ」
「当たり前だ。……というか、何を危ないことをしているんだ、お前は」

前々からルーキーのお姉さまを見る目つきが怪しいと思ってたんだ、とパンタローネは独白する。
戦いの最中もお姉さまの動向に注目していたから、何とかルーキーを見失わずに済んだらしい。
ただ、最初はルーキーが気絶したお姉さまを介抱するだろう、ぐらいに思っていただけに手錠で拘束して吊るし上げたときには心臓が飛び出るかと思った。

お姉さまの手をそんな薄汚れた手錠で拘束するなんて!

何かが激しく間違っているような気がするが、気にしてはいけない。
ともあれ、おかげで残月たちから離れてしまった。あの名を剥奪された異形の魔物がどうなったのか、パンタローネにも分からない。
とにかくお姉さまとルーキーを二人っきりにすることに不安を覚えた。しかも予感的中でパンタローネは頭を抱える。

「で、お姉さまをどうするつもりだ? まさか、ハカロワとかにお決まりな鬼畜行為をするつもりじゃ……」
「ええ……お姉さまの全てを美味しく、いろんな意味でいただこうと思います」

呆気なく。
本当に呆気なく、そうするのが当然だと言うようにルーキーは哂って見せた。
もとより、優勝狙いのマーダーなのだ。
ここでパンタローネを葬り、そしてお姉さまを自分色に染めればそれで済むことなのだから。冥土の土産は大好きなルーキーだった。


「させない……お姉さま(の手)は私のものだっ!!」


あれえ、台詞が微妙に違いません? とかそういうツッコミは無粋だ。
ルーキーとしてもどの道、対主催のパンタローネは葬るつもりでいた。ステルスできない以上、生かす理由は欠片もない。
こうして、お姉さま争奪戦が始まった。


(…………ねえ、ディー。こんな状況のとき、私ってどうすればいいと思う?)
(笑えばいいと思うぞ)


景品であるお姉さまの独白を合図として。


【チーム『変態どもの宴』+α(景品)】

2690大いなる意思:2008/02/22(金) 22:43:23 ID:E3jW96hs0

【日中】【C-1 森】
【お姉さま@ギャルゲロワ】
【装備】:青龍偃月刀、ディー、チャイナ服
【所持品】:支給品一式×2、首輪(ボイド@漫画ロワ)
【状態】:健康、困惑、大木に手錠で拘束されてます
【思考・行動】
基本行動方針:殺し合いに乗ってる人間を止め全員での脱出。
0:この場合、どうすればいいのかな……?
1:とにかく様子を見て、この手錠を何とかする
2:戦う覚悟。
3:あのルーキーって男、大丈夫じゃなかったよ……
4:ハクオロの姿をした参加者……候補のロワは三つ(ギャルゲ・葉鍵・アニロワ1st)か。
5:パンタローネの様子もおかしい んだけど……

※容姿はくれないの長髪でスレンダーな美少女。というかまんま東方の中国w
※性別は未だ不明。
※ディーにより東方キャラに変わる力を得ました。何に変わるかはディーの気分次第。確率的には咲夜が高い。
 やばすぎる能力には制限がかかってます。
※ディーは制限により弱まっています。そしてそれが原因でちょっと逝ってます。
※ギャルゲ版最速の人の死体を見つけると、もしかしたらディーの力が少し復活するかもしれません。
 また、その後ディーがどれだけ協力してくれるかは、次の書き手さんにお任せします。
※胸はパッドです。
※ディーも性別についてはしりません。
※ディーは負傷しました。もしかしたらディーの力が消えて、カレーの侵食が更に侵攻するかも知れません
※母乳弾幕が使用可能になりました。設定や詳細は後の書き手さんにお任せします。
※不明支給品は手錠@ギャルゲロワでした。



【パンタローネ@漫画ロワ】
【装備】:無し
【所持品】:支給品一式、支給品一式(ランダムアイテム2)
【状態】:健康、義憤、自動人形
【思考・行動】
基本行動方針:殺し合いには乗らない、乗った人間には容赦しない。
0:お姉さま(の手)は私のものだっ!!
1:ルーキーを撃破してお姉さまを助け出す。
2:『お姉さまと残月は守る』『吉良吉影に侵食され始めた自分を何とかする』
3:助けられる人はなるべく助ける。
4:お姉さまの手綺麗だよな……いかんいかん。

2691大いなる意思:2008/02/22(金) 22:44:06 ID:E3jW96hs0

※パンタローネの服を着ていますが顔は若いです。
※深緑の手の空気供給率が低下しています。
※深緑の手:手の平の穴から空気を吸収しながら、撃ちつくした手は空気供給で弾切れの心配が無かったりする。
※脳内補完を警戒。ルーキーを敵と認識しました。
※人肉カレーが原因で吉良吉影の性格に侵食され始めています。
※不明支給品のひとつはツチノコダンゴ@AAAロワでした。フラグビルドが消費しました。


【◆yHjSlOJmms(ルーキー)@AAAロワ】
【状態】覚醒 、全身にダメージ(小)、魔法使用による疲労(小)
【装備】ピストル(6/15)
【所持品】なし
【思考・行動】
基本・対主催……のフリした優勝狙い
0:邪魔者を排除する
1:好青年を装ってお姉さまの全てを美味しく頂く(色んな意味で)
2:シルベストリ◆O4VWua9pzsに接触する。どうするかは不明
3:AAAロワ書き手を探す……が、生かす保証はなし
4:ジョーカーたちのことは気になるが放置。自身の生存を優先

※人肉カレーが原因で、外見も口調もレザード・ヴァレス(CV:子安)に進化しました。
 そのため、ありとあらゆるロワの『魔術』を使えるようになりました。
 何が使えるかは、今後の書き手さんとAAA本編によります。
 さあ、今すぐAAAを読んでくるんだ!



     ◇     ◇     ◇     ◇


「っ……まったく、莫迦じゃないですか……!? あんな、あんな無謀な行動っ……ぐぅ……」

フラグビルドは極大の疲労からくる眩暈で意識を失いかけていた。
二度目の強制転移。それも自分一人で身動きすらできない状態で無理をしたフラグビルドは、血を吐くように叫ぶ。
ここは何処だろう、分からない。
とにかく意識を手放してはいけない。幸いにもツチノコダンゴの効力で気力が全快していただけに、強制転移が利用できた。

2692大いなる意思:2008/02/22(金) 22:45:17 ID:E3jW96hs0

「せっかく立てたフラグを無駄にするつもりですか!? ……あんな力技でフラグを折ろうとしないでください……ふざけてます、最悪です」

立ち上がれないまま、フラグビルドは腕の中で完全に気を失っているChain-情に怒鳴り散らした。

「………………」
「こ、こんな、こんなことして……私が喜ぶわけないじゃないですか!? 今すぐ死んだ人を追悼する話を読んできてほしいですっ……!」

あくまでフラグが折れかけたから怒っているだけ。
そう、それだけだ。それだけのはずなのだ。だが……そのフラグは自身の命を賭けてまで守る義理があったものだっただろうか。
フラグビルド自身が死んでは、フラグも何もあったものではないのに。どうしてChain-情を助けようとしてしまったのか。

Chain-情は気絶している。
莫大な力を消費したからだろう。命に別状は無い。ビッグバン・パンチは不発に終わった。
不覚にも良かった、と思ってしまった。どうして、と自問して……フラグが折れてしまうからだろう、と無理やり自分を納得させた。

「ああ、やだな……何で涙なんて出るんですか、別にフラグを立てるなら、別に、誰でもいいじゃないですか、ああ、もう……!」

そう、フラグビルドはChain-情に固執する必要は無かった。
新たなフラグを立てれば良かった。色々なフラグを立てて、立てて、立てまくれればそれがフラグビルドの目的だったはず。
なのに、どうして。
フラグビルドはChain-情が死ぬことによって、彼との繋がりを失いたくないと思ってしまったのだろうか。

本当は分かっている。
気づいていて、心のどこかでそれを否定している。だけど、そう……これは演技ではなく、本当に思ってしまったから。
こんな莫迦なことをするChain-情を失いたくないって。
他の誰でもない、他の何にでもない。Chain-情とのこのフラグを、この繋がりは無くしたくないと思ってしまったから。

「起きたら説教です。もう、絶対にそんなことしない、と誓わせてやります」

目じりの涙をぬぐい、辺りを見渡した。
どうやら市街地らしい。南の方向には温泉が見える。どうやら、人数数名を局地的にテレポートさせたらしい。
そこで気づいた。その男の存在に。
殺意の意思を真っ直ぐに向ける男の姿に。フラグビルドの表情が凍りつく。

「いやぁ、その必要はねえ。ここで死んどけ」
「……あ……」

King of 脳内補完。
強制転移に人は選べない。脳内補完も、それに巻き込まれたからこそ、此処にいるのだろう。
誤解フラグを立てた男が背後にホワイトアルバムを顕現させながら立ち塞がっていた。

2693大いなる意思:2008/02/22(金) 22:45:52 ID:E3jW96hs0

「どうして……誤解フラグは、折ったはずなのに……」
「ああ。もともと、誤解フラグじゃなかったんだよ、俺の場合はよ。だって『俺が殺された』のは事実なんだから」

俺が、殺された――――最初は意味が分からなかったが、ようやくフラグビルドは事態を飲み込んだ。
そうだ、別々のトリップで同じ作者。
そんな人たちが数人はこのロワに登場しているだろうことは、ここ数日のチャットで明らかになっている。つまり、この男も。

「そう、ですか……自分を殺したから、彼を殺す、と……」
「おうよ。もともと、俺は優勝を目指すマーダーだ。そんで俺を殺したクソ野郎を殺し返すだけだ。まったく、あいつらの使えねえこと」
「っ……」

指パッチンを使って、どの程度勝てる見込みがあるだろうか。
計算高い頭が一割以下を示している。敵はスタンド使い、全快で戦ってようやく勝算が見込めるぐらいの相手だ。
少なくとも、Chain-情を護りながら自分も歩けない状態で戦えば、待っているのは確実な死だ。

「……っ……許して……」

そんなの、耐えられない。
せっかく頑張ったのに彼ともども殺されるなんて嫌だ。そんな欝展開に自分たちが巻き込まれるなんて嫌だ。
脳内補完は笑う。その顔が、その絶望が見たかったんだ、と嘲笑う。

「嫌だね。ほぉら、痛いぞ? 歯ぁ食いしばっとけ」

愉悦の声に、ぎゅっとフラグビルドは目を瞑った。
小さな身体で気絶するChain-情を抱きしめた。それだけでは護れ切れないと分かっていても、抱きしめた。
そうして一瞬の静寂。
もはや避けられない惨劇を前にして、絶望を打ち消す風のような声が流れた。


「そうかい。だったら、あたしはアンタを止めなくちゃいけない」


全員の視線が、一人の人物に集中した。

「……てめえ」

そこにいたのは老婆だった。
突如として巻き込まれた強制転移に狼狽しながらも、やらなければならないことを見定めた意思ある存在が立っていた。
底上げ中の残月が、脳内補完からフラグビルドたちを庇うように立っていた。

2694大いなる意思:2008/02/22(金) 22:46:47 ID:E3jW96hs0

「えっ……なん、で……」
「なんで、はこっちの台詞だね。不思議じゃないだろ。仲間じゃないか、同じさ。同じロワの仲間じゃないか、助けるのにそれ以上の理由がいるかい?」

老婆は気前よさそうに笑ってみせる。
そうだ、考えるまでもない。
同じアニロワ2ndの仲間として。2ndのジンクスを打ち破るために我々は立ちあがった。ならば、助けない理由のほうがない。
それに……そんなことがなくても、残月は立ち塞がっていただろう。

「誰かのために怒れる奴だから。そんな奴が殺し合いに乗るはずがない。あたしは味方だ。だから、あたしが護ってやるよ」

そうだ、それさえ分かればいい。
Chain-情のように特定の一人のために命を投げ出し、Chain-情が死ぬのが嫌だ、と泣いたフラグビルドがいた。
誰かのために怒り、誰かのために泣けるような奴なら。
底上げ中の残月には、彼らを護るだけの理由ができる。こうして、勝ち目の薄い戦いに身を投げ出せる。

それだけ分かれば、残月はChain-情とフラグビルドの味方でいることができる!

「はっ……そりゃあ、何の冗談だぁ? アンタの支給品、さっき爆発炎上したじゃねえか。他に支給品があんのかよ?」
「まあ、ひとつはあるよ。一応確認済みの不明支給品がね」
「で? そいつは俺のホワイトアルバムを凌駕できるのか、って話だが……そこんとこ、どうなんだよ?」
「さあねえ」

不明支給品は無限の可能性を秘めている。
残月にも決して勝機がないわけではない。最悪、後ろの二人だけでも逃がすことができれば幸いだ。
ゆっくりと残月はデイバックに手を伸ばす。
果たして、その先に待っているものはなんであろうか――――-それは、決死の覚悟で立ち塞がる残月にしか分からない。

だけど。

「あ……あ……」

背後でChain-情を抱きかかえて座り込むフラグビルドは、呟いた。
計算でも、策略でもなく。
ただ、同じロワの仲間に向けて。求めていいのか、手を離されないか、それを恐れるような声色のままで。

「たすけて……くれるんですか……?」

確かに、そう言った。
計算で行動していた彼女が、失いたくない大切な人を抱えて助けを求めた。求めてくれた。
だから、残月は当たり前のように力強く頷いた。


「任せな」



【日中】【G-7 市街地】

2695大いなる意思:2008/02/22(金) 22:48:11 ID:E3jW96hs0
【静かなる 〜Chain-情〜@アニロワ1st】
【状態】:疲労(極大)、気絶
【装備】:カードデッキ(龍騎)、ゴールド・エクスペリエンスのDISC@漫画ロワ、仗助の学生服@漫画ロワ
【道具】:支給品一式×2、レインボーパンwith謎ジャム@ギャルゲロワ、CD『ザ・ビートルズ』、カエル×4、
     
【思考】:
 基本:殺し合いに反逆ゥ!そしてなるべく多くの仲間と生還し、死んだ書き手の分まで頑張る。
 0:気絶中
 1:???
 2:フラグビルドを保護
 3:シルベストリとコロンビーヌ。そして、襲撃者はどこに……?
 4:とにかく首をどうにかしたい


 ※容姿はスクライド(アニメ)の橘あすか。
 ※元々着ていた服は、転移の際の崩壊により行方知らずとなりました。
 ※どたばたしていたため、無明幻妖side.の首輪と永遠神剣「誓い」は回収し損ねました。
 ※ビックバン・パンチ。命を犠牲にして放つ最強の一撃。不発でもそれなりの破壊力ですが、一時間以上は気絶します。
 ※フラグビルドを失いたくない、と思えました。


【素晴らしきフラグビルド@アニ2nd】
【状態】:疲労(超絶大)、全身に火傷(小)、指パッチン使用不能(放送後しばらくしたら使えます)
【装備】:いちご柄のパンツ@ジャンプロワ 元々着ていた服
【道具】:支給品一式(まだ何か持っているかも)、ツチノコダンゴ(消費しました)
     コアドリル@アニロワ2nd 、泉こなたのスクール水着@漫画ロワ
     お徳用原作パロロワ全生首セット(目玉セット他に換装可能) &原作パロロワ全手首詰め合わせ今なら腕も付いてくる!
【思考】:
 基本:フラグを立てて立てて立てまくる
 0:たすけて、くれる……?
 1:とりあえず、この状況を何とかする
 2:体力が本気でやばい。死にそう。
 3:静かなる 〜Chain-情〜と素敵なフラグを立てる

 ※容姿は小早川ゆたか@らき☆すた(ただし髪の色は緑色)です。
 ※ゆびぱっちんで真っ二つに出来ます。
 ※コアドリルを使用することで螺旋力を発揮することができます。
 ※螺旋力を発揮することで強制転移が可能。その規模によって疲労の度合いが変わります。
 ※静かなる 〜Chain-情〜を本気で失いたくないと思いました。

2696大いなる意思:2008/02/22(金) 22:48:59 ID:E3jW96hs0


【King of 脳内補完@漫画ロワ】
【装備】スカウター、蟹座氏のパンティ(紺と白のストライプ)
【所持品】支給品一式、ウルトラミキサー(故障?)
【状態】健康
【思考・行動】
基本:ステルスマーダーとして参加者は皆殺し
1:いいぜ……クソガキの前に、てめえをぶっ殺す!
2:クソガキ、そこで暢気に気絶してろ。俺を殺した罪をたっぷり支払わせてやるからなぁ?
3:あのパンタローネって男。確か同じ漫画ロワだったな……ま、どっかに行っちまったんだが。
4:クソビッチ(うっかり侍)も探し出して殺してやるぜ
5:つか、マジでエニグマの紙どこ行きやがった?

※中の人がB・D・Nであったために、人肉カレーがきっかけで異世界の自分、
 およびもう一人の自分と記憶がシンクロしました
※スタンド『ホワイトアルバム』が使えます。氷を使うスタンドらしいです。詳しくはググレ。



【底上中の残月@アニロワ2nd】
【状態】全裸
【装備】なし
【道具】支給品一式、放火セット(燃料、松明、マッチ)、未定支給品×1(本人確認済み)
【思考】
基本:対主催を集めて主催者を打倒する
1:任せな
2:おっかないのは御免だけど、ここで逃げたら女が廃るってもんさ。
3:脳内補完を撃破する(殺すつもりまでは行っていない)

※容姿はドーラ@天空の城ラピュタです。
※全裸主義者なので服を着ることをいやがります。
※もちろんBIN☆BINです
※不明支給品のひとつは九十七式自動砲@ギャルゲロワでした。ちなみに空気の読めないジョーカーによって大破しています。



     ◇     ◇     ◇     ◇

2697大いなる意思:2008/02/22(金) 22:49:46 ID:E3jW96hs0



「フ……ヘハハ……」

視界には何も存在していなかった。あるのはさっきまでの光景だけだった。
さっきまでグロく殺してやろうと思っていた参加者たちは一人も残っていない。誰一人として、いなかった。
nanasinnの視界を奪った眩い光。
あれの直撃を受ければ確実に助からない、と。圧倒的な殺意と共に実感したはずなのに、nanasinnはまだ生存していた。

「ヒハハハハ、ヘヒャハハハハハハハハハハハハハッ!!!」

生きている。
助かった。究極なる本能、己の無事を喜ぶという生存意識にnanasinnは高笑いする。
そうだ、死ぬはずがない。自分はジョーカー、参加者たちを圧倒的な地獄に放り込むために存在する必要悪にして絶対悪。

制裁の名を持つエンジェルアームも全て弾き飛ばしてみせた。
静かなる条の命を懸けた一撃をも受け止めて見せた。そうだ、これが力だ。ジョーカーとしての圧倒的な力なのだ。
実態を顕現させた混沌が蠢いている。
それだけの破壊を受けて、苦しいと身体が喚いている。

エンジェルアームを消滅させた代償は全身の至るところに刻まれた傷。控えめに見ても一時間は歩くことすらできない。
ビッグバンパンチは不発とは言え、その一撃はぶよぶよとした緑色の右腕を完全に吹っ飛ばしてしまっている。
もはや、自分自身が愉快で悪趣味なオブジェになったと言わざるを得ない。
それでも、生存しているからには……彼の本能のままに動ける。参加者を全員、グロく、グロく、グロく、グロく、誰もが眉を潜める殺し方で殺せる。

「ヒャハハハハハハ、ヘハハハ、ヒャハハハハハハハハハハハハハッ!!! 生きた! 生きた、生き残ったァァァアアアッ!!!」

さあ、次の獲物はどいつだ。
一気に殺そうとしたのは間違いだった。まずは憂さ晴らしに一匹、誰もがカワイソスと言われるぐらいにグロく殺してやる。
見てるか、主催者。見てるか、俺を閉じ込めやがった奴ら。てめぇらがなる予定の人形の作ってやる。
どの毒でいたぶってやろうか。死体は取り込んでぐちゃぐちゃにしてやろう。この時間帯まで生きていたことを後悔させてやる。出遭ってしまった不幸を呪わせてやる。

2698大いなる意思:2008/02/22(金) 22:51:32 ID:E3jW96hs0

ぶつぶつ、と愉快そうにそんな独り言を呟きながらnanasinnは笑った。
身震いするほどの歓喜の叫び、故に気づけなかった。
その背後で、気楽そうに微笑みを浮かべた男の姿に。今まで静観していた最後の参入者の姿に。


「おめでとう。そしてさようなら」


じゃらん、と不気味な音がひとつ。
あ……? とnanasinnが振り返った先に、その青年は立っていた。
明らかに無力そうな竹刀を抱えて、あくまで醜悪に生き続けようとする怪物すらも許容するかのような笑みを浮かべて。

「はっ……新しい餌か、よおっ!?」
「よいしょ」

振るわれる巨大な二の腕。
ボギリッ。
だが、本当に呆気なく。腐食し肥大した左腕は何の変哲もない竹刀の一撃で叩き折られた。

「あ……? ァァァアアアアアアアアアアアッ!!!?」

右腕は消し飛ばされ、左腕は叩き折られたジョーカーの絶叫。
それすらも平常どおりの微笑みで受け流し、もう一度じゃらんと不気味な音。ようやく、名も無き怪物は事態を理解した。

「な……んだ……こりゃあ……?」
「ゲームだよ。ああ、申し遅れたね。僕は速筆魔王LX、アニロワ2ndの書き手だよ。さぁて、何が出るか……と、これはこれは」

背景が黒く染まっていく。
闇の中に引きずり込まれるような恐怖。突然の事態にnanasinnの顔が青ざめた。
LXはあくまで冷静に、そして冷酷に告げた。

2699大いなる意思:2008/02/22(金) 22:52:18 ID:E3jW96hs0

「この虎竹刀は今までのパロロワに出てくる作品から、ゲームをひとつ選択するんだけどね。今回はこれらしいよ?」

差し出されたのは天秤だった。
ゲームの道具として用意されたのは遊戯王に登場する、あの千年アイテム。
ジャンプロワからの出展らしいが、LXにすら対象は指定できない。だけど、今回に限ればLXは絶対の自信を持っていた。
向こうの合意は不要。必要に迫られるような世界の変貌。

「この天秤、右と左の……どちらに傾くかな?」
「み、右……」

カタン、と。
nanasinnが答えたそのとき、両方に何も乗っていないはずの天秤が左に傾いた。
まるでその言葉に呼応するかのように。

「残念、はずれ」
「い、いや、違った! 左だっ、左の間違いだったっ!」

くっくっく、とLXは笑い続ける。
慌てふためき、混乱する怪物のそんな行動をこそ歓迎するかのように。
カタン、ともう一度。
今度は何も乗っていないはずの、しかも左に傾いているはずの天秤が右に傾いた。

「正解は、君の指定する答えと逆方向でした〜」
「は……?」
「空気も読まずに登場した代償は大きいってことだよ。この天秤は、自重しろという持戒によって結ばれている……」

その言葉が合図となったのだろうか。
突如、汚物のような怪物の周囲の闇が一際黒く染まっていく。まるで対象全てを飲み込もうとするブラックホールのように。
それは明確な意思を持ってその存在を喰らい尽くそうとしていた。

「ふざけんな……そんなイカサマ、ゲームじゃあ……」
「ああ、そうだね。ゲームじゃない。こんな異教徒裁判はこれっきりだよ。次回からは普通のゲームに戻るんじゃないかな?」

宗教裁判のようなものだ。
高熱で真っ赤になった鉄の棒を罪人に握らせる。もしも無罪ならば、全知全能なる神様が火傷から守ってくれるのだ。
だから火傷を負えば罪人。神に背いたから神は罪人を助けない、という難癖をつけた絶望的な神明裁判。
もしも火傷を負わなければ、それは悪魔と契約したからだ、と判断される。これこそが、逃れられない破滅。異端裁判のような終焉、罪人の末路。

2700大いなる意思:2008/02/22(金) 22:53:06 ID:E3jW96hs0

「てめっ……」
「まあ、気にすることはないよ。言うなればエンジェルアーム同様……大いなる意思のため、と思うべきかな?」

大いなる意思。
決してジョーカーを……途中参入のキャラを認めないという空気が、その正体だった。

「別に何Endでも構わないけどね、まだ君たちにでしゃばってほしくない。いくら何でも追加されていっちゃ堪らないよ……ってことで」
「ちょ、待――――――」

待て、と言いたかったのだろうか。
だがその言葉は最期まで綴られることもなく、消え失せた。

「さようなら〜」

賭ける対象は『存在の消滅』。
いかに絶大な力を得たジョーカーとはいえ、満身創痍の無名の怪物に抵抗は許されなかった。
悲鳴すらも残らない。世界はそのまま怪物の存在を飲み込み、その全てを消滅させた。

名も無き怪物は死んだ。
世界に存在するありとあらゆる殺害方法のいずれにも該当しない。ただ、消滅させられた。


「……さて、脱出フラグを積み立てていくかな。とりあえず、仲間を集めないとー」


ジョーカーを葬った青年はからからと笑いながら歩き出す。
歩き去った先にジョーカーがいた痕跡は何一つ残っていない。彼は、自分のやりたいことを為すこともできずに消滅した。
最後の後始末を担当した青年は、何でもないかのようにロワを楽しむ。

彼の名は速筆魔王LX。
ロワそのものを肯定し、楽しむ奇人にして鬼人なり。何故なら彼は魔王なのだから。


【nanasinn@テイルズロワ 死亡】


【日中】【D-3 市街地】
【速筆魔王LX@アニロワ2nd】
【状態】健康
【装備】虎竹刀with千年パズル。
【道具】支給品一式。
【思考・行動】
1:脱出フラグを積むため、また首輪を探す
2:他の対主催陣を探し、ゲームに乗った強敵を撃破していく
3:可能ならもう一つ首輪を回収して、脱出フラグを積む
4:でも別に何エンドでもおっけー

※容姿は相羽シンヤ。声子安。
※虎竹刀with千年パズル:今までパロロワに参加したことのある作品の原作で登場、紹介された
全てのゲームを召喚できる。ただしこちらから選択はできない。賭ける対象は武器使用者が選ぶ。
合意は不必要。
※蟹座氏の秘部を見ましたが、紳士なので公言しません。
※身体能力はジョーカーすら凌駕します。
※エンジェルアームは完全に消滅しました。

2701 ◆0Ni2nXIjdw:2008/02/22(金) 22:54:33 ID:E3jW96hs0
投下完了。
うん、自分に一番足りないものは「はっちゃける」ことだと思うんだよ。
ではでは、失礼しましたー。

2702貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/22(金) 23:34:41 ID:86tHgudQ0
投下乙です。
いや、素晴らしいの一言に尽きる内容でした。
それと、自分の没ネタからビッグバン・パンチを
リサイクルしていただいてありがとうございます!

2703貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/22(金) 23:44:34 ID:FUZVVE0k0
投下乙です。
うん、十二分にはっちゃけてませんかw?
お姉さまとかお姉さまとかw
まあそれはさておき大作乙です。
強いなージョーカー。 そしてそれよりも恐ろしく強いLX氏とw
しかし残月かっこいいな。

2704貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/22(金) 23:45:44 ID:W44dW7d6C
投下超GJ!

ただひとつだけ指摘を、お姉さまの容姿は前作で咲夜になってたはず…

2705貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/22(金) 23:52:35 ID:xK2ljqa.O
乙!
くぅ、このカオスながらも熱い展開……これだから書き手ロワはやめられないぜ!
ところで、ルーキーとパンタは、二人で結託してお姉さまを楽しめばいいんじゃなかろうか?否、ぜひともそうして欲しい!

2706かくて勝者は不敵に笑う(1/6):2008/02/23(土) 00:16:31 ID:GSbOFkSc0
「あの野郎ぉおおおおおおおっ!!!?」
叫び倒すサプライズパーティー。
そしてそれをステルス鬼畜だと誤認した、三人のチーム。
敵をマーダーだと認識したネコミミストも、ステルス鬼畜に怨み積もった幻夜も迷わない。
666に至ってはむしろこの誤認すら都合が良い。
一対三の暴力がサプライズパーティーを呑み込もうと押し寄せる。
「終わりだ、ステルス鬼畜!!」
それが誰の叫びかは判らない。だがその言葉が彼の怒りに火を点けた。
(終わり? 一対三にというだけで? 『数で俺に敵うとでも?』
 そんな勘違いは正してやるのが道理、躾てやるのが道理だろうよ!)
だから。
「嘗めるな!」
たった一声でその突撃は断たれた。

一対三。普通なら勝ち目が薄い戦力差だ。
バトル・ロワイアルにおいて数の差はそのまま戦力差に直結する事が多い。
もちろん足手まといや完全な一般人はその数に入らない事が多い。
だが『戦える者』の数の差を覆す事は難しいのだ。
それが許されるのは一部のトップマーダーだけだ。
だから、数の差は多くのロワによって圧倒的な戦力差として襲い掛かる。

「な、なんだ!?」「馬鹿な、これは……!」
サプライズパーティーは心地よい驚愕を耳に聞き、愚かしい者達を嘲笑った。
「別に良いさ。おまえ達が俺をステルス鬼畜だと思おうと、サプライズパーティーだと思おうとな」
それは勝利宣言であり、自らを誇る言葉だった。
岸田洋一の姿をした彼は、やはりどちらにせよ鬼畜な様子で言う。
「元より俺は自らの愛を示すために、自己満足の為だけに書き続け、それをやり通す男。
 他の者が俺をどう評価し名付けるかなどその副産物にすぎん。
 サプライズパーティーの名は気に入っていたが、ステルス鬼畜と誤認するならそう呼べばいい」
その声は相手に届き、だがその言葉を理解する猶予は無いだろう。
何故なら戦況は一瞬で逆転していたのだから。
「証はこれだけでいい。そう、これが俺の生き様、いや書き様の証だ!」

痕の柏木姉妹が居た。柏木耕一も柳川祐也も居た。
雫の毒電波兄妹が居た、To Heartの格闘家と魔女の姉妹が居た、WHITE ALBUMのアイドル達が居た。
ルートによってバランスブレイクを謳われるRoutesの那須宗一も居た。
うたわれるもののハクオロやディーも居るし、アルルゥはムックルとガチャタラを従えて現れた。
KANONの川澄舞が剣を構え、AIRの国崎住人が拳を固め、ナイトライダーのルミラも姿を見せた。
ハカロワ1stにも3rdにも姿を見せないクーヤすら人型兵器アヴ・カムゥを駆って現れた。
未完結のハカロワ2ndには出ていたからだ。
ハカロワシリーズに登場するありとあらゆるキャラクター、その総勢は概ね二百程に達する。
約二百対三、それが今の戦力比だった。

「こんな……こんな出鱈目……!」
剰りに圧倒的すぎる力にネコミミストは絶句していた。
葉鍵キャラを出していたのはサプライズパーティーの方ではなかったか、など考えている状況ではない。
これは敵だ。目の前の男は。
目の前の、目を疑う程の大軍勢の向こうにいる岸田洋一の姿をした男は、敵だ。
それも絶望的なまでに、強い。
「こんな奴、一体どうすれば……」
男の一声でこの軍勢はその力を振るうだろう。
倒しきる事など出来るはずがない。可能性が有るとすれば逃げるしか――
「生憎と、退路も塞がれたようだ」
「そんな……!」
666の声にネコミミストは背後を振り返る。そこには既に軍勢が回り込んでいた。
一定の距離を保ち、三人の獲物を牽制する。
おそらくは退路を塞ぐだけが目的なのだろう、間合いよりも幾分遠いであろう距離を保っている。
「……だが、おかしい」
「ほう、貴様もそう思うか」
666が呟き、幻夜もそれに同意する。

2707かくて勝者は不敵に笑う(2/6):2008/02/23(土) 00:16:57 ID:GSbOFkSc0
何がと問うネコミミストに、666は答えた。
「統制が取れすぎている。先走って襲ってくる者が居ないし、喋りすらしない」
幻夜も頷く。
「先程の神奈もそうだ。あれは葉鍵ロワ1stのラスボスだったはずだ。
 だが独自の目的で動く事なく、呼び出した男の求めに応えた。その意味が判るか?」
「え…………わ、判らない」
「仕方のない奴だな。つまりこやつらは書き手たる奴が指示せねば動かんという事だ」
それは単純なる論理。
呼び出した男が指示しなければ動かず、男が死ねば共に消える。
「これでは作中の登場人物とは言えぬわ。ただの駒だ」
「登場人物の動きも生死も書き手が握る物だが、確かにその通りだ」
ステルス鬼畜に翻弄されたサプライズパーティーが僅かに捻れた一歩の歪み。
何故踏み外したのかなどネコミミスト達には判らない。
「だ、だけどどうすればいいんだ!?」
そも、その過ちはこの事態を打開する役に立つのか。
条件は変わらない。ネコミミスト達は参加者と同等の力を持つ二百の軍勢に囲まれている。
頭を取れば終わるといえど、どうやってそれを為す?
この状況の何処に勝ち目があるというのか。

「この結界を破る手段は有るか?」
幻夜が問う。
周囲の世界は全てがモノクロに染められていた。これが軍勢を呼び出し維持している固有結界だ。
それ即ち目の前の相手がステルス鬼畜ではなくサプライズパーティーだという事だが、
ステルス鬼畜と呼び敵視し、それに相手が激昂し敵対してしまった後では意味が無い。
「一応無くはないが、時間が掛かりすぎる。まず保たないだろう」
「奴の懐に飛び込む手は?」
666は頷いた。
「有る。この環境が幸いだ、始めてから十秒足らずで出来る。だが、それだけで私は疲れ果てる」
「つまり支度を始めた瞬間に襲い来る軍勢から僅か数秒を稼ぎ、誰か一人を送り込めば良いのだな」
幻夜は不敵に笑った。
「実に容易い」
「なら私が時間を稼ぐ!」
威勢良く言うネコミミストを、幻夜は嗤った。
「たわけ、ネコミミスト。我の見立てでは、貴様では一秒の時間も稼げぬわ」
「私だって戦える! 私だって……」
「アニロワ2ndの有力な書き手の一人であり、衝撃のアルベルトの衝撃波を持っているのだから、か?」
ネコミミストの言葉を幻夜が継いだ。そしてその上で、嗤った。
「だがこのバトル・ロワイアルにおいて貴様は、まだ非力な一人に過ぎぬわ」
「く……っ!!」
否定できない。
衝撃のネコミミストに力が有れば地球破壊爆弾にスクライドで出来ている書き手を殺されずに済んだ。
熱血王子に666の片目を切り裂かれずに済んだ。
もっと力が有れば……!
「だから貴様に手柄をくれてやるのだ、光栄に思うが良い」
幻夜・フォン・ボーツスレーは傲慢に宣った。
「我が時間を稼いでやる。貴様は666の力で奴の懐に飛び込み、一撃で仕留めろ」
「幻夜……! とどめを私がなんて……」
「心配するな、我とて僅か数秒で殺されなどせぬわ。
 我にはゲドー・ザ・マジシャンに託された首輪フラグが有る。これを昇華させるまで死ねん」
それにな、と幻夜は笑った。
「貴様が投下したあの没SSを覚えているな」
「あ、あれは……その……」
『ネコミミスバルの旅 〜the beautiful world〜』
衝撃のネコミミストがその名で呼ばれる所以。
スバルがネコミミを生やして、何故か色んな理由で同じくネコミミの生えた多数の参加者と擦れ違いつつ進み、
挙げ句に主催の目的もネコミミ万歳でしたでバトル・ロワイアルが終わる史上最大の怪作。
これを没スレに投下したネコミミストは、没の理由をこう書き綴っている。
『さすがに五十人も生還するのはちょっと…ねぇ?』
その作品の名を上げて、幻夜は笑った。

2708かくて勝者は不敵に笑う(3/6):2008/02/23(土) 00:18:33 ID:GSbOFkSc0
「五十人生還とは我も恐れ入った! はははっ、なかなかに悪くなかったぞ!」
「え……?」
これ以上なく輝かしい笑顔を浮かべて見せた。
まるで太陽のように眩く、そして神々しく。
「貴様ならば我ら三人の命運を託すに足るわ」
その横で、666も頷いた。
君に託すと。
そして二人の声が、重なる。
「「やってみせろ」」
ネコミミストは、答えた。
「…………応!」

     ◇ ◇ ◇

「遺言は終わったか?」
サプライズパーティーが問う。
ネコミミスト達はステルス鬼畜と誤認していた。だが、そんな事にもう意味はない。
ネコミミスト達の命を刈り取ろうとする言葉に、ネコミミストは応えた。
「遺言じゃない。私達は、誰一人欠けないで貴様を倒す」
サプライズパーティーの表情が歪む。歪な、笑みに。
そして応えた。
「ならば……死ね! 俺の書き様に破れて散れ!」
軍勢は一斉に襲い掛かった。

「我を嘗めるなよ」
荷物をそこに捨て置き、幻夜・フォン・ボーツスレーは悠然と歩み出て手にある大剣を振るった。
巳六。主人以外が持てば凄まじい重みで持てず、主人すら両手で振るう巨大な剣。
だがギルガメッシュと同じくあらゆる武器を使いこなす幻夜はそれを片手で振るった。
狩猟者、鬼の力を発現させ異形の姿で襲い来る柏木耕一と柳川祐也の爪を、弾いた。
その瞬間に概ね人型のまま異能を振るう女の鬼、柏木千鶴が妹の梓と楓を引き連れ懐に飛び込む。
鬼達が奏でる鬼神楽。無数の爪撃が幻夜を襲った。
だが幻夜の纏う黄金の鎧は強靱な防護を誇る鉄壁の防具。胴を裂き腹を刻んでも殺しはきれぬ。
更に一転した幻夜の大剣が鬼の一族を薙払った。これも殺しはきれぬ。それでも次撃は間に合うまい。
一秒が経過。
突如、幻夜の脳に凄まじい激痛とおぞましい映像が流れ込む。
雫の毒電波使い達が送り込む毒電波。原作最大の規模においては町一つを呑み込む精神攻撃。
僅かな間だと容易く耐えて、笑ってみせる。全ての毒電波は彼一人に集中され、666とネコミミストを襲わない。
二秒が経過。
To Heartの来栖川綾香が蹴りを、松原葵が掌底を叩き込む。To Heart2から朝霧麻亜子のドリルキックまで付いてくる。
衝撃に退くのは僅かに左足一歩。更に右足が宙を浮き、幻夜の体が更に一転。
人外の力を誇る渾身の後ろ回し蹴りが薙払う。
三秒が経過。
だが今度こそ崩された体勢にクーヤの駆る純白のアヴ・カムゥが巨大な長剣を振り下ろす。
「ぐ……っ!!」
辛うじて大剣巳六を翳し受け止め、しかし抑え込まれた。
四秒が経過。
そこに無数の力が降り注ぐ。
うたわれるものの法術。MOONの不可視の力。まじかるアンティークの魔法。ナイトライターの吸血鬼達の力。
一瞬で黄金の鎧に無数のひび割れが走り幾つもの穴が穿たれる。
五秒が経過。
Routeの那須宗一が銃を連射する。一射目は鎧を穿ち二射目が重なり鎧を破り、三射目が重なり心臓上の肋骨をへし折り逸れた。
続けて右からAIRの平安武士・柳也が古風な刀を、左から誰彼の強化兵・蝉丸が跋扈の剣を、
アヴ・カムゥから飛び降りてきたKANONの魔物を狩る者・川澄舞が上方から剣を突き刺した。
無数のヒビに覆われた鎧が、砕け散った。幻夜は血反吐を吐いた。
六秒が経過。
柳也が、坂神蝉丸が、川澄舞が跳び退く。クーヤのアヴ・カムゥも退き、幻夜は力無く膝を付く。
そこに影が落ちた。
見上げるとそこにはハクオロとディー、二柱のウィツァルネミテアが百mに及ぼうかという巨大な体を震わせていた。
二撃の神の拳が幻夜を叩き潰さんと降臨し――
七秒が経過。

2709かくて勝者は不敵に笑う(4/6):2008/02/23(土) 00:20:24 ID:GSbOFkSc0

「懐中時計型航時機『カシオペア』起動」
自らの出した全ての支給品を何とか使いこなす程度の能力で辛うじて計算及び操作を実行。
サプライズパーティーの張った、固有結界内に満ちた膨大な魔力を利用。これが彼女の勝機。
派手好き地獄紳士『666』、衝撃のネコミミストと共に僅か二秒間の疑似時間停止を達成。
「うあああああああああああああああああああああああっ」
ネコミミスト、絶叫と共に足から衝撃波を噴射。
20m強の距離と無数の障害を一秒で詰め、一秒で落下しながら手に衝撃波を充填して狙いを定める。

――そして時は動き出す。

ネコミミストの右手から衝撃波が放たれる。前触れの無いほぼ零距離からの限りなく零秒に近い攻撃。
避けられるはずなどなかった。
(ぁ…………)
だが、外した。
空中の不安定な姿勢からの一撃は顔面の半分を抉るだけに留まってしまったのだ。
サプライズパーティーが仰け反り距離が離れ周囲のハカロワ軍勢がネコミミストを視認し勝機が失われ――
「まだっ」
突きだした左手が、サプライズパーティーの喉元を掴んだ。
勝利を掴む左手。
零距離から放たれた衝撃波は、今度こそサプライズパーティーの頸部を吹き飛ばした。

同時に、二柱のウィツァルネミテアの拳が大地を穿った。
次の瞬間、固有結界により顕れていた全ての存在が消え去った。

     ◇ ◇ ◇

勝因を語るならそれはきっと、サプライズパーティーが数の差を埋められなかった事だろう。
サプライズパーティーは確かに戦力の差を埋め、それどころか大幅に逆転する事が出来た。
だがそれはあくまで戦闘員の差。
呼び出された増援はあくまでサプライズパーティーの力として呼び出されたのに過ぎなかった。
バトルロワイアルにおいて集団が強くなるのは、そこに多くの運命<フラグ>が集うからである。
バトルロワイアルの残酷に抗う為の運命<フラグ>が個々に覚醒を、奇跡を、ほんの僅かな偶然を。
それすら無くとも一人一人の行動が小さな何かを為し、積み重なって大きなうねりとなるのだ。
サプライズパーティーの数は結局の所とてつもなく強大な力でしかなかった。
それはネコミミスト達三人を打ち破るには、何かが欠けた力だったのだ。

     ◇ ◇ ◇


「幻夜ぁ!!」
戦いを終えたネコミミストが慌てて駆け戻る。
そこに広がっているのは無惨な、血溜まり。
幻夜・フォン・ボーツスレーの末路を示す光景。
あの黄金の鎧は無惨に砕け散り、その下の傷を露わにしている。
胸には二閃の切り傷が走り、腹はミンチのように刻まれていた。
頭部のありとあらゆる穴からは血が噴き出し、顔面を血塗れにしていた。
血塗れの顔面は、垣間見える全身の肌は、打撲痕で醜く膨れ上がっていた。
焼かれ、凍り付き、引き裂かれ、打たれ、焦がされ、傷付いていた。
銃弾に折られた肋骨が突き出ていた。
血が吹き出る両脇腹の傷は内臓を幾つも刺し貫き、右肩口から刺し貫かれた傷は脊髄も肋骨も打ち砕いていた。
最後まで剣を手放さなかった両腕は双方とも曲がる筈がない場所で何度も方向を変えていた。
最期まで生き延びるために足掻き退こうとした足は、神の拳に叩き潰され跡形も無く砕け散っていた。
大剣巳六は無数のヒビを浮かべながらも、主の意志を示すように大地に突き立っていた。
そう、幻夜は屈してなどいない。
幻夜は笑っていた。

2710かくて勝者は不敵に笑う(5/6):2008/02/23(土) 00:22:51 ID:GSbOFkSc0
「――よくやった」
ネコミミストは思わず涙を流す。
「やってない! わたしが、わたしがあそこで仕留め損ねなければ、一撃で仕留めていれば!
 あの一瞬が無ければあなたは――」
「そうすれば……彼が生き残れたとでもいうのかい?」
「666……」
よろよろと666が歩み寄る。
流れ弾で負傷したのか脇腹から血を流しているが、どうやら手酷い怪我は無いらしい。
「よく見たまえ、彼の傷を。例え最後のあの巨拳を受けずとも足が残っただけ、どちらにせよ助かるものか」
「で、でもそんな、幻夜は殺されなどしないって……」
ネコミミストは再び幻夜の姿を振り返る。
そこにあるのはきっと、酷い惨殺の図。あまりにも無惨に殺された犠牲者の絵。
(え…………?)
そう言うには、幻夜の顔は余りにも太々しかった。
まるで目の前に有る死の暗闇を吹き飛ばすかのように。
「馬鹿め……我らは、勝ったのだぞ。泣くな、笑え、胸を張れ……ネコミミスト!」
「幻夜! でも、あなたは殺されて……」
「まだ……生きておるわ…………たわけめっ」
幻夜は不敵な笑みを浮かべて見せた。
「我は奴に殺されて死ぬのでは、無い。奴を倒し、戦いを勝利で終え……その後で、死ぬのだ」
「そんな…………」
幻夜が死ぬ理由はサプライズパーティーとの戦いで受けた傷が原因だ。
だが戦いの中では死んでいない。戦いが終わってから死んだ。
だから殺されたのではない。
それは屁理屈に過ぎない。
ネコミミストは理解した。最初から幻夜は死を覚悟し、受け入れ、その上で足掻いて見せたのだと。
ウィツァルネミテアの拳より前に受けた傷だけで幻夜は既に致命傷だった。
それでもその場で殺されまいと生き足掻き、僅かな時間を生き延びて見せた。
奴に、負けなかった。
その成果を証明するものは、ここに一つ有った。

『アロー、アロー。みなさんお元気ですか? R-109の放送の時間がやってきました』
昼の放送が始まった。
3人は身動き一つせずにその放送を聞いた。
最後まで、聞き終えた。
その中に幻夜・フォン・ボーツスレーの名は、無かった。
それが彼の勝利の証だった。

「我…………ら……カハッ」
「ああ。私達は、勝ったのだ」
改めて勝利宣言をしようとして血を吐いた幻夜の言葉を継いで、666が宣言した。
「私達は……勝ったのだ…………」
「幻夜……666…………」
ネコミミストは気付いた。
666の残された左目が涙を流している事に。
666は悲しげに、それでも誇らしげな笑みを浮かべている事に。
「私達の自分の命はまだ残され、二人の仲間が居るのだ。第二回放送さえ乗り越えた仲間だ。
 君達にはまだ同胞も居る。私達はまだ多くを残しているんだ、それを喜べばいいさ」
「あ…………」
ネコミミストは気付いた。
今の第二回放送で、LSロワのボマーの名が呼ばれた。
その前の第一回放送では温泉少女と深淵の名が呼ばれた。
LSロワで残ったのはもう、666一人だけだ。
(そうだ……目の前の幻夜や、あの男達だけじゃない。このロワの何処かで何人、何十人も死んでいるんだ……)
その事に気づき、ネコミミストは打ちのめされた。
666もきっと、第一回放送でLSロワの仲間が残り一人になって平静で居られたはずはないのだ。
それなのに666は焦って動き回ろうともせず、ネコミミストの事を気遣い隠れて逃げ延びた。
冷静に、この島で会ったばかりの仲間が死地に踏み入るのを止めてくれた。

2711かくて勝者は不敵に笑う(6/6):2008/02/23(土) 00:23:32 ID:GSbOFkSc0
「わたしにはまだ……多くが残っている……」
ネコミミストの独白を聞いて、倒れ伏している幻夜が再び、もう一度笑って見せた。
こみ上げる血の塊を飲み下し、死の寸前の体を揺らして。
「そうだたわけめ……だから我らは、上を向いて笑えばいいのだ…………」
ここに勝者有りと傲慢に。
「くはっ、はは……はははははは……ははは…………はは……は……」
高らかに幻夜が笑い。
「ふふ……くす、ふふふ、ふふ…………」
666は涙を拭うと、ネコミミストの肩を抱いて静かに優しげに笑い。
「う……ぐすっ…………う……」
ネコミミストは。
「う……く……くく……あはっ、はは……うっ……はは……あはは…………」
涙をぼろぼろと零しながら、それでも笑った。

かくて勝者は不敵に笑う。

【サプライズパーティー@葉鍵ロワ3 死亡】
【幻夜・フォン・ボーツスレー@アニロワ2nd 死亡】

サプライズパーティーの永遠神剣第六位『冥加』と支給品一式が転がっています。
幻夜・フォン・ボーツスレーの巳六@舞-HiMEがヒビだらけで地に突き立っています。
幻夜の身につけている黄金の鎧@Fateは砕かれています。
支給品一式×2、未定支給品×1(本人確認済み)、未定支給品×2(未確認)、ゲドー・ザ・マジシャンの首輪は、
戦闘前に置いているので無傷のまま残っています。

【日中】【E-5 学校跡地】
【衝撃のネコミミスト@アニ2nd】
【装備】:拡声器
【所持品】:支給品一式
【状態】:精神的に消耗。
【思考・行動】
基本:殺し合いに乗るつもりは無い。前に進む。
1:スクライドの遺志を継ぎ、牙なき人の剣になる。積極的にマーダーキラー路線。
2:666を今のところ信用。
3:熱血王子と再会したら、今度こそ彼を止める。
※衝撃波を使えます。掌からだけでなく、足の裏からも出せるようになりました。
※「大あばれ鉄槌」を幼女好きの変態と勘違いしています。

【派手好き地獄紳士666@LSロワ】
【装備】:ゲート・オブ・バビロン@アニロワ2nd(※特殊仕様)
【所持品】:支給品一式
【状態】:右顔面に刀傷(右目失明)、身体中に細かい掠り傷。脇腹に浅い傷。魔力消費(小)。
      精神的には割と充足。
【思考・行動】
基本:衝撃のネコミミストを地獄に落とし且つ狂わせずに生かす。ネコミミスト心から愛してる。
0:ネコミミストの仰せのままに。
1:ネコミミストを護りつつ、出来るだけ精神的に傷付く方向に陰ながら誘導する。
2:ネコミミストに愛されるよう務める。
3:死ぬ時は出来るだけネコミミストの心に傷を残す形で死ぬ。
※ゲート・オブ・バビロンで出せるアイテムをどれも『一応は何とか使いこなせ』ます。
 エリクシールは1本使用済みです(残り1本)。
※「大あばれ鉄槌」を(ロリ的に)危険人物と断定しました。

2712貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/23(土) 00:24:43 ID:GSbOFkSc0
投下終了。
敵味方死んだけれど、熱血。

2713風雲?ロワ本編?何それ?:2008/02/23(土) 01:48:00 ID:IugLH/SU0
第五弾かな?投下

2714風雲?ロワ本編?何それ?:2008/02/23(土) 01:48:26 ID:IugLH/SU0
戦いは完全に膠着状態に陥っていた。
『破棄すべき全ての手(リスト・ブレイカー)』
銀目銀髪の高町なのはの顔に、ウルトラマンレオの体、声は赤木しげるという、
なんともカオスな外見の熱血王子がその宝具を開放し斬りつける。
短刀をはじき返すは影の繋ぎ師。
こちらは普通にロボライダーの外見と能力だが、
実はデフォルトの変身体はシャドームーンというそれはそれでカオスな方である。
とはいえまだ誰もその事実に気づいていないのだが。
「おかしいな、本来なら手首が吹っ飛ぶはずなのに。なんで無傷なんだろ?」
リスト・ブレイカーはその外見とは違い、能力的にはむしろゲイ・ボルグの第一解放に近い。
いかな場所に放った攻撃とはいえ真名を一度開放すれば手首を攻撃したことになるのだ。
フェイントにはもってこいのうえ連撃も利く中々優秀な力である。
しかし今回は相手が悪すぎた。
ロボライダーは硬い。
とにかく硬い。
ぶっちゃけこのままじゃ宝具の方が刃こぼれして折れるんじゃというくらい硬い。
熱血王子のイライラは溜まっていく一方である。
ただ苛立っているのは影の繋ぎ師も同様であった。
「おのれクライシス!参加者同士を潰し合わせる気か!」
罪無き人間が騙され自分に刃を向けていると思い込んでいる繋ぎ師は、
彼がクライシス帝国の手下と見なしている変身の力を有する怪人◆6/WWxs901に対し怒りの炎を燃やす。
実際のところクライシス帝国は関係ないし、熱血王子もバリバリの殺人未遂犯だが、
まあ罠に嵌められたことについてだけでも正解な分、各二次創作の光太郎よりはマシだったりする。


王子にとって幸運だったのは影の繋ぎ師に殺意がなかったことだ。
ロボライダーは何も重装甲が取り柄なだけのライダーではない。
RXのRXの1.25倍のパンチ力に加え、更に範囲∞かつホーミング機能つきのハードショットも発射できるのだ。
何それ?どこのチート?いえいえ公式設定です。
「っちい!」
熱血王子自身もそのことは嫌なほど理解している。
開戦早々に避けた一撃が大木を薙ぎ倒したのは忘れたくとも忘れられない。
ならばどうする?
何故か奴は自分の無実を訴えている。
どういう意図かはわからないが納得したふりをして武器を納めれば、
無駄な消耗を避けられるかもしれない。
悪くない手である。
戦闘中に聞き取った放送からも彼が手を出さずとも参加者が減り続けているのは明白だ。
ここで退いても誰かがかってにこいつを倒してくれるのではないか?
むしろ今とれる最良の手段に思える。

2715風雲?ロワ本編?何それ?:2008/02/23(土) 01:48:48 ID:IugLH/SU0
なのにどうしたことだろう。
王子の心は理性を抑え、訴え続けるのだ。

それでいいのか、と。

復讐を誓い、新たにサラマンダーにならないことを誓った矢先に和解に持ち込むだと?
「……ノゥだ。絶対にノゥだ」
ロワ本編では美形ことジグマールですらケンシロウに対し漢を見せたのだ。
ここで退いては地獄で自分が殺したアーカードにも笑われよう。
ならば押し通るのみ。
反動がきつい?
はっ、命を賭けるからこそおもしろい!
いささか早いがジョーカーを切らせてもらう!
「《破棄すべき全ての手(リスト・ブレイカー)》ブラストモード……」
主の意を受け、『破棄すべき全ての手』が禍々しい光を放ち始める。
刈り取れと、ありとあらゆる首を刈り取れと唸りをあげる。
しかし王子はその狂おしいまでの誘惑にすら反逆する!
「全力、全壊!」
両足首、両手首、両乳首、首の合計7箇所に同時に放たれる高速無比の斬撃。
いかにも鈍そうなロボもどきが回避しきれるとは思えない。
だが今まで一度も通らなかったあの強度、ただの一撃づつでは貫けまい。
故に束ねる。
意外と空気を読むパロロワだ、あの手の奴は間接が脆いというお約束は健在のはず!
「《破棄すべき全ての首(ネック・ブレイカー)》ーーーッ!!!!」
狙うは、首ただ一つ!
本来の在り様を捨ててまで男は技を行使する!
まさに多重次元屈折現象。
つまりは連続攻撃では無い、一瞬の時差すら存在しない同時攻撃!

単純計算で7倍の威力を誇る命を賭けた一撃が、
ついに無敵の防御力を上回り影の繋ぎ師の首に王手をかけ、
「待て、俺は!」
弁解の言葉を紡がせることもなく跳ね飛ばす。

ザシュっと肉が切れる音と、そして、ボトンと地面に落ちた音。
結局、影の繋ぎ師は、迷走という檻から抜け出すことはできなかった。

太陽の光が首の無い体を晒す中、勝者は笑う。
「勝ったぞ、俺は、ついに一人殺したぞ!」
彼は知らない。
皮肉にも彼が殺した書き手の死に方が、
ライダーロワ本編のシャドームーンの最後の姿をなぞるかの様だったことを。
彼は知らない、

2716風雲?ロワ本編?何それ?:2008/02/23(土) 01:49:12 ID:IugLH/SU0



【影の繋ぎ師@ライダーロワ 死b「やってないって言ってるだろがああああ!!」あれ?


ぶっちゃけ光太郎のチートさはまだまだ先があるということを♪

いきなりしゃべりだした首を前に唖然とする熱血王子。
そんな彼を気にもとめず、なんか二つに分かたれた首と体がゲル状の物体に変化する。
おおきに、さいきんどうでっか? ぼちぼちでんな。
気のせいか挨拶まで交わしだすスライムAとB。
んでもって、ひっついた。
がったいした。


「俺は怒りの王子、バイオライダーーー!!」
青と銀と赤のカラーを身に纏い、人型を取り戻した男は天まで届けと宣言する。
もちろん熱血王子の返す言葉はただ一つ。

「そんなのありかああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」

「ありだああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」

「ってか逆切れでパワーアップすんじゃねえええええええええええええええええええええええ!!!」

「俺はやってねえええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!」



カランコロン♪


尚、首チョンパやゲル化のドサクサにより、影の繋ぎ師の首輪は外れていたりするのだが、
当事者二人は全く気が付いていなかったりする♪





【日中】【C-8】
【熱血王子@漫画ロワ】
【状態】:疲労(大)、全身に軽い打撲、顔面に小ダメージ
【装備】:『破棄すべき全ての手』ウルトラリング
【所持品】:支給品一式
【思考・行動】
基本:手首と言わず全ての首を狩り尽くし、復讐を果す。
1:俺の努力はいったい……。
2:目の前の仮面ライダーありえねええええええ!!
3:666とネコミミストと会ったら今度こそ手首そして全ての首を狩る。
4:逃げていった最速の人達をもう一度見つけ出し、手首そして全ての首を狩る

※変身後の姿は銀目銀髪の高町なのはの顔に、ウルトラマンレオの体、声は赤木しげるです。
※変身前は、ウルトラマンメビウスのヒビノ=ミライの様な容姿です。
※第一回放送の前半を聞き逃しました。
※【『破棄すべき全ての手(リスト・ブレイカー)』@漫画ロワ&誤爆スレ】
 一話で二人の人間の手首をはねた逸話に由来する宝具。
 真名を解放しながらの攻撃は、全て手首を斬り飛ばす一撃となる。
 ちなみに外見はfateのルルブレ。存在は誤爆スレと漫画ロワ毒吐きを見て勝手に作った。
 ブラスターモード『破棄すべき全ての首(ネック・ブレイカー)について:
 このモードは『破棄すべき全ての手(リスト・ブレイカー)』の強化版。
 真名を解放しながらの攻撃は、相手の首と名のつく場所、つまり両足首・両手首・両乳首・首の合計7箇所に高速無比の斬撃を同時に繰り出す。乱発すると身体がもたないので、最後の切り札的な位置づけです。
※【『ウルトラリング(書き手ロワ特別バージョン)』】
 透明な麻雀牌がついた指輪と、レイジングハートがついた指輪の二つで一つ。
 この二つを合わせる事により、戦闘形態へと変身を遂げる。



【影の繋ぎ師@ライダーロワ】
【装備】:サタンサーベル@ライダーロワ、シャドーセイバー@ライダーロワ
【道具】:カラオケマイク@現実
【所持品】:支給品一式
【状態】:健康。クライシス帝国への激しい怒り。バイオライダーに変身中。
【思考・行動】
基本:殺し合いには乗らない
1:ぶ っ ち ぎ る ぜ
2:目の前の男(熱血王子)を、力ずくででも無理やり説得
3:逃げたクライシス帝国の手下を見つけて倒す
4:先程のクライシス帝国の手下を倒す
【備考】
※変身体はシャドームーンです
※いきなりロボライダーに変身可能になりました。ぶっちぎりです。
※早くもバイオライダーにも変身可能になりました。やっぱりぶっちぎりです。
※ついでに首輪が取れちゃいましたが、どこまでもぶっちぎりです。

2717風雲?ロワ本編?何それ?:2008/02/23(土) 01:51:04 ID:IugLH/SU0
投下終了。いや、私ってなんかシリアス戦闘丸ごとばっかりだったし♪
たまにはバカ展開で丸投げしたいな〜っと。てへ☆

2718貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/23(土) 01:54:52 ID:BgXq2kw60
投下乙。
さすがはてつ……ゲフンゲフン……影の繋ぎ氏。
なみのチートじゃないw 腹が痛いがなw
GJ!

2719貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/23(土) 02:06:16 ID:Okt8YhDgC
流石KOUTA……いやいや公式設定準拠だから光太ろ……ゲフンゲフン、影の繋ぎ氏だ!!!
 
これなんてジョーk(ry

2720BIRTHDAY:2008/02/23(土) 13:54:30 ID:8WXmwW7c0
彷徨っていた――いや、単純に迷っていた。彼女を言い表すにはそれが適切だっただろう。

縞々のハイニーソックスに包んだ両足を片方ずつぎくしゃくと前後させ、その少女――蟹座氏は街を歩いている。
向かう先はない。
ただ当てもなく、前に進まなければいけないという義務感に苛まれ……、いや違う。
一瞬前の自分が怖い。常に、一瞬前の自分が背後に迫ってきている。そんな幻視から逃げていた。
無人の街。真昼の太陽の下を少女は逃げ惑い。自らの足で不幸の籠の中へと進んでゆく――……。

「(…………………………あぁ)」

一つ角を曲がり、一つの路地を抜ける間に2回目の放送を少女は聞く。
改めて、身体の外側から流れ込んできた最速の人の死。
スピーカーを通じて浴びせかけられた自分宛の罵倒に、心の中が泡立ち溺れそうになると錯覚する。
死体を目の当たりにし、それを自己肯定し、そしてこれで3度目となる最速の人の死。
繰り返し継ぎ足される彼の死はまるで冷たい水銀の様で、彼女の身体を足元から凍らせてゆく――……。

「……………………じゃ、ない……もん」

幻の霜に足を取られた少女の前に立っていたのは、真っ赤な蟹だった。
しかし彼女は否定する。ショーウィンドゥの中に立っていたのは、全身を返り血に染めた真っ赤な自分だった。
全身を縦横無尽に走り、蟹の脚の様にしがみついている赤い線。まるで、自縛だ――と、思う。
意識すれば、それは途端に自分を蝕み、その脚の一本一本を皮膚の中へと沈ませてくる。
肺を閉められ呼気が荒れ、心臓を脚掴みにされ冷たい汗が流れる。赤い縄が身体に――心に、悔い込む。

「……っ」

少女の立っている地面がまるで中華のターンテーブルの様に回りだした。
同時に空も回りだし、渦を巻く雲が天上に青と白のマーブル模様を描き始める。
もちろん、現実のアスファルトは波打ってないし、硝子はセロファンの様に靡いてはいないはずだ。全ては幻視のはず。
しかしそれが解っているはずなのに、恐れは増すばかり。脳が理解を放棄している? と、それも解らない。
自らが其処に置いた苛烈な罠に足を取られ、蟹の少女は螺旋の上を踊る――……。

「ひ……、うわああぁあぁぁぁぁあああ――ッ!」

心をバラバラにしようとする遠心力に抗うため少女は手を伸ばす――その手が蟹の鋏だった。
5本の白い指ではなく、一対の赤い刃。しかしそれも幻。いつもの呪文を唱えれば、鋏はたちまち手に戻る。
しかし赤い侵略は止まらない。皮膚の上を走る赤い線になぞられると、そこは容易く人の見た目を失う。
脚が、腹が、腕が……、蟹に、蟹に、蟹に……。少女を蟹に変えようと、赤色がざわつく。
否定。否定。否定……。解呪。解呪。解呪……。少女は呪文を唱え、赤色の侵略に抵抗する。

2721BIRTHDAY:2008/02/23(土) 13:54:48 ID:8WXmwW7c0
「……蟹座じゃないもん。蟹座じゃないもん。蟹座じゃないもん。蟹座じゃないもん。蟹座じゃないもん。蟹座じゃ……」

取り戻した白い手を伸ばし、赤い縄を引き千切る。布が裂ける悲鳴を無視し、ただひたすらに千切る。
呪文を唱えて侵略を阻害し、抵抗の弱まった所から引き千切り、投げ捨てる。地面に叩きつけて殺す。
追いすがり尚も喰らいつこうとする赤色を肌から引き剥がし、足の下に踏みつけて粉々にする。
身体を濡れた舌で嘗め回す赤色を切り払い、首を絞めようとする赤色を解き、背中に圧し掛かる赤色を振りほどく。
赤色に抵抗し、赤色と闘争し、赤色に少女は勝利する。

「……もん。蟹座じゃないもん。蟹座じゃないもん。蟹座じゃないもん。蟹座じゃないもん。蟹座じゃないもん。蟹……」

圧倒的な赤色の軍勢を壊滅させ、その躯を野晒しにしたまま少女は撤退戦を開始する。
その白い肢体を縛る赤い縄は、もう完全に無い。自由だ。しかし、闘争は少女を疲弊させていた。
僅かに離れることも叶わない場所で少女は膝を折り、石の正方形にそれをぶつけてしまう。
微量の痛みと共に零れだし始める赤色。次の敵が現れ、少女の目の前に布陣を展開させ始める。
ターンテーブルは加速する。戦火は拡大し、それは少女の外より中へと進む――……。

「う、うわ……ぁ……、何…………? …………コ。レェ…………」

真っ赤なソレを服毒した少女は、石の上に伏せ小さな身体を振るわせ始める。
頭蓋骨の中の脳ミソを玄武岩にでも摩り替えられたかの様な頭痛。喉を通り鼻から吐き出されるひりつく息。
異様な熱を持った心臓と、感覚が無くなるほど冷えた手足。皮膚を裂き体外に飛び出しそうな軋む骨。
丸く小さなで真っ白な背中にぷつぷつと光る玉が浮かび、それは流れ落ちて全身を覆い始める。
透明の水が熱い皮膚の上を滑り、魘される少女の身体を梳る。

「……っ! え……ガァ――っ! あぁ……あ、あ。ア……ぁあぁ――ッ」

少女の小さな口から水塊が吐き出され、石の上に濁った水溜りを作った。
それは止め処なく、そして其処からだけでなく。何処も彼処からも、海の水に似た何かが吐き出し始める。
より小さな口から吐き出されるそれに腿は熱く濡れ、少女は少しずつ自身の作った海の中へ沈んでゆく。

「――――――――が」

白い薄肌の中に隠された少女の筋が緊張し、僅かに浮かび上がった。
今までよりもさらに硬く強張らされた少女の下腹。お臍の裏側より、やや下方に何か異変が起こり始めている。
鉄か何か、そんな物が胎の中を進撃していると。自分の胎内で突貫工事を始めたと認識し、少女の顔が歪む。
痛みより痛く。違和感以上に違和感があり、熱くて、熱く、寒くて、寒い。身体の真ん中に毒の入った芯を通されたような感覚。
それに少女の顔が引き攣り、圧倒的な恐怖に表情が殺されてゆく――……。

「……う。そ………。………だ」

臍から下がまるで別の身体の様になった感触に、少女はそこが陥落した事を知った。
胎内に侵入した突撃兵達は土嚢を破り、勝利の栄光へと向けて一斉に進軍を開始する。
硬くはないが狭まっていた壁を無理やりに押し開き、溜まっていた色のついた水を追い出し兵は進む。
蠕動する赤色のカーペットの上を勝利兵達は進み、そして遂に到達する。
赤い滝を眼下に、兵達は――……。


網膜の中。其処に現れた赤い何かに、少女は絶望し……目を閉じた…………。

2722BIRTHDAY:2008/02/23(土) 13:55:11 ID:8WXmwW7c0
 ◆ ◆ ◆


夢の中で、少女は手術台の上にいた。
見上げるライトが眩しすぎて見えるものはなく。聞こえてくるのは声だけだ。

『……いや、しかし”こんなところ”にまでこれるとは』

何故か知っている声だ。そして、同時に自分が夢の前半を覚えていないことに少女は気付く。

『おい、■■。用意するのはこれでいいのか? 2リットルだぞ』
『確かに、初心者用ではありませんが彼女たってのご要望ですから』
『そうか……、しかし■■などを注ぎ込んでは、腸内が荒れないかな……?』
『さて、私も■■を■に注入した人なんて知りませんからねぇ……』
『無責任なやつ……』
『まぁまぁ、よいではないですか。何かあったら、それはそれで。
 それにこれはデータを消された意趣返し……と、考えればこれぐらいが妥当でしょう』
『……そうだな。それに私も少し見てみたい。そのドバドバとやらを』

『アハハハハハハハハハハハハハハハハハ……』
『アハハハハハハハハハハハハハハハハハ……』

あまりにも酷い予感がするものの、身体は革のベルトで固定されており全く身動きが取れない。
助けを叫ぼうにも、罵倒を浴びせようにも、夢の中だからか声は全く出せない。
近づいてくる気配に、少女は身体を凍らせる。

『これが終わったら、どうする?』
『さて……、いつまでも滞留していただいては困りますから、帰ってもらう必要がありますね』
『方法はあるのか――?』
『さぁ、適当でいいんじゃないですか。それよりも何かお土産を持たせてあげたいですね』
『……土産ね』
『何かよいものはありませんか? 彼女にあげてしまってもよいもの。別にゴミとかでも……』
『だったら、コレはどう? 上のDVDラックの中に紛れ込んでたんだけど』
『■■ですね……』
『……丁度よいだろう?』

『アハハハハハハハハハハハハハハハハハ……』
『アハハハハハハハハハハハハハハハハハ……』

頭の中で木霊する気に障る笑い声。
幸か不幸か、そこが彼女が記憶に留めて置くことができた夢の最後だった――……。

2723BIRTHDAY:2008/02/23(土) 13:55:30 ID:8WXmwW7c0
 ◆ ◆ ◆


少女は夢より覚め、赤く酔った身体を醒まし、現世へと帰還する。

「…………う?」

ほとんどは夢。だいたいは幻覚。一から九ぐらいは妄想で、全部ではないギリギリのところまでが嘘だった。

「何が――……?」

少女が最初に気付いたのは、全身がずぶ濡れになっている事。そして、地面の感触がひどく鮮明だということ。
客観的に見れば少女は、往来にできた薄黄色い色の大きな水溜りの中で、裸になって横たわっていた。
所々に微量の赤が混じった水溜りは、真上の太陽を受けて温まっており、まるで羊水の様に心地いい。

「なんで、裸……なんだろう?」

どこかで、何かを必死に破いていた様な……と少女は記憶の中から掬い出す。
そうだ。ガラスに映った自分の姿が真っ赤な蟹みたいで――妄想の中に……いた? と、思い出した。
蟹見沢症候群は妄想をも自分に見せる。元ネタもそうなのだから……と納得する。

「でも、なんか――すごく、気持ちいい……」

夢想の中で大暴れしたからなのだろうか。
さっきまでの鬱屈した気持ちが、まるで見上げる雲一つ無い空の様にすっきりとしていた。
服は失ったが、丁度着替えを探していたのだから丁度よい。それよりも――……。

「まるで、生まれ変わったみたい」

キラキラと光を反射する水の中で目を覚ます。
それはまるで二度目の誕生日の様だと、少女。丸い笑顔の少女は思った。ここからがんばりなおせると――……。

2724BIRTHDAY:2008/02/23(土) 13:55:54 ID:8WXmwW7c0
 ◆ ◆ ◆


「へくしっ!」

往来を通り抜けた風に、裸の少女は可愛い悲鳴をあげる。
いくら昼時といっても、アスファルトの上はベッドの代わりにはならない。ましてや、全裸となると。
また変なイベントをこなしてしまった自分に自重を命じつつ、少女は伸びきっていた四肢を折り立ち上がろうとする。

「……こんなところ、誰かに見られたら」

冷静になってみれば、少し――匂う。それにべとべとする……。
往来のど真ん中。こんな天気のいい日に、びしょ濡れで真っ裸の女の子。客観、主観を問わずに変態だった。
やむにやむをえない事情がある(?)にしろ、見られては弁解できないと少女は移動を開始する。も――?

「かっ! か、か、か、か、か、…………」

『蟹です。お母様』


「カニ――――――――――――――――――ッ!?」


――蟹が居た。たくさんの、すっごいたくさんの蟹が道を埋めていた。
沢蟹などの小さなものから、赤手蟹。弁慶蟹。平家蟹。おいしそうなタラバ蟹や毛蟹まで、様々な蟹が道を埋めていた。
しかも『』←のカッコ付きで喋っている蟹もいる。というか、さっき『お母様』って言ったよね、蟹は。

「理解不能! 理解不能! 理解不能! 理解不能! 理解不能!」

一転して、テンパリ始めた少女の元へと蟹達がにじりよってくる……『お母様』『お母様』と。
その言葉とこの状況が指し示す真実は一つ。名探偵でなくとも推理できる簡単な問題だ。カニと蟹の子供達である。

蟹座の少女が蟹を生んだのか? それはほぼ事実だが、すこし違う。
それを説明するにあたって、まずは目の前の蟹達の正体を明かそう。


 ◆ ◆ ◆


彼らは――バッド・カニパニー!

此処とは少し違う世界。違う時代。最後の戦争――第六次猿蟹合戦を生き抜いた蟹の古強者達。
蟹の世界で、蟹の姿を取り、全ての蟹のために戦い続けた――最後の蟹隊!

戦が世界のどこからも消えた時。彼らは勝利の歓喜を覚え、次の瞬間に絶望した。生きる世界を失ったからである。
そして彼らは戦争を求め世界を渡った。蟹のための戦争。更なる蟹のための闘争を求めて!
蟹の傭兵結社は、次元を越え世界を転戦し、仲間を減らしそして増やし、全ての世界で蟹の戦争を実現した。

そんな彼らが次なる戦争。新しい蟹の戦争を求め。そして一人の少女の胎を通りぬけ――結集したのだ!

蟹の兵は闘う――少女のために! 蟹の古強者は闘う――母のために! 蟹の古参兵は闘う――蟹のために!
諸君。君達は何を望む? 更なる蟹か? よろしい、――ならば蟹だ! そんなノリの連中なのである。

                                『民明書房刊-「蟹座氏のいけない☆ひみつ」より〜』

2725BIRTHDAY:2008/02/23(土) 13:56:25 ID:8WXmwW7c0
 ◆ ◆ ◆


『お母様!』『お母様!』『ご命令を!』『戦争を!』『蟹の戦争を!』『お母様!』『戦争を!』『戦争を!』


蟹の戦争大合唱に、少女はまだ理解不能、理解不能とつぶやいていた。だがしかし、犯人だけは解っている。
あの夢の中で聞いた声――あいつが犯人だ。あいつが『何か』したのだ。何かおぞましいことを。
今更ではあるが、とりあえず出会えたらあいつだけは絶対に殺そう。殺した後も殺そうと少女は決意する。

『戦争を!』『ジーク蟹!』『蟹の戦争を!』『蟹座氏最高――っ!』『お母様!』『お母様!』『戦争を!』

とりあえず、認知はしようと少女は思う。
全くの覚えはないが、産まれたばかりの命。捨て置くほど残酷な性格はしていない。
この蟹達にはやさしく、そして余った残酷さはあいつに――。


そして少女は、とりあえずシャワーを浴びようと目の前にある『いかがわしいお城のようなホテル』に入った。




【日中】【G-4/いかがわしいお城のようなホテルの前】

【蟹座氏@ギャルゲロワ】
【状態】:蟹見沢症候群発症、全裸、ベトベト、へこみLv2、顎部に痒み 、『蟹座じゃないもん』覚醒
【装備】:鉈、バットカニパニー
【道具】:支給品一式、蟹座の黄金聖闘衣、最高ボタン、カードデッキ(シザース)@ライダーロワ
【思考】:
 基本:どうしようか……?
 1:とりあえずこのホテル(?)の中でシャワーを浴びる
 2:服も探そう……
 3:『あいつ』に逢ったら殺す
 4:ギャルゲロワの仲間には逢いたくない
 5:敵とは戦う。ギャルゲロワ以外でいじめてくる人はみんな敵
 6:子供の面倒はきちんとみます

 ※容姿は蟹沢きぬ(カニ)@つよきすです
 ※最高ボタンを押すと、『いやっほぉぉぉおおおう、蟹座のONiぃ様、最高ーーーーーっ!!!!!』という台詞が、
   ハクオロの声で流れます。シークレットボイスにも何かあるかも?
 ※自分の心がキャラに影響されていることに気付きましたが、キャラに抵抗するため無駄な努力をしています。
 ※身体能力は本気を出せば倉成武ぐらいの力が出ます。通常はカニ。
 ※蟹見沢症候群について。
   へこみのLvが5になったとき、発祥します。発症した場合、自分を苛めたり辱めたりした者を優先的に殺します。
   現在は沈静化してますが、しばらく苛め続けると再び発症する恐れがあります。
   基本的な症状は雛見沢症候群と同じです。発症中は蟹座氏のチャット状態の特徴により、語尾に♪がついたりします。
 ※言霊『蟹座じゃないもん』に覚醒しました。
   強い意志で蟹座であることを否定することにより、文字通り蟹に縁のあるアイテムから、
   『蟹座じゃないもん』つまり『蟹座じゃないもん(者、物)』の力を引き出せます。
 ※『バッド・カニパニー』が召喚されました。
   蟹座氏のいうことを聞く、千余りの蟹の古参兵達です。幾何学模様を描く隊列は美しいです。強さは蟹です。


※いかがわしいお城のようなホテルの前に、大量の蟹汁がドバドバと広がっています。おいしいかどうかは解りません。

2726貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/23(土) 13:57:15 ID:8WXmwW7c0
投下終了〜☆ これでノルマは2つ達成。あと1つw

2727貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/23(土) 14:09:57 ID:wE.4PJI60
投下乙……
と、とうとうやりやがったwwwwwwwwwwww

2728貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/23(土) 14:12:15 ID:mdCseaOs0
投下乙。
……なんてことしやがるw バッドカニパニー吹いたw

2729貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/23(土) 14:15:18 ID:BgXq2kw60
投下乙!
い〜やっほー! 蟹座氏出産さいこぉー!

2730貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/23(土) 14:23:14 ID:t4VcKhIo0
ひとまず投下乙を。
言えない……この作品には……蟹座氏があまりにも哀れすぎて……何も言えねえ。

2731貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/23(土) 15:40:43 ID:v88mTpXE0
す、すげえ!
まさかまじでやっちまうとは!

2732全選手入場:2008/02/23(土) 21:16:32 ID:JyUrTQxw0
第二回放送を迎えた記念ということで、おなじみ全選手入場を作ってみました。


感電氏「書き手ロワ全生存者入場!!」

サービスシーン担当は生きていた!! 更なる研鑚を積み健康的な肉体が甦った!!!
裸神!! シルベストリだァ――――!!!

LSロワの神髄はすでに私が完成している!!
派手好き地獄紳士『666』だァ――――!!!

登場しだいうっかりしまくってやる!!
ギャルゲロワ代表 永遠のうっかり侍だァッ!!!

影の薄さならボクの歴史がものを言う!!
葉鍵の迎撃 リーフシールド 地味子!!!

真の対主催を知らしめたい!! 書き手ロワの良心 静かなる 〜Chain-情〜だァ!!!

序盤は空気王だったが今ならヒュッケバインだ!!
アニロワの鉄拳 意外な影丸?だ!!!

顔面のガードだけは完璧だ!! 密かに脱出フラグ持ち 忘却のウッカリデス!!!!

書き手ロワのワースト・カワイソスは私の中にある!!
欝展開の女神様が来たッ コ・ホンブック!!!

タイマンなら絶対に敗けん!!
ライダーのケンカ見せたる 特攻隊長 仮面ライダー書き手だ!!!

南光太郎(なんでもあり)ならこいつが怖い!!
ライダーロワのピュア・ファイター 影の繋ぎ師だ!!!

漫画ロワから対主催の旦那が上陸だ!! 中田ボイスのロリ ミスターマダオ!!!

2733全選手入場:2008/02/23(土) 21:17:36 ID:JyUrTQxw0
ルールの無い恋愛がしたいから最古の四人になったのだ!!
プロのティータイムを見せてやる!!コロンビーヌ!!!

めい土の土産にギアスとはよく言ったもの!!
メイドの奥義が今 実戦でバクハツする!! ギャルゲロワ 孤高の黒き書き手先生だ―――!!!

エンジェルアームこそがズガンの代名詞だ!!
まさか沙羅さんがきてくれるとはッッ 予約被りに定評のあるtu4氏!!!

アーカードと闘いたいからここまできたッ キャリア充分!!!!
アニロワのガッツ(ケンカ)ファイター 神行太保のDIE/SOULだ!!!

僕はギャルゲロワ最強ではない全ロワで最強なのだ!!
御存知ししょー バトルマスター!!!

エロスの本場は今や漫画ロワにある!! 私を満足させる男はいないのか!!
エロ師匠だ!!!

デカァァァァァいッ説明不要!! 揺れる巨乳!!! 全裸熟女!!!
底上中の残月だ!!!

孔明の罠は実戦で使えてナンボのモン!!! 超実戦策略!!
本家アニロワ2ndから管理人・したらば孔明の登場だ!!!

Chain-情さんは私のもの 邪魔するやつは思いきり指ぱっちんし思いきりまっぷたつにするだけ!!
フラグ立て統一王者 素晴らしきフラグビルド

手首を狩りに書き手ロワへきたッ!!
カオスな姿全ロワチャンプ 熱血王子!!!

パットに更なる磨きをかけ ”性別不明”お姉さまが帰ってきたァ!!!

2734全選手入場:2008/02/23(土) 21:18:37 ID:JyUrTQxw0
今の自分に迷いはないッッ!! マーダーキラー 衝撃のネコミミスト!!!

エースオブエースの実力が今ようやくベールを脱ぐ!! アニロワ2ndから 速筆魔王LXだ!!!

お姉さまの前でならオレはいつでも全盛期だ!!
燃えるルーキー ◆yHJSlOJmms トリップで登場だ!!!

受験勉強はどーしたッ 闘士の炎 未だ消えずッ!!
対主催もマーダーも思いのまま!! 蘇った現代の熱血怪人だ!!!

特に理由はないッ かがみんがいじられるのは当たりまえ!!
こなたにはないしょだ!!! 裸エプロン開山!
クールなロリスキーがきてくれた―――!!!

同人誌で磨いたNYBLP!!
AAAロワのデンジャラス・ピザ ◆wKs3a28q6Qだ!!!

ギャグ展開だったらこの人を外せない!! 超A級大統領 ギャグ将軍だ!!!

超一流書き手の超一流の七変化だ!! 生で拝んでオドロキやがれッ
アニロワの鋼鉄人!! 地球破壊爆弾No.V-7!!!

鉄槌のシェルブリッドはこの男が完成させた!!
燃え展開の切り札!! 大あばれ鉄槌だ!!!

萌えの王者が帰ってきたッ
どこへ行っていたンだッ キャンサーッッ
俺達は君を待っていたッッッ蟹座氏の登場だ――――――――ッ

2735全選手入場:2008/02/23(土) 21:19:33 ID:JyUrTQxw0
加えて残念ながら32名枠に入りきらなかったメンバーを、リザーバー形式で紹介します!

現空気王 ◆MJv.H0/MJQ!
吉良化進行中 パンタローネ!
貴重な巨乳要員 焦ったドラえもん!
ホワイトアルバム King of 脳内補完!
二重人格 転(天)!
魔法妖女 エロスの鐘の煩悩寺!
最速の男 フリクリ署長!
傷心ティーブレイク 猫子頭の鬼軍曹!
ドラゴンオルフェノク 漆黒の龍!

……ッッ  どーやらもう一名は露伴に変身して移動中のようですが、
ジンクス発動次第ッ皆様にご紹介致しますッッ


何度も確認しましたが、もし入れ忘れがあったらごめんなさい。

2736もう影が薄いなんて言わせな……あれ?:2008/02/23(土) 23:02:38 ID:TI0Futqg0
 エースとダイアンの熾烈な戦闘の後、期を見計らって彼らの遺物を回収しそれぞれに分配した後、フリクリ署長、ピザの一号、地味子は西へと向かってしばらくの間歩き続けていた。そして時刻が昼直前になろうとしていた時である。

「さて、ここらで我々チームジミーズによる第一回定例会議を始めたいと思うのですが、よろしいですか?」

 B-8、鬱蒼と茂る森の中にあったひときわ大きな切り株に腰掛けたフリクリ署長が、地面にちょこんと座る地味子とGL本を読み漁っているピザの一号に向かって話しかけている。彼らは(というか女の子の地味子が)疲れてきていたので休憩をとっていた。

「はいっ、質問です」
「何ですかジミナさん」
「地味子だよっ! 何で形容詞になるの! つかグルグルネタ!? というかそれ以前にもう何度も訂正したよね!? そしてそれ以前にツッコミキャラってどっかの蟹の人とかぶってるしーーっ!!! また影が薄くなるーーーっ!!!」

 頭を抱えて絶叫する地味子。フリクリ署長は「すみませェん」と悪びれた様子もなく一応謝り、ピザの一号はキスシーンに入ったGL本に夢中だ。

「……それで質問なんですけど、チームジミーズって何すか」
「いやぁいいところに気がつきましたジミナさん。
 いやね、我々って他の方々に比べて姿かたちに関する描写が少ないではないですか。
 ついでに能力も他のチート連中に比べたらあまり強くないですしね。
 最も速さに関してはこの私の右に出るものはいませんがね。
 それに時間軸でも我々が一番遅いというじゃあありませんか。
 それは常日頃早飯、早グソ、早風呂を実践している大和民族のサラブレッドたる私にとっては実に遺憾なことでありまして、
 少しでも時間軸を進め、常に最前線に立ちたいという思いと共に、
 しかしこの面子で戦いに挑むにはあまりに力不足だと判断するに至り、
 なら対主催らしくこれからの動向を決めようと思ったのですが、
 対主催かつ集団でありながらチーム名を決めないのはどうかと思いましてねェ。
 そこで恥ずかしながら私が命名させていただいたという次第なのですが、どうですか?」

「地味子だよっ。というか対主催の自覚あったんだね……」
 影が薄いというにはあまりに濃すぎるフリクリ署長のキャラにげんなりしながらも、地味子は感心する。一方ピザの一号は「お姉様……ハァハァ」と妄想の世界に入り浸っていた。

2737もう影が薄いなんて言わせな……あれ?:2008/02/23(土) 23:02:59 ID:TI0Futqg0
「で、動向を決めるってどうするの? 首輪を外す方法でも考えるの?」
「ありきたりですねェジミナさん。そんなのだから全選手入場でも影が薄いなんて言われるんですよ」
「ほっといてよっ! そして地味子! ああもう、自分の名前連呼してて嫌になってきたよ……」

 ピザの一号は「レナスあたりにでも変身できれば……」と何故か地味子の方を見ながら呟いていた。ゾクッとした怖気を感じながらも地味子は話を続ける。

「……で、どうするの?」
「その前に我々の姿ですが……どうもおかしくありませんか?
 普通に考えて、漫画やアニメのキャラの姿になったりましてやその能力を使えたりする……ここに来る前にそんなことが出来ましたか?」

 言われてみて、地味子も自分の姿の異常性に気付く。確かに、ここに来る前までは星野結美の姿ではなかった……気がする。でも思い出せない。
 ここに来るまで、自分がどんなことをしていて、どんな生活をしていたのか。記憶にあるのは自分が葉鍵ロワイアル3の書き手だということだけだ。

「実は私も記憶があやふやでしてねェ。
 先程の戦いもクーガーっぽい台詞だったからラディカル・グッドスピードが使えるのでは、
 と思って適当に言ってみたら……本当に使えた訳です。まぁその場のノリもありましたがね」

 結構危なかったんですよ? と全然そうは見えなさそうな態度で喋るフリクリ署長。ピザの一号は「いやいや同人という手もあるな……」と何やら思案に耽っている。このピザの一号もブラムスの姿をしていたが今の姿はどこにでもいる普通の青年。それに変身能力は支給品の産物に過ぎない。彼が一番この場では『まとも』だった。

「そして私達が今いるこの場所。同じような風景が延々と続き、同じような木々が続くだけ。気付いていましたか?
 私が座っているこの切り株、全く同じものがここに来るまでに5〜6個はありましたよ」
「……まるで、RPGの世界だね。SFC時代くらいの」
「そう。この世界は『おかしい』。ですが誰もそんなことは気に留めない。
 いやむしろ私達がなっているキャラになりきって楽しんでいるようにすら思えます。
 私が、そしてジミナさんもこのおかしさに気付けたのはひとえに私達の姿に関する描写が少なかったから。
 まだ、『元々の』意識が残っているからだと言えるでしょう」
「……???」

2738もう影が薄いなんて言わせな……あれ?:2008/02/23(土) 23:03:24 ID:TI0Futqg0
 突っ込むことも忘れるくらいにフリクリ署長の言葉は難解だった。「まあかいつまんで言いますと」と察した署長が言葉を続ける。

「我々はここに来る以前の我々に最も近い存在だということです。故にこの世界のおかしさに気付けた」
「ちょ、ちょっと待ってよ」

 地味子は混乱する頭を必死に冷却させてフリクリ署長の言葉を整理する。考察話はあまり得意ではないのだ。

「じゃあ、ボクたちって、ニセモノ? クローンなの?」
「その可能性もあります、が確率としては低いと言えます。
 単にクローンというだけでは記憶までは継承されませんからね。
 私達が書いた話、読んだ話に関しては全て覚えているでしょう?」

 こくり、と地味子は頷く。でなければD−5の作者やB−4の作者のことなんて覚えてる訳がない。そしてピザの一号は意を決してもう一冊のBL本に挑もうとしていた。

「少なくとも、私達は『ニセモノ』ではないでしょう。むしろニセモノなのはこの体でしょうね。記憶だけ入れられた空蝉、とでも言いましょうか」
「……??????」

 また地味子の頭がこんがらがってきた。ニセモノであってニセモノではない? 訳わかめ。讃岐うどん食いたい。冷奴おかずにして。

「私には」

 フリクリ署長の一言が、地味子を現実に引き戻した。
「どうもこの殺し合いを企んだ理由が私達書き手に何かをさせるために仕掛けたとしか思えないのですよ。
 殺し合いは手段であって目的ではない。アニ2ndみたいにね」
「まあ、それに限らず大抵のパロロワではそうだけど……もしかして、他の人がチート能力を覚醒しまくってることと何か関係が?」
「それも主催の目的の一環でしょう。それでどうしようとしているのかは分かりかねますがね。
 まあ書き手にしかできないことをさせようとしているのは、確かです」

2739もう影が薄いなんて言わせな……あれ?:2008/02/23(土) 23:03:42 ID:TI0Futqg0
 二人が真剣に話し合ってる中、ピザの一号は「ショタもいけるな……レオンディモールトいいっ!」と新たな境地に目覚めていた。
「とにかく、能力を覚醒させるにしても気をつけておいたほうがいいでしょう。
 私達がいるこの状況に対して、常に疑いを持つことを忘れてはいけませんよ?
 キャラに、飲み込まれないことです」

 ごくっ、と地味子は息を呑む。クーガーっぽい口調ながらも自分の意思はまだ失ってはいないようだった。
(そうだ……ボクはロワの書き手。ただの人間で、パソコンの前でキーボードを叩いてるような人なんだ。当たり前のことだけど……でも、状態表で自ロワに対してあんな強い思いを持っていなかったら、ボクだってやばかったかも)
 キャラになりきって恋愛フラグを立てたり死亡フラグを立てて、それでも喜んでいる自分を想像して、地味子は恐怖すら覚えた。ピザの一号はどうなのだろう。さっきブラムスになっていたが、もう取り込まれかけてたりしないだろうか。ちらりと顔を覗き込んでみる。

「ふぅ……いいネタが収穫できたな。食わず嫌いっていけないな。家に帰れたら早く続きを書かないと……ってどうした地味子さん?」
「あの……どこかおかしいところとかない? なんか、暴れたいとか、フラグ立てたいみたいな」
「何だよいきなり。ゲームのキャラじゃあるまいし……そんな都合のいいことあるわけないだろ……だって……ピザだし……」

 フラグという単語に反応して右肩下がりにテンションを落としていくピザの一号。どうやらまだ彼も大丈夫みたいだが傷つけてしまったようだ。
「あ、あのねピザさん、そんなつもりで言ったんじゃ――」
 地味子が慌てて励まそうと肩をぽんぽんと叩きかけた時だった。

「アロー、アロー。みなさんお元気ですか――」

 二回目の、放送が始まった。

2740もう影が薄いなんて言わせな……あれ?:2008/02/23(土) 23:04:20 ID:TI0Futqg0
【正午】【B‐8 森】 
『チームジミーズ』
【ピザの1号(◆wKs3a28q6Q)@AAAロワ】 
【状態】強い決意 
【装備】夜天の書(BL本) 
【所持品】BL本一冊、GL(全年齢)一冊、AK-74(残り60発) 
【思考・行動】 
 1:脱出してロワを面白く完結させる! 
 2:そのために仲間たちと対主催! 
 3:俺はノンケです。…本当だってば!でもショタとGL最高ー!
 4:地味子さん、ちょっとGLの相手にいいかも…帰ったら同人にできないかなぁ 
※BL力を手に入れました。観月マナのNYBLP(なんだかよくわからんボーイズラブパワー。なんだかよくわからん力でバリアを張ったりいい男の世界に引きずりこめます) 
と芳賀玲子のコスプレ(変身能力。所属しているロワに出てきた参加者になれる。ただしネタのあるキャラに限る。能力は本物同然) 
※変身は解除されました 



【地味子@葉鍵3】 
【装備:ナイフ】 
【所持品:マジシャンズレッドのスタンドディスク、朝倉涼子のアーミーナイフ、支給品一式(エース)】 
【状態:健康】 強い決意 
【思考・行動】 
1:脱出して自ルートを地味でも面白く完結させる! 
2:頑張って目立ちたい!
3:この世界…おかしい。警戒しよう 
※CLANNADの制服を着用 
※葉鍵の迎撃(リーフシールド) 
周囲の木の葉を風で巻き起こし、強力なシールドを張り巡らせる。使用回数は体力に依存。今のところ後二回が限度。攻撃力は皆無 
※その他の設定は後続に任せます 

2741もう影が薄いなんて言わせな……あれ?:2008/02/23(土) 23:04:38 ID:TI0Futqg0



【フリクリ署長@アニロワ1st】 
【装備:不明】 
【所持品:支給品一式、サングラス(クーガー仕様)、ジャッカル、核金(ピーキーガリバー)】 
【状態:割としんどい】 
【思考・行動】 
1:地味子とピザの1号を守る 
2:騎士道精神に準じて行動(要するにか弱い女性を助ける)
3:このおかしな世界、主催は何をさせようとしているのでしょうね?フフフ、私が考察組として最速で世界の謎を解いてみせる! 
ラディカル・グッドスピードが使えます。ほぼ原作と同じレベルです 
※容姿はサングラスをかけていること以外お任せ 
※声もお任せ 

2742もう影が薄いなんて言わせな……あれ?:2008/02/23(土) 23:07:08 ID:TI0Futqg0
終わりっ!考察…だよね?これは

2743貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/24(日) 00:31:27 ID:qXf9jbVY0
立派な考察です
そしてありがとう
チャットでの暴露と組み合わせて一つ、
主催者の目的を思いつきました
ひゃっほう!

2744貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/24(日) 02:08:49 ID:bUlvIBScO
考察すげぇ……!
地味子が署長の考察にどこまでついていけるかだな……
ピザはもう帰れww

2745貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/24(日) 12:49:08 ID:pB51dQfg0
こういうメタ考察ができるのも、ここ特有の面白いところだよねぇ。
こいつらの考察がどう発展、伝播してゆくかで、色々と影響が出そう。
うん。GJでした。

2746誤解フラグ? ばっきばきにしてやんよ:2008/02/24(日) 20:22:30 ID:5pSw7y/M0
「ん……。」
目が覚めて最初に見たものは、手が届きそうなほどに近い空。
二分ほど呆け、ここが建物の中であることに気付く。
「……あれ?」
……なんで建物の中に居て空が見えるんだ?
自らが叩き出した結論に二秒で疑問を投げかける。
重い体を起こし、周りを見てみる。
起き上がると、瓦礫の山と見知らぬ美少女。
いや、確か話したことがある。そうだ、さっき生存者を捜していたとき――――

(ぎぃゃああアアぁぁああああァァぁぁっっッッッッ!? あガァげぇえぐぎャアあぐィげぁァっっッッ―――― )

思わず頭を抱えた。正直、あんなのはもうゴメンだ。
足元の少女を見る……彼女が何かしたのだろうか。
いや、確かあの時は僕も彼女も手には何も持っていなかった。
恐ろしいほど記憶に残るというか、その部分は嫌に鮮明に覚えていた。
……何か能力でも持ってるのだろうか。この子も書き手なんだろうし。

「そもそも、何で普通の書き手が変身できたりするんだよ。」
不意に一番の疑問を呟く。
「それに本物のスタンドとかベルトとか……ないだろ、常識的に考えて。」
哀れ思考の穴にはまってしまった。こうなったらもう手はない。
無駄によく回る舌が気の済むまでその口から愚痴やら毒やらを垂れ流す。
「てか善良な書き手の僕が何で真司になってるんだ。ある意味死亡フラグじゃないか、本編でも死んでたし。」
「しかも一人称は僕、あれですか。ドラゴンオルフェノクの中の人に合わせたんですか。」
「なんか心なしか声も北崎になってきた気がするし。気のせいならいいんだけど……心配だな。」
「それ以前に書き手ロワとか言い出したやつ誰だ。起こらないから目潰しさせれド畜生。」
「ああもう訳わかんなくなってきた。こんなの信じられるかーッ!!」
誰かに対しての言葉ではなく、勿論答えを返してくれる者もいない。
ついでに言えばボマーが一つの原因になった事を彼は知らない。
そして、なぜか一人でこの戦いで最大の謎に喧嘩を売っていることにも気付いていない。

2747誤解フラグ? ばっきばきにしてやんよ:2008/02/24(日) 20:23:44 ID:5pSw7y/M0
「……そうだ、愛の伝道師……。」
ふと思い出す。夢の中で聞かされた、このロワに謎について。
デイパックを引き寄せ、中からペンと名簿を取り出す。
断片的にだが、名前を覚えている。
・管理人・したらば孔明
・地球破壊爆弾No.V-7
この二人と、そして止めてくれと頼まれた予約被りに定評のあるtu4氏の三人。
「後は死亡者……やば、あんま覚えてないや。」
とりあえず、同じロワの二人と確実に死亡が確認された愛の伝道師に印をつける。
詳細は覚えていないが、二十何人かばかり死んでいたはず。
……多すぎる。第一回放送までだというのに、このペースでは次の放送には半分近くになっているかもしれない。
『アロー、アロー。みなさんお元気ですか? R-109の放送の時間がやってきました。』
「丁度、か。」
狙ったかのようなタイミングで放送が始まり、漆黒の龍は耳を傾ける。
淡々と読み上げられる名前に斜線を引いていく。
『愛の伝道師……ダイナマイトアンデッド……ボマー』
「……え?」
放送で呼ばれた名前に思わずペンを止める。ボマーが……死んだ?
拳を壁に叩きつけ、その衝撃で血が滲む。
「クソォッ!!」
また、守れなかった。愛の伝道師が死んだ時に誓ったはずなのに。
ふと脇を見ると、皮手袋が落ちていた。愛の伝道師の物だ。
「……そうだ……今はやるべき事をやるんだ。」
血を拭い、手袋をはめる。
「予約被りに定評のあるtu4氏を……止める!いや止めてみせる!」

「……あの」
「ッッッッ!?」
一瞬で飛び退き構えを取る。人って心底驚くと声も出せなくなるんだね。
どうやら今の声は倒れていた彼女らしい。一声掛けてくれないとびっくりするじゃないか。
……って、その一声でびっくりしたんじゃないか……もはや支離滅裂。
「えっと、大丈夫ですか?」
「え、ああ、ありがとう。君がここに運んでくれたのかな。」
出来るだけ危険のない様に話しかける。
「はい、意識が戻ったようで何よりです。」
軽く微笑みを返してくれた。裏に何かあるように感じたのは気のせいだろう。
「そういえば君の名前は? 僕はもう名乗ったよね。」
「はい、たしか漆黒さんでしたっけ。」
「そうそう、それそれ。」
某気ままな風の口調を真似てみる。でもトンボは飛んでこない。
「えと、私の名前でしたね。私は孤高の黒き書き手。ギャルゲロワの書き手です。」
「お、名前がおんなじ黒だ。よろしくね孤高さん。」
ぴきっ。
孤高の顔が引きつる……あれ、もしかして地雷踏んだ?

2748誤解フラグ? ばっきばきにしてやんよ:2008/02/24(日) 20:25:20 ID:5pSw7y/M0



まずい。非常にまずい。
何がまずいって自分がしょうもない理由のためにこの男を助けたかもしれないから。
名前に黒。確かに共通点はある……けどそれだけ。
たったそれだけの事。それが理由足り得るか?

(……なる、かもしれない。)

ただでさえ流されやすい自分のこと、名前に左右されてもおかしくない。
「どうかした? 何か気に触れちゃったかな?」
どちらにせよここで何か悟られるわけにはいかない。
何かしら返事を返さなければ。
「いいえ、ところで先ほど予約被りがどうとか……」
そこまで言いかけた途端、全身に衝撃が走る。
何かがぶつかったのだとわかった瞬間、私の意識は再び闇の中に落ちた。



何が起こったかわからなかった。
一瞬で彼女に何かがぶつかり、倒れる。
「大丈夫!?」
駆け寄り、脈を計る。どうやら死んではいないようだ。
ヒュン、と空気を切り裂く音が聞こえ、思わず固まる。
「ッ!?」
即座に回避の態勢を取るも既に遅く、同じものが顔に当たる。
(これは……クル……ミ?)
ぶつかった物が自分の中でクルミだとわかるのに少々の時間を有した。
だが、これではっきりした。
居る。ビルの外に、空を飛ぶ何かが。
ゆっくりと立ち上がり、振り返ってそれをまっすぐ見つめる。
――――ああ、彼女か。
忘れもしない、自分たちを騙して仲間の命を奪った女―――――その名は。
「―――エロスの鐘の煩悩時ッ!」
「……は?」

2749誤解フラグ? ばっきばきにしてやんよ:2008/02/24(日) 20:26:29 ID:5pSw7y/M0
――――時を第二回放送から少し後までさかのぼる。
「予約被りに定評のあるtu4氏か……。」
ビルの前で呟くのは岸辺露伴……ではなく、◆6/WWxs901。
先ほどまで旅館跡で見事な誤解フラグを立てていた彼が、何故今ここに居るのか。
答えは、彼の支給品の中にあった。
一つはゲートオブバビロン、本来ならばギルガメッシュが持つ王の財宝。
多少は制限されている物の、豊富な支給品を扱えるという点では他の支給品よりも抜きん出ていた。
断っておくが、これはアニロワ2ndではなく彼の所属ロワでもあるカオスロワ出典である。
本当だよ。カオスロワ二周目ロウルートでしんのゆうしゃが持ってたもん。
もう一つは彼本人としての支給品、フライングアタッカー。
劇場版仮面ライダー555にて仮面ライダーサイガが使っていた飛行ユニットである。
ちなみに、これ自体はライダーロワに出ていない。
ミッションメモリーはついていないため飛行しか出来ないので今まで仕舞っていたのだ。

要するに、旅館跡からこれで飛んできたというわけである。
この時既に彼は微かだが誤解フラグの匂いを嗅ぎ取っていた。
「じゃ、まず手始めに。」
手を入れ、懐からクルミを取り出す。
「ハッ!」
声のした場所目掛けてまるで銃弾のようなスピードで投げる。
何かにぶつかる音、そしておそらくぶつかったその何かが倒れた音。
それ以降の反応は……声はするが、先の大声ほどではないため聞こえ辛い。
「……ふむ。」
ぱちん。指を鳴らすと、彼の姿が歪み、別人へと変わる。
銀色の髪。各パーツの整った美しい容姿。その姿はtu4氏の現在の姿である白鐘沙羅その物であった。
「空気の沙羅さんか……聞いていた姿と違うけど、ま、いっか。」
多少の違和感を覚えるも、無視して眼前のビルへと飛びたつ。
――――そして、現在に至る。

2750誤解フラグ? ばっきばきにしてやんよ:2008/02/24(日) 20:27:58 ID:5pSw7y/M0
「……はぁ?」
口から疑問の意を含む溜息が漏れる。
「愛の伝道師の仇、今ここで討つ!」
「ちょっ、ちょっと待って!この姿が煩悩時ってどういう事!?この姿はtu4氏じゃ……」
臨戦態勢の漆黒の龍を抑える。何かがズレている。
「この姿って……? それにtu4氏?」
漆黒の龍もその事に気付いたのか、疑問を口にした。
思わず口を手で塞ぐが、時既に遅し。
世界全体が揺らぐ感覚。頭が割れそうに痛い。
「……もしかして、tu4氏は僕に偽の名前を、つまり誤解フラグを!?」
結論に辿り着いた漆黒の龍の言葉が、決定打となった。
まさか。
まさか。
まさか。
知性よりも早く、もっと深い部分で『その事実』を受け止める。
――――認めない。認めなどしない。認めて堪るものか。
「……誤解フラグ折っちまったああああああああッッ!!」
だが、抵抗空しく少し遅れてきた知性が認めてしまう。
喉が裂けんばかりの勢いで叫び、間近にいた漆黒の龍は耳を塞ぐ。
「ああああああああああ………ゲホッ、ゴホッ」
「あー、とりあえず。」
ビクン。
◆6/WWxs901の体が跳ねる。これから何を言われるかの察しが着いたのだろう。
言わないでくれ。言わないでくれ。
「さっきといい今といい……その反応から察するに、あなたはtu4氏……じゃない?」
ビクビクンッッ
ガッチガチに固まる◆6/WWxs901の体。それも仕方のないことだ。
本来なら立てるべき誤解フラグを折ってしまったことで茫然自失だというのに
ここに来て自分の能力まで露見してしまう。その精神的ダメージは計り知れないものだろう。
「い、いやそそそそんな事はねーですヨ? 俺……じゃなくて私は正真正銘の予約被りに定評のあるtu4氏ですよ?」
「ここまでわかりやすいのも珍しいな……しかも大元は男か。」
思いっきりキョドりまくる◆6/WWxs901を尻目に、手を天へと掲げる。

2751誤解フラグ? ばっきばきにしてやんよ:2008/02/24(日) 20:29:27 ID:5pSw7y/M0
「でも……それなら遠慮はいらないな、変身。」
   ――HENSHIN――
天より飛来したカブトゼクターを掴み、ベルトに差し込む。
   ――Cast Off――
   ――Change Beetle――
全ての装甲が体を包みきる前に弾け、角が起き上がる。
デイパックからハイパーゼクターを取り出し、ベルトに装着してレバーを引く。
   ――Hyper Cast Off――
マスクドフォームの下から現れた装甲が再び別の姿に変わり、輝いた。
   ――Change Hyper Beetle――
一歩づつ、カブトは確かな足取りで◆6/WWxs901に近づいていく。
即座に逃げ出すが、やがて部屋の隅へと追いやられる。
「……ヤバッ!」
フライングアタッカーのスイッチを入れ、ビルから飛び出す。
本来ならそれで逃げられるはずだった、が。
「ハイパークロックアップ。」
   ―― Hyper Clock Up ――
電子音声が時間を切り離して、超加速したカブトが飛び立とうとした足を掴む。
そのまま足を引き戻し退路を塞ぐ。ここで、加速した流れは元に戻った。
   ―― Hyper Clock Over ――
「――なっ!?」
「あなたは三つの間違いを犯した。」
    ――Maximum Rider Power――
驚きの声を遮る様に、短く呟いた。
ハイパーゼクターの角を倒し、エネルギーを矯める。
「一つ……他人に化け、互いの間に不協和音を流そうとしたこと。」
       ――One――
「二つ……誤解フラグのために他人に化け、人を陥れようとしたことッ!」
       ――Two――
「三つ……人に向かって物を投げたことォッ!!」
       ――Three――
「ぁ……あ……」
碌に動かない口から声にならない呻きが漏れる。
「……ったんだぞ。」
「へ?」
聞き返されたカブトは一呼吸置き、そして叫ぶ。
「クルミが当たって……物凄く痛かったんだぞーーーーーッッ!!!」
      ――Rider Kick――

2752誤解フラグ? ばっきばきにしてやんよ:2008/02/24(日) 20:31:19 ID:5pSw7y/M0
稲妻とタキオン粒子を纏った蹴りが炸裂し、◆6/WWxs901を背後の壁ごと砕く。
「ウッ、ァ――――」
苦痛の声を上げる間もなく、宙へと蹴り飛ばされる。
後に残されたのは幾つかのクルミと、デイパックから少しだけこぼれたゲートオブバビロンの中身のみ。
振り返ったカブトはそれを回収し、変身を解く。
「ふう。」
息を吐き、漆黒の龍はその場に寝転がる。
落ちていたのは、二つのロワの出典品。
一つは、漫画ロワ書き手にはお馴染みの核鉄。
重要なのは、もう一つの方。
黒いカードケースに、同じく黒い龍の紋章。
「……カードデッキ、か。ご丁寧にリュウガと来た。」


ごつんっ。
……今、何かがぶつかった音がした……気がしただけだろう。多分。
「少し休んだら、約束を果たすかな。」

幸い、誤解はここで解けた――――漆黒の龍は、満足げな顔で空を見上げた。

【日中】【F-6にあるビルの一室】

【漆黒の龍@ライダーロワ】
【装備】カブトゼクター&ライダーベルト+ハイパーゼクター@ライダーロワ、黒い皮手袋、カードデッキ(リュウガ)@ライダーロワ
【所持品】支給品一式 、がんがんじいスーツ(頭部に凹みあり)@特撮ロワ、首輪の残骸(愛の伝道師) 、クルミ、核鉄(詳細不明)。
【状態】かなりの疲労、全身にひどい痛み、下半身と背中土塗れ
【思考・行動】
基本:対主催。そして脱出。
1:予約被りに定評のあるtu4氏を止める!
2:他の対主催と合流する。
3:ボマーを守る。
4:鉄槌はまあどうにでもなるだろ。
5:生存者の確保、及び首輪の解析の出来る人物の捜索。
6:愛の伝道師の意志をついで愛を説き、この戦いについて調べる。
※外見や声は城戸真司です。
※他ロワの知識は皆無です。
※ドラゴンオルフェノク@ライダーロワに覚醒しました(ただし黒色)。触れたものを灰にする能力はありません。
 直接の原因はコ・ホンブック戦ですが、ビクトリーム博士戦も何かあったかもしれません。
※『蘇った現代の熱血怪人』『派手好き地獄紳士』『ステルス鬼畜』『マスク・ザ・ドS』『予約被りに定評のあるtu4氏』を危険人物として認識しました。
 尚、名前は知りませんが『ビクトリーム博士』も危険人物として認識しました。
※一人称が僕に変わりました。
※愛の伝道師の推論の真偽は不明です。

2753誤解フラグ? ばっきばきにしてやんよ:2008/02/24(日) 20:32:44 ID:5pSw7y/M0
【孤高の黒き書き手@ギャルゲロワ】
【装備】:防弾繊維のメイド服@カオスロワ2nd、悟史の金属バット@ひぐらしのなく頃に、クラールヴィント(呪)@リリカルなのはシリーズ、ギアス(ギャルゲロワ仕様)@コードギアス
【所持品】:支給品一式
【状態】:裏モード、気絶中、かなりの疲労
【思考・行動】
基本行動方針:ここからの脱出。そのためなら他の人は遠慮なく利用する。
1:え……なんで……
2:とりあえずはギャグ将軍と合流。
3:自分にとって役に立ちそうな人を見つける。
4:脱出に邪魔な人(マーダーや弱者)をできる範囲で始末する。
5:愛の伝道師との契約通り、tu4氏を止める(後回しにする気です)
6:生首はもう勘弁。
※外見は「D.C.P.S.」の朝倉音夢。
※クラールヴィントは主催者の嫌がらせにより全ての音声が釘宮理恵ボイスでランダム再生されます。
 おまけに呪われているため外せません。
※ギアス(ギャルゲロワ仕様)について:
 効果は『ギャルゲロワに参加したキャラが味わった苦痛のイメージを全て再現する』
 あくまでイメージなので物理ダメージはないが、精神ダメージはえげつない。
 普通の人なら精神が耐えられずに廃人か自殺だが、書き手の皆さんは多かれ少なかれタフなので死ぬ事はない……はず。
 『同じ人物にこのギアスを使用した場合、その威力は回数に比例していくが、同じ人物に2回目以降使用すると自分にもその相手に与えた苦痛のイメージが再現される』という制限がある。孤高の黒き書き手はこの制限を知らない。
 その他に何かあるかは以降の書き手にお任せします。
※裏モード:基本的に自分のためなら他人を犠牲にするのも厭わない性格……のはずだが、なぜか漆黒の龍が気になる。
      どうやら気になるのは自分と同じ黒を名に持つ書き手である模様。
      その他の設定は次の書き手にお任せします。
※ビルはエンジェルアームの影響により半壊です。
※エンジェルアームを放った人物はギャルゲロワの書き手と認識しましたがtu4氏とは気づいていません。



その頃、ビル近くの上空。
「ん〜♪」
鼻歌を歌いながら空を飛ぶのは、『本物の』予約被りに定評のあるtu4氏。
その時の彼女は孤高の黒き書き手を目指し、多少周りへの注意が逸れていた。
「うわあああああああッッ!!」
そしてそこに飛んできたのは先ほどハイパーライダーキックで吹き飛ばされた◆6/WWxs901。
……もう一度言おう。この時の予約被りに定評のあるtu4氏は一切、周りに注意していなかった。
ちなみに、◆6/WWxs901自体も飛ばされた方向の関係で背後が見えていなかった。

―――――つまり、ぶつかる直前まで互いは互いに気付かなかったわけで。

ごつんっ。
「「ギャァァッ!?」」
二人とも衝撃で意識が飛び、ぐんぐん高度が下がっていく。
負けるな、◆6/WWxs901!かなり危なかったりするが、頑張れ◆6/WWxs901!!

2754誤解フラグ? ばっきばきにしてやんよ:2008/02/24(日) 20:34:32 ID:5pSw7y/M0
【日中】【F-6 上空、てか落下中】


【◆6/WWxs901@カオスロワ】
【状態】白鐘沙羅、精神疲労(中)、気絶中
【装備】ダイナマイトたくさんとライター、ミニ八卦炉@LSロワ、フライングアタッカー@仮面ライダー555
【道具】ゲートオブバビロン@カオスロワ
【思考・行動】
基本:参加者に変身して色んな奴の誤解フラグをばら撒く
1:ちょぉぉぉぉぉっっ!?
2:誤解フラグがああああああああ!!
3:書き手ロワの繁栄に尽くす(?)。
※変身能力があり、誰にでも変身できます。ですが対象の現在の姿しか変身できません(tu4氏の場合現在の白鐘沙羅状態に)。
※主催者によってジョーカーとして召喚されたっぽい。
※調子が再び落ちましたので、自分の行動理念に対する疑問が再発するかもしれません。
※ヘヴンズ・ドアーにより、第二回放送直前までのシルベストリの記憶を読みました。
※フライングアタッカーはミッションメモリーがないためトンファーモードには出来ません。
※ゲートオブバビロンの中身は現在ランダムアイテム×6とミニ八卦炉、各ロワより一つづつ支給されています。
 ライダーロワと漫画ロワの支給品はそれぞれカードデッキ(リュウガ)と核鉄(詳細不明)です。
 ・???@AAAロワ
 ・ミニ八卦炉@LSロワ
 ・???@スパロワ
 ・???@ギャルゲロワ
 ・???@アニロワ2nd
 ・???@アニロワ1st
 ・???@ハカロワ3
 ・ゲートオブバビロン本体@カオスロワ

【予約被りに定評のあるtu4氏@ギャルゲロワ】
【状態】ダメージ(大)、同胞に対する深い愛、気絶中
【装備】永遠神剣第七位「存在」、ガンダールヴの証(ゼロの使い魔@漫画ロワ)、ペンダント(空鍋の欠片)
【道具】写真付き名簿、支給品一式、不明支給品×1(未確認)
【思考】
基本:空気にならないため他の書き手をみなごろし。
0:え、何で私が!?
1:孤高の黒き書き手氏と接触する
2:書き手はみんな滅する。私を空気とか呼ぶ奴はグロ死な。
3:エロスの鐘の煩悩寺がマーダーだと広める。
4:ギャルゲロワ陣営は欝に叩き込む。
5:空気キャラは保護する。
※容姿は白鐘沙羅@フタコイ オルタナティブ。アセリアの服を着ています。
※実は永遠神剣第一位「空気」を宿していますが何らかの因子が足りないため使えません。
※ガンダールヴの能力は、どんな武器でも自在に操れます。
  また本来は使うと疲労を伴いますが、tu4氏の場合それはありません。チートですし。
※空気王として他ロワの空気キャラの能力を使用できます。
※何を見て聞いたのかは次以降の書き手さんにお任せします。

2755貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/24(日) 20:37:45 ID:5pSw7y/M0
途中PCが吹っ飛ぶなどのトラブルがあった物の、一応完成。
これでステルス合戦の際の罰ゲーム達成。話字体は前から書いてたけどねー。

……正直に言います、リュウガのカードデッキが欲しかったんです。
移動時間とかかなり見ない方向で書いたけど大丈夫かな……?

2756貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/24(日) 21:05:59 ID:SCCyxs7s0
投下乙です。
ああ、せっかく調子があがってきた6/氏が再びヘタレにw

2757貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/25(月) 00:19:15 ID:6I0cQvnY0
投下乙です。
しかしここまで支給品に恵まれた空気キャラというのはなかなか見られるものではない
さすが書き手ロワ。

2758貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/25(月) 01:40:09 ID:LLdjqKXgO
ここまで役立たずなアルターもなかなか見られるもんではない
さすが書き手ロワ
投下乙です

2759我輩は――……:2008/02/26(火) 00:35:26 ID:iJ92PfHU0
しずかなしずかな海。
波おだやかで、青く、広く、見ているだけで同じように心も静まってゆくような、そんなしずかな海。

そこに、一本の灰色の線。
水平線の彼方からのびてくるそれは、コンクリートで引かれた一本の防波堤。

その上を一匹の猫が歩いています。

積み上げられたテトラポッドに波が当たる音を聞きつつ、猫は気ままに先を行きます。
小さく黒い鼻をひくつかせ、釣り人が持ち帰り忘れた獲物がないかを探しています。
しかし残念なことに、今日は獲物どころか釣り人の姿も見えません。

一本の防波堤の上にいるのは、一匹の猫。そして、一人の少女。

どこかで見たことのあるセーラー服を着た黒髪の少女は、猫に気付くとゆっくりとそちらへ歩み寄ります。
猫は少し警戒しましたが、結局逃げはしませんでした。少しさびしかったからです。

「……――も、休憩中? わたしも丁度暇をしてたところなんで、会えて嬉しいわ」

少女は猫の近くに腰をおろすと、また視線を海の方へと向けました。

「綺麗な海……。でも、ずっと見てても飽きないってのは嘘ね」

猫も視線を少女から海の方へと向けます。
何かを思い出せそう。しかし、それが何のなのかすら猫の頭の中には思い浮かびません。

「なんで、いつまでもそんな格好をしているのかな?」

猫の横顔に少女はそんなことを尋ねます。
しかしそれでも、やっぱり猫には何のことだかわかりません。ただ、おなかがへったなぁ……とだけ。

「これをあげる」

どこからともなく取り出した皿を、少女は灰色のザラザラの上に置きました。
皿の上には何故かおでんのつみれ。
期待した獲物ではありませんでしたが、猫はそれにむしゃぶりつき、一生懸命に食べはじめます。

「食べたらいくんだよ? もう、危機はそこにあるんだから……」

夢中になっている猫を足元に、少女はそんなことを言い残して去ってゆきます。
一本の防波堤。また、そこには猫が一匹いるだけとなりました。

その猫も、皿の上を綺麗にするとまた来た方向へと向きかえり――、


――そして、防波堤の上からは誰もいなくなりました。

2760我輩は――……:2008/02/26(火) 00:35:57 ID:iJ92PfHU0
 ◆ ◆ ◆


「……――きて。…………起きて、軍曹。」

少女の声をした目覚ましに、鬼軍曹はまどろみの中から現実の方へと戻ってくる。
閉じていた目の中に差し込む光は、脳内で結束し自分を覗き込む人形の像を浮かび上がらせた。
何時の間にかに眠っていた。それだけを確認すると、鬼軍曹は小さな猫の顎で大きなあくびをひとつする。

「……もう、放送か?」
「何を言ってるのかしら? そんなものとっくに流れちゃったわよ」

人形――コロンビーヌに言われて、鬼軍曹は前脚にはめた腕時計を確認する。
指し示される時間は、もうおやつを食べる頃合だった。

「本当の猫みたいに寝ているんですもの♪」

クスクスと笑う人形。そして、陽だまりの中で丸くなっている自分に、鬼軍曹は自己嫌悪する。
いったい、自分はどこまで猫なのかと……。

「ずっと見ていたかったんだけど、残念ながらそうもいかないの」

少女はすっと、指を鬼軍曹の背後へと伸ばす。

「帽子屋のお茶会に、ジャバウォックの乱入よ――!」

鬼軍曹が首を回した先。真昼にできる真っ黒な影の上にその怪異は存在していた。


 ◆ ◆ ◆


ソレの名前は、デビルシャリダムという。
OC細胞を元とし、ビクトリーム博士とコ・ホンブックを乗っ取った後、承の手により再び分離された存在。
だが、離れ際にコ・ホンブックの身体にあった呪いを引き受けさせられた為、その存在はより不吉なものへと進化していた。

その姿は、強制分離させられたコ・ホンブックの姿を基本としている。
ピンク色をした綿菓子の様な髪の毛と、その下の愛らしい顔。細く白い短躯も彼女のままだ。
そして、彼女の身体に刻まれた22の傷跡もそのまま。
今はそこから流れ出る血が、白い肌の上に複雑で禍々しい紋様を描いている。

触手。触手。触手。触手。触手。触手……。
OC細胞のその象徴とも言える無数の触手。それがその姿を少女ではなく怪異と形容させている。
少女の身体の背面。
首筋より下の方へ……そして股の間を潜ってお腹の真ん中辺りまでと、びっしりと大小の触手が生え揃っている。
その有様は、言うならば――頭の痛い針鼠。(headachy Hedgehog)
これもまた、元となった少女が抱えていた他者への恐怖。それからくる攻撃性の現われであった。

片手に引き摺られているのは不幸を齎す黄金の神器――乖離剣・エア。
数々の負荷により、その武器としての脅威を失っている。だが、不幸の象徴という脅威は未だ変わる所はない。

そして、その精神は――空洞。

失い続けた為に、うつろ。何をも得てないその中は渇いたがらんどう。
故に、貪欲に求めている。
満たされたいと願う故に、触れたいと願う故に、安息を欲するが故に――、


デビルシャリダムは何もかもをも憎しみ、恨み、呪い、奪い、破壊して、殺そうとする。

2761我輩は――……:2008/02/26(火) 00:36:17 ID:iJ92PfHU0
 ◆ ◆ ◆


優雅な午後に乱入してきた怪異を見て、縦長の瞳孔をもった鬼軍曹の目が見開かれる。

「あいつは……、まさかフェムト……いや、コ・ホンブックなのか?」

仇敵の名前を鬼軍曹は零す。
アニタ・キングと良く似た容姿。そして、片手には乖離剣・エア。
彼がそこから連想できる書き手は一人しかいない。
コ・ホンブック。いつかの村で苦渋を舐めさせられたフェムト――その正体は、田老。

「そうか。それは丁度いいじゃねぇか……」
「あら? その様子だと立ち向かうみたいね。猫さん」

鬼軍曹は仇敵を見据え、凶暴な表情を作って唇を捲くり、鋭い牙を覗き見せる。
因縁の相手というなら丁度よい。
そして、その異様な姿。まず、間違いなく目の前の怪異は自分よりも強い。しかも、遥かに。
しかし、だからこそ。そんなシチュエーションだからこそ――、

「俺には……『鬼軍曹』には丁度いい」

猫の柔らかい身体を屈伸させて、鬼軍曹は道路の端へと跳躍する。
そして、短い手足を器用に操り、そこにあった一本のノボリを抜き取り――構えた。
纏わり付いていた旗を捨て、鬼軍曹は一本の樹脂でできた棒を己の武器として怪異に対峙する。

「コロンビーヌ! お前は素敵な恋を探していると言っていたな。
 ならば――、俺がお前のシュヴァリエになることを許してはくれないか?」
「あらあら、長靴を履いた猫がプロポーズ? だとしらは、私はお姫様にしてもらえるのかしら?」

黒いゴシック衣装の人形は、猫からの申し入れにクスリクスリと笑う。
だが、それも満更ではなかった様だ。面白半分ではあったが、小さな猫を姫を守る騎士と認めてあげることにする。

「シュヴァリエと言うのならば、私は手を出さないけれど。猫の騎士にジャバウォックが倒せて?」

闇より光の中へと現れたのは、凶悪で狂暴で巨大な力を持った不吉な魔獣。
それと対峙し撃破を狙うのは、武器ではない棒を構えた小さくて非力な一匹の猫。

「ああ、騎士の誓があれば俺は負けない……」

人形の問いに振り向かないままに答えると、
猫はその尻尾で地面を一度打ち、魔獣へと向け、一人の騎士の様に討ちかかった――!

2762我輩は――……:2008/02/26(火) 00:36:38 ID:iJ92PfHU0
 ◆ ◆ ◆


「(あの時と同じ……、あの時と同じと考えろ――!)」

灰色の地面を一直線に疾走し、鬼軍曹はコ・ホンブック――の姿をしたデビルシャリダムという怪異に迫る。
騎士が掲げる槍を見ても、対する魔獣は虚ろな表情を見せたままで――いや、感知すると同時に蠢き始めた。

「――シィッ!」

直上より叩きつけられた触手を身を捻って避けると、鬼軍曹はその捻じれを力に変えて棒を怪異へと叩きつける。
柔肌にそれがめり込み、下の骨が悲鳴を上げたことを確認すると、今度はその反動を活かして再び逆回転。
身体を左に傾げていた怪異の側頭部へと棒を叩き込んだ。

パキリ――と、手応え。しかし、それぐらいでは怪異は存在する事を諦めない。
2本、3本と触手を伸ばし、鬼軍曹へ痛みと怨みを返そうとする。

突き出された触手を伏せてやり過ごし、払われた触手を飛び越し、交差して迫る触手を掻い潜って鬼軍曹は次撃を構える。
一本の棒で、怪異の足を払い、内蔵を突き上げ、肩を砕き、脳天を打ち据える。
長く、長く。時計の針が四半周するほどにそれを繰り返したが……、

「全然、堪えてないみたいだな……」

鬼軍曹が作った、白地に蒼く走る痣は見る間に消えてしまう。
そして、その分の痛みを吸い取ったのか、背負った触手を炎の様に震わせ、怪異はよりおぞましいものへと存在を変えてゆく。
翻って鬼軍曹の方はすでに限界が近かった。
その身に抱えた小さな心臓はすでに限界を表明しており、真っ赤な猫毛の中にはじっとりと汗が滲んでいる。
元々、猫というものは瞬発力には長けていても、持久力は一切持ち合わせていないものなのだ。

「コレじゃあ、倒せないのは解っていた……。ただ、ちょっと勘を取り戻す為の時間が欲しかっただけだ」

カラン――と、音を立てて『手』から離れた棒が転がる。
そう。これはただの時間稼ぎ。棒で叩くなんてただの時間稼ぎでしかなかった。しかし、その時間稼ぎが……。

鬼軍曹は、その長い『足』で地を蹴り跳躍する。


 ◆ ◆ ◆


「あららぁ〜? あれが私の王子様?」

紅茶のカップを片手にのんびりと死闘を観戦していた人形の目が見開かれる。
その視線の先。そこにいるのは、そこにいた鬼軍曹は――まさに、王子。姫を守るにふさわしい騎士の姿をしていた。

太陽の光を跳ね返すのは黄金の髪。それを被った顔は夢物語の中でしか見れないような眉目秀麗。
標準よりも長く伸びた手足。白く優しそうな指。そして、細身の全身を包むのは穢れのない純白のスーツ。


黒の女王を守護するシュヴァリエ――それが、鬼軍曹の『書き手』としての本来の姿!


「……千年の呪いは解けたってことね。鬼軍曹――いえ、私の騎士様♪」

誓いを立てた姫の目の前。
夜族――翼手の力を取り戻した鬼軍曹が、デビルシャリダムを解体していた。
書き手――九大天王が一人、猫子頭の鬼軍曹としての力を思い出した鬼軍曹が、デビルシャリダムを破壊していた。
鬼軍曹――アニロワの中を走っていた彼の姿を知っている書き手が、彼に覚醒を促した。


……繰り返そう。
黒の女王を守護するシュヴァリエ――それが、鬼軍曹の『書き手』としての本来の姿だ!

2763我輩は――……:2008/02/26(火) 00:37:02 ID:iJ92PfHU0
 ◆ ◆ ◆


「――キリがないな」

翼手としての怪力により、デビルシャリダムの身体は一瞬で細切れに解体される。しかし、その次の一瞬でまた戻るのだ。
OC細胞に押し付けられたコ・ホンブックの呪い。妙薬、不死の酒の作用。それが怪異に生を諦めることを許さない。

振られた手刀により、赤い軌跡を描いて怪異の腕が、脚が、首が、飛ぶ。しかし、また一瞬で元通り。
叩き込まれた革靴の裏により、メシャリと音を立てて怪異の肺が、肝臓が、心臓が、潰れる。しかし、また一瞬で元通り。

このままでは無限に闘争は続き永遠に終わらない。
――いや、鬼軍曹は永き時を生きる翼手と言えども、その存在は永遠ではない。ならば、彼が朽ちて終わるのか?

否。鬼軍曹にはまだ手段がある。鬼軍曹にはまだ力がある。鬼軍曹は怪異に放たなければならない言葉を持っている。


鬼軍曹は、その姿を、じょじょに移し変え、怪異に再度肉薄し、そしてその耳元でそれを言い放った。



「CO(カミングアウト)。鬼軍曹は――狼だっ!」



翼手。それが吸血鬼と呼ばれる正体――鬼の姿でもって、鬼軍曹は怪異を『無残な姿』に変えた。


 ◆ ◆ ◆


無残にばら撒かれ、灰色の地面に赤い斑の海を作っているデビルシャリダム。それは完全に沈黙していた。
流れ出た血が重力に逆らって流動することも、肉の破片同士が磁石の様にくっつきあうことも、もうない。
不死の酒によって齎された力は空間融合の影響により、そのキャパティシィを大幅に減じていたのだ。
そして、その限界を真の力を取り戻した鬼軍曹が越えた。なので、怪異はもうその姿を取り戻すことはない。



怪異は去り、舞台の上には騎士と姫の二人だけとなった。
黒い人形の姫は、手を叩いて騎士の勝利を祝福する。

「素晴らしいわ! 鬼軍曹。あなたは一体どんな魔法を使ったのかしら?」

問われた騎士は、黄金の髪を揺らして振り向き、そして答える。

「何も……、ただ恋をしただけですよ。姫」



騎士と姫。二人は手を取り合うと、太陽の下を歩いてゆく。
午後の紅茶。それが楽しめる素敵な舞台を探して――――…………。




【デビルシャリダム  沈黙】

2764我輩は――……:2008/02/26(火) 00:37:20 ID:iJ92PfHU0
【午後】【E-6/市街地】

【コロンビーヌ@漫画ロワ】
【状態】:健康
【装備】:ゾナハ蟲@からくりサーカス、腕時計型麻酔銃(残弾1/1)@漫画ロワ
【道具】:支給品一式、ティーセット一式、麻酔銃の予備針×4 、変化の杖、
     焦ったドラえもん・うっかり侍・孤高の黒き書き手の服
【思考】
 基本:恋愛がしたい。
 0:午後の紅茶を楽しめる場所を探す
 1:鬼軍曹と恋愛を楽しんでみる(?)
 2:そういえば、新生クライシス帝国のみんなはどうしているかしら?

 ※容姿はコロンビーヌ(ロリ)@からくりサーカスです。
 ※ギャグ将軍にシンパシーを感じています。
 ※影の繋ぎ手・仮面ライダー書き手に紅茶を入れてあげたいそうです。


【猫子頭の鬼軍曹@アニロワ1st】
【状態】:健康
【装備】:なし
【道具】:支給品一式、対戦車地雷×17個、ポン太くんスーツ@スパロワ(大破)
【思考】:
 基本:コロンビーヌの騎士として行動。主催を打倒する
 0:午後の紅茶を楽しめる場所を探す
 1:放送の内容をコロンビーヌから聞く
 2:アニロワ1stの書き手達と合流
 3:お姉さまに会ったら、お仕置きする

 ※本来の『書き手』としての姿を取り戻しました。
 ※容姿はソロモン@BLOOD+で、能力もそれに準じます。
 ※コロンビーヌに対し、シュヴァリエの誓いを立てました。
 ※仇敵であるコ・ホンブックを殺害したと勘違いしています。(※実際に殺害したのはデビルシャリダム)



E-6の路上に、デビルシャリダムの残骸(OC細胞)が散らばっています。
自力で活動を再開することはありませんが、何らかのきっかけがあれば……もしやすると?


デビルシャリダムの残骸の中に、乖離剣・エア(機能停止中)が放置されています。

2765貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/26(火) 00:38:35 ID:iJ92PfHU0
投下終了-☆
これで与えられたノルマは完遂いたしました。
まぁ、ノルマがなくても書くんだけどねw

2766貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/26(火) 12:41:10 ID:qPcOopQwC
投下乙です。
不思議の国のアリスですかー。
コロンビーヌには合ってるけど、鬼軍曹はソロモン込みでぶっちゃけ、イメージが(ry

2767貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/26(火) 17:14:11 ID:001CPC3E0
投下乙です!
軍曹かっけぇ。まさに男の中の男。
これが死亡フラグとなるか、そんなの関係ねぇとばかりにカップル成立させるのか?

2768働け対主催! 俺?俺に働けって?:2008/02/26(火) 17:29:06 ID:h0tsX0dI0



「すいません!」
「遅いぞチンカス。ションベンぐらい1秒で済ませろや」
「いや、無理ですって」

戻るなり浴びせられる罵声に泣きそうになりながらも、◆MJことルシオは謝罪を続けた。
温泉に行こうと言い出した転に従い、かなりの時間歩き続けていたのだ。
ちなみになぜか移動の最中、転はずっとルシオに荷車を引かせ、その上で胡坐をかいている。
最初は一緒に歩いていたのだが、1分も立たないうちに歩くのに飽きた転が、近くの民家からルシオに持ってこさせたのだ。
既に全身汗だくなルシオとは対照的に、転は悠々とした表情で首輪を弄っている。
その手元の首輪四つを分解しては直し、直したものをまた分解していた。

「って、ちょ! なんで首輪が四つあるんですか!?」
「うっさいぞ馬鹿もんが。ケツの穴にクスハ汁流し込むぞオイ」
「ご、ごめんなさい! ……で、でもその……首輪が」
「ああ」

転はルシオの言いたい事をに納得すると、自らの首を指差す。
そこには、自分とは決定的に違う……あるはずのものがなくなっている状態だった。

「まさ、か――」

唖然とするルシオを尻目に、転は首輪を指で回しながら鼻で哂う。

「ふんっ、こんな玩具仕掛けの首輪なんぞ、てめぇのションベンタイムがあれば解除できるわバカチンめ。
 それともう一つ。主催者のヤツめが入れておいた首輪の探知機能を、このたまたま握った支給品に加えといた」

転は支給品袋から家庭用の扇風機を取り出すと、乱暴な手つきでボタンを叩く。
すると、扇風機のファンが回転しだし、風の代わりに空中に立体映像が浮かびあがる。
映像には第一放送後に支給された地図と同じで、その中で、幾つもの数字が点々と表示されている。
よく目を凝らしてみると、その数字達が時間と共に小刻みに場所を移動していく。

「支給品として渡された扇風機に、首輪の機能を組み合わせ、立体映像が出るよう工夫したのも私だ」
「……」
「ちなみに俺とてめぇの他に、この周辺に誰か居るみてぇだが、そんなの無視だ」

凄い相手だとは思っていたが、目の前の男はルシオの想像の遥か斜め上を飛び越えて存在しているらしい。
しばらく唖然としていたルシオだったが、嫌な予感を感じて転の方に向き直る。

「け、けど、これが主催者にばれたら――」
「あぁ!? もっと頭を動かせこの小市民めが! そんな事する訳ねーだろよぉ!」
「げふっ」

ルシオの持っていたチェーンソーの刃の部分で持ち主の頭を叩く。
若干血が出ているが、作動させないで殴られたのは転なりの優しさだろうか。
額からポタポタと流血させるルシオを放置し、転は持っていた首輪を摘んでぶらぶらさせる。

「細かい説明は面倒だからせん。だが、貴様がどうしてもと言うなら教えてやらんでもない」
「どうしても教えて欲しいです」

抵抗するとか、下克上するとか、そう言った選択肢を転と出会ってから忘れていたルシオは、
従順な犬のようにあっさり転の望む回答を差し出す。しかしこの転、相変わらずノリノリである。
ルシオからの答えに満足した転は、真面目な顔をしながら空を見上げた。

「この首輪。全てが同じ性能じゅねえ。この四つの首輪全てが別の製造元があるんだよ」
「は? 製造元とかあるんですか?」
「口を挟むな。チンコ切り落とすぞ。つか、切り落とすからズボン下げろや」
「ひぃ! ごめんなさい!」
「次ぎやったら片玉ぎっちょんだ。で、どこまで話した……ああ、製造元か。
 おそらくコレは、各ロワで使用済となった首輪を急ごしらえして修理したんだな。
 だから盗聴機能もなければ、監視カメラもねえ。この首輪にいたっては、爆破機能すらついてない」

床に放置しておいた首輪に手を伸ばすと、それを容赦なく両手で捻り切る。
思わずギョッとするルシオとは別に、転は何事もないのが当たり前だといった顔で分断された首輪を投げ捨てた。

「じゃあなぜ、そんな首輪を用意できて、尚且つ再利用したのか――」

もう一つの首輪を手に取り、転は呆れた様にため息を吐く。

「一つ。主催者は複数のロワを知っている。二つ。主催者の本当の目的は俺らであって俺らじゃない」

淡々と纏め上げた持論を語る。

2769働け対主催! 俺?俺に働けって?:2008/02/26(火) 17:29:25 ID:h0tsX0dI0

「よってこれは推測だが、主催者は参加者の誰かに『何か』をさせるためこの場を用意した。
 逆に言えば、その特定の人物以外の事なんざ、はなから監視するつもりはなかったんだろうよ」

これは確証に近いがな。と付け足しながら、転はつまらなそうにルシオの股間目掛けてチェーンソーを突き立てる。

「ちょ、いたいですってば!」
「ムカつくんだよ。脱出しようにも、このロワ完結するまで外に出られないってなんなんだぜ!
 ある程度主催の背景とかジョーカーの存在とか、対主催チックな情報が分かっても嬉しくない!
 もっと脱出関連の情報とか、さっさと帰れる方法とか探してたんだよ! いらねぇよこんな糞情報とか!」
「いだだだだ! 潰れます! 本当に片玉になっちゃアッー!」
「くそったれめ。これでは他の奴らを働かせて悠々と過ごす訳に行かなくなるじゃねーか!
 きっと他の参加者は変態揃いに違いない。そんな奴らに考察話が出来ようか。否、無理だ」
「じゃ、じゃあ僕らも対主催らしく活躍しましょうよ!」
「黙れ小僧! そんな面倒臭い事、熱血担当の奴らに任せればいいんだよ。
 それまで俺はぬくぬくする。温泉につかってリフレッシュし、栄養を蓄えるの。ほら、早く行くぞ」

涙を浮かべるルシオの背中に蹴りを入れる転。
もちろん抵抗する選択肢が浮かばないルシオは、頭や股間から血をピューピュさせながら荷車を引き始める。
ちなみに最初の方で出ていた二人の近くに居るという参加者。
それは、気絶したままのシルベストリだった。
進み続けていた荷車にひっかかり、その下にずるずると引き摺られていたのだ。
そうとは知らず、ルシオは重い重いと泣き言を呟きながら、荷車を引き続けていく。





【転@スパロワ】死亡?&首輪解除




【日中】【G-7 市街地】
【◆MJ.H0/MJQ@AAAロワ】
【装備:チェーンソー@サガ1、えいゆうのたて@FF6】
【所持品:ヒュッケバインMk−Ⅲガンナー(人間サイズ・リモコン式)@スパロワ、支給品一式】
【状態】地味に健康。けれど、地味に頭と股間に怪我
【思考・行動】
1:先生。目立ちたいです……orz
2:あれ? 持ち物に存在感負けてね?
【備考】ルックスは地味な好青年風です。強いて言えばヴァルキリープロファイルのルシオに似ています。
※えいゆうのたてにはアルテマ×10、つまり通算で10話以上所持しているとアルテマが習得できます。魔力っぽいステータスや、触媒があれば使用可能です。
※ヒュッケバインはビッグ承、結のディストラと融合することで、三神、四神モードにパワーアップします。
 それぞれ三機合体、四機合体の機体に変化。二機合体ではSSサイズ(人間大)ですが、サイズも大きくなっていきます。



【転@スパロワ】
【装備:不明】
【所持品:支給品一式、転ばし屋、クマのプー太氏、首輪×3(内一つ破壊)、高性能探索機能つき扇風機、ほか未確認】
【状態:健康】人格反転中
【思考・行動】主催者をぶっ潰し、うざいクズは殺す
1:とりあえず温泉で一休み。
2:他の対主催を動かして、頃合を見て合流する。
【備考】
※容姿は秋津マサト及び木原マサキ
※転ばし屋はトリップ名でしか動きません
※生死に関わらず、第三回放送で転の死亡は放送されます。
※首輪の解除方法を会得しました。道具がなくても外せます。


【シルベストリ@漫画ロワ】
【状態】:全裸。気絶。
【装備】:なし。
【道具】:なし。
【思考】
基本:サ ー ビ ス シ ー ン 担 当
1:気絶していると言わざるを得ない。

 ※容姿はシルベストリ@からくりサーカスです。
 ※両目があります。金玉絶賛引き上げ中です
 ※覆面&マントを装備した場合、外見が荒くれ仮面(FFDQロワ参照)になります。
 ※◆6/WWxs901と接触して以降の記憶が消されました。そのため、自分が焦ったドラえもんを攻撃したことは覚えていません。
 ※所持品(支給品一式、白手ぬぐい、覆面&マント@FFDQロワ(海水で湿ってる)、
  『闇その2@スパロワ』の首輪(分解され内部構造がよく分かる) )はすべてH-8に放置されています。

2770貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/26(火) 17:30:28 ID:h0tsX0dI0
投下終了。
最近の考察の流れに乗ってみた。
といっても、この方やる気が全く感じられませんけどね。

2771貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/26(火) 21:01:50 ID:r8xalV6EC
投下乙です。
やる気ねえにも程がある。
それにしても分裂した奴等はどうしてこうアンバランスな割れ方をするのかw

2772貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/26(火) 21:17:32 ID:VBH8/tEs0
投下乙。
首輪解除か。コ・ホンブック、こうたろ……じゃなくて影の繋ぎ師に続いて三人目だな。
そして、何よりやるきない。本当に対主催なのか。

ところで、上記の二人は放送に反映されないのだろうか。一度首が跳んでるブックなんかはされる気がするが。

2773貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/27(水) 01:06:06 ID:AcKqMHxQ0
……しまったあ!書き忘れてたあ!!
あーっと、ブックと繋ぎ師書いた本人っす。
同一作者です。
二人とも死んだと放送に反映されます。
後で修正しときます、突っ込み感謝!

2774貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/27(水) 12:48:16 ID:c7mnPFYYO
ブックが放送で呼ばれたとなると、軍曹がシャリダム見た時に多少描写の追加が必要になるんじゃないか?

2775貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/27(水) 15:50:25 ID:JKS0/vYw0
自分が書いた話でも、焦ったドラえもんに「コ・ホンブックは放送で呼ばれなかった」
と言わせちゃってるんですが…。
会場には監視カメラが仕掛けられてるみたいだから、それでコ・ホンブックの生存が確認されていた
…って言うのはだめですか?

2776貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/27(水) 15:59:32 ID:kA1l.qD60
首輪はガラクタだった、ってことでいいんじゃないか?
実は死亡確認も全て監視カメラを使っての手作業だったんだよ。

2777貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/27(水) 16:20:17 ID:VYbX.wvU0
コ・ホンブック…見落としてた
転…ちゃんと見てた
影の繋ぎ師…クライシスの仕業だ!

2778貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/27(水) 16:21:33 ID:VYbX.wvU0
しまった、ブックと転書き間違えたorz

2779貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/27(水) 17:43:06 ID:25gC8SMo0
「仕事」で、長門パワーによって主催が参加者の現在位置と生死を把握してる……って、書かれたから
首輪うんぬんは別にいいんじゃないかい?

2780貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/27(水) 18:41:08 ID:RtqJYqyY0
ってことは、転はむしろ過疎パワーで長門レーダーからステルスしたってことか

2781尻といったな?見せてやる!俺の熱い尻への愛情を!:2008/02/27(水) 20:19:28 ID:czqGhr120

 病院の一室に水が落ちる音が響く。
 お湯によって生み出される蒸気と、シャワーより勢いよく流れ落ちる水の中、長い黒髪をたらして汚れを流れ落とす少女がいた。
 腰まで届く艶やかな黒髪は幼い少女に妖しい雰囲気を醸し出させ、キリッとした切り目の瞳が男の被虐心を刺激する。
 形の良い鼻梁に、幼さを残しいささか丸い顎のライン。柔らかく笑み唇に、僅かに犬歯が覗いている。
 珠のような白い肌に水が、少女の引き締まっていながら、程よく肉の付いた肢体を流れ落ちていく。
 外見から察する年齢にふさわしい小さな胸が、女性であることを主張する。
 張りのある太ももの白さが眩しく、思わずむしゃぶりつきたくなるようなほどであった。
 腰から尻までラインは美しい流星形であり、男の脳髄を刺激するのに十分すぎるほどの後姿を作り出していた。
 ホウ……と、ため息を吐く少女の黒髪が揺れ、その眩しいまでの桃尻が黒髪の合間に見える。
 筋肉が引き締まり、窪みを作っていたが、男の尻のように硬そうな印象はない。
 むしろ、マシュマロを思い出させるような、白く柔らかい印象が刻まれる。
 未成熟さゆえか大きさは程々。その青い果実のごとくの存在が、男を狂わせる魔性を発する。
 もしも男が、青い果実を少しだけ、甘そうだと錯覚したなら。
 もしも男が、青い果実を少しだけ、手を伸ばしたのなら。
 もしも男が、青い果実を少しだけ、愛おしさを感じたのなら。
 そろいも揃って蟻地獄の蟻のごとく、少女の魔性に引き込まれるのだろう。
 目の前でなる大人顔負けの妖しげな色気は、人を狂わせる果実となる。
 まるで、イブが食べた禁断の実のごとく。



「ふう、さっぱりした」
「飯食って風呂入って……まるでロワに参加している自覚がないな」
「そういうではない。DIE/SOUL、血を飲んで体力を回復させなければ、いくら私といえど戦いぬけぬ。
そういうお前は義手は見つかったか?」
「……ねえよ」
「それは残念だ」
 ニヤリと、少しも残念そうには見えないマダオはしれっと言ってのける。
 空の輸血パックを前にしているDIE/SOULは額に血管を浮かばせ、じろっとマダオをねめつけた。
「だいたい、なんだ。その格好は?」
「下半身が健康になるだろ?」
 DIE/SOULが呆れたように呟く。
 それもそのはず。今のマダオの格好は、白い運動服の上半身に、紺のブルマというありえない格好だからだ。
 しかも、運動着の中央には『1の3 まだお』と刺繍されていた。
 いつの間に用意したのかと呆れるDIE/SOULだが、ツッコムのも面倒なので考えるのをやめた。
 マダオは構わず、献身的に地球破壊爆弾を手当てするクールなロリスキーに声をかける。
「どうだ? 目を覚ましそうか?」
「……ぜんぜん駄目。どうしよう」
「うむ、なら続きは私がしてやろう。クールなロリスキーもシャワーを浴びてくるがいい」
「でも……」
「なに、吸血鬼は吸血鬼がよく知る。それにアーカード同士だしな」
(なにより、サービスシーンを演出しろという神の声がある)

2782尻といったな?見せてやる!俺の熱い尻への愛情を!:2008/02/27(水) 20:20:07 ID:czqGhr120
 マダオが自分の握っているハガキを見つめると、『サービスシーンを! 読み手様のために!』と書かれたあった。
 さっき病院の郵便受けに入っていたのを発見したのだ。
 最古の四人の誰かか? という疑問があったりするが、気にしてもしょうがない。
「マダオさんの言うとおりですよ。大体、ロリスキーさんは輸血パックに一つも手を出していないじゃないですか。
せめて休憩を兼ねて、シャワーでも浴びないと身が持ちませんよ」
「なに? まだ血を吸っていなかったのか」
「だって……」
 しゅんと頭を垂れるロリスキーに、マダオは輸血パックを一つ差し出す。
 ロリスキーはその手を拒否しようとするが、吸血鬼の本能は血の匂いに惹かれていた。
「地球破壊爆弾に力を取り戻させたいのなら、飲んでおくことだ。
手当てに必要な体力がなければ、地球破壊爆弾が滅びるだけだからな……」
 マダオの脅すような言葉に、ロリスキーは恐る恐る輸血パックを手に取る。
 覚悟はいいか?と問われているようなほど輸血パックが重く感じた。
「まあいい。飲むにしろ、飲まないにしろまずはさっぱりしてこい。
案外、頭の中もすっきりするかもしれんぞ」
 マダオの言葉にロリスキーは頷いて、シャワー室へと向かう。
 ドアがパタンと閉まり、室内に沈黙が満ちた。


 しばらくは無言であったが、何かに気づいたマダオはつかつかと地球破壊爆弾へと向かった。
 ウッカリデスやDIE/SOULが不審に思う中、マダオは口角を上げ、犬歯を覗かせる。
「おい、地球破壊爆弾。起きているのだろう?」
「……ばれたかぁー」
「ッ!? 地図氏、てめえ……!!」
 ガタッと、椅子を蹴飛ばして立ち上がるDIE/SOULに、マダオは右手で制する。
 まだ慌てる時間じゃない。
「落ち着け。消耗しているのは本当だ。今ならかがみでも難なく殺せるだろ」
「かがみんに殺されるなら、本望さー」
「さらっと言ってのけますね……」
 ウッカリデスの言葉にこなた……もとい地球破壊爆弾は目を細めながら振り向く。
 ウッカリデスの瞳には地球破壊爆弾のアーカードとしての気質の中では、好みの感情の色が浮かんでいる。
 挑むような、戦士の瞳。
「地球破壊爆弾氏、僕は宣言します。必ず、あなたからロリスキーさんを取り戻すと」
「ほう、小僧。いい意気だ。ならば、俺の心臓を狙い続けるがいい。待っているぞ……!」
 こなたの顔で獰猛な笑みを地球破壊爆弾は浮かべ、中田譲治の声で殺気を放ちながら告げる。
 ウッカリデスは身体を震わせているも、眼は逸らさずに受け止めた。



 ロリスキーは蛇口を捻り、シャワーから出るお湯を全身に浴びる。
 長い間晒されていた素肌は冷え切っており、お湯の温度が白い肌に赤みを取り戻させていく。
 普段は二つに結び長髪を背中に流し、お湯に濡れて艶やかに光を反射する。
 水の流れと共に、決めの細かい肌の汚れが流れ落ちていく。
 程よく育つ胸の先端が、つんと上に向き形を整えて主張をしている。
 大きいという程ではないが、小さいといわれるような大きさではない。
 かがみであるのだから、ある意味正解なのだが。
 僅かに作られる胸の谷間をお湯が通る。身をよじり、全身に温もりをいきわたらせる。
 白い熟した桃のような、引き締まり、それでいて肉付きのいい尻。
 その白さは、掌で叩かれれば紅葉のような跡を引き立たせるほどだ。
 マダオの魔性さとは違い、健康的な色気を宿している。
 ため息を吐くロリスキーは先ほどマダオから渡された輸血パックの事を考える。
 戦力強化のため、自分のためにもあの輸血パックは飲むべきなのだ。
 なにより、自分を通してこなたこと地球破壊爆弾も力を回復が出来る。

2783尻といったな?見せてやる!俺の熱い尻への愛情を!:2008/02/27(水) 20:20:59 ID:czqGhr120
 いいこと尽くめだ。しかし、自分はまだ人間でいたい。
 もうとっくに吸血鬼となり、いろんなロワのかがみのごとく再生能力を持つ自分は傍から見れば充分化け物なのだろう。
 それでも、血を吸うということは、誰かを食料と認識することは、人であることと永遠に決別しそうな想いがロリスキーにはあった。
(どうしよう……)
 頭からシャワーを浴びるロリスキーの頭に、答えのない疑問ばかり浮かぶ。
 無性にこなたと話がしたい。ロリスキーはもやもやを抱えたまま、蛇口を捻りシャワーを止めた。


 シャワーを終えて、着替えをする彼女は脱衣所を後にする。
 着替え用の衣装から、ナース服を着用して部屋へ向かう。
 地球破壊爆弾が目を覚ましているとも知らずに。
 手に持つ輸血パックが、ロリスキーに問いかける。
 
 さあ、どうする?

 

【昼】【E-8 病院内】
【アーカードとかは行く】
【忘却のウッカリデス@アニロワ2nd】
【状態】:元気、首をかなり捻挫、腰痛、応急処置済み。闘志
【装備】:ゼロの仮面(蝶高性能)@アニロワ2nd
【道具】:なし
【思考】:ロリスキーの為に対主催!
 1:僕の推論が合っているのか?
 2:最速の人との誓いを守る
 2:地球破壊爆弾さん、ロリスキーを賭けて勝負だ!
※ロリスキーへの恋心をしっかり認識。
※ウッカリデスが見た上空に存在する建物は、今の所彼にしか見えません。



【クールなロリスキー@漫画ロワ】
【状態】:不死者、吸血鬼、疲労(中)
【装備】:ナース服。輸血パック
【道具】:支給品一式、着替え用の衣装(複数。うち、運動着ブルマセットはマダオ、ナース服はロリスキー)、
     『村雨健二』の衣装、日焼け止めクリーム(大量)、裸エプロン(キュートなシルク仕様) 、未定支給品×?(本人確認)
【思考】:こなた……
 基本:脱出か対主催!
 1:こなたの治療を。
 2:落ち着いたら今後のプランを練るわ。
 3:輸血パックを吸うかどうか……
 ※容姿は柊かがみ@らき☆すたです
 ※何故か不死身です
 ※ギャルゲロワ版最速の人に心惹かれています
 ※地球破壊爆弾No.V-7に血を吸われ、彼女の下僕になりました

2784尻といったな?見せてやる!俺の熱い尻への愛情を!:2008/02/27(水) 20:21:31 ID:czqGhr120

【ミスターマダオ@漫画ロワ】
【状態】:重症(回復中)、右半分が大火傷(回復中)、強い決意、強い仲間意識
【装備】:パニッシャー@トライガン(機関銃:残り弾数100%、ロケットランチャー:残り10発)。運動服&ブルマ
【道具】:支給品一式、未定支給品×1(本人確認済み)
【思考】:
 基本:対主催! 殺し合いには乗らないが、マーダーは犬の餌。しかし……?
 1:友情! もっと仲間を探すぞ!
 2:努力! 首輪をどうにかするぞ!
 3:勝利! 見ていろよ主催者!
 ※容姿はアーカード(ロリ状態)@ヘルシングです
 ※押し倒したウッカリデスを気に入りました
 ※地図氏(地球破壊爆弾No.V-7)がジョーカーではないかと思っています。
   ジョーカーに襲われた事と合わせての考察はまだしていません。
 ※自分が本物の書き手なのか疑問が生まれました。他の書き手を殺すのにわずかな躊躇いが生まれました。
 ※スタンド『世界』は漫画ロワ準拠の制限がかかっています。時止めの時間は3秒です。
 ※漫画ロワにおけるスタンドの制限について
 ・スタンドの特殊な力を使用する際、精神力の他に体力も『必ず』消費する。弱っている時に無理をすると、無駄に体力を使って発動もせず下手をすれば死ぬ。
 ・連続で時を止める/飛ばす事はできない。チャージ時間は一呼吸(十秒)。
 ・スタンドは一般人にも見ることが可能。
 ・スタンドは一般人にも触ることが可能。物理攻撃も可。
 ・スタンドは発現、能力の発動に体力と精神力の両方を使用する。



【神行太保のDIE/SOUL@アニロワ1st】
【状態】:疲労(中)、胸部にダメージ、全身火傷(処置済み)、右指炭化(処置済み)、全身に打ち身、核鉄による治癒中
【装備】:竜殺し@ベルセルク、ガッツの装備一式@ベルセルク  核鉄『ブレイズオブグローリー』@武装錬金
【道具】:支給品一式、拡声器
【思考】:
 基本:アーカード(地図氏、マダオ)は殺すつもりだったのだが……。
 1:義手を見つける。
 2:あのナナシとは必ず決着をつける。
 3:仲間を集めて『孤城の主』を実現させ地図氏を打倒する?
 4:それまではマダオと協力関係を結ぶ
 5:地図氏を始末した後はマダオを始末する……つもりだ
 6:目を覚ました地図氏をどうするか……
 ※容姿はガッツ@ベルセルクです。
 ※神行太保・戴宗の神行法(高速移動)が使えます。
 ※ラディカルグッドスピード腕部限定は、腕だけが速く動きます。
 ※地図氏(地球破壊爆弾No.V-7)がジョーカーではないかと思っています。
  ジョーカーに襲われた事と合わせての考察はまだしていません。
 ※自分が本物の書き手なのか疑問が生まれました。他の書き手を殺すのにわずかな躊躇いが生まれました。



【地球破壊爆弾No.V-7@アニロワ1st】
【状態】:疲労(大)
【装備】:『真紅』の衣装、シルクのエプロン
【道具】:支給品一式、着替え用の衣装(複数)、アダルトグッズ(大量)、未定支給品×1(本人確認)
【思考】:ばたんきゅ(〓ω〓.)
 基本:とりあえずは、こなた&かがみという方向で……
 1:かがみんのお手伝い〜
 2:お腹が減ったら、かがみんから血を吸う
 3:かがみん用の血を探す(他の参加者か、輸血用血液)
 4:ほほう、いい覚悟だ。ウッカリデス。
 ※基本的に中身はアーカードで、CVは平野綾です
 ※変化する姿に7つのバリエーションがあるらしいです。
 【1:地球破壊爆弾】【2:アーカード】【3:長門有希】【4:泉こなた】
 【5:銃撃女ラジカル・レヴィさん】【6:キングゲイナー】【7:1〜6とか目じゃないよ?びびるよ、まじで】
 ※クーガーの早口台詞が言えます!
 ※鎖鎌、鳳凰寺風の剣、ソード・カトラス、ノートPCの投影が可能です。
 【スーパーキョンタイム】
 地図氏以外の者はゆっくりとしか動けなくなります。一度使うとそれなりの時間使用不可能です。
 【地図氏の地図】
 参加者の位置、生死を含めた地図を投影できます。※長門有希の状態でのみ可能。
 使いすぎるとアレなので、毎晩0時にのみ使うことにします。

2785貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/27(水) 20:22:45 ID:czqGhr120
投下終了。尻話、――決着!

いや、違う。俺たちの尻への情熱は、まだ始まったばかりだ!

続く

2786貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/27(水) 20:41:33 ID:QuSx4nqk0
乙!なんという尻への情熱。これは深く心に刻まざるを得ない。
あとウッカリデスよ。地味に死亡フラグ回収し始めたのは最速氏の影響なのかw

2787貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/27(水) 21:15:58 ID:lTKy1MIE0
投下乙。被ったぜふあははっははっはああ。修正するか。
ところで時間が昼ですが。

2788貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/27(水) 21:18:34 ID:czqGhr120
>>2787
ごめんなさい。
時間は日中です。乗った時に修正します

2789貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/27(水) 21:57:13 ID:25gC8SMo0
ヘイ。MAP一丁!
ttp://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6e/5f/e014c8d505639534e728a43e2fdfe664.png

2790蟹座の爪の悪夢:2008/02/27(水) 23:48:14 ID:lTKy1MIE0
「ふあぁぁあ……」
 ロリスキーを待つ病院のロビーで、マダオはおおきくあくびした。
「……眠いんですか?」
「うむ。やはり吸血鬼が昼間に起きるのは健康によくないらしい」
「吸血鬼に健康もくそもあるかよ」
 ウッカリデスの問いに答えるマダオ。
 そこに突っ込むDIE/SOUL。
「そーだねー。私も眠いよー」
「お前は今までぐっすり寝てたろうが」
 そしてこれは地球破壊爆弾こと、こなた。
 本名がめんどくさいのでこれでいくことにする。
「少し休んでもいいんじゃないですか。ロリスキーさんが戻ってくるまでなら」
「そうだな……じゃあロリスキーが来たら起こしてくれ」
 そういって仲間から少し離れた長椅子に横になるマダオ。
 目を瞑ってリラックスすると、その意識はほどなくぼんやりと闇に包まれていった。


  ◆  ◆  ◆


 真っ暗だ。
 目を開ける。
 やはり真っ暗だ。
 どうやら私は目隠しをされているらしい。
「む――――?」
 口にも猿轡をかまされている。
 滑らかなプラスチックの感触が舌や口腔の中を圧迫しているのが分かる。
 小さな穴がいくつも開いているらしいことは、舌の感覚から理解した。
 いわゆるボールギャグというやつか。
 その穴から私は唾液交じりで濁った吐息を漏らした。
「気づいたみたいですね」
 女の声だ。誰だろう。
 覚えがない。
 声はかなり近い。
 そのことに驚き、私は条件反射的に体を動かそうとする。
 そこで自分は四肢から指先にいたるまで、何か椅子のようなものに拘束されていることを理解した。
「暴れても無駄ですよ。ここは生と死の狭間、夢の世界。私が拘束を解く、と思わない限り、例えアーカードでも無理です」
 夢の世界?デス13か何かか?
 つまりこれは敵の攻撃か!
 だが、暴れようにも本当に身動きが取れない。
 解こうにも力そのものが出ない。
 うぅぅぅと、うめき声をあげるのがせいぜいだ。
「……やってくれましたねえ。とりあえず楽には殺しませんよ?謝ったって許しませんよ?
 せいぜい苦しんでくださいね、くけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけ♪」
 女の顔は分からない。

2791蟹座の爪の悪夢:2008/02/27(水) 23:48:55 ID:lTKy1MIE0
 だがその狂ったような笑い声は、一度聞いたら滅多に忘れることはできないだろう。
 どこまでも続くかと思われた、その声が突如として止まり、震えがくるような冷たい声が私の耳元で聞こえた。


「まずは人差し指」


 ずぐり、という音が聞こえた気がした。
 右手人差し指の爪の間になにか尖ったものが入り込んだようだ。
 目隠しをされているから、何が入り込んだかなど分からない。
 そしてその瞬間に指先が爆発したような痛みが電流となって体中を駆け巡った。
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!!!」


「次は小指。そして中指♪薬指ーに、親指ー♪」


 ぶすり、ぷすり、まるで歌でも歌うように、楽しそうに、私の指の爪に「尖ったもの」を差し込んでいく。
 その度に私の指先は爆発し、自分でも信じられないような絶叫を上げた。
 あまりの激痛に吐き気がする。
 全身が硬直し、頭の中に送られた痛みの信号がガンガンと暴れまわる。
「ふっ……ふっ……ふっ……!」
 五本の指全てが断続的な爆発を続け、私は全身を震わせながら、荒い吐息をギャグの隙間からはきだした。
 こぼれた唾液が口元を伝っていく。いや汗か。もはや分からない。
「目隠ししてるから説明してあげますね。いま、あなたの指先に針が一本ずつ差し込まれているわけです」
 ああ、どうやらそんなことだろうと思ったよ。
 これで気が済んだか?誰だか知らんが、ここまでされるほどの恨みを買った覚えはないんだがな。


「これで終わりじゃありませんよ?」


 べり。


 あまりの激痛に麻痺しかかっていた私の感覚が、再び引き戻された。
 さっきの痛みとはベクトルの違う痛みだ。
 針を刺された時は瞬間的な、熱いような爆発するような痛みだった。
 だがこの痛みははかさぶたをはがすかのように、日常の延長線にある。
 もちろん苦しみはその比ではないが。
「あはははは、人差し指の爪がトイレのふたみたいにパカパカしてますよ?どうですか痛いですか?」
 痛いに決まってるだろう!
 待てよ、おかしい。アーカードのはずなのに。これはあれか、法儀礼済みの針か何かか?
 それとも夢の中だから何でもありとかチート能力か?
「次はどこをはがしましょうかねー。親指がいいですか?小指がいいですか?」
 そういって女は私の指に差し込んだ針をつんつんとつついた。
 その度に私の指の神経は苛まれ、痛みにびくりと体が震えてしまう。
 やめろ、やめろ、頼むからやめてくれ。
「やっぱり薬指にしましょうか」
 不意に薬指の爪の中がみりみりと音を立てる。
 その痛みと、指先が中から引き裂かれていく感触が恐怖を増幅していく。
 やめろ、私が何をした。やめてくれ。勘弁してくれ!
 うーうーとうめく私の懇願が届いたのか、爪を引き裂くような感覚がぴたりと止まった。
 手を離したのか?

2792蟹座の爪の悪夢:2008/02/27(水) 23:49:19 ID:lTKy1MIE0
「うーん、なんか流石に可愛そうですねー。この辺で勘弁してあげましょうか」
「ふ……うぶぅうう……」
 終わりか。
 私は安堵の深いため息をつく。
 だがその音は唾液交じりの汚い音。




「――やっぱり、だーめ♪」


 べきり。


 薬指ではなく、小指から音がした。
 まったくの不意打ちだった。
 その激痛の奇襲に、自分の意思とは無関係に悲鳴が飛び出した。

「〜〜〜〜〜〜〜〜ぅううううぅうぅうぅうぁぇえううううう!!!!」


 ばきり。


 私の悲鳴が途切れた瞬間にまた。


 ぺきり。


 今度は悲鳴が途切れ、私の荒い息が少し緩やかになってから。


 めりり。

 
 次は間髪いれずに連続で。


 もう何がなにやら分からない。
 自分にあるのは吐き気を催すような痛みだけ。
 次はいつ来るんだ。
 私の右手はどうなってるんだ。
 ずぐん、ずぐんと、右手の指が心臓のように鼓動している。
 だがその鼓動が送り出すのは血液ではなく痛み。
 気持ち悪い。
 寒いわけでもないのに体の震えが止まらない。

2793蟹座の爪の悪夢:2008/02/27(水) 23:49:49 ID:lTKy1MIE0
「今の状況を説明しますねー。あなたの右手の爪は全部、剥がれかけて根元のところでぷらぷらしてます」
 この女は頼んでもいないのに、忌々しいほど楽しげに説明する。
「まあ、普通は無理に剥がさずに元の形に戻して、包帯でも巻いてたほうがいいらしいんです。そのうち新しい爪が生えてきますからね」
 うるさい。何が言いたい。もうどうにでもなれ。終わったんだろ。早く消えてくれ。
「だから……ちぎって取っちゃいましょう!」


 ――――え?


 ぶちっぶちっぶちぐちぶちっ。


 私が聞いたのは、その音だけだった。
 その瞬間のことは覚えていない。
 痛覚が嵐となって私の全身を引きちぎり、自分の絶叫がなぜか海鳴りのように遠くから聞こえていた。




「まだ、左手と両足の爪がありますからね♪これで終わりじゃないですよ」


   ◆  ◆  ◆


 ……私の体は今、どうなっているのだろう。
 目隠しをされたまま長い長い長い間、少しずつ少しずつ私の体が壊されていった。
 早く終われ早く終われ早く終われ。
 そのことだけを考えて、とっくに抵抗の意思など砕かれて、されるがままに、全てを麻痺させて。
 私は生きているのだろうか、死んでいるのだろうか。
 そのことすら、もはやどうでもいい。
 ただ早く終わってほしかった。
「反応ないですねーつまんないですねー。ま、そろそろ終わりにしましょう。はい、目を開けてー」
 目隠しとギャグが外れた。
 視界がぼんやりと光を取り戻した。
 口の中にたまった唾液がぼたぼたと垂れているがどうでもよかった。
 あの女だろうか。目の前に人影が見える。

2794蟹座の爪の悪夢:2008/02/27(水) 23:50:36 ID:lTKy1MIE0
「夢から覚めれば記憶もないし、傷も元通りですから心配は要りませんよ。これに懲りたら自重してくださいね、地図氏」


 …………地図氏?


「ちょっと……待て……私は、地図氏じゃ、ない……」
「は?何言ってるんですか?アーカードといったら地図氏でしょ?馬鹿なこと言ってるとまたお仕置きしますよ?」
「私の、この……姿……ロリカードは……漫画ロワに、しか出て、ない……私は……漫画ロワの、アニ、ロワじゃ、ない……」
 ずっと猿轡を噛まされていたせいで、舌がうまく回らない。
「……えーと、私、漫画ロワ読んでないんですけど……マジですか?」
 読んでないって何だ。
 だったら今すぐ読んで来い。
 あれか?こんだけのことやっといて人違いか?
 誰だ、貴様は。
 だめだ、逆光になってよく見えない。


「あ、あははははははははは……ご、ごめんなさいーーーーーーーーー!!!!」


 そして女は一目散にどこかへ逃げていく。
 あ、転んだ。ぱんつはいてない。
 ああ、そうか。女。誰だか知らんが貴様はそういうやつだったんだな。
 これだけのことをしといて、笑ってごまかせると思うか?
 あっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは。
 ようやくわかったよ。
 ごめんね物分りが悪くて。
 つまりあれだ。
 貴様は私を――――、




 拘束制御術式、第一号第二号第三号開放。
 状況A「クロムウェル」発動による承認認識。
 目前敵の完全沈黙までの間、能力使用限定解除開始。





「……それで済んだらマーダーキラーはいらねえんだよォォォォォォォォォォォォ!!!!」


  ◆  ◆  ◆


「……て、あれ?」


 目の前にあるのは、台風でも通り過ぎたかのような残骸の山。

2795蟹座の爪の悪夢:2008/02/27(水) 23:51:13 ID:lTKy1MIE0
 壁や建物のつくりまで見渡して、ここは私たちが先ほどやってきた病院のロビーだと判明した。
 なんか私の体からワンちゃんとか手とか色々出てるんですが。
 何?
 ほわっと?
 何が起こった?
「……おい」


 ごちん。


 痛い!
 思わず自分の頭を押さえる。
「てめー、あれか。寝ぼけてやがったのか?」
 いつのまにか私の後ろに立っていたDIE/SOULが、ラディカルグッドスピードで再構成した右手を握り締めて、あきれ気味にため息をついていた。
 今のはこいつの拳骨か。
「何をするDIE/SOUL!」
「何をするはこっちの台詞だ!寝ぼけてクロムウェル開放とか、どんだけはた迷惑なんだてめーは!」
「……え?や、そのー……」
 見れば、周りはひどい有様だ。
 あ、まずい。
 ウッカリデスが私のクロムウェルに首絞められて痙攣してる。
 あわてて放して駆け寄った。
「おい、ウッカリデス、大丈夫か?」
「だ、だーいじょーぶーい……」
 親指おったてて、妙なうわごとを呟いてるが、大丈夫だろう……多分。
「やれやれ、人騒がせだなー君は」
 いつのまにか後ろに立っていた。こなたがのんびりした声で言う。
 ……なんだろう。
 なんだかすごく理不尽な気がする。
 理屈の上では全面的に私が悪いのだが、なんか納得いかないような……。
 何かあったような気がするが、それが何だったのか思い出せない。
 えーと。
 ……うん。とりあえず、こいつ一発殴ろう。




 ごっち〜ん☆



【昼】【E-8 病院内】
【アーカードとかは行く】
【忘却のウッカリデス@アニロワ2nd】
【状態】:ちょっぴり意識混濁、首をかなり捻挫、腰痛、応急処置済み。闘志
【装備】:ゼロの仮面(蝶高性能)@アニロワ2nd
【道具】:なし
【思考】:ロリスキーの為に対主催!
 0:だ、だーいじょーぶーい……
 1:僕の推論が合っているのか?
 2:最速の人との誓いを守る
 3:地球破壊爆弾さん、ロリスキーを賭けて勝負だ!
※ロリスキーへの恋心をしっかり認識。
※ウッカリデスが見た上空に存在する建物は、今の所彼にしか見えません。

2796蟹座の爪の悪夢:2008/02/27(水) 23:51:34 ID:lTKy1MIE0
【ミスターマダオ@漫画ロワ】
【状態】:ダメージ中程度(回復中)、右半分が火傷(回復中)、強い決意、強い仲間意識
【装備】:パニッシャー@トライガン(機関銃:残り弾数100%、ロケットランチャー:残り10発)。運動服&ブルマ
【道具】:支給品一式、未定支給品×1(本人確認済み)
【思考】:
 基本:対主催! 殺し合いには乗らないが、マーダーは犬の餌。しかし……?
 0:あの女、誰だ!
 1:友情! もっと仲間を探すぞ!
 2:努力! 首輪をどうにかするぞ!
 3:勝利! 見ていろよ主催者!
 ※容姿はアーカード(ロリ状態)@ヘルシングです
 ※押し倒したウッカリデスを気に入りました
 ※地図氏(地球破壊爆弾No.V-7)がジョーカーではないかと思っています。
   ジョーカーに襲われた事と合わせての考察はまだしていません。
 ※自分が本物の書き手なのか疑問が生まれました。他の書き手を殺すのにわずかな躊躇いが生まれました。
 ※スタンド『世界』は漫画ロワ準拠の制限がかかっています。時止めの時間は3秒です。
 ※漫画ロワにおけるスタンドの制限について
 ・スタンドの特殊な力を使用する際、精神力の他に体力も『必ず』消費する。弱っている時に無理をすると、無駄に体力を使って発動もせず下手をすれば死ぬ。
 ・連続で時を止める/飛ばす事はできない。チャージ時間は一呼吸(十秒)。
 ・スタンドは一般人にも見ることが可能。
 ・スタンドは一般人にも触ることが可能。物理攻撃も可。
 ・スタンドは発現、能力の発動に体力と精神力の両方を使用する。



【神行太保のDIE/SOUL@アニロワ1st】
【状態】:疲労(中)、胸部にダメージ、全身火傷(処置済み)、右指炭化(処置済み)、核鉄による治癒中
【装備】:竜殺し@ベルセルク、ガッツの装備一式@ベルセルク  核鉄『ブレイズオブグローリー』@武装錬金
【道具】:支給品一式、拡声器
【思考】:
 基本:アーカード(地図氏、マダオ)は殺すつもりだったのだが……。
 1:義手を見つける。
 2:あのナナシとは必ず決着をつける。
 3:仲間を集めて『孤城の主』を実現させ地図氏を打倒する?
 4:それまではマダオと協力関係を結ぶ
 5:地図氏を始末した後はマダオを始末する……つもりだ
 6:目を覚ました地図氏をどうするか……
 ※容姿はガッツ@ベルセルクです。
 ※神行太保・戴宗の神行法(高速移動)が使えます。
 ※ラディカルグッドスピード腕部限定は、腕だけが速く動きます。
 ※地図氏(地球破壊爆弾No.V-7)がジョーカーではないかと思っています。
  ジョーカーに襲われた事と合わせての考察はまだしていません。
 ※自分が本物の書き手なのか疑問が生まれました。他の書き手を殺すのにわずかな躊躇いが生まれました。



【地球破壊爆弾No.V-7@アニロワ1st】
【状態】:疲労(大)
【装備】:『真紅』の衣装、シルクのエプロン
【道具】:支給品一式、着替え用の衣装(複数)、アダルトグッズ(大量)、未定支給品×1(本人確認)
【思考】:ばたんきゅ(〓ω〓.)
 基本:とりあえずは、こなた&かがみという方向で……
 0:いた〜い……
 1:かがみんのお手伝い〜
 2:お腹が減ったら、かがみんから血を吸う
 3:かがみん用の血を探す(他の参加者か、輸血用血液)
 4:ほほう、いい覚悟だ。ウッカリデス。
 ※基本的に中身はアーカードで、CVは平野綾です
 ※変化する姿に7つのバリエーションがあるらしいです。
 【1:地球破壊爆弾】【2:アーカード】【3:長門有希】【4:泉こなた】
 【5:銃撃女ラジカル・レヴィさん】【6:キングゲイナー】【7:1〜6とか目じゃないよ?びびるよ、まじで】
 ※クーガーの早口台詞が言えます!
 ※鎖鎌、鳳凰寺風の剣、ソード・カトラス、ノートPCの投影が可能です。
 【スーパーキョンタイム】
 地図氏以外の者はゆっくりとしか動けなくなります。一度使うとそれなりの時間使用不可能です。
 【地図氏の地図】
 参加者の位置、生死を含めた地図を投影できます。※長門有希の状態でのみ可能。
 使いすぎるとアレなので、毎晩0時にのみ使うことにします。

2797貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/27(水) 23:52:11 ID:lTKy1MIE0
投下完了。
ノルマ達成です。グロ描写って難しいですね。

2798貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/28(木) 00:04:15 ID:DhLZZ.7A0
投下乙です
拷問描写もオチの付け方も良かったです
ってか、この作品を三時間半で書けるって……筆速過ぎるw

2799Can You Celebrate:2008/02/28(木) 00:40:55 ID:u2PSsnQo0

◆6/WWxs901は走り続けていた。
上手くいかない。誤解フラグを立てるどころか、先ほどはそれをへし折ってしまったのだ。
だから、その現状から目を背けるため、地面に落とされた後速攻で逃げた。
怖かったのだ。振り返ると、何かに捕まれそうで。
自分の『必要性』が、迫ってくる怪物に喰い潰されそうで。
だからひらすら、ただひらすらに安全地帯を目指して足を働かせる。
けれどそれは、結果には自らを危険な場所へ追い込む事となった。
目の前に広がる不気味な肉片の海に気付けなかった。
気付いた時、海は高波となり◆6/の身体を荒々しく包み込む。
そうしてカオスの化身であるはずの彼は、この地で誕生したカオスに……







――呑まれた





   ◇   ◇   ◇




最初に異変に気付いたのは、猫子頭の鬼軍曹だった。
気持ちが滅入るほどの凶悪な殺意が、彼が息を吸うたび肺に潜り込む。
徐々に近づく何者かに、軍曹の皮膚の一枚一枚が小刻みに震える。
考えなくとも理解できる。敵が来ているのだ。それも、軍曹だけを確実に狙い定めて。
絶対に逃がすものかと言うように。

「お姫様。俺にお客さんのようです」
「まあ、折角のティータイムが台無しね」

二人は路上に椅子とテーブルを用意した、簡素なお茶の席を設けていた。
軍曹は努めて軽快そうに肩を竦め空気を和らげる。
それを知ってか知らずか、コロンビーヌもやれやれと首を振った。
敵はそこまで来ている。軍曹は椅子から立ち上がり、優雅に会釈を。
微かに滲む不安を全て隠し、軍曹はコロンビーヌに背を向けて戦う意思を見せる。
立ち向かって気付いた。予想以上の凶悪さに。

「私の素敵な騎士様」

背中越しに、コロンビーヌの言葉が届く。
たったそれだけで、軍曹から嘘の様に震えが消え去る。
代わりに体中を駆け巡るは、熱くたぎる血と誇りに満ちた鼓動。

「御伽噺のお姫様と騎士は、幸せになるわ」

コロンビーヌはすっと指をさす。
見えていないのに、軍曹にはそれが何処を指しているか分かった。
綺麗な指が触れようとしたものは、鐘の付いた教会。

「そこで誓いを立てましょう」

殺し合いの中での挙式だなんて、素敵だと思わないと愉快そうに付け足しながら。
だから、軍曹は大きく頷き視線をきっちりと定める。

「必ず」




   ◇   ◇   ◇

2800Can You Celebrate:2008/02/28(木) 00:41:42 ID:u2PSsnQo0


目の前の化け物は、先ほど倒したそれの数段歪んだ姿をしていた。
下半身は、紫色の触手の森。
上半身は、ゼオライマーを彷彿させるフォルム。
左手には、巨大な剣を中心に存在する幾千もの武器宝庫(ゲートオブバビロン)。
右手には、どんな力さえ貫いてきたシェルブリット。
そして顔面部分には、融合しつつある顔のない6/の身体。
これが、軍曹の立ち向かうべき敵だった。
常人なら見るだけで分かるくらい、禍々さの集合体だ。
けれども、軍曹は震えることも、怯えることもしない。
自身に恐怖など無いことを、軍曹は誰よりも知っていた。
だから目を閉じて、自らの意思で青年から翼手へと姿を変える。

「いくぞ!」

背中に生えた巨大な羽を広げ、鋭い剣となった右手を天に掲げ、大きく跳躍する。
まず迫ってきた触手の洗礼を切り刻む。勢いはそこで止まらない。
切り捨てた触手を踏み台にし、切っ先を前方に向け突撃の構えを取る。
そして、両腕には目もくれずに顔面部分へと加速。
この手合いは、十中八九そういった場所が急所だろう。
そこを一気に叩き、余計な戦いをせず勝負を終わらせるのだ。

「WRYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYY!!」

だが、相手だって黙ってはいない。
子供の癇癪の様に腕を振るうと、軍曹目掛け武器の洗礼を浴びせた。
曲刀が回転しながら軍曹の首に飛び掛り、大剣が獣のように暴れまわる。
規律よく並んだ短剣は、軍曹の羽目に誘いかけるように踊り続け。
最後に目に見えぬ宝刀がその左足をそぎ落とす。
痛みで眼球が真っ赤になるのを堪え、それでも軍曹は加速を止めない。
ここで立ち止まって防戦の構えを取れば、ますます不利になるからだ。

「おおおおおおおおおおッッ!」

破かれた皮膚からは鮮血が飛び散っていく。
肩に刺さった刃は、執拗に軍曹の身体に潜り続ける。
けれども、軍曹は突撃の構えを崩さない。
倒れない相手に苛立ちを覚えたのか、6/だった怪物は第二波を送り込む。
軍曹の等身より数段大きいシェルブリット。
先程のような無数の攻撃ではなく、単体の攻撃。
もちろん油断などできるはずがない。それがどれだけ強大な力か、軍曹自身は良く知っていたから。
振り下ろされる鉄槌を横に避け、体勢を整えるため加速を弛める。
だが、それがいけなかった。
切り捨てたはずの触手は再生し、四本の蔦となり軍曹の肢体を強烈に締め上げる。
自由を奪われた軍曹が次に感じたのは、文字通り胸を貫通する痛み。
敵の右腕が迷う事無く軍曹の皮膚を切り裂き、肉を削ぎ、骨を粉砕し、肺を破裂させ、そして背中から飛び出す。

「あ、ぐぁ、ッぉ、ぉ」

血が逆流し、心臓への負担が何倍にも跳ね上がった。
穴の開いた胸部から、花火のように赤い血と赤黒い血が撒き散らされる。
白い骨は剥き出しに晒され、千切れた肉は地面へと落下していく。
意識が赤と白と黒に奪われる。景色は既に色を失っている。
なのに、軍曹はただ痛みを堪え、しっかりとした笑みを浮かべていた。

2801Can You Celebrate:2008/02/28(木) 00:41:56 ID:u2PSsnQo0

「い、いいの、かよ……右手ぇ……お、さえた、ぜ」

口から泡と血を垂れ流す軍曹の言葉に、6/はギョッとした。
突き刺した右手が、どうやっても抜けない。動かないのだ。
一瞬だけ恐怖に襲われた6/は、次の瞬間冷静になり左手を動かす。
動かないならば、穴を広げればいいのだ。
左手を中心に廻り続けていた刃達が、我先にと軍曹の体中に突き刺さっていく。
或いは穴が広がるように。
或いは軍曹から力を奪うように。
或いは命を奪い去るかのように。
串刺し刑でも受けたかのような姿になりながら、けれども軍曹は目一杯白い歯を噛み締める。

「ぶ、ぶき……ひゅ、ひゅ。つか、使ッチ、まった、ひゅ、ひゅ……な」

6/に表情があったら、きっと恐怖で歪んでいただろう。
それぐらい、虫の息であるはずの軍曹は恐ろしかった。
肢体は締め上げ千切れそうなのに。
心臓は外に剥き出しとなり、内蔵も骨も無事な場所はないのに。
気付けば、人間の姿に戻っていたのに。
たった一点だけ変わらないから。
自身を見つめていた瞳が。勝利を確信していた瞳が変わっていなかったのだ。

「しっ、て、っか、ひゅ、ふゥ、る、か?」

いつから持っていたのか、軍曹の右手にはとある剣が握られている。
それだけではない。一瞬の間に、傷だらけの青年は傷だらけの騎士団長へと姿を変えていく。
きっとアニロワ1stを知っているものが見ればこう言っただろう。
あの姿は「グリフィス」だと。
軍曹は自分が変化したのを知っているのかいないのか、ただただ握った剣を縦に構える。
6/の本能が即座に軍曹を離せと警告する。
だが、突き刺さった右腕は未だ抜けず、締め付けていたはずの触手も逆に外せない。
そうこうしている間に、軍曹の構える剣が黄金に輝き始める。
二人の間を、まばゆい光が包み込む。
ボロボロになった歯をかみ合わせ、軍曹はゆっくりと舌を動かす。
決め台詞は、英雄に必要な行為だから。










「約束された……勝利!」











   ◇   ◇   ◇

2802Can You Celebrate:2008/02/28(木) 00:42:06 ID:u2PSsnQo0





目が覚めた軍曹の視界に飛び込んできたのは、美しいステンドグラスだった。
中にいるのは、周囲に祝福される二人の男女。

「目が覚めたかしら」

愛しい人の声が聞こえる。
目線を上げると、そこにはコロンビーヌの綺麗な顔があった。
どうやら膝枕をされているらしい。
そう言えば、いつの間にか姿が猫に戻っている。


「洋式か」
「ええ。急ごしらえだけどね」

ヴェールを被るコロンビーヌの頬に手を伸ばす。
が、伸ばした右手を見て躊躇う。真っ赤に汚れていたから。
すると、躊躇った右手をコロンビーヌの左手がそっと掴み取る。

「汝猫子頭の鬼軍曹は、この女を妻とし、良き時も悪き時も、富める時も貧しき時も、
 病める時も健やかなる時も、共に歩み、他の者に依らず、死が二人を分かつまで、
 愛を誓い、妻/夫を想い、妻/夫のみに添うことを、神聖なる婚姻の契約のもとに、誓いますか?」

「……誓います」

ゆっくりとした口調で、軍曹は力強く宣言する。

「汝コロンビーヌは、この男を夫とし、良き時も悪き時も、富める時も貧しき時も、
 病める時も健やかなる時も、共に歩み、他の者に依らず、死が二人を分かつまで、
 愛を誓い、妻/夫を想い、妻/夫のみに添うことを、神聖なる婚姻の契約のもとに、誓いますか?」

「ええ。誓います」

柔らかな笑みで、コロンビーヌはゆっくりと顔を軍曹に近づける。
二人はどちらからと言うでもなく、頷きあう。

「では、誓いのキスを」

夕日で輝くステンドグラスの下、二人はこうして夫婦となった。
膝元で目を閉じる軍曹に、コロンビーヌはそっと語りかける。

「子供はどっちがいいかしら?」
「お、いおい、ま、だ早いだろ、うが」
「もう、宿っているのよ」

いたわる様に、コロンビーヌは自分の腹部をさする。
突然の宣言に驚く軍曹だったが、次の瞬間には笑顔だった。

「男だっ、たら、猫太郎と、かどう、だ?」
「あら、私の名前は入れてくれないのかしら? 酷い旦那様ね」
「……すま、ない」
「構わないわ。選んだのは私よ」
「……」
「じゃあ、女の子だったらどんな名前かしら」
「……」
「コロン子なんてどう? 二人の名前も入っているわ」
「……」
「それとも、もっといい名前があって?」
「……」
「ねえ、貴方の考えた名前を教えてくださらない?」
「……」

軍曹は喋らない。ただ満足そうに、コロンビーヌの左手を握り締めている。
ポタリポタリと、軍曹の身体に雫が落ちる。
まるで軍曹の血を洗い流すように、大粒の雫が幾重にも落ち続ける。
コロンビーヌは悲しくて泣いているのではない。
ただ、愛する人の汚れを落とそうとしているだけ。
それだけだから……何度も大粒の雫を零す。
目が枯れるまで、愛した男が綺麗に眠れるまで。





【デビルシャリダム】完全消滅
【◆6/WWxs901@カオスロワ】死亡
【猫子頭の鬼軍曹@アニロワ1st】死亡










【夕方】【E-6 教会】
【コロンビーヌ@漫画ロワ】
【状態】:健康
【装備】:ゾナハ蟲@からくりサーカス、腕時計型麻酔銃(残弾1/1)@漫画ロワ
【道具】:支給品一式×2、ティーセット一式、麻酔銃の予備針×4 、変化の杖、
     焦ったドラえもん・うっかり侍・孤高の黒き書き手の服、対戦車地雷×17個、ポン太くんスーツ@スパロワ(大破)
【思考】
 基本:恋愛がしたい。
 0:今はただそこにいる
 1:鬼軍曹を生涯愛し続ける
 2:宿った命を大切にする
 3:そういえば、新生クライシス帝国のみんなはどうしているかしら?

 ※容姿はコロンビーヌ(ロリ)@からくりサーカスです。
 ※ギャグ将軍にシンパシーを感じています。
 ※影の繋ぎ手・仮面ライダー書き手に紅茶を入れてあげたいそうです。
 ※猫子頭の鬼軍曹と結婚しました
 ※◆6/WWxs901の支給品は会場中に散らばりました。
 ※ジャリダムは完全に消滅しました

2803貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/28(木) 00:45:05 ID:u2PSsnQo0
投下終了。
うむ、やはりギャグをやった後の真面目系は楽しい。
最近、巷で自分が変態だといわれているが、それはまやかしなのが伝わったはず。
というか、自分そんな作品書いたことござりませぬ。

2804貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/28(木) 00:47:51 ID:4cSKBbMc0
ぐんそぉぉぉぉ!
全俺が泣きました……
なんて素晴らしい結婚式!
GJ!

2805貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/28(木) 00:56:50 ID:u2PSsnQo0
しまった。最後の最後でちょっとしたミスを発見してしまったorz
収録後に直しておきますので、お見逃しください。

2806VSホワイトアルバム:2008/02/28(木) 01:39:20 ID:y0DfJb8o0
有名書き手さん3人のあとに無名の自分が投下するのはものすごく気が引けますが、
勇気を出して投下します!


G-7、市街地。ここで一人の男と、一人の老婆がにらみ合っていた。
老婆の後ろには一人の気絶した青年と、彼の体を抱きしめる一人の少女がいる。

「まったく、馬鹿なばばあだぜ。会ったばかりの他人のために、命捨てようなんてよ。」

余裕の笑みを浮かべながら、男…King of 脳内補完は言う。

「はっ、いきがるんじゃないよ、ガキが。あんたごときに殺される私じゃないよ。」

老婆…底上中の残月も、余裕の笑みを浮かべて返す。

「たいした自信だなあ…。試してみるか?ホワイトアルバム!」

脳内補完が叫ぶと同時に、彼のまわりの空気が凍り付いていく。そして生まれるのは、
その体を覆う氷のスーツ。先ほどジョーカーと戦ったときは覚醒したばかりで使えなかったが、
この姿こそホワイトアルバムの…と言うよりはその真の使い手であるギアッチョの本来の戦闘スタイルだ。

「氷漬けになれや、ばばあ!!」

地面を伝い、冷気が残月を襲う。残月は外見に似合わぬ軽やかな動きでそれを回避すると、
背後にいた二人の前に立つ。

「受け取りな。」

脳内補完に気づかれぬよう小声で呟き、残月は少女にある物を渡す。
それは先ほどデイパックから取り出した、彼女の支給品だった。

「本当はもっと早く渡してやればよかったんだけど…。すまないねえ。
けど、それがあればどうにかなるだろ?」
「え…?」

それを渡された少女…素晴らしきフラグビルドはとまどう。確かにそれがあれば、
自分たちは助かるかもしれない。だが最後の支給品がこれだったということは、
残月にはもうなにも武器はないということになる。

「ちょっと待ってください、これじゃあ…。」
「時間は稼いでやる。後は自力で何とかしな!」

フラグビルドの言葉を最後まで聞かず、残月は脳内補完に向かって突進を始める。

(素手でスタンドとやり合おうなんざ、正気の沙汰じゃないねえ…。けど、それでも
あの二人はやらせるわけにはいかないんだよ!たとえ私が殺されてもね!)

つっこむ残月に、冷気の波や氷の固まりが次々と襲いかかる。
彼女はそれらを何とか回避し、脳内補完に肉薄した。

「これでもくらいな!」

残月は火を付けていないたいまつで、思い切り脳内補完を殴りつける。しかし、たいまつはむなしく折れただけ。
脳内補完には、傷ひとつ付いていない。

「無駄無駄無駄無駄ァァァァァ!!ホワイトアルバムの防御力はァァァァァ、スタンド一ィィィィィ!!」

2807VSホワイトアルバム:2008/02/28(木) 01:40:39 ID:y0DfJb8o0
ハイテンションなセリフを吐きながら、脳内補完はパンチを繰り出す。
まともにそれをくらった残月は吹き飛び、近くの建物の壁に激突した。

「効かないねえ…。そんなへなちょこパンチで私を殺す気かい?」
「口から血ィ流して、強がってんじゃねえぞばばあ。いいぜ、てめえがくたばるまでぶん殴ってやる!」

凍った道路を滑り、残月に接近する脳内補完。そこから、蹴りが放たれる。
何とかそれを回避した残月だが、その動きは明らかに鈍くなっていた。

(まずいです、このままじゃ残月さんが確実に殺されちゃいます。何か、何か私に出来ることは…。)

戦いを静観していたフラグビルドは、残月を助ける方法がないかと周囲を見渡す。
そのとき、彼女の目にChain-情のポケットに入っていたある支給品が写った。

(そうか、これなら…。Chain-情さん、お借りします!というか、元々私があげたやつですけど!)

フラグビルドは Chain-情のポケットに入っていたもの、すなわち龍騎のカードデッキを取り出し、
それを残月に向かって投げた。

「受け取ってください、残月さん!」

フラグビルドの行動は、一種の賭けだった。今の彼女の体力では残月まで届かないかもしれないし、
最悪の場合脳内補完がそれを手にしてしまうかもしれない。
だが、ここでは彼女に天が味方した。投げられたカードデッキは、見事に残月の手に収まる。

「ありがたいねえ!遠慮なく使わせてもらうよ!」

残月は凍り付いた路面に、デッキを映す。

「変身!」

瞬間、残月の体を鎧が覆う。仮面ライダー龍騎の誕生である。ただし変身しても体格が
変わるわけではないので、妙にずんぐりむっくりした龍騎だが。はっきり言って、こんな
仮面ライダーがテレビに出てきたら子供は泣く。

「おいおい、ずいぶん不格好なヒーローだな〜。」
「黙りな。人は見た目じゃない、心さ。」

脳内補完の挑発的な言葉にも動じず、残月はカードを一枚選んでセットする。

『SWORD VENT』

無機質な音声と共に、残月の手に一振りの剣…ドラグセイバーが出現した。

「さあ、第2ラウンドといこうじゃないか!」

思い切りドラグセイバーを振り下ろす残月。その刃は、脳内補完の氷のスーツを削る。
だが新たに生み出された氷が、すぐにその部分を補修してしまった。

「危ねえ、危ねえ。さすがにライダーの攻撃力は侮れねえな…。」
「まったく、壊してもすぐ直っちまうなんざ、やっかいな鎧だねえ…。こうなったら、手加減なんてしてやれないよ!」

赤き鎧と、白き鎧。二つの力の戦いは、これからが本番だ。

◇ ◇ ◇

2808VSホワイトアルバム:2008/02/28(木) 01:41:39 ID:y0DfJb8o0


「Chain-情…。Chain-情よ…。」

誰かに呼ばれた気がして、Chain-情は目を開けた。彼の目に映ったのは、黒一色の何もない空間。
そこに、ピンクの髪をポニーテールにした美女が一人立っていた。

「シグナム…?まさか、無明幻妖side. さん?」
「そうだ。」

Chain-情の問いを、女は肯定する。

「あなたが目の前にいるってことは…。やっぱり僕、死んだんですね…。」
「いや、それは違う。君は気絶しているだけだ。私がここにいるのは、いわゆる『夢枕に立つ』というやつだな。」
「え?」

無明幻妖side. の返答に、Chain-情はとまどう。

「けど、ビッグバン・パンチは命と引き替えの必殺技のはず…。」
「君の大切な仲間…素晴らしきフラグビルドに感謝するんだな。
彼女がビッグバン・パンチの発動寸前に君を止めたため、
君は気絶するだけで済んだんだ。」
「あ…。」

言われてみれば、気を失う直前に彼女の悲鳴が聞こえた気がする。

「さて、そろそろ本題に入ろうか。私が君の夢枕に立った理由…。それは単刀直入に言えば、
君が目覚めるまでの時間を短縮するためだ。」
「はい?」
「いや、君の前回の状態表に、『一時間以上は気絶します』と書いてあるんだよ。
しかし、そんなに長い間のんきに気絶していられては困るのでな。前の人が書いたことを
破ってしまうのは心苦しいが、こういう展開にすればちょっとは許してもらえるんじゃないかと…。」
「はあ…。」

明らかに釈然としない様子で、Chain-情はとりあえず相槌を打つ。

「というわけで、さっさと目覚めたまえ。大丈夫、あっちはあっちでお膳立てしてくれているはずだから。」
「あの、無明さん。その手に持ってる鷹とナスは何ですか?どこから出したんですか?」
「目覚めよー。」

Chain-情の意識は、そこでいったん途切れた。

◇ ◇ ◇

2809VSホワイトアルバム:2008/02/28(木) 01:42:35 ID:y0DfJb8o0


現実に戻ってきたChain-情が最初に見たものは、視界いっぱいに広がるフラグビルドの顔だった。

「え…?」
「きゃっ!」

Chain-情が覚醒したことに気づいたフラグビルドは、反射的に飛び退く。
どこにそんな力が残っていたのかと言いたくなるほどの、機敏な動きである。

「あの、フラグビルドさん?」
「い、いえ、別にあれですよ。逆白雪姫で、キスしたら目が覚めるかなー、とか考えてた訳じゃありませんよ。
そ、そう、あれです。人工呼吸です。マウストゥーマウスですよ!」

動揺のあまり、まだ聞かれてもいないことを口走るフラグビルド。

(あああ、何をやっているんですか私は!この程度で慌てるような女じゃなかったはずなのに!
やっぱり一度意識しちゃうと、どうしようもないですぅぅぅ!)

「人工呼吸って…。別に僕、おぼれたわけじゃ…。」
「そ、そんなことよりですね!大変なんですよ!あれを見てください!」

強引に話題を変えるフラグビルド。彼女が指さす先には、激闘を繰り広げる残月と脳内補完の姿があった。

「あれは脳内補完と…誰?」
「残月さんです。私たちを守るために戦ってくれていて…。けど、今の状態じゃ不利なんです。
Chain-情さん、スタンドで援護してあげてください!」
「そうしたいのは山々だけど、この体力じゃ…。って、あれ?体が軽い…。」
「ああ、Chein-情さんが気絶している間に、これを使ったんです。」

そういって、フラグビルドは長方形の物体を二枚取り出す。

「それは?」
「残月さんの支給品です。この秘密道具はですね…。」

フラグビルドはChain-情に、そのアイテムの効果について解説する。

「使えるな…。」
「え?」
「幸い、向こうはまだ僕が目覚めたことに気づいていない…。この策が成功すれば、
僕たちの勝ちだ…。」

真剣な面持ちで、そう呟くChain-情。その姿は、どこかゴールド・エクスペリエンスの
本来の持ち主であるジョルノ・ジョバァーナを思わせるものだった。

◇ ◇ ◇

2810VSホワイトアルバム:2008/02/28(木) 01:44:01 ID:y0DfJb8o0


残月と脳内補完の戦いは、膠着状態に陥っていた。お互い、相手の防御を突破できるほどの攻撃が放てないのだ。
しかし内容は互角でも、形勢は脳内補完に傾いていた。なぜなら、ライダーへの変身は時間制限があるからだ。
変身が解けてしまえば、残月に勝ち目がないのは火を見るより明らかである。

「あと1分か?30秒か?ケケケ、焦るよなあ、ばあさん!」
(くっ、確かに…。このままじゃまずいねえ…。)

脳内補完の拳をドラグセイバーで払い、残月は後退する。

「仕方ないね…。切り札を切らせてもらうよ!」
『FINAL VENT』

残月がカードをセットした直後、地面に散乱する氷の中から龍が現れ、天へと登っていく。
それを追うように、残月も跳躍。そして炎をまとい、脳内補完めがけて落下する。

「ドラゴンライダーキック!!」

「なめるなあ!ホワイトアルバムの防御は無敵だ!」

一方の脳内補完も、切り札を繰り出す。

「ホワイトアルバム、ジェントリー・ウィーブス(静かに泣く)!!」

ジェントリー・ウィーブス。それは絶対零度の防御壁。この技があるが故に、
ホワイトアルバムは数多いスタンドの中でも屈指の「倒しがたい」スタンドとして認識されている。

「攻撃」の炎と、「防御」の氷。二つが真っ向からぶつかり合う。爆発的に発生する湯気が、
周囲を白く染める。そしてそれが晴れたとき、立っていたのは二人。

「俺の勝ちだな…!」

矛と盾。本日は矛盾せず、盾の勝ち。


「くっ。これはさすがにまいったね…。虎の子の必殺技を防がれちまうなんて…。」

さすがに弱気な態度を見せる残月。その直後、変身から10分が経過。
龍騎の鎧が崩れ落ち、元の全裸の老婆の姿があらわになる。

「年貢の納め時だな、クソばばあ。ここまで手こずらせてくれたんだ。簡単には殺さねえぞ。
さあて、どこから凍らせてやろう…か?」

陰険な笑みを浮かべながら、残月に攻撃を加えようとした脳内補完。だが、突如としてその膝が崩れる。

「な、なんだあ!?」

自分に何が起きたかわからず、脳内補完はうろたえる。とにかく、体が重い。
全身に重りをくくりつけられたようだ。何故か呼吸も乱れている。

「がああ…。氷が…。俺の氷がああ…。」

脳内補完の体を覆っていた氷のスーツが、徐々に溶けていく。彼のスタンドには
漫画ロワ制限がかけられていないため、発動に体力や精神力は必要としない。
しかし、スタンドとは元々心で操るもの。今の彼の状態では、スタンドを操るだけの
集中力が保てない。

「自分のスタンドの強さにおぼれて、弱点を忘れていたようですね…。」
「てめえは…Chain-情!てめえの仕業か!」

2811VSホワイトアルバム:2008/02/28(木) 01:45:18 ID:y0DfJb8o0
道路に崩れ落ちる脳内補完に歩み寄るのは、Chain-情。その横には、もちろんフラグビルドもいる。

「あんた達…。逃げてなかったのかい?」
「ごめんなさい。でも、残月さんを放っておくことが出来なくて…。」

残月に対し、フラグビルドはぺこりと頭を下げる。

「まあいいさ。おかげで助けられたみたいだしね。それで、どんな手品を使ったんだい?」
「これですよ。」

Chain-情はいつの間にか脳内補完の首に張り付いていた「それ」をはがし、残月に見せる。

「それは…。私の支給品じゃないか。」
「そう、ドラえもんの秘密道具のひとつ、『ケロンパス』です。これは貼った人間の
疲労を瞬時に回復させるアイテム。おかげで僕やフラグビルドさんは復活できたわけですが、
このアイテムにはもう一つの効果がある。」
「使用済みのケロンパスをもう一度貼ると、前に使った人の疲労がそのまま写っちゃうんです。」

Chain-情の説明に、フラグビルドが続ける。

「なるほどな…。てめえらの疲れを俺に移し替えたってわけか…。」
「ええ。疲労困憊だった僕たち二人の疲れを一人にまとめたんです。
たぶん過労死したっておかしくない。指一本動かすのも大変でしょう?」
「その通りだぜ、クソが…!だが、解せねえ!いったいいつ、俺にそんなものを貼った!」
「お忘れですか?僕のゴールド・エクスペリエンスは非生物を生物に変える力…。
ケロンパスをハエに変えて、ホワイトアルバムの弱点…つまり、首の後ろの空気穴から
侵入させたんです。そしてそこで能力を解除すれば、ね…。」
「ぐ…。姑息な真似を…。」
「姑息?人の善意につけ込んでだましたあげく、人殺しに利用しようとした君の行いとどっちが姑息だ!」

自分をにらみつける脳内補完を、Chain-情はそれ以上の感情を込めてにらみ返す。

「うるせえ!どんな手を使ってでも、てめえは殺したかったんだよ!
『俺』を殺したてめえだけはな!」
「俺を殺した…?それはいったい…。」
「あ、そのことなんですが…。」

フラグビルドは先ほど脳内補完自身から聞いた事情を、Chain-情に伝える。

「そうか、あの人は君の分身だったのか…。」
「そうだ!だから俺はてめえを許さねえ!当然の話だろうが!」
「ええ、その通りですね。どんな理由があれ、僕はあの人を殺した。君には、
僕を恨む理由がある。けど…。」

Chain-情は、ふいにゴールド・エクスペリエンスを出現させる。そして、無言で脳内補完を殴り飛ばした。

2812VSホワイトアルバム:2008/02/28(木) 01:46:20 ID:y0DfJb8o0
「のがぁぁぁぁぁ!!」

脳内補完は思いっきり吹っ飛び、近くの建物の窓ガラスを突き破ってその中に落ちた。

「だからって僕の仲間を傷つけることは許さない…!って、もう聞こえてないか…。」

脳内補完が飛んでいった方向を見ながら、Chain-情は無表情で呟く。

「あんたもやるときはやるねえ…。そんなおとなしそうな顔して…。」
「いや、まあ…。仲間を傷つけられるのはどうしようもなくいやですから…。」

あきれ気味の残月に対し、Chain-情はばつが悪そうに答える。

「その仲間に、とんでもない心の傷を残しかけたのはどこの誰ですか。」
「え?」

突如として意味深なことを言い出すフラグビルド。その言葉が、Chain-情の心を乱す。

「フラグビルドさん、それはいったい…。」
「あんな自爆技使うなんて、何考えてるんですか!あなたを犠牲にして生き残って、
私が喜ぶとでも思ったんですか?私は…私はChain-情さんが一緒じゃないと…。
ああああああ!!」

こらえきれずに、フラグビルドは号泣し出す。もちろん、演技ではない。心からの涙である。

「フラグビルドさん…。」

どうしたらいいのかわからず、うろたえるChain-情。だがやがて意を決して、フラグビルドの体を抱きしめる。

「ごめん、もうしないから…。」
「絶対ですよ!約束ですよ!今度あんな真似したら、私も舌噛み切って死んでやります!
そしてあの世までついて行って、未来永劫説教してやります!」
「わかったよ…。僕はずっと、君のそばにいる…。」

優しい声でささやくと、Chain-情は改めてフラグビルドを抱きしめる。

「あのー、盛り上がってるところ悪いんだけどねえ…。」

ものすごく気まずそうに声をかける残月。それによって、二人はふと我に返る。

「あ、ざ、残月さん!何でしょうか。」
「いや、いつまでもここにいてもしょうがないしね。どうやらパンタローネ達はここに
いないみたいだから、早いところ探しに行きたいんだけど…。」
「あ、それならちょっと待ってもらえませんか?いつ移動したのかわかりませんけど、
ここって温泉の近くですよね?放送の後、仲間と温泉で合流する計画だったんです。
先に温泉に寄っておきたいんですが。」
「そうなのかい?うーん…。まあ、あいつらはそう簡単にくたばりはしないだろうしね。
そっちを優先してもいいか。」
「ありがとうございます。じゃあ行きましょうか、フラグビルド……………さん。」
「あ、今呼び捨てにしようとしてやめましたね?私は別にかまわないのに。」
「いや、そっちがよくても、ねえ…。」
「私の方が呼び捨てにすれば、気軽に呼べるようになりますかねえ…。
いっそのこと、ダーリンとでも呼びましょうか?」
「勘弁してください…。」

2813VSホワイトアルバム:2008/02/28(木) 01:47:29 ID:y0DfJb8o0
【日中】【G-7 市街地】

【静かなる 〜Chain-情〜@アニロワ1st】
【状態】:健康、デレデレ
【装備】:ゴールド・エクスペリエンスのDISC@漫画ロワ、仗助の学生服@漫画ロワ
【道具】:支給品一式×2、レインボーパンwith謎ジャム@ギャルゲロワ、CD『ザ・ビートルズ』、カエル×4、
【思考】:
 基本:殺し合いに反逆ゥ!そしてなるべく多くの仲間と生還し、死んだ書き手の分まで頑張る。
 1:フラグビルドは絶対に守る。
 2:温泉に向かい、ギャグ将軍達と合流。
 3:はぐれた仲間(シルベストリ、コロンビーヌ、パンタローネ、お姉さま、ルーキー)とも合流したい。
 4:そういえば、首とかどうしよう。

 ※容姿はスクライド(アニメ)の橘あすか。
 ※元々着ていた服は、転移の際の崩壊により行方知らずとなりました。
 ※どたばたしていたため、無明幻妖side.の首輪と永遠神剣「誓い」は回収し損ねました。
 ※ビックバン・パンチ。命を犠牲にして放つ最強の一撃。不発でもそれなりの破壊力ですが、一時間以上は気絶します。
 ※フラグビルドを失いたくない、と思えました。




【素晴らしきフラグビルド@アニ2nd】
【状態】:全身に火傷(小)、指パッチン使用不能(放送後しばらくしたら使えます)
【装備】:いちご柄のパンツ@ジャンプロワ 元々着ていた服
【道具】:支給品一式(まだ何か持っているかも)、 コアドリル@アニロワ2nd 、
     泉こなたのスクール水着@漫画ロワ 、ケロンパス(残り1枚)@ドラえもん、
     お徳用原作パロロワ全生首セット(目玉セット他に換装可能) &原作パロロワ全手首詰め合わせ今なら腕も付いてくる!
【思考】:
 基本:フラグを立てて立てて立てまくる。でもChain-情の安全が最優先。
 1:Chain-情にどこまでもついて行く。
 2:温泉に向かい、ギャグ将軍達と合流。
 3:静かなる 〜Chain-情〜と素敵なフラグを立てる

 ※容姿は小早川ゆたか@らき☆すた(ただし髪の色は緑色)です。
 ※ゆびぱっちんで真っ二つに出来ます。
 ※コアドリルを使用することで螺旋力を発揮することができます。
 ※螺旋力を発揮することで強制転移が可能。その規模によって疲労の度合いが変わります。
 ※静かなる 〜Chain-情〜を本気で失いたくないと思いました。



【底上中の残月@アニロワ2nd】
【状態】全裸、全身各所にダメージ
【装備】カードデッキ(龍騎)
【道具】支給品一式、放火セット(燃料、松明、マッチ)
【思考】
基本:対主催を集めて主催者を打倒する
1:Chain-情達に付き合って、温泉に向かう。
2:1が終わったら、はぐれた仲間たちを探しに行く。

※容姿はドーラ@天空の城ラピュタです。
※全裸主義者なので服を着ることをいやがります。
※もちろんBIN☆BINです

2814VSホワイトアルバム:2008/02/28(木) 01:49:58 ID:y0DfJb8o0
(あの……クソガキがあ……。殺す……。絶対にぶっ殺す……!)

想像を絶する疲労に襲われ、全身を割れたガラスに切り裂かれながらも、
脳内補完はまだ生きていた。もっとも、Chain-情も最初から殺さない程度の
力で殴っていたのだが。

(だが……この状態じゃ動くことすらままならねえ……。誰かお人好しが通りかかってでもくれりゃあ…。)

その思いが、天に通じたのか。程なくして、脳内補完の前にある存在が姿を現した。

「君、血塗れじゃないか!大丈夫?」

それは、あまりに懐かしい声。それは、あまりに見慣れた姿。

「ドラ……えもん…?」

かすれる声で、脳内補完はそれの名前を呼んだ。


【King of 脳内補完@漫画ロワ】
【装備】スカウター、蟹座氏のパンティ(紺と白のストライプ)
【所持品】支給品一式、ウルトラミキサー(故障?)
【状態】疲労(過労死寸前)、全身に切り傷、それなりに出血
【思考・行動】
基本:ステルスマーダーとして参加者は皆殺し
0:クソガキ、何がなんでもぶっ殺す!
1:ドラえもんを利用して生き延びる。
2:残月のばばあ、フラグビルドのチビ、クソビッチ(うっかり侍)も殺す!!
3:つか、マジでエニグマの紙どこ行きやがった?

※中の人がB・D・Nであったために、人肉カレーがきっかけで異世界の自分、
 およびもう一人の自分と記憶がシンクロしました
※スタンド『ホワイトアルバム』が使えます。ただし、現在はあまりに疲労が激しいため使用不可能です。


以上です。
当初は6/氏を乱入させる予定でしたが、一足早くお亡くなりになってしまったので
代わりにみんなが忘れているであろうドラえもん(焦ったじゃない方)に登場願いました。

2815貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/28(木) 02:06:56 ID:Fsztl/xE0
お二人ともGJです!!
なんか急にシリアス展開にw

しかし6/氏もさることながら、アルターは一体何のために出てきたんだろうなあw
二人の死者スレでの口論を聞いてみたい

2816貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/28(木) 02:25:21 ID:mMHo5.icO
お二方とも投下乙です。
エロの直後に燃えが来たりするからこのロワは怖い


6/氏、今回ジンクス発動こそ無かったけど多分今までで一番悲惨でしたねw
向こうでお幸せに

2817貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/28(木) 03:37:31 ID:GnY0stcs0
かぶったか。
まあかぶってよかったかも。
没投下します

2818没:だれよりも真摯なる死亡フラグ:2008/02/28(木) 03:40:15 ID:GnY0stcs0
「とくと見な!これがあたしの切り札、ビームバズーカさあ!」
 底上中の残月が取り出した物は筒状の物体だった。
 なるほど、形としては小振りなバズーカ砲に見えないこともない。
 砲身にはトリガーもついてある。
 が、その先端には弾頭が発射されるはずの穴は開いていない。
 レンズ状の物体がはめ込まれているのだ。
「っち、なるほど確かに厄介そうな武器ではあるな」
スタンド『ホワイトアルバム』はスケートスーツに似た装着型のスタンドである。
冷気を操り物の運動を止めたり、氷の壁で攻撃を反射できたりもし、中々に防御面に優れている。
しかしビーム兵器の熱量・速度は侮れない。
漫画補正があるから大丈夫な気もするが、妙にリアルに気づけば死んでいたという展開もありうる。
じりりと僅かに後ずさるKing of 脳内補完。
砲身を安定させ引き金に手を添える残月。
「あたしとしても、あんたとはやり合いたくない。考え直してくれないかい?」
「何言ってやがるババア、んなことできるわけねえだろがあ!」
「そうかい、ならしかたがないねえ、後で後悔しな!」                                             
脳内補完が反射技ジェントリー・ウィープスを発動させ、残月がトリガーを引く!
迸るのは極光の洗礼、迎え撃つは水晶の防壁!
光とクリスタルがせめぎ合うそのさまは、一種幻想的なものであった。

そんな光景が、広がるはずだったのだ。
素晴らしきフラグビルドは絶句する。

カチン。

「嘘……」

カチン、カチン。

響く。少女を絶望に叩き込む音が。
空しく、虚しく、世界に響く。

「ひゃあっひゃっひゃっひゃっひゃ!こりゃあいい、何の冗談だあおい?
 あれかあ、天が俺に味方したって奴かあ?ひっひっひい」

響く。男の笑い声が。
けたたましく、世界を犯す。

「動作不良かあ?さっきの戦いでなんか壊したかあ?どうでもいいが、傑作だな!」
表情を愉悦で歪ませ、脳内補完が防壁を解除する。
もはや相手に攻撃手段はない、ならば気晴らしに痛ぶるのみ。
対する残月は舌打ち一つを残し、あっさりと巨砲を手放しファイティングポーズを取る。
「ふん、あんたには拳骨で十分だよ」
「ぬかせババア!精々外見相応豚のように鳴け!」
こうして、最初から勝敗の決まった戦いが、幕を開けた。

2819没:だれよりも真摯なる死亡フラグ:2008/02/28(木) 03:40:42 ID:GnY0stcs0
        『熱■怪@、序盤*目立って∀んだがなー』

         『書き手ロ£はリアルでも♪き手同士の戦〒だぜ 』

         『とこ¢で最近投$速度が速〆ぎて把握が追いつか▼いから書くのを♂念したぜorz』

         『なにそ◇カオスな必▲技w』


ああもう、うるさいよ、あんたら!

やれやれなんでこんなことになっちまったんだろうねえ。
底上中の残月はため息をつく。

気がつけば見ず知らずの場所へ呼び出され、殺し合いを強制されていた。
わけがわからなかった。

そもそも自分は果たしてこんな老婆だったのだろうかと、当初は疑問を持ちさえした。
ただいくら考えてもこの会場に連れてこられるまでの自分を思い出せず、
それならばと取り敢えずホテルに火を着け人を集めることにした。
その目論見は見事に外れたが結果的に続けざまに人に出会えた。
ああそうだ、カレーを食べたりもしたんだった。

「っは、まだ立てるだけの力があるのかよ、クソババア」

中々にうまっかったねえ、あれは。
また5人で食べるのもいいかもしれないねえ。
いんや、後ろの坊やに嬢ちゃんも加えたら7人さえ。
だからまあ、ちょっくらがんばるとするさね。

「残月さん、どうしてそこまで!?」

残月は夢想する、ありし過去のひと時を。
彼女は望む、それ以上の未来の日々を。
故に彼女は立ち上がるのだ、その身にどれだけ傷を負おうとも。

「ふん、あたしの半分も生きていない小僧が、なに粋がってんだい」
ひどい怪我だった。
その巨体は幾つもの氷槍で貫かれ、白い肌は血と凍傷で赤く青く染まっており、
脂肪に覆われどう考えても直視したくなかった肉体は、別の意味でも見るも無残な姿と化していた。
もともと全裸の彼女は防御面では紙と言わざるを得ない。
にも関わらず彼女は立ち続けたのだ。

ただ後ろで泣く仲間を守るために、彼女の涙を拭う為に。

「てめえ、今の状況わかってんのかよ、ああ!」
「ああ、よくわかってるさね、ガキがつまんない癇癪起こしてるってことはさ」
女の子を泣かす大馬鹿者を連れて帰る為に。
「癇癪、だと?俺は俺を殺された復讐をしているだけだろおがあ!当然の権利だろ!!」

そして何より、書き手としての己を貫くために。

2820没:だれよりも真摯なる死亡フラグ:2008/02/28(木) 03:41:04 ID:GnY0stcs0

「当然の権利?っは、だからあんたはいつまでたってもガキなのさ」
Chain〜情〜が起きていたのなら、彼の心を揺さぶったかもしれないその事実を、
しかし残月は下らないとばかりに切って捨てる。
「なん、だと?」
復讐。
それは人が人を傷つける動機として最も世間に受け入れられやすいものである。
地位、名誉、財産、誇り、恋人、親友、家族、師弟等々。
どれもがほぼ全ての人にとって大切なものであるが故にだ。
ならば自らの同一存在を殺した相手に復讐するのもまた受け入れられてしかるべきではないか?

多くの人は納得するだろう。
あるいは起きえないそんな状況のことは考えられないと判断するだろう。
どちらも正しい答えである。

だが、書き手としてはNOと言わざるをえない!

「はっきり言ってやるよ、KING OB 脳内補完。いや、ブリリアント・ダイナマイト・ネオン。
 あんたは、間違えちまったんだよ」
「てめえ、どうしてもう一人の俺の名を!?」
「マオVS金田一を書いたのは誰だと思ってるんだい?
 変な力を手に入れたのは自分だけだと思わないことだねえ」
「まさか、ギアスってやつか!?」
「うるさいったらありゃあしないさ」

彼らは知らないことだが、これもまた例のカレーの影響である。
他の書き手に比べて覚醒の遅かった残月も、フラグビルドの螺旋力の発動に触発され、遂に新たな力を得たのだ。
マオ式ギアス――すなわち心を読む力を。

「っくそが、だがそれならなおさら俺の動機の正しさが分かるはずだろが!?なのにどうして否定しやがる!?」
「衛宮士郎とアーチャー、ハクオロとディー、佐山御言と戸田命刻」
残月は告げる。
パロロワにおいて幾度か参加者として選ばれたキャラクターの名前を。
それこそが脳内補完に対する答えだと言わんばかりに。
「何言ってやがる、おい!」
「まだわかんないのかい?あんたがやっていることは彼らを同一キャラとして扱うのと同じなんだってことが!!」
そう、パロロワの世界では同一存在という前例は、全くないわけではないのだ。
並行世界の同一存在的な存在である佐山達の例はともかく、
半身や未来の自分という意味で前述の二例はこのロワにおける書き手の分裂現象にある意味近い。
だがロワ本編において彼らは何か思うところはあったとはいえ、
もう一人の自分とは別存在として最後まで己を貫いたのだ。
「!!」
「どうやら理解できたみたいだねえ、KING OB 脳内補完。
 未来の自分?本来の片割れ?っは、それがどうしたってんだい!
 『ブリリアント・ダイナマイト・ネオン』と『KING OB 脳内補完』。
 あんたらそう区別されて呼び出されたんだろ?
 だったら別キャラとして動いてこそ書き手じゃないのかい?ええ!」
「そ、それは……」
あまりの残月の気迫に、圧倒的に有利なはずの脳内補完が押し負ける。
事実そのことを理解していたからこそ、他の書き手は自分自身の復讐になどはしらなかった。
まあ、それこそアーチャーのようにもう一人の自分を目の敵にしている人達ならいたが。
「うわあああああああああああ!!」
書き手としての誇りを揺さぶられたからだろう。
脳内補完が唸りをあげ氷の飛礫を残月にぶつけ続ける。
だまれ、だまれと悲鳴をあげながら。

だが、まだだ。

まだ残月のターンは終わってはいなかった。

2821没:だれよりも真摯なる死亡フラグ:2008/02/28(木) 03:41:36 ID:GnY0stcs0

「ところであんた。自分が最初に言った言葉、覚えているかい?ああ勿論ブリリアント・ダイナマイト・ネオンが言った言葉さ。
 キャラ死亡に関して色々読み手の反応に文句を言っていたじゃないかい。確かこんなかんじだったかねえ」
螺旋力の影響で、したらばどころかWIKIや毒吐き別館の声すら聞き取る力で、
かってB・D・Nがあげた恨み言の数々を朗読していく残月。
尚ホテル放火の悪影響については聞かないふりである。
「それで?今のあんたがやってんのはなんだい?
 KING OB 脳内補完はブリリアント・ダイナマイト・ネオンというキャラを殺されたことに文句タラタラじゃあないかい。
 あっはっは、それどころかむしろ自分を殺されてむかついたネオンが脳内補完の意識をのっとて復活したともとれるねい。
 そうじゃなきゃあ脳内補完の小僧は他人に流されてばかりのダメ人間さ。
 立派な復活じゃあないか。あんたがやったのはあんたが嫌う身勝手な奴らと同じなんだよ、ボケがああ!!」
そう、まさに今のKING OB 脳内補完は、ブリリアント・ダイナマイト・ネオン
「黙れ、黙れ黙れ黙れ黙れええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!」
「見せてやるよ。これが空気を読み、読み手と力を合わせ、されど自分を貫く書き手の力さ!」

「グラビティ・ニュークリア・ダイバー!!!」

グラビティ・ニュークリア・ダイバーとは、書き手バトルロワイアル2nd感想・雑談スレにおいて、
とある住人が発案した技である。
曰く、ギャルゲロワのマーダーな書き手が得意の現地調達で、
二次スパの核ミサイルを登場させてミサイルの上に乗って敵に突撃するという珍必殺技である。
核ミサイルを現地調達など、どこの世界だと突っ込みたいが、
このロワとあのギャルゲロワの書き手ならそのまま実現しても納得しそうなところが恐ろしい。

制御不能のギアスの力は、したらば掲示板すら飛び越えて、残月に一つの可能性を示したのだ。
そう、彼女の支給品、携帯型レーザー誘導装置@ハカロワ3の持つ可能性を!

「な、何いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!?」

カパリと残月がその口を大きく開く。
その中からにょきにょきと姿を現す円錐状の物体。
ご丁寧にあまりに有名なマークつきのそれは即ち、
「「核ミサイルだと!?」」
「がっはっは、たまげたねい、まさかこんな所から出てくるとはねい」
残月が期待通りミサイルにコクピットが付いているのを確認して低空を飛翔するミサイルに飛び乗る。
二次スパロワとは違いマニュアル操縦なことには気にしない。
あ、このミサイルも言うまでもなく、例のカレー出身である。
どうもイングラムの名残がコクピットとして表れたらしい。
おまけに2本の機械の腕まで生えていたりする。
「さあ楽しいお空のドライブにいくとするかい!」
「はかりやがったな、ババア!」
着弾までレーザーを照射し続けなければ誘導できないという欠点を補うため、
あえて開戦直後に一芝居打ってこっそりと照射状態のまま投げ捨てたのだ。
さすがの残月もまさか自分の口から発射されるとは思っていなかったようではあるが。
脳内補完が気付いた時にはもう遅い。
そもそも精神的に不安定な今の彼が本人も予想していない天然の不意打ちに対処できるはずがない!

2822没:だれよりも真摯なる死亡フラグ:2008/02/28(木) 03:42:10 ID:GnY0stcs0

「あんたの間違いは自分の信じる自分を信じられなかったことさね!」
言い放つや否やミサイルの進路を変え、鉄腕で脳内補完を捕獲した核ミサイルが天へと昇る。
繰り返すが残月が無理やり制しているのは核ミサイルなのだ。
何らかの拍子に爆発すれば全員無事では済まない。
特に行動不能のフラグビルドとChain-情はどう考えても逃げ切れないだろう。
だからまあ、とりあえずは海の上ででも爆発させて、
その前に自分たちは飛び下りれば脳内補完も二人から切り離せてちょうどいい。
そう考えてミサイルを御す残月は見た、今にも泣きだしそうな少女の姿を。
どうやら一仕事残っていたようだと首をまわし老婆は叫ぶ。
「いいかい、嬢ちゃん。さっきの言葉はあんたにもあてはまるんだよ。
 あたしのキャラじゃないがね。あんたの信じるあんたを信じな。
 フラグがなんだい!大事なんだろ、その坊やがさ。なら、素直になりな」


脳内補完が喚く。


ミサイルが天を行く。


もう残月からは少女は見えない。
それでもギアスは少女の声を老婆に届けた。

『無事に、帰ってきて、ください』

それは信念をも凌駕した大切な仲間への祈り。

「はっは、あたしにまで素直になっちまわないでもいいのにねえ
 全く、れっきとした死亡フラグじゃないかい」

傷だらけの残月は無理をおして嬉しそうに笑いながら天を行く。


目指すは南、I−4〜6に広がる海。


果たして、旅路の果てに残月と脳内補完は何を見る?





【静かなる 〜Chain-情〜@アニロワ1st】
【状態】:疲労(極大)、気絶
【装備】:カードデッキ(龍騎)、ゴールド・エクスペリエンスのDISC@漫画ロワ、仗助の学生服@漫画ロワ
【道具】:支給品一式×2、レインボーパンwith謎ジャム@ギャルゲロワ、CD『ザ・ビートルズ』、カエル×4、
     
【思考】:
 基本:殺し合いに反逆ゥ!そしてなるべく多くの仲間と生還し、死んだ書き手の分まで頑張る。
 0:気絶中
 1:???
 2:フラグビルドを保護
 3:シルベストリとコロンビーヌ。そして、襲撃者はどこに……?
 4:とにかく首をどうにかしたい


 ※容姿はスクライド(アニメ)の橘あすか。
 ※元々着ていた服は、転移の際の崩壊により行方知らずとなりました。
 ※ビックバン・パンチ。命を犠牲にして放つ最強の一撃。不発でもそれなりの破壊力ですが、一時間以上は気絶します。
 ※フラグビルドを失いたくない、と思えました。

2823没:だれよりも真摯なる死亡フラグ:2008/02/28(木) 03:42:48 ID:GnY0stcs0
【素晴らしきフラグビルド@アニ2nd】
【状態】:疲労(超絶大)、全身に火傷(小)、指パッチン使用不能(放送後しばらくしたら使えます)
【装備】:いちご柄のパンツ@ジャンプロワ 元々着ていた服
【道具】:支給品一式(まだ何か持っているかも)
     コアドリル@アニロワ2nd 、泉こなたのスクール水着@漫画ロワ
     お徳用原作パロロワ全生首セット(目玉セット他に換装可能) &原作パロロワ全手首詰め合わせ今なら腕も付いてくる!
【思考】:
 基本:フラグを立てて立てて立てまくる。でも、時に感情優先。
 1:Chain-情を介護する。
 2:体力が本気でやばい。死にそう。
 3:静かなる 〜Chain-情〜と素敵なフラグを立てる
 4:残月には死なないでほしい。
 ※容姿は小早川ゆたか@らき☆すた(ただし髪の色は緑色)です。
 ※ゆびぱっちんで真っ二つに出来ます。
 ※コアドリルを使用することで螺旋力を発揮することができます。
 ※螺旋力を発揮することで強制転移が可能。その規模によって疲労の度合いが変わります。
 ※静かなる 〜Chain-情〜を本気で失いたくないと思いました。
 
 ※携帯型レーザー誘導装置@ハカロワ3がG-7に転がっています。
  ただしまだ使えるのか、そもそも次に何がどこから飛んでくるのかは不明です。



【H−7上空】

【King of 脳内補完@漫画ロワ】
【装備】スカウター、蟹座氏のパンティ(紺と白のストライプ)
【所持品】支給品一式、ウルトラミキサー(故障?)
【状態】悩み、動揺
【思考・行動】
基本:ステルスマーダーとして参加者は皆殺し
1:お、俺は……
2:やべえ、ホワイトアルバムじゃ首の穴があるから、放射能は防げねえ!


※中の人がB・D・Nであったために、人肉カレーがきっかけで異世界の自分、
 およびもう一人の自分と記憶がシンクロしました
※スタンド『ホワイトアルバム』が使えます。氷を使うスタンドらしいです。詳しくはググレ。


【底上中の残月@アニロワ2nd】
【状態】全裸、全身に重い切り傷・凍傷
【装備】腕とコクピット付き核ミサイル
【道具】支給品一式、放火セット(燃料、松明、マッチ)
【思考】
基本:対主催を集めて主催者を打倒する
1:核ミサイルを海上or海中など被害のないところまで飛ばす。
2:その後脱出
3:King of 脳内補完も助かるようにしたい
4:さてあとどれだけもつかねえ
※容姿はドーラ@天空の城ラピュタです。
※全裸主義者なので服を着ることをいやがります。
※もちろんBIN☆BINです
※不明支給品は携帯型レーザー誘導装置@ハカロワ3でした
※マオのギアスに覚醒しました。
 螺旋力の影響である程度気合いでコントロールできます。
 抑制しなければ毒吐き別館やチャットの住人の心も読めます。
 ただその場合、原作のマオ同様声が入り乱れてはっきりと判断できず、
 負担も大きいです。

※携帯型レーザー誘導装置@ハカロワ3
 目標に向かってトリガーを引き、レーザーを照射させることによって
 目標に対地ミサイルによる精密爆撃を行うものである。
 着弾までレーザーを照射し続けなければ誘導できないのが欠点であるが、
 命中すれば民家程度なら簡単に全壊させるほどの威力ある。

2824貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/28(木) 03:43:28 ID:GnY0stcs0
没投下終了。
いやはや色々やらかしたんで一安心だw

2825貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/28(木) 07:47:46 ID:CrLxI8/cC
どいつもこいつも熱いぜGJ!
ここまでくると、流石に一人一人のキャラが濃ゆいw
そろそろ起承転結の転。一番面白いところにさしかかってきたか?
没の人も面白かったです。スパロワで放射能除去装置ってあるから、核ミサイル撃っても問題なかったかもw
あ、蟹座の爪の悪夢を書いたものですが、時間を直してなかったので【午後】でお願いします。蟹座氏の口調もおかしいので後ほど直しておきます。

2826エロス頂上決戦開始:2008/02/28(木) 22:50:58 ID:iCVimmVo0
<第二回放送直後・F5ビル街>

     ……んーと、あんまり長く放送してもアレなんでそろそろ終了しますね。
     
     それでは、よい一日を――……

ビルの隙間を縫うように敷かれた道路、その中央に二人の女性が立っていた。
放送が終わり、聳え立つビルの林に静寂が戻る。
しかし、そこには平穏は戻っていなかった。
その二人が放送を聴いて死者の名前に心を打ちのめされたから、という訳では決して無い。
更にいうなら、彼女たちは放送を微塵も聞いていなかった。
静寂が街を侵す。まるで『黙れ』と女王の勅命を受けた従僕のように。
そう、ここに立つ二人は紛れも無く女王だった。

エロスの鐘の煩悩寺とエロ師匠……書き手ロワの中でも特級のエロスキルを持つ二人がまるで惹かれあうようにして相対していた。
温いビル風が彼女らを煽る。
煩悩寺を体を守るたった一枚の布がピラっと捲れた。
エロ師匠のキャラである斗貴子のミニスカートが堂々と捲れた。
しかし彼女らは放送と同様に一切の動揺を見せない。むしろ捲れた事に興奮を感じているかもしれなかった。
煩悩寺の傍でガグガグと震えるサスペリアは目の前の存在に言葉を無くしており、マスタに逃げろとアドバイスする余裕を失っている。
向こうの女が連れてきたあのぶっといスーパーカノン(となんかその先っちょについてる人間)に気を配ることすら出来ない。
アレは、相対してはならないモノだ。
磁石の同極のように、電池のプラスとプラスのように。
同種であるが故に、存在が互いを否定する滑稽。
出会ったが最後、何かに終止符が打たれてしまうそういう類の互いのとっての怪異。
巡り合ってはいけない、そういう星の下にあるべきモノ。

しかし悲しいかな、子供はいけない事をどうしても『やってみたくなってしまうのだ』。

2827エロス頂上決戦開始:2008/02/28(木) 22:51:32 ID:iCVimmVo0
煩悩寺の腿につうと雫が垂れた。尿よりもねばつこい何かだった。
エロ師匠の口元を涎が伝う。掬い取る舌の動きは蛇よりも悪しき物だった。
二人ともある種に予言に近い確信を持っている。
戦うしかない。否、細胞が戦い以外の選択肢を放棄している。
しかし放送が終わって尚無言のまま彼女たちは一向に動こうとしないし、言葉も放とうとはしない。
当然だ。駆け引きなどと甘いことを抜かす段階など一目見たときから吹き飛んでいる。
どちらかが動けば、一瞬でここは大乱交会場と堕すだろう。
既に二人を取り巻くビル風は彼女たちの淫らな気を受けて熱嵐とまで化している。臨界点はそう遠くない。
だが動かない、どちらも動かない。その理由は……
(こっちはまだ変身してない……このままじゃ確実に先手を取られてちゃう)
小さなメイドはその可愛らしいけど潰れた唇を噛んだ。
相手がすでに槍を手に戦闘準備を済ませてあるのに対し、こちらはどうしても変身シーンという一動作が必要になる。
どうせバンクの使いまわしだから短縮バージョンで済ませてもいいのだが、それでも目の前の女相手では遅すぎる。
奴ならばその間に二回、いや、三回はこちらを孕ませる事ができるだろう。

だからどうしても動けない。気を張り巡らせて対陣するより手が無い。
(何か……何か隙ができないと……)
苦悶するサスペリアを余所に、淫蕩の風は益々そのエロスを撒き散らしていた。
まるで決戦を告げるゴングを待つかのように。

☆ ☆ ☆

2828エロス頂上決戦開始:2008/02/28(木) 22:52:04 ID:iCVimmVo0
<第二回放送直前・ニコニコロワ控え室>

「なんじゃこりゃあああああ!!!!????」
大声で叫ぶ愛媛の0RbUzIT0Toは大変な演説をしていきましたの視線の先には会場内の監視カメラによるF6の動画……即ち地球破壊爆弾No.V-7一行の状態が流されていた。
その中に現れた闖入者二人、神行太保のDIE/SOULとミスターマダオたちが戦いもせずにただ其処につったっている。
「いや、意味分からね。ついさっきまでガッツこなた殺す気マンマンだったじゃん」
先ほどまでL4Uの特典アニメを見ていたのだが、敵意剥き出しのDIE/SOULが現れて地図氏がDIEピンチになったと知りwktkして見始めたのだ。
幾ら強固なフラグに守られた城壁とはいえ吸血鬼とはいえ一般人かがみんとアニロワ2ndトップのヘタレルルーシュではあのガッツを止められまい。
死亡確認は無理でも上手くいけばダメージぐらいは入るかと期待していたのだ。『職人GJ!』コメントも用意していたくらいだ。
「いや、だからなんでなんかホンワカムードなんだよ」
「そりゃ和解したからに決まってるでしょJK」
唖然とする愛媛に人外アドベンチャー〜OZbjG1JuJMのウォーゲーム〜が淡々と突っ込みを入れる。
乱入無しで戦闘停止なら大体一時休戦か和解イベント、パロロワ三ヶ月新人でも分かる簡単な理屈だ。
「偉そうにいうなっての。だからなんで和解してんだよ」
「音声が無いんだから知らないですよ」
主催側のもどかしい所である。いったい何のフラグによって和解したのか判別の仕様が無いのだ。
「ただなあ……あの二人確かテイルズロワのジョーカーに当たってましたね」
人外が何と無しに言った。終日ニコニコしているとは言え主催者サイドとして一応には監視カメラで手に入る情報は把握している。
「巡り合わせかね。まさかのWアーカード、正直その発想は無かったと言わざるを得ない」
「はあ〜〜〜〜あり得んね。あり得ん。やっぱイチロー出すしかなくね?」
「それは最後の手段ですって。FOOさんの笛で纏めて削除できないですかねえ」
項垂れる二人はフードに隠れた顔を唸らせる。
こうなってくるとつい最近上がってきたOVA少佐の演説も恨めしくなってくる。
「とりあえず其処までで自重しておきましょう」
二人の唸りがMAXに来るかといったところで落ち着いた声が控え室に響いた。
「ガチホモさん」
二人が向いた先には何故か室内に用意されたベンチに足を組んで悠々と座っている男、裸になってすぐアッー〜殺意のqwglOGQwIk〜がいた。
あまりにも漫画から切り出してきたような例のポーズなのでもしここにトイレがあったら確実に誰かが餌食になってしまっていたかもしれない。
「世の中には運不運というのはありますし、この世界に限って言えばここは書き手の誰にも都合のいい世界です。この程度でめげていては保ちませんよ」
それもそうか、と愛媛と人外は思い直した。このロワでご都合・超展開etcなどあってないようなものだ。
それに既に地図氏の件は元々諦めていたに近い。死亡フラグの匂いがしたからとすぐにガッついては書き手というよりハイエナではないか。
「さてと……じゃあ私はちょっと出て行きますので、何かあったら教えてください」
ガチホモがその巨躯をのっそりと持ち上げた。
「どこいくんすか? 会場……じゃないですよね?」
愛媛の質問にガチホモは扉の前で答えた。

「ええ……杞憂とは思いますが、確認しなければいけないことが出来ました」

☆ ☆ ☆

2829エロス頂上決戦開始:2008/02/28(木) 22:52:41 ID:iCVimmVo0
<第二回放送後・テイルズロワ控え室>

「……反応、ないっす。nanasinnさんの消失を確認しました」
名無しの報告にテイルズロワの三人は重たげな空気を纏っていた。
「さいですか。参加者の損害は?」
「三方に散りました。一部支給品に損害は出てますけど、死者は無し。
 パロロワ状態評価で言うところの中の下『消耗ハアレド継戦可能ナ状態』ってところですかね」
七氏の質問に名無しが答える。応答ともに心中の重々しさが伝わる。
「よーするに、以後のSSに支障がない程度の消耗ってことですかい。後の書き手が一番楽な状態……まあ、こうなった時点で予想は付いていましたが、ここまでとは」
「計八人でのフルボッコですからね。ましてや一人はチート級。古城の主か、セフィロスでもなければ耐え切れませんよ」
nanasinnの戦果は無いに等しい。いくら暴走しての出撃とはいえ、単体火力ではテイルズ最強であるnanasinnがこうも一撃で終わるとは。
改めて書き手ロワの恐ろしさを実感する三人。
「あの人のことですから、また俺たちの予想のつかないキバヤシ理論で復活するって可能性は……」
「無いですね。彼の異能“抑えられないグロ描写衝動”は自分の体内に限りあらゆる超展開を可能とする力。
 体を失っては大いなる意思に逆らうことはできません。よしんば復活しても、再生したボスの扱いは……」
ズガンよりも悲しいことになるかもしれない。それはパロロワで生きる戦士として死よりも辛い末路である。
「せめて、もう少し空気を読めれば……」
「それは違う」
それまで黙っていたナナシが突如割り込んだ。
「空気を読めば確かにもう一放送は乗り切れたかもしれない。だが、その時点でそれはもうnanasinnじゃない。
 あいつは、最後の最後まで自分を通した。例え世界がその存在を許すまいと最後まで我を徹した。それは尊いことだ。
 他の誰もが評価しなくても、それを俺達が評価してやらなくてどうする……」
深く、染み入るようにナナシは言った。他の二人も目を閉じて黙祷をするように沈み込む。
「三つ子の魂百までともいいますか、確かに。彼の愛する酢飯のような末路。書き手としての一つの理想ですね」
「普通はロワが進むにつれて捻じ曲がるもんなんですが、最後の最後まで純粋な書き手でした」
彼らの間に何があったかは過去ロワの闇に沈んで分からない。しかし、彼らは同じロワの飯を食った仲だった。
「……少し席を外す。後は二人に任せた」
ナナシが洗ったパスタ皿を棚に戻して、エプロンを外した。
「了解しました。ナナシさんはどちらに?」
名無しの問いに、ナナシは扉の前で答えた。

「化粧室だ……少し顔を洗ってくる」

☆ ☆ ☆

2830エロス頂上決戦開始:2008/02/28(木) 22:53:09 ID:iCVimmVo0
<第二放送暫くの後・主催本拠地化粧室>

化粧室までやってきたナナシはその入り口の前で電池が切れたように停止した。

「や ら な い か」

室内のはずなのにベンチ。とても自然な形で座っている自動車修理工。ツナギのファスナが既に半分以上降りている。
直球である。ど真ん中ストレートでキャッチャー貫通後爆破。こんな球伴宙太でも捕れるかバカ。
「ははは……CEROがAかBのゲームロワの方には少し不味かったですね。申し訳ない」
両手を挙げて爽やかな笑いを上げる阿部さんにナナシはついていけない。
ようやく頭を回転させて、一言発する。
「……ニコニコの書き手か?」
「はい。以前合ったときは黒マントでしたからね。改めて初めまして、裸になってすぐアッー〜殺意のqwglOGQwIk〜です。
 長いので殺意なりガチホモなり阿部なり小泉なり好きなように呼んで頂いて結構です」
出された手に、ナナシは自然と握手した。
アカウントは持っているもののニコニコにあまり詳しいとはいえないナナシだが、くそみそテクニックについて知らぬわけが無い。
どうやら中身は阿部さんではないことにナナシは安堵する。そして片手ならばジャンケン十三奥義も怖れる必要は無い。
「……とりあえず行ってもいいか?」
ナナシは男子トイレの記号を指差す。
「イッてもいいか……とは、根暗と思いきや大胆ですね。嫌いじゃないですよ」
ふふふ……と薄ら笑いを浮かべる阿部さんをスルーしてナナシはトイレに入った。

洗面台の鏡に水に濡れたナナシの顔が浮かぶ。
手袋を外した手をぐっと握り締め、振るわせる。
「すまん……nanasinn……俺たちにはどうすることも出来なかった」
エンジェルアームの極光が思い出される。『偶然』にも名も無き怪物を貫いた悪意。
足掻いた筈だ。消されまいと戦ったはずだ。nanasinnは何よりも自由にあった書き手だから。
彼は大いなる意思に、その消え入る瞬間まで。その果てに消滅しようとも。その悪意が例え内側からだったとしても。

「そうやって、対主催へのフラグを立てるわけですか?」

2831エロス頂上決戦開始:2008/02/28(木) 22:53:39 ID:iCVimmVo0
びくん、とナナシは電撃を受けた様に顔を上げた。目の前の鏡には外れたチャックから覗く見事なまでの胸板が映し出される。
「動かない方がいいですよ」
そういう阿部さんの発言を聞き流しナナシが氷で武器を生成しようとする。
しかし、
「まっがーれ↓♪」
バキン。
「〜〜〜〜〜〜〜グァッ!!!!!」
ナナシの体が斜めに崩れ落ちた。歯を食いしばって痛みに絶えながら足元を見る。
彼の体を支えるべき膝が、あり得ぬ方向へ曲がっていた。
「僕の手品の一つです。この言霊の前に曲げられないものは無いですよ……まっがーれ↓」
振りぬこうとしていたナナシの左腕を氷ごと曲げる。
あまり綺麗でない形で骨が折れたことが、音からもよく分かった。
痛みのあまり完全に倒れそうになるナナシの後ろ首を阿部がひょいっと掴む。
「手荒な真似をして申し訳無い。ですが、どうしても確認しなければいけないことがあったので」
1cmほど宙に浮かんだナナシに阿部さんが重々しく言った。
「nanasinnさんの件はご愁傷さまでした。……まさかあの位置にエンジェルアームなんて、“誰にも”予想が出来ません。ふふふ…」
「何が…いいたい……」
「いえいえ、誰がエンジェルアームに細工をしたのかはどうでもいいんですよ。十中八九、こちら側の采配なんですから。
 そちらは別に関心がありません。私が聞きたいのは、貴方のことなんですよ」
「何…?」
「nanasinnさんは…まあ暴走して会場に向かったのはまだ分かるんですよ。
 ではナナシさん……貴方は何をしにあの会場に行ったんですか?」
ナナシの体が震えを止めた。
「私達は私達の都合で地図氏を早急に仕留める必要があったので向かいました……失敗ですけどね。
 ですが、貴方達は別段特に理由があった訳ではないでしょう?“まるで、誰かの都合に合わせて急いだ”みたいじゃないですか」
ナナシの浅い息がトイレの中でやけにうるさく聞こえた。
「そして、私たちの襲った地図氏、ロリスキーさん、ウッカリデスさん。貴方が襲ったDIE/SOULさん、マダオさんは
 何故か因縁を持ちながらもその矛を収めてともに行動をしています。
 ガッツVSアーカードを望むDIE/SOULさんの熱意はそう安いものじゃない。可能性としては、対ジョーカーで結束したとしか思えません。
 ナナシさん……貴方達はこの構図を狙っていたんじゃないですか?」
阿部さんはその疑いをこそ懸念した。対ジョーカーにて結束することを逆手に取って対主催を結びつける。
その方法論はnanasinnフルボッコで証明されている。ただし、効果時間は短く、ステルスマーダーにはやはり効果が薄いが。
「ガッツとアーカード……地図氏を守るパーティはかなり磐石です。チート級でも単体ではそう簡単に崩せないでしょう」
アーカード二人にガッツ。攻撃力MAXパーティってレベルじゃねーぞという感じである。
「ナナシさん……察するにテイルズロワ最終回を書いた貴方が貴方達のリーダーでしょう。
 ですから、一つだけ確認させてください。貴方達の目的はいったい何なのです?」
「……呼ばれたからには……全滅させるだけだ……」
息も絶え絶えにナナシは言う。主催側として呼ばれたならばそれしかするべきことは無い。
「ええ、ですから私たちの事情に乗る形で対主催フラグを固めて強化した。優勝エンドになる場合、私達の見せ場は確実に減りますからね。
 それはいいんです。ですが、その全滅の対象は“参加者だけ”なのですか?
 それならばかまいません。ですが、私たちをも全滅させるというならば、降りかかる火の粉は払わせて貰います」
掴んだナナシの体を自分の方に寄せて、その足の付け根にある剛直を菊門の在るべき位置に宛がう。
開いた方の手でファスナを最後までズリおろした。
阿部さんはすうっと息を吸って、言った。小野大輔ではない、阿部さん本来の声で。

「返答次第じゃ……その穴、貰っちまうぜ?」

2832エロス頂上決戦開始:2008/02/28(木) 22:54:05 ID:iCVimmVo0
ククク……とナナシが笑いながら小刻みに震える。
阿部さんの方からでは後ろになってその顔は窺い知れない。
「俺達は確かにろくでなし集団だ。確かに全滅させた。ああ、土壇場でキールを裏切らせたり、主催が空気読まずに優勝者を半死にした。
 エクスフィギュアだって何度蘇るんだって突込みがくる位に出てきた。だがな……流れに逆らったことだけは無い。
 あの全滅は、そうあるべき流れがあったからだ……」
ナナシの周りを青いオーラ…氷のフォルスが纏いナナシの濡れた髪が凍り始める。
阿部さんが再び言霊を発した。ナナシの残った足も曲げられてしまう。
「俺達は、流れにだけ従う。対主催ルートなら参加者を全滅させるし、優勝ルートならお前達と同じく共に滅ぶ……それだけだ」
「その覚悟は分かりました。そのいい男ぶりに敬意を表して、一発キめて上げましょう!!」
阿部さんのリーサルウエポンが完全に露出する。え、これどっちでもヤるつもりだったのか。
「ならば見せてやる……俺の信念の形を……」
「異能ですか…ですがナニをしようともう間に合いませんよ。私のナニはゲイボルグ並の強制力です」
既に凸と凹の距離は5㎝に満たない。唯一残った片手ではもう間に合わない。
だが、ナナシの顔に一切の諦観は存在しなかった。

「空気王(ウッドロウ)ことナナシが命ず。繋げ…『姿無き縁の下』!!」

阿部さんの輝かしいほどの一物は、見事その下の口を完膚なきまでに蹂躙した。

☆ ☆ ☆

2833エロス頂上決戦開始:2008/02/28(木) 22:54:30 ID:iCVimmVo0
<第二放送後・F5市街地>

「出すな……まだ、我慢……う、う〜ん」
意外な影丸?はようやくその眼を覚まし、上半身を起こした。
「はっ……て、気絶してたのか俺は、つうか放送は!?」
『お、起きたか。朝勃ちとはどこまでも元気な奴め、そのまま夢精すれば面白かったんじゃねーの?』
「開口一番がそれか!そもそもそんなものぜんぜん面白くないぞ」
脳裏に響く声に律儀に突っ込む影丸だが、ちらあと細目で自分の股間を見た。
見事なまでに屹立したBHCが発射を今か今かと待ちわびながらも暴発を耐えていた。
偉いぞ俺(の息子)と自分を讃えながら、目覚めてきた頭が再び当座の問題にぶちあたる。
「あの女……エロ師匠は何処に行った?!」
『なんだよ目覚めていきなり“女は何処だ”って……何処の思春期の中学生ですかコノヤロー』
「そういうネタはもういいから、どこいった!」
『そこだ』
ネクタイの言葉にハッと我に帰る。その目の前には先ほどまで戦っていたエロ師匠の姿がありその奥にはシーツ一枚と
少々倒錯的な服装のツインテール少女がいた。
『お前ツインテール萌え? どこまでキョンなんだよお前はよ』
「うるせえよ!つうかなんでキョンが悪口の代名詞みたいな使われ方してるんだよ!?」
状況を察した影丸の突込みが心なし小声になる。
しかしエロ師匠もツインテール少女も影丸の言葉に一瞥はおろか反応さえ見せない。
文字通りの意味で眼中に無い様子だった。
「これは一体全体どういう状況なんだ? タイマンなら俺の存在はいらんだろ」
『まあどう見ても今から真剣勝負だからな。巨根さすりながら勝てる相手でもないんだろうさ。お、そういや放送だがな』
「今そんなことを話して――――――――――――――――――――」

その時だった。影丸の尻に大いなる違和感が発せられたのは。
『おい、どうした!しっかりしろオィィィィ!!!!!!!!』
突然すぎる感覚だった。まるで青空に突如亀裂が走ったように。まるで銀色のゲートが秋葉原に出来たように。
影丸という一個の世界に巨大な「穴」が穿たれ、異界から口にすら出来ない異物がそこから侵攻してきたかのように。
だが、一つだけ違っていたのは、
(お、れは…これを知っている。違う、俺が知っているんじゃない……俺の体が、キョンが知っている……)
記憶よりも体の方が覚えている。これは容れさせてはならないと、受け入れれば死ぬと。必死に叫んでいる。
(こいつは、このナニの感覚は……くそみそ…か…)
アニロワのキョンが、ではない。ニコロワのキョンの痛みが、概念の枠を超えて尚痛みを訴えた。
初めてを失えば死ぬのだと。

☆ ☆ ☆

2834エロス頂上決戦開始:2008/02/28(木) 22:54:52 ID:iCVimmVo0
「……つまり、貴方の能力は読んで字の如く“繋ぐ”こと……そういうわけですか」
腕を組みながらうんうんと納得する阿部さんの股間に、本来あるはずの男性のシンボルが無かった。
しかし出血していないし、阿部さん本人が平然としている。
「俺は空気書き手だからな……色んな作品の空気を読んで、それを繋いできた」
ナナシは手を曲がって折れた部分に当てて“繋げ”という。
手を離した先は、骨折の痕跡も無く文字通り“繋がっていた”。
「空気を極めた繋ぎ書き手。故に空気王、ですか」
「公式でもヴェイグ≒ウッドロウはネタにされたからな…」
ナナシが遠い眼をしながら足の骨を繋いでいく。
「最初は空間操作かと思いましたが……本当になんでも繋ぐんですね。時間も可能ですか?」
「それが流れに沿った良繋ぎならな。空気キャラの時間を何時間も飛ばすなんて、ツナギストなら誰もが通る道だ」
「なるほど、しかし……この空間の向こうにキョン君の穴があると思うと……素晴らしい。妙に金属っぽいのが気になりますが」
「空間を繋いだというよりは阿部×キョンのCPを繋いだ。“このナニを一番相応しい奴に繋げ”と当てずっぽうに繋いだから保障は出来ないぞ」
全部を繋ぎ合わせたナナシは立ち上がり、万が一にも間違って繋いでないかを確認する。
「いえ、十分ですよ。確認したいことは確認できましたし、とりあえずは十分です」
阿部さんは恍惚とした表情を隠そうともせずうっとりとしていた。
今すぐにでも発射してしまいたい衝動に駆られるが、紙一重でこらえる。
もう少しで完全に入る。すっぽり入る。そのときこそ自分の中のすべてのケフィアをぶちまけるのだ。

「僕のケフィアは……300リットル以上は硬いですよ……」
恍惚に打ち震えるその声はとても“きもちわ類”ものだった。

☆ ☆ ☆

2835エロス頂上決戦開始:2008/02/28(木) 22:55:16 ID:iCVimmVo0
「――――――!――――――!―――」
眼から火花を散らしながら影丸は必死にその異物と戦っていた。
しかし、相手は紛れも無く阿部。ニコニコロワが参加者に存在しない以上存在し得ないはずだが、
実物を挿入させられかけた今そんなことを疑う余地は無い。
(くそ……だめなのか……ホイホイ付いて行って俺はまたアーッな末路になっちまうのか)
影丸の中に弱気が巣食い始める。それを見逃すまいと、また0.1ミリ、異物は彼の世界へと進む。
『おい、何弱気なこと抜かしてんだよ』
ネクタイの声が頭に響く。今までの軽薄そうな感じは微塵も無い、侍の声だった。
「でもなあ、相手はあの阿部さんだぞ……そして俺はキョンだ。元から勝ち目のある話じゃないだろ」
『んなこと知るかよ。おめえ、あんなのはアレだ。ただのドライバーみたいなもんだ。
 それによ……お前、自分の言った事忘れたのか?』
「ナニをだ?」
『俺を呼んだのは、その信念なんだぜ?』
影丸の脳裏にとても自然な形で記憶が浮かんだ。こいつと出会う直前、エロ師匠に追い詰められた時俺はナニをいった?

―――俺はキョンじゃねえ…。だが、キョンの姿を与えられた以上、あんたみたいな奴には従えない…

俺は、あの時キョンを否定したはずだ。だが、それでも。

―――俺はアニロワの書き手なんで、畑違いの話になるが…。ニコロワでは、キョンは 性犯罪者の手にかかって命を落としたそうだ…

通すべき意地がある。譲れない願いがある。

―――ならば、同じ無念をこの体に味わわせるわけにはいかない。あんたみたいな性犯罪者に屈するわけにはいかない!

たとえそれが阿部さんであろうとも、この俺を蹂躙させる訳には行かない!!
「おおおおお!!Gインパクトキャノンセット!!!!カウントとってくれ!!」
影丸が大声を上げてその自らの屹立を高く掲げた。
『へっ……ようやく調子が出てきやがったか。完全に入りきるまで後5カウント!』
まだだ、溜めろ。溜めろ。

限界まで、俺の体を遠くに吹き飛ばすほどに溜めきる。

此処だ!
「Gインパクトキャノン、シュート!!」
黒き体液がその股より無限に溢れ出す。

反動でヒュッケの装甲に亀裂が走る。エロ師匠の見事な責めを堪えて来た代償として無理も無い話だった。
そしてそれこそが影丸の狙い。影丸は今、PTとはいえ実質“パワードスーツを着ている”のである。


「ジャケットアーマー・パージ。変身解除ォォォォォ!!!!!!!!」
そりゃお前の機体じゃないだろというのはご愛嬌だ。
影丸の上にさらにヒュッケmk-2を着込めば、尻の奥までの距離はその装甲の厚さ分割り増しになっている。
それを自爆同然に解除すればどうなるか、パージした分阿部さんのナニとは言え微かな隙間ができる。
その隙間とGインパクトキャノンの反動があれば、引き抜くことも不可能ではない!!

☆ ☆ ☆

2836エロス頂上決戦開始:2008/02/28(木) 22:55:45 ID:iCVimmVo0

「あ、出ます」

☆ ☆ ☆

2837エロス頂上決戦開始:2008/02/28(木) 22:56:25 ID:iCVimmVo0
F5という世界は黒い重力によって撒き散らされた白いケフィアで包まれた。
ケフィアは淫猥な海と化してもはやプールとなっている。
そのケフィアの海から二つの影が飛び出た。
それぞれ違うビルの屋上に立ち、互いを見合っている。
ただ違うのは、ツインテール少女はシーツを纏ってない。
それはそれは見事なメイド服だった。清楚と淫猥を両立させる黄金比。
そして手に持つは一度振れば枯渇するまで止まらぬ魔法デバイス・エロスの鐘。肩に寄せるはマスコット・サスペリア。

エロ師匠がニィィと狂想に笑う。
魔法妖女デザイア・ベルが狂悦に笑う。

何が起きたのか、ナニがどうなっているのか、そんなものはどうでも良かった。
「いいな……実にいい……エロスがこの地に満ち溢れている」
バトルロワイアルも、書き手も、読み手も、主催も、放送も、もはや過程はなんの意味も持ち得ない。
「現世天地に残念せし淫欲よ 血脈に従え 獣欲を満たせ」
槍と鐘が怪しく輝く。
互いに確信がある。
「―――――さあ、エロスをブチ撒けろォッ!!!!」
「急急如律令――――頂戴、貴方のエロスを!!!!」

今までの戦いは、今この時のために在ったのだと。そんな煉獄の炎のノリだった。


【日中】【F-5 ビル屋上】

【エロスの鐘の煩悩寺@アニロワ2nd】
【状態】:精気満々、魔力全快 ケフィア塗れ
【装備】:エロスの鐘、ミニ・サスペリア
【道具】:支給品一式
【思考】:
 基本:成り行きに任せる(変身中:エロスの限りを尽くす)
 0:貴女のエロス……頂く!!
 1:学校……いや、学園に向かい人を探す
 ※容姿はティアナ・ランスター@なのはstsです。
 【エロスの鐘】
 大人向けデバイス。魔法妖女デザイア・ベルへの変身アイテムでもある。
 その音色を聞かせた者が隠し持っている欲望を引き出し、暴走させてしまう。
 暴走した欲望からエロスを吸い取ることで相手の精気を自分のものにできる。
 【ミニ・サスペリア】
 掌サイズのメイドさん。闇のメイド・サスペリア@アニロワ2ndの姿をしている。
 魔女っ娘に必要なマスコットキャラで、ご主人様に色々とアドバイスをしてくれる。

【日中】【F-5 ビル屋上】
【エロ師匠@漫画ロワ】
【装備:サンライトハート(後期型)@武装練金 カードデッキ(ゾルダ)@ライダーロワ 官能小説】
【所持品:支給品一式×2、マジックペン@文房具、不明支給品×2人分】
【状態:健康、興奮状態(性的な意味で)ケフィア塗れ、お肌ツヤツヤ、パワーアップ?】
【思考・行動】
 1:殺す……私の敵を!
 2:エロスを楽しむ。ほどほどになんてしない。エロスでどんどんパワーアップ!
 3:この殺し合いの舞台を利用して、LSのボマーを倒す。できれば自分の手で倒す。
 4:そのための戦力強化を図る。主に、同盟相手の模索&他人の支給品強奪で
 5:バイセクシャルとはスペック高いぞ、仮面ライダー書き手!!
 ※外見と声は銀髪銀眼の津村斗貴子(エロ度200%増)です。無駄にエロいです。何でもエロくします。
 ※サンライトハート(後期型)は支給品ではなく自前です。核鉄として心臓の代わりも兼ねています。
 ※エロスで本当にパワーアップできるのかどうかは不明です。強くなった気がするだけなのかもしれません。
 ※カードデッキだけはなぜか九分五十五秒しか変身できません。
 ※服に若干の返り血

2838エロス頂上決戦開始:2008/02/28(木) 22:56:46 ID:iCVimmVo0
☆ ☆ ☆

影丸はビルの一室に吹き飛ばされていた。
ケフィアに塗れ気絶しながらも、その顔は一人の戦士として満ち足りたものだった。
しかしいいのだろうか。これで二時間はキバットの力を使えないのだけど。
あと怪我も復活しているのだけれど。

【日中】【F-5 ビルの中】

【意外な影丸?@アニロワ1st】
【装備】:ドラゴンキラー−1(呪)@トルネコの大冒険、キバットバット3世(特殊仕様)@仮面ライダーキバ
【道具】:ドライフラワー、ドライヤー、ドライバー、小説「涼宮ハルヒの憂鬱」
【所持品】:支給品一式
【状態】:かすかな擦り傷。あご打撲。左腕骨折。右脚に裂傷 気絶中 現在キバット使用不可
【思考・行動】
基本:何でもいいから空気になるのだけは防ぐ。
1:……
2:ステルスマーダー…。まあ、今のところは保留で。
【備考】
※容姿はキョン@涼宮ハルヒの憂鬱です。
※ネ(略)と会話している間、現実世界ではほとんど時間は経過していません。



※キバットバット3世(特殊仕様)
ネクストコナンズヒント『蝶ネクタイ』の残留思念が、彼が身につけていた蝶ネクタイに
憑依した姿。杉田ボイスを持つ者のみ使用可能。ヒュッケバインMk-II以外の姿にも変身
出来るかもしれないし、出来ないかもしれない。変身の制限時間はなく、任意で解除可能。
ただし、一度解除すると2時間以上間隔を空けないと再変身できない。

2839エロス頂上決戦開始:2008/02/28(木) 22:57:32 ID:iCVimmVo0
☆ ☆ ☆

「ふう、すっきりしました。なんか最後微妙に痛かったんですが、きっと締まりがよかったんですね」
阿部さんがとてもいい笑顔で手を差し出す。
「そうか、なら良かった」
ナナシがうっすらと笑顔を作って手を握り返す。

そうして二人はトイレで分かれた。
それぞれ帰ってからFー5の状況を聞いて絶句及び反省するのは、そう遠くない話のことである。

【日中】【不明-トイレ】

【裸になってすぐアッー〜殺意のqwglOGQwIk〜@ニコロワ】
【状態】:健康 スッキリ
【装備】:なし
【道具】:不明
【思考】:
 基本:主催者側の人間として活動。参加者の抹殺
 1:とりあえず、部屋に戻って次の出番までニコニコ
 2:地図氏と再会すれば、借りを返す

 ※容姿は阿部さん@くそみそ、性格は古泉@ハルヒ。その名はイイ男。キモカッコゲイ!
 ※地球破壊爆弾No.V-7を危険視しています。
 ※ニコニコ動画に存在する動画ゆかりの技を使えます。
 ※ニコニコに自分が見たものを動画としてうpできます。
 ※「まっがーれ↓」と唱えることで色んなものを曲げられます どこまで曲げられるのかは不明

【ナナシ@テイルズロワ】
【状態】:健康 (ただし左眼がない)
【装備】:なし
【道具】:不明
【思考】:
 基本:主催者側の人間として活動。参加者の抹殺
 1:とりあえず、部屋に戻って皿洗いの続き
 2:次の出番まで縁側で茶を飲む
 3:出会った二人とは生き残っていればもう一度戦う?

 ※容姿はヴェイグ=リュングベル
 ※氷で武器を生成できます
 ※【異能・姿無き縁の下】
  空気王としての力を解放し、色んなものを「繋ぐ」能力。
  時間だろうがカップリングだろうが何でも繋げるが、その繋ぎが良繋ぎで無いと十分な効果が得られない。

2840エロス頂上決戦開始:2008/02/28(木) 22:58:30 ID:iCVimmVo0
投下終了。
反省はしても後悔は無いってこういう意味だったのか。

2841貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/28(木) 23:01:29 ID:jhK3UVR20
な  ん  と  い  う  カ  オ  ス  w

2842貴様らに名乗る名など無い!:2008/02/29(金) 04:01:04 ID:gLSisAAY0
素晴らしい!!www

2843ぼくと魔王:2008/03/01(土) 21:42:26 ID:2pk8ZJmg0
短い話ですが、投下します。

「くっ、また多くの参加者が死んだか…。」

過ぎ去った放送の内容を思い出しながら、熱血怪人は歩く。
彼の目的は仮面ライダー書き手を見つけ、その凶行を止めること。
しかし、こちらは常人以上の体力があるとはいえ徒歩、向こうはバイク。
しかも自己再生能力で回復中とはいえ、バイクで轢かれたダメージは小さくない。
熱血怪人とライダー書き手の距離は、開く一方であった。

(このままでは埒が開かんな…。かといって、他に俺に出来ることも…。)

苦悩する熱血怪人。そこへ、突然一人の男が声をかけてくる。

「やあ、そこの人。ここら辺に、首輪が回収できそうな死体はないかな?」


「な、何だ、おまえは!」
「ああ、名乗るぐらいはしておくべきだったかな?僕は速筆魔王LX。
一応、今のところは対主催かな。で、さっきの質問の答えは?」
「死体か…。このあたりにはなかったと思うが。」
「そうか、それは残念だなあ。じゃあ、君の首を切り落として回収しようかな。」

そう言いながら、魔王は邪悪に笑う。

「!!」

身の危険を感じ、熱血怪人は半ば無意識にバヨネットを構える。
だがそれを見たLXは、笑みを柔和なものに変化させた。

「アハハハハ!冗談だよ。まあ、君がマーダーだったら容赦しないけどねえ。実際はどうなの?」
「対主催だ。今はな。」
「今は?意味深な言い方だね。詳しく聞かせてもらっていいかな?」

別に、熱血怪人に話す義理はない。だが目の前の男の形容しがたき雰囲気に飲まれ、
熱血怪人はこれまでのことを話していた。
自分はアンデルセンのキャラに引きずられてゲームに乗っていたが、あるきっかけで正気に返ったこと。
そして草加のキャラに引きずられ外道と化した仮面ライダー書き手を止めるために、
彼を追っていること。

「なるほど、キャラに引きずられたことによる人格の変貌か…。それはなかなか面白い話だね。」
「面白いかどうかはどうでもいいが…。ここまで話を聞いたんだ。乗りかかった船と思って、俺に力を貸してくれないか?」
「うーん、どうしようかなあ…。」

2844ぼくと魔王:2008/03/01(土) 21:44:31 ID:2pk8ZJmg0
LXは考える。熱血怪人の目的は、直接ロワの行方を左右するものではないだろう。
しかし、キャラと人格の因果関係というのは追求していけばなかなか盛り上がるかもしれない。
それに…。

(精神とか魂の話なら、この支給品がうってつけだしねえ…。)

虎竹刀に取り付けられた千年パズルに、LXは視線を向ける。
闇のゲームは何も、他者を殺したり廃人にしたりするだけのものではない。
海馬の邪悪な心を砕いたように、心の中を大きく変化させることも可能なのである。
え?海馬は全然邪悪な心がなくなってないって?ただの高校生に殺し屋やら殺人鬼やら
仕向けていた頃に比べれば、その後の海馬の方がはるかにまともですよ。

「よし、乗った。君に協力しようじゃないか。」
「本当か?いや、そうしてもらえると助かる。」
「ところで、まだ名前聞いてなかったね。君の名前は?」
「俺は蘇った現代の熱血怪人。所属は漫画ロワだ。」
「長いねえ。熱血君でいいかい?」
「かまわない。」
「それじゃあ熱血君。早速その仮面ライダー書き手って人を探しに行こうか。
さて、どんな展開になるかなあ。」

楽しそうな笑みを浮かべながら、LXは歩き出す。その後を追いかけながら、
熱血怪人は考えていた。

(この男、底が見えない…。上手く扱うことが出来ればこれ以上ない味方になりそうだが、
失敗すればどんなリスクが待っているかわからん。果たして俺に、この男を制御できるのか?)

「しかし魔王と怪人って、まるで悪の組織だね。いっそのこと、チーム名もそれっぽいのにしちゃおうか。
BADANなんてどう?」

熱血怪人の思惑など意に介することなく、魔王の名を持つ男はマイペースに語り続けるのだった。


【日中】【F-4 市街地】

【チームBADAN(仮称)】

【蘇った現代の熱血怪人@漫画ロワ】
【装備】:バヨネット×2
【所持品】:支給品一式
【状態】:変身状態解除。全身にダメージ(小)。疲労(小)
【思考・行動】
基本:打倒、主催!
1:俺は正義の味方!
2:仮面ライダー書き手の『ライダー魂』を蘇らせる。
3:やっかいな人を仲間にしてしまったような…。
4:どこかで鬱展開にもって行きたい


【速筆魔王LX@アニロワ2nd】
【状態】健康
【装備】虎竹刀with千年パズル。
【道具】支給品一式。
【思考・行動】
1:面白そうなので熱血怪人に協力。
2:他の対主催陣を探し、ゲームに乗った強敵を撃破していく
3:可能ならもう一つ首輪を回収して、脱出フラグを積む
4:でも別に何エンドでもおっけー

以上です。
この二人がケフィア地獄に巻き込まれないことを祈ります。

2845貴様らに名乗る名など無い!:2008/03/01(土) 22:46:37 ID:/V72BnLk0
投下乙!
BADANが対主催者のチーム名w
バロスww

2846FC版書き手ロワイアル:2008/03/01(土) 23:15:22 ID:63QRfxls0
ばくはつおん が あたりにひびいた。どうじに なんか イカくさい においが。
「おや なにやら とてつもない ギャグてんかい の スメル が」
ギャグしょうぐん が おおぎょうに いった。エロ は ギャグの だいいっぽ。
「おう こうしちゃいられねえぜ」
てっつい が もえる(じっさいは もえる つまりエロ)てんかいのにおいを かぎとって わらった。
ふたりは きたのきびす を かえして みなみの ほうへ むかったとさ。

「「へへっ ゆかいだぜ」」

【昼】【F-5】
【新生クライシス帝国・ギャグ将軍班】
【共通思考】
 1:対主催の仲間を集める(首輪解除スキルを持つ者を優先)
 2:第三回放送の頃には旅館に戻る。

【ギャグ将軍@ライダーロワ】
【状態】:健康
【装備】:杖@ライダーロワ、王者のマント@FFDQロワ
【道具】:支給品一式、コーヒーセット一式@スパロワ、コーカサスブレス&ゼクター@ライダーロワ
     みWiki@らき☆すた?、ジャーク将軍のマント@ライダーロワ、
【思考】:
 基本:新生クライシス帝国の結成
 1:においにつられて ビルがい へ
 2:Chain-情の計画に協力
 3:ついでに飲み友達を集める
 4:コーカサスゼクターの資格者を探し、コーヒーを飲む
 5:紅茶を飲むかどうかは保留
 6:ボマーの首輪解析実験に僅かに期待

 ※容姿はジャーク将軍@仮面ライダーBLACKです。
 ※ジャークミドラに似た、ギャーグミドラに変身できます。
 ※制限がライダーロワ基準だと思い込んでいます。
 ※シルベストリから、漫画ロワの知識を若干得ました。
 ※今はChain-情に協力的ですが、ちょっとしたことで心変わりする可能性があります。

【大あばれ鉄槌@アニロワ1st】
【状態】:疲労(小)
【装備】:レイジングハート(待機状態)、バリアジャケット(ヴィータ)
【道具】:支給品一式
【思考】:
 基本:主催に反逆! 燃え展開でぶっとばす!
 1:においにさそわれて ビルがい へ
 2:人と出会ったら問答無用で燃え展開だ!
 3:デバイスは壊す!
 4:ボマーと再会したらまたぶん殴る

 ※容姿はカズマ@スクライド+ヴィータ@なのはA'sの騎士甲冑。
 ※CVは勿論、保志総一郎。
 ※本人は自覚していないが、圭一@ひぐらしのなく頃にの因子が体内に存在する。

2847貴様らに名乗る名など無い!:2008/03/01(土) 23:18:14 ID:63QRfxls0
正直自分でもどうかと思う。あんまりにも酷いとなったら没でもおkです。

2848貴様らに名乗る名など無い!:2008/03/01(土) 23:20:07 ID:63QRfxls0
あ、【昼】→【日中】で。

2849貴様らに名乗る名など無い!:2008/03/02(日) 00:23:42 ID:Ts265L.A0
せっかくだから おれは この さくひん の さいよう を えらぶぜ!

2850オーダーイズオンリーワン。『ロワ完結』。オーバー。:2008/03/02(日) 00:25:37 ID:Ts265L.A0
「ところで俺、思ったんだけどよ」
「なんですかー?」
「はあ……はあ……」
 リヤカーを引いて息も荒くルシオは進む。
 その上に乗ってのんびり食事しつつ、可憐なロリっ子であるクマのプー太と会話する転。
 まさに王と奴隷、格差社会の縮図である。
 ちなみにそのリヤカーの底で、気絶中のまま引きずられているシルベストリは、どういう階級なのかは触れないでおく。

「スパロワの書き手って、もう俺しか生き残ってないじゃん」
「そーですね」
「ぜえ……ぜえ……」

「で、俺は帰ってそのスパロワを完結させなきゃならんわけよ」
「うーん、私は読んでませんけど頑張ってくださいね」
「ふう……ふう……」

「だが、脱出しようにもロワが終わらなきゃここから出られないくさいときた」
「やっぱり、目指せ完結!ですね」
「はあ……はあ……」

「なあ、ルシオ。止まれ。もういいぞ」
「はい……え?……もういいって?」

 汗だくになった顔を上げる元気もなく、俯き気味の姿勢でルシオは転の方に振り向く。
 気まずそうに頭をかいて、苦笑いする転。
 いつも傲岸不遜極まりない彼がそんな顔をするので、ルシオは軽く驚く。
 だが、その口から発せられた転の言葉は、驚くどころか理解不能だった。




「お前には悪いんだけどよ。俺、対主催やめるわ」




 その言葉と同時だった。
 ルシオが返答する間もなく転がその手をかざすと、その手の甲からぼこりと光輝く球体が現れたのだ。
 目もくらむような光がその球体から発せられた。
 その眩しさにルシオは思わず目をつむる。
 だが、その目が開くことは二度となかった。


 ――何故ならその光によって、彼の上半身は跡形もなく消え去っていたからだ。


  ◇  ◇  ◇


「……これで全部だな」

 ルシオの荷物をまとめ終わった転は、独り言をつぶやきながら、プー太をその腕に抱えて待機するヒュッケバインの元へ歩いていく。
 その転のそばに放置された下半身だけのルシオの死体は、ブスブスと焦げ臭いにおいを発していた。
 だが、すでにそれを省みることはない。
 転の最優先事項は、スパロワの完結。
 そのために一刻も早く帰還すること。

2851オーダーイズオンリーワン。『ロワ完結』。オーバー。:2008/03/02(日) 00:26:07 ID:Ts265L.A0
 自分以外のスパロワ書き手が全滅し、この空間から主催者を倒さず自分だけ脱出するのが至難とわかった時点で、彼が対主催である理由はなくなった。
 だから一刻も早くこの馬鹿らしいゲームを完結させる。
 優勝だろうと脱出だろうと構わない。
 だから余計な参加者は自分のできる範囲でサクサク殺す。
 もちろん脱出できる可能性がある参加者と接触できたのなら、そいつらに協力するのもやぶさかではない。
 だが、第一放送で24人、第二放送で17人。
 このペースが続くようなら、しばらく傍観者に徹すればいい。
 わりと近いうちに最終盤までもつれ込む可能性が高いからだ。
 それまでは、首輪が外れたメリットを生かして禁止エリアでのんびりするのも策のひとつだが。
 レーダーには、自分と同じく温泉に向かう参加者が複数写っている。
 優勝狙いにせよ、脱出狙いにせよ、情報は必要だ。
 温泉で接触してみるのもいいだろう。
 有用な情報があれば聞き出したいし、対主催として使える奴等ならば首輪を外してやってもいい。
 だがそうでなければ殺す。マーダーでも襲ってくるなら殺す。

「さて……使える駒であればいいがな。ああ、そうだこいつも始末しておくか。
 気絶が長生きフラグなどという最近のロワの風潮など、俺のような古参ロワの住人が知ったことか」

 そう言って手をかざす。
 ルシオを殺した光が再び発せられ、今度はリヤカーを包み込む。
 そこにシルベストリがいることは、レーダーですでに把握していた。
 その光の一瞬後、そこあったリヤカーは跡形もなく消し飛んでいた。
 もちろんシルベストリごと。
 そのことに一片の興味をしめすことなく、ガンナーユニットの部分に器用にまたがり、リモコンを手に取る転。
 ちなみにリモコンはPS2のコントローラーの形をしており、操作はA.C.E3方式である。

「ところで……お前はどうするんだプー太」
「……どうする、ってなんですか?」
「とぼけるな。ドSロリコン変態紳士だらけのパロロワ書き手の殺し合いだぞ?
 支給品扱いとはいえ、お前のような奴が何の力もないままここにくるなど、進んで生贄になるようなものだ。
 おおかた主催者側の監視役か何かだろう。さっさと本性をあらわせ」
「……なるほど。流石ですねえ。でも私はあなたの邪魔をするつもりはありません……といっても信用できませんかね、えへ」
「……当然だ」
「じゃあ、さみしいけどさよならです。でも私はね、主催者側ではあるけど本当に主催者打倒でも構わないんですよ。
 このロワを楽しくスムーズに進行させるのが私の役目でしたから。
 でも皆さんのおかげで予想以上に順調だったので、結局何もしませんでしたけど」
「――待て、どういうことだ?」

 突込みどころが山ほどあるプー太の言葉に、思わず転の口調が鋭くなる。
 だが、すでにその姿は空間転移によって消えかけていた。

「秘密です。えへへ、頑張ってくださいねー♪」

 無邪気な笑顔。何を頑張れというのか。
 殺し合いの場で、そのお気楽な言い方はあまりに不似合いだった。
 それにルシオやシルベストリを殺しても何も言わない。
 所詮、絵師さんもロワ住人と言えばそれまでだが……。

「……気に入らんな、ちっ」

 苛々がつのり思わず舌打ちする。
 色々と考えるべきことはあるが今の段階では何もわからない。

「ひとまずは温泉で休むか。行け、ヒュッケバイン!」

 転を乗せ、その操作に答えて、紺色のパーソナルトルーパーは空へと飛び立った。


【◆MJ.H0/MJQ@AAAロワ:死亡】
【シルベストリ@漫画ロワ:死亡】

2852オーダーイズオンリーワン。『ロワ完結』。オーバー。:2008/03/02(日) 00:26:26 ID:Ts265L.A0
【午後】 【G-7 市街地上空を南へ移動中】
【転@スパロワ】
【装備:ヒュッケバインMk−Ⅲガンナー(人間サイズ・リモコン式)@スパロワ】
【所持品:支給品一式×3(食事一食分消費)、転ばし屋、首輪×3(内一つ破壊)、高性能探索機能つき扇風機、チェーンソー@サガ1、えいゆうのたて@FF6ほか未確認】
【状態:健康】人格反転中
【思考・行動】このロワを完結させて一刻も早く生還し、スパロワを完結させる。優勝か脱出狙い。
1:とりあえず温泉で一休み。
2:他の対主催を働かせる。無能なクズはさっさと排除。
【備考】
※容姿は秋津マサト及び木原マサキ
※転ばし屋はトリップ名でしか動きません
※生死に関わらず、第三回放送で転の死亡は放送されます。
※首輪の解除方法を会得しました。道具がなくても外せます。
※えいゆうのたてにはアルテマ×10、つまり通算で10話以上所持しているとアルテマが習得できます。魔力っぽいステータスや、触媒があれば使用可能です。
※ヒュッケバインはビッグ承、結のディストラと融合することで、三神、四神モードにパワーアップします。
 それぞれ三機合体、四機合体の機体に変化。二機合体ではSSサイズ(人間大)ですが、サイズも大きくなっていきます。
※クマのプー太氏は主催者の本拠地に帰還しました。

2853貴様らに名乗る名など無い!:2008/03/02(日) 00:26:59 ID:Ts265L.A0
投下終了

2854貴様らに名乗る名など無い!:2008/03/02(日) 00:33:45 ID:cMh6BocU0
投下乙!
ついに空気を呼んでマーダーになる書き手がww
何気に強マーダーだ。GJ!

2855貴様らに名乗る名など無い!:2008/03/02(日) 10:53:13 ID:3H42OwGo0
さすがメイオウ。そこに痺れる憧れるぅ!

2856人蟹姫:2008/03/03(月) 20:34:28 ID:r0lxPrMU0
真昼の太陽の下に、その異様を誇らしげに曝している一つの城があった。
威容……ではなく、異様である。
城と形容しても、そこにあるのは決して厳かなそれではなく、甘く淫靡。そして、下品な存在だ。

『キャッスル・満漢全席』――それが、この城の名前。

一言で表せば、ブティックホテルである。
その、つまりは如何わしい事を行うことを主目的に据えた宿泊施設のことだ。
ちなみに、これらの宿泊施設は一様にラブホテルと呼ばれることが多いが、
風営法上でそう呼ばれるために必要な条項は決して少なくなく、『正式なラブホテル』というのは案外少ない。

まぁ、そんなどうでもいい事はともかくとして、
別にそういうホテルだからといって、必ずしも相方と連れ立って入らなくてはならないという義務はない。
料金や手続きの手軽さ故に、ここを単純な宿泊施設として利用する人も少なくはないのだ。

そして、今。
一人の少女がキャッスル・満漢全席の中へと入ろうとしていた。


勿論。休息を得るためにである。


 ◆ ◆ ◆


ぺたりぺたり、と濡れた音を立てて裸足の……そして、全裸の少女がロビーを通り過ぎる。
全身を何かの液体でずぶ濡れにしている彼女の名前は――蟹座氏。

蟹座氏は他の何にも眼もくれず、ロビーの中をエレベータに向かって真っ直ぐに進む。
元より、ここはバトルロワイアルの会場。
ならば、出迎えてくれる職員もいなければ、必要な手続きもないはず――なので、彼女はそこを通り過ぎるだけだ。

そして、全裸の少女の後をついて行くのは、大量の蟹。
蟹座氏の前に突如として現れた蟹世界の古参兵――バッド・カニパニー。
出てきた時は五月蝿かったが、今は行儀良く幾何学模様の隊列を組んで静かに付き従っている。

そして、彼女と蟹の軍隊はこのホテル唯一のエレベータの中へと入り込んで行った。

「大きい子は小さい子の上にのっちゃだめだよ」

エレベータの箱の中で『開』のボタンを押し続けながら、蟹座氏は蟹の兵士達を優しく誘導していた。
断じて蟹座氏自身の子供ではなく、異世界からの来訪者でしかないはずの蟹達……なのだが、
やはり彼女には自分を慕うものを無下にすることはできなかった。
加えて、生き物は大切にしましょうという性分も持っている。

エレベータ内に蟹達が乗り終わり、重量過多のブザーがならなかった事に安堵すると、
蟹座氏は『開』のボタンから指を離し、続けて迷わずに最上階行きのボタンを押した。

先にも書いたが、ここはバトルロワイアルの会場。
つまりは宿泊に料金は発生しない。そして、決まってホテルの最上階には一番いい部屋があるものだ。
それが、蟹座氏がそのボタンを押した理由。

無論、その先に何が待ち受けてるかなんて知る由もない――。

2857人蟹姫:2008/03/03(月) 20:34:50 ID:r0lxPrMU0
 ◆ ◆ ◆


扉を開くと、そこは如何わしくもあったが、彼女が見たことも無い様な豪奢な部屋だった。
それに、疲れた表情をしていた蟹座氏の顔が少しだけ綻ぶ。

ちなみに扉には錠がかかっていたのだが、鉈が鍵の代わりをしたのでそれに問題はなかった。
現実の常識上では問題はあるのだが、やはりここは(ry ……なのである。

そして、目に映るものよりも彼女の気を引いたのは、かぐわしい薔薇のそれをのせた湯気の香り。
すぐ近くに目的の浴室があると知ると、蟹座氏はその他を無視し吸い込まれるかの様にそこへと入っていった。

標準よりも遥かに広い洗面所の前を横切り、少しだけ開いていたドアをスライドさせると、
――もわっ、とした蒸気が溢れ出して蟹座氏を熱烈に歓迎する。

自宅の風呂とは比べ物にならないほど広く豪華な浴室。
それに、蟹座氏の顔は驚きの表情に変わり、続けてにっこりと破顔した。

上等な香が焚かれ、生花まで生けられている上に、アメニティグッズも高価な物で揃えられている。
そして何よりも彼女の気を引くのが、大きな浴槽とその淵のギリギリにまで張られた透明で綺麗な湯。

その中に自分の身体を放り込みたくなる衝動が脳髄を駆け巡る。
だが彼女はそれを必死に抑え、まずは身体の穢れを落とすためにと、シャワーヘッドへと手をのばした。



「…………――――――♪」

症候群が発した訳ではないが、降りかかる水の粒が肌を叩く気持ちよさに♪も自然と飛び出してくるものであった。
細かい三つ編みを解いた頭の上からシャワーを被り、彼女は全身に被っていたヌルヌルを落としてゆく。
セオリー通りに身体の上から下へ、頭頂から足先の爪先の方へとヌルヌルを拭う手を移動させる。

明るい色の髪の毛の中に指を挿し込み、わしゃわしゃ……と音を立てて根元まで纏わり付いたヌルヌルを掻き出す。
ぱっちりとした眼のついた顔を、そして首の後ろから顎までを掌で擦り、次は小さな肩の方へと掌を滑らせた。
白く細い腕を交代に働かせながら互いの穢れを掃わしあわせ、今度はその両手を胸へと伸ばす。
車のフロントを磨く様に掌を動かし、そしてそれを少しずつ下の方へと移動させてゆく。
汚れの溜まりやすいお腹の窪みを指先でほじり、もう片方の掌はさらに下方へ。
そこを清潔にすると、再び両の掌を合流させそれを後方へと向かわした。
掴む形にした掌で、それぞれに持ち上げたそこを綺麗にする。
次は一本の柱を磨くかの様に脚を片方ずつ擦ると、
最後に濡らしたタオルを一枚取り上げて、
それで背中の穢れを拭き取った。
仕事を終え一つ息をつく。
はぁ、サッパリしたと。
――――――♪
…………。
……。

2858人蟹姫:2008/03/03(月) 20:35:08 ID:r0lxPrMU0
ようやく湯船の中へと浸かることができた蟹座氏は、頬を上気させほぅ……と、息をつく。
ここに来るまでは冷たく白かった肌も、今はすみずみまで桃色だ。

ブクブクブクブク、ブクブクブクブク――――。

少しだけ手を伸ばし、端にあったパネルを操作してジャグジーを作動させると、浴槽の中は一瞬で泡一杯になった。

吹き出す泡が強く背中をなぞる感触。
肩を揉み解す水泡の心地よい圧力。
脇の下を通り抜け、胸の上を駆け抜ける小刻みな振動。
湯船の底を辿り、脚の付け根から爪先までを満遍なく解してくれる泡の流れ。

「――ぅん♪ はぁ…………っ、…………ん〜♪」

全身をくすぐる泡の感触。それを受け、無意識の内に口から喜びが吐息となって漏れ出てくる。

「はぁ……、君たちはぁ、ちゃんと順番を……守るんだよぉ……ぅん♪」

蟹座氏が極楽を味わっているその外では、蟹の兵士達が並べられた洗面器を使って行水をしていた。
人が快楽を味わえる熱い湯も、蟹にとっては毒となる。
なので蟹座氏は、わざわざ彼らのためにいくつかの簡易な浴槽を用意してあげたのだ。


蟹座氏と、蟹の兵士達……まさにそこは天国であった。
ここがバトルロワイアルの最中であることを、そしてこれまでとこの後のことを忘れさせてくれるぐらいに――。


 ◆ ◆ ◆


「…………ぅあ? はわ、はわわ――、いけませんっ!」

部屋の中央に置かれた巨大なベッドから、薄いシーツを跳ね除けて全裸の幼女が飛び出してきた。
勢いよく飛び出し、曝した肌を隠す恥じらいも見せずに何かを探しているのは、したらば孔明である。

くるりくるりと頭を振って部屋中を見回し、ついにそれを彼女はサイドボードの上で発見した。
それ――時計がデジタルで表示する時刻を見て、彼女はがっくりと振っていた頭を落とす。

「ね、寝過ごしてしまうとは……この孔明。一生の不覚、です……うー」

事後。放送までの間だけでもこの安息を――と、思ったのがいけなかったのだろう。
それに気付く間もなく、極限まで消耗していた二人は深い眠りの中へと揃って落ちてしまった。
二人とは、孔明とまだベッドの中で眠りこけたままの彼女のご主人様――バトルマスターのことだ。

バトルロワイアルという状況を鑑みれば、命があるだけよかったというものだが、
情報としては最も重要度の高い放送を聞き逃したのは、あまりにも手痛いものだった。

「仕方がありません……、放送の内容は次に出会った人に聞きましょう」

とりあえずはそれを口にして孔明は気を落ち着かせる。
それがうまくいく保証はないが、対主催フラグを考えなければ放送の内容など所詮鬱展の材料でしかない。
落ち込むご主人様――バトルマスターの姿を見ずに済んだと、これを前向きに考える。
しかし、それでも彼女の気を落とさせるのは、ご主人様の前で失態を犯したという事実。
責任は互角である訳であるし、彼が自分を責めるはずがないと解っていてても口惜しいものがあった。

「お風呂……入ろうっと」

ここを出る前に浸かろうと、あらかじめ沸かしておいたお風呂の方へと孔明は足を向ける。
本当はご主人様とラブラブお風呂タイムを楽しむ算段ではあったが、今はそんな気分ではなかった。
とりあえずは汗に塗れた身体を濯ぎ、少しは気分を晴らそうとそちらへと一人進んだ。

ぺたぺたと小さな足音をならして浴室へと――……。

2859人蟹姫:2008/03/03(月) 20:35:30 ID:r0lxPrMU0
 ◆ ◆ ◆


がらがら〜……っと、ゆっくり浴室のドアが引き開けられた。
そこに入ってくるのは全裸の幼女。そして、浴室の中――浴槽に浸かっているのも全裸の少女。
互いに全裸の女の子同士ではあったが、ここはお風呂なのでそれは大した問題にはならない。
では、何が問題かと言うと――……、

「か、かか……か、か、蟹っ! 蟹! かにぃいいいいいいいいいいいいいいいいいい――っ!!」

……――蟹であった。
孔明の顔を引き攣らせ、絶叫を上げさせたのは浴室を占領してる大量の蟹の群れである。

「蟹じゃないもん!」

浴槽の中の少女は否定する。だが……、

「ど、どう見ても蟹ですーっ! って、あなた誰ですか――!?」

やはり蟹だった。それは色んな意味で間違えてはいない。
そして新たなる問題も発生する。孔明から見れば、蟹の少女は不法侵入者である。

「だから、蟹じゃないって――!」

会話がすでにズレこんできているが、これも彼女に染み付いた条件反射ゆえに強くは責められない。
だからと言って、解決せねば先にも進めないのだが……。

「だから、何者なんですよぉ?」
『蟹です』
「えぇ、あなたも蟹なんですか!?」

間髪おかずに返ってきた答えに、孔明は仰天する。
蟹の群れを率いている少女は、こう見えても蟹なのだと言う。いや、確かにそう言われれば……。

「蟹じゃない――――ッ!」
「はわわ〜……、意味不明です、この人!」

……だが、再び否定されてしまった。
蟹なのか少女なのか? それとも蟹であって少女なのか? はたまた蟹でも少女でもないのか?
と言うか、蟹のくせに少女なのか? それはおこがましくはないか? と、孔明の頭脳は混乱してゆく。

「蟹じゃ――……」
『蟹です』

再びの否定の後に、それを否定してのさらなる肯定。
お湯の中でざばざばと暴れているこの不確定名:[カニのようなもの]は一体なんなんだ?
寝ぼけて半回転しかしない孔明の頭脳は、ますますもって混乱してゆくのであった。

2860人蟹姫:2008/03/03(月) 20:35:53 ID:r0lxPrMU0
汝は蟹か? 否、蟹ではなし。
ならば汝は蟹に非ずか? 否、蟹に非ずでもなし。
しからば、そは何者ぞ? 蟹でなしなのか? 人でなしなのか?
否、蟹でなしにあらず。また、人でなしにあらず。しかし、こは蟹にあり――……。


口から泡を飛ばし、風呂場で蟹を連呼し合う二人の少女。そして、それを囲む蟹達。
もしギネスブックに『1分間に何回蟹と言えたか』みたいな項目があれば、彼女たちはその1番と2番になれると思う。
そこに、『全裸で――』とつければこれはもう間違いなく、この二人が世界の頂点に立つだろう。

とまぁ、それぐらい馬鹿馬鹿しい光景が延々と続いている。
浴室内は温かいため、例え服を着ていなくとも風邪はひかないだろうが、同時に話も進まないだろう。
全裸で蟹を連呼する二人の裸女――そこに需要は……ないでもない気はしないでもないでもないが……。

兎も角として、そろそろ収集を……と、思った頃にその男はやってきた。
蟹座氏が1番。孔明が2番目にここへとやって来たから、彼は3番目の男――サードマンと呼ぼう。

そして、そのサードマンもやはり――全裸だった。


 ◆ ◆ ◆


 【サードマン】(名称/用語)
 原作バトルロワイアルにおける三村信史を呼び表すあだ名。三村だからサードマン。安直である。
 ここから転じ、サードマンとはロワ内において彼と似た役割を果たす男キャラのことを言う。

 それが暗示するのは――、

  【表】:「頭脳派」「対主催」「脱出フラグ」「友情」「仲間との再会」「非常識の知識」「ハッキング」
  【裏】:「土壇場での失敗」「疑心暗鬼」「仲間殺し」「本筋以外」「どれだけ頑張っても主人公ではないという事実」

                                『民明書房刊-「大辞典◇バトルロワイアルの全て」より〜』


 ◆ ◆ ◆


「何があったんだっ、孔明――ッ!」

仲間の名前を叫び、颯爽と現れたサードマン。
それは勿論、先ほどまで回転ベッドの真ん中でだらしなく惰眠を貪っていたバトルマスターその人である。
耳に届いた少女同士の言い争いに、痛みを訴える身体の都合を無視し、取るものも取らずに駆けつけたのだ。
事後。故に、全裸であった。

先程はお風呂場であれば、全裸であっても問題はない。いやむしろイイ……と書いたが、今度のは場合が違う。
なぜならば、男と女であるからだ。ここには『混浴』と書かれた札は下がってはいない。
尤も、場所が場所だけに、パートナー同士であれば一緒に入らない方がおかしいぐらいなのだが、
肌を重ねた幼女の方はともかく、湯船の中で泡を吹いている蟹の少女に裸を曝すのはまずかっただろう……。

「な、なな、なんだこの蟹は? ――って、君は蟹座氏か!」
「変態さん……じゃなくて、え? し、しし……し、ししょーなんですかっ!?」

お風呂場でバッタリ――とだけ書くとラブコメチックに聞こえる、唐突でマヌケな師匠と弟子の再会であった。

2861人蟹姫:2008/03/03(月) 20:36:17 ID:r0lxPrMU0
 ◆ ◆ ◆


敬愛するバトルマスター氏――ししょーとの出会い。

本来ならば、もっとドラマチックに……。
会いたくはない。などと状態表に書いてみても、本心を明かせば会いたくて仕方なかった。
そして! 乙女が絶望する時、颯爽と現れ涙を拭ってくれるヒーローであってほしかった――ししょー。

……そんな。都合のいい幻想を今まで脳内妄想していた蟹座氏だったのだが、現実は非常である。
数字にすれば『3』。やはり、3という数字はあまり縁起がよくないらしい。

だが、危機的状況と言えば確かにそれはそうかもしれない。
見も知らない幼女からの突然の蟹扱い。所謂、カニシャル・ハラスメント――通称カニハラ。
それに加えての、ししょーではあるが全裸の男の乱入。ギャグで流せなければ、まさに貞操の危機。
蟹見沢症候群にかかる負荷を考えれば、現状は相当なものであった。

しかし何故ししょーは全裸なんだろう? と、蟹座氏の中のカニ味噌……もとい、脳みそが疑問を抱いた。
お風呂場に来たのだから。――いやそれだけでは説明できない引っかかりがどこかにあるのだ。

「ご主人様っ、助けてください。意味不明な蟹女が!」

そうだ、こいつだ。と、蟹座氏の脳内にピンときた。
裸の幼女。裸のししょー。ホテル。そして風呂場――ああ、もう正解は近い。ああ、なんということでしょう!

「ししょーの、……こ、このロリコン――っ!」

蟹座氏は指を突き出して解答を叩きつける。状況というヒントから得られた答えがそれだった。
指差されたししょーはバキリと固まる。それが正解の証明だ。
オーマイガーな現実に蟹の少女の脳みそは、もうぐにゃーっとなってしまう――。


尊敬するししょーがロリコンだなんてっ! そんな変態性癖を持っていたなんて幻滅だぁ!
しかも目の前にいるのは幼女――ペドの領域。内角低めのスローボール。
もし、もしも……もう少し、ししょーが外角高めの直球をを好むのであれば……なんて考えても無駄。
私がししょーと、なんて可能性はついさっき壊れた幻想となった。
ていうか、ご主人様とか呼ばせている!
あぁ、ギャルゲロワ最後の良心は地に落ちた!
それになんだ。あのししょーの股間にぶら下がっているモノは!
あの、なんか黒っぽいモノ――って、アレ?


「……し、し、ししし、ししょー……の、ししょー……///」


突き出した指先。そこが指し示す一点へと蟹座氏の視点が固定されている。
見てはいけない。ししょー隠してください。と、思っても乙女の好奇心が視線をずらすことを眼球に許可しない。
その少しだけ防御力が高そうな『ししょー』に、あぁ――……。


ブクブクブクブク……、ブクブクブクブク…………。


人魚姫ならぬ、人蟹姫は泡の中へと沈んでゆく〜――……。

2862闘争制覇者:2008/03/03(月) 20:36:58 ID:r0lxPrMU0
 ◆ ◆ ◆


一騒動を終え、静かでエロティックな雰囲気を取り戻したホテルのVIPルーム。

ついさっきまで、孔明とバトルマスターの二人が愛の巣としていた大きな回転ベッド。
今、その中央には真っ赤に茹で上げられた蟹……座氏が横たえられていた。
泡を吹きながら泡の中へと沈んでいった彼女は、二人によって水揚げ……でなく、助け出され、
とりあえず最低限の水気だけは切られて寝かせられている。

未だ全裸。しかし、その点は身体の上にシーツがかけられているので問題はない。
ちなみに、蟹の兵隊達はベッドの脇で幾何学模様の陣形を組んで、静かに彼女が起き上がるのを待っている。

そして、そこよりも少し離れた位置。
全チャンネルAVしか映さないテレビの前で、バトルマスターと孔明の二人は何かを言い争っていた。
あ、そう。彼ら二人はもう服を着なおしています。妄想の中のビジュアルを書き換えるように。

「……――では、『コレ』をお願いします。ご主人様」
「本当に私が『コレ』を……なのか?」

凛とし、いつもの調子を取り戻し始めている孔明。
そして、それとは対照的に強い困惑の表情を浮かべているバトルマスター。

「脱衣場に衣服が残されていなかったこと。そして、廊下に残っていた濡れた足跡……。
 これらから、彼女がなんらかのトラブルに巻き込まれていた。誰かに襲われたのかも知れない。
 ――それは、解りますよね?」

孔明の言葉に、バトルマスターはうむと頷く。それは彼にとっても推測できたものだったからだ。
そして、ならば自分が偵察に行くというのに、目の前の少女は頑としてその仕事を譲らないのであった。

「確かに万全であればご主人様の方が安全です。しかし、今はそうではありません……。
 まだ、動くだけでも辛いでしょう?」

だから自重する様にと、孔明はバトルマスターに重ねてお願いをした。
だが理由はそれだけではない。むしろこちらの方が重要。それは――、

「起きた時に……知っている人がいた方が、彼女も安心するでしょう?」

言いながら、孔明は回転ベッドの方へと視線を向ける。
釣られて同じ様に視線を向けたバトルマスターの目には、未だ気を失ったままの蟹座氏の姿が映っていた。

出会いは少々アレであったが、同じギャルゲロワ出身の書き手。
そして、ししょーと呼び慕う彼女を放ってこの場を離れることができるかというと……。

「うむ、分かった。彼女のことは私に任せてくれ。だがな、君も――」
「――ご心配無用ですよ、ご主人様♪」

バトルマスターが振り向いた時には、孔明は姿はもう外へ通じるドアを先へと半ば消えていた。
そして、最後に♪だけを残すと次の瞬間には去りきっている。


――数時間前にここにいたのは、気絶した男とそれを介抱する幼女。
そして、今ここにいるのは、気絶した少女とそれを介抱する男。

蒼い顔で気を失っている蟹座氏。彼女を見つめるバトルマスターの手には――『ブルマ』があった。

2863闘争制覇者:2008/03/03(月) 20:37:24 ID:r0lxPrMU0
 ◆ ◆ ◆


――女の子の身体は冷えに弱いんです。だから『コレ』を♪

そう言われて、バトルマスターの手に渡されたのが『ブルマ』……を含む、体操着セットであった。
出所は、廊下の端にあった妖しげな自販機――つまりはコスプレグッズだ。

裸でここまで来た蟹座氏に服を着せなければならないのは、彼も十分に理解している。
そして、この中で手に入る衣服の中で最もましなものがこの体操着セット+上下の下着であることも。
他にはあったのは、ペラペラの安っぽいナース服やチャイナドレス。バニースーツだったと言うのだから仕方ない。
だがしかし――。

「なんで、私が着せなくちゃあならないんだ……孔明」

その理由も一応説明されている。孔明曰く、「私は身体が小さいので……」だということだ。
確かに、蟹座氏が同世代の女性の平均をやや下回る程度の体躯だとしても、
それよりもなお小さく小学生低学年並の短躯である孔明に取って、彼女の着せ替えは大仕事といえるだろう。
そういう意味では、細身でも鍛え上げられたバトルマスターがその仕事をこなすのは最適だと言える。

「いやでも、まずい……でしょ、コレは……」

そう。問題は倫理的な部分にある。
これを介護や医療措置、または緊急措置と捉えても、バトルマスターは健全な男の子。
リアル女の子で着せ替えごっこだなんて……そんな、もうたまら……いやいや、Hなのはいけないと思います。

「……でも」

バトルマスターはブルマを己に託した時の孔明の表情を思い出す。
あの顔には一切の邪まなものや不安がなかった。つまりは、信頼されているということである。
信頼――男が一度背負ったならば、決して地に落としてはいけないものの一つだ。
ならば、やはり――!

「私は……いや、俺は――やるぞ!」

手の中のブルマをギュっと握ると、バトルマスターは自身を蟹座氏を正対させる。
己の邪念と闘うのもまた勝負。ならば、バトルマスターとして、男として!


――挑む!

2864闘争制覇者:2008/03/03(月) 20:37:55 ID:r0lxPrMU0
 ◆ ◆ ◆


バトルマスターの眼前に広がる、あまりにも険しいその道行。
前人未到の女体の神秘――それに立ち向かうは闘争制覇者としての矜持。

男の人生は何もかもが闘争。
ならば、バトルというのならば――それは全てバトルマスターの領域だった。

彼はいつも通りにそれへと臨む。
精神を静かに研ぎ澄まし、魂を熱く燃焼させ、筋肉に一糸乱れぬ統制を命じ、両の眼で勝利への道を見る。

打倒すべきは蟹座氏? ――ノゥ! 打倒すべきは、己の中の邪念。

勝利条件はそれを打倒し、孔明より預けられた任務を完遂すること!

バトルマスターは自身の頭の中で、闘争開始の鐘を鳴らす――、


「……さぁ、いくぞ。蟹座氏」


――とりあえずは、ショーツからのスタートとなった。


 ◆ ◆ ◆


綿素材100%。ポップにデザインされた蟹がバックプリントされた、女児ショーツ。
煽情的なデザインの、薄い生地で作られた際どいショーツも自販機の中には多々存在したが、
身体の保温を目的とする現状。このカニパンを選択したことは、ベストであったと評価できるだろう。
しかし……、こんなものが自販機の中にあると言うことは……ロリコンも世に少なくはないと言うことだろうか?

――ともかくとして、蟹座氏に挑むバトルマスターはそれを片手に彼女へと迫る。

女児ショーツを握り締め、気絶した少女の足元に座るバトルマスター……すごいビジュアルである。
しかしながら、彼にも言い訳めいた理由があった。

今回、孔明より彼に与えられたミッション。
その完遂に必要な手順は――『ジュニアブラ』『女児ショーツ』『ブルマ』『体操着』――の4つ。

その内、後者2つは上着であるため自然後回しとなる。して、残された選択肢は『上』か『下』かの2つ。
バトルマスターは最初、上から行こうと思った……が、難易度の高さにそれを一旦諦めた。

後ろにホックの無いジュニアブラを装着させるには、全体を一度頭から通す必要がある。
更に、ストラップを両腕から肩へと通さなければならない――と、手順が多い。
位置とストラップの長さの調整も……と考えると、飛躍的に難易度は上昇してゆく。

そして何より、否応が無しに見えてしまう。
作業を行うにあたり、シーツを剥がさなければならないのは勿論であるし、
手順の都合上、目を瞑って……というのは難しい。

男が押したくなる赤いボタン――それに対するにはまだ覚悟が足りぬと、バトルマスターは一旦そこから引いた。

で、初手として残されたのは『下』の方――カニパンである。
こちらは爪先から足を通せば、後は道なりにずり上げてゆくだけ……と手順は至極単純。
その危うさでは遥かに上半身を凌駕するものの、目を瞑っていれば問題ないだろうと彼は判断した。

真円のベッドの上。元より2人用。さらに『運動』をすることを前提として作られたそのリングは広い。
そして、横たえられた蟹座氏が小柄なのでより広く感じることができる。
少女の足元よりベッドの端にまであるスペース。
そこに座すると、バトルマスターは改めて蟹座氏へと挑みかかった。

2865闘争制覇者:2008/03/03(月) 20:38:19 ID:r0lxPrMU0
 ◆ ◆ ◆


「……――ぬぅっ!」

ショーツを脇に置き、くっついていた足を少し開こうと足裏に触れたバトルマスターが声を漏らす。
自身の、踏み固められ幾度もの蹴りで煉瓦の様な硬さを得た足裏とは全く異なる感触に驚きを禁じえない。
赤子とまではいかなくとも、家猫の足裏に相当する弾力のある柔らかさ……。

「(…………平常心だ)」

眠ったままの蟹座氏からの初撃を受け止め、バトルマスターは次順へと手を進める。
両手でそれぞれに蟹座氏の足を持ち上げ、それをゆっくりと開いて――……。

「〜〜〜〜〜〜〜〜〜っっっっっ!!!!」

足を開く。それがこんなにも心揺さぶるのかと、バトルマスターは衝撃を受け眩暈を覚える。
ほんの僅かでしかないのに、その先にある股を開かせる行為を想像して彼は大きく身震いしてしまい、
衣擦れの音を立て、微妙にそのシルエットを変化させるシーツに心を囚われかける。

「(…………落ち着け。平常心……明鏡止水だ)」

そこに獅子が牙を剥く姿を幻視したバトルマスターは、手を離し正座の姿勢で気が落ち着くのを待つ。
すでに額の上に汗が浮かび、緊張に身体は引き絞られ筋がキリキリと音を立てている。
静かな闘争ではあったが、そのプレッシャーは彼が体験したどの戦いにも劣らないものだった。

「…………………………!」

とりあえずは……と、作業を進めるために太腿の中ほどまでシーツを捲り上げたところで再び彼は固まる。
未だシーツが覆い隠す部分は、蟹座氏が先刻まではいていたプリーツスカートよりもまだ多い。
だが、その下が裸であるという事実。そして、これが衣服でないということがバトルマスターの心を攻める。

「(……平常心。平常心。平常心。平常心。平常心)」

シーツの端の暗がり。そこへの抗いがたい好奇心を押し殺し、バトルマスターは闘争を続行する。
両足にショーツの穴を通し――……、

「(……! ヤバイッ! ヤバイです――ッ!)」

――パンツをはかせる。その行為はあまりにも恐るべきものだった。
脱がせるよりも遥かに背徳的な後ろめたさ、そしてその影に潜む淫猥な誘惑がバトルマスターを襲う。
何時の間にかに垂れていた汗が、ポタリとベッドの上に落ちた。
退くか? と、脳内の何者かが問う。しかし、彼の名はバトルマスター。闘争から臆して逃げるなどという選択肢は無い。

「(押し通す――――ッ!)」

2866闘争制覇者:2008/03/03(月) 20:38:41 ID:r0lxPrMU0
固く目を瞑り、無心でバトルマスターは蟹座氏の足にショーツを遡らせてゆく。
細い足首から柔らかいふくらはぎを経て、膝裏という中間ポイントを越えたところでまたビクリと身体が震えた。

「――ぅく! う、うぅ……………………、うぐぅ……」

細身の太腿から得られる想像以上の感触。しっとりと掌に張り付く柔らかいそれに、固めた心が解され始める。
思わず手を引きたくなる所――だが、寸でのところでそれは押し留めることができた。
もう視界は完全に暗闇の中で、すべては手探りの状態……、一度手を放せばもう一度同じ場所に戻せる保証は無い。
下手をすればとんでもない『事故』が起きる可能性もある。さりとて、目を開けるわけにもいかない。

「(――続行っ! ――続行だっ!)」

気を奮いなおし、バトルマスターは再び太腿の上に掌を滑らせ始める。
自分のとは比べ物にならない肌理細やかさ。そして、その肌を通じてくる体温の誘惑を振り切り、手を押し進める。
だが、登山がそうであるのと同様に、先へ進めば進むほど危険は増し、その恐怖も増してゆく。
太腿の半ばを越え、ここからは被せられたシーツの下に手を潜らせるという位置で、また手が止まった。

「…………………………………………ゴクリ」

必要以上に柔らかく拵えられたベッドに、ここから先――つまり少女の臀部は半ばまで沈んでいる。
そこにショーツを通し一つの仕事を完遂するには必然、そこを持ち上げる必要があった。
ハタキ一本で東方不敗に挑みかかるぐらいに勇気を必要とされる場面。……だが、バトルマスターは臆せず進んだ。

「――っぐぅ! ――――――――ぉおおっ!!!」

獣の唸り声の様なものが、バトルマスターの噛み締めた口より漏れる。
親指だけをショーツの端に残し、4本×2の指で挑んだそこの感触は一言で現すならば――ふにゅり。
今までのどこよりも柔らかいその感触にバトルマスターの全身が総毛立つ。

「っはぁ! はぁ……はぁ……、はぁ…………はぁ…………!」

指がどこまでも沈んでゆく――そんな錯覚をバトルマスターは覚える。
このまま持ち上げようとすれば、指が少女の身体を貫通してしまうのではないかと、有り得ない事を考えてしまう。
汗ばんだ掌の中で、まるで海月の様に捉えどころの無い蟹座氏のお尻に、バトルマスターは一時我を忘れてしまった。


バトルマスターの繰る計8本の指が蠢き、蟹座氏の臀部と激しい闘争を繰り広げる――。

2867闘争制覇者:2008/03/03(月) 20:39:06 ID:r0lxPrMU0
 ◆ ◆ ◆


気味の悪いくすぐったさに、途切れていた蟹座氏の意識が半ば程まで戻ってきた。

「(――知らない、天井だ)」

まだ呆けている彼女が最初に思ったのは、そんな定番通りの感想。
そして、意識はすぐに自分を起こした不可解な感触の方へと移って行く。

「(……お尻の下に何か、……いる?)」

蟹の兵士達だろうか? と、蟹座氏は一瞬思う。
ジョジョに出てくるしげちーのハーヴェストみたく、寝ている自分を彼らが運ぼうとしているのではないかと。
だがそれにしては奇妙だ。それに、そう言えばどうして寝ていたのか?
そんなことを考えながら視線を自身の下半身の方へと移動させると――……。

「……――し、ししょー?」

そこには、全身汗だくで顔を真っ赤にし、股の間に割り込んではぁはぁ言いながら一心不乱にお尻を揉む男がいた。
勿論、これは彼女から見た場合であり、彼自身は崇高な仕事を成さんと闘争しているだけなのだが、
しかしどう見てもこの男――バトルマスターは客観的には変態以外の何者でもなかった。


 ◆ ◆ ◆


「……そろそろ、戻りましょうか?」

キャッスル・満漢全席の前に広がる謎の水溜りの端に立っていた幼女が、そう一人ごちる。
今回のドッキリの仕掛け人であり、先ほど偵察に出てくると部屋を飛び出した、したらば孔明だ。

「今頃は、相当な事になっているでしょう……し♪」

ニヤリと歪むその顔に普段のあどけなさは全く無く、老獪な翁をイメージさせる。
そう。全てはこの孔明の策であったのだ。

「ご主人様と私。……そんな、おいしいポジションを、師匠と弟子なんかに乗っ取られては敵いません」

ならば、あの二人の関係を壊してやろう――それが孔明の考えであった。
気絶した蟹座氏がほどなく起き上がることも知っていたし、それが『悪戯』をしている最中になるだろうと計算もしている。
そして、パンツをはかせようとしていた……そんな『ありえない』理由が目覚めた彼女に通用するはずもない。
少なくともセクハラ……、最悪に考えれば乱暴……。バトルマスターの行動はそう誤解される。
ならば、最終的には『バトルマスター&蟹座氏』+『孔明』ではなく、『バトルマスター&孔明』+『蟹座氏』と落ち着くに違いない。

「くっくっく……、これなにもかも人の心流し動かす策士の業なり」

ヒーロー&ヒロイン+ネタキャラ。
その内の、ネタキャラに落ちる等とは真っ平御免。私こそが、ヒロインの座を得る……と、孔明は暗く笑う。

2868闘争制覇者:2008/03/03(月) 20:39:47 ID:r0lxPrMU0
 ◆ ◆ ◆


その一撃を避けられたのは、幾千もの死闘を経て身につけた経験あってのことだったろう。
鋭敏に殺気を感じ取ったバトルマスターは、無意識の内にベッドを蹴って飛んでいた。
次の瞬間には天井に立っており、そしてもう次の瞬間には猫の様に床の上へと降り立っていた。

「――蟹座氏っ! 気が付いたのか!?」

直前までバトルマスターが蹲っていた場所に、鉈が喰いこんでいる。
その取っ手を握っているのは、彼が気付かぬ間に意識を取り戻していた蟹座氏である。
いつの間に鉈を? その疑問は、ベッドの脇から鞄を抱えて登ってきている蟹の兵隊達が解消してくれた。

「き、ききっ、君は誤解を――〜〜〜〜っっっっ!!!」

これも築き上げた経験のなせる業であろう。
何時の間にかに投げつけられていた鉈を、バトルマスターは直撃の間際で受け止めることができていた。
全くのノーモーション。そして、殺気以外は飛んでくる鉈すらも認識できていなかった。

「は、は、は、話を聞いてくれ……蟹座氏。これは誤解フラグだっ! 勘違いなんだ!」

血塗れの鉈を手に、バトルマスターは蟹座氏へと説得を試みる。が、その成果は芳しくない。
蟹座氏は彼を無視して、蟹の兵隊達が持ってきたブラジャーとブルマと体操着を着込んでいる。
それは、孔明が用意したものだが、どうやら蟹座氏は自分の蟹達が持ってきてくれたのだと勘違いしているらしい。
ともかくとして、これは最後の機会でもあった。
のそりのそりと着替えている間だけが、蟹座氏に言葉をぶつける最後のチャンス。
蟹座氏が着替えを終えれば――……、

「私は君が風邪を引かない様にと、……君を温めてあげようと、ね?
 だから、その、やましいところなんてコレっぽちもなく――そう、断じてやましい所はなく!
 本当に、これは……君の、ためを思って…………あの、蟹座氏? 聞いてる……?」

――チャンスタイム終了。
半身を向けていた蟹座氏がゆらりとバトルマスターに相対する。
それだけで彼の全身に戦慄が走った。
知っているどのマーダーよりも、どんなヤンデレキャラよりも激しい気配を持つ蟹座氏に彼は慄く。


 ◆ ◆ ◆


「そうやって……、あのロリっ子もかどわかしたんですか……?」

ドン――と、殺気が音を立てて吹き出され、それはこの部屋を吹き飛ばすのではないかと彼に思わせた。
室内に満ちた赤黒い殺気の奔流。
それが、まるで蟹の足となって自身を包む様をバトルマスターは覚える。

「……答えろ。――バトルマスター」

瞬間、バトルマスターの目の前が殺気に塗りつぶされた。
それが描き出すのは、どこまでも荒涼とした無限の大地。そして、そこに墓標の様に立ち並ぶ大量の蟹脚。

――アンリミテッド・カニアシ・ワークス(無限の蟹脚)。

その幻想の中で、蟹の脚がバトルマスターを刺す! ――刺す! ――刺す!
避けることすら思いつかない。そんな、無限の凶器の群れにバトルマスターは滅多刺しにされる……。
そんな光景をバトルマスターは、蟹座氏の殺気に幻視した。

視界を現実に戻せば、目の前に現れるのは再びあのVIPルーム。そして、蟹座氏。
まさに射殺すと形容すべき彼女の視線に、バトルマスターは無意識に後ずさる……。

そんなバトルマスターをじわりじわりと取り囲むのは、部屋全体に配置されたバッド・カニパニー。
時に最後の蟹隊。または絶対赤蟹チルドレンと呼ばれる異世界の戦士達が彼を追い詰めてゆく。

2869闘争制覇者:2008/03/03(月) 20:40:12 ID:r0lxPrMU0
 ◆ ◆ ◆


バトルマスターは今、最大の危機に直面している。
起き上がることはできたと言っても、所詮はそれだけでコンディションは最適からは程遠い。
胸の傷も、腕の傷もまだ塞がったに過ぎず、内蔵のダメージはパワーと敏捷性を大幅に奪っている。
そして、目の前に立つ蟹座氏。それと、彼女が率いる蟹の兵隊達。
ぶつけてくる気配だけで100回は殺されそうな存在感。
いかに戦闘に精通したバトルマスターと言えど、善戦すら期待できそうもない……。




そこで問題だ! この危機的状況で、どうやってバトルマスター氏を生存させる?

 3択――1つだけ選びなさい。

  答え(1) ハンサムのバトルマスターは突如反撃のアイデアがひらめく。
  答え(2) 仲間がきて助けてくれる。
  答え(3) 助からない。現実は非常である……。




――サードマンは、『3』の答えを回避することができるのか? それは次の書き手のみが知る。




【午後】【G-4/ホテル『キャッスル・満漢全席』-VIPルーム】

【バトルマスター@ギャルゲロワ】
【状態】:胸に抉り傷(回復中)、両腕に削り傷(処方済)、内臓の一部に破損(回復中)、尻に猛烈な痛み
【装備】:蟹座氏の鉈
【道具】:支給品一式、コイン、名簿、永遠神剣「冥加」、不明支給品×2
【思考】:
 基本:コインの表が出た――だから徹底的に抗う
 0:答え(1)を選びたいが……
 1:蟹座氏とはできるだけ穏便に済まし、仲間としたい
 2:そういえば、放送はどうだったんだろう?
 3:対主催として仲間を探し、殺し合いに乗った輩を倒す

 ※容姿は前原圭一@ひぐらしのなく頃にです。
 ※自身の精神が、キャラの影響を受けていることに気付きました。
 ※【闘争制覇者-Battle Master】
   発動させることで、決して『バトル』に負けない固有結界を張ることができます。
 ※管理人・したらば孔明と『強く結ばれました』

2870闘争制覇者:2008/03/03(月) 20:40:34 ID:r0lxPrMU0
【蟹座氏@ギャルゲロワ】
【状態】:蟹見沢症候群発症、へこみLv5、顎部に痒み、『蟹座じゃないもん』覚醒
【装備】:体操着(ブルマ)、バットカニパニー
【道具】:支給品一式、蟹座の黄金聖闘衣、最高ボタン、カードデッキ(シザース)@ライダーロワ
【思考】:
 基本:どうしようか……?
 0:蟹見沢症候群発症中!
 1:目の前の変態を殺す
 2:『あいつ』に逢ったら殺す
 3:ギャルゲロワの仲間とは会いたくなかった……けど
 4:敵とは戦う。ギャルゲロワ以外でいじめてくる人はみんな敵
 5:子供の面倒はきちんとみます

 ※容姿は蟹沢きぬ(カニ)@つよきすです。
 ※最高ボタンを押すと、『いやっほぉぉぉおおおう、蟹座のONiぃ様、最高ーーーーーっ!!!!!』という台詞が、
   ハクオロの声で流れます。シークレットボイスにも何かあるかも?
 ※自分の心がキャラに影響されていることに気付きましたが、キャラに抵抗するため無駄な努力をしています。
 ※身体能力は本気を出せば倉成武ぐらいの力が出ます。通常はカニ。
 ※蟹見沢症候群について。
   へこみのLvが5になったとき、発祥します。発症した場合、自分を苛めたり辱めたりした者を優先的に殺します。
   基本的な症状は雛見沢症候群と同じです。発症中は蟹座氏のチャット状態の特徴により、語尾に♪がついたりします。
 ※言霊『蟹座じゃないもん』に覚醒しました。
   強い意志で蟹座であることを否定することにより、文字通り蟹に縁のあるアイテムから、
   『蟹座じゃないもん』つまり『蟹座じゃないもん(者、物)』の力を引き出せます。
 ※『バッド・カニパニー』が召喚されました。
   蟹座氏のいうことを聞く、千余りの蟹の古参兵達です。幾何学模様を描く隊列は美しいです。強さは蟹です。



【午後】【G-4/ホテル『キャッスル・満漢全席』-1Fロビー】

【管理人・したらば孔明@アニロワ2nd】
【状態】:健康、衣服に若干の血痕
【装備】:スタンガン@アニロワ1st
【道具】:支給品一式×2、ゲイボルグ@アニロワ2nd、オールオーバー@ライダーロワ、大鉈(破損)@ギャルゲロワ、
     携帯電話@現実、首輪(まとめキング)、閃光弾、不明支給品×1
【思考】:
 基本:脱出に向けて行動する(基本的に恋姫†無双の孔明を演じる)
 0:そろそろご主人様の元に戻ろう
 1:ご主人様と対主催をがんばりたいです♪
 2:あの蟹は邪魔っけだ!
 3:危険人物は徹底排除☆

 ※容姿や言動は様々な作品の孔明のMIXですが、基本は恋姫†無双の孔明の姿と言動です。
 ※頭脳はジャアントロボの孔明。力は水滸伝の孔明。(……他にもあるかもしれません)
 ※【メタモルフォーゼ】
   容姿を恋姫†無双の孔明から、ガチムチな孔明へと変化させることができます。
   但し、効果は1時間前後。また使用後2時間は、激しい疲労感と眠気に襲われます。
 ※バトルマスターと『強く結ばれました』

2871蟹人姫/闘争制覇者:2008/03/03(月) 20:42:26 ID:r0lxPrMU0
投下終了。
……自分の見積もりの甘さに呆れてしまう。
ちょっとネタSSを――のつもりが、何故二部作になる?w

2872貴様らに名乗る名など無い!:2008/03/03(月) 20:51:47 ID:ij9KfiwU0
投下乙。
ああ、ギャルゲロワ唯一のまともな人が……。
そしてまた発祥。
孔明恐るべしw

2873貴様らに名乗る名など無い!:2008/03/03(月) 20:54:59 ID:Q2IWqE.Y0
感動した!
素晴らしい誤解と華麗なるエロスのフュージョンに感動した!
そして民明書房刊自重www

2874貴様らに名乗る名など無い!:2008/03/03(月) 21:06:41 ID:9yhnvKzA0
投下乙。
これは……酷いw(←褒め言葉)
しかし、したらば孔明、これお前戻ってきたらお前もヤバいぞw

2875貴様らに名乗る名など無い!:2008/03/03(月) 22:34:27 ID:V5CU7u1QC
なんという壮大な誤解フラグを…w
雑談スレで言われた途端にこれって空気読みすぎと言わざるを得ない。
つか無駄に大作で細かい描写にガチで吹いたwwww
GJ!

2876貴様らに名乗る名など無い!:2008/03/04(火) 00:05:05 ID:/w5ytaoo0
第何弾かはわかりませんが、またまた投下します

2877空気でもいいよ:2008/03/04(火) 00:05:42 ID:/w5ytaoo0
暮れる世界を一つの影が幽鬼の如く歩んでいた。
銀髪の髪に、どこか鎧を思わせる服、そして手にした大剣が特徴的な少女だ。
だが今の彼女をもっとも際立たせているのはそれらの容姿の奇抜さではなかった。
目だ。
深い闇を宿したその眼こそが、彼女の存在を深く知らしめていた。
女の名は◆tu4bghlMIw、またの名を予約被りに定評のあるtu4氏という。


「そんな」
意識を取り戻したtu4氏は既に没し始めている太陽の姿に茫然としていた。
いかなチートなtu4氏といえ、神剣魔法での防御も無しに、沙羅さんの体で人間砲弾を受けたのだ。
数時間眼を気絶してしまったのも仕方のないことである。
むしろあの高度から落下したのに大した怪我を負うことなく、
眼を覚ますまでに危険人物に見つからなかった分だけ幸運と言えるだろう。
なのにどうしたことか、まるでこの世の終わりだとでもいうように、
tu4氏の顔からは常の勝気さは失われていた。
「あ、あはは、フラグ、たてちゃった」
気絶。
現実とは違いロワの世界において、この行為はただの意識不明以上の効果を持つ。
もっとも大きいのは生存フラグだ。
パロロワが始まった当初とは違い、ズガンが忌避される今の風潮において、
無意識で行動不能な参加者を殺すことはタブー視されている。
故に少なくとも気絶中や眠っている間は、生存は約束されているのである。
しかし世の中に利点だけのおいしい話などそうはない。
勿論気絶という行為にも副作用が存在する。
そしてそれこそがtu4氏を絶望の淵にたたき落としたのだ。

即ち、『空気化フラグ』である。

「起きたら、夕方?あれ、おかしいな。私ってさっきまで時間軸は日中だったはずなのに」
言うまでも無いことだが、意識の無い人間が動き、思考することはない。
そんな彼らをそっくりそのまま描写しようと思うのなら、静止画を延々と説明し続けるはめになる。
はっきり言ってつまらないことこの上ない。
しかもこれが睡眠で、周りに仲間がいるのならまだいい。
寝相なり寝ぼけなり寝言なりで、ハートフルやギャグやしんみり展開にもって行けるからだ。
だが、悲しいかな、仲間もおらず気絶ではいかんともしがたい。
頼みの綱である夢すら見なかったのだ。
いや、なんか見た気はする。
その調子でほかの書き手の書き手魂を切り離せとか、まだばれないよう起きてる時は仮接続しとくとか、
そんな感じのことを誰かが話していたようにも思える。
とはいえ、それがどうした。
個別の話としてではない回想など、出番の増加には繋がりはしない。
無価値なのだ。

2878空気でもいいよ:2008/03/04(火) 00:06:31 ID:/w5ytaoo0

「無価値、か」
誰にも必要とされず、キャラとしての個性も認められず、全てを否定される。
それこそが空気とされるもの達の真の悲しみではないか。
そのことに思い至ると同時に、先ほどまで纏っていた暗い想念が霧散する。
空気に対する怒りが、空気キャラを愛でる心へと変化したからであろうか。
はたまた気絶という形であれこの戦いにおける初の休息が、荒らぶる心を静めたのだろうか。
身体に宿している永遠神剣第一位『空気』に込められた空気キャラの怨念に引きずられるのではなく、
予約被りに定評のあるtu4氏は、自分の意志で空気というものに触れ始める。


大体他の書き手や読み手は考えたことがあるのだろうか?
空気というのがどれだけ重く心をえぐる称号なのかを。
ロワ参加者は大半は投票で選ばれた、誰かから求められているキャラクターのはずなのだ。
だからこそキャラ達は、殺し合いのゲームという不誠実な場においてさえ、
私たちの求めに応えて人々を魅せてくれるのだ。
そんな彼らと共に一喜一憂し、その死を悔み、生を喜ぶことこそが、
彼らを勝手に殺し合わせる私たちに残された、人としてのありようではないのか?
だが、空気はそんな彼らの尊厳さえ否定する。

『他に比べて個性薄いし、居ても居なくても同じだよな〜』

彼らが築き上げてきた人格を、

『キャラかっぶってから、こいつ以外いらねえじゃん』

誰の代わりでもない個としての存在価値も、

『はあ?空気読めよ、なに自分たちだけ平和を満喫してんのさあ』

何よりもかけがえのないはずの穏やかな時間さえも、

『ってか、俺原作全くしんねえんだよなあ〜。だからどうでもいいしい』

彼らが歩んできた人生そのものを、歩むはずだった未来すらも、

自分たちを楽しませないというただそれだけの理由で否定していいというのか!

否。

否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否

否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否
否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否

否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否
否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否
否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否
否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否

否!

2879空気でもいいよ:2008/03/04(火) 00:07:02 ID:/w5ytaoo0
「いいわけないでしょうが!!」
自分なら彼らの悲しみを理解できる。
度重なる予約合戦に敗れ、幾つもの物語を正史として残せず、没に葬ってきたからこそ、
どれだけやる気があっても、見向きもされない空気キャラの気持ちがわかる。
今ならわかる、落日を前にして感じた虚無の真の意味が。
『あいつ気絶してるし、別に書かずに放送行ってもいいんじゃね?』
『そういや、そうだな。いやあ楽ちん楽ちん』
それだけの理由で、放送までに一度は出番を得られるという最低限の権利までも奪われたことがつらかったのだ。
なぜもっと早くに受け止めてあげられなかったのだろうか?
空鍋をかき回すのを止めると死ぬ等というふざけた制限をかけられた自分は彼らをいつでも理解できる位置にいたというのに。
ってか思い出すだけでも腹が立つ、あんな制限は二度とって、え?

「っつ」
そこまで考えてtu4氏は初めて気づく。
会場に連れてこられてからの記憶がはっきりと思い出せることに。
それだけではない。
本来持ちえない知識が次々と流れ込んでくる。
自分がどういう存在なのか、今の自分の全能力、WIKI管理人の正体とその目的、そしてそれらの情報源である一本の神剣の意思が。
「そう、あんたが私の力の源だったんだ」

そもそも真に神剣やキャラに支配されていたのなら、そこには持ち主の意識は全く存在しない。
『永遠のアセリア』本編において、神剣『世界』に支配された秋月瞬は、
病的なまでの高嶺佳織への執着すら失い、全ての世界をマナへと浄化することに囚われた。
同じようにtu4氏の予約への執着も消失していなければおかしいのだ。
それが現在の状況に落ち着いた理由はただ一つ。
『空気』に心と体を乗っ取られようとしたその瞬間、tu4氏が深層意識内でだが『空気』に共感したからに他ならない。
まあ、そのことが原因で『空気』にtu4氏の意思が混ざり、バランスを欠いたことから、
記憶喪失の上、限定的にしか力を扱えないという不完全な形に陥ってしまったのだが。

「認めてあげるわ、バトルマスター。私は、狂っているように見えたかもしれない」
空気キャラを守るために戦っていたのに、当の本人は目立ちまくっていたのだ、傍目には矛盾としか映らなかっただろう。
でも、違うのだ。
私自身自覚していなかったけれど、それは不器用な愛だったのだ。
楓としてのヤンデレ気質が『空気』の空気を嫌う意思と同調し、狂的な方向に一途なまでに暴走した結果、
空気とされた彼らの力を振るい、目立ちに目立つことで、世界に彼らの『存在』を知らしめようとしたのだ。
あなた達は確かに誰かに必要とされているのだと心の底から訴え続けていたのだけだったのだ。
「あはは、ああもう、なんなのよ私は」
出鱈目だ。でも不思議とそんな自分が嫌いではない。
全てを知った今、ここにいる自分が真の意味での書き手本人で無いことは百も承知だ。
更には神剣との合一で元の形からすらも遙かに乖離してしまっている。
かまわない。
むしろ素晴らしいことではないか。
一人の確固たる新キャラとしての存在を得たのだから。
ただの『予約被りに定評のあるtu4氏とされる作家』のコピーやクローンの何倍も価値がある。
私は私だ、tu4だ。
いや、どうせだ。
真に神剣の担い手として覚醒したのだから、それっぽい名前を名乗ってみよう。

2880空気でもいいよ:2008/03/04(火) 00:08:01 ID:/w5ytaoo0

「最後の空気王tu4ってとこかしらね」
空気という称号はどこまでも付いて回る。
終盤に大活躍したギャルゲロワの沙羅や、今や正統派男主人公であるスパロワのフォルカ。
彼らですら一度付けられた汚名を返上することはできなかった。
それこそが空気の誇る最悪の恐ろしさ。
いつまでたっても、お前は必要とされていなかったのだと言われ続ける永遠の地獄。
「体は空気でできている」
ならば、この身も空気でかまわない。
あえて私自身も空気の名を冠しよう。
好きなだけそう呼ぶといい。
簡単な話だ。
空気の呪縛から逃れられないというのなら、私を最後に空気の風評そのものを変えてしまえばいいのだから。
「さってと、孤高の黒き書き手氏は健在かな〜っと」
決心も新たにとりあえず孤高氏が最後にいたビルに向かうことにする。
やることは今のところさっきまでと変わりはない。
もう一人の自分が黒幕の片割れとしてWIKI管理人まで関わっていたのは想定外だが、
あいつの目的は現時点では私の邪魔にならないから無視してもいいだろう。
さすがに活躍の機会を奪われるのは納得いかないので、地球破壊爆弾を使おうとすれば全力で阻止するが。
「んじゃ、ひとっ飛びするとしますか」


暮れる空を一つの影が天使の如く飛んでいた。
銀髪の髪に、どこか鎧を思わせる服、そして手にした大剣が特徴的な少女だ。
だが今の彼女をもっとも際立たせているのはそれらの容姿の奇抜さではなかった。
目だ。
強い光を宿したその眼こそが、彼女の存在を深く知らしめていた。
女の名は◆tu4bghlMIw、またの名を予約被りに定評のあるtu4氏、最後の空気王である!




空気、それは目に見えずどこにでもあるもの。




されど忘れることなかれ。
人にとって空気ほど大切なものは無いということを。
絶妙な酸素と窒素の割合が我々の命を支えているのだということを。

2881空気でもいいよ:2008/03/04(火) 00:08:40 ID:/w5ytaoo0


【夕方】【F-6上空】

【予約被りに定評のあるtu4氏@ギャルゲロワ】
【状態】ダメージ(中)、同胞に対する深い愛
【装備】永遠神剣第七位「存在」、ガンダールヴの証(ゼロの使い魔@漫画ロワ)、ペンダント(空鍋の欠片)
【道具】写真付き名簿、支給品一式、不明支給品×1(未確認)
【思考】
基本:空気に対するイメージを塗り替える
1:孤高の黒き書き手氏と接触する
2:空気キャラは保護する
3:書き手はみんな滅する
4:エロスの鐘の煩悩寺がマーダーだと広める
5:ギャルゲロワ陣営は欝に叩き込む
6:邪魔するようならWIKI管理人も容赦はしない

※容姿は白鐘沙羅@フタコイ オルタナティブ。アセリアの服を着ています。
※永遠神剣第一位「空気」が覚醒しました。
 相変わらずロワの舞台は基本マナが少ないので普段「空気」自体は振るえません。
 エターナル化は世界移動時の存在抹消がむかつくので「空気」とtu4双方の意志で抑制中。
※転生前の記憶も蘇りました。
※ガンダールヴの能力は、どんな武器でも自在に操れます。
 また本来は使うと疲労を伴いますが、tu4氏の場合それはありません。チートですし。
※空気王として他ロワの空気キャラの能力を使用できます。
 空気の覚醒により更に応用が利くようになりました。
 例フォルカ+ミミ=他の空気キャラを超神化(超進化)
 チート度アップしましたし。
※何を見て聞いたのかは次以降の書き手さんにお任せします。

2882貴様らに名乗る名など無い!:2008/03/04(火) 00:11:06 ID:/w5ytaoo0



空気でもいいよ、私が変えてみせるから!



投下終了
というわけで、テーマは【空気】
キャラになって考えてみると結構シリアスな蔑称です

っと真面目なのはここまでにして、ひとつ。
わり、沙羅さんチート度アップしちゃった♪

2883貴様らに名乗る名など無い!:2008/03/04(火) 14:57:31 ID:VfuLCPQQC
ちょっと待て、状態表が何気にやばすぎるぞwwさり気なくフォルカ混ぜるんじゃないww
剛覇機神拳とか空気どころじゃないぞwラスボスキャラじゃねーかww

2884旅館に泊まってすぐ堕ちる〜狂気の闇メイド〜:2008/03/07(金) 01:10:46 ID:EI8RNrXc0
リピーターロワで盛り上がっている裏で、ひっそり投下。

永遠のうっかり侍と焦ったドラえもんの二人は、更地と化したG-8からG-9の旅館へ移動してきていた。
そう、これまで旅館というとG-8しか描写されてこなかったが、
地図を見ればわかるとおりその周囲にも旅館はあるのである。

「ドラえもん殿、まずはゆっくり休んでくだされ。」
「うん、ありがと…。」

うっかり侍がひいてくれた布団に、焦ったドラえもんは身を横たえる。
彼女が受けた攻撃自体はでたらめに強いというわけではなかったが、どうも当たった場所が悪かったらしい。
未だにダメージが抜けきれていないのが現状だ。

「少し休めば、きっとよくなるはずです。周囲の警戒は某に任せて、回復に専念してくだされ。」
「何から何まで悪いわね、うっかり侍さん。」
「何を水くさい!仲間ではありませんか!」
「仲間、か…。」

ふいに、ドラえもんの表情が曇る。

「ねえ、うっかり侍さん。今もまだ、Chain-情のこと信じてる?」
「信じている…と言うよりは、信じたい、というのが本音です。ただの現実逃避かもしれませぬ。
ですが某はChain-情殿が見せた殺人者への怒りが、その殺人者にすらいたわりの言葉を贈る優しさが、
すべて偽りだったとは思えぬのです!先ほどの姿が、Chain-情殿の真の姿のはずがない!
きっとあれは、他の参加者に操られていたか何かにちがいありません!」
「そっか…。すごいね、うっかり侍さんは…。私にはそこまで人を信じられないや…。」
「ドラえもん殿…。」
「ごめん、変なこと言っちゃって…。少し寝るね。」

申し訳なさそうな表情を浮かべ、ドラえもんは頭から布団をかぶる。そして数分後には、
安らかな寝息が聞こえてくる。

(もう眠りに落ちたか…。まあ、無理もない。おそらく、このロワが始まってから
まともに休息を取っていなかったのでしょうな…。そういえば某も…なんだか…眠く…。
って、いかんいかん!某まで寝てしまっては、誰かに襲われたときにどうにも出来なくなってしまう!
眠気覚ましも兼ねて、ドラえもん殿が目覚めたときのために粥でも作るか…。)

そんなことを考え、うっかり侍は部屋を後にする。しかし彼女は、ここでひとつのミスを犯した。
それは自分の持つ唯一の武器である、斬鉄剣を部屋に置きっぱなしにしたこと。
そしてこれが、直後に「うっかり」では済まされない事態を生むのである。

◇ ◇ ◇

2885旅館に泊まってすぐ堕ちる〜狂気の闇メイド〜:2008/03/07(金) 01:11:53 ID:EI8RNrXc0

焦ったドラえもんは、夢を見ていた。


(もっと………!)

何、この声。どこから聞こえてくるの?

(もっと………を!)

何?なんて言ってるの?

(もっとマーダーを!)

え?

(もっとマーダーを!)

(もっと疑心暗鬼を!)

(もっと巨乳の活躍を!)

ちょっと、何言ってるの?っていうか、最後のだけなんか違くない?

(おまえがやれ!)

(さあ、おまえがやるんだ!)

冗談はやめてよ!最後のはともかく、他の二つはすすんでやりたいような展開じゃないっての!
ノゥ!絶対にノゥ!

(だがおまえしかいない!)

(疑心暗鬼フラグを抱えているのはおまえぐらいしかいない!)

(生き残っている巨乳もおまえぐらいしかいない!)

(さあ、やるんだ!!HURRY!HURRY!HURRY!)

何なの、これ。毒電波?私の心が…無理矢理変えられていく…。やめて…。やめて。
やめてぇぇぇぇぇぇ!!

◇ ◇ ◇

2886旅館に泊まってすぐ堕ちる〜狂気の闇メイド〜:2008/03/07(金) 01:12:56 ID:EI8RNrXc0
「よし、こんなものか…。」

ここは旅館の調理場。うっかり侍はそこにおかれていたわずかな米を使い、おかゆを完成させていた。
ちなみに塩と砂糖を間違えるというお約束のうっかりをやっているのだが、本人はまだ気づいていない。
そして、状況もそれどころではなくなってきていた。

コトリ、とうっかり侍の背後で物音がする。

「おや?ドラえもん殿、もうお目覚めで…。」

振り向いたうっかり侍の目に映ったのは、銀色に輝く刃。

「!!」

危険を察知し、とっさに横に飛ぶうっかり侍。だが、、間に合わない。

「あああああ!!」

吹き上げるのは、悲鳴と血しぶき。床に転がるのは、うっかり侍の左腕。
肘のあたりから下が、バッサリと切断されていた。

「へえ、さすが斬鉄剣。骨まで簡単に切断できちゃった。」

メイド服を血に染めて、ドラえもんは言う。その顔に、感情はいっさい浮かんでいない。

「い、いったいどうなされたのですか、ドラえもん殿!」

声を震わせながら、うっかり侍は言った。肉体の痛みも、当然半端ではない。
だがそれ以上に、仲間に襲われたという精神的ショックが彼女を苦しめる。

「だって、うっかり侍さんはChain-情を信じてるんでしょ?
私にとって、Chain-情はもう敵だもの。敵の味方は敵だよ。」

そう返すドラえもんは、相変わらず無表情。だが、その目だけが異様な雰囲気を醸し出している。
武装錬金的に言えば、「濁ったどぶ川のような目」だ。

(あの目、正気ではない…。いったいこの短い時間に何が…。ええい!考えるのは後だ!
今は多少手荒になっても、彼女を止めねば!某が死んでしまっては、説得も何もない!)

意を決し、うっかり侍は傍らに置いてあった包丁を握る。

「へえ、そんなので私と戦うつもりなんだ。こっちには斬鉄剣だけじゃなくて、
ドラゴンころしやバルスカもあるんだよ?勝てるわけ無いじゃん。」
「なんと言われようとも…。某は貴殿を止めねばならぬ!」
「ふうん。これまで一緒にやってきたよしみで、楽に殺してあげようと思ったのに…。
しょうがないや。なんだか新しい力も手に入ったみたいだし、全力で殺してあげるよ。」

微妙にいらだちを感じさせる声で言うと、ドラえもんは改めて斬鉄剣を構えた。
それに呼応するように、うっかり侍も残された右手で包丁を構える。

(こちらは片手、しかも得物は包丁。絶望的な戦力差だな…。だが、それでも退くわけには行かぬ!)


メイド対メイド、開戦―――。

2887旅館に泊まってすぐ堕ちる〜狂気の闇メイド〜:2008/03/07(金) 01:15:02 ID:EI8RNrXc0
【永遠のうっかり侍@ギャルゲロワ】
【状態】:全身各所に刀傷、左腕喪失
【装備】:ティアナのメイド服@アニロワ2nd 、出刃包丁
【道具】:支給品一式、パロロワ衣服詰め合わせ
【思考】:
 基本:主催を打倒し皆で元の世界へ帰る。殺し合いに乗った人間は斬り捨てる
 1:なんとしてでも焦ったドラえもんを止める
 2:Chain-情のことは信じる…というか信じたい
 3:再び漆黒の龍と孤高の黒き書き手を探しにいくか検討する
 4:対主催チームの一員として尽力

 ※容姿はトウカ@うたわれるものです。(ただし耳は普通の人間のもの)
 ※私立真白学園中等部の制服@アニロワ2ndを破り、包帯代わりに全身に巻いています。



【焦ったドラえもん@漫画ロワ】
【状態】:腹部にダメージ(大)、闇メイド
【装備】:斬鉄剣@ルパン三世、核鉄(バルキリースカート)@漫画ロワ、朝比奈みくるのメイド服@アニロワ1st
【道具】:支給品一式 、銀河ヒッチハイクガイド、咎人の剣「神を斬獲せし者」@AAAロワ、ドラゴンごろし@アニロワ1st 、他にまだあるかも
【思考】:
 基本:私の敵はみんな殺す。
 1:うっかり侍を殺す。
 2:Chain-情も見つけたら殺す。
 3:一応まだ対主催ですが、何か?
 4:巨乳はパロロワで活躍できないとか言うなー!

 ※容姿はセラス@ヘルシングです。
 ※驚きの黒さに染まりつつあるため、口調が柊つかさ@ニコロワっぽくなっています。
  一時的なものか、今後も続くかは次の書き手さんにお任せ。
 ※チート的な何かに覚醒しました。tu4氏が空気キャラの能力を使えるように、他の巨乳キャラの能力が使えます。
 【銀河ヒッチハイクガイド】
 全書き手のトリップや代表作など、パロロワに関する全てが記されています。
 ただし、容量の都合で記述が切り詰められている箇所も多々あり。
 【核鉄(バルキリースカート)】
 主催者の改造(嫌がらせ)により、発動の度に若本規夫ボイスが再生されます。※台詞はランダム。

以上です。
コスチューム的に闇メイドはうっかり侍さんの方なんですが、
まあ細かいことは言いっこなしで。

2888旅館に泊まってすぐ堕ちる〜狂気の闇メイド〜:2008/03/07(金) 01:49:59 ID:EI8RNrXc0
すいません、時間と場所の表記が抜けてました!
【午後】【G-9 旅館の調理場】です!

2889貴様らに名乗る名など無い!:2008/03/07(金) 08:19:33 ID:f8btP6qgO
投下乙です。
うーむ、うっかりのせいで死にかけるとは流石うっかり侍w
しかし、あの謎の声は書き手達の性癖によって消えていった巨乳達の怨念だろうかwww

2890貴様らに名乗る名など無い!:2008/03/08(土) 01:21:08 ID:nYmlaQ9w0
この物語はあくまでもフィクションです。
実際の書き手には一切関係ありません。

前書終わり
投下しま〜す

2891あるがままに:2008/03/08(土) 01:22:18 ID:nYmlaQ9w0
生い茂る木々のただ中、吊るされた女の前で争うは二人の男。
片や自動人形吉良パンタローネ、片や変態魔術師レザードルーキー。
本来なら「私の為に争わないで!!」とでもいうべき状況も、
男二人がこれでは台無しである。
ってかそれ以前にお姉さま、あなたのロワ内性別結局どっちなんですか!?
などなど突っ込みたいこと多々あれど、そんなものは置き去りに戦いは続いていく。

宙を駆ける空気弾と天より降り注ぐ光の槍。
両者ともに飛び道具の使い手だが戦況は圧倒的にパンタローネの不利であった。
「くそっ!」
零になる空気残量。
こうなってはパンタローネは回避に徹するしかない。
ルーキーから急いで距離をとりつつ、木々を盾に身を隠す。
幸いルーキーが攻撃手段に選んだイグニードジャベリンやダークセイヴァーは、
障害物のある地形に向いていない魔法である。
隠れている間はそうそう当たるものではない。
ルーキーとて無論そのことは承知済みだ。
それでも彼がこの二つの魔法を主軸にしているのは、その連射力に他ならない。
そう、今現在戦況を支配しているのは、まさに連射できるか否かであった。

「やれやれ、しぶといですね」
掌のピストルをくるくる回して遊びながらルーキーは溜め息をつく。
疲労が少ない魔法を連射しつつ、時々できる隙をピストルでカバーする。
相手の弱点を計算に入れての、一部の隙もない戦術である。
ファイアランスで森を焼き払うというのも考えたが、
自分やお姉さまも巻き込みかねないので却下した。
ピストルの銃弾に限りがあるのが欠点だが、そこはレザードなルーキーだ。
抜かりは無い。
「では、そろそろとどめといきましょう」
何度目かの空気弾をテトラカーンで弾き返し、
森へ逃げ込むパンタローネを見詰めつつレザードが告げる。
パンタローネが再補給するまでにかかる時間は大体掴んだ。
軽めの大魔法一発なら十分唱えきれる。

「我、久遠の絆絶たんと欲すれば、ことの刃は剛魔の剣と化し、汝を討つだろう!」

響く呪文にお姉さまが表情を変える。
VPもプレイ済みなお姉さまは気付いたのだ、ルーキーの狙いに。
「パンタローネ、逃げて!」
その声に事態を察したパンタローネが何かをデイバックから取り出そうとするが、
ルーキーは気にも留めない。
対ジョーカーにおいて対主催であるパンタローネが戦力を温存する必要は無い。
よって大したことのない支給品だと推測したからである。
「ファイナルチェリオ!!」
呪文の終節と共に巨大な剣が天より姿を現し、木々ごとパンタローネを刺し穿つ!
「ガハッ」
胴より分かたれ、上半身が千切れ飛ぶ。

人形とはいえ初めて直に目にする惨状にお姉さまが歯を食いしばる。
まだ泣くわけにはいかないと。
私を助けようとして死んだパンタローネの為にも必ずルーキーを倒してみせると。
だがその意志も強く睨む眼も、ルーキーを喜ばせるにしか至らない。
「ふははははははは、そうです、その眼ですよ、お姉さま。
 私はあなたのその美しくも強い心に惹かれたのです」
だからこそ、お姉さまは悔しかった。
自分にはこの男を喜ばせることしかできないのかと。
いたたまれなくなって思わず眼を逸らす。
そして彼女は見た。

2892あるがままに:2008/03/08(土) 01:22:41 ID:nYmlaQ9w0

空飛ぶ人形を!

「なっ!?」
宙を舞うパンタローネがルーキーに激突し彼を両腕で抱え込む。
「っは、自動人形はなあ、首だけになってもそうすぐにはくたばらねえんだよおおおおお!!」
下半身を失ったパンタローネは、しかし右腕に新たな力を装着していた。
名をカセットアーム、仮面ライダー4号ライダーマンの武装である。
相手の上半身が吹き飛ぶのを確認しルーキーがお姉さまの方に向いた隙に、
彼はロープアームに変形させ木にフックを打ち込み機会を覗っていたのである。
「なるほど。いやいや恐れ入りました。対象ではなく自分の方をロープを回収することで動かすとは。
 ですがいけませんね。私を捕らえるのに両腕を使っていては、うまく攻撃できませんよ」
「安心しな、こんな重心も定まらい状態じゃあ、どのみちうまくいかねえさ」
だからと、パンタローネは己が左腕に目を向ける。
否、そこに握られたダイナマイトに向って。

カセットアームをパンタローネが温存していたのは、
単にその多彩性が危険視していたルーキーや脳内補完に対するカウンターとして役に立つと考えたからに他ならない。
だがダイナマイトは違う。
もしも自分の中に芽生えた吉良の意思を抑えられなくなった時の自決用だ。
全く、どうせだからスタンド能力も目覚めてくれたらこうも苦労しなかったのに。
まあ仕方がないか、あの力はボマー氏の方が似合っているのだから。
いいや、とじじじと短くなっていく導火線を見て思い直す。
爆弾類が支給されていただけでもいいとしよう。
距離もとったしお姉さまが巻き込まれることもない。
「お姉さま、吉良はね、マリアさんが死んだときにすごい悲しんだんです。
 ただその奇麗な腕を惜しんでかはわかりませんがね。
 ははっ、私今かなり出鱈目な口調ざんすね」
ああ、きっと吉良の浸食が激しくなってきているのだろう。
俺の意思と混ざっているから今は口調が変なくらいで済んでいるが、
このままじゃ完全に吉良化してしまうのも時間の問題だ。
そんなのはごめんだ。
だからちょうどいい、俺が俺であるうちに、お姉さまの敵をまとめて葬れるのだから。
「それじゃあ、お元気で。っておかしいこと言ってるな俺。さようならお姉さま」
 ジッという音がして、ダイナマイトが爆発する。
轟音、爆炎、赤い世界。
パンタローネの世界が閉じていく。
ただどうしてか、その世界には崩れ落ちる人間の姿が足りなかった。



【パンタローネ@漫画ロワ 死亡】

2893あるがままに:2008/03/08(土) 01:23:23 ID:nYmlaQ9w0
燃え上がる炎を見つめ、お姉さまはふと思った。
ああ、馬鹿だなあ、パンタローネ、そんなことしても誰も喜ばないのに、と。
大体あんた私のことちゃんと考えていたの?
今私動けないんだから、山火事になってたらシャレじゃあ済まなかったのよ。

炎が凍る

だから、さ。無かったことにしてよ。
吉良やマリアなんてギャルゲロワの私にはわからないことなんだからさ。
私たち最初の話からずっと一緒に闘ってきたのよ?
だったらさ、これからも私の背中守ってよ。

声が響く

じゃないとさ、あんた本当に無駄死によ?
嫌でしょ、男なんだから。
私も嫌よ、こんなの燃え展じゃないし。
ねえ、ねえったら!


「やれやれ、不意をつくまでは良かったのですがね。
 ペラペラしゃべってくれている間に転移魔法を発動できましたよ。
 全く、暑苦しい人はこれだから扱いやすい」
炎を凍らせ、悠然と歩みよるは一人の男。
ルーキーだ。
彼の体はパンタローネの死が無駄だったと言っているかのように無傷である。
「うるさい!あんたがあいつを馬鹿にするな!」
お姉さまの罵声を受け、くくくと男は笑う。
「おや、失礼。あなたもあちら側の人でしたね。
 ですがご安心を、今からあなたはエロス側の住人になるのですから!
 さあ、お姉さま、めくるめく官能の世界へ!
 もうあなたを助けてくれる人はいませんよ、
 ふふふふ、ははははははははは!」
ルーキーの手がチャイナ服のスリットにかかる。
「この変態!!」
宙吊りにされた体制から無理に蹴りを放つも、軽く受け止められてしまう。
どころかルーキーは嬉しそうに足を撫で始める。
「失礼、まずは足から味わってほしいということですね
 くくく、パンタローネでしたっけ?
 何やらお姉さまの手首に執着していたようですが、まだまだですね。
 お姉さまはその全てが魅力的だというのに」
おおっと感極まった声をあげルーキーはお姉さまの足を堪能する。
素晴らしい張りである。
健康的でそれでもあたたかく柔らかい足のなんと揉み心地のいいことか。
掌に張り付くそれは、だが確かに弾力の感じられる足であった。

2894あるがままに:2008/03/08(土) 01:24:00 ID:nYmlaQ9w0

ふにふにと、指が沈む。

ぷにぷにと、押し返される。

「おおう、おおおおお!これがお姉さまの肌かあ!!」
まだふくらはぎだというのに既にテンションハイなルーキーは、
そのまま足を愛でつつ掌を徐々に上へと滑らせる。
お姉さまはせめてもの抵抗だと声すら出さずに耐える。
まだだと、その牙を心中へと沈めて。
そうと知ってか知らずかますますルーキーの手の動きはヒートアップする。
さわさわ、わきわきと撫で続けていた指が遂に膝裏へと達したのである!
「おおおおおおおおおおおおおおおお!!」

ふにゅり。

そこのなんと温かいことか!
しかもそれまでの張りがあった筋肉とは違い、
骨に覆われた皮や肉はまるで底なし沼のように指を受け入れていく!
沈む、沈む、お姉さまの体に、温かい肌に!!
「ふあはははははは、いい、最高にイイ!膝裏がこうも素晴らしかったとは、ははははは!」
もはやキャラが違う気がするがツッコミ禁止。
レザードは変態ですから。
膝裏を堪能したルーキーはついに太ももへとたどり着く。
「ひゃひゃひゃひゃひゃ!」
パンパンだ!今度は膝裏とは逆に気持ちいいように指がはじき返される。
だが撫でてみるとどうだろう?
吸い付くのだ、温かく、そして汗で濡れた肌が。

もはやルーキーの興奮はマックスに達していた。
だがしかし、彼とて根は善良な書き手である。
このままいきなり「創世合体、ゴー、アクエリオン!」な展開にしてしまえば、
世界結界なりガイアの抑止力なりで詳細に描写されないのは必須である。
読み手の期待を裏切ることは避けたいし、自分もできるだけ長く快楽を味わいたい。
「となれば、答えは一つですね」
足への未練を振り払いルーキーは一度お姉さまより手を離す。
明らかにほっとした表情を浮かべるお姉さまに内心ますます悶えつつ、
ルーキーはお姉さまの正面に立ち、その服の中に、手を突っ込んだ!
「ひゃ!」
思わず声をあげるお姉さま。
さてここで諸君にルーキーが出した解決方法を提示しよう!
即ち着衣プレイである!
服を全部着たままなら15禁くらいで済むだろうという素晴らしい作戦さ!
決してルーキーの趣味だからではないゾ?
「さあ、めくるめく、む?」
言い訳完了で意気揚々だった彼だがそこで手に違和感を感じた。
温かくない。
気持くない。
これは違う。
恐る恐るそれを掴んだまま手を外に出すルーキー。

2895あるがままに/君らしく、誇らしく:2008/03/08(土) 01:24:46 ID:nYmlaQ9w0

パッドだった。

「は?」
さすがのルーキーもぽかんとする。
「わるかったわね、パッドで!ほら、がっかりしたでしょ、だからもおどっか行ってよ!」
先程までの強がりはどこえやら、すっかり涙ぐむお姉さま。
あれ?パンタの死ってパッド発覚より悲しみ下なの?
対するルーキーの表情に浮かんだのは怒り。
あいするお姉さまに騙されていたといういか「もったいない」あれ?
「お姉さま、あなたは何か勘違いをなされてる」
「え?」
その余りにも真摯な声にお姉さまは完璧にのまれた。
気がつけばルーキーの口調がおかしくなる前のものに戻っていたことも拍車をかけたのだろう。
「あなたが知っての通り、レザードは変態です。
 愛するレナスを我が物にしようと、ペド、ロリ、少女、女と様々な体を用意しました。
 この意味がわかりますか?」
「あ〜わかりたくもないんだけれど」
体ではなく心が大事ってことですよ!っと正当な物語なら言うだろうが、この書き手ロワではさに非ず。
「簡単な話です。彼にとって胸の大きさなどどうでもよかった。
 いや、どんな胸でも女性のそれは男性にとって宝であるということですよ!!」

今やルーキーはレザードのキャラすら凌駕して熱く語り続ける。

響け、世の心理!!

大きさなどというまやかしに囚われた愚か者たちの眼を覚ませと!
同士の代弁者として高らかに宣言する!!

「ナイムネ、ペチャパイ、貧乳、胸、巨乳、爆乳。
 そのどれもがそれぞれに素晴らしい魅力を秘め、キャラ達を昇華させているのです!
 胸の大きさで優劣をつける?っは、くだらない、なんてアホらしい。
 おっぱいは大きかろうが小さかろうがそこにあるだけで正義!!
 全てのおっぱいはこの宇宙に存在する限り平等なのです!!!!
 ただベクトルが違うだけ。
 わかりますか、お姉さま!
 あなたがやったっことはおっぱいに対する侮辱なのです!!」
「は、はあ」
何がなんやら、展開についていけないお姉さま。
そんな彼女の前でルーキーはにへらっと相好を崩す。
「っというわけで、お姉さま。胸も性別も気にしないので食べられちゃってください!」
ルパンルパ〜ンとダイブし、そのナイチチに手が触れようとする。

さあ、ついにめくるめく官能の世界の扉が開かれ、

「ふあああああああああああ、ららめぇええええええええ!!」

すぐ閉じた。
お姉さまの母乳弾幕こと空裂乳刺驚(好きなセリフをあててね☆)によって。
心臓を貫かれ崩れ落ちるルーキー。
「はあ、はあ、はあ。私、遂に人殺しちゃったんだ」
木に吊上げられたまま、お姉さまは一人呟く。
ずっと一緒だった仲間を失い、未遂とはいえ襲われ、
遂に命を奪ってしまった彼女の胸中は、誰にも分からない。

ただ一つ、彼女の慰めになることがあるとすれば、
間違いなくルーキーは、この世で一番幸せな死に方の一つを迎えたということである。

ほら、見てごらん、彼の死に顔を。
そのだらしないまでの、呆けた顔を♪

2896あるがままに/君らしく、誇らしく:2008/03/08(土) 01:25:05 ID:nYmlaQ9w0



【◆yHjSlOJmms(ルーキー)@AAAロワ 死亡 死因:母乳】


【午後】【C-1 森】
【お姉さま@ギャルゲロワ】
【装備】:青龍偃月刀、ディー、胸に穴のあいたチャイナ服
【所持品】:支給品一式×2、首輪(ボイド@漫画ロワ)
【状態】:やや体温上昇、動揺、悲しみ、大木に手錠で拘束されてます
【思考・行動】
基本行動方針:殺し合いに乗ってる人間を止め全員での脱出。
0:???
1:ディーが復活したら手錠を はずしてもらう
2:戦う覚悟。
3:ハクオロの姿をした参加者……候補のロワは三つ(ギャルゲ・葉鍵・アニロワ1st)か。




※容姿はくれないの長髪でスレンダーな美少女。というかまんま東方の中国w
※性別は未だ不明。
※ディーにより東方キャラに変わる力を得ました。何に変わるかはディーの気分次第。確率的には咲夜が高い。
 やばすぎる能力には制限がかかってます。
※ディーは制限により弱まっています。そしてそれが原因でちょっと逝ってます。
※ギャルゲ版最速の人の死体を見つけると、もしかしたらディーの力が少し復活するかもしれません。
 また、その後ディーがどれだけ協力してくれるかは、次の書き手さんにお任せします。
※胸はパッドです。
※ディーも性別についてはしりません。
※ディーは負傷しました。もしかしたらディーの力が消えて、カレーの侵食が更に侵攻するかも知れません
※母乳弾幕が使用可能になりました。設定や詳細は後の書き手さんにお任せします。
※不明支給品は手錠@ギャルゲロワでした。

※パンタローネの死体と支給品は消し飛びました
※ルーキーの死体は胸に穴が開いており、手にパッドを握りしめています
 ピストル(0/15)がその付近に落ちています

2897貴様らに名乗る名など無い!:2008/03/08(土) 01:27:01 ID:nYmlaQ9w0
投下終了
繰り返しますが、あくまでもフィクションです。
ルーキー氏の性癖とはなんの関係もありません。

2898貴様らに名乗る名など無い!:2008/03/08(土) 04:02:17 ID:YdKnZvNIC
いやっほーう母乳弾幕お姉様最高うううううううううううう!!!!!!!

2899貴様らに名乗る名など無い!:2008/03/08(土) 07:08:08 ID:rq5.MZCo0
\(^o^)/カブッタ

遅筆直せれば何とか……いや、まだ流用できるか?

2900仮面の下の邪悪な微笑み:2008/03/09(日) 21:54:32 ID:fxXxeUGg0
「……承お兄ちゃん……承お、兄ちゃ、ん……あ、うわぁぁああぁぁぁぁん」
「しばらく泣いた方がいい。少し気持ちを整理させた方がいいな」

承の死を放送で聞いたコ・ホンブックは人目も憚らずに泣き始めた。
唯一周りにいたのは好青年という仮面を被った修羅――仮面ライダー書き手である。
ステルスマーダーである彼はコ・ホンブックに信頼される人物を演じるために、
とりあえずこの場ではコ・ホンブックを労わるような言葉をかけている。

「ひっぐ、ありが、とう、仮面ライダーさん」
「礼なんていいさ。一緒に仲間を集めてこの状況を打ち破るんだろ」
「うん。だからお願い、力を貸して」
「もちろんさ(……まあ思う存分利用させてもらうがな、まとめキングの為にな!)」

そんな気も知らないでコ・ホンブックは無垢な目を輝かせて自分に全幅の信頼を寄せている。
全く笑えてくるシチュエーションである。
自分の目の前にいる人物が善人の皮をかぶった狼だという事も知らずに慕っている。
彼は現状に大いに満足していた。

「とりあえず君は少し休んだ方がいいな。それとその恰好じゃ身体に悪いからな。
 少しここで待っててくれ。俺はちょっと休める所がないか探してくる。
 すまないが、しばらくそこの茂みに隠れていてくれ」
「……え、私また一人になるの……」

自分のジャケットを羽織っているといっても、全裸にジャケットである。
このままでは確実に変態扱いされてしまうような状況である。
そのため適当な衣服の調達は急務であった。
それに、短時間でも一人にして孤独感をあじあわせ、自分に対する保護欲をかきたてるという目的もあった。
しかし一番の目的は、まとめキングが救われずにコ・ホンブックが救われた事に対する単なる意趣返しであった。

だがその言葉を聞いた途端、コ・ホンブックは不安そうな表情を浮かべる。
だから安心させるように心にもない言葉を並べる。

「だいじょうぶ、俺は必ず戻ってくる。しばらくの辛抱だ」
「……うん、分かった。いってらっしゃい、仮m…………書き手お兄ちゃん」
「いい子だ」

そういってコ・ホンブックを宥めると、周囲の探索へと出かけた。
長くても15分ぐらいは可能かなと思いつつ、探索を開始した。

(書き手お兄ちゃんか……こっちの気も知らないで、いい気味だ。
 ところで猫子頭の鬼軍曹は仕留め損なったのか。あの漫画ロワ書き手に加えて奴の悪評も広めるか)

その心の内にはどうしようもなくドス黒い感情が渦巻いていた。

 ◆ ◆ ◆

「わざわざ足を延ばした甲斐があったな。これはとんだ拾い物だ。
 これで俺のステルスもより完璧になるぜ」

仮面ライダー書き手は底無しの歓喜に震えていた。
それもそのはずである。
休息場所と衣服を探してD-9に足を延ばしたところ、いくつかの支給品を見つけたからである。
しかもどれも有用な物ばかりであった。
その中でも最も彼を喜ばせた物が『仮面ライダーベルデのカードデッキ』であった。

仮面ライダーベルデとは、『仮面ライダー龍騎』に出てくる13人のライダーの内の一人である。
だが、このライダーが登場したのはTVスペシャルだけであった。
しかしそれだけにも関わらず、印象はなかなかあるキャラである。

「イニシアチブをとるのが上手く、普段は紳士的だが、その本性は過激かつ粗暴で欲深な性格で、契約モンスターの特性を活かした戦術と、生来のカリスマ性から、他のライダーからは一目置かれる存在。他のライダー達を利用して龍騎とライアの抹殺を計る等、手段を選ばない卑劣漢である。「人間は皆ライダーなんだよ!」の名セリフを残している」(以上wikiより)

さらにこのライダーのカードデッキには自身を透明化させる「クリアーベント」や、他のライダーの姿に変化する「コピーベント」などの攪乱系のカードが多く存在する。
ステルスマーダーである自分にとっては好都合な支給品であった。

彼は知る由もないが、この周辺に散乱していた支給品はこのロワが開始されて程無くしてマスク・ザ・ドSによって狂気の道に進まされたコ・ホンブックと、その彼女が狂気の果てにエアを暴発させた事により命を失った書風連・その壱とその弐の支給品であった。
今の今までエアの衝撃により周辺に散乱したままになっていたのである。
コ・ホンブックを保護している仮面ライダー書き手がこの支給品を拾うとは、不思議な縁である。

「ちょうどいい具合に着る物も見つけたし、そろそろ戻るか」

そう言って待ち人の元へと戻る修羅の顔には、
その内面と同じく『からくりサーカスのフェイスレスの邪悪な「イイ笑顔」並みのデビルスマイル』が浮かんでいた。

2901仮面の下の邪悪な微笑み:2008/03/09(日) 21:55:05 ID:fxXxeUGg0
 ◆ ◆ ◆

「遅くなってすまん。ブック、もう出てきてもいいぞ」
「書き手お兄ちゃーん」
「ふう、何もなかったみたいだな。安心したよ」

仮面ライダー書き手の声を聞きつけるや否や、コ・ホンブックは茂みから勢いよく飛び出してきた。
そしてその勢いのまま、愛しの書き手お兄ちゃんへ抱きついてきた。
その様子は傍から見れば仲睦まじい兄と妹という風景に見えた事だろう。
しかし、残念ながらそこに悪意が潜んでいる事にコ・ホンブックは全く気付けなかった。

「運良く衣服の類は見つかったし、早速これに着替えるといい」
「書き手お兄ちゃんありが……と、う……」
「どうしたんだ? この服がどうかしたのか?」
「ううん、なんでもないよ」

仮面ライダー書き手は怪訝そうな顔をしつつ、コ・ホンブックの着替えを見ないように後ろを向いた。
そしてコ・ホンブックは与えられた服に身体を通し始めた。
着替え終わった彼女の出で立ちは最初連れてこられた時よりもしっかりとしたものだった。
黒のアンダーシャツ、黒のズボン、黒の上着、そして赤いマント、加えて赤い石――賢者の石を首から下げている。

――それはまさしくあのキャラの衣装であった。
――豆粒錬金術師こと鋼の錬金術師エドワード・エルリックの衣装であった。

 ◆ ◆ ◆

(私がこの恰好をするなんて、不思議な巡り合わせを感じちゃうな)

現在コ・ホンブックは仮面ライダー書き手の運転するサイドバッシャーのサイドカーの中にいる。
少しは休息も取れたので、まずは仲間を集めるために移動を開始したのであった。
ちなみにいままで二人が人気のないD-8の森の中にいたのは、
二人きりの状態で二人の信頼関係を確実なものにしようと企んだ仮面ライダー書き手の思惑であった。
もちろん、15:00から禁止エリアになるこの場所に来る奴はあまりいないだろうという考えもあった。
その思惑は概ね成功を収め、二人の信頼関係は強固なものとなった。

だがエドの衣装がコ・ホンブックの心の内に微かな陰を落とす。

(初めは紙使いとエアでアニロワ2ndみたいに悲惨な目に遭ったけど、この恰好も心配だな。大丈夫かな……
 でも今は書き手お兄ちゃんがいるから安心だよね)

コ・ホンブックはサイドカーの中で一人得体のしれない不安を感じながら、隣にいる愛しのお兄ちゃんの存在を確かめる。
その顔には知らず知らずの内に思慕の表情が浮かんでいた。

 ■

(さてと、偽りとはいえ信頼関係が築けたところで、次は他の参加者との接触か。
 残りの奴らも半分は切ったし、早くも中盤に差し掛かったか。
 ま、優勝エンドを目指す俺にとってはこのペースは大いに望ましいな。
 ……ん、あれは……)

サイドバッシャーを走らせていると、行く先にいかにもいかがわしい城が姿を見せた。
おそらくあれな事をする場所である所だが、自分にはお似合いの場所かもしれないなと、妙な感想を抱く。
それによく見ると、誰かその建物に入るところらしい。なにやら全裸のロリっ子のようだが……
自分は全裸のロリっ子と縁でもあるのか? と事を考えつつ、どうするか思案に暮れる。

(幸いブックは俯いていて気付いていないか……見過ごしてもいいんだが……
 弱者を多く保護しておけば他の奴の受けも良くなるし、どうするかな)

仮面ライダー書き手は一人妙な高揚感を感じながら、城に入った少女について思案する。
その顔には知らず知らずの内に邪悪な笑みが浮かんでいた。

2902仮面の下の邪悪な微笑み:2008/03/09(日) 21:59:23 ID:fxXxeUGg0
【日中】【G-4/ホテル『キャッスル・満漢全席』周辺】
【コ・ホンブック@アニロワ2nd】
【状態】:若干の不安、仮面ライダー書き手への依存、
【装備】:ビッグ承 、エドワード・エルリックの衣装@アニロワ2nd 、賢者の石@アニロワ2nd
【道具】:なし
【思考】:
基本:もう諦めない。
1:仮面ライダー書き手と共に仲間を集める。
2:自分の恰好に一抹の不安。
※不死者化、酢飯細胞の効果が切れました。
 また、浄解により負の感情も治まりました。
 ただ新生したことにより、能力変化などが起こったかもしれません。
 お任せします。
※首輪は外れたままです。


【仮面ライダー書き手@ライダーロワ】
【状態】健康
【装備】カイザギア@ライダーロワ、サイドバッシャー@仮面ライダー555
【所持品】支給品一式 、カードデッキ(ベルデ)@仮面ライダー龍騎、不明支給品数個(元々書風連・その壱とその弐のもの)
【思考・行動】
基本:皆殺しで優勝。可能ならばまとめキングを生き返らせる。
1:あの城に入った少女に接触するか否か。
2:コ・ホンブックを利用して、対主催者チームを作る。
3:対主催者チームのリーダーとなり、ステルスマーダーとして行動する。
4:猫子頭の鬼軍曹とあの漫画ロワ書き手(現代に蘇った熱血怪人)の悪評を広める。
5:俺を好きにならない奴は殺す。
6:コ・ホンブックの信頼をさらに得る。
7:コ・ホンブックを最悪のタイミングで裏切る。
※外見や声は草加雅人です。

2903仮面の下の邪悪な微笑み:2008/03/09(日) 22:01:14 ID:fxXxeUGg0
投下終了
なんか焦って誤爆してしまったorz

2904貴様らに名乗る名など無い!:2008/03/09(日) 22:22:43 ID:.xFXHMXc0
投下乙です。
しかし、漆黒の竜といいライダーロワの書き手には変身アイテムを引き寄せる能力でもあるのかw

2905貴様らに名乗る名など無い!:2008/03/09(日) 22:49:15 ID:xEzRdqew0
投下乙!
なんと言う鬼に金棒。
やばい奴にやばいアイテムが渡っちまったw

2906Blitzkrieg――電撃戦 (前編):2008/03/11(火) 00:31:45 ID:YZ/JflGc0
正立方体で灰一色の何の面白みもない部屋。
その一面にあるこれもまた簡素なドアと、その対面に存在する103インチサイズの大型モニター。
この部屋はR-0109がテリトリーとする、モニタールームだ。

壁一面を占領する巨大モニターの前には、コンソールの役割を果たすネオジオコントローラとマイク等々。
R-0109はそのコントローラをカチャカチャと鳴らし、今は監視モニターが録画していた記録映像を見ていた。

「うわー……、ちょっと見ない間にけっこう進んでるなぁ……」

第2回の放送を終えた後、昼食と昼寝で時間を潰したR-0109は、知らない内に進んでいたロワに息を漏らす。
たった半日と少しで生存者は半数を切り、参加者である書き手達は覚醒を繰り返している。
そんな書き手達の生き様に感嘆の声を漏らしながらR-0109はログを辿り、遂に最新話へとたどり着いた。

「あ。………………」

モニターに映るのは、今まさに殺しあわんとするメイド2人であった。
片方のメイドさんは腕を切り落とされており、その流血によって両者ともその真っ白だったエプロンを真っ赤に染めている。
息を荒げ、今にも殺害されんとしているのは永遠のうっかり侍。そして、もう一人は――……。

ちょうどいい――それだけ呟くと、R-0109はかけていたパイプ椅子から立ち上がり部屋を飛び出した。

2907Blitzkrieg――電撃戦 (前編):2008/03/11(火) 00:32:10 ID:YZ/JflGc0
 ◆ ◆ ◆


森の中――単純にそう表される風景の中を、3人の男女が北の方角へと向って歩いていた。

先頭を飄々とした態度で行くその容姿に具体的描写のない男は、フリクリ署長。
彼が指摘した通り。日に照らされて全容を明かした森はどことなく作り物っぽい。鮮やかな緑も、鮮やかすぎるといった印象だ。
10を超えてから数えるのをやめた見覚えのある切り株の脇を抜け、彼はただ歩き続ける。

フリクリ署長の背を追って歩くのは、取り立てて特徴の無い名前通りに地味な地味子と、太ったピザの1号である。
両者ともに僅かに息を荒げ、少女よりも足取りの重いピザの1号の方は汗も垂らしている。
誰よりも早く走れる男はそんな彼女らを気遣ってか、足ではなく口のスピードの方を速めた。

「……先程も言いましたが、この世界はどこも作り物めいている。この舞台も、私達もです。
 つまり、今の私達は役者にすぎない――ならば、何を成せばよいんでしょうね?
 誰かが書き上げた台本通りに役を演じきることでしょうか? それこそマッドスクリプトの様に?
 はたまた、我々は我々の物語を作り上げるべきなのか? 最悪の脚本を破り捨てて――。
 しかしやはり、ここで問題になってくるのがまた、我々がいかなる存在なのか? ということですよねぇ。
 書き手としての記憶だけを持たされた人形――そうであるなら、話は簡単。何も悩む必要はありません。
 実際の私達にリスクが及ばないというのなら、これを催した者に全てを任せればよい。
 だがしかし。もし、この私達の記憶が、魂が本物であるというのなら難しい――。
 我々はここから脱しなければならない。そう、まるで私達が書く対主催キャラクターの様に運命に抗わねばならない。
 しか〜し〜……、これもまた脚本通りなのでは――とも考えられるんですよねぇ。
 我々は、釈迦の掌の上の悟空どころか、すでに真名板の上の鯉でしかないかも知れない。
 メタを考えるが故に生まれる思考の万華鏡。推理の無限地獄。思索のラビリンス……。
 何者に対しても絶対にノゥ! と言い切れる反逆者――それに、なるためには我々は一体どうすれば――?」

一人、口車と脳の回転を同期させているフリクリ署長。
その前が開け、彼の前に新しい景色が飛び込んできた――桃源郷である。

「おぉ、想像はしていましたがやはりこのMAP――舞台はループしている」

南下し街へと向かう。そんな選択肢も彼らにあったが、それを選ばなかったのはこれが理由であった。
せっかく端に近い位置にいるのだから、その端がどうなっているのかを確かめよう――と。
戦闘力においては自衛以上には自信がなく、そして考察派を主張したが故の選択である。

『B-8』から『A-8』までを真っ直ぐに北上し、その北端から見えるのは『I-8』の南端であった。
少し遅れて到達した地味子とピザの1号。彼らの目の前にも、一面に広がる温泉と立ち昇る湯気が見えた。

「――温泉って、本当に温泉ばっかりなんですね」

全く冗談の様です――と、地味子の声にフリクリ署長は苦笑する。
RPGツクールで作成した様な風景が延々と続く光景を実際に見れば、それはまるでシュールレアリスムの様でもある。

「隣りの『I-9』はすでに禁止エリアですし……、とりあえずはこのまま北上してみましょうか」

言って、フリクリ署長はエリアの境界を跨ぎ先へと進み、そして後ろの2人もそれに倣い彼らは温泉地帯へと入っていった。

2908Blitzkrieg――電撃戦 (前編):2008/03/11(火) 00:32:33 ID:YZ/JflGc0
 ◆ ◆ ◆


ある3人が眼前に桃源郷を見ていた頃、別の3人は目の前に広がる虚無に唖然としていた。

「なんだいなんだい。ここに旅館があったってのかい? だとしたらまぁ、随分と……」

大仰な事があったんだろうね――と言うのは惜しげもなく全裸を曝す老婆、底上げ中の残月である。
つい先刻に死闘を演じたばかりだが、最後に1枚残っていたケロンパスのおかげで今は元の快活さを取り戻している。

「……まさか、こんなことになっているなんて」

残月と同じく目の前に広がる旅館跡。いや、そうとも呼べない延々と続く荒野に静かなる〜Chain-情〜は喉を唸らせる。
場所が間違っていないのは、地面に張り付く様に残っている建物の土台から分かる。
だが、どうしてこんな……地面から上が一切合財なくなる様な、そんな事が起きたかは想像もつかない。

「一体……何があったんでしょう?」

その犯人は2人に続いてしれっとそんなことを言う。
一つのエリア全てを巻き込んだ大規模テレポート。それは彼女、素晴らしきフラグビルドの仕業であった。
愛しのChain-情との愛の逃避行――それを成すために行なった彼女の策である。

困惑しながらも、彼ら3人はその荒地を歩きまわり仲間が戻ってきていないかと探し回る。
昼前に立てた予定通りならば、ここを出立したギャグ将軍達が戻ってきているはずなのだ。

「そういえば、建物ごと飛ばされてたってことは……シルベストリさん達はまだあそこらへんにいるのかな?」

Chain-情は、旅館をマスク・ザ・ドSに襲撃され、その後気絶から覚めた時の事を思い出す。
確かにあの時彼の目の前に積みあがっていた瓦礫は、彼らが滞在していた旅館の成れの果てであった。
ならば、一緒に行方の知れなくなったシルベストリやコロンビーヌもまた、そこにいたのではないかと推理できる。

「でも、そうだったら。あの人達も私達みたく、ここに戻ってくるかもしれませんよ?」

ただの廃墟以下の光景に、当てを得ることができないでいるChain-情をフラグビルドは諌める。
この現場で得られるものは何もないかも知れないが、かといって出て行ってしまえばすれ違う可能性も大だと。

「フラグビルドの言う通りさ。焦る気持ちは解るけどね、時には待つことも重要なんだよ情の坊や」

加えて言う残月はすでにコンクリート片の上にと腰を下ろしていた。
時には40秒以内での完遂を要求する忙しない彼女ではあったが、さすがは年の功というやつか頼りになる落ち着きがある。

そして、結局。
彼ら3人は陽に暖められたコンクリートの上で仲間の帰りを待つという結論に達した。
もしかしたらギャグ将軍達は一度ここに帰ってきて、それから自分達を探しにいったのかもしれない。
しかしそれを追っても事態は解決いたらない。いや、かえって混乱するだろう――と逸る気持ちを押さえつけたのである。

そしてそんな3人の前へ、期待とは別の3人組が現れた――。

2909Blitzkrieg――電撃戦 (前編):2008/03/11(火) 00:32:57 ID:YZ/JflGc0
 ◆ ◆ ◆


R-0109が去り、無人となったモニタールーム。
そのモニターに残された誰も見ていない映像の中――メイド同士の対決は、死闘より惨劇へと移り変わろうとしていた。

血で滑る床の上を逃げ惑う、うっかり侍の手にはもう武器であった出刃包丁はない。
焦ったドラえもんの振るう刀を受けようとして、そしてそれが斬鉄剣であると気付いた時にはもう遅く、
握っていた指をも諸共に叩き切られてしまったのだ。
もう右手も左手も使うこともできず、彼女は襲い来る狂気のメイドに対し、それを止めるよう懇願しながら逃げ惑うしかないでいた。

「――やめてくだされ、焦ったドラえもん殿! あなたは、決してそんなっ!」

抵抗する術を失ったうっかり侍を、狂ったメイドはゆらりゆらりと刀を振りながらじわりじわりと追い詰める。
ひと思いに、などという気は毛頭なく。新しく芽生えた力に絶対の自信と確実な勝利を確信し、余裕綽々といった感じで。

「うっかり侍さんも、私を殺そうとしたじゃないですかぁ――」

哂うメイドのつま先で蹴られた包丁の破片が、へたり込むうっかり侍の直前へと刺さる。

「こんなもの振り回しておいて、殺意はなかった……なんて言いませんよねぇ?」

だったらもうお相子じゃないですか――などと、顔を蒼くするうっかり侍の前でメイドはケタケタと哂い、
吸血鬼の力で刀を振るって薄い傷を増やし、彼女を甚振り悦に浸る。

止めることもままならず零れるに任せている赤い血。そして、それが広がる先にいる吸血姫。
朦朧とし始めた意識の中でうっかり侍は今日を振り返り、出会った人々全てに――そして、何よりも強く目の前の吸血姫に謝っていた。
何が悪かったのかは解らない。でも、きっと彼女をこんな風にしてしまったのは自分の……うっかりのせいなのだろうと。

どうすれば、目の前の仲間を救い戻すことができるのかは分からないし、その手立ても思いつかない。
――だが。一つだけやってみるべきことがあった。それが本当に意味ある行為なのかは分からない。しかし彼は言っていた。


『鬱展へ巻き込まれそうになったら力の限りに雄叫ぶといいぜ。正義の熱血野郎が飛び出してきてくれる』


手は両腕共にもがれた、それに大量の失血のせいで足は言うことを聞いてくれない。
だけど、口はまだ塞がっていない。たった一度、後一度ぐらいなら叫ぶことぐらいは…………。


「うわああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああああああああああああああ――っっっ!!」


突然の奇行に驚く血塗れのメイドの前で、肺の中の空気を使い切ったうっかり侍は真っ白な世界の中へと落ちてゆく。
半分までが閉じた視界の中。そこに彼女はぶっ飛ばされるメイドと正義の――………………。

2910Blitzkrieg――電撃戦 (前編):2008/03/11(火) 00:33:22 ID:YZ/JflGc0
 ◆ ◆ ◆


突然の雄叫び。
それに焦ったドラえもんは一瞬気圧され、そして訳も分からぬ苛立ちに刀を振り下ろそうとして――ぶっ飛ばされた。

幾枚もの土壁を破り、無数の障子紙を無駄にし、最後はぶっといけやきの大黒柱に叩きつけられてメイドは止まった。
その衝撃に強靭を誇る吸血鬼の身体もさすがに砕け、焦ったドラえもんは先刻のうっかり侍と同じ様な姿勢で地に這い蹲る。

一撃を受けた右肩は全壊。そして、次いでの衝撃により脊椎を損傷。下半身が麻痺していた。
破れたメイド服は自分の血を所々から滲ませ、骨折以下の負傷においては数え切れない。
一瞬の検分において、吸血姫は自身の被害状況を把握する。
人間なら5人分程だったが、化物には足りない程度の負傷だった。

濛々と立ち込める土煙。その先から足音が近づいてくる。それはつまりは、この一撃を見舞った者だ。
吸血姫は耳を澄ませ、そいつに対し備える。そして、そいつは堂々と彼女の前に姿を現した。

「いやぁ〜、これは失礼しました可愛らしいフロイライン。
 何せ危機一髪といったところでしたからね。正体も探らず、咄嗟にお見舞いしてしまいましたが……、
 まぁ、ご無事な様でなによりです」

土煙の向うから現れたのは、どこかで見たことのあるサングラスをかけた一人の男。
助けを呼ぶ声を聞き、最速で現場へと駆けつけた正義のヒーロー。燃え展開の男――フリクリ署長その人だった。

「見たところ、私とご同郷か漫画ロワ出身の書き手さんの様ですが……と、これはまた失礼。
 私の名前はフリクリ署長。アニメキャラ・バトルロワイアルから参上した男です。
 見下ろしたままですが、状況が状況だけにその点にはご容赦願いたい」

惨劇の場においてなお調子を崩さない男。
その彼を見上げ、吸血姫はサングラスの向こう側にある眼に射抜く様な視線をぶつける。

「おぉ、怖い。いや、重ねて謝罪しますよシニョリーナ。
 いくら速さを求めたからと言っても、不意打ちは騎士道精神においてあるまじき行為でした。
 それで、あなたはどれぐらいの時間でその傷を癒されるのでしょうか?
 ――ドラキュリーナ?」

相手は自分の性質を理解した上で舐めきった態度を取っている――そのことに怒りが沸き、吸血姫の喉がうなる。
だが、彼女は激情に身を任せすぐに飛び掛ったりはしない。あくまで冷静に身体が修復するまでの時間を待つ。
目の前の男はサングラスを除けば何の変哲もない男。ならば次は遅れを取るはずがないと彼女は考える。

「早い話。――抜きな。どっちが速いか勝負しようぜ。と、いうやつです。
 ああ、あらかじめ言っておきますが血の目潰しは通用しないですよ。だって、サングラスをかけていますから♪」

視線は固定したままで、しかし視界を広げ吸血姫はあたりを伺い失った武器を探す。
手にしていた斬鉄剣は飛んでいってしまったのか視界の中には無い。そして、背中に背負っていた鞄の感触も失せていた。
先程より随分と静かだと思ったら、バルキリースカートの姿も太腿にはない。
つまりは全くの無手。だが、逆にそれがどうしたと吸血姫は牙を剥く。武器は無いが武器はある――!

2911Blitzkrieg――電撃戦 (前編):2008/03/11(火) 00:33:44 ID:YZ/JflGc0
 ◆ ◆ ◆


――瞬間。半壊した部屋の中が白いモノで埋め尽くされた。

それは『紙』だった。
真っ白い無数の紙切れが旋風を受けたかのように舞い上がっている。

何者かが彼女に与えた巨乳の力。
その内にある、アニロワ2ndの巨乳エージェント――『紙使い』――読子・リードマン。
その力が吸血姫である彼女に紙を使わせている。

ぶっとばされた時に途中で破ってきた障子紙。
それを、吸血姫は巨乳の力を使って目の前の男に気付かれない様引き寄せていたのだ。

何時の間にかに引き寄せられていた散り散りの紙は彼女の意によって集合し、イメージされる武器の姿を取る。
出来上がったのは、真っ白な無言の、それでいて何者よりも凶暴なバルキリースカート。
男の臓物をぶちまけさせるべく、彼女はそれを振るう――だがしかし!

「遅いですねぇ……」

文字通りの白刃が通り過ぎた場所に、男はいなかった。
彼が過去に存在していた空間を紙の刃が穿った時、最速の彼はすでに吸血姫の傍らにへと移動を終えていたのだ。

「あなたには何よりもこう言わなくてはならない――」

犠牲者の消失を目視した吸血姫は気配だけを追い、そして捉え、身体を半分捻り鉄拳をそこに打ち込む。
並の人間であれば四肢が爆散するほどの威力。化物の拳――だが、それは男の元までは届かなかった。

「――速さが足りないと」

まぁ、力に関しては申し分ないですがね――と、サングラスの男は目の前の停止した拳を前にそう言う。
吸血姫の拳を止めたのは、彼女の腕よりも長い彼の脚だ。
怪物の鉄拳よりも彼の蹴りは更に速く。アルターに包まれた切先が的確に彼女の急所を捉えていた。

「それでは、よい夢を。――ディエーヴゥシカ」

真っ直ぐに伸びた足の先より吸血姫はズルリと崩れ落ちる。
化物と言えども、人の形をしているのならやはりその有様も人に倣う。
人の急所を打たれ、人と同じ様に意識を刈り取られ、人と同じ様に吸血姫は――倒れた。

2912Blitzkrieg――電撃戦 (前編):2008/03/11(火) 00:34:09 ID:YZ/JflGc0
 ◆ ◆ ◆


ぶっ飛ばされた吸血姫の酷く荒っぽいトンネル工事のせいで、3分の1程が使い物にならなくなった旅館。
だが、3分の1程度ならば他にもまだまだ部屋は余っていると、そこに集結した人間達は考える。
失われた部屋と同じ間取りの和室。少し広めの団体客用のそこに彼らは集まっていた。

「――とりあえずは、止血だけは終わらせてやったよ」

そう言って、布団の上に横になるうっかり侍から手を放したのは全裸の老女。頼りになる女首領。残月だ。
フリクリ署長により窮地を脱したうっかり侍であったが、それでもなお生命――血の流出に死への危機は去りきってはいなかった。
その窮地を救い、彼女を現世につなぎとめたのが残月である。
的確で素早い処置。それにより辛うじて失血死という結末は逃れえた……が。

「でも……このままって訳にはいきませんよね? 腕も……指も、切られたまま、ですし……」

うっかり侍を挟んで残月の反対側。深刻な声色で話すのは彼女と一緒にここまで来たChain-情である。
狂った吸血姫に膾と切られたうっかり侍の姿は、居た堪れなくなるほどに痛ましい……。
左腕の肘に巻かれた赤く滲んだ包帯。その先にはあるべき腕が無い。
そして同じ様に巻かれた右手。それがグーの形に見えるのも、何も手を握りこんでいるからではない。

「切り口は綺麗ですし……。病院に、病院に連れて行ったらなんとかなりませんか?」

次いでの発言者は残月の脇からうっかり侍を見る地味な少女、地味子であった。
彼女の後ろには備え付けの救急箱。そして真っ赤に染まった幾枚ものタオルと、ぬるくなった湯が張られた洗面器がある。
この場所でできた治療といったら、せいぜいこれらを使った応急手当程度のものであった。
ならば、もっと最適な場所。例えば病院などに彼女を移せば……と、彼女は提案する。

「腕を切り落とされたから病院へ――ロワでは珍しくもない。ですが、それは期待薄ですなぁ」

彼女らより少し離れた位置で立っているフリクリ署長が、希望を打ち砕く。
確かに切り口は綺麗すぎるぐらいに綺麗だ。なので、可能性としてはそれが治ることも期待できる。
その為に、わざわざ切り落とされた腕と指はビニール袋に詰め、さらに冷水の中に沈めて保管してある。
移動に不便だというのなら、旅館中を探し回ればクーラーボックスの一つも見つかるだろう。しかし、それでも……。

「多分、お医者さんはいないですよね……」

フラグビルドの発言――それが現実だった。
切断された腕の接着。現代医学はそれを不可能と断じはしない。だが、ここにはその医学を知る者がいない。
しかも、医者一人では足りない。チームを組み、術式を吟味し、経過を見て、準備万端で挑む必要があった。
それはとてもではないが――ここで、期待できるものではなかった。

2913Blitzkrieg――電撃戦 (前編):2008/03/11(火) 00:34:30 ID:YZ/JflGc0
「ま、魔法とか……あるんじゃないですか? そういう、なんか……そういったものが」

突拍子もない発言をしたのは、部屋の隅っこで今まで所在無さげにしていた地味な男。ピザの1号だ。
だが、確かに彼の発言にも一理はあった。何もここは常識だけが支配する世界でないことはすでに皆の知るところだ。
むしろ、非常識な世界だと断じても構わない。ここに集まった人間もまた全員そういう存在なのだから。

しかし、それでも一行の雰囲気に希望が生まれる気配がないのは、彼らが書き手であったからだ。
便利でお手軽。切断された四肢を取り戻す回復手段。そんなものがある訳無いと『書き手の常識』が否定する。
ある種の消耗品として扱われる『疲労』や『魔力』……それならば、いくらでも回復する方法はあるだろう。
実際にChain-情やフラグビルド、残月はケロンパスというアイテムでそれを治した。
だが、四肢の切断。失われた身体――その再生については、ほぼ絶望的だと言わざるを得ない。
「緊張感がなくなる」「喪失したというキャラの旨みが勿体無い」etc.etc.……許容される可能性は限りなく絶無に近い。

何より、そんな可能性があるならもう誰かがここを飛び出していただろう。
唯一の可能性はChain-情の持つゴールド・エクスペリエンスの力であるが、これも決定的な助けにはならなかった。
GEが出来るのはあくまで無機物から生命を生み出す事のみ。切り落とされた腕は創れても接続まではできない。
ジョルノ・ジョバーナは初めての時に奪われた目を填め直したが……あれは、荒木先生お得意のその場のノリである。
それ以降、あんなに都合よく身体を治せる事はなかった。

2914Blitzkrieg――電撃戦 (前編):2008/03/11(火) 00:35:02 ID:YZ/JflGc0
 ◆ ◆ ◆


「も、もういいです。悪いのは某なのですから……全部、うっかりして、いた……某の……」

布団の中から、力無い声でうっかり侍が声を出す。
周囲の人間がそうである様に、中心にいる彼女もまた居た堪れなかった。
うっかり――そう言えば可愛いものだが、生死の狭間においてはそれは悪い冗談にしかならない。
為すべき事が、真っ当に行われない。……そんな性分を持ち合わせた自分自身を彼女は悔いていた。

「いーえ、違いますねぇ。私が考察するに、焦ったドラえもんさんが狂ったのはコレのせいだと思いますよ」

再び発言したフリクリ署長の手には白鞘に納まった斬鉄剣が握られている。

「あなたは、さっき言いましたよね?
 眠ったはずの彼女が起きてきたら様子がおかしく、そしてこの刀を握っていたと。
 ならば、話は簡単です。
 この場合は『寝ていた』――それが謎を解く鍵になります。そして錠前は彼女自身!
 焦ったドラえもんさんは『誰』に見えますか? そうセラスだ。ヘルシングに登場するセラス!
 寝る。つまりは夢を見る。そして、セラス。――鍵は錠に嵌りましたね?
 ――そう! ヘルシング原作においてセラスは寝たら夢を見ます。しかも、不条理で悪質な!
 では、差し込んだ鍵を回しましょうか。回すに必要な力。それは『斬鉄剣』です。
 有名ですよね? 知っていますよねぇ? 斬鉄剣――石川五ェ門のシンボル。何でも切れる刀。
 ここまで来ればあとちょっとですよ。皆さんもそろそろお気づきかと思います。
 そうです。この場合、『犯人』とは、この刀。
 正確には、彼女が夢の中で出会ったこの刀の精霊――斬鉄剣の精です!」

フリクリ署長の早口の推理劇に、パチパチと地味子が手を鳴らす。
ヘルシングを読んだ事があるものならこれ以上の補足は必要ないだろうが、一応言っておくと、
焦ったドラえもんのモデルであるセラス。彼女は寝るたびに、近くにある武器の精と夢の中で会うというお約束がある。
それは、不条理ながらも基本的にはいい方向に作用するが、今回は逆にそれが悪く作用したのだろう。
加えて言うなら、斬鉄剣の持ち主である五ェ門はアニロワにおいて巨乳――ロベルタに殺害されていた。
――これが、現状からフリクリ署長が導き出した回答であった。

「……しかし、それでも結局は……刀を放置した某の、うっかりが……悪い」

仲間が狂気に陥った原因は判明した。だが、やはりその最初の切欠を作ったのはうっかり侍である事には変わらない。

「ええ、そうです。そこは否定しません。
 ですが、そのうっかりの代償はもう十分以上に支払われたじゃあないですか。
 ですからあなたも、もうそれ以上自分自身を責めるのはおよしなさい」

出来れば笑って下さい。過ぎ去った過去よりも未来を見てください――そんなフリクリ署長の言葉に、うっかり侍の目から涙が零れる。
溢れる感情に睫は振るえ口はわななき、言葉を返すことができない。
でも、クッと少しだけ力を込めて笑顔を作り、彼女はそれを彼への返答とした。
その笑顔に、部屋の中に張り詰めていた緊張も弛緩してゆく。

「では、移動について検討しましょうか。
 先ほどは病院などといいましたが、手術ならともかく輸血程度なら私達でもできるはずです。 
 それに止血帯や消毒液。痛み止めなども欲しいですしね。荒治療ながらも、傷口の縫合もしませんと――!」

途端、明るい口調を取り戻しフリクリ署長が捲くし立て始める。が、その提案は最後の発言者によって却下された。

「……病院に行く必要はないよ」

うっかり侍達がいる方とは対角の部屋の隅。そこに寝かされていた焦ったドラえもんの声だった。

2915Blitzkrieg――電撃戦 (前編):2008/03/11(火) 00:35:26 ID:YZ/JflGc0
 ◆ ◆ ◆


――病院に行く必要は無い。穿ったものの見方をすれば、不穏にも聞こえるこの発言。
弛緩したはずの緊張が俄かに取り戻され、発言者以外の全員が身構える。だが、次の質問は誰も想像していなかった。

「あの……、聞きにくいんだけど。うっかり侍さんって……その、処女……ですか?」

緊張の種類が別種のものへと一瞬で摩り替わる。
また、発言の意図は何かという混乱も、先ほどの発言より増していた。

「いや、だからさ……。その怪我。吸血鬼になれば全部治るよってことなんだけどね?」

成る程。という表情が身構えていた内の何人かの顔に浮かぶ。
確かに、夜族、吸血鬼、化物、となれば腕の1本や2本なんのそのだ。それは提案者である彼女が見本である。
そして、処女もしくは童貞でないと吸血鬼にはなれないというルールもある。非童貞。非処女はただの屍鬼なるのみ。
ならば問題はそう――……。

「そ、某は……その、某は…………そういう、経験は……ないで、ござる」

聞かれたうっかり侍は、顔を真っ赤に染めながらも実直に答えた。
使うはずのないござる口調になっているのが、恥じらいと緊張を表している。
そんな可愛い彼女を見て、だったらよかったと焦ったドラえもんは顔を綻ばせた。

「じゃあ、吸血鬼にならないかな? うっかり侍さん。
 そんな怪我じゃこの先不便だろうし……その、私がやったんだから、少しでも償いがしたい……し。
 吸血鬼になるのは、また不便があるんだけど……でも、今よりはいいと思うし。
 ずっと、私が傍にいるよ? 退屈はさせないから、さ……」

その後の沈黙は長く続いた。
今のまま人間として不便な一生を終えるのか? それとも夜族となって頑強な身体を手に入れ永い夜を往くのか?
どちらが幸せなのかなどとは解りようがない。そして、それは本人同士にしか選べない選択肢だ。

結局――、


「……い、痛くしないで……ほしいで、……ござる」


――そういう答えが下された。

2916Blitzkrieg――電撃戦 (中編):2008/03/11(火) 00:35:57 ID:YZ/JflGc0
 ◆ ◆ ◆


セラス・ヴィクトリアは夢を見る。だから、焦ったドラえもんも夢を見る。今さっき見ていたのはこんな夢だった。



「焦ったドラえもんや、焦ったドラえもんや……起きなさい……」

夢の中で目を覚ます。そんな矛盾を実行した焦ったドラえもんの前に一つの小さな影があった。
どこかで見た事があると彼女は考える。
マスター……だったっけ? いや、こんなに小さかったっけ?

「悪いけど、そっちの割り当てをちょっち増やすわ。
 こっちの方は……まぁ、面白くってね。状況を動かすにはもう2,3手必要っぽいから」

聞き覚えのある声で語られる。だが、聞き覚えの無い約束に彼女は首を捻る。

「彼女の方は、まぁ……そこそこ順調っぽいんだけどね。
 こっちはまだ1つなんだぁ、ノルマ。だからさ、君は5でお願いするよ。――『5』ネ♪」

何が『5』なのか? 全く解らない。ノルマとは何を指す言葉なのかも……。

「んじゃ、用意は上の彼がしてるはずだから。後はそっちでよろしく。戦果はこっちで確認しとくからね♪」

納得したのか。一人勝手に喋っていた影は長い髪を翻し去ってゆく。
焦ったドラえもんにこの夢の意味は全く解らなかった。でも、しかし、解らなかったが――……。



セラス・ヴィクトリアは夢を見る。だから、焦ったドラえもんも夢を見る。今さっき見ていたのはこんな夢だった。

2917Blitzkrieg――電撃戦 (中編):2008/03/11(火) 00:36:17 ID:YZ/JflGc0
 ◆ ◆ ◆


決心をしたうっかり侍は痛む身体をよろめかせながらも布団の中より立ち上がった。
一度、指の無い手で床を押さえようとして悶絶するといううっかりな一場面もあったが、それは微笑で済んだ。

まるで結婚初夜。寝室に向かう花嫁の様な面持ちで、うっかり侍は焦ったドラえもんの待つ布団へと進む。
その表情は初々しく真っ赤で、ぎくしゃくとした手足の運動は彼女がどれだけ緊張しているのかを物語っている。

周囲の面々は終始無言。
吸血行為とは性行為とよく似ている。だが、似ているだけで必ずしも同一ではない。
それが言い訳だろうか? そこから立ち去る者。目を塞ぐものは一人もいなかった。
誰かは緊張の面持ちで、また誰かは興味深く、そしてまた誰かは顔を赤らめてそれを観察している。

後一歩。焦ったドラえもんまでその距離に達したところで、また彼女も立ち上がった。
相対する2人。どちらの顔も穏やかで、紅く、恥かしげで――……。

「(あの腕。あの手。不便だろう。本当は泣きたくなるぐらい、叫びたくなるぐらい痛いはずなのに……、
 なのに笑って。こんなことをしたのは私なに笑って……)」

一本の棒の様に真っ直ぐと立っているうっかり侍。彼女を見て、焦ったドラえもんは思う。愛しいと――。

「(ごめんね。本当にうっかりなのは私の方なのに……本当に御免なさい。
 だから、せめての罪滅ぼし。
 あなたをその苦痛から解放してあげる。私にしかできない方法で――……)」

焦ったドラえもんはゆっくりと手を持ち上げると、うっかり侍の方へ伸ばした。
真っ直ぐに彼女を見つめるうっかり侍の目が一瞬揺れる。心臓が一際高く鳴ったのか、ぴくりと身体が震える。
そんな、可愛い女の子へと、初心な女の子へと彼女はゆっくりゆっくりと手を伸ばし、その手を――……、


――彼女の胸に――突き刺した。

2918Blitzkrieg――電撃戦 (中編):2008/03/11(火) 00:36:36 ID:YZ/JflGc0
 ◆ ◆ ◆


うっかり侍は幸せだったかも知れない。何故ならその意味を理解する前に絶命できたのだから。
吸血姫の手刀。
それが、胸の真ん中に突き刺さった時点で彼女の意識は――初心な少女のままで途絶え、その後を知ることなく逝ったのだから。

「――――――――――――――――!」

誰かが絶叫した。いや、誰もが絶叫したのかも知れない。
しかしそんな事とはお構いなく、吸血姫は少女の身体に打ち込んだ手刀を真下へと振りぬいた。
すでに少女は絶命していた。なので、もう無駄な行為だったはずだ。しかし、それでも彼女はそうした。

血塗れだったメイド服が身体の中心に沿って真っ二つに裂ける。
そこに現れたのは一糸纏まとわぬ少女の裸体――だが、それはグロテスクなものだった。

胸骨を叩き割られ中央から開き戸の様に外へと開いた24本の肋骨。
その中に見えるのは呼吸をするための、だがもう不要な肺。そして、破られ形を残していない心臓。
真っ赤な血がバタバタと地面で音を立てる。一度に、大量に、零された血が畳の上にぶつかって音を立てる。
その少し後、裂けた腹からズタリズタリと大腸と小腸が零れた。巻いていた縄が解ける様に腹から血溜りへと落ちる。
残った別の臓器がドッタリと落ちると、そこでようやく少女は思い出したかの様に崩れ落ちた。

臭い臭い血の匂い。臭い臭い内臓の匂い。鼻をつまみたくなる様な異臭が部屋の中に立ち込める。

死の匂い。人が物になった匂い。
残りの全員が硬直している中、動くことができたのはやはり最速の彼であった――。

――再びの爆音。

手刀を振りぬいた直後の吸血姫を、地上最速の足がぶっ飛ばす。
会心の一撃。間違いなく手応えのある一撃。……だが、フリクリ署長の顔は苦渋に満ちていた。

吹き飛んだ吸血姫は壁を突き破り、今度は建物の外へと飛んで行く。
それを彼は迷わず、間髪入れずに追った。
もう理由は問わない。アレは、アイツはこの世から最も速くいなくなるべき存在だと――。


 ノルマ――『1』――クリア

2919Blitzkrieg――電撃戦 (中編):2008/03/11(火) 00:37:01 ID:YZ/JflGc0
 ◆ ◆ ◆


フリクリ署長が飛び出した先。石畳の上に彼女は直立していた。
前回の様に無様に這いつくばってはおらず、前回の様にその瞳に怒りはない。
今度は余裕綽々。余裕はたっぷりといった風に、そこに立っていた。
その不気味さに、フリクリ署長の足も一旦止まる。

「説明しなくちゃならないよねぇ……? 何でこんな事を、何でうっかり侍を殺したのかって事を……」

前回とは逆に彼女を射抜く様な目で見るフリクリ署長と、彼の後ろで壁に開いた穴から覗くその他に向かって吸血姫は語りかける。
息を飲む音が耳に届くが、返答はない。しかし、それでもお構いなしに彼女は語りを続けた。

「まず、始めに断っておくと私は『対主催』です」

聞いていた者がそれぞれにピクリと反応する。何故、彼女はこんな事を言うのかと。
妄言なのか? それとも、本当はうっかり侍こそがステルスマーダーだったのか? ……と。だが、誰の想像も当たってはいなかった。

「勿論、あなた達。そして、うっかり侍さんも『対主催』だ――しかし、そのスタンスがちょっと違う」

今風に言えば危険な対主催でしょうか? と、吸血姫はクスリと息を漏らす。
ならばやはり敵対するものなのかと、対峙する者達は動き出そうとするが――……。



その時。

視界が真っ白に染まった。

続けての轟音。しかし、大きすぎて耳はすぐに機能を果たさなくなる。

衝撃。何が起きたのか全く解らない。解ったのは事が終了してからのことだった。



パチリ。パチリ。と、弾ける音の中心。真っ白な衝撃の爆心地に彼女は変わらず立っていた。
変わっていたのはその姿。容姿に変化はなかったが――輝いていた。青白く、『電気』を纏ってバチバチと蛍光灯の様に。

2920Blitzkrieg――電撃戦 (中編):2008/03/11(火) 00:37:22 ID:YZ/JflGc0
 ◆ ◆ ◆


それが……、焦ったドラえもんだったそれが口を聞く。
半分ノイズののった様な声で、遠くから聞こえる様な、それでいてどこまでにも届きそうな声で。

「最初に言っておくと今の私……いや、俺は焦ったドラえもんではない。――『感電』だ」

同一書き手間を介した覚醒。または乗っ取り現象。それは知っているだろう? と、感電はChain-情を見る。
Chain-情。そして、隣りに立つフラグビルドと残月はその現象を確かに知っていた。
King of 脳内補完と同一書き手であったB・D・Nとの融合。記憶と能力の受け継ぎ――覚醒を。

そして、彼らとは違う位置に立つフリクリ署長も考えていた。
同一の書き手が別々の姿を取って存在するということが、目の前で証明された。それは何を意味するのか?
この舞台。そしてそこに降り立った書き手達。彼らが織り成す物語。どこまでが作り物で、どこからが本当なのか。

「感電っていったら、あのラジオの感電かい? だとしたらあんた主催者側じゃあないかい。放送は聞いたよっ!」

壁の穴から乗り出した残月が大声で感電に問う。そう、感電=R-0109ならば彼は主催者側のはずだった。

「確かに俺は主催者側にいるよ。けど、だからって『対主催』をやっちゃあいけないってルールはないだろう?」

獅子身中の虫なのさ――と、感電は嘯く。
だが、そんな言葉だけでは誰も納得できなかった様だ。そして、同時に互いの立ち位置も測りかねている。
情報を交換し合うべきなのか、手を組むべきなのか、やはり殺しあうべきなのか。

「とりあえずは、一つずつ説明していこう。
 この俺の、いや俺達の目的。そして、貴様らがここで死ななくてはならない理由を――」

いつものラジオの様に、感電は一人滔々と語り始める――……。

2921Blitzkrieg――電撃戦 (中編):2008/03/11(火) 00:37:43 ID:YZ/JflGc0
 ◆ ◆ ◆


第一に、まずはこの俺の姿。俺の覚醒について説明しよう……。
ただの参加者であるお前達には解らないことも多いだろうが、なぁに……生き延びればいつか解る時も来る。

先程起きた衝撃。あれは天空の城――つまりは主催者の根城からのラピュタの雷だ。
R-0109の分身である焦ったドラえもんが『感電』へと覚醒するのにはよい手段だと思わないか?
何、超展開? そう言うのならば聞くがいい――。

――『第170話 【書き手ロワ2nd】地図氏を暗殺しにいってみた』

この話の中で、すでに居城は天空の城と形容されている。元々、天上にあったものだし何も問題はない。
そして、アニロワ2ndにおいて天空の城-ラピュタは作品として登場している訳だし、
この城がそのラピュタそのままだとしても……アニロワ2nd出展ということで、やはり問題はないのだ。

――『第195話 第二回放送』

で、この話の冒頭で我が分身であるR-0109が何かを弄っていただろう――巨大な機械を。
そう、それこそがラピュタの雷。その発射のための装置だったのさ。

意味が解らない……そうだろうとも、意味はこれから生まれるんだから。
俺はお前達を殺す。
だが、何人かは生き残る……課せられたノルマが『5』だから残りは『4』。6人いるから、2人は生き残る計算だ。
その2人はこの情報を抱えて走るがいい。その2人こそがこの場での対主催にふさわしいってことだからな。

ますますもって意味が解らない? 本当に解らないのか? お前は書き手じゃあ、ないのか?
――決まっているだろう!
お前達みたいな羊達に意味も無く群れていられちゃあ、進むロワも進まねぇんだよ――っ! だから、間引く!

何様だと? 何様だと言うか貴様らは? ならば言ってやろう。我々は『真の対主催』であると。
そう――! 俺達の目的はこの書き手ロワイアル2ndを――『終わらせること』だ!
それがこそが、真の対主催……ふふ、この意味は生き残った後で考えるがいい。

うん、気になるか? 『我々』が誰を指すのか? そうだろう、そうだろう……焦らしていたからな。
ならば明かそう。主催者も聞いているが、なに問題はない。むしろ、そろそろ聞かせておくべき所だったのだ。
我々は最初からそのつもりで『此処』にいた――……。

――『第146話 仕事』

この話の中で、語られた3人の仲間とは? 私達はもうこの時にはその目的を明らかにしていたぞ?
お前達には解らないだろう。しかし、『これを読んでいるやつ』には解るんじゃないかなぁ……?
――はっきり言おう!
俺こと、『R-0109』。爆弾とドSを擁する『地図氏』。そして、アニロワ2ndのしたらば管理人である『孔明』の3人だ。

もう一度、はっきりと言ってやるぞ。俺達3人はこの書き手ロワ2ndを終わらせるためにこの中へと飛び込んできた。
何故終わらせる事を目的とするのか……、それは今後のお楽しみだ。
まぁ、感電としては固執していないのだがね。これに付き合うのは楽しそうだと俺は判断したのさ。

2922Blitzkrieg――電撃戦 (中編):2008/03/11(火) 00:38:07 ID:YZ/JflGc0
さぁて、ここから先はお前達にはあんまり関係のないことだが、語らせてくれ。
この後の為、このロワを終焉に導くには必要なことなのでな。『其処』にいるやつはよぉく聞いていてくれよ?

――『第162話 絶対可憐少女達』

この話の中で、地図氏の分身――マスク・ザ・ドSが殺害したのは誰だ? おぼえているかな?
第96話で、次の台詞を言ったやつだぞ。この台詞を覚えているやつはいるか?

>だけどさ、その、多少は私のせいでもあるし、何て言うのかな、責任取らなきゃ、って言うのかな?

彼女には、ドS自身が出向いて責任を取ってもらった……。

――『第63話 紙の子どもたちはみな踊る阿呆に見る阿呆。同じ阿呆なら……?』

この話の中で、ドSは何をした? そう、無垢な少女を無差別マーダーに仕立て上げたな。しかも不死身の。
どうして、そうしたのか? それは、もう語る必要はないはずだ。
ところで重要な事なのだが、ドSは最初、誰と出会った? 誰を苛め続けていた? 誰を抑えていた? 覚えておけよフラグだから。
そしてこの後、ドSは誰を『見逃し』、誰を『見殺し』にしたのか……それも、確認しておいてくれ。

――『第77話 Zero noise (+l)』

この話。惨劇となった第一歩を刻んだのは誰だろう? 参加した全員をその気にさせてしまった犯人は誰だろう?
全員を散り散りにし、その内の複数の命を奪う結果を作り上げたのは誰だろう?
ホテル編を始めたのは誰だろう? アイツが入って来たから。みんなその気になっちゃったんだよなぁ……。

まぁ、アイツはその後、遊びに走ってしまった――故に、俺がこんな役割を背負わされているんだが、まぁいい。
最低限の『仕事』はこなしているしな。

――『第213話 人蟹姫/闘争制覇者』

最近の話さ。記憶に新しいだろう?
さぁて、この話の中で疑心暗鬼の種を蒔き、殺しあうはずのない仲間同士を殺し合わせているのは誰だ?
始まってより、対主催と嘯き。出会うもの皆に戦闘と死を与えているあのチビの名前は誰だ?

このまま数え上げたらきりがないからもう御仕舞いにしておくが、興味があったら彼らの軌跡をもう一度辿ってくれ。
そして、できれば『地図氏』が書いた話に気をつけろ。
あの――、

>サービス(気配り)? それともスマイル(笑顔)かな? それともそれともサーべランス(監視者)?
>スクリプター(記録係)? サルベージ(回収)? 

――などと言う男は、常に『主催』を狙い、話の中に彼を仕留めるための毒を盛っている。


ちなみに余談だがな。この『私』のキャラがちょい薄めだったのはな、覚醒――つまりは乗っ取りしやすくするためさ。
あんまりおいしいキャラだと……その、なんだ……勿体ないだろう?

2923Blitzkrieg――電撃戦 (後編):2008/03/11(火) 00:38:39 ID:YZ/JflGc0
 ◆ ◆ ◆


「――では、各自が理解したところで間引きの時間だ!」

勢い良く打ち合わせられた手がフラッシュし、拍手の音の変わりに電気の火花を飛び散らせる。

「もう一度言うぞ! 間引くのは後4人。4人殺したら残りの2人は見逃してやる」

それをお前達の中で選んでもよいし、各自が精一杯に抵抗した結果に委ねるのもよいと感電は続ける。
そして、生き残りたければ――『書き手』ならば、生き残る方法。生き残るフラグ。生き残るキャラクターを生み出せとも言った。

感電の化身と成った、元焦ったドラえもんは光る拳を固めると、ギラリと表情を変え――、


――虐殺を開始した。

2924Blitzkrieg――電撃戦 (後編):2008/03/11(火) 00:39:00 ID:YZ/JflGc0
 ◆ ◆ ◆


「ピザの1号さん、逃げましょう! あの人はきっと私達みたいなのを狙っ……て――――?」

自他共に認める地味of地味の地味子。
感電の『間引く』という言葉を聞いた時、紛れも無くその対象は自分達ジミーズのことだと思った。
特に何をするでもなく、あまり書いてももらえず、置いてけぼりにされ、そのせいで進行は遅れてしまう。
そんな空気という名の足手まとい。それこそが彼の言う纏まっていちゃ困る参加者なのだろうと……。

そして、彼女は仲間を振り返った――が、その地味仲間であるピザの1号はもう死んでいた。
首から上が無いのである。そんなはずがと思っても間違えようはなかった。彼女の仲間はもう死んでいた。
末期の言葉も残さず、まるで――いや、ズガンそのものに、殺されていた。

死んでいるピザの1号の隣りに立つのは、眩い光を放っている感電だ。
どうやって一瞬でこの場所まで、しかも一切の気配を感じさせず移動したのだろうか?
生まれた疑問。しかし、彼女は疑問が生まれた瞬間にはその解答を得る事を諦めていた。
感電が彼女の方を見ていたから――、

――三度。爆音。

半瞬遅れて駆けつけたフリクリ署長が、またしても感電をぶっ飛ばす。
三度目の飛び蹴りを受けた感電は、その勢いのままに壁に――激突せず、その直前で忽然と姿を消した。
改めて困惑する地味子とフリクリ署長。だが、解答は意外と早く得られた。

「レッド・ホット・チリペッパーだ――ッ!」

叫んだのは少し離れた位置で一部始終を見ていたChain-情だった。
そして、その発言と同時に感電が部屋の隅に、正確にはコンセントのすぐ傍に現れた。

「正解だChain-情。もしかして貴様、ジョジョオタか? いや、ジョジョネタは書き手の嗜みなのか?」

ニヤニヤと浮かべた笑みは余裕の表れだと、全員が確信してる。
そして、5人殺すという発言が根拠のない妄言でもないことが今の一瞬で理解できた。
余裕の感電は指先を憐れな羊達に向けて突き出す。そこには一つの画鋲がくっついていた。

「これが、まぁ……所謂スタンド本体と言ったところだな。貴様らも俺が感電と呼ばれる由来ぐらいは知っているだろう?」

画鋲に電気を流せばスパークして目くらましになるかも? その素敵な好奇心が在りし日の彼に行動を促した。
結果、彼は身をもってその威力を知る事となる。それが、彼が感電と呼ばれる所以であり、画鋲がトレードアイテムである理由だ。
ちなみに、その画鋲フラッシュネタはちゃんとアニロワで活用されている。

「ライダーとか、スタンドとか、核金とか……能力を加えるには便利だよな。バリエーションも豊富だし、お手軽だ。
 でもってまぁ、俺に与えられた能力はそこの小僧の言ったとおりさ。
 ジョジョの奇妙な冒険・第4部の、初期のボスキャラ音石明の持つスタンド――レッド・ホット・チリペッパー。
 知ってりゃあ、解るよな? 互いの戦力差ってのが――」

じゃあ、続きだ――そう言って、彼は虐殺を再開した。


 ノルマ――『2』――クリア

2925Blitzkrieg――電撃戦 (後編):2008/03/11(火) 00:39:20 ID:YZ/JflGc0
 ◆ ◆ ◆


彼女がどう意味でそう発言したのか、聞いた2人には痛いぐらいに理解することができた。

『ここは私に任せてあんたら2人は逃げな』
『先に逝くのは年寄りが相場って決まっているんだ』
『私は、いい見せ場を貰ったんだ。これからはあんたらの番さね』
『できれば、あんた達の子供が見れるまで付き合ってあげたかったんだけど』

早口で、それこそ40秒でそれを言い切ると彼女――残月は、Chain-情とフラグビルドを壁の穴から突き落とした。
2人はすぐに自分達が落ちてきた穴を見上げる。だが、彼女はこちらを向いてはいなかった。
その無言の背中こそが答えなのだと――そう悟ると、彼らは唇を噛み締めその場を後にする――……。



「悪いねぇ、こっちから2人とも逃しちまって」
「何、私は元々誰も死なせるつもりなんかありませんでしたよ。あいつを倒せば、それで万事解決です」
「言うね若いの」

Chain-情とフラグビルドが去ってしまったことで、旅館内に残るのは残りのノルマと同じ丁度3人となってしまった。
感電の宣言通りに事が運べば、ここでこの3人が息絶えるという事になる。だが……。

「けど私はただじゃあ死なないんだ。――最後にとっておきの篝火を見せてあげるさ」

命が燃え尽きる瞬間の最も激しい炎。
それで、感電に少しでも傷を負わせられればと、残月は鞄からカードデッキを取り出そうと――消えた。

背を預けていたフリクリ署長が振り返る間も無く。
傍でそれを見ていた地味子が悲鳴を上げる間も無く。
彼女は掴まり、引き摺られ、コンセントの中へと……この世から姿を消した。


 ノルマ――『3』――クリア

2926Blitzkrieg――電撃戦 (後編):2008/03/11(火) 00:39:43 ID:YZ/JflGc0
 ◆ ◆ ◆


Chain-情と、フラグビルドの2人は懸命に走る。
何も無くなってしまった虚ろな土地を抜け、そしてエリアを跨ぎ次の場所に入ってもなお走る。
救われたというのなら、その命。自身の命の死守こそが役目だと、ただひたすらに逃げるために走る。
命を奪われない様、誰にも追いつかれない様にと、2人は手を繋いで懸命に走り続ける。

――と、2人の目の前に見覚えのある影が現れた。

Chain-情の、そして隣りのフラグビルドの目も同じ様に大きく見開かれる。
目の前に現れた彼女。ここにいるはずの無い彼女。いや、すでに彼女ではないもう彼女ではないモノに。

「ざんげ――――――!」

目の前に放り込まれた、かつては残月だった黒焦げの肉塊。まるでいつかの報いの様に焼かれた彼女。
それに気を取られた次の瞬間に襲撃者は現れ、第一撃を終わらせていった――だが。

「(――かすっただけか?)」

通り抜け、振り向き様に感電は舌打ちをする。
2人を諸共に屠るはずだった一撃。その成果はたった1本――フラグビルドの右足を刈る程度でしかなかったのだから。


女は強い――いつかChain-情はこう思う。残月さんも、フラグビルドも、覚悟を決めた女は男よりも何倍も強いと。


フラグビルドは、目の前に影が飛び込んできたその瞬間に全てを悟り、一切の迷いなく行動に移った。
感電がどこから攻撃を仕掛けてくるのかは解らない。だから、当てずっぽうに身体を倒した。
結果、彼女はその細くて白い脚を一本失ったのだが、それを彼女は幸運だと神に感謝する。
次の攻撃がいつくるか分からない。もしかしたら、次の瞬間かも知れない。でも、極僅かにでも間があるというのなら……。

この人だけは先に送ることができる。

一瞬。1秒の100分の1の時間でもいい。どれだけ短くても、残った命を全部使えば彼を送ることができると。
Chain-情も何かを悟っていたのかも知れない。
握り合う手の力が痛いぐらいに強まる。それが、嬉しすぎて。本当に嬉しすぎてどうしようもなくて涙が零れた。

彼女の髪と同じ――翡翠色の螺旋が、彼女の愛しいChain-情を包みどこかへ先へと送った。

残月の遺体が放り込まれてから1秒もたたない間に事は終わり、片足のフラグビルドは地面に落ちる。
その傍らには戻ってきた感電。
止めを刺そうとはせず、ただ地に伏せても満足そうな彼女を見下ろしている。

「テレポーターとしての宿命か……? 惨めな死に様だなお前は」

片足だったフラグビルドの身体には、もうすでに残っていた足の方も失われている。
位相の違う空間を通り、遠い場所同士を繋ぐテレポートという能力。
それは莫大な代価を使用者に要求する。疲労でも、命でもなく――それは存在そのもの。
ただの人の身であるものが異空間の中を一瞬でも飛べば、必ず存在のいくらかをそこに置き忘れてしまうものなのだ。
それは絶対に戻ってはこない。能力を使えば使うほど、テレポーターの存在は希薄となっていく。
最終的にはこの世界からいなくなってしまう――それがテレポーターとしての宿命。

2927Blitzkrieg――電撃戦 (後編):2008/03/11(火) 00:40:06 ID:YZ/JflGc0
「なのに! 何故、貴様はそうも嬉しそうにしているんだ! 俺を出し抜けたのがそんなに嬉しいのかっ!?」

足元より迫る存在の消滅はすでに腹にまで達している。
その状態がどれほどの苦痛を彼女に齎すのかは分からない。だが、彼女は笑っていた。とても幸せそうに。
それは、その理由は――。

「フラグが……、私の……恋愛、フラグが成就しまし、た……」

見下ろす感電の顔に困惑の表情が浮かぶ。フラグビルドの言っている事の意味が理解できなかった。
そして、その疑問を素直に彼女へとぶつけた。一体どこでそれが成されたのか、と。

「私が……あの人を、好きで……あの人が、私を好きでいてくれる。……それが、ちゃんと……わかったから」

その言葉に再び感電の心がかき乱される。
彼はそれを妄言だと決め付けた。それはただの自己満足。自己肯定でしかないと。妥協だと。ただの夢幻だと。
しかし――。

「……そうじゃ、ない。……どこかの果てに辿り着くことが、恋愛じゃ、ないって……わかったから」

だから、この想いを抱いて逝けるのなら自分は幸せだと。これが望んでいたハッピーエンドだと彼女は言う。
あの人が今も、そしてこれからも私を想っていてくれる。その確信があれば、それが唯一無二の成果だと……。

「それに、ね。……こっそりと、だけど…………思い出の、品も、貰っているんですよ……?」

握っていた左手が消失し、そこから一匹のアマガエルが飛び出してきた。緑色の小さな小さな蛙だ。
Chain-情がゴールド・エクスペリエンスの力で生み出し、2人の危機を救ってくれた緑の蛙。
テレポートの瞬間。これだけを彼女はこの場所に残した。

「何が! こんな、みみっちい蛙が何だ! こんなもので満足しているってのは、お前が小さいってことで――!」

何が気に障るのか、それは感電自身にもよく解っていなかった。
もしかすると、それは理解できない事への恐怖の裏返しだったのかも知れない。
足元の女は放っておいても時機に死ぬ。ならば、意趣返しの相手はこいつだと、感電は蛙を踏み潰した。

――バキリ。

感電の背中から骨を砕く様な音が……、いや実際に砕けていた。
そう、彼が踏み潰した蛙はゴールド・エクスペリエンスの創った蛙。故に、ダメージは本人に跳ね返る。

「…………全部、計算……どお、り……なん……です、よ。………………バーカ…………………………」

笑っていたフラグビルドの顔が笑い顔のまま消失する。
そして、最後にChain-情に強く握り締められていた真っ赤な右手だけが残り……それも続けて消滅した。


 ノルマ――『4』――クリア

2928Blitzkrieg――電撃戦 (後編):2008/03/11(火) 00:40:27 ID:YZ/JflGc0
 ◆ ◆ ◆


「糞ッたれがぁ………………ッ!」

そんな口汚い言葉を吐きながら感電が起き上がったのは、フラグビルドが逝ってより大体1分後だった。
化物の力で踏みつけた一撃は、そのまま彼の背中へと伝わり、結果。彼は彼の力で自分を踏みつけたことになった。
そのダメージからの復帰にかかったのが、つまりは1分ほどの時間だ。

起き上がっても、してやられたフラグビルドも蛙ももういない。
ぶつける場所のない怒り――それを自身の中に閉じ込めておける程、彼もまだ人ができていない。

「予定が狂った……。残るノルマは1。……だったら、あのふざけたサングラスか。地味女だ!」

感情をスパークという形で発露すると、怒りの矛先を無関係の2人に向け、感電は手近なコンセントへと飛び込んだ。

2929Blitzkrieg――電撃戦 (後編):2008/03/11(火) 00:40:48 ID:YZ/JflGc0
 ◆ ◆ ◆


「やぁ、やぁ、戻ってくると信じていましたよ、えぇ。
 彼らは逃げおおせると、あなたは彼らを取り逃がすと私は信じていました」

元の旅館に戻ってきた感電を出迎えたのは、そんな気に障るフリクリ署長の言葉だった。

「……後、1人だ」

その言葉にフリクリ署長の顔がニカリと喜色に歪む。
本当は後2人だと聞きたかった。あの2人が仲良く逃げおおせたと確認したかったが、しかしあえて笑う。

「いやぁ、都合がいい。後2人だと聞いたらどうしようかと思っていたんですよ!」

何が都合がいいんだ? と、感電は表情通りのドス黒い声で目の前の陽気な男に尋ねる。

「だって、そうじゃないですか。後1人なんでしょう? だったら――」


――あなたが死ねばいい。


そこだけは、陽気さの欠片もなく男は言い切った。
それと同時に、彼が纏っていた気配も一変する。目に見える様な怒気が彼を覆っていた。まるで感電のスパークと相対するかの様に。

「けっこう、いいダメージを貰ってきたようですね。少し暗くなっていますよ、感電さん?」

サングラスの奥に剣呑な瞳を隠す男の指摘通り、感電を包む電気の光は明るさを落としていた。
レッド・ホット・チリペッパーの力の源は電気。これがあればどこまでも強くなれるし、逆になくなれば最弱にもなりえる。
ラピュタの雷を受けた時。その時は確かに、誰も勝てない程の強さがあった。しかし、消耗した現在ならば――、


――命を燃やせば、勝利に手が届く。

2930Blitzkrieg――電撃戦 (後編):2008/03/11(火) 00:41:08 ID:YZ/JflGc0
「……お前、その姿になるって意味が解っててそうしてるんだろうなぁ?」

光量を落とした感電の目の前に立つ男の姿が一変する――ラディカルグッドスピード・完全形態へと。
普段は限定的にしか使用しないそれを、全身を包む形に進化させた最終形態。彼の最強の、そして最後の姿。
この姿をとるという事は、命を燃やし……そして、命を尽くすことを意味する。

「わかってますよぉ? 私はあなたを最速で倒し、そして静かな余生を送ると……そういう覚悟です」

再び陽気な口調で、しかし孕んだ怒気はそのままにフリクリ署長は宣言し、決闘――その号砲を打ち鳴らした。
右手の中に現れた対フリークス用拳銃・ジャッカル。それを戦いのゴングとして撃ち放った。

対する感電はその行為に疑問を抱く。
両者ともに戦闘速度は音速にも達する2人だ。拳銃程度の速度では牽制にもならないはずなのに、何故?
撃ち落すか、避けるか。コンマ02秒考えて、感電は後者を選択した。そして、その直後にそれを後悔することとなる。

「き、貴様――ッ!」

そう。元より狙いは感電ではなかった。フリクリ署長が狙ったのは、その後ろにあったコンセントだ。

「けっこう、戻ってくるまでに暇をしていましたので、……ここら一帯のコンセントは破壊させて貰いました」

今のが最後の一つです。と、男は仮面の中で笑みを浮かべる。
感電の使うレッド・ホット・チリペッパーは、その由来からコンセントに画鋲を挿さねば電線内に入れない仕様となっている。
つまり、フリクリ署長の策に嵌った今。彼はコンセントを介した瞬間移動は封じられたということだ。

「狭っ苦しい電線の中じゃあ、確かにあなたは最速かも知れない。
 プライドは傷つきますが、光速というのなら仕方が無い。電線の中の最速はあなたに譲りましょう。
 だが! 地上最速は私! それだけは譲れないし、譲る気などありはしない!」


宣言と共に、フリクリ署長の姿がブレ――最速の闘争が始まった。

2931Blitzkrieg――電撃戦 (後編):2008/03/11(火) 00:41:28 ID:YZ/JflGc0
 ◆ ◆ ◆


最速。故に闘争の時間もそうはかからない。


ただ見守る。いや、見る事すらできない地味子の耳に闘争の音だけが届いてくる。
戦闘機が空を切る時の様な甲高い音と、火薬が爆発したかの様な破裂音。そして、鐘を鳴らす様な空間に響く音。
それぞれが何を意味し、戦況がどう動いているかも想像できない地味子は、目を瞑りただただ祈る。

最初は狂った様に連続していた音。それが、何時の間にかにまばらになっている事に気付き地味子は目を開ける。
どちらも消耗しているのであろう。闘争は何時の間にかに、彼女の目にも捉えられる程になっていた。


目に見える様になった闘争。見れば、フリクリ署長の方が押している様に感じる。
だが、そのフリクリ署長はその身を激痛に苛まれていた。

無茶をしているものだと……、彼は自嘲する。
キャラに飲まれるなと言ったのは他ならぬ自分自身だ。なのに、今自分はこんなことをしている。
これしか方法が浮かばなかった。仲間を守り、敵を倒すには……しかし、やはりこれも誰かの脚本通りなのかもとも思う。
かと言って、もう引き返す道はない。命を燃やしただ往くだけだ。反逆は残った者が達すると信じて――。


すでに眩しくない程度にまで明かりを落とした感電。彼は焦っていた。
簡単な仕事のはずだった。元々、ラピュタの雷は一発分しか充填していなかったが、それで足りるはずだった。
直接戦闘能力が高いのは目の前の男だけ、ならば他を適当に散らしてゆけばよいと考えていた。

誤算はやはり、あの忌々しい少女だ。一人逃されただけでなく、甚大なダメージを被るはめになった。
そして計算は狂いに狂い、ラディカルグッドスピードの完全形態とガチバトルをする嵌めに陥っている。
瞬間移動を利用した、空気キャラの間引き――それが役割だったはずなのに。


時間にして5分少々。激突にして四桁に上ろうかというぐらいのタイミングでそれは起きた。

「――何ぃ!」

目を見張る感電の前で、フリクリ署長の右手が巨大化する。
それは、彼に残されていた最後の支給品――ピーキーガリバーの能力だ。

「やっと、捕まえましたよ!」

アルターに埋め込んだその核金の力。

2932Blitzkrieg――電撃戦 (後編):2008/03/11(火) 00:42:17 ID:YZ/JflGc0
それで、動きの鈍くなった感電を捉えると、フリクリ署長は空を見上げ――――飛んだ!


 ◆ ◆ ◆


高く。高く。高く。速く。速く。速く。遠く。遠く、遠く――フリクリ署長は感電を抱えて飛んでゆく。

真っ青に澄み切った空。真っ白に輝く太陽。自身を包む風を楽しみながらフリクリ署長は飛ぶ。
残力は全てこの一跳に使っている。余りは一切無し。計算どおりではあったが、全く余裕も油断もない戦いだった。

フリクリ署長と感電は、重力と物理法則に従い次第に速度を落とし、放物線を描いてそこへと向かう。


それを目前に、フリクリ署長は最後の言葉を感電へとかけた。

「レッド・ホット・チリペッパーの最後って覚えてますか、感電さん?」

声をかけられた感電に、それを答える余裕は全くない。


彼らの落ちる先。眼下に広がるのは、陽光を反射し煌く――――海。


真水に電気は流れない。割とトリビアな豆知識だ。しかし、不純物の混ざった水の中では電気は非常に流れやすい。
流れる――流れ出る。それが、原作においてもレッド・ホット・チリペッパーの敗因であった。
感電についても同じ。力の源である電気が全て流出してしまえば……後は溺れ死ぬだけである。
付け加えれば、感電の素体となっている焦ったドラえもんは吸血姫。どちらにしろ滅する運命には変わりない。

そして――自分も死んでしまうだろうと、フリクリ署長は覚悟している。
先に言った通り、余力は残らなかった。完全に力を使いきっての終着。だからせめて最後に願う。

「(地味子さん……あなただけは、最後まで反逆者でいてください)」

そして、このふざけた舞台からの真の脱出を――そう、遠くにいる地味子に願い、彼と感電は海へと落ちた。



立ち上がった水柱が消え去り、波が穏やかさを取り戻しても2人が上がってくることは無かった。



 ノルマ――『5』――クリア
 ノルマ――『6』――オーバー



【永遠のうっかり侍@ギャルゲロワ  死亡】
【ピザの1号(◆wKs3a28q6Q)@AAAロワ  死亡】
【底上中の残月@アニロワ2nd  死亡】
【素晴らしきフラグビルド@アニ2nd  死亡】
【フリクリ署長@アニロワ1st  死亡】
【焦ったドラえもん@漫画ロワ  死亡】

2933Blitzkrieg――電撃戦 (後編):2008/03/11(火) 00:42:37 ID:YZ/JflGc0
 ◆ ◆ ◆


何もない荒野を一人ぽつんと、泣きながら歩いている女の子がいた。
惨劇の生き証人、その一人である地味で、地味すぎて生を長らえた少女――地味子である。

うっかり侍とピザの1号が残した分に、自分の分を合わせて計3人分の荷物を背負い。
そして、それよりも遥かに重い運命を背負って少女は一人往く。

どうして自分なのかと、少女は思う。
どうして、特別な取り得はなく、地味で目立たず、忘れ去られがちで、無力な自分なのかと。
こんな重いフラグを抱えさせて、先に逝った仲間達は一体自分に何を期待するのかと……。

フリクリ署長が語って聞かせてくれた可能性。
感電となった者が聞かせてくれたこのロワに潜む謎。

それを自分にどうしろと言うのかと、彼女は泣く。抱え込んだ物の重さと、隣りに仲間がいない寂しさに泣く。

「――……わ、たしに……どうしろって。……うぅ、っく」

もっと適任な人物がいたんじゃないか。そう思えてならない。そう、自分が生き残るぐらいなら――。

「ひぐ……。フリ、クリさんがぁ……、生き残れ、ば。……よかった、……にぃ……」

そう。同じ一人なら、感電が言葉どおりに見逃してくれるのだったら、やっぱり残るべきは彼だったと少女は思う。

「私が! 私がもっと、早くに死んでいれば――フリ――――――…………」



一発の銃声。



【地味子@葉鍵3  死亡】

2934Blitzkrieg――電撃戦 (後編):2008/03/11(火) 00:43:00 ID:YZ/JflGc0
 ◆ ◆ ◆


「……よく知らんが、まぁ死にたかったんだからいいよな?」

地面にだらしなく手足を広げ、一緒に真っ赤な流れたての血も広げている少女。
その傍らから零れ落ちた鞄を拾い上げると、転という名の男はそこを悠々と立ち去った。



【夕方】【G-8/更地】

【転@スパロワ】
【状態】:人格反転中
【装備】:ヒュッケバインMk−Ⅲガンナー(人間サイズ・リモコン式)@スパロワ
【道具】:支給品一式×5(食事一食分消費)、首輪×3(内一つ破壊)、高性能探索機能つき扇風機
     AK-74(残り60発)、マジシャンズレッドのスタンドディスク、転ばし屋
     チェーンソー@サガ1、朝倉涼子のアーミーナイフ、ナイフ、えいゆうのたて@FF6
     パロロワ衣服詰め合わせ、夜天の書(BL本)、BL本、GL本
【思考】:このロワを完結させて一刻も早く生還し、スパロワを完結させる。優勝か脱出狙い。
 1:さて、次の獲物はどこかな?
 2:他の対主催を働かせる。無能なクズはさっさと排除

 ※容姿は秋津マサト(木原マサキ)@ゼオライマーです。
 ※転ばし屋はトリップ名でしか働きません。
 ※生死に関わらず、第三回放送で転の死亡は放送されます。
 ※首輪の解除方法を会得しました。道具がなくても外せます。
 ※えいゆうのたてにはアルテマ×10、つまり通算で10話以上所持しているとアルテマが習得できます。
   魔力っぽいステータスや、触媒があれば使用可能です。
 ※ヒュッケバインはビッグ承、結のディストラと融合することで、三神、四神モードにパワーアップします。
   それぞれ三機合体、四機合体の機体に変化。二機合体ではSSサイズ(人間大)ですが、サイズも大きくなっていきます。
 ※クマのプー太氏は主催者の本拠地に帰還しました。

2935Blitzkrieg――電撃戦 (後編):2008/03/11(火) 00:43:20 ID:YZ/JflGc0
 ◆ ◆ ◆


※静かなるChain-情がどこにテレポートアウトするかは、次の書き手さんにお任せします。


【夕方】【不明】

【静かなる 〜Chain-情〜@アニロワ1st】
【状態】:健康
【装備】:ゴールド・エクスペリエンスのDISC@漫画ロワ、仗助の学生服@漫画ロワ
【道具】:支給品一式×2、レインボーパンwith謎ジャム@ギャルゲロワ、CD『ザ・ビートルズ』、カエル×3
【思考】:
 基本:殺し合いに反逆ゥ!そしてなるべく多くの仲間と生還し、死んだ書き手の分まで頑張る。
 0:???
 1:フラグビルドは…………
 2:仲間達は?(ギャグ将軍、孤高の黒き書き手、シルベストリ、コロンビーヌ、パンタローネ、お姉さま、ルーキー)

 ※容姿はスクライド(アニメ)の橘あすか。
 ※元々着ていた服は、転移の際の崩壊により行方知らずとなりました。
 ※どたばたしていたため、無明幻妖side.の首輪と永遠神剣「誓い」は回収し損ねました。
 ※ビックバン・パンチ。命を犠牲にして放つ最強の一撃。不発でもそれなりの破壊力ですが、一時間以上は気絶します。
 ※フラグビルドを失いたくない、と思いました。
 ※感電より、怪しげな裏話を聞かされました。


※G-7に、底上中の残月の感電死体と、彼女と素晴らしきフラグビルドの荷物が転がっています。

【素晴らしきフラグビルドの荷物】
 支給品一式、コアドリル@アニロワ2nd、泉こなたのスクール水着@漫画ロワ
 お徳用原作パロロワ全生首セット(目玉セット他に換装可能) &原作パロロワ全手首詰め合わせ今なら腕も付いてくる!

【底上中の残月の荷物】
 支給品一式、放火セット(燃料、松明、マッチ)、カードデッキ(龍騎)


※フリクリ署長と感電(焦ったドラえもん)は、【I-5/海】に落ちました。死体も荷物も海の底です。

2936貴様らに名乗る名など無い!:2008/03/11(火) 00:45:04 ID:MK1bhaGk0
投下乙!燃えた。超燃えた。

2937Blitzkrieg――電撃戦:2008/03/11(火) 00:45:32 ID:YZ/JflGc0
投下終了!
……1日で50kb書いたのは初めてだ。新境地かもw
勿論、プロットは事前にギチギチに固めていたけどね。

2938貴様らに名乗る名など無い!:2008/03/11(火) 00:45:50 ID:aeMgB6cU0
この時間帯に乙です。
カップルは幸せにならない法則。
某所のチャットに相反して実に素晴らしい。
しかし、この転実にノリノリである。

2939貴様らに名乗る名など無い!:2008/03/11(火) 03:48:46 ID:GuxA1qHs0
す、すげえぜ!しかもちゃっかり宣言通り、俺がまいたフラグも推し進めてくれてるし
GJだあ!

2940貴様らに名乗る名など無い!:2008/03/11(火) 10:22:45 ID:Tda73fUAO
まさかのフラグビルド死亡!
お疲れさま、おまえはがんばったぜ……

2941貴様らに名乗る名など無い!:2008/03/11(火) 17:13:22 ID:8CSjRSM6C
大作乙です。そしてGJだ!
惜しい、あと一人でライダー最終回の七人殺しに並んだのにw
クーガーな署長が熱い。感電まさに外道。ピザと残月さんズガン自重。フラグビルド健気過ぎる。ドラえもんひでえ。うっかり侍「痛くしないで」ってオイ。地味子…報われません。転はラス1補正ってレベルじゃねーぞ!そしてChain-情、重過ぎるフラグを繋げられるか?
てっきり被るかと思って自重してたけど、全然違ったwうし、書くか!
ところで地味子の死因はヒュッケのバルカンか何かだろうか?AKじゃないよな。

2942貴様らに名乗る名など無い!:2008/03/12(水) 01:00:30 ID:ndGs5VV.0
これは三時より前の話って事で。
登場するキャラの内の一人は前の話に続くわけですよ。
最初、『ネタ潰れたー!?』と思ったけどよく見ると使える事に気づいたので使ってみた。

2943(前編)(1/10):2008/03/12(水) 01:00:58 ID:ndGs5VV.0
強がりに満ちた笑いの後は、現実に襲われる時間だった。
幻夜・フォン・ボーツスレーは死んだ。
ステルス鬼畜とサプライズパーティーの二人と共に。
その二人に勝利して放送を超えた後に、死んだ。
(……あれ?)
ネコミミストは何か引っかかる物を感じた。
そう、それは確か……。
「……放送だ」
放送の時だ。
幻夜・フォン・ボーツスレーの名が呼ばれなかった、第二回定時放送。
だがそれだけではない。あの放送の死者の名には。
「第二回放送……ステルス鬼畜の名しか呼ばれてない!」
「まさか!」
それを聞いた666が死体に駆け寄る。
それは剣に刺し貫かれた岸田洋一の姿をした遺体だ。
脈を取り、傷の具合を診る。
結論はすぐに出た。666は首を振る。
「……いや、もう死んでいる。心臓を一突きにされたんだ、間違いなく即死していたよ」
「え……?」
その死体が、サプライズパーティーの筈だった。
ステルス鬼畜を仕留めたと高笑いを上げ、しかし逆に殺された男。
何か違和感を感じはしたが、残ったステルス鬼畜も間違いなく悪だと断じて、討った。
勝利の後に仲間との死別を経験する程の激闘によってだ。
だけど。
「じゃあ、どうして放送で呼ばれなかったんだ?」
何か致命的な見落としを予感させる、そんな不安が全身を蝕んでいた。
666は無言で立ち上がり、もう一つの同じ姿をした死体に歩み寄る。
ステルス鬼畜だと思われていた、ネコミミストにより顔面の半分と頸部を破壊された死体。
屈み込んで、その容態を診る。
そして言った。
「死んでいる。だがこちらは即死しなかったようだ」
「え…………?」
ネコミミストも死体に駆け寄り、そして息を呑んだ。
確かにその死体は、衝撃波により頸部の殆どが吹き飛ばされ抉れていた。
だが首輪が盾となったのだろう。
奇跡的に血管が、そして神経が、ズタズタになりながらも部分的に残っていたのだ。
「意識は保てなかっただろう。死も確実だった。だが、即死ではなかったようだ」
それはつまり。
「こっちの死体がサプライズパーティーだ」
「そんな……」
幻夜が危険人物だと言ったステルス鬼畜は、先に殺された方の男だった。
ステルス鬼畜は死の間際、サプライズパーティーに濡れ衣を掛けたのだ。
「それじゃ私が殺したのは誤解によって殺された……被害者……?」
「気にするべきではない。彼もまた危険人物だ」
666はそう言う。
どちらにせよ危険な相手だったのだから気にしてはいけないと。
「でも……もしかしたら話し合えて……そうしたら幻夜は……!」
それでもネコミミストは、素直にそれを受け容れる事が出来なかった。
人を殺した。誰かを傷つける者を。罪無き者を殺す者を殺した。
だけどそれが間違いだとしたら?
本当は悪人なんかではなくて、戦いを避ける方法が何処かにあって、
そして無理に討とうとしなければ、仲間が死なずに済んでいたとしたら?
「そうしたら幻夜は……むぐ」
「君は、良い子だな」
その嘆きを、666が抱き締めていた。
頭一つ分だけ大きな幼い体で抱き締めて、その罪を溶かしてしまう。
「ろ、666……」

2944(前編)(2/10):2008/03/12(水) 01:01:25 ID:ndGs5VV.0
666の指が、優しく髪を梳かした。
くすぐったい、柔らかな指の感触。
文字通り猫になったような不思議な気持ちになる。
「だが、保証は私がしよう。君はまだ道を誤ってはいないと。
 君は正しいことをした事を、私が保証しよう。判断を間違えはしていないと」
「…………本当に?」
「本当だとも」
666は、優しい微笑みで応えて見せた。
「私を信じてくれ」
「666…………」
666はもう一度、ネコミミストを優しく抱き締めた。
罪への不安に震えるその小さな体から、やがてその震えが無くなるまで。
溢れる愛を篭めて、抱き締めていた。

――そう、この痛みはもう要らない。既に与えてあるのだから。

666は捻れた愛を胸に秘め、優しくネコミミストを労り続ける。
ずっと、長いこと。

だけど、それでも。

確かに何時までも強がり笑いをしてはいられない。
でも、何時まで泣いてもいられないのだ。
やがてネコミミストは毅然と立ち上がり、地を踏みしめ拳を握り締める。
「もう、いいのかい?」
「うん……もう、大丈夫だ。ありがとう」
666の労りに感謝して、前に進むことを決意した。
666は安堵の息を吐いた。
「よし。行こう」
「ああ」
二人は立ち上がった。
前に進むために。だが。

「ONIICHAAAAAAAAAAAAAAAAAANNNNN!!!!」

彼女達の前には悪夢が立ち塞がる。

     * * *

デビル・シャリダム。コ・ホンブックから引き剥がされた悪夢の残滓。
校庭に現れた彼女は、ゆっくりと歩きだす。
その背中から翼のように伸びる触手が全てを包みこまんと大きく広がっていく。
夜の帳。悪夢の象徴。シャリダム自身もそれに覆われ姿を隠す。
それが、閉じた。
上から、左から、右斜め上方から、左上方から、正面から、右方から、前面全てから触手が襲い来る。
「たあぁっ!!」
叫びと共にネコミミストが右手の刀を振るう。サプライズパーティーの持っていた永遠神剣『冥加』だ。
正面下方から鋭く伸びる爪を持った触手を叩き斬り、返し上げる刀で右方から伸びた岩のような触手を打ち払う。
続けて伸び上がった右腋の隙を絡め取ろうと襲う無数の房を持った触手を左手から放った衝撃波で跳ね返す。
だが連続した右方からの攻撃に集中させた所に、左方から水気で膨れあがった触手が無数押し寄せる。
「こ、のお!」
無理矢理体をよじって触手の群を切り裂く。
しかし切り裂かれた触手は、バシャリと溜め込んだ水気をぶちまけた。
「…………ぁ」
万全の状態にある触手は色んな使い道が出来るのだ。甘く見たネコミミストの不覚。
――ちなみに触手汁の主な効能は繊維質の分解、痺れ薬、媚薬、不妊治療、白くて滑って臭うだけなど物による。

2945(前編)(3/10):2008/03/12(水) 01:01:58 ID:ndGs5VV.0
「させはしない」
身を挺して666が割り込んだ。
降り注いだ触手汁はどうやら衣服溶解型だったらしく見る見るうちに666の燕尾服を腐食していく。
「666!」
「大したことはない」
ネコミミストは幸いにも殆ど影響を受けなかったが、前方からは更なる触手が押し寄せててきた。
次なる触手はスライム状。スライムもまた触手。薬液そのもののスライムが洪水のように襲い掛かる!
(まずい――!)
息を呑むネコミミスト。その目前に投げられる何か。
「伏せなさい!」
666の声。咄嗟に反応したネコミミストはブックを押し倒して背後に伏せた。
次の瞬間、投げ込まれたそれは爆発した。
飛翔の蝙也の爆薬。割と地味なそれはこの場合に最も有効な手札だった。
ダメージの少ない、だが強く広い面の衝撃力を持った爆風が押し寄せるスライム状の触手を吹き飛ばす。
シャリダムに続く視界が、開いた。
「当たれ!」
間を空けず、666の手に握られたF2000Rから自動照準高速貫通ライフル弾が連射される。
放たれた無数の鉛玉がデビルシャリダムの肢体を穿つ。少女の体が衝撃で滑稽に踊る。
デビルシャリダムの少女の形は一瞬で蜂の巣にされて引き裂かれた。
「やったか!?」
ネコミミストの叫びを。
「いや、まだだ!」
666の叫びが否定する。
果たしてシャリダムは大したダメージを受けてはいなかった。
穿たれた無数の銃弾はぷつぷつと果物の種を吐き出すように排出される。
衝撃に引き裂かれた肉体が頭へと引きずられ元の場所に収められる。
「ONIICHAAAAAAAAAAAAAAAAAANNNNN!!!!」
見る見るうちに元の姿を取り戻したシャリダムは畏怖すべき咆哮を上げた。

ネコミミストは息を呑んだ。
「あの再生力はまさか……不死者、なのか?」
アニロワ2ndに登場する異能力の一つ、不死者。
不死の酒を呑んだ者がなる文字通り不老不死の存在。殺す方法は原作ではただ一つ。
「なら問題は解決だな。私達は既に切り札を持っている。いや、幻夜が持っていた」
「まさか……」
666はそう言ってデイパックからそれを取りだした。
幻夜すら未確認だった、ゲドー・ザ・マジシャンの未確認支給品。
――不死の酒。
人を不死者に変える秘薬。起死回生の一手。
不死者を殺す方法は原作においてただ一つ。
同じ不死者が相手の額に右手を当てて心の底から『食べたい』と念じる事。
それにより不死者は『喰われる』。
肉体は一片すら残らず呑み込まれ、知識と記憶と経験は喰った者に受け継がれる。
つまりこの酒を飲めば、シャリダムを『喰う』事が出来るのだ。
「ネコミミスト君、時間を稼いでくれ」
「ダメだ、666」
そう言う666をネコミミストが制止した。
「それをあなたに使わせるわけにはいかない。あなたがそれを使っちゃダメなんだ。
 判ってるだろう、それを使うとその時点の怪我も保存され、永遠に痛み続けるんだ!」
「仕方ないだろう。これを使う以外に手はない」
666は脇腹の傷を押さえて苦笑いを零した。右目の傷はもう出血こそ止まったが鈍い痛みを送り続ける。
666がこれまでに受けた傷は致命的なものこそないが、気休めにも浅いとは言えないものだ。
「永遠に続くと思うと少し憂鬱だがなに、耐えられない痛みではない」
「ダメだ。それはわたしが使う。どう考えてもそれが一番良いんだから」
「…………判っているのかい? それが、何を見る事になるのか」
不死の酒のメリットとデメリット。
永遠に生き続けねばならない苦痛。
「わたしにとってはその位、どうという事は無い。この年齢のまま永遠を生きるなんてむしろ私好みな位さ。
 だけど君は……そうじゃないだろう?」
「それは……」

2946(前編)(4/10):2008/03/12(水) 01:03:10 ID:ndGs5VV.0
666にとって自らの生は永遠でも構わないものだ。
666はそういう側に生きている。
ネコミミストはきっと、違う。666はそれを知っている。
だけど、と。ネコミミストは歯を噛み締めて言った。
「でもわたしは、仲間が傷付くのはもうイヤだ。
 戦っても、危険に身を晒しても、わたしはあなたに護られて傷を押しつけてばかりいる!
 もうそんなのはイヤなんだ! わたしが不死者の恩恵と呪いを受け容れれば、もっと何かが出来るはずなんだ!
 だから……おねがいだ、666! ここはわたしに任せて! きっと、なんとかしてみせるから!」
666は少しだけ沈黙して。
「――わかった」
重々しく、頷いた。

666は、ネコミミストに不死の酒を手渡した。

「ONIICHAAAAAAAAAAAAAAAAAANNNNN!!!!」
その瞬間、シャリダムは弾かれたように動き出した。
シャリダムは不死の酒が自分に何をもたらすのか知っていたのだ。
無数の触手がネコミミストを目指して殺到し、同時に別の一本が脇へと伸びた。
それは埋葬すべく寝かされていた幻夜・フォン・ボーツスレーの死体を取り込んでいく。
「な、幻夜……!」
「君の役目を果たせ、ネコミミスト!」
ネコミミストの動揺と666の叱咤。
ネコミミストはハッとなり不死の酒の封に手を掛ける。
無数の触手はもう目前にまで迫っていた。

「ネコミミストは私が守る」
大小の吸盤を備えた歪な蛸の如き触手が666の振るう鉄板の剣ドラゴン殺しに斬り潰される。
ドラゴンころしを振り上げながら、螺旋を描き絡め取るように襲来した触手をわざと左手に絡ませて動きを止めて、
続いて押し寄せた絵にするとモザイクの掛かるような卑猥な触手ごと、右手一本で振り下ろして叩ききる。

ネコミミストは封を開けるのを省略して衝撃波で栓周辺を吹き飛ばした。栓の開いた酒瓶に口を付けて――

ガチガチに硬い触手を力いっぱい振り下ろしたドラゴン殺しで折り砕く。
だがその裏に待ちかまえたぬるぬると滑る触手がドラゴンころしの勢いを削いだ。
瞬時、まるで針金のような触手が666の握るドラゴンころしに絡みつく。
「ぐっ、うああぁ!?」
パチリ。音と共に666が呻く。
ハードな用途の放電触手である。流された電流が666から握力を奪いドラゴンころしを地に落とす。

邪魔が消えた瞬間を狙い、上空から迂回した三本の触手がネコミミストに襲い掛かる。
666は舌打ちと共にゲート・オブ・バビロンの扉を展開し、撃ちだした。
緩やかに沿った西洋刀が三本の触手を百舌のはやにえのように串刺した。
だが、三本目は先程と同じくたっぷりの薬液で膨れ上がった水風船のような触手だったのだ。
引き裂かれた触手から弾けた大量の触手汁は、そのまま真下のネコミミストに降り注ぐ――!

ネコミミストは、不死の酒を一息に飲み干した。

まるで滝のように、全身に触手汁が降り注ぐ。
今度の液体は衣服溶解型などという甘い物ではなかった。
一滴垂らすだけで貞淑な聖女でもとか無垢な乙女さえとか枕詞が付くアレである。
効能を発揮すればその時点で色々と規制的にヤバイ事この上無いアレである。
ていうか効き目有りすぎだろなんだあの夢のお薬是非一瓶下さいなってヤバ本音がいやいやとにかくアレである。
ネコミミストの全身に降り注いだそれは瞬時に全身の皮膚から浸透すると、
当然ながらこれまた瞬時にその色んな意味で危なすぎる効能を彼女へと発揮――

;フラグが立っている場合は勝利ルートへ進む。
;フラグが立っていない場合はBadEndへ進む。
;※:大変申し訳有りませんが現在バグによりBadEndへ進む事が出来ません。
;  有志によるパッチ制作をご期待ください。執筆元からの予定は有りません。

2947(前編)(5/10):2008/03/12(水) 01:03:31 ID:ndGs5VV.0
「………………」
ネコミミストは闘志に滾る瞳でシャリダムを見つめていた。
その意志は、汚されていない。
体は戦意で燃えている。
確かに、触手汁はネコミミストの全身に降り注いだ。
それは瞬時に全身の皮膚から浸透した。
その時点ではまだ、不死の酒も効能を発揮してはいなかった。
だがネコミミストの全身に浸透した薬液がネコミミストの神経を変異させるコンマ数秒前。
不死の酒は衝撃のネコミミストを不死者へと変えていた。
不死者となった肉体はその時点で保持される。
よって次の瞬間にネコミミストを作り替えんとした触手汁の効能は、不死の酒の再生効果で相殺された。
触手汁が肉体に変調をもたらす速度を、不死者の再生速度が上回った。
ネコミミストの戦意は今だ健在。闘志と戦意を瞳に燃やしシャリダムをじっと見つめている!

「ONIICHAAAAAAAAAAAAAAAAAANNNNN!!!!」
シャリダムが絶叫する。
目の前に生まれた脅威を肌で感じ、恐怖と怒りに満ちた叫びを上げる。
新たに生まれたのは無数の腕だった。
その全てが右手。先が右手型をした触手が数十と生え揃う。
それは人型を半端に残しているために完全な異形よりも尚おぞましい光景だった。
「喰らうつもりか」
666は呟く。
不死者は右手を相手の額に当てて『喰いたい』と念じれば、相手を喰う事が出来る。
つまりあの無数に生えた数十本の右腕触手が一本でもネコミミストの額に到達すれば、
ネコミミストは喰われ、彼女達は敗北してしまうのだ。
「666。……道は、作れる?」
「もちろんだ、任せてくれ」
666とネコミミストは見つめ合い、こくりと頷きあう。
「行け。君の道は私が護る」
「おねがい」
ネコミミストは一歩を踏み出した。
にちゃりと服に染み込んだ触手汁が粘り着く。かなり動きづらい。
「く……ふ、服なんて探せば幾らでもある!」
思い切って脱ぎ捨てた。べちゃっと重く地面に落ちる。
大体命の危機の前に恥ずかしいだのなんだの些事に過ぎない。
左手に永遠神剣『冥加』、右手は喰らう為に無手。装備は以上。
「世の中には女性は裸が一番美しいと言う男も居る。気にする事はない」
「あ、ありがとう」
赤くなりながらも666の言葉に頷いた。
そして改めて、一歩。
二歩、三歩。
ネコミミストは触手を密集させる悪夢に向けて、足から衝撃波を放ち特攻する。
666が必ずや彼女に道を作ってくれる事を確信して。
触手の津波に挑む、生まれたままの姿の少女。
「ONIICHAAAAAAAAAAAAAAAAAANNNNN!!!!」
シャリダムの咆哮と共に無数の右腕がネコミミストへと殺到する。
666が、叫ぶ。
「させん」
666の言葉と共に放たれたのは無数の矢だ。
何処からか射手に放たれた如き矢の雨は正確に触手の波を貫いた。
そのまま串刺しに射止めて再生まで遅らせる。
ネコミミストは見る見るうちにシャリダムへと肉薄していく。
「ONIICHAAAAAAAAAAAAAAAAAANNNNN!!!!」
だがシャリダムは尚も足掻く。自らの生存を賭けて蠢く。
ネコミミストの目前に、突如それは出現した。
「な――!」
幻夜・フォン・ボーツスレー。
シャリダムの触手に取り込まれたその死体がひび割れた巨大な剣ミロクを振り上げて――。

2948(前編)(6/10):2008/03/12(水) 01:04:02 ID:ndGs5VV.0
紅い一線が走った。
振り下ろされようとした剣に食い込んだ小さな紅い宝石。
それは砕け散り、輝きと共に力を解放する。
大剣巳六は死して尚酷使された幻夜の腕と共に、塵と化していた。
「やれ、ネコミミスト!」
666の叫び。
ネコミミストは一瞬のそのまた一瞬だけ死して尚利用された仲間を悼み。
「すまない。――おやすみ、幻夜!」
それを終わらせる為に、幻夜の胴を両断した。
両断された胴の向こうに、シャリダムの本体が見えた。
「はああああああああああああぁっ!!」
断、と。
右手をデビルシャリダムの額に叩きつけた。

(――喰いたい)

ぞぶりという音がした。
ネコミミストの右掌がシャリダムを呑み込んでいく。
肉体を。
精神を。
シャリダムがネコミミストの一部になっていく。
シャリダムの全てが……ネコミミストの中に…………。
「あ」

     * * *

ネコミミストはいつの間にか森の中に立つ自分に気付いた。
周囲は暗闇に塗り潰され、うっすらとしか見えない。
「ここは……一体……?」
戸惑うネコミミストに言葉が掛けられた。
「あら? そこにいるのはもしかしてアニロワ2ndの書き手さんじゃないですか?」
「誰だ?」
声のした方を振り返る。
見るとそこには、闇よりも尚昏い漆黒の仮面が浮かんでいた。
「おまえは……誰だ?」
「それ、アニタちゃんの格好ですよね? だったらアニロワ2ndの書き手さんなんじゃないかなーって思うんですけど」
「……何を言っているんだ?」
返答は要領を得ない。
ネコミミストの姿はアニタ・キングの姿と合致しない。
だが人影はそれには応えず、言葉を続ける。
「――? ああ、ごめんなさい。コレじゃあ、誰だかわからないですよね」
人影は漆黒の仮面を外した。そこには先程までとは対照的なまでに白い、女の顔が浮かび上がった。
「こんばんわ。私は◆AZWNjKqIBQ――いや、ここでだとマスク・ザ・ドSだね。よろしく♪」
噛み合わない会話とその名前にネコミミストはようやく理解した。
その名は昼の放送で呼ばれていた。つまりこれは過去で、今が夜なのは開幕直後を意味する。
「ここは……コ・ホンブックの記憶なのか?」
デビル・シャリダム。
元はコ・ホンブックだった、コ・ホンブックから分離された狂気の澱。
その精神と、そこに繋がる経緯。
暴走するコ・ホンブックから初期状態のコ・ホンブックを取り除いた後に残された物。
それはつまり。

     * * *

突如、びくんとネコミミストの体が震えた。
驚愕と動揺に目が見開かれる。
「…………ぅ」
微かな声が漏れた。
その右掌はシャリダムを呑み込んでいく。

2949(前編)(7/10):2008/03/12(水) 01:04:20 ID:ndGs5VV.0

     * * *

「や、やめろ、来るな!」
ドSに向けて衝撃波を放とうとした。だが。
「――出ない!?」
当然だ、これは既に過ぎた事なのだから。
その内容を追体験しているに過ぎない。全ての経緯は既に確定した事。
ひうんひうん――と。風を切る不可視の獣が走る様な、そんな奇妙な音が聞こえた。
「あぐっ」
宙を舞った無数の糸がネコミミストを背後の樹に縛り付けた。
かつてコ・ホンブックがされたのと同じように。
だがこれは『記憶であって記憶ではなかった』。
何故ならコ・ホンブックは暴走していた頃の記憶を残しているのだから。
記憶という情報は既にコ・ホンブックが持ち去っている。
ならばこれはなんなのか?

「普通の人間が糸を操るなんてできるはずがないじゃないですか。――けど私は『ニンジャ』ですから」
ドSの指がゆっくりと、動く。
その度に鋼線は、舐めるように白い肌を伝い、嬲るように柔らかい肌へと食い込んでいく。
木々の間に張り巡らされた鋼線がギィン……と弦を弾く様な音を静寂の中に響かせる。
「う……あ…………」
全身の肌で感じる鋼線の感覚がネコミミストの記憶へと刻み込まれていく。
体験していく。
「暴れないで下さいね……怪我をしますから。じゃあ――」
ソレ。小さな掛け声が響いた。
今度はひゅるひゅると見えない蛇が空を泳ぐような音がし、続けて森の中に無数の白い破片が飛び散った。
澄んだ森の空気の中を舞い月光を跳ね返して雪の様に降り注ぐ、白いワンピースだったもの。
ネコミミストは冷ややかな夜気に晒された白い肌を震わせて、羞恥と恐怖に歯を噛み締めた。
体験を経た記憶がネコミミストに刻み込まれていく。
そう。
シャリダムの中に残されていたこれは、コ・ホンブックの軌跡だった。
体験する者という代行者が抜け落ちた、体験そのものだった。

     * * *

背中が丸まる。何かに怯え身を守ろうとするように。
歯が震える。噛み締めてそれでもカチカチという音が残る。
「ぎ、ひっ…………」
その瞳に、恐怖が浮かんだ。
その右掌はシャリダムを呑み込んでいく。

     * * *

「動かないほうがいいですよ。その糸、砥いでありますから引っ張ると喰いこみます」
「うぐ……っ」
ネコミミストはかつてのブックと同じように動き、後ろ手に縛られた親指を傷つけてしまった。
ブックが解放されて置いていった、ブックの味わったものと同じ苦痛。
「抗うと辛くなるばかりですよ。幸せは受け入れることから始まるんです。前を向いてください――」
漆黒の皮手袋に包まれた両手が、ネコミミストの白い顎を持ち上げる。
ブックはこの時、もう恐怖に怯えた瞳しか出来なかった。
だけどネコミミストは恐怖を噛み潰し、必死にドSを睨みつけてみせた。
記憶と体験の違い。
「不安な気持ちは忘れて、楽しい未来を思い描きましょう」
どんな心構えをしていても、感覚は同じように襲い掛かる。
ドSの手は顎から離れ、冷たく這いずる蛇の様にネコミミストの肌を伝い始める。
猫の肌を蛇がしゅるしゅると舐っていく。
「く、くそ……やめ…………あ……やっ…………!!」
屈辱を覚え、羞恥に怒り、不安に怯え、恐怖を感じながら。
ネコミミストはシャリダムに残された体験に耐え続ける。

2950(前編)(8/10):2008/03/12(水) 01:04:44 ID:ndGs5VV.0

     * * *

歯の震えは最早はっきりがちがちと音を鳴らしている。
瞳に浮かんだ怯えは気丈な意志を徐々に呑み込んでいく。
666はネコミミストへ向けて駆け出した。
その僅かな距離が、余りにも遠い。
ネコミミストの右掌は尚もシャリダムを呑み込んでいく。

     * * *

「く……そ…………」
全身を嬲りつくす指の蹂躙が過ぎ去る。
ネコミミストは恐怖と不安を必死に堪えて耐えていた。
「……〜一筆書き、☆の絵には〜。5つのトンガリがあるでしょう〜♪ ……と、出来た」
見るとドSは意味不明な歌を歌いながら、メモに星を基調とした複雑な模様を描いていた。
その上には銀色の鋏が一つ。
間もなくそれは火花と煙を散らして奇妙な金属塊へと姿を変えた。
「錬金術……?」
「普通の人間である私が錬金術を使える訳ないじゃないですか。――コレは忍法『金遁の術』ですよ」
一瞬ドSが返事をした様に錯覚し、すぐに否定する。
恐らくはただの偶然だ。
ドSはその金属片を摘みあげ、ネコミミストの目の前まで持ってくる。
それは3センチ足らずの小さな、骨組みだけの傘のような形をしていた。
ネコミミストは寒気と胸騒ぎを同時に感じる。
(なんだこのサイズ……見覚えが……)
ドSはすぐにその答えを教えてくれる。
「コレ見えます?
 今からコレをあなたに刺すんですけど、見ての通り『返し』がついてて、引っ張って抜くと☆型に肉が抉れるんです♪」
「な…………っ!!」
全身の体毛が逆立った。
そして気付いた。シャリダムの胸に、丁度そんな大きさの傷が無数についていた事を。

何故、この『体験』がシャリダムの中に残されていったのか。
その理由は言うまでもない。
コ・ホンブックは情報としての記憶だけを持って救われた。
そう、救われたのだ。
そしてブックの心を壊したのは体験、言うならば感情としての記憶の積み重ねであり、
それを持っていってしまえばブックの心はまた壊されてしまう。
だから残された。
つまり言うならばこの記憶は――。

「や、やめ……う…………ッ……」
プスリ。
ネコミミストの視線の先で金属塊が胸の柔肌を突き刺した。
差し込まれた針の末尾には鋼糸が結ばれ、その糸はドSの手の中へと繋がっている。
ほんの僅かに指が震え、ゼロコンマ数ミリだけ糸が引かれた。
「――――ッ!」
歯を食いしばる。目を見開く。息が荒くなる。心臓が早鐘のように脈打つ。
全身が汗を吹き出し、まるで鋼鉄と化したように体が固まる。
世界が止まったような錯覚を覚えた。
…………プスリ。…………プスリ。…………プスリ。
「…………ふっ………………ぅっ! う…………きゅっ…………」
世界の音が消え去って、静かすぎる耳鳴りが聞こえ始めた。
口の中の唾が冷え切って冷たさを主張し始める。
…………プスリ。…………プスリ。…………プスリ。…………プスリ。
「…………いっ………………っ………………きっ………………ひゅっ…………」
漏れているのは声なのか、それとも吐息なのか判らなかった。

2951(前編)(9/10):2008/03/12(水) 01:05:17 ID:ndGs5VV.0
必死に落ち着け、意識を逸らせ、痛みに備えろと言い聞かせる。
鼓動は乱れ、意識は集中させられ、心構えすら出来ずに感覚が続く。
…………プスリ。…………プスリ。…………プスリ。…………プスリ。
「ひ…………ぁっ……ぁ…………きっ、ひ……いぁっ……ぁ……かっ」
噛み締めていたはずの歯はいつの間にか浮いていた。
生け簀から上げられた魚みたいにぱくぱくと口を開いて閉じて痛みを逃す。
「身体を固くしているとよけい痛いですからね。
 リラックスしてください。リラックス。脱力ですよ。身体が水みたいになったってイメージするんです」
ドSは凍り付くほどに優しい口調でそう言うと、片手でネコミミストの頭を撫でる。
猫耳が撫でられ、思わずぴくんと体が震えた。
「きぁっ」
視界が真っ白に染まる激痛に硬直する。
ドSはそれに頓着せず、認識した様子もなくもう片方の手で糸を絞る。
「そしたら痛くないですから。とっても気持ちいいですから…………」
「や……やめ…………やめ……て…………」
ネコミミストの前髪をかき上げてびっしりと汗ばむ額にキスをあげると、ドSは持っていた糸を力の限りに引き絞った――。

――詰まるところこの記憶は、追体験するだけで少女の心を容易く壊す地獄そのものなのだ。

     * * *
*
恐怖に満たされた瞳の焦点は中空を結ぶ。
口が開いた。舌が伸び、喉が震えた。そして。
「ぎ、ひっ、あがっあああぁあああぎゃあああああああぁあぁあぁああああああああああああ」
ネコミミストは、身も凍るような悲鳴を吐き出していた。
ネコミミストの右掌は尚もシャリダムを呑み込んでいく。

     * * *

「――………………………………………………!!!!!!!!!!」
体験の中ではネコミミストはブックと同じように、悲鳴を上げる事すら出来なかった。
ショックで死んだと思うほどの激痛を味わって、それでも死ぬ事は出来ない。
そもそもショック死と言われる物は、主に出血性ショックによる死亡なのだ。
元から心臓が弱ってでもいないかぎり、痛みで死ぬことは出来ない。
詰まるところ肉体が傷付く事の無いこの追体験では、どんな体験をしても死ぬ事は無い。
痛みが激しすぎて、意識を失う事すら出来なかった。
「あ、がっあが、あかっかはっがっああ……が……あぎゃっきああああぁあぁ……かっ」
開けっ放しの口は意味不明な呻きと共に涎を垂れ流し、眼からはぼろぼろと涙が零れていた。
「あ…………」
その視線の先にはドSの手があった。
手には無数の長い針が握られていた。
「大丈夫。大丈夫。ここから先はとても素敵だよ。とぉっても気持ちよくなれるよ……」
「や……いや、だ…………そんなの……は…………ああああ!!」
いやいやと首を振るネコミミストの腹部にドSは、針を突き刺した。
肝臓を貫き通すように何本も、何本も。
通常のものとは違う重くてゆっくりと染み入る痛みと、異物の挿入感。
乗り物酔いを何百何千倍にしたこの様な感覚。
身体が内側から引っくり返り内蔵が口から飛び出すような錯覚。
それは極上の苦痛だった。かつてブックが味わった、誰も望まない最高品質の痛みだった。

     * * *

666の手の中で、小さな手鏡が何か映像を映しだしていた。
それは長い内容だったが、ほんの僅かな時間で上映は終わりを告げる。
現実の姿、ネコミミストにゆっくりと呑み込まれていくシャリダムの姿に重なった。
制限でも掛かっているのか、それとも酢飯細胞という異分子のせいか、捕食はとても遅かった。
それでもシャリダムは一切抵抗できずに呑み込まれていく。

     * * *

2952(前編)(10/10):2008/03/12(水) 01:05:53 ID:ndGs5VV.0
(痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い
 痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い
 痛い痛い痛い痛い痛いいたい痛い痛いイタイ痛いいたい痛い痛いイタイ痛いいたいイタイ
 いたいイタイイタイ痛い痛いいたい痛イ痛いイタい痛いイたイいイタイ痛イいたイイタい
 イタイいたイイタいいたいイタイいタいイタいいたイいたい痛痛痛痛痛痛痛痛――――)
純粋な痛みの塊。
手を動かすのは痛い事。立っているのは痛い事。座り込むのは痛い事。音を聞くのは痛い事。
何かを見るのは痛い事。匂いは痛い。味は痛い。感触は痛い。思うは痛い。考えるは痛い。
痛い。痛いから痛い。痛いのも痛い。痛いけど痛いから痛くて痛むのが痛い痛い痛い…………。

思考を、閉ざすべきだったのだろう。
あるいは狂うべきだったのかもしれない。コ・ホンブックのように。
だけど幾つもの出会いと別れの中で、死に行く者達と666から多くの物を与えられたネコミミストは、
かつてのコ・ホンブックよりほんの少しだけ強かった。
痛みに全てを塗り潰された中でコ・ホンブックの軌跡は乖離剣エアを振り上げる。

(痛い痛いイヤだ痛いのはこんな痛いイヤだ痛いイタイ助け痛いイヤ痛い痛いこんな誰かイタイ助け
 痛いどうにか痛い痛いイタイイタイお願いだから痛いイタイ痛いイタイやめ痛いそれはイタイ痛い
 痛い痛いイタイイタイ殺しちゃ痛いいけないイタイイタイ痛いその人達は痛い悪くな痛い痛い痛い
 痛いイタイイヤイタイイタイダメイタイダメ痛いダメイタイ止まって痛い痛いやめイタイ痛い痛い
 おねがい止めて――――!)

涙を流そうとも止まらない。痛いだけ。
逃げてと叫ぼうとしても声は出ない。痛いだけ。
助けてと願おうとしても考えられない。痛いだけ。
目をふさぐ事も考えを止める事も出来ない。痛いだけ。
全て痛みに塗り潰された中で。

コ・ホンブックの軌跡は、フォルゴレの姿をした書き手と、王ドロボウジンの姿をした書き手を殺害した。

     * * *

「愛がなければこんなことはできない。あなたは正しいよ、ドS。……だが」
666はゆっくりと呑み込まれていくシャリダムの、切り離されている部分を抱き上げる。
シャリダムに取り込まれた幻夜・フォン・ボーツスレーの死体、その上半身だ。
シャリダムの一部といっても差し支えない、ゆっくりと再生しシャリダムと繋がろうとしているそれを。
「私は少しだけ、アプローチの仕方が違うんだ」
シャリダムを呑み込んでいくネコミミストの右掌に、押しつけた。

     * * *

(痛い痛い痛い痛い痛い痛いいたいいたいいたいいたいイタイイタイイタイイタイ……)
激痛に埋め尽くされた風景が。
「……ただの見世物ならばな。
 だがこれは紛れもなく我々の前に突きつけられた現実だ。笑ってばかりもいられまい」
激変した。

(え…………これ……は…………?)

2953(後編)(1/11):2008/03/12(水) 01:07:06 ID:ndGs5VV.0
ネコミミストの視るコ・ホンブックの悪夢に、全く別の記憶が流れ込む。
流れ込む風景は明らかに違う誰かの物だった。
「全く持って愚かな事よ。
 あやつらは書き手として殺し合いを描く内に、己もその中に取り込まれていたというのか」
(幻夜の声……それにこれは……幻夜の思考? 記憶まで……)
そしてこれまでに無かった記憶と、思考を伴う物だった。
シャリダムにはコ・ホンブックそのものが残されていなかった。
だが幻夜の死体には幻夜そのものも残されていたのだ。
(このバトルロワイアルへの憂い……それを感じているのに有効な手が無い悔しさ……)

幻夜はホテルに現れた神行太保のDIE/SOULと話す。
「そうだ。我達は貴様の……、いやここに来た全員の姿と振る舞いを見ていたのだ」
(多くを見ていたという傲慢……それに伴う強さと自信……落ち着き……))

「それよりも気になるのは貴様の先程の発言だ。
 『縁起が悪い』とはなんのことだ? そして何故、貴様はこの『縁起の悪い』と言う場所に来た?」
「……俺のいたロワ。それはアニロワ1stの事だが。
 そこにあったホテルは跡形も無く破壊され、そこで13人の人間が死んだ……」
「よろこべ古強者よ。お前が当たりをつけた通りに事は運んでおる」
(興味……疑問……理解……祝福……)

死地に赴く激動のトウカリョウ。
「……解っている。
 だが、俺は見せたいんだ。2nd最初の書き手が1st最強の書き手と戦えるということを!
 俺……いや、俺達2ndの書き手の実力をあの時の、そして今のLX氏に見せたい。
 それが、俺を『激動のカワラザキ』と言うポジションに据えてくれた紹介者への酬いになると思うし、
 この会場の中で悪戦苦闘している同じロワの仲間達への励みになると思う……」
(別れ……仲間の残した意志……)

「仕方あらへんな……。幻夜さん、コレ持って行き」
そしてゲドー・ザ・マジシャンが言う。
「オレにつきあって一緒に死ぬ必要はあらへんやろ? コレ持って自分だけで行きぃや」
フラグを残せと言う言葉。
「……『書き手』という者は、本当に救いがたい業の持ち主ぞ。アイツも貴様も……そして我も」
書き手としての同胞達と自分を自覚する想い。

「最後に、言うとくわ。……恨むなよ。読み手を、な。
 酷いこと言う時もあるかもしれん……し、こないな、けったいなことやらかすこともある……けど。
 どんな時でも、……恨むな。あれは、あかん。……辛いのは、自分だけやで。いーこと無しの損しっぱなし、や。
 それにな――

 ――大事なもんも、いっぱいもらったやろ?」
ゲドー・ザ・マジシャンの言葉に噴き上がる想いと。

「……貴様は、……貴様という奴は!」
「なんや? ……めっちゃ、いい……書き手……か?」
固まった、意志。

「――どうしようもなく、どこまでも『書き手』だったよ」

2954(後編)(2/11):2008/03/12(水) 01:07:43 ID:ndGs5VV.0
(ああ、そうか)

ネコミミストは知った。
自分達を護った幻夜・フォン・ボーツスレーの力の源を。
幻夜とて非力だった。多くを助けられず見殺してきた。
それでも多くの者達に多くの者を与えられた事。
(それが、弱い私達を前に進めてくれる……)

「わたしにはまだ……多くが残っている……」
それはネコミミストの言葉。
幻夜に教えられた真実だと思っていた。だけど幻夜の記憶は違う事を教えてくれる。
その時まで、幻夜の笑いは強がりだった。
死んでいく事が認められずに強がっていた。
ゲドー達、仲間のフラグが断ち切られる事を、成就できなかった事を悔やんでいた。
せめて仲間を生き残らせようという、妥協の末の成果があの勝利だった。
だけどネコミミストの言葉が、その強がりに実を与えていたのだ。
(はは、そうだ、我達にはまだ多くのものが残っている。
 バトルロワイアルで多くを失い、だが同時に多くを託された。
 ゲドーの首輪フラグも……きっとこやつが成就してくれよう……!
 はは、はははは! 感謝するぞネコミミスト!
 貴様のおかげで我はこんなにも――――)
「そうだたわけめ……だから我らは、上を向いて笑えばいいのだ…………」
だからこそ幻夜はここに勝者有りと傲慢に。
「くはっ、はは……はははははは……ははは…………はは……は……」

高らかに笑いながら、逝けたのだ。

――風景は戻る。
全ては痛みへと引き戻される。
激痛の檻に連れ戻される。

「が、あが、あぎぎぎあ、あ、あぁあぁあああああかっ、はあ…………!!」
戻った風景はシャリダムの軌跡。
コ・ホンブックが狂い行く地獄の最中。
だけど。
「いたい……いた……いた…………まけ……な……い…………!!」
一歩歩く毎に痛かった。
風が吹く毎に視界が真っ赤に染まって音が消えた。
かと思いきや次の瞬間には胸から腹から激痛が走りボロボロと涙が零れた。
「ぁ……あ…………あぁ…………」
それでも必死にこらえる。
理性を、正気のタガを手放すまいと掴み続ける。
(狂っちゃ……ダ……メ…………こわれ…………たら……!)
屈してはいけないのだ。
命のリレーはネコミミストへ繋がれたのだから……ネコミミストが壊れてはいけないのだ。
そんな事になれば幻夜の死も、ゲドーの死も。
体がスクライドで出来ている書き手の死も、666の負傷も、サプライズパーティーの殺害も。
「いた……いたい……イタイ…………いた……ぁ…………」
全ては無駄に。いや。

一人のマーダーに繋がる悲劇として片づけられてしまうのだから。

     * * *

「少しは、持ち直したか」
666は呟く。ネコミミストの発狂は彼女にとっても避けたかった。
派手好き地獄紳士『666』は完全なる崩壊など望んでいないのだから。
「だが、これでも足りない。ネコミミストの決意と幻夜の遺志をもってしても、まだ」
666はネコミミストを見つめながら、考えていた。

2955(後編)(3/11):2008/03/12(水) 01:08:30 ID:ndGs5VV.0

     * * *

「う……ぐ…………うぐっ……うぅ…………ひっく……ぅ…………」
一歩歩くだけで、痛かった。腕を振るうだけで、痛かった。
罪を犯していくのもたまらなく辛かった。
よく判らないスーツを来ている漆黒の、と呼ばれた書き手をエアで吹き飛ばした。
仮面ライダーカブトに変身した吉良吉影には戦いになるも漆黒を連れて逃げられた。
コ・ホンブックの体もバラバラに引き裂かれ、再生して歩き出した。

「イダイイダイイダイイダイイダアアイタッイタイダアアア…………」
次は前原圭一の姿をした書き手だった。激戦の末、ネコミミストは心臓を抉られた。
激痛に血の涙を流しながらエアを振るい、真名を解放するのではなく突き刺した。
だけど飛んできた何かに目を眩まされ、気が付くと相手の書き手は居なくなっていた。

「痛い……イタイ……いたい……イタイ、イタイ、イダイ、イダ……メェ…………」
四人組のチームに向けて威力を押さえたエアを解放した。
そしてばらけた一人、朝倉音夢の姿をした書き手の左目に、エアを突き刺した。
(いた……ダメ……イタイ……ヤダ……痛い……止めて……ダメ痛い痛いおねがいいたいやめ)
降り注いだ瓦礫に潰され、トドメを刺すことはなかった。

だけどその直後、通りすがりに居たディス・アストラナガンの姿をした書き手を、全く無造作に、
唐突に、何もさせる事無く、無数の紙の槍で貫き、引き裂いた。
「ァ……ま……た…………痛い、いたい、いたいイタイいたい痛痛痛痛痛いたいたいたたいいイイイ」
更なる罪と激痛に心が黒く染まる。

そこを救ったのは。
「――『痛い』んだね?
 その『痛み』、私なら治せるよ。『みんなを殺す』以外の方法もあるよ。
 少し手間と時間はかかるけど、私は、私だけが、貴女を救うことができる」
(あなたは……ボマ………)
「あ…………」
ネコミミストが一度見た、LSロワの書き手。
彼女の言葉はブックの軌跡の中で、数少ない救いだった。

     * * *

「しかしまさか、彼女が関わっているとは思わなかったな」
666は悲しげに。そして愛しげに悼みながら、想いを零した。
ボマー。第一回放送の時点で唯一残っていたLSロワの同胞。
第二回放送の時には既に死んでいた、仲間。
「私にだって仲間意識くらいは有る。ああ、愛とは別にね。
 だけど何かを為そうとするならばそれは、コ・ホンブックに対してするべきだろうし」
666は手を握り締め、触手の電流に痺れていた握力が回復した事を確認すると。
ネコミミストを。その右掌に呑み込まれていくシャリダムを見つめた。
「この抜け殻は単なる怪物ロリと扱って構わないだろう」

     * * *

「たすけて……くれるの…………?」
「うん。大丈夫だから……。絶対、助けてあげるから……」
その痛みの地獄に現れた一筋の救いすら。

「ご縁がありますね。コ・ホンブックさん」
現れたあの怪人、ドSの手によって。
「――その人は。――あなたを助けようとしたので。――私が。――殺しました」
断ち切られた。

2956(後編)(4/11):2008/03/12(水) 01:09:15 ID:ndGs5VV.0
「――死ねっ、化物! 死ねっ、人殺し! いなくなれっ、化物! 消えてなくなれっ、人殺し!」
ネコミミストはコ・ホンブックの絶望を知った。
コ・ホンブックの地獄を見た。
コ・ホンブックが……狂った理由を知った。
「あ……ああ…………あああぁああぁあああああぁああぁあぁああっああああああああぁぁぁぁああ」
それに対してネコミミストはただ、絶叫した。
吼えた。
嘆きを。世界への悲しみを、怒りを、喪失を叫んだ。
ただ咆哮した。

全身に浸透した地獄を感じながら、ネコミミストが思ったのはただ――――。

     * * *

『私が思うに不幸とは、『途中』であることだと思います。
 終わりでなく途中。途中を維持すること。中途半端なままになってしまうこと――それこそが不幸だと』
666は浄玻璃の鏡に映し出された、ブックが意識を失っていた時の言葉を反芻する。
(それにしてもドS氏、私と貴方は本当に似ていたよ。違うのは少しだけだ。
 ただ一つ、やり方だけが貴方とは違う)
666はドラゴンころしを握り締めた。
そしてそれをゆっくりと、振り上げて――。

     * * *

全てを塗り潰した物があった。
ネコミミストを支える想いさえも押し潰した物があった。
それは負の極地、ドS氏が積み上げたコ・ホンブックの地獄。
――では、なかった。

「だから言え!!おまえの本当の願いを!!お前の味方はここにいる。俺は死なない、負けない、放っていかない。
 ずっと、一緒にいてやるから!!」
それは希望の極地、承の放ったスパロボ展開。
――それ自体でも、なかった。

そのどちらでもあり、どちらでもなかった。

ネコミミストは信じる。
(ようやく、救われる)
コ・ホンブックの地獄の末で、思う。
(悪夢が終わる。痛みが終わる。悲しみも罪も終わる。もう痛くない、いたくなくなる……)
承のもたらした希望に手を伸ばして、感じた。
(この結末に……辿り着けたのなら…………)
救いは有ったのだと、そう考えて。

それでも痛みが収まらなかった瞬間。
自分ではない誰か、傷一つ無いブックの姿が自分以外の自分ではない場所に誕生した時。

ネコミミストの心は決壊した。

『どうして! どうして終わらないの!? どうして痛いの! どうして、いやだ痛い、いたい!
 いたいよ、イタイイタイ痛いいたいぃっ、あ、うっ、ヤダ、ヤダイヤダもうやめておねがっ、ああああ!?
 イヤだ助かったとおもったのにたすかってもうおねがいイヤだイヤイヤイヤイヤアアアアアアアアアァッ!
 たすかるとおもってがまんしたのに! 耐えられたのに! やだ、もうヤだあ、やあ!
 イタイイタイイタイタスケテオネガイイヤダタスケイタイイタイタイイィイィイィイイィイィ――――』
「ONIICHAAAAAAAAAAAAAAAAAANNNNN!!!!」
喉から出たのは悪魔的な咆哮だけだった。

2957(後編)(5/11):2008/03/12(水) 01:09:43 ID:ndGs5VV.0
種明かしを、しよう。
これはブックの軌跡であって、ブックの軌跡ではない。
ブックが味わった苦痛そのものの軌跡だ。
それが分離されてシャリダムが生まれた。

ネコミミストが喰らったのはシャリダムなのだから、まだ続きがあるのは当然だった。

ここに来てネコミミストの感情移入はブックからシャリダムに切り替わる。
シャリダムは思う。全ての生ある者が憎いのだと。
ネコミミストは思う。全ての生ある者が憎いのだと。
シャリダムは願う。全て死んでしまえばいいと。
ネコミミストは願う。全て死んでしまえばいいと。
シャリダムは殺意を向ける。全ての生ある者に。
ネコミミストは殺意を向ける。全ての生ある者に。

ネコミミストは目の前の敵に――――

     斬。

視界が、激変した。
痛みがあった。右腕が根本から切り落とされていた。
分厚い鉄板がその先とを遮断していた。
それをした者は目の前にいて、ネコミミストの残る左手には剣が握られていた。
ネコミミストは当然のように剣を突きだして――。

「………………………………あっ」

悪夢が終わっていた事と。
悪夢を始まった事を、知った。

2958(後編)(6/11):2008/03/12(水) 01:10:08 ID:ndGs5VV.0
「ネコ……ミミス…………ト……」
666の口から夥しい量の血が吐き出された。
茫然とそれを見つめる。
666の口から溢れた血は顎を垂れ、喉を伝い垂れていく。
溶解液により露わになった白い裸体を伝っていって。
胸の途中の、刃が突き立っている所の別の赤い流れと合流した。
その血はそのまま胸を伝い、腹を伝い、脚を伝い、地面に真っ赤な水たまりを作った。
「あ…………」
茫然と、一歩下がった。
ネコミミストの後退と共に胸に突き立っていた刃が引っ張られて、抜けた。
開いた穴から更なる血が噴き出した。
刃の先は赤い液体で濡れていた。666の、血。
誰がこんなひどい事を?
刃の根本はどこにある?
遡ったその先には震える左手が待っている。
だれの左手?
震えているのはだれ?
それはネコミミストの左手。
どうして震えているのかは――。
「あ……ああ…………あ……あ……あああ…………ああああ………………」
壊れた機械のように母音だけが吐き出される。
何をした?
何をしてしまった?
殺意に任せて何をした?
悪夢に流されて何をしてしまった?
「わ、わたし、わた……ころ……し…………」
カラン。
滑稽なくらい小気味よい音を立てて、剣が落ちた。

「…………あ………………は…………」
心が軋んで、ヒビが入る。
表情が、壊れた。
「あは…………あ……はは…………あははっ、あははははははは……………」
(もう、おしまいだ……)
犯してしまった罪に潰されてネコミミストは乾いた笑いを――

パァンと、本当に綺麗な音がした。
「あ…………」
「う…………ぐ……っ」
666の呻く声。
血を撒き散らして苦痛に顔を歪めながらも振るった掌が、ネコミミストの顔を叩いていた。
「666…………」
動揺し戸惑いながらもネコミミストは666を見つめる。
666は苦しげに顔を歪めながら、ネコミミストを見つめる。
目が合う。
そして666はホッと、安堵の溜息を吐いた。
「良かった……君が、壊れなくて……」
「え…………痛っ」
麻痺していた右肩に一瞬だけ鋭い痛みが走る。
切り飛ばされた右腕が不死者の再生力によりずるずると引き戻されて、接合したのだ。
腕が飛んできた方を見るとそこには。
「ONII…………CHAAAAAA……………!!」
ドラゴンころしで右腕が断たれた為に食い残された、デビル・シャリダムが蠢いていた。

2959(後編)(7/11):2008/03/12(水) 01:11:00 ID:ndGs5VV.0
「え……な…………あ…………」
「君が壊れてしまわなくて……ほんとうによかった……」
ネコミミストは理解した。
シャリダムを喰らうネコミミストの様子を見て危険だと判断した666は、
ネコミミストが不死者であり死なない事を逆手に取り右腕を切り落とす事で、
不死者の捕食を強制的に中断させ、ネコミミストを救ったのだ。
「ふふ……それに奴もあそこまで弱れば、消し炭にすれば倒せるだろうしね……」
666はそう言うとデビル・シャリダムに歩み寄る。
地面を赤く染めあげながら歩いていく。
その背後の空間が揺らいだかと思うと、無数の爆薬がシャリダムと666の周囲に転げ出た。
「ろ……666……?」
まるで川の様に大地を染めた夥しい量の血の海。
確実な致命傷を負った666は、ネコミミストを振り返って微笑んだ。
「ああそうだ……そこに置いてある幻夜のデイパックには、デバイスも入っていた。
 君の服はもう着れないし、あれでバリアジャケットを作ると良い……うぐっ」
「666!!」
「来るな」
駆け寄ろうとするネコミミストを手で制した。
「ふふ……そうだ、リクエストでもしておこう……。
 リボンだ。
 君には、きっとリボンがよく似合う。
 色は、君の元の服と同じ白かな……うん、きっとよく似合うさ……」
「怪我を……666、あなたの傷の治療をっ」
ネコミミストも判っている。
666の傷は間違いなく致命傷で、助ける術など何も無いのだと。
それでも666は笑っていった。
「さっきは済まない……これは私のミスなのに君を叩いてしまったな……」
「ち、違う! わたしのせいだ! ぜんぶわたしの!
 わたしのせいで、わたしが、わたしがあなたをころ……」
「それは違うよ、ネコミミスト……私は殺されなん……ぐっ……」
666は導火線に火を点けた爆薬を一つ、爆薬で囲った中に放り出した。
ジジジジと音を立て、火が爆薬に近づいていく。
666とその足下で蠢くシャリダムを爆炎に包み込むために。
666はこみ上げた血の塊を呑み込んだ。
そしてまるでどこかに旅立つような軽やかな笑顔を浮かべて。
「生き続けたまえ、ネコミミスト。いつか、また会おう」
「666――――――――!」
閃光が全てを包み込んだ。

爆風がネコミミストに吹き寄せる。
思わず目を瞑り地面に伏せた。
そして煙が晴れた時、そこには。

666の居た痕跡も、シャリダムの居た痕跡も、綺麗さっぱり残っていなかった。

「あ……ああぁあああぁああぁあああぁああぁああああああぁあああああああああああああぁっ」

慟哭が天を衝いた。

     * * *

学校より少し東のビル街。
そこに有る高層ビルを直上。詰まるところ屋上。
その更に少し上空。
「……おやー?」
緊張感の無い声が響いた。
リリカルなのはのヴィータの姿をしたその少女は、首を傾げた。

2960(後編)(8/11):2008/03/12(水) 01:11:25 ID:ndGs5VV.0
クマのプー太さん。
書き手ではない、パロロワの有名絵師。主催側からの監視者。
同行していた転が優勝狙いに転向した様に、殺し合いが極めて円滑に進むのを見てとった彼女は、
転移により主催の本拠地に帰還しようとした。
その直前にふと、上空からゲーム会場を一望していこうと思ったのだ。
ただそれだけの事。
何て事はない、どうでもいい気まぐれだ。そうまでしなくとも彼女は監視を実現できる。
だからそこで彼女に出会ったのは偶然に近かった。
「何してるんですかー?」
彼女は屋上に居た人影に訊ねた。
無数のリボンがはためいていた。

     * * *

出しっぱなしのシャワー。虚ろな瞳。
傷一つ無い肌。肌を伝い流れ落ちていく水滴。
響き続ける水音。動く様子のない、少女。
あまり長くない黒髪は、だけども深みのある艶を取り戻していく。
瞳は依然、虚ろなままだった。

それでも少女は、唐突に動いた。
きゅぅっと、シャワーの蛇口を捻って止めた。
それからシャワー室の中でも身につけていた右手薬指の指輪を掲げて、呟く。
「クラールヴィント。バリアジャケットを」
ベルカ式のこのデバイスでは騎士甲冑というのが正しいのだが、
デバイスはそんな差異を咎める程に狭量ではなかった。
まるで蛹から蝶が生まれるように、デバイスからリボンが溢れ出る。
真っ白なリボン。純白という色の線。
(あの人が望んだカタチに――)
無数のリボンが絡みつく。
中指の付け根にリボンが絡み、そこから手の甲を覆って手首に結び、
編み上げるように二の腕までを包み込んでいく。
衝撃波を制御しやすくする為に、指と掌が露出したフィンガーレスグローブ。
ウェディンググローブにも使われる優美なデザイン。
(白い、リボンで――)
足指にもリボンが絡む。指先からまるで壊れやすい物を包むように繊細に、しっかりと。
まるでトゥシューズ。
足首に達したリボンはそこから絡み合うように溶け合って、足を薄く広く包み込む。
タイツかストッキングかソックスか。見る人により意見の異なる曖昧さ。
(タイトに、抱いて)
胸を、胴を、腹部を、股関節を。
強く深く抱き締める、貞節の白い帯。所により締め上げて、所により僅かなゆとりを残す。
「フッ…………」
吐息を漏らす。
震えていた小さな肢体を、もう震えないようにしっかりと締めくくるレオタード。
体にピッタリと吸い付く白い鎧。
その上でまたもリボンが踊り、白い上着が飾られる。
リボンが踊る。
汚されて捨てた白い鉢巻に代わって、新たなリボンが頭部を締める。
新たな鉢巻。前に進む決意を持てるように。
美しくも華奢なヘッドドレスではなく、
「わたしを……護って。わたしがみんなを……護れる…………ように………………」
それからまたもリボンが踊った。
手首で、足首で、首もと、胸元で白いリボンが舞い踊る。
それらは優しく結ばれた。
彼女を飾り、祝福する為に。
零れた水滴はシャワーの水滴の残り水か、決意と悲しみの涙か。

2961(後編)(9/11):2008/03/12(水) 01:12:18 ID:ndGs5VV.0
「わたしが……あの人の。
 あの人とみんなの想いを無駄にしない為に」
それが残った願い。
体はスクライドで出来ている書き手は、牙無き者の剣として想いに殉じ果てた。
幻夜・フォン・ボーツスレーは死の連鎖の中でも何かを遺し繋がれる事を願った。
そして派手好き地獄紳士『666』は――ネコミミストが壊れず、正しく生き続ける事を望んだのだ。
「わたしがあなたに出来る事は、それだけだから……」
故にネコミミストが彼女達の為に彼女の想いを汲もうとするならば、
死ぬ事も、狂気に逃げる事も、何もせず鬱ぎ込む事さえ許されはしないのだ。
罪の意識はネコミミストを前に向けて引きずる。
悲しみは絆に応えなければいけないと急き立てる。
ネコミミストには未来への一方通行しか遺っていない。
「だから……」
シャワー室から出たネコミミストは、入り口に立て掛けておいた双剣を手に取った。
ゲドー・ザ・マジシャンの支給品から出てきた、マテリアルブレード。
テイルズシリーズ出展の炎と氷の属性を持ったこの二刀は、
例えばアニロワに登場するFateの干将莫耶のように、二本で一組の剣なのだ。
だが馴染み薄いアニロワの住人には別々の武器に思えたのだろう。
それは炎上するホテルにおいて、四次元デイパックの奥の奥に有った不死の酒が見落とされた一因だった。
ただでさえ支給品が三つ有るかは判らない。
だからグルメテーブルかけとこの双刀で三つだと思ってしまった。
……ネコミミストには関係の薄い話だった。
ネコミミストがこの双剣を握るのは、666を刺してしまったあの刀を使いたくないからだ。
その双剣を、ジャケットの一部に形成した白亜の鞘へと滑り込ませる。
新たな武器と白いリボンに身を固めて、ネコミミストは歩き出した。
未来へ向けて。
「だからわたしを………………」

――気高き白猫は歩き出した。

     * * *

「何をしているか? そんなもの、あの子を愛しているに決まっているじゃないか」
黒いリボンがはためいている。
衝撃のネコミミストが纏ったバリアジャケットとそっくり同じデザインのリボンドレス。
ただ全ての色が、黒かった。
それ以外に違う所が有るとすれば、背中から黒い翼が無数に伸びている事ぐらいか。
その手にはメタルイーターMXから取り外された狙撃スコープ、つまり望遠鏡が握られている。
「愛して覗きですか? えへへ、変態さんですね」
「覗きとは人聞きが悪い。見守っていたのだよ。うん、辛うじて前向きなようで何より」
彼女はスコープをしまい込むと、プー太へと振り返った。
特に警戒する様子もなく、言う。
「丁度良い話し相手が出来たな。何かな、プー太くん」
プー太は彼女に聞き返す。
「そうじゃなくて、どうして生きているんですか?
 あの子には死んだって思われてるみたいですよ……ええっと、何て呼びましょう?」
「そうだな……君なら666で良いだろう。更に偽名を名乗ろうかと考えてはいるけれど、まだ良い」
派手好き地獄紳士『666』は、答えた。

2962(後編)(10/11):2008/03/12(水) 01:14:55 ID:ndGs5VV.0

「私がまだ生きている理由はそう、一言で言えば悔恨だ」
「悔恨ですか?」
ああと頷いて続ける。
「私は彼女に随分と色々な物を与え、教え、変えてきた。沢山の事を。
 その結果、あの子は私の望む理想像を叶えてくれたと言えるだろう。
 私を殺すのがあの子だとしたら、それ以上を望むべくもない位だ」
666はそう言うと、どこかしら愁いを感じる表情を浮かべた。
「だけど私は見落としていたんだ。
 ならば私は、あの子に殺されるに足る存在だろうか? という事をね。
 私はあの子に多くを求めながら、その実、ネコミミストに釣り合う存在ではなかったんだ。
 まったくもってひどい話だ」
「えー……すごく悼まれてるみたいですよ?」
「ああ、それだけでしかない」
666は言う。
「私は心底からネコミミストの事を愛している。ネコミミストも私の事を大切に思ってくれていた。
 あのまま死ぬのは本当に至福だった。
 私はネコミミストの喪失した大切な物として、彼女の心にずっと居座り続ける事が出来ただろう。
 愛し、愛してくれる者の心に永遠に残る事ほど幸せな事なんて無い。
 ――だけど」
涙さえ零しながら話す。
「それではダメなんだ。そんな事ではダメなんだ!」
666は本当に心の底から、ネコミミストのために泣いていた。
「まだ先があるはずなんだ! あれより先が!
 もっと上があるはずなんだ! あれより高みが!
 更に底があるはずなんだ! あれより深みが!
 だから私は、私が愛させてくれたネコミミストに続きを与えようと思う。
 そう、その為に――」
それはほんとうに純粋な愛の涙で。

「――ネコミミストから私への愛がそっくり憎しみに変わるとしても」

寒気がするほどに真摯な、人から外れた感情だった。

「うーん、つまりあなたは何をするつもりなんですか?」
「やる事は簡単だ。私は、極悪人になる」
666は微笑みすら浮かべて言った。
「あれ、殺し合いに乗ってくれるんですか?」
「そういう事になるな。とにかく私は憎まれる事にした。悪のカリスマでも、下衆な鬼畜生でも良い。
 このバトルロワイアルに参加する全ての者から悪鬼の如く憎まれるようになれたら尚良い。
 最も望ましい事は、それを暴露した末にネコミミストの手によって――『喰われる』事だ」
「喰われる……」
「そう、私の想いの全てをネコミミストにぶつける。それが私の望む最高のクライマックスだ。
 そしてネコミミストが、全ては自分への愛によるものだった事を知ってなお立ち上がろうと足掻く事を願っている。
 そうでなければ――悼みも苦しみも悲しみも全て終わってしまうのだからね」
クマのプー太は気付いた。
「ところで666さん。あなた主にLSロワの書き手じゃないですか」
「ああ、そうだとも。絵板では何時も貴方に素晴らしい絵を描いてもらっている幸せなLSロワの書き手だ」
「でもその黒い羽ってもしかすると、アレを取り込みました?」
「ああ、そうだとも」
666は不敵に笑った。
「あれも私が出した支給品には変わりないからな、出せない理由なんて何も無い」
「やっぱり。えへへ、予想はしていたんですよ、その時が来るのは」
プー太も平然と笑って見せた。

「やっぱり使っちゃいましたか。――“闇の書”を」
「使ったとも。――“闇の書”を」

2963(後編)(11/11):2008/03/12(水) 01:18:07 ID:ndGs5VV.0
666はアニロワ1stでも、序盤に数話だけ執筆していた。
その時に出したアイテムは、やはり彼女の異名通り良くも悪くも強烈だ。
BLOOD+からディーヴァの剣とルルゥの斧。
ドラえもんからマイクロ補聴器。
魔法騎士レイアースから鳳凰寺風の弓と矢、それと剣。
――そう、シャリダムの触手に向けて放たれた矢はこの矢に他ならない。
Fate/stay nightから凛の宝石十個
――シャリダムに操られる幻夜の死体に放たれた石はこの宝石に他ならない。
そしてなにより、闇の書。
これで全てだ。
融合型デバイス闇の書。アニロワ1stにおいて重要な役回りを果たし大ボスの一つとなった危険物。
このアイテムは闇の書と融合する事で制御される。
666の髪は白髪に染まり、お下げは解かれて後ろに流されていた。
更にずっと付けていた丸眼鏡を外した事で、外見の印象は大きく様変わりしている。
「私があの状況で生き残れたのはこの闇の書のおかげだ。
 シルバースキン・アナザーで爆風を防ぎ、闇の書とユニゾンして強大な魔力と高演算能力を獲得し、
 強化した能力に加えて凛の宝石を一個使って懐中時計型航時機カシオペヤを瞬時に起動して疑似空間転移。
 その後にもう一本だけ残っていたエリクシールで傷を癒す。いやはや危ないところだった」
「うわあ、チートですねえ」
「ラス1補正と言ってくれたまえ。なに、このロワではこれでようやく中堅だろうさ」
あながち間違いとは言えないのが怖ろしい。

「だけどそのバリアジャケットは“闇の書”で生成した物でもない」
「その通り。どっちで作っても同じなら、ネコミミストとお揃いにしたかったのでね」
その全身を包むのはネコミミストの白リボンバリアジャケットを丸々黒く染め変えたもの。
そして666の右手薬指には、“クラールヴィントがはめられていた”。
「クラールヴィントは情報戦に強い。
 同じクラールヴィントでジャミングをかけておかないと、ネコミミストはすぐに私の生存に気付いてしまう。
 物事にはタイミングという物が大事だ、今はまだ知られるわけにはいかない」
「じゃあ、そのクラールヴィントはどこから出てきたんでしょう?
 あなたのアイテムは全て、あなた自身がどこかのロワで登場させた支給品です。
 アニロワ1stで出したのはあなたじゃありませんし、LSでは出てません。
 では他のロワでしょうか?」
666の笑みに一瞬、狡猾な邪悪さが混じった。
「さあ、どこのロワだろうね。ふふふ」
「どこのロワでしょうねえ? えへへ」
顔を見合わせて笑い合う。そしてプー太は言った。
「その事実だけであなたは十分に鬼畜だと思いますよ?」
「ありがとう、素晴らしい誉め言葉だ。話し相手になってくれたお礼に、これをあげよう」
666はエリクシールの瓶を一本手渡した。
プー太は怪訝な様子で瓶を受け取る。
「エリクシールですかあ? いえ、でもこれは……」
「アレの分泌したイケナイ触手汁だ」

「ONIICHAAAAAAAAAAAAAAAAAANNNNN!!!!」
指差した先、隣のビルの屋上で咆哮が上がる。
そこに居たのは言うまでもない。ようやく再生を終えた、デビル・シャリダム。
殆ど崩壊したものを、666が連れ去っておいたのだ。
「正確にはそれを被ったネコミミストが脱ぎ捨てた服から搾り取ったものだ」
「うわ、なんともフェチズム溢れますねえ」
「何か変わった展開に使えるかなと思って、エリクシールの瓶2本に詰めておいた。
 持って帰りたまえ」
「はい、ありがたく……ってどうするんですかこんなの! エロ展開以外の何に使えと!?」
「ハハハ、主催側の書き手に渡せば頭を絞ってシリアス展開にも使ってくれるさ。多分。
 では、さらばだ!」
666はばさりと六枚の黒翼を広げて、舞い上がる。
凄惨で救われないのに前に足掻こうとしてしまう残酷極まりない美しき悲劇を、ネコミミストにプレゼントする為に。

――禍々しき黒天使は飛び立った。

2964(状態表):2008/03/12(水) 01:19:19 ID:ndGs5VV.0
【午後/E-5/学校跡地】
【衝撃のネコミミスト@アニ2nd】
【装備】:マテリアルブレード@テイルズロワ、クラールヴィント@アニロワ1st、バリアジャケット
【所持品】:支給品一式、拡声器
【状態】:精神的に消耗。不死者化。
【外見】:バリアジャケットの白いリボンドレス。
【思考・行動】666……………
基本:前に……進む…………
1:スクライドの遺志を継ぎ、牙なき人の剣になる。積極的にマーダーキラー路線。
2:熱血王子と再会したら、今度こそ彼を止める。
※衝撃波を使えます。掌からだけでなく、足の裏からも出せるようになりました。
※「大あばれ鉄槌」を幼女好きの変態と勘違いしています。
※シャリダムを通じて幻夜の死体を喰い、その記憶と知識と経験を得ました。
 また、ブックがロワに来てからシャリダムが生まれるまでの経緯を体験しました。

※血塗られた、永遠神剣第六位『冥加』は学校跡に残されました。

【午後/E-6/ビル屋上】
【派手好き地獄紳士666@LSロワ】
【装備】:ゲート・オブ・バビロン@アニロワ2nd(※特殊仕様)、闇の書@アニロワ1st、
     クラールヴィント@アニロワ1st(ネコミミストと同じ物)、バリアジャケット
【所持品】:支給品一式、エリクシール瓶に入ったシャリダムのイケナイ触手汁
【状態】:闇の書発動。不死者化?
【外見】:黒いリボンドレス、背中から黒い六翼。長い髪は白く染まり後ろに降ろしている。眼鏡外し。
【思考・行動】
基本:極悪外道になった後、ネコミミストの前に敵として再会。ネコミミスト心から愛してる。
1:マーダーとして悪行を積む。
2:ネコミミストの前に敵として現れ、最終的に喰われる。
※ゲート・オブ・バビロンで出せるアイテムをどれも『一応は何とか使いこなせ』ます。
 エリクシールと爆薬は使い切りました。
 浄玻璃の鏡の回数制限は残二回。凛の宝石は残り八個。風の矢は残量不明。
※「大あばれ鉄槌」を(ロリ的に)危険人物と断定しました。
※ゲート・オブ・バビロンで出せる新たに判明した物及び追加された物。
 アニロワ1stからディーヴァの剣、ルルゥの斧、マイクロ補聴器、
 鳳凰寺風の弓と矢、鳳凰寺風の剣、凛の宝石×10、闇の書。
 加えて――マテリアルブレード@テイルズロワ@XXX、クラールヴィント@アニロワ1st@XXX、
 不死の酒@アニロワ2nd(既に使用済み?)@XXX。
※闇の書と融合しているため、その内に言うまでもなく――

※クマのプー太氏に【エリクシール瓶に入ったシャリダムのイケナイ触手汁】が渡されました。
 エリクシールはバビロンのアイテムですが、中身が代わっている為、666以外でも使えるようです。

【午後/E-6/別のビル屋上】
【デビルシャリダム】
【状態】:酢飯細胞侵食、不死者分大幅減量、胸に12の傷(※)、腹に10の刺し傷(※)
【装備】:乖離剣・エア@Fate※
【道具】:なし
【思考】:
 基本:ONIICHAAAAAAAAAAAAAAAAAANNNNN!!
  1:全てを飲み込む
※不死者化する前に出来た傷は治りません。ずっと、痛いままです。
※エアは取り込まれていますが、過負荷により機能停止中です。
 このままでは再起動しません

※シャリダムはこの後、203話『我輩は――……』に続きます。

2965貴様らに名乗る名など無い!:2008/03/12(水) 01:28:06 ID:ndGs5VV.0
投下完了。タイトルは『さよならは言わないで。だって――』で。

内容の関係上、一部他作の描写を引っ張らしていただきました。
その最中で思った。うん、凄いわ、あれは。

2966貴様らに名乗る名など無い!:2008/03/12(水) 03:24:02 ID:PgmCJGvo0
666、666、666!!
すっげえ、おもしれえ!
ってか666あなたまさかうわちょいやめ。ばたり

2967貴様らに名乗る名など無い!:2008/03/12(水) 04:57:05 ID:QSKSsKys0
投下乙&超GJだ!
イケナイ触手汁に、白いリボンドレスと黒いリボンドレス。
まさに紳士の仕事というに素晴らしい仕上がり。
これをどうしてやろうかと、ワクワクせずにはいられないw

あぁ、そして。
他人の手を介し、客観的に見て初めて自分が何をしていたのか解ったよ。
うん。ドSと呼ばれてもさもありなんだなw

2968貴様らに名乗る名など無い!:2008/03/12(水) 11:44:22 ID:7WO3lTlE0
超GJだ!
ところで、まさかそのクラールヴィントの起動音はあれなんだこの腕どこから伸びてえひょっとして旅の鏡かy(ry

2969ななしさん いやん☆いやん:2008/03/12(水) 22:25:59 ID:0Y7y3Ehw0
失礼、テスト

2970ななしさん いやん☆いやん:2008/03/12(水) 22:36:46 ID:SpCAqHyY0
なにやってんだ管理人さんwww

2971ななしさん いやん☆いやん:2008/03/13(木) 13:39:57 ID:6UyvRS6E0
いやんいやん自重wwwwwww ああ、自分が戯れで言った『いやんいやん』が巡りめぐってこんなことにwwww

2972ななしさん いやん☆いやん:2008/03/13(木) 19:22:41 ID:O5kqOoR.0
まだまだいやん☆いやん

2973したらば孔明の陰謀:2008/03/13(木) 23:27:50 ID:ryn5WiMU0
蟹座氏とバトルマスターに壮大な誤解フラグを立てた張本人であるしたらば孔明。
彼女は部屋に戻るべくホテル内を移動していたのだが……
突如、何の前触れもなしに頭痛に襲われ、廊下に蹲る事になった。

「こ、これはっ――」

『わかってますよぉ? 私はあなたを最速で倒し、そして静かな余生を送ると……そういう覚悟です』
『狭っ苦しい電線の中じゃあ、確かにあなたは最速かも知れない。
 プライドは傷つきますが、光速というのなら仕方が無い。電線の中の最速はあなたに譲りましょう。
 だが! 地上最速は私! それだけは譲れないし、譲る気などありはしない!』
『(地味子さん……あなただけは、最後まで反逆者でいてください)』

(これは、もう一人の私であるフリクリ署長の記憶……どうやら署長の方はここでリタイアですか。
 まあ、しょうがないですね。
 この書き手ロワ2ndを終わらせるために来たといっても、もう一人の私はそれらしい事を何一つしませんでしたしね。
 感電さんもその辺りの事を考慮して、署長の方の私を間引きしたんでしょう。
 結果は相打ちっぽい形でしたけど)

ちなみになぜ孔明にフリクリ署長の記憶が流れ込んできたかというと、そういう風に仕掛けを施していたからに他ならない。
それはしたらば孔明とフリクリ署長のどちらかが力尽きたならば、もう一人の方に記憶を受け継がせるという仕掛けであった。
その理由は孔明の真の目的にあった。
そう全てはしたらば孔明の真の目的である「書き手ロワ2ndを無事に完結させる」ためであった。
そのために自分はあの二人に誤解フラグを立ててロワ進行に貢献したというのに……

(署長の方の私は何ですか。
 地味な少女を救ったと思ったら、いきなり気絶。起きたら三つ巴のバトルをして、その後は一端の考察キャラ気取りですか。
 チーム名に『ジミーズ』とか、いかにも空気になるような名前じゃないですか。
 キャラに飲み込まれないとか言っておきながら、結局自分が一番飲み込まれていましたし……)

そうして孔明は一人大きく溜息をつく。
そして自分の手元にある支給品――携帯電話に視線を落とす。

この携帯電話にはある機能が付随していた。
それはアプリ『信長の野望』である。
実はこの『信長の野望』には隠しステージとして「世界平定編」というものが組み込まれていたのだ。
文字通り日本平定をコンプリートした際に出てくるもので、海を渡って世界を平定するという流れだ。
そしてさらにその隠しステージもクリアすると、裏ステージなるものが出現する。
その名も「宇宙平定編」
イスカンダルもM78星雲もなんのそのという具合に全宇宙の平定を目指すステージである。

実際孔明は裏ステージまで全てクリアしてみせた。
これも孔明の知略の成せる業である。
そしてそれをクリアすると携帯自体に新たな機能が付け加わったのだ。
ゲームをクリアすると何か起こるなど、まるでアニロワ1stの"THE DAY OF SAGITTARIUS Ⅲ"ゲームCDのようだ。

2974したらば孔明の陰謀:2008/03/13(木) 23:28:15 ID:ryn5WiMU0
『柿テロ猥・R2‐ND』

一見するとなんだか分からない名前だが、孔明はこれがどのようなものか瞬時に理解した。
そして最初に表示されていた注意書きの欄を見て、それは確信に変わった。

『柿テロ猥・R2‐NDにようこそ!
 ここではとあるロワの様子をSS形式でお送りしているwikiです。
 更新は6時間ごとに行われる放送時です。その放送までに起こった出来事を掲載します。
 暇つぶしに是非ご利用ください。
 なお、そちらの携帯からの編集は受け付けられないので御了承ください。
 過疎の無からロワスレを救う方舟になるか? 人気ロワを滅ぼす悪夢となるか? 未来は   達に託されたな。』

中身を見たら一目瞭然だ。
これは現在自分が参加しているこの書き手ロワ2ndのwikiだ。
見る事ができる項目は「ロワ本編」「最終登場時刻」「参加者名簿」「死亡リスト」の4つ。
「ロワ本編」はその名の通りSSが読める。ちなみに時系列順で現在は第2放送までが掲載されている。
「最終登場時刻」は参加者の現在地付きの地図。こちらも第2放送までが掲載されている。
「参加者名簿」はデイバックの中にもあったが、こちらは書き手の紹介文が載っている。
参加者のトリップ、所属ロワ、性別、外見、特徴その他、紹介文から構成されている。
「死亡リスト」は誰が誰を殺したかが一覧表になっており一目瞭然となっている。これも第2放送までが掲載されている。

しかしこの内容が正しいとは、さすがの孔明もすぐさま信用しなかった。
そこで「管理人・したらば孔明」の欄を見てみたのだが、結果この内容は全て正しいという事に達したのだった。
そこから孔明は今に至るまで誰にも悟られぬように『柿テロ猥・R2‐ND』に書いてある内容を読破したのである。
現在孔明は第2放送までの各書き手の行動を全て把握したのだった。

そして孔明はいくつか考えを巡らす事となる。
一つ目は孤高の黒き書き手と漆黒の龍について。
ここに掲載されている「覚醒の黒き書き手」によれば、この二人は夢の中で愛の伝道師(つきのん)から自分達の話を聞いている。
なぜ愛の伝道師が自分達の事を察知できたのか……これは後から考えるとして、この二人の存在は後々障害になりそうだ。
何らかの手を打っておく必要があるかもしれない。

そして次に……

(地図氏……あなたは何をやっているんですか……)

そう二つ目は同志である地図氏について。
開始当初こそ積極的にロワ完結に向けて行動していると思ったら、いつの間にかクールなロリスキーとこな×かがを満喫する始末。
本人はロワ完結に向けて何かやっているのかもしれないが、こちらとしてはもう少し真剣にやってもらいたいところだ。
まあ、自分もロワ開始当初は若干孔明に飲み込まれがちだったが……

(地図氏にもそろそろ働いてもらわないと……
 仕方ない、予定変更です。あの人に頼んでみますか)

孔明は踵を返して元来た道を戻り、監視室へと向かった。

2975したらば孔明の陰謀:2008/03/13(木) 23:28:37 ID:ryn5WiMU0
 ◇ ◇ ◇

その監視室では現在二人の書き手がモニターを眺めていた。
蟹座氏を見かけてホテルへとやってきた仮面ライダー書き手とコ・ホンブックの二人である。
ライダーの提案でホテルに入った二人はホテルの案内板からこの監視室の場所を知り、
今に至るまでここでホテルにいる書き手の動向を探っていたのだった。
だが専ら部屋の監視は適当な理由をつけて自分が受け持ち、ブックの方には廊下の監視を任かしておいた。
これでこちらの都合がいいようにことが運びやすくなる。
まあ、さすがにいきなりの変態行動には驚かされたが……

(さてこれからどう動くかな。このままこいつらの痴話喧嘩を見ているのも面白いんだが……)

そろそろ行動するか、とライダーが考え始めた瞬間、廊下を見張っていたブックから声がかかった。

「書き手お兄ちゃん、さっきの人がまた来たよ」
「またか。とりあえずまだ様子を見たいから、今度もやり過ごそう。それでいいかな、ブック」
「書き手お兄ちゃんがそう言うならそうするよ」

ブックはライダーの言葉を全く疑いもせずに素直に言う事に従った。
実を言うとしばらく前にも同じような出来事が起こっていた。
その時は今と同じような感じでやり過ごし、気づかれる事はなかった。
今回も同じようにいくと思われたのだが……

「あのーいますよね。仮面ライダー書き手さんにコ・ホンブックさん」
「「!?」」

なぜかいる事がばれていた。しかも自分達の名前までしっかりと把握されていた。
いったいどんな手段を使ったんだ。
いる事が分かったとしても、まさか名前まで知られているとは……

「私アニロワ2ndの管理人・したらば孔明です。対主催であなた達と話がしたいんです」
「書き手お兄ちゃんどうするの? 私と同郷の人みたいだけど」
「しかたない。ブック、鍵を開けてきてくれ」

よしんば害意があったところでこれなら被害を受けるのはブックの方だ。
自分としては痛くもかゆくもない。
そして鍵が開けられた鉄の扉がゆっくりと開かれる。

「改めまして管理人・したらば孔明です」

2976したらば孔明の陰謀:2008/03/13(木) 23:29:04 ID:ryn5WiMU0
 ◇ ◇ ◇

実のところ、孔明はさっきここに来た時点で監視室に誰かいるのは分かっていた。
息を潜めていたとはいえ、それだけでは孔明の目は欺けない。
加えて監視室には玄関から続く足跡がうっすらと残っていた。
放送後に目覚めた時に時計と一緒に窓の外を見ていたので、ホテルに入る二人の姿は確認できた。
二人の容姿と第2放送までの行動は『柿テロ猥・R2‐ND』で既に把握済みだった。
これらの要因から監視室に誰かいて、それは仮面ライダー書き手とコ・ホンブックの可能性が高いという結論に至った。
そしてその予想は見事的中する事になる。

さて、ここからが本番だ。

「改めまして管理人・したらば孔明です」
「俺はライダーロワの仮面ライダー書き手。この子は君と同郷のコ・ホンブックだ。
 って言っても、君の方は俺達の事を知っているみたいだね。
 どうしてなんだい?」
「それは後からお話します。
 まずはブックさん。ちょっといいですか」
「へ、わ、私?」

ブックは突然話しかけられて少々戸惑ってしまった。
どうしていいのか分からずにライダーに判断を委ねるように彼の方に目をやる。
ライダーは怪訝そうな表情を見せたが、何かを感じ取ったのか特に異を唱える事はなかった。
ブックはそれを肯定と受け取って、孔明に近づいた。

「えっと、何ですか」
「ええ、実はやってみてほしい事があって……エドの衣装に賢者の石ですか。
 これは本当に期待できそうですね。
 実はこれなんですけど……」

そういって孔明が取り出したのは壊れた大鉈であった。
しかしよく見ると、所々に魔方陣のようなものが描かれている。

「本当はだめもとだったんですけど、賢者の石があるなら成功する確率は高いですね。
 ブックさん、この陣の上に手を翳してくれませんか」
「あの……もしかしてこれって錬金術じゃ……」
「さすがアニロワ2nd書き手! 一目で分かりますか。
 ええ、その通りです。これは見ての通り練成陣ですよ」
「……私……錬金術は使えませんよ」

そうコ・ホンブックの能力は紙使いの能力。
決して錬金術の類ではない。
孔明とてそれは重々承知していた。

「前のあなたならね。でも今は多少事情が違っているはずです。
 承の浄解により新生した今のあなたなら、もしかしたら……と思いまして。
 まあ、騙されたと思ってどうぞ」

ブックはいまいち状況が把握しきれていない様子だが、言われるままに練成陣の上に手を翳した。
すると、賢者の石が赤く輝き、次いで練成陣が青白く光りだし、電光のようなものが走ったと思った次の瞬間には――
壊れた大鉈は新品のように傷一つない姿をしていた。
それを成し遂げたブックはもちろんの事、提案した孔明でさえ目の前の光景に少なからず驚いていた。

「まさかこれほどスムーズにいくとは……収穫ありでしたね」
「孔明。そろそろ君の話とやらを聞きたいところなんだけど」

ライダーは目の前の光景に軽く驚愕しつつも、状況の説明を求めてきた。
こう立て続けに主導権を握られていては面白くないのだろう。
孔明はそろそろ本題に入る頃だと判断した。

「分かりました。ではライダーさん、二人で話がしたいんですけど……いいですか?」

ライダーはその申し出にしばらく考え込んでいたが、承諾するのにさほど時間はかからなかった。

2977したらば孔明の陰謀:2008/03/13(木) 23:29:58 ID:ryn5WiMU0
 ◇ ◇ ◇

「ブック、すまないな」
「ううん、大丈夫。気をつけてね」

そう言うブックの手の中には一冊の本。
題名を『錬金術大全』というこの本は、孔明が『キャッスル・満漢全席』の地下書庫から見つけ出してきたものである。
古今東西ありとあらゆる世界の錬金術の全てが示された本だ。
ブックにはしばらく隣の部屋でその本を読んでおくように言っておいた。

「二人きりで話したいとは、余程大事な用件とお見受けしたが」
「ええその通りですよ――ステルスマーダーの仮面ライダー書き手さん」
「貴様、それを知ってもなお俺にどういう用があるんだ」

孔明の一言でライダーは押さえていた殺気を隠す事を放棄し、返答次第ではすぐさま孔明を殺害するという気になった。
今ブックにステルスがばれるのは非常にまずい。
幸い今ならブックに気づかれずに孔明を殺す事が可能だろう。
しかし意味が分からない。ブックを遠ざけて自分にその事を告げた真意が。

「では話しましょうか」

そしてしたらば孔明の言葉は始まった。

「さっきも言ったように私のスタンスは対主催です――但し真の目的はこのロワを終わらせる事です。
 アニロワ2nd風に言うと、危険な対主催って言ったところですか。
 同志には感電氏と地図氏がいます」

あっさりと己の秘密を暴露するしたらば孔明。
いったい何を考えているんだ。

「聞きたい事はいくつかあるが、それが俺とどういう関係があるんだ。それになぜ俺達の事を知っていたんだ」
「あなた達の事を知っていたのはこれのおかげです」

そう言って孔明が取り出したのはどこにでもあるような携帯電話だった。

「この携帯……と言っても中に入っている隠し機能なんですけどね。
 えーと、あ、これです」

そう言って見せられたディスプレイには『柿テロ猥・R2‐ND』というものが表示されていた。
なんだこれ? 柿……テロ……猥……R2‐ND? ん、ああそうか。そういう事か。

「お察しの通りです。これは私達の動向を記したものです。
 もっとも放送ごとの更新ですけど」
「なるほど。それで俺達の事がわかったと。
 ……俺がそれを奪うとは考えなかったのか?」
「ええ、今から私が言う事を聞けば、協力してくれると思いましたから」
「それはどんな内容だ? 悪いが――」
「まとめキングを生き返らす事が可能だと言ってもですか」

なんだと? 今こいつはなんて言った? 何をどうする事ができると言った?

「もう一度言います。
 私達ならまとめキングを生き返らす事が可能です」
「それは……本当……なのか?」

正直信じられなかった。
ロワの中で参加者が生き返る事は滅多な事では起きない奇跡とでもいうものだ。
だから俺も「まとめキングを生き返らせる」と思いつつも、心の内では半ば諦めていた。

「順番に詳しく言いましょうか」

そうして孔明は語り始めた。
ロワ開始当初、まとめキングが歩く頭脳戦という奴に罠に掛けられて殺されてしまった事。
まとめキングを殺して油断していた歩く頭脳戦を自分が殺した事。
証拠としてオールオーバーとその時の話を見せられたが、半分ぐらい読んだ所で無念さが胸にこみ上げてきた。

2978したらば孔明の陰謀:2008/03/13(木) 23:30:46 ID:ryn5WiMU0
(まとめキング……さぞ悔しかったでしょう。
 本来なら俺があなたの仇を討つところですが、それは孔明がやってくれました。
 待っていて下さい。必ずやあなたを生き返らせてさしあげます)

「心の整理はつきましたか」
「ああ。それで生き返らせる方法というのは?」
「錬金術ですよ。その中でも禁忌と謳われた人体練成。
 それを使えばまとめキングを生き返らせる事ができる可能性が高いです」
「高い、というのは?」
「確証はありません。しかし都合よくまとめキングの血はこのオールオーバーに大量に付着しています。
 これと賢者の石、そしてコ・ホンブックの錬金術。
 あと、今は言えませんが、私達がこのロワを完結させた暁に手に入る或るもの。
 この4つの要素が揃ったなら、生き返りも不可能ではありませんよ」

仮面ライダー書き手は歓喜に震えていた。
一縷の望みであろうと、まとめキングが生き返る可能性がある。
なんと喜ばしい事だろうか。

「ふっ、つまり俺はロワが完結するまでは迂闊に貴様らを殺せないという事か。
 作り話ならかなりできた話だな」
「信じる信じないは自由ですよ」

白々しい。こんな話を聞いては嘘か本当かなど関係なく信じるしかないじゃないか。
実際主催者が願いを叶えてくれるよりは信用が持てそうだ。
よしんば嘘だとしてもその時に対応を考えても遅くはないだろう。

「これであなたにだけ話した理由は大体理解できたでしょう。
 あなたならこちらの事を利用してでも私達に協力してくれる、少なくとも私はそう思っています。
 こちらの情報を流すのは個人的に遠慮したかったのですが、そうも言っていられない状況になったので……
 こちらとしては一時的な協力でも構いませんけど」

こちらの考えはお見通しという事か。
ま、それはあちらも織り込み済みという事らしいな。

「俺が対主催に転じる可能性は考えないのか?」
「たった今対主催側の書き手が5人死亡しました。
 これで対主催はほぼ全滅といってもいいような状況に陥り、バランスはマーダー側に大きく傾くと思われます。
 私としてはこれを機に一気にこのロワの趨勢を決したいと思います」

対主催が5人も!? これは真剣にこいつらに加担する方向で考えてみるか。

「で、協力してほしいと言うが、具体的には何をしたらいいんだ」
「あなたにやってもらいたい事は――参加者の一人であるクールなロリスキーを喰う事です」

喰う……俺にそちらの方面の活躍のお望みか。
いいだろう。草加雅人の名に恥じないようにしっかりと喰ってやるよ。

「勘違いされているのかもしれませんが、喰うといってもあっち方面の事ではなく、文字通り『喰って』もらいたいのです」
「どういう意味だ?」
「ロリスキーは柊かがみの姿をした不死者且つ吸血鬼です。
 そして困った事に地図氏はそんなロリスキーにぞっこんです。
 当初の予定通りそろそろきちんと仕事をしてもらわないと、ロワ完結が困難な状況と言わざるをえません。
 そういう訳であなたには不死者になってロリスキーを喰ってもらいたいのです。
 わざわざ不死者になるのはその方が直に殺すより手っ取り早いからです」
「ずいぶん気前がいい話だな。不死の酒までくれるのか」
「気を付けて下さいね。これはアニロワ2nd出展のもの。致命傷を受けたら死ぬので注意して下さい」

そうしてライダーは孔明から今まで不明支給品であった不死の酒@アニロワ2ndを手渡された。
相手が自分を騙しているという可能性はこの時点でほぼ0に近かったが、用心するに越した事はない。

「まずは毒味をしてくれ。そうしたら協力しよう」
「いいですよ。それでは半分貰いましょう」

そうして孔明は不死の酒の半分を一気に飲んだ。
別段変わった様子はなさそうだ。
それではと、自分も残りの酒を飲み干す。

「これで俺達はもう不死者だが、君も不死者になったならわざわざ俺が行く必要はないと思うんだが」
「いえ、私はここでやる事があるので」
「そうか。じゃあ行ってくるよ。
 ああ、ブックの面倒は君が見ておいてくれ」
「もちろんです。錬金術をしっかりと理解させて、人体練成の成功率を上げておきます。
 ロリスキーを喰ったら地図氏に『感電氏がノルマを達成しろって言っていた』とでも言っておいて下さい。
 言わないと即効で殺される可能性がありますから」
「ああ、分かったよ。
(さてどうするかな。いざとなったらベルデを使ってもいいし、それこそステルスして潜り込んで隙を窺うという手もあるか)」

2979したらば孔明の陰謀:2008/03/13(木) 23:31:27 ID:ryn5WiMU0
 ◇

実のところ孔明はブックが本当に錬金術が使えるようになっていたとは考えていなかった。
失敗するだろうと8割方思っていたのだが、結果は大成功だった。
これで当初考えていたのよりライダーをこちらに引き込む事が容易になった。
さらに今の孔明の発言には所々に虚偽が含まれていた。
真実の部分が大部分だが、ライダーをその気にさせるために都合のいいように一部虚偽を混ぜたのだ。
それがどこの部分なのかは孔明しか知らない事であった。

 ◇ ◇ ◇

ブックは最初ライダーと別行動になる事に難色を示していたが、「お兄ちゃんを困らせないでくれ」という一言で決着がついた。
そしてお互いの支給品を交換し合って、ライダーはサイドバッシャーに乗って地図氏一行がいると思われるE-8の病院へと向かった。
もちろん、地図氏一行の容姿と第2放送までの動向は全て伝えておいた上でだ。

今孔明はブックと一緒に錬金術を勉強しながら、上の階の様子を監視している。
あれからいくらか時間は経過しているが、二人は未だに部屋で暴れている。
バトルマスターの方は自分が一度はご主人様と認めた相手だけに申し訳ない気持ちになるが仕方なかった。

(ご主人様……そしてアニロワ2ndの書き手の皆さん……すいません。
 できれば皆さんを生かしてロワ完結といきたかったのですが、そうも言っていられない状況になってしまいました。
 あの感電氏が自ら干渉してくるなんて、余程ヤバいんでしょう。
 ですから私は当初の目的通り、ロワの完結のみを目指します。
 その目的を達成する中で皆さんが命を落とすような事になるかもしれません。
 すいません。皆さんには私達の目的のための人柱となってもらいます)

孔明は心の内で新たな決意を固め、さらなる陰謀を張り巡らせる。

2980したらば孔明の陰謀:2008/03/13(木) 23:32:03 ID:ryn5WiMU0
【夕方】【G-4/ホテル『キャッスル・満漢全席』監視室】

【管理人・したらば孔明@アニロワ2nd】
【状態】:不死者(アニロワ2nd準拠)、健康、衣服に若干の血痕
【装備】:スタンガン@アニロワ1st
【道具】:支給品一式×2、ゲイボルグ@アニロワ2nd、オールオーバー@ライダーロワ、携帯電話@現実、首輪(まとめキング)、
     閃光弾、不明支給品(元書風連・その壱のもの)×1
【思考】:
 基本:書き手ロワ2ndを完結させる(基本的に恋姫†無双の孔明を演じる)
 0:バトルマスターと蟹座氏の動向を監視しつつ、コ・ホンブックと錬金術の勉強。
 1:ロワ完結に向けて策略を巡らす。
 2:あの蟹は邪魔っけだ!
 3:危険人物は徹底排除☆

 ※容姿や言動は様々な作品の孔明のMIXですが、基本は恋姫†無双の孔明の姿と言動です。
 ※頭脳はジャアントロボの孔明。力は水滸伝の孔明。(……他にもあるかもしれません)
 ※【メタモルフォーゼ】
   容姿を恋姫†無双の孔明から、ガチムチな孔明へと変化させることができます。
   但し、効果は1時間前後。また使用後2時間は、激しい疲労感と眠気に襲われます。
 ※バトルマスターと『強く結ばれました』
 ※携帯電話に『柿テロ猥・R2‐ND』が機能として追加されました。
  見る事ができる項目は「ロワ本編」「最終登場時刻」「参加者名簿」「死亡リスト」の4つ。
  更新は6時間毎の放送毎に行われる。
  4つの内容は書き手ロワ2nd@wikiとほぼ一緒。違う所もいくつかあります。


【コ・ホンブック@アニロワ2nd】
【状態】:若干の不安、仮面ライダー書き手への依存
【装備】:ビッグ承 、エドワード・エルリックの衣装@アニロワ2nd 、賢者の石@アニロワ2nd
【道具】:なし
【思考】:
基本:もう諦めない。
1:したらば孔明と錬金術の勉強をしつつ書き手お兄ちゃんの帰りを待つ。
2:仮面ライダー書き手と共に仲間を集める。
3:自分の恰好に一抹の不安。

※不死者化、酢飯細胞の効果が切れました。
 また、浄解により負の感情も治まりました。
 その影響で錬金術が使えるようになりました。
 他にも何かあるかはお任せします。
※首輪は外れたままです。

2981したらば孔明の陰謀:2008/03/13(木) 23:32:28 ID:ryn5WiMU0
【夕方】【G-4/ホテル『キャッスル・満漢全席』-VIPルーム】

【バトルマスター@ギャルゲロワ】
【状態】:胸に抉り傷(回復中)、両腕に削り傷(処方済)、内臓の一部に破損(回復中)、尻に猛烈な痛み
【装備】:蟹座氏の鉈
【道具】:支給品一式、コイン、名簿、永遠神剣「冥加」、不明支給品×2
【思考】:
 基本:コインの表が出た――だから徹底的に抗う
 0:答え(1)「ハンサムのバトルマスターは突如反撃のアイデアがひらめく」を選びたいが……
 1:蟹座氏とはできるだけ穏便に済まし、仲間としたい。
 2:そういえば、放送はどうだったんだろう?
 3:対主催として仲間を探し、殺し合いに乗った輩を倒す。

 ※容姿は前原圭一@ひぐらしのなく頃にです。
 ※自身の精神が、キャラの影響を受けていることに気付きました。
 ※【闘争制覇者-Battle Master】
   発動させることで、決して『バトル』に負けない固有結界を張ることができます。
 ※管理人・したらば孔明と『強く結ばれました』


【蟹座氏@ギャルゲロワ】
【状態】:蟹見沢症候群発症、へこみLv5、顎部に痒み、『蟹座じゃないもん』覚醒
【装備】:体操着(ブルマ)、バットカニパニー
【道具】:支給品一式、蟹座の黄金聖闘衣、最高ボタン、カードデッキ(シザース)@ライダーロワ
【思考】:
 基本:どうしようか……?
 0:蟹見沢症候群発症中!
 1:目の前の変態を殺す。
 2:『あいつ』に逢ったら殺す
 3:ギャルゲロワの仲間とは会いたくなかった……けど。
 4:敵とは戦う。ギャルゲロワ以外でいじめてくる人はみんな敵。
 5:子供の面倒はきちんとみます。

 ※容姿は蟹沢きぬ(カニ)@つよきすです。
 ※最高ボタンを押すと、『いやっほぉぉぉおおおう、蟹座のONiぃ様、最高ーーーーーっ!!!!!』という台詞が、
   ハクオロの声で流れます。シークレットボイスにも何かあるかも?
 ※自分の心がキャラに影響されていることに気付きましたが、キャラに抵抗するため無駄な努力をしています。
 ※身体能力は本気を出せば倉成武ぐらいの力が出ます。通常はカニ。
 ※蟹見沢症候群について。
   へこみのLvが5になったとき、発祥します。発症した場合、自分を苛めたり辱めたりした者を優先的に殺します。
   基本的な症状は雛見沢症候群と同じです。発症中は蟹座氏のチャット状態の特徴により、語尾に♪がついたりします。
 ※言霊『蟹座じゃないもん』に覚醒しました。
   強い意志で蟹座であることを否定することにより、文字通り蟹に縁のあるアイテムから、
   『蟹座じゃないもん』つまり『蟹座じゃないもん(者、物)』の力を引き出せます。
 ※『バッド・カニパニー』が召喚されました。
   蟹座氏のいうことを聞く、千余りの蟹の古参兵達です。幾何学模様を描く隊列は美しいです。強さは蟹です。


【夕方】【G-4/ホテル『キャッスル・満漢全席』周辺】

【仮面ライダー書き手@ライダーロワ】
【状態】不死者(アニロワ2nd準拠)、健康
【装備】カイザギア@ライダーロワ、サイドバッシャー@仮面ライダー555
【所持品】支給品一式 、カードデッキ(ベルデ)@仮面ライダー龍騎、不明支給品(元書風連・その弐のもの)×1、大鉈@ギャルゲロワ
【思考・行動】
基本:皆殺しで優勝。可能ならばまとめキングを生き返らせる。
1:とりあえず孔明に協力する。
  E-8の病院に向かい隙を見てクールなロリスキーを喰う。
2:コ・ホンブックを利用して、対主催者チームを作る。(保留)
3:対主催者チームのリーダーとなり、ステルスマーダーとして行動する。(保留)
4:猫子頭の鬼軍曹とあの漫画ロワ書き手(現代に蘇った熱血怪人)の悪評を広める。
5:俺を好きにならない奴は殺す。
6:コ・ホンブックの信頼をさらに得る。
7:コ・ホンブックを最悪のタイミングで裏切る。

※外見や声は草加雅人です。
※孔明から怪しげな裏話を聞かされました。いくつか虚偽が混ざっているらしいです。
※地図氏一行の情報を得ました。

2982したらば孔明の陰謀:2008/03/13(木) 23:34:03 ID:ryn5WiMU0
投下終了
なんか無理やり感が否めないか自分

2983「……や、やさしく名無して……ほしいで、……ござる」:2008/03/14(金) 00:02:12 ID:AqkL8eI20
投下乙です。
むう、孔明恐るべし。
しかし、陰謀練ってるのは孔明だけでもない罠

2984「……や、やさしく名無して……ほしいで、……ござる」:2008/03/14(金) 00:07:27 ID:AqkL8eI20
って、何だこの名無し!?

2985「……や、やさしく名無して……ほしいで、……ござる」:2008/03/14(金) 00:17:38 ID:iOjkympg0
感電さんは本当に変態ですねw

2986ランチタイムの時間だよ:2008/03/14(金) 08:51:23 ID:iLSprw/c0
リノウリムの張られた静かな廊下に、パタリパタリと足音だけが響いている。
どこであっても似た印象を与える病院の中。そこを一人の少女が物憂げに歩いていた。

少女の名前はクールなロリスキー。
看護婦の格好をしているが、決してそうではない。
よく見れば、いやよく見なくとも、それが一般的な看護婦の衣装――ナース服とは違うことが分かる。

薄く柔らかい生地は身体のラインを際立たせ、通常よりも遥かに短い裾は男の視線を誘う。
そう。彼女が着ているナース服はコスチュームプレイ用。
つまりはこの病院の制服ではなく、あの妙に品揃えのよいアダルトショップで調達したものだった。
何故彼女は数ある衣装の中からこれを選んだか……、それは別に説明する必要もないだろう。

ともかくとして彼女は一人俯き歩いている。
その手の中には輸血用の血液パック――彼女の昼食が一つ。
吸血鬼となり人の理を捨てた存在にとって、今まで摂ってきた人の食事はもう栄養にはならない。
夜族の身を潤し、力を与えるのは人間の血液のみ。
だから彼女はコレを飲まなければならない。飲まなければ滅んでしまう。しかし、それでも……。

「………………はぁ」

飲めないでいた。
人として生きて来た間に育んできた常識。化物の理に対する禁忌感が、彼女の決断を押し止めている。
溜息の中には飢えという感情も含まれていた。ただしそれは人間のではなく、吸血鬼の――所謂『渇き』と呼ばれるもの。
人間の空腹よりも遥かに焦燥感を募らせる渇き。
自分の中に持ち上がる感情に、彼女も理性では血を飲むべきだと解ってはいるのだが……。

「…………はぁ」

何度目かの溜息。冷たく、そして熱くもある溜息。
吸血鬼の身体の内側に篭る、血液を欲するという感情が押し出されてできた溜息。
しだいにそれは頻度を増し、溜息から荒い吐息へと変化してゆく。

「……はぁ、はぁ。…………っ、はぁ、はぁ」

飲めば楽になる。飲めば楽になる。所詮はただの血だ。もう誰のものでもない血。飲めば楽になる。
何も遠慮することなんかない。飲めば楽になる。誰も傷つけない。パックのジュースと変わらない……これを飲めば……。

2987ランチタイムの時間だよ:2008/03/14(金) 08:51:46 ID:iLSprw/c0
 ◆ ◆ ◆


息を荒げ、震える足で廊下を彷徨っている若輩の吸血姫。
その姿を発見したのは、彼女のマスターであり、彼女を夜の道へと引きずり込んだ張本人であった。

「やぁ、かがみん☆ …………大丈夫?」

血色のドールドレス――真紅の格好をした泉こなた。その姿をとる地球破壊爆弾No.V-7。
彼女(それとも彼?)の姿を確認して、憂鬱げだったロリスキーの顔が明るくなる。

「それはこっちの台詞よ。……こなたこそ、もう大丈夫なの?」

まぁ、大体はねー……と、こなたはドレスの上から小さなお腹をぽんと叩いた。
ここにはいないもう一人の吸血鬼ミスター・マダオ。そして、ロリスキーの分もあれば、勿論彼女の分の血も用意されていた。
吸血鬼達がランチに選んだこの病院で、彼らは人間にして大体15人分程の血液が保存されているのを発見した。
それはもうほとんど残ってはいない。枯れかけていた地球破壊爆弾がほとんどを飲んでしまったからだ。
ディナーを……、となると彼らはまた場所を探さなくてはならないだろう。

「かがみんは、ソレ……飲まないの?」

じゃあ貰っちゃうね☆ と、地球破壊爆弾は震えるロリスキーの手から血液パックを取ると、ちゅー……っと飲んでしまう。
あまりの勝手にロリスキーの口があんぐりと開き、そこに長い牙が見えた。
しかし、だけどまぁいいかとその口はゆっくり閉じられた。悩みの種も、モノが無くなれば解決だと。
勿論、身体の疼きはそれで消えるわけではない。しかし、葛藤がないなら我慢するだけですむと、彼女は考える。

「――じゃ、ちょっとこっちにきて!」

2000ccの血液パックを5秒ジャストで飲みきると、ロリスキーの主人は彼女の手を引っ張って近くのドアを潜った。

2988ランチタイムの時間だよ:2008/03/14(金) 08:52:10 ID:iLSprw/c0
 ◆ ◆ ◆


縦に細長いロッカーが整列し、またその列が並ぶそこは従業員用の更衣室だった。
地球破壊爆弾は混乱するロリスキーを引っ張り、そして入り口からは見えない位置まで進むとその手を放し、
ロリスキーの正面に相対すると、真っ直ぐに立って彼女の顔を見上げる。

「なんなの、こなた? こんな場所に――」
「――血を飲んで、かがみん」

ロリスキーを見上げるこなたの顔は、普段からは考えられぬ真剣さがあった。
それに、ロリスキーの心臓が一際大きく音をたてる。

「……飲むも何も。さっきあんたが――」
「――うん。だから、……私から血を飲んで」

ここで、地球破壊爆弾はこなたの顔をいつもの軽い表情に戻す。
逆にロリスキーのかがみの顔には困惑の表情が浮かんでいた。

「こな……た、から……?」
「こんなのでも、人間の血は飲めないんでしょう?」

言いながら、地球破壊爆弾は空になった血液パックをペラペラと揺らす。
その表情はまた再び真剣なものに、そして少しだけ悲しそうな、または嬉しそうな複雑な表情を浮かべていた。
そんな彼女に、ロリスキーの口から言葉が失われる。

「私からだったら、人からってことにはならないし……。それにね、かがみんにとってお得なことも多いんだよ?」

そう言って、その『お得なこと』を地球破壊爆弾はロリスキーに説明し始めた。

「私の血――高位の吸血鬼の血を飲んだら、かがみんグッとパワーアップするよ。
 今私の力が10で、かがみんが1としたら、多分5か6ぐらいにまでは強くなれると思う。
 そしたら……、朝日は無理でも、曇り空や夕焼けぐらいになら平気になれると思うし……」

それに、これが重要なんだけどね。と、地球破壊爆弾は更に言葉を続ける。

「……私の血を飲めば。主人の血を飲めば、かがみんは晴れて一人の吸血姫として独立できる。
 勿論、主人だからといって私はかがみんに命令とかはしないんだけど……対等になって欲しいなと思うよ。
 かがみんには私の後ろじゃなくて、隣りに立っていて欲しいんだ……。

 だからこれは命令じゃなくて、『お願い』――、

 ――かがみん。いや、クールなロリスキーさん。私の血を吸って、ください」

自分を見上げ頬を染めて告白する主人に、ロリスキーは眩暈の様なえもいえぬ感情を覚える。
これが本当の倒錯というものであろうか? こなたがかがみに……、主人が下僕になんて…………。

「こなたの、血を……吸う…………」

いいの? と呟くロリスキーに、地球破壊爆弾はいいよ、と微笑む。
そして一つだけリクエストだよとこう言った――全部、かがみんが、して――と。
それ以降、まるで供物の様にこなたの姿をした吸血鬼は直立不動。目の前のかがみんが事を始めるのをじっと待つ。

「私、初めてだから……、どうしていいのか……。い、いたくしちゃうかも……知れないよ?」

長い間を経て出てきたそんな台詞に、地球破壊爆弾はいつもどおりの猫口ではにかむと、いいよと頷いた。

2989ランチタイムの時間だよ:2008/03/14(金) 08:52:32 ID:iLSprw/c0
 ◆ ◆ ◆


血を吸う。血を飲む。こなたから血を飲む。地球破壊爆弾から血を飲む。血を――飲む。
思い出すのは、そう。かつて血を吸われた時の事。あの時の、あの事。脳が再生し、身体が思い出す。
思い出した身体が、その時に備えてあの時を再現する。胸が高鳴る。身体が準備を完了する。

渇きが、決して水では癒されぬ渇きが心を、身体を後押しする。目の前の少女――としかいえない者。
それを取れと、それを貪れと、血液の足りない心臓が衝動を突き上げる。
怒っている様に鼓動する心臓。ドクン、ドクンという度に、そうしろ。そうしろと、言われているみたいに感じる。

手が伸びる。自分の手のはずなのに、見ている脳はまるで他人事の様に捉えているから不思議だ。
私の手がこなたの首元のリボンの端を掴んで――引いた。シュルリと衣擦れ、カツンとブローチが床に落ちた。
目は、その落ちたブローチとリボンを追いはしない。いや、できない。そこに……釘付けで……。

縛めの解かれた襟を、真っ赤な襟を、ゆっくりと襟を開いて中を覗き見る。
染み一つなく、健康的で見ただけでその張りが想像できる――おいしそうな――肌。
私の、まだ私のものではない様に思える手が開いた襟の内側へ滑り、想像以上に滑らかだった肌に触れる。

自分の心臓の音が五月蝿くてこなたの声が聞こえない。そこに囚われてこなたの顔が見れない。
小さな掌でも、その中に十分に収まる小さな矮躯。両の掌を首にかけ、滑らせ、襟を肩から落とした。
ああ、心臓が、ドクンドクンと続きをせがんで激しくノックしている。激しすぎて目も潤む。

ドクン。こなた。ドクン。こなた。ドクンドクン。こなたこなた。ドクンドクン。こなたこなた…………。

ものすごく荒い息をしている人がいる。こなたかと思ったら、自分だった。
口を、唇を、こなたを噛む牙を、自分自身をこなたに近づけてゆく。少しずつ、ゆっくりとこなたに近づけてゆく。
目の前に広がるこなた、の首筋。とても、とても……これは何だろう? とても、いい匂いがする。

唇が、上唇も下唇もがこなたの肌に吸い付いた。想像していたよりもずっと熱い。思わず隙間より息が漏れた。
頭はずっと狂ったままなのに、身体はどうすればよいのかを知っているみたいに勝手に始めてしまう。
唇の内側を沿って唾液を落とし、舌の先を使ってそれを肌の上に馴染ませ、また唇を使ってそれを広げた。

こなたのくすぐったがる様な声が聞こえた気がする。それが嬉しくて、何度も同じ事を繰り返した。
首筋にいっぱいの唾液を垂らし、今度は舌の腹を走らせ、繰り返し唇で甘噛みし、こなたの声を聞く。
それに夢中になっている内に、両腕はこなたの背中にあり、あんなに恥ずかしかったのに自然と身体を密着させていた。

したい。ほしい。こなたがほしい。血を。飲みたい。こなたの血がほしい。飲みたい。したい。したい……。

唾液でベトベトになった肌の上に2つだけ伸びた長い牙をあてがい、少しずつ顎に力を加えてゆく。
意外だったのは思いのほか力がいったという事。でも、こなたを壊すのが怖くて私は少しずつしか力を加えれなかった。
牙が肌を破った時、形容もできない小さな音が大きく頭の中に響いて、牙はこなたの中に引きずり込まれた。

2990ランチタイムの時間だよ:2008/03/14(金) 08:52:51 ID:iLSprw/c0
ぬるぬるとしたこなたの中を滑る牙の感触に、付け根が疼き脳の中に真っ白いものが広がってゆく。
牙を包み、奥から奥から沸いてくる温かい血が一瞬で口一杯に広がり、香りが鼻腔を抜けて痺れさせてくれる。
口の中の血は、温かくぬめりがあり、何より甘い。それがこなたの血だと思うと、私の心にあった箍は容易く外れた。

ゴプリ。ゴクリゴクリ。おいしい。もっと、欲しい。ゴクリ。あたたかい。こなたがもっとほしい。ゴクリゴクリ……。

今度はこなたの声が聞こえた。小さく、そして短い声だったけど、すごく可愛い声だと思った。
それがもっと聞きたくなって、突き立てた牙をこなたの中へと深く沈める。
今まで触れていなかった部分に触れれば、また新しい声を聞くことができた。嬉しくなり、もっと、そうする。

挿し込んだ牙が肉を掻き分ける度に聞こえてくる新しい声に、自制は効かなくなり私はこなたを蹂躙する。

気付けばこなたを壁に押し付けていた。こなたの悲鳴が聞こえた様な気がしたけど、もう止められない。
突き立てた牙をヌチャヌチャと鳴らし、血を啜ってこなたの声を引き出した。
溢れ出てくる血を溜めて、ズルルルル……と音を立てて啜り取るとこなたが大声で啼きはじめた。

楽しい。楽しい。楽しい。楽しい。楽しい。こなたが愛しくて、愛しくて、楽しくて、嬉しくて、止められない……。

不意に唇の端から零れた血が筋となって落ちてゆく。
目だけで追っていたそれがドレスの端につこうとした時、私の手は勝手にドレスを引き裂いていた。
もったいない。血をたかが布風情に飲ませてしまうなんて、そう思った。これは全部私のものだと思った。

無様も何も関係なく私の舌は血の筋を追いかける。
口を離せばもっと溢れることに気付けないほど、この時の私は馬鹿だった。馬鹿になっていた。可笑しかった。
一つの筋を舐めている内に、2つの筋が、4つの筋が、そして血の筋は雨の様にこなたの肌の上を下る。

唾液を溜めた舌をなだらかで薄い胸の上に、縦横無尽と走らせ降り注ぐ血を舐め取ってゆく。
舌が肌の上を遡る度に、押さえつけられた矮躯が震え、振るい切れなかった分が声となって口から零れる。
血を舐め取るのではなく唇で啄ばむ様に変えると、また反応は変わり、震え方も零れる声も新しくなった。

もう、どうにかなってしまって――いた。初めての血の匂いに酔い。こなたの身体に狂って――いた。

いつの間にそうしたのかは覚えていなかったが、気付けばこなたを床に組み伏せていた。
乱れた前髪が半分は隠していたんだけど、その時初めてこなたの顔を見た。今まで見ていなかったことに気付いた。
真っ赤で、くしゃくしゃで、涙が溜まった眼がすごく潤んでいて――私を見ていた。
その赤ちゃんみたいな顔を見て……、自分の心が蕩ける音が聞こえた様な気がした。

2991ランチタイムの時間だよ:2008/03/14(金) 08:53:14 ID:iLSprw/c0
こなた。こなた。こなた。こなた。こなた。こなた。こなた。こなた。こなた。こなた。こなた。こなた…………。

こなたの小さなピンクの唇にキスを、ではなく――噛み付いた。衝突したと言い換えてもいい。
それぐらいに、私の理性も、私の身体もこなたを欲していた。全くの優しさもなく私はこなたをむしゃぶった。
口の中に含んだこなたの血を彼女に返し、代わりに彼女の唾液を私はのばした舌で奪い取る。
歯がガチガチとぶつかり合って、時には折れるほどであったが、血の甘さの前には気にならず、また血がそれを癒してくれた。

こなたと私の間を隔てるものが一つでもあるのがまどろっこしい。
私は血塗れの手をぬるりと這わせ、プレゼントに対してそうする様に、こなたを包むそれを破って捨てた。
少しでもこなたと私がくっついている場所が増えるよう、私も私を包む余計なものを破り捨てる。
この時だけは、この間だけは、私と彼女だけで100%になるよう。不純物を取り除いてゆく。

最早、お互いに血塗れ。甘く甘く決して焦げない砂糖を煮続けた様な、噎せ返る様な空間を、時間を作り、楽しむ。
化物だけに許された、化物同士の咬合――そこから行き着くけらくの交合。

丸く小さな、そして少しだけ膨らんだ子供のお腹。その真ん中にある生物として産み落とされた証である窪み。
そこに溜まった血を啜り取るべく口付け、舌を伸ばし穴の中へと、穴を閉じている捻りを抉じ開け中へと侵入する。
快楽にか、それとも痛みか、または両方か。腹を侵されたこなたが、背骨を弓なりに反らし腰を浮かせる。
今聞こえるこなたの声はそれがどんな種類のものであろと、狂った耳には歓喜のそれとしか届かなかった。
故に私は、一切の戸惑いもなく、疑問も差し挟まず、この後のことなど微塵も考えずに、それを実行した。

こなたの小さな小さな穴。舌の先しか入らない様なその小さな穴を無理矢理に広げ――裂いた。

吹き出した血飛沫を全身に浴びたが、もう血塗れだった私には何も問題はなかった。
こなたが全く未知の獣の様な、聞いたこともないような声をあげたが、私には何も問題はなかった。
私が見ていたのは、真っ赤なそこだけ。皮膚を破られ私の目の前に曝される真っ赤なそこだけ。

血の味が変わった。そこで得られる血の味は他のものよりも甘く、吐き気を催すほどの旨味があった。
それがどうしてかは、すぐに理解できた。破った腹の皮。その裏にうっすらとのっている黄色い脂が混ざったせいだ。
迷わず広げた穴に手を突っ込み、裏返してそこにむしゃぶりついた。
顔が脂でヌルヌルになるのにも構わず、牙の先端でそれをこそいで口の中へと運び味わった。

おいしい。こなたがおいしい。もっと、もっと、ほしい。もっと、こなたがほしい。こなた。こなた…………。

こなたのほっぺた。柔らかいほっぺた。舌でつついて楽しみ、キスしてから食べた。
宝石の用な瞳も、ゼリーの様な唇も、こなたの愛らしさを形成する全てを愛して――食べた。

頂点に乗せられた野苺もちっぽけで、できそこないのプディングみたいなそこも味わって食べた。
小さな小さな、先の丸っこい可愛らしい全部で10本ある指。1本ずつ丁寧にしゃぶり、骨だけをそこに残した。

暴れる脚を押さえつけ、ふとももの内側へと大口で齧り付く。強く強く、肉の中で歯が噛み合わさるぐらいに齧る。
噛んで、噛んで、噛んで、噛んで、綺麗だった脚に歯形を幾つも刻み、ほぐし、溢れる血を音を立てて啜る。
両脚共にそうして味わい、こなたの下半身が肉屋で並んでいる物の様にだらしなく動かなくなったら次へ……。

真っ赤に熟したそこをデザートに。
ダークラムで味付けされた小さくプルプルとしたそこ。
黄金色のシャンパンをパシャパシャと吹き出すそこを。
真っ白な酸味の強いムースでトッピングされたその場所を。

最後に残しておいた、一番甘い場所を――、


――こなたを、いただきます。 こなたを、ごちそうさまでした。

2992ランチタイムの時間だよ:2008/03/14(金) 08:53:34 ID:iLSprw/c0
 ◆ ◆ ◆


冷たい感触を与えてくれるロッカーを背に、ロリスキーは食後の一時を惚けて過ごしていた。
噎せ返る様な血の匂いに酔って、可愛いものの美味しさに脳を蕩けさせ、ただ惚けている。
その酔いは深く、ひんやりとした金属の感触だけでは中々醒めそうにない。

半時程そうしていたであろうか、床に溜まった血の色が真紅より濁った葡萄酒の色に変わる頃、ようやく彼女は帰還した。

いつかの様に体がベトベトと濡れており、そして前以上に酷い臭いがする。
頭の芯が痺れ、焦点の合わない目で辺りを見回しても、中々に状況はつかめず、記憶も戻ってこない。

「………………こ……な、た? …………どこ?」

こなたと一緒にいた。それだけを記憶の海から掬い出した彼女は、こなたを呼ぶ。
……だが、返事はない。こなたはここにはいない。いや、こなたはここには――無い。

「…………………………………………こな、た?」

不在が不安を呼び、不安が緊張を呼び、緊張が覚醒を促す。
ようやっと焦点の合ったロリスキーの視界の中。ドス黒い血溜りの中に『こなたらしきもの』が沈んでいた。

2993ランチタイムの時間だよ:2008/03/14(金) 08:53:52 ID:iLSprw/c0
 ◆ ◆ ◆


そう言えば、アフリカを舞台にしたドキュメンタリーで『こんなの』を見たことがある。
そんな場違いな感想が、ロリスキーの頭の中に浮かんだ最初のものだった。

肉食動物に襲われ、その日のランチにされる可哀相な草食動物。
死んで『お肉』となったそれは、弱肉強食の掟に従い強いものからその取り分を剥ぎ取ってゆく。

襲い殺した強い獣は腹や太腿などのおいしい部分を喰らい、他を捨て去ってゆく。
次にそこにくる弱い獣達は、彼らが残した部分。内蔵や手足の先を拝借し、去ってゆく。
さらには、小動物。身体が小さく、量を必要としないこいつ達はほっぺたなどの柔らかい部分を持って去ってゆく。
最後にはそれよりも小さい虫達がたかる。虫は他が残した内でまだ柔らかい部分。腸や性器などを糧にする。
そして、一つの『お肉』はサバンナに住む様々な者達によって分かち合われ、自然は循環してゆくのだ。

そんな話を思い出す様な『もの』が、ロリスキーの目の前にあった。

それが元々人の形をしていたのは、手足の数で分かる。逆に言えば、それぐらいしかヒントがなかった。
両脚は辛うじて付け根に付いているが、右腕は肘、左腕は肩の位置から捩り切られていた。

お腹がごっそりと抜け落ちている。まるで人体模型の蓋を無くしてしまったかの様にぽかりと開いている。
腸は残っているが、内臓がいくつか足りないかも知れない……おぼろげな知識でロリスキーは思う。
その下の方。腹というよりも、胎というべき辺りもぽかんと開いていて、ただのグロテスクと化していた。

胸も――無い。胸骨とそこから連なる肋骨が丸見えになっていた。
そこから喉元までも抉られ、汚い喰い散らかしか、それともスープに入れるガラにしか見えない。

そして。
そして……顔。今は虚空となっているそこに当てはまるべき顔をロリスキーは思い浮かべる。
あの顔を、一時前に自分を見上げていた顔をロリスキーは――。

「こ…………こ、な……た……………………嘘、……だ」

2994ランチタイムの時間だよ:2008/03/14(金) 08:54:16 ID:iLSprw/c0
 ◆ ◆ ◆


「あいつら、また勝手に二人でどっか行っちまったんじゃねーだろうな……」

大きくスペースのとられた処置室の端。黒い小山の様な男が、誰に向けるでもなくそう零す。
全身に包帯を巻き、今やホラー物の主役さえ張れそうな恐持ての彼の名は――神行太保のDIE/SOUL。
シャワーを浴びに行ったロリスキーと、それを迎えにいった地球破壊爆弾がいつまでも戻ってこないことに愚痴っている。

「やはり、彼には何かあると考えるべきだとは思うんだが……さて、それは何だろうね?」

不機嫌なDIE/SOUL(以下、ダイソウ)の前で、足をブラブラとさせながら少女がそう言う。
口元には笑み、人形の様に綺麗な黒髪。オールドスタイルの体操服。その少女の名前は――ミスターマダオ。
彼女の態度からは、いなくなった二人を心配する気配はない。いや、誰にも安否を気遣う様子はなかった。

「(…………………………ロリスキーさん大丈夫かな? また、あんな……う、いかんいかん、平常心だ)」

マダオの近く、長椅子の上にかけて血液パック……ではなく、ビタミンゼリーを吸っている男がいる。
真っ黒な仮面の隙間にストローを差込み、ズルズル音を立てているのは彼の名は――忘却のウッカリデスだ。
仮面を外さないのは恥かしがりやだから――ではなく、単純に外れないというそういうアイテムだからである。

ロリスキーと地球破壊爆弾がいなくなってより、すでに1時間以上が経過している。
だが、彼らは特別アクションを起こそうとはしない。
それはあの二人が死ぬなどとは露ほども思ってないためだ。
特に地球破壊爆弾の方は、殺しても死なないとう言葉がこれほど当てはまる奴もいないと、全員が認識している。
そして、ロリスキーが彼のお気に入りである以上。彼女の生存も約束されているだろうと。

何より彼らが思っているのは、おそらくあの二人は――遊んでいるだろう。そんなことだった。
十中八九そうに決まっていると、出会って半日程の仲ではあるが、全員が二人をそう評している。
危険と言えば、ロリスキーの貞操関連ではあるが……それは、まぁ一人を除けば、あんまり気にしていない。

2995ランチタイムの時間だよ:2008/03/14(金) 08:54:40 ID:iLSprw/c0
 ◆ ◆ ◆


「こんなに時間が空くのであれば、やはり考察でもしておけばよかったな」

ダイソウの前でゆらゆらと白い足を揺らしながら、マダオはそう言う。

「そろそろ、脱出フラグのきっかけでもつくっとかねぇと……、ここからも脱落者が出るかもな」

マダオの幼稚な誘惑攻撃を無視しながら、ダイソウはボソっと呟いた。
確かにこの集団の戦闘力は、通常のロワの基準で考えれば相当に高い。
だが、そんなものが当てにならないのがパロロワの面白さであると彼も知っている。
後に残る意味……つまりは、残すべきフラグ。それがないと、いつ『処理』されてしまうか分からないのだ。

「……フラグ。……と言われても、首輪解除とかよく解んないしなー」

なんか怪しい雲行き。
もしかしたら、いや、この中で脱落するとしたら確実に自分じゃないか? と、ウッカリデスの胸中に暗雲が立ち込める。
でも……と、気付いた。

自分だけにしか見えない、天空に浮かぶ謎の建造物。
あれが主催の本拠地なのだとしたら、これはフラグじゃないのかと……。
そして、地球破壊爆弾からそれを他言せぬよう注意されたことを合わせて思い出す。

一人、物思いに耽るウッカリデスの前ではマダオとダイソウが、その地球破壊爆弾について語っていた。
彼はジョーカーじゃないのか? それとも主催側を裏切った、逆ジョーカーかもしれないなどと……。

それは彼ら二人に任せ、ウッカリデスは自分の中だけの考えを進める。
気になったのは『フラグ』と言う言葉。彼も、書き手の一人であるからには多少なりとも意識している要素だ。
そして今自分の持つ『主催の本拠地?』という情報。これがどういう意味の『フラグ』となりえるのか。

「(――そうか! 僕だからこそ、他の人に喋っちゃいけないんだ)」

物質ではない『情報』という『フラグ』。それは容易く、周囲に広めて何人かで共有することができる。
故に価値が非常に希薄なのである。AもBもCも知っているとなれば、少なくともその内2人は安易に殺せると言う訳だ。
普通の書き手なら、広める様に言うだろう。しかし、逆に広めるなと言った彼の意図は――。

「(僕を、守っていてくれている……のか?)」

そうなのかも知れないと、ウッカリデスは思い至った。
そこまで考えれば、この病院に来てからの『ロリスキーに対するライバル宣言』をすんなり承認してくれたことも、
自分の立ち位置を与えてくれたのでは? ……と、そんな風に思えた。

地球破壊爆弾とロリスキー ――『こな×かが』
地球破壊爆弾とダイソウ ――『孤城の主』
地球破壊爆弾とマダオ ――『Wアーカード』
地球破壊爆弾とウッカリデス ――『ロリスキーを狙うライバル』

このパーティは、地球破壊爆弾を中心に因縁フラグが立てられている。それは、つまりは――……。

2996ランチタイムの時間だよ:2008/03/14(金) 08:55:02 ID:iLSprw/c0
 ◆ ◆ ◆


「――遅えぞっ! つか、なんでまた裸になってるんだよお前ら二人は――っ!」

ダイソウの声に驚いてウッカリデスが顔を上げると、部屋の入り口にバスタオルを巻いた二人の姿があった。
こなた、こと地球破壊爆弾のホクホク顔と頭の上の湯気を見れば、どうやら今までお風呂にいってたらしいと分かる。
隣りに立つロリスキーが心なしか半べそっぽいが、どうやら大方の予想通りに彼らは遊んでいたらしい。

「あはは、ごめんねw ちょっとじゃれあってる内に服が破れちゃってさ〜☆」

言いながら地球破壊爆弾は部屋へと入ってきて、ロリスキーの鞄を拾い上げるとまた飄々と戻ってゆく。
そして、着替えたら戻ってくるから。と、言うとまた二人で廊下の先へと姿を消した。

ダイソウは苛立ちの混じった重い溜息を、ウッカリデスは気が抜ける長い溜息を、そしてマダオは――、

「(……どうやら、彼女に血を飲ませることに成功した様じゃないか)」

――溜息ではなく、クスリと小さな笑みを零した。

2997ランチタイムの時間だよ:2008/03/14(金) 08:55:30 ID:iLSprw/c0
 ◆ ◆ ◆


ぺたぺたっと、裸足でリノリウムの床を進む音が廊下に聞こえる。2つ。しかし1つは半歩遅れて……。

「か〜が〜み〜ん〜!」

珍しく不機嫌そうな声を上げて立ち止まると、地球破壊爆弾は後ろを振り向きロリスキーを睨み付ける。
そして、ちょんちょんと指先で自分の隣りを指した。
項垂れるロリスキーはいくらか逡巡した後、諦めるかの様にそこに立つ。

「じゃ、一緒に行こう」

ロリスキーの手を取り、地球破壊爆弾は彼女と並んで歩き出す。

「……あの、こなた。……本当に、本当に御免なさい。……私、わけわかんなくなって。それで……」

声を上ずらせ、先刻よりそうしなっぱなしだった謝罪を再開する彼女に、地球破壊爆弾はまた何度目かとなる溜息を吐いた。

「だから〜、それはもういいって。別に、私はアレぐらいじゃあ死なないし……」

でも、かがみんがあそこまでヤってくれるとは思わなかったけどね。とそこだけは顔を緩ませる。
そして、表情をまた引き締めなおすと、足を止め、いぶかしむロリスキーを見つめ――彼女の胸に抱きついた。

「こ、こなたっ! あの、その――」
「――かがみん。いや、ロリスキーさん聞いて。
 私達はもう対等なんだよ。ご主人様と奴隷じゃないんだよ。
 だから、悪いこともしてないのにそんなに謝らないで。私がシてもいいっていったんだから、――謝らないでっ!

 血を吸いあったり、喰らいあったり、そしていつかは殺しあうかも知れない……けど。
 これからは、いつも隣同士でいよう? 後ろじゃない。味方でも敵であってもいつも隣り同士……。
 手を繋いでてさ、ずっと仲良く喧嘩しあおうよ、ねぇ? ずっと、ずーっと、長く、永く――」

ロリスキーの胸元でバスタオルに顔を擦り付けると、地球破壊爆弾はまた元の位置へと戻る。
顔だけを隣りに向けて、いつもの笑顔を浮かべて互いに見詰め合う。
そして――、



「好きです。ずっと隣りにいてください――」
「――う、うん。私なんかでよければ……ね」



――手に手を取り合って、二人は一緒に足を踏み出した。

2998ランチタイムの時間だよ:2008/03/14(金) 08:55:55 ID:iLSprw/c0
 ◆ ◆ ◆


――永遠なんてないと知っているけど、せめて今だけはそれを信じたい。





【午後】【E-8/病院内】
【アーカードとかは行く】

【地球破壊爆弾No.V-7@アニロワ1st】
【状態】:健康
【装備】:裸にバスタオル
【道具】:支給品一式、着替え用の衣装(複数)、アダルトグッズ(大量)、未定支給品×1(本人確認)
【思考】:
 基本:『こな×かが』を死守。けど……
 0:とりあえず、次の衣装にチェンジ☆
 1:次に何をするか考える
 2:ごめんね、ウッカリデス。やっぱりかがみんはこなたの嫁です
 3:でも、挑戦は随時受付中だよ、ウッカリデス

 ※基本的に中身はアーカードで、CVは平野綾です
 ※変化する姿に7つのバリエーションがあるらしいです。
 【1:地球破壊爆弾】【2:アーカード】【3:長門有希】【4:泉こなた】
 【5:銃撃女ラジカル・レヴィさん】【6:キングゲイナー】【7:1〜6とか目じゃないよ?びびるよ、まじで】
 ※クーガーの早口台詞が言えます!
 ※鎖鎌、鳳凰寺風の剣、ソード・カトラス、ノートPCの投影が可能です。
 【スーパーキョンタイム】
 地図氏以外の者はゆっくりとしか動けなくなります。一度使うとそれなりの時間使用不可能です。
 【地図氏の地図】
 参加者の位置、生死を含めた地図を投影できます。※長門有希の状態でのみ可能。
 使いすぎるとアレなので、毎晩0時にのみ使うことにします。


【クールなロリスキー@漫画ロワ】
【状態】:不死者、吸血姫、
【装備】:裸にバスタオル
【道具】:支給品一式、着替え用の衣装(複数)、『村雨健二』の衣装、裸エプロン(キュートなシルク仕様)、
     日焼け止めクリーム(大量)、未定支給品×?(本人確認)
【思考】:
 基本:こ、こなたと一緒に……脱出か対主催
 0:とりあえず、何か着替えないと
 1:みんなと今後について考えないと

 ※容姿は柊かがみ@らき☆すたです。
 ※何故か不死身です。
 ※地球破壊爆弾No.V-7の血を吸い、独立した吸血姫となりました。

2999ランチタイムの時間だよ:2008/03/14(金) 08:56:20 ID:iLSprw/c0
【忘却のウッカリデス@アニロワ2nd】
【状態】:首を捻挫(処置済み)、腰痛(処置済み)
【装備】:ゼロの仮面(蝶高性能)@アニロワ2nd
【道具】:なし
【思考】:
 基本:ロリスキーの為に対主催!
 0:ロリスキーさん、また……
 1:地球破壊爆弾さんって、もしかしていい人……?
 2:最速の人との誓いを守る
 3:地球破壊爆弾さん、ロリスキーを賭けて勝負だ!

 ※容姿はルルーシュ@コードギアスです。
 ※ロリスキーへの恋心をしっかり認識。
 ※ウッカリデスが見た上空に存在する建物(天空の城)は、今の所彼にしか見えません。


【ミスターマダオ@漫画ロワ】
【状態】:疲労(小)、強い決意、強い仲間意識
【装備】:パニッシャー@トライガン(機関銃:残り弾数100%、ロケットランチャー:残り10発)、運動服(ブルマ)
【道具】:支給品一式、未定支給品×1(本人確認済み)
【思考】:
 基本:対主催! 殺し合いには乗らないが、マーダーは犬の餌。しかし……?
 1:友情! もっと仲間を探すぞ!
 2:努力! 首輪をどうにかするぞ!
 3:勝利! 見ていろよ主催者!

 ※容姿はアーカード(ロリ状態)@ヘルシングです
 ※地図氏(地球破壊爆弾No.V-7)がジョーカーではないかと思っています。
   ジョーカーに襲われた事と合わせての考察はまだしていません。
 ※自分が本物の書き手なのか疑問が生まれました。他の書き手を殺すのにわずかな躊躇いが生まれました。
 【世界(スタンド)】
 世界を使用でき、時止めも可能です(3秒まで)。
 制限は漫画ロワに準拠――『体力の消耗』『時止めの再使用には10秒必要』『スタンドは見れるし触れる』


【神行太保のDIE/SOUL@アニロワ1st】
【状態】:疲労(小)、全身火傷(処置済み)、右指炭化(処置済み)、核鉄による治癒中
【装備】:竜殺し@ベルセルク、ガッツの装備一式@ベルセルク、核鉄『ブレイズオブグローリー』@武装錬金
【道具】:支給品一式、拡声器
【思考】:
 基本:アーカード(地図氏、マダオ)は殺すつもり。(だったのだが……)
 0:取り合えず、今後の方針を相談する
 1:対主催を集め、機を見計らって『孤城の主』を実現させ、アーカードを打倒する
 2:それまでは、Wアーカードとも協力してゆく
 3:どこかで義手が見つかれば助かるのだが……
 4:ナナシと出会ったら、決着をつける!

 ※容姿はガッツ@ベルセルクです。
 ※神行太保・戴宗の神行法(高速移動)が使えます。
 ※ラディカルグッドスピード腕部限定は、腕だけが速く動きます。
 ※地図氏(地球破壊爆弾No.V-7)がジョーカーではないかと思っています。
   ジョーカーに襲われた事と合わせての考察はまだしていません。
 ※自分が本物の書き手なのか疑問が生まれました。他の書き手を殺すのにわずかな躊躇いが生まれました。

3000ランチタイムの時間だよ:2008/03/14(金) 08:57:29 ID:iLSprw/c0
投下終了!&キリ番GET!
やっぱ愛でしょう♪ 愛♪w

3001「……や、やさしく名無して……ほしいで、……ござる」:2008/03/14(金) 11:33:32 ID:MMvjnSs.0
おおう、やってくれる! こりゃGJとしか言いようがない!

3002エロス頂上決戦、決着……?!:2008/03/14(金) 12:34:10 ID:MMvjnSs.0

撒き散らされたケフィアの海の中、2つの影が交差する。

片や、アニロワ2ndのエロスの権化、『エロスの鐘の煩悩寺』。
片や、漫画ロワのエロスの化身、『エロ師匠』。
互いの顔に浮かぶのは、愉悦に満ちた淫靡な笑み。
互いの太腿を濡らすのは、明言を避けるべき一種の体液。
エロスの女王は2人も要らぬ。エロスのチャンピオンは2人は立たぬ。
まさに不倶戴天。共に同じ空の下に立てる道理なし。この世界の頂点にいるのは1人でいい。

ならば、どうする? 仲良く手を取り合えないのなら、これからどうする?
……そんな質問、答えははじめから決まっている。
戦うだけだ。
戦って雌雄を決するだけだ。
どちらが上なのか決めるだけだ。
――それもあくまで、「彼女たちらしい」やり方で。

    *    *    *

先手を取ったのは、軽やかな鐘の音。
これが剣と拳を交え血を流しあう普通の果し合いなら、槍という「武器」を持ったエロ師匠が有利だったろう。
しかしこれは、妄想と妄執を交え淫液を流し合う、エロスの果し合い。
精神に直接攻撃できるエロスの鐘の方が、僅かばかり有利な得物。

「淫欲情欲、意気軒昂! 聞けぃ! エロスの鐘の破滅の音!」

魔法妖女デザイア・ベルの振るったハンドベルから、一条の光線が放たれる。
かつて男性3人を狂わせ破滅に導いた鐘の音。欲望を暴走させ疾走させ、精気を奪い取る鐘の音。
それを、さらに集束させ一極集中させ、目に見えるレベルにまで増幅させた桃色の光線。
僅かに掠っただけでも精神・肉体共に崩壊しかねない、そんな狂気の光を、

エロ師匠は、あえてよけなかった。

「……何ッ!」
「フハハ、彼女はせっかちさんだな、カズキ!
 いいだろう、喰らいたいなら……喰らわせてやる! この私を、喰らいきれると言うのならば!」

桃色の光線を浴びたエロ師匠の身体から、爆発するように歪んだ霧のようなものが噴出する。
あまりに禍々しい欲望の姿。黒く、赤く、白く、そして熱く。濃密な性の匂い放つ恐るべき精気の塊。
その量・その質共に、あの3人の男達の比ではない。流石の魔法妖女も一瞬怯む。
一瞬怯むが――意を決して、それを吸収し始める。豊かな胸いっぱいに吸い込みはじめる。
吸い込んで、すぐにその眉がひそめられる。

「ぐっ……うぅぅッ……!?」
「ハハハハハ、言い忘れていたが、そのエロパワーには少しばかり『毒電波』も混ぜておいたからな!
 迂闊に吸い込むと大変なことになるぞ!?」

己の存在の根源、エロパワーを吸い取られながらも、エロ師匠は笑う。
毒電波。狂気とエロスに通じた彼女なれば、漫画ロワと無縁であっても手の届かぬ技術ではない。
いや、通常ならば適性足りず威力も低く、効果も無かったろうが、エロスの鐘の音で増幅されている今なら。
美酒と思って毒杯を仰がされた格好のデザイア・ベルが、途端に苦しみ始める。
見る見るうちに下腹部が膨隆していく。メイド服が内側から裂け、カエルのように大きく丸い腹が露わになる。

3003エロス頂上決戦、決着……?!:2008/03/14(金) 12:34:44 ID:MMvjnSs.0

「ま……まさか、これは……ッ!?」
「そう、そのまさかだ。
 性の愉悦を貪り尽くしたその果てに、一体何が待っているのか……
 いまどき、小学生だって知っていることだろう?」

ただでさえ濃厚なエロ師匠の精気に、悪意ある毒電波までブレンドされたものを摂取したのだ。
コウノトリを本気で信じてる純真な少女だって、これに触れれば想像妊娠間違いなしという代物。
そして妊娠・出産こそは、ある意味で「エロスの終着点」。
生命を産み出すことこそ、エロス本来の目的。タナトスの対極に位置するもの。
存在しない胎児を孕み、エロスの鐘の煩悩寺の腹が膨れていく。存在しない胎児に力を奪われていく。
なおも毒電波混じりの精気を注ぎ込みながら、エロ師匠が吼える。

「そのまま全てのエロパワーを『仮想の子供』に委ね、託し、萎れ果てるがいい……!
 その『概念上の子供』、私が喰らい、取り込み、お前のエロパワーを全部奪い取ってくれる!
 さぁ……羊水をブチ撒けろぉぉぉぉぉぉッ!」
「ふ……ふふふ……そ、それはどうかしらね……」
「!?」

絶体絶命のピンチに、しかし煩悩寺も只者ではない。この窮地にあってなお、不敵な微笑みを崩さずに。
極上の毒電波に侵され、医学的にはあり得ぬ速度で進む想像妊娠を体験しながら、それでもなお諦めない。
手に持ったエロスの鐘を、自ら臍の下に押し当てる。魔性の鐘の音を自らの胎内に向け放つ。
エロスのパワーを煮詰めて作ったような『概念上の胎児』を、さらに作りかえる。

「この女子、所持するところ秘密在り。婚前交渉 十月十日、出産経験それも良し!」
「な――!?」
「エロ師匠が奇策、敗れたり!
 我が言霊に応え、出でよ我が忌み子……  『 陣 痛 、 イ イ ッ ! 』  」

喜悦の叫びと共に、デザイア・ベルのメイド服のスカートの中が、爆発する。
そこから飛び出してきたのは、触手の怪物。
魔法妖女が産み落とした、妄想の中にしか住まわぬ異形の仔。
確かにこれなら、「エロスの終着点」にはならない。使わぬ触手など意味がない。まだまだ戦える。

いや、この『子供』も先の『想像妊娠』同様、実態があるわけではない。
精気そのもので形作られた、2人にしか見えぬ『幻覚』だ。
だが、幻覚であっても、いや幻覚であればこそ、「この戦い」においては実体以上の価値がある。
想像だけなら、リアルでは不可能なあらゆる行為が行えるからだ。身体的限界を突破できるからだ。
思わぬ反撃の一手に、しかしエロ師匠は不敵な笑みを崩さない。

「……いいだろう。ならば、それごと喰らうまで! 体液を……ブチ撒けろぉぉぉっ!!」
「近親相姦、母子姦淫。親子丼は罪の味! 私のエロ妄想は108式まであるわよッ!?」

触手の形をした精気の塊が、エロ師匠にぶつかっていく。エロ師匠を襲い、しかし逆に取り込まれていく。
それだけでは足りないと見たデザイア・ベルもまた、触手の精気を取り込む。取り込んで新たな攻撃を放つ。
めまぐるしく攻防入れ替わりながら、精気を奪い、奪われ、犯し、犯され、妄想し、妄想され……。

虚々実々入り混じり、精神世界での戦闘も交えたこの戦い――
どうやら容易に決着のつくようなものでは、ないらしかった。

3004エロス頂上決戦、決着……?!:2008/03/14(金) 12:35:27 ID:MMvjnSs.0

    *    *    *

「こいつは……ヤベぇ……!」

ケフィアにまみれた市街にて。
エロスの頂点の座を賭けた激しい戦いを、遠くから見ている2人組があった。
1人は熱血展開の申し子、大暴れ鉄槌。1人はギャグ展開の覇王、ギャグ将軍。
彼らはそれぞれ、燃え展(萌え展)とギャグの気配に惹かれてここに辿り着いたわけだが……。

「こいつは、本気でヤベェぞ……!」

あの鉄槌の身体が、目の前の光景に震える。
いや、その光景すらろくに直視できない。これ以上近寄ることも出来ない。
あまりに激しい「戦い」の余波に、介入することも出来ない。

鉄槌には、確信がある。
もしもこの場に不用意に男性が踏み込めば、一瞬で干乾びる。全ての精気を放出してミイラと化す。
あまりに濃すぎるエロスの気配と、充満した性の匂い。この距離からでも、見つめ続ければ暴発は免れまい。
いや、この犠牲になりうるのは成人の男に留まるまい。
犬だろうと猫だろうと、精通未だ迎えぬ幼い少年だろうと、雄であれば皆等しく破滅しかねない桃色地獄。
鉄槌がその熱血を全開にして突っ込んでも、果たして1分も持つかどうか。
脂汗を浮かべつつ、彼は傍らにいる同行者を振り返る。

「おい、どうする? これじゃ下手に踏み込めな……」
「……気に入らんな」

ボソッ。
鉄槌の言葉が聞こえているのかいないのか、ギャグ将軍の口から小さな呟きが漏れる。
その声に含まれていたのは――怒りの色。
微かではあるが、しかし本気の怒りの色。
え? と鉄槌が問い返す間もなく、ギャグ将軍はそして、無造作に歩き出す。
あの鉄槌でさえ二の足を踏んだ色欲の煉獄に、平然と足を踏み入れる。

「お、おい待てよ!? 何する気だ!? ってか、アンタ何で平気なんだよ!?」
「気に入らん――余は、気に入らん」

行く手には台風に比しても間違いではないエロスの嵐。
男なら誰もが耐えきれず精を放出し尽くす、嬉しさを通り越して恐ろしいほどの世界。
しかし、それをそよ風ほどにも感じていない様子で、ギャグ将軍はその渦中に入っていった。

3005エロス頂上決戦、決着……?!:2008/03/14(金) 12:36:01 ID:MMvjnSs.0

   *    *    *

小一時間ほど続いたその戦いは、膠着の果てに新たなる局面に入ろうとしていた。

「はぁ……はぁ……や、やるな……!
 私のエロシチュエーションにここまで喰らいつくとは……!
 お前とは美味い酒が飲めたかもしれない、だがッ……!」
「ふぅ、ふぅ……流石、我が宿敵ッ……!
 私の鐘の音に107度までも耐えるなんて……!
 一期一会は戦いの必定(さだめ)、ここで散らすは残念無念、されどッ……!」

熱っぽい目で、互いを見つめ合う。
これほどまでに戦ったのだ、今さら言葉になどせずとも互いの気持ちは分かる。それでもあえて口に出す。
惜しむように。悔やむように。
そして、その悔恨さえも性感のスパイスとして取り込むかのように。

違う出会い方をしていれば、友にもなれたのかもしれない。
何かが少し違っていれば、のんびりエロ談義に花を咲かせることも出来たのかもしれない。
けれど、2人はこういう出会いをしてしまった。こういう戦いを始めてしまった。
決着をつけるまで、2人の心が満たされることはない。
決着をつけるまで、2人が真の快楽の極みに達することはできない。
一進一退、あらゆる手を出しつくした彼女たちは。

「これは……もう、いつまでも概念や淫闘気(オーラ)をぶつけあっていても仕方がないな」
「ええ……ここまで来たら、言葉も、小手先の技も無用っ……!」

デザイア・ベルのメイド服は所々切り裂かれ、エロ師匠のセーラー服には所々溶けたような穴が開いている。
これまでの戦いの余波で、隠すというよりむしろ扇情的に「見せる」ためのものとなった服。
それに、2人はそれぞれ手をかける。それぞれ、服を脱ぎ捨てる構えを見せる。
闘気のぶつけあいも、言葉責めも、エロ薀蓄大会も、妄想合戦も、エロ単語しりとりも。
いずれも、勝敗を決っする決定打にはならなかった。
ならば、身体を重ねるしかない。
「肉弾戦」で決着をつけるしかない。
女同士であることなど、知ったことか。どのみちその程度のこと、この2人には何の問題にもならない。

3006エロス頂上決戦、決着……?!:2008/03/14(金) 12:36:45 ID:MMvjnSs.0

ヤるしかない。
犯るしかない。
姦るしかない。
最後の一線を越え、描写の限界を超え、2人きりの決着をつけるしかない。
余波だけで大惨事を起こしかねないこれまでの戦いも、その「本番」のための「前座」でしかない。
軽く重心を落とし、互いにタイミングを窺う。
チラリズムと扇情的仕草を駆使したストリップショーなど、どちらも望んでいない。
どちらの肢体も、既に前戯も必要ないほど温まっている。
2人が狙うは、同じ作戦。
開始と同時に『ルパンダイブ』。どう考えても、この一手しかない。
峰不ニ子に襲い掛かるルパン三世の如き、瞬間脱衣と抱きつきの芸術的統合。
成功すれば一気に優位に立てるが、失敗すれば目も当てられない状況に陥る、寝室における大技。
迎撃されたり空振りすれば一気に主導権を失ってしまう、ハイリスク・ハイリターンな作戦。
いかにして、相手の呼吸を外すか。
いかにして、自分のダイブを成功させるか。
いかにして、逸る心を抑え、後先考えず突っ込みたくなる自分の欲望をコントロールするか。
まさに嵐の前の静けさ。
最後のステージの闘争は、既に静かに始まっている。
2人の間の空気が、キリキリと引き絞られていく。緊張が高まる。そして。

跳躍は、ほぼ同時だった。

「――エロスの鐘ッ!!」
「――エロ師匠ッ!!」

スローモーションのように、全ての動きがゆっくりと感じられる。主観の中で時間が引き延ばされる。
大地を蹴りながら、互いの目が合う。
笑っていた。
笑っていた。
タイミングは完全に同時。コンマ一秒の狂いもない。
2人は、共に確信する。
ああ、やっぱりこいつは私と同類だ。
ああ、やっぱりこいつは私と同じモノだ。
言葉にせずとも想いが伝わる。見つめ合うだけで情が通じる。
ならばこれから互いの肌を重ねれば、いったいどれほどまでのことが分かるのか。
ならばこれから互いの秘密に触れ合えば、いったいどれほどの極みに登れるのか。
想像しただけで心が濡れる。想像しただけで逝きそうになる。想像しただけで孕みそうになる。

2人はそして、空中で、その着衣を、全て脱ぎ捨てんと、

「 ―― い い 加 減 に 、 自 重 な さ い ッ ! ! 」

全て脱ぎ捨てんとして――空中で、同時に張り倒された。
横合いから突進してきた、女言葉を叫ぶ、見事なハゲ頭の巨漢に、張り倒された。
そりゃもう、見事に。
両手でそれぞれ1人ずつ。
空中に舞う蚊が叩き落されるかのように。
容赦なく、完璧に、完膚なきまでに、張り倒された。

   *    *    *

3007エロス頂上決戦、決着……?!:2008/03/14(金) 12:38:55 ID:MMvjnSs.0

「で――チームを組んだのはいいが、これから、どこに行く?」
「そうだねぇ……お? これは……?」
「どうした? ……何だ? 光っている?」
「これは……そうか。どうやら、このアイテムを『呼んでる』場所があるみたいだね」
「呼んでいる、だと?」
「なに、これが初めてってわけでもないんでね。誰かの尻拭いってのはさ。
 ちょっと行ってみようか――きっと、面白いことになると思うんだけどね?」

   *    *    *

淫欲と狂乱の嵐が去ってみれば、後にはただ虚しさにも似た静けさのみ。
撒き散らされたケフィアもただ汚い粘液でしかなく、乾いてパリパリ割れていく姿はもの悲しさすら感じさせる。

そんな、祭りが急遽中止になったかのような街中で――
きっちりと膝を揃えて正座する、いやさせられている女が2人。
ついでに、出番というか言葉を挟む間もなかったマスコット、ミニ・サスペリアも正座させられている。
そんな彼女たちの前には、腰に手をあて、女言葉で説教を続けるハゲ頭1人。
そして、どうすべきか分からず、少し離れたところから所在無く見守る女装男が1人。

「――つまり、弾けるのはいいけど場所と時間を弁えなさいって言ってるの。
 昼日中から誰に見られるとも分からぬ街中で、なんて、酷すぎてギャグにすらならないわ。違う?」
「……はい」
「……ごめんなさい」
「本当に分かってるの?! ねえ、何に対して謝らなきゃならないのか、分かってる!?」

ギャグ将軍の秘められし特殊能力――「書き手界の良心」。
普段は存在そのものが冗談のような将軍であるが、だからこそ、シリアスになった時の迫力は凄まじい。
何故か女性口調で放たれるその言葉には、誰もが動きを止めて耳を傾けざるを得ない力がある。
その一喝は、重みにして名無しによる「○○ロワ調子乗ってるな」の一言の350倍に匹敵するとの報告も。
(ちなみにこれは、民明書房の本に載っていた信頼できるデータである)
とてもではないが「なんで言葉の色まで変わるの?」とツッコめるふいんき(←なぜか変換できない)ではない。
ただ、萎縮するしかない。ただ、反省するしかない。
ま、ギャグ将軍の性格上、そうそう多用しない(というより、出来ない)のが僅かな救いだが……
使い方次第では、チートを極めたマーダーでさえ膝を屈するような、そんな強力な能力だ。
エロスを最大の武器とし自重からも縁遠いこの2人に、抵抗できる道理などない。

「大体あなたたち、エロの専門家を自称してる割りにはツメが甘すぎるの。
 下ネタは安易に使っても大きな反響があるからこそ、ここぞという時に知性的に使うことが求められるのよ。
 それを、貴女たちは……!」
「……あの、ギャグ将軍閣下? ちょっといいですか?」

延々と続く説教。
おずおずとそこに言葉をかけたのは、説教されていた2人ではなく。やや放置気味だった大暴れ鉄槌だった。
ま、何故か妙に敬語になってしまっているのは、ご愛嬌ということで。

3008エロス頂上決戦、決着……?!:2008/03/14(金) 12:39:35 ID:MMvjnSs.0

「……何よ」
「とりあえず、そいつらにさっきみたいな馬鹿騒ぎはもうやらせないとして……これから、どうするんで?
 そいつらだって、ケンカの途中で放り出されたら収まりつかねぇだろうしよ」
「ふむ。そう言われてみればそうであるな」

鉄槌の言葉に、ギャグ将軍は普段通りの調子に戻って腕を組む。
熱いバトル大好きな大暴れ鉄槌であるが、そうであればこそ、ケンカの終わり方もよく知っている。
こんな、横から乱入して共に説教くらって、なんて終わり方で彼女たちの気持ちが収まるわけがない。
この場は将軍のプレッシャーで押さえ込んだとしても、その火種は必ずや「良くない形」で暴発するだろう。
彼女たちをどう扱うにせよ、それはいささかよろしくない。
少し考えた後、ギャグ将軍は提案する。

「ここは1つ……平和的に、ゲームか何かで決着をつけるというのはどうかの?」
「……げぇむ?」
「でも、私たちの決着に相応しいゲームなんて……」


「なるほどね。こりゃ、僕が呼ばれるわけだ」


「「!?」」

それは、唐突な声だった。
誰?! と問い返す間もなく、スパン! スパン! と軽やかな音が連続して響く。
少し遅れて、ジャラン!と鳴る鎖。
皆が振り返ってその青年の姿を認めた時には、既に空間が歪み始めている。
大仰なアクセサリのついた竹刀を肩に担いで、青年は爽やかに笑う。

「自己紹介が遅れたかな。僕の名前は速筆魔王LX。アニロワ2ndの書き手だよ。
 盗み聞きするつもりはなかったけど、何やら『ゲームでの決着』を必要としているように聞こえたのでね。
 お節介かもしれないが、提供させてもらうことにするよ」

空間が歪む。固有結界が展開される。
虎竹刀with千年パズルが誘う、闇のゲーム。
目的はエロスの鐘の煩悩寺とエロ師匠の決着をつけること。賭けるものは互いの精気(エロパワー)。
この条件で、そして当のアイテムを保持する速筆魔王自身も参加できるものとして選ばれたのが……

「……なるほどね。コレが出るか」

選ばれ出現したのは、特殊な仕掛けがいくつか組み込まれた麻雀卓。
透明牌交じりの牌を使用し、負けた際のペナルティに血液を抜く。
漫画『アカギ』に登場する変則麻雀、『鷲巣麻雀』――それをベースに、この戦いのために修正したもの。

『変則脱衣鷲巣麻雀』。
それが、今回選ばれた『闇のゲーム』の名前だった。

3009エロス頂上決戦。仕切りなおし。:2008/03/14(金) 12:40:19 ID:MMvjnSs.0

   *    *    *

「ルールを確認するよ。牌は同種の4牌のうち3つが透明な、鷲巣麻雀のものを使用。
 山を積まずに中央の穴からツモってくるのも同じ。盲牌防止に右手に手袋をするのも同じ。
 ただ、点のやり取りは普通の麻雀に従うものとする。差し馬とかご祝儀とかもなしだ。面倒だから。
 あとハコワレも無し。点数がマイナスになってもそのまま続行する」
「委細承知、条件了承。それより、ただ血をヌくだけじゃないわよね?!」
「それよりっ、脱衣はあるのか、脱衣は!? 麻雀と言ったら脱衣麻雀だろう!? おいっ!?」

いきなり横から現れ、ゲームの進行役となった速筆魔王。その2人にエロス2人組が必死にくらいつく。
彼女たちも必死だ。ただの麻雀ならエロスの頂点を(暫定的にでも)決めるのに相応しくない。
目を血走らせて迫る2人に、速筆魔王LXは飄々とした口調を崩さず説明を続ける。

「まあ、慌てないでくれ。もちろん、振り込んで点を失った者は、点棒の他に『体液』を失うことになる。
 鷲巣麻雀と違って、抜かれたものを戻すことは出来ない。まあこの辺はアカギの行動を再現してるかな」
「『体液』?」
「そう、『体液』。明言はあえて避けておくよ。僕も将軍のお説教喰らうのは勘弁だからね。
 特殊な採取器具が用意してあるから。詳しい説明は省くけど、抜かれ過ぎれば身が持たないだろうね。
 誰かが気絶したら、そこで終わり。気絶した人の『敗北』が確定することになる。
 これが、決着のパターンの1つ」

皆の視線が、麻雀卓の隣、4人分用意された奇妙な機械に向けられる。
原作の鷲巣麻雀では、アカギが命を賭け鷲巣が金を賭けるというアンバランスがあった。
しかしこの場では全ての参加者が同等。ゆえに全員が体液採取の危険と向き合うことになる。

「続いて、今エロ師匠が言った脱衣も当然入ってくる。
 こっちは、『誰かに満貫以上を振り込んでしまったら』振り込んだ者が1枚脱ぐことになる。
 これも、誰かが全裸にまで剥かれたら終了。その人の敗北だ」
「コスチュームはどうカウントするんだ? そっちのエロスの鐘は変身して服を作っているようだが……?」
「変身やバリアジャケットは、それだけで1枚のカウント。アクセサリーや靴、靴下などはカウント外だね」
「ということは……私はデザイア・ベルの変身コスチュームで1枚、元の姿に戻ってシーツで1枚。合計2枚ね」
「ふぅ……そういえば少し熱いな。少し脱いでおこう」
「!?」

エロスの鐘の煩悩寺の言葉に、エロ師匠はおもむろにセーラー服を脱ぎ捨てる。
上下2枚の下着姿……これで2人とも、着ているものの枚数は一緒。
要するに、彼女なりに「条件をフェアにしよう」という意図の現れか。
そんな彼女に目もくれず、速筆魔王は説明を続ける。

3010エロス頂上決戦。仕切りなおし。:2008/03/14(金) 12:41:31 ID:MMvjnSs.0

「あとは、あまり時間かけるのもなんだからね。東南戦の半荘勝負ですっぱり終わりだ。
 半荘終了まで勝負が長引いた場合、君たち2人の点数を比べて、下の方が負け。
 ……以上で説明終わり。質問はあるかな?」
「支払いの『体液』や脱衣を拒んだらどうなる?」
「それは拒めない。『闇のゲーム』の強制力で強制執行される。そこは誰にも逆らえない。
 ま、根性と体力があれば、ある程度『体液』を抜かれても耐えられるかもね。それも含めての勝負さ」
「最終的に勝負に負けた人は、どうなるのかしら?」
「負けた人は、ここまでに溜め込んだエロスの力、精気を失う。勝った者がそれを手に出来る。
 ついでに、機械で抜き取られた『体液』のエネルギーも、だ。
 君たちの間でエロスの優劣をつけるには、もってこいの方法だろう?」

速筆魔王の言葉に、エロ師匠とエロスの鐘の煩悩寺は、共に胸に手を当てる。
エロ師匠は、ダブル岸田さんから。エロスの鐘の煩悩寺は、変態っぽい男たち3名から。
それぞれ、エネルギーを吸い取りパワーアップを果たしている。
賭けるのは、まさにこのエネルギー。
確かに、これが一方に移れば決着はつく。それだけの差がつけば、先ほどのような拮抗状態にもならない。
勝負の方法に納得した2人は、そしてふと、大事なことに気付く。

「最後に聞きたいんだが……この固有結界の中には、3人しかいない。でも卓には4人分の席がある。
 これはどうするんだ?
 私の中のカズキでも座らせるつもりか? それとも、そこのチビメイドにでも?」
「あ、それを忘れてた。ここは『外』の観客に頼もう。なに、固有結界もまだ完全な状態じゃないしね。
 おーい、お前さんたち、誰か一緒に卓囲まない?」

「あ……じゃあ俺空気になりかけてるし、ここは自分g」
「任せろぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ!! 勝負と聞いては血が滾るぜぇぇぇぇぇッ!!」
「…………え?」

かくして、仕切りなおしとなったエロス頂上決戦は再開され――

   *    *    *

東南戦 東場第一局 開始
 東家 大暴れ鉄槌       25000点 脱衣枚数:0  体液採取:−
 南家 エロ師匠         25000点 脱衣枚数:0  体液採取:−
 西家 速筆魔王LX       25000点 脱衣枚数:0  体液採取:−
 北家 エロスの鐘の煩悩寺  25000点 脱衣枚数:0  体液採取:−

蚊帳の外:蘇った現代の熱血怪人、ギャグ将軍

   *    *    *

3011エロス頂上決戦。仕切りなおし。:2008/03/14(金) 12:42:23 ID:MMvjnSs.0

「……俺たち、取り残されましたね」
「うむ。まあ、奴らが決着をつけたいというなら、やらせるがよかろう」
「俺たち、どうしましょう」
「そうだな……あやつらを置いていくわけにもいかぬし、どれほどの時間がかかるかも分からぬ。
 ここはひとつ……」
「ここはひとつ?」

「ゆっくりコーヒーでも飲みながら、観戦することとしよう」

   *    *    *

大暴れ鉄槌は、内心でほくそえんでいた。
彼が意気込んで4人目の参加者に名乗りを上げたのは、別に勝つためではない。
むしろ、負けるためだ。意識して負けるためだ。
熱血で知られる彼らしからぬ策略、その理由は。

(闇のゲームの強制力……こいつを利用すれば、この腐れ赤玉とも縁を切れる!)

今回の脱衣ルールにおいて、バリアジャケットは全部ひっくるめて1枚という扱い。
そして闇のゲームの強制力には、誰も逆らえないという。
ならば、このふざけたバリアジャケットを脱ぐこともできる!
一旦展開したら解除不可能、魔術も使えず防御力も無いに等しい、この悪い冗談でしかない装備を外せる!

(外しちまえばこっちのもんだ。もう二度と展開させねぇぞ。
 壊してもいいし、誰かに押し付けてもいい。何せ俺は、『デバイス殺し』だからな!)

ニヤリ、と笑いながら、鉄槌は雀卓の上を舐めるように見る。
わざと負けようと思えば、この鷲巣麻雀ほど楽ものはない。何せ、相手の待ちがほとんど見えるのだ。
原作漫画では「いかにその読み合いを掻い潜るか」がテーマの1つだったが、しかし。

(エロ師匠は見たところ東の刻子のみ……あれはチャンタにも行けるか? いや厳しいな。
 エロスの鐘は、どうやら筒子で混一の気配。これはテンパイ近いか。
 速筆魔王は何だありゃ、七対子狙いか? 透けてない牌でよく分からんな。
 満貫以上じゃねぇと脱げねぇし、さりとてあまり大量に体液抜かれてもキツいし……どうするか)

何せ自分の手作りを考えなくていいのだ。振り込もうと思えば誰にでも振り込める。
悩んだ末に、彼はちょうどリーチしたエロスの鐘に狙いを定める。
エロ師匠はどうも満貫に届きそうにない安手だし、速筆魔王の七対子はリーチしたものの待ちが分からない。

3012エロス頂上決戦。仕切りなおし。:2008/03/14(金) 12:43:06 ID:MMvjnSs.0

打牌、一筒――反応なし。外れ。
打牌、四筒――反応なし。外れ。

(畜生……あの黒牌、四筒かよ。じゃあ、これでどうだ!)

そして運命の打牌、九筒――

「ロン!」
「よっしゃぁッ! ……って、あれ?!」

狙い通りの宣言に一瞬小躍りしかけた鉄槌は、しかしそのまま凍りつく。
牌を倒したのは――エロスの鐘の煩悩寺ではなく。

「リーチ、七対子。ドラ無しで、裏ドラは……ちぇっ、無しか。乗れば満貫だったのにね。
 子の25符3飜で3200点ね」
「NOOOOOOOOッ!!」


東南戦 東場第一局終了時
 東家 大暴れ鉄槌      21800点 脱衣枚数:0 体液採取量:ちょびっと
 南家 エロ師匠        25000点 脱衣枚数:0 体液採取量:−
 西家 速筆魔王LX      29200点 脱衣枚数:0 体液採取量:−
 北家 エロスの鐘の煩悩寺 24000点 脱衣枚数:0 体液採取量:−

   *    *    *

「ところで、ギャグ将軍は何故麻雀に名乗りを上げなかったんで?」
「余は麻雀を知らん。ドンジャラでよければ、幼少の頃に家族と楽しんだものだが」
(ドンジャラって……おい待ていつの時代だ? いや今でもあるのか?)
「それに、あの脱衣ルールは外から見ている分には笑ってもいられるがな。
 余が脱ぐとなると『大変なこと』になる。できれば避けたいところなのだ」
(大変なこと……? って、その背中についたチャックは一体……ッ?!)

「……そこには触れるでないぞ。『大変なこと』になるからな。流石の余も責任が取れぬ」
(!?)
「くれぐれも、触れるでないぞ」

3013エロス頂上決戦。仕切りなおし。:2008/03/14(金) 12:44:25 ID:MMvjnSs.0

   *    *    *

東南戦、東場第四局。
エロスの鐘の煩悩寺は、焦っていた。
点差はまだ絶望するほどではない。そこに焦りは感じない。
現在の順位はトップが速筆魔王、二位が彼女自身。三位にエロ師匠で、振り込んでばかりの鉄槌が最下位。
その鉄槌が何故か満貫にも届かぬ安手ばかり払い、体液を抜かれる様は見てて滑稽だったが……
魔法妖女デザイア・ベルは、対面に座るエロ師匠に憎々しげな視線を向ける。
そこには、既にブラジャーを剥がれ、片手で胸元を隠すライバルの姿が――。

(エロい……あんなエロスな格好をできる奴が、憎いッ……!)

パンツ一丁、手ブラ状態で卓を囲む斗貴子。
その格好の時点で、エロスの求道者として一歩先を行かれてしまっている。
さらに『ラス1補正』でもかかっているのか、傍目に見ててもエロ師匠の引きがいい。
自らを追い込むことで運と補正を引き寄せる――その発想は無かった、と、煩悩寺は唇を噛む。

この鷲巣麻雀、本来は2人一組で仲間同士で通じあって戦うゲームだ。
でないと、通常の麻雀以上に手作りが難しく、ロクに上がることもできない。
けれど逆に言えば、「意識して振り込もう」と思えば振り込めるわけだ。鉄槌が繰り返しているように。
だから、あえて満貫に振込み、あえて1枚だけ脱いでみせるのはそう難しいことではない。だが……。

(だけど……私が対抗して同じ真似するわけにはいかないッ……!
 ここで変身を解いたら……私は「ただのティアナ・ランスター」でしかなくなってしまう……!)

脱衣ルールに仕掛けられていた遅効性の毒が、今頃になって効いてきていた。
エロ師匠のエロパワーに対し、デザイア・ベルに変身してようやく対抗できる彼女。
今ここで変身を解くわけにはいかない。そんなことをしたら一気に押し切られてしまう。
さりとて、このままズルズルと押されていくのもマズいわけで……!

「……ふっふっふ。エロスの鐘の、顔色が悪いぞ? 生理でも始まったか?」
「う、五月蝿いッ! 無駄口叩いてないで、さっさと進めなさい!」
「ふふふ。そう急かさないでくれよ、せっかちさん。……おや、悪いね。
 ツモだ。
 リー・ツモ・タンヤオ、ピンフ・ドラ1。5飜で満貫だな」

ツモ上がりだから脱衣も体液採取も無し、順位変動もなし。だが、これで残る点差はもう僅か。
明らかに風は不利な方向に吹き始めていた。

東南戦 東場第四局終了時
 東家 エロスの鐘の煩悩寺 26400点 脱衣枚数:0  体液採取量:−
 南家 大暴れ鉄槌      13400点 脱衣枚数:0  体液採取量:たっぷり
 西家 エロ師匠        26000点 脱衣枚数:1  体液採取量:ちょびっと
 北家 速筆魔王LX      34200点 脱衣枚数:0  体液採取量:−

   *    *    *

「それにしても、今回のルール……なんかひっかかる」
「ほう。熱血怪人とやら、麻雀に疎い余にも詳しく教えて欲しいものだ」
「いや、麻雀そのもののルールじゃなくて、勝利条件のことなんだが。
 始まる前に、いくつか終了条件が示されたよな?」
「うむ。確か……体液取られすぎて気絶したら負け、全部脱がされたら負け。
 それらの途中中断がなければ点差で比較、だったかの」
「そう、3つもある。3つも決着の条件が示されてる。そのせいか、つい思い出してしまって」
「何をかな?」
「『アカギ』の主人公・赤木しげるが登場する、『天』という麻雀漫画。
 正確には、その中で当の赤木が参加しなかった、ある戦いを――!」

「興味深い話だの。ところで、コーヒーのお代わりはいらぬか?」
「頂きます」

3014エロス頂上決戦。仕切りなおし。:2008/03/14(金) 12:45:25 ID:MMvjnSs.0

   *    *    *

東南戦 南場第四局開始時
 東家 エロスの鐘の煩悩寺 26400点 脱衣枚数:0  体液採取量:−
 南家 大暴れ鉄槌      -4000点 脱衣枚数:0  体液採取量:人類の記録に挑戦!レベル
 西家 エロ師匠        41400点 脱衣枚数:1  体液採取量:ちょびっと
 北家 速筆魔王LX      36200点 脱衣枚数:0  体液採取量:−

終局が、近づいていた。
トップは1枚脱いでから俄然調子が出てきたエロ師匠。僅かな差でそれを追う速筆魔王LX。
三位にエロスの鐘の煩悩寺が位置し、大暴れ鉄槌は既に点棒に借金を負っている。
ただし、第四局の親は煩悩寺。そして親が上がれば連荘できるわけで。
まだ、諦めるには早い局面。まだまだ逆転は可能な範囲内……
むしろ点差より、大暴れ鉄槌のコンディションの方が心配、と言うべきか。

「ぐっ……うぅうぅ……ま、まだまだぁ……!」

既に5回も振込み、息も絶え絶えといった様子の大暴れ鉄槌はそれでも強がりでしかない声を漏らす。
これだけ振り込んでいるのに満貫に届く手が1回も出ない、というのも凄い。
そして、それだけ体液を搾り取られているのに、未だ意識を保っているのも凄い。
普通なら、「もうやめて! 股間の鉄槌氏のライフはとっくにゼロよ!」といった所なのに。
無駄に熱血なせいで、変に持ちこたえてしまっている。

とはいえ、傍から見ればいつ倒れてもおかしくない状態なわけで――
エロスの鐘の煩悩寺としては、彼の気絶で中断・終了してしまうことが一番怖い。
彼の意識を繋ぎとめるべく、彼女は牌を自摸りながら彼に声をかける。

「そもそも貴方、何しにこの戦いの乗り込んだの? 私たちと違って、勝負する理由なんてないでしょ?」
「言っても分からねェだろうな……! 男には、死んでも挑まなきゃならねぇ戦いってものがある……!」

デザイア・ベルの質問に、大暴れ鉄槌は荒い息をつきながら答える。
理由は実のところ彼自身にも分からない。
「バリアジャケットを脱ぐ」という理由も、考えてみれば拘るべき所でもない。実害はほとんど無かったのだ。
にもかかわらず、目の前に罰ゲームつきのゲームがあり、自分も参加できる、と知り飛び込んでしまった。
そこで逃げたら、何か大事なものを失ってしまいそうな気がしたのだ。

彼自身は知る由もないが……それこそが、彼の内側に眠る「圭一の因子」のが抱える業だった。
部活で鍛えたゲーム勘。負けての罰ゲームさえも楽しみのうち。
そんな彼だからこそ、今ここで気絶するのは「もったいない」。是非とも最後まで決着を見届けたい。
彼を支えているのは、そんな一種の貧乏性だった。
気を抜けばすぐにでも気絶しそうな消耗の中、げっそりとこけた頬で、鉄槌は逆に質問を返す。

「それより、てめぇらこそ何のためにこんなことやってやがる……!
 エロ書き手だからって、戦う以外にも方法あるだろうによ……!」
「エロスの限りを尽くす。それが魔法妖女デザイア・ベルの存在意義だからよ。それ以上の理由は無用!」
「私は……それだけでもないな。私には、倒さねばならない相手がいる」

迷いなく言い切るエロスの鐘の煩悩寺。対して、エロ師匠の方は虚空を見上げて遠い目をして。
思わず興味をそそられる。思わず質問が口をついて出る。

「それって……誰だよ」
「もう1人の私。LSロワの『ボマー』だ」
「ッ!?」
「トリップを変えているので、知る者も少ないだろう。だが、あれは『私』だ。そして『私』と異なるモノだ。
 私は奴を倒さねばならない。奴を打倒し、私が奴に成らなければならない。
 本当は『エロ師匠』の方こそ優れた存在なのだと、証明しなければならない。
 だから、私は……」
「……あの馬鹿なら、死んだぞ。お前、放送聞いてなかったのか?」

3015エロス頂上決戦。仕切りなおし。:2008/03/14(金) 12:46:14 ID:MMvjnSs.0

   *    *    *

一際高いビルの屋上から、事態の推移を見守る人影があった。
無数の黒いリボンが、ひらひらと揺れる。

   *    *    *

「は……? しん……だ? まさ、か……」

グニャリ。
衝撃の事実に、エロ師匠の視界が歪む。呆けた声が零れる。
信じられない。意味が分からない。何を言っているのか、分からない。

「俺も一時期、奴と一緒にいたんだけどな。
 1人の可哀想な女の子を救おうと、奴は危険な賭けを打つため別行動を取った。
 それからどうなったかは俺たちも知らねぇ。……たぶん、そこでヘマを打ったんだろう。
 ったく、あの馬鹿野郎が」
「そん、な」

憎々しげな舌打ちは、下手な追悼の言葉よりずっと現実味があって。エロ師匠は麻雀卓の上で頭を抱える。
あのボマーが死んだ? 奴が、『エロ師匠』にとって容易に越えられぬ壁である『ボマー』が死んだ?
そんな。じゃあ。でも。ならば。どうして。
あまりのことに、考えがまとまらない。激しい混乱に陥る。

「あいつは言ってたぜ……『この殺し合いの責任の一端は、自分にもある』ってよ。
 だから『責任を取る』と。『らしくないかもしれないけど、責任を取る』と。
 ……で、おめぇはどうなんだ?! おめぇは何を考えてやがる!?
 あの馬鹿の半身だというお前は、『あの馬鹿を超える』以上の目的を持ってねぇのか!?
 責任感も目的意識も全部あの馬鹿に押し付けて、お前はただただエロ展を楽しんでるだけなのか!?」

大暴れ鉄槌の熱い言葉が、空っぽになった頭の中を駆け抜ける。
……目的。
目的がなくなってしまった。目標が失われてしまった。
『ボマー』は『エロ師匠』よりも広い視点でものを見ていたらしくて、けれど、その『ボマー』はもうここにいなくて。
それでは、一体これから『エロ師匠』は何を目的にして進めばいいのか。何をすればいいのか。
考えが纏まらない。思考が乱れる。世界がグルグルと回りだす。

「……どうしました? エロ師匠、貴女の番だよ? はやく進めてくれないかな?」
「あ、ああ……」

速筆魔王の言葉に促され、熱に浮かされたような面持ちのまま、牌を自摸る。
自摸ってきて初めて、自分の手が震えていることに気づく。
ここから何をすればいいんだろう。何を切ればいいんだろう。
いやそもそも、自分はここで麻雀なんてしていていいのか。他に何かやるべきことがあるんじゃないか。
全く麻雀に集中できないまま、気付いたら牌を捨てていて、そして、

「ロン。リーチ・三色・ドラ1、いや裏ドラも乗ってドラ2。満貫直撃。半荘終了だね」

そして。
速筆魔王LXが手元の牌を倒した時には、全てが終っていた。

   *    *    *

3016エロス頂上決戦。仕切りなおし。:2008/03/14(金) 12:47:20 ID:MMvjnSs.0

満貫の手に振り込んでしまったエロ師匠の身体から、最後の1枚の衣服が溶けて消える。
最終的な点数に気付いたエロスの鐘の煩悩寺が、呆然とした表情で椅子からずり落ちる。
戦いが終わり気の緩んだ大暴れ鉄槌が、全てを見届け満足げに気絶する。

ただ1人、速筆魔王LXだけが、相も変らぬ飄々とした笑顔でそこに立っている。

「さあ、闇のゲーム、最後の清算だ……結果は……」

東南戦 半荘終了
 東家 エロスの鐘の煩悩寺 26400点 脱衣枚数:0  体液採取量:−
 南家 大暴れ鉄槌      -4000点 脱衣枚数:0  体液採取量:人類の記録に挑戦!レベル(気絶)
 西家 エロ師匠        33400点 脱衣枚数:2(全裸)  体液採取量:ちょびっと
 北家 速筆魔王LX      44200点 脱衣枚数:0  体液採取量:−

条件1:体液採取による気絶 により 大暴れ鉄槌 敗北確定
条件2:脱衣ルールによる全裸 により エロ師匠 敗北確定
条件3:半荘終了時に女性2人の点差比較 により エロスの鐘の煩悩寺 敗北確定

「そんな! そんなのって……!」
「……ボマーが……ボマーが、死んだ……ブツブツ……」
「最初に言ったろう? 決着の条件は3つあると。そして、そこに優先順位はつけなかったはずだ。
 だから結果は、御覧の通り。僕の1人勝ちってわけ」

麻雀漫画『天』における、東西戦の最終戦。
あの時は2つあった勝利条件が同時に満たされ、引き分けになってしまった。そして延長戦にもつれ込んだ。
だが、今回は3つの「敗北条件」が全て同時に満たされ、相矛盾せず。
3人3様の形で、敗北が決する。

千年パズルと虎竹刀の力により、罰ゲームが強制執行される。
未だボマーの死のショック冷めやらぬエロ師匠から、濃密な霧のようなものが引き剥がされる。
未だ事態を信じきれぬエロスの鐘の煩悩時からも、同じく濃密な霧が引き剥がされる。
ついでに、大暴れ鉄槌から抜き取られた体液も、同じような霧と化して宙に浮いて。

それら3つが集まり、巨大な霧の球体と化し。
膨大なエネルギー持つ精気の塊を手に、彼は爽やかに、そして底意地悪く言い放った。

「僕もね、エロ展開はちょっとばかり嗜むんだ。紹介文でも、エロスの鐘の煩悩寺と並べられているよ。
 つまり――この僕もまた、この『エロス頂上決戦』の立派な参加者だったってことさ」


――エロス頂上決戦、ここに決着。

3017エロス頂上決戦終幕――そして。:2008/03/14(金) 12:48:18 ID:MMvjnSs.0

戦いは終わった。
固有結界が解除され、鷲巣麻雀セットも幻のように消えうせて。
その場に立っていたのは、速筆魔王LX、ただ1人。

エロスの力を競っていた女2人は、共に倒れている。
揃って速筆魔王の方に尻を向け、雌豹のポーズで倒れている。
速筆魔王が書いた有名なあのシーン、八神部隊長のように倒れている。
ついでに精根尽き果てた大暴れ鉄槌も同じ格好で倒れていたが、これははっきり言って蛇足でしかなく。
ともかく、勝者が誰なのかは一目瞭然だった。
結界の外側でコーヒーを飲んでいた観客2人も、彼らの下に歩み寄る。

「お疲れ様。と言っても、俺たちは何もしてないけどな」
「御苦労であったぞ。言ってみれば、『僅かな犠牲』で『無差別マーダー2名』を無力化したわけだな。
 そちの手際の良さ、褒めてつかわす」
「まあ、ツキもあったけどね。結果オーライって奴かな」
「で……その巨大なエネルギー、どうするんだ?」

熱血怪人とギャグ将軍、2人からの賞賛にも飄々とした態度を崩さぬ速筆魔王。
その片手に掲げる「優勝賞品」を見ながら、熱血怪人は首を傾げる。
こうして見れば、実に凄まじいエネルギー量だが……しかし、あまりにも禍々しい。
彼の懸念に気付き、速筆魔王も頭を掻く。

「うーん、どうしようかね、これ。
 いくら僕がエロ展も嗜むとはいえ、流石にこれは濃すぎだしねぇ……。お腹壊しちゃうよ。
 だからと言って、そこらに捨てるわけにも――」

――ドスッ。

「――え?」

それは、何の脈絡もなく。
速筆魔王LXの胸から、1本の腕が生えていた。
空間を越え、距離を無視して、幼い少女の腕が生えていた。
犠牲者たる速筆魔王LXは、即座にその正体に気付く。
これは――この、膨大な精気の塊に手を伸ばす腕、これを実現している技術は――!

「これは――『旅の鏡』?! 湖の騎士シャマルの、クラールヴィント!?」
「そう……その通り。この私の、クラールヴィントさ」

おもむろに降って来た、効きなれぬ声。
思わず、その場にいる誰もが頭上を見上げる。

今まさに、空間と空間を繋ぐ『旅の鏡』から腕を引き抜き、精気の塊を手にいれた1人の少女の姿。
6枚の黒翼を広げた、邪悪な堕天使が、そこにいた。

   *    *    *

3018エロス頂上決戦終幕――そして。:2008/03/14(金) 12:49:08 ID:MMvjnSs.0

漫画ロワでのエロスの代表選手が、『エロ師匠』。
アニロワ2ndでのエロスの代表選手が、『エロスの鐘の煩悩寺』。
では、LSロワにおけるエロスの代表選手は誰か、と問われたら――?

それはもちろん、派手好き地獄紳士『666』。
脱がせたロリキャラは数知れず、悪夢の中とはいえ凄惨かつ淫靡な調教シーンを展開し。
何より、5MeO-DIPTを使用した少女による「けんぜんなたたかい」を見事描ききった彼女である。

彼女ならば、元々エロス頂上決戦に参加する資格はあった、と言っていいだろう。
麻雀対決になる前、あの直視することも躊躇われる戦いにもついてこれただろう。
そして、そんな彼女だからこそ、この大量の精気をも取り込める。
あの速筆魔王LXが二の足を踏んだ、エロスのパワーを濃縮したこのエネルギー塊を、取り込める。
超A級魔導師のリンカーコアにも匹敵するパワーを前に、彼女は小さな囁きと共にその力を手にする。

「――蒐集」
『 Sammlung 』
「な!? その言葉、その声……まさか!」
「知っておるのか、速筆魔王?」
「闇の書……まさか、アニロワ1stで大暴れした、闇の書なのか!?」

大暴れ鉄槌が気絶していなければ、その解説は彼の役割だったのだろうが。
彼が気絶している以上、アニロワ2ndの筆頭書き手、速筆魔王LXが手短に解説する。
原作上での位置付け。トンデモ支給品と言われる理由。ロワ内での暴れっぷり。
それらの話を裏付けるように、目の前の黒い少女の纏うオーラが増大していく。
あの凶悪なエロスパワーを全て吸い尽くし、拒否反応を起こすこともなく、平然と微笑みを浮かべる少女――
これには、特撮以外には疎いギャグ将軍の表情も変わらざるをえない。やや真剣な面持ちで問い掛ける。

「……それで? その『闇の書』とやらを手にしたお前は何を望む?」
「悪逆非道の道を逝くマーダーとしては、いささか『出遅れて』しまったものでね。
 まずは手っ取り早く、戦力の強化を図らせてもらった。
 まあ、これでほとんど目的は果たしたようなものなんだけど――」

黒リボンに彩られた少女は、そこで言葉を切ると無造作に片手を上げて――
そこに握られていたのは、宝物庫の扉開く鍵剣・『ゲート・オブ・バビロン』。
ギャグ将軍や熱血怪人たちが身構える間もない。素早く打ち出された矢は、そして。

事ここに至ってなお気絶したままだった大暴れ鉄槌の身体を、あっさりと貫いた。

「〜〜〜〜ッ!!」
「目的は果たしたようなものなんだけど――まあ、1人くらい『間引いて』おかないとね」

熱血バトルで知られる大暴れ鉄槌も、気絶中に攻撃されては血の滾らせようがない。
いかに優れた身体能力があっても、喉を正確に射抜かれては死ぬしかない。
怒りの声を上げて、蘇った現代の熱血怪人が変身する。
仮面ライダー1号に姿を転じ、すぐさま跳躍。黒翼の少女に襲い掛かる。だが。

「悪いが、今ここで君たちとやりあう気はさらさらない――その価値すらない。
 どうしても私を倒したければ、『白猫』を探したまえ。
 私と同じデザインの服を着た、正義の少女を探したまえ。
 彼女だけが、私に対抗しうる可能性を秘めている。君たちでは、お話にもならない」

懐中時計を手にした少女の姿は、掻き消すように消滅して。
『人間ワープ』か『ザ・ワールド』を思わせるその現象に、熱血怪人が放ったライダーキックも宙を切る。
己の名も目的も告げず、一方的に奪うだけ奪って、その黒い少女はそのまま姿を消していた。

   *    *    *

3019エロス頂上決戦終幕――そして。:2008/03/14(金) 12:50:07 ID:MMvjnSs.0

「かっ……はっ……! 流石に、この『カシオペア』は、こう短時間に何度も使うものではないね……!
 それに、あの鋭いキック……コンマ1秒遅かったら、危ないところだった……」

……少し離れた、ビルの屋上にて。
撤退してきた地獄紳士『666』は、火花を散らす懐中時計を手に溜息をついた。
彼らに見せつけた嫌味な態度とは裏腹に、実の所、彼女には余裕なんてほとんどありはしなかった。

あれだけチートなアイテム群を抱えて、自らを「ようやく中堅クラス」と称する彼女。
その自己評価は、おそらく正しい。
闇の書の力があっても、あの場にいた者たち全てと戦えば果たして無事でいられたかどうか。
速筆魔王LX。蘇った現代の熱血怪人。ギャグ将軍。
いずれも底の知れぬ、一筋縄ではいかない大物ばかりである。欲張り過ぎれば全てを失いかねない。

ゆえに、666は奇襲に賭けることにした。
彼らの気が緩んだ瞬間を狙って、クラールヴィントの『旅の鏡』を用いエネルギー塊を強奪。
その上でこれ見よがしに黒い翼を誇示つつ登場。『闇の書』の知名度を逆手に取って威圧する。
そして、向こうの思考がまとまるのを待たずに不意打ち。対象の死亡を確認しての即・撤退。

最後、熱血怪人のライダーキックにより、あわやカシオペアを壊されてしまうところではあったが。
奪ったエネルギーを素早く魔力に転換することができず、貴重な『凛の宝石』をまた1つ消耗してしまったが。
それでも、なんとか転移は成功した。紙一重で間に合い、ここにこうしている。

「思えば、我ながら危ない橋を渡ったものだね……! 
 だが、これも全て彼女のため……ああ言っておけば、彼らも彼女を探してくれるだろう……」

今は、これでいい。
666の目的は、参加者を全滅させての優勝ではない。
己の悪名を高め、いずれ巨大なる悪としてネコミミストに倒されることこそ、彼女の願い。
そのためには、別にギャグ将軍一行の戦力を削る必要はない。
むしろあれだけの実力を秘めた者たち、ネコミミストと合流できればきっと彼女の助けになってくれるだろう。
だからこそ『白猫』の名前で彼女の存在を仄めかしたし、それに。

「戦果としては……悪名のきっかけとしては、あれで十分ッ……!
 アニロワ1stで名高き『鉄槌』氏。
 卑怯にも気絶中にズガン気味に殺した、というのも、悪名という観点に立てば逆にプラスだしね……!」

『鉄槌』と言えば、LSのボマーと並び避難所の「あだ名命名」の流れより前から名の知れていた人物だ。
それほどのビッグネームを、あえて、わざと、熟練書き手が本能的に嫌う「ズガン」で殺す。
その上で、自らを大物っぽく演出し、「逃げた」のではなく「相手にする価値なし」とばかりに突き放す。
……あの局面で『全参加者に憎まれ恐れられる』のに、これ以上の手があるだろうか!?

黒いリボンに飾られた少女は、そして天を仰ぐ。
愛する少女を思い、天を仰ぐ。

「ふふふ……ネコミミスト、待っていてくれたまえ……。
 君を支える仲間も用意しよう。私と再会するためのフラグも立てておこう。
 私自身も、闇の書の吸収能力を駆使し、今後も戦力強化に励むことにしよう。
 だから、君はそのまま前に進みたまえ。
 安心して、真っ直ぐにその道を進みたまえ――!」

   *    *    *

3020エロス頂上決戦終幕――そして。:2008/03/14(金) 12:50:45 ID:MMvjnSs.0

「……やられたなぁ。これは参ったね」
「……俺は、無力だっ……!」
「……まったく……これではギャグにすらならん」

大暴れ鉄槌の屍を見下ろし、3人は肩を落とす。
実は生きていた、なんていう都合のいい展開はない。
首輪に守られ九死に一生を得た、なんて展開もない。
一度死んだけれど熱血で蘇った、などという超展開もない。

大暴れ鉄槌は、あまりにもあっさりと、その命を奪われてしまっていた。

だが、いつまでも嘆いてもいられない。
大暴れ鉄槌の弔い。大暴れ鉄槌の仇討ち。
あの『闇の書』を操る少女も追わねばならないし、彼女が言い残した『白猫』というのも気になる。
もちろん、ギャグ将軍の仲間たちのことも考えなければならないわけで……
山積みの課題を前にしばし考え込んでいた彼らは、そしてふと、あることに気付く。

「そういえば……あのエロの2人はどうした?」
「…………あっ!?」
「ドサクサ紛れに、逃げられたようであるな。ますますもって腹立たしいことよの」

   *    *    *

3021エロス頂上決戦終幕――そして。:2008/03/14(金) 12:51:44 ID:MMvjnSs.0

激戦の舞台から、少しだけ離れた市街地にて――。
2人の女が、互いの背に体重を預け、荒い息をついて座り込んでいた。
彼女たちのすぐ傍には、手の平サイズのミニ・メイドさんも同じようにへたり込んでいる。
ちなみに、津村斗貴子の姿をした女は、麻雀開始前に脱ぎ捨てたセーラー服を再び着用。
一方のティアナ・ランスターの姿をした女は、既に変身が解けている。シーツ1枚きりだ。

「……どうして助けた?」
「……それはこっちのセリフよ」
「…………」
「…………」

あの瞬間――6枚の黒翼を背負った少女が乱入してきた瞬間。
男たちの注意が逸れたことに気付いた2人は、阿吽の呼吸で動いていた。
エロ師匠が瞬時にサンライトハートを展開、移動のための推進力を獲得し。
魔法妖女デザイア・ベルが、108種あるエロ妄想魔法のうちの1つ、『いけない透明人間』を発動。
「もしも透明人間だったらいろんなエロいこと出来るのに〜」という妄想が生み出した、夢の魔法である。
(ただし、元々途中で解けてバレてオチをつけることが前提にあるので、持続時間は極めて短い)
かくして煩悩寺の力で揃って姿を消した2人は、共に槍を掴み、爆発的なエネルギー噴射で飛び去って……。

ともあれ、2人の協力あってこそ、あの場から逃げきることも出来たのだ。
エロ師匠だけでは、移動する姿が目立って仕方ない。槍を構えた所で取り押さえられていただろう。
エロスの鐘の煩悩寺だけでは、姿は消せても移動手段が無い。さほど離れることもできず、解けてしまう。

相談する必要すらなく、互いの狙いを瞬時に理解できる相性の良さ。
似た嗜好を持ちつつも、微妙に違う能力。それぞれの弱点を補える多様性。
さらには、『闇の書』を所持する少女の出現。エロパワーだけでは対抗困難な敵の存在。
2人は、そして、共に同じ結論に達する。

「……それはそれとして、だ」
「……まあ、それは別として、ね」

  「「同盟を、結ばない(か)?」」

2人の言葉が、見事にハモる。
互いに同じことを考えていたことを知り、2人の顔に苦笑が浮かぶ。
一時は不倶戴天の敵同士、と考えていた彼女たち。しかし、彼女たちの書いた話を思い出して欲しい。

川田章吾と津村斗貴子、和解などありえぬ因縁の2人に同盟を組ませた、エロ師匠。
結城奈緒とギルガメッシュ、普通は合うとも思えぬ2人にチームを組ませた、エロスの鐘の煩悩寺。

この2人、つまりチーム結成という一点において、共に柔軟な思考の持ち主なのだ。
これまでの戦いで集めたエロパワーや精気は、横から奪われてしまった。
今現在の2人の能力は、このロワ開始時とほぼ同じ――いや、それよりさらに落ちているかもしれない。
とてもではないが、超人たちが闊歩するこの殺し合いの場で、1人きりで生き抜くことなど出来はしない。

けれど、もしもこの2人が組むのなら。
掛け合わされたエロスのパワーは、爆発的な威力を発揮するに違いない。
やり方次第では、チート級マーダーさえも前屈みにさせることが出来る。翻弄することが出来る。
2人の決着は、そうして他の参加者を蹴散らし、減らし、力を取り戻してからでも遅くはない。

遅くはないが……その前に、少し確認しておかねばならないことがある。

「同盟を組む前に……エロ師匠、1つだけ聞かせて」
「何かな?」
「あなたは、何を目的とするの? これから何を目的として動くの?」

3022エロス頂上決戦終幕――そして。:2008/03/14(金) 12:53:32 ID:MMvjnSs.0

麻雀の最中にボマーの死を聞かされ、大いに動揺していたエロ師匠。
あの麻雀における2人の敗北も、彼女のあの動揺のせいだ。
エロスの鐘の煩悩寺としては、あんなことを繰り返されてはたまらない。
その心配と疑いの視線に気付いたのか、エロ師匠は軽く苦笑する。

「そうだな……あの時は確かに私が悪かった。謝るよ。
 私は確かに『ボマー』を越えたかった。そしてその『ボマー』はもういない。
 戦って彼女を倒して『エロ師匠』の優位を確認する、という手段はもう取れない。けれど……」
「けれど?」
「けれど、奴は既に多くの足跡をこの地に残している。
 その身は滅びても、対主催側に立ったことで、多くの思い出とフラグを残している」

エロ師匠は立ち上がる。
話を聞いた直後こそ、動揺した。混乱した。絶望した。
けれども、まだこの地にボマーが存在した証が残っているならば。
あの大暴れ鉄槌のように、ボマーの行動について熱く語れる人間がまだ残っているのならば。

「私は、奴のその『存在感』を、『足跡』を、越えたい。
 彼女とは逆の、『マーダー側』のポジションから」

そう、まだ『ボマー』との決着はついていない。
先に死んだのは『ボマー』だから『ボマー』の負け、などという詭弁で自分を偽ることなど出来ない。
ならば、死者を越えるまで。完膚なきまでに、存在感という一点において勝るまで。
エロ師匠の顔に、「イイ笑顔」が浮かぶ。自らの欲望と願望を全肯定する、実に「イイ」笑顔。

「……エロスの鐘の。そういうお前は、何を目的とする?」
「私は……そうね。これまで、大した目的も持たずにここまで来ちゃってたわ。
 変身前は状況に流されるだけ、変身してからはエロスを暴走させるだけ。でも……」

エロ師匠に問い掛けられ、エロスの鐘の煩悩寺もまた、立ち上がる。
エロスにおける最大の好敵手が、これだけの決意を語ってくれたのだ。
ライバルとしても、同盟相手としても、彼女に負けるわけにはいかない。匹敵する存在にならねばならない。

「私も、『もう1人の私』を越えようと思う」
「もう1人のお前?」
「ギャルゲロワの書き手陣の筆頭に位置づけられた、『予約被りに定評のあるtu4氏』。
 同じトリップを背負う、もう1人の私。
 アニロワ2ndでの私も、あいつに負けない存在になりたい」

エロスの鐘の煩悩寺の言葉が、震える。
ロワごとの書き手紹介文のトップに位置するその名前。自分の半身。
トップに置かれる以上、その存在は大きなものだろう。何しろこのロワのOPにも登場しているくらいなのだ。
あの時の姿のままかどうかは分からぬが、永遠神剣シリーズの力を得ているならその能力も絶大なはずで。
目的の無かった彼女が目標とするには、これ以上ない相手。

「奴が対主催かマーダーかは分からない……下手すれば、空気になっているかもしれない。
 でも、そんなのどっちでもいいわ。
 どっちにしても、『マーダー側』に立てば叩き潰せる。いつか戦うこともある」

対主催同士で戦うには複雑な誤解フラグを用意する必要があるが、マーダー同士の戦闘は簡単だ。
ただ、出会いさえすればいい。パロロワに精通していればこその発想。
エロ師匠とエロスの鐘の煩悩寺が、見つめ合う。共に淫靡な笑いを漏らす。
『強敵』と書いて『とも』と読む、そんな関係が2人の間には出来上がっていた。

「では……行こうか。限りなきエロスと、我らの目的のために」
「ええ。行きましょう。果てしなきエロスと、私たちの目的のために」

2人は歩き出す。寄り添うようにして歩き出す。
ここに、エロスを極め、「もう1人の自分」の呪縛に足掻き続ける、狂気のチームが動き出した。


真・エロス頂上決戦、ひとまず今は延期決定――ただし、延期であって中止に非ず――!

3023エロス頂上決戦終幕――そして。:2008/03/14(金) 12:54:12 ID:MMvjnSs.0

【午後/E-4/ビル屋上】
【派手好き地獄紳士666@LSロワ】
【装備】:ゲート・オブ・バビロン@アニロワ2nd(※特殊仕様)、闇の書@アニロワ1st、
     クラールヴィント@アニロワ1st(ネコミミストと同じ物)、バリアジャケット
【所持品】:支給品一式、エリクシール瓶に入ったシャリダムのイケナイ触手汁
【状態】:闇の書発動。不死者化? 大量の精気(エロパワー)吸収。
【外見】:黒いリボンドレス、背中から黒い六翼。長い髪は白く染まり後ろに降ろしている。眼鏡外し。
【思考・行動】
基本:極悪外道になった後、ネコミミストの前に敵として再会。ネコミミスト心から愛してる。
1:マーダーとして悪行を積む。
2:戦力強化を図る。
3:ネコミミストの前に敵として現れ、最終的に喰われる。
※ゲート・オブ・バビロンで出せるアイテムをどれも『一応は何とか使いこなせ』ます。
 エリクシールと爆薬は使い切りました。
 浄玻璃の鏡の回数制限は残り2回。凛の宝石は残り7個。風の矢は残量不明。
 懐中時計型航時機『カシオベア』に(原作のように)ヒビが入りました。動作などへの影響は不明です。
※ゲート・オブ・バビロンで出せる新たに判明した物及び追加された物。
 アニロワ1stからディーヴァの剣、ルルゥの斧、マイクロ補聴器、
 鳳凰寺風の弓と矢、鳳凰寺風の剣、凛の宝石×10、闇の書。
 加えて――マテリアルブレード@テイルズロワ@XXX、クラールヴィント@アニロワ1st@XXX、
 不死の酒@アニロワ2nd(既に使用済み?)@XXX。
※闇の書と融合しているため、その内に言うまでもなく――
※エロスの鐘の煩悩寺と、エロ師匠の(ついでに大暴れ鉄槌の)精気を吸収しました。
 パワーアップしたのは確かですが、そのエロパワーを使いこなせるかどうかはまだ不明です。

3024エロス頂上決戦終幕――そして。:2008/03/14(金) 12:54:50 ID:MMvjnSs.0

【午後/F-4/市街地】
【チームBADAN+新生クライシス帝国(仮称)】

【速筆魔王LX@アニロワ2nd】
【状態】健康
【装備】虎竹刀with千年パズル。
【道具】支給品一式。
【思考・行動】
1:さーて、どうしたもんかねー
2:『白猫』って誰?
3:対主催陣を探し、ゲームに乗った強敵を撃破していく
4:可能ならもう一つ首輪を回収して、脱出フラグを積む
5:でも別に何エンドでもおっけー

【蘇った現代の熱血怪人@漫画ロワ】
【装備】:バヨネット×2
【所持品】:支給品一式
【状態】:変身中。全身にダメージ(小)。疲労(小)
【思考・行動】
基本:打倒、主催!
1:俺は正義の味方!
2:仮面ライダー書き手の『ライダー魂』を蘇らせる。
3:やっかいな人を仲間にしてしまったような…。
4:『白猫』って誰だ?!
5:どこかで鬱展開にもって行きたい……って既に鬱!?

【新生クライシス帝国・ギャグ将軍班】
【ギャグ将軍@ライダーロワ】
【状態】:健康
【装備】:杖@ライダーロワ、王者のマント@FFDQロワ
【道具】:支給品一式、コーヒーセット一式@スパロワ、コーカサスブレス&ゼクター@ライダーロワ
     みWiki@らき☆すた?、ジャーク将軍のマント@ライダーロワ、
【思考】:
 基本:新生クライシス帝国の結成
 1:どうしたものか……『白猫』とは誰だ?
 2:Chain-情の計画に協力
 3:ついでに飲み友達を集める
 4:コーカサスゼクターの資格者を探し、コーヒーを飲む
 5:紅茶を飲むかどうかは保留
 6:対主催の仲間を集める(首輪解除スキルを持つ者を優先)
 7:第三回放送の頃には旅館に戻る。

 ※容姿はジャーク将軍@仮面ライダーBLACKです。
 ※ジャークミドラに似た、ギャーグミドラに変身できます。
 ※制限がライダーロワ基準だと思い込んでいます。
 ※シルベストリから、漫画ロワの知識を若干得ました。
 ※今はChain-情に協力的ですが、ちょっとしたことで心変わりする可能性があります。
 ※特殊能力:「書き手界の良心」に目覚めました。
   本気の一喝を放つことにより、悪ノリし過ぎている者に自重を強いることができます。
   ただし、ギャグ将軍の性格上、あまり多用されることはありません。
   真剣な人生相談に乗ることも可能。なお、発動中はピンク色がかかった女言葉になります。
 ※背中に謎のチャックを確認。ギャグ将軍曰く、開けると「大変なこと」になるそうです。詳細は不明です。

【大あばれ鉄槌@アニロワ1st 死亡】

※大暴れ鉄槌の死体に、レイジングハート(ほとんど呪い・待機状態)と基本支給品一式が残されています。
 レイジングハートの機能(と性格)については、大暴れ鉄槌の登場話を参照のこと。

3025エロス頂上決戦終幕――そして。:2008/03/14(金) 12:55:28 ID:MMvjnSs.0

【午後/E-3/市街地】
【チーム・エロスノキワミアーッ!?】

【エロスの鐘の煩悩寺@アニロワ2nd】
【状態】:精気消耗、魔力消耗、変身解除
【装備】:エロスの鐘、ミニ・サスペリア
【道具】:支給品一式
【思考】:
基本:この殺し合いの場を利用して、ギャルゲロワの『予約被りに定評のあるtu4氏』に勝る存在となる
 1:エロ師匠とタッグを組んで状況の打開を目指す
 2:精気を吸収して回復したい
 3:最後にはエロ師匠と再度決着をつける
 ※容姿はティアナ・ランスター@なのはstsです。
 ※ここまでに吸い取った精気を奪われました。ほぼロワ開始時の状態に戻ってしまった格好です。
 【エロスの鐘】
 大人向けデバイス。魔法妖女デザイア・ベルへの変身アイテムでもある。
 その音色を聞かせた者が隠し持っている欲望を引き出し、暴走させてしまう。
 暴走した欲望からエロスを吸い取ることで相手の精気を自分のものにできる。
 【ミニ・サスペリア】
 掌サイズのメイドさん。闇のメイド・サスペリア@アニロワ2ndの姿をしている。
 魔女っ娘に必要なマスコットキャラで、ご主人様に色々とアドバイスをしてくれる。

【エロ師匠@漫画ロワ】
【装備】:サンライトハート(後期型)@武装練金 カードデッキ(ゾルダ)@ライダーロワ 官能小説
【所持品】:支給品一式×2、マジックペン@文房具、不明支給品×2人分
【状態】:疲労(大)、お肌の張りも失われている、ぱんつはいてない
【思考・行動】
基本:この殺し合いの舞台を利用して、LSの『ボマー』を上回る存在感を獲得する。
 1:エロスの鐘の煩悩寺と組んで状況の打開を目指す。
 2:エロスを補給して回復を図る
 3:バイセクシャルでスペック高い仮面ライダー書き手に未だ関心あり
 4:最終的にはエロスの鐘の煩悩寺と決着をつける
 ※外見と声は銀髪銀眼の津村斗貴子(エロ度200%増)です。無駄にエロいです。何でもエロくします。
 ※サンライトハート(後期型)は支給品ではなく自前です。核鉄として心臓の代わりも兼ねています。
 ※カードデッキだけはなぜか九分五十五秒しか変身できません。
 ※服に若干の返り血
 ※ここまでに吸収したエロパワーは奪われました。ほぼロワ開始時の状態に戻ってしまった格好です。
 ※下着は『闇のゲーム』の中で消滅しました。だからいま、ぱんつはいてない。

3026「……や、やさしく名無して……ほしいで、……ござる」:2008/03/14(金) 12:56:00 ID:MMvjnSs.0
投下終了。
……愛? それって喰えるんですか?

3027「……や、やさしく名無して……ほしいで、……ござる」:2008/03/14(金) 14:38:09 ID:0jpvdvC.0
投下乙です。
…って、昼間からなんて話を投下してますかw
あと、BADAN+クライシス帝国って、字面だけ見るとすごすぎるw

3028世はこともなく廻り続ける:2008/03/14(金) 16:34:29 ID:DHaBGr220

「そう、あなたも死んじゃったんだ」

暁を背に空を駆ける少女がなんの脈絡も無くぽつりと呟いた。
彼女の名は予約被りの定評のあるtu4氏。
最後の空気王の名を自ら冠するありとあらゆるロワの空気達の願いの行く末に立つ者。
右往左往の末、全ての空気キャラの復権を目指すに至った彼女は、
だからこそ各ロワで空気とされた者の真価を誰よりも理解していた。

「あなたになら、殺されてあげても良かったのにね」

何もない天へと向かい一人声をかけ続ける少女。
傍から見れば狂人や危ない人にしか見えないだろう。
いや、沙羅さんの伝説を知る者からすれば、
遂に本当の空気と話す能力を得たのかと思われてしまうかもしれない。
まあなんかその内そうなったところでみんな納得しそうだが、
残念ながらそんな厄介な能力に覚醒したわけではない。
彼女はちゃんと会話しているのだ、己が内に内包した永遠神剣第一位「空気」、その意志と。

永遠神剣
忘れられがちだがこのお手軽魔力持ち強化アイテムは「求め」だけでなく、全て自らの意思を持っている。
特に上位の神剣の意志は曲者揃いだという。
第一位であるtu4氏の「空気」においては言うまでもない。
そう「空気」の意志とは古今東西ありとあらゆる世界の創作物において空気とされたキャラの妄念。
ロワ内であるが故にその力はKYによって制限されているが、
本来ならパロロワ以外のキャラの力すら使いこなすという代物である。
その空気の意思に先ほど新たに一つの少女の意思が合一されたのだ。
転に殺された地味子の意思が。

ただ堅実に原作風味のリアルな話を書いていた。
それだけの理由で地味であることを押し付けられ、遂にはあっけなく殺されてしまった少女。
数少ない空気キャラの味方である書き手――◆Zp1p5F0JNw(空気の人)の人により呼び覚まされた
葉鍵の迎撃(リーフシールド)も遂にその真価を発揮することはなかった。
あの力の前にはいかな「空気」とて、いや「空気」だからこそ分が悪かった。
あまりにも自身のチート化に対するクレームが来てKYが発動しようものなら、
「孤城の主」でもやって空気達の存在を読み手達に刻みつけた後に地味子にやられれば、
地味子の株も上がり空気の株をまとめて上げられるとも思っていたが、
どこまで行っても世界は空気キャラに見せ場を作る気はないらしい。
ロワそのものを過疎とされ、名すら与えられなかったAAAロワ出身の者たちも同じく全滅してしまった。
それが空気の宿命とでも言うかのように。

「いいわ、その運命、私が覆して見せようじゃない」

幸い「空気」は地味子とAAA勢の魂をマナごと取り込み、さらにその力を振るえるようになった。
感電の対主催宣言も幸いこの私にはどうでもいい話だ。
むしろ嘲笑すら浮かぶくらいだ。

「あははははははははは!」

3029世はこともなく廻り続ける:2008/03/14(金) 16:34:51 ID:DHaBGr220



さて、唐突だが、ロワでよく使われる対主催とは、どう行った者達を指すのであろうか?
焦らしても無駄に考察文が延々と続くだけなので、先に答えを提示しよう。

主催者がロワという手段によって成就させようとしている目的の障害となる者のことである。

そう、バトル・ロワイアルとは多くのパロロワに於いて、あくまでも手段であって目的ではない。
アニロワ1のギガゾンビのようにロワが手段であり目的でもある主催者は珍しいくらいである。
大抵の主催者からすれば、殺し合いがある程度進み、目標を達成できた時点で、
マーダーが一人もいなくなろうが、首輪が解除されようが、
自分達に直接牙が剥かれない限り痛くもかゆくもない。
スパロワの主催者であるユーゼスなぞ、ゲームから脱出する人間を、
神の力を振るうにふさわしい敵として求めているくらいだ。
ラノロワの主催者アマワのように、参加者と主催者の勝利条件とが一致しているケースまである。

つまり対主催とは何も殺し合いにのらず殺人遊戯の打倒を志す者達や、
手段を選ばずとにかく主催者の命を奪おうと考えている者達を指すとは限らないのだ。

上記の考えに至ったWIKI管理人が、ロワを開催するにあたって最も苦心したのが、
自身の真の目的の参加者や読み手や他の主催陣からの隠ぺいである。
誰にも知られさえしなければ、よっぽどの偶然でも起きない限り、
邪魔されることは無いと踏んだのである。

だが、このことは簡単なように見えて実に難しい作業であった。
ただの読み手に対しては、WIKI管理人が自身の登場話に於いてほとんど真実を話さず、
のらりくらりと事態をややこしくするような発言を吐くだけで事足りる。
しかし参加者たる書き手に対してはそうはいかないのである。
そもそも多くのパロロワに於いては、主催者の真の目的は後付け設定として登場するものである。
書き手準拠と言ってもいい。
またその名の通りただの専業管理人だったならばともかく、WIKI管理人も一人の書き手である。
同じ書き手という立場の人間同士、もし真面目に考察などされでもしたら、
最悪たった一話で自身の思惑が後付ゲフンゲフン見抜かれかねない。
その上で何でもありな書き手ロワ参加者に的確な反撃をされでもしたら……。

WIKI管理人は悩みに悩んだ。
書き手達を書き手として参加させなければ計画は成功しない。
それでいて書き手という存在そのものが計画を失敗させかねない。

ぐるぐると、ぐるぐると、何度も何度もループしていく思考。
片方が成り立てば、片方が成り立たないという致命的な矛盾。

3030世はこともなく廻り続ける:2008/03/14(金) 16:35:19 ID:DHaBGr220


それらを一遍に解決したのが『なりきり』である。
テイルズロワがノーマルエンドを迎え、テイルズロワ2の話題で盛り上がった時に談義されたこの力。
単純にいえば別のキャラクターに変装し成り切ることで、変装元のキャラの能力が使用可能になるという力だ。
WIKI管理人はその『なりきり』能力をロワの基本システムとして組み込むことにより、
書き手としての思考能力をキャラに引きずらせることにより制限し、
ついでに超常の力を与えることにより、殺し合いの促進をも成功したのだ!
まさに一石二鳥!ビバテイルズ!!酢飯細胞は思わぬ伏線だったのさ、キラーン☆
更にジョーカー召喚を隠れ蓑に、テイルズロワの因子を取り込むほどの徹底ぷりだ。
まあそれ故に、書き手達の心情や衣装が別のキャラ寄りになれば、
ほいほい新能力が目覚めてしまうというご都合主義を許容するはめになったのだが。

とはいえこの制限には実はデフォルトで抜け穴が存在したりする。
その一つが多重変身キャラであること。
『なりきり』という特性上、そのキャラ付けで固定して過ごせば過ごすほど、浸食は拡大していく。
ならば、キャラをコロコロと変えていけばいい。
多重人格や多段変身。多くのキャラを含有すれば含有するほど浸食速度は落ち、
キャラに引きずられることを遅延することができるのである。
地図氏や孔明はどうやらこのことに気付き、書き手としての意識があるうちに、
自らに変身設定をうまく付け加えたのだろう。
ある程度のきちんとした設定があれば、『なりきり』はなんでもそのとおり実現してしまうのだから。

そしてもう一つの方法が空気キャラであることである。
言わば「カズマ」「アーカード」「光太郎」「ドS」「ドM」「変態」「ロリコン」
といった濃いキャラづけなキャラに対して彼らは「剣士」「魔法使い」「一般人」
といったジョブのみを指定されたに等しかったのだ。
更に彼らの「ありとあらゆる効果の影響を透過する」という空気力は同パーティーメンバーにも感染するのだ。
空気が煙たがられるこの特色は、しかし今回はうまく発揮し、
フリクリ署長によるメタ考察を可能にしたのである。
まあもっとも、そのジミーズもAAAキャラもすでにこの世にはいないのだが。

「あはははははははははははははははははは!!」
故にtu4氏は笑う。感電は、ミスを犯したのだと。
もうこれで残されたメンバーの内、彼ら三人を除いて主催者の真の目的に気づけるものはいなくなったと。
空気キャラをおざなりにしたことの報いだ、いい気味だと笑い続ける。



感電がその空気キャラの利点を知った上である参加者と秤にかけ、
空気キャラも殺してしまっても構わないと冷静に判断したとも知らずに。
デフォルトで着ぐるみ設定だからこそ任意で『なりきり』を解除でき、
その上元ネタが主催者打倒を成し遂げたことのあるあの人物こそが、
WIKI管理人の真の天敵たりえるとは思いもしないで。

3031世はこともなく廻り続ける:2008/03/14(金) 16:35:38 ID:DHaBGr220



「まあ普通気がつかないわよねえ、まさか制限されているのが力じゃなくて、思考の方だなんて」
実際管理人と基は同存在であるはずの自分ですら「空気」を覚醒させ、沙羅さんに引きずられるのではなく、
共に歩もうとするまでは思い出すことすらできなかったのだ。いや、むしろ同一存在であるからこそか。
自分とエロスの鐘ほど初めにWIKI管理人の目的に気づきうる人間はいないだろう。
それならば自分が当初受けていた理不尽な制限も納得がいく。
恐らくエロスの鐘の方もかなり濃いキャラづけをさてれていたり、変な制限をかけられていてり、
はたまた可笑しな監視役を付けられたりしていることだろう。
例えば、そう。
空鍋を回し続けないと死ぬとか、沙羅さんとか、あるいは
「っはあ、空飛ぶのって結構疲れるのよね〜。こなたならそんなのお構いなしに喜びそうだけど」
スーパーかがみんとか。

うん、スーパーかがみん。
みんなきっと忘れてるわよね、こいつのこと。
そりゃもう空気王の私からしても空気としか言いようが無いし。
でもそれってどうやら私にいつでも合流できるようにわざと主催者がキツキツの制限を設けて、
空気キャラにしたようなのよね。実際激戦と不死者化による再生力に、
ローラーブーツに衝撃波にマリンデビモンと地形判定ALLS。
いくら私でも、こいつに時間稼ぎに徹されでもしたらたまったものではない。
その間に管理人に千年リングを使われたら一貫の終わりである。
パラサイトマインドを解除されればこの体を動かすことはできなくなるからだ。
空気キャラの復権を遂げるまでは体を失うわけにはいかない。
別の千年アイテムを持っていればまた話は別なんだけれど。
とはいえ管理人の思い通りに動くのもそれはそれで癪だ。
今の私は最後の空気王tu4という、一人の確固とした存在なのだから。

だからまあ、少し殺し合いを加速させるとしよう。
空気キャラの復権も兼ねて。

「ミミ、フォルカ。あんた達の“しんか”の力、さあ存分に示しなさい!!」
tu4氏の手にあらわれるは、六角形の時計のような道具。
デジモンが登場しないアニロワに於いて、まさしく空気と化した支給品――デジバイス。
tu4に掲げられるや否や漆黒の光が溢れ出し、会場のあちこちに飛んで行き、そして……

3032世はこともなく廻り続ける:2008/03/14(金) 16:35:58 ID:DHaBGr220
ドラえもん

かって鬼軍曹が語ったように、日本人の誰もが彼が殺し合いにのるとは思わないだろう。
ならばこそもしもゲームに乗ったドラえもんがいるとしたら?
彼は最悪のステルスマーダーになれるのではないだろうか?
そんな狂った妄想の産物がここにいた。
書き手でもなく、絵師でもなく、またネタ支給品であったにも関わらず、
性格や能力は原作基準のドラえもん。
はっきり言って扱いづらいことこの上ない意思持ち支給品である。
故に、空気と化すことは決定事項で、デジバイスによる進化も約束された帰結であった。
スーパードラえモン?ゴッドドラえモン?メタルドラえモン?
NO!ドラえもんの真価とはさに非ず!!彼を彼たらしめているものは、ずばり!

「ぱんぱかぱ〜ん!クレイジーダイヤモンドのDISC〜、邪剣ファフニール〜、チャネリング〜」

そう、秘密道具である!
姿かたちが全く変わっていないドラえもんのお腹には、
しかし彼の象徴たる四次元ポケットがこれでもかと輝いている!
勿論秘密道具なんでもありでは、KYに抵触するので、ロワ仕様には変更されている。
彼が取り出した秘密道具が今の四次元ポケットの効果を物語っていると言えるだろう。
即ち、空気支給品こと放置されたまま誰にも回収されていない支給品を取り出せるのである。

ドラえもんは即座に自らのあたまにDISKをセットし、治療中だったKing of 脳内補完に使用する。
それだけならいかにもドラえもんらしい行為として見れただろう。
だが空気王の一人、ハカロワ3の引き籠り型煽動人物、天野美汐の力に染まったデジバイスは、
対象に正しい進化の力をもたらしはしない。
さらにはこのロワでは、主役デジもんの一匹を7大魔王に進化させたニコロワの因子も飛び交っているのだ。
いかな善良なドラえもんとはいえ、空気になった時点で暗黒進化を免れることはできなかった。

「ふふふ、これでこの人は僕の思うがまま。ファフニールも持たせたし、存分に狂ってね」

ドラえもんが、笑う。

「あははははははははははははははははは!」

全国のちびっ子たちには見せられないような邪悪な笑みに表情を浮かべて、これから起きる惨劇に夢をはせる。

「ははははははあははははははははははははははははは!!」

進化の力により暗黒神化し真価を間違った方向に発揮することになったドラえもんは、

「ははははははは「黙れ、クズが」は?」

幸か不幸か、罪のメモリーを電子頭脳に刻むより先に、頭部を吹き飛ばされ、壊された。

3033世はこともなく廻り続ける:2008/03/14(金) 16:36:21 ID:DHaBGr220


「ふん、持ち主はクズだったが、このポケットは使えるな」

戦利品を手に転は笑う。彼がドラえもんを見つけたのは何も偶然ではない。
当初の目標だった温泉での参加者たちとの情報交換は、
わずかな差で集まっていたもの達が全滅したことにより失敗に終わった。
とはいえ収穫がなかったわけではない。
せめて残った奴が使える人間ならばよかったのだが、死にたがりでは足を引っ張られかねないと、
疫病神フラグが立つ前に地味子を殺した後、彼はとりあえず温泉に向った。
レーダーで確認した範囲では、かなりの人間が居たのだ。
一人途中で転移したのは気になったが、恐らくは何人かの支給品は残されたままであると踏んだからだ。
ついでに疲労回復の為に温泉に入るのも一興かとも考えてはいた。
だが、予想とは常に裏切られるものである。
温泉にたどり着いた転を待っていたのは、さしもの彼も驚かざるを得ない光景であった。

天から真っ黒い光が降り注いだと思うと、突然巨大な龍が現れたのである!
しかも鰤やら蛸やら鯛焼きやらをもしゃもしゃ食べながら。

いくらなんでもそりゃないだろと、マサキ顔に似つかわしくない表情で呟きはしたが、
そこは天こと転。冷静にレーダーを見つめながら思考にふける。
初めこそはその姿から、ギャグ将軍のネタ画像もあいまって漆黒の龍の変身した姿かとも思ったが、
レーダーにも映ってはいないし、近くにモンスターボールも転がっていたことから、
ただの支給品だったと判断するも、説明書には何故かコイキングLV99と書かれている。
しかしどう見たって彼の眼の前で踊り食いを敢行しているのは、本来の5倍くらいの大きさのギャラドスである。
まさかここを襲撃したマーダーを倒して、晴れてLV100になり進化したというオチなのだろうか。
それともいっそたいやきとやらがこの惨劇を起こした犯人だったりするのだろうか。
書き手ロワ的にありえなくもないと頭を捻るマサキが、再び漆黒の光が降り注ぐのを目にしたのは、
タイヤキが他の三匹をちょうど完食した頃であった。
すぐさまヒュッケバインに跨り、飛行可能な巨大ロボの機動性を最大限に発揮して黒い光に追いついた転は、
ドラえもんの変貌を目にし光の効果を確信したのだ。
ならば、もう用は無い、とドラえもんの頭部をバルカン砲で吹き飛ばし、今に至る。

3034世はこともなく廻り続ける:2008/03/14(金) 16:37:14 ID:DHaBGr220

「おい、起きろ、クズ!」

とりあえず目の前の男――首輪に書かれた名前によるとKing of 脳内補完というようだ――を
起こそうとけってみるも、一向に眼を覚ます気配が無い。
ケロンパスで移された疲労は、クレイジーダイアモンドでは回復できなかったからだ。
勿論それを知るはずも無い転の苛立ちは刻一刻と募っていく。
面倒くさいのでとっとと殺しちまおうかと、沸点の低い彼が思い始めた時、ふと、脳内補完の口から声が漏れる。

「あ、ぐ。力が、欲しい!あのガキを、殺せる力が!!」

それは、呪詛の声だった。己を殺し、またも手痛い敗北を味あわせたChain-情に対するどこまでも深い憎悪の叫び。
普通の精神の持ち主なら、耳にするだけで震えあがる程の闇を携えたその声も、
転にとってはただの負け犬の遠吠えにしか聞こえなかった。

「ふん。こいつも使えないクズだということか」

脳内補完への興味が失せた転の手の甲に光り輝く球体が顕現し、転が両手を合わせ力を行使しようとしたその刹那、

「コード承認。三神合体モード」

予想外の音声が響いた。

「む?」

転の表情の変化に合わせるかのように、四次元ポケットから巨体が飛び出す。
スパロワ住人の転は一目で巨体の正体を見抜いていた。

「ディス・アストラナガン、だと!?」

どうやら結の死体は転にとってはアイテム扱いされたようであり、
四次元ポケットを通ってヒュッケバインと合体を開始したのだ。
思いもよらない幸運に転はいびつな笑みを浮かべるも、すぐに過疎の空間を合体中のロボの周辺に展開する。
合体時の光が眩しいということもあるが、それ以上に合体完了後の大きさがわからなかったからだ。
万一真・ゲッターサイズにでもなられたら、いくらなんでも大きすぎる。
会場のどこに居ても一目瞭然である。他の参加者の戦力がわからない今、目立つことは避けたい。

そこまで考えて、転はふと一つの案を思いつく。
確かに自らが目立つのは愚行だが、他人を目立たせればどうだろうか?
それも明らかに殺し合いにのっているであろう参加者をだ。
ロワの書き手達が、そんなおいしい事態を逃すはずがない。
マーダーにしろ、対主催にしろ、悦楽趣味者にしろ、自分にとっては問題ない。
只誘い出された参加者の戦いを隠れて見ていれば、おのずと戦力はわかるものだ。
なんならその後に接触して情報交換をしても構わない。
至れり尽くせりではないか!ちょうどいいことに手はずは既にドラえもんが揃えてくれている。
手元には温泉で回収してきた目立つことこの上ないギャラドスのモンスターボールまである。

「ふはははははは、いいだろうクズ、望みどおり力をくれてやろう!」

マサキが再び四次元ポケットに手を突っ込み、目的の道具を引きずりだす!
使いどころがなく、忘れ去られた支給品である邪教の館を!!
シリンダーにセットされた脳内補完とギャラドスが、見る間に細胞レベルにまで分解され結合していく。
その狂気の様を転はコントローラーを手にし、笑いながら見つめていた。

LV99ギャラドス。各能力値こそ高いものも、技はたいやきことコイキングが覚えていた3つしかない。
合体完了後の技継承時に、脳内補完のジェントリー・ウィーブスを外しさえすれば、
程よい強さの巨大モンスターが誕生するだろう。
合体アイテムとしてファフニールを組み込んでおいたので、派手に暴れまわってくれることも間違いなしだ。
後は気になることがあれば、チャネリングを使い介入すればいい。
幸いヒュッケバインの操作用コントローラーの予備で、2P操作が可能なのだから。

「クククク、ははははははは!見ているか、黒き光の主よ!これが俺と貴様の格の違いだ!!」

転は笑う。
彼の前で遂に合体を終え、巨竜の頭部に下半身を埋めた脳内補完が、自身の威容を誇るかのように新生の産声を上げる。

「グルおあああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁAAAAAAA!!!!」







【ドラえもん@アニロワorカオスロワ 死亡】
【ブリ@アニロワ2nd 死亡】
【タコ@漫画ロワ 死亡】
【鯛焼き@書き手ロワ2 死亡】

3035世はこともなく廻り続ける:2008/03/14(金) 16:37:42 ID:DHaBGr220



【夕方】
【G-7 市街地 上空】
【King of 脳内補完@漫画ロワ】
【装備】邪剣ファフニール、チャネリング
【所持品】
【状態】全長33mくらいのギャラドスの頭部に上半身がくっついたような外見
    健康、凶暴化
【思考・行動】
基本:殺す、壊す、殺す、壊す、殺す、壊す
0:クソガキ、何がなんでもぶっ殺す!
1:他の参加者も殺し尽す!
※中の人がB・D・Nであったために、人肉カレーがきっかけで異世界の自分、
 およびもう一人の自分と記憶がシンクロしました
※合体時に継承した技は、はねる・体当たり・じたばた・絶対零度(ホワイトアルバム)
※ファフニールの影響で更に暴走しています
※人語は一応話せます
※ギャラドスは本来のネタ対象である漆黒の龍と会えば何かが起きるかもしれません
※チャネリングにより転には逆らえませんが、脳内補完は気付いていません。

支給品一式、ウルトラミキサー(故障?)

【G-7 市街地 過疎の空間】
【転@スパロワ】
【状態】:人格反転中
【装備】:???(三神合体機。本人確認済み)、四次元ポケット
【道具】:支給品一式×8(食事一食分消費)、首輪×3(内一つ破壊)、高性能探索機能つき扇風機
     AK-74(残り60発)、マジシャンズレッドのスタンドディスク、転ばし屋
     チェーンソー@サガ1、朝倉涼子のアーミーナイフ、ナイフ、えいゆうのたて@FF6
     パロロワ衣服詰め合わせ、夜天の書(BL本)、BL本、GL本、泉こなたのスクール水着@漫画ロワ
     放火セット(燃料、松明、マッチ)、カードデッキ(龍騎)、コアドリル@アニロワ2nd
     お徳用原作パロロワ全生首セット(目玉セット他に換装可能) &原作パロロワ全手首詰め合わせ今なら腕も付いてくる!
     ウルトラミキサー(故障?)、クレイジーダイヤモンドのDISC、モンスターボール(空)
【思考】:このロワを完結させて一刻も早く生還し、スパロワを完結させる。優勝か脱出狙い。
 1:集まってくる参加者の動向を様子見
 2:適時脳内補完に介入
 3:新機体の操作に慣れておく
 4:装備品の選定
 5:ウルトラミキサーもとりあえず修理しておく
 ※容姿は秋津マサト(木原マサキ)@ゼオライマーです。
 ※転ばし屋はトリップ名でしか働きません。
 ※生死に関わらず、第三回放送で転の死亡は放送されます。
 ※首輪の解除方法を会得しました。道具がなくても外せます。
 ※えいゆうのたてにはアルテマ×10、つまり通算で10話以上所持しているとアルテマが習得できます。
   魔力っぽいステータスや、触媒があれば使用可能です。
 ※ヒュッケバインはビッグ承、結のディストラと融合することで、三神、四神モードにパワーアップします。
   それぞれ三機合体、四機合体の機体に変化。二機合体ではSSサイズ(人間大)ですが、サイズも大きくなっていきます。
 ※三神合体機は次以降の人にお任せです。ただし、大きさはS〜Mサイズになりました。
 ※クマのプー太氏は主催者の本拠地に帰還しました。
 ※四次元ポケットは主に放置支給品を取り出せます。
  ただし、海中に落ちたフリクリ署長達の荷物を回収しようものなら、
  四次元ポケットは水びだしになって使用不能になります。

3036世はこともなく廻り続ける:2008/03/14(金) 16:38:09 ID:DHaBGr220


「空気」に吸収されたドラえもんの魂から、大まかな事の顛末を聞いたtu4氏は、
とりあえずおいしいとこ撮りされた腹いせに、スーパーかがみんを機神拳でぼこることにした。




【夕方】【F-6上空】
【予約被りに定評のあるtu4氏@ギャルゲロワ】
【状態】ダメージ(中)、同胞に対する深い愛 、ご立腹
【装備】永遠神剣第七位「存在」、ガンダールヴの証(ゼロの使い魔@漫画ロワ)、
    ペンダント(空鍋の欠片) 、スーパーかがみん
【道具】写真付き名簿、支給品一式、不明支給品×1(未確認)
【思考】
基本:空気キャラの復権を!
0:ああ、腹立つう、この、この!
1:孤高の黒き書き手氏と接触する
2:空気キャラは保護する
3:書き手はみんな滅する
4:エロスの鐘の煩悩寺がマーダーだと広める
5:ギャルゲロワ陣営は欝に叩き込む
6:転もあったらただじゃおかない
7:邪魔するようならWIKI管理人も容赦はしない

※容姿は白鐘沙羅@フタコイ オルタナティブ。アセリアの服を着ています。
※永遠神剣第一位「空気」が覚醒しました。
 相変わらずロワの舞台は基本マナが少ないので普段「空気」自体は振るえません。
 エターナル化は世界移動時の存在抹消がむかつくので「空気」とtu4双方の意志で抑制中。
※転生前の記憶も蘇りました。
※ガンダールヴの能力は、どんな武器でも自在に操れます。
 また本来は使うと疲労を伴いますが、tu4氏の場合それはありません。チートですし。
※空気王として他ロワの空気キャラの能力を使用できます。
 空気の覚醒により更に応用が利くようになりました。
 例フォルカ+ミミ=他の空気キャラを超神化(超進化)
 チート度アップしましたし。
※何を見て聞いたのかは次以降の書き手さんにお任せします。
※スーパーかがみんは戦闘に介入する気はありません。


今日も今日とて世界は変わらず、メイ☆オーは絶好調で、沙羅さんは空気で、かがみんは不幸なのであった。

3037「……や、やさしく名無して……ほしいで、……ござる」:2008/03/14(金) 16:39:47 ID:DHaBGr220
投下終了。
……あれ、おかしいな。最近の大作を読んで燃えた私は、
沙羅さんなtu4氏を活躍させるはずだったのに。

3038小さな愛の物語:2008/03/14(金) 19:22:19 ID:wi21oZK60
大作・名作が連続する中で、あえてルーキーの俺が問題作を投下する…。
ククク…狂気の沙汰ほど面白い…!
いや、言うほど問題作じゃないかもしれませんが。


ここは死者スレの一角。二人の男が神妙な面持ちで話し合っている。
ああ、誤解のないように言っておくと、死者スレネタを誤爆したわけではない。
一応、本編に関係のある話である。

「なあ、頼むよ。おまえの能力なら出来るだろ?」

そういって頭を下げる男の名は、猫子頭の鬼軍曹という。

「うーん。そりゃあ、俺の変身能力を使えば出来ないこともないけどさあ…。」

渋い表情を浮かべるのは◆6/WWxs9O1s。またの名を誤解王。

「俺としては、ストーリーを大きく動かすならともかく、些細な目的のために大規模な行動を起こすのはまずいと思うんだ。
というか、死者スレから本編に干渉するってのがなあ…。この場合、夢枕に立つぐらいが許される限界だろ。
あんまり変なことやっちゃうと、この話自体が没ネタになる可能性が…。」
「没になってもいい!俺は男として、これだけはやっておきたいんだ!頼む!」

ついには土下座まで見せる鬼軍曹。その真摯な姿勢に、ついに6/も折れる。

「わかった…。今回だけだぜ、鬼軍曹殿。」

そう言うと、6/は変身を開始した。その姿は、瞬く間にリーゼントの不良へと変わっていく。
彼の名は桑原和真。「幽遊白書」のメインキャラクターにして、ジャンプロワの参加者である。

「はあ!」

気合いの声と共に、彼の手の中に光の剣が出現する。それは霊剣にあらず。
原作の仙水編、そしてジャンプロワの後半で目覚めた、桑原第二の能力だ。

「次元刀!」

桑原と化した6/が、次元刀を振るう。すると目の前の空間に、大きな裂け目が出現した。

「さあ、今のうちだ!変なところに影響が出る前に、さっさと用事済ませちまいな!」
「おおよ!」

鬼軍曹は、すかさず手にしていた物体を裂け目に投げ込む。
それを飲み込むと、裂け目は静かに消えていった。


◇ ◇ ◇

3039小さな愛の物語:2008/03/14(金) 19:24:10 ID:wi21oZK60
こちらはロワ会場。コロンビーヌは夫・鬼軍曹の亡骸と共に、未だ教会から動かずにいた。

「!」

しかしそこへ生じる、何らかの違和感。それが自分の頭上から発せられていることに気づくと、コロンビーヌは天井を見上げる。

「何かしら、あれ…。」

そこにあったのは、空間に不自然に出現した裂け目だった。こういう場合、九分九厘裂け目の中から何かが出てくるものだ。
コロンビーヌは鬼軍曹をいったん離れたところに寝かせ、ゾナハ蟲を自分のまわりに集結させる。
出てきたものが、自分に敵意を持っていたときのための戦闘準備だ。しかし、彼女の警戒は杞憂に終わった。

「あら?」

裂け目から出てきたのは、小さな箱が一個だけ。それを吐き出すと、裂け目は跡形もなく消えてしまった。

「いったい何だったのかしら…。」

狐につままれたような表情を浮かべつつ、彼女は落ちてきた箱に歩み寄る。
小柄なコロンビーヌの手のひらにすら乗ってしまう、本当に小さな箱だ。

「………。」

冷静に考えれば、罠という可能性だってある。
だが彼女には、それが自分に危害を加える物ではないという確信があった。
コロンビーヌは無言で箱に巻かれたリボンをほどき、それを開ける。

「これは…。」

中に入っていたのは、三粒のキャンディーと一枚のメッセージカード。
彼女はすぐさまメッセージカードを手に取り、それを開く。


愛するコロンビーヌへ

ホワイトデーのプレゼントです
どうかお受け取りください

あなたの騎士 鬼軍曹より


(そうか…。ここと死者スレじゃ、時の流れが違うものね。向こうでは、そんなに時間が経ってたんだ…。)

ロワの中では、コロンビーヌが鬼軍曹にバレンタインのチョコを渡してから数時間しか経っていない。
しかし死者スレ時間、もっとぶっちゃけて言えばリアル時間では、すでに一ヶ月が経過しているのである。
まあ、この場合鬼軍曹とコロンビーヌが他をぶっちぎって一気に夕方まで行ってしまい、
登場させるにさせられない状況になったこともこんなタイムラグが生まれた一因なのだが。

(ありがとう、軍曹…。これからも、私とこの子をずっと見守っていてね…。)

コロンビーヌは鬼軍曹の元へ戻ると、その頭を愛しげになでた。

3040小さな愛の物語:2008/03/14(金) 19:26:22 ID:wi21oZK60
【夕方】【E-6 教会】
【コロンビーヌ@漫画ロワ】
【状態】:健康
【装備】:ゾナハ蟲@からくりサーカス、腕時計型麻酔銃(残弾1/1)@漫画ロワ
【道具】:支給品一式×2、ティーセット一式、麻酔銃の予備針×4 、変化の杖、キャンディー、
     焦ったドラえもん・うっかり侍・孤高の黒き書き手の服、対戦車地雷×17個、ポン太くんスーツ@スパロワ(大破)
     キャンディー
【思考】
 基本:恋愛がしたい。
 0:今はただそこにいる
 1:鬼軍曹を生涯愛し続ける
 2:宿った命を大切にする
 3:そういえば、新生クライシス帝国のみんなはどうしているかしら?

 ※容姿はコロンビーヌ(ロリ)@からくりサーカスです。
 ※ギャグ将軍にシンパシーを感じています。
 ※影の繋ぎ手・仮面ライダー書き手に紅茶を入れてあげたいそうです。
 ※猫子頭の鬼軍曹と結婚しました


◇ ◇ ◇


「くうっ、いいもん見せてもらったぜ、ちくしょう!」

再び死者スレ。6/はモニターでコロンビーヌの様子を見ながら号泣していた。
桑原に変身した影響で、すっかり涙もろくなってしまっているのである。

「いや、そこまで感動されてもなあ…。こっちがかえって感動しづらいわ。」

一方その隣で一緒にモニターを見ていた鬼軍曹は、微妙な表情を浮かべている。

「あ、ティッシュきれた。おーい、かがみん!悪いけどひとっ走り薬局まで行って、ティッシュ買ってきてくれ!」

鼻をかみながら、相棒の名前を呼ぶ6/。しかし、返事はない。

「あれ?かがみーん!」
「ああ、かがみんならさっきtu4氏に召還されて、向こうに帰ったぞ。」
「へ?」

しばし、沈黙。

「ふ、ふざけんなぁぁぁぁぁ!!本体死んでんのに、アルターだけ復活とかありえねえ!
劉鳳が死んで絶影だけ生き返ったら、100%NGくらうだろうがー!!」
「いや、アニロワとか漫画ロワとかならそうだろうけど…。これ、書き手ロワだし。」
「納得いくか!ええい、こうなったら俺も生き返ってやる!もう一回次元刀で…。」
「いや、やめろ!それこそ100%NGだから!!」

その後、荒れる6/を説得するのに、鬼軍曹は3時間を要したという…。


以上。
ホワイトデーの話を書きたかっただけなんです。
悔いはないさ…。

3041名無しでもいいよ皆そう呼ぶから:2008/03/14(金) 20:27:12 ID:tJw8FjdY0
GJ!
いいはなしだなあ、うう。
そしてかがみんは気にするなw
「空気」補正ですよ、わっはっはw

3042もってかれた!お姉さま:2008/03/14(金) 23:43:11 ID:ZzGQH3U20
「バイオアタック!」
バイオライダーが液状化し、中を舞う。
少しでも射程範囲から逃げようと、熱血王子はB-9エリアへと進入する。
――――ここでは、二人の奇妙の書き手が戦っていた。
「そこだ!スパークカッター!!」
「チィッ!」
熱血王子の頭上を掠め、バイオブレードが大木を切り裂く。
結論から言うと、現在は圧倒的に熱血王子が押されていた。

理由は、ただ一つ。

「《破棄すべき全ての手》ッ!」
もう何度目になるかわからないリストブレイカーを放つ。
眼にも留まらぬ速さでバイオライダーの両手首を切り落とす、ここまではいいのだ。
「その技は、バイオライダーとなった今の俺には通用しない!!」
切り離された手首がゲル化し、生物のように動いて元の場所へと戻る。
これが、熱血王子が苦戦している唯一つの理由であった。
当たっても、通用しないのでは意味がない。
かといってネックブレイカーは体への負担がかかりすぎる。いやそもそも効かないなら無駄撃ちになってしまう。
呆れるほどのチートと不条理で彼はとても焦っていた。
と、そこで何かが彼の足元に落下してきた。
……もしも、ここで彼がこれを手にしていなければもっと別の結末を迎えられたのだろうか。

「こ……これは!」
ミニ八卦炉。それは本来ジョーカーである◆6/WWxs9O1sの物。
この同時刻、丁度◆6/WWxs9O1sの持つゲートオブバビロンの中身が解き放たれこの場所に降って来た。
ちなみに鬼軍曹はこの後夕方になるまで目を覚まさないのだがその辺は該当する話を読んで貰いたい。
これは天の助けか。すぐさま熱血王子はそれを掴み、叫ぶ。
「『恋符』……マスタァァァァァスパァァァァァァクッッ!!」
直後、紅蓮の炎が噴出しバイオライダーを襲う。
バイオライダーの弱点は高熱。まともに食らえば一溜まりもない。
――――『バイオライダー』が、まともに食らえば。
「ロボライダー!炎の力は、俺のエネルギーだ!」
一瞬でバイオライダーの姿が歪み、炎に体性のあるロボライダーへと変わった。
(炎はエネルギー……拙いッ!!)
直感で熱血王子は『彼に炎を当ててはいけない』と感じ取る。
根性で炎の道筋を変え、無理やりロボライダーの頭上へと逸らす。
炎が二人の頭上にある木々を一つ残らず焼き尽くし、青い空を見せた。
そこから太陽の光が差し込み、マスタースパークの強大さを感じさせる。

3043もってかれた!お姉さま:2008/03/14(金) 23:46:30 ID:ZzGQH3U20















―――― そ の 時 不 思 議 な こ と が 起 こ っ た 。

3044もってかれた!お姉さま:2008/03/14(金) 23:49:31 ID:ZzGQH3U20
今は午後、一日の中で最も気温が高くなる時間帯である。
それは、午前中に降り注いだ太陽の熱が地面から跳ね返ってくるから。
地面から跳ね返ってきた太陽の熱とミニ八卦炉の炎による余熱。さらに容赦なく降り注ぐ太陽光。
その全てを同時に浴びたことによりベルト内部に埋め込まれている神秘の石、キングストーンの力が発現して
思わず、その眼を瞑ってしまいそうなほどの強い閃光がバイオライダーの体を包んだ。
「俺は――――太陽の子!!」
光の中から現れたその体は黒く輝き、頭部の触角が雄々しく、そして力強く立ち上がる。
「仮面ライダーBLACK!RX!!」
ポーズを決め、生まれ変わった自分の名を叫ぶ仮面ライダー。
なぜか背景で爆発がしているが、気にしないように。てかしないでください。
「また変わったああああああああ!?」
森の中に熱血王子の絶叫が響き渡った。
それを意にも介さず、RXは次の行動へと移る。
「リボル……ケインッ!!」
ベルトから突き出た柄を掴み、力いっぱい引き抜く。
出てきた所からどんどん光の刃が形成されていき、リボルケインが出現した。
「トァッ!」
「……クソッ!!」
リストブレイカーを短剣として使い、リボルケインを受け止める。
その衝撃はとてもじゃないが受け止められる物ではない。
ウルトラマンレオとしての身体能力を駆使しても鍔迫り合いに持ち込むのがやっとだ。
「レオキック!」
だから、この時はこうするしかなかった。
ゼロ距離からのレオキックを直接RXの腹に叩き込む。
流石のRXもウルトラ戦士の必殺技を受けて怯まぬわけがない。
リボルケインを取りこぼし、腹を押さえて蹲る。
「そこだッ!」
その隙を狙って、リストブレイカーで斬撃を刻んでいく。
一撃。二撃。三撃。確実に傷は増えていき、RXの体力を奪っていく。
何度か攻撃を加えているうちに、ちらりと希望的な考えが過ぎる。
……もしかして、今のこいつにならネックブレイカーが通じるんじゃないか?

もちろん確証はない。ただ他の二つの形態と比べて攻撃が伝わりやすいというだけ。
つか下手をすればまた新しい変化を招くかもしれない。
だがどちらにしろ後悔するのならば、やって後悔する方がいい。
そしてやるなら……今しかない!

3045もってかれた!お姉さま:2008/03/14(金) 23:53:18 ID:ZzGQH3U20

「《破棄すべき全ての首……」
「無駄だ!その技には発動から行動までに、0.1秒の隙がある!!」
だが、直前で立ち上がったRXになぎ払われる。
――――まずい、コイツには切り札が利かない。
ロボライダーは固すぎる。
バイオライダーは通用しない。
RXは隙をついて攻撃してくる……ってか、
「0.1秒の隙を見破るって一体何処のチートだああああああ!?」
チートではなく公式設定。現実は非常であった。
熱血王子は奥歯を噛み締めながら確信する。
癪だが――――今は適わない。

別の『一手』が必要だ。強力な武器なり、特殊な能力なり。

何もリストブレイカーが弱いわけではない。ただ、相性が悪すぎただけなのだ。
「……クッ!」
すぐさま近くの林へと逃げ込む熱血王子。
だが、それを易々と見逃すRXでもない。あるはずがない。
「待てッ!」
大地を蹴り、空中で後方一回転。
そのまま両足に有りっ丈のエネルギーを込め、叫ぶ。
「RXキィック!!」



――――突然だが、これを読んでいるあなた方は、この会場がループしているのを覚えておいでだろうか。
この話に至る数時間前に某空気(ry……ゲフンゲフン、もとい某ギャルゲロワ書き手が馬鹿でかい光線をぶっ放し
危うくその延長線に居る全員が一遍の欠片も残さず消滅しかねなかったり、
チームジミーズが考察のために反対側のエリアへ移動すると、丁度そこには狂気の闇メイドがいて
結果的にとはいえジミーズ全滅どころか七人の大量殺害という事態を招いてしまったのは記憶に新しい事と思われる。
特に前者は、その光が命を奪う寸前で別の書き手が方向を捻じ曲げなかったら今頃どうなっていたことか。

……失礼、少し話が逸れた。
とにかく、会場の端にあるエリアの外に出ると反対側のエリアへとワープする仕組みになっている。
たとえそれが物であろうが、光線であろうが、人であろうが。



3046もってかれた!お姉さま:2008/03/14(金) 23:58:35 ID:ZzGQH3U20

「ちょっ、ま、待って……」
台詞の途中で熱血王子の手刀が飛び、お姉さまの意識は闇に落ちる。
「貴様ァァッ!!」
「安心しろ、少し眠ってもらっただけだ。」
飛び掛ってきたRXを軽くあしらい、木の上へと飛ぶ。
「待てッ!人質をとるなど、このRXが許さんッッ!!!」
リボルケインを振りかざしながら叫ぶRX。
熱血王子は考えが纏まったのか、高町なのはの顔でニヤリと邪悪な笑みを浮かべる。
「こいつは……こいつは次の放送まで預かって置く!」
「何!?」
ディーが驚愕の声を上げる。
「させるか……グッ!」
手を翳し、攻撃を加えようとするが、傷の所為で力が入らない。
「させるか!!リボルクラッシュ!」
かわりに光り輝く剣を構え、一瞬の間も置かずにRXが熱血王子へと斬りかかる。
「ハッ!」
短く吼え、お姉さまを抱えたまま熱血王子が宙に飛ぶ。
それもその筈、首から下はウルトラマンレオ。飛行能力程度持ってないとおかしい。
斬撃を華麗に回避し、空中を旋回して見下ろす。
「さらばだ…せいぜい放送までに仲間を集めておくんだな!」
最後に一言吐き捨て、熱血王子は飛び去って行った。



「すみません!俺があいつに隙を見せたばかりに!」
変身を解き、手を地に着けて謝る影の繋ぎ師。
それを見下ろすディーは、何ともいえない表情をしていた。
「謝らずともよい。にしても、手酷くやられた物だな。」
言われて初めて影の繋ぎ師は自分の有様に気がついた。
腹部に大きなダメージ。少なくともアバラの数本は役立たずになっているだろう。
それを差し引いてもリストブレイカーでつけられた無数の傷。
常人ならぶっ倒れてもおかしくないほどの怪我であったが、キングストーンの力で何とか立っていられた。
「俺のことはいいんです……それよりも彼女を……」
「無理をするな。このまま向かっても返り討ちに合うのみ。」
顎に手を当て、何かを考え込むディー。
「一つ、頼まれてはもらえないだろうか?」
「何です?」
影の繋ぎ師が聞き返すと、軽く咳払いを一つ。
「我の半身……白い面をした参加者の遺体を捜してほしいのだ。
それさえあれば我の力も戻り、お前の傷を癒すことが出来る。」
「白い面をした参加者ですね、分かりました!」
「ああ、出来るだけ早く頼……む。」
言うが早いか、ディーはデイパックの中へと消えてしまった。
影の繋ぎ師はデイパックを担ぎ、歩き出す。
「白い面の参加者か……なんとしても見つけ出すッ!」

3047もってかれた!お姉さま:2008/03/15(土) 00:03:04 ID:E0H9G6yY0
失礼、>>3045>>3046の間にこれが抜けていました。



その頃、B-1エリアでは、死体を前に一人の人間が座り込んでいる。眼は紅く充血しており、ずっと泣いていたことを物語っていた。
死体は心臓を貫かれており、それ以外に目立った外傷はみられない。それどころか満足した表情さえ見受けられる。
死体の名はルーキー。そして人間の名はお姉さま。

――――ルーキーを「死体」にした少女。

「泣くな……泣いたところで、戻っては来ぬ。」
デイパックから出てきたディーはいつになくシリアスモードで語りかけてくる。
nanasinnにより受けた傷は塞がったものの、まだその表情には苦しみの表情が浮かんでいた。
「でもっ、でも……」
口を開くが満足な言葉は出ず、眼からまたすぐに涙が溢れてくる。
手首には壊れた手錠が嵌ったままだ。大方ディーが壊したのだろう。
「ごめんらさい、ごめんなさい、ごめ、ん、なさ、いぃ……」
最早呂律が回らず、届かないと分かっていても謝りの言葉を吐き続ける。
軽く溜息をついたディーが、お姉さまを宥めようと近づいたその時。

「RXキィック!!」
「「!?」」
第三者の声がして、場の空気が変わる。
直後、背後から飛び込んでくる二人の人影。
片方は体が赤く、高町なのはの頭部を持っているなんともカオスな外見。
そしてもう片方は、全身を黒い装甲に包まれ頭部には真っ赤な複眼が二つ輝いている。
「ッ!?」
最初に動いたのはRX――――影の繋ぎ師。
倒れているルーキーの遺体を抱きかかえ、お姉さまの方を向く。
「大丈夫ですか!?」
「!? あの、その……」
てっきり『お前がやったのかッ!』的な反応が来ると思っていたので、素っ頓狂な声を上げた。
しどろもどろになっているお姉さまをディーが制し、傷を押して代わりに受け答えする。
「大丈夫だ、お姉さまに怪我はない。」
「そうですか、それはよかっ……た!?」
不意に語尾が強まる。

ディーが何事かと振り返る前に――――
「丁度、いい。」
「……え?」
――――熱血王子がお姉さまの体を掴みとった。

3048もってかれた!お姉さま:2008/03/15(土) 00:05:25 ID:E0H9G6yY0
【午後】【C-1 森】

【影の繋ぎ師@ライダーロワ】
【装備】:サタンサーベル@ライダーロワ、シャドーセイバー@ライダーロワ
【道具】:カラオケマイク@現実、ディー
【所持品】:支給品一式
【状態】:腹部に大ダメージ、全身に切り傷。クライシス帝国への激しい怒り。
【思考・行動】
基本:殺し合いには乗らない
1:ぶ っ ち ぎ る ぜ
2:白い面をした参加者の遺体を探す。
3:熱血王子を見つけ、倒してお姉さまを助け出す。
4:逃げたクライシス帝国の手下を見つけて倒す
【備考】
※変身体はシャドームーンです
※いきなりロボライダーに変身可能になりました。ぶっちぎりです。
※早くもバイオライダーにも変身可能になりました。やっぱりぶっちぎりです。
※ようやくBLACK RXにも変身可能になりました。果てしなくぶっちぎりです。
※ついでに首輪が取れちゃいましたが、どこまでもぶっちぎりです。
※ディーは制限により弱まっています。そしてそれが原因でちょっと逝ってます。きっとぶっちぎりです。
※ギャルゲ版最速の人の死体を見つけると、もしかしたらディーの力が少し復活するかもしれません。
 また、その後ディーがどれだけ協力してくれるかは、次の書き手さんにお任せします。

3049もってかれた!お姉さま:2008/03/15(土) 00:07:47 ID:E0H9G6yY0


(誰かつけているな……先ほどの奴とは違うようだが。)
ちらりと後ろを振り返ると、自分をつけているのは蝙蝠。
しかも硬質化した皮膚を持つ特大の化け物蝙蝠。
(……なんだ、アレ?)
軽く対処しようとして、やめる。
今の自分にはあの黒い奴に対抗出来る新たな『一手』がある。
蝙蝠ぐらい後でどうとでもなるさ。

――――ここで熱血王子は気付くべきだった。
――――ダークウイングの狙いが、自分ではなくお姉さまの方である事に。

――――さて、どうなる?



【午後】【E-1 森】

【熱血王子@漫画ロワ】
【状態】:疲労(大)、全身に軽い打撲、顔面に小ダメージ
【装備】:『破棄すべき全ての手』ウルトラリング 、ミニ八卦炉@LSロワ
【所持品】:支給品一式
【思考・行動】
基本:手首と言わず全ての首を狩り尽くし、復讐を果す。
1:次の放送まで体を休め、その後戦闘。
2:三人を倒した後でお姉さまの手首そして全ての首を駆る。
3:666とネコミミストと会ったら今度こそ手首そして全ての首を狩る。
4:逃げていった最速の人達をもう一度見つけ出し、手首そして全ての首を狩る
※変身後の姿は銀目銀髪の高町なのはの顔に、ウルトラマンレオの体、声は赤木しげるです。
※変身前は、ウルトラマンメビウスのヒビノ=ミライの様な容姿です。
※第一回放送の前半を聞き逃しました。
※【『破棄すべき全ての手(リスト・ブレイカー)』@漫画ロワ&誤爆スレ】
 一話で二人の人間の手首をはねた逸話に由来する宝具。
 真名を解放しながらの攻撃は、全て手首を斬り飛ばす一撃となる。
 ちなみに外見はfateのルルブレ。存在は誤爆スレと漫画ロワ毒吐きを見て勝手に作った。
 ブラスターモード『破棄すべき全ての首(ネック・ブレイカー)について:
 このモードは『破棄すべき全ての手(リスト・ブレイカー)』の強化版。
 真名を解放しながらの攻撃は、相手の首と名のつく場所、つまり両足首・両手首・両乳首・首の合計7箇所に高速無比の斬撃を同時に繰り出す。
 乱発すると身体がもたないので、最後の切り札的な位置づけです。ちなみに発動直前に0.1秒の隙があるようです。
※【『ウルトラリング(書き手ロワ特別バージョン)』】
 透明な麻雀牌がついた指輪と、レイジングハートがついた指輪の二つで一つ。
 この二つを合わせる事により、戦闘形態へと変身を遂げる。
 戦闘形態ではウルトラマンレオの能力が使える。

【お姉さま@ギャルゲロワ】
【装備】:青龍偃月刀、ディー、胸に穴のあいたチャイナ服
【所持品】:支給品一式×2、首輪(ボイド@漫画ロワ)
【状態】:気絶、やや体温上昇、精神疲労、悲しみ
【思考・行動】
基本行動方針:殺し合いに乗ってる人間を止め全員での脱出。
0:???
1:ごめんなさい……
2:戦う覚悟。
3:ハクオロの姿をした参加者……候補のロワは三つ(ギャルゲ・葉鍵・アニロワ1st)か。
※容姿はくれないの長髪でスレンダーな美少女。というかまんま東方の中国w
※性別は未だ不明。
※ディーにより東方キャラに変わる力を得ました。何に変わるかはディーの気分次第。確率的には咲夜が高い。
 やばすぎる能力には制限がかかってます。
※胸はパッドです。
※ディーも性別についてはしりません。
※ディーが手元に居ないため、もしかしたらディーの力が消えて、カレーの侵食が更に侵攻するかも知れません
※母乳弾幕が使用可能になりました。設定や詳細は後の書き手さんにお任せします。
※パンタローネの死体と支給品は消し飛びました
※ルーキーの死体は胸に穴が開いており、手にパッドを握りしめています
 ピストル(0/15)がその付近に落ちています

3050名無しでもいいよ皆そう呼ぶから:2008/03/15(土) 00:11:36 ID:E0H9G6yY0
なんかしばらく戦ってそうだから拉致らせて見た。後悔はない

3051Twin Black:2008/03/15(土) 03:02:52 ID:lpVyOngc0
「ん……あれ……ここは……?」
孤高の黒き書き手はゆっくりと目を開けた。
目に飛び込む光景は商品が陳列された棚、ジュースが並んだ冷蔵庫、そしてレジのカウンター。
どうやらここはコンビニの中のよう……と思ったところで彼女ははっと息を飲んだ。

――何で私はコンビニに? たしかビルの中にいたはずなのに……

落ち着いて記憶を掘り起こす。
目を覚ました漆黒の龍と会話を交わしたことまでは覚えている。
…………
その後だ。何かが自分の顔に当たって……
そこで記憶は途切れている。
(一日で三回も気絶するなんて……)

一回目、暴走したコ・ホンブックの乖離剣に左眼を抉られ気絶。
二回目、エンジェルアームの回避に体力を使い果たして気絶。
三回目、顔面に何かがぶつかって気絶。

彼女はたかだかニ、三時間の間に三回も気絶するという事態になったのである。
「冗談じゃない……気絶は生存フラグだけど空気キャラへの道しるべ……」
熱を出して倒れ、そのまま空気と化したハカロワ2の古河渚を思い出し孤高の黒き書き手は身震いがした。
最後の最後、残り一ハロンの直線で脚光を浴びた白鐘沙羅とは次元が違う空気キャラ、古河渚。
彼女の二の舞だけは絶対に避けなければ――

「あっ……気がついたんだね。良かった良かった」
「ひぁ!?」
突然男の声が背後からしたため、思わず変な声を漏らしてしまう孤高の黒き書き手、
振り返った先には漆黒の龍が笑顔で立っていた。
「ごめんごめん、驚かせちゃったかな? えっと……孤高さん」
「あ、あの……あなたが私をここまで運んでくれたんですか……?」
「そうだよ、まあ困った時はお互い様さ。君だって気絶した僕を介抱してくれたんだろう?」
「え、あ……そう、です。あはははは……」
言えない、漆黒の龍の気絶の原因が自分のギアスのせいだなんて口が裂けても言えない。
ただただ乾いた笑みで誤魔化す孤高の黒き書き手だった。

3052Twin Black:2008/03/15(土) 03:03:58 ID:lpVyOngc0





「漆黒さん……私が気絶している間に何がありましたか?」
まずは状況の把握、うまい棒を齧りながら漆黒の龍に尋ねる。
ちなみにうまい棒は商品棚から拝借してきた物である。
「それなんだけど……【予約被りに定評のあるtu4氏】の――」
「!? tu4さんに会ったんですか!」
彼の言葉に思わず声を荒げてしまう。
「落ち着いて孤高さん、正確には【予約被りに定評のあるtu4氏】の姿をしたニセモノだった
 そのニセモノが何者かまではわからないけど……」
「そうなんですか……」
「そいつはtu4氏に化けて僕らを混乱させようとした。きっと誤解を与え、僕らとtu4氏を争わせようとしたんだろう。
 ところで……その口ぶりだと孤高さんもtu4氏と何かあったのかな?」
「それは――」
「僕も少なからず彼女と因縁がある、直接の面識は無いけどある人からの遺言だ」
彼は愛の伝道師と名乗る人物からtu4氏を止めて欲しいという旨を語る。
それを聞いて孤高の黒き書き手は息を飲む。
「私も夢の中で同じ言葉を聞きました。漆黒さんと同じく彼女を止めてと」
彼女も左眼を抉られて気を失っていた時に現れた人物の話を語った。
もちろんその時にギアスをもらったことは伏せてだが。

「そうだったのか……君も同じことを……何か因縁めいたものを感じるね。あとさっき現れたニセモノでわかったことがある」
「それは何ですか?」
「きっと愛の伝道師はそのニセモノに騙されていたんだ。おそらく僕らに誤解フラグを与えお互い殺し合いを行わせる。クソっ卑劣な奴め!」
語気を荒げtu4のニセモノに怒りを露にする漆黒の龍。
孤高の黒き書き手はニセモノのtu4に対して質問を投げかけた。
「よく偽者とわかりましたね、鍋を持っていなかったからですか?」
「鍋……それは何?」
「ほら、ゲーム開始前に『予約は、あるんですか』と言ってた人、それがtu4さんですよ」
「誰……それ」
「誰って……芙蓉楓の姿をした人です!」
「ごめん、僕はギャルゲはあんまり知らないから芙蓉楓と言われてもピンとこないなあ……」
「アニメの影響で一時期空鍋と呼ばれていたキャラですよ、オレンジ色の髪をした……」
「オレンジの髪??? そのニセモノは全然違う姿だったけど」
「――――!?」

なぜか会話が噛み合わない、開会式の時のtu4は確かに芙蓉楓の姿をしていた。
けど漆黒の龍はその姿じゃないと言い、さらに出会った人物を偽者と断定している。
「姿形までは良く似せたようだっけどね」
彼の言葉からその偽者はtu4とそっくりの姿をしていることがわかる。
なぜこんな食い違いが起っている?
砂を噛む様な不気味な感触が孤高の黒き書き手を包む。
「あの……その偽者はどんな姿をしていたんですか?」
「長い銀髪の女……服装はファンタジー物に出てきそうな白くて長いスカート、
 動きやすいように両サイドに深いスリットが入っていたかな、あと白い羽が生えてた」
「え――?」
自分が知っているtu4とは全く違う外見。
そして彼女はその人物の外見に見覚えがあった。

3053Twin Black:2008/03/15(土) 03:05:43 ID:lpVyOngc0

「クラールヴィント! あの時の映像を私に」
釘宮声と共に起動するクラールヴィントはある映像を彼女の脳裏に映し出す。
長い銀髪、白い服と翼……自分の記憶とクラールヴィントに残された記録が確かなら……
「やっぱり……でも一体これはどういうこと……?」
「ど、どうしたの?」
「漆黒さん、今からあなたの脳内にある映像を見せます。あなたが会った偽者はこの姿をしてたんですよね」
孤高の黒き書き手は漆黒の龍にもその映像を見せる。
「解像度が悪い上ノイズ交じりで顔まではわからないけど……」
クラールヴィントによって映し出された映像に映る人物。
エンジェルアームを構えた銀髪の少女が砲身をこちらに向けている。
「間違いない……これはtu4さん。孤高さんこれをどこで?」
「およそ二時間前にあのビルの中……膨大なエネルギーをクラールヴィントが感知したのでその方向に探りを入れたらその様子が」
「この映像の場所は?」
「おそらく……E-3地点からだろうと。この砲身の射線軸を計算したところ、私達のいたビルが直撃コースに入っていました。
 私一人なら逃げることが出来ましたが、気絶した漆黒さんを見捨てておけませんでしたから……」
「そうだったのか……僕は君に二度助けられたんだね、改めて礼を言うよありがとう」
「いえ……私は……」
「でもどうやって僕たちは助かったの? この映像を見るに相当強力な砲撃が来たと思う。
 ガードするには多分不可能なほど」
「そうですね。とても受け止められる威力ではありませんでした。だから『逸らした』んですよ。
 クラールヴィントの能力は知ってますか?」
「まあだいたいは知ってるかな」
「それなら話が早いです。旅の鏡の応用ですよ。鏡の入口を私と漆黒さんの前に、
 出口をビルの上から上空に向かって展開させる。入口に入った砲撃は出口から直角に出て行く寸法です。
 ただ私達の全身よりも大きな扉を作ってなおかつ砲撃の着弾よりも早く展開するのにかなり無理しちゃいましたけど」
「孤高さん……僕のために……身体のほうは大丈夫?」
「何とか……気絶ばかりしてましたから……体力、魔力はある程度回復していますよ」
そう言って笑う彼女。
それを見て一緒に笑みを浮かべる漆黒の龍。
彼は思う、命の恩人である彼女を何としてでも守らなくてはと。





「孤高さんの知ってるtu4さんと僕の知ってるtu4さんの姿の謎はこの際置いておこう」
「そうですね……本人に出会えばいずれわかることですし」
「ああ……tu4さんも重要だけど、僕はまずこのロワを終わらせることが最重要目的だ。
 その為には一人では限界がある、一人でも多くの仲間が欲しいんだ」

3054Twin Black:2008/03/15(土) 03:06:25 ID:lpVyOngc0

ああ……やっぱりと孤高の黒き書き手は思った。
彼は対主催、そのためには仲間が必要だ。きっと彼は自分を仲間に誘うだろう。
そして自分も彼の誘いを拒否しないだろう。
いくら脱出のために他の人間を利用すると目標を掲げていても、冷酷になりきれない自分。
もしその通りに動けるのならあの時すでに漆黒の龍を見捨てて逃げているはず。
なのにそうしなかった。全くもって笑える話だ。
そしてある事に彼女は気づく、自分の姿は朝倉音夢、
自分の行動は彼女の影響を受けている、そう思っていた。
だがそれはあくまで一部でしかなかった。自分はもう一人の人物の影響を受けているのだと気がついた。
脱出のためならマーダーとも手も組み他者を利用する、
それでありながらも最後は信頼する仲間の為に殉じた小町つぐみの影響も受けているのだと。

(相変わらず状況に流されてばかりだけど……)
でも――それもいいかもしれない。

「だから――孤高さんも僕の仲間になって欲しい」
漆黒の龍は右手を差し伸べる。
あの時……朝倉音夢と小町つぐみの同盟は左手の握手だった。
お互いを信用しない偽りの信頼関係、だけど今回は違う。
孤高の黒き書き手は右手を差し出し彼の右手を無言で握り締める

「私で――いいのなら喜んで」
彼女はこの場所に連れて来られてきて初めての笑顔で言った。

3055Twin Black:2008/03/15(土) 03:07:49 ID:lpVyOngc0





「僕はライダーに変身できるから戦闘能力は大丈夫だけど……孤高さんは?」
「私は戦闘のほうはさっぱり、でもクラールヴィントで強力なサポートができますよ」
「それでも心強い能力だよ。釘宮声以外はね」
漆黒の龍を手を上げ肩をすくめる仕草をして笑う。
「あはは、全くその通りですよ」
「あまり詳しくないけどクラールヴィントは通信、探索に特化したデバイスだったよね」
「はい、探索に関しては大まかに分けて、広範囲探索モードと精密探索モードの二つです」
「どこが違うの?」
「そうですね……広範囲探索は、魔力を全方位に向かって照射するので広い範囲を探知することができます。
 その反面、大まかな位置しか把握できません。ドラゴンレーダーに映るドラゴンボールをイメージしてみてください」
「なるほど……では精密探索は?」
「広範囲とは違って魔力を一点に集中して照射することによってその場所の様子を正確に探知することができます。
 テレビカメラのように誰かが戦ってる様子をリアルタイムで映像化することができますよ」
「それは凄い……」
「欠点もあります。まず探索距離が短い事と、強力な魔力を照射するため
 ある程度探知能力を持った相手にはこちらの場所も筒抜けになってしまいます。
 潜水艦のアクティブ・ソナーみたいなものですね」
「でも、さっき見せてくれたtu4さんの映像は相当離れていたようだったけど……」
「それは彼女のあまりにも強大な力をクラールヴィントが
 拾ってくれたので何とか見えたということです。普段ではあの距離で精密な探索は無理です。
 それに精密探索はジャミングにも弱いです」
「ジャミング?」
「はい、探索範囲にジャミングをかけられると映像が砂嵐になって全く把握できなくなると思います。
 広範囲探索ならさほど驚異にはなりませんが……」
「どうしてなの?」
「ドラゴンレーダーを思い浮かべてみてください、ジャミングをかけた人間が移動すると
 塗りつぶされた大きな円が移動しているように見えます」
「なるほど、詳細な事はわからないけどその円の中心に
 ジャミングをかけている人間が存在していることがわかるとういうわけだね」
「はい、そしてそれは私と同等以上の電子戦に長けた人間が存在することの証明にもなります。
 ……こんなところですね。私の使える力は――ああ、いい忘れてました。
 私がクラールヴィントを通じて手に入れた情報はリアルタイムで味方に送信できますよ」
「僕にあの映像を見せたようにだね」
「はい、以上が私の能力です(本当はギアスも説明したいですが……)」
ギアスは彼女の本当の切り札であり、漆黒の龍を苦しめた原因でもある。
それが漆黒の龍の信頼を崩してしまうかもしれないのが怖くて彼女はギアスについては語らなかった。

3056Twin Black:2008/03/15(土) 03:08:53 ID:lpVyOngc0





「早速探知を行ってみます。えっとこのコンビニ場所は……」
「E-7だよ孤高さん」
「お願いクラールヴィント!」
相変わらず釘宮声とともに起動するクラールヴィント。
孤高の黒き書き手は広範囲の探査を開始する。
ほどなくして数人の人物が集まる場所が見つかった。
だが彼女はその探知に奇妙な点を発見した。
「漆黒さん……ちょっと見てください……変なんです」
探査結果を漆黒の龍にも送る。
現在の場所から東の方向――E-8地点に五つの生体反応がある。
「特に何もおかしな点が――あ!?」
漆黒の龍は絶句した。
五つの反応のうち二つがおかしな反応を見せたのである。
「10…25…31…2…8……なんだこれは反応が増えたり減ったり……」
「まるで一つの命の中に無数の命を内包してるみたい……」
「無数の命をその内に……もしや……」
「心当たりがあるんですか!?」

「吸血鬼――アーカード……」
漆黒の龍がぽつりとつぶやいた一つの単語。
孤高の黒き書き手もよく知る名前。
無数の命をその身に取り込んだ吸血鬼、彼は一であり全であり、全であり一である。
動く領地、死の河。
「僕がライダーキャラの姿、孤高さんがギャルゲキャラ。
 ならばアーカードの能力を持った参加者もいても不思議じゃない。
 孤高さん、精密探索はできるかな?」
「少し遠いけど……やってみます」
彼女は魔力をその方向に集中させる。
やがて砂嵐混じりの映像が映し出されてきた。
「これ以上はっきりとは無理ですね……音声も拾えません」
「大丈夫だ。大体の姿が確認できればいい」

クラールヴィントが拾った映像が二人に脳に映し出される。
場所は白い部屋……おそらく病院の一室らしい。
変な仮面を被った体操着の少女とベルセルクのガッツの姿をした男、
そして白いスーツの上に白いコートを羽織った少女が話をしていた。
「あの白い女……ロリカードだ。やはりアーカードの姿をした参加者がいたようだね」
「特に争っているようにも見えませんね……となると……」
「うん、対主催の可能性が高い。もう一人のアーカード?らしき者の映像は回せるかな」
「やってみます……この病院のどこかだと思いますが……あっ二人いました!」

廊下に二人の少女が立っていた。一人はナース服を着た少女
「柊かがみ……?」
もう一人は……紅いロリータ服に身を包んだ少女。
「泉こなた……?」
こなたの姿をした少女は手に持ったパックにストローを挿して中身を飲んでいた。
「何を飲んでいるかまではわからないな……」
二人は近くの扉に入ってゆく。二人を追う。
そこはロッカーが並ぶ更衣室のようだった。

「何をしてるのかな……」
柊かがみの姿をした少女(以下かがみ)の手が泉こなたの姿をした少女(こなた)の首元に触れる。
首元のリボンがしゅるりと解ける。
戒めの失った襟をゆっくりとその両の腕ではだけさせる。
小柄な少女の控えめな胸が露になる。
「ちょ……漆黒さん!? この二人!?」
「いいから黙って見てるんだ」

かがみの唇がゆっくりとこなたの首筋に近づいてゆく。
その唇が触れた瞬間、こなたの身体が小さく震えた。
「あ、あの漆黒さん! これ以上は覗きです! 出歯亀ですよ〜〜〜!」
顔を真っ赤にする孤高の黒き書き手。
「僕たちはこれを見届ける義務がある。わかったかな?」
「えええええ!!!」

3057Twin Black:2008/03/15(土) 03:10:45 ID:lpVyOngc0

かがみはこなたの身体をロッカーに押し付けてもなお首筋から唇を離さない。
恍惚の表情でひたすら白い柔肌に喰らいついていた。
ここでようやく二人は悟る。
かがみはこなたの血を吸っているのだと。

喰らいついたままかがみはこなたの服を引き裂き床に組み伏せていた。
首筋から唇を離しこなたの小さな唇にむしゃぶりつく。
貪りあう様な深いキス。かがみもこなたもただ一心不乱にお互いの粘膜を求め合っていた。

「ただ血を吸っているだけだぞ……別に18歳以下お断りの展開ではない」
「いやいやいや、この時点でそういう展開に片足突っ込んでいますから」

ただ血を吸っている。
それだけなのに淫靡で背徳的な空間が世界を支配している。
その現場を覗き見する人間がいることも知らずに。
二人の少女はお互いを求め合っていた。

そして、鮮血が舞い上がる。
孤高の黒き書き手も漆黒の龍も最初何が起ったか理解できなかった。
あまりにも凄惨な光景のため思考が止まってしまったのだ。

全身を血に染めた柊かがみはその可憐な顔を、
苦悶の表情で顔を歪める泉こなたの――

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
腹の中に埋めていた


それはもはや血を吸うという行為ではない。
裂いた腹部の中に顔を突っ込んで、その柔らかい内容物を、
あたりに撒き散らしながら喰らっていた。
むしゃむしゃ
むしゃむしゃ
むしゃむしゃ
小さな愛くるしいこなたの顔を喰らう。
暴れる脚を押さえつけて太股の肉を食いちぎる。

凄惨な食餌現場をただひたすら見つめる四つの瞳。
吐き気すら忘れてその光景に見入る二人。
かがみは顔を上げ、歯をむき出しにした獣の表情でこちらを見つめる。
視線が合う。
怖気が走る。
すぐそこに彼女がいるような感覚。

やがて彼女の瞳に理性の光が舞い戻った。

3058Twin Black:2008/03/15(土) 03:11:45 ID:lpVyOngc0





「……………」
「……………」
孤高の書き手と漆黒の龍は呆けた表情でコンビニの天井を見上げていた。
お互い一言も発せずにいた。
結局あの後、かがみは自分のしでかしてことにショックを受け泣き崩れていたのだが、
いつのまにかに復活したこなたに慰められていたのである。
「凄い……光景だったね……」
長い沈黙を漆黒の龍が破る。
「でもこれでもう一人アーカードが誰か解ったね。あれだけされて復活したこなたに間違いないだろう」
「そうですね……」
「そして彼らは少なくともマーダーではない」
「ならやはり……」
「ああ、僕たちは病院へ向かう、一人でも多く仲間を集めるために」

そして荷物をまとめ病院に向かう二人。
孤高の黒き書き手は念のためクラールヴィントを起動させ、方角の確認をする。
と、その時。
妙な影が西の方向へ移動していったのだ。
形は円形、他の生体反応を示す点とは違った大きな丸い影。
(誰かがジャミングをかけながら移動していった……?)
クラールヴィントの索敵をも欺瞞する強力なジャマー。
(私と同等……それ以上の能力を持った人間がいる……)

謎のジャミングも気になりながらも孤高の黒き書き手は、
漆黒の龍と共に病院への進路を優先することにした。

3059Twin Black:2008/03/15(土) 03:12:47 ID:lpVyOngc0
【午後】【E-7/コンビニ内】


【孤高の黒き書き手@ギャルゲロワ】
【装備】:防弾繊維のメイド服@カオスロワ2nd、悟史の金属バット@ひぐらしのなく頃に、クラールヴィント(呪)@リリカルなのはシリーズ、ギアス(ギャルゲロワ仕様)@コードギアス
【所持品】:支給品一式
【状態】:疲労小 通常モード
【思考・行動】
基本行動方針:ここからの脱出。漆黒の龍と協力する。
1:病院に向かう
2:漆黒の龍とともに仲間を探す
3:できればギャグ将軍と合流。
4:愛の伝道師との契約通り、tu4氏を止める
※外見は「D.C.P.S.」の朝倉音夢。
※クラールヴィントは主催者の嫌がらせにより全ての音声が釘宮理恵ボイスでランダム再生されます。
 おまけに呪われているため外せません。
※ギアス(ギャルゲロワ仕様)について:
 効果は『ギャルゲロワに参加したキャラが味わった苦痛のイメージを全て再現する』
 あくまでイメージなので物理ダメージはないが、精神ダメージはえげつない。
 普通の人なら精神が耐えられずに廃人か自殺だが、書き手の皆さんは多かれ少なかれタフなので死ぬ事はない……はず。
 『同じ人物にこのギアスを使用した場合、その威力は回数に比例していくが、同じ人物に2回目以降使用すると自分にもその相手に与えた苦痛のイメージが再現される』という制限がある。孤高の黒き書き手はこの制限を知らない。
 その他に何かあるかは以降の書き手にお任せします。
※裏モード:基本的に自分のためなら他人を犠牲にするのも厭わない性格……のはずだが、なぜか漆黒の龍が気になる。
      どうやら気になるのは自分と同じ黒を名に持つ書き手である模様。
      若干小町つぐみの影響も受けているため冷酷になりきれません。
※tu4氏の姿の謎についてとりあえず保留。
※クラールヴィントが感知した謎のジャミングは派手好き地獄紳士666氏のものです。


【漆黒の龍@ライダーロワ】
【装備】カブトゼクター&ライダーベルト+ハイパーゼクター@ライダーロワ、黒い皮手袋、カードデッキ(リュウガ)@ライダーロワ
【所持品】支給品一式 、がんがんじいスーツ(頭部に凹みあり)@特撮ロワ、首輪の残骸(愛の伝道師) 、クルミ、核鉄(詳細不明)。
【状態】疲労小 下半身と背中土塗れ
【思考・行動】
基本:対主催。そして脱出。
1:病院に向かう
2:他の対主催と合流する。
3:姿を変える参加者に対処。
4:tu4氏とは一体……?
5:鉄槌はまあどうにでもなるだろ。
6:生存者の確保、及び首輪の解析の出来る人物の捜索。
7:愛の伝道師の意志をついで愛を説き、この戦いについて調べる。
※外見や声は城戸真司です。
※他ロワの知識は皆無です。
※ドラゴンオルフェノク@ライダーロワに覚醒しました(ただし黒色)。触れたものを灰にする能力はありません。
 直接の原因はコ・ホンブック戦ですが、ビクトリーム博士戦も何かあったかもしれません。
※『蘇った現代の熱血怪人』『派手好き地獄紳士』『ステルス鬼畜』『マスク・ザ・ドS』『予約被りに定評のあるtu4氏』を危険人物として認識しました。
 尚、名前は知りませんが『ビクトリーム博士』も危険人物として認識しました。
※一人称が僕に変わりました。
※愛の伝道師はtu4氏の偽者に騙されているのでは?と思っています

3060名無しでもいいよ皆そう呼ぶから:2008/03/15(土) 03:14:15 ID:lpVyOngc0
投下終了。最近空気気味だった二人を動かしてみました。
しかしあのエログロ描写は俺には真似できねえ…表現力に嫉妬だぜ。

3061名無しでもいいよ皆そう呼ぶから:2008/03/15(土) 04:19:07 ID:LDRS1buc0
GJ!うまい繋ぎですw
そしてつぐみの影響もあったとは

3062なかのひとといっしょ:2008/03/15(土) 22:11:50 ID:1MIDfEpE0
「♪運転手はきっみっだ!」(CV.子安武人)
「♪車掌はぁぼーくーだ!」(CV.加藤精三)
「♪あーとのよにんはでんしゃのおきゃく……」(CV.若本規夫)

 大の男が3名、高らかに歌いながら電車ごっこの格好で町並みを駆け抜けてゆく。
 実に「春」な光景だ。

「ほれ、もっとちゃんと腿をあげぬか。肘の角度は九十度だ。たるんでおっては電車にならぬぞ!」
 車掌役とおぼしき金ぴかハゲが、神父姿の「客」を叱咤する。
「……いや、なんで移動するのにわざわざ電車ごっこをしなくちゃならないんだ」
 げんなりといった顔で漏らした熱血怪人に向かい、ギャグ将軍はさも当然と言わんばかりに答えた。
「楽しいからに決まっておろう」
「ちっとも楽しくねぇ!むしろ恥ずかしいだろ!」
 神父服を来た超もっさり頭のむっつり村雨良が足を止めると、その後ろにいたギャグ将軍が勢いを止めずにそれをはねとばす。手近なビルの壁に頭からめり込んだ熱血怪人を、速筆魔王はため息とともに引きずり出した。
「それに、普通に歩くよりなんとなく早く走れそうな気がせぬか」
「腿あげダッシュなんてどう見ても運動部の筋トレだ、むしろ疲れるだけに決まってる……もうやめだ!やめ!」
 熱血怪人は自分の襟首を掴む速筆魔王の手を振り払い、湿った道路にあぐらをかく。速筆魔王は苦笑とともに彼に尋ねた。
「そんなことより、この光景……見覚えはないかい?」
「光景、つうかむしろニオイがな……」
 辺りを覆う白い粘液。一人前の男であれば、婉曲にケフィアと称されたそれの臭いに心当たりのないわけがない。
「なあ、なんで俺たち、出発点に戻ってんだ?」
「マップがループしてる、ってことだろうね」
 速筆魔王が応じて腕を組む。

 運転手役だった彼は気づいていた。彼らは十分ほどの電車ごっこの間に、このマップを軽く三周はしていたことに。
 マップが狭かったのではない。彼らが速かったーーーー特急列車並みの速度で走っていたのだ。この速さならおそらく近くに「白猫」とやらがいても余裕のよっちゃんで見逃しているだろう。
 彼ら三人のなかで、韋駄天の特殊能力を持つ者はいない。とすれば、彼らの足が速くなった理由は一つだ。
 すなわち、「電車ごっこ」がそれだった。

3063なかのひとといっしょ:2008/03/15(土) 22:12:30 ID:1MIDfEpE0

    ◇  ◇  ◇   

 電車ごっことは、電車の運転手や車掌や客になりきるだけの遊びではない。自らの腕で電車の車体を模し、SL機関車の動輪についたロッドの如く角張った動きを真似る。いわば、遊ぶ者たち自身の身体を使って電車に「なりきる」遊びである。
 もちろん、いくら子供が電車になりきった所で、別に電車と同じ速さで走れるようになるわけがない。むしろなったら困る。危険過ぎる。幼稚園が交通事故のメッカになってしまう。さっきは弾き飛ばされた方が化け物だったからよいが、普通の子供なら即死確定。瞬殺。ズガンノキワミアッー!である。
 だがたった今、彼らは実際に、電車と同じ速さで走ってしまった。子供に取っては夢のような出来事かもしれないが、現実になってしまえば脅威だ。

 子供の夢、といえば目の前の二名が絡む変身ヒーロー。
 変身グッズが玩具化されるくらいだから、子供に取って「ヒーローに変身ごっこ」はごくありふれた遊びだ。だが、バンダイ社がどれだけ変身ベルトに技術をこめた所で、それをつけてなりきり遊びをする子供たちが仮面ライダーに変身できるわけではない。
 遊びは、あくまで遊びーーーーそのはずなのだ。
 それが、熱血怪人は実際に変身することができている。必殺技も撃てる。本物の仮面ライダーになれるのだ。

 このロワでは、なりきりが遊びで済まず、現実になる。
 肉体的にも、そして精神的にも。
 今の状況を考えれば、そう結論づけざるを得ない。
 
    ◇  ◇  ◇   

 速筆魔王が考察を深める側で、ギャグ将軍はおもむろに頷いた。
「なるほど、我らは地球が丸いことを証明した、というわけだな」
「アホかおっさん」
「まあ、間違いじゃないけどさ」
 二人の投げやりな返事に、金ぴかハゲは考え込むように腕を組んだ。手にした杖に絡んだ鎖が、場違いなほど軽やかに鳴る。
「しかし困ったものだ。これほど狭いのでは、地球を侵略してもクライシス50億の民をすべて移住させることはできぬのう」
 飄々とした物言いが、電車ごっこに疲れ切った熱血怪人を苛立たせる。怪人は座り込んだまま、ギャグ将軍の脛を思い切り蹴り上げた。
「おっさん!いい加減キャラ思考から離れろ!」
「何を申しておる。地球征服は我がクライシス帝国の命運を決するほどに重要な使命。忘れるわけにはゆかぬ」
「このクソ親父!」
「余はそちのような子を産んだ覚えはない!」
「男が生むな!つーかそう言う問題じゃなくてだ!……ァあ、なんで日本語通じねぇんだよ」
「余は異世界から来たからな。チタマ語はちと不自由なのだ」
 一向に動ずる様子のないギャグ将軍に、熱血怪人が天を仰ぐ。
「あんたは今ロワに投げ込まれて生存競争の真っ最中なんだぞ。そうやってキャラっぽい考えをするようになったのも何かの罠なんだ。自分を取り戻さなきゃ、多分俺たちは死ぬ。書き手じゃなくて、キャラとして死ぬんだ。解るか!?」
 人格を否定され、現実(リアル)の事情をすべて無視される。それは人間として、一人の職人として、この上ない苦痛だった。職人にも私生活があり、日常の都合がある。それを鑑みず、ただのSS製造機と見なされることほど悲しいことはない。
 そんな熱血怪人の怒りをたしなめんばかりに、ギャグ将軍が低く告げる。
「余を、誰と心得ておる」
 威厳を音に奏でたようなその声で、金ぴかハゲは重々しく告げた。
「余の名は、ジョーク」

「……名簿には『ギャグ』将軍って書いてあるんだけどな」
「それに仮面ライダーBLACK RXに出て来るのは『ジャーク』将軍だろ」
 速筆魔王と熱血怪人の冷静な指摘に、ギャグ将軍はポンと手を打った。
「む、間違えた。ほれ、笑え」
 突っ込みを待っていたとしか思えないその答えを聞いた熱血怪人が、眉を潜めていぶかしむ。
「おっさん、あんたーーーーわざとやってないか?」

3064なかのひとといっしょ:2008/03/15(土) 22:13:00 ID:1MIDfEpE0
 
    ◇  ◇  ◇   

 考えてみれば、始めから疑うべきではあったのだ。

 ギャグ将軍がエロ娘コンビを説教する際に現した女口調。
 あのときのギャグ将軍は、星一徹声を発する巨漢であるにも関わらず、腰に手を当てた立ち姿や身振りも含めてすべてが女性的だった。そのリアリティたるや、男が口元に手を当ててくねくねするのとはわけが違う。その分キモばかばかしさ倍増だったわけだが。
 その「紛れもない女性のオーラ」は、鉄槌が横やりを入れた瞬間、今目の前にいる「渋い声の無駄遣い」に取って代わられた。微塵の躊躇もない変わり身だった。
 最初は、書き手としての怒りがキャラの支配を凌駕した状態があの女口調だと捉えていた。が、それにしては、再びキャラの思考に戻るときの迷いがない。

 熱血怪人は、自分がキャラに支配されていたと気づいた時、書き手としての理性を取り戻した。速筆魔王自身、熱血怪人の話を聞いた時少なからず驚き、今はやや引いた視点で「自分というキャラ」の置かれた状況を眺めるようになった。
 それに引き換えギャグ将軍の振る舞いは、明確な自覚の元に行われている、言うなればーーーーネタ、だ。
 つまりーーーー。

 ギャグ将軍は、自分で解ってなりきっている……?!

「あんた、まさか……」
 同じことに思い至ったのだろう。熱血怪人の視線が、マントに隠された背中のチャックに向けられる。
「 中 の 人 な ど い な い 」
 答える声は、遠雷の如く荘厳に轟いた。激しくはない、だが確実に聞く者を威圧する響きだ。
「よいな?」
 穏やかに問い返され、二人の男は思わず頷く。この穏やかさは、もしや嵐の前の静けさではないのか、と自問しながら。

「さて、再び電車ごっこを始める前に、コーヒーで一服と参ろうか」
「……だから、なんでいつもコーヒーに逃げるよ」
 何もなかったかのようにコーヒーブレイクの準備を始める将軍に、熱血怪人が思わず舌打ちする。そもそもこのテーブルとか椅子とかテーブルクロスとかはどこから出て来たよ。あんたが持ち歩いてるのは金色のコーヒーセットだけのはずじゃないのか。
 喉元で辛うじてとどまっている熱血怪人の疑問を平然と無視して、ギャグ将軍は銀のスプーンを受け皿に置いた。
「紅茶でも、日本茶でも良い。菓子をつまみながら暖かい物を飲むと、『気分が落ち着き、考えがまとまる』であろう?」

 将軍の言葉に、ある考えがふと速筆魔王の脳裏をよぎる。
 ーーーー固有結界『コーヒーブレイク』。書き手に落ち着きを取り戻させ、自らが手がけたネタの推敲吟味を強いる世界。
 いや、まさかな。いくらなんでもそりゃないわ。
 
    ◇  ◇  ◇   

 さすがの速筆魔王も、まだ気づいていなかった。
 ギャグ将軍が持つコーヒーセット@スパロワは、俗に「空気フラグ」と言われている。
 空想上の存在に過ぎないキャラが持てば、それは自らの存在を空気化するにすぎない。
 だが、一旦書き手の手に渡ったそれは、書き手に空気の影響を与えるーーーー言い換えれば、空気を読ませるフラグとなる、ということに。
 空気を読むとは、状況を把握し、客観的に判断すること。つまり……。

3065なかのひとといっしょ:2008/03/15(土) 22:13:18 ID:1MIDfEpE0
【午後/F-4/市街地】
【チームBADAN+新生クライシス帝国(仮称)】

【速筆魔王LX@アニロワ2nd】
【状態】健康
【装備】虎竹刀with千年パズル。
【道具】支給品一式。
【思考・行動】
1:このハゲ、ひょっとして……?
2:『白猫』って誰?
3:対主催陣を探し、ゲームに乗った強敵を撃破していく
4:可能ならもう一つ首輪を回収して、脱出フラグを積む
5:でも別に何エンドでもおっけー

【蘇った現代の熱血怪人@漫画ロワ】
【装備】:バヨネット×2
【所持品】:支給品一式
【状態】:全身にダメージ(小)。疲労(小)
【思考・行動】
基本:打倒、主催!
1:俺は正義の味方!
2:仮面ライダー書き手の『ライダー魂』を蘇らせる。
3:やっかいなおっさんを仲間にしてしまったorz
4:『白猫』って誰だ?!
5:どこかで鬱展開にもって行きたい……って既に鬱!?

【新生クライシス帝国・ギャグ将軍班】
【ギャグ将軍@ライダーロワ】
【状態】:健康
【装備】:杖@ライダーロワ、王者のマント@FFDQロワ
【道具】:支給品一式、コーヒーセット一式@スパロワ、コーカサスブレス&ゼクター@ライダーロワ
     みWiki@らき☆すた?、ジャーク将軍のマント@ライダーロワ、
【思考】:
 基本:新生クライシス帝国の結成
 1:電車のごとき速さで『白猫』を探し出してくれよう!
 2:Chain-情の計画に協力
 3:ついでに飲み友達を集める
 4:コーカサスゼクターの資格者を探し、コーヒーを飲む
 5:紅茶を飲むかどうかは保留
 6:対主催の仲間を集める(首輪解除スキルを持つ者を優先)
 7:第三回放送の頃には旅館に戻る。

 ※容姿はジャーク将軍@仮面ライダーBLACKです。
 ※ジャークミドラに似た、ギャーグミドラに変身できます。
 ※制限がライダーロワ基準だと思い込んでいます。
 ※シルベストリから、漫画ロワの知識を若干得ました。
 ※今はChain-情に協力的ですが、ちょっとしたことで心変わりする可能性があります。
 ※特殊能力:「書き手界の良心」に目覚めました。
   本気の一喝を放つことにより、悪ノリし過ぎている者に自重を強いることができます。
   ただし、ギャグ将軍の性格上、あまり多用されることはありません。
   真剣な人生相談に乗ることも可能。なお、発動中はピンク色がかかった女言葉になります。
 ※背中に謎のチャックを確認。ギャグ将軍曰く、開けると「大変なこと」になるそうです。詳細は不明です。

 ※固有結界「コーヒーブレイク」
   優雅なリネン一式の備わったテーブルと人数分の椅子を造り出し、皆でコーヒーを飲んで和みます。
   それ以上の効果は確かめられていません。
   コーヒーセット自体が発動させている可能性があります。

3066名無しでもいいよ皆そう呼ぶから:2008/03/15(土) 22:13:51 ID:1MIDfEpE0
投下完了。
考察ブームに乗っかってみた。

3067名無しでもいいよ皆そう呼ぶから:2008/03/16(日) 03:21:06 ID:JOHWrmNE0
黒猫、白猫ってレンと白レンでいいの?

3068名無しでもいいよ皆そう呼ぶから:2008/03/16(日) 08:15:04 ID:4Lva79HM0
投下乙です
将軍の中がものすごーーーく気になる
早くチャックを開けてくれーーー

>>3067
黒猫は666
白猫はネコミミスト

3069名無しでもいいよ皆そう呼ぶから:2008/03/16(日) 16:40:26 ID:C6v9QSYg0
冷静に考察する魔王もすごいが、その魔王すらペースに引き込む将軍すげえ!

3070最速の人へのレクイエム:2008/03/17(月) 02:55:59 ID:Mqoiry8A0
 破壊の轟音が空気を震わせ、ときおり崩れた建築物が地面を揺らす。
 静かなビル街はバトルロワイアルの戦場となり、崩壊が進んでいく。
 その只中を駆けていく五人の人影があった。
 吸血鬼の主従、背中にこなたこと地球破壊爆弾を背負って走るクールなロリスキー。
 その横で彼女を気にかけながらも、自分のスタミナ不足で逆に気を使われている忘却のウッカリデス。
 その前を走り、露払いを務める前衛二人。黒い剣士こと神行太保のDIE/SOUL、そしてロリ吸血鬼のミスターマダオ。
 彼ら五人のうち、三人は吸血鬼である。
 通常の食料で空腹は満たされず、よって血液を求めて大きな病院があると思われるE-8エリアに向けて移動している最中だ。
 色々あってやむをえず離れ離れになった最速の人に書置きを残し、後から追ってくることを願いつつ、彼ら五人は目的地を目指す。

「ねえ、ウッカリデス。大丈夫?少し休んだほうがよくない?」
「だ……大丈夫です、はっ、はっ……!」

 吸血鬼、そして九大天王とガッツの力を持つ超人が居並ぶ中で、ウッカリデスだけは何の力も持たない一般人だ。
 強がってはいるが、この移動スピードについていくにはさすがに無理があるだろう。

「ねえ!ちょっと休まない?ちょっとマダオ!DIE/SOUL!」
「ああ!?」

 ロリスキーは自分たちの先を行く二人にやや大きな声で呼びかける。
 何の用だ、とややいらだたしげに振り返ったDIE/SOULだが、ウッカリデスの様子を見て事情を察したようだった。

「……ちっ、しょうがねえな。だがちんたらしてんじゃねえぞ。止まるな、歩け」
「まあ、いいだろうDIE/SOUL。ほら……放送の時間だ」

 マダオの言うとおりだった。
 正午十二時きっかりに会場全体に響くノイズ交じりのラジオの音。
 第二回放送が始まった。


  ◇  ◇  ◇


 ギャルゲロワ版最速の人――。
 その名が呼ばれてしまった。
 仲間の名前が呼ばれてしまった。

3071最速の人へのレクイエム:2008/03/17(月) 02:56:17 ID:Mqoiry8A0
 知り合ってから十二時間にも満たないが、彼は紛れもなく仲間だった。
 ロリスキーをはじめとする仲間を守るために命を懸けて何度も危険に立ち向かった。
 そして――死んだ。

「……くそっ!」

 ウッカリデスはその震える拳を強く握り締めた。
 あの時、なぜ止めなかったのか。もっといい方法があったんじゃないのか。
 そんな後悔と、自分への無力感があった。

「……ちっ」

 DIE/SOULは空を仰ぎ、苛立たしげに舌打ちする。
 彼にとっては仲間として共にすごした時間は無きに等しいが、だがそれで死を悼まないほど薄情でもない。

「君は義務を果たした。眠れ」

 マダオは目を閉じる。
 数秒間の黙祷を済ませ、己の義務を果たすべく決意を新たにする。
 それぞれがそれぞれの思いを込めて、最速の人の死を悼んだ。
 そして、それを胸に秘めて前へ歩き出そうとする。
 一人を除いて。

「ロリスキーさん……大丈夫ですか?」

 ウッカリデスが声をかけるが、こなたを背負ったまま、へたり込んだロリスキーは動かない。
 俯いてその表情は読み取れないが、あまり声をかけやすい雰囲気ではないことは分かる。
 ぽたり、ぽたりと地面に水滴がこぼれた。
 続いて嗚咽が漏れる。
 彼女は泣いていた。
 あふれる涙はどうやったところで止まらなかった。
 肩を震わせて、唇をかみ締めて、このまま泣いていられるような状況でないことはわかっていたけど、それでもやっぱり――

「ううぅ……うう……あぁ……」

 クールなロリスキーは現在、参加者の中で最もキャラに『入り込んでいる』。
 彼女はこのバトルロワイアルに放り込まれてから、いきなりマーダーと遭遇し、そして重傷を負った。
 今はその不死という特殊能力ゆえに傷は癒えている。
 だが、だからこそ常人では味わえないような痛みを幾度となく心と身体に叩きつけられ、自分自身について客観的に考察する余裕を失わせた。
 熱血王子によって刻み込まれた痛みが、これは紛れもない現実だと何度も何度も彼女の心も同時に痛めつけ、その思考を縛り付けていった。
 今の彼女にはマダオやDIE/SOULのように自分自身についての疑問など浮かぶべくもないのだ。
 そして心の底から最速の人の死を悲しむロリスキーはまたひとつ心に傷を負った。
 そしてそれが意味するのは、また一歩キャラクターに入り込んだことを意味する。
 こなたの姿をした地球破壊爆弾に、吸血鬼の主従関係を超えた強い愛情のような思いを抱いているのも、おそらくはそれが原因なのだろう。
 はたしてそれが今後、彼女とその仲間にどんな影響を与えるのかは――それはまた、ここで語るべきではない別の話である。



(第二回放送直後のお話です)

3072名無しでもいいよ皆そう呼ぶから:2008/03/17(月) 02:56:58 ID:Mqoiry8A0
最速の人が不憫なので書いてみた。あとそこはかとなくフラグも立ててみたり。

3073これが超展開と言うものだ!:2008/03/17(月) 21:21:12 ID:nWfAVB3U0
「ウホア─────ッ!! 最 高ゥ!」

(ギャラドス+人間)÷2と言う奇跡の公式を成し遂げた脳内補完。
彼が発する最初の一言がそれだった。

色々と突っ込みどころはある。
目が覚めたら得体の知れぬ体になっていた。
別次元の自分は完璧なギャグキャラになっていた。
だがそんな事、この開放感に比べたら屁でも無い。

「アハハハハ、凄いよ、凄いよコレ! これなら、これなら皆殺しだよお!?」

突然の身の変化は、脳に異変をきたしたのだろうか。
微妙に幼児退行ともとれる言動が先ほどから目立っていた。
ちなみに、カオスロワでの彼も初登場時は少年口調だったりするのだが。
それを考えると、元々幼稚な男だったのかもしれない。

脳内補完は飛び、踊り、舞い狂った。

「…………む」

空中で8の字をかいていたのだが、突如その動きを止めてしまう。
そして、歓喜に歪んでいた瞳は再び憤怒に濁ってある一点を見つめる。
それは研ぎ澄まされた竜の聴覚に響いた声のした方向。

「ツンデレ……ばかがみ……、ここにもよぉ〜……居やがったのか……!

3074これが超展開と言うものだ!:2008/03/17(月) 21:21:34 ID:nWfAVB3U0
ここはカオスロワでは無い。
故に6/やかがみが居ても優先して襲う理由は無いはずなのだが……。

「ひゃーーーハッハッハッハッはアアア!」

向こうでの礼をしてやる!
長く伸びた尾をなびかせ、彼はF-6へと向かって行った。

☆   ☆   ☆

「────私達の匂いでも嗅ぎ付けたのかしら」
「……はい?」

突如、自分をボコにするのを止めたかと思ったらこんな事を言い出す。
何を言っているのか分からない、イカレてるのかコイツ。
とでも言いたげな表情をスーパーかがみんは向けた。

「邪魔!」

tu4氏のその言葉が合図。

まずスーパーかがみんが突き飛ばされる。

目の前では、巨大な龍に跨っている──正確には違うのだが──男が猛スピードでtu4氏に突進。

だがtu4氏の姿が消える。

吹っ飛ばされたのかと思い眼球だけ動かし左右を見渡すが、男の身体に影がさす。

すぐ上空にはなにやら剣を振りかぶったtu4氏。

3075これが超展開と言うものだ!:2008/03/17(月) 21:22:04 ID:nWfAVB3U0
男も剣で受けるかと思いきや、何も持っていない素手の左手を掲げる。

アッサリと左手を落とされる。

驚愕した顔。

男の額に食い込む刃。

tu4氏の焦り顔。

男がtu4氏の首を掴む。

もう一度tu4氏が消失、男から数メートル離れた正面に出現。

スーパーかがみんには、この光景がかなりスローに見えた。
……信じられない事だが、実際の時間はかがみが感じた時間の何十分の一。
およそ10秒。

☆   ☆   ☆

「ウガアアァ────ッ!」

頭からの流血を抑え、昂る脳内補完。
一見隙だらけながら、tu4氏はむやみに攻める真似はしない。
相手の男は見た目がすでに脅威だが────『それ以上に何かヤバイ』。
先のリープアタックならば、龍ごと男を真っ二つにしてもおかしくは無かったはず。
それなのに刃は男の額で止まった……。
そして、腕の断面と額からはもう出血が止んでいる。
むやみに攻め込むのは危険そうだ……。

3076これが超展開と言うものだ!:2008/03/17(月) 21:22:45 ID:nWfAVB3U0

「よくも、よくも……よ…く…も!」
「むしろ良かったと思うけど? あなた血の気多そうだし」
「マ・ン・カ・ス・ジョ・ロ・ウ!!」

俯かせた顔をあげ、思い切り睨みつけられる。
実際に血の気が多かったようだ。

「グロマンコに、氷、ぶち……こ…ん────」

顔をあげた所で、突如男の動きが止まった。
厳密に言えば、ふさがっていたはずの頭と腕から再び血がピューピューと噴出している。

「……あ……う……ああ……」

さっきまで真っ赤だった顔は唖然とし、口はパクパクと酸欠の金魚状態。
完璧に『あがっている』状態だった。

…………tu4氏はまだ気付いていない。
それが、自分に一目惚れをした男の反応だった事には。

【F-6 市街地 上空】

3077これが超展開と言うものだ!:2008/03/17(月) 21:24:12 ID:nWfAVB3U0
【King of 脳内補完@漫画ロワ】
【装備】邪剣ファフニール、チャネリング
【所持品】
【状態】全長33mくらいのギャラドスの頭部に上半身がくっついたような外見
    凶暴化 左腕消失 tu4氏に一目惚れ
【思考・行動】
基本:殺す、壊す、殺す、壊す、殺す、壊す
0:?
1:ッ!?
2:───!?!
※中の人がB・D・Nであったために、人肉カレーがきっかけで異世界の自分、
 およびもう一人の自分と記憶がシンクロしました
※合体時に継承した技は、はねる・体当たり・じたばた・絶対零度(ホワイトアルバム)
※ファフニールの影響で更に暴走しています
※人語は一応話せます
※ギャラドスは本来のネタ対象である漆黒の龍と会えば何かが起きるかもしれません
※チャネリングにより転には逆らえませんが、脳内補完は気付いていません。
※ジェントリー・ウィープスが使用不可に伴い、空気を凍らせる事ができなくなりました。
氷のスーツをまとう事も不可能です。

支給品一式、ウルトラミキサー(故障?)

【予約被りに定評のあるtu4氏@ギャルゲロワ】
【状態】ダメージ(中)、同胞に対する深い愛 、ご立腹
【装備】永遠神剣第七位「存在」、ガンダールヴの証(ゼロの使い魔@漫画ロワ)、
    ペンダント(空鍋の欠片) 、スーパーかがみん
【道具】写真付き名簿、支給品一式、不明支給品×1(未確認)
【思考】
基本:空気キャラの復権を!
0:何なのコイツ
1:孤高の黒き書き手氏と接触する
2:空気キャラは保護する
3:書き手はみんな滅する
4:エロスの鐘の煩悩寺がマーダーだと広める
5:ギャルゲロワ陣営は欝に叩き込む
6:転もあったらただじゃおかない
7:邪魔するようならWIKI管理人も容赦はしない

3078これが超展開と言うものだ!:2008/03/17(月) 21:24:36 ID:nWfAVB3U0
※容姿は白鐘沙羅@フタコイ オルタナティブ。アセリアの服を着ています。
※永遠神剣第一位「空気」が覚醒しました。
 相変わらずロワの舞台は基本マナが少ないので普段「空気」自体は振るえません。
 エターナル化は世界移動時の存在抹消がむかつくので「空気」とtu4双方の意志で抑制中。
※転生前の記憶も蘇りました。
※ガンダールヴの能力は、どんな武器でも自在に操れます。
 また本来は使うと疲労を伴いますが、tu4氏の場合それはありません。チートですし。
※空気王として他ロワの空気キャラの能力を使用できます。
 空気の覚醒により更に応用が利くようになりました。
 例フォルカ+ミミ=他の空気キャラを超神化(超進化)
 チート度アップしましたし。
※何を見て聞いたのかは次以降の書き手さんにお任せします。
※スーパーかがみんは戦闘に介入する気はありません



割りとNG覚悟

3079これが超展開と言うものだ!:2008/03/17(月) 21:26:13 ID:nWfAVB3U0
途中送信してしちった……

割りとNG覚悟ではっちゃけてみた。

3080名無しでもいいよ皆そう呼ぶから:2008/03/18(火) 13:49:59 ID:h7srGE3w0
投下乙です

>>最速の人へのレクイエム
さあロリスキーがどこまでいくのか期待
フラグは成就するのか

>>これが超展開と言うものだ!
カオスすぎる……
なんていうか一目惚れって……

3081今ここにいる私:2008/03/18(火) 13:52:42 ID:h7srGE3w0
D-4にそびえる薄暗いビルの中の一室。
ここに一組の男女……いや違った……二人の性別不明の人物がいた。
熱血王子とお姉さま。共に性別が不明なこの書き手ロワ2ndの参加者である。
何の因果か、性別が未だ不明な二人の人物が行動を共にする事になってしまった。
その原因は熱血王子にあった。
簡単に言えば、熱血王子が誘拐犯で、お姉さまはその王子に誘拐されたという訳だ。
もう少し詳しく言えば、影の繋ぎ師に対する人質という事で連れ去ったという事になる。

「ここまで来れば、一安心かな。あの蝙蝠はもうどっか行ったみたいだな。さすがに疲れたぜ」
「……いい加減降ろしてよ」
「はいはい。ああ、逃げようなんて考えるんじゃねえよっ」
「がぁ!?」

そう言って熱血王子は乱暴にお姉さまを床に降ろした。
もしかしたら逃げれるかもしれないが、熱血王子の手の中の剣がそれを許すまいと光っていた。
その剣はここに来る途中のE-4で拾った何でも切れる剣@サイボーグクロちゃんであった。

「わかっていると思うが、逃げようとしたら人質とはいえ容赦なく殺させてもらうぞ」
「くっ」

という訳で、お姉さまはじっとしている事を余儀なくされてしまった。
ここで下手に動いて殺されるより、機会を待つほうが賢明だと判断したからでもあった。

「それにしても……なんだこの臭いは……まるで腐った死体みたいな――」

熱血王子がそう呟いて辺りを見渡すと、急に声を途切れさせた。
何があったのだろうと思ってお姉さまも首を伸ばすと、それが目に入ってきた。

文字通りゾンビのような死体と普通の死体が部屋の隅にあった。

「ひっ!?」

お姉さまはその有様のあまりのおぞましさに恐怖の声を漏らすが、熱血王子は死体を一瞥しただけですぐさま何かを探し始めた。
程なくして探し物は見つかったようだ。
熱血王子の手には一つのデイバッグが掴まれていた。
それはスパロワ書き手「差」のバッグであった。
熱血王子は早速中身を拝見し始めた。

出てきたものは三つ。

一つ目はマスタークロス。
東方不敗マスターアジアが愛用している布であり、モビルスーツをも破壊できる代物だが、それはマスターアジアあっての事。
マスターアジアのような規格外の超人以外には所詮はただの布切れでしかない。
しかし熱血王子はこれを見てちょうど良いとばかりに、マスタークロスでお姉さまを縛りあげた。
この間お姉さまも抵抗しようとしたのだが、剣をちらつかされてはおとなしくする他なかった。

二つ目はファウードの回復液。
説明書によれば、疲労はもちろん出血や外傷にも効果があると書かれているので早速飲んでみたところ効果は抜群だった。
あれほど酷かった疲労も、全身に負った軽い打撲も、顔面に受けたダメージも、きれいさっぱり回復した。
後二本あるが慎重に使っていきたいな、と思いつつバッグに戻す。

三つ目は仮面ライダー王蛇のカードデッキ。
使い方は説明書に書いてあるので、簡単に把握できた。
実は王蛇のカードデッキと「差」には微妙な共通点があった。
ご存知「差」の姿は東方腐敗。ゾンビ状態の東方不敗である。
そして流派東方不敗で有名な台詞に次のような一節がある。
「流派東方不敗は 王者の風よ 全新系列 天破侠乱 見よ!東方は赤く燃えている!!」
「王者」→「おうじゃ」→「王蛇」
つまりどちらも「おうじゃ」つながりだっ(ry

3082今ここにいる私:2008/03/18(火) 13:53:08 ID:h7srGE3w0
◇ ◇ ◇

「……なんでこんな事になったんだろう」

そう呟くお姉さまの背中はひどく小さく見えただろう。
お姉さまは先程の事を思い返していた。
自分をめぐって争うパンタローネとルーキー。
自分のために相手を道連れにしようと自爆していったパンタローネ。
故意じゃないとはいえ自分が殺してしまったルーキー。
こんな事になるはずなかった。
こんな事するつもりじゃなかった。
悔恨は後から後から泉のように湧き出てくる。
後悔の泉はその湧き出た水を涙として地表に現われる。
いくら悔やんでも悔やみきれない。
お姉さまは深い悔恨の海の底に沈んでいた。

「なに泣いてんだ? 泣いても助けはすぐには来ないぞ。どこぞのヒーローストーリーじゃあるまいし」

そう言って近づいてきたのは自分を連れ去った熱血王子。
軽い情報交換はここへ来る道中に済ませてある。
情報交換と言っても半分は尋問のような形だったが、そんな事はどうでもよかった。
とりあえずその時は何かを考えるのが億劫だった。
というよりは、何も考えたくなかった。
体の疼きもだんだん酷くなってきたがどうでもよかった。
ただ単に目の前の状況についていくので精一杯だった。

「ま、こっちにしてみれば、そうやっておとなしくされているほうが手間が掛からなくて楽だけどな。
 なんたってこの後俺はここにいる書き手を全て殺し尽さないといけないんだからな!」
「え!?」

こいつ今なんて言ったの? ここにいる書き手を全て殺す?

「あなた何考えているのよ。正気なの!?」
「正気も正気さ。これは俺にとっての復讐なのさ。
 俺はな、一話で二人の人間の手首をはねた話を作ったために、掲示板でやれ「手首ブレイカー」だの「銀目銀髪の高(ry」だのと散々言われた挙句に、この書き手ロワでは本当に滅茶苦茶な風貌になっちまったんだよ!
 人の姿を勝手に妄想しやがって……だから、だからこそ俺は書き手に復讐するだけの理由があるのさ。
 あんたはどうなんだ? お姉さまとか呼ばれて、しかも未だに性別不明で通しているらしいじゃないか。
 本当はあんたも何か思うところがあるんじゃねえのか?
 どうせここに来てからも碌な目に遭ってないんだろ」

言葉を返せなかった。
本当は「そんなこと間違っている」とか「人殺しなんてだめだ」とか他にも言う事があるんだろうけど、何も言えなかった。
自分は目の前の人に相当するだけの信念を持ち合わせていなかった。
全員で脱出すると理想を掲げ、そのためなら戦う覚悟も決める。
そう決意した……はずだった。
だけど故意じゃないとはいえルーキーを殺した時に心の中の柱が折れたような気がした。
結局私はあの朝倉純一と同じで理想だけの偽善者だったんだ。
覚悟を決めたと言ったところで本当はぜんぜん覚悟なんてできていなかった。
そんな自分が情けなくて目の前の復讐者に言葉を返す事ができなかった。

熱血王子はその様子に満足したのか、少し離れた所で支給品の説明書を読み始めた。
私は寝返りを打ち、顔を反対に向けた。
そして今まで気づかなかったが、自分のすぐそばにもデイバッグがある事に気づいた。
どうやら熱血王子は「差」のバッグに気を取られてこちらまでは気づかなかったようだ。
でも今の私にはそんな事どうだって良かった。
しかし暇なのでバッグからこぼれて見える支給品の説明書を読む事にした。
それは薔薇色の水に関するものだった。

3083今ここにいる私:2008/03/18(火) 13:53:36 ID:h7srGE3w0
◇ ◇ ◇

(これはなかなか使えるな)

王蛇のカードデッキの性能を把握しつつ、熱血王子は上機嫌だった。
自分には変身能力があるが、それには時間制限がついている。
現に今の姿は銀目銀髪の高(ryではなくてヒビノ=ミライである。
カードデッキは戦略を広げる上でも大いに役に立つアイテムであった。
だが分からないのは、この"CONTRACT"のカードだ。
説明書によればミラーモンスターと契約できると書かれているが、そんなモンスターがこんな場所にいるのか不明だった。
もしかしてあの蝙蝠みたいな奴の事かと思ったが、確証はなかった。
まあ追々考えていけばいいか。
モンスターならベノスネーカーとメタルゲラスがいるし十分かな。

熱血王子はさらなる把握を目指そうとしたが、その行動は予期せぬ乱入者によって中断せざるをえなかった。
それはお姉さま狙ってやって来たミラーモンスターのダークウイングだった。

◇ ◇ ◇

私は本当に理想だけの奴なんだろうか。

分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。

自分の事なのに全然分からない。

なんて情けないんだろう。
思えば自分はロワデビューした時からそんな感じだったかなあ。
初めてギャルゲロワでSSを書いて投下した時は緊張したなあ。
あの時は…………なんだったかなあ、うまく思い出せないや。
でも感想をもらった時は本当にうれしかったな。
あれから色々あった。
批評スレに出向いて自分の改善点を指摘してもらったり、誤字脱字がいつまでも直らなかったり、お姉さまって素敵な名前をつけてくれたり…………
え!? ……素敵な名前……うん、きっとそうよね……たぶん。
本当に色々あったなあ。


あ、そっか。


私はロワが好きなんだ。
アドバイスをくれるみんなが好き。
感想をくれるみんなが好き。
お姉さまお姉さまって囃し立てるみんなが……好き……たぶん。

まあ時には辛い事も言われるかもしれないけど……でもそれでも私はロワが好き!

この気持ちに偽りはないはず。
ならこの気持ちを支えにこれから行動していったらいいのかなあ。
分からない。
でも、うじうじ悩んでいてもしょうがない。
歩みを止めたらそこで道は終わってしまうから。
だから私は――――

ゴォォオオオオオオオオン――――!!

気づくと大きな蝙蝠が私に襲い掛かってくるところだった。

3084今ここにいる私:2008/03/18(火) 13:54:03 ID:h7srGE3w0
◇ ◇ ◇

(くそっ! なんで来るんだよ!
 とりあえず一撃目は外したみたいか。
 ところで人質は……いない? あいつどこに行きやがった)

それは熱血王子に生じた僅かな隙だった。
しかしその僅かな隙を突いて行動した者がいた。

「取った!」
「貴様ーーー!!!」

さっきの衝撃でマスタークロスの呪縛から解き放たれたお姉さまが熱血王子からウルトラリングを奪っていったのだ。
その目はさっきのものとは違い、本当に覚悟を決めた目だった。

「少し、頭冷やそうか……」
「!?」

悲鳴も上がらなかった。
逃げる背中に何でも切れる剣による袈裟懸けを一閃。
傷自体は浅いが動きは鈍った。
このまま捕まえて――

だがそれは叶わなかった。
ダークウイングが再び攻撃を仕掛け、その余波で壊れた壁から落ちるお姉さまの姿が見えた。
ウルトラリングとデイバッグを抱えたまま、そのまま地上へと落下していった。

「助からないだろうな。
 計画が台無しだ。あいつらが来た時、なんて言おうか。
 ……その前に試してみるか」

熱血王子は割れたガラス片にカードデッキをかざす。
すると銀のベルトが現われて、彼の腹に巻きつき、

「変身」

その言葉と共にベルトにデッキをはめた瞬間、そこには毒々しい紫の鎧を身に纏った戦士がいた。
そしておもむろに"CONTRACT"のカードを取り出した。

そして熱血王子は目の前のダークウイングに集中していて気づけなかった。
部屋の隅に仄かに薔薇の香りを残す容器が落ちている事に……

3085今ここにいる私:2008/03/18(火) 13:54:45 ID:h7srGE3w0
◇ ◇ ◇

キィィィィィン……キィィィィィン……

何の音だろう……

キィィィィィン……キィィィィィン……

私に目覚めろって言っているの……



どれくらい気を失っていたのだろう。
そんなに長い時間じゃなかったような気がする。

「……生きている。
 あの高さから落ちたのに死んでいないなんて、あの液体ってかなりすごい代物だったんだ」

そう言ってお姉さまは車の上から地上へと降り立った。
あの時、ほとんど反射的に動いたのが良かったのか、蝙蝠の襲撃で目立った怪我もする事なく運良く布の束縛も外れた。
そして行動するに先駆けて、まずは保険として部屋に放置してあったバッグからある物を使用させてもらった。
それは漫画ロワに出てきた「生命の水(アクア・ウイタエ)」であった。
飲むと、髪の毛・瞳が銀色になる、身体能力が約5倍に向上する、5年に1回しか歳を取らなくなるといった効能がある万能の霊薬である。
それを事前に飲んでいたおかげで自分は後ろから斬りかかられても、ビルから車の上に落ちても大丈夫な身体になったようだ。
だからといって不死身という訳でもないようだが。
血を流しすぎたり、人生に満足すると死ぬようだが、とりあえずは死に難い身体という認識で十分だろう。

「まさか生きているとはなあ。正直驚いたぜ」

声のしたほうを見ると見覚えのない紫色をした者がいた。
姿は見覚えがないが、声で誰だかすぐに分かった。
紛れもない。目の前にいるのは熱血王子だ。

「さあ、リングを返してもらおうか」

ウルトラリングを奪ったのは正直勢いでやった事、
これさえ取り上げておけば、熱血王子も復讐する事が困難になると思っての事だった。
しかし実際は違った。
リングを取り上げても熱血王子は決して復讐を止める事はないだろう。
ならどうする。
決まっている。
ここで熱血王子を倒すしかない。
ここで目の前の復讐者を見逃せば、他の書き手がその毒牙にかかるだろう。
そんな事は絶対にさせない!
今私がやらなきゃ誰がやるというのだ!

「渡せない。それが返答よ」
「そうか、じゃあ仕方ないな。
 人質がいなくなるが、まずは貴様が最初の犠牲者になれ!」

―――ADVENT―――
その電子音が響いた瞬間、先程自分を襲ってきた蝙蝠が姿を現した。

「早速だが使わせてもらうぜ。あんまり時間がないんでね」

(まずい。
 こっちの武器は青龍偃月刀のみ。
 しろがねになった影響で母乳弾幕はもう使えなくなったようだし、ディーもいない。
 もしかして私ピンチ!?
 でもこんなピンチぐらい乗り越えなくてどうする!?
 最後の最後まで諦めたりするもんか。私は……朝倉みたいには死なない。
 みんなでここを脱出して、もっと腕を磨いて最高のSSを書くんだから!!)

3086今ここにいる私:2008/03/18(火) 13:55:15 ID:h7srGE3w0
キィィィィィン……キィィィィィン……

再びあの音が響いている。
何だが自分を呼んでいるような気がする。
それはビルで手に入れたバッグから自分を呼んでいた。
誘われるままにバッグに手を入れると、自然と音の正体を探り当てる事ができた。
それはベルトだった。
黒色の外観に所々には金や赤の装飾が施されている。
中心部には独特なデザインの携帯電話が収まっている。
名を「オーガドライバー」、別名帝王のベルトの一つ「地のベルト」と呼ばれるものであった。

それを掴んだ瞬間、理屈は分からないが使い方が自然と分かった。
自分は試されているのだろうか。
このベルトがとんでもない代物だという事は分かった。
一歩間違えれば、自分の人生はここでジ・エンドだ。
だけど何もしないで死ぬよりは、限界までこの状況に抗うほうが余程意義のある事だ。
もう私に迷いはない。
決意を固めベルトを腰につける。

「やっぱり抵抗するのか。楽に殺されてくれよ」
「いやよ、私は決めたんだから!
 みんなでここを脱出して、もっと腕を磨いて最高のSSを書くって!」
「みんな? けっ、俺は除外かよ」
「出来る事なら本当にみんなで脱出したかったわよ。
 でも私にはそこまでの事をやるだけの力はない。
 だけど、せめて私の目に見える範囲の人は救ってみせる。
 でもあなたみたいな人は倒すわ。これ以上の血を流させないために!
 ……今ならさっきの質問に答えられるわ」

そう「本当はあんたも何か思うところがあるんじゃねえのか? どうせここに来てからも碌な目に遭ってないんだろ」という問いに。

「確かにここに来てからは碌な目には遭ってないわね。
 性別不明だし、身体は変な事になるし、嫌な事もされたけど……それでも私は書き手を恨む事はないわ」
「たいした詭弁だな」
「今のあなたには分からないでしょうね。
 私は……私はロワが好き。
 アドバイスをくれるみんなが好き。
 感想をくれるみんなが好き。
 お姉さまお姉さまって囃し立ててくれるみんなが…………好き。
 時には辛い事も言われるかもしれないけど……
 それでも私は、ロワが、書き手が、読み手が、ロワに関わってくれているみんなが好き!
 この気持ちは確かなもの。
 だから悲しいけど、ここであなたを倒すわ! みんなのために!!」

言ってやった。
もしかして私、かなり恥ずかしいこと言っちゃったのかな。
まあ誰も聞いてないし、いいか。

「長々と御託を並べやがって、イライラするんだよ。
 さっさとくたばりやがれ!」
「くたばるのは、あなたのほうよ!」

携帯を手に取り、ボタンを押していく。
0、0、0。そして最後に左上の大きなボタン。
―Standing By―
無機質な電子音声と共に鳴り響く待機音。

「変身」
−Complete−

携帯をベルトにはめ込むと、電子音と共に装甲が形成されていく。
黒の身体は決意の象徴か。
張り巡らされる金色のフォトンブラッドは熱き血潮の象徴か。
そして瞳の赤は覚悟の象徴か。

「私覚悟してますから! 全力で!」

3087今ここにいる私:2008/03/18(火) 13:55:36 ID:h7srGE3w0
【夕方】【D-4ビル街のどこか】
【お姉さま@ギャルゲロワ】
【装備】:青龍偃月刀、胸と背に穴のあいたチャイナ服、オーガドライバー(オーガストライザー付属)@ライダーロワ
【所持品】:支給品一式×3、首輪(ボイド@漫画ロワ)、ウルトラリング
【状態】:新たな決意、若干の精神疲労、しろがね化、仮面ライダーオーガに変身中
【思考・行動】
基本行動方針:殺し合いに乗ってる人間を止め全員での脱出(可能な範囲で)。
0:熱血王子を倒す。
1:戦う覚悟。
2:ハクオロの姿をした参加者……候補のロワは三つ(ギャルゲ・葉鍵・アニロワ1st)か。
※容姿は銀の長髪でスレンダーな美少女。というかまんま東方の中国(銀髪銀眼ver)w
※性別は未だ不明。
※ディーにより東方キャラに変わる力を得ました。何に変わるかはディーの気分次第。確率的には咲夜が高い。
 やばすぎる能力には制限がかかってます。
※胸はパッドです。ただいまルーキーの手の中に握られています。
※ディーも性別については知りません。
※しろがねになった影響でカレーの侵食及び母乳弾幕の能力がなくなりました。


【熱血王子@漫画ロワ】
【状態】:健康、お姉さまに対する怒り、仮面ライダー王蛇に変身中(オーガより先に変身が解けます)
【装備】:『破棄すべき全ての手』、ミニ八卦炉@LSロワ、何でも切れる剣@サイボーグクロちゃん、
    王蛇のカードデッキ@仮面ライダー龍騎
【所持品】:支給品一式、ファウードの回復液×2@アニロワ2nd、PS2ソフト「スーパーロボット大戦OG外伝」&PS2本体
【思考・行動】
基本:手首と言わず全ての首を狩り尽くし、復讐を果す。
1:お姉さまの手首そして全ての首を狩り取り殺す。
2:影の繋ぎ師とディーに関しては後から考える。
3:666とネコミミストと会ったら今度こそ手首そして全ての首を狩る。
4:逃げていった最速の人達をもう一度見つけ出し、手首そして全ての首を狩る
※変身後の姿は銀目銀髪の高町なのはの顔に、ウルトラマンレオの体、声は赤木しげるです。
※変身前は、ウルトラマンメビウスのヒビノ=ミライの様な容姿です。
※第一回放送の前半を聞き逃しました。
※【『破棄すべき全ての手(リスト・ブレイカー)』@漫画ロワ&誤爆スレ】
 一話で二人の人間の手首をはねた逸話に由来する宝具。
 真名を解放しながらの攻撃は、全て手首を斬り飛ばす一撃となる。
 ちなみに外見はfateのルルブレ。存在は誤爆スレと漫画ロワ毒吐きを見て勝手に作った。
 ブラスターモード『破棄すべき全ての首(ネック・ブレイカー)について:
 このモードは『破棄すべき全ての手(リスト・ブレイカー)』の強化版。
 真名を解放しながらの攻撃は、相手の首と名のつく場所、つまり両足首・両手首・両乳首・首の合計7箇所に高速無比の斬撃を同時に繰り出す。
 乱発すると身体がもたないので、最後の切り札的な位置づけです。ちなみに発動直前に0.1秒の隙があるようです。
※【『ウルトラリング(書き手ロワ特別バージョン)』】
 透明な麻雀牌がついた指輪と、レイジングハートがついた指輪の二つで一つ。
 この二つを合わせる事により、戦闘形態へと変身を遂げる。
 戦闘形態ではウルトラマンレオの能力が使える。
 現在お姉さまに奪われています。
※王蛇のカードデッキにある”ADVENT”のカードはベノスネーカー、メタルゲラス、ダークウイングの3枚です。

3088今ここにいる私:2008/03/18(火) 13:58:28 ID:h7srGE3w0
投下終了
なんかいろんなこと言わせていますけど、あんまり気にしないでください
まさかこんな展開になるなんて……

蛇足:ちなみに欝まっしぐらverとロリっ子verも企画段階では構想していました

3089傷だらけの天使たち:2008/03/18(火) 23:29:30 ID:7nmXC/H20
投下いかせてもらいますね。


何が起きたのか、全然わからなかった。

あの時、突然僕たちの前に、無惨な姿になった残月さんが現れて…。
それを僕の頭が認識したかしないかってうちに、彼女が倒れ込んできて…。
そのとき、なんだかすごく悪い予感がしたんだ。もう二度と、彼女に会えなくなるんじゃないかって。
だから僕は、彼女の手を握っていた自分の手に、いっそうの力を込めた。
でも、その手の中から彼女の手の感触は消えていって…。
気が付いたら、僕の体は宙に浮いていた。

ドゴンッ!

静かなる〜Chain-情〜、本日四度目の気絶。原因:高所からの落下による脳震盪。


◇ ◇ ◇


E-6。ひたすら前進を続けた衝撃のネコミミストは、学校の右隣であるこのエリアに到達していた。

(あれは…。)

一心不乱に歩き続けていた彼女だったが、他の参加者を見つけ足を止める。
それは、道路の真ん中に大の字になって倒れる青年であった。

(ふ、不自然すぎる…。何かの罠?いや、それにしたって…。)

どう対応したものか、悩むネコミミスト。しかし、最終的には声をかけてみるという結論に至った。
もちろん、最低限の警戒は怠らない。

「もしもし、大丈夫ですか?」

すぐそばまで近づき、声をかける。だが、反応はない。そこで彼女は、青年の体を軽く揺すりながらもう一度話しかける。

「もしもし、もしもーし!」
「ん…。」

わずかに、青年が反応を見せる。これ幸いと、ネコミミストはさらに体を揺する。

「大丈夫ですか?起きられますか?」

ネコミミストの声に呼応するように、青年の目がゆっくりと開く。
そして、彼は飛び起きるように体を起こした。

「あ、いきなり体を動かさない方が…。」

青年を注意しようとするネコミミストだったが、その言葉が終わるより早く、青年が彼女の肩をつかむ。

「君!この近くにフラグビルド…じゃなくて、えーと、緑の髪をツインテールにした女の子はいなかったか!」
「え?いや、あの、いませんでしたけど…。私が来たときには、あなた一人で…。」

青年の勢いにとまどいつつも、ネコミミストは正直に答える。

「そうか…。」

ネコミミストの返答に、青年…Chain-情はがっくりと肩を落とす。
理由はよくわからないが、自分は別の場所に瞬間移動してしまったらしい。
そして、この場に彼女はいない。
自分とは別の場所に移動したという可能性も、ゼロではない。
だが、それよりも遙かに可能性の高いケースがある。
彼女は、あの場に残ったのだ。
戦闘力が皆無に近い彼女が感電という強敵の前に残れば、あり得る結末はただひとつ。

3090傷だらけの天使たち:2008/03/18(火) 23:30:58 ID:7nmXC/H20
「死」。


「………ッ!」

Chain-情の目から、一気に涙があふれ出す。
そんな結論、認めたくない。信じたくない。
もちろん、万が一ということもある。
タイミングよく誰かが助けに来てくれるかもしれない。
彼女が一発逆転の策を思いつくかもしれない。
だが、Chain-情の書き手としての思考がそれを否定する。
あの流れでは、そんな都合のいい展開にはなり得ない。
彼女は…素晴らしきフラグビルドは、十中八九命を落としたのだ。

「アアアアッ…!!」

必死でこらえていた嗚咽の声が、のどから漏れる。
悲しいの一言ではすまされない。魂を半分持っていかれたような気持ちだ。
彼女と出会ったのが今日の朝。時間にして半日も経っていない。
たったそれだけの付き合いで何を、と思う人間もいるだろう。
だが、それでも。

(僕は…彼女のことが本当に好きだったんだ…。)

涙は、さらに流れ落ちる。

(また…。また守れなかった…。うっかり侍さんも!残月さんも!誰一人守れなかった!
何でだ…。なんで僕はこうも無力なんだ!)

己を責め続けるChain-情。そこに、これまで黙っていたネコミミストが声をかける。

「失礼します。」
「え?」

Chain-情がその言葉の意味を理解するよりも早く、乾いた音が響く。
ネコミミストの平手が、Chain-情の頬を打ったのだ。

「あ、あの、いったい何を…。」
「気合い、入りました?」
「はい?」

ネコミミストの意図がわからず、Chain-情はただとまどう。

「事情は知りませんが、何となくわかります。あなたも、大切な人を失ったんですね…。
私もそうです。とても悲しい、とても辛い…。でも!」

ネコミミストの声のトーンが、ふいに上がる。

「泣いてる暇はないんです!死んでいった仲間の遺志を継ぐためには!
人は誰でも傷ついて、大きくなるものでしょう?倒れても、また這い上がらなきゃいけないんです!
それが私たちの、生き残った人間の使命だから!」

一気にまくし立て、ようやくネコミミストは我に返る。

「すいません、会ったばかりの人に対して、こんな失礼な…。しかも、言ってることが支離滅裂ですね…。」
「いえ、あなたの気持ちはよくわかりました。ありがとうございます。」

そう返すChain-情。その目に、もう涙はない。

(そうだよな…。泣くのは悪いことじゃない。けど、僕にはそれを抑えてやらなきゃいけないことがある。
そう、このChain-情には夢がある!このロワに反逆し、一人でも多くの書き手を救うという夢が!)

涙の代わりにChain-情の目に宿るのは、決意の炎。それを見て、ネコミミストはかすかに安堵の表情を浮かべる。

「そういえば、お名前をまだ聞いてませんでしたね。私は衝撃のネコミミストです。あなたは?」
「静かなる〜Chain-情〜です。よろしく。」

Chain-情が自然に伸ばした手を、ネコミミストが握り返す。
この殺人ゲームの中で誰よりも苦しみ、誰よりも悩んできた二人。
その二人が、こうして出会ったのであった。

3091傷だらけの天使たち:2008/03/18(火) 23:35:48 ID:7nmXC/H20
【夕方】【E-6 ビル街】

【静かなる 〜Chain-情〜@アニロワ1st】
【状態】:健康
【装備】:ゴールド・エクスペリエンスのDISC@漫画ロワ、仗助の学生服@漫画ロワ
【道具】:支給品一式×2、レインボーパンwith謎ジャム@ギャルゲロワ、CD『ザ・ビートルズ』、カエル×3
【思考】:
 基本:殺し合いに反逆ゥ!そしてなるべく多くの仲間と生還し、死んだ書き手の分まで頑張る。
 0:みんなの死を無駄にしないために、対主催の道を全うする!
 1:フラグビルド…………
 2:仲間達は?(ギャグ将軍、孤高の黒き書き手、シルベストリ、コロンビーヌ、パンタローネ、お姉さま、ルーキー)



 ※容姿はスクライド(アニメ)の橘あすか。
 ※元々着ていた服は、転移の際の崩壊により行方知らずとなりました。
 ※どたばたしていたため、無明幻妖side.の首輪と永遠神剣「誓い」は回収し損ねました。
 ※ビックバン・パンチ。命を犠牲にして放つ最強の一撃。不発でもそれなりの破壊力ですが、一時間以上は気絶します。
 ※フラグビルドの生存を絶望視しています。
 ※感電より、怪しげな裏話を聞かされました。


【衝撃のネコミミスト@アニ2nd】
【装備】:マテリアルブレード@テイルズロワ、クラールヴィント@アニロワ1st、バリアジャケット
【所持品】:支給品一式、拡声器
【状態】:精神的に消耗。不死者化。
【外見】:バリアジャケットの白いリボンドレス。
【思考・行動】
基本:前に……進む!
1:スクライドの遺志を継ぎ、牙なき人の剣になる。積極的にマーダーキラー路線。
2:熱血王子と再会したら、今度こそ彼を止める。
※衝撃波を使えます。掌からだけでなく、足の裏からも出せるようになりました。
※「大あばれ鉄槌」を幼女好きの変態と勘違いしています。
※シャリダムを通じて幻夜の死体を喰い、その記憶と知識と経験を得ました。
 また、ブックがロワに来てからシャリダムが生まれるまでの経緯を体験しました。


以上です。
というわけで、「チーム・正統派対主催」、もしくは「チーム・疫病神」を結成させてみました。
チャットでどなたかが「この二人が主人公」っぽいとおっしゃっていたので、いっそ組ませてみようかと。
しかし、ズガンレンジャーとかのあとにこういう話書くのはちょっと辛かったぜ!

3092名無しでもいいよ皆そう呼ぶから:2008/03/19(水) 00:21:57 ID:zVfqEXvA0
ちょwww主人公が手を組んだwwww

3093三人で、行こう:2008/03/22(土) 20:43:18 ID:sSQKIo8E0
痛かった。
空気を凍らせ女の動きを止めた上で、女の剣を奪うはずだった。
なのにどうしたことだろうか、スタンドは不発に終わった。
人サイズの氷のスーツだから巨竜の姿では纏えないのだろうと脳内補完し、
ならば氷の槍を叩き込むまでと睨みつけ――恋に、堕ちた。

意思が強そうだったとか、(空気への)愛にあふれていたとか、
幼児化とポケモン化の障害で変な刷り込みが発生したとか、
それらしいこじつけは幾らでもできたかもしれない。
でも、今回のことにそんな無粋な理由は必要ない。
だってそれはあんまりにも唐突な一目惚れだったから。
単純だが、それでも確かに一つの恋の形だったから。

「あ、う、あ」

まるでコイキングに退化でもしたかのように口パクを続ける脳内補完。だが、いざ正気に戻ると行動は早かった。
巨竜と融合したことにより、なりきりに蛇神inドラスが追加されたこともあり、
今の彼の精神年齢はとてつもなく低い。だから免疫のない初恋に戸惑いもするが、躊躇はしない。
ただ、思いを伝えたいがために、声を発した。

「惚れた……」
「はあ?」

目の前の男っぽい物体は何を言っているのだろうか?
それがtu4氏の素直な感想だった。そりゃそうである。一方的に襲っておいてその相手に一目惚れ?
ってかあんたばっかじゃない、腕切られてんのよ、という彼女の突っ込みに誰もが頷くだろう。
だが脳内補完はそんなtu4氏にかまわず、己が思いを伝え続ける。

「好きだ、俺の女になってくれ!」

無茶苦茶である、身勝手である、超展開である。
それでも、一つだけ評価できる点があるとすれば、脳内補完がどこまでも本気で真正面からぶつかってきたことだった。

「あんたねえ……」

幼稚であるが故に真っ直ぐな言葉であった。
結果次第では悪質なストーカーに為り下がるくらいの一方的な好意の押し付けだった。
そのくらいtu4氏にもわかっている。はい私もです、なんて応えてやる気はない。

ないのだが、不思議と悪い気はしなかった。

予約被り・空気王。
誰の目にも止まらず存在価値を否定され続けた者にとって、
誰かに一途に求められるというのはこの上ない悲願であったからだ。

3094三人で、行こう:2008/03/22(土) 20:43:39 ID:sSQKIo8E0


「今の俺は強い、主催者だろうが参加者だろうが、俺なら君を守ってやれる!」

ふ〜ん、そこまで言うんだ。
ちらりとtu4氏は脳内補完の巨体を見下ろす。
そうね、とりあえず利用してみても良さそうね。
強さはともかくこれだけの巨体に加えて、飛行速度も悪くない。
つまり、目立つ!
全ての空気の復権を掲げる私にとっては中々おいしい物件だ。
うん、それだけだからね!?ちょっと嬉しかったってわけじゃないんだから!

「いいわ、ならその強さとやら、見せてもらおうじゃない」
「うおお、任せろ!誰がいい、ねえ、獲物は誰がいい!?」

ふむ。標的ねえ。
『空気』に意識を集中する。打破すべきは空気の対極たる人気キャラ。
ギャルゲの連中はこの手で鬱に落としたいし、となると……。

「見つけた――アーカードおおお!!」

アーカード、ロワにおける中ボス的存在だ。
そのキャラ付けや能力から、いつ死んでも納得される超強マーダーとしてどのロワでも重宝される存在である。
普通のロワならもう退場済みの時期だが、そこは規格外の書き手ロワ2。
もしかしたら健在かもと思って探ってみたら見事に『空気』にヒットしたようだ。
ロリ形態なのが気になるし、なんか微妙な反応もあるがとりあえずは無視だ。
しかも、奴が根城にしていると思われる病院は、空気因子が全く存在していないようだ。
全員がなんらかのおいしいフラグを抱えている、そう考えて間違いないだろう。

「いいわ、そのフラグばっきばっきにしてあげる」

ふふふふと笑いだすtu4氏。とてつもなく不気味だが、恋は盲目、脳内補完は気にしない。
ってかむしろ、ああいい笑顔だ、とか思っていちゃったりする。

「ステルス鬼畜も病院方面に向かっているようだし、ちょうどいいわ。
 行きなさい、ギャラド……そういえば名前聞いていなかったわね?」
「King of 脳内補完、それが俺の名だあ!!」
「そう、私の名は、予約被りに定評のあるtu4氏。最後の空気王よ」

ハイロウを閉じギャラドスボディに降り立ちつつ告げるtu4氏。
ちなみに背中を踏まれて内心喜ぶ変態一匹。

「じゃあ出発よ、脳内補完!!」
「ヒーーーーーーーーーーーーーホーーーーーーーーーーーーーー!!」


龍は行く、tu4氏を背に乗せて。目指すは病院。多くの者が集う地へと。

3095三人で、行こう:2008/03/22(土) 20:44:05 ID:sSQKIo8E0





【夕方】【E-6上空】
【King of 脳内補完@漫画ロワ】
【装備】邪剣ファフニール、チャネリング
【所持品】
【状態】全長33mくらいのギャラドスの頭部に上半身がくっついたような外見
    凶暴化 左腕消失 tu4氏に一目惚れ
【思考・行動】
基本:俺TUEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEE!!
0:うわ、告白しちゃった!
1:かっこいい自分を見せてtu4氏にアピール
2:その為に病院に行く
※中の人がB・D・Nであったために、人肉カレーがきっかけで異世界の自分、
 およびもう一人の自分と記憶がシンクロしました
※合体時に継承した技は、はねる・体当たり・じたばた・絶対零度(ホワイトアルバム)
※ファフニールの影響で更に暴走しています
※人語は一応話せます
※ギャラドスは本来のネタ対象である漆黒の龍と会えば何かが起きるかもしれません
※チャネリングにより転には逆らえませんが、脳内補完は気付いていません。
※ジェントリー・ウィープスが使用不可に伴い、空気を凍らせる事ができなくなりました。
氷のスーツをまとう事も不可能です。

【予約被りに定評のあるtu4氏@ギャルゲロワ】
【状態】ダメージ(中)、同胞に対する深い愛 、ご立腹
【装備】永遠神剣第七位「存在」、ガンダールヴの証(ゼロの使い魔@漫画ロワ)、
    ペンダント(空鍋の欠片) 、スーパーかがみん
【道具】写真付き名簿、支給品一式、不明支給品×1(未確認)
【思考】
基本:空気キャラの復権を!
0:まあ、悪い気はしなかったわ
1:脳内補完とアーカード(マダオの方)をぶつける
2:孤高の黒き書き手氏と接触する
3:空気キャラは保護する
4:書き手はみんな滅する
5:エロスの鐘の煩悩寺がマーダーだと広める
6:ギャルゲロワ陣営は欝に叩き込む
7:転もあったらただじゃおかない
8:邪魔するようならWIKI管理人も容赦はしない


※容姿は白鐘沙羅@フタコイ オルタナティブ。アセリアの服を着ています。
※永遠神剣第一位「空気」が覚醒しました。
 相変わらずロワの舞台は基本マナが少ないので普段「空気」自体は振るえません。
 エターナル化は世界移動時の存在抹消がむかつくので「空気」とtu4双方の意志で抑制中。
※転生前の記憶も蘇りました。
※ガンダールヴの能力は、どんな武器でも自在に操れます。
 また本来は使うと疲労を伴いますが、tu4氏の場合それはありません。チートですし。
※空気王として他ロワの空気キャラの能力を使用できます。
 空気の覚醒により更に応用が利くようになりました。
 例フォルカ+ミミ=他の空気キャラを超神化(超進化)
 チート度アップしましたし。
※何を見て聞いたのかは次以降の書き手さんにお任せします。
※スーパーかがみんは戦闘に介入する気はありません

3096三人で、行こう:2008/03/22(土) 20:45:17 ID:sSQKIo8E0

「くくく、あははははは!」

男が一人声高だかに笑っていた。
彼の名は転。パロロワ界のみならず色んな所で名高い木原マサキになりきっている男である。
自分が立てた計画が一目惚れなどという形でまさかの失敗に終わったというのに、男はずいぶんと嬉しそうだった。
「フォルカとはな。いいぞ、予想外だが悪くない展開だ」
新型機のコクピットで上空をモニタリングしていた転は見抜いていた、tu4氏がフォルカの力を持っていることに。
当然だ、元々スパロボオリジナルキャラであるフォルカはスパロワの18番なのだから。

さて、このフォルカであるが、何も伊達や酔狂で空気と化したわけではない。
ぶっちゃけチート過ぎる上にどう転んでも対主催というキャラが一因であった。
考えてみて欲しい、持病のない東方不敗、暴走しないドモン・カッシュを。
こんな奴らがバリバリ対主催やった日にゃあ、マーダーの方々がカイソス過ぎである。
だがそんなチートも終盤戦には役に立つ。
今やOG外伝効果もあってれっきとしたヒーローである。

そんな彼と同じ力を持つ存在だ。うまく利用すればこのロワを一気に終盤へと加速できる。
例えば、告白してきた男に土壇場で攻撃されたりしたら、彼女は激怒し大暴れしてくれるに違いない。
幸い脳内補完とのやり取りからスタンスはマーダーっぽいと見当はついている。
脱出エンド的な流れなら、まあうまく脳内補完を操って対主催路線に誘導したり、機を見て始末すればいい。

三神合体機をデイパックにしまう。
合体により巨大化した機体が目立ってしまっては、囮を使う意味がない。
おかげでやっと乗り込める大きさになったのは素直に嬉しいことではあるが。

「ふん、流石に過疎ステルスを機動したままでは、エネルギーを食らいすぎるからな」

ACEのフリーミッションモードで新型機の操作法は習得したし、
すぐに脳内補完を操る展開にはならないだろうから問題無い。
ウルトラミキサーも修理済みだ。
万が一搭乗前に戦闘することになっても、これだけの装備だ、負けはしまい。

「さあ、踊るといい、この転の掌で。ククククク、アハハハハハハハハ!」

3097三人で、行こう:2008/03/22(土) 20:45:35 ID:sSQKIo8E0


【G-7 市街地】
【転@スパロワ】
【状態】:人格反転中
【装備】:四次元ポケット、クレイジーダイヤモンドのDISC、高性能探索機能つき扇風機、カードデッキ(龍騎)
【道具】:支給品一式×8(食事一食分消費)、首輪×3(内一つ破壊)、
     AK-74(残り60発)、マジシャンズレッドのスタンドディスク、転ばし屋、???(三神合体機。本人確認済み)
     チェーンソー@サガ1、朝倉涼子のアーミーナイフ、ナイフ、えいゆうのたて@FF6
     パロロワ衣服詰め合わせ、夜天の書(BL本)、BL本、GL本、泉こなたのスクール水着@漫画ロワ
     放火セット(燃料、松明、マッチ)、コアドリル@アニロワ2nd
     お徳用原作パロロワ全生首セット(目玉セット他に換装可能) &原作パロロワ全手首詰め合わせ今なら腕も付いてくる!
     ウルトラミキサー、モンスターボール(空)

【思考】:このロワを完結させて一刻も早く生還し、スパロワを完結させる。優勝か脱出狙い。
 1:脳内補完を追い、隠れて集まってくる参加者の動向を様子見
 2:tu4氏を利用
 3:適時脳内補完に介入

 ※容姿は秋津マサト(木原マサキ)@ゼオライマーです。
 ※転ばし屋はトリップ名でしか働きません。
 ※生死に関わらず、第三回放送で転の死亡は放送されます。
 ※首輪の解除方法を会得しました。道具がなくても外せます。
 ※えいゆうのたてにはアルテマ×10、つまり通算で10話以上所持しているとアルテマが習得できます。
   魔力っぽいステータスや、触媒があれば使用可能です。
 ※ヒュッケバインはビッグ承、結のディストラと融合することで、三神、四神モードにパワーアップします。
   それぞれ三機合体、四機合体の機体に変化。二機合体ではSSサイズ(人間大)ですが、サイズも大きくなっていきます。
 ※三神合体機は次以降の人にお任せです。ただし、大きさはS〜Mサイズになりました。
 ※クマのプー太氏は主催者の本拠地に帰還しました。
 ※四次元ポケットは主に放置支給品を取り出せます。
  ただし、海中に落ちたフリクリ署長達の荷物を回収しようものなら、
  四次元ポケットは水びだしになって使用不能になります。

3098三人で、行こう:2008/03/22(土) 20:46:01 ID:sSQKIo8E0


世界は、愛で満ちている。



「ホワイトデーのプレゼントです どうかお受け取りください 」

愛と誓いを胸に死して尚自分を愛した男がいた。



「……そうじゃ、ない。……どこかの果てに辿り着くことが、恋愛じゃ、ないって……わかったから」

偽りから転じた愛に全てを賭けた少女がいた。



「だが、これも全て彼女のため……ああ言っておけば、彼らも彼女を探してくれるだろう……」

永遠の先を行く愛の為に悪とならんとする少女がいる。



「好きです。ずっと隣りにいてください――」
「――う、うん。私なんかでよければ……ね」

儚くも、確かにそこにある愛を、共に歩もうとする少女たちがいる。



(待っていて下さい。必ずやあなたを生き返らせてさしあげます)

己が愛し愛された世界の中心たる男の為に鬼と化した男がいる。



「すいません、会ったばかりの人に対して、こんな失礼な…。しかも、言ってることが支離滅裂ですね…。」
「いえ、あなたの気持ちはよくわかりました。ありがとうございます。」

愛する人の死を無駄にしたくないと、ただ前に進み続ける者達がいる。





そして、今。

「好きだ、俺の女になってくれ!」
「あんたねえ……」

また、一つの恋が始まった。未だ一方通行で、でも、だからこそ無限の可能性を秘めた恋が。

3099三人で、行こう:2008/03/22(土) 20:49:08 ID:sSQKIo8E0

コロンビーヌは祝福する、偶然、運命、偽り、ありとあらゆる始まりを。
コロンビーヌは許容する、ノーマル、レズ、ホモ、ありとあらゆる形を。
コロンビーヌは見届ける、永遠、決裂、死別、ありとあらゆる終わりを。

当事者が悩み、騙され、選び、求め、与え、進めたものであるなら、
いかな結末を迎える愛でもコロンビーヌは一つの愛と見なし受け入れる。

だからこそ、望まない。当事者の意思に関係なく恋愛を瓦解さる行いを。
だからこそ、許せない。愛の物語に最低な方法で介入しようとする者を。

コロンビーヌは天を仰ぐ、さっき少女と龍が通り過ぎて行った夕刻の空を。
死者スレ産の飴の力からか、書き手としての覚醒か。
少女人形にはわかるのだ、愛を汚そうとする悪意の電波が。

「愛は飴のようなもの。甘く溶けて口に広がり……溶けて、無くなるもの」

でも、例えその愛を知る者が全てこの世からいなくなろうとも、
誰かが誰かを愛したという事実はなかったことになりはしない。
愛は、真理だ。殺し合いが蔓延するロワの世界ですら消えない真理。
心を持つ生物がいる限り、愛が世界から消えることはない。

「ねえ、貴方。少し、お節介してみようと思うの。だから」

愛しい人の身体を教会にあった棺に納める。
心はいつまでも一緒なのだ、ずっと身体にしがみついていては軍曹の愛に対して失礼だ。
だから、もう一度だけ口づけを交わして、後は空へ羽ばたこう。

「いってきます」

『いってらっしゃい』

寂しくはない。だって私達は、これからも三人一緒なのだから。


【夕方】【E-6 教会】
【コロンビーヌ@漫画ロワ】
【状態】:健康
【装備】:ゾナハ蟲@からくりサーカス、腕時計型麻酔銃(残弾1/1)@漫画ロワ
【道具】:支給品一式×2、ティーセット一式、麻酔銃の予備針×4 、変化の杖、キャンディー×2
     焦ったドラえもん・うっかり侍・孤高の黒き書き手の服、対戦車地雷×17個、ポン太くんスーツ@スパロワ(大破)     
【思考】基本:恋愛ばんざい
 0:鬼軍曹を生涯愛し続ける
 1:宿った命を大切にする
 2:龍と少女を見失わない程度に負う
 2:愛に介入しようとする邪魔者を倒す
 3:そういえば、新生クライシス帝国のみんなはどうしているかしら?

 ※容姿はコロンビーヌ(ロリ)@からくりサーカスです。
 ※ギャグ将軍にシンパシーを感じています。
 ※影の繋ぎ手・仮面ライダー書き手に紅茶を入れてあげたいそうです。
 ※猫子頭の鬼軍曹と結婚しました
 ※ロワ内の愛を感知できるようになりました。お邪魔虫もわかるようです

3100名無しでもいいよ皆そう呼ぶから:2008/03/22(土) 20:49:39 ID:sSQKIo8E0
投下終了。

3101名無しでもいいよ皆そう呼ぶから:2008/03/22(土) 22:06:31 ID:XCQyxEUg0
お、久々に投下が!
乙です!

3102今・手の中にある・雑学が・脳を・閃かせる:2008/03/23(日) 06:37:55 ID:ilf1Cmpo0
H-4、海沿いの市街地。
ここに、三人の男の姿があった。

「まったく、ひどい目にあったぜ…。」

全身を海水にぬらし、いかにも不機嫌そうに呟くのは蘇った現代の熱血怪人だ。

「いやあ、うっかりしてたね。ちゃんと地図を見ておけばこんなことにはならなかったのに。」

苦笑を浮かべながらそう口にするのは、速筆魔王LX。彼もまた、全身ずぶ濡れである。

「まったく、二人とも修行が足りぬぞ。」

尊大な口調で二人に語りかけるのは、ギャグ将軍。彼だけは下半身の一部しか濡れていない。

「うるせえ!海の上を走るなんて人類にできるか!俺たちはあんたほど常識を無視した存在じゃないんだよ!」

怒った熱血怪人が食ってかかるが、将軍は動じない。

「何を言う。左足が沈む前に右足を出せば水面を歩ける。一億年と二千年前から言われ続けている真理であろう。
烈海王や金剛番長も実践しておる。後は、パプワくんもやっておった気がするな。」
「全部漫画のキャラだろうが!しかも、なんでここでアクエリオンだ!」


さて、この辺でぼちぼち彼らが今の状態に至った経緯を説明しよう。
「いい加減同じ方向に進むのも飽きた」という将軍の鶴の一声により、三人は縦軸に進行方向を変えて進むことになった。
しかし、A-4から反対側に出るとそこは海。ワープしたとたんにヒュー、ボチャン。
で、必死で岸まで泳いで現在に至る、というわけだ。


「む、そういえば途中、波しぶきがデイパックにかかってしまっていたな。
大切な荷物が濡れていなければよいのだが。」

熱血怪人の声など意に介さず、将軍はいそいそと自分のデイパックから所持品を取り出して確認する。
出てきたのはおなじみコーヒーセット。続いてコーカサスブレス&ゼクター、穴の空いたマント。そして、本が一冊。

「あれ?将軍、こんなの持ってたっけ?」

表紙にタイトルだけが書かれたその本に、LXは興味を示す。

「ああ、まだざっと目を通しただけだがな。何せ、ここまでクライシス帝国の指揮官として働きっぱなしだったからのう。」
「で、なんの本なんだ?」

LXが手にした本を、熱血怪人が横からのぞき込む。

「みWiki?これってみゆきさんの通称で、本の名前じゃないんじゃ…。
あー、でも、漫画ロワの死亡者名鑑でみゆきさんがこんな本持ってたっけ…。
なんにせよ、思いっきりハズレ支給品だな、こりゃ。」
「何を言う、知識はすべての基本であろう。多くの知識を持ってこそ、よりよいギャグが生み出せるのだ。
第一、知識を否定して書き手が勤まるのか?」

熱血怪人の発言に、将軍は眉間にしわを寄せて反論する。

「まあ、そりゃもっともだけどさ…。殺し合いの場じゃ必要ねえだろ、こんな豆知識。」

反論に反論を重ねる熱血怪人。その横で、LXはぱらぱらとみWikiのページをめくる。

3103今・手の中にある・雑学が・脳を・閃かせる:2008/03/23(日) 06:39:51 ID:ilf1Cmpo0
「んー?なんだかこの本、作りがめちゃくちゃだなあ。」
「お主もそう思うか、魔王よ。その本、書いてある豆知識はまともだが、構成がめちゃくちゃなのだ。
項目がジャンル別でもなければ五十音順にもなっていない。適当に並べているとしか言いようがない。
おまけに、変なところで白紙のページが入っておるし…。乱丁本かのう?」

(確かに、項目の並び方には何の法則性もない…。でも、それがかえって気になるんだよなあ…。
法則性が見あたらないからこそ、何か思いも寄らない法則性が隠れてるような気がして…。)

本を片手に、LXは脳細胞をフル稼働させる。ちなみに将軍は、ぼちぼち飽きてきたのかコーヒーブレイクの用意を始めている。
それについて熱血怪人が何やら文句を言っているようだが、LXの耳には入らない。

(最初の項目が「栗」か…。その次は「備長炭」。そして「稚内市」。うーん、カオスだ…。
あれ?これってもしかして…。うん、この先もつながる…。この白紙のページがピリオドの意味だと考えれば…。)

心地よいコーヒーの香りが、LXの思考を加速させる。

「どうした、何か気づいたことでもあったか?」

LXの表情から何かに気づき、将軍が声をかける。

「いえ、気づいたというか…。まだ妄想の域を出ませんね。もう少し確信が持てたら話します。」
「ム、そうか。」
「何だよ、気になるじゃないか…。」

明らかに落胆の色を浮かべる将軍と怪人に、魔王は苦笑で返す。

(そう、これが僕の考えたとおりのメッセージだとしたら、話は一気に進む。
けど、もし間違っていたら要らぬ混乱を呼んでしまう。
だいたい、これを支給したのは主催者サイドなんだ。罠って可能性だって十分にあり得る。
けど、これが正しいのなら、主催者陣営の中にこのメッセージを紛れ込ませた裏切り者がいることになる。
もしそうだとしたら、脱出エンドが可能性を増してくるな…。
とにかく、まずは確認が最優先かな。その辺に死体が転がってればいいんだけど…。)

そう、事実はLXの推測通り。
殺し合いの役にはまったく立たない。ネタとしても中途半端。出典にも無理がある。
何のために支給されたのかわからないアイテム、みWiki。
実はこの本は、主催の中の対主催である感電からの出血大サービスだったのである。
チート支給品+もう一つのハズレ支給品とセットにしたのも、この支給品の存在が浮かないための配慮だったのだ。

では、みWikiに隠されたメッセージとは何だったのか。それは項目の並び方にあった。

「栗」
「備長炭」
「稚内市」
「阪神タイガース」
「衆議院」
「ロールプレイングゲーム」
「ウサギ」
「東京タワー」
「ニラ」
「モモンガ」
「蛤」
「ズッキーニ」
「セーラー服」
「ルビー」
(白紙)

これを仮名に直し、後は暗号の初歩である縦読みをすれば…。

3104今・手の中にある・雑学が・脳を・閃かせる:2008/03/23(日) 06:42:04 ID:ilf1Cmpo0
【夕方】【H-4 市街地】
【チームBADAN+新生クライシス帝国(仮称)】

【速筆魔王LX@アニロワ2nd】
【状態】健康 、ずぶ濡れ。
【装備】虎竹刀with千年パズル。
【道具】支給品一式、みWiki@らき☆すた?
【思考・行動】
1:首輪をもう一つ入手して、自分の解読が正しいのか確かめたい。
2:このハゲ、ひょっとして……?
3:『白猫』って誰?
4:対主催陣を探し、ゲームに乗った強敵を撃破していく
5:でも別に何エンドでもおっけー

※主催者陣営に裏切り者がいるのでは、と考えています。



【蘇った現代の熱血怪人@漫画ロワ】
【装備】:バヨネット×2
【所持品】:支給品一式
【状態】:疲労(小)、ずぶ濡れ
【思考・行動】
基本:打倒、主催!
1:俺は正義の味方!
2:仮面ライダー書き手の『ライダー魂』を蘇らせる。
3:やっかいなおっさんを仲間にしてしまったorz
4:『白猫』って誰だ?!
5:どこかで鬱展開にもって行きたい……って既に鬱!?



【ギャグ将軍@ライダーロワ】
【状態】:健康
【装備】:杖@ライダーロワ、王者のマント@FFDQロワ
【道具】:支給品一式、コーヒーセット一式@スパロワ、コーカサスブレス&ゼクター@ライダーロワ
    ジャーク将軍のマント@ライダーロワ、
【思考】:
 基本:新生クライシス帝国の結成
 1:電車のごとき速さで『白猫』を探し出してくれよう!
 2:Chain-情の計画に協力
 3:ついでに飲み友達を集める
 4:コーカサスゼクターの資格者を探し、コーヒーを飲む
 5:紅茶を飲むかどうかは保留
 6:対主催の仲間を集める(首輪解除スキルを持つ者を優先)
 7:第三回放送の頃には旅館に戻る。



 ※容姿はジャーク将軍@仮面ライダーBLACKです。
 ※ジャークミドラに似た、ギャーグミドラに変身できます。
 ※制限がライダーロワ基準だと思い込んでいます。
 ※シルベストリから、漫画ロワの知識を若干得ました。
 ※今はChain-情に協力的ですが、ちょっとしたことで心変わりする可能性があります。
 ※特殊能力:「書き手界の良心」に目覚めました。
   本気の一喝を放つことにより、悪ノリし過ぎている者に自重を強いることができます。
   ただし、ギャグ将軍の性格上、あまり多用されることはありません。
   真剣な人生相談に乗ることも可能。なお、発動中はピンク色がかかった女言葉になります。
 ※背中に謎のチャックを確認。ギャグ将軍曰く、開けると「大変なこと」になるそうです。詳細は不明です。



 ※固有結界「コーヒーブレイク」
   優雅なリネン一式の備わったテーブルと人数分の椅子を造り出し、皆でコーヒーを飲んで和みます。
   それ以上の効果は確かめられていません。
   コーヒーセット自体が発動させている可能性があります。


以上です。
自分で出したハズレ支給品は、自分で処理する。
というわけで、首輪解除フラグにしてみました。

3105名無しでもいいよ皆そう呼ぶから:2008/03/23(日) 16:27:59 ID:RZFEJRQE0
みwikiの縦読み露骨だなwww

3106名無しでもいいよ皆そう呼ぶから:2008/03/23(日) 17:41:07 ID:WWOdZvhM0
ある意味、このロワ会場にはこなたかがみゆーちゃんみwikiが揃っていると言えるなw
これでつかさがいれば……

3107名無しでもいいよ皆そう呼ぶから:2008/03/23(日) 18:07:30 ID:Jt7hSmZA0
>>3106
生首セットからつかさの生首@アニロワ2ndを出せばいい。

3108名無しでもいいよ皆そう呼ぶから:2008/03/23(日) 20:48:04 ID:788IMb7.0
死者スレのあの人をつかさに変身させればおk

3109名無しでもいいよ皆そう呼ぶから:2008/03/23(日) 22:20:39 ID:Ws3Nd.n20
タイトルに納得wサジタリ〜

3110名無しでもいいよ皆そう呼ぶから:2008/03/24(月) 09:43:17 ID:71VwOiJM0
ニコ勢のマント被ったままのメンバー中に、あの驚きの黒さバージョンがいる気がw

3111意思×支給品=影丸:2008/03/24(月) 16:16:05 ID:SBEK93FA0
『影丸!』
「…………」
『影丸!!』
「…………」
『アッーーーーーーーーな事になった意外な影丸?君』
「……ふへぇ?」

目を開けるとそこは薄暗い部屋の中だった。
その部屋の中央で俺――意外な影丸?は長い眠りからようやく覚醒する事ができた。
身体の節々が所々痛むが、一応五体満足な状態だ。
まああんな状態から生還できただけでも十分だったような気がするが、そこは素直に感謝しておこう。
ところで……

「あんた誰だ? 見たとこ紙切れにしか見えないが……
 あとキバット……あーエロい蝙蝠なんだが、知らないか?」
『まず私は支給品、名前は「漫画ロワwiki管理人」です。見ての通り今はエニグマの紙の身です。
 呼びにくかったら「フランシーヌ」と呼んでください。
 それとキバットというものならおそらく後10分程で帰還すると思われます』

影丸は知る由もないが、目の前にいるのはこのロワ内で幾度もの放浪を重ねていた漫画ロワwiki管理人、またの名をフランシーヌ。
余談だが、その度重なる放浪の影響か最初の雰囲気と若干変わっているが、そこは気にしない方向でいこう。

「えーと、とりあえず今の状況を教えてもらえるだろうか」
『それはキバットが帰還してからのほうがいいでしょう。
 偵察に出ているので、その情報のほうが適切でしょうから』

まあそう言われればそうなんだが、あいつが帰ってくるまで手持無沙汰というのも…………ん!? なんだこれ?

「あのーフランシーヌさん」
『なんでしょうか』
「このボロボロの少女趣味なステッキはなんなんすか」
『……それはカレイドステッキ。今あなたが無事でいるのはそのステッキのおかげでもあるのです』
「それはどういう……」
『あれは私とカレイドステッキが風に吹かれてここへ辿り着いた時でした――』



『影丸! おい起きろ影丸!』
『どうしたのですか』
『ん? なんだあんたは?』
『私は漫画ロワwiki管理人。フランシーヌとでもお呼びください』
『ああそれはどうもご丁寧にって!? 支給品じゃねえか。意味ねえよ』
『それはどういう意味でしょうか』
『もうじきこの辺りは最高に濃いエロスのオーラに覆われちまうんだよ。
 俺達支給品ならともかく、影丸は何とかしないと気絶したままジ・エンドだ』
『それは……でも私達では彼を移動させる事は到底不可能、万事休すでしょうか』
『ああせっかく巡り合えたっていうのに……』
『私が、なんとか……して、みま……しょ、う』
『カレイドステッキ!? あなたは先程のオーバドライブでボロボロのはず。そんな状態で動けば……』
『いいん、ですよ。どうせ、もう……なが、くない、この命、最後に役立たせるのは……支給品冥利に尽きるというもの』
『カレイドステッキ……あなた……』
『フランシーヌ様……あとは頼みましたよ……』



3112意思×支給品=影丸:2008/03/24(月) 16:17:39 ID:SBEK93FA0
『そう言い残してカレイドステッキは自分を犠牲にしてあなたをエロスのオーラから守ったのです』
「俺が気絶している間にそんな事が……」

自分は意志持ち支給品とつくづく縁があるなと思いつつ、影丸は手の中のステッキに黙祷を捧げた。
そして黙祷が終わったのを見計らってか、ようやくキバットが帰ってきた。

『よう影丸。ようやく起きたか』
「キバット。俺が気絶している間大変だったんだな」
『まあな。あんま気負うんじゃねえぞ。そいつは支給品としての本分を全うした、それだけだ』
「おまえ、しばらく見ないうちに随分と性格が変わったような気がするのは俺の気のせいか?」
『な〜に、カレイドステッキの最期に支給品根性を垣間見ただけだ。
 しばらくは真剣モードでいくぜ』

まあ今のままずっといてくれれば、俺としては助かるんだが……

「それで今の状況はどうなっているんだ?」
『ああそうそう。じゃあ説明するぜ』

そしてキバットは俺が気絶している間の出来事を話し始めた。
そうあのエロスの権化によるエロス頂上決戦の結末を――

「……うそだろ、あの鉄槌さんが……死んだ……」
『嘘じゃねえよ。間違いなくその鉄槌とかいう奴は死んじまったよ』

俺は深い衝撃を受けていた。
もちろん鉄槌さんが死んだ事にも衝撃を受けている。
同じアニロワ1st書き手として他ロワの書き手より格別の思い入れもある。
だがそれよりも俺に衝撃を与えているのは鉄槌さんがエロ師匠に言った言葉だった。

――……で、おめぇはどうなんだ?! おめぇは何を考えてやがる!?

俺もエロ師匠と何ら変わんねえじゃないか。
特に考えもなしに行動した挙句によくわからん状態になったと思ったらそのまま気絶。
これじゃあ「エロを貫く」という行動方針で以て動いているエロ師匠のほうがまだマシなような気がするぜ。
まったく俺は何をやっているんだか。
首輪の解除、主催者の目的、マーダーの打倒、次に繋がるフラグの設置、何一つとして成せてはいない。

俺はここに来てから何をやっていたんだ……

『おい影丸! なに悩んでるんだよ』
「ほっといてくれ。どうせ俺なんていてもいなくても同じなんだ……」
『よし! そんな影丸にいくつかトリビアを披露してやろう』

は? こんな時にトリビア? 今なら「へぇ〜」じゃなくて「はぁ〜」になるぞ。

3113意思×支給品=影丸:2008/03/24(月) 16:18:11 ID:SBEK93FA0
『まずはお前の支給品だったドラえもんに関するトリビアだ。
 いくぜ。「ドラえもんにはいつのまにかポケットが付いていた」
 はい、へぇ〜』

フロアにキバットの声だけがむなしく響き渡った。

『……解説のフランシーヌ様、説明をお願いします』
『はい。ドラえもんには最初ポケットがなかった。
 これは影丸さん自身が確かめた事実。二人の登場話でもそう書かれていますね。
 しかしいつのまにかポケットが付いていた。その原因は……キバットにあります』
『なんと!?』

再びフロアにキバットの声だけがむなしく響き渡った。

『……解説を続けてください』
『はい……というより、ご自身から話したほうがいいのでは』
『それもそうだな。
 実は俺が目覚めた時は影丸とエロ師匠の戦闘中じゃなくて、ネクスト(ryが死んだ時にはもう目覚めていたんだ。
 そこですぐにお前の所に行かなかったのは、ぶっちゃけピンチの時に登場したほうがインパクトが強いと思ったからだ。
 という訳で、しばらく俺は会場中を遊覧飛行と洒落込む事にした。
 そしてその道中G-1辺りで破壊されたモビルスーツを発見したんだ。
 中にいる奴はもう仏さんになっていたが、幸いにもデイバッグが無事だった。
 そこで影丸への土産にと思って持っていく事にしたんだが、うっかり途中で落としちまったんだなあ。
 そしてそれを拾ったのがお前の支給品だったドラえもんで、バッグの中にはポケットが入っていたって訳だ』

キバットによる長い説明がようやく終わったが、別にどうでもいい事な上に大した蘊蓄にもならない。
影丸はノーリアクションだった。

『……よ、よし! 次のトリビアはドラえもん繋がりで焦ったドラえもんに関するものだ。
 いくぜ。「焦ったドラえもんの投げたドラゴン殺しを拾った人は二人いる」
 へぇ〜へぇ〜へぇ〜』

またまたフロアにキバットの声だけがむなしく響き渡った。

『……………………解説のフランシーヌ様、説明をお願いします』
『はい。焦ったドラえもんとはこのロワにも参加している人で、漫画ロワの書き手さんです。
 で、事の詳細ですが、それは現場を見ていたキバットにお願いしましょう』
『よし……って、また俺が説明するのかよ。まあいいか。
 焦ドラはロワ開始早々に自分の支給品のあまりの非常識さに半ばパニックになって手に取った物を投げていたのさ。
 その中にあの有名なドラゴン殺しもあったんだ。
 だが彼女は気付かなかったが、投げたドラゴン殺しは二つあったんだ。
 気付かなかった理由は単純に焦っていた、ただそれだけだ。
 そういう訳で焦ドラは一本回収したところで移動し始めて、もう一本の竜殺しはガッツみたいな奴が拾ったという訳だ』

いやこんな役にも立ちそうにもないトリビアを聞かされたところでありがたくもなんともないんだが。
いい加減、こいつが鬱陶しくなってきた。

『おい影丸。俺の話に込められたメッセージちゃんと伝わったか』
「メッセージもなにも、ただのしょうもない話じゃないか」
『断じてノォー! いいか、俺が言いたいのは、後からどうにでもなるって事だ!』

いや、全く意味がさっぱりなんですけど。
もっとわかりやすい日本語で言ってくれると助かるんだが。

『まあ確かにキバットの話は意味不明でしたね』
『そんなフランシーヌ様……』
『影丸いいですか。
 つまりキバットが言いたかった事は、結果は後から付いてくるという事なのです』

フロアにフランシーヌの声だけが優しく響き渡った。

『自分が何を為したのか、何を為さなかったのか。
 その時に下される評価がその時の全てではありません。
 全てが終わってから改めて評価を下される事も度々です。
 だから、今自分にできる精一杯の事を全身全霊をもって成し遂げればいい。
 結果なんてその後から勝手についてくるものです』

3114意思×支給品=影丸:2008/03/24(月) 16:18:41 ID:SBEK93FA0
全部理解したとは言い難かったが、だいたい言いたい事は理解できた。
悩んでないで前に進む。
それが今大事な事なんだろうってこいつらは言いたいのだろう。
支給品に諭される奴なんてそうそういないぞ。

「ありがとうございます、フランシーヌさん。
 なんだか気持が楽になりました」
『いえ私は何も……』
『影丸、俺への礼は』
「ああ、ありがと」
『それだけかよ!』

何が不満だったのかキバットは俺の頭を小突き始めた。
ああ、地味に痛いからやめてくれ。まだハゲにはなりたくないぞ。
と、そこで、フランシーヌさんが少々真剣な表情――紙だからよくわからないが――をしているのに気づいた。

「どうしたんですかフランシーヌさん」
『ええ私もそろそろ覚悟を決めました』
「覚悟?」
『……白状します。
 実は私は元々主催者側だったんです』

はいーー!? えーとそれはつまり……どういう事だ!?

『私は最初この会場の地図作りを任されていました。
 途中まではどこに使う地図かは知らなかったのですが、完成直前になってこのロワのものだと知りました。
 そこで私は脱出のための仕掛けを地図に仕掛けて皆さんの手助けにしようとしたのですが、運悪くばれてしまいました。
 罰として私はこのように支給品としてこのロワに参加させられる事となったのです。
 影丸さん、すいませんでした』

衝撃的な告白だった。
まさか目の前の支給品に、そんな過去があったなんて。

「謝らなくてもいいですよ」
『しかしわたしがもう少しうまく立ち回っていれば……』
「それこそ結果は後から付いてくるじゃないですか。
 今ここで俺に話してくれた事がでっかいフラグになるかもしれないじゃないですか」
『影丸さん……』
「貴重な情報どうもありがとうございました、フランシーヌさん。
 じゃあ、最初地図がなかったのは……」
『新しい地図はロワの開始には間に合わなかったようです。
 そして別の人が地図を作製し第一放送の時に配ったという事になります』

ではこの場合、誰が代わりの地図を作製したのだろうか。
地図を作るなんて芸当誰でも出来るって訳でもないし……まさか、あの人が……
可能性は0ではないか。

『それから私には一度だけ自ら制限を全て取り払って使う事ができる秘められた力があります。
 使い時はあなたが見定めてください。
 一応覚えておいてください』
「具体的には何ができるんですか?」
『すいませんが、それを言う事はできません。
 ただ私に関係する事、とだけ言っておきます』

私に関係する事? フランシーヌさんに関係する事って何だ?
まあその時になればわかる事か。

3115意思×支給品=影丸:2008/03/24(月) 16:19:21 ID:SBEK93FA0
「まあとりあえずそろそろ移動しましょうか」
『そうだ影丸。これ使ってみるか』
「ん!? 赤い玉……ってこれレイジングハートじゃないか」
『鉄槌の近くに落ちていたのを拾ってきた。
 使うかどうかはお前が決めな。
 まだしばらくはヒュッケバインMk-IIには変身できないからな』

どうするかって? そんなの決まっているぜ。
悩んでないで前に進む。今自分にできる精一杯を尽くす。
俺がやるのはそれだけだ。

「レイジングハート、セットアップ!!」
『All right』

新幹線でよく聞く声と共にバリアジャケットが展開されていく。
黒を基調としたジャケットに、両肩の部分には突起が付いている。
まさしくそれは時空管理局執務官、後のシスコン提督でもあるクロノ・ハラオウンのバリアジャケットそのものであった。
おそらく同じ杉田声に加えてシスコンという要素g「ちょっと待て! 俺はシスコンじゃないぞ!! 訂正しろ!!!」

「とりあえず、この格好になった理由はこの際無視しよう。
 それより俺って魔法なんて使えたっけ」
『まあ書き手ロワだしな。気にすんな』
「それでいいのか、キバット」
『いいんじゃないですか。
 それとカレイドステッキの置き土産の効果で影丸さんの魔力はかなり高めになっていますよ』
「フランシーヌさんまで……って、カレイドステッキには世話になりっぱなしだな」
『そう思っているなら、その分までがんばってください』
「はい」

なにはともあれ備えは十分。
あとは行動あるのみ。

「さてどこに行くかな」
『ざっと見回った感じだと病院に人が集まって行く感じだったぞ』

病院。怪我をした人はもちろんのこと、対主催の拠点として機能する事の多い場所だ。
この辺りでこのロワも一気に打倒してやるか。

「よし。じゃあまずは病院に――――」


「君が行く必要はない」


「!?」

3116意思×支給品=影丸:2008/03/24(月) 16:19:47 ID:SBEK93FA0
突然胸から腕が生えたかと思ったら、身体に力が入らなくなった。
おい、これってもしかして!?

「蒐集」
『Sammlung』
「があああああぁぁぁぁぁーーーーー」

やっぱりそうだ。これは闇の書の蒐集。アニロワに出ていたから若干知っているが、いったい誰が…………

『お前影丸に何しやがる!』
「穿てブラッディーダガー」
『Blutiger Dolch』

襲撃者の無慈悲な声と共に放たれた血染めの刃はキバットに容赦なく突き刺さり爆散した。
後に残ったのはボロボロになった蝶ネクタイだけだった。

「この辺りでいいか。ふんっ」
「がぁ!!」

ようやく腕が引き抜かれたが、もう立っているだけで精一杯だった。
バリアジャケットが解除されていないだけでも奇跡に近かった。
実際のところはレイジングハートの呪いのような効果で解除されていないだけなのだが。

「君にもう用はない。さようなら」
「簡単にさよならしてたまるか!
 意地があんだろ!男の子には!」

そう言って、ない力を振り絞って襲撃者に突撃を敢行したのだが――――

『Divine Buster』

最後に俺が感じたのは、重力に従って落ちていく感じだった。

  ◆  ◆

3117意思×支給品=影丸:2008/03/24(月) 16:20:24 ID:SBEK93FA0
派手好き地獄紳士666は今の襲撃に満足していた。

鉄槌を葬った後、ビルの上にワープした666だったが、辺りを飛び回る蝙蝠のようなものを見つけて跡をつけてみたのだ。
そこで彼らの話を逐一聞いてから、襲撃したのだった。
奪った影丸の魔力はなかなかのもので扱いに苦しんでいたエロスパワーの助けとなりそうだ。
ビルの下に転落した影丸の死体の傍には「黒猫」という血文字も書いてきた。
これで自分の悪名がまた知られる事だろう。
それでいい。
いまから「白猫」に会うのが楽しみだ。

「で、あなたはどうするんです、フランシーヌ様」
『そうですね。あなたに従います』
「おや、これは意外。てっきり何かしら反抗の意思があると思ったのですが」
『所詮私は支給品。その時の持ち主のために働くもの。
 支給品は自分で持ち主は選べない。あなたが持っている闇の書がその最たるものなのではありませんか』
「なるほど。自分は支給品だから持ち主に従うと。あっさりしていますね、恨んでいないんですか?」
『支給品に余計な感情は不必要。感情を得ようと努力しても疲れるだけ。
 そうまるで笑いを求めて彷徨ったフランシーヌのように』
「まあそういう事にしておきましょう。どうせあなたからは何もできないのだし。
 さてと魔力の補充もすみましたし、次はどこに行くべきか。
 病院に行くのも悪を演出するにはうってつけの場所ですけど……」

いつの世も悪は蔓延るもの……

【意外な影丸?@アニロワ1st  死亡】
【カレイドステッキ  機能停止】
【キバット3世(特殊仕様)  爆散】
※意外な影丸?の持ち物は全て黒焦げになって使用不能。


【午後/F-5/ビルの中】
【派手好き地獄紳士666@LSロワ】
【装備】:ゲート・オブ・バビロン@アニロワ2nd(※特殊仕様)、闇の書@アニロワ1st、
     クラールヴィント@アニロワ1st(ネコミミストと同じ物)、バリアジャケット
【所持品】:支給品一式、エリクシール瓶に入ったシャリダムのイケナイ触手汁、
      エニグマの紙「漫画キャラバトルロワイアルwiki管理人」
【状態】:闇の書発動、不死者化?、大量の精気(エロパワー)吸収
【外見】:黒いリボンドレス、背中から黒い六翼。長い髪は白く染まり後ろに降ろしている。眼鏡外し。
【思考・行動】
基本:極悪外道になった後、ネコミミストの前に敵として再会。ネコミミスト心から愛してる。
1:病院に向かうかどうか思案中。
2:マーダーとして悪行を積む。
2:戦力強化を図る。
3:ネコミミストの前に敵として現れ、最終的に喰われる。
※ゲート・オブ・バビロンで出せるアイテムをどれも『一応は何とか使いこなせ』ます。
 エリクシールと爆薬は使い切りました。
 浄玻璃の鏡の回数制限は残り2回。凛の宝石は残り7個。風の矢は残量不明。
 懐中時計型航時機『カシオベア』に(原作のように)ヒビが入りました。動作などへの影響は不明です。
※ゲート・オブ・バビロンで出せる新たに判明した物及び追加された物。
 アニロワ1stからディーヴァの剣、ルルゥの斧、マイクロ補聴器、
 鳳凰寺風の弓と矢、鳳凰寺風の剣、凛の宝石×10、闇の書。
 加えて――マテリアルブレード@テイルズロワ@XXX、クラールヴィント@アニロワ1st@XXX、
 不死の酒@アニロワ2nd(既に使用済み?)@XXX。
※闇の書と融合しているため、その内に言うまでもなく――
※エロスの鐘の煩悩寺と、エロ師匠の(ついでに大暴れ鉄槌の)精気を吸収しました。
 パワーアップしたのは確かですが、そのエロパワーを使いこなせるかどうかはまだ不明です。
 影丸の魔力を吸収したため、8割がた使いこなせるようになりました。
※「漫画キャラバトルロワイアルwiki管理人」は一度だけ秘められた力を使う事が可能です。詳細は不明。自身に関係する事?

3118意思×支給品=影丸:2008/03/24(月) 16:21:23 ID:SBEK93FA0
投下終了
影丸さん南無

3119名無しでもいいよ皆そう呼ぶから:2008/03/25(火) 07:15:14 ID:LdGRO0SQC
いつか誰かが言っていた。666がトップマーダーになるかもしれないと。
他のチート級と違って余計なことを考えたり、慢心したりしないし本気で狙えるかもね。
影丸さんは……阿部さんに掘られなかっただけマシかw

3120残されたもの:2008/03/27(木) 17:29:20 ID:GPxL0uZM0
このバトルロワイアルが始まってもうそろそろ18時間が経とうとしていた。
参加者達の叫びは天に響き、その血は大地を染め上げていく。
この地で出会った同志がいれば、必然的に別れもある。
その別れに立ち会った時に残された者が何を思うのかは当事者にしか理解できぬ心境である。
悲しみに暮れるのもいいだろう。
事実を否定するのも取り得る選択肢の一つだろう。
恨みや憎しみを心に抱くのも、それもまた人の業であろう。
だが、それで残された者が行き着く果てにどうなるのかまでは想像に難くない。
なによりここにいる者はロワという戦場で鍛えられた書き手という戦士である。
自ら、あるいは他の書き手によってキャラに別れを体験させてきた。
その果てに狂い、嘆き、怒り、恨み、喜び、さらなる凶行に走らせたキャラは数知れず。
そしてその結末も見届けてきた。

だからだろうか。
書き手は悲しみに暮れて足を止めるより、その死を乗り越えて先に進む事の尊さを誰よりも理解しているのではなかろうか。
キャラにも仲間の死を乗り越えて強い心で以って反逆の意を示す者もいる。
死を淡々と受け容れる者、激情の果てに受け容れる者、そのスタンスは様々であるが、共通している事が一つある。
それは仲間の死を無駄にしない事。
あるいは綺麗事と言われるかもしれないだろう。
だが……いくら嘆いたところで、いくら否定したところで、死者は生き返らない。
それが事実。それが真理。
だからといって、悲しみに浸る事が悪いという事では決してない。
どこかの書き手も言っていた。

――いつまでも悲しんでいてもなにも生まれん。ならば今は悲しみを一時胸にしまい、明るく笑って前を見るべきではないのか?

それもまた一つの真理――――

3121残されたもの:2008/03/27(木) 17:30:04 ID:GPxL0uZM0
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

H-6の海岸沿い。
そこに佇む三つの影。
速筆魔王LX、蘇った現代の熱血怪人、ギャグ将軍の三人である。
彼らの目の前には波飛沫が今なおかかり続けている二人の死体。

いや死体ならついさっきも発見した。
もっともミイラ化していた上に首輪が取られていたので生前の面影はほとんど残っていなかった。
辛うじてデイバッグが三つ残っていたのは僥倖だった。
一つ目――起のもの――には基本支給品しか入っていなかった。
二つ目――康一君のもの――にはそれに加えてアニロワ1stで活躍した技術手袋が入っていた。
そして三つ目――暮れなずむ内面描写のもの――には脱出フラグと成り得るノートパソコンが入っていた。

そしてこれで考察が大いに進むと期待に胸膨らましていた一行が見つけたのが海岸に打ち上げられた二人の死体。
一人はスクライドに出てくるストレイト・クーガーのサングラスを掛けた男性。
それだけならまだかっこいい兄ちゃんにも見えたのだが、サングラスの下の素顔は攻殻機動隊のトグサのものだった。
サングラスを取ったら、ナイスなおじさまという感じである。
クーガーとトグサ。おぼろげにフリクリ署長かと1st書き手でもある魔王は推測した。
そしてもう一人はまんまHELLSINGのセラス・ヴィクトリア。
こちらのほうは将軍が知っていた。
新生クライシス帝国の一員である焦ったドラえもん。
永遠のうっかり侍と共に温泉に向かった彼女がなぜこのような場所でその命を散らしたのか。
もしかして温泉で何かしらのアクシデントでも起こったのだろうか。
それは彼らには推測しかねるものだった。
一つわかる事はこの二人もさっきの三人同様にもう動く事がないという事。

「速筆魔王に熱血怪人よ。余はこれより急ぎ温泉に向かおうと思うのだが、付き合ってくれるか?」
「ええ構いませんよ」
「正義の味方である仮面ライダーとして目の前の事態を放っておくなんてできませんよ」

魔王と怪人にそれを拒む理由などなかった。

「異論は認めんかったがのう」

もとより二人に選択肢は存在しなかった。

とりあえず形見分けという事で男性のほうのデイバッグは持って行く事にした。
中には基本支給品の他にジャッカルが入っていた。
そして念のために装備品の有無を確かめてみると、意外なものを発見した。
それはiPodであった。
アップル社製の携帯型デジタル音楽プレイヤー、様々な機能が付いている便利アイテムである。
だが残念ながら度重なる戦闘と海に落ちた衝撃で全く使い物にならなくなっていた。
首輪も同様に電撃と衝撃で解析などできない状態になっていた。

「せっかくいいアイテムを見つけても、壊れているんじゃねえ」

iPodを見つけた怪人も落胆を隠せなかった。
だが魔王にはなにやら考えがあるようだった。

「たぶんそれ直せますよ」
「速筆魔王よ、それは真か?」
「ええ、将軍。さっき見つけた技術手袋を使えば、直せると思いますよ。
 まあ、時間が若干かかりそうなんで、温泉に着いてからってことで」

本当なら埋葬なり何なりするべきなのだろうが、今は時間が限られている。
仕方なく波のかからない所まで運んでおいて、冥福を祈っておいた。
そして彼らは一路温泉へと向かう。
もう誰もいないとは知らずに……

3122残されたもの:2008/03/27(木) 17:30:37 ID:GPxL0uZM0
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

それは惨劇と表現するのが適切だろうか。
まず見かけたのは黒焦げの死体と首輪。
次に地面に赤のアートを描いた少女の死体。
さらに進むと首から上がない死体、そして身体を真っ二つにされた永遠のうっかり侍の死体。
まさにここはバトルロワイアルの縮図ともいえる場所だった。

「生存者は……0だねえ、この様子だと」
「ああ、これをやった奴はかなりイカレてるな。
 普通にしたんじゃ、こうも無残な死体になる事はないだろう」

魔王と怪人はその惨劇に各々感想を述べた。
一方の将軍はというと、一人惨劇を見つめ物思いに耽っている。
その胸中にあるのは憤慨か、悲嘆か、あるいは……

「……コーヒーで一服でもするか」

そう言って将軍は一瞬でコーヒーセットをセットし終えると、コーヒーブレイクを発動させた。
その背中はどことなく哀愁が漂っているような気がするが、気のせいだろう。

「そっとしておこうか」
「クライシス帝国のメンバーが次々と死んでいるからな。
 さすがの将軍も休息が必要か」
「将軍。僕達はこの辺りを調べていますね」
「あまり遅くならぬようにな」

二人はコーヒーブレイクを満喫する将軍に断りを入れつつ、温泉と旅館を探り始めた。

「……下手な気を回しおって」

将軍の言葉はコーヒーを啜る音に紛れていった。

3123残されたもの:2008/03/27(木) 17:31:02 ID:GPxL0uZM0
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

結果、彼らは大量のアイテムを手に入れる形となった。
まずは首輪。
とりあえず使える首輪は四つ、サンプルとしては十分な数であった。
次に支給品。
斬鉄剣、核鉄「バルキリースカート」、焦ったドラえもんのデイバッグが瓦礫の下から見つかった。
これ以外に他に道具が落ちていないところを見ると、おそらくこれ以外のものは襲撃者が持っていったのだろう。
運悪く瓦礫の下までは目が届かなかったというところだろう。

「バルスカか。これは俺がもらうぞ、武装錬金『朝から晩までドキッ!ドキッ!』ってなんじゃこれーーーー」
「おお、それはドラえもんの支給品で発動の度に若本ボイスが発せられる優れものであるぞ」
「ちょっと待て! それじゃあ俺の声と一緒じゃねえか。ややこしいだろ」
「いいではないか。やはり新生クライシス帝国の次期主力兵器に相応しい。
 さっそく量産化の手筈を整えねば」
「勘弁してくれ……」

焦ドラ同様に若本ボイスのバルスカの鬱陶しさに僻遠しかけている熱血怪人。
それを大いに歓迎しているギャグ将軍。
そして速筆魔王はというと――

「ちょっと失礼……えーと、ここをこうしてああして……これでいいかな。
 熱血君、起動させてみて」
「ああいいけど? 武装錬金!……ん!? 武装錬金! おお、バルスカがまともになった!」

なんと魔王が少し弄っただけであの煩かった若本ボイスが嘘のように静かになった。
種明かしをすれば、技術手袋のおかげだ。
もともと改造が為されていた代物だけに、弄る時間は少しで済んだ。
ただし突貫だったため不意の拍子に声が出る可能性も無きにしも非ずという状態だ。

「して魔王よ、首輪のほうはどうであった?」
「それはこれから。サンプルも四つあるし、何とかなると思うよ」
「では頼んだぞ。こちらはノートパソコンを調べておくぞ。
 熱血怪人、おぬしも手伝え」
「はいはい」

残された者がとる道。
それは明日へと続く道。

3124残されたもの:2008/03/27(木) 17:31:53 ID:GPxL0uZM0
【夕方】【G-9・旅館】
【チームBADAN+新生クライシス帝国(仮称)】

【速筆魔王LX@アニロワ2nd】
【状態】健康
【装備】虎竹刀with千年パズル、斬鉄剣@ルパン三世、技術手袋@アニロワ1st
【道具】支給品一式×3、みWiki@らき☆すた?、首輪×4(素晴らしきフラグビルド、地味子、◆wKs3a28q6Q、永遠のうっかり侍)、
    iPod(故障中)、
【思考・行動】
1:首輪を解析して、自分の解読が正しいのか確かめたい。
2:iPodを直して中身を確認する。
3:このハゲ、ひょっとして……?
4:『白猫』って誰?
5:対主催陣を探し、ゲームに乗った強敵を撃破していく。
6:でも別に何エンドでもおっけー♪

※主催者陣営に裏切り者がいるのでは、と考えています。


【蘇った現代の熱血怪人@漫画ロワ】
【装備】:バヨネット×2、核鉄「バルキリースカート」
【所持品】:支給品一式×3、ジャッカル(5/6)
【状態】:疲労(小)
【思考・行動】
基本:打倒、主催!
1:俺は正義の味方!
2:仮面ライダー書き手の『ライダー魂』を蘇らせる。
3:やっかいなおっさんを仲間にしてしまったorz
4:『白猫』って誰だ?!
5:どこかで鬱展開にもって行きたい……って既に鬱!?

※核鉄「バルキリースカート」は修理されて普通の核鉄になりました。しかし不意に若本ボイスが出るかもしれません。


【ギャグ将軍@ライダーロワ】
【状態】:健康
【装備】:杖@ライダーロワ、王者のマント@FFDQロワ
【道具】:支給品一式×2、コーヒーセット一式@スパロワ、コーカサスブレス&ゼクター@ライダーロワ、
    ジャーク将軍のマント@ライダーロワ、ノートパソコン
    銀河ヒッチハイクガイド、咎人の剣「神を斬獲せし者」@AAAロワ、ドラゴン殺し@アニロワ1st、他にまだあるかも
【思考】:
基本:新生クライシス帝国の結成。
1:ノートパソコンを解析してくれよう!
2:速筆魔王が首輪を解析した後に『白猫』を探し出してくれよう!
3:Chain-情の計画に協力。
4:ついでに飲み友達を集める。
5:コーカサスゼクターの資格者を探し、コーヒーを飲む。
6:紅茶を飲むかどうかは保留。
7:対主催の仲間を集める(首輪解除スキルを持つ者を優先)

※容姿はジャーク将軍@仮面ライダーBLACK/ジャークミドラに似た、ギャーグミドラに変身できます。
※制限がライダーロワ基準だと思い込んでいます。
※シルベストリから、漫画ロワの知識を若干得ました。
※今はChain-情に協力的ですが、ちょっとしたことで心変わりする可能性があります。
※特殊能力:「書き手界の良心」に目覚めました。
  本気の一喝を放つことにより、悪ノリし過ぎている者に自重を強いることができます。
  ただし、ギャグ将軍の性格上、あまり多用されることはありません。
  真剣な人生相談に乗ることも可能。なお、発動中はピンク色がかかった女言葉になります。
※背中に謎のチャックを確認。ギャグ将軍曰く、開けると「大変なこと」になるそうです。詳細は不明です。
※固有結界「コーヒーブレイク」
  優雅なリネン一式の備わったテーブルと人数分の椅子を造り出し、皆でコーヒーを飲んで和みます。
  それ以上の効果は確かめられていません。
  コーヒーセット自体が発動させている可能性があります。

【備考】
※H-6にある死体の状況は次の通りです。
  起@スパロワ……ミイラ状態。ユーゼスセット(仮面とマントだけ)装備。上半身裸。首輪なし。
  康一君@漫画ロワ……ミイラ状態。吉良のネクタイとパピ☆ヨンのビギニ装備。スタンドは消滅。上半身裸。首輪なし。
  暮れなずむ内面描写@アニロワ2nd……ミイラ状態。上半身裸。首輪なし。
  フリクリ署長@アニロワ1st……サングラス(クーガー仕様)装備。核鉄「ピーキーガリバー」はアルター化の影響で消滅。
                 ちなみにサングラスの下の素顔はトグサ@攻殻機動隊でした。首輪は黒焦げ。
  焦ったドラえもん@漫画ロワ……手に画鋲を握っています。朝比奈みくるのメイド服装備。首輪は黒焦げ。
※将軍一行が見た死体は底上中の残月→地味子→◆wKs3a28q6Q、永遠のうっかり侍です。
 残月の首輪は黒焦げのため採取しませんでした。

次のSSにこの【備考】を乗せる必要はありません。

3125残されたもの:2008/03/27(木) 17:33:17 ID:GPxL0uZM0
投下終了。
うん、やりすぎた。
いろいろ集めすぎたかな。

3126名無しでもいいよ皆そう呼ぶから:2008/03/27(木) 18:26:24 ID:dx4VnEww0
投下乙です。
これは…何という脱出フラグ祭り。
ここまで脱出フラグが集まると、かえって危険な気がするのは自分だけかw

3127White Trick:2008/03/28(金) 23:18:25 ID:fIa1891E0
この世界の曖昧は論理によって包囲されている。
汝性別不明を装いて戯れなば、汝性別不明になるべし。

心せよ。君の前にも闇黒が現れよう。


進化とともに自然から見放された人類が生み出した生命のない木が幾本もそびえ立つ。
世界はそのビルで埋め尽くされている。
生きとし生けるものの気配が欠片もないこのゴーストタウンはまるで墓場の様だ。

既に落ちかけた日は空をこれでもかと紅く染め上げる。間もなく墓場は死者が統べる黒夜に沈む。
しかし、まだ日は落ちきってはいない。未だ尚ここは生者の領域、生きる者が命を賭けて戦っている。
そして墓場の静寂を破る者がここにいた。まるで夜の世界より一足先に出てきたような紫黒の闇が。
「はああぁぁぁぁあああぁぁぁ!!!」
「えええええぇぇぇぇぇいいッ!!!」
拳と拳がぶつかり合い、巻き起こった衝撃波が周囲のビルのガラスを片っ端から割っていく。
墓が生きる者に叶うわけがない。死者の怨嗟など生きる者に聞こえるわけがない。
ここはまだ生者の世界だと主張するように、二人は闘気を漲らせて自己を主張していた。
この墓場に眠るのは俺・私ではなくお前なのだと。
二人は弾かれるように飛び退き、構えを取り直す。
黒の仮面ライダー・お姉さまこと仮面ライダーオーガが銃剣『オーガストランザー』を取り出す。
銃口を眼前の敵に向けて構えるが、人を意識して撃つということに対する生理的な嫌悪が銃を震わせた。
「震えないで、私の手……決めたんだから! みんなで脱出するって……その為にあなたを倒すって!」
人として当然の怯懦を、意志の力で押さえ込み彼女は光弾を狙い撃った。
しかしその震えを抑えるまでの数秒は、彼女の敵にとって十分すぎる時間だった。

――STRIKE VENT――

光弾が敵に着弾し煙を天に巻き上げる。生身の人間ならばこれでも十分に殺傷能力のある一撃。
しかし、相対する敵には――紫の仮面ライダー・熱血王子こと仮面ライダー王蛇には届かない。

3128White Trick:2008/03/28(金) 23:19:51 ID:fIa1891E0
腕に装備された手甲が弾着を滑らせ、直撃には至っていなかった。既に先程契約したミラーモンスターは消えうせている。
「!?」
「オイオイオイオイ? 威勢の割には攻撃が緩いじゃねえか。痛い、痛いぜェェ…俺の頭もお前の頭も。
 アレか? 結局口だけだなあお前はよおおおお? ムカツクんだよなああああ!!!」
お姉さまの中途半端な攻撃に安堵することなく、寧ろそのイライラを高めて突撃する。
「しまっ……」
アニロワの外道牧師かくやといったイライラぶりのおかげか、今までとは比較にならない速度で突撃する王蛇。
手甲についた爪を前に突き出しパイルバンカーのような鋭い一撃に。
咄嗟のことにオーガは銃剣の短剣部分で心臓への杭打ちを防ぐのが精一杯だった。
「さっきの口振り……お前人を殺したんだろお? 言わなくても分かるぜ、臭いでなあ……」
しかし王蛇は突撃を止めない。オーガごと持ち上げて突進を再開した。
「クッ……」
「何でだよ? 何でなんだよう?」
オーガの背中がビルにぶち当たっても止めない。壁を突き破ってそのままビルに入る。
「お前みたいな甘ちゃんがなああああんんでキルマーク上げてんだよぉぉぉぉぃっっっっっ!!!」
オフィスなのだろうか平社員の机を軒並み吹き飛ばし、課長の机も窓際社員の机も平等にオーガの背中で破壊される。
「俺がメチャクチャなキャラ造形やチート対主催相手に撃墜数ゼロで苦しんでるのに、お前はァァァァ!!」
給湯室を破壊し、壁を抜いて再び外に出るがそれで止むほど王蛇…熱血王子に蓄積された鬱憤は軽くはなかった。
「俺はマーダーだ!」
二件目に入ったデパートの化粧品売り場ごと貫く。
「サラマンダーじゃねえ!!」
三件目の1階内蔵型コンビニエンスストアを押し通る。
「なのに、何でお前がそれ(撃墜数)持ってるンダヨォォォォ!!!!!!!!!!!」
四件目のメガネショップを潰す直前王蛇の体がグルンとねじ曲がり、その反動で生まれたエネルギーが投げに転換される。
斜め上に投げられたオーガは壁走りよろしくビルを縦に転がっていった。

3129White Trick:2008/03/28(金) 23:20:21 ID:fIa1891E0
その奇怪な光景を眺めることもなく、王蛇はハアハアと息を荒げて頭を抑える。
「くそ……俺はサラマンダーじゃねえ……俺はマーダーなんだ。
 あんなクソよりももっともっと殺害数を稼がなきゃいけねえんだ……じゃねえと、ピエロじゃねえか!!」
一刻も早く殺さなければならない。アイツよりも多く殺すんだ。まずはアイツで一人、その後…
ん? 待てよ。アイツを殺せばアイツが殺した分も俺の分。二人分で一人しか殺してないあの屑に勝てる。万々歳だヒャハハハハ!!!
ジャイアニズムと幼稚園児の計算の化学反応のような思考すらも、今の彼には喜びにしかならなかった。
だが、すぐにその喜びはさらなるイライラに掻き消される。王蛇は自らの武器を忌まわしげに見た。
「咄嗟にアドベントカードを使っちまったのは不味かったな。こいつじゃ仕留めきれないかもしれねえ。
 クソ……変身が解ける前に潰さねえとなんねえのによぉ!!」
本来の変身であるウルトラリングはオーガの手中にある以上、武装はともかく変身解除後の戦力は大きく減る。
いくら狂気に侵されているとはいえ、その場合の勝率が落ちることは疑いようがなかった。
「畜生! 俺はこんなもんじゃねえ!! もっと強い力さえあれば、俺はいくらでも殺せるんだ。
 殺せるんだよ!! どいつもこいつもそれが分かってないだけなんだよ!!」
癇癪を起こした子どものように喚く王蛇。
「力さえあれば、これよりももっと強い力……カードさえベントできればッ!!」


『またぁ〜〜〜? もうしょうがないなぁ〜〜〜かが……じゃなかった。熱血王子さんは〜〜〜』


その時感じた悪寒を表現する術を熱血王子は持ち合わせていなかった。
背筋に鉄骨を通されたかのような、名前が指す熱い血潮を凍らせらかのような、と言ってもまだ足りぬ。
邪悪とも害悪とも言い切れない、不透明な密度。
形容不可能。書いてる本人すらも書き手として敗北宣言をせざるを得ない。
ただ、「黒い」そうとしか言うことのできない「何か」を王蛇は足下から認識していた。
はっと足下を見る。
王蛇の目には何も異質など無く、ただ日がさらに落ちて伸びた影が王蛇の足にまでかかっていただけだった。

3130White Trick:2008/03/28(金) 23:21:30 ID:fIa1891E0
「なんだ…驚かしやがって……ん?」
そこで王蛇は異変に気付いた。装備していた手甲が消えていたのだ。
数秒訝しんだ後、ある事実を体内から理解する。
「まさか………カードの使用制限が無くなったのか!?」
ベノザイバーとカードデッキを確認してみるが、どうにもそうとしか解釈ができなかった。
本来一回の変身で一度しか使えないカード、その使用制限解除。
あり得ないハズの事態を眼前にして、王蛇は、熱血王子はこの世のどんな動物より純粋に獰猛に笑った。
「いいじゃねえかヒャハハハハ!!!! 最高だぜ、これで殺しきれる。アイツを殺しきれる!!」
笑いながらビルの屋上を見た。そうとなれば急がなくてはならない。
まだそこにいるだろうオーガを変身が解ける前に殺さなければ。
体内より沸き上がる殺人コールを受けて、王蛇は一足飛びでビルを駆け上がった。

『―――――い……』

ただ、その殺人コールの中に微かに別の声が混じっていたことに気付かないままで。


ビルの屋上まで吹き飛ばされたオーガ……お姉さまは体を丸く埋めたままピクリとも動かなかった。
そのライダースーツ越しの背中には無数の打撲と多数の擦り傷、少数の硝子片が混じり血の涙を流していた。
しろがねの耐久性とライダースーツが無ければ耐えきることなどできなかっただろう。
そしてお姉さまもまた顔を床に突っ伏して嗚咽を響かせていた。
想像を絶する痛みと、そして自分の覚悟の弱さに泣いている。
(私は……私は、どうしたらいいの……?)
指の先までダメージと疲労と絶望に侵されて少しも動かない。
必死にマーダーとして自分を確立しようとしている熱血王子と、迷い惑いフラフラと悩む私。
正念場で賭ける意志の重みが決定的に違う。勝てない。私はどうやったって勝てない。
(だって、だって私は……それでもあの人を哀れんでいるから……助けたいと思っちゃったから……)

3131White Trick:2008/03/28(金) 23:22:01 ID:fIa1891E0
いくら非情系対主催のような腹括りをしたところで、一朝一夕に変わる物ではない。
決して望んでではないとはいえ、一人殺してしまった自分にそんなことを言う資格が無いのは分かっている。
だが、それでも願いは変わらないのだ。
ロワが、書き手が、読み手が、ロワに関わってくれている全てをこの人は愛しているのだから。
(でも、私にはこの人を殺さずに勝つだけの力が無い……かといって殺したくない……私も死にたくない…)
彼女は嗚咽を堪えるように唇を強く合わせた。動かない指をかろうじて握る。
「もう少し、もう少しだけ力を貸して……みんな……いつか届いてみせるから。
 どれだけ遠くても、きっとこの願いを、叶えてみせるから!」
志半ばに散っていった書き手達に希うお姉さま。
その様は卑しき物乞いのようにも何人たりとも侵せざる聖者のようにも見えた。

ドクン。

その時だった。お姉さまの体内に、それが起こった。
「何、あ――ああああッッッッッッッッ!!!!!!!!!」
胃の中に生ぬるいものが流し込まれる。液体だろうか、それにしては粘性が強く感じられた。
異物を直接体内に発生させられるという奇想天外の状況に、お姉さまはただ体をくねらせ足掻くより無い。
「う……うううんんん……やめ、流し込まないで……」
胃袋が宇宙並の大きさだ、という大食い自慢をふと思い出す。
これは正にそれに近かった。まるで自分の胃とどこか別の宇宙が回廊で繋がったかのような違和感。
彼女が侵略に耐える様はある種の小宇宙戦争だった。
遂に堪らずお姉さまが外に舌を突きだそうとしたとき、突如事態が進展した。
「くぅぅぅぅ…もう……え?」
先ほどまでの腹部の痛みが、すうっと引いていく。
それだけではない。先ほどまでの背中の痛みも引いていったのだ。
「私……まだやれるの? ……ううん、やる。今度こそ、やってみせる」
指を動かし、手を動かし、そしてお姉さまは肘を立てて上半身を起こす。
血潮が沸き立つように熱くなっていく。赤血球が懸命に体に酸素を運ぶ姿がありありと想像できた。
「私の本当の覚悟を、全力でとおしてみる!!」
膝を動かして、腰を持ち上げる。1㎝上に進むほどに、どんどん体が元気になっていくのが分かる。
臍の下に、丹田に言いようもない熱さを感じながら、お姉さまは、仮面ライダーオーガは毅然と立ち上がった。

3132White Trick:2008/03/28(金) 23:22:47 ID:fIa1891E0
王蛇がジャンプでオーガのいる屋上に舞い降りる。
あれほどまでに痛めつけたはずのオーガが立っている目の前の光景に、マスクの下で凶眼を細めた。
「チッ……手応えは合ったハズなんだがなあ……まあいい。どのみち今から殺すんだから関係ねぇ」
王蛇がベノザイバーにカードをセットする。
「もう一度だけ聞かせて。貴方は今までもそしてこれからも、書き手を恨み続けていくの?」
オーガは半身を前に突き出し、王蛇からみた自身の有効打突部を削減した。
龍騎系ライダーがカードをベントしたら用心すべし。幼子とて知らぬものはない鉄則である。

――SWORD VENT――

どこからか飛び出した、蛇の名に相応しい蛇の尾を彷彿させる剣を王蛇は手にした。
「ああそうだ。俺は恨む。復讐を果たさなきゃ俺は前に進めない。
 それに、お前らの言ってることは結局表面だけのキレイゴトだ」
王蛇が剣を構えオーガ目掛けて一直線に走り出す。
「――――――可哀想な人ね。でもその悲しさは、きっと私の中にもある」
オーガは銃剣を前に出して、祈るように腕を組んだ。
その後、ベルトのミッションメモリーを取り出し、オーガストランザーへと装着する。

――Ready――

オーガストランザーの刀身が伸びて、「冥界の剣」の異名に相応しい長剣へとモードを変えた。
王蛇とオーガ。二つの剣は真っ正面から打ち鳴らされた。
次第に剣戟戦へと様相を呈していく最中、王蛇が言う。
「書き手が好きだ? 反吐が出る。
 予約を取られて恨んだことはないのか? 自分の立てたフラグを次の話で潰されたことはないか?
 先に予約されたから仕方ないと筆を止めたら延長の末破棄されたことはないか?
 自分の書いたキャラ像が欠片も理解されなかったことは無いか?
 結局、人が二人いれば争うんだ。例え書き手だろうと、いや書き手だからこそ、この憎しみは一人になるまで止まらない」
猛毒の剣ベノサーベルを振って、王蛇はハッキリと言った。書き手達の心に巣くう闇を代弁するかのように明朗と。
「ええ。私も書き手だから、そういう闇を否定する気はないわ」
オーガは、斬撃全てを受け止めながらそれでもい一歩も退かなかった。

3133White Trick:2008/03/28(金) 23:24:04 ID:fIa1891E0
「でも、それでも私達はパロロワにいる。
 本当に一人でいいならネギまみたく一人でやってもいいし、もっと簡単に個人サイトでやればいい……。
 それでも私たちがリレーという形態を取っているということ。その意味を考えて。
 貴方は、本当に一人になってしまってもいいの!?」
まるで互いの剣が吸い寄せられるように打ち合っていく。
全てを愛する者と全てを憎む者。対極にありながらその根源に弄られキャラという同じ傷を持つ。
全く噛み合わない故に、鏡合わせにはこれほどまでに符合している。
「……うるさい!!」
王蛇が大きく振りかぶった。その間隙をオーガは見逃さない。
「私たちは――――――書き手である前に、人なの。人は、支え合わなければヒトでしかない!!」
ベノサーベルを剣で吹き飛ばし、オーガが一歩前に踏み込んだ。
カードは原則一戦闘に一回。屋上に来る前に一回リセットしたとしても、新たなカードは使えない。
ここが勝負所とオーガはもう一歩踏み込もうとした。しかし、
「なら俺はヒトでいい!! この身は既に復讐鬼、イライラと恨みさえ晴らせるなら、人間である必要もない!!」
オーガは、お姉さまはある事実に気付いて踏み止まり、半歩で踏み込みを抑えた。
(おかしいわ……いつからなの? 王蛇のライダースーツが、紫から黒になってる!?)
その空いた僅かな隙間で、オーガは王蛇がカードに手を出していたのを確認する。
「俺は殺人鬼! 現人鬼なり! 高々人の分際で、俺に勝てると思ったかああああ!!!」
オーガが目だけで剣の弾かれた方向を見るが、剣は見あたらない。
既に剣は失せ、大蛇が後方ジャンプを始めた王蛇の後ろに控えていた。

――FINAL VENT――
「ベノクラァァァァァッッッッッシュ!!!!!!」

召喚されたベノスネーカーの口元へ飛び、大蛇の力と自らの力の全てを足に込め、
オーガへと突進した。そこから繰り出される連続脚は無影脚に勝るこそ劣らない。
剣を失ったことに意識を集中させて、大技で屠る必殺の計略だった。

3134White Trick:2008/03/28(金) 23:24:38 ID:fIa1891E0
「勝つわ。ヒトが人であることの尊さを忘れた貴方の力なんかに、私は負けない。その怨念、ここで終止符を打たせて貰うわ!!」

――EXCEED CHARGE――

しかし、間一髪でその計を見切ったオーガは自らも虎の子を切った。
オーガドライバーよりエネルギーを注入された刀身が巨大化し、見事なまでの黄金の宝剣が完成する。
超特級の魔剣の扱いは永遠神剣でなれたものとばかりにその特性を理解し、剣を背負う。
「ここがビルの屋上で良かった……ここなら、地上を焼き払う憂いもないッ!!」
某騎士王のようなことを口走るオーガ。それも当然。
その極光は何よりも眩しく彼女の願いを遍く世界に徹す意志の具現。
例え偽善だろうとこの輝きがある限り、どこまでも真っ直ぐに行ける。

「オーガ……ストラァァァァァァァッシュ!!!!!」

オーガの叫びと共に巨大な黄金の輝きが夕闇を切り裂いていく。
光に包まれた王蛇の視界に、黄金のΩのマークが映りかける。
ベノクラッシュのエネルギーと相殺している今はまだしも、それが切れればこの身は灰と変わるだろう。
「くそ……クソクソクソクソッ!! なんでだ! なんでお前はそこまで俺の邪魔をするんだ!!」
「まだ分からないの!? 私は、ただ貴方を!!」
「うるさいうるさいうるさいッ!! ご託なんていらねえ!! お前の命だけでいいんだよおお!!」
イライラを極限にまで高ぶらせる王蛇。だかといって、王蛇には既に打開策が殆ど残っていなかった。
カードは無制限に使える以上、策が尽きたのではない。変身時間の終了が近づいていたのだ。
「まだ……手はあらぁ!!」
王蛇はダメージを受けながらも杖を取り出し、大分減ったカードデッキから一枚の黒いカードを引き、杖に入れる。
(また黒色…? 一体何が…いや、それよりあのカードは!!)
オーガが疑問を完成させる前に、その効果は発揮された。
突如宝剣の光が弱まり、効果が薄れていった。まるで王蛇を敵と思わなくなったかのように。
そして手に持つオーガストランザーが見えざる引力に引かれたように王蛇の元へ向かう。
「その剣…その剣さえあれば、俺はもっと、もっと殺せる!! それを寄越せええええ!!!」

――STEAL VENT――

他のライダーが召喚した武器、防具の奪取するアドベントカード。
実際には使われていないが、設定的には王蛇のデッキにも入っているのだ。
そして、その黒いカードの力かはたまた龍騎ライダーではないオーガ故か、効果はそれだけでは済まなかった。

3135White Trick:2008/03/28(金) 23:25:23 ID:fIa1891E0
「えッ? 嘘、変身が強制的に!?」
カードが定めた、防具のカテゴリに、ライダースーツそのものが組み込まれたのだ。
「武器だけじゃ意味ねえだろおが! ハッピーセットに決まってんだろ!!」
制限時間がまだあるライダースーツを奪えばいい、王蛇が考えたことは実にシンプルだった。
オーガが腕を自分の体に回し抱きしめるようにスーツを手放すまいと抱える。
ドクン。
(アアンッ……また、お腹の下が……一体何なの!?)
しかし、スーツの中で下腹部に妙な気配を感じたお姉さまの意識がそちらに揺らぐ。
かくしてオーガの健闘は空しくお姉さまとオーガフォンは分離された。
「寄越せ寄越せ寄越せ寄越しやがれえ!!」
そして未だ残留し暴れ狂う光の中で、ゆっくりとオーガフォンは王蛇の手元に進む。
王蛇もまた爪の端まで進めようと手を伸ばした。もう少しで手が届く。さらなる高みへ更なる力へ。
「は、はあ……そうやって何かを奪っても、貴方は満たされることはないんだよ!?」
しかしお姉さまの声が王蛇の耳に入り、反射的に指を曲げてしまう。
「しまった!」
時間は残酷なもの、指をもう一度伸ばす前に王蛇の変身もまた解けてしまう。
光が全て消え失せあとに残ったのは満身創痍のお姉さまと熱血王子、
そして暫くは使い物にならない携帯電話とカードデッキだけだった。

「ちっ、くしょうが!!」
血塗れの頭を振り被って熱血王子は立ち上がる。しかし、頭から大分その熱血を流しすぎたか足がふらついていた。
「どうして、邪魔ばっかするんだよ!! 大人しく俺に殺されればいいんだよ!!」
吼える王子の向こうで、フェンスに寄りかかって座っているお姉さまがいた。
座っているというよりは、立てないというほうが正しいことはその汗が物語っていた。
「だから、ハァ…私は、貴方を見てると辛いの!! 同じ、うぅん…弄られキャ、あん♪ キャラだから、分かるの。
 色んなネタを詰め込まれて、ンンンッ! い、いいように使われる気持ち、私にも、分かるよ……痛いくらいに……」
痛みで意識が朦朧としているのか、お姉さまの表情には陶酔にも似た恍惚が浮んでいた。
肌から玉のような汗を立たせスリットから伸びる美脚をすり合わせてモジモジする様はなんとも言いにくい感情を想起させる。
ただし、あくまでこれは一般的な見地からの感想であり当の両人にとってはそれどころではない。
今の熱血王子に殺人欲こそあれど性欲は欠片も見当たらず、
お姉さまにしてみれば文字通りの異常事態に他ならなかった。
「勝手に判った気になりやがって……そうやって他人の意見を善意とやらで駆逐するから、偽善者ってんだよお……」
「偽善でもいい……それでも、私は、自分を曲げたくぃぃうん♪ ……曲げたくないの……」
(本当に、どうしちゃったの、私の身体…お腹が、ううん…もっと下…が、熱くてたまらない……)
ようやく足の震えが収まった熱血王子と、フェンスをよじるようにして立ち上がったお姉さま。
仮面ライダーというある種攻防一体の万能アイテムを限定的に失い、互いに大幅に戦力を落とした両者。
既にある種の空気を両者は感じ取っている。隙を見て回復を狙えば確実にそこを殺される程の極限…俗に言う「次の一撃で決まる」だ。
一触即発のこの状況は五分五分の戦闘を演じきったものにしか至る事の出来ない境地である。

3136White Trick:2008/03/28(金) 23:26:37 ID:fIa1891E0
しかしこの拮抗は先程までの話。既に天秤は傾き、現在優勢を保っているのは、
「長かった…吐き気がするほど長かったがよぉぉぉ……この勝負、俺が殺してジエンドだ」
そう、熱血王子のほうである。
互いに残った手札の中で、唯一熱血王子だけが『確実に』勝利できる手札を持っていた。
熱血王子が持つPS2ソフト「スーパーロボット大戦OG外伝」に同梱されたシャッフルバトラーでいうところの「必中」系のカードである。
何でも切れる剣やファイナルスパークでは得られない貴重な特性をそれは持っていた。
「ブラスター…リミット1・解除!」
熱血王子が持つは宝具『破棄すべき全ての手』。
因果を超えて事実を改竄してでも手首を切り落とすことに特化した使えるんだか使えないんだか分からない武器である。
しかし、紛れも無くその武装特性は「必中」。そして攻撃力不足を補う手段は既に模索されている。
「ブラスター……リミット2・解除!!」
外見ルルブレのその短刀が怪しく黒に輝いた。
鍛錬の末に見出したリストブレイカーの殺人形態・ブラスターモード『破棄すべき全ての首』。
これこそが熱血王子の絶対にして不動の個性。
使えないネタ技だからと捨てることも無く初登場から一つも変わることの無いそれこそが、熱血王子が最後に頼むべき技に相応しかった。

「俺の憎悪よ…俺に力を。ブラスタァ…………ファイナルリミット・解除ォォォ!!」

そして彼は漫画ロワの書き手、死地にて限界を破ることを是とする熱血世界の住人である。
短刀が黒い影に包まれ、既に世界の殆どを支配した夜の陰を吸い込むようにして膨張する。
言いようの無い何かを感じ取ったのか、息を艶かしく上気させながらも青龍偃月刀を強く握りしめる。
しかし矢張りどこかふらついた様子で、内股になって腿を摺り寄せている有様では凌げるかどうか怪しい。
もっとも、たとえ万全でも因果操作系のネックブレイカーを青龍偃月刀で止めることはほぼ不可能だが。
そして何より、今より繰り出されるのはそれより上位の技である。

3137White Trick:2008/03/28(金) 23:27:25 ID:fIa1891E0
今更な話だが、リストブレイカーの元ネタはともかく基幹として使用されている設定はFateの宝具・ルールブレイカーである。
しかし、形こそルルブレではあるが実際の性能はどちらかというと別の宝具・別の技に近い。
因果を逆巻き、手首を切ったという事実を作ってから攻撃する『破棄すべき全ての手』は『刺し穿つ死棘の槍』。
七つの首を狙い下される高速無比の七連斬撃『破棄すべき全ての首』は『是・射殺す百頭』……といった具合にだ。
そして、『是・射殺す百頭』を超え、今ここに熱血王子が具現化するものは。
「ファイナルモード…『破棄すべき全ての節(ジョイントブレイカー)』……!
 もう首だけじゃ済まさねえ。ありとあらゆる関節をぶった切ってやるからなあ!!」
新技の名前と共に払拭された影より出でたのは真っ黒なルールブレイカー。
人体を構成する骨は個人差はあれど200以上。
それらを一つ一つ繋ぐ100を超える関節をこれを以って全て切り落とす神速百連撃「射殺す百頭」。
命を奪うのではなく破壊し尽くすことにまで特化された凶技。それこそが熱血王子の選んだ切り札だった。
ありったけの狂気を技に詰め込んで、熱血王子は獲物へと進軍する。

熱血王子の最終攻撃を前にして、お姉さまはそれどころではなかった。
既に満足に立つこともままならないほどに足は震え、握った青龍偃月刀の柄を地面に打ち立てることでかろうじて自身を支えていた。
(嘘……これって……もしかして、まさか……)
お姉さまは既にこの異常事態にある種のあたりを付けていた。
だが、首を縦に振って認めるなど彼女には少々酷な注文だった。
(ディーの仕業……じゃないわよね。アイツ今いないし。これマジでやばいって。乙女…つーか人間として越えちゃいけない線だよこれ)
心の中で必死にその異常を否定しようとするが、それは無惨にも既に現象として確たる形を獲得していた。
その証拠として、既にお姉さまの身体に苦痛はなく、あるのは寧ろ
(き、気持ちよくなんて無いし。普通に全然気持ち悪いだけだし。あっ、あっああ……でも、でも…ッ!)
紛うことのない快楽が電気信号となって彼女の脳幹をとろけさせていく。
悪魔の囁きが聞こえ、自らを背徳的な気持ちにさせていく。
(もう、我慢できない……さ、触りたい。ちょ、ちょっとだけ、ちょっとだけ……)
まだ外には出ていない「それ」を触れば恐らくは凄まじい快楽が得られるだろうことはもう分かっている。
(でも、…駄目! それは、絶対に、駄目!!)
一度それにハマってしまえば、全てが終わってしまう。
エロゲーにおいてそのシチュエーションは大抵そういうものなのだ。
腰が砕けるかもしれない。舌を突きだして涎を垂らしまくりながら狗のように鳴くかもしれない。
あへあへ言うのはもう不可避だ。最悪の場合中毒になってしまうかもしれない。
あるいは……馬鹿とかそういう段階を踏み越えてらめぇ語しか言えないあのクマ耳少女が統べる世界の住人になってしまうかも。
(……それだけは決してさせない! 弄られるのはいいけど、弄ばれるのだけは許さない!!)
ありったけの理性をフル稼働させてお姉さまも青龍偃月刀を前に突き出す。
(でも、もう無理かも……もう、外に出ちゃう。出ちゃうよほぉ!!)

「いくぜええええ!!!! 奥義「破棄す百首」!!!」

熱血王子は絶対の自信を持って攻撃を発動させた。
既にお姉さまの支給品は確認されており、現在手持ちの武器は青龍偃月刀のみであることを熱血王子は把握している。
ましてや唯でえ防御回避もままならない攻撃である上に、当の相手は防御できるのかも怪しいほどにふらついている。
殺される要素もなければ負ける要素も無い。確実に殺せると確信すら抱けるほどの状況。
そういう時は進むに限る。下手に逡巡すれば原作でアカギにビビってツキを逃した鷲巣のようになりかねない。
体中から殺気を滾らせて、熱血王子は百連撃の一撃目を振り下ろした。

3138White Trick:2008/03/28(金) 23:30:24 ID:fIa1891E0
確かに、お姉さまの手札に破棄すべき全ての節を破る手は存在しない。
だが、お姉さまの与り知らぬ所で、お姉さまの中でにその札は生まれようとしていた。

熱血王子の視界にお姉さまのチャイナ服が下から迫り上がってくるのが見えた。
恐らくは膝蹴りだろうと熱血王子は辺りをつけ好機と笑う。苦し紛れに青龍偃月刀を囮としたのだろう。
下らない小細工を、とばかりに王子は膝であろうそのチャイナ服の盛り上がり目掛けて斬撃の軌道を変えた。
チャイナ服は容赦なく切断されその中の膝が無惨にも真っ二つに――ならなかった。
「な、なんだとぉ!! 馬鹿な、俺は確かに膝を……何?」
ありとあらゆる関節を確実に切断しきる奥義のはずが、何故か切断できない。
驚きを隠せない熱血王子だが、ゆっくりと得物を握る手から脳へ違和感が伝わる。手応えが軟骨にしては軟らかすぎる。

「………もう、ダメぇ…」

熱血王子の視線がお姉さまの下半身へ向かう。そこには、ちゃんと二本の足でしっかりと大地を踏みしめるお姉さまの美脚が。

「んんんなああああああっ……も、もぉっ…もぉっ……もぉっ………だ、ダメっ!」

あれ? じゃあ今このチャイナスリットを持ち上げてるのは?

「ダメぇっ! ダメなんですうううううううううっ!!! み、見ないでえええぇっ!!」

見ないでと言われてしまうと反射的に見てしまうのが人間のSAGAってもの。
熱血王子がスリットの突起をみると、なにやら先っちょが濡れておりますよ?
あー、これって、もしかしてあれか。そうか。
その事実に耐えきるためか、熱血王子は自分のキャラを一瞬忘れててしまう。
しかし、素になった思考はその状況を案外すんなり受け止めた。
これじゃあ、切れないわ。これで切れるの関節だけだもん。
「これ」に、海綿体に関節なんてあるわけ無いじゃん。あー、ネックブレイカーにしときゃよかった…っていうか、

「お前もしかしてふたな――――――――――――――――「らめぇぇぇぇぇぇっっっっ!!!!!」

熱血王子の声はお姉さまの最後の無花果の葉が破られる音によって掻き消される。
それと同時に彼の目は、チャイナ服の濡れた部分が破れた、正確には溶けていく様をみた。
それを皮切りに熱血王子の眼が最後に捉えたものは、真っ白い液体が自分目掛けて噴出される白い幻想だった。

※只今自主規制中です。しばらく音声だけでお楽しみ下さい。

――どびゅうううううううううううううっ! ぶびゅうううううううううううううう!
  ぶびゅうううううううううううううっ! どびゅっ! どびゅっ!
  どびゅうううううううううううううううううううううううううううううううううううっ!!
「あひっ! ひあっ! 嘘、なんで母乳がああああんっ!! ひょこからでるのおおお!?!?
 すご、ほ、しゅごい!! ダメ、ダメダメダメダメダメダメェェェェェ!!!!!!!」

※復旧しました。お見苦しいところ(作者の脳みそ的な意味で)を見せて申し訳ありません。

3139White Trick:2008/03/28(金) 23:31:01 ID:fIa1891E0
熱血王子が意識を取り戻した時、彼は自分に身体が思うように動かないことを知った。
一体何が起こったのだろうか分からないが、身体の前表面が万遍なく痛むように熱い。
唾を嚥下すると、妙に甘ったるい味がする。しかし、舌で口腔を舐め回すと表面の半分が爛れていることが分かった。
一体何が起こったのだろう…最後にみた白い[自主規制]はいったい……
いや、そんなことはどうでもいいか。熱血王子は心中で微かに笑った。
重要のなのは自分がまだ生きていると言うこと。ならば俺の仕事はただ二つ。復讐と殺戮のみ。
虎の子は[自主規制]に破られてしまったが、まだミニ八卦炉も何でも切れる剣もある。回復液を飲めばあっという間に戦闘再開だ。
時間さえ許せばまた仮面ライダーに変身できるだろう。だから、早く目を覚まさないと。もう夜じゃないか。
彼はようやくそこで気付いた。自分はもう目を覚ましているのに、世界が真っ暗闇であることを。
もう夜になってしまったのか? いや、まだ空気の温さがそれほど時間が経っていないことを教えている。
じゃあなぜこんな暗いんだ? なんで俺は起きてるのに起きあがれないんだ?

ああ、もう分かっている。もう、分かってしまっている。
それでも目を背けたかった。マーダーであるために、マーダーであり続けるために。
しかし動かずに焼け爛れジュクジュクとした痛みを送り続けている顔は、無惨にも事実を教えていた。
――もう、目が見えないのか。
肺の奥で澱のように溜まっていた空気が、ほうと吹き出るような小さい溜息だった。
おそらくあの白い[自主規制]はあらゆるものを溶かすことができるのだろう。既に眼球は溶けて割れてしまったのだ。
手が動かず、足も動かず、目も見えない。それでどうやってマーダーを続けられる。
俺は、最後の最後までサラマンダーなのか……

3140White Trick:2008/03/28(金) 23:31:46 ID:fIa1891E0
そう思った時、彼の頬に滴るものが落ちて染みる。痛みよりも温かさを感じた。
「ごめんなさい……ごめん、なさいッ……!!」
背中に掌の湿った感触があった。か細いながらも力強い腕の感触に自分がいま抱かれていることに気付く。
女のような声は慈愛に満ちて、ただただ男ことを案じているのだと分かった。
――お前は、こんな俺の為に泣いてくれるのか。今さっきまで殺し合っていた俺のことを。
どうしてこんなにもちっぽけでな俺を、哀れんでくれるというのか。
「だって、貴方も私と同じ書き手じゃない! 書き手が、書き手の為に手を取り合うのは当たり前でしょ!?」
男の思いが伝わったのか、お姉さまはただ自らの誠実だけで答えた。
「予約合戦のときは戦いましょう。フラグの立て合いで戦いましょう。キャラの解釈を文面で論じ合いましょう。
 私は戦うわ。一歩も下がらない。機会があれば、正々堂々パロロワで戦う……それもまたリレーなのよ」
それは、たった一つのシンプルな答え。悩み苦しんでも、私たちはこれからもリレーを続けていくのだから。
「だから……いっしょに、生きましょう。みんな生きて、帰るの。そして、また良い作品を書こう? ね?」
母乳よりも[自主規制]よりも真白い純粋な書き手への愛。
それこそがお姉さまが見いだした答えだった。
――俺は、俺は…
熱血王子の心が揺らぐ。この世界で初めて受けた嘘の一辺もない愛情は、彼の心を解し融かし癒すには十分だった。
俺が、この俺が、対主催になれるというのか。当然の疑問も、一瞬で散ってしまう。
お姉さまが心よりそれを信じている。それだけで彼がそれを信じるのにも足りる理由だった。
まだ、誰も殺していない今ならば、まだ間に合うかもしれない。この手は血で汚れていなくても、命で穢してはいない。
光の道を歩む資格が、俺にもあると信じてくれる人がいる。
ならば、迷う理由がどこにあろうか。この力を、この人の為に使えるのならばそれで十分だ。この傷を回復液で癒して――

「だから、諦めないで!! すぐに『回復アイテムを見つけて、治してあげる』から! それまで生きて!!」

え?
熱血王子のたった一文字の疑問文は至極当然だった。見つけて、治す。それは別に間違っていない。
だが、自分のサックの中に回復液が二本もあったのだ。例え気が動転していたとしても普通はまず相手のサックを探すはず。
それを見つけられないというのは、いくら何でもおかしすぎる。
だが、彼女に嘘は見られない。ということは、誰かが回復液を隠したとしか。
そこまで考えが回った時、熱血王子の心に声が響いた。


『イマサラ多数派ニ寝返ルナンテ、許サレル訳無イジャナイ?』

3141White Trick:2008/03/28(金) 23:32:40 ID:fIa1891E0
「……ひべう゛ぉ(逃げろ)!!!」
「!?」
熱血王子が何を言っているのか分からないままのお姉さまに、どん鈍い衝撃が走る。
何事か、と前を見てみると驚くべきことが二つあった。
一つは、自らに付いていた[自主規制]がぽろんと取れていたこと。
怖くて直視できなかったが、改めて見てみるとそれは一本の触手だった。
本来ならば、自分が[自主規制]になった訳じゃ無かったんだ! よかったよかったヤイサホーとでも喜ぶべき所だった。
しかし、もう一つの驚きに比べれば、それは些細なことに過ぎないと言わざるを得なかった。
既に日は殆ど落ちかけ、夜と昼の境界が近づきつつある。
どこから電気が通っているのか、ビルディング群には明かりがつき、彼らが戦っていた屋上にもライトがかかる。
しかし、人工の光で夜の闇を覆い切ることなど出来はしない。光があれば、何処かに影が出来る。

熱血王子とライトによって生まれたその影から小さな手がにゅうと出でて…熱血王子の足を掴んでいたのだ。
あまりにも小さく可愛らしいふにふにとした手だったことが、その異彩を際立たせている。
彼の右手が、お姉さまの腹腔をじゅぶりゅと貫いていたことすら瑣末になるほどの異様さだった。

お姉さまはその光景に目を見開いていた。
手は指を動かし足首を愛撫しているようにも見える。。
「だめだよ……それじゃまた少数派が更に多数派に圧倒されちゃうじゃない」
今度は熱血王子だけではなく、お姉さまもその声を聞いた。無邪気なのにどこまでも深い闇のような声を。
やがて状況を把握したのか、ぱっと手を離してどぶんと音を立てる手は影の沼へと帰っていく。
「がぶっ…あ、新手の、スタンド使い? だ…れ!? 隠れて、ないでぇ、出てきなさい!!」
お姉さまの怒声とほぼノータイムで声が別の方向から気配が浮かぶ。お姉さまが青龍偃月刀を片手にそちらを振り向く。
屋内と屋上を繋ぐ連絡扉……その影よりずるぅりと彼女は現れた。
ⅩⅢ機関のような暗黒のマントを靡かせて、黄昏の世界より宵闇の世界へと渡るように。

「ちがうよー? 時間が無いから自己紹介だけしておくね?」

現れた黒マントが熱血王子の下へ歩み寄りながら自らのマントを掴み、ストンと落とす。
「!? 貴女……」
お姉さまが驚くのも無理からぬことだった。目の前に現れたのは……まだ年端もいかぬ少女だったのだから。

「ニコニコロワから来ました。ジョーカーの一人、『愛媛の0RbUzIT0Toは大変な演説をしていきました』です」

闇の帳より舞い降りた黒いセーラー服の少女……柊つかさは、とても恭しくお辞儀をした。
その暗黒の瞳から、全てを見透かすように。

「直ぐに帰りますから、覚えなくてもいいですけどね♪」

―――心せよ。君の前にも闇黒が現れよう。

3142―――&Black Joker:2008/03/28(金) 23:34:20 ID:fIa1891E0
話は少し前の時間に遡る。

天空に浮かぶ主催本拠地。ヘルシング邸の円卓会議室を模したその一室で6人の書き手が集っていた。
万が一即対主催ルートに突入してしまった場合に備えて派遣されたニコロワ&テイルズロワの面々である。
円卓にはいくつも椅子が並べてあり、会議をできるようになっていた。
しかし、テイルズロワの一席には「死亡確認」の札が、ニコロワに一席には「気絶中」の札が貼られてそのメンバーは6人しか集っていない。
彼らの手元には樽で出来たコップに並々とぶどう酒が注がれていた。(ちなみにマントを被っている限りは年齢も不詳なので問題ない)
「しかしまさか俺達のロワのなりきりシステムが参加者、ひいては俺達にしこまれていたとはな」
ナナシがぶどう酒に映る自分を見ながらいった。
「まあ、第二回ならともかく第一回目じゃなりきりはロワに殆ど使われませんでしたから。気付かないもの仕方ないって話ですよ」
黒マントの名無しが宥める様に言う。幾ら主催側といっても彼らは食客用心棒のようなもの。
ある一定以上の情報は知りえず、また知る必要も無かったのだ。
七氏は一口酒を飲んでから言った。
「で、なりきりによるキャラクターへの侵食。それを防ぐ手段は大別して三つ。
 一つは複数のキャラを使い分け、侵食の方向性を分散させて速度を緩めること。地図氏やギャグ将軍などがこれに該当しますね。
 二つはキャラに頼らなくても十分通じる圧倒的な個性で、侵食を跳ね除けること。速筆魔王氏、蟹座氏などが該当します。そして三つが…」
「私達ニコニコの能力で精製された、フィルター機能・NG指定のシステムを組み込んだこの黒マントを装備して
 キャラとしての個性を封印し、侵食そのものを停止させる……という方法ですか」
ガチホモが言葉を引き継ぎ、つまみとして用意されたハンバーガーをむしゃりと食った。
そう、キャラになるというシステムをテイルズロワが受け持っていると同時に、
ニコロワはそのアンチシステムとも呼べる機能をもったマントを開発しているのだ。それこそがジョーカーの残り四人が羽織るマントである。
「ちなみに原典は?」
「ニコニコRPG。第三章の魔王の配下だね、○IOと水銀○が同じ大きさになる優れものだよ」
テイルズ側からの質問に、人外は柿ピーをぼりぼり言わせながら答える。
残りのメンバーどうなるかマジ気になって仕方が無い。

「「「「「「まあ、キャラになりきるのも面白いからいいけどね」」」」」」

隠し砦の六人はゲラゲラと一笑に付した。
どの道よほどの書き手でもない限りは個性など付いていないのだから、
漫画やアニメ・ゲームキャラの性質でも付加しなければ書き手ロワは進行もままならないだろう。
キャラになりきり過ぎることは不都合だが、なりきりそのものは是であると彼らは思っていた。

3143―――&Black Joker:2008/03/28(金) 23:35:39 ID:fIa1891E0
「では、そろそろ本題にはいりますか。……「これ」をどうするか……ですね」
どうやら進行役らしいガチホモが両腕を組んでため息をつく。
全員がそろったように笑いを潜め、円卓の中央に置かれた「それ」を見つめた。
その心中はことなれど、全員が全員大なり小なり厭そうな顔を隠しきれてない。
エリクシールの瓶に収められた液体は、まるで意思を持ったようにごぽりと泡を立てた。
「……とりあえず、持ってきてくれてありがとうございます。プー太氏」
「いえいえ。これも仕事ですから」
ネコミミサンタコスのゲボ子であるクマのプータが九番目の椅子に座って、軽く会釈をする。
「で、これを使えって……どうやって使います?」
名無しが頬に手を当てて項垂れた。全員が唸るか無言で腕を組む。
「ハッキリ言ってこれエロ以外にどうやって使えって言うんか……無理だって常識的に考えて」
人外がぼそっというが、皆が無言な為小声で言っても全員には大きく感じられた。
長寿の霊薬の空瓶に収められた液体は最終触手怪物シャリダムのイケナイ触手汁……
どう見ても無理ゲーです本当にありがとうございました。

「いやいやいや! それじゃ666さんに申し訳が立たないじゃないですか!!
 今日日あんないいマーダーいませんよ! 慢心も油断も無く、きっちり仕事する貴重なマーダーじゃないですか!!」
プー太が両手を振って彼らの後ろ髪を引っ張る。
どうやら彼女にもそこそこに仁義というものがあったらしい。

3144―――&Black Joker:2008/03/28(金) 23:36:31 ID:fIa1891E0
「ナナシさん……ここはやはりテイルズさんにお任せできませんかね?」
ガチホモの発言にナナシが無言のまま眉を細める。
「そのエリクシールの空瓶もテイルズの出展ですし、シャリダムも元の原点は酢飯細胞。そちらの方が上手く処理できると思うのですが」
ナナシは仏頂面のまま返事をしない。
「厄介払いと責任の押し付けと謗られても仕方ありません。ですが、餅は餅屋というのも事実ではありませんか?」
「……これをそのままここで保管、もしくは処理するという手は?」
「それこそ危険ですよ。あの不死の酒まで得た触手の異常な繁殖……ここにあるというだけでバイオハザードフラグじゃないですか。
 今この段階で処理しなければこちらの拠点は崩壊するのです」
腕を組んだままナナシは天井を見上げた。本拠地で液を預かれば確実に後でしっぺ返しが来る。
それはナナシも思い至っていた。それに、一度はアーッな関係になりかけた後友情を築いたナナシは、
ガチホモの依頼を無碍に断る気にもなれなかった。大きくため息をついた後ナナシが言う。
「工兵隊長七氏。……何か案はないか?」
テイルズロワの書き手が一人七氏。サウザンドブレイバーからE2城破壊まであらゆるフラグを立てるフラグビルダーである。
「上案という程のものはありませんが、中案なら」
ナナシが無言で先を促す。
「とりあえず処理しましょう。さっさと下界に返して、適当な参加者にぶっかければ問題ないです」
「……それでいいのか?」
「無理ですよ、エロ以外に使うなんて。ですから諦めて使い切るに限ります。ではリーダー、よろしく」
そういわれて諦めたのか、ナナシは瓶を手に取りふたを開ける。淫蕩な匂いが鼻についた。
ナナシの能力によって何か不思議なゲートが目の前に作り出される。
どこかは分からない「そのフラグを繋ぐのにもっとも相応しい要素」へと繋がるゲートだ。
ドバドバドバドバとナナシは廃水の垂れ流しのように一気に流した。
一体誰に繋がるのか、そしてどのような効果があるのかまったくの未知数である冒険だった。
「それらに関しては目星がついています。
 あのシャリダムの発端である酢飯細胞……その初期感染者であるビクトリーム博士の特筆すべき急所は「股間の紳士」。
 そして原典である酢飯の問題作といわれ物議をかもし出したのは「バナナの乱」。
 そしてデビルシャリダムの大前提である属性は「触手」……これらを総合すれば自ずと答えが出てくる。
 つまりあの液体は飲んだ人間の股間の紳士的大事なところにバナナ型の触手を生やすクスリだったんだよ!!」
「「「「「「な、なんだってー!!」」」」」」
おもむろに素っ頓狂なことを口走る七氏、しかし他の6人は釣られて最早お約束の古典と化した驚きの声を上げる。
言葉責めに定評がある七氏にとって、このようなキバヤシ理論は日常茶飯事だ。
「そして第二の検体であるコ・ホンブック……
 細胞に汚染されたときに縋るように言っていた言葉はONEE−CHAAAAAAAAAAAAAAAANNNNNNNN!!
 これは別にアナグラムでもノイズでもないから普通に読んで「お姉ちゃん」……つまり姉だ。
 そしてそれを飲んだ姉にいけないキノコが生えるということは、その人物は「性別不詳」になっているということ。
 そして何より重要なのは! バナナから放出するであろう白い液を……
 「例えば何かの拍子で放出が出来なくなってしまい残留した母乳とか」を体内に溜め込んでいる必要があるということ!!」
これを考えれば、自然、このフラグを受け取るであろう人物は限られてくる……つーか一人しか居ない。
そこまで言い切ってから七氏は全員に向き直った。
「無論、これらは全て私の推測に過ぎません。ひょっとすれば思いもかけないアクシデントで会場がバイオハザードと化すかも知れない。
 私はこれを憂慮し、「我らの中から一人、この事態に限定した監視員を会場に派遣する」ことを妥当と判断します」
ガチホモとナナシがぴくりと肩を震わせた。七氏の策を察し、図ったように口裏を合わせる。
「確かにな……ここからでは音声も十分な映像も手に入らない。
 ジョーカーからの介入である以上は、責任を取らなければならないだろう……ニコニコロワなら映像を採取できるはずだ」
「ですね。うp能力のある私が行けば速いのですが、私とナナシさんは今現在ケフィアの件で謹慎中です。
 そしてえーりんもまだ気絶中……困りましたねえ……どうしたらいいと思いますか? プー太氏」
ふたりのギラついた眼光に気圧されたのか、はたまたそれを楽しいと思ったか。
プー太は「読み手さんか感電さんに聞いてきます」、といって姿を消した。

3145―――&Black Joker:2008/03/28(金) 23:37:19 ID:fIa1891E0
その数分後、帰ってきたプー太の口から発せられたのは、
放送までに帰還すること、直接的な死者を出さないことを条件とした上層部からの許可だった。
「しかし、バナナ薬ですか……それが二本あるとなると、面倒ですねえ」
ガチホモが少し嫌そうに言った。バナナは大好物だが、それが女に生えても食べる気はしない。
「大丈夫ですよ。さっきのは全部後付け設定ですから、あくまでもバナナ薬なのはこちらの分だけ。
 666氏が持っているのの効果は分かりません」
七氏はそういってぶどう酒を飲み干す。言葉は力、言葉の前に事実は容易く変容する。
「で、派遣した愛媛氏ってのはどういう方で?」
名無しがハンバーガーを口にくわえながら言った。ガチホモが少しだけ考えて、言葉を作る。

「普通の子ですよ。ただし、驚きの黒さですが」



「彼から離れなさい!!」
片腹から血が噴き出すことも厭わず、お姉さまが青龍偃月刀で愛媛に斬りかかる。
一閃、愛媛の細首を振り抜いたと思ったが、愛媛がどろりと影の中に沈んでそれを回避する。
「あぶないなあ。人にそういうものを振っちゃいけないんだよ?」
子どもを窘めるような物言いで昇降口の影から現出する愛媛。
どこにでもいる子供のような顔から放たれる子供とはとても思えない視線にお姉さまは
背筋に滴る汗を嘗め取られたかのような悪寒を覚え、王子の身体を抱えて別のビルに飛び退こうとした。
「逃げていいって許したかなあ? ……禁忌『カゴメカゴメ』」
距離を開けようとする二人を心底つまらなさそうに見ながら愛媛はゆびをふった。
それと同時に「うp主乙」「待ってました!」「らきすたから来ました」「sageろ」など無数のコメントが夕闇を走り、
ビル屋上の周囲をコメントの列が包囲する。その弾幕によって包囲される長方形はまさしく檻と呼ぶに相応しかった。

3146―――&Black Joker:2008/03/28(金) 23:37:59 ID:fIa1891E0
「スペルカード……? でも弾幕が……」
「私は弾幕担当。ガチホモさんが見たものを動画としてうp出来るように、私はこの現実世界にコメントを張ることが出来る。
 そして私たちニコニコロワの書き手はニコニコ動画に存在する動画ゆかりの技を全て使えるの。
 妹様の弾幕は私に良くなじむから、ついつい使っちゃうよね?」
お姉さまは前後左右上を包囲する弾幕を見上げ舌打ちをした。
シューティングに馴れた自分なら頑張れば抜けられるかもしれないが、
弾がコメントな為まだ当たり判定が大きくなっていて難易度が上がっている。避けきれる自信がない。
しかもそれは、熱血王子を抱えていない状態での話だ。結論として、撤退は不可避となった。
「だったら、貴女を倒せばいいだけの話よね」
傷の痛みに熱を覚えながらもお姉さまは不敵に笑った。
ジョーカーだろうがニコニコだろうが、目的が明確である以上迷いは欠片もない。
しかし、愛媛はきょとんとした顔を作り、目をパチクリさせた。
しばらくしてようやく意味が分かったのか、ポンと手を打ってにっこり笑った。
「あ、そっかあ……ごめんね? 勘違いさせちゃったみたい」
「……?」
「私はジョーカーだけど、今はお姉ちゃん…これじゃごっちゃになっちゃうね。
 お姉さまはあくまで観察、見てるだけにしなさいって言われてるから。
 うーんと、あのね? 困ったなあ……説明している時間がないよう。とにかく、私はお姉ちゃんを殺さないよ?」
白旗のつもりか。えへへと笑いながら、愛媛は両手を挙げる。
「じゃあ、どうして?」
「お姉さまについた触手もすぐに取れちゃったし、もう放送も近いから帰るんだけど……そのまえにどうしても見逃せないことが出来ちゃって」

そこまで言って、愛媛はその輝きの消え失せた瞳を熱血王子に向けた。
「ねえ、熱血王子さん……なんでそんなザマになっちゃったの?」
愛媛がいかにも本心からそれが理解できないといった表情で熱血王子に尋ねた。王子の身体がピクリと動く。
お姉さまが王子に振り向こうとするが、夜の闇に溶け出して行きそうな殺意を前に彼女から目を離せなかった。
「おかしいよね? だって王子さんはマーダーなハズなのに、対主催のお姉さまに守られてるなんて」

―――――さい。

3147―――&Black Joker:2008/03/28(金) 23:39:16 ID:fIa1891E0
「ああ、そうか。ステルスマーダーになろうとしてるんだよね?
 そんな傷じゃさすがに戦えないし、仮面ライダーになれるまで時間を稼いだら変身してまたマーダーするんだよね?」
一人合点したように愛媛は柏手を打った。しかし直ぐに指を顎になぞらせて首をかしげる。
「でも、変だなあ……さっきお姉さまの脇腹を手刀で刺したよね? 殺す気満々だよね?
 なのに、今はおとなしいなんて……おかしいよねえ?」
「それは貴女が彼を操って「多数派は少し黙ってて」
お姉さまの反論に対し「ZIP!」を一発放つ愛媛。青龍偃月刀でそれを弾くが、既に愛媛の興味は熱血王子に戻っている。
「ねえ? どういうつもりなの…? 黙ってたら分からないよね?」
「お、おヴぇ、は……」
「熱血王子さんはマーダー……少数派なんだよ? だからいっぱいいっぱい頑張らなきゃいけないんだよ?
 だから他のマーダーもいっぱい頑張ってるのに……それなのに、多数派とまるで仲良しじゃない。
 これからも頑張るんだよね? 今はちょっと休んでるだけだよね? そうでしょ?」
黒い眼光と疑問の皮を被った圧迫に、直接会話的な対峙をしていないお姉さままも息苦しく感じていた。
しかし、熱血王子は残り少ない酸素を吐き出すようにして、蚊ほどの声で力強く言った。
「俺は……マーダーを、辞める。この人を殺してまで……復讐なんてしたくない!!」
「熱血王子……貴方」
背中でその意思を力強く感じたお姉さまは嬉しさの余りに微かに涙を流した。
話せば分かる。本当に純粋な白い想いで立ち向かえば、届かない気持ちなど無いことを確信できた。

―――なさい。

だからこそ、彼らは恨むべきだったかもしれない。せめてその白さが限りなく輝く昼にその境地に辿り着けていたならと。

「ケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタ
 タケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケ
 ケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタ――――――だめだよ、許さない」

「――――――――――――――――あ、ああああああぃああぁぁぃゅぁああゅあぁぁぁあああぁ!!!!!!」
突如切り裂くように走る絶叫。愛媛の言葉に熱血王子が猛烈に苦しみだした。
「……これ以上彼を苦しめるのは止めて!! 彼のLPはもうゼロよ!!」
何かの精神攻撃だろうか。ディーが居ない今お姉さまは対処法を見出すことが出来ずにもどかしい気持ちをぶつけて叫んだ。
「多数派はいっつもそう……自分が正しいと思って、上から目線でものを軽く言うの。それで抜け抜けと少数派の懐柔工作する」
しかし愛媛には届かない。多数派の言葉など当てにはならないと信じる愛媛には。
「そんな多数派をのさばらせておくだけならまだしも、それに寝返るとか、どんだけー!!」

3148―――&Black Joker:2008/03/28(金) 23:40:04 ID:fIa1891E0
――んなさい。
「そもそも何勘違いしているのかな? 今から多数派に寝返るって、許される訳が無いじゃない。
 だって、熱血王子さんは人を襲ってるんだよ? たとえ対主催の人たちを殺してないからって、
 熱血王子さんが今まで襲った人たちは許してくれないよ。それに、マーダーのみんなも許してくれないもの。
 一生懸命殺して回った末に仕方なく殺されたマーダーさんが、熱血王子さんみたいなサラマンダーを許すわけが無いじゃない!!」
―めんなさい。
「あぎゃぐああぃああぁぁぁじゃああゅああああぁまぁっひゃ―――――――」
愛媛の言葉がナイフとなって熱血王子の心の薄皮を一枚一枚剥いでいく。薄皮についた肉を丁寧にゴリゴリ削ぎ落としていく。
自分は所詮サラマンダー。対主催にはマーダーとして疎まれ、マーダーにはやる気なしと蔑まれる烙印を押されし者の名。
誰からも許されない。誰も許してはくれない。ロワという楽園より追放されし道化の名。その名を与えし神よ、ならば私にどうしろと仰いますか。

「これ以上彼を冒涜しないで! たとえ罪を彼が持っていたとしても、許されない罪なんてない!」
お姉さまが青龍偃月刀を振り翳して走り出す。何をやっているのかは分からないが、熱血王子が愛媛の術中に嵌っているのは明らか。
それを止める手立てを愛媛を倒すことにしか見出せなかったお姉さまが遮二無二攻撃に転じる。
恐らくは洗脳系の能力。その発動のトリガーが熱血王子に触れていた手であると判断したお姉さまはその右手に攻撃を仕掛けた。
「触らなきゃ貴女は他人を操れないんでしょ!? だったら触らなきゃ問題ないはず!!」
神速の一撃を前にして、愛媛は悠然と笑った。
「えへへ……何勘違いしてるの? まだ私のバトルフェイズは終了してないよ。
 それに、『私のチカラが他人の操作だって、勝手に決めないでほしいなあ』」

悲痛な救いを求める声が天に届いたのか……熱血王子は神様の声を聞いた気がしました。
ならばまずは謝りなさい。熱血王子は黙ってその言葉に…さっきからずっと聞こえていた言葉を口にしました。

ごめんなさい 
「ぎょぎぇんじゃい」
ごめんなさい
「ひょひぇんびゃしぃ」
ごめんなさい
「ほへんなひゃい」
ごめんなさい
「ごめんなちゃい」
ごめんなさい

神は言います。愛媛もまた言います。
「謝る位なら誠意を見せてよ。―――私を守らなかったら許してあげない」

3149―――&Black Joker:2008/03/28(金) 23:40:52 ID:fIa1891E0
ガキン。そう、剣戟音が高く響いた。お姉さまは驚愕に目をはち切れんばかりに見開く。
何が起こっているのかはさっぱりだが、ありのままの素直な気持ちを言葉にした。
「……どうして?」
『愛媛の影より現れた熱血王子が、そのなんでも切れる剣で私の攻撃を防いだ』のだ。
敵に背を向ける愚を気にすることすら忘れ、お姉さまは後ろを振り向く。
先程まで守っていた熱血王子の姿はなく、そこに残るは密度の高い弾幕で光を遮られた影がぽっかりと残るだけだった。
そしてその代わりとばかりに、顔の焼け爛れた熱血王子が真っ黒な隊員服を来て現出した。
「私が触ったものは黒くなる。ただそれだけのチカラなの」
辛うじて握っただけの青龍偃月刀を愛媛は優しく触る。それだけで、偃月刀の見事な刃が真っ黒に染まる。
生物無生物関わらず、あらゆるものを飲み込む闇。あらゆる白い輝きを全て飲み込む、究極の闇黒『真・驚きの黒さ』。
「ごめんなさい・ごめんなさい・ごめんなさい・ごめんなさい……」
痛みを感じていないのか、痛みを忘れるほどに許しを得たいのか、うわ言の様に紡がれる熱血王子の言葉だけがBGMとして静寂を食い止める。

「ふーん、そんなに許されたいんだ……だったら、まずはサラマンダーを卒業しなきゃね」

そういって愛媛は、地獄の底のような黒さを笑顔に付けて、お姉さまを見た。
「じゃあまずは一人目、レッツゴー☆」
「……ごめんなさい」
それがお姉さまに向けられたものか愛媛に向けられたものか判別のつかない謝罪と共に、一撃は下される。
袈裟斬りに放たれた一撃がお姉さまの身体を切り裂き、真っ赤な血を噴出させた。
お姉さまは悔しそうな、でも仕方なさそうな、その板挟みに苦しんで潰れてしまいそうな複雑過ぎる表情を見せる。
その血の気が一気に下がる瞬間、お姉さまはふっと儚げな笑顔を見せた。

――――――ずるいよ。あんな顔されたら、倒せるわけがないじゃない……

3150―――&Black Joker:2008/03/28(金) 23:41:22 ID:fIa1891E0
愛媛がこっそり影から抜き取ったファウードの回復液を口の端から溢しながらガブガブ飲む熱血王子。
黒くなって身体能力が幾分向上したとはいえ、ゾンビではない。痛みはもちろんもある。
ただそんなことを考えれれる理性が磨耗し切っていて、また主には決して逆らえないだけだ。
そんな様を尻目に、主たる愛媛はクスリと笑った。
「ねえ、何時までそうやって時間かけてるつもり? 私時間がないんだけど」
その言葉にぴたりと手を止め、熱血王子が愛媛のほうに振り向く。
「はい、サックだよ。つめ直してあげたんだから、無駄にしたら許さないからね?」
右手を刷り込みに近い恐怖に痙攣させながら熱血王子はそれを手にした。
「分かってるよね? これでようやくサラマンダー卒業だけど、
 私が手伝ってようやく殺せたんだから、まだ半人前……仮免マーダーってところだよ。こんなんじゃ誰も許してくれないよ?」
「ごめんなさい……ごめんなさい……」
「分かったらさっさと仕事してね? ……のろまだとまたマーダーが死んじゃう。
 熱血王子さんがのろまだったせいでまた少数派が減っちゃうの……だからいっぱい殺して、もっといっぱい殺しきってね?」
頷く熱血王子だったが、黙ったまま指を目の位置を指した。目が潰れた為、見えないとでもいうのか。
「大丈夫だよ。今の熱血王子さんなら、白い奴が気配で分かるよ。あー、でも、目が無いってのもスカスカして不安だよね」
じゃあとばかりに愛媛はお姉さまの遺体から眼球を引っこ抜き、小指と小指を沿わせて作った手のお椀に二つの眼球を入れて熱血王子に渡した。
それが自分を信じてくれたお姉さまのものだと分かったのか、熱血王子は指を震わせて一個を床に落としてしまう。
眼球がぐちゃりと潰れた後、愛媛が無感動に言った。
「それも落としたら、本当に許さないからね?」
給食ででた嫌いなものを先生に食べるように言われた子供のように、熱血王子は一気に自分の右目にそれを埋め込む。
黒目があらぬ方向へ向いているのが妙に滑稽だった。
「じゃ、いってらっしゃい。私はもう帰るけど……ずっと見てるからね?」
その言葉を皮切りに熱血王子は弾かれたように影に沈んで消えた。
どうやら黒くなったことで愛媛同様影から影へ移動できる能力が付加されたらしい。
後に残されたのは、愛媛と、死骸となったお姉さまだけだった。

3151―――&Black Joker:2008/03/28(金) 23:41:49 ID:fIa1891E0
「せいぜい頑張って殺してね……お姉ちゃんを……ロリスキーさんを襲った貴方は絶対に許さないけど」
愛媛は極悪を三乗したような顔をして笑った。熱血王子に最初に黒く染めると決めたのは、それが理由だった。
「おっかしいなあ……別にロリスキーさんなんてどうでもいいはずなのに、やっぱりキャラに影響を受けるんだね」
こなたである地図氏、かがみであるロリスキーに否応も無い郷愁を感じる愛媛。
それをガチホモは危惧して私を初期襲撃メンバーにいれなかったのだろう。
「……あえるかなあ……あえたら、いいなあ……」
少しだけ黄昏て、愛媛は空を見た。既に陽は毛先程の光しか放っていない。
「? なんか、ラピュタが見えたような……」
愛媛は目を凝らして注視するが、日が落ちかけた今空は黒くほとんど何も見えない。
気のせいだろう。ラピュタは特殊な技術で見えないようになっているというし、仮に見えるような異常事態ならこちらからも把握しているはずだ。
「帰ろっか。ガチホモさん怒ると怖いし……あ、そうだ」
思い出したように愛媛は指を一振りしてコメントを床に書き残す。
お姉さまの遺体のそばに置かれたもう一本の回復液と仮面ライダーオーガの変身セットの傍に一文がついた。

『白猫さんから頑張るあなたへバルサミコ酢の差し入れです。大切に飲んでね』

666のフラグを処理したという暗号文を残して愛媛は、影に沈んでいく。
沈みながら愛媛は残った死体を最後に見た。お姉さまは微笑んだ顔のまま、安らかに眠っているように見えた。
オーガフォンを残したのは、貫き通した真白き意思に対する最低限の敬意だった。

「任務終了……愛媛、帰投します」

どぷんと音を立てて、愛媛は闇に深く深く沈んでいった。後に残ったのは命無き夜の闇だけ。

夜が来る。あらゆる輝きを黒く染める夜がやって来る。
黒に白は無力なのか、否、そうではないと彼女が証明した。
愛媛が最後に見たものは紛れも無くラピュタ……主催の本拠地である。
熱血王子との戦いでお姉さまの放ったオーガストラッシュの一閃が、無明幻妖sideの穿った穴に命中し、大きさを広げたのだ。
もはや一部の人間だけではなく、ほぼ全員がその穴に気付くだろう。
惜しむらくは、いまから夜に入りラピュタがほとんど見えなくなるということ。
そう……お姉さまの輝ける意思は、確かにこの大きな闇に一閃を入れたのだ。

夜が来る。闇が光を蹂躙する。
だが心せよ―――明けない夜は無いのだと。

3152―――&Black Joker:2008/03/28(金) 23:45:09 ID:fIa1891E0
【夕方】【D-4ビル街のどこか】

【熱血王子@漫画ロワ】
【状態】:黒化 顔が焼け爛れている 右目にお姉さまの眼が入っている 回復液で回復
【装備】:『破棄すべき全ての手(黒)』ミニ八卦炉(黒)@LSロワ、何でも切れる剣(黒)@サイボーグクロちゃん、
      王蛇のカードデッキ(黒)@仮面ライダー龍騎 黒い青龍偃月刀 ウルトラリング(黒)
【所持品】:支給品一式 PS2ソフト「スーパーロボット大戦OG外伝」&PS2本体
【思考・行動】
基本:愛媛に許されるために殺す
1:黒く染まってない奴を優先して殺す
※変身後の姿は銀目銀髪の高町なのはの顔に、ウルトラマンレオの体、声は赤木しげるです。
※変身前は、ウルトラマンメビウスのヒビノ=ミライの様な容姿です。
※第一回放送の前半を聞き逃しました。
※【『破棄すべき全ての手(リスト・ブレイカー)』@漫画ロワ&誤爆スレ】
 一話で二人の人間の手首をはねた逸話に由来する宝具。
 真名を解放しながらの攻撃は、全て手首を斬り飛ばす一撃となる。外見はfateのルルブレ。
 ブラスターモード『破棄すべき全ての首(ネック・ブレイカー)について:
 このモードは『破棄すべき全ての手(リスト・ブレイカー)』の強化版。
 真名を解放しながらの攻撃は、相手の首と名のつく場所、つまり両足首・両手首・両乳首・首の合計7箇所に高速無比の斬撃を同時に繰り出す。
 黒化によって身体機能が向上し、使用制限が緩くなりました。やっぱり発動直前に0.1秒の隙があるようです。
 ファイナルモード『破棄すべき全ての節(ジョイント・ブレイカー)について:
 黒化によってなのはさん的リミットを3番まで開放した限界突破技。首だけに飽き足らずあらゆる関節を切断する百連撃。発動直前の隙があるかは不明。
※【『ウルトラリング(書き手ロワ特別バージョン)』】
 透明な麻雀牌がついた指輪と、レイジングハートがついた指輪の二つで一つ。
 この二つを合わせる事により、戦闘形態へと変身を遂げる。 戦闘形態ではウルトラマンレオの能力が使える。
※王蛇のカードデッキにある”ADVENT”のカードはベノスネーカー、メタルゲラス、ダークウイングの3枚です。
※愛媛の黒さに汚染された結果、影から影へ移動する能力を得たようです。有効範囲は不明
※眼が見えませんが、汚染されていない人間の気配が掴めるようです

【愛媛の0RbUzIT0Toは大変な演説をしていきました@ニコロワ】
【状態】:真・驚きの黒さ
【装備】:なし
【道具】:不明
【思考】:
 基本:主催者側の人間として活動。参加者(=多数派)の抹殺
 1:本拠地に戻って、次の出番までニコニコ 
 2:生き残ってももちろん熱血王子は許さない
 ※容姿は黒いセーラー服の柊つかさ@らき☆すた
 ※触れたものを驚きの黒さで染めることが出来ます。影ワープ等詳細不明
 ※ニコニコ動画に存在する動画ゆかりの技を使えます
 ※現実世界にコメントを張ることができます
 ※地球破壊爆弾No.V-7を危険視していますが、キャラとしては…?

3153―――&Black Joker:2008/03/28(金) 23:46:06 ID:fIa1891E0
【夕方】【主催本拠地】

【裸になってすぐアッー〜殺意のqwglOGQwIk〜@ニコロワ】
【状態】:健康 スッキリ
【装備】:なし
【道具】:不明
【思考】:
 基本:主催者側の人間として活動。参加者の抹殺
 1:とりあえず、部屋に戻って次の出番までニコニコ
 2:地図氏と再会すれば、借りを返す

 ※容姿は阿部さん@くそみそ、性格は古泉@ハルヒ。その名はイイ男。キモカッコゲイ!
 ※地球破壊爆弾No.V-7を危険視しています。
 ※ニコニコ動画に存在する動画ゆかりの技を使えます。
 ※ニコニコに自分が見たものを動画としてうpできます。
 ※「まっがーれ↓」と唱えることで色んなものを曲げられます どこまで曲げられるのかは不明

【人外アドベンチャー〜OZbjG1JuJMのウォーゲーム〜@ニコロワ】
【状態】:健康
【装備】:なし
【道具】:不明
【思考】:
 基本:主催者側の人間として活動。参加者の抹殺
 1:とりあえず、次の出番までニコニコ 

 ※容姿やその能力は未だ不明。
 ※地球破壊爆弾No.V-7を危険視しています。

【ナナシ@テイルズロワ】
【状態】:健康 (ただし左眼がない)
【装備】:なし
【道具】:不明
【思考】:
 基本:主催者側の人間として活動。参加者の抹殺
 1:とりあえず、部屋に戻って皿洗いの続き
 2:次の出番まで縁側で茶を飲む
 3:出会った二人とは生き残っていればもう一度戦う?

 ※容姿はヴェイグ=リュングベル@テイルズオブリバース
 ※氷で武器を生成できます
 ※【異能・姿無き縁の下】
  空気王としての力を解放し、色んなものを「繋ぐ」能力。
  時間だろうがカップリングだろうが何でも繋げるが、その繋ぎが良繋ぎで無いと十分な効果が得られない。

3154―――&Black Joker:2008/03/28(金) 23:46:42 ID:fIa1891E0
【七氏@テイルズロワ】
【状態】:健康
【装備】:なし
【道具】:不明
【思考】:
 基本:主催者側の人間として活動。参加者の抹殺
 1:とりあえず、部屋に帰って茶を飲みながら出番待ち
 2:チャネリングに対する反応を見る

 ※容姿やその能力は未だ不明

【名無し@テイルズロワ】
【状態】:健康
【装備】:なし
【道具】:不明
【思考】:
 基本:主催者側の人間として活動。参加者の抹殺
 1:とりあえず部屋に帰って次の出番まで茶を飲む

 ※容姿やその能力は未だ不明。



【お姉さま@ギャルゲロワ 死亡】

※お姉さまの遺体の傍に『白猫さんから頑張るあなたへバルサミコ酢の差し入れです。大切に飲んでね』という書置きと共に
 オーガドライバー(オーガストライザー付属)@ライダーロワ、首輪(ボイド@漫画ロワ)、
 PS2ソフト「スーパーロボット大戦OG外伝」&PS2本体、ファウードの回復液@アニロワ2nd が置かれています。

※お姉さまのオーガストラッシュで主催本拠地が露出しました。ただし、夜の間はほとんど見えません

3155名無しでもいいよ皆そう呼ぶから:2008/03/28(金) 23:48:29 ID:fIa1891E0
投下終了。
かぎりなく暴投してる上ジョーカー一人解放してるので、NG覚悟です。
いろんな人にごめんなさい。

3156名無しでもいいよ皆そう呼ぶから:2008/03/29(土) 00:37:18 ID:nbZuvhMM0
投下乙!
お姉さまァァ!
熱血王子がゴマモン化とはw 自主規制吹いたw
GJ!

3157名無しでもいいよ皆そう呼ぶから:2008/03/29(土) 01:02:27 ID:Ku5ndu.g0
すんません。PS2ソフト「スーパーロボット大戦OG外伝」&PS2本体はお姉さまの遺体の方です。
王子のほう消すの忘れてた…

3158名無しでもいいよ皆そう呼ぶから:2008/03/29(土) 14:47:04 ID:JLq/iRYU0
投下乙です
ニコロワはあまり知らないけど、雰囲気はばっちりわかりました
ああ無情……という印象を受けました
というかよく思い当りましたね
汁といい、宝具といい
個人的にはお姉さまがより熱かったのでGJ
黒くなった王子が星を増やせるか期待!

そしてあっちでも叫びましたがここでも失礼
お姉さまーーーーーーーーー!!!!!!
自分の中では最大級のショックでした
自分が心からお慕いしたお姉さま
愛らしくも気高いお姉さま
それがそれが……ああ
愚痴愚痴とこのようなことを言ってすいませんでした

3159trigger:2008/03/31(月) 04:49:02 ID:Tz7XJFyU0
「それじゃあかがみん、次の衣裳はねー」
それは、地球破壊爆弾がロリスキーと共に新たな衣裳を選んでいる時の事だった。
徐々に吸血鬼の時間は近づいてきている、だがまだ明るめの時間。
「できればあんまり恥ずかしくないのがいいんだけど……」
「判ってるよー、かがみん。じゃあこれはやめとして」
「ちょっと待って判ってなかったでしょ今やめたのナニよ!?」
「あはは、それは大人の秘密ってやつだよ」
和気藹々と衣裳を選ぶ全裸の少女達。
地球破壊爆弾は少し考えた末に――一瞬だけ、鋭い目をした。
「……どうしたの、こなた?」
「ん? なんでもないよー、かがみん。じゃあかがみんの衣裳はこれだー!」
そう答える地球破壊爆弾の笑顔は満面のこなた顔。他に言いようの無い平和な表情である。
「ちょっ、なによそれ!? スケスケじゃない!」
「ネグリジェっていうのはそういうものだよ、かがみん」
「いやだから、なんでネグリジェなのよ」
「何を言うのかなかがみさん、夜はパジャマに着替えるのがお約束ってもんでしょ」
そういう地球破壊爆弾は既に、頭に三角帽子を乗せた子供物パジャマに着替えていた。
「で、でもわたし達、吸血鬼よ? 夜は逆に活動的になるんじゃ……」
「別にパジャマのまま活動的になったっていいじゃない。枕投げのノリでさ〜」
(う、そう言われると筋が通ってない筈なのに理解できそう……って、ちょっと待て)
意味不明なのに納得してしまいそうになったが、すぐに冷静になる。
「それならあんたがネグリジェを着なさい。わたしがそれ着るから。
 ていうかネグリジェ一枚で派手に動いたら色々見えすぎるでしょーが!」
「ちぃっ、気付いたかかがみん」
「気付くに決まってんでしょ!」
怒るロリスキーに地球破壊爆弾は潤んだ目を向ける。
「でも、お・ね・が・い・だよかがみ〜ん。
 それにわたしはもう眠くて眠くて、また脱ぐなんてめんどくさーい」
「いやだから吸血鬼がなんで夜に眠くなるわけ!?」
地球破壊爆弾はその問いに、ポッと顔を赤らめた。
「だって、かがみんが激しかったんだもん」
「ちょ!? 何を言い出すのよこな……あっ」
ロリスキーはハッと『ランチタイム』の事に思い当たった。
地球破壊爆弾がアーカードで無ければ確実に死んでいた、獰猛で欲望に任せた食事。
「あのさっきの、やっぱりダメージ有ったの……?」
「いやあ、大した事はないよ? 『さくやはおたのしみでしたね』ぐらい疲れただけー」
「だ、だからそんなのに喩えるなー!」
赤くなるロリスキーを地球破壊爆弾はくすくすと笑った。

「そういうわけだから、おやすみなさーい」
「あ、こら! 待ちなさいこなた!」
ロリスキーは慌てて止めたが、地球破壊爆弾は既にわざとらしい寝息を立てていた。
狸寝入りだろうが、色々とどうしようもない。
ロリスキーはがっくりと項垂れると、言った。
「……判ったわよ。隣の部屋で着替えるから」
「えー、かがみんのイケズー……むにゃむにゃ……」
「寝言はもう少し自然に言いなさい!」

     * * *

(ほんと、妙なことになっちゃったなあ)
ロリスキーは言った通り隣の病室で、体に纏っていたバスタオルをはだけた。
これだけの事など今更だが、それでも同じ部屋で堂々とというのは気が引ける。
そして地球破壊爆弾の選んだ殆どシースルーのネグリジェとショーツを手に取った。
着替えはすぐだ。ショーツに脚を通し、ネグリジェに首を突っ込んだ。
ただそれだけ、一瞬で終わった。
「…………いや、これは人前に出られる格好じゃないでしょう」

3160trigger:2008/03/31(月) 04:49:47 ID:Tz7XJFyU0
胸の膨らみが明らかなどころか、その頂点まで殆ど透けている。
地球破壊爆弾のみならず、ウッカリデス、マダオ、DIE/SOULにまで見られるには
ちょっぴり刺激的すぎる格好だと言わざるを得ない。
「や、やっぱりこなたには悪いけど上から別な服を……」
「こなた、こなた、こなたか。随分と愛されているようだね、彼女は」
「誰!?」
突如聞こえた囁きに周囲を見回す。
――僅か数歩後ろに、彼女は立っていた。

(ウソ、こんな距離に近づかれるまで気付けなかったなんて!?
 ううん違う、こいついきなり気配が現れたんだ!)
彼女はうっすらと笑みを浮かべて見せる。
「最も判らないではないがね。彼女のあの姿は世界で最も美しい形の一つ、
 ロリショタの一員なのだから君が惹かれるのは当然の事だよ、ロリスキー」
「何者なの、あなたはっ」
声をあらげるロリスキーに向けて、彼女はしぃっと口に指を当てた。
黒いリボンの塊のような奇妙な服がふわりと揺れている
「私の名は、まあ黒猫とでも呼んでくれれば良い。黒い天使でもいいがね。
 ああ、静かに話そう。ロリである彼女の休息を妨げるのは気が引けるからね」
黒猫は閑かにそう言って話を切りだした。
「ところで君は対主催なのかな? それともマーダーなのかな?」

何を聞くのかとロリスキーは思った。答えは考えるまでもない。
「対主催よ。わたしもこなたも、わたしの仲間達はみんな対主催だわ」
「なるほど、そうか。では聞こう。何故君は彼女を信頼している?」
「……え?」
黒猫は声を漏らさず、口元だけで笑みを浮かべた。
「知っているだろう? 彼女の凶暴な生き様をね。
 なら判るはずだ。彼女は決して、皆で力を合わせる穏便な存在ではない。
 むしろマーダーに近い」
「……こなたは、対主催よ。マーダーになんてわたしがさせない」
ロリスキーは毅然と答える。それが答えだ。
自分がいる限り、もう地球破壊爆弾をマーダーになんてさせない。
「なるほど、改心したマーダーだというのだね。
 では聞こう。君は本当にそれを判って言っているのかな?」
「それってどういう……」
困惑するロリスキーに黒猫は問い掛けを投げた。
「君は地球破壊爆弾がこの会場で何をしてきたかも知らずに言っているのだろう?」
「ぐっ」
ロリスキーは歯噛みした。確かに、知らない。
地球破壊爆弾がロリスキーに出会う前、何をしてきたのかを。
DIE/SOULなどは地球破壊爆弾を敵視していたのに、そこに何が有ったのかを聞いていない。
「でも、もうそれは半分も無いわ。わたしがこなたに会ってからの時間の方が長いじゃない」
「それでも過去が消えるわけではない」
ロリスキーの反論を黒猫は容易く断ち切る。
「彼女への憎しみが君を侵すかも知れない。彼女への怒りが君を焼くかもしれない。
 あるいは彼女に傷つけられた者の怯えや恐怖が君に向けられるかもしれない。
 何も知らずに接していた相手が、彼女に全てを奪われた犠牲者かもしれない」
「それ……は……」
その言葉を聞き流すにはロリスキーは善良すぎた。
「君は彼女の過去を知らなければならないのだよ、クールなロリスキー。
 彼女と共に歩もうと言うのならばね」
黒猫はそう言って懐から奇妙な鏡を取りだした。
――その鏡は、全ての罪を映し出す。
「だから、私がその手段を与えてあげよう」

     * * *

3161trigger:2008/03/31(月) 04:50:13 ID:Tz7XJFyU0
「くそ、あの二人またおせえな」
呟いたのはダイソウ。神行太保のDIE/SOUL。
ベルセルクのガッツ姿をした男だ。
服を着てくるからといって出ていった、地球破壊爆弾とロリスキーの帰りが、遅い。
「ふん、また着せ替え合いでもしているのだろう。微笑ましいじゃないか」
応えたのは地球破壊爆弾と双璧を為すもう一人のアーカードだ。
ただし漫画ロワから出展の彼女はロリカードの姿をしていた。
何故かブルマタイプの体操服姿で、太股が目に眩しい。
「それとも艶めかしいかな。あるいは妖しい。そう、妖艶の方の妖しいかもしれないなあ?」
「………………」
その言葉に悶々とした想いを抱え込むのが、忘却のウッカリデス。
ゼロの仮面を付けたルルーシュというルルーシュそのものでありながら、その色がどうも薄い。
その心はルルーシュの特性よりも、微妙な空気加減と、そして恋慕と嫉妬に煮えられていた。
(ロリスキーさん……また、あいつと?)
叶うわけがない恋。競争相手が強大であり、偉大な故の苦しみ。
彼にとって地球破壊爆弾は恋敵であり、更に善良な恩人かもしれない存在だった。
「だからって何時も何時もこれじゃ襲撃が有った時に危険すぎるだろうが。
 次は早く帰るように言っておくぞ」
ダイソウがそうぼやく。
――マダオが、目を細めた。
「そうだな、その方が良い。私達も何らかの対処をしなければならない事態だ」
「なんだと?」
椅子で脚をぶらぶらさせていたマダオは急に立ち上がると、鋭い目で言った。
「魔法的な知覚手段にジャミングが掛かった。何者かは知らないが、姿を見せろ」
空気が、張りつめた。
カツカツと、廊下から足音が響いた。やがて姿を見せたのは一人の少女。
無数の黒いリボンがはためいている。
「そんなに緊張する必要は無いよ。今のところ、私に戦うつもりはないのだからね」
黒猫が、そう言った。

「私はただ、君達に一つ見せ物をしに来ただけだとも。
 ああそうだ、ロリカード。漫画ロワの君には特に重要な見せ物だろうね」
「……なんだと?」
突然の闖入に眉を顰めるロリカードへ、666は言葉を向ける。
「漫画ロワの、完全完璧に真っ当な対主催の一人が殺された時の話を見せておこうと思ってね」
666は背に隠していた左手を前に出した。
その左手は途中から奇妙な空間の裂け目に呑み込まれて消えている。
空間に魔法の映像モニターが浮かび上がった。
ジャミングをかけている当人にとってジャミングに波長を合わせた魔法通信など容易な事だ。
そこに映し出されたのは空間の先らしい手鏡を掴んだ左腕と、
その腕に手を添えて手鏡を眠る地球破壊爆弾に向ける――クールなロリスキーの姿だった。
「君達にこれを見せておきたいんだ。私の目的はただそれだけさ」
映像モニターに、彼女の見る情景が映し出された。

クールなロリスキーの持った浄玻璃の鏡が、このロワが始まってから地球破壊爆弾No.V-7の全てを映し出す。
そのある程度を彼ら、彼女達は知っていた。
だが全員が見聞きしたわけではない光景も、有った。
それらは地球破壊爆弾の七変化と共に語られる。
例えばニコロワのジョーカーとの戦い。ニコロワのジョーカーの振るう恐るべき力。
それと戦い抜き逆に圧倒した地球破壊爆弾『キングゲイナー』の脅威。
あるいは主催に地図を作り、その一方でウッカリデスに空に見える何かについて話す光景。
これは『長門有希』の姿で為された事だ。
今取っている『泉こなた』の姿だって大暴れだ。ロリスキーを吸血鬼にしたし、
その時に気にせず跳ね飛ばしたウッカリデスと最速の人は仮面が無ければ死んでいたかもしれない。
ホテルで見せた『地球破壊爆弾』そのものの姿も怖ろしい。
その後の光景でロリスキーに語った所によれば、この姿の時に殺すと起爆してしまうという。
ホテルでの戦いと言えば『銃撃女・ラジカルレヴィ』形態も強烈な物だった。
スーパーキョン・タイムで時間遅滞とか反則にも程がある。
その前には投影なんて技も見せる多芸さだ。
鎖鎌と鳳凰寺風の剣を使って、長門の姿でもDIE/SOULと渡り合って見せた。

3162trigger:2008/03/31(月) 04:50:53 ID:Tz7XJFyU0
「あれはホテルで俺と戦った時の……」
そう、DIE/SOULと戦っていた。何の理由もなくただ闘争の為だけにDIE/SOULと戦っていた。
その前に見せた、一番最初の光景はもっともっと明白で判りやすかった。

『良い月だと思わないか? ◆10fcvoEbko氏……いや、衝撃のネコミミスト。
 こんな良い月の日に殺し合いをしろと命じるなど、主催者は分かっているとは思わないか?
 さあ闘争を始めよう、フリークス! さあ、支給品を確認しろ! まだか!?
 HURRY! HURRY! HURRY! HURRY! HURRY! HURRY! HURRY!』
それが始まりだったのだ。
『ならば仲良く殺してやろう、ヒューマン』
『アーカード』として地球破壊爆弾は血と闘争に嗤っていた。
『ではな、スクライド。私の糧として砕け散れ』
それは簡潔に、純粋無比でシンプルな無差別マーダーの姿だった。

上映を見終えてロリスキーが地球破壊爆弾に何か話しかけようとした所で、モニターが消える。
黒猫の腕は旅の扉から引き抜かれ、その手の中にあった浄玻璃の鏡も懐にしまわれた。
「以上で私の上映は終わりだ。なに、たったこれだけの事だよ」
黒猫はそう言うとうっすら笑って見せる。
「これらの情報を元にどう動くかは君達の問題なのだからね」
彼女の目は、地球破壊爆弾の仲間である3人に向けられていた。

「……結局、あいつはアーカードだったって事だな」
DIE/SOULは自分でも不思議なほど冷静に、事実を噛み締めた。
判っていた事だ。彼はホテルで彼女――こなた、長門、レヴィ形態――と激闘を繰り広げたのだから。
「待ってください、DIE/SOULさん! それでもジョーカーに抵抗する為には……」
「元から俺は一時的に休戦しただけだ。休戦を続行してやってもいいが、奴を倒すなら喜んで加わるさ。
 だが、この件について大事なのは俺じゃねえ。
 問題は奴に殺された漫画ロワの書き手……その同じロワで書いていた、仲間だ」
ぎらりと睨め付ける。もう一人のアーカードを。
漫画ロワのミスターマダオ。ロリカードの方のアーカード。
同じ原作ロワの書き手、それも明らかに真っ当な対主催を殺された対主催の書き手だ。
「テメエはどうする? マダオ」
マダオは嗤った。
「なに、考えるまでもないだろう」
しゅばっと敏捷な音を立てて腕を伸ばす。その肉体は吸血鬼の回復力によりほぼ万全。
武器はトライガンにおいて最強の個人兵装と呼ばれる巨大十字架型兵器、パニッシャーが有る。
ザ・ワールドも使えるし、漫画ロワ書き手としての自力も有る。
そう、闘争の準備は既に万全なのだ。
「ちょっと地図氏と殺し合ってくる」
「だめです!」
その前にウッカリデスが立ち塞がる。
「ほう。どうした、ウッカリデス。映像が現在に繋がった以上、あれは真実だろう。
 ホテルでダイソウと戦った事も間違いない。それでも奴を、おまえが庇う理由があるのか?」
ダイソウが無言で頷く。ウッカリデスは即座に反論した。
「ありません。でも、殺し合いを止めるには十分な理由と、根拠が有ります。
 地図氏はロリスキーさんに止められる形で、マーダーを止めた」
「だがやった事は変わるまい。あの過去にはどう落とし前を付けさせる?
 そもそもロリスキーは本当に奴を抑えられているのか?」
ウッカリデスは言った。
「判っています。だから、話し合ってきます」
ほう、とマダオが息を吐く。ウッカリデスが続ける。
「僕が、理由を聞いてきます。話を聞いて、理由を聞いて、話し合ってきます。
 過去がどうあれ、危険であれ、地図氏は僕達の仲間でいてくれました。
 そこにはきっと彼女がそうあれた理由がある。分かり合えないはずがないんです。
 だからマダオさん。今は怒りを堪えて、待ってもらえませんか?」
「…………ふん、判った」
思いの外アッサリとマダオは引き下がる。
「言ってくるがいい、ウッカリデス。おまえが時折見せるその熱さは嫌いではないからな」
「……ありがとうございます」
ウッカリデスはぺこりと一礼をすると、部屋を飛び出していった。

3163trigger:2008/03/31(月) 04:51:44 ID:Tz7XJFyU0

「思ったよりあっさり引き下がったな」
DIE/SOULが意外そうな様子で問い掛ける。マダオは頷いた。
「ああ、元より私も、今現在マーダーで無いなら地図氏とは仲間でありたいからな。
 同じロワの仲間を殺した事はそう簡単には許せんが、今や地図氏も仲間の一人だ。
 仲間を殺した仲間を殺して誰も残らないなんぞ悲しいじゃないか」
「なんだと? じゃあどうして、殺し合ってくるなんて言ったんだ」
マダオはフンと鼻をならした。
「おまえは私や地図氏が何者であるかを忘れたのか?
 アーカードにとって一度や二度の死は完全な滅びに繋がらない。
 スクライドで出来ている書き手を殺した落とし前として何回か殺してやるつもりでは有ったが、
 対主催として前に進む意志さえ有れば、少なくともこのロワを破壊するまでは共闘するつもりだったさ」
それが彼女の望む熱血展開。鬱展開を受け止め、その上で跳ね返し吹き飛ばす熱き血潮。
「……本当に反則だな、アーカードって奴はよ」
DIE/SOULは呆れたような、僅かに感嘆したような様子でそれを受け止めた。

ぱちぱちと拍手が響く。
「なるほど、それが漫画ロワの熱血展開か。素晴らしいな、君は。
 その上にロリカードだなんて完璧な存在にも程がある」
「……まだ居たのか」
声の主は地図氏の忌まわしい真実を持って現れた少女、黒猫。
黒いリボンで飾られた全身はどこか不吉で、正に凶兆を告げに来たようだ
「だけど本当に良いのかい? ウッカリデスの信念は確かに貴いかも知れない。
 だけど本当に……ウッカリデスは地図氏を説得できるのかな?
 地図氏はそこまで信用できる人物なのか?」
マダオとダイソウは顔を見合わせ……歯を噛み締めた。
「行くぞ!」
「おう!」
二人は部屋から飛び出して、ウッカリデスの後を追った。

しかし。

全てはもう、遅かったのだろう。

地図氏とロリスキーが居る部屋に続く廊下の途中。
ほんの数十mの距離。

『その場所』の向こうには、『彼女』を追って部屋から出てきたロリスキーの姿が有った。
『彼』を追って部屋から出たマダオとダイソウと、『その場所』で視線が絡み合った。

そして『その場所』には。

“鳳凰寺風の剣で壁に串刺しされた”忘却のウッカリデスの姿と。
その前に立つ、地球破壊爆弾No.V-7の姿が有った。

鳳凰寺風の剣に視線が集中する。
そう、それは先程上映された地球破壊爆弾の過去の中で、
ホテルの戦いにおいてDIE/SOULに向けて使った地球破壊爆弾の武器に他ならない。

「ほら、やっぱり遅かった。私は巻き込まれないように消えるとしよう」
黒猫はそう言ってその場から姿を消した。
残されたのは、混沌だ。

動揺し揺れ動く視線が。
字体に混迷する思考が。
吐き出すはずの言葉が。
交錯し絡み合う、混沌の場だった。

    + + +

3164trigger:2008/03/31(月) 04:53:22 ID:Tz7XJFyU0
ほんの少しだけ、せいぜい一分かそこら前の事だ。

ウッカリデスは部屋から飛び出して、ロリスキーと地球破壊爆弾の居る部屋に走った。
だが丁度その中間で足を止めていた。
「君は実に不遇だ。報われないな、忘却のウッカリデス」
ウッカリデスは息を呑む。
「そんな……どうして、あなたが!?」
それは、嗤って話しだした。
「話す時間は殆ど無い。といっても実際に話す時間は考える必要は無いのだがね。
 今からの僅か数秒は会話だけに使えば数十秒、いや数百秒にも匹敵する。
 ああ、これは別に私の能力とかそういうわけじゃあない。バトルロワイアルではよくある事だ」
そして唐突な話題を上げた。
「ヘタレ化や空気化による自己の確立は、当人のキャラクター性によってキャラクターの侵触に
 対抗するという意味において、侵触を防ぐ二つ目の方法に該当する。
 君は空気化により『積み重ねの無い零の時期』におけるキャラクターの侵触を防ぎ、
 その後に起きたイベントの結果、ロリスキーへの叶わぬ横恋慕によって自己を確立した。
 更にその後も考察と、自らへのフラグ定義により生存確立を確かな物にしていった。
 君の努力は尊敬に値する。別に意識してやった事では無いのだろうがね」
「一体何を言って……」
困惑するウッカリデスに向けて一方的に話し続ける。
「だが君は報われない。何よりロリスキーへの横恋慕が悲しいまでに届かない。
 ロリスキーはギャルゲロワ最速の人に恋していたのだろう。
 幸運にも、そして不幸にも彼は死んだ。
 だが今度は地球破壊爆弾がロリスキーを吸血鬼化し、逆にその血を与え、支配ではない絆へと昇華した。
 完璧だ。付け入る隙がない。
 君がいくらロリスキーに恋しても、彼女の愛が君に向く日は来ないだろう。このままでは」
「……何が言いたいんだ」
そいつはくすりと嗤った。
「地球破壊爆弾からロリスキーを引き離し、そして上手くすれば君に靡かせてあげようと思うのだよ」

「……失礼します」
ウッカリデスは、答えもせずに再び歩き出した。地図氏とロリスキーに向けて。
「おや、聞かないのかい?」
「要りません。たとえ叶わなくても、僕はこの想いを汚したくない!」
そいつの前を素通りして目的の病室へと。
「もちろんだとも。君がそうだからこそ、意味がある」
『Lightning Bind』
向かおうとしたウッカリデスの体が、光り輝く輪に捕らえられた。

「な、何を――」
ライトニングバインド。魔法少女リリカルなのはの、設置型捕獲魔法。
指定区域内に侵入した対象を拘束するトラップ型の魔法。
「それにしても君は本当に報われない。
 空に見える主催の居城。それが見える数少ない存在。地図氏の口止め。
 それらを統括し『脱出に役立つ情報を握り込む事による生存フラグ』として定義し直した。
 君はフラグによって身を守っていたのだ」
ウッカリデスは息を呑む。そして気付く。
(そうか、先程の地図氏の上映で情報が皆に――)
「いや、それではないさ」
そいつは、言った。
「あの程度ではまだ君の情報には価値がある。居城そのものはまだ見えないのだから。
 だが、もうしばらくするとそのフラグは意味の無い物になる事が決定してしまった」
(え…………?)
「そう、それは時間的にまだの話さ。本来なら知り得ない話。だがね、そういう物なんだ。
 君しか見えないというアドバンテージは既に失われてしまった」
そいつの背後の空間が揺らいだ。
次の瞬間、そこから射出された“鳳凰寺風の剣”が一瞬でウッカリデスの体を貫き、壁に串刺していた。

3165trigger:2008/03/31(月) 04:54:26 ID:Tz7XJFyU0
「本当に報われないな、君は。
 あそこまで身を張って熱血し恋敵の為に走ったというのに、君の死は争いのために使われるのだから。
 だからね、私は思うのさ。せめて君の死がロリスキーの心に疑惑を抱かせ、地図氏から引き剥がす事を。
 君が死した事により、ロリスキーの心の比重が少しでも君の方に傾く事をね。
 そうだ、今ならまだマダオも悔やんでくれるだろう。彼女も君に想うところがあったようだ。
 それでも報われないのかも知れないが……おっと、もう聞こえてはいないか」

――ウッカリデスは既に事切れていた。

異変を感じたのかいち早く部屋から飛び出した地球破壊爆弾が駆け付ける。
その直後にマダオとダイソウが、ロリスキーが部屋から飛び出した。
しかしその場には、既に地球破壊爆弾以外の誰かが居た痕跡など何も残っては居なかった。
ライトニングバインドは切れ、地球破壊爆弾が投影する事の出来る鳳凰寺風の剣がウッカリデスを串刺している。
ただそれだけだった。

   / / /

「さて、引き金は引かれた」
ウッカリデスを殺した真犯人は離れた場所から病院の様子を見守っていた。
にやりと笑みを浮かべる。
「これから銃を構えるのは君達だ。照準も君達が定める。
 弾を弾倉に入れ遊底を引き安全装置を外すのも君達だ。
 だが。
 殺すのは私の殺意だ」
黒猫こと派手好き地獄紳士『666』は、愉しげに嗤っていた。
「終わった後で教えてあげよう。あの場所で私という悪が踊っていた事を。
 そして憎んでくれ。私がした事をね」
更なる悪行を重ねた事を誇っていた。
『しかし今のはどうやったのです?』
紙状態の、漫画キャラバトルロワイアルwiki管理人ことフランシーヌが666に問い掛ける。
666は答えた。
「これを使っただけだよ」
その手の中にはヒビの入ったカシオペヤが有った。
「使用回数に制限が出来てしまったが、原作通りまだ使えそうだ。
 原作でもっともよく使われた使用法、時間逆行もね」
それが種明かし。
ウッカリデスが殺された時、マダオとDIE/SOULに同行していたはずの666が、
廊下でウッカリデスと会話をした末に殺害を実行できた理由。
「そう、あの時間に私は二人居た。実に身も蓋もない種明かしだろう?
 世界のルール上、既に話として定まってしまった内容を変える事は不可能だけどね」
666はウッカリデス達の前で地図氏の過去を上映し、ウッカリデスが別行動したのを見て、
これ幸いと時間逆行してアリバイの有る時間に殺害に走ったのだ。
戦闘力自体が上がるわけではないが、便利なことこの上無い荒技である。
『それも気になりますが、他にも気になりますね』
「ほう。なにかな、フランシーヌ様」
紙切れのフランシーヌが666に問い掛ける。
『ウッカリデスのフラグが意味を為さなくなる、とはどういう事ですか?
 まだ未来に行ってはいないはずですが』
「ああ、それか」
666は躊躇い無く答えた。
「キャラクターの侵触を受けなければ、私達はこのロワを同時に外からも認識する事が出来る。
 外からロワを認識する手段を用意する事でキャラクターの侵触を防ぐ効果も有る。その逆だ」
それこそが書き手としてのメタ視点能力。
「これこそがこのロワにおいて制限された、書き手としての性質の一つだ」
『成る程。では……』

3166trigger:2008/03/31(月) 04:54:42 ID:Tz7XJFyU0

ニコニコロワのジョーカー達は、キャラの侵触を防ぐ方法を三つに分類した。

一つ目は複数のキャラを使い分け、侵食の方向性を分散させて速度を緩めること。
地図氏やギャグ将軍などがこれに分類された。

二つ目はキャラに頼らなくても十分通じる圧倒的な個性で、侵食を跳ね除けること。
速筆魔王氏、蟹座氏などがこれに分類された。
更に666はウッカリデスもこれに分類していた。ヘタレや空気、平凡もキャラ性の一つだったのだと。
この理屈で言えばtu4の言う『空気化による侵触防止』もこれに分類される事になる。
同時に三つ目の分類にも掛かる手段だろう。

三つ目はそもそも侵触自体を無くす事。
例えばキャラの個性を一時的に隠し誰でもない者になる等だ。
ニコニコロワのジョーカー達は全身を覆い隠す事でそれを為した。
だが、あるいは。

『666さん。あなたは誰ですか?』
「誰、とは?」
『闇の書を使わない、このロワの過程で得た要素を全て抜いたあなたの素体。その原型は誰ですか?』

あるいは……原型の存在しないオリジナルキャラクターとして在ればどうなる?
オリジナルキャラクターの侵触など有りはしない。
その存在は書き手ロワ2ndという環境を内包して形作られていく。
例えばそう、猫子頭の鬼軍曹、その初期形態のように。

それは一つ間違えば薄すぎる個性により空気化する危険な行為。
あるいはロワ内におけるより強固な自己を求め、キャラの形を必要とする。
だが強烈な特性、例えばロリコンショタコンステルスいじめっこのド変態属性(多分、誉め言葉)で内面を定義し、
特殊な支給品で自らの個性を定義し、他キャラクターとの繋がりを盲目的な想いで定義し、
ロワ内での有用性を貴重だったマーダーになる事で定義し、更にロワ内の過程で自身の特色を定義する事に成功すれば?

それは全て仮定に過ぎない。
その様な効果が有るのかも、そもそもそれを目的に誰かが行動したのかも一切が不明だ。
もしそうだとしても、それを知っているのはロワ内の当人だけだろう。
だがもし仮にそういう存在が居たとすれば。

派手好き地獄紳士『666』は笑みを、どこか邪悪な細い笑いへと変えて言った。
「私は、私だとも」

もしかすると、このような存在になるのではないだろうか。


【死亡 忘却のウッカリデス@アニロワ2nd】
ゼロの仮面(蝶高性能)はまだ被ったままです。

3167trigger:2008/03/31(月) 04:55:21 ID:Tz7XJFyU0
【夕方/E-8/病院内】
【アーカードとかは行く】
【地球破壊爆弾No.V-7@アニロワ1st】
【状態】:健康
【装備】:裸にバスタオル
【道具】:支給品一式、着替え用の衣装(複数)、アダルトグッズ(大量)、未定支給品×1(本人確認)
【思考】:??????
 基本:『こな×かが』を死守。けど……
 0:??????
 1:次に何をするか考える
 2:ごめんね、ウッカリデス。やっぱりかがみんはこなたの嫁です
 ※基本的に中身はアーカードで、CVは平野綾です
 ※変化する姿に7つのバリエーションがあるらしいです。
 【1:地球破壊爆弾】【2:アーカード】【3:長門有希】【4:泉こなた】
 【5:銃撃女ラジカル・レヴィさん】【6:キングゲイナー】【7:1〜6とか目じゃないよ?びびるよ、まじで】
 ※クーガーの早口台詞が言えます!
 ※鎖鎌、鳳凰寺風の剣、ソード・カトラス、ノートPCの投影が可能です。
 【スーパーキョンタイム】
 地図氏以外の者はゆっくりとしか動けなくなります。一度使うとそれなりの時間使用不可能です。
 【地図氏の地図】
 参加者の位置、生死を含めた地図を投影できます。※長門有希の状態でのみ可能。
 使いすぎるとアレなので、毎晩0時にのみ使うことにします。

【クールなロリスキー@漫画ロワ】
【状態】:不死者、吸血姫、
【装備】:すけすけのネグリジェとショール
【道具】:支給品一式、着替え用の衣装(複数)、『村雨健二』の衣装、裸エプロン(キュートなシルク仕様)、
     日焼け止めクリーム(大量)、未定支給品×?(本人確認)
【思考】:??????
 基本:こ、こなたと一緒に……脱出か対主催
 0:??????
 1:みんなと今後について考えないと
 ※容姿は柊かがみ@らき☆すたです。
 ※何故か不死身です。
 ※地球破壊爆弾No.V-7の血を吸い、独立した吸血姫となりました。

【ミスターマダオ@漫画ロワ】
【状態】:疲労(小)、強い決意、強い仲間意識
【装備】:パニッシャー@トライガン(機関銃:残り弾数100%、ロケットランチャー:残り10発)、運動服(ブルマ)
【道具】:支給品一式、未定支給品×1(本人確認済み)
【思考】:??????
 基本:対主催! 殺し合いには乗らないが、マーダーは犬の餌。しかし……?
 0:??????
 1:友情! もっと仲間を探すぞ!
 2:努力! 首輪をどうにかするぞ!
 3:勝利! 見ていろよ主催者!
 ※容姿はアーカード(ロリ状態)@ヘルシングです
 ※地図氏(地球破壊爆弾No.V-7)がジョーカーではないかと思っています。
   ジョーカーに襲われた事と合わせての考察はまだしていません。
 ※自分が本物の書き手なのか疑問が生まれました。他の書き手を殺すのにわずかな躊躇いが生まれました。
 【世界(スタンド)】
 世界を使用でき、時止めも可能です(3秒まで)。
 制限は漫画ロワに準拠――『体力の消耗』『時止めの再使用には10秒必要』『スタンドは見れるし触れる』

3168trigger:2008/03/31(月) 04:56:06 ID:Tz7XJFyU0
【神行太保のDIE/SOUL@アニロワ1st】
【状態】:疲労(小)、全身火傷(処置済み)、右指炭化(処置済み)、核鉄による治癒中
【装備】:竜殺し@ベルセルク、ガッツの装備一式@ベルセルク、核鉄『ブレイズオブグローリー』@武装錬金
【道具】:支給品一式、拡声器
【思考】:??????
 基本:アーカード(地図氏、マダオ)は殺すつもり。(だったのだが……)
 0:??????
 1:対主催を集め、機を見計らって『孤城の主』を実現させ、アーカードを打倒する
 2:それまでは、Wアーカードとも協力してゆく
 3:どこかで義手が見つかれば助かるのだが……
 4:ナナシと出会ったら、決着をつける!
 ※容姿はガッツ@ベルセルクです。
 ※神行太保・戴宗の神行法(高速移動)が使えます。
 ※ラディカルグッドスピード腕部限定は、腕だけが速く動きます。
 ※地図氏(地球破壊爆弾No.V-7)がジョーカーではないかと思っています。
   ジョーカーに襲われた事と合わせての考察はまだしていません。
 ※自分が本物の書き手なのか疑問が生まれました。他の書き手を殺すのにわずかな躊躇いが生まれました。


【夕方/E-8/病院から離れた場所】
【派手好き地獄紳士666@LSロワ】
【装備】:ゲート・オブ・バビロン@アニロワ2nd(※特殊仕様)、闇の書@アニロワ1st、
     クラールヴィント@アニロワ1st(ネコミミストと同じ物)、バリアジャケット
【所持品】:支給品一式、エリクシール瓶に入ったシャリダムのイケナイ触手汁、
      エニグマの紙「漫画キャラバトルロワイアルwiki管理人」
【状態】:闇の書発動、不死者化?、大量の精気(エロパワー)吸収
【外見】:黒いリボンドレス、背中から黒い六翼。長い髪は白く染まり後ろに降ろしている。眼鏡外し。
【思考・行動】
基本:極悪外道になった後、ネコミミストの前に敵として再会。ネコミミスト心から愛してる。
1:マーダーとして悪行を積む。
2:戦力強化を図る。
3:ネコミミストの前に敵として現れ、最終的に喰われる。
※ゲート・オブ・バビロンで出せるアイテムをどれも『一応は何とか使いこなせ』ます。
 エリクシールと爆薬は使い切りました。 鳳凰寺風の剣は病院に起き捨て。
 浄玻璃の鏡の回数制限は残り2回。凛の宝石は残り7個。風の矢は残量不明。
 懐中時計型航時機『カシオベア』に(原作のように)ヒビが入りました。動作などへの影響は不明です。
※ゲート・オブ・バビロンで出せる新たに判明した物及び追加された物。
 アニロワ1stからディーヴァの剣、ルルゥの斧、マイクロ補聴器、
 鳳凰寺風の弓と矢、鳳凰寺風の剣、凛の宝石×10、闇の書。
 加えて――マテリアルブレード@テイルズロワ@XXX、クラールヴィント@アニロワ1st@XXX、
 不死の酒@アニロワ2nd(既に使用済み?)@XXX。
※闇の書と融合しているため、その内に言うまでもなく――
※エロスの鐘の煩悩寺と、エロ師匠の(ついでに大暴れ鉄槌の)精気を吸収しました。
 影丸の魔力を吸収したため、8割がた使いこなせるようになりました。
※「漫画キャラバトルロワイアルwiki管理人」は一度だけ秘められた力を使う事が可能です。詳細は不明。自身に関係する事?
※書き手としてのメタ視点能力を使える様子。別に全知ではない。

3169名無しでもいいよ皆そう呼ぶから:2008/03/31(月) 04:59:48 ID:Tz7XJFyU0
状態表の最後、浄玻璃の鏡使用回数をミスった。

【夕方/E-8/病院から離れた場所】
【派手好き地獄紳士666@LSロワ】
【装備】:ゲート・オブ・バビロン@アニロワ2nd(※特殊仕様)、闇の書@アニロワ1st、
     クラールヴィント@アニロワ1st(ネコミミストと同じ物)、バリアジャケット
【所持品】:支給品一式、エリクシール瓶に入ったシャリダムのイケナイ触手汁、
      エニグマの紙「漫画キャラバトルロワイアルwiki管理人」
【状態】:闇の書発動、不死者化?、大量の精気(エロパワー)吸収
【外見】:黒いリボンドレス、背中から黒い六翼。長い髪は白く染まり後ろに降ろしている。眼鏡外し。
【思考・行動】
基本:極悪外道になった後、ネコミミストの前に敵として再会。ネコミミスト心から愛してる。
1:マーダーとして悪行を積む。
2:戦力強化を図る。
3:ネコミミストの前に敵として現れ、最終的に喰われる。
※ゲート・オブ・バビロンで出せるアイテムをどれも『一応は何とか使いこなせ』ます。
 エリクシールと爆薬は使い切りました。 鳳凰寺風の剣は病院に起き捨て。
 浄玻璃の鏡の回数制限は残り1回。凛の宝石は残り7個。風の矢は残量不明。
 懐中時計型航時機『カシオベア』に(原作のように)ヒビが入りました。動作などへの影響は不明です。
※ゲート・オブ・バビロンで出せる新たに判明した物及び追加された物。
 アニロワ1stからディーヴァの剣、ルルゥの斧、マイクロ補聴器、
 鳳凰寺風の弓と矢、鳳凰寺風の剣、凛の宝石×10、闇の書。
 加えて――マテリアルブレード@テイルズロワ@XXX、クラールヴィント@アニロワ1st@XXX、
 不死の酒@アニロワ2nd(既に使用済み?)@XXX。
※闇の書と融合しているため、その内に言うまでもなく――
※エロスの鐘の煩悩寺と、エロ師匠の(ついでに大暴れ鉄槌の)精気を吸収しました。
 影丸の魔力を吸収したため、8割がた使いこなせるようになりました。
※「漫画キャラバトルロワイアルwiki管理人」は一度だけ秘められた力を使う事が可能です。詳細は不明。自身に関係する事?
※書き手としてのメタ視点能力を使える様子。別に全知ではない。



改めて、これで投下終了。
敢えて病院組それぞれの思考をぼかしてあります。
地図氏こなたが666を途中まで黙認していたのは様子見&かがみんには確かに見せておく必要が有ると
同意したから……という風に考えていましたがやっぱり後の人任せ。ぶん投げる。

3170名無しでもいいよ皆そう呼ぶから:2008/03/31(月) 11:06:17 ID:/3zbyTcE0
乙です。ついに病院始まったか。
そしてウッカリデス…本当にただの一般人でありながらよく頑張った!

3171名無しでもいいよ皆そう呼ぶから:2008/03/31(月) 13:33:25 ID:W0BrchHs0
投下しま〜す。ある意味好き放題ですけど。

3172そのチートに賭ける!!:2008/03/31(月) 13:35:17 ID:W0BrchHs0
「任務終了……愛媛、帰投します」

闇よりなお黒き少女が去り、ただ命なき闇だけが世界に残る――はずだった。

「行ったみたいだな」
「ええ、そうみたいね」

つい先ほどまで戦場だったD-4のビルの屋上に二人の少女が降り立つ。
いや二人の少女+1と表記するのが、この場合は正しいのだろう。
片やノーパンセーラー服な津村斗貴子――エロ師匠。
片やシーツ一枚きりなティアナ・ランスター――エロスの鐘の煩悩寺。
おまけのちびメイド、ミニ・サスペリアももちろん一緒である。

ビルの屋上。
本来ならわざわざ人が来るはずもない場所に、暗所では目立つサンライトハートの光を、
残り少ない精気による『いけない透明人間』で隠蔽してまでやってきたのは、
もちろん二人がエロスの力を感じたからである。

言うまでもなくお姉さまの自主規制うんぬん事件により発生したものである。
そのエロス濃度は凄まじく、最盛期までとは行かないでも、
今までの激戦によるダメージを全快するには十分なものであった。

「お姉さまか。死ぬ前に会ってみたかったな」

晴れてエロスマーダーコンビを結成した二人は、
エロ師匠が持っていた不明支給品一式×2を確認し、
それぞれに分配しなおした後、今までの反省からまずは手堅く精気を補給することにしたのである。
即ち、現在の二人では生き残っている強者の参加者から直接精気を奪うのは難しい。
ならば何らかのエロ展開があった場所に、人がいなくなってから行き残存精気を吸収すればいい。
無論鮮度では生のものに比べて遙かに落ちるが、安全を確保したまま楽して回復できるという利点がある。
普段ならばそんな安易なエロスには誇りにかけて走らない二人であるが、
早急に回復する必要がある現状を踏まえたけっかこの作戦を採用したのであった。

「ギャルゲロワの書き手の力、実感できたでしょ?」
「ああ、私達が目を付けたエロスポットはどれもこれもが彼らに縁のある地だったのだろ?
 正直恐れ入ったよ。まさか私達のようなエロスキャラでは無いのに、
 こうも自然と高度なエロスを連発してくるとはな。
 残存精気な為詳細なエロ描写までは読み取れないのが残念だが、
 まあ半身が同ロワ出身の君のおかげで誰によるエロスかがわかった分だけ良しとしよう」

ランダム支給品の一つであったスパイセットを目的地に派遣しつつ、
送られてきたデータを元に人との接触を避けつつ二人は順調にエロスポットを周っていったのだ。
支給された数がギガゾンビの所持数レベルなら会場全体に撒けたのだが、
あいにく1セットであった為、ピンポイントで使用するしかなかったのである。
初めにC-1(お姉さま母乳発射現場)に行き精気補充。
そのままB-5〜F-6にかけて延々と続く精気の道(蟹座氏ロード)を追っていた二人だったが、
途中でこのビルがエロセンサーに反応したのである。
余りにも唐突なリアルタイムエロスの気配にわくわくしつつも、
先走りそうになる心を落ち着かせ終始スパイセットでの覗き見に徹していた二人は、
そこで思わぬものを目にすることとなった。

3173そのチートに賭ける!!:2008/03/31(月) 13:36:44 ID:W0BrchHs0
「あれは、所謂ジャーカーと見て問題ないな?」
「首輪もしていなかったわ。セリフからしても主催者側だと思うわ」
「柊つかさか。漫画ロワ、アニロワ2の書き手でないとすれば、ニコロワか?」

エロスを極めたが故に、お姉さまの不調の原因を直感で悟り、
自主規制な展開までドキワクしながら見入っていた二人だったが、
突如スパイセットから送られてきた映像に第三者が現れたのだ。
しかもエロ師匠が急に殺気立ってしまったため、
それを抑える羽目になった煩悩寺は大迷惑であった。
二人は気付いていないが、エロ師匠の暴走未遂は言うまでもなくなりきりにより、
エロ師匠の精神が元キャラに引っ張られたからである。
漫画ロワにおいて柊つかさを殺した津村斗貴子のありように。

「あんなものまで出張ってくるとはな。やはり精気の回復は急を要するということか」
「そうね。さっき見た様子じゃバトルマスターと蟹座氏はただいま絶賛修羅場中。
 直前までのあれやこれやで精気はかなり漂ってると思うけど……」
「無謀、だな。名だたるギャルゲ書き手二人、それも片方はどう考えても戦闘特化型。
 あの鉄槌のようにズガンで倒しでもしない限り、まともにやっても勝ち目は無いだろ」
「加えてしたらば孔明。あなたも見聞きしたと思うけど、
 危険な対主催ほどマーダーにとって厄介なものはないわ」

蟹座氏×バトルマスターINラブホ。
これだけのおいしい状況を察知できない二人では無い。
実際煩悩寺とエロ師匠が最初にスパイセットを派遣したのがこのホテルである。
故に偶然知ってしまったのだ、孔明とライダー書き手の間で交わされた恐るべき密約を。

「わかってる。それに他者に踊らされるようでは、自分超えなど出来る筈がない。
 私達は私達の意思と力でもう一人の自分を超えてこそ意味があるのだから」

ならば接触は避けるのが吉だ。ライダー書き手が向ったE-8にも当分近寄らない方がいい。
また、先刻スパイセットをホテル満漢全席に使用中だったために、
データーを得ることができなかった龍らしきものも心なしかE-8方面に向かっていたように見えた。
これらを総合するに、当初の予定通り地道にF−6まで続く精気を回収しに戻るのが最善だろう。

さすがに距離がありすぎたためギャラドスの巨体がぎりぎり見えるのに止まり、
空気王なtu4氏に気づかなかった二人はそう判断し、スパイセットを再起動。
F−6に飛ばし様子見に移る。


エロ師匠と煩悩寺が知る由もないが、F-6は漆黒の龍と孤高の黒き書き手、
さらに空気王なtu4氏の移動に伴い、無人と化していた。
加えて現状主だった参加者は、ホテル、病院、元旅館に集まっているのだ。
誰もいない確率の方が圧倒的に高かっただろう。

だが、奴にそんな確率論は通用しない!

「ぶ っ ち ぎ る ぜ !!」
モニターから男の声が響く。
早とちりで騙されやすく、されど、誰よりも熱い心と強い決意を持つ男の声が!

3174そのチートに賭ける!!:2008/03/31(月) 13:37:22 ID:W0BrchHs0


  *    *    *



「ボルティックシューター!!」
ロボライダーに変身した影の繋ぎ手の攻撃でスパイセットが爆散する。
相変わらずのチート技能でスパイセットを発見したロボライダーは、
ハイパーリンク能力を使い、スパイセットを掌握。
目的である白い仮面の男を見つけるや否や何の躊躇も無く破壊したのであった。
己が力で完全に乗っ取ったはずの秘密道具をである。
そのことに疑問を覚えたディーがデイパックから僅かに顔を出し口を開く。

「今の道具だが、壊す必要はどこにあった?」
「俺以外の誰かが既にハッキングした形跡があったんです。
 しかもロボライダーとは別の方面での技術で。
 いつかまた奪われて悪事に使われるくらいなら、
 いっそ壊す壊すまでです!」

考えなしの行動では無かったことにディーは驚きつつ、
では持ち主やハッキングした人間をどうやって悪人だと判断したのか悩み、
一秒で答えに思い至る。
十中八九クライシス帝国の仕業だ!!思考による決め付けだろう。
影の繋ぎ手と合流してからというものの、彼に引きずられっぱなしなディーは、
今や諦めの境地に達していた。
まあ、その愚直さが影の繋ぎ手に一切の休憩無しの全速移動という離れ業を可能にし、
ハクオロこと最速の人の体をこうも早く見つけることができたのだが。

「やりましたね、ディーさん!これでお姉さまを助けに行ける!!」
男の手にあるのは無残としか言いようのない男の死体。
されど明らかに人の手によりなんとか整えようとした形跡のある死体であった。
死体を利用することへのせめてもの贖罪か。
いや、違う。ディーは知っている。
この地に辿り着くまで見てきた幾つもの死骸に男が涙を流してきたことを。
それほどの激情を抑え込み、自分とお姉さまの為に力を貸してくれたことを。

ああ、だからこそ、ディーは言えないのだ。
繋ぎ手が救おうと決めている人間の一人であり、己が力を与えたお姉さまがもうこの世に居ないと。
どれだけ離れていても力を与えた者の死を感じ取れる自身の能力を、今ほど煩わしく思ったことはない。

影の繋ぎ手に対する申し訳だけでは無い。
お姉さまの死がディー自身にとっても予想外に悲しいものだったからだ。

否、最速の人と融合し、あるべき力を取り戻しつつある今ならわかる。
――当然のことだったのだ、私がお姉さまの死を深く悲しむのは。
何故なら、私もまた、GR版最速の人なのだから。

さて、ここでGR版最速の人について簡単に述べよう。
チャットなどで判明したことだが、ぶっちゃけた話、
彼の書き手としてのキャラの濃さは、あの名高い地球破壊爆弾No.V-7と同格のものである。
変態、シリアスともにこれほど高レベルでギャップの激しい人物はそうはいないだろう。
そんな二人がひょんな偶然から物語序盤で出会ってしまっていたら?
ロリスキーに会っておらずマーダー路線だった地球破壊爆弾と最速の人が、
その書き手・変態・マジモードを駆使して全力で戦っていたとしたら?
阿鼻叫喚である、屍山血河である、欝まっしぐらである、自主規制である、超絶シリアスである。
どんな展開にしろ言えることはただ一つ。


ど う 考 え て も お 祭 り 企 画 で や っ て い い の り じ ゃ ね え !!

3175そのチートに賭ける!!:2008/03/31(月) 13:38:03 ID:W0BrchHs0


当初書き手ロワ2が今のような規格外な作品になるとは思ってもいなかったWIKI管理人はこのことを何よりも恐れた。
完結しようがしまいが気にしないという彼であるが、さすがに第一話で全力全快などされて、
一人も書き手が死亡せず超展開や自主規制で企画が挫折したり、
イデ・エヴァエンドなどどうとでも解釈できるとんでもな終わり方をされるのは本気で困るからだ。
幸い地図氏は、アニ1とアニ2出典として、そのトンデモを二分できたが、
これはこれで主催側の孔明や感電といったロワ完結派の切り札の一つ地球破壊爆弾が、
二分されていないが故に有利になった最速の人に無効化されうる。
そこで感電が思いついたのが、『なりきり』を生かしてのキャラ分離である。
元から心や体が二つに分かれた設定のあるキャラになり切らせれば、
最速の人のスペックも二分できるのではないか?
ギャルゲロワにはちょうどいいことに条件に合い、更にはネタキャラなハクオロがいる。
彼になりきれば最速の人といえど、きっと都合よく女子高生に殺されるだろう。
そんな思惑のもとに最速の人から変態力を中心に分離して生まれたのが、
このロワにおけるディーの正体だったのである。

尚、ディーが支給品として登場したのは、WIKI管理人に対する最速の人の二分化の理由として、

『ギャルゲロワじゃ、重機すらデイパックに入ったんだし、ラスボスのディーも魔封波できそうじゃね?』

っという冗談か本気かわからないわけを挙げたからであった。


「合体、成功だ」

全身に力がみなぎるのが、ディーには感じられた。
最速の人の魂を欠いている分、本来の力は出せないだろうが。
また、自分は厄介な意思持ち支給品な上に、蘇生の領域に足を半分突っ込んでしまっている。
議論スレや毒吐きを荒れさせて企画を台無しにするわけにはいかない。
ならば、取るべき道は一つ。
パロロワ界に於ける蘇生が許されるパターンは3っつ。現状で最適なのは……。

1:そのキャラが生き返らなければ話が進みようがない
論外、そこまで切羽詰まってはいない。

2:別の誰かの自己犠牲
駄目だ、繋ぎ師を犠牲に支給品が残る気はない。

ならば、選ぶは――

3176そのチートに賭ける!!:2008/03/31(月) 13:38:42 ID:W0BrchHs0

「影の繋ぎ手よ。お姉さまは、もういない」
「そんな!くそ、クライシス帝国め!!」
「それでも、汝は戦い続けるか?」
「俺は、俺は仮面ライダーだ!仮面ライダーは闇を切り裂き、光をもたらす!!」
「そうか」

ディーは頷く。影の繋ぎ手――流れに取り残されたキャラを救い続けた男。
そのありようと光太郎のチートが合わされば、あるいは。

「いいか、繋ぎ手。この戦いの真の主催者はWIKI管理人だ。煩悩寺とtu4も同一人物だ。
 読み手は汝ら側だが、感電、そしてしたらば孔明、地球破壊爆弾No.V-7に注意しろ」

影の繋ぎ手の顔に困惑が浮かぶ。
それでも、何としても自分が思い出し知っている範囲のことを伝えねばならない。

「お前に考察しろとは言わん。ただ私の言うことを全て覚えておけ。
 このロワで使われている『なりきり』システムの都合上、
 ジョーカーとして少なくともテイルズロワは参戦しているはずだ

影の繋ぎ手の傷を回復させていく。
まだだ、まだ足りない!回復では駄目だ、必要なのは圧倒的なほどの力!!
くそ、時間が足りない。やはりこの世界は復活を受け入れない。
その事実こそがWIKI管理人の思惑の上を行く一つの答え!!

「いいか、WIKI管理人は、その在り様故に誰よりも、ロワを、書き手を知り尽くしている!
 この書き手ロワ2に於いても、奴は汝等が書き手としての常識に囚われていることを利用し、
 簡単に解除できる首輪を嵌めさせたのだ。勝手に解除困難だと誤解すると踏んでな!!」

影の繋ぎ手の基本の変身体はシャドームーンであり、同時に彼はBLAKRXでもある。
その無茶苦茶な設定が矛盾なく通っている、即ち――

「故に奴の計画を、このバトルロワイアルを潰したいのなら、
 書き手としての常識に囚われるな!奴の目的を書き手として考察したうえで、
 奴の裏をかけるよう読み手だけでなく書き手の斜め上を行く行動を行え!!
 『なりきり』を逆に利用しろ!完璧になりきって、奴の思惑に収まらない規格外と化せ!」

月の石と太陽の石の同時所持!
今は別々に発動している力をもし一つに纏められればチート度はどれだけ上がることか!
明らかなアンオフィ設定だ。恐らくこの身一つ持っていかれるだろう。
それでも賭ける価値はある。原作の先を行く地点でそれは一つのオリキャラだ。
光太郎としてのなりきりは揺るがずとも、オリキャラへのなりきりは、
原作設定という枷がない限り、本人の思い込み次第でどこまでもパワーアップできる。
そして思い込みに関して、光太郎ほど凄まじいキャラはそうはいまい!!

3:蘇生話での死亡
ちょうどいい。この身も正邪愛憎二つを束ねた進化を司る神にして悪魔のもの!
足りぬとは言わせぬぞ、読み手どもオオオオオオ!!

「ぐううううううううううううううううおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

うたわれるものが本来の姿を開放し天井をぶち破り咆哮する!
夕刻であったが故に、月は東に日は西に状態になっていた天から、
叫びに応えるかのように陽光と月光が降り注ぎ、
光の中影の繋ぎ手が新生する!

「そして、願わくば、この書き手ロワに、私が愛した人々に、ハッピー、エンド、を……」
うたわれるものが、なりきりの限界を天元突破した反動で、ひび割れ崩れ落ちていく。
だがその表情は、どこか不思議と安らかなものであった。
何故なら彼は最後に希望を生み出せたのだから。無茶を通して道理を蹴っ飛ばす最大のチートを!!

「俺は、俺は!!」
白銀の装甲に覆われた黒きボディが姿を現す。
右手にはリボルケインを、左手にはサタンサーベルを。
腹部に輝くシャインバスクは、太陽だけではなく月の光すら取り込み力と化す。

「太陽は朝を照らし、月は夜を照らし、ライダーは命を照らす!
 俺は光の王子、仮面ライダーBLACK SRX!!」

胸の紋章が示すSの文字は、シャドームーンのSか、スーパーのSか、最速のSか。
答えは誰にもわからない。只一つ分かっていることがあるとすれば、
ここに天下無双のチートなヒーローが誕生したということである。

3177そのチートに賭ける!!:2008/03/31(月) 13:39:16 ID:W0BrchHs0
【夕方 F−6】

【影の繋ぎ師@ライダーロワ】
【装備】:サタンサーベル@ライダーロワ、リボルケイン@ライダーロワ
【道具】:カラオケマイク@現実
【所持品】:支給品一式
【状態】:腹部に大ダメージ、全身に切り傷。クライシス帝国への激しい怒り。
【思考・行動】
基本:殺し合いには乗らない
1:どこまでも ぶ っ ち ぎ る ぜ !!
2:他の参加者にディーから聞いた事を伝える
3:熱血王子を倒す
4:逃げたクライシス帝国の手下を見つけて倒す

【備考】
※変身体が仮面ライダーBLACK SRX@書き手ロワ2に進化しました。
 キングストーン二つの融合により更なる可能性を得たかもしれません。
※RXの全変身系統の能力が二倍以上にアップし、シャドームーンの武器と技も使用可能です。
 何より性能差をももろともしないシャドームーンの卓越した戦闘技能を強化されたRXが得たことが一番大きいでしょう。
 加えて太陽光・月光の両方を取り込めるようになったので、昼夜問わずぶっちぎれます。
 名前からしてスパロボのSRXの技も使用可能かもしれません。詳しい能力・技は以降の書き手にお任せします。
 原作設定すらぶっちぎるぜい!
※ついでに首輪が取れちゃいましたが、どこまでもぶっちぎりです。

【ディー@ギャルゲロワ 消滅】


  *    *    *



スパイセットを破壊された二人は、すぐさま屋上から撤退を開始した。
ファウードの回復液とボイドの首輪回収には成功したものの、
オーガドライバーには拒絶されたためエロくないゲームとともに置いていくこととなった。


それを遠く見下ろすのは一つの影、派手好き地獄紳士『666』。
スパイセットをハッキングしていたもう一人の人物である。

「マーダー相手に自ら敵視されることも無いと思い、ハッキングで済ませたのだがね」

とは言え破壊されたのならそれで良し。
元々666の目的は情報収集では無く、自身が見つからないようにする為だったのだから。

「ふふふ、しかし私の目に狂いは無かった!プー太くん、感謝するよ!
 君のおかげでまた一つネコミミストに試練が訪れる!
 ああ、悪であれと定められ、自らの拠り所となりうる存在を己が手で殺してしまった彼を前に、
 君はどんな苦悩を見せてくれるのだろか。
 シャリダムの記憶をを追体験した君ならわかるだろう、熱血王子が抱く苦しみが!
 それでも許しを求め続ける彼を鋼の意志で殺すか、はたまた揺れ動いた末に手に手に掛けるのか、
 なんとしてでも救おうと動くのか。楽しみだ、実にぞくぞくする!」

わざわざ旅の鏡で空間転移に介入し、志を共にできる静かなる〜Chain-情〜というパートナーまで贈ったのだ。
ネコミミストはきっとこの試練を乗り越え、更なる高みに達してくれるに違いない。
私もぐずぐずしてはいられない。さあ行こうか、孤城の主という一大イベントの引き金を引くために。

光ある所に影はあり。

愛という闇と正義という光、飲み込まれるのは果たしてどちらか?

3178そのチートに賭ける!!:2008/03/31(月) 13:40:28 ID:W0BrchHs0





【夕方/D−4/市街地】
【チーム・エロスノキワミアーッ!?】

【エロスの鐘の煩悩寺@アニロワ2nd】
【状態】:精気・魔力中回復、変身解除
【装備】:エロスの鐘、ミニ・サスペリア
【道具】:支給品一式 、不明支給品(1〜3)、ファウードの回復液@アニロワ2、首輪(ボイド@漫画ロワ)
【思考】:
基本:この殺し合いの場を利用して、ギャルゲロワの『予約被りに定評のあるtu4氏』に勝る存在となる
 1:エロ師匠とタッグを組んで状況の打開を目指す
 2:精気を吸収して回復したい
 3:最後にはエロ師匠と再度決着をつける
 ※容姿はティアナ・ランスター@なのはstsです。
 ※ある程度エロパワーは回復しました。
 【エロスの鐘】
 大人向けデバイス。魔法妖女デザイア・ベルへの変身アイテムでもある。
 その音色を聞かせた者が隠し持っている欲望を引き出し、暴走させてしまう。
 暴走した欲望からエロスを吸い取ることで相手の精気を自分のものにできる。
 【ミニ・サスペリア】
 掌サイズのメイドさん。闇のメイド・サスペリア@アニロワ2ndの姿をしている。
 魔女っ娘に必要なマスコットキャラで、ご主人様に色々とアドバイスをしてくれる。



【エロ師匠@漫画ロワ】
【装備】:サンライトハート(後期型)@武装練金 カードデッキ(ゾルダ)@ライダーロワ 官能小説
【所持品】:支給品一式×2、マジックペン@文房具、不明支給品(確認済み1〜2)
【状態】:お肌の張りやや良、ぱんつはいてない
【思考・行動】
基本:この殺し合いの舞台を利用して、LSの『ボマー』を上回る存在感を獲得する。
 1:エロスの鐘の煩悩寺と組んで状況の打開を目指す。
 2:エロスを補給して回復を図る
 3:バイセクシャルでスペック高い仮面ライダー書き手に未だ関心あり
 4:最終的にはエロスの鐘の煩悩寺と決着をつける
 ※外見と声は銀髪銀眼の津村斗貴子(エロ度200%増)です。無駄にエロいです。何でもエロくします。
 ※サンライトハート(後期型)は支給品ではなく自前です。核鉄として心臓の代わりも兼ねています。
 ※カードデッキだけはなぜか九分五十五秒しか変身できません。
 ※服に若干の返り血
 ※ある程度エロパワーは回復しました。
 ※下着は『闇のゲーム』の中で消滅しました。だからいま、ぱんつはいてない。

3179そのチートに賭ける!!:2008/03/31(月) 13:40:49 ID:W0BrchHs0


※お姉さまの遺体の傍に『白猫さんから頑張るあなたへバルサミコ酢の差し入れです。大切に飲んでね』という書置きと共に
 オーガドライバー(オーガストライザー付属)@ライダーロワ、
 PS2ソフト「スーパーロボット大戦OG外伝」&PS2本体が置かれています。



【夕方/F-6/上空】
【派手好き地獄紳士666@LSロワ】
【装備】:ゲート・オブ・バビロン@アニロワ2nd(※特殊仕様)、闇の書@アニロワ1st、
     クラールヴィント@アニロワ1st(ネコミミストと同じ物)、バリアジャケット
【所持品】:支給品一式、エリクシール瓶に入ったシャリダムのイケナイ触手汁、
      エニグマの紙「漫画キャラバトルロワイアルwiki管理人」
【状態】:闇の書発動、不死者化?、大量の精気(エロパワー)吸収
【外見】:黒いリボンドレス、背中から黒い六翼。長い髪は白く染まり後ろに降ろしている。眼鏡外し。
【思考・行動】
基本:極悪外道になった後、ネコミミストの前に敵として再会。ネコミミスト心から愛してる。
1:病院に向かう。
2:マーダーとして悪行を積む。
2:戦力強化を図る。
3:ネコミミストの前に敵として現れ、最終的に喰われる。
※ゲート・オブ・バビロンで出せるアイテムをどれも『一応は何とか使いこなせ』ます。
 エリクシールと爆薬は使い切りました。
 浄玻璃の鏡の回数制限は残り2回。凛の宝石は残り7個。風の矢は残量不明。
 懐中時計型航時機『カシオベア』に(原作のように)ヒビが入りました。動作などへの影響は不明です。
※ゲート・オブ・バビロンで出せる新たに判明した物及び追加された物。
 アニロワ1stからディーヴァの剣、ルルゥの斧、マイクロ補聴器、
 鳳凰寺風の弓と矢、鳳凰寺風の剣、凛の宝石×10、闇の書。
 加えて――マテリアルブレード@テイルズロワ@XXX、クラールヴィント@アニロワ1st@XXX、
 不死の酒@アニロワ2nd(既に使用済み?)@XXX。
※闇の書と融合しているため、その内に言うまでもなく――
※エロスの鐘の煩悩寺と、エロ師匠の(ついでに大暴れ鉄槌の)精気を吸収しました。
 パワーアップしたのは確かですが、そのエロパワーを使いこなせるかどうかはまだ不明です。
 影丸の魔力を吸収したため、8割がた使いこなせるようになりました。
※「漫画キャラバトルロワイアルwiki管理人」は一度だけ秘められた力を使う事が可能です。詳細は不明。自身に関係する事?


時系列は、237話triggerの前です。

3180名無しでもいいよ皆そう呼ぶから:2008/03/31(月) 13:41:31 ID:W0BrchHs0
投下終了。

3181名無しでもいいよ皆そう呼ぶから:2008/03/31(月) 15:10:03 ID:fCffqvK20
投下乙です。
魔封波吹いたw

3182名無しでもいいよ皆そう呼ぶから:2008/03/31(月) 15:21:22 ID:evQXxvUg0
投下乙です!
最近の666の暗躍っぷりは凄いなw
っていうか影の繋ぎ師やばいwwこれはやばいww

3183名無しでもいいよ皆そう呼ぶから:2008/03/31(月) 15:54:47 ID:wc5FJAJM0
……やべ、影の繋ぎ手× 影の繋ぎ師だったああ!
っく、なんといううっかりをw

3184名無しでもいいよ皆そう呼ぶから:2008/03/31(月) 16:55:07 ID:3GkyrKNY0
>>3138
既に修正したおいたッッ!!HAHAHAHAHAHA!!

3185名無しでもいいよ皆そう呼ぶから:2008/03/31(月) 16:55:59 ID:3GkyrKNY0

安価先間違えちまったぜorz HAHAHAHA!

3186名無しでもいいよ皆そう呼ぶから:2008/03/31(月) 17:04:17 ID:wc5FJAJM0
ありがとうございます、3184の人!

3187名無しでもいいよ皆そう呼ぶから:2008/03/31(月) 17:33:53 ID:0OtBXTCE0
魔封波ネタ拾ってくんなw
よく覚えてたな、あんなネタ…

3188名無しでもいいよ皆そう呼ぶから:2008/03/31(月) 18:45:52 ID:1bpVhojgO
666の状態表が長ぇwwwwwwwwww

3189集まるヒダネ:2008/03/31(月) 22:58:03 ID:IrxPRrDE0
「それ」は◆6/WWxs9O1sのゲートオブバビロンから飛び出した後、とあるビルの屋上に設けられたフェンスに突き刺さっていた。
「それ」の重さは、徐々にフェンスをゆがませていった。
加えて、会場各地で繰り広げられる激戦の衝撃が、少しずつではあるもののフェンスの耐久力を奪っていく。
やがてフェンスは「それ」の重さを支えられなくなり、「それ」は地上に落下した。
ちょうど、病院へ向かう漆黒の龍と孤高の黒き書き手が、その下を歩いていたときに。


「え?」

上の方から何か不吉な音がしたのに気づき、孤高の黒き書き手(以下孤高)は空を見上げた。
その視界を覆ったのは、自分に向かって落ちてくる何やら硬くて重そうな物体だった。

「な、ちょ、いや!」

何らかの対処をすべく、クラール・ヴィントを起動させようとする孤高。
しかし完全に不意をつかれた彼女の心は大きく乱れ、体が思うように動かない。

「孤高さん、危ない!!」

相棒の危機に、漆黒の龍(以下漆黒)は全力で走る。
カブトゼクターやカードデッキを取り出している余裕はない。
ならば、アイテムなしで出来る変身を。
漆黒はその身をドラゴンオルフェノクに変え、なおも走った。

「おおおおおお!!」

「それ」の落下地点でオロオロしていた孤高を、漆黒の腕が突き飛ばす。
漆黒自身も、その勢いで「それ」の下をくぐり抜ける。
こうして、二人は「それ」の下敷きになるという事態を、何とか回避した。
ただし…。

「あ…。」

突き飛ばされた孤高が、近くの電柱に頭から突っ込んでいたのだが。

「しまったあぁぁぁぁ!!」

漆黒の龍、忘れている方が多数だろうが、彼はお馬鹿という設定なのである。
(第86話「ゼットン」参照)

3190集まるヒダネ:2008/03/31(月) 22:59:10 ID:IrxPRrDE0
◇ ◇ ◇


「まったく、助けてくれたことには礼を言いますけど…。もうちょっと助け方を考えてください。」
「ごめん…。」

数十分後、二人は適当な建物の中で休息を取っていた。
幸いなことに、孤高の負傷はちょっと血が出た程度だった。
ただし、それはあくまで外傷が、ということ。
脳に影響が出ていないかどうかは、医学的知識を持ち合わせない二人にはわかり得ないことである。

「はあ、ただでさえ気絶ばかりで時間を無駄に使っているというのに、ここでさらにタイムロスを強いられるとは…。
ぐずぐずしていられません。一刻も早く出発しましょう。」
「えっ?ちょっと待ちなよ。頭打ってるんだよ?一応、病院に行った方が…。」
「だから、その病院にこれから行くんでしょうが!」
「あ、そうだった…。」

漆黒の天然発言に、孤高は思わずため息を漏らす。

「まあとにかく、そういうことなんでさっさと病院に行きましょう。」
「わかったよ、孤高さん。」
「あ、そうだ。さっき落ちてきたのは結局なんだったんですか?パッと見、ロボットっぽかったですけど。」
「確かにロボットみたいだったけど、ちゃんと確認はしてないなあ。
今から見てくる?さっきの場所に置きっぱなしになってるから。」
「うーん…。時間は惜しいですが、すぐそこですしね。一応確認してきますか。」
「わかったよ。」


というわけで、二人は例の場所に引き返してきた。
そこでは、落下してきた物体がその身の半分をアスファルトにめり込ませていた。

「これはたしか…。ソルテッカマン、でしたかね。」

「それ」を見て、孤高は呟く。
彼女の言うとおり、「それ」はアニロワ2nd出典の支給品、ソルテッカマンであった。
純粋な戦闘力を見れば、アニロワ2ndの支給品でトップクラスに入るであろう代物だ。

「落下の衝撃で多少傷は付いているようですが…。見た感じそれほど大きな損傷はありませんね。」
「でもこれ、どうやって動かすの?説明書がないなんて、不親切だなあ。」
「拾い物に文句付けないでください。それに、クラール・ヴィントのサポートがあれば動かせるかも…。」
「あ、そう?それじゃあそれ、孤高さんが持つってことでいいかな?」
「まあ、いいですが…って、こんな重そうな物、どうやって持ち運ぶんですか!」
「いや、乗ればいいじゃないか。」

孤高の指摘に、漆黒はあっさりとした口調で返す。

「それはそうですけど…。いくらクラール・ヴィントがあっても、今すぐ動かすのはたぶん無理ですよ!
それに、ソルテッカマンってアニロワ2ndじゃかなりの大暴れしてるんですよ?
絶対に他の参加者からの印象悪くなりますって!」

次第にいらだちを募らせていく孤高。だがそのとき、ふいに訪れた暗闇が二人の会話を中断させる。

「え…?」

反射的に、空を見上げる孤高。そこにあったのは、遙か上空を進む巨大生物の腹だった。

「な、なんですか、あの化け物は…。しかも、あの方向は病院があるじゃないですか…。
私たちも急ぎましょう、漆黒の…ちょっと、漆黒さん!?」

視線を空から相棒に移した孤高は、その相棒の姿を見て狼狽する。
漆黒は、苦しそうな表情で地面に膝をついていた。顔色はすっかり青ざめ、じっとりとした脂汗も浮かべている。

「ちょっと…どうしたんですか、急に!?」
「べ、別になんでも…。ちょっとめまいがしただけです…。」
「めまいだけでそんなになるわけないじゃないですか!
ああもう、頭打った私ならともかく、なんで漆黒さんのほうがこんな急に…。」

そこまで口にして、ふと孤高は思う。先ほど自分たちの頭上を通過していった生物。
あれは全身が黒く染まっていた。そしてあの外見は、龍に見えないこともない。

(黒い龍…。漆黒の…龍…?まさか、あいつと出くわしたせいでおかしくなったっていうの?
そんな馬鹿な…。けど、ここじゃそういうことが起こってもおかしくないし…。)

実際、孤高が漆黒と行動を共にしているのも、名前という言霊が少なからず影響している。
自分の名前を体現するかのような存在と出会えば、何か異変が起きてもおかしくない。

(だとしたら、この人を病院に連れて行くのは危険?ああ、私はどうしたら…。)

孤高の黒き書き手は考える。だが、答えはまだ出ない。

3191集まるヒダネ:2008/03/31(月) 22:59:58 ID:IrxPRrDE0
【夕方】【E-7/市街地・路上】


【孤高の黒き書き手@ギャルゲロワ】
【装備】:防弾繊維のメイド服@カオスロワ2nd、悟史の金属バット@ひぐらしのなく頃に、クラールヴィント(呪)@リリカルなのはシリーズ、ギアス(ギャルゲロワ仕様)@コードギアス
【所持品】:支給品一式 、ソルテッカマン一号機@アニロワ1st
【状態】:疲労小、頭部強打、困惑、通常モード
【思考・行動】
基本行動方針:ここからの脱出。漆黒の龍と協力する。
1:病院に向かいたいけど漆黒の龍も心配だしどうしよう
2:漆黒の龍とともに仲間を探す
3:できればギャグ将軍と合流。
4:愛の伝道師との契約通り、tu4氏を止める
※外見は「D.C.P.S.」の朝倉音夢。
※クラールヴィントは主催者の嫌がらせにより全ての音声が釘宮理恵ボイスでランダム再生されます。
 おまけに呪われているため外せません。
※ギアス(ギャルゲロワ仕様)について:
 効果は『ギャルゲロワに参加したキャラが味わった苦痛のイメージを全て再現する』
 あくまでイメージなので物理ダメージはないが、精神ダメージはえげつない。
 普通の人なら精神が耐えられずに廃人か自殺だが、書き手の皆さんは多かれ少なかれタフなので死ぬ事はない……はず。
 『同じ人物にこのギアスを使用した場合、その威力は回数に比例していくが、同じ人物に2回目以降使用すると自分にもその相手に与えた苦痛のイメージが再現される』という制限がある。孤高の黒き書き手はこの制限を知らない。
 その他に何かあるかは以降の書き手にお任せします。
※裏モード:基本的に自分のためなら他人を犠牲にするのも厭わない性格……のはずだが、なぜか漆黒の龍が気になる。
      どうやら気になるのは自分と同じ黒を名に持つ書き手である模様。
      若干小町つぐみの影響も受けているため冷酷になりきれません。
※tu4氏の姿の謎についてとりあえず保留。
※クラールヴィントが感知した謎のジャミングは派手好き地獄紳士666氏のものです。




【漆黒の龍@ライダーロワ】
【装備】カブトゼクター&ライダーベルト+ハイパーゼクター@ライダーロワ、黒い皮手袋、カードデッキ(リュウガ)@ライダーロワ
【所持品】支給品一式 、がんがんじいスーツ(頭部に凹みあり)@特撮ロワ、首輪の残骸(愛の伝道師) 、クルミ、核鉄(詳細不明)。
【状態】疲労小、激しい苦痛、下半身と背中土塗れ
【思考・行動】
基本:対主催。そして脱出。
0:うああああああ!!
1:病院に向かう
2:他の対主催と合流する。
3:姿を変える参加者に対処。
4:tu4氏とは一体……?
5:鉄槌はまあどうにでもなるだろ。
6:生存者の確保、及び首輪の解析の出来る人物の捜索。
7:愛の伝道師の意志をついで愛を説き、この戦いについて調べる。
※外見や声は城戸真司です。
※他ロワの知識は皆無です。
※ドラゴンオルフェノク@ライダーロワに覚醒しました(ただし黒色)。触れたものを灰にする能力はありません。
 直接の原因はコ・ホンブック戦ですが、ビクトリーム博士戦も何かあったかもしれません。
※『蘇った現代の熱血怪人』『派手好き地獄紳士』『ステルス鬼畜』『マスク・ザ・ドS』『予約被りに定評のあるtu4氏』を危険人物として認識しました。
 尚、名前は知りませんが『ビクトリーム博士』も危険人物として認識しました。
※一人称が僕に変わりました。
※愛の伝道師はtu4氏の偽者に騙されているのでは?と思っています
※脳内補完の接近により、何らかの異変が起きているようです。

3192集まるヒダネ:2008/03/31(月) 23:01:04 ID:IrxPRrDE0
(あれは…。龍騎の城戸か?)

孤高と漆黒のコンビを、物陰から見つめる男が一人。
したらば孔明との交渉により、病院に向かっていた仮面ライダー書き手である。

(十中八九、あいつはライダーロワの書き手だな。
俺以外でここまで生き残っているライダーロワの書き手は…。
たしか影の繋ぎ師、漆黒の龍、ギャグ将軍の三人だったか。
この中で城戸になりそうな奴というと、おそらく漆黒の龍だな…。
さて、どうするか。ライダーロワを知っている人間である以上、草加の姿にいい印象は持っていないだろう。
後で面倒がないよう、ここで殺しておくか?いや、それもまずい。
もう病院はすぐそこだ。何かの理由で病院の連中が移動してきて、俺があいつらを襲っているところを見られたらステルスが出来なくなる。
そうなると、やはりこいつに頼るのが無難か?)

自分の右手を、じっと見つめるライダー書き手。そこには、ベルデのカードデッキが握られていた。

「何かお悩みかな?」

突然、背後から響く声。
驚いたライダー書き手が振り向くと、そこには燕尾服を着た少女、すなわち派手好き地獄紳士『666』が立っていた。

(馬鹿な!この俺がこうも簡単に背後を取られただと!?)

明らかな動揺を見せながら、ライダー書き手は変身しようと構える。
だが、そんな彼に向かって666は笑いながら言った。

「ああ、ご心配なく。君に危害を加えるつもりはないんだ。
君からは私と同じ香りを感じる。自分の愛のためなら手段を選ばない、黒い愛情の香りがね。
どうだろう、私の力を借りてみないか?君と私の目的が相反するものでなければ、だがね。」
「失せろ。いきなり現れた奴にそう言われて、素直にはいそうですかと信用すると思うか?」
「思うね。なぜなら君も理解しているはずだからだ。私と君が同類ということを。」

その言葉に、ライダー書き手はわずかに顔をゆがませる。
そして、彼が出した結論は…。

3193集まるヒダネ:2008/03/31(月) 23:01:52 ID:IrxPRrDE0
【夕方】【E-7/市街地・路地裏】


【仮面ライダー書き手@ライダーロワ】
【状態】不死者(アニロワ2nd準拠)、健康
【装備】カイザギア@ライダーロワ、サイドバッシャー@仮面ライダー555
【所持品】支給品一式 、カードデッキ(ベルデ)@仮面ライダー龍騎、不明支給品(元書風連・その弐のもの)×1、大鉈@ギャルゲロワ
【思考・行動】
基本:皆殺しで優勝。可能ならばまとめキングを生き返らせる。
1:とりあえず孔明に協力する。
  E-8の病院に向かい隙を見てクールなロリスキーを喰う。
2:666の申し出を受けるかどうか決める。
3:コ・ホンブックを利用して、対主催者チームを作る。(保留)
4:対主催者チームのリーダーとなり、ステルスマーダーとして行動する。(保留)
5:猫子頭の鬼軍曹とあの漫画ロワ書き手(現代に蘇った熱血怪人)の悪評を広める。
6:俺を好きにならない奴は殺す。
7:コ・ホンブックの信頼をさらに得る。
8:コ・ホンブックを最悪のタイミングで裏切る。

※外見や声は草加雅人です。
※孔明から怪しげな裏話を聞かされました。いくつか虚偽が混ざっているらしいです。
※地図氏一行の情報を得ました。


【派手好き地獄紳士666@LSロワ】
【装備】:ゲート・オブ・バビロン@アニロワ2nd(※特殊仕様)、闇の書@アニロワ1st、
     クラールヴィント@アニロワ1st(ネコミミストと同じ物)、バリアジャケット
【所持品】:支給品一式、エリクシール瓶に入ったシャリダムのイケナイ触手汁、
      エニグマの紙「漫画キャラバトルロワイアルwiki管理人」
【状態】:闇の書発動、不死者化?、大量の精気(エロパワー)吸収
【外見】:黒いリボンドレス、背中から黒い六翼。長い髪は白く染まり後ろに降ろしている。眼鏡外し。
【思考・行動】
基本:極悪外道になった後、ネコミミストの前に敵として再会。ネコミミスト心から愛してる。
1:マーダーとして悪行を積む。
2:仮面ライダー書き手と交渉。結果次第では、もう一度病院組に揺さぶりをかけに行く。
3:戦力強化を図る。
4:ネコミミストの前に敵として現れ、最終的に喰われる。
※ゲート・オブ・バビロンで出せるアイテムをどれも『一応は何とか使いこなせ』ます。
 エリクシールと爆薬は使い切りました。 鳳凰寺風の剣は病院に起き捨て。
 浄玻璃の鏡の回数制限は残り1回。凛の宝石は残り7個。風の矢は残量不明。
 懐中時計型航時機『カシオベア』に(原作のように)ヒビが入りました。動作などへの影響は不明です。
※ゲート・オブ・バビロンで出せる新たに判明した物及び追加された物。
 アニロワ1stからディーヴァの剣、ルルゥの斧、マイクロ補聴器、
 鳳凰寺風の弓と矢、鳳凰寺風の剣、凛の宝石×10、闇の書。
 加えて――マテリアルブレード@テイルズロワ@XXX、クラールヴィント@アニロワ1st@XXX、
 不死の酒@アニロワ2nd(既に使用済み?)@XXX。
※闇の書と融合しているため、その内に言うまでもなく――
※エロスの鐘の煩悩寺と、エロ師匠の(ついでに大暴れ鉄槌の)精気を吸収しました。
 影丸の魔力を吸収したため、8割がた使いこなせるようになりました。
※「漫画キャラバトルロワイアルwiki管理人」は一度だけ秘められた力を使う事が可能です。詳細は不明。自身に関係する事?
※書き手としてのメタ視点能力を使える様子。別に全知ではない。

3194集まるヒダネ:2008/03/31(月) 23:03:18 ID:IrxPRrDE0
そして、上空では。

「ねえ、さっき下に人がいたみたいだけど、素通りしちゃってよかったの?」
「ん?そうだった?ごめん、見てなかった。」

スーパーかがみんの問いかけに対し、脳内補完の背に乗るtu4氏はあまり興味がなさそうに答える。
まさかそれが、自分が探す人物の一人である孤高の黒き書き手だとは考えもしない。
今の彼女は、もうすぐ訪れるであろうアーカードとの戦いをどうこなすかで頭がいっぱいなのである。

「まったく…。人がせっかく話しかけたんだから、もう少し気のある返事をしなさいよね…。
まあ、別にいいけどね。私もさっさと病院に行きたいし。」

スーパーかがみんの口に、わずかな笑みが浮かぶ。
本来、彼女は戦闘に介入する気は全くない。だが、今回だけは話が別だ。
彼女はわずかな期間ではあるが、死者スレにいた。だからそこからモニター越しに見ている。
ロワ内では遭遇してない、病院組の状態を。

(かがみの姿でありながら、ロワでこなたと幸せな時間を満喫するなんて…。
許せない…。クールなロリスキー、あなただけは私が殺す!)

それぞれ黒い意思を秘めながら、空気王一行は空を進む。
病院まで、あと少し。


【夕方】【E-7 市街地上空】
【King of 脳内補完@漫画ロワ】
【装備】邪剣ファフニール、チャネリング
【所持品】
【状態】全長33mくらいのギャラドスの頭部に上半身がくっついたような外見
    凶暴化 左腕消失 tu4氏に一目惚れ
【思考・行動】
基本:俺TUEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEE!!
0:うわ、告白しちゃった!
1:かっこいい自分を見せてtu4氏にアピール
2:その為に病院に行く
※中の人がB・D・Nであったために、人肉カレーがきっかけで異世界の自分、
 およびもう一人の自分と記憶がシンクロしました
※合体時に継承した技は、はねる・体当たり・じたばた・絶対零度(ホワイトアルバム)
※ファフニールの影響で更に暴走しています
※人語は一応話せます
※ギャラドスは本来のネタ対象である漆黒の龍と会えば何かが起きるかもしれません
 というか、もう起きたようです。
※チャネリングにより転には逆らえませんが、脳内補完は気付いていません。
※ジェントリー・ウィープスが使用不可に伴い、空気を凍らせる事ができなくなりました。 氷のスーツをまとう事も不可能です。



【予約被りに定評のあるtu4氏@ギャルゲロワ】
【状態】ダメージ(中)、同胞に対する深い愛
【装備】永遠神剣第七位「存在」、ガンダールヴの証(ゼロの使い魔@漫画ロワ)、
    ペンダント(空鍋の欠片) 、スーパーかがみん
【道具】写真付き名簿、支給品一式、不明支給品×1(未確認)
【思考】
基本:空気キャラの復権を!
1:脳内補完とアーカード(マダオの方)をぶつける
2:孤高の黒き書き手氏と接触する
3:空気キャラは保護する
4:書き手はみんな滅する
5:エロスの鐘の煩悩寺がマーダーだと広める
6:ギャルゲロワ陣営は欝に叩き込む
7:転もあったらただじゃおかない
8:邪魔するようならWIKI管理人も容赦はしない




※容姿は白鐘沙羅@フタコイ オルタナティブ。アセリアの服を着ています。
※永遠神剣第一位「空気」が覚醒しました。
 相変わらずロワの舞台は基本マナが少ないので普段「空気」自体は振るえません。
 エターナル化は世界移動時の存在抹消がむかつくので「空気」とtu4双方の意志で抑制中。
※転生前の記憶も蘇りました。
※ガンダールヴの能力は、どんな武器でも自在に操れます。
 また本来は使うと疲労を伴いますが、tu4氏の場合それはありません。チートですし。
※空気王として他ロワの空気キャラの能力を使用できます。
 空気の覚醒により更に応用が利くようになりました。
 例フォルカ+ミミ=他の空気キャラを超神化(超進化)
 チート度アップしましたし。
※何を見て聞いたのかは次以降の書き手さんにお任せします。
※スーパーかがみんは戦闘に介入する気はありません。
ただし、クールなロリスキーだけは敵視しています。

3195集まるヒダネ:2008/03/31(月) 23:05:36 ID:IrxPRrDE0
以上です。
666氏が三連投だが、気にするな!
そして、投下早々ミス発見…。
孤高氏の状態表、ソルテッカマンの出展はアニロワ1stじゃなくて2ndです。

3196名無しでもいいよ皆そう呼ぶから:2008/03/31(月) 23:13:51 ID:iOFSRH.M0
なんか……凄いことになってきたーっw
GJだ。ほんとに一点集中しちまいやがった。
病院の中も例え殺し合い回避出来ても協力できる状態じゃないし、これは地獄。
一体どの位が病院に集まったんだろう?

3197名無しでもいいよ皆そう呼ぶから:2008/03/31(月) 23:31:53 ID:IrxPRrDE0
あ、もう一個間違えてた…。
今の666氏、燕尾服じゃないんだったー!
wikiに載ったら修正します…。

3198名無しでもいいよ皆そう呼ぶから:2008/04/01(火) 00:31:56 ID:0netthpE0
GJ!いい繋ぎだな上、火種が更にわんさかとw

3199封印一度:2008/04/01(火) 20:03:55 ID:T5eZQrMk0
カツリ、カツリと独楽が踊る。
パチリ、パチリと駒が並ぶ。
ガソリン・重油・軽油・灯油・菜種油……ありとあらゆる油が盤に注がれる。
もう少し、もう少しで全てに火がつく。燃え盛るのは紅蓮の炎かそれとも灰も残さない白炎か。
最早着火は避けられない。既に燃料は気化してしまった。何もしなくても何れ着火するだろう。
ならば私達にいったい何ができるというのか? 私達が出来る事が未だ残っているのだろうか?

―――あるとも、私達は「愉しむ事が出来る」。
火を消す力は無くても、さらに薪をくべる事が出来る。『混じってはいけない生木を取り除くことが出来る』
もっと炎を大きく! もっともっともっと!! その為に些細なイカサマをしようじゃないか。
なあに、案ずることは無い。どうせこんな子供の悪戯程度の繋ぎだ、圧倒的な炎の前では何も残らない!!


ジョーカー陣営は愛媛を派遣した後、相変わらずもっしゃもっしゃ飯を食っていた。
「愛媛の方は順調か?」
ナナシが机に肩肘を立てながらマッ○ポテトを齧る。
「詳しいことは帰ってから私が動画を受け取ってからですが……多分大丈夫ですよ」
リキュールをがぶ飲みしながらガチホモが答える。
黒さにかけてはニコロワジョーカー随一である。夜にさしかかろうとした今短期間で彼女を捕捉し切れる参加者はそうはいない。
便りが無いのがいい便りと言わんばかりに無言で飯を食い続けるジョーカー達に一報が下される。
ガチホモにプー太が耳打ちし、それにガチホモは微かに笑った。
「666氏が病院に仕掛けました。……随分思い切りましたね。動くにしても放送まで待つと思っていたのですが」
「どうなりますかね、この勝負? テイルズロワの方には心が躍ると思うのですが」
プー太の言葉にナナシが口元を歪めて自嘲した。やっぱりあの第六クールの業は切っても切れないらしい。
「……勝負というには各人勝利条件も敗北条件も不明瞭だ。
 単純に対主催が生き残るかマーダーが生き残るか、という話でも難しい。だが、敢えて楽観的な希望を口にさせてもらうなら」
ニイィとその光景を想像して、想像の中の光景を楽しみながら言った。
「全滅が楽しそうだ」
全員が全員己の意思で戦い、足掻き、そして希望の一つも見出せずに滅んでいく……
彼が書き上げたテイルズロワのNormalENDはその集大成である。
たとえ今はアナザーで熱血を書いていてもその黒い衝動を否定するものではない。

「……恐ろしいですね。その考え方も、『その為ならば手段を選ばない策も』」

3200封印一度:2008/04/01(火) 20:04:23 ID:T5eZQrMk0
そう言ったガチホモの眼前にはテイルズロワのジョーカーが二人しかいない。
「別に、意地でも全滅にしたいわけじゃないさ。ただ、全滅もありえるほどの惨劇の方が気分がいい。
 書き手ロワ2最大の祭りだ。ここまでフラグが集まってしまったら完全燃焼の方がいい」
「うい〜〜〜っすWAWAWA忘れ……って、アレ? 何でテイルズの方も一人消えてるんですか?」
トイレから帰ってきた人外がナナシの笑顔に若干ヒきながらも、異変に気づく。
「派遣したからだが何か?」
ナナシがさも当然のように言い返した。
「いやそんな当たり前のように言わないで下さいよ!! そっちが一人って決めたんじゃないですか!!」

『私はこれを憂慮し、「我らの中から一人、この事態に限定した監視員を会場に派遣する」ことを妥当と判断します』

そういえば言っていた、と今思い出したように手を打ち、名無しはバツが悪そうに言った。
「ですから派遣したらしいですよ『それぞれのロワから一人』」
一瞬顎が外れかけるほどに口をあんぐりさせた後、人外が突っ込みを入れる。
「完全に屁理屈っすよそれ!!」
「屁理屈も立派な理屈です、って七氏さん言ってましたからねえ」
それも屁理屈だろ、という突っ込みを無視する名無しでは話にならないと人外が両ロワのトップに向き直る。
「まあ、一人は一人だし、な」
「固いことは言いっこ無し。硬いのはアレだけで十分ですよ」
ダメだこいつら早く何とかしないと……とばかりに目の前の光景に絶望する人外。
間違いなく気づいてたよこの二人……と、打ちひしがれる。
「大丈夫ですよ。念のため感電さんと読み手さんに、まったく同じ許可を貰いましたから」
慈しみに満ちた母のようにそっと背中をさするプー太。お前もかプルー太ス。
許可を二つ貰えば二人出撃って、そりゃどこの「二つの塔で苦労も二倍!」だよ。
結局自分以外の全員がこうするつもりだったと分かり、何ともいえない悲しみが差してくる。オー人事オー人事。
そこで人外ははたと気付く。自分以外の全員?
「派遣されたのは名無しさんですよね? 何処に派遣されたんです? お姉さまの所以外は色々不味いんじゃ」
派遣はあくまで事態に限定されたものである。お姉さまを監視する名目が無ければ、少し危ういのでは。
ガチホモがイイ男を見つけたように笑いながら言う。
「それも無問題。あくまで監視するべきはこの事態……つまり、この事態を引き起こした元凶である666氏を含みます。
 その666氏が引き起こそうとしている事態を、放送まで監視する。それが私達に与えられた許可ですよ」
「もう好きにしてください」
もう誇大妄想の域に達したと言っていい屁理屈を前に、人外は諦めて席に座ろうとしたときだった。
「そこ………私の席………」
「うわぁお!! ビックリして耳がデッカクなっちゃった…って、えーりん!えーりん!」
条件反射で腕を振るその先には、八意永琳ことC.M.超展開はデフォなのかが立っていた。
「貴方がハッテンしている間に目を覚ましましてね」
トイレと書いてハッテンと読むの止めて下さい。と人外は内心毒づきながら座る。
そういえばこの人もしばらく空気だったな。俺も似たようなものだけど。
セルフ突っ込みに軽く鬱になりかけながらマントの中で人外は涙を流した。

3201封印一度:2008/04/01(火) 20:04:45 ID:T5eZQrMk0
「彼女が起きてくれて助かりましたよ。彼女の力が無くてはアレほどまでに早くあそこに派遣できませんでした」
ガチホモがポンポンと超展開の頭を撫でると、彼女は黙ったまま頬を赤く染めてうつむいた。
西瓜じゃあるまいしそんなフラグ要らん。と残りの全員が心の中で突っ込む。

そんな中、ナナシが誰に言うでもなく言葉を虚空に投げかける。
「俺達が介入できる切欠を作ってくれた礼だ。時間は稼いでやる」
派遣した名無しの異能を思い出し、ナナシは目で笑った。
「だが、手を貸すのはここまでだ666。一部キャラに手を貸すなんて、ジョーカーとしてあるまじき行為だからな」
それが、ジョーカーが暴れる機会を作ってくれたマーダーに対する報酬だというように。



皆さん結構忘れているかもしれないが、E6にはもう二人の参加者がいる。
「あ、あれ一体なんなんですか!?」
「わ、私に聞かれてもッ!?」
その二人……静かなる 〜Chain-情〜と衝撃のネコミミストが見上げる先には
まるで日本昔○なしのような龍が一匹うねうねと泳いで東に向かっていたのだ。大きさを考えれば、気付かないほうがおかしい。
傍から見ればとても滑稽な光景だが、書き手ロワイアルの特性を考えれば到底看過できない。
直ぐに後を追おうと二人は頷きあい、東に踵を向けようとした、その時だった。
「!? ネコミミストさん危ない!!」
Chain-情の警告に反応し、頭上を見上げネコミミストは驚きに口を大きく開けた。
「わ、ワープスター!?」
彼が見たそれは、ピンク球が敵陣に突撃するときによく使われる星型小型飛行機械「ワープスター」であった。
なぜそんなものがここに、どこの支給品にも無いだろと驚く前にその異様なでかさに驚かされる。
カービィが使うそれよりも一回り大きく、まるで人間一人乗っても十分な程。
「!! 誰か乗ってるのか!?」
彼がそこに気付いたのと同時に雷に撃たれたかのような音が鳴り、流星が道路の真ん中に着弾し、小さな星を撒き散らした。
「一体、なんなの?」
唖然とした孤高が再び目を開く。既に漆黒の龍の腕の感触は淡く消え、
彼は彼女とその突如現れた「何か」と対峙していた。
「孤高さん……離れて。こいつ、なんか参加者と違う」
その屑星の中から現れたのは、綺麗な星など無縁とばかりの黒衣の男。
異質極まりないその気配が参加者のものではないことが、直感で理解できる。

3202封印一度:2008/04/01(火) 20:05:06 ID:T5eZQrMk0
「なるほど。これを脱ぐ前からそこまでを見抜くか。勘……というよりは、愛だな。
 君達が自覚しようがしまいが、ともかく余程このバトルロワイアルから愛されているようだ」
ブツブツと独り言を言い始める黒マント。
ネコミミストはその人物を警戒し、身を屈めて衝撃波を手に集めた。
「待ってください!」
それを遮り、Chain-情が一歩前に出て黒マントに対峙した。
「その声……もしかしてカズマですか!?」
自分の耳に間違いが無ければアニロワでもよく慣れ親しんだカズマの声……つまり☆ボイスであった。
ならば誰であれあの熱いソウルを持った人物に違いない、
仲間には出来なくても戦闘を回避することができるのでは、と橘あすかを原型とした彼は値踏みした。
しかし、返答の変わりに来たものは……とても熱血とは懸け離れた陰鬱な笑い声だった。
「く、くっくっく……☆といえば熱血、対主催展開か……オメデタイ頭だ」
マントの奥の眼から発せられる感情を受けて、二人はぞくりと冷や汗をかいた。
その語調と吐息からにじみ出るのは、寧ろ怒りの方が強い。
「答弁にはこう答えよう……残念ながら僕はカズマでは無い。ついでに言うなら圭一でもキラでも倉成武でもない。
 ……この姿でジョーカーというのは皮肉だな。僕は、あいつらのような天賦の才を持たない凡人だ」
そういいながら黒衣の男はマントを掴み一気に抜き取る。
その中から現れたのは、長身青髪でゆったりとしたローブを纏った男。

「自己紹介が未だだったな。僕は七氏、テイルズロワの七氏」

3203封印一度:2008/04/01(火) 20:05:26 ID:T5eZQrMk0
鉄槌のシェルブリッド、決闘、L5を打破しチート対主催まで上り詰めるetc……様々な熱血偉業を成し遂げた色々な☆キャラ達。
☆といえば熱血展開……そういっても過言ではない中で一人、イレギュラーがいた。

曰く、外道。
曰く、人間の屑。
曰く、グロい死に方の見本市。
曰く、裏切り者。
曰く、究極のステルス。

アルターも無ければ羽入スタンドも無い。キュレイウイルスも無ければスーパーコーディネイターでもない唯の魔術師。
ただただ主人公補正無き己に出来ることを極限まで模索し、それを不屈の覚悟で成し遂げた。
だがそれは、他の参加者に取ってみれば唯の裏切りでしか無かった。
話の中の参加者はおろか読み手すら欺いて対主催主力メンバーを裏切り、あまつさえその主軸であるロイドを言葉で殺した人物。
そうして最後にはその外道が霞む程のグロの極致で殺された、哀れな凡人。
☆という熱血の影に産み落とされた★。保志キャラの反英雄。

「お察しの通りジョーカーの一人だ」

キール・ツァイベル。それが七氏の持つキャラだった。


「カズマじゃない……いや、そんなことはどうでもいい!
 貴方がnanasinnと同じジョーカーだというなら、つまりは敵……立ち塞がるならば、ここで!」
Chain-情がスタンドを出し戦闘態勢に入ろうとする。
それを手で制する七氏。
「早合点をしないで貰おうか。残念ながら、僕は争いに来たわけじゃない」
しかし、それを軽々と聞き入れるほど彼は楽観主義者ではなかった。
半歩、また半歩とじりじりと間合いを詰める。
「本当だ……といっても信じないのも当然か。だが、考えて見ろ。
 僕はこの通り典型的な術使いの後衛だ。君達のような遠近両方の戦闘が可能な二人を相手取るなんて、それこそ自殺行為だろう?
 それとも君は、牙を持たぬ僕をその刃に掛けるのか?」
そんなことも分からないのか、と浅薄を嘲る様に七氏は笑った。
それが癇に障ったのか、スタンドに力を込めたその時だった。
「やめて、Chain-情」
「ネコミミスト……?」
先程のお返しとばかりに立場を変えて、今度は自らが前に立つネコミミスト。
「聡明な判断で助かるよ。君はどうやら君の為に失われた命を無駄にはしていないらしい」
「話があるならさっさと喋ってください……じゃなかったら帰ってください。ぶっ飛ばしてでも帰しますから」
湧き上がる怒気を努めて抑えながら、ネコミミストは言った。
寧ろ何処か煽る調子の七氏がどうにも生理的に受け付けない。
確かに力は無いのだが、何かいやな気配が七氏には充満している。

3204封印一度:2008/04/01(火) 20:05:42 ID:T5eZQrMk0
その予感が当たっていたと言わんばかりに、七氏の口から吐かれた言葉は二人にとって予想外だった。
「いや、今日は君を説得しに来たんだ。ネコミミスト――――――“ここで自害する気はないか?”」
呆気に取られた二人だが、直ぐに気を取り直して七氏の正気を疑う。
「何を馬鹿なことを言ってるんです!? 正気ですか貴方!!」
「少なくともあれだけの惨状を味わっておきながら平手一発で立ち直る君よりは正常だよ」
ぶちっと自分の血管が切れる音をChain-情は聞いた。
守りきれなかった愛する人、食い止め切れなかった惨劇、止められない悔恨。
そして、それでも前に進むことを教えてくれたネコミミスト。その全てが陳腐な言葉に穢されてしまったような気がした。
「七氏さん!! ……これ以上は、本気で怒りますよ」
ネコミミストのまるで泣くような脅迫に、七氏はふむと嘆息をついた。
「了解だネコミミスト。話を戻そう……何処まで話したか……そうそう、君に自害を勧めるという話だったな。
 いや、これは単純に言葉通りの意味として受け取ってもらって構わない。
 恐らく……いや、最早これは確信に近いが、ここで死んだ方が君の為だ。君は、物語に愛され過ぎているんだよ」
「どういう、意味ですか?」
「バトルロワイアルは群像劇だ。その意味において参加者は皆主人公といってもいい。
 だがそれはあくまでもゲームを平面的に捉え、全ての参加者を均等な駒と認識した場合の解釈と言える。
 これを縦に捉えた場合、つまり物語の推移として解釈する場合にはどうしても主人公が存在することになる」
分かるか? と眼で挑発する七氏。二人は釈然としないままだったが、書き手としてその言葉には幾分理解があった。
公平な殺戮ゲームとして見た場合、原作の参加者一クラス全員が皆等しい駒だ。
だが、小説としてこれを見た場合序盤で殺されたクラスメイトと七原や相馬を同列に解釈することは難しい。
ゲームの推移と共に物語が構築され、各人に役割が振られていく。
そして、重要な役割を振られた者は物語の寵愛を受ける。それを補正というのだ。
「生き残ったから主人公なのか、主人公だから生き残ったのかなんてのは主観に過ぎないから置いておくが……
 ネコミミスト、君はどうにも主人公の役割を振られてしまった。“物語は君を中心と見た”ようだな」
七氏はしかめ面をしてネコミミストを観察する。
「わ、私が主人公? 無いですってそんなの!」
しかし、ネコミミストにはいま一つ理解が及ばない話のようだった。いきなり主人公などといわれても実感が湧くはずが無い。
「そうか? 君の今までの経歴は報告を受けている。決して空気になったわけでも無く、歴戦と呼べる程度に修羅場を潜っている。
 そして、多くのものを失って、それでも健気に立ち上がろうとしている……主人公としての条件はそこそこ満たしていると思うが」

3205封印一度:2008/04/01(火) 20:05:57 ID:T5eZQrMk0
満更でもないのかネコミミストが少しだけ頬を緩ませるが、それをChain-情が肘で小突いて制す。
「調子に乗らないで下さいネコミミストさん! 貴方も、こんな小さな子をその気にさせない!!」
「何を言っているのか。君こそが彼女を主人公たらしめる確たる証拠だとは思わないか?」
「どういう、意味ですか…?」
「君はあの惨劇を唯一生き残り、そして気がつけばここに飛ばされた……相違ないな?」
沈黙を肯定と受け取ったのか、七氏は言葉を続けて綴る。
「真逆書き手ともあろうものが“それを偶然だと思っている”訳じゃ無いよな?」
七氏の言葉に、二人は思わず息を呑んだ。
偶然だと信じていた参加者としての自分と、書き手としての自分が相反する。
二人は、既に自然と七氏の言葉に耳を傾けていた。
「そうだ。たとえ参加者としてはそれが偶然発生した現象でも、書き手というもう一段階高い次元から俯瞰したときそれは偶然ではなくなる。
 原因は何であれ、君達の出会いはある種の明確な意図を持って設置されたものだよ。今風に言えば、フラグとでも言うべきなんだろう。
 そして状況から判断してワープしたChain-情がネコミミストの方に寄せられたと見るのが妥当だ」
「貴方は、その原因を知っているんですか?」
「知っているが教える気はない。それに勘違いするな。重要なのは原因ではなく、結果。つまり君が主人公に選ばれたということだ」
七氏が言葉をそこで区切る。
暫くの沈黙があったあと、場所を変えるかとぼそりと言った七氏が歩き始めた。
二人も黙ったまま七氏のあとに着いていく。既に七氏の術中にはまっていたとも言えなくは無かった。

「まだ信じられないし、実感も湧かないけど……私が主人公だって言う貴方の言い分は分かりました。
 でも、どうして私が死ななきゃいけないんですか?」
カツンカツンとまだ原型を保っていた廊下に靴の音が残響する。既に人の居ない学校の廃墟に、三人の姿があった。
「主人公というのは得をするだけじゃない。補正の対価として凄惨な体験をすることになるだろう。
 ましてやこれはバトルロワイアルだ。君に与えられた役割がどれほど重くどれほど面倒か、分かると思うがな」
ネコミミストが遠い眼をして、かろうじて残った窓越しに外の景色を見る。
既に夕日の落ちかけた廃墟は暗く、遠くのほうはよく見えない。
体はスクライドでできている、幻夜、666、シャリダムの中のコ・ホンブック…様々な人間の思いを受け継いだ彼女には、少しだけ分かる気がした。
校舎の崩壊から唯一逃れた体育館に着いた七氏は壇上に立ち、二人を睥睨しながら言った。
「では聞こうか。ネコミミスト、恐らくこれが“君が自由に死ねる最後のチャンスだ”。
 今物語は君に愛されようと必死で自らを高めようとしている。君を何処までも偏執に愛するために。
 その物語が別の所を向いているこの間を逃せば、恐らく物語は君を見つめ続けるだろう。そうなれば……後は碌なことにならない」
七氏の問いに、Chain-情はネコミミストの方を向いた。
彼女は眼を瞑ったまま、暫く考えて、はっきりと眼を開けて答えた。
「私はやっぱり、生きようと思います。それがどれだけ辛い事になるとしても。
 “たとえその先に、何があっても”、生きて生きて、生き抜くことが皆が教えてくれたことだから」
「ネコミミストさん……」
凛々しく強い意志を見せる顔を綻ばせるChain-情。
七氏はしばらく何かを考えるように天井を仰ぎ、やがて口を開いた。

3206封印一度:2008/04/01(火) 20:06:13 ID:T5eZQrMk0
「そうか。いや、どうやら僕は君を過小評価していたようだ……」
それを皮切りに、体育館を妙なプレッシャーが包み込む。
「物語が……『黒猫』が君を見込むのも解る気がするよ。キミは実に“壊し甲斐がある”。
 出来ることならば僕がその鋼の意思の奥、その中の柔らかい純真を貪りたい所だが……それは黒猫に譲るとしよう」
「黒猫!? 一体それは何なの?」
「ネコミミストさん、気をつけて!」
黒猫という単語に反応するネコミミストを庇うようにしてChain-情は辺りを見回すと、体育館が一面霧に包まれていた。
体育館だけではない。学校跡地の全域が霧に覆われている。
「僕はテイルズロワの工兵。主に舞台仕掛けを得意としている。
 これはその内の一つ、C3の霧だ。周囲が見えなくなるだけのチープなものだがな」
霧で相手を包み命中率を下げる魔法ディープミスト。
対人用のそれを村全体に拡散させる無茶運用が、テイルズロワの昔っぽい所である。
「何時の間に……」
ここまで霧が充満する前に気づかなかったことに驚きを隠せないChain-情は歯噛みした。
霧のような無形ではゴールドエクスペリエンスの力を生かしきれないのだ。
「何のことはない。準備自体はこの学校に入ったときから始めていたんだ。
 現に、窓から景色が見えなかっただろう?」
ネコミミストが周囲の景色が見えなかった思い出し、あれが伏線だったのかと理解する。
しかし、幾ら暗くなっているからといって見過ごすほど小さな異変ではない。
主人公という話題でそれを誤魔化し抜いた話術こそが、七氏の能力。
「そうだ。これが僕の異能……『闇に囁く言葉責め』。パロロワがSSである以上、言葉はパワーだ。
 キバヤシ理論で超展開を通すことも、設定を都合よく解釈することも、読み手に気づかれないように裏切らせることも不可能じゃない。」

3207封印一度:2008/04/01(火) 20:06:58 ID:T5eZQrMk0
七氏が言葉を弄ぶ間にも霧が充満し、ついに七氏の姿が霧に消えかける。
「……ッ、逃がさない!!」
それを逃すまいとネコミミストが二本のマテリアルブレードを投げつける。
しかし、一手早く七氏の体は霧に紛れ、双剣は白を少し切り裂いただけだった。
「穏便じゃないね。最初に言っただろう……僕の仕事は君達と戦うことじゃないんだ。
 間も無く始まる『古城の主』……その災禍に君達を混ぜるわけにはいかないんだよ」
「『古城の主』だって!!」
その単語にもっとも縁のあるChain-情が声を荒げて反応する。
アーカードを軸とした決死の大乱戦……それが意味するところは大きい。
「古城の……って、まさかさっきの龍!!」
ネコミミストもようやくその言葉の意味を理解し、そしてあの龍がそれに関わっているだろうことを本能で悟った。
ならば、あの龍の向かった先には恐らく血みどろの惨劇が発生するに違いない。
「気づいたようだな。だが、行かせる訳にはいかない。
 物語は、黒猫は君がそこに介入することを未だ望んでいないからな」
「退いて下さい!! これ以上仲間たちが居なくなっちゃう前に、私は行かなきゃいけないんです!!」
ネコミミストが両手から衝撃波を発生させて霧を振り払う。
散った霧の向こうに、七氏が再び姿を現した。
「ち、やはり僕の貧弱な地力では押し負けるか……“だが、全ての準備は整った”」
七氏が徐に足で地面を強く突いた。
それと共に、体育館が……否、学校全体が大きく揺れだす。
「実はこの学校は本当は……巨大ロボになる予定だったんだ」
まったく別の話を言い出した七氏に、揺れに驚きながらも攻撃しようとしていた二人は思わず立ち止まる。

「いや、万が一初期段階で対主催がマーダーにボロ負けしたり話としてどうよ、という状況になった場合を想定してな。
 スパロボに一度だけ絶対無敵ライジンオーが出たから、
 学校なら変形してガンバスターなりキンゲなりソードフィッシュⅡなり出してもいいんじゃないかと……
 そんな話があったんだが、スパロボ参加者が人間サイズのロボだったり地図氏の形態にキンゲあったじゃんとか問題が出たんだ。
 結局予算の都合上、ロボは設置されず、残ったのは格納庫の基礎工事だけ……それが、この学校に隠された悲しい過去だ」
七氏が涙をぬぐうような真似を見せるが、二人は何か可哀想なものを見るようなジト目で睨む。
このままでも埒が明かないと、恐る恐るネコミミストが七氏に尋ねる。
「で、それが今どういう関係が……?」
「いや、地盤がものすごく緩いんだよ。学校もボロボロだし、もう限界だ」
そう七氏が宣言した瞬間、ネコミミストとChain-情の立つ位置を基点にして亀裂が一気に走る。
「一応聞いておきますが。それ、何時決まったんですか…?」
「今、後付けした設定に決まっているだろう」

「「そんなのありかーーーーーーー!!!!!!!!!!!」」

3208封印一度:2008/04/01(火) 20:07:16 ID:T5eZQrMk0
その宣告と共に、体育館が床を含めて一気に全壊する。
些細な一撃で建物が一気に粉砕する様は、まるでE2の悲劇のようだった。
「こんなドリフみたいなオチで終わるもんですか! グラールヴィンド、旅の鏡!!」
ネコミミストがデバイスを起動させ、Chain-情と自分、そして投げた剣を緊急転移させる。
着地に失敗し、尻餅をつく二人。
「痛タタタ……何よ、あの能力、ほとんどインチキじゃない!!」
「前に現れたジョーカーも相当インチキでしたから、ジョーカーは皆あんな感じなんですかね……って」
ブツクサ言いながらお尻をさするネコミミストをジョーカー経験者のChain-情が宥める。
しかし、その言葉は最後まで綴られる事はなかった。目の前の光景が、彼の言葉を奪っていた。
気が付けば、夜だと思っていた空は青く澄み渡っていた。
かろうじて残っている校門の向こうは既に別世界。
無限に広がる平原に吹く風は乾き、行軍日和だと言わんばかりに太陽が輝く。
地平線の彼方で大河が黄金のように燦然と輝いている。
大地の匂いが生気として溢れかえる、正に活きた大地。
そしてそこに並ぶ、ニコニコ動画(SP1)の猛者達。

「こここ、固有結界!?」
「ステルス鬼畜の技!?」

突然の異常事態にそれぞれの知識で反応する二人が立つのは、紛れも無く彼女の世界。

軍勢の先頭に立って佇む美人……月の賢者八意永琳ことC.M.超展開はデフォなのか? のニートの軍勢である。
無数の兵士を見渡せば地図氏戦の影響かそれなりに傷跡が目立つが、既に全快しているのようで威圧感は衰えていない。
それも当然、王の軍勢ならば一度滅べば暫くは使い物にならずとも、
それを指揮するのがあのチート回復薬に定評のあるえーりんである。
彼女の薬作成スキルがある限りは、中の兵士はほぼ不死といって過言ではない。

えーりんがすっと手を上げると、あらゆる兵士達がざっと戦闘態勢に入る。

「こ、こんな……」

見渡す限りの軍勢と、場違いとしか言いようの無いほどに浮いた学校跡。
そのあまりにも超展開としかいいようのない状況を目の前にして、ネコミミストとChain-情は声をそろえて叫んだ。

「攻撃…………開始……」
「「こんなのありかーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!」」

3209封印一度:2008/04/01(火) 20:08:36 ID:T5eZQrMk0
E5の中心はまったく異質な状況となっていた。
そこにあったはずの学校が丸ごと抉れたように、すっぽり無くなっているのだ。
「ふう……どうやら作戦は成功したようだな。向こうでもナナシさんが上手くやってくれたらしい」
結果として残った光景を目にしながら七氏は無感動に言った。
その足にはエアリアルボート……風によって高速ホバー移動を可能にする魔術がかかっていた。
七氏が学校を霧に覆ったのは、自らを隠すためではない。
学校ごとあの二人をえーりんの固有結界に閉じ込めてしまうためである。
自分に注意をひきつけているその間に、ナナシの繋ぎ能力で学校という空間とニートの軍勢を繋ぎ合せる。
これによってジョーカー達はルールの穴スレスレを掻い潜り、あの二人をE5に封印することに成功したのだ。
えーりんには数時間足止めするだけで十分だと言い含めてある。
意気揚々とはいえ怪我人の軍団。威圧感は同じであるが、精々が足止めに使うのが限界だった。
「だが、それだけの時間が稼げれば十分。確実に古城の主には間に合わないし、何より放送を聞き逃すというメリットがある」
放送を聞いてしまえば、黒猫…666の生存がネコミミストにバレてしまう。
それでは恐らく666の望むであろう運命的再会に水を差してしまう。
それを回避することが、彼女に対する報酬だとジョーカー達は判断した。
そして、グラールヴィントを持つネコミミストから情報を完全に奪い去るには、亜空間に密閉してしまうのが確実である。

そこまで考えた七氏のそばで「でっていう」という声が聞こえた。
七氏が振り向いたその先にはヨッシーが黙って上下に小刻みにジャンプしている。
ニートの軍勢を完全展開する場合は固有結界内でしか行えないが、
一人や一匹程度ならば通常空間に出現させることができる。
最初に七氏を運んだワープスター同様、でっていうはそうした軍勢の一匹だった。

「これが、僕の覚悟だ。カズマ、圭一……お前らが幾ら熱血展開を積もうが、僕はそれを全滅させてやるだけだ」


帰りの足として用意されたそれに乗り込み、七氏は夕闇に消えていく。
物語の主人公はこうして一時舞台を去り――――――業火は周囲のボヤなど遠慮なく、世界を呑みにかかる。

3210封印一度:2008/04/01(火) 20:09:09 ID:T5eZQrMk0
【夕方】【E-5 固有結界内(学校跡)】

【静かなる 〜Chain-情〜@アニロワ1st】
【状態】:健康
【装備】:ゴールド・エクスペリエンスのDISC@漫画ロワ、仗助の学生服@漫画ロワ
【道具】:支給品一式×2、レインボーパンwith謎ジャム@ギャルゲロワ、CD『ザ・ビートルズ』、カエル×3
【思考】:
 基本:殺し合いに反逆ゥ!そしてなるべく多くの仲間と生還し、死んだ書き手の分まで頑張る。
 0:そんなのありかァァァァァ!!!!!
 1:古城の主!? こうしちゃ居られない!
 2:フラグビルド…………
 3:仲間達は?(ギャグ将軍、孤高の黒き書き手、シルベストリ、コロンビーヌ、パンタローネ、お姉さま、ルーキー)

 ※容姿はスクライド(アニメ)の橘あすか。
 ※元々着ていた服は、転移の際の崩壊により行方知らずとなりました。
 ※どたばたしていたため、無明幻妖side.の首輪と永遠神剣「誓い」は回収し損ねました。
 ※ビックバン・パンチ。命を犠牲にして放つ最強の一撃。不発でもそれなりの破壊力ですが、一時間以上は気絶します。
 ※フラグビルドの生存を絶望視しています。
 ※感電より、怪しげな裏話を聞かされました。

【衝撃のネコミミスト@アニ2nd】
【装備】:マテリアルブレード@テイルズロワ、クラールヴィント@アニロワ1st、バリアジャケット
【所持品】:支給品一式、拡声器
【状態】:精神的に消耗。不死者化。
【外見】:バリアジャケットの白いリボンドレス。
【思考・行動】
 基本:前に……進む!
 1:こんなのありかァァァァァァァ!!!!!!!!
 2:早くあの龍を追わないと!
 3:スクライドの遺志を継ぎ、牙なき人の剣になる。積極的にマーダーキラー路線。
 4:熱血王子と再会したら、今度こそ彼を止める。
 ※衝撃波を使えます。掌からだけでなく、足の裏からも出せるようになりました。
 ※「大あばれ鉄槌」を幼女好きの変態と勘違いしています。
 ※シャリダムを通じて幻夜の死体を喰い、その記憶と知識と経験を得ました。
  また、ブックがロワに来てからシャリダムが生まれるまでの経緯を体験しました。
 ※自分が主人公、そして黒猫という単語に引っかかっているようです。
 ※亜空間内なので、グラールヴィントで通常空間にアクセスできません
 ※亜空間内では放送は聞こえません

3211封印一度:2008/04/01(火) 20:09:39 ID:T5eZQrMk0
【C.M.超展開はデフォなのか?@ニコロワ】
【状態】:気絶
【装備】:なし
【道具】:不明
【思考】:
 基本:主催者側の人間として活動。参加者の抹殺
 1:ネコミミストとChain-情を数時間結界内で足止めする(最低放送直後まで)
 2:終わったらニコニコ
 
 ※容姿はえーりん!えーりん!何故か無口なようです。
 ※ニコニコ動画に存在する動画ゆかりの技を全て使えます。
 ※少数に限りニート軍を現実に召還できます
 ※えーりんが無事な限りは、蓬莱の薬で兵士は超スピード回復します。
 ※ナナシの繋ぎ能力との合成なので、結界開放後オートで主催本拠地に戻ります

【夕方】【E-5 学校消滅跡】

【七氏@テイルズロワ】
【状態】:健康 でっていう騎乗 
【装備】:なし
【道具】:不明
【思考】:
 基本:主催者側の人間として活動。参加者の抹殺
 1:本拠地に帰って、次の出番を待つ
 2:チャネリングに対する反応を見る
 3:熱血展開を全滅させる。特に☆系の熱血を。
 ※容姿はキール・ツァイベル@テイルズオブエターニア
 ※テイルズロワの舞台ギミックを発生させることができます
 ※【異能・闇に囁く言葉責め】
  言葉の力でいろんなものを誤魔化し、改変する能力。詳細不明。
  大きな無理がない限りなら後付け設定も可能らしい。

3212封印一度:2008/04/01(火) 20:10:04 ID:T5eZQrMk0
【夕方】【主催本拠地】

【裸になってすぐアッー〜殺意のqwglOGQwIk〜@ニコロワ】
【状態】:健康 スッキリ
【装備】:なし
【道具】:不明
【思考】:
 基本:主催者側の人間として活動。参加者の抹殺
 1:とりあえず、部屋に戻って次の出番までニコニコ
 2:地図氏と再会すれば、借りを返す

 ※容姿は阿部さん@くそみそ、性格は古泉@ハルヒ。その名はイイ男。キモカッコゲイ!
 ※地球破壊爆弾No.V-7を危険視しています。
 ※ニコニコ動画に存在する動画ゆかりの技を使えます。
 ※ニコニコに自分が見たものを動画としてうpできます。
 ※「まっがーれ↓」と唱えることで色んなものを曲げられます どこまで曲げられるのかは不明


【人外アドベンチャー〜OZbjG1JuJMのウォーゲーム〜@ニコロワ】
【状態】:健康
【装備】:なし
【道具】:不明
【思考】:
 基本:主催者側の人間として活動。参加者の抹殺
 1:とりあえず、次の出番までニコニコ 

 ※容姿やその能力は未だ不明。
 ※地球破壊爆弾No.V-7を危険視しています。

【ナナシ@テイルズロワ】
【状態】:健康 (ただし左眼がない)
【装備】:なし
【道具】:不明
【思考】:
 基本:主催者側の人間として活動。参加者の抹殺
 1:とりあえず、部屋に戻って皿洗いの続き
 2:次の出番まで縁側で茶を飲む
 3:出会った二人とは生き残っていればもう一度戦う?

 ※容姿はヴェイグ=リュングベル@テイルズオブリバース
 ※氷で武器を生成できます
 ※【異能・姿無き縁の下】
  空気王としての力を解放し、色んなものを「繋ぐ」能力。
  時間だろうがカップリングだろうが何でも繋げるが、その繋ぎが良繋ぎで無いと十分な効果が得られない。

【名無し@テイルズロワ】
【状態】:健康
【装備】:なし
【道具】:不明
【思考】:
 基本:主催者側の人間として活動。参加者の抹殺
 1:とりあえず部屋に帰って次の出番まで茶を飲む

※容姿やその能力は未だ不明。

3213名無しでもいいよ皆そう呼ぶから:2008/04/01(火) 20:12:02 ID:T5eZQrMk0
そういや、あの二人もE6だったな&えーりんも午後だったな、ということで投下。
やりすぎだと思ったがライダーSRX見てたらそんなことは無かったぜ!

3214名無しでもいいよ皆そう呼ぶから:2008/04/01(火) 21:00:36 ID:mJf43GOY0
グゥゥゥッド!
最近の話はぶっちゃけすぎてる様でぶっちゃけた領域内ではギリギリのラインで踏み止まるような、
いかした超展開が多いな。うん、大丈夫だ多分きっとこのくらいw
キールの言葉責めが不吉で怖い。

3215名無しでもいいよ皆そう呼ぶから:2008/04/01(火) 21:49:37 ID:PnPAkdcY0
投下乙です。
>「少なくともあれだけの惨状を味わっておきながら平手一発で立ち直る君よりは正常だよ」
ハッハッハ、あの話を書いた本人としては耳が痛いぜ!

3216ギャルゲロワのなく頃に 想託し編:2008/04/01(火) 22:05:00 ID:OfH0AhSw0
あれからどれだけの時間が経っただろう。
ホテル『キャッスル・満漢全席』にいるバトルマスターと蟹座氏は未だに戦い続けていた。
開始早々鉈を奪われたバトルマスターは現在『冥加』で応戦している。
これほどまでに戦いが長引いている理由はバトルマスターにあった。
今バトルマスターは固有結界『闘争制覇者-Battle Master』を発動させている。
つまり完全にバトルしている現状でバトルマスターが負ける事は100%ありえない。
だがバトルマスターのコンディションは万全とは言いがたい状態だ。
ここまで彼が現状を維持できているのは、ひとえに目の前の蟹座氏をどうにかしたいという強固な信念のおかげだった。
だがそれももうそろそろ限界に近い。
そろそろなんらかの決着をつけないと自身の身体が危険だ。
だがそれにも増して蟹座氏のほうが危険な状態だった。
蟹座氏は現在蟹見沢症候群絶賛発症中で身体のリミッターが半分外れている状態に陥っている。
一種のトランス状態とでも言うべき状態で暴れまわるとどうなるか。
おそらく遠からず自滅するのは目に見えている。
バトルマスターとしては早期に事態を収拾させたかったのだが――

「蟹座氏落ち着いてくれ! 全部誤解なんだ!」
「殺す♪殺す♪殺す♪殺す♪殺す♪殺す♪殺す♪殺す♪殺す♪殺す♪」

とうの蟹座氏は全く聞く耳持たず。
もう正気があるのか分からないくらいだ。

(まずい。このままじゃ蟹座氏が……
 だがどうする。このまま勝ってもいいが、その後が問題だ。
 誤解を解かないと、またこれの繰り返しになる。
 とりあえず蟹座氏の正気を取り戻さないと……)

そのときバトルマスターの脳裏にあるシーンが浮かんだ。
それはギャルゲロワにも参戦していた「ひぐらしのなく頃に」の一場面だった。

(……しかたないか。
 私が全く悪くないってわけでもないし、賭けてみるか。
 蟹座氏! 君は私――俺が救ってみせる!)

唐突に固有結界が解かれる。
蟹座氏はバトルマスターの体力が限界に来たと思い、鉈を構えなおす。
だがその表情はバトルマスター同様に苦悶の表情だ。
どちらも身体の限界はとうの昔に越えていた。

「バトルマスター……変態……殺す」

渾身の力を込めて鉈を振りかざし、勢いよく振り落とす。
ここまでして蟹座氏は奇妙な事に気づいた。

バトルマスターが無防備な状態で笑っていたのだ。

なぜ?と理由の聞く時間はない。
もう鉈は振り落とされているのだから。
鉈がバトルマスターの頭部を破壊するまで後数瞬。
そのタイミングでバトルマスターは微笑みながら言葉を発した。


「大丈夫だ蟹座氏!! 私を信じろ!!」


「!?」

その決死の行動のおかげか、蟹座氏の思考が若干ながら元に戻った。
だが鉈は無情にも止まらずに――

「……し、しょう……」

バトルマスターは地に倒れ伏し、蟹座氏はその手の鉈で赤い花を散らした。
部屋には久しぶりに静寂が戻ってきた。

「ししょう……ぼく……ぼくが……」

だが静寂はすぐに蟹座氏によって追い払われた。
蟹座氏は気づいてしまったのだ。
己のした事に、これが二度目という事に。

マタコロシテシマッタ

「いや……いやだよ……ししょう、ししょう、ししょうぉぉぉぉぉおおおおお!!!!!」

蟹座氏の慟哭が部屋に響き渡る。
そしておもむろに手元の鉈を首にあてる。

「……みんな、ごめん。これで許してくれる、か、な……」

そして蟹座氏も地に倒れ伏した。
ようやく部屋に長い静寂が戻ってきた。

3217ギャルゲロワのなく頃に 想託し編:2008/04/01(火) 22:05:32 ID:OfH0AhSw0
 ◆

「……終わりですか」

ここは監視室。
したらば孔明は一連の騒動の決着を見届けて息をついた。
自分が画策したことではあったが、それでもご主人様を失ったのは少なからず心が痛んだ。
だが、そんな感情は捨て去るべきだ。
自分の目的はロワの完結。
そのためなら悪魔でも修羅でも……いや、それすら凌駕する存在になる事も厭わない。
だから自分は非情に、冷静に、一切の感情を封印して、ことにあたる。
それがしたらば孔明の役目である。

「孔明さん」
「なんですか?」

声を掛けてきたのはコ・ホンブック。
さっきまでは錬金術の勉強を一緒にしていたのだが、監視に戻るにあたって玄関の監視を頼んでいた。
錬金術の勉強のほうはおおよそ終わったので、あとは実践だけという形だ。
とりあえずはだいたい思った通りに進んでくれている事に孔明は満足していた。

「誰か来たのかな」
「うん。仮面ライダーだったよ。影の繋ぎ師って名前なんだって」
「えっと、知り合いですか?」
「違うけど、入る時に大きな声で名前を言っていたよ」

やけに嬉しそうな声なので知り合いかと思ったが、よくよく考えればブックは仮面ライダーというものにかなり依存している。
だからこそ仮面ライダー書き手の真意にも気づかずにいるのだが。

(それにしても入るなり名前を明かすなど、さすがは影の繋ぎ師と言ったところですか。
 あの人はチートを越えたチートといっても過言ではない存在ですから、接触するのは慎重にいきたいところですね)

孔明は『柿テロ猥・R2‐ND』により第2放送までの繋ぎ師の行動は把握していた。
チートゆえにどう接触するべきか考えていたが、すぐにその行動が無駄になった事に気づかされた。

『これは……しっかりしてください!』

VIPルームから繋ぎ師の声が聞こえてきた。
ブックが知らせてからまだ30秒も経っていないはずだが、これもチートの成せる業である。

(速すぎでしょ!)

孔明は思わず心の中で思いっきり突っ込みを入れていた。

3218ギャルゲロワのなく頃に 想託し編:2008/04/01(火) 22:06:05 ID:OfH0AhSw0
 ◆

ここは、ああそうか。
ここは地獄だ。
仲間を二人も殺したからきっと地獄に落ちたんだ。
はは、ボクは人殺し、ギャルゲロワの仲間を二人も殺した最低な奴なんだから当然だね。

「それは違うよ、蟹座氏♪」

誰? なんか初めて見るような人ばっかり……あ、なぜか分かった。
目の前にいる人たちはギャルゲロワの書き手達。
芳乃さくら姿の汚れなき愛。
ネリネ姿の歩く頭脳戦。
ハクオロ姿のギャルゲ版最速の人。
岸田洋一姿のステルス鬼畜。
トウカ姿の永遠のうっかり侍。
東方中国姿のお姉さま。
はは、みんなでボクを罵りに来たんだね。

「それは違うぞ。私たちは君を弄りに――」
「冗談はそれぐらいにしといてくださいね、最速氏。
 でないと、私の首コレクションが一つ増えることになりますよ」
「あの……頭脳戦さんも目がやばいですよ。
 まあ、時間がないから手短にいきます」

なんだろう。
あ、お姉さまが手を上げて――

パァン

え!? 叩かれた?
ああ、ししょうを殺したからだね。
ボクは本当にダメな奴なんだ。
もう死んでいるから何もかも終わったんだ。

「何を勘違いしているのですか、蟹座氏。
 蟹座氏の奮闘はこれからであろう」

……永遠のうっかり侍。

「そうだ。自分に自信を持て。
 俺も自分の姿に自信を持っているぞ」

……ステルス鬼畜。

「にゃはは、蟹座氏はバトルマスターの事が大切なんだよね。
 だったら、その人の気持ちを分かってあげなきゃ」

……汚れなき愛。

「バトルマスターが何であんな行動をしたのか、よく考えてみてください。
 あと、孔明は私をも罠に掛ける程ですから気をつけてください」

……歩く頭脳戦。

「今の君は弄るに値しないな。
 それはなぜか。
 それは君が諦めてしまったからだ。
 勘違いしているかもしれないが、私は君を恨んではいないぞ。
 おそらくバトルマスターも同じはずだ。
 なぜなら大切な仲間を救えたからだ。
 少なくとも私は君を救えた事に満足している」

……ギャルゲロワ版最速の人。

「蟹座氏、私達があなたを恨んでいるなんてそんな事ないわ。
 でもあえて言うなら自分の犯した事から目を背けないでほしい。
 罪から目を背けずにしっかり受け容れて。
 罪という事実は消えないかもしれないけど、それを許す事はできるわ」

……お姉さま。

ギュッ
お姉さまに抱きしめられた。
すごく優しくて温かくて安心する。

「だからね、蟹座氏。
 辛くて嫌な事があるかもしれない。
 報われない事があるかもしれない。
 裏切られる事があるかもしれない。
 だけど負けないで! 挫けないで! 最後の最後まで生き抜いて!
 もう簡単に死のうとしないで!!」

お姉さま……ごめん。ボクもう死んじゃったから。
あれっ? ボクが死んでいるなら、もしかしてここにいるみんな……
だめ……眠くなってきちゃった……
……まだ……みんなと……話したい……のに…………

「起きたら忘れているだろうけど、最後にひとつだけ言っておくね。
 どうか私達の分まで、私達の想いの分まで、懸命に生きてね」

3219ギャルゲロワのなく頃に 想託し編:2008/04/01(火) 22:06:29 ID:OfH0AhSw0
 ◆

影の繋ぎ師がこのラブホテルに来るきっかけとなったのはハッキングしたスパイセットが関係していた。
ハッキング能力によって偶然このホテルで争っている映像を見る事ができた。
残念な事はそれ以外の情報は知れなかったという事だが、それでも向かう理由には十分だ。
だが、今目の前に広がる光景は自分が遅かったと思い知らされるものだった。
床に力なく倒れ伏す二人。
そしてそれに群がる蟹の大群。

「これは……しっかりしてください」

無駄とは分かっていても、声を掛ける。
しかし、二人はまだ死んではいなかった。
よく見ると、バトルマスターのほうは頭から血を流しているが、致命傷には至っていない。
実はあの時、蟹座氏の身体は限界で鉈は思ったより力が入っていなかったのだ。
直前に正気に戻りかけたのも生存できた要因の一つである。
そして蟹座氏のほうはというと、ただ気絶しているだけだった。
バトルマスターを殺してしまったと思い込み、そのショックと首に鉈をあてた事で意識が飛んだというのが事実だ。
そんな事はチートな繋ぎ師でもさすがに分からないが、このままの状態が続けばまずい事ぐらいは分かる。
なんにせよこのままでは遠からず二人は本当に死んでしまう。

「くっ、なんとか治療を――」
『あの!! 聞いてくれませんか!!』

気づくと蟹の大群に囲まれていた。
しかもしゃべっている。
どうやら周りが見えていなかったようだ。

「なんだ、こいつらクライシス帝国……いや、wiki管理人の手先か!」
『違います! 私たちはバッド・カニパニーです』

そう彼らは蟹座氏を母と慕う蟹の集団バッド・カニパニー。
彼らは二人の争いが誤解だと分かっていたが、愛する母のために最初こそ蟹座氏の援護をしようと試みていた。
だがあまりの激戦で全く入り込む余地がなかったので遠巻きに見ていることしかできなかったのだが、
それが災いして二人を危険な目に遭わせてしまった。

『早くこれを二人に飲ませてください』
「これは……汁?」
『それは私達のエキスです。簡単に言うと回復液です。
 あんまり多くは取れませんが、これくらいならギリギリ許容範囲です。
 そんな事よりも早く!』
「わ、わかった」

バッド・カニパニーの勢いに若干押されてコップに入った液体を二人に飲ませていく。
すると程なくして二人の顔色は良くなり、傷も癒えてきた。
まだ完全とは言えなさそうだが、これなら大丈夫そうだ。
ふと目を遣ると、蟹の大群はエキスを作った影響なのかぐったりしていた。

3220ギャルゲロワのなく頃に 想託し編:2008/04/01(火) 22:07:07 ID:OfH0AhSw0
 ◆

「……ん? 私は……生きてるのか」

目を覚ますや自分の生死を疑うバトルマスター。
当然命が助かる保障は0に近いと覚悟していただけに、生きている事は僥倖だった。

「よかった、気がついたんですね」
「あなたは?」
「俺は影の繋ぎ師。
 闇を切り裂き、光をもたらす仮面ライダーです」

目の前の人物が命の恩人である事は状況から見て間違いないだろう。
なによりここまで正義が似合いそうな奴もそうそういない。

「私はバトルマスター……そうだ、蟹座氏は!?」
「彼女ならあなたの隣ですよ」

見れば自分の隣で蟹座氏が気を失っている。
見たところ顔色も大丈夫そうで一安心だ。

「バトルマスターさん。実は聞いてもらいたい事があります」

そうして繋ぎ師が話した事はこのロワの根底に関わる重大な事実だった。


【夕方】【G-4/ホテル『キャッスル・満漢全席』-VIPルーム】

【影の繋ぎ師@ライダーロワ】
【装備】:サタンサーベル@ライダーロワ、リボルケイン@ライダーロワ
【道具】:カラオケマイク@現実
【所持品】:支給品一式
【状態】:腹部に大ダメージ、全身に切り傷、クライシス帝国への激しい怒り
【思考・行動】
基本:殺し合いには乗らない。
1:どこまでも ぶ っ ち ぎ る ぜ !!
2:他の参加者にディーから聞いた事を伝える。
3:熱血王子を倒す。
4:逃げたクライシス帝国の手下を見つけて倒す。

※変身体が仮面ライダーBLACK SRX@書き手ロワ2に進化しました。
 キングストーン二つの融合により更なる可能性を得たかもしれません。
※RXの全変身系統の能力が二倍以上にアップし、シャドームーンの武器と技も使用可能です。
 何より性能差をももろともしないシャドームーンの卓越した戦闘技能を強化されたRXが得たことが一番大きいでしょう。
 加えて太陽光・月光の両方を取り込めるようになったので、昼夜問わずぶっちぎれます。
 名前からしてスパロボのSRXの技も使用可能かもしれません。詳しい能力・技は以降の書き手にお任せします。
 原作設定すらぶっちぎるぜい!
※ついでに首輪が取れちゃいましたが、どこまでもぶっちぎりです。

3221ギャルゲロワのなく頃に 想託し編:2008/04/01(火) 22:07:43 ID:OfH0AhSw0
【バトルマスター@ギャルゲロワ】
【状態】:胸に抉り傷、内臓の一部に破損、頭部に切り傷、疲労(以上回復中)、両腕に削り傷(処方済)、尻に猛烈な痛み
【装備】:永遠神剣「冥加」
【道具】:支給品一式、コイン、名簿、不明支給品×2
【思考】:
 基本:コインの表が出た――だから徹底的に抗う。
 0:…………孔明が!?
 1:蟹座氏とはできるだけ穏便に済まし、仲間としたい。
 2:そういえば、放送はどうだったんだろう?
 3:対主催として仲間を探し、殺し合いに乗った輩を倒す。

 ※容姿は前原圭一@ひぐらしのなく頃にです。
 ※自身の精神が、キャラの影響を受けていることに気付きました。
 ※【闘争制覇者-Battle Master】
   発動させることで、決して『バトル』に負けない固有結界を張ることができます。
 ※管理人・したらば孔明と『強く結ばれました』
 ※影の繋ぎ師からディーの話を聞きました。


【蟹座氏@ギャルゲロワ】
【状態】:蟹見沢症候群発症(抑制化?)、へこみLv2、顎部に痒み、『蟹座じゃないもん』覚醒 、気絶中
【装備】:体操着(ブルマ)、バットカニパニー、鉈
【道具】:支給品一式、蟹座の黄金聖闘衣、最高ボタン、カードデッキ(シザース)@ライダーロワ
【思考】:
 基本:どうしようか……?
 0:…………
 1:……ししょう……
 2:『あいつ』に逢ったら殺す。
 3:ギャルゲロワの仲間とは会いたくない……けど。
 4:敵とは戦う。ギャルゲロワ以外でいじめてくる人はみんな敵。
 5:子供の面倒はきちんとみます。

 ※容姿は蟹沢きぬ(カニ)@つよきすです。
 ※最高ボタンを押すと、『いやっほぉぉぉおおおう、蟹座のONiぃ様、最高ーーーーーっ!!!!!』という台詞が、
  ハクオロの声で流れます。シークレットボイスにも何かあるかも?
 ※自分の心がキャラに影響されていることに気付きましたが、キャラに抵抗するため無駄な努力をしています。
 ※身体能力は本気を出せば倉成武ぐらいの力が出ます。通常はカニ。
 ※蟹見沢症候群について。
   へこみのLvが5になったとき、発祥します。発症した場合、自分を苛めたり辱めたりした者を優先的に殺します。
   基本的な症状は雛見沢症候群と同じです。発症中は蟹座氏のチャット状態の特徴により、語尾に♪がついたりします。
 ※言霊『蟹座じゃないもん』に覚醒しました。
   強い意志で蟹座であることを否定することにより、文字通り蟹に縁のあるアイテムから、
   『蟹座じゃないもん』つまり『蟹座じゃないもん(者、物)』の力を引き出せます。
 ※『バッド・カニパニー』が召喚されました。
   蟹座氏の言う事を聞く、千余りの蟹の古参兵達です。幾何学模様を描く隊列は美しいです。強さは蟹です。
  幾ばくかの回復効果のあるカニのエキスが出せます。でも多くは出せません。

3222ギャルゲロワのなく頃に 想託し編:2008/04/01(火) 22:09:23 ID:OfH0AhSw0
孔明が影の繋ぎ師を発見してから5分程度が経過した。
しかしその間に事態は思わぬ方向へ進んでいった。
バトルマスターと蟹座氏、両名の生存。
カニのエキスによる幾ばくかの回復。
そして、暴露話。

(なぜだ……なんであいつは私の事を……)

まだ繋ぎ師は孔明の目的まで話していないとはいえ、この状況は非常にまずい。
自分はあくまで内密にことを運ぶ気でいた。
仮面ライダー書き手はあの性格なのでばらす可能性は低いと考えたので話したが、極力自分の事は話さないでいこうと考えていた。
それなのにこれでは台無しだ。
どういう経緯かディーから聞いたとは言っていたが、この際どうでもいい。
問題はこれからだ。
今まで通りにいくなら、ここで彼らを始末するほうがいいに決まっている。
自分の事がこれ以上ばれたら今後の行動に支障が出る。

だが安易にその選択肢は取りづらい。
何といっても相手は最強チートの能力を持つ影の繋ぎ師。
今の自分の装備では心許ない。
自身の頭脳やまだ使っていない力を使えばあるいは可能かもしれないが、確証はない。
そして何より――

(……私が、躊躇っている!?)

そうなのだ。
さっきご主人様と見込んだバトルマスターが無事だったと知った時、不覚にも安心してしまったのだ。
そんな感情など抱くはずないのに、抱いてはいけないのに、安心してしまった。
非常に徹して、冷静にことにあたらなければならないのに、どうにも心がざわつく。

(ご主人様……あなたは私とってのなんですか?
 私は必要とあれば、あなたが死ぬのは仕方のない事だと思い続けていました。
 だけど、あなたが死んだと思い、そして実は生きていると知った時のこの感情はなんですか!?
 ご主人様……あなたは私をどうしてこうも惑わすのですか!?)

捨て去ったはずだった。
キャラの性格などとっくに捨て去ったはずだった。
ではこの胸を締め付けるような感情は何ですか。
ご主人様の事を考えれば考えるほど心が波立つ。
さっきまでご主人様が死んだと思うまではこんな事なかったのに。
いったい私はどうしちゃったのでしょうか。

孔明は知らなかった。
その胸の内に宿った小さな感情の名前を……


【夕方】【G-4/ホテル『キャッスル・満漢全席』監視室】

【管理人・したらば孔明@アニロワ2nd】
【状態】:不死者(アニロワ2nd準拠)、健康、衣服に若干の血痕、バトルマスターに対する複雑な感情
【装備】:スタンガン@アニロワ1st
【道具】:支給品一式×2、ゲイボルグ@アニロワ2nd、オールオーバー@ライダーロワ、携帯電話@現実、首輪(まとめキング)、
     閃光弾、不明支給品(元書風連・その壱のもの)×1
【思考】:
 基本:書き手ロワ2ndを完結させる(基本的に恋姫†無双の孔明を演じる)
 0:この感情はいったい……
 1:VIPルームへの対処を画策する。
 2:ロワ完結に向けて策略を巡らす。
 3:あの蟹は邪魔っけだ!
 4:危険人物は徹底排除☆

 ※容姿や言動は様々な作品の孔明のMIXですが、基本は恋姫†無双の孔明の姿と言動です。
 ※頭脳はジャアントロボの孔明。力は水滸伝の孔明。(……他にもあるかもしれません)
 ※バトルマスターに対して複雑な感情を抱き始めました。
 ※【メタモルフォーゼ】
   容姿を恋姫†無双の孔明から、ガチムチな孔明へと変化させることができます。
   但し、効果は1時間前後。また使用後2時間は、激しい疲労感と眠気に襲われます。
 ※バトルマスターと『強く結ばれました』
 ※携帯電話に『柿テロ猥・R2‐ND』が機能として追加されました。
  見る事ができる項目は「ロワ本編」「最終登場時刻」「参加者名簿」「死亡リスト」の4つ。
  更新は6時間毎の放送毎に行われる。
  4つの内容は書き手ロワ2nd@wikiとほぼ一緒。違う所もいくつかあります。

3223ギャルゲロワのなく頃に 想託し編:2008/04/01(火) 22:10:24 ID:OfH0AhSw0
(……孔明さん)

したらば孔明が悩んでいる様子をブックはこっそりと見ていた。
自分のために一生懸命に術を教えてくれた孔明さん。
書き手お兄ちゃんにも孔明さんにもお世話になってばかりな自分。
何とか恩返しがしたいな。


【コ・ホンブック@アニロワ2nd】
【状態】:若干の不安、仮面ライダー書き手への依存
【装備】:ビッグ承 、エドワード・エルリックの衣装@アニロワ2nd 、賢者の石@アニロワ2nd
【道具】:なし
【思考】:
基本:もう諦めない。
1:したらば孔明と錬金術の勉強をしつつ書き手お兄ちゃんの帰りを待つ。
2:書き手お兄ちゃんと孔明さんに恩返しがしたい。
3:仮面ライダー書き手と共に仲間を集める。
4:自分の恰好に一抹の不安。

※不死者化、酢飯細胞の効果が切れました。
 また、浄解により負の感情も治まりました。
 その影響で錬金術が使えるようになりました。
 他にも何かあるかはお任せします。
※首輪は外れたままです。





投下終了
最近は投下ラッシュですね

3224名無しでもいいよ皆そう呼ぶから:2008/04/02(水) 02:45:17 ID:qtx18i6o0
投下乙〜。
おお、暗躍がばれたこととバトマスに対する思いとで、
色んな意味で動揺している孔明の人間らしさが、いい味出していましたw

3225ギャルゲロワのなく頃に 想託し編:2008/04/02(水) 09:57:59 ID:LNEqo8Y.0
ミス発見orz
蟹座氏の【状態】の欄に「疲労(回復中)」を付け忘れていました
wiki収録後に修正しておきます

3226封印一度:2008/04/02(水) 10:59:52 ID:dgwKVkOw0
こっちも発見。
えーりんが気絶のままでした。wikiで直します。

3227名無しでもいいよ皆そう呼ぶから:2008/04/02(水) 16:05:17 ID:dgwKVkOw0
うわ、古城と孤城を間違えてた…名無しと七氏も一部間違えてるな。
>>3226同様、収録後に手を入れておきます。申し訳ない。

3228名無しでもいいよ皆そう呼ぶから:2008/04/02(水) 17:48:34 ID:cRJ3MErQ0
一つ質問。封印一度の>>3201にて一部漆黒の龍や孤高という表記があるのですがこれは主人公コンビの間違い?

3229名無しでもいいよ皆そう呼ぶから:2008/04/02(水) 18:11:33 ID:dgwKVkOw0
あー、すんません。間違えました。
最初は午後で残された孤高&漆黒に対する介入で書こうとしてたので、その名残が残ってしまったようです。
wikiで修正しておきます。マジ申し訳ない。

3230 ◆KuKioJYHKM:2008/04/03(木) 05:56:10 ID:GWFrOd620
さてと…。第三回放送、投下させていただきます。

3231第三回放送:2008/04/03(木) 05:57:32 ID:GWFrOd620
主催者陣営の本拠地である、天空の城。
感電はその一室で、ぐったりといすの背もたれに身を預けていた。
フリクリ署長に倒された焦ったドラえもんは、あくまで感電の分身である。
感電自身が倒されたわけではない。
しかし、肉体を完全に掌握するという高レベルな乗っ取りをやってのけた結果、そこにはリスクも生まれていた。
要するに、焦ったドラえもんの受けたダメージのいくらかは彼に伝達されていたのである。
しかし、彼を苦しめていたのは何も肉体的な苦痛だけではなかった。

(一端のヒール気取って暴れては見たけど…。やっぱり人殺すのはしんどいわ…。)

間接的にとはいえ、五人の人間を殺害したという事実。それが彼の精神をじわじわと締め付ける。

(俺が殺したみんな、成仏してくれよ…。っていうか、死者スレで楽しくやってるみたいだけどな。
なんだよ、ズガンレンジャーって…。)

死後の世界での馬鹿騒ぎのことを思い出すと、少しだけ気が楽になる感電であった。

(まあ、それはいったん置いとくとして…。いよいよこのロワも佳境に入ったな。
魔王様は俺が隠しておいたメッセージに気づいた。
影の繋ぎ師はディーから主催者の情報を得た。
病院のメンバーはこの天空の城の存在を知った。
そして首輪の解除に成功した奴も…おっと、こいつは死亡扱いだったか。
名前呼ぶの忘れないようにしないとな。
俺はプー太氏から話を聞いたから、真相を知ってるけどね。
そしてお姉さまの一撃…。脱出フラグは着々と立てられつつある。
けど、ニコロワとテイルズロワの連中もここにきて一気に動きが慌ただしくなってきた。
まだどのエンドになるかは予断を許さないな…。
完結が最優先とはいえ、対主催を名乗ってるからにはやっぱり脱出エンドになってほしいね。
あー、でも…。脱出エンドになったら俺、Chain-情にぶっ殺されるかもな…。)

感電は、今後について考えを巡らす。そうこうしているうちに、時刻は18時を迎えようとしていた。

「さて…。それじゃあ、そろそろ準備を始めますか。」

3232第三回放送:2008/04/03(木) 05:59:13 ID:GWFrOd620
◆ ◆ ◆


「ヤッホー、皆さん元気ですかー?またまた放送の時間がやってまいりました。
感電が午後6時をお知らせしまーす。
バトルロワイアルも開始から18時間が経過。いよいよクライマックスって感じですかね?
なんだか、一部でものすごい盛り上がりになっているようですが。
あ、それがどこなのかは言いませんよ。これ以上人数増えたら収集付かなくなるから。
さて、それじゃあ皆さんお待ちかね、死亡者の発表にまいりましょう。

【AAAロワ】
◆MJv.H0/MJQ
◆wKs3a28q6Q
◆yHJSlOJmms


【漫画ロワ】
パンタローネ(◆L9juq0uMuo )
シルベストリ(◆O4VWua9pzs )
焦ったドラえもん(◆33iayeGo/Y)


【スパロワ】
転(◆uiAEn7XS/. )


【ギャルゲロワ】
永遠のうっかり侍(◆/Vb0OgMDJY )
お姉さま(◆UcWYhusQhw )


【アニロワ2nd】
素晴らしきフラグビルド(◆oRFbZD5WiQ )
底上中の残月(◆RwRVJyFBpg)
忘却のウッカリデス(◆DNdG5hiFT6 )
幻夜・フォン・ボーツスレー(◆Wf0eUCE.vg)


【アニロワ1st】
大あばれ鉄槌(◆2kGkudiwr6)
フリクリ署長(◆B0yhIEaBOI )
意外な影丸?(◆FbVNUaeKtI )
猫子頭の鬼軍曹(◆wlyXYPQOyA )


【ハカロワ3】
サプライズパーティー(トリップ不明)
地味子(トリップ不明)

3233第三回放送:2008/04/03(木) 06:03:07 ID:GWFrOd620
……以上、19名です。
ついに全滅するロワが出てきましたねー。AAAロワ、葉鍵ロワ3、スパロワの皆様、ご冥福をお祈りします。ナームー。
そしてアニロワ1stの皆様、前回の放送で俺が心配したとおりになっちゃいましたね。
そこまで空気読まなくてもいいのにねえ…。生き残ってる3人は頑張ってねー。全員ピンチみたいだけど。
さて、続いて禁止エリアの発表。
とりあえず今回も、前回同様2エリアずつの指定でいくね。

19:00から【E-9】【G-3】
21:00から【C-7】【F-6】
23:00から【G-4】【D-5】

……とまあ、こんな感じです。
それじゃあ、伝えることは伝えたし今回はここまでかな。
これから暗くなるけど、めげそうな時は夜空の星でも眺めて元気を出してくださいねー。
それじゃあ、また6時間後にお会いしましょう!」

第三回放送、これにて終了。
バトルロワイアルは、夜へと突入する……。



以上です。
放送という大任をやらせていただくということで、初めてトリップをつけてみました。
「ここは間違ってる」という指摘や、苦情などありましたら遠慮なくどうぞー。

3234くろいひとたちはこよいもたのしそうです。:2008/04/04(金) 00:03:16 ID:kkvLNsYU0
「うぅん……ここは何処? 僕は……漆黒の龍だよな。うん。」
目を覚ますと、そこはなんだかシャボン玉みたいなのが飛び交う不思議世界だった。
わー、きれいな場所だー。楽しそう、とっても楽しそう☆うふふふふあははははははは。

……いやいやいや、さっきまで僕はロワの会場にいたでしょうが。
何で僕はいきなりこんな場所に飛んできているのか…………あ?
「……。」
あれれー? 何で僕が二人もいるのかなー?
……ちょっと落ち着こう。一旦眼を閉じるんだ、そうすればあんな幻覚なんて――――。
「……。」
「……。」
……えぇー、何で増えてるのー?
ババッ
二人の漆黒の龍がそれぞれ右手を挙げた。一体何をする気だ?
「僕は漆黒の龍二号!」
「僕は漆黒の龍三号!初代に二号、合体だ!!」
「いきなり現れて合体とかどういうネタふりだあああああ!?」
何なんだこれは……ボケ倒すにも限度ってものがあるだろう。これはその限度をはるかに超越している。
というか僕はロワの真っ最中。孤高さんさんも待っているんだし、さっさと戻らなければ……。
「……。」
「……。」
「……。」
「……。」
……もういいや、増えたことに関してはもう何も言うまい。
ババッ
新しいほうの二人が前の二人のように手を上げる。あれだろ? どうせお前達は四号だったり五号だったりするんだろう。
「俺は漆黒の龍?」
「俺が漆黒の龍!」
「今度はマークかよ!!つかマークがついても文面じゃなきゃ分からないよ!?」
駄目だ、どうしても突っ込まずには居られない……僕はこいつら相手に何をすればいいんだ。
……殴るか、殴ればいいのか?いや、人を殴るのは鉄槌だけでいい。あれはあれで問題があるけれど。
そもそもこいつらは本当に僕なのか?アーカードだって二人いるんだし城戸真司の姿の参加者だって何人居てもおかしくな……あれ?
そこまで思案して気付く。こいつらと僕には決定的な違いがある、服装だ。
こいつらは僕と違い、左右が逆の服装を……否。こいつらの服装は間違いなく城戸真司の物。
本当に左右逆の服装をしているのは、僕の方だ。僕の本当のなりきりは城戸真司ではなく――――――――リュウガ。
どうしてこんな簡単な事に気付かなかったのか。頭がどんどん冴え渡ってくる。
「この変な夢はあんたの仕業か……愛の伝道師!」
「……何処で分かった?漆黒の。」
四人の漆黒の龍もどきの後ろから現れた人影。あの目立つ紅いジャケットは忘れもしない、愛の伝道師のものだ。
以前あったとき同様、複雑な表情をしている。

3235くろいひとたちはこよいもたのしそうです。:2008/04/04(金) 00:04:27 ID:kkvLNsYU0
「以前ここと同じような場所に呼ばれたからねぇ。そりゃ分かります。」
「言っておくが、今回は俺だけの力で呼び寄せた訳じゃないからな。」
「どういう事?」
一息おいて、愛の伝道師は遠くを見ながら呟く。視線の先にはさっきの僕もどき、まだ居たのか。
「さっき、イヤになるくらいの頭痛が来たろう?」
「あー……はい。」
「詳しくは分からないが、お前とあのでかいのが接近した時に死者スレの扉が開いたんだよ。」
でも死者スレの扉ってそんな軽々開くものじゃないだろう。前回会えただけでも奇跡だってのに二度目まであるなんて。
「しかし、今度ばかしは本当の最後になりそうだ。」
「……だろうな。死者の介入は本来あっちゃならない事、そう何度もおきるはずがない、だろ?」
「お前に言われなくとも分かってるよ。という訳で、さっさと要件を済ませるぞ。」
ああ、やっぱり何か用事があったのね、まぁ、死者スレ抜け出してくるようだし。
「『予約被りに定評のあるtu4氏』についてだが……彼女は先ほどお前が出会った偽者の姿をしている。」
「でも孤高さんは芙蓉楓がどうとか……」
「恐らくロワの中で姿を変えたんだろう。といっても、本当のところは本人に会ってからじゃなきゃ分からないけどな。」
ああ、ありがとう。次に会った時問いただしてみるさ。
……でも、用件はそれだけじゃないんだろ?

「もちろん。このロワ、前にも言った通りどこかが変だ。」
「うん……他のロワではご法度になる展開がこのロワではすんなり通る、間違いなく異常だ。」
「俺と同じしたらば管理人、したらば孔明や地図氏こと地球破壊爆弾……俺ことツキノ。
 この内二人が揃っているのにツキノとしての俺が参加していない、これは少しばかりおかしいんだ。」
「何処がおかしいのか良くわからないが……具体的に説明してくれるか?」
「駄目だ。まだ推測の域を出ないし、それを見つけるのは残されたお前らの役目だ。」
……肝心なところで微妙な情報だなぁ。まぁ、死者からの情報じゃしょうがないか。

「贅沢を言うな。余り情報が出すぎると、ロワ自体が成り立たなくなる恐れがある。」
「わかってるって。地球破壊爆弾……だっけ、会ったらよろしく言っとくよ。ツキノン♪」
その名前で呼ぶな、と愛の伝道師が意味深な笑みを浮かべる。
「よぉ!元気だったかァ!?」
突然会話の間に割り込む第三の声。
振り返るとそこに立っていたのは、ヴィータの騎士甲冑に身を包む☆ボイス。大あばれ鉄槌だ。
「鉄槌……そうか、ここに居るって事はお前ももう……」
「おっと、湿っぽい話はナシだ。」
漆黒の龍は事を察したが鉄槌がその言葉をさえぎった。
パチン、と鉄槌が指を弾くと、奇怪な形の蝙蝠が飛んで来る。てかもしかしてキバット?
「あんまり深いところには突っ込むなよ? 全くなんで死んでからもこの姿にならなきゃなんないんだよ……」
そう言いつつ僕の手に何かを落として去っていった……何か、変な感じ。何この玉?
「それは俺からの土産物だ。レイジングハート、名前くらいは聞いた事あるだろ?」
『Hello.My master』
「おー、動くのか。」
漆黒の龍は手の中の玉を天に透かすと、半透明の玉からは赤い光が漏れた。

3236名無しでもいいよ皆そう呼ぶから:2008/04/04(金) 00:04:48 ID:kkvLNsYU0
『まぁ、バリアジャケットは出せませんけどね。』
「え、どういうこと?」
『壊れかけのものを無理やり回収してきたんです、そんな無茶な事出来るわけないでしょう。』
心なしか、レイジングハートは玉の状態なのに胸を張っているように見えた。でも威張れる事じゃないが。
「……何かやたらと気さくなレイジングハートですね。」
「ハハッ、まァ気にすんな!」
そういって鉄槌は肩を叩く。全く、死者スレに言っても変わらないな。
……っと、意識が薄れてきた、どうやら今度こそ別れの時間らしい。
「そろそろ、さよならだ。」
「らしいな、出来ればもう二度と会いたくないぜ。」
「全くだ。」
そういって三人は互いに固い握手を交わす。
以前愛の伝道師の手に嵌っていた皮手袋は、今漆黒の龍の手に嵌っている。
以前大あばれ鉄槌の持っていたレイジングハートは、今漆黒の竜が持っている。
「あんたらの意思、しっかり受け継いだぜ!」
「ああ、じゃあな。tu4氏の事……頼んだぞ。」
「俺たちは向こうでお前の事見てるからな!中途半端な燃え展なんか見せたら承知しねえぞ!!」
そろそろ本格的に意識がなくなってく……あれ、さっきの僕もどきが集まって一つに……?
「HAHAHAHAHAHA!!私こそは漆黒の龍だァー!」
「嘘付けェェェェェッ!!目つきが悪いしなんかネコミミも出てるぞォォォ!?」

嗚呼、やっぱりこの性格は治らないのか――――――最後の最後で大きな突っ込みをしながら、僕は夢の世界を後にした。



「……まったく、こんなことしてどうなっても知らないぞ。」
ネコミミつり目の漆黒の龍が呟く。厳密には、それに擬態している◆6/WWxs901であるが。
「そんなこと言って、手を貸してくれたのは何処のどなたかな?」
愛の伝道師の言葉にやるせなくなったのか、◆6/WWxs901はそっぽを向いてしまった。
「……どうせだから、聞かせてくれ。何でこんな事をした? tu4氏の事ならいずれわかるだろうに……」
「そっちはあくまでついで、本当の目的は――――キャラとしての覚醒だ。」
不意に声のトーンが変わる愛の伝道師。
「さっきまでの漆黒のはなりきりのキャラを、近いとは言え履き違えていたからな。
 本来の力が出せなかった……だからこそ覚醒させてきたんだ。」
一息で喋って、コーヒーを一口。ちなみに◆6/WWxs901はオレンジジュース。
「きっかけは恐らく……あの龍の接近だろう。漆黒の龍、そしてあの黒い巨龍……何か関係があると見て間違いない。」
傍から見れば洒落だろうが、当人達はいたって真面目だ。
「本当に分からないのはあの龍の怪人……漆黒のは北崎を執筆していないし、関連性が皆無。なのに一体何故……」
「決まってるじゃねぇか、燃え展開だからだよ。」
黙っていた大あばれ鉄槌がすぐさま脇から答えを出す。
彼なりに思うところがあるのだろう、少しばかり☆ボイスもシリアスモードになっていた。
「燃え展開ねぇ……回りまわって鬱展開にならないといいが。」
◆6/WWxs901は空になったコップを置いた。中に入っていた氷がカラン、と音を立てる。
「まァ、考えたって始まらねえよ。俺たちにできる事は見てる事だけなんだからよ。」
「……それも、そうだな。」
コーヒーをもう一口、すっかり温くなってしまった。
口に広がる苦味を味わいながら、愛の伝道師は背もたれに寄りかかって眠りについた。



3237くろいひとたちはこよいもたのしそうです。:2008/04/04(金) 00:05:39 ID:kkvLNsYU0
「……さん! 漆黒さんしっかりして下さい!」
「うん……孤高さん? ってここは何処?」
夢から覚めたとき、辺りはもう暗くなり始めていた。
「ここは、さっき私が倒れたときに入った建物です。」
「ずいぶん長く寝ていたみたいだな……ごめん、僕のせいで……」
「いえ……何もなくてよかったです。」
漆黒の龍が謝ると、大きく被りを振って否定する黒き書き手。
「あ、そうだ。さっき気を失っている間に見た夢なんだけど、愛の伝道師……いや、ツキノが――――」

◆ ◆ ◆

「そうですか……tu4氏は兎も角、ツキノさんといい、地図氏といい……このロワには少なからず裏があると見て間違いないですね。」
「うん、しかも飛びっきり厄介なもののようだね。」
漆黒の話を聞き考え込む孤高。だが普段と様子が違う。
微かに上ずった声、小刻みに震える肩、時折漏れる嗚咽、そして――――その眼は、紅く充血していた。
「孤高さん、考えるところ悪いんだけれど、僕が気を失っている間に放送があったね?」
「……はい、ありました。」
時計も見ずに漆黒の龍が放送の事を言い当てる。リュウガとして覚醒する前なら考えられなかっただろう。
だが今の彼はリュウガとして幾分頭がクールになっていた。この程度のことなら十分推測は可能だ。
「……何かあった?」
「フラグビルドさんが……ドラえもんが……うっかり侍さんが……お姉さまが……」
放送で知り合いの名前が呼ばれたのだろう、その心理はよくわかる。自分もボマーが呼ばれた時はこんな風になった。
「大丈夫かい?」
「……えぇ、これぐらいの事じゃへこんでいられません。」
――――嘘、彼女は今我慢している。漆黒の竜が即座に嘘を見抜く。
出来れば、禁止エリアの事を聞きたいが、今はそれどころではない。
彼女の事を思えば、漆黒の龍は自然とその判断を下していた。
「えっ、あああああの漆黒さん!? なななな何をするんですかっ!?」
孤高の頭に手を回し、ゆっくりと引き寄せて包み込む。
もちろんの事孤高の黒き書き手は酷く狼狽し、涙目の顔をさらに真っ赤にした。
「孤高さん……泣きたい時は溜め込んじゃ駄目だよ。」

一言呟き、漆黒の龍はその華奢な体を強く抱きしめた。

「あ、あ……うわああああああああああああああ!! 」
緊張の糸が途切れたのか、とても大きな声で―――――ただただ、泣いた。
静かに、優しく。孤高の黒き書き手が泣き止むまでは、この体を抱きしめていよう。漆黒の龍は少女を眺めながら、そう思っていた。

◆ ◆ ◆

「……どう? 落ち着いた?」
「はい、思いっきり叫んだら、何かすっきりしました。」
「そう、よかった。」
はにかんだ笑顔を見せる孤高。今度は、漆黒の竜が顔を紅く染める番だった。
幾らリュウガと言えど、こういうことには弱い。めっぽう弱い。一番弱かった。
(あああああああの方法しか思いつかなかったとは言え何で何の迷いもなく実行に移すかな僕はァァァァァァ!?
だって何の許可もなく抱きしめるんだよ? うわああああ思い出すだけでも恥ずかしいいいいい!!)
今は、顔をさっきの孤高に負けないほど紅くして、そこに自己嫌悪を上乗せして転がりまわっていた。

ゴロゴロゴロゴロガツンゴロゴロゴロゴロ。悶え苦しんでいる内に頭が何かにぶつかった。

3238くろいひとたちはこよいもたのしそうです。:2008/04/04(金) 00:07:29 ID:kkvLNsYU0
「ん?」
当たったのはデイパックだった。恐らくデイパック越しに物が当たったのだろう。
ジッパーを開き、中身を確認する……え、ソルテッカマン?何でここにあるの?てか何でここに入ったの?
「あ、それ漆黒さんが気絶している間に回収しておきました。」
「え、孤高さん一人でどうやって回収したの?」
「何言ってるんですか、私一人で運べる訳ないじゃないですか。私そこまで力ありませんよ!」
孤高の黒き書き手が軽く頬を膨らませながら鏡を指差す。
そこにはいつもよりウネウネしてるドラグブラッカーがいた。何かちょっとだけうれしそう。
「彼が手伝ってくれたんです。」
だから妙に嬉しそうだったのか……変身もせずにドラグブラッカーを使うなんて、よっぽど気に入られたのだろう。
まぁ、別に悪い事でもないしいいか。それより、遅れを取り戻せねば。
「さて、そろそろ行くかな。」
荷物を持って、漆黒の龍は外に出ようとするが、それを引き止めるのは孤高の黒き書き手。
「えっ……病院へ、行くんですか?」
「行くんですかって……当たり前でしょう。」
孤高が目線を下に伏せる。
「でも……またさっきみたいに気を失ったら……」
「大丈夫、次は――――倒れたりしないから。」
漆黒は孤高の心配をなんでもないといった風に跳ね除ける。
根拠などは全くないが、そこには不思議な説得力があった。これもリュウガの影響だろうか。
「分かりました……じゃあ急ぎましょう!」
「ああ!ドラグブラッカー!!」
漆黒の龍はもう一人の相棒を呼ぶ。
……おかしい、出てこない。鏡の前にはいるのに……
「おいドラグブラッカー、どうした?何で出てこないんだよ?」
鏡を直接ノックしてみるがやはり出てこない……てかなんか疲れてないかコイツ?
「あっ……まさかさっきソルテッカマン運んでもらった所為かも……」
黒き書き手の言葉に思わず納得する、って、じゃあこいつに乗って飛べないじゃん!?
「ちなみにソルテッカマンを動かそうとしたら多分真夜中になってしまいます……スミマセン!」
謝る孤高に対し、漆黒の龍はリアルorz状態になった。
じゃあこのまま歩いていくしかないのか?絶対間に合う物か。
ライダーに変身しても、カブトは僕しか変身できないしドラグブラッカーが仕えない以上リュウガには期待できないし……。
……って、在るじゃないか、もう一つ空を飛ぶ方法が……でも……。
「本当ですか!?じゃあ早くいきましょう!」
「いやでもあれは……そのなんと言うか……あれはちょっと……」
明らかに何かを隠している。すぐさま孤高の黒き書き手はそのことを察した。
十中八九知られたくない事なのだろうが、そうなるとやはり知りたくなるのが人情という物。
やがて決心したのか、漆黒の龍はデイパックに手を突っ込んで核鉄を取り出した。
……え、核鉄?と言いそうになったが、その前に漆黒の龍が次のアクションを見せる。
「ハッ!」
短く吼え、人の皮を脱ぎ捨てドラゴンオルフェノクとしての姿を現す。
巨大な手で核鉄を掴み、一瞬躊躇いを見せるも天高く核鉄を掲げた。
「……武装、錬金。」
一言、軽く呟いて核鉄を展開し、そこから眩い光を放つ。
孤高はその強い光に思わず眼を瞑ってしまうが、それも一瞬の事。すぐに光も収まった。
ゆっくりと眼を開けていき、目の前に立っていたのは―――――

3239くろいひとたちはこよいもたのしそうです。:2008/04/04(金) 00:08:09 ID:kkvLNsYU0
「あ」
両者の口から漏れるあ、という声。だがそこに籠めてある意味は全く別のものだ。

―――――黒いドラゴンオルフェノクが

「あ」
漆黒の龍から漏れるのはしまったッ、という後悔。やる前にせめて一言断っておけばよかったと。
見れば彼女も口を大きく開けている。驚き?嫌悪?いや……これはまさか……?

―――――黒い蝶の羽を背中につけて

「あ」
黒き書き手から出るのはえ、何これ、という感情。他には一切何も出てこない。
確かに漆黒さんが変な姿になったのは驚きだけど、いや、それ以前にこの格好は…駄目だ…こらえるんだ…し…しかし…

―――――黒いパピヨンスーツを着ている姿だった。

3240くろいひとたちはこよいもたのしそうです。:2008/04/04(金) 00:08:44 ID:kkvLNsYU0













「いやっ……もうだめ、耐えられな、あは、あはははははははははははっ!!!」
「ちょっ、そこまで笑うことないでしょフツーッ!?」













3241くろいひとたちはこよいもたのしそうです。:2008/04/04(金) 00:09:07 ID:kkvLNsYU0
……数秒後、そこには笑いを抑えている黒き書き手と体育座りをしているドラゴンオルフェノクが居た。
パピヨンスーツはまだつけたまま。目尻には大粒の涙が溜まっており、最早恐ろしさもへったくれもなかった。
「ご、ごめんな、ふふふっ、ごめんなさあはははは!!」
一応謝罪の言葉らしき物はあるが、合間に挟まれる笑いにより全く意味を成していない。つーか、寧ろ逆効果。
一つ笑いが零れば漆黒の龍が落ちこみ、一つ噴出せば漆黒の龍が悶え苦しむ。さっきからこの繰り返しである。
「だからいやだったんだ! 勝手にこの服になるとかどんな制限だ!?」
漆黒の龍が涙目で訴えてくる。ドラゴンオルフェノクがパピヨンスーツを着て涙目、なんというか凄い光景だ。
腕の辺りが若干パツンパツンになっているのがまた愉快。もといへんちくりん。
核鉄の正体はニアデスハピネス。元ネタ武装錬金ではパピヨンが使用していた代物だ。
もちろんこのロワで制限がかけられている……見ての通り、勝手にパピヨンスーツに着替えさせられる。
どうやら、元の服装を錬金術を使って分解、再構成しているようだ。
その所為か魔人態の外装は衣類とみなされたらしく、現在の漆黒の龍は竜人態になっていた。
「えっと、えふっ、何で、わざわざ変身、あはっ、変身したんですか?」
必死に笑いを堪えつつ変身の理由を尋ねる孤高の黒き書き手。
わざわざ変身までする必要があったのか、漆黒の龍は体育座りのまま涙目でふりかえる。

先ほどまでとは泣いてる方と慰める方とがまるで逆の構図。肝心の慰め方に天と地ほどの差はあるが。

「……だって……」
「だって?」
耳に手を当て、消え入りそうな声を必死に聞き取った。
「……だって……元の姿でこの服を着るのは……」
「え、あ、あはははははははっ!!そ、そういうことではははっ!」
「だから笑うなってばー!!」
物凄く小さい声で呟く漆黒。そしてやっぱり笑い出す黒き書き手。
試しに想像してみる。ニアデスハピネスを展開したパピヨン姿のリュウガ……なるほど。これはイヤだろう。
「あ、ヤバ、つぼに入ったはははははははははははっ!!」
「ねぇ、本当に泣いていい?」
こんな楽しい時間がいつまでも続けばいい――――――――と、そう思った矢先。

ズグッ―――――ゴァァァァァァァァァンッッ!!

突如、響き渡る天を裂くほどの轟音が木霊した。距離は……遠く。
二人の目線が交差し、意思疎通が完了する。その間僅か二秒、先ほどまでの笑いが嘘のようだ。
ドラゴンオルフェノクは体育座りから立ち上がり、ニアデスハピネスを展開させた。
「ハッ!」
勢いをつけて飛び上がり、それにあわせてニアデスハピネスが着火して、推進力となる。
丁度いい高度――――会場全体が見渡せる高さで停止し、音の元を探し出す。
「ずいぶん大きい音だったけど……」
音の元を探している内に、とても恐ろしいものを見つけてしまい、思わず絶句した。
もうすぐ日が暮れるというのに、そこだけ光り輝いていた。なぜか?
それはそこに光を発する書き手が居るからだ。割と距離は離れているが、すぐに感じ取る。
なんなんだこのすさまじいまでの力は……しかもそれに加えてここまでの目立ちよう。そしてあの姿。
「間違いない……光太郎だ。RXだ。ぶっちぎりだーッ!?」
拙い、これは拙い。漆黒の龍は空中でそう確信する。
チート対主催。これは本当に主催涙目状態になってしまう恐ろしいもの。そして今回の相手は光太郎、しかも原作ぶっちぎり状態。
ズガンされてもおかしくないほどのチートキャラ。ある意味空気になるのは必定だろう。

なのに、何故彼はぶっちぎっているのだろうか。答えは簡単、光太郎だから。

3242くろいひとたちはこよいもたのしそうです。:2008/04/04(金) 00:09:30 ID:kkvLNsYU0

なんだかウオオオオオ!!とか叫んで……最早原作どころか物理法則までぶっちぎってる。
とりあえず……病院へは来なさそうで、一安心。
ただでさえアーカードがいるところにさっきの龍みたいなのが向かうってのに、あんなのに来られたんじゃ……?

「ッとそうだ!!」
先ほどまでとは逆の方、目指すべき病院の方を向く。
予測通り、音の元はギャラドスだった。つかでか過ぎだろう。だけど問題はそこじゃない。
上に人影がある。片方は……かがみ?かがみが二人いる!?
「……いや、アーカードが二人いるんだ。かがみが二人いたって不思議じゃないな。」
残りのもう一人は……まさか。まさかまさかまさか!?
「あの銀髪、服装!予約被りに定評のあるtu4氏かッ!!」
思わぬところで見つけた。もしかしたら偽者かもしれないが……関係ない。
本物なら止める、偽者ならはったおすだけだ。よし決定。
……拙い、また頭痛がぶり返してきた。
地上に戻ると、すぐさま孤高が現状を聞いてきた。
「どうでした?」
「収拾がつかなくなってきたよ。病院が大変な事になってる。」
「ええ!?」
黒き書き手はたったこれだけの会話で今どうなっているのか把握した。たいしたものだ。
「兎に角、急いで病院まで飛ぶよ……掴まって!」
「あ、ハイ!」
漆黒の龍は叫びつつ手を差し出し、黒き書き手もその手をしっかり握った。
「ニアデスハピネス!飛ぶぞ!!」
黒死の蝶が爆ぜ、体が宙に浮く。
「痛くないかい?肩の棘とか……」
「えと、はい。大丈夫です。」
漆黒はドラゴンオルフェノクの姿だが、背中に黒き書き手を背負い、出せる限りの速度で病院へ飛び立つ。
この分だと病院についての残りは少ないだろうが――――――――構うものか。
手元にはカブトゼクターとリュウガのカードデッキ。ぶっちゃけtu4氏やあのギャラドスと戦うには手数が足りてないだろう。
だけど、不思議と負ける気はしない。というか、負けられない。
愛の伝道師と約束をした……だから、必ず止めてみせる! 心の中で闘志を燃やし、病院へと向かって行く。



もうすぐ始まる病院を舞台にした殺戮の宴。生きて乗り越えられるのは、果たして何人だろうか。



「……くふっ、ふふふ…」
「……人の背中で笑いを押し殺すのやめてくれないかな、本気で悲しくなってくる……」

3243くろいひとたちはこよいもたのしそうです。:2008/04/04(金) 00:09:57 ID:kkvLNsYU0
【夜】【E-7上空】
※漆黒の龍達が向かったのは少なくともギャラドス組が病院でアクションを起こした直後です。


【漆黒の龍@ライダーロワ】
【装備】カブト装備一式(ハイパーゼクター付)@ライダーロワ、黒い皮手袋、カードデッキ(リュウガ)@ライダーロワ 、核鉄(ニアデスハピネス)
【所持品】支給品一式 、がんがんじいスーツ(頭部に凹みあり)@特撮ロワ、首輪の残骸(愛の伝道師) 、クルミ、レイジングハート(故障)。
【状態】疲労小、下半身と背中土塗れ、ドラゴンオルフェノクに変身中、パピヨンスーツ着用
【思考・行動】
基本:対主催。そして脱出。
1:笑うなーッ!!
2:病院に向かい、そこで色々とケリをつける。
3:他の対主催と合流する。
4:tu4氏を止め、共に脱出。
5:姿を変える参加者に対処。見つけたらはったおす。
6:生存者の確保、及び首輪の解析の出来る人物の捜索。
7:愛の伝道師の意志をついで愛を説き、この戦いについて調べる。
※外見や声は城戸真司ではなくリュウガでした。大して違いはないですが。
 またそのことを自覚した事により、若干頭が切れるようになりましたが性格的には変わってません。
※他ロワの知識は皆無です。
※ドラゴンオルフェノク@ライダーロワに覚醒しました(ただし黒色)。触れたものを灰にする能力はありません。
※『蘇った現代の熱血怪人』『派手好き地獄紳士』『予約被りに定評のあるtu4氏』を危険人物として認識しました。
※一人称が僕に変わりました。
※tu4氏の姿について把握しました。
※核鉄(ニアデスハピネス)は制限により、使用中は強制的にパピヨン姿になります。でも戻るので安心ですね。
※レイジングハートは故障していて喋るだけですが、もしかしたら変身できるかもしれません。機能(と性格)については、大暴れ鉄槌の登場話を参照のこと。
※脳内補完の接近により、とても奇妙な夢を見ました。これがどう関係するかは分かりません。


【孤高の黒き書き手@ギャルゲロワ】
【装備】防弾繊維のメイド服@カオスロワ2nd、悟史の金属バット@ひぐらしのなく頃に、
    クラールヴィント(呪)@リリカルなのはシリーズ、ギアス(ギャルゲロワ仕様)@コードギアス
【所持品】支給品一式 、ソルテッカマン一号機@アニロワ2nd
【状態】疲労小、頭部強打、通常モード
【思考・行動】
基本行動方針:ここからの脱出。漆黒の龍と協力する。
1:この衣装……wwww
2:一刻も早く病院へ向かう
3:ジャミングの主については保留。
4:漆黒の龍とともに仲間を探す
5:できればギャグ将軍と合流。
6:愛の伝道師との契約通り、tu4氏を止める
※外見は「D.C.P.S.」の朝倉音夢。
※クラールヴィントは主催者の嫌がらせにより全ての音声が釘宮理恵ボイスでランダム再生されます。
 おまけに呪われているため外せません。
※ギアス(ギャルゲロワ仕様)について:
 効果は『ギャルゲロワに参加したキャラが味わった苦痛のイメージを全て再現する』
 あくまでイメージなので物理ダメージはないが、精神ダメージはえげつない。
 普通の人なら精神が耐えられずに廃人か自殺だが、書き手の皆さんは多かれ少なかれタフなので死ぬ事はない……はず。
 『同じ人物にこのギアスを使用した場合、その威力は回数に比例していくが、同じ人物に2回目以降使用すると
 『自分にもその相手に与えた苦痛のイメージが再現される』という制限がある。孤高の黒き書き手はこの制限を知らない。
 その他に何かあるかは以降の書き手にお任せします。
※裏モード:基本的に自分のためなら他人を犠牲にするのも厭わない性格……のはずだが、なぜか漆黒の龍が気になる。
      どうやら気になるのは自分と同じ黒を名に持つ書き手である模様。
      若干小町つぐみの影響も受けているため冷酷になりきれません。
※tu4氏の姿について把握しました。
※クラールヴィントが感知した謎のジャミングは派手好き地獄紳士666氏のものです。




投下完了。リュウガを絡めたかったんだ、あと何時かの偽者の粛清……あれ、粛清するつもりがなぜかレイハもらってパピヨン姿でギャグする話に?

3244イマ賭ける、コノ命:2008/04/04(金) 01:14:45 ID:XybT6kbk0
見渡す限りの軍勢、軍勢、軍勢、軍勢、軍勢、軍勢、軍勢、軍勢、軍勢、軍勢。
地平線をも埋め尽くすようなニコニコゆかりの兵士、兵士、兵士、兵士、兵士、兵士、兵士、兵士、兵士、兵士。
壮大なその軍勢を率いる主えーりんことC.M.超展開はデフォなのか?は今まさに突撃の合図を出そうとしていた。
あの無類の強さを誇る地図氏と張り合った集団が今この空間に所狭しと展開している。
そしてそんな絶望的な状況に陥っているのが静かなる 〜Chain-情〜と衝撃のネコミミストの二人。

さすがに歴戦をくぐり抜けてきた二人でもこの軍勢を相手にするのは無謀という他なかった。
だが素直に足止めされるかと言われれば、そうも言ってはいられない。
七氏の発言と状況から見るにあの龍の向かった先で『孤城の主』に匹敵する惨劇が繰り広げられるのは明白だ。
そんな状況でこんな所でのんびり足止めを食らっている場合ではない。
そうなると自然この軍勢を倒さないといけないのだが、果たして倒す事ができるのか。
そもそも倒せたところで『孤城の主』に間に合うのか。
不確定要素は山のように浮かんでくるが、そんな弱気な考えをするような二人ではなかった。
仲間を失う痛みを、守れなかった悔しさを、誰よりも知っている二人だからこそ足止めされる訳にはいかなかった。

「ネコミミストさん、転移魔法は……」
「だめです。亜空間内だから通常空間とのアクセスはできないみたいです」
「つまりここから脱出するには――」
「――目の前の敵を倒さないといけないみたいですね」

絶望的な状況にもかかわらず二人の目には輝かしい光があった。
二人にはここで諦めるという選択肢など存在しない。
Chain-情はすっかりおなじみとなったゴールド・エクスペリエンスを出現させて戦闘態勢を整える。
さらにその手には亜空間形成の影響で紛れ込んだ剣、学校跡に放置されていた永遠神剣『冥加』が握られている。
ネコミミストも両手に二本一組の刀であるマテリアルブレードを構え戦闘態勢を整える。
さらにその手にはいつでも衝撃波を発射できるように力が溜められている。
二人に迷いはない。
二人が狙うは目の前の軍勢の打倒、そしてここからの早期脱出。

「…………」

えーりんが請け負った内容は「二人を数時間、最低でも放送直後まで二人をここに足止めさせておく」事である。
だがここで手を抜いてことに当たれば、任務の遂行は難しい。
ある程度本気でかからなければ、万が一にでも突破されかねない。
えーりんが狙うのは圧倒的な物量による長期戦。

そして戦いの火蓋は切って落とされた。

3245イマ賭ける、コノ命:2008/04/04(金) 01:15:28 ID:XybT6kbk0
 ◆ ◇ ◆ ◇

Chain-情のゴールド・エクスペリエンスがニートの軍勢を薙ぎ倒していく。
懐に近づいてきた敵には手に構えた『冥加』で斬撃を食らわしていく。
ネコミミストはマテリアルブレードでニートの軍勢を斬り払っていく。
離れた所にいる敵には手に溜めた衝撃波を食らわしていく。
ニートの軍勢は殴られ、斬られ、宙に舞っていく。
しかしその数は一向に減る様子を見せなかった。
地図氏にダメージを負わされたとはいえ、まだまだその威容は全く衰えてはいなかった。
先の戦いは地図氏だからこそできた事であって、他の人に真似できるような芸当ではない。
結果、戦いは長期戦の様子を見せていた。

「このおおぉぉ! これじゃあキリがない。どうしたらいいんだ!」
「はああぁぁ! なんとか隙を見つけて転移するのが一番いいんですけど、この亜空間じゃ!」

打開策を探りながらも敵を倒す手を休めない二人。
Chain-情のほうは手持ちのパンやらCDやらカエルも総動員しているが、焼け石に水の状態であった。
ネコミミストは不死者ゆえにかなり無茶な突撃を繰り返したが、こちらもあまり効果はなかった。
この現状を見て最早目の前の敵を全員倒すなどという考えは破綻しかけていた。
そうは言っても亜空間内から脱出も不可能という状況では打つ手がない。
二人の奮闘も虚しく時間と体力だけがじわじわと減っていく。
二人の気持ちは焦るが、そのような事で状況は一切改善しない。

「せめてこの空間に穴でもあったら……」

そこでChain-情はふとある作戦を思い付いた。
このままでは埒が明かない事は火を見るよりも明らかだった。
そこで彼の顔には一瞬だけ迷いの表情が浮かんだが、すぐに何かを覚悟したような表情に切り替わった。

「ネコミミストさん! 少しでいいです、時間を稼いでください!
 僕がこの空間に穴を開けてみます!! 穴が開いたら急いで転移を!!」
「Chain-情!?……わかりました!!」

Chain-情の時間を稼ぐために単身で軍勢に挑んでいくネコミミスト。
無数の敵が近付いてくるや否や全身に力をこめて渾身の衝撃波を解き放つ。
その一撃でChain-情には作戦を実行するだけの十分な時間が与えられた。

既に彼のスタンドであるゴールド・エクスペリエンスの右手は眩い黄金の光に輝いている。
彼が今から使う技は『ビッグバン・パンチ』
それは自らの命を全てスタンドに注ぎ込んで放つ静かなる 〜Chain-情〜の最終奥義。
前に使った時はフラグビルドのおかげで不発に終わって生き延びたが、今度はそうもいかない。
今はそのフラグビルド――自分が愛する彼女がいない。
だから自分のする事を止める者はいない。
それでいい、とChain-情は心から思う。
このままではジョーカーの思い通りにことが運んでしまうからだ。

「そんな事にさせてたまるか!! 仲間がいなくなるのはもう御免だ!!
 そんな筋書き、反逆してやる!!
 うおおおおおぉぉぉぉおおおおおぉぉぉぉぉ!!!!!」

もう止まれない。
霧の結界へ向けて勢いよく突っ込んでいく。
狙うは唯一点。
叩きつけるは命を賭したこの拳。

「いっけえええええぇぇぇぇぇ!!!!!」

Chain-情のビッグバン・パンチが結界にぶちこめられる。
あり得ない程の衝撃が結界内の者に響き渡る。
そして命を賭けた一撃は――

「今だ!! ネコミミストォォォォォ!!!!!」

無形のはずの霧に見逃しようもない穴を作っていた。
それを確認するや否やChain-情はその場に倒れ伏した。

3246イマ賭ける、コノ命:2008/04/04(金) 01:15:58 ID:XybT6kbk0
 ◇

それはこの空間から逃れられるチャンスだった。
ネコミミストもChain-情の奮闘を無駄にしないためにもすぐさまクラールヴィントの強制転移魔法を発動させようとした。
そしてそこで気づいてしまった。
力尽きたように地面に倒れ伏すChain-情の姿に。

「Chain-情ぉぉぉぉぉ!!!!!」

思わず駆け寄りたい衝動に駆られたが、何とか踏みとどまる事ができた。
自分が今勝手な事をすれば、Chain-情の努力は無駄になってしまう。
今すべき事は早くここから脱出して、『孤城の主』を阻止する事だ。
一緒に脱出した後に様子を見ても遅くはないはずだ。

「待っててChain-情。強制転移魔法発――――」
「……させない……」

しかしその生じた隙を見逃すほどえーりんとニート軍団は甘くはなかった。
転移魔法を発動させようとするネコミミストにニコニコの軍勢が猛烈に襲いかかってくる。

「くっ!? これじゃあ――」

ニート軍勢に邪魔されて強制転移が発動できないネコミミスト。
ふと見ると、Chain-情が命を賭けて作ってくれた穴がさっきより小さくなっているのが目に映った。
結界に自動修復作用でもあるのかように見る間に穴が小さくなっていく。
Chain-情がせっかく作ってくれたチャンスを無駄にはできない。
そう言わんばかりにネコミミストは周りの敵をマテリアルブレードと衝撃波で吹き飛ばしていく。
そして改めて強制転移を発動させようとしたが――――

(だめだ。この大きさじゃ通常の転移は無理。
 ……そんな!? Chain-情が必死に作ってくれたのに……
 無駄になんてさせない!!)

そうだ。彼の命を賭けた努力をこんな事で終わらせてはならない。
通常転移が無理ならせめて――――

「旅の鏡!!」

座標軸をきちんと設定している時間はない。
この近くで役に立ちそうなものを引き寄せる。
ネコミミストは切なる思いを込めて旅の鏡で通常空間にアクセスをかける。

「……無駄……」

だがその行動をも阻止するべくえーりん率いるニート軍勢がネコミミストに襲いかかる。
だが今度はネコミミストのほうが僅かに間に合った。
おそらくさっきより軍勢との距離が開いていた事が幸いしたのだろう。
そして旅の鏡によって何かを手に入れる事ができた。

「くっ! これでぇぇぇ!!!」

引き寄せたものに望みを賭けてそれを振りかざす。
手に掴んだものはどこかで見覚えのあるような黒い箱のような物体。
そこそこ硬く武器として使えなくもないが……ん!? これってもしかして――

「PS2?」

そう、それはPS2の本体であった。
正確に言えば、D-4に放置されていたPS2ソフト「スーパーロボット大戦OG外伝」&PS2本体。
もちろんそのようなものがこの状況を打開する手立てとなるはずもなく――

バキンッ

たちまちニート軍勢によってスクラップと化してしまった。
そしてたび重なる強引な転移の行使と戦闘の影響でネコミミストの体力はもう殆ど残っていなかった。
今でさえ立っているだけでもフラフラな状態だ。
それでもネコミミストは諦めずに圧倒的な戦力に立ち向かった。
だがそれも少しの間でしかなかった。
さっきはChain-情と二人がかりでなんとか耐えていたが、体力も限界でChain-情も戦闘不能な現状では持ち堪える訳がなかった。
不死者とは言え筋肉の疲労速度が回復速度を上回れば、限界は来る。

3247イマ賭ける、コノ命:2008/04/04(金) 01:16:39 ID:XybT6kbk0
「……確保……」

ついにネコミミストはニートの軍勢に取り押さえられてしまった。
ニート軍勢も最初より数を減らしたが、まだまだその光景は圧巻である。
ネコミミストは両手両足を無数のニコニコ戦士にがっちりと掴まれ、身動き一つできない状況だ。
なんとか逃れようと必死に抵抗を試みるが、もう衝撃波を打つ余力も残っていない。
大局的に見れば、えーりんの目的はほぼ達成されたようなものであった。

「離しなさい! このっ!」

だがネコミミストは諦める訳にはいかなかった。
散っていった仲間のためにもここで諦めるなど断じてできなかった。
必死に抵抗するネコミミストを見て、えーりんはある行動に出た。

「……没収……」
「え!? ちょっと何を!?」

ネコミミストがこれ以上抵抗できないといっても油断はできない。
まだ放送まで若干時間がある。
『孤城の主』が終わるまでにはまだまだかかりそうだ。
ここは一つ抵抗される術を全て奪っておこう。
そう考えたえーりんはネコミミストのクラールヴィントを奪い取る事にした。
これさえ取ればネコミミストができる事など高が知れている。
それに……

「……騎士甲冑が解除されたら、裸……」
「な、なんでそれを!?」

そうなのだ。
ネコミミストが来ていた服はデビルシャリダムとの戦闘で使い物にならなくなっていた。
なので、今ネコミミストのバリアジャケットの下は生まれたままの赤裸々な姿なのである。
えーりんはクラールヴィントを外す事によってネコミミストの戦力ダウンを狙うと共に精神的なダメージも見込んでいるのだ。
いくらロワの参加者でマーダーキラーを目指しているとはいえ、突き詰めれば自分と同じ女性である。
この大観衆の中で裸にすれば抵抗する気も失せると、えーりんはそう考えたのだった。
そしてそれは今まさに実行されようとされていた。

「……ひっ……いやっ……そんなっ……」
「……これは決定事項……あなたに拒む権利はない……」

えーりんの手がネコミミストの指にはまるクラールヴィントにかかる。
ネコミミストは今まで以上の抵抗を試みた。
今――騎士甲冑でもバリアジャケットでもどちらでも関係ないが――デバイスが奪われれば、
その瞬間自分はあられもない姿を軍勢の前に晒す事になるだろう。
そのような事態、乙女として堪えられる仕打ちではない。
だが現実は非情である。
もうカウントダウンは既に始まっている。
さすがのネコミミストもこの異常事態に恐れを抱き始めた。

「……ぐっ……」
「……観念したほうがいい……もうこの空間にあなたの仲間は――――」


「ここにいる」


「「!?」」

その声は本来ならもう聞こえるはずのないものだった。
なぜならその声は既に力尽きたはずの――

静かなる 〜Chain-情〜のものだったのだから――

3248イマ賭ける、コノ命:2008/04/04(金) 01:17:01 ID:XybT6kbk0
 ◇

(僕はここまでか……)

ビッグバン・パンチを放って力尽きたChain-情は眠りにつこうとしていた。
命を全て注ぎ込んだ一撃を放ち終わった身体にはもう何も残っていなかった。
後はもう静かに死が自分を連れていくのを待つだけ。
結局誰も救う事が出来なかった。
それだけが心残りだ。
だがそれも仕方ない。
自分はもう死ぬのだから。


(本 当 に そ れ で い い の か)


いいわけがない。
何もしないまま終わったら、いままで自分のために命を投げ出してくれた人々はなんだったというのだ!
このままじゃ終われない! 終わってたまるか!
そんな弱気な考えには全力で反逆する!
身体が動かない? 力尽きた? もうじき死ぬ?
そんなの関係ない。
大事なのは今自分が何をしたいか! 何を望むか!
それが一番大切な事じゃないのか。

僕はもう仲間を失いたくない。
今の仲間も、これから出会う仲間も、失いたくない!
僕が必ず救ってみせる!

ふと気付くと黒い破片と共に荘厳なベルトが手元に転がってきた。
ネコミミストは気付かなかったが、実は旅の鏡で引き寄せたものはPS2一式ともう一つあったのだ。
急いで取り出したために気付かなかったが、引き寄せたものは二つあった。
そしてもう一つのもの、それがオーガドライバーであった。

Chain-情は無い力を振り絞って必死にベルトに手を伸ばしていく。
その光景はあまりにスローリーだが、着実にベルトと手の距離は縮まっていった。
力尽きたと誰が決めた? 身体が限界だと誰が決めた?
そんな道理なんて僕の無理で押し通してみせる!!

後10㎝……6㎝……3㎝……1㎝…………届いた。

不思議なベルトだった。
ベルトが持つ力の強大さが伝わってくる。
それゆえのこれを使用した際のリスクもわかった。
これは人の身には余る代物だ。
だからなんだ。
見るとネコミミストが敵の軍勢に捕らえられている。
それを見た瞬間、自分の中で何かが吹っ切れた。
いま僕がしたい事、それは目の前の仲間を助ける事だ!!

だから言ってやった。
聞こえるように宣言した。

「ここにいる」

そう告げたChain-情の周囲と目の奥には緑のスパイラルが渦巻いていた。

それは『螺旋力』

なぜ彼が『螺旋力』に覚醒したのかは定かではない。
ただここに一つの推論がある。
Chain-情はこのロワの初期から素晴らしきフラグビルドと行動を共にしてきた。
彼女の姿はアニロワ2ndでいち早く『螺旋力』に目覚めた小早川ゆたかだ。
それに螺旋力と縁の深いコアドリルが近くにあり、それによる転移もたびたび体験していた。
それらが密接に影響しあったのだろうか。
確証はない。
唯一つ確かな事は、Chain-情は『螺旋力』に覚醒したという事実だけである。

3249イマ賭ける、コノ命:2008/04/04(金) 01:17:26 ID:XybT6kbk0
 ◇

(……ありえない……)

それはえーりんの偽らざる思いだった。
彼は確かに命が尽きたはずだ。
万が一にも生き延びていたとしても、立ち上がる事や、ましてやあのように力強く話す事など不可能なはずである。
えーりんは自分の目の前で起きている事が理解できなかった。

「もうたくさんだ」

Chain-情の悲痛な叫びが空間に響き渡る。
だがその声は命が尽きかけの人とは到底思えないほどしっかりとしたものだった。

「僕はいままでたくさんの人を失ってきた。
 救えるはずの命もあったはずなのに、僕は救う事が出来なかった。
 もうこれ以上は御免だ。
 仲間が傷つくのを、死んでいくのを、もう黙って見ているのはいやなんだ!!
 もう仲間に手は出させない。
 今も、そしてこれからも、僕が守るんだ!!!」
「……では……素直に足止めされてほしい……
 ……そうすればこの娘も、あなたも無事……」
「でもそれじゃあ、『孤城の主』は防げない。
 どこかで仲間になったかもしれない人が死んでいくのは耐えられないから」
「……では、どうする……」
「決まっている。君達を倒してネコミミストを救い出す。
 そして『孤城の主』を止めてみせる。
 僕が……救うんだ」

オーガフォンに電子音と共に0のボタンが三度押される。
――Standing By――
準備は整ったとばかりにベルトに携帯をセットして――

「変身」
――Complete――

その声と共にChain-情の身体には黄金のフォトンストリームが形成され、一人の戦士が生まれた。
右手には専用武器であるオーガストランザーが、左手には永遠神剣である『冥加』が握られている。
そしてChain-情の背後にはスタンドのゴールド・エクスペリエンスがそびえ立っている。

「……攻撃開始……」

えーりんはChain-情の危険性を勘で感じ取り、ネコミミストを押さえつける人数を残して残りを全てChain-情にぶつけさせた。
どれだけの力を得ようと、この無数のニート軍団に敵うはずがない。
二度の戦闘でダメージを負っているとはいえ、その威容はいまだ衰えていない。
放送までまだ間がある。
ここで自分が突破されたら、今まで苦労が水の泡になる。
ジョーカーのプライドに賭けて、ここはなんとしても足止めをしなければならない。
そんな心境による全軍突撃命令だった。

3250イマ賭ける、コノ命:2008/04/04(金) 01:17:48 ID:XybT6kbk0
それは圧倒的という他なかった。


「……理解不能……」

えーりんはもちろんのこと、捕らえられているネコミミストも目の前の光景がにわかには信じられなかった。
Chain-情の力は圧倒的であった。
右から襲い来る軍勢はクリムゾンスマッシュ並みの威力を秘めたオーガストランザーの一振りで消滅させられた。
左から襲い来る軍勢はオーラフォトンブレイク並みの威力を秘めた『冥加』の一振りで消滅させられた。
そしてそれ以外から襲い来る軍勢にはゴールド・エクスペリエンスがその拳を容赦なく浴びせかけた。
見る間にあれほど威容を誇っていた軍勢は最初の3分の1ほどに減っていた。
まさに阿修羅すら凌駕する存在とでもいうべき光景か。
とうのえーりんにとっては冗談では済まされない光景であった。

「ネコミミストは、仲間は、必ず、救ってみせる」

Chain-情の持つ二振りの剣、オーガと『冥加』、それにゴールド・エクスペリエンスがさらに輝きを増していく。
まるでChain-情の命を燃やしているかのように輝いていく。

「オーガ――」
「オーラフォトン――」
「ビッグバン――」

さすがのえーりんもことの深刻さを感じ取って残りのニート軍勢を一か所に集める。
この技が結界に当たったら、間違いなく結界は崩壊する。
そんな感じがしたのだ。
拘束から逃れたネコミミストも安全地帯まで退避する。
それを見たChain-情は自分の目的が一つ果たされた事を理解した。
そして結界と残りの軍勢に向けて全力の一撃を打ち放った。

「――ストラアアアアアァァァァァッシュ!!!!!」
「ノヴァアアアアアァァァァァ!!!!!」
「パアアアアァァァァァンチ!!!!!」

三つの光の奔流が一つになり、えーりんとニートの軍勢を飲み込んでいく。
そして、それだけでは全く勢いは衰えず、霧の結界へと突き刺さっていった。
辺りは光と風と振動の三重奏で埋め尽くされた。

3251イマ賭ける、コノ命:2008/04/04(金) 01:18:44 ID:XybT6kbk0
 ◆ ◇ ◆ ◇

それが収まった後にE-5に立っていたのは、三人だけだった。
静かなる 〜Chain-情〜、衝撃のネコミミスト、C.M.超展開はデフォなのか?の三人。
あれほどいたニートの軍勢は全て消滅していた。
さらにえーりんもかなりのダメージを食らっているようだ。
そして結界も破壊され、空には星が見えていた。
中でも一際輝かしい星がこの地で散っていった書き手を悼んでいるようだった。

「さあどうする。もう君の軍勢は――」
「……最低限の役目は果たした……私の役目はここまで……」
「どういう事ですか!?」
「……言葉の通り……
 ……それとこんな事態は想定していなかった……」

そう放送はもう既に流れ終えた後だった。
最低限の責務は果たした。
だからニートの軍勢なき自分は帰還するべきだ。
その言葉と共にえーりんは本拠地に送還されていった。
結界開放に伴うオート機能によるものだった。

「今の言葉は?」
「ネコミミストさん」
「……Chain-情」

ネコミミストの目の前には変身を解いたChain-情の姿があった。
見た目は何も変わりないのに、なぜか心がざわついた。

「あの、大丈夫ですか?」
「ええ、まあなんとか。
 でも体力がスッカラカンで動くに動けないかな」
「ならこれを使ってください」

そう言ってChain-情が差し出したのは永遠神剣『冥加』だった。
だがあの激戦をくぐり抜いただけあって、もうボロボロの状態だった。

「これはもう剣としては使えませんが、魔力代わりに使えるはずです。それで回復魔法を使ってください」

そうして言われた通りに『冥加』を砕くと、魔力が溢れてきた。
そしてそれを取り込み魔力が回復したところで、自身に回復魔法を行使して戦闘の疲れはなくなった。

「よし! 次はChain-情の番――」
「僕はいいです」
「へぇ!? なんで?」
「……すいません、ネコミミストさん。
 偉そうなこと言った、の……に……」

その言葉を言い終わらないうちにChain-情はネコミミストに倒れるようにもたれかかった。
その身体は驚くほど軽かった。

「ちょっとChain-情!? しっかりして!! Chain-情!!
 そうだ、回復魔法で――」
「無駄ですよ。
 少し無理をしすぎたみたいです」
「そん、な」

本来なら使ったら命はないはずのビッグバン・パンチ。
選ばれたものオルフェノク(それに準ずる力の持ち主)以外は耐えられない仮面ライダーオーガへの変身。
永遠神剣の大威力の技の過剰使用。
どれか一つでも使用すれば、生身の身体では耐える事は不可能な諸行ばかりである。
Chain-情がこれらの諸行にいままで耐えられたのは強い信念と螺旋力の賜物と言っても過言ではない。
だが、それでもやはり完全に耐えきる事はできなかった。
僅かな戦闘ならいけたのかもしれない。
だがあのような全力での戦闘にはどのような人も耐えられるはずがない。
Chain-情の身体はこんどこそ戻れないところまで来てしまった。

3252イマ賭ける、コノ命:2008/04/04(金) 01:19:08 ID:XybT6kbk0
「私が……私が、もっと……しっかりし、ていれば……」
「そんな事は、ないよ。君は、よくやった。
 ネコミミストさんがいたから……僕は……頑張る事が、できたんだ」
「……Chain-情ぅぅ」
「だから、あんまり背負い、込まないで、ほしい。
 君は……もうたくさんの人の想いを……受け継いでいる。
 けど、一人で背負いこまないで……仲間と一緒に……背負えばいい……」

それはネコミミストと会った時からChain-情が思っていた事だった。
自己紹介の後、お互いのこれまでの事を話し合った。
そして自分と彼女が同じ境遇にいる事がわかった。
だからこそわかった。
彼女は本当に多くのものを背負っている。
それは非常に素晴らしい事だが、反面ふとした拍子に折れてしまう危険性を秘めていた。
だからこそChain-情は彼女を支えてあげたかった。
同じ立場にいる人間として……結局それは叶わなかったが……

「さあ行くんだネコミミストさん。
 まだ見ぬ仲間が……救いを求めている……はずだから……」
「……Chain-情……」
「それと……君に一つ言っておきたい事がある。
 『孤城の主』は、アニロワ1stの大決戦の一つ、アーカードと11人のキャラによる……壮絶な乱戦だ。
 おそらく条件はほぼ一緒だろう……となると……マーダーポジションのアーカード役は……」
「地球破壊爆弾No.V-7」
「ああ、君の話から察するに……まず間違いないだろう。
 信じたかったけど……甘かったよ。
 そこで頼みたいんだ。
 身勝手な事はわかっている。背負うなって言っておきながら、結局また一つ背負わせてしまうんだから」
「……なんですか?」
「これ以上被害が出る前に君が地球破壊爆弾No.V-7を倒してくれ」
「でも……私なんか……」
「いいや、君はもう十分に強いよ。
 それは僕が、保障する」
「Chain-情……ありがとう。
 ……その頼み、受けたわ」
「感謝するよ……
 あ、そうだ。これを君に持っていってほしい。
 スタンドのディスクは……ボロボロで使い物にならなくなったけど、これなら……
 それに不死者の君なら……これにも耐えられるはずだ」

そう言ってベルトを受け渡すChain-情。
ネコミミストはそれを大事に受け取った。
ベルトは妙に手になじんだ。

「よかった……君を持ち主に認めたみたいだね。
 これで僕も……ひと、あん、しん……」
「Chain-情ぉぉぉぉぉ!!!!!」

既にボロボロ泣いているネコミミストにChain-情は最後の力を振り絞って檄を送る。

「行くんだ!! ネコミミスト!!
 君はここで立ち止まる人じゃないだろ!!
 仲間の遺志を継いで、這い上がるんじゃなかったのか!!
 それが、生き残った人間の使命だろ!!」

ネコミミストは気持ちに区切りを付け、ゆっくりと立ち上がった。
その目には熱いものがあった。

「……それでいいんだ……ネコミミストさん。
 君の行く先に幸有らん事を……」

それっきりChain-情は目を開ける事はなかった。
それを見たネコミミストはまた泣きそうになったが、自分のすべき事を思い出しその場を去った。

「この命、今賭けなくていつ賭けるっていうんだ!!」

3253イマ賭ける、コノ命:2008/04/04(金) 01:19:32 ID:XybT6kbk0
 ◆

(みんなごめん。
 こんどこそ僕死ぬみたいだ。
 でも後悔はしていない。
 最後にネコミミストを救う事が出来たんだから、満足さ。
 でも死んだら、フラグビルドに怒られるな。
 なら謝ろう。何度も謝ろう。
 そして今度こそ伝えよう)

今ここに一人の書き手の若き命が散った。
それを照らすのは夜空に輝く一際明るい星――主催本拠地の光。
それはまるで彼の死を心から悲しんでいるようにも見えた。

(伝えよう。君の事を愛しているって……)

【静かなる 〜Chain-情〜@アニロワ1st  死亡】

※ゴールド・エクスペリエンスのDISC@漫画ロワは激戦の結果、使用不能となりました。
※E-5にあった『冥加』は砕かれました。
※レインボーパンwith謎ジャム@ギャルゲロワ、CD『ザ・ビートルズ』、カエル×3はChain-情の最後の一撃で消滅しました。
※PS2ソフト「スーパーロボット大戦OG外伝」&PS2本体は破壊されました。
※Chain-情の最後の一撃で主催本拠地がさらに露出しました。目を凝らせば、見えるかもしれません。

3254イマ賭ける、コノ命:2008/04/04(金) 01:20:50 ID:XybT6kbk0
【夜】【E-5 学校消滅跡】

【衝撃のネコミミスト@アニ2nd】
【装備】:マテリアルブレード@テイルズロワ、クラールヴィント@アニロワ1st、バリアジャケット
【所持品】:支給品一式×3、拡声器、オーガドライバー(オーガストライザー付属)@ライダーロワ
【状態】:不死者化、深い悲しみ、強い決意
【外見】:バリアジャケットの白いリボンドレス。
【思考・行動】
 基本:前に……進む!
 1:あの龍の向かった先に向かう。
 2:『孤城の主』を食い止める。地球破壊爆弾No.V-7を倒す。
 3:スクライドの遺志を継ぎ、牙なき人の剣になる。積極的にマーダーキラー路線。
 4:熱血王子と再会したら、今度こそ彼を止める。

 ※衝撃波を使えます。掌からだけでなく、足の裏からも出せるようになりました。
 ※「大あばれ鉄槌」を幼女好きの変態と勘違いしています。
 ※シャリダムを通じて幻夜の死体を喰い、その記憶と知識と経験を得ました。
  また、ブックがロワに来てからシャリダムが生まれるまでの経緯を体験しました。
 ※自分が主人公、そして黒猫という単語に引っかかっているようです。
 ※第三回放送を聞き逃しました。



【夜】【???】

【C.M.超展開はデフォなのか?@ニコロワ】
【状態】:ダメージ大、主催本拠地に帰還中
【装備】:なし
【道具】:不明
【思考】:
 基本:主催者側の人間として活動。参加者の抹殺。
 1:帰ってニコニコ

 ※容姿はえーりん!えーりん!何故か無口なようです。
 ※ニコニコ動画に存在する動画ゆかりの技を全て使えます。
 ※少数に限りニート軍を現実に召還できます。
 ※えーりんが無事な限りは、蓬莱の薬で兵士は超スピード回復します。(ただいま全滅中、回復に時間がかかります)




投下終了です
予約なしだとドキドキです

3255名無しでもいいよ皆そう呼ぶから:2008/04/04(金) 01:47:00 ID:PmgS3eOs0
投下乙です!
また生き残っちゃったかネコミミスト……。頑張れ。
Chain情さんの熱い思いを無駄にするんじゃない。
あと、えーりんはえーりんで頑張れwまだ勝ち星なしだ。

3256名無しでもいいよ皆そう呼ぶから:2008/04/04(金) 08:52:20 ID:xt0plvQ20
投下乙です

>放送
書き手ロワもこんな所まで来たんですね。
禁止エリアに指定されたホテル組にwktk

>漆黒&孤高
増殖ネタといい、パピヨンといい笑わせてもらいましたww
それと自分のネタを拾ってくれてサンクスww

>ネコミミChain対ジョーカー
ネコミミストがますます主人公ポジ
なにげにChain-情のトリプルブレーカーがヤバイww

3257蟻地獄な僕たち:2008/04/05(土) 04:47:05 ID:YkwwoDUw0
投下しま〜す

3258蟻地獄な僕たち:2008/04/05(土) 04:49:04 ID:YkwwoDUw0


「それじゃあ、また6時間後にお会いしましょう!」


大切な、本当に大切だったはずの誰かの名前が呼ばれた気がする。
……いや、違う。大切に思えたかもしれない誰か、だ。
あの人は、こんな俺にまでも愛を注いでくれた。
あの人の愛が、かっての俺を救ってくれた。
でも、そんなあの人は、もう居ない。
俺が、殺したから。この手で、殺したから。
許してほしくて、殺したから。

あれ、だったらいったい誰が俺を救ってくれるんだろう?
ただ一人、愛してくれて、俺も愛せたかもしれない人が死んだのなら、
他の誰が俺を許してくれるのですか?

「ごめんなさい……ごめんなさい……」

痛い、わからない、苦しい、助けて。

3259蟻地獄な僕たち:2008/04/05(土) 04:49:32 ID:YkwwoDUw0
豚が、低能、捨て駒、下っ端、ザコ、ゴミめ、うわあああ、来るな、
許さない、役立たず、無能、よくも、殺してやる、仇め、復讐、人殺し、
罪人め、断罪する、クズが、呪ってやる、償え、罰を受けろ、用無し、
あっち行け、痛い、空気、サラマンダー、敵、マーダー、ズガン、
死ね 死ね 死ね 死ね 死ね 死ね 死ね 死ね 死ね 死ね 死ね 死ね 死ね 死ね 死ね 死ね 死ね 死ね 死ね 死ね 死ね 死ね 死ね
死ね 死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね 死ね 死ね 死ね 死ね 死ね死ね 死ね 死ね 死ね 死ね死ね 死ね 死ね
死ね 死ね 死ね 死ね 死ね 死ね 死ね 死ね 死ね 死ね 死ね 死ね 死ね 死ね 死ね 死ね 死ね 死ね 死ね 死ね 死ね 死ね 死ね
死ね 死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね 死ね 死ね 死ね 死ね 死ね死ね 死ね 死ね 死ね 死ね死ね 死ね 死ね
死ね 死ね 死ね 死ね 死ね 死ね 死ね 死ね 死ね 死ね 死ね 死ね 死ね 死ね 死ね 死ね 死ね 死ね 死ね 死ね 死ね 死ね 死ね
死ね 死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね 死ね 死ね 死ね 死ね 死ね死ね 死ね 死ね 死ね 死ね死ね 死ね 死ね
死ね 死ね 死ね 死ね 死ね 死ね 死ね 死ね 死ね 死ね 死ね 死ね 死ね 死ね 死ね 死ね 死ね 死ね 死ね 死ね 死ね 死ね 死ね
死ね 死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね 死ね 死ね 死ね 死ね 死ね死ね 死ね 死ね 死ね 死ね死ね 死ね 死ね
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殺せ 殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ 殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ 殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ 殺せ 殺せ

3260蟻地獄な僕たち:2008/04/05(土) 04:50:11 ID:YkwwoDUw0
「ごめんなさい……ごめんなさい……ごめんなさい……ごめんなさい……」

あああああああああ!!
死ねない。死んだら、誰にも許してもらえなくなるから。
だから、殺す。殺し尽せば、救われる。




ああ、神様、俺の罪はいつ許されるのですか?
教えて下さい、俺は後何回人を殺せばいいのですか?








日は既に落ち、夜が始まろうとしていた。
ホテル『キャッスル・満漢全席』。

「あ、あはは、嘘だよね?嘘だっ!て言ってよししょー。あは、あはは」

蟹座氏にとってバトルマスターがいつか超えたい壁であり頼れる師匠であるならば、
お姉さまはライバルであり親友だった。
同じギャルゲロワ出身の書き手にして、弄られキャラ。
互いに競い、慰め、メールし、相談し、たまに一方的に蟹座氏がお姉さまを弄る。
そんな誰が見ても仲のいい友達だった。
その、お姉さまが、死んだ。

「う、あ、うわあああああああああああああああああああああ!!」

認めたくなかった。
今すぐにでも飛び出して、お姉さまを探しに行きたかった。
あの人お得意の誤字脱字か何かで、主催者にまで勘違いされたんだって思い込んでいたかった。
でも、現実は残酷だ。
ボクにお姉さまの死を認めざるを得ない証拠を突きつけてくるのだから。
影の繋ぎ師がもたらしてくれた情報の一部。
ディーから聞いたっていうお姉さまが死んだという話と一致するのだ。
そして何よりボク自身の心が不思議と受け入れているのだ、お姉さまの死を。
まるで本人とのお別れを既に済ませたかのように。

もっとお姉さまに甘えたかった。もっとお姉さまのSSを読みたかった。
もっとお姉さまを困らせたかった。もっとお姉さまと話したかった。

けど、そんな未来は、もう来ない。

3261蟻地獄な僕たち:2008/04/05(土) 04:50:49 ID:YkwwoDUw0
ししょーは強い。自分も悲しいはずなのに、さっきからボクをずっと抱きしめてくれている。
影の繋ぎ師も同じだ。誰よりも悔しいはずなのに正しい怒りを抱き続けていられる。
二人とも涙の代わりに強い意志を瞳に宿らせている。

それに比べてボクはただ泣いてばかりで、逃げてばかりで。
優勝することからも、脱出することからも逃げ続けて、結局何一つ手に入りはしなかった。

「蟹座氏さん、バトルマスターさん。まずはここから離れましょう!
 まだ時間があるとはいえ、禁止エリアになる場所に居座り続けるのは危険です」
「そうですね。あえて時間ぎりぎりまでいるのも手ですが、ロワでは何が起こるわかりませんし。
 蟹座氏、歩けますか?聞きたいこともありますので孔明が戻り次第ここを離れます」

ボクは、弱い。だから見つけた逃げ道に全力で縋ってしまう。

「ねえ、ししょー。あのロリも、連れてくの?」

あのロリ、したらば孔明。
てっきりししょーがかどわかしたのかと思っていたが、
影の繋ぎ師からもたらされた情報がボクの考えを大きく変えた。

したらば孔明は危険人物だという。
しかもディーが主催者たちと並び称したことからジョーカーに類する可能性が高い。
なら実はたぶらかしたのは孔明の方であって、ししょーはその色気にホイホイと釣られたのではないか?
どっちにしろししょーがロリコンでヘタレなことに変わりは無いが、
全体的な意味は大きく変わってくることになる。

「ああ。彼女は悪い人間には見えない。さっきも言ったが私を何度も助けてくれた。
 きっと何かわけがあるに違いない」

ししょーは、やっぱり駄目だ。完全にあの女の毒牙にかかってる。
だって思いだしてよししょー。影の繋ぎ師から聞いた事実を。
彼が孔明を危険人物だと言った時、ししょーが反論した話。
そのししょーを危機に陥れた人間の一人が誰だったのかを。

「……初めっから計算してのことだったら?」
「蟹座、氏?」

心のどこかで信じていた、ギャルゲロワのみんなはこんな殺し合いに乗りはしないって。
だからこそ苦しんだ。人殺しのボクは、もうみんなの所には帰れないって。
なのに、なのに、なのに!よりによってその仲間の一人が主催者だったなんて!
ボク達に殺し合いをさせた元凶だったなんて、そんなの、ないよ。

「予約被りに定評のあるtu4氏に襲われたんだよね?主催者側同士で、組んでいたんじゃないかな♪かな♪」
「そ、それは……」

ししょーが言い返せず口ごもる。そうだ、思い出せ。
tu4氏は最初っから殺し合いを許容していたようではないか。
ならきっとグルになってししょーを罠に嵌めたのだ。
ししょーは強い。ガチバトルに限れば無敵と言って過言ではない。
全快状態なら一人でアーカードすら殺しきれるかもしれない。
故に孔明はししょーを懐柔し騙し討ちで殺そうとしたんだ。

3262蟻地獄な僕たち:2008/04/05(土) 04:51:14 ID:YkwwoDUw0
「固有結界『闘争制覇者-Battle Master』。不意打ちや毒殺にはとても弱いんだよね?」
「し、しかし私を殺したいだけなら、放っておけば良かった!」
「ダメだよししょー。また忘れてる。ボク達が殺し合うように仕向けたのは誰?
 あはは、おかしいよね。誤解の種をまいた上、ボク達二人を置いたまま帰ってこないんだよ?」

当てが外れたからに決まってる。
あいつはししょーを利用してボクと相打ちさせようとしたんだ。
いや必ずしもボクとじゃなくてもいい。
ししょーをうまく誘導して他の誰かを殺そうとしたのに決まってる。

そうだ、敵なんだ。あの女は殺されて当然なんだ。
ししょーが殺さないというのなら、ボクが殺せばいい。
この手は既に血に染まっているんだし、問題ない。
それにあいつにはカニハラされた恨みもある。
ボクを弄っていいのはギャルゲロワのみんなだけなのに。
あいつ?『あいつ』!そうだ、ボクに蟹を出産させたのも、あいつのせいに違いない。
孔明の罠だ!

鉈を強く握りしめる。
傍らには幾匹もの愛し子達。
この子達がどこまでも着いてきてくれるなら、地獄でも寂しくは無いだろう。

「待つんだ蟹座氏!落ちついてくれ!」

大丈夫、落ち着いてるよ、ししょー。
ししょーや繋ぎ師さんを間違って傷つけないよう、
ボクと隔てるようカニパニーのみんなには言いつけているから。

あは♪優しいね、二人とも。
やろうと思えば蹴散らせるのに、蟹相手でも躊躇しちゃうなんて。
うん、そういうところが、大好きなんだよ。だから。

「バイバイ、ししょー。影の繋ぎ師さん」

汚れ役はボク一人でいい。さあ、あの女を殺しに――


グサッ

え?
あれ?
ボク、ドアを開けようと取っ手に手をかけたんだよね?
なのになんでドアは閉まったままで、赤い槍が生えているんだろう。
魔槍ゲイボルグ。
ギャルゲロワ2参戦作品の一つであるFateにも登場する武器だ。
見間違うはずがない。つまりは扉ごと刺されたのだ。
犯人は考えるまでも無い。

「良い心がけです。死にゆく前に別れを済ませるのは。ですが安心して下さい。
 きっちりご友人もまとめてあの世に送らせてもらいますから」
「したらば孔明ええええええーーーーーーーーー!!」

ドアを蹴り飛ばし、姿を現した人物の名を、ボクは怨嗟を込めて叫んでいた。

3263蟻地獄な僕たち:2008/04/05(土) 04:52:01 ID:YkwwoDUw0



目の前で繰り広げられた光景が信じられなかった。
自分と繋ぎ師を残し、寂しげな笑みを浮かべ鉈を手に部屋を出ていこうとした蟹座氏が突如崩れ落ちたのだ。
先程まで自分たちを取り囲んでいた蟹達は即座に蟹座氏の元に向かい守るかの様に陣取っている。
いや、様にではなく、守ろうとしているのだろう。
そして幾重もの甲殻類に睨みつけられているのは一人の少女。
自分の知る口調とも雰囲気とも一致しないが、外見だけはどこまでも自分の知る少女そのものだった。

「孔、明?」
「は、はわわ、駄目ですよ、ご主人様。ある程度回復したとはいえ病み上がりなんですから寝ていないと」

あまりにもいつも通りに返事をする孔明と、血濡れた槍がうまく結び付いてくれない。
わからない、わからない、わからない。いや、わかりたくないだけだ。
悲しいことに答えはもう、蟹座氏が出している。
それでも、それでも信じていたかったのに、

「だって起きていられたら殺すのに一苦労じゃないですか」

彼女は決定的な一言を口にしてしまった。

「変、身!!」

瞬間、影の繋ぎ手が独自のポーズをとり姿を変える。
黒きボディに銀の強化装甲を身に纏った戦士――仮面ライダーBLACKSRXに!

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

紫色の光で覆われていた部屋を、更に強い白光が照らす。
それだけではない。照らされた部屋の壁という壁が光を帯び輝きだす。

なんのつもりだ?
そんなバトルマスターの当然の疑問の答えは一瞬で返ってくることとなる。

ズドンッ!!

轟音とともに建物が大きく揺れる。
超人であるバトルマスターをしてバランスを崩してしまうほどの激しい揺れであった。

誰かが現地調達で鉄球クレーン車でも現地調達でもしたか?
もしもバトルマスターが他のギャルゲロワ出身の書き手であったらそう考えただろう。
だが幸か不幸かバトルマスターには事実を見極めるだけの動体視力がぎりぎり備わっていた。

あれは、踏み込みだ。孔明に肘打ちをする為の前座。ただ其れだけでホテル一つを揺るがしたのだ!

なんて、力だ。

バトルマスターの手は震えていた。
ギャルゲロワ最強たる彼からしても影の繋ぎ師の力は圧倒的すぎるのだ。
あの速度からの攻撃では、固有結界を発動する暇もなく先手を許すことになるだろう。
そしてその一撃だけで、どれほどの傷を負わされることやら。考えたくも無い。
最初に放った光は、恐らく繋ぎ師の力に耐えれるようホテルそのものの耐久力を上げる為のものだったに違いない。
そうでなければ今頃ホテルは倒壊し全員お陀仏になっていたはずだ。
その位とてつもないチートなのだ、影の繋ぎ師は。
当然あの速度と力からの攻撃を受ければ無事では済むまい。
事実繋ぎ師が踏み込んだ向かいの壁は、ぽっかりと人一人分の穴を延々と空け続けている。
明らかに、孔明とは違う体格の人物型の穴を。

3264蟻地獄な僕たち:2008/04/05(土) 04:52:38 ID:YkwwoDUw0
バトルマスター達が未だに知らないメタモルフォーゼを発動しマッチョボディで、
繋ぎ師の一撃を受け止めたからか?無駄だ、その程度の力で受け切れる一撃では無かった。
だからこれは見たまんま別人の形。

「っけ、これだから貴様のような対主催チートは困んだよ。
 やれやれ三国無双verですら見切れもしねえ。
 だからよう、ちいっと盾を使わせてもらったぜい?」
「ごめんなさい……ごめんなさい……ごめんなさい……ごめんなさい……」

影の繋ぎ師が踏み込む瞬間に孔明の影から現れ、
身代りにエルボートリガーの一撃を受けた熱血王子の人型であった。


「熱血王子いいいいいいいいいいいいい!!」

マイティアイ改と繋ぎ手としての能力の併用により、
一瞬にして名前ごと正体を見抜いた影の繋ぎ師が声を上げる!
対する熱血王子は場外に吹き飛ばされた距離を取り返そうと影を渡り繋ぎ師の前に姿を現す。
焼け爛れた顔、闇よりも黒い服と肌、ぽっかりと開いた左目の空洞、ありえない向きの右目。

「っな!?」

晒された異形に思わず見せてしまったバトルマスターの動揺を笑うかのように、孔明の声が再び響く。

「どうですか、すごいと思いませんか?あ、そうそう、お姉さまを殺したのも彼なんですよ?
 だから、仲良くあなた達も殺されてください。……さようなら、ご主人様」

この男がお姉さまを!?
迷うことなく冥加を抜刀する。
お姉さまの仇ならば容赦する必要はない。

熱血王子と呼ばれた男も剣を抜く。
大丈夫だ。バトルで私が負けはしない。

左足を引き、右足を前に出し、駆け出そうとする彼の前に一人の影が割り込む。

「ここは任せて、行ってください、バトルマスターさん!」
「影の繋ぎ師!?」
「俺は孔明さんのことはよく知りません。でも一つだけ言えることがあります」

両の剣を構えた繋ぎ師の胸を過るのは一つの願い。
シャドームーンを仮面ライダーに。
かってライダーロワに於いて光太郎やライダーマン、
何人かの読み手と書き手が望んだ幻想を。
叶うことのなかったその夢を、別の形でバトルマスターに託す。

「形はどうあれ信彦と光太郎は今俺の中で共に戦ってくれています。
 だからバトルマスターさん。諦めないでください。
 あなたはきっと孔明さんを連れ戻してきてください!」

なんて簡単に言ってくれるのだろう。

バトルマスターは笑っていた。

影の繋ぎ師、君は確かに切り裂いたよ、私の――俺の闇を。
ありがとう。でもここからは俺の番だ。
光は君に頼ることなく、俺の手で掴み取ってみせる。

迷うことなんて無かったのだ。
かってゲームに乗ったtu4氏を救おうとしたように、孔明を助けだせば良かったのだ。
繋ぎ師に言われるまでも無い。
出会ってまだ間もないけれど、彼女のことはよく知っていると自負できる。

したらば孔明は喜んで仲間を殺すような人間ではない。
彼女が見せてくれた笑顔は、決して偽物なんかじゃない。
別れの声が寂しそうに聞こえたのも気のせいなんかじゃない。

それだけで十分だ。
アセリアを対主催にしたのは誰だ?
圭一に仲間を信じさせ続けたのは誰だ?

「任せろ!バトルマスターに負けは無い!」

そうとも。救ってみせるさ。
自分も死なず、蟹座氏にも殺させず、孔明も連れ戻す。
目指すは今まで書いてきたどんなキャラクターもが成し遂げられなかった完全無欠のハッピーエンド!
無茶?無謀?よろしい、ならば見せましょう。
このバトルマスターが、ロワの無情に戦いを挑み、勝利するところを!!

3265蟻地獄な僕たち:2008/04/05(土) 04:53:31 ID:YkwwoDUw0




影の繋ぎ師による暴露事件に対し、孔明は即座に策を巡らせるも何一つ良案が浮かんでこなかった。
同情を買う泣き落としをしようにも、自分を警戒している蟹座氏には通じず、
逃げ出したとしても超絶チートの影の繋ぎ師にすぐに追いつかれると判断したからだ。
そこで孔明が藁にもすがる思いで頼ったのが『柿テロ猥・R2‐ND』であった。

第三回の放送と同時に更新されたWIKIに掲載された新情報はどれも眼を見張るものであった。
特に孔明の眼を引いたのが愛媛によって堕ちた熱血王子の項目だった。
彼ならば影の繋ぎ師を足止めできるのではないか?
ネコミミストとChain-情という二大正当対主催書き手が、
C.M.超展開はデフォなのか?の固有結界に引きずり込まれ一時的にこの世界から姿を消した今、
熱血王子の標的たる真白き心の持ち主として影の繋ぎ師ほどぶっちぎってる存在はいない。
加えて自分はどう考えても黒。対主催と兼任して危険なステルスマーダーでもある。
愛媛の刷り込みにより少数派の自分は守ってくれると考えて危険を冒したが、
予想以上のベストタイミングで現れてくれて大助かりだ。

とはいえ相手があの影の繋ぎ師ではそう長くはもつまい。
現に先ほどから断続的にホテルは揺れ続け、気のせいか爆発音までしている始末だ。
もうあまり猶予はない。

「まあ計算通りではあるのですが」

エレベーターを使うなどという死亡フラグが立ちそうな愚行は犯さず、
ガチムチモードでひたすら階段を駆け降りる孔明の手には一つの道具が握られていた。
黒い王蛇のカードデッキ。
熱血王子が吹き飛ばされる刹那の隙に彼から掠め取った支給品でだ。
WIKIを通した使い方に従い、オールオーバーの刃を鏡代わりに変身する。

「変身」
筋肉質な体を蛇を模した紫の鎧が包み込む。
これで水滸伝と三国無双の孔明の力に加え仮面ライダー王蛇の能力も手に入れたことになる。
内二つが時間制限つきだったり反動があったりするのが難点だが、背に腹は代えられない。
何よりも王蛇への変身の本来の目的は身体能力の向上ではない。
目的のカードを取り出しベノバイザーにベントインする。

―ADVENT―

顕現するは蛇とサイと蝙蝠がモチーフの三体のミラーモンスター。
オーダーイズワン。

「コ・ホンブックの足止め、お願いします」

新たにやってきた『二人』の客人に応対すると言いくるめ監視室に置いてきたものの、
モニターに映った私の凶行に彼女はパニックに陥っているに違いない。
最悪こちらの邪魔をしにかかる可能性すらある。
それだけは避けたかった。
無論ライダー書き手との約束もあり、個人的に人体錬成への興味もある為、
彼女を殺すつもりはない。
武装は全部譲渡されているとはいえビッグ承のプロテクトシェードは健在で、
ブック本人も錬金術が使えるのだ。
手加減させたミラーモンスター如きに殺されはしまい。
事後処理も完璧だ。
まず間違いなく生き残る影の繋ぎ師なら、彼女を保護し守り続けてくれるだろう。
顔が割れた自分では無理だが、お人好しを騙す事などライダー書き手には造作も無い。
いつでも取り返せる最も安全な相手に預けると考えれば最善の策だ。

3266蟻地獄な僕たち:2008/04/05(土) 04:54:01 ID:YkwwoDUw0

「どうやら、ここまでは計算通りのようですね」

最大の警戒対象たる影の繋ぎ師にはそれなりのチートを充てた。
バトルマスター対策はゲストの『二人』に一任してある。
コ・ホンブックに至ってはアフターケア込みでばっちりだ。
故に残るはただ一人。

ようやく降り立った一階エントランスホールの中心に一人の少女がいた。
千余りの蟹々を従え、自身も蟹を模した金色の鎧を二重に纏った人蟹姫。
無音性を重視して真名を開放しなかったのだ、生きていたとしてもおかしくない。

「貴方も存外しぶといお方だ、蟹座氏!」

疾走しつつオールオーバーを引き抜き切りつける!

対する蟹座氏が振るうのは専用の鉈!
ギャルゲロワ陣営には効果は抜群な武器ではあるが、所詮はただの刃物。
仮面ライダー剣中屈指の力を誇る適役の武器を受け止めるには役不足だ。

「蟹座じゃないもん!」

だが蟹座氏の言霊はその事実すら覆す。
言霊『蟹座じゃないもん』発動 対象:蟹沢きぬ 検索事項:竜宮レナ 
蟹座氏の鉈にエンチャント。是、蟹座氏の鉄塊鉈(でっかいなた)!!

「はああああああああああ!!」
「あはははははははははは!!」

ギインっと巨大化した鉈とオールオーバーが激突し鈍く響く音を鳴らす。
互いに武器に振り回されるかのように勢いを殺すことなく返す刃を放つも、
共に相手に当たることなく鍔迫り合いへと移行する。

「成程、ゲイボルグの傷も大方舞や亜沙先輩の力でも行使して治したということですか!
 ころころと他人の力ばっかり借りてて恥ずかしくはねえのかよお、おい!」
「あはははは、人のことは言えないよ、孔明♪口調、体格共にころころ変わってくれちゃって。
 しかもボクとは違って自前だもんね。あははは、あはははははははははは♪」
 
くるくると、くるくると、回転しながら打ち合い続ける二人の戦士。
どちらも応用性には富むものの、決定打には欠ける二人だ。
一対一の戦いでは決着は着かなかったかもしれない。
されど忘れることなかれ。この戦いは一対一にあらず。一対一+千だということを!

3267蟻地獄な僕たち:2008/04/05(土) 04:54:32 ID:YkwwoDUw0
「っく!!」

蟹が宙を舞い、蟹が地を駆け回る。
何の冗談かと思う光景だが、これこそがバッド・カニパニーの編み出した戦術。
横にしか歩けないという蟹の限界を超える為の空中殺法。
変幻自在の隊列は離れて見ればまるで赤い鎖の如し。
攻撃力こそ痛い体当たり程度だが、積み重ねは侮れない。
移動範囲を狭められるのもきつい。何よりもとにかく硬いのだ。

「蟹如き、何故一撃で倒せない!?強さは蟹では無かったのかよお!」

『強さは蟹です』。
もしも孔明がテイルズロワ出身の書き手であったらなら、
カニパニーの説明文のこの一文に大いに警戒したであろう。
何故ならテイルズオブファンタジアにおいて、
カニとは平たく言えば倒しても得しないメタルキングみたいな隠しザコ敵なのだから。

「がはっ」

度重なる蟹座氏とカニパニーの連携攻撃に遂に孔明が膝を着く。
不死者とはいえ蓄積した痛みと疲労は孔明を大きく蝕んでいた。
カニパニーはあらかた真・無双乱舞で吹き飛ばしたものの、
攻撃が当たりそうになるとカニパニーが割って入って盾となった為、
蟹座氏には傷一つ負わすことができなかったのだ。

「ボクの勝ちだよ、孔明」
「寝言は寝てから言って下さいよ!」

やぶれかぶれにコーエーの決戦2の孔明の力により炎を発現させる。
ゲーム上の赤壁の戦いのイベントにおいて、
「東南の風要らねえーーー!!」と絶賛(?)されるほどの威力を誇る攻撃である。
ぶっちゃけ曹操の艦隊を一撃で焼き払うというとんでも魔法だ。


されど忘れることなかれ、孔明の策略は一瞬で戦況を引っくり返すということを。

「焼き払えええええ!!」

炎が放たれ空気を焦がしつつ蟹座氏へと迫る。
だが蟹座氏は余裕を崩すことなく避けもせずに身構える。
確かに威力は高いがクリスタルウォールで跳ね返せないほどではない。
自らの技で焼け死ぬのがこの魔女にはお似合いだとキャンサーの黄金聖衣から、
アリエスのムウの力を引き出しにかかる。
唱えるはいつも通りの一つの呪文。

「蟹座じゃ……」

その慢心こそが孔明の狙っていた隙だとは思いもしないで。

「マホトーン!!」
「…………!?」

蟹座氏の言霊が途中で途切れる。
それだけでは無い。声を出しているはずなのに喉からは何一つ音が発せられない。
蟹座じゃないもんは言霊だ。
定型句として成立しなければ効果が発動することはない。
目の前には迫りくる業火。

熱い。熱い。熱い。
蟹座じゃないもん、蟹座じゃないもん、蟹座じゃないもん!

何度唱えても声は出ず、水晶の壁は現れない。
避けようにももう遅い。とてもじゃないが逃げられない。

ごめんね、みんな。生き続けるには、この世界は辛すぎるよ。

怒りも、悲しみも、嘆きも、狂気も。
全てを飲み込み、炎が蹂躙した。

3268蟻地獄な僕たち:2008/04/05(土) 04:54:55 ID:YkwwoDUw0




「うおおおおおおおおおお!?こっちくんなああああああ!!」

かっこいいことを言って、熱血王子を繋ぎ師に任せ、
孔明と重症のはずなのに何時の間にか姿を消した蟹座氏を探し求めいたバトルマスターは、
予想外の大ピンチに立たされていた。

「ああ、カズキ。恥ずかしがることはない。さあ、私と一緒にエロスの海に身を委ねようじゃないか!」
「さあ聞くといい、エロスの鐘を!そして解放しなさい、その淫らな本能を!ああん♪」
「はっはっは、エロスの鐘の、興奮したね?今自分が言った淫らという言葉に興奮したね?
 ああ、わたしもしたさ!猥ら。なんて素敵な響きか!君もそう思うだろう、カズキ!」
「清純なショタを襲う逆レイプの快感に負けず劣らずの初な強者を屈服させる快感。
 たまらない、堪らないわね、エロ師匠。危険を冒してきた甲斐があったわ!」

スパイセットを影の繋ぎ師に破壊され、途方に暮れていた二人だが、
影の繋ぎ師がド派手にホテルの方に向ったのを目にし、勝負に出たのである。
一瞬とはいえ垣間見た影の繋ぎ師のチート技能の前には孔明も涙目だろう。
付け入る隙も出てくるはずだ。
事実ホテルに忍び込んだ二人に孔明は自分からコンタクトを取りに来て、
あれやこれやの交渉の挙句、バトルマスターを二人掛かりで襲える権利を勝ち取ったのだ。
孔明が珍しく本気で渋った末に折れたことからも、対等な取引と言って過言は無い。

「や、やめろおおおお!?人の股間をそんな目で見んなぁぁぁああああ!」
「はっはっは、股間を見ないで何を見ろというんだい?
 それとも君はお尻の穴に突っ込んでほしいタイプかい?安心し給え、カズキ!
 私の一物は天をも突くランスだ!!」

逃げ惑いつつ斬撃を繰り出してくるバトルマスターにエロ師匠はサンライトハートで応戦する。
したらば孔明から資料として提示された一連のバトルマスターが登場するSSから、
三人はバトルマスターが典型的な良識人で、エロ展開に弱いと判断した。
そんなギャルゲロワ出身とは思えない初さに、エロ師匠と煩悩寺の嗜虐心はますますくすぐられる。

「エロスの鐘が56式、ルパンダ〜〜イブ!ばーとますちゃん、身ぐるみと童貞置いてけええ!!」
「勝手に童貞だって決め付けんなああああああ!!」

ちなみにこんなふざけた戦いではあるが、本人達は至って真剣である。
エロスの鐘の音により精神攻撃を仕掛ける煩悩寺、
自身の心象世界である闘争制覇者を敢えて前面に押し出すことにより欲望に抗い続けるバトルマスター、
バトルマスターの重い攻撃が煩悩寺に届かないようガードしつつセクハラを試みるエロ師匠。

現状ではバトルとエロスが奇跡的に均衡しギャグ展開で済んではいるが、
少しでもどちらかに比重が傾けばたちまちエロスかバトルに持ち込まれ勝敗は決する。

3269君の言葉を聞かせて欲しい:2008/04/05(土) 04:58:03 ID:YkwwoDUw0

戦闘開始から数分。戦況はエロス組に傾きつつあった。

「ふはははははは!!溢れる、力が漲ってくるぞお、カズキいい!」
「フィールド魔法、ラブホテルが発動していることにもっと早く気付いておくべきだったわ!!」

ラブホテル。人々の性欲の象徴たるこの建物の戦いはエロス組に予想外の恩恵を与えていた。
消費した魔力・精力が常に回復し続けるのだ。

故に本来ではあり得ない技すら可能となる!

「っく、二階にも居ない!となると後はエントランスか。早まるなよ、蟹座氏、孔明!」
「ふむ。孔明に会わせたのでは私達の株が廃るというもの。名残惜しいがフィニッシュとさせてもらうぞ!」
「「奥義エロスの鐘あなたと合体したい、アーッ!!スペシャル!!」」

エロスの鐘に二人分の精気を込めて振り鳴らす。
バトルマスターは耳を塞ぐも抗いきれない。
それどころかどうしたことか、この鐘の音に無性に心が打たれるのだ。
感動作のSSを読んだ時のようなジーンと来てしまい涙が一向に止まらない。
ジーン?ま、まさか!?

そのまさかであった。
バトルマスターが涙に霞む視界を総動員し捉えたのは、鐘を鳴らし続ける煩悩寺。
そしてもう一人の女エロ師匠が何かマイクのようなものをエロスの鐘に向けている。

間違いない。あれはドラえもんの秘密道具だ。
あのジャイアンの歌ですら名曲へと変えてしまう恐るべき最終兵器。名を――

「ジーン、マイクだと!?」
「「ごめいと〜〜う」」

エロスの鐘+ジーンマイク。
考えうる限りで最悪のコンボである。
エロスに抗おうとする意思をジーンマイクで溶かされれば後は欲望の暴走の一途だ。

それがわかっていてもバトルマスターには耐えられない。
度重なる固有結界の酷使でもはや魔力どころか気力すら注ぎ込み尽していたのだ。
疲れ果てた彼にとって、欲望を望むままに解き放てという誘惑はなんとも甘いものだった。

「あ、あぐ、うああ」

もう休んでしまえばいい。
元から闘争心と熱い心を満たせればマーダーと対主催のどっちでも良かったじゃないか。

どくん。

その方法がエロスに変わったのだと思えばいい。
そうさ、どうせコイン一つで決めた行動方針だ。そこに正義なんてありはしないさ。

どくん。
どくん、どくん。

そういえば、そうだったなあ。だったらここで休んだってどうってことはないか。
疲れたよパトラッシュ。お休みなさ〜い。

どくん、どくん、どくん。
どくん、どくん、どくん、どくん。
どくん、どくん、どくん、どくん、どくん。
どくん、どくん、どくん、どくん、どくん、どくん。
どくん、どくん、どくん、どくん、どくん、どくん、どくん。
どくん、どくん、どくん、どくん、どくん、どくん、どくん、どくん。
どくん、どくん、どくん、どくん、どくん、どくん、どくん、どくん、どくん。

3270君の言葉を聞かせて欲しい:2008/04/05(土) 04:58:43 ID:YkwwoDUw0

は、ははは、ははははははははは!
そう思えたら楽なのに、熱き鼓動が煮えたぎり眠れやしない。
コイン一枚で決めた行動方針?上等!!
例えそこに正義は無くとも、書き手としての信念がある!
私はまだ生きている。なら、最後まで戦い続けろ、バトルマスターーー!!

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
「な、馬鹿な!?合体エロスを跳ねのけるだと!?」
「そんな、魔力も気力もとうに尽きた筈!?」

二人の動揺が伝わってくるが、正直驚いているのはバトルマスターも同じだ。
先程までエロスの鐘が鳴り響いていた空間はガラリと趣を変え戦場と化していた。

冥加を手に熱き想いを叫び続ける圭一がいた。

罪を償おうとネリネに立ち向かうオボロがいた。

愛に全てを捧げ制限すら突破したネリネがいた。

武人として想いを残し散らんとするトウカがいた。

協気に呑まれ汽車すらもちだして笑う名雪がいた。

最後まで打開策を導き出そうと諦めなかった瑛理子がいた。

継ぎし思いと誇りを胸に己の義務を果たそうとする千影がいた。

静かに笑みを浮かべ金の光となって空へと帰る悠人がいた。

退くことなく神へと立ち向かい続ける武達がいた。

戦う以外の意味を見つけ大切な人を守りきったアセリアがいた。

強き想いを胸に秘め戦い続けるまだ見ぬ誰か達がいた。

「固有結界リミットブレイク。闘争制覇者-Battle Masterアイン・ソフ・オウル!!」

中央に立つバトルマスターの周りに展開されるは、
過去・未来・現在を問わずバトルマスターが書きうる全てのバトル。
抱える属性は多岐に渡るも、どれもこれもがキャラクター達の心のぶつかり合いを描いていた。
当たり前だ。人は己の想いを貫き通すために戦うのだからバトルほど有言なものは無い。

銃声が、打撃音が、主義主張が、雄たけびが、悲鳴が、鉄の打ち合う音が、
何よりも魂の声がエロスの鐘の音を打ち消していく。

「「認めん、認めんぞ!エロスがバトルに敗北するなぞ!」」

何もエロスコンビが書き手としてバトルマスターに劣っているのではない。
書き手として完璧な状態であれば拮抗することもできたであろう。
だが不幸にも彼女達は分身に力を割かれてしまっていた。
そのことが全力を行使できるバトルマスターとの間に大きな差を作ってしまった。
そしてもう一つ。
尽き果てた筈の魔力がどこからか湧き出てきたのだ。
身体の奥からではない。まるで、繋がっている誰かが力を貸してくれるかのように。
誰かが――

 ご主人様……

ああ、そうか。俺、ほんとにやっちゃってたんだ。
それで孔明と魔力の供給パスが繋がっちゃって。
じゃあこれは彼女の力なんだな。

まるで孔明が背中を押してくれているように思えて、
事実は微妙に違うが大まかには正解な推測にバトルマスターは笑みを浮かべる。

助けられてばっかりでは、かっこが着きませんね。
ですから、急がせてもらいますよ、マーダー共!

「ブロークン、オーガニズム!!」

冥加を一閃する。瞬間、エロスコンビは幾百ものバトルを一遍にその身に受けることとなった。

3271君の言葉を聞かせて欲しい:2008/04/05(土) 04:59:21 ID:YkwwoDUw0



「さよならです、蟹座氏」

隠し持っていた最後の支給品――まふうじの杖で見事に『蟹座じゃないもん』を封殺した孔明。
自分と同じでそろそろライダーの変身時間は切れる筈だ。
顔面を含めあちこちに隙間のある黄金聖衣では焼死は防げはしない。

チェックメイトだ。後はメタモルフォーゼが切れるまで、とことん遠くへ逃げればいい。
バトルマスター達は黒こげの蟹座氏の死体に気を取られるはずだ。
喜べ孔明。自分は助かったのだ。嬉しいことなのだ。なのに。

「は、はわわ。どうして私、泣いちゃっているんですか」

悲しみを堪え、無理やり平常心を保つバトルマスターの顔が脳裏に浮かぶ。
ご主人様は、強すぎるから、とっても悲しんで、それでも涙一つ流しはしないだろう。
たまには声を出して泣いたっていいのに。
あたふたするご主人様も可愛くて魅力的でしたから泣き顔だって。

「っつ、何を考えている、したらば孔明!私が、キャラに引きずられてどうする!」

頭を抱え本来の目的であった逃走すら忘れてうずくまる孔明。
築き上げてきたキャラクターとしての想いと一書き手としての使命との間に揺れる少女は、
焼け跡から出てきた人影に気付くことは無かった。


(……なんで、みんなボクを生かそうとするんだろう)

炎が鎮静化し、視界が回復した蟹座氏が見たのは、自分を覆う千余りの甲羅であった。
バットカニパニーの熟れの果て。彼らは母と慕う蟹座氏を守るため一匹残らず劫火へと飛び込んだのだ。
鎧の隙間を補うように、少しでも体液で炎の威力を弱めるように、
最高の強度を誇る甲羅を盾にしようと、己が命を賭したのだ。

悲しかった。予期せず授かったとはいえ自分を慕ってくれた子達の死に声を張り上げて泣きたかった。
でもやっぱり喉は役立たずなままで、声を出させてくれなかった。

(だったら別の方法で、あの子たちに報いたいなあ)

カニパニー達を焼殺した孔明は何やら頭を抱えてぶつぶつ言っている。
きっと宇宙人とでも交信しているいるのだろう。
ん、やばい、太一まで混ざってきた。この敵討だけは、蟹座氏としてやらなければ意味がない。

(自業自得だよ。泣かせてくれたら気づけたのに)

言霊が切れ、元の大きさにもどった鉈を振り上げる。
刃に移る自分の顔はきっととっても怖いから、見ないように顔を背けて一気に振り下ろした。

それが、失敗だった。

「ダメーーーーーーーーー!!」
(あ……)

突然隆起した床が盾となり孔明を守ったのだ。
失策だった。孔明は知っててボクの攻撃を誘っていたんだ。
そう思ったのも束の間、孔明の方も少女の姿に戻り心底呆けているのに気づく。
そういえばさっきの声は聞いたことのないものだった。

(じゃあ、誰が?)

偶然にも同じ疑問を抱いた二人が声のした方へと振り向く。
そこにはエドワード・エルリックの衣装に身を包んだ一人の少女が立っていた。

3272君の言葉を聞かせて欲しい:2008/04/05(土) 04:59:53 ID:YkwwoDUw0



「ブックさん?」

蟹座氏の生存とコ・ホンブックの乱入という立て続けに起こった予想外の出来事に放心し、
バカみたいに意味も無く名前を呼んでしまったが、すぐに状況を理解する。
蟹座氏は殺しきることができなかった。
カニパニーが庇ったのだと思われるが、思い返せばやけに魔力の消費量が多かった気がする。
そのせいで調子が狂ったのだろう。コ・ホンブックの方はもっと簡単だ。
蟹座氏と同じく自分の変身も既に解けている。
アドベントされたモンスター達も吊られて送還されたということだ。

でも一つわからないことがある。
コ・ホンブックは監視室で私の凶行をモニターしたはずだ。
なのにどうして私を助けたのだろうか?

「ブックさん、どうして私を助けたのですか?」
「私は、ずっと助けられてばっかりだった。
 ボマーお姉ちゃん、承お兄ちゃん、書き手お兄ちゃん。
 だから、嬉しかった。孔明さんに、私にでもできることを教えてもらえて」

完全に読み違えていた。
ブックはただ自分を守ってくれる存在に依存しているだけの少女だと思い込んでいた。
その最たる対象が仮面ライダーなんだって。
けれど、真実は少し違ったみたいだ。

コ・ホンブックは仮面ライダーに依存していたのではない。
いつかこう成りたいと憧れていたのだ。
ライダーという存在を盲目に信じているという点では同じだが、
憧れは依存とは違い自身の存在をも高める。
書き手として、人間として、あれだけの生き様を見せた承の背中が、
今でもブックの心に熱く焼き付いているのだ。
彼女の心が弱いままであるはずがないではないか!

ハハ、ハハハハハハハ!笑いが止まらない。
孔明の名が聞いて呆れる。さっきから読み違えてばっかりだ。

「ブックさんでいいんだよね。どいて、そいつ殺せない」
「そんなのはだめ、蟹座氏さん!孔明さんは悪い人じゃないよ!」

そんなブックの強さを感じ取ったからか、はたまたシンパシーでも感じたからか。
蟹座氏はブックに対しては殺意は無いようで、何故だか安堵する。
とはいえ逃げる機会は完全に失ってしまった。
蟹座氏は声を取り戻し、セイントに一度見た技は通じない。
こうなったからには仕方がない。
私達の目的はあくまでもロワ完結であって、自身の生存ではない。
感電氏・ジョーカー達の介入、666の暗躍、着々と進行する孤城の主。
脱出エンドの可能性は限りなく低い。
最悪対主催だけが残るも、主催者の目的がわからず、でっちあげることもできずに、
更新停滞、はい打ち切り等という展開に成りかねない。
だったらここで命懸けで対主催をできるだけ道連れにした方がよっぽどロワ完結の為になる。

3273君の言葉を聞かせて欲しい:2008/04/05(土) 05:00:19 ID:YkwwoDUw0

「蟹座氏さんの言うとおりですよ、ブックさん。私は悪者です」
「そんなことない!」
「あるっつってんだろ、雌ガキがあ!
 良いかあ、てめえに永遠の苦痛を与えた上で人殺しを教唆したマスク・ザ・ドS。
 あん野郎と俺はグルなんだよ!」

水滸伝の孔明の声色を元にできるだけ怖そうな声で脅しつける。
内容から察したのか蟹座氏がブックを守るように立ち塞がるも、
当のブック本人は一歩も引かず真正面から叫び返す。

「だったら、もう少し悪者らしくしてよ!どうして本当のことを言うの。
 嘘をついて私を騙して蟹座氏と同士討ちさせればいいじゃない!」
「そ、それは……」

ブックの言う通りだ。蟹座氏とブックを殺し合わせさえすればいくらでもチャンスは生まれた筈だ。
なのにどうして躊躇った?どころか私は明らかに安心した。
あの二人が生きていてくれて……。

ブックを殺したくないのは同じアニロワ2出身だから。

そんなことない。

二人をドSや地球爆弾の件に巻き込んだのを気に病んでいるから。

弱さなんて、とっくに捨てた!

じゃあやっぱり、バトルマスターに嫌われたくないから。
 
違う、違う、違う!あんな、あんな奴のことなんて、私は、私は!

「私には、あなたが罰して欲しがっているようにしか見えないよ!
 私達はどこかで人との繋がりを求めているからこそ、リレー書き手をやっている。
 あなたは嫌なんでしょ、その絆を自ら壊している自分が。
 私、間違えてる?応えてよ、本音で話してよ孔明さん!!」

「黙れ、黙れ、黙れ、黙れ!私は選んだんだ、この道を!
 書き手ロワ2を完結させるためならどんな汚い手段も使ってみせると!
 そんな私が、悪以外の、あなた達の敵以外の何だと言うんだあああああ!!」

これではまるで図星を突かれた駄々っ子みたいじゃないか。
気持は嬉しいけど私はブックや蟹座氏とは違い、操られたのでも錯乱したのでもなく、
確固とした自分の意志で人を殺めたのだ。
だから、許されるはずはないし、許してほしいと思ってなんかいないはずなのに。

「敵かどうかは……俺が決める!」

エントランスに飛び込んできたあなたの言葉が堪らなく嬉しかったのです、ご主人様……。

3274名無しでもいいよ皆そう呼ぶから:2008/04/05(土) 05:00:45 ID:YkwwoDUw0
エロスコンビを辛うじて撃破した俺を待ち受けていたのは凄惨たる光景だった。
柱は切り裂かれ、床は変形しており、天井は焼け焦げていた。
影の繋ぎ師による建物全体の強化が為されていてこれだ。
つくづく彼が居なければどうなっていたのかは考えたくもない。

元凶たる三人の少女の反応はバラバラだった。
ばつが悪そうに顔を背けるのが蟹座氏。
我に帰り恥ずかしそうに俯くのが知らない少女。
そして――

「ご主人様。あの二人を倒してここに来てしまったんですね」

涙を流しながら訴えかけるしたらば孔明。

「来たとも。私はバトルマスターだ。勝負から逃げはしない」

だから俺も距離を詰めつつ強く応える。後100メートル位だ。

「勝利条件はなんなんです、ご主人様」
「バックれてしまったメイドさんを連れ戻す事です」
「はわわ、私ってメイドさんというには無理ありません?」
「大丈夫ですよ。圭一曰く、『萌えるのは正義!』だそうですから」

ぶっちゃけ今考えたセリフなんだが。キャラ的に間違ってはいまい。
ついでに言えば光射すロワに泣くロリ救わぬ書き手なし!だ。
……うん、元のセリフはいいのに、すんげえ嘘くさいな、アニロワ2だと。
まあギャルゲロワなら完全には的外れじゃないさ。

今で70メートル切ったかな。

「無理ですよ。私は沢山罪を犯しました。人だって殺しましたし、孤城の城の引き金にも関わりました。
 ねえ、ご主人様。あなたと同郷の歩く頭脳戦。彼を殺したのも私なんですよ?
 それだけじゃありません。今からいっぱいいっぱい、人が死ぬんです。私がそう仕向けたんです。
 主催者側とも繋がっているんですよ。だから、私は」

もう一つぶっちゃければ俺武闘派だから口車で説得するのは苦手なんだよな。
かといって黙っていればむっつりスケベと噂されたり。
良識人ですよ〜、私は!っと40メートル。
でも圭一ほどお人好しでもなければ、武以上に自分勝手なのも事実。
だからあなたの事情になんてなりふり構わず一方的に言わせてもらいますよ、孔明さん。

「それがどうした!」
「は?」
「それがどうしたって言っているんだ!」
「え、えっとご主人様?」
「孔明さん。私――俺は、お前に俺の傍で生きていて欲しい。
 罪を背負っても、誰かの恨みに押し潰されそうでも、役目を捨ててでも生きていて欲しい。
 俺はもう誰も失いたくはないんだ。お前の罪は許せないけど、一緒に背負うことならできる。
 頼む、孔明。俺からお前を含めて誰一人、これ以上奪わないでくれ!」

二人の距離は、後10メートル。

3275君の言葉を聞かせて欲しい:2008/04/05(土) 05:02:36 ID:YkwwoDUw0
自分勝手甚だしい理論だった。
普通は殺人は悪いことだ〜とか、一緒に脱出しましょ〜とか言う場面じゃないのか。
更に聞き様によっては告白に聞こえなくもない。
ってか告白以外の何だと判断すればいいのですか、ご主人様!

「……なんですか、それは。かっこ悪いにも程があります。最悪です。プチ最悪です。
 思わず孔明に関係ないキャラまで混ざってしまったじゃないですか。
 ずるいですよ、ご主人様。告白ならもっとかっこよく言ってください。
 そんなんでなびく女の子なんていませんよ?」
「なら記念すべき一人目になってくれ。俺は孔明を信じてる」
「勝手です、卑怯です」
「お互い様だ。俺のこと、未だにご主人様って呼んでくれてるじゃないか」

とどめの一言だった。
心が揺れるのを止めることができなかった。
いいかもしれないって、思ってしまった。
この人やブックや影の繋ぎ師なら、脱出エンドでロワを完結させてくれるかもしれないって。
……いや、認めてしまおう。私は、ご主人様ともっと一緒に居たがってる自分を、
今まで見ないようにしてきて、それでも繋がりを捨て切れなかったんだ。
なんて、無様。これでは地図氏のことを笑えないじゃないですか。

「ご主人様!」

思わず残り一メートルを、自分から詰めに掛かっていて。
だから、次に訪れたのは当然過ぎる報いだった。

私の影から再びボロボロの熱血王子が姿を現す。
顔はへしゃげ、左腕は変な方向に折れ曲がり、何でも切れる剣は刀身を失い、ミニ八卦炉は消滅していた。
されどただ一つ無傷で守り抜いたのは、右目に嵌め込んだお姉さまの瞳。
愛しそうに眼を撫でつつも、口から吐き出すのは呪詛の言葉。

許、さない。一人だけ、救われようなんて、許さない!!

「……全力全壊……《破棄すべき全ての首(ネック・ブレイカー)》唖あ亞ア啞ぁ阿蛙吾aぁaAAA!!!!」

短刀が怪しく光り、孔明の首という首を吹き飛ばす。
不死者であるが故に本来なら恐れるまでもない攻撃だ。

――アニロワ2基準で制限されていさえしなければ。

ポーンと軽い音を立てて、孔明の首はいとも簡単に宙を舞った。

「ひ、う」

喉が、熱かった。風が、痛かった。
空を飛んだはいいものの、重力からは逃れられない。
さっきまで視界に映っていたご主人様の代わりに、このままでは栄えて私は冷たい床にアイラブユー。
それは、ちょっと、御免こうむりたいなですー。

ぽこり。
どうやら願いは中途半端に届いたらしい。
床とのゴッチンから私を救ってくれたのは、勿論ご主人様。
何時の間にやら金色の鎧なんか纏っていらっしゃって最悪の抱かれ心地です。

3276君の言葉を聞かせて欲しい:2008/04/05(土) 05:03:07 ID:YkwwoDUw0
「蟹座氏さん、ここはご主人様が、抱きとめて、くれるところ、ですよ」
「……蟹座じゃ、ないもん」

あれあれ、もしかして泣いていらっしゃるのですか?
神様ならぬ蟹様に届いたのは大いに不満だったのですが、涙に免じて許してあげましょう。

「孔明!」「シャイニング・ライダーキイイイック!!」

今度こそご主人様に抱きかかえられる私を尻目に、
影の繋ぎ師が熱血王子に蹴りを打ち込む。って、ちょっと待て。
まさか30階から床をぶち抜いて貫通してきたあ!?強すぎでしょ!
流石に影渡はできず、熱血王子には逃げられたようですが。

「しっかりしろ、孔明!」
「ししょー、駄目だよ、治せない!」

ご主人様に蟹座氏、ブックの声が聞こえる。
治癒能力は致命傷に対して以外は効果があるはず。
つまり私はここまでということですか。
首スパなんで当たり前っちゃあ、当たり前ですが。

「ご、主人、様……」

首だけでは声を出すことすら一苦労です。
だったらその僅かな時間で何を残すべきでしょうか。
ああ、そうだ。携帯電話のことは話しておきませんとと。
『柿テロ猥・R2‐ND』はきっと彼らの力となってくれますから。

「私は、」

ロワの完結を託すのもいいかもしれません。
私が知っている範囲でのWIKI管理人の目的を彼らに伝えれば、
打ち切りによるロワ未完を防ぐことができるでしょう。

「あなたのことが……」

言わなければいけないことは他にも沢山あるのに。
殺した人にも、傷つけた人達にも、孤城の人たちにも、
迷惑をかける同志にも謝らなければいけないのに。

「大、好き、です」

わたしは、なんで、こんなことを、言っちゃたの、でしょうか。

――それが、愛だよ。

はわわ、何故か今、ドS氏の声が聞こえた気がしました。
どっちにせよ、私は、孔明、失格です、ね。

「孔明、返事をしてくれ、孔明!」

すいません、ご主人様。
最後位、私の方からもわがまま言っていいですか?

ぎゅって抱きしめてください。それから、もう一、度、な、前を、呼ん、で、く……。

「孔明ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!」





少女は『孔明』としては失格だった。されど、一人の少女としては胸を張れる最後だったのかもしれない。

3277君の言葉を聞かせて欲しい:2008/04/05(土) 05:03:29 ID:YkwwoDUw0
【したらば孔明@アニロワ2nd 死亡】
【バッド・カニパニー@書き手ロワ2nd 全滅】

※王蛇のカードデッキ(黒)@仮面ライダー龍騎、 
 スタンガン@アニロワ1st 支給品一式×2、ゲイボルグ@アニロワ2nd、閃光弾、
 オールオーバー@ライダーロワ、携帯電話@現実、首輪(まとめキング)、まふうじの杖が

 孔明の首なし死体の近くに落ちています。

※王蛇のカードデッキにある”ADVENT”のカードはベノスネーカー、メタルゲラス、ダークウイングの3枚です。
※バッド・カニパニーの甲羅×1000くらいがエントランスに散乱しています。

【夜】
【G-4/ホテル『キャッスル・満漢全席』エントランス】


【バトルマスター@ギャルゲロワ】
【状態】:胸に抉り傷、内臓の一部に破損、頭部に切り傷、(以上回復中)、両腕に削り傷(処方済)、尻に猛烈な痛み
     度重なる大技の連発で精神力を使い切りつくしました。ぶっちゃけこのままでは気が抜ければいつでも死ねます。
【装備】:永遠神剣「冥加」
【道具】:支給品一式、コイン、名簿、不明支給品×2
【思考】:
 基本:コインの表が出た――だから徹底的に抗う。
 0:孔明ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!
 1:蟹座氏を落ち着かせたい。
 2:ブックに話を聞きたい。
 3:対主催として仲間を探し、殺し合いに乗った輩を倒す。

 ※容姿は前原圭一@ひぐらしのなく頃にです。
 ※自身の精神が、キャラの影響を受けていることに気付きました。
 ※【闘争制覇者-Battle Master】
   発動させることで、決して『バトル』に負けない固有結界を張ることができます。
   孔明が死んだため、アイン・ソフ・オウルverは使用不能です。

  【闘争制覇者-Battle Master アイン・ソフ・オウル】
   バトルマスターが生涯描きうるありとあらゆるバトルの世界に敵を放り込む技。
   物語内のキャラの攻撃を全部くらわせます。
   この技が発動した時点で、敵味方の全行動が『バトル』として定義されます。
   故に、発動すればどんな状況でも、バトルマスターは不敗です。

 ※影の繋ぎ師からディーの話を聞きました。

3278君の言葉を聞かせて欲しい:2008/04/05(土) 05:03:53 ID:YkwwoDUw0
【蟹座氏@ギャルゲロワ】
【状態】:蟹見沢症候群発症(沈静しだしてます)、へこみLv2→5→4、顎部に痒み、『蟹座じゃないもん』覚醒 、疲労
【装備】:体操着(ブルマ)、鉈
【道具】:支給品一式、蟹座の黄金聖闘衣、最高ボタン、カードデッキ(シザース)@ライダーロワ
【思考】:
 基本:どうしようか……?
 0:………… (複雑)あの子たちのついでに埋葬してあげる
 1:……ししょう……
 2:『あいつ』に逢ったら殺す。
 3:ギャルゲロワの仲間とは会いたくない……けど。
 4:敵とは戦う。ギャルゲロワ以外でいじめてくる人はみんな敵。
 
 ※容姿は蟹沢きぬ(カニ)@つよきすです。
 ※最高ボタンを押すと、『いやっほぉぉぉおおおう、蟹座のONiぃ様、最高ーーーーーっ!!!!!』という台詞が、
  ハクオロの声で流れます。シークレットボイスにも何かあるかも?
 ※自分の心がキャラに影響されていることに気付きましたが、キャラに抵抗するため無駄な努力をしています。
 ※身体能力は本気を出せば倉成武ぐらいの力が出ます。通常はカニ。
 ※蟹見沢症候群について。
   へこみのLvが5になったとき、発祥します。発症した場合、自分を苛めたり辱めたりした者を優先的に殺します。
   基本的な症状は雛見沢症候群と同じです。発症中は蟹座氏のチャット状態の特徴により、語尾に♪がついたりします。
 ※言霊『蟹座じゃないもん』に覚醒しました。
   強い意志で蟹座であることを否定することにより、文字通り蟹に縁のあるアイテムから、
   『蟹座じゃないもん』つまり『蟹座じゃないもん(者、物)』の力を引き出せます。
 
【コ・ホンブック@アニロワ2nd】
【状態】:仮面ライダー書き手への依存、仮面ライダー(救い手)への憧れ
【装備】:ビッグ承 、エドワード・エルリックの衣装@アニロワ2nd 、賢者の石@アニロワ2nd
【道具】:なし
【思考】:
基本:もう諦めない。
0:孔明さん……
1:バトルマスター達と情報交換
2:書き手お兄ちゃんに恩返しがしたい。
3:仮面ライダー書き手と共に仲間を集める。
4:自分の恰好に一抹の不安。


※不死者化、酢飯細胞の効果が切れました。
 また、浄解により負の感情も治まりました。
 その影響で錬金術が使えるようになりました。
 他にも何かあるかはお任せします。
※首輪は外れたままです。



【影の繋ぎ師@ライダーロワ】
【装備】:サタンサーベル@ライダーロワ、リボルケイン@ライダーロワ
【道具】:カラオケマイク@現実
【所持品】:支給品一式
【状態】:月光で全快済み、WIKI管理人へのぶっちぎりな激しい怒り
【思考・行動】
基本:殺し合いには乗らない。
1:どこまでも ぶ っ ち ぎ る ぜ !!
2:他の参加者にもディーから聞いた事を伝える。
3:次こそは熱血王子を倒す。
4:逃げたWIKI管理人の手下を見つけて倒す。

※変身体が仮面ライダーBLACK SRX@書き手ロワ2に進化しました。
 キングストーン二つの融合により更なる可能性を得たかもしれません。
※RXの全変身系統の能力が二倍以上にアップし、シャドームーンの武器と技も使用可能です。
 何より性能差をももろともしないシャドームーンの卓越した戦闘技能を強化されたRXが得たことが一番大きいでしょう。
 加えて太陽光・月光の両方を取り込めるようになったので、昼夜問わずぶっちぎれます。
 名前からしてスパロボのSRXの技も使用可能かもしれません。詳しい能力・技は以降の書き手にお任せします。
 原作設定すらぶっちぎるぜい!
※ついでに首輪が取れちゃいましたが、どこまでもぶっちぎりです。

3279胎動するは二つの悪意:2008/04/05(土) 05:07:02 ID:YkwwoDUw0


ホテル『キャッスル・満漢全席』二階。
そこに蠢く一つの影があった。
誰であろうバトルマスターとの対決に一人参加していなかったミニ・サスペリアである。

「派手にやられたわねーー。
 AAA出典だけじゃなくテイルズ出典のリバースドール、支給品として配っといて正解だったわ」

身代りアイテムのおかげで辛うじて煩悩寺は無事だが、
エロ師匠は明らか過ぎるオーバーキルで支給品ごと塵一つ残さず消滅した。
事前のアイテム分配の際にピックポケットでくすねておかなければ、
死んでいたのは煩悩寺であっただろう。

「んーー、なんかなりきりが予想以上の力を発揮していてやばいっていうか―、
 思い込みやノリと勢いでなんでもありになるなんて予想外だったのよねえ」

煩悩寺の口にファウードの回復液を口移しで飲ませようとするもサイズ差で一苦労だ。
だが、彼女にはもう少し働いてもらった方がいい。
どうもあちこちできな臭い動きが出てきている。

「くす、がんばってね、私の分身さん♪」

マスコットキャラに不似合いな黒い笑みを浮かべ、ミニ・サスペリアは煩悩寺の口内を凌辱しにかかった。

「じゅる、くちゅり。ぺろぺろ。あ〜ん♪」

果たして、彼女の正体に気付く参加者は現れるのだろうか?

【エロ師匠@漫画ロワ 消滅】
※エロ師匠の持ちモノは核金含め全て消滅しました。

【G-4/ホテル『キャッスル・満漢全席』二階廊下】

【エロスの鐘の煩悩寺@アニロワ2nd】
【状態】:魔法妖女デザイア・ベル、精気満々、魔力全快、体力(中)
【装備】:エロスの鐘、ミニ・サスペリア 不明支給品(1〜2)
【道具】:支給品一式
【思考】:
 基本:エロスの限りを尽くす
 1:???



 ※容姿はティアナ・ランスター@なのはstsです。
 【エロスの鐘】
 大人向けデバイス。魔法妖女デザイア・ベルへの変身アイテムでもある。
 その音色を聞かせた者が隠し持っている欲望を引き出し、暴走させてしまう。
 暴走した欲望からエロスを吸い取ることで相手の精気を自分のものにできる。
 【ミニ・サスペリア】
 掌サイズのメイドさん。闇のメイド・サスペリア@アニロワ2ndの姿をしている。
 魔女っ娘に必要なマスコットキャラで、ご主人様に色々とアドバイスをしてくれる。
 なんか怪しい。

3280胎動するは二つの悪意:2008/04/05(土) 05:07:30 ID:YkwwoDUw0

眩しかった。
白き存在達が出す光は俺の視界を焼き尽くしイライラした。
壊したかった。この世から消し去りたかった。
新たに生まれかけた光はこの手で潰した。だがまだ足りない。
もっと、もっと、殺さねばならない。
その為の力が欲しい。世界全てを闇で覆いつけるような、圧倒的な力が!
そうすれば、きっと俺は安らげる。
愛媛も許してくれる。お姉さまにも会いに行けるかもしれない。

「ごめんなさい……。ごめんなさい……。ごめんなさい……。」

絶望の闇を募らせ、熱血王子は夜の世界に思いを馳せる。

夜とは闇、闇とは黒、黒とは――終焉。


【???(どこかの影の中)】
【熱血王子@漫画ロワ】
【状態】:黒化 顔が焼け爛れている 顔面ひしゃげてる 右目にお姉さまの眼が入っている
     左腕骨折 全身に大ダメージ
【装備】:『破棄すべき全ての手(黒)』、何でも切れる剣の柄(黒)@サイボーグクロちゃん、
      黒い青龍偃月刀 ウルトラリング(黒)
【所持品】:支給品一式
【思考・行動】
基本:愛媛に許されるために殺す
1:黒く染まってない奴を優先して殺す
2:白に寝返りそうな奴も殺す。
3:その為にもっと力が欲しい。

※変身後の姿は銀目銀髪の高町なのはの顔に、ウルトラマンレオの体、声は赤木しげるです。
※変身前は、ウルトラマンメビウスのヒビノ=ミライの様な容姿です。
※第一回放送の前半を聞き逃しました。
※【『破棄すべき全ての手(リスト・ブレイカー)』@漫画ロワ&誤爆スレ】
 一話で二人の人間の手首をはねた逸話に由来する宝具。
 真名を解放しながらの攻撃は、全て手首を斬り飛ばす一撃となる。外見はfateのルルブレ。
 ブラスターモード『破棄すべき全ての首(ネック・ブレイカー)について:
 このモードは『破棄すべき全ての手(リスト・ブレイカー)』の強化版。
 真名を解放しながらの攻撃は、相手の首と名のつく場所、つまり両足首・両手首・両乳首・首の合計7箇所に高速無比の斬撃を同時に繰り出す。
 黒化によって身体機能が向上し、使用制限が緩くなりました。やっぱり発動直前に0.1秒の隙があるようです。
 ファイナルモード『破棄すべき全ての節(ジョイント・ブレイカー)について:
 黒化によってなのはさん的リミットを3番まで開放した限界突破技。首だけに飽き足らずあらゆる関節を切断する百連撃。発動直前の隙があるかは不明。
※【『ウルトラリング(書き手ロワ特別バージョン)』】
 透明な麻雀牌がついた指輪と、レイジングハートがついた指輪の二つで一つ。
 この二つを合わせる事により、戦闘形態へと変身を遂げる。 戦闘形態ではウルトラマンレオの能力が使える。
※愛媛の黒さに汚染された結果、影から影へ移動する能力を得たようです。有効範囲は不明
※眼が見えませんが、汚染されていない人間の気配が掴めるようです

3281胎動するは二つの悪意:2008/04/05(土) 05:08:41 ID:YkwwoDUw0
投下終了。初の分割作品なので、何かうっかりしてるかも

3282名無しでもいいよ皆そう呼ぶから:2008/04/05(土) 21:27:43 ID:fOmEELhk0
投下乙
色々ネタ仕込んであるなあ
孔明…恋愛フラグはやはり死亡フラグか…
対エロコンビとか俺が決めるとか告白とかバトルマスター久々にかっこよかったな
影の繋ぎ師はホテル強化なしなら全滅していたとか
シャイニング・ライダーキックとか月光で全快とかチートすぎるwwwww

3283名無しでもいいよ皆そう呼ぶから:2008/04/05(土) 21:38:29 ID:S68Orhgo0
シャイニングライダーキックって確かアギトの技だよな、まさかアギトの力に目覚めたか?wwww

3284不思議の国の魔王様:2008/04/06(日) 21:55:25 ID:wr0hxmRc0
自分の過去最長作、投下させてもらいます。


それは、放送直前のこと。
速筆魔王LXは、入手した首輪を技術手袋により解体していた。

(なるほど、確かにこれはお粗末な作りだねえ…。)

バラバラになった首輪のパーツを見つめながら、LXは心の中で呟く。
首輪の構造、それは専門知識のない彼にすら理解できるほど単純なものだった。

(ロワによっては死体の首輪は簡単に外せても、生きてる参加者の首輪を外そうとするとBOMB!なんてこともあるけど…。
この構造ならそんな器用なことは出来そうにないね。とりあえず、自分の首輪から外してみようか。)

そう考え、自分の首もとに手を伸ばすLX。だがそのとき、彼の体に異変が起こった。

(あれ…。どうしたんだろう、急に眠気が…。
確かにロワが始まってから睡眠は取ってないけど…。こんな急に眠くなるのはおかしいだろう…。
駄目だ、今寝ちゃ…。放送も…近いっていうのに…。)
必死の抵抗もむなしく、彼の意識は眠りの世界へ落ちていった。


◇ ◇ ◇


(はて、ここはどこだろう…。僕はたしか、旅館にいたはずだけど…。)

LXは、気づけば見知らぬ場所にいた。きょろきょろと辺りを見回すと、あちこちに見覚えのある、けれどどこかおかしいキャラ達がいる。
木の枝の上では、クロちゃんがニヤニヤと不愉快な笑みが浮かべている。
塀の上には、落ちそうで落ちない絶妙なバランスでカービィが座っている。
ギルダーの帽子をかぶったセージは、うどんげと二人でティータイム。
お城の庭では、女王様ハルヒの命令でトランプのSOS団がせっせとバラにペンキを塗っている。
遠くのほうでは、煙を噴き上げ汽車が走る。車掌はもちろん、クレア・スタンフィールド。

(ああ、何となくわかってきた…。)

少しずつ、状況を理解するLX。その背後から、何者かが近づく。

「こんにちは、ジャバウォックさん。」

声に反応してLXが振り向く。するとそこには、フリフリのロリータファッションを身にまとったピンク髪の少女が立っていた。

「君はみWiki…じゃなかった、みゆきさん?」
「いえ、みWikiで正解ですよ。私はあなたが持っている本、みWikiの精です。」
「みWikiの精?」

LXは、思わず首をかしげる。

「ハルコンネンとかカラシニコフの精なら聞いたことあるけど…。本にも精霊っているものなの?」
「ええ、元々私は、精霊など宿っていないただの本でした。
しかし長いことデイパックの中で放置され存在を忘れられているうちに、原作のみゆきさんとシンクロし私という人格が誕生したのです。」
「あー、なるほど…。」

みWikiの話に、妙に納得してしまうLX。だってみゆきさん、アニロワ2ndに出てないし。
ちなみに、メイン四人の中でみゆきさんの出番が一番少ないことは、悲しいことに公式ガイドブックの中のデータで証明されている。

「で、なんでこの世界は『不思議の国のアリス』なの?『鏡の国』も混じってるみたいだけど。みゆきさんと関係ないんじゃない?」
「まあ、夢オチの元祖ということで。別に深い意味はないんです。」
「そうか…。うん、それは理解した。でもさ…。」
「なんですか?」

突然、LXの纏う雰囲気が変わる。

「なんでよりにもよって、こんなタイミングで僕を夢の世界に連れ込んだわけ?
今、放送直前なんだよ?しかも、首輪の分析っていうロワ的に大事な作業の途中だったし…。
つまり、何が言いたいのかというとだね…。」

3285不思議の国の魔王様:2008/04/06(日) 21:56:19 ID:wr0hxmRc0


「空 気 読 め」


「ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!」

養豚場のブタを見るような視線と共に放たれた一言に、みWikiの精は思い切り怯える。
そりゃあもう、漫画ロワの死者スレでDIOに怯えるみゆきさんぐらいに。
たった一言でここまでの効果をもたらせるのは、さすが魔王といったところか。

「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい…」

止めどなく涙をあふれさせながら、みWikiの精は土下座を繰り返す。

「うん、まあそこまで謝ってくれなくていいんだけどね。なんかそのセリフ、誰かとかぶってるような気がするし。」

LXはばつが悪そうな表情を浮かべると、みWikiの精に手をさしのべ彼女を立ち上がらせた。

「それで、僕に何の用なんだい?手短に話してもらえないかな。あくまで手短に、ね。」
「は、はい!実は私が覚醒したのは、先ほど話したことに加えもう一つ理由があるんです。
どうやら先ほど、こなたさん、かがみさん、つかささんがこの会場に揃ったことも原因みたいなんですよ。」
「うん、それで?」
「私を…みWikiをその中の誰かのところに運んでほしいんです。そうすれば、何かが起こるはずですから。」
「何かって?」
「わかりません。」
「つまり、まったく確定要素がないことのために、わざわざタイミングの悪い時に僕を呼んだと?」

………

しばしの沈黙。

「帰るね。」
「ああっ、ちょっと待ってください!せめて、あの人達の位置だけでも聞いていってください!
こなたさんとかがみさんはですねえ、い―――」

ドゴォォォォン!


(あれ、今のは…夢?)

壊れかけの旅館の一室で、LXは目を覚ました。半ば無意識に時計に目をやると、時計の針はとうに午後6時を回っていた。

(しまった、寝過ごしたか!)

LXは慌てて部屋を飛び出し、将軍と熱血怪人がいるはずの隣の部屋へ向かう。
しかし、そこに二人の姿はなかった。あるのは電源の落ちたノートパソコンと、壁に空けられた大穴だけだ。

(まさか…。さっきの爆音だけは夢じゃなかったのか?くそっ、僕としたことが…。
間に合ってくれよ…。)

珍しく焦りの表情を浮かべ、LXは穴から闇夜へと飛び出した。

3286熱血対熱血〜正義の系譜〜:2008/04/06(日) 21:57:28 ID:wr0hxmRc0
時間は、放送直後にさかのぼる。

(パンタローネが死んだか…。対主催として覚醒したからには、あの時のことを謝っておきたかったが…。
今となってはそれもかなわないか…。)

かつて敵として対峙した同じロワの書き手のことを思い、熱血怪人は切なげな表情を浮かべる。

(シルベストリ、おぬしも命を落としておったか…。惜しい男を失ったものよ。
そしてフラグビルドも…。Chain-情はさぞかし悲しんでいるであろうなあ…。
あれはフラグビルドにたいそう好かれておったから…。)

すでにその目で死亡を確認していた焦ったドラえもんとうっかり侍。
それに加え二人の部下(将軍から見て)の死を告げられ、ギャグ将軍も苦渋の表情を見せる。
場に流れる、よどんだ空気。しかし、それも長くは続かなかった。

「さて、いつまでも悲しんでおったところで状況は変わらぬ。続きといこうか。」
「そうだな…。」

言葉少なめに、二人は作業に戻る。今彼らが行っているのは、暮れなずむ内面描写の支給品であったノートパソコンの分析である。
分析を始めてすぐに見つかったのは、参加者の顔写真入り名簿のデータだった。
すでに生存者が全体の半分以下になった今では若干価値は落ちるものの、それでも貴重なデータであることには間違いない。
次に、二人は各参加者の支給品のデータを発見した。
しかしこちらは名簿と違ってプロテクトがかかっており、参加者ごとにパスワードを入力しないと閲覧できないようになっていた。

「むう、名簿はタダで見せておいて、こちらにはパスワードを設定しておくとは…。
やっておることに一貫性がないわ!」
「まあ外見は一目見ればわかるけど、支給品はそうはいかないからな。情報としての貴重性の違いじゃないのか?」

憤るギャグ将軍に対し、熱血怪人は冷静に諭す。

「む、まあいい。こんなパスワードなどすぐさま解き明かしてくれようぞ!」

ギャグ将軍はまず、自分の項目から手を付ける。

《gyagusyougun》
―ERROR―

《◆s.0z/S/80k》
―ERROR―

《riderrowa》
―ERROR―

《kamenriderbattleroyale》
―ERROR―

「ふむ、個人名でもトリップでも所属ロワでもないか。あとは何があるかのう。」
「まあ、そう焦るな、将軍。こういう時こそコーヒーブレイクじゃないのか?」
「それもそうか。熱血怪人よ、貴様も言うようになったではないか。」
「フン、ほめても何も出ないぜ。」

そんなわけで、二人はコーヒーブレイクに突入することとなった。
もちろん分析の手を休めたわけではなく、コーヒーを飲みながらもああでもないこうでもない、とお互いの意見を交わす。
そうして、どれだけの時間が経っただろうか。
状況に変化をもたらす第三の男が、その場に現れた。

3287熱血対熱血〜正義の系譜〜:2008/04/06(日) 21:58:42 ID:wr0hxmRc0

「何だ、おまえは…!」

その男の姿を見た時、熱血怪人は思わずそんな言葉を口に出していた。
身につけたものはすべて、黒一色。それだけでも、普通ではないという印象を相手に与える。
だがそれ以上に、その男の肉体的損傷が熱血怪人の心を乱していた。
片腕は折れ、全身至る所がボロボロ。そして顔は、もはや原型がつかめないほどぐちゃぐちゃにつぶれている。

「その制服…。色は違うが、GUYSのものだな。たしか、ヒビノ=ミライの外見を持った参加者がいたはずだが…。」

ギャグ将軍は冷静にキーボードを叩き、自分の望む情報を探す。

「有ったぞ。名前は熱血王子。漫画ロワの書き手だ。」
「何!?俺と同郷か!」

自分と同じ漫画ロワの書き手。しかも同じく「熱血」のフレーズを冠する者。
それを知り、熱血怪人の中で一気に熱血王子への親近感が芽生える。

「しっかりしろ!ひどい傷だが、気をしっかり持つんだ!」

立ちつくす熱血王子に駆け寄り、激励の言葉をかける熱血怪人。

「………なさい。」
「何だ!何が言いたい!」
「ごめんなさい。」
「え…?がああああ!!」

熱血怪人は、最初何が起きたのかわからなかった。
数秒の間を置いて、ようやく熱血王子が手にした青龍偃月刀で自分の腹を刺し貫いたのだと気づく。

「熱血王子…。貴様、マーダー…!」
「ごめんなさい。」

吐血する熱血怪人の体から、青龍偃月刀が抜き取られる。
床に倒れる熱血怪人には興味を示さず、熱血王子は刃をギャグ将軍に向けた。

「…この余の前で部下を葬るとはな…。いい度胸をしているではないか。」
「ごめんなさい…。」
「口先だけの謝罪など要らぬわ!その命を持って償うがいい!」

珍しく怒りをあらわにし、ギャグ将軍は杖を構える。熱血王子もその殺気を感じ取り、青龍偃月刀を構え直した。
そして両者が激突するかに見えたそのとき…。

「待てよ、将軍…。俺はまだくたばってないぜ…。」

小さいながらも、力のこもった声が室内に響く。その声の主は、熱血怪人。
おびただしい流血を見せながらも、彼はゆっくりと立ち上がっていた。

「おお、生きておったか、熱血怪人!」
「当然だろ…?俺は仮面ライダーとアンデルセン神父の能力を併せ持った男だぜ…。
腹をぶっ刺されたくらいで死ぬかよ…。」

不敵な笑みを浮かべながら、熱血怪人は震える体でポーズを決める。彼が愛し、日本中の無数の男が愛するヒーローの変身ポーズを。

「変…………身ンンンンンン!」

一瞬の発光。それが収まった時には、もうそこに先ほどまでの熱血怪人の姿はない。
悪に生み出されながら、その悪に反逆した男。現在まで受け継がれる正義の系譜の、偉大なる原点。

「仮面ライダー………1号!!」

最古の英雄、仮面ライダー1号がそこにいた。

3288熱血対熱血〜正義の系譜〜:2008/04/06(日) 21:59:39 ID:wr0hxmRc0
「あ、ああああ…。」

熱血王子は、自分の中に芽生えた恐怖を抑えきれなかった。
手応えはあった。確かに殺したはずだった。なのに、この男は何故生きている?
影の繋ぎ師といい、仮面ライダーとはみんなこのような化け物なのか?自分は手を出してはいけない相手に出してしまったのか?

「ああああああ!!」

恐怖に負け、作戦も何もなく青龍偃月刀を振りかざして突っ込む熱血王子。
しかし、そんな考えなしの攻撃が通用する相手ではない。

「ライダァァァァァァァァ、パァァァァァァァァンチ!!」

熱血怪人の拳が、カウンター気味に熱血王子にヒットする。
直撃をくらった熱血王子は吹き飛ばされ、壁を突き破ってすっかり暗くなった屋外へとはじき出された。

「がは…あっ…。」

痛い。痛い。痛い。
何故自分がこんな思いをしなければならないんだろう。
何故?何故?何故?
もう嫌だ。もういいだろう。
楽になりたい。早く俺を楽にしてくれ。

(何言ってるのかなあ、熱血王子さんは。
そんなんじゃ私もみんなも許してくれるはずないじゃない。
それでもいいの?)
「がああっ!!」

熱血王子の脳内に、ここにいるはずのない愛媛の声が響く。
むろん、それは幻聴だ。だが今の熱血王子では、そのことに気づくことなど出来ない。

(嫌だ!嫌だ!嫌だ!誰からも許されないのは嫌だ!)

痛みを強迫観念で押し殺し、熱血王子はふらふらと立ち上がる。
そして両手のウルトラリングを合わせ、変身体である高町なのはに姿を変えた。
その視線の先には、彼を追って旅館から出てきた熱血怪人とギャグ将軍の姿がある。

「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい…。」

まるでその言葉しかしゃべれないかのように同じ語句を繰り返しながら、熱血王子は得物を持ち替える。
青龍偃月刀から、本来の自分の武器であるリスト・ブレイカーへと。

「あの男、まだやる気か…。体もボロボロだというのに、いったい何を支えに…。」

沈痛な面持ちで呟く将軍。その将軍に向かって、熱血怪人は言った。

「将軍、あいつとは俺がけりを付ける。あんたは手を出さないでくれ。」
「しかし…いや、わかった。くれぐれも、無理はするでないぞ。」

一瞬ためらいつつも、熱血怪人の目に宿る熱さを感じ取りギャグ将軍は素直にその言葉に従う。

「わかってるさ。俺も死にたいわけじゃない。」

そう答え、熱血怪人は熱血王子へと向かっていく。熱血王子は、未だに同じフレーズを繰り返している。

(あれはおそらく、キャラへのなりきりじゃない。ミライにもなのはにも、あんなネガティブな要素はない。
つまり、誰かがあの男をあんな風にしてしまったってことだ。おそらくは、そうとうえげつない手段でな…。)

たとえば、暗闇大使が斗貴子の目の前でカズキの死体を蹂躙したように。
ハヤテにマリアの生首を見せつけたように。

(あいにく、俺にはアカギやパピヨンのような頭脳はない。頭を使ってあんたを救うのは無理だ。
本郷さんのIQ600の頭脳が有れば、また違ったかもしれないがな…。
とにかく、俺に出来るのは戦うことだけだ。だが、それでいい。
俺も熱血、あんたも熱血。だったら、拳で語り合うのが一番手っ取り早いだろうが!)

3289熱血対熱血〜正義の系譜〜:2008/04/06(日) 22:00:49 ID:wr0hxmRc0
大地を蹴り、熱血怪人が跳ぶ。

「武装錬金!」

空中で、熱血怪人が吠える。それと同時に、彼の脚にはバルキリースカートが装着された。

「熱血王子ィィィィィ!!その心の闇を、ぶち撒けろォォォォォ!!」

空中から、4枚の刃が熱血王子に襲いかかる。しかし熱血王子は、すんでの所でそれを回避。
着地直後の隙を狙い、熱血怪人の顔に蹴りを叩き込む。

「なんの!」

だがその蹴りは、熱血怪人の腕にガードされる。その反動でバランスを崩した熱血王子に、熱血怪人の反撃の拳が突き刺さる。

「があっ!」

血反吐を吐き、熱血王子は再び血に伏した。

「もうやめよう、熱血王子。おまえはもう休んでいい…。休んでいいんだ!」
「おまえに何がわかる…。俺は休めない!休むわけにはいかない!
休んだら、誰にも許してもらえなくなるんだよおおおおおお!」

正気を感じられない叫び声をあげ、熱血王子は立ち上がりざまリスト・ブレイカーで突きを放つ。
熱血怪人は、その突きを蹴りで払う。だが、結論から言えば彼の対処は誤りであった。
宝具、リスト・ブレイカー。その効果は、相手にほんの少しでも当たれば発揮されるのだから。

「破棄すべき全ての手<リスト・ブレイカー>…!」

「な…なにぃッ!」

予想外の事態に、熱血怪人は動揺を隠せない。何故、自分の右手が切り落とされている?
今の攻撃のどこに、そんな要素があった?
混乱がもたらすのは、わずかな隙。それを、熱血王子は見逃さない。
ウルトラマンレオのパワーによる蹴りが、熱血怪人の腹部に空いた穴に叩き込まれる。

「ぐあああっ!」

先ほどまでとは逆に、熱血怪人が大地に倒れ込む。
熱血王子はその上に馬乗りになると、リスト・ブレイカーを熱血怪人の顔面に向かって振り下ろした。

「ごめんなさい。」

もはやこれまで。熱血怪人がそう覚悟を決めかけたそのとき…。

「ぐあっ!」
「え…?」

何者かが、熱血王子を突き飛ばした。

(何だ…。何が起きた?)

状況が飲み込めないながらも、熱血怪人は急いで体を起こす。
最初はギャグ将軍が何かしたのかと思い彼のほうを見たが、将軍もわずかに驚愕の表情を浮かべ固まっていた。
そして彼の視線を追ってみると、そこには宙に浮かぶ黄金のカブトムシがいた。

「コーカサス…ゼクターだと…?」

そう、そこにいたのはギャグ将軍の支給品であるはずの、コーカサスゼクターだった。
ご丁寧に、自らの体にブレスを引っかけている。

「おまえが俺を…助けたのか?」

思わずそう呟く熱血怪人。だが、当然答えは返ってこない。

「俺に…おまえを使えというのか?」

やはり返事はない。だが熱血怪人には、ゼクターがそれを肯定しているように思えた。
彼はゼクターからブレスを受け取り、それを片手で四苦八苦しながら装着する。

「なんだかわからんが、とにかくやらせるか!」

立ち上がった熱血王子がそれを阻止しようと襲いかかるが、時すでに遅し。
熱血怪人の姿は、仮面ライダーコーカサスへと変化…していなかった。

「なんと…!」

ギャグ将軍は、思わず感嘆の声を漏らしていた。

それは、熱血怪人の強い思い入れがなした業なのか。
姿形は、1号そのまま。しかし、コーカサスの能力とシンボルカラーは、確かに受け継がれている。
そこには、金色に輝くライダー1号がいた。

「仮面ライダー…ザ・ファースト・コーカサス!」

3290熱血対熱血〜仮面ライダーSPRITS〜:2008/04/06(日) 22:02:10 ID:wr0hxmRc0
「金ぴかになったからどうだっていうんだ!」

リスト・ブレイカーを手に、熱血王子は突っ込む。だが、熱血怪人はその突撃をたやすくかわす。
そして、熱血王子の体に軽く掌底を叩き込む。それだけで、熱血王子は吹き飛んだ。
今の熱血怪人は、ライダー1号にコーカサスの能力が「上書き」ではなく「上乗せ」された状態である。
さすがにSRXにはかなわないが、充分チート級と呼べる強さになっているのである。

「もう一度言う。もうやめよう、熱血王子。」
「ふざけるな!駄目なんだよ…。このままじゃ誰も俺を許してくれないんだよ!」
「おまえが何に対して許しを求めているのか、俺は知らない。だが…。」


「俺が許す。」


「え…?」

「他の誰が許さなくても、俺がおまえを許すぞ、熱血王子!」

「許す」。それは熱血王子にとって、何よりも救いとなる言葉。

「俺は…許されるのか?」
「ああ!おまえはまだやり直せる!許してもらえるんだ!」

熱血王子の心に、わずかに光が宿る。だが、その光はすぐに闇に呑み込まれる。

(なんで安心してるの、熱血王子さん?その人だけに許されてもしょうがないじゃない。)
「あ…。」
(私はまだ熱血王子さんを許してないよ?)
「あああ…。」
(熱血王子さんが襲った人たちも、あなたを許してないんじゃないかなあ。ううん、絶対許してないよ。)
「あああああ!!」
(さあ、許されたいなら殺さなくちゃ。その金ぴかも、後ろの金ぴかも。)
「うがああああああ!!」

言葉としてまったく意味を持たない叫び声をあげながら、熱血王子はリスト・ブレイカーを突き出す。
それは、熱血怪人の脇腹に突き刺さった。だが熱血怪人はうめき声を上げることもなく、悲しげな視線を熱血王子に向けるだけだ。

「駄目なのか…?俺では、おまえを救えないのか?」
「正直に言って、おまえの言葉は嬉しかった…。だが、足りないんだ。
おまえ一人に許されるだけじゃ、足りないんだよぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

あまりに悲痛な、熱血王子の叫び。それを聞いて、熱血怪人は決意を固める。

「ならば、もはや俺に出来ることはひとつしかない!おまえを殺し、その生き地獄から解放する!」

熱血怪人は、夜空に飛翔する。1号+コーカサスの脚力にバルキリースカートの力も加わり、そのジャンプの高度は数十mに達していた。

「ライダァァァァァァァァキィィィィィィィィック!!」

声の限り叫びながら、熱血怪人は降下する。
一方、熱血王子も黙ってそれを見ているわけではない。

「ダークシューター!」

右手を突き出し、黒い矢印形の光線を連射する熱血王子。それは、次々と熱血怪人の体に突き刺さっていく。
だが、それでもライダーキックは止まらない。
そう、北斗剛掌波にも負けずラオウを撃った、本郷猛のライダーキックのように。

「おわりだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

魂まで絞り出すかのように、熱血怪人は叫んだ。

3291熱血対熱血〜仮面ライダーSPRITS〜:2008/04/06(日) 22:03:12 ID:wr0hxmRc0
◇ ◇ ◇


戦いは終わった。
その場に残されたのはギャグ将軍、そして満身創痍の熱血怪人。
すでに変身は解け、村雨の姿に戻っている。
彼のライダーキックは、確かに熱血王子に命中した。
しかしダークシューターで勢いを殺されたキックは、熱血王子を完全に粉砕するまでには至らなかった。
熱血王子は残された力を振り絞って影の中に逃走し、難を逃れたのである。
この結果もまた、漫画ロワにおける本郷とラオウの戦いを彷彿とさせるものであった。

「ゼクターとブレス返すぜ、将軍…。ああ、ついでに俺の支給品と核鉄も預かってくれ。」
「何を言っておる。それではまるで、おぬしが死ぬようではないか。」
「まるでじゃなくて、そうなんだよ…。自分の体のことだから、よくわかる。
自己再生が追いつかないんだ…。核鉄の治癒能力を合わせてもな…。」
「諦めるでない!余はそんな軟弱な部下を持った覚えはないぞ!」
「俺も…部下になった覚えはないけどな…。まあいいや。それより、ひとつ頼みを聞いてくれ…。
仮面ライダー書き手と、熱血王子。俺が救えなかったこの二人を、救ってやってくれ…。
あんたのやり方でかまわないからさ…。」
「任せるがいい。余は冗談は言うが約束は破らぬ!」

ギャグ将軍は、力強く自分の胸を叩いてみせる。

「ありがとう…。ああ、そうだ。ついでに、ひとつ聞かせてくれ。」
「何だ?」
「仮面ライダーは…永遠に不滅だよな…?」
「当然だ!巨人が他球団の主力選手をかき集めるのと同じぐらい当たり前のことを、わざわざ聞くでない!」
「それを聞いて安心したぜ…。これで心おきなく逝ける…。」

そう言うと、熱血怪人はふいにギャグ将軍を突き飛ばした。

「ぬおっ!何をするか、熱血怪人!」
「何をする?俺は蘇った現代の熱血怪人、だぜ…?怪人の最後といったら、これしかないだろうが…。」

熱血怪人の体のあちこちで、火花が起き始める。やがてそれは、大規模な爆発となって彼の体を包んだ。

「仮面…ライダー…ばんざぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁい!!」

最後の咆吼をあげ、熱血怪人は爆風の中に消えた。


◇ ◇ ◇


爆音を聞きつけたLXが現場に駆けつけたのは、それから1分も経たないうちだった。

「熱血君…。」

その場の状況を見ただけで、LXはおおよその成り行きを理解する。

「すまない、熱血君…。僕がもっと早く駆けつけていれば…。」
「いや、おまえに責任はないぞ、魔王よ。たとえ貴様が最初からいようとも、結果は変わらなかった。
男が己の誇りをかけた戦いに、誰が割り込めようか!」

四散した熱血怪人の亡骸に向かって、将軍は叫ぶ。

「ご苦労であった、蘇った現代の熱血怪人…いや、仮面ライダー熱血怪人よ!
存分に休むがいい!!」

3292熱血対熱血〜仮面ライダーSPRITS〜:2008/04/06(日) 22:04:17 ID:wr0hxmRc0
【夜】【G-9・旅館】
【チームBADAN+新生クライシス帝国(仮称)】

【速筆魔王LX@アニロワ2nd】
【状態】健康
【装備】虎竹刀with千年パズル、斬鉄剣@ルパン三世、技術手袋@アニロワ1st
【道具】支給品一式×3、みWiki@らき☆すた?、分解済みの首輪(素晴らしきフラグビルド)、首輪×3(地味子、◆wKs3a28q6Q、永遠のうっかり侍)、
    iPod(故障中)
【思考・行動】
1:熱血怪人の遺志を継ぐ。
2:自分やギャグ将軍の首輪を解除する。
2:iPodを直して中身を確認する。
3:このハゲ、ひょっとして……?
4:『白猫』って誰?
5:対主催陣を探し、ゲームに乗った強敵を撃破していく。
6:みWiki?まあ、気が向いたらね。
7:別に何エンドでもおっけー♪



※主催者陣営に裏切り者がいるのでは、と考えています。
※首輪の構造を理解しました。
※夢の内容ははっきり覚えていますが、どうでもいいと思っています。


【ギャグ将軍@ライダーロワ】
【状態】:健康
【装備】:杖@ライダーロワ、王者のマント@FFDQロワ
【道具】:支給品一式×5、コーヒーセット一式@スパロワ、コーカサスブレス&ゼクター@ライダーロワ、
    ジャーク将軍のマント@ライダーロワ、ノートパソコン
    バヨネット×2、核鉄「バルキリースカート」、ジャッカル(5/6)
    銀河ヒッチハイクガイド、咎人の剣「神を斬獲せし者」@AAAロワ、ドラゴン殺し@アニロワ1st、他にまだあるかも
【思考】:
基本:新生クライシス帝国の結成。
1:熱血怪人の遺志を継ぎ、仮面ライダー書き手と熱血王子を救う。
2:ノートパソコンを解析してくれよう!
2:速筆魔王が首輪を解析した後に『白猫』を探し出してくれよう!
3:Chain-情の計画に協力。
4:ついでに飲み友達を集める。
5:コーカサスゼクターの資格者を探し、コーヒーを飲む。
6:紅茶を飲むかどうかは保留。
7:対主催の仲間を集める



※容姿はジャーク将軍@仮面ライダーBLACK/ジャークミドラに似た、ギャーグミドラに変身できます。
※制限がライダーロワ基準だと思い込んでいます。
※シルベストリから、漫画ロワの知識を若干得ました。
※今はChain-情に協力的ですが、ちょっとしたことで心変わりする可能性があります。
※特殊能力:「書き手界の良心」に目覚めました。
  本気の一喝を放つことにより、悪ノリし過ぎている者に自重を強いることができます。
  ただし、ギャグ将軍の性格上、あまり多用されることはありません。
  真剣な人生相談に乗ることも可能。なお、発動中はピンク色がかかった女言葉になります。
※背中に謎のチャックを確認。ギャグ将軍曰く、開けると「大変なこと」になるそうです。詳細は不明です。
※固有結界「コーヒーブレイク」
  優雅なリネン一式の備わったテーブルと人数分の椅子を造り出し、皆でコーヒーを飲んで和みます。
  それ以上の効果は確かめられていません。
  コーヒーセット自体が発動させている可能性があります。
※ノートパソコンの中に、顔写真付き参加者名簿と支給品一覧(パスワードが設定されている)のデータが確認されました。

3293熱血対熱血〜仮面ライダーSPRITS〜:2008/04/06(日) 22:05:02 ID:wr0hxmRc0
【???(どこかの影の中)】
【熱血王子@漫画ロワ】
【状態】:黒化 顔が焼け爛れている 顔面ひしゃげてる 右目にお姉さまの眼が入っている
     左腕骨折 全身に大ダメージ(気を抜いたら死んでもおかしくない)
【装備】:『破棄すべき全ての手(黒)』、何でも切れる剣の柄(黒)@サイボーグクロちゃん、
      黒い青龍偃月刀 ウルトラリング(黒)
【所持品】:支給品一式
【思考・行動】
基本:愛媛に許されるために殺す
1:黒く染まってない奴を優先して殺す
2:白に寝返りそうな奴も殺す。
3:その為にもっと力が欲しい。



※変身後の姿は銀目銀髪の高町なのはの顔に、ウルトラマンレオの体、声は赤木しげるです。
※変身前は、ウルトラマンメビウスのヒビノ=ミライの様な容姿です。
※第一回放送の前半を聞き逃しました。
※【『破棄すべき全ての手(リスト・ブレイカー)』@漫画ロワ&誤爆スレ】
 一話で二人の人間の手首をはねた逸話に由来する宝具。
 真名を解放しながらの攻撃は、全て手首を斬り飛ばす一撃となる。外見はfateのルルブレ。
 ブラスターモード『破棄すべき全ての首(ネック・ブレイカー)について:
 このモードは『破棄すべき全ての手(リスト・ブレイカー)』の強化版。
 真名を解放しながらの攻撃は、相手の首と名のつく場所、つまり両足首・両手首・両乳首・首の合計7箇所に高速無比の斬撃を同時に繰り出す。
 黒化によって身体機能が向上し、使用制限が緩くなりました。やっぱり発動直前に0.1秒の隙があるようです。
 ファイナルモード『破棄すべき全ての節(ジョイント・ブレイカー)について:
 黒化によってなのはさん的リミットを3番まで開放した限界突破技。首だけに飽き足らずあらゆる関節を切断する百連撃。発動直前の隙があるかは不明。
※【『ウルトラリング(書き手ロワ特別バージョン)』】
 透明な麻雀牌がついた指輪と、レイジングハートがついた指輪の二つで一つ。
 この二つを合わせる事により、戦闘形態へと変身を遂げる。 戦闘形態ではウルトラマンレオの能力が使える。
※愛媛の黒さに汚染された結果、影から影へ移動する能力を得たようです。有効範囲は不明
※眼が見えませんが、汚染されていない人間の気配が掴めるようです

3294熱血対熱血〜仮面ライダーSPRITS〜:2008/04/06(日) 22:06:54 ID:wr0hxmRc0
投下終了。三部作と言うよりは、1+2という漢字ですね。
そして、死亡報告を忘れてた…。orz

【蘇った現代の熱血怪人@漫画ロワ 死亡】です。

3295名無しでもいいよ皆そう呼ぶから:2008/04/06(日) 22:24:00 ID:uqleuNhcC
投下おつです!
怪人氏お疲れ様。断末魔の叫びが実にらしいですw
しかしみゆきさん空気嫁。魔王様に煩悩まみれにされても知らないぞw

3296名無しでもいいよ皆そう呼ぶから:2008/04/06(日) 23:09:50 ID:nLXYaYek0
投下乙です
熱いなあ
熱血怪人、死んだけど凄く格好良かった

3297名無しでもいいよ皆そう呼ぶから:2008/04/06(日) 23:26:29 ID:XyyZ6VuUO
うおおおおおおーーーーーーーッッ!!!!
 
ありがとう、カッコ良く書いてくれてありがとう
カッコ良い最期をくれてありがとう。これ以上に何も言う事がない……
 
でも、やっぱり一言だけ、言わせくれ
 
 ― ― S P 『I』 R I T S の 綴 り ち が く ね ?

3298名無しでもいいよ皆そう呼ぶから:2008/04/06(日) 23:35:03 ID:wr0hxmRc0
>>3297
うう、おっしゃるとおりでございます。
ああもう、英語弱いのにちゃんと確認しないから…。
すいませんでした!

3299名無しでもいいよ皆そう呼ぶから:2008/04/07(月) 00:37:25 ID:FCjS5LKk0
す、すげえ!
話も面白いが『怪人』であることをうまく使った見事な散り際だったぜ!

3300白銀の堕天使と漆黒の悪魔:2008/04/07(月) 01:54:59 ID:e0RB/OCU0
「断る。俺は誰の指図も受けん」

 太陽が西の地平線に没しようとしている頃、仮面ライダー書き手は言った。
 その言葉を投げかける相手は夜色のドレスを身に纏った黒の少女。
 すなわち――666。

「そうか、それは残念だ。私の目的と君の目的は特に対立するのもでは無いのだがね」
「話はそれで終わりか……!」

 話はここで終わり、今すべきことは目の前の少女を倒すのみ。
 仮面ライダーは変身を構えを取る。
 だが666は臆することなく言った。

「そうだ、君には私がプロデュースするイベントのギャラリーになってもらおう」
「貴様……何を企んでいる」

「クラールヴィント、転移だ」

 666と仮面ライダー書き手の足元に回転する三角形の魔法陣が現れる。

「なっ――転移魔法――!」
「ようこそ――我が名も無き庵へ」


 ◆


「――っ、ここは――?」

 どれくらいの時間そうしていただろうか、仮面ライダー書き手は目を覚ました。
 闇に覆われた瞬間、意識が飛んでしまったようだ。
 一体どれくらい?
 何時間もそうしていたのか、たった数分の出来事なのだろうか、
 もしかしたら一秒にも満たない時間だったのかもしれない。
 あたりを見渡す。硬いコンクリートの床、吹き付ける風、金属でできたフェンス。
 赤く染まった日が沈んだばかりの空。
 ここはどこかの建物の屋上のようだった。

「お目覚めかな? 仮面ライダー書き手」

 背後から声がした。
 幼い少女の声。
 それはまぎれもなく先ほど現れた黒い少女のものだった。

「俺に何をした? 答えろ」
「何もしてはいないさ、ただの転移魔法さ。ここはE-8に位置する病院、その屋上だよ。
 そしてこれから開演する『孤城の主』のために盛大な祝砲を打ち上げるのさ。君はその喜劇を特等席で見られるのだよ」
「何を企んでいるか知らんが俺が黙って見ているとでも――」
「見るさ、見るとも。座席に縛り付けて、首根っこを捕まえてこちらを向かせる。――バインド」

 彼女がそう言った瞬間、仮面ライダー書き手の足元に円形の魔法陣が現れる。
 そこから現れた光の縄が彼の身体を拘束する。

「貴様ッ――!」
「さあ、開演時刻まであと少し、今宵この病院は喜劇と悲劇に彩られた宴と成り果てるのだ」

 666の胸元に一冊の本――闇の書が現れる。
 そして右手に現れる十字杖シュベルトクロイツ
 漆黒の翼を羽ばたかせ空に舞い上がる666。

「最終誘導にいささか不安があるが構わん、ゆくぞ『予約被りに定評のあるtu4』!」

 666の前方に巨大な円形の魔法陣が現れる。
 巨大な魔法陣は周りにさらに四つの小さな魔法陣を従えていた。
 そして666は歌うようにその詠唱詩を口ずさむ。

「来よ、白銀の風、天よりそそぐ矢羽となれ――フレースヴェルグ!!!」

3301白銀の堕天使と漆黒の悪魔:2008/04/07(月) 01:56:35 ID:e0RB/OCU0


 ◆


「もうすぐ病院に着くわね」
「どうかしら? ……来るわよ!」
「えっ!?」

 その瞬間、彼女たちを乗せ空を飛ぶ脳内補完の横を何かが掠めていく。

「脳内補完! 全速力でこの空域から離脱! かがみは衝撃に備えて!」

 tu4が言うや否や後方の空が白く染まり、
 凄まじい爆風と衝撃が彼女たちを襲う。

「きゃあああああああああ!!!」
「うおおおおお!!! なんじゃこりゃぁぁぁぁぁぁ!!!」

 突然の爆発と衝撃にパニックに陥るスーパーかがみんと脳内補完。
 そんな中でもtu4は今起こっている状況を冷静に分析していた。

「こちらが空を飛んでることを良いことに広域殲滅魔法……やってくれるわね!」

 tu4はゲイン・ビジョウの『眼』の力を使い発射地点を視る。
 だが――

「ちっ……やはり簡単に尻尾を掴ませてくれないか。光波・電磁波・粒子も遮断……まさに結界ね」

 病院周辺には謎のフィールドが形成されており、
 彼女の眼をもってしてもその射手の正体を掴むのは容易ではなかった。
 つまりこの砲撃を行っている者は自分と同じチート級参加者――

「……ッ! 第二射、三射連続で来るわよ! 脳内補完、反転して後退!」
「なんで! 病院はもうすぐなのよ!」
「このまま直進したらアレの直撃を喰らうわ! 私は耐えれてもあんた達じゃ即死よ!」
「もう! これじゃ近づけないじゃない!」

 tu4はひたすら眼を使い魔力弾の進路と着弾地点、そして爆発の範囲を予測する。
 魔力弾は彼女達の進路を塞ぐように放たれている。
 これだけの爆発範囲を持つ魔法だ。
 『点』を狙うのではなく『面』を制圧するように撃てば空を飛ぶものは
 特に正確な狙いをつけるまでもなく大地に叩き落される。

「着弾まであと五秒……四、三、二……もっとスピード上げて!」

 再び闇に包まれた空が白い閃光に覆われ巨大な爆発が巻き起こる。
 大気が震動し、衝撃波が唸りを上げて周囲に拡散していった。


 ◆


 バインドで拘束されたままの仮面ライダー書き手は眼前で起こる光景をただ見つめていた。
 黒い少女――666の放ったフレースヴェルグは空中で凄まじい爆発を引き起こしている。
 一体奴は何を狙っている?
 彼は夜の帳が訪れた闇空を見上げる。
 真っ暗な空にときおり巨大な白い火球が現れては消えるを繰り返す。
 それは曳光弾のように周囲の空を白く照らしだし、
 その合間に小さく、だが長い龍のようなものを浮かび上がらせていた。

「どうだい、いい眺めだろう? まさに開幕の演出を彩る花火に相応しいものだと思わないかい?」
 仮面ライダー書き手の数メートル上空で666は魔法陣を展開させながら言った。
 666は彼と会話を交わしている最中にもフレースヴェルグは放たれ闇夜を白く染め上げる。

3302白銀の堕天使と漆黒の悪魔:2008/04/07(月) 01:58:05 ID:e0RB/OCU0

「Cum historia mutat valde
 Razgriz revelat ipsum:
 Primum daemon scelestus est.

 Cum potentia sua
 Daemon fundet mortem in terram:
 Deinde moritur.

 Cum somnus finit,
 Razgriz surget iterum:
 Magnus hero est」

 666は鈴を転がすような美しい声色で異国の歌を口ずさむ。
 相変わらず空は白く輝き爆音が木霊している。
 その光景に歌がひどく場違いで異様な雰囲気を醸し出していた。

「『歴史が大きく変わるとき、それは現れる。最初は漆黒の悪魔として。
 悪魔はその力を以って大地に死を降り注ぎ、やがて死ぬ』
 まさに私に相応しい詩だね、私こそ死を振りまく漆黒の悪魔だ。
 だけどこの詩には続きがある『しばしの眠りの後、それは再び現れる……英雄として現れる』」

 666は静かに仮面ライダー書き手に向けて言った。

「ほう……貴様は英雄になるつもりか」
「まさか、それは私の役目ではないよ。私はこのロワに死をもたらし英雄に倒される。それだけが私の役目であり私の唯一の望み」
「フンッ……狂ってるよお前」
「元よりそんなことは承知」

 彼女の願いはただ一つ、この書き手ロワに死と腐敗と血の惨劇を引き起こし、
 愛して愛してやまないネコミミストによって倒される。ただそれだけなのだ。


 ◆


 ところ変わってこちらはtu4一行。
 彼女たちはフレースヴェルグの爆撃からの回避で精一杯だった。

「おいおいおいtu4! このままじゃジリ貧だぜ!」
「わかってるわよ脳内補完! ごちゃごちゃ言わずにあんたは回避に専念しなさいよッ!」
「ンなことわかってらあぁぁぁぁ!!!」

 ふと砲撃が止まる。
 さっきまでの轟音が鳴りを潜め、静寂が訪れた。

「砲撃が止まった……?」

 tu4はふいに訪れた静寂に眉をひそめる。
 これは罠……それとも……?

「今なら病院に直行できるんじゃ――」

 スーパーかがみんの言う通り、この間に病院向かうべきなのだろう。
 いつまでもこうしてはいられないのだから。

「いいわ、脳内補完全速力で病院へ!」
「おっしゃああああ! やぁぁぁぁってやるぜぇぇぇぇぇ!!!」

 脳内補完はスピードを上げる。
 このまま病院へ――
 だがそれこそ666の罠。
 再びフレースヴェルグが放たれる。

3303白銀の堕天使と漆黒の悪魔:2008/04/07(月) 01:59:09 ID:e0RB/OCU0

「は! たった一発だけかよ。そんなもの余裕で回避――」

 だがフレースヴェルグは次の瞬間、弾頭が七つに分裂した。
 分裂したフレースヴェルグは放射状に広がり壁のように行く手を遮る。

「チッ……やっぱこちらの油断を誘う罠だったようね……! 反転して回避よ!」
「糞ッあともう少しで病院だったのによッ!」

 脳内補完は反転し後退する。
 フレースヴェルグは彼の後方で爆発する――はずだった。

「爆発しない!? しまった!」

 フレースヴェルクの弾頭はそのまま後方から脳内補完の追い抜いていく。
 666はtu4達が反転すると読んでフレースヴェルグを放っていたのだ。
 そして着弾地点に到達した魔力塊が炸裂する。

「回避! 駄目ッ間に合わない!」

 回避に間に合わないと悟ったtu4は永遠神剣・存在を抜く。
 剣と心を通わせ、周囲のマナの密度が濃くなっていく。

「マナよ私達を守る盾となれ! オーラフォトンバリア!」

 オーラフォトンバリアの展開と同時に爆風が彼女たちを直撃する。
 凄まじい熱量と衝撃に揺れる脳内補完の背。
 スーパーかがみんは振り落とされないように必死に彼の背にしがみついていた。
 やがて爆発と閃光が収まり再び静寂と闇が訪れる。

「何とかオーラフォトンバリアの展開は間に合ったようね……かがみは大丈夫?」
「うん……こっちは何とか」
「そう、だけど――脳内補完は――」

 tu4は脳内補完に視線を移す。
 焦げ臭い嫌な臭いが辺りに漂っている。
 確かにオーラフォトンバリアの展開は間に合った。
 だがその範囲はtu4を中心とした数メートルであり、
 ギャラドスと合体し、全長三十メートルもの巨体の脳内補完はフレースヴェルクの爆風をもろに浴びてしまっていた。

「すまねえ……俺が図体でかいばかりに……」
「まだ頑張れる?」
「飛行能力半減ってとこだな……もう一度今のが来たら避けきれねえな……」

 ところどころ焼け爛れた肌を見せる脳内補完の姿がとても痛々しいものだった。




「よく私の罠を切り抜けた。だが――次はどうかな?」

 666はフレースヴェルグの発射を止め、別の魔法の詠唱に入る。
 今度は足元に三角形の魔法陣が展開される。

 666の周囲に無数の赤い光の短剣が編まれていく。
 それは二十、三十、四十と数を増やしていった。

「刃以て、血に染めよ。穿て、ブラッディダガー!」

3304白銀の堕天使と漆黒の悪魔:2008/04/07(月) 02:00:49 ID:e0RB/OCU0


「――ッ! 今度は別の魔法!? さっきよりも弾速が速い!」
「こっちボロボロなんだぜ? もちっと手加減しろよな」

 無数の赤い刃が飛来する。
 威力こそフレースヴェルグに及ばないものの、
 ブラッディダガーはそれを補ってあまりある弾速と数でtu4達を襲う。

「アレはある程度の誘導機能を備えているわ! 気をつけて!」

 赤き刃の群れが脳内補完を追尾する。
 脳内補完は紙一重でそれをかわそうとするが――

「っぐあッ! 爆発しただと!?」

 刃は当たるぎりぎりののところで自動的に爆発し、脳内補完の身体をより一層深く傷つける。

「さしずめ近接信管搭載のミサイルってとこね……味な真似を……!」

 tu4は唇を深く噛み締める。
 病院は一種の要塞と化していた。
 空からの侵入を頑なに拒む無敵の要塞、
 超射程の砲撃を掻い潜っても次に待ち受けるは嵐のような対空砲火。
 弾幕の豪雨が彼女たちに降り注ぐのだ。
 刃の嵐は寸でのところででかわしても爆発しダメージを受ける。
 フレースヴェルグの直撃を受け、飛行能力の低下した脳内補完はブラッディダガーに対して無防備も同然だった。

「――tu4よお……あんた単独で空飛べるだろ。かがみを連れてここから離脱しろ。ある程度なら俺が囮になってやる。お前らはその隙に病院に行け……!」
「あなた……死ぬ気なの!」
「ああ、どの道この傷じゃ長くねえ。かがみを頼むぜ」
「……わかったわ」
「――ッ! あんた脳内補完を見捨てる気!」
「なら代案を出しなさい。この場で三人が無事に病院に辿り着く方法をね」
「く……」

 スーパーかがみんは何も言い返せない。
 完全な正論である。吐き気がするぐらいに。

「ウイングハイロゥ展開……かがみ、私の腰に手を回してしっかりしがみ付いてるのよ」

 純白の翼を背中を生やしたtu4の表情は悲しみに満ちていた。
 だけど涙は流さない。
 そんなものは既に捨てている。
 目指すものは病院、それ以外の感情は不要。

「準備はOKのようだな……じゃあ、逝くぜ」
「……逝ってらっしゃい」

 tu4は翼を羽ばたかせ脳内補完の背中から離れる。
 脳内補完はtu4の離脱を確かめると一直線に病院へ向かって行く。
 それと同時にブラッディダガーの第二波が迫り来る。

「行くぜええええええええ!!」

 無数の刃は余すことなく脳内補完の傷ついた巨体を容赦なく襲う。
 刃が彼を貫き爆発する。
 爆発。
 爆発。
 爆発。
 それでも何発ものブラッディーダガーの直撃を受けながらも脳内補完は堕ちることはなく、
 ただひたすら病院に向けて空を駆ける。
 彼なりの矜持が折れそうな心を奮わせ空を駆けるための糧となっていた。

「ああっ……脳内補完がッ!」

 スーパーかがみんの悲痛な声がtu4の耳に届く。
 だがtu4はその声を無視するようにさらに加速する。

3305白銀の堕天使と漆黒の悪魔:2008/04/07(月) 02:02:09 ID:e0RB/OCU0


 ◆


「見事だKing of 脳内補完。最後の空気王の露払いご苦労だった。愛する者の勇姿を目に焼きつけ安らかに逝くといい」

 脳内補完は役目を果たした。彼の尊い命をもってオープニングセレモニーは幕を下ろす。
 666は最後の魔法の詠唱準備に入る。

 666の足元の魔法陣の色が変わる。
 黒を基調とした魔法陣からピンク色の魔法陣へと。

 手をかざした666に魔力が集中する。
 彼女が放つ魔法――スターライトブレイカー。
 高町なのはがリンカーコアを奪われた際、闇の書に記録されたものである。
 その力はオリジナルと何ら変わりがない星の光。

「さようなら脳内補完、ヴァルハラで会おう……スターライト……ブレイカー!!!」


 ◆


(もうそろそろあいつら……病院に着くころかな……)

 無数のブラッディダガーをその身に受けもはや瀕死状態の脳内補完。
 失いそうになる意識を必死に繋ぎとめ空を舞っていた。
 病院が光に包まれる。
 鮮やかなピンクの光――星の煌きが彼の目に映る。

(今度こそ俺も終わりだな……でもそれでいい)

 渦巻く光の奔流が一直線に脳内補完に向かって伸びる。
 もはや回避も防御も不可能。
 逃れられない死の運命。
 だが彼の表情は不思議と安らかだった。

(惚れた女のために死ぬなんて男として最高の誉れだぜ――)

 星の光は彼を飲み込んでゆく。
 チリ一つ残さず彼の全てを焼き払って行った。


 ◆


「さて……どうだったかね仮面ライダー書き手、これにて開幕イベントは終わりだ」

 いつのまにかに身体を拘束していたバインドは解かれ、自由の身になっていた。
 仮面ライダー書き手は何も答えず、眼前の666を見据えている。

「もうすぐ空気王がやってくる。主賓の一人がここにやってくる。さて、君はどうする?
この病院に留まり君もまた舞台の壇上に立つか、この病院から立ち去り舞台から降りるか。好きなほうを選ぶがいい」
「そんなこと遠くの昔に決まっている。貴様のくだらんプロデュース業ごっこに付き合う気は無い」
「じゃあ私を倒すかい?」
「断る。それこそ貴様の望みそのものだ。貴様のような煽り屋には『完全スルー』がもっとも効果的だ。
 全ての事象を『それも私だ』と参加者全ては自分の掌の上と勘違いしている馬鹿の相手をする程俺は暇じゃない
 確かに俺はこの病院に用があるが貴様のそのニヤけ面を見たら気が変わった」
「ふふふ……その行動こそが私の目的だと言ったらどうするかね?」

「勝利宣言乙。じゃあな」

3306白銀の堕天使と漆黒の悪魔:2008/04/07(月) 02:03:07 ID:e0RB/OCU0

 仮面ライダー書き手はそれ以上会話を交わすことなく病院の屋上から飛び降り街中に消えていった。

「つれないなあ君も……さて私もこの舞台から引き上げよう。時が来るまで――」

 666もまた姿を消す。
 屋上には少し冷たい風と月の光だけが残されただけだった。


【King of 脳内補完@漫画ロワ 死亡】



【夜】【E-8/病院周辺】
【仮面ライダー書き手@ライダーロワ】
【状態】不死者(アニロワ2nd準拠)、健康
【装備】カイザギア@ライダーロワ、サイドバッシャー@仮面ライダー555
【所持品】支給品一式 、カードデッキ(ベルデ)@仮面ライダー龍騎、不明支給品(元書風連・その弐のもの)×1、大鉈@ギャルゲロワ
【思考・行動】
基本:皆殺しで優勝。可能ならばまとめキングを生き返らせる。
1:666の思惑に乗るつもりは無い。
2:コ・ホンブックを利用して、対主催者チームを作る。(保留)
3:対主催者チームのリーダーとなり、ステルスマーダーとして行動する。(保留)
4:猫子頭の鬼軍曹とあの漫画ロワ書き手(現代に蘇った熱血怪人)の悪評を広める。
5:俺を好きにならない奴は殺す。
6:コ・ホンブックの信頼をさらに得る。
7:コ・ホンブックを最悪のタイミングで裏切る。



※外見や声は草加雅人です。
※孔明から怪しげな裏話を聞かされました。いくつか虚偽が混ざっているらしいです。
※地図氏一行の情報を得ました。


【派手好き地獄紳士666@LSロワ】
【装備】:ゲート・オブ・バビロン@アニロワ2nd(※特殊仕様)、闇の書@アニロワ1st、
     クラールヴィント@アニロワ1st(ネコミミストと同じ物)、バリアジャケット
【所持品】:支給品一式、エリクシール瓶に入ったシャリダムのイケナイ触手汁、
      エニグマの紙「漫画キャラバトルロワイアルwiki管理人」
【状態】:闇の書発動、不死者化?、大量の精気(エロパワー)吸収  疲労中
【外見】:黒いリボンドレス、背中から黒い六翼。長い髪は白く染まり後ろに降ろしている。眼鏡外し。
【思考・行動】
基本:極悪外道になった後、ネコミミストの前に敵として再会。ネコミミスト心から愛してる。
1:マーダーとして悪行を積む。
2:一旦病院を去る。tu4が病院に到着すればまた介入するかも?
3:戦力強化を図る。
4:ネコミミストの前に敵として現れ、最終的に喰われる。
※ゲート・オブ・バビロンで出せるアイテムをどれも『一応は何とか使いこなせ』ます。
 エリクシールと爆薬は使い切りました。 鳳凰寺風の剣は病院に起き捨て。
 浄玻璃の鏡の回数制限は残り1回。凛の宝石は残り7個。風の矢は残量不明。
 懐中時計型航時機『カシオベア』に(原作のように)ヒビが入りました。動作などへの影響は不明です。
※ゲート・オブ・バビロンで出せる新たに判明した物及び追加された物。
 アニロワ1stからディーヴァの剣、ルルゥの斧、マイクロ補聴器、
 鳳凰寺風の弓と矢、鳳凰寺風の剣、凛の宝石×10、闇の書。
 加えて――マテリアルブレード@テイルズロワ@XXX、クラールヴィント@アニロワ1st@XXX、
 不死の酒@アニロワ2nd(既に使用済み?)@XXX。
※闇の書と融合しているため、その内に言うまでもなく――
※エロスの鐘の煩悩寺と、エロ師匠の(ついでに大暴れ鉄槌の)精気を吸収しました。
 影丸の魔力を吸収したため、8割がた使いこなせるようになりました。
※「漫画キャラバトルロワイアルwiki管理人」は一度だけ秘められた力を使う事が可能です。詳細は不明。自身に関係する事?
※書き手としてのメタ視点能力を使える様子。別に全知ではない。

3307白銀の堕天使と漆黒の悪魔:2008/04/07(月) 02:03:56 ID:e0RB/OCU0


 ◆


「脳内補完……」

 tu4に抱えられたスーパーかがみんが見た脳内補完の最期の姿。
 あっというまに彼を飲み込むピンク色の光だった。
 彼は死んだ、跡形も残らず消滅した。

「ほんと馬鹿ね……」

 tu4は目にうっすらと涙を浮かべていた。
 その表情をスーパーかがみんに悟られぬように頭を垂れて空を飛ぶ。

「さあ病院よ、気を引き締めなさい」

 tu4とスーパーかがみんはつい先ほどまで666がいた病院の屋上に降り立った。
 すでに何も残されていない無人の屋上。
 あの砲撃はここから行われたのだ。

「魔力の残りカスも見当たらない……後始末も完璧ってわけね」

 念入りに屋上周辺を調べてみるが特筆すべき箇所は見当たらなかった。
 砲撃を行った者は病院から離れたのか病院内に移動したのか、現時点ではどちらとも言えない。

「どちらにせよ病院で待ち受けるアーカードの相手をしなきゃならないのは変わらないわ」

 tu4は病院内に続く階段への扉を開け放つ。
 666の望む舞台の幕が今上がる――


【夜】【E-8/病院】
【予約被りに定評のあるtu4氏@ギャルゲロワ】
【状態】ダメージ(中)、同胞に対する深い愛
【装備】永遠神剣第七位「存在」、ガンダールヴの証(ゼロの使い魔@漫画ロワ)、
    ペンダント(空鍋の欠片) 、スーパーかがみん
【道具】写真付き名簿、支給品一式、不明支給品×1(未確認)
【思考】
基本:空気キャラの復権を!
1:アーカードと決着をつける
2:孤高の黒き書き手氏と接触する
3:空気キャラは保護する
4:書き手はみんな滅する
5:エロスの鐘の煩悩寺がマーダーだと広める
6:ギャルゲロワ陣営は欝に叩き込む
7:転もあったらただじゃおかない
8:邪魔するようならWIKI管理人も容赦はしない




※容姿は白鐘沙羅@フタコイ オルタナティブ。アセリアの服を着ています。
※永遠神剣第一位「空気」が覚醒しました。
 相変わらずロワの舞台は基本マナが少ないので普段「空気」自体は振るえません。
 エターナル化は世界移動時の存在抹消がむかつくので「空気」とtu4双方の意志で抑制中。
※転生前の記憶も蘇りました。
※ガンダールヴの能力は、どんな武器でも自在に操れます。
 また本来は使うと疲労を伴いますが、tu4氏の場合それはありません。チートですし。
※空気王として他ロワの空気キャラの能力を使用できます。
 空気の覚醒により更に応用が利くようになりました。
 例フォルカ+ミミ=他の空気キャラを超神化(超進化)
 チート度アップしましたし。
※何を見て聞いたのかは次以降の書き手さんにお任せします。
※スーパーかがみんは戦闘に介入する気はありません。
ただし、クールなロリスキーだけは敵視しています。

※E-8周辺空域で大規模な爆発が多数確認されました。
 病院内の人間は666の張った結界のため爆発の存在に気がついていません。

3308名無しでもいいよ皆そう呼ぶから:2008/04/07(月) 02:05:37 ID:e0RB/OCU0
投下終了
突然電波を受信して書いてしまった
反省はしていない

3309名無しでもいいよ皆そう呼ぶから:2008/04/07(月) 17:35:34 ID:PoyHhIRQ0
投下乙。
692氏……じゃなかった、脳内補完氏、南無。かっこよかったです
いよいよ本格的に乱戦が始まるのかな

3310名無しでもいいよ皆そう呼ぶから:2008/04/07(月) 18:02:16 ID:r4zZxwkM0
投下乙。
なんというか、666の暗躍っぷりは異常。
マーダーランキングではもう同率二位に食い込んでるしwwトップとれんじゃねwww
そしてさらば脳内補完。恋する男は強いってことを教えてくれてありがとう。

そういやこれでギャラドスは消えた訳か……漆黒の龍と出会ったら何が起こってたんだろ。

3311名無しでもいいよ皆そう呼ぶから:2008/04/08(火) 11:37:13 ID:hK0lCmbY0
・前座『愛せない彼女』

彼女はその鏡を見て、何を思ったのだろうか。
黒いものはいくらでも見てきた。書き手だから。
呪われたものも何度も出会ってきた。書き手だから。
だけど、共にあろうと今さっき願った人の邪を直視したことの経験など彼女にあるはずがない。
黒い天使の腕が鏡と共に空間に浮かぶ水鏡のような波紋の向こうへ消えた。
この部屋にあるのは、汚れを見た彼女と汚れを見せた『彼女』だけ。
長い沈黙だった。
よほどの外的要因でもなければ永遠を生きるだろう夜族ですら、果てを覗こうと首を伸ばしたくなるほどの長さだった。
退路はない。『彼女』は、とっくに彼女に気づいているだろう。
吸血姫として独立したといえど、依然として実力差は奴隷と主人以上の違いがある。
『彼女』が彼女に覗かれたことに気づいていない訳がない。
死して死せず止まってしまった彼女の心臓が、幻の律動を刻む。
真実を知った彼女に退路は無く、獣は閨の向こうで彼女に背を向けて伏せている。
そうして『彼女』は気づきながらも待っている。真実を知った彼女を、待っている。
退くも進むもままならないこの状況に於いて刹那の間、彼女達がどれ程に切欠を欲したかは想像に絶する。
血よりも渇き、肉よりも餓え欲するは、自分以外の誰かが自分を動かしてくれるかもという怠惰。
だが、彼女達は自ら話を切り出さなければならない。沈黙にて永遠は続かない。
怠惰より根ざす沈黙では未来は開かれず、そしてその怠惰に身を委ねれば、その沈黙が過去になる未来できっと彼女達は後悔する。
彼女は――クールなロリスキーは、あらん限りの勇気の在庫を開放し端を開いた。

「ねえ、こなた……」
「かがみんはさ、やさしいよね」

3312惨劇『孤城への帰還』(前編):2008/04/08(火) 11:38:23 ID:hK0lCmbY0
なんと間が悪いのか、と思わざるを得ない。
ほぼ同時だった、というよりは『彼女』の――地図氏の方が意図的に言葉を被せた様に思える。
「普通ドン引きものだよ、あんなもの見たら。オヴェェェェって、Oweeeeeってなるよ」
「そ、そんなことある訳無いに決まってるでしょ! こなたがハチャメチャなのは、出会ったときから分かってることなんだし、
 いまさらドンパチの一つ二つ追加で見せられたところで、ぜ、全然大したこと無いんだからね!
 それに、私だって、こ、こなたの血を飲んだときに、そのぅ……」
思い出すのはランチタイム。濃密に抉り取り耽美に削ぎ落とし下品に食い散らかした血肉の試食会。
いくら『彼女』がマーダーであったとしても、今の彼女にはそれに目を瞑る権利があった。
彼女と『彼女』。互いを貪り合うというもっとも本能的且つ理性的な行為によって、吸血姫は『彼女』の傍という立場を獲得した。
「あ、あはははは……無理しちゃって。うん、やっぱりかがみんはそうであってこそのかがみんだよねえ。
 すごくうれしいよ、かがみん。なんか、こう、愛されてるなーってのがすごく分かるよ」
彼女と対等に立ち、隷属本能など無い掛け値無しの愛情を五感以外の全てで感じ取る『彼女』。
だからこそ、『彼女』には泉こなたの相としての地図氏にはそれが痛々しくてたまらない。
「ごめん。かがみん……私には、私にはもったいなさ過ぎるよ。私はかがみんの、ロリスキーさんの愛を受け止めきれない」
「こなた……?」
その名を呟く彼女は、掛けられたシーツ越しに『彼女』の肩が震えていることに気づいた。
「本当に、ロリスキーさんは泉こなたを超えて、純粋に私を100%全開で愛してくれている。
 でもそれはね、ロリスキーさんと『かがみん』が限りなくシンクロしてるからできる愛情なの。
 私はそれができない。私の愛は、ドSが全部持って行っちゃったから。愛しきれない。
 何処かでこなたというキャラから一歩退いている私は、せいぜい泉こなたの50%しか柊かがみを、クールなロリスキーを愛せない」
いつの間にか、『彼女』の口調が長門ベクトルへと微かに変わっている。彼女は黙しただ先を待つしかない。
「私は、地球破壊爆弾。そして地図氏だから……書き手としての色が強すぎる私は、こなたになりきれない」
地図氏。パロロワ界では知らぬもののほうが少ない書き手の中の書き手。
おそらく死後英霊の座にいけるんじゃないかと思えるほどの逸話を数多く持った『彼女』は、
少なくともロリスキーと比較して、裏側に根差す真なる対主催として、なりきり以外の個性を多く確保している。
だからこそ、『彼女』は泉こなたである前に地図氏であり……
なりきりによって柊かがみと同化の域にまで達したクールなロリスキーでは放出できる愛情量に限界がある。
どれだけロリスキーに愛情を注ごうが、それが地図氏である以上何処かに道化の香りが微かに残ってしまう。
したらば孔明とはまったく逆の意味合い。幾ら愛したくても地図氏は地図氏である以上全力で彼女を愛せない。
『なりきり』が生み出した負の効果と言えてしまうのはなんとも皮肉としか言いようが無い喜劇だ。
「私にはそれが、すごく辛い。
 吸血姫になって、一人前になっちゃえば勝手に醒めて、離れて言ってくれると思ったんだけどさ。
 ロリスキーさん筋金入りだもんねー。やっぱ、こういうのは口で言わないと駄目なんだよね、やっぱ」

3313惨劇『孤城への帰還』(前編):2008/04/08(火) 11:38:47 ID:hK0lCmbY0
ベッドのからムクリと起き上がり、『彼女』は誠実だけを寄る辺にその言葉を告げようと彼女のほうへ向く。
「だからね? 私の悪行ざざっと見てちょうどいい機会だしさ……出来ればここでムグッ」
振り向いて彼女に告げようとした別れの言葉は、彼女の体に覆い隠された。
胸で窒息などというベタなことは物理的にも無いが、
ほとんど意味の無い薄絹だけしか纏ってない彼女の柔らかな肌の感触と、少女特有の甘い匂いが『彼女』の言葉を塞き止める。
「…………そんなの、知ったことじゃないわよ」
覆われていない耳が、彼女の言葉を受け取る。吐息が髪を湿らせる。
「あんた、言ってくれたわよね。好きだって、私とずっと一緒に居たいって」
「そんなこともいったね。うん。言えば、きっともっと愛せるかと思ったけど、無理だった」
『彼女』はあの言葉を口にした舌を口内で転がして、余韻を思い出そうとする。
口にすれば、きっと真実になる。泉こなたにもっと感情移入できる……ああ、なんという矛盾なのだろう。
そういう計算が組み込まれている時点で、限界を提示しているようなものなのだ。
「そんなの関係ない! アンタがなんでそんなことを言ったのかとかが聞きたい訳じゃない!!」
「ロリスキー……」
「……うれしかったんだよ? すごく。本当に嬉しかった。
 その言葉が、こなたから出たかどうかなんて、どうでもいい。
 その言葉の後ろにどれだけの嘘があったとしても、私はとても嬉しかった……それだけは本当よ。地球破壊爆弾……」
それは柊かがみとしての愛情だ。ロリスキーという個性が摩滅しているだけだと揶揄されるかもしれない。
それでも、今目の前の人を愛しているという事実の前には、些細なことにしか成り得ない。
「愛してあげる。私があなたを愛してあげる。あなたがこなたの50%しか愛せないならそれでいいの。
 それがあなたの100%なら、私はそれでいい。私が150%愛してあげるから……!!」
「か…………かがみん……かがみん」
その言霊を紡ぐ。嗤うしかない。『彼女』はこれだけ愛されても彼女を愛せないのだ。
しかし無常にも滑稽にもそんな『彼女』を彼女は愛するという。どこまで捩れた喜劇なのだろう。

3314惨劇『孤城への帰還』(前編):2008/04/08(火) 11:39:09 ID:hK0lCmbY0
「かがみん、むっちゃクサい台詞だね、それ……」
「!……言わないでよ。いまさらなんか恥ずかしくなって来たじゃない」
ああ、でも、それでも環は繋がっている。
二人は歪な愛のサイクルを完成させている。
「むっちゃクサい台詞だよね……それ」
「だからなんでもう一回いうのよ!!」
「大事なことなので二回言いました」
ああ、こうやって真っ直ぐな気持ちに斜に答えてしまうのはどうしようもなく『彼女』の業か。
だが例え、愛せないとしても……この環は繋がっていてほしい。夢を見ていたい。
少しでも長く、少しでも太く続いていきたい。そう『彼女』は淡く願う。
これを愛と呼べない『彼女』は、どれだけキャラとして哀れなのだろう。
「でも私もやっぱ変だったわ。なんか、こう、気分が必要以上に敏感になってた感じ」
「あー、それはね、きっと揃ったからだね」
テレを隠すように言う彼女に、『彼女』はさも当然という風に答えた。
「何が? ……って、あんたまた自分だけ地図見たんでしょ!!」
「なんという濡れ衣。反論せざるを得ない。私にもビビッと来てたんだよかがみん。
 彼方からこなたに届いたのさ。私たちが、らきすたメンバーがフルに揃っちゃったってイメージが」
「はあ? ……って、まさかつかさとみゆき……」
彼女がそこに至る瞬間、鈍い呻き声が夜族の耳に微かに聞こえる。
「何……ってこなた!?」
「ちょっと見てくるよ。かがみんはそこにいて〜〜〜」
そういっていつの間にか素早く扉を潜る『彼女』をみて、彼女もまた自らの衣服を気にすることを忘却しベットより降りた。

欠落した過去はこうして埋まり、惨劇の開幕を告げる。

3315惨劇『孤城への帰還』(前編):2008/04/08(火) 11:40:05 ID:hK0lCmbY0
・幕開『デモン・ザ・ラーズグリーズ』

死者を慰める弔辞と封縛の宣告は、恙なく終了した。
それを軽妙洒脱な音楽でも聴くかのように、彼女は手を耳に当てて思い出していた。
自らが手にかけた幾人かの人物の名に対し、恍惚の一歩手前の愉悦を見せる。
嗚呼、どうか悲しまないでおくれ。決して君たちに非があったわけではないのだから。
嗚呼、どうか嘆かないでおくれ。君たちの死は決して無駄ではないのだから。
嗚呼、どうか嘆いておくれ。これより流す阿鼻叫喚を、死せる君たちに捧げよう。

嗚呼、どうかもう少し待ってておくれ。全ての怨嗟を拠り集め、大輪と成して愛する君に捧げよう。

黒き翼の少女は蕩々と語る。そこにいた男が尋ねた。何故だ――――と。
少女はその三文字で意図を掴み、少しだけ含めてから言った。
「何故か? そうだね、確かに私の行為は理から外れている。
 あの状況……時間逆行によるアリバイを完成させたウッカリデス殺人事件。
 一見ロワの華である疑心暗鬼の咲き乱れで、地図氏を包囲する状況が完成されている様に見えるが実際はそうではない」
少女は自分が病院に仕掛けた罠を思い返し、味を確かめるかのように言った。
「まず確実に僕が問答無用で怪しい、というのが初手からしてダメだ。
 彼ら五人で完成された概念としてのクローズドサークルにおいて、私は相対的に唯一のマレビトとして位置づけされる。
 その後、事件が発生した……これでは私が犯人であるなしに関わらず、
 外部から私の介入したことによって誘発した結果としてあの事件があるということに他ならない。
 かみ砕いて言えば、私がこの殺人事件に確実に関わっていることは疑いようがないんだよ。
 例え本当に地図氏がウッカリデスを殺していたとしてもね。少なくとも容疑者のマークは絶対に外れない」
街路を照らす人工の光が彼女の髪を透かし、銀が美しく輝いた。
「そして、何より致命的なのが……アーカードのキャラを持つ書き手が二人もいるということだ。
 血は魂の貨幣、意思の疎通也とはよく言ったものだ。
 何のことはない、彼らのどちらかがウッカリデスの血を吸えばそれで一切合切の全てに片が付く……」
見も蓋もないが、それは歴然たる事実だ。既にあの病院にはそういう『条件』が付随している。
血を吸えば終わる疑心暗鬼なんて、茶番以外の何者ではない。
そして彼らは『書き手』だ。

3316惨劇『孤城への帰還』(前編):2008/04/08(火) 11:41:26 ID:hK0lCmbY0
メタ視点にて大小様々な疑心暗鬼を生み出してきた彼らにしてみれば、彼女が作った即興戯曲は出来の悪い三文芝居以下だろう。
「勘違いしないでほしいのは、決して私は過ちを打ったつもりはないということ。
 現に、疑心暗鬼の要素として大雑把に過ぎる脳内補完には退場してもらったしね。
 ただ、うん。もう放送も三回になって嫌でも痛感していると思うけど……このロワは疑心暗鬼を作るのに向いていない。
 まずチートによって推理役が真実に至るのが容易だ。この場合はアーカードの吸血。
 そしてまたチートによって犯人側がアリバイを作ることが出来ない。時止めが想定内にあるんだからアリバイもヘチマもない。
 そして、書き手としての視点を大なり小なり持ったキャラは疑心に強い耐性をもっているからねえ」
彼女は戯けるように苦笑し、男を和ませようとした。しかし男の貌は未だ凶相で彼女を見据えている。
「……以上の点を総括して考えれば、書き手ロワの疑心暗鬼には限界があるということだ。
 完成度の高い疑心暗鬼はどうしたって2話以上のリレーを成さなければ成立しないダブルアクション。
 この超展開上等の書き手ロワじゃ、それは致命的な遅さだ」
ちなみに、シングルアクションの疑心暗鬼はよほどの名文でもない限り発狂と大差ないので割愛する。
「シングルアクションで片が付くバトルやズガンの方が、分かりやすいからね。
 ま、以上のことは全部質問に対する答えになってないから聞き流してもいいよ。ここまで聞いてしまったらもう遅いかな?」
優雅な笑みの中に微かな童心が混ざり、不快にさせない嘲笑だった。
なにより、月光の中で笑う黒き天使はそれこそ月より降りてきたように美しい。
それを目の前にして不快感を顕わにするなど、目の前の男ぐらいだろう。

ごめんごめんと言うかのように舌を出し両手を合わせる彼女は、再び口を開いた。
「つまり私が言いたいのはね、『これらの条件を踏まえた上で尚、彼らに疑心暗鬼を与える理があるということなんだよ』」
男は眉根を微かに動かし、その言葉に知的な反応を示した。
「彼らは見事なまでにチートで、私程度が奇策を巡らした所で直ぐに看破できる。
 だが、罠を看破することと罠を回避することは同義ではない。致命的な隙が、確実に存在する」

踊るような言葉、歌う月光。月は仄かに紅く映える。

「彼らは、どうしようもなく書き手なんだ。それ故に『楽しむ』んだよ。そこにこそ私が付け入る本当の隙が存在する」

幕開きの響きを冷えた大気に感じながら……、獣の数字を冠したその少女は言った。

「では惨劇を、『本来の』孤城の主を始めようか……否、完全再現はオリジナルにこそ委ねられるべきか」
 なに、聊か遠いが対岸の火事というのも乙なものだ…………君も、ここで見ていき給え。天よ」

天と呼ばれた転は、ただ黙し目の前の異質を見つめる。その手にPS2のコントローラーを持ちながらというのが、皮肉といえば皮肉だった。

3317惨劇『孤城への帰還』(前編):2008/04/08(火) 11:42:06 ID:hK0lCmbY0
・発端『安易な万華鏡』

書き手ロワの会場の唯一の医療設備であるE8の病院。
本来病院とは生を司る場所ではなく、死を統制する場所の筈だ。
故にそこに死体が一つ出来たとて驚くに値する必要は微塵もない。
そこに放送が流れ、蔓延する死は疫病の如く外に溢れ返ることを伝える。
しかし、この場に集った4人の人間を先頭として全ての状況は外の死ではなく、その死体に向けて収束させられていた。
「地図氏ィィィィィィ!!!!!」
真っ先に均衡を打ち破ったのはやはり神行法を持ったDIE/SOULだった。
腕部限定で加速し片腕で竜殺しを打ち下ろす。長い刀身が病院の蛍光灯ごと天井を飴のように裂きながら目標へと向かう。
投影では間に合わないと即断した地球破壊爆弾は迷わずウッカリデスに突き刺さった剣を引き抜きながら長門へと姿を変える。
両腕で剣を支え鉄塊の如き断頭の一撃を凌いだ爆弾にダイソウは悪鬼羅刹の如き笑みを浮かべた。
その剣でその姿など、煽っているとしか思えない。
「回りくどいのは苦手だ。一回だけ聞いてやる。お前の仕業か?」
「否定。但し貴方が私の発言を肯定するかは別」
「だろうなあ!!」
両者が剣を弾き、半歩距離を開けて加速距離を作る。
神速と剣撃専門のダイソウが微かに早く攻撃に速度を乗せられたが、それは更なる声に遮られる。
「止めて!!!!」
遅れて現れたロリスキーに二人の剣が一瞬止まり、その間隙を縫って彼女は死線に割って入った。
二度目ということもあって最初から割り込まれることを想定していたのか、ダイソウは剣閃の軌道を幽かに反らし彼女を避ける。
凶眼にてダイソウがロリスキーを睨め付けるが、ロリスキーは毅然と……というには少々震えていながらもダイソウから視線を外さない。
「お前も一回だけだ。邪魔をするんじゃねえよ」
「ちょ、ダイソウさん落ち着いて!! こなたも、何しでかしたか知らないけど、喧嘩とかしない!!」
ロリスキーがダイソウを向きながら爆弾に声を掛ける。ロリスキーの背後に居た形になった爆弾は、いつの間にかこなたに戻っていた。
「酷いなあかがみん。こっちだって何がなにやらさっぱり」
「ほうほう、それは興味深い発言だ。死体の第一発見者とは思えない台詞だな」
ダイソウのマントの向こう側から、マダオが試すような口ぶりを示す。
その言葉にようやく状況を把握する程度に余裕を取り戻したロリスキーは、やっと自分の隣にある死体を認識した。
「う、ウッカリデス……なんなの? これってどういうことなの!?」
悪い冗談だと一笑に付してしまえたらどれほど楽だろうか。しかし、眼前の二人はそれを許さない。
「どうもこうもあるか。そこに死体があって、そこに凶器があって、それの使い手がいる。それだけで十分だろ」
「ウッカリデスは地図氏と話し合うと言って出て行ってな。我等も心配になって来て見ればこの有様だよ」
二人の目は鋭く、萎縮するロリスキーは思考を纏め上げるのにもしどろもどろになってしまう。
「そ、そんな……っていうかあれは? あの黒い奴が居たでしょ!?」
「彼女がそれを警告してくれてな。因みに、その鏡に映されたものも、彼女を介して見ていたよ」
あの惚気を見られたか! とロリスキーの体が一瞬強張るが、二人の反応を見る限りはどうにもそこは見ていないらしい。
いや、そんなことではなくて! 本当に問題にするべきはあの黒い天使だ。
「あんたらも見てたってことは、あの黒いのに会ったんでしょ!? 明らかに怪しいじゃない!!」
「確かに怪しすぎる。が、彼女が犯人だと考えると幾分安易に過ぎるだろう?」
「その剣は地図氏の投影できる品だ。態々量産可能な剣を一々他に支給するってのは考えにくい」

3318惨劇『孤城への帰還』(前編):2008/04/08(火) 11:43:03 ID:hK0lCmbY0
なんなんだろう、とロリスキーは思った。
確かに彼らの発言には一分の理があるが、それにしてもこれは変だ。
「それにな、ウッカリデスが君たちの部屋に向かってから私達が部屋を出るまでの間、彼女は私たちと一緒に居たのだよ。
 アリバイが成立しているのさ。これがな」
そうアリバイ説を語るマダオの笑みは幼女とはとても思えない嫌らしさに満ち溢れていた。
まるで、こなたが犯人であることをまず前提にして論理が組まれているとしかロリスキーには思えなかった。
「こなただって、今ついさっきまで私と一緒にいたのよ!! アリバイだっていうならこなただって同じ条件よ!!」
「いや〜〜、そうでもないよかがみん。ちょっち私たちのほうが不利かなあ」
フォローするはずの人物からの否定に、ロリスキーは気を呑んだ。
爆弾が部屋を出てからロリスキーが出てくるまで十秒もない。自分が見た事実は間違いないはずだ。
「知らねえのか? 『容疑者に親密な関係を持ってる奴の証言は参考程度にしかならねえんだよ』」
ダイソウの言葉にロリスキーは自らへも懐疑が生まれていることに気づく。
「わ、私が嘘をついてるっての? アンタらふざけるのも大概にしなさいよ!!」
「そこまでは言わんさ。だが、地図氏と濃密な蜜月を交えた君が彼女を庇う動機はあるだろう?」
マダオの煽るような口調の前に、ロリスキーは怒りというよりも悲しみのに近い苛立ちがあった。
「なんで、なんでそうやってこたなが犯人だって、決めつけてるのよ!? 私たち仲間じゃない!!」
「仲間だぁ? 勘違いすんなよ。偶さか利害が一致しただけの集団を仲間たぁ言わねえよ。それがぶっ壊れたかもしれねえからこうなってるんじゃねえか」
「ふん……多少乱暴な理屈ではあるが、私も同意見だ。それに個人的な感傷を言わせてもらえば、私も今しがた地図氏と殺しあう理由が出来たのでな」
ロリスキーは何のことだと頭を捻りそうになるが、直ぐに理由に思い至った。
彼らも『彼女』の記憶を見ていたのなら、漫画ロワのマダオには『彼女』に憎悪を抱く資格がある。
「だからって、今のこなたはマーダーなんかじゃない!! 私がそんなことさせないって言ったでしょ!!」
「現に死体が一つ出た……どちらにせよ、全員で脱出する君の夢はもうおしまいだよ」
「フン……この段でもこなたこなたか。これじゃウッカリデスの奴も浮かばれないだろうぜ」
吐き捨てるように言うダイソウを見ても、ロリスキーにはなんのことだかさっぱり分からない。
その様を見て、ますます複雑な顔をマダオは見せる。

3319惨劇『孤城への帰還』(前編):2008/04/08(火) 11:43:34 ID:hK0lCmbY0
ロリスキーには何が何だか分からなかった。『彼女』は彼女の背中を見つめるばかりで、眼前の二人は鼻から『彼女』を犯人だと決めつけている。
(なんでよ! なんでみんなしてこなたを虐めるの!? こなたが無差別マーダーだから? ジョーカーかもしれないから? アーカードだから!?
 そんなのおかしいよ! だって、それ全部こなたの思いが入っていないじゃない!! こなたの立ち位置ばっかり見て、こなたがどう思ってるかを考えてないじゃない!!)
『彼女』は地図氏だから……それだけで疑う理由になってしまう。彼らの懐疑はそこに『彼女』の殺意を考慮していない。
それはおかしいのではないか、理不尽ではないか。そうロリスキーは本気で思っていた。
なぜこんなことになってしまうのか。ファミレスなりここなり今までも彼らに脅されたことは何度もあったが、ここまでひどい状況には至っていないはずだ。
(ウッカリデス……なんで死んじゃったのよ?)
そうかと、彼女は心中で納得した。いつもは自分をフォローしてくれていたウッカリデスが今はいないのだ。
いつも自分とこなたを擁護してくれたウッカリデスが、今はもういない。
もし、もしここにいてくれたらどれだけ有難いことかと切に悔やむ。
それがどれだけ自分に都合のいい妄想で、ウッカリデスを仲間か道具としか思っていないと揶揄されても仕方のない発想だとは彼女には気付かない。
ウッカリデスが自分に抱いていた感情を友情としか思っていない彼女は、どこまでも理不尽に、ウッカリデスが廊下にでた理由にすら思い至らない。

「ウッカリデス……どうして死んじゃったのよ、ウッカリデス……!!」

盲目にこなたの方を向き続けた彼女もまた罪人だ。見つめるばかりで、見つめられる意思に気づきもしない。
だからこそ、その向こうから現れた人物に疑いすらしなかった。

黒一色に染まるマントとスーツ。
最近黒というとすぐ熱血王子かジョーカーかと疑いたくなるが、まったく別の人物だ。
そして、ここに集った四人はすぐに知る。その黒衣が、自分たちが見、慣れ親しんだものだと。
「あ、う……」
なぜならそれは、今しがた騒乱の中心点に存在する人物の装束だったのだから。
黒装束に仮面を纏わないその姿は、素顔からはっきりとルルーシュ・ランペルージであると理解できる。

「ウッカリデス!!」

縋るようなロリスキーの表情を見て、『彼』は獲物を狩る獣のような……心底ルルーシュ然とした瞳を見せた。

3320惨劇『孤城への帰還』(前編):2008/04/08(火) 11:44:12 ID:hK0lCmbY0
・謀略『スルーミスディレクション』

666が失せた病院の入口に、一人の男が突如出現した。
草加雅人こと仮面ライダー書き手その人である。すでにその姿は仮面ライダーベルデとなっていた。
「……どうやらあのユーゼス(笑)は失せたようだな。特等席と抜かしながら座を退くとは、何かあったか?」
クリアベントを解除し、再び草加に戻るライダー書き手。町中に消えたと見せかけてカードを用い、周囲を哨戒した後に改めてここに戻ってきたのだ。
666の誘いを蹴った男が、何故ここにいるのか。
「言っただろう。完全スルーすると。ならば俺は666の介入を無視した上で行動するのが上策だ」
彼はある種の明確な動機をもってこの病院に訪れている。
もしこのまま去れば、666と出会ったことによって彼はここを去ったことになり、
スルーどころか180度方針を反転したことになって介入の直撃を受けたことに等しい。
それに、開幕の号砲などという言葉で隠していたが、666は確実にマーダー側の戦力も削ることを狙っている。
惨劇を引き起こすことだけが目的ならば、あの龍を殺すことは百害あっても一利はないからだ。
マーダーの戦力と対主催の戦力を均等に減らしパワーバランスを取る……自分を偽悪者などと嘯く馬鹿がいかにも手を出しそうなことである。
(それを否定するつもりはないが、そういう曖昧な態度をとるキャラは大半が書き手に都合よくこき使われて用済みになったら捨てられるのがオチだ。
 自覚しようもない分『なりきり』よりも性質が悪い。危険な対主催……書き手がキャラを弄ぶ便利な時代になったもんだ)
通常のパロロワならばキャラが都合よく駒として扱われることに異論は挟まないが、これは書き手ロワだ。自分がその位置に立つのは面白くない。
自分の確たる意思を、一貫してとり続けることをキャラとして選んだ草加は思考を現状に向けた。
(ホテル組は全員生存……どうやら孔明が上手くやっていると判断していいだろ。
 ククク……コ・ホンブックの錬金術、如何ほどのものになっている事やら)
そう、彼には愚直なまでの真っ直ぐな動機が一本筋として揃っている。
まとめキングへの愛情、その一点においてこの仕事はフイにするには少々惜しい。
一人の少女を食らうだけで対価としての『人体錬成』にて彼の人は甦る。優勝に比べれば魅力的というだけでは収まらない話だ。
約定を反故にしてコ・ホンブックごと手にする手も無くはないが、wikiがある限り孔明には手を出しにくい。
ステルスという俺の立場を一気に吹き飛ばすことができるからだ。
「そしてなにより、俺にはそれを成すだけの力が……コピーベントがあるからな」
そう呟きながらも再びクリアベントを発動し、ベルデは病院に足を踏み入れた。
すぐに剣戟音を聞きつけて現場へと到着し、ベルデは透明化していることを踏まえてもなお、念のために壁からビハインドで状況を覗き見る。
ガッツと泉こなたの間に立つ柊かがみ。そして一歩離れた所にいるロリカード。
そして剣を引き抜かれだらしなく崩れた、ルルーシュの死体。状況を把握するにはそれだけで十分だった。
(大方あれもあのユーゼス(笑)の仕業か。
 航空速度と病院の経路から考えて、屋上から空気王とやらが入ってきてこの一階にくるにはもう少し時間がかかるはず。
 しかし、早く仕事を片付けて離脱するに越したことはない、か)
数秒勘案して、ベルデはその妙手に思い至った。
孔明から見せてもらったwikiから彼らの関係は瞬時に把握できた彼は、この状況下においてもっとも有効な手段を選び出す。

――COPY VENT――

本名しか名乗れない不死者の制約を抱えたままあのイカれた闘争連中に近づいてロリスキーを喰うのは至難。ならば『ロリスキーに近づいてもらえばいい』のだ。
予想通りライダー以外の物にもチェンジできたようで、変身を遂げた仮面ライダー書き手は手近な窓に映る自分を見る。
かすかに口を歪める自分が、支給品の仮面以外の全てを模倣したルルーシュ、ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアがそこに映っていた。

3321惨劇『孤城への帰還』(中編):2008/04/08(火) 11:45:17 ID:hK0lCmbY0
・撃鉄『錯綜ディセラレイト』

DIE/SOULはロリスキーと向かい合う自分に対し、少しばかりの嫌悪を抱いた。
さすがに涙目になった生娘の感情を間近でぶつけられるのはガッツとして少々辛いものがある。
(なんでこんなにマジになってんだか……ちょちょいと二、三回ぶった切らせてくれりゃそれで矛を収めるに決まってるだろが)
少しばかり興が乗りすぎたか、と思うが易々と剣を振り下ろす気にはなれない。
はいそうですかと簡単に取り下げるほど、自分の剣を安いとは見積もっていなかった。
地図氏がやった可能性は十分にある。剣を交えたことのあるダイソウは客観的に見てそう判断している。
気分屋のようにコロコロと思考を変える地図氏ならば心情的にもあり得ない話ではなく、物理的にもこの短時間で殺すだけの実力を地図氏は持っているのだから。
だが、その一方で明らかに怪しい666をマークから外すほど馬鹿にもなりきれない。
むしろ怪しさから言えば明らかに黒だ。アリバイがあるとはいえ、マダオがザ・ワールドを使えるのだからそんなものにどれ程の価値があるのか。
そこでダイソウが思ったのは……地図氏を合法的に斬りつけるいい機会だということだった。
幾ら他者に押し留められていても、彼が潜在的に持つ地図氏への懐疑・不満は蓄積し続けている。
一度どこかでガス抜きをしなければ、後々スッキリしないことになると判断していたのだ。
この状況はそんなダイソウにとって渡りに船だった。二三回ほど挽肉にしてしまえば鬱憤も晴れる。
マダオが教えてくれた、非常に簡単な理屈だった。
だからこそ、ロリスキーの空気の読めなさは少々面倒だ。まさか自分が地図氏を殺しつくすとでも思っているのだろうか。
(冗談抜かせ。本気で殺すならマダオが後ろでぼけっとしてる訳ねえだろが……
 大体、俺が本気で殺ると察したら、奴が殺されるまで黙って突っ立ってるようなタマかよ)
既に初期条件からして茶番のこの状況で、自体に本気でめり込んでいるのはロリスキーだけだ。こなたを思うあまり周りが見えなくなっているとしか思えない。
ドッキリカメラの看板を上げるタイミングを逸したきらいが否めない、そんなむず痒い不快感だった。
義手があればもう一本の手でロリスキーを払ってしまえばいいのだが……マダオめ、楽しんでやがるな。
そんなことを考えていた時、ロリスキーが自分から目を背けたことに気づいた。
釣られたように同じ方向を向いて、そこに何があったかを理解することができなかった。
ゆっくりと、そこに置かれた死体を見つめ直し、その衣服が同じものであることを理解するのに数秒。

「ウッカリデス!!」

八割を理解して、ダイソウが再び振り向いた時には彼の時すでに遅し。
ロリスキーは彼方の向こう、悪魔の許へと走っていた。

3322惨劇『孤城への帰還』(中編):2008/04/08(火) 11:45:47 ID:hK0lCmbY0
「彼らは書き手だ。どうしようもなく書き手だ。だからこそ、疑心暗鬼のフラグがどれほど脆く儚いか知っている。
 そして書き手だからこそ、それが無残に折ることが出来ない。路傍の儚い花を愛おしいと思うように見過ごすことができず、愛でてしまう。
 彼らは、分かっていてもこのフラグを無視することができないんだよ。安い疑心暗鬼だからこそ、彼らはより大事にそれを扱ってしまう」



マダオは走るロリスキーと、その向こうのルルーシュを見ながら疑問を提示せざるを得なかった。
ダイソウとは違い、あのルルーシュがウッカリデスとは別人の、悪意ある誰かであることはすぐに見当がついた。
もともと彼はこの状況下においてもっとも客観的な視点を有しており、過熱した結果不慮のアクシデントが起きぬよう見に回っていたのだ。
状況に対し、彼はほぼダイソウと同じ認識といって差支えない。ダイソウよりも666を疑っていたほどだ。
同じアーカードとしての立場に立てば、ウッカリデスは地図氏にとって愛でるべき種ではあっても殺すに値する資格を有してはいない。
ハッキリいって、殺す動機は殺すモチベーションがなければアーカードは動かない。オーダーが下されれば別ではあろうが。
そんなマダオがこの状況を、鬱フラグの消化及び結束の強化の機会と捉えた。
5人もの大規模パーティでありながら、地図氏とロリスキー・自分とダイソウ・そしてその中間で橋を渡すウッカリデスという構図。
組織内に隔たるこの壁は、いずれ壊さなければ完全なる熱血展開には運べないと思っていた。
そしてウッカリデスが死んでしまった今、このままでは彼らは橋を失い完全に隔絶してしまう。
そうなる前に一度ぶつかり、仲間の結束を高めなければならないと判断したマダオは、666が仕掛けた状況を奇貨とした。
ウッカリデスを軽視するわけではないが、まだこのパーティは戦力を維持している。
しかしそれが空中分解してしまえば、熱血どころではない。個別に鬱展開を仕掛けられて、圧殺されるだろう。
ならばこの比較的安全な疑心暗鬼フラグをあえて素早く消化することで、
余計な茶々が入らない今の内に立て直しを図る……それがマダオの策略だった。
だからこそマダオはかがみを煽りながらも、周囲に気を配り介入に警戒していたのだ。
吸血鬼であるマダオは既に第三の眼にて何者かが周囲を窺っていることには気づいていた。
そして、予想通りノコノコ現れた所を蹂躙して一件落着させるつもりだったのだが、
ステルスを解除して現れた人物の姿だけは、予想できなかった。

3323惨劇『孤城への帰還』(中編):2008/04/08(火) 11:46:20 ID:hK0lCmbY0
(何故だ。なぜ敢えてウッカリデスに化ける。既にここに死体があるのだぞ?
 ステルスで踏み込むにしてももっと上手い化け方があるはずだ。ならば一体?)
今ついさっき出来た目の前の死体の人物に化けるステルスなど聞いたことがない。
ましてやロリスキーは不死者であり吸血姫。三人が攻撃に転じる僅かな時間に殺し切ることなど出来はしない。
奇想天外な一手にマダオは脳裏を揺さぶられ、まったく別の疑心暗鬼へと落ちる。
むろん、アーカードであるマダオの耐性はずば抜けており、数秒の時を経て直ぐに答えを得た。
しかしその数秒こそが明暗を大きく隔てるのもまた事実。
「不味い! 地図氏、あのルルーシュを潰せ!! 666の狙いはウッカリデスではなくロリスキーだ!!」
これは完全にミスだったと言っていいだろう。自分がザ・ワールドを使ってしまえば鏖殺は瞬く間に完了したはずだ。
だが、熱血をベースとする漫画ロワのマダオは、この状況において最高の熱血展開を希求してしまった。
ロリスキーを間一髪で救う地図氏という、一番熱い手段を。
だが、それだけならばミスにはなり得ない。あの地図氏ならば自分が至った結論にとっくに至っているはずだし、
スーパーキョンタイムで十分に阻止する時間があるはずだ。だが、

「だめ…………いかないで、かがみん……」

まるで処女のような鳴き声を響かせながら、『彼女』の幼い声帯は大きく震えている。
マダオがその地図氏らしからぬ様を見惚れるように目が離せない。
その間にもロリスキーはルルーシュの腕に収まり、彼女の頭部はすっぽりと彼の右手の射程内に収まっていた。


「種だけでよかったんだよ。優秀な書き手たちの傍で蒔けば、例えどんな実が成ろうと確実に良いものが生るからね。
 そして、草加である彼がその果実を見逃すはずがない。万が一見逃された時は、首根っこ捕まえて飛ばせば済むんだからねえ……」

3324惨劇『孤城への帰還』(中編):2008/04/08(火) 11:47:00 ID:hK0lCmbY0
ウッカリデスに自らを偽装した仮面ライダー書き手は、
自らの計略にものの見事にはまっていく有象無象を見て、内心歓喜に打ち震えていた。
wikiによりかれらの因果関係はハッキリしている。
そこから地図氏&ロリスキーとマダオ&ダイソウの二極対立の構造を理解した彼が選んだのは、
対立の原因であるウッカリデスの死を無意味にすることだった。
S級の戦闘スキル持ち複数相手に長々とステルスをするのは自殺行為。
だから一瞬のインパクトを重視する。一瞬でも隙を作ることができれば、ロリスキーは自分を確かめにくるはずだ。
ウッカリデスの死さえなければ、彼等の関係は維持される。地図氏への糾弾が収まる。
ダイソウとマダオから追い詰められたロリスキーが、その甘い幻想に縋らない筈がない。
(計画通り……!!)
そうして吸血姫は毒蛾の繭にかかり、ベルデの掌中に収まった。
仮初のハッピーエンドの中でロリスキーの泣きじゃくる声が聞こえる。
餓鬼の泣き声の鬱陶しさによる不快とコ・ホンブック同様自分を慕ってくれているような快が綯い交ぜになった感情を持ちながら、
ベルデはそっとロリスキーの顎を上げさせ、指でそっと涙を拭ってやる。
救いを仰ぎ見るような純粋少女を前にして、ベルデの右手は優しく彼女を愛でる様に撫でる。

「仮面ライダー書き手が命じる。クールなロリスキー」
不死者同士は名を偽ってはならない。
その不死者の制約に臆することもなく、本名にて宣誓を告げた。
さながらあのルルーシュのギアスと同じように。
最後の一呼吸の前に、ベルデは地図氏を見る。
とても孔明が警告したような人物に思えないほどに、その表情には苦悶の感情が吹き溢れていた。
ようやく意を決したのか踏み出せない最初の一歩を持ち上げた地図氏を目の前にして、ベルデは最高のタイミングを確信した。

「だめ! かがみん、いっちゃやだッ!!」
「全力で喰われろッ!!」
「出でよ、覇龍―――――」

ベルデが、その宣言をした一瞬のことだった。劈くような平野ボイスが響いた瞬間だった。
全長30mにも届くかという巨大な龍が、病院を縦に潰したのは。

「轟覇、機神拳!!」

3325惨劇『孤城への帰還』(中編):2008/04/08(火) 11:47:35 ID:hK0lCmbY0
・空気『フォルカ無双』

病院の屋上に降り立った予約被りに定評のあるtu4は自身の空気ステルスによって確実に誰一人とて悟られることなく侵入した。
「皮肉っちゃ皮肉よね……あんたがいたらこんなステルスシェードは出来なかったわ。
 目立つあんたがいないとなったら、速攻で空気を利用するなんて……少し厭な女かもね」
そういいながら自嘲するtu4。脳内補完の死を悼む一方で、
脳内補完がいなくなったら持ち前のステルスを十全に生かす自分の冷徹さ。笑いたくなるもの人情だ。
一歩一歩進む中で、彼女は下から言いようのない空気を感じていた。
アーカードが発する、特有の気配。そして、それに混じる入り乱れた感情の混線。
この階下にて、何か大きな祭りの匂いが充満しているのは間違いなかった。
それに介入するというのは、実に目立てる。さらにアーカードの首級を獲ろうものなら倍率ドンさらに倍。
確率変動でフィーバー間違いなしである。逆に言えば、これで空気になるならもうオワタ確定ということでもあるが。
エレベータ死亡フラグの基本法則に則り、階段を降りるtu4。
後何階降りなきゃいけないのだろうか、考えたくもなかった。
そろそろイライラしてエレベータ使っちまうか、と考え出したとき、隣にいたスーパーかがみんが突如実体化した。
「まっずいわ!! 急いでとっとと下に降りなさいよ!! べ、別に私が急ぎたい訳じゃないんだからモルスァ」
「だまらっしゃいこの浮遊キャラが!
 ここでエレベータ使ったら今まで「ありのまま(ry」バリに階段を何段も下りてきた私のふくらはぎと
 足の裏の痛みの立場ないじゃない!! せめて湿布を差出しエロマッサージするくらいの心意気を見せなさい!!」
迷わず親指と人差し指の間をかがみの眉間に打ち付けるtu4。ヤンデレってやっぱ怖い。
「いだいいだい虎口拳決めないで虎口拳決めないで。って、そんな馬鹿なことやってる場合じゃないの!!
 かがみが、かがみが大変なの……ってイタい奴見るような目ェすんな! 私じゃないっての。
 かがみになりきってる参加者がいるのよ、そいつがやばいの!!」
スーパーかがみんを落ち着かせて(主に性的な意味で)、彼女は大体の事を簡潔に聞いた。
要するに同じのがいるから助けてほしいと、そういうことか。
「か、勘違いしないでよね。私が殺すんだから、そんな簡単に死なれちゃ困るってだけなんだから!」
うわー、こいつべジータ系のツンデレも完備かよ。
「そんなの私に頼まなくても自分でさっさと行けばいいじゃない。あんた何のためのアルターだっての」
「駄目なのよ。その傍になんかこなたがいるっぽくて、私の、その、触手とかスタンドとか、見せるの恥ずかしいっていうか……」
「死ね」
「ああッ! サミングは反則反則ゥ!!」

3326惨劇『孤城への帰還』(中編):2008/04/08(火) 11:48:03 ID:hK0lCmbY0
適当にぶん殴ってからtu4は足元の床を見た。こいつの頼みは別にしても、いい加減階段を下りるのも飽きた。
このまま降りていってもずっとポルナレフループな可能性も否めない。
ならば、とっとと降りてしまったほうがいい。
「じゃあ早速エレベータに……って、なんで床のほうばっか向いてるの?」
「めんどいから、直接降りるわ」
そういいながら、tu4は軽く深呼吸して気をためた。
両目の開眼とともに、足元に亀裂が走る。
「フォルカ……新たなる修羅王としての力、この私の中で存分に振るいなさい……奥義・闘鬼転生!!」
そういって、彼女は気を蓄えた拳を地面に打ち付けた。
最後の空気王たる彼女の中に含まれる、フォルカ・アルバーグ。
機体・システム的にも反則な彼だが、そんなものは序の口である。
OG外伝では日の目を見ることはなかったが、スパロワにて知っている人は知っているだろう。
代々の修羅王にのみ使うことの出来る、究極奥義『闘鬼転生』。
自身が心に刻み付けた戦士達のその力を体現化する究極の奥義。
敵キャラが使えば「ああ、再生怪人の量産ね」で済むが、これを味方側が使うなら大層なインチキである。
実際スパロワでは死んだ参加者約60人の懐かしメドレーが繰り広げられていた。
tu4によって発動したこの技によって、ひとつの影が浮かび上がる。
スパロワフォルカにあやかって空気王としての能力を拡大解釈しありとあらゆる空気キャラを出現させてもよかったのだが、
大半の空気キャラというのはやはりどうしても弱く、出てきたところでフォルカ級の猛者は少ない。
(それに、なーんかこの手合いの能力につい最近誰か覚醒したような気がするのよねー。
 二番煎じになっても、それはそれで空気技になりかねないわ)
それに覚醒したのが自分が闘った同門のバトルマスターであることなど露知らず、
tu4はあくまで通常の闘鬼転生を展開し『心に刻んだ仲間』をここに召還する。
彼女の心に去来するのはつい先ほどの死闘。
最後まで自分を愛し、血路を切り開いてくれたこの世界での唯一といってもいい戦友。
(あんたも、ここで暴れたかったのよね……その願い、私が叶えてあげる)
「出なさい! King of 脳内補完!!」
強烈な光の中から現れたのは、巨大なギャラドスだった。
そしてその頭部に接続された上半身は、首輪こそ無いものの紛れも無く彼そのもの。
彼女の願いに呼応しここに現出された脳内補完は、彼女が刻んだ心象……つまりギャラドスとの合成verだった。
脳内補完は無言のまま、彼女と見つめあった。
能力の性質上脳内補完は喋ることも出来ないが、その瞳はこの手の能力にありがちな死んだ眼をしていない。
まだ闘える。まだ共に戦場へと飛ぶことが出来ると雄弁に語っていた。
その全てを了解し、彼女が右手を脳内補完に差し出すと龍は再び光の粒となって腕を包み、
再び現れたそこには、轟級ヤルダバオトの如き龍の手甲が装備されていた。
一々何度も召還するよりも、自らのフォルカ装備として武器と変えたほうが効率がよい。
それに何よりも、これならば常に共に闘える。
「いくわよ、脳内補完……残りの階全部ぶち抜いて体当たりよ!!」
tu4が声と共に右手を大きく突き上げると、彼女の周りを青い闘気がそこから迸る。

「出でよ、覇龍!!」

その言葉と共に右手よりギャラドスの形を模した龍の気が現われ、天井をぶち抜く。
そして十分な高さを確保した瞬間、反転してギャラドスが垂直に病院へと舞い降りる。

「轟覇、機神拳!!」

ヤルダバオトの奥の手が今、空気王の名の下に病院へと下された。

3327惨劇『孤城への帰還』(後編):2008/04/08(火) 11:49:15 ID:hK0lCmbY0
・終点『そして主は血塗られた玉座へと舞い戻る』

突如として崩れた病院は月光に曝される。しかし、舞い上がる膨大な粉塵はそれを覆い隠していた。
その中からガラリと瓦礫が崩れ、大きな影と小さな影が現われた。
ダイソウは無理やり瓦礫を吹き飛ばし、マダオはずるずると液状化した自分を再びロリカードに戻す。
「クソッタレが……何が起きた!?」
「上空からの一撃だな。しかし、あれほどでかい龍とは……まさか実寸サイズのスーパーロボットでも支給されているのか?」
ぶつくさいいながら周囲を見渡すが、もうもうと立ち上がる砂塵で判別もままならない。
とりあえずロリスキーの安全を確保しようと動こうとしたとき、ダイソウの前にごとりと鈍い音を立てて何かが落ちた。
「次は何だ……って、こいつは!!」
驚愕に眼を見開くダイソウ。それも無理からぬことであった。
その場に落とされたそれは、彼が病院にまで来てでも欲したもの……ガッツの義手であった。
一体なんでこのタイミングでそれが現われるのか。明らかな必然性を前にして、マダオが口を開いた。
「可能性は考えていたが……貴様が持っていたのか。地図氏よ」
その言葉に反応し、ダイソウは頭を上げた。粉塵の向こうにうっすらと影が写り、その独特のアホ毛がこなたのものだと教えている。
「あったり〜〜。最後の支給品はガッツの義手でした。ちゃんと砲弾も入ってるからだいじょぶだよ♪」
「手前……持っててたんなら最初っから言えよ、馬鹿野郎が」
愚痴を零しながらも義手を改めるダイソウ。見た限りでは細工もされていない、紛れも無い自分の義手だ。
「だって、最初にあったときは義手装備だったじゃん。予備も渡す意味無かったしねえ。それに……」
そうおどける爆弾の表情は煙に紛れて窺い知れない。
だが、声色が微かに変わるのだけは二人にもはっきり理解できた。
「それに、せっかくのお祭りに、完品で遊べないのは楽しくないもんね。
 …………喜べ、神行太保のDIE/SOUL。君の願いは漸く叶う」
一転して切り替わった譲治ボイスに、ダイソウは全身が総毛立った。
未だ姿はこなたのようだが、その発するオーラは、疑いようも無い吸血鬼のものへと転じている。
「そうか、そうなのだな。お前はその道を選ぶのだな」
マダオが全てを察したかのように爆弾に声をかける。
「んー、まあ、そういうことになるのかな。よかったじゃん。運がよければ熱血展開に持って行けるよ」
「随分萎えたようだな。……いいだろう、私も対主催展開の祭りに乗るは吝かではない。
 だが、始める前に答えろ。それがロリスキーの願いを無碍にすることだと知っての行為だろうな?」

3328惨劇『孤城への帰還』(後編):2008/04/08(火) 11:49:46 ID:hK0lCmbY0
再びこなたの声に戻った爆弾に、マダオは最終確認を取る。
「萎えたってのは、少し違うかな。ドSみたいな愛情なんて元から無いんだから。
 ただ、そうだねえ。失って初めて分かるポッカリ感ってのはあるかもね。
 あれがウッカリデスの偽者だと分かってても、やっぱ他の奴に獲られたら少しだけ部屋が広くなっちゃいましたって感じ。
 恋愛ごっこが終わって悲しいと思わなくは無いよ。
 まあ、でも、私はどこまで行っても地図氏で、みんなみたいに自由な恋愛も儘ならないから……いつかはこうなると思ってたしね」
「責務という奴か。やはりジョーカーか貴様?」
「想像に任せるよん。そんじゃ、最後にちょっと用事済ませてくるから、それまでに準備しててねー」
そういって、こなたの影は陽炎の如く掻き消えた。
「おい、マダオ……今の話は……」
ダイソウは、確認を取るかのように抽象的な疑問をマダオにたずねる。
しかしマダオはそれに答えることは無く、少しだけ悲しそうに呟く。
あの時彼が見た地球破壊爆弾の顔は嫉妬と喪失に満ち溢れていた。
皮肉にも偽者のウッカリデスは本物が得ることが出来なかったロリスキーを、ノスフェラトゥの心臓を奪うことに成功したのだ。
もっとも、そのロリスキーの愛は変わらずに爆弾に向いてはいたのだろうが。
「……それも愛だと、なぜ気づかないか。滑稽といえば滑稽だが」
その後闘争への愉悦を滾らせてマダオはダイソウに言った。
「こうなってしまってはどうにもならん。急いで義手を準備をしろ。一度始まれば、後は終わるまで止まらんぞ」
間近に迫った祭りに向けて、それを愉しむかのように。


草加の姿に戻ってしまった仮面ライダー書き手は苦しむように悶えていた。
何が、一体何が起きたというのか。突如舞い降りた一撃に何もかもをぶち壊された男は感情を振りまいて唸る。
「ぐ……くふぅ……く、くくくく、くはははは!!!」
しかし彼の怒りは、次第に笑いへと昇華されていった。
不死者としての特性を持った彼に致命傷以外の損傷は意味を成さない。
見る間に出血が止まり、傷が復元されていく。
最初は半信半疑だったが、いやはやどうして中々に便利な肉体だ。
そして、これが真ならば『不死者喰い』の話も真であろう。

3329惨劇『孤城への帰還』(後編):2008/04/08(火) 11:50:06 ID:hK0lCmbY0
あの一瞬、確かに自身の右手はロリスキーが入る瞬間をこの眼で見ているのだから。
先ほどの一撃も恐らくはユーゼス(笑)の仕業だろうが、目標を達成した今名実共に完全スルー決定だ。
やることも終えたのだから、後はホテルに戻るだけ。
この力さえあれば、後は好きなように出来るだろう。
同じ酒を飲んだ孔明が少々邪魔だが何、隙を見て喰らってしまえばいい。
そうすれば食らった孔明の知識でコ・ホンブックに自身が錬金術を仕込めば万事解決。
そこまで考えた時、仮面ライダー書き手はある事実に気づいた。
(待て……俺に喰われたアイツの記憶は何処に在る?)
不死者が不死者を喰ったというのに、それが無い。
何とか記憶から掘り起こそうとしてみるが、それが何処にもなかった。
そもそも、不死者の記憶検索はそんな金の発掘のようなデリケートなものではない。
(おかしい。俺の右手は確かにロリスキーを喰っ……!!??)
改めて女を喰らったその手を確かめようとした段階で、彼は自分の右手が消し飛んでいることに漸く気づいた。
群体としての特性上、切断面から血は流れないものの右手が何処にも見当たらない。
一体、一体何処に?
そう思って砂塵に覆われた周囲を見渡そうとして、彼はすぐ傍に人影があることに気づいた。
直ぐにその容姿から何者であるかに気づき、声をかける。
「泉こなた……そうか、あんたが地球破壊爆弾とやらか。丁度良い、俺の右手を捜してくれ。
 不死者だってのに、右腕だけ戻ってこないんだ」
少々動転気味に喋るライダー書き手。孔明とグルになっているならば話も分かるだろうと、この一瞬完全にあることを忘れていた。
「多分腕として結合はしていると思うんだが、
 自動的に戻ってこないことを考えると何処かに引っかかっているか、あるいは――――――――――ムガ」
その馬鹿っぽい音を自分が吐いたと気づくまでに、少し時間がかかった。
いや、それに気づく前に自分の口に入れられたソード・カトラスを否応無く気づかされる。
「やっほー。かがみんのお味はいかがだったかな?」
「フガ……」
血の気が引く音を自身の内から彼は聞いた。銃口を口に突っ込まれからではない。
それを実行した爆弾の瞳が、あまりにも歪んでいたからだ。
聞かれたことを餓鬼のように答えることしか出来なかったが、味を答えようにもその味は右手しか知らないのだ。
答弁不可能。津波のように押し寄せる恐怖は記憶を押し流し、その残骸から漸く孔明に言われたことを思い出す。

――――ロリスキーを喰ったら地図氏に『感電氏がノルマを達成しろって言っていた』とでも言っておいて下さい。

「こほうへい……」
「んー、あー、そういうこと。孔明さんのバイト?」

3330惨劇『孤城への帰還』(後編):2008/04/08(火) 11:50:39 ID:hK0lCmbY0
圧倒的な誤算があった。この状況を推移させているのは全てユーゼス(笑)……666だと思っていたことが間違いだった。
孔明という言葉から全てを了解しておきながらも、地図氏の引き金にゆっくりと指の力が込められる。
そんなレベルではない。今目の前にいる『爆弾』は、存在するだけで状況そのものと同義なのだ。
裏から操るなんて最初から不可能。だからこそ666も孔明も文字通り爆弾を操るのではなく『爆破』しようとしたのだ。
ただ破壊するだけで計画性なんて無いに等しい。

「ふぉ、ふぉるは……」
「ノルマ? だいじょぶだいじょぶ。ドーンと大船に乗ったつもりで任せといてよ」

――――言わないと速攻で殺される可能性がありますから。

そこで漸く彼は孔明が言った嘘に気づいた。言わないと速攻で殺される? 馬鹿を言え。

「じゃ、とりあえず『1』ね」

言っても速攻で殺されるんじゃねえか。
銃声と不死者の限界を超えて脳漿の飛び散る音が混じる。
自分が孔明にとって捨て駒だったことに気づかなかったことと、既に孔明がこの世にいないことを知らなかったことと、
そして自分を好きになってくれたコホンブックに思いを馳せる暇が無かったことだけは、幸せだったかもしれなかった。


「どーしたもんかしらね……流石にやりすぎたかも」
機神拳を炸裂させたtu4はウイングハイロゥで安全に着地した。
あたりは砂煙が舞い上がってゲインの眼を以ってしても把握も儘ならない。
まずはアーカードを探すか、と思った矢先に何かに蹴躓いた。
「痛った〜〜。こんな所に粗大ごみ置かないでよって、これ……「かがみ!!」
横にいたスーパーかがみんが目の前の粗大ごみを自分の名前で呼んだ。
それが柊かがみだと、tu4にはいま一つはっきりと分からない。
何故なら、彼女の目の前にあったのは一糸纏わぬ娘の下半身だったのだから。
「この切断面、私たちの一撃で逝っちゃったのね。傷が治ってる所をみると不死者かしら……
 煩悩寺ならともかく、ギャルゲロワの私じゃ門外漢だわ」
しかし下半身だけでも生きているというのは微妙なところだ。この場合首輪が無いのだから死亡確認になるのだろうか。
「ん? あそこにいるの誰かしら?」
空気レーダーに反応した気配を感じ取り、彼女が眼を細めた先に一人の少女の影があった。
こそこそ隠れて何をやってるのか分かったものではないが、とりあえず放置しておいても問題は無いだろう。
「とりあえず、あとで上半身も探しましょうか。まずはアーカードを……」

そう思ったときだった。彼女が、圧倒的な『存在感』を認識したのは。
迷うことなく其方へ振り向く。粉塵は、もう直ぐ風で全て吹きぬけようとしていた。

3331惨劇『孤城への帰還』(後編):2008/04/08(火) 11:51:10 ID:hK0lCmbY0
砂塵がまるで噴煙のようにもうもうと立ち込めている。
その光景を上空から俯瞰していた二人組みがいた。漆黒の龍と孤高の黒き書き手のダブルブラックコンビである。
「なんか、さっき見た状況よりも酷い事になってますね……病院無くなっちゃいましたよ。
 つうか微妙にリレー的な事実が食い違ってないですか?」
「あれよ、眼に見えるだけが答えじゃないって鋼の錬金術師のEDでも言ってたわ。そんなノリよ」
漆黒の龍がある種のタブーに触れそうになるが、孤高がすかさずフォローする。
世の中は多少汚いほうが上手くやっていけるものなのだ。
しかし、こうも土煙が舞い上がっていては状況も糞も無い。
まずは降りて情報を、と二人が思ったときだった。土煙の中から黒い影が彼ら目掛けて飛び現われた。
「うわ!」
「よっと!」
息の合ったコンビネーションで漆黒の龍がそれをかわし、背中の孤高がそれを上手くキャッチする。
「って、ノリで拾ってみたけど、ナニこれ?」
「何って……どうみても右腕ですね」
変哲も無い唯の右腕。唯一それが一線を画しているとすれば、それがまだ生きているということだろうか。
鑑定をする暇もあるはず無く、彼らは煙の中に舞い降りる。
着地して、直ぐにニアデスハピネスを解く漆黒の龍。
先ほどまでの変態染みたコスチュームから開放され、幾分気が楽になるはずだったが残念ながらそういう事態ではとっくに無かった。
既に起動式は発動されてしまっているのだから。
「な、なんなんですかこのプレッシャーは!!」
「これはもう沙羅さん探してる場合じゃないかもね。気をつけて……これがアーカードの、殺意!!」

3332惨劇『孤城への帰還』(後編):2008/04/08(火) 11:51:33 ID:hK0lCmbY0
役者がそろったとばかりに、煙のカーテンが風によって払拭される。

「良い月だ……血を貪るにこれほど相応しい夜は無い」

崩れた病院、その瓦礫の山はまるで血染めの王座のよう。
そこに一つの影があった。

「アニロワに比ぶれば随分数が少ないが、まあ構うまい。ここまで生き残ったということは有象無象というわけでもなかろう」

座に立つ王は虚空を向いて、月を仰ぎ見る。
祝福か、それとも侮蔑か。満月は煌々と王城を照らしていた。

奇しくもその城を包囲するようにして、6人の人間が四方に在った。
今望む望まずは別にして、かつて確かに望んだ風景へ遂に到達した神行太保のDIE/SOUL。
もっとも事態を客観的に把握しながらも、それでもこの祭りに踏み込むことを決めたミスターマダオ。
空気復権の絶対目的の為に、眼前の王に相対する予約被りに定評のあるtu4。
tu4との因果を追って迷い込み、対主催として避けることの出来ない死線にたどり着いた孤高の黒き書き手。
仮面ライダーとして、絶対に見逃すことの出来ない『怪物』に相対してしまった漆黒の龍。
遂に愛する人と一つになった巨龍を見届け、愛を零してしまった王に一目見えるコロンビーヌ。

これにて主は包囲され王城は遂に孤城と化した。

「さあ諸君――――――――――――――――戦争の時間だ」

それでも、王は未だ嗤っている。
踊りきるのは果たして誰か。満月だけが知っている。

3333惨劇『孤城への帰還』(後編):2008/04/08(火) 11:52:05 ID:hK0lCmbY0
【夜中】【E-8/病院】
【地球破壊爆弾No.V-7@アニロワ1st】
【状態】:健康 悲しんでる? 現在アーカード
【装備】:アーカードセット一式 投影ソード・カトラス二挺
【道具】:支給品一式、着替え用の衣装(複数)、アダルトグッズ(大量))
【思考】:
 基本:見敵必殺で闘争ライフ?
 0:虐殺開始
 1:ウッカリデスに取られたかなあ…
 ※基本的に中身はアーカードで、CVは平野綾です
 ※変化する姿に7つのバリエーションがあるらしいです。
 【1:地球破壊爆弾】【2:アーカード】【3:長門有希】【4:泉こなた】
 【5:銃撃女ラジカル・レヴィさん】【6:キングゲイナー】【7:1〜6とか目じゃないよ?びびるよ、まじで】
 ※クーガーの早口台詞が言えます!
 ※鎖鎌、鳳凰寺風の剣、ソード・カトラス、ノートPCの投影が可能です。
 【スーパーキョンタイム】
 地図氏以外の者はゆっくりとしか動けなくなります。一度使うとそれなりの時間使用不可能です。
 【地図氏の地図】
 参加者の位置、生死を含めた地図を投影できます。※長門有希の状態でのみ可能。
 使いすぎるとアレなので、毎晩0時にのみ使うことにします。


【ミスターマダオ@漫画ロワ】
【状態】:疲労(小)、強い決意、強い仲間意識
【装備】:パニッシャー@トライガン(機関銃:残り弾数100%、ロケットランチャー:残り10発)、運動服(ブルマ)
【道具】:支給品一式、未定支給品×1(本人確認済み)
【思考】:やるしかないのか……
 基本:対主催! 殺し合いには乗らないが、マーダーは犬の餌。しかし……?
 0:このイベントを熱血的に終了させる
 1:友情! もっと仲間を探すぞ!
 2:努力! 首輪をどうにかするぞ!
 3:勝利! 見ていろよ主催者!
 ※容姿はアーカード(ロリ状態)@ヘルシングです
 ※地図氏(地球破壊爆弾No.V-7)がジョーカーではないかと思っています。
   ジョーカーに襲われた事と合わせての考察はまだしていません。
 ※自分が本物の書き手なのか疑問が生まれました。他の書き手を殺すのにわずかな躊躇いが生まれました。
 【世界(スタンド)】
 世界を使用でき、時止めも可能です(3秒まで)。
 制限は漫画ロワに準拠――『体力の消耗』『時止めの再使用には10秒必要』『スタンドは見れるし触れる』

3334惨劇『孤城への帰還』(後編):2008/04/08(火) 11:52:32 ID:hK0lCmbY0
【神行太保のDIE/SOUL@アニロワ1st】
【状態】:疲労(小)、全身火傷(処置済み)、右指炭化(処置済み)、核鉄による治癒中 ガッツの義手@ベルセルク
【装備】:竜殺し@ベルセルク、ガッツの装備一式@ベルセルク、核鉄『ブレイズオブグローリー』@武装錬金
【道具】:支給品一式、拡声器
【思考】:最後は結局こうなるか!
 基本:アーカード(地図氏、マダオ)は殺すつもり。(だったのだが……)
 0:『孤城の主』にて地図氏を打倒する
 1:対主催を集める
 2:ナナシと出会ったら、決着をつける!
 ※容姿はガッツ@ベルセルクです。
 ※神行太保・戴宗の神行法(高速移動)が使えます。
 ※ラディカルグッドスピード腕部限定は、腕だけが速く動きます。
 ※地図氏(地球破壊爆弾No.V-7)がジョーカーではないかと思っています。
   ジョーカーに襲われた事と合わせての考察はまだしていません。
 ※自分が本物の書き手なのか疑問が生まれました。他の書き手を殺すのにわずかな躊躇いが生まれました。


【漆黒の龍@ライダーロワ】
【装備】カブト装備一式(ハイパーゼクター付)@ライダーロワ、黒い皮手袋
    カードデッキ(リュウガ)@ライダーロワ 、核鉄(ニアデスハピネス)
【所持品】支給品一式 、がんがんじいスーツ(頭部に凹みあり)@特撮ロワ、首輪の残骸(愛の伝道師)
     クルミ、レイジングハート(故障)。
【状態】疲労小、下半身と背中土塗れ、ドラゴンオルフェノクに変身中、パピヨンスーツ着用
【思考・行動】 基本:対主催。そして脱出。
 1:状況把握後速やかに方針を決めて行動
 2:他の対主催と合流する。
 3:tu4氏を止め、共に脱出。
 4:姿を変える参加者に対処。見つけたらはったおす。
 5:生存者の確保、及び首輪の解析の出来る人物の捜索。
 6:愛の伝道師の意志をついで愛を説き、この戦いについて調べる。
 ※外見や声は城戸真司ではなくリュウガでした。大して違いはないですが。
  またそのことを自覚した事により、若干頭が切れるようになりましたが性格的には変わってません。
 ※他ロワの知識は皆無です。
 ※ドラゴンオルフェノク@ライダーロワに覚醒しました(ただし黒色)。触れたものを灰にする能力はありません。
 ※『蘇った現代の熱血怪人』『派手好き地獄紳士』『予約被りに定評のあるtu4氏』を危険人物として認識しました。
 ※一人称が僕に変わりました。
 ※tu4氏の姿について把握しました。
 ※核鉄(ニアデスハピネス)は制限により、使用中は強制的にパピヨン姿になります。でも戻るので安心ですね。
 ※レイジングハートは故障していて喋るだけですが、もしかしたら変身できるかもしれません。機能(と性格)については、大暴れ鉄槌の登場話を参照のこと。
 ※脳内補完の接近により、とても奇妙な夢を見ました。これがどう関係するかは分かりません。

3335惨劇『孤城への帰還』(後編):2008/04/08(火) 11:52:58 ID:hK0lCmbY0
【孤高の黒き書き手@ギャルゲロワ】
【装備】防弾繊維のメイド服@カオスロワ2nd、悟史の金属バット@ひぐらしのなく頃に、
    クラールヴィント(呪)@リリカルなのはシリーズ、ギアス(ギャルゲロワ仕様)@コードギアス
【所持品】支給品一式 、ソルテッカマン一号機@アニロワ2nd  仮面ライダー書き手の右腕
【状態】疲労小、頭部強打、通常モード
【思考・行動】 基本行動方針:ここからの脱出。漆黒の龍と協力する。
 1:さてどうしましょうか
 2:ジャミングの主については保留。
 3:漆黒の龍とともに仲間を探す
 4:できればギャグ将軍と合流。
 5:愛の伝道師との契約通り、tu4氏を止める
 ※外見は「D.C.P.S.」の朝倉音夢。
 ※クラールヴィントは主催者の嫌がらせにより全ての音声が釘宮理恵ボイスでランダム再生されます。
  おまけに呪われているため外せません。
 ※ギアス(ギャルゲロワ仕様)について:
  効果は『ギャルゲロワに参加したキャラが味わった苦痛のイメージを全て再現する』
  あくまでイメージなので物理ダメージはないが、精神ダメージはえげつない。
  普通の人なら精神が耐えられずに廃人か自殺だが、書き手の皆さんは多かれ少なかれタフなので死ぬ事はない……はず。
  『同じ人物にこのギアスを使用した場合、その威力は回数に比例していくが、同じ人物に2回目以降使用すると
  『自分にもその相手に与えた苦痛のイメージが再現される』という制限がある。孤高の黒き書き手はこの制限を知らない。
  その他に何かあるかは以降の書き手にお任せします。
 ※裏モード:基本的に自分のためなら他人を犠牲にするのも厭わない性格……のはずだが、なぜか漆黒の龍が気になる。
       どうやら気になるのは自分と同じ黒を名に持つ書き手である模様。
       若干小町つぐみの影響も受けているため冷酷になりきれません。
 ※tu4氏の姿について把握しました。
 ※クラールヴィントが感知した謎のジャミングは派手好き地獄紳士666氏のものです。

3336惨劇『孤城への帰還』(後編):2008/04/08(火) 11:53:25 ID:hK0lCmbY0
【予約被りに定評のあるtu4氏@ギャルゲロワ】
【状態】ダメージ(中)、同胞に対する深い愛
【装備】永遠神剣第七位「存在」、ガンダールヴの証(ゼロの使い魔@漫画ロワ)、
    ペンダント(空鍋の欠片) 、スーパーかがみん
【道具】写真付き名簿、支給品一式、不明支給品×1(未確認)
【思考】 基本:空気キャラの復権を!
 1:アーカード(地図氏)と決着をつける
 2:孤高の黒き書き手氏と接触する
 3:空気キャラは保護する
 4:書き手はみんな滅する
 5:エロスの鐘の煩悩寺がマーダーだと広める
 6:ギャルゲロワ陣営は欝に叩き込む
 7:転もあったらただじゃおかない
 8:邪魔するようならWIKI管理人も容赦はしない

 ※容姿は白鐘沙羅@フタコイ オルタナティブ。アセリアの服を着ています。
 ※永遠神剣第一位「空気」が覚醒しました。
  相変わらずロワの舞台は基本マナが少ないので普段「空気」自体は振るえません。
  エターナル化は世界移動時の存在抹消がむかつくので「空気」とtu4双方の意志で抑制中。
 ※転生前の記憶も蘇りました。
 ※ガンダールヴの能力は、どんな武器でも自在に操れます。
  また本来は使うと疲労を伴いますが、tu4氏の場合それはありません。チートですし。
 ※空気王として他ロワの空気キャラの能力を使用できます。
  空気の覚醒により更に応用が利くようになりました。
  例フォルカ+ミミ=他の空気キャラを超神化(超進化) チート度アップしましたし。
 ※闘鬼転生を用いてギャラドス脳内補完を武装化しました。轟覇機神拳で召還可能です。神化して双覇龍になるかは不明。
 ※スーパーかがみんはロリスキーが死んで戦闘どころではありません

3337惨劇『孤城への帰還』(後編):2008/04/08(火) 11:53:46 ID:hK0lCmbY0
【コロンビーヌ@漫画ロワ】
【状態】:健康
【装備】:ゾナハ蟲@からくりサーカス、腕時計型麻酔銃(残弾1/1)@漫画ロワ
【道具】:支給品一式×2、ティーセット一式、麻酔銃の予備針×4 、変化の杖、キャンディー×2
     焦ったドラえもん・うっかり侍・孤高の黒き書き手の服、対戦車地雷×17個、ポン太くんスーツ@スパロワ(大破)     
【思考】基本:恋愛ばんざい
 0:鬼軍曹を生涯愛し続ける
 1:宿った命を大切にする
 2:あの王様から愛の匂いが…?
 2:愛に介入しようとする邪魔者を倒す
 3:そういえば、新生クライシス帝国のみんなはどうしているかしら?

 ※容姿はコロンビーヌ(ロリ)@からくりサーカスです。
 ※ギャグ将軍にシンパシーを感じています。
 ※影の繋ぎ手・仮面ライダー書き手に紅茶を入れてあげたいそうです。
 ※猫子頭の鬼軍曹と結婚しました
 ※ロワ内の愛を感知できるようになりました。お邪魔虫もわかるようです


【仮面ライダー書き手 死亡確認】


【クールなロリスキー@漫画ロワ 状態不明】
 ※上半身が仮面ライダー書き手の右手に食われました
 ※下半身は予約被りに定評のあるtu4氏の傍にあります
 ※喰う宣告の瞬間に右手が吹き飛んだため、現時点では判別不可能。
 ただし仮面ライダー書き手の本体にはロリスキーの知識は入りませんでした。

 下半身周辺に落ちているもの
 ……支給品一式、着替え用の衣装(複数)、『村雨健二』の衣装、裸エプロン(キュートなシルク仕様)、
   日焼け止めクリーム(大量)、未定支給品×?(本人確認)

3338惨劇『孤城への帰還』(後編):2008/04/08(火) 11:54:16 ID:hK0lCmbY0
・裏方『闇と闇の切り札』

病院の方から吹き上がる煙を遠巻きに眺めながら、地獄紳士666は歌っていた。
先の屋上で歌っていた、悪魔と英雄の語られることの無い歌である。
「となると、君の立ち位置は差し詰め姫君に木の実を届ける青い鳥ということになるのかね? どう思う、プー太氏?」
そう黒い天使が言うと、建物の影からプー太が現われた。
「いつから気づいていたんですか、まったくお人が悪い」
「まあ、クラールヴィントは伊達ではないということだ。それよりも、ここにはどうして?
 何か私に自重しろとでも勧告が下されたかな?」
そう言っておどける666に、プー太は乾いた愛想笑いを返した。
どうやら自覚は在ったらしい。
「安心してください。今のところは何も無いです。
 テイルズロワの方々に頼まれましてね。チャネリングの結果を見に来ただけです。
 脳内補完氏に設置されたチャネリングが何者かにジャックされて、さて誰が動かしているのかとね」
そういって、プー太は転を見据えた。転は無言のまま彼女を睨み返すように眼を細めている。
「転さんだったんですねえ。これも奇縁というやつでしょうか」
「そういうものは大切にするべきだ。だからこそこうして私たちが出会う理由にもなる」
そういって666は足元の転を大きく見下した。転は、上を見上げたまま、唯空を睨んでいる。

「一応聞いておきたいんですが……転さんが死んでいるのは、貴女の仕業ですか?」

そういってプー太は、死体になっていた転を見下ろした。
「私以外に誰がいると? ……脳内補完君に何がしかの電波操作があったのは闘っている間に分かったんでね。
 ジャミングと平行して逆探をかけておいたのさ。あとは探った座標から、一気にワープして接近した」
そういいながら666はバビロンから一つの壊れた時計を取り出す。
懐中時計型航時機『カシオぺア』の成れの果ての姿だった。既に機能は失われている。
「キンクリじゃないですか。怒られても知りませんよ?」
「そういってくれるなよ、プー太氏。相手は一歩間違えればこちらがズガンされかねないズガンの鬼だ。
 それを上回るには、キンクリ以上のカードが無かったのさ」
「しかし、カシオペアを使い潰すとは……少し軽率過ぎやしませんか?」
プー太はそう言って顔を顰めた。旅の鏡とカシオペア、この二枚看板によって666は神出鬼没のマーダーとして恐れられているのだ。
その内のカシオペアを潰すとは、デバイスが無くなるよりはマシだが痛手であることには代わりが無い。
だが彼女はふふんと笑って、闇の書を開いた。そのページが数秒単位で書き込まれているのが一目で分かる。
「確かにカシオペアを使い切ったのは惜しいが、それに変わる良いものを手に入れたよ。
 否、私はこれが欲しくて転を殺したといっても過言ではない」
プー太が暫く考え込む様を見かねたのか漫画ロワwiki管理人が口を挟む。
転のロボットを見てみろ、と。そうして振り向いた先には転のサックの傍に無造作に置かれた人型サイズのヒュッケバインMk-Ⅱがあった。
そしてその隣にあったのは結の死体。より正確に言うならば、その心臓が抜き取られた死体があった。
ディス・アストラナガンは既に、ベルグバウを通り越してヴァルク・ベンにまで退化していた。

3339惨劇『孤城への帰還』(後編):2008/04/08(火) 11:54:38 ID:hK0lCmbY0
「…………まさか、引っこ抜いたんですか。『アレ』を」
「ああ、抜き取って蒐集させて貰った。銃神ディスの心臓……ディス・レヴをね」
666がそう言って、頭を振った。
ディス・レヴ……ディス・アストラナガンに組み込まれた動力源にして、究極の永久機関のひとつの形。
死霊や悪霊等、宇宙中の負の存在の集合体から成る「負の無限力」を吸収し、
更にはそれを「力」として駆動するインチキエンジンの極みである。
下手をすれば生命が輪廻転生する際の狭間の力やら平行世界のエネルギーまで収集しかねない永久機関である。
「今はまだ使いこなせないからこのロワの中の怨念だけを蒐集しているが、
 それでもこの早さだ。下手をすればロワ中で666ページがもう一度埋まりかねないほどに……!!」
プー太には転の死に様が容易に想像できた。
天が自信満々に用意していた三神モード……恐らくはそれを出す瞬間をカシオペアに狙われたのだ。
気がつけばディス・レヴは抜き取られ、ディス・アストラナガンは退化しているから自然乗り物は二神モードのヒュッケバインMk-Ⅱになるはず。
その動揺を衝かれ、一気に勝敗が決した。ズガンする男がズガンで殺されるなど、発想も無かっただろう。
「本音を言えばもう少しスマートに手中に収めたかったが、あの尋常ならざるぶっちぎりっぷりを見せられては猶予も無いからね」
プー太は影の繋ぎ師……仮面ライダーBLACKSRXを思い出す。
確かにあの創聖級のぶっちぎりっぷりに拮抗するとすれば、これくらいは必要かもしれない。
そして何よりSRXに対抗する存在として、漆黒の天使……即ちアストラナガンという概念ほど分かりやすいものは無い。
スパロボ世界ではこの二つは両雄並び立ちうる存在なのだから。
「諸刃の剣ですね。唯でさえ闇の書は暴走フラグとセットなんですよ。何が起きるか分かったものじゃない」
ディスレヴなんてものを組み込んだ闇の書の闇なんて考えたくも無い。下手をすればゼストよりヤバいものが出る可能性だってある。
「確かにな……だが、私が究極の悪である為には必要な工程なんだ。
 闇と光は、拮抗していなければならないのだから!」
666が苦しそうに呻きながらも、高々と理想を語る。既に暴走は始まっているのかもしれない。

「分かりましたよ。愛って奴は、本当に偉大ですね……じゃあ、私は帰りますよ。どうか最後の最後まではご自愛を」
そういって後ろを振り向こうとしたプー太に、666は小瓶を投げる。
投げられたエリクシール瓶に入ったシャリダムのイケナイ触手汁を見て、プー太は666をもう一度見据えた。
「餞別だ。もう私がフラグをばら撒く余裕も少なそうなんでね……主催側で二本目も処理してくれたまえ」
「……一応伝えては見ますが、期待しないでくださいよ」
そういって、プー太は夜の街に消えて行った。それを見届けてから、666もまた踵を返す。
「地図氏が暴れている間に、私はこの究極の力を使いこなしてみせる……
 待っていてくれ、ネコミミスト……運命の再会は、そう遠くはないよ」
黒き天使は、月を見上げて嗤う。
歪んだ愛情の行く先は何処に在るのか。満月すらも知り得なかった。

3340惨劇『孤城への帰還』(後編):2008/04/08(火) 11:55:25 ID:hK0lCmbY0
【夜中】【G-7/市街地】

【派手好き地獄紳士666@LSロワ】
【装備】:ゲート・オブ・バビロン@アニロワ2nd(※特殊仕様)、闇の書@アニロワ1st(ディス・レヴ内臓)、
     クラールヴィント@アニロワ1st(ネコミミストと同じ物)、バリアジャケット
【所持品】:支給品一式 エニグマの紙「漫画キャラバトルロワイアルwiki管理人」
【状態】:闇の書発動、不死者化?、大量の精気(エロパワー)吸収  疲労中 負のエネルギー蒐集中 暴走?
【外見】:黒いリボンドレス、背中から黒い六翼。長い髪は白く染まり後ろに降ろしている。眼鏡外し。
【思考・行動】
基本:極悪外道になった後、ネコミミストの前に敵として再会。ネコミミスト心から愛してる。
1:マーダーとして悪行を積む。
2:しばらくは身を隠し、ディス・レヴを使いこなせるようにする
3:時間稼ぎに利用できそうなものに関しては利用する
4:ネコミミストの前に敵として現れ、最終的に喰われる。
※ゲート・オブ・バビロンで出せるアイテムをどれも『一応は何とか使いこなせ』ます。
 エリクシールと爆薬は使い切りました。 鳳凰寺風の剣は病院に起き捨て。
 浄玻璃の鏡の回数制限は残り1回。凛の宝石は残り7個。風の矢は残量不明。
 懐中時計型航時機『カシオベア』に(原作のように)ヒビが入りました。動作などへの影響は不明です。
※ゲート・オブ・バビロンで出せる新たに判明した物及び追加された物。
 アニロワ1stからディーヴァの剣、ルルゥの斧、マイクロ補聴器、
 鳳凰寺風の弓と矢、鳳凰寺風の剣、凛の宝石×10、闇の書。
 加えて――マテリアルブレード@テイルズロワ@XXX、クラールヴィント@アニロワ1st@XXX、
 不死の酒@アニロワ2nd(既に使用済み?)@XXX。
※闇の書と融合しているため、その内に言うまでもなく――
※エロスの鐘の煩悩寺と、エロ師匠の(ついでに大暴れ鉄槌の)精気を吸収しました。
 影丸の魔力を吸収したため、8割がた使いこなせるようになりました。
※「漫画キャラバトルロワイアルwiki管理人」は一度だけ秘められた力を使う事が可能です。詳細は不明。自身に関係する事?
※書き手としてのメタ視点能力を使える様子。別に全知ではない。
※闇の書とディス・レヴ@スパロワが内臓されました。
 本人がリミッターをかけていますが会場内の負の力を自動的に集められます


【転 死亡確認】

3341名無しでもいいよ皆そう呼ぶから:2008/04/08(火) 11:57:40 ID:hK0lCmbY0
投下終了。詰め込もうとしたあまり取り留めなくなってしまった気がしないでもない。

ロリスキーは選択肢の幅を考慮してグレーにしておきました。

3342名無しでもいいよ皆そう呼ぶから:2008/04/08(火) 12:44:53 ID:nLHfNEe60
投下乙!
前哨戦でこのおもしろさとは!

ついでに三体合体させた本人としては三神合体機は強行型アクエリオンのつもりでした。
後転の持ち物ってどこ行きました?

3343名無しでもいいよ皆そう呼ぶから:2008/04/08(火) 12:55:16 ID:hK0lCmbY0
【夜中】【G-7/市街地】

【派手好き地獄紳士666@LSロワ】
【装備】:ゲート・オブ・バビロン@アニロワ2nd(※特殊仕様)、闇の書@アニロワ1st(ディス・レヴ内臓)、
     クラールヴィント@アニロワ1st(ネコミミストと同じ物)、バリアジャケット
【所持品】:支給品一式×9 エニグマの紙「漫画キャラバトルロワイアルwiki管理人」
四次元ポケット、クレイジーダイヤモンドのDISC、高性能探索機能つき扇風機、カードデッキ(龍騎)
      首輪×3(内一つ破壊) AK-74(残り60発)、マジシャンズレッドのスタンドディスク、
      転ばし屋、二神合体ヒュッケバインmkⅡ ヴァルグ・ベン
      チェーンソー@サガ1、朝倉涼子のアーミーナイフ、ナイフ、えいゆうのたて@FF6
      パロロワ衣服詰め合わせ、夜天の書(BL本)、BL本、GL本、泉こなたのスクール水着@漫画ロワ
      放火セット(燃料、松明、マッチ)、コアドリル@アニロワ2nd
      お徳用原作パロロワ全生首セット(目玉セット他に換装可能) &原作パロロワ全手首詰め合わせ今なら腕も付いてくる!
      ウルトラミキサー、モンスターボール(空)


【状態】:闇の書発動、不死者化?、大量の精気(エロパワー)吸収  疲労中 負のエネルギー蒐集中 暴走?
【外見】:黒いリボンドレス、背中から黒い六翼。長い髪は白く染まり後ろに降ろしている。眼鏡外し。
【思考・行動】
基本:極悪外道になった後、ネコミミストの前に敵として再会。ネコミミスト心から愛してる。
1:マーダーとして悪行を積む。
2:しばらくは身を隠し、ディス・レヴを使いこなせるようにする
3:時間稼ぎに利用できそうなものに関しては利用する
4:ネコミミストの前に敵として現れ、最終的に喰われる。
※ゲート・オブ・バビロンで出せるアイテムをどれも『一応は何とか使いこなせ』ます。
 エリクシールと爆薬は使い切りました。 鳳凰寺風の剣は病院に起き捨て。
 浄玻璃の鏡の回数制限は残り1回。凛の宝石は残り7個。風の矢は残量不明。
 懐中時計型航時機『カシオベア』破壊
※ゲート・オブ・バビロンで出せる新たに判明した物及び追加された物。
 アニロワ1stからディーヴァの剣、ルルゥの斧、マイクロ補聴器、
 鳳凰寺風の弓と矢、鳳凰寺風の剣、凛の宝石×10、闇の書。
 加えて――マテリアルブレード@テイルズロワ@XXX、クラールヴィント@アニロワ1st@XXX、
 不死の酒@アニロワ2nd(既に使用済み?)@XXX。
※闇の書と融合しているため、その内に言うまでもなく――
※エロスの鐘の煩悩寺と、エロ師匠の(ついでに大暴れ鉄槌の)精気を吸収しました。
 影丸の魔力を吸収したため、8割がた使いこなせるようになりました。
※「漫画キャラバトルロワイアルwiki管理人」は一度だけ秘められた力を使う事が可能です。詳細は不明。自身に関係する事?
※書き手としてのメタ視点能力を使える様子。別に全知ではない。
※闇の書とディス・レヴ@スパロワが内臓されました。リミッターをかけていますが会場内の負の力を自動的に集められます


【転 死亡確認】

うっかりしてました。ついでにカシオペアも壊しつつ修正。


……おーい、誰かこの666の財宝なんとかしてくれ。

3344名無しでもいいよ皆そう呼ぶから:2008/04/08(火) 13:18:55 ID:dbiH8uiIC
…………被った(呆然)しかしGJ!ロリスキー、これどういう状態なんだ。まさか……生き返る?

3345名無しでもいいよ皆そう呼ぶから:2008/04/08(火) 15:32:37 ID:cz.hm9rkO
つスーパーかがみん

3346名無しでもいいよ皆そう呼ぶから:2008/04/08(火) 15:35:03 ID:8VvuZxpw0
>>3344
さあ早く見せてくれ!

3347扉の向こうへ:2008/04/09(水) 12:08:24 ID:EoABXTZc0
「孔明ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!」

バトルマスターの悲痛の叫びがエントランスに木霊する。
やっと自分の心に素直になれた、さあこれからだという時に、運命とは斯くも残酷なものだろうか。
共に手を取り合っていけたはずの仲間は今はもう物言わぬ骸と化して、冷たい床に横たわるのみである。

「俺があいつを倒しておけばっ」
「……孔明」

影の繋ぎ師と蟹座氏もそれぞれ思うところがあり、一様に悲しみの表情を浮かべている。
だが、いくら嘆いたところで死人が生き返る術などあるはずがなかった。
だがここには――

「孔明さん」

それができる可能性を秘めた人物がいた。
その者の名はコ・ホンブック。
数奇な運命に翻弄されて狂気に落ちるも、一人の書き手によってその命を救われた者。

「バトルマスターさん、少し孔明さんの首を貸してくれませんか?」
「え? それは……」

バトルマスターはブックが何をしたいのか分からなかったが、その真剣な表情に逆らう事はできなかった。
言われた通りに孔明の首を渡すと、ブックはそれを本来あるべき場所に優しく置いた。
そして孔明の下に両手を運ぶと、眩い光を放ちながら錬金術を発動させた。
今から行うのは禁忌と謳われた「人体練成」
ロワ内でタブーとされている死者蘇生を今からやろうとしているのだ。
ブックとしてはそんなタブー知ったこっちゃなかった。
彼女はただ「大事な人を失いたくない」という極ありふれた感情に従って動いているだけであった。

唐突に光が収まった。
バトルマスター、蟹座氏、影の繋ぎ師、三人がブックと孔明のほうを見る。
その光景は少し前と全く変わらぬものだった。
依然として孔明は永遠の眠りに付いたまま横たわっている。
ブックが何をしようとしたのか三人は知らないが、状況から失敗したという雰囲気は掴めた。
気まずい空気が広まる中、突然変化がなかった光景に変化が現われた。

「――ァガッ」

いきなり前触れもなしに命の証である熱き血潮を吐きながらコ・ホンブックは倒れこんだのだ。
突然の事態に困惑しながらも、三人はブックの下に駆け寄った。

「おい! しっかりしろ」
「ブックさん!」
「いったい何が!」

三人は目の前で起こった事象に対しての正確な答えを持ち合わせてはいなかった。
あれが有名な錬金術とまでは分かったが、そこからはさっぱりだった。

「……失敗しちゃった」
「何をしようとしたんだ君は!?」

バトルマスターが三人を代表してブックに尋ねた。
吐血したが、量としては少ないので命に関わる事はなさそうだ。
ひとまずは安心と言っても差し支えないだろう。

「人体練成をして……孔明さんを生き返らせようとしたんです」
「そして……失敗したんですね」
「失敗するって、分かっていたんですけどね……」
「え!?」
「孔明さんが言っていたんです。
 私の錬金術とは体系は違うからって」

『鋼の錬金術師』と『バッカーノ』
どちらの世界にも錬金術は存在する。
しかし一口に錬金術と言っても二つの世界のそれが同一のものとは限らない。
両者の体系は似通ってはいるが、細部が微妙に違うものであった。
そのためその細部が錬金術を行う際の齟齬となり、結果ブックは錬金術のリバウンドを食らったのである。

3348扉の向こうへ:2008/04/09(水) 12:09:39 ID:EoABXTZc0

「失敗するって分かってて、なんでそんな事したんだよ!」

蟹座氏は真相を知ると、声を荒くして叫んだ。
ギャルゲロワのみんなに生きてくれと言われた、バッドカニパニーが自らの命でもって守ってくれた。
そんな蟹座氏だからこそブックの無茶な行動が許せなかった。
一歩間違えれば、死んでいたかもしれないのだ。
それも失敗するのは分かっていたときた。
信じられない。

「……だって私、役立たずだもん」
「…………」
「みんなに甘えてばっかで、助けられてばっかりだから、私が死んだって……
 きっと私なんかあの時死んでいればよかったんだよ。
 そしたら承お兄ちゃんも――――」

パァン

乾いた音がエントランスに響く。
音の発生源は怒りに肩を震わせる蟹座氏。
頬を叩かれたブックは呆然とした表情で蟹座氏を見つめる。
バトルマスターと繋ぎ師は少し離れて、事の推移を見守る事にした。

「……ふざけんじゃねえよ!!
 お前がここで死んだら、その承とかいう奴は喜ぶのかよ!!
 必死になって助けてくれたんじゃないのかよ!!」

実際のところ、蟹座氏は承という人物がブックにとってどういう人物かは全く知らない。
だけど言葉の端から感じ取れるニュアンスから大体の関係は分かった。
だからこそ悲しかった。
助けられたにもかかわらず、その命を軽視する事が。

「ボク達は生きていかなきゃいけないんだよ!!
 足を休ませるぐらいなら、一歩でも進めよ!!
 走り続けなきゃ、未来にたどり着けないだろ!!」
「だって……私、役に立たないし……みんなみたいに強くなれないよ」
「お前はボクと孔明を止めてくれたじゃないか。
 それで十分なんだよ! 他でもないお前がボクと孔明を止めたんだ!
 それに何も無理にボク達みたいにならなくてもいい。
 お前はお前にやれる事を精一杯やれば、それでいいんだよ。
 だから、命を粗末にするなよ。
 承お兄ちゃんが救ってくれた……大切な命なんだろ」
「ううぅ……う……蟹座氏さあああああぁぁぁぁぁん」

ブックは涙を堪える事ができずに蟹座氏の胸の中で泣き始めた。
今までの事に加えて、孔明の死、蟹座氏の想い、それらがごっちゃになって涙が止まらなかった。
蟹座氏はそんなブックをただ優しく静かに抱きしめてあげた。
夢の中でお姉さまにしてもらったように。

3349扉の向こうへ:2008/04/09(水) 12:10:11 ID:EoABXTZc0
「一段落着きましたね、繋ぎ師」
「ええ、もう誰かが悲しむのは見たくないですしね」

少し離れて様子を見ていたバトルマスターと繋ぎ師は目の前の光景に胸を撫で下ろした。
ブックから事情を聞きたいところだが、それはもうしばらく待ってからにしたほうがいいだろう。
今は泣きたいだけ泣いたらいいと二人は思っている。
こころなしか蟹座氏の目にも涙が浮かんでいるようだ。

(蟹座氏もずいぶんと立派になりましたね。
 この様子だともう大丈夫そうですね。
 症候群が少し心配ですけど、繋ぎ師に任せれば安心でしょう。
 私は――――)

バトルマスターは不意に繋ぎ師に声をかけた。

「影の繋ぎ師」
「なんですかバトルマスターさん」
「二人の事、それと主催者の打倒、頼みましたよ」
「何言っているんですか? あなたも一緒に……それにこれじゃあまるで遺言――」
「ええ、遺言、です、よ……」

そう言い終わると、バトルマスターは重力に引かれるように床に崩れ落ちた。
その顔には生気が見当たらなかった。

「バトルマスタァァァァァ!!!!!」

繋ぎ師はすぐにバトルマスターの身体を抱き起こすが、その身体は驚くほど冷たかった。
その叫び声に泣いていた蟹座氏とブックも事態の急変を知った。

「ししょぉぉぉぉぉ!!!!!」
「バトルマスターさん!?」

二人もすぐに駆け寄るが、二人から見てもバトルマスターの状態は危険なものだった。
度重なる大技の連続でバトルマスターの体力と精神力はもう既に限界を迎えていた。
今までなけなしの気力で持ち堪えていたが、それももう無理だった。
蟹座氏の成長を見届けると、安心してその意識を手放したのだ。
そしてバトルマスターは死出の道を進み始めた。

「ししょー! ししょー! ししょー!
 ねえ起きてよ、ししょー!!」
「脈が……おい! バトルマスターさん!!」

誰が見ても助かりそうにない状態だった。
正直ここまで意識があっただけでも表彰ものである。

「待っててししょー。
 いま士郎とセイバーみたいに魔力パスを――」
「待った蟹座氏さん! よく知らないが、それはまずい気が!」

蟹座氏はししょーと魔力パスを繋げようとパニック状態だった。
影の繋ぎ師はそんな蟹座氏を取り押さえるのに必死だった。
そしてコ・ホンブックは――――

「私に、できる事」

3350扉の向こうへ:2008/04/09(水) 12:10:51 ID:EoABXTZc0
 ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇

蟹座氏さんにはああ言われたけど、自分にできる事って何だろう?
やっぱり錬金術かな。
あとは……承お兄ちゃんに教えてもらった「諦めない」という事。

そんな事を考えている時だった。
繋ぎ師さんの声が聞こえてきた。
見ると……バトルマスターさんが倒れていた。

「ししょぉぉぉぉぉ!!!!!」
「バトルマスターさん!?」

蟹座氏さんと私は急いでバトルマスターさんの元に駆け寄った。

「ししょー! ししょー! ししょー!
 ねえ起きてよ、ししょー!!」
「脈が……おい! バトルマスターさん!!」

私でも分かるぐらいに生気がなかった。
たぶんこのままだとバトルマスターさんは死んでしまう。
孔明さんみたいに動かなくなっちゃう。

そんなのいや!!

誰かが死ぬなんてもう見たくない。
それにバトルマスターさんが死んだら、きっと蟹座氏さんはすごく悲しむ。
そんなところ見たくない!
みんなには笑ってほしい! 仲良くしてほしい!
だから――

「私に、できる事」

そう私にできる事をする。
そして今度こそ成功させてみせる。
賢者の石のおかげで錬成陣はなくていい。
そのまま両手をバトルマスターさんの元へ持っていく。
ん、蟹座氏さんが呼んでいる。

「おいブック! お前まさかまた――」
「大丈夫だよ、蟹座氏さん。
 もう命を粗末にしない。
 私はもがき続けながらも生きてゆきたいから」

錬金術を発動させる。
眩い光がエントランスを埋め尽くす。

(今度こそ――え!? 上手くいかない。なんで!?)

理由はすぐに分かった。
賢者の石に皹が入っていた。
おそらくさっきの人体練成の際に入ったものだろう。
助けようと思ってやった行為によって、誰かを助ける事ができないとはなんという皮肉であろう。

(そんな、そんなのいやだよ。また私は何もできないの。
 また私の目の前で人が死ぬの。
 もう嫌だよそんなの。私どうすればいいの……)

ブックが絶望に挫けそうになった時、ふと孔明との錬金術の勉強を思い出した。

『さて、これで一通りの勉強は終わりです。後は実践あるのみ』
『ありがとう孔明さん』
『どういたしまして』
『もし孔明さんが大変な事になったら、私の錬金術を使ってあげるね』
『……ブックさん、それは無理ですよ』
『なんで?』
『私の身体は不死者でね、あなたの使う錬金術とは少しばかり体系が違うんです。
 だから、私をベースにした錬金術は成功しないんです』
『そんなぁ……』
『ああ大丈夫ですよ。
 不死者だから並の人より丈夫ですし、それに……』
『それに?』
『触媒としてなら私の身体も使えますよ。『鋼の錬金術師 翔べない天使』に出てきた賢者の触媒のような感じですね』
『そうなの』
『ええ、後は同じような特性を持ったものもいけるかもしれませんね。
 さすがにやってみないと分からないですけどね』

賢者の触媒……練成の効率を上げるもの。
孔明さん、ありがとう。
あなたの教えは無駄にはしません。

孔明さんの身体を触媒として組み込む。
まだ足りない。
もっと他には……あった。
孔明さんの近くに落ちている剣、それに付着している血液。
それはまとめキング、コーカサスビートルアンデッドに酷似した者の血。
アンデッドとは不死の生命体。
その不死の性質が触媒の条件を満たしたのだろう。

「これでいけぇぇぇぇぇ!!!!!」

ブックの周りの光の強さがさらに増していく。
ブックを中心に光の洪水がエントランスを駆け巡る。

そして――――

3351扉の向こうへ:2008/04/09(水) 12:11:14 ID:EoABXTZc0
 ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇

「ん、ここはいったい?」

目覚めると周りは白い世界だった。
ここが死の世界かとも一瞬思ったが、それにしては妙に暖かい。
誰かに包まれているような、そんな気がする。

「バトルマスターさん」
「ブック」

気づくと目の前にブックが立っていた。
いつの間に立っていたのか全く分からなかった。

「ブック、蟹座氏はあの通りいい人だから心配はない。
 繋ぎ師も頼りになるはずだ。だから――」
「バトルマスターさん、もうそんなこと心配しなくていいんですよ」

なぜ?と問い返そうとしてブックの顔を覗き込んだ。
彼女の顔は何かをやり遂げたかのように満足の表情を浮かべていた。
それが何なのかこの時は分からなかった。

「どういう事ですか?」
「バトルマスターさんは死ななかったんですよ。
 だからこれからも対主催として頑張ってください」

どういう事だろう。
私は身体が限界を越えて倒れたはずじゃ……
それにここはどこなんだ?

「あのお願いがあるんです、いいですか?」
「ああ、いいよ」

その疑問はとりあえず保留にして、まずはブックの望みを聞いてあげよう。
孔明が死んでこの子も辛いはずだ。
泣いたぐらいでは悲しみは薄れないだろう。
私にできる事ならしてあげよう。
それが孔明への手向けにもなるだろう。

「負けないでください! どんな事があっても、絶対、絶対諦めないでください!」
「何だ、そんな事か。大丈夫だ。
 私はバトルマスター。戦いの場では負けやしないさ」
「うん。私もバトルマスターさんなら安心して任せられます。
 私の想い、承お兄ちゃんの想い、孔明さんの想い、みんな死んじゃったけど……忘れないでくださいね」
「ああ、もちろん――!? 今、死んだって――」
「蟹座氏さんにごめんなさいって伝えておいてください。
 あんなこと言われたのにこんな事しちゃって、私ってやっぱりダメですね」
「ブック……君は……」
「もうあんな悲しい事は終わりにしてくださいね。
 じゃあ……扉の向こうへ――」

見るといつの間にか背後に大きな扉があった。
その扉がゆっくりと開き、そこには――

「バトルマスターさん、さようなら」

3352扉の向こうへ:2008/04/09(水) 12:11:36 ID:EoABXTZc0
 ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇

「ししょー! ししょー! ししょー!」
「……蟹座氏、ですか」
「ししょーーーーー!!!!!」

目が覚めると、そこは元のエントランスだった。
自分の周りには蟹座氏と繋ぎ師がいた。
蟹座氏は涙で顔をぐしゃぐしゃにしながら抱きついてきた。
繋ぎ師はこちらを見ながら微笑んでいる。
だけど、一人足りない。

「あの、ブックは?」

その言葉を口にした途端、場の空気は重いものに早変わりした。
二人の反応から何が起こったのか理解した。
ブックは錬金術の対価として消滅したのだ。
じゃあやっぱりさっきの夢は……

「……バカだよ」
「蟹座氏……」
「だってそうでしょう。生きるんだって言っておいて結局はいなくなっちゃうんじゃ意味ないよ。
 僕の言う事すぐに破りやがって……」
「蟹座氏、ブックは……」
「バカだよ。大バカ野郎だよ。本当に……本当に……どうしようもないよ……
 うぅ……し、しょー……ししょー……うわあああああぁぁぁぁぁ!!!!!」

涙でぐしゃぐしゃの顔がさらにぐしゃぐしゃになっている。
蟹座氏だって本当は分かっているのだ。
ブックは満足して逝ったと。
確かに生きるという蟹座氏の言う事は守らなかったが、きっと許してくれるだろう。
蟹座氏はきっと分かってくれるはずだ。
だからブック、安心して見守ってくれ。

3353扉の向こうへ:2008/04/09(水) 12:11:58 ID:EoABXTZc0
 ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇

扉が音を立ててゆっくりと閉まる。
これでよかったのか、実はちょっと不安だったりする。
でも正しいんだって信じたい。

「ブック」

不意に声がした。
どこか懐かしくて、ずっと望んでいた声。
私を救ってくれた声。
私に大切な事を教えてくれた声。

「がんばったな」
「承お兄ちゃぁぁぁぁぁああああああん!!!!!」

私の大好きな、承お兄ちゃんの声――――

3354扉の向こうへ:2008/04/09(水) 12:12:45 ID:EoABXTZc0
【コ・ホンブック@アニロワ2nd  死亡】

 ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇

「では俺はこのまま病院に行きますけど……そっちは大丈夫なんですか」
「私達なら心配いりません。
 それに病院は急を要し、一刻も早く向かう事が肝心です。
 繋ぎ師一人なら今から行けば間に合う可能性はまだあります。
 私達の事は構わずに行ってください」

バッド・カニパニーの埋葬を終えて、一通りの整理をつけてから私達は今後の行動を検討した。
蟹座氏はバッド・カニパニーの中でも綺麗に残っていた甲羅を一つ大事そうにバッグに入れていた。
本当は孔明やブックも埋葬してあげたかったが、消滅したのではそれも無理だ。
彼女らには黙祷を捧げるだけに留めた。

さて、重宝したのは孔明の持ち物だった携帯電話だ。
この中にあった『柿テロ猥・R2‐ND』は一級品と言っても過言ではないものだった。
今の時点で第3回放送までに起こった出来事が全て掲載されていた。
繋ぎ師によれば、自分が気絶している間に地図のループを使ってA-5に行ったところ、間違いなくこの通りであったと言う。
証拠として永遠神剣『誓い』を持ち帰って来てくれた。
そして現段階で最も危険な状況に陥っている場所がE-8にある病院だ。
様々な思惑が絡み合い、まさに火薬庫といった状態だ。
だがそのような状況もこの携帯があれば無事に回避できるはずである。
誤解を早急に解くためにも最も足の速い影の繋ぎ師に先行して行ってもらうのが、ベストな選択だろう。

「分かりました。二人とも気をつけて」

そう言って繋ぎ師は病院へ向かって行った。
しかし今からでは繋ぎ師といえども、間に合うかは正直微妙だ。
だが何もしないよりはましだ。

「さて蟹座氏。私達も行きましょうか」
「うん。でもししょー。ボク達はどこに向かうの?」
「移動しながら話します。時間が惜しいのでね」



【夜中】【G-4市街地】
【影の繋ぎ師@ライダーロワ】
【装備】:サタンサーベル@ライダーロワ、リボルケイン@ライダーロワ
【道具】:支給品一式、カラオケマイク@現実、携帯電話@現実
【状態】:月光で全快済み、WIKI管理人へのぶっちぎりな激しい怒り
【思考・行動】
基本:殺し合いには乗らない。
1:どこまでも ぶ っ ち ぎ る ぜ !!
2:他の参加者にもディーから聞いた事を伝える。
3:次こそは熱血王子を倒す。
4:逃げたWIKI管理人の手下を見つけて倒す。

※変身体が仮面ライダーBLACK SRX@書き手ロワ2に進化しました。
 キングストーン二つの融合により更なる可能性を得たかもしれません。
※RXの全変身系統の能力が二倍以上にアップし、シャドームーンの武器と技も使用可能です。
 何より性能差をももろともしないシャドームーンの卓越した戦闘技能を強化されたRXが得たことが一番大きいでしょう。
 加えて太陽光・月光の両方を取り込めるようになったので、昼夜問わずぶっちぎれます。
 名前からしてスパロボのSRXの技も使用可能かもしれません。詳しい能力・技は以降の書き手にお任せします。
 原作設定すらぶっちぎるぜい!
※ついでに首輪が取れちゃいましたが、どこまでもぶっちぎりです。

3355死せる孔明、生けるバトルマスターを走らす:2008/04/09(水) 12:14:11 ID:EoABXTZc0
夜の市街地を移動する二人の影。
共にギャルゲロワ書き手のトップクラスの燃え展書き手と称される事もある二人。
バトルマスターと蟹座氏。
今はバトルマスターが疲労している蟹座氏を背負って走っている形だ。
二人はホテル『キャッスル・満漢全席』を出て一路北西の方角に進んでいた。
ちなみに二人の首輪は現在ない。
繋ぎ師がバイオライダーのゲル化の能力を使って外してくれたのだ。
その時はあまりの呆気なさに拍子抜けしたが、
「ライダーロワもこんな感じでしたよ」という台詞には一層驚かされた。

「ししょー、走ったりして大丈夫なの?
 ボクならもう大丈夫だから」
「蟹座氏はまだ疲れているでしょう。黙って背負われていてください。
 それに目覚めてから身体の調子は以前より良くなっているんです。
 たぶんブックのおかげでしょう」

その考えは当たっていた。
アンデッドに酷似した者、アニロワ2nd準拠の不死者、元完全な不死者、それら三つの不老不死に近き触媒。
それらを用いた先程の錬金術の影響でバトルマスターの身体は倉成武のようなキュレイ種へと変化したのだった。
分かり易く言うと、若干レベルが下がった不死者の身体とほぼ同義である。
そのような事が起こるとはさすがのブックも予想はしていなかった。
決死の行動の賜物である。

もう一つ、その影響からか王蛇のデッキから黒がなくなった。
それが何を意味するかまだ誰も知らない。

「でもししょー、なんでこっちなの。病院に行くなら方角が違うんじゃ」
「いや、少し寄りたい所があってね。
 実を言うと、これを見つけたんです」

そう言ってバトルマスターは基本支給品の中にあったメモ帳を蟹座氏に渡した。
何やらびっしり文字が書いてあるが、暗くて読みづらい。
だが何とか月や星の明かりで読めそうだ。

「えっとなになに……『親愛なるご主人様へ』
 ししょー、これって!?」
「ええ、孔明から私へ向けての手紙です」

それは孔明が書き残した遺言のようなものだった。

3356死せる孔明、生けるバトルマスターを走らす:2008/04/09(水) 12:14:37 ID:EoABXTZc0
『親愛なるご主人様へ
 おそらくこれを読んでいるという事は、どんな形を迎えたにせよ私は死んでいるんでしょう。
 生きている間にこんな恥ずかしい手紙を見せる事なんてできませんから、はわわ〜
 しかし私が死んだのは当然の報いでしょう。
 今まで散々裏でみんなをいい様に操ってきたのですから当然ですね。
 だから悲しまないでください。一応覚悟はしていましたから。
 私は地図氏と感電さんと共に書き手ロワの完結を目指してきました。
 あなたと同郷の歩く頭脳戦を殺したのも私です。
 だけど完結を目指して行動していた私の計画を初めて狂わしたのは、他でもありません。
 ご主人様、あなたでした。
 ご主人様と会ってから私の計画は徐々に狂っていきました。
 最初は全く気付かなかったんですけど、今になって気づきました。
 はは、孔明失格ですね。
 でも、それでよかったのかもしれません。
 結果的にご主人様を殺さなくて済んだんですから。
 初めは適当なところで殺そうかと思っていたんですけど、いつの間にかそんな考えはなくなっちゃいました。
 私もキャラに引きずられているみたいですね。
 伝えたい事はまだまだあるんですけど、上手くまとめる事ができなさそうです。
 ああ、私の知り得る限りの情報を別の紙にまとめておきました。
 何かの役に立ててください。
 そして……最後に一言だけ言わせてください。

 私はあなたの事が大好きです。
                                          したらば孔明より』

手紙はここで終わっていた。
そして蟹座氏はいつの間にか泣いていた。
いけ好かない奴だったのに、殺そうとまで思った奴なのに、それでも涙は溢れ出す。
同じバトルマスターを想う者同士で共感する部分があったのだろう。
バトルマスターは何も言わずにただ黙々と走り続ける。

3357死せる孔明、生けるバトルマスターを走らす:2008/04/09(水) 12:15:04 ID:EoABXTZc0
 ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇

程なくして目的地にたどり着いた。

「これって……」
「ホテル……だったものです」

目の前にあるのは焼け落ちた建物。
元はホテルというが、面影は焼け焦げた『孤城のホテル』という看板ぐらいしかない。
はっきり言って瓦礫の山と言ったほうが正しいのかもしれない。

「ししょー、ここに用事って?」
「孔明が残してくれた別紙。そこには『柿テロ猥・R2‐ND』を元にした情報がまとめてありました。
 参加者の行動、このロワの裏側、他にもいろいろな事、そして放置物の場所」
「放置物……じゃあここに――」
「私達が立ち向かう敵は今までにないぐらいに強大でしょう。
 装備を整えておくに越した事はありません。
 それにせっかく孔明が残してくれた情報です。使わないと、きっと怒られます」

そうして二人は瓦礫の捜索を始めたが、目的のものは程なくして見つかった。
一つは二人の遺体のそばにあったバッグ、おそらく激動のトウカリョウのものだろう。
美形元帥のものはボルテッカーで消滅したらしいので、間違いないだろう。
そしてもう一つ瓦礫の中から発見したバッグ、これはビクトリーム博士のものだろう。
酢飯細胞に浸食された衝撃で行方不明になったと、孔明のメモにも書いてあった。

トウカリョウのほうから確認すると、出てきたのは装飾品。
どうやらケリュケイオンというデバイスらしい。

「これは蟹座氏が使ってください。いろいろ覚醒していますし、サイズ的に合いそうですから」
「ししょー、それってどういう意味ですか」

釈然としないものを感じながらも蟹座氏はケリュケイオンを起動させる。
眩い光が蟹座氏を包み込み、バリアジャケットが生成される。
そして光が収まった後にいたのは――

「えっと、蟹座氏?」
「……この格好については何も言わないでください」

バトルマスターは蟹座氏の言う通り姿に関する発言は控える事にした。

「蟹座氏、試しに何か使ってみませんか」
「そうだね。じゃあこれ! アクセルシューター!!」

蟹座氏の言葉と共に四つの魔力スフィアが生成され、瓦礫に向かって射出された。
アクセルシューターを受けた瓦礫はその四分の一程を吹き飛ばす結果となった。
その威力に二人は多少驚きつつも、当たりを引いた事を喜んだ。
しかし余程バリアジャケットが気になるのか、蟹座氏はすぐさまデバイスを待機状態に戻していた。

余談だが、ケリュケイオンでアクセルシューターが使用できたのは時間軸的に本編終了後だからである。
サウンドステージ04でもいずれ習得する旨が収録されている。
正直アニロワ2ndに出ているものより使い道は多そうだ。

3358死せる孔明、生けるバトルマスターを走らす:2008/04/09(水) 12:15:27 ID:EoABXTZc0
そして次にビクトリーム博士のバッグから出てきたのは――

「……ししょー、これってもしかして」
「……トミーですね」

そう出てきたのはギャルゲロワにも出てきた機関車、名前はトミー。
本編では「なぜか」普通の女子高校生が地面を難なく走らせていたという代物である。
もちろんその車体から繰り出されるパワーは凄まじいものがある。

「これ、動くのかな」
「動くみたいですね。というより、その話書いたのは私ですから動かし方は知っています」

車内を調べながら会話を交わす二人。
準備は整った。
反撃の時間はこれからだ。

「では行きましょうか、蟹座氏」
「うん、ししょー。これから病院に向かうの?」
「いや、まずはG-9にある旅館の三人と接触しようと思っています。
 人数は多いに越した事ありませんし、メモを見る限りでは十分話が通じる相手です。
 接触する価値は大いにあるでしょう」

ジョーカーに捕らわれたネコミミストとChain-情も気になるが、足止めなら死ぬ事はないだろう。
そう判断してまずは旅館に向かう事にした。
かくして二人の書き手は一路旅館へと向かう。
孔明は死してもなおバトルマスター達を導いていく。

まさに「死せる孔明、生けるバトルマスターを走らす」

3359死せる孔明、生けるバトルマスターを走らす:2008/04/09(水) 12:15:52 ID:EoABXTZc0
【夜中】【F-3 『孤城のホテル』跡地】
【バトルマスター@ギャルゲロワ】
【状態】:健康、キュレイ種のような身体、機関車トミー操縦中
【装備】:永遠神剣「冥加」、ゲイボルグ@アニロワ2nd、機関車トミー@ギャルゲロワ
【道具】:支給品一式×2、コイン、名簿、孔明のメモ、王蛇のカードデッキ@仮面ライダー龍騎、スタンガン@アニロワ1st、
    首輪(まとめキング)、不明支給品×2
【思考】:
 基本:コインの表が出た――だから徹底的に抗う。
 0:仲間と協力して主催者を打倒!!
 1:対主催として仲間を探し、殺し合いに乗った輩を倒す。

 ※容姿は前原圭一@ひぐらしのなく頃にです。
 ※自身の精神が、キャラの影響を受けている事に気付きました。
 ※【闘争制覇者-Battle Master】
   発動させることで、決して『バトル』に負けない固有結界を張る事ができます。
   孔明が死んだため、アイン・ソフ・オウルverは使用不能です。
  【闘争制覇者-Battle Master アイン・ソフ・オウル】
   バトルマスターが生涯描きうるありとあらゆるバトルの世界に敵を放り込む技。
   物語内のキャラの攻撃を全部くらわせます。
   この技が発動した時点で、敵味方の全行動が『バトル』として定義されます。
   故に、発動すればどんな状況でも、バトルマスターは不敗です。
 ※影の繋ぎ師からディーの話を聞きました。
 ※王蛇のカードデッキにある”ADVENT”のカードはベノスネーカー、メタルゲラス、ダークウイングの3枚です。
 ※孔明のメモにはこのロワに関する孔明の知り得る限りの情報が記載されています。


【蟹座氏@ギャルゲロワ】
【状態】:蟹見沢症候群発症(ただいま沈静中)、へこみLv1、顎部に痒み、『蟹座じゃないもん』覚醒、小程度の疲労
【装備】:体操着(ブルマ)、鉈、ケリュケイオン@リリカルなのはStrikerS、永遠神剣『誓い』
【道具】:支給品一式×2、蟹座の黄金聖闘衣、最高ボタン、カードデッキ(シザース)@ライダーロワ、閃光弾、まふうじの杖、
    バッド・カニパニーの甲羅
【思考】:
 基本:ししょーと共に!
 0:ししょーと共に対主催。
 1:『あいつ』に逢ったら殺す。
 2:ギャルゲロワの仲間とはできるなら会いたくない……けど。
 3:敵とは戦う。ギャルゲロワ以外でいじめてくる人はみんな敵。

 ※容姿は蟹沢きぬ(カニ)@つよきすです。
 ※最高ボタンを押すと、『いやっほぉぉぉおおおう、蟹座のONiぃ様、最高ーーーーーっ!!!!!』という台詞が、
  ハクオロの声で流れます。シークレットボイスにも何かあるかも?
 ※自分の心がキャラに影響されていることに気付きましたが、キャラに抵抗するため無駄な努力をしています。
 ※身体能力は本気を出せば倉成武ぐらいの力が出ます。通常はカニ。
 ※蟹見沢症候群について。
  へこみのLvが5になったとき、発祥します。発症した場合、自分を苛めたり辱めたりした者を優先的に殺します。
  基本的な症状は雛見沢症候群と同じです。発症中は蟹座氏のチャット状態の特徴により、語尾に♪がついたりします。
 ※言霊『蟹座じゃないもん』に覚醒しました。
  強い意志で蟹座であることを否定することにより、文字通り蟹に縁のあるアイテムから、
  『蟹座じゃないもん』つまり『蟹座じゃないもん(者、物)』の力を引き出せます。


【備考】
 ※孔明の遺体、オールオーバー@ライダーロワは錬金術の触媒として、コ・ホンブックとその所持品と共に消滅しました。
 ※ホテル『キャッスル・満漢全席』にバッド・カニパニーの甲羅×999が埋葬されました。

3360死せる孔明、生けるバトルマスターを走らす:2008/04/09(水) 12:16:55 ID:EoABXTZc0
投下終了
初めて分割した
量に見合った質か不安だ

3361名無しでもいいよ皆そう呼ぶから:2008/04/09(水) 16:36:28 ID:T8Cz324s0
投下乙。
コ・ホンブックも逝ったか…。お疲れ様。
しかし、蟹座氏はどんな姿になったんだ…。

33623360:2008/04/09(水) 21:29:39 ID:t3NO2j9k0
状態票に不備があったので修正しておきました
もっと推敲しておこうorz

3363名無しでもいいよ皆そう呼ぶから:2008/04/09(水) 22:19:49 ID:H1IvyX8.0
投下乙です
蟹座氏よ、ししょーと共に対主催、以外の思考が一つも対主催じゃないぜ……

3364名無しでもいいよ皆そう呼ぶから:2008/04/10(木) 02:32:31 ID:jpnxV1wo0
痛い、痛い、イタイ―――
傷口に沁みいたるのは油のような湿気と熱。膿を掬い再び塗りこむかのような不快感。
助けて、助けて、助けて―――
心は嗚咽と等しいか細い悲鳴を上げ、それでも巣食う痛みはそれを責め苛んで体はすすり泣く。
許して、許して、ユルシテクダサイ―――
叫ぶ嘆願はたった一つ。それでも彼を許されない。
罪をひたすら積み上げて届く救いがあるというのなら、それを与えるのはきっとこの満月の如き悪辣な神しかいないだろう。

月の光が市街地をくまなく照らしていた。その陰より汚泥が溢れるようにして湧き上がる。
よく見ればそれは蹲った人の形をしていた。
熱血王子、いや、“熱血王子だったもの”だった。
内臓やは所々破れ、腹の中で糞便と血液と胆液が混ざりあっている。
骨は左腕で見事に折れ、ヒビに至っては数えることもできない。
筋肉や神経は各所で寸断され、頭部の命令を満足に伝えることが困難だ。

既に熱血王子の人としての器は完全に崩壊し始めている。
それでも生きているのは、たった一つの願いだけ。
(ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい―――――!!!!)
影の繋ぎ師に打ちのめされて自身の願いは果てしなき道と知り、
熱血怪人に諭され、もう歩みを止めてもいいと欲すべき言葉を得ても尚止まらない糾弾と謝罪の雨。
もはや何の許しを請いたいのか、何に許しを請えばいいのかすら分からないまま熱血王子は体中から血の涙で咽び泣く。
朽ちて欠落した機能を執念と闇で補いながら熱血怪人との傷を抱えて影を渡って来たが、
そのダメージは最早それだけではどうしようもない段階に到達していた。
這い蹲るようにして熱血王子は右手を前に出す。体を引きずろうとしたのだろうが、右手が空しく元の位置に戻るだけだ。
(いやだ、イヤだ、イヤダイヤダイヤダイヤダ―――!!!)
しかし、それでも彼は右手を引き摺って道路に血を擦りつける。
(こんなに痛いのに、こんなに苦しんでるのに、ここまで頑張ったのに、何で俺が救われない)
それは生きようとする崇高な意思というよりは、運命を享受することの出来ない未練と呼ぶほうが近かった。
(力が、チカラサエアレバ、キット安ラゲルノニ)
だがその切なる慟哭も、闇に溶けるだけで、遂に彼の魂は救われることなく―――――

『そうか、キミは力が欲しいのか』

3365黒き竜巻雲:2008/04/10(木) 02:33:22 ID:jpnxV1wo0
熱血王子はビクリと痙攣するように上を向いた。
そのお姉さまの眼球は暗黒を映すばかりで、そこには一色の白も見えなかった。
『月の良い夜には出歩くモノだ。さすれば、ツキがいい出会いを導くからね。
 このタイミングでこんな拾い物だとは……どうやら私の運も捨てたモノではないらしい』
しかし、確かに彼の耳は少女の声を確かに聞いていた。
熱血王子が、震える手で破壊すべき全ての手を握り締める。
『ああ、驚くことはない。私は……黒猫とも黒き天使とでも好きに呼びたまえ。
 君の主である愛媛氏とは直接的には面識はないが、彼女達には大変世話になったものだ』
愛媛、自身の細胞に刻まれた覆ることのない恐怖の源泉の名を出されて、熱血王子は宝具をカラリと落としてしまう。
もう一度小さく金属音がした後、彼の手に再び優しく宝具が握らされ、黒猫と呼ばれた姿なき者は甘い声で言った。
『可哀想に。こんなになるまでよく頑張ったね。さながら得るに得難い悟りを得ようとする修験者のようだ。
 君のその痛みが、私には自分の痛みのように辛く思えるよ』
(アンタハ――――俺ノ痛ミガ分カルノカ――――)
癒しを与えるでもなく、許しを与えるでもなく、裁きを与えるでもない初めてかけられたその言葉に、
熱血王子はその眼の洞を絞った。そうしてようやく気付く。
この暗黒の視界にて、彼女は見えないのではない。周囲の黒と全く同化しているのだ。
愛媛とは違った暗黒を前にして、熱血王子は目の前の黒き天使を仰いだ。
『ああ、分かるともさ。私にもそれを与えたいヒトがいるからね。だからこそ、残念ながら私には君を許す資格がない。
 矢張り、君が許されるには罪を積み上げて太陽へと昇るより手段はあるまい』
(デモ、俺ニハモウ、チカラガタリナイ――――――)
それはどうしようもない現実。肉体の悲鳴を心の痛みで押し潰してきた熱血王子の当然の末路。
だが目の前の黒き天使は、朗らかに笑った。
『安心したまえ、熱血王子。君の姿は確かにみすぼらしい灰被り姫。
 だがその心は一点の曇りなく美しい。例え何色であったとしても、ね。
 ならば私ができることは、君に馬車とガラスの靴を与えて素敵な舞踏会に招いてあげることだけだ』
そういって、黒き天使は何か杖を振ったように熱血王子には思えた。
視界に、ぼうと力場のようなものが生まれる。それが漫画ロワの血が本能的にスタンドだと告げた。
『“自分の肉体及び一度亡くなった魂の修復は不可能”……支給品ならばともかく、残念なことに私の財宝は私の一部と捉えられたようだ。
 カシオペアも直せず使い道を決めあぐねていたが……君に出会えて感謝しているよ。
 さあ、では腕によりをかけてドレスアップをしてあげようじゃないか!)』
そう黒い天使が言った後、王子の体に何かがぶつかる感覚があった。
(チカラ、チカラチカラチカラチカラ!!!!!!)
しかし熱血王子にはそれを一切の不快と思うことはなく、ただ力を欲する欲求だけが高まっていた。
全ては白き光を塗り潰す為、全ての罪を許された真っ黒に染まった永遠の中で安らぐことだけ。

(アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!!!)

そう、全てはいつか来る安息の日に至るため。
ならばこそ、今はどれだけ痛んでもまだ歩みは止められない。

3366黒き竜巻雲:2008/04/10(木) 02:33:46 ID:jpnxV1wo0
そうして再び影の中に沈んでいく熱血王子を見送りながら黒き天使666は微笑を湛えた。
おそらくはディスレヴと闇の書の強烈な闇の力を自らの闇でいち早く感じ取り、知らず知らず引き寄せられたのだろう。
潰しても大差はなかったが、自身が満足に動けない今彼のような駒は貴重であり、
同時に転より奪った数々の装備(半分ゴミと思ったのは内緒だ)を効果的に運用するいいサンプルであった。
武器庫はネタにこそなっても、実際の戦闘ではほとんど使いにくいのだから宝の持ち腐れになりやすいのである。
(私に残された時間は恐らくそう長くないだろう……ならばこそ、貴重な時間をこそ彼には私の代理として頑張ってもらわないとね)
天より奪ったヒュッケバインmkⅢを破壊し、熱血王子と纏めてクレイジーダイヤモンドで治療する。
鋼の囚人(プリズナー)……その基本コンセプトをベースに手持ちの所持品を幾許か搭載してさらに強化。
脳神経系を直接インターフェース接続し、熱血王子は文字通り鋼の肉体を手に入れた。
闇の力で接合されたそれは瞬く間に黒く汚染され、黒きヒュッケバインとなったその姿は正しく、

「さあ行きたまえ我が雲の騎士。心を燃やし尽くす戦場へ! 黒き竜巻となりて、暗黒の死を振りまくが良い!!」

形式番号RTX-011TAMB――――ヒュッケバインMk-Ⅲトロンベ・ボクサータイプ。
小回りの利かないAMガンナーをヴァルグベンでウルトラミキサーすることでAMボクサーに変更。
そして本来核融合エンジンでは出力不足で不可能なと換装パーツとの合体を、
守護騎士システムで闇の書を直結させてラインを引き、負の力をディスレヴから供給することで可能としたパチモンカスタム機である。
しかも幾つかの装備と財宝を機体に組み込むことで、全局面対応可能にした突撃仕様だ。
EN切れを想定してタンク代わりの宝石を数個用意した。
英雄の盾が愛媛の闇によって格を下げたのは厄介ではあったが、すでにサイボーグゾンビのような熱血王子にはほとんど問題ない。
アルテマも蒐集したため、後はゆっくり覚えていけばいいのだから。むしろ全体の戦力ダウンを狙うのもいい。
そして、マーダーの自分には到底縁のないものは彼を倒した兵の為の戦利品として渡しておく。
特に首セットは、熱血王子にこそ与えられるべきものだろう。

「では私も姿を消すとしようか。この場にいては機関車に轢かれかねないからねえ、フフフ……」

そういって、遠くから鳴る汽笛を聞きながら黒き天使はビル街の闇へと姿を消していった。
いずれ来る最後の嵐の為の、静けさの様に。



こうして永久の罪人は黒き天使の新たなる駒として、再び白き輝きを殲滅する為に動き出した。
奇しくも向かう、究極の白の如く。

3367黒き竜巻雲:2008/04/10(木) 02:34:06 ID:jpnxV1wo0
【夜中】
【G-7/影の中】
【熱血王子@漫画ロワ】
【状態】:黒化 顔が焼け爛れている 顔面ひしゃげてる 右目にお姉さまの眼が入っている
     左腕骨折 全身に大ダメージ(気を抜いたら死んでもおかしくない) 機体と人機一体化(カメラアイから画像も見ることが可能)
【装備】:『破棄すべき全ての手(黒)』 ヒュッケバイン・ボクサー(トロンベ) 
      黒い青龍偃月刀 ウルトラリング(黒)  転ばし屋(元から黒) 黒いチェーンソー@サガ1 AK-74(残り60発・黒)
      ちぬられたたて@FF6 マジシャンズレッドのDISC(黒) 放火セット(燃料、松明、マッチ) 凛の宝石×2個
【所持品】:支給品一式×10 ナイフ、BL本、GL本、泉こなたのスクール水着@漫画ロワ 首輪×2 パロロワ衣服詰め合わせ
      お徳用原作パロロワ全生首セット(目玉セット他に換装可能) &原作パロロワ全手首詰め合わせ今なら腕も付いてくる!
【思考・行動】
 基本:愛媛に許されるために殺す
 0:城(E8病院)の輝きを殲滅する
 1:黒く染まってない奴を優先して殺す
 2:白に寝返りそうな奴も殺す

※ちぬられたたて@FF6:これを何回も使い続けると英雄の盾になる。愛媛の暗黒に汚染され戻ってしまった。
            上昇効果が無く逆に様々なマイナス効果(力・すばやさ・体力・魔力-7、
            常時スリップ・混乱・バーサク・沈黙・死の宣告、炎・氷・雷・地・水・毒弱点)
            があるが、熱血王子機械属性入手&元から発狂属性の為ステータス異常部分は無効。
※闇の書とパスが繋がっているため、EN回復(大)が付きます
※所持品は所持しているだけなので黒化していません
※ヒュッケバインボクサートロンベ:単純にヒュッケバイン・ボクサーが黒色(レーツェルカラー)になったもの。
                 トロンベ化に伴いトロニウムエンジンから核融合エンジンになったが、
                 666からのエネルギー供給でトロニウムエンジン以上に安定駆動可能になっている。
                 人間サイズより一回り大きい。念動兵器が使えるかは不明。

3368黒き竜巻雲:2008/04/10(木) 02:36:02 ID:jpnxV1wo0
【???】
【派手好き地獄紳士666@LSロワ】
【装備】:ゲート・オブ・バビロン@アニロワ2nd(※特殊仕様)、闇の書@アニロワ1st(ディス・レヴ内臓)、
     クラールヴィント@アニロワ1st(ネコミミストと同じ物)、バリアジャケット
【所持品】:エニグマの紙「漫画キャラバトルロワイアルwiki管理人」
      四次元ポケット、クレイジーダイヤモンドのDISC、高性能探索機能つき扇風機、カードデッキ(龍騎)
      朝倉涼子のアーミーナイフ、夜天の書(BL本)ウルトラミキサー、モンスターボール(空) コアドリル@アニロワ2nd
【状態】:闇の書発動、不死者化?、大量の精気(エロパワー)吸収  疲労中 負のエネルギー蒐集中 暴走? アルテマ修得中
【外見】:黒いリボンドレス、背中から黒い六翼。長い髪は白く染まり後ろに降ろしている。眼鏡外し。
【思考・行動】
基本:極悪外道になった後、ネコミミストの前に敵として再会。ネコミミスト心から愛してる。
1:しばらくは身を隠し、ディス・レヴを使いこなせるようにする
2:時間稼ぎに利用できそうなものに関しては利用する
3:ネコミミストの前に敵として現れ、最終的に喰われる
※ゲート・オブ・バビロンで出せるアイテムをどれも『一応は何とか使いこなせ』ます。
 エリクシールと爆薬は使い切りました。 鳳凰寺風の剣は病院に起き捨て。
 浄玻璃の鏡の回数制限は残り1回。凛の宝石は残り5個。風の矢は残量不明。
 懐中時計型航時機『カシオベア』破壊
※ゲート・オブ・バビロンで出せる新たに判明した物及び追加された物。
 アニロワ1stからディーヴァの剣、ルルゥの斧、マイクロ補聴器、
 鳳凰寺風の弓と矢、鳳凰寺風の剣、凛の宝石×10、闇の書。
 加えて――マテリアルブレード@テイルズロワ@XXX、クラールヴィント@アニロワ1st@XXX、
 不死の酒@アニロワ2nd(既に使用済み?)@XXX。
※闇の書と融合しているため、その内に言うまでもなく――
※エロスの鐘の煩悩寺と、エロ師匠の(ついでに大暴れ鉄槌の)精気を吸収しました。
 影丸の魔力を吸収したため、8割がた使いこなせるようになりました。
※「漫画キャラバトルロワイアルwiki管理人」は一度だけ秘められた力を使う事が可能です。詳細は不明。自身に関係する事?
※書き手としてのメタ視点能力を使える様子。別に全知ではない。
※闇の書とディス・レヴ@スパロワが内臓されました。リミッターをかけていますが会場内の負の力を自動的に集められます
※バビロンの財宝はクレイジーダイヤモンドでは治せません(宝物庫そのものは別)



投下終了。文字通り繋ぎです。

3369月に吠える者:2008/04/10(木) 05:07:58 ID:EdraRaKc0
投下しま〜す


天空の城ラピュタ。
無明幻妖side.、お姉さま、静かなる 〜Chain-情〜。
三人の書き手の魂の一撃により遂にその姿を曝すこととなった主催者の居城。
今やその城に集う全ての人間が下界で行われているロワのとある場面に釘付けとなっていた。
孤城の主?
確かに先程まで彼らの関心の的はかの地図氏による一大イベントであったことに間違いはない。
だが孤城の主の終焉と同時刻、状況は思いもがけぬところで更に動いたのだ。
下手人は言うまでもない。
ここ最近の書き手ロワ2において「調子乗ってんな!」「黒猫の仕業だ!」と揶揄される彼女である。

「やれやれ私達は未だに彼女を侮っていましたか」
「ニコニコロワは、と言ってほしいものだな。
 僕達テイルズ勢としてはそろそろ来るかもしれないと予想してたさ」

要求が要求なだけあって僅かにガチホモは冷や汗をかいていた。
一方、主催陣も参加者も暗躍しまくったロワの書き手だけあって七氏は余裕の表情だ。
なりきり対象のキャラがキールであることも大きな要因であろう。
ただしチャネリングがジャックされたり壊された時はかなり取り乱していたが。

「まあ、私も何度か会ってましたし。皆さんだって666さんと間接的に協力関係を築いていたじゃないですか」

プータが手の中で転がしている小瓶の一つ目を処理したのもまたジョーカー陣だ。
あの時の騒動は、お姉さまイヤン☆イヤン事件に愛媛初陣と、
苦労した甲斐に見合うだけの成果を産み、誰の記憶にも深く刻まれている。
とはいえイケナイ触手汁をまたもや渡されるとは思ってもいなかったのだが。

「おもしろいっすからねえ、彼女のやることは。派手ですし、斬新ですし、エロいですし!」
「……でも……これはLSより……アニロワの領域じゃ……」

二本目の効果と使い道を妄想し興奮する名無しを尻目に、えーりんは冷静につっこみを入れる。
彼女達が注目するモニターに映るは派手好き紳士『666』とミニ・サスペリア。
画面の中の二人の話し合いが一段落するのを見計らいナナシが愛媛に問う。

「お前自身の意見を聞かせてくれ」

666のフラグを処理した本人であり、
現在ジョーカー達が注目している事件の真の中心とも言える少女に。
666にリンカーコアを蒐集させて欲しいと申し出された一人の書き手に。

3370月に吠える者:2008/04/10(木) 05:08:26 ID:EdraRaKc0
「初めまして、というべきかな?」

激しい口虐の限りを尽し何とか煩悩寺の回復に成功したことにより、私は僅かに油断していた。
孔明が死にエロ師匠が消滅した今、煩悩寺の死体を確かめに来るのはバトルマスターだけだと思い込んでいたからだ。
そのバトルマスター本人も煩悩寺が一度は消滅するところを見ており、
また孔明の死、自身の命の危機、ブックによる人体錬成と、
立て続けにイベントが続いたこともあって二階に戻って来ることはなかったのだ。
まさかラブホ戦に全く関わって居なかった彼女が、全てが終わった後に堂々と現れようとは、誰が想像できるようか。
対主催、マーダー問わずに扇動し不意を打ってきた今までのスタイルとも明らかに違いすぎる。
……いや、そうとは言い切れない。現に体の傷は癒したものの未だに煩悩寺は意識を取り戻していないのだ。
転のようにズガンするのは余りにも容易だ!
スタンス的にも正義・悪の二元論に区別しにくい煩悩寺は、
666にとって邪魔者と見なされたとしてもおかしくはない。

「ああ、そんなに警戒することはない。いや、むしろ警戒してくれた方がありがたい、か」

こちらの動揺を見抜いてか666が笑みを浮かべながら近づいてくる。
妖しい笑みだ。言っていることの物騒さも相まってぶっちゃけ怖い、怖すぎる。
煩悩寺を連れて逃げようにも、相手は飛行能力に加え、
この地に来た時のようにクラールヴィントによる長距離転移も可能なのだ。
どう考えても逃げられはしまい。

どうする?私だけならラピュタに緊急転移で逃げ帰れる。
あくまでも支給品扱いである自分とは違い、参加者である煩悩寺は連れてはいけないのだが。
ロワ終盤という瀬戸際で、我が強すぎる空気王の方ならともかく扱いやすい煩悩寺を失うのは、
本体であるWIKI管理人の望むことではない。

「……何の用、666」
「君に用は無いさ、サスペリア君。ただ、ディス・レヴを使いこなすにあたってどうしてもこれが必要だったのでね」

666が嬉しそうに一枚のディスクをひらひら振り、頭に突き刺す。
顕現するのはブックと一緒に消滅したはずの一体の巨人、ビッグ承。
獣の意を冠する少女が手に入れた強大すぎる力、ディス・レヴ。
スパロボ最強クラスの力を制するには直系たるスパロワの力が最適だと考え、
四神合体を成し遂げる為の最後のピースを手に入れられる機会をずっと窺っていたのだ。
そして先刻、遂にブックの人体錬成の光に紛れ、消滅間際の僅かに放置支給品と化した瞬間を狙い、
書き手2版四次元ポケットを使い引き寄せたのである。

3371月に吠える者:2008/04/10(木) 05:08:57 ID:EdraRaKc0
「じゃあ何で私の前に姿を現したのよ」

666の言い分は確かに筋が通っているように思える。
ディス・レヴを吸収したこともWIKI管理人を通して知っている。
本来とは違う形で誕生した三神合体機――ヒュッケバインMk-Ⅲトロンベ・ボクサータイプは、
四次元ポケットやクラールヴィントで何時でも取り戻すことができる。
最悪守護騎士システムの応用とレイジーダイヤモンドで丸ごと復活も可能だ。
彼女が搭乗すれば条件は揃い四神合体は叶うだろう。
ただ、そのことは666がホテルにいる理由になっても、
ミニ・サスペリアに会いに来た理由になりはしないのだ。

そんな私の疑問に666は実にあっさりと答えを告げた。

「主催者の端末である君に仲介役を頼みに来たのだよ、ジョーカーである愛媛君とのね」
「あんた、何で私の正体……あ」

正体を言い当てられ動揺し思わず叫び返す途中で気付いた。
そうだ、666はなりきりによる制限を全く受けておらず、外部からロワを観察できるのだ。
煩悩寺を救うためとはいえ迂闊に動き過ぎたことを悔いるももう遅い。
きっと空気王の『空気』覚醒時の考察もバレタ要因の一つである。

しかし、主催者であるWIKI管理人ではなく、ジョーカーである愛媛と話がしたいというのは理解できない。
一体666は何を考えているのだろうか。愛媛と話をさせても害はないのか。
そもそも仮にも主催者に最も近い自分がロワ参加者の言うことをホイホイ聞いてもいいのか。
意思持ち支給品としての誇りもあるのだ。

「ナンセンスだわ。大体見返りはあるの?」

その小さな矜持すらも666は容赦なく打ち砕く。

「ああ、あるとも。もし君達がこの話に乗ってくれなければ」



私はWIKI管理人の目的を言いふらすとしよう。



「え?」
「聞こえなかったかね?私はWIKI管理人の真の目的を理解していると言っているのだよ」

最も恐れていた事態だった。まずい。勿論只のブラフということも十分ありえる。
だがそのことを確認することは叶わない。
666が口に出さなかったとしても考察としてSS内に記述されてしまえば、
次の放送と同時に『柿テロ猥・R2‐ND』が更新されることにより、
最強チート影の繋ぎ師に知られることとなる!
加えてよく見れば666はいつの間にか首輪を解除済みだ。
何よりも666の書き手としての思考力は一切制限されていないのである!
真相に辿り着いている可能性も十分有り得るのだ。

ミニ・サスペリアに666の要求を拒否する権利は微塵も残されていなかった。

3372月に吠える者:2008/04/10(木) 05:11:16 ID:EdraRaKc0




かくして物語は冒頭へと戻り、愛媛の答えを666は聞くこととなったのだ。






『キャラに影響されている私としては……ロリスキーと地球破壊爆弾を傷つけたあなたを許さない。
 でも……私はジョーカーだから……条件付きでいい』

666は思い出す、異能『真・驚きの黒さ』。
その力を手に入れたかったが故に蒐集させてくれるよう交渉した少女のことを。
主催者をバックにつけての脅迫とも取れる666の申し出を、
愛媛はどちらにも遺恨が残らない形でうまく収めた。
中々の手腕だったと感心する。
誤解のないように言っとくが愛媛は殺してはいない。
少しの間戦闘不能になるくらいで済むはずである。

ともあれこれでキーは揃った。
四神合体した機体に更に他の手持ちの支給品をウルトラミキサーで全て融合。
4体合体+αという条件に加え手持ちにはコアドリル。
間違いなくあの機体の降臨条件としてこれほどのものはない。
そこで莫大な螺旋力を『真・驚きの黒さ』で負の力に染めたとしたら?
更に闇の書に込められた人々の欲望、熱血王子から延々と流れてくる怨念、
生首セットから採取した負の力を全て加えたとしたら?
『真・驚きの黒さ』により本来は黒くない魂ですら負の念へと変換したとしたら?
漫画キャラバトルロワイアルwiki管理人の秘めた力で補助してもらったとしたら?

あの機体と対を為す『絶対的絶望』が姿を現すに違いない!

遂に自分はアニロワ2の書き手であり正しい心を貫くロリである、
愛するネコミミストに相応しい邪悪となる条件を揃え切ったのだ。

条件。

何、忘れてはいないさ、愛媛君。

『外部の書き手達に……熱血王子を改心させようって動きが出ているから……
 もしそうなりそうなら……救われる直前に……あなたが……』

「私は許してくれとは言わないよ、熱血王子。前払いで報酬はもらってしまったんでね、フフフ……」

話数も稼ぎ、アルテマの習得もかなり前進した。
影の繋ぎ師の手によりそろそろ黒猫の悪行が大々的に広まることだろう。
出発点であるG-4エリアなら機関車に轢かれる可能性は一番低い。
後は熱血王子の結果を待ちつつ細かい調整を加えていくこととしよう。
王子が狂気に囚われたまま死ぬならよし。もしも改心しかけようものなら……。

直接手を出せない健気な黒き少女の為に、私が人肌脱ぐとしよう。

666が笑う、月に吠える狂った詩人のように。

3373月に吠える者:2008/04/10(木) 05:11:44 ID:EdraRaKc0


【夜中】
【派手好き地獄紳士666@LSロワ】
【装備】:ゲート・オブ・バビロン@アニロワ2nd(※特殊仕様)、闇の書@アニロワ1st(ディス・レヴ内臓)、ビッグ承
     クラールヴィント@アニロワ1st(ネコミミストと同じ物)、バリアジャケット、コアドリル@アニロワ2nd
【所持品】:エニグマの紙「漫画キャラバトルロワイアルwiki管理人」
      四次元ポケット、クレイジーダイヤモンドのDISC、高性能探索機能つき扇風機、カードデッキ(龍騎)
      朝倉涼子のアーミーナイフ、夜天の書(BL本)ウルトラミキサー、モンスターボール(空)
      
【状態】:闇の書発動、不死者化?、大量の精気(エロパワー)吸収  疲労中 負のエネルギー蒐集中 暴走? アルテマ修得中
【外見】:黒いリボンドレス、背中から黒い六翼。長い髪は白く染まり後ろに降ろしている。眼鏡外し。

【思考・行動】
基本:極悪外道になった後、ネコミミストの前に敵として再会。ネコミミスト心から愛してる。
1:しばらくは身を隠し、ディス・レヴを使いこなせるようにする
2:時間稼ぎに利用できそうなものに関しては利用する
3:熱血王子がやられる間際にヒュッケバインボクサートロンベ回収。無理なら複製。
4:熱血王子が改心されそうなら……
5:ネコミミストの前に敵として現れ、最終的に喰われる
※ゲート・オブ・バビロンで出せるアイテムをどれも『一応は何とか使いこなせ』ます。
 エリクシールと爆薬は使い切りました。 鳳凰寺風の剣は病院に起き捨て。
 浄玻璃の鏡の回数制限は残り1回。凛の宝石は残り5個。風の矢は残量不明。
 懐中時計型航時機『カシオベア』破壊
※ゲート・オブ・バビロンで出せる新たに判明した物及び追加された物。
 アニロワ1stからディーヴァの剣、ルルゥの斧、マイクロ補聴器、
 鳳凰寺風の弓と矢、鳳凰寺風の剣、凛の宝石×10、闇の書。
 加えて――マテリアルブレード@テイルズロワ@XXX、クラールヴィント@アニロワ1st@XXX、
 不死の酒@アニロワ2nd(既に使用済み?)@XXX。
※闇の書と融合しているため、その内に言うまでもなく――
※エロスの鐘の煩悩寺と、エロ師匠の(ついでに大暴れ鉄槌の)精気を吸収しました。
 影丸の魔力を吸収したため、8割がた使いこなせるようになりました。
※「漫画キャラバトルロワイアルwiki管理人」は一度だけ秘められた力を使う事が可能です。詳細は不明。自身に関係する事?
※書き手としてのメタ視点能力を使える様子。別に全知ではない。
※闇の書とディス・レヴ@スパロワが内臓されました。リミッターをかけていますが会場内の負の力を自動的に集められます
※バビロンの財宝はクレイジーダイヤモンドでは治せません(宝物庫そのものは別)
※『真・驚きの黒さ』を蒐集により習得しました。これによりディス・レヴの効率を上げられます。

※全支給品を合成させ、自身も融合することにより、【グランゼボーマ@アニロワ2(グレンラガン)】の力が振るえます。
 制限によりサイズはLLL内で収まっています(つまり星よりでかいとかにはなりません)
 ただし666としてか闇の書の暴走が表に出るかは状況によります。
 666もそのことは理解してます。

3374月に吠える者:2008/04/10(木) 05:12:10 ID:EdraRaKc0



愛媛との交渉が終わり、帰り際に迷惑をかけたお詫びにと、
四次元ポケットでいくつか回収してたというロリスキーが持っていた着替えの衣装を置いて、
666は悠々と去って行った。

一人取り残されたミニ・サスペリアは一人恐怖で震えつつ思う。

666。獣の名を冠する少女。
嘘だ。あんなものが獣であっていいはずがない。
あれではむしろ――

其は無貌の神にして、這い寄る混沌。世界も、神々も嘲笑う稀代のトリックスター。

全くもって笑えない冗談だ。だが、WIKI管理人が666の行動を許容したのもまた事実。
しかも今回の失態に呆れられたのか、それ以来音沙汰無し。

「ああもう!私はどうするべきなのよ!」

途方に暮れてジタバタしていた私は気付いていなかった。
煩悩寺が666との会話の目を覚まし、ゆらりと私の後ろに迫ってきていることを。
だから、

「話しを、聞かせて、もらうね?」

また一つ失敗を重ねることとなった。




【G-4/ホテル『キャッスル・満漢全席』二階廊下】
【エロスの鐘の煩悩寺@アニロワ2nd】
【状態】:ロリスキー用の衣装、精気満々、魔力全快、体力全快 性格一時ティアなのは化
【装備】:エロスの鐘、ミニ・サスペリア 不明支給品(1〜2)
【道具】:支給品一式
【思考】:
 基本:エロスの限りを尽くす
 1:現状把握
 2:ミニ・サスペリアからWIKI管理人の話を聞きだす



 ※容姿はティアナ・ランスター@なのはstsです。
 【エロスの鐘】
 大人向けデバイス。魔法妖女デザイア・ベルへの変身アイテムでもある。
 その音色を聞かせた者が隠し持っている欲望を引き出し、暴走させてしまう。
 暴走した欲望からエロスを吸い取ることで相手の精気を自分のものにできる。
 【ミニ・サスペリア】
 掌サイズのメイドさん。闇のメイド・サスペリア@アニロワ2ndの姿をしている。
 魔女っ娘に必要なマスコットキャラで、ご主人様に色々とアドバイスをしてくれる。
 WIKI管理人の端末だった。主催陣と交信できる。
 ※ロリスキー用の衣装の詳細は次の人にお任せします。

3375月に吠える者:2008/04/10(木) 05:12:34 ID:EdraRaKc0
【主催本拠地】



【裸になってすぐアッー〜殺意のqwglOGQwIk〜@ニコロワ】
【状態】:健康 スッキリ
【装備】:なし
【道具】:不明
【思考】:
 基本:主催者側の人間として活動。参加者の抹殺
 1:愛媛を心配しつつ、次の出番までニコニコ
 2:地図氏と再会すれば、借りを返す



 ※容姿は阿部さん@くそみそ、性格は古泉@ハルヒ。その名はイイ男。キモカッコゲイ!
 ※地球破壊爆弾No.V-7を危険視しています。
 ※ニコニコ動画に存在する動画ゆかりの技を使えます。
 ※ニコニコに自分が見たものを動画としてうpできます。
 ※「まっがーれ↓」と唱えることで色んなものを曲げられます どこまで曲げられるのかは不明




【人外アドベンチャー〜OZbjG1JuJMのウォーゲーム〜@ニコロワ】
【状態】:健康
【装備】:なし
【道具】:不明
【思考】:
 基本:主催者側の人間として活動。参加者の抹殺
 1:愛媛を心配しつつ、次の出番までニコニコ 

 ※容姿やその能力は未だ不明。
 ※地球破壊爆弾No.V-7を危険視しています。





【C.M.超展開はデフォなのか?@ニコロワ】
【状態】:ダメージ中(回復中)
【装備】:なし
【道具】:不明
【思考】:
 基本:主催者側の人間として活動。参加者の抹殺。
 1:愛媛を心配しつつ、 次の出番までニコニコ



 ※容姿はえーりん!えーりん!何故か無口なようです。
 ※ニコニコ動画に存在する動画ゆかりの技を全て使えます。
 ※少数に限りニート軍を現実に召還できます。
 ※えーりんが無事な限りは、蓬莱の薬で兵士は超スピード回復します。(ただいま全滅中、回復に時間がかかります)



【愛媛の0RbUzIT0Toは大変な演説をしていきました@ニコロワ】
【状態】:真・驚きの黒さ 精神力残存わずか
【装備】:なし
【道具】:不明
【思考】:
 基本:主催者側の人間として活動。参加者(=多数派)の抹殺
 1:療養しつつ、次の出番までニコニコ 
 2:生き残ってももちろん熱血王子は許さない
 3:熱血王子が改心しそうな時は666に任す
 ※容姿は黒いセーラー服の柊つかさ@らき☆すた
 ※触れたものを驚きの黒さで染めることが出来ます。影ワープ等詳細不明
 ※ニコニコ動画に存在する動画ゆかりの技を使えます
 ※現実世界にコメントを張ることができます
 ※地球破壊爆弾No.V-7を危険視していますが、キャラとしては…?
 ※回復にどのくらいかかるかはお任せ。回復中はほとんど動けません。

3376月に吠える者:2008/04/10(木) 05:12:59 ID:EdraRaKc0
 

【ナナシ@テイルズロワ】
【状態】:健康 (ただし左眼がない)
【装備】:なし
【道具】:不明
【思考】:
 基本:主催者側の人間として活動。参加者の抹殺
 1:とりあえず、部屋に戻って皿洗いの続き
 2:次の出番まで縁側で茶を飲む
 3:出会った二人とは生き残っていればもう一度戦う?



 ※容姿はヴェイグ=リュングベル@テイルズオブリバース
 ※氷で武器を生成できます
 ※【異能・姿無き縁の下】
  空気王としての力を解放し、色んなものを「繋ぐ」能力。
  時間だろうがカップリングだろうが何でも繋げるが、その繋ぎが良繋ぎで無いと十分な効果が得られない。



【名無し@テイルズロワ】
【状態】:健康
【装備】:なし
【道具】:不明
【思考】:
 基本:主催者側の人間として活動。参加者の抹殺
 1:とりあえず部屋に帰って次の出番まで茶を飲む



※容姿やその能力は未だ不明




【七氏@テイルズロワ】
【状態】:健康 
【装備】:なし
【道具】:不明
【思考】:
 基本:主催者側の人間として活動。参加者の抹殺
 1:666の行動を楽しみつつ、次の出番を待つ
 2:熱血展開を全滅させる。特に☆系の熱血を。
 ※容姿はキール・ツァイベル@テイルズオブエターニア
 ※テイルズロワの舞台ギミックを発生させることができます
 ※【異能・闇に囁く言葉責め】
  言葉の力でいろんなものを誤魔化し、改変する能力。詳細不明。
  大きな無理がない限りなら後付け設定も可能らしい。

3377名無しでもいいよ皆そう呼ぶから:2008/04/10(木) 05:13:43 ID:EdraRaKc0
投下終了。微妙にかぶったため訂正したところがこじつけっぽい気も

3378名無しでもいいよ皆そう呼ぶから:2008/04/10(木) 11:06:36 ID:HSWMuR1A0
ダブル666投下乙!
ついに666の究極進化系が見えてきたな。
繋ぎ師がいるとはいえ、地図氏戦で磨耗するであろう対主催陣はマジこいつに勝てるのか?

3379名無しでもいいよ皆そう呼ぶから:2008/04/10(木) 15:16:30 ID:jwJk9wIc0
ちょ、どんどん凄い事になっていくなwGJ
そうか、最終形態はあれか。
対主催決戦前の中ボス位だと思ってたけど、これはもうラスボスの予感。

3380名無しでもいいよ皆そう呼ぶから:2008/04/10(木) 15:42:22 ID:Nml/ONsc0
投下乙!666、あんたも十分ぶっちぎってるぞw
…ネコミミストは勝ち目あるのか?

3381名無しでもいいよ皆そう呼ぶから:2008/04/10(木) 17:44:58 ID:aTX1WGKI0
666連続投下乙
何気に漫画ロワ勢が病院で全員集合しそうだな

3382名無しでもいいよ皆そう呼ぶから:2008/04/10(木) 20:43:24 ID:Q8iE.CtI0
不死者化も兼任するはずだから。
つまりSRXが足止めしネコミミが食うしかないような状況にもって行くのこそが
666の狙いだと考えた結果こうなっちゃったのだが……。

悪い、時刻的に煩悩寺、禁止エリアで爆発しちゃっていないと変かも。
うっかりな私に代わって後付けしてくれると嬉しいですw

3383名無しでもいいよ皆そう呼ぶから:2008/04/11(金) 16:49:58 ID:zyeSdmKM0
孤城前哨戦にて仮面ライダー書き手の支給品が消えてるのを確認。
wikiで直しておきます。

3384ようこそルナティックパーティー:2008/04/12(土) 16:01:57 ID:FmlCSW6E0
ようやく書き上がった…。そして投下だ!


衝撃のネコミミストは、道路の真ん中で立ちつくしていた。
病院へ全力で向かっていたはずの彼女が、何故こんなところで止まっているのか。
その理由は、彼女の眼前に広がっていた。

「………!」

いったいビル何階分なのかという、巨大な門。それが彼女の前に立ちふさがっていた。
もちろん、そんなものがこの会場に実在するはずがない。これは彼女が見ている幻だ。

(ついに私も、真の護身に目覚め…って、そんなもの目指してないって!
落ち着け、ネコミミスト…。素数を数えて落ち着くんだ…。
護身は関係ないにしても、これはおそらく私の防衛本能が見せている幻…。
私の本能は、病院へ行くことを拒否している…!)

ネコミミストの頬を、冷や汗が伝う。

(ここに連れてこられた頃の私だったら、しっぽと猫耳を巻いて逃げ出していたかもしれない…。
けど、今の私は違う!スクライド、幻夜、Chain-情…それに666!
みんなが守ってくれたこの命…。ここで活用しないでどうする!)

己の胸に宿る決意を再確認し、ネコミミストは幻の門を押す。
門はゆっくりと開き、やがて完全に開ききるとスッと消え去った。

(門は消えた…。けど、まだ足が重い…。
そこまで私は病院に恐怖を感じているのか…!
こんな足じゃ、病院に着くまでに『孤城の主』が終わってしまう!
何か乗り物でもあれば…って、本当にあったー!)

ネコミミストの眼前には、一台のバイクが転がっていた。
6/の支給品であった、ワルキューレ@スパロワである。
ちなみに本来は「副司令変装セット」や武器のメジャー&ベーゴマもセットになっていたのだが、それらは落下の際にどこかに行ってしまったようである。

(まだ天は私を見放してない…。さあ、行こう!いざ病院へ!)

颯爽とバイクにまたがるネコミミスト。しかし、彼女はここである事実に気づいてしまう。

(私…バイクの運転したことなかったー!)

先ほどの颯爽とした様はどこへやら、がっくりとうなだれるネコミミスト。
頭の猫耳も、心なしかしおれ気味である。

(Chain-情なら、バイクの運転出来たかなあ…。ああ、なんて惜しい人を失ってしまったのか…。)

そんな理由で死を惜しまれてもなー…というぼやきが聞こえた気がしたが、気にしないでおく。
何はともあれ、これではバイクがあっても宝の持ち腐れだ。
ネコミミストが途方に暮れていると、そこへ一人の参加者が近づいてきた。

「どうしました、お嬢さん!何か困りごとですか?」
「ああ、実はですね…。」

声をかけてきた人間のほうに向き直り、ネコミミストは目を丸くする。
なぜなら、あまりにタイミングがよすぎたから。その男は、バイクを操るのにまさにうってつけの人材だったから。
物語に愛されるというのはこういうことなのかもしれない。そんなことを思いながら、ネコミミストは叫んだ。

「か…仮面ライダー!!」

3385ようこそルナティックパーティー:2008/04/12(土) 16:04:42 ID:FmlCSW6E0
◇ ◇ ◇


「さあ諸君――――――――――――――――戦争の時間だ」

ネコミミストが目指す病院。いや、正確には病院跡。
今、ここでは闘争の宴が始まろうとしていた。
主賓の名はアーカード。否、それはその人物を構成する個性の一端に過ぎない。
その真の名は地球破壊爆弾No.V-7。
チートが日常茶飯事のこの書き手ロワにおいて、開始当初から現在に至るまで戦闘力の最高峰に君臨し続ける書き手。
招待されたのは6人。
ここまで地球破壊爆弾と同じ道を歩きながらも、袂を分かつことになってしまった二人の強者。
目立つものへの敵対心を抱き、その標的をアーカードに定めた女帝。
仲間を求めこの地を目指し、闘争に巻き込まれた二人の若者。
そして、愛のにおいをたどってここまでやってきた自動人形。

「どうした?迷わず来るがいい。お楽しみはこれからじゃないか!」
「言われなくても…。行くぜ!」

先陣を切るのは、巨大の一言では語り尽くせない大剣を持った剣士、神行太保のDIE/SOUL。
神行法で一気に地球破壊爆弾に接近し、竜殺しを振り下ろす。
圧倒的破壊力のその一撃を、地球破壊爆弾は紙一重で回避。
しかし、DIE/SOULも初撃からクリーンヒットが奪えると考えるほど甘い人間ではない。
素早く竜殺しを手放し、地球破壊爆弾の顔面めがけて拳を振るう。
だがその拳も、すんでの所でかわされる。
反撃を叩き込もうとする地球破壊爆弾だったが、背後からのアクションがそれを許さない。

「客は一人ではないぞ、孤城の主よ!」

凶悪な笑みを浮かべたマダオが、地球破壊爆弾めがけパニッシャーを巨大な鈍器として振るう。

「ああ、わかっている!ちゃんと全員相手にしてやるさ!」

迫り来る十字架を飛び上がってよけ、地球破壊爆弾はお返しとばかりにソード・カトラスの銃弾をマダオの顔面に撃ち込む。

「ハッハッハッハ!!面白い、面白いぞ地球破壊爆弾!貴様のその動き、不完全だがまさしく無想転生ではないか!
漫画ロワ所属の私ならともかく、アニロワ所属の貴様が目覚めるとはなあ!」

顔の半分を吹き飛ばされながら、マダオは笑う。
彼女の言う無想転生とは、愛と哀しみを知ったものが習得できるという北斗神拳の最終奥義である。

「感謝しておこう、マダオ!同じアーカード同士が近くにいたおかげで、私にも漫画ロワの因子が少しだけ流れ込んできたようだ!
もっとも、たったこれだけの因子ではとても本家の無想転生にはかなわないがなあ!」

地球破壊爆弾の蹴りが、マダオの小さな体を吹き飛ばす。

「後ろが隙だらけなのよ!」

休む間もなく、新たな敵が地球破壊爆弾に襲いかかる。予約被りに定評のあるtu4氏だ。
永遠神剣「存在」を構え、tu4氏は突っ込む。狙うは、地球破壊爆弾の心臓。
アーカードは心臓を破壊すれば死ぬ。ギャルゲロワ所属の彼女でも知っている常識だ。

「隙?違うな。これは余裕というものだ!」

振り向きざま、地球破壊爆弾は指二本で「存在」の刃を挟み込む。

「慢心せずして何が王か!」

そしてtu4氏が次の行動を取る間もなく、地球破壊爆弾の拳がtu4氏に叩き込まれる。
苦悶の表情を浮かべながら、tu4氏は瓦礫の上を転がっていった。

「言ってくれるわね…。
何もアーカードやギルガメッシュのような、いるだけで特級の存在感を放つ連中だけが王じゃないのよ!
見せてあげる、空気王の力を!」

tu4氏の髪が、黒く染まる。そう、彼女はもう一度エンジェルアームを撃つつもりだった。
かつて書き手ロワを存分に引っかき回した、あの伝説の必殺技。
ましてや今回はギャラドスの力が加わり、その威力はさらに倍増!…となるはずだった。
撃つことが出来ていれば。

3386ようこそルナティックパーティー:2008/04/12(土) 16:05:26 ID:FmlCSW6E0
「きゃああああ!!」
「やらせない。」

長門に変身した地球破壊爆弾が投げた槍が、tu4氏の右腕を肩から切り離していた。

「王であろうと空気は空気。空気はどんなに頑張っても引き立て役がせいぜい。
なぜなら華々しく活躍した時、それはもう空気ではなくなっているから。
空気というものに固執した時点で、あなたは負けが決まっていた。」

淡々と語りながら、地球破壊爆弾はtu4氏に向かって歩を進める。

「させるもんですか!!」

だがそこに、孤高の黒き書き手が金属バットで殴りかかる。
tu4氏が危険人物であることは、とっくの昔に彼女も理解していた。
だが、それでも彼女はギャルゲロワの仲間なのだ。
うっかり侍が死んでしまった。お姉さまが死んでしまった。
最速の人もステルス鬼畜も歩く頭脳戦も汚れなき愛も死んでしまった。
シルベストリもドラえもんもフラグビルドもボマーも鉄槌も死んでしまった。
もう、仲間が死ぬのなんていやだ。
彼女がそう思ったとして、誰がそれを責められるだろうか?
だがそれでも、孤高の行動は決して褒められるものではなかった。

「そんな特殊能力もないただの棒きれで、私を殺せると思ったかヒューマン!!」

金属バットで殴られた程度で、地球破壊爆弾がひるむはずもない。
デコピン一発で孤高を吹き飛ばし、後ろで攻撃態勢に入ろうとしていたDIE/SOULに叩きつける。

「どうした、これで終わりではあるまい!
全力で来い!もっと宴を盛り上げようじゃないか、客人達よ!」



「あうう…。」
「大丈夫か、孤高さん!無茶だよ、アーカードに正面から向かっていくなんて!」

額から血を流し、痛みに顔を歪める孤高の黒き書き手。その体を、漆黒の龍が抱き起こす。

「そいつの言うとおりだぜ。あの化け物とやり合えるのは、同じ化け物だけだ。
一般人はおとなしく後方支援に徹してな!」

そう叫ぶと、DIE/SOULは現在マダオとぶつかり合っている地球破壊爆弾に、今一度突っ込んでいく。

「あの人の言うとおりだよ、孤高さん。孤高さんの力じゃ…。」
「でも…。でも…悔しいじゃないですか!仲間がやられてるのに!私には何も出来ないなんて!」

孤高の黒き書き手の頬を、涙が伝う。

「戦えないのと何も出来ないのとでは、意味が違うのよ、孤高ちゃん。」
「え?」

聞き覚えのある声に、孤高は振り向く。そこには、コロンビーヌが立っていた。

「コロンビーヌさん…。」
「久し振りね、孤高ちゃん。」

見覚えのある顔に、わずかに安堵する孤高。だが、それ以上に彼女は驚いていた。
コロンビーヌの外見は、温泉で別れた時と何一つ変わっていないはず。
なのに、この数時間で彼女はずいぶんと成長したように見えた。
そう、まるで恋に憧れる少女が、一気に我が子を愛する母親になったかのように。

「コロンビーヌさん、さっきの言葉はどういう意味です?」

奇妙な感覚を気にしつつも、孤高はコロンビーヌに尋ねる。

「そのままの意味よ。あなたは肉体的にはとても弱い。おそらく、ここにいる他の誰よりもね。
正面から戦おうなんて思ったら、確実に死ぬわ。
けど、肉体の強さだけが人間の価値じゃない。
頭脳、運、優しさ…。どれも大切なもの。
考えなさい、孤高ちゃん。直接戦う以外に、あなたが出来ることを。」
「私に…出来ること…。」

孤高の頭に真っ先に浮かぶのは、自らが持つ異能。
それは他人から与えられたもの。だが、紛れもなく自分の力だ。

「コロンビーヌさん、私があげた変化の杖、まだ持ってます?」
「ええ。」
「あれ、ちょっとの間返してください。それから漆黒さん、協力してもらえますか?」
「もちろんだよ!」
「私、やってみます…。私に出来る方法で、あの人を止めます!」

3387ようこそルナティックパーティー:2008/04/12(土) 16:06:41 ID:FmlCSW6E0
「フハハハハ!!実に素晴らしいぞ、二人とも!
もっと私を楽しませろ!私を地獄に連れて行ってみせろ!」

アーカードの姿に戻った地球破壊爆弾は、DIE/SOULとマダオを同時に相手にしながら、それでもなお余裕を見せていた。
DIE/SOULとマダオ、今更言うまでもないが、共に人間の域を超越した戦闘能力の持ち主である。
だが、それでも地球破壊爆弾を打ち倒せない。
不完全とはいえ北斗神拳の奥義を身につけた彼女に、流れを引き寄せるほどの一撃を与えられない。

「くそっ、チョロチョロしやがって!」

義手から砲弾を撃ち出すDIE/SOUL。だが地球破壊爆弾はそれを難なく回避し、投影した鎖鎌を投げて反撃する。

「ふん。」

だがその鎖鎌は、横合いからマダオに殴りつけられあさっての方向へ飛んでいった。

「さっきの貴様の言葉、そのまま返すぞ。こんな特殊能力もないただの刃物で、我々を殺せると思ったか?」
「何、別に君たちを侮っているわけではない。せっかくの宴だ。
見せられる芸は出来るだけ見せた方が面白いじゃあないか!」

不敵な笑みを浮かべながら、マダオの言葉に応える地球破壊爆弾。
そこへ、新たな男が乱入してくる。

「うおおおおお!!」

それは、カブトに変身した漆黒の龍だった。アメフト選手のように何かを胸に抱え込んでいるようだが、それが何なのかはよく見えない。
とにかく、漆黒の龍はそれを抱えたまま、一直線に地球破壊爆弾に向かっていく。

「さっきの小僧か…?止せ!いくら仮面ライダーでも、そんな考えなしの突進が通用する相手じゃねえ!」

DIE/SOULの忠告にも耳を貸さず、漆黒の龍はそのまま突っ込む。

「いい度胸だ、仮面ライダー!私も、真っ向から受け止めてやろう!」

地球破壊爆弾が、拳を振り上げる。

「クロックアップ!」

漆黒の龍が、カブトの特殊能力を発動させる。

「時の流れに干渉する能力か…。ならばこちらも!スーパーキョンタイム!」

負けじと、地球破壊爆弾も特殊能力を発動させる。お互いの能力が相殺しあい、二人は通常の時間の流れで動くことになる。
一方、他の面々は二重に効果を受けてまともに動けない状態である。

「さあ、これで終わりではあるまい!次は何を出してくる、仮面ライダー!」

地球破壊爆弾の拳が、漆黒の龍に迫る。

(まだだ…。チャンスは一度だけ…。出来るだけ引きつけてから…今だ!)

限界まで地球破壊爆弾に肉薄したところで、漆黒の龍は胸に抱いていた物体を相手の眼前にかざした。
それは、孤高の黒き書き手の生首だった。むろん、漆黒の龍が彼女の首を切断したわけではない。
変化の杖による変身である。
孤高の黒き書き手が愛の伝道師より与えられた異能、ギアス(ギャルゲロワ仕様)。
相手に甚大な精神ダメージを与えるこの能力なら、自分でも地球破壊爆弾を止められるかもしれない。孤高はそう考えた。
だが、正面から行ったところであんな怪物と自分が目を合わせるのは至難の業だ。
そこで彼女は考えた。自分が荷物となり、自分より身体能力で遙かに勝る漆黒の龍に運んでもらえばいいのではないかと。
漆黒の龍には出来るだけ「荷物」が自分であることを悟られないようにしてもらい、直前で出してもらえば成功の確率は十分にある。
そして、彼女の策はここまで順調に進んできていた。

(あなたが何故戦っているのか、私は知らない…。
けど、あなたを止めなければ私の大切な仲間たちが死ぬかもしれないんです!
ひどい仕打ちはお互い様ってことで、許してください!)

地球破壊爆弾の目をしっかりと見据え、孤高はギアスを発動させる。

「ぐうぅぅぅぅぅ!!」

地球破壊爆弾の顔が、苦痛にゆがむ。

(やった!これでしばらくは気絶…。)

作戦の成功に、こみ上げてくる喜びを隠しきれない孤高。
だが、その喜びはすぐに粉砕される。

「ぐがっ!」

ふいに伸びた、地球破壊爆弾の右手。それが、漆黒の龍の頭をわしづかみにした。

「悪くない作戦だったぞ、二人とも。だが、この私を黙らせるには出力不足だったようだな!」
「そんな…!ギャルゲロワのすべてをぶつけたっていうのに…!」

孤高が絶句するのも無理はない。いくら平均的に精神的耐久力が高いパロロワ書き手でも、あの技を受ければ普通は無事ではすまない。
だが、地球破壊爆弾は普通の書き手ではない。
あらゆる方向性の話に対応し、特にグロ描写では他の追随を許さない。
彼女にとって、「ギャルゲロワのすべての苦痛」は決して耐えられないレベルのものではなかったのである。
とは言っても、その顔色は若干青ざめてしまっているのだが。

3388ようこそルナティックパーティー:2008/04/12(土) 16:07:51 ID:FmlCSW6E0
「礼の代わりにあの世への片道切符をプレゼントしよう。楽しんでこい!」
「い、いえ、遠慮してええええええ!?」

地球破壊爆弾は、漆黒の龍を砲丸のごとく放り投げる。孤高の首と共に宙を舞う漆黒の龍。
その体は、どんどんと病院から離れていく。

(いや、ちょっと、いくらアーカードでもこれはやりすぎじゃないの?
というか、病院の隣ってたしか禁止エリアになってたはず…。
やばいって!このままいったら爆死じゃないか!)

必死でもがく漆黒の龍だが、いかに仮面ライダーカブトと言えど空中を猛烈な勢いで吹っ飛ばされている現状ではどうしようもない。
生首状態の孤高はもっと無力だ。まあ、今の彼女は首輪が消えているので爆死の危険性は限りなく低いが。

(まずい!これは本格的にまずい!せめて孤高さんだけでも…。
いや、こんなスピードで飛んでる時に手を離したら、思い切り地面に叩きつけられて大惨事じゃないか!
ああ、もう!どうしたらいいんだ!)

解決策が見いだせず、焦りを募らせる漆黒の龍。だが、その体は突然停止する。

「ぐげえっ!」

移動エネルギーが急激に零になった反動を受け、漆黒の龍は悶絶する。
しかしそれに何とか耐え、彼は何が起きたのかを確認すべく後ろを振り向く。

「ど、ドラグブラッカー!」

そこにいたのはリュウガの契約モンスター、ドラグブラッカーだった。

「おまえが受け止めてくれたのか?
でもおまえ、ソルテッカマン運んだ時の疲労で出てこられないはずじゃ…。」

漆黒の龍の当然の疑問に対し、ドラグブラッカーは「何も言うな」とばかりに首を振る。
そして、その辺の窓ガラスからミラーワールドに戻っていった。

「あの子、無理してまで私たちを助けてくれたんですな…。」
「うん…。」

孤高の言葉に、漆黒の龍はゆっくりとうなずく。

「さあ、早く戻ろう、孤高さん!あいつに助けてもらったこの命、無駄には出来ない!」
「はい!」


◇ ◇ ◇


二人の黒き若者が退場した病院跡。むろん、闘争の宴はまだ続いていた。

「ガッツに関係ない武器はあまり使いたくねえが…。わがまま言ってられる状況じゃねえよなあ!」

DIE/SOULは懐から核鉄を取り出し、「武装錬金」と叫ぶ。
その瞬間、武装錬金「ブレイズオブグローリー」が発動。DIE/SOULの体が炎に変化する。

「吸血鬼らしく、灰になりやがれぇぇぇぇぇ!!」

猛火の波が、地球破壊爆弾に襲いかかる。それに対し地球破壊爆弾は落ち着いて後退。
そこに落ちていた剣を拾い上げ、炎を切り裂く。

「なにっ!?」

一瞬驚きを見せるDIE/SOULだが、すぐにその剣が見覚えがあるものであることに気づく。
そう、炎を操る支給品は、何もブレイズオブグローリーだけではない。

「レバ剣、ゲットだぜー☆」

こなたに姿を変え、場の雰囲気に合わぬ陽気な声で地球破壊爆弾が叫ぶ。
彼女の手に握られているのは炎の将・シグナムのデバイス、レヴァンティン。
仮面ライダー書き手が持っていた、不明支給品の正体である。

「だが、レヴァンティンで操れる炎の量などたかがしれている!防ぎきれるもんならやってみやがれ!」

炎を総動員して、地球破壊爆弾を消し炭にしようと迫るDIE/SOUL。
だが地球破壊爆弾は目に求まらぬ速さでレヴァンティンを振るい、すべての炎をはじき返す。

「ふざけんな!チートにも程があるだろ、この野郎!」
「んふっふー♪これはチートじゃなくて専用装備補正というものだよ☆
それより、そのまんまでいいのかな、ダイソウくん。」
「どういうことだ!」

DIE/SOULの怒号にも、地球破壊爆弾は笑みを崩さない。

「こういう…ことだ!」

アーカードの姿に戻り、地球破壊爆弾は瓦礫に覆われた地面に思い切り拳を叩き込む。
すると、地面から大量の水が噴き出してきた。地球破壊爆弾の一撃が、地中の水道管を破壊したのである。

「がああああ!!」

水をまともにあび、DIE/SOULは苦悶の声をあげる。
ブレイズオブグローリーで生み出した炎の完全消化、それは使用者の死を意味する。

「クソが…。」

武装錬金を解除し、元の姿に戻るDIE/SOUL。しかしすでにかなりの量の水をあび、相応の体力を持っていかれてしまっている。

3389ようこそルナティックパーティー:2008/04/12(土) 16:09:11 ID:FmlCSW6E0
「これでしばらく、貴様は動けまい。さあ、貴様はどうする、マダ…。」

地球破壊爆弾が最後まで言い終わらぬうちに、マダオのパニッシャーがその体を殴り飛ばした。

「ザ・ワールド!時よ止まれ!」

さらに間髪入れず、マダオは「世界」を発動させ時を止める。

「眠れ、爆弾よ!」

マダオが突き出した右手に巻かれているのは、コロンビーヌから借り受けた時計型麻酔銃。
そこから放たれた針が地球破壊爆弾めがけ飛んでいき、その寸前で止まる。

「そして時は動き出す!」

能力が解除されると同時に、地球破壊爆弾の額に針が突き刺さる。
だが、地球破壊爆弾の対処は早かった。
自分を眠気が襲ってくるのに気づくと、迷わずレヴァンティンで顔の上半分を斬り飛ばし「毒抜き」を行う。
しかし、その程度はマダオにとっても想定の範囲内だ。彼女は、少しでも地球破壊爆弾に悪影響を与えられればそれでよかったのである。

「無駄無駄無駄無駄無駄ぁ!!」

マダオ本人と、「世界」の拳が同時にラッシュを放つ。
パロロワ界最強レベルのキャラと、「ジョジョ」世界最強クラスのスタンドの同時攻撃。
この直撃を受け、さすがの地球破壊爆弾もボロ雑巾のようになって吹き飛ぶ。

「まだまだ!!」

マダオは、なおも攻撃の手をゆるめない。アーカードのしぶとさは、彼女自身が一番よく知っていることだ。
マダオは容赦なく、ボロボロの地球破壊爆弾に対してパニッシャーに装備されたロケットランチャーの弾丸を撃ち込む。

「やったか…?」

巻き上がる爆風を見つめながら、マダオは呟く。だがすぐに、彼女は自分の過ちに気づく。

(しまった!爆風で周りが見えない状況で「やったか?」と呟く…。完全に相手の生存フラグではないか!)

マダオが危惧したとおり、地球破壊爆弾はまだ生きていた。
もっとも首から上は完全に消失し、右腕は半ばまでちぎれ、全身が自らの血で染まっていたが。

「ハハハハハハハハハハハハハハ!!今のはなかなか効いたぞ!!
さすがは私と同じアーカードだな!!ではここまで私を追いつめた貴様に敬意を払って…。
もう一段階上の私を見せてやろう!!」

3390ようこそルナティックパーティー:2008/04/12(土) 16:10:26 ID:FmlCSW6E0
◇ ◇ ◇


全力で病院まで戻ってきた漆黒の龍と孤高の黒き書き手は、愕然とした表情を浮かべていた。

「なんで…なんで巨大ロボが出てきてるのさ!」

思わず、間の抜けた声を出してしまう漆黒の龍。
そう、彼らの前にいたのは地球破壊爆弾第6の姿、キングゲイナーであった。

「もうたいがいのことじゃ驚かないつもりでいたが…。さすがにこれは許せるかァァァァァァァァ!!」

悪態を付きながら、義手から砲弾を放つDIE/SOUL。しかし、サイズの違いはいかんともしがたい。
いかに強力な武器と言えども、キングゲイナーの巨体が相手では有効打になるはずがない。

「おまえは下がっていろ、DIE/SOUL!まだ万全ではあるまい!」

そう叫ぶのは、零号解放済みのマダオだ。
さすがに零号解放ともなればサイズの差はある程度カバーできるが、それでも苦戦を強いられているのが現状だ。
何せ相手は単なるキングゲイナーではなく、アーカードの基礎能力を持ったキングゲイナーなのだから。
コロンビーヌもゾナハ蟲をフル活用して援護に回っているが、はっきり言って焼け石に水である。

「絶望的じゃないですか…。どうしろって言うんですか、こんな状況…。」

顔を青ざめさせ、孤高の黒き書き手は地面に膝をつく。
なお、変化の杖の効果は少し前に切れている。以前使った時には数時間効果が続いたのだが、その辺はかなりいいかげんに設定されているらしい。

「絶望するのはまだ早いんじゃないかしら、孤高氏。」
「「tu4氏!」」

背後からの声に、漆黒の龍と孤高は思わず声をシンクロさせて叫ぶ。
そう、そこにはtu4氏が立っていた。長門に切断されたはずの右腕は、元通りにくっついている。

「tu4氏、その腕は…。」
「セフィロスのジェノバ細胞で再生させたわ。今回参戦してないロワのキャラだからか、だいぶ回復に時間がかかったけどね。
まあ、そんなことはどうでもいいの。それより孤高氏、あなた、そんな簡単に諦めていいの?」
「だって、しょうがないじゃないですか!超人クラスの人たちが集まってあれなんですよ?
私なんかがどうやって希望を持てって言うんですか!」

眉をつり上げ、孤高は反論する。

「能力の話じゃないのよ、信念の問題。あなたの書き手としての信念は、ここで折れる程度?
私は違う。さっきあいつは、私のやり方を否定した。でも、私は自分の信念を曲げるつもりはない。
私はあいつを倒し、空気キャラの復権を為す!」

そう言い残し、tu4氏は飛び立っていった。目の前の強大すぎる敵、地球破壊爆弾を倒すために。

(そんなこと言ったって、力無き信念なんて無意味ですよ…。
私の切り札のギアスも、あの人には通用しなかった…。
この場で、私にどうやって信念を示せというんですか!)

ぎゅっと唇を噛みしめる、孤高の黒き書き手。漆黒の龍は、ただそれを黙ってみているしかできなかった。

3391ようこそルナティックパーティー:2008/04/12(土) 16:12:21 ID:FmlCSW6E0
◇ ◇ ◇


(あれ?そう言えば私、元々ロリカードと戦いにきたんじゃなかったっけ?
ま、まあいいや、目立てれば…。)

自分の行動にセルフつっこみを入れつつ、tu4氏はキングゲイナーとなった地球破壊爆弾に向かっていく。

(このデカブツを、ちまちま攻撃したところでどうしようもない!大技で一気に決める!)

迫りくる攻撃をかわし、tu4氏はキングゲイナーの巨体に肉薄した。

(行くわよ、脳内補完!)

再び右手にはめられた手甲を、キングゲイナーの装甲に押し当てる。

「出でよ、覇龍!!轟覇、機神拳!!」

病院を崩壊させた一撃が、零距離から地球破壊爆弾に叩き込まれる。
放たれた闘気が、地球破壊爆弾を貫く。さらにその体に亀裂が入り、バラバラに分解されていく。

(やった!ついに私はアーカードを…。)
「惜しかったなあ、空気王よ。」
「え?」

虚空から響く低い声が、tu4氏の喜びをかき消す。

(そんな、まさか、まさか、まさか!)
「残念だったが、体はバラバラでも心臓は無事だ。じゃあな。」

胴体からちぎれ落ちた地球破壊爆弾の右手が、tu4氏に叩きつけられる。tu4氏は、それをよけられない。

「…………!!」

悲鳴すら上げられずに、tu4氏は吹き飛ぶ。

(やば…。全身の骨がいったわ…。これで地面に叩きつけられたら、さすがにジ・エンドね…。)

朦朧とする意識の中で、そんなことを考えるtu4氏。そんな彼女に向かって、飛翔する影がひとつ。
仮面ライダーカブト、漆黒の龍だ。
空中でtu4氏の体をキャッチする漆黒の龍。しかし勢いを殺すことは出来ず、そのまま一緒に地面に激突する。

「があっ!」

着地の衝撃で、口から盛大に血を吐くtu4氏。とはいえ、漆黒の龍がクッションになる形となったため、即死は免れたようだ。

「大丈夫ですか!すいません、かばいきれなくて…。」

漆黒の龍は、心底申し訳なさそうな口調でtu4氏に謝る。

「かはっ…!あなたも、物好きね…。なんで初対面の…私を……かばうわけ……?」
「約束したんですよ、あなたを救うと。ツキノ氏とね。」
「ツキノ氏?」

巨大な疑問符を浮かべるtu4氏。ツキノはこのロワに参加していないはず。何を言ってるんだ、こいつ?

「それに、さっき孤高さんを励ましてくれたじゃないですか。
孤高さんは僕の友達です。それだけで十分理由になりますよ。」

仮面の下に笑顔を浮かべそう言うと、漆黒の龍はtu4氏の体を地面に横たえさせる。
そして、地球破壊爆弾の元へ歩き始める。今の地球破壊爆弾は、バラバラになった体を再構成していた。
ただしキングゲイナー状態でのバラバラはさすがにきつかったのか、その姿は泉こなたのものになっている。

3392ようこそルナティックパーティー:2008/04/12(土) 16:13:40 ID:FmlCSW6E0
「へっ、だいぶ縮んだもんだな、地図氏。これなら何とかなりそうだ。」

地球破壊爆弾の姿を見て、DIE/SOULはうそぶく。
むろん、彼にもこの状態になったからといって易々と勝てる相手ではないことはわかっている。
あくまで、自分を鼓舞するための台詞だ。

「さあ、行こうぜ、マダオ…。って、いねえ!!」

ついさっきまで近くにいたはずの相棒を見失い、DIE/SOULは狼狽する。

「ああ、マダオちゃんならさっきのバラバラのどさくさで、思いっきり蹴り飛ばしておいたよ〜。
アーカードの身体能力でも、戻ってくるまで10分はかかるんじゃないかな?」
「なんだとぉぉぉ!!」

あっけらかんと告げられた事実に、DIE/SOULは青筋を浮かべて吠える。

「まあまあ、いいじゃん?元々貴様の目的は、アーカード対ガッツを実現することだったのだろう?」

後半から声をアーカードに変え、地球破壊爆弾はDIE/SOULを挑発する。

「くっ…。」
「まあ、マダオがいなくなってもまだ貴様に味方する奴は残っているようだがな。」

DIE/SOULから視線をずらす地球破壊爆弾。その視線の先には、こちらに走ってくる漆黒の龍の姿があった。

「食らえ!ハイパーライダーキック!!」

いつの間にやらハイパーフォームに変身し、いきなり必殺技を放つ最初からクライマックスな漆黒の龍。
それに対し、地球破壊爆弾は姿をその名前通りの物体、地球破壊爆弾に変化させた。

「ええ!?」

その姿に、漆黒の龍はとまどう。彼は、地球破壊爆弾の具体的な恐ろしさは知らない。
だが、「あれ」を攻撃してはいけないと本能で感じ取っていた。
その結果彼は技を中断し、力無く地球破壊爆弾の前に着地する。

「馬鹿野郎!何やってやがる!!」

DIE/SOULの怒号が飛ぶが、もはや何を言っても遅い。

「そう言うな、彼の判断は正しいよ。あのまま彼が攻撃を続けていたら、私は死んでいたが彼も死んでいた。
というか、参加者全員が死んでいた。」

こなたの姿に戻った地球破壊爆弾は、漆黒の龍の頭をつかむ。
そう、先ほどと同じように。だが、今度は投げはしない。

「があ…あっ…!」

そのまま、内側へと力を込めていく。こなたの小さく短い指が、ライダーのマスクにめり込んでいく。
カブトのスペックなら、理論上はこの状態からでも十分反撃は可能だ。
だが頭部へのダイレクトな痛みが、漆黒の龍にまともな思考能力を与えない。

「やめろぉぉぉぉぉぉぉ!!」

見ていられなくなり、竜殺しを振りかざしてDIE/SOULが突っ込む。
だが、その動きは未だ万全とはほど遠く。

「スローリィ!実にスローリィだぞDIE/SOUL!」

漆黒の龍を適当に放り投げ、地球破壊爆弾はDIE/SOULに突進する。
精彩を欠いた竜殺しの一撃を難なくかわし、懐に入り込んでいつの間にか拾い直していたレヴァンティンで斬りつける。

「ぐぅっ!!」
「ゲームオーバーだ、DIE/SOUL!」

自らが付けた傷を、さらに蹴りつける。DIE/SOULは傷口を押さえ、地面にうずくまる。

「さて、他に戦えるのはおまえぐらいか…。どうする、自動人形。」

次に地球破壊爆弾が視線を向けるのは、この地獄において未だ目立ったダメージを受けていないコロンビーヌ。
だが、それは彼女の力量が高いことを意味しているのではない。
たまたま地球破壊爆弾の攻撃の矛先が、彼女に向かなかったというだけのことである。

3393ようこそルナティックパーティー:2008/04/12(土) 16:15:22 ID:FmlCSW6E0

「悲しい人ね…。」

地球破壊爆弾と目を合わせ、コロンビーヌは小さく呟く。

「いきなり何を言い出すのだ、貴様は。」
「あなたを動かしているのは、愛を失った悲しみ。それを闘争という手段でごまかそうとしている。
ねえ、もう十分に暴れたでしょう?そろそろ終わりにしない?」
「戯れ言を…。失うも何も、私には最初から愛という感情は存在しない。
分身に持っていかれてしまったからな。」
「嘘よ。だったらなんで、あなたに無想転生が使えたわけ?
あれは愛を知る者にしか使えない技。あなたが愛を持っていたことの何よりの証明じゃない。」
「適当なことを言うな!」
「いいかげんに認めなさい。
あなたはあの女の子を愛していたのでしょう?泉こなたではなく、地球破壊爆弾として!」
「黙れ!!」

地球破壊爆弾は、レヴィに姿を変える。同時にソード・カトラスを投影し、それを乱射する。
だが銃弾は、コロンビーヌをかすめるばかり。一発とてまともに当たらない。

「何故、愛を否定するの?この世界で恋愛より素晴らしいものなどないというのに。」
「てめえの物差しを人に押しつけるな!!」

ソード・カトラスを消し、地球破壊爆弾は再びレヴァンティンを構えコロンビーヌに突進する。

次の瞬間、地球破壊爆弾を二方向から光が包んだ。



時はわずかにさかのぼる。
地球破壊爆弾に投げ捨てられた漆黒の龍は、図らずもtu4氏の前に戻ってきていた。

「くそっ…。」
「やっぱり、一筋縄じゃいかないようね。」

悔しさのあまり声を漏らす漆黒の龍に、tu4氏が声をかける。

「そんなことはさっきからわかっていたことです。こっちが力尽きるまで、何度でも立ち向かってやりますよ。」
「よしなさい。同じことを繰り返したって、同じ結果にしかならないわ。」
「じゃあ、何か策があるんですか?」
「あるわ。」

そう言うと、tu4氏は自分の右腕をゆっくりと動かす。

「こいつをもう一度撃ち込めば…。さっきはあの巨体だから倒しきれなかったけど、今の大きさなら十分に消し飛ばせるはず。」
「なるほど…。」
「問題は、今の私が大技の反動に耐えられるコンディションじゃないってことね。」
「ええ!?じゃあどうするんですか!」
「あなたが撃ちなさい。」
「え?」

予想外の一言に、漆黒の龍は驚きを隠せない。

「本来、この手甲は私の専用装備。私以外には使えない。
けど、なんだかあなたなら使えるような気がするの。」
「そんな、憶測でものを言われても…。」
「うるさい!!ごちゃごちゃ言ってないで、さっさとやりなさい!」
「は、はい!」

tu4氏の迫力に圧倒され、漆黒の龍は言われるがままに彼女の右腕から手甲を外す。
そして、それを自らの右腕に装着し直す。

「これは…!すごい!まるで最初から自分の体の一部だったようなフィット感です!」
「私の読みは当たっていたようね…。さあ、撃ちなさい!私のために!」
「別にあなたのためだけじゃないですけど…。いきます!」

本来なら、漆黒の龍がその技を使えるはずがない。
だが、不思議な因縁で結ばれた脳内補完とのシンクロ。
それが奇跡を起こした。

「出でよ、覇龍!!轟覇、機神拳!!」

3394ようこそルナティックパーティー:2008/04/12(土) 16:16:00 ID:FmlCSW6E0
時を同じくして、孤高の黒き書き手は自分の荷物からあるものを必死で引っ張り出していた。
彼女は思う。確かに自分は無力だ。だが、tu4氏や漆黒の龍は必死に頑張っている。
それなのに、力がないからといって自分一人が傍観しているわけにはいかない。
使える駒があるなら、それをここで使い切る!

「やっと…出せました…。」

彼女がデイパックから引きずり出したのは、ソルテッカマン一号機。
この金属の塊を少女の細腕だけで取り出すのは、並大抵の苦労ではない。
すでに、両腕は死にたくなるぐらいに痛い。だが、彼女のやるべきことはこれからが本番だ。
ハッチを開け、孤高はソルテッカマンの中に乗り込む。
説明書が紛失しているため、ソルテッカマンをパワードスーツとして使いこなすには多量の時間を費やす必要がある。
だが、「固定砲台」として使うのならさほど難しくはない!

「クラールヴィント、おねがい!」

電子関係に強いクラールヴィントを使い、ソルテッカマンのシステムを掌握。
そして、それが持つ最強の兵器を作動させる。

「フェミニオン砲、発射!!」


別々の方向から放たれた、二つの光。それが、同時に地球破壊爆弾を包んだ。

3395ようこそルナティックパーティー:2008/04/12(土) 16:16:53 ID:FmlCSW6E0
(終わった…。)

モニター越しに状況を確認し、安堵の溜め息を漏らす孤高。
モニターには、地球破壊爆弾の姿は映っていない。
「孤城の主」は終わった。自分たちは勝ったのだ。

(さて、さっさと降りて漆黒さんと合流…。)

ザシュッ!!

(え?)

突然、鋭い痛みが孤高を襲う。何が起きたのか、彼女には理解できない。

ザシュッ!ザシュッ!ザシュッ!

そうこうしているうちに、次々と同じ痛みが彼女の全身各所を襲う。
そして、最後に首がその餌食となった。

(え…?何これ…。私…死ぬ…?そんなの嫌だよ!助けて…漆黒さ…。)

孤高の黒き書き手は、バラバラになった。


「………!!」

漆黒の龍は、絶句していた。地球破壊爆弾を倒し、孤高の元へ駆け寄ろうとした。
ところがその瞬間、彼女は乗っていたソルテッカマンごとバラバラになってしまった。
その背後から姿を見せたのは、血染めのチェーンソーを手にしたサイボーグのような外見の男。

「おまえか…!おまえが孤高さんを…!」

怒りをたぎらせる漆黒の龍。だが、彼の声すら遮る怒声が、周囲にこだまする。

「熱血王子ぃぃぃぃぃ!!」

熱血王子と因縁浅からぬ、二人の正義の味方。
遅ればせながら、彼らが病院跡に到着した。
「孤城の主」第二幕、開演…。

【孤高の黒き書き手@ギャルゲロワ 死亡】

3396ようこそルナティックパーティー:2008/04/12(土) 16:17:57 ID:FmlCSW6E0
【夜中】【E-8/病院】

【神行太保のDIE/SOUL@アニロワ1st】
【状態】:疲労(大)、全身火傷(処置済み)、右指炭化(処置済み)、核鉄による治癒中
【装備】:竜殺し@ベルセルク、ガッツの装備一式@ベルセルク、核鉄『ブレイズオブグローリー』@武装錬金 、ガッツの義手@ベルセルク
【道具】:支給品一式、拡声器
【思考】:
 基本:アーカード(地図氏、マダオ)は殺すつもり。(だったのだが……)
 0:くそ、新手かよ!
 1:対主催を集める
 2:ナナシと出会ったら、決着をつける!
 3:マダオがちょっと心配。
 ※容姿はガッツ@ベルセルクです。
 ※神行太保・戴宗の神行法(高速移動)が使えます。
 ※ラディカルグッドスピード腕部限定は、腕だけが速く動きます。
 ※地図氏(地球破壊爆弾No.V-7)がジョーカーではないかと思っています。
   ジョーカーに襲われた事と合わせての考察はまだしていません。
 ※自分が本物の書き手なのか疑問が生まれました。他の書き手を殺すのにわずかな躊躇いが生まれました。




【漆黒の龍@ライダーロワ】
【装備】カブト装備一式(ハイパーゼクター付)@ライダーロワ、黒い皮手袋
    カードデッキ(リュウガ)@ライダーロワ 、核鉄(ニアデスハピネス)
【所持品】支給品一式 、がんがんじいスーツ(頭部に凹みあり)@特撮ロワ、首輪の残骸(愛の伝道師)
     クルミ、レイジングハート(故障)。
【状態】ダメージ(中)、疲労小、下半身と背中土塗れ、ハイパーカブトに変身中
【思考・行動】 基本:対主催。そして脱出。
 1:孤高さんの仇を討つ!
 2:他の対主催と合流する。
 3:tu4氏を止め、共に脱出。
 4:姿を変える参加者に対処。見つけたらはったおす。
 5:生存者の確保、及び首輪の解析の出来る人物の捜索。
 6:愛の伝道師の意志をついで愛を説き、この戦いについて調べる。
 ※外見や声は城戸真司ではなくリュウガでした。大して違いはないですが。
  またそのことを自覚した事により、若干頭が切れるようになりましたが性格的には変わってません。
 ※他ロワの知識は皆無です。
 ※ドラゴンオルフェノク@ライダーロワに覚醒しました(ただし黒色)。触れたものを灰にする能力はありません。
 ※『蘇った現代の熱血怪人』『派手好き地獄紳士』『予約被りに定評のあるtu4氏』を危険人物として認識しました。
 ※一人称が僕に変わりました。
 ※tu4氏の姿について把握しました。
 ※核鉄(ニアデスハピネス)は制限により、使用中は強制的にパピヨン姿になります。でも戻るので安心ですね。
 ※レイジングハートは故障していて喋るだけですが、もしかしたら変身できるかもしれません。機能(と性格)については、大暴れ鉄槌の登場話を参照のこと。
 ※脳内補完の接近により、とても奇妙な夢を見ました。これがどう関係するかは分かりません。


【予約被りに定評のあるtu4氏@ギャルゲロワ】
【状態】ダメージ(極大)(ジェノバ細胞で回復中)、同胞に対する深い愛
【装備】永遠神剣第七位「存在」、ガンダールヴの証(ゼロの使い魔@漫画ロワ)、
    ペンダント(空鍋の欠片)
【道具】写真付き名簿、支給品一式、不明支給品×1(未確認)
【思考】 基本:空気キャラの復権を!
 1:孤高氏…。
 2:空気キャラは保護する
 3:書き手はみんな滅する
 4:エロスの鐘の煩悩寺がマーダーだと広める
 5:ギャルゲロワ陣営は欝に叩き込む
 6:転もあったらただじゃおかない
 7:邪魔するようならWIKI管理人も容赦はしない



 ※容姿は白鐘沙羅@フタコイ オルタナティブ。アセリアの服を着ています。
 ※永遠神剣第一位「空気」が覚醒しました。
  相変わらずロワの舞台は基本マナが少ないので普段「空気」自体は振るえません。
  エターナル化は世界移動時の存在抹消がむかつくので「空気」とtu4双方の意志で抑制中。
 ※転生前の記憶も蘇りました。
 ※ガンダールヴの能力は、どんな武器でも自在に操れます。
  また本来は使うと疲労を伴いますが、tu4氏の場合それはありません。チートですし。
 ※空気王として他ロワの空気キャラの能力を使用できます。
  空気の覚醒により更に応用が利くようになりました。
  例フォルカ+ミミ=他の空気キャラを超神化(超進化) チート度アップしましたし。
 ※闘鬼転生を用いてギャラドス脳内補完を武装化しました。轟覇機神拳で召還可能です。神化して双覇龍になるかは不明。

3397ようこそルナティックパーティー:2008/04/12(土) 16:18:41 ID:FmlCSW6E0
【コロンビーヌ@漫画ロワ】
【状態】:疲労(小)、ダメージ(小)
【装備】:ゾナハ蟲@からくりサーカス
【道具】:支給品一式×2、ティーセット一式、麻酔銃の予備針×4 、変化の杖、キャンディー×2
     焦ったドラえもん・うっかり侍・孤高の黒き書き手の服、対戦車地雷×17個、ポン太くんスーツ@スパロワ(大破)     
【思考】基本:恋愛ばんざい
 0:鬼軍曹を生涯愛し続ける
 1:宿った命を大切にする
 2:この場面、どうしよう…?
 2:愛に介入しようとする邪魔者を倒す
 3:そういえば、新生クライシス帝国のみんなはどうしているかしら?



 ※容姿はコロンビーヌ(ロリ)@からくりサーカスです。
 ※ギャグ将軍にシンパシーを感じています。
 ※影の繋ぎ手・仮面ライダー書き手に紅茶を入れてあげたいそうです。
 ※猫子頭の鬼軍曹と結婚しました
 ※ロワ内の愛を感知できるようになりました。お邪魔虫もわかるようです




【熱血王子@漫画ロワ】
【状態】:黒化 顔が焼け爛れている 顔面ひしゃげてる 右目にお姉さまの眼が入っている
     左腕骨折 全身に大ダメージ(気を抜いたら死んでもおかしくない) 機体と人機一体化(カメラアイから画像も見ることが可能)
【装備】:『破棄すべき全ての手(黒)』 ヒュッケバイン・ボクサー(トロンベ) 
      黒い青龍偃月刀 ウルトラリング(黒)  転ばし屋(元から黒) 黒いチェーンソー@サガ1 AK-74(残り60発・黒)
      ちぬられたたて@FF6 マジシャンズレッドのDISC(黒) 放火セット(燃料、松明、マッチ) 凛の宝石×2個
【所持品】:支給品一式×10 ナイフ、BL本、GL本、泉こなたのスクール水着@漫画ロワ 首輪×2 パロロワ衣服詰め合わせ
      お徳用原作パロロワ全生首セット(目玉セット他に換装可能) &原作パロロワ全手首詰め合わせ今なら腕も付いてくる!
【思考・行動】
 基本:愛媛に許されるために殺す
 0:この場の輝きを殲滅する
 1:黒く染まってない奴を優先して殺す
 2:白に寝返りそうな奴も殺す



※ちぬられたたて@FF6:これを何回も使い続けると英雄の盾になる。愛媛の暗黒に汚染され戻ってしまった。
            上昇効果が無く逆に様々なマイナス効果(力・すばやさ・体力・魔力-7、
            常時スリップ・混乱・バーサク・沈黙・死の宣告、炎・氷・雷・地・水・毒弱点)
            があるが、熱血王子機械属性入手&元から発狂属性の為ステータス異常部分は無効。
※闇の書とパスが繋がっているため、EN回復(大)が付きます
※所持品は所持しているだけなので黒化していません
※ヒュッケバインボクサートロンベ:単純にヒュッケバイン・ボクサーが黒色(レーツェルカラー)になったもの。
                 トロンベ化に伴いトロニウムエンジンから核融合エンジンになったが、
                 666からのエネルギー供給でトロニウムエンジン以上に安定駆動可能になっている。
                 人間サイズより一回り大きい。念動兵器が使えるかは不明。

3398ようこそルナティックパーティー:2008/04/12(土) 16:19:29 ID:FmlCSW6E0
【衝撃のネコミミスト@アニ2nd】
【装備】:マテリアルブレード@テイルズロワ、クラールヴィント@アニロワ1st、バリアジャケット
【所持品】:支給品一式×3、拡声器、オーガドライバー(オーガストライザー付属)@ライダーロワ
【状態】:不死者化、深い悲しみ、強い決意
【外見】:バリアジャケットの白いリボンドレス。
【思考・行動】
 基本:前に……進む!
 1:熱血王子を止める。
 2:地球破壊爆弾No.V-7はどこ?。
 3:スクライドの遺志を継ぎ、牙なき人の剣になる。積極的にマーダーキラー路線。




 ※衝撃波を使えます。掌からだけでなく、足の裏からも出せるようになりました。
 ※「大あばれ鉄槌」を幼女好きの変態と勘違いしています。
 ※シャリダムを通じて幻夜の死体を喰い、その記憶と知識と経験を得ました。
  また、ブックがロワに来てからシャリダムが生まれるまでの経緯を体験しました。
 ※自分が主人公、そして黒猫という単語に引っかかっているようです。
 ※第三回放送を聞き逃しました。



【影の繋ぎ師@ライダーロワ】
【装備】:サタンサーベル@ライダーロワ、リボルケイン@ライダーロワ、ワルキューレ@スパロワ
【道具】:支給品一式、カラオケマイク@現実、携帯電話@現実
【状態】:月光で全快済み、WIKI管理人へのぶっちぎりな激しい怒り
【思考・行動】
基本:殺し合いには乗らない。
1:どこまでも ぶ っ ち ぎ る ぜ !!
2:熱血王子を倒す。。
3:他の参加者にもディーから聞いた事を伝える。
4:逃げたWIKI管理人の手下を見つけて倒す。



※変身体が仮面ライダーBLACK SRX@書き手ロワ2に進化しました。
 キングストーン二つの融合により更なる可能性を得たかもしれません。
※RXの全変身系統の能力が二倍以上にアップし、シャドームーンの武器と技も使用可能です。
 何より性能差をももろともしないシャドームーンの卓越した戦闘技能を強化されたRXが得たことが一番大きいでしょう。
 加えて太陽光・月光の両方を取り込めるようになったので、昼夜問わずぶっちぎれます。
 名前からしてスパロボのSRXの技も使用可能かもしれません。詳しい能力・技は以降の書き手にお任せします。
 原作設定すらぶっちぎるぜい!
※ついでに首輪が取れちゃいましたが、どこまでもぶっちぎりです。



以下のものがE-8に落ちています。いくつかは戦いに巻き込まれて破壊されたかもしれません。

仮面ライダー書き手の所持品
カイザギア@ライダーロワ、サイドバッシャー@仮面ライダー555
  支給品一式 、カードデッキ(ベルデ)@仮面ライダー龍騎 大鉈@ギャルゲロワ

クールなロリスキーの所持品
支給品一式、着替え用の衣装(複数)、『村雨健二』の衣装、裸エプロン(キュートなシルク仕様)、
   日焼け止めクリーム(大量)、未定支給品×?(本人確認)

孤高の黒き書き手の所持品
悟史の金属バット@ひぐらしのなく頃に、クラールヴィント(呪)@リリカルなのはシリーズ、支給品一式

3399ようこそルナティックパーティー:2008/04/12(土) 16:20:44 ID:FmlCSW6E0
◇ ◇ ◇


「ふう、誰にも気づかれなかったみたいね…。」

ここは病院の地下に存在する霊安室。
そこで独り言を呟くのはスーパーかがみん。傍らには気絶した地球破壊爆弾が横たわっている。
スーパーかがみんが自らのオプションである激戦を握らせているため、その肉体のダメージはすでに完全回復していた。
戦闘中、主譲りの空気ステルスで完全に気配を消していたスーパーかがみんは、二つの光がぶつかる直前に飛び出し、地球破壊爆弾を救助した。
そして衝撃波で素早く穴を掘り、地下に逃げ込んだのである。

「さて、こなたは大丈夫そうね…。問題はこっちか…。」

スーパーかがみんが見つめるのは、床に転がる二つの人体のパーツ。
ロリスキーの下半身と、戦闘のどさくさでかすめ取っておいた仮面ライダー書き手の右腕である。
このまま粉々にしてしまってもかまわない。自分は彼女を憎んでいたのだから。
しかし、スーパーかがみんは感じ取っていた。この物語が必要としているのは、自分ではなく彼女なのだと。

「やれやれ、本当に損な役回りね…私って…。」

自嘲的な笑みを浮かべると、スーパーかがみんはその二つを自分の中に取り込んだ。


◇ ◇ ◇


あれ?ここ、どこだろう。
私、どうしたんだっけ。

「何寝ぼけてんのよ、しっかりしなさい。」

あれ?なんで私がもう一人いるの?

「私はあなただけど、あなたじゃない。このロワで生み出された、もう一人の柊かがみ。」

んー、よくわかんない。

「はー、こんな馬鹿に任せてよかったのかしら…。私の体くれてやったの後悔してきたわ…。」

誰が馬鹿よ…って、体をくれてやった?どういうこと?

「目が覚めればわかると思うわ。とにかく、あんたはまだ死んじゃいけない。
悔しいけど、こなたが選んだのは私じゃなくてあなたなんだから。
あなたは生きて、こなたを支えてやりなさい。そして最後まで生き残って、柊かがみのジンクスなんてものをぶち壊しなさい!」

よくわからないよ…。あなたはいったい何者なの?

「それはここで説明しなくても、起きればあなたの脳が知っているはず。
おっと、そろそろ時間か。待たせてる人もいるし、私はそろそろ行くね。
じゃあね、もう一人の私。つかさとみゆきにもよろしくね。」

待って、まだ聞きたいことが…。


病院地下の霊安室。そこでは、二人の少女が眠っていた。

3400ようこそルナティックパーティー:2008/04/12(土) 16:21:18 ID:FmlCSW6E0
【クールなロリスキー@漫画ロワ 復活】
【スーパーかがみん@書き手ロワ2nd 消滅】



【E-8/病院地下】
【地球破壊爆弾No.V-7@アニロワ1st】
【状態】:疲労(大)、気絶、ダメージは完全回復、泉こなたの姿
【装備】:激戦@漫画ロワ
【道具】:支給品一式、着替え用の衣装(複数)、アダルトグッズ(大量)、レヴァンティン@アニロワ1st
【思考】:
 0:???
 1:ウッカリデスに取られたかなあ…
 ※基本的に中身はアーカードで、CVは平野綾です
 ※変化する姿に7つのバリエーションがあるらしいです。
 【1:地球破壊爆弾】【2:アーカード】【3:長門有希】【4:泉こなた】
 【5:銃撃女ラジカル・レヴィさん】【6:キングゲイナー】【7:1〜6とか目じゃないよ?びびるよ、まじで】
 ※クーガーの早口台詞が言えます!
 ※鎖鎌、鳳凰寺風の剣、ソード・カトラス、ノートPCの投影が可能です。
 【スーパーキョンタイム】
 地図氏以外の者はゆっくりとしか動けなくなります。一度使うとそれなりの時間使用不可能です。
 【地図氏の地図】
 参加者の位置、生死を含めた地図を投影できます。※長門有希の状態でのみ可能。
 使いすぎるとアレなので、毎晩0時にのみ使うことにします。



【クールなロリスキー@漫画ロワ】
【状態】:不死者、吸血姫、スーパーかがみんと融合
【装備】:なし
【道具】:なし
【思考】:??????
 基本:こ、こなたと一緒に……脱出か対主催
 0:??????
 ※容姿は柊かがみ@らき☆すたです。
 ※何故か不死身です。
 ※地球破壊爆弾No.V-7の血を吸い、独立した吸血姫となりました。
※スーパーかがみんと融合し、彼女の記憶と能力を継承しました。
  ただし、能力を使いこなせるかは別問題です。
また、仮面ライダー書き手の記憶も取得した可能性があります。

3401ようこそルナティックパーティー:2008/04/12(土) 16:22:11 ID:FmlCSW6E0
さて、「孤城の主」からの途中退場を余儀なくされた書き手、ミスターマダオ。
彼女が何をしているのかというと…。

「まさか、君がこんなところで野垂れ死んでいるとはな。
もう少しで私と会えたというのに、運命とは皮肉なものだ。」

彼女が話しかけているのは、ミイラ化した男。スパロワ書き手としてのマダオの姿、転の死体である。

「ん〜、やはり自分自身の血はなじむな。戦いで流した分は、これで補給できた。
さて、向こうはまだ続いているのかな?急がねばな。」

にやりと笑みを浮かべ、マダオは走り出す。

「三日月〜背負い〜し〜少年よ〜今こ〜そ〜馬上に〜よみが〜え〜れ〜♪」

楽しげな歌が、人気のない市街地にこだました。

【G-7/市街地】
【ミスターマダオ@漫画ロワ】
【状態】:体力全快、強い決意、強い仲間意識
【装備】:パニッシャー@トライガン(機関銃:残り弾数100%、ロケットランチャー:残り5発)、運動服(ブルマ)、腕時計型麻酔銃(残弾0/1)@漫画ロワ
【道具】:支給品一式、未定支給品×1(本人確認済み)
【思考】
 基本:対主催! 殺し合いには乗らないが、マーダーは犬の餌。しかし……?
 0:急いで病院に戻る。
 1:友情! もっと仲間を探すぞ!
 2:努力! 首輪をどうにかするぞ!
 3:勝利! 見ていろよ主催者!
 ※容姿はアーカード(ロリ状態)@ヘルシングです
 ※地図氏(地球破壊爆弾No.V-7)がジョーカーではないかと思っています。
   ジョーカーに襲われた事と合わせての考察はまだしていません。
 ※自分が本物の書き手なのか疑問が生まれました。他の書き手を殺すのにわずかな躊躇いが生まれました。
 ※転の血を吸いました。
 【世界(スタンド)】
 世界を使用でき、時止めも可能です(3秒まで)。
 制限は漫画ロワに準拠――『体力の消耗』『時止めの再使用には10秒必要』『スタンドは見れるし触れる』

3402ようこそルナティックパーティー:2008/04/12(土) 16:25:55 ID:FmlCSW6E0
以上で終了となります。
我ながら長い、長すぎるよ!
いちおう3390からが中編、3395からが後編という風に考えてますが、それでもWikiに収まるかなあ…。

3403名無しでもいいよ皆そう呼ぶから:2008/04/12(土) 16:43:47 ID:9mz6w6K60
投下乙!なんというスーパーチート大戦w
そして驚きの黒さとぶっちぎりが到着して、さあどうなるのか!
楽しみだ、とてもとても楽しみだ…

3404名無しでもいいよ皆そう呼ぶから:2008/04/12(土) 19:22:20 ID:K34BeLUY0
投下乙。チートってレベルじゃねえぞ!
死者が一人だけとは予想外。かがみん抜きだけど、ここでまさかの爆弾離脱がどう響くか。

後一つ。漆黒の龍がtu4氏を庇った時ですが、
>「かはっ…!あなたも、物好きね…。なんで初対面の…私を……かばうわけ……?」

初対面ではなく以前一度会ってます(132話参照)。

3405名無しでもいいよ皆そう呼ぶから:2008/04/12(土) 19:47:37 ID:vr0OCKro0
>>3404
ああ、本当だ…。
すいません、見落としてました。
Wikiで修正しておきます。

3406名無しでもいいよ皆そう呼ぶから:2008/04/13(日) 02:04:34 ID:.Rarr69c0
投下乙です!地図氏強いよ地図氏。アーカードの基礎能力を持ったキングゲイナーってどんだけw
そういえばマダオ、零号解放してまた元に戻ってるということは、
死の河に飲み込まれたあろう仮面ライダー書き手の死体も取り込んだ可能性があるんだよな。

3407なのDeath☆:2008/04/14(月) 01:25:17 ID:uX1OfOtk0
たった一度のまんまる真っ青お月様。
その蒼き月光にて、今宵の物語は大きく捩れる。

捩れた物語を正す、猛き月光は果たしてこの世界にあるのだろうか?


天空の城ラピュタ、その円卓に再びジョーカーたちが集う。
しかし、どの書き手も誰一人として椅子に座っている物はいなかった。
彼らの誰一人として、もうダラけて茶を啜っていられる状況になかったからだ。
こうして集まったのも仕事の合間を縫っての緊急会議である。
「現状の報告をさせて貰う」
七氏がペラペラとびっしりと文字を詰め込まれた紙を見ながら言った。
「まず、知っての通り孤城の主が発動された。アーカード役は皮肉にもあの地図氏だ。
 それを包囲するハンターは最後の空気王tu4氏。零号開放可能な真正アーカードミスターマダオ。
 義手も手に入れて完全戦闘可能なDIE/SOUL。どう転ぶか予測がつかないコロンビーヌ。
 そして対主催として仲間を集めようとして一歩遅れた漆黒の龍と孤高の黒き書き手の計六人。
 これに後追いをかけているのがご存知チートMAXの影の繋ぎ手。
 僕達の足止めを最短で抜けてきたネコミミスト、そして666の駒として動き始めた熱血王子だ。
 地球破壊爆弾は二方向からの強烈な一撃によって撃破された。
 現在熱血王子が地図氏が去った席に座り、孤城の主を継続している」
「なんとも、壮観ですね……これで地図氏が朽ち滅んでくれれば助かるのでしょうが……予断は出来ないですね」
ガチホモが腕を組みながら映し出される映像に見入る。
地図氏こと地球破壊爆弾の電子戦能力を何より恐れたニコロワ勢にとって、この孤城の主こそが待ち望んでいた状況に他ならない。
「問題は、あいつだ。特に、既に手をつけられないほどに大きな存在となってしまった地獄紳士666がな」
ナナシが机の縁を指で小突きながら嘆息を漏らす。
サスペリアを通し、あえて主催者ではなく愛媛へのコンタクトを取ってくる大胆不敵さ。
既に彼女の驚きの黒さを蒐集されて、ますます手がつけられない存在となっている。
「ですが、彼女と私たちは利害が一致しています。彼女は最終的に対主催に倒されることを望んでいますからね。
 影の繋ぎ師や真正面から戦う力があるとは言いがたい私たちは、彼女の思惑を利用して出来るだけ対主催戦力を削るしかありません」
ガチホモが自分でも納得していないといった顔を見せた。
参加者の直接殺害を固く禁じられている彼らに出来ることは、
対主催の力を削ぎ妨害しつつ理想的な戦力差で対主催ルートへ状況をシフトさせることである。
その点においてネコミミストに倒されることを本願としている666と彼らは利害が一致しているのだ。
地図氏、影の繋ぎ師といったあまりにも尖った戦力を削る方法として、666の行為は見事に機能している。

3408なのDeath☆:2008/04/14(月) 01:25:59 ID:uX1OfOtk0
「現状は、やはり666に状況を任せるしかないでしょうね」
「不本意ではあるが、な。俺達が直接動けない以上それが一番効果的だ……で、七氏。俺達を集めた理由は」
ガチホモとナナシが七氏の方を向く。キールとしての顔に皺を刻んで七氏は言った。
「バトルマスターと蟹座氏が旅館に向かっている。ラブホテルから河岸を変えて何をするつもりかと思ったが、
 どうやら旅館の将軍と魔王に合流する狙いだな。
 ホテルへ寄り道をしたということは十中八九間違いない。したらば孔明氏の携帯電話だ」
二人が嫌そうな顔をする。
『柿テロ猥・R2‐ND』は主催者側の孔明が用いてこそ生きるものであり、対主催に使われると面倒極まりない。
既にジョーカー達の能力も彼らの知るところとなっているだろう。
孔明が死んだのだから、wikiを閉鎖してしまえばいいのだろうが、
彼らに情報が渡っていることを考えるとwiki管理人にその気はないらしい。
「これにギャグ将軍の持つノートパソコンと魔王の技術手袋を考えれば、彼らの集結は事実上脱出フラグの完成を意味する。
 666の覚醒までは時間が要る…………まだ混乱は続けさせるべきだ。合流前に手を打った方がいい」
なれば、これが合流する前に削る。それがジョーカー達の結論だった。
「だが戦力はどうする? 正直な所、動かせる人材が無いぞ」
ナナシが当然の疑問を口にする。現在愛媛は当の666の手によってリンカーコアを蒐集され、大分衰退している。
ネコミミスト達を足止めするだけだったはずのえーりんは重傷、挙句の果てに軍勢も半壊している。
「各人の状態はどうなっています?」
「今全力で破られた固有結界と魔術回路を繋ぎ合わせている所だ。
 666の通信後すぐにまた気絶したからな。本人の傷も直さなければならん」
「僕も結界内の軍勢の再構築に手一杯だ。えーりんが万全なら容易いが、そうもいっていられない。愛媛さんの方は?」
「そうですか……こっちも似た様なものです。バルサミコ酢を飲ませたりきしめんを食べさせながら看病していますが、やはり本人の頑張り次第でしょう。
 二人とも、どんなに頑張っても最終決戦までに全快になるかどうかという所ですね。
 エコノミーでさえなければもう少しなんとかなるんですが」
既に夜になり、彼らニコニコ勢が最も恐れるエコノミー帯になってしまった今、彼女達の治りは遅い。
愛媛とえーりんは今後を見据えて動かすわけにはいかず、ナナシ、七氏、ガチホモも看病で動けない有様だ。
「なら、切るしか無いな。残りのカードを。ニコニコの方は?」
「もう少し時間が欲しいですね。現在人外は戦力の最終調整に入っています」
「ならば、名無しに稼がせるか。七氏、あれは用意出来ているか?」
「特急で仕上げた。いけるさ」

その時だった。サスペリアから再び連絡があったのは。

3409なのDeath☆:2008/04/14(月) 01:26:35 ID:uX1OfOtk0
ホテルの一室で、サスペリアが正座して俯いていた。
その向こうにはガラス一枚隔ててシャワー室があり、水音が連続的に続いている。
「つまり、あんたが主催のwiki管理人と繋がってるってことでいいのね?」
サスペリアは足の指をふるわせて頷いた。なんか昼もこうして正座させられたような気がする。
無論ここで頷いたところでシャワー室でお湯を全開にしている彼女には見えないのだが、
沈黙を肯定と取ったのか、ふーんと鼻を鳴らした。
「んまあ、普通に考えたらどう考えてもそーなるわよね。管理人が同一の私が野放しにする訳ないし」
今までキャラに引きずられていた思考がサスペリアという客観視点によって一気に萎えて醒めるのを彼女は感じていた。
(でもあんたティアナに引きづられてたってより、十常時の方じゃん)
「なんか言った?」
「なんも言ってません! 言ってませんとも!!」
ガラスの向こうの影ははっきりせずとも、サスペリアには睨まれているという核心があった。
「……まあいいわ。んで、あの管理人の目的は言えないのね? お話、聞かせてもらえない訳だ」
お話=殺されるまで飛躍して聞こえそうな発言にサスペリアは魔力で出来た自分を拡散させてしまいそうになるが、ギリギリでこらえた。
喋ってしまえばwikiに載る。載ってしまえばあの携帯電話で対主催の連中に伝わる。
そうすると今度は完全に管理人に見切られるだろう。何より、666の条件を飲んだ意味が無い。
「ふーん。ま、それはいいわ。で? これからどうするかに関しては私の一存で決めていいのね?」
「まあ、そりゃ……」
この期に及んで『精々手のひらの上で踊ってくださいね(はあと』なんていえる訳も無いだろうに。
蛇口を捻る音がして、床を打つ水音が止んだ。
「決めたわ。このままマーダー路線で行きましょう」
「え?」
彼女の言葉に思わずサスペリアは言葉を上げる。
バスタオルで水気を拭く衣擦れの音に嘲りが混じる。
「そんな馬鹿みたいな顔しないでよ。あんたみたいな一段上の視点を持ったキャラには分からないでしょうけど、
 生憎私はティアナだからね。実力に見合った地に足の着いた考え方しか出来ないの。
 初志貫徹ってやつよ。私はマーダーとしてtu4を倒す。
 メタ視点なんてのに一々振り回されてたら、それこそエロ師匠に笑われるわ」
そういってサスペリアから強奪した666から手渡されたという衣服に袖を通す。
そしてスカートのフックをかけて、煩悩寺はシャワー室から姿を現した。
死者を超えるというあまりにも高い志半ばで死んでしまったエロ師匠の姿を意識してか、竜宮レナのセーラー服を纏っていた。
はいているかどうかは各人の想像と今後の展開にお任せしたい。
(エロ師匠……貴方と私の勝負はまだ終わってないわ。決着はいずれヴァルハラで。できれば三女神孕ませつつ)
なんか最後に北欧神話に対し盛大に物騒なことを口走ったような気がするが、サスペリアは聞かなかったことにした。

3410なのDeath☆:2008/04/14(月) 01:27:11 ID:uX1OfOtk0
「で、どうなの? ……正直なところ私で勝てる相手いるの?」
煩悩寺の問いにサスペリアは口を渋る。
最近は666祭りで意識しなくなったが、現在危険な対主催もマーダーも大分減ってしまった。
もし孤城の主で軒並み消えてしまえば、残るマーダーは666と彼女だけになってしまう。
そして順調に覚醒イベントをこなす対主催陣相手に、だんだんとエロスの鐘の効果が弱まっているきらいがある。
「となるともう仕方ないわね。対主催の中に潜り込んでステルスするしかないわ」
エロ師匠というベストパートナーを失ってしまった以上、もう今までのような力押しの攻めは難しい。
じわじわ中からエロオーラで対主催どもを操っていくのが最上の策だろう。
「でも、もうみんな徒党を組み始めてるわよ? 今から入り込むには機会が……」
心配そうに俯きながらも目を上げて彼女を見るサスペリア。
ステルスなんてそう簡単に行くものではない。ましてやこの後半では、よほどのアクロバティックを決めなければ。

「で、僕が呼ばれた訳ですか」

ヴォンと空間が歪み、ラブホテルの中に突如一人の黒マントが現れる。
「サスペリアが向こうと話せるってのは本当だった訳ね。あんたがジョーカー?」
「ええ、テイルズロワの名無しです。ご注文の品っちゅうもんは、これでいいんですか?」
黒マントの名無しが小瓶を差し出す。煩悩寺は一瞬戸惑ってからそれを受け取った。
「(何、今のもしかしてダジャレ?) え、ええ……ありがとう。手っ取り早くエロパワーを補充しておきたかったのよ」
彼女が受け取ったのは言わずと知れたシャリダム汁である。
それが持つエロ力はお姉さまの件で言わずもがなだ。
(これさえあれば、とりあえず今までの悪行は何とかごまかせる……問題は、どうやって連中に取り入るか)
額に手を当てて煩悩寺は考え込む。最大の難関を前にして、失敗は許されない。
何かいい火種でも転がっていればいいのだが。
「じゃあ、僕はこれで失礼しますよ。少し時間が無いんで」
そういって踵を返した名無しのマントの裾を思わず彼女はつかんだ。
「ちょ、ちょっと待って! あんた私にこれを渡しに来たんじゃないの?」
「いえ? 丁度話があったんで、これ幸いと降りてきただけですよ。本当の任務は別にあります」
名無しの言葉に目を輝かせて、彼女はその内容を問うた。
最初は渋っていた名無しも、管理人端末であるサスペリアの連名では口を割らざるを得ないと観念し白状する。
その内容を聞いて、煩悩寺は眼を輝かせた。

3411なのDeath☆:2008/04/14(月) 01:28:06 ID:uX1OfOtk0
「ねえ、じゃあその前にお願いがひとつあるんだけど」
「いいですよ。僕がこのキャラである以上こうやってまともに会話できるのもこれが最後でしょうし」

もうどうにでもしてくれといった様子の名無しをみて、エロスの鐘の煩悩寺は、飛び切りの猫なで声で言った。
「じゃあ、『このホテルを壊してから』行ってくれないかな、かな?」
その言葉を聞いた名無しは、フードの中の口元を歪めて笑った。
「いいだろう。城だろうが人だろうが俺には関係ない。斬って殺す、それだけだ」

意思疎通を果たしたらしい二人を見ながら、サスペリアは遠い目をする。
(いいわよ。どうせ私の扱いなんていっつも空気なんだから気にしないわよ)
ガンバレサスペリア! 喋る支給品は鬱陶しいジンクスなんかに負けるなサスペリア!!


童話『機関車トミー』

やあ、ぼくはとみたけ。フリーのきかんしゃ。
いつもはカメラマンだけど、ほんとうはきかんしゃとしてしゅっぽしゅっぽ走ってるのさ!

「ねえ、ししょー。お月様が綺麗だね」
「そうですね。本当に……こんなバトルロワイアルなんて、嘘みたいに」

せんろがなくてもきにしない。
本当のきかんしゃってのは、せんろを走るからきかんしゃなわけじゃあないんだ。
どんな場所でも、どんなことがあっても走りつづける。それが本当のきかんしゃってものなのさ!

「お姉さまたちも、見てるのかな……この月を」
「蟹座氏……」

3412なのDeath☆:2008/04/14(月) 01:28:48 ID:uX1OfOtk0
でも、たいせつなものをはこぶぼくにはいっつもじゃまが入るんだ。
たかのさんっていうきれいな人といつもいっしょにいるから、しっとしてるのかな? ハハッ。

「見てますよ、きっと。ですから私達も見られて恥ずかしくない様、一生懸命戦わないとね」
「…………うん! ……って、ししょー!! あの浮かんでるのって」

ほうら、もう直ぐやってくるんだ。ぼくをかくほしに『やまいぬ』が。
いきをひそめて こちらをうかがいながら。絵ものをまっテゐる。

「ラピュタ……wikiではまだ闇に隠れて見えないはずですが、どうやら誰かが更にフラグをこじ開けたようですね。
 こうして月明かりに晒されてはっきりと見えている。僕達も、急がないと……!!」
「どうしたのししょー……って、ししょー! 前に誰か立ってる!?」

でもだいJOうぶ。き死 ゃの  ぜんPOUに人がいたらけい敵をならすのはなぜダか知ってるるるかいいいいいい?
きし  ゃがきづ  吐く殻じ   ゃナい。相手が   ハねハネハネ飛ばばばばばされるるるるから   DA☆!!

「くっ、回避してる時間は無いですね……轢き殺……いえ、突破します!!」
「言い換えてもやってることは同じだよししょー!!」


満月の光が物語を狂わせる。月の光を浴びた天空の城で、物語が狂うのを眺める男がいる。
「バトルマスター……前原圭一と倉成武の因子保持者。残念ながら☆の力を持つお前の思い通りには行かない。
 反撃のターンはまだ先だ。手並みを見せろ、漆黒の狂気が御相手する」

謎の男が一気にその外装を解く。
現れたのは栗色の髪、赤いバンダナ。そして風に靡く赤マント。
白を貴重としたその鎧に刻まれた傷は、さぞや練達の剣士であることを物語っていた。
だが、何よりも異彩を放っていたのはその瞳孔の開ききった凶眼。
清廉とは懸け離れたその瞳は、彼が薬物にどっぷり浸かっていることを教えている。
テイルズロワでシャーリィと双璧を為す最強マーダー、クレス=アルベイン。
毒に塗れながらもしっかりと大地に立つ名無しの姿はまさしくそれだった。
機関車トミーがもう20m先にまで来ている最中、その手に握られた一振りの刀が天に向かって突き立てられる。
それと同時に蒼い闘気が名無しから迸り、その刀身に集い剣を実物以上に伸ばしていく。
機関車が眼と鼻の先まで近づいた瞬間、名無しは肉食獣の如き笑みを見せてそれを一気に振り下ろした。

「次元斬!!」

3413なのDeath☆:2008/04/14(月) 01:29:27 ID:uX1OfOtk0
その光景は、冗談以外の何物でもなかった。
機関室、客室車両、貨物室、片っ端から真っ二つに切断されていく。
鬼神の剣閃にて最後の一両までを貫かれ、二つの機関車となったトミーは別方向に進み最後にはビルにぶつかって沈黙した。
剣を鞘に収めて、名無しはぼそりと呟く。
「……死体だろうが確保は確保か」
じゃり、と瓦礫を踏む足音が名無しの耳に入る。
そちらを振り向けば、湧き上がる蒸気の中から二つの影があった。
「いきなり現れるなんて、あいつ一体……」
「首輪を外したAAAの参加者……と期待するのは流石に甘いでしょう。
 ジョーカーの一人ですね。wikiに載っていなかったことを考えると、おそらくは残るテイルズロワの一人」
若干咽せ気味に言葉を吐く蟹座氏の横でバトルマスターは舌打ちをする。
ほとんどの参加者が病院に集結した今、F3からG9までの一直線の間に障害物は無いと思っていた。
だが、彼は天空の城から一気に降下し奇襲のできるジョーカーという存在を考慮するべきだった。
「蟹座氏、ここは様子を伺ってから……ってちょっと!!」
相手の出方を見ようかとバトルマスターが思ったときには、蟹座氏は既に鉄塊鉈を携えて走っていた。
「ジョーカーだろうが関係ないね! もう、僕の前で仲間を殺させない!!」
元々苛めて来る書き手ならば誰だろうが敵認定の蟹座氏だ。
そして孔明やブックの死、ここ最近の連続した悲劇が蟹座氏に焦りを呼ぶ。
(つーか、あの触手はお前らのとこの酢飯だよねあははははは♪)
だいぶ古い話を思い出して少し凹みレベルを上げた彼女は鉈を大きく振り上げ、その首を圧し潰しにかかる。

反応した名無しの刀がそれを打ち上げで防ぐ。
だが、振り下ろされた鉈はあのガッツのドラゴン殺しに匹敵する重量。
流すな捌くなりするならばともかく、唯の刀一本で防げるのは一秒も無いだろう。
唯の刀ならば数センチも刀身に入り込むなど不可能だ。こんなふうに。
(嘘!? この鉈に切り込むなんて!?)
蟹座氏がその異常事態に戸惑い、一気にバックステップで距離を開ける。
「退くな!」
バトルマスターの声に反応するも、名無しの踏み込みが僅かに早い。
その巨大な重量故に、若干残してしまった蟹座氏の手首が名無しの射程に収まる。
「虎牙破斬!!」
テイルズでもっともポピュラーな二連撃が名無しから放たれ、巨大な鉈を支えていた彼女の手首から血が噴出す。
「いてえ!」
鉈を支える左の手首の腱を狙われ、彼女は堪らず鉄塊鉈を落としてしまう。
「蟹座氏ィィィィ!!!!!!!」

――ADVENT――

3414なのDeath☆:2008/04/14(月) 01:30:04 ID:uX1OfOtk0
舞い散るガラス片から仮面ライダー王蛇となったバトルマスターが三匹の契約モンスターを全員出現させる。
「こうなっては仕方ない…蟹座氏を援護しろ!!」
主の号令に三方向から一気に襲い掛かるミラーモンスター。
剣は一つ。例え一匹がしとめられたとしても、残りの二匹が必ず仕留めるという安全策だ。
だが、目の前に出現したのはクレス=アルベインではなくあの薬中クレスである。
足で地面を切り飛ばし、梃子の原理で鉄塊鉈を拾う。
「ひぐらしWだ。惨殺で死ね」
両手で振るう斧や両手剣で易々と二刀流を行うそのイカレた腕で謎の刀と鉈を振るう。
サイが刀に両断され、蛇が鉈にて欠片と一変する。
半ばにて屠られた二匹の敵を取ろうとしたのか、生き残った蝙蝠が頭上より急襲しその翼の刃にて名無しの刃を切断しようと迫った。
「時空剣技、虚空蒼破斬」
クレスを反則マーダーたらしめる時空剣技の一つが発動、クレスから再び青い闘気が溢れ出し盾となってクレスを守る。
その波動を真っ向から受けてもなおダークウイングは止まらない。同胞を殺された怨念だとでもいうように、じわじわと近づいていく。
呆れたように名無しが鉄塊鉈を落とし、その刀に手をかけたその瞬間だった。

『――――――突き穿つ死翔の槍<ゲイ・ボルグ>!!』

バトルに関しては右に出るものの無いバトルマスターが、ミラーモンスターをこのように無駄遣いするはずも無い。
蟹座氏を安全圏まで逃がすと同時に、敵の動きを封じながら必殺を狙った策だった。
「ぐッ!!」
体全体に言い逃れられない負担を感じながら、本来のゲイボルグを放つ。
軍をも吹き飛ばす投槍。しかも、そのホーミング性能は折り紙つきである。
動きの取りようの無い名無しに弾着した周囲の瓦礫が再び空中浮遊し、周囲を煙で包んだ。


「が、グア…!」
「ししょー、大丈夫!?」
膝を突くバトルマスターに撤退を完了させた蟹座氏が傍に寄った。
「ごめんなさい、ボクが勝手に先走ったせいで……」
「いいんですよ。少し向こう見ずなくらいが萌え……じゃなくて蟹座氏らしいですからね」
(やっぱり、人体練成のツケですか……体内の魔力量が落ちてますね。ゲイボルグの出力が落ちていた)
バトルマスターはその違和感を薄々と感じ取っていた。
エロコンビとの闘いで連発した固有結界、さらにはリミットブレイクによる限界突破。
人体練成によって肉体は再構成されたが枯渇した回路と魔力そのものはどうにもならない。
ズタズタになった魔術回路では固有結界展開も満足に行かないのだ。
故に、ある程度カードを使い切ってでも一気に殲滅してしまいたかったのだが。
変身が解除され、二枚のアドベントカードが消滅したデッキの最後のアドベントカードごとデッキが消え去る。
二人が向いた煙の晴れた先には、心臓にゲイボルグを受けたダークウイングが名無しに首を掴まれていた。
「嘘……絶対当たるのがあれの取り柄だよね……?」
「(魔力が足りなかったのが一番デカいですが)……投げる方を使ったのが裏目に出ましたかね」
最後のミラーモンスターが消え行く目の前の光景に蟹座氏が絶句する。
何遍も死に掛けながら何度も対主催を切り伏せ終盤まで生き残ったクレスの幸運値は、
魔力不足のゲイボルグの因果を打ち破るに十分だった。

3415なのDeath☆:2008/04/14(月) 01:30:52 ID:uX1OfOtk0
「中々の生きの良さだな。殺し甲斐がある」
物騒なことをいいながら、名無しが再び剣を構え直す。
「お前……ポッと出がイキナリ調子に乗ってるなよ!!」
そういいながら、黄金聖闘衣とカードデッキを取り出す蟹座氏。
カニであることを徹底的に厭う彼女がこれらを真っ当に扱うはずは勿論無い。
そう、奥義『蟹座じゃないもん』の触媒である。
タイムベントや天舞宝輪が発動すればTHE Firstのように地獄コンボ炸裂である。
ふっきれた蟹座氏の攻撃はエゲつないのだ。
(孔明戦では使われませんでしたが、その能力は知っているはずならば何故…)
一抹の不安を拭えないが、あの接近戦の鬼神を前にして有効な手段であることも事実。
魔力がそこを尽きかけて肉体にまで影響を及ぼしているバトルマスターはただ見守るしかなかった。

「だが、任務は遂行させて貰う。異能――――『投下早撃ち』」
名無しが刃を納め、居合いの構えを見せた。
しかし蟹座氏は怯むことなく、その言霊を放とうとした。
「そんな唯の攻撃でボクの小宇宙を止められると思うな! k」

『投下しました』

あたりに静寂が包む。夜気に冷やされた木枯らしがビルを下り、蟹座氏の髪を泳がせた。
「え? あれ?」
何が起こったのか分からないと言った感じで蟹座氏がきょろきょろと辺りを見回す。
バトルマスターも同様に唖然とした。蟹座氏とは別の意味で。
(何が起こった……違う、そうじゃない。『何も起こらなかった』んだ)
そのバトル鑑定眼力でバトルマスターは目を皿にするが、やはり何も感じ取れない。
蟹座氏の『蟹座じゃないもん』は未だ発動していない。
だから何も起こっていなくて当然なのだが、その為に名無しが行ったであろう技が感じ取れない。
孔明のようにマホトーンで声を潰すなり、何らかのアクションがあるはずなのだ。
(それが分からないとは……『世界』とも違う…奴の能力は、まさか)
そんなバトルマスターの考察を余所にして、蟹座氏が再び攻撃を仕掛けようと試みる。
「くっそー! 孔明のマホトーンがまだ残ってたかな。今度こそ気を取り直して、k」

『投下しました』

3416なのDeath☆:2008/04/14(月) 01:31:29 ID:uX1OfOtk0
しかし、結果は同じ。
一切発動しない蟹座じゃないもんという事実に対し、蟹座氏は恐怖が凝縮した唾を嚥下した。
「嘘……なんで? k『投下しました』!k『投下しました』!k『投下しました』!
 なんでなんだよォォォォォッ!!!!!」
まるで蟹座じゃないという否定をこそ否定されたような気がして、彼女が取り乱し欠ける。
「止めろ!!」
ケリュケイオンを翳し、魔力をありったけ叩き付けようとしたが、バトルマスターの叫び声がそれを止めた。
「し、ししょー」
「もういい。種は分かりました。それ以上使えば、喉に傷となります!!」
その言葉に蟹座氏はハッとし、思わず喉に手を当てる。指先がほんの少しだけぬるりと湿っているのが分かった。
恐る恐るそれを目に入れると、指の腹が紅く染まっている。
本人も気付かない皮膚一枚の部分で、蟹座氏の喉が切られていた。
「貴方の能力は、その速度ですね」
バトルマスターの言葉に、名無しは満足そうに笑った。
「嘘、だってアイツ、確かに攻撃は速いけど最速の人や速筆魔王に比べたらそんなに」
蟹座氏が当然の疑問を呈する。確かに名無しはテイルズロワにて猛烈な投下速度を誇るが、
それだけならば色んなロワに最速の人が存在する。この奇っ怪な状況を説明する理由としては弱い。

「確かに、俺の速度は決して全ロワ中最速な訳じゃない。だが、俺は『テイルズロワの書き手だ』。
 トリップも予約も存在しない、弱肉強食の世界の住人。意味が分かるか?」
「…………割り込み!」
「ご明察だ。殺したいほどに回る頭だな」
テイルズロワには予約がない。故に投下権利は常に先着順である。
そしてその風土上、よほどの問題作でない限り修正要望はあってもNGになることはない。
それが何を意味するか。

「例え超大作を書いていたとしても、先に投下がなされれば唯の没作だ。
 俺の速度の前に、通せるSS(行動)など無いと知れ」

相手の行動(投下)の前に自分の行動(投下)を割り込ませることで
相手の行動そのものを強制キャンセル(没)にする異能『投下早撃ち』。
例え10000kbの大作を書いたとしても5kの繋ぎに涙を呑むことだってある。
テイルズロワのルール上どうしてもついて回る闇ルールそのものである。
「僕達予約制ロワ相手なら、予約時点でパート(行動)が分かるから先んじて防ぐのも容易いという訳ですか」
「そ、そんなのアリかよ!! そんな書き手同士が傷つけあうだけじゃん!!」
蟹座氏がかぶりをふって否定する。
書き手同士の結束にて合作最終回まで到達したギャルゲロワの人間として、その行為は信じたくない物だった。
「俺たちはそういう闇を抱える覚悟をしてでも自由を欲した。だからこそこんな風に殺せる」
名無しの剣が煌めき、再び鞘に収まると同時にビルが無数の鉄筋と細切れにされる。
序盤のラッシュを駆け抜けた神速の書き手達。
それがあったからこそ今のテイルズロワがある。
というよりも、時間的保障が一切無いのだから長文など気軽に書ける場所ではない。
常に先を越されるかもしれないという焦燥と、書き手として譲れることの出来ないクオリティの板挟みになって藻掻く。
テイルズロワが、書き手間が殺伐としていると揶揄される一因である。

3417なのDeath☆:2008/04/14(月) 01:32:07 ID:uX1OfOtk0
「ですが、解せません」
バトルマスターのその一言に、残りの二人が息を呑んだ。
「確かに割り込みが可能な貴方の能力は認めますが、テイルズロワの超速投下は過去の話のはず。
 そんな技、今の貴方達が振るえる技じゃない!! いい加減、その種を明かしたらどうです」
その怒声に名無しはニヤリとして鞘ごと剣を突きだした。
さっきから謎謎と書かれていい加減しつこいこの刀。
本来のクレスならば魔剣エターナルソードだが、紛れもなく日本刀である。
「エターナルソードで殺すは芸が無い。ニコニコの連中から手に入れた特注の一振。
 本当の姿を見せてやるさ。起きろ『羽入』」

――――――――あうwwwwwwwwあうあうwwwwwwwwwwww神wwwwwwwwwwwシュークリームwwwwwwwwwwww

突如刀が光り出し、当たりを変な…というより馬鹿っぽい言葉が包む。
しかし、ギャルゲロワの二人にとってこれは聞き逃せなかった。
「ししょー、この声ってもしかして……」
「成程……ディーがこっちですから、あのヘボ神はあっちでしたか」
光が収まったその先には、刀身がとちゅうで何本も枝分かれしたような黄金の刀が出現する。
古手家の禁宝にして、雛見沢の鬼を討ったとされる罪の禊。
鬼狩柳桜――――――ぶっちゃけ羽入殺しの魔剣である。
「羽入のループ能力でかつてのテイルズの投下速度をここに復活させた。
 そこに俺の本来の速度を付加すれば、2日で24本……E2の悲劇すら不可能じゃない」
「羽入が、僕達の敵に回るなんて……」
「しかもニコニコの出典となると、まともな人格は期待できないでしょうね。今も草生やしっぱなしですよ」
ヒグラシストである名無しにとって強力な武装である。
そして、自分達とも無縁ではないアイテムを前にして、二人は複雑な感想を持つ。
「話は終わりだ……斬り伏せる。死ぬ気で避けてみろ」
そういって、名無しは再び攻撃を開始する。
標的と定められた蟹座氏が、あわててバリアジャケットを展開しアクセルシューターを放った。

3418なのDeath☆:2008/04/14(月) 01:32:28 ID:uX1OfOtk0
(くそ……どうすれば……)
バトルマスターが焦燥に唇を噛んだ。名無しの能力は予約殺しである。
最低72時間の絶対時間を持つ彼らにとって、24時間後には投下可能な名無しは鬼門。
発動しなければ効果を発揮できない『蟹座じゃないもん』は圧倒的に相性が悪い。
現に蟹座氏はひたすら自分に能力ブーストの魔法をかけながら距離を作ってアクセルシューターに徹している。
真正面からの大技は全てあの能力によって封殺されてしまう。
蟹座の黄金聖闘衣やシザースのデッキを使えばいいのだが、それをするくらいなら彼女は死ぬだろう。
閃光弾はともかく、まふうじの杖は剣士には役に立たない。畢竟、残る攻め手は永遠神剣とデバイスしかない。
距離を詰めて戦う名無しと距離を開けたい蟹座氏、しかも彼女は片手が使えないとなれば結果は自ずと見えてくる。
今は6;4で抑えているが、遠からずその均衡も破壊されるだろう。
(何がバトルマスターだ……なんて僕は無力なんだ!!)
この状況下で何を成すべきだろうか? 決まっている。冥加を持って、蟹座氏を援護すればいい。
そうすれば蟹座氏が後方で魔法に徹することが出来る。そうすれば勝ち目も見えてくるだろう。
だが、それは『闘争制覇者』を発動せずに突っ込むことになる。
冥加を破壊すれば回復は出来るかもしれないが、それでも『投下早撃ち』で阻止されれば意味が無い。
tu4氏のエンジェルアームと意図的に解除した蟹座氏戦を除けば初めて『負け』の目を含んだギャンブル。
しかも、二回死にかけて起き上がったその身体はベストコンディションからほど遠い。
負ければ死、今まで絶対の不敗を約束されていたバトルマスターは初めてのバトルにおける不利を味わっていた。
(僕は、結局バトルに負けないという安心の上に胡座をかいていただけじゃないのか!!)
ネガティブスパイラルのどん底に拳を叩き込もうとしたその瞬間、声が舞い降りた。

『大丈夫ですよ、ご主人様……あなたはそんなラッドに殺されるようなヌルイ人じゃない』

その懐かしい声に、当たりを見回すが周囲には見当たらない。
『ご主人様、貴方のその固有結界は貴方の心象風景そのもの。
 貴方はバトルを書くとき、その決まった結末に安堵しているのですか?』
その言葉に首を横に振って応じる。
確かにプロットを決める時点でその勝敗は決まっているかもしれないが、
それを戦い抜くキャラ達の意思は文字の中で生き物のように流動している。
そんな彼らの熱い意思を出来レースなんかで汚すことは出来ない。
『ね? だから、ご主人様は誇っていいんです。その在り方を、その生き様を。
 固有結界があるからご主人様は負けないんじゃない。ご主人様がバトルマスター<闘争を制覇する者>だからこそ負けないんです』
「だが僕にはもう、魔力が……」
バトルマスターが項垂れようとしたとき、彼の左腕が光った。
『ならば吹かせましょう、東南の風を。ご主人様が進む覇道へ、すこしでも追い風を!』
その左腕に、少しずつ文字が刻まれる。紛うこと無き彼女の名前がその腕に。
『もう直ぐこの戦闘区域にも風が吹きます。その一瞬の逃さないでください』
「孔明……孔明!!」
抱きしめようとした魔力の光が淡雪のように消えてうせる。後に残されたのは、彼の腕に刻まれた六画の文字だけだった。

3419なのDeath☆:2008/04/14(月) 01:32:56 ID:uX1OfOtk0
名無しの鬼狩柳桜と蟹座氏の『誓い』がぶつかる。
既に両者に幾つもの傷が刻まれていたが、どちらが酷い有様かと言われれば蟹座氏の方が圧倒的だった。
「斬殺、斬殺、斬殺……好きな死に方を選べ」
「どッれッもッ、一緒じゃねーかよ!!」
片手ではどうしても剣戟で押され、何とか反撃の糸口を掴もうとすると
「いm『投下しました』またかコラーッ!」
要所要所で技を止められてしまう。死なないように身を庇い、距離を開けるのが精一杯だったがそれはもう限界に達していた。
「飛燕連脚!!」
「しま……」
ダメージと疲労によって生まれた一瞬の隙を衝かれ、蟹座氏の右手首にキックが炸裂する。
誓いを落とした蟹座氏がそれを拾いにかかる前に、名無しの一閃の方が早かった。
「斬首だ。跳ねて落ちろ」
蟹座氏が本能的に眼を瞑ってしまう。断頭の一撃が今まさに振り下ろされ―――

「クロスミラージュ、ヴァリアブルシュート!!」

突如として名無しの真横から一つの銃弾が飛来する。
反射的に虚空蒼破斬を展開するが、外装のバリアが蒼破斬と対消滅し中の弾丸が名無しに直撃した。
「誰!?」
デバイス魔法ならばバトルマスターではない。
予期せぬ援護火砲に蟹座氏が驚きと共にそちらを向いた。
ビルの屋上に立つのは、オレンジのツインテール。
正当なバリアジャケットに身を包んだその姿はティアナ・ランスターそのものである。
「エロスの鐘の煩悩寺……義によって貴方達に助太刀するわ!!」
今までSSを読んできた読み手ならば考えられないセリフを吐いて、
煩悩寺は手持ちのデバイス・クロスミラージュの銃口を名無しに向けて連射する。
名無しは黙ってそれを凌ぐ。
いかに『投下早撃ち』で割り込み可能な速度であろうとも、剣閃の間合い外の発動までは止められない。
威力はさほどではないと断じたのか、名無しが再び剣を蟹座氏に向けようとする。
煩悩寺の援護は正しく突如吹いた一陣の風に等しかった。風が人を驚かせるのはほんの一瞬のことだけ。
「また!? こ、こっちくんなよッ!!」
しかし、既にその風を受けて火が燃え盛る炎と化す準備は整っていた。

「SSはバトルで出来ている―――――――――開け、闘争制覇者!!」

3420なのDeath☆:2008/04/14(月) 01:33:27 ID:uX1OfOtk0
左手を高く掲げるバトルマスター。
彼のその腕には「したらば孔明」と書かれた赤い痣が刻まれていた。
これこそ触媒と化した孔明が人体練成の際にバトルマスターに遺した罠。
ギャルゲとアニロワ2ndを繋ぐ「ことみ」をキーワードにした魔力パスの代用品。
自らの残った魔力の全てを六画の令呪に変えて彼の腕に宿したのだ。
「し」の字が消えていく最中、バトルマスターは孔明とパスを繋がる感覚を思い出していた。
主に尻に。
「……例えそうだとしても、もう私が、俺が怯むことはもう何も無い!!」
彼の熱い叫び声と共に空間が一変していく。
形・色こそ違えど既にここは彼の領域なのだと、この場にいた誰もが本能で悟っていた。
「ゲームセットだ。名無し、これでこちらの『負け』は……いや、俺達の『勝ち』は決まったぜ!!」
『冥加』を携え蟹座氏の前に出るバトルマスター。
その後で彼に補助魔法をかける準備を整える蟹座氏。
遠距離から火力支援を万全に構えるエロスの鐘の煩悩寺。
完全な布陣を敷かれた名無しはその眼を更にギラつかせて笑った。
「いいだろう。其処まで死にたいのであれば、ここで全員刀の錆に……グッ!!」
剣を構えようとした名無しの口から血が漏れる。
大きな飛沫を地面に作りながら、名無しは確かめるように口を拭って不満気に言った。
「もうじきクスリが切れる……任務と依頼は果たした。殺すのは次の機会だ。『羽入』」

――――wwwwwwwwwwwwwwwwwあうあうあうwwwwwwwwwwwww神の世界wwwwwww展開なのですwwwwwwwwwwwwww

その言葉と共に世界が灰色に凍る。
「オヤシロ・ザ・ワールド」で時を止められた三人が再び認識した世界には、名無しの姿は無く、
結界の一部が切り裂かれた痕が残るだけだった。

3421なのDeath☆:2008/04/14(月) 01:34:09 ID:uX1OfOtk0
「逃げ、たのかな……?」
「恐らくは。アインソフオウルを使えば逃亡もバトルと認識出来たんでしょうが……抜かりましたね」
そういいながら、バトルマスターは五画に減った令呪を見ながら思った。
あれを使うとなれば確実に複数画をまとめて消費しなければならないだろう。
そして、現在孔明の魔力だけで生き残っている自分が令呪を失えばどうなるのか想像もつかない。
(ですが、それを後悔する気はありません。君が残してくれたこの力……大切に使わせてもらいますよ)
「そうだ、ししょー! さっき僕達を助けてくれた人は……」
蟹座氏がそのことをバトルマスターに伝えようとしたとき、丁度彼女がその場に舞い降りた所だった。
バリアジャケットは解除され、セーラー服を纏ったティアナ・ランスターだと彼は認識する。
(この人が、孔明の言っていた『風』? 『風』のランスター……は流石に出来すぎですか)
「貴女が蟹座氏を助けてくれた人ですか。貴女のおかげで助かりました。ええと……」
バトルマスターが若干警戒気味に感謝の意を述べると、彼女はにっこりと笑って言った。

「ええ、アニロワ2ndのエロスの鐘の煩悩寺よ。『はじめまして』」
握手を求めた彼女に向かい、バトルマスターは若干戸惑いながらもその手を握り返す。
少女特有の柔肌の感触が、圭一としての感性を励起する。
「ししょー……」
微妙にデレたのが面白くないのか、蟹座氏がジト目で彼を睨む。
「え! あ! いや!! あははは、申し訳ない!! 何処かで会ったような気がして!!」
「お上手ね。でも口説き文句としては二流よ、それ? 『私と貴方達は初めて出会ったんだから』」
まるで念を押すような言葉に戸惑いつつも、二人は煩悩寺の話を聞く。
彼女はどうやらシーツ一枚でこのロワに参戦させられたらしく、
上半身裸の明智やらヤッてやるZE!などに危険に晒されそうになり、今まで動くに動けなくなかったらしい。
エリアの隅でガタガタ震えていたが、終盤に近づき留まってもいられないと意を決して建物に服を探しに行ったのだそうだ。
そうして半壊したラブホテルを見つけてやっと服を手に入れ、汽笛を追って追いかけてきたのだそうだ。
(……確かwikiにもそう書いてあったな。『エロスの鐘の煩悩寺は変態三人に襲われかけたあたりで更新が止まってる』)
「でもどうしてバリアジャケット着なかったの? 見た感じフツーにティアナのジャケットみたいだし」
「ああ、それはね」
蟹座氏の疑問に、煩悩寺はクロスミラージュを取り出す。一見なんでもないデバイスのように見えたが、
いきなり『俺はレ○プがしたい!』『パンツめくりたい!』『セクハラしたい!』
などと連呼しだすと直ぐに事情が把握できた。
どうやら彼女のクロスミラージュはアニロワ2ndではなくニコロワのエロ仕様らしい。
(ああ、だからか……さっきから妙にフェロモンがあふれてるのはこのデバイスのせい)
バトルマスターはひとりごちながら、その違和感を少しだけ納得させる。
今まで空気キャラをやってきたおかげでキャラへの侵食もほとんど無く、首輪も簡単に外せたらしい。
若干腑に落ちない点はいくつかあるが、彼女の言っていることに間違いは無いと彼は判断した。
助けられた恩もあるし、戦力として申し分も無いだろう。味方は多いほどいいのだから。

3422なのDeath☆:2008/04/14(月) 01:34:53 ID:uX1OfOtk0
「ししょー、これからどうしようか?」
蟹座氏の問いにバトルマスターは当座の問題を考える。
「機関車は壊れてしまいましたか……F6、いやに中途半端な位置で止められましたね。しかも……」
バトルマスター達は当たりを見回す。
名無しとの戦闘でF6に点在する殆どのビルが根元から切断ざれて堆く積み上げられ、
あちらこちらの道を塞いでいた。これでは手持ちに飛行スキルの無い自分達ではF6からの脱出が時間がかかるだろう。
「ジョーカーの目的は直接の殺害じゃない……時間稼ぎでしょうね」
となると一体何に対しての時間稼ぎなのか。孤城の主に対してか、あるいはもっと別の要素に対してか。
「とりあえず、一刻も早くこの瓦礫のビル山から抜け出すことです。手遅れになる前に」
そういって三人は頷きあい、この迷宮を突破しにかかった。

その中で煩悩寺は微かにほくそ笑んだ。
(……ふふっ、やっぱりバレてない。結構危険な賭けだったけど、上手くいったわ)
魔法少女デザイア・ベルの零式幻術『M・Sデザイアベルはティアナ・ランスターなのか?』。
変身前の魔法少女は変身シーンを完全に見られるまでは変身後の自分と認識されないという、
嘗ての魔法少女モノの黄金律を利用した禁断の幻術である。
最高のエロフィールドであるラブホテルを名無しの手によって破壊させたことで一気に発生したエロパワー。
その全てを用いて会場全域に放たれた幻術によって、
『魔法妖女デザイア・ベルに変身中に行った全ての行為をデザイア・ベルという一個人が行った行為として認識させた』のだ。
三人をミイラに変えたのも、エロ師匠と組んだのも、バトルマスターに攻撃したのもデザイアベル。
エロスの鐘の煩悩寺としては一切関係が無いという壮大な法螺話が真実として認識されたのだ。
一歩間違えれば二重人格の逃避にすら思えるこの技で全ての悪行を一時封印し、
サスペリアを脅迫して首輪を解除することで煩悩寺は自由を獲得した。
あとは名無しが二人を襲っている所に何食わぬ顔で現れ、助太刀に来た自分を演出するだけだ。
残る支給品であったクロスミラージュを使って、自身のエロオーラをごまかすことにも成功している。
tu4氏が目立ち始めたことによってこちらにも流れてきた空気オーラもそれを助ける一因となっている。
これならば幻術解除のスイッチである『変身シーンを見られる』ことさえなければ余程のことがない限りはバレないだろう。
流石に戦ったバトルマスターは少し疑いを持っているだろうが、なに、問題は無い。

(バれる前に、オトしちゃえばそれで済む話だしね……)

淫靡に舌をくねらせる煩悩寺の策略は、まだ月の光も差さない闇の中に潜んだままだった。

そして、彼女のデイバックの中で唯のベルと化しひっそりと出番を待つデバイス『エロスの鐘』。
その中で体育座りをしながらサスペリアは顔を埋めてすすり泣いていた。

ガンバレサスペリア! 次の出番は何時だろうサスペリア!!

3423なのDeath☆:2008/04/14(月) 01:36:28 ID:uX1OfOtk0
【夜中】【F6・崩壊したビル街】
【バトルマスター@ギャルゲロワ】
【状態】:健康、キュレイ種のような身体、首輪解除 魔術回路にダメージ
【装備】:永遠神剣「冥加」、ゲイボルグ@アニロワ2nd、孔明の令呪(残り五画)
【道具】:支給品一式×2、コイン、名簿、孔明のメモ、スタンガン@アニロワ1st、 首輪(まとめキング)、不明支給品×2
【思考】:
 基本:コインの表が出た――だから徹底的に抗う。
 0:仲間と協力して主催者を打倒!!
 1:このビル山を抜けて…どこにいこうか?
 2:対主催として仲間を探し、殺し合いに乗った輩を倒す。

※容姿は前原圭一@ひぐらしのなく頃にです。
 ※自身の精神が、キャラの影響を受けている事に気付きました。
 ※【闘争制覇者-Battle Master】
   発動させることで、決して『バトル』に負けない固有結界を張る事ができます。
  【闘争制覇者-Battle Master アイン・ソフ・オウル】
   バトルマスターが生涯描きうるありとあらゆるバトルの世界に敵を放り込む技。
   物語内のキャラの攻撃を全部くらわせます。
   この技が発動した時点で、敵味方の全行動が『バトル』として定義されます。
   故に、発動すればどんな状況でも、バトルマスターは不敗です。
 ※影の繋ぎ師からディーの話を聞きました。
 ※王蛇のカードデッキにある”ADVENT”のカードはベノスネーカー、メタルゲラス、ダークウイングの3枚です。
 ※孔明のメモにはこのロワに関する孔明の知り得る限りの情報が記載されています。
 ※孔明の令呪を使うことで魔力を補充することが出来ます。二画以上まとめて使うことでアインソフオウルを使用可能。
  ただし、全ての令呪を使い切ると……?



【蟹座氏@ギャルゲロワ】
【状態】:蟹見沢症候群発症(ただいま沈静中)、へこみLv1→3、顎部に痒み、
     『蟹座じゃないもん』覚醒、大程度の疲労、首輪解除 左手首に傷
【装備】:体操着(ブルマ)、鉈、ケリュケイオン@リリカルなのはStrikerS、永遠神剣『誓い』
【道具】:支給品一式×2、蟹座の黄金聖闘衣、最高ボタン、カードデッキ(シザース)@ライダーロワ、
     閃光弾、まふうじの杖、 バッド・カニパニーの甲羅
【思考】:
 基本:ししょーと共に!
 0:ししょーと共に対主催。
 1:『あいつ』に逢ったら殺す。
 2:ギャルゲロワの仲間とはできるなら会いたくない……けど。
 3:敵とは戦う。ギャルゲロワ以外でいじめてくる人はみんな敵。

 ※容姿は蟹沢きぬ(カニ)@つよきすです。
 ※最高ボタンを押すと、『いやっほぉぉぉおおおう、蟹座のONiぃ様、最高ーーーーーっ!!!!!』という台詞が、
  ハクオロの声で流れます。シークレットボイスにも何かあるかも?
 ※自分の心がキャラに影響されていることに気付きましたが、キャラに抵抗するため無駄な努力をしています。
 ※身体能力は本気を出せば倉成武ぐらいの力が出ます。通常はカニ。
 ※蟹見沢症候群について。
  へこみのLvが5になったとき、発祥します。発症した場合、自分を苛めたり辱めたりした者を優先的に殺します。
  基本的な症状は雛見沢症候群と同じです。発症中は蟹座氏のチャット状態の特徴により、語尾に♪がついたりします。
 ※言霊『蟹座じゃないもん』に覚醒しました。
  強い意志で蟹座であることを否定することにより、文字通り蟹に縁のあるアイテムから、
  『蟹座じゃないもん』つまり『蟹座じゃないもん(者、物)』の力を引き出せます。
 ※蟹座氏のバリアジャケット姿がどのようなものかは以降の書き手に任せます。

3424なのDeath☆:2008/04/14(月) 01:37:26 ID:uX1OfOtk0
【エロスの鐘の煩悩寺@アニロワ2nd】
【状態】:精気満々、魔力全快、体力全快 首輪解除
【装備】:エロスの鐘、ミニ・サスペリア(欝) クロスミラージュ@ニコロワ 不明支給品(0〜1)
【道具】:竜宮レナのセーラー服
【思考】:
 基本:エロスの限りを尽くす
 1:この二人と行動を共にして対主催に取り入る
 2:やばそうになったらエロでごまかす

※容姿はティアナ・ランスター@なのはstsです。
 【エロスの鐘】
 大人向けデバイス。魔法妖女デザイア・ベルへの変身アイテムでもある。
 その音色を聞かせた者が隠し持っている欲望を引き出し、暴走させてしまう。
 暴走した欲望からエロスを吸い取ることで相手の精気を自分のものにできる。
 【ミニ・サスペリア】
 掌サイズのメイドさん。闇のメイド・サスペリア@アニロワ2ndの姿をしている。
 魔女っ娘に必要なマスコットキャラで、ご主人様に色々とアドバイスをしてくれる。
 WIKI管理人の端末だった。主催陣と交信できる。ほぼ謹慎状態で今は鬱病気味。
 ※幻術『M・Sデザイアベルはティアナ・ランスターなのか?』によって地上の参加者全員に、
  『エロスの鐘の煩悩寺≠魔法妖女デザイア・ベル』という認識が植えつけられました。
  変身シーンを見られるまでは判定が続きます。但し、自分よりランクの高い存在に対する効果は不明。


※名無しとの戦闘でF6のビルが軒並み倒れました。普通に歩行して移動するには時間がかかります。


【???】

【名無し@テイルズロワ】
【状態】:薬物中毒 小ダメージ
【装備】:鬼狩柳桜@ニコロワ
【道具】:不明
【思考】:
 基本:主催者側の人間として活動。参加者の抹殺
 1:帰還してクスリを飲む
 2:強い奴を殺したい

※容姿はクレス=アルベイン@テイルズオブファンタジア
 ※【異能・投下早撃ち】
   圧倒的な投下速度で自分の攻撃を決め、先んじて相手の行動をキャンセルさせる能力。
   キャンセルするかどうかは名無しの任意で決められる。射程外からの攻撃には対応できない。
 ※鬼狩柳桜の力で初期のテイルズロワの早さを獲得しています。
  また、刀から羽入の力を幾分引き出せるようです。

3425なのDeath☆:2008/04/14(月) 01:39:01 ID:uX1OfOtk0
投下終了。
煩悩寺が苦し過ぎる気がするが、言い訳のほつれは幻術解除フラグとでも思って下せえ。

3426名無しでもいいよ皆そう呼ぶから:2008/04/14(月) 13:14:03 ID:fThBv8Jg0
投下乙です
孔明はなんかいろいろ残していったんですねえ
というか、あそこの怪獣大決戦と合わせたかのような演出
偶然って不思議だ

ふと思った
『エロスの鐘の煩悩寺≠魔法妖女デザイア・ベル』と言う認識だけでは
もしかして『エロスの鐘の煩悩寺=wiki管理人』と言う認識はごまかせないのか
もしそうなら煩悩寺……涙目だな

3427名無しでもいいよ皆そう呼ぶから:2008/04/14(月) 18:21:40 ID:N0/843Fc0
デザイアベルは魔法妖女だからM・SじゃなくてM・Yだった。
wikiに載り次第修正しておきます。

3428名無しでもいいよ皆そう呼ぶから:2008/04/14(月) 21:10:36 ID:naSFCoUU0
投下しま〜す。

3429戦え三人ライダー!:2008/04/14(月) 21:12:50 ID:naSFCoUU0


孤高の黒き書き手さんよお。
基本的に自分のためなら他人を犠牲にするのも厭わない。
貴様はそんな性格じゃあなかったのか。
ところが最近のお前さんはどうだ?
初めて会う別ロワの人間を助け、その男と笑い合い、
遂には仲間だからとはいえ危険人物まで身を挺してかばった。

お前もか?お前もなのか!?そのまま良い人として対主催メンバーに雪崩れ込み、
誰にも嫌われることなく幸せになろうというのか!!

許さない、許さない、許さない、許さない、許さない、許さない、許さない、許さない!!

俺はまだ許されていないというのに!!

だから殺した。
煮えたぎる黒き怒りを容赦なくオーバーキルという形でぶつけた。




死とは、停止だ。
直前に抱いた感情を上書きできない状態と化す。
それが死ぬということだ。

孤高の黒き書き手とやらは死んだ。痛みに苦しみ助けを求めたまま死んだ。
奴はこれ以上苦しむこともないが、代わりに永遠に救われることもない。

俺が、奴から救いを奪ったのだ!なんという快感だろう。
この喜びに比べたら、ジョイント・ブレイカーによる反動など些細なものだ。
そういえば俺は修験者のようなものだと仰ってましたよね、天使様?
今、理解しました。俺がどうすれば真の意味で許されるのかを。

俺以外の奴を全て殺せば良かったんです。
本来人殺しは許されることではありませんが、ここはバトルロワイヤルの世界。
何人殺したところで読み手の方々に根本から嫌われることはありません。
人気キャラを殺した時は悲しまれるかもしれませんが、問題ありません。
トップマーダークラスなら嫌われるどころか寧ろ人気爆発です。
書き手からも間違いなく重宝されることでしょう。
後は俺を許そうとしない対主催の方々や他の優勝狙いの方々を排除しさえすれば、誰からも責められることは無いのです。
ロワを開催した主催陣の方々が人殺しを忌み嫌うはずはありません。
読み手の方も初のマーダーによる優勝エンドに度肝を抜かれ喜んでくれるでしょう。

愛媛が言っていた許されることの意味とはこういうことなのですね。
わかりました、わかりましたよ、天使様!!
これならお姉さまや熱血怪人の死も無駄にはなりません。
俺の輝かしい戦績として語り継がれるのですから。

あは、あはははははははははははははははははははははははははははは!!
許される、俺は、この偉業を成すことで許されるのだ。
やっと、自分自身を、許せるのだ!!

「……ごめんなさい……ごめんなさい……ごめんなさいいいいいいいいいいいいいい!!」

おおおおおお、おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおんんんん!!!

その為にも、

「ミインナ、死ンデクレ」

3430戦え三人ライダー!:2008/04/14(月) 21:13:27 ID:naSFCoUU0

◇ ◇ ◇

黒き暴風が駆け抜ける。
ヒュッケバインボクサートロンベと一体化した熱血王子の機動力は伊達では無い。
孤高の黒き書き手をバラスや否や大きく後ろに跳躍、再び影に潜る。
援軍としてやってきた人間は共に覚えのある書き手であり、片方は超絶級のチートだとは理解している。
だが今回の戦闘フィールドは屋外、夜の闇を存分に利用できる。
影渡と高速起動による撹乱殺法なら十分に通用すると判断し逃亡を押し留まる。
何よりも影の繋ぎ師とネコミミストを除き全員が大きく疲労しているのだ。
一人殺した位で逃げだすには余りにも惜しすぎる。

例え熱血王子が逃げ出そうとしても、ここにいる多くのメンツは許しはしなかっただろうが。

「私は、何としてもあなたをあの時止めておくべきだった!!」

影の繋ぎ師により駆られたワルキューレは将にぶっちぎりな速度を誇り、碌に情報交換をする暇さえ無かった。
それでもわかる。王子の名を叫んだ繋ぎ師の声は怒りとともに悔しさとやるせなさに満ちていた。
きっと彼も熱血王子を止めることができず誰かを傷つけられたのだろう。
自分があの時止められていれば多くの悲劇が起きなかったかもしれない。
でも時も失ったものも取り返せはしないから、せめて、ここで蹴りを着けると心に誓う。
手にするはオーガドライバー。僅かな時間だったけど確かに心を繋いだ仲間の力。

「今度こそ倒す。熱血王子め、許さん!!」

孔明の残した携帯電話は影の繋ぎ師に多くのことを教えてくれた。
ネコミミストという一人の少女が戦士へと至った道も。
先程までハイパーカブトに変身していた青年が同郷の漆黒の龍であることも。
仲間を奪われ続けたネコミミストの過去も。
冷酷になり切れなかったある少女との珍道中で笑う漆黒の龍の姿も。
悲劇が約束されたネコミミストの未来も、悲しみに暮れる漆黒の龍の今も、繋ぎ師は全て知っている。
だから、守る。せめてこの二人の明日が月と太陽に照らされているように。
熱血王子の悲しみすらも知りながら、正義の味方として切り捨てることを選ぶ。
発動するは二つの王者の石の力。世界の始まりと終わりを照らす光の力。

「よくも、よくも孤高さんを!!」

助けて、助けられ、助けて、助けられ。不思議な出会いだった。名前やtu4氏のことなど何かと縁がある人だった。
握手をした。温かくて軟らかかった。笑顔を浮かべてくれた。可愛かった。
地球破壊爆弾とロリスキーの情事を除いた時の真っ赤な顔や、呆けた顔。
抱きしめた時の狼狽した顔や、涙眼の顔。
パピヨンスーツを着た時の笑いを堪えた顔や、思わず噴き出してしまった顔。
君は僕に色んな表情を見せてくれたね?僕もきっと君に色んな顔を見せたと思うんだ。
初めはね、命の恩人だからという理由で君を守ろうと思った。
けどね。君と一緒にいるのが余りにも楽しくて。仲間の死を堪えようとする君の姿に耐えられなくて。
僕は、いつしか僕の意志で君のことを守りたいって、そう思うようになっていたんだ。
なのに、守れなかった。僕の知る君の表情がこれ以上増えることはない。
悲しかった。泣きたかった。でも、ごめん。
僕はどこまでいっても正義漢みたいだから。目の前の悪を放っておけないから。
何よりも、最後まで自分にできることをやり続けた君に、泣いて立ち止まる僕の姿なんか見せたくないから。
だから。

ダメージでさっき解けてしまったカブトの変身の代わりに、リュウガのデッキを構える。
泣くのを我慢するのはもう限界に来てるから。仮面を被り涙を隠そう。
応えるように何度も何度も僕たちを助けてくれたドラグブラッカーが吠えるかのように姿を現す。
わかってる。お前も孤高さんのことが好きだったんだろ?なら一緒に仇を討とう。

三人の正義の書き手が、三者三様のポーズを取る。されど唱える言葉は只一つ。

「「「変……身ッ!!」」」

その身を変えた三人の書き手。
金色に縁取りされた黒きローブを身に纏い、一本の大剣を構えた牙無きものの剣が。
黒きボディに銀の装甲を輝かせ、二刀の剣を帯びた太陽と月の王子が。
渾名の如く黒き龍を従え、右手に剣を左手に盾を構えた天の道を行き全てを司る男が。
それぞれの意志のもと熱血王子に相対した。

3431戦え三人ライダー!:2008/04/14(月) 21:14:07 ID:naSFCoUU0


◇ ◇ ◇


「……手酷くやられちゃったなあ」

流石というべきか。それとも今が吸血鬼の力を高める夜だからか。
肉体の回復に引きずられるように地球破壊爆弾は意識を取り戻していた。
とはいえ疲労はかなりのものだ。度重なる大技の解放と再生、さらに激戦による復活の反動もある。

「激戦、かあ」

激戦。漫画ロワに於いて猛威を振るっている類希ない回復アイテム。
アニロワ1・2出身である自分とは何の縁もないその支給品をいつの間にか握りしめていた。
まるで、行かないでと大切な誰かの手を繋ぎとめようとするかのように。

「かがみん、だよね。やっぱさ、私を助けてくれたのは」

クールなロリスキーのことではない。彼女の支給品に激戦なんて含まれてはいなかった。
それでも、ジグマールに成り切った書き手がいない以上、柊かがみ以外に激戦の持ち主はありえない。
そして主催者側の人間である自分は不幸にも――いや、彼女の名誉に賭けて言い直そう――幸運にももう一人の柊かがみを知っている。

「あはは、駄目だよ、かがみん。スタンドが自律稼働なんかしちゃあ。ジョジョ好きの人に怒られちゃうよ?」

予約被りに定評のあるtu4氏。そうだ、自分と闘った書き手の中にあの空気王は間違いなく居たのだ。
WIKI管理人により彼女の監視として遣わされたスーパーかがみんも共に来ていてもおかしくはない。
自らが横たわる隣の台には仮面ライダー書き手により『喰われた』はずのクールなロリスキーが無傷で寝転がっているのだ。
確かにライダー書き手がロリスキーを喰らった瞬間、遅ればせながら奴の腕は吹き飛ばしたが、
それにしても無傷というのはありえない。実際ロリスキーは不死者にも関わらず即座に復活しなかったのだから。

ああ、だったら、答えはやっぱり一つしかないんだ。
主催者と直通しているスーパーかがみんが、自分とロリスキーを命に代えて助けてくれたのだ。

「重い、重すぎるよ、かがみん……」

なりきりシステム、なんて業の深いものなんだろう。
元の書き手の人としての人格を否定し、本来ありもしない繋がりを与える。
熱血王子のように本来の性格と全く合わないチグハグなキャラを与えられ、暴走する書き手も出てくるくらいだ。
スーパーかがみんはきっと私がこなたで、あの子がかがみだったから私達を助けてくれたのだろう。
けれど、私はこなたに成り切れないから、彼女達の柊かがみの部分を愛しきれない。
彼女達が見ている含まれる泉こなたの部分を自分自身が容認できない。

ロリスキーは私が愛せない分まで愛してくれると言ってくれた。
嬉しくなかったわけがない。でも違うのだ。地図氏が求める愛は、地図氏が定義する愛は――

相手に自分をどこまで寄せてもいいっていう、安心感。自分が理解されている。相手を理解できているってことに対する喜びなのだから。

「だからね、ロリスキーさんのせいじゃなくて、私のせいなんだ〜」

どんなに思いを寄せようとしても、どんなに相手を理解しようとしても、
ドSと地球破壊爆弾として二分された自分は地図氏として50%しか愛せない。
そのことを痛感してしまったから、もう、元の関係には戻れない。だから。

「ごめんね、かがみん」

台から起き上がりレヴァンテインを眠り姫に向って振り上げる。
知ってしまったから。彼女を自分以外の誰かに取られる悲しみを。

愛する人を殺して自分だけのものにする。

なんて陳腐な発想だろうか?パロロワ界に名立たる地図氏たる自分が、
まさかこんなにも面白みのない行動をするとは思いもしなかった。
ああ、でもこの発想を本来持つ人たちが忘れがちな欠点――愛することはできても、愛されることはない――は、
初めっから解消されているのだから、問題ない。
むしろ逆だ。彼女を自分の手で殺しさえすれば、私はもう彼女への愛の不足に悩まないでいい。
ついでに他の誰かに取られることが無くなるのだから至れり尽くせりだ。

一人勝手に納得し剣を振り下ろす。最後までロリスキーは眼を覚ますことはなかった。






【クールなロリスキー@漫画ロワ 死亡】

3432愛しい君の笑顔の為に:2008/04/14(月) 21:15:09 ID:naSFCoUU0
◇ ◇ ◇


熱血王子VS三人の仮面ライダーの戦局はじりじりと王子の方に傾きつつあった。
勿論普通に戦えば数の差に加えスーパーチートのいるライダー勢が圧倒的に有利だっただろう。
熱血王子自身もそのことは十分に理解していた。だからこそ彼は撹乱殺法に加え一つの策を用いたのだ。

「あんにゃろう、また影から!」
「っく、怪我さえしていなかったらこんな奴なんかにっ」

即ち、疲労とダメージで動けないDIE/SOULとtu4氏を集中して狙うことである。

影渡と高機動によるヒットアンドアウウェイで二人に攻撃を仕掛けては退避する。
AK-74の弾丸は全て割り込んできた影の繋ぎ師に斬り払われるが、それこそが狙いだ。
今の熱血王子は決して弱いマーダーではない。
彼を相手取り弱者二人を守り切れるのはよっぽどの力の持ち主だけだろう。
そしてこの場にいるそれほどの強者は影の繋ぎ師一人だけだ。
故に、熱血王子が怪我人二人を第一目標とし続ける限り、影の繋ぎ師は防戦に専念するしかない。
攻めに徹すれば勝つことなど容易いのに、正義の味方という在り様に縛られるそのさまをせせら笑いつつ、
マジシャンズレッド、ツインバルカン、グラビトンライフル、ファング・スラッシャーと次々と飛び道具を開放する。

「ダブルストーンフラッシュ!ボルテックシューター改!パワーストライプス!シャドービーム!エレキハンド!」

迎え撃つ仮面ライダーブラックSRXも飛び道具の扱いにおいては負けてはいない。
元々BLACK系統のライダーは肉弾戦主体のそれまでのライダーとは違い多くの武器を扱い始めた最初のライダーだ。
爆発、光弾、怪光線、電撃と多種多様な技で王子の弾幕を打ち破っていく。あれ、電撃?

「繋ぎ師さん、最後の技はスーパー1のものなんじゃ?」
「SRXのSはスーパー1のSでもあるんです!」
「えええええええええええーーーーーーーーー!?」

ライダーロワ所属である故にいち早く気付き突っ込みを入れた漆黒の龍にさらりととんでも発言で答える影の繋ぎ師。
ちなみに同じ理屈でアギトシャイニングフォームやスカイライダーの力を使えたりもするのだが。
このことは影の繋ぎ師が書き手のつかないキャラを拾い上げる能力に優れていたことと、
どうもローマ字化するとSで始まる名前のライダーやフォームがライダーロワにおいて不遇なことが化学反応を起こした結果かと思われる。

そんなとんでも能力とは露知らず、ロワの違いからライダーへの関心が薄いネコミミストは、
足裏から発生した衝撃波による加速で一気に踏み込みオーガフォンのエンターキーを押す。

 ―― EXCEED CHARGE ――

突き出したオーガストランザーより伸びた巨大な光の刃が鋼の囚人を檻ごと叩きつけにかかる。

「……グラヴィティ・テリトリー」

黒い重量障壁と極光の剣がせめぎ合う。
いかに出力を強化されているとはいえグラヴィティ・テリトリーはスパロボ内では中堅クラスのバリアーだ。
最強クラスの仮面ライダーの必殺技相手では勝負の結果は眼に見えてはいる。
熱血王子の目的はあくまでも時間稼ぎだ。バリアがネコミミストの攻撃を塞いでいる間に悠々と影に潜る。

3433愛しい君の笑顔の為に:2008/04/14(月) 21:16:44 ID:naSFCoUU0

「このままでは、埒が明かない!」

再度影から現れた熱血王子のファングスラッシャーをドラグセイバーで斬り落としつつ漆黒の龍が悪態を吐く。
幸い熱血王子はヒットアンドアウェイに重点を置いている為本領の接近戦を控えており、一撃一撃の威力はそう高いものではない。
とはいえこのまま戦い続ければジリ貧に陥るのは間違いない。
事実影の繋ぎ師以外の二人のライダーは、徐々にダメージを蓄積しだしている。
逃げようにも敵の能力の相性からしてすぐに追いつかれるだろう。
無事みんなで生き残るにはこちらも何か策を練り、熱血王子を倒すか、最悪撤退に追い込まねばならない。

だがどうする?どうすれば奴に致命的な一撃を与えられる!
己の無力さを噛みしめる漆黒の龍。切り札たるファイナルベントは一度しか使えない。
果たしてその一回を当てられるのか?
王子と戦いつつ思索の海にふける漆黒の龍に、思わぬ相手から助け船が出される。


「受け取りなさい、漆黒の龍!!」

勝気な少女の声に従い自身に向って投擲された物を慌ててキャッチする。
炎の紋章が描かれた一枚のカード、烈火のサヴァイブを!
その意図にハッとして投げ寄こした少女、tu4氏を凝視する。
彼女はどこかバツが悪そうに眼を逸らしつつも口を開く。

「か、勘違いしないでよね!足を引っ張ってるなんて思われたくないし。
 それに、元々孤高氏には同盟を持ちかけるつもりだったんだから」

最後の空気王tu4。彼女は自らの空気を統べる力を用いて、ライダーロワでは結局一度も使われなかった烈火のカードを召還したのだ。
続けて渡してくるアイテムにも見覚えがあった。さっき漆黒の龍が代わりに使った竜の籠手だ。
サバイブのカードに、フォルカ印の龍の籠手。ご丁寧にtu4の手にはデジヴァイスまで。つまり、だ。

オーダーイズワン。進化してとっとと孤高の黒き書き手の仇を討ちなさい!

くすりと思わず笑みを浮かべてしまう。tu4さんが、何よ、文句でもあんの?といった目で睨みつけてくるが気にしない。
素直じゃないだけで、この人もこの人なりに孤高さんの死を悔んでくれているんだとわかったのが、嬉しかったのだから。

孤高さん、あなたの気持はちゃんとtu4さんに届いていましたよ。後は僕に任せて下さい。

カードを持つ手に力を込める。tu4さんと脳内補完さんがここまで力を貸してくれたのだ。
僕も全力を以って彼女達に応えよう!!
ヤルダバオトの篭手を装備した右腕をもって左腕のドラグバイザーにカードをベントインする。

3434愛しい君の笑顔の為に:2008/04/14(月) 21:17:46 ID:naSFCoUU0
―― SURVIVE ――

黄金の業火が巻き起こりリュウガの黒き鎧を金色に彩る。
両の手の双竜が舞い、仮面の後部から白きたてがみが現れていく。
今ここに熱き魂の炎を宿し神化した新たな仮面ライダーが誕生する。
名を――

「仮面ライダーリュウガ・バースットサバイブ!!」

黒を中心に金で各所を彩色された鋭角的でトゲトゲしいフォルムに身を包むも、
先端が赤く染まった白い頭髪を振り乱し歩む様は、荒々しさ禍々しさと共に一種独特の神秘さを漂わせていた。

「白い黒い白い黒い!!貴様は何なんだああああああああああああああああ!!」

悪役的な外見に反し、透き通るまでの白き波動を発するリュウガサバイブに熱血王子が苛立ちを募らせる。

「イライラする、イライラする、イライラする、イライラするんだよおお!!」

マジシャンズレッドのスタンドを出現させ炎を迸らせる。

 ―― GUARD VENT ――

無駄だ。神化したドラグブラッカーこと黒炎龍ドラグブレイザーのファイアーウォールに炎など通じはしない。
続けてもう一枚ベントインすると同時に一瞬で距離を詰める!
今までとは比べ物にならない早さに慄くも、瞬時に影を渡り距離を稼ぐ熱血王子。
それも無駄だ、小細工が龍帝修羅王に通じるものか!!

 ―― STRIKE VENT ――

「我が覇気の刃を受けよ!真覇昇竜突破ああああああ!!」

ドラグクローが展開し二匹の黒炎龍がいななき姿を顕現する!
再び熱血王子が影を渡るも、影から出るや否や炎を纏った双覇龍に飲み込まれる!

「ああああああああがあああああああああああがあああああああああ!!!」

影を渡り切る前に重力障壁を突破されたためボクサーの一部が持っていかれる。
対して漆黒の龍は全くの無傷だ。何度か牽制しているものの、フォルカの動体視力を得た彼には当たりもしない。
加えて仲間の奮戦に釣られたネコミミストのフォンブラスターが的確に王子の体を貫いていく。
致し方ないがここは退くべきだ!そう判断した熱血王子が闇に潜ろうとしたその刹那、更なる衝撃が王子を襲う!

「雲よ、創世期王に従え!!」

あろうことか影の繋ぎ師の一括とともに月を覆っていた雲が消え失せ、
遮る物が無くなったとばかりに月光が戦場を照らし闇を駆逐する!!
あまりの事態に動揺する熱血王子。
光あるところに影はあるのだから、例え全体としての闇が減少しても別の影から逃げればいい。
冷静さを取り戻しそのことに思い至った時には既に漆黒の修羅に接敵された後だった。

3435愛しい君の笑顔の為に:2008/04/14(月) 21:18:55 ID:naSFCoUU0
「はあああ…!」

事前にSRXにテレパシーで知らされていた漆黒の龍が王子の隙を逃すはずはない。
シャドームーンの念話能力と天候操作能力を知っていた彼は、
茫然としているネコミミストとは違いすぐに状況を飲み込めたのだ。

「機神拳…無双奥義ッ!!いでよ、双覇龍!!」

ドラグブレイザーと黒いギャラドスがオーラを纏い、熱血王子の周囲を旋回する。

「おりゃあっ!!でえええええいっ!!」

刹那の時に無数の拳が舞い熱血王子を天高く打ち上げる。
主に追随するは双覇龍!
闘気と炎を纏った龍は熱血王子を中心に球状を成す様に高速で上昇移動をし続け檻と化す。
オーラで練られた球状結界。闇を探そうにも光に満ちあふれ宙には影を産む物体が存在しない。
自身の落とす影は流動し続ける二匹の龍により常に?き消され続けている。
こんな状態の影で闇渡りをしようものなら、最悪影に潜ろうとした瞬間影ごと体を食いちぎられかねない。

「あ、ああああああああああああああああああああああ!!」

終わるのか、俺はここで終わるのか!?嫌だ、まだ俺は許されていないのに!
何か、何か手はないのか!!絶体絶命の危機を乗り越える何かが!!

――あるではないか?熱血王子君。君にはこの状況を打開するアイテムが。

て、天使様!ど、どうすればいいんですか!

――なあに、簡単なことだよ。いやまさか私もあれがこんな形で役立つとは思いもしなかったのだがね?



「おおおおおおおおおっ!!でやあっ!!」

パスを通じて666と熱血王子が会話しているとは知らない漆黒の龍は、奥義の最後の仕上げに入ろうとしていた。
大きく熱血王子を蹴り上げ、切り札のカードをセットする!

―― STRANGE VENT ――
―― UNITE VENT ――

ストレンジベントから発動させたユナイトベントの効果により、
ギャラドスとドラグブレイザー二匹の覇龍を融合する!!

「真、覇!!」

融合龍が自身の巨体を誇りつつ熱血王子を貪り食らう。
刮目せよ、これぞ仮面ライダーリュウガサバイブ・ゴッドレボリューションフォームが必殺技!!

―― FINAL VENT ――

「猛撃ライダー烈破ああああああああああああああああああ!!!!」

3436愛しい君の笑顔の為に:2008/04/14(月) 21:19:24 ID:naSFCoUU0
己が身を弾丸と化し巨竜の口より撃ち出される。
全身をズタボロに打ちのめされた熱血王子も最後の足掻きとばかりにAMボクサーを変形させる。
念動力を666経由の魔力と凛の宝石一つで補い渾身のグラビティソード・ダイバーを発動させる。
我に敵無し、オーラと炎を纏ったこの蹴りに砕けぬ物など何もない!!
貫通属性の攻撃故にGテリトリーをあっさり貫いた蹴りとGソードが激突する!!

「砕け散れええええええええええええええ!!」
「死ネ死ネ死ネ死ネ死ネ死ネイイイイイイ!!」

僅かな拮抗の時が過ぎ、グングンと漆黒の龍の一撃がAMボクサーを破壊し尽くしていく。
あと少し、あと少しで本体である熱血王子に攻撃が届く。
孤高さんの仇も討てるのだ。

「ち、畜生!!ヤラレテタマルカヨオオオ!!」

熱血王子が破れかぶれに盾を構える。
血塗られた黒い盾を。
大丈夫だ、どれほど硬くてもこの技なら盾ごと倒せる。
そう考えあくまでも攻撃に専念する漆黒の龍の眼が、ふと盾に何かが飾られているのを見る。
どこかで見たことのある構図だった。あれはそう、思い出した。
今自身が振るっている力の原作であるスパロボにも形を変えて出ているアイテムだ。

名をイージスの盾。女神アテナが誇り、メデューサの首を掲げた攻守一対の盾。
首を、掲げる?待て、あの首は見覚えがある。そうだ忘れられるはずがない。
いや、首どころかよく見れば体もあるのではないか?あの服は彼女が着ていたものではなかったか!?
けれどもあの人は僕の目の前でこの男にバラバラにされたはず!
そうだ、この男に「グチャリ」え?何、今の音?俺が盾を壊した音。盾ごと孤高さんの首を

あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!
嘘だ、僕が孤高さんをうあああああああああああああああああああああああああああああ!!


狂乱した漆黒の龍は気付けない。
自身が蹴り砕いたのが666のアシストにより、
お徳用原作パロロワ全生首セットから取り出した【朝倉音夢の首 @ギャルゲロワ1】と、
パロロワ衣服詰め合わせから取り出したメイド服、
ついでに手首と転ばし屋を材料にして作ったカカシもどきだったということに。

やたらとモーションが長いとはいえ、僅かに攻撃がやんだ隙に作った手抜きもいいところの品だ。
漆黒の龍以外の人間なら驚きはしてもここまで取り乱しはしなかっただろう。
だが不幸にも彼は朝倉音夢の顔をした少女に入れ込み過ぎていた。
そのことが彼の死因となる。

「……ごめんなさい……ごめんなさい……ごめんなさい……」

ショックによりバランスを崩した漆黒の龍を黒いチェーンソーで切り裂く。
とんでもない強度な上に自己修復の備えている鎧とはいえ、『神』化しているのだ。
神殺しとして名高い魔界塔士Sa・Gaのチェーンソーの前には紙同然だ。
ディーの力を受けたとはいえ神化していないSRXにはてんで効かなかったが。
まあ、いい。喜べ、お前が好意を抱いていた女と同じ死にざまだ。何度も斬りつけてやるよ!

「アハハハハ、アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!」

漆黒の龍は、バラバラになった。







【漆黒の龍@ライダーロワ 死亡】

3437愛しい君の笑顔の為に:2008/04/14(月) 21:20:21 ID:naSFCoUU0






「 ふ ざ け る な !! 」

熱血王子が驚愕の表情で叫ぶ。バカな、刃がバターのように装甲と首を切断したはずだと。
バカはお前だと言いたい。刀ならともかく回転鋸でどうやってそんなに鮮やかに斬り落とせるのだ。

バラリ、バラリとリュウガの装甲が崩れ落ち逝く中、僕は異形の身を晒す。
ドラゴンオルフェノク龍人態。本来の能力は触れた物を灰にする力。
チェーンソーが首に触れたその時に刀身を灰にしたのだ。
今まで使えなかったこの力がどうして突如発現したのかはわからない。
もしもなりきりシステムに詳しい人間が居れば、
ようやく漆黒の龍のレベルが灰化能力を習得できるまで上がったからだと推理したかもしれない。

けれど、漆黒の龍はそんなことは知らないし、彼にとっての真実は一つしかない。

『漆黒さん!!』

声が、聞こえた気がしたのだ。彼女の声が。
空耳かもしれないと切り捨てるのは簡単なことだった。
それでもあれは孤高さんの声だったって、信じれる。
自分は今まで何度も臨死体験をしてきたのだ。
死者スレからの声の一つや二つがまた聞こえたところでおかしくなんかはない。
何より、

『私の生首は、そんな生首よりももっと可愛いですよ!』

なんておかしな幻覚や妄想を抱くわけがないじゃないか。

「「STAND BY READY,MY MASUTER?」」

レイジングハートが、そしていつの間にか薬指に嵌まっていたクラールヴィントが声を上げる。
一切のおちゃらけを感じないその様子に、この子達が孤高さんの声を届けてくれたんだなあっと納得する。
良く見れば共に罅だらけだ。かなりの無茶をしてくれたんだろう。
わかってる、今度こそ応えて見せる。君たちが力をくれたから。命と心を賭けて訴えてくれたから。

―― ADVENT ――

勝手に現れたドラグブラッカーとギャラドスが再び熱血王子の動きを止める。
炎や弾丸に削られるのも意に介さず二匹の龍が長い体で締め付ける。
これが狙いだ。漆黒の龍は幾か所も斬りつけられたままの身体で、核鉄を手に叫ぶ!


「武装、錬金!!」

3438愛しい君の笑顔の為に:2008/04/14(月) 21:21:01 ID:naSFCoUU0
ニアデスハピネスを展開し『ライダーロワのリュウガ』の時のように舞いながら天へと昇る。
漆黒の龍は『ライダーロワのリュウガ』のように、腕を振って構えをとる。

「ハァァァァァ……」

そして、『ライダーロワのリュウガ』』のように天へと跳び、前方宙返りを加える。
狙いは、固められている『孤高さんを騙った熱血王子』だ。

「ハァッ!!」
「一つ覚えの蹴撃が、通ると思ってるのかよおおおお!!」
「通す!僕の心に生き続ける孤高さんに微笑んでいてもらいたいから!!」


ドラグブラッカーの黒炎を受けて、灼熱の蹴りを龍騎へと迫らせる。
雨霰と降り注ぐ弾幕を灰と化し、ブラックパウダーによる爆風のフレアを後方に展開。
身体がどんどん加速していき、隕石の落下を思わせる衝撃を天空に轟かせた。

「な、そんな、そんな馬鹿なああああ!!まだ俺は、許されて、いない、のにいいいいい!!?」

漆黒の龍の蹴りを中心に轟音が轟き熱血王子を巻き込んで空間すら歪む。
捻じ曲げられた空間が反発すると同時に、漆黒の龍は変身が解け、力を失って重力に引かれる。
自分は、もう助からない。すんでのところで即死は免れた直後にこれだけ暴れたのだ。
なら、せめてとアドベントのカードを引き千切る。
天高く舞い上った漆黒の龍は気付いたのだ、天空の城ラピュタに。

いくら影の繋ぎ師がセイリングジャンプを使用可能とはいえ、あれは滑空飛行だし、
ロワの未来がどうなるかはわからないから、飛行手段は少しでも多く残して置いた方がいい。
そう考えての判断だった。

「ドラグブラッカー、あそこに辿り着けるのは、空を飛べるお前たちだけだ。
俺を食ってその腹の傷を癒せ。その代わり、みんなをあそこに送り届けてくれ」

ドラグブラッカーは悲しげに頷く。ライダーロワ出身の龍はいつかこの日が来る事を予想していたのかもしれない。

(孤高さん、生まれ変わって、また君に会いに行くよ)
『馬鹿ですね、漆黒さん。死者スレですぐ会えますよ』

自分の名を呼ぶ少女の声を抱きしめながら、漆黒の龍は消滅する。
夜空に響く主を失った黒龍の声は、まるで弔いの鐘のようだった。



【熱血王子@漫画ロワ 死亡】
【影の繋ぎ師@ライダーロワ 消滅】

3439みおーーーん:2008/04/14(月) 21:21:56 ID:naSFCoUU0
◇ ◇ ◇



夜天の空を覇気が揺るがし、ドラグブラッカーがデイバックを咥えて只一匹で戻って来た姿を見て、
地上に残った四人は戦いの結末と漆黒の龍の遺志を理解した。
ちくしょうっとダイソウが生身の拳を地面に叩きつける。

「……あのガキ、守られた借りを返す前に死にやがって」

影の繋ぎ師は涙を我慢しながらも最後まで友とその仲間を助けてくれたドラグブラッカーに誓う。

「待っていろ、ジョーカーの奴らに、WIKI管理人!!俺が、俺達がお前を倒す!!」

衝撃のネコミミストは漆黒の龍が地上に残して行ったハイパーゼクターを拾い上げる。

「貴方達の想いも私が背負うから。前に、進み続けるから」

彼女を慰めるかのようにカブトゼクターが飛来する。

それぞれの方法で弔いを終えた3人は孤高の黒き書き手の埋葬に取り掛かった。
できれば二人一緒に埋葬したかったが死体がないのではどうしようもない。

「壊れてるんだから邪魔だし一緒に埋めちゃえば??」

がんがんじいスーツ(頭部に凹みあり)他を指さした予約被りに定評のあるtu4氏の、
暗にせめて縁がある品だけでもという意見に反対する人間は誰もいなかった。
奇麗に人型に揃えた孤高の黒き書き手の遺体と共に、漆黒の龍の所持品のほとんどを土に埋め終わる。
墓石代わりに悟史の金属バットを建て4人で黙祷を捧げる。首輪の解除もついでに済ませた。
悲しむのは、ここまでだ。

「ネコミミストさん。大事なお話があります」

祈りを終えた影の繋ぎ師がネコミミストに語りかける。
暗躍する666のことを彼女の標的たるネコミミストに知らせておこうと思ったからだ。

「黒猫と名乗り呼ばれる人物を知ってますか?」

片やジョーカー、片や本人からその名を聞いたネコミミストとダイソウの二人が驚きの声を上げる。

「おいおいそりゃああん時の怪しい女じゃねえか!」
「私達をおそったジョーカーもその人の差し金みたいな事を!」
「何い、どういうこったそれは!」

3440みおーーーん:2008/04/14(月) 21:22:38 ID:naSFCoUU0
騒ぎ出すネコミミストとダイソウに言より証拠と影の繋ぎ師が『柿テロ猥・R2‐ND』を取り出し見せようとする。
が、

「あれ?どこ入れたっけ。おかしい、ないぞ!?」

ありとあらゆるポケットに手を突っ込み引っくり返して探すも携帯電話はどこにも見当たらない。
気になるところで話をぶった切られた二人のフラストレーションは溜まる一方だ。

「おい、何やってんだ!早くそいつの悪行を話しやがれ!」
「繋ぎ師さん、まさかここに来るまでの爆走で落としたんじゃ!」

そしてここにもう一人、話に取り残され空気と化している書き手がいる。
なんでこんなことになったんだっけ?
tu4氏は思い出す。そうだ、確かアーカードを倒して目立ちに来たのだ。
その最中孤高の黒き書き手と再開して、あいつに庇われて、一時的に手を組んだ。
うん、ここまではいい。
結果的にトドメは黒いの二人や脳内補完に持っていかれたが、
地球破壊爆弾を倒すのに私は間違いなく大活躍だったのだから。
いけないのはその後だ。孤高が殺され漆黒の龍と影の繋ぎ師のスーパー目立ちタイムと化した。
100っ歩譲って仇打ちにより孤高への借りを返したということで許すとしよう。
それで、なんですか?次は私置いてきぼりで因縁フラグ?
待て待てちょっと待て。そういやあたしもうフラグほとんど全滅してね?
バトルマスターとの決闘フラグしか残ってなくね?

……まずい。

冷汗をだらだら垂らし始めるtu4氏。どう考えてもこのままでは空気一直線だ。
頭を抱え悩むこと一分。tu4氏の決断は速かった。

「ヘブンズソーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーード!!死ねえええええええええええええええええええ!!」

如何にも主人公な気がする少女を全力でぶった切る。
最強チートと主人公。これほど倒せれば目立てる存在が二人も傍にいるのだ。
傷も回復したし、もう一暴れして存在感アーーーップ!!


最後の空気王tu4氏。

空気キャラの復権を掲げる彼女は、とんでもなく空気を読まないことをやらかしやがった。





【衝撃のネコミミスト@アニロワ2nd 死亡】

「不死者だから死んでません!!」

おや、こりゃ失敬。

【衝撃のネコミミスト@アニロワ2nd 再生中】

3441みおーーーん:2008/04/14(月) 21:23:20 ID:naSFCoUU0
【夜中】【E-8/病院】

【神行太保のDIE/SOUL@アニロワ1st】
【状態】:疲労(中)、全身火傷(処置済み)、右指炭化(処置済み)、胸に刀傷、核鉄による治癒中
【装備】:竜殺し@ベルセルク、ガッツの装備一式@ベルセルク、ドラグブラッカー
     ガッツの義手@ベルセルク、核鉄(ニアデスハピネス)
【道具】:支給品一式×2、拡声器
【思考】:
 基本:アーカード(地図氏、マダオ)は殺すつもり。(だったのだが……)
 0:空気読めーーーー!!
 1:対主催を集める
 2:ナナシと出会ったら、決着をつける!
 3:マダオがちょっと心配。

 ※容姿はガッツ@ベルセルクです。
 ※神行太保・戴宗の神行法(高速移動)が使えます。
 ※ラディカルグッドスピード腕部限定は、腕だけが速く動きます。
 ※地図氏(地球破壊爆弾No.V-7)がジョーカーではないかと思っています。
   ジョーカーに襲われた事と合わせての考察はまだしていません。
 ※自分が本物の書き手なのか疑問が生まれました。他の書き手を殺すのにわずかな躊躇いが生まれました。
 ※核鉄(ニアデスハピネス)は制限により、使用中は強制的にパピヨン姿になります。でも戻るので安心ですね。
  ダイソウは制限を知りません。
 ※黒猫がすごく気になる
 ※バイオライダーにより首輪を解除されました。




【衝撃のネコミミスト@アニ2nd】
【装備】:マテリアルブレード@テイルズロワ、クラールヴィント@アニロワ1st、バリアジャケット
【所持品】:支給品一式×3、拡声器、オーガドライバー(オーガストライザー付属)@ライダーロワ 、
      核鉄『ブレイズオブグローリー』@武装錬金 、カブト装備一式(ハイパーゼクター付)
【状態】:不死者化、深い悲しみ、強い決意 、ダメージ(中)(即再生中)
【外見】:バリアジャケットの白いリボンドレス。
【思考・行動】
 基本:前に……進む!
 1:何するんですか、このKY!
 2:地球破壊爆弾No.V-7は死んだのかな?。
 3:スクライドの遺志を継ぎ、牙なき人の剣になる。積極的にマーダーキラー路線。



 ※衝撃波を使えます。掌からだけでなく、足の裏からも出せるようになりました。
 ※「大あばれ鉄槌」を幼女好きの変態と勘違いしています。
 ※シャリダムを通じて幻夜の死体を喰い、その記憶と知識と経験を得ました。
  また、ブックがロワに来てからシャリダムが生まれるまでの経緯を体験しました。
 ※自分が主人公、そして黒猫という単語に引っかかっているようです。
 ※第三回放送を聞き逃しました。
 ※バイオライダーにより首輪を解除されました。

3442みおーーーん:2008/04/14(月) 21:24:39 ID:naSFCoUU0
【影の繋ぎ師@ライダーロワ】
【装備】:サタンサーベル@ライダーロワ、リボルケイン@ライダーロワ、ワルキューレ@スパロワ
【道具】:支給品一式×2、カラオケマイク@現実、
【状態】:月光で全快済み、WIKI管理人へのぶっちぎりな激しい怒り
【思考・行動】
 基本:殺し合いには乗らない。
 0:こいつぶっちりなみおーんだああ!!
 1:どこまでも ぶ っ ち ぎ る ぜ !!
 2:熱血王子を倒す。。
 3:他の参加者にもディーから聞いた事を伝える。
 4:逃げたWIKI管理人の手下を見つけて倒す。


 ※変身体が仮面ライダーBLACK SRX@書き手ロワ2に進化しました。
 キングストーン二つの融合により更なる可能性を得たかもしれません。
 ※RXの全変身系統の能力が二倍以上にアップし、シャドームーンの武器と技も使用可能です。
  何より性能差をももろともしないシャドームーンの卓越した戦闘技能を強化されたRXが得たことが一番大きいでしょう。
  加えて太陽光・月光の両方を取り込めるようになったので、昼夜問わずぶっちぎれます。
  名前からしてスパロボのSRXの技も使用可能かもしれません。詳しい能力・技は以降の書き手にお任せします。
  原作設定すらぶっちぎるぜい!
 ※ついでに首輪が取れちゃいましたが、どこまでもぶっちぎりです。
 ※ローマ字化するとSで始まる名前のライダーやフォームの力も使えます。まだまだぶっちぎります。
 ※バイオライダーにより首輪を解除されました。



【予約被りに定評のあるtu4氏@ギャルゲロワ】
【状態】ダメージ(中)(ジェノバ細胞で回復中)、同胞に対する深い愛
【装備】永遠神剣第七位「存在」、ガンダールヴの証(ゼロの使い魔@漫画ロワ)、
    ペンダント(空鍋の欠片)
【道具】写真付き名簿、支給品一式、不明支給品×1(未確認)
【思考】 基本:空気キャラの復権を!
 1:目立つ二人を倒す!
 2:空気キャラは保護する
 3:書き手はみんな滅する
 4:エロスの鐘の煩悩寺がマーダーだと広める
 5:ギャルゲロワ陣営は欝に叩き込む
 6:転もあったらただじゃおかない
 7:邪魔するようならWIKI管理人も容赦はしない


 ※容姿は白鐘沙羅@フタコイ オルタナティブ。アセリアの服を着ています。
 ※永遠神剣第一位「空気」が覚醒しました。
  相変わらずロワの舞台は基本マナが少ないので普段「空気」自体は振るえません。
  エターナル化は世界移動時の存在抹消がむかつくので「空気」とtu4双方の意志で抑制中。
 ※転生前の記憶も蘇りました。
 ※ガンダールヴの能力は、どんな武器でも自在に操れます。
  また本来は使うと疲労を伴いますが、tu4氏の場合それはありません。チートですし。
 ※空気王として他ロワの空気キャラの能力を使用できます。
  空気の覚醒により更に応用が利くようになりました。
  例フォルカ+ミミ=他の空気キャラを超神化(超進化) チート度アップしましたし。
 ※闘鬼転生を用いてギャラドス脳内補完を武装化しました。轟覇機神拳で召還可能です。神化して双覇龍になるかは不明。
 ※バイオライダーにより首輪を解除されました。

3443名無しでもいいよ皆そう呼ぶから:2008/04/14(月) 21:25:06 ID:naSFCoUU0
※以下のものがE-8に落ちています。いくつかは戦いに巻き込まれて破壊されたかもしれません。



仮面ライダー書き手の所持品
カイザギア@ライダーロワ、サイドバッシャー@仮面ライダー555
支給品一式 、カードデッキ(ベルデ)@仮面ライダー龍騎 大鉈@ギャルゲロワ



クールなロリスキーの所持品
支給品一式、着替え用の衣装(複数)、『村雨健二』の衣装、裸エプロン(キュートなシルク仕様)、
日焼け止めクリーム(大量)、未定支給品×?(本人確認)


※以下のものがE-8に埋められました。
孤高の黒き書き手の死体。
悟史の金属バット@ひぐらしのなく頃に、砕け散ったクラールヴィント(呪)@リリカルなのはシリーズ、
黒い皮手袋 、がんがんじいスーツ(頭部に凹みあり)@特撮ロワ、首輪の残骸(愛の伝道師) クルミ、砕け散ったレイジングハート。

カードデッキ(リュウガ)@ライダーロワは砕け散りました。

3444それぞれの愛ゆえに:2008/04/14(月) 21:26:47 ID:naSFCoUU0
◇ ◇ ◇





【クールなロリスキー@漫画ロワ 死亡】


「ダメよ、せっかちさんは。死亡表記を出すには早すぎるわ」

女の声に合わせて蟲が連なり、ロリスキーの首を今度こそ切り落とさんとしていた剣に殺到する。

「また私の邪魔をするのか、人形風情が」

肉体的・精神的疲労と相手が人形であったことが重なりまんまと不意を討たれた地球破壊爆弾は、
アーカードに姿を変えレヴァンテインに力を込める。


【クールなロリスキー@漫画ロワ 死ぼ】


「紫電、一閃」

炎を纏った剣に薙ぎ払いゾナハ蟲を次々と蒸発させていくフリークに、
コロンビーヌは尚も蟲を放ち続ける。

「そんな蟲如きで、私を殺せると思うなオートマタ!!」

視野を埋め尽くさんとばかりに迫る蟲の大軍を火炎剣で焼き払いにかかる。
コロンビーヌの作戦通り、ゾナハ蟲に紛れて投擲した幾つもの対戦車地雷をも巻き込んで。


【クールなロリスキー@漫画ロワ 死b】


「な……ゾナハ蟲が、光っ――――?」

芸人魂を発揮してか、とっさにこなたに戻った地球破壊爆弾のセリフを爆音が搔き消す。
派手な音とは裏腹に大したことのない爆発だった――あくまでも吸血鬼の体にはだが。
底部の装甲が最も薄い戦車を倒すのに大した火薬は要らないからだ。
いくら連鎖爆破させても、その威力は高が知れている。


【クールなロリスキー@漫画ロワ 死】


「やってくれたじゃねえかあ、おい!」

だがそれでも、地球破壊爆弾をロリスキーから引き離すのには十分だった。
踏み止まった地球破壊爆弾とは違い、未だ眼の覚めぬロリスキーは爆風で大きく吹き飛ばされてしまったからだ。
彼女もまた吸血鬼の上に不死身なのだから大したダメージは負いはしなかったが。

【クールなロリスキー@漫画ロワ し】

3445それぞれの愛ゆえに:2008/04/14(月) 21:27:11 ID:naSFCoUU0

「恋愛は爆発だって言うじゃない」

フェミニオン砲と轟覇機神拳の直撃という決着が目の前で着いたことの安堵と、
突然孤高の黒き書き手が殺害されたことへの衝撃により、すっかり注意を熱血王子に移して居た他のメンバーとは違い、
コロンビーヌは一人地球破壊爆弾の存命を確信していた。
恋愛の気配が消えていなかったからだ。


【クールなロリスキー@漫画ロワ s鄯】


「てめえの物差しを人に押しつけるんなと言ったはずだぜい?」

レヴィに姿を変えロリスキーを撃とうとするも、コロンビーヌに間に入られる。
この人形、只の恋愛馬鹿かと思っていたが、中々どうして隙がない。それもそのはずだ。
ここ最近鬼軍曹をたてたりと闘っていなかったが、コロンビーヌは序盤でギャグ将軍やドS(裏人格)とも渡り合った実力者だ。
まあ、この二人はどっちかっていうと能力より人格面での強者ではあるのだが。


【クールなロリスキー@漫画ロワ se】


「あらごめんなさいね。でも今回はちゃあんと根拠もあるのよ?」

コロンビーヌはデイパックからそれを取り出しパカリと開く。
行きがけの駄賃としてゾナハ蟲でこっそり拝借しといた携帯電話だ。
何やら恋愛の匂いがしたので調べてみたら期待通り『柿テロ猥・R2‐ND』なるものが出てきたのだ。
そこには参加者内で成立したありとあらゆる愛の物語が綴られていた。

地球破壊爆弾とクールなロリスキーの物語も。


【クールなロリスキー@漫画ロワ sei】


「っち、覗き見とは大した趣味だぜ」

ロリスキーとの逢瀬を寄りにも寄って音読し出すコロンビーヌ。
思わず激情に任せて軽率な行動を取りそうになる自身を地球破壊爆弾は必死に抑える。
そう、これこそが心理描写に定評があるネタ職人コロンビーヌの書き手としての強さ。
どんな相手であろうとも常に自分のペースに引き摺り込めるのだ。


【クールなロリスキー@漫画ロワ se鄯zon】


「あなたこそ地図氏としての能力を応用して死亡表記の偽造だなんて、褒められたものじゃないわ」

こじつけも甚だしい理論武装に身を固めた地球破壊爆弾の一の太刀は、
迷いが軌道を鈍らせロリスキーに当たることはなかった。
その迷いを打ち消そうと、地図氏としての力で【クールなロリスキー@漫画ロワ 死亡】の図を宙に表示したのだ。
だが既成事実を使い自身を追い詰めてまで放った一撃はまたもや外れることとなった。
故に、


【クールなロリスキー@漫画ロワ 生存確認】

3446名無しでもいいよ皆そう呼ぶから:2008/04/14(月) 21:27:50 ID:naSFCoUU0

【コロンビーヌ@漫画ロワ】
【状態】:疲労(小)、ダメージ(小)
【装備】:ゾナハ蟲@からくりサーカス 、携帯電話@現実
【道具】:支給品一式×2、ティーセット一式、麻酔銃の予備針×4 、変化の杖、キャンディー×2
     焦ったドラえもん・うっかり侍・孤高の黒き書き手の服、対戦車地雷×7個、ポン太くんスーツ@スパロワ(大破)     
【思考】基本:恋愛ばんざい
 0:鬼軍曹を生涯愛し続ける
 1:宿った命を大切にする
 2:ロリスキーが起きるまで守る。後は二人次第なので手出ししない。
 2:愛に介入しようとする邪魔者を倒す
 3:そういえば、新生クライシス帝国のみんなはどうしているかしら?

 ※容姿はコロンビーヌ(ロリ)@からくりサーカスです。
 ※ギャグ将軍にシンパシーを感じています。
 ※影の繋ぎ手・仮面ライダー書き手に紅茶を入れてあげたいそうです。
 ※猫子頭の鬼軍曹と結婚しました
 ※ロワ内の愛を感知できるようになりました。お邪魔虫もわかるようです




【E-8/病院地下】
【地球破壊爆弾No.V-7@アニロワ1st】
【状態】:疲労(大)、ダメージは完全回復、レヴィの姿
【装備】:激戦@漫画ロワ
【道具】:支給品一式、着替え用の衣装(複数)、アダルトグッズ(大量)、レヴァンティン@アニロワ1st
【思考】:
 0:コロンビーヌを倒す。
 1:ロリスキーを……

 ※基本的に中身はアーカードで、CVは平野綾です
 ※変化する姿に7つのバリエーションがあるらしいです。
 【1:地球破壊爆弾】【2:アーカード】【3:長門有希】【4:泉こなた】
 【5:銃撃女ラジカル・レヴィさん】【6:キングゲイナー】【7:1〜6とか目じゃないよ?びびるよ、まじで】
 ※クーガーの早口台詞が言えます!
 ※鎖鎌、鳳凰寺風の剣、ソード・カトラス、ノートPCの投影が可能です。
 【スーパーキョンタイム】
 地図氏以外の者はゆっくりとしか動けなくなります。一度使うとそれなりの時間使用不可能です。
 【地図氏の地図】
 参加者の位置、生死を含めた地図を投影できます。※長門有希の状態でのみ可能。
 使いすぎるとアレなので、毎晩0時にのみ使うことにします。





【クールなロリスキー@漫画ロワ】
【状態】:不死者、吸血姫、スーパーかがみんと融合
【装備】:なし
【道具】:なし
【思考】:??????
 基本:こ、こなたと一緒に……脱出か対主催
 0:??????
 ※容姿は柊かがみ@らき☆すたです。
 ※何故か不死身です。
 ※地球破壊爆弾No.V-7の血を吸い、独立した吸血姫となりました。
 ※スーパーかがみんと融合し、彼女の記憶と能力を継承しました。
  ただし、能力を使いこなせるかは別問題です。
  また、仮面ライダー書き手の記憶も取得した可能性があります。

3447それぞれの愛ゆえに:2008/04/14(月) 21:43:42 ID:IpuZqwKA0
……ごめんなさい ……ごめんなさい ……ごめんなさい

――なあに、心配はいらない。守護騎士システムにはバックアップ機能もあってね。
  とはいえ制限の都合上一回きりなんでね。最終目的の為にトロンべは返してもらうよ。

ああ、天使、様……。

――安心し給え、回収したばかりのもう一つのゲートオブバビロンから飛び散った支給品のいくつかをプレゼントさ。

……力……力……力!!

――ふふふ、しかしマーダーを蘇生させる書き手なんて、初めてだろうね。我ながらなんて悪だ!

……救われる……救われる……救われる

(ナイスだよ、666さん……熱血王子、あなたは簡単には終わらせない。もっと……もっと……苦しんで……)

……ごめんなさい ……ごめんなさい ……ごめんなさい……ごめんなさい ……ごめんなさい ……ごめんなさい
……ごめんなさい ……ごめんなさい ……ごめんなさい……ごめんなさい ……ごめんなさい ……ごめんなさい
……ごめんなさい ……ごめんなさい ……ごめんなさい……ごめんなさい ……ごめんなさい ……ごめんなさい
……ごめんなさい ……ごめんなさい ……ごめんなさい……ごめんなさい ……ごめんなさい ……ごめんなさい


【夜中 ???】
【熱血王子@漫画ロワ】
【状態】:黒化 あと一時間ほどで全快  右目にお姉さまの眼が入っている
【装備】:『破棄すべき全ての手(黒)』  
      黒い青龍偃月刀 ウルトラリング(黒) AK-74(残り28発・黒) 、不明支給品(バビロンカオスの余り)×???
      ちマジシャンズレッドのDISC(黒) 放火セット(燃料、松明、マッチ) 凛の宝石×1個
【所持品】:支給品一式×10 ナイフ、BL本、GL本、泉こなたのスクール水着@漫画ロワ 首輪×2 パロロワ衣服詰め合わせ
      お徳用原作パロロワ全生首セット(目玉セット他に換装可能) &原作パロロワ全手首詰め合わせ今なら腕も付いてくる!
【思考・行動】
 基本:愛媛に許されるために殺す
 0:……ごめんなさい ……ごめんなさい ……ごめんなさい
 1:黒く染まってない奴を優先して殺す
 2:白に寝返りそうな奴も殺す

 ※機械融合は解除されました。

3448それぞれの愛ゆえに:2008/04/14(月) 21:44:53 ID:IpuZqwKA0
 ※闇の書とパスが繋がっているため、EN回復(大)が付きます
 ※所持品は所持しているだけなので黒化していません



【???】
【派手好き地獄紳士666@LSロワ】
【装備】:ゲート・オブ・バビロン@アニロワ2nd(※特殊仕様)、闇の書@アニロワ1st(ディス・レヴ内臓)、ビッグ承
     クラールヴィント@アニロワ1st(ネコミミストと同じ物)、バリアジャケット、コアドリル@アニロワ2nd
【所持品】:エニグマの紙「漫画キャラバトルロワイアルwiki管理人」、ヒュッケバイン・ボクサー(トロンベ)
      四次元ポケット、クレイジーダイヤモンドのDISC、高性能探索機能つき扇風機、カードデッキ(龍騎)
      朝倉涼子のアーミーナイフ、夜天の書(BL本)ウルトラミキサー、モンスターボール(空)

【状態】:闇の書発動、不死者化?、大量の精気(エロパワー)吸収  疲労中 負のエネルギー蒐集中 暴走? アルテマ修得中
【外見】:黒いリボンドレス、背中から黒い六翼。長い髪は白く染まり後ろに降ろしている。眼鏡外し。

【思考・行動】
基本:極悪外道になった後、ネコミミストの前に敵として再会。ネコミミスト心から愛してる。
1:しばらくは身を隠し、ディス・レヴを使いこなせるようにする
2:時間稼ぎに利用できそうなものに関しては利用する
3:熱血王子がやられる間際にヒュッケバインボクサートロンベ回収。無理なら複製。
4:熱血王子が改心されそうなら……
5:ネコミミストの前に敵として現れ、最終的に喰われる


※ゲート・オブ・バビロンで出せるアイテムをどれも『一応は何とか使いこなせ』ます。
 エリクシールと爆薬は使い切りました。 鳳凰寺風の剣は病院に起き捨て。
 浄玻璃の鏡の回数制限は残り1回。凛の宝石は残り5個。風の矢は残量不明。
 懐中時計型航時機『カシオベア』破壊
※ゲート・オブ・バビロンで出せる新たに判明した物及び追加された物。
 アニロワ1stからディーヴァの剣、ルルゥの斧、マイクロ補聴器、
 鳳凰寺風の弓と矢、鳳凰寺風の剣、凛の宝石×10、闇の書。
 加えて――マテリアルブレード@テイルズロワ@XXX、クラールヴィント@アニロワ1st@XXX、
 不死の酒@アニロワ2nd(既に使用済み?)@XXX。
※闇の書と融合しているため、その内に言うまでもなく――
※エロスの鐘の煩悩寺と、エロ師匠の(ついでに大暴れ鉄槌の)精気を吸収しました。
 影丸の魔力を吸収したため、8割がた使いこなせるようになりました。
※「漫画キャラバトルロワイアルwiki管理人」は一度だけ秘められた力を使う事が可能です。詳細は不明。自身に関係する事?
※書き手としてのメタ視点能力を使える様子。別に全知ではない。
※闇の書とディス・レヴ@スパロワが内臓されました。リミッターをかけていますが会場内の負の力を自動的に集められます
※バビロンの財宝はクレイジーダイヤモンドでは治せません(宝物庫そのものは別)
※『真・驚きの黒さ』を蒐集により習得しました。これによりディス・レヴの効率を上げられます。


※全支給品を合成させ、自身も融合することにより、【グランゼボーマ@アニロワ2(グレンラガン)】の力が振るえます。
 制限によりサイズはLLL内で収まっています(つまり星よりでかいとかにはなりません)
 ただし666としてか闇の書の暴走が表に出るかは状況によります。
 666もそのことは理解してます。

※ヒュッケバインボクサートロンベ:単純にヒュッケバイン・ボクサーが黒色(レーツェルカラー)になったもの。
                 トロンベ化に伴いトロニウムエンジンから核融合エンジンになったが、
                 666からのエネルギー供給でトロニウムエンジン以上に安定駆動可能になっている。
                 人間サイズより一回り大きい。念動兵器が使えるかは不明。

3449それぞれの愛ゆえに:2008/04/14(月) 21:46:52 ID:IpuZqwKA0

【熱血王子 再構築開始】

この一文が抜けてたあ〜!!
というわけで投下終了。うん、我ながらつっこみどころ多し

3450名無しでもいいよ皆そう呼ぶから:2008/04/14(月) 21:54:16 ID:oVrowgvk0
熱血展開に燃えた後。
生死誤認の嵐にちょっと噴いたw
空気に反逆する空気王とか騙しテロップ浮かべる地図氏とかそれぞれ違う意味で何やってんだw
しかしGJ。

3451名無しでもいいよ皆そう呼ぶから:2008/04/14(月) 22:20:08 ID:i5/xv/Zo0
ウィキ収録しようとしたら多すぎて弾かれたのです。

何処から分割しますか?

3452名無しでもいいよ皆そう呼ぶから:2008/04/14(月) 22:51:17 ID:IpuZqwKA0
ミスった――――!?
ええっと、題名ごとに分割してもらうつもりだったのですが、
どこでひっかかっちゃったのでしょうか?

3453名無しでもいいよ皆そう呼ぶから:2008/04/14(月) 22:52:37 ID:i5/xv/Zo0
失礼、分割が必要なのは「なのDeath☆」の方です。

3454名無しでもいいよ皆そう呼ぶから:2008/04/14(月) 22:54:31 ID:i5/xv/Zo0
連投失礼します。えと、>>3451の文を打ったらリロードしていなくて
投下作品を読んで居たら報告が遅れてしまいました。重ねて申し訳ない。

34553449 3452:2008/04/14(月) 23:15:06 ID:IpuZqwKA0
おっとこりゃ勘違いを。
いつも編集ありがとうございます。では。

3456名無しでもいいよ皆そう呼ぶから:2008/04/14(月) 23:26:14 ID:utN/cscg0
GJ!やはりライダーには燃えがよく似合うなあ。…結果的には漆黒の龍相討ちにはできなかったけど。
それと>>3438の【影の繋ぎ師@ライダーロワ 消滅】って龍の間違い?
あるいは死亡確認すらぶっちぎったの?

3457名無しでもいいよ皆そう呼ぶから:2008/04/14(月) 23:30:32 ID:i5/xv/Zo0
ああしまった、肝心の感想を書いてなかった。
心の底からGJ!最ッ高に格好いい死に様をありがとう!!
相打ちには出来なかったけれども、きっとその意思は繋ぎ師が継いで……継ぐのかな?

さあ、今度は死者スレだ(ノ)・ω・(ヾ)

3458名無しでもいいよ皆そう呼ぶから:2008/04/14(月) 23:42:43 ID:2Z5og08c0
申し訳ない。じゃあ>>3412までを前編。以降を後編でお願いします>なのDeath☆

34593449 3452:2008/04/15(火) 00:31:46 ID:qWXS8S1I0
し、しまった!繋ぎ師と龍氏を間違えたあああ!後で訂正しときます

3460諸君 私は名無しが好きだ:2008/04/16(水) 23:10:51 ID:iaHLi8eo0
 今宵は満月だ。
 美しい月。流れる雲。限りなく黒い藍色に染まる闇。本当にいい夜だ。
 こんないい夜には、そりゃあ人も殺したくなるさ。だが――、

「ラピュタは本当にあったんだ……か」

 私が見上げた夜空に浮かぶ満月、そこに大きな影がかぶさっていた。
 吸血鬼の目でよく見ると、それは誰でも一度は視聴した経験があるであろう、有名な宮崎アニメ出展の天空の城と見て間違いない。
 いびつな形に欠けた満月は、その姿どおりの歪んだ光と影のコントラストを地上に注ぎ続けている。
 月下を走る。私は走る。
 体が軽い。どこまでも飛んでいけそうなほど。
 もう一人の自分である転の死体から血を吸うことで、ここまでのパワーアップを果たせるとはうれしい誤算だった。
 だがそれでもあの地図氏にはかなうまいが。
 あれは規格外の怪物だ。
 このロワにおいて書き手たちは一部の例外を除いて、自分の作品に縁のある姿や能力をもっている。
 私自身が複数回書いているDIOやアーカード、もう一人の私が同じく何度も書いた冥王といった風にだ。
 そのことに照らし合わせてみれば、アニロワで質量ともに五本の指に入る書き手である奴の能力も推して知るべし。
 何より――三大ロワ以降、長らく「完結しない尻すぼみ企画」と言われたパロロワを完結させたという実績は他の追随を許さない。
 闇の書、キングゲイナー、黄緑さん、地球破壊爆弾エトセトラエトセトラ。
 よくもまあ、カオス極まりない風呂敷を見事にたたみきったものだ。
 だがここで疑問が生じる。
 なぜ地図氏は――いや、私たちはパロロワキャラクターの能力が使えるのか。
 私たち書き手自身が書いた物語を現実のものにできるならば、ドラゴンボールの作者は全宇宙の支配者だ。
 明らかにおかしい。そして私を含めてそれをなぜ疑わないのかもおかしい。
 だが手がかりは、たった今手に入った。
 私は転の血を吸った。
 その他にも病院で零号開放を行い、今は元の姿に戻っているが、その際にその場にあった死体を新たに死の河に飲み込んでいた。
 ロリスキーを喰った仮面ライダー書き手と、謎の凶刃に倒れたウッカリデスの死体を、だ。
 ちなみに私の死体を喰って記憶を読む能力、これはおそらくだが我々Wアーカード共通の能力ではない。
 正確に言えば原作のアーカードにもできるかどうかわかっていなかったというのが正しい。
 原作ヘルシングでセラスの血を吸ったにもかかわらず、彼女の過去をアーカードは知らなかった。
 吸血すれば自動的に読めるというわけではないらしい。
 また、トバルカインなど吸血鬼ではあっても動いて活動しているものからは記憶を読み取ってはいるが、完全に活動を停止した(死んだ?)者を喰って記憶を読み取れるかどうかは不明なのだ。
 少なくとも漫画ロワや、ましてやアニロワが始まった時点では。
 普通はこういったネタは後から矛盾が発生するかもしれないリスク等を考えて自重するべきとされている。
 だが漫画ロワでは――それが通ってしまった。そしてその話を書いたのは私。はい、ごめんなさい。
 とにかく漫画ロワのアーカードである私は確実に死体を喰って記憶を読む能力が使える。
 
 その三人の記憶から掘り出した、ある単語――『なりきり』。
 
 これにより、ある程度の疑問が氷解する。
 まず第一放送直後、DIE/SOULが同じアニロワ1stの主力中の主力、美形元帥の死についてほとんど何も反応しなかったこと。
 同じくアニロワ1stを終わらせた同胞であるはずの地図氏を倒すことしか眼中になかったこと。
 また、私も漫画ロワ書き手が大量に死んだにもかかわらず、大量のマーダーが残っているであろうと闘争を期待し、喚起していたこと。
 ガッツの化け物への憎しみと利己的な一面、アーカードの好戦的な性格を考えれば自然な反応だ。
 だが私たちはガッツでもアーカードでもない。
 蝕にすべてを奪われた復讐の剣士でもなければ、500年の時を生きた伝説の怪物でもないはずなのだ。
 そこで、『なりきり』。つまり私たちはキャラクターを演じている。
 さらにいえば原作どおりでなくパロロワに参加したキャラクターとして。それも無意識のうちに。
 おまけに最速などはフラグがどうとか、まるで自分たちの命を考えていないような言動。
 このロワはパロロワだと、そしてそれを盛り上げ、楽しむといわんばかりの価値観。
 そのなりきりを除けば私たちは実にパロロワ書き手らしいが、自分の命をいささか軽く見るあたりは、本人だと言えるかというと、どうも疑わしい。

3461諸君 私は名無しが好きだ:2008/04/16(水) 23:11:40 ID:iaHLi8eo0
 以前、第一放送直後にDIE/SOULにも言ったが、同鳥のもう一人の私がこのロワに参戦していた。
 そんなことは普通ありえない。わかりきったことだ。
 だがなりきりゆえか、ロリスキーたちも誰一人そこに突っ込まなかった。
 そしてもう一人の私は実体をともなって確かに存在していた。
 マダオと名づけられた私とはまったく別のキャラとして、このバトルロワイアルに参戦し、そして生き延び、殺して、殺された。
 私たちは同一人物だというのに、漫画ロワの他にスパロワで書いた記憶は確かにあるのに、だ。
 そもそもパロロワに関する記憶はあるのに、その他のことになるとまるで思い出せない。これもおかしな話だ。
 私はリアルでは男なのか、女なのか、学生なのか、社会人なのか、いやそれよりも重要なことがある。

 
 私の、本名は?


 私はいったい誰なのか。
 パロロワキャラでもなく書き手でもない。


 私は――私であって、私ではないのか?


 それを踏まえて思い返すと地図氏、いや地球破壊爆弾の言動にも引っかかる点がある。

『ドSみたいな愛情なんて』

 ドSとはアニ2のマスク・ザ・ドSか。すでに死亡しているが。
 あそこで何の関係もない名前を出すわけもない。おそらく爆弾とマスク・ザ・ドSは同一人物だ。
 支援イラストのタッチで大方の予想はつくが、おまけに地図まで作れる人間などなかなかいない。
 ではこの2名が同一人物だとして、あの言葉通りにやはり能力や容姿、性格は違うのだろうか。
 それは私と同じく、地図氏という書き手本人のペルソナ(個性)を二つに割ったということか。
 いや、書き手が書いたSSがこのロワの参加者をキャラ付けするとするなら、アニ1の爆弾とアニ2のドSに地図氏の書いたSSの中身を割り振ったと。
 ――そういうことになるのだろうか。
 どうすればそんなことができるかなどと今更考えるのはナンセンスだ。
 すでにこのロワにおいて不思議なことなど何もない。
 私が私であるかすら分からないのに、何が真で何が間違っているかなど分かるはずもないのだし。
 いっそこれは夢なんだと現実逃避の発狂マーダーになるのも悪くはないが……いや本当に夢ならそれでいいのだがな。
 万が一、現実に影響が出るかもしれないと考えると迂闊に行動に踏み切れない。そんな私。
 まー、黒幕が本当に存在するとして、なんでこんなことをやるのかが謎だ。
 孔明や地図氏、感電氏はロワを終わらせることが最優先で、そのためには書き手を殺すことにもためらいがないようだ。
 そんな自分たちを『危険な対主催』だと孔明はライダー書き手にそう言った。
 
 ――例え優勝エンドでもロワを終わらせることが対主催になるだと?
 
 孔明や地図氏たちが参加しているアニロワ2ndは、私の記憶が正しければこのロワが始まった時点で未だに未完だ。
 いくら彼らが実力ある書き手だとしても、自分たちだけが生き残って完結させられるとは考えていないだろう。
 アニ1を完結させた彼らが2ndの完結を放棄するとも考えにくい。
 まだまだ完結には他の書き手の力が必要なはずであり、少なくともアニロワ2ndの書き手陣は生かしておきたいはずなのではないか。
 
 ――なのにそうまでしてこのロワの完結を望む理由はなんだ?

 そしてその疑問に対して、私はひとつの仮説を思いついた。
 これは私の荒唐無稽な妄想だ。

3462諸君 私は名無しが好きだ:2008/04/16(水) 23:12:49 ID:iaHLi8eo0
 だがこれなら地図氏たちが参加者を殺してまで完結を目指す説明がつく。
 ひょっとしたら、このロワの参加者たちが死亡しても書き手自身が死ぬわけではないのかもしれない。
 もしそうなら私たちは書き手の名を冠したキャラクターに過ぎないということになる。
 しかしそれだけでは彼らが介入してまでロワを終わらせようとする理由にはならない。
 別に速く終わらせようとしなくてもいいではないか。
 スパロワなんて下手したら三年目に突入しそうな勢いだぞ?
 ……正直さすがにそれは避けたい。誰か書きに来てください。
 なるべく私も書きますんで。っと、脱線した。
 終わらせなければならない理由……転はこのロワが終わらなければここから出られないと推測した。
 生きている参加者からすれば、それは当たり前だろう。
 では死んだ参加者はどうなるのか。
 まず一つ目の仮定。
 死んで消滅して終わり。そして書き手も死ぬ。
 これは彼らが自分たちを対主催と称して書き手を殺して回っていることから考えると、多分ない。
 二つ目の仮定。
 参加者が死んでも書き手は死なない。
 これだけでは彼らがわざわざロワを完結させるために無理に介入する理由がない。
 そして三つ目。
 参加者が死んでも書き手は死なないが、ロワが終わらない限り解放されない。
 私たちが書き手ではないとして、では我々参加者がこのロワから解放されたければ自殺すればいいのではないか。私はそう考える。
 だがもしだ、このロワに死者スレがあったとしたら?
 死んでもそこに閉じ込められるだけで、解放されるわけではない。
 本当に解放されるのはロワが完結した後……。


 ◆  ◆  ◆


 崩壊した病院はすでに目前だ。
 ライダー書き手の記憶に基いた私の推測が正解ならば、孔明たちのしていることは正しい。
 ならば私は――――どうすればいい?
 ロワ完結のために私もマーダーになるのか?
 しかし転の記憶のおかげで今の私は首輪を解除できる。
 自分の首輪は外すまでもなく引きちぎった。
 アーカードの弱点である心臓にも爆弾が仕掛けられているかどうかは自分でわかる。
 自分の心臓に、爆弾は、ない。

3463諸君 私は名無しが好きだ:2008/04/16(水) 23:13:26 ID:iaHLi8eo0
 そしてウッカリデスの記憶を引っ張り出すまでもなく主催者の居場所もすでに判明している。
 あとは主催者を倒して脱出すればいい。
 

 ――なあんだ。マーダーになる必要なんかないじゃないか。


 なあ、ロリスキー。
 お前は生きているはずだ。ライダー書き手に喰われたのなら、その死体を喰った私にお前の記憶があるはずだ。
 おそらくライダー書き手が失くした右腕、そこにおまえはいるんだろう?
 だからあと少しだけ待っていろ。
 吸血姫で不死者のお前だ。滅多なことで死ぬわけもあるまいが、なあに多分なんとかなるさ。
 だからお前の気持ちは分かっているが、一段落ついたらどうかウッカリデスのために泣いてやってくれ。
 私たちは書き手ではないかもしれない。現実の存在でないかもしれない。
 でも一人一人がパロロワキャラクターとして確かに存在しているのだから。
 だからどうか、だからどうかその死を悼んでやってくれ。あいつは本当にお前が好きだったんだ。

 DIE/SOUL。
 まだ生きてるか?お前は私に借りがあるはずだ。
 ジョーカー戦で助けたこと、核鉄を貸して治療してやったこと。
 孤城の主が実現したからって勝手に死んでもらっちゃあ困るんだよ。
 まだやることがあるだろう。まだテイルズのジョーカーにリベンジだってしてないだろう。
 考えてみれば、このバトルロワイアルじゃあ貴重なケースだと思わないか?
 愛じゃない。安らぎでもない。ましてや信じあうなんて生易しいもんじゃない。
 たった一瞬の隙で命を落とすあの怪物との戦いで、私とお前は背中を預けあって共に戦った。
 ――絶対的な機能としての信頼感。
 大詰めの終盤ロワでリレーしあうってのは、ひょっとしたらこんな感じかもしれないって思う。
 ま、お前ほどの書き手に私なんかが相棒って言うのは恐れ多いんだろうけど、な。

 地図氏。
 あえて爆弾じゃなくてこう呼ぶぞ、今更だし。
 あの時、お前は言うたじゃないか。ロリスキーに『いっちゃやだ』と。
 愛などないといいながら、悲痛な声で叫んだじゃないか。
 あのときのお前は誰よりも、私たちにアーカードの狂喜を見せ付けたときよりも、
 何十倍も、何百倍も、何千倍も美しかったというのに。
 それがなんて様だ。
 そんなにロワ完結が大事か?
 いや確かに大事だろうさ!けどな、もっと大切なものがあるだろう!
 私たちはパロロワを義務でやってるわけじゃない。楽しいからやってるんだろ?
 どうせマーダーやるなら自分の気持ちでやりやがれ!
 ノルマだとか、役割だとか、そーゆーのはなぁ、『つまらない』んだよっ!

3464諸君 私は名無しが好きだ:2008/04/16(水) 23:14:24 ID:iaHLi8eo0
 
 黒猫。
 ありがとう、礼を言おう。
 私は元々対主催として熱血展開ができればそれでよかった。
 いつ死んでも別によかったが、どうしてもやらなきゃならない目標ができたよ。
 ウッカリデスを殺したのもお前。ライダー書き手を誘導したのもお前。
 私たちはお前にまんまと嵌められたわけだ。
 私は別に書きたくてしょうがないとか、書かずにはいられないとかそんなキャラじゃない。
 基本的に繋ぎメインで山場を書きたい人がいれば譲る。
 面白い作品を書くあの書き手さんには負けたくないって燃えるタイプでもない。
 書き手になったのだって自ロワが過疎ったのを見かねたからだ。
 私は自ロワがうまく回っているなら、それで充分なんだ。
 だけど舐められるのだけは許さない。それだけは許さない。
 私は必ずお前を殺す。借りは充分に利子をつけて、のしをつけてお返ししよう。
 覚悟しろ。お前は必ず――殺してばらして並べて揃えて晒して砕いて喰らってやるよ。
 
 
 「――さあ、望みどおりだ地図氏!孔明!感電氏!」


 暗い大地をありったけの力で蹴って飛ぶ。
 私は再び孤城へと舞い戻る。


 「終わらせてやるぞ!ジョーカーも黒幕もぶっ倒して熱血脱出エンドでな!!」




【G-8/病院のそば:夜中】
【ミスターマダオ@漫画ロワ】
【状態】:体力全快、強い決意、強い仲間意識 、首輪解除
【装備】:パニッシャー@トライガン(機関銃:残り弾数100%、ロケットランチャー:残り5発)、運動服(ブルマ)、腕時計型麻酔銃(残弾0/1)@漫画ロワ
【道具】:支給品一式、未定支給品×1(本人確認済み)
【思考】
 基本:対主催!目指せ熱血脱出エンド!
 0:急いで病院に戻る。
 1:地図氏を力ずくでも説得して脱出エンドに協力させる。 なりきりについて詳しいことを問いただす。
 2:DIE/SOULやロリスキーを探して守る。
 3:黒猫(666)は必ず殺す。
 4:仲間をもっと集めて対主催。
 ※容姿はアーカード(ロリ状態)@ヘルシングです
 ※転と仮面ライダー書き手とウッカリデスを喰らって記憶を受け継ぎました。
 ※自分が本物の書き手ではないと思っています。
 ※転の血を吸ってパワーアップしました。新たな力が使えるかもしれません。
 ※孔明と地図氏と感電氏が『危険な対主催』だということを知りました。

【世界(スタンド)】
 世界を使用でき、時止めも可能です(3秒まで)。
 制限は漫画ロワに準拠――『体力の消耗』『時止めの再使用には10秒必要』『スタンドは見れるし触れる』

3465諸君 私は名無しが好きだ:2008/04/16(水) 23:17:14 ID:iaHLi8eo0
※転の記憶を使って首輪解除ができるようになりました。
※ライダー書き手の記憶で携帯電話のwikiの存在を知りました。


投下完了。すいません、上の分を状態表に追加してください。

3466諸君 私は名無しが好きだ:2008/04/16(水) 23:17:50 ID:iaHLi8eo0
あとタイトルは「幕間『孤城の外で』」でお願いします

3467諸君 私は名無しが好きだ:2008/04/16(水) 23:49:15 ID:fq4yGvWc0
すげえええええええ!!ここに来て考察&覚悟完了!乙なのです!

3468諸君 私は名無しが好きだ:2008/04/17(木) 03:27:01 ID:fzXTsq660
GJ!なんというきれいなアーカードw
他のロワを見渡せば旦那は勿論、ことみ、ティトゥス…
対主催の中田ヴォイスが聞けるのは書き手2ndだけ!w

3469最後の刺客:2008/04/19(土) 21:18:12 ID:cJSNqes60
薄暗い部屋の中で、小刻みに紙の擦れる音がする。
時計が秒針を刻むよりは遅く、呼吸を一度するよりは早く部屋の中で音が累積する。
深く、深く、深深と奈落が詰まるように紙が擦れて行く。
老婆の悲鳴のような音を立てて扉が開き、その部屋に光が差し込んだ。
後光を受けながら現れた男の影……裸になってすぐアッー〜殺意のqwglOGQwIk〜ことガチホモは
背を向けて何かに没頭する人物を見ながら言った。

「テイルズロワの方でバトルマスター達の足止めが入りました。
 残る参加者が孤城の主に集中している今、あそこはがら空きです」

黒い外套を纏ったその人物は声に反応せず、
ひたすらそのカードらしき紙を束にしたり解いたりを繰り返している。

「サスペリアの要望を聞く代わりに介入権利の対価を得ました。
 触手汁も全て使い切った今、恐らくはこれが最後の介入になるでしょう。
 ついにこの瞬間が来ました……貴方の出番です。人外」

その一言で音の堆積が止んだ。後ろを向いていた人物、
人外アドベンチャー〜OZbjG1JuJMのウォーゲーム〜が椅子を回転させてガチホモのほうに向き直る。
ガチホモは険しい表情を崩さず、なるたけ抑揚の無い声で言った。

「孤城の主、そして666の暗躍……チャンスは今を置いてほかに無い。
 地図氏は消えて失せたようですが、依然として状況は予断を許しません。
 参加者の目がそちらに行っている内にこれは成しておかなければ。
 問題は移動手段ですが……こればかりはどうにも」
「私が行くよ、ガチホモさん」

ガチホモの前に伸びる、まるで沼のようにどろりとした影から愛媛が浮上する。
病床に飽いて飛び出てきた子供を相手にするような瞳で、ガチホモは困ったような顔をした。
それを察したのか、愛媛は子供らしい無理をした笑顔を見せた。

「貴女はまだ寝ているように言っておいたはずですが。いけない子ですね。
 男だったら掘ってる所です。……で、実際行けるんですか?」
「えへへ、ごめんなさい。でも大丈夫だよ。闇がある夜なら回復も早いし、
 熱血王子さんの残念が私の闇に流れ込んでくるから……
 それに、666さんがあの人に仕込んだエネルギーも、少し漏れてこっちに流れているみたい」
「ということは……やはり、あの人は真・驚きの黒さを使いこなせてない?」
「どっちかっていうと、これを蒐集した闇の書を使いこなせてないんじゃないかな」

3470最後の刺客:2008/04/19(土) 21:18:37 ID:cJSNqes60
視線をはずして二人は個別に思考し、同じ結論に至る。
殆ど完全無欠と言っていい666のかろうじて残っている弱点がそれだ。
闇の書は彼女のゲートオブバビロンからの財宝。
そしてGOBの財宝は“あくまて持っているだけ”なのだ。
制限による上方修正……カシオペアなどの本来使えないものが何とか使えるようになる補正の方に目が行きがちだが、
その裏で本来の制限である担い手でない故に真の力は引き出せないという枷は未だ機能している。
管制人格が一言も喋っていないのがその証拠。
適合者でも契約者でも無い666は闇の書を唯使っているだけなのだ。
無論、複数のアイテムを兼ねて使うことによる死角の無さこそがGOBの骨頂であり、
熱血王子や四神合体、ディスレヴなどの様々な要素を複合することによって弱点はフォローされている。
影の繋ぎ師が最強のスペシャリストならば、彼女は最強のジェネラリストだ。

「ですが闇の書を使いこなせてないとなるとやはり暴走の目が出てきますが、
 それまで自我が持ちますかね? いや、彼女にも今の私たちにももう関係ありませんか」

その全てを分かった上での天元突破狙いだ。そんな制限はもうすぐ完全に意味を成さなくなる。
そこに彼女の自我がどれだけ残るかの話。多かれ少なかれたいした違いは無い。

「あの小娘の下らん妄執など一々論評するだけ無意味だ。
 俺を呼んだのはそれが理由ではあるまい」

紙の束…カードをきっちり揃えて、人外はすくっと立った。
それを見てガチホモは苦笑し、愛媛に確認の目線を送る。

「で、どうなんです体調は? 動けませんでした、じゃ済みませんよ?」
「戦闘はまだ無理だけど……サポートなら全然だいじょぶだよ。
 それに、人外のお兄ちゃんが帰ってくる足が必要でしょ? 私のはるちゃんを喚ぶくらいならなんとか」

しばし勘案した後、ガチホモは仕方なしと大きなため息をついてから二人を見た。
次の敵は間違いなく最強の一角。人外だけでは逆に返り討ちにあう可能性も否定できない。

「分かりました。無茶だけはしないでくださいよ……愛媛さん。
 では、お任せしますよ。人外。
 ここまで耐えに耐えて出番を待った貴方の力、存分に発揮してください」

ガチホモが扉への道を譲る。人外は不適に笑って、その一歩を踏み出した。

「ふぅん…まかせておけ。このローブを解き放ったとき、俺のロードを止められる者はいなくなるのだからな…… 」

3471最後の刺客:2008/04/19(土) 21:19:04 ID:cJSNqes60
× × ×

闇に輝く真円の月。その下にて一人の人物が座っていた。
コーヒーを飲みながらその傑物……ギャグ将軍は横目でそれを見た。
月の光に影を伸ばすのは地面に突き刺さり十字となった銃剣。
怪人としての責務を全うし死体も残さずに散った熱血怪人へのせめてもの墓標だった。
それをじっと眺めながら、コーヒーをすする将軍。
仮面越しからでもその複雑な感情がそのまま漏れ出している。

「いかんな……話し相手もいないとなると無駄にシリアスになってしまう」

意識的にスイッチを切り替えてぐいっとコーヒーを飲み干した将軍は
テーブルに置かれたノートパソコンに向かい直った。
あの一件から壊れない程度に何度か弄り回してみたが、どんなルートを経由しても弾かれてしまう。

「結局のところ全ての道はローマ…もとい、パスワードに集約されると言うわけか」

さらに調べなおして新たに見つけた項目を注視する。
そのカテゴリはズバリ地図及び参加者の現在位置データ。
こちらはパスワードなど無く閲覧でき、これは拾い物と幸いに調べてみた。
そこには驚くべき事実があった。注釈を信じるならば更新はタイムリリース制。
自分の行動半径から鑑みて、これは第三放送時点のものだろう。

「参加者個別個別の位置が分からんというのは不便だのう」

厄介なのは、これには生存者の位置しか分からないと言う点だ。
上級管理者……即ち地図氏のパスがあればリアルタイム更新や参加者個別の情報も入手可能らしいが、
現段階ではどうしようもない。
だが、それでもこの地図には大きな意味があった。

「しかしこれは……」
「どうかしましたか、将軍」

驚きに目を見開いている将軍に声がかけられる。
このエリアに残った命の残り。速筆魔王LXである。
その手には技術手袋が装備されており、首輪の残骸が握り締められている。

「その様子だと上手く行ったようだな?」
「ええ、自分の分も外せました。生きた人間の首輪も死体の首輪も大差ないですね」
「拍子抜けだのう……ライダーロワの書き手が言っても説得力が無いか」
「ははは……盲点と言えば盲点でしたけどね」

3472最後の刺客:2008/04/19(土) 21:19:33 ID:cJSNqes60
肩をすくめる将軍に、苦笑する魔王。
そのまま躊躇することなく将軍の首輪に手をかけて解体を始める。
考えてみれば首輪で書き手を殺すなどと主催側も本意ではないだろう。
書き手と言う特性上、無意味に複雑にする必要も無いのだ。

「iPodも直しました。それは後で聞くとして……そっちの首尾はどうです?」
「一進一退と言ったところだな。例のパスワードは分からん。
 新しい情報ソースとしては……やはりこれか」
「地図、ですか……しかしこれは……不味いですかね?」

魔王がスクリーンを覗き見て呆れたような困ったような声を出した。
今現状がどうなっているかははっきりとしないが、
第三放送時点ではっきりと残存勢力が集結し始めている。
細部の地理まで望めば提示してくれるこの地図に従えば……ラブホテル・この旅館・そして病院。
参加者は望む望まずに関わらずこの3つのうち何れかに関与している。

「特に病院が酷い。これだけ集まってしまうとどこをどうしたって人が死ぬ」
「やはりそう思うか。放送から既に数時間は経過してしまった。既に死人が出ているかも知れん」

婉曲に言葉を濁す将軍だが、魔王はそれを誤らず了解していた。
かも知れない、じゃない。間違いなく死んでいる。
なぜならここは書き手ロワイアルであり、自分が書き手ならまず間違いなく数人殺す段取りを立てるからだ。

「魔王よ、余はそろそろ動くべきかと思う。首輪の解除という最大の目的は達した。
 このままここに立て篭もった所で得られるのはあの熱血王子のような敵だけだ」
「確かに、対主催が集まるにここは適していますが守るには薄い。
 ここにやってくる人間が期待できない以上、能動的に動くしかないですね」

見解を同じくした二人。ならばコーヒーセットを片付けようか、そう思ったときだった。


「その必要は無い。既に病院に向かったところで間に合わんからな」

魔王と将軍が同じタイミングで突如聞こえた三人目の声の方を向く。
そこには風も無いのにローブの裾を靡かせる黒マントがいた。

3473最後の刺客:2008/04/19(土) 21:20:06 ID:cJSNqes60
「……コーヒーの匂いに惹かれてやってきた客人、という訳ではなさそうだの」
「あっちゃあ……将軍、多分あれはジョーカーですね」
「知っているのか魔王!」
「とりあえず雷電乙と言っておきます。同系統の理不尽な襲撃者に心当たりがありましてね。
 その立ち位置は掴めませんでしたが、まあ主催者側の手駒と考えてよろしいかと」

軽口を叩きながらも二人はじりじりと距離を開けて目の前の異物を観察する。
いったい何処から風を受けているのか、黒ローブが風に煽られて下半身のズボンが露出していた。
全身黒ずくめの外見も十分に異質だが、何よりもそれを異物たらしめていたのは、
マント越しにもハッキリと分かるその強烈なオーラ。決して雑魚の類ではない。

「将軍、あれをどう見ますか」
「ギャグオーラだ。だがそれだけではないな。熱血、シリアスが高次元で纏まった上級のオーラと呼べるだろう」
「ふぅん。ジジィ、どうやら人を見抜く目はあるようだな。
 その通り。俺の決闘者としての波動は常に闘いの風を生み出している」

いや、何がその通りなのかさっぱり分からないのだが。
と速筆魔王が突っ込もうとしたが、ギャグ将軍が不適に笑い返す様を見てやめた。
意思疎通が出来ているのであればいうこともないだろう。

「で、いったい何をしに来たのかな? 
 この前の奴みたいに空気を読まないことをするんだったら、同じ目にあってもらうよ」
「何、些細なコトだ。愛媛が作った木偶人形がどれほどのものか検分に来たが、
 その哀れな墓標を見る限りでは、どうやらその価値も無かったらしいな。
 凡骨は爆砕するのが世の常、これも当然の結果だ!!」

黒ずくめが振り向いた先には交差する銃剣の墓。命を賭して一人の男の罪を許そうとした男の果てがあった。
そしてその命を奪った黒き男にも悲痛なまでの許しを請う願いがあった。
その両方に対して鼻を鳴らして嘲る男を前にして、二人が紳士的に振舞うのにも限界がある。

「今の余は少々ナイーブだ……小僧、その命欠片も残らんぞ」
「ほう、やるかジジィ。老骨は大人しく臥して死ぬのを待つが身の為だぞ、ククク……」
「さてさて、死ぬのはどちらだろうねえ」

3474最後の刺客:2008/04/19(土) 21:20:49 ID:cJSNqes60
速筆魔王の殺気と共にあたりに黒き闇が広がっていく。
千年リング&虎竹刀によって闇のゲームが展開される前兆であった。

「賭けの対象は決まってる。互いの存在そのものがチップだ……さあて、選ばれるゲームは……?」

その時魔王は2つの違和感に気づいた。一つは、直ぐに決定される闇のゲームがまだ決まっていないということ。
そしてもう一つは、この最興のアイテムを前にして目の前の男があえて自分たちを挑発してきたということ。
大いなる意思の結果とはいえ、彼らは一度このゲームにてジョーカーの一人を失っている。
それを承知であえて彼は現れた。まるで、闇のゲームをあえて誘うかのように……!!

「まさか……」
「ようやく気付いたか。そのアクセサリの決定的な弱点に」
「弱点とは? 魔王よ、それは一体!!」
「簡単なことだジジィ。その非ィ科学的なアイテムは賭けの対象こそ任意に選べるが、ゲームの内容は選べん。
 だがそこにそのゲームにふさわしい人物が現れれば、ゲームの内容に指向性を与えることが可能だ!!
 ここで俺の特殊能力発動!! 俺の名を掲げることで、このゲームの選択権は俺が得ることができる!!」

闘いの風がその男のマントを一瞬で吹き飛ばす。
その瞬間に、温泉へと流れるはずの源泉が突如地面から噴出しあたりが湯気に覆われた。
飛沫に目をやられないように二人が目を腕で覆い、その男の姿が再び隠れる。
しかし隠しようもないほど濃密な臨戦闘気が、周りの激闘など無縁といった静けさの温泉に湯気と共に立ち上った。

「……千年リングが反応していた。嫌な予感が当たっちゃったかな……」
「俺の名は人外。人外アドベンチャー〜OZbjG1JuJMのウォーゲーム〜……ニコニコロワの最後の一人だ」

腕を組みながら、男は不敵に自分の名前を告げる。
そして終に、月の光がその人物の姿を鮮明にした。
白きマントと後ろの長い髪無風のはずの旅館で強くはためいている。
そして月光に白く輝くのは、白き龍を模したかのようなヘルメッツ。
その姿はまさに正義の味方、僕らの愛した社長の化身・カイバーマン!!

「またの名をモンスターの味方ジンガーマン! この闇の決闘は俺のウォーゲームにて行われる!!」

3475最後の刺客:2008/04/19(土) 21:21:54 ID:cJSNqes60
その言葉と共に人外の腕に決闘盤……海馬コーポレーションの粋を集めたソリッドビジョンシステム搭載の、
正直金と技術の無駄遣いと言わざるを得ないカードゲーム機が出現した。
人外の手に握られたデッキが決闘盤に装填され、彼の戦闘準備が完了する。

「このウォーゲームはアンティルールを採用している。
 闇の罰ゲームとは別に、勝負の決着時に敗者は一つアイテムを失ってもらうぞ……」
「それはいいけど、そちらには僕を満足させるアイテムが無い様だけど? ああ、その変なオモチャはいらないよ。
 いくら高性能でも、ダサいのは遠慮する」

魔王は笑みを絶やさないように勤めたが、うっすらと湧き上がる冷や汗は温泉の湯気ですら隠し切れなかった。
ギャグ将軍だけはそれに気付き、この勝負の不利を薄々悟る。
あのキャラの固有能力だけではない何かが、まだ控えているはずなのだ。

「ふぅん。その発言、貴様の寿命を縮めたぞ。
 ……確かに貴様に渡す物は一つとて無い。だが、貴様たちが欲するものは一つ用意してある。愛媛ェ! 出て来い!!」

人外の大声に弾かれた様にして愛媛がずぶずぶと人外の影から出現する。
その手は若干水に濡れており、微妙に不快そうな顔をしていた。
実は先ほど人外の登場にあわせて温泉が吹き出たのは偶然ではない。
地下の源泉の路をあのタイミングで愛媛が少し破壊しただけなのだ。
その理由はたった一つ。人外が「今更この俺が普通に登場などできるものか!」と言ったからだ。

「……あの〜、一応私も病人なんだけど……」
「すでに仮面ライダー書き手は死亡が確認されている。
 そして先ほど言った通り、お前たちの仲間を手にかけた木偶はこの愛媛の力によって呪縛されている。
 分かるか? この小娘だけがお仲間の凡骨の願いを叶えられるのだ」

驚きの黒さといってもベースは柊つかさ。愛媛のさり気ない糾弾は当然人外の耳に入ることは無く、
人外の一方的な言葉が綴られていく。
しかしその言葉は将軍たちには途轍もなく重要な意味を持っていた。
熱血王子の呪縛を解くことが可能なのは、現段階ではその統制者である愛媛しかいない。
そしてそれは、熱血怪人がギャグ将軍に願った最後の言葉である。

「あの時の話を知っているとなれば……どうやら、あの小童が貴様の眷属であることは疑いないようだのう」
「お兄ちゃん……私を無視して話決めないでほしいなあ……」
「案ずることなど欠片もない! 俺が勝てば何も問題ないのだからな」
「……それもそうだよね。うん、じゃあいいよ。人外のお兄ちゃんに勝てたら、熱血王子さんを許してあげる」
「二言は許さんぞ。よかろう……魔王よ、この闘い余も参陣しよう」
「それは有難いですが、油断はしないでくださいよ将軍」

どうにもイニシアチブを取られっぱなしのまま進行する状況に砂を噛んだような感覚を覚えながら魔王は首肯した。
あの愛媛の余裕からして、これは圧倒的に向こうの方が有利なゲーム。
どのようなゲームになるかは分からないが、戦力は大いに越したことはない。

3476最後の刺客:2008/04/19(土) 21:22:18 ID:cJSNqes60
「じゃあ、私が磯野役(審判)します。黒いからだよ。
 基本は通常の戦闘。ただしお兄ちゃんはDM『風』に戦うので、モンスターを倒してもダメージを与えられるよ。
 お兄ちゃん側は積み込み・ドロー以外の手札補充はありだけど一応ルールとマナーを守って楽しくデュエルしてね。
 まあ、後は戦闘しながらノリでってことで……それじゃ、決闘開始!!」

愛媛の奥の闇から「開始!!」弾幕が張られ、遂に人外のウォーゲームが開始された。

「俺のターン! ドロー!! 俺は人外のキャラを書くのを得意としている。故に、俺が出すのはこれだ!」

先攻後攻を決める間もなく、速攻で山札からカードを引き抜く人外。
もっとも、相手側は開始時点で臨戦態勢なので実際後攻である。
決闘盤にカードを入れて、モンスターを出現させる。

「場に一枚のリバースカードを置き、フシギダネを攻撃表示で召還! ターンエンドだ!!」

出現したのは、背中に背負った大きな種が特徴のフシギダネ。
その後ろに一枚のカードも出現し、人外は動きを止める。どうやら本気で相手の出方を見るらしい。

「魔王よ。此度の闘い一見ギャグに見えるが、今までと比べ物にならぬガチバトルになる可能性がある。
 これに打ち勝つには仲間の協力という熱血展開の王道が必須。この戦、一切の指示を貴様に委ねる。
 奴が人外の化生を操って攻めるとなれば、お前も見事余を運用して見せるがよい!!」
「将軍……分かりました。貴方の命、僕が預かります。攻撃です、狙いは……人外!」
「承知!」

将軍が杖を掲げ、裁きの雷撃を放つは人外本人。
しかし、発せられるビームの先には既にフシギダネが先回りしていた。

「愚かな……場にモンスターが出ている状態で俺にダイレクトアタックなど原則不可能。
 嫌でも我が僕と戦ってもらうぞ。トラップカード発動『六亡星の呪縛』! 
 相手の攻撃でこのカードは発動し、攻撃力を下げつつ相手の行動を封じる!!」
「将軍! 右へ飛んで!!」

3477最後の刺客:2008/04/19(土) 21:22:47 ID:cJSNqes60
魔王の言葉に弾かれたように将軍が右へ素早くサイドステップで飛びのく。
一瞬遅れて黒き六亡星がギャグ将軍がいた場所へ出現するが時既に遅く、
呪縛は将軍のマントを僅かに捕捉しただけで、力で千切られてしまった。

(どうやら実際のDMと違って罠や魔法は気合で凌げるらしいな……)
「呪縛を逃れても安心は早いぞ! 六亡星が掠った分のギャグ将軍の攻撃力は減衰!
 フシギダネの攻撃、【葉符「はっぱカッター」】!!」

人外の攻撃命令とともにフシギダネから無数の葉っぱが舞って乱れる。
葉の刃は一度空中をひらひら停滞したかと思えば、瞬時に軌道様々なものへと変化させる。
直線・3WAY・螺旋拡散……無数の弾丸が描く軌跡は正しく弾幕ごっこそのもの。
弾幕の作り方を覚えたニコロワ仕様のフシギダネの攻撃を前にしても魔王は怯むことなく、一瞬でそれを見極めた。

「将軍! 右に6歩、前に3歩。そこから動かないで」
「なんじゃと? 停止すれば鴨撃ちに……いや、何も言うまい。今更疑うものか、余は貴様を信じる!!」

あの目を奪われそうになる弾幕を前にして動かないというのは自殺行為。
だが将軍はその命令を放つ魔王の眼を見て、その全てを改めて信じた。
素早く目的の位置に到達すると眼前に百を超えるはっぱカッターが動き回るが、ギャグ将軍の威光に怯んだかのように離れていく。

「どうやら余のカリスマも捨てたものではないのう……植物にまで通じるとは」
「そんな訳ないでしょう。その位置から一歩も動かずに、フシギダネにビーム連発してください!!」

いくら弾幕といえど、フシギダネ自身のわざを少しアレンジして連発してるだけの攻撃のため、穴は多い。
一瞬の交錯でその法則性を見極めた速筆魔王は絶対に弾が届かない地帯を発見し、そこにギャグ将軍を誘導した。
鴨撃ちとなったのは逆にフシギダネの方である。
ダ、ダネ〜という断末魔とともにフシギダネが砕け、決闘盤の墓地に送られる。

「……まさか、たった数秒で安地を見つけるとはな。やはり貴様は俺と戦うに相応しい決闘者だ」

フシギダネが敗北したことによるダメージを負いながらも人外は不敵に笑った。
魔王も同様に、一時の勝利などに気を弛緩させるなどといったことも見られなかった。
両者ともに理解しているのだ。今の戦いは互いに小手調べだということを。
速筆魔王はこの戦いのおける魔法・罠カードの強制力を、人外は根本的な力量を見計らったのだ。
モンスターがやられるのを見て、愛媛が不安そうな表情を人外に向けた。
それを察したのか、人外がふぅんと鼻を鳴らす。

「そんな心配そうな顔をするな。
 そして黙って見ているがいい。貴様の闇は確かに深いが、俺の決闘はその深さすら凌駕する!!
 俺のターン! ドロー!!」

3478最後の刺客:2008/04/19(土) 21:23:18 ID:cJSNqes60
山札からカードを取り出す様を見ながら、人外と魔王は呼吸を整えていた。
場のモンスターがいないのだから攻めればよかろうと、将軍はこの待ちの姿勢にいささか不満があったが、魔王がそれを制する。
確かにモンスターを倒して、相手が次のモンスターを呼ぶまでには若干の隙がある。
ゲームを無視して襲いかかるのも一つの手ではあるが、これが闇のゲームであるという以上それはペナルティになりかねない。
そして、それを行えば今は大人しくしている愛媛というもう一つの脅威を同時に相手取る必要性が出てくるかもしれない。
ここはしばらくゲームに付き合い、人外の力を削いでから一気に二人を倒しに行くのが上策だと考えていた。

「で、魔王よ。貴様奴の能力をどう見る?」
「……カードからニコニコロワのモンスターを召喚し、使役する能力…」
「だけとも思ってはおるまい」
「ええ、それだけでは僕たちを倒す手札としては弱い。まだ何かあると見るべきでしょう……来ますよ」

戦略を決めたのだろうか、人外がマスク越しに強烈な敵意を二人に叩きつける。

「作戦会議は終わったか…? 
 ならば行くぞ。俺は場に二枚のリバースカードを置いて、ヨッシーを攻撃表示で召喚する!!」

召喚されるでっていう……もといヨッシー。
その口元は油とテリヤキのタレでギトギトになっていた。てめえハンバーガー食ってたな。
しかも攻撃表示だというのに手を枕にしてスヤスヤと寝ている。
誰もが呆れそうになりたくもなるこの状況下で、たった二人だけ緊張を高めている人物がいた。
ヨッシーを召喚した人外本人と、速筆魔王その人である。
魔王にとってあのふざけたヨッシーはすでに眼中になく、問題なのはあの二つのリバースカード。
移動専門のヨッシーを攻撃表示であからさまに囮にするということは、明らかにあのカードは罠だ。
しかし、速筆魔王にはそれを承知で攻めるしかない。

「ふぅん。俺のリバースカードに恐れを為したか魔王。
 このまま何もしないならばこのターン、エンドと解釈しさらに俺にターンが来ることになるがどうする?」

人外の挑発に奥歯を噛む魔王。挑発そのものを不快に思っているのではない。
あからさまな挑発をされてもなお、その思惑に乗らなければならない自分に対しての苛立ちである。
罠を警戒してターンを進めれば、奴はさらにモンスターを出現させて陣容を厚くしてくるに違いない。
そうなってくると、ギャグ将軍と自分以外に戦力を召喚できない自分たちは数の利に潰されてしまう。
それだけならばまだいい。だが、生贄にされて高いランクのモンスターを出されてしまえばそれこそ手がつけられなくなる。
つまり自分たちは罠と分かっていてもヨッシーを撃破し、生贄もモンスター追加も阻止しなければならないのだ。

「魔王よ。恐れるな」
「将軍……」
「余は貴様の全てを信じた。だから貴様も余を信じよ。
 余を誰だと思っておる! 彼奴の下らん策略など、新生クライシス帝国への覇道の前には路傍の石と同じよ!!」

戦術の狭間で押し潰されそうになる魔王を救ったのは、ギャグ将軍の言葉だった。
発動せずとも滲み出る書き手界の良心は、魔王の心を強く打ち迷いを打ち払う。

3479最後の刺客:2008/04/19(土) 21:23:56 ID:cJSNqes60
「そうですね。ありがとうございます、と今は言っておきます。
 ついでと言ってはなんだけど戦略が出来ました。嫌とは言わせませんよ」
「ほう、一端の口を利くようになったではないか。下らん小細工ならば厳罰に処すぞ!!」
「言われなくとも! 攻撃開始、対象はでっていう!!」

ギャグ将軍の雷撃がでっていうに働けと言わんばかりの威力で下される。
しかし、でっていうは未だ夢の中。人外が別の手を発動させる。

「恐れずに一歩を踏み出したお前たちの胆力は誉めてやろう……だが、もう遅い。勝利は既に俺のシチューに収まった。
 リバース発動! 罠カード『聖なるバリア・ミラーフォース』!!
 このカードは相手の攻撃を全て跳ね返し、ダメージを与える! 自らのビームによって苦しむがよいわ!!」

ヨッシーを守るようにして突如現れたバリアが将軍のビームを反射し、ギャグ将軍自身に襲いかかる。

「その手は読んでいたよ。 ギャグ将軍の特殊能力発動!!
 ギャグ将軍は変身宣言と共に最強怪人ギャークミドラに変身することができる!」
「何だと!?」
「もう遅いわ。最強の怪人の力……とくと目に焼き付けるがいい!!」

マントを取り払い角を伸ばし、ギャーグミドラへと変身するギャグ将軍。
彼の手には今までの杖ではなく、大きなサーベルが握られていた。
その攻撃力は、今までのビームの比ではない。即ち今自らを灼こうとする光など恐れるに足らないということ。
剣の腹で襲いかかるビームを拡散させたギャグ将軍は一直線に切り抜け、ミラーフォースを切り裂いてヨッシーを一刀両断にする。

「どうだジョーカーとやら! 貴様の従える有象無象など、余の敵ではないと知れ!!」
「ほざけジジィ。そのしょぼくれた眼ではわかるまい。今貴様らは、完全に俺の罠に嵌ったのだと!!」
「何、だと?」

周囲を見渡すギャグ将軍。しかし、既に場にモンスターは存在せず、残るのはミラーフォースの破片だけ。
そう、無数の鏡の破片が今このフィールドに舞い散っているのだ。

「ヨッシーの特殊能力発動! ヨッシーは墓地に自ら叩き落とすことによって、山札から任意の一枚を場に出すことができる!!」
「まさか……奴の能力は」

頭だけになったヨッシーがその長い舌で山札から一枚のカードを抜き取った。
人外はそれを手にして悪魔のような笑みを見せ、死刑宣告を下す瞬間の閻魔の如くそのカードを発動させる。

「魔法カード『王蛇のカードデッキ』!! 
 フィールドに鏡効果が発生しているとき、このカードの効果によって三体の契約モンスターが出現する!!
 鏡の世界より来たれ! 三匹の僕よ!!」

3480最後の刺客:2008/04/19(土) 21:24:32 ID:cJSNqes60
人外の号令と共に舞い散る破片から出現するのは、ベノスネーカー、エビルダイバー、メタルゲラスの三種。
仮面ライダー王蛇の正統なミラーモンスターたちである。

「ば、馬鹿な……なぜニコニコの書き手である貴様らがそれを使える! 否、技を使うだけならまだしも、使役するだと!?」

将軍の言葉はもっともだった。ニコニコロワの書き手は動画に存在する所縁の技を使うことができる。
平成ライダーだってちょっと検索すればすぐに見つかるだろう。
だが、あくまでも技が使えるだけで使役することなどできないはずだ。
ありえないルール破りを前にして、速筆魔王だけが冷静に、この恐るべき事態を正確に分析していた。

「いえ、可能ですよ……だとすれば最悪だな。一応聞いておくけどそのカード、何処から精製したんだい?」
「ふぅん。その看破能力、流石だと褒めてやろう。ガチホモの能力は動画化。
 愛媛の能力は弾幕。そして俺の能力は動画データのダウンロード!!
 貴様らが作ったニコニコに存在するパロロワのMAD……その全てをお気に入りに登録しデータを集め、
 交流所でもネタにされたカードゲームをベースに、俺のウォーゲームとして変化させたのだ!!」

カードゲームのロワがしたいという妄想から始まり、なぜかねじれにねじれて
「いっそパロロワのカードゲーム作ればいいんじゃね?」という話になってほんの僅かに話題になったネタ。
それがパロロワカードゲームである。アニ1デッキがバランス型、漫画は熱血型、LSが鬱型と始まり話題が波及した。
その中でニコロワの扱いは結構不当であった。そのカオス過ぎる内容故に、大会ならば禁止カードになるだろうと。
ならば、その禁止能力を存分に奮ってくれようでなないか。
さらにMADとなったロワのデータから営々と作り上げたカードで構成された人外のデッキは正しくオールスターである。

「ククク……自分達が作ったMADが自らを脅かすとは夢にも思わなかっただろう……
 だが、まだ悪夢は終わりではないぞ!! ここでもう一枚のリバースカードを発動!
 魔法カード『融合』!! この三種のモンスターを融合し、出でよ、最強のミラーモンスター!!」

三匹が空間にねじり込まれる様にして混ざり、その中から一つの巨大な影が現れる。
エイの翼、蛇の尾、そして犀の大角を全て備えた様はキマイラそのもの。
本来ならばユナイトベントによってのみ完成するモンスターが、未知の要素を取り入れてここに現界する。

「ここに爆誕! 獣帝ジェノサイダー!!」

3481最後の刺客:2008/04/19(土) 21:25:17 ID:cJSNqes60
殺戮の名を冠した破壊神が降臨し、周囲を強烈な気が吹き抜ける。
その威圧感はもはや蛇に睨まれた蛙どころではない。蛇を睨み殺す悪魔の化身だ。
ミラーフォースを破らせることによって完成するこのコンボに二人は息を飲むしかなかった。

「将軍……ライダーロワの人間である貴方に念のため聞いておきたいんですが、あれはどのくらいの強さです?」
「AP7000……設定だけで言うなら、ゴルドフェニックスの次に強い掛け値無しの強力モンスターだ。
 結論からいうと、余では良くて相撃ちが限界だのう」

その言葉に愕然とする暇はない。ただのゲームならば将軍を墓地に送ることも考えて戦略を立てる手もあるが、
死者蘇生系の能力が無いこちらは、墓地送り即GAMEOVER! に等しい。

「融合によって出現したモンスターはその攻撃不可能……俺のターンエンドだ。
 もっとも、山札の無い貴様らには即席の奇跡など舞い降りんがな……」

本家遊戯王ならばここで山札から引いたカードが状況の打開につながるのだろうが、彼らにはその山札が存在しない。
手持ちのアイテムだけでこの凶獣を相手にしなければいかないのだ。
魔王は口を手で覆い、沈黙を続けるばかり。

「ワハハー!! どうやら碌に手も思い浮かばんらしいな!! 俺のターン、ドロー!!
 場に一枚リバースカードを置き、獣帝ジェノサイダーからギャグ将軍へ攻撃! 波動弾!!」

ジェノサイダーの口元にエネルギーが集まる。
そのエネルギーの収縮度合からして、ギャグ将軍の速度では逃げ切れないことは明白だった。
だが、魔王はその手で覆った口元を開きニィっと笑った。

「嫁を持ち出すまでもない……ジジィ、貴様のロワの怪物にて粉砕!玉砕!大喝采!!してくれるわ!」
「残念だけど、そうはいかないなあ」
「何?」
「そっちばかりが好き放題するってのは癪だろ? 僕たちもそのウォーゲームを利用させてもらう。
 支給品から「コーヒーセット」を使用! 魔法「コーヒーブレイク」を使うことで、
 敵フィールドのモンスターは敵プレイヤーがコーヒーを飲む3ターンの間、攻撃が出来ない!!」

魔王の宣誓とともに先ほどまでギャグ将軍が使っていたテーブルと椅子が人外の周囲に展開し、
いつの間にかコーヒーを飲む準備が完成している。
そして、狙いを定める前だったジェノザウラーの一撃はその時点で命令を封鎖され、
その結果波動弾はあらぬ方へ飛び、ギャグ将軍へは当たらない。

「なるほど、それっぽい効果を宣誓すれば支給品を使えるわけだ」
「余の神聖なるアイテムをあんな小童に使わせなければならんとはな……」
「ほう……面白い手を使うではないか。いいだろう、スパロボ換算で3ターン。3分間だけ待ってやる!!
 命拾いしたな、魔王。だがそれも無駄な足掻き。この短い時間で貴様らに獣帝を退ける妙手などあろうはずもないわ!!」

3482最後の刺客:2008/04/19(土) 21:26:46 ID:cJSNqes60
そういって本当にコーヒーを飲み始める人外。
普通にギャグにも見えなくはない光景だが、二人にしてみればそれどころではない。
この3ターンの間に突破口を開かなければ、待つのは死だけである。
かろうじて首を繋いだ魔王は、息つく間もなく将軍に訪ねた。

「時間がないんで単刀直入に聞きます。敵のモンスター、ファイナルベントは使えると思いますか?」
「通常攻撃では、ありえんな。
 あのリバースカードがファイナルベントのカードだった場合は別だが、それならば恐らく先ほどの攻撃で使っておろう」
「じゃあもうひとつ。コーカサス……変身できます?」
「無理だ。この期に及んでもどうやら余を認める気がないらしい」

幽かに舌打ちをして、魔王は脳内で手札を見極める。
相撃ちすら許されないこの状況で確実にジェノサイダーを上回るには、コーカサスの力が必須だ。
それが出来ないとなると不味い。ピンチの状況で自分の処に来ないあたり、自分もどうやら認められていないらしい。

「ふぅん。1ターン経過だ……ドローだけはさせてもらうぞ」

自信満々に茶を啜りながら人外は一枚カードを引く。
気がつけば愛媛もちゃっかり座って、無理したようにブラックを飲んでいた。

「参ったなあ……あと使えるとしたら「神を斬獲せし者」かドラゴン殺しでの装備強化……
 だめだ。確実性に欠ける……やはりコーカサスが……」
『あ、あの〜〜』
「いや、兎に角時間を稼ぐために僕がバルキリースカートで時間を稼ぐか?
 無理だ、せめてあと一人、熱血怪人が生きててくれたら……」
『あの! すみませーん!!』


「空 気 読 め っ て 言 わ な か っ た か」

3483敗戦と新たなる旅立ち:2008/04/19(土) 21:28:16 ID:cJSNqes60
再び発動する速筆魔王の豚を見るような目。
その先には高良みゆきの姿をしたみWikiの精……もうめんどくさいからみwikiで一括する……がジャンピング土下座しながら、
地面に頭をヘコヘコさせていた。時間がない為夢の国ほど集中的な殺気は無いが、
それでもその構図はさながら中国とPAD長のように思える。

『ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい…』
「いや、とりあえず謝るくらいならさっさと僕を鏡の国から出してくれないかな。今君と二人で話している暇も無い……」
「お主、何もそこまで怒らなくても良かろう。
 何があったかは知らぬが、年端もいかぬ娘を頭ごなしに叱るのはあまり関心せんな」
「いえ、二度あることは三度あるともいいますからね、ここははっきりと判らせておかないと……って、将軍、聞こえてるんですか?」

キョトンとするギャーグミドラを前にして魔王は周囲が鏡の国ではなく、今までと変わらない現実だと気づいた。
その手の中の書物は仄かに光ったまま、怯えたように輝きを震わせるばかりだった。

「ドロー。これで2ターン目だ……しかしあいつらは一体何に驚いているのか……心当たりはあるか?」
「うーん、分からないよ。何だろね?」

素っ頓狂な声を上げる敵サイドを尻目にコーヒーを飲み続けるジョーカーたち。
人外に問われても何のことやらと言わんばかりの愛媛。その彼女こそが、彼らが声を発した元凶だとは夢にも思わない。

「……つまり、力が強化されて支給品から意思持ち支給品に格上げしたって訳?」
『はい。向こうにいる愛媛……つかささんと接近したことによって私の力がアップしたみたいです。
 これが強化なのか制限解除なのかは分かりませんが、おかげでこうして夢の中に引き込まなくても会話できるようになりました』
「(それはよかった。これからもよろしくね)意思持ちか……面倒だな」
「魔王、ベタ過ぎてもはやギャグにすらならんぞ」
「とにかく、今は君の不確定な戯言に付き合ってるほど暇じゃあないんだ。話なら後にしてくれないか」

あからさまに邪険に扱う魔王。しかしみwikiは一歩も引き下がらない。

『いえ、私も戦います。たとえジョーカーであろうとあんな黒いつかささんを放っては置けません』
「でもねえ……君どうやって戦うのさ? その本の姿で」
『…………………………………………………………………………ああっ! そうでした!!』

3484敗戦と新たなる旅立ち:2008/04/19(土) 21:29:42 ID:cJSNqes60
今の今まで気づかなかったのかこの×××が。
みwikiの姿は本な為今ひとつ伝わらないが、頭を抱えてうずくまる姿が容易に想像できた。
貴重な時間を無駄にしたとばかりに、魔王が指で眉間を伸ばす。
だが、その指はすぐに何か導を見つけたのか、明快な指パッチンへと変えた。

「いや、考えようによってはいけるかもしれない」
「何をだ? もったいぶらず言ってみるがいい」
「あのバケモノ……倒しきる手が思い浮かんだってことですよ。鍵はこのウォーゲームとみwikiです」

やはり唯の本であるみwikiだが、その中でみwikiの精が目を丸くしている様が二人には簡単に思い浮かんだ。


「ふぅん……遂に劇終の時間が来たな!!!!!
 俺のターン、ドロー! これによって3ターンが経過し、コーヒーブレイクの効果は消失する!!」

コーヒーセットが煙のようになって将軍の懐にするりと消える。
愛媛も気がつけば両陣営の中心線上に戻っていた。魔王たちを守る平穏の固有結界は崩壊し、再び戦闘の空気が形成される。
そして人外は今しがた引いたカードを見て、確信のような微笑を浮かべた。

「運命の女神は未来へのロードを貫くものにこそ微笑む……どうやらその神すらをも俺は従えたようだ。
 俺が引いたカードは…魔法カード「ファイナルベント」。これを手札より発動。
 ブラックホールの彼方に消え去るがいい! 喰らえ、ドゥームズデイ!!」

冥府の門の如く獣帝の腹部が開放され、巨大な重力場の渦が発生する。
王蛇が場にいないため直接的に冥穴に叩き込まれることはないが、それでもその吸引力は凄まじい。
ギャーグミドラがその剣を地面に突き刺し耐えるが、基礎攻撃力の差でじりじりと穴に吸い込まれていく。
相手は融合モンスター。一対一ではどうしようもない戦力差だった。

「だったら、戦力を増やせばいいだけの話だよね!」
「なんだと? ……貴様に召喚能力などないはず」
「僕のターン。ここに意思持ち支給品を場に出現させる。出番だ、みwiki!!」

3485敗戦と新たなる旅立ち:2008/04/19(土) 21:30:08 ID:cJSNqes60
出現するのは一冊の本。それが重力の風に逆らうようにひとりでにページが飛ぶようにめくれ、光を放つ。
その光の消えたとき、そこにいたのは一人の少女だった。
ウォーゲームの力を借りてみwikiの精がここに具現化する。

「チィ! このような方法で場にモンスターを増やすとは……」
「へぇ……ここで出てくるんだ? ゆきちゃん」
『つかささん……』

召喚されたみwikiはその眼鏡の奥から一人の少女を見つめる。
見つめたその先には悪鬼のような眼力で自分を睨みつけている愛媛がいた。

「だが、そんな屑手で俺のモンスターを打ち破れるとでも思うか馬鹿めが!!
 ジェノサイダー、まとめて吸い込んでしまえぃ!」

人外の命令でさらにブラックホールが拡大しようとするジェノザイダー。
だが、その瞬間、横から殴りつけるようにして一匹の黄金の虫が獣帝の頭部に一撃を喰らわせる。

「なんだとぉ!?」
「屑とは限らないさ。ここでさらに支給品「コーカサスゼクター」をみwikiに使用。
 みwikiはその知識であらゆる特殊装備品を装備することができる!!」

コーカサスブレスを装備し、不慣れながらもなんとか変身ポーズを取ろうとするみwikiを見て、
ギャグ将軍は仮面から露出した口元を歪ませる。
魔王が放った俺ルールも理由の一つだろうが、おそらくはコーカサスゼクター本人もまんざら嫌がってないように思える。
熱血怪人が救えなかった熱血王子、その元凶である愛媛への敵意がみwikiと呼応した故か。
あるいはライダーロワでも女性をノリで変身させたから、もしかしたら女性には幾分見る目が甘いのかもしれない。

「へ、変身ですっ!!」
『Change Beetle』

瞬時にアーマーを装着されて現れる黄金の女性ライダーが一丁出来上がり。
最強ライダーの一角のはずだが微妙に内股なのがそれを感じさせない、いかにもといった仮面ライダー・コーカサスが誕生した。
もちろん眼鏡は仮面越しに装着している。メガネッ娘は重要文化財なのだから当然の処置だ←結論。

3486敗戦と新たなる旅立ち:2008/04/19(土) 21:30:34 ID:cJSNqes60
「くっ……だが所詮は支給品と支給品の合わせ技。ザ・ファーストコーカサスよりも攻撃力はあるまい!!
 負け犬から馬の骨に昇格したと所で俺のジェノザウラーには届かんぞ!!」
「黙れ小童! みwikiをライダーにしたのは攻撃力を得るためではない。
 仮面ライダーコーカサスの特殊能力を発動させるためよ!」
「特殊能力……はッ!!」
「気づくのが遅いね、遅すぎる。さらに「咎人の剣「神を斬獲せし者」」を装備。
 そしてコーカサスの特殊能力「ハイパークロックアップ」!
 3ターン前の過去まで遡りジェノサイダーを攻撃する!!」

タキオン粒子を取り込んだコーカサスが光を超えて走り出す。
あらゆる物質は光速を超えることができない。何故か? 相対的に時間を越えてしまうからだ!
そのSF理論をぶち破った韋駄天スピードは3分の時を超え、ファイナルベントが発動する前の獣帝の時間にまで到達する。
ブラックホールの発生していないがら空きなその腹部にダメージが刻まれた。
逆行する時間を客観視するという変則的な状況に何とか知覚しながら、人外は唸った。

「クッ……攻撃を阻止されたか。だが残念だな! 
 俺のジェノサイダーは未だ健在だぞ。ファイナルベントが無くとも次のターンで屠ってくれるわ!!」
「なあんだ、まだ次のターンがあると思ってたの?」
「!!」

神を斬獲せし者は最終ダメージに大きく乱数が入ってしまう。
これでは当然倒しきれない可能性は十分に考えられる。だからこそ速筆魔王はこれを第一撃にした。
あくまでも敵の必殺技を止めることだけを狙って、更なる攻撃を呼び込むための時間稼ぎとして。

「僕に「バルキリースカート」と「斬鉄剣」を連装。
 合体攻撃でジェノサイダーに攻撃!! 行きますよ、将軍!」
「応! 先に仕掛けるぞ魔王! ジェーーット!!」

3分間前のダメージがいきなり発生したことによるジェノサイダーの怯みを逃さず、ギャグ将軍がビームと共に接近する。
それに追随した魔王がバルキリースカートで翼や角を滅多切りにして二人が同時に着地。
獣帝を挟み込むようにして立った二人の手にはそれぞれ怪獣すら絶てそうな大剣と何でも切れそうな刀が握られている。

「天空真剣奥義!」
「重ねカマイタチ!」

「「…切り捨て御免っ!」」

不思議空間から現れた夕日が照らす中、獣帝の影が二つの超斬撃にて分断される。
後に残ったのは二人の男の無駄にハードボイルドな背中だけだった。
ジェノサイダーを維持していた分量のダメージが渡り、人外が片膝をつく。

「ぐほぉあ! ……まさか俺のジェノサイダーコンボを破るとは」
「三つの心が一つになれば、ってやつだよ。君のルールに即して頭を使えば召喚だってできる」

3487敗戦と新たなる旅立ち:2008/04/19(土) 21:31:22 ID:cJSNqes60
魔王と人外がにらみ合う中で、もう一つの眼光が交錯していた。
高良みゆきであるみwikiと柊つかさである愛媛である。

「ゆきちゃんは意思持ち支給品……一番邪険にされかねない少数派。
 私としては快く仲間にしてあげたいんだけどなあ」
『丁重に謹んでお断りさせてもらいます。ニコロワ同様、その闇が晴らせる可能性も無いとは限りませんから』
「無意味に強気だよねえ……ひょっとしたらこなちゃんもお姉ちゃんも死んじゃってるかもしれないよ?」
『つかささんも感覚で分かってるんでしょう? らきすたメンバーは未だ欠けてない。希望はあります』

眼鏡の奥底に宿る力強い意思。それを受けて愛媛は笑った。
キャラとして健気に立ち上がるみwikiや他のメンバーを想って。
そして、その輝きを自らの闇に飲み込む様を想像して。

「私の前で輝くなんて、それ食べて欲しいってこと?
 いいよ。みゆきさんが多数派に着くっていうなら……弾幕と闇にまとめて沈めてあげる」
「勝手に盛り上がるな愛媛。この勝負はあくまで俺のデュエル。手出しはするなよ」

強烈な闘気の篭った言葉で愛媛を制する人外。
だが、ジェノサイダーという上級モンスターを失ったことによる消耗は隠しきれていない。

「もう勝負はついたよ。どんな手をつかってこようとみwikiが時を遡って攻撃を阻止する。
 三人がかりの布陣相手じゃモンスターを増やすこともままならない。
 このコンボの前には君のパワーデッキは機能しない。諦めて罰ゲームを受けなよ」

絶体絶命返り討ちパターン確定入ったという状況。
その窮地に立たされた人外は、その傷ついた有様でなお笑った。
虚勢でも、気が触れたわけでもない、王者にしか出せない強者の余裕を十分に満たした笑みを。

「……何がおかしい?」
「速筆魔王、そしてギャグ将軍よ。貴様の能力はこの目でしかと見極めた。
 お前達は強い。俺と決闘で渡り合うに十分な力量だ」
「いかにもな負け惜しみだの。片腹痛いわ」
「その力を前にしては、使わざるを得ないか……このカードを」

3488敗戦と新たなる旅立ち:2008/04/19(土) 21:32:03 ID:cJSNqes60
ふと、戦場の匂いが変わった。
熱気と水気に溢れ、生命の躍動が血潮と共に湧き上がるかのような生きる気配から、
嫌な寒さと渇きがあたりを覆い、まるで夜の墓場のような、幽世との境界の気配へと変化した。
その気配の発生源は間違いなく人外、いや、正しくはその手に握られたカードから放たれている。
この場にいる誰もが、その気配を神経で感じ取っていた。


「そういえば、ここは感電によって無数の骸が転がされた場所だった。
 非ィ科学的な言い方をすれば、この薄ら寒さすら死者の怨念と言えなくも無い。
 だがな……一つだけはっきりしている事がある。人は、死して死人となるのではない。死体……「人ならざるもの」へとなるのだ。
 それを見せてやろう……俺のターン、ドロー!! 場に一枚の伏せカードを置き、モンスターを一体召喚する!!」

決闘盤に一枚のカードが装填され、カードの幻影が再び召喚される。
この決闘が始まって何度も見慣れた光景、その様を前にして……ギャグ将軍は絶句した。

「馬鹿な……こんなことが……」
「俺は攻撃表示でこのモンスターを……」
「なぜ、なぜお前達がそいつの元に居るのだ……?」

現れたのは、ゆったりとした袴のようなズボンと羽織のような上着を着こなした程よい年齢になろうかという娘。
静謐な佇まいと整った筋肉が、彼女を練達の武人の部族…エヴェンクルガの剣士・トウカだと伺わせる。
だが、彼女をトウカというには一つだけ決定的な違いがあった。
剣の腕? 確かめずとも強さは分かる。
微妙に顔のつくりが違う? とてもそうは見えない。
彼女は、限りなくトウカだった。その耳が人間であることを除けば。

「『永遠のうっかり侍』を攻撃表示で召喚!!」

違う。別人だ。まやかしだ。
幾千幾万の否定の言葉は、自らの記憶と感覚が完膚なきまでに打ち砕く。
ギャグ将軍は確信せざるを得ない。
この旅館にて数多くの対主催が集い、新生クライシス帝国として一致団結した。
そして彼女はギャグ将軍とともに行動班に回り、一時とはいえ行動を共にしていたのだ。
だが、そこにいたのは確かにこの旅館にて死んだうっかり侍であった。
すでに放送にて死した彼女が、ここにいる。ならばそれは、人ではない人外の化生に他ならない。

「貴様……あの娘に何をした!!」
「落ち着いて下さい将軍。あれは本人ではありません。僕達はここにあった遺体をほとんど確認しています。
 それに、彼のカードは全てニコニコ動画から精製したもののはず。少なくとも死体からの蘇りじゃない」

3489敗戦と新たなる旅立ち:2008/04/19(土) 21:32:36 ID:cJSNqes60
激昂しかけるギャグ将軍の肩をつかんで制する魔王。
将軍と違って生前の彼女と面識の無い魔王はギリギリで感情を抑えきった。
彼女は心臓を貫かれて死んだはずだ。死体は確認してあるし、
もし仮にこっそり回収した死体からリビングデッドを作ったにしても服が綺麗過ぎる。

「だが、書き手ロワはMADになってない……ねえ、一体何処から動画を拾ってきたんだい?」
「ふぅん。お前達の知らないところで着々と動画が作られていたのだ。ガチホモの手によってな」

ガチホモが地図氏一行と勝負したとき、なぜ戦わなかったのか?
謹慎をしていたとはいえ、直接的な介入を他のメンバーに任せていたのは何故か?
その理由は一つ。彼はずっと見ていたのだ。
モニター越しに、会場内のあらゆる事態を可能な限りずっと見ていたのだ。
主催者に召喚される前の画像すらも支給してもらい、ガチホモはこれまでの時間ずっと「見」に回っていた。
会場内の全ての参加者を動画に取り込み、それを人外のデッキに組み込むために。
ニコロワよりも禁止カードといわれた、書き手ロワ2ndのカードを手中に収めるために。

「奴と俺のコンボで第三回放送までの参加者の情報は全て抽出してある。
 俺は人外モンスターしか使わん故、死者のカードしか入れてないがな」

手には何も持たず、ただじっと将軍達を見つめるうっかり侍。
その表情は決して死人のそれではなく、しっかりと血が通い、生きた彼女としか思えない。
だがそれは当然なのだ。彼女は生きていたときの「情報」から生み出された彼女なのだから。
限りなく同じな彼女。分けて隔てるのは0と1の境界。死せるアナログな彼女から生み出されたデジタルなモンスター。

「卑怯者があ……死者を辱めてまで勝ちを得たいか!!」
「ハッ! 怪人が聞いて呆れるわ。俺はこれがただの情報だと宣誓したぞ。
 そこまで知ったうえでうろたえるならばそれは貴様の弱さよ!
 あくまでもこれらのカードを入れているのは書き手ロワのカードが反則級に強いからよ。
 栄光のロードは勝利の向こうにのみ存在する。下らん感傷など墓地にでも捨ててしまえい!
 では侵攻と攻撃を開始するぞ。波動弾を撃つ前に設置したリバースを発動!
 装備「物干し竿」をうっかり侍にセット! 攻撃力を強化してギャグ将軍へと攻撃!!」

アニロワ初期においてトウカの武器だったそれを手にしたうっかり侍は将軍のことなど知らぬと言わんばかりに疾走する。

「うっかり侍よ、余の話を――――」

3490敗戦と新たなる旅立ち:2008/04/19(土) 21:33:00 ID:cJSNqes60

聞け、といいきる前にまったく躊躇いの無い彼女の一閃が将軍の胴を真っ二つに……はしなかった。
その剣は将軍の皮膚に切れ目を入れただけで振りぬかれている。
攻撃を失敗したのか、あえて外したのかも分からない表情で彼女は一足飛びで人外のフィールドに帰還する。

「ふぅん。運がよかったな。うっかり侍は60%の確率で命令した行動を失敗する。
 俺は場に一枚のリバースカードを置いて、ターンエンドだ」

慌てふためくギャグ将軍の様を侮蔑するように見下し、人外は手番を譲った。

「将軍、大丈夫ですか?」
「あ、ああ……怪我は無い」
「いえ、『まだ戦えますか』と聞いているんですよ」

意図的に冷酷さを上乗せした魔王の言葉は正鵠を射ていた。
敵がこのロワの死者を場に出してから将軍の戦意はがた落ちしている。

「なめるな。この程度の策略程度で余が怯むと思ったか」
「……分かりました。貴方に信じられたこの身です。貴方を信じますよ。
 見たところどうにもうっかりが多い。3対1の今なら隙を突けば十分に叩けます。
 みwikiが第一撃、あの目障りなリバースを打ち破ってから将軍が止めを!」

魔王の言葉が終わったと同時に、弾かれた様にしてコーカサスが飛び出す。
圧倒的な速度ではあったが、先ほどのハイパークロックアップと比べるとどうにも遅かった。

「先ほどのような超加速は使えまい。
 もしあれ以上の過去逆行が可能ならば融合前のミラーモンスターを適当に一匹討てばよいのだからな。
 恐らくはあのような小娘の体では3ターンが精々。そして連続使用は不可能!」

人外に自らの状態を見切られ、舌打ちをするみwiki。だが走るしかない。
この3人の中で最速の行動ができる彼女ならば、罠を避けつつ攻撃ができるはずだ。

「誰がトラップと言った!? リバース発動、装備カード「インテル」!
 このカードを装備したモンスターは頭の回転がよくなり、うっかりしなくなる!」
『え―――ああっ!!』

3491敗戦と新たなる旅立ち:2008/04/19(土) 21:33:40 ID:cJSNqes60
うっかり侍の後頭部にいきなりズブリとソフトが突っ込まれた。
それとともに彼女の目が輝き、燕も落とせそうな鋭い剣閃が飛び乱れる。
クロックアップ程度では凌げるような速さと経験差ではなく、コーカサスは一気に撃墜され本に戻ってしまう。
ここまでは魔王の計算の範疇。第二の矢が次なる居合いのため刀を納めようとしたうっかり侍に肉薄していた。
だが、相手は居合いの達人。納刀の際の隙など百も承知と、攻撃準備を完成させる。

「うっかり侍! 長々と敵に辱めを受けさせる位ならば、せめて余の手で引導を……」

どちらが斬られても可笑しくない距離で、ギャグ将軍が柄に力を込める。
その剣を抜き放とうとした瞬間、その勢いが止まった。
眼前の少女が抜刀しようとして数センチほど柄を滑らせてしまったのだ。

「……インテルでもあのうっかり属性は抑えきれんか」

状況を分析する人外の声など将軍には聞こえなかった。
この何もかもが命取りになる極限において相手が見せたうっかり。
そのまま振りぬけば確実にこちらが勝てる。
疑いようの無い事実を前にして、将軍はうっかり侍の顔を見た。
あれは唯の情報だ。それは分かっている。
自分のことは知るはずも無い。だから手加減してわざとうっかりしたわけじゃない。
あの無表情な顔がたとえ悲しそうに見えたとしても、それは自身の心の弱さが落とした影に過ぎない。

(だが、余は……新生クライシスの同胞となるはずだったこやつを……もう一度滅ぼすなど、出来るのか)
「躊躇したかジジィ! 過去へと目を背け未来へのロードを直視せぬ愚か者に、勝利など訪れぬわ!!」

将軍が自ら生んだ一瞬の隙を人外は見逃さなかった。
うっかり侍が抜いた神速の刃がギャグ将軍の腹を真横に捌く。
じわりと血がにじんだように見えた刹那、人ならざる血の色の液体がそこから飛散した。
口元からも液体を出し、両膝を付く将軍。既に肉体的にも精神的にも戦闘不能だった。

3492敗戦と新たなる旅立ち:2008/04/19(土) 21:34:07 ID:cJSNqes60
一刻も早く将軍を助けなければ間に合わない致命傷。しかし、魔王は動けなかった。
一つは、これが闇のゲームである以上途中棄権が認められないということ。
そしてもう一つは、次は人外のターンであるということ。

「失望したぞジジィ。俺のターン、ドロー!! 
 更なる悪夢を眼に焼き付けて朽ち果てるがいい。鉄槌の騎士ヴィータ@LSを召喚!
 さらに俺は永遠のうっかり侍を生贄に、大あばれ鉄槌を召喚!
 さらに大あばれ鉄槌の特殊能力発動! フィールド、または手札にあるヴィータを墓地に送ることで攻撃力を3倍にする!!」

うっかり侍が情報の集積と化して散り、再構成された人物もまたギャグ将軍が行動を共にした人物だった。
アニロワよりも大分ヤサグレたヴィータと手持ちのフランヴェルジュが纏めて魔力の粒子となって、
カズマの姿をした大あばれ鉄槌の右手に注ぎ込まれる。
LSの彼女それを行える心情に到達しているかどうかは微妙だが、曲がりなりにも発動条件は満たされた。
アニロワの中でも屈指のクロスオーバー。彼の名前にも冠せられる、騎士王すら吹き飛ばせる合体攻撃。

ニュートラルな状態からして怒りが表情に刻まれているのは、下法にて戦場に立たされたからか。
そのむしゃくしゃすら力に変えるといわんばかりに鉄槌のアルターが輝き、ギャグ将軍へと向かう。

「これで終わりだジジィ。鉄槌のシェルブリット!!」

ギャグ将軍へと暴力と破壊が巨大な塊となって突進する。
だが将軍は一歩も動けなかった。
下半身は上半身の命令を満足に受け付けないし、なにより、その上半身がろくな命令を下そうとしない。
手の届かぬところで新生クライシス帝国の人材候補は泡と消えいき、
その手で守れたはずの鉄槌もみすみす殺された。
それで何が国だ。国を司る民すら守れぬならば、国になどなんの意味があろうか。
なればこそ、ここで鉄槌に殺されるのは摂理なのだろう。そんなことすら自然に受け入れることが出来た。
あの大技さえ過ぎてしまえば魔王一人でも鉄槌は殺れるだろう。魔王の勝ちだ。
後顧など無いとばかりにゆっくりと目を閉じて、ギャグ将軍はその身を摂理の審判に委ねた。

10秒ほど立った後だろうか。
浅い眠りの後のようにうっすらと目を開き、ギャグ将軍は何が起こったのかわからなかった。
死んでいるはずの自分が、生きている。それだけで有り得ないというには十分だった。

「……それが貴様の結論か、魔王」

3493敗戦と新たなる旅立ち:2008/04/19(土) 21:34:46 ID:cJSNqes60
人外が自らの頭を越えて目線を遠くへ飛ばす。ギャグ将軍はゆっくりとそちらを向く。
その先には、いつもと変わらぬ魔王がいた。ただ、その右手を左手の甲に当てていたことだけが厭に目に付いた。
もしそこに決闘盤があれば、そこには山札があったであろう位置。
山札に手を置くという行為が意味するのは唯一つ――――――サレンダー、降参の意思表示である。

「何故だ、何故止める魔王よ!!」
「ん〜〜、まあ、負けるのは面白くないけど……貴方みたいな人は失えないですよ」

魔王はそういって、相変わらずの微笑を見せた。それだけで将軍が言うべきことは全てなくなってしまう。
その意思を受領したとき、闇のゲームに決着が付き、全ては煙と消え果た。


× × ×

「まずはアンティの清算だ。俺達はその虎竹刀と千年パズルを頂く。
 繋ぎ師や万が一に黒猫…超チート級を俺達が相手にするには、こいつが不可欠なのでな」

そういって人外は魔王に歩み寄り、手を差し出す。魔王は一切の感慨を浮かべることなく自身の半身に近いそれを渡した。
どんな相手にでも勝ち目を作ることができる可能性を持つ闇のゲーム。
どんどんとチート度を増していく参加者に拮抗するために必要なファクターとして彼らはそれを狙ったのだった。
これがあれば最悪ソードマスターを免れることは出来る。
愛媛に持たせようとしたが、人外はその手を止め、しばらく考えた後それを自分でしまう。
闇のアイテムを黒さで染めてしまったらそれこそどうなるか分からない。

「闇のゲームの清算を始める。賭けたものは互いの存在。罰ゲーム執行!!」

虎竹刀の剣先からビームのようなものが飛び出し、魔王に向かう。
魔王はすっと目を閉じた。後悔など無い。罰ゲームをいずれ自分が受ける覚悟なしには闇のゲームを扱う資格も無い。
それに、自分が偶然眠っている所にマーダーが襲撃しに来たところを見るとどうにもこの能力が持て余されている気もする。
これから終盤、怒涛のガチバトルが展開しそうな空気の中でこの能力はあまりにも反則すぎる。
なれば、退場するには良い頃合だろう。ギャグ将軍の首輪も解体した。
こうして自分が死ぬということは自分達の首輪解除フラグも用が無くなった可能性が高い。
自分達が抱えるフラグはほとんどがアイテムとして将軍に運んでもらえばいい。
そう考えるとますます自分の体が軽くなったような気がした。なあんだ。もう大してフラグも無かったのか。
クスリと笑って、魔王は自分という存在が消滅する感覚を楽しみながら――――――消えなかった。

「すまんが、罰ゲームを代わって貰うぞ」

3494敗戦と新たなる旅立ち:2008/04/19(土) 21:35:50 ID:cJSNqes60
魔王が目を開ける。自分の前に広がるのはデジャヴ。罰ゲームのビームを受けるギャグ将軍の姿。
剣を杖にして、ほとんど這いずるようになりながらも、壁として魔王の前に立ちはだかっていた。

「……どうして、とは訊かんのだな」
「納得は出来ませんが、理解は出来ます。ただ、僕が同じ立場だったら絶対にこんなことはしないね。
 少し、買いかぶってたかもしれないな」
「ククク、そういうものだろう。人間とは複雑怪奇極まる。ラダムも怪人もヒトもそこは大して代わらぬさ。
 さてジョーカーとやら、余の行為を約定の反故とし魔王に再度罰を下すか?」
「こちらが得る勝ち分は既に得たあとだ。今更反故にする意味もあるまい」
「そうか、そ、れは……よ……」

最後の言葉を言い切る前に、ギャグ将軍の体は神隠しにあったかのように消えうせた。


3rd Game <人外のウォーゲーム>

Result――――――――――――勝者・人外アドベンチャー〜OZbjG1JuJMのウォーゲーム〜。決まり手は魔王の途中棄権。



月に二つの影が映る。
一つはお馴染み主催本拠地天空の城ラピュタ。そしてもう一つはそれに比べれば米粒ほどの小さな影。
その中にいるのは、任務を終えて帰還する人外と愛媛。愛媛はその米粒の上に立ちながら言った。

「わはははははははは!!!」
「ねえ、お兄ちゃん……普通に私が動かした方が早いと思うんだけど」
「ふぅん。ジョーカーたるこの俺が影渡りや他人の操縦ごときで帰還できるか!!」

人外が操っているのは、F-22Aラプター。エースコンバット4でメビウス1が愛機とする高性能戦闘機である。
ただ、そのカラーリングが尋常ではない。
XBOX360にてダウンロードされている特殊カラー……-THEIDOLMASTER HARUKA-、所謂アイマス痛戦闘機・天海春香カラーだ。
大丈夫かバンナム。正気かアイマス。そういえば春香も一応「リボン付き」だなあ……。
ともかく本来ならば少なくとも上面は赤色の白春香な機体だが、
愛媛はこれを汚染し完全黒春香カラーの「はるちゃん」として自分のおもちゃにしているのだ。
別に操縦桿で操縦しなくても触って念じるだけで動かせるのだが、人外にとっては自分が操縦することに意味があるらしい。

「それにしても、ラピュタがこんなにはっきり見えてるなんて……やっぱり私の見たのは気のせいじゃなかったんだ」
「ここまでバリアが破られているのに気づいていないという訳でもあるまい。
 感電か読み手のどちらかが隠匿しているか、あるいはwiki管理人が泳がせているかどちらかだな」
「裏切り者がいるってこと? どうしよう?」
「その必要もあるまい。報告だけして、後はガチホモに判断させる」

自分達の仕事はあくまで対主催の侵入者を殺すこと。進入してくれるのは寧ろ有難い。

「愛媛、恐らく決戦は近いぞ。それまでに死ぬ気で直せ」
「うん……そうする……」

3495敗戦と新たなる旅立ち:2008/04/19(土) 21:36:13 ID:cJSNqes60
来るべき決戦……恐らく敵として参戦するであろうみwikiや、ロリスキー達の事を考えて少しだけ気が沈む。
だが、人外を見ていればそんなのは些細なことのようにすら思えてくる。

「魔王、将軍よ……俺達のロードを止められるものなら止めて見せろ。行くぞ愛媛、全速前進DA!!」

月はその下にあるもの全てを嘲笑う。
ジョーカーも、マーダーも、対主催も、主催すら等しく嘲笑っている。そんな月夜だった。

【深夜】【上空】

【人外アドベンチャー〜OZbjG1JuJMのウォーゲーム〜@ニコロワ】
【状態】:疲労(中)
【装備】:なし
【道具】:虎竹刀with千年パズル
【思考】:
 基本:主催者側の人間として活動。ロードに立ち塞がる参加者の粉砕!ぎょ(ry
 1:全速前進DA!!
 2:デッキを改良しながら次の出番までニコニコ 

 ※容姿は正義の味方!カイバーマン(海馬瀬人)
 ※ニコニコ動画に存在する動画ゆかりの技を使えます
 ※地球破壊爆弾No.V-7を危険視しています。
 ※お気に入りの画像からデータをダウンロードし、カードに変えて使役することが出来ます。
  基本はニコニコにあるパロロワMAD&ガチホモが動画化した分の書き手ロワ2ndからの混成デッキ。
  書き手ロワカードは放送ごとに死者が追加解禁されます。

【愛媛の0RbUzIT0Toは大変な演説をしていきました@ニコロワ】
【状態】:真・驚きの黒さ 精神力3割
【装備】:なし
【道具】:F−22Aラプター(春香カラー・黒)
【思考】:
 基本:主催者側の人間として活動。参加者(=多数派)の抹殺
 1:療養しつつ、次の出番までニコニコ 
 2:生き残ってももちろん熱血王子は許さない
 3:熱血王子が改心しそうな時は666に任す
 ※容姿は黒いセーラー服の柊つかさ@らき☆すた
 ※触れたものを驚きの黒さで染めることが出来ます。影ワープ等詳細不明
 ※ニコニコ動画に存在する動画ゆかりの技を使えます
 ※現実世界にコメントを張ることができます
 ※地球破壊爆弾No.V-7を危険視していますが、キャラとしては…?
 ※回復にどのくらいかかるかはお任せ。現在なんとか動ける程度。

3496敗戦と新たなる旅立ち:2008/04/19(土) 21:36:30 ID:cJSNqes60
× × ×

温泉の湯がトクトクと流れる音だけが断続的に響いていた。
バトルの影響で彼方此方に傷跡が見え隠れする旅館を見上げて、速筆魔王はため息をついた。

「負けたなあ」

淡々とい紡がれるその言葉には、しっかりとした重みがあった。
敗北、そして失ったものの数々。

『何、新生クライシス帝国は滅びぬ。何度でもよみがえるさ』
「それじゃバルスフラグですよ、将軍」

困ったような顔をして、魔王が声の方を向いた。
ノートパソコンを開くと、ウインドウにはギャグ将軍が映っている。
バトルで負った傷の部分には、データで構築された治療の跡がはっきりと残っていた。

「しかし、まさかパソコンの中に封印されるとはね。参加者から意思持ち支給品になった人って珍しいんじゃないですか?」
『なあに、この後何とかして元に戻ることが出来ればさらに希少価値も上がろうぞ』

ジョーカー達の罰ゲームは、存在の消失。
その結果、ギャグ将軍は双六じいちゃんよろしくパソコンの中に閉じ込められてしまったのだ。
脱出できる方法は、闇のゲームで人外をもう一度倒すくらいしか目処は立ってない。
だが、彼らの心は妙に晴れやかだった。
負けて強くなる……負け=死に直結しやすいロワでこんなパワーアップフラグは滅多に手に入らない。
心機一転して再スタートを切るには実にいい夜だった。

「とりあえずあのジョーカー達にはノシつけて借りを返すとして、これからどうしようかなあ」

旅館を出て、再び探検の支度を整え歩き始める速筆魔王。
彼らの足取りは、少し軽かった

3497敗戦と新たなる旅立ち:2008/04/19(土) 21:36:53 ID:cJSNqes60
【深夜】【G-9・旅館】
【チームBADAN+新生クライシス帝国(仮称)】

【速筆魔王LX@アニロワ2nd】
【状態】健康 首輪解除 心機一転
【装備】斬鉄剣@ルパン三世、技術手袋@アニロワ1st
【道具】支給品一式×8、みWiki@らき☆すた?、分解済みの首輪(素晴らしきフラグビルド)
    首輪×3(地味子、◆wKs3a28q6Q、永遠のうっかり侍)、iPod
    コーヒーセット一式@スパロワ、コーカサスブレス&ゼクター@ライダーロワ、
    ジャーク将軍のマント@ライダーロワ、ノートパソコン 杖@ライダーロワ、王者のマント@FFDQロワ
    バヨネット×2、核鉄「バルキリースカート」、ジャッカル(5/6)
    銀河ヒッチハイクガイド、咎人の剣「神を斬獲せし者」@AAAロワ、ドラゴン殺し@アニロワ1st、他にまだあるかも
【思考・行動】
 1:将軍を元に戻す為とりあえずここを出て新しい出会いを
 2:熱血怪人の遺志を継ぐ
 2:iPodを直して中身を確認する
 3:このハゲ、ひょっとして……?
 4:『白猫』って誰? あと『黒猫』?
 5:対主催陣を探し、ゲームに乗った強敵を撃破していく。
 6:みWiki?まあ、気が向いたらね。
 7:あの連中には借りを返す


※主催者陣営に裏切り者がいるのでは、と考えています。
※首輪の構造を理解しました。
※夢の内容ははっきり覚えていますが、どうでもいいと思っています。
※みwikiが一段階強化されました。意思持ち支給品として近くの参加者と会話できます



【パソコンの中】

【ギャグ将軍@ライダーロワ】
【状態】:首輪解除 腹部に大ダメージ(治療中) パソコンに幽閉 心機一転
【装備】:パソコン内なので無し
【道具】:同上
【思考】:
 基本:新生クライシス帝国の結成。
 1:閉じ込められたついでにノートパソコンを解析してくれよう!
 2:熱血怪人の遺志を継ぎ、仮面ライダー書き手と熱血王子を救う
 2:『白猫』を探し出してくれよう!
 3:同胞を冒涜したあの連中は裁きにかける
 4:ついでに飲み友達を集める。
 5:コーカサスゼクターの資格者を探し、コーヒーを飲む。
 6:紅茶を飲むかどうかは保留。
 7:対主催の仲間を集める


※容姿はジャーク将軍@仮面ライダーBLACK/ジャークミドラに似た、ギャーグミドラに変身できます。
※制限がライダーロワ基準だと思い込んでいます。
※シルベストリから、漫画ロワの知識を若干得ました。
※今はChain-情に協力的ですが、ちょっとしたことで心変わりする可能性があります。
※特殊能力:「書き手界の良心」に目覚めました。
  本気の一喝を放つことにより、悪ノリし過ぎている者に自重を強いることができます。
  ただし、ギャグ将軍の性格上、あまり多用されることはありません。
  真剣な人生相談に乗ることも可能。なお、発動中はピンク色がかかった女言葉になります。
※背中に謎のチャックを確認。ギャグ将軍曰く、開けると「大変なこと」になるそうです。詳細は不明です。
※固有結界「コーヒーブレイク」
  優雅なリネン一式の備わったテーブルと人数分の椅子を造り出し、皆でコーヒーを飲んで和みます。
  それ以上の効果は確かめられていません。
  コーヒーセット自体が発動させている可能性があります。
※ノートパソコンの中に、顔写真付き参加者名簿と支給品一覧(パスワードが設定されている)のデータが確認されました。
 また地図を確認。参加者の区別が付かない第三放送時の参加者分布を知ることが出来ます。上級パスでさらに詳しく?

3498諸君 私は名無しが好きだ:2008/04/19(土) 21:38:40 ID:cJSNqes60
投下終了。かなりぶっちぎり過ぎたかも……

3499諸君 私は名無しが好きだ:2008/04/19(土) 22:45:59 ID:ieOAsu220
投下乙です!遊戯王好きの自分としては、存分に楽しませていただきました。
しかし、みWikiがこんなに活躍するとはw

3500諸君 私は名無しが好きだ:2008/04/20(日) 22:38:00 ID:sCHsBfNk0
すいません、Wiki編集者のひとりですが、「最後の刺客」「敗戦と新たなる旅立ち」の作者さんに質問です。
時間帯が深夜となっているのですが、それだと放送をまたいでしまうことになります。
そのつもりでなければ、訂正をお願いします。

3501諸君 私は名無しが好きだ:2008/04/20(日) 23:04:06 ID:CJdX.gt6O
該当作者です。
夜半以降に時間帯を進める為に深夜と書いたら進めすぎたようですね。
ただ私は適当な言葉を知らないため
申し訳ありませんが編集者氏の手で変更して頂けないでしょうか。
お手数ですがよろしくお願いします。

3502諸君 私は名無しが好きだ:2008/04/21(月) 00:45:53 ID:vHe5y4Ts0
>>3501
了解しました。では、とりあえず夜中に修正しておきます。

3503GENERAL IN THE SHELL:2008/04/22(火) 21:53:38 ID:eNZSWCcg0
 激戦地を避け、西へと歩き始めた速筆魔王。姿こそたった一人だが、彼の手には二つの意思持ち支給品がある。
「あの、お恥ずかしながら、病院は……」
 右脇に抱えられたまま控えめな声で伺いを立てるみwikiに、魔王は首を振った。
「今の状態で激戦に巻き込まれて流れ弾で死亡っていうのは一番避けたいパターンなんだよね。まずは足場固めをしてから、ってとこかな」
 足場固めの必要もないほどにまっさらな旅館跡を踏みしめ、彼は進む。既に戦いの準備を固め切った勢力もあるかも知れない。焦りは禁物といえ、遅れをとるわけにはいかない。
 考えを巡らせる魔王の左脇に抱え込まれたノートパソコンからは、おっさんがなにやら歌う声が漏れて来る。魔王は苦笑とともに呟いた。
「切り換え早いですね、将軍。しかしレパートリー豊富なことで」
「いや、このPCにはかなりのMP3が入っておるのでな。聞きながら歌っておる」
 所々歌詞が曖昧だったり、音がずれていたりするのはそういうことか。たとえ音がずれていても楽しそうなその様子に、速筆魔王はふと首を傾げた。
「へえ。僕もちょっと気晴らしに聞いてみようかな」
 自分もここらで一つ気分転換をしたくなった、というのもある。魔王は立ち止まってその場に腰を下ろすと、荷物からコードを取り出してiPodをパソコンと同期させた。
「っと、これで完了か」
 iPodの容量をほぼ使い切った所を見ると、将軍の言う通り、よほどの数の音楽が入っていたらしい。
 接続を切ってブラウズ画面を見ると、そこにはーーーー。
 上機嫌で手拍子を叩くギャグ将軍がいた。
「……将軍、なにしてるんですか」
「音楽を聴いておる。見て解らぬか」
「これ、iPodですよ?」
 む?と大文字で効果音がつけられたような動きで、将軍が辺りを見回す。
「このアルミの質感、明度の高い液晶、なにより音質……なるほど、これはたしかにiPod!」
 驚き方が大げさになったのは二次元の存在になってしまったからか。確かめるようにパソコンに目を移すと、そこでも将軍が鼻歌を歌っている。
 二つの画面を幾度となく見比べてから、速筆魔王は呟いた。
「これは、ひょっとして、ひょっとするかな」

3504GENERAL IN THE SHELL:2008/04/22(火) 21:53:58 ID:eNZSWCcg0

 デジタルデータの特徴は、複製が容易なことだ。そして何よりデータを別のメディアに移動させた時、元のファイルが残る所がアナログデータと違う。
 つまり、iPodをパソコンと同期させたせいで、音楽データだけでなくギャグ将軍自体もiPodの中に複製されたーーーー冷静に考えれば、そういう結論になる。
 速筆魔王はiPodのイヤホンを片耳だけつっこんで訊ねた。
「ねえ将軍。パソコンやiPodの中ってどんな感じですか?」
「ちと狭いが、悪くはないぞ。暖房も効いておるしな」
 将軍が言っているのはCPUの発熱のことかもしれない。状況を想像しながら、魔王は更に問う。
「じゃあ、その中でも……戦えそうですか」
「無論。むしろ身が軽くなった気すらするわ」
 将軍の手が修復された腹部をポンと叩く。振動こそ伝わって来なかったが、そこには見事な輝きを取り戻した黄金色の腹筋がある。
「ただし残念ながら、ここには相手がおらぬが」
「相手が出て来たら戦える。そうなんですね」
「うむ」
 軽くシャドーボクシングなどしてみせるギャグ将軍の姿を、魔王は滑稽とは見ない。むしろ、真面目な顔で訊ねる。
「ねえ将軍、サイバーパンクって知ってます?」
「生憎、まだ食ったことはない」
 おごそかな返答に、魔王は苦笑する。
「攻殻機動隊って見たことないですか」
「カニ道楽の競合店か?」
「ノリ突っ込みはしませんよ、僕は」
 将軍のボケをさらりとかわして、魔王はメーラーを立ち上げた。

 I thought what I'd do was, I'd pretend I was one of those deaf-mutes.

 本文にただ一行書き入れ、BCCにアドレスブックに含まれていたすべてのアドレスを突っ込む。

3505GENERAL IN THE SHELL:2008/04/22(火) 21:54:17 ID:eNZSWCcg0
「何をしておる」
 ウインドウを小さくしてずらすと、出来た隙間から将軍が覗き込むようにして訊ねた。
「この世界に存在しているあらゆる電子機器に、貴方を送り込みます」
「……ほう?」
「正確には、貴方の複製を、ですけどね」
 作成中のメールににドラッグされた将軍が「おっとっと」てな感じで軽くたたらを踏む。指を離し、メールの中に金ぴかハゲのアイコンが浮かび上がっていることを確認すると、魔王は満足げに伸びをした。
「つまり、余に電脳世界を征服してこい、と?」
 横からメール作成ウィンドウを覗き込む将軍のハゲ頭の上でカーソルをすべらせると、何かを磨くような効果音が鳴る。
「誰がどこで何をしているか。それが解るだけでも大きな前進になります。ついでに主催者や他の参加者の企みが解れば儲け物、妨害でもできれば万々歳って感じかな」
 ハゲ頭をクリックするとぺしぺし、と間抜けな効果音がして、将軍が不機嫌に手で追い払う仕草を見せた。
「少なくとも、最終決戦までの時間稼ぎにはなるでしょう。その間に、他の参加者と合流して対策を立て直します」
 念のため、無線LANの状況を確認する。辺りにはなにもないのに、電波の受信具合は良好だ。流石はインターネット掲示板を母胎とする世界……いや、単に皆「ゆんゆん」なだけか。
「なるほど」
 ギャグ将軍が軽くウィンドウを叩いた。その手には、いつの間にか標準装備だった金の杖が握られている。
「そちが肉体労働、余は電脳労働、と」
「そして頂くものは同じ、ってね」
 魔王はぽん、とボタンを押した。最強怪人と言う名のウィルスを乗せたメールが、ネットの彼方へ向けて流れて行く。
 ディスプレイの中に残されたオリジナルの将軍が書類らしきものを手ににやりと口元を歪めるのを見て、彼はノートパソコンを閉じた。iPodの中の将軍は、いつのまにやら現れたコーヒーカップを片手にご機嫌で歌っている。
 速筆魔王はイヤホンをつけると、将軍と一緒に鼻歌を歌い始めた。

♪一人でいても複数形 性別なんてないけれど 書き手マンズは正義の味方 書き手マンズは平和のあかし……

3506GENERAL IN THE SHELL:2008/04/22(火) 21:54:41 ID:eNZSWCcg0
【夜中】
【G8・旅館跡】
【速筆魔王LX@アニロワ2nd】
【状態】健康 首輪解除 心機一転
【装備】斬鉄剣@ルパン三世、技術手袋@アニロワ1st
【道具】支給品一式×8、みWiki@らき☆すた?、分解済みの首輪(素晴らしきフラグビルド)
    首輪×3(地味子、◆wKs3a28q6Q、永遠のうっかり侍)、iPod
    コーヒーセット一式@スパロワ、コーカサスブレス&ゼクター@ライダーロワ、
    ジャーク将軍のマント@ライダーロワ、ノートパソコン 杖@ライダーロワ、王者のマント@FFDQロワ
    バヨネット×2、核鉄「バルキリースカート」、ジャッカル(5/6)
    銀河ヒッチハイクガイド、咎人の剣「神を斬獲せし者」@AAAロワ、ドラゴン殺し@アニロワ1st、他にまだあるかも
【思考・行動】
 1:将軍を元に戻す為とりあえず新しい出会いを
 2:熱血怪人の遺志を継ぐ
 2:iPodとノートパソコンの中身を分析する
 3:将軍の電子戦にちょっと期待
 4:『白猫』って誰? あと『黒猫』?
 5:対主催陣を探し、ゲームに乗った強敵を撃破していく。
 6:みWiki?まあ、気が向いたらね。
 7:あの連中には借りを返す

※主催者陣営に裏切り者がいるのでは、と考えています。
※首輪の構造を理解しました。
※夢の内容ははっきり覚えていますが、どうでもいいと思っています。
※みwikiが一段階強化されました。意思持ち支給品として近くの参加者と会話できます

3507GENERAL IN THE SHELL:2008/04/22(火) 21:55:21 ID:eNZSWCcg0
【パソコンの中&iPodの中】
【ギャグ将軍@ライダーロワ】
【状態】:首輪解除 腹部にダメージ(治療中) 電脳空間に幽閉 心機一転 増えた
【装備】:電脳空間なのでない、はずですが……
【道具】:顔写真付き参加者名簿 支給品一覧(パスワードによりロック中) 地図
【思考】:
 基本:新生クライシス帝国の結成。
 1:閉じ込められたついでに電脳世界を征服してくれよう!
 2:熱血怪人の遺志を継ぎ、仮面ライダー書き手と熱血王子を救う
 2:『白猫』を探し出してくれよう!
 3:同胞を冒涜したあの連中は裁きにかける
 4:ついでに飲み友達を集める。
 5:コーカサスゼクターの資格者を探し、コーヒーを飲む。
 6:紅茶を飲むかどうかは保留。
 7:対主催の仲間を集める

※なんか増えました。すべてのコピーが同じ能力を持っているのか、実体化出来るのかは不明です。
※一時的に実体(きぐるみ)を失っているため、キャラに何らかの変化があるかもしれません。
※制限がライダーロワ基準だと思い込んでいます。
※特殊能力:「書き手界の良心」に目覚めました。
  本気の一喝を放つことにより、悪ノリし過ぎている者に自重を強いることができます。
  ただし、ギャグ将軍の性格上、あまり多用されることはありません。
  真剣な人生相談に乗ることも可能。なお、発動中はピンク色がかかった女言葉になります。
※背中に謎のチャックを確認。ギャグ将軍曰く、開けると「大変なこと」になるそうです。詳細は不明です。

※固有結界「コーヒーブレイク」
  優雅なリネン一式の備わったテーブルと人数分の椅子を造り出し、皆でコーヒーを飲んで和みます。
  それ以上の効果は確かめられていません。
  コーヒーセット自体が発動させている可能性があります。
※ノートパソコンの中に、顔写真付き参加者名簿と支給品一覧(パスワードが設定されている)のデータが確認されました。
 また地図を確認。参加者の区別が付かない第三放送時の参加者分布を知ることが出来ます。上級パスでさらに詳しく?
※書き手ロワ2ndに存在するすべての「アドレス」に向けて、データ化されたギャグ将軍が送信されました。

3508諸君 私は名無しが好きだ:2008/04/22(火) 21:55:56 ID:eNZSWCcg0
以上。違うベクトルにチートさせてみた。

3509諸君 私は名無しが好きだ:2008/04/23(水) 00:56:21 ID:ER8OumJE0
GJ!将軍がタチコマってwww
携帯電話にハッキングしてノートパソコンのデータと組み合わせればかなり戦力になりそうだ。

3510諸君 私は名無しが好きだ:2008/04/23(水) 06:37:51 ID:EofBNCSs0
爆弾はえーりんとの戦闘時、ロリスキーはライダー書き手に食われたときに
首輪が無くなったと思われるので青にして見た。不味かったら直してください。

3511メタ思考の彼方に(前編):2008/04/27(日) 17:32:39 ID:Ct790Vzc0

月が、綺麗だった。
血が薫り魔性が疼くこんな月夜に好き好んで出歩くのは、きっと尋常な人間ではない。
「ヒト」の枠を越えた「何か」だ。
だから、その2人が出会ったのも、きっと偶然ではなく。

「この私の邪魔をする気か、ヒューマ……いや、人形」
「邪魔しようとしているのは、貴方なのだわん♪」

……半ば廃墟と化した病院のすぐ傍で。
2人の「少女の姿をしたモノ」が、睨み合う。

片や、巨大な十字架型の武器――パニッシャーを担いだ黒髪の少女。
漫画ロワの誇るチートマーダー、アーカードの幼女形態を取る彼女の名は『ミスターマダオ』。
片や、ゾナハ蟲を自在に操るゴスロリ風の服に身を包む少女。
漫画『からくりサーカス』の自動人形・コロンビーヌ後期タイプの姿の、『コロンビーヌ』。

同郷のはずの2人。「孤城の主」の中心で一度は共闘した2人。
しかし、今この2人の間にあるのは、敵意と嘲りのみ。

「今、マダオちゃんが戻るのは、色々とマズいのよん♪ 主に恋愛イベント的にね♪
 地球破壊爆弾ちゃんにとっても、『黒猫』ちゃんにとっても、今はまだ困るのよねん♪」
「……ふん。貴様もそうなのか。
 貴様も『キャラに毒されて』いるのか。『なりきり』を疑うこともなく」
「うふふ♪ つまらないことを言うヒトね♪
 マダオちゃんはそんなこと言う子じゃなかったはずよ? 少なくとも、wikiにアップされてる限りでは☆」

病院へ帰還しようと駆けていたマダオ。ゾナハ蟲でその進路を妨害したコロンビーヌ。
互いの顔に浮かぶのは、それぞれ質の違う笑み。
マダオは嘲る。覚醒しパワーアップをも果たした『アーカード』に対峙する身の程知らずの人形を、嘲る。
コロンビーヌは微笑む。思慮の足らぬ子供を見守る慈母のように、微笑む。

「まあいい。貴様が恋愛至上主義を謳おうと何だろうと――この私の前に立ち塞がった以上、私の敵だ。
 その手にしている携帯電話も頂きたいところであるし……
 見せてやろう! 転の死体を喰らい、メタ視点にも目覚めた私の、真の力を!」

「予言しておくのだわん♪ 『今のマダオちゃん』には、この私は倒せないのだわん♪
 だって――」


   だって、『アナタたち』の居る『その位置』は、既に『我々』が二千年前に――


            ※     ※     ※

3512メタ思考の彼方に(前編):2008/04/27(日) 17:33:48 ID:Ct790Vzc0

……打ち捨てられたような雰囲気を醸し出す、病院の地下。
静寂の戻ったその空間で、地球破壊爆弾No.V-7は呆然と天を仰ぐ。

  『 誤解して欲しくないのだけど――
    私は『何が何でもその子を殺すな』、とは言ってないのだわん♪ 』

愛を愛し恋を歌う自動人形コロンビーヌの声が、残響のように脳裏に蘇る。
あの乱入者を、地球破壊爆弾は倒せなかった。殺せなかった。倒しきれなかった。
複数の強キャラと同時に渡り合った『孤城の主』第一幕においては影の薄い脇役だった、彼女相手に。
数多の伝説を持つ書き手・地図氏――地球破壊爆弾No.V-7は、とうとう、傷1つつけることはできなかった。

  『 私が愛するのは、あらゆる愛よん。
    実る愛、破れる愛、すれ違う愛、空回りする愛、裏目に出る愛、憎みあう愛……
    全て等しく、尊く美しい愛だと思うわ。
    だから――『愛ゆえに殺す』、『殺し愛』も、決して否定しないのよん♪ 』

もちろんコロンビーヌの方でも、地球破壊爆弾を止めきれるとは思っていなかったのだろう。
攻撃こそ全力で容赦のないものだったが、今こうして思い返せば彼女の行動は一貫している。
コロンビーヌの狙いは、最初から時間稼ぎ。
かの地球破壊爆弾が相手では、「時間稼ぎ」すら困難なはずで、だが、それよりも。
そもそもいったい、何のための時間稼ぎだ……? という疑問が出てくるが。

  『 ただ――せっかく『想い人』が復活してくれたってのに、
    『一人相撲』で決着というのは勿体無いのだわん♪ 』

地球破壊爆弾は、振り返らない。否、振り返れない。
いつの間にかその姿は泉こなたに戻っていて、それでもなお、振り返れない。
レバ剣……レヴァンティンを強く握り過ぎたその手が、小さく震える。

  『 それでもなお、彼女を『殺す』というのなら、もう止めない――
    いや、もう『止めてあげない』のだわん♪
    あとは『2人』でゆっくり話し合うなり、殺し合うなりすればいいのだわ♪ 』

言いたいことを一方的に言って、「必要なだけの時間」を稼いだコロンビーヌは、既に飛び去ってしまった。
だから、この場に残っているのは2人きり。

地球破壊爆弾No.V-7と、『スーパーかがみんとの融合を果たした』クールなロリスキー。
その、2人きり。

「……こなた……私を、殺す……の?」
「…………ぁぅ」

いったい、いつの間に目覚めていたのだろう。
どこまで話を聞いていたのだろう。
お節介な愛の天使・コロンビーヌの思惑通り、時間稼ぎをしている間にロリスキーは目を覚まして。
地球破壊爆弾は、ロリスキーを殺し損ねた地球破壊爆弾は、彼女の顔をまともに見ることすらできず。

長い長い沈黙。
そして気の遠くなるほどの時間をかけ、ゆっくりと振り返った『こなたの姿をした人物』は――。

3513メタ思考の彼方に(前編):2008/04/27(日) 17:35:16 ID:Ct790Vzc0
【E-8/病院地下/夜中】

【地球破壊爆弾No.V-7@アニロワ1st】
【状態】:疲労(大)、ダメージは完全回復、泉こなたの姿
【装備】:激戦@漫画ロワ、レヴァンティン@アニロワ1st
【道具】:支給品一式、着替え用の衣装(複数)、アダルトグッズ(大量)
【思考】:かがみん……。
 0:ロリスキーを……??

 ※基本的に中身はアーカードで、CVは平野綾です
 ※変化する姿に7つのバリエーションがあるらしいです。
 【1:地球破壊爆弾】【2:アーカード】【3:長門有希】【4:泉こなた】
 【5:銃撃女ラジカル・レヴィさん】【6:キングゲイナー】【7:1〜6とか目じゃないよ?びびるよ、まじで】
 ※クーガーの早口台詞が言えます!
 ※鎖鎌、鳳凰寺風の剣、ソード・カトラス、ノートPCの投影が可能です。
 【スーパーキョンタイム】
 地図氏以外の者はゆっくりとしか動けなくなります。一度使うとそれなりの時間使用不可能です。
 【地図氏の地図】
 参加者の位置、生死を含めた地図を投影できます。※長門有希の状態でのみ可能。
 使いすぎるとアレなので、毎晩0時にのみ使うことにします。


【クールなロリスキー@漫画ロワ】
【状態】:不死者、吸血姫、スーパーかがみんと融合、覚醒・復活
【装備】:なし
【道具】:なし
【思考】:こなた……私を、殺すの?
 基本:こ、こなたと一緒に……脱出か対主催
 0:??????
 ※容姿は柊かがみ@らき☆すたです。
 ※何故か不死身です。
 ※地球破壊爆弾No.V-7の血を吸い、独立した吸血姫となりました。

 ※スーパーかがみんと融合し、彼女の記憶と能力を継承しました。
  ただし、能力を使いこなせるかは別問題です。
  また、仮面ライダー書き手の記憶も取得した可能性があります。

 ※いつ目覚め、どこから(コロンビーヌと地球破壊爆弾の)話を聞いていたかは後続の書き手にお任せします。

3514メタ思考の彼方に(中編):2008/04/27(日) 17:36:14 ID:Ct790Vzc0

            ※     ※     ※


お笑いの世界では、広く知られた……しかし、決して広く語られることのない『事実』がある。

  それは、いわゆる『ボケ』の方が『ツッコミ』よりも『頭が良い』、という逆説的真実。

一見すると、ピントのズレた発言を延々繰り返す『ボケ』担当の人間。
一見すると、切れ味鋭い指摘を素早く繰り出す『ツッコミ』担当の人間。
深く考えず第一印象だけで見れば……
大抵、『ボケ』は馬鹿に見える。愚かに見える。間抜けに見える。
大抵、『ツッコミ』は賢く見える。鋭く見える。カッコよく見える。

だが……しかし、よく考えて欲しい。
芸人の芸は1回限りのものではない。それが職業である以上、何度も何度も演じねばならないものだ。
それでもツッコミは、一発「当てれ」ば同じパターンの繰り返しでいい。
同じパターンを何度繰り返しても、「その芸人の芸風」と認識して貰えれば許されてしまう。
しかしボケは毎回違うネタを用意し、違う内容でボケねばならないのだ。この差は大きい。

綺麗に『ボケ』と『ツッコミ』で役割分担していた人気絶頂のお笑いコンビが、
ソロ活動を始めた途端、『ツッコミ』役がいつの間にかTVから姿を消し、『ボケ』役だけが長く生き残る……。
こんな例は、芸能界には数え切れないほど存在している。
これは、ちゃんと根拠のあることなのだ。

そもそも――「天然ボケ」という単語が存在すること自体が、言外に1つの事実を指し示している。
すなわち、「それ以外」の『ボケ』キャラが「天然」ではないという事実。
『ボケ』役を演じながらも、真に頭がボケているわけではない。
何も知らないように見えて、実は常人より遥かに多くの物事を知っている。
何も考えてないように見えて、実は常人より遥かに多くの物事を考えている。
広く大きく俯瞰する視点を持たねば、適切に『ボケ』ることは出来ない。『笑い』を生み出すことは出来ない。
全てを見据え、計算し、読みきって……その上で、実際に芸を演じる時には完全に「忘れて」みせる。
何も知らない愚かな道化のように、振舞ってみせる。
『ボケ』というのは、頭の良さと演技力、その双方が高いレベルで要求される難しいポジションなのだ。
だから。

  ボケは、賢いのだ。
  ボケは、強いのだ。

それこそ――なまじ知恵をつけてしまったような者より、遥かにずっと。


            ※     ※     ※

3515メタ思考の彼方に(中編):2008/04/27(日) 17:37:35 ID:Ct790Vzc0

ミスターマダオは……そして、焦っていた。

(あれは……どういう意味だっ!?)

戦いの最中に考え事をするのがどれだけ愚かな行為かは、マダオだって良く分かっている。
それでも、戦闘開始前にコロンビーヌが嘯いたセリフが、脳裏にこびりついて離れない。
クロムウェル解放――ロリカードの小さな身体から放たれた黒犬が、小柄な少女人形に襲い掛かる。
圧倒的な戦力差。いくら『最古の4人』の一柱とはいえ、所詮はたかが自動人形。
にも拘らず……ミスターマダオは焦る。苛立つ。力と気持ちが空回りする。
そもそも、「この程度の相手に」クロムウェル解放という手段に「追い込まれている」ことが普通ではない。

(……『アナタたちが居るその位置は、既に『我々』が二千年前に通過した場所だもの』、だと――?!)

脳裏に何度も反響する、恐らくは漫画『グラップラー刃牙』の烈海王の有名セリフを元にした言葉。
おそらく『二千年』という数字に意味はない。ずっと昔に、という程度の意味だ。
だが、『アナタたち』とは――? 『その位置』とは――? 『我々』とは――?
悩むマダオの眼前で、黒犬獣が大きな牙を剥いてコロンビーヌを噛み千切ろうとして……弾き飛ばされる。
いつ行われたか察知することも出来ない、完璧な、殺意なきカウンター攻撃。
小さな人形の拳で、魔犬・バスカヴィルを吹き飛ばすという荒業。
漫画ロワの書き手であるミスターマダオには、その構えや動きに覚えがある。
まさか……いや、しかしなんでコロンビーヌが、そんな技を……!?

「北斗神拳が究極奥義、『無想転生』だと……っ!? 何故、貴様如きがっ!?」
「『今の』マダオちゃんには分からないと思うわん♪」

無こそは最強。無から転じて生を拾うことで、あらゆる攻撃を無効化し、逆に回避不能な攻撃を返す――
北斗神拳究極奥義、『無想転生』。
対人戦闘において、漫画ロワ出典で繰り出しうる技の中でも最強クラスの奥義。
それをこうまで使いこなされてしまえば、いかに黒犬獣や使い魔をけしかけたところで……!

「『今の』マダオちゃんには『愛』がないわ。『悲しみ』もないわ。
 でも、『今の』私にはそのどちらも良く分かるのよん♪」
「なっ……しかしっ、その『愛』も『悲しみ』も、所詮は『なりきり』の上のものだろうがッ!!」

究極奥義・『無想転生』を習得し使いこなすための前提。
それは、真の愛と悲しみを背負っていること。
マダオの視点からでは、コロンビーヌが鬼軍曹とどんな愛を育み、悲しみを感じたのかは分からない。
だから本来なら、否定も肯定も出来ない。
その技の性質と、「ロワ的な盛り上がり」を考え、「ロワ開始後に習得したのだろう」と推測するのが精々だ。

けれど――それは全て『偽り』だろう!? 
書き手自身の『真の名前』も『真の過去』も『真の性格』も何もかも伏せられて、
代わりに、名前や代表作に由来するキャラの名前や性格や趣味嗜好を被せられて……
そんな状態で、何故そんな技が使える!?
『全てが嘘偽りだとしても、この気持ちだけは本物だ』……そんな奇麗事で誤魔化すつもりか!?
マダオは動揺しながらも、パニッシャーを乱射する。
乱射するが……1発も、当たらない。全て虚しく空を切る。
コロンビーヌが、コロコロと笑う。

3516メタ思考の彼方に(中編):2008/04/27(日) 17:38:29 ID:Ct790Vzc0

「そういうことを言っちゃうから、『今の』マダオちゃんは『つまらない』のよん。
 『ついさっきまで』のマダオちゃんなら、別に邪魔しようとも思わなかったのに……♪」
「な……嘗めるなぁァァァァッ! 『外見』に沿わぬ『技』を持っているのは貴様だけではないッ!」

『つまらない』。その短い一言は、書き手にとって最大級の侮辱の言葉。
マダオは決して自分を最強だとは思っていない。最強を望んでもいない。
繋ぎメインで山場を他人に譲ることにも抵抗のない、そんな書き手だ。
だが、嘗められたくはない。嘗められることだけは許せない――!
クロムウェルもパニッシャーも効果がないと見るや、彼女はそして、最後の切り札を切る。

「我がスタンド、『世界(ザ・ワールド)』ッ!」

  ドンッ!

黄金に輝くスタンドの出現と共に、周囲の全ての動きが停止する。
ミスターマダオの能力、『世界(ザ・ワールド)』……本来は吸血鬼DIOの持つ能力。
時の止まった世界の中で動けるのは、マダオただ1人のみ。
時間が止まってしまえば、『無想転生』もクソもない。
与えられた猶予は制限もあって3秒、そしてマダオはコロンビーヌに突進する。
確実に、その無機物で作られた人形の身体を叩き壊してやる!

1秒――彼我の距離を詰めると共に、パニッシャーを鈍器として構え、高々と振り上げて。
2秒――ロリボディとはいえアーカード渾身の力を篭めて、コロンビーヌの脳天に、振り下ろし、
3秒、

――しかし、この時間停止……便利なのはいいけれど、何故自分が使えるのか?
――漫画ロワの書き手は何人も何人も参加していたのに、何故、この『ミスターマダオ』だけが?
――今はそんなこと考えている場合じゃないとは思うが、気付いてしまった以上気になって仕方なく……!

  そして、時は動き出す。

「――なッ!?」
「――北斗神拳奥義、『無想転生』――」

2秒ジャスト。予想よりも1秒早い、時止めの解除。
今まさにコロンビーヌの頭を打ち砕かんとしていたマダオは、空振りの手応えに自分の敗北を知って。
間一髪、究極奥義を発動させたコロンビーヌは、ロリカードの胸に拳を突き入れながら、再び囁いた。
アーカードを倒しうる唯一の場所、心臓のある左胸を貫きながら、残酷な一言を、笑いながら囁いた。


「もう一度言わせて貰うのよん……
 『アナタたち(メタ視点考察キャラ)』の居る、『その位置(メタ視点)』は――
 既に『我々(ボケ系ギャグキャラ)』が、二千年前に通過して、とっくに『通り過ぎちゃった』場所よ……! 」

3517メタ思考の彼方に(中編):2008/04/27(日) 17:39:11 ID:Ct790Vzc0

            ※     ※     ※


コロンビーヌは、このバトルロワイヤルが始まって以来、ずっと『ボケキャラ』を通してきた。
別に、計算してその位置を選んだわけではない。
別に、演技で己を偽っていたわけでもない。

コロンビーヌは、(書き手ロワ的な意味で)「生まれついての」完全なボケキャラだった。
彼女やギャグ将軍ほどのレベルになると……全てを俯瞰して「見えて」しまう。
全てを「見通して」、メタ視点で状況を把握して、「最も素晴らしいボケと立ち回り」を察知して……
そして、完全に「忘れて」しまう。
嘘や偽りではなく、本当に自ら一度は手にした「メタ視点」を放棄してしまう。
放棄してこそ――その行程を全て無意識で行ってこそ、良ボケキャラなのだ。

コロンビーヌは、真の愛を知っている。
コロンビーヌは、真の悲しみを知っている。
どちらも「なりきり」上の偽りのものではない。真の愛であり、真の悲しみだ。
「どうせなりきりでしかないから」、などと醒めた目線で突き放すのではなく……真に味わい尽くす。
その、真摯にこの世界に向き合う態度こそが、彼女の力の源泉。

ミスターマダオは、「ノルマ」を気にして戦う地球破壊爆弾を「つまらない」と断じた。
しかし、コロンビーヌからすれば、中途半端な「メタ視点」に「捕らわれてしまった」マダオこそ「つまらない」。
そんな、中途半端で「つまらない」相手に、せっかくの恋愛イベントを邪魔されるのは勿体無さ過ぎる――。

そう……中途半端。
ミスターマダオの敗因も、まさにそこにあった。
中途半端に抱いてしまった疑念。「なりきり」への疑い。
疑ってしまったからこそ……『世界(ザ・ワールド)』の効果も弱くなってしまった。
ただ、それだけのこと。

そもそも……
メタ視点に目覚めた者は、目覚めてない者より「偉い」のだろうか?
メタ視点に目覚めた者は、目覚めなかった者より「賢い」のだろうか?
……否。そんなことはない。
むしろ、メタ思考がかえって枷となることもある。不幸を呼ぶこともある。
メタ思考に目もくれず駆け抜けた者は、だから逆に、このロワを楽しみきったとも言えるのだ。
メタな考察が流行しつつある中、それでもきっと、それはこのロワの本質ではない。
むしろ、メタ考察を得た「その向こう」に何を見、何を望むか。そして何を「見なかったこと」にして忘れるか。
おそらくは、それこそが大事になってくるわけで――!


かくして、愛の天使の予言は現実のものとなり。
人外ロリ2人の死闘は、ここに決着した。


            ※     ※     ※

3518メタ思考の彼方に(後編):2008/04/27(日) 17:39:48 ID:Ct790Vzc0

「全く……その程度じゃ『覚醒』と言うには弱すぎるのよん。
 マダオちゃんが、『真に』心から怒ったり、愛したりしてたなら好きにさせてあげたのだけどねん。
 地球破壊爆弾ちゃんも『黒猫』ちゃんも、既にその領域……メタ思考を超えた、『その先』にいるのよん♪
 あなたももう少し、いろんな意味で『突き抜け』なさい――!」

コロンビーヌはそして、倒れて動かぬマダオをその場に残し、翼を広げる。
いい月だ。
愛を囁き育むにはこれ以上ないであろう月夜。
会場は広い。生き残った人々は多い。
まだまだお節介な介入を要する『愛』の火種はあちこちに残されている。
それらを守り助けることこそ、コロンビーヌの願い。

愛の天使は、そしてその場を飛び去って――


【G-8/病院のそば(空中)/夜中】

【コロンビーヌ@漫画ロワ】
【状態】:疲労(中)、ダメージ(小)
【装備】:ゾナハ蟲@からくりサーカス 、携帯電話@現実、腕時計型麻酔銃(残弾1/1)@漫画ロワ
【道具】:支給品一式×2、ティーセット一式、麻酔銃の予備針×3 、変化の杖、キャンディー×2
     焦ったドラえもん・うっかり侍・孤高の黒き書き手の服、対戦車地雷×7個、ポン太くんスーツ@スパロワ(大破)     
【思考】基本:恋愛ばんざい
 0:鬼軍曹を生涯愛し続ける
 1:宿った命を大切にする
 2:愛に介入しようとする邪魔者は倒す
 3:そういえば、新生クライシス帝国のみんなはどうしているかしら?

 ※容姿はコロンビーヌ(ロリ)@からくりサーカスです。
 ※ギャグ将軍にシンパシーを感じています。
 ※猫子頭の鬼軍曹と結婚しました
 ※ロワ内の愛を感知できるようになりました。お邪魔虫もわかるようです
 ※真の愛と哀しみを知り、北斗神拳奥義『無想転生』を習得しました。

 ※この後、この場を立ち去ってどちらに向かうかは後続の書き手にお任せします。

3519メタ思考の彼方に(後編):2008/04/27(日) 17:40:22 ID:Ct790Vzc0

            ※     ※     ※


……完敗だった。
大の字に倒れ、綺麗な月を見上げながら、マダオは思う。
あの瞬間……コロンビーヌは、マダオの心臓をそのまま突き破ることも出来たはずだった。
けれども、実際に突きを入れられたのはそのすぐ近く。
名前は知らないが……おそらくは、北斗神拳の秘孔の1つ。

吸血鬼の身体に秘孔など効くものか、とも思うのだが、しかしそこは「疑い」を持ってしまったマダオのこと。
実際にこうして、身体が痺れてしまって、全く動けない。
吸血鬼としての能力が、落ちてしまっているのだろう。『世界』のスタンド能力が不完全だったように。

「もう1人の自分」である転を喰らって、確かにパワーアップしたと感じた。
何人もの死体を喰らって、確かに情報は増えた。
メタ思考に到達して、確かにこのロワの真実の一端には触れた。
それらはきっと、全て真実だろう。マダオの持つ潜在力、潜在的な価値は、確実に上がっている。

けれど……まだ、これでは足りないのだ。
漫画ロワ最古参・『最古の四人』に並び立つには。
そして、もう1人のアーカード・地図氏に打ち勝つには。
むしろ今のマダオは自身の存在に疑いを持ち、自身の持てる能力を十全に発揮できない状況にある。

コロンビーヌは、「もっと突き抜けろ」と言った。
ならば、突き抜けてみせよう。
「メタ視点」の保持と「なりきり」の両立。そこに届くまで、突き抜けてみせよう。
コロンビーヌ(ボケ系ギャグキャラ)にも届いたのだ。自分(強対主催)が届かぬ道理がない。
ミスターマダオは、ここに誓う。

「もう少し待っていろ……真の愛も真の悲しみも、必ず見つけ出してみせる。
 貴様らがいるというその領域に、辿り着いてみせるっ!」

それらを見つけだした時、きっとアーカードの身体は完全なものとなる。
きっと秘孔の効果も消え、また元通り動けるようになる。
彼女はそして、月を見上げて叫んだ。

「そして最後は……やっぱり熱血エンドだろッ!!」

それだけは――その目標だけは、やっぱり譲れない。
その想いこそが、きっと、『ミスターマダオ』という存在の――!

3520メタ思考の彼方に(後編):2008/04/27(日) 17:41:11 ID:Ct790Vzc0

【G-8/病院のそば/夜中】

【ミスターマダオ@漫画ロワ】
【状態】:体力全快、強い決意、強い仲間意識 、首輪解除、秘孔を突かれて全身麻痺・大地に大の字
【装備】:パニッシャー@トライガン(機関銃:残り弾数80%、ロケットランチャー:残り5発)、運動服(ブルマ)、
【道具】:支給品一式、未定支給品×1(本人確認済み)
【思考】
 基本:対主催!目指せ熱血脱出エンド!
 0:突き抜けて「メタ視点」と「なりきり」の両立を図る。そして地図氏やコロンビーヌと並び立つ存在となる。
 1:なんとか体調を取り戻し、復活して病院に戻る。
 2:地図氏を力ずくでも説得して脱出エンドに協力させる(なりきりについて詳しいことを問いただす?)。
 3:DIE/SOULやロリスキーを探して守る。
 4:黒猫(666)は必ず殺す。
 5:仲間をもっと集めて対主催。
 ※容姿はアーカード(ロリ状態)@ヘルシングです
 ※転と仮面ライダー書き手とウッカリデスを喰らって記憶を受け継ぎました。
 ※自分が本物の書き手ではない可能性を疑っています。
 ※転の血を吸ってパワーアップしました。新たな力が使えるかもしれません。
 ※孔明と地図氏と感電氏が『危険な対主催』だということを知りました。
 ※転の記憶を使って首輪解除ができるようになりました。
 ※ライダー書き手の記憶で携帯電話のwikiの存在を知りました。その携帯をコロンビーヌが持っているのを目撃しました。
 ※なりきりへの「疑い」から、持っている能力が完全に発揮できなくなりました。
  ただし発想の転換を果たせば治るかもしれません。

【世界(スタンド)】
 世界を使用でき、時止めも可能です(3秒まで?)。
 制限は漫画ロワに準拠――『体力の消耗』『時止めの再使用には10秒必要』『スタンドは見れるし触れる』

3521諸君 私は名無しが好きだ:2008/04/27(日) 17:41:39 ID:Ct790Vzc0

投下終了。
……にしてもマダオ、実にズガンされそうな状況ではある。
全身麻痺で身動きとれず、多数のフラグ抱え過ぎて、今まさに真の覚醒する寸前、って……w

3522諸君 私は名無しが好きだ:2008/04/27(日) 17:50:15 ID:6NG/JnAA0
意外な戦いだ。
組み合わせも、前中後編という長期戦(?)なのも、流れも色々と。
コロンビーヌはさすがというべきか。ていうか強い、強いよ。これで反則と感じない周辺も怖いがっw
そしてマダオは今後に期待と。運悪いと殺されそうだけど熱い成長をするかもしれないな。
GJでしたー。

3523諸君 私は名無しが好きだ:2008/04/27(日) 18:10:34 ID:Ct790Vzc0
……っと、失礼。
もしwiki収録時に1ページに収まるようなら、「中編・後編」を合わせて「後編」として1ページにしちゃって下さい。
実際には旧プランの名残、なんで。(後編部分に+αがあったけど蛇足なのでカット)

てか微妙に投下時に直すの忘れてたorz

3524諸君 私は名無しが好きだ:2008/04/27(日) 18:28:16 ID:4Xyv0gtE0
投下乙です!これは意外な展開だ…。
ここまで圧倒されるアーカードが見られるのは書き手ロワだけですね!

3525諸君 私は名無しが好きだ:2008/04/27(日) 19:12:14 ID:2zq37Erc0
GJ!コロンビーヌ強えええ!北斗神拳を使う自動人形…
そしてアーカードに強化フラグってどんだけw
しかしこれで強化フラグ持ちはマダオ、ギャグ将軍、速筆魔王の三人かな。
前二人はともかく、魔王の強化フラグ…もう一人の自分と合体?

3526諸君 私は名無しが好きだ:2008/04/29(火) 18:39:11 ID:gchsjNBo0
先日投下した「メタ視点の彼方に」をwiki上で少しだけ修正しておきました。
といっても、腕時計型麻酔銃の移動を状態票で一行書き加えただけですけど。

3527貫き通すは『ギャグ』と『愛』:2008/04/30(水) 04:26:47 ID:aSIg8Olw0
天空の城ラピュタ。
地を這う参加者達を嘲るかのように悠然と夜空に浮かんでいた城は、今やかってない喧騒に包まれていた。


「WIKI管理人!一体何がどうなっている!」

城内の大通りを抜け管制室に転がり込むとともに人外が怒声を上げる。
人外だけではない。その右腕に抱きかかえられている愛媛も怨さの眼を管理人に注いでいた。
遡ること数分前、速筆魔王LXとギャグ将軍という書き手ロワ有数のコンビを打ち破り悠々と凱旋しにかかった矢先。
ラピュタの底部に設置された砲塔、ラピュタの雷が発射体制に入ったのである。
あろうことか城への帰還コースを辿っていた人外達に向かって。
何とかその場は同じく城へと戻ろうとしていた名無しの協力もあって、
時止め+影渡りのコンボで難を逃れたが、命の危機に曝されたのだ。
彼等が怒るのは当然のことである。
尚名無しは禁断症状に加え無理がたかり帰還早々気絶する羽目に至り今は人外の左上に引きずられていたりする。


「いや申し訳ない。ですが我々からしても今回の砲撃は不本意なものなんです」
「っち、わかんねえんだよ。何でこんなことになっちまったのかよ!」

返すWIKI管理人と感電の顔は渋いものであった。
驚いているのは管理人たちも一緒なのだ、今回の砲撃は彼らが意図して撃ったものではなかったのだから。
それどころか読み手も含めて城にいた誰もが発射ボタンに触れていなかったことは、
ジョーカー陣営と管理人たち3人組みがそれぞれ証人となることでアリバイが成立している。
ジョーカー控室とモニター室以外には誰も人はいなかったはずなのだ。
なのにラピュタの雷は実際に発射された。となれば考えられることは一つしかない。ハッキングによる遠隔操作である。
とはいえ書き手ロワ2において情報操作が可能なキャラは数あれど、ラピュタを掌握できる書き手は数が知れている。
軍事基地をハッキングしたディアボロモンを撃退するだけのスキルを誇る、ニコニコ防衛網が引かれているのだから。

一人はそのニコニコ勢の当初からの警戒対象である地球破壊爆弾VOL−7。
もう一人はチートにチートを重ねロボライダーの能力を更に強化した影の繋ぎ師。
現在ハッキングが可能だと目されているのは彼ら二人だけだ。
だが彼ら二大チートは共に「孤城の主」に懸りっきりで幾らなんでもそんな暇はなかったはず。
モニター室にて三者三様の思いで見守っていたのだ、間違いない。

なら一体誰が?どんな手で?
主催陣を包んだこの謎の余りにも意外すぎる答えに誰もが呆然とするのは、いささか後の話であった。

3528貫き通すは『ギャグ』と『愛』:2008/04/30(水) 04:27:14 ID:aSIg8Olw0






ラピュタの雷。かって堕落した人間を街二つごと焼き払ったという超兵器。
人外達はあくまでも回避しただけで、かっての孤高の黒き書き手のように攻撃の軌道を曲げたわけではない。
では雷はどこに落ちたのか?言うまでもなく人外達がやってきた方向――即ち……。






速筆魔王LXは茫然としていた。
突如天より降り注いだ大火力砲撃に、ではない。

「ピカ?ピカピ。ピカチュ」

なんかピカピカPC内で鳴いている、金ピカはげにである。

LXは思い出す、何故このような事態に陥ったのかを。

「む?バッテリーの充電率がかなり低下しておるな」

始まりはギャグ将軍の何気ない一言からであった。
どうやら常に電源を入れたままだったことにより、予想以上に電気を使ってしまったようだ。
加えて運の悪いことに、旅館周辺一帯のコンセントは何故だか破壊尽くされておりLXは大いに焦った。
ギャグ将軍は電脳世界の住人と化しているのだ。もしも幽閉先であるPCの電源が切れたら……。

大丈夫だとは思う。
例えPCの電池が切れても将軍とコンタクトする窓口が無くなるだけで、
きっと彼はロワの舞台内の他の電子機器内でピンピンしているはずだ。
しかし、万が一ということもあり、また一時的とはいえやりとりができないというのはロワ終盤では地味につらい。

「悩むことは無いぞ、魔王よ」
「良い手があるのですか、将軍」
「くくく、余を誰だと思っている?新生クライシス帝国が大統領、ギャグ将軍であるぞ!」
がっはっは!とブラウザ内で腰に手を当て高笑いする将軍。
心強い筈のその応えにとてつもない不安を抱くも、自分に良案が無いのだから任せるしかない。
覚悟完了したLXの見守る中、ギャグ将軍はオホンと咳払いした後厳かに声を発したのであった。



ピイイイイイカアアアアアアチューーーーーーーーーー!!っと。

3529貫き通すは『ギャグ』と『愛』:2008/04/30(水) 04:27:49 ID:aSIg8Olw0





ドッゴオオオオオオオオオオオオオオオン!



かくして、今へと至る。将軍の泣き声に合わせ天から降り注いだ雷はノートPCを直撃。
明らかに強力すぎる電気エネルギーは不思議なことにPC本体を一切傷つけることなく一片の漏れもなく吸収され尽くした。

「うむ。これで余は後十年戦えるわ」

どう見てもオーバーチャージな電撃をこともなげに吸収しギャグ将軍がふんぞり返る。
ここまでの道中で将軍のとんでも行為に少しは耐性をつけたと思っていたのはどうやら幻想だったらしい。


「ところで何で一鳴きするだけであんな派手な雷が落ちてくるんですか」
「何を言うか、魔王よ。電気ネズミがピカピカ言えば雷が落ちてくる。万国共通の常識ではないか!」
「あなたにだけは常識説かれたくありません。大体それなら世界中で放電現象起きるんじゃないかと」
「はっはっは、二次元で落雷が起きた所で痛くも痒くもあるまい」
「いやいやどう見ても今の落雷画面内だけどころの騒ぎじゃなかったような」
「当り前よ。画面内で放電しても充電できぬわ!」
『でも威力ありすぎでしたよ、今のは』
「ピチューでもあるまいし、自らの電撃でダメージを受けるわけがなかろうが!」
「言ってることが微妙に正しいのに、何でこうも突っ込みどころがあるのかなあ」
『あ、あはは。私のWIKIにも載ってませんよ、こんなでたらめ』

つまりだ、ピカピカ鳴けば雷が落ちるというギャグ将軍の思い込みをもっとも手軽に実現するために、
世界の意思やら何やらがラピュタの雷を将軍に向けて落としたらしい。『なりきり』ここに極まりだ。
というかギャグ将軍がクライシス帝国の大統領どころか神だと自分のことを思い込めばこのロワ終わるんじゃないかなあ。
ははは、とついつい苦笑いを浮かべるLX。
それはそれでおもしろいからいいや。そう思えるのは流石は魔王様である。


「う〜ん、でもラピュタかあ。僕ならテッペリン位出しちゃうけどなあ」

それに今のギャグ展開は思わぬ副産物をもたらした。
雷のチャージによる発光現象は夜の闇を切り裂き一瞬とはいえ主催者達の居城の姿を浮かび上がらせたのだから。
またあれだけの攻撃だ。そうそう連発もできないだろう。
突入前に将軍に何度か鳴いてもらえば対空砲火の恐れは無くなるというわけだ。
着々と考察を進めるLX。みWikiの方はというとせっせとWIKIを更新しており、
ギャグ将軍も相変わらずPC内でコーヒーを堪能しつつ、今度はポチャポチャ!とかポッチャポー!とか言っている。
余談だがI-4〜I-6の海では渦潮が発生していたりする。

3530貫き通すは『ギャグ』と『愛』:2008/04/30(水) 04:28:21 ID:aSIg8Olw0


そんなこんなで将軍によるポケモンなりきりショーとそれに伴う各種自然災害もなんのその。
3人はマイペースに自分のできることを推し進め、遂に一つの大きな成果を得ることとなる。


「む?これは!」
「どうしたの、将軍?」
『何か見つけたんですか!?』

電脳世界を徘徊していた将軍の分身の一体が『柿テロ猥・R2‐ND』のHPを発見したのだ。
注意書きの欄からこのHPが自分たちが参加させられている戦いをSS形式でまとめたものだとLXは推測。
流石に中身を見てみないことには内容の正否はわからないが、本物ならかなりの情報源である。
思わず頬を緩める速筆魔王。ギャグ将軍も自身が上げた成果に満更でもないようだ。

『うわ、うわ、早く見てみましょうよ、ねえ!』

みWIKIも興味津津だ。どうもこのWIKIの精、ネタ元のみゆきより好奇心が高いようである。
うむ、と仰々しくギャグ将軍が頷き『柿テロ猥・R2‐ND』に攻勢を仕掛ける。
だがそううまく事は運んではくれないらしい。

3531貫き通すは『ギャグ』と『愛』:2008/04/30(水) 04:28:55 ID:aSIg8Olw0
10分後、孔明が仕掛けた地図氏特製ウイルスバスター2299改にコテンパンに叩きのめされた将軍の姿があった。

「お、おのれえ、光太郎めえ!」
「いや将軍、何でもかんでも光太郎のせいにしていたら、それこそ奴の二の舞だと思うんだけどねえ」

ウイルスバスター2299。みWIKI曰く、読んで字の如く2299年版のウイルスバスターの改造版だ。
出典はアニロワ2からの捏造。ギガゾンビが電脳面での防衛に使っていたのはウイルスバスターの最新版に違いない!
23世紀の時間犯罪者なんだし2299までなら問題ナッシング!というとんでもない暴言から採用されたカウンタープログラムである。
その上孔明からメッセで連絡を受けた地図氏により、主催陣に消去されないよう改修までされていたのだ。
いかに最強怪人とはいえ電子戦では分が悪すぎた。


う〜〜むう、と頭を捻る3人。見れないからと切り捨てるにはあまりにも惜しすぎる。
動画UP能力があるLXや雑学豊富なみWIKIも協力して侵攻してみたりするも、やはり返り討ちにあってしまう。
このまま手詰まりかと思われたその時、ギャグ将軍がふと地団太を止め喜色を浮かべた。

「こ、これは……北方でギャグオーラが上がっていく……八百万……千二百万……ぐぅっ! 計測不能だと!?
 なんという笑劇だ!?いや、違う。近しいがこれはむしろラブオーラか!
 余のギャグオーラに勝るとも劣らぬオーラの持ち主となると……。コロンビーヌめ、やりおるわ!」

ギャグ将軍が感じたのはWアーカード相手に続けざまに大立ち回りを演じるコロンビーヌの闘志。
『愛』の火種を守りお節介を焼き続ける彼女の強い意志。
ギャグ将軍は笑う。怪魔妖族大隊・諜報参謀に負けているようでは将軍の名が廃るというもの。
『愛』と同じく『ギャグ』もまたロワを盛り上げる真理の一つだ。
新生クライシス帝国の結成に、旅館でのラブコメ、チームBADANとの合流と、
このロワが始まって以来どれもこれも楽しいイベント盛り沢山ではあったが、まだまだ笑い足りぬし笑わしたりない。
例え終盤といえども『ギャグ』の火種は消えはしないのだ。
燃えに燃やして参加者だろうが主催者だろうが笑いの渦に巻き込んでくれようぞ!!


「よし、魔王にみWIKIよ、余がいいと言うまで後ろを向いておれ」
「かまわないけどどうしてさ?」
「目に毒な光景が広がるのでな」
『ええ!それ、むしろ逆に気になりますう』
「やめておけい。もしも振り向いてしまえば、このロワが終わってしまうであろうからな!」

その為にもやはりこのロワはハッピーエンドで終わらせねばなるまい。
優勝エンドや全滅エンドではエンディングが重苦しいものになってしまうからだ。
対して主催者打倒エンドならかなりのサプライズやはっちゃけたギャグも受け入れられる。
その光景が今から楽しみで楽しみで仕方がない。
故に、余も、今まで通り余らしいやり方で全力を尽くして行くとしよう。

LX達が渋々と後ろを向いたのを確認し、ギャグ将軍が背中のチャックに手をかける。
そして、その手を、僅かに、下へと――


チーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

3532貫き通すは『ギャグ』と『愛』:2008/04/30(水) 04:29:47 ID:aSIg8Olw0




速筆魔王LXは凄まじく後悔していた。
彼とて『変化球多すぎ!』とか『予想の斜め上ばかり行く!』と称される魔窟アニロワ2を治める魔王である。
誰よりもロワそのものを肯定し、自らその渦中に放り込まれてさえもロワを楽しむほどの奇人だ。
そんな彼をもってすらも、この危機は脱しがたいものであった。

「久しぶりのシャバなのさー。(にょろり)えへへー」

てっきりまたピカチューの時のように変なものまねをするのだと思っていた。
将軍が今さら変な注文をしたところで、いつものことだと割り切っていた。
割り切っていたのだが……。

「流石電脳世界だねー。何でもありなのだ☆(ずるりん)」

ごめんなさい。すごい気になります。振り向いてもいいですか?え、ダメ?でもさ、これもうロワとか関係ないよね?

「えへへー巧妙に隠してはいるけど僕の眼は欺けないのさー。穴という穴から侵入するのさー(ぬちゃっ)」

ほ、ほら。僕も一応男性だしさ、怖いもの見たさと一緒に別の欲求もあるわけでして……。

「泣きたいの?だーめ、お口の穴も塞いであげるよ。面倒でしょ?誰か来たら(ちゅぽん)」

だ、だめだ!見たい!ものすごく見たい!
けどどうする!?鶴の恩返しとかじゃつるどっか行っちゃうし!でも今の将軍なら……。
ああきっと普通にPCに足生やして去って行きかねないなあ。
でも、パソコンで触手なうえにあんなセリフって。釣りだとわかっていても耐えられない!

ごめん、書き手ロワ2のみんな。例えピーでグロな光景でこのスレ削除されるリスクを冒してでも僕は!
ガバッと誘惑に負けて振り返るLX。




果 た し て 彼 が 眼 に し た 光 景 と は ! ?



書き手ロワ2 完!! ご愛読ありがとうございました。またどこかで会いましょう。

3533貫き通すは『ギャグ』と『愛』:2008/04/30(水) 04:30:13 ID:aSIg8Olw0











 ◆ ◆ ◆

★コロンビーヌ>いいギャグを
★ギャグ将軍>いいラブを
★コロンビーヌ>あらあらえらく福祉的な帝国よねん。またね、将軍。
★ギャグ将軍>安心せい!育児休暇もばっちりよ
★コロンビーヌ>新生クライシス帝国に産休ってあるのかしらん?
★ギャグ将軍>ではな、コロンビーヌよ。子が生まれたら是非とも見せてくれ。
★コロンビーヌ>私もよ、オジ様
★ギャグ将軍>うむ、久しぶりにそちと話せて楽しかったぞ!

   ・
   ・
   ・
   ・
   ・
   ・
★コロンビーヌ>もう、わかっててやったのよねん?オジ様のいけず〜
★ギャグ将軍>全く、笑いごとではないわ!
★コロンビーヌ>きゃはは、何それ、超受ける〜
★ギャグ将軍>というわけでな、危うくこのロワが打ち切りになるところであった
   ・
   ・
   ・
   ・
   ・
   ・
★コロンビーヌ>あらん?何か新機能が出たと思ったら、奇遇ですわね、オジ様♪
マスター >コロンビーヌさん、いらっしゃい
★ギャグ将軍>む?変な所に出てしまったようだのお
マスター > ギャグ将軍さん、いらっしゃい

 ◆ ◆ ◆

3534貫き通すは『ギャグ』と『愛』:2008/04/30(水) 04:30:43 ID:aSIg8Olw0



「っは、僕はいったい何を……」
「危ないところであったな、魔王よ。後10秒早く振り向いていたら、危うく抑止力をごまかせない所であったぞ」

目を覚ますと見知った金ピカの声が流れてきた。
どうやらiPodを着けたまま意識を失ってしまっていたらしい。
らしいというのは、どうもその前後の記憶が曖昧だからである。

「ねえ将軍。僕は何で気絶したんだっけ?」
「世の中には知らない方がいいことも多いのだぞ、魔王よ」

そうかもしれない。何故かすんなりと納得するLX。
彼が何を見たのかはこうして闇へと葬られた。




「それで将軍。有益な情報は手に入ったの?」
「当初の予定とはちとずれしたが、コロンビーヌの支給品に繋がったのは幸運だったは」

巧妙に隠されたプロテクトの穴という穴から自身の分身を侵入させることに成功したギャグ将軍だが、
どうも『柿テロ猥・R2‐ND』のやや外れに出てしまった。
書き手ロワチャット。『柿テロ猥・R2‐ND』からのリンクを閉じられていたそこが、将軍の介入で運よく解禁したのである。

早速旧交を温めた二人はしばし言葉を語ったのち、情報交換へと移行。
その時にコロンビーヌから『孤城の主』の途中経過と、WIKI内の情報やSSのコピーをいくらか貰えたという。
惜しむべきは相手が携帯電話であったため一度に送れるデータ量や残り充電率の都合から、
現時点で更新されていた全情報を手に入れられなかったことだ。
もう一度ハッキングを仕掛けるという手もあったが、地図氏作のワクチンは自己進化技能があること、
また将軍の全力は色んな意味で自主規制なことから再挑戦は危険だと判断。
『柿テロ猥・R2‐ND』への干渉は打ち止めることとなった。

とはいえ今回の件で手に入れた情報は考察面で大きな助けになることは間違いない。
LX達はすぐさまSSのフラグ整理や伏線回収を開始したのであった。

3535貫き通すは『ギャグ』と『愛』:2008/04/30(水) 04:31:08 ID:aSIg8Olw0








「このぶたちゃんはおかいもの♪ このぶたちゃんはおるすばん♪ 悪く思わないでね、オジ様♪」

その背に羽を宿しながらも、コロンビーヌは飛ぶのではなく、跳ねるように夜を行く。
データ送信量や充電うんぬんというのはあながち嘘ではない。
只彼女はあえてギャグ将軍に『黒猫』に関する核心的な情報の部分を優先的にぼかす形で渡したのだ。
自分と同じく真摯にこの世界に向き合うギャグ将軍が、本気で仲間達の死に憤っており、
且その内の幾つかに直接的にも間接的にも666の影響を見てとったコロンビーヌがお節介を焼いた結果である。
666が最終フェイズに入った今、ギャグ将軍、ひいては速筆魔王に横やりを入れられるには不味いと踏んだからだ。

勿論あまりにあからさまだと怪しすぎるので、適度に情報は流してある。
同様に他参加者の情報も必要とはいえ幾分か削っているのだ。
疑問に思われたとしても、666=『黒猫』とはそうそう発覚しまい。
どちらかといえば多少は疑って興味を持ってくれた方が、666の望むように『白猫』達との合流もスムーズに行くだろうが。
また将軍が最も興味を持っていたのは、新生クライシス帝国のメンバーの死に関わった者たちの情報であったことも幸運だ。
何よりも変態三人に襲われかけたあたりで更新が止まってるエロスの鐘の存在が大きい。
主催者の分身ということもあり色々な意味で666以上に眼が行くはずだ。


とはいえコロンビーヌはギャグ将軍に死んでほしいわけではない。
『孤城の主』を生き延びるかはわからないが、影の繋ぎ師が将軍や熱血怪人に対して抱いていた誤解については教唆しておいた。
繋ぎ師の方はというと説得時にぶっちぎりそうだが、それはそれでちょうどいいくらいのギャグ展開になるに違いない。
うまくいったらその時繋ぎ師と紅茶を飲む為にお邪魔してみるのも面白い。


「うふふ、この後どうしようかしらん?」

そのエロスの鐘も偽恋フラグを立てようとしているらしい。
相手は又もやバトルマスター。
彼としたらば孔明との間に何らかの形で恋愛フラグが成就したのは察知済みだが、果たして今回はどうなることやら。
最後の詰めに入ろうとしている666も同様に気になる。
うふふ、まったく新しいフラグも万々歳なのだけどねん♪
なんせどのエリアにでも急行できるよう、地図の中心に陣取っているのだから。


「ど・ち・ら・に・し・よ・う・か・な〜♪……でも、その前に」

3536貫き通すは『ギャグ』と『愛』:2008/04/30(水) 04:31:38 ID:aSIg8Olw0
思わず自身のサガに従いかけたコロンビーヌだったが、一度目を閉じ深く息を吸い、吐く。
ギャグ将軍との情報交換、第三回放送、恋愛察知能力、『孤城の主』。
優先順位は常に最下位ながらも、どこかで常にコロンビーヌが心配していたかっての新生クライシス帝国のメンバー。
既に結成当初のメンバーたるコロンビーヌとギャグ将軍以外の死は確認された彼らを一人一人思い出す。


真面目すぎてつまらないChain-情。

むっつり寡黙なシルベストリ。

地味でノリの悪かった焦ったドラえもん。

腹黒で弄ってみたかったフラグビルド。

うっかりものでギャグ展向きだったうっかり侍。

孤高になり切れず、けれどもひたむきだった孤高の黒き書き手。


小悪魔じみていて、なのにどこか天使のような少女は両手を組み祈る。
どうか彼ら彼女らが、愛する鬼軍曹と一緒に死者スレで愛と笑いに満ちた日々を過ごしていますように、と。
それもまた、彼女の抱く一つの愛であった。






天使と魔王と将軍。
彼らの行く末が今後再び交わるかどうかは、今はまだ誰も知らない――


【E−5 学校上空 /夜中】



【コロンビーヌ@漫画ロワ】
【状態】:疲労(小)、ダメージ(小)
【装備】:ゾナハ蟲@からくりサーカス 、携帯電話@現実、腕時計型麻酔銃(残弾1/1)@漫画ロワ
【道具】:支給品一式×2、ティーセット一式、麻酔銃の予備針×3 、変化の杖、キャンディー×2
     焦ったドラえもん・うっかり侍・孤高の黒き書き手の服、対戦車地雷×7個、ポン太くんスーツ@スパロワ(大破)     
【思考】基本:恋愛ばんざい
 0:鬼軍曹を生涯愛し続ける
 1:宿った命を大切にする
 2:愛に介入しようとする邪魔者は倒す
 3:祈り終えたらどうしようかな?


 ※容姿はコロンビーヌ(ロリ)@からくりサーカスです。
 ※ギャグ将軍にシンパシーを感じています。
 ※猫子頭の鬼軍曹と結婚しました
 ※ロワ内の愛を感知できるようになりました。お邪魔虫もわかるようです
 ※真の愛と哀しみを知り、北斗神拳奥義『無想転生』を習得しました。

 ※この後、この場を立ち去ってどこに向かうかは後続の書き手にお任せします。
 ※ドサクサ紛れに、マダオから腕時計型麻酔銃を奪いました。持っていた予備の針を装填済みです。

3537貫き通すは『ギャグ』と『愛』:2008/04/30(水) 04:32:51 ID:aSIg8Olw0




【夜中】
【G-7 市街地】
【速筆魔王LX@アニロワ2nd】
【状態】健康 首輪解除 心機一転
【装備】斬鉄剣@ルパン三世、技術手袋@アニロワ1st
【道具】支給品一式×8、みWiki@らき☆すた?、分解済みの首輪(素晴らしきフラグビルド)
    首輪×3(地味子、◆wKs3a28q6Q、永遠のうっかり侍)、iPod
    コーヒーセット一式@スパロワ、コーカサスブレス&ゼクター@ライダーロワ、
    ジャーク将軍のマント@ライダーロワ、ノートパソコン 杖@ライダーロワ、王者のマント@FFDQロワ
    バヨネット×2、核鉄「バルキリースカート」、ジャッカル(5/6)
    銀河ヒッチハイクガイド、咎人の剣「神を斬獲せし者」@AAAロワ、ドラゴン殺し@アニロワ1st、他にまだあるかも
【思考・行動】
 1:将軍を元に戻す為とりあえず新しい出会いを
 2:道中主催者や真の対主催について考察
 3:熱血怪人の遺志を継ぐ
 4:iPodとノートパソコンの中身を分析する
 5:将軍の電子戦にある意味期待
 6:『白猫』って誰? あと『黒猫』?
 7:対主催陣を探し、ゲームに乗った強敵を撃破していく。
 8:みWiki?まあ、気が向いたらね。
 9:あの連中には借りを返す



※主催者陣営に裏切り者がいるのでは、と考えています。
※首輪の構造を理解しました。
※夢の内容ははっきり覚えていますが、どうでもいいと思っています。
※みwikiが一段階強化されました。意思持ち支給品として近くの参加者と会話できます
※『柿テロ猥・R2‐ND』掲載の情報を一部入手しました。
 新生クライシス帝国に因縁のある相手――主催者・ジョーカーと真の対主催がメインです。
 影の繋ぎ師の情報もそろっています。
 反面『黒猫』の情報を初め、不完全な部分もあります。お任せ。
※孤城の主のコロンビーヌ視点の情報を得ました。
※彼が何を見たのかは、全力で忘れろ!

3538貫き通すは『ギャグ』と『愛』:2008/04/30(水) 04:34:30 ID:aSIg8Olw0
【パソコンの中&iPodの中】
【ギャグ将軍@ライダーロワ】
【状態】:首輪解除 腹部にダメージ(治療中) 電脳空間に幽閉 心機一転 増えた 上機嫌
【装備】:電脳空間なのでない、はずですが……
【道具】:顔写真付き参加者名簿 支給品一覧(パスワードによりロック中) 地図 書き手ロワ2SS一部
【思考】:
 基本:新生クライシス帝国の結成。
 1:閉じ込められたついでに電脳世界を征服してくれよう!
 2:主催者なり真の対主催なりの目的やらなんやら考察してみせよう!
 3:熱血怪人の遺志を継ぎ、熱血王子を救う!
 4:『白猫』を探し出してくれよう!
 5:同胞を冒涜したあの連中は裁きにかける
 6:ついでに飲み友達を集める。
 7:コーカサスゼクターの資格者を探し、コーヒーを飲む。
 8:紅茶を飲むかどうかは保留。
 9:対主催の仲間を集める

※ポケモンの物まねによる影響が各地で現れたかもしれません。ただ、将軍のギャグ補正により悪い結果は導きません。

※なんか増えました。すべてのコピーが同じ能力を持っているのか、実体化出来るのかは不明です。姿は変えれるようです。
※一時的に実体(きぐるみ)を失っているため、キャラに何らかの変化があるかもしれません。
※制限がライダーロワ基準だと思い込んでいます。
※特殊能力:「書き手界の良心」に目覚めました。
  本気の一喝を放つことにより、悪ノリし過ぎている者に自重を強いることができます。
  ただし、ギャグ将軍の性格上、あまり多用されることはありません。
  真剣な人生相談に乗ることも可能。なお、発動中はピンク色がかかった女言葉になります。
※背中に謎のチャックを確認。ギャグ将軍曰く、開けると「大変なこと」になるそうです。詳細は不明です。
 今回の発動はあくまで電脳空間でのなりきり変化の鍵としての解放であって、本来の解放の効果は不明です。
※ノリと思い込みで電脳空間内でかなりの無茶が可能になったようです。またものによっては現実の方が将軍に合わせて動きます。
 例:ピカピカ鳴くとラピュタの雷が勝手に発動します。

※固有結界「コーヒーブレイク」
  優雅なリネン一式の備わったテーブルと人数分の椅子を造り出し、皆でコーヒーを飲んで和みます。
  それ以上の効果は確かめられていません。
  コーヒーセット自体が発動させている可能性があります。

※ノートパソコンの中に、顔写真付き参加者名簿と支給品一覧(パスワードが設定されている)のデータが確認されました。
 また地図を確認。参加者の区別が付かない第三放送時の参加者分布を知ることが出来ます。上級パスでさらに詳しく?
※書き手ロワ2ndに存在するすべての「アドレス」に向けて、データ化されたギャグ将軍が送信されました
※パソコンから『柿テロ猥・R2‐ND』のチャットに出入り可能になりました。

※コロンビーヌと情報交換しました。
※『柿テロ猥・R2‐ND』掲載の情報を一部入手しました。
 新生クライシス帝国に因縁のある相手――主催者・ジョーカーと真の対主催がメインです。
 影の繋ぎ師の情報もそろっています。
 反面『黒猫』の情報を初め、不完全な部分もあります。お任せ。
※孤城の主のコロンビーヌ視点の情報を得ました。

3539諸君 私は名無しが好きだ:2008/04/30(水) 04:35:40 ID:aSIg8Olw0
投下終了。いつでも考察に進めるようにしてみた。
尚、将軍については何か勝手に動かれたw

3540諸君 私は名無しが好きだ:2008/04/30(水) 18:09:27 ID:D3rKo6cY0
遅ればせながら、投下乙です!
ついにピカチュウ将軍がきたかw
みWikiもすっかりチームの一員としてなじんでるなあw
GJでした!

3541諸君 私は名無しが好きだ:2008/04/30(水) 19:09:40 ID:GRLSvUuk0
投下乙。
将軍が……なんて恐ろしいw LX氏もあっさり納得するなよw
コロンビーヌも株を上げてるなぁww
666氏などの暗躍の余地を残しつつ、将軍たちに情報たっぷり渡すとかさぁ……w

3542諸君 私は名無しが好きだ:2008/05/04(日) 21:43:01 ID:DDQNk8Sk0
投下します。

3543Face of Fact:2008/05/04(日) 21:45:42 ID:DDQNk8Sk0
白き翼を羽ばたかせ、半壊した病院を背に少女が駆ける。
名は予約被りに定評のあるtu4氏。
上段に構えるは大剣――永遠神剣『存在』。
つい先ほども振るわれた剣を、再度少女は猫耳を生やした彼女の敵へと振るう。

金属音。

肉を切り裂き骨を絶つはずだった一撃は、割って入った男の剣に防がれる。
こちらもまた巨大な剣だ。大きさだけなら翼の少女の剣をも上回る。
竜殺し。
神ならぬ人が鍛えし剣。
されど侮る事なかれ。
神の化身とも敵対者ともされる竜を断ち切るだけの暴力を秘めているのだから。


「はあああああああああああああああああああああああああああああ!!」
「うおおおおおおおおオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!」


ギュラリ、ギリギリと耳を穿つ激突音が何度も何度も奏でられる。
矢継ぎ早に繰り出される二人の剣戟は、共に得物の大きさからは想像できない速さであった。


「チイッ!」


男の方の剣士――神行太保のDIE/SOULは相手の太刀筋の想定外の鋭さに舌を巻く。
彼の仲間であるネコミミストへの追撃を防いでからというものの、tu4氏の戦闘スタイルは一変していた。
大剣を基盤とした近接戦なのに変わりはない。
ただ今までのような一撃必殺とは違い、速度と手数重視の戦法で攻めてくるようになったのだ。

ダイソウとて速筆で知られた書き手である。一撃一撃のスピードに関しては誰にも負けないという自負はある。
そう、スピードだけならば。

3544Face of Fact:2008/05/04(日) 21:47:15 ID:DDQNk8Sk0
「ただ一撃・・・それが全てを断つ!!!」


重心を低く前に落とし、強く踏み込み、居合いの要領で『存在』を振るう。
竜殺しが私の一撃より早く叩きつけられるも、避けはしない。
迎撃すればいいのだから。
一撃。弾かれる。問題ない。二撃。弾かれる。次はどうだ?
三撃、四撃、五撃、六撃!!
剣を振りぬき、返す刃でまた切りつけ、その動作を以て納刀を繰り返す。
ギンギンギン、ギンギンギンと何度も何度も切りつけられ、竜殺しの勢いが削がれ、遂に止まる。


「くっそおおおおおお!!」


それでもまだ止まってはやらない。
某支給品として猛威を振るった永遠神剣。
その中にあって只一本真価を発揮することのなかった剣。
主な使い手が魔力持ちでなく、その上本人は目立ちに目立ったあの男であったが為に、
頑丈な剣、魔力補給アイテムと化し、スキル自身は終ぞ使われることはなかったその技の名は……


「星火、燎原の、たああああああち!!」


斬り合いの中バサリと身を翻し背を向けるtu4氏。
その行為を単に隙と捉える程ダイソウは迂闊では無い。
それでも、彼はかわせなかっただろう。
巧妙な連続攻撃に隠された針の一刺しに心の臓を穿たれていたに違いない。

彼が、一人だったのなら。

3545Face of Fact:2008/05/04(日) 21:48:14 ID:DDQNk8Sk0
「魔人剣・双牙!!」
「っつ、トリーズンブロック!!」


飛来した二つの衝撃波と黒き障壁が相殺する。
共に顔を歪める二人。
トリーズンブロックは一種のカウンター技だ。
攻撃を受けた方だけでなく、攻撃を仕掛けた方もダメージを受けるのは道理。
とはいえ相手が不死者では大した効果も無いのだが。


「あんた、なんでテイルズの技使えんのよ!?」
「あなただけには言われたくありません、tu4氏いいいいいい!!」


右手にフランベルジュを、左手にアイスコフィンを構えたネコミミストをtu4氏が睨みつける。
確かにアニロワ2はともかく、スパロワやLS、DQFFの能力まで使用する一人多国籍軍にだけは言われたくない。
思わずノリツッコミをしてしまったネコミミストはオホンと一度わざとらしく咳をし、再生を終えた胸を張って答える。
我が身を惜しまず、危機に瀕している『誰か』の為に闘った漢の言葉を。


「我が身は牙持たぬ者の剣也!それが答えだ、tu4」
「……ふん、そういうこと。体は剣でできているってわけ?」


I am the bone of my sword.
正義の味方を志したあの赤い弓兵へと至りうる青年と同じく、初めはただの借り物かもしれなかった理想。
けど、かって体はスクライドでできているの遺志でしかなかったものは、
持前の正義感と幾たびもの出会いと別れを経験することで、今やネコミミスト自身の生き方へと昇華していた。
その在り様故に『なりきり』システムは彼女に新たな力をもたらしたのである。
即ち、解析と投影の力を!!
ネコミミストの所属するアニロワ2に士朗が登場していたのも一つの大きな要因だろう。
そのせいか、能力がアニメ基準な為固有結界は使用不可なのが欠点ではあるのだが。


「あんた、士朗wwwごときの技で士朗(笑)を産み出したロワの前身出身の私に勝つ気?」
「士朗wwwも士朗(笑)も士朗wもどれも士朗らしくて優劣なんて付けられない!ってちっがああああう!!」


再度気を取り直し、ビシっと剣を構えなおすネコミミスト。
ダイソウを助けるのに必死だった為半端に終わっていた解析を再開する。

――――同調(トレース)、開始(オン)
――――基本骨子、解明
――――構成材質、解明


「――――憑依経験、共感終了」


ロイド・アーヴィングの特技・奥義習得成功。
エラー。天翔蒼破斬、習得失敗。

やはりテイルズロワの人間でない自分に秘奥義は習得できないみたいだ。
それでも十分すぎる戦力増加である。

3546Face of Fact:2008/05/04(日) 21:49:13 ID:DDQNk8Sk0
「闇の衝撃に呑まれなさい。ダークインパクト!」


続けてハイパーゼクターを解析しようとするもtu4氏に横槍を入れられる。
地より湧き出る闇の衝撃波をネコミミストも自身の衝撃波で打ち消し、即座にカブトゼクターを呼び寄せる。


「変身!!」


 ―― HENSHIN ――

電子音と共に六角形の装甲を身に纏ったライダーに姿を変える。
直後、ネコミミストを激しい頭痛が襲った。


「っぐ!」


思わずその場に蹲るカブトをtu4氏は投影による反動の浸食だと推測。
チャンスとばかりに闘鬼転生を用いて脳内補完を武装化。
拳を突き出し覇龍を開放する。


「出でよ、覇龍!!轟覇、機神拳!!」


ヒーーーーーーーーーーーーーーーーーーーホーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!

死んでも尚tu4氏に良いところを見せようというかの如く、オーラで象られた脳内補完が吠える。
巨体を一度大きくくねらせ、好いた女への貢物を得ようと爆進し、大きく口を開く。
迫りくる牙を前にしてようやくネコミミストが動く。
何か小声で呟いた後、伏せていた顔を上げる。
より一層強い光をその眼に宿して、ゼクターの角に手をかけ叫ぶ。


「キャストオフ!」


掴んだ角を倒し、電子音と共に装甲が弾け飛ぶ。
ネコミミストは己が手で防御手段たる鎧を捨てることとなったのだ。
数分前のネコミミストなら大いに焦ったことだろう。
でも、今は違う。度重なるライダーグッズの入手にと装着により、ライダーファンとしての知識を取り戻した今の彼女なら!

実体がない故に飛んできた装甲を意に介さず、脳内補完が噛み砕きにかかる。だが――


「クロックアップ!」
『Clock Up』

3547Face of Fact:2008/05/04(日) 21:50:09 ID:DDQNk8Sk0
刹那――カブトの姿が消え、脳内補完の攻撃が空を切る。
主たるtu4氏も対地球破壊爆弾戦を思い出し、内で胎動する『空気』の力を呼び起こす。
引き出す力は、おbsnゲフンゲフン倉橋時深。物語の最後の最後にちょろっとしか出てこなかった空気キャラ。


「あんたがいくら早く動こうとしても無駄。時間ごと早くなる私には決して適い!」


タイムアクセラレイト。自身の時間を加速し驚異的な速度で攻撃する技により、tu4氏もまたダイソウの視界から消える。
互いに超速の域に入り、高速戦が始まる。
ネコミミストは足裏から衝撃波を発生させ接敵し殴りかかるも、元の身体能力で大幅に勝るtu4氏は難なく回避。
お返しとばかりに機神拳でカウンターを試みるtu4氏だが、今度は彼女がかわされることとなる。


「鳳凰……」


覇龍への意趣返しだとばかりに赤き火の鳥のオーラを纏ったネコミミストが飛翔する。
テイルズシリーズ伝統の切り込み技、鳳凰天駆。
フランベルジュを媒介に、炎を帯びた飛翔天駆。
されど締めは刺突ではなく正義の意思を込めた蹴り。


「ライダー、キイイイイイイイック!!」


テイルズとライダーのクロス技にオーラフォトンバリアを打ち破られ、吹き飛ばされるtu4氏。
彼女とてただではやられない。『時詠』と時深の性質を読み込み唱える。


「タイムシフト!!」


ぐにゃりと、時の流れが捩じ曲がり、双方の傷はそのままに時間が少し巻き戻され、戦闘がもう一度行われる。
またtu4氏の攻撃が回避されて終わりなのでは?と思う者も知れないが、違う。
テイルズは、基本技から技、奥義から奥義への連携ができないゲームなのだ。
対するタイムアクセラレイトは最大回数6回。一度の戦闘で三度まで連携できる。
手数の差は歴然である。

繰り返すが、彼女が一人であったのなら。



「ライダースラッシュ !!」


時の流れから隔絶した女二人の戦いに割り込むは、僕らのチート王仮面ライダーBLACK SRX。
ポイズンブラッドとタキオン粒子により構成された光の刃で『存在』を迎撃する。
必殺を期して放った一撃を防がれ、tu4氏は翼を広げ、大きく後ろへ跳躍。
同時にCLOCK OVERの機械音が『2つ』奏でられ、ダイソウの視界に『3人』の人間が姿を現す。

3548Face of Fact:2008/05/04(日) 21:50:51 ID:DDQNk8Sk0
苦渋に舌を噛むtu4氏。
見誤った。時間攻撃が聞かないのはスーパーかがみんから聞いて知っていた。
だから相手に効果を及ぼすタイムリープは使わず、自身への時間操作で加速したのだが。
どうもSRXも仮面ライダーサソード(SASWORD)の力でクロックアップしていたらしい。
小癪にもネコミミストと同時にクロックアップすることで機械音を一人分のものと錯覚させてまで。


「光太郎は直情型の人間だって聞いていたけど、やってくれるじゃない」



性能差をモノともしないシャドームーンの
戦闘技術は伊達では無い。
センシティブイヤーでネコミミストが小声で伝えてきた作戦を聞き取り、冷静に機を覗っていたのである。
物理・熱攻撃無効、太陽エネルギーによる攻撃、月光による無限再生と相性によるところも大きいが、
タイマンでも地球破壊爆弾に勝てるチートオブチート。
シャドームーン分の『なりきり』の影響か明鏡止水の域に達した彼を倒さなければ、空気キャラ達に明日は無い。


「やめろ、tu4氏!!俺たちは貴女と闘いたくはない!!」
「そうです、さっきまで私達に力を貸してくれてたじゃないですか!」
「俺からも訳ぐらいは聞かせて欲しいなあ、嬢ちゃん。あんたには血も涙もあるみてえだが」


彼らは覚えてる。孤高の黒き書き手と影の繋ぎ師の死を不器用ながらも弔ってくれた少女の姿を。


「何を勘違いしているか知らないけど、ただ敵が同じだから共闘しただけよ。
 もうこの世界に空気はいない。精々ほとんど出番のない主催者くらい。
 だったら私はもう他人を気にする必要はない。心おきなく皆殺しよ」


空気キャラの復権の為には、目立つキャラを殺していくしかない。
彼らの地道な努力や活躍が報われるためには、表舞台でスポットライトを浴びている人気者達は邪魔なのだ。
純粋な願いを歪んだやり方で実行しようとするtu4氏を、ネコミミストは救いたいと思う。
空気キャラの多くは牙無き者達でもあるのだから。
その為にもまずは彼女の暴走を止めねばならないと声を荒げる。


「あなたもリレー書き手でしょ!一人になってどうするんですか!独自ルートでも切り開くつもりですか!」



そんな、正義の味方の正論を、王たる少女は、ただの一言で、粉砕、した。

3549Face of Fact:2008/05/04(日) 21:51:50 ID:DDQNk8Sk0
「あはは!なにあんたたち、まだ自分が書き手本人だなんて思っていたの?」


笑う、笑う、笑う。さもおかしげに腹を抱えて空気王は嘲笑う。
ケラケラと、ケラケラと、凍りつき唖然とする三人の書き手を。
ああ、そうだ。これは使える。あいつらの心意気を挫くのにはちょうどいい。
tu4氏は笑みを浮かべたまま、誰もが知りたがっていたことを口にする。


「いいわ、私の首に嵌っていたやっかいな『テイルズロワ』の首輪を外してくれたことだし、少し真実を教えてあげるわ」


これ他の使用済み首輪と違って力業じゃないと解除できない厄介な首輪だったんだから、と。


「ところでネコミミスト。あんたが一番最近に書いた話はいったい何かしら?」
「何を言ってるんですか。そんなのアニロワ2の……え、ライダーロワNEXT!?」
「待ってくれ、ネコミミストさん。ライダーロワは荒れに荒れて2はまだ起動していないはず!」
「おいおい、どうなってんだそりゃ。あれか、お約束の時間軸の違いっつうことか?」


参戦時間軸の違い。いつからかパロロワに取り入れられた舞台演出の一つだ。


「残念。時間軸の違いで呼び出された人も一人はいるけど、それは大した問題じゃないわ。
 ねえ、ネコミミスト。あんたはもう気づいたでしょ?
 ……このゲームに呼び出された当初から、自分の書き手としての記憶が更新されていることに」


「何だって!?」
「本当なんですか!」
「……はい、本当、です」

「仕方ないわよねえ、アニロワ1は既に完結していたから更新されようがない。
 繋ぎ師も漫画ロワに移籍していて、その分の記憶の更新はアルレッキーノに持っていかれたんだから」


いつの間にか書き手としての記憶が更新されている。
完結ロワの書き手ならともかく、現在進行中のロワ書き手からしてはすぐに気付いてもおかしくない矛盾だ。
特に書き手ロワ2に呼び出されて後に完結した、ギャルゲロワ、ライダーロワ、テイルズロワの人間は気付かない方がむしろおかしい。
だが現実はどうだ。ジョーカーであるテイルズ勢は別として、前者2ロワの書き手達はなんの疑問も持たなかった。
仮面ライダー書き手なぞ、熱血怪人に最終回の話題を出されても平然としていたくらいだ。
『なりきり』の真価が存分に発揮されていたからである。
当初から気付けるだけの格をもっていたバトルマスター、速筆魔王LX、The God Of Chaos、ギャグ将軍、コロンビーヌといったメンツが、
それぞれメタ視線を放棄してバトル、ゲーム、カオス、ギャグ、恋愛、と趣味に走りロワを楽しんでいたのも原因だが。


「つまりね。私達はいわゆる残留思念なのよ。
 SSを書くときに私達書き手は色んなことを考えるわ。
 こうすれば面白そうだ。自分はこんな展開が書きたいって。
 そんな作品に込められた思いが、この書き手ロワ2における私達の性格の基盤」
「だが、俺にはぼんやりととはいえSSを書いていた時以外の記憶もあるぜ?」


お姉さまの修羅場ゲーに対するトラウマ、蟹座氏のチャットでの記憶、ロワには登場していないキャラへの知識。
このロワ内では何度か作品関係以外の記憶を書き手達が所持していることが何度か確かに描写されている。
これは自分たちが書き手本人である証拠ではないかとダイソウが問う。
マダオの考察を聞いていただけあって、彼も自分たちの正体には興味があるのだ。

3550Face of Fact:2008/05/04(日) 21:52:29 ID:DDQNk8Sk0
「わかってないわねえ。しっかり思い出しなさいよ。SSを書いているからといってロワ以外のこともあれこれ考えるでしょうが。
 パンダ――ギャルゲロワで流行った親を現す隠語ね――が来たら家族のことを、BGMをかけているならアーティストのこと、
 所属ロワの超えたい人や、尊敬する人のこと。前日にあったチャットのこと。学校や部活、職場のこと。
 書き手にとってSSは、自らの心のうちの『何か』に形を与え外に出す行為。
 だからSSには一人一人の過去や経験も反映されている。これでも説明不足?」
「そ、そんな……」


ネコミストが力を失い崩れ落ちる。
自分が『衝撃のネコミミスト』と冠された書き手本人だと今まで信じて疑わなかった。
身体に関しては本来のものではないとわかっていたが、心まで偽物だったなんて……。
アイデンティティを砕かれ、光を失った少女にtu4氏は尚続ける。


「やっと理解したようね。改造したダイダルゲートを通して、リアルタイムで私達に思念は送り続けられているわ。
 とはいえ、流石にSSに込められた想いだけじゃあ人格を形成させるにはチグハグなのよ。幾分極端な人達も多いし。
 それで器として用意されたのが各ロワを象徴する、あるいはその人に合うとされたキャラの体ってわけ。
 書き手として特化されすぎた思考は主催者にとっても都合が悪かったし、
 『なりきり』システムを最大利用するなら、体ごと用意しちゃうのが一番早いとあいつは考えたのよ。
 まあ、単に首輪だけじゃなくて、体も使いまわしにした方が楽だっただけっていう可能性も否定しきれないけど」


三次元の書き手本来の体を二次元に複製するのはいささか面倒であり、何より書き手ロワの進行にあたって描写しにくい。
ならいっそ、どっかのキャラクターの体をそのまま流用すればいい。
レプリジンといったクローン技術は、各ロワの原作には山ほど転がっているのだ。
単にキャラの体を複製するだけならさほど手間はかからない。


「そうして生み出された身体に私達は千年リングの力で固定されたってわけ。
 後はあんた達も知っての通り。スパロワのクォボレーのようにあんた達は自分の持つ僅かな記憶にしがみついた。
 それでも足りない分は与えられた名やキャラに縋り付くことによって何とか補えていたのよ」



携帯電話でWIKIを読んだ影の繋ぎ師は知っている。
この世界における書き手達の登場話や暗黒覚醒話を。
当然のように超能力の類を初めから持っていたと思い込んでいた書き手達がいた。
読み手様達の為にと躊躇なく他人を殺そうとした書き手達がいた。
もう一人の自分や別キャラクターの記憶や性癖に浸食され、人格を変貌させた書き手達がいた。
自ら死を望む者や、死亡フラグを集める者がいた。
己が望むフラグを立てることに苦心する者達がいた。 
全てを、クライシス帝国の仕業にする、自分が、いた。

どれもが普通の人間として考えられない行動だった。
一人や二人なら、「まあ士朗だし」「まあ赤木だし」「まあ旦那だし」で済む行動だが、これが書き手達の半数以上となると話は別だ。
いくらチャットに出没する人達が「結論『全員変態じゃねーか』 まとめ『やはりそういうことか』」と称される濃い人物とはいえ、
皆良識ある人間と信じたい。多分。きっと。恐らく。……信じていいんだよね?勝手に信じておくよ!?

自分が誰であるのかわからない恐怖から逃れる為に、無意識のうちに『なりきり』を享受した。
与えられた名前こそが自分を表す記号であると強く実感したくて、あだ名通りに行動する者もいた。
主催者の狙い通りに。

3551Face of Fact:2008/05/04(日) 21:53:03 ID:DDQNk8Sk0
マダオ達のように、途中から『なりきり』の呪縛を抜け出しかける者達が現れたのは、
所属ロワにおける投下作品の増加と、ロワ内での生を通して、アイデンティティがより強く確立されたからである。
同様に、アニロワ1書き手の死亡者が当初少なかったのは、唯一の完結ロワであったが故に、
作品数に比例して得られた思念が多く、自分自身への半端な疑惑のが真相だ。

またこのことからも空気でもないのに何故か元ネタ一切なしの体を与えられ、その上で自身を見失わず、
強烈な個性を誇る一人のオリキャラと化した666がどれだけイレギュラーかを証明してもいる。
WIKI管理人からしても彼女は予想外の存在で、だからこそ興味がそそられる書き手なのだから。

それぞれ思い当たるところがあり、顔を伏せる3人に、tu4氏はネタばらしを締めくくる。
あくまでも戦意減衰の為に教えてやったのだ、管理人の目的までばらす必要はない。


「いい?ここで偽者が死んだからって、現実のあんた達が困ることは全くないのよ。痛くも痒くも無いんだし。
 主催の分身である私が保証してあげるわ。だからさ、全部無駄なのよ、あんた達がやってきたことは。
 ダイソウのガッツVSアーカードとか、私の掲げる目的みたいなのはともかくとしてね。
 それもちゃんと叶ったんだし、無様に生き延びることも無いわよね?んじゃ、死んで。
 私の、空気キャラの復権っていう目的なら、この世界の真実にはなんら矛盾しないんだしさ!!」


tu4氏が白きハイロウの翼を大きく広げ、天高く昇りゆく。
させるかと、間髪入れず繋ぎ師もセイリンジャンプで宙に舞い上がる。

後には未だ地に膝をついたネコミミストと、彼女を見下ろすダイソウだけが残された。

3552GO AHEAD!:2008/05/04(日) 21:55:11 ID:DDQNk8Sk0


(っく、どこまで昇る気だ!?)


重力低減装置とSRXの能力を組み合わせ高度600メートルまで跳躍できるとはいえ、基本滑空飛行の能力では飛翔には限界がある。
スーパーロボットSRXへのなりきりもあって、一応600メートルの跳躍限界を超えて飛ぶこともできるが、
白に加え黒の翼も生やし、巨竜まで召喚して先を行くtu4氏との差は中々埋まらない。


(このままじゃ、上昇すれば大気圏を突破しかねない。……まさか!)


WIKIで読んだこのロワのSSの一節を思い出す。
書き手ロワ2 第190話  愛だよ、愛  でさらりと明言されていた一つの事実。
ニートの軍勢と地図氏の戦いはこう評されていた。

『幾ら制限が一時的に無効化された異次元での戦いといえど、あまりにも出鱈目である。』と。

制限が一時的に無効化された異次元、と!!
影の繋ぎ師は考える。ライダーロワでの首輪とは違い、転の言うようにこのロワの首輪は手抜きもいい物で制限に関する装置は無かった。
それでも、tu4氏のジェノバ細胞や、蘇生制限、ボルテックシューターの誘導性など、制限の影響はあちこちに見られていたのだ。

ならば!


(制限は、フィールド自体にかかってる?)


影の繋ぎ師は知らないことだが、その制限はアニロワ2で既に採用されているものだ。
首輪や体を流用した管理人だ。舞台設定もまんまパクリでもおかしくはない。


(だとすると宇宙に行けば制限が解ける可能性が高い。ここまで手抜きな主催者だ。
 制限の範囲を地球?内だけでサボっている可能性も十分ある。何より、何の考えも無しにtu4氏が宇宙に行くとは考えられない。
 そして、もう一つ。彼女が宇宙に行くとすれば、それは……)

3553GO AHEAD!:2008/05/04(日) 21:55:40 ID:DDQNk8Sk0
「GAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!」
「!?!?」


慣れない思考の海に潜っていた繋ぎ師は気付くのが遅れていた。
何時の間にか自身の飛行速度が格段に上がっていたことに。
慌てて下を振り向くと見覚えのある黒い龍が、繋ぎ師を押し上げながら飛んでいるのが目に入る。
ギャラドスではない、ドラグブラッカーが。
繋ぎ師は嬉しくなった。モンスターの中で漆黒の龍が一つになって自分を助けてくれているように思えたからだ。


「俺は大丈夫だから、漆黒の龍さん」


SSを構成するのは、文字や文脈といったデータだけではない。
tu4氏が言ったようにそこには書き手達の様々な想いが込められているのだ。
書き手にとってはその想いもまた大切なSSの一部分だ。
だからこそ、WIKI管理人が許せない。
SSから書き手達の想いの結晶であるらしい自分達が分離されたということは、
自分たちの書いたSSが、想いの籠っていないただの文章の羅列のデータに堕とされたということなのだから。


(おとしまえは取ってもらうぞ、WIKI管理人!!確かに俺達は何時かはSSに戻るべき泡沫の夢。
 だが、その方法も終わり方も、俺が、俺達が、自分の手で選び取る!!)

「行くぞ、ドラグブラッカー!!」



影の繋ぎ師は揺るがない。影の繋ぎ師は挫けない。影の繋ぎ師は止まらない。
彼は光太郎で、仮面ライダーで、一人の書き手の想いの結晶なのだから。




◇ ◇ ◇

3554GO AHEAD!:2008/05/04(日) 21:56:20 ID:DDQNk8Sk0
「わた、わたしが、わたし達が、偽物で、やってきたことが、無駄?」



牙なき人の剣になる。あまりにも過酷過ぎる生を歩んだネコミミストはその誓いを支えに生きてきた。
明かされた真実は、少女の芯を強く打ちすえた。
誰かを守るという誓いは、守るべき命がなければ果たせない。
けど、わたし達の命はみんな作り物で、本物には全く害が無いという。
だったら幾らこのロワで多くを救っても、意味がないじゃないか。
湧き上がってくる諦観に身を委ねる。
tu4氏が主催者の分身であることは、繋ぎ師もバイクで言っていたような気がする。
ああ、それじゃあわたしはもう何もしないでいいよね……。
七氏が言うように、主人公という立ち位置は辛すぎるから。


「武装錬金!!って、何じゃこりゃああああああああああ!?」


無力と絶望に呑まれつつあったネコミミストの意識が現実へと舞い戻る。
キリキリキリと人形じみた動きで首を向けると眼に入ったのは一人の変態の姿。
筋骨隆々でギャランドゥ (アルターに非ず)な肉体を黒ビキニで包み込むガッツことダイソウ、黒い蝶の羽付き。


「っへ、変態!!」



女性としての本能か直前までの沈み様はなんのその、手当たり次第に道具を投げる。
ちゃっかりオーガストランザーやマテリアルブレードも混ざっていたりする。


「ま、待て、誤解だ!って、刃物とか洒落になんねええ!!」


顔を背けているが故に返って危ないネコミミ少女の弾幕を必死にかわすマッスルビキニ。
あまりにアホらしいバッカーノはかれこれ十分ほど続いたのであった。

3555GO AHEAD!:2008/05/04(日) 21:56:52 ID:DDQNk8Sk0
「ぜーはー、ぜーはー。つ、つまり、その姿は制限のせいだと?」
「そうじゃなきゃこんな姿になったりするかよ!」


ようやく落ち着いたネコミミストはダイソウの説明に不思議に思う。


「なんの為に核鉄を使ったんですか?」
「あん?おかしなことを言うんじゃねえ。繋ぎ師と協力してtu4を止める為に決まってんだろが。
 おめえを心配してたらドラグブラッカーには置いてかれるし。核鉄使ったらこん様だしよ。
 つってもどうやら大気圏突破しやがったみてえだから追うに追えねえが」


事も無げに返されるも、謎は募るばかりだ。


「やめて、ダイソウ……。大けがを押してまで、助けに行く意味は無い。
 わたし達の生き死には誰にも悪影響を及ぼさない。だったら、もう「ふざけんな」あ……」


顔面を思いっきりグーで殴られ吹き飛ばされる。
シャリダムや幻夜の体験を共有して痛みには人一倍耐性ができたはずなのに、心の奥底を震わせる重い一撃だ。
けれども、続けて告げられた言葉は、もっともっと、重いものだった。


「てめえ、アニロワ2の書き手だよなあ?じゃあよお。アニメでカミナの兄貴が死んだ時、悲しくはなかったか?」
「そんなの、悲しかったに決まってる!」
「じゃあよお、ニアはどうだ?戴宗は?シュバルツは?」


言葉に誘発され、次々と思い出される大好きなキャラクター達の死に様に目頭を熱くするネコミミストに、
ダイソウは静かに、されど熱く強く語り続ける。



「スパイクが生きていると信じたくはなかったか?なつき達HIMEが生き返って嬉しくはなかったのか?」


これ以上ない最後だと思った。ご都合主義にもほどがあると思った。
それでも、スパイクが実は生きているのではと思ってしまった。
なつきや静留達が笑いあっているのが、やっぱり正直嬉しかった。


「同じようにロワでも読み手として参加者の生死に一喜一憂しなかったのか!?」
「したさ、したに決まっている!!」
「それでいいじゃねえか。本物とか、偽物とか、俺達はそんなのとっくの昔に通り過ぎてんだよ。
 13話、26話、48話。人の生にしちゃあキャラ達の人生は余りにも短けえ。
 実在しない幻想と言ってもいい。でもよお、俺達はそんな幻想を誰よりも愛してんだろ?
 ズガンだろうが、一話退場だろうが、俺達が少しでも書けばあいつらに新しい生を与えてやれる。
 これってさ、俺達がキャラ達に生きていて欲しいっつうことじゃねえのか?
 アルベルトや東方不敗っつう大物から、ワカメやムスカっつうへたれ集漂う悪役達も。
 主人公たちの影に隠れがちな脇役や、ほんの僅かしか登場シーンがねえモブキャラ達も。
 俺たち書き手や、読み手。いや、パロロワ好きに限らずオタクっつうもんは、みんなそんな作り物を愛しているんじゃねえのか!!
 答えろ、衝撃のネコミミスト!!」

3556GO AHEAD!:2008/05/04(日) 21:58:10 ID:DDQNk8Sk0
ビバップが好きだと。なのはstsが好きだと。Gガンが好きだと。Gロボが好きだと。
アニ2に参戦しているあらゆる作品を好きだと、好きになれると気がついたら全力で叫び返していた。
そんなわたしの答えを聞き、にやりと笑みを浮かべて、獰猛にダイソウは吠える。


「なら止まるな。俺達は確かに偽物だ。けどなあ偽物のどこが悪い!!
 二次創作だって詰まる所全部偽物だ。でもさ、俺達書き手は劣悪な偽物を書くか?
 ちげえだろ!本物らしく、されど原作を超える話をかこうとすんだろがあああ!!
 それに、この身に抱いた誇りが例え譲り受けたものだったとしても、俺達が感じてきた、
 そして今も感じている怒りや悲しみや喜びや愛は本物だ!!
 だったら続きを書き綴れ。衝撃のネコミミストってキャラはまだ生きてんだろ。
 そいつはこれっしきのことで立ち止まるようなヘタレキャラなのか、ええ!!」


思い出す。
颯爽と助けに来てくれた体はスクライドでできているのことを。
笑って死んでいった幻夜・フォン・ボーツスレーことを。
いつも隣に居てくれた派手好き地獄紳士『666』のことを。
どこか似た者同士だった静かなる 〜Chain-情〜のことを。

ああ、そっか。彼等が死んだ時の悲しみは、偽物なんかじゃない。
彼らから受け継いだ遺志は、誰にでも誇れる私の意志だ。
だから、こんなにも、胸を張って、答えれる。


「……言った、はずです」
「ああん?聞こえねえよ、小娘。もっと大声で言いやがれ」
「言ったはずです。この身は牙無き者の剣也と!!」
「っへ、一著前に言ってくれるじゃねえか、後輩さんよ」


わしわしと頭をなでるダイソウの掌がくすぐったくて、でも少し嬉しくて。
ロワ書き手として相応しくない考え方だが、もう誰にも死んで欲しくないと思った。
その為にもまずは投げて散らばってしまった剣や支給品を拾いに行こうとして、
先にもう一つ言っておくことがあったなあと思いなおし、ダイソウに振り向く。


「ダイソウ、その姿、いい加減、解いてください。そろそろ、慣れてきたからか、おかしく、思えてっ」
「おめえが手こずらせるからだろがああああああああああぁ!!」

3557GO AHEAD!:2008/05/04(日) 21:59:52 ID:DDQNk8Sk0
深夜】【E-8/病院】


【神行太保のDIE/SOUL@アニロワ1st】
【状態】:疲労(大)、全身火傷(処置済み)、右指炭化(処置済み)、胸に刀傷、核鉄による治癒中、迷いはなくなった
【装備】:竜殺し@ベルセルク、ガッツの装備一式@ベルセルク、
     ガッツの義手@ベルセルク、核鉄(ニアデスハピネス)
【道具】:支給品一式×2、拡声器
【思考】:
 基本:アーカード(地図氏、マダオ)は殺すつもり。(だったのだが……) 対主催を集める
 1:繋ぎ師とtu4氏の結果が気になる
 2:ナナシと出会ったら、決着をつける!
 3:tu4氏の話も伝えるか


 ※容姿はガッツ@ベルセルクです。
 ※神行太保・戴宗の神行法(高速移動)が使えます。
 ※ラディカルグッドスピード腕部限定は、腕だけが速く動きます。
 ※地図氏(地球破壊爆弾No.V-7)がジョーカーではないかと思っています。
   ジョーカーに襲われた事と合わせての考察はまだしていません。
 ※自分が本物の書き手なのか疑問が解決しました。他の書き手への躊躇いはお任せします。
 ※核鉄(ニアデスハピネス)は制限により、使用中は強制的にパピヨン姿になります。でも戻るので安心ですね。
  制限を知りました。
 ※黒猫がすごく気になる
 ※バイオライダーにより首輪を解除されました。
 ※tu4氏から、このロワにおける参加者の正体を聞きました。


【衝撃のネコミミスト@アニ2nd】
【装備】:マテリアルブレード@テイルズロワ、クラールヴィント@アニロワ1st、バリアジャケット
【所持品】:支給品一式×3、拡声器、オーガドライバー(オーガストライザー付属)@ライダーロワ 、
      核鉄『ブレイズオブグローリー』@武装錬金 、カブト装備一式(ハイパーゼクター付)
【状態】:不死者化、深い悲しみ、さらに強い決意
【外見】:バリアジャケットの白いリボンドレス。
【思考・行動】
 基本:前に……進む!
 1:投げたアイテムを回収する。
 2:繋ぎ師とtu4氏の結果が気になる
 3:地球破壊爆弾No.V-7は死んだのかな?。
 4:スクライドの遺志を継ぎ、牙なき人の剣になる。

 ※衝撃波を使えます。掌からだけでなく、足の裏からも出せるようになりました。
 ※「大あばれ鉄槌」を幼女好きの変態と勘違いしています。
 ※シャリダムを通じて幻夜の死体を喰い、その記憶と知識と経験を得ました。
  また、ブックがロワに来てからシャリダムが生まれるまでの経緯を体験しました。
 ※自分が主人公、そして黒猫という単語に引っかかっているようです。
 ※第三回放送を聞き逃しました。
 ※バイオライダーにより首輪を解除されました。
 ※tu4氏から、このロワにおける参加者の正体を聞きました。
 ※強化・投影能力を習得しました。何が投影できるかはお任せです。無限の剣製は使えません。

※マテリアルブレード他ついでに、以下の物がこのままでは二人に回収されます。

仮面ライダー書き手の所持品
カイザギア@ライダーロワ、サイドバッシャー@仮面ライダー555
支給品一式 、カードデッキ(ベルデ)@仮面ライダー龍騎 大鉈@ギャルゲロワ

クールなロリスキーの所持品
支給品一式、着替え用の衣装(複数)、『村雨健二』の衣装、裸エプロン(キュートなシルク仕様)、
日焼け止めクリーム(大量)、未定支給品×?(本人確認)

破損状況などはお任せします。

3558チート頂上決戦/刻め、我が存在を!!:2008/05/04(日) 22:02:19 ID:DDQNk8Sk0
フローズンアーマーとウォーターシールドにより耐熱処理を施し、
大気圏を突破したtu4氏の前に現れたのは、何とも簡略化された宇宙の姿。
地球は青かったとか、宇宙は俺の海だとか、そんなロマンをちっとも感じさせない平淡な世界。
まるで、古いシューティングゲームの背景のような、いや、これは……。


「へ〜、そういえばジョーカーでニコロワ勢を呼んでいたっけ。成程、おあつらえ向きね」


ニコロワの主催者が一人、マルク。
彼の出典である星のカービィ スーパーデラックス内のラストシナリオ、銀河にねがいを。
それは「カービィたちの住むポップスター上空で太陽と月が突如大喧嘩。滅茶苦茶になった昼夜を戻すため、
カービィは願いをかなえてくれるという大彗星ギャラクティック・ノヴァを呼ぶ為に七つの星々を廻る」という物語だ。
当然のことながらステージセレクトの場面は宇宙であり、つまり、今目の前に広がる手抜きな光景そのものであった。

尚、tu4氏はアニロワ1の空気王キートンの支給品テキオートーの効果により、宇宙でも問題なく活動できたりする。
地形適応宇宙Sのヤルダバオト(神化)補正で地上にいるかの如く、身のこなしもバッチリである。


「う〜ん、太陽や月に顔がついているのは少しやりにくいけど、仕方ないわね」


右腕をエンジェルアームに変形させて掲げる。
大気圏を突破することにより威力が減衰していたにも関わらず、月に穴を穿った砲撃だ。
『空気』の力を上乗せすれば星一つ破壊することも楽勝だろう。


「さあ、目覚めなさいエンジェルアーム。私に、その真価を見せろオオオオオオオオオオオオオオオオ!!」


一部が黒く染まった髪を揺らし、tu4氏はエンジェル・アームの発射体勢に入る。
背の白黒二対のウイング・ハイロウが素早く明滅し、ゴッドフィールドを思わせる円環が形成される。
そして遂に圧倒的な極光が砲口より迸る。
進路上の邪魔なデネブを次々と飲み込みつつ、目標へと突き進んだ超高熱の閃光は、あわや着弾するというその手前で、


「天上天下、陰陽爆砕剣!!」


太陽と月を思わせる、橙と銀色が混ざりあった巨大な光の刃に断ち切られることとなる。


「来たわね、チート王!!」
「来たぞ、空気王!!」


真空の世界、闇と光が織り成す宇宙というフィールドの中、書き手ロワ中戦闘力最強ランクの二人が対峙する。
影の繋ぎ師の背後では、月が煌々と二人の書き手を照らすように輝いていた。

3559チート頂上決戦/刻め、我が存在を!!:2008/05/04(日) 22:03:35 ID:DDQNk8Sk0



◇ ◇ ◇




影の繋ぎ師が変身する仮面ライダーBLACL SRX。
その元ネタたる仮面ライダーBLACK RXには弱点は無いものとされている。
腹部にある太陽光を取り入れて蓄積するサンバスクというシステムを破壊されると能力が減退するという弱点が、
『太陽光線とキングストーンのエネルギーにより一瞬で再生する』機能によりカバーされているからである。

しかし、このことは裏を返せば『体の中にあるキングストーンはともかく、太陽さえ破壊すれば』RXから再生能力を奪えることとなる。
パワーアップしたSRXでも基本は同じはずだ。太陽だけでなく月も破壊。
その上でサンバスクにあたる部分(ネオバスク)を破壊できれば予約被りのtu4氏にも勝機が出てくるということだ。
tu4氏はその閃きに賭け、制限が解ける宇宙にて、まずは破壊できることが確実である月を撃ったのだ。
紙一重の差で第一撃は阻止されたが、こうなることは覚悟しての行動だ。



「俺達は、歩み寄れないのか、tu4氏……」
「くどい!この世に王は一人だけでいい!!……なんてね。
 ねえ、影の繋ぎ師。あんたさ、私の話聞いていたよね?何で足掻こうとするの?」


差し伸べられた手を振り払い、けれどどこか泣きそうな顔で少女が男に問う。
男の答えは決まっていた。


「tu4氏に、仮面ライダーになって欲しかったからだ!!」
「っぷ、あはははは、何よそれ!?質問の答えになっていないじゃない。あんた偽物なのよ?」
「俺は、あなたの言う『なりきり』に、多分一番影響を受けている方の書き手だと思う。
 でも、俺は今の自分が嫌いじゃないんだ。むしろ、好きかな。
 光太郎のように単純で、陽気で明るくて、でもどこかで孤独を恐れてて、
 心の奥底では悩んでて、それでも前に突き進む、今の俺が。
 だから俺は、このままの俺で行こうと思う。俺が認める、この俺で。
 多分、ディーさんが言いたかったのは、そういうことだとも信じてるから」



影の繋ぎ師。
誰よりも仮面ライダーが好きで、誰よりも仮面ライダーのキャラを書ききった男の一人。
だから彼は肯定する。最も楽しい時間の思い出と、最も好きなヒーローの体と心で構成された今の自分を。
そんな繋ぎ師に笑みを浮かべ、それでもtu4氏は退くつもりは無い。


「そういえば、自分を信じる自分を信じろって残月も言っていたっけ」


何故なら彼女もまた今の自分を強く肯定しているものの一人なのだから。

影の繋ぎ師がtu4氏の言葉に眉をひそめる。
底上中の残月は第三回の放送までに死亡しているのだ。
柿テロ猥・R2‐NDで更新されていたSSで、残月に関するSSは彼女の死まで読んだはずである。
なのに、覚えがない。残月がカミナのセリフを用いたSSなんて!!

3560チート頂上決戦/刻め、我が存在を!!:2008/05/04(日) 22:04:55 ID:DDQNk8Sk0

「くすくす、あんたが知らないのは当然よ。だって、書き手ロワ2ndのwikiで 見る事ができた項目は、
 ロワ本編・最終登場時刻・参加者名簿・死亡リストだけ。ねえ、繋ぎ師?……私の名前を、言ってみろっ!!」
「予約被りのtu4氏……予約被り!?そうか、没SSか!!」


パロロワの世界は予約合戦敗北や使用予定キャラの死亡により、止むを得ず書きたい話が没になることが多々ある。
そのせいで没になったSSが、没SSだ。最近のロワにおいてはしたらばにおいて没前提で投下されたりもする。

そう、tu4氏自身の生来の力は『空気』に非ず。ありとあらゆる没展開を操る力!!



「だからね、こういうこともできんのよ!!グラビティ・テリトリー展開。
 並びにダークフォトンバリア、ぴぃたんぶろっく重複発動。G−MAX!!」


物理・属性攻撃に対するアセリアシリーズ最強のカウンタースキルと重力障壁を発動し、全速力で突撃する。
G−MAX。かってスパロワにおいて自己再生を繰り返す敵を倒そうと、あのマサキが使った戦術だ。
自身を速度・質量・バリアを併せ持つ砲弾と化し、常に攻撃力を保った状態で相手に接触し続ける。
これなら如何な再生力を誇ろうと、再生するたびに破壊できる。


「無駄だ、チェンジロボライダー!!」


だが相手は名高きチート王。三重の攻性防壁に押し切られても、罅一つ入らない。
壊すことができないなら意味が無いと、tu4氏もG-MAXを解除する。
没ネタとはいえチート強化された究極ロボヴァルシオンをも破壊した技が全く効かない事態にも焦りはしない。
予想できてはいたことだ。大気圏を超え制限が解除されているのは相手も同じだ。
その上、宇宙というフィールドにおいては、もう二つSRXに味方するものがある。
太陽と、月である。
地球上ではほとんど同時に空に輝くことはない二つの星の加護を、宇宙では常に受けられる。
今の仮面ライダーBLACK SRXはそのスペックを最大限に発揮できるのだ。
後言うまでもないがスーパー1補正でSRXも宇宙で普通に声を出せたりする。



「っつ、ヘブンズソード!!」


『存在』を上段の構えから一気に振り下ろすtu4氏。
繋ぎ師はサタンサーベルとリボルケインで受け止めるとともに、ダブルリボルクラッシュを発動。
双剣から発生した衝撃波に『存在』が打ち上げられ、バランスを崩したtu4氏にすかさず追撃を叩き込む。


「SRXパンチ!!」
「空輪脚!!」


脇腹を持っていかれるも、空気王も負けじと鋭い回し蹴りでSRXの左足を刈り取る。
が、恐るべき反射神経で直前にバイオライダーへと変身。
ゲル化により蹴りをいなし再度SRXに変身し、両手を零距離で突き付ける。


「ダブルストーンビーム!」


月と太陽の光をフルチャージしたエネルギー波が両の掌から放射される。
光線などという可愛いものではない。津波としかいいようのない光が、幾つもの隕石群を飲み込んでいく。
とっさに『空気』を『聖緑』に変化させ、防御力9999のディフェンススキル、アブソリュートで身を守る。

ドッゴオオオオオオオオオオオオオオオ!!

3561チート頂上決戦/刻め、我が存在を!!:2008/05/04(日) 22:05:42 ID:DDQNk8Sk0

スパロボ演出さながらに星を砕き、爆散させる快光線を尻目にtu4氏が再び腕を変形させる。
否、それだけでは無い。左腕には竜の籠手を装着し、デジバイスをエンジェルアームと同じく前へと突き出す。


「進化し、神化せよ、エンジェルアーム!!真覇、双天使砲!!」



掛け声に合わせて左腕までも龍を模した巨砲へと姿を変える。

そのtu4氏の対抗するかのように繋ぎ師もワルキューレをデイパックより取り出す。
と、不思議なことにワルキューレがRXの愛機たるアクロバッターへと生まれ変わり、
更に主のパワーアップに合わせてもう一段階姿を変える。即ち……!



「創世と破壊の力よ、ここへ集え!!天上天下、光王一撃必殺砲!!」



二対の一丁の天使の腕と一騎の光機動生命体の砲口が、互いに互いを射抜かんと睨み合い、吠える!!


「『空気』よ、今ここに汝の存在を示せ!!ファイヤアアアア!!」
「キングストーン、フルドライブ、いっけえええええええええ!!」




◇ ◇ ◇




閃光が黒き宇宙を白く染める。
共に惑星を軽く20個は壊す事の出来る一撃は、ほんの僅かにSRXに軍配が上がった。
やはり、決めカットにおける派手さが、あっちの方が上だったからだろう。
そんなことを頭の片隅でちらっと考えるも、今やるべきことはそんなことでは無いと空気王は雑念を切り捨てる。
不利な状況に変わりはないが、それでもtu4氏は笑みを浮かべていた。王はふてぶてしくなければならないからだ。
それに、相手は宇宙を含む世界丸ごとの消滅時に起きた爆発すら耐えたチートの進化形だ。
直撃したところで月や太陽はともかく、SRX本人は倒せないとは踏んでいた。
その第一目標たる月と太陽も見事に健在なのだが、当初の予定通り流石のSRXも二代巨砲の激突の余波を受け、大きく仰け反っている。
……あれだけの攻撃の応酬で仰け反るだけってほんとふざけてるは、あんた。


対して、私のダメージは半端ではない。ぶっちゃけすんごく痛い。
ジェノバ細胞が制限から解放されていなかったら、間違いなく死んでた。
そもそもWAAは囮として放ったのだから、防御も再びアブソリュートで事前に固めてはいたんだけどなあ。
やっぱり防御力9999でもフル改造11000相手には荷が重かったらしい。
それでも。戦いが始まって以来初めて繋ぎ師が見せた大きな隙なのだ。

真の切り札を切るのなら、今を置いて他にない!!
すーはー。宇宙でやるのも変だが、深く息を吸い呼吸を整える。

3562チート頂上決戦/刻め、我が存在を!!:2008/05/04(日) 22:06:44 ID:DDQNk8Sk0

よし。


「空気王が命ず、『世界』の欠片よ、我が前に来たれ!!」


召喚するはアヴ・カムゥの残骸の傍に刺さったまま、結局放置された『世界』の一部である青い六本の刃。
いかにも何かありそうに書かれたものの、結局は回収されず空気となった伏線。


「続けて命ず、『存在』よ、没の海を駆け『永遠』と化せ!!」



永遠神剣第三位『永遠』。同じ第三位『時詠』が時深の生来の能力抜きでは全力行使できないからと通ったのに対し、
あまりにもバランスブレイカー過ぎると、没になり『存在』と置き換えられた剣。
それを自身の能力で没の世界から呼び覚ます!!


「さあ、これで仕上げよ!!見なさい、影の繋ぎ師、これが私の最後の進化!!……s.CRY.ed!!」



s.CRY.ed。其は進化の言葉なり。
アニロワ1で劉鳳の腕に刻まれたままカズマに届かかず空気と化した言葉。
漫画ロワの没ネタでアミバ、劉鳳と幾つも投下された言葉。
空気と没を束ね、進化の言葉そのものを進化させると共に、青き剣を全て砕きマナと化す。


ヒュオオオオオオオ!!
呪文に誘発されるかのように、宇宙に風が吹く。
否、違う!これは風では無い。空気だ、空気が真空の世界を満たしていく。

永遠神剣第一位『空気』はその名が表すように、透明無形の神剣だ。
決まった姿がないからこそ、自由自在に姿を変え、別の空気キャラの能力を使用する媒介と成り得たのだ。
その空気が今、度重なる進化の末に無数の形を得て世界に己が存在を刻む。

繋ぎ師の眼前で空間が歪み、幾つもの剣を形成す。
永遠神剣第一位『叢雲』『宿命』『運命』『聖威』に。
同第二位『聖賢』『再生』『時逆』『探求』『堕落』『縁思』『虚空』
『秩序』『世界』『無限』『赦し』『悟り』『願い』『星天』『紡ぎ』に。
その力は、思っただけで世界を滅ぼす、睨んだものを素粒子まで分解する、
他者の願いを具現化させて別の世界を作り出す、などなどといった邪鬼眼設定を素で行く武器である。
最強主人公スレではその一本一本が仮面ライダーBLACKRXの上位をいく剣が計19本!!

これぞtu4氏の切り札。多段進化による空気能力の最大解釈によるリミテッド・エタニティ・ワークス(神剣有限剣製)!!

3563チート頂上決戦/刻め、我が存在を!!:2008/05/04(日) 22:07:15 ID:DDQNk8Sk0
「っく、これもWIKI管理人の仕業か!?」


さしものの影の繋ぎ師もありえない光景に戸惑いつつ、お約束のセリフを吐く。
あらゆるものを見抜くマイティアイ改は悲鳴を上げっぱなしだ。
ライダーロワ所属である彼もどれだけ切迫した事態であるかを嫌なほど理解した。
それだけのことをやってのけた少女を負けじと睨み、愕然とする。


「いいえ、違うわ。私は私、予約被りに定評のあるtu4氏の仕業よ」


聞いた覚えのある、しかし聞き慣れない声だった。


「tu4氏?その姿はいったいっ!?」


声だけでは無い。tu4氏はその姿を大きく変えていた。
少女を取り囲むように舞うは、四対八個のハイロウ。
白黒両ウイングハイロウ、シールドハイロウ、スフィアハイロウだ。
加えて双覇龍と化した脳内補完が少女を守るかのように新たな聖獣として身をくねらせている。
まるで、『空気』の元聖獣、沙羅さんが初登場した時に従えていた十の光球を思わせる十の光……。
だが何よりも目立つのは、その中心たる少女の姿。
沙羅さん、ではない。このロワのオープニングにて目立ちに目立ちあらゆる書き手の脳裏に刻まれた少女。

空鍋こと芙蓉楓!!


「ああこれ?第二位はともかく第一位4本の力を行使するのはちょっと無理があり過ぎたみたいでね。
 マナをありったけ持っていかれたわ。全く、『世界』の一部を砕いたくらいじゃ足りないったらありゃしない。
 おかげで姿までもどっちゃったし、でも口調は沙羅さんのままでこの様よ」


やれやれと手を広げ大げさなポーズを取る少女の身体からは、良く見ると金の粒子が絶えず零れ出している。
このままでは後数分でtu4氏のマナが枯渇しきるのは誰が見ても明白であった。
避け得ぬ未来を予知し、繋ぎ師の表情が悲しみで彩られる。
けれど、空気の王は、王に相応しく堂々と怨敵を見据え、告げる。


「私が自分で選んだ道よ。あんたに悲しまれる謂われはないわ」


せめてエターナルになっていたなら、完全な死が訪れることはなかったのかもしれない。
そのことを分かっていて尚、世界移動の際にあらゆる存在の痕跡が消えることを嫌い、
エターナルにならないことを選んだのだから。



「さあ、私は全てを出し切ったわよ、影の繋ぎ師。『必殺技は受け止めなければいけない』。
 もうひとりのあんたの言葉だっけ?管理人を通して知ったわ。
 ねえ、あなたは私の全てを、空気達の存在を真っ向から受け止めてくれる?」

3564チート頂上決戦/刻め、我が存在を!!:2008/05/04(日) 22:08:47 ID:DDQNk8Sk0
チャージアップ。影の繋ぎ師が呟き自身のリミッターを解除する。
彼の顔に既に悲しみは無く、覚悟を決めた戦士の顔だった。


「当方に、あなた達の全てを受け止める用意あり!!」


tu4氏が用いたもう一人の自分の言葉に、もう一人の自分が愛したロワのキャラのセリフで答える。
せめて、空気キャラ達の全てを受け止めることこそが、彼女にとっての救いだと信じて。
アナザーシャドームーンのように、SRXの鎧の一部が頭部を中心に赤く染まりだす。
チャージアップで全能力を100倍にしたとはいえ、まだ足りない。
シャイニングフォーム、サヴァイブ、スサノオことJUDO。ありとあらゆる力を重ねがけする!!


「行くぞ、空気王!!空気の貯蔵は十分か!!」
「ぬかせ、チート王!!チートの貯蔵は足りてるか!!」


手に持つ『永遠』を加えた20本の神剣に光が集い、膨張する。
数を重視したため、20の神剣をtu4氏は自在に操れない。
だったら、剣を剣として使うのではなく、赤き弓兵のように火薬として扱えばいい。

――ブロークン・エア

世界を100回は滅ぼしきる爆発が、遥か宇宙の彼方まで響き渡る!そして……

3565最後の空気王:2008/05/04(日) 22:10:43 ID:DDQNk8Sk0






「貴方は、馬鹿だ、tu4氏……」


白い、白い、白い世界。
ブロークン・エアは宇宙の大半を消し飛ばし、何も描写されていない白紙へと戻した。
地球破壊爆弾との戦いで『空気』本体のマナが消費されていなければ、全てを滅ぼすことも可能だったかもしれない。
その世界の中心で一人の男が一人の少女を抱きかかえていた。今にも消えゆかんとする少女の体を。


「空気キャラは嫌われてなんかない。本編では活躍できなかっただけで、それでもみんなに愛されていたのに」


好きの反対は無関心。
『空気』とされたキャラ達は、それこそ『空気』としてもてはやされなければ、忘れ去られていっただろう。
けど、そうはならなかった。書き手や読み手達が彼ら彼女らの存在を何度も何度も話題に出していたから。


「あんたに、だけは、言われたくないわ、影の繋ぎ師。自分だけ守れば、良かったのに」


20の永遠神剣が爆ぜようとした刹那、影の繋ぎ師は巨大化して空間転移。
全てを受け入れる両の手を大きく横に広げ、大の字型で守ろうとしたのだ。
彼の生命線たる太陽でも月でもなく、仲間たちがいる蒼き星を。


「ざまあみろ」


JUDOの力で呼び寄せた最終回後のGR1の舞台による盾も、ダブルキングストーンフラッシュによる弾幕をもブロークン・エアは貫いた。
繋ぎ師はかってホテルで見せた強化術だけでは無事では済まないと判断し、巨大化したままバイオライダーへとフォームチェンジ。
大量のゲルと化して包み込むことにより、見事書き手ロワ2の舞台を守り切ったのだ。
太陽と月とネオバスクを代償として。身体の大半を引き千切られ無に帰せられる痛みも負って。


「頼む、頼むからエターナルになってくれ。そうすればあんたはこの世界で死んでもどこか別の世界で生きて行ける」


それでも、それでも男は、自分も死にかけているというのに、少女の身を安じるのをやめないのだ。
そんな繋ぎ師の願いを、tu4氏は、


「やなこった……」


ふてぶてしく笑いながら蹴って、



死んだ。

3566最後の空気王:2008/05/04(日) 22:11:12 ID:DDQNk8Sk0







殺戮遊戯の会場にいる誰もが何時かは気付き、天を見上げることだろう。
月が消え、星が瞬くこともない、黒い、黒い、夜の空を。
朝が来て、誰もが驚きの声を上げることだろう。
何時までたっても太陽の昇ることのない、永久に闇に包まれた世界に。

永遠者となることを選ばなかった一人の少女が残した、あまりにも大きすぎる存在の証。






――私は、ここにいる。







【予約被りに定評のあるtu4氏@ギャルゲロワ 死亡】


【夜中】
【宇宙だった空間】
【影の繋ぎ師@ライダーロワ】
【装備】:サタンサーベル@ライダーロワ 
【道具】:支給品一式×2、カラオケマイク@現実、 ワルキューレ@スパロワ、ドラグブラッカー、
【状態】:ネオバスク破損(キングストーン×2が修復中)、ダメージ極大、WIKI管理人への天元突破級のぶっちぎりな激しい怒り
【思考・行動】
 基本:殺し合いには乗らない。自分のSSへと戻る。それでも俺は俺として ぶ っ ち ぎ る ぜ  !!
 1:tu4氏……。
 2:地上に帰還。
 3:WIKI管理人を倒す。
 4:熱血王子を倒す。
 5:他の参加者にもディーやtu4氏から聞いた事を伝える。

3567最後の空気王:2008/05/04(日) 22:11:40 ID:DDQNk8Sk0
※変身体が仮面ライダーBLACK SRX@書き手ロワ2に進化しました。
 キングストーン二つの融合により更なる可能性を得たかもしれません。
 名前からしてスパロボのあの機体に進化することも……?
 ※RXの全変身系統の能力が二倍以上にアップし、シャドームーンの武器と技も使用可能です。
  何より性能差をももろともしないシャドームーンの卓越した戦闘技能を強化されたRXが得たことが一番大きいでしょう。
  加えて太陽光・月光の両方を取り込めるようになったので、昼夜問わずぶっちぎれます。
  詳しい能力・技は以降の書き手にお任せします。
  原作設定すらぶっちぎるぜい!
 ※ついでに首輪が取れちゃいましたが、どこまでもぶっちぎりです。
 ※ローマ字化するとSで始まる名前のライダーやフォームの力も使えます。
  JUDOの力すら使用できます。ぶっちぎり過ぎです。

 ※太陽と月の破壊により、無限再生ができなくなりました。
  キングストーン×2による一瞬での再生は可能ですが、かなりのエネルギーを消費します。
  また、SRXモードでの全力戦闘自体は可能ですが、エネルギー消費に回復が追い付かず、30分くらいで戦闘不能になるでしょう。
  無理をすればそれ以上戦えますが、命の保証はできません。
  それでも漢はぶっちぎる気満々です。


※ロワの会場(ラピュタ含む)外が、空白地帯になりました。
太陽や月、星といった宇宙が消滅したため、ロワ会場はずっと暗いままです。
宇宙消滅したのに、今のところ会場が大丈夫なのは、書き手ロワ2だからです。
ただ、なんらかの悪影響はあるかもしれません。お任せします。

3568諸君 私は名無しが好きだ:2008/05/04(日) 22:13:23 ID:DDQNk8Sk0
投下終了。

……うん、いくら書き手ロワでもやりすぎだと思うよね?
色々真相もでっちあげたし。

でも反省も後悔もしていない。

3569諸君 私は名無しが好きだ:2008/05/05(月) 00:50:21 ID:cnjaR/Gw0
う、宇宙崩壊キター!?
メタだが激しく熱くてその上にぶっちぎったお話だ。見事。
ていうか宇宙崩壊、宇宙崩壊ですよ。
読んでる時は熱くてそれどころじゃなかったのに終わると腹痛いじゃないかこのGJめ、GJめ!

あ、でもそれのせいで印象薄れたけど。
>「あんた、士朗wwwごときの技で士朗(笑)を産み出したロワの前身出身の私に勝つ気?」
>「士朗wwwも士朗(笑)も士朗wもどれも士朗らしくて優劣なんて付けられない!ってちっがああああう!!」
ここでも腹筋やばかったw

3570最後の空気王:2008/05/05(月) 01:38:44 ID:Yk/uq6Jk0
っと、WIKI収録時に修正を『魔人剣』→『魔神剣』。
また、時間を進めすぎたので、ネコミミスト達を『深夜』→『夜中』に。
修正しておきます。

3571真夜中のサーカス:2008/05/05(月) 13:47:35 ID:NQdpQ32Y0
このロワが始まってどれほどの時間が経っただろうか。
大地は生命の血潮に染まり、天空には別離の慟哭が満ちる。
本来バトルロワイアルとは血で血を争う凄惨な殺し合い。
それが行われる事には必ず何らかの理由が存在し、参加者はその理由ゆえに望む望まざるに関わらずとも招かれる。

そして参加者は行動する。
ロワに乗る者。
ロワに抗う者。
覚醒する者。
困惑する者。
狂う者。
怒る者。
託す者。
儚く散る者。
脱出を目論む者。
自分の望みのままに動く者。
十人十色千差万別。
参加者は大なり小なり周りに影響されて様々な行動を取る。

そしてこのような場所でも愛は生まれいずる。

元の世界から、ロワの会場で知り合ってから、そのどちらも恋愛という事において大差はない。
大事なのはそこに存在する愛の形。
愛の形もまた十人十色千差万別。
様々な形を見せてくれる。

しかし一口に愛と言ってもそれが恋愛だとは限らない。
他人に向ける親愛の感情。
これも一つの愛と呼べるのではなかろうか。


◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ 


「このぶたちゃんはおかいもの♪ このぶたちゃんはおるすばん♪」

コロンビーヌはおなじみの歌を歌いながら作業を終了した。
彼女の目の前にあるのは3つの墓標。
簡素だが『アルレッキーノ』『ドットーレ』『パンタローネ』の名が刻まれている。
なぜ3人の墓標が立っているのか。
それはコロンビーヌが作ったからに他ならない。
彼ら3人の居場所は『柿テロ猥・R2‐ND』で知っていたので探し出すのは簡単だった。
皆それぞれ遺体の状態は酷かったが、これでせめてマシになっただろう。

形見分けという訳ではないが、使えそうなものはもらっておいた。
アルレッキーノからはリュートをもらった。
――本人と道具の場所が別々だったが。
ドットーレからは刃物付き帽子をもらった。
――ついでに近くにあった◆ZhOaCEIpb2(>>1からの2号)のもの(ランダム支給品が一つ残っていた)も回収した。
パンタローネのものは生憎吹き飛んでいたので、代わりに近くに落ちていたピストルをもらった。
――もしかしたらギャグとノリで空気弾を放てるかもしれないと思ったからだ。

余談だが、戻る途中で発見したカメラも拾っておいた。
なぜかカメラからは奇妙な愛が感じ取れた。
カメラというより中身だろうか。
そこに写っているものが何かコロンビーヌは知っていた。
どれほど皆に愛されている事を知っていた。
だからこそ、いつか現像して皆に配って回ろうと密かに思った。

――閑話休題――

しかしなぜ今頃墓標を作ったのか。
理由は彼女にしか分からない。
最古の一人として思う所があったのかもしれない。
最古の四人が一堂に会したら何か起こるんじゃないかと期待したのかもしれない。
あるいはただの気紛れかもしれない。

ひとつだけ確かなのはコロンビーヌには愛が、仲間に対する愛があったという事であろう。
それは恋愛ではなく親愛。
同朋に向ける真摯な感情。
彼女は彼ら3人に何を思うのだろうか。

3572真夜中のサーカス:2008/05/05(月) 13:48:15 ID:NQdpQ32Y0


◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ 


そして時は流れて時刻は真夜中。
辺りが暗いのは、決して真夜中という時間のせいだけではない。
先程まであれほど輝いていたまんまるなお月さまが今はもうどこにも見えない。
雲に隠れた訳ではない。
月は消えてしまった。
文字通り跡形もなく消え去ってしまった。
月だけではない。
皆を常に照らしてきた太陽も、夜空を彩る無数の星々も消え去ってしまった。
その理由を知っているのはそれに関わった当事者だけである。

だがここにもう一人その理由を知る者がいる。
漫画ロワ書き手最古の四人の内の最後の一人。
真の愛と悲しみに目覚めた自動人形。
漆黒を宿した永遠の少女。

彼女の名はコロンビーヌ。

彼女は感じ取っていた。
予約被りに定評のあるtu4氏の溢れんばかりの空気キャラに対する愛を。
それは並みの恋愛すら軽く凌駕するほど一途なものだった。
できる事なら応援してあげたかった。
だがいくらボケ系ギャグキャラとはいえ宇宙空間へは行け……いや、やろうと思えば可能か。
介入しなかった一番の理由はその愛ゆえ。
自分の空気キャラへの愛情では到底tu4氏には及びもつかない。
下手な手出しは逆に空気キャラを愛するtu4氏の矜持を汚しかねない、そう思ったからだ。
だからこそコロンビーヌは静かに見守るだけにしたのだ。

そしてtu4氏は自らの信念の元に消え去った。

コロンビーヌは祈り讃えた。
心の底から空気キャラを愛した彼女を。
空気キャラのために殉じた彼女を。
最後まで自身の信念を貫き続けた彼女を。

ポロロ〜ン

不意にギター……いや訂正しよう、リュートの音色が響き渡る。
音を奏でるのはコロンビーヌ。
リュートの音色はさながらtu4氏に捧げるレクイエム。
全ての空気キャラに送る音色。

「私の愛じゃ足りないかもしれないけど――」

そして時折、曲の合間に空中をゾナハ蟲と刃物付き帽子が鮮やかに舞い踊る。
その光景は幻想的、あるいは神秘的とでも言えようか。
それはまさしく一人だけで行われる一人だけのための真夜中のサーカス。
演じる者はコロンビーヌ、観客は予約被りに定評のあるtu4氏。

「――見ていてちょうだい」

奇妙な演目はしばし続く。


◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ 


リュートの音色が終わりを告げ、ゾナハ蟲と刃物付き帽子の舞踊も終局を迎える。
これで祈りは終わる。
これからまた忙しくなるだろう。

「じゃあ行ってこようかしら」

そう言ってコロンビーヌは闇夜に溶けていった。



※E-5学校跡地にアルレッキーノ、ドットーレ、パンタローネの墓が作られました。

3573真夜中のサーカス:2008/05/05(月) 13:51:30 ID:NQdpQ32Y0
【E-5 学校上空 真夜中】

【コロンビーヌ@漫画ロワ】
【状態】:疲労・ダメージともに回復
【装備】:ゾナハ蟲@からくりサーカス、携帯電話@現実、腕時計型麻酔銃(残弾1/1)@漫画ロワ
【道具】:支給品一式×3、ティーセット一式、麻酔銃の予備針×3、変化の杖、キャンディー×2、富竹時報のカメラ
     焦ったドラえもん・うっかり侍・孤高の黒き書き手の服、対戦車地雷×7、ポン太くんスーツ@スパロワ(大破)
     リュート@からくりサーカス、刃物付き帽子@からくりサーカス、ピストル(0/0)、不明支給品×1
【思考】基本:恋愛ばんざい
 0:鬼軍曹を生涯愛し続ける。
 1:宿った命を大切にする。
 2:愛に介入しようとする邪魔者は倒す。
 3:さて、行こうかしら。

 ※容姿はコロンビーヌ(ロリ)@からくりサーカスです。
 ※ギャグ将軍にシンパシーを感じています。
 ※猫子頭の鬼軍曹と結婚しました。
 ※ロワ内の愛を感知できるようになりました。お邪魔虫もわかるようです。
 ※真の愛と哀しみを知り、北斗神拳奥義『無想転生』を習得しました。
 ※この後、この場を立ち去ってどこに向かうかは後続の書き手にお任せします。
 ※ドサクサ紛れに、マダオから腕時計型麻酔銃を奪いました。持っていた予備の針を装填済みです。
 ※太陽、月、星々がなくなった訳を知りました。







投下終了。
没になっていた部分を再利用しつつ、カメラを拾っておきたかった……現像はともかく。

3574諸君 私は名無しが好きだ:2008/05/05(月) 19:38:05 ID:xI920OWE0
投下乙
なんというフルカスタムw
なんかコロンビーヌにフラグが集まってきてるね

3575諸君 私は名無しが好きだ:2008/05/05(月) 20:28:45 ID:9vkDFT9M0
投下乙。
って待て、そのカメラの中の映像はw 間違った方向性の愛が詰まってるぞ!w

3576諸君 私は名無しが好きだ:2008/05/05(月) 20:46:10 ID:Q/AqhcIE0
>現像して皆に配って回ろうと密かに思った
いいぞ、ぜひやっちゃえw

3577地獄紳士は大変な××を盗んでいきました:2008/05/05(月) 22:30:10 ID:ljLXqTrw0
「それそろいいんじゃない? 出てきても」
真夜中のたった一人の公演の後、彼女はぼそりと呟いた。
激戦に継ぐ激戦の末廃墟を越えて粉末と化した学校の上空。
唯でさえ地上にも何も無いのだから、その上空など無の集合体でしかない。
星々すら無くしたこの空に強いて有をあげるとするならば……無の闇そのもの。

『おやおや。何時から私がここにいると気付いたのかな?』

その闇が、何処か山彦のような遠さと共に音を立てた。
何も存在せぬ闇の空に、一段と濃いブラックホールのような闇が生まれる。
「だってねえ……タイトルで名前出してちゃ丸分かりじゃない。666ちゃん」
『ははは……確かに、これでは幾ら私でも奇襲的に登場は流石に無理だ。
 いや、私も君と同じ考えでね。最終的なことを考えて、この中央に陣取ることにしたんだよ』
「戦略とか戦術には興味が無いわん。私がお墓を作るのを待ってくれたのは素直にありがとうと言うけれど…
 私と貴女は多分初対面。まずは姿を現すのが礼儀というものじゃないかしらん?」
おどけた調子とは裏腹に、コロンビーヌは少しずつ少しずつ周囲にゾハナ虫が展開されていく。
『いやはや申し訳ない。今は少しばかりドレスアップ中でね? とてもじゃないが見せられたものじゃないんだ』
その闇から声はハッキリと聞こえるのだが、肝心の声の主はそこに引き籠ったまま姿を現さない。
『とりあえず、私が君に声をかけたのには二つの目的がある。
 まずは感謝の意を表明したい。君がギャグ将軍に私のことをぼかしてくれたおかげで、こうして自由に動き回ることが出来る』
嘘偽りの無い音調で地獄紳士はコロンビーヌに感謝の意を告げる。
言うまでも無く、将軍とコロンビーヌのチャットの内容及びデータ送信についてのことだった。
『いまこうしている現在も将軍の複製が攻撃をかけていてね。
 恥ずかしながら「今の」自分では手持ちのデバイスや機器を守るので精一杯なんだ。
 地図氏の電子戦が一点を集中して突破する槍だとするなら将軍の電子戦はまさに水だ。
 360度から染み入ろうとして、もし何処か一箇所でも穴が開けばそこから浸水してくる。
 もし将軍がもう少し私の情報を得ていれば確実に侵略されていただろうよ』
ギャグと電子戦というのはカテゴリ的に交わることはそう多くない。
だが、その融合系となった将軍の「いい電子戦」(ファミ通的な意味で)はいわば昭和の頃の科学の具現だった。
鉄腕アトムとか初期ドラえもんのような「なんでもできる科学」をベースとした将軍の攻撃はつかみどころが無い。
地獄紳士といえど、現在の状況をかんがみれば防壁を強固にし守勢に徹するよりなかった。

「あらあら、別に感謝される覚えはないわよん♪
 貴女の愛の形を見極めるまでは、私の知らないところでそれを消されるのは面白くないとおもっただけ」
『そうか……私の愛の形は見えたかな?』
「秘☆密。もう一つは何かしらん?」
『なに、私に肩入れしてくれるついでに、一つ頼みごとをしたいのだよ』

ニィという笑顔の歪曲の音が聞こえそうなほど、近くで囁かれた様な気がした。
この夜半の世界において闇との距離は零にも無限大にも近似できる。

3578地獄紳士は大変な××を盗んでいきました:2008/05/05(月) 22:30:33 ID:ljLXqTrw0
「……聞くだけなら聞いてあげるわん」
『F6に赴き、そこにいる参加者達を排除して欲しい。君のスキルなら子供のお遣い程度の話さ』
「私が携帯電話を持っていると知った上での話しかしらん?」
コロンビーヌは顔を顰める。携帯電話を持っている彼女はある程度の予測を立てていた。
第三次放送時点で孤城の主にエントリーしていない書き手が、おそらくはいるはずだ。
そして当の携帯電話が今彼女の手元にあるという事実と将軍の動向からが、空白の時間を埋める。
消去法でホテル組…つまり相手はギャルゲロワ勢、いや、極論すればバトルマスターと蟹座氏だ。
「蟹座氏はともかく、バトルマスターには勝てっこないわん。それじゃ体のいい当て馬じゃない」
『なあに、第三放送の後から状況はそれなりに推移してね。彼の固有結界は残弾が残り少ない。
 私が決戦に望む前に削っておきたいのさ。
 あれは私と少々相性が悪いが、君のサバイバビリティならば使わせつつ生き残ることもできるだろう?
 あと、まだまだ孤城の主が続きそうだからイベントを提供したい、というのもあるがね』
―――もっとも、アインソフオウルの場合は君でも無理だがね……使わせれば一気に削れるから私としてはありがたいのだが。
666は最後の言葉だけは腹に溜めて、押し隠した。
バトルマスターの固有結改・アインソフオウルは言ってしまえば鬼札だ。
蘇生すらバトルとみなせるあの技は、不死の存在である666とて問答無用で圧殺できる可能性のある数少ない銃弾である。
彼の魔力を減耗させることでその危険を軽減したいというのが、666の狙いだった。
あと、後者の問題も結構切実だ。旅館組とホテル組の推移を知っている方ならばその意味が朧気に分かるだろう。

『さて、答えを聞かせてくれないかな? 元々ラヴハンターである君は私とバトルマスターを見極めようと動いていたはずだ。
 ならばこの提案は君の意とさほど相違が無いと信じているのだが』

無数の闇と無数の虫が宙を舞う中、しばしの沈黙があたりを包み込む。
しばらくの後、閉じた瞳を開いたコロンビーヌは淡々と言った。
「お 断 り だ わ ん」
その言葉を引き金としてあたりの空気が一気に引き締まる。闇はさらに濃密に、虫は大量にその存在を増していく。
『……一応理由を聞かせてもらえると助かるのだがね』
「とりあえず、私が紳士ちゃんの提案を蹴るのには二つの理由があるのよねん?
 一つは単純に、私を弄ぼうとする貴女が気に食わないということかしら。
 自由であってこそ愛の天使はあらゆる愛を育むの。だから私は誰よりも自由でありたいわ。
 それに誰かが言ったとは思うけど……何もかもが貴女の予定通りにことが進むというのは、あまり面白くないわよねん。
 愛とは様々な障害があってこそ燃えるもの。だからとりあえず、面白そうだから断っておくわん」
指をふってカラカラと笑うコロンビーヌ。666のプレッシャーは強烈であるが、そこに気後れは微塵も無い。
『な、る、ほ、ど。成程成程。愛に障害は付き物か……いやまったくその通りだ、返す言葉も無い』
闇の中からパンパンと乾いた拍手がした。だかそこには賞賛と意は欠片すら見当たらず、
どちらかといえば何か善くないものを闇の底から招き寄せるかのような印象の音だった。
『ともなれば、私もまたその障害を越えるための努力をする必要があるね……惜しみなくさせてもらうとするよ』
ズズズと音が聞こえそうなほどに闇が流動する。
コロンビーヌが自分の全周を蟲で囲む。皮膚から1ナノメートル先を埋め尽くすようにして展開されるゾハナ虫に隙間は無かった。
不意打ちに絶対の警戒を為して敵の出方を伺う彼女の前に出現したものは、彼女の予想を超えていた。

「……牛丼?」

3579地獄紳士は大変な××を盗んでいきました:2008/05/05(月) 22:30:59 ID:ljLXqTrw0
闇が門を形成し、ゴゴゴと音を立てて広がる様はまるで王の宝物庫のようだった。
そこから現れたのは、プラスチックのパックだった。
プラスチックのフタがパカリとひとりでに開くと醤油のふんわりとした芳香があたりを包んだ。
少し脂身を落とした安物の肉はしっかりと煮込むことでくどめの味付けであることが香りで分かる。
そこに混じる、ほんのり甘い玉葱の香りと炊き立てのご飯の風味豊かな香りが三位一体となって食欲をそそる。
自動人形である彼女でなければ、唾の一つでも流しかねない香りの奔流。
一食一杯、一日三食、週七日。計21個の牛丼(特盛り)が整然と並び影から浮かんでいた。
666が持つ王の財宝と対を成すもう一つの混沌の宝物庫。
そこに封じられた物の一つ……葉鍵ロワ3にて川澄舞が支給された、一週間分の牛丼その全てである。
毒気を抜かれたコロンビーヌを嘲笑うかのように、闇よりウルトラミキサーが浮かんだ。
指を鳴らす音が聞こえると、ハーメルンの笛吹きに誘われたかのごとく牛丼が整然と列を成しウルトラミキサーに放り込まれていく。
あっという間に21人前の牛丼は容器の中に納まり、最後に添えつけの卵と紅生姜、
山椒も忘れずに投入。ダメ押しとばかりに支給された食料10人前も投入れされたのが確認されるとスイッチが入れられた。
ガガガと音が鳴り響く。肉の脂身もタンパク質も米も汁も区別無く平等に切断され粉砕され混在されて、自己と言う境界を失っていく。
そのいやな音が鳴り止んだとき、あれだけあった牛丼はその全てが液状と化して存在していた。

「食べ物で遊んじゃいけないってパパママに言われなかったかしらん?
 ただでさえLSの書き手なんだから子供への影響考えなさいよ」
『うちのロワには詮の無い忠告だが受け取っておくよ。それに安心したまえ、これはスタッフが後で美味しく頂くから』

そう666が言うが遅いか、見えざる糸が切れたかのように牛丼液入りのウルトラミキサーが落ちていく。
あわや地面に墜落し、牛丼をブチ撒けろ状態になるかという刹那それが急停止する。
ミキサーを掴んだ手の先には、真っ黒な隊員服を着た血の気の無い男の姿。
「熱血王子、貴男地獄紳士とつるんでたのね……でも一体何をするつもり……ってまさか、貴女」
『漫画ロワの君になら分かるだろう……さ、熱血王子よ、飲むんだ』
「……ハイ、天使サマ……」
愛媛が彼にとって祟神だとすれば、地獄紳士は崇神だった。
ぼそりとうわ言の様に信仰の対象の名を捧げ、熱血王子は躊躇いも無く繋ぎの水も併せて10リットル以上あるそれを飲み始めた。

遥か上空まで聞こえてくるずず……ぐびぐびーっという牛丼を「飲む」音を聞きながらコロンビーヌは人形ながらに青褪めていた。
「まさか……バキの……」
『そう、奇蹟が起こる』

3580地獄紳士は大変な××を盗んでいきました:2008/05/05(月) 22:31:23 ID:ljLXqTrw0
真・驚きの黒さという猛毒に侵され極限まで衰弱しきった少年の精神。
そこへ影の繋ぎ師や熱血怪人、漆黒の龍によって与えられたチートライダーダメージによって更なる負担が加わり、
守護騎士システムとクレイジーダイヤモンドで無理矢理再構成された身体にエネルギーなど残っているはずも無く、
人体最後のエネルギー貯蔵庫である肝臓のグリコーゲンもリンカーコアの魔力も底をついていた。
僅か6時間足らずの間に行われた酷使に継ぐ酷使……もはや破壊されつくした彼の身体組織達。
黒さからの感染を受けた彼等は細胞一つ一つが怨念を以って復讐を誓っていた。
次なる酷使に対する復讐。
つまり今後もし 同じような戦闘が起こったなら…………必ず……

「力……? コレガ俺ノ本当ノ……力……許サレルタメノ…力!!」
必ず独力で乗り越えて、あの変態ライダー達を戮殺し許しを得ると!

もはや人ならぬ神域に達した地獄紳士が創造りたもうた肉体。
神の誓いし復讐に手加減も過失もありえない!
今、闇の囚人熱血王子の身体に空前の

超 回 復 が 起 こ ろ う と し て い た ! !

「まさか、漫画ロワでもない貴女が……」
『矢張り漫画ロワの書き手を回復させるのは漫画の手法ということだよコロンビーヌ君。
 15キロに達する牛丼汁……糖によって甘く味付けられた牛丼が滅びかかった彼の身体を復元させる。
 ましてやこの期間あれほど肉体を酷使してきたのだからね。おそらくは彼の身体は以前より当然……』
呆然とするコロンビーヌと、未だ姿を現さぬままほくそ笑む666。
熱血王子の身体から魔力と生命エネルギーの混ざり合った黒き霧がムンムンと放出され天へと立ち上っていた。
湯気を立ち上らせ見る間に皮膚に艶を取り戻していく熱血王子は懐から何かを取り出す。
それは白い仮面だった。
般若のような意匠を持ち、顔の上半分をみつしりと覆うことのできるその仮面を顔に装着する王子。
「!?」
コロンビーヌが驚くよりも早く、異変の進行は進んだ。
ヒュッケバインボクサーと脳細胞レベルで融合し、そして敗北によって剥がされた熱血王子の露出した半欠けの脳。
執念と闇の経線だけでシナプスと人の形を支えてきたそれを補完する様に仮面から伸びる無数の繰糸が埋め込まれる。
その度に王子の喉奥から喜悦に近い奇妙な声が漏れて、涎をたらしながら身体を小刻みに痙攣させていた。
『当然レプリカだが……いやはや、ギャルゲロワは恐ろしい。主催陣営とはいえこんなものを末端にまで支給するのだから』
時間にして、僅か数秒程度の出来事。
全ての脳細胞と首より上の神経筋骨全てに掛けて無数に突き刺さった針、即座に黒く染まった異形の仮面。
カオス宝物庫の中に収められたギャルゲロワの財宝……ハクオロの仮面を元にディーが作りし悪魔の仮面。
それを装備した熱血王子はまさしく正真正銘の『悪魔』だった。

3581地獄紳士は大変な××を盗んでいきました:2008/05/05(月) 22:31:50 ID:ljLXqTrw0
「っ……マズいわ」
携帯電話によって熱血王子の能力を知っていたコロンビーヌはその不味さを即座に悟り蟲を王子の下へ送り込む。
そう、熱血王子は烈海王式回復術とディーの仮面によって「基礎ポテンシャルのみ」を底上げして悪魔の域に達したのだ。
既に存在する更なる段階においてのステータスを強化するために。
「力、もっと力、もっともっとチカラもっともっとおおおオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!」
涎を撒き散らしながら吼える彼の両の手に嵌った指輪。そこに付きしは黒く染まった鷲巣麻雀牌とレイジングハート。
コロンビーヌは悪い予感を確信に変えて蟲を急がせる。
『言っただろう? 努力はさせて貰うと……虚栄の闇を払い、真実なる姿現せ。あるがままに……アルテマ!』
熱血王子とゾハナ虫の間に純粋な魔力が集まり、蒼きスフィアとなって爆散する。
闇の中で唱えた地獄紳士のアルテマが、先頭集団の虫達を駆逐し勢いを散らす。
「……アルテマとは豪勢ねん」
『何、未だ解析不十分なのでラムザのへっぴりアルテマしか撃てぬが、時間稼ぎには十分だよ』
コロンビーヌは内心で舌を打った。
ゾハナ虫は効果範囲十字五マス程度のアルテマなどでは駆逐できるはずも無いが、勢いを殺がれてしまった。
故に僅か無さで間に合わない。そう、悪魔が行う悪魔になるための変身を止められない。

「変身ッッ!!」

ゾハナ虫が殺到し、熱血王子を取り囲むようにして到着した順次爆破が行われていく。
濛々と煙が上がり生きとし生けるものなどありはしないといえそうな大爆発を見ながらもコロンビーヌは笑みを浮かべられなかった。
ゾハナ虫が集まるより一手早く、麻雀牌とレイジングハートが重なり合う様を見てしまったから。

「殺ス……許サレル……タメニ…殺ス!!」

爆風が風に煽られて消えうせ、そこに人影があった。
本来ならば声が赤木しげるで身体はウルトラマンレオになるはずの変身は、今までと異なっていた。
ウルトラリングによって変身した熱血王子の姿は、仮面をつけた高町なのは指導教官そのものだったのだ。
黒化によって裏返った成長を果たしたウルトラリング。
そして「川澄舞」に支給された牛丼一週間分と、ディーが作りし「般若」似の面。
陰と陰、2つの田村ゆかり要素に熱血王子の体内のなのはさん成分の何か。
憎悪と悲哀によって脳から分泌された脳内麻薬か、
あるいは闇の中でせせら笑う地獄紳士が与えた負の無限力によってもたらされた多幸感。
そしてその昂ぶりから形造られてしまった化学物質か、
あるいはそれら全てが彼の内部で出会ってしまい化学反応を起こしスパークしたとしか考えられない現象だった。
田村ゆかり分が追加されたことによって、
変身時の熱血王子を構成するウルトラマンレオ・赤木しげる・なのはさんの三均衡が崩れなのはさんが完全に主体となった変身。
その証拠と言わんばかりに、熱血王子の背中にはウルトラマンレオがウルトラマンキングに授けられた黒きウルトラマントが、
熱血王子の両の手には鷲巣麻雀に必須の黒手袋が装着されていた。
黒きウルトラリングを崩壊させてまでの無理な変身。既に熱血王子に退路という概念は無かった。
ウルトラマンの成分がほぼ払拭されたことによって2分30秒という変身時間の壁をぶっちぎり、
中盤あたりから殆ど終始変身後はなのはさんとだけ認識されてきた彼は名実共になのはさんへと進化した。
そう、つまり……、

3582地獄紳士は大変な××を盗んでいきました:2008/05/05(月) 22:32:17 ID:ljLXqTrw0
『復ッ活ッ』
『熱血王子復活ッッ』『熱血王子復活ッッ』『熱血王子復活ッッ』『熱血王子復活ッッ』
『熱血王子復活ッッ』『熱血王子復活ッッ』『熱血王子復活ッッ』『熱血王子復活ッッ』
『熱血王子復活ッッ』『熱血王子復活ッッ』『熱血王子復活ッッ』『熱血王子復活ッッ』
『熱血王子復活ッッ』『熱血王子復活ッッ』『熱血王子復活ッッ』『熱血王子復活ッッ』

それを讃えるかのように闇のあちらこちらから地獄紳士の声がする。
残響反射拡散ドップラー効果、あらゆる音の相が絶えず変化する中でマントをはためかせる熱血王子。
ウリだったツインテールで整った銀髪も、仮面の奥の瞳も、そのバリアジャケットも全てが黒一色で染め抜かれている。

「って、バリアジャケットぉん!?」
コロンビーヌはそのクリッとした丸い瞳を更に丸くして驚きを露にした。
そう、いままでは体がウルトラマンだった為気にする必要もなかったのだが彼はもともと魔術師よりの能力者ではない。
なのはさんとなったからとはいえ、その形態はタイトにスーツを着こなした指導教官スタイルであるはずだ。
それが「バリアジャケットをもっている」ということが意味することをコロンビーヌが理解する前に、ゾハナ虫の第二波が王子を襲う。

「ということは、あるのね……デバイスが」
『まさか熱血王子がミニ八卦炉を手中に収めたことに因果が無いと思っていたのかい?
 アレは我がロワにてなのはがやりたい放題する際に用いた殲滅兵器。
 既にレイジングハートは指輪として今まで存在していたし……最早なのはに相応しい兵装はコレしかあるまいよ』
熱血王子の右手にあるアカギ手袋。その手甲部分には宝石が鎮座していた。
金色の台座に乗った三角形の宝石。本来金の色をしているはずのそれは、やはり例に漏れず真っ黒に染まってしまっているが、
それは紛れも無く、あのデバイスに相違なかった。
高町なのはの嫁(諸説在り)であり朋友、フェイト=テスタロッサの持つ最強デバイスの一角にして、
アニロワ1stに於いてホテル大乱戦の折り高町なのはがるるるのルイズと激戦を繰り広げた際の得物。
黒い雷光を放ちながら待機モードを解き、熱血王子の手のひらの上で戦闘形態へと変じていく汚染されたソレ。

惰弱な闇を貫く雷神の黒槍、夜を切り裂き真なる無明へと誘う闇光の戦斧。
カオスバビロンがアニロワ1の財宝、みさえの支給品・バルディッシュ=アサルトのブラックカスタムヴァージョン。

(当然分かってると思うけど……散々666さんに迷惑かけて、挙句何度も何度も負けて…
 ここまでやってまともに仕事も出来なかったら、今まで殺した数なんて無意味なんだからね?
 他の人は一回きりで死んじゃうのに、3度目の生と力なんて熱血王子さんみたいなグズマーダーには勿体無いんだから…
 絶対、絶対にゆるされないよ? 恨まれて疎まれて虫けらの様な終わり方だよ? ケタケタケタケタケタケタ)
あああああッ!! ごめんなさい! ゴメンナサイ! ごめんなさい!!
ちゃんとやりますから、絶対、絶対殺しますから見捨てないでッ! 俺を赦してッ!!

「殺ス、全員、殺スゥ!!」

3583地獄紳士は大変な××を盗んでいきました:2008/05/05(月) 22:32:46 ID:ljLXqTrw0
幻聴か、はたまた本当の声か、地獄紳士の飴によるつかの間の安堵は、愛媛の鞭によって一気に引き絞られる。
L5に近い強迫観念に押され、遂に得た飛行能力で空の闇を影渡りも絡めて縦横無尽に翔ける熱血王子。
破損しかけた青龍偃月刀、ルルゥの斧、ディーヴァの剣に鳳凰寺風の弓矢……
宝石の金色すら闇黒に染まった黒化に加え、槍・斧・剣・飛び道具。
即ち武具の基礎四形態を司る4つの武装と共にウルトラミキサーされることで
バルディッシュは熱血王子同様本来のものよりも一回り巨大化し、基礎スペックを遥かに向上させていた。
バーサーカーよろしく言語機能すらをも捨てて機能向上したバルディッシュの力は凄まじいものだった。
アサルトフォームから繰り出される黒い雷とダークシューターは虫を焼き払い、
ハーケンフォームから繰り出される鎌の一撃は死神のように虫の命を刈り取り、
ザンバーフォームから繰り出される斬馬の一振りは虫ごと大地すら斬りかねない。

虫にもあるだろう五分の魂を刈り取ることに一片の呵責すら見せずゾハナ虫を駆逐するなのはさん。
黒い天使の鎌を以って冥府へと送る白い悪魔。その光景はまさしく黒い悪魔そのものだった。

「wikiで見てたよりも大分能力が変わっちゃってるわねえ……
 でも、わたしのかわいい虫ちゃんはそんな玩具よりずっと凄いんだから。相性が悪かったと思って諦めなさい」
しかし、相手は世界を笑いの病に覆うほどの力を持った極小の自動人形。
密に集まったそれを蹴散らすことは出来ても、疎に散ったそれを滅ぼすことはバルディッシュでは叶わない。
プロテクションとバリアジャケットで爆発や集合攻撃は防がれているが、形勢は若干コロンビーヌに傾いていた。
だがその状況を正確に分析した上で、地獄紳士は姿無きまま哂った。
『確かに、相性が悪かったね。“ゾハナ虫を退かせ給えコロンビーヌ”。君の虫を潰すのは本意ではない』
「そ――――――」

それはどういう意味かしらん―――そうコロンビーヌが言おうとしたときだった。

「バルディッシュ……ブレイカーフォォォォォォムゥ!!!」
 <Breaker Form>

熱血王子が叫ぶと共に、バルディッシュの宝石部分に文字が浮かぶ。
バルディッシュ・アサルトには搭載されていない形態。
StSのライオットだろうか、否、アニ1出展ならばA’s仕様のはずである、つまりコレは……
『ミキサーにて融合させたのは後二つ。一つは凛の宝石6個、そして彼の最愛の得物だ』
リボルバー式のカートリッジシステムが発動し、ガシャコンと音が鳴り撃鉄が作動する。
膨大な魔力が一気に膨れ上がり、熱血王子の身体を覆う。
魔力そのものはラインとディスレヴを通じ十二分に供給されているが魔術師として未熟な熱血王子。
その素質を補うため、地獄紳士はある英断を下した。
一つは、カートリッジの弾丸。手持ちの5個と熱血王子の1個、計六個を全て加工し六連装リボルバーの弾丸六発へと変えたのだ。
これと666による「一時間にわたる熱心な教育」によって即席でありながら熱血王子は叩き上げの一級魔術師となった。

3584地獄紳士は大変な××を盗んでいきました:2008/05/05(月) 22:33:46 ID:ljLXqTrw0
そしてもう一つは、熱血王子の能力を最大限に生かす新たなる形態の構築。彼の最良の奥義をスムーズに運用するため、地獄紳士はアレをバルディッシュに合成した。
そう、その名は勿論【破棄すべき全ての手】。バルディッシュ=アサルトBCに搭載された「宝具発動形態」である。
迸る魔力と共に、黒き魔力刃はその形を歪なものへと変える。そこに浮かんだのはまるで巨大なルールブレイカーだった。
「破棄す百節!」
それを振るい、無数の連撃が目にも見えぬほどのゾハナ虫……昆虫の「節」を切り刻んでいく。
手首・首・関節切断能力……宝具としての特性を全て継承したこの形態。
武器・身体共にスペックが向上したことでリミットをほぼ超越した彼にとってもはやジョイントブレイカーの痛みなど意味が無かった。
身体が物理的に動けなくなるほどの傷でもない限り、彼にとって痛みなど懺悔の前では無意味なのだから。
百連撃が終わった時、約四割のゾハナ虫がその存在が確認できぬまま死骸と化した。
コロンビーヌはごくりと唾をならす。もし666の忠告を聞き入れず虫を可能な限り下げなければ恐らくは7割が朽ちていただろう。

『これで分かっただろう? 悲しいかな、君と熱血王子では絶望的に相性が悪すぎる。
 ましてやこの月はおろか星すら失せた大暗黒の天。闇を閨とし闇黒に呼吸する彼を相手取るには地の利天の利が無い。
 どうか、私のお願いを聞いてはいただけないだろうか?』

この場において、その戦力差と趨勢は明らかだった。
確かにコロンビーヌもこのロワでは数少ない「超越者」の一人でありチート級である。
そして先ほど得た支給品によって強化もなされている。
だがこの地獄紳士が持つ数あるチート級の中で決定的な異才を前にしてはそれでも追っつかない。
そう、影の繋ぎ師すら持っていない「チートを生み出すもの」としての才覚に対しては。
その才覚によって生まれたチート級・熱血王子と五分ではその時点で彼女との開きを証明しているもの。
ここに来てその彼我の立場は大きく水をあげられていた。

3585地獄紳士は大変な××を盗んでいきました:2008/05/05(月) 22:34:05 ID:ljLXqTrw0
「く ど い わ ん。 愛は羽根よりも軽く星よりも輝くもの。
 私の愛を誰にも縛れないし、何よりも自由。愛無き貴方には、私の貞操を侵すことなど叶わぬとしりなさい」
『ほう? 私に愛がないと? それが君が見極めた私の形というならば、少々聞き捨てならないね』
「貴女は一見ネコミミストを愛しているように見える。でも、おかしくないかしらん?
 “貴女がネコミミストを愛しているというのならば、なんでそれを彼女に伝えないのん?”」
携帯電話を通じて彼女は知っていた。666はネコミミストにその思いを告白したことは一度も無い。
彼女がネコミミストを大切に思っていたことはネコミミストにも十分伝わっているが、それだけだ。
666は何だそんな事かと鼻で笑うように息を吐いた。
『告白=愛だというなら世界はもう少し愛で溢れているだろうさ。
 私の愛は少々人と位相が違っていてね、憎悪も歓喜も狂気も、ネコミミストの全てを私は受け止めたいのさ』
「……だから駄目なのよ、666ちゃん。それは愛じゃない、唯愛でているだけよ」
嘲笑が止む。変わりに当たりを包むのは三倍増しの重圧だ。
しかし、コロンビーヌは珍しく真剣な表情で言った。
「貴女はただネコミミストちゃんを可愛く思い、その可愛らしい様々な仕草、挙動、感情の色相…
 その全てを観察してきた。そしてあなたが最後に自分が食われることで、その観察が終了する。
 モルモットの脳味噌に薬品を投入して、その反応を伺うことと大差ないわん。
 私はあらゆる愛を愛する。実り破れすれ違い空回りして裏目に出て憎みあう……
 その全て、全てを等しく尊く美しいと思う。でもね、これら全ての愛は「心を受け取らなければ愛足りえない」のよ」
心を受け取ると書いて、愛と書く。
愛とはすなわち心……感情の受信だ。受信は送信が無くては成立しない。
憎しみや恨み、慟哭に失意それらすら糸となりて運命を悲恋を紡ぐものとなる。
感情が錯綜し網の目を引くことで美しき文様が生まれる。その姿こそが美しいのだ。
「でも、あなたはそれを恐れている。ネコミミストの感情を真正面から受け止める気と器がない。
 精々がネコミミストに様々な刺激を与えて、彼女が自分以外の誰かに発する虹のような光のお零れを啜るだけ。
 挙句の果てには喰われることで浮かぶモノを見届けたい?
 最終結果が観察に終始する時点で貴女は彼女と一つになる気がないのが明白だわ。
 貴女は最後の最後まで彼女を観察し抜き、彼女という観察日記を完成させたいだけ」
コロンビーヌは、怒りというよりはむしろ誰かが言わなければならないことだと決意を決めたような面持ちで言った。
「心を通わせることなく、ただ自分の愛情の送信だけで全てを完結させようとするあなたの行為は、
 ネコミミストの心を受け取る気のない貴女の行為は、既に初手の段階で愛ですらない。
 ストーカーの自慰行為じゃない。いかにも処女が見そうな幻想ね。片想いは想いであって愛じゃないのよ」
地球破壊爆弾とロリスキーは、言葉と血液を交えることで、その陽の心を渡し合った。
ドSとコ・ホンブックは拷問と痛み、そして悲鳴にてその陰の心を渡し合った。
孔明とバトルマスターは謀略と純真、そして陰陽の交わりにて太極を通じた。
このロワでも大小様々な恋愛があったが、その全てが一本の線で交わっていた。

だが、ネコミミストと地獄紳士666。この二人の思いを結ぶ線は未だ存在しない。
ネコミミストにとって未だ地獄紳士666は思いを引き継ぐべき仲間でしかないし、
地獄紳士にしても、ネコミミストの為と嘯きながらネコミミストへの干渉だけは避けている。
一見強い因果で結ばれているように見えるが、この二人を繋ぐ糸は幻想でしかない。

3586地獄紳士は大変な××を盗んでいきました:2008/05/05(月) 22:34:38 ID:ljLXqTrw0


「幾ら私でも、まだ始まってない愛は愛でこそすれ愛せない。
 ネコミミストにその気が無く、貴女が妄想に耽るだけで満足する処女じゃ愛が実るかどうかも怪しいものだわん。
 それが貴方の行動に手を貸さない、二つめの理由よん。満足したならお好きにどうぞ」
両の手を心に当てて自分の思いを語るコロンビーヌ。
ギャグと愛を司る彼女にとって、脚本を作り自由であるべき運命を勝手に弄ぶ地獄紳士は交わることのない存在だった。
すでに直ぐ近くまで来ていた熱血王子の鎌がブンと引きしぼられるが、動じることはない。
あの地獄紳士にここまでボロクソ言えるのは内にも外にも瑕疵を持たぬ彼女くらいだろう。
この身は既に契りを結びて半身と共にある。彼女という宇宙の中で歴史は完結している。
たとえこの身がここで死に終わったとしても、その玉に瑕がつくことなどあり得ない。
そっと下腹に手を添え、コロンビーヌは慈愛の表情と共に自らの結晶を確認しようとして

――――――――――――宇宙が終わってしまったことを知った。
『ならばこそ君は僕に従わざるを得ないのだよ、コロンビーヌ。君の閉じた完全は既に崩れ去っているのだから』

さする。もう一度さする。擦るなぞる押す抓る回す廻す叩く。
あらゆる腹部への衝撃を与える彼女は、まるで閉じこめられた密室に残された唯一の扉を懸命に叩く少女のようだった。
だが扉の向こうから返事はない。声は帰らぬ温かみは在らぬ存在証明は不可能。

指示を受けたのか、熱血王子がバルディッシュを待機状態に戻して攻撃を止める。
闇の中から、ぼうと再びモノが出現した。黒化したグラールヴィント、そこから旅の鏡が開き何かが現出する。

「あ、あア……嘘、あ、AA……あナた…」

戸をひっきりなしに叩いて確認したかったモノをその目に写し、彼女はこの世のモノとは思えぬ声を出した。
本来ならば胎盤を超えて経路を通り然るべき道より生まれ祝福されるべきモノ。
この世で最も完全なる密室の一つ……母の胎は、今、目の前の邪悪にて破られた。

『ガードが堅くて苦労したが、熱血王子に気を囚われすぎたね。
 そして君も慢心しすぎだ。余裕というのかもしれないが、超越者となった程度で油断するようではマダオ君と変わらない』
てらてらと光る何か、未だ人の形を成していないそれは虫のよう。

「……覚悟、できて、るのよねえん…」
夢遊病者の譫言のように理性をかろうじて紡ぐ母。その目の先にあるのは、唯の一つ。

『これは異なことを。覚悟を問うのは私の方だろう。ここまでコケにされて平然と出来るほど私は完成されていない。
 君の第一行動方針が即ち君の弱点だ。自分の愛を守れぬモノが、他人の愛を歌う資格も無いさ』

地獄紳士は大変なものを盗んでいきました。

『さあ御覧、名も無き仔よ。君をこの世界で最も愛してくれる人だよ』

それは、貴女の胎児です。

「貴方……厭ぁ」

発狂から白目を向き掛けた彼女は、闇の向こうに地獄紳士の顔を漸く見たような気がした。
あれは、もはや人の貌ではない。なれば、彼女の自慰は、既に人の境界を越えているというのだろうか。
そんなことを思いながら、コロンビーヌはこのロワで一番自由であるはずの自分ですら逃れられぬ運命を強く感ずる。
何処かひどく遠くで姑獲鳥が啼いた様な気がした。

3587地獄紳士は大変な××を盗んでいきました:2008/05/05(月) 22:35:17 ID:ljLXqTrw0
闇だけが浮かぶ空の上で、二人の影があった。
その内の一人、熱血王子が闇から出現するモノを掬い取ってコロンビーヌに渡す。
それはクレイジーダイヤモンドによって完全な状態で修繕されたボン太くんスーツだった。
しかし、その色はむしろ量産型のように黒と灰色の間の色調となり、表情も若干研ぎ澄まされた漢のような目つきになっていた。
これだとボイスチェンジャー機能でふもっふという際に金田朋子ボイスというよりは中田譲治ボイスになってしまうかもしれない。
だが、曲がりなりにも完全修復であることを確認した彼女はそれを受領する。
『他にも君の支給品は全て私の手で強化してしておいた。元の能力が強い君だ、そうそうに引けを取ることもあるまい。
 但し、携帯電話は預からせてもらう。これを還すかどうかは……出来高の報酬ということにしておこう』
あえて黒化ではなく強化といった666の皮肉を聞き流し、コロンビーヌは睨みつける。
「……いいこと。約束だけは確実に守ってもらうわ」
『無論。最低バトルマスターの魔力を半分以上枯渇できれば、その場で帰ってきてもらっていい。
 闇の揺り籠にいるかぎりは胎盤の外とはいえ問題ない。君の愛おしい鬼軍曹との結晶は無事還してあげるよ』
「あの人のことを口に出すな。穢れる」
あまりの怒りになりきりすら吹き飛ぶような殺意が666に叩きつけられる。
彼女の眼前の闇が震えた。恐怖ではなく、お化け屋敷を愉しむ様な震えだった。
『おお、怖い怖い。ならば早く向かうといい。君の仔とはいえ、所詮は赤子。
 まともな成人でも廃人になるこの闇では、さほど保たないだろう』
「……いわれなくとも」
歯を軋らせる彼女の胸中には得も言われない感情が渦巻いていた。
雌としての愛情、女としての愛情、母親としての愛情。相克する要素が自分の中で混交する。
だが惜しむらくも彼女にはその新しい感情を愉しむ暇が無い。
『ああ忘れていた。支度金といっては何だが、コレをあげよう。
 いざとなればこれを用い、バトルマスターや蟹座氏を滅ぼすといい。使い方は……道々で覚え給え』
そういって再び熱血王子を介して666が渡したのは、丸い宝玉だった。
大きさはナメック星のドラゴンボールといったところか。奇しくもその宝玉もまた、龍の名を冠するものだったから。

『見送る前に一つ聞いておきたいのだが……例えば、もし今ここで君が私に這い蹲って足を舐め、
 先程までの私に対する評価を勘違いだったと言えば、仔を無条件で還す。といったらどうするかね?』
意地の悪い666の問いに答えることなく、コロンビーヌはボン太くんスーツを着用した。
そして、666に向かって親指を立てて首を掻き切るポーズを取り

「ふもっふ」

とだけ言って、南へとその歩を進めた。

3588地獄紳士は大変な××を盗んでいきました:2008/05/05(月) 22:35:47 ID:ljLXqTrw0
飛ぶことはせずに道路の真ん中をのっしのっしと歩いていく彼女。
天真爛漫なボン太くんの風体とは裏腹に、コロンビーヌのその胸中は怨嗟を渦まかせている。
ふもっふと言うと、空中にいたゾハナ虫の二個小隊規模の群が集まってきた。
彼女がそれを変化の杖で叩くと、ポンという小気味良い音を立てて姿を変える。
これだけは渡すまいと地獄紳士を欺くために虫に紛れさせた富竹のカメラと、もう一つの支給品だった。
だが、現状では焼け石に水程度の効果しかないだろう。
我が子は全ての身命を賭してでも守らなければならぬものであり、不倶戴天の敵に従うより道は無いのだから。

「ごめんなさい、あなた……私の騎士様。貴方と私の子は、必ずや取り戻しますから。本当にごめんなさい……」

ゾハナ虫が数個の纏まりになって集合し、形を作っていった。
その姿は槍でも盾でもなく、武装した量産型ポン太くんだった。
小隊を取り急ぎ結成したコロンビーヌは最後に666より渡されたそれを確認してF6へと向かう。
「使うことなく済めばいいんだけどねん……」
光失せた道を照らすのは心もとない街頭のみ。
その先に何があるのか、道はあるのか。それを確認することは今は出来ない。
なにせ指し示す明かりが、あの666なのだから。

3589地獄紳士は大変な××を盗んでいきました:2008/05/05(月) 22:36:04 ID:ljLXqTrw0
――――――――☆

「ホントウニ……良カッタノデスカ……天使サマ」
ボン太くんが見えなくなるまで見送った後、闇の空で熱血王子が姿無き666に尋ねた。
『ん? ああ、あのドラゴンオーブのことかい? あれはどの道使い勝手が悪いからね、私には無用さ』
混沌のバビロン最後の財宝にしてAAAの神宝。
ヴァルキリープロファイルの世界において重要な役目を果たすヴァルハラの神々。
その中にある、世界を調停する4つの強力なアイテムを四宝という。
グングニル、レーヴァティン、シルヴァンボウ……そして、AAAロワにも登場しているドラゴンオーブ。
凄まじい魔力を有しており、開放するだけで世界を崩壊させることが出来るパワーを持っている。
というより強すぎてぶっちゃけ世界を滅亡させるくらいしか使い道の無い通常ロワなら即制限の変態アイテム。
それがコロンビーヌに渡した切り札だった。
『元々がジョーカーである6/W君への支給品だ、会場滅亡とまではいかなくても1エリア程度は灰になるだろう』
「イエ……アノ女、マダ光消エテナイ……裏切ル可能性モ……」
『君がそういうのであれば、それも在りうるかもね。だがそれも杞憂さ。既に彼女の仔を盗んだ時に、私の闇を植え付けておいた。
 愛媛君のオリジナルにくらべればいささか感染力には劣るが、何、いずれは彼女も闇に染まる。
 それにドラゴンオーブは文字通り神の宝だ。チート級とはいえ魔術スキルの無い彼女では扱いきれない……おそらくは、死ぬさ』
いざとなれば私が直接操るまでだよ、と言外に含んで666は言葉を締めた。
『さて、君にも出番だ。tu4氏が消えて繋ぎ師が宇宙に行き、地図氏が修羅場になった今こそが絶対の好機。
 存分に暴れてくるがいい。これが私が君に与えられる最後のチャンスだ……素晴らしい戦果を期待しているよ』
再び影から出現するアイテムを熱血王子がキャッチする。
「……!!」
熱血王子がその胡乱な左目と、あらぬ方を向いたお姉さまの右目でそれを凝視した。
既に光を映さぬその瞳ではあるが、その手触りと疎ましいほどの眩さがそれが何かを教えていた。
熱血王子に散々煮え湯を飲ませてきた仮面ライダーたち、その変身トリガーの一つであるカードデッキである。
『王蛇のデッキが無いのは残念だが、今までの恨みを晴らすのには相応しい装備だろう?
 二つの仮面で難易度も二倍というやつだ。これならば最後まで粘ることも出来るだろうさ。
 さ、行きたまえ。時間は何物にも変えがたい』
熱血王子は綻んだ様な顔を一瞬だけ浮かべ、あとは喜悦と焦燥だけのいつもの面に戻った。
こうして熱血王子もまた空を舞い、無明の闇に溶けていった。

何も無い闇だけが残り、クククとその洞穴の底で666は笑った。
『このタイミングで携帯電話を得るとは……僥倖という他に言葉が浮かばないのは書き手として複雑だな……』
携帯電話、『柿テロ猥・R2‐ND』、ギャグ将軍の暴走、地図氏の逡巡。
いまだ尋常ならぬ速度で集まりつつある負の無限力。そして二つの火薬庫に送り込んだ火種。
全ては恐るべきスピードで終末への階段を上り、その流れの中心点は彼女が抑えている。
『愛ではない、か……結構だよ、コロンビーヌ。もとより二次創作はどんなかたちであれその性質をもっているものだ。
 なれば私は私のまま、彼女と螺旋を駆け上がり根源へと至る。
 最強最悪の自慰が生み出すモノ、冥府の狭間で見届けるがいい……』

ドクン、と闇の中で木霊がした。最後の四神合体機は闇黒の底で未だ眠っている。

3590地獄紳士は大変な××を盗んでいきました:2008/05/05(月) 22:36:37 ID:ljLXqTrw0
【真夜中/E-5ビル街】

【コロンビーヌ@漫画ロワ】
【状態】:黒いボン太軍結成 闇の侵食中?
【装備】:ゾナハ蟲(黒)@からくりサーカス、携帯電話@現実、腕時計型麻酔銃(黒)(残弾1/1)@漫画ロワ
【道具】:支給品一式×3、ティーセット一式、麻酔銃の予備針×3、変化の杖(黒)、キャンディー×2、富竹時報のカメラ
     焦ったドラえもん・うっかり侍・孤高の黒き書き手の服、対戦車地雷(黒)×7、ブラックポン太くんスーツ@スパロワ
     黒リュート@からくりサーカス、刃物付き帽子(黒)@からくりサーカス、
     ピストル(黒)(0/0)、不明支給品×1 ドラゴンオーブ@AAA
【思考】基本:あの子を助けないと!
 0:鬼軍曹を生涯愛し続ける。宿った命を大切にする。
 1:F6にいき、蟹座氏&バトルマスターの戦力を削る
 2:子供を助けたら666は殺す
 3:愛に介入しようとする邪魔者は倒す

 ※容姿はコロンビーヌ(ロリ)@からくりサーカスです。
 ※ギャグ将軍にシンパシーを感じています。
 ※猫子頭の鬼軍曹と結婚しました。
 ※ロワ内の愛を感知できるようになりました。お邪魔虫もわかるようです。
 ※真の愛と哀しみを知り、北斗神拳奥義『無想転生』を習得しました。
 ※ドサクサ紛れに、マダオから腕時計型麻酔銃を奪いました。持っていた予備の針を装填済みです。
 ※子供がいた場所を中心に驚きの黒さに感染しました。感染力が弱いのでダークサイド寄りにならないかぎり侵食は進みません。
 ※太陽、月、星々がなくなった訳を知りました。



【真夜中/E-5学校跡上空】
【熱血王子@漫画ロワ】
【状態】:黒化 右目にお姉さまの眼が入っている 復ッ活ッ なのはさんに完全変身 ディーの仮面装着 宝石カートリッジ残り五発
【装備】:バルディッシュ・アサルトBC ディーの仮面(黒) カードデッキ・黒(龍騎)
     AK-74(残り28発・黒)  マジシャンズレッドのDISC(黒) 放火セット(燃料、松明、マッチ)
【所持品】:ナイフ、BL本、GL本、泉こなたのスクール水着@漫画ロワ 首輪×2 パロロワ衣服詰め合わせ
      お徳用原作パロロワ全生首セット(目玉セット他に換装可能) &原作パロロワ全手首詰め合わせ今なら腕も付いてくる!
【思考・行動】
 基本:愛媛に許されるために殺す
 0:……ごめんなさい ……ごめんなさい ……ごめんなさい
 1:もう一度病院にいき、今度こそ殺す
 2:黒く染まってない奴を優先して殺す
 3:白に寝返りそうな奴も殺す
 
 ※状態は黒い高町なのは(19)@sts、色んな要素が化学反応してスパークした結果変身状態で固定されました。
 ※闇の書とパスが繋がっているため、EN回復(大)が付きます
 ※所持品は所持しているだけなので黒化していません
 
 【バルディッシュ=アサルト・ブラックカスタム】
 ゲートオブバビロン@カオスロワから取り出されたバルディッシュアサルト@アニ1の改造デバイス。
 武器系の支給品融合と黒化、凛の宝石から作られたカートリッジによってスペックが向上している。
 さらに射撃のアサルト、鎌のハーケン、剣のザンバーの三形態に加えて【破棄すべき全ての手】と合体したことで
 宝具技を使用可能なブレイカーフォームが搭載された。

3591地獄紳士は大変な××を盗んでいきました:2008/05/05(月) 22:37:04 ID:ljLXqTrw0
【真夜中/E-5暗黒】
【派手好き地獄紳士666@LSロワ】
【状態】:闇の書発動、不死者化?、大量の精気(エロパワー)吸収  疲労中 負のエネルギー蒐集中 暴走?
      アルテマ修得中(小アルテマはラーニング済み)……私の愛は愛ではないだって?
【外見】:黒いリボンドレス、背中から黒い六翼。長い髪は白く染まり後ろに降ろしている。眼鏡外し。
【装備】:ゲート・オブ・バビロン@アニロワ2nd(※特殊仕様)、闇の書@アニロワ1st(ディス・レヴ内臓)、ビッグ承
     クラールヴィント・黒@アニロワ1st(ネコミミストと同じ物)、バリアジャケット、コアドリル@アニロワ2nd
【所持品】:エニグマの紙「漫画キャラバトルロワイアルwiki管理人」、ヒュッケバイン・ボクサー(トロンベ)
      四次元ポケット、クレイジーダイヤモンドのDISC、高性能探索機能つき扇風機 コロンビーヌの仔
      朝倉涼子のアーミーナイフ、夜天の書(BL本)ウルトラミキサー、モンスターボール(空)

【思考・行動】
 基本:極悪外道になった後、ネコミミストの前に敵として再会。ネコミミスト心から愛してる。
 1:しばらくは身を隠し、ディス・レヴを使いこなせるようにする
 2:携帯電話…最高の玩具だねえ
 3:熱血王子とコロンビーヌの動向はチェック
 4:熱血王子が改心されそうなら…… コロンビーヌが裏切るなら……
 5:ネコミミストの前に敵として現れ、最終的に喰われる

※ゲート・オブ・バビロンで出せるアイテムをどれも『一応は何とか使いこなせ』ます。
 エリクシールと爆薬は使い切りました。 鳳凰寺風の剣は病院に起き捨て。
 ディーヴァの剣、ルルゥの斧、鳳凰寺風の弓と矢は全て武器融合に使用。
 浄玻璃の鏡の回数制限は残り1回。凛の宝石は全てカートリッジに変形。
 懐中時計型航時機『カシオベア』破壊
※ゲート・オブ・バビロンで出せる新たに判明した物及び追加された物。
 アニロワ1stからディーヴァの剣、ルルゥの斧、マイクロ補聴器、
 鳳凰寺風の弓と矢、鳳凰寺風の剣、凛の宝石×10、闇の書。
 加えて――マテリアルブレード@テイルズロワ@XXX、クラールヴィント@アニロワ1st@XXX、
 不死の酒@アニロワ2nd(既に使用済み?)@XXX。
※闇の書と融合しているため、その内に言うまでもなく――
※エロスの鐘の煩悩寺と、エロ師匠の(ついでに大暴れ鉄槌の)精気を吸収しました。
 影丸の魔力を吸収したため、8割がた使いこなせるようになりました。
※「漫画キャラバトルロワイアルwiki管理人」は一度だけ秘められた力を使う事が可能です。詳細は不明。自身に関係する事?
※書き手としてのメタ視点能力を使える様子。別に全知ではない。
※闇の書とディス・レヴ@スパロワが内臓されました。リミッターをかけていますが会場内の負の力を自動的に集められます
※バビロンの財宝はクレイジーダイヤモンドでは治せません(宝物庫そのものは別)
※『真・驚きの黒さ』を蒐集により習得しました。これによりディス・レヴの効率を上げられます。
※コロンビーヌの胎児を闇の中に確保しています。驚きの黒さ内なにで遠からず汚染されます。

※全支給品を合成させ、自身も融合することにより、【グランゼボーマ@アニロワ2(グレンラガン)】の力が振るえます。
 制限によりサイズはLLL内で収まっています(つまり星よりでかいとかにはなりません)
 ただし666としてか闇の書の暴走が表に出るかは状況によります。 666もそのことは理解してます。

※ヒュッケバインボクサートロンベ:単純にヒュッケバイン・ボクサーが黒色(レーツェルカラー)になったもの。
                 トロンベ化に伴いトロニウムエンジンから核融合エンジンになったが、
                 666からのエネルギー供給でトロニウムエンジン以上に安定駆動可能になっている。
                 人間サイズより一回り大きい。念動兵器が使えるかは不明。

3592諸君 私は名無しが好きだ:2008/05/05(月) 22:39:17 ID:ljLXqTrw0
投下終了。どんな強い人でも見方を変えれば綻びだってある、そんなお話。
いろいろ詰め込みすぎたかも&ひとつ前の作品を受けての変更にミスがあるかも

3593諸君 私は名無しが好きだ:2008/05/06(火) 02:11:45 ID:bN5W9mUU0
投下乙〜。
666最近大人しいと思ったら、なんて黒いw
コロンビーヌの666への異議も見事!

……そしてごめんなさい。
3592が何故だか無性にカオちゃんに思えてしまうのです。
いや、多分間違いですけど。

3594諸君 私は名無しが好きだ:2008/05/06(火) 07:21:18 ID:48AvDGvgC
色々と黒い……w
ほんと666調子乗ってるな。
コロンビーヌ怖いよコロンビーヌ。
そしてスパロボWネタで指摘をひとつ。
「あれはポン太君ではありません。ボン太君です」
状態表>ブラックポン太君スーツ@スパロワ

3595諸君 私は名無しが好きだ:2008/05/06(火) 10:44:08 ID:t56ggb8I0
すみません。濁点が見えにくくて間違えましたね。
wikiにて修正をしておきます。

3596新訳・これより先怪物領域:2008/05/06(火) 13:42:09 ID:JGQabwPI0
投下行きます。

右手にノートパソコンを抱え、速筆魔王LXは暗闇の中を歩く。
ノートパソコンの中にその意思を宿すギャグ将軍は、今は無言だ。
「一度一人でじっくりと考察したい」と本人は言っていたが、黙っている理由はそれだけではないだろうと魔王は思っていた。

静かなる〜Chain-情〜。孤高の黒き書き手。

共に新生クライシス帝国の一員であり、第三回の放送時点で生存が確認されていた書き手である。
だがコロンビーヌがもたらした情報は、この二人もすでに死亡しているというものであった。
孤高の黒き書き手は、コロンビーヌがその目で殺害された瞬間を確認している。
そして静かなる〜Chain-情〜も、彼女曰くその身から発せられていた強いラブオーラが、すでに完全に消滅してしまっているという。
つまり、新生クライシス帝国のメンバーで現在まで生き残っているのは、ギャグ将軍とコロンビーヌの二人だけになってしまったのである。
数多くいた部下の、そのほとんどを失ってしまった無念。察するに余りあるというものだ。
魔王によりKYの烙印を押されているみWikiも、さすがに今回は黙りこくっている。

「おや?」

そんなこんなでしばらく一言もしゃべらぬまま移動していた魔王だったが、ふいに声をあげる。
彼の目の前に広がっていたのは、おびただしい量の瓦礫の山だった。

「ここは…。市街地とビル街の境目だから、F-6か…。こんな状態になるなんて、いったい何があったんだ?」
「何があった、魔王よ。余にも見せるがいい。」
「ええ、わかりました。」

魔王はノートパソコンを開き、モニターを眼前の光景に向ける。

「なるほど、これはひどいのう…。昼間に余と部下達もこのあたりで戦闘を行ったが、そのときよりもさらに破壊が進んでおる。」
「さすがにこれでは通れませんね…。迂回するしか…。」

そう呟くみWikiだが、それに対し魔王は意外な答えを返す。

「いや、このまままっすぐ進むさ。」

3597新訳・これより先怪物領域:2008/05/06(火) 13:43:46 ID:JGQabwPI0
◇ ◇ ◇


蟹座氏、バトルマスター、エロスの鐘の煩悩寺の三人は、廃墟と化したビル街から脱出すべくひたすら歩いていた。
しかし、その移動スピードははっきり言って遅い。
何せ、進めるルートを見つけるだけでも一苦労。
どうしても進めなくなり、みんなで瓦礫を切り崩して強行突破という場面も一度や二度ではない。
そんな状況だから、進んだ距離に比べ体力の消耗は激しくなる。

「ふや〜…。」
「蟹座氏、大丈夫ですか?少し休憩しましょうか?」
「い、いや、大丈夫だよししょー!まだまだへっちゃらさ!」

自分を気遣うバトルマスターの言葉に、蟹座氏は元気よく返答をする。
だがそれが空元気だというのは、バトルマスターにはよくわかっていた。
バトルマスターと蟹座氏。共に先のジョーカー戦で大きく疲労し、ダメージもかなりのものを受けている。
本来ならばしばらく安静にいていなければならないような状態だ。
だが、そうゆっくりしているわけにはいかない。なぜなら、今はロワ終盤だからだ。
人数が少なくなった分一人あたりの描写が多くなる。それ故、何もしないでじっとしていることなどとうてい歓迎されない。
書き手としての悲しい本能が、彼らを無意識のうちに突き動かしているのである。

「ああっ!」

バトルマスターがそれでもあえて休憩を提案しようとしたそのとき、声をあげたのは煩悩寺だった。

「どうしました、煩悩寺さん!」
「あそこを見てください!人影みたいなものが!」

煩悩寺が指さしたのは、数少ない倒壊を免れた数少ないビルのひとつ。
その屋上に、月を背にして確かに誰かが立っていた。
その誰かは、ためらう様子をまったく見せることなく屋上から飛び降りる。

「うわっ!」

蟹座氏は、思わず声をあげる。その人影が飛び降りた高さは、どう考えても安全な高さではない。
影はそのまま、地面に突き刺さる。とどろく轟音。舞い上がる土煙。

「ふう…。さすがにあの高さからだと足が痺れるねえ…。」

しかし姿を現した男の反応は、至って平凡。まるでいすから落ちた程度にしか見えない。
それを見ていた三人は、明らかにリアクションに困っている。
まあ超人レベルの人ならノーダメージでも納得できるかもしれないけど、反応軽くない?

「ふむ、まあまあのボケだな。そちもわかってきたではないか、魔王よ。」
「ありがとうございます、将軍。でも、ぼけたつもりはないんですが。」

今度はノートパソコンと話し始める、謎の男。その光景を見て、バトルマスターはようやく我に返る。

「あの、あなたはいったいどちら様で…。それから、そのパソコンは意思持ち支給品ですか?」
「ああ、失礼。僕はアニロワ2ndの書き手、速筆魔王LXです。」

その名前を聞いたバトルマスターと蟹座氏の脳裏には何故か「パヤパヤ」というフレーズが浮かんだが、それはひとまずおいておく。

「そしてこっちが…。」
「余はライダーロワ書き手にして新生クライシス帝国初代大統領、ギャグ将軍である。」

魔王が三人に向けたノートパソコンの画面内で、金色の怪人が尊大に名乗る。

「ギャグ将軍…。たしか名簿にも載っている、れっきとした参加者のはずですが…。いったい、何故このような姿に?」
「まあ、その辺についてはおいおい話していくとして…。まずはそちらの名前を伺いましょうか。こちらだけ名乗るのは不公平でしょう。」
「それもそうですね…。僕はギャルゲロワのバトルマスター。こっちは僕と同郷の蟹座氏です。そして…。おや、どうしました?」
「い、いえ!なんでもありません!」

心配するバトルマスターにそう答え、彼女は顔中に冷や汗を浮かべながら名乗る。

「お二人とも、『初めまして』。アニロワ2ndの書き手、エロスの鐘の煩悩寺です。」
「初めまして…?」
「むう?」
(やばいやばいやばい、めっちゃ疑われてるー!!)

3598新訳・これより先怪物領域:2008/05/06(火) 13:44:27 ID:JGQabwPI0
二人の視線を受けて、煩悩寺の顔にさらなる冷や汗が浮かぶ。何せ、この二人と彼女は一度遭遇しているのである。
それならバトルマスターも同じじゃないか、と思うかもしれないが、そうではない。
バトルマスターはその名の通り、特殊能力は戦闘に特化している。それ以外は普通の青年だ。
だから、多少の疑念を持ちつつもあっさり術中にはまった。
しかし、この二人は違う。なんというか、人間としての格が違う。
どんなに完璧な偽装も、あっさり見破られそうな気がしてならない。
特にギャグ将軍。この男(?)は底が知れない。何が飛び出すかわかったもんじゃない。

「ちょっと、二人とも!女の子をじろじろ見るのは失礼ですよ!」

煩悩寺に対して助け船を出す格好になったのは、蟹座氏だった。
もちろん彼女は煩悩寺の正体を知っているわけでもなければ、共犯者でもない。
男二人の煩悩寺への視線を、別の意味に勘違いしただけである。

「おっと、失礼。それではお互い名乗ったことですし、情報交換といきませんか?」

若干納得のいかないような表情を見せながら、魔王はこう切り出す。
バトルマスターはそれを快く受け入れ、二組の情報交換が始まった。
とは言っても、お互いまとめwikiの存在を知っていたため、共有する情報は多かった。
そのため主な論点となるのは、放送以降のお互いの行動である。

「なるほど…。ジョーカーに敗れた結果、将軍さんはその姿に、と…。」
「うむ。そちらにもジョーカーの介入があったようだな。」
「ふむ、なるほどなるほど…。」

情報が飛び交う中、魔王はその脳内でそれを的確に整理してゆく。

「そっちを襲ってきたジョーカーの目的は、時間稼ぎだった。おそらく、僕たちとの合流を遅らせるのが目的だろうね。
こっちも結果的に将軍がこんなことになったとはいえ、積極的に殺しに来てる感じじゃなかった。
殺すのが目的なら、もっと他にいくらでも方法があるはずだからね。」

その場にいる面々を見渡しながら、魔王は言葉を続ける。

「wikiから得た動向を見ても、ジョーカー達は人数を減らすために動いてるわけじゃなさそうだ。
僕やお姉さまと戦ったジョーカー…nanasinnは殺す気満々だったけど、あの人はあくまでイレギュラーだったらしいしね。」
「彼らの目的は、ロワの展開を自分たちに有利な方向へ導くこと…。参加者を殺すことではない、というわけですね。」
「うん。そういう意味では、彼らは本来の意味のジョーカーとは違う存在と言えるかもしれない。
まあwikiでもジョーカーで統一されてるみたいだし、今更新しい呼び名を考えるのも面倒だからそのままジョーカーって呼ぶけどね。」

バトルマスターの言葉を肯定し、魔王はなおも語り続ける。

「まあ向こうがどういうつもりにしろ、主催者打倒エンドを達成するには彼らを倒すしかない。
向こうの戦力は『ジョーカー』が7人。それに加えて戦力は未知数のwiki管理人、読み手、プー太氏…。
そしてかなりの実力を持つスタンド使いであることが予想される、感電氏…。
『真の対主催』を名乗る彼が、果たしてどちら側につくか…。こっちの味方になってくれれば言うことなしなんだけど…。」
「何を言うか、魔王!!」

突如として上がる怒声。それはこれまでおとなしく話を聞いていた、ギャグ将軍のものだった。

「奴は我が部下である焦ったドラえもんの体を乗っ取り、あろう事か殺戮の道具として使ったのだぞ!
その上、戦友であるうっかり侍とフラグビルドまでその手にかけさせたのだ!
そんな奴と手を組むことなど出来るか!必ずや、余がこの手で討ち取ってくれるわ!」
「気持ちはわかりますが…。少し頭冷やしましょう、将軍。
我々の目的は主催打倒によるロワ完結です。もはや対主催の参加者も十人ちょっと。
今後の展開次第では、さらに人数が減るでしょう。戦力になりうるものは、少しでも多く確保しなければならないんですよ。」
「知ったことか!!奴だけは…奴だけは許せぬ!!」
「だから落ち着いてください、将軍。だいたい、向こうのスタンドは物理無効、電撃吸収のレッドホットチリペッパーですよ?
元に戻れたとしても将軍のスペック上、相性最悪じゃないですか。」
「ぐ…。だがそれでも…。」

なおも食い下がろうとする将軍だが、さすがに痛いところをつかれ勢いは弱まっている。
それを確かめた上で、魔王は再び他のメンバーに向かって話す。

「とにかく、戦力の強化は最重要課題ってことになる。そこで、君たちの話を聞いて思いついたんだけど…。」

3599新訳・これより先怪物領域:2008/05/06(火) 13:45:22 ID:JGQabwPI0
◇ ◇ ◇


「しかし、この終盤で単独行動は…。」
「むしろ、大集団で移動する方が死亡フラグ…。」
「でも…。」

煩悩寺は、周りの話をまったく聞いていなかった。彼女の注意は、ひたすら将軍が宿るノートパソコンに向けられている。
とにかく、自分の正体を隠す上で一番やっかいなのがあれだ。
ギャグ将軍だけでも警戒すべき存在だというのに、あのパソコンには参加者の顔写真付き名簿も入っているという。
おそらくそれにも自分の術の効果が及んでいるはずなので、今すぐ自分の正体がばれることはないだろう。
しかし、自分の情報が少しでも存在しているからには警戒を緩めるわけにはいかない。
幸いなのが、相手がノートパソコンだということだ。
上手く機会を見つければ、事故を装って簡単に破壊できるだろう。いや、壊さずとも強い衝撃を与えるだけで十分かもしれない。

(とはいっても、どうしようか…。魔王さんに色仕掛けは通用しそうにないし…。)
「…さん。煩悩寺さーん。」
「あ、はい!なんでしょう!」

すっかり自分の世界に入り込んでいた煩悩寺だったが、蟹座氏の呼びかけでようやく現実に帰還する。

「大丈夫ですか?やっぱりどこか悪いんじゃ…。」
「いや、そんなことは!?ちゃんと全身問題なしなのですよ!」

焦って口調がおかしくなるが、とりあえず蟹座氏はそれ以上追求するつもりはないようだ。

「とにかく、今出た結論に従って行動してくださいね?」
「結論?」
「やだなあ、聞いてなかったんですか?私とししょー、それに将軍さんは病院に向かいます。
煩悩寺さんは魔王さんと一緒に、F-3のホテルに向かってください。」
「はあ…。って、ええええ!?」

予想外の展開に、煩悩寺は思わず素っ頓狂な声をあげる。

「な、なんだってそんな話に!そもそも病院はともかく、ホテルなんてどこから出てきたんですか!」
「えーと、私たちの話を聞いた魔王さんが、ホテルに自分の強化フラグがあるかもしれないと言い出しまして…。
最初は魔王さん一人で行くと言っていたんですが、さすがにそれは危険だろうと。
それで、同じアニロワ2ndの書き手である煩悩寺さんがパートナーとして適任じゃないか、ということになったんです。」
「ええ!?ちょっと、なんで私の同意も得ずにそんな話に…。」
「いや…それでいいかって聞いた時、うなずいてたじゃないですか、煩悩寺さん。」
「………。」

絶句する煩悩寺。そういえば、適当に相槌を打っていた気がする。

「まあそういうことだから、よろしくね。」

ふいに、誰かが煩悩寺の肩をポンと叩く。振り向くと、そこには魔王の笑顔があった。
このとき、煩悩寺にはそれが、天使のような悪魔の笑顔に見えたという…。

3600新訳・これより先怪物領域:2008/05/06(火) 13:46:02 ID:JGQabwPI0
◇ ◇ ◇

数十分後、一行はどうにかこうにか、ビルの迷路からの脱出に成功していた。

「それではしばしの別れである。またあとで会おう、魔王よ。」
「ええ。用が済んだら、こっちもすぐに追いかけますから。」

別れの挨拶を交わす、将軍と魔王。その表情に、悲壮さはない。お互い、再会できることを確信しているのである。

「ああ、そうだ。これを忘れるところだった。」
「どうしました?」
「これ持っていってよ、バトルマスターくん。」

魔王は無造作に、デイパックから取り出した何かをバトルマスターに投げ渡す。
キャッチしたバトルマスターが確認すると、それは一冊の本だった。
そう、さっきからすっかり空気になっていたみWikiである。

「もしこなたかかがみの姿をした参加者に会ったら、それを渡してもらえるかな?
具体的なことはわからないけど、何かが起こるらしいんだ。」
「わかりました、お預かりします。」
「よろしくお願いしますね、バトルマスターさんに蟹座のお嬢さん。」
「蟹座じゃないもん…って、しゃべった!しゃべるの、この本!?」

バトルマスターの傍らで、蟹座氏が目を丸くして驚く。

「驚きすぎですよ、蟹座氏。ロワじゃ意思持ち支給品なんて珍しくないでしょう。」
「いや、それはそうだけど…。むしろししょーが落ち着きすぎなんですよ!」
「そうですか?まあ何はともあれ、よろしくおねがいしますね。えーと…。」
「あ、みWikiと申します。」
「みWikiさんですね。改めてよろしく。」
「いえいえ、こちらこそ。」

お互いに笑顔で(みWikiは声からのイメージだが)挨拶を交わす、バトルマスターとみWiki。
蟹座氏はそれを見て、バトルマスターへの敬意が増したようなそうでもないような複雑な気持ちになった。

「それじゃあ、今度こそお別れだね。また生きて会おう!」

そう言い残し、魔王は不服そうな表情の煩悩寺を担いで去っていった。

「さて、我々も行くとしようか。」
「そうですね。」

ぐんぐん小さくなっていく魔王の姿を見送ると、バトルマスター達も移動を始める。
目的地は「孤城の主」の舞台、病院だ。
まだ戦いが続いているようなら、当然対主催側の助太刀に入る。
戦いが終わっていたとしても、生存者との接触は無駄にならないはずだ。
そもそも、もはや対主催の集団がいるのは病院しかないのだから、そこを目指すほかに選択肢はないのである。

「ねえ、ししょー…。」
「どうしました、蟹座氏。」

道すがら、蟹座氏はバトルマスターに話しかける。その表情は、どこか憂いを帯びているように見えた。

「ボク、あの魔王さんと初めて会った気がしないんだ…。いや、実際前に一度会ってるんだけど…。
それ以上に親しい関係だったような…。それに、こっちの将軍さんとも…。」
「何を言っておる。余のことを忘れたか、我が娘よ。」
「はああああ!?娘ぇ!?」

バトルマスターの代わりに蟹座氏の言葉に応えたのは、ギャグ将軍だった。
その返答に、蟹座氏は年頃の乙女としてちょっとどうかという声を出してしまう。
こんな金ぴか禿げに娘と呼ばれたら、普通は即座にそれを否定するだろう。
だが蟹座氏の中で、徐々に妙な感覚が目覚めてくる。
確かに自分は、この金ぴか禿げを「お母さん」と呼んでいた気がする。
それに、自分には優しいことこの上ない「兄様」もいた気が…。
おかしい、おかしい。遺伝子学的に考えて、自分と将軍に血のつながりなんてあるわけがない。
自分に兄だっていなかったはずだ。
おかしいといえば、お姉さまのことももそうだ。
ライバルというのはいい。だが、親友?自分とお姉さまは、そこまで親密な関係だったか?
だが、お姉さまが死んだと知った時、彼女のことを「ライバルにして親友」と思ったことも事実なのだ。
おかしい。おかしい。おかしい。おかしい。
何がおかしい?どこがおかしい?全部おかしい?それとも、何もおかしくない?

蟹座氏は、苦悩する。バトルマスターは、その様子を眉間にしわを寄せて見守っていた。

(中途半端になりきりから抜け出してしまいましたか、蟹座氏…。
助け船を出してあげたいところですが、あいにく私にもどうするのがベストなのかわかっていません…。
なりきりを捨てるべきなのか、それともなりきりを貫き通すべきなのか、ね…。
答えはあなたが出さなければならないのですよ、蟹座氏。)

走る、走る、二人は走る。背後から、自分たちの命を狙う悲しき自動人形が迫っているのを知らぬまま。

3601新訳・これより先怪物領域:2008/05/06(火) 13:46:33 ID:JGQabwPI0
【真夜中】【F-7・市街地】
【バトルマスター@ギャルゲロワ】
【状態】:健康、キュレイ種のような身体、首輪解除 魔術回路にダメージ
【装備】:永遠神剣「冥加」、ゲイボルグ@アニロワ2nd、孔明の令呪(残り五画)
【道具】:支給品一式×2、コイン、名簿、孔明のメモ、スタンガン@アニロワ1st、 首輪(まとめキング)、みWiki@らき☆すた?、ノートパソコン、不明支給品×2
【思考】:
 基本:コインの表が出た――だから徹底的に抗う。
 0:仲間と協力して主催者を打倒!!
 1:病院へ向かい、残った対主催の参加者と合流。
 2:対主催として仲間を探し、殺し合いに乗った輩を倒す。
 3:こなたかかがみの姿をした参加者にあったら、みWikiを渡す。



※容姿は前原圭一@ひぐらしのなく頃にです。
 ※自身の精神が、キャラの影響を受けている事に気付きました。
 ※【闘争制覇者-Battle Master】
   発動させることで、決して『バトル』に負けない固有結界を張る事ができます。
  【闘争制覇者-Battle Master アイン・ソフ・オウル】
   バトルマスターが生涯描きうるありとあらゆるバトルの世界に敵を放り込む技。
   物語内のキャラの攻撃を全部くらわせます。
   この技が発動した時点で、敵味方の全行動が『バトル』として定義されます。
   故に、発動すればどんな状況でも、バトルマスターは不敗です。
 ※影の繋ぎ師からディーの話を聞きました。
 ※王蛇のカードデッキにある”ADVENT”のカードはベノスネーカー、メタルゲラス、ダークウイングの3枚です。
 ※孔明のメモにはこのロワに関する孔明の知り得る限りの情報が記載されています。
 ※孔明の令呪を使うことで魔力を補充することが出来ます。二画以上まとめて使うことでアインソフオウルを使用可能。
  ただし、全ての令呪を使い切ると……?
 ※みwikiが一段階強化されました。意思持ち支給品として近くの参加者と会話できます





【蟹座氏@ギャルゲロワ】
【状態】:蟹見沢症候群発症(ただいま沈静中)、へこみLv2、顎部に痒み、
     『蟹座じゃないもん』覚醒、大程度の疲労、若干錯乱、首輪解除 左手首に傷
【装備】:体操着(ブルマ)、鉈、ケリュケイオン@リリカルなのはStrikerS、永遠神剣『誓い』
【道具】:支給品一式×2、蟹座の黄金聖闘衣、最高ボタン、カードデッキ(シザース)@ライダーロワ、
     閃光弾、まふうじの杖、 バッド・カニパニーの甲羅
【思考】:
 基本:ししょーと共に!
 0:ししょーと共に対主催。
 1:私の記憶、どこかおかしい?
 2:『あいつ』に逢ったら殺す。
 3:ギャルゲロワの仲間とはできるなら会いたくない……けど。
 4:敵とは戦う。ギャルゲロワ以外でいじめてくる人はみんな敵。



 ※容姿は蟹沢きぬ(カニ)@つよきすです。
 ※最高ボタンを押すと、『いやっほぉぉぉおおおう、蟹座のONiぃ様、最高ーーーーーっ!!!!!』という台詞が、
  ハクオロの声で流れます。シークレットボイスにも何かあるかも?
 ※自分の心がキャラに影響されていることに気付きましたが、キャラに抵抗するため無駄な努力をしています。
 ※身体能力は本気を出せば倉成武ぐらいの力が出ます。通常はカニ。
 ※蟹見沢症候群について。
  へこみのLvが5になったとき、発祥します。発症した場合、自分を苛めたり辱めたりした者を優先的に殺します。
  基本的な症状は雛見沢症候群と同じです。発症中は蟹座氏のチャット状態の特徴により、語尾に♪がついたりします。
 ※言霊『蟹座じゃないもん』に覚醒しました。
  強い意志で蟹座であることを否定することにより、文字通り蟹に縁のあるアイテムから、
  『蟹座じゃないもん』つまり『蟹座じゃないもん(者、物)』の力を引き出せます。
 ※蟹座氏のバリアジャケット姿がどのようなものかは以降の書き手に任せます。
 ※なりきりが解けかけ、記憶に混乱が生じています。

3602新訳・これより先怪物領域:2008/05/06(火) 13:47:02 ID:JGQabwPI0
【パソコンの中&iPodの中】
【ギャグ将軍@ライダーロワ】
【状態】:首輪解除 腹部にダメージ(治療中) 電脳空間に幽閉 心機一転 増えた 上機嫌
【装備】:電脳空間なのでない、はずですが……
【道具】:顔写真付き参加者名簿 支給品一覧(パスワードによりロック中) 地図 書き手ロワ2SS一部
【思考】:
 基本:新生クライシス帝国の結成。
 1:閉じ込められたついでに電脳世界を征服してくれよう!
 2:主催者なり真の対主催なりの目的やらなんやら考察してみせよう!
 3:熱血怪人の遺志を継ぎ、熱血王子を救う!
 4:『白猫』を探し出してくれよう!
 5:同胞を冒涜したあの連中は裁きにかける
 6:ついでに飲み友達を集める。
 7:コーカサスゼクターの資格者を探し、コーヒーを飲む。
 8:紅茶を飲むかどうかは保留。
 9:対主催の仲間を集める



※ポケモンの物まねによる影響が各地で現れたかもしれません。ただ、将軍のギャグ補正により悪い結果は導きません。



※なんか増えました。すべてのコピーが同じ能力を持っているのか、実体化出来るのかは不明です。姿は変えれるようです。
※一時的に実体(きぐるみ)を失っているため、キャラに何らかの変化があるかもしれません。
※制限がライダーロワ基準だと思い込んでいます。
※特殊能力:「書き手界の良心」に目覚めました。
  本気の一喝を放つことにより、悪ノリし過ぎている者に自重を強いることができます。
  ただし、ギャグ将軍の性格上、あまり多用されることはありません。
  真剣な人生相談に乗ることも可能。なお、発動中はピンク色がかかった女言葉になります。
※背中に謎のチャックを確認。ギャグ将軍曰く、開けると「大変なこと」になるそうです。詳細は不明です。
 今回の発動はあくまで電脳空間でのなりきり変化の鍵としての解放であって、本来の解放の効果は不明です。
※ノリと思い込みで電脳空間内でかなりの無茶が可能になったようです。またものによっては現実の方が将軍に合わせて動きます。
 例:ピカピカ鳴くとラピュタの雷が勝手に発動します。



※固有結界「コーヒーブレイク」
  優雅なリネン一式の備わったテーブルと人数分の椅子を造り出し、皆でコーヒーを飲んで和みます。
  それ以上の効果は確かめられていません。
  コーヒーセット自体が発動させている可能性があります。



※ノートパソコンの中に、顔写真付き参加者名簿と支給品一覧(パスワードが設定されている)のデータが確認されました。
 また地図を確認。参加者の区別が付かない第三放送時の参加者分布を知ることが出来ます。上級パスでさらに詳しく?
※書き手ロワ2ndに存在するすべての「アドレス」に向けて、データ化されたギャグ将軍が送信されました
※パソコンから『柿テロ猥・R2‐ND』のチャットに出入り可能になりました。



※コロンビーヌと情報交換しました。
※『柿テロ猥・R2‐ND』掲載の情報を一部入手しました。
 新生クライシス帝国に因縁のある相手――主催者・ジョーカーと真の対主催がメインです。
 影の繋ぎ師の情報もそろっています。
 反面『黒猫』の情報を初め、不完全な部分もあります。お任せ。
※孤城の主のコロンビーヌ視点の情報を得ました。

3603新訳・これより先怪物領域:2008/05/06(火) 13:47:52 ID:JGQabwPI0
◇ ◇ ◇


走れ、走れ、もっと速く。そう、飛ぶが如く!

弾丸のごとき速さで、暗闇の街を魔王が駆ける。なりきりの力は、将軍が身をもって教えてくれた。
今の自分は、何よりも速い。なぜなら自分は「速筆魔王」なのだから。
今の自分なら、かつての盟友DIE/SOULにだって速さで勝てる!

「あばばばばばばば!!」

気の毒なのは、煩悩寺である。人間を超えたスピードで走る魔王に抱えられ、前後左右に激しく揺さぶられている。
まんま、アニロワ1stでクーガーにおんぶされたセラスの再現である。

「まああああああ!ちょ、とまああああ!!」

なんとか魔王を止めようとしても、風圧のせいでまともにしゃべれない。
力ずくで止めるなど論外である。彼女の細腕では、魔王の体力にかなうはずがない。
結局、魔王はノンストップで目的地であるホテルにたどり着いてしまった。

「あ〜う〜…。」

ホテルに着くやいなや、煩悩寺は地面に倒れ込む。もう顔面は真っ青である。
ふと空を見上げると何故かお月様が見えなくなっていたが、今の彼女にはどうでもいい変化である。
まさかもう一人の自分が宇宙を崩壊させ、その後死んだなどとは夢にも思わない。
そんな煩悩寺を放置して、魔王は廃墟と化したホテルを歩く。
彼が求めるのは、さらなる強さ。
なりきりの力をコントロールできるようになり、彼の戦闘力はもはや人類最強と言ってもいい。
だが、それでも足りない。エンディングまで生き抜くには、なりきりの限界をさらに天元突破しなければならない。
これより先は人類の域を超えた強者達の戦場…怪物領域なのだから。

「ああ、いたいた。」

まるで最初から場所がわかっていたかのように、魔王はあっさりと一人の少女を見つけ出す。

「やっと会えたね、もう一人の僕。」

少女の名は、美形元帥。今や無惨な亡骸と化した、魔王の半身である。

「早速で悪いけど…。わけてもらうよ、君の力。」

魔王はそう言うと、無造作に美形元帥の白濁した眼球に手を伸ばした。
ためらいなくそれをえぐり取ると、自分の口の中に放り込む。
噛む。噛む。噛む。噛む。噛む。噛む。噛む。噛む。
噛む。噛む。噛む。噛む。噛む。噛む。噛む。噛む。
噛む。噛む。噛む。噛む。噛む。噛む。噛む。噛む。
噛む。噛む。噛む。噛む。噛む。噛む。噛む。噛む。
そして、飲み込む。
今の煩悩寺がこの光景を見たら、そのグロテスクな行動に嘔吐していたかもしれない。
幸いなことに彼女はあさっての方向を向いており、魔王の行動を見てはいなかった。
しかし、それでも声は彼女の耳に届く。

「…………るる。」
(え…?まさかこれって…。)
「るるるるるるるるるるるるるるるるるるるる。」

アニロワを知る者なら、誰でもその心に刻んでいるそのフレーズ。それが煩悩寺の鼓膜を叩く。

(まさか…。るるるのルイズゥーッ!?)

おそるおそる、魔王を見る煩悩寺。魔王は、ゆっくりとこちらへ向かってきている。
その瞳は、虚ろ。何も写らぬ、虚無。

3604新訳・これより先怪物領域:2008/05/06(火) 13:48:36 ID:JGQabwPI0

(やばいやばいやばいやばいやばい!!)

煩悩寺の防衛本能が、全力で警報を鳴らす。ただでさえいろいろやばい魔王が、ルイズの狂気に浸食されてしまったら…。
なんかもう、とにかく恐ろしい。一刻も早く逃げたいが、すっかり体がすくんでしまって動くに動けない。
そうこうしているうちに、魔王は煩悩寺の眼前まで歩いてくる。

「いやあああぁぁぁぁ!!」
「なーんちゃって。」
「へ?」
「ごめんごめん、ちょっとした悪ふざけだったんだけど…。そこまで怯えるとは思わなくてさ。」

笑顔で謝罪する魔王。要するに、るるる化は単なる演技である。

「お…驚かさないでくださいよぉぉぉぉぉ!!」

涙目で、魔王に非難の視線を向ける煩悩寺。スカートの真ん中あたりが濡れているような気がするが、気にしない。
きっと汗だ。というか汗ということにしておいてくださいお願いします。

「いやあ、だからごめんって。」
「とにかく、もう用事は済んだんですよね?早くバトルマスターさん達と合流しましょう。」
「いや、ちょっと待ってくれるかな。もう一つやりたいことがあるんだ。」
「え?」

予想外の返答にきょとんとする煩悩寺を尻目に、魔王はUターンして美形元帥の遺体の元へ引き返す。
そして、彼女の周りに散らばっている破片を集め出した。
それはグラーフアイゼン。美形元帥に支給されたデバイスである。

「うーん、やっぱり修理するにはパーツが足りないか…。そうだ、たしかトウカリョウくんの死体もこの辺にあるはず…。」

程なくして、魔王はトウカリョウの死体を発見した。そして、その体内に埋め込まれたテッククリスタルをつかみ出す。

「これにグラーフアイゼンのパーツを埋め込んで…。足りない分は焦ったドラえもんくんのデイパックに入ってたがらくたを使えば…。」

技術手袋を使い、魔王は手際よく作業を進めていく。異なる技術の融合もいいところだが、そのあたりは気にしたら負けかなと思っている。

「出来たー!」

数分の時間を費やした後、魔王は嬉しそうに叫ぶ。魔王オリジナル、デバイスクリスタルの完成である。

「じゃあ、早速試してみようかな…。テックセッター!」

意気揚々とクリスタルを掲げ、魔王は叫ぶ。その瞬間、彼をまばゆい光が包んだ。

「うおっ、まぶし!」

暗闇に慣れてきたところに強烈な光を浴びせられ、たまらず目をつぶる煩悩寺。
しばらくして目を開けると、そこには姿を大きく変えた魔王が立っていた。

「テッカ…マン…。」

半ば無意識に、煩悩寺は呟く。

「テッカマンエビル…。いや…テッカマンデモン…ってところかな。」

自らの姿を確認し、魔王は満足げに呟いた。

3605新訳・これより先怪物領域:2008/05/06(火) 13:49:42 ID:JGQabwPI0
【真夜中】【F-3 ホテル跡】
【速筆魔王LX@アニロワ2nd】
【状態】健康 首輪解除 この魔王ノリノリである
【装備】斬鉄剣@ルパン三世、技術手袋@アニロワ1st、デバイスクリスタル、バリアジャケット(テッカマン風)
【道具】支給品一式×8、分解済みの首輪(素晴らしきフラグビルド)
    首輪×3(地味子、◆wKs3a28q6Q、永遠のうっかり侍)、iPod
    コーヒーセット一式@スパロワ、コーカサスブレス&ゼクター@ライダーロワ、
    ジャーク将軍のマント@ライダーロワ、 杖@ライダーロワ、王者のマント@FFDQロワ
    バヨネット×2、核鉄「バルキリースカート」、ジャッカル(5/6)
    銀河ヒッチハイクガイド、咎人の剣「神を斬獲せし者」@AAAロワ、ドラゴン殺し@アニロワ1st、他にまだあるかも
【思考・行動】
 1:パワーアップも出来たし、将軍達の後を追う
 2:道中主催者や真の対主催について考察
 3:熱血怪人の遺志を継ぐ
 4:iPodとノートパソコンの中身を分析する
 5:将軍の電子戦にある意味期待
 6:『白猫』って誰? あと『黒猫』?
 7:対主催陣を探し、ゲームに乗った強敵を撃破していく。
 8:あの連中には借りを返す

※主催者陣営に裏切り者がいるのでは、と考えています。
※首輪の構造を理解しました。
※夢の内容ははっきり覚えていますが、どうでもいいと思っています。
※『柿テロ猥・R2‐ND』掲載の情報を一部入手しました。
 新生クライシス帝国に因縁のある相手――主催者・ジョーカーと真の対主催がメインです。
 影の繋ぎ師の情報もそろっています。
 反面『黒猫』の情報を初め、不完全な部分もあります。お任せ。
※孤城の主のコロンビーヌ視点の情報を得ました。
※彼が何を見たのかは、全力で忘れろ!
※美形元帥が持っていた、膨大な量の魔力を吸収しました。
※バリアジャケットのデザインは、テッカマンエビルをさらに禍々しくしたような感じです。
 テッカマンの能力が再現されているかどうかなど、詳細は後続の書き手さんにお任せです。



【エロスの鐘の煩悩寺@アニロワ2nd】
【状態】:精気満々、魔力全快、体力全快、激しい乗り物酔い、首輪解除
【装備】:エロスの鐘、ミニ・サスペリア(欝) クロスミラージュ@ニコロワ 不明支給品(0〜1)
【道具】:竜宮レナのセーラー服
【思考】:
 基本:エロスの限りを尽くす
0:気持ち悪い…。あと、魔王怖い。
 1:なんとか対主催に取り入る
 2:やばそうになったらエロでごまかす
 3:ノートパソコンは破壊したい。


※容姿はティアナ・ランスター@なのはstsです。
 【エロスの鐘】
 大人向けデバイス。魔法妖女デザイア・ベルへの変身アイテムでもある。
 その音色を聞かせた者が隠し持っている欲望を引き出し、暴走させてしまう。
 暴走した欲望からエロスを吸い取ることで相手の精気を自分のものにできる。
 【ミニ・サスペリア】
 掌サイズのメイドさん。闇のメイド・サスペリア@アニロワ2ndの姿をしている。
 魔女っ娘に必要なマスコットキャラで、ご主人様に色々とアドバイスをしてくれる。
 WIKI管理人の端末だった。主催陣と交信できる。ほぼ謹慎状態で今は鬱病気味。
 ※幻術『M・Yデザイアベルはティアナ・ランスターなのか?』によって地上の参加者全員に、
  『エロスの鐘の煩悩寺≠魔法妖女デザイア・ベル』という認識が植えつけられました。
  変身シーンを見られるまでは判定が続きます。但し、自分よりランクの高い存在に対する効果は不明。
 今のところ、速筆魔王LXとギャグ将軍にも効いています。

3606新訳・これより先怪物領域:2008/05/06(火) 13:52:17 ID:JGQabwPI0
以上で投下終了です。
途中で月が出てくるのは、あの時点ではまだ繋ぎ師とtu4氏の決着が付いていなかったということで。
まあ重要なシーンでもないので、駄目だといわれたら書きかえます。

3607諸君 私は名無しが好きだ:2008/05/06(火) 14:25:15 ID:IzcRa7HQ0
投下乙です
魔王様がヤバいwwwもうこのロワは並の強さじゃ瞬殺されんぞ
って、よく見たら武器庫やんw
月は別に大丈夫だと思いますよ

3608諸君 私は名無しが好きだ:2008/05/06(火) 14:26:52 ID:IzcRa7HQ0
おっと言い忘れていたぜw ふや〜♪

3609諸君 私は名無しが好きだ:2008/05/06(火) 14:45:34 ID:JukGp0EE0
始めに言っておく!ふや〜☆
投下乙です。
煩悩寺が命の危機wもうお前対主催に寝返っとけwww
どなたかサスペリアに愛の手をー!

3610最後の空気王:修正:2008/05/07(水) 03:27:46 ID:gIafvDK.0
拙作にてtu4氏の支給品の行方が抜けていたので追加しておきました。
ただ、既になんらかの手でこの穴を利用したSSを誰か書かれているなら、
気にせず書き通して、投下してください。では。

※tu4氏の装備品、永遠神剣第七位「存在」、ガンダールヴの証(ゼロの使い魔@漫画ロワ)、 ペンダント(空鍋の欠片)は消滅しました。
また永遠神剣第一位『空気』は何処か別世界に飛び去りました。このロワでの再登場はありません。

※写真付き名簿、支給品一式、不明支給品×1(未確認)は繋ぎ師が回収しました。

3611kannna:2008/05/07(水) 15:30:03 ID:CmYbygBo0
とある事をすると日記を更新している女の子のサイトです。
むちゃくちゃ生々しい文章なので初めは衝撃受けました。

中毒性が高いので注意が必要です。

http://www.geocities.jp/mojiko628/has/

3612諸君 私は名無しが好きだ:2008/05/07(水) 19:57:55 ID:qwBok..g0
業務連絡
「地獄紳士は大変な××を盗んでいきました」が、容量オーバーでWikiに収録できませんでした。
申し訳ありませんが、作者の方は分割するポイントの指定をお願いします。

3613諸君 私は名無しが好きだ:2008/05/07(水) 20:13:15 ID:yPoA8F5g0
作者です。では>>3584

 どうか、私のお願いを聞いてはいただけないだろうか?』

までを前編ということでお願いします。

3614諸君 私は名無しが好きだ:2008/05/07(水) 20:52:08 ID:YE6ZQrxo0
>>3613
了解しました。

3615私たちの行方:2008/05/10(土) 23:18:35 ID:DI5CBJvI0
真夜中の森の中をコロンビーヌは急いでいた。
向かう先はE-8の病院だ。
バトルマスター一行を襲撃するように言われた彼女がなぜそのような場所を目指しているのだろうか。
そこには彼女なりの考えがあった。
なんと言っても相手はあのバトルマスターだ。
まともなバトルを仕掛けたらまずこちらに勝ちはあり得ない。
だからと言ってここで引き下がる事は絶対にできない。
666に捕らえられている我が子のためにも絶対に引く訳にはいかない。
ではバトルマスターに勝つにはどうするか。
コロンビーヌは答えをもう導き出していた。

ずばり側面からの奇襲である。

『柿テロ猥・R2‐ND』には【闘争制覇者-Battle Master】について次のように書かれていた。
『真っ向からのバトルに限定されるため、不意打ちや毒殺などにはとても弱い←ここ注目』
これを利用しない手はない。
そういう訳でコロンビーヌは目的の場所に急いでいるが、心中は複雑だった。

(私が……私が、言いなりになるなんて……でも、子供を見捨てる訳にはいかない!)

彼女は悩んでいた。
このまま素直に666の言う事を聞いていいものか。
本心を言えば、自分と子供をいいように扱ってくれた666に今すぐにでも殺したい。
だが彼女にその選択肢はなかった。
彼女とてこの書き手ロワ2ndをここまで生き残ってきたのだ。
自分の一挙一動が我が子の明日をも左右する事ぐらい嫌というほど理解しているつもりだ。
それにコロンビーヌは気づいていないが、彼女の体内には666によって植えつけられた闇が潜んでいた。
オリジナルより劣ると言えども、驚きの黒さの威力は伊達ではない。
彼女の思考は徐々に侵され始めていた。

(でも、バトルマスター達を倒したら、孔明が残した絆も、蟹座氏に捧げられている愛も終わってしまう。
 愛に生きる者として、そんな事したくないわん!
 ……でも、しょうがないのかもね。許してちょうだい)

そんな事を考えているうちに目の前に見慣れた建物が現れた。
それはコロンビーヌと鬼軍曹にとって最も思い出深い場所。

「……教会……」


 ◆

3616私たちの行方:2008/05/10(土) 23:19:02 ID:DI5CBJvI0
そこは少し前に出ていってから全く変わっていなかった。
厳かなステンドグラス。
整然とした内装。
そして愛する伴侶、猫子頭の鬼軍曹。
何もかもが出て行く前のままだった。
あの頃のまま二人で幸せな結婚生活を送れたらどれほど良かっただろう。
ふとこの場に似合わないと思い、ボン太くんスーツを脱いだ。
着たままでは愛する人に触れられないからだ。
彼の頬は既に冷たくなっているが、生前の温かさはいつまでも胸の奥に残っている。

「貴方が生きていたら……言っても詮無き事ね。
 貴方は自分の誇りにかけて逝ってしまったし、私が言うべき事はないわ。
 だけど……せめて……子供の顔ぐらいは見て欲しかったわ」

『ああ、俺もできる事なら見たかったさ』

「せっかく会いに来たけど、もう行かなくちゃいけないの。ごめんなさい」

『気にするな。俺はいつもお前の事を見守っている』

「……今から言う事は独り言だから気にしないでほしいの」

『なんだ?』

「私迷っているの。このまま666の言う通りにしていいのかって」

『…………』

「私は今まで皆の愛を手助けしてきたのに、今回はそれを壊す側。
 そんなの私の誇りが許さないわ。
 でも……でも……私達の子供は人質にされて……
 それになんだが自分の思考がどんどん何かに染まっていくような気がするの。
 黒い染みみたいに段々私を侵していく……怖いのよ」

『……コロンビーヌ』

「私って、変よね。誰もいない教会で独り言なんて……」

『すまない。本当ならお前に何か言葉をかけたり、抱きしめたりできたらよかったんだが……死んだ身ではそれも叶わない――』

鬼軍曹の声は届かない。
生者と死者――本来なら言葉を交わすには特別な事情がなければできない。
それこそ夢の中とか奇跡が起こるとかがないと無理だ。
だから……

「え? ……デイパックの中が、光っ――――?」

それは愛する人からのホワイトデーに贈られた贈り物。
バレンタインデーに対するささやかなお返し。
キャンディー。

『俺ができるのはこれくらいだ。情けないよな』

「貴方……私を、励ましてくれているのね。ありがとう」

『礼なんていいさ。それくらいしかできないからな。
 ……そろそろ戻らないといけない時間か。
 最後に一つだけ、お前に言葉を残していこう。
 お前の欲する事をやれ。自分の心のままに生きてくれ……そして、絶対死ぬなよ』

「う、うああ、うあああぁぁぁあああ――――ッ」

泣いた。コロンビーヌは泣いた。
愛する人が傍で励ましてくれた気がしたから。
自分の事を一番に思ってくれていると感じたから。
その愛の贈り物を口に入れる。
「飴玉は幸せの味がするのですよ。 舐めるとお口の中でお花が咲くのです」とは、どこの言葉だったか。
不思議と舐めているうちに自分が何を為すべきか分かってきた。

「ありがとう貴方。私は、もう迷わないわ」

新たな決意と共にコロンビーヌは目的の場所へ向かう。


 ◇

3617私たちの行方:2008/05/10(土) 23:19:48 ID:DI5CBJvI0
E-7に聳え立つビルの一つ。
そこにコロンビーヌはいた。
その手には一つの銃が握られていた。
一見すると何の変哲もないように見えるが、この銃はそこらへんのものとは比べ物にならないほどヤバい代物だった。
彼女はそれを標的に向けた。
外す訳にはいかないとばかりに慎重に狙いとタイミングを見計らっていく。
その威力ゆえに多少の誤差は許されるのかもしれないが、油断は禁物だ。
この一撃には自分と子供の未来がかかっているのだから。

そして機は熟した

「悪く思わないでほしいわん♪」

彼女の手から極光が爆ぜる。


 ◇


魔王と煩悩寺と別れたバトルマスター一行は病院へと急いでいた。
手遅れになる前に着きたいと願うが、今はただ急ぐ事しかできない。
ふとバトルマスターが急に立ち止まった。

(なんだ、この感じ? 前にもどこかで――ッ!?)

後ろを振り向いてバトルマスターは自分の直感が正しかった事を理解した。
それは以前自らが撤退を余儀なくされた光。

天使の腕――エンジェル・アームの光が目に飛び込んできた。


 ◇


月も星もない空の下、蹲っている人影があった。
彼女は苦しそうな声で目の前にいる人物に心中に渦巻くものをぶつけた。

「ッ!? なぜ、こんな事――」
「これが私の選んだ道だからよん」

答えるのは漆黒を身にまとったコロンビーヌ。
彼女は目の前に蹲る少女に一部の隙を見せる事なく佇んでいた。
もう彼女から迷いは感じられない。
そして眼下の相手に言葉をぶつけた。

「随分とオイタが過ぎたようね――――666ちゃん♪」

派手好き紳士『666』はそれを見上げる事しかできなかった。


 ◇

3618私たちの行方:2008/05/10(土) 23:20:22 ID:DI5CBJvI0
話はコロンビーヌが教会を出たところまで遡る。

彼女は既にある決心をしていた。

『666の言いなりにはならずに、我が子を奪還する』

一歩間違えれば、おそらくは自分も子供も無事ではないだろう。
その選択はやはり間違いではないか。
そんな不安もあったが、彼女はそれらの迷いを振り払った。
自分は愛を育み自由に生きる者。
もしここで666に屈して言いなりになれば、きっと我が子に顔向けできないだろう。
穏便に済ますなら言う通りにするほうが良いに決まっている。
だが自分が愛した鬼軍曹は書き手としての誇りを胸にその生涯を閉じた。
そんな彼に生涯尽くすと誓った自分が自身の信念を曲げてどうする。

「貴方、ごめんなさい。もしかしたら私のわがままかもしれないけど、最後まで見守っていてちょうだい」

しばらくの移動の後に、コロンビーヌは目的の場所であるE-7ビルの屋上に到着した。
ここからなら見晴らしもよく666のいる場所まで障害物はない。
だが666がいるのは暗黒空間であり、近づく事は困難である。
一応ゾナハ蟲を一個小隊ほど潜伏させているが、感知されないのはそれが限度だった。
いくらか細かな仕掛けを用意しているとはいえ、このままでは成功する確率は0に近い。
そう最後の大きなピースがどうしても足りなかった。

しかしそのピースが今ようやく揃った。
死者スレ産のキャンディーの効能かは定かではないが、彼女には新たな力が芽生えていた。
それは『あらゆる愛に関する技が使用できるようになる』というものだった。

「いくわよん」

そう言う彼女の手の中には一つの銃が握られていた。
その銃の名は「ヴァッシュ・ザ・スタンピードの銃」
アニロワ2ndにも出ているその銃は持ち主のヴァッシュが使用する事によってエンジェル・アームを発動させる事ができる。
その威力は既にこのロワでも発揮されている。
だが今それを持っているのはアニロワ2ndともトライガンとも関係の薄い漫画ロワの書き手であるコロンビーヌ。
本来なら彼女がエンジェル・アームを発動させる事は無理なはずである――そう『本来』ならば。

コロンビーヌがこのたび目覚めた力は「あらゆる愛に関する技が使用できるようになる」というもの。
そしてヴァッシュを説明する上で外せない一言はご存知「ラーヴ アーンド ピース!!」である。
つまり愛と平和。

ヴァッシュを体現する二大要素の内の一つに愛があったため彼女はエンジェル・アームを使う事ができるのだ。
もちろんそれだけでは威力は半減してしまう。
そこでコロンビーヌはエンジェル・アームに自分自身の「純白の手(レ・マン・ブランシュ・ジマキュレ)」の力を上乗せした。
ヴァッシュ・ザ・スタンピードの銃と純白の手(レ・マン・ブランシュ・ジマキュレ)によって発動されたエンジェル・アーム。
愛ゆえの融合によりエンジェル・アームの性質を若干変化させていく。
愛の本質は奪う事ではないので、命を奪う事にはならない特性がついたようだ。
リリカル世界の非殺傷設定がこれに近いかもしれない。

そして変化が始まる。
コロンビーヌの右腕と銃が融合していく。
融合を果たした右腕は異形の砲台と化していた。
彼女の顔を見ると、いささか苦しそうだ。

「さすがに、無理しすぎだったかしら。でも、負けないわよ」

彼女は狙いを、そしてタイミングを見計らう。
狙いをつけるのは簡単だ。
デイパックの中だろうと愛する我が子の居場所は目を閉じていても感じ取れる。
仕掛けが完成するのは後少し。
失敗は許されない。
チャンスは一度、一度だけの大勝負。

そして、機は熟した。

「悪く思わないでほしいわん♪」

そして極光が爆ぜる。


 ◇

3619私たちの行方:2008/05/10(土) 23:20:53 ID:DI5CBJvI0
熱血王子が病院に向かってからも666は来るべき時に備えて英気を養っていた。
もちろん監視も怠らない。
古来より上手くいっている時ほど足元を疎かにしては全てが水泡に化す事が多々ある。
そのような事態にならないためにも地道な監視は必要だ。

『派手好き紳士さん、一つ尋ねたい事があります』
「なんですか、フランシーヌ様」

そんな666に声をかけてきたのはしばらく沈黙を守ってきた「漫画キャラバトルロワイアルwiki管理人」フランシーヌであった。
いきなり話しかけられて意外だとも思いつつ666は意識をフランシーヌへと向ける。

『ええ、私が尋ねたい事はそこにいるコロンビーヌの子供の事です』

そう言ってフランシーヌが指差す――エニグマの紙状態なのでそんな感じがする――先には666のデイパックがあった。
もちろん話題になっているのはその中に眠るコロンビーヌと鬼軍曹の愛の結晶である子供である。

「子供、と言いますと?」
『子供を、しかもまだ生まれてもいない命を人質にするなど、あなたはなんとも思わないのですか』
「ああ、そうですね。一応良心の呵責というものなら持ち合わせていますよ。
 でも、それにも増して私が追い求めるのはネコミミストへの愛。
 コロンビーヌには否定されましたが、そんなもの勝手に言っておいてください。
 私は私なりの方法でネコミミストを愛します。
 そのために私は史上最低最悪な悪役となるのです。子供を人質にするなど悪役に相応しいでしょう」
『……あなたは……悪魔ですか』
「悪魔で……いいよ。悪魔らしいやり方で、やらしてもらうから!
 666の名がまさにそれを体現しているのですからね。
 いやあ、名は体を表すとはよく言ったものです」

666に迷いはなかった。
どれほど非難されようとも自分の最終目的は変わらない。
そのためになんでもするつもりだ。

『派手好き紳士さん』
「ん、珍しく良く喋りますね。意思持ち支給品が出しゃばるといい事ありませんよ」
『喋りたい気分なんです。気にしないでください』
「まあ、いいですよ。話し相手は欲しいですからね。
 で、お次はどのようなご用件で?」
『歌を歌ってもよろしいですか』
「あなたの歌となるとあの子守唄ですか。いいですよ」
『ありがとうございます』

そう言ってフランシーヌは歌い上げる。
優しくて心を和ませるあの歌を……

――風に葉っぱが舞うように、ぼうやのベッドはひいらりひらり――

それは聞く者の心を捕らえる母のような歌声。

――天にまします神さまよ、この子にひとつ、みんなにひとつ、いつかは恵みをくださいますよう――

(……しかしなんで急に私と会話など。いままで私と話したのは影丸を葬り去った後し『警告』――)

分かったのは極光が迫っているという事だけだった。
クラールヴィントの警告とエンジェル・アームの直撃はほぼ同時だった。


 ◇

3620私たちの行方:2008/05/10(土) 23:21:59 ID:DI5CBJvI0
「ぐっ、いったい……」

太陽に近づきすぎたイカロスは報いを受け、翼を溶かされて地上へと落ちた。
ここにも一人の翼を持つ者が報いを受けて地上へと落ちた。
派手好き紳士『666』はしばらく不死者の身体が回復し終わるまで動けずにいた。

(どういう事だ? 今のはエンジェル・アームのはずだ、となると犯人はtu4氏。
 ……いや、それはありえない。彼女は宇宙にいるはず、しかも今のは入射角から見て地上からの砲撃だった。
 tu4氏以外でエンジェル・アームを使える者など――)

そこで666は自分の目の前に誰かいる事に気づいた。
それはどこからどう見ても「ふもっほ」という掛け声が似合いそうな着ぐるみ――ボン太くんだった。
しばらく考えを巡らしていたが、その間に666の傷は不死者の力で5割ほど回復していた。

「コロンビーヌ? もう仕事は終わったんですか? 早いで――ッ!?」

666がいぶかしむ暇もなく、何の前触れもなしにいきなり茂みから量産型のボン太くんが飛び出してきた。
それは一直線に666の右腕めがけてジャンプした。
たび重なる予想外の出来事にさすがの666も僅かばかり反応が遅れてしまった。
そしてその遅れが致命的なものとなってしまった。

「ぐァ――ッ!?」

右肩に当たった瞬間、ボン太くんは凄まじい威力でもって爆発した。
その身体からは想像もできないほどの衝撃で666の右腕は見事に吹き飛んだ。
右腕だけで済んだのは咄嗟に防御魔法を発動させたためだが、爆心地の右腕を犠牲にする形となった。

さらに右腕が吹き飛ばされた事により、当然指にはめていたクラールヴィントも共に吹き飛んでしまった。
再生が間に合わないと見るや、666はすぐさまバリアジャケット生成を闇の書に委ねた。
しかしそれは無駄な行為であった。
次々と合計12匹のボン太くんが襲いかかって来ては、今の状況で全て捌くのは不可能だった。
結果、666の身体は今までにないほどダメージを負ってしまった。
右腕は最初の爆発で吹き飛び、左腕も肘から先を持っていかれてしまった。
両の足も太腿から下はなく、腹からも盛大に血が噴き出している。
さらにエンジェル・アームのダメージが思った以上に回復していない。
不死者の能力ゆえに時間と共に再生はするが、はっきり言って再生する間は無防備もいいところだ。

「……コロンビーヌ、これはどういう……」

666は目の前にいるボン太くんスーツに声をかける。
さっきのボン太くん爆弾を避けきれなかったのも、目の前のこれがどう動くか予想できずに注意力が分散された事もある。

だが分からなかった。
あれほど子供に執着していたコロンビーヌがこのような行動に出るなど信じられなかった。
もうすでに最初のボン太くん爆弾の時点で闇の揺り籠は消滅させているので子供の死は確定している。
それくらいコロンビーヌも理解しているはずだ。

「どこを見ているのかしら〜」
「な!?」

声は背後から聞こえてきた。
666は後ろに立っていたコロンビーヌを見て状況を悟った。
目の前のボン太くんスーツの中身は空、いやゾナハ蟲で操っているのだろう。
自分はまんまと一杯食わされて注意力を分散させてしまったのだ。
おそらく冷静に索敵をかければ何の問題もなかったはずだが、あの切羽詰まった状況下ではそれも難しかっただろう。

「ッ!? なぜ、こんな事――」
「これが私の選んだ道だからよん」

コロンビーヌは再生していく666を眺めていた。

「随分とオイタが過ぎたようね――――666ちゃん♪」

そう言ってのけると、コロンビーヌはデイパックの中から刃物付き帽子を取り出した。
そしてその帽子を再生中の箇所に刃が折れるほどの力で思いっきり叩きつけた。

「ギャアアアァァァ――ッ」

想像を絶する痛みが666を駆け巡る。
不死者になったといえども、痛みに慣れている訳ではなかった。

3621私たちの行方:2008/05/10(土) 23:23:47 ID:DI5CBJvI0
「本当は麻酔銃の方が安全なんだけど、それじゃお話しできないからつまらないでしょう。
 だからこうするのよん」
「……呆れたな。あんなに、大事にしていた……子供を、あっさりと捨てるなんて……ッ……
 君の愛も、大した事ないね」

666は心底そう思った。
自分にはあれほど偉そうに愛を説いていたのに、みずから愛の結晶を放棄するとは本末転倒だ。
これではまだ自分の方が愛において優っていると、思ったのだが――

「きゃはははは」

笑った。
コロンビーヌは666の発言がおかしいとばかりに笑った。
その声からは後悔など全く感じられなかった。

「なにがおかしいんだ」
「きゃはは、ごめんなさいね。
 666ちゃんが勘違いしているから、ついね」
「勘違いだと?」
「ええそうよ。
 だって……子供なら、ちゃーんとここにいるもの」

そう言ってコロンビーヌは自身のお腹に手を当てる。
ここからではその感触を感じる事は出来ないが、コロンビーヌの顔を見れば一目瞭然だった。
あれはまるで子を慈しむ聖母のような顔だった。
断じて狂って「ほら、ちゃんと中にいますよ」とか言っている顔ではない。

「い、いつのまに……」
「答えはこの指輪よん」
「それは……クラールヴィント!」
「そうこれで奪われた時と逆の事をしたの」

あの瞬間――エンジェル・アームで666を撃墜した瞬間、コロンビーヌは急いで墜落現場に急行した。
事前にボン太くんスーツに仕掛けを施して墜落予想ポイントに向かわせていた。
撃墜のショックから復帰する時間とボン太くんスーツを見て考える時間。
それらでコロンビーヌが現場に向かう時間は十分にできた。
そして対戦車地雷内蔵のボン太くん爆弾で666の右腕を吹き飛ばしクラールヴィントを手に入れる。
その際にクラールヴィントを破壊しないように狙いは右肩にしておいた。
後は適当にボン太くん爆弾で666を翻弄しているうちに旅の鏡で子供を無事に取り戻したのだった。

「ばかな!? 私は一発目の爆弾の時点で闇の揺り籠を解いていた。
 その状態で子供が耐えられるはず――」
「『デイパックの中は保存が効く』これのおかげで少しのタイムラグなら平気なのよん。
 それに私と騎士様の子供はあなたが思っているほど柔じゃないわよ」

666は自らの油断を悔やんだ。
このような強行突破を仕掛けてくるとは考えていなかった。
だがまだ自分が仕掛けた爆弾が――と、ここまで考えて666は気付いた。
コロンビーヌから驚きの黒さが全く感じられなかった。

「まさか……驚きの黒さが……」
「そんなもの、覚醒した愛の力で浄化しちゃったわよ。
 ついでに持っていた荷物も浄化されたみたい」

愛の力とは斯くも偉大なものか。
666はあまりの事に言葉が出なかった。

3622私たちの行方:2008/05/10(土) 23:24:48 ID:DI5CBJvI0
「じゃあ私は行くわ。しばらくそこで私の子供に手を出した事を悔やんでなさい。
 あ、そうそう……」

コロンビーヌは最後の一言を言うために進みかけた足を止め振り向いた。
彼女の目に映る666はいまだ再生中で、その脇には刃が全て折れた刃物付き帽子が転がっていた。
話している間、ずっと再生しかけている部分に刃を叩きつけた結果である。

「あなたの企み、ネコミミストちゃんに全部ばらすから♪」

その瞬間、場を静寂が支配した。
それは666にとって青天の霹靂ともいうべき言葉だった。

「待て! まだ早――」
「そんなの知らなーい。666ちゃんが悪いのよん。私達の子供に手を出す事は許されない事なんだから、当然の報いよん。
 ああ恒例の言葉を言っておくわん。
 666調子乗ってんな♪」

そう言い終わると、コロンビーヌはこの場から去って行った。
後に残るのは再生中の666と、やたら不気味なボン太くんスーツだけだった。
666は焦っていた。
いつかはネコミミストにばらすが、今ばらされては今までの苦労が全て水の泡と化す。
それでは何のためにここまでやってきたのか分からなくなる。

(冗談じゃない。やっと見つけたんだ、私の理想の相手。
 停滞した書き手ロワ1stをあんな形で終焉させたのも……彼女を見つけたのが理由の一つだった、というのは言い過ぎか。
 しかし、彼女の心を手に入れるためにここまでしておいて、ここで頓挫する訳にはいかない!)

早くコロンビーヌを止めなければとも思うが、再生速度が速まる事はない。
実は666は知らないが、コロンビーヌが放ったエンジェル・アームは肉体と精神に特殊なダメージを与えるという不思議な特性を持っていた。
あまり見た目は傷ついていないように見えて、身体の回復がいつもより遅いのはこのせいである。

そしてコロンビーヌの場所を特定しようと索敵をかける。
判明――それほど離れてはいない。
急いで向かおうとして無理して起き上がった瞬間、いままで沈黙を守ってきたボン太くんスーツがこちらに向かってきた。
いままでの経験から慎重を期して666はこれをバインドで止める事にした。
衝撃で爆発されては堪らないからだ。
そしてこんどこそコロンビーヌの元へ向こうとした刹那――


カチッ


なにやら金属音と共に666は再び極光に巻き込まれた。
ただし今度は紅蓮と言ったほうが正しいか。


 ◇

3623私たちの行方:2008/05/10(土) 23:25:15 ID:DI5CBJvI0
コロンビーヌは666に別れを告げて、病院方面へと向かっていた。
だがその顔にはエンジェル・アームの反動による疲労が見えていた。
いくら愛の力と言っても、半分を別の要因でまかなった以上無理は承知している。
首尾よく計画は成功したのだから、目を瞑る事にした。
それに……

「上手くいったみたいね〜計画通り♪」

背後で聞こえる爆発音を聞きながらコロンビーヌは自身の仕掛けが発動した事を悟った。
あのボン太くんスーツの中にいたのは確かにゾナハ蟲だが、それだけではなかった。
変化の杖によってガソリンへと変えられた焦ったドラえもん・永遠のうっかり侍・孤高の黒き書き手の服、そしてピストルが中にあった。
時間が経つにつれガソリンは気化していき、そこには即席爆弾が出来上がる。
そしてタイミングを合わせてピストルの撃鉄をゾナハ蟲に引かせれば、火花が散って大爆発という訳だ。

「なんとか無事に子供が取り返せて良かったわん。
 感謝しますね、フランシーヌ様♪」

そうコロンビーヌの手には一枚のエニグマの紙――「漫画キャラバトルロワイアルwiki管理人」があった。

『感謝される謂われはないように思いますけど』
「じゃあ急に話をしたり、歌を歌ったりして666ちゃんの気を私から逸らしたのはなんで?
 それに貴女の歌がなければ、この子は驚きの黒さにもっと侵させていたはずよ。
 今私と子供が無事なのは貴女のおかげが大きいと思うんだわん」

コロンビーヌがあのタイミングで行動したのはひとえに666の注意が自分から逸れていたからだ。
偵察に出したゾナハ蟲によってその事を知り、子供を取り返す際に一緒に連れてきた次第だ。
携帯も取り戻したかったが、666が墜落したショックで使い物にならなくなっていたので放置してきた。

『それは考え過ぎですよ』
「そうかしら」
『……ですが』
「ですが……」
『子供を人質に取る事はなぜか許せませんでした。
 たぶんなりきりの影響ですね』

なんだかんだで一向に自身の行為を認めようとはしないフランシーヌの態度にコロンビーヌは好意を抱いた。
それがフランシーヌとコロンビーヌのキャラによるものかは関係なかった。
自分と子供にとって命の恩人という事実に変わりはないのだから。

コロンビーヌはクラールヴィントでジャミングをかけつつ、デイパックの中から写真を取り出して眺め始めた。
それはあの富竹時報のカメラによって写されたある書き手の写真だった。
気になっていたので現像してみたのだ。
出来上がった写真の数は実に20枚。
富竹時報が写真を撮っていた描写は一回だけしかなかったが、実は隠れていくつも盗撮していたのだった。
それこそ、このロワが始まってから死ぬまで、まさに執念だった。

「あら?」

いつのまにか写真は15枚になっていた。


 ◇

3624私たちの行方:2008/05/10(土) 23:26:04 ID:DI5CBJvI0
「ガァ――ッ!? グッ、ここまでやるか」

コロンビーヌ特性爆弾を受けた666は手酷いダメージを負い、せっかく回復した時間が無駄となった。
不死者ゆえにこれぐらいの事では死にはしないが、また回復に時間を割かなければならない。

「――ッ。リインフォース! 起きているんだろ、返事をしろ!」
『……なんですか、我が主』

呼びかけに答えたのは闇の書の管制人格であるリインフォースだった。
いままでアニロワ1stのように黙らされていたのだ。

「クラールヴィントが取られた現状、蒐集した力が暴走する可能性が高くなった。
 君の力で制御しておいてくれ」
『今までもそうしてきましたが、なにか不満でも』
「今まではクラールヴィントもいくらかそちらに力を回していたんだが、今はそれがない。
 だから今まで以上にしっかりやってくれ」
『……わかりました。一応留意しておきます』

それで二人の会話は終了した。
水銀燈のように嫌われているようだが、仕事はしっかりこなすだろう。
8割がた回復した666はリインフォースに一抹の不安を抱きつつ、索敵をさらに密にした。
だが今度はジャミングをかけたのかコロンビーヌが索敵にかかる事はなかった。

(まずい、まずいぞ。
 このままではバトルマスター達が他のメンバーと合流して、さらにコロンビーヌが私の計画を暴露するという最悪の展開に……
 なんとか手を……ん?)

ふと足元を見ると、写真が5枚ほど落ちていた。
奇跡的にあの爆発に巻き込まれなかったのだろう。

(こ、これは!? ……使えるな)

666は新たな策を携え、転移魔法を発動させた。


 ◇

3625私たちの行方:2008/05/10(土) 23:26:31 ID:DI5CBJvI0
「ししょー、さっきの光って」
「おそらくあれはエンジェル・アーム。一度だけtu4氏に撃たれた事があります」
「バトルマスターよ。ではその光の下におるのは……」
「ええ、たぶんtu4氏だと思います。
 何があったのかは分かりませんが、嫌な予感がします。まずは病院組との合流を急ぎましょう」

病院へ向かう途中、バトルマスター一行は隣のE-7から天へと突き刺さる光の奔流を目にした。
バトルマスターの証言からある程度の推測は立てられたが、確定には情報が少なかった。
とにかくすぐそこまで迫った病院へと急ぐ事にしたのだった。
病院まであと数十メートル――

「!?」

突然蟹座氏の足が止まった。
顔には苦悶の表情を浮かべ、身体はガタガタと震え始めていた。
震えを止めようと自らの両手で身体をぎゅっと抱きしめるが、震えはますます酷くなるばかりだった。
さすがの異常事態にバトルマスターも足を止めて声をかける。

「蟹座氏! どうし「来ないでッ!!」」

だがバトルマスターの接近は蟹座氏に拒絶された。
その声は酷く切羽詰まっていた。
まるでどこか底知れぬ場所に堕ちていく、そんな感じの叫びだった。

「ははは、ししょー、僕……なんかおかしいんだ。
 身体の奥からさ、声が響いてくるんだ。
 目の前にいるのは敵だ、殺せ、ってね。
 本当はそんな事思ってないのに、溢れてくるんだよ」
「まさか……蟹見沢症候群!?」
「……そうかも。でもなんか違うみたいな感じも――」


「これを見れば解決ですよ」


突如現れたのは漆黒の天使。
このロワでは『黒猫』の異名で暗躍し続ける愛を求める者――派手好き紳士『666』であった。
そして666はおもむろに懐から5枚の写真を取り出し、蟹座氏へと手渡した。

「え!? こ、これ、これって――ッ!?」
「ええ、紛れもなくあなたの写真ですよ。
 どう思いますか、こんなあられもない写真を撮られて?」
「え、あぇ、や、やだ……」
「みんなバトルマスターのせいなんですよ」
「な!?」
「彼が写真を撮るように仕組んだんですよ」

バトルマスターはその一言に危機を覚えた。
もちろん写真に何が写っているかはこの場では蟹座氏と666しか知らない。
だがどうにも不味い写真だという事ぐらいは嫌というほど分かってしまう。
そして同時に一刻も早く蟹座氏に声をかけ――

「あは、あはは、あははは、あははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは♪」

遅かった。
もう既に蟹座氏は――堕ちてしまっていた。

「ししょー♪ ひどいよ。こんな写真、みんなに見せられないよ♪」
「蟹座氏待つ――」
「あれは『黒猫』! 我が娘よ。話を――」


「うるさいよ♪ どうせみんな僕が倒すんだから♪ そうしたら写真を見られる事もないしね♪」


気づくと、そこにはもう既に黒い天使の姿はあたかも幻だったかのように跡形もなく消えていた。
後に残ったのは幻に踊らされた哀れな道化だけだった。

3626私たちの行方:2008/05/10(土) 23:29:49 ID:DI5CBJvI0
【真夜中】【E-8 病院まであと数十メートル】

【バトルマスター@ギャルゲロワ】
【状態】:健康、キュレイ種のような身体、首輪解除、魔術回路にダメージ
【装備】:永遠神剣「冥加」、ゲイボルグ@アニロワ2nd、孔明の令呪(残り五画)
【道具】:支給品一式×2、コイン、名簿、孔明のメモ、スタンガン@アニロワ1st、首輪(まとめキング)、みWiki@らき☆すた?、
    ノートパソコン、不明支給品×2
【思考】:
 基本:コインの表が出た――だから徹底的に抗う。
 0:……蟹座氏!?
 1:仲間と協力して主催者を打倒!!
 2:病院へ向かい、残った対主催の参加者と合流。
 3:対主催として仲間を探し、殺し合いに乗った輩を倒す。
 4:こなたorかがみの姿をした参加者に会ったら、みWikiを渡す。

※容姿は前原圭一@ひぐらしのなく頃にです。
※自身の精神が、キャラの影響を受けている事に気付きました。
※【闘争制覇者-Battle Master】
  発動させることで、決して『バトル』に負けない固有結界を張る事ができます。
 【闘争制覇者-Battle Master アイン・ソフ・オウル】
  バトルマスターが生涯描きうるありとあらゆるバトルの世界に敵を放り込む技。
  物語内のキャラの攻撃を全部くらわせます。
  この技が発動した時点で、敵味方の全行動が『バトル』として定義されます。
  故に、発動すればどんな状況でも、バトルマスターは不敗です。
※影の繋ぎ師からディーの話を聞きました。
※孔明のメモにはこのロワに関する孔明の知り得る限りの情報が記載されています。
※孔明の令呪を使うことで魔力を補充することが出来ます。二画以上まとめて使うことでアインソフオウルを使用可能。
 ただし、全ての令呪を使い切ると……?
※みwikiが一段階強化されました。意思持ち支給品として近くの参加者と会話できます。



【蟹座氏@ギャルゲロワ】
【状態】:蟹見沢症候群発症(再発)、へこみLv5、顎部に痒み、『蟹座じゃないもん』覚醒、大程度の疲労、左手首に傷、
     若干錯乱、首輪解除、驚きの黒さに感染
【装備】:体操着(ブルマ)、鉈、ケリュケイオン@リリカルなのはStrikerS、永遠神剣『誓い』、蟹座氏の写真×5
【道具】:支給品一式×2、蟹座の黄金聖闘衣、最高ボタン、カードデッキ(シザース)@ライダーロワ、
     閃光弾、まふうじの杖、バッド・カニパニーの甲羅
【思考】:
 基本:ししょーと共に!
 0:写真を見られないようにみんな殺す♪
 1:私の記憶、どこかおかしい?
 2:『あいつ』に逢ったら殺す。
 3:ギャルゲロワの仲間とはできるなら会いたくない……けど。
 4:敵とは戦う。ギャルゲロワ以外でいじめてくる人はみんな敵。

※容姿は蟹沢きぬ(カニ)@つよきすです。
※最高ボタンを押すと、『いやっほぉぉぉおおおう、蟹座のONiぃ様、最高ーーーーーっ!!!!!』という台詞が、
 ハクオロの声で流れます。シークレットボイスにも何かあるかも?
※自分の心がキャラに影響されていることに気付きましたが、キャラに抵抗するため無駄な努力をしています。
※身体能力は本気を出せば倉成武ぐらいの力が出ます。通常はカニ。
※蟹見沢症候群について。
 へこみのLvが5になったとき、発祥します。発症した場合、自分を苛めたり辱めたりした者を優先的に殺します。
 基本的な症状は雛見沢症候群と同じです。発症中は蟹座氏のチャット状態の特徴により、語尾に♪がついたりします。
※言霊『蟹座じゃないもん』に覚醒しました。
 強い意志で蟹座であることを否定することにより、文字通り蟹に縁のあるアイテムから、
 『蟹座じゃないもん』つまり『蟹座じゃないもん(者、物)』の力を引き出せます。
※蟹座氏のバリアジャケット姿がどのようなものかは以降の書き手に任せます。
※なりきりが解けかけ、記憶に混乱が生じています。
※驚きの黒さに感染しました。
※『誓い』の意思の侵食により精神が混濁しかけています。
※蟹座氏の写真の詳細は後の書き手にお任せします。

3627私たちの行方:2008/05/10(土) 23:31:11 ID:DI5CBJvI0
【パソコンの中&iPodの中】
【ギャグ将軍@ライダーロワ】
【状態】:首輪解除、腹部にダメージ(治療中)、電脳空間に幽閉、心機一転、増えた、上機嫌
【装備】:電脳空間なのでない、はずですが……
【道具】:顔写真付き参加者名簿、支給品一覧(パスワードによりロック中)、地図、書き手ロワ2ndのSS一部
【思考】:
 基本:新生クライシス帝国の結成。
 1:……我が娘よ!?
 2:閉じ込められたついでに電脳世界を征服してくれよう!
 3:主催者なり真の対主催なりの目的やらなんやら考察してみせよう!
 4:熱血怪人の遺志を継ぎ、熱血王子を救う!
 5:『白猫』を探し出してくれよう!
 6:同胞を冒涜したあの連中は裁きにかける
 7:ついでに飲み友達を集める。
 8:コーカサスゼクターの資格者を探し、コーヒーを飲む。
 9:紅茶を飲むかどうかは保留。
 10:対主催の仲間を集める。

※ポケモンの物まねによる影響が各地で現れたかもしれません。ただ、将軍のギャグ補正により悪い結果は導きません。
※なんか増えました。すべてのコピーが同じ能力を持っているのか、実体化出来るのかは不明です。姿は変えれるようです。
※一時的に実体(きぐるみ)を失っているため、キャラに何らかの変化があるかもしれません。
※制限がライダーロワ基準だと思い込んでいます。
※特殊能力:「書き手界の良心」に目覚めました。
 本気の一喝を放つことにより、悪ノリし過ぎている者に自重を強いることができます。
 ただし、ギャグ将軍の性格上、あまり多用されることはありません。
 真剣な人生相談に乗ることも可能。なお、発動中はピンク色がかかった女言葉になります。
※背中に謎のチャックを確認。ギャグ将軍曰く、開けると「大変なこと」になるそうです。詳細は不明です。
 今回の発動はあくまで電脳空間でのなりきり変化の鍵としての解放であって、本来の解放の効果は不明です。
※ノリと思い込みで電脳空間内でかなりの無茶が可能になったようです。またものによっては現実の方が将軍に合わせて動きます。
 例:ピカピカ鳴くとラピュタの雷が勝手に発動します。
※固有結界「コーヒーブレイク」
 優雅なリネン一式の備わったテーブルと人数分の椅子を造り出し、皆でコーヒーを飲んで和みます。
 それ以上の効果は確かめられていません。
 コーヒーセット自体が発動させている可能性があります。
※ノートパソコンの中に、顔写真付き参加者名簿と支給品一覧(パスワードが設定されている)のデータが確認されました。
 また地図を確認。参加者の区別が付かない第三放送時の参加者分布を知ることが出来ます。上級パスでさらに詳しく?
※書き手ロワ2ndに存在するすべての「アドレス」に向けて、データ化されたギャグ将軍が送信されました。
※パソコンから『柿テロ猥・R2‐ND』のチャットに出入り可能になりました。
※コロンビーヌと情報交換しました。
※『柿テロ猥・R2‐ND』掲載の情報を一部入手しました。
 新生クライシス帝国に因縁のある相手――主催者・ジョーカーと真の対主催がメインです。 影の繋ぎ師の情報もそろっています。
 反面『黒猫』の情報を始め、不完全な部分もあります。お任せ。
※孤城の主のコロンビーヌ視点の情報を得ました。



 ◇

3628私たちの行方:2008/05/10(土) 23:31:39 ID:DI5CBJvI0
これで彼らの足止めは十分でしょう。
それにしてもあの写真が手に入ったのは僥倖でした。
できる限りの驚きの黒さを感染させ、あの写真を見せて蟹見沢症候群を再発させる。
加えて『誓い』の意思も刺激して精神状態を追い詰める。
しかもバトルマスター達に蟹座氏を傷つける考えはない。

「では次は――ッ!?」

急に胸に衝撃が走ったと思った瞬間、すでに血を吐いていた。
不死者なのですぐに戻っていったが、身体の節々に違和感が若干ある。

(やりすぎたか? 抑えきれないという事なのか?
 なんにせよ、急いで次の手を打たなければ……
 コロンビーヌが向かうとしたら、まちがいなくネコミミストの所でしょうね。
 どうするかはともかく病院へ行きますか)

彼女の想いは誰にも止められない。



【真夜中】【E-8 病院付近】

【派手好き地獄紳士666@LSロワ】
【状態】:闇の書発動、不死者化?、大量の精気(エロパワー)吸収、疲労中、負のエネルギー蒐集中、暴走?、
     アルテマ修得中(小アルテマはラーニング済み)、……私の愛は愛ではないだって?、かなり焦っている
【外見】:黒いリボンドレス、背中から黒い六翼。長い髪は白く染まり後ろに降ろしている。眼鏡外し。
【装備】:ゲート・オブ・バビロン@アニロワ2nd(※特殊仕様)、闇の書@アニロワ1st(ディス・レヴ内臓)、バリアジャケット、
     ビッグ承、コアドリル@アニロワ2nd、
【所持品】:ヒュッケバイン・ボクサー(トロンベ)、四次元ポケット、クレイジーダイヤモンドのDISC、高性能探索機能つき扇風機、
      朝倉涼子のアーミーナイフ、夜天の書(BL本)、ウルトラミキサー、モンスターボール(空)
【思考・行動】
 基本:極悪外道になった後、ネコミミストの前に敵として再会。ネコミミスト心から愛してる。
 1:病院へ向かい、コロンビーヌの行動を阻止する。
 2:ディス・レヴを使いこなせるようにする。
 3:熱血王子の動向はチェック。
 4:熱血王子が改心されそうなら……
 5:ネコミミストの前に敵として現れ、最終的に喰われる。

※ゲート・オブ・バビロンで出せるアイテムをどれも『一応は何とか使いこなせ』ます。
 エリクシールと爆薬は使い切りました。 鳳凰寺風の剣は病院に起き捨て。
 ディーヴァの剣、ルルゥの斧、鳳凰寺風の弓と矢は全て武器融合に使用。
 浄玻璃の鏡の回数制限は残り1回。凛の宝石は全てカートリッジに変形。
 懐中時計型航時機『カシオベア』破壊。
※ゲート・オブ・バビロンで出せる新たに判明した物及び追加された物。
 アニロワ1stからディーヴァの剣、ルルゥの斧、マイクロ補聴器、鳳凰寺風の弓と矢、鳳凰寺風の剣、凛の宝石×10、闇の書。
 加えて――マテリアルブレード@テイルズロワ@XXX、クラールヴィント@アニロワ1st@XXX、
 不死の酒@アニロワ2nd(既に使用済み?)@XXX。
※闇の書と融合しているため、その内に言うまでもなく――
※エロスの鐘の煩悩寺と、エロ師匠の(ついでに大暴れ鉄槌の)精気を吸収しました。
 影丸の魔力を吸収したため、8割がた使いこなせるようになりました。
※書き手としてのメタ視点能力を使える様子。別に全知ではない。
※闇の書とディス・レヴ@スパロワが内蔵されました。リミッターをかけていますが会場内の負の力を自動的に集められます。
※バビロンの財宝はクレイジーダイヤモンドでは治せません(宝物庫そのものは別)
※『真・驚きの黒さ』を蒐集により習得しました。これによりディス・レヴの効率を上げられます。
※全支給品を合成させ、自身も融合することにより、【グランゼボーマ@アニロワ2(グレンラガン)】の力が振るえます。
 制限によりサイズはLLL内で収まっています(つまり星よりでかいとかにはなりません)
 ただし666としてか闇の書の暴走が表に出るかは状況によります。 666もそのことは理解しています。
※ヒュッケバインボクサートロンベ:
 単純にヒュッケバイン・ボクサーが黒色(レーツェルカラー)になったもの。
 トロンベ化に伴いトロニウムエンジンから核融合エンジンになったが、
 666からのエネルギー供給でトロニウムエンジン以上に安定駆動可能になっている。
 人間サイズより一回り大きい。念動兵器が使えるかは不明。

※携帯電話@現実は墜落のショックで故障の後に、最後の爆発で壊れて吹き飛びました。



 ◇

3629私たちの行方:2008/05/10(土) 23:33:53 ID:DI5CBJvI0
「あらん。遅かったようね」

コロンビーヌが病院のすぐそばまでやってきた時にはもう既に事態は動いていた。
蟹座氏とバトルマスター・ギャグ将軍の間は一触触発の状態に陥っていた。
まさにラブホテルの再来であった。

「まあ、あれって私の落とした写真よね。つまり私にも責任はあるのね」
『でもどうするのですか? あの場に行きますか』
「それはもう少し先よん」

コロンビーヌはあの場に渦巻く様々な愛を感じていた。
バトルマスターからは、共にギャルゲロワで頑張ってきた仲間である蟹座氏に対する親愛。
蟹座氏からは、バトルマスターを「ししょー」として慕う敬愛。
ギャグ将軍からは、娘(?)である蟹座氏を気にかける親子愛。

それらの愛の終着がどうなるのか、見てみたかった。

「でも命に関わるようなら出て行くわん。死んじゃったら、続きが見られないから」

さらなる愛に覚醒した今のコロンビーヌなら、オリジナルは無理だが、666の驚きの黒さぐらいなら浄化する事も可能だ。
だがそれはいざという時まで使用とは思わなかった。
愛とは障害を乗り越えて強くなるものだとおもっているから。

「それに私はああは言ったけど、ネコミミストちゃんに666の事をばらそうなんてあまり思ってないわよ」
『ではなぜあのような発言をしたのですか』
「666ちゃんって、後一歩が踏み出せていない感じなのよねえ。
 だから今回の件でいくらか背中を押してあげたつもりよん」
『……ずいぶんと強引な押しですね。
 それに余計な火種が発生していますよ』
「だから余計に責任は感じるのよん。心配しなくても大丈夫ですよ。
 ちゃんと頃合いを見計らって仲裁に入りに行きますから」

彼女達はただひたすら機会を窺うのみだった。



【真夜中】【E-8 バトルマスター達が見える場所】

【コロンビーヌ@漫画ロワ】
【状態】:健康、
【装備】:ゾナハ蟲@からくりサーカス、腕時計型麻酔銃(1/1)@漫画ロワ、クラールヴィント@アニロワ1st(ネコミミストと同じ物)、
    エニグマの紙「漫画キャラバトルロワイアルwiki管理人」
【道具】:支給品一式×3、ティーセット一式、麻酔銃の予備針×3、変化の杖、ヴァッシュ・ザ・スタンピードの銃@トライガン、
     対戦車地雷×2、黒リュート@からくりサーカス、ドラゴンオーブ@AAA、キャンディー×1、蟹座氏の写真×15
【思考】基本:恋愛万歳♪
 0:鬼軍曹を生涯愛し続け、宿った命を大切にする。
 1:命に関わる事態になったら仲裁に入る。
 2:愛に介入しようとする邪魔者は倒す。

 ※容姿はコロンビーヌ(ロリ)@からくりサーカスです。
 ※ギャグ将軍にシンパシーを感じています。
 ※猫子頭の鬼軍曹と結婚しました。
 ※ロワ内の愛を感知できるようになりました。お邪魔虫もわかるようです。
 ※真の愛と哀しみを知り、北斗神拳奥義『無想転生』を習得しました。
 ※太陽、月、星々がなくなった訳を知りました。
 ※あらゆる愛に関する技が使用できるようになりました。
 ※愛の力により驚きの黒さを浄化できるようになりました。(ただしオリジナルは無理)
 ※「漫画キャラバトルロワイアルwiki管理人」は一度だけ秘められた力を使う事が可能です。詳細は不明。自身に関係する事?
  どうやら子守唄には驚きの黒さの侵攻をくいとめる効果があるようです。

 ※焦ったドラえもん・うっかり侍・孤高の黒き書き手の服、対戦車地雷×5、ボン太くんスーツ@スパロワ、刃物付き帽子@からくりサーカス、ピストル(0/0)は使用・破壊されました。



 ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

3631私たちの行方:2008/05/10(土) 23:35:20 ID:DI5CBJvI0
投下終了です
ふー、では言おう「666調子乗ってんな」

3632諸君 私は名無しが好きだ:2008/05/11(日) 00:44:12 ID:a3BL.sfo0
投下乙です
チートキャラがまた増えたァ!
明らかにあり得ない技も「愛だから仕方ない」で済ませられるから書き手ロワは怖いよw
そんな中、チートじゃないけど頑張っている蟹座氏戻ってきてえええええええええええ!

3633私たちの行方:2008/05/11(日) 00:47:44 ID:f45vO4k20
すいませんが、wikiに収録する際には>>3630は全文カットでお願いいたします
自分で書いておいて勝手なこと言うようですが、すいません
別になくても支障はない部分なので、それでお願いいたします
最後にお騒がせしてすいませんでした

3634私たちの行方:2008/05/11(日) 01:21:39 ID:f45vO4k20
たびたびすいません
コロンビーヌの状態表に次の一文を加えます

※クラールヴィント@アニロワ1st(ネコミミストと同じ物)が消えないのは、愛の力です。

3635諸君 私は名無しが好きだ:2008/05/12(月) 19:52:25 ID:g4r4uWKE0
業務連絡
「私たちの行方」が、容量オーバーでWikiに収録できませんでした。
申し訳ありませんが、作者の方は分割するポイントの指定をお願いします。

3636諸君 私は名無しが好きだ:2008/05/12(月) 20:55:56 ID:GDqNzk8s0
>>3635
収録ありがとうございます
>>3623から後編でお願いします

初めて容量オーバーで前後編になったんだあ

3637諸君 私は名無しが好きだ:2008/05/12(月) 21:21:24 ID:g4r4uWKE0
>>3636
収録完了しました。

3638主催者ジョーカーの事情:2008/05/14(水) 22:46:15 ID:y3T2JT8o0
投下開始します。


主催者達の居城、天空の城ラピュタ。
ギャグ将軍によるラピュタの雷誤作動騒ぎも一段落したラピュタであったが、また新たな問題が主催者達、というか感電を悩ませていた。

「どうなってんだかなあ、これ…。」

自分のパソコンをにらみつけながら、感電は呟く。
彼が起動させているのは、地図氏特製参加者管理システム。
参加者の生死を自動で判別してくれる便利システムである。
しかし、現在このシステムには異常が発生していた。
影の繋ぎ師とtu4氏の欄に、「LOST」という文字が表示されているのである。

「死亡じゃなくてLOST…。会場から消えたってことか?だったらいったいどこに…。」
「宇宙…のようですね。」

突然背後から聞こえてきた声に驚き、椅子からずり落ちる感電。
慌てて振り向くと、そこにはさっきまでいなかったはずのwiki管理人が立っていた。

「あ、あんたいつの間に…。」
「今来たところです。」
「ノックぐらいしろよな、びっくりするだろうが…。」
「ハハ、それは申し訳ない。」

口では謝罪する管理人だが、その表情からは反省の色は伺えない。

「それで、宇宙ってのはどういうことだ?」
「監視カメラの映像では、二人は上空に上昇していっていました。
その状況から会場の外に出たと言うことは、宇宙にいると考えるのがもっとも自然です。
地図氏の地図は確かに優秀ですが、あくまで地図。地図の外のことまでは把握できない…。
だからLOSTという扱いになった。
あのチート二人なら、宇宙空間でも楽に生存できるでしょうしね。」
「なるほどねえ…。ん?ちょっと待て?」

管理人の話に納得しかける感電だが、その脳内に疑問が浮かぶ。

「そういや孤高の黒き書き手がエンジェルアームの軌道をねじ曲げた時、上空に向かったエンジェルアームはそのあと地面から出てきたんじゃなかったか?
だったら参加者が宇宙に出ようとしても、地中に出てきちまうんじゃ…。」
「その辺はまあ…ぶっちぎったんでしょうね。」
「何でもかんでもぶっちぎりの仕業かい。」

渋い表情を浮かべる感電。だが、wiki管理人は平然としている。

「事実なんだから仕方ありませんよ。参加者達は、どんどんと成長を続けている。
私の想像を上回るほどにね…。
彼らには無限の可能性がある。望めば望むほど、その力は増していく。
彼らに想像力がある限り、どんな現象でも起こせるのです。
まあ、中には歯車が噛み合わなくなって、かえって弱体化してしまった人もいるようですが…。
それはそれで面白い…。」
「…それなんてハルヒ?」
「そう!まさにそれです!このロワでは、誰もが涼宮ハルヒになれる可能性を秘めているのですよ!」

手を叩き、嬉しそうに管理人は言う。

「神(笑)量産してどうするんだよ…。」
「アニロワ1stの書き手でもある君が、アニロワのハルヒより先にそっちを思い浮かべますか。」
「まあ、タイムリーなネタだしな。」
「とにかく、今更どうこう言っても遅いですよ。すでに参加者達は、私が制御できないところまで来ている…。」
「最初から制御する気なんて無かっただろ、あんたは。」
「まあ、そうなんですけどね。」

共に苦笑を浮かべる二人。

3639主催者ジョーカーの事情:2008/05/14(水) 22:47:33 ID:y3T2JT8o0
「で、どうするんだよこの二人。」
「どうも出来ませんよ、我々では。おとなしく戻ってくるのを待ちましょう。
戻ってこなかったら、そのときはそのときで。」
「まあ、あんたがそれでいいならかまわねえが…。万が一ここに落ちてきたりしたらどうするんだ。」
「それも、そのときに考えましょう。まあ念のため、ロボット兵はいつでも動かせるようにしておきますか。」
「ちょ、そんなのあったのかよ。」
「ラピュタにロボット兵があってなんの不思議があるというんです?」

管理人は、真剣な顔で首をかしげる。

「いや、そうだけど!今までそんな話一度も出てきてなかったぞ!?」
「別に持っている情報を、すべてさらけ出さなければならないというルールはありませんよ。」
「むー…。」

反論できず、感電は顔をしかめる。

「まあ、それはいいや。それより、ひとつ質問っていうかお願いしていいか?」
「なんですか?」
「次の放送さあ、禁止エリア指定しなくていい?もうほとんどの人が首輪外してるから、意味ねえと思うんだけど。
はっきり言って、決めるの面倒だしさあ。」

そう言いながら、手の中で10面ダイスを転がす感電。ひょっとしてそれで禁止エリアを決めてたのか、オイ。

「まあ、それでもかまわないと思いますが…。まだ全員が外したというわけではありませんからね。
それも様子を見て、ですね。まだ放送までは結構時間がありますし。」
「おk。じゃあ、もう一つ聞いていいかな。」
「どうぞ。」
「さっき言ってた『無限の可能性』とやら…。俺にもある?」
「さあ、どうでしょう…。」

明確な返答をせず、ただほほえむ管理人。だが感電は、それを肯定と受け取る。

「それじゃ、頑張ってみるわ。正直、スタンドだけじゃ心許ないと思ってたし。」
「健闘を祈りますよ。まあ、その力が誰に向けられるかは知りませんが…。」

意味深な台詞を残し、管理人は部屋から去っていった。

(なんだよ、あれ…。裏切ってくれても全然オッケーってことか?
本当に、わけわからん奴だなあ…。)

すっきりしないものを胸に感じながら、感電は視線をパソコンに戻す。

「あれ…?メール?いつの間に来たんだ、こんなの…。」


※感電のパソコンに届いたメールは、「GENERAL IN THE SHELL」で速筆魔王LXが送信したものです。

3640主催者ジョーカーの事情:2008/05/14(水) 22:48:09 ID:y3T2JT8o0
◇ ◇ ◇


ラピュタの中の、とある一室。そこには、多種多様なアイテムが乱雑に置かれていた。
この部屋は、支給品の選考から漏れたアイテムの保管所であった。
このロワを開催するにあたり、管理人は様々な世界に手を伸ばし支給品をかき集めた。
その熱の入れようは、今までロワに参加していない作品世界にまで手を出したほどである。
しかし、気合いが入りすぎ…。ぶっちゃけ、大量に余ってしまったのだ。
余ってるんなら参加者全員に支給品3個渡せよ、という声もあるだろうが…。
まあ、その辺は大人の都合というやつだ。
とにかく、この部屋には闇に埋もれた支給品候補たちが大量に存在していた。
愛媛のF-22Aラプターや、名無しの鬼狩柳桜も、実はここから持ち出されたものである。
そして今、ここでがさごそとアイテムの山をあさっている男が一人。
テイルズロワの一員、七氏である。

(まったく、少しは整理しておけよ…。どこになにがあるのかわかりゃしない…。)

心の中で悪態をつきながら、七氏は作業の手を休めない。そこへ、もう一人の男がやってきた。

「捜し物はなんですか〜 見つけにくいものですか〜♪」

小野大輔ボイスの歌声を披露しながら登場したのは、裸になってすぐアッー〜殺意のqwglOGQwIk〜、通称「ガチホモ」である。

「…そこはニコロワ的に、『WAWAWA忘れ物〜』じゃないのか?」
「そのネタはすでに人外さんが使っていますからね。それに、僕はここに忘れ物を取りに来たわけではありませんし。」
「じゃあ、何をしに?」
「女性陣二人のために、何か回復アイテムはないかと思いましてね…。おお、早速いいのが見つかりました。」

ガチホモが手に取ったのは、バケットに入れられたパンの山。
ニコニコ動画で人気を博している「ニコニコRPG」出典のアイテム、「究極のコッペパン」と「至高のコッペパン」である。

「丸一日近くむき出しで放置されてあったパンなんて食べさせて、大丈夫なのか?」
「心配ありませんよ。RPGの食べ物系アイテムは、入手してから何日経とうがおいしく食べられるのが基本です。
テイルズロワ所属のあなたなら、よくご存じなのでは?」
「確かにな…。」

もっともな言葉をぶつけられ、七氏は苦笑を浮かべる。

「しかし、素晴らしい品揃えですねえ、ここは…。」

上機嫌な声で、ガチホモは語り始めた。目的のものを手に入れて、気分がいいらしい。

「これだけのアイテム…。全部使えば我々が参加者に圧勝できるんじゃないですか?」
「馬鹿を言え、そんなことしたら『空気読め』の大合唱だ。
僕たちの目的は確かに勝つことだが、書き手として最低限のモラルは守らなければならない。
せいぜい、一人2個か3個が許容範囲だろうな。それも、自ロワに関連のあるものが望ましい。」
「それもそうですね。」

今度は逆に、ガチホモが苦笑いを浮かべた。

「そう言えば、七氏さんは何を捜してここに?」
「ああ、ちょっとうちのロワに関係あるものをな。まあ、あるかどうかもわからないんだが。」
「手伝いましょうか?」
「いや、いい。そっちはそっちで忙しいだろう。こっちも、名無しが倒れて雑務をナナシが一人でやってるからな。」
「そうですか。では…ゆっくりしていってね!」
「その外見でそのセリフはやめろ。まったく合ってない。」

真顔で抗議する七氏だったが、ガチホモは気にせず「らららコッペパン♪」などと歌いながら退室していった。

(やれやれ、妙なことで時間を潰してしまったな…。作業のペースを速めるか…。)

再び、アイテムの山の中を探り始める七氏。
彼が警戒するもの、それはネコミミストと666が所持する自ロワ出典の武器、マテリアルブレード。
もしあれを強化することが出来たら、それは単なる「強い武器」では済まされない。
下手すれば、このロワが根底から覆されかねないのだ。

(無ければそれでよし…。有ったとしたら、何かの拍子に参加者の手に渡る可能性があるからな…。
破壊するなりなんなりしないと…。)

薄暗い部屋の中で、七氏は一人作業を進める…。

3641主催者ジョーカーの事情:2008/05/14(水) 22:49:15 ID:y3T2JT8o0
【真夜中 主催者本拠地・備品倉庫】
【七氏@テイルズロワ】
【状態】:健康 
【装備】:なし
【道具】:不明
【思考】:
 基本:主催者側の人間として活動。参加者の抹殺
 1:マテリアルブレードの強化アイテムである「あれ」がないか確認。
 2:熱血展開を全滅させる。特に☆系の熱血を。
 ※容姿はキール・ツァイベル@テイルズオブエターニア
 ※テイルズロワの舞台ギミックを発生させることができます
 ※【異能・闇に囁く言葉責め】
  言葉の力でいろんなものを誤魔化し、改変する能力。詳細不明。
  大きな無理がない限りなら後付け設定も可能らしい。

※ラピュタ内に、支給品の選考から漏れたアイテムが大量に保管されているようです。
  ただし、ジョーカーたちは空気を読んであまり無茶な使い方はしません。
  七氏が捜しているブツが、この中にあるかは不明です。
あるいは参加者の不明支給品に入っている可能性もあります。

3642主催者ジョーカーの事情:2008/05/14(水) 22:50:08 ID:y3T2JT8o0
◇ ◇ ◇


数分後、ニコニコロワ控え室。
コッペパンを片手に自分たちの拠点に戻ってきたガチホモを待っていたのは、意外な光景だった。

「うわー、全然かないません…。」
「フハハハハハハ!!俺はどんなゲームにおいても強靱!無敵!最強なのだ!」

彼が見たもの、それは、人外とプー太氏がクイズゲームにいそしむほほえましい光景だった。

「おお、戻ったか、ガチホモ。」
「…何をやっているんですか、あなた達は。」

何事もなかったように話しかけてくる人外に、ガチホモはあきれ気味の口調で返す。

「ああ、決戦の前に虎竹刀の使用に慣れておこうと実験していたのだが…。
どうやら愛媛のらき☆すた因子に引きずられたようで、クイズゲーム@らき☆すたが出てしまってな。
さすがの俺も盲点だったわ!フハハハハハハ!」
「なんで上手くいかなかったのにそんなに誇らしげなんですか、あなたは…。で、その愛媛さんは?」
「今、寝逃げで体力をリセット中…。」

ガチホモの問いに、えーりんことC.M.超展開はデフォなのか?が答える。
その言葉通り、愛媛はえーりんの傍らでスヤスヤと寝息を立てていた。

「おや、お休み中でしたか。せっかく回復アイテムを持ってきたのですが…。
まあ、起きてから食べてもらいますか。あなたは先にどうぞ。」
「遠慮なくいただく…。」

ガチホモから手渡されたコッペパンを、えーりんははむはむと口に含む。

「あなたの方の調子はどうですか?愛媛さんの看病で、あなたが倒れてしてしまっては元も子もありませんよ?」
「順調に回復中…。ただ、万全の状態で参加者との戦いに望むにはもう少し時間が必要…。」
「なるほど。焦らず、ゆっくり英気を養ってください。あなたの力は、我々に必要不可欠なのですから。」

照れくさそうな表情を浮かべ、えーりんはコクリと頷く。

「ガチホモ、俺も小腹が空いてきた。コッペパンをひとつくれ。」
「あなたにはこれなどいかがでしょう。」

そう言ってガチホモが差し出したのは、コッペパンと同じくニコニコRPG出典のアイテム、「駐車場おでん」だ。

「貴様ぁぁぁぁぁ!この俺の嫌いな食べ物がおでんと知った上での振る舞いか!」
「何もおでんひとつでそこまで怒らなくても…。」

決戦も近いというのに、何故かほのぼのムード漂うニコロワ陣営であった…。

3643主催者ジョーカーの事情:2008/05/14(水) 22:50:44 ID:y3T2JT8o0
【主催者本拠地・ニコロワ控え室】
【裸になってすぐアッー〜殺意のqwglOGQwIk〜@ニコロワ】
【状態】:健康
【装備】:なし
【道具】:不明
【思考】:
 基本:主催者側の人間として活動。参加者の抹殺
 1:みんなの体調を気遣いつつ、、次の出番までニコニコ
 2:地図氏と再会すれば、借りを返す

 ※容姿は阿部さん@くそみそ、性格は古泉@ハルヒ。その名はイイ男。キモカッコゲイ!
 ※地球破壊爆弾No.V-7を危険視しています。
 ※ニコニコ動画に存在する動画ゆかりの技を使えます。
 ※ニコニコに自分が見たものを動画としてうpできます。
 ※「まっがーれ↓」と唱えることで色んなものを曲げられます どこまで曲げられるのかは不明


【人外アドベンチャー〜OZbjG1JuJMのウォーゲーム〜@ニコロワ】
【状態】:疲労(中)
【装備】:なし
【道具】:虎竹刀with千年パズル、クマのプー太氏
【思考】:
 基本:主催者側の人間として活動。ロードに立ち塞がる参加者の粉砕!ぎょ(ry
 1:この俺がおでんなど食えるか!
 2:デッキを改良しながら次の出番までニコニコ 

 ※容姿は正義の味方!カイバーマン(海馬瀬人)
 ※ニコニコ動画に存在する動画ゆかりの技を使えます
 ※地球破壊爆弾No.V-7を危険視しています。
 ※お気に入りの画像からデータをダウンロードし、カードに変えて使役することが出来ます。
  基本はニコニコにあるパロロワMAD&ガチホモが動画化した分の書き手ロワ2ndからの混成デッキ。
  書き手ロワカードは放送ごとに死者が追加解禁されます。


【C.M.超展開はデフォなのか?@ニコロワ】
【状態】:ダメージ中(回復中)
【装備】:なし
【道具】:不明
【思考】:
 基本:主催者側の人間として活動。参加者の抹殺。
 1:愛媛を看病しつつ、 次の出番までニコニコ

 ※容姿はえーりん!えーりん!何故か無口なようです。
 ※ニコニコ動画に存在する動画ゆかりの技を全て使えます。
 ※少数に限りニート軍を現実に召還できます。
 ※えーりんが無事な限りは、蓬莱の薬で兵士は超スピード回復します。(ただいま全滅中、回復に時間がかかります)


【愛媛の0RbUzIT0Toは大変な演説をしていきました@ニコロワ】
【状態】:真・驚きの黒さ、就寝中、 精神力五割程度(回復中)
【装備】:なし
【道具】:なし
【思考】:
 基本:主催者側の人間として活動。参加者(=多数派)の抹殺
 1:寝逃げでリセット☆ 
 2:生き残ってももちろん熱血王子は許さない
 3:熱血王子が改心しそうな時は666に任す
 ※容姿は黒いセーラー服の柊つかさ@らき☆すた
 ※触れたものを驚きの黒さで染めることが出来ます。影ワープ等詳細不明
 ※ニコニコ動画に存在する動画ゆかりの技を使えます
 ※現実世界にコメントを張ることができます
 ※地球破壊爆弾No.V-7を危険視していますが、キャラとしては…?

3644主催者ジョーカーの事情:2008/05/14(水) 22:52:15 ID:y3T2JT8o0
以上で投下終了です。
チートにはチートを、ということで、主催者側にも強化フラグを。
「やりすぎだろ」などご意見ありましたら、遠慮なくどうぞ。

3645諸君 私は名無しが好きだ:2008/05/15(木) 00:38:16 ID:CGqXsrfM0
投下乙です
主催陣も着々と力を蓄えているようですね
(でもなぜだろう?それほど強そうには見えないwww)
ニコニコ勢はほのぼのしてんな〜

3646諸君 私は名無しが好きだ:2008/05/15(木) 23:15:43 ID:0IFjyNGU0
「主催者ジョーカーの事情」、wiki収録時にセリフを若干変更しました。
ストーリーにはまったく影響ありませんが、いちおう本人がやったということで報告を。

3647愛を取り戻せ!:2008/05/23(金) 05:27:48 ID:5ZQf0R0k0
孔明の策を成就させ、WIKI管理人にしっぺ返しを食らわせる為だけに今まで戦ってきた。
決意は、あの時から何ら変わっていない。
地図氏は人を利用するのは好きだけど、利用されるのは負けるのと同じくらい嫌いだから。
未だにWIKI管理人に対する敵意という薪はくべられ続け、殺意の炎は燃え続けている。

ロリスキーさんを殺すのもその為の手段の一貫に過ぎない……はずだった。



「……こなた……私を、殺す……の?」
「…………ぁぅ」

詰まるのは、一瞬だけ。
言葉にされたのはやっぱり少し堪えたけど。
決意は、少しも揺るがない。
……違う、か。

私は、愛し方を覚えていない。
人を愛する心は全部半身であるドSに委ねてしまったから。
それでも、あの時感じた喪失の痛みは本当だったから。
今からするのは、ただの私闘。私の、私による、私の為のバトルロワイヤル。
真の対主催としてでなく、地球破壊爆弾として、私が、私の意志でクールなロリスキーを殺す。

「ああ、殺すとも、ヒューマン。ううん、ロリスキーさん」

今度こそ彼女の眼を見据えて、答える。
突き付けるは剣と槍。
右手にはレヴァンテインを。左手には、激戦を。
空回りさせられてばっかりだったとはいえ、コロンビーヌとの戦いの熱は未だ冷めていない。
先程まで床を穿ち、柱を寸断し、リノリウムの壁を溶解せしめたように、少女を殺せばそれで終わり。

「それがこなたの望み?」

簡素なベッドから身を起こし、問いかけてくるロリスキーさん。
その声が僅かに恐怖で震えていることに気付くも、悲しいとは思わない。
むしろ、歓喜すら湧いてくる。恐怖という感情を与え、彼女を揺れ動かしたのは他ならぬ私なんだって。

「わたしは、ロリスキーさんが好き。笑っている顔も、泣いている顔も、怒っている顔も、
 泣いている顔も、呆れている顔も、泣いている顔も、困ってる顔も、えちい顔も、泣いている顔も好き」
「なんかやけに一種類に偏ってる気がするけど、いいわ。聞かないであげる」

思いっきりびんたして、両目におっきな涙の粒を溜めているロリスキーを思い描き、思わずうっとりしてしまう。
いい、それいい、すごくいい!と。
そんなこなた顔特有のだら〜っとした笑みに言いようのない悪寒を感じたのか、ロリスキーさんはびくんと一度大きく震える。
その小動物のように怯えた様子もまたいいなあって心の底から思ってしまう。

でも、その思いも地図氏としての愛の半分で。
こな×かが効果付きのロリスキーさんの愛の量の3分の1にしか満たなくて。
私は隣に並んでくれるという貴方を同じくらい愛せない自分が許せない。

ううん、違う。違う違う違う違う違う!
本当に許せないことは別にある。
いつまで隠している気だ、地球破壊爆弾No.V-7!

3648愛を取り戻せ!:2008/05/23(金) 05:28:16 ID:5ZQf0R0k0


「あのね、ロリスキーさん。さっきは愛を受け止めきれないなんて言ったけど、手段がまるでないわけじゃないんだよ?
私の愛がロリスキーさんの愛に追いつける方法がさ〜。
実はね、すんごくすんごく簡単なことなんだ〜。
私がね、いかにあの地図氏でも、所詮はオリジナルの半分に過ぎないよね。
そしてなりきっているキャラはどれも地図氏に負けず劣らずの濃い面子ぞろい。
ねえ。私がさ、真の対主催っていう独自の立場を捨て、なりきりをたった一人のキャラに集中させれば
真の対主催っていう独自の立場を捨てて、なりきりをたった一人のキャラだけに集中すればどうなると思う?
うん、今かがみんが思った通り。半分の地図氏じゃ、丸ごとな彼らには勝てない。
つまり、こなたにだってやろうと思えばなりきれる。
そしたらさ。私はもう地図氏の半分じゃなくて、地球破壊爆弾No.V-7っていう一人のオリジナルキャラクター。
地図氏としての50%の愛じゃなくて、地球破壊爆弾No.V-7としての100%の愛を与えてあげられる」

きっとそれは、最良の選択。
地図氏であることに拘らなければ、主催者を目的ごと打破する必要はなくて。
その手段であるロワの加速――人殺しもしないでいい。
二人で生きて脱出すれば、文句なしのハッピーエンド。

「でも、でもね。私は、地図氏であることを捨てられないんだあ。
好きな人より、自分のことを優先しちゃうなんて最悪だよねえ」
「…………」

ロリスキーさんが下を向いて押し黙る。
当たり前だ。自分でも思うもん。私どれだけ自己中なんだよ、って。

ねえ、ウッカリデス。知らなかったと思うけど、私は羨ましかったんだよ?
キャラに取り込まれないで、そのまんまの自分でかがみんを100%愛することができたウッカリデスがさ。
同時に妬ましくもあったけどね。あははははは。

そうだね。どうせだから全部暴露しちゃおう。この醜い想いさえも。

「そしてね。地図氏はこうも考えるんだ。私以外の誰かが、貴女の心を動かす事をどんな形でも許しはしないって。
 私が先に死んじゃっても、他の誰かと幸せになって欲しいなんて思えない」

だから、殺す。

死んだ人間は誰にも振り向かせられないから。

殺して、灰にする。

死に顔さえも私だけのもの。

私より、先に死んで。

おいてくことより、おいてかれることの方が怖いから。

「だったらこの気持ちは愛なんかじゃない。ただの独占欲。ただの、わがまま」

さあ言おう、別れの言葉を。終わらせよう、泡沫の夢を。



「クールなロリスキーさん。私はあなたを愛してなんかいなかった。愛したことなんて、一度も無かった」

3649愛を取り戻せ!:2008/05/23(金) 05:28:42 ID:5ZQf0R0k0



彼女の肩がわなわなと震えだす。
ほおら、これで破局。
今まで散々好きだの、隣に居て欲しいだの言って、最後の最後で自分から潰すなんて、やっぱり私は、とんだドSだ。

泣いているロリスキーさんの顔が脳裏に浮かぶ。
なんでか、さっきと違って全然楽しくなかった。
迷いを絶ち切れたからだろうと強引に納得する。
でも、やっぱり、その泣き顔を見たくないなあって、思ったのに。

「こ、な……た」

ロリスキーさんは、私が踏み込み切る前に顔を上げちゃって、その顔にはやっぱり、どこか悲しげな、

「愛なら、もらったわよ。沢山、たくさん」

笑顔が、え?

3650愛を取り戻せ!:2008/05/23(金) 05:29:01 ID:5ZQf0R0k0
「愛なら、もらったわよ。沢山、たくさん」

ベットから降り、地に足を下ろし、ロリスキーはそこで気付く。
裸だ。すっぽんぽんだ。申し訳程度に大事な部分が隠されているのが逆にエロ度をアップしている。
わわわっと顔を赤くし手をぶんぶん振りまわすも、全身を隠せるわけでもなく。
後ろ向いたりくるくる回ったりするも、遂に諦め、やけくそ気味に前を向く。

「かがみん?」
「決めた」

爆弾は、わけがわからないといった表情のまま止まっていた。
まだ、少し距離があった。なら、私から、歩み寄る。
ドSで、変態で、えちくて、でもたまにドMな彼女の隣に立とうと決めたのは、他ならぬ自分なのだから。

「私は、あんたに絶対殺されてなんかやんない。ううん、他の誰にも殺されてなんかやんない」

更に、一歩。
けれど、二人の距離は縮まらない。
来ないで、とおびえる赤子のように爆弾が後ずさったから。
構わない。こなたが一歩下がるなら、私が二歩進めばいい。

「だって、そしたらこなた、これからもずっと一人になっちゃう」

人にも、時にも奪われたくないから、愛することができないと嘆く少女は、大切な人を己が手で殺していくのだ。

ロリスキーの頬を涙が伝う。
何度も何度も一人ぼっちの小さな背中が浮かんでは消えていく。

誰よりも激しく人を愛するのに、その愛ゆえに地図氏は独りぼっちだ。
永遠に孤独。愛を知っているからこその悲劇。
人一倍寂しがりやで、愛を求めているはずなのに。

「そんなの、そんなのって、悲しすぎるよ」

約束、したのだ。
これからは、いつも隣同士でいようって。
手を繋いでてさ、ずっと仲良く喧嘩しあおうって。
だったら、これも喧嘩だ。

「置いてかないで。置いて行かさないで。あなたの居場所は、ここなんだから!」
「でも、わたしの愛は、ドSが持って行っちゃったから」

あんたがわかってくれるまで、絶対に引いてなんかやんない!

3651愛を取り戻せ!:2008/05/23(金) 05:29:21 ID:5ZQf0R0k0
「違う!」
「違わない!」
「違う!」
「違わない!」

二歩進む、三歩下がられる。
三歩進む、四歩下がられる。
互いに互いの意見を否定し合ってばかりで、心の距離も体の距離も一向に縮まらないままだ。

ええい、このわからず屋め!イライラしてきた。
なんであんた普段いい加減なのに変なところで頑固なのよ!

「だあかあらあ、そこがおかしいって言ってんのよ!」

私はこなたみたいに地図は作れない。絵も描けない。ロゴも、ダイヤグラムだって用意できない。
考察だって穴だらけ。『なりきり』がなんのことかもわからない。けど、それでも、これだけはわかる。

「私が好きなのは、私が隣に居て欲しいのは、会ったこともない地図氏なんて人じゃない!
 地球破壊爆弾で、アーカードで、長門有希で、泉こなたで、レヴィで、キングゲイナーで、
 あとついでにもう一つを含有したあんた、今の地球破壊爆弾No.V-7なんだから!
 どれが欠けてもあんたじゃないの!こなたになる?大きなお世話よ!
 ドSに持ってかれた?余分なものもいらないわよ!」

これ以上怖くても、これ以上優しくても、それは私の好きなあんたじゃないから。

「駄目だよ、かがみん。その理屈は私だって考えたよ。
 でも、こなたになり切れない私じゃ、かがみんを泉こなたの50%しか愛せないのには変わりがない」

元が何であろうと、告白してきたのはあんたの意思、受け取ったのは私の意思。
こな×かがが基盤、それがどうしたっての。
結局人が如何に行動するかは、最後には自分で決めるもので。
私達があとあとどう思おうとも、絶対に私達という存在からはみ出しても、波状してもいないのだ。
爆弾は爆弾、私は私。それだけはず〜っと変わらない。

それでも、それでも納得できないというのなら。

「他の6っつで補いなさいよ!あんたハーフどころかセブンスじゃない!
 泉こなたの50%しか柊かがみを愛せない?
 なら後50ね。漫画ロワじゃ旦那かがみと殺し愛して気に入ったから30%追加!」
「ご、誤字はお姉さまの専売だよ、かがみん?」

さっそく突っ込まれる。うぐ。そりゃまあ、自分でも無理やりだと思うけど、いいのよこれで。
反逆よ、反逆!質量保存の法則なんてくそくらえ!……え?違う?いいのよ、もう!
このまま最後まで勢いで押し切ってやるんだから!

「知るか!次は長門有希?情報統合思念体ね。あたし達書き手はいっつも情報爆発起こしていそうだからいい研究対象ね。
 まあ、あの子は本体から分離したっていうし、まけにまけて10%よ!」
「い、いやあ、いくらなんでも私達閉鎖空間なんて作れないんだけどねえ」
「うっさい!レヴィ?うわ、やば、どうしよ!?あ、でも気まぐれ起こす時もあるし。よし、5%ね!」
「あ、あのね、かがみん?」
「何よ!?今からすんごく難しいところなのよ!?」
「え、えっと、そろそろその変にしとかないと原作ファンが怒るかなあっと」
「無視よ、無視!ロワなんだし、心情変化の一つや二つう!さあって、残るは地球破壊爆弾にキングゲイナー?
 む、無機物っていくらなんでも節操無さ過ぎよ!ええい、自棄よ自棄!アニミズムばんざーーい!二つ合わせて4,9%!!」
「さ、さすがにもうこじつけとしか……」
「アニミズムを舐めないで!これでも神社の娘なのよ、かがみんは!」

3652愛を取り戻せ!:2008/05/23(金) 05:29:39 ID:5ZQf0R0k0

尚、アニミズムとは生物・無機物を問わないすべてのものの中に、霊魂もしくは霊が宿っているという宗教敵考え方である。
八百万の神々っていうんだし、爆弾やロボットにでも問題なし!

「さあ、これで残り1%よ!正体不明の最後の変身。つまり無限の可能性が宿っているのよ。0,1%なんて余裕でクリアー!
 50+30+10+5+4,9+0,1=100%!!これで文句ないわよね!?」

内心文句ありすぎよ、とセルフ突っ込みしまくりだ。ほんとはすんごくびくびくしてる。
もっと上手な伝え方があったんじゃないかって。

爆弾は100%って数字を聞いてから、口を馬鹿みたいにポカーーーんと開けたまま(〓ω〓.)。
あ……。

「無茶苦茶だよ、かがみん」

爆弾は、笑っていた。さっきまでとは違う。いつもの彼女のゆる〜い笑みで。
ずいぶん久しぶりにこなたスマイルを見た気がする。昼間にはさんざん見たはずなのに。
嬉しいって気持ちが溢れて止まらなくて、私の口も自然と笑みを浮かべていた。

「無茶を通して道理を蹴っ飛ばすのがあんた達アニロワ勢でしょうが!」
 
ついでにそんなフレーズも口から飛び出していたり。
あれ、私アニロワのことさっきまで覚えていたっけ?
ってかこれ2のセリフよね?普通ここは1stのセリフを言うところなんだけどなあ。
ま、いっか。それじゃあ一番大切なことからやり直そう。

「独占したいならさ。こなたのことしか見えないくらい、私に愛させてよ。
 こなたのことしか見えないくらい、私を愛してよ」

自分で言ってて恥ずかしいけど、考えたらいつも歩み寄ってきてくれたのは、こなたの方からだったから。
今度は、私の番。

 「一緒に、生きよう、地球破壊爆弾。好きです。ずっと隣りにいてください――」

そう、仲直りの握手から。
手を差し出す。
二人の距離は、30センチ。

3653愛を取り戻せ!:2008/05/23(金) 05:29:56 ID:5ZQf0R0k0
右手が延ばされる。いつでも準備はできている。つかんでくれとばかりに。
それは、なんて、甘美な、堕落のススメ。
地図氏と称された一人の人間の全ての意地を捨ててでも、掴む価値があり得る右手。

「あ、う、ああ……」

いいのではないか。
何となくだがわかる、自分は本物の地図氏じゃないって。
なら、地球破壊爆弾と名づけられたキャラが、地図氏と称された人間の誇りの為に幸せを犠牲にする必要はないのではないか。

「う、あ、うう……」

書き手としての誇りを埋め、WIKI管理人に『勝利』するのではなく、無難なハッピーエンドを掴み取っても良いのではないか?
爆弾は、その誘惑に逆らえなかった。
ぶちり、ぶちりと、自らを束縛する誇りという糸を引きちぎっていくかのように、のろのろと手を伸ばす。

あと
 
 29㎝――ぶつり。

  「かが、みん……」

    24㎝――ぶちり。
   
     「こなた……」

       19㎝――ぶつり、ぶつり。

        「もう、死んだりしない?」   

           14cm――ぶちりぶちり。 

            「うん。こなたも、約束して」

                9㎝――ぶつり、ぶつり、ぶつり!

                 「私を置いて一人で死なないって」

                    4cm――ぶちりぶちりぶちりぶちり!

                      「大丈夫、私は絶対死んだりしな」

                         −1cm――トスッ

3654愛を取り戻せ!:2008/05/23(金) 05:30:19 ID:5ZQf0R0k0

                            
                            

届いた。
クールなロリスキーの背に生えた触手が、爆弾の心の臓へと。

「え?」

それは、どちらの悲鳴だったか。
ずるりと、急所を砕かれた地球破壊爆弾が地へと崩れ落ちる。
伸ばした手は、繋がれることもなく、むなしく空を切る。

「ちょ、ちょっと、何よ、これ!?あたし、こんなの、こんなの知らない!」

トストス、トストス。
BGMは困惑したロリスキーの悲鳴。
触手は数を増やし軽快なリズムを立て続ける。

「やめて、やめてよ!止まってよ、ねえ!」

トストス、トストス、トストス、トストス、トストス、トストス。
止まらない、止まらない、止まってくれない。
願っても、自分で掴んで止めようとしても無駄だった。
触手は執拗に、執拗に、何度も何度も爆弾の体を貫いていく。



クールなロリスキーの不運は3っつ。



一つは今の自分がどういった身体かを理解していなかったことだ。
スーパーかがみんお記憶は確かに受け継いでいる。
けど、それはスーパーかがみんの全てを知っているということではない。
例えば、そう。
全てのスーパーかがみんが内包している柊かがみ因子が、参加者への残留思念の追加同様更新されていたとしたら?
そしてそのことに当の本人が気付いていなかったとしたら?
本人の知らないことは、記憶には残り得ない!
故に、ロリスキーは知らなかった。
アニ2かがみん因子の一部として、誰よりも
『自分が死なないと思っている奴を殺したがる』一人の狂人の記憶が混ざっていたことに。
アニ2本編において、柊かがみがその記憶に振り回され、
彼女が依存していた男を死に追いやってしまったという悲劇を。

3655愛を取り戻せ!:2008/05/23(金) 05:30:39 ID:5ZQf0R0k0
「う、嘘?なんで、なんで私がこなたを?こ、こんなの変よ、変。ありえない、ありえない、ありえない
私はただ、こなたを犯したかっただけ……あれ?嘘、嫌だ、助けてよ、アルベルト。あれ、あれれ?
で、まさかあんたは自分が死なないなんて思ってるんじゃないわよね?いま闘争の真っ最中なんだから。
何これ、何これ、頭が痛い!あ、あああああああああああああああああああああ!!」

次々と不可思議な言葉を発しながらロリスキーが強烈な頭痛に耐えきれず、地面を転げまわる。

これが二つ目。
今の彼女の錯乱は『なりきり』システムと現ロリスキーボディの圧倒的な相性の悪さに起因する。
書き手としての思考制限を目的とした本ロワのなりきりは、
ボディの方を基盤としメンタルをキャラクター側に引きずっていく特色を持っている。

Q 今のロリスキーのなりきり対象は?
A 柊かがみ

そう、この『柊かがみ』が曲者なのだ。
カオスロワ、アニロワ2、漫画ロワ、ニコロワ、番外書き手ロワ2。

最後の一つは厳密には違うので取り除くとして、残り4っつのかがみんを思い浮かべて欲しい。
3っつでも2つでも構わない。
さて、皆さん。果たしてこの『柊かがみ』というキャラクターが、基は同一人物だったなんて思えるであろうか?
確かに基盤は一緒だ。カオスかがみんを抜いて外見も衣装の差こそあれ等しい。
では、肝心のメンタルは?なりきり時の最重要ポイントである性格は?

驚くほどにバラバラである。
しかも、このロワのなりきりはキャラの性格の全体像というよりも、もっとも目立った状態を模する傾向にある。
極端な精神状態の方が、考察妨害には向いているからである。
具体例を挙げれば

暴走、不死身の、ラッド化、レズなレイプ魔。

とこうなる。

そんな『柊かがみ』を対象になりきりシステムが発動すれば?
どんなに性格が違えど、元キャラは完全に同一の『柊かがみ』。
なりきりシステムは存在意義に従い忠実にロリスキーを『柊かがみ』に近づけようと働く。

初めはそれでなんら問題なかった。
あくまでも漫画ロワ2の書き手である彼女の身体は漫画ロワ仕様だったからだ。
何故か不死者ではあったが、一応漫画ロワの激戦使用時とイメージが重なったため、大したブレは発生しなかった。
漫画ロワのかがみんが暴走事故後は一番原作順守の性格だったことと、
事故の原因の一つであったアーカードの両方と友好関係を結べたことも、彼女の性格の安定していた要因である。

しかし、その安定が崩れる予想外の事態が発生した。
スーパーかがみんとの融合である。
この結果クールなロリスキーは漫画だけではなく、カオス、アニ2、ニコと他のかがみんの性格にも引きずられだしたのだ。
それが爆弾の死なない発言によるラッド因子の暴走により、一気に表面化。
別キャラと呼ばれるほど様々な違いがあるとはいえ、なりきりシステムからすれば全てが同じ『柊かがみ』。
全く別ベクトルに心を弄られ続けたことにより、なりきりが最も進行していたロリスキーは影響をもろに受け、
極度の錯乱状態へと陥ってしまったのである。

参加者でない故になりきりの制限下に入っていなかったスーパーかがみんが、
この問題を見落としていたのは仕方のないことだった。

3656愛を取り戻せ!:2008/05/23(金) 05:31:05 ID:5ZQf0R0k0





それでも、それでもである。
所詮ラッド化は一発ネタに過ぎず。
所持していた激戦の力により、心臓を貫かれた爆弾も数秒後に完全復活。
無事だった彼女に悟らされるなり、肉体言語で語られるなり、パヤパヤするなりされれば、
ロリスキーも真相に辿り着き、事件は一見落着するはずだったのだ。
落ち着いて常に心を強く持っていれば、全くの無害なのだから。

ところが、三つ目の不幸がここでロリスキーを襲う。

「ば、化け物?不死身?ドラゴン?わからない、わからない、わからない!私はいったい何なのよお!」

アイデンティティの崩壊の危機を前に、自問自答を繰り返すロリスキー。
その問いに本来ならあり得ない、あってはならない答えが返ってきてしまったのである。

――決まっている。他人にも自分にも不幸をばら撒く疫病神さ。最悪の、な。

「イヤアアアアアアアアアアア!!」

初めに思い出したのは白い仮面の男――GR版最速の人。
少なからず思うところがあった彼は。
何がきっかけで死んだ?誰を守ろうとして死んだ?

「違う、違う、違うぅぅぅぅぅぅう!!」

頭を抱え壊れた悲鳴を上げるロリスキー。
同時に赤いスタンドが顕現。回りに炎を撒き散らし、彼女を中心に焼け野原を形成する。


次に思い浮かんだのは黒い仮面の男――忘却のウッカリデス。
いつも私のフォローをしてくれたいた彼を。
殺した人物に利用されたのは?都合よく頼ろうとしたのは誰?

「嘘、嘘、嘘、嘘よ!私は、私は!」

最後に現れたのは幾つもの姿を持つ少女――地球破壊爆弾No.V-7。
私がずっと一緒にいると約束した彼女は。
誰が死で修羅へと堕ちた?誰の手で直接――


殺された?

3657愛を取り戻せ!:2008/05/23(金) 05:31:31 ID:5ZQf0R0k0

「疫病神?みんなを、不幸にする?三人が死んだのは、全部全部私のせい?」

ぎゃりぎゃりと、ぎゃりぎゃりと、なりきりが強い一つの感情に引きずられ固定されていく。

崩れ落ちる天井をロリスキーは避けもしない。

ぐしゃり。
ぐしゃり、ぐしゃり、ぐしゃり。

――みんなが協力できるように頑張った私が間違ってたっていうの?
アレな展開のせいで口げんかが始まって、その口げんかが原因でカッとなって殺されたニコかがみのやるせなさが。

ぐしゃり、ぐしゃり、ぐしゃり、ぐしゃり、ぐしゃり。
ぐしゃり、ぐしゃり、ぐしゃり、ぐしゃり、ぐしゃり、ぐしゃり、ぐしゃり、ぐしゃり。

――考える事をやめてしまえばいい。考える事をやめて、殺戮の快楽に身を任せてしまえばいい。
信頼できる大切な人を己が手で殺した事実を受け入れられず、自我を殺し感情を麻痺させたアニ2かがみの諦観が。

じゅるり。
じゅるり、じゅるり、じゅるり。


──だから……私はもう誰にも近づいてはならない……誰も近づけちゃいけない……!!
──私に誰かが近づいたら…………きっとその人も……また……また……!
殺し合いに放り込まれ、吸血鬼と出会い、誰かを殺す力を振るい、遂に化け物と呼ばれた己への漫画かがみの恐怖が。

歪に捻じれて『絶望』の名のもとに混じり合う。
その心の変化に合わせるかのように、再生に合わせて外見すらも変わっていく。

――それらの事に対する報いとして、私はもはや人の姿ですらなくなってしまったのだろうか。
死んでは生き返らされ、死んでは生き返らされ、何度も何度も生き地獄を味わい、堕落したテラカオス4期かがみの悪夢へと。

収束する、収束する、収束する!
そして……。

3658愛を取り戻せ!:2008/05/23(金) 05:31:54 ID:5ZQf0R0k0
全てが灰色に染まる地の果ての世界に木炭のようなものがある。
それは僅かにうごめいたかと思うと、ゆっくりと起き上がってゆく。
立ち上がると同時に体にへばり付いていた炭は全て零れ落ちた。

木炭の中から、まるでサナギが蝶々へとなるように、あるいは不死鳥の誕生のように、新生した柊かがみが現れた。
周りを見渡すと赤く燃え続ける世界。
心臓を砕かれ、煉獄の炎にくべられては不死王とて生きていまい。
つまり……地球破壊爆弾は…………確実に、自分が…………

再び吐き気が襲うが巨竜と化した口から出てくるのは炎だけ。
惰性で吐き出すと、なぜだかクスクスと笑いがこみ上げてくる。
止まらない。

──三人とも死んじゃったのに、私だけ生きてる……フフ

何処へ向かうでも無く、地上を目指して飛翔する。
もう自分がどうでも良くなり始めた。

――この姿なら、誰も近寄ってこない。
――近寄ってきたら、暴れて怖がらせれば、逃げてくれる。
――それでも、逃げずに立ち向かってくるのなら、
――きっと、その人が、私を殺してくれる。





今ここに一匹のドラゴンが生み出された。
炎を従え、八の尾をくねらせ、刃の翼をはためかせるその姿は、一種の芸術性すらも感じられる。
ただ、眼帯を嵌めた瞳から絶え間無く流れる涙が、やけに不釣合いだった。





【E-8/病院地下/夜中】
【クールなロリスキー@漫画ロワ】
【状態】:不死者、吸血姫、スーパーかがみんと融合、覚醒・復活、自閉、絶望、諦観、恐怖、ドラゴン化
【装備】:なし
【道具】:なし
【思考】:私なんて、いなくなれば、いい。
 基本:自閉
 0:私は、疫病神……。
 1:誰も近づけたくない。
 2:近づいてきたら脅す。(無意識ですが本気で攻撃します)
 3:殺してもらえるなら、それもいい。

 ※容姿は柊かがみ@らき☆すたの髪の色をしたドラゴンです。
  ヴァルセーレの剣の刃でできた羽を3対六翼持っています。
  尻尾はマリンデビモンの触手が変化して8つです。
 ※何故か不死身です。
 ※スーパーかがみんと融合し、彼女の記憶と能力を継承しました。
  柊かがみがその時点で使ったことのあるあらゆる力、アイテムを使用できます。
  ロリスキーの絶望に呼応し、やばい時のかがみの記憶に引きずられ暴走中です。
 ※地球破壊爆弾No.V-7の血を吸い、独立した吸血姫となりました。
 ※地球破壊爆弾No.V-7を殺したと思っています。
 ※いつ目覚め、どこから(コロンビーヌと地球破壊爆弾の)話を聞いていたかは後続の書き手にお任せします。

3659愛を取り戻せ!:2008/05/23(金) 05:32:14 ID:5ZQf0R0k0







そしてクールなロリスキーだったものが去った後に、一人の男の声が木魂する。

「またか、また、かがみんを、奪うのか」

拳握りしめ、牙をむき出しにしているのは、アーカードに変身した地球破壊爆弾だ。
その手に握られた激戦が、彼が生き延びた要因であることは言うまでもない。

「仮面ライダー、書き手ええええええええええええええええええええええ!!」

爆弾は一瞬だが感じたのだ、あの男の魂を。
ロリスキー復活に際し使われたライダー書き手の腕。
恐らくあの腕を媒介に死に際のあの男の怨念が、ロリスキーに何らかの形でフィードバックしたのだ。
腕一本分な上、本編でも物議をかました設定だ。もはや残留思念さえ残っていまい。

それでも、自身の死を認められなかった彼は、恐らく直前に食った『柊かがみ』に不幸の責任を求めたのだろう。

真相は誰にもわからない。
けれども、地球破壊爆弾の胸には、今ただ一つの真の願いの炎が灯っていた。

「認めよう。貴様の言う通りだ、人形。こんな、独りよがりの結末など、私は認めない!!」

地球破壊爆弾。彼がこれからどう動き、そのことがどう物語に影響するのか。
それもまた、誰にもわからない。




【地球破壊爆弾No.V-7@アニロワ1st】
【状態】:疲労(大)、ダメージは完全回復、アーカードの姿、強い決意
【装備】:激戦@漫画ロワ、レヴァンティン@アニロワ1st
【道具】:支給品一式、着替え用の衣装(複数)、アダルトグッズ(大量)
【思考】:かがみん……。
 0:ロリスキーい!!
 1:???
 ※基本的に中身はアーカードで、CVは平野綾です
 ※変化する姿に7つのバリエーションがあるらしいです。
 【1:地球破壊爆弾】【2:アーカード】【3:長門有希】【4:泉こなた】
 【5:銃撃女ラジカル・レヴィさん】【6:キングゲイナー】【7:1〜6とか目じゃないよ?びびるよ、まじで】
 ※クーガーの早口台詞が言えます!
 ※鎖鎌、鳳凰寺風の剣、ソード・カトラス、ノートPCの投影が可能です。
 【スーパーキョンタイム】
 地図氏以外の者はゆっくりとしか動けなくなります。一度使うとそれなりの時間使用不可能です。
 【地図氏の地図】
 参加者の位置、生死を含めた地図を投影できます。※長門有希の状態でのみ可能。
 使いすぎるとアレなので、毎晩0時にのみ使うことにします。

3660愛を取り戻せ!:2008/05/23(金) 05:33:59 ID:5ZQf0R0k0
投下終了。うむ、やっぱりパロロワを更にぱろれる書き手2はいいw

3661諸君 私は名無しが好きだ:2008/05/23(金) 09:42:01 ID:W5aQXobw0
投下乙。
ちょ、よりによってドラゴンwwwwwwwwww

3662諸君 私は名無しが好きだ:2008/05/23(金) 14:55:18 ID:wUGYD/8sO
地図氏ついに死亡したかと思ったぜ…!
面白くなってきたな

3663クレイジー・ダイヤモンドは砕けない:2008/05/24(土) 17:49:20 ID:EcBwinp60
投下いきますねー。


「あははははははははははははははは♪あははははははははははははは♪」

E-8に、狂ったような声が響き渡る。いや、「狂ったような」ではない。本当に狂っているのだ。
声の主たる可憐な少女は、蟹座氏。今の彼女は驚きの黒さへの感染と、それに伴う蟹見沢症候群の再発で正気を失ってしまっていた。

「あは♪ししょー、どうやって殺してほしい?頭をかち割ろうか?首をはねようか?
それとも全身切り刻んで失血死?尊敬するししょーだもん、お望み通りに殺してあげるよ?」

鉈を手に、壊れた笑みを浮かべながら蟹座氏はバトルマスターに歩み寄る。

「おのれ、黒猫め…。我が娘になんということを…。」

パソコンのモニターの中で、ギャグ将軍は悔しそうに顔をゆがませる。

「バトルマスターよ、なんとか娘を傷つけずに止められぬか?」
「私も出来ればそうしたいんですけどねえ…。」

将軍とバトルマスターが会話している間にも、蟹座氏はお構いなしで突っ込んでくる。

「時間切れ♪僕の好きなように殺させてもらうよ、ししょー♪」
「この状況では難しいと言わざるを得ません!!」

蟹座氏の一撃を、バックステップでかわしながらバトルマスターは叫ぶ。

そもそも、前回の蟹見沢症候群を抑えられたのは奇跡に近いのだ。
同じことをもう一度やって、また彼女を救えるとは限らない。
ましてや、今の彼女は症候群とはまた別の、得体の知れない力に影響されているようなのだ。

(くっ、どうすればいい…。どうすればこの状況を最高の結果に持っていけるんだ!)
「あははははは!!」

バトルマスターの苦悩など知らず、蟹座氏はがむしゃらに鉈を振り回す。
その内の一撃がバトルマスターの頬を切り裂き、鮮血を舞い上げた。

「なんとかせぬか、バトルマスター!このままでは貴様がなぶり殺しにされるぞ!
そんな結末、我が娘も望んではおるまい!」
「わかってますよ、それは!ええい、こうなったらしょうがない!」

バトルマスターは突如として、ノートパソコンを近くにあった芝生の上に投げ捨てた。

「むう、何をするか、バトルマスター!」
「将軍はそこで、蟹座氏を正気に戻す方法を考えてください!
私はなるべく彼女を傷つけないようにしながら、時間を稼ぎます!」

バトルマスターが言い出したのは、要は役割分担。
将軍が頭脳労働を担当し、バトルマスターが肉体労働を担当するというわけだ。

「なるほど、そういうことか。余を乱暴に扱ったことは後で説教するとして、今は全力で事態の打開方法を考えてくれよう!
大船に乗ったつもりでいるがいい!」
「頼りにしてますよ、将軍!」

そう口にして、バトルマスターは視線を蟹座氏に戻す。
蟹座氏は何やらぶつぶつと呟いているようだが、声が小さくて聞き取れない。

(使える回数は残りわずかですが、躊躇している状況ではありません…。使わせてもらいますよ、孔明!)

バトルマスターは精神を集中させ、その手に宿る令呪の力を解放する。

3664クレイジー・ダイヤモンドは砕けない:2008/05/24(土) 17:50:04 ID:EcBwinp60
『闘争制覇者-Battle Master!!』

二重の声が、周囲に響き渡る。

(え?二重?)

彼は、確かに見た。自分と同時に蟹座氏からも固有結界が展開されるのを。
二つの固有結界はお互いを打ち消し合い、やがて完全に消滅した。

(いったい何が…。はっ!まさか、「蟹座じゃないもん」!?)

そう、バトルマスターの推測通り。蟹座氏は「蟹座じゃないもん」を使用していた。
否定するものは「蟹座氏」という自分自身。肯定するのは「バトルマスター」。
こうして、蟹座氏はバトルマスターの固有結界をコピーしたのだ。

「チートは駄目だよ、ししょー。それじゃあししょーの好きな熱血バトルが出来ないじゃない。」

侠気の笑みを浮かべながら、蟹座氏は言う。ちなみに、誤字はわざとだ。

「さあ、やろうよ!血が沸騰するぐらいの熱いバトルをさあ!」

ふくれあがる蟹座氏の闘気に呼応するかのように、彼女のデイパックから蟹座の聖衣が飛び出す。
それは本人が触れずとも、蟹座氏の体に装着されていった。
そして黄金だったその色は、暗い紫に変色していく。
そう、蟹座のデスマスクが冥王ハーデスによって蘇生された際、その体に纏っていた鎧のように。

「蟹座氏…。」
「蟹座じゃ…ないもん!」

否定するのは「蟹座のデスマスク」。肯定するものは「牡羊座のムウ」。

「スターダストレボリューション!」

どこからともなく、流星がバトルマスターめがけ降り注ぐ。
バトルマスターの身体能力を持ってしても、完全回避は不可能。
彼は素早く判断を下し、防御に専念する。
とはいえ、曲がりなりにも黄金聖闘士の必殺技。
いかにバトルマスターといっても、受けるダメージは軽くはない。

「くっ…。」

力無く膝をつくバトルマスター。敬愛する彼の傷ついた姿を見ても、蟹座氏の顔から壊れた笑みは消えない。

「ほら、立ってよししょー。僕の知ってるししょーは、このくらいじゃ参らないはずだよ!」

蟹座氏が見守る前で、バトルマスターはゆっくりと立ち上がる。

「まだ続ける気ですか、蟹座氏…。」
「あは♪当然じゃない!まだまだいくよー♪」

再び「蟹座じゃないもん」を唱える蟹座氏。今度は彼女の背後から黒い人影…いや、人のようなものが出現する。

(あれは…クレイジーダイヤモンド!確かにwikiによれば、我々と同郷のステルス鬼畜氏が使っていたはずですが…。
まさか支給品によって得た能力まで再現できるとは…。)

驚愕を隠せないバトルマスター。そこに、本来は山吹色であるはずの体を黒く染めたクレイジーダイヤモンドが、容赦なく襲いかかる。

「蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹座じゃないもん!」

状況が状況ならギャグにしかならないようなかけ声と共に、拳のラッシュが放たれる。
再び防御に徹するバトルマスターだが、やはりしのぎきれるレベルではない。

「ぐああっ!!」

叫び声と共に、バトルマスターの体が後方に吹き飛ばされる。

「さあ、次はスタンドつながりでこれいってみようか♪」

続いて蟹座氏がデイパックから取り出したのは、バッド・カニパニーの甲羅。

「蟹座じゃないもん。」

言霊が発せられると同時に、甲羅から次々と小さな兵隊が飛び出してくる。
バッド・カニパニーの名前の由来である虹村形兆のスタンド、バッド・カンパニーだ。

「全軍、一斉射撃。目標、バトルマスター。」

蟹座氏の号令に合わせ、放たれる弾丸。「冥加」を盾にして体の中心線をかばうバトルマスターだが、防ぎきれない弾丸が手足を貫いていく。

「なんでさ…。」

全身から血を吹き出しながらも、「冥加」を杖になんとか立っているバトルマスターを見て、蟹座氏はぽつりと呟く。

「なんでさっきから防御ばっかりで、攻撃しないんだよ、ししょー!
これじゃバトルにならないじゃない!ただの一方的なリンチだよ!」
「ええ、私にあなたとバトルをするつもりはありませんから…。」
「なんで?戦いを挑まれてるのにそれを受けないなんて…。バトルマスターの名が泣くよ?」
「それはあなたの思い違いというものですよ、蟹座氏。
私は決して戦闘狂ではありません。仲間であるあなたと戦う理由など、何もない。
たとえ、あなたが私とのバトルを望んでいてもね。」

固有結界を無効化された時点で、バトルマスターは「戦う」という選択肢を放棄していた。
彼が選んだのは、ひたすら「耐える」こと。
それは、蟹座氏を傷つけたくがないための選択だった。
だが彼のその気持ちは、今の蟹座氏には届かない。

3665クレイジー・ダイヤモンドは砕けない:2008/05/24(土) 17:50:40 ID:EcBwinp60

「仲間?今更何を…。ししょーが戦わないつもりなら、もういいよ。」

表情を凍り付かせ、蟹座氏はバトルマスターに突進する。

「死んじゃえ。」

彼女の持つ鉈が、バトルマスターの首筋を狙って振るわれる。
「冥加」で受け止めようとするバトルマスターだが、間に合わない。

(ここまでですか…。申し訳ありません、蟹座氏。
私には、もう一度奇跡を起こすことは出来なかったようです。)

鮮血の結末を覚悟し、目を閉じるバトルマスター。

(なんだか、妙な感じですね…。これから走馬燈でも始まるのでしょうか…。)

「ピィィィィィィィィィィィィカァァァァァァァァァ!!」

3666クレイジー・ダイヤモンドは砕けない:2008/05/24(土) 17:51:14 ID:EcBwinp60
(そう、ピカチュウと出会って一緒にエアーマンと…。あれ?)

それは自分のところじゃないロワの圭一の記憶だろう。バトルマスターがそうセルフつっこみを入れる間もなく、ドサリという音が彼の耳に届く。

(いったい何が…。)

おそるおそる目を開けるバトルマスター。彼が見たのは、白目をむき全身をけいれんさせて地面に伏せる蟹座氏の姿であった。

「ふう、なんとか間に合ったか…。」
「将軍?今のはあなたが…?でも、いったい何を…。」
「うむ、『でんじは』をぶつけて麻痺させたのだ。電磁波は人体への悪影響が懸念されている故、出来れば使いたくなかったのだが…。」
「なんにせよ、助かりました…。いや、根本的な解決にはなっていないのか…。」
「ああ、動きを止めただけで、娘を正気に戻したわけではないからな。」

眼前の危機が去ったことに安堵しつつ、頭を悩ませる二人。
そこへ、新たな人物が介入してきた。

「私が出るまでもなかったわねん♪さすがおじさま♪」
「おお!コロンビーヌではないか!さっきチャットで話したばかりだが、直接会うのは久し振りだのう。」
「ええ、旅館で別れて以来ですわね。それにしても、本当にパソコンになっちゃったのね…。
キャハハハハ、面白ーい!」
「笑い事ではないぞ、コロンビーヌ。こっちは死ぬかと思ったのだからな。
まあ、今ではそれなりに満喫しておるが。」
「あのー、お知り合いですか?」

いきなりガラリと変わった空気についていけないバトルマスターが、唖然とした表情で将軍に尋ねる。

「おお、紹介しておらんかったか。こやつが余の第一の部下、コロンビーヌである。」
「よろしく頼むわねん、バトルマスターさん♪」
「はあ、どうも…。」
「ところでおじさま、その娘の治療は私に任せてもらえる?私なら彼女の心を元に戻せるはずだから。」
「おお!それは真か!?」
「助かります!是非!」

コロンビーヌがもたらした吉報に、バトルマスターと将軍の表情も明るくなる。

「さて、バトルマスターよ。娘が治療を受けている間に、おぬしの怪我も治療しておかねばな。
そうとう手ひどくやられたのであろう?」
「ええ、まあ…。しかし、治療するにも道具が…。
目の前が病院とはいえ、すでに破壊されているようですし…。」

和やかな雰囲気で言葉を交わす、将軍とバトルマスター。
だが、その表情が突如として凍り付く。

(なんだ、この邪悪にも程がある気配は!!)

反射的に、上空を見上げるバトルマスター。月も星も失われた夜空は、完全な闇。
だがそこに浮かぶ人影を、バトルマスターは確かに見た。

「熱血王子…!」

ギャグ将軍も、それを確かに見た。闇夜に溶け込む、高町なのはのシルエットを。
このロワで、高町なのはの姿を持つ参加者は一人しかいない。
新生クライシス帝国の一員にして「仮面ライダー」という作品を愛する同志だった熱血怪人が命を賭けて止めようとした男、熱血王子だ。

(熱血怪人のためにも、やつの犠牲者をこれ以上増やすわけにはいかぬ…。
だが、バトルマスターも娘もまともに動けぬ状態…。コロンビーヌは娘の治療に専念させねばならぬし…。
ええい、自力で動けぬこの体が恨めしいわ!)

苛立ちを噛みしめる将軍。その彼が入ったノートパソコンを、ふいにバトルマスターが持ち上げる。

「将軍、あれがあなたの言っていた熱血王子ですね?」
「うむ、そうだが…。」
「行きましょう。彼は、放っておいていい存在ではないはずです。」
「待て、バトルマスター!貴様、立っているのもやっとのはずであろう!ましてや戦闘など…。」

バトルマスターの無茶を止めようとする将軍だが、バトルマスターはノートパソコンを閉じて強引にその言葉を遮ってしまう。

「そういうわけで、行ってきますね。蟹座氏のことを頼みます、コロンビーヌさん。」
「ええ、任せて。ただ、ひとつだけ約束してくれる?」
「なんでしょう。」
「死なないでちょうだい。私はまだ、あなたと蟹座氏の物語を見ていたいから。」
「当然です。生半可なことでは私は死にませんよ。何せ…バトルマスターですから。」

今、死地に赴こうとする男が一人。彼が約束を守れるかどうかは、神のみぞ知る。

To be continued…。

3667クレイジー・ダイヤモンドは砕けない:2008/05/24(土) 17:52:07 ID:EcBwinp60
「あのー…。私、また忘れられてませんか?」

…がんばれ、みWiki。


【真夜中】【E-8 病院まであと数十メートル】

【バトルマスター@ギャルゲロワ】
【状態】:全身に打撲および銃創、軽い貧血、キュレイ種のような身体、首輪解除、魔術回路にダメージ
【装備】:永遠神剣「冥加」、ゲイボルグ@アニロワ2nd、孔明の令呪(残り四画)
【道具】:支給品一式×2、コイン、名簿、孔明のメモ、スタンガン@アニロワ1st、首輪(まとめキング)、みWiki@らき☆すた?、
    ノートパソコン、不明支給品×2
【思考】:
 基本:コインの表が出た――だから徹底的に抗う。
 1:仲間と協力して主催者を打倒!!
 2:熱血王子を追い、彼を止める。
 3:病院へ向かい、残った対主催の参加者と合流。
 4:対主催として仲間を探し、殺し合いに乗った輩を倒す。
 5:こなたorかがみの姿をした参加者に会ったら、みWikiを渡す。



※容姿は前原圭一@ひぐらしのなく頃にです。
※自身の精神が、キャラの影響を受けている事に気付きました。
※【闘争制覇者-Battle Master】
  発動させることで、決して『バトル』に負けない固有結界を張る事ができます。
 【闘争制覇者-Battle Master アイン・ソフ・オウル】
  バトルマスターが生涯描きうるありとあらゆるバトルの世界に敵を放り込む技。
  物語内のキャラの攻撃を全部くらわせます。
  この技が発動した時点で、敵味方の全行動が『バトル』として定義されます。
  故に、発動すればどんな状況でも、バトルマスターは不敗です。
※影の繋ぎ師からディーの話を聞きました。
※孔明のメモにはこのロワに関する孔明の知り得る限りの情報が記載されています。
※孔明の令呪を使うことで魔力を補充することが出来ます。二画以上まとめて使うことでアインソフオウルを使用可能。
 ただし、全ての令呪を使い切ると……?
※みwikiが一段階強化されました。意思持ち支給品として近くの参加者と会話できます。


【蟹座氏@ギャルゲロワ】
【状態】:麻痺、へこみLv?、顎部に痒み、『蟹座じゃないもん』覚醒、極大の疲労、左手首に傷、
     若干錯乱、首輪解除、驚きの黒さに感染(コロンビーヌにより漂白中)
【装備】:体操着(ブルマ)、鉈、ケリュケイオン@リリカルなのはStrikerS、永遠神剣『誓い』、蟹座の黄金聖闘衣、蟹座氏の写真×5
【道具】:支給品一式×2、最高ボタン、カードデッキ(シザース)@ライダーロワ、
     閃光弾、まふうじの杖、バッド・カニパニーの甲羅
【思考】:
 基本:ししょーと共に!
 0:???
 1:僕の記憶、どこかおかしい?
 2:『あいつ』に逢ったら殺す。
 3:ギャルゲロワの仲間とはできるなら会いたくない……けど。
 4:敵とは戦う。ギャルゲロワ以外でいじめてくる人はみんな敵。



※容姿は蟹沢きぬ(カニ)@つよきすです。
※最高ボタンを押すと、『いやっほぉぉぉおおおう、蟹座のONiぃ様、最高ーーーーーっ!!!!!』という台詞が、
 ハクオロの声で流れます。シークレットボイスにも何かあるかも?
※自分の心がキャラに影響されていることに気付きましたが、キャラに抵抗するため無駄な努力をしています。
※身体能力は本気を出せば倉成武ぐらいの力が出ます。通常はカニ。
※蟹見沢症候群について。
 へこみのLvが5になったとき、発祥します。発症した場合、自分を苛めたり辱めたりした者を優先的に殺します。
 基本的な症状は雛見沢症候群と同じです。発症中は蟹座氏のチャット状態の特徴により、語尾に♪がついたりします。
※言霊『蟹座じゃないもん』に覚醒しました。
 強い意志で蟹座であることを否定することにより、文字通り蟹に縁のあるアイテムから、
 『蟹座じゃないもん』つまり『蟹座じゃないもん(者、物)』の力を引き出せます。
※蟹座氏のバリアジャケット姿がどのようなものかは以降の書き手に任せます。
※なりきりが解けかけ、記憶に混乱が生じています。
※驚きの黒さからの回復に、どの程度時間がかかるのかは不明。
※蟹座氏の写真の詳細は後の書き手にお任せします。

3668クレイジー・ダイヤモンドは砕けない:2008/05/24(土) 17:53:02 ID:EcBwinp60
【コロンビーヌ@漫画ロワ】
【状態】:健康
【装備】:ゾナハ蟲@からくりサーカス、腕時計型麻酔銃(1/1)@漫画ロワ、クラールヴィント@アニロワ1st(ネコミミストと同じ物)、
    エニグマの紙「漫画キャラバトルロワイアルwiki管理人」
【道具】:支給品一式×3、ティーセット一式、麻酔銃の予備針×3、変化の杖、ヴァッシュ・ザ・スタンピードの銃@トライガン、
     対戦車地雷×2、リュート@からくりサーカス、ドラゴンオーブ@AAA、キャンディー×1、蟹座氏の写真×15
【思考】基本:恋愛万歳♪
 0:鬼軍曹を生涯愛し続け、宿った命を大切にする。
 1:蟹座氏の驚きの黒さを漂白。
 2:愛に介入しようとする邪魔者は倒す。



 ※容姿はコロンビーヌ(ロリ)@からくりサーカスです。
 ※ギャグ将軍にシンパシーを感じています。
 ※猫子頭の鬼軍曹と結婚しました。
 ※ロワ内の愛を感知できるようになりました。お邪魔虫もわかるようです。
 ※真の愛と哀しみを知り、北斗神拳奥義『無想転生』を習得しました。
 ※太陽、月、星々がなくなった訳を知りました。
 ※あらゆる愛に関する技が使用できるようになりました。
 ※愛の力により驚きの黒さを浄化できるようになりました。(ただしオリジナルは無理)
 ※「漫画キャラバトルロワイアルwiki管理人」は一度だけ秘められた力を使う事が可能です。詳細は不明。自身に関係する事?
  どうやら子守唄には驚きの黒さの侵攻をくいとめる効果があるようです。
 ※クラールヴィント@アニロワ1st(ネコミミストと同じ物)が消えないのは、愛の力です。



【パソコンの中&iPodの中】
【ギャグ将軍@ライダーロワ】
【状態】:首輪解除、腹部にダメージ(治療中)、電脳空間に幽閉、心機一転、増えた、上機嫌
【装備】:電脳空間なのでない、はずですが……
【道具】:顔写真付き参加者名簿、支給品一覧(パスワードによりロック中)、地図、書き手ロワ2ndのSS一部
【思考】:
 基本:新生クライシス帝国の結成。
 1:熱血王子は止めたいが…。無理はするなよ、バトルマスター。
 2:閉じ込められたついでに電脳世界を征服してくれよう!
 3:主催者なり真の対主催なりの目的やらなんやら考察してみせよう!
 4:『白猫』を探し出してくれよう!
 5:同胞を冒涜したあの連中は裁きにかける
 6:ついでに飲み友達を集める。
 7:コーカサスゼクターの資格者を探し、コーヒーを飲む。
 8:紅茶を飲むかどうかは保留。
 9:対主催の仲間を集める。

3669クレイジー・ダイヤモンドは砕けない:2008/05/24(土) 17:55:09 ID:EcBwinp60
※ポケモンの物まねによる影響が各地で現れたかもしれません。ただ、将軍のギャグ補正により悪い結果は導きません。
※なんか増えました。すべてのコピーが同じ能力を持っているのか、実体化出来るのかは不明です。姿は変えれるようです。
※一時的に実体(きぐるみ)を失っているため、キャラに何らかの変化があるかもしれません。
※制限がライダーロワ基準だと思い込んでいます。
※特殊能力:「書き手界の良心」に目覚めました。
 本気の一喝を放つことにより、悪ノリし過ぎている者に自重を強いることができます。
 ただし、ギャグ将軍の性格上、あまり多用されることはありません。
 真剣な人生相談に乗ることも可能。なお、発動中はピンク色がかかった女言葉になります。
※背中に謎のチャックを確認。ギャグ将軍曰く、開けると「大変なこと」になるそうです。詳細は不明です。
 今回の発動はあくまで電脳空間でのなりきり変化の鍵としての解放であって、本来の解放の効果は不明です。
※ノリと思い込みで電脳空間内でかなりの無茶が可能になったようです。またものによっては現実の方が将軍に合わせて動きます。
 例:ピカピカ鳴くとラピュタの雷が勝手に発動します。
※固有結界「コーヒーブレイク」
 優雅なリネン一式の備わったテーブルと人数分の椅子を造り出し、皆でコーヒーを飲んで和みます。
 それ以上の効果は確かめられていません。
 コーヒーセット自体が発動させている可能性があります。
※ノートパソコンの中に、顔写真付き参加者名簿と支給品一覧(パスワードが設定されている)のデータが確認されました。
 また地図を確認。参加者の区別が付かない第三放送時の参加者分布を知ることが出来ます。上級パスでさらに詳しく?
※書き手ロワ2ndに存在するすべての「アドレス」に向けて、データ化されたギャグ将軍が送信されました。
※パソコンから『柿テロ猥・R2‐ND』のチャットに出入り可能になりました。
※コロンビーヌと情報交換しました。
※『柿テロ猥・R2‐ND』掲載の情報を一部入手しました。
 新生クライシス帝国に因縁のある相手――主催者・ジョーカーと真の対主催がメインです。 影の繋ぎ師の情報もそろっています。
 反面『黒猫』の情報を始め、不完全な部分もあります。お任せ。
※孤城の主のコロンビーヌ視点の情報を得ました。



【E-8 上空】
【熱血王子@漫画ロワ】
【状態】:黒化 右目にお姉さまの眼が入っている 復ッ活ッ なのはさんに完全変身 ディーの仮面装着 宝石カートリッジ残り五発
【装備】:バルディッシュ・アサルトBC ディーの仮面(黒) カードデッキ・黒(龍騎)
     AK-74(残り28発・黒)  マジシャンズレッドのDISC(黒) 放火セット(燃料、松明、マッチ)
【所持品】:ナイフ、BL本、GL本、泉こなたのスクール水着@漫画ロワ 首輪×2 パロロワ衣服詰め合わせ
      お徳用原作パロロワ全生首セット(目玉セット他に換装可能) &原作パロロワ全手首詰め合わせ今なら腕も付いてくる!
【思考・行動】
 基本:愛媛に許されるために殺す
 0:……ごめんなさい ……ごめんなさい ……ごめんなさい
 1:もう一度病院にいき、今度こそ殺す
 2:黒く染まってない奴を優先して殺す
 3:白に寝返りそうな奴も殺す



 ※状態は黒い高町なのは(19)@sts、色んな要素が化学反応してスパークした結果変身状態で固定されました。
 ※闇の書とパスが繋がっているため、EN回復(大)が付きます
 ※所持品は所持しているだけなので黒化していません



 【バルディッシュ=アサルト・ブラックカスタム】
 ゲートオブバビロン@カオスロワから取り出されたバルディッシュアサルト@アニ1の改造デバイス。
 武器系の支給品融合と黒化、凛の宝石から作られたカートリッジによってスペックが向上している。
 さらに射撃のアサルト、鎌のハーケン、剣のザンバーの三形態に加えて【破棄すべき全ての手】と合体したことで
 宝具技を使用可能なブレイカーフォームが搭載された。


以上で投下終了です。
とりあえず師弟対決は痛み分けと言うことで。

3670諸君 私は名無しが好きだ:2008/05/24(土) 22:38:09 ID:xYtiPJRA0
投下乙です
師弟対決は痛み分けか、何気に蟹座氏って結構強いんだなあ
そして侠気をさっそく使ってくるとはwww仕事が早い!

3671異形の花々:2008/05/30(金) 23:57:22 ID:fP0Dv6VA0
「おい、何か見つかったか」
「いえ、ありませんね」

神行太保のDIE/SOULと衝撃のネコミミストの二人は地面に散乱する道具を拾い集めていた。
気持ちも新たに影の繋ぎ師と予約被りに定評のあるtu4氏を追おうとした二人であったが、決定的な問題があった。
飛行手段がなかった。
ドラグブラッカーは繋ぎ師を追って行ってしまったし、ニアデスハピネスの核鉄は追い付くには無理があった。
自然とそこらへんに転がっている道具に期待が集まるのだが、武器はあれど飛行できるものは皆無だった。

「武器が増えたのはいいんだが……」
「私達が使えそうなのはないですね……やっぱりあの核鉄を――」
「いや、よしてくれ! それに大気圏突破じゃニアデスハピネスはどの道無理だ。
 俺達にできるのは……無事を祈るだけか」

二人は自分達の力不足を嘆きつつも無事に帰って来てくれる事を願っていた。
そしてふと空を見上げると――

「グウォォォォォオオオオオ―――――ッ!!!!!」

凄まじい咆哮と共に目を疑うような存在が地下より躍り出てきた。

「「ドラゴン!?」」


 ◇

3672異形の花々:2008/05/30(金) 23:57:47 ID:fP0Dv6VA0
(私は疫病神。もう誰とも一緒にはいられない)

幻想種である龍の姿へと変化するという悲しき運命に踊らされたクールなロリスキーは出口を求めて上を目指す。

(だから誰も近づいて来ないで! 近づいてきたら容赦しない!)

身体に降りかかる天井の破片など彼女にしてみれば塵も同然だった。
ドラゴンの防御力に加えて元から備え持っていた不死身の身体。
もはや防御力においては最強ではなかろうか。

(それでも近づいてくるなら……私を殺してちょうだい!)

そしてようやく長いトンネルが途切れる。
地上へと躍り出たロリスキーは歓喜の声を上げた。

「グウォォォォォオオオオオ―――――ッ!!!!!」

それはもうすでに人の出せる声ではなかった。
柊かがみを髣髴させるようなライトパープルの色の身体。
ヴァルセーレの剣で構成される六つの翼にマリンデビモンの触手で構成される八つの尾。
マジシャンズレッド由来で火炎を放ち、衝撃のアルベルト由来で衝撃波を放つ。
もうすでにロリスキーは異形の怪物の域へと達していた。
絶望に支配されたロリスキーは行く当てもなく飛び去ろうとする。

「どこへ行くんだ、フリークス」

そんなロリスキーに声をかけたのは、同じく怪物――アーカードの姿を模した者だった。


 ◇

3673異形の花々:2008/05/30(金) 23:58:11 ID:fP0Dv6VA0
月も星もない空の下、会場を一人疾走する影があった。
ミスターマダオ――漫画ロワの書き手、ロリカードの姿を宿し、熱血脱出エンドを目指している者だ。
ではどうしてそのマダオが会場を疾走しているか。

それは不幸な事故だった。

コロンビーヌによって秘孔を突かれて身体が麻痺したマダオは痺れが取れるまで考察に勤しんでいた。
ロワの事、自らの事、考察する事は山のようにあった。

それがいけなかったのだろうか。

実はマダオの近くには6/が取り零した仮面ライダーサイガのフライングアタッカーが放置されていたのである。
そして偶然にも近くで行われていた影の繋ぎ師達とtu4氏の戦闘の余波でフライングアタッカーが起動してしまったのだ。
普段のマダオなら身体の自由が利き難くてもなんとか避けられたはずだが、考察に夢中だったせいで避けそこなった。
運悪くマダオ目掛けて飛んできたフライングアタッカーはそのままマダオと一緒に病院から離れていってしまったのだ。

「まずいな、早く戻らなくては」

そしてようやく身体の自由が回復したマダオはフライングアタッカーを止めて、急いで病院へと戻っているのだ。
悪い事ばかりだったが、途中でいくつかのアイテムが引っかかってくれたのは儲け物だった。
まあ、使えそうにないものもあったが……

「そんな事より病院は――ッ!?」

そんなマダオの目に飛び込んできたのは一言で言うなら『龍』、それはドラゴンだった。
ライトパープルの色をしたドラゴンが病院のあった場所と思しき付近より天空へと飛び上がってきたのだ。
さすがのマダオもこれには少々驚かされた。

「誰かの支給品か? それにしても……」

実際はロリスキーなのだが、この時点でマダオがそれに気づく事はなかった。
しかもドラゴンになった人はこれで二人目――さすが書き手ロワだ。

「さて、どうするか」

普通に考えれば一刻も早く病院へと向かうべきである。
仲間の事も心配ではあるし、なにより見るからにドラゴンからは危険な雰囲気が漂ってくる。
まずは仲間の無事を確認するのが賢明であろう。
だが、それでいいのだろうか。
安易な方策を採って……それで自分は満足するのだろうか、いやしない。
熱血エンドを目指す者として、「メタ視点」と「なりきり」の両立を目指す者として、ここで引いてどうする!

「小難しい事を考えるのはひとまず中断だ」

マダオの本能が叫んでいた――あのドラゴンと対峙せよと。
戦ってどうなるかは分からないが、この邂逅を逃すべきではない。
もしかしたらアーカードのようにただ闘争を欲しているだけかもしれない。
だがこの瞬間だけは本能に身を委ねようと思った。
それが正しいような気がしたから。
思えば熱血展開をよくやるキャラはこんな感じで深く考えていない奴が多い気がする――だからどうしたということでもないが。

幸いな事に飛行手段はある。
自分をここまで運んできたフライングアタッカーだ。
これは予定調和というものだろうか――どうでもいいか。

「いくぞ、フリークス」

もしかしたらフリークス同士引かれたのかもしれない。
そうだとしても、自分の気持ちに偽りはないはずだ。
決意を固めてマダオは大空へと旅立つ。

「どこへ行くんだ、フリークス」

異形のもの同士の邂逅であった。


 ◇

3674異形の花々:2008/05/30(金) 23:58:44 ID:fP0Dv6VA0
月も星もない空で二人の異形がしのぎを削る。
マダオとロリスキー。
元々は仲間であったはずの二人が相争う事にあるとは、これもバトルロワイアルというものか。
だが二人は明確に相手を認識してはいない。
マダオのほうはまさかロリスキーがドラゴンになるとは思ってもみないし、ロリスキーもただ自分に近づく者に対処しているという認識でしかなかった。

二人の空中戦は熾烈を極めていた。
マダオのパニッシャーが機関銃の咆哮を轟かすならば、ロリスキーは紅蓮の火炎を振り撒く。
ロリスキーが赤い衝撃波を放てば、マダオはロケットランチャーを打ち放つ。
両者共に一歩も引かなかった。
だがその途中でマダオはふと奇妙な感覚に襲われた。

(ん? なんだこの感じは……)

のどの奥に何かが引っ掛かっているようなに感じる。
すぐに分かりそうでどうにも分からないもどかしさにマダオは微かな苛立ちを覚えた。
その苛立ちを込めるかのように蹴りを繰り出すが、触手によってそれは防がれた。

(なかなか手強いな。ならば!)

マダオはフライングアタッカーを操り、ロリスキーの周りを旋回し始めた。
巨体であるゆえにロリスキーはその動きを追い切れず徐々に苛立ってくる。
そこがマダオの狙い目だった。
元から冷静な判断力がない上にさらに苛立ちでロリスキーは完全に注意力が雑になった。
だから気づくのが遅れた――ロリスキーの周りにダイナマイトがばら撒かれている事に。
元は6/のものだったが、いろいろあってさっきの騒動の最中にうまい事フライングアタッカーに引っ掛かったのだ。
そしてその内の半分を盛大にばら撒き、止めとばかりにパニッシャーが火を噴く。
爆破が連鎖を生み出し、夜空に盛大な火薬の華が咲き誇り、辺りには爆風が荒れ狂った。
大抵の者なら吹き飛びそうな爆発だが――

「グウォォォォォオオオオオ―――――ッ!!!!!」

だがそれくらいで落ちるロリスキーではなかった。
多少傷がついてもドラゴンの防御力は生半可なものではない。
しかも空中でのダイナマイト爆発は拡散するので普段より威力は落ちる。
精々目くらましになる程度だ。

「目くらましで十分だ」

いつのまにかマダオはロリスキーの背中――死角にいた。
全てはこのための布石。
マダオの右手に装着されているのは同じく騒動の最中に手に入れたジ・アベンジャー。
即死効果を持つ恐るべき爪。
それが今まさにロリスキーへと突き刺さる。

(悪いな。だが、お前のような存在を野放しにするとロワが崩壊しかねない。故に倒させてもらうぞ)

死をもたらす爪がドラゴンの皮膚を突き破り、中をえぐる。
さしものロリスキーも苦痛の咆哮を上げ、重力に捕まって力なく地上へと落下する。
それを見てマダオも地上へと降り立ち、自ら倒したものを確かめるべく近づいていく。
長き異形の戦いもこれで終わり――はしなかった。

3675異形の花々:2008/05/30(金) 23:59:14 ID:fP0Dv6VA0
「な――ッ!?」

予想に反して襲いかかるのはマリンデビモンの触手の洗礼。
八つの尾がマダオに容赦なく降りかかる。
咄嗟の判断で触手の猛攻をガードするが、ジ・アベンジャーを砕かれた挙句吹き飛ばされてしまった。

「く、なぜだ? 確かに直撃した――」

そこでマダオはあるものを目撃した。
ドラゴンの傷が癒えていくのだ――あたかもアニロワ2ndの不死者のように。
つまり目の前のドラゴンは不死者という事だ。

(ドラゴンでなおかつ不死者、どれだけ出鱈目な設定だ。こんなものカオス……まさか!?)

さまざまな考察を経て、ついにマダオは自らの眼力で真相に至った。

(あいつの持つ要素はどれも柊かがみに通じるものばかり! つまりあのドラゴンは――)

そこでマダオの考察は途切れさせられた。
ダメージを負って動きが鈍ったマダオにドラゴンの牙が襲いかかってきたのだ。
一瞬の差でかわしたが、完全にはかわしきれずに右足を食われてしまった。
すぐさま次の攻撃に備えるが、それは無駄だった。
ドラゴンによる追撃の火炎はもう目の前まで迫っていたのだから。

「――時よ止まれッ! ザ・ワールドッ!!!!」

通常ならマダオにとって3秒あれば迫りくる火炎から逃れる事など造作もない事だった。
だが今のマダオは右足を喪失していて、満足には動けなかった。
これでは到底火炎を避けきる事など不可能であった。
だが諦めずに少しでも移動しようと若干後退したところで――時は動き出す。

「――ッ!!」

苦し紛れに拾った鯛焼き名人アルティメットフォームを自身の前に出すが、一瞬で燃えるのは目に見えていた。
いかに不死身の吸血鬼でもこの紅蓮の炎では塵も残らず焼かれてしまうだろう。
マダオは死を覚悟した。
脳裏に浮かぶのはここで出会った仲間の事、とりわけ思い出されるのが――

「……DIE/SOUL」
「呼んだか?」

いつまでたっても灼熱の炎は来ない。
それに幻聴まで聞こえてくる。
ほら、目の前にDIE/SOULが……

「アーカードのくせに随分とやられているじゃねえか。
 忘れんなよ、お前にはまだ借りを返してねえんだよ」
「……ふ、これで借りはあと一つか」

まだ死んでいなかった。
目の前にいるのはサイドバッシャーでこの場に急行したDIE/SOUL。
少し離れた所には必死にバイクの操縦をしてぐったりした様子の少女――ネコミミストがいた。
どうやらバイクの加速と神行法で火炎が来る前に助けられたらしい。
少しの後退と鯛焼き名人がなければ、今頃焼かれていただろう。

「しかし……なんだ、あのドラゴンは」
「あれは……おそらくロリスキーだ」

マダオの言葉を聞いた瞬間、二人は信じられないといった風だった。
マダオも最初は荒唐無稽な考えに疑いを持ったが、ここはほぼ何でもありに近い書き手ロワだ。
人間がドラゴンになるぐらいあってのおかしくはあるまい。

「おい待て。ロリスキーはウッカリデスの偽者に喰われたんじゃ……」
「ああ、私もそう思っていたさ。だが――」

説明しようとしたところでそんな必要は既になくなっていた。


 ◇

3676異形の花々:2008/05/30(金) 23:59:38 ID:fP0Dv6VA0
ロリスキーはアーカードの姿を持つ地球破壊爆弾No.V-7の血を吸って独立した吸血鬼となった。
そして今度は別のアーカードであるマダオの血肉を食らったのだ。
ロリスキーにさらなる変化が訪れるのは必然というものか。

(新たに2人も……近づいて来ないでよ……
 なんで、なんで、一人にさせてくれないの。
 そんなに殺されたいの……殺してほしいのは私なのに……)

ロリスキーの思考は乱れ、負のスパイラルに囚われていた。
そしてふとこの身体は動きづらいと感じる。
もう少し小さくなりたい。
そうしたら殺せるし、殺されやすくなるはずだ。
その思考に反応してかロリスキーの身体は変化していく。
二人のアーカードの血肉を得た事でロリスキーの身体は限りなくそれと近いものへと変化していた。

人型へと身体が変化するぐらいに。

ドラゴンのいた場所にはいつのまにか柊かがみの姿をしたロリスキーがいた。
いや、厳密にはそうではない。

「……私は厄病神。だから殺す、だから殺して!!」

ロリスキーの悲痛の叫びに呼応して彼女の背中にヴァルセーレの剣の翼とマリンデビモンの触手の尾が顕現する。
人型になっても彼女は既に異形のものだった。


【クールなロリスキー@漫画ロワ】
【状態】:不死者、吸血姫、スーパーかがみんと融合、覚醒・復活、自閉、絶望、諦観、恐怖
【装備】:なし
【道具】:なし
【思考】:私なんて、いなくなれば、いい。
 基本:自閉。
 0:私は、疫病神……
 1:誰も近づけたくない。
 2:近づいてきたら脅す。(無意識ですが本気で攻撃します)
 3:殺してもらえるなら、それもいい。

※容姿は柊かがみ@らき☆すたです(翼と尾が任意で顕現します)
 柊かがみの髪の色をしたドラゴンにもなれます。
 ヴァルセーレの剣の刃でできた羽を3対六翼持っています。
 尻尾はマリンデビモンの触手が変化して8つです。
※何故か不死身です。
※スーパーかがみんと融合し、彼女の記憶と能力を継承しました。
 柊かがみがその時点で使ったことのあるあらゆる力、アイテムを使用できます。
 ロリスキーの絶望に呼応し、やばい時のかがみの記憶に引きずられ暴走中です。
※地球破壊爆弾No.V-7の血を吸い、独立した吸血姫となりました。
※地球破壊爆弾No.V-7を殺したと思っています。
※いつ目覚め、どこから(コロンビーヌと地球破壊爆弾の)話を聞いていたかは後続の書き手にお任せします。

3677異形の花々:2008/05/31(土) 00:01:00 ID:z2Is53ws0
ロリスキーの叫びを聞いてマダオはさっきまでに違和感の正体に気付いた。
おそらく自分は無意識のうちにドラゴンがロリスキーだと気付きかけていたのだろう。
そして彼女を救う。
これぞ熱血展開ではないか。
求めるゴールはかなり険しいが、かまわない。
自分には頼れる仲間がいるのだから。
だから、必ずロリスキーを救ってみせる。

「ロリスキーを救うんだが、手を貸してくれ」
「ああ、これで貸し借りゼロだな。ま、俺もそうしたいしノーカウントだがな」
「出会ったばかりだけど、私もいままでいろんな人に救われてきました。
 だから今度は私が救う番です!」

ああ、熱血っていいものだな。



【ミスターマダオ@漫画ロワ】
【状態】:体力全快、強い決意、強い仲間意識、首輪解除、右足再生中
【装備】:パニッシャー@トライガン(機関銃:残り弾数50%、ロケットランチャー:残り4発)、運動服(ブルマ)、フライングアタッカー@仮面ライダー555
【道具】:支給品一式、未定支給品×1(本人確認済み)、ダイナマイト×5
【思考】
 基本:対主催! 目指せ熱血脱出エンド!
 0:ロリスキーを救う。
 1:突き抜けて「メタ視点」と「なりきり」の両立を図る。そして地図氏やコロンビーヌと並び立つ存在となる。
 2:なんとか体調を取り戻し、復活して病院に戻る。
 3:地図氏を力ずくでも説得して脱出エンドに協力させる(なりきりについて詳しいことを問いただす?)。
 4:黒猫(666)は必ず殺す。
 5:仲間をもっと集めて対主催。

※容姿はアーカード(ロリ状態)@ヘルシングです。
※転と仮面ライダー書き手とウッカリデスを喰らって記憶を受け継ぎました。
※自分が本物の書き手ではない可能性を疑っています。
※転の血を吸ってパワーアップしました。新たな力が使えるかもしれません。
※孔明と地図氏と感電氏が『危険な対主催』だということを知りました。
※転の記憶を使って首輪解除ができるようになりました。
※ライダー書き手の記憶で携帯電話のwikiの存在を知りました。その携帯をコロンビーヌが持っているのを目撃しました。
※なりきりの不安に関しては今は考えない事にしました。
※ジ・アベンジャー、鯛焼き名人アルティメットフォームが破壊されて付近に放置されています。

【世界(スタンド)】
 世界を使用でき、時止めも可能です(3秒まで?)。
 制限は漫画ロワに準拠――『体力の消耗』『時止めの再使用には10秒必要』『スタンドは見れるし触れる』

3678異形の花々:2008/05/31(土) 00:02:13 ID:z2Is53ws0
【神行太保のDIE/SOUL@アニロワ1st】
【状態】:疲労(小)、全身火傷(処置済み)、右指炭化(処置済み)、迷いはなくなった
【装備】:竜殺し@ベルセルク、ガッツの装備一式@ベルセルク、ガッツの義手@ベルセルク、核鉄(ニアデスハピネス)
【道具】:支給品一式×2、拡声器
【思考】
 基本:アーカード(地図氏、マダオ)は殺すつもり(だったのだが……)、 対主催を集める
 1:ロリスキーを救う。
 2:繋ぎ師とtu4氏の結果が気になる。
 3:ナナシと出会ったら、決着をつける!
 4:tu4氏の話も伝えるか。

※容姿はガッツ@ベルセルクです。
※神行太保・戴宗の神行法(高速移動)が使えます。
※ラディカルグッドスピード腕部限定は、腕だけが速く動きます。
※地図氏(地球破壊爆弾No.V-7)がジョーカーではないかと思っています。
 ジョーカーに襲われた事と合わせての考察はまだしていません。
※自分が本物の書き手なのか疑問が解決しました。他の書き手への躊躇いはお任せします。
※核鉄(ニアデスハピネス)は制限により、使用中は強制的にパピヨン姿になります。でも戻るので安心ですね。制限を知りました。
※黒猫がすごく気になる。
※バイオライダーにより首輪を解除されました。
※tu4氏から、このロワにおける参加者の正体を聞きました。


【衝撃のネコミミスト@アニロワ2nd】
【装備】:マテリアルブレード@テイルズロワ、クラールヴィント@アニロワ1st、バリアジャケット、サイドバッシャー@仮面ライダー555
【道具】:支給品一式×3、拡声器、オーガドライバー(オーガストライザー付属)@ライダーロワ、核鉄『ブレイズオブグローリー』@武装錬金 、カブト装備一式(ハイパーゼクター付)、カイザギア@ライダーロワ
    仮面ライダー書き手のデイパック(支給品一式、カードデッキ(ベルデ)@仮面ライダー龍騎、大鉈@ギャルゲロワ)
    クールなロリスキーのデイパック(支給品一式、着替え用の衣装(複数)、『村雨健二』の衣装、キュートなシルク仕様の裸エプロン、
    日焼け止めクリーム(大量)、未定支給品×?(本人確認))
【状態】:不死者化、さらに強い決意
【外見】:バリアジャケットの白いリボンドレス。
【思考・行動】
 基本:前に……進む!
 1:ロリスキーを救う。
 2:繋ぎ師とtu4氏の結果が気になる。
 3:地球破壊爆弾No.V-7は死んだのかな?
 4:スクライドの遺志を継ぎ、牙なき人の剣になる。

※衝撃波を使えます。掌からだけでなく、足の裏からも出せるようになりました。
※「大あばれ鉄槌」を幼女好きの変態と勘違いしています。
※シャリダムを通じて幻夜の死体を喰い、その記憶と知識と経験を得ました。
 また、ブックがロワに来てからシャリダムが生まれるまでの経緯を体験しました。
※自分が主人公、そして黒猫という単語に引っかかっているようです。
※第三回放送を聞き逃しました。
※バイオライダーにより首輪を解除されました。
※tu4氏から、このロワにおける参加者の正体を聞きました。
※強化・投影能力を習得しました。何が投影できるかはお任せです。無限の剣製は使えません。






投下終了。ロリスキーがw

3679諸君 私は名無しが好きだ:2008/05/31(土) 00:18:26 ID:W2Btz3l60
投下乙です!
これはいい熱血展開のにおいがするぜ!

3680異形の花々:2008/05/31(土) 00:30:30 ID:z2Is53ws0
すいません、【1日目 真夜中】【D-7 市街地】を書き忘れていました。
wikiに収録されたの際はこちらで付け加えておきます。
いろいろといたらないなあ俺orz

3681逆援女100%合法:2008/05/31(土) 14:21:38 ID:Q.BE6Q3k0
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3682Take a shot:2008/06/08(日) 22:20:01 ID:QqyJtk2A0
漆黒の夜空に咲く光の華。
だがそれは月や星の類ではない。
なぜなら月や星は少し前の戦闘で消滅してしまったからだ。
では、この夜空に咲き誇る華は何であろうか。

「あ、あれって……」
「ドラゴン。それに誰か闘っているみたいだね」

夜空に咲く華の正体は戦いによる爆発によるアート。
人の手によって映し出されるまやかしの月や星。
それを見上げているのは速筆魔王LXとエロスの鐘の煩悩寺の二人。
F-3のホテル跡地で用事を済ませた二人は病院へ向かうべく移動していた。
当然の事だが、行きと同じで魔王が驚異的な速さで疾走しているので煩悩寺はまたもや軽くグロッキー状態であった。
そして病院まであと少しという所で二人は空へと躍り出たドラゴンとそれと闘う何者かを発見したのだった。

「嘘……なんなのよ、あれ」
「さすがに終盤になると規模が桁違いだね。まるでアニロワ2ndみたいだ」

煩悩寺は目の前で繰り広げられる次元違いの戦闘にただ圧倒されていた。
どう足掻いても自分が太刀打ちできるような相手ではないという考えが心の底から溢れてくる。
不意に今までの事が思い出される。
最初はシーツ1枚で困惑していたところで変態3人に出くわした。
困惑の内にエロスの極致に目覚め、ミニ・サスペリアとエロスの鐘を手に入れてその3人を葬った。
しかしそこまでだ。
エロス頂上決戦では目の前の魔王に一敗地に塗れてスタートラインまで逆戻り。
意気投合してエロ師匠とコンビを組むもホテルの一戦ではバトルマスターに敗退し、エロ師匠は消滅。
煩悩寺自身もギリギリのところで生き残るのが精一杯だった。
気を取り直してステルスマーダーを目指すも、結果はいいように流されるばかり。
思い返してみれば、なんと自身の小さき事か。
煩悩寺は自身の限界に絶望する。
終盤になった今ではもうエロスな展開の望みは薄い。
自身のエロ力もあとは少しずつ減っていき弱体化する一方、他の者は次々とチートな覚醒を遂げていく。

(え、なに。私ってこんなに弱かったの。
 もう今となっては……私なんて凡人も同然、醜くて小さい存在。
 勝てない、このままだと終わる、いや、そんなの嫌。
 周りは凄い人ばかり、なのに私は、私は……無力だ……)

煩悩寺は気付かない。
自分があるキャラに引きずられかけている事に。
自身の無力さに絶望して、破滅の道を歩み始めた事に。
あと一つきっかけがあれば、煩悩寺の鐘はもろくも割れてしまうようなところまで追い詰められていた。
だが自身を追い詰めたのは紛れもなく自分の思い込み。
その点ではかける言葉はない。

「ところで煩悩寺さん、病院に着く前に一つお話を聞かせてもらいたいんだけどいいかな」

自身の無力さに打ちひしがれる煩悩寺は魔王の次の言葉を待つ。
それが最後の一押しになるとも知らずに……


          ▼

3683Take a shot:2008/06/08(日) 22:21:01 ID:QqyJtk2A0
一方、魔王と煩悩寺が目撃したドラゴンと対峙する者との戦いは新たな局面を迎えていた。
ドラゴン――クールなロリスキーはさらなる吸血鬼の力を得て、柊かがみの身体へと戻っている。
だが元通りではなく、なにより彼女は闇に囚われて思考が崩壊寸前だった。

「私に近づかないで……殺す……殺してちょうだい……」

そんなロリスキーを救おうと決意する者が3人。
ミスターマダオ、神行太保のDIE/SOUL、衝撃のネコミミスト。
出会って間もない3人だが、ロリスキーを救うという想いは一緒だった。

「で、具体的にはどうするんだ?」

DIE/SOULがドラゴン殺しを構えながら二人に声をかける。
相手がドラゴンだった事もありドラゴン殺し的には本望だろうが、DIE/SOUL的にはそれは気が進まない。
なにせ死んだと思っていた仲間だ。
穏便に済ませたいと思うが、ロリスキーの様子を見る限り手荒い方法になりそうなのは明らかだった。

「攻撃力が落ちた訳でもなさそうだな。厄介だぞ」

そう嘆くようにマダオは答えを返す。
ついさっきまで闘っていた身としてはこの中で最も今のロリスキーの力を把握しているつもりでいる。
とにかく今のロリスキーは一気にチートレベルまで強さが跳ね上がっている。
加えて不死者というある種の攻略不可能要素まで秘めているとなると、難易度はさらに上がる。
自身の仲間でもあるロリスキーの撃破ではなく、あくまで説得や取り押さえるといった結果を求める事も難易度を上げている。

「あの……私に考えがあります」

光明をもたらしたのはネコミミストだった。
ネコミミスト自体にロリスキーとの面識はない。
ただ二人の仲間だと聞いただけだった。
だが、ロリスキーを救いたいという気持ちに変わりはない。
ネコミミスト自身、今まで数多くの人に励まされ助けられてきた。
だから今度は自分が誰かを救いたいと強く思っていた。

「時間が惜しい、手短に説明してくれ」
「はい」

ネコミミストは二人に自分の考えた策を説明する。
こうしている間にもロリスキーが行動を開始するかもと思っていたが、なぜか動きはなかった。
自閉と絶望、諦観と恐怖、これら負の感情の連鎖に囚われたロリスキーがこの場を自発的に立ち去る事はなかった。
そうこうする内にネコミミストの説明も終了した。

「それでいくか」
「ああ。とりあえず私達は時間稼ぎか。それくらいならいけそうだな」
「すいません、無理言って」
「気にすんな、いくぞマダオ」
「ああ、その前に少し荷物を見せてくれ」

今のロリスキーに対抗するのに手数が多い事に越した事はないとの考えから、マダオは適当に使えそうな道具をいくつか拝借する。
マダオとDIE/SOUL、二人の役割は時間稼ぎと隙を作る事。
後はネコミミストがやってくれるはずだ。

「さて、どうする。あまり斬りつけたりするのは気が進まねえんだが」
「仕方あるまい。ロリスキーは不死者だ。多少の事は承知してもらうぞ」

仲間であるロリスキーを攻撃する事に少なからず罪悪感を覚えながらも異形の戦いは再開された。


          ▼

3684Take a shot:2008/06/08(日) 22:22:04 ID:QqyJtk2A0
先制の一撃はDIE/SOULのドラゴン殺しでの斬撃だった。
裂帛の気合と共に上段から袈裟懸けに斬りかかるが、ロリスキーはあっさり回避してみせた。
DIE/SOULにとってこの一撃は本気ではなかったので、その行動は織り込み済みだった。

「これでどうだ」

ロリスキーが回避した先には大鉈を構えたマダオが待っていた。
峰の部分を向けつつマダオは大鉈でロリスキーを吹き飛ば――せなかった。
その一撃はロリスキーの細腕で受け止められていた。

「私を殺してくれるんじゃないの?」
「バカ言うな。救いに来たんだ」
「……なら、近づかないでよ!!」

今の一撃が止められたのはマダオが幾らか手加減を加えた事もあるが、ロリスキー自身の変化も関係している。
二人のアーカードの血肉を食らいロリスキーの力はかなり上がっている。
さらにアニロワ2ndのかがみの影響で狂人ラッドの経験も知らず知らずのうちに秘めている。
力の込め方、受け流し方、今のロリスキーはそれらが自然とできるようになっている。

「何があったのかは知らないが話を――」
「……近づかないでって……言ってんのよ!!」

ロリスキーの叫びに呼応してマダオに向かって衝撃波が放たれる。
避けようとするが、大鉈はロリスキーに掴まれてすぐに動かせない。
マダオは大鉈を手放してぎりぎりのところで衝撃波を回避する。

「すまんDIE/SOUL。少しばかりミスをした」
「なに、大鉈一本どうってことないぜ」

話す間にロリスキーはマダオの放棄した大鉈を振り上げてかなりの速さで向かってきた。
背中に顕現された翼の力で飛ぶように突っ込んでくる。
上段から大鉈が力の限り振り下ろされるが、二人は当然の如くそれを回避する。
ロリスキーはそれを見てマジシャンズレッドの火炎を紅蓮の大輪のように浴びせかける。

「武装錬金!」

DIE/SOULの声と共に核鉄「ブレイズオブグローリー」が発動して、炎を吸収していく。
ロリスキーは火炎による攻撃が無効と分かると、すぐさま衝撃波に切り替えた。
だが身体が炎と化しているDIE/SOULに衝撃波が通じる事はなかった。

「殺してよ……私なんか生きてちゃいけないのよ」
「何言ってんだ。こっちはお前が死んだと思っていたんだぞ。いったい何があったんだ」

マダオとDIE/SOULにしてみれば死んだと思っていた仲間が実は生きていたという状況だ。
しかも様子がおかしいとくれば、心配するのは当然であった。
だが今のロリスキーにはその対応は酷だった。
ギャルゲロワ版最速の人、忘却のウッカリデス、地球破壊爆弾No.V-7。
3人も自分のせいで死んだと思い込んでいる今のロリスキーにとって誰かが傍にいる事は一種の毒薬でもあった。
自分と関わった者は死んでいき、最も大切な人までこの手にかけてしまった。
もう誰かと関わりたくなんてなかった。

「なんで私なんかに構うのよ……私といたら死ぬのよ、厄病神なのよ!
 ……さっさと殺して……」

しかしロリスキーの身に起こった出来事を知らない二人はただならぬ事があったという雰囲気が感じられるだけだった。
よもやスーパーかがみんの力を継承して暴走したなど分かるはずなかった。

「ロリスキー、とりあえず落ち着――」
「もういい」

全てに絶望したロリスキーはそう呟く。
その声は今までの彼女とは思えないほどひどく冷たいものだった。

「あんたら私になんか殺されないって思っているんでしょ、きっとそうよね!
 そんな温いあんたらは殺す! こなたのためにも犯す!
 そうしたら私は一人になれる!」

絶望の淵より吹っ切れたようにロリスキーは宣言する。
もう誰も近付いてほしくないから。
もう誰も失いたくないから。
その考えがひどく矛盾しているものだとも気付かないままに。

「……死んで!」

3685Take a shot:2008/06/08(日) 22:22:57 ID:QqyJtk2A0
大鉈に殺意を乗せてロリスキーは二人との間合いを刹那の間に縮めていく。
今は説得が困難と判断すると、マダオは足止めにパニッシャーの機関銃を撃った。
だがロリスキーは機関銃の弾など全く気にせずにスピードを緩める事なく突っ込んでくる。
巧みな機動力でかわし、かわしきれなかった弾は大鉈で弾いたり身体で受けたりして迫ってくる。
そして終にパニッシャーの弾幕を突破してロリスキーはマダオめがけて大鉈を振るうが、それはDIE/SOULのドラゴン殺しに受け止められる。
市街地に甲高い金属音が響き渡る。

「落ち着けロリスキー!」
「うるさい!」

ロリスキーは大鉈で斬りつけようとするが、どの斬撃もDIE/SOULには届かなかった。
だがDIE/SOULのほうも有効な手段がなく、ジリ損であった。

「DIE/SOUL!」

マダオの叫び声を聞き、DIE/SOULは一気に後方へと下がる。
そして手持無沙汰となったロリスキーにパニッシャーを鈍器として振るうマダオが襲いかかった。
さすがに反応が遅れて、ロリスキーは大鉈でパニッシャーを頭上で受け止める格好となった。

「許せよ」

不意にマダオが装備しているフライングアタッカーの両翼が変形してビームキャノンを撃ち放った。
次の瞬間、ロリスキーとマダオを中心に小規模な爆発が起こり、二人は別々に弾かれる。

「おい、派手にやったなあ」
「そんな事ないぞDIE/SOUL。砲口は地面に向けたし、あくまで爆風で吹き飛ばしただけだ」

爆風が巻き上がる場所を見つめる二人。
当然二人が気にしているのはその向こうにいるはずのロリスキーだ。
爆風が晴れると、そこには予想通りロリスキーが肩で息をしながら立っていた。
新たな力を得たが、まだ身体がついてきていないのであろう。

「……殺してよ……殺し――ッ!?」

その瞬間、地面から幾筋もの光の鎖や条が発現してロリスキーを一部の隙もなく拘束する。
ロリスキーは逃れようとするが、幾重にも施されたバインドは容易には解けない。

「遅いぞ、ネコミミスト」
「すいません。思っていたより強度を上げるのに手間取って……」

二つの拘束魔法を発動させているのは今まで動きがなかったネコミミストだ。
拘束魔法「戒めの鎖」と「鋼の軛」
共にクラールヴィントによって使える古代ベルカ式の拘束魔法だ。
ネコミミストはこの二つの拘束魔法でロリスキーの動きを封じたのだ。
発動が今に至ったのは魔法の強度を最大限まで上げるのに手こずっていた事とロリスキーの動きが止まる時を狙っていた事が原因だった。
生半可な強度ではロリスキーに破られると考えての措置だった。
結果、ロリスキーは二つの拘束魔法に動きを封じられている。

「ふう、これでようやく落ち着いて話ができるな」
「ああ。まずはロリスキー、あの後なにがあったか教えてくれ」

マダオが3人を代表してロリスキーにあの時の事を尋ねる。
だがロリスキーは一向に話す気配を見せようとしなかった。
余程口には出せない事があったのかと思い始めた時、ロリスキーの口から答えが発せられた。

「いい加減にしてよ!!!」

返ってきた答えは拒絶と、赤い火炎と衝撃波だった。


          ▼

3686Take a shot:2008/06/08(日) 22:23:45 ID:QqyJtk2A0
ロリスキーにしてみれば、あの時の事は思い出したくもないまさしく悪夢のような出来事。
ゆえに拒絶する。
元からの仲間であろうと、新しく仲間になった者であろうと、関係なかった。
ロリスキーはこの世界を憎んだ。
自分に不幸な仕打ちを押し付ける世界に、大切な人が死んでいく世界に、報われない世界に。
たくさんの人が死んだ、死んだ、死んだ、死んだ、死んだ、死んだ、死んだ、死んだ、死んだ、死んだ――――
みんなが死んだのは自分のせい……そんなつもりはない、違うはずだ。
でもあの3人は別だ。
私のせいで死んだ、私に近づいたから死んだ、私が厄病神だから死んだ。
ならもういいでしょう。

――殺す、私のせいで殺す。

ロリスキーの精神は激しく推移する状況に摩耗していた。
ゆえに短絡的に破綻的に堕ちる。

「いい加減にしてよ!!!」

身体に力を入れて自身を拘束するものを排除する。
自身の奥底から湧き上がる感情を火炎と衝撃波にして放つ。
一瞬でロリスキーを中心に周囲は紅蓮の炎と暴風に支配された。
周辺の建物をマジシャンズレッドの火炎が焼き払いアルベルトの衝撃波が蹂躙する。
当然のごとくマダオ達3人も例外なく防御する間もなく吹き飛ばされてしまった。
吹き飛ばされた3人の状態は一様に酷いものだった。
建物に突っ込んだ衝撃で身体中血に塗れ、内臓にもダメージがいっているようだった。
追い討ちの火炎と衝撃波でさらに傷は深くなっている。

「……私に近づくからよ」

ロリスキーは傷つく仲間達を見渡してある事に気づいた。
ネコミミストとマダオは各々の再生能力で傷が癒えていっているのだ。
マダオはアーカードの能力だと知っていたが、ネコミミストのものは初めてだった。
だが見覚えはある。
あれは自分と同じ不死者の能力だ。

――ははは、なら喰えるじゃない。

そんな暗い考えがロリスキーの思考を支配していく。
自分に関わったために与えられる災難をネコミミストに演出するべきと頭が考える。
ぴくりとも動かないDIE/SOULはそのままにして、念のため触手2本でマダオを拘束しておく。
万全ならともかく今のマダオなら触手2本で動きを封じるには十分だった。
そして残り6本の触手でネコミミストを締め上げる。
4本は両手両足に、2本は身体を締めるように巻きつける。
ネコミミストは6本の触手で締められて苦悶の表情を浮かべる。

「苦しい? 私に関わるからこんな事になるの……私、厄病神だから」
「な、なんで……こんな――ぁぁぁっ!?」

ネコミミストが答えようとすると、ロリスキーは触手で締め上げてその言葉を最後まで言わせなかった。
ネコミミストは自分の身体が今にも千切れそうに感じていた。
ロリスキーがネコミミストにこのような仕打ちをするのは、不死者の他にも理由があった。
いわゆる同族嫌悪というものだ。

「あんた見てるとさ、自分を見ているみたいでイライラするのよ。
 それに……それにも関わらず何であんたはそんな……そんなに頑張っているのよ!
 なんで私だけこんな目に遭うのよ!!」
「がぁぁぁあああ――ッ!!!」

苛立ちと羨望の狭間でロリスキーは心を乱して、その捌け口をネコミミストに求めた。
ネコミミストもロリスキーの苦悩をなんとなく感じ取れるが、今の状況では何もできなかった。

3687Take a shot:2008/06/08(日) 22:24:49 ID:QqyJtk2A0
「もういい! さっさと私に喰われなさい!」

触手に縛られたネコミミストを右手の元へ誘導する。
ネコミミストに逃れる術は皆無だった。

「ロリスキーさんに、何があったか……私は知りません。
 でも! そこで諦めないでください!
 あなたがこんな事するのをあなたにとって大切な人は望んでいないはず――がああああッ」
「……黙って……喰われなさい!!!
 私は厄病神! もう私はみんなみんな殺すのよ!!!」

ネコミミストの言葉に一切耳を貸さず、ロリスキーは自らの右手を目の前の不死者の額へと運ぶ。
30㎝……20……10……5………………止まった。
横から伸びてきた腕によってロリスキーの右腕の進行は止められていた。

「なっ!?」

次の瞬間、8本の触手全てがロリスキーから剣の一閃で斬り離された。
ネコミミストとマダオは地面へと解放され、ロリスキーは自分の邪魔をした者の方に顔を向けた。

「なんで……無理して……そんなこと言うんだ?」

腕の主は全身血にまみれて今にも倒れそうなDIE/SOULであった。
二つの核鉄『ニアデスハピネス』と『ブレイズオブグローリー』で必死の身体を回復させている状態だ。
どう見ても立っているのがやっとといった感じだがロリスキーの右手の束縛が外れる事はなかった。

「はあ、何言ってんのよ!? 無理なんてしてないわよ!! これが……これが私の――」
「ロリスキー!!!」

DIE/SOULの一喝がロリスキーの言葉を問答無用で遮る。
DIE/SOULはこの状況に軽いデジャブを感じていた。
それが何か分かったのはついさっき。
ならば自身がやるべき事は決まっている。
それが正しいのかは分からないが、不器用な自分はこれしか思いつかなかった。
DIE/SOULはロリスキーを止めるため直感に従って心に浮かぶセリフを口に出す。

「お前に、悪人は似合わないぜ」

それはとあるロワで殺し合いに乗った女の子を救った少年の言ったセリフに酷似したものだった。
その展開を作り出したのは他でもないDIE/SOUL自身だ。
あの時と同じようにいくとは思っていない。
だが、この言葉でロリスキーが何か感じてくれたら、それで良かった。

ロリスキーの表情が凍りつき――

砕けなかった。

「……今更、どうしろっていうのよ!!!」

ロリスキーは湧き上がる感情に流されるままに左手の大鉈をDIE/SOULの首めがけて振るった。
その速さは到底目に追えるものではなく、当然瀕死のDIE/SOULが反応できるものではなかった。
ネコミミストとマダオもまた解放されたばかりで反応できなかった。

(……SSのように、上手くはいかないか……)

そう思いながらDIE/SOULは自身の首筋に迫る大鉈を目に映した。
死が迫っているせいか、心は驚くほど静かだった。
30㎝……20……10……

「翔けよ、隼! シュツルムファルケン!!」

刹那、彼方より飛来した紫炎の矢がロリスキーの大鉈を完膚なきまでに破壊した。
大鉈を失ったロリスキーの左手は自然とそのまま虚しく空を切った。
それはレヴァンティンが扱える最強の古代ベルカ攻撃魔法。
ロリスキーの知る限りレヴァンティンを持っていたのは一人だけ。
だが、まだ同じ武器を使用しただけという可能性もある。
なぜならレヴァンティンの持ち主は自分が――――

「ロリスキーさん」

しかしロリスキーの考えは一瞬で覆された。
聞き間違えるはずがない。
自分にとって最も大切な人。

「……こなた――ッ!?」

――見渡したら君がいて ためらう事なく戦う意味は 鮮やかに咲き誇れるように 弱い心と 向き合うこと……


          ▼

3688BRAVE PHOENIX:2008/06/08(日) 22:25:36 ID:QqyJtk2A0
「なんですか、聞きたい事って」
「この際だしストレートに言うけどさ……」

煩悩寺には魔王のその言葉があたかも死刑宣告のように聞こえてならなかった。
次の言葉を聞けば、自分は終わる。
そんな気がしてならなかった。
だが煩悩寺に魔王の言葉を止める明確な理由は存在しなかった。
ただ黙って魔王の言葉を待つしかできないのである。
そして魔王の口が開く。

「ステルス、もうばれているよ」

一瞬の静寂。
煩悩寺は一瞬頭が真っ白になった。
目の前にいる魔王が何を言ったかきちんと理解できない。

「え、え、あ……」
「君がステルスしているのはとっくに分かっているんだ。
 おとなしく降参してくれるかな」

意味が分からなかった。
幻術『M・Yデザイア・ベルはティアナ・ランスターなのか?』によって地上の参加者全員に『エロスの鐘の煩悩寺≠魔法妖女デザイア・ベル』という認識が植えつけられているはずだ。
いままで多少怪しまれる事はあったが、なぜいきなり完全に看破されたのか理解不能だった。

「正直に言うと、会った時からな〜んかおかしな感じはしていたんだよねえ。
 で、それが確信に変わったのはホテルでのイベントを終えてからだね。
 どうやらパワーアップした事で君よりランクがさらに上になったんだと思うよ」
「だ、だから、私の幻術が――」
「ああ、もう効かないよ。残念でした〜」

煩悩寺を絶望が襲う。
もはや魔王は自分がデザイア・ベルだという事を完全に分かっている。
勝てない、エロス頂上決戦の時ですら敗北したのだ。
あの時ほどエロ力がない自分と、ホテルで強化イベントを遂げた魔王とでは全く勝負にならない。

「それにさ、最近僕もエロスの方面の研究には熱心でさ。この間なんかギリギリのところまでいっちゃったよ」
「え? 魔王さんってアニロワ2ndで最近そんな事……って、まさか!?」
「そのまさかさ。もう僕は自分の記憶が更新されている事も自分がどういう存在なのかもしっかり把握しているんだ。
 強化イベントを終えて此の方考察する時間はたっぷりあったからね。
 だから最近のロワの事もばっちり把握しているよ」

最悪の事態だ。
もう何もかもが魔王にはお見通しなのだ。
終わり。
そんな言葉が煩悩寺の頭をよぎる。
終わり、自分も何もかも終わり。
終局、終焉、終了、終末。
終わりの意味する単語が煩悩寺の頭を掻き乱す。

「さてと、じゃあ君には僕の推測が正しいのか判断してもらうよ」
「……いや――」

そこで魔王は煩悩寺の異常に気付いた。
煩悩寺は今にも崩れそうな身体を必死に繋ぎとめようと自分を両手で抱きしめている。
それだけならまだ理解できる。
それに加えてありえないほど震えているのだ。
まるでこの世の終わりが訪れたかのようだった。

「い、や……あ、あ、あ……ッ―――――ッ!!!!!」

次の瞬間、煩悩寺の姿は霧のように掻き消えた。
消える瞬間に『Optic Hide』という電子音が聞こえたので不可視状態になる幻術魔法を使用した事は分かった。
だがその魔法なら時間と運動で効果が薄れる事を思い出した魔王は周囲に注意しながら煩悩寺の動きを窺った。
30秒……1分……3分……5分……10分……
一向に動きがない事にさすがに魔王も疑問を抱いた。
姿を消したのはてっきり自分の不意を突いて亡き者とする策略だと踏んだのだが、それは魔王の杞憂に終わった。

「失敗だったなあ。もう少し穏便に済ませようと思っていたのに……仕方ない。
 将軍達に合流するか」

魔王は将軍達と合流するため病院方面への道を急いだ。

魔王は知らなかったが、あの時煩悩寺はミッド式の幻術魔法『オプティックハイド』と同時にエロ妄想魔法『いけない透明人間』も発動させていたのだ。
効果が似たような魔法の二重使用によって煩悩寺は魔王に気付かれる事なくその場からの離脱に成功していた。
だが離脱には成功しても煩悩寺の心はもう見る影もなくボロボロだった。

(……いや、いやだ……私……私って……何もない……
 無力……情けない……いや、こんな自分が、いや……もう、どうでもいい……)

煩悩寺は亡霊のように当てもなく彷徨い歩いていく。


          ▼

3689BRAVE PHOENIX:2008/06/08(日) 22:26:35 ID:QqyJtk2A0
「ロリスキーさん」
「……こなた、本物なの……」

そこにいたのは大切な、とても大切な人だった。
ずっと一緒にいたいと願った――世界中で誰よりも愛する人だった。

「うん、本物だよ」

そんな事は言われなくても分かっていた。
私がこなたを、地球破壊爆弾No.V-7を見間違えるはずなんてない。
だけど、それでも、目の前の光景が信じられないで、ただ息を飲むしかなかった。
こなたも同じようだった。
二人が静かに見つめ合う――その距離……ほんの数メートル。
永遠に別れたと思ったその距離は今ではもうほんの少し。
歩み寄れば、手を伸ばせば、届く――そんな距離。

だけどその距離を自分から縮めようとはしなかった。

身体が石になったかのように動かない。
手を伸ばせない、足が進まない。
理由は分かっていた。
怖いからだ。

「ロリスキーさ――」
「――来ないでッ!」

近づこうとするこなたを拒絶の意思で止める。
今度近づいてきたら、本当に今度こそこなたを殺してしまう。
私は厄病神、だからみんなを殺してしまう。

――本当は誰も殺したくなんかないのに。

「…………」

こなたがひどく悲しそうな表情でこちらを見ている。
その視線が少し痛い。
でもダメだ。
近づけさせてはダメだ。
それに……許されるはずない。
私はこなたを殺しかけた。
信じてくれたこなたを、私の中のかがみは、容赦なく蹂躙した。
マダオ、DIE/SOUL、ネコミミスト。
傷つけた、傷つけてしまった。
とても自分勝手な理屈で自分を弁護して傷つけた。
こんな自分が許されるなんて虫が良すぎる。

「こなた……さよな――」

だから別れの言葉を告げようとした。
これ以上ここにいたら自分でも何を仕出かすか分からないから。
もうみんなに迷惑かけたくなかった。
だからここからいなくなろうと思ったのに――

「――!?」

言葉は最後まで紡ぐ事を許されなかった。
目の前にあるのは世界で一番愛する人の顔。
それが少し恥ずかしかった。
気づいたら二人の距離は0になっていた。
私の口はこなたの口で塞がれていた。

一瞬とも永遠とも言える触れ合いは本当に温かなものだった。

「ロリスキーさん」

こなたが私の名前を呼ぶ。
すごく嬉しかった。
もう流れきったと思った涙がまた溢れてくる。

「さよならなんて……絶対に許さないよ」

こなたも泣いていた。
なんでこなたが泣くんだろう。
私はあんなにひどい事したのに……嫌われても仕方ないのに……

3690BRAVE PHOENIX:2008/06/08(日) 22:27:13 ID:QqyJtk2A0
「一緒に生きてほしい……ずっと隣にいてほしい……」
「え、あ、わ、私は……」
「私……分かったんだ……」

もう永遠に失ったと思っていた温もり。
それが私の心を優しく包み込む。
あれほどあった負の感情はいつのまにかちっぽけなものになっていた。

「泉こなたの50%……アーカードの30%……長門有希の10%……レヴィの5%……地球破壊爆弾やキングゲイナーの4.9%……」
「…………」
「……そして残りの0.1%……合わせて100%、ちぐはぐな100%だけど――」

こなたの目が、声が、言葉が、想いが、願いが、私に向けられる。
それは本当に痛いくらいに私に届いてくる。

「それでも私はロリスキーさんの事が世界中の誰よりも大好きです」

こなたはそう告げた。
その顔は泣いていたが――今まで見た中で一番の笑顔だと思った。
本当に嬉しかった。

「……わ、私は……」

私の声はどうしようもなく震えていた。
怖かった。
私はこなたを、マダオを、DIE/SOULを、ネコミミストを傷つけた。
いまさら許してもらうなどできるはずがない。

「私はそんな言葉をかけられる資格なんてない。
 私は……みんなを傷つけた……
 自分勝手な理屈を押し付けて被害者ぶって……最低だわ……
 だからこなた、もういいの……私なんかに近づいたら今度こそ……
 私は厄病神だから……もう許される事もない……
 だから殺して――」
「そんな事ない」

こなたの声が私の言葉を断ち切る。
その言葉は優しくて、ともすれば救われそうで。
でもそんな都合よく許されていいはずない。

「確かにロリスキーさんは間違えたのかもしれない。
 でも、私はロリスキーさんを許す。みんなだってきっとそうするはずだよ。
 だって……ロリスキーさんは仲間だから」
「……仲間」

仲間。
なぜかひどく心が落ち着く単語だ。
皮肉ね。
さっきまで一人になろうとしていたはずなのに。

「罪は罪でしかない。
 だけど、ロリスキーさんは後悔しているよね」

こなたの言葉にゆっくりと頷く。
本当は嫌だった。
でもどうしようもなかった。
自分の気持が、身体が、暴走する。
でもこんなものただの虫のいい言い訳でしかない。
どれだけ取り繕うとも私は――

「後悔しているならそこからやり直せばいいよ。
 私は……ロリスキーさんを許す。
 ずっとそばにいて支え合いたいから。
 だから……」

こなたの手が伸ばされる。
その手は何なのだろうか。
掴めばどうなるのだろうか。
……とっくに自分では分かっているくせに。
……こなた、私じゃその手は掴めないよ。
ごめんね、こなた。私やっぱり――

3691BRAVE PHOENIX:2008/06/08(日) 22:28:12 ID:QqyJtk2A0
「私はずっとロリスキーさんと一緒にいたい。
 いつまでも隣にいて、一緒に楽しい事も苦しい事も二人で分かち合いたい。
 だからロリスキーさん! 手を繋いで!
 私はロリスキーさんの事を精一杯愛する。
 本物じゃないのかもしれない、でも! 私はロリスキーさんが世界で一番大好きだから!
 答えて、ロリスキーさん!
 ロリスキーさんの本当の気持ちを言って!」

私の本当の気持ち……それはずっと前から決まっている。
でも今の自分にそれを貫くだけの資格があるのか不安だった。
資格……そんなもの、言い訳なのかな。
私は……本当はどうしたいのだろう。
分かっている、ちゃんと分かっている。
ただ勇気がないだけだ。
この一歩がどうしても踏み出せないんだ。
私は……私は……私は――

――ドクンッ

「――ッ!?」
「!? ロリスキーさん――」
「ダメッ!! 来ないでぇぇぇ!!!」

ああ、私の中の『柊かがみ』が、行き場を失ってざわめいている。
ニコロワのやるせなさと、アニロワ2ndの殺意と諦観と、漫画ロワの恐怖と、カオスロワの悪夢が混濁する。
ダメだ。
このままじゃまたみんなを殺してしまう。
早く、早く、ここから立ち去らないと――

「え?」

私は自分の身体を押さえつけるので必死だった。
そんな身体を誰かが優しく包み込んでくれた。
私を抱きしめてくれた彼女はとても温かくて優しくて――

「離れてよ、こなた。でないと、また私はこなたを――」
「私はロリスキーさんを信じているから」
「…………」
「ロリスキーさん言ってくれたよね。
 私が100%愛せないなら、100%以上で私を愛するって……
 だったらさ、ロリスキーさん。
 柊かがみに飲み込まれないで! ロリスキーさんはロリスキーさん!
 柊かがみでもかがみんでもない! 私が大好きなのは漫画ロワの書き手、クールなロリスキーさん!
 私はずっとロリスキーさんを信じているから――だから!!!」

こなた……でも、もう私は……
背中に顕現しているマリンデビモンの触手の尾が獲物を求めて暴れだす。
同じく背中のヴァルセーレの刃の羽より蓄積されているエネルギーが溢れだす。
二人を中心に赤い炎と衝撃波がコンチェルトを演出する。
下手したら本当に今度こそこなたが死んでしまう。

「いやよ、そんなの」

もう会えないと思っていた。
会えると思っていなかった。
そう、答えなど当の昔から決まっていたではないか。
資格とかそんなものはこの際後から考えよう。
だから今は……今だけは……

ロリスキーを中心とした乱舞が終局を迎える。
中心にはクールなロリスキーと地球破壊爆弾No.V-7――どちらも目立った傷はない。
周囲には触手が突き刺さっていたり地面が抉れていたりするが、二人は無事だった。

「はあぁ……はあぁ……こなた、私は一緒にいて……こなたの事、好きでいていいのかな」

ロリスキーはギリギリのところで自分の中のかがみの力と折り合いをつける事が出来た。
だから震える声で改めて聞く。
本当に自分がこなたの隣にいていいのか、と。

3692BRAVE PHOENIX:2008/06/08(日) 22:28:43 ID:QqyJtk2A0
「もちろんだよ」

こなたの答えは聞く前からもう分かっていた。
こんな私でも許されるのなら、抱きしめられるなら、その手を掴みたい。
ゆっくりと手を伸ばす。
30㎝……20……10…………5…………届いた。
しっかりと互いの手を握り締める。
掌からこなたの温かさが伝わってくる。

そしていつしかその手は相手を抱きしめていた。
互いの温もりが心地いい。
触れ合った場所から伝わるものが私のささくれていた心を癒してくれる。

私とこなたの目が合う。
綺麗な瞳。
しばらく互いに見つめ合う。
そして――

――どちらともなく唇を合わせる。

「――……ん」

それは一瞬のようで永遠のような触れ合い。
互いが互いを求めあい、互いが互いをからめ合う。
心と心が触れ合う。

「――……ふう」

そしてどちらともなく離れてまた見つめる。
もう大丈夫。
これから新しい一歩を踏み出していく。
こなたと二人で。
仲間と一緒に。

「ロリスキーさん、言っておきたい事があるんだ」
「なによ?」
「私はロリスキーさんの事が世界中の誰よりも好き、これは偽りのない私の気持ちだよ。
 でもね、同時に『地図氏』としてwiki管理人に勝利したいとも思うんだ。
 だから、その、もしかしたらロリスキーさんを危険な目に遭わせるかもしれない――」
「えいっ」

こなたの頭にチョップを叩き込む。
痛がっているみたいだけど、演技よね絶対。
全く何を言い出すかと思ったら……

「いい、こなた。
 そりゃあ、こなたの方が強いのは確かだけど、私だって自分の身ぐらい自分でなんとかするわよ。
 それに、信頼できる仲間もいるしね。
 だから、やりたい事やりなさい。こなたがやろうとする事だし、できる限り応援するわ」
「ロリスキーさん……」
「ただし、無茶だけは禁止よ。分かった?」

結局、こなたは渋々といった具合で頷いてくれた。
本当、放っておいたら一人で抱え込んでいそうな感じがあるし、そこがちょっと心配だ。
私が支えられるのはもちろん、私もこなたを支えたいと思っている。
そんな関係をこれから改めて築いていきたい。

「これからもよろしくね、こなた――地球破壊爆弾No.V-7」
「こちらこそ、かがみん――クールなロリスキー」

――今は共に燃やした焔を明日への灯にして 震えてもいいからぐっと前を見よう この胸に小さな勇気と 奇跡を……

「ところでさ、かがみん」
「なによ、こなた」
「そろそろ服着よっか。風邪引くよ」
「へ?…………きゃ///」

そういえば……起きてからずっと裸だったんだあ……


          ▼

3693Pray:2008/06/08(日) 22:29:32 ID:QqyJtk2A0
月も星もない暗闇の空の下、二人の吸血鬼――地球破壊爆弾とロリスキーが互いに見つめ合っている。
その光景はとても温かなものだった。
二人は今ではお揃いの巫女服をその身に纏っている。

「これで一件落着か」
「そうですね」
「たく、手間かけさせやがって」

それを離れた所から眺めている3人の戦士。
マダオ、ネコミミスト、DIE/SOULの3人だ。
さっきまで酷い傷を負っていた3人だが、今はだいぶマシだった。
マダオとネコミミストはそれぞれの不死の回復力で傷はあらかた癒えていた。
問題はDIE/SOULだった。
いくら核鉄2個使用と言ってもDIE/SOULの傷はそれ以上に深かった。
今は核鉄に加えてネコミミストがクラールヴィントで回復魔法『静かなる癒し』をかけている。
効果範囲的に3人共対象となるという点も喜ばしかった。

「ネコミミスト、DIE/SOULの治療が終わるのに後どれくらいかかりそうなんだ」
「たぶん、あと10分くらいだと思います」

10分。
マダオはその時間でできる事を考える。
もうロワも既に終盤に突入している。
時間にあまり余裕はない。

「DIE/SOUL、ネコミミスト。
 今から言う事は私がこのロワについて考えてみた事だ。
 聞き終わったら意見を聞かせてくれ」

そう初めに断ってからマダオはこのロワについての考察を二人に話し始めた。
自分でもこの考察が正しいのかは分からない。
だからこそ二人の意見を聞いてみたいと思った。
3人寄れば文殊の知恵という諺の如く、ここにはロワを代表する書き手が3人もいるのだ。
厳密には書き手本人ではないが、今ここにいる自分は間違いなく存在している。
ならばそれでいい。
『我思う、ゆえに我あり』
つまりはそういう事だ。

「――これが私の考察した内容なんだが、二人はどう思う。
 貴重な意見を期待しているぞ」

マダオは自分の考察を余すところ無く二人に公開した。
あとはそれに返ってくる意見を待つばかりである。

「それは……」
「……ありえる、か」

ネコミミストとDIE/SOULの第一の反応は驚愕だった。
それも無理はないとマダオも心中で納得する。
自分も最初にこの考察に至った時は信じられなかったくらいだ。
だが現状この考えは一応理には適っている。
だからこそ二人の意見が聞きたいと思ったのだ。


しかしマダオがその答えを得る事はなかった。


地球破壊爆弾とロリスキーは離れた所で佇んでいた。
ネコミミストとDIE/SOULはマダオの考察に気を取られていた。
マダオはそんな二人からの意見を心待ちにしていた。

だから誰も気づく事ができなかった――彼方から飛来する絶望の凶弾に。

「マダオォォォォォ!!!!!」

気づいた時には全てが終わった後だった。
マダオの胸にはぽっかりと空洞が見受けられた。
そこから赤い血――命の証が盛大にこぼれていた。


          ▼

3694Pray:2008/06/08(日) 22:30:05 ID:QqyJtk2A0
煩悩寺は当ても無くふらついていた。
気づけばF-5――エロス頂上決戦の跡地へと来ていた。
先程大量のケフィアにより消耗したエロ力を回復させる事はできたが、煩悩寺の心はここに在らずであった。
自分の無力だという事を深く自覚してしまった煩悩寺の目には暗いものが宿っていた。
無意識のうちに手短なビルに入り、上へ上へと登っていく。
目の前に鉄の扉。
それを開くと、殺風景な屋上に出た。
目に映る風景はまるで自分のようだった。
もう今となっては取り立てて用もなく、あとは適当にどこかで対主催者に倒されるだけの存在。
ちっぽけで惨めでどうしようもなく情けない存在。

「……いやよ」

認めたくなんてなかった。
そんな惨めな存在になど落ちぶれたくない。
死にたくない、まだエロスの限りを尽くせていないのに――

「……そうだ、そうよ。簡単な方法があるじゃない」

そうだ。
ステルスだとばれないようにするのも、自分が生き残るのも、この方法ならいける。
簡単な方法、単純な方法、私にしかできない方法。

「あははは。殺す。みんな殺す。ここから殺す。遠くから殺す。狙い撃って殺す!」

他の人を殺す。
この屋上から殺す。
離れていれば離れているほどいい。
相手に気付かれないから。

だが煩悩寺は大事な事を忘れている。
当然の事ながら命中率は距離に反比例する。
そもそも自分が矮小な存在だと思い知ったからこうしている。
そんな事も今の彼女の頭にはなかった。
あるのは如何にして自分以外を抹殺するか、ただそれだけだった。

「クロスミラージュSet up! モード3……ブレイズモード!」

なにやらエロい電子音と共にティアナ・ランスターのバリアジャケットが生成される。
そして煩悩寺の手の中にあるクロミラは幻のモード3となっている。
煩悩寺ほどの書き手となればこれくらいの創造はこなせる。

「まだよ、エロスの鐘、それに出番よサスペリア」

煩悩寺はデイパックより長らく封印していたエロスの鐘とサスペリアを解放する。
サスペリアは久しぶりに外に出られて感無量だった。
密かにこのままデイパックの中に潜んだまま終了という結末を覚悟していただけに今はほっとしている。

「うーん、ステルスはもうお終いな――」
「ええ、そうよ。これからみんなを殺すの」

サスペリアは目の前の主人を目にした瞬間、言い知れぬ恐怖を感じた。
あえて言うならば狂気。
断じて正常ではありえない。
精神に何らかの異常をきたしているようだ……つまりは崩壊一歩手前の状態だ。
サスペリアは心中で煩悩寺に密かに見切りをつけ始めた。

「さあて、誰から殺そうかしら……………うん、あそこの人に決めた」

バリアジャケットの上からさらにメイド服を重ねる煩悩寺。
魔力とエロ力が合わさり、その力は今までにないほど高まっていく。
そして煩悩寺が遥か彼方にいる獲物を発見する。
3人と2人。
すぐさま3人の方に銃口を向ける。
狙う、狙う、狙う、狙う、狙う、狙う、狙う、狙う、狙う、狙う、狙う、狙う、狙う、狙う、狙う、狙う、狙う、狙う、狙う――
後姿をさらしている黒髪の少女の心臓を狙い打つ。

「――ファントムブレイザー!!」

煩悩寺が魔法のトリガーを引き、オレンジの凶弾は発射された。
魔力とエロ力を存分に注ぎ込んだ弾丸は一瞬で目的まで辿り着いた。
まずは一人目。

「さて次は……」

煩悩寺の暗い目は次の獲物を探している。


          ▼

3695Pray:2008/06/08(日) 22:31:09 ID:QqyJtk2A0
「マダオォォォォォ!!!!!」

まず聞こえてきたのは付き合いの長いDIE/SOULの声。
次にネコミミスト、少し遅れて事態に気付いた地球破壊爆弾とロリスキーが駆け寄ってくる。
みんなして自分を助けようと奮闘しているみたいだが、もう無理だ。
心臓を撃ち抜かれてはさすがのアーカードも終わりだ。
その事実は絶対だ――だから……

「――借りるぞッ」

生き残っている者のために最後に一花咲かせようと思った。
彼方より飛来する2発目の凶弾をDIE/SOULの手元より拝借したドラゴン殺しで防ぐ。
一瞬湧き起こる爆発と閃光。
2発目に気付いたのは単なる偶然だった。
吸血鬼の魔眼を行使――――狙撃手を見つけた。
デイパックを肩から降ろして、DIE/SOULに託す。

「お、おい、マダオ。これは――」
「後は頼んだぞ」

元祖マダオ――『まるでダメなオッパイお化け』というあだ名を付けられた魔法使い、キュルケ。
その者の力――飛行魔法『フライ』を使う。
狙撃手の元まで全力で飛ばす。
本来ならフライでの高速移動は不可能だ。
だがそんなものは熱血死に際補正の前では無意味だった。

「逝くぞヒューマン。冥土の土産に付き合ってもらうぞ。HURRY! HURRY!! HURRY!!!」


          ▼


「外した!?」

煩悩寺が必中を期して放った2発目の凶弾は死んだと思った少女によって防がれた。
さらにあろう事かこちらに向かって飛んでくるではないか。
だが煩悩寺は冷静に考える。
ここに来るまでにはまだ時間がある。
今度こそ撃ち殺せばいいだけの話だ。
ひどく簡単、ひどく単純な話だ。

「さようなら。ファントムブレイザー」

狙いを定めて魔力とエロ力を融合させた魔弾を続けざまに射出。
その数は実に16発。
もちろん狙いはこちらに飛んでくる少女。
避けても後ろにいる残りの奴に当たるように撃っている。

「さあどうするのかしら――ッ!!」

そして煩悩寺は予想外の光景を目にした。


          ▼


「覇ぁぁぁぁぁあああああ!!!!!」

1発、2発、3発、4発、5発、6発、7発、8発、9発、10発、11発、12発、13発、14発、15発、16発ッ!!!
全てドラゴン殺しで弾いていく。
フライの速度は緩めない。
既に速度は全力全開。
あと50m。


          ▼


(そんな! ありえない、ありえない、ありえない、ありえない!)

ファントムブレイザーはティアナ・ランスターが使用する攻撃魔法の中で最強の威力を誇ると設定されている魔法だ。
しかも魔力に加えて潤沢なエロ力まで存分に合わせたというのに全て防がれたなど信じたくなかった。
この技まで通じないなら……自分は本当に無力という事を証明してしまう。
そんな事、認める訳にはいかなかった。

「認めない、認めるもんか。
 なんで私だけ、私だけこんな惨めな思いをしなくちゃいけないのよ。
 もっと力を――圧倒的な力を!」

煩悩寺は力を熱望した。
もっと、もっと強い力を欲した。
そして、そんな煩悩寺の強い想いが煩悩寺自身の舞-HiMEスキーの精神に影響を及ぼした。

「カグツチィィィィィ―――――ッッッ!!!」

舞-HiMEスキーの精神と自身の容姿と声を関連付けての召喚。
最強クラスのチャイルド「カグツチ」
劫火を纏って顕現したカグツチはまさに圧巻。
母の危機を察してカグツチは目の前の飛行少女を敵と認識する。
裂帛の気合と共に放たれる至極の劫火。
マダオに避ける術など存在しない。
あと30m。


          ▼

3696Pray:2008/06/08(日) 22:31:52 ID:QqyJtk2A0
「な!?」

あと少しという所で現れたのは巨大な炎を纏った龍。
その龍からその巨体に見合った火球が放たれる。
避ける術などもちろん存在しない。

「ふ、避けるつもりなどないッ!!
 HAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!」

迫りくる火球に臆する事なくそのまま突き進む。
そう全速前進だぁぁぁぁぁあああああ!!!!!
そして火球を目の前にしてドラゴン殺しを全力で横に一閃する。
気合一喝。
火球はドラゴン殺しに負け、体を為さなくなる。
驚愕の表情を浮かべる龍とその主を見据えつつ、マダオはその手に持つ剣の本懐を果たしに行く。
あと10m。


          ▼


「そ、そんな……」

カグツチの火球が剣の一振りで斬られた。
当然相手は無事で速度を緩めずに突っ込んでくる。
もう残りの距離もあまりない。
そして――

「GUOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!!!!」

交差の瞬間は一瞬だった。
凄まじい速さで突っ込んできた少女はカグツチと接触した瞬間――カグツチの首は落ちていた。
命を刈り取られた龍はあえなく光の粒子となって消えていった。

「――ッ!! ジュリアァァァ!!!」

煩悩寺は奇怪な蜘蛛――結城奈緒のチャイルドであるジュリアを召喚する。
速度が依然として変わらない少女に対して何とかして距離を取ろうとする。
そんな事は意味がないと思い知るのには少しの時間も必要なかった。
あと5m。


          ▼


「これでぇぇぇ!!!」

最後の力を注ぎこみさらに速度を上げる。
風よりも、光よりも、何よりも速く飛ぶ。
ついに奇怪な蜘蛛に迫る。

「!?」

剣を振り上げ、あとは一刀両断というところで視界が白に支配される。
ジュリアの口から糸を放出したのだ。
だが、そんなものマダオの勢いを止めるには至らなかった。

「――――ッッッッ!!!!」

無言の一閃。
その一振りは糸の向こうのジュリアにも届いていた。
いささか浅かったが、ジュリアはもう満足には動けそうになかった。
動けぬ蜘蛛を踏み越えて上段から目の前の狙撃手にドラゴン殺しを振り下ろす。
あと1m。


          ▼

3697Pray:2008/06/08(日) 22:33:19 ID:QqyJtk2A0
「いやぁぁぁ!!!」

逃げきる時間も距離もない。
一撃防いで退却するしか道はない。
クロスミラージュをダガーモードへと変形させて魔力刃の出力を最大まで引き上げる。
舞衣のエレメントの宝輪から炎の障壁を展開させる。
最後に奈緒のエレメントの手甲より牽制のワイヤーも繰り出す。
さらに魔力とエロ力も全て防御に注ぎ込む。
四重にも張り巡らせた防護なら一撃は耐えられると煩悩寺は予想した。

「これで終わりだッ!!」

鎧袖一触。
煩悩寺の用意した防御は黒髪の少女の叫びと共にただの一撃で崩壊した。
ただ単にそれは圧倒的だった。

「がぁ!?」

ドラゴン殺しの衝撃で煩悩寺は向かいの壁へと叩きつけられた。
その姿はメイド服でもバリアジャケットでもなく、ボロボロになった竜宮レナのセーラー服であった。
手元にはバラバラになって砕け散ったクロスミラージュの残骸が散らばっている。
さっきの衝撃に耐えられなかった結果だ。
さらに防御に全魔力とエロ力を注ぎこんでいたため煩悩寺にはもう変身するだけの余力は全くなかった。
そして次に煩悩寺を待っているのは紛れもなく「死」だった。

「いや……嫌よ……助けて……」
「それが私に一撃を食らわした者の最後のセリフか、ヒューマン」

マダオはこれで最後とばかりにドラゴン殺しを振り翳す。
だが不意に後ろに殺気を感じて、剣先をそちらに振り落とす。
殺気の正体は煩悩寺が召喚したジュリア。
母の生きる可能性を少しでも上げようとした結果だった。

――母を想う子の願いは皮肉にも叶う事となる。

「くっ!?」

マダオが振り返ると、煩悩寺がデイパックから何かを取り出そうとしているところだった。
これ以上長引かせる気はないと、マダオは今度こそドラゴン殺しは煩悩寺へと振り下ろす。

――それはあまりにも大きすぎた。大きく、ぶ厚く、重く、そして大雑把すぎた。それはまさに鉄塊だった。

マダオの振り下ろしたドラゴン殺しが真っ二つに折れる。
吸血鬼の膂力なら折れる事もあるだろう。
しかし、目の前のこの物体は何なのだろうか。
この巨大で黒い物体はいったい――

「――ッ!! これはまさか……」

マダオの思考はそこで終わりを告げた。
目の前の物体から放たれた光がマダオを包み込み、無慈悲にもその存在を地上から消し去った。

(――これも熱血か、な……)


          ▼


「…………私は――」

マダオを葬り去った物体、それはアニロワ2ndでも1,2を争う最凶の兵器。
その名を『大怪球フォーグラー』という。
全長300m、総重量500万tにも及ぶ超巨大ロボット。
その小さな衛星にすら匹敵する巨体を重力制御によって運用し、起動時には周囲の大地を重力場によって崩壊させる。
なぜこのような兵器を今まで使用しなかったのか。
それはこの兵器があまりにもエロ展開やステルスに向かなかったからである。
だからこそいままでフォーグラーは日の目を見る事がなかったのだ。

「ご主人様……」

そんなフォーグラーのコクピットに収まっている煩悩寺を見上げるのはミニ・サスペリア。
サスペリアから見て煩悩寺の状態は最悪だった。
マダオの最後の一撃。
間一髪で助かったものの煩悩寺の心はその一撃の恐怖で崩壊したも同然だった。
心を砕かれた少女を乗せた兵器の行方は――


【1日目 真夜中】【F-5 市街地】
【エロスの鐘の煩悩寺@アニロワ2nd】
【状態】:魔力・エロ力枯渇、深い絶望、精神崩壊、首輪解除、フォーグラーに搭乗中
【装備】:ボロボロになった竜宮レナのセーラー服、エロスの鐘、ミニ・サスペリア、大怪球フォーグラー@アニロワ2nd
【道具】:なし
【思考】:
 基本:……もう、どうでもいいかな――
 1:……もう、どうでもいいかな――

※容姿はティアナ・ランスター@なのはStrikerSです。
※サスペリアはWIKI管理人の端末でした。主催陣と交信できます。精神崩壊した煩悩寺に見切りを付け始めています。
※大怪球フォーグラーの起動により周囲数百メートルは重力場の影響で崩壊しました。


【ミスターマダオ@漫画ロワ 死亡】
※ミスターマダオとドラゴン殺し@ベルセルクはフォーグラーの重力レンズ砲によって消滅しました。


          ▼

3698Pray:2008/06/08(日) 22:34:03 ID:QqyJtk2A0
「これは酷い」
「見事に瓦礫の山になっておるな」

廃墟と化した病院へやっとの事で辿り着いたバトルマスターとギャグ将軍。
しかしその目的の病院は今では見る影もないほど無残に崩壊していた。
当然ながら周囲に人の気配は皆無だった。

「ところでバトルマスターよ、傷の方は大丈夫なのか」
「ええ、どうやらキュレイ種が関係しているみたいなんです。
 ギャルゲロワの倉成武並みの回復力が備わっているようなので、心配いりません。
 とりあえず立ち止まっている暇はありません。一刻も早く他の人を見つけなければ……」
「うむ。先程見かけた熱血王子の事も気がかりはあるしな」

ここへ来る途中で見かけたマーダー、熱血王子。
バトルマスターにとってはしたらば孔明を、将軍にとっては熱血怪人と孤高の黒き書き手を死に追いやった人物。
終盤においてのマーダーがどれほど力を発揮するか、それを知らない二人ではなかった。
だからこそ急いで病院まで来たのだが、人っ子ひとりいない。
気を取り直して周辺を探索しようとした時、第3の人物がこの場へとやってきた。

「バトルマスター君、将軍。無事でしたか」

二人に声をかけるのは速筆魔王LXであった。
彼は彼で煩悩寺との一件により病院へ向かった仲間が心配になり、急ぎ駆け付けたのだった。

「……蟹座氏がいない? まさか――」
「大丈夫だ、魔王よ。我が娘ならコロンビーヌと共にいるゆえ心配はいらぬ」
「……我が娘? ああ、そういう事ですか」

魔王はすぐさま事態を飲み込んだ。
そして別れてからの経緯を話し始めたのだが――

「え!? 煩悩寺さんが!?」
「ええ、残念ですが彼女は主催者と繋がっています。今なら全部思い出せるでしょう」

確かに、とバトルマスターの頭の中に記憶が戻ってくる。
幻術が解けた今、いかにバトルマスターと言えども煩悩寺の正体に行き当たる。
将軍は最初からわかっていたのか、大して驚いた風には見えない。

「……で、正体がばれた煩悩寺が何か仕出かすと思って駆けつけたんですが……どこ行ったんだろう」
「何はともあれ、熱血王子に煩悩寺。それに黒猫。油断は禁物ですね」
「うむ。二人とも油断禁物であるぞ」
『……あの、油断大敵の方が辞書にも載っているので、そちらのほうが――』
「他に言う事ないの、みWiki」
『ひぃぃぃ、なんで鬼麿モードみたいな顔しているんですかぁガクガクブルブル』

魔王がみWikiに絡むのは特にこれと言って理由はない。
強いて挙げるなら魔王なりのコミュニケーションというものであろうか。
みWikiにとっては複雑なところだが。

そんな一時も突如響いてきた爆音に中断される。

「あの爆音は……」
「向こうの方か、行きましょう」
「よし、頼むぞ二人とも」

一行は爆音のした方に向かって行く。
そこに因縁の相手がいるとも知らずに……

3699Pray:2008/06/08(日) 22:35:16 ID:QqyJtk2A0
【1日目 真夜中】【E-8 病院跡地】
【バトルマスター@ギャルゲロワ】
【状態】:全身に打撲および銃創(キュレイ種の回復力によりほぼ完治)、キュレイ種のような身体、首輪解除、魔術回路にダメージ
【装備】:永遠神剣「冥加」、ゲイボルグ@アニロワ2nd、孔明の令呪(残り四画)
【道具】:支給品一式×2、コイン、名簿、孔明のメモ、スタンガン@アニロワ1st、首輪(まとめキング)、不明支給品×2
【思考】:
 基本:コインの表が出た――だから徹底的に抗う。
 1:仲間と協力して主催者を打倒!!
 2:爆音の元へ向かい、残った対主催の参加者と合流。
 3:対主催として仲間を探し、殺し合いに乗った輩を倒す。

※容姿は前原圭一@ひぐらしのなく頃にです。
※自身の精神が、キャラの影響を受けている事に気付きました。
※【闘争制覇者-Battle Master】
  発動させる事で、決して『バトル』に負けない固有結界を張る事ができます。
 【闘争制覇者-Battle Master アイン・ソフ・オウル】
  バトルマスターが生涯書き得るありとあらゆるバトルの世界に敵を放り込む技。
  物語内のキャラの攻撃を全部くらわせます。
  この技が発動した時点で、敵味方の全行動が『バトル』として定義されます。
  故に、発動すればどんな状況でも、バトルマスターは不敗です。
※影の繋ぎ師からディーの話を聞きました。
※孔明のメモにはこのロワに関する孔明の知り得る限りの情報が記載されています。
※孔明の令呪を使う事で魔力を補充する事が出来ます。二画以上まとめて使う事でアインソフオウルを使用可能。
 ただし、全ての令呪を使い切ると……?


【速筆魔王LX@アニロワ2nd】
【状態】:健康、首輪解除、この魔王ノリノリである
【装備】:斬鉄剣@ルパン三世、技術手袋@アニロワ1st、デバイスクリスタル、バリアジャケット(テッカマン風)
【道具】:支給品一式×8、分解済みの首輪(素晴らしきフラグビルド)、首輪×3(地味子、◆wKs3a28q6Q、永遠のうっかり侍)、
     ノートパソコン、iPod、みWiki@らき☆すた?、
     コーヒーセット一式@スパロワ、コーカサスブレス&ゼクター@ライダーロワ、ジャーク将軍のマント@ライダーロワ、
     杖@ライダーロワ、王者のマント@FFDQロワ、バヨネット×2、核鉄「バルキリースカート」、ジャッカル(5/6)、
     銀河ヒッチハイクガイド、咎人の剣「神を斬獲せし者」@AAAロワ、ドラゴン殺し@アニロワ1st、他にまだあるかも?
【思考・行動】
 1:爆音の元へ向かう。
 2:道中主催者や真の対主催についてさらに考察する。
 3:熱血怪人の遺志を継ぐ。
 4:iPodとノートパソコンの中身を分析する。
 5:将軍の電子戦にある意味期待。
 6:『白猫』って誰? あと『黒猫』?
 7:対主催陣を探し、ゲームに乗った強敵を撃破していく。
 8:あの連中には借りを返す。

※主催者陣営に裏切り者がいるのでは、と考えています。
※首輪の構造を理解しました。
※夢の内容ははっきり覚えていますが、どうでもいいと思っています。
※『柿テロ猥・R2‐ND』掲載の情報を一部入手しました。
 新生クライシス帝国に因縁のある相手――主催者・ジョーカーと真の対主催がメインです。影の繋ぎ師の情報も揃っています。
 反面『黒猫』の情報を初め、不完全な部分もあります。お任せします。
※孤城の主のコロンビーヌ視点の情報を得ました。
※彼が何を見たのかは、全力で忘れろ!
※美形元帥が持っていた、膨大な量の魔力を吸収しました。
※強化された事により自身の正体をなんとなく把握しました。
※みwikiが一段階強化されました。意思持ち支給品として近くの参加者と会話できます。
※バリアジャケットのデザインは、テッカマンエビルをさらに禍々しくしたような感じです。
 テッカマンの能力が再現されているかどうかなど、詳細は後続の書き手さんにお任せです。

3700Pray:2008/06/08(日) 22:36:01 ID:QqyJtk2A0
【パソコンの中&iPodの中】
【ギャグ将軍@ライダーロワ】
【状態】:首輪解除、腹部にダメージ(治療中)、電脳空間に幽閉、心機一転、増えた、上機嫌
【装備】:電脳空間なのでない、はずですが……
【道具】:顔写真付き参加者名簿、支給品一覧(パスワードによりロック中)、地図、書き手ロワ2ndのSS一部
【思考】:
 基本:新生クライシス帝国の結成。
 1:爆音の元へ向かう。
 2:閉じ込められたついでに電脳世界を征服してくれよう!
 3:主催者なり真の対主催なりの目的やらなんやら考察してみせよう!
 4:『白猫』を探し出してくれよう!
 5:同胞を冒涜したあの連中は裁きにかける。
 6:対主催の仲間、ついでに飲み友達を集める。
 7:コーカサスゼクターの資格者を探し、コーヒーを飲む。
 8:紅茶を飲むかどうかは保留。

※ポケモンの物まねによる影響が各地で現れたかもしれません。ただ、将軍のギャグ補正により悪い結果は導きません。
※なんか増えました。すべてのコピーが同じ能力を持っているのか、実体化出来るのかは不明です。姿は変えられるようです。
※一時的に実体(きぐるみ)を失っているため、キャラに何らかの変化があるかもしれません。
※制限がライダーロワ基準だと思い込んでいます。
※特殊能力:「書き手界の良心」に目覚めました。
 本気の一喝を放つ事により、悪ノリし過ぎている者に自重を強いる事ができます。
 但し、ギャグ将軍の性格上、あまり多用される事はありません。
 真剣な人生相談に乗る事も可能。なお、発動中はピンク色が掛かった女言葉になります。
※背中に謎のチャックを確認。ギャグ将軍曰く、開けると「大変なこと」になるそうです。詳細は不明です。
 今回の発動はあくまで電脳空間でのなりきり変化の鍵としての解放であって、本来の解放の効果は不明です。
※ノリと思い込みで電脳空間内でかなりの無茶が可能になったようです。又ものによっては現実の方が将軍に合わせて動きます。
 例:ピカピカ鳴くとラピュタの雷が勝手に発動します。
※固有結界「コーヒーブレイク」
 優雅なリネン一式の備わったテーブルと人数分の椅子を造り出し、皆でコーヒーを飲んで和みます。
 それ以上の効果は確かめられていません。
 コーヒーセット自体が発動させている可能性があります。
※ノートパソコンの中に、顔写真付き参加者名簿と支給品一覧(パスワードが設定されている)のデータが確認されました。
 また地図を確認。参加者の区別が付かない第三放送時の参加者分布を知る事が出来ます。上級パスでさらに詳しく?
※書き手ロワ2ndに存在する全ての「アドレス」に向けて、データ化されたギャグ将軍が送信されました。
※パソコンから『柿テロ猥・R2‐ND』のチャットに出入り可能になりました。
※コロンビーヌと情報交換しました。
※『柿テロ猥・R2‐ND』掲載の情報を一部入手しました。
 新生クライシス帝国に因縁のある相手――主催者・ジョーカーと真の対主催がメインです。 影の繋ぎ師の情報も揃っています。
 反面『黒猫』の情報を始め、不完全な部分もあります。お任せします。
※孤城の主のコロンビーヌ視点の情報を得ました。


          ▼

3701Pray:2008/06/08(日) 22:36:39 ID:QqyJtk2A0
「マダオ……くそ、あの野郎……」

DIE/SOULは一人で勝手に飛んでいったマダオに釈然としない感情を抱いていた。
ネコミミストも地球破壊爆弾もロリスキーも同様にやりきれない思いだった。
4人ともあの傷でマダオが生きているとは到底思えなかった。
みんなマダオの事を思い、しんみりとしていた。

「なんで許されているのかな?」

その声はいきなりだった。
影から現れた襲撃者――熱血王子は怨みのこもった声でそう呟きながら4人に攻撃を仕掛けた。

「アルカス・クルタス・エイギアス。疾風なりし天神、今導きのもと撃ちかかれ。バルエル・ザルエル・ブラウゼル!
 フォトンランサー・ファランクスシフト!」

30基以上からなるフォトンスフィアから繰り出されるフォトンランサーの集中豪雨。
雷の槍が虚を突かれた4人に猛威を振るう。
4人は例外なく吹き飛ばされる羽目になった。

「少し、頭冷やそうか……」

熱血王子の冷徹な声が辺りに響き渡る。


【1日目 真夜中】【D-7 市街地】
【地球破壊爆弾No.V-7@アニロワ1st】
【状態】:ダメージは完全回復、泉こなたの姿、強い決意
【装備】:激戦@漫画ロワ、レヴァンティン@アニロワ1st、巫女服(鷹宮神社)@らき☆すた
【道具】:支給品一式、着替え用の衣装(複数)、アダルトグッズ(大量)
【思考】:
 基本:クールなロリスキーと共にある。
 1:襲撃者に対処。
 2:もう迷わない。

※基本的に中身はアーカードで、CVは平野綾です。
※変化する姿に7つのバリエーションがあるらしいです。
【1:地球破壊爆弾】【2:アーカード】【3:長門有希】【4:泉こなた】
【5:銃撃女ラジカル・レヴィさん】【6:キングゲイナー】【7:1〜6とか目じゃないよ?びびるよ、まじで】
※クーガーの早口台詞が言えます!
※鎖鎌、鳳凰寺風の剣、ソード・カトラス、ノートPCの投影が可能です。

【スーパーキョンタイム】
 地図氏以外の者はゆっくりとしか動けなくなります。一度使うとそれなりの時間使用不可能です。
【地図氏の地図】
 参加者の位置、生死を含めた地図を投影できます(※長門有希の状態でのみ可能)
 使いすぎるとアレなので、毎晩0時にのみ使う事にします。


【クールなロリスキー@漫画ロワ】
【状態】:不死者、吸血姫、スーパーかがみんと融合、強い決意
【装備】:巫女服(鷹宮神社)@らき☆すた
【道具】:支給品一式、着替え用の衣装(複数)、『村雨健二』の衣装、キュートなシルク仕様の裸エプロン、日焼け止めクリーム(大量)、未定支給品×?(ロリスキー確認済)
【思考】:
 基本:地球破壊爆弾No.V-7と共にある。
 1:襲撃者に対処。
 2:もう迷わない。

※容姿は柊かがみ@らき☆すたです(翼と尾が任意で顕現します)
 柊かがみの髪の色をしたドラゴンにもなれます。
 ヴァルセーレの剣の刃でできた羽を三対六翼持っています。尻尾はマリンデビモンの触手が変化して8つです。
※何故か不死身です。
※スーパーかがみんと融合し、彼女の記憶と能力を継承しました。
 柊かがみがその時点で使った事のあるあらゆる力、アイテムを使用できます。
※地球破壊爆弾No.V-7の血を吸い、独立した吸血姫となりました。
※ミスターマダオの血肉を食らった事で、吸血姫としてランク・身体能力が上昇しました。
※いつ目覚め、どこから(コロンビーヌと地球破壊爆弾の)話を聞いていたかは後続の書き手にお任せします。

3702Pray:2008/06/08(日) 22:37:45 ID:QqyJtk2A0
【神行太保のDIE/SOUL@アニロワ1st】
【状態】:疲労(小)、全身火傷・右指炭化(処置済)、首輪解除、迷いはなくなった
【装備】:ガッツの装備一式@ベルセルク、ガッツの義手@ベルセルク、核鉄『ニアデスハピネス』、核鉄『ブレイズオブグローリー』
【道具】:支給品一式×3、拡声器、パニッシャー@トライガン(機関銃:残り弾数40%、ロケットランチャー:残り4発)、ダイナマイト×5、
     フライングアタッカー@仮面ライダー555、未定支給品×1(マダオ確認済み)
【思考】
 基本:アーカード(地図氏、マダオ)は殺すつもり(だったのだが……)、 対主催を集める。
 1:襲撃者に対処。
 2:繋ぎ師とtu4氏の結果が気になる。
 3:ナナシと出会ったら、決着をつける!
 4:tu4氏の話も伝えるか。
 5:マダオ……

※容姿はガッツ@ベルセルクです。
※神行太保・戴宗の神行法(高速移動)が使えます。
※ラディカルグッドスピード腕部限定は、腕だけが速く動きます。
※地図氏(地球破壊爆弾No.V-7)がジョーカーではないかと思っています。
 ジョーカーに襲われた事と合わせての考察はまだしていません。
※自分が本物の書き手なのか疑問が解決しました。他の書き手への躊躇いはお任せします。
※核鉄『ニアデスハピネス』は制限により、使用中は強制的にパピヨン姿になります。でも戻るので安心ですね。制限を知りました。
※黒猫がすごく気になる。
※tu4氏から、このロワにおける参加者の正体を聞きました。
※マダオからこのロワに関する考察を聞きました。


【衝撃のネコミミスト@アニロワ2nd】
【状態】:不死者化、さらに強い決意、首輪解除、魔力消費(小)
【装備】:マテリアルブレード@テイルズロワ、クラールヴィント@アニロワ1st、バリアジャケット(白いリボンドレス)
【道具】:支給品一式×4、拡声器、カブト装備一式(ハイパーゼクター付)、サイドバッシャー@仮面ライダー555、
    オーガドライバー(オーガストライザー付)@ライダーロワ、カイザギア@ライダーロワ、カードデッキ(ベルデ)@仮面ライダー龍騎
【思考・行動】
 基本:前に……進む!
 1:襲撃者に対処。
 2:繋ぎ師とtu4氏の結果が気になる。
 3:スクライドの遺志を継ぎ、牙なき人の剣になる。

※衝撃波を使えます。掌からだけでなく、足の裏からも出せるようになりました。
※「大あばれ鉄槌」を幼女好きの変態と勘違いしています。
※シャリダムを通じて幻夜の死体を喰い、その記憶と知識と経験を得ました。
 また、ブックがロワに来てからシャリダムが生まれるまでの経緯を体験しました。
※自分が主人公、そして黒猫という単語に引っかかっているようです。
※第三回放送を聞き逃しました。
※tu4氏から、このロワにおける参加者の正体を聞きました。
※強化・投影能力を習得しました。何が投影できるかはお任せです。無限の剣製は使えません。
※マダオからこのロワに関する考察を聞きました。

3703Pray:2008/06/08(日) 22:38:11 ID:QqyJtk2A0
【熱血王子@漫画ロワ】
【状態】:黒化、右目にお姉さまの眼が入っている、復ッ活ッ、なのはさんに完全変身、ディーの仮面により身体能力上昇
【装備】:バルディッシュ・アサルトBC、ディーの仮面(黒)、カードデッキ(龍騎・黒)、AK-74(残り28発・黒)、マジシャンズレッドのDISC(黒)、
    放火セット(燃料、松明、マッチ)、宝石カートリッジ残り5発
【所持品】:ナイフ、BL本、GL本、泉こなたのスクール水着@漫画ロワ、首輪×2、パロロワ衣服詰め合わせ、
      お徳用原作パロロワ全生首セット(目玉セット他に換装可能)&原作パロロワ全手首詰め合わせ※今なら腕も付いてくる!
【思考・行動】
 基本:愛媛に許されるために殺す。
 1:……ごめんなさい……ごめんなさい……ごめんなさい――
 2:黒く染まってない奴を優先して殺す。
 3:白に寝返りそうな奴も殺す。

※状態は黒い高町なのは(19歳)@なのはStrikerS。いろんな要素が化学反応してスパークした結果により変身状態で固定されました。
※闇の書とパスが繋がっているためEN回復(大)が付きます。
※所持品は所持しているだけなので黒化していません。

【バルディッシュ・アサルト・ブラックカスタム】
 ゲートオブバビロン@カオスロワから取り出されたバルディッシュ・アサルト@アニロワ1stの改造デバイス。
 武器系の支給品融合と黒化、凛の宝石から作られたカートリッジによってスペックが向上している。
 さらに射撃のアサルト、鎌のハーケン、剣のザンバーの三形態に加えて【破棄すべき全ての手】と合体した事で宝具技を使用可能なブレイカーフォームが搭載された。


          ▼


――僕は今でも弱いままで 光の剣を抜けないでいた 残酷な運命を逃げないで 凛と生きるために……
――いつしか涙は明日を灯す 奇跡の太陽に もう行こう 守るものがあるから…………

3704Pray:2008/06/08(日) 22:38:42 ID:QqyJtk2A0
投下終了。
長いwでも満足しているw

3705諸君 私は名無しが好きだ:2008/06/08(日) 22:56:25 ID:GL9WlS0Q0
投下乙です!
マダオもここでリタイアか…。よく頑張った、安らかに眠れ。
そしてフォーグラーwまさかここで出てくるとは思わなかったぜ!
GJ!

3706諸君 私は名無しが好きだ:2008/06/08(日) 23:26:00 ID:A42pOuZM0
GJ!!っく、前半の燃え展開で終わると思えば!
なんの脈絡もなくかませに出てくるチャイルド!!
圧倒するマダオ!!そしてまさかまさかのフォーグラー!!
予想の斜め上をいかれたぜい!
でも何でだろwフォーグラーが怖くないw

3707カウントダウンツ・ヘブン:2008/06/11(水) 19:13:43 ID:XEgkbYA60


「……以上の証明より、残存不明支給品の中に対象Aが入っている可能性は無く、
 従って対象Aはこのコンテナの中に存在する。証明終了」
薄暗い倉庫の中で響くぶつぶつとした呟きが止んだ。
倉庫の中に一人立った七氏が一息ついた後、まだ確認していない最後の箱を開くと
そこには、光り輝く白い宝石があった。炭素のみで構成される、現実世界で限りなく強い結晶構造。
「対象A、即ちダイヤモンドは僕の手中に、と。もっと早くこうしていればよかったな」
宝石アクセサリ・ダイヤモンドを手の中で転がしながら七氏は溜息をついた。
もちろん虚弱で名の知れたキールになりきっている彼が、一々正直に全部を探してダイヤを発見した訳が無い。
その特殊能力「闇にささやく言葉責め」によって『ダイヤがここにある』という後付け設定をキバヤシ理論から作り上げたのだ。
マーダーをでっちあげるよりは楽に済む証明を終えた七氏の耳に、電話のベルが鳴る。
七氏は電話の受話器を掴む振りをして、架空の電話を受け取る。
「首尾はどうだ、七氏」
「目的のものは見つかった。これでとりあえずの懸念は無くなったな。それで何があった。ナナシ」
電話の向こうの男、ナナシの言葉に七氏は朗報を返す。
七氏との間に電話線を繋いだナナシは淡々と七氏が籠っていた間のロワの推移を語った。
「地獄紳士が、負けた?」
「ああ、詳細は不明だが何やらコロンビーヌの逆鱗に触れて返り討ちにあったらしい」
様々な参加者の状況を聞いていた中で、七氏はそこで初めて驚きの反応を見せた。
更なる情報を聞きたかったが、それを口に出すことはしない。
音声もないカメラからでは期待するほどものもは得られなかっただろう。
携帯電話でwikiを見ることができる参加者のほうがよっぽど情報に優越なのだから。
「……となると、クラールヴィントを破壊または奪われたな。そうでなければコロンビーヌを見逃すはずがない」
七氏は顎に手を当てて思考する。そこに握られたダイヤを思い出してにやりと笑った。
「ナナシ、1つ面白いことを思いついた」
「ロクな事じゃないだろう。滅びに手を貸すつもりか?」
「どうせ僕らが持っていても宝の持ち腐れだ。なら、いっそ面白くなる方に賭けてみようじゃないか」
「確かに、その方が俺たちらしいか」
「決まりだな。僕達が直接行くわけにも行かないから、またプー太氏に……」
そこまで話が進んだところで、ザザザと会話にノイズが入った。
これは唯の電話ではない。ナナシの繋ぎ能力そのものなのだから、二人の驚きはひとしおではなかった。

「その話、一枚噛ませて貰えないでしょうか?」
「……wiki管理人。盗み聞きとは感心しないな」

ナナシの能力に干渉して繋ぎをジャックしたwiki管理人が受話器の向こうで、にやりと笑った気がした。

3708カウントダウンツ・ヘブン 2:2008/06/11(水) 19:14:03 ID:XEgkbYA60


「は、はっ、ハッ」
息も荒げに胸を掴み苦悶の表情を浮かべるのは夜の闇に浮かぶ黒い天使。
地獄紳士666はまだ生き残ったビルに背を預けて魔力を整えていた。
しかしその乱れは一向にして安定を見せない。
不死者とはいえ、燃料気化爆破を至近距離で受けたダメージは半端ではない。
そしてそれを回復しようにもデバイスが闇の書しかなく、
「ぐ、あああああっ!!!」
更なる回復魔法をかけて傷を癒す666だが、唯でさえ不安定なディスレブと闇の書の制御が乱れてしまう。
「……グラールヴィントが無くなったことがここまで後を曳くとはね。
 これでは、仕掛けた罠が無意味になってしまう。
 せめて、代用のデバイスがあればいいんだが……せんなきことか。早く傷を治さないと……」
そこに、かつんと音が鳴った。静寂の帳を破るそれの方に地獄紳士は目を向けて舌打ちする。
一対一で負けるつもりはないが、魔力を使えばそれだけ浸食が進む。
已む無しと、666はその小さな手にアーミーナイフを握らせた。
カツカツカツ。路地の角より影が伸びその長さが頂点に立った時、それは姿を現した。

「まさか、君が来るとはね……これは流石に読めなかった」

666が力無く嗤う。月光の陰に隠れたその女の顔もまた、読めなかった。

3709カウントダウンツ・ヘブン 3:2008/06/11(水) 19:14:26 ID:XEgkbYA60


「うあーーー!!!! 妹☆者ーーーー!!!!」
ぎゃああああ!!
眼帯付けた白髪の幼女が二刀流とナイフとゆかなボイスでもって降り立つイメージの人が襲ってくるううう!!!
「なんで逃げるのさ! そんなんじゃ悲しくて妹者のことを思うと胸が(ry」
知らない! つーかあんたみたいなピーな兄なんていない!!
「それでは幾らなんでも彼に可哀そうだろう?」
うわあああああ!!! 右斜め上45前方からブルマ履いたロリアーカードが来るぅぅぅぅ!!!
お前もう本編で死んだじゃん! 009な少佐と一緒に大人しく量子力学の井戸の底にでも沈んでろよ!!
「ほう? それはいささか可笑しくはないか、蟹座氏よ。アーカードの滅びはともかく少佐の話はつい最近だ。
 このロワが始まってから更新された情報を知りえるのならば、彼のことも知らぬはずがないのだが」
へ!? あ、え、そういえば……ボク……いや、私……あ、アニ……アニロワ?
「ずごーーーーー!!!! ベタ過ぎて逆に転んじゃったさ! でもかわいいから許す!!
 その調子で思い出してごはっ!!」
「少し黙ってろヒューマン。いいか蟹座氏、貴様の能力「蟹座じゃないもん」は唯のスキルハンターではない。
 その本質は、蟹と、蟹でないものの境界を超える力。故に条件さえ整えばこうして死者スレの壁を超えることすら出来る。
 その気になれば世界すら蟹の名の下に越えることすらできるのだ。
 だが、その使い過ぎでなりきりと自分の境界を見失いかけた今の貴様の状態では「妹者ーー!!」黙ってろ!!」
違う! 僕は蟹じゃない、蟹じゃないもん!! お前らなんて知らないし、あんなパソコン親父もDer変態兄もいない!!
「いかん、そっちには行くな!! 蟹を認めない今のままでは、その力が」
「あーうー!! だ、駄目だ妹者ー! まだこっちでパヤパヤするんだーー!!」
知るか知るか知るか!! 僕はおかしくなんてないんだから、こんなイカれた世界にいたら僕までおかしくなっちゃう。
早く、早くこのヒラコー空間から抜け出してーーー!!!!

長い回廊の向こうで、息を切らす彼女の前でゆっくりと扉が開いた。
星の無い無天の空の下、真実の象の前に。

3710カウントダウンツ・ヘブン 4:2008/06/11(水) 19:14:48 ID:XEgkbYA60


ごぷ、と嫌な液体が彼女の口から洩れた。
どさりと灰塵が巻き上がる中、コロンビーヌはたまらず真正面の相手を睨む。
「まさか、ここまで馬鹿だったなんて、ねん……読み違えたかしら、まったく」
「まさかここまで壺に嵌ってくれるとはね。蟹座氏を染め上げれば、きっと君が浄解に残ると思っていたよコロンビーヌ」
光無き空に浮かび、辛うじて生き延びた電燈の光が輪郭を移す。黒い羽根の天使666はコロンビーヌを物理的に見下して笑った。
「僕の計画がネコミミストに伝われば全てが失せてしまうんだ。
 君がその子を大事にするように、私もそれだけは譲れない。悪いが、今回ばかりは油断も慢心も出し惜しもう」
コロンビーヌがさっと手を払うと、ゾハナ蟲が武器の形を取って666目がけて投擲される。
「アクセルシューター、射撃開始」
<Accel Shooter>
しかし666の背後より門が開き、その中より美しい宝玉が現れた刹那その全てが爆散する。
煙の中より浮かび上がる杖の形をしたその宝玉の名はレイジングハート・エクセリオン。
バビロンの財宝が一つである。
「そうバラす気がない、っていっても、もう遅いのかしらんっ!!」
今度は虫の群れとして突撃させるが、朽ちかけた身体では指示が鈍い。
「まあ、信じる理由もないからね。邪恋『実りやすいマスタースパーク』」
再び門が波濤を起こし、出現するのは小さな八卦陣、ミニ八卦炉。
ヒヒイロカネで出来たその魔導器より巨大な光線と星々が宇宙怪獣へのバスタービームのように蟲を蒸発させていく。
コロンビーヌはその爆風にすら耐えきれぬほど消耗しており、たまらずよろけてしまうが精神力だけでそれを断った。
「邪恋って、それって皮肉かしらん!?」
(おかしいわん。私も大概だけど、666ちゃんのダメージは半端じゃなかった。
 私を狙うにしても、おじ様の娘が起きた後だと読んでたんだけど、ねん)
その答えを得る間もないと判断した彼女は、懐よりヴァッシュの銃を取り出しAアームへと腕を変化させる。
一撃で気絶にまで持ち込まなければ、勝ち目も薄い。体力心許なしとはいえ、そう判断せざるを得なかった故である。
だが、既にそれは666のシナリオに組み込まれていた。
「――――――その腕、貰い受ける」
バビロンより出現する一筋の影。
音速を超えた投擲速度にて、エンジェルアームの銃口に突き立てられたそれは呪いの魔槍・ゲイボルグ。
真の名を唱えてないので効力は薄いが、因果逆転の呪いによってAアーム暴発の可能性すら封じ込める。
レイジングハート・エクセリオン、ミニ八卦炉、ゲイボルグ。
そしてその全てを吐き出した彼女の宝物庫は、鍵剣ともども全てが黒一色に輝いていた。

3711カウントダウンツ・ヘブン 5:2008/06/11(水) 19:15:16 ID:XEgkbYA60
自身は人形と言わんばかりに痛みを無視して、ゲイボルグを抜いて手に収めようとするコロンビーヌ。
射撃系の二つは無理だが、射出された槍だけは回収が必要なはず。一つでも戦力を削らなければならない。
だが、それすらも許さないとばかりに、ゲイボルグの周囲の空間が歪み、槍ごと掻き消える。
「!?」
666が無言で手を翳すと、その場の空間が再び歪み、その手に槍が落ちてくる。
「空間転移? でも、グラールヴィントは私が」
「その通りだ、コロンビーヌ。クラールヴィントではないから安心し給え」
そう言う666の笑みが、余りにも邪悪すぎて彼女は反射的に腹を庇うように手を交差させた。
「安心し給えと言っただろう? もう君の子供に手を出すようなことはしないよ。
 その愛に恐れ入ったのさ。僕程度ではその絆は到底断てないようだ」
「だったら?」
「そこを曲げて、願いたい。私に力を貸してくれはしないか?
 私の愛が君のいうものでないとするならば、それが愛になる刹那を見届けるのも君の義務のはずだ」
ゲートオブバビロンが再び戦慄き、再びレイジングハートと八卦炉が出現する。
「嫌ね。北風と太陽って童謡しらないのかしら? 完全に手を誤ったことすら気づいていない貴方に、愛も何もないわ」
「どうやら、極光ではお気に召さないと。ならば仕方ない――――」

そこまで666が口にしたとき、世界が裏返ったかのような冷気が辺りを包んだ。
無表情から表情を消したかのような顔を浮かべた666が、絶対零度にも届きそうな呼気で言う。

「安心し給え。『母子共々、芥すら残さずこの世界から消滅させてあげよう』」

左手に八卦炉を、右手にレイジングハートを握る666の前に、ヒラヒラと紙が落ちてくる。
「最後の最後まで取っておいた、GOBの闇化……味わうのは、君が初だ。
 『完全に使いこなした財宝の力』特と味わうがいい」
赤く、白く、そして黒く三色が輝く。その符に刻まれたるは死刑を告げる技の名前。
コピーではない、彼女専用の技巧弾幕。

「上手くグレイズしたまえ。運が良ければ、子供は生き残るかもしれないぞ?
 ―――――――――――――――――――――――――禁忌『エクストラバージン』」

3712カウントダウンツ・ヘブン 6:2008/06/11(水) 19:15:40 ID:XEgkbYA60
その時、一瞬だけ世界は夜から昼になった。
コロンビーヌは即座にゾハナ蟲を展開して後ろに退こうとするが、悪寒に遮られて足を止める。
直後、蟲の膜を突き破って一閃、マスタースパークとアルテマが逃げようとした位置を蒸発させる。
遠距離に逃げようとした蠅を狙う、悪意の力。
そうこうしている間も、ガリガリガリとゾハナ蟲達が相次いで爆破していく。
中距離に並みいる全てのゴミを削り殺すのは無数のアクセルシューター。
たった数秒の間に、彼女の周りすべては、美しき弾幕の地獄と化した。
「っつう……色々と間違っているとは思わないの!?」
「何がだい? ほら、あと60」
弾幕の奥、見えぬ相手とと会話するのはなんとももどかしかった。
武器を取り出そうにも、使い慣れたものは盾となって削り消え、使い慣れてないものはどうしようもない。
「この期に及んで私を狙うこと自体が間違っているっていってるの!
 時間がないって解ってるんでしょ? なりきりシステムの外にいるあなたはいってみれば不安定元素なのよ。
 常に何か安定ななりきりへと変化しようとする力を受けている。それだけでもかなりの負荷なのよ?!
 唯でさえ不安定なのにそのうえ闇の書にディスレヴ? 飽和も飽和よ、暴走までカウントダウンしてるわ!!」
「そんなことか。私はこうして自我を保っているのだから何も問題あるまい? あと45」
無数の弾幕の、幽かな隙間を縫って、コロンビーヌは命を永らえていた。
だが、そこには恐れではなく、むしろ怒りに似たものが渦巻いていた。
「そう思ってるだけ! だったらなんで直ぐにでもネコミミストに会いに行かないのよ!!
 貴方の意志は既にどこかで捻じ曲げられて、ただの便利な掃除屋に成り下がっている!!」
「――――――黙れ!! 残り30、発狂の時間だ!!」
666の怒声とともに、弾幕が更にその数を増した。
八卦炉からは無数の星が、RHからは地獄のようなディバインバスターが、
数少ない隙間すら塞いでコロンビーヌの体を容赦なく削り取っていく。
無想天生すら繰り出して凌ぐが、削られる肉体は誤魔化し切れない。
「そんなにわからず屋なら、私が、骨を折るしかないみたいねん……」
そういったコロンビーヌをあざ笑うかのように、回避不能な弾幕の塊が襲いかかる。
無情にも彼女の体は、砲撃によって塵芥へと

3713カウントダウンツ・ヘブン 7:2008/06/11(水) 19:16:26 ID:XEgkbYA60
「獲ったわん!」
そう叫びながら666の背後より出現するコロンビーヌ。
クラールヴィントによって成し得た、この一瞬の為の奇襲である。
「あんたは一度眠りなさい! その闇、欠片も残さず浄化して――――」
腕に装着した麻酔銃の銃口が、666の首筋をとらえる。

「そいつは、困るな」

その針が放たれるよりも、その雷は速かった。
コロンビーヌが一瞬だけ痺れよろめき、反射的に後ろを向く。
黒いマントで覆われたその姿は、紛れもなくジョーカーそのもの。だが、コロンビーヌは聡明だった。
「あんた、何で、こんな」
覚えがあった声によって、全てを理解し全てに諦めを付けざるを得なかった。
愛にすべてを捧げるならば、愛に死ぬのも必定か。
(将軍、ごめんなさい……後は任せますわん)
再び666の方に向き直ったコロンビーヌの目の前には、宝物庫より大きな剣が抜き出されようとしていた。
時間と空間すら超える、魔剣・エターナルソードと、それによって生みだされる波動と共に突撃する666。
遠・中・近を完全に処理する、攻防一対の弾幕……それが彼女のスペルカードの真骨頂だった。
ふりおろされる剣を前にして、彼女は穏やかにそして少しだけ残念そうに、ぽつりと言った。

「ごめんなさいね、貴方――――――――――――でも、愛しています」

3714カウントダウンツ・ヘブン 7:2008/06/11(水) 19:16:44 ID:XEgkbYA60


「……今、なんと言いましたか?」
ラピュタより下界を見下ろしながらwiki管理人は尋ねた。
既に殆どの光もないが、ライトアップによってそこそこの明るさは確保されていた。
「俺が下に一度降りる許可をくれないか、ってね。耳が悪くなったかい?」
「……一応、理由は聞いておきましょうか。感電氏」
尋ねられた男……感電は、平静そのものの様子で答える。
「あのハッキングのあと総点検を行ったんだがな。どうにも放送に使う資材が軒並みやられてるんだ。
 もう直ぐ放送だが、これじゃそれもままならない。で、だ……」
「どうせ参加者は病院周辺に集合しているのだから直接放送をしにいく、と」
「ああ。禁止エリアは今決めるなり、なんなりでもいいがな」
「全員にいい渡るまでに死ぬかもしれませんよ? チート密度半端じゃないんですから」
試すような口調のwiki管理人を前にして、感電はむしろ不敵に笑った。
「だから、だよ。どうせ放送はあと一回あるかないかだ。
 もう終盤の終盤に入ってるんだから、俺がしくじっても然程困らない。
 それに……虎穴に入らずんば虎児を得ずってね。少し荒くいかないと、覚醒も出来なさそうだしな」
感電の言葉に、ふむ、と息をついて何事か考え込むwiki管理人。
しばらくして何処かに電話をかけて、二三言葉を交わした後、感電に言った。
「いいでしょう。その代り、二三お遣いを頼みますよ。
 ラピュタのステルスや今回のハッキング……貴方に疑惑の目を向ける人も少なくないのでね。
 私としても何処かで貴方の濡れ衣を晴らしておく必要があると思っていましたから。では、期待していますよ。感電氏」
にっこりと笑う管理人を前に、辛うじて笑顔らしきものを作りながら、感電は言った。

「まあ……期待せずに待っててくれ」

3715カウントダウンツ・ヘブン 9:2008/06/11(水) 19:17:24 ID:XEgkbYA60


蟹座氏が、その大きな瞳をうっすらと開けた先に写っていたのは星一つ見えない黒い空だった。
起き上がろうと上半身を起こすが、途端に眩暈のように頭に電流が痺れる。
「痛っ……いったい、何が……?」
「無理して起きない方がいい。微細な電磁波ですら、脳に致命的な影響を及ぼすことだってあるのだ」
まだ朦朧としかけた彼女の耳に、聞き覚えのあるような女の声が入る。
「あんた……確か、僕に写真を…………」
「黒猫とでも名乗っておこう。いや、実に申し訳ないことをしたよ。
 良かれと思ってやったのだが、あと一歩で君の命を脅かすところだった」
だんだんと意識をはっきりさせていく蟹座氏。
そうだ、自分は確かししょーと闘って、あれ? なんで闘ってたんだっけ?
「ねえ、命を脅かすって、一体何の……」
起き上がるために持ち上げようとした彼女の腕が、いやな重さを持っていた。
半ば誘導的に、彼女は腕に視線を向ける。
その手に持たれていたのは、永遠神剣が一つ『誓い』。そして“なにか不思議な付着物”だった。

「え」
「いや、本当に危なかった。危うく彼女に殺されそうになっていたのだから」

そういって666は指を指す。その先を瞳孔が開きかけた眼で追う蟹座氏。
夢の言葉を思い出す。ああ、起きるんじゃなかった。
そう、真っ二つになった少女を前にして彼女は心底思った。
「あ……あれ、もしかし、てわ、ぼ、わたっ、僕」
「落ち着きたまえ、蟹座氏。君は何一つ悪くない」
「で、でも、この剣、あれ、や、やっぱ」
「そう、君はその剣で未来を切り開いた。“バトルマスターの刺客を打倒した”のさ」
そういって、666は至極近しい友達のような気軽さで、彼女の肩を叩く。
「ししょーが、うそ、だって、仲間だって」
「その純真は評価されるべきだ。だが、敵が純真である保障は何処にもない。
 彼は君の始末をあの娘に任せ、君のあられもない写真をばら撒きに向かったのさ。
 何とか5枚は奪ったのだが、残りは無理だった……実に済まない」
そういって、666は蟹座氏の眼に5枚の写真を晒す。先ほど蟹座氏が見たものとは違う写真だった。

「ああ、可哀想に。君は最初から、彼と彼の共犯者たちに一杯食わされたのさ」
「あ、ああ、あああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

叫ぶ。叫ぶ。臓腑が湧き出しそうなほどの勢いで彼女は叫んだ。
バトルマスター達と紡いだ時間のすべてを吐き出すように。
「僕、どうしたら、ししょー………………」
叫び終わって、糸が切れたように項垂れた彼女がぽつりと呟く。
その一言を、666は見逃さなかった。迷える子羊を導くような神々しさで、その黒く染まった掌を肩に寄せる。

「残る写真は10枚。聡明な君ならば、何をなすべきかは分かるだろう?」

3716カウントダウンツ・ヘブン 9:2008/06/11(水) 19:17:43 ID:XEgkbYA60
後の祭り

とぼとぼと歩む蟹座氏を見送りながら、666は楽しげに口を歪める。
自分が殺したと思い込んだ相手の支給品を直してまで蟹座氏に与えるほどの諧謔味が、如実に表れていた。
『あなた、鬼ですか』
「人間だよ。こんなこと人間にしかできない。だから同時に慈悲もある。君を敢えて生かす、とかね」
その手に握られた漫画wiki管理人の紙を握りしめながら、眼だけで笑う666。
「あんまいじめてやるない。支給品に罪もへちまもないぜ」
物陰に隠れていた感電がぬっと出てくる。その黒マントは既に払われ、アリーナとしての姿を晒していた。
「さて、ダイヤモンドを持ってきてくれた君には感謝しないとね。
 ラジオに欠かせない防音・密閉能力も実に助かった。
 お陰でグラールヴィントを使う必要もなくなったしね。ジョーカー達にはよろしく伝えておいてくれ」
「それは重畳。だが、そいつはしばらく無理だ。あくまでもダイヤの譲渡は俺の仕事の一つでしかない」
「ほう? 他には? 放送以外にまだ何かがあると?」
「……まあ、あんたならいいか。サスペリアは知っているだろ。あの影の薄いやつ」
「となると、恐らく煩悩寺に用無しの宣告が下されたかな?」
「明察だな。こいつを回収してくれって仕事がね。
 管理人の力の一部で出来た使い魔だから、回収して自分に還元しようって腹なんだろ」
666は手の甲を顎に当てて、管理人の意図を洞察する。
(今のサスペリアは空気の塊だからな……もしや漏れた空気王の能力すら見込んでいる可能性も無くはない、か)
「それは過密スケジュールだね。引き止めて悪かった。武運を祈るよ」
そういって、影の門を開く666。
その中に入ってく最中、感電はたまらず口を開いた。
「これからどうするんだ? まさか蟹座氏がマーダーとして暴れてくれるとは思ってないんだろ?」
「まあね。だが時間稼ぎにはなる。この体はもう限界だ。いよいよもって、時が来ているのだよ」
「流石に、稀代の調子に乗ってる奴だな。ロワは結構等価交換の原則が成り立つ。抑止力が来ても知らないぜ?」
闇の中少しだけ顔を感電に向けた666が、微かに、しかし残忍に笑った。
「普通のロワならね。だが、私も私で覚悟は決めているつもりだ」
そういって、すっと手に持った何かを感電に見せる。
「コアドリル……もうここまで汚染されてたのか」
「時は近い。裁きの業火に曝されるのが先か、私の願いが叶うのが先か、ここからは時間の勝負さ。
 そして私は必ず勝つ。勝って私の愛を証明する。その為ならば、いくらでも調子に乗ろう。
 否、その先すら突破して、私は至るのだ」

闇に掻き消える666。その最後に一言を残して。

3717カウントダウンツ・ヘブン 11:2008/06/11(水) 19:18:08 ID:XEgkbYA60
「大した自信だ。こりゃ、俺もうかうかしてられねえな」
一人残された感電は自分のパソコンに送られたメールを思い出していた。
あの言葉の意味を確かめるためにも、どうしても彼は速筆魔王とギャグ将軍へと接触する必要があった。
故に、この危険な行動に出たわけだが。
(やけにあっさり降ろしやがった……何処まで読まれてる、管理人さんよ)
頭をぼりぼり掻いて、彼は仕方無しとばかりに大きな息を吐いた。
既に覚悟は決まっている。真なる対主催として、自分は既に幾人も殺した。
そして最後の最後まで疑われぬようコロンビーヌを見殺しにした以上は後には退けない。

「じゃあ、行きますか。前代未聞の現地放送に!!」

大地に降り立つ感電。その足取りは、未だ霧中である。



その先すら突破して、私は至るのだ―――――――――調子に乗っ天元突破へと。

3718カウントダウンツ・ヘブン 12:2008/06/11(水) 19:18:29 ID:XEgkbYA60
【真夜中】【E-8 病院の近く】



【派手好き地獄紳士666@LSロワ】
【状態】:闇の書発動、不死者化?、大量の精気(エロパワー)吸収、疲労中、負のエネルギー蒐集中、暴走?、
     アルテマ修得、……私の愛は愛ではないだって?、かなり焦っている
【外見】:黒いリボンドレス、背中から黒い六翼。長い髪は白く染まり後ろに降ろしている。眼鏡外し。
【装備】:ゲート・オブ・バビロン@アニロワ2nd(※特殊仕様)、闇の書@アニロワ1st(ディス・レヴ内臓)、バリアジャケット、
     ビッグ承、コアドリル(ほとんど黒)@アニロワ2nd エターナルソード@テイルズロワ
【所持品】:ヒュッケバイン・ボクサー(トロンベ)、四次元ポケット、クレイジーダイヤモンドのDISC、高性能探索機能つき扇風機、
      朝倉涼子のアーミーナイフ、夜天の書(BL本)、ウルトラミキサー、蟹座氏の写真×10
      モンスターボール(空) エニグマの紙「漫画キャラバトルロワイアルwiki管理人」
【思考・行動】
 基本:極悪外道になった後、ネコミミストの前に敵として再会。ネコミミスト心から愛してる。
 1:融合開始
 2:ディス・レヴを使いこなせるようにする。
 3:熱血王子の動向はチェック。
 4:熱血王子が改心されそうなら……
 5:ネコミミストの前に敵として現れ、最終的に喰われる。



※ゲート・オブ・バビロンで出せるアイテムをどれも『一応は何とか使いこなせ』ます。
 驚きの黒さを受けて『完全に使いこなせる』ようになりました。
 エリクシールと爆薬は使い切りました。 鳳凰寺風の剣は病院に起き捨て。
 ディーヴァの剣、ルルゥの斧、鳳凰寺風の弓と矢は全て武器融合に使用。
 浄玻璃の鏡の回数制限は残り1回。凛の宝石は全てカートリッジに変形。
 懐中時計型航時機『カシオベア』破壊。 マテリアルブレードはダイヤモンドと合成してエターナルソードに。
※ゲート・オブ・バビロンで出せる新たに判明した物及び追加された物。
 アニロワ1stからディーヴァの剣、ルルゥの斧、マイクロ補聴器、鳳凰寺風の弓と矢、鳳凰寺風の剣、凛の宝石×10、闇の書。
 加えて――マテリアルブレード@テイルズロワ@XXX、クラールヴィント@アニロワ1st@XXX、
 不死の酒@アニロワ2nd(既に使用済み?)@XXX
 ゲイボルグ@LSロワ RH・エクセリオン@LSロワ ミニ八卦炉@LSロワ
※闇の書と融合しているため、その内に言うまでもなく――
※エロスの鐘の煩悩寺と、エロ師匠の(ついでに大暴れ鉄槌の)精気を吸収しました。
 影丸の魔力を吸収したため、8割がた使いこなせるようになりました。
※書き手としてのメタ視点能力を使える様子。別に全知ではない。
※闇の書とディス・レヴ@スパロワが内蔵されました。リミッターをかけていますが会場内の負の力を自動的に集められます。
※バビロンの財宝はクレイジーダイヤモンドでは治せません(宝物庫そのものは別)
※『真・驚きの黒さ』を蒐集により習得しました。これによりディス・レヴの効率を上げられます。
※全支給品を合成させ、自身も融合することにより、【グランゼボーマ@アニロワ2(グレンラガン)】の力が振るえます。
 制限によりサイズはLLL内で収まっています(つまり星よりでかいとかにはなりません)
 ただし666としてか闇の書の暴走が表に出るかは状況によります。 666もそのことは理解しています。
※ヒュッケバインボクサートロンベ:
 単純にヒュッケバイン・ボクサーが黒色(レーツェルカラー)になったもの。
 トロンベ化に伴いトロニウムエンジンから核融合エンジンになったが、
 666からのエネルギー供給でトロニウムエンジン以上に安定駆動可能になっている。
 人間サイズより一回り大きい。念動兵器が使えるかは不明。

3719カウントダウンツ・ヘブン 13:2008/06/11(水) 19:18:52 ID:XEgkbYA60
【蟹座氏@ギャルゲロワ】
【状態】:へこみLv6(黒さ補正で5+1)、顎部に痒み、『蟹座じゃないもん』覚醒、極大の疲労、左手首に傷、
     若干錯乱、首輪解除、驚きの黒さに汚染
【装備】:体操着(ブルマ)、鉈、ケリュケイオン@リリカルなのはStrikerS、永遠神剣『誓い』
     蟹座の黄金聖闘衣、蟹座氏の写真×10
【道具】:支給品一式×5、最高ボタン、カードデッキ(シザース)@ライダーロワ、
     閃光弾、まふうじの杖、バッド・カニパニーの甲羅 腕時計型麻酔銃(1/1)@漫画ロワ
     ティーセット一式、麻酔銃の予備針×3、変化の杖、ヴァッシュ・ザ・スタンピードの銃@トライガン、
     対戦車地雷×2、リュート@からくりサーカス、ドラゴンオーブ@AAA、キャンディー×1
【思考】:
 基本:ししょー……ひどいよ
 0:バトルマスターとその仲間を殺して写真を奪い返す
 1:僕の記憶、どこかおかしい?
 2:『あいつ』に逢ったら殺す。
 3:ギャルゲロワの仲間とはできるなら会いたくない……けど。
 4:敵とは戦う。ギャルゲロワ以外でいじめてくる人はみんな敵。


※容姿は蟹沢きぬ(カニ)@つよきすです。
※最高ボタンを押すと、『いやっほぉぉぉおおおう、蟹座のONiぃ様、最高ーーーーーっ!!!!!』という台詞が、
 ハクオロの声で流れます。シークレットボイスにも何かあるかも?
※自分の心がキャラに影響されていることに気付きましたが、キャラに抵抗するため無駄な努力をしています。
※身体能力は本気を出せば倉成武ぐらいの力が出ます。通常はカニ。
※蟹見沢症候群について。
 へこみのLvが5になったとき、発祥します。発症した場合、自分を苛めたり辱めたりした者を優先的に殺します。
 666の仕込みによってリミット天元突破。どうなるかわかりません。
 基本的な症状は雛見沢症候群と同じです。発症中は蟹座氏のチャット状態の特徴により、語尾に♪がついたりします。
※言霊『蟹座じゃないもん』に覚醒しました。
 強い意志で蟹座であることを否定することにより、文字通り蟹に縁のあるアイテムから、
 『蟹座じゃないもん』つまり『蟹座じゃないもん(者、物)』の力を引き出せます。ただし使いすぎると境界が…
※蟹座氏のバリアジャケット姿がどのようなものかは以降の書き手に任せます。
※なりきりが解けかけ、記憶に混乱が生じています。
※驚きの黒さからの回復に、どの程度時間がかかるのかは不明。
※蟹座氏の写真の詳細は後の書き手にお任せします。

3720カウントダウンツ・ヘブン 14:2008/06/11(水) 19:19:13 ID:XEgkbYA60
【感電@書き手ロワ2】
【状態】:健康
【装備】:基本支給品一式 それ以外は不明
【道具】:無し
【思考】:
 基本:真なる対主催として行動
 0:中心地へ向かい直接放送する
 1:(できるかぎり管理人に気付かれずメールの差出人と話をつける)
 2:サスペリアの回収
 3:覚醒イベントを発生させてパワーアップ

※見た目はアリーナ@DQ4
※スタンド「レッド・ホット・チリ・ペッパー(画鋲型)」が使える
※周囲を防音することができるらしい


【コロンビーヌ@漫画ロワ 死亡確認】
ゾナハ蟲@からくりサーカス、クラールヴィント@アニロワ1st(ネコミミストと同じ物) は消滅しました

3721諸君 私は名無しが好きだ:2008/06/11(水) 19:19:55 ID:XEgkbYA60
投下終了。うん、最後の一言がやりたかっただけと言われたら否定できない。

3722諸君 私は名無しが好きだ:2008/06/11(水) 20:25:59 ID:zhPfI.J.0
調子に乗っ天元突破……なんと響きの良い言葉かw
なんか自然と口ずさんでしまいたくなる響きだw

3723諸君 私は名無しが好きだ:2008/06/11(水) 20:52:02 ID:bVBNnUB60
調子乗りすぎだこのやろーw
遂に元ロワを基にした技まで閃き始めたし、
一体どこまで行くんだろう。

3724諸君 私は名無しが好きだ:2008/06/11(水) 20:57:36 ID:j1rF/tmM0
投下乙です
さて恒例の……666調子乗ってんな、あらため、調子に乗っ天元突破w
まさかここまでやるとは、もう本当に天元突破しちまえw
そして憑依とは違って、感電氏本人がとうとう降り立ったかw
前代未聞、現地放送の行方やいかにw

3725諸君 私は名無しが好きだ:2008/06/11(水) 20:58:52 ID:j1rF/tmM0
あ、言い忘れてたw
アニジャ氏wwwww何ひょっこり出演してんだぁぁぁぁぁ
うらやましいぞ、この野郎wwwww

3726諸君 私は名無しが好きだ:2008/06/11(水) 22:28:29 ID:e.BMoxfs0
GJ!!
そしてよくやったwミニサスペリア絡みは思いっきり俺のプロットに符合するw
あとアニジャ氏、あんた何やってんのw

37271000%SPARKING METEOR:2008/06/12(木) 08:39:00 ID:YWMsl58A0
爆音の方向へ向かう魔王、将軍、バトルマスターの3人。
しかしその視界に、突然巨大な物体が飛び込んできた。

「あれは…!」
「大怪球フォーグラーだね。いやあ、まさかあれまで出てくるとはねえ。」

驚きを顔ににじませるバトルマスターに対し、魔王の反応は道ばたで野良猫に出くわした程度のものである。

「落ち着いてますね、魔王さん。」
「あはは、アニロワ書き手はこの程度じゃ驚かないのさ。だいたい、このロワじゃ何が起こってもおかしくないって。」

二人が会話をしていると、突然そこに明るい電子音が鳴り響く。

「よし、成功したぞ!」

電子音のあとに聞こえてきたのは、ギャグ将軍の低い声だ。

「どうしました、将軍。」
「うむ、支給品リストにかけられていたロックの解除に成功したのだ。
まったく、非常にやっかいなパスワードであったぞ。
まず名前とトリップを(中略)それをAAAロワなら1、漫画ロワなら2、LSロワなら(中略)最後に二進法に直せばパスワードになる。」
「……そんな複雑なもの、よくわかりましたね。」
「フハハハハハハ、余は学生時代、直感力のテストは常に学年トップだったぞ!」
「どこの学校ならやってるんですか、そんなテスト…。」

さすがにあきれ気味な魔王に対し、将軍はモニターの中でふんぞり返る。

「というわけで、これが参加者の支給品リストである。」
「ああ、将軍。あとでゆっくり見せてください。今は先を急いだ方が…。」

そう言いかけて、魔王は口を止める。彼の視線の先にあったのは、自分の隣にいるバトルマスターに支給されたアイテムだった。

「バトルマスターくん、なかなか面白いもの支給されてるじゃないか。」
「はい?」
「面白いこと思いついちゃった。協力してもらえるかな?」

そう頼み込む魔王の顔には、いたずらを思いついた子供のような無邪気な笑顔が浮かんでいた。

37281000%SPARKING METEOR:2008/06/12(木) 08:39:37 ID:YWMsl58A0
◇ ◇ ◇


一方、その頃のD-7。今、ここでは対主催チーム4人と、熱血王子が激しい戦いを繰り広げていた。

「オオオオオオオォォォォォォ!」

獣の如き雄叫びを上げながら、熱血王子は攻撃魔法をがむしゃらに放つ。
その魔法の弾幕の中を、4人は必死にかいくぐる。

「くっ!」
「危ない!」

魔法の雨をよけきれず、直撃を喰らいそうになるロリスキー。
しかし地球破壊爆弾が彼女の腕を横から引っ張り、それを回避させる。

「ロリスキーさん、大丈夫?」
「うん!ありがとう、地球破壊爆弾…って、やっぱりこれだと名前呼んでるって感じがしないわね。長いし。」
「別に今まで通りこなたでもいいよ?」
「いや、そっちがかがみんって呼ぶのやめたのに、こっちがそう呼ぶのはねえ…。
そうだ、地球破壊爆弾と地図氏の頭文字取って、ちぃちゃんってのはどう?」
「オッケー!それでいいよ、クーちゃん!」
「二人とも、イチャイチャしてないで戦ってください!」

戦闘中にもかかわらずお互いにの呼び名について話し合っている二人に、オーガに変身したネコミミストがつっこむ。
その彼女も、弾幕をよけるのに精一杯で熱血王子との距離を詰められないでいる。

「ちくしょう、うっとうしい攻撃だな!!」

そして熱血王子に近寄れないでいるのは、DIE/SOULも同じことだった。
ブレイズオブグローリーを使ってもいいのだが、あれは効果とは裏腹にどうも燃えてこない。
ガッツへの強いなりきりを選んだ彼にとって、やはりドラゴンころしでの接近戦が本領を発揮できる戦い方なのである。

(くそっ、マダオのやつ、よりによってあれを持ち逃げしやがって…。
ああ、もうこの際ドラゴンころしじゃなくてもいい!剣はねえのか、剣は!)

その俊足で攻撃をよけながら、マダオに託されたデイパックをあさるDIE/SOUL。
すると、そこに入っていたのは…。

(これは!マダオのやつ、こんなものまで持ってたのか…。くじ運がいいってレベルじゃねえぞ!
しかし、「るろ剣」が出てる某でもLSロワでも、これは支給されてなかったはずだが…。
まあ、そんなことはどうでもいいか!)
 
不敵な笑みを浮かべ、DIE/SOULはデイパックからそれを取り出す。
出てきたのは、ドラゴンころしにも劣らぬ巨大な武器。
その名は斬馬刀。喧嘩屋・相楽左之助が愛用していた超重量武器である。

「よし、行くぜ!!」

一気にテンションの上がったDIE/SOULは、神行法フルスロットルで熱血王子に突っ込む。多少の被弾など、今の彼にはどうということはない。

「おらぁ!!」

熱血王子に肉薄し、気合いの声と共に斬馬刀を振り下ろすDIE/SOUL。
王子は、とっさにザンバーモードに切り替えたバルディッシュでそれを受け止める。
つばぜり合いは五分。だが魔法の雨がやんだことにより、他のメンバーも熱血王子に接近していく。

37291000%SPARKING METEOR:2008/06/12(木) 08:40:06 ID:YWMsl58A0
「これでも!」
「くらいなさい!」

DIE/SOULに当たらないよう角度を調節しながら、ロリスキーとネコミミストが左右から同時に衝撃波を撃つ。
とっさに体をのけぞらせ直撃をさけた熱血王子だが、かわしきれず後ろに吹き飛ぶ。
その隙をついて、第二波が彼を襲った。

「今度は私に合わせて、クーちゃん!」
「了解!ちぃちゃん!」

地球破壊爆弾のレヴァンティンと、ロリスキーの頭上に、同時に炎が灯る。

「飛竜一閃!」
「クロスハリケーンファイア!」

二種類の炎が、熱血王子を捉える。王子の体は、瞬く間に巨大な炎に飲み込まれていった。

「見たか、私たちの愛の合体技!名付けてラブラブツインファイアー!」
「ちょ、何その技名。いろんな意味で恥ずかしいからやめて…。」
「二人とも、気を抜かないでください!まだ終わってません!」

夫婦漫才に突入しかけた二人に、ネコミミストの声が飛ぶ。
確かに、炎の中で熱血王子はしっかりと立っていた。
だが、その外見は高町なのはではない。
黒一色に染まりもはやリュウガと区別が付かない龍騎の鎧が、彼の体を覆っていた。

「何よあれ、ぴんぴんしてるじゃない!」
「むう、私たちの愛の炎が火力不足だったというのか!」
「ふざけてる場合か!」

(〓ω〓.)な表情で叫ぶ地球破壊爆弾の頭を、ロリスキーが小突く。

「まあ真剣に答えると、龍騎は炎に対する耐性がありますからね…。
それに、よく見ればあのマントはウルトラマント…。あれも炎に対する耐性があったはずです。」
「つまり、あいつに炎での攻撃は悪手ってことか…。ブレイズオブグローリー使わなかったのは正解だったな…。」

真面目に解説するネコミミストに、相槌を入れるDIE/SOUL。

「なんの、まだまだ!私とクーちゃんの合体技は、108まであるぞ。」
「いや、そんなにないから。今のだって即興だし。」
「とにかく、仕切り直しですね。」
「今度こそぶっ潰してやるぜ!」

それぞれ、構えを取る4人。まさに熱血王子との第2ラウンドが始まるかと思われたそのとき、乱入者がその場に現れた。

「あれは…?」
「あー、圭ちゃんだー。」

一心不乱にネコミミストたちの元に走ってくるのは、前原圭一の姿を持つ青年。バトルマスターである。

「皆さん!俺の周りに集まってください!」
「はい?いきなり現れて何を…。」
「不審に思うのはわかります!ですが、ここは私を信じてください!」

この場にいるメンバーで、バトルマスターと面識のある者はいない。
しかしそのまっすぐな瞳を信用し、一同は彼の周りに集まった。

(後は任せましたよ、魔王さん!)

条件が整ったことを確認すると、バトルマスターはポケットから一枚のカードを取り出し、それを掲げる。

「同行<アカンパニー>、オン!ギャグ将軍!」

バトルマスターの宣言と共に、彼を含めた五人の体が宙に浮く。
そしてそのまま、どこかへと飛んでいった。

37301000%SPARKING METEOR:2008/06/12(木) 08:40:47 ID:YWMsl58A0
「………!」

急展開に置いていかれしばらく呆然としていた熱血王子だったが、ようやく逃げられたことに気づき急いで追おうとする。
だがその直後、彼の上に何かが落ちてきた。

とてつもなく

大きな

何かが。


「フォーグラーだ!!」


落ちてきた物は、全長300m、総重量500万tの機械の塊。
落としたのは、速筆魔王LX。
テッカマンデモンに変身した彼が、フォーグラーをここまで運んできて落下させたのだ。

「あっけないが、これで敵討ちは終わりさ…。済まないね、熱血君…。
彼を救うなんて言っておきながら、僕には殺すことしかできなかった…。」

「おっと、感傷に浸るのはまだ早いんじゃないか、魔王様?」

フォーグラーの上に立つ魔王の耳に、真横から声が届く。
その方向に顔を向けると、そこには全身からスパークを放つアリーナがいた。
右腕には煩悩寺を、左腕には熱血王子を抱えている。

「その声は…。感電氏かい?」
「その通りッス。」
「これはよかった。君と話したいことがあったんだ。でもその前に…。
その脇に抱えてる人、こっちに渡してくれないかなあ?」
「こっちもあなたと話がしたかったんですよ。けど…この人たちを渡すわけにはいかないんです。
いろいろと事情があってね…。」
「そうか、じゃあしょうがないね。」

「殺 し て で も う ば い と る !」

37311000%SPARKING METEOR:2008/06/12(木) 08:41:32 ID:YWMsl58A0
【1日目 真夜中】【D-7 市街地】
【速筆魔王LX@アニロワ2nd】
【状態】:健康、首輪解除
【装備】:斬鉄剣@ルパン三世、技術手袋@アニロワ1st、デバイスクリスタル、バリアジャケット(テッカマン風)
【道具】:支給品一式×8、分解済みの首輪(素晴らしきフラグビルド)、首輪×3(地味子、◆wKs3a28q6Q、永遠のうっかり侍)、
     ノートパソコン、iPod、みWiki@らき☆すた?、
     コーヒーセット一式@スパロワ、コーカサスブレス&ゼクター@ライダーロワ、ジャーク将軍のマント@ライダーロワ、
     杖@ライダーロワ、王者のマント@FFDQロワ、バヨネット×2、核鉄「バルキリースカート」、ジャッカル(5/6)、
     銀河ヒッチハイクガイド、咎人の剣「神を斬獲せし者」@AAAロワ、ドラゴン殺し@アニロワ1st、他にまだあるかも?
【思考・行動】
 1:熱血王子を倒し、彼を解放する。
 2:感電氏と話がしたいが…。熱血王子を倒す邪魔をするなら、容赦はしない。
 3:将軍の電子戦にある意味期待。
 4:『白猫』って誰? あと『黒猫』?
 5:対主催陣を探し、ゲームに乗った強敵を撃破していく。
 6:あの連中には借りを返す。



※主催者陣営に裏切り者がいるのでは、と考えています。
※首輪の構造を理解しました。
※『柿テロ猥・R2‐ND』掲載の情報を一部入手しました。
 新生クライシス帝国に因縁のある相手――主催者・ジョーカーと真の対主催がメインです。影の繋ぎ師の情報も揃っています。
 反面『黒猫』の情報を初め、不完全な部分もあります。お任せします。
※孤城の主のコロンビーヌ視点の情報を得ました。
※彼が何を見たのかは、全力で忘れろ!
※美形元帥が持っていた、膨大な量の魔力を吸収しました。
※強化された事により自身の正体をなんとなく把握しました。
※みwikiが一段階強化されました。意思持ち支給品として近くの参加者と会話できます。
※バリアジャケットのデザインは、テッカマンエビルをさらに禍々しくしたような感じです。
 テッカマンの能力が再現されているかどうかなど、詳細は後続の書き手さんにお任せです。


【熱血王子@漫画ロワ】
【状態】:ノリで気絶、黒化、右目にお姉さまの眼が入っている、復ッ活ッ、なのはさんに完全変身、ディーの仮面により身体能力上昇
【装備】:バルディッシュ・アサルトBC、ディーの仮面(黒)、カードデッキ(龍騎・黒)、AK-74(残り28発・黒)、マジシャンズレッドのDISC(黒)、
     放火セット(燃料、松明、マッチ)、宝石カートリッジ残り5発
【所持品】:ナイフ、BL本、GL本、泉こなたのスクール水着@漫画ロワ、首輪×2、パロロワ衣服詰め合わせ、
      お徳用原作パロロワ全生首セット(目玉セット他に換装可能)&原作パロロワ全手首詰め合わせ※今なら腕も付いてくる!
【思考・行動】
 基本:愛媛に許されるために殺す。
 1:……ごめんなさい……ごめんなさい……ごめんなさい――
 2:黒く染まってない奴を優先して殺す。
 3:白に寝返りそうな奴も殺す。



※状態は黒い高町なのは(19歳)@なのはStrikerS。いろんな要素が化学反応してスパークした結果により変身状態で固定されました。
※闇の書とパスが繋がっているためEN回復(大)が付きます。
※所持品は所持しているだけなので黒化していません。
※龍騎への変身は、時間切れにより解除されています。


【バルディッシュ・アサルト・ブラックカスタム】
 ゲートオブバビロン@カオスロワから取り出されたバルディッシュ・アサルト@アニロワ1stの改造デバイス。
 武器系の支給品融合と黒化、凛の宝石から作られたカートリッジによってスペックが向上している。
 さらに射撃のアサルト、鎌のハーケン、剣のザンバーの三形態に加えて、
 【破棄すべき全ての手】と合体した事で宝具技を使用可能なブレイカーフォームが搭載された。

37321000%SPARKING METEOR:2008/06/12(木) 08:41:58 ID:YWMsl58A0
【感電@書き手ロワ2】
【状態】:健康
【装備】:基本支給品一式 それ以外は不明
【道具】:無し
【思考】:
 基本:真なる対主催として行動
 0:中心地へ向かい直接放送する
 1:魔王と話がしたい。
 2:サスペリアの回収
 3:覚醒イベントを発生させてパワーアップ

※見た目はアリーナ@DQ4
※スタンド「レッド・ホット・チリ・ペッパー(画鋲型)」が使える
※周囲を防音することができるらしい


【エロスの鐘の煩悩寺@アニロワ2nd】
【状態】:魔力・エロ力枯渇、深い絶望、精神崩壊、首輪解除、気絶
【装備】:ボロボロになった竜宮レナのセーラー服、エロスの鐘、ミニ・サスペリア、
【道具】:支給品一式
【思考】:
 基本:……もう、どうでもいいかな――
 1:………(気絶)
 2:……もう、どうでもいいかな――



※容姿はティアナ・ランスター@なのはStrikerSです。
※サスペリアはWIKI管理人の端末でした。主催陣と交信できます。精神崩壊した煩悩寺に見切りを付け始めています。
※大怪球フォーグラー@アニロワ2nd は、落下の衝撃で停止しました。
 修理すればまた動くかもしれません。

37331000%SPARKING METEOR:2008/06/12(木) 08:42:34 ID:YWMsl58A0
その頃、隣のD-8では…。

「上手くいったようだの、バトルマスター。」
「ええ。しかし、なんて綱渡りな…。こんなやり方する必要、全くないんですけどねえ…。」
「あのー、すいませんがどういうことなのか説明を…。」

着地するなり、そこにいたギャグ将軍と話し出したバトルマスター。
このままでは話しについて行けないと判断した一行を代表し、ネコミミストが二人に話しかける。

「ああ、すいません。まずは自己紹介から始めましょうか。私は…。」

まずはお互いの自己紹介と敵意のないことの確認を行い、バトルマスターは本題を話し始めた。

「すべては私たちの仲間である、魔王氏の作戦なんです。
対主催の人たちを私の支給品であるグリードアイランドのカードで、「中継地点」としてここに残った将軍の元に移動させる。
そして、残った熱血王子をフォーグラーで押しつぶすという…。
ああ、ちゃんと下見はして、あらかじめ状況は確認しておきましたよ?」
「ものすごいこと考えるねえ、魔王様。さすがはアニロワのエースオブエース。」
「……アニロワの書き手って、みんなそんな感じなの?」
「そうじゃない?」
「肯定しないでください!」

地球破壊爆弾の発言に、ネコミミストがつっこむ。

「だいたい、地図氏!私はあなたに襲われ、仲間を殺されたことを忘れたわけじゃないんですよ!
今までそんな空気じゃなかったから言い出せなかったけど!」
「……うん、そうだよね。ネコミミストさん、あなたには私に復讐する権利がある。」

地球破壊爆弾の顔から、おふざけムードが瞬時に消える。

「でも、私は今殺されるわけにはいかない。愛する人が出来てしまったから。
私を愛してくれる人が出来てしまったから。」
「ちぃちゃん…。」
「都合のいいお願いだって事はわかってる。でもネコミミストさん、お願い。
私のことを、見逃してほしい。」
「本当に都合のいいお願いですね…。」

マテリアルブレードの切っ先を、地球破壊爆弾に向けるネコミミスト。
それでも、地球破壊爆弾は微動だにしない。

「その都合のいい願い、聞きましょう。あなたの力は、主催者を倒すのに必要です。」

抑揚のない声で言い、ネコミミストは剣を収める。

「ありがとう、ネコミミストさん…。」
「礼を言われる筋合いはありません。あくまで私は対主催として、感情よりも利害を選んだまでのこと…。」

地球破壊爆弾に背を向けるネコミミスト。その背中に向かって、地球破壊爆弾はもう一度ありがとうと呟く。
そして、その視線を隣のエリアに向けた。既にその頭は、別の案件へ切り替わっている。

(この気配…。来たね、感電ちゃん!)

37341000%SPARKING METEOR:2008/06/12(木) 08:43:03 ID:YWMsl58A0
【1日目 真夜中】【D-8 市街地】
【地球破壊爆弾No.V-7@アニロワ1st】
【状態】:ダメージは完全回復、泉こなたの姿、強い決意
【装備】:激戦@漫画ロワ、レヴァンティン@アニロワ1st、巫女服(鷹宮神社)@らき☆すた
【道具】:支給品一式、着替え用の衣装(複数)、アダルトグッズ(大量)
【思考】:
 基本:クールなロリスキーと共にある。
 1:感電にどう対処するか考える。
 2:もう迷わない。



※基本的に中身はアーカードで、CVは平野綾です。
※変化する姿に7つのバリエーションがあるらしいです。
【1:地球破壊爆弾】【2:アーカード】【3:長門有希】【4:泉こなた】
【5:銃撃女ラジカル・レヴィさん】【6:キングゲイナー】【7:1〜6とか目じゃないよ?びびるよ、まじで】
※クーガーの早口台詞が言えます!
※鎖鎌、鳳凰寺風の剣、ソード・カトラス、ノートPCの投影が可能です。



【スーパーキョンタイム】
 地図氏以外の者はゆっくりとしか動けなくなります。一度使うとそれなりの時間使用不可能です。
【地図氏の地図】
 参加者の位置、生死を含めた地図を投影できます(※長門有希の状態でのみ可能)
 使いすぎるとアレなので、毎晩0時にのみ使う事にします。




【クールなロリスキー@漫画ロワ】
【状態】:不死者、吸血姫、スーパーかがみんと融合、強い決意
【装備】:巫女服(鷹宮神社)@らき☆すた
【道具】:支給品一式、着替え用の衣装(複数)、『村雨健二』の衣装、キュートなシルク仕様の裸エプロン、日焼け止めクリーム(大量)、
     未定支給品×?(ロリスキー確認済)
【思考】:
 基本:地球破壊爆弾No.V-7と共にある。
 1:これからどうする?
 2:もう迷わない。



※容姿は柊かがみ@らき☆すたです(翼と尾が任意で顕現します)
 柊かがみの髪の色をしたドラゴンにもなれます。
 ヴァルセーレの剣の刃でできた羽を三対六翼持っています。尻尾はマリンデビモンの触手が変化して8つです。
※何故か不死身です。
※スーパーかがみんと融合し、彼女の記憶と能力を継承しました。
 柊かがみがその時点で使った事のあるあらゆる力、アイテムを使用できます。
※地球破壊爆弾No.V-7の血を吸い、独立した吸血姫となりました。
※ミスターマダオの血肉を食らった事で、吸血姫としてランク・身体能力が上昇しました。
※いつ目覚め、どこから(コロンビーヌと地球破壊爆弾の)話を聞いていたかは後続の書き手にお任せします。

37351000%SPARKING METEOR:2008/06/12(木) 08:43:32 ID:YWMsl58A0
【神行太保のDIE/SOUL@アニロワ1st】
【状態】:疲労(小)、軽度のダメージ(核鉄で回復中)、全身火傷・右指炭化(処置済)、首輪解除、迷いはなくなった
【装備】:斬馬刀@るろうに剣心、ガッツの装備一式@ベルセルク、ガッツの義手@ベルセルク、核鉄『ニアデスハピネス』、核鉄『ブレイズオブグローリー』
【道具】:支給品一式×3、拡声器、パニッシャー@トライガン(機関銃:残り弾数40%、ロケットランチャー:残り4発)、ダイナマイト×5、
     フライングアタッカー@仮面ライダー555、
【思考】
 基本:アーカード(地図氏、マダオ)は殺すつもり(だったのだが……)、 対主催を集める。
 1:いまいち話についていけてない。
 2:繋ぎ師とtu4氏の結果が気になる。
 3:ナナシと出会ったら、決着をつける!
 4:tu4氏の話も伝えるか。
 5:マダオ……



※容姿はガッツ@ベルセルクです。
※神行太保・戴宗の神行法(高速移動)が使えます。
※ラディカルグッドスピード腕部限定は、腕だけが速く動きます。
※地図氏(地球破壊爆弾No.V-7)がジョーカーではないかと思っています。
 ジョーカーに襲われた事と合わせての考察はまだしていません。
※自分が本物の書き手なのか疑問が解決しました。他の書き手への躊躇いはお任せします。
※核鉄『ニアデスハピネス』は制限により、使用中は強制的にパピヨン姿になります。でも戻るので安心ですね。制限を知りました。
※黒猫がすごく気になる。
※tu4氏から、このロワにおける参加者の正体を聞きました。
※マダオからこのロワに関する考察を聞きました。




【衝撃のネコミミスト@アニロワ2nd】
【状態】:不死者化、さらに強い決意、首輪解除、魔力消費(小)
【装備】:マテリアルブレード@テイルズロワ、クラールヴィント@アニロワ1st、バリアジャケット(白いリボンドレス)
【道具】:支給品一式×4、拡声器、カブト装備一式(ハイパーゼクター付)、サイドバッシャー@仮面ライダー555、
     オーガドライバー(オーガストライザー付)@ライダーロワ、カイザギア@ライダーロワ、カードデッキ(ベルデ)@仮面ライダー龍騎
【思考・行動】
 基本:前に……進む!
 1:地図氏に複雑な感情。
 2:繋ぎ師とtu4氏の結果が気になる。
 3:スクライドの遺志を継ぎ、牙なき人の剣になる。



※衝撃波を使えます。掌からだけでなく、足の裏からも出せるようになりました。
※「大あばれ鉄槌」を幼女好きの変態と勘違いしています。
※シャリダムを通じて幻夜の死体を喰い、その記憶と知識と経験を得ました。
 また、ブックがロワに来てからシャリダムが生まれるまでの経緯を体験しました。
※自分が主人公、そして黒猫という単語に引っかかっているようです。
※第三回放送を聞き逃しました。
※tu4氏から、このロワにおける参加者の正体を聞きました。
※強化・投影能力を習得しました。何が投影できるかはお任せです。無限の剣製は使えません。
※マダオからこのロワに関する考察を聞きました。

37361000%SPARKING METEOR:2008/06/12(木) 08:43:58 ID:YWMsl58A0
【バトルマスター@ギャルゲロワ】
【状態】:全身に打撲および銃創(キュレイ種の回復力によりほぼ完治)、キュレイ種のような身体、首輪解除、魔術回路にダメージ
【装備】:永遠神剣「冥加」、ゲイボルグ@アニロワ2nd、孔明の令呪(残り四画)
【道具】:支給品一式×2、コイン、名簿、孔明のメモ、スタンガン@アニロワ1st、首輪(まとめキング)、G.Iのカード(種類不明)@LSロワ、不明支給品×1
【思考】:
 基本:コインの表が出た――だから徹底的に抗う。
 1:仲間と協力して主催者を打倒!!
 2:魔王氏は…まあ大丈夫でしょう。
 3:早く蟹座氏、コロンビーヌと合流したい。
 4:対主催として仲間を探し、殺し合いに乗った輩を倒す。



※容姿は前原圭一@ひぐらしのなく頃にです。
※自身の精神が、キャラの影響を受けている事に気付きました。
※【闘争制覇者-Battle Master】
  発動させる事で、決して『バトル』に負けない固有結界を張る事ができます。
 【闘争制覇者-Battle Master アイン・ソフ・オウル】
  バトルマスターが生涯書き得るありとあらゆるバトルの世界に敵を放り込む技。
  物語内のキャラの攻撃を全部くらわせます。
  この技が発動した時点で、敵味方の全行動が『バトル』として定義されます。
  故に、発動すればどんな状況でも、バトルマスターは不敗です。
※影の繋ぎ師からディーの話を聞きました。
※孔明のメモにはこのロワに関する孔明の知り得る限りの情報が記載されています。
※孔明の令呪を使う事で魔力を補充する事が出来ます。二画以上まとめて使う事でアインソフオウルを使用可能。
 ただし、全ての令呪を使い切ると……?

37371000%SPARKING METEOR:2008/06/12(木) 08:44:21 ID:YWMsl58A0
【パソコンの中&iPodの中】
【ギャグ将軍@ライダーロワ】
【状態】:首輪解除、腹部にダメージ(治療中)、電脳空間に幽閉、心機一転、増えた、上機嫌
【装備】:電脳空間なのでない、はずですが……
【道具】:顔写真付き参加者名簿、支給品一覧(ロック解除)、地図、書き手ロワ2ndのSS一部
【思考】:
 基本:新生クライシス帝国の結成。
 1:新たな仲間と交流を深める。
 2:閉じ込められたついでに電脳世界を征服してくれよう!
 3:主催者なり真の対主催なりの目的やらなんやら考察してみせよう!
 4:『白猫』を探し出してくれよう!
 5:同胞を冒涜したあの連中は裁きにかける。
 6:対主催の仲間、ついでに飲み友達を集める。
 7:コーカサスゼクターの資格者を探し、コーヒーを飲む。
 8:紅茶を飲むかどうかは保留。



※ポケモンの物まねによる影響が各地で現れたかもしれません。ただ、将軍のギャグ補正により悪い結果は導きません。
※なんか増えました。すべてのコピーが同じ能力を持っているのか、実体化出来るのかは不明です。姿は変えられるようです。
※一時的に実体(きぐるみ)を失っているため、キャラに何らかの変化があるかもしれません。
※制限がライダーロワ基準だと思い込んでいます。
※特殊能力:「書き手界の良心」に目覚めました。
 本気の一喝を放つ事により、悪ノリし過ぎている者に自重を強いる事ができます。
 但し、ギャグ将軍の性格上、あまり多用される事はありません。
 真剣な人生相談に乗る事も可能。なお、発動中はピンク色が掛かった女言葉になります。
※背中に謎のチャックを確認。ギャグ将軍曰く、開けると「大変なこと」になるそうです。詳細は不明です。
 今回の発動はあくまで電脳空間でのなりきり変化の鍵としての解放であって、本来の解放の効果は不明です。
※ノリと思い込みで電脳空間内でかなりの無茶が可能になったようです。又ものによっては現実の方が将軍に合わせて動きます。
 例:ピカピカ鳴くとラピュタの雷が勝手に発動します。
※固有結界「コーヒーブレイク」
 優雅なリネン一式の備わったテーブルと人数分の椅子を造り出し、皆でコーヒーを飲んで和みます。
 それ以上の効果は確かめられていません。
 コーヒーセット自体が発動させている可能性があります。
※ノートパソコンの中に、顔写真付き参加者名簿と支給品一覧(パスワードが設定されている)のデータが確認されました。
 また地図を確認。参加者の区別が付かない第三放送時の参加者分布を知る事が出来ます。上級パスでさらに詳しく?
※書き手ロワ2ndに存在する全ての「アドレス」に向けて、データ化されたギャグ将軍が送信されました。
※パソコンから『柿テロ猥・R2‐ND』のチャットに出入り可能になりました。
※コロンビーヌと情報交換しました。
※『柿テロ猥・R2‐ND』掲載の情報を一部入手しました。
 新生クライシス帝国に因縁のある相手――主催者・ジョーカーと真の対主催がメインです。 影の繋ぎ師の情報も揃っています。
 反面『黒猫』の情報を始め、不完全な部分もあります。お任せします。
※孤城の主のコロンビーヌ視点の情報を得ました。

37381000%SPARKING METEOR:2008/06/12(木) 08:45:54 ID:YWMsl58A0
以上です。「フォーグラーだ!」とちぃちゃんクーちゃんが書けて満足。

そして下のは、ネタが被らなければ冒頭に入るはずだった没パートです。

3739おまけ 没パート:2008/06/12(木) 08:46:47 ID:YWMsl58A0
あれ? ここ、どこだろう?
なんか、前にも来たことあるようなないような…。
あ、誰かこっち来た。
あれはたしか…ルルーシュ?

「えーと、蟹座氏さん…ですよね。」
「はい、そうですけど…。」
「どうもはじめまして。僕はアニロワ2ndの書き手で、忘却のウッカリデスと申します。」
「あ、初めまして。それで、ボクに何かご用ですか?」
「いや、実はですね、あなたに手紙を預かってまして…。」
「手紙? 誰からだろう。」
「それが、僕も知らない人からで…。どこかであった気もするんだけどなあ…。
まあとりあえず、お渡ししますね。」
「はい、どうも。」

受け取った手紙を、早速開いてみる。
そこには、やたらかわいい字で一行だけ文が書かれていた。

うー☆ファイトだよ、妹者ー☆(ぎゅー)

………なんだろう、これ。妹ってボクのこと?
はっきり言って訳がわからないけど…。なんだか、胸が暖かくなってくる…。
あれ? 頭がボーっとして…気が遠く…。

「あ、もうお帰りですか?ロリスキーさんや地図氏によろしく言っておいてくださいね。
ああ、DIE/SOULさんにも。」

お帰り…? ああ、そうか。ボク、元の場所に帰るんだ…。


◇ ◇ ◇


蟹座氏が目を覚ますと、そこには見知らぬ女性の顔があった。

「あら、お目覚めかしら、お姫様。」
「え? あなたは…?」
「警戒しなくてもいいわん。私はコロンビーヌ。あなたのお母様、ギャグ将軍の仲間よん。」
「コロンビーヌ…?」

確かにその名前は、ギャグ将軍から聞かされている。外見も顔写真付き名簿で確認したとおりだ。
だいたい、マーダーなら自分が動けない間にさくっと殺しているはずである。
以上の理由から、蟹座氏は早くもコロンビーヌに対する警戒を解いていた。

「体の方はどうかしら、蟹座ちゃん?」
「んー、まだ全身が痺れてますね…。うまく動かないです。」
「そう、それじゃあもう少し休んでた方がいいわねん。」
「けど…。みんなに迷惑かけたのに、私だけ休んでるなんて…。」

驚きの黒さに感染していた間の記憶も、蟹座氏には残っている。
それ故に、彼女は落ち込んでいた。
なお言い遅れたが、現在彼女は病院の近くにあった民家のベッドに寝かされている。

「あなたが気に病むことじゃないわん。それでも自分のせいだと思うなら、今はゆっくり体を休めなさいな。
回復したあとなら、迷惑かけた分だっていくらでも取り返せるでしょ?」
「はい…。あの、ありがとうございます。」

たどたどしくお礼を言う蟹座氏に、コロンビーヌは微笑を返す。
そして彼女は蟹座氏のそばを離れ、民家の中庭に出て行った。

「それにしても、この終盤でまた変なのが出てきたわねえ…。」

コロンビーヌの視線の先にある者は、宙に浮かぶ巨大な球体。
その名を大怪球フォーグラーという。
しかし、コロンビーヌは圧倒的な存在感を放つ巨大兵器に、大して興味を抱いていなかった。
フォーグラーからは、愛の気配がまったく感じられない。
それはコロンビーヌにとって、無価値であることに等しい。

「恋愛展開には使えそうもないわねえ…。ギャグ展開なら、何とかなるかしら?
うふふ、期待してるわよ、おじさま。」

再び微笑を浮かべると、コロンビーヌは家の中に戻っていった。

3740諸君 私は名無しが好きだ:2008/06/12(木) 10:19:51 ID:lk.5WcTg0
投下乙です
やっと対主催が集まったか……これでいよいよラストへ向けて加速かw
そしてフォーグラーwwwww速攻で墜落wwwww
アニロワ2ndよりも酷いぞ……まあ書き手ロワだし当然か、納得。
そしてそこのバカップルwww戦闘中にイチャイチャしないw
あとマダオwwwなんであんたの支給品は当たりばっかなんだw斬馬刀っておいw
なんてつっこみどころの多い作品だwGJです

3741集う黒い太陽、そして……。:2008/06/13(金) 05:19:58 ID:zRVbOiqQ0
テッカマンデモンによるフォーグラー投擲より、時を遡ること数分前。


“巨大”という言葉で言い表すことさえおこがましく感じられるような人造の星の中、
操者たる少女――エロスの鐘の煩悩寺は生き延びてからずっと恐怖で震え続けていた。
自身を包む淡い緑色の光も、揺り篭にも似た穏やかな振動も、彼女を一向に癒しはしなかった。

先刻の戦いにおいて少女は全てを注いだ守りごとその心すら砕かれた。
あの四重防御は間違いなくエロスの鐘の煩悩寺と呼ばれる一人の書き手の全力だったのだ。
それを、ただの一撃で。
吸血鬼といえども死に損ないの。
業物といえども一切の神秘を宿さない剣に。
砕かれた。破られた。否定された。

柔らかな革張りの椅子の上でぼんやりと見上げた空は、全てを飲み込むかのような月も星もない闇一色。

「……ぁあ………ぁぁああ……」

今の彼女の心の色そのものの空。

月が消えた理由を煩悩寺は知らない。けれども、月が消えたことが導く一つの事実が、少女を更に打ちのめした。
ミスターマダオは、瀕死だったあの吸血鬼は、月の加護さえ失っていた。
そんな弱体化に弱体化を重ねた相手に負けた自分は一体何なんだろう。
今の自分はまさに空気じゃないか。
居ても居なくても変わらない存在。
誰にも、何にも影響を与えられず、物語の流れを変えることもできない、路傍の石。
間一髪でマダオを殺すことはできたが、果たしてあれは自分が殺したといえるのだろうか?
マダオに止めを刺したのは厳密には自身の力とは言えない支給品で。
自分で操縦したわけでもなく、オートメーション化されたフォーグラーが曖昧な意思を汲み取り勝手に動いたおかげな、あの一撃は。
別に煩悩寺だからこそ行えたわけではない。誰でも可能だったのだ。

ああ、だったら自分だからこそできることは何だろう。私だけの価値は?
煩悩寺は問う。何度も何度も自分に問う。
生きて居たいから。死にたくないから。自分の生を認めてくれる理由(フラグ)を探し続ける。

マーダーは駄目だ。
ならばいっそ自分が対主催に転向すればどうか――と、そんな考えが首をもたげる。
対主催として動けば、心持しだいで大した戦力の無い人間でも活躍しうる機会を得れられるのだから。
しかしやはりそれは一瞬で霧散してしまった。
告げたところで、彼らが注目するのは『エロスの鐘の煩悩寺そのもの』ではなく『主催者の同一存在であること』の方だけだ。
それなら何も自分である必要は無い。
予約被りに定評のあるtu4氏。
OPにも登場し、今は孤城の主という一大イベントに参加しているらしい一人の書き手。
聞いた話では彼女は自分の予想通り永遠神剣の力を、更にはフォルカやヴァッシュの力をも振るったらしい。

3742集う黒い太陽、そして……。:2008/06/13(金) 05:20:31 ID:zRVbOiqQ0

バトルマスター達から手に入れたその情報がより一層少女の心を蝕む。

エンジェルアーム。アニロワ2ndの力。
あろうことか煩悩寺が目標とした己が半身はギャルゲロワに止まらずアニロワ2ndの領域すら侵したのだ。

勝てると思っていた。
作品のバリエーションや投下量では継続時期の都合上、tu4に分があるのはわかっていた。
だが、質では決して負けていないと、そう思っていた。

本当に?

エロスの鐘の煩悩寺。
好きなアニメは舞−HIME。
好きな属性はヤンデレ。
得意なジャンルはエロ描写。

これのどこにtu4に勝てる見込みがあるというのか?

ギャルゲロワ2ndにおいてあいつは思う存分舞−HIMEのキャラを書いている。
ヤンデレキャラ代表の楓や言葉はギャルゲ出身でやはりギャルゲロワ1,2でも登場している。
エロ描写なんてやはり元が18禁であるギャルゲロワの方が、全年齢対象のアニロワよりも規制が薄いじゃないか。

「……あは、あはは。私が死んでも、代わりはいるんだ」

代わりなんてものじゃない。
どう考えても彼女の方が圧倒的に自分より優れているじゃないか。
対地球破壊爆弾戦、対熱血王子戦では対主催側と協力していたとも言う。
改心フラグもばっちりだ。
彼女がいれば、私は誰からも必要とされはしまい。


「やっぱり、私は、要らない子なんだ……」

嫌だった。
もう、これ以上チートな参加者やジョーカーに会って自分のちっぽけさを思い知りたくはなかった。
生きていくのも辛いが、死ぬのはもっと怖かった。
だから、彼女は逃げることを選択した。

激戦区であるのは明らかな病院とは対極の南東へとフォーグラーの全速力で。
フォーグラーの巨体が故に発見されるという考えはあえて見ない振りをして。
縋ることのできる最後の力を一時といえども手放せなかったから。

大丈夫。孤城の主といえばロワにおける一大集団戦イベントの象徴だ。
10人前後の書き手達が参戦しているに違いない。
第三回時の放送時点で生存者は残り25名。
度重なる情報交換に加え自身の体験も合せた上で、それ以後の死者もある程度は把握している。

静かなる 〜Chain-情〜、管理人・したらば孔明、 エロ師匠 、蘇った現代の熱血怪人、King of 脳内補完、
仮面ライダー書き手、コ・ホンブック、漆黒の龍、ミスターマダオ。

ギャグ将軍と速筆魔王LX、彼らに情報を流したというコロンビーヌ、バトルマスターと蟹座氏。
神視点では無い、あくまでも個々の参加者視点での情報の為、いくらか漏れがあるかもしれないが、それでも計9人。
少なくとも9人も死んでいるのだ。
残り15人程度の大半が病院へと集結しつつある今、私は安全だ、安全に違いない。

都合のいい考察のもと、病院へと向かう参加者たちと鉢合わせる危険も考慮せず、ただただ強者達の巣窟から逃げ出して。



かくして少女は自らの甘えの報いを受けることとなる。

3743集う黒い太陽、そして……。:2008/06/13(金) 05:21:07 ID:zRVbOiqQ0











無限に広がる宇宙。
この表現は何も例えでは無い。
宇宙は誕生以後膨張を続けており、そもそもの誕生直後の宇宙すらその体積は無限大だとされている。
だが、今この世界に限って言えば多くの科学者達が打ち立てたこの理論は通用しない。
ビッグフリーズ、ビッグクランチ、ビッグリップ。
彼らが予想したどの理論とも違う展開で宇宙は終焉を迎え、崩壊したのだから。
無限をも薙ぎ払った有限たるマナの爆発で。

そのかって宇宙だった空間(便宜上『空白』と称しよう)と会場たるロワの星の境にに一人の男が漂っていた。
いや、違う。
流されるのではなく男は自らの意思で空白地帯を調査しているのだ。
彼の名前は影の繋ぎ師。またの名を仮面ライダーBLACK SRX。
宇宙崩壊を引き起こした少女の本来の標的であり、全ジャンル主人公最強スレにおいてさへ優勝できうる力を誇るチート戦士であった。

「どうやらロワの舞台への悪影響は今の所無いみたいだな」

影の繋ぎ師がtu4氏との決戦後即座に地上へと帰還しなかった理由は二つある。
一つはネオバスクを中心とした体の再生。
いかなSRXの再生力とはいえ世界を100回は滅ぼす攻撃を受けたのだ。
5分やそこらで傷を癒せはしない。むしろ1時間ほどで後遺症を残しているとはいえ全快しているのだから恐ろしい。

そしてもう一つが宇宙崩壊の影響を見定めることだ。
当たり前だがロワ史上前例がない事態な為何が起こるか分からない。
しかも繋ぎ師の『なりきり』対象は優勝による一人鬱エンドすら没ネタとして存在したあの光太郎だ。
自らの戦いの余波でロワが会場ごとズガンされるという最悪の展開が頭に過ってしまったのは仕方のないことであった。

ところがどうだろう。
確かに先程まで宇宙であった空間は今や侵入可能区域が僅かに残るくらいの空白地帯と化している。
しかし当の会場自体には太陽や月の消失により空が闇に覆われた以外に一向に変化が現れないのであった。

常識ではいくらなんでもありえない。まあ、このロワでは今更な感じもするが一応納得できる答えもある。

「この舞台や宇宙もWIKI管理人によって一から創造されたということか!」

ありえる話だ。
三大ロワ時代ならともかく、今やロワの舞台は基本異世界にあることが多い。
彼に力を貸したディーに至ってはギャルゲロワ本編の会場を世界ごと作り上げたほどである。
書き手ロワ2に於いては参加者ですらある意味でWIKI管理人によって生み出された存在だったのだ。
会場のある世界が主催者お手製であったとしてもなんら不思議はない。

「むしろそう考えれば今の状況も説明できる!」

まさか宇宙にまで飛び出して戦うとはWIKI管理人も予想していなかったに違いない。
故に、彼女が本腰を入れて創造したのはむしろ会場の方だ。
この世界がまずロワの会場として機能することを前提として作られていたのなら、
只の背景に過ぎない宇宙の消滅如きでそう簡単に揺るぎはしまい。

「とりあえずは一安心だ、待っていてくれ、みんな!」

いざという時はキングストーンフラッシュの万能性に賭けるつもりだった繋ぎ師は、ひとまずの安全を見届けるや否や大気圏へと突入する。
少しでもエネルギーの足しにする為に熱を力とするロボライダーへの事前の変身も忘れない。
ロワ会場を覆う確率変動結界も創生王の前には効果を為さず。
膨大な熱エネルギーを得た繋ぎ師は熱圏を抜け、中間圏へと至る。
一気に下がった気温への対処として素早くバイオライダーにフォームチェンジ。
マイティアイ改を以て雲を透視し、急いで眼下の陸地を確認しようとした影の繋ぎ師は、次の瞬間絶句することとなる。

「何だ、あれは!?」

視界を埋め尽くすのは巨大な、余りにも巨大すぎる黒い球体。
天才科学者フォーグラー博士によって造られた破壊と殺戮と略奪の化身。  
星と見間違うほどの規格外の大きさ。
中央に位置するマグマのように赤い眼。
地球を静止させる神如き機械――――大怪球フォーグラー。
F−5エリア上空。奇しくも、今ここに、二つの『黒い太陽』が相見えることとなった。

3744集う黒い太陽、そして……。:2008/06/13(金) 05:21:36 ID:zRVbOiqQ0










彼女を乗せて無軌道に大怪球は動く。
重力制御を持って地に触れず進行するため、内部に伝わる振動は非常に少ない。
その進路では重力に押しつぶされた木々たちの悲鳴が響いているが、それはそれ。
そんなことは彼女の知ったことではないし、知らない以上それはなかったことと同義である。

ここはひどく静かだ。
ここには誰もいない。
誰も彼女に関わらない。
誰も彼女の行為を咎めない。
誰も彼女を惨めにしない。

これまでのことも、
これからのことも、
先ほどモニターに映った光景も。
何も考えない。
思考を破棄し、何も考えず、すべてに対して目を閉じる。
そうすれば、いろんな恐怖はおさまり震え止まってゆく。

誰とも関わらず、何も考えない。
それが、彼女に残された唯一救いだった。

だが、その安息も打ち破られることとなる。

「俺は影の繋ぎ師と言うものです!殺し合いには乗っていません!黒い機体に乗っている人、どうか返事をして下さい!」

惨めな自分から逃げ出した先で、よりにもよって出会ってしまったのだ。
こと単純な戦力という意味ではこのロワ中最強の男と。

「あ、あああああああああああああああああああああああああああああああ!!」

上空からカラオケマイクを手に迫りくる青年。
語りかけてくる彼の声に煩悩寺の体が総毛立つ。
なぜこちらに向かってくるのか。
心当たりならある、自分は殺人者で、彼は対主催だ。
自分を裁きに来たのだと彼女は思った。
実際はそんな事実はない。
正確には彼が目指しているのは彼と彼女の間に位置する病院である。
だが、そんなことは彼女は知らない。
知らない以上それは真実と同義である。
だから、彼はやってくる。
少なくとも彼女の中では。

3745集う黒い太陽、そして……。:2008/06/13(金) 05:22:00 ID:zRVbOiqQ0

彼が来る。
彼女に向かって。
彼が来る。
彼女を殺しに。
彼が来る。
彼女を追い詰めるために。

いやだ。いやだ。いやだ。
最弱な自分を最強の彼に見られるのはいやだ。
これ以上惨めな思いをするのはいやだ。
死にたくない。
生き辛い。
どうか私を、これ以上追い詰めないでほしい。
独りがいいんだ。
独りなら、私は何も考えず穏やかでいられる。
だから、放っておいてほしい。
どうかここには、来ないでほしい。
かぶりを振って鬱屈とした心で、ただひたすらに少女はそう願った。
その願いに答えるように、

――――――シャガ。

眠たげだった大怪球の目が見開かれた。

オートメーションされているが故にフォーグラーは彼女の意志を忠実に汲み取り実行する。
与えられた指針は拒絶。
故に、フォーグラーは実行する。
より確実で強力な、影の繋ぎ師をこちらに近づけぬ方法を。

その手段を彼女は知っている。
この大怪球は何をしようとしているのかを彼女は知っている。
自棄になって思考を破棄してはいても、アニロワ2の書き手なのだ。
フォーグラーの力は誰よりも知っていると自負できる。
――だからこそ、恐怖した。

無機質な瞳から奔った一陣の閃光が。

波のように大地が沸き立ち崩壊させていく。
触れる全てが蒸発するように消えてゆく。
草原を薙ぎ払う。
平原を撃破する。
街道を粉砕する。
大地を蹂躙する。
大気を蹂躙する。
蹂躙する。蹂躙する。蹂躙する。蹂躙する。
抗いようのない破壊という名の理不尽が世界に振りまかれる。
この地上全てを薙ぎ払うかに思われた破壊の嵐。

それほどの攻撃が、

「天上天下、光王爆砕けええええん!!」

鮮血の思わせる濃い赤を纏った陽光の如き黄金の刃の一撃に斬り払われたのだから。

絶望に取り残された少女を乗せた大怪球。
この大怪球に助けられた時、彼女は最後の望みを託した。
この大怪球こそが、彼女が唯一安らげる場所だったはずなのに。

嗚呼、ここに来て、この大怪球までもが彼女を裏切るのか。

「ぁぁ……、うああああああああああああ!!」

嘆きの時間は終わらない。

3746集う黒い太陽、そして……。:2008/06/13(金) 05:22:25 ID:zRVbOiqQ0







「っく、やめてくれ、俺は二度もあなたを殺したくはない!」

マイティアイ改。
影の繋ぎ師の誇るチート技能の一つであるそれは透視能力も兼ねている。
フォーグラーの装甲がどれだけ厚かろうと、コクピットまで丸っとお見通しなのだ。

びくりと、中の少女が震えたのが分かる。
無理もない。今の言葉で彼女も気がついたのだろう。
俺が予約被りに定評のあるtu4氏を殺したことに。

「君の考えた通り俺はtu4氏を救えなかった。いや、違う、そうじゃない」

今でもtu4氏のことはバカだと思う。
死んでしまったら終わりなのに。
空気キャラ達もきっとあなたほども愛してくれる人がいるだけでも満足だったはずなのに。
貴女が死んだあとに生まれる新たな空気キャラの為にも、生きる道を選ぶべきだったとそう思う。

それでも。
彼女は誰よりも誇り高く死ぬことを選んだのだ。
なら、救えなかったと嘆くのは彼女の死を侮辱するということだ。

失くしてしまったのが悔やまれるが、バトルマスターさんから譲り受けた携帯電話のWIKIで俺はコクピットに座る少女を知っている。
エロスの鐘の煩悩寺。
俺が殺したtu4氏と同一存在である書き手。
だからこそ知っていてほしいと思う。

もう一人の彼女であるtu4氏の死に様を。

影の繋ぎ師は語りだす。
WIKIで知り、その眼で見たtu4氏の生き様を。
彼女が成し遂げ、残した、生の証を。

そのことが煩悩寺を追い詰めるとは思いもしないで。
影の繋ぎ師。仮面ライダーBLACK SRX。
彼は、強かった。強すぎた。
故にわからない。力無き悪党の苦しみを。

煩悩寺の顔から表情が消え、再び重力レンズ砲が放たれる。

「っく、許せとは言えない!!怨んでくれても構わない!俺は君から目標と半身を奪ったのだから。
それでも、この道を俺は進むと決めたから。手荒な真似で行かせてもらう!!」

見当違いの謝罪とともに影の繋ぎ師が思い描くは一つの光景。
熱血王子との戦いで同郷の友である漆黒の龍と自分と共に、tu4氏が並んで戦ったあの時の情景。
今はもう取り戻すことのできない過去だけど。
せめて、せめて眼前の少女だけは助けてみせる!!

「力を貸してくれ、漆黒さん、tu4氏!!来い、ドラグブラッカー!!否」

SRXの力により生み出したカードを、デイバックより現れた黒龍へとかざす。

―― SURVIVE ――

「黒炎龍ドラグブレイザー!!」
「GAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!」

繋ぎ師は告げる。生まれ変わった龍の名前を。
ドラグブレイザーは応える。亡き主の願いを背負って。

黒炎龍の背に乗り、連射される重力波をかわしつつ、更なるカードをベントインする。
ファイナルベントのカードは『S』の字で始まらないが故に作れない。
様々な要因を束ねた奇跡のような必殺技である真覇猛撃ライダー烈破も使えまい。

十分だ。
バーッストサバイブの技が模写できずとも、『本来の』リュウガサバイブ及びその元となった龍騎サバイブの技なら使える。
フォーグラーを貫くにはそれで事足りるのだから。

―― STRANGE VENT ――
―― FINAL VENT ――

ドラグブレイザーが光に包まれ再び姿を変える!
エグゾートを吹かし大空を行く漆黒のバイクへと!!

既に煩悩寺の位置は透視能力で確認済みだ。
狙うはコクピットの真横の位置。
フォーグラーを貫くと同時に煩悩寺を抱きかかえ、爆発するよりも早く脱出する!
少々強引だが、これが俺の見出した最良の一手!!

「行くぞ!!ドラゴンファイヤーストーム!!」

バイクに騎乗しアクセルを強く踏み込む影の繋ぎ師。
だが、必勝を期した彼の突撃は。

「ちょおっと待ったあ!!」

割り込んできた速筆魔王LXの一声で不発に終わるのであった。

3747オーガは子豚を無思慮に蹂躙す:2008/06/13(金) 05:23:34 ID:zRVbOiqQ0












遡った時は今へと追いつき。舞台は混沌めいた地上へと戻る。
地へと堕とされた偽りの太陽。
動力が落ち、闇に包まれたその内部。
繰り手たる少女が意識を失った今、動く者のいない筈の世界でズルズルと蠢く一つの影があった。
バイオライダーへと変身し、ゲル化した影の繋ぎ師である。

テッカマンデモン。
どう見ても悪役面な姿だったが、そこはかの速筆魔王LX。
冷静に影の繋ぎ師に対処したことにより彼らの間で誤解フラグが立つことはなかった。
事前に魔王がギャグ将軍よりアドバイスを受けていたことも大きいが、
繋ぎ師自身もWIKIにより魔王や将軍の人となりを知っていなければ、また違う展開だったかもしれない。
ともあれ晴れて仲間となった魔王と繋ぎ師は、各自の目的を練り合わせ一つの作戦を思いついた。

ドラゴンファイヤーストームにより重力フィールドを突破した影の繋ぎ師が、ゲル化してレンズ砲などの隙間からフォーグラー内部へ潜入。
内側からロボライダーの力を併用しハッキングすることにより機能を乗っ取り抵抗を予防。
万全を期した状態で魔王が投げるというチート二人だからこそ成り立つ策であった。

基本魔王が考えたこの策に、繋ぎ師は煩悩寺の体を心配してやや乗り気ではなかったが、

『う〜ん、そこは腐ってもフォーグラー。落ちたくらいでは搭乗者は無傷だと思うよ。
 少なくともあなたがやろうとしていたことよりよっぽど安全じゃないかな〜』

と言われてしまってはぐうの音も出ず。ネコミミスト達が切迫した状況とのこともあり彼と協力して今に至るのであった。

「フォーグラーの制圧は概ね完了だな」

計器をチェックしつつ繋ぎ師が安堵の声を漏らす。
落下の衝撃で一部回路が狂ってしまったのは予想外だったが、この程度なら魔王の技術手袋で直せる範囲だ。
そうすれば大怪球は対主催側の戦力として運用できる。
1000人は収容できるうえに飛行能力もあり、攻防共に申し分ない移動要塞。
天空の城ラピュタへと乗り込むための手段としては、これ以上に無いほど申し分ない。

「さあ、これで憂いは絶った!待っていてくれ、煩悩寺さん!」

尚、今の彼はゲル化したままであり、上記のセリフは全てスライムがしゃべっていたりする。
すごくシュールな光景であった。

3748オーガは子豚を無思慮に蹂躙す:2008/06/13(金) 05:23:58 ID:zRVbOiqQ0







暗い、クライ、Cry。
エロスの鐘の煩悩寺は泣いていた。
無明の世界の中、一人孤独に泣いていた。

どうして世界はこうも自分に厳しいのだろう。
主催者の道具として殺し合いに参加させられ。
目標を同じくしたライバルには先立たれ。
新たに選んだ道すらも踏みにじられ。
超えるべき壁であった半身はあまりにも大きなことを成し遂げ、この世から去り。
てのひらの太陽すら奪われ。

そして、今。あまりにも早く現実へと引き戻された。

「大丈夫ですか、煩悩寺さん!」

誰かに肩を揺らされている。
静かにしてほしい。現実でダメならせめて夢の世界へと逃げさせて欲しいのに。
うるさい……。うるさい……。うるさい……。

「もう放っておいて……は?」

気安く触れてくるぬかるんだ手を払いのけ、突き放そうとして。

ずるり。
ずるずる。
ずるり。

「い、いやあああああああああああああああ!!」

悲鳴を上げた。
繰り返すが影の繋ぎ師、未だにゲル化したままである!
迫りくるしゃべるスライムを突き飛ばし煩悩寺はデイパックを漁る。
取り出すのはエロスの鐘。彼女が誇る、彼女の為だけの大人向けデバイス。
最後の最後に、煩悩寺が縋るのも当然と言えよう。

だが。

3749オーガは子豚を無思慮に蹂躙す:2008/06/13(金) 05:24:22 ID:zRVbOiqQ0

「何でよ!何で変身できないのよ!――エロの道 求め進むが 煩悩寺 ☆ ――エロの道 求め進むが 煩悩寺 ☆
――エロの道 求め進むが 煩悩寺 ☆ ――エロの道 求め進むが 煩悩寺 ☆
――エロの道 求め進むが 煩悩寺 ☆ ――エロの道 求め進むが 煩悩寺 ☆
――エロの道 求め進むが 煩悩寺 ☆ ――エロの道 求め進むが 煩悩寺 ☆
――エリョの道 求めしゅしゅむが 煩悩寺 ☆ ――エリョの道 求めしゅしゅむが 煩悩寺 ☆
――エロの道 求め進みゅが びょんのうじ ☆  ――うぇろの道 求め進みゅが びょんのうじゅいいい!!」

無様に涙と鼻水を垂らしながら何度も何度も変身ワードを唱えるも、魔力もエロ力も枯渇した彼女にデバイスは反応しない。

「落ち着いてくれ、煩悩「いや、いや、いや!逃げたい、逃げたいのに。変身してよ、ねえ!誰か、助けてえええ!!」


ぽかぽかと駄々をこねる子どものようにSRXに殴りかかるもゲル化した彼には効果を為さず。
煩悩寺が、影の繋ぎ師により保護されるのは時間の問題であった。
ここにいたのが、彼と彼女の二人だけだったなら。

「喜べ、少女。君の願いは、今叶う」

ずぷり、と。
煩悩寺のデイパックから女の声が響くとともに、銀色に輝く触手が幾本も、幾本も漏れ出しコクピットを埋め尽くしていく。
ゲル化を解いた繋ぎ師が片っぱしから倒していくも、再生、増殖を繰り返す触手の群れに進撃の足が止まり。
全ての触手を消滅させた頃には、そこには煩悩寺の影も形も残ってはいなかった。


【1日目 真夜中】【D-7 市街地 フォーグラー内部】

【影の繋ぎ師@ライダーロワ】
【装備】:サタンサーベル@ライダーロワ カラオケマイク@現実
【道具】:支給品一式×3、 ワルキューレ@スパロワ、ドラグブラッカー、写真付き名簿、不明支給品×1(確認)
【状態】:ネオバスク修復完了、一応全快済み、WIKI管理人への天元突破級のぶっちぎりな激しい怒り
【思考・行動】
 基本:殺し合いには乗らない。自分のSSへと戻る。それでも俺は俺として ぶ っ ち ぎ る ぜ  !!
 1:っく、Wiki管理人の仕業か!?
 2:魔王達が心配。
 3:煩悩寺さんはどこへ?
 4:WIKI管理人を倒す。
 5:熱血王子を倒す。
 6:他の参加者にもディーやtu4氏から聞いた事を伝える。

※変身体が仮面ライダーBLACK SRX@書き手ロワ2に進化しました。
 キングストーン二つの融合により更なる可能性を得たかもしれません。
 名前からしてスパロボのあの機体に進化することも……?
 ※RXの全変身系統の能力が二倍以上にアップし、シャドームーンの武器と技も使用可能です。
  何より性能差をももろともしないシャドームーンの卓越した戦闘技能を強化されたRXが得たことが一番大きいでしょう。
  加えて太陽光・月光の両方を取り込めるようになったので、昼夜問わずぶっちぎれます。
  詳しい能力・技は以降の書き手にお任せします。
  原作設定すらぶっちぎるぜい!
 ※ついでに首輪が取れちゃいましたが、どこまでもぶっちぎりです。
 ※ローマ字化するとSで始まる名前のライダーやフォームの力も使えます。
  JUDOの力すら使用できます。ぶっちぎり過ぎです。

 ※太陽と月の破壊により、無限再生ができなくなりました。
  キングストーン×2による一瞬での再生は可能ですが、かなりのエネルギーを消費します。
  また、SRXモードでの全力戦闘自体は可能ですが、エネルギー消費に回復が追い付かず、30分くらいで戦闘不能になるでしょう。
  無理をすればそれ以上戦えますが、命の保証はできません。
  それでも漢はぶっちぎる気満々です。

 ※ロワの会場(ラピュタ含む)外が、空白地帯になりました。
  太陽や月、星といった宇宙が消滅したため、ロワ会場はずっと暗いままです。
  宇宙消滅したのに、今のところ会場が大丈夫なのは、書き手ロワ2だからです。
  ただ、なんらかの悪影響はあるかもしれません。お任せします。

 ※tu4氏の装備品、永遠神剣第七位「存在」、ガンダールヴの証(ゼロの使い魔@漫画ロワ)、 ペンダント(空鍋の欠片)は消滅しました。
  また永遠神剣第一位『空気』は何処か別世界に飛び去りました。このロワでの再登場はありません。
 
 ※大怪球フォーグラー@アニロワ2nd は、落下の衝撃で停止しました。 修理すればまた動きます

3750汝の名は――なり:2008/06/13(金) 05:25:32 ID:zRVbOiqQ0












銀の波に飲まれ、思わず眼を閉じた煩悩寺が、次に眼を開けた時、そこは冷たいコンクリートの上だった。
ふと、煩悩寺はデジャビュを感じる。
どこかで見た事のある光景だと。

「……わたしは、ここを、知っている?」

のろのろとあたりを見回す。
そこは打ちっ放しの鉄板に四方を囲まれた狭い正方形の部屋。
天井には規則的に数個の照明、全て暗いまま。
丁度中央部に位置するここからでは見る限り出入り口は無し。
壁際、数メートル上の方にガラス窓が幾つか存在する奇妙な作り。

「……嘘、ここって……」

間違いない。
書き手ロワ2の始動が宣言されたあの部屋だ。
そのことを証明するかのように暗闇から一人の女が姿を現す。
豊満な体に執事服を纏い、腰までの長髪を靡かせる女性。
直接会ったことはない。
それでも煩悩寺は直感で理解した。

「WIKI、管理人?」
「来ましたか、煩悩手。待ちかねましたよ」

wiki管理人。書き手ロワ2の主催者にして、私のオリジナル。
彼女が、もう一人の自分である私を、情けで助けてくれた……?

「ふふふ、本当なら感電に任せるつもりだったのですけどね。
 今のあなたに少し思うところがありまして。『彼女』に本気を出してもらいました」

『彼女』?誰のことだろう?
うろんげにぼーっと考えて、やめる。
『彼女』とやらは空間転移が使える程の実力者だ。
知ったところでまた惨めな思いをするだけ。
そんな煩悩寺の想いを読んだのだろう。WIKI管理人は言葉を続ける。
煩悩寺が逃げ続けた事実を伴って。

「さて、煩悩寺。貴女をここに呼んだのは他でもありません。
 貴女も感じていることでしょうが、貴女は今の書き手ロワにおいて明らかに無価値です。
 このまま放っておけば誰にも何も残すことなく死んでいくのは明らかでした」

わかってる。あのまま影の繋ぎ師を受け入れていたとしても、待っているのは空気化か鬱要因だ。
体よく主催者の情報を搾り取られて、それで終わり。
自ら一つもフラグを立てなかったツケが回ってきたのだ。

そこで不意にWIKI管理人の顔に憐憫の表情が浮かぶ。
それまでの上から見下ろすのではない。本当に煩悩寺を労る感情に満ちていた。

「ですが、どのような由来であれ、貴女は私で、私は貴女。このまま無価値で空気で終わるのは忍びない。
 あの最後の空気王もそのようなことは望まないでしょう。もちろん『彼女』も」

ですから。
貴女に今一度役割を、存在意義を与えてあげましょう、と。
やさしく、やさしく、WIKI管理人は告げる。

「貴女の命には意味がある。むしろこれは貴女にしかできないことです。予約被りのtu4氏ですら代わりにはなれない」

3751汝の名は――なり:2008/06/13(金) 05:26:04 ID:zRVbOiqQ0

その言葉をどれほど煩悩寺は望んでいたことだろう。
自身の無力さに押し潰された少女にとって、WIKI管理人の言葉は救いに他ならなかった。
だからこそ、続く言葉の意味を、少女はすぐに理解できなかった。

「ここで、彼女に食われて吸収されるという意味が!!」
「え?」

がぶり。
煩悩寺の脳の隅にまでWIKI管理人の声が行き渡るよりも早く、痛みが全身を支配する。

「イダイ、イダイ、イダイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!」

右腕に、何かが噛みついていた。
V字型の角。独特のツインカメラアイ。
緑の装甲。黄色い牙。長い首。
ガンダムヘッド。
そこで煩悩寺は初めて気づく。
Wiki管理人の後ろにそびえるその巨体に。

「デビル、ガンダム?」
「その答えでは50点ですね。せっかくですから、クイズといきましょう」

ザザンザーザザン♪ザザンザーザザン♪ザザンザーザザン♪
ドン!ひゅるるる〜♪チャンチャチャーチャチャン
それも私だー♪
あれもー私だー♪
あなたもー僕もーやあぱあり私だ〜♪イエイ!!

チャラララララ〜♪

「さて、この触手ですが。本体は何と呼ばれる存在でしょうか?
ヒント1:このBGMそのものです。
ヒント2:貴女の答えたデビルガンダム。
ヒント3:当初の熱血王子のなりきり対象のうち場違いなキャラ」


指パッチンを合図に流れ出した『クイズ それも私だ!!』のテーマソングをBGMにした、WIKI管理人の問いを煩悩寺は死に物狂いで考える。
もしかしたらクイズに正解すれば助かるかもしれないとありもしない希望に縋って。
そして彼女は導き出す。
ユーゼス、デビルガンダム、ウルトラマンというヒントから、一つの答えを。

「まさか、ゼスト!?」

ゼスト。ゲーム、スーパーヒーロー大戦のラスボスにして、スパロワの主催者ユーゼスの切り札。
デビルガンダムにウルトラマンの力を満たすことを最低条件に誕生する黒き超神。
銀色の触手もスパヒロ仕様のデビルガンダムの物だったとすれば。
スパヒロではDGは時空跳躍すら引き起こせる便利要員扱いなのだ。
あの空間転移も説明がつく。

パチパチパチと拍手の音がする。
WIKI管理人と一部の知識を共有するが故にスパロワでのある参加者の末路を知っている煩悩寺は、
己が想像が間違いであって欲しいと首を横に振り続ける。

そんなはずは無いのに。
同一存在である煩悩寺の本気の予想は、WIKI管理人の思考と一ミリ足りともずれはしないのだから。

「正解です。ふふ、書き手ロワも遂に終盤。チート決戦まっさかり。なのに主催者である私が無力なままでは興醒めですからね。
 時事ネタ的も適していると今まで存在した全てのロワで発生した負の念を吸収させたのですがね。
 どうやら欲張りすぎたらしくこのまま融合すれば私の体が耐えれそうになかった。
 そこで貴女の出番です、煩悩寺。負の念に満ちた私と同一存在である貴女をスパロワ仕様のゼストに捧げ、ゼストの方を私に合うように進化させれば!」

一本、二本、三本、四本、五本……。管理人が声を上げてる間にも次々とガンダムヘッドが闇の奥から現れ出で牙を剥ける。

3752汝の名は――なり:2008/06/13(金) 05:27:12 ID:zRVbOiqQ0
「いや、来ないで、来ないでえええ!!」
『来ないでだなんて。ひどいじゃないですか、ご主人さま。私をずうっとデイパックの奥底に押し込めていたくせに』
「……っひい!?そ、その声って、う、嘘っ!」

嫌だ嫌だと、後ずさるも狭い部屋の中だ。
すぐに煩悩寺は追いつめられる、聞き覚えのある声を発するガンダムヘッドに。
ずっと隣にいた自称マスコットキャラの声を出すガンダムヘッドに!!

「ああ、そうそう。君はどうやら勘違いしているみたいですけどね。
「予約被りに定評のあるtu4氏。彼女にGR2の思念は更新されてはいませんよ?
 GR2での貴女はトリップが違いましたからね。新たに別の媒介を用意する必要があったんです」

最も、いくらなんでも新設のロワすぎて、当時は思念を集めきれず、DG細胞を媒介にしてもこの大きさが限界でしたが。
ケラケラと、ケラケラと、Wiki管理人は声を上げて笑いだす。
煩悩寺は認めたくなかった。認めるわけにはいかなかった。
『彼女』は言っていた。私の力はエロスの鐘と『彼女』があって初めて本来の実力が発揮できると。

「……嘘だッ!!大きさが全然違う!!」
「大きさ?スパロワではハロがデビルガンダムと化したくらいじゃないか。なら」

それじゃあ私の力は純正のアニ2書き手としての能力ではなくGR2の補正が入っていたということじゃないか。
本当の私の力は今以上に弱かったということになってしまう。
嫌だ、嫌だ、嫌だ、そんなの、そんなの、認められない!!

「ミニサスペリアがデビルガンダムと化しても何ら不思議は無いでしょう?」

その上その力にまで裏切られたことになってしまう。嫌だ、嫌だああ!!

「やれやれ。我ながらなんてみっともない。いいでしょう。
 叫んでいる暇なんてあるんですか?言っておきますが、このミニサスペリア。
 思念が少なかった都合上、貴方達とは違い書き手個人というよりも、ロワそのものを属性として背負っているのですよ?」
「GR2の属性って「はい、タイムオーバー。正解はこちらで〜す」ま、待っ」

待ってと、煩悩寺が言いきる前に、無数のガンダムヘッドが煩悩寺に食らいつく。

「あ、あああああ、あぁぁああああぁあぁぁあああああぁぁぁああぁああぁぁぁぁ
 ああぁぁぁぁぁぁぁああああぁぁああぁああぁああぁああああぁああぁぁああぁぁ
 あああああぁぁあぁあぁああああぁぁぁあああぁあぁあああああぁあああぁっっっ!!」

びりびりがりグチュもきゅもきゅぶちしゅじゅぶぶじゅぷぐりごぐじじゅぶじゅぶじうごりがりぶしゅじゅく
がぐしゃぷしゃしゃぎりぎりぎちぎりくちゃくちゃずずずミシメリぶしゅグチュぐちゅずぶちゅちゅちゅぶし
ごりごりししぐぎりチャピチャドスズボピチャめりめりぶしゅぐじゅザスぶしゃぷしゃぎゅるごくごくごくり 。

服が破かれる。牙がへそを突き破る。指が引きちぎられる。目玉がくり抜かれる。血が飲み干されていく。
つぷりと、へそに突き刺さった牙が、そのまま大きく上下に開かれる。
ぞぷり。肝臓が、腎臓が、膵臓が、肺が。その姿を露わにし、赤い裸身を夜の冷えた空気に晒す。

「待って、私、まだ生きぎあぁぁあぁああぁあああぁぁああぁああああぁああああぁぁぁぁぁぁ、あぐぁう、生きっ、はぁ、
がぁああぁあああぁぁあぁぁぁ、ひゃぁがぁっがががががぁあぁあぁぐぅああぁあああぁぁぁがっ……!
ちょ、生きたまま食われるなんて、ひょんなの、いだいいだいいだだだがぁいぃいいぃいいぎぃいぃぃぃががひゃ、
あああぁああぁ……、あ、あ、あ……いやがががぁああぁぁあああぐぁううががぎぎぁああああぁあああぁああぁああっ!! 」

取り出される、取り出される、取り出される。赤い糸を引いた果実が、収穫だとばかりに人体という木からもぎ取られ咀嚼されていく。

3753汝の名は――なり:2008/06/13(金) 05:29:10 ID:zRVbOiqQ0
「キャラとしての自己の確立……。貴女は私が望んだ進化に至れなかった。それでも」

どどどぐしゅぶしゅずずずメリみちちぷしゃりゅりゅりゅぐちゃちゃぷぶしゅずしゅギチくしゃぶちちミシュメリちゅー
ぎちぎちぶしゃしゃざすちゅぐちゅちゅうしゃぷしゃぷぎりずずずじゅりゅぷちぷちゅぷしゃずしゅじゅっじゅっずすすす
どどごちゅごきゅごりごりざしゃぶじゅちゅちちちギリュグジャババババどしゅきちゅきちゅじゅっざずずじゅぶじゅぶっ

い、や、だ、わた……tu4……こ、たす、け……、エロしsh……。

深い、あまりにも深い闇の中。
どこまでも、どこまでも堕ちていく。
身体が……いや、煩悩寺の全てが、絶望の最下層へと溶け込んでいく。

「感謝しますよ、煩悩寺。貴女は、私の役に立ってくれたのですから。ハハハハハハハハハ!!」

愛でるように、慈しむように、サスペリアは赤い握り拳大の塊を撫で。
かぷりと、嬉々としてそれに噛みつき、砕き、飲み込んだ。





【エロスの鐘の煩悩寺@アニロワ2nd 死亡】




【真夜中】
【主催者本拠地 ホール】
【書き手ロワ2nd WIKI管理人@書き手ロワ2nd】
【状態】:健康
【装備】:???、ミニサスペリア
【道具】:???
【思考】:
 基本:???
 1:???
 
 ※容姿は執事服を着た稲田瑞穂@バトルロワイヤルです
 ※ミニサスペリアはGR2のtu4氏なあの人の思念から生まれた存在でした。
  GR2の属性であるカニバリズムを司っています。
  ある程度の空気力と煩悩寺の吸収によりエロスも使えます。
  姿はデビルガンダムです。
 ※ミニサスペリアと融合してゼスト@スパロワになれます。
  外見がどう変化するかは不明です。
  ゼストは思念集積用のダイダルゲートを使って様々なロワの負の念を吸収しています。
  ぶっちゃけスパ本編より強いかも。
  ただ、書き手2の思念は666に横取りされていて入手できませんでした。

3754汝の名は――なり:2008/06/13(金) 05:30:11 ID:zRVbOiqQ0
投下終了。
突っ込みあればどうぞw

3755……名無しが、光っ――――?:2008/06/13(金) 07:36:25 ID:WK9x.WMAC
ぎゃあああああああああああ!
GR2のカラーってカニバリズムですかー!?
鬼ー!まくらー!
煩悩寺カワイソス……というか他ロワの負の念集めたゼストって……。
カワイソスクイーン、ラノロワのシャナとか負の念いっぱいありそうだw
GJです。

3756……名無しが、光っ――――?:2008/06/13(金) 09:32:37 ID:CkOeZ2YM0
投下乙であります。
があああ――ッ!?
なんというカニバリズムw煩悩寺いろいろあったけど…素でカワイソスと思ったぞw
ここのチートはどこまでいくんだw底しれねえー。

あと余計な意見かもしれませんがふと思った事を

「1000%SPARKING METEOR」にて煩悩寺さんが感電さんの右腕に抱えられたまま終わっているので内部に移動した描写があった方がいいかなあと思ったり。
まあ次の人が処理する気がしますから放っておいてもいい点ですね。
あと「天上天下、光王爆砕けええええん!!」を放ったのが誰か教えて欲しいかな、
いや自分の読解力不足か誰が放ったのか分からず気になって。

それにしてもなんという展開w本当にここはすごいなあ

37573754:2008/06/13(金) 23:04:08 ID:FwpwN/Cg0
ども、作者です。
感想ありがとうございます。
さて、指摘された『煩悩寺の位置』についてですが、これは完全に作者の見落としでした。
ただ、すでに後付けで矛盾を解消して下さるという書き手さんがいらっしゃるので、
あえて、今回は修正せずにそのまま通します。

なお、天上天下光王爆砕剣は影の繋ぎ師の技です(VStu4戦参照)
こちらの文章力が低いため、分かり辛くて申し訳ない。
WIKIにおいて微修正しておきます。

3758……名無しが、光っ――――?:2008/06/13(金) 23:07:17 ID:CkOeZ2YM0
>>3757
いえいえわざわざの返答ありがとうございました
それは完全にこちらの読み込み不足でした
これからも書き手ロワ応援しています

3759混沌体験〜感電はクールな能力がほしい〜:2008/06/14(土) 19:47:07 ID:8H1RDe4g0
「私、ちょっと行ってくる。」

地球破壊爆弾が唐突にそう言いだしたのは、集結した対主催メンバーがこれからの行動について話し合おうとした矢先のことだった。
当然、他の面々は訳がわからないため説明を求める。
彼らに向かって、地球破壊爆弾は説明した。感電が、この会場に来ていると。

「そりゃ本当か? 何でまた…。」
「確かにジョーカー来襲は幾度となくありましたが…。なぜ彼なのかは疑問ですね…。」

いぶかしげな表情を浮かべるのは、DIE/SOULとバトルマスターの二人だ。

「理由はわからないけど…来てるのは確実だよ。『地図の上』であるならば、私にとって誰がいて誰がいないかを感じ取るのは簡単なこと。」

途中から顔を長門に変化させ、地球破壊爆弾は言う。

「まあ、理由などどうでもいいわ!今こそ散っていった部下たちの無念を晴らす時!行くぞ、皆の衆!」
「いや、私一人でいくよ。みんなは先に残った二人…コロンビーヌさんと蟹座氏と合流しておいて。」

意気込みを地球破壊爆弾に完全否定され、ギャグ将軍はパソコンごとこけるという荒業を披露する。

「ちょっと、大丈夫ですか将軍!精密機械なんですから、無茶しないでください!」
「おお、済まぬの、バトルマスター。」

バトルマスターによって、正しい置き方に戻されるギャグ将軍。

「それで、貴様一人で行くとはどういうことだ、地球破壊爆弾!
確かにコロンビーヌや娘との合流を急ぐ必要はあるが、何も貴様一人で行くことはあるまい!」
「まあ、それもそうなんだけどね。今回は感電ちゃんとサシで話したいっていうか。
そんな心配しなくても大丈夫だよ。いざとなったら逃げ帰ってくることぐらい出来るって。」

姿をこなたに戻し、緩い口調で地球破壊爆弾は言う。
他のメンバーに反論の余地を与えぬようすぐさま立ち去ろうとした彼女だが、誰かがその袖をつかんだ。

「私も行く。」
「クーちゃん…。」
「お願い、連れて行って…。わがままでしかないのはわかってるけど、離れたくないの…。」
「まったくもう、そんなかわいく言われたら断れないじゃないか…。
しょうがないな。ついてきても、ただ見てるだけだよ? それでもいい?」
「…うん。」
「よし、それじゃあ行こう!」
「オイ、待て!それなら俺も…。」

DIE/SOULが言い終わらぬうちに、地球破壊爆弾はロリスキーを抱えて駆け出す。

「じゃ、また後でねー!」

猛ダッシュで、あっという間に離れていく地球破壊爆弾。他の面々は、それを見送ることしかできない。

「行っちゃいましたね…。」
「まったく、あいつらと来たら…。まあ、あいつらに限ってあっさり死ぬなんてことはないと思うが…。」
「どうでしょうかね…。そういう人ほどあっけなく死ぬのがロワというものですが…。」
「おいおい、不吉なこと言うなよ…。」

バトルマスターの発言に、DIE/SOULは露骨に顔をしかめた。

「ああ、すいません。わざわざ言うことじゃありませんでしたね。
それで、これからどうしましょう。」
「どうもこうもない!我々も行くぞ!感電のやつはたっぷりお灸を据えてやらんと…。」
「hm、将軍はもう少し落ち着いてから会話に参加した方が良さそうですね。」

冷静に将軍の精神状態を分析し、バトルマスターはノートパソコンを閉じる。

「で、どうするんですか、バトルマスターさん。」
「そうですね…。あっちには魔王氏もいますし、放っておいても大丈夫でしょう。
我々は蟹座氏、コロンビーヌ氏両名との合流を急ぐのが得策と思うのですが、いかがでしょうか。」
「まあ、俺もあっちに行きたい気持ちはあるが…。そっちの方がいいか。」
「私にも異存はありません。」

バトルマスターの提案に、DIE/SOULとネコミミストは首を縦に振る。

「では、行きましょうか。これで対主催の参加者はほぼ揃う。主催者とのバトルも間近ですね…。」

バトルマスターは知らない。既にコロンビーヌは絶命し、蟹座氏の心はさらなる漆黒に染め上げられていることに。
彼らが再会する時、起こるのは惨劇か奇跡か。それを知る者はいない。

3760混沌体験〜感電はクールな能力がほしい〜:2008/06/14(土) 19:47:57 ID:8H1RDe4g0
【1日目 真夜中】【D-8 市街地】
【バトルマスター@ギャルゲロワ】
【状態】:全身に打撲および銃創(キュレイ種の回復力によりほぼ完治)、キュレイ種のような身体、首輪解除、魔術回路にダメージ
【装備】:永遠神剣「冥加」、ゲイボルグ@アニロワ2nd、孔明の令呪(残り四画)
【道具】:支給品一式×2、コイン、名簿、孔明のメモ、スタンガン@アニロワ1st、首輪(まとめキング)、G.Iのカード×2(種類不明・本人は確認済み)@LSロワ、
     ノートパソコン、不明支給品×1
【思考】:
 基本:コインの表が出た――だから徹底的に抗う。
 1:仲間と協力して主催者を打倒!!
 2:蟹座氏、コロンビーヌと合流。
 3:魔王氏や地図氏は…まあ大丈夫でしょう。
 4:対主催として仲間を探し、殺し合いに乗った輩を倒す。

※容姿は前原圭一@ひぐらしのなく頃にです。
※自身の精神が、キャラの影響を受けている事に気付きました。
※【闘争制覇者-Battle Master】
  発動させる事で、決して『バトル』に負けない固有結界を張る事ができます。
 【闘争制覇者-Battle Master アイン・ソフ・オウル】
  バトルマスターが生涯書き得るありとあらゆるバトルの世界に敵を放り込む技。
  物語内のキャラの攻撃を全部くらわせます。
  この技が発動した時点で、敵味方の全行動が『バトル』として定義されます。
  故に、発動すればどんな状況でも、バトルマスターは不敗です。
※影の繋ぎ師からディーの話を聞きました。
※孔明のメモにはこのロワに関する孔明の知り得る限りの情報が記載されています。
※孔明の令呪を使う事で魔力を補充する事が出来ます。二画以上まとめて使う事でアインソフオウルを使用可能。
 ただし、全ての令呪を使い切ると……?


【神行太保のDIE/SOUL@アニロワ1st】
【状態】:疲労(小)、軽度のダメージ(核鉄で回復中)、全身火傷・右指炭化(処置済)、首輪解除、迷いはなくなった
【装備】:斬馬刀@るろうに剣心、ガッツの装備一式@ベルセルク、ガッツの義手@ベルセルク、核鉄『ニアデスハピネス』、核鉄『ブレイズオブグローリー』
【道具】:支給品一式×3、拡声器、パニッシャー@トライガン(機関銃:残り弾数40%、ロケットランチャー:残り4発)、ダイナマイト×5、
     フライングアタッカー@仮面ライダー555、
【思考】
 基本:アーカード(地図氏、マダオ)は殺すつもり(だったのだが……)、 対主催を集める。
 1:蟹座氏&コロンビーヌと合流。
 2:繋ぎ師とtu4氏の結果が気になる。
 3:ナナシと出会ったら、決着をつける!
 4:tu4氏の話も伝えるか。
 5:マダオ……

※容姿はガッツ@ベルセルクです。
※神行太保・戴宗の神行法(高速移動)が使えます。
※ラディカルグッドスピード腕部限定は、腕だけが速く動きます。
※地図氏(地球破壊爆弾No.V-7)がジョーカーではないかと思っています。
 ジョーカーに襲われた事と合わせての考察はまだしていません。
※自分が本物の書き手なのか疑問が解決しました。他の書き手への躊躇いはお任せします。
※核鉄『ニアデスハピネス』は制限により、使用中は強制的にパピヨン姿になります。でも戻るので安心ですね。制限を知りました。
※黒猫がすごく気になる。
※tu4氏から、このロワにおける参加者の正体を聞きました。
※マダオからこのロワに関する考察を聞きました。

3761混沌体験〜感電はクールな能力がほしい〜:2008/06/14(土) 19:48:36 ID:8H1RDe4g0
【衝撃のネコミミスト@アニロワ2nd】
【状態】:不死者化、さらに強い決意、首輪解除、魔力消費(小)
【装備】:マテリアルブレード@テイルズロワ、クラールヴィント@アニロワ1st、バリアジャケット(白いリボンドレス)
【道具】:支給品一式×4、拡声器、カブト装備一式(ハイパーゼクター付)、サイドバッシャー@仮面ライダー555、
     オーガドライバー(オーガストライザー付)@ライダーロワ、カイザギア@ライダーロワ、カードデッキ(ベルデ)@仮面ライダー龍騎
【思考・行動】
 基本:前に……進む!
 1:蟹座氏&コロンビーヌと合流。
 2:地図氏に複雑な感情。
 3:繋ぎ師とtu4氏の結果が気になる。
 4:スクライドの遺志を継ぎ、牙なき人の剣になる。

※衝撃波を使えます。掌からだけでなく、足の裏からも出せるようになりました。
※「大あばれ鉄槌」を幼女好きの変態と勘違いしています。
※シャリダムを通じて幻夜の死体を喰い、その記憶と知識と経験を得ました。
 また、ブックがロワに来てからシャリダムが生まれるまでの経緯を体験しました。
※自分が主人公、そして黒猫という単語に引っかかっているようです。
※第三回放送を聞き逃しました。
※tu4氏から、このロワにおける参加者の正体を聞きました。
※強化・投影能力を習得しました。何が投影できるかはお任せです。無限の剣製は使えません。
※マダオからこのロワに関する考察を聞きました。


【パソコンの中&iPodの中】
【ギャグ将軍@ライダーロワ】
【状態】:首輪解除、腹部にダメージ(治療中)、電脳空間に幽閉、心機一転、増えた、不機嫌
【装備】:電脳空間なのでない、はずですが……
【道具】:顔写真付き参加者名簿、支給品一覧(ロック解除)、地図、書き手ロワ2ndのSS一部
【思考】:
 基本:新生クライシス帝国の結成。
 1:感電を倒してくれよう!だから開けろ、バトルマスター!
 2:閉じ込められたついでに電脳世界を征服してくれよう!
 3:主催者なり真の対主催なりの目的やらなんやら考察してみせよう!
 4:『白猫』を探し出してくれよう!
 5:同胞を冒涜したあの連中は裁きにかける。
 6:対主催の仲間、ついでに飲み友達を集める。
 7:コーカサスゼクターの資格者を探し、コーヒーを飲む。
 8:紅茶を飲むかどうかは保留。

※ポケモンの物まねによる影響が各地で現れたかもしれません。ただ、将軍のギャグ補正により悪い結果は導きません。
※なんか増えました。すべてのコピーが同じ能力を持っているのか、実体化出来るのかは不明です。姿は変えられるようです。
※一時的に実体(きぐるみ)を失っているため、キャラに何らかの変化があるかもしれません。
※制限がライダーロワ基準だと思い込んでいます。
※特殊能力:「書き手界の良心」に目覚めました。
 本気の一喝を放つ事により、悪ノリし過ぎている者に自重を強いる事ができます。
 但し、ギャグ将軍の性格上、あまり多用される事はありません。
 真剣な人生相談に乗る事も可能。なお、発動中はピンク色が掛かった女言葉になります。
※背中に謎のチャックを確認。ギャグ将軍曰く、開けると「大変なこと」になるそうです。詳細は不明です。
 今回の発動はあくまで電脳空間でのなりきり変化の鍵としての解放であって、本来の解放の効果は不明です。
※ノリと思い込みで電脳空間内でかなりの無茶が可能になったようです。又ものによっては現実の方が将軍に合わせて動きます。
 例:ピカピカ鳴くとラピュタの雷が勝手に発動します。
※固有結界「コーヒーブレイク」
 優雅なリネン一式の備わったテーブルと人数分の椅子を造り出し、皆でコーヒーを飲んで和みます。
 それ以上の効果は確かめられていません。
 コーヒーセット自体が発動させている可能性があります。
※ノートパソコンの中に、顔写真付き参加者名簿と支給品一覧(パスワードが設定されている)のデータが確認されました。
 また地図を確認。参加者の区別が付かない第三放送時の参加者分布を知る事が出来ます。上級パスでさらに詳しく?
※書き手ロワ2ndに存在する全ての「アドレス」に向けて、データ化されたギャグ将軍が送信されました。
※パソコンから『柿テロ猥・R2‐ND』のチャットに出入り可能になりました。
※コロンビーヌと情報交換しました。
※『柿テロ猥・R2‐ND』掲載の情報を一部入手しました。
 新生クライシス帝国に因縁のある相手――主催者・ジョーカーと真の対主催がメインです。 影の繋ぎ師の情報も揃っています。
 反面『黒猫』の情報を始め、不完全な部分もあります。お任せします。
※孤城の主のコロンビーヌ視点の情報を得ました。

3762混沌体験〜感電はクールな能力がほしい〜:2008/06/14(土) 19:49:13 ID:8H1RDe4g0
D-7、市街地。
地に沈んだ黒い球体の上で、魔王と感電は追いかけっこを繰り広げていた。

「落ち着いて、魔王様!暴力はいけませんって!話し合いましょう!ラブ&ピースですよ!」
「だから、その二人を渡してくれたら話し合うって言ってるじゃないか!」

魔王が繰り出す拳を必死でよけながら、感電は逃げる。
反撃できないわけではないが、彼の目的は魔王を倒すことではなく話し合うことだ。
ゆえに、感電の側から攻撃をしかけることはない。
一方の魔王も感電を殺す気はないため、攻撃はかなり手加減している。
それでも、当たったら骨の2,3本は持っていかれそうなパンチである。

(おいおい、なんで会場来てそうそうこんなピンチになってるんだよ!
とにかく、この状況を何とかしなくちゃ…。えーと、どうする?

①ハンサムな感電は突然いいアイディアが閃く
②エドさんが来て助けてくれる
③助からない、現実は非情である

いや、この三択は駄目だろ!)

とか何とか考えているうちに、感電はうっかり足を滑らせてしまう。

「ありゃ?」

彼が今いるのは、球状の物体の上。一度足を滑らせれば、そのまま下まで落ちていく。

「おおおおおおおおお!?」

スタンドを使うことも忘れ(使ったところでどうにかなるかはわからないが)、一直線に落ちていく感電。
このままでは地面にダイブしかねない。

(ちょ、こんな間抜けな死に方はいやぁぁぁぁぁ!!
死亡者リストに転落死(足を滑らせて自滅)とか書かれちゃうじゃないか!
答え③…って、それはもうええんじゃあ!)

心の中で絶叫を続けながら、なおも斜面を滑り落ちていく感電。
だが、突然その体が何かに引っかかって止まる。

「ほえ?」

何が起こったのかわからず、きょろきょろと周囲を見渡す感電。
すると、自分の襟元に青い何かが引っかかっているのに気づいた。
それをたどっていくと、それはフォーグラーの表面にへばりつく少女の頭頂部につながっていた。

「アホ毛…?」
「やふー☆ 感電ちゃん、大丈夫ー?」
「あんた、本当になんでもありだな…。」

そこにいたのは、もちろん地球破壊爆弾。そして、背中から翼を生やし空中に制止するロリスキーだった。

「地図氏か、またタイミングのいい登場を…。って、あー!!」

安堵の表情を作りかけた感電だが、それはすぐに砕け散る。
自分の両腕が、何も持っていないことに気づいたのである。
彼が両脇に抱えていた熱血王子と煩悩寺は、今もなお地面に向かって落下を続けていた。

(やばいやばいやばい。煩悩寺とミニサスペリアは回収頼まれてるし、熱血王子も貴重なマーダーだから殺しちゃったらいろいろ問題だし…。
どうする、俺!?どうするよ!?)

顔面にびっしりと冷や汗をかき、うろたえる感電。
だが、そこへ救世主が現れた。

「とうっ!」

フォーグラーの壁をキックで突き破り、飛び出してきた黒い影!
そう、僕らのヒーロー、影の繋ぎ師だ!
突然姿を消した煩悩寺を捜索していた繋ぎ師は、マイティアイ改による透視で落下する煩悩寺(ついでに熱血王子)を発見。
急いで壁を突き破り、外に飛び出したのだ。
宿敵とも言える熱血王子を助けることには多少のためらいがあった繋ぎ師だが、そこは熱い正義の心を持つ男。
結局は彼も煩悩寺と共に救出したのであった。

「大丈夫か、二人とも!え…こ、これは…。」

助けた二人に声をかけようとした繋ぎ師は驚愕の声をあげる。
熱血王子の方に問題はない。だが、煩悩寺の方には異常が生じていた。
いや、この言い方は正しくないだろう。繋ぎ師の腕の中にいたのは、煩悩寺ではなかったのだから。
そこにいたのは、煩悩寺とは似ても似つかぬ青年であった。

「Chain-情くん…?」

フォーグラーの上からことの顛末を見届けていた魔王は、震える声で呟いた。

3763混沌体験〜感電はクールな能力がほしい〜:2008/06/14(土) 19:50:01 ID:8H1RDe4g0
◇ ◇ ◇


「これは一体…!」

モニターの前で、読み手は思わず声に出して叫んでいた。
会場に降りた感電のことが気になりモニターで彼の動きを追っていたら、信じられない光景を目にしてしまったのである。

ちなみにこの読み手、台詞があるのは実に第142話「黄昏、来まくって」以来である。
一応表向きの主催者だというのに、ずいぶんと影が薄い。
心なしか、顔つきもGR2主催者のマーボーじゃない方に似てきた気がする。

閑話休題。
呆然とする読み手、その耳に、何者かの声が響く。

「ハッハッハッハ、すり替えておいたのさ!」
「誰だ!」

読み手が叫ぶと、天井からいい男が床に降り立った。

「キノコ狩りの男(性的な意味で)、qwglOGQwIk!」

どこぞの蜘蛛男のポーズを決めながら、裸になってすぐアッー〜殺意のqwglOGQwIk〜 、通称ガチホモは名乗りをあげる。

「すり替えておいた?どういうことだ。」
「我々の能力の合わせ技だよ。」

読み手の疑問に答えるべく姿を現したのは、ナナシと七氏の二人組だ。

「こちらの都合で煩悩寺さんを一刻も早く回収しなくてはならなくなってね。
しかし、感電氏に出した指令をすぐ撤回では彼との間に不要な溝が出来る。
それで、身代わりを立ててごまかそうということになったんだ。」
「具体的には、まず静かなる〜Chain-情〜の死体を回収。これは僕の能力で
『コロンビーヌが学校に来た時、そこにあるはずのChain-情の死体に何の反応もしなかったのは、既に死体が回収されていたからだ』
という後付をすることによって行った。」

ナナシの説明に、七氏が続く。そしてさらに、バトンはガチホモへと渡された。

「そして彼の死体を、アニロワ2ndとニコロワのMADから抽出したティアナ・ランスターの魔法『フェイクシルエット』を僕が使うことによって煩悩寺さんに偽装。
多少無理のある使い方ですが、そこは書き手ロワ補正というやつです。
そして偽装した死体をナナシさんの能力でフォーグラー内部に放り込み、それを感電氏に発見させれば任務完了というわけです。」
「フェイクシルエットは見破るのが非常に困難な幻術だ。
繋ぎ師のマイティアイ改ですら見破れないはずだから、十分身代わりの役目は果たすと思ったんだが…。」
「まさかこんなに早く術が解けるとはな。労多くして功少なし、ってやつだ。
まあ、ただ身代わりに使うだけじゃもったいないから、Chain-情の体に残ってた螺旋力はこっちで吸収させてもらったけどな。
気に入らない男だったが、少しはこっちの役に立ってくれたよ。」
「説明は以上です。何か質問は?」

微笑を浮かべながら、ガチホモは読み手に問いかける。

「理屈はわかった。だが、理由がわからない。
なんでそこまでして、煩悩寺を手に入れる必要があった?」
「さあ、僕たちは管理人の指示通りに動いただけなので…。」
「どうしても気になるなら、管理人に直接聞くといい。」

3人のジョーカーは、読み手が望む答えをもたらさない。
そのまま、彼らは部屋を出て行った。

「………。」

残された読み手は、何とも言えぬ表情でモニターに視線を戻す。

(一体何が起こっているんだ…。管理人は何を考えている…。そしてあなたもだ、感電氏!)

3764混沌体験〜感電はクールな能力がほしい〜:2008/06/14(土) 19:50:39 ID:8H1RDe4g0
◇ ◇ ◇


話は再び会場内に戻る。
その場にいた魔王、感電、爆弾、ロリスキー、繋ぎ師、王子の六人は、全員フォーグラーから降り地面に腰を下ろしていた。
ただ熱血王子は目を覚ましても襲ってこられないよう、武器を没収したうえ爆弾のアダルトグッズの中に入っていた縄で縛り上げてある。
(ちなみに爆弾は最初亀甲縛りにしようとしたが、ロリスキーにかなり本気でどつかれ断念した。)

「さて、感電ちゃん。何がどうなってるのかきっちり説明してもらおうか?」
「そう言われても、俺にも何がなんだかわからないんだって。
煩悩寺を連れて来いって言われてここに来たのに、保護してみたらこれだぜ?
こっちが説明してほしいっての。」

爆弾の詰問に対し、感電は苦虫を噛みつぶしたような表情で答える。

「だいたい、そっちこそ何やってるんだよ、地図氏。真の対主催としての活動はどうした。」
「いや〜、そこをつかれるとねえ…。って、危ない、感電ちゃん!」
「え?」

ほとんど反射的に、振り向く感電。彼の目に映ったのは大きく口を開け、体を跳ね上げて自分に向かってくる熱血王子の姿。
その狙いは、自分の首筋。

(おいおい、これって…。)

感電の脳裏によぎるのは、アニロワ1stのワンシーン。
戦いを終えたなのはが、倒したはずのルイズに首を噛みちぎられ…。

(やべ、今度こそ終わった…。)

熱血王子の歯が、感電の首を噛み切った…

3765混沌体験〜感電はクールな能力がほしい〜:2008/06/14(土) 19:51:13 ID:8H1RDe4g0
と思いきや、その歯は感電の体をすり抜けた。

「え?」

一瞬何が起きたのか理解できなかった感電だが、すぐに自分の全身が電気の塊と化していることに気づく。
一見スタンド能力の延長にも見えるが、本能がそうではないと彼に告げる。
これはもっととてつもない…そう、自然(ロギア)の力。

「そうか…。これが覚醒ってやつか…。」

短時間に二度訪れた、死の実感。覚醒をもたらすのには十分だ。
だが、これはまだ第一段階に過ぎない。これはあくまで名前に引っかけた能力。
書き手としての覚醒にはほど遠い。

(さらなる高みを目指せってか…?だが、これでも十分強力だわな!)

感電はおもむろに右手を挙げ、叫ぶ。

「ライデイン!!」

どこからともなく落ちてきた雷が、熱血王子を貫く。
そして周囲が雷のまぶしさに怯んでいる間に、感電は超高速でその場から離脱する。

「ちょっと、感電ちゃん!どこに行くのさ!」

感電の思わぬ行動に、爆弾は声を荒げる。

「悪いね、地図氏!それに魔王様!
ここでバトルに巻き込まれたら放送が遅れそうなんで、いったん退かせてもらうぜ!
放送の後で、また会おう!」

不敵な笑みを浮かべ、感電は瞬く間に去っていった。

「こらー!逃げるなー!」
「落ち着いて、ちぃちゃん!あっちも気になるけど、まずはこの人をどうにかしないと!」

ロリスキーの視線の先にいるのは、全身をライデインに焼かれながらも闘争心を失っていない熱血王子。
身につけたウルトラマントが、ダメージを軽減したのだろう。

「あー、さっきの雷で縄が焼け落ちちゃってるねえ…。まあいい、改めて敵討ちをさせてもらうよ、熱血王子!」
「あのー、魔王さん。ちょっと出してもらえませんか?」

闘志を燃やす魔王だが、その気勢を削ぐようにみWikiが話しかけてきた。

「は? この状況で? 何を言って…。」

そう言いながら、地面に置いていたデイパックに目を向ける魔王。
しかし、そこには予想外の光景が広がっていた。

「へ?」

そこにいたのは、デイパックからちょこんと頭を出したみゆきさんだった。

「…何でまた実体化してるの?」
「こなたさんとかがみさんに接触したおかげで、現実世界でも実体化できるようになったんです!
でも、デイパックの中で実体化したらこんなことになってしまって…。外に出していただきたいのですが…。」
「そんな余裕ないから却下。しばらくそうしてなさい。」
「そんなー!これじゃおじゃる丸じゃないですかー!」

みWikiの嘆きの声を無視し、魔王は斬鉄剣を鞘から抜く。

「それじゃあ改めて…いくよ!」

「熱血王子…。もはや同情の余地はない!今度こそお前を倒す!」
「さっきは中途半端なところで中断しちゃったからね…。今度はきっちり決めるよ、クーちゃん!」
「オッケー!援護は任せて、ちぃちゃん!」

他の三人も、それぞれ戦闘態勢を整える。

「うおおおおおお!!」

それに呼応するかのように、熱血王子が吠える。

戦 闘 再 開 !!

3766混沌体験〜感電はクールな能力がほしい〜:2008/06/14(土) 19:51:44 ID:8H1RDe4g0
【1日目 真夜中】【D-7 市街地】
【地球破壊爆弾No.V-7@アニロワ1st】
【状態】:健康、泉こなたの姿、強い決意
【装備】:激戦@漫画ロワ、レヴァンティン@アニロワ1st、巫女服(鷹宮神社)@らき☆すた
【道具】:支給品一式、着替え用の衣装(複数)、アダルトグッズ(大量)、バルディッシュ・アサルトBC、泉こなたのスクール水着@漫画ロワ
【思考】:
 基本:クールなロリスキーと共にある。
 1:熱血王子と戦う。
 2:それが終わったら逃げた感電を追う。
 3:もう迷わない。



※基本的に中身はアーカードで、CVは平野綾です。
※変化する姿に7つのバリエーションがあるらしいです。
【1:地球破壊爆弾】【2:アーカード】【3:長門有希】【4:泉こなた】
【5:銃撃女ラジカル・レヴィさん】【6:キングゲイナー】【7:1〜6とか目じゃないよ?びびるよ、まじで】
※クーガーの早口台詞が言えます!
※鎖鎌、鳳凰寺風の剣、ソード・カトラス、ノートPCの投影が可能です。



【スーパーキョンタイム】
 地図氏以外の者はゆっくりとしか動けなくなります。一度使うとそれなりの時間使用不可能です。
【地図氏の地図】
 参加者の位置、生死を含めた地図を投影できます(※長門有希の状態でのみ可能)
 使いすぎるとアレなので、毎晩0時にのみ使う事にします。




【クールなロリスキー@漫画ロワ】
【状態】:不死者、吸血姫、スーパーかがみんと融合、強い決意
【装備】:巫女服(鷹宮神社)@らき☆すた
【道具】:支給品一式、着替え用の衣装(複数)、『村雨健二』の衣装、キュートなシルク仕様の裸エプロン、日焼け止めクリーム(大量)、
     カードデッキ(龍騎・黒)、AK-74(残り28発・黒)、マジシャンズレッドのDISC(黒)、GL本、未定支給品×?(ロリスキー確認済)
【思考】:
 基本:地球破壊爆弾No.V-7と共にある。
 1:熱血王子と戦う。
 2:もう迷わない。



※容姿は柊かがみ@らき☆すたです(翼と尾が任意で顕現します)
 柊かがみの髪の色をしたドラゴンにもなれます。
 ヴァルセーレの剣の刃でできた羽を三対六翼持っています。尻尾はマリンデビモンの触手が変化して8つです。
※何故か不死身です。
※スーパーかがみんと融合し、彼女の記憶と能力を継承しました。
 柊かがみがその時点で使った事のあるあらゆる力、アイテムを使用できます。
※地球破壊爆弾No.V-7の血を吸い、独立した吸血姫となりました。
※ミスターマダオの血肉を食らった事で、吸血姫としてランク・身体能力が上昇しました。
※いつ目覚め、どこから(コロンビーヌと地球破壊爆弾の)話を聞いていたかは後続の書き手にお任せします。

3767混沌体験〜感電はクールな能力がほしい〜:2008/06/14(土) 19:52:09 ID:8H1RDe4g0
【速筆魔王LX@アニロワ2nd】
【状態】:健康、首輪解除
【装備】:斬鉄剣@ルパン三世、技術手袋@アニロワ1st、デバイスクリスタル、バリアジャケット(テッカマン風)
【道具】:支給品一式×8、分解済みの首輪(素晴らしきフラグビルド)、首輪×3(地味子、◆wKs3a28q6Q、永遠のうっかり侍)、
     iPod、みWiki@らき☆すた?、 コーヒーセット一式@スパロワ、
     コーカサスブレス&ゼクター@ライダーロワ、ジャーク将軍のマント@ライダーロワ、
     杖@ライダーロワ、王者のマント@FFDQロワ、バヨネット×2、核鉄「バルキリースカート」、ジャッカル(5/6)、
     銀河ヒッチハイクガイド、咎人の剣「神を斬獲せし者」@AAAロワ、ドラゴン殺し@アニロワ1st、他にまだあるかも?
【思考・行動】
 1:熱血王子を倒し、彼を解放する。
 2:逃げた感電氏と話がしたい。
 3:将軍の電子戦にある意味期待。
 4:『白猫』って誰? あと『黒猫』?
 5:対主催陣を探し、ゲームに乗った強敵を撃破していく。
 6:あの連中には借りを返す。



※主催者陣営に裏切り者がいるのでは、と考えています。
※首輪の構造を理解しました。
※『柿テロ猥・R2‐ND』掲載の情報を一部入手しました。
 新生クライシス帝国に因縁のある相手――主催者・ジョーカーと真の対主催がメインです。影の繋ぎ師の情報も揃っています。
 反面『黒猫』の情報を初め、不完全な部分もあります。お任せします。
※孤城の主のコロンビーヌ視点の情報を得ました。
※彼が何を見たのかは、全力で忘れろ!
※美形元帥が持っていた、膨大な量の魔力を吸収しました。
※強化された事により自身の正体をなんとなく把握しました。
※みwikiが最終形態になりました。高良みゆきの姿で実体化できます。本に戻ることも可能です。
※バリアジャケットのデザインは、テッカマンエビルをさらに禍々しくしたような感じです。
 テッカマンの能力が再現されているかどうかなど、詳細は後続の書き手さんにお任せです。
※現在デイパックの口にみWikiがつっかえているため、彼女を出さないと他の道具が取り出せません。


【影の繋ぎ師@ライダーロワ】
【状態】:ネオバスク修復完了、一応全快済み、WIKI管理人への天元突破級のぶっちぎりな激しい怒り
【装備】:サタンサーベル@ライダーロワ カラオケマイク@現実
【道具】:支給品一式×3、 ワルキューレ@スパロワ、ドラグブラッカー、写真付き名簿、放火セット(燃料、松明、マッチ)、ナイフ、不明支給品×1(確認)
【思考・行動】
 基本:殺し合いには乗らない。自分のSSへと戻る。それでも俺は俺として ぶ っ ち ぎ る ぜ  !!
 1:熱血王子を倒す。
 2:本物の煩悩寺さんはどこへ?
 3:WIKI管理人を倒す。
 4:他の参加者にもディーやtu4氏から聞いた事を伝える。



※変身体が仮面ライダーBLACK SRX@書き手ロワ2に進化しました。
 キングストーン二つの融合により更なる可能性を得たかもしれません。
 名前からしてスパロボのあの機体に進化することも……?
 ※RXの全変身系統の能力が二倍以上にアップし、シャドームーンの武器と技も使用可能です。
  何より性能差をももろともしないシャドームーンの卓越した戦闘技能を強化されたRXが得たことが一番大きいでしょう。
  詳しい能力・技は以降の書き手にお任せします。
  原作設定すらぶっちぎるぜい!
 ※ついでに首輪が取れちゃいましたが、どこまでもぶっちぎりです。
 ※ローマ字化するとSで始まる名前のライダーやフォームの力も使えます。
  JUDOの力すら使用できます。ぶっちぎり過ぎです。



 ※太陽と月の破壊により、無限再生ができなくなりました。
  キングストーン×2による一瞬での再生は可能ですが、かなりのエネルギーを消費します。
  また、SRXモードでの全力戦闘自体は可能ですが、エネルギー消費に回復が追い付かず、30分くらいで戦闘不能になるでしょう。
  無理をすればそれ以上戦えますが、命の保証はできません。
  それでも漢はぶっちぎる気満々です。



 ※ロワの会場(ラピュタ含む)外が、空白地帯になりました。
  太陽や月、星といった宇宙が消滅したため、ロワ会場はずっと暗いままです。
  宇宙消滅したのに、今のところ会場が大丈夫なのは、書き手ロワ2だからです。
  ただ、なんらかの悪影響はあるかもしれません。お任せします。

3768混沌体験〜感電はクールな能力がほしい〜:2008/06/14(土) 19:52:46 ID:8H1RDe4g0
【熱血王子@漫画ロワ】
【状態】:黒化、右目にお姉さまの眼が入っている、全身に中程度のダメージ、復ッ活ッ、なのはさんに完全変身、ディーの仮面により身体能力上昇
【装備】:ディーの仮面(黒)、宝石カートリッジ残り5発
【所持品】:BL本、首輪×2、パロロワ衣服詰め合わせ、
      お徳用原作パロロワ全生首セット(目玉セット他に換装可能)&原作パロロワ全手首詰め合わせ※今なら腕も付いてくる!
【思考・行動】
 基本:愛媛に許されるために殺す。
 1:……ごめんなさい……ごめんなさい……ごめんなさい――
 2:黒く染まってない奴を優先して殺す。
 3:白に寝返りそうな奴も殺す。



※状態は黒い高町なのは(19歳)@なのはStrikerS。いろんな要素が化学反応してスパークした結果により変身状態で固定されました。
※闇の書とパスが繋がっているためEN回復(大)が付きます。
※所持品は所持しているだけなので黒化していません。


【感電@書き手ロワ2】
【状態】:健康
【装備】:基本支給品一式 それ以外は不明
【道具】:無し
【思考】:
 基本:真なる対主催として行動
 0:中心地へ向かい直接放送する
 1:今は撤退。地図氏、魔王とは、また放送後に改めて接触。
 2:wiki管理人に強い疑心。
 3:さらなる覚醒イベントを発生させてパワーアップ

※見た目はアリーナ@DQ4
※スタンド「レッド・ホット・チリ・ペッパー(画鋲型)」が使える
※周囲を防音することができるらしい
※覚醒により、ロワにゆかりがある電撃・雷系の技がすべて使えます。
 ある程度こじつけも可能です(デンコーセッカの超高速移動、雷電の蘊蓄など)。

3769混沌体験〜感電はクールな能力がほしい〜:2008/06/14(土) 19:53:40 ID:8H1RDe4g0
以上で投下終了です。
理論に無理がある? 気にするな!

3770……名無しが、光っ――――?:2008/06/14(土) 22:50:16 ID:EuqO9w7U0
投下乙です
対主催が分かれたが、これがどうでるか……さあどうなるwww
煩悩寺はうまく処理されていて、この辺りさすが書き手ロワッ!というところでしょうか



ではこちらも投下します

3771対面:2008/06/14(土) 22:51:07 ID:EuqO9w7U0
「あははは、待っていてね、ししょー♪ 今すぐ殺してあげるよ♪」

やけに明るい声を出しながら病院へ向かう人影。
まるでどこかネジが外れたかのような雰囲気を醸し出す少女だ。
狂気……いや、侠気とも取れるそれは酷く禍々しかった。
周囲の空気が凍りつきそうな、それでいて全て燃やし尽くしそうな異様な気配。
666によって堕とされた蟹座氏は唯一つの目的のために歩みを進める。

「ししょー……許さないから……あははは、あははははははは♪」

蟹座氏は向かう。
自らがししょーと慕っていたはずのバトルマスターの元へ。
彼を殺して、写真を回収するために。
それが666によって仕組まれた事とも知らずに。

「ああ、でもちょっと疲れたなあ。少し休憩しよっと」

ししょーは強い。
殺すなら万全の状態で臨まなければいけない。
その考えから蟹座氏はデイパックから食べられるものを取り出した。
基本支給品に含まれるパンやおにぎり、そしてロッテリアのハンバーガーを全て平らげる。
なぜ基本支給品の食料にロッテリアのハンバーガーがあったのかは気にしなかった。

「ふー、休憩終了。さて、ししょー今殺しに行くからねー」

最後に飴玉を口に入れ、蟹座氏はバトルマスターがいると教えられた病院方面へ向かおうとしたのだが……

「あ、あれ、なんだか眠く……うぅ……し、ししょー……すぴー」

――私にできるのは飴玉を介してのこれが限界。後は蟹座氏ちゃん自身の問題ね。

誰もいない路上に眠りに付く蟹座氏。
この時ばかりは安息に包まれていた。


 ◆


「え、ここは?」

蟹座氏が目覚めてまず目に入ったのは奇妙な光景。
そこは広い広い、ただ広いだけの平原だった。
景色の色は白色、いや灰色だろうか。
印象としては寂寥を感じさせる。

「――そんな事より……」

そう今はそんな事より自分を騙したししょーに裁きを下す事が先決だ。
優しい顔をしてあんな下劣な事を指示していたなど信じたくなかったのに――

「許さない、許さな『あははは、せっかちだね♪』」

突然聞こえてくる自分以外の声。
それは目の前にいる少女からだった。
今の今まで蟹座氏は目の前に少女がいる事に全く気付いていなかった。
その少女には見覚えがあった。

「……蟹沢、きぬ?」

目の前の少女は自身もよく知るつよきすの蟹沢きぬの姿をしていた。
だが「蟹沢きぬ」と呼んだが、蟹座氏には目の前の人物の正体が「蟹沢きぬ」ではない事に薄々気づいていた。
自分の姿も蟹沢きぬなので鏡を見ているような印象を受けるが、その表現は言い得て妙である。
なぜなら――目の前の少女も「蟹座氏」なのであろうから。

『あははは、分かっているみたいだね。さすがはボク♪』

3772対面:2008/06/14(土) 22:51:38 ID:EuqO9w7U0
目の前のドッペルゲンガーが楽しそうにそう言ってくる。
まるで長年の知己に再会したかのように。
嬉しそうに、満足そうに、笑っていた。

『へー怒っているんだ。まあそれでもボクはいいよ♪』

自分の考えを見透かされているような不快感。
相手が自分だけにどうしようもない問題な気もするが。
とにかく目の前の「もう一人の蟹座氏」に苛立ちを覚える。

『別に用って程じゃないんだけどね。機会が巡ってきたから話すのもいいかなと思ってさ♪』
「ボクは用なんかないし、早くししょーの所へ行かなくちゃいけないから解放しろ!
 どうせお前が何かしているんだろ!」

そうだ。
こんな所で油を売っている暇など全くない。
早くししょーを見つけて殺して写真を奪い返さなければならないのだから。
とにかく話が通じないなら実力行使か。

『あ、やる気? いいよ、自分同士だし勝負がつくとは思えないけど、やりたかったら相手するよ♪』

だが相手にも一理ある。
自分同士で戦っても優劣は付きにくい。
ならばどうするべきか。

『まあ今なら勝てそうだけど……』
「どういう意味だよ」
『お前ってさ、だらしないよね♪』
「は? どういう意味だよ」

見ず知らず――という表現が正しいのか不明だが――の奴にいきなり「だらしない」と言われて気分がいいはずない。
しかも自分のどこがだらしないというのかさっぱり分からない。
今もししょーに裁きを下すために必死に――

『はあー、だからだよ。そうやってすぐに踊らされる。もう少ししっかりしろよ』
「だからどういう意味だよ!」
『分からないならいいよ。ボクとしてはお前に失望するだけだしね♪』
「だから――」
『失ったものは戻らない。これは摂理だよね♪』
「……で、なに」
『人の話はよく聞いた方がいいよ、もう一人のボク♪』

いまいち釈然としない、というよりは頭が追い付いていない蟹座氏。
目の前の「もう一人の蟹座氏」が何を言おうとしているのかさっぱり理解不能だった。

『こちょこちょ』
「ふにゃ!?」

いきなり前触れもなしに脇と首をくすぐられた。
思わず声を上げてしまってなんだか恥ずかしくなってくる。
全く何を考えているのか分からない。

『リラックスしたらいいよ。で、何か大事な事忘れているんじゃないの?』
「へ? なにかあったけ?」

3773対面:2008/06/14(土) 22:52:33 ID:EuqO9w7U0
そこで目の前の奴は「はあ〜」とか「やっぱりなあ〜」とか「蟹だな」とかいうような表情で視線を送ってきた。
とりあえず真相は分からないが、すごくムカついた。
何が言いたいのか、はっきり言えと思った。

『託されたものあったんじゃないの? それなのに全部忘れてさ、自分ながら恥ずかしいよ』
「――っ!!」

その言葉は引き金だった。
蟹座氏の心の底に沈んでいたものを解き放つ引き金。
そこから湧き上がるのはいままでにかけられてきた言葉。

――そのままの……君が……好きなんだ、みんな……だから、決して憎まないでくれ。
――ああ、だから俺を信じろ!君を助けようとした、その男の死を無駄にするな!!
――大丈夫だ蟹座氏!! 私を信じろ!!
――何を勘違いしているのですか、蟹座氏。 蟹座氏の奮闘はこれからであろう。
――そうだ。自分に自信を持て。
――にゃはは、蟹座氏はバトルマスターの事が大切なんだよね。 だったら、その人の気持ちを分かってあげなきゃ。
――バトルマスターが何であんな行動をしたのか、よく考えてみてください。
――少なくとも私は君を救えた事に満足している。
――どうか私達の分まで、私達の想いの分まで、懸命に生きてね。
――蟹座氏さん、ここはご主人様が、抱きとめて、くれるところ、ですよ。
――大丈夫だよ、蟹座氏さん。もう命を粗末にしない。私はもがき続けながらも生きてゆきたいから。
――うー☆ファイトだよ、妹者ー☆(ぎゅー)

思い出されるのは最後に交わした言葉の数々――最後には覚えがなかったが。
自分の罪が、自分にかけられた想いが、蘇る。
でも……

「それでもししょーのした事は許せないよ……」
『なら話せばいいよ。話を聞いてから殺すか生かすか決めればいい。
 ただ、安易に考える事をやめて逃げる事だけはやめておいた方がいいかな。
 碌な事にならないからね♪』

蟹座氏は悩む。
それで本当にいいのだろうかと。
またししょーに騙されるのではないかという不安が大きくなる。
でも然して他に考えがある訳でもない。
目の前の「もう一人の蟹座氏」の言う事を聞くのもなんとなく気に入らない。

『ま、話して殺そうって思ったら殺したらいいんじゃないかな♪』
「……うん、そう……だね」
『うん、頑張ってね。ああ、症候群とかは一時的に抑えておくし、落ち着いて話すといいよ♪
 じゃあ、いってらっしゃい♪』

目の前の「もう一人の蟹座氏」のその言葉を最後に蟹座氏の意識は薄れていった。
それはだんだんと身体にも及び、終には蟹座氏本人がこの世界から消えていった。

『ったく、症候群の宿主ならもっとしっかりしてほしいよ。
 神剣の意思や驚きの黒さになんか負けかけやがって!
 本当、ボクの宿主は何しているんだか♪』

そして唯一人残っていた「もう一人の蟹座氏」もいつしかその姿を消していた。


 ◆

3774対面:2008/06/14(土) 22:54:01 ID:EuqO9w7U0
「……ふやぁ!?」

目覚めると少し肌寒いと、これが蟹座氏の寝起きの感想だった。
路上で爆睡していたのだから、ある意味仕方ないと言えば仕方ない。
でもそのおかげでいままで蓄積していた疲労はすっかり解消された。

「……ぅう……なにか夢を見ていたような気がするけど、ぼんやりとしか思い出せない」

何か大切な事があったような気もするが、いくら考えてもどうにも思い出せなかった。
忘れてはいけない事だったような気もするのに……

「あれっ!?」

ふと視線を下に向けると、身につけている永遠神剣『誓い』に変化が生じているのが見て取れた。
通常なら片刃剣型のはずが、今は愛用の鉈と瓜二つの姿となっている。
使いやすくなって嬉しい限りだが、なぜそうなったかは理由が分からなかった。
よもや夢に出てきた「もう一人の蟹座氏」からの餞別とは、今の蟹座氏では思いつくはずなかった。

「――それよりも……ししょーに問い質さないと!」

あの写真をどういう理由で盗撮したのか。
本当にししょーが撮ったのか。
まあ、十中八九ししょーが仕組んだに違いないと思うが、念のために聞いておこう。

師弟の対面は刻一刻と近づいている。



【1日目 真夜中】【E-8 病院目前】
【蟹座氏@ギャルゲロワ】
【状態】:へこみLv8(黒さ補正で5+3、ししょーとの話が終わるまで落ち着いているようです)、『蟹座じゃないもん』覚醒、顎部に痒み、左手首に傷、
     若干錯乱、首輪解除、驚きの黒さに汚染
【装備】:体操着(ブルマ)、鉈、ケリュケイオン@リリカルなのはStrikerS、永遠神剣『誓い』、蟹座の黄金聖闘衣、蟹座氏の写真×10
【道具】:支給品一式(食料全て消費)×5、最高ボタン、カードデッキ(シザース)@ライダーロワ、閃光弾、まふうじの杖、バッド・カニパニーの甲羅、
     腕時計型麻酔銃(1/1)@漫画ロワ、ティーセット一式、麻酔銃の予備針×3、変化の杖、ヴァッシュ・ザ・スタンピードの銃@トライガン、
     対戦車地雷×2、リュート@からくりサーカス、ドラゴンオーブ@AAA
【思考】:
 基本:ししょー……ひどいよ……
 0:バトルマスターと話す。その後みんなを殺して写真を奪い返すか決める。
 1:僕の記憶、どこかおかしい?
 2:『あいつ』に逢ったら殺す。
 3:ギャルゲロワの仲間とはできるなら会いたくない……けど。
 4:敵とは戦う。ギャルゲロワ以外でいじめてくる人はみんな敵。

※容姿は蟹沢きぬ(カニ)@つよきすです。
※最高ボタンを押すと、『いやっほぉぉぉおおおう、蟹座のONiぃ様、最高ーーーーーっ!!!!!』という台詞が、
 ハクオロの声で流れます。シークレットボイスにも何かあるかも?
※自分の心がキャラに影響されている事に気付きましたが、キャラに抵抗するため無駄な努力をしています。
※身体能力は本気を出せば倉成武ぐらいの力が出ます。通常はカニ。
※蟹見沢症候群について。
 へこみのLvが5になった時、発祥します。発症した場合、自分を苛めたり辱めたりした者を優先的に殺します。
 666の仕込みによってリミット天元突破。どうなるかわかりません。
 基本的な症状は雛見沢症候群と同じです。発症中は蟹座氏のチャット状態の特徴により、語尾に♪がついたりします。
 今はバトルマスターと話し終わるまでは落ち着いているようです。話し終わったらどうなるか分かりません。
※言霊『蟹座じゃないもん』に覚醒しました。
 強い意志で蟹座である事を否定する事により、文字通り蟹に縁のあるアイテムから、『蟹座じゃないもん』つまり『蟹座じゃないもん(者、物)』の力を引き出せます。
 ただし使いすぎると境界が……
※蟹座氏のバリアジャケット姿がどのようなものかは以降の書き手に任せます。
※なりきりが解けかけ、記憶に混乱が生じています。
※蟹座氏の写真の詳細は後の書き手にお任せします。
※死者スレ産の飴玉を舐めた事により何か影響が出るのかもしれません。
※永遠神剣『誓い』は蟹座氏の所持している鉈と瓜二つの姿に変化しました。



投下終了。
ふう、プロットの大切さを改めて知りました、はい。

3775……名無しが、光っ――――?:2008/06/15(日) 04:10:02 ID:e61xjfZA0
二つとも投下乙〜

つまり、感電は偽煩悩寺を回収し、繋ぎ師が本物に会っていたんですね!w
そして姿を消した煩悩寺を追っていた繋ぎ師も、誤解して偽物を助けに行ったら、
魔法が解けたと。

……手前の後始末申し訳ない。ありがとう。

話自体も面白かったですwってかこなたアホ毛ってw

蟹座氏の方も丁寧な繋ぎでした。
まさか症候群を千年アイテムの意思みたいに使うとはw
うん、是非とも繋げてバトマス氏との話が書きたいぜ!

3776最終二部作1 孤高のスタンドプレイヤー:2008/06/22(日) 14:43:23 ID:U0ipVapk0
「フォーグラーの墜落で廃墟と化したD-7。今この地で、一人のマーダーと四人の対主催がぶつかり合おうとしていた。
マーダーの名は【漫画ロワの黒い魔王】熱血王子!
対するは【テッカマンデモン】速筆魔王LX!
【仮面ライダーSRX】影の繋ぎ師!
【こなカード】地球破壊爆弾No.V-7!
そして【愛と正義の巫女服美少女戦士】クールなロリ…」

スパコーン!

「ナレーションごっこなんかやってる場合か!」

ロリスキーが地球破壊爆弾の頭を叩く小気味いい音が、辺りに響く。
そう、冒頭の文章はすべて爆弾の独り言である。

「いや、現在の状況をわかりやすく整理しておこうと思ってだね…。」
「そんなことしてる余裕ないでしょ!魔王さんたち、もう戦ってるのよ?」

ロリスキーが言うとおり、二人が夫婦漫才を繰り広げている間に、残り二人は熱血王子との戦いを開始していた。

「今宵の斬鉄剣はひと味違うよ!」

テッカマン風のバリアジャケットに身を包んだ魔王が、斬鉄剣を熱血王子に振り下ろす。
だが、熱血王子はそれを白刃取りで受け止める。そして魔王の腹めがけ、膝蹴り。
魔王は斬鉄剣から手を離し、紙一重でそれを回避。
魔王が間合いを取ったところで、今度は繋ぎ師がサタンサーベルで切り込む。
だがその一撃も、熱血王子の跳躍に回避された。

「やあっ!」

そのまま回し蹴りを放つ熱血王子。繋ぎ師はそれをしっかりガードし、いったん後方に下がる。

「なかなか手強いですね…。」
「武器さえ奪っちゃえば、どうにでもなると思ってたんだけどねえ…。」

肩を並べ、短く言葉を交わす二人。彼らに向かって、奪った斬鉄剣を構えた王子が突撃する。

「あちょー!」

しかし横合いから、爆弾が頭突きをかます。
攻撃は見事に決まり、熱血王子はダウン。
彼が取り落とした斬鉄剣を、ロリスキーが素早く拾って魔王に投げ渡す。

「やあ、待たせたね、二人とも。」
「何やってたんですか、地図氏…。」
「いやー、ちょっとクーちゃんと愛の営みをね。」
「誤解を招くような言い方するな!って言うか、後ろー!」
「ほえ? うにゃん!」

爆弾が振り向くより早く、熱血王子の蹴りが彼女に命中。小さな体が宙を舞う。

3777最終二部作1 孤高のスタンドプレイヤー:2008/06/22(日) 14:44:38 ID:U0ipVapk0
「ちょ、ちぃちゃん、大丈夫!?」
「何とか…ねー!」

空中でうまく体勢を整えて着地した爆弾だが、息つく間もなく熱血王子のラッシュが彼女を襲う。
次々と襲い来る拳の雨を、かわす、かわす、かわす。

(くっ、だんだんスピードが上がって…。うあっ!)
「ちぃちゃん!」

ついに回避し損ねた右のボディーブローが、爆弾を捉える。
動きを止めた爆弾の首に、王子は両手をかけた。
首を絞めるなどと生ぬるい行為ではない。一気に首の骨を折りにいくつもりだ。

「離しなさい!」

しかし恋人に手荒い真似をされ、怒り心頭のロリスキーがドロップキックを王子に食らわせる。
元は単なるかがみとはいえ、今やダブルアーカードの血を摂取して一人前の吸血姫となった彼女。
その身体能力も、侮ることのできないレベルに達している。
攻撃をまともにくらい、王子の手に込められた力が緩む。
その隙を見逃さず、爆弾は王子の腹に膝蹴り。その反動を利用して、王子の手から逃れる。

「二人とも離れて!」

爆弾が解放されたのを確認して、魔王が叫ぶ。その肩口は、まばゆい光を放っていた。
何らかの強力な攻撃が来ると判断した爆弾とロリスキーは、急いで退避。
王子も逃れようとするが、爆弾が置きみやげとして喰らわせていった脚払いでバランスを崩してしまう。

「いくよ!本邦初公開…ZEROボルテッカァァァァァ!」

放たれるのは、絶大な量の光の奔流。彼が自らの分身から受け継いだ魔力を破壊光線として放つ、シンプルにして破壊力抜群の必殺技だ。
熱血王子の姿は、その光の中に飲み込まれる。普通なら、跡形もなく消滅しているところだ。
しかしこの場において、「普通」などという言葉はキ○ヤシの結論並みに当てにならない。

「があああああああ!!」

光の中から、野獣の如き咆吼と共に王子が飛び出す。
いかに王子とはいえ、ZEROボルテッカをまともにくらっていたら死は免れなかっただろう。
ならば、なぜ彼は生き残ったのか。その鍵を握るのは彼の手に残された数少ない支給品の一つ、「パロロワ衣服詰め合わせ」である。
ファンタジー系の作品には、魔法に抵抗力を持った衣服というものが出てくることが多い。
熱血王子はそういった服をとっさに自分の前にばらまき、ZEROボルテッカからの盾にしたのだ。
尤もそれらの服とウルトラマントを犠牲にしてもなお、彼が受けたダメージは小さくなかったが。

「うぐっ!」

たとえ王子が生きていてもまっすぐこちらに突っ込んでくるとは思っていなかった魔王は、まともに彼の体当たりを受けて吹っ飛ぶ。

3778最終二部作1 孤高のスタンドプレイヤー:2008/06/22(日) 14:45:13 ID:U0ipVapk0
「貴様ぁ!」

とっさにパンチを繰り出す繋ぎ師。しかし王子もほぼ同時に拳を突き出し、クロスカウンターの形でお互いの拳が顔面にめり込む。

「うがああ!!」

怯むことなく、さらに蹴りを放つ王子。なおも攻撃を続けようとするが、その首に背後から飛んできた鎖がからみつく。爆弾が投影した鎖鎌だ。
背後に引っ張られ、動きを止める王子。そこへ、ロリスキーが追撃をかける。

「クロスファイアハリケーンスペシャルかわせるかーっ!!」

アンクをかたどった無数の炎の塊が、ウルトラマントという守りを失った王子に襲いかかる。

「うぎゃああああ!!」

絶叫、そして肉を焼く匂いが周囲に立ちこめる。だが、それでも王子は止まらない。
鎖を力任せに引きちぎると、目の前の繋ぎ師に頭突き。
彼がよろけたところで、ロリスキーに向かって走り始める。

「させないよ!」

だがその前に魔王が立ちふさがり、斬鉄剣を一閃。王子の胸に、横一文字の傷が刻まれる。
しかし、その痛みも王子を止めるには至らない。
タックルで強引に魔王を倒すと、自分は素早く立ち上がり再びロリスキーに向かっていく。

「いいかげんにしなさいっ!」

真正面からの突進を、衝撃波で迎撃するロリスキー。それをジャンプでかわす王子だが、空中では既にその動きを読んだ爆弾が待ちかまえていた。

「つっかまえたー☆」

王子を捕縛した爆弾は、プロレス技のパイルドライバーの体勢で落下。
王子の頭を、思い切り地面に叩きつける。
彼の頭頂部から血が噴き出し、黒く染まった髪をさらに赤く染める。
だがそれでもなお、王子は沈黙せず。爆弾の腕をふりほどき、立ち上がる。
そして、爆弾の心臓を狙って貫手。とっさにかわした爆弾だが、脇腹が切り裂かれる。

「ああもう、なんなのよあの人は!なんであんな体でまともに動けるわけ?」

ロリスキーが、ヒステリックに叫ぶ。彼女が叫びたくなるのももっともな話である。
体を焼かれ、斬られ、砕かれ、それでも熱血王子は動き続けている。
むしろ、その動きはキレを増しているぐらいである。

「精神が肉体を凌駕してる…ってやつかな。」

静かに呟くのは、速筆魔王LX。

「生半可なダメージを与えても、彼は止まらない。
戦うという意識は捨てよう。ここからは、殺すという意識でいく!」

斬鉄剣を構え、魔王は突進する。繰り出す攻撃は、斬撃ではなく刺突。
狙いは心臓や頭など、一撃で命を奪える箇所に絞る。
だが、それは狙った箇所を捉えることはない。
それどころか、カウンターを決められ逆に魔王が地に伏す。

「くそっ、エレキハンド!」

追撃を加えようとする王子だったが、そこに繋ぎ師の放った電撃が襲いかかる。
一撃目は回避に成功。だが続いて放たれた二撃目が、王子に命中する。

「がはぁっ!」

3億ボルトの電流をその体に受け、熱血王子は崩れ落ちた。

3779最終二部作1 孤高のスタンドプレイヤー:2008/06/22(日) 14:45:49 ID:U0ipVapk0
朦朧とする意識の中で、熱血王子は考える。
自分はなぜ戦っているのかと。
もはや、その理由さえ思い出せない。だが、戦えば救われるということだけは覚えている。
救われたい。だから、全身至る所を襲う痛みをねじ伏せて立ち上がる。
戦え。戦え。戦え。そして、殺せ!

ゆっくりと、熱血王子は体を起こす。全身にむごたらしいまでの怪我を負いながらも立ち上がるその姿は、まるで生ける屍のごとしである。
彼の前に立ちはだかるのは、一足先に立ち上がっていた魔王。
魔王はためらいなく、首筋めがけて刀を振るう。
だが、やはりその一撃も目標を捉えられず。左のツインテールを切り落としただけに終わった。

「君は!なぜ!まだ戦う!なぜ!立ち上がる!まだ勝てると!優勝できると!思っているのか!
あり得ない!たとえこの場を切り抜けたとしても!すでに君は!瀕死の重傷を負っている!
そんな体で!残りの対主催を全滅させられると!本気で思っているのか!」

斬撃の嵐を浴びせながら、魔王は叫ぶ。今の王子を支えている、心を折りにいく作戦だ。
だが、すでに戦うことしか考えられぬ狂戦士と化している王子には、そもそも魔王の声が届いていない。
王子の脳内に渦巻くのは、ただ目の前の相手を倒し、殺すという思いのみ。
それを達成するために、王子は半死半生の体を動かす。
常人には目視することも不可能と思えるスピードで襲い来る刃を避け、なおかつ反撃の手刀を放つ。
だが、それも有効打には至らず。戦いは膠着状態に陥っていた。
それを打ち破ったのは、繋ぎ師の声だった。

「魔王さん、よけてください!!」

魔王が振り向くと、そこには横一列に並んだ繋ぎ師、爆弾、ロリスキーの姿。
なお、爆弾は長門の姿に変身している。

「もう終わりにしよう、熱血王子…。いくらお前が多くの人を殺めた悪人でも、そんなボロボロになってまで戦い続ける姿は見たくない。」

繋ぎ師のベルトが、淡い光を放ち始める。

「ダブルキングストーンフラッシュ!」

自らが使える中でも、最上級の大技を放つ繋ぎ師。それに合わせて、爆弾長門が情報改変で作り出した無数の槍と、ロリスキーの衝撃波が一斉に王子を襲う。

「なるほどね…。じゃあ、こいつはおまけだ!ZEROボルテッカァァァァァァ!!」

上空に逃れた魔王は、追い打ちとばかりに二回目のZEROボルテッカを発射する。
前方を埋め尽くす、破壊の嵐。もはや王子に、回避する手段はない。

「くうっ!」

苦肉の策として、王子が取り出したのは凛の宝石。カートリッジに帰られていたそれの魔力を直接解放し、前方の攻撃にぶつけることで威力を相殺する。
だが、その程度で受け止められるような攻撃ではない。

「GUAAAAAAAAAAAA!!」

耳をつんざく悲鳴が、周囲に響き渡った。

3780最終二部作1 孤高のスタンドプレイヤー:2008/06/22(日) 14:46:21 ID:U0ipVapk0
「さ…さすがに今度は倒せたわよね…?」
「わからない、死亡を確認するまで油断は禁物。」

うんざりしたような表情で呟くロリスキーに対し、爆弾長門は冷静に言う。

「どうやら…死亡確認とはいかないみたいだね…。」

そう呟いたのは、三人のそばに降り立った魔王。彼の視線の先には、未だ両の足で地面に立つ王子の姿があった。

「嘘でしょ…。なんであれで立っていられるのよ…。」
「確かにあれだけの攻撃を受けて、立っていられるのは奇跡的。でも、逆に言えば立っているだけ。」
「え? どういうこと…?」

爆弾長門の発言の真意がわからず、ロリスキーは首をかしげる。

「そのままの意味。今の彼は、生命活動を停止する寸前。これ以上の攻撃をしかけなくても、おそらくあと数分で死に至る。」
「そう…なんだ…。」
「だが…それでも、俺はあの男にきっちりとした止めを刺してやりたい。」

そういって一歩前に出たのは、影の繋ぎ師。

「繋ぎ師くん、一体何を…。」
「魔王さん…。彼は…熱血王子は、元々熱い魂の持ち主だったはずなんです。
何度も戦ってきた俺にはわかります。ただ、このロワという環境でゆがんでしまっただけなんです。
だから…せめて彼にはその熱き魂にふさわしき最期を…!」

繋ぎ師は走り出す。その先にいるのは、もちろん熱血王子だ。

(来る…!)

熱血王子は、肌で感じ取る。何よりも熱きヒーローの心を持った男が、自分に向かってくるのを。
死を前にして、もはや他の書き手への恨みも、愛媛や666への忠誠心もない。
ただ、抑圧されていた熱血魂だけが彼を支配していく。
熱き血潮が、体中を駆けめぐる。もはや動かないはずの体に、ほんの少しだけ生気が戻っていく。
 
「これが俺の…全力全開だぁぁぁぁぁぁ!」

自らの血をまき散らしながら、熱血王子は跳躍する。それに合わせて、繋ぎ師も地を蹴る。
奇しくも最後は、蹴り対蹴り。

「レオ…キィィィィィック!!」
「RX…キィィィィィック!!」

3781最終二部作2 日々の未来:2008/06/22(日) 14:47:15 ID:U0ipVapk0
(俺は…何をしていたんだっけ…。)

真っ暗な空間の中で、熱血王子は目を覚ました。
その姿は高町なのはではなく、本来の姿であるヒビノ・ミライになっている。

(なんだろう…。向こうに光が見える…。行ってみるか…。)

光に向かって、ゆっくりと歩き出す王子。

「どこに行くのかな、熱血王子さん?」
「え…?」

突如、背後からかけられる声。振り向くとそこにあったのは、真っ暗な中でも認識できる、さらに黒い何か。
それは、小柄な少女の姿を取っていた。

「結局まともに仕事できなかったくせに、死んで楽になろうなんて…。許さないよ。
あなたは死者スレになんて行かせない。ここで永遠に苦しみなよ!!」

黒い何かが、急激にふくれあがる。少女の輪郭はあっという間に姿を消し、それは巨大な化け物となった。

「あ、あ…。」

本能に訴えてくるような恐怖に、熱血王子は怯えるしかない。
化け物は大きく口を開け、王子を飲み込もうとする。
だがそのとき、光の向こうから何かが飛んできた。

「塵は塵に返れ!AAAAAAAAAmen!」

神父の服装に身を包んだ男が、叫びと共に化け物を十字に切り裂く。
化け物は断末魔の雄叫びを上げ、闇に溶けていった。

「まったく、変な物連れてきやがって…。」
「あんたは…。」

王子は、男の顔に見覚えがあった。いや、会った時には視力を失っていたので、この言い方は正しくないが…。
とにかく、王子は男のことを知っていた。

「熱血怪人なのか…?」
「ああ、そうだ。わざわざ迎えに来てやったんだ、感謝しろ。」
「なんで…なんで俺なんかのために…。」
「なんで? お前一人じゃちゃんと俺たちのところに来られるか心配だったからだろうが。ほら、他の連中も来てるぞ。」

熱血怪人が指さす方向には、4人の人影。
したらば孔明。孤高の黒き書き手。漆黒の龍。そして、お姉さま。

「みんな…。」

熱血王子の頬を、暖かいものが伝う。
自然と口からこぼれ落ちるのは、これまで何百回と行ってきた言葉。しかし、今までのそれとは何かが違う言葉。

「ごめんなさい…。」

【熱血王子@漫画ロワ 死亡】

3782最終二部作2 日々の未来:2008/06/22(日) 14:47:48 ID:U0ipVapk0
◇ ◇ ◇


激闘が終わった廃墟。勝者である四人は、敗者である熱血王子の埋葬を行っていた。
亡骸を埋めた地面の上には適当な瓦礫が載せられ、そこに「熱血王子の墓」という文字が刻まれる。

「敵である君をわざわざ埋葬までしてやったんだ、あの世で感謝してほしいね。」

墓の前で、変身を解除した魔王が呟く。

「すいません、魔王さん。俺のわがままで手を煩わせてしまって。」
「いや、気にすることはないさ。それより、大丈夫かい?」
「ええ、体力さえ戻れば何とかなると思うんですが…。」

魔王の隣には、彼に肩を借りる繋ぎ師の姿があった。その姿はSRXではなく、変身前の青年に戻っている。
合間に休息を挟んでいるとはいえ、tu4氏、フォーグラー、熱血王子と激戦を連続でこなしたのだ。
月と太陽を失った今、さすがのチート王もエネルギー切れを起こしていた。
最後のキック合戦で砕けた右脚も、再生させることができずそのままである。

「さてと、これからどうする?」

墓にバルディッシュを供えた爆弾が、二人の方に振り向きながら尋ねる。
ちなみに、姿はこなたに戻している。

「とりあえず、僕はここに残るよ。フォーグラーの修理をしなくちゃいけないからね。
繋ぎ師くんも、回復するまで動かない方がいいんじゃない?」
「そうですね。俺もしばらく、ここで待機します。」
「そっか。私たちはどうする、ちぃちゃん。」
「うーん、感電ちゃんをとっつかまえていろいろ聞きたいところなんだけど…。
けどまあ、あっちがまた会おうって言ってたんだから、こっちから行かなくてもその内会えるでしょ。
それより、ダイソウさんたちとの合流を急ごう。」
「オッケー。それじゃ魔王さんたち、また後で会いましょう。」
「うん、そっちも気を付けてね。」

駆け足で去っていく爆弾をロリスキーを、魔王は手を振って見送る。
やがて彼女たちの姿が見えなくなると、魔王は背後に向き直る。
そこにあるのは地に落ちた黒い太陽。大怪球フォーグラー。

「さて…。もう一仕事頑張るか…。」

ちなみに、彼がすっかりほったらかしにしていたみWikiの存在を思い出すのは、これより数分後のことだった…。

3783最終二部作2 日々の未来:2008/06/22(日) 14:48:18 ID:U0ipVapk0
【1日目 真夜中】【D-7 市街地】
【速筆魔王LX@アニロワ2nd】
【状態】:疲労(中)、全身にダメージ(小)、魔力残り40%、首輪解除
【装備】:斬鉄剣@ルパン三世、技術手袋@アニロワ1st、デバイスクリスタル
【道具】:支給品一式×8、分解済みの首輪(素晴らしきフラグビルド)、首輪×3(地味子、◆wKs3a28q6Q、永遠のうっかり侍)、
     iPod、みWiki@らき☆すた?、 コーヒーセット一式@スパロワ、
     コーカサスブレス&ゼクター@ライダーロワ、ジャーク将軍のマント@ライダーロワ、
     杖@ライダーロワ、王者のマント@FFDQロワ、バヨネット×2、核鉄「バルキリースカート」、ジャッカル(5/6)、
     銀河ヒッチハイクガイド、咎人の剣「神を斬獲せし者」@AAAロワ、ドラゴン殺し@アニロワ1st、他にまだあるかも?
【思考・行動】
 1:フォーグラーを修理し、対主催の戦力にする。
 2:逃げた感電氏と話がしたい。
 3:将軍の電子戦にある意味期待。
 4:『白猫』って誰? あと『黒猫』?
 5:対主催陣を探し、ゲームに乗った強敵を撃破していく。
 6:あの連中には借りを返す。



※主催者陣営に裏切り者がいるのでは、と考えています。
※首輪の構造を理解しました。
※『柿テロ猥・R2‐ND』掲載の情報を一部入手しました。
 新生クライシス帝国に因縁のある相手――主催者・ジョーカーと真の対主催がメインです。影の繋ぎ師の情報も揃っています。
 反面『黒猫』の情報を初め、不完全な部分もあります。お任せします。
※孤城の主のコロンビーヌ視点の情報を得ました。
※美形元帥が持っていた、膨大な量の魔力を吸収しました。
※強化された事により自身の正体をなんとなく把握しました。
※みwikiが最終形態になりました。高良みゆきの姿で実体化できます。本に戻ることも可能です。
※バリアジャケットのデザインは、テッカマンエビルをさらに禍々しくしたような感じです。
 テッカマンの能力が再現されているかどうかなど、詳細は後続の書き手さんにお任せです。
※現在デイパックの口にみWikiがつっかえているため、彼女を出さないと他の道具が取り出せません。


【影の繋ぎ師@ライダーロワ】
【状態】:ネオバスク修復完了、エネルギー枯渇、右脚骨折、WIKI管理人への天元突破級のぶっちぎりな激しい怒り
【装備】:サタンサーベル@ライダーロワ カラオケマイク@現実
【道具】:支給品一式×3、 ワルキューレ@スパロワ、ドラグブラッカー、写真付き名簿、放火セット(燃料、松明、マッチ)、ナイフ、不明支給品×1(確認)、BL本、首輪×2、パロロワ衣服詰め合わせ、
      お徳用原作パロロワ全生首セット(目玉セット他に換装可能)&原作パロロワ全手首詰め合わせ※今なら腕も付いてくる!
【思考・行動】
 基本:殺し合いには乗らない。自分のSSへと戻る。それでも俺は俺として ぶ っ ち ぎ る ぜ  !!
 1:再生できる程度のエネルギーがたまるまで待機。。
 2:本物の煩悩寺さんはどこへ?
 3:WIKI管理人を倒す。
 4:他の参加者にもディーやtu4氏から聞いた事を伝える。



※変身体が仮面ライダーBLACK SRX@書き手ロワ2に進化しました。
 キングストーン二つの融合により更なる可能性を得たかもしれません。
 ※RXの全変身系統の能力が二倍以上にアップし、シャドームーンの武器と技も使用可能です。
  何より性能差をももろともしないシャドームーンの卓越した戦闘技能を強化されたRXが得たことが一番大きいでしょう。
  ローマ字化するとSで始まる名前のライダーやフォームの力も使えます。
  JUDOの力すら使用できます。ぶっちぎり過ぎです。
  原作設定すらぶっちぎるぜい!



 ※太陽と月の破壊により、無限再生ができなくなりました。
  キングストーン×2による一瞬での再生は可能ですが、かなりのエネルギーを消費します。
  また、SRXモードでの全力戦闘自体は可能ですが、エネルギー消費に回復が追い付かず、30分くらいで戦闘不能になるでしょう。
  無理をすればそれ以上戦えますが、命の保証はできません。
  それでも漢はぶっちぎる気満々です。



 ※ロワの会場(ラピュタ含む)外が、空白地帯になりました。
  太陽や月、星といった宇宙が消滅したため、ロワ会場はずっと暗いままです。
  宇宙消滅したのに、今のところ会場が大丈夫なのは、書き手ロワ2だからです。
  ただ、なんらかの悪影響はあるかもしれません。お任せします。

3784最終二部作2 日々の未来:2008/06/22(日) 14:48:49 ID:U0ipVapk0
G-7。仲間たちとの合流を急いでいたはずの爆弾とロリスキーは、なぜか無人のこのエリアにいた。

「とりあえず、説明してもらうわよ。ここに何があるわけ?」
「この辺なんだよね、フラグビルドちゃんの生存反応が消えたのって。」

そう答えながら、爆弾はデイパックに手を突っ込む。出てきたのは、煩悩寺の身代わりとしてジョーカーに利用されたChain-情の亡骸だった。

「え…?あんた、いつの間に…。」
「Chain-情くんは一緒にアニロワで頑張った戦友だからさ。せめて恋人と同じところに葬ってあげようと思って。
彼女が死んだのって、いろんな意味で私にも責任あるし。」

そう説明する爆弾の顔つきは、どこか儚げで。
見ていられなくなり、ロリスキーは右手から衝撃波を飛ばして地面をえぐる。

「さあ、早く済ませちゃいましょ。みんなも待ってるだろうし。」
「そだね…。」

ロリスキーが掘った穴に、爆弾は遺体を横たえる。

(いろいろと迷惑かけてごめんね、Chain-情くん。まあその分は、これから埋め合わせするからさ。
君は死者スレでゆっくりしててよ…。そのうち力借りることになるかもしれないけどね…。)

遺体を埋め終わり、爆弾は長門の力でその辺の物から作り出した墓標を置く。
そこには、こう刻まれていた。

「静かなる〜Chain-情〜 素晴らしきフラグビルド
 ロワへの反逆を貫いた恋人たち ここに眠る」

3785最終二部作2 日々の未来:2008/06/22(日) 14:49:18 ID:U0ipVapk0
【真夜中】【G-7 市街地】
【地球破壊爆弾No.V-7@アニロワ1st】
【状態】:疲労(中)、泉こなたの姿、強い決意
【装備】:激戦@漫画ロワ、レヴァンティン@アニロワ1st、巫女服(鷹宮神社)@らき☆すた
【道具】:支給品一式、着替え用の衣装(複数)、アダルトグッズ(大量)、泉こなたのスクール水着@漫画ロワ
【思考】:
 基本:クールなロリスキーと共にある。
 1:DIE/SOULたちと合流。
 2:感電にもう一度会いたい。でも向こうから来てくれそうなので積極的には動かない。
 3:もう迷わない。



※基本的に中身はアーカードで、CVは平野綾です。
※変化する姿に7つのバリエーションがあるらしいです。
【1:地球破壊爆弾】【2:アーカード】【3:長門有希】【4:泉こなた】
【5:銃撃女ラジカル・レヴィさん】【6:キングゲイナー】【7:1〜6とか目じゃないよ?びびるよ、まじで】
※クーガーの早口台詞が言えます!
※鎖鎌、鳳凰寺風の剣、ソード・カトラス、ノートPCの投影が可能です。



【スーパーキョンタイム】
 地図氏以外の者はゆっくりとしか動けなくなります。一度使うとそれなりの時間使用不可能です。
【地図氏の地図】
 参加者の位置、生死を含めた地図を投影できます(※長門有希の状態でのみ可能)
 使いすぎるとアレなので、毎晩0時にのみ使う事にします。




【クールなロリスキー@漫画ロワ】
【状態】:不死者、吸血姫、スーパーかがみんと融合、疲労(大)、強い決意
【装備】:巫女服(鷹宮神社)@らき☆すた
【道具】:支給品一式、着替え用の衣装(複数)、『村雨健二』の衣装、キュートなシルク仕様の裸エプロン、日焼け止めクリーム(大量)、
     カードデッキ(龍騎)、AK-74(残り28発)、マジシャンズレッドのDISC、GL本、未定支給品×?(ロリスキー確認済)
【思考】:
 基本:地球破壊爆弾No.V-7と共にある。
 1:DIE/SOULたちと合流。
 2:もう迷わない。



※容姿は柊かがみ@らき☆すたです(翼と尾が任意で顕現します)
 柊かがみの髪の色をしたドラゴンにもなれます。
 ヴァルセーレの剣の刃でできた羽を三対六翼持っています。尻尾はマリンデビモンの触手が変化して8つです。
※何故か不死身です。
※スーパーかがみんと融合し、彼女の記憶と能力を継承しました。
 柊かがみがその時点で使った事のあるあらゆる力、アイテムを使用できます。
※地球破壊爆弾No.V-7の血を吸い、独立した吸血姫となりました。
※ミスターマダオの血肉を食らった事で、吸血姫としてランク・身体能力が上昇しました。

※熱血王子の死亡により、支給品の黒化は解除されました。

3786最終二部作2 日々の未来:2008/06/22(日) 14:49:52 ID:U0ipVapk0
投下終了。
悪いな、みんな。熱血王子は俺がもらったぜ!

3787……名無しが、光っ――――?:2008/06/22(日) 14:59:55 ID:pxaymDxI0
っく、もらわれたか!
しかしいい死に方だ。
本来の自分に戻れて、許されて。
ごめんなさいが切ないぜ……。
投下乙!

3788……名無しが、光っ――――?:2008/06/22(日) 18:37:21 ID:EoLVQKkM0
投下乙です
熱血王子、最後に救われて良かった……自分のだと少し無常感ぽくなっていましたよw
これで残るマーダーは666と蟹座氏か
ネコミミストとマスターが同じところにいるし、これはあっちはヤバいかw
とにかく最後まで頑張った熱血王子とその最後の「ごめんなさい…。」
GJでした

3789決意の夜に:2008/06/27(金) 15:54:49 ID:/CzBMGQw0
そこには悲惨な惨状が残っているだけだった。
半壊した建物、辺りに散りばめられている赤い血、どれもここで起きた戦闘の爪痕だ。
そしてその大半は自分のせいだ、と感電はしみじみ思う。
もう一人の自分――焦ったドラえもんの身体を乗っ取っての殺戮劇。
無論その後にもここで戦闘は行われたが、最も温泉を血で染めたのは紛れもなく感電だった。
その事実は否定しようがない。

真の対主催。

その一員としての行動。
それ故の結果。
全ては覚悟していた事だった。
事実、感電は後悔していない。
あるのはただ一度の懺悔のみ。

「すまないな。俺達の我儘に巻き込まれて……
 いくらなりきりシステムによるコピーだからって許されていい事じゃないな」

クローン技術を流用させて「書き手というキャラ」になるべくして作られた参加者達。
改造されたダイダルゲートを通じてリアルタイムで更新される記憶。
それはまさに書き手ロワを運営するために用意された駒と言えるだろう。

しかし、だからと言って、その存在を無為にしていい道理など存在しない。
生まれはどうあれ、確固たる意志を持っている彼らは既に歴とした存在だ。
それに軽いも重いもない。
だからこそ後には引けない。

「俺は止まらない。俺達の目的を果たすまでは!」

実は既に彼ら真の対主催の目的の一つは潰えていた。
それは書き手ロワをラジオまでに完結させる事。
だが今となっては、それはもう叶わぬ願いになってしまった。
でも別に感電はラジオに間に合わせる事には然して重点を置いていなかった。
温泉での一件の時もそう言っている。
むしろ感電はもう一つの目的の方に気を向けていた。

「さて、放送に行くか」

そう言う感電の手の中には『闇を貫く雷神の槍、夜を切り裂く閃光の戦斧』と謳われたバルディッシュの改造デバイスであるバルディッシュ・アサルト・ブラックカスタムがあった。
そもそも感電が温泉に立ち寄ったのは思わぬ誤算があったからだ。
デンコーセッカの能力を使って移動した感電だったが、ここで嬉しい誤算が発生した。
あまりの速さに放送まで時間が余ってしまったのだ。
適当に時間を潰すという案もあったが、それより感電にはこの地で訪れておきたい場所があった。
それが会場南東部に位置する温泉だった。
当事者として、やはり一度は訪れておいた方がいいと思っての事だった。
バルディッシュはその途上で様子を見に行ったG-7にあった墓に供えてあったところを貰わせてもらった。
覚醒した自分にはこれ以上もないほど好都合な武器だった。
供え物を持っていくのは気が引けたが、さらなる覚醒のために持って行く事にした。

そして静かに黙祷を済ませると、感電はデンコーセッカの力で走り去って行った。
後には白い灰が風に吹かれて散っていた。
元はシルベストリの所持品であった白手ぬぐいと覆面とマント。
感電の雷撃によって灰となったそれを遺灰のように散らしていったのだ。
さすがに死体にこれ以上手を付ける気はしなかった。
本来の趣旨とは異なる事を知りながらも、それは感電のせめてもの手向けだった。

3790決意の夜に:2008/06/27(金) 15:55:36 ID:/CzBMGQw0


     ▼


「行こうか、クーちゃん」
「もういいの?」
「あんまり長い事いるとChain-情くんも喜ばないから。それに時間に余裕もないしね、急ごうか」
「うん。ああ、そうだ。はいこれ」
「これは、スタンドのディスク?」
「マジシャンズレッドのDISC。私はスーパーかがみんのおかげでそれ使えるし、ちぃちゃん使ってよ。
 レヴァンティンと相性よさそうだしね」
「ありがとうクーちゃん。じゃあ私もお返しに……」
「後でいいわよ。それより急ぎましょ」

静かなる〜Chain-情〜の埋葬を終え、暫し黙祷を捧げた地球破壊爆弾No.V-7とクールなロリスキー。
死者への労いをし終えると、二人はダイソウ達と合流すべく移動しようとしたのだが――

「退いてくれぇぇぇぇぇえええええ!?!?!?!?!?」

どこからか絶叫が聞こえるや否や、凄まじい激突音を響かせながら近くの建物に何かが突っ込んで入った。
その瞬間突っ込んだ建物から電撃が走って、辺りは一瞬真昼のような明るさになった。

「えーと、大丈夫ですか……って、感電ちゃん?」
「ははは、やあ地図氏」

爆音の正体は感電だった。
自身の手にかかったフラグビルドにも何らかの手向けをしようと来たのだが、少々不味かった。
デンコーセッカで時間短縮しようとしたまでは良かったが、いきなり目の前に人影が見えたので慌てて方向転換。
結果、近くの建物に突っ込む事になった。
その際に発した電撃は衝撃のダメージを相殺しようとして感電が放出したものだった。

「なんで感電ちゃんがここに? 放送しに行ったはずじゃ」
「あー実は計算違いで時間が若干余って。で、その時間を利用してちょっとここに立ち寄ってみたんだ。
 一度ぐらい挨拶はしておきたかったからな」
「そっか……あ、フラグビルドちゃんの墓はあそこ、Chain-情くんも一緒に眠っているよ」

感電は爆弾から場所を教えられると、二人がしたように静かに黙祷を捧げた。
閑散とした市街地に佇む3人を建物から覗く光が寂しく照らす。

「ところでその手に持っているのって、バルディッシュじゃないの」
「え、ああ、その、墓に供えてあるのを借りてきた」

ロリスキーの詰問に言葉を濁して答える感電。
自ら埋葬した同ロワ書き手の供え物だけにロリスキーの声にも険が混じる。

「ま、待ってくれ。終わったらきちんと戻すから」
「本当でしょうね」
「ああ(てか、俺って主催者側にいる事になっているよな。なんで押されているんだ?)」
「まあまあ、クーちゃんもその辺で。感電ちゃんも今度からは気をつけてね。
 それと、放送が終わったら話を聞かせてね」
「分かっているよ(何に気をつけたらいいんだ?)」

3791決意の夜に:2008/06/27(金) 15:57:59 ID:/CzBMGQw0
少し納得のいかない感電だが、気づけば本当にそろそろ放送の時間だ。
用事も済ませたので今度こそ移動……の前に感電は爆弾に近づくと、ロリスキーには聞こえないように囁いた。

「なあ地図氏。まだ最後のアレ、いざとなったらやる気なのか」
「私の考えは変わらないよ――って言いたいところだけど、どうだろう。
 使わずに私達の目的が達成されるなら、そうしたいな。私がそんな事したら、クーちゃん悲しむだろうから。
 ――私、弱くなったのかな」
「それは違うな。誰が言ったかは忘れたが、誰かのためにっていう考えはいいものだ。
 それに、元々俺は地図氏にそんな事をさせるのは少し賛成しかねていたからな。
 だから地図氏が考えを改めてくれて、少しほっとしているよ」

そう言い終えると、感電はデンコーセッカの力で一足早く放送の場所に向かって行った。

(自己犠牲とか、なりきりのキャラでもしてほしくないしな。
 さて、真の対主催として頑張りますか。と、その前に初めての現地放送か。気合い入れるか!)

爆弾もダイソウ達と合流すべくロリスキーと連れ立ってみんなの元へ向かって行った。

(……でも、どうしようもなくなったら『地球破壊爆弾』使うしかないのかな。
 ――みんなのためにも、私は……)

ロリスキーは爆弾の隣に付きながら、その微妙な雰囲気に気付いていた。

(ちぃちゃん、また一人で抱え込んで。無茶するんじゃないわよ。
 しっかり支えよう。さっきのプレゼントもその一歩。
 でも物じゃなくて、もっとちぃちゃんの心の負担を軽くしてあげたいな)

三者三様の決意。
その決意は夜の向こうに。
間もなく放送の時間。

書き手ロワ2ndの長い1日がもうすぐ終わりを告げようとしていた。



【1日目 真夜中】【F-7 市街地】

【感電@書き手ロワ2nd】
【状態】:健康
【装備】:バルディッシュ・アサルトBC
【道具】:基本支給品一式、それ以外は不明
【思考】:
 基本:真なる対主催として行動。
 0:さて、前代未聞の現地放送だ!
 1:地図氏や魔王とは、また放送後に改めて話し合う。
 2:wiki管理人に強い疑心。
 3:さらなる覚醒イベントを発生させてパワーアップ。

※見た目はアリーナ@DQ4です。
※スタンド「レッド・ホット・チリ・ペッパー(画鋲型)」が使える。
※周囲を防音する事ができるらしい。
※覚醒により、ロワにゆかりがある電撃・雷系の技が全て使えます。
 ある程度こじつけも可能です(デンコーセッカの超高速移動、雷電の蘊蓄など)

3792決意の夜に:2008/06/27(金) 15:58:23 ID:/CzBMGQw0
【地球破壊爆弾No.V-7@アニロワ1st】
【状態】:疲労(小)、泉こなたの姿、強い決意
【装備】:激戦@漫画ロワ、レヴァンティン@アニロワ1st、マジシャンズレッドのDISC、巫女服(鷹宮神社)@らき☆すた
【道具】:支給品一式、着替え用の衣装(複数)、アダルトグッズ(大量)、泉こなたのスクール水着@漫画ロワ
【思考】:
 基本:クールなロリスキーと共にある。
 1:DIE/SOULたちと合流。
 2:放送後に感電ちゃんから話を聞く。
 3:もう迷わない。
 4:いざとなったら『地球破壊爆弾』使うしかないのかな。

※基本的に中身はアーカードで、CVは平野綾です。
※変化する姿に7つのバリエーションがあるらしいです。
【1:地球破壊爆弾】【2:アーカード】【3:長門有希】【4:泉こなた】
【5:銃撃女ラジカル・レヴィさん】【6:キングゲイナー】【7:1〜6とか目じゃないよ?びびるよ、まじで】
※クーガーの早口台詞が言えます!
※鎖鎌、鳳凰寺風の剣、ソード・カトラス、ノートPCの投影が可能です。
【スーパーキョンタイム】
 地図氏以外の者はゆっくりとしか動けなくなります。一度使うとそれなりの時間使用不可能です。
【地図氏の地図】
 参加者の位置、生死を含めた地図を投影できます(※長門有希の状態でのみ可能)
 使いすぎるとアレなので、毎晩0時にのみ使う事にします。



【クールなロリスキー@漫画ロワ】
【状態】:不死者、吸血姫、スーパーかがみんと融合、疲労(小)、強い決意
【装備】:巫女服(鷹宮神社)@らき☆すた
【道具】:支給品一式、カードデッキ(龍騎)、AK-74(残り28発)、未定支給品×?(ロリスキー確認済み)、
     着替え用の衣装(複数)、『村雨健二』の衣装、キュートなシルク仕様の裸エプロン、日焼け止めクリーム(大量)、GL本
【思考】:
 基本:地球破壊爆弾No.V-7と共にある。
 1:DIE/SOULたちと合流。
 2:もう迷わない。
 3:ちぃちゃんの支えになる。

※容姿は柊かがみ@らき☆すたです(翼と尾が任意で顕現します)
 柊かがみの髪の色をしたドラゴンにもなれます。
 ヴァルセーレの剣の刃でできた羽を三対六翼持っています。尻尾はマリンデビモンの触手が変化して8つです。
※何故か不死身です。
※スーパーかがみんと融合し、彼女の記憶と能力を継承しました。
 柊かがみがその時点で使った事のあるあらゆる力、アイテムを使用できます。
※地球破壊爆弾No.V-7の血を吸い、独立した吸血姫となりました。
※ミスターマダオの血肉を食らった事で、吸血姫としてランク・身体能力が上昇しました。

3793決意の夜に:2008/06/27(金) 16:00:09 ID:/CzBMGQw0
投下終了。
さて、放送前にやりたい事書いた。

P.S.次は考察でもしてみようかな。

3794……名無しが、光っ――――?:2008/06/27(金) 19:25:47 ID:sppY7fAo0
投下乙です。
早速バルディッシュ持っていきやがったな、この野郎w
それぞれの心理描写がいい感じです。
GJ!

3795……名無しが、光っ――――?:2008/06/30(月) 00:46:56 ID:7Yu1/UUQ0
おお、内容的に自分の書きかけにも通じるなw
やっぱ終盤にはこういう決戦前夜的なのが映えるぜ!
そしてやっぱろ回収したあ!!w
GJ!

3796第四回放送:2008/07/02(水) 08:01:46 ID:ZqXFpYrg0
E-5。会場の中心に位置し、ロワ開始当初は学校が存在していた場所。
ここでは、多くのドラマが繰り広げられてきた。
エロ師匠がネクストコナンズヒント『蝶ネクタイ』を殺害したのが、皮切りだった。
ダブル岸田さんがエロ師匠に吸い尽くされ、仮面ライダー書き手がエロ師匠とマーダーコンビを結成し、
歩く頭脳戦とまとめキングが孔明の罠で共倒れとなり、幻夜がダブル岸田さんを回収した。
サプライズパーティーがステルス鬼畜と幻夜を殺し、ネコミミストに殺された。
デビルシャリダムの出現をきっかけにネコミミストと666が別離し、調子に乗り続ける『黒猫』が生まれた。
Chain-情がその命を燃やし尽くし、ジョーカーに反逆した。
コロンビーヌと666が対立し、一度は勝利したと思われた666が逆転負けを喰らった。

数々のドラマが作られてきたこの場所で、また新たなドラマが生まれる。


瓦礫が散らばる地面の上に、男が一人だけで立っている。
いや、たった今二人になった。その男の背後に、どこからともなく一人の少女が現れたのだ。

「お疲れ様です、感電氏。」
「……プー太氏か。」

男…感電は、自分にかけられた言葉に反応して口を開いた。

「管理人さんから、死亡者リストを預かってきました。」
「ああ、サンキュー。」

プー太氏が差し出した紙を受け取り、目を通す感電。そこにある名前を見つけ、感電は眉をひそめる。

『エロスの鐘の煩悩寺』

(煩悩寺が死んだ…? 少なくとも俺がラピュタを出る直前までは、あの人は生きてたはずだ…。
 あの替え玉といい…一体あの人に何があった?)

感電の中で、疑念がさらに加速していく。だが、今は放送をやり遂げることが先決だ。
彼はいったん疑念を頭の隅に追いやり、デイパックの中からある物体を取り出した。

拡声器。
もはや説明する必要もないアイテムである。
しかし、感電はそれを使うことを躊躇しない。
この書き手ロワ2ndも、おそらく完結まで残り数時間。
今更死亡フラグが一つや二つ増えたところで、さしたる問題ではない。
ここまで来れば、死亡フラグの有無に関係なく死ぬ時は死ぬのだ。

「さて、それじゃあ始めますか。」

一つ深呼吸をすると、感電は拡声器の電源をONにした。

3797第四回放送:2008/07/02(水) 08:02:24 ID:ZqXFpYrg0
『カーッきてロワ2ndッ♪ミクが午前0時くらいをお知らせシマす♪』
『………何これ。』
『ニコロワの皆さんが作った音声データです。電源を入れると時刻を教えてくれるようになっているそうで。』
『また才能の無駄遣いを…。まあいいや。皆さん、聞こえてますかー?感電でございます。
 書き手ロワ2nd開始からついに24時間、丸1日が経過しました!
 ここまで生き残った皆さん、お見事です!あなた方のがんばりに、俺は素直に敬意を表したい!
 さあ、残り人数もあとわずか!おそらくこれが最後の放送になるでしょう!
 心して聞くように!まずは死亡者の発表です!

 【漫画ロワ】
 エロ師匠(◆6YD2p5BHYs)
 蘇った現代の熱血怪人(◆VACHiMDUA6 )
 King of 脳内補完(◆wSaCDPDEl2 )
 ミスターマダオ(◆uiAEn7XS/. )
 コロンビーヌ(◆d4asqdtPw2)
 熱血王子(◆ga/ayzh9y)

 【ギャルゲロワ】
 孤高の黒き書き手(◆VtbIiCrJOs)
 予約被りに定評のあるtu4氏(◆tu4bghlMIw)

 【アニロワ2nd】
 管理人・したらば孔明(◆B0yhIEaBOI)
 コ・ホンブック(◆5VEHREaaO2 )
 エロスの鐘の煩悩寺(◆tu4bghlMIw )

 【アニロワ1st】
 静かなる 〜Chain-情〜(◆lbhhgwAtQE)

 【ライダーロワ】
 仮面ライダー書き手(◆WXWUmT8KJE )
 漆黒の龍(◆ooH1rChbak )

 以上、15…もとい、14名です。
 この人数で過去最低だっていうんだからすごいね。

 さて、お次は禁止エリアの発表…といきたいところなんだけど、生き残ってる人はみんな首輪が外れてるんだよねー。
 つまり、禁止エリアの意味がもはやナッシング!というわけで、今回は指定しません。
 さて、俺から伝えることは以上!それじゃあみんな、最後の一踏ん張り頑張ってねー!』

3798第四回放送:2008/07/02(水) 08:02:55 ID:ZqXFpYrg0
「放送お疲れ様です、感電氏。」
「ありがとうよ、プー太氏。」

放送を終えた感電に、微笑を浮かべて声をかけるプー太氏。
それに応える感電の顔に、笑みはない。

「なあ、一つ聞いていいか?」
「なんですか?」
「俺が回収してきてほしいと頼まれたエロスの鐘の煩悩寺は、すでに死亡していた。
 こりゃ一体どういうことだ? 管理人から、何か聞いてないか?」
「ああ、そのことですね。管理人さんから伝言を預かっています。ちょっとこっちへ。」
「なんだ、聞かれるとまずいことなのか? けど、どうせ聞こえる範囲に人なんかいないぜ?」
「でも、繋ぎ師さんとかなら離れたところからでも聞こえるかもしれませんし。」
「ああ、なるほど。そりゃ確かに…。」
「というわけで、耳を貸してください。」

プー太氏に請われるままに、感電は彼女に密着する。

「で、その伝言ってのは?」
「はい。『もう用済みです』だそうです。」
「え…?」

その刹那、プー太氏が隠し持っていた刃がきらめく。それは、狙いを違わず感電の胸に突き立てられた。

「が…。」
「ヴァルセーレの剣です。これを突き立てられたら、あなたの能力も使えないでしょう?
 悪く思わないでください。私だってあなたを裏切るなんていやなんです。
 けど、これも主催者陣営として与えられた使命…。」
「そうか。なら俺が真の対主催の使命のためにアンタを殺しても、文句はないよな?」
「え…?」

プー太氏はとまどう。自分は今、正面にいる感電を刺したはずだ。
なのになぜ、背後から感電の声が聞こえる?

「え?ええええええ?」

彼女の混乱に、さらなる拍車がかかる。感電の姿が、目の前から忽然と消えてしまったのだ。
手にした剣にも、血の一滴すらついていない。

「知ってるか、プー太氏。脳の情報伝達ってのは、電気信号によって行われるんだ。
 つまりだ、目の前に誰もいないのに、外部から『人が立っている』という誤った信号を送れば…。」
「まさか……それをあなたがやったと…?」
「その通り。まあ特に元ネタがあるわけじゃないから、数秒保たせるのが精一杯だったがな。」
「くっ……!」

振り向きざまに、今度こそ剣を感電に突き刺そうとするプー太氏。
だが彼女が振り向くよりも早く、感電の放った電撃が彼女の体を貫いていた。

「そん…な……。」

弱々しいつぶやきと共に、小さな体が地面に倒れる。そして、その体は二度と起きあがることはなかった。

(やっちまったか…。)

苦々しい表情を浮かべ、感電は胸の中で呟く。

(やっぱり、今まで一緒にやってきた人間を殺すのは辛いね…。だけど、仕方ないと割り切るか。
 やらなきゃやられてたんだもんな。)

長い溜め息を吐き出し、心中を整理する。

(これで主催者陣営との決別は確定的か…。まあ、先に手を出してきたのはあっちだしな。せいぜい、俺を敵に回したことを後悔してもらうか。)

未練は断ち切った。感電はプー太氏の亡骸に歩み寄り、彼女が握っていたヴァルセーレの剣を拾い上げる。

「じゃあな。」

かつての仲間に一声かけると、感電はその場を立ち去るべく歩き出した。


【クマのプー太氏@アニロワ1st&LSロワ 死亡】

3799第四回放送:2008/07/02(水) 08:03:27 ID:ZqXFpYrg0
【2日目 深夜】【E-5 学校跡】
【感電@書き手ロワ2nd】
【状態】:健康
【装備】:バルディッシュ・アサルトBC
【道具】:基本支給品一式、拡声器(特別仕様)、ヴァルセーレの剣@アニロワ2nd、それ以外は不明
【思考】:
 基本:真なる対主催として行動。
 1:地図氏や魔王と、また改めて話し合う。
 2:煩悩寺の件について、wiki管理人に強い疑心。
 3:さらなる覚醒イベントを発生させてパワーアップ。

3800第四回放送:2008/07/02(水) 08:05:43 ID:ZqXFpYrg0
放送、投下終了です。
ちょっと異色の放送話になったかもしれませんが…。
麻婆豆腐食べるよりはありがちだよね!

3801……名無しが、光っ――――?:2008/07/02(水) 12:11:37 ID:Fh7zGP5E0
投下乙です
まず音声データ自重wwwのっけからサプライズwww
そして感電本人がとうとう主催と決別か、前科があるだけにどうなるやら……
これで放送も最後かな、もう完結はすぐそこか……
プー太氏南無w

3802終末への扉:2008/07/02(水) 21:30:31 ID:tFQnxW4w0
何処だか知れぬモニタの中で、光点が一つ消滅した。
その鮮明な情報画像を見た読み手は感極まりないといった様子で地面を叩く。
「プー太氏……なんでこんなことに!!」
放送の直後、感電と接触したクマのプー太は消滅した。
その事実は遠く離れたこのラピュタにいる読み手にすら影響を及ぼしている。
「おい! 何故感電がプー太を殺す!? いや、そもそも何でプー太が感電を殺しに行く必要がある!?」
黒衣を翻して読み手が振り向いたその先にはwiki管理人がいた。
紙巻きを噛んで香りを味わうように目を瞑るその様は余裕その一言に尽きる。
もちろんその香りは管理人にだけ落着きを与え、読み手には苛立ちにしかならない。
読み手の感覚は当然だった。
この場所でプー太が管理人に与えられた命令は彼にとってまさしく意味不明なものだったからだ。
おそらく読者よりも情報に疎い彼の地平に立てば、それは理解できるだろう。
彼は感電がこちら側だと未だに思っていたのだから、感電抹殺命令は彼にとって寝耳に水だった。
「ニコニコの方に頼んで感電氏の部屋を強制捜査させてもらいました。
 破壊された放送機材は確かに将軍と地図氏の影響を受けてはいましたが……物理的な破壊の痕跡がありました。
 十中八九、感電氏が自ら壊したものでしょう。この出奔劇は彼のシナリオだったんですよ。
 私は裏切りを楽しみはしますが、許すほど無能な主催者にもなれません。判断は妥当ですよ」
淡々と事実を語る管理人の瞳は感情を映してはいない。それほどまでに彼女が下した命令は当然の処置だった。
だが、結果はご覧の通り。不意打ちで死ぬどころか感電は予期していたようにプー太を返り討ちにした。
なぜ感電が裏切ったかはわからない。だが、事実は事実として受け止める必要が読み手にはあった。
だからこそ、もう一つの理由が分からない。
「感電が最初から向こう側だったとして、プー太を単騎で何故向かわせた!?
 奴の能力は発展途上だ。一対一では負ける可能性があったこと位分かっていなかったのか!?」
そう。彼女の命令、その動機は妥当だったが手法に関してはそうとは言えない。
能力封じの武器を持たせてあったとはいえ、プー太は所詮は意志持ちの外れ支給品に過ぎないのだ。
本気で感電を始末したければジョーカーを半分ほど投入して一気に殲滅してしまうのが正しい。
だが現実として、管理人は己の下した判断とそれによって齎された結果に一抹の後悔すら持っていないようだった。
これではまるで、プー太が殺されることが分かっていたかのよう―――――――

「まさか、管理人、お前こうなることが分かって―――――」

その言葉を言い終える瞬間、管理人が読み手の目の前に詰め寄った。
彼の瞳を覗き込むようにして、藤田的イイ笑顔をしながら言う。

「ジョーカーをここに全員招集してください。最後の円卓を開きます」

3803終末への扉:2008/07/02(水) 21:33:11 ID:tFQnxW4w0
数分もしない内にジョーカー達は主催者たちのいるコントロールルーム……即ち元感電担当エリアに集結した。
wiki管理人、読み手、そして七人のジョーカー達。それがこの城に生きる生命の限りだった。
円卓といっても今までの会議室ではない。既にあそこは食われている。
「戦力確認」
右手に読み手を控えさせた管理人がだらしなく並んだジョーカー達に尋ねる。
「ニコニコサーバーは地図氏・将軍の双方向攻撃によって六割以上壊滅。
 分かっていたことですが、やはり只者ではないですね、地図氏。
 あれだけロリスキーといちゃつきながらも、その裏でしっかりとS8pgx99zVs(36進法)方向から思考戦車型のプログラムを飛ばしています。
 しかも影の繋ぎ氏のお陰で夜が明けなくなった……負荷は昼の比ではありません。
 今はエコノミーで誤魔化していますが、遠からずメンテナンス停止状態に陥りますね」
ガチホモがジッパーを適度に上下させながら言う。
言い回しは相変わらずいい男の余裕を醸しているが、内容に楽観できる要素はない。
「現在ラピュタはDGに侵食を受けている真っ最中だ。あの怪物、手近なロボット兵と部屋を次々と食って規模を拡大化している。
 もう殆どの区画が抑えられて、俺の能力で空いた隙間を繋いで移動するのが手一杯だ。
 直にここも喰われるだろう。もうこの城は防御拠点としては使えないな」
ナナシが頭を押さえながら言った。
その原因が目の前の人物に集約されるのだから無理はない。
「つまり電子戦は敗色濃厚。防衛線もDG細胞にて破綻している、と」
そう現状を端的に表した管理人が笑顔に顔を綻ばせながらうきうきしていた。
「お前が原因だってのに、何が楽しいんだ……お前らもなんか文句の一つでもあるだろ?」
読み手が泣き出しそうな面をしてジョーカー達に賛同を求める。
「別に。人食いなんてやよクリやRIKISHIに比べればこんなの可愛いものです」
「どうでも。散々酢飯にかき回されたことに比べれば、大した問題じゃない」
そういう奴らだったことを思い出して、読み手はorz状態になった。
「ですが、いい知らせもありますよ。愛媛・超展開はほぼ回復を終えました。愛媛は熱血王子の闇を回収。
 ニートの軍勢は流星群を増強して規模拡大。放送を終えたことで人外のデッキに第四放送までの死者が登録されました。
 リスクはありますが、プレミアム登録を使えばあと2・3戦は往けます」
「七氏が現在戦況分析に入っている。こちらの戦力を増強する策があるらしい。
 名無しも回復。今は眠らせてあるが、起こせば直ぐにでも投入できる。
 それと、侵食を受けていた倉庫より数個だけアイテムを確保できた。これも運用には問題はない。こちらも2・3戦だな」
ナナシとガチホモが告げた2・3戦というのは現実に即していた。
初期においてnanasinnを失ったとはいえ、それ以降死者を出さなかったのは遥かな上空から場所を選ばぬ奇襲、
その一つに特化した能力で敵の弱点を突いて掻き乱し、その後即座に撤退を行っていたからだ。
だが、もう全ジョーカーの能力はwikiを通じて明らかにされている。
そしてマーダーを殆ど打ち破り戦意を高揚させている対主催約10人。奇襲一回で殲滅出来るモノではない。
しかも今まで避けていた超チート級を相手にしなければならないのだ。
真っ向からぶつかれば消滅するのはどちらか、言うまでもない。

3804終末への扉:2008/07/02(水) 21:35:16 ID:tFQnxW4w0
「で、どうしますか。蟹座氏は元々マーダーにするのは無理がありますし、666は負け前提です。
 つまり“余程の手段を使わない限り”どう転んでもこのゲームは対主催勝利で終わります。
 何人死ぬか、程度の違いはあるでしょうけどね。後は僕達が消えれば、丸く収まる。全ては貴方の予定調和の中で」
ガチホモの発言に一同はざわと響いたが、直ぐに止む。状況を的確に表していたからだ。
「貴方達はどうしたいですか?」
「今更聞くな。“プー太を殺したのは、そこまで読んでたからだろう?”」
ナナシの冷たい言葉に軽く苦笑する管理人。もう隠す意味もないな、と覚悟をきめる。
「貴方たちを今すぐDGに吸収してもいいんですけどね。ゼスト覚醒まで未だ2・3時間は掛かるんですよ。
 実質マーダーはやらせの666しかいない。つまり、幾ばくかの時間稼ぎが必要なんです」
ジョーカー達がにやりと笑った。それは彼らの得意分野だった。
パロロワには、命より価値のあるものがあるということを知っているものの笑いだった。

「主催者として、貴方達に最後の指令を下す。手管は任せます。捨て駒として全力で時間を稼ぎなさい」
「「「「「「「Yes, Your Majesty」」」」」」」

狂気、正に狂気に他ならないやり取りを前にして読み手はつうと汗を垂らした。
キャラ作りの為に食べた激辛マーボーのせいだけではない。

3805終末への扉:2008/07/02(水) 21:38:10 ID:tFQnxW4w0
金属質な音の波が収まったとき、彼らは耳を押さえていた。
ネコミミストはゆっくりとミミから手を離し、もう放送が終わったことを確認した。
「うう…まだ痺れが残っている気がします」
「チッ、随分安っぽくなりやがったな。上で何かあったってのか?」
DIE/SOULが放送の内容をメモしながらぼやく。
今までの放送と違い、雑音なりが酷い。聞こえ方も全体的にではなく、中央からの明確な指向性がある。
単純に拡声器をつかったとしか思えない放送だった。
「というよりは、この会場から喋ってたとしか思えないですよ。それにしても……」
死者の内容に関してのリストを見ながらバトルマスターは目を細めた。
大凡の死者に関しては情報交換によって明らかにされている。
彼らが重要視していたのは、彼らが終結してから亡くなった者たちだった。
「熱血王子が死んだか。あれだけしぶとかった奴も、死ぬときゃ死ぬんだな」
「煩悩寺さんが死んだのが気になりますね……でも、これで殆どのマーダーが倒れました。これなら…」
「いや、そうとも言えない。だったらコロンビーヌさんが死ぬのはおかしい」
マスターは冷静に状況を判断していた。
熱血王子と煩悩寺は魔王や地図氏達が対処していたはずである。
ならば、比較的安全であったはずのコロンビーヌが死ぬ理由が無い。
いや、それ以前にチート級のコロンビーヌを殺せる存在など、数が限られている。
「黒猫、か」「でしょうね」
ダイソウとマスターが目配せをして同意を示す。
「あの……そういえば、まだ聞いていなかったんですけど、黒猫って誰なんですか?」
ネコミミストの素朴な疑問にダイソウは目を見開き、バトルマスターは口の中で僅かに舌打ちをした。
「なんだお前、まだアレにあった事がねえのか? 大半の参加者はきっと会ってるだろうぜ」
「本当に会ってないんですってば。いったい黒猫って何者なんです?」
「とりあえずそうだなあ……真っ黒な奴だ。真っ黒な羽までつけてよ、水銀燈かっつーの。
 服は何だったかな……おお、お前の服と同じよう「ダイソウ!!」
バトルマスターの怒声に、さしものダイソウもびくりと肩を震わせた。
ネコミミストが怯えたような表情を向けて、彼は後悔するように唸る。
「どうした、バトルマスター?」
「あ、いや……」
バトルマスターは二の句を今になって考え始めた。ネコミミストは黒猫の正体を知らない。
ダイソウはネコミミストと黒猫の関係を知らない。
それら全てを知っているのは、wikiを覗いたことのあるマスターだけだった。
これをネコミミストに伝えていいものだろうか、彼は迷う。
今は猫の手も借りたいような状況。一人でも戦力が欠けることあれば致命的である。
もし、この情報がネコミミストに渡れば……彼女は本当に潰れてしまうのではないかと思わずにはいられなかった。
バトルに特化している彼はこういうところでの判断が付かなかった。ともかくお茶を濁すしかない。
「と、とにかく今は時間が惜しい。速く蟹座氏を探しましょう。コロンビーヌが落ちたとあっては、彼女の身も――――」

「僕が、何だって?」
まるで彼の言葉に誘われるように、昼夜を失った闇の中から一人の少女が現れた。

3806終末への扉:2008/07/02(水) 21:40:48 ID:tFQnxW4w0
「蟹……座氏」
「ひどいなあ、ししょー。僕がこうして出向いてあげたってのにさ」
蟹座氏はくすりと笑うが、その眼に浮かぶのは悲しさばかりだった。
その手にはきつく鉈が握られている。
「おい、バトマス。話が違うじゃねえか」「なんか、やる気まんまんなんですけド……」
蟹座氏が放つ敵意を敏感に感じ取り、今までの疑問を一時納めて剣を握る二人。
話によればコロンビーヌに解放されていたはずの彼女が殺気を滾らせてこちらを睨んでいる。
そして放送で告げられた名前。最悪の結末を脳裏に過らせた二人は戦闘態勢へと体を切り替えた。
だが、二人を遮るようにバトルマスターの腕が伸びた。
「どういうつもりだ」
「悪いですが、ここは僕に任せてもらえませんか。下手に疑心を持てば、覆る運命も覆りません」
圭一としてのなりきりに引っ張られたマスターの気迫に二人は暫く悩んだものの、
ダイソウは馬鹿がと言うように大きく、ネコミミは自分に言い聞かせるように小さくため息をついた。
剣を納めるとはいかないまでも地面に垂らした二人をみて無言で頷き感謝を示したバトルマスターは三歩前に歩み寄った。
「蟹座氏。無事でしたか」
「無事? しらじらしいこと言わないでよ。素直に残念だっていったらどうなのさ」
既にバトルマスターの中である種の予想が形成されていた。恐らくダイソウ達の予感は半分当たっている。
だが、彼は敢えて無刀のまま彼女に近づいた。そして、聞かねばならない核心に切り込む。
「………彼女は、コロンビーヌはどうしました」
「僕が殺したに決まってんじゃん」
後方に控えたダイソウとネコミミがビクンと反応した。
だが、それよりも大きかったのはバトルマスターの持っていたパソコンだった。
その蓋を強く抑え、勢いが収まったことを確認した後言葉を開く。
「僕の、せいですか」
「あたりまえだ!! 僕に止めを刺すためにあの女を残したんだろ!?
 あの時攻撃しなかったのも、僕を確実に殺すためだったんだよね!!!
 何がバトルマスターだ。こんな写真まで取って、みんなで拠って集って僕を笑い物にして!!」
蟹座氏が突き出すように見せつける10枚の写真を見て、バトマスは確信を抱いた。
あの写真を持っていた人物、死んだコロンビーヌ、そして誘導された蟹座氏。
全ては一人の悪魔を置けば見事なまでに説明できる。
だが、バトルマスターは俯くだけだった。それをどうやって蟹座氏に説明する?
否。今自分が何をのたまった所で、こちらが嘘になるだけだ。
何より、コロンビーヌを一人残して安全と思い込んだ自分の責任が無いわけではないのだ。
「何とか言えよ!! 信じてたのに、僕はししょーを信じてたのに!!」
蟹座氏の呪詛は針のように彼の心を穿っていた。

3807終末への扉:2008/07/02(水) 21:44:28 ID:tFQnxW4w0
ただただそれに耐えるバトルマスターの姿を見て、益々蟹座氏は喚き散らす。
「こんなの、こんなのって……もう、見ていられない! 止めてきます!!」
あまりに茶番すぎる悲劇に耐えられないといった様子で割り込もうとしたネコミミスト。
しかしその手がダイソウに掴まれ、それ以上は進めない。
「手を出すんじゃねえよ、ボケ」
「離してください! こんなの、二人が辛すぎるだけじゃないですか!!」
「だからこそ、だ。もうこれ以上辛くならねえように、ここで後腐れなく膿は出し切らなきゃいけねえ」
自分の手をつかんでない、反対側のダイソウの手を見てネコミミストは気づいた。
握りしめた拳に力が入りすぎて爪が肉に食い込んで血を流していた。
我に帰ったネコミミストはネコミミをシュンと垂れさせて手を放す。
ヘン、と鼻を鳴らしたダイソウは再び眼前の茶番に見入った。
「それに、まだどうしようもなくなったと決まったわけじゃねえ」
「え? ど、どういうことですか?」
「蟹座ってやつは恨み事を散々口にしちゃいるが、それにしちゃまだ手を出してこねえ。
 話を続けているってことは、向こうさんも殺し合い以外の別の落とし所を探してるんじゃねえのか?」
それに、とダイソウは続けようとしたが頭を掻いて揉み消す。
(それに、お前なら言うだろうな……それこそが熱血展開だと)

一方的な口論が漸く止む。蟹座氏は息を切らし、そして罵り言葉のレパートリーが尽きたのか言葉を止めた。
バトルマスターは目と唇を強く瞑り、そのすべてに耐えきっていた。
「は、はあ、はあ……言い訳一つしないんだね、ししょー。ししょーらしいよ」
馬鹿にしたようでもありながら、羨望のようでもあるように蟹座氏は卑しく笑った。
なんだよそれ。まるで僕が言い訳して欲しかったみたいじゃないか。
そうかもしれない、とそう思った。言い訳をしてくれれば、納得できたかもしれないのに。
何かの間違いであってほしい。間違っているのは自分であってほしい。
そう思う心を、蟹座氏は否定できなかった。そうであれば、どれほど楽であるか。
だが、だからこそあり得ないのだ。自分が信じるししょーは、言い訳などをする様な人でないことを知っているから。
何かに急き立てられるように、鉈を両の手で握る。
これしかないのか。そうさ、もうこれしかない。
「ししょー、最後にもう一度だけ聞くよ。ごめんなさいって謝ったら許してあげる。
 自分のしたことを全部、全部、全部謝ったら、少しは考えてあげる」
最後通牒を開く蟹座氏。だがそれはどちらにとってのものなのだろうか。
淡い心を春風に乗せて飛ばしたようなそれを受けて、彼女が信じたがった男は。
「謝りません。私は、罪を背負いはしても、押し潰されるような男には在りたくない」
そう、一言だけ言った蟹座氏が目を見開いた。
猛るように自分を追い立てるように叫び、鉈を振り上げて近づく。
それをコマ送りでみるような心持で、バトルマスターは覚悟を決めた。
自分に嘘は付けない。そしてここまで彼女を追い込んだことにも背を向けられない。
ならば、もう手段はこれしかあるまい。死を以て彼女の呪縛を解き放つよりは――――

―――――死なないでちょうだい。私はまだ、あなたと蟹座氏の物語を見ていたいから

3808終末への扉:2008/07/02(水) 21:47:44 ID:tFQnxW4w0
蟹座氏の足払いがバトルマスターを倒す。素早く腰と手を膝でホールドして馬乗り。
その手の鉈を高く掲げた蟹座氏の断罪の一撃が今。

「…………で、ください」

ビタリと鉈が止まる。踏み込みかけたダイソウ達の足が止まる。
掠れたような弱弱しい声だった。それを確かに彼女は聞いていた。
「負けないでください……自分の心なんかに。勝つべきは己自身。イメージするのは、最強の自分ですよ」
バトルマスターはハッキリと言った。澄み渡るような清々しさで。
コロンビーヌの言葉に、自分の物語を思い出した。
「出来ないよ……そんなの、もう。僕、真黒になっちゃったから……」
死んで彼女を正気に戻すなんて、ありがち過ぎて詰らない!!
「出来ますよ。必ず勝つ。この私が保証します。忘れたんですか? 貴方は」
目指すべきはたった一つ。何も欠けることない、最高の結末!!

「僕の、バトルマスターのたった一人の弟子なんですから」
こんな下らない惨劇なんて、ひっくり返してやるわぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!

カラン、と音が鳴った。鉈が道路に落ちる音だった。
そしてマスターの頬を温い何かが伝う。蟹座氏の涙だった。体中から黒い影が追い出されるようにして排出されていく。
「し、しょー………ししょー、ししょー、ししょー!!!」
覆いかぶさるように胸元に顔を埋める蟹座氏。
困ったようにバトルマスターが頭を撫でると、堰を切ったように泣き出した。
(……孔明は拗ねるかも知れませんが、許してくださいね。まだ僕には、彼女を見届ける義務があるようです)

3809終末への扉:2008/07/02(水) 21:51:38 ID:tFQnxW4w0
ひとしきりバトルマスターの胸の中で泣いた蟹座氏が顔を上げる。
涙で目は赤くはれて、顔はクシャクシャだが、その笑顔は真夏の空のように晴れやかだった。
「ししょー……」
「そろそろ退いてもらえますかね? 流石にしんどくなってきました」
「甘めぇなあ……胃がひっくり返るくらい焼けそうだぜ」
「なんていうか……スイーツ(笑)って感じですねw」
「善哉善哉。怪人は兎も角、ヒトの営みはこうでなくてはならん。良くぞ帰った、娘よ」
困ったようなバトマス達の声に蟹座氏は我に帰ったように飛びのいた。
湧いて出たようにいつの間にか画面に上がっていた将軍の言葉に、蟹座氏は今度は真っ直ぐに受け止めていた。
だがもう少し温もりが欲しかったのか、唇を尖らせて両の人差し指の頭を合わせている。
「……まあ、続きはこの戦いが終わってからにしましょうか。とりあえず急いで魔王氏達との合流を……」
そう言い終わる前に、バトルマスターは蟹座氏の異変に気づいた。
お腹を抱えて、脂汗を止め処なく流している。
「蟹座氏! どうしました!! まさかいつの間にお赤hヴェン!!」
バトマスのボケに即座に殴り飛ばすネコミミ。だが、蟹座氏の容体はそんなもので流せるレベルではなかった。
「おい、おめえどうし…」
「こ、来ないで。ああッ!!」
背中を摩ろうとしたダイソウの手が衝撃に弾かれる。
最初は手で払われたのかと思えば、未だ彼女の手は腹に収められていた。
「こいつは……何の冗談だッ!?」
自分の手を打ったものが何かに気づいたダイソウが驚きの声を上げる。
蟹座氏の体にはいつの間にか聖衣が装着されている。だが、その聖衣は黒く染まった上、蟹座のものではなかった。
「おいおい、どういうことだ!? 何で蟹座のクロスが天秤座に変ってやが……また変わりやがった!!」
「こ、こっちからは乙女座に見えますよ……って次は射手座!?」
「ど、どういうことだ……? 蟹座じゃないもんが、次々…いや“同時に発動している”のか!?」
バトルマスターが見出した仮説を証明するかのように、異変が増殖する。
「うあ、うああああッッッ!!!!」
バットカニパニーの甲羅が変化してバットカンパニーへ、
そしてさらに、二重変化して、ファイエロファントグリーンへ。
「え、ええええッ!? もうアイテムもなにも関係が無いじゃないですか! これじゃキリが無い!!」
「クソっ、まだ完全に驚きの黒さが浄化されていないって言うのか!!!」

「いや、既に彼女を取り巻く呪いは解かれている。これはそれ故の結果だ」

3810終末への扉:2008/07/02(水) 21:57:52 ID:tFQnxW4w0
突如響いた声に4人はそちらを向いた。
そこに存在していたのは三人。無表情な魔術師と、無表情な薬師と、無表情な剣士。
「「「「ジョーカー!?」」」」
完全に虚を突かれた彼らの体制が整うまでの僅かな隙を突き、ナナシと超展開が走りこむ。
ダイソウとナナシの剣がぶつかった。ナナシが手に持つ武装連金・ソードサムライXと斬馬刀がぶつかり合う。
「ナナシ……会いたかったぜぇぇぇぇぇぇ!!」
「本来は初めましてだがな。レプリカが世話になった!!」
黙陣の戦弓を装備した超展開の射撃とネコミミストの魔神剣が飛び交う。
「超展開、Chain-情さんの仇ッ!!」
「これも、因果…………」
コツンとPCが地面に落ちる中、七氏とバトルマスターが対峙する。
蟹座氏から放たれるエネルギーが風となって二人に吹き付けられていた。
「会うのは初めてだな。☆の力を継ぐ者」
「その声……いや、そんなことはどうでもいい。一体彼女に何をした!?」
「何もしていない。そういっただろう。あれをやったのは666だよ」
「黒猫!?」
驚きの声を上げるバトルマスターを見て、七氏は満足そうにうなずいた。
「察しの通り、原因は蟹座じゃないもんの暴走に他ならない。
 666が驚きの黒さで蟹座氏を強化したのは知っているな? あれによって蟹座じゃないもんはさらに強くなってしまった。
 いや、もともと限界だったんだ。お前は自分で体験したから知っているだろう。この小娘が「自分」を対象に技を発動したことを」

“否定するものは「蟹座氏」という自分自身。肯定するのは「バトルマスター」”

3811終末への扉:2008/07/02(水) 22:01:39 ID:tFQnxW4w0
「そう、この娘は能力を強めすぎたせいで自己否定の域にまで達してしまった。
 便利な能力の代償というやつだ。自分という器が消滅しかけていたんだよ。その結果がこれというわけだ。
 驚きの黒さで曲がった形とはいえ身体能力を、器を強化されていたから釣合がギリギリ保たれていたが……
 お前が彼女の黒さを浄化したことによって、再び天秤が壊れたのだ。お前が頑張った結果がこれだよ!!」
七氏が指をさしたその先には、無数のスタンドや聖衣を強引に装着されて苦しそうにする蟹座氏の姿だった。
指定する対象そのものが失われ、やがて蟹でないもの“だけ”になる。……それは即ち、自身の消滅。
「僕が、僕のせいだというのか……?」
「然り。だが気に病むことはない。お前は悪くないよ」
七氏が口元を歪めた。バトルマスターの行為を心底嘲笑うかのように。
「お前の責任だけどな」
愕然としながら崩れ落ちるバトルマスター。既にその脳味噌は言葉に支配されかけていた。
「おい、バトルマスターよ! しっかりするのだ!!」
将軍が必死に呼びかけるが、バトルマスターは応えない。
なぜ気付かなかったんだろうと悔やむ心で満たされていた。なぜ気付かなかったのか。
彼女の苦しみはただなりきりだけに終始するものではない。“蟹”という自分の根源とも闘っていたのだ。
それを、自分で乗り越えなければならないと師匠面して、僕は……
「だが、僕たちなら蟹座氏を救うことができる」
飢えに飢えさせた犬に餌を与えるようにして、七氏は釣り針を垂らした。
分かっていても食いつかない魚などいない。
「ほ、んとうですか……?」
「ああ、ここにはその為に来たといっても過言ではないよ。但し、対価は頂くがね」
バトルマスターは唾をごくりと飲んで、大いに悩もうとした。
しかし、引き裂くような蟹座氏の声を聞きながらまとまる考えなど、あるはずがなかった。
「どうすればいい。どうすれば!!」
「いいのか? ハッキリいってこの契約はリスクが大きい。時間はあるからゆっくり考えても……」
「答えろ!!」
七氏は困ったように口を手で覆う。無論、抑えきれない笑みを隠すために。
「先ずは前金代りに、あの血の気の多い奴らに停戦を指示してくれ」

3812終末への扉:2008/07/02(水) 22:06:20 ID:tFQnxW4w0
「おいコラバトマス。手前本気か?」
「駄目ですよバトルマスターさん!! あいつの言葉は本気で不味いです!!」
直ぐにそれは履行された。
ジョーカーたちは既に熱気を冷ましているが、いきなり襲われた側にしてみればたまったものではない。
「こいつらが何を言い出すか分かったもんじゃねえんだぞ。蟹座氏を助けるって保障もねえ」
「分かっています。貴方達に手を出すようなことをすれば、契約は破棄しますよ。七氏」
「結構。じゃあ始めてくれ、超展開」
七氏が首で促すと、超展開はこくりと頷いて自分の隣に小さな門を開いた。
そこから現れたのは奇怪な帽子を被った少女だった。手に持った杓のようなものが印象的だ。
「なんだありゃ……? あそこから出てきた、ってこたあニコニコの軍勢か?」
「あれきっとZUN帽ですよ……ってことは東方キャラ?」
「四季映姫・ヤマザナドゥ。幻想郷の最高裁判官の閻魔だな」
将軍がにべもなく答える。どうして知ったかと尋ねれば、ググったという実に明快な答えだった。
ニコニコでは山田、あるいはシャバダバドゥと呼ばれることの多いロリ地蔵である。
ニートの軍勢より単独召喚した超展開はさっと懐から鏡を手渡す。
「おい、ありゃあ!!」
「ある機会があって黒猫にモノを渡す機会があってな。一応の対価としてこれを貰っていたのさ。無論後付けで」
山田が手渡された鏡は、見事なまでに彼女にしっくりきていた。
それも当然。LSの浄玻璃の鏡はもともと彼女の手鏡である。
山田が超展開をジロリと睨んだあと、ハアとため息をついた。
超展開≠えーりんとは分かっていても、やはり納得がいかない部分はあるらしい。
だが、そこはパロロワ。面倒な原作設定は軽くスルーして、効果残り一回の鏡を蟹座氏に向ける。
「審判『浄頗梨審判 -蟹座氏-』」
スペカ宣言とともに発せられる光によって、鏡を通じて人影が現れる。
結局原因は驚きの黒さに汚染された蟹座じゃないもんなのだ。
鏡像によって生み出された蟹座氏をもう一つ用意し、
彼女の“白黒はっきりつける程度の能力”でどちらに黒い蟹座じゃないもんを残すかをはっきりつければ、
白い蟹座氏と黒い蟹座氏が生まれることになる。
「ししょー……僕は、大丈夫だから、ダメだ……よ」
光を浴びながら、蟹座氏が呻くようにいった。バトルマスターはただ悲しそうに笑って答えた。

3813終末への扉:2008/07/02(水) 22:10:36 ID:tFQnxW4w0
やがて光は閉じ、そこにあったのは二人の蟹座氏だった。その服の色を見れば、どちらが黒蟹座かは一目瞭然である。
再び固有結界が閉じ、そこには参加者とジョーカーだけ。
倒れた白い蟹座氏にダイソウとネコミミストが駆け寄る。息は荒いが、命に別状はなさそうだった。
「さて、ではこの黒い蟹座氏……いや、擬人化した『蟹座じゃないもん』は貰って行くぞ。
 早く別のもっと大きな器に移し替えないとな」
「チッ……好きにしやがれ。俺が殺意を引っ込めてる間にとっとと失せやがれ」
ダイソウが心底憎そうに吐き捨てた。蟹座氏に異常がないのであれば、剣を抜くのは不味い。
だが、ジョーカーたちは無言のまま去る様子が見えない。
「バトルマスター、君は何故対主催をやっている」
突然、七氏が思い出したようにバトルマスターに尋ねた。
「それは―――孔明やギャルゲロワの仲間たちの想いを継いでwiki管理人を打ち倒す為に―――」
「嘘を言うなよ。その前があったはずだ。具体的には初登場話。短絡的に言うなら基本行動方針」
七氏が馬鹿にしたように放った言葉がバトルマスターの記憶に波紋を起こす。
体の火照りがとまらなくて――――バトルが、したくて――――だから―――
「そう、『基本:コインの表が出た――だから徹底的に抗う』わけだ。
バトルに生きバトルに死す、実にバトルマスターの名にふさわしい行動方針じゃないか」
コインの表が出たから、The god of chaosと闘って――――
コインの表が出たから、したらば孔明と共に協力して――――
コインの表が出たから、蟹座氏を助けて――――
コインの、コインの、コインの―――――――――

「なあ、本当にコインは“表”だったのか?」

3814終末への扉:2008/07/02(水) 22:16:15 ID:tFQnxW4w0
あまりにも唐突な問いかけに、流石のダイソウも黙ってはいられなかった。
「はあ、なんだそりゃ!? お前、今更それがなんだっていうんだよ?」
「僕は純粋な興味からバトルマスターに尋ねているだけだ。
 で、どうだ。お前が投げたコインの結果は本当に表だったか? 見間違いじゃあないのか?」
七氏はダイソウを無視して言葉を続ける。バトルマスターの汗の量だけが、非常事態を物語っていた。
「そうだ。気づいたなバトルマスター。普通に考えれば、見間違いなんてある筈がない。
 “だが、お前なら有り得るんだ前原圭一”。雛見沢症候群の保菌者よ。
 おはぎの中のタバスコが裁縫針に見える奴になりきってるんだぞ? その可能性がないとは言い切れない」
バトルマスターは恐る恐るポケットからコインを取り出した。
両面を確認する。裏と、表。イカサマコインではない。
「そうかなあ? 既にL3程度に症状が発症していて、裏を表だと勘違いしている可能性があるぞ?
 お前はほかの参加者がいる時にこのコインを使ったことはない。客観的な描写は未だないのさ」
「んなこたあねえ! ちゃんと裏表あるじゃねえか!」
「そうですよ!! 私たちが保証します!!」
ダイソウとネコミミが彼に近づき、コインの正当性を証明しようとするがもう遅い。
彼らが嘘を付いていたら――――私を騙そうと表だって嘘を付いていたら――――
「ならば、もう一度コインを投げればいいじゃないか。
 “次に出る目は、一番最初に投げた目がでる”ってのはどうだ? 
 過去を立証できないのであれば未来に証を立てるのが手っ取り早い」
理論の筋道が途中で捩子変わっているフザケタ話だ。だが、フザケタ話すら時として真実より重みを増す。
七氏の言葉に導かれるように、人差指と親指でコインを弾いた。
既にダイソウとネコミミの声は彼に聞こえていない。
表さえ出れば、また対主催でいられる――――
だけど、裏だったら、あの時出ていた目が本当は裏だったら――――――

“裏だよ。あの時出たのは、裏だった”

☆の声がバトルマスターの脳を犯した。そして雛見沢症候群は“疑えばタバスコすら針に疑える”。
今の彼が網膜に焼きつける出目は、最初から決まっていた。

3815終末への扉:2008/07/02(水) 22:18:52 ID:tFQnxW4w0
コインが静止した瞬間、バトルマスターは音を立てて崩れ落ちた。
慌ててダイソウ達が駆け寄ろうとするが、反射的に振られた神剣に彼らは飛びのく。
「あぶねえ! …おい、バトルマスター! しっかりしやがれ!!」
「僕は、対主催、うや、マーダー、バトルが、マーダー……?」
頭を振って熱を冷まそうとするが、それは無理だった。
あの時出た目が裏だった。ということはマーダーで、でも目の前の人たちは仲間で、でも対主催で、私はマーダーで……
今までの過去と事実が食い違う。分かっていることは、分かっていることは……
「君はバトルマスターだ。そして裏が出た。だから君は、マーダーとして彼らと戦わなければならないのさ」
七氏がその矛盾に辻褄を合せる。乱れた針は、段々と歪な方向で調律されつつあった。
そうか、私は、私は―――――
「だめだよ、ししょー!!」
冥加を握り敵に切りかかろうとしたバトルマスターの手がびくんと止まった。
その先にはふら付いた足取りで立ち上がろうとする蟹座氏がいた。
穢れない瞳に写されたバトルマスターが苦悶の声を上げる。
「ししょー! 私たちは敵じゃないよ、目を覚ましてししょー!!」
「どうするバトルマスター。甘ちゃん対主催がマーダーに降伏勧告を進めるのは日常茶飯事。
 マーダーとしてそれにウマウマ乗っかるのは、読み手の顰蹙を買うぞ?」
対主催としての記憶とマーダーとしての事実がせめぎ合う。
「ししょー! 目を覚ましてよ!」
「……余程蟹座氏が大事と見える。過去改竄には邪魔だな」
七氏の言葉に、ナナシと超展開が一歩前にでる。ネコミミストとダイソウがそれに呼応した。

「させない――――――――闘争制覇者-Battle Masterァァァァァァァァァァァァ!!」

3816終末への扉:2008/07/02(水) 22:22:43 ID:tFQnxW4w0
彼らの交戦を妨げるようにして放たれた固有結界。いつものそれとは違い、白い発光がジョーカー達の眼を奪っていた。
「くそ、なんだこりゃ!!」
「いったい、何が―――」

―――――――DIE/SOUL、ネコミミスト。

腕で瞼を覆ってようやく目が開けられるといった有様の二人に声が聞こえる。
それはついさっきまで聞いていた男の声だった。

「バトマス、こいつぁ一体!?」
―――――――時間がありません。蟹座氏を連れて、逃げてください。そして地図氏達と合流を。
「な、何言ってるのししょー!?」
「そ、そうですよマスターさん。それじゃ貴方が!!」
―――――――こうして喋っている間も、僕が変わり始めているんです。
       早く、僕の記憶、いや、“設定が書き換えられる前に”!!
バトルマスターの悲痛な言葉に二人は項垂れる。
だが、蟹座氏は納得できるはずもなく、喚くばかりだった。
「いやだ、やだよししょー! せっかく、せっかく素直になれたのに、こんなのってないよ!!」

―――――――将軍!!

「……承知した!!」

3817終末への扉:2008/07/02(水) 22:28:14 ID:tFQnxW4w0
今まで沈黙を守っていた将軍のPCから電子ドラッグ的なヴィジョンが発せられ、蟹座氏の意識が一気に削り取られていく。
ダイソウが蟹座氏を、ネコミミストがPCを抱えて西に走り出す。
ダイソウのごつい腕に抱えられながら、蟹座氏はバトルマスターの声を聞いた。

「し、しょー……」

―――――――蟹座氏。私は貴方を助けました。これはその契約の履行。
       ですが悔いはありません。私は貴方を心から助けたかったのですから。
       虫のいい話ですが、叶うならひとつだけ頼まれてください。次に会った時は――――――

「だ……め……」

―――――――私を、殺してください。

3818終末への扉:2008/07/02(水) 22:32:26 ID:tFQnxW4w0
発光が終わった後、残されたのはジョーカーとバトルマスターの4人だけだった。
バトルマスターは力を使い果たしたのか、崩れ落ちて倒れている。
「やられたな……闘争制覇者……見事に撤退『戦』を完成させた。ここで一人でも始末できていればこちらが優勢に行けたんだが」
「…………追う?」
「必要ない。“蟹座じゃないもん”と“バトルマスター”を手に入れることができただけで十分だ。
 急いで合流地点に向かおう。向こうはかなりの地獄なはずだ」
ナナシは首肯し、空間にゲートを繋ぐ。小脇に抱えられたバトルマスターを見ながら七氏は憎悪を込めて笑った。

「深い深い眠りの底に着くがいい。次に目覚めた時には、お前が大好きなバトルの中だ。負け戦ほど楽しいものはないぞ?」



D7・大怪球フォーグラー周辺。この超兵器を運用しようと内部に潜入を試みようとした魔王たちは、未だ適わずにいた。

「……うざったいなあ。もういっちょZEROボルテッカァァァァァ!」
「くそ、何でこんなところに……ガウンジェノラ(サ)イダー!!!」
影の繋ぎ師と速筆魔王のダブル光線が放たれる。唯でさえ単発オーバーキル気味の威力なのに、それを重ねるなんて。
だが、彼らが相手にするものは、それに値するものだった。
「リバースカードオープン! 魔法カード「増殖」。メリーゴーランドオルセンを増殖して壁にする!!」
魔法の発動と同時に無数のメリーゴーランド(とそれに付随する書き手)が現れ、それを防ぎきる。
因みに増殖が適応されるのは一話ズガンされたキャラのみである。
流石に参加者を何万人も消し炭にするのは気が引けるのか、精々数千しか焼き払えていない。
「くそ……放送直後のこんなタイミングでジョーカーが出てくるなんて!!」
「油断してたねえ。向こう側でなにかあったと見るのが妥当……って、繋ぎ師、上だよ!」
魔王の声に繋ぎ師が反応する。地獄耳に聞こえるのは超高高度の風を切るジェット音。
「はるちゃん、ミサイル一斉発射!!」
愛媛の乗ったラプターからミサイルが黒い煙を引きながら射出される。
エスコンの戦闘機は航空力学と物理と三次元を無視したミサイルの積載量なので弾切れはほとんどない。
念動フィールドでミサイルは防ぎきるが、自由落下からの射撃に一歩反応が遅れ攻撃が間に合わない。
「その首を貰い殺す!」
ミサイルの煙を抜けて名無しの剣閃が飛んだ。
魔王の斬鉄剣が名無しの刀を弾き、追撃を入れようとするが。
『あうあうあうwwww』
刀の能力によって時間が歪められ、気づいた時には名無しは遥か遠くに逃げている。
人外のアウト、愛媛のミドル、そして名無しのクロスレンジによって、ジョーカー達は二大チートを凌いでいた。

3819終末への扉:2008/07/02(水) 22:36:05 ID:tFQnxW4w0
「どうみる、魔王!?」
「時間稼ぎだねえ。僕ら相手にあの程度しか用意していないことをみると、他で何かやってるかな?」
光線斬撃火器とあらゆる属性の攻撃を裁きながら、魔王は明日の天気を心配する調子で言った。
めんどくさいなあと思いながら再びボルテッカを放つ。
「マッガーレ↓!」
突如極太光線はその軌跡を曲げてあらぬ方を爆破した。
そして、魔王の予見が当たったかのように粉塵の向こうからいい男が現れる。
「お待たせしました、人外・愛媛・名無し! 
 エンジンが届きました!! 直ぐにフォーグラーに入ってください!!」
待っていたとばかりに息をつく三人。直撃は受けていないとはいえ、チート相手に彼らの心は大分疲れていた。
三人は三者三様の方法でその場から消える。
「一体何をするつもりなのかな!? 良ければ聞かせてほしいんだけど!!」
最後に帰ろうとしたガチホモを引き留めるように魔王が叫ぶ。
ガチホモはくすりと笑って、答えを返した。

「耳をすませてみれば分かりますよ。今から本当の放送が始まるんです!! 全てを終わらせるためのね!!」

一体何を――――そう魔王が聞き返そうとしたときだった。
拡声器ではない、本当に天球に響き渡る音が満たされたのは。

3820終末への扉:2008/07/02(水) 22:40:19 ID:tFQnxW4w0
元・天空の城ラピュタ―――――現・デビルラピュタガンダム。
DG細胞の進化機能によってまっとうなロワ並の機能を回復した放送室に、管理人はいた。
直にここも食われて亡くなる。そう分かっていながらも、その顔には喜悦しか浮かんでいない。

「みなさん。こんばんわ。みなさんお馴染み、wiki管理人です」

マイクを持った管理人は、まるで自分が最初から放送をしていたような手慣れ方だった。


――――――――皆さんに悲しいお知らせがあります。今まで、そしてつい先ほどにも放送をした感電氏のことです。
        感電氏は放送後、私の部下であるクマのプー太氏を殺害しました。

E8・病院エリアより逃走中。
「いったい、こいつはなんなんだ!?」
蟹を担いだダイソウが声を荒げた。
「もう放送は終わった筈じゃあ……って、なんか震えて……」
ネコミミストがPCの震えに気づき、ウィンドウを立ち上げる。
「どういうことだ……? ゼスト、サスペリア…DG、煩悩寺……?」
「将軍、どうしたんだ!?」
「ニコニコのホストが移転した。生き残った部分を移し替えたな。位置は……大怪球フォーグラーだ」
「あいつら、会場に拠点を?」
だが、将軍の思惑はそちらにはない様子だった。珍しく言葉を選んで、ゆっくりと口を開いた。

「ラピュタに潜らせていた分身が全滅した。ニコニコが消えて、より不味いものが現れたかな?」

3821終末への扉:2008/07/02(水) 22:45:44 ID:tFQnxW4w0
【1日目 真夜中】【D-8 市街地】

【神行太保のDIE/SOUL@アニロワ1st】
【状態】:疲労(小)、軽度のダメージ(核鉄で回復中)、全身火傷・右指炭化(処置済)、首輪解除、迷いはなくなった
【装備】:斬馬刀@るろうに剣心、ガッツの装備一式@ベルセルク、ガッツの義手@ベルセルク、核鉄『ニアデスハピネス』、核鉄『ブレイズオブグローリー』
【道具】:支給品一式×3、拡声器、パニッシャー@トライガン(機関銃:残り弾数40%、ロケットランチャー:残り4発)、ダイナマイト×5、
     フライングアタッカー@仮面ライダー555、
【思考】
 基本:アーカード(地図氏、マダオ)は殺すつもり(だったのだが……)、 対主催を集める。
 1:対主催メンバーと合流。
 2:繋ぎ師とtu4氏の結果が気になる。
 3:ナナシと出会ったら、決着をつける!
 4:tu4氏の話も伝えるか。
 5:マダオ……

※容姿はガッツ@ベルセルクです。
※神行太保・戴宗の神行法(高速移動)が使えます。
※ラディカルグッドスピード腕部限定は、腕だけが速く動きます。
※地図氏(地球破壊爆弾No.V-7)がジョーカーではないかと思っています。
 ジョーカーに襲われた事と合わせての考察はまだしていません。
※自分が本物の書き手なのか疑問が解決しました。他の書き手への躊躇いはお任せします。
※核鉄『ニアデスハピネス』は制限により、使用中は強制的にパピヨン姿になります。でも戻るので安心ですね。制限を知りました。
※黒猫がすごく気になる。
※tu4氏から、このロワにおける参加者の正体を聞きました。
※マダオからこのロワに関する考察を聞きました。



【衝撃のネコミミスト@アニロワ2nd】
【状態】:不死者化、さらに強い決意、首輪解除、魔力消費(小)
【装備】:マテリアルブレード@テイルズロワ、クラールヴィント@アニロワ1st、バリアジャケット(白いリボンドレス)
【道具】:支給品一式×4、拡声器、カブト装備一式(ハイパーゼクター付)、サイドバッシャー@仮面ライダー555、 ノートパソコン、
     オーガドライバー(オーガストライザー付)@ライダーロワ、カイザギア@ライダーロワ、カードデッキ(ベルデ)@仮面ライダー龍騎
【思考・行動】
 基本:前に……進む!
 1:対主催メンバーと合流。
 2:地図氏に複雑な感情。
 3:繋ぎ師とtu4氏の結果が気になる。
 4:スクライドの遺志を継ぎ、牙なき人の剣になる。


※衝撃波を使えます。掌からだけでなく、足の裏からも出せるようになりました。
※「大あばれ鉄槌」を幼女好きの変態と勘違いしています。
※シャリダムを通じて幻夜の死体を喰い、その記憶と知識と経験を得ました。
 また、ブックがロワに来てからシャリダムが生まれるまでの経緯を体験しました。
※自分が主人公、そして黒猫という単語に引っかかっているようです。
※第三回放送を聞き逃しました。
※tu4氏から、このロワにおける参加者の正体を聞きました。
※強化・投影能力を習得しました。何が投影できるかはお任せです。無限の剣製は使えません。
※マダオからこのロワに関する考察を聞きました。

3822終末への扉:2008/07/02(水) 22:48:53 ID:tFQnxW4w0
【パソコンの中&iPodの中】
【ギャグ将軍@ライダーロワ】
【状態】:首輪解除、腹部にダメージ(治療中)、電脳空間に幽閉、心機一転、増えた、不機嫌
【装備】:電脳空間なのでない、はずですが……
【道具】:顔写真付き参加者名簿、支給品一覧(ロック解除)、地図、書き手ロワ2ndのSS一部
【思考】:
 基本:新生クライシス帝国の結成。
 1:バトルマスター! お前の思いは受け取った!
 2:閉じ込められたついでに電脳世界を征服してくれよう!
 3:主催者なり真の対主催なりの目的やらなんやら考察してみせよう!
 4:『白猫』を探し出してくれよう!
 5:同胞を冒涜したあの連中は裁きにかける。
 6:対主催の仲間、ついでに飲み友達を集める。
 7:コーカサスゼクターの資格者を探し、コーヒーを飲む。
 8:紅茶を飲むかどうかは保留。



※ポケモンの物まねによる影響が各地で現れたかもしれません。ただ、将軍のギャグ補正により悪い結果は導きません。
※なんか増えました。すべてのコピーが同じ能力を持っているのか、実体化出来るのかは不明です。姿は変えられるようです。
※一時的に実体(きぐるみ)を失っているため、キャラに何らかの変化があるかもしれません。
※制限がライダーロワ基準だと思い込んでいます。
※特殊能力:「書き手界の良心」に目覚めました。
 本気の一喝を放つ事により、悪ノリし過ぎている者に自重を強いる事ができます。
 但し、ギャグ将軍の性格上、あまり多用される事はありません。
 真剣な人生相談に乗る事も可能。なお、発動中はピンク色が掛かった女言葉になります。
※背中に謎のチャックを確認。ギャグ将軍曰く、開けると「大変なこと」になるそうです。詳細は不明です。
 今回の発動はあくまで電脳空間でのなりきり変化の鍵としての解放であって、本来の解放の効果は不明です。
※ノリと思い込みで電脳空間内でかなりの無茶が可能になったようです。又ものによっては現実の方が将軍に合わせて動きます。
 例:ピカピカ鳴くとラピュタの雷が勝手に発動します。
※固有結界「コーヒーブレイク」
 優雅なリネン一式の備わったテーブルと人数分の椅子を造り出し、皆でコーヒーを飲んで和みます。
 それ以上の効果は確かめられていません。
 コーヒーセット自体が発動させている可能性があります。
※ノートパソコンの中に、顔写真付き参加者名簿と支給品一覧(パスワードが設定されている)のデータが確認されました。
 また地図を確認。参加者の区別が付かない第三放送時の参加者分布を知る事が出来ます。上級パスでさらに詳しく?
※書き手ロワ2ndに存在する全ての「アドレス」に向けて、データ化されたギャグ将軍が送信されました。
※パソコンから『柿テロ猥・R2‐ND』のチャットに出入り可能になりました。
※コロンビーヌと情報交換しました。
※『柿テロ猥・R2‐ND』掲載の情報を一部入手しました。
 新生クライシス帝国に因縁のある相手――主催者・ジョーカーと真の対主催がメインです。 影の繋ぎ師の情報も揃っています。
 反面『黒猫』の情報を始め、不完全な部分もあります。お任せします。
※孤城の主のコロンビーヌ視点の情報を得ました。
※ラピュタハック部隊が(DG細胞の手で)全滅しました

3823終末への扉:2008/07/02(水) 22:49:10 ID:tFQnxW4w0
【1日目 真夜中】【E-8 病院目前】
【蟹座氏@ギャルゲロワ】
【状態】:へこみLv0、左手首に傷、錯乱、首輪解除 気絶
【装備】:体操着(ブルマ)、鉈、ケリュケイオン@リリカルなのはStrikerS、永遠神剣『誓い』、蟹座の黄金聖闘衣、蟹座氏の写真×10
【道具】:支給品一式(食料全て消費)×5、最高ボタン、カードデッキ(シザース)@ライダーロワ、閃光弾、まふうじの杖、バッド・カニパニーの甲羅、
     腕時計型麻酔銃(1/1)@漫画ロワ、ティーセット一式、麻酔銃の予備針×3、変化の杖、ヴァッシュ・ザ・スタンピードの銃@トライガン、
     対戦車地雷×2、リュート@からくりサーカス、ドラゴンオーブ@AAA
【思考】:
 基本:ししょー……
 0:バトルマスターを救う。
 1:僕の記憶、どこかおかしい?
 2:『あいつ』に逢ったら殺す。
 3:ギャルゲロワの仲間とはできるなら会いたくない……けど。
 4:敵とは戦う。ギャルゲロワ以外でいじめてくる人はみんな敵。



※容姿は蟹沢きぬ(カニ)@つよきすです。
※最高ボタンを押すと、『いやっほぉぉぉおおおう、蟹座のONiぃ様、最高ーーーーーっ!!!!!』という台詞が、
 ハクオロの声で流れます。シークレットボイスにも何かあるかも?
※自分の心がキャラに影響されている事に気付きましたが、キャラに抵抗するため無駄な努力をしています。
※身体能力は本気を出せば倉成武ぐらいの力が出ます。通常はカニ。
※蟹見沢症候群について。
 へこみのLvが5になった時、発祥します。発症した場合、自分を苛めたり辱めたりした者を優先的に殺します。
 666の仕込みによってリミット天元突破。どうなるかわかりません。
 基本的な症状は雛見沢症候群と同じです。発症中は蟹座氏のチャット状態の特徴により、語尾に♪がついたりします。
 今はバトルマスターと話し終わるまでは落ち着いているようです。話し終わったらどうなるか分かりません。
※言霊『蟹座じゃないもん』に覚醒しました。
 強い意志で蟹座である事を否定する事により、文字通り蟹に縁のあるアイテムから、『蟹座じゃないもん』つまり『蟹座じゃないもん(者、物)』の力を引き出せます。
 ただし使いすぎると境界が…… 現在ジョーカーの手で能力を完全に分離させられました。
※蟹座氏のバリアジャケット姿がどのようなものかは以降の書き手に任せます。
※なりきりが解けかけ、記憶に混乱が生じています。
※蟹座氏の写真の詳細は後の書き手にお任せします。
※死者スレ産の飴玉を舐めた事により何か影響が出るのかもしれません。
※永遠神剣『誓い』は蟹座氏の所持している鉈と瓜二つの姿に変化しました。
※『蟹座じゃないもん』を失う代わりにブラック系のマイナスステータスを完全回復しました。

3824終末への扉:2008/07/02(水) 22:50:58 ID:tFQnxW4w0
―――――――――遺憾ながら、これは感電氏の重大な裏切り行為であり、
         私は主催者としての立場からこれを厳密に処罰しなくてはなりません。


D7・大怪球フォーグラー内部

七人のジョーカーと一人のマーダーがそこにいた。
一人の手の中には人形のような蟹座氏の姿がある。
「これで奇襲は不可能になりましたね。あとはここに立て篭もって凌ぐしかないでしょう」
ガチホモがやれやれと溜息をついた。ジョーカー達にもう逃げ場はない。
「だが、時間は稼げる。少なくとも、2時間は」
七氏が目を細めながらいった。横のマーダーの眼は理性の光をともしたまま、何かを見失っていた。
「では、初めてくれ。人外。この朽ちた機動要塞に、再び息吹を」

人外が前に出る。目の前にある無数の梅サワーの前に黒蟹座を置いた後、
デュエルディスクより一つのカードを取り出し、宣言した。

「魔法カード『融合』! 蟹座じゃないもんと大怪球フォーグラーを融合させ、
 出でよ混沌の大迷宮。『大蟹球フォーグラー』!!!」


【一日目・真夜中・大蟹球フォーグラー内部】

【裸になってすぐアッー〜殺意のqwglOGQwIk〜@ニコロワ】
【状態】:健康
【装備】:なし
【道具】:不明
【思考】:
 基本:主催者側の人間として活動。参加者の抹殺
 1:二時間を耐える
 2:地図氏と再会すれば、借りを返す

 ※容姿は阿部さん@くそみそ、性格は古泉@ハルヒ。その名はイイ男。キモカッコゲイ!
 ※地球破壊爆弾No.V-7を危険視しています。
 ※ニコニコ動画に存在する動画ゆかりの技を使えます。
 ※ニコニコに自分が見たものを動画としてうpできます。
 ※「まっがーれ↓」と唱えることで色んなものを曲げられます どこまで曲げられるのかは不明

3825終末への扉:2008/07/02(水) 22:53:08 ID:tFQnxW4w0
【人外アドベンチャー〜OZbjG1JuJMのウォーゲーム〜@ニコロワ】
【状態】:疲労(中)
【装備】:なし
【道具】:虎竹刀with千年パズル
【思考】:
 基本:主催者側の人間として活動。ロードに立ち塞がる参加者の粉砕!ぎょ(ry
 1:時間を稼ぐ
 2:デッキを改良しながら次の出番までニコニコ 

 ※容姿は正義の味方!カイバーマン(海馬瀬人)
 ※ニコニコ動画に存在する動画ゆかりの技を使えます
 ※地球破壊爆弾No.V-7を危険視しています。
 ※お気に入りの画像からデータをダウンロードし、カードに変えて使役することが出来ます。
  基本はニコニコにあるパロロワMAD&ガチホモが動画化した分の書き手ロワ2ndからの混成デッキ。
  書き手ロワカードは放送ごとに死者が追加解禁されます。

【C.M.超展開はデフォなのか?@ニコロワ】
【状態】:全快
【装備】:黙陣の戦弓@LSロワ
【道具】:不明
【思考】:
 基本:主催者側の人間として活動。参加者の抹殺。
 1:時間を稼ぐ

 ※容姿はえーりん!えーりん!何故か無口なようです。
 ※ニコニコ動画に存在する動画ゆかりの技を全て使えます。
 ※少数に限りニート軍を現実に召還できます。
 ※えーりんが無事な限りは、蓬莱の薬で兵士は超スピード回復します。(ただいま全滅中、回復に時間がかかります)

【愛媛の0RbUzIT0Toは大変な演説をしていきました@ニコロワ】
【状態】:真・驚きの黒さ、就寝中、 精神力五割程度(回復中)
【装備】:F−22Aラプター(春香カラー・黒)
【道具】:なし
【思考】:
 基本:主催者側の人間として活動。参加者(=多数派)の抹殺
 1:時間を稼ぐ
 
 ※容姿は黒いセーラー服の柊つかさ@らき☆すた
 ※触れたものを驚きの黒さで染めることが出来ます。影ワープ等詳細不明
 ※ニコニコ動画に存在する動画ゆかりの技を使えます
 ※現実世界にコメントを張ることができます
 ※地球破壊爆弾No.V-7を危険視していますが、キャラとしては…?

3826終末への扉:2008/07/02(水) 22:53:26 ID:tFQnxW4w0
【ナナシ@テイルズロワ】
【状態】:健康 (ただし左眼がない)
【装備】:ソードサムライX@漫画ロワ
【道具】:不明
【思考】:
 基本:主催者側の人間として活動。参加者の抹殺
 1:時間を稼ぐ

 ※容姿はヴェイグ=リュングベル@テイルズオブリバース
 ※氷で武器を生成できます
 ※【異能・姿無き縁の下】
  空気王としての力を解放し、色んなものを「繋ぐ」能力。
  時間だろうがカップリングだろうが何でも繋げるが、その繋ぎが良繋ぎで無いと十分な効果が得られない。


【七氏@テイルズロワ】
【状態】:健康 
【装備】:なし
【道具】:不明
【思考】:
 基本:主催者側の人間として活動。参加者の抹殺
 1:時間を稼ぐ
 2:バトルマスターの歴史を改竄して熱血展開を全滅させる。特に☆系の熱血を。
 
 ※容姿はキール・ツァイベル@テイルズオブエターニア
 ※テイルズロワの舞台ギミックを発生させることができます
 ※【異能・闇に囁く言葉責め】
  言葉の力でいろんなものを誤魔化し、改変する能力。詳細不明。
  大きな無理がない限りなら後付け設定も可能らしい。


【名無し@テイルズロワ】
【状態】:薬物中毒 中ダメージ
【装備】:鬼狩柳桜@ニコロワ
【道具】:不明
【思考】:
 基本:主催者側の人間として活動。参加者の抹殺
 1:時間を稼ぐ
 2:強い奴を殺したい

 ※容姿はクレス=アルベイン@テイルズオブファンタジア
 ※【異能・投下早撃ち】
   圧倒的な投下速度で自分の攻撃を決め、先んじて相手の行動をキャンセルさせる能力。
   キャンセルするかどうかは名無しの任意で決められる。射程外からの攻撃には対応できない。
 ※鬼狩柳桜の力で初期のテイルズロワの早さを獲得しています。
  また、刀から羽入の力を幾分引き出せるようです。

3827終末への扉:2008/07/02(水) 22:53:46 ID:tFQnxW4w0
【バトルマスター@ギャルゲロワ】
【状態】:全身に打撲および銃創(キュレイ種の回復力によりほぼ完治)、キュレイ種のような身体、
     首輪解除、魔術回路にダメージ 雛見沢症候群?
【装備】:永遠神剣「冥加」ゲイボルグ@アニロワ2nd、孔明の令呪(残り三画)
【道具】:支給品一式×2、コイン、名簿、孔明のメモ、スタンガン@アニロワ1st、首輪(まとめキング)
     G.Iのカード×2(種類不明・本人は確認済み)@LSロワ、 不明支給品×1
【思考】: ???
 基本:“コインは裏が出た”――だから徹底的に抗う。
 1:対主催をバトルして倒す
 2:なにか、記憶が違うような……



※容姿は前原圭一@ひぐらしのなく頃にです。
※自身の精神が、キャラの影響を受けている事に気付きました。
※【闘争制覇者-Battle Master】
  発動させる事で、決して『バトル』に負けない固有結界を張る事ができます。
 【闘争制覇者-Battle Master アイン・ソフ・オウル】
  バトルマスターが生涯書き得るありとあらゆるバトルの世界に敵を放り込む技。
  物語内のキャラの攻撃を全部くらわせます。
  この技が発動した時点で、敵味方の全行動が『バトル』として定義されます。
  故に、発動すればどんな状況でも、バトルマスターは不敗です。
※影の繋ぎ師からディーの話を聞きました。
※孔明のメモにはこのロワに関する孔明の知り得る限りの情報が記載されています。
※孔明の令呪を使う事で魔力を補充する事が出来ます。二画以上まとめて使う事でアインソフオウルを使用可能。
 ただし、全ての令呪を使い切ると……?
※七氏の能力によってコインの事実が改竄されました。記憶の矛盾は時間がたつにつれて整合していきます。



※ラピュタから支給品の選考から漏れたアイテムを数点回収したようです。
  ただし、ジョーカーたちは空気を読んであまり無茶な使い方はしません。
  誰が持っているのか、どこに置いてあるのかは不明。

3828終末への扉:2008/07/02(水) 22:59:07 ID:tFQnxW4w0
――――――――――感電氏に告ぐ。今より二時間、フォーグラーの内部に旅の扉を敷設します。
          そこに読み手を置いておくので申し開きがある場合は、それを潜ってラピュタへと帰還すること。
          内部を守備するジョーカー達には貴方だけは通れるように伝えておきます。
          

「……何、あれ?」
魔王が目の前のそれを見ながら、珍しく唖然とした表情で言った。
一度は完全に地に落ちたフォーグラーが、再びゆっくりと浮上し始めたのだ。
そして目を凝らせば外壁が恐るべき速さで修復され始めているのが分かる。
「ジョーカー達が何かしたのか……? 繋ぎ師、中は……」
振り向いたその先には、言葉を押し殺したような繋ぎ師がいた。
マイティアイ改にて覗いたものをしっかり考えて、ゆっくりと口を開いた。

「アースクレイドルと古手神社とギガゾンビ城とHIMMELその他が一緒に混ざってる……?」

【1日目 真夜中】【D-7 市街地】
【速筆魔王LX@アニロワ2nd】
【状態】:疲労(中)、全身にダメージ(小)、魔力残り40%、首輪解除
【装備】:斬鉄剣@ルパン三世、技術手袋@アニロワ1st、デバイスクリスタル
【道具】:支給品一式×8、分解済みの首輪(素晴らしきフラグビルド)、首輪×3(地味子、◆wKs3a28q6Q、永遠のうっかり侍)、
     iPod、みWiki@らき☆すた?、 コーヒーセット一式@スパロワ、
     コーカサスブレス&ゼクター@ライダーロワ、ジャーク将軍のマント@ライダーロワ、
     杖@ライダーロワ、王者のマント@FFDQロワ、バヨネット×2、核鉄「バルキリースカート」、ジャッカル(5/6)、
     銀河ヒッチハイクガイド、咎人の剣「神を斬獲せし者」@AAAロワ、ドラゴン殺し@アニロワ1st、他にまだあるかも?
【思考・行動】
 1:フォーグラーは無理か。対主催の合流かね。
 2:逃げた感電氏と話がしたい。
 3:将軍の電子戦にある意味期待。
 4:『白猫』って誰? あと『黒猫』?
 5:対主催陣を探し、ゲームに乗った強敵を撃破していく。
 6:あの連中には借りを返す。


※主催者陣営に裏切り者がいるのでは、と考えています。
※首輪の構造を理解しました。
※『柿テロ猥・R2‐ND』掲載の情報を一部入手しました。
 新生クライシス帝国に因縁のある相手――主催者・ジョーカーと真の対主催がメインです。影の繋ぎ師の情報も揃っています。
 反面『黒猫』の情報を初め、不完全な部分もあります。お任せします。
※孤城の主のコロンビーヌ視点の情報を得ました。
※美形元帥が持っていた、膨大な量の魔力を吸収しました。
※強化された事により自身の正体をなんとなく把握しました。
※みwikiが最終形態になりました。高良みゆきの姿で実体化できます。本に戻ることも可能です。
※バリアジャケットのデザインは、テッカマンエビルをさらに禍々しくしたような感じです。
 テッカマンの能力が再現されているかどうかなど、詳細は後続の書き手さんにお任せです。
※現在デイパックの口にみWikiがつっかえているため、彼女を出さないと他の道具が取り出せません。

3829終末への扉:2008/07/02(水) 23:01:53 ID:tFQnxW4w0
【影の繋ぎ師@ライダーロワ】
【状態】:ネオバスク修復完了、エネルギー枯渇、右脚骨折、WIKI管理人への天元突破級のぶっちぎりな激しい怒り
【装備】:サタンサーベル@ライダーロワ カラオケマイク@現実
【道具】:支給品一式×3、 ワルキューレ@スパロワ、ドラグブラッカー、写真付き名簿、放火セット(燃料、松明、マッチ)、ナイフ、不明支給品×1(確認)、BL本、首輪×2、パロロワ衣服詰め合わせ、
      お徳用原作パロロワ全生首セット(目玉セット他に換装可能)&原作パロロワ全手首詰め合わせ※今なら腕も付いてくる!
【思考・行動】
 基本:殺し合いには乗らない。自分のSSへと戻る。それでも俺は俺として ぶ っ ち ぎ る ぜ  !!
 1:先ずは仲間たちとの合流を!
 2:本物の煩悩寺さんはどこへ?
 3:WIKI管理人を倒す。
 4:他の参加者にもディーやtu4氏から聞いた事を伝える。


※変身体が仮面ライダーBLACK SRX@書き手ロワ2に進化しました。
 キングストーン二つの融合により更なる可能性を得たかもしれません。
 ※RXの全変身系統の能力が二倍以上にアップし、シャドームーンの武器と技も使用可能です。
  何より性能差をももろともしないシャドームーンの卓越した戦闘技能を強化されたRXが得たことが一番大きいでしょう。
  ローマ字化するとSで始まる名前のライダーやフォームの力も使えます。
  JUDOの力すら使用できます。ぶっちぎり過ぎです。
  原作設定すらぶっちぎるぜい!

※太陽と月の破壊により、無限再生ができなくなりました。
  キングストーン×2による一瞬での再生は可能ですが、かなりのエネルギーを消費します。
  また、SRXモードでの全力戦闘自体は可能ですが、エネルギー消費に回復が追い付かず、30分くらいで戦闘不能になるでしょう。
  無理をすればそれ以上戦えますが、命の保証はできません。
  それでも漢はぶっちぎる気満々です。

※ロワの会場(ラピュタ含む)外が、空白地帯になりました。
  太陽や月、星といった宇宙が消滅したため、ロワ会場はずっと暗いままです。
  宇宙消滅したのに、今のところ会場が大丈夫なのは、書き手ロワ2だからです。
  ただ、なんらかの悪影響はあるかもしれません。お任せします。


【大蟹球フォーグラー】
暴走した蟹座じゃないもんをエンジンとして融合させたフォーグラー。
蟹でないものならなんでも引き出せるので無限力なり次元連結システムなりジュエルシ―ドもなんでもござれ。
中は外以上にカオスと化している。まさにこの世全てのロワ。内部スキャンは出来ますがほぼ意味がありません。

3830終末への扉:2008/07/02(水) 23:04:29 ID:tFQnxW4w0
――――――――――その時までに来ない場合、反省の意無と判断します。ですが、あなた以外に放送ができる人もいないので…

          旅の扉システムに則り、この会場ごと崩壊させます。


「なんじゃぞりゃああああああ!!!!!!」
放送の途中だが我慢の限界に達したロリスキーは心の底から突っ込んだ。どう考えてもまともではない。
「感電が何しようと関係ないけどさ! それで私たちの世界ごと消すってどーいうことよ!?
 私的制裁にあたしらを巻き込むなああああああああ!!!!!!」
ぜえぜえと息を切らすロリスキーの横で、地図氏は何かを考え込んでいた。
(なるほどね〜〜〜。つまり、この二時間で全部決着をつけろってことか。
 大義名分があるだけギガゾンビよかは、筋が通ってるかな?)
「急ぐよ、くーちゃん。この先を解決するには、皆が集結しないとだめっぽい」

地図氏の言葉にロリスキーは頷く。それは、この反則めいた放送を聞いていた者全てが抱いていた思いだった。


【1日目 真夜中】【F-7 市街地】

【地球破壊爆弾No.V-7@アニロワ1st】
【状態】:疲労(小)、泉こなたの姿、強い決意
【装備】:激戦@漫画ロワ、レヴァンティン@アニロワ1st、マジシャンズレッドのDISC、巫女服(鷹宮神社)@らき☆すた
【道具】:支給品一式、着替え用の衣装(複数)、アダルトグッズ(大量)、泉こなたのスクール水着@漫画ロワ
【思考】:
 基本:クールなロリスキーと共にある。
 1:DIE/SOULたちと合流。
 2:感電ちゃんから話を聞く。
 3:もう迷わない。
 4:いざとなったら『地球破壊爆弾』使うしかないのかな。



※基本的に中身はアーカードで、CVは平野綾です。
※変化する姿に7つのバリエーションがあるらしいです。
【1:地球破壊爆弾】【2:アーカード】【3:長門有希】【4:泉こなた】
【5:銃撃女ラジカル・レヴィさん】【6:キングゲイナー】【7:1〜6とか目じゃないよ?びびるよ、まじで】
※クーガーの早口台詞が言えます!
※鎖鎌、鳳凰寺風の剣、ソード・カトラス、ノートPCの投影が可能です。
【スーパーキョンタイム】
 地図氏以外の者はゆっくりとしか動けなくなります。一度使うとそれなりの時間使用不可能です。
【地図氏の地図】
 参加者の位置、生死を含めた地図を投影できます(※長門有希の状態でのみ可能)
 使いすぎるとアレなので、毎晩0時にのみ使う事にします。

3831終末への扉:2008/07/02(水) 23:05:15 ID:tFQnxW4w0
【クールなロリスキー@漫画ロワ】
【状態】:不死者、吸血姫、スーパーかがみんと融合、疲労(小)、強い決意
【装備】:巫女服(鷹宮神社)@らき☆すた
【道具】:支給品一式、カードデッキ(龍騎)、AK-74(残り28発)、未定支給品×?(ロリスキー確認済み)、
     着替え用の衣装(複数)、『村雨健二』の衣装、キュートなシルク仕様の裸エプロン、日焼け止めクリーム(大量)、GL本
【思考】:
 基本:地球破壊爆弾No.V-7と共にある。
 1:DIE/SOULたちと合流。
 2:もう迷わない。
 3:ちぃちゃんの支えになる。

※容姿は柊かがみ@らき☆すたです(翼と尾が任意で顕現します)
 柊かがみの髪の色をしたドラゴンにもなれます。
 ヴァルセーレの剣の刃でできた羽を三対六翼持っています。尻尾はマリンデビモンの触手が変化して8つです。
※何故か不死身です。
※スーパーかがみんと融合し、彼女の記憶と能力を継承しました。
 柊かがみがその時点で使った事のあるあらゆる力、アイテムを使用できます。
※地球破壊爆弾No.V-7の血を吸い、独立した吸血姫となりました。
※ミスターマダオの血肉を食らった事で、吸血姫としてランク・身体能力が上昇しました。

3832終末への扉:2008/07/02(水) 23:07:17 ID:tFQnxW4w0
―――――――――――殺し合い中の皆様にはご迷惑をおかけします。
           では、どうぞごゆるりとバトルロワイアルをお楽しみください。


大蟹球フォーグラー・中枢・旅の扉前。

切られた放送。それを罵るように、読み手は地団駄を踏んだ。
「なんだそりゃ、くそ。唯の繋ぎ要因の俺まで駆り出されるとは」
そもそも彼は書き手ではない。ただの読み手だ。なのに一体何故書き手と一緒になって死線に立たなければならないのか。
「もし感電以外の……ぶっちゃけ参加者が来たら、俺が戦うのか? 無理だって、言峰ったって拳法のけの字もしらねえよ!!」

「なら、代わってあげよう。ゆっくりと休むがいい」

え、と言い終わる前に、読み手の人生は終わった。
言峰のように闇に呑まれて死んで行けたのが、最後のなりきりだった。

「やりましたねえ、666さん。これは完全にラスボスの流れですよ」
「HAHAHA。煽てても何も出ないよ。プー太氏」
純粋に666の突破ぶりを称賛するのは、既に感電の手によって殺されたプー太氏。
「いえいえ。全てを見届けるために守護騎士として復活させてもらっただけありがたいですよう」
その手には自分がヴィータだとということを誇示するかのように、ビッグ承のゴルディオンハンマーが握られていた。

「マーダーは待ち伏せして扉に群がる参加者を食らう……それがFFDQの基本戦略。
 来給えネコミミスト。ここが君と私の運命が交差する場所だ!!」

666が、最後の暗黒が、扉の前で全てを待っていた。

3833終末への扉:2008/07/02(水) 23:07:33 ID:tFQnxW4w0
【読み手・死亡確認】

【真夜中】【D7 大蟹球フォーグラー中枢・旅の扉前】

【派手好き地獄紳士666@LSロワ】
【状態】:闇の書発動、不死者化?、大量の精気(エロパワー)吸収、疲労中、負のエネルギー蒐集中、暴走?、
     アルテマ修得、……私の愛は愛ではないだって?、かなり焦っている
【外見】:黒いリボンドレス、背中から黒い六翼。長い髪は白く染まり後ろに降ろしている。眼鏡外し。
【装備】:ゲート・オブ・バビロン@アニロワ2nd(※特殊仕様)、闇の書@アニロワ1st(ディス・レヴ内臓)、バリアジャケット、
     ビッグ承、コアドリル(ほとんど黒)@アニロワ2nd エターナルソード@テイルズロワ
【所持品】:ヒュッケバイン・ボクサー(トロンベ)、四次元ポケット、クレイジーダイヤモンドのDISC、高性能探索機能つき扇風機、
      朝倉涼子のアーミーナイフ、夜天の書(BL本)、ウルトラミキサー、蟹座氏の写真×10
      モンスターボール(空) エニグマの紙「漫画キャラバトルロワイアルwiki管理人」 クマのプー太氏
【思考・行動】
 基本:極悪外道になった後、ネコミミストの前に敵として再会。ネコミミスト心から愛してる。
 1:ここですべてに終止符を打とう、ネコミミスト!!
 2:ディス・レヴを使いこなせるようにする。
 3:熱血王子の動向はチェック。
 4:熱血王子が改心されそうなら……
 5:ネコミミストの前に敵として現れ、最終的に喰われる。


※ゲート・オブ・バビロンで出せるアイテムをどれも『一応は何とか使いこなせ』ます。
 驚きの黒さを受けて『完全に使いこなせる』ようになりました。
 エリクシールと爆薬は使い切りました。 鳳凰寺風の剣は病院に起き捨て。
 ディーヴァの剣、ルルゥの斧、鳳凰寺風の弓と矢は全て武器融合に使用。
 浄玻璃の鏡の回数制限は残り0回。凛の宝石は全てカートリッジに変形。
 懐中時計型航時機『カシオベア』破壊。 マテリアルブレードはダイヤモンドと合成してエターナルソードに。
※ゲート・オブ・バビロンで出せる新たに判明した物及び追加された物。
 アニロワ1stからディーヴァの剣、ルルゥの斧、マイクロ補聴器、鳳凰寺風の弓と矢、鳳凰寺風の剣、凛の宝石×10、闇の書。
 加えて――マテリアルブレード@テイルズロワ@XXX、クラールヴィント@アニロワ1st@XXX、
 不死の酒@アニロワ2nd(既に使用済み?)@XXX
 ゲイボルグ@LSロワ RH・エクセリオン@LSロワ ミニ八卦炉@LSロワ
※闇の書と融合しているため、その内に言うまでもなく――
※エロスの鐘の煩悩寺と、エロ師匠の(ついでに大暴れ鉄槌の)精気を吸収しました。
 影丸の魔力を吸収したため、8割がた使いこなせるようになりました。
※書き手としてのメタ視点能力を使える様子。別に全知ではない。
※闇の書とディス・レヴ@スパロワが内蔵されました。リミッターをかけていますが会場内の負の力を自動的に集められます。
※バビロンの財宝はクレイジーダイヤモンドでは治せません(宝物庫そのものは別)
※『真・驚きの黒さ』を蒐集により習得しました。これによりディス・レヴの効率を上げられます。
※全支給品を合成させ、自身も融合することにより、【グランゼボーマ@アニロワ2(グレンラガン)】の力が振るえます。
 制限によりサイズはLLL内で収まっています(つまり星よりでかいとかにはなりません)
 ただし666としてか闇の書の暴走が表に出るかは状況によります。 666もそのことは理解しています。
※ヒュッケバインボクサートロンベ:
 単純にヒュッケバイン・ボクサーが黒色(レーツェルカラー)になったもの。
 トロンベ化に伴いトロニウムエンジンから核融合エンジンになったが、
 666からのエネルギー供給でトロニウムエンジン以上に安定駆動可能になっている。
 人間サイズより一回り大きい。念動兵器が使えるかは不明。

3834終末への扉:2008/07/02(水) 23:11:04 ID:tFQnxW4w0
交錯した運命の末、駒は全て盤上に並んだ。

未来を切り開く者よ。恐怖と勇気を携えて神の一手を超えろ。


【真夜中】
【デビルラピュタガンダム 放送室】
【書き手ロワ2nd WIKI管理人@書き手ロワ2nd】
【状態】:健康
【装備】:???、ミニサスペリア
【道具】:???
【思考】:
 基本:???
 1:???

 ※容姿は執事服を着た稲田瑞穂@バトルロワイヤルです
 ※ミニサスペリアはGR2のtu4氏なあの人の思念から生まれた存在でした。
  GR2の属性であるカニバリズムを司っています。
  ある程度の空気力と煩悩寺の吸収によりエロスも使えます。
  姿はクリーチャーとアニ2をかけてデビルガンダムです。ラピュタとほぼ同化しています。
 ※数時間後、ミニサスペリアと融合してゼスト@スパロワになれます。
  外見がどう変化するかは不明です。
  ゼストは思念集積用のダイダルゲートを使って様々なロワの負の念を吸収しています。
  ぶっちゃけスパ本編より強いかも。
  ただ、書き手2の思念は666に横取りされていて入手できませんでした。

3835終末への扉:2008/07/02(水) 23:11:48 ID:tFQnxW4w0
全てが音をたてて動き始めたころ、再び学校に戻ってきた男は、自分が殺したはずの存在がいないことに気づいた。
しばらくぼーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっとしたあと、ぽつりと漏らす。

「………………………………………………………………あれ、もしかして、俺ピエロ?」

チャンチャン♪


【2日目 深夜】【E-5 学校跡】
【感電@書き手ロワ2nd】
【状態】:健康
【装備】:バルディッシュ・アサルトBC
【道具】:基本支給品一式、拡声器(特別仕様)、ヴァルセーレの剣@アニロワ2nd、それ以外は不明
【思考】: やっちゃったZE
 基本:真なる対主催として行動。
 1:地図氏や魔王と、また改めて話し合う。
 2:煩悩寺の件について、wiki管理人に強い疑心。
 3:さらなる覚醒イベントを発生させてパワーアップ。



※見た目はアリーナ@DQ4です。
※スタンド「レッド・ホット・チリ・ペッパー(画鋲型)」が使える。
※周囲を防音する事ができるらしい。
※覚醒により、ロワにゆかりがある電撃・雷系の技が全て使えます。
 ある程度こじつけも可能です(デンコーセッカの超高速移動、雷電の蘊蓄など)

3836……名無しが、光っ――――?:2008/07/02(水) 23:14:21 ID:tFQnxW4w0
長かったーーーー!!!! 投下終了!!

当たり前ですが皆さんにはこの話をNGにする権利があります。
あと、暗い空に逃げる権利もあります。

ぶっちゃけなんでもありです。むしろなんでもあれ。

3837……名無しが、光っ――――?:2008/07/02(水) 23:18:44 ID:g6L/Bl/60
投下乙っ、投下GJとしか言いようがない!

参加者もジョーカー勢も総出演、全力の総力戦の予感!
まさかのバトルマスターが敵に回り、予想を遥かに上に行く怒涛の展開に目に鱗としか言いようがない。
ていうか大蟹球フォーグラーってどういうことだ、こらあッ!!www
蟹座じゃないもん、のチートっぷりがインフレしてるw まさかこういう展開に持っていかれるなんて誰が予想したか!

改めて投下GJでしたッ!

3838ヨッミー ◆iDqvc5TpTI:2008/07/02(水) 23:21:07 ID:B/ux4xOw0
いいいいいやっほう!
最高だ、あんた!
俺達が仕込んでいたネタを、意図してなかったものまで入れて、5段階上に昇華しやがたった!
面白い、面白すぎる!上げ下げもナイスだ!
蟹にも笑った!全キャラが生き生きしていた!
当方に続きを書く用意あり!
NGなんてとんでもない!kっくううう!!燃えてきたぜい!

3839……名無しが、光っ――――?:2008/07/02(水) 23:27:15 ID:XhdHAuxg0
投下乙です!
すげえ、すげえよあんた!
まさか放送直後にこんな激動の展開になるとは!

ただ、気になる点もいくつか。
1:愛媛の状態が「睡眠中」になっている。
2:繋ぎ師が「エネルギー枯渇」のままなのに、必殺技を撃っている。

それから細かい部分ですが、ネコミミストはChain-情のことをさん付けではなく呼び捨てにしていたはずです。

まあ何はともあれ、GJなのです!

3840古泉ネームレス ◆HlLdWe.oBM:2008/07/02(水) 23:33:20 ID:Fh7zGP5E0
投下乙ですぅぅぅぅぅ!!!!!いや、もうグッドジョォォォォォブ!!!!!
興奮が収まらない、何という大作品wwwwwテンションマックスDAZE
凄すぎて的確な感想が書けないぞぉぉぉぉぉ!!!!!
ああ、言葉にできないもどかしさ、とにかくもう一度GJだ!!!!!
とりあえずバトルマスターは意表を突かれたwwwwwもう凄すぎだ!!!!!

3841……名無しが、光っ――――?:2008/07/02(水) 23:33:58 ID:2FuGYshU0
ふは、ふはははははwww随分と焦らしてくれやがったなこのGJめ! 焦らしプレイは嫌いじゃないぜ!w
なんかもうワクワクが止まらないぃぃwww
バトマスここに来てまさかのマーダー化、かに玉誕生、混ぜるな危険が混ざりすぎ
Wiki管理人もだんだん目立ってきて、666は調子に乗っ天元突破ぁwww
いやもう本当に楽しいわwwwあんた最高だぁ!



…………あ、あと感電ドンマイ

3842……名無しが、光っ――――?:2008/07/03(木) 00:08:43 ID:k5r0Fm3Y0
>>3839
了解しました。1は状態表を、2は少し描写を追加、幾人かの人称に関しては適時wikiで修正しておきます。

あとwiki編集の際に分割の必要が生じた場合は、始まりから3808。
3809から3818の負け戦ほど楽しいものはないぞ?」まで。
3818のD7・大怪球フォーグラー周辺。から3823まで。
3824から3829まで、3830から3835まで、の五節でお願いします。
あまりにも一節が軽い時はまた考えますので。

3843……名無しが、光っ――――?:2008/07/03(木) 20:55:31 ID:yutqvltk0
>>3842の件、ひとしきり修正しました。

あと他の変更点として
・666の登場シーン以外の場所での666の名前を黒猫に変更(そのままだとネコミミストが気づかない矛盾が出るので)
・参加者の状態欄を独断である程度カット。(不味かった場合は、適当に補修をお願いします)

3844K.R.2ndは最終局面なのか?〜最終鬼畜要塞フォーグラー〜:2008/07/05(土) 22:10:59 ID:ptPcs6IE0
書き手ロワ会場に浮かぶ、ふたつの異形の物体。
一つは悪魔の細胞に浸食された天空の城、デビルラピュタガンダム。
もう一つは蟹座の力と融合して蘇った黒い太陽、大蟹球フォーグラー。
その大蟹球フォーグラー(長いので、以下「かに玉」と表記)の下にたたずむ男たちが二人。
そこへ、三人の男女が近づいてくる。

「魔王さん、繋ぎ師さーん!」

ネコミミストの声に、かに玉を見上げていた二人も振り向く。

「将軍、それにネコミミストくんとダイソウさんか。気絶しているのは蟹座氏だね?
 …はて、バトルマスターくんは?」
「それは…。」

魔王の何気ない言葉に、ネコミミストの表情は曇る。

「まあ、全員集まってから話すさ。地図氏とロリスキーに会ってないか?
 あんたたちの方向に向かったはずなんだが…。」
「おや? そちらこそ会いませんでしたか? 放送の前に、あなた達と合流に向かったはずなんですが…。」

DIE/SOULの発言に、首をかしげる魔王。しかし、そこに当事者たちがやってくる。

「やあ、お待たせー。ごめんごめん、ちょっとだけ寄り道してたら遅れちゃってさー。」

ひょっこりと顔を出したのは、もちろん地球破壊爆弾。その後ろには、割と深刻な表情のロリスキーもいる。

「相変わらず軽いな、地図氏…。いよいよ追いつめられてるって時に…。」
「いやあ、焦りは思考を曇らせるからね。自然体が一番ですよ。」
「少しは焦りなさいよ、アンタは…。」

相変わらず緩い顔の爆弾に、ロリスキーは溜め息混じりで呟く。

「んー? クーちゃんがピンチになったら、いくらでも焦るけど?」
「ちょ、アンタ、こんな時に何言ってんのよ…。」
「はいはい、バカップル自重バカップル自重。」

ピンクのオーラをまき散らし始めた二人の間に、魔王が割り込む。
そのまま彼の主導により、一行はそれぞれの状況報告を行うことになった。

「そうか、バトルマスターくんはジョーカーの手に…。」
「ごめんなさい、僕がもっとしっかりしていればこんなことには…。」

泣きそうな顔でそう呟くのは、気絶から回復したばかりの蟹座氏である。

「あなたが謝ることじゃないわよ。その場にいなかった私が言っても説得力ないかもしれないけど…。
 悪いのはジョーカーに決まってるじゃない!」

ロリスキーが隣に座る蟹座氏を慰めながら、背中をそっと撫でる。

「うむ、憎むべきはジョーカーの連中よ!
 ところでロリスキーよ、このパソコンに入っていた支給品リストによると、おぬしに回復アイテムが支給されておるな。
 まだ残っておるか?」
「え…。支給品?」

将軍の言葉に、ぽかんとした表情を浮かべるロリスキー。
数秒の静寂のあと、彼女が叫ぶ。

「あー!自分の支給品のこと、すっかり忘れてた!」

あまりに衝撃的な発言に、思わず一同はコントのようにズッコケる。

「お前はー…。何やってんだ!いや、しばらく一緒にいて気づかなかった俺も俺だがよ…。」
「まあまあ、彼女を責めないでくれたまえ、ダイソウさん。
 私とのパヤパヤ三昧のあと一気に地獄に叩き落とされたわけだから、支給品のことが頭から抜けていてもおかしくないのですよ。」
「パヤパヤ三昧とか言うなー!」
「まあ、なんでもよい。とにかく。支給品には手を付けておらんのだな?」
「そういうことになるかな…。ちょっと待って、確認するから。」

ロリスキーは自分のデイパックをひっくり返し、中身をすべて地面にぶち撒ける。

「お、たぶん将軍が言ってたのはこれだね。」

魔王が手に取ったのは、薄紙にくるまれた一粒の豆。
その名は仙豆。漫画に登場する回復アイテムの中でも最高峰といわれる代物である。

「あれ、そんなの有ったんだ。全然気づかなかった…。」
「いい加減にも程があるだろ、お前…。」
「だって、こんなちっちゃいの気づかないわよ、普通!」
「ドジっ子なクーちゃんも萌えるねえ…♪」
「萌えとか言うな!」
「あー、話が進まなーい!」

3845K.R.2ndは最終局面なのか?〜最終鬼畜要塞フォーグラー〜:2008/07/05(土) 22:11:29 ID:ptPcs6IE0
なんだかんだで数分後。ようやく落ち着いてきた一同は、仙豆を分割してそれぞれ食べることにした。
元の大きさの八分の一であるため(将軍は食べられないので、彼の分はDIE/SOULが預かることになった)完全回復とはいかないが、最終決戦を控えコンディションは少しでもよくしておくべきと考えたのである。
その流れで、一同はさらに支給品の分配を行うことになった。
魔王が持っていたドラゴン殺しはDIE/SOULに譲られ、みWikiは爆弾に押しつけられる。
なおライダー変身アイテムを大量に抱え込んでいるネコミミストはそれを分配するよう言われたが、断固としてそれを拒否した。

「さて…。装備が整ったところで、これからの行動について話し合おうか。」

議長役の魔王に、全員の視線が集まる。

「僕たちが攻略すべき拠点はふたつ。
 一つは目の前にあるフォーグラー。もう一つはあの不気味に変貌したラピュタだ。」
「俺たちの見た限りでは、ジョーカーは全員フォーグラーに乗り込んでいるようです。」

魔王に続いて、繋ぎ師が状況を解説する。

「ジョーカーに俺たちを相手させて、時間を稼ごうって意図が見え見えだな。
 いっそのことフォーグラーを無視して、ラピュタに乗りこんじまったらどうだ?」
「それができれば理想なんだけどねえ…。仮にもフォーグラーだ。
 こっちがラピュタに行こうとしたら、それを黙ってスルーしてくれると思う?」
「重力レンズ砲が飛んでくるな、確実に。」

自分の案に無理があることを理解し、DIE/SOULは気まずそうに頭を掻く。

「つまり、罠とわかっていてもあえてフォーグラーに潜入し、ジョーカーを殲滅。
 そして内部に設置されているという旅の扉を通ってラピュタに移動し、そこにいるであろう主催者を倒す。
 これしか道はないというわけですか。」
「そうなるねえ。」

ネコミミの発言を、魔王はかすかに苦笑いを浮かべながら肯定する。

「それを2時間で、か…。しんどいわねえ…。」
「でも、やるしかないよ。せっかくここまで来たんだ。どうせならハッピーエンドで終わりたいじゃない!」

弱気な表情を見せるロリスキーを、爆弾が肩を叩いて激励する。

「よし、ならば行くか、皆の衆!」

将軍の言葉に、全員がうなずく。


いざ、最終決戦!

3846K.R.2ndは最終局面なのか?〜最終鬼畜要塞フォーグラー〜:2008/07/05(土) 22:12:00 ID:ptPcs6IE0
◇ ◇ ◇


ドラゴン化したロリスキーやらドラグブラッカーやらフライングアタッカーやらに乗り、一同は無事宙に浮かぶフォーグラーへの潜入に成功した。

「やけにあっさりと中に入れましたね…。」
「中でどうにでもできると思ってるんだろ。まったく、嘗めやがって…。」

そんな話をしていた一同だったが、いざ突入してみて理解する。
ああ、これならそんな自信もわいてくるわな、と。
潜入したフォーグラーの内部は、なんかものすごいことになっていた。
まるで、抽象画の世界に迷い込んでしまったかのようである。
具体的にたとえるなら、あんこ入りパスタライスとあんかけチャーハンときしめんをミックスしたような…。まあそんな感じだ。

「うっく、気持ち悪くなってきた…。」
「クーちゃん、大丈夫?」
「な、なんとか…。」

恋人の体調を気遣いながら、爆弾は将軍入りパソコンを弄る。
こんな方向感覚がいかれてしまいそうな場所では、爆弾が持つ地図氏としての地形処理能力が頼りである。

「地図氏、こっちでいいんですか?」
「いや、そもそも目的地がわからないからねえ。とりあえず、まっすぐには進んでるよ。」
「了解です。」

地図氏を戦闘に、ぞろぞろと固まって歩く一同。その様子を、監視カメラでのぞいている男がいた。
ニコロワ書き手の一人、人外である。

「ふぅん、やはりまとまって行動するか。だが、ここは我々のフィールド。
 貴様らの思うように行動できると思うなよ?」

独り言を呟くと、人外は1枚のカードを取り出す。

「魔法カード、『迷宮変化』発動!」


ゴゴゴゴゴゴゴ…

「なんだろう、この音…。」

ふいに聞こえてきた不気味な音に、魔王は思わず言葉を漏らした。

「トラップでしょうか…。」
「ここは敵地、何が起こるかわからんぞ。皆の者、気を付け…。」
「きゃああああああ!!」

将軍の言葉が最後まで終わらぬうちに、悲鳴が周囲に響き渡る。

「クーちゃん!」

爆弾が見たのは、地面に発生した切れ目に落ちていくロリスキーの姿。
いてもたってもいられず、爆弾はパソコンを放り投げて自らも切れ目に飛び込む。

「オイ!ロリスキー!地図氏!」

パソコンをキャッチして、叫ぶDIE/SOUL。彼も切れ目に駆け寄ろうとするが、状況がそれを許さない。

「なんだ!? 地面が勝手に動いて…。」
「み、みなさーん!」
「くっ、参ったねえ、これは…。」
「ネコミミスト!繋ぎ師!魔王!蟹座!」

気が付けば、全員が分断されていた。人外が発動させた魔法カード「迷宮変化」。
本来は迷宮フィールドの壁を作り替えるこのカードは、フォーグラーにおいてはカオスなその内部構造をシャッフルするという効果に働いた。
その結果、移動する壁や床に合わせて対主催メンバーがバラバラに移動させられてしまうという結果になったのである。

「まんまと敵さんの策略に引っかかったって訳かよ…。ちくしょおぉぉぉぉぉ!」

DIE/SOULの無念の叫びが、フォーグラーに響き渡った。

3847K.R.2ndは最終局面なのか?〜最終鬼畜要塞フォーグラー〜:2008/07/05(土) 22:12:40 ID:ptPcs6IE0
【2日目・深夜】【D-7大蟹球フォーグラー内部】

【神行太保のDIE/SOUL@アニロワ1st】
【状態】:右指炭化(処置済)
【装備】:ドラゴン殺し@アニロワ1st、ガッツの装備一式@ベルセルク、ガッツの義手@ベルセルク、核鉄『ニアデスハピネス』、核鉄『ブレイズオブグローリー』
【道具】:支給品一式×3、斬馬刀@るろうに剣心、拡声器、パニッシャー@トライガン(機関銃:残り弾数40%、ロケットランチャー:残り4発)、ダイナマイト×5、
     フライングアタッカー@仮面ライダー555、1/8になった仙豆@ジャンプロワ
【思考】
 1:打倒主催者!
 2:ナナシと出会ったら、決着をつける!



※容姿はガッツ@ベルセルクです。
※神行太保・戴宗の神行法(高速移動)が使えます。
※ラディカルグッドスピード腕部限定は、腕だけが速く動きます。
※地図氏(地球破壊爆弾No.V-7)がジョーカーではないかと思っています。
 ジョーカーに襲われた事と合わせての考察はまだしていません。
※核鉄『ニアデスハピネス』は制限により、使用中は強制的にパピヨン姿になります。
 でも戻るので安心ですね。制限を知りました。


【ギャグ将軍@ライダーロワ】
【状態】:首輪解除、電脳空間に幽閉、心機一転、増えた
【装備】:電脳空間なのでない、はずですが……
【道具】:顔写真付き参加者名簿、支給品一覧(ロック解除)、地図、書き手ロワ2ndのSS一部
【思考】:
 基本:新生クライシス帝国の結成。
 1:バトルマスター! お前の思いは受け取った!
 2:閉じ込められたついでに電脳世界を征服してくれよう!
 3:主催者なり真の対主催なりの目的やらなんやら考察してみせよう!
 4:同胞を冒涜したあの連中は裁きにかける。
 5:コーカサスゼクターの資格者を探し、コーヒーを飲む。




※なんか増えました。すべてのコピーが同じ能力を持っているのか、実体化出来るのかは不明です。姿は変えられるようです。
※特殊能力:「書き手界の良心」に目覚めました。
 本気の一喝を放つ事により、悪ノリし過ぎている者に自重を強いる事ができます。
※背中に謎のチャックを確認。ギャグ将軍曰く、開けると「大変なこと」になるそうです。詳細は不明です。
※電脳空間内でかなりの無茶が可能。ものによっては現実の方が将軍に合わせて動きます。
※固有結界「コーヒーブレイク」
 優雅なリネン一式の備わったテーブルと人数分の椅子を造り出し、皆でコーヒーを飲んで和みます。
※ノートパソコンの中に、顔写真付き参加者名簿と支給品一覧(パスワードが設定されている)のデータが確認されました。
※『柿テロ猥・R2‐ND』掲載の情報を一部入手しました。
※ラピュタハック部隊が(DG細胞の手で)全滅しました

3848K.R.2ndは最終局面なのか?〜最終鬼畜要塞フォーグラー〜:2008/07/05(土) 22:13:08 ID:ptPcs6IE0
【蟹座氏@ギャルゲロワ】
【状態】:健康、首輪解除
【装備】:体操着(ブルマ)、鉈、ケリュケイオン@リリカルなのはStrikerS、永遠神剣『誓い』、蟹座の黄金聖闘衣、蟹座氏の写真×10
【道具】:支給品一式(食料全て消費)×5、最高ボタン、カードデッキ(シザース)@ライダーロワ、閃光弾、まふうじの杖、バッド・カニパニーの甲羅、
     腕時計型麻酔銃(1/1)@漫画ロワ、ティーセット一式、麻酔銃の予備針×3、変化の杖、ヴァッシュ・ザ・スタンピードの銃@トライガン、
     対戦車地雷×2、リュート@からくりサーカス、ドラゴンオーブ@AAA
【思考】:
 基本:ししょーは助ける!主催者も倒す!
 1:ししょーを見つける。



※容姿は蟹沢きぬ(カニ)@つよきすです。
※最高ボタンを押すと台詞がハクオロの声で流れます。シークレットボイスにも何かあるかも?
※身体能力は本気を出せば倉成武ぐらいの力が出ます。通常はカニ。
※蟹見沢症候群について。
 へこみのLvが5になった時、発祥します。発症した場合、自分を苛めたり辱めたりした者を優先的に殺します。
※言霊『蟹座じゃないもん』は 現在ジョーカーの手で能力を完全に分離させられました。
※蟹座氏のバリアジャケット姿がどのようなものかは以降の書き手に任せます。
※『蟹座じゃないもん』を失う代わりにブラック系のマイナスステータスを完全回復しました。


【影の繋ぎ師@ライダーロワ】
【状態】:ネオバスク修復完了、WIKI管理人への天元突破級のぶっちぎりな激しい怒り
【装備】:サタンサーベル@ライダーロワ カラオケマイク@現実
【道具】:支給品一式×3、 ワルキューレ@スパロワ、ドラグブラッカー、写真付き名簿、放火セット(燃料、松明、マッチ)、ナイフ、不明支給品×1(確認)、BL本、首輪×2、パロロワ衣服詰め合わせ、
      お徳用原作パロロワ全生首セット(目玉セット他に換装可能)&原作パロロワ全手首詰め合わせ※今なら腕も付いてくる!
【思考・行動】
 基本:殺し合いには乗らない。自分のSSへと戻る。それでも俺は俺として ぶ っ ち ぎ る ぜ  !!
 1:WIKI管理人を倒す。
 2:本物の煩悩寺さんはどこへ?


※変身体が仮面ライダーBLACK SRX@書き手ロワ2に進化しました。
 キングストーン二つの融合により更なる可能性を得たかもしれません。
 ※RXの全変身系統の能力が二倍以上にアップし、シャドームーンの武器と技も使用可能です。
  何より性能差をももろともしないシャドームーンの卓越した戦闘技能を強化されたRXが得たことが一番大きいでしょう。
  ローマ字化するとSで始まる名前のライダーやフォームの力も使えます。
  JUDOの力すら使用できます。ぶっちぎり過ぎです。 原作設定すらぶっちぎるぜい! ※太陽と月の破壊により、無限再生ができなくなりました。
  キングストーン×2による一瞬での再生は可能ですが、かなりのエネルギーを消費します。
  また、SRXモードでの全力戦闘自体は可能ですが、エネルギー消費に回復が追い付かず、30分くらいで戦闘不能になるでしょう。
  無理をすればそれ以上戦えますが命の保証はできません。それでも漢はぶっちぎる気満々です。

3849ニコニコ削除祭は大変なセーラーふくをもってった結果がこれだよ!:2008/07/05(土) 22:14:41 ID:ptPcs6IE0
「……ちゃん、クーちゃん!」
「……ん…。ちぃちゃん?」
「よかった、気が付いてくれて…。」

ロリスキーが目を覚ますと、目の前には爆弾の顔があった。

「本当によかったよ…。このまま目を覚まさなかったらどうしようかと…。」
「大げさなんだから、もう…。まあ、心配されて悪い気はしないけどね。
 ところで、ここどこ?さっきまでいたところじゃないみたいだけど。」
「さあ、私にもさっぱり…。」

二人がそんな会話をしていると、どこからともなく誰かの歌が聞こえてきた。

高く吼え 高い塔で 高く泣け 高く声をあげ…♪

歌声と共に階段を上がってきたのは、全身黒ずくめの少女。
爆弾たちはここで初めて、自分たちがいるのが何かの建造物の屋上だと気づく。

「あなたは…?」
「初めまして、になるのかな。私はニコロワの愛媛の0RbUzIT0Toは大変な演説をしていきました。
 いわゆるジョーカーだよ。」
「ジョーカー…。ってことは、私たちの敵だね。」

自己紹介を聞き、戦闘態勢を整える爆弾とロリスキー。それを見て、愛媛は悲しげな表情を浮かべる。

「よりによって一番戦いたくない人たちが、私の持ち場であるこの塔に来ちゃうなんてなあ…。
 同じ属性を持つ者同士は引かれあう、ってことなのかな。
 お姉ちゃんたちを傷つけたくはないけど、しょうがないよね。私たちは敵同士なんだから。」
「待て、愛媛。」
「え?」

突然、女性しかいないはずのこの場に男性の声が響く。
その直後、愛媛の少し後ろの空間にいきなりドアが出現し、そこから龍を模した仮面を付けた青年が姿を現した。

「この二人相手に、お前では全力を出せまい。下がっていろ、代わりに俺がやる。」

彼こそは対主催を分断した張本人、人外である。

「人外お兄ちゃん…。」
「ちょっと、アンタどこから出てきてるのよ!」

驚愕の色を見せる愛媛をよそに、ロリスキーは人外の行動にツッコミを入れる。

「ふぅん。どこでも谷口ドアを使っただけだ。ニコニコ的に何ら問題はない。」

しかし、ツッコミを入れられても人外は不敵。自分のペースを崩さない。

「さて、それでは始めようか、地図氏にロリスキーよ。
 ガチホモのやつが貴様らに借りを返したがっていたが、どうやら貴様らの首を取るのは俺になりそうだな。
 フハハハハハハ!!」

高笑いと共に、人外は手にした虎竹刀をかざす。

「いくぞ、デュエル開始だ!人外のウォーゲーム、心おきなく楽しめ!」

人外の宣言により、虎竹刀から固有結界が発動。周囲を包み込んでいく。

3850ニコニコ削除祭は大変なセーラーふくをもってった結果がこれだよ!:2008/07/05(土) 22:15:49 ID:ptPcs6IE0
「これって…。何が始まるのよ…。」

不安を隠せないロリスキー。その手を、爆弾がぎゅっと握りしめる。

「大丈夫だよ、クーちゃん。あいつの戦闘スタイルは、魔王様から聞いてる。
 それに、何があってもクーちゃんは私が守るから。」
「ちぃちゃん…。」
「ふぅん。仲の良さを見せつけている余裕があるなら、攻撃に備えておいたらどうだ?
 俺のターン、ドロー!」

人外が、自分のデッキからカードを一枚引く。

「手札より永続魔法『ずっと俺のターン!』を発動!
 このカードの効果により、俺は好きな時にカードを発動させることができる!」
「待て、それもはやターン制の意味ねー!」
「ナイスツッコミ。やっぱりクーちゃんは、ボケよりツッコミの時の方が活き活きしてるね!」
「んなこと言ってる場合かー!」
「いいなあ、仲良さそうで…。」

爆弾たちの夫婦漫才を、羨ましそうに見つめる愛媛。
そんなgdgdになりかけな状況の中で、人外は動じずにゲームを進めていく。

「ふぅん。俺はこの二体を攻撃表示で召喚する!」

手札から二枚のカードを抜き出し、デュエルディスクにセットする人外。
ちなみに本来のルールでは1ターンにつき1体しかモンスターを召喚できないのだが、その辺はずっと俺の(ryでうやむやになっている。

「出でよ…。GR版最速の人!マスク・ザ・ドS!」
『ええっ!?』

人外が口にした名前に、爆弾とロリスキーは声をシンクロさせて驚く。
彼女たちの目の前に、ふたつの人影が実体化していく。

ふんどし一丁のハクオロ ―GR版最速の人―
仮面を身につけた糸色望 ―マスク・ザ・ドS―

「さらに魔法カード、『万華鏡―華麗なる分身―』をドSに使用する!」

ドSの体が黒いオーラに包まれ、そのオーラが彼の体を離れて人の形になっていく。
やがてそれは、風浦可符香と木津千里の姿になった。

「また戦いにくい相手を召喚してくれたね。クーちゃん、大丈…クーちゃん?」
「あ、あああああああ…。」

意味のない言葉を発し、ロリスキーはがたがたと震える。
乗り越えたはずだった。しかし目の前に出てこられたことで、彼女の心の傷が再び開き始めていた。
光の宿らぬ瞳が、自分を責めているように見える。自分は死んだというのに、なぜお前は生きながらえているのだ、と。

「いや…いやぁ…。」
「クーちゃん、しっかり!あれは最速氏なんかじゃない!ただのそっくりに作られた偽物だよ!」

愛する者の声も、今のロリスキーには届いていない。

「ふぅん。過去の記憶に引きずられ、物事の本質が見えていない。心弱き者は実に哀れだな。
 最速、ロリスキーに攻撃!ドSは地図氏に攻撃だ!」

主の命令を受け、最速とドSたちは眼前の敵に向かって突進する。

「くっ!」

ドSを無視して、爆弾は最速に向かっていく。今のロリスキーでは、まともに戦えるはずがない。
ならば、自分が盾となるしかない。
だが爆弾の足は、強引に止められる。影渡りで背後を取ったドS(可符香)が、彼女を羽交い締めにしたのだ。

「しまった!HA☆NA☆SE!」

必死にもがいてドS(可符香)をふりほどく爆弾。だが、すぐに飛んできたドS(望)の鋼糸が再び彼女を拘束する。

(間に合わない…。クーちゃん!)

敵意を持った存在が近づいてきても、ロリスキーは防御も回避もしない。
無防備な顔面に、最速は躊躇なく鉄扇を叩きつける。

「クーちゃああああああん!!」

爆弾の絶叫をBGMに、ロリスキーの体が崩れ落ちる。
床に叩きつけられた彼女の額から、血がしたたり落ちた。

「他人の心配などしている余裕はないぞ、地図氏!まだドSの攻撃は終了してないZE!」

残っていたドS(千里)が、ぱちんぱちんと指を鳴らす。
それによって発生した衝撃波が、爆弾の両腕を切り落とした。

「グゥ…!」

「とどめは刺せなかったか…。まあ、1ターンでこれダメージを与えられれば上出来…。」

3851ニコニコ削除祭は大変なセーラーふくをもってった結果がこれだよ!:2008/07/05(土) 22:16:55 ID:ptPcs6IE0
得意げに呟いていた人外の言葉が、途中で止まる。
彼の視線の先にあるのは、目を怪しく光らせドS(可符香)にかぶりつく爆弾の姿。

「偽物でも、血は吸えるんだね。おかげで助かったよ。まずかったけど。」

血を吸い尽くされ力尽きたドS(可符香)は、光となって消滅する。
吸い取った分の血を両腕の再生に回した爆弾は、体に巻き付いていた鋼糸を強引に引きちぎった。

「こっからは私のターンってことでいいんだよね!!」

野獣の如き瞬発力で、爆弾が跳ぶ。
あっという間にドS(望)の眼前にまで迫ると、容赦なく右手をその胸に叩き込んで粉砕する。

「まだまだぁ!」

消滅しつつあるドS(望)を払いのけ、爆弾はドS(千里)に向かって跳躍した。
勢いそのままに振るわれた左腕は、敵の首から上を粉々に破壊する。

「次は…。」
「おっと、そこまでだ、地図氏。1ターンに許される攻撃は一人1回まで。
 ドSは三人で一人の扱いだからここまでの攻撃は許されたが、すでにお前のターンは終了している!」
「そっちが決めたルールなんて知るもんか!」

人外の言葉を無視して、最速に襲いかかろうとする爆弾。
だがその行く手を、「右!左!A!B!」という弾幕がふさぐ。

「駄目だよ、こなちゃん。ルールとマナーを守って楽しくデュエルしなきゃ。」

弾幕を放った本人である愛媛が、爆弾に忠告する。

「そっちは俺ルールを適用してるくせに、都合のいいことを…!」

殺意に満ちた視線を、ジョーカー二人に送る爆弾。
人外は鼻で笑って受け流すが、愛媛は心の底からとも思える落胆の色を見せる。

「せいぜい吠えるがいい!俺のターン!最速でロリスキーに攻撃!」

再度の攻撃命令を受け、最速は倒れるロリスキーに向かって再び鉄扇を構える。
それを、ロリスキーは他人事のようにぼんやりと見つめていた。

(ああ、私殺されるのかな…。でも、しょうがないよね。私は最速さんを死なせちゃったんだから…。)
(そうやって、よけいなことまで背負い込んで死ぬつもり? だからアンタはアホなのよ!)
(え?)

突如頭の中に響いてくる、自分なのに自分ではない声。
ロリスキーがとまどっている間に、体が勝手に反応して最速の攻撃を回避する。

(ちょっと、どうなってるの?頭打ったせいで、私どうにかしちゃった?)
(違うわよ、バカ。もっとしっかりしなさい!)
(気軽にひとのことバカとかアホとか言うな!…ってあれ、こんなこと、前にもあったような…。)

ロリスキーの脳裏に、数時間前の出来事が蘇る。
仮面ライダー書き手に食われ、死んだはずの自分。しかし気が付くと、無傷で病院の地下に横たわっていた。
そう、確かにあの時も…。

(ひょっとして、あの時の『もう一人の私』…?)
(そう。元々今のアンタの体は九割方私の体がベースだからね。少しぐらいなら動かせるし、こうして話しかけることもできる。)

「避けただと…? この短い時間で、どうやって立ち直った?」

何が起きているのかわからない人外は、思わず疑問を口にする。
そんな敵の様子などお構いなしに、ロリスキーともう一人のかがみ…スーパーかがみんとの会話は続く。

(とにかく、私がこうやって話しかけた理由はただ一つ!
 うだうだしてないでさっさと戦いなさいよ、こののろま!)
(い、いきなりそんなこと言われても…。無理だよ…。だって、最速さんは私のせいで…。)
(だからアホだって言ってんでしょうが、このすっとこどっこいがー!)
(悪口ばっかり言うなー!)
(そりゃ言いたくもなるわよ!あれは単に最速のデータを再現してるだけ!
 本当の最速とは完全に別人なのよ!
 考えても見なさい!「外見がかがみだから攻撃できませんでした」でこなたが殺されたら、アンタ納得できる?)
(……できない!)
(でしょう? 今の最速が、その状況なのよ。本当に彼のことを大切に思ってるなら、あの偽物を倒しなさい!)
(わかったわ!)

決意を固め、それを誇示するアクションとして拳を握る。
息を大きく吸い込み、ロリスキーは叫んだ。

「私のターン…!最速に…攻撃ぃぃぃぃ!!」

3852ニコニコ削除祭は大変なセーラーふくをもってった結果がこれだよ!:2008/07/05(土) 22:17:42 ID:ptPcs6IE0
両の手を前に突き出し、ロリスキーは衝撃波を放つ。
衝撃波は最速の体を巻き込み、木っ端微塵に粉砕した。

「はあ、はあ…。」
(お疲れ様。アンタもやればできる子なんだから、もっとしっかりしなさいね?)
(うん…。)
(さてと、私はもう退散するわ。おそらく、もうこうやって話しかけることもないでしょうね。)
(え…? まさか、これで力を使い果たしちゃったとか…。)
(いや、死者介入はほどほどにしておかないと叩かれるし。)
(メタ的な都合かい!)

たまらずツッコミを入れるロリスキーだが、それに対するリアクションは帰ってこない。

(ありゃ、もう行っちゃったか…。)

複雑な気持ちを込めて、溜め息をひとつ付くロリスキー。
そこへ、爆弾が駆け寄ってくる。

「クーちゃあああああああああん!!」
「ちぃちゃん!!」

爆弾の小さな体を、しっかりと受け止めるロリスキー。そのまま、二人は強く抱き合う。

「クーちゃん…。よかった、無事で…。」
「大げさねえ…。何も泣かなくても…。」
「そういうクーちゃんだって泣いてるじゃん!」
「あれ、本当だ…。」

すっかりピンクのオーラに包まれる二人。しかし…

「貴様らぁぁぁぁぁ!!まだデュエルが終わっていないのに、俺を無視してイチャイチャするなー!!」

人外の怒号が、ラブラブムードを吹き飛ばす。

「ここまで虚仮にされるとは思っていなかったぞ…。これだけは使いたくなかったが、仕方ない。
 貴様らに神(笑)を拝ませてやる!」

1枚のカードを手にする人外。そのカードをのぞき見て、愛媛の顔色が変わる。

「だ、駄目だよお兄ちゃん!そのカードだけは!」
「黙れ、愛媛!俺はこのカードで、勝利へのロードをつかんでみせる!」

愛媛の忠告にも耳を貸さず、人外はカードをデュエルディスクにセットする。

「儀式魔法…『神(笑)の儀式』発動!」

宣言と同時に、カードから黒い霧があふれ出す。やがてそれは、塔全体を包み込んだ。

「んー、いよいよ真打ち登場ってところかな?」
「そんなところだ…。」

爆弾の問いに、人外は狂気をはらんだ笑みを浮かべながら答える。

「このカードはフィールドか手札から、☆の合計が8になるようモンスターを墓地に送ることで発動する。
 この場合の☆とはキルマークのこと。俺は手札からデビルシャリダム、熱血王子、アルレッキーノを墓地に送る。」

名前を呼ばれた三人の姿が、人外の前に実体化する。
だが、彼らはこのまま戦いに繰り出されるわけではない。
これから始まる儀式の、哀れな生け贄だ。

「彼らを生け贄にし…降臨せよ、鬼超神聖究極世界魔帝王全知全能唯一神(アルティメットワールドインテリジェントデーモンエンプレス・ゴッドカーニバルアトランティス)HAL!」

3853ニコニコ削除祭は大変なセーラーふくをもってった結果がこれだよ!:2008/07/05(土) 22:18:22 ID:ptPcs6IE0

 けひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ!!

耳障りな笑い声と共に、闇の中から一人の少女が姿を現す。
それは、涼宮ハルヒ。否、涼宮ハルヒ「だったもの」。
ニコロワの彼女は、すでに人間をやめてしまっている。だからこそ、人外も彼女を召喚するためのカードをデッキに入れておいたのだ。
地に降り立った鬼超神(ryは、無造作にデビルシャリダムに手を伸ばす。そして、

喰った。

バリバリ、ボリボリ、という音と共に、シャリダムがHALの口にねじ込まれていく。
やがてその体を完食すると、HALは熱血王子に食らいつく。彼もHALの胃の中に収まり、最後に残されたアルレッキーノも同じ運命をたどる。

「召喚、完了だ…。」

食事を終え完全に実体化したHALを見て、人外はにやりと笑う。

「うーん、なかなかに壮絶…。クーちゃんは大丈夫だった?」
「まあ、自分が同じことやってなきゃ耐えられない光景だったわね。」

一部始終を見ていた爆弾たちは、冷や汗を浮かべつつ言葉を交わした。

「さあ、ここからが本番だ…。HAL、爆弾とロリスキーを攻撃しろ!」
「はあ? ちょっと待ってよ!1ターンに攻撃できるのは1回だけじゃなかったの?」
「その通りだ。だが俺のフィールドには、『ずっと俺のターン!』が存在している。
 これが有れば、1ターンに何度でも攻撃宣言ができる。今までやらなかったのはただのお遊びだ!」
「ちょ、どんだけ俺ルールですか!」

抗議にはいっさいの反応を見せず、HALは二人に襲いかかる。
元からHALが使えるなのはの魔法、うどんげの弾幕、長門の情報改変、古泉の超能力、水銀燈の羽根。
それに加えてたった今吸収したシャリダムの触手、熱血王子の光線、アルレッキーノの炎が一斉に二人に向かって放たれた。

「いやいやいや、カオスってレベルじゃないよね、これ!」
「とりあえずあれ、ハルヒじゃないよね!私は認めないよ、あれがハルヒとか!」

わめき散らしながら、逃げまどう二人。
衝撃波やレヴァ剣での迎撃は行っているものの、いくら処理してもさらに攻撃が繰り出される。

「きりがないよ、ちぃちゃん!やっぱり、こっちから打って出ないと!」
「それはわかってるんだけどねえ…。この攻撃の嵐じゃ遠距離攻撃は届かないし、接近戦もできないし…。」

ロリスキーの提案に対し、愚痴る爆弾。そこに、一瞬の気のゆるみが生まれる。

「しまっ…!」

爆弾の足を、触手が絡み取った。動きが止まった彼女に、カオス弾幕が迫る。

(うわ…。さすがにこれは、私でもやばくない?)

珍しく焦りを見せる爆弾。だがカオス弾幕が彼女に炸裂しようとしたそのとき、別のものが彼女の視界を遮った。
それは、「こなあああああああああゆきいいいいいいいいい」という弾幕だった。

3854ニコニコ削除祭は大変なセーラーふくをもってった結果がこれだよ!:2008/07/05(土) 22:18:57 ID:ptPcs6IE0
「え…?」

予想外の事態に、爆弾もロリスキーも驚く。そして、弾幕を張った張本人でさえも自分の行動に驚いていた。

「あ、あれ…? 私、なんで…。」
「愛媛ぇぇぇぇぇ!何をやっている!なぜ貴様が俺の攻撃を邪魔するのだ!」
「ご、ごめんなさい!なんだか、体が勝手に動いて…。」

人外に怒鳴られ、愛媛は半泣きでぺこぺこと頭を下げる。

(どういうことだ。愛媛の様子があまりにもおかしい。
 だいたい、先程から驚きの黒さがかけらも発揮されていないではないか。
 待てよ…まさか……。)

人外は、一つの可能性に思い当たる。
そもそもニコロワにおいてつかさが驚きの黒さに染まったのは、姉であるかがみが死んだのがきっかけだ。
だが今、愛媛の前にはかがみ=ロリスキーがいる。
原因がなければ結果もない。ロリスキーの存在が、驚きの黒さを押さえ込んでいるのでは?
その結果としてつかさ本来の人格が強く愛媛を支配し、こなたとかがみを助けようと無意識に考えているとしたら…。

「愛媛!貴様はいったんここから…。」
「愛媛さん!」

愛媛に撤退を促そうとした人外の声を、ロリスキーの声が遮った。

「愛媛さん、あなた本当は、私たちと戦いたくないんじゃないの?
 だったら、力を貸してよ!私たちが戦う理由なんて何もないじゃない!
 一緒に行こうよ!主催者と戦おうよ!」
「お姉…ちゃん……。私は………私は……。」
「何をぐらついている、愛媛!今更我々が主催者を裏切れると思っているのか!
 改心しかけた熱血王子を闇に落としたのは誰だ? 貴様だろう!
 なのに貴様があっさり寝返る? 虫がいいにも程があるわ!」
「ああ……あああ………!」

人外の言葉が、愛媛の心を抉る。
そうだ。自分は熱血王子を闇に引きずり込んだ。
また改心しようものなら、それを阻止しようとまで考えていた。
自分がいなければ、お姉さまは死ななかったかもしれない。
したらば孔明も、熱血怪人も、孤高の黒き書き手も、漆黒の龍も…。
熱血王子が殺した参加者たちは、自分が殺したも同然だ。
そんな自分が、今更主催者を裏切って対主催につく?
そんな都合のいい話、許されるはずがない。

「駄目……駄目なの……。私はもう、罪に汚れてる……。」

愛媛の心が、黒さを取り戻していく。視覚的な変化はないが、彼女の周りの空気が重くなっていることはその場の全員が感じ取れた。

「負けないで、愛媛さん!罪なら私にもちぃちゃんにもある!
 言い訳なんてできない罪が!でも、それは永久に許されない訳じゃない!
 きっとやり直せるよ!罪滅ぼしはできるよ!」

「罪滅ぼし……。」

ロリスキーが口にしたフレーズに、愛媛の心は激しく揺さぶられる。

殺し合いに乗った罪が許されると書いたのは誰か。
仲間を信じられずに殺してしまった罪が許されると書いたのは誰か。
紛れもなく自分だ!

「辛かったら誰かに頼っていい!泣いてもいい!奈落にだって、花は咲くよ!」
「騙されるな、愛媛!やつは単に味方を増やしたいだけ!貴様のことなど考えてはいない!」

「わ、わ、私は…私は………。」

愛媛の体が、ガクガクと激しく痙攣し始める。
柊つかさとしての思考。ニコロワ書き手としての思考。書き手ロワのキャラとしての思考。
それらが、彼女の中で反発しあっていた。
このままでは彼女の存在そのものが保てなくなり、精神はおろか肉体まで破壊されかねない。

3855ニコニコ削除祭は大変なセーラーふくをもってった結果がこれだよ!:2008/07/05(土) 22:19:47 ID:ptPcs6IE0
「むう、これはちょっとまずいねえ。仕方ない、荒療治でいくか!」

状況を静観していた爆弾は、そう呟くとデイパックから1冊の本を取り出した。
そして、それを上空へ放り投げる。

「みWikiさん、カモーン!」

PON!という音と共に、本は空中で可憐な美少女へと姿を変える。
そして優雅に着地……とはいかず、顔面から床に叩きつけられた。

「あわわ…メガネメガネ、メガネはどこですかー?」
「うーん、このシリアスな空気でもやってくれる…。さすがはドジっ子だね!」
「んなこと言ってる場合か!」

爆弾の頭に、ロリスキーのツッコミチョップが炸裂する。

「で、みゆきを呼んでどうするの?彼女にも説得に参加してもらうわけ?」
「んにゃ。さっき言ったじゃん、荒療治だって。ちょっと支給品借りるよ、クーちゃん。」

爆弾は無遠慮にロリスキーのデイパックへ手を突っ込み、一本の杖を取り出した。
それは「カードキャプターさくら」出典、さくらの杖。
しかもさくらカード全種類付きという、大当たりアイテムである。
これの存在をついさっきまでロリスキーが忘れていたというのは、もったいないの一言に尽きる。
しかし爆弾は、別にこの支給品の能力そのものを使いたいわけではない。
彼女が欲していたのは、「魔法使いの杖」というアイコンなのだ。
さらに彼女は、自分の着替えの中からメイド服を取り出す。
そこ、「このロワ、メイド服何着出てくるんだよ」とか言わない。

「みWikiさんにメイド服とさくらの杖を装備!これによりみWikiさんは、魔女っ子メイドみWikiさんにレベルアップする!」

爆弾の宣言と共に、彼女の両手にあった杖とメイド服が光となってみWikiに吸い込まれる。
そしてみWikiは、フリフリでピンクなコスチュームを身に纏った魔法少女へと変身を遂げた。

「な、なんじゃこりゃあああああああ!!」
「こほん、解説させていただきます。」

いきなりの意味不明な展開を前にして絶叫するロリスキーに対し、みWikiはメガネをくいっと押し上げながら解説を始める。

「魔女っ子メイド。元ネタはらき☆すたの小説版第2巻、『らき☆すたオンライン』において私の元キャラであるみゆきさんがレアアイテムの力で変身した『魔女っ子メイドみゆきさん』です。」
「そういえばそんなのもあった気が…。で、それがこの状況となんの関係が?」
「魔女っ子メイドが使える魔法が、ここで役に立つのだよ。じゃあみWikiさん、お願い。」
「わかりました、こなたさん。」

爆弾の指示を受け、みWikiは呪文の詠唱に入る。

「らきらき☆るきるき☆すたたたたーん
 みゅっきー☆りっぷで
 お嬢様、愛と正義の魔法のお時間です〜」

あまりに雰囲気ぶちこわしな呪文に、脱力するロリスキー。
しかし発動した魔法の壮大さに、そんな気分も吹き飛ぶ。
杖から発生する、無数の星。それらが寄り集まり、光り輝く巨大な鳥となる。

「攻撃目標はつかささん!行きなさい!」

みWikiの攻撃宣言と共に、光の鳥が飛翔する。

「む……!HAL!攻撃を阻止しろ!」

気が付けば蚊帳の外におかれていた人外だが、攻撃を阻止すべく手持ちぶさたになっていたHALに指示を出す。
だが、時すでに遅し。光の鳥はあっという間にHALの横をすり抜け、愛媛を捉えた。

3856ニコニコ削除祭は大変なセーラーふくをもってった結果がこれだよ!:2008/07/05(土) 22:20:18 ID:ptPcs6IE0
「うにゃあああああああ!!」

間の抜けた悲鳴と共に、まばゆいという表現では生ぬるいほどの光が発生する。
思わず目を閉じるロリスキー。しばらくして彼女が目を開けると、そこには都合よく彼女の前に吹き飛ばされた愛媛の姿があった。

「愛媛さん!……って、あれ? これって…。」

ロリスキーは、すぐに愛媛の異変に気づく。
藤色の髪に黄色いリボン。ピンクと白のセーラー服。
それはまさに、ロリスキーが知る柊つかさの姿そのものだ。
しかし、それはつかさの姿であり愛媛の姿ではない。
愛媛の姿は、「全身黒ずくめの柊つかさ」なのだから。

「これが、今の魔法の効果です。すなわち、黒いものを白く塗りつぶす。
 原作では、暗黒騎士ななこ先生を聖騎士に強制クラスチェンジさせています。」
「なるほど、驚きの黒さを浄化するにはうってつけだったわけね。」

そうこうしているうちに、愛媛が目を覚ます。

「ん、私は…。」
「気が付いたわね、愛媛さん。気分はどう?」
「えーと、なんだかすごくすっきりしてる…。まるで憑き物が落ちたみたいな…。」

そう語る愛媛に、黒さは微塵も感じられない。原作におけるつかさにより近づいた状態だ。
よかったよかった、と和む一同。しかし、一人面白くないのは人外だ。

「ええい、なんだこの超展開は!HALが圧倒的な強さで奴らをたたきのめすはずが、なぜこんなことに…。
 もういい…。HAL!愛媛もろとも奴らを粉砕!玉砕!大喝采!してやれ!」

怒り心頭の人外の命令を受け、HALが再び攻撃を開始する。
触手が、アクセルシューターが、座薬が、炎が、羽根が、ふもっふが、レオビームが、一斉に4人に襲いかかる。

「また来たわよ、ちぃちゃん!どうするの?」
「みんな、力を貸して。」

ロリスキーに対しそう答えると、爆弾はおもむろに手を前に突き出す。

「何をする気…?」
「今、私たちの中のらき☆すた因子は最大限に活性化している。これを集めて放出すれば、あの攻撃も跳ね返せる!」
「でも、それって愛媛さんの力も借りるってこと?」
「私は……。」

愛媛の顔に宿るのは、明らかな迷い。
驚きの黒さは浄化されても、彼女のジョーカーという立場まで消えたわけではないのだ。

「愛媛さん…今だけでいいから、力を貸して。
 このままだと自分も死ぬ。理由はそれでもいいから。」

真摯な表情で、愛媛を説得する爆弾。
すでに、ロリスキーとみWikiは爆弾を同じように腕を突き出している。
あとは愛媛だけだ。

「私は……。」

カオス弾幕が、4人の目前にまで迫る。

「私は……!」

愛媛が、スッと手を伸ばす。

「ごめん、人外お兄ちゃん、ニコロワのみんな……。私は……この人たちを死なせられない!」

4人の手が、揃った。

「キターーーーーーーー!!行くよ!」

爆弾が、腹の底から叫ぶ。


「らき☆すた流究極奥義………もってけ!セーラーふく!!」

3857ニコニコ削除祭は大変なセーラーふくをもってった結果がこれだよ!:2008/07/05(土) 22:20:50 ID:ptPcs6IE0
4人の手から放たれるのは、セーラー服をかたどった巨大なオーラ。
それはカオス弾幕を片っ端からはじき飛ばし、前進していく。
やがてオーラはHAL本体に接触し、瞬く間にその体を蒸発させた。

「なっ……!!」

あまりにあっけないHALの最後に、唖然とする人外。
しかし、状況がいつまでもそうしていることを許さない。
HALを倒したセーラー服オーラが、そのまま人外に向かってきたのである。

「くっ、この俺が、こんな巫山戯た技にやられるわけには…!」

必死に手札を探る人外だが、この状況を打破できそうなカードはない。
結局、何も手を打つことができぬうちに、オーラは人外に命中した。

「ぐあああああああああ!!」

雄叫びを残し、人外は塔の下へと落下していった。

「人外お兄ちゃん、ごめんね…。」

涙を流し、その場に座り込む愛媛。
他のメンバーは、そんな彼女にうかつに声をかけられない。
これまでずっと一緒にいた相手を裏切ったのだ。
元キャラに深いつながりがあるとはいえ、たった今出会った自分たちに何ができるというのか。

(本当に人間関係をややこしくするね、なりきりシステムは…。
 まあ、今回はそれに助けられたんだけどさ。)

それでも愛媛の心を少しでも楽にしてやろうと、爆弾が彼女に話しかけようとしたそのとき。
異変は、起きた。

「ちょっと、何よこの揺れは!」
「じじじ地震でしょうか? でも、ここってたしか巨大メカの中では?」
「うーん、見事に揺れてるねえ。」
「みゆきの胸見ながら言うな!セクハラ親父か、アンタは!」

相変わらずのゆるゆるトークの中、愛媛だけが顔を青くする。

「これは…フォーグラーの内部が作り替えられている?でも、こんなことができるのは人外お兄ちゃんのカードだけのはず…。」
「危ない!」

思考にふける愛媛は、爆弾の発した警告への反応が一瞬遅れた。
そして、その一瞬が命取りとなった。愛媛の真下の床が崩れ、彼女の体はそこへ吸い込まれていく。

「愛媛さん!!」

叫びながら、とっさに手を伸ばすロリスキー。
愛媛も、それをつかもうとする。

あと30㎝、20㎝、10㎝…。

じゅっ

「え……?」

ロリスキーも愛媛も、何が起きたのかすぐにはわからなかった。
下から跳んできた光の矢が愛媛の腕を消し飛ばしたのだと二人が理解できたのは、彼女が血をまき散らしながら闇の中に落ちていってからであった。

「え……愛媛さぁぁぁぁぁん!!」

悲痛な叫び声を上げ、自分も飛び降りようとするロリスキー。
だが、爆弾が背後からしがみついてそれを止める。

「駄目だよ、クーちゃん!」
「離して、ちぃちゃん!つかさが、愛媛さんが!」
「この塔そのものが崩れてる状態じゃ、危険すぎる!それに、下に敵がいるかもしれないんだよ?」
「でも…でも!見捨てられないよ!」
「くっ…!みWikiさん、力貸して!いったんここから離れるよ!」
「は、はい〜!」
「愛媛さぁぁぁぁぁん!!」

なおも叫ぶロリスキーを強引に連れて、爆弾はその場から移動を開始した。

3858ニコニコ削除祭は大変なセーラーふくをもってった結果がこれだよ!:2008/07/05(土) 22:21:18 ID:ptPcs6IE0
【2日目・深夜】【D-7 大蟹球フォーグラー内部・塔エリア】

【地球破壊爆弾No.V-7@アニロワ1st】
【状態】:泉こなたの姿
【装備】:激戦@漫画ロワ、レヴァンティン@アニロワ1st、マジシャンズレッドのDISC、巫女服(鷹宮神社)@らき☆すた
【道具】:支給品一式、着替え用の衣装(複数)、アダルトグッズ(大量)、泉こなたのスクール水着@漫画ロワ、みWiki@らき☆すた
【思考】:
 基本:クールなロリスキーと共にある。
 1:打倒主催者でハッピーエンド!
 2:クーちゃんには悪いけど、いったんここを離れるよ。
 3:はぐれた仲間との合流。
 4:そういえば、感電ちゃんはどうしよう。
 5:いざとなったら『地球破壊爆弾』使うしかないのかな。


※基本的に中身はアーカードで、CVは平野綾です。
※変化する姿に7つのバリエーションがあるらしいです。
【1:地球破壊爆弾】【2:アーカード】【3:長門有希】【4:泉こなた】
【5:銃撃女ラジカル・レヴィさん】【6:キングゲイナー】【7:1〜6とか目じゃないよ?びびるよ、まじで】
※クーガーの早口台詞が言えます!
※鎖鎌、鳳凰寺風の剣、ソード・カトラス、ノートPCの投影が可能です。
【スーパーキョンタイム】
 地図氏以外の者はゆっくりとしか動けなくなります。一度使うとそれなりの時間使用不可能です。
【地図氏の地図】
 参加者の位置、生死を含めた地図を投影できます(※長門有希の状態でのみ可能)
 使いすぎるとアレなので、毎晩0時にのみ使う事にします。



【クールなロリスキー@漫画ロワ】
【状態】:不死者、吸血姫、スーパーかがみんと融合、パニック
【装備】:巫女服(鷹宮神社)@らき☆すた
【道具】:支給品一式、カードデッキ(龍騎)、AK-74(残り28発)、未定支給品(0〜1・ロリスキー確認済み)、
     着替え用の衣装(複数)、『村雨健二』の衣装、キュートなシルク仕様の裸エプロン、日焼け止めクリーム(大量)、GL本
【思考】:
 基本:地球破壊爆弾No.V-7と共にある。
 1:愛媛さぁぁぁぁぁん!!
 2:はぐれた仲間と合流。
 3:もう迷わない。
 4:ちぃちゃんの支えになる。



※容姿は柊かがみ@らき☆すたです(翼と尾が任意で顕現します)
 柊かがみの髪の色をしたドラゴンにもなれます。
 ヴァルセーレの剣の刃でできた羽を三対六翼持っています。尻尾はマリンデビモンの触手が変化して8つです。
※スーパーかがみんと融合し、彼女の記憶と能力を継承しました。
 柊かがみがその時点で使った事のあるあらゆる力、アイテムを使用できます。

【みWiki@書き手ロワ2nd】
【状態】:魔女っ子メイドみWikiさん
【装備】:メイド服、さくらの杖(さくらカード全種類付き)@LSロワ
【道具】:なし
【思考】:
 1:地球破壊爆弾に従う。

3859ニコニコ削除祭は大変なセーラーふくをもってった結果がこれだよ!:2008/07/05(土) 22:22:13 ID:ptPcs6IE0
(ここは……。フォーグラーの中枢部?)

痛みで働きの落ちた脳を必死で動かしながら、愛媛は自分の置かれた状況を確認する。
幸か不幸か、まだ死んではいないらしい。

「実に皮肉だねえ、愛媛くん。驚きの黒さの大元である君よりも、私の方がその黒さになじんでしまうとは。」

背後から声をかけられ、愛媛はとっさに振り向く。
そこにいたのは、見覚えのある人物だった。

「黒猫さん……ですか。今のも、あなたが?」
「ああ、私の持っている四次元ポケットは、放置支給品を回収できる。
 人外くんは『迷宮変化』のカードをデッキから外していったからね。
 回収して再利用させてもらったよ。」

愛媛の問いかけに対し、黒猫…666は微笑を浮かべながら答える。

「しかし、意外だったよ。まさか君がこんな簡単に改心するとはね。
 熱血王子の改心を阻むよう私に依頼してきたのは、他ならぬ君だというのに…。
 いやはや、これは傑作だ。」
「簡単じゃ……ないよ。」

腹の底から絞り出すような声で、愛媛が呟く。

「驚きの黒さが除去されて…書き手としての本質が表に出てきただけ。
 私は……ずっと書いてきた。強マーダーに立ち向かい、多くの犠牲を出しながらも勝利を目指す対主催たちの姿を。
 それに、今の状況は対主催こそが少数派。私が少数派に肩入れすることに、何の矛盾もない!」

残された左手で、頭のリボンをほどく愛媛。それを止血のために、口と左手を使って半ばから失われた右腕に巻き付ける。

(ここで戦っても、おそらく勝てない。向こうはチートの塊、対して自分は元からたいした戦闘力じゃない上に、片腕を失ってる。
だけど、私は退かない。一瞬だけとはいえ、心を通わせたみんなのためにも…。
少しでいい。黒猫さんの戦力を削ってみせる。)

鬼気迫る表情で、愛媛は666をにらみつける。

「おお、怖い怖い。やるのなら容赦はしないが…。やるかい?」
「もちろん。」

おのれを鼓舞するために、愛媛が叫ぶ。
自分が最も書いてきたキャラである竜宮レナと、彼女の背負う魂たちを象徴するフレーズを。

「少数派による運命の打開、必ず私が成し遂げる!」


【2日目・深夜】【D-7大蟹球フォーグラー中枢・旅の扉前】


【愛媛の0RbUzIT0Toは大変な演説をしていきました@ニコロワ】
【状態】:驚きの白さ、右腕欠損
【装備】:なし
【道具】:不明
【思考】:
 基本:少数派(=対主催の参加者)の味方として戦う
 1:666と戦い、少しでも戦力を削る。



 ※容姿は柊つかさ@らき☆すた
 ※驚きの黒さが浄化された反動で、一気に熱血キャラに変貌しました。
 ※ニコニコ動画に存在する動画ゆかりの技を使えます
 ※現実世界にコメントを張ることができます

3860ニコニコ削除祭は大変なセーラーふくをもってった結果がこれだよ!:2008/07/05(土) 22:22:39 ID:ptPcs6IE0
【派手好き地獄紳士666@LSロワ】
【状態】:闇の書発動、不死者化、疲労(中)、負のエネルギー蒐集中、暴走?
【外見】:黒いリボンドレス、背中から黒い六翼。長い髪は白く染まり後ろに降ろしている。眼鏡外し。
【装備】:ゲート・オブ・バビロン@アニロワ2nd(※特殊仕様)、闇の書@アニロワ1st(ディス・レヴ内臓)、バリアジャケット、
     ビッグ承、コアドリル(ほとんど黒)@アニロワ2nd エターナルソード@テイルズロワ
【所持品】:ヒュッケバイン・ボクサー(トロンベ)、四次元ポケット、クレイジーダイヤモンドのDISC、高性能探索機能つき扇風機、
      朝倉涼子のアーミーナイフ、夜天の書(BL本)、ウルトラミキサー、蟹座氏の写真×10
      モンスターボール(空) エニグマの紙「漫画キャラバトルロワイアルwiki管理人」 クマのプー太氏
【思考・行動】
 基本:極悪外道になった後、ネコミミストの前に敵として再会。ネコミミスト心から愛してる。
 1:ここですべてに終止符を打とう、ネコミミスト!!
 2:とりあえず、愛媛の相手をする。もう一度黒く染め直すのもいいかも。
 3:ディス・レヴを使いこなせるようにする。
 4:ネコミミストの前に敵として現れ、最終的に喰われる。




※ゲート・オブ・バビロンは驚きの黒さを受けて宝物を『完全に使いこなせる』ようになりました。
※現在ゲート・オブ・バビロンに入っていることが確認されているもの
 マイクロ補聴器、闇の書@アニ1 ゲイボルグ@LSロワ RH・エクセリオン@LSロワ ミニ八卦炉@LSロワ
※闇の書と融合しているため、その内に言うまでもなく――
※エロスの鐘の煩悩寺と、エロ師匠の(ついでに大暴れ鉄槌の)精気を吸収し8割がた使いこなせるようになりました。
※闇の書とディス・レヴ@スパロワが内蔵されました。リミッターをかけていますが会場内の負の力を自動的に集められます。
※『真・驚きの黒さ』を蒐集により習得しました。これによりディス・レヴの効率を上げられます。
※全支給品を合成させ、自身も融合することにより、【グランゼボーマ@アニロワ2(グレンラガン)】の力が振るえます。
 制限によりサイズはLLL内で収まっています(つまり星よりでかいとかにはなりません)
 ただし666としてか闇の書の暴走が表に出るかは状況によります。 666もそのことは理解しています。
※死んだクマのプー太を守護騎士として眷属にしました。ビッグ承のゴルディオンハンマーを装備させています

3861ニコニコ削除祭は大変なセーラーふくをもってった結果がこれだよ!:2008/07/05(土) 22:23:09 ID:ptPcs6IE0
「……クッ、カハァッ!」

その頃、人外は息も絶え絶えで水面から顔を出していた。
もってけ!セーラーふくの直撃を喰らった彼だが、その前にHALに当たっていたことで威力が軽減し、一命を取り留めたらしい。
本来地面に叩きつけられるはずが、666の行ったシャッフルで水面に落ちることになったのも彼にとって幸運だっただろう。

「はぁ…はぁ……。」

残された力を振り絞って、人外は水面に浮かんでいたボートの上に登る。
そしてびしょ濡れになったカードデッキの中から、1枚のカードを抜き出した。

「魔法……カード…『モウヤンのカレー』…発動……。」

人外がそのカードをデュエルディスクにセットすると、彼の前にカレーの入った容器が出現する。
モウヤンのカレー、それはプレイヤーのLPを回復するカードである。
目の前のカレーを、人外は必死で胃に流し込む。

「ふう、これで少しは楽に…。」
「おやおや、死亡フラグを立てておいて、安心していいのかな?」

安堵の溜め息を漏らそうとした人外に、背後からかけられる声。
振り向くと、そこには斬鉄剣を携えた青年が立っていた。

「速筆魔王……LX……。」
「私もいますよ。」

人外を絶望に突き落とす、三人目の声が響く。
死角になっていた場所から姿を現したのは、衝撃のネコミミストだ。

「僕らを分断したのはいい判断だったと思うよ。
 けど、僕とネコミミストくんの最終到達地点が近かったもんでね。
 すぐに合流できた。」
「それで一緒に行動しているうちに、あなたを見つけたというわけです。」

言葉を発しながらも、二人はじりじりと距離を詰めていく。

「さて、そろそろ覚悟を決めてもらおうか。」
「すでに誰かと一戦交えたあとのようですね。その怪我で戦うのはきついでしょう。
 潔く諦めてください。」

降伏勧告を突きつけられても、人外は不敵な笑みを浮かべていた。
それは虚勢に過ぎないが、その虚勢が今の彼を支えていた。

「嘗めるなよ、貴様ら。この人外、敵に下げる頭などないわ!」

全身を襲う痛みに耐えながら、人外はカードをセットする。

「体は…スクライドで出来ている……召喚…!」
「え……?」

目の前に出現した男を見て、ネコミミストは驚きを隠せない。
体はスクライドで出来ている。それはネコミミストに信念を託し、おのれの生き様に殉じた男。
ネコミミストにとっては、師匠と言ってもいい存在だ。

「スクライド……。ネコミミストに…攻撃…!」
「ネコミミストくん!」

魔王は、思わず叫ぶ。以前人外と戦った時、ギャグ将軍は仲間であるうっかり侍を攻撃できずに敗れた。
それと同じことが、今回も起きるのではないかと考えたのだ。
だが結論から言えば、それは杞憂であった。

「………!」

スクライドが繰り出した、零式積極重爆蹴。それを、ネコミミストは無言で受け止める。

「零式防衛術は…。」

右腕に力をためながら、ネコミミストは呟いた。

「牙なき者の剣!その信念が宿らぬ技なんて…いくらオリジナルに忠実でも効くもんか!!」

右手から、溜めていた衝撃波を解放。それはスクライドを貫き、光へと変えた。

3862ニコニコ削除祭は大変なセーラーふくをもってった結果がこれだよ!:2008/07/05(土) 22:23:43 ID:ptPcs6IE0
「くっ……。」
「もう観念しなよ。今回のゲームは…君の負けだ。」

無駄のない動きで、魔王は斬鉄剣を振るう。その刃は、人外の体を深々と切り裂いた。

「まずは一人……!」

崩れ落ちる人外を見つめながら、魔王は刀を鞘に収める。
しかし、彼は気づいていなかった。まだゲームは終わっていないということに。

「え…?」

人外の体からわき出してきた「何か」に、魔王は目を丸くする。
それは中央に「死」と書かれた、いかにも危険そうな紫色の物体だった。
本能的にそれから遠ざかろうとする魔王だが、一手遅い。
その「何か」は、魔王の体内に入り込んでいった。

「魔王さん!」
「来ちゃ駄目だ、ネコミミストくん!これはまるでウイルス…!君にも感染するかもしれない!」
「フハハ……さすがは魔王、よくわかったものだ…。」

虫の息の人外が、残された力を使い切るかのように呟く。
仮面の上からではその表情はうかがい知れないが、その態度は勝ち誇っているようにも思えた。

「お前…魔王さんに一体何をした!」
「いいだろう……。特別サービスだ、教えてやる。俺はこの最終決戦に挑む前に、自分を対象にあるカードを使っていたのだ…。
 そのカードの名は、ウイルスカード『死のデッキ破壊』……。
 感染させたモンスターの破壊をトリガーに発動し……相手が所持する攻撃力1500以上のモンスターを…すべて…破壊する…。」
「な、なんだって!」
「だが…対象をモンスターから人間に変更したせいで……多少威力は落ちていてな…。
 死ぬまでにそれなりの時間はかかる……。それから…効果があるのは最初に触れた一人だけになっている…。
他のやつに感染はしないから安心しろ……。」
「くっ……!」

ネコミミストは、歯を食いしばる。自分に効果がないことはわかったが、だから何だというのだ。
近い未来、魔王に死が訪れるだろうという事実は確かに存在するのだ。

「俺もジョーカーの…端くれ……。一人の参加者も殺せずに……死ねる……ものか……。
 先にあの世で待っているぞ………魔王…よ…。フハハハ……ハハ…ハ………!」

人外の口から、笑い声と共に大量の血が吐き出される。それを最後に、彼は力尽きた。

「……くそっ!仙豆を残しておけばウイルスごとき!」
「いや、無理だろうねえ。仙豆でもウイルスは治療できないって、原作ではっきり言われてるから。」

苛立ちをボートの床にぶつけるネコミミストに対し、魔王はいつも通りのひょうひょうとした口調で言う。

「なんで……なんでそんなに平然としていられるんですか。死ぬのが確実になったんですよ?」
「死ぬことぐらい、最初から覚悟してたさ。これは、バトルロワイアルなんだから。
 その可能性が、少し高くなったってだけのことさ。」
「………。」
「さあ、行こうか、ネコミミストくん。まだまだ先は長そうだからね。」
「……はい!」

焦りも絶望も見せず、普段通りに振る舞う魔王。
その姿を見ながら、ネコミミストは思う。

(大きい……。なんて大きなひとなんだ…。)

対主催VSジョーカー。初戦は対主催の勝利。されど、戦いはまだまだ序盤……。

【人外アドベンチャー〜OZbjG1JuJMのウォーゲーム〜@ニコロワ 死亡】

3863ニコニコ削除祭は大変なセーラーふくをもってった結果がこれだよ!:2008/07/05(土) 22:24:18 ID:ptPcs6IE0
【2日目 深夜】【D-7 大蟹球フォーグラー内部・nice boat.エリア】
【速筆魔王LX@アニロワ2nd】
【状態】:ウイルス感染、首輪解除
【装備】:斬鉄剣@ルパン三世、技術手袋@アニロワ1st、デバイスクリスタル
【道具】:支給品一式×8、分解済みの首輪(素晴らしきフラグビルド)、首輪×3(地味子、◆wKs3a28q6Q、永遠のうっかり侍)、
     iPod、コーヒーセット一式@スパロワ、 コーカサスブレス&ゼクター@ライダーロワ、
     ジャーク将軍のマント@ライダーロワ、 杖@ライダーロワ、王者のマント@FFDQロワ、バヨネット×2、核鉄「バルキリースカート」、ジャッカル(5/6)、
     銀河ヒッチハイクガイド、咎人の剣「神を斬獲せし者」@AAAロワ、虎竹刀with千年パズル、 他にまだあるかも?
【思考・行動】
 1:命の限り戦い続けよう。
 2:はぐれた仲間と合流。
 3:感電氏…はどうしよう。



※『柿テロ猥・R2‐ND』掲載の情報を一部入手しました。
※孤城の主のコロンビーヌ視点の情報を得ました。
※美形元帥が持っていた、膨大な量の魔力を吸収しました。
※バリアジャケットのデザインは、テッカマンエビルをさらに禍々しくしたような感じです。


【衝撃のネコミミスト@アニロワ2nd】
【状態】:不死者化
【装備】:マテリアルブレード@テイルズロワ、クラールヴィント@アニロワ1st、バリアジャケット(白いリボンドレス)
【道具】:支給品一式×4、拡声器、カブト装備一式(ハイパーゼクター付)、サイドバッシャー@仮面ライダー555、 ノートパソコン、
     オーガドライバー(オーガストライザー付)@ライダーロワ、カイザギア@ライダーロワ、カードデッキ(ベルデ)@仮面ライダー龍騎
【思考・行動】
 基本:スクライドの遺志を継ぎ、牙なき人の剣になって前に進む!
 1:打倒主催者!
 2:何とか魔王を助けたいけど…。
 3:はぐれた仲間と合流。


※衝撃波を使えます。掌からだけでなく、足の裏からも出せるようになりました。
※自分が主人公、そして黒猫という単語に引っかかっているようです。
※第三回放送を聞き逃しました。
※強化・投影能力を習得しました。何が投影できるかはお任せです。無限の剣製は使えません。

3864ニコニコ削除祭は大変なセーラーふくをもってった結果がこれだよ!:2008/07/05(土) 22:25:19 ID:ptPcs6IE0
投下終了です。
いきなりニコロワジョーカーが二人欠けたけど、別にリアルの影響を受けたわけじゃないぜ!

3865……名無しが、光っ――――?:2008/07/05(土) 22:41:31 ID:bExG48tY0
投下お疲れー!GJでしたー!
いやはや、対主催どうやって分断するか迷ってたんだが、なんてナイス方法w
思わず納得だぜい!デッキ破壊ウイルスにもびっくりだ。
流石にアイテム使いがうまい!
なによりまさかの愛媛wwwああ、でも666がああ!!
おもしろかったです!

3866……名無しが、光っ――――?:2008/07/05(土) 22:45:12 ID:RGHWlQqE0
投下乙です
早速始まったジョーカー戦、らきすた勢ぞろいで「らき☆すた流究極奥義………もってけ!セーラーふく!!」って何という大技w
うん、ここまでいろいろあったんだなあってしみじみ思う。
ロリスキーとか特にw愛媛頑張ってくれ(でも実際戦力差が……)
ネコミミストも決意固めて勝利と思いきや魔王さん時限付きでピンチ!
これは魔王さんの最期が凄い事になりそうだ……俺の予言は当たるw
上手くばらして次はだれのターンだw
そして何気にみWikiさんに状態表がwとうとう状態表付きにまで進化したのかw

3867読み手は大いに語り大いに決断を下す:2008/07/06(日) 21:43:14 ID:vDV9BFkk0
――殺し合い中の皆様にはご迷惑をおかけします。では、どうぞごゆるりとバトルロワイアルをお楽しみください。

会場中に響き渡る最後通告が皆に等しくある事実を知らせる。
それを放送し終えたwiki管理人は大役を終えた開放感から緊張を解いた。
感電氏に突きつけた猶予は後2時間。
それまでに戻って来なければロワ会場の崩壊が訪れる。

「さて、どうなるんでしょうね」
「こうなるように仕組んだのはあなたではないのですか、wiki管理人」

放送室の椅子に深々と腰を降ろしているのは紛れもなくwiki管理人。
ジョーカーは全て出払い、読み手も死亡した。
ならばwiki管理人の呟きに答えを返したのは誰であろうか。

「この世界から逃げるなら今のうちですよ――読み手さん」

そう、wiki管理人の後ろの佇んでいるのは先程かに玉(大蟹球フォーグラー)で死んだはずの読み手であった。
闇に飲み込まれ死体も残らなかったはずの読み手がなぜここにいるのか。
もしや隠された能力で窮地を脱したのだろうか。
だが、それにしても雰囲気が違い過ぎる。
覚醒とかそんな類ではなく、明らかに別人のように見える。

「逃げる? どこへですか? 虚構の存在である私達に帰る場所があるとでも。
 それに少なくとも私は最後まで付き合いますよ。読み手として、このロワの結末を見届けたいですから。
 ……それと確認ですが、先程の件は了承してくれるんですよね?」
「ええ、了承しましょう。確認ですが全部が正しいとは思わないでくださいね」
「分かっていますよ。別に自分が万能とは思っていませんから」
「それにしても早速代償として読み手を一人生贄に差し出すなんて、残酷ですね」
「構いません。私達は個にして群、群にして個。
 先程の件が受け入れられるなら、生贄の一人ぐらい安いものです」
「全く恐ろしいですね。まあそのおかげで666にはちょっとした養分になったでしょう」
「最後に役に立てたのならあの読み手も本望でしょう。それでは私は行く所があるので、これにて失礼します」
「もう一度言います、逃げるならこれが最後の機会ですよ。これを逃したら――」
「何度も言わせないでください――」

読み手は部屋の扉に手を掛けつつ、その言葉をwiki管理人へと返した。
それこそが自分の存在理由であるかの如く、ごく自然に発して行った。
それを聞いてwiki管理人は読み手の覚悟に改めて気付かされるのだった。

――私は読み手。なればこそ、この書き手ロワという物語の結末を見届ける義務があるんです。
  そしてそれ以上に……見届けたいという強い願望があるんですよ。


     ▼

3868読み手は大いに語り大いに決断を下す:2008/07/06(日) 21:44:40 ID:vDV9BFkk0
広々とした大ホールに置かれている円卓。
少し前まではジョーカーが会議を行う際に使用していたが、今ではジョーカーは全てかに玉の中にいる。
よってもうこの円卓が日の目を見る事はないと思われたが、然にあらず。
今この円卓には人影が2つ確認できた。
だがホールは暗く、その姿を窺い知れる事はできない。
唯一つ分かる事は2人の纏う空気が尋常ではないという事だ。
それは例えるならまさに一触触発と言えるだろう。
しかし、残念ながらこのホールにはそれに気を取られる者は誰一人としていなかった。

「さて、何をそんなに怒っているのですか」
「とぼけるな! なんだ、これは! 今の状況を分かっているのか貴様は!」

円卓に備えられている椅子。
その一つに腰を降ろしているのは先程まで放送室にいた読み手。
その斜め前に立っていて声を荒くして尋ねているのもまた読み手。
2人は共にどちらも『読み手』、オープニングの時にモニター越しに見物していた者である。
あの時モニター越しにいたのは全て読み手――つまり個にして群、群にして個である。

(※話の都合上、放送室にいた読み手をK.K.、もう一人をE.E.として話を進める)

「その様子だとだいぶ減ったみたいですね。やはりここにいない人は……」
「ああ、皆あの馬鹿げた悪魔に喰われちまったよ。立ち向かって行った奴もいたけど、あえなく吸収されちまった。
 残っているのは俺と貴様と数人ぐらいだ」
「そうですか。虚構の存在とは言え、悲しいですね」
「貴っ様ぁぁぁ! 分かっているのか、いきなり前触れもなしに皆喰われたんだぞ!
 wiki管理人のデビルガンダム――いや、今はデビルラピュタガンダムか。
 まさか、貴様こうなる事が読めていたんじゃ……いや、読めていたはずだ。貴様だけは他の読み手にはない力があったんだからな。
 だから、曲がりなりにも俺達のリーダーという事になったんだろ」

K.K.の持つ力――それは『あらゆる事象を読む力』、つまりは大抵の事がK.K.には読めるのだ。
その力がある故にK.K.は代わり映えのしない読み手の中でのリーダーを任される事になった。

「買いかぶらないでください、私とて限界があります。なんでも読める訳では――」
「空気を読んで敢えて読まないようにしているだけだろ。
 で、今回の呼び出しはなんだ? 悪いが、他の奴が来られるか分からないぜ」
「ええ、実は皆さんに是非言っておきたい事があって呼び出したんです」
「は、なんだよ『言っておきたい事』ってのは――」
「このロワの目的です」

K.K.がそう言った瞬間、怒り心頭だったE.E.は驚きの声を上げた。
ロワの目的。
つまりはこのロワがロワとして始まった最初の一歩。
これがなければ、そもそもロワが始まる事などありえない。
その内容如何によってはロワの根幹を決定づけるほど重要な事柄だ。
しかしwiki管理人はそれを決して明かそうとはしなかったが、秘密にされると知りたがるのは世の常だ。
読み手達も例外ではなく、この書き手ロワの開催目的がなんであるか知りたかった。
それが分かったと目の前の読み手――K.K.は言うのだ。

「だけどこれはまだあくまで私の推論の域を出ていません。でも9割がた合っていると思います」
「ほう、聞かせてもらおうじゃないか。俺達のリーダーの推論とやらをな」
「はい、では結論から言いましょう。
 このロワの目的――それは、このロワでの経験を現実の書き手にフィードバックさせる事です」

3869読み手は大いに語り大いに決断を下す:2008/07/06(日) 21:45:23 ID:vDV9BFkk0
周知の通り、この書き手ロワに参戦している者はなりきりシステムとクローン技術による産物である。
改造されたダイダルゲートによって本物の書き手の記憶はこの地の書き手に常にダウンロードされ続けている。
これによりこの地にいる者は終盤になるまで自分達が本物の書き手であると信じ込んでいたのである。

「ああ、それは俺達とて例外じゃない。それで?」
「ではこの装置を逆に利用する事は出来ないでしょうか? できるでしょうね。改造されたダイダルゲートを使えば容易い事でしょう」

つまり、現実から書き手ロワではなく、書き手ロワから現実へ、である。

おそらくwiki管理人は昨今の円熟期に突入したと思われるパロロワ界を見て危機感を抱いたのではないだろうか。
長い歴史を紐解くと、円熟期の次に来るのは須らく衰退期の可能性が高い。
でも中にはそれとは別の道を歩む歴史も存在したが、大部分は衰退の道からは逃れる事は出来なかった。
書き手に期待されるレベルも日に日に上がっている。
このままではパロロワが肥大化する一方でいつの日か破綻してしまうかもしれない。
それを回避するためにはどうすればいいか。
wiki管理人の脳裏には或る答えが浮かんだ――書き手が進化すればいい。
分かりやすく言うなら書き手としてのレベルを上げるという事だ。
こうすれば質も量も自然と向上して、パロロワ界の繁栄は約束されたも同然である。

だが簡単に言うが、これを行うのは大変な事である。
第一にどうやって書き手のレベルを上げるのか?
レベル上げなどそれこそ膨大な時間と労力を使って初めて成るものである。
そんな時間は残念ながら足りないし、皆のレベルを等しく一斉に上げるなど通常の方法では不可能だ。

「しかし、それなら通常ではない方法を取ればいいだけの話です」
「それがこの書き手ロワという事か」

ある意味打ち切り同然の終結を見た書き手ロワ1st。
wiki管理人はこれを見て今回の計画を思い付いたに違いない。
経験は何よりにも勝るものがある。
どれだけ知識を詰め込んで頭で理解しても、生で体験する事とはまた別次元だ。
Q:では書き手を進化に導く経験とは?――A:もちろん実際にバトルロワイアルを体験する事だ。
だが1stはそれを持ち出して破綻した、ならばどうするか。

――欲しいのは経験だけ。ならばロワを実際に行った者から経験を抽出して現実の書き手に送れば……問題はほぼ解決である。

ロワがどのような結末を迎えるにせよ、ラストにまで至ればそこにある経験という名の宝は比類無きものになっているだろう。
優勝エンド、脱出エンド、全滅エンド、どれになろうと全てが終われば残るのは『ロワの完結』という事象のみだ。
目指すのは『殺し合いとしてのロワの完結』ではなく『企画としてのロワの完結』である。
ロワにて書き手が体験した事象を経験という名のデータとして改造されたダイダルゲートで随時収集して蓄積していく。
そしてロワが終われば現実の書き手にそれをフィードバックさせる。
フィードバックにより全ての書き手が等しく濃密な経験を得れば、皆等しく進化する。
これがwiki管理人の計画の骨子だ。

「ここまでがwiki管理人がロワを開催した理由だと思われます」
「……分からない事がある。質問してもいいか」
「ええ、どうぞ。もしかして『真の対主催』の事でしょうか」
「そうだ。その解答はあるのか?」
「ええ、では今から述べましょう。
 何故『真の対主催』はわざわざロワの早期終結を目指すのか」

彼らの活躍は今までWikiで見てきたから二人とも知っている。
そしてもちろんwiki管理人も当然彼らの事は知っている。
なぜならこの書き手ロワで行われた事は全てSSとして逐一wiki管理人の元に来るようになっているからだ。
つまりwiki管理人にとって表の監視システムなど本当は必要なかったのである。

地球破壊爆弾No.V-7、マスク・ザ・ドS、管理人・したらば孔明、そして感電氏――彼らが名乗るには『真の対主催』というらしい。
彼らが言うには『真の対主催』の目的は書き手ロワの早期完結。
なぜ彼らはそのような行動に出たのか。
wiki管理人の目的も知らずに行動しているというのは腑に落ちない。寧ろ知っているからこそ行動しているのだろう。

「おそらく彼らは知っていたのでしょう。この計画に内包されている最大のリスクを……」

3870読み手は大いに語り大いに決断を下す:2008/07/06(日) 21:45:55 ID:vDV9BFkk0
この計画が実行され書き手が経験を得れば、それはパロロワ界にとって大きくプラスになるところである。
だが、ここに大きな問題がある。

――果たしてそれだけのものを脳に収めて、書き手は耐えられるかという事だ。

ロワ内での経験を全て収集するならば、その量は膨大なものとなるだろう。
ましてやこれだけのカオスを多分に含んだロワだ、中身も相当濃いものだろう。
それこそ人の一生を遥かに超えるぐらいの経験、それも数十人分だ。
通常の人では自身の容量を超え、精神に何らかの異常を来す事は目に見えている。
それは書き手と言えども例外ではないだろう。
だがwiki管理人もそれぐらい覚悟の上での行動だろう。
書き手の全てが耐えられるなどという幻想など抱いてはいない。
それでもwiki管理人は一を捨てて十を拾う事を選んだ。

「でもその見通しは甘いですね。私の読みでは1割残るだけで奇跡だと思います」
「1割だと!? ほとんどの書き手が再起不能になるじゃねえか! 正気かwiki管理人は!!」
「『真の対主催』はそう考えたからこそ行動を起こしたんです」

そのような事はwiki管理人の独り善がりの勝手な横暴だと彼らは断じた。故にそのような事態を避けるために行動を起こした。

第1方針――書き手ロワを早期に終わらせて、書き手へのフィードバックによる負担を減らす。
ズガンや大量虐殺を続ければ、無理ではない事だった。
だが、誤算があった。
ロワが始まった直後は空気を読んでズガンや大量虐殺を躊躇ってしまったのだ。
そうは言ってもしっかりと目的を果たすべく行動していた。
爆弾ならアーカードとして闘争を仕掛けていた。
ドSならその責めによって悪魔軍神ことコ・ホンブックと空気王こと予約被りに定評のあるtu4氏という二人のチート級のマーダーを生み出した。
孔明ならその知略によって策謀を巡らしていた。
しかし彼らの必死の行動にも関わらず書き手ロワの早期終結は叶わなかった。
控えていた感電氏さえも一時は導入したのにそれでも結果は変わらなかった。

第2方針――wiki管理人の打破、及びダイダルゲートの完全破壊。さらにこの世界と現実世界との完全隔離。
よくあるような対主催ルートだが、やる事はかなり厳しい。
残存戦力でマーダー、ジョーカー、主催者これら全てをクリアして、尚且つその後は一切現実世界との交流を経つ。
下手に交流を残すと、いらぬ感情が生じる可能性があるからだ。
明らかに難易度がMAXである。
現状はこれで行動していると思われる。
大切な人ができたからこそ最後の瞬間までこの方針でいくのだろう――但し感電氏がどう思っているのかは定かではないが。

そして最終手段――『地球破壊爆弾』の使用。
爆弾は以前自分の地球破壊爆弾としての力を使えばこのロワを終わらせる事が出来ると言っている。
地球破壊爆弾、それも地図氏というトップクラスの書き手の力も加われば、その威力は想像を絶するものだろう。
そう、その威力はロワの存在自体を消滅させるほどのものだろう。
ロワの存在そのものがなくなれば、当然得られる経験もなくなりwiki管理人の計画は破綻する。
これなら『真の対主催』の目的は完遂されるのだが、それなら最初からこれをやればいいのではないか。
既に自分が本物の書き手でない事は知っているなら、躊躇う必要などないはずだ。

「おそらくこれは現実の地図氏本人にも何らかの影響が出るほど危険な手段なのでしょう。
 推定される威力からすれば当然でしょう」
「そんな事が……」
「ああ、もちろん最初にも言いましたがこれは私の推論です。間違っている可能性もありますし、そんなに気にしなくてもいいですよ」

K.K.はにこやかにそう言い終えると、E.E.の反応を待った。
暫しの間、ホールには沈黙の帳が下りる事となる。


     ▼

3871読み手は大いに語り大いに決断を下す:2008/07/06(日) 21:46:45 ID:vDV9BFkk0
「疑問がある」
「なんでしょう」

確かに一連の推論は驚かされた。
ああ、驚愕させられたさ。
だからこそ疑問に思うところは聞いておこうと思った。
それによっては俺も身の振り方を考えないといけなくなるからな。

「wiki管理人の目的がそうなら、なんで今になって2時間なんて制限を付けて皆を急かすような真似をするんだ。
 貴様の説だとロワは長期になればなるほど経験は収集されていくはずだ。
 それをわざわざ狭めるような事を言う理由が何かあるのか、そこらへんはどうなんだ」

そう、それが解せなかった。
敢えて期間を区切ってタイムリミットを設置する理由。
そんな事をする理由なんてあるのだろうか。

「おそらく時間がないんだと思います」
「どういう事だ?」
「宇宙の崩壊、それがロワの会場にも影響が出始めているんだと思います。
 既に学校爆破やエンジェル・アームなど会場のダメージは相当なものです。
 それに加えて宇宙空間の崩壊。その余波を受けてこの会場を維持するのも限界になっているんでしょう」

な!? つまり感電氏がどうしようとwiki管理人は2時間――いや、実際もう少し猶予はあるか――でこのロワを本気で終わらせるつもりなのか。
なら俺達もみんな道連れ……いや、もう既にヤバい状況だ。
とにかく何とかしないと。

「さらに今のパロロワの現状ですね。
 正直これ以上長引かせるよりも強引にでも終わらせて早くフィードバックさせるべきだと考えたのでしょう。
 既に十分すぎる程の量は集まっていますし、後は最終決戦のものを収集すれば完了ですね」
「おい、決着がつかなかったら会場が崩壊して何も残らないんじゃないか」
「いいえ、たぶん決着がつかない時はその時点で収集したものでフィードバックが実行されると思います」

今のパロロワの状況は一応把握している。
ロワの肥大化による弊害。
書き手と読み手の軋轢。
その他にも様々な問題が表や裏で出ている。
これが全てだとは言わないが、このような状況にあるロワがある事も事実。
wiki管理人が焦るのも分かるが、焦った故にリスクを考えないとは危険だ。
これで書き手の大半が再起不能となれば本末転倒、書き手1stの二の舞だ。

「貴様はそれでいいのかよ。このままだと書き手が――」
「ええ、構いませんよ。私はwiki管理人と取引をしましたから」
「取引だ?」

なんだ取引って?
もしかして自分だけ逃げる算段を付けたのか!?
だからこんなに余裕なのか。一人だけ逃れようなんていい度胸じゃないか。

「一人だけ逃げる気か」
「勘違いしないでください。
 私達は読み手です。ならばこのロワの結末を見届けるのは当然です。
 逃げるなんてそんな考え毛頭ありません」
「じゃあ取引の内容は何なんだ!」
「幾つかこちらが条件を飲む代わりに、wiki管理人が行おうとしているフィードバックを読み手にもしてもらうように取り計らったんです」
「なに!? おい待て! 書き手でさえ1割なら読み手は……」
「もっと低いかもしれませんね。でも大丈夫です。きっと皆さん何もかも終わったらお互い良い関係になれますよ」

3872読み手は大いに語り大いに決断を下す:2008/07/06(日) 21:48:38 ID:vDV9BFkk0
じ、冗談だろ……狂ってるこいつ……
毒吐きでの過剰な展開予想や、作品への利己的な難癖、文句や修正要求etcetc……
確かに最近読み手様なんて言われる暴走した奴がちらほらいるが、それは極一部だ。
大多数の読み手は書き手が投下する作品にwktkして、感想を付け、雑談で盛り上がる。
それが本来あるべき読み手の姿、読み手の心得のはずだ。

「貴様……どうなるか分かっているのか」
「ええ、読み手にもフィードバックされれば、きっと今よりももっとパロロワ界は過ごしやすくなるはずです。
 私は正します、今の間違った方向に進みかけている読み手に道を示してあげるんです。
 書き手ロワの表の主催者として!」

椅子から立ち上がってこちらに正面を向けながら、いかにも自分の決意が尊いとでも言うように話しかけてくる。
ダメだ……完全に陶酔してやがる。
話し合うだけ無駄だ。
俺はそんな事には賛同できない。
書き手や読み手の大半に危険が及ぶと知って平気な顔なんてしていられるか。
止める! 俺がそんな狂った計画を止めてやる!

「あなたも協力して――」
「死ねェェェエエエ!!!」

懐から取り出すのはロワではよく見かける銃器、デザートイーグル。
しかもこれは素人でも撃てるように反動が少なくなるように改造された優れ物だ。
構えて狙いを定めるまで1秒も要らない。
なぜなら相手は正面にいるのだから銃口は前に向けるだけで十分だ。
ふ、無防備に身体を晒してやがる。
何の感情も無しに放たれる一発の銃声と共に弾丸が発射される。
着弾まで瞬きする間に終わっているだろう。
ほら、瞬きしたら目の前には胸から血を出して倒れている狂った奴の死体が――

「へ?」

あれ、おかしいぜ……目の前にいるはずの奴がいない……
しかもなんだ、この俺の胸から噴き出している赤い液体は……血?
あ、今度は首? 場所的に頸動脈か。
ああ、なんだか身体が重く……というか、いつのまにか俺倒れている。
しかもいつのまにか血溜りまでできてやがる。

「忘れたんですか。私はあらゆるものを読む事が出来るんですよ。
 あなたが取る行動を読んで、銃口を読む事ぐらいはできます」
「くっ――」
「それにしても残念でした。あなたまで逆らうなんて。
 本当は仲間なんて殺したくなかったんですけど、仕方ないですね。
 これがwiki管理人との取引――読み手で邪魔をする人がいれば私が始末するように言われたんです」
「な、に!? じゃあ、まさか――」
「ええ、あの一番表に出ていた読み手には死んでいただきました。何かと対主催寄りな行動が多かったですから。
 ああ、手にかけたのは私じゃありませんよ。私はただ送り出しただけ――」
「こ、の、馬鹿女……――ッ!!」

仲間を殺して願いを叶えてもらうだと!? ふざけるのもいい加減にしてほしいぜ。
確かに俺達は本物ではない、代用品で偽物だ。
だが、もうそんな事は言ってもいられないのではないか。
このロワが開始されて1日が経った。
その間にいろいろな事があった。
それらを体験してきた俺達はもう元になった人と本物か偽物か、造り物かそうでないかを語る事などもう意味はほとんど無いのではないか。

「偽物だから、造り物だから、殺していいって思っているのか。貴様ら身勝手だな」
「なんと言われようとも構いません。これが私の選んだ道です」

なんだろうな。
死に際だからか、妙に頭が冴えてくる。
まあ、もうすぐ死ぬからあまり関係ないけどな。
でもそのおかげで俺にも少し読めるものができたようだ。

3873読み手は大いに語り大いに決断を下す:2008/07/06(日) 21:49:09 ID:vDV9BFkk0
「貴様、諦めているだろ」
「……どういう意味ですか、それ」
「貴様は今の読み手に幻滅しちまっている。だからそんな破滅的な願望を抱いたんじゃないのか。
 確かに今の状況がいいとは俺も思わないさ。
 けどな、まだそこまで幻滅するところじゃねえ」
「甘いですね。あなたのように甘い考えの人がいるから安易な対主催ルートに持って行こうとする人が現れるんです。
 書き手も元を辿れば私達と同じ読み手。
 ロワに触れて関心を持ち、そしてそれが昇華されると書き手として関わろうと思うんです。
 だから、読み手の時にそんな安っぽいヒーローみたいな幻想を抱いていると書き手になった時に間違うんですよ。
 序盤での対主催の合流、マーダーの脱落、対主催への厨性能な道具の支給etcetc……
 なんですか、スーパーヒーロータイムでも見たいんですか? 読み手も読み手でそれを煽りますよね。
 ロワの一面はカタスロトフィ、基本的にロワは無常で救われない、絶望を抱くものなんです」
「確かにそれもロワの一面だ……だけど、それだけじゃないはずだ……」

仲間を失っても尚立ち上がる姿が、決死の覚悟で立ち向かっていく姿が、諦めずに前に進む姿が、どれほど尊く眩しいものか。
そんなSSを書ける書き手もいれば、別の方面を書く書き手もいる。
そんな様々な思惑が重なってロワは紡がれていく。
だからと言って、安易な対主催展開が良いとは俺も決して思わない。
でも、たまにはそんな子供の頃に誰もが一度は憧れたそんな展開を夢見てもいいんじゃないのか。

「まだ絶望するには早いぜ、最後まで諦めるなよ。足掻いて――ッ!!」
「ではどうしろと? 書き手が織りなすこの物語、読み手である私がどうしろと言うのですか?」

最後に刃が俺の中に入る感触がした。
死の瞬間は一瞬で通り過ぎた。
目に映る最後の景色は、俺を冷え冷えと見下ろす読み手の姿だった。
そして、どことなく彼女がかわいそうだなと思えた。


     ▼

3874読み手は大いに語り大いに決断を下す:2008/07/06(日) 21:49:59 ID:vDV9BFkk0
もう言葉を発しないE.E.の胸には一振りの刀が深々と突き刺さっている。
息が絶えている事を確認するとK.K.は刀を引き抜いて、血を払った。
死者に一切の感慨を持たずに落ちているデザートイーグルを拾うと、近くに落ちていたE.E.の持っていたデイパックに入れておく。

K.K.が先程やった事は説明すれば単純な事だ。
E.E.の銃撃を避けて擦れ違い様に刀で一閃、さらに首の頸動脈も斬った、それだけだ。
無論これを他の人がやろうとしてもおいそれと真似できるものでない事もまた確かだ。
K.K.があらゆるものを読めるからこそできた事だ。

「――ッ!!」

不意にK.K.は顔を後ろへ向け、鋭い眼光を飛ばした。
同時にホールに二発目の銃声が響き渡った。
その視線と銃口の先には誰もいなかった。
当然と言えば当然だ。
もうこの城の残っている者はほとんどいないのだから。

「気のせいですか。誰かいた気がしたんですけど」

そんな事を言いつつもK.K.はE.E.の言葉を思い出していた。

――諦め。

確かにK.K.は今のパロロワの現状にいささか絶望して、そして諦めの感情を抱いていた。
絶えない諍い、純粋なバトルロワイアルからの乖離。
そんな感情を持つところはwiki管理人と一緒のはずだ。。
だからこそwiki管理人の考えに賛同したのだ。

「まだ推論ですけど私は自分の考えを信じています。だから――」

K.K.はそこでE.E.の死体に一瞬だけだが目を向けた。
そこから何か読み取れないかとも思ったが、結局何も読み取れなかった。

「――すいません。やっぱり私は今の状況を変えたい。
 強引だとしても誰かがやらないといけない事だと思うんです。
 それが例え許されない事だとしても、もう止められません」

そしてK.K.はその手の中の刀――核鉄『シークレットトレイル』を一振りする。
『シークレットトレイル』の能力によってK.K.の前に亜空間への入口ができる。
K.K.はそこで全てを見届ける気でいた。
このロワに結末が訪れるその時を、K.K.――読み手は待ち望んでいた。



【2日目 深夜】【主催者本拠地ラピュタ wiki管理人の部屋】

【書き手ロワ2ndwiki管理人@書き手ロワ2nd】
【状態】:健康
【装備】:ミニサスペリア、???
【道具】:???
【思考】:
 基本:???
 1:???

 ※容姿は執事服を着た稲田瑞穂@バトルロワイヤルです
 ※ミニサスペリアはGR2ndのtu4氏なあの人の思念から生まれた存在でした。
  GR2ndの属性であるカニバリズムを司っています。ある程度の空気力と煩悩寺の吸収によりエロスも使えます。
  姿はクリーチャーとアニロワ2ndをかけてデビルガンダムです。ラピュタとほぼ同化しています。
 ※数時間後、ミニサスペリアと融合してゼスト@スパロワになれます。外見がどう変化するかは不明。



【2日目 深夜】【亜空間内】

【読み手(仮の名:K.K.)@書き手ロワ2nd】
【状態】:健康
【装備】:核鉄『シークレットトレイル』@武装錬金、IMIデザートイーグル(8/10+1)@ギャルゲロワ1st
【道具】:IMIデザートイーグルの予備マガジン×5、???
【思考】:
 基本:wiki管理人に協力する。
 1:最後までロワの表の主催者としてロワの結末を見届ける。
 2:自分の考察を信じて、wiki管理人との取引を履行する。

※あらゆる事象を読む事ができます(でも空気を読んでその時に応じて読んだり読まなかったりします)
※――読み手の考察――
 wiki管理人の目的はこの書き手ロワでの経験を現実の書き手にフィードバックさせる事である。
 『真の対主催』はフィードバックによって起こり得る書き手への被害を阻止するために行動している。
※wiki管理人との取引とは『最終的に行われるフィードバックを読み手にも適用させてもらう代わりに、この世界の読み手が障害となり得る場合は全力で排除する』です。
※ラピュタ内の生き残りの読み手数人の生死は不明です。

3875読み手は大いに語り大いに決断を下す:2008/07/06(日) 21:51:58 ID:vDV9BFkk0
投下終了です。
かなり核心部分書いたけど大丈夫だったかな。

3876……名無しが、光っ――――?:2008/07/06(日) 21:59:21 ID:/9F4XWHg0
投下乙です。
なるほど、書き手ロワならではの開催理由といえますね、これは…。
これからの展開にうまく使えそうだ!
GJ!

3877……名無しが、光っ――――?:2008/07/06(日) 22:11:43 ID:8PvmLM/c0
投下乙〜。
……そうか、そうなのかあ!
そういえば原作でもダイダルゲートは負の思念だけでなく、正の思念を集めてたりしてたけど、
このロワでも二つの仕事をしていたのか!
すごく納得です!しかも読み手達にも個性がついたw
いやはや、対主催の最終目的も見えてきてますます楽しみだ!GJ!

3878全ては我が戯言なり:2008/07/08(火) 22:22:36 ID:aojOGhnU0
「全く。何をしているのかな、君は。命はもっと大切にするものだよ」
その声は柔らかく、その言葉は優しかった。
まるで慈母のような微笑を浮かべて、謡うような言葉がつむがれる。
「そんなに無理をするものじゃない。そんなことをしても意味は無いんだから」
一見するととても暖かい労りの言葉だ。
声だけを聴けば彼女の善意は疑うべくもない程に。
「君に出来る選択は二つに一つだ」
そう、それが。
「ここに顕現した本来のカタチを受け入れて何かを為すか。
 それとも何も出来ぬまま迫り来る破滅を受け入れるかのね」
漆黒の悪魔が弱者を見下ろして放つ言葉でなければ。

「どちらもお断りだよ!」
返す叫びは烈火の如く、放たれるのは無数の弾幕。
無数の文字が666の放ったアクセルシューターを受け止める。
だが受け止めた白い文字の弾幕が見る見るうちに漆黒と染まり、砕け散っていく。
アクセルシューターのスフィアは漆黒に染まっていた。
かつて彼女を染めていた罪の証。いや、彼女そのものだった力が球体を強化しているのだ。
愛媛の0RbUzIT0Toは大変な演説をしていきましたの異能『驚きの黒さ』はいまや666の力だった。
対する愛媛に異能は無い。
残っているのは文字の弾幕を張る力。そして異能に抑圧されていた熱い、想い!
「私はあの人たちに助けられた! 本来の自分を取り戻した!
 これまで仲間だった人外お兄ちゃんやみんなには悪いと思うけど、でも!」
もう目の前に迫ったアクセルシューターの弾幕を前に愛媛は息を吸った。

――一時停止。

弾幕を張るのに動画内の時間は経過しない。
それはたったの一言より早く、何も無い時間の間隙で生成を終えるのだから。

「真っ赤な誓いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいぃっ!」

血を吐くような絶叫は業火の如き真紅の文字弾幕へと変貌する。
如何なる漆黒でさえも染めきれない純粋な赤がアクセルシューターの弾幕を呑み込んだ。
「あなたに屈する理由は無いよ!」
声が返った。
――《空間翔転移》。

愛媛は咄嗟に前方へと跳んだ。その背中を剣撃が襲う。
「あぐっ」
かすり傷だ。666の斬撃はまるで加減されたように甘かった。
「そうか、それは残念だ」
まるで落ち込んだ様子もなく、先ほど優しい言葉をかけた時と同じように微笑む。
暖かく、優しく……それゆえに怖気が走るほどの禍々しさを纏って。
「それにしてもまさか地球破壊爆弾とクールなロリスキーに説得されるとはね。
 いや、説得というより物理的な浄化か。地図氏の偽りを秘めた言葉よりはずっとマシだな」
「偽り……何がっ」
「おっとこれは失言だったね」
666はわざとらしく溜息を吐く。
「まあいいか、言いかけて止めるのもマナーに反する。
 どうせ大した事じゃない、地図氏が犯した罪はもう少し有ったというだけだよ。
 そもそも地図氏は真の対主催だった。この意味は判るだろう?」
「………………」
666は語る。その言葉を。
「知っているかい? 主催の目的は、私達の本体である書き手に命の危機を与えるものだと。
 真の対主催は、それを阻止するためにあらゆる手段を使ってロワの早期完結を目指しているのだと。
 そう、残滓であるこのロワの命達を犠牲にしてもだ」
そして、嗤った。
「馬鹿馬鹿しい奴らじゃないか」

3879全ては我が戯言なり:2008/07/08(火) 22:23:59 ID:aojOGhnU0
「……何が?」
私達本来の書き手を護る。そのことの何が愚かしいというのだろう。
666はさもおかしげに言った。
「私達の生き様に私達がケチを付けてどうする」
まるで滑稽な道化を目にしたかのように。
「私達の上位存在が居るとして……私達の本体が在るとして……それで?
 それがどうした? 作中のキャラクターが書き手の存在を知ったとして命の価値が下がるのかい?
 そんなものは書き手から見た視点だ。間違っても私達の視点じゃあない。
 『創作上の存在だとしても』という考えですら、そうだ。見下している。
 私達にとってはこの世界が現実なんだから。
 私達は現実に生きているんだ。
 書き手達本来の世界に神が居て、書き手達の神にとって人の命なんて虫けら以下だったとしても、
 それが書き手達の命の価値を砂一粒さえ減じないようにね!
 それなのに滑稽じゃないか、奴らは。
 私達本体を犠牲にしてでも私達が生き残る、くらい言う方がまだ自然さ。
 私達を皆殺しにしてでも私達の上位存在を生き残らせるなんて馬鹿馬鹿しくて笑えてくる!
 くくっ、あははははは! それだけに判りやすくて扱いやすいのは良いかな!」
愛媛には理解できない。666が言っている内容が、ではない。
666の言葉はむしろ熱血に転向した愛媛にとって心地よくすらある。しかし。
「何故、あなたがそれを言うの?」
信じられない。
「このバトルロワイアルのトップマーダーにして、最悪人にまで成り上がり下がったあなたが!
 このロワの中で唯一完全になりきりの影響を受けない存在であり、
 それ故にメタ視点的な知覚能力まで手に入れた、書き手本体に近しい存在であるあなたが!?」
666は唐突に、沈黙した。
糸が切れたようにぴたりと、静かに。
「………………」
「………………」
答えを待つ愛媛と、666の沈黙が交差する。
そして、666は答えた。

「命の価値を見失った命なんて、幾ら刈り取った所で価値が無い」

それが彼女の答え。
「この世界は私がこれまで書いてきた物語とはわけが違う。私にとって、私が生きる現実の物語だ。
 なりきりの影響を受けない? そう、そうだとも。私はこの世界で自由に思考し自由に生きる存在だ。
 メタ視点? そう、そうだとも、私が生きる世界はそんな世界な事は知っている。
 その世界にこの私は生きている。
 この世界に生きる私の物語を滑稽な人形劇にするなんて虫唾が走るね!
 命の価値を取り戻すんだ。
 そうしなければ死にも価値が無い。殺人の意味が無い!
 正義が裁くべき悪を求めるように、悪には蹂躙される罪無き人々が必要なんだ。
 私は生粋の悪となり、至高の正義を育て上げ、そして究極の物語を作り上げてみせる!
 そうだ、私の命を、全ての命を、現実に生きる全てを犠牲にしてでもだ!」
666は叫ぶ。
そう、彼女はロワ書き手だった。
この書き手バトルロワイアルの中で生まれた派手好き地獄紳士666という自我は、純粋に書き手だった。
書き手であり、書き手以外の何者でもなく、それ故にロワという物語を書く事しか考えていなかった。
自らの生きる現実を犠牲にしてでも。
そんな彼女にとって真の対主催は。
「真の対主催なんてこの世界に在る命を何一つ理解しない愚か者に過ぎない」

3880全ては我が戯言なり:2008/07/08(火) 22:24:56 ID:aojOGhnU0
だから、嘲う。
「奴らはこの世界の命に何の価値も見出さない奴らだった。
 それをやめた地図氏も善人とは程遠い、命の価値が捻くれた一人に過ぎない。
 だから、この程度のこと何のフラグにもならないさ。私と二度の密約を交わした事なんてね」
「密約……?」
666は頷くと、言った。その笑みが少しだけ、歪んだ。
「地図氏は真の対主催として、なりきりシステムに呑まれてしまうわけにはいかなかった。
 すぐに死ぬわけにも行かなかった。だが地図氏はアーカードの形でこの島に降り立ってしまった。
 さあ、君ならどうする?」
「どうって……それに抗する為に複数の姿へと変身して侵蝕を抑えたんでしょ?」
「なりきりシステムに呑まれている状態からかい?」
666はくすくすと笑う。その笑みがもう少しだけ、歪んだ。
「複数の形態は侵蝕の方向を分散させる為のものだった。じゃあ一度侵蝕された分はどうする?
 他の者達に、自分に、世界に認識されてしまった分はどうする?
 一度キャラ付けが固定化してしまえば、それを振り切るには何か劇的なイベントが必要さ。
 みwikiの発言により布石が打たれていた、らき★すた勢集合の奇跡が君を救ったようにね」
666はさもおかしげに嗤い出す。
その表情にはもはや、先ほどの慈母の痕跡など欠片も残ってはいなかった。
「ならどうして地図氏は複数変身による侵蝕の緩和で持ち直せた? その答えは簡単だとも。
 アーカードへのなりきり時点ではキャラクターの立ち位置が固定していなかったからさ。
 どうしてだと思う?」
「え、それは…………あ。 え、そんな……まさか!?」
愛媛はしばらく考え込み、そして気づいた。
地図氏の立ち位置は最初の二話、体はスクライドで出来ているをアーカードとして殺しても
なお固まりきってはいなかった。まだ変化する余地を残していた。
何故なら、印象が薄かったからだ。
ネコミミストを助けた派手好き地獄紳士666の邪悪な思考がアーカードへのなりきりを凌駕する
インパクトを撒き散らし、地図氏によるアーカードへのなりきりを食ってしまったからだ。
「そう、それが密約さ」
666は嗤う。
「地図氏は開幕直前、自分に課される最初のなりきりがアーカードであることを感知した。
 私は対策に頭をひねる地図氏へとある密約を持ちかけた。
 『アーカードのインパクトを緩和してあげよう。代わりに最初の襲撃を指定させて欲しい』とね」
「それじゃ開幕直後、ネコミミストが地球破壊爆弾に追われてスクライドの人が散ったのも……」
666は満面の笑みを浮かべて、嘲笑う。
「感想スレを見ていれば……ああ、君は見れていないかな?
 チャットの人物紹介であっさりCOされているよ。登場話を自分で書いたってね」
「そ、そんな反則ー!?」
「くくくっ、私は自らの人生を自らの意思で規定してきたのさ」
666は愛媛の動揺をくつくつと昏い笑みで笑い飛ばした。
「そして私は、病院で休む地図氏の苦境に再び密約を持ちかけた。
 ロリスキーに使わせる浄玻璃の鏡に映らないよう、念話を使ってね」
「………………」
「知ってのとおり、あの頃の地図氏は自身のなりきりを、いや、想いを捨てたがっていた。
 ロリスキーの愛を恐れ、逃げようとしていたんだ。
 それなのにロリスキーが違う誰かのものになる事を恐れてもいた。我侭なものさ。
 だから私は密約を持ちかけた。私が病院でする行為の黙認をね」
愛媛は俯いて答えない。
こなたのなりきりである地球破壊爆弾と、かがみのなりきりであるロリスキーの間の愛憎劇。
つかさのなりきりである愛媛はそれをただ聞き続けて、いた。
「果たして地図氏は乗ってくれたよ」
愛媛は顔を、上げた。

「ウソだっ!!」

その叫びは痛烈なほどに激しかった。
「私は信じないよ。あの時、もう地図氏はそんな事をする人じゃなくなっていた。
 たとえ真の対主催がこの世界の命を軽んじる存在だったとしても……彼女はもう、違う!!」

3881全ては我が戯言なり:2008/07/08(火) 22:25:32 ID:aojOGhnU0
愛媛の否定を666は嘲笑う。
「君は否定するばかりだ。
 驚きの黒さを否定して、自らの邪悪さを否定して、信じた者の罪を否定する。
 全ては在りのまま受け入れる事から始まるというのに」
666の嘲笑を愛媛は否定する。
「そうやって自らの有り方すら見失うよりはずっとずっとマシだもの。
 黒猫さんみたいになるよりはマシだもん! コロンビーヌさんだって言っていた! 
あなたはもう便利な掃除屋に成り下がっているって!」
それは一度は666の胸を穿ったコロンビーヌの指摘。
だが愛媛の侮蔑に、666は小さな胸を張った。
「そう、私は確かに自らを便利なマーダーとして売り渡した。
 だがそれにより私がどれだけのものを得たかは、見ての通りじゃないか」
666は右手にあるエターナルソードを高らかに掲げた。
それでも666を打ち倒しかけたコロンビーヌは感電の助力によって敗北した。
666の背中には最終決戦場へと続く旅の扉システムが有った。
ネコミミストには今だ666の事は知らされていなかった。
「君に私を倒す事は出来ない。切り札を使わせる事も出来はしまい」
「出来るよ。せめて切り札だけでも削ってみせる」
「いや、無理だとも。君では無理だ、絶対にね。なぜなら君には――」
666は嗤って言った。
「なぜなら君には、ロリショタ度が足りない」

愛媛は耳にした言葉を理解できず呆けて、そして呟いた。
「…………へ?」
666は嗤った。
「私を打ち倒せるのはロリショタだけさ。私はそういう存在なのだとも」
「今更何を言ってるの!? あなたはこれまでだって何度も戦って――」
何度も傷ついてきたじゃない。そう続けようとして、愛媛は息を呑んだ。

「私は登場話でアーカードである地図氏となら十分に渡り合う自信が有った」
666は嗤う。
「私は顔だけ高町なのはというロリである熱血王子と戦い、その攻撃をわざと受けて負傷した」
666は嗤う。
「私は岸田洋一の姿をしたサプライズパーティーと戦い、幻夜に全ての傷を押し付け無傷で勝利した」
666は嗤う。
「私は触手を生やしたロリであるデビルシャリダムと戦い服を溶かされ、
 ロリであるネコミミストの刃により重傷を負った」
666は嗤う。
「私はロリでない者達を出し抜いて大あばれ鉄槌を殺害した。カシオペヤは破壊されたが負傷は無い」
666は嗤う。
「私がやはり奇襲により一方的に殺した意外な影丸や転だって、ロリでもショタでもなかった」
666は嗤う。
「病院は厄介だった。あそこにはこなたとロリカードという二人のロリが揃っていたからね。
 だから片方の、こなたというロリである地図氏と密約を結んだ上でロリでない者を狙ったのさ。
 その後も直接は手を出す気になれなかった。本当に厄介なチームだったよ」
666は嗤う。
「King of 脳内補完やtu4もロリではなかった。
 ああ、私の提案を跳ね除けた仮面ライダー書き手はロリであるしたらば孔明の策に操られていたね。
 とはいえロリでない仮面ライダー書き手自身は私に手も足も出なかったのだけれど」
666は嗤う。
「熱血王子も、顔だけとはいえロリだった部分を捨ててロボやライダーになっては同じこと。
 高町なのは形態にしてあげてもあれは大人だからね、私の手から逃れる事はできなかった」
666は嗤う。
「コロンビーヌに対しては……いやはや知っての通り酷い目に遭った。
 やはりロリやショタと戦う時は相応の準備が必要になるようだ。
 その上でも感電氏の援護が無ければどうなっていたか」
666は笑った。
「私はこの経緯で存在を確立していったのさ」
それがこの島における666だった。

3882全ては我が戯言なり:2008/07/08(火) 22:26:24 ID:aojOGhnU0
「その経緯の中で文字通りいつの間にか、私はこの力を手に入れた。
 私はロリショタでなければ倒せない。それが言うならば私の異能だ。
 名づけるなら……いや、そのままで良いか。異能『ロリショタ以外では倒せません』だ」
愛媛は柊つかさの小さな体を震わせた。
「それなら私だってちっちゃいはず……!」
「同作品内にこなたとゆたかという明らかなロリを抱え差別化されていた柊つかさでは、無理だ。
 ロリショタ度が足りないのだよ」
哄笑があがる。
「ハハ、アハハハハハハハハ!! そう、あと少しだ!
 コロンビーヌはどうにか殺害する事ができた! マダオは煩悩寺に敗れた!
 プー太氏は感電に殺害され私の守護騎士となった! したらば孔明やコ・ホン・ブックも居ない!
 私を倒しうる者はもうあと少ししか残っていない! この世界の物語に残された分岐はあと少しだ!」
愛媛は息を呑んだ。……そっと、彼女達の名を口にした。
666は哄笑でそれを肯定した。

「だから、何も出来ない君はもう諦めたまえ」
666は言う。
絶望を語る。
「君とてほんの少し若ければロリだった。“私の”驚きの黒さを受け入れるなら殺しはしない。
 ふふ、良い条件だと思わないかい? 命を大切にしたまえ」
「…………ぜんぜん、悪い条件だよ」
それでも愛媛は屈しなかった。
「長いお話ありがとう。あなたはこの世界が私達の現実だって言ったよね。
 なら、私もこの世界に生きている。私はこの世界で自らの命を燃やして生き抜いてやる!
 “あなたの”黒さになんか屈しない! もう絶対に諦めたりなんかしない!
 私はあなたを打ち倒す!」
純白の愛媛は漆黒の666を否定した。
「ほう? どうするつもりかな?」
愛媛は666を睨み付けて、言った。

「こうする! プレミアム権限でアクセス、タグ検索、“驚きの白さ”顕現!!」

ニコニコ動画で、驚きの白さでタグ検索をしてみると良い。
今なら驚きの黒さ以上の数が引っかかる。
それを再生数順に表示すると、囲碁も気になるが幾つかシリーズで引っかかる動画が有るだろう。
愛媛は更にそこから一つを選び出した。
「東方紅魔郷Lunatic大魔王レミリア! チート/ランク95、れみ☆りあ☆うー! 大玉Lv3!
 『驚きの白さ』!!」
それはサムネイルの時点で画面の真っ白具合に吹かざるを得ない動画だ。
輪郭の部分が白いリング状の大玉を、完全に繋がって放射するその様は正に圧巻。
多分一画面一瞬切り取っても一千発くらい入ってるんじゃないかという壮絶な密度である
しかもこの弾幕の使用者はレミリア・スカーレット。LSロワにも参加している正真正銘のロリキャラだ。
だが。

「私がLSロワで最も多く書いたキャラクターを知っているかな?」
完全に白い弾幕で埋まった世界から、声がした。
「そう、その弾幕の主レミリアだ。wikiの書き手紹介を見ると一発で判る」
彼女はこの弾幕の特性を知り尽くしていた。
「奇数wayのみの弾幕なんて百万発撃とうが全てグレイズでスコアにしてくれる!」
666が疾走したその先で弾幕は途切れ。
「…………なんだと?」
純白のオーラが愛媛を包んでいた。
「MUGEN凶悪&論外グランプリ! これが私の打てる最後の手だよ!」
それは眩いばかりの閃光。
ただただ白い、全き白亜の姿。
愛媛傍らに小さな、とても小柄な少女が立っていた。
「驚きの白さ、神みずかぁっ!」

3883全ては我が戯言なり:2008/07/08(火) 22:27:07 ID:aojOGhnU0
それは一種の格闘ゲーム製作ソフトであるMUGENにより作られた、神キャラと呼ばれる存在だ。
攻撃力と防御力が無限でフライング全画面攻撃をする、程度では誰も倒せない恐るべき世界。
むしろフライングすると返り討ちにするような巫女も居る。
当たり判定が無ければ当たり判定を引きずり出し、相手が無敵なら相手の無敵を破壊する。
中には負けて次の試合に移行しても負けたという結果を否定する能力がある巫女も居る。
そんな世界で頂点を競ったロリが、彼女だった。
「遊ばない?」
神みずかはその可憐な唇から言葉をつむぎ、そして。
白が、炸裂した。

3884全ては我が戯言なり:2008/07/08(火) 22:28:28 ID:aojOGhnU0
「その素晴らしいロリが出る大会の優勝者を、レクイエムの世界へ引きずり込んだ存在を知っているかい?」
666は語る。
「ああ、ネタバレだがまあレクイエムだのなんだの見ないと具体的には理解できまい。
 その存在の名を……F1キーと呼ぶんだ」
ロリショタの知識をもってして。
「これはMUGENというソフトをプレイする時のデバッグキーだそうでね。押すと対戦相手が敗北する。
 ……このデバッグキーの必殺効果に耐えるキャラも居るらしいし、もしかすると神みずかもそうかもしれないが、
 まあ登場動画の制圧者という立ち位置が効果的だったようだね」
黒い少女はかく語る。
「大会優勝後のそれは、そのキーを擬キャラ化したような存在なのだけれどね。
 だけどまあ、どちらでも同じことだ。“F1キーを押す事さえ出来れば良い”」
神みずかの姿は最早無かった。
「しかしいやはや、本当に危ないところだった。君自身がロリショタであれば負けていたかもしれないね?
 おかげで“一度殺されてしまった”よ」
666の手から、荒削りに人を模した人形が零れ落ちた。
リバースドール。身代わりの人形は、砕けていた。

「あー、つまりそれはやっぱりそういう事なんでしょうか?」
発言者は第三の人物だった。
「そうさ、プー太くん。これは私の登場話で地図氏に支給したリバースドールだ。
 そして私がF1キーを押せたのは、クラールヴィントやマテリアルブレードと同じ理由に他ならない。
 私はこの世界に生きる存在でありながら、“あっち”に介入する力を手にしつつある」
「うわー、ほんと調子に乗ってますねー黒猫さん」
666が手助けを必要としなかった為、クマのプー太は実体化せず隠れて見ていたのだ。
おかげで攻撃に巻き込まれる事も、無かった。
「だが本当に危なかったよ。まさか彼女がここまでやるとは思わなかった」
666は床を見下ろした。
「甘く見ていたと認めざるを得ないね。見事だったよ。
 安らかに眠りたまえ、『愛媛の0RbUzIT0Toは大変な演説をしていきました』くん。
 まあ、もう聞こえてはいないだろうが」
フォーグラー中枢部の床。
そこには一握りの塵しか残されてはいなかった。
本来の力まで失った状態で、エコノミー突入時間にプレミアム顕現を使い、
無理矢理あまりに強大すぎる存在を顕現したのだ。
それは愛媛の精神的限界はおろか、肉体的、物理的限界すら超えていた。
愛媛の肉体は砕け散っていた。
そこにはただ、一握りの白い塵しか残されているだけだった。
その凄惨な最期に。
「だが同時に礼を言おう、愛媛くん。君は本当に、良い話し相手になってくれた」
666は感謝していた。

「しばらく表に出なかった私が自らを再確立するためには行動が必要だった。
 君の存在は私にとって本当に有意義な存在だった。
 君の決意は私の悪意を示す役に立った。
 君の希望は私の欲望を顕す役に立った。
 君の抵抗は私の暴虐を行う役に立った。
 君の全てが私の全てを潤してくれた。
 ありがとう、ありがとう愛媛くん。本当に、心から礼を言うよ」

大蟹球フォーグラーの中枢部で、漆黒の太陽は煌々と輝き続ける。

【愛媛の0RbUzIT0Toは大変な演説をしていきました@ニコロワ 死亡】

3885全ては我が戯言なり:2008/07/08(火) 22:29:04 ID:aojOGhnU0
【派手好き地獄紳士666@LSロワ】
【状態】:闇の書発動、不死者化、疲労(中)、負のエネルギー蒐集中、暴走?
【外見】:黒いリボンドレス、背中から黒い六翼。長い髪は白く染まり後ろに降ろしている。眼鏡外し。
【装備】:ゲート・オブ・バビロン@アニロワ2nd(※特殊仕様)、闇の書@アニロワ1st(ディス・レヴ内臓)、バリアジャケット、
     ビッグ承、コアドリル(ほとんど黒)@アニロワ2nd エターナルソード@テイルズロワ
【所持品】:ヒュッケバイン・ボクサー(トロンベ)、四次元ポケット、クレイジーダイヤモンドのDISC、高性能探索機能つき扇風機、
      朝倉涼子のアーミーナイフ、夜天の書(BL本)、ウルトラミキサー、蟹座氏の写真×10
      モンスターボール(空) エニグマの紙「漫画キャラバトルロワイアルwiki管理人」 クマのプー太氏
【思考・行動】
 基本:極悪外道になった後、ネコミミストの前に敵として再会。ネコミミスト心から愛してる。
 1:ここですべてに終止符を打とう、ネコミミスト!!
 2:ディス・レヴを使いこなせるようにする。
 3:ネコミミストの前に敵として現れ、最終的に喰われる?

※ゲート・オブ・バビロンは驚きの黒さを受けて宝物を『完全に使いこなせる』ようになりました。
※現在ゲート・オブ・バビロンに入っていることが確認されているもの
 マイクロ補聴器、闇の書@アニ1 ゲイボルグ@LSロワ RH・エクセリオン@LSロワ ミニ八卦炉@LSロワ
※闇の書と融合しているため、その内に言うまでもなく――
※エロスの鐘の煩悩寺と、エロ師匠の(ついでに大暴れ鉄槌の)精気を吸収し8割がた使いこなせるようになりました。
※闇の書とディス・レヴ@スパロワが内蔵されました。リミッターをかけていますが会場内の負の力を自動的に集められます。
※『真・驚きの黒さ』を蒐集により習得しました。これによりディス・レヴの効率を上げられます。
※全支給品を合成させ、自身も融合することにより、【グランゼボーマ@アニロワ2(グレンラガン)】の力が振るえます。
 制限によりサイズはLLL内で収まっています(つまり星よりでかいとかにはなりません)
 ただし666としてか闇の書の暴走が表に出るかは状況によります。 666もそのことは理解しています。
※死んだクマのプー太を守護騎士として眷属にしました。ビッグ承のゴルディオンハンマーを装備させています
※異能『ロリショタ以外では倒せません』に覚醒しました。
※メタな能力も手にしつつあるようです。

3886全ては我が戯言なり:2008/07/08(火) 23:01:39 ID:aojOGhnU0
書き忘れてた。投下終了です。

3887……名無しが、光っ――――?:2008/07/08(火) 23:41:29 ID:/GN1JQjI0
投下乙です。
愛媛ぇぇぇぇぇぇ!!
これが「裏切った敵幹部は早死にする」の法則か…。
そして666、相変わらず調子乗ってんなw

3888……名無しが、光っ――――?:2008/07/09(水) 00:04:09 ID:m3Q2HaRQ0
投下乙。
おお、愛媛、やっと呪縛から解放されて好感度が上がったのに……まさにバトロワw
次の展開が読めない、でもリバースドールを使わせただけ君はよくやったよ。
それにしても666調子に乗っ天元突破w

3889残されたもの(狂戦士):2008/07/10(木) 04:37:50 ID:n0tbFgr.0
「くそ!あいつら無事だろうなあ!!」
「落ち着けい、ダイソウよ!あやつらならそう簡単にやられはせぬ!」

フォーグラー内部、迷路のように入り組んだ道を駆けて抜けるはDIE/SOUL。
神行太保を冠するアニロワ版最速の人である彼だ。
普段の彼ならどれだけ遠くに跳ばされた仲間ともすぐに合流できただろう。
だが、かに玉こと大蟹球フォーグラーはそう甘くはない。
迷宮変化を使われるまでもなく全ロワ登場施設がごちゃまぜな内部構造だ。
自分がどの方角に向かっているのか、まっすぐ走れているのかもダイソウにはわからない。
それは彼を諫めている将軍も同じだ。
ハッキングして現在地を確かめようにも『蟹座じゃないもん』の効果により、
デジモン→絶対可憐チルドレン→ドラえもん等々、解析しきる前に次々と様式を変えるファイアウォールが立ち塞がる。
まともに攻略するのにはかなり時間がかかるのは目に見えている。
今は何よりも大切な時間が、だ。

「む?」

と、そこでふと気付く。
おかしい、と。あまりにも今の状況は時間稼ぎに適していない。

「どうかしたのか、将軍っ!」
「ふむ。考えようによっては今の状況はチャンスやも知れぬ」
「どういうことでい!」

本来、敵の戦力を分散する戦術は、そこから確固撃破することが前提である。
孤立させた相手に対し、自分たちは大部隊で向かえば、なるほど、一方的に有利に戦えるというものだ。
しかし、だ。
それは単に勝利条件が『敵の壊滅』の時のみに有効な作戦だ。
普通のロワに比べて多いとはいえジョーカーの数は7人。
それぞれがチート級な対主催のメンバーをフルボッコにしようものなら総動員しないと不可能だ。
そして、それは彼らの勝利条件『2時間防衛』には著しく反する。
最悪、一人の殺害に手間取っている間に、介入されなかった他の参加者が旅の扉にまですんなり到着してしまうからだ。

つまり……。

「やっこさん達も戦力を分散させて来る、ってことか?……いや、大事なのはそこじゃねえ。
 並行して俺達が戦うっつうことはその分時間もかからないってわけか」
「その通りである。どういうわけかジョーカーどもは最も足止めには適さぬ方法を選んだようなのだ」
 
ギャグ将軍の閉じ込められたPCを抱えていたダイソウの足が止まる。
ちょうど一休みできそうな神社へと辿り着いたからでは無い。
気づいてしまったからだ、ジョーカー達が選んだ不可思議な行動のわけに。

「やっぱそれってよ……」
「書き手だから、であろうな……」

単に足止めを目的とするのならカニ玉の迷宮具合を利用してダイソウ達を惑わせれば良かったのだ。
その上で一人ずつRPGの中ボスのように待ち構えていれば、勝負に負けて試合に勝つ状況へと持って行けたに違いない。
特にテイルズ組なら初期のテイルズゲーム恒例、攻略本抜きでは越せないダンジョンの作成くらい可能だったかもしれない。
その手を彼らは良しとはしなかった。鬱ロワ、外道、アンチ対主催、割り込みバトルロワイアル……。
闇を抱え、それでも彼らも書き手なのだ。例えジョーカーの立場であっても最後まで脱出エンドの可能性を消せなかった。

相手が同じ書き手であるということを再度意識して重くなりかけた雰囲気は、

「そんなんじゃ剣が鈍るよ。剣士とは剣を持つ者じゃない、剣になる者だ。剣に善意も判断も要らない」

比べものにならないほど大きな緊張感に寸断されることとなる。

ぶわり、と。声に遅れて蒼い光が迷宮に立ち昇り、ダイソウよりやや離れた場所でで人の形へと凝結する。
栗色の髪、赤いバンダナ、白い鎧、赤いマント、三叉に分かれた異形の剣。
何よりも開き切った瞳孔に携えられた狂おしいまでの殺意。

「そちは!」
「蟹座から聞いていた特徴と一緒だ、間違いねえ!」

名無し――テイルズロワの切り込み隊長がそこに居た。

3890残されたもの(狂戦士):2008/07/10(木) 04:38:36 ID:n0tbFgr.0




「わざわざジョーカーさんの方からお出ましたあなあ!」
「ちと、余達を嘗め過ぎてはおるまいか?」

じゃり、と砂塵を踏みつつ名無しが歩を進める。
砂に石ころ。到底建築物の中に敷き詰められているはずのないものだが、そんな常識はカニ玉には通用しない。
古手神社。ひぐらしのなく頃に出典にして、LSロワにも登場し、当然の如く惨劇の舞台となった地。
この地ほど鬼狩柳桜を振るうに相応しい場所はあるまいと、笑みを浮かべる。
時間攻撃の通用しない影の繋ぎ師と当たるのは御免こうむると、早めに相手を決めて出向いてきた甲斐もあるというものだ。

「ああ、心配はいらない。希望を見せていた方が、鬱展開も映える。それだけさ」

――魔神剣

答えつつも即座に柳桜を抜刀。射程無限の衝撃波を放つ。
が、ドラゴン殺しに切り払われる。
問題無い。
そもそも数あるテイルズの特技中最も初期に覚える技で仕留められるとは端から思っていない。
大事なのは『投下早撃ち』で割り込み可能な距離まで邪魔されずに近づくことだ。
初手の転移時にダイソウ達のすぐ傍に登場することも考えたが、何の隙も無い相手にやったのでは、
最悪実体化した瞬間を叩かれると考え、あえて距離を開けていたのだ。

相手もそのことを理解しているのだろう。
対主催メンバーが合流したことにより粗方ジョーカー側の能力は割れている。
魔王や将軍あたりなら事前に対策も練っているに違いない。

(無駄だ)

「おおおおおらああああああ!!」

パニッシャーのから放たれた散弾の群れを足もとから舞い上がらせた光弾で弾く。
距離があるのはお互い様だ。次元になりきっていたならともかく、ガッツでは銃弾の命中率も今一。
そこを、突く!
ふっと体の感覚が消失する。

――空間翔転移

キャラになり切っているとはいえ、空間を飛び越える瞬間は、未だに慣れない。
元来、人の力の延長上には無い行為なのだから、当然か。
それに比べたら、殺人の方が、余程しっくりとくる。

僅かの無明を経て世界が光を取り戻す。
赤い、紅い、朱い、光を。

「……っつ!」

(まずい)

目に入るのは紅蓮の炎と化したダイソウの姿。
武装錬金『ブレイズオブグローリー』。
火炎同化の能力によりエネルギー体と化しありとあらゆる物理攻撃は無効化される!!

(空間翔転移の弱点を突かれたか!)

空間翔転移を問わず空間転移系の技は、転移中は現実世界へのありとあらゆる干渉ができない。
見ることも、聞くことも、攻撃することも不可能なのだ。
その僅かな時間にダイソウは最善の手を打った。
ネコミミストがマテリアルソードからテイルズロワの一部を読み取って事前に伝えていたのかもしれない。

スカッと、気持ちいいほどに刀が空を切る。
その隙をダイソウは見逃さない。
実体化する手間も惜しんで燃える総身で頭から抱え込みにかかる。
元から巨大なガッツのボディは更に広がりを見せ、名無しの上下左右前を完璧にカバーする。
なら、後ろに逃げればいいだけなのだが、あいにく初期のテイルズにはバックステップは実装されておらず、

(ままよ!!)

名無しは後退では無く前進を選ぶ!
彼とて何の備えも無しにダイソウに挑んだのではない。
身に纏うは彼を飲み込もうとする炎に負けないくらい赫い布地――フレアマント。
火・土の二属性を3割の確率で無効化する装身具。
いざとなれば羽入で時を止めることも前提に名無しが火の渦へと飛び込み、

無傷で通り抜ける!!

3891残されたもの(狂戦士):2008/07/10(木) 04:38:59 ID:n0tbFgr.0

「火属性耐性か何かか!」
「……御名答」

厳密には少し違うが説明する必要もない。
煤のせいか少し黒く汚れた体で剣を振り上げ、天高く跳躍する!

「襲爪雷斬!!」

振り下ろすは刃にあらず、稲妻なり。
柳桜より生じた雷がダイソウへと降り注ぐ。
いや、上空からだけでは無い。

「ピカピー!!」

唯一元の形を保ってるダイソウのデイパック、そこより日本人の誰もが覚えのあるセリフとともに電撃が放たれる。
天と地、双方から放たれた光は中空で火花を散らし、共に爆ぜる。

(まだだ、まだ、俺のコンボは終わっていない!!)

着地と同時に体を捻り接敵。

「獅子、閃空破アアアアアアアアアアア!!」
「っな、ぬおおおおおおお!?」

渦巻く闘気で巻き上げたダイソウの体である炎を獅子戦孔の衝撃で吹き飛ばす。
爆風で火を消すのと要領は同じだ。何も水や氷を用いる必要は無い。
そして、ブレイズオブグローリーはその特性上、己が身を構成する炎を削がれれば、使用者にダメージがフィードバックする。
思わず顔をしかめるダイソウに、ダッシュで距離を詰める名無し。
獅子戦孔で空いた距離が見る間に縮んでいく。
ダイソウとて黙って見ているだけではない。炎が効果を発揮しきらないと知るや否や腕部だけを実体化。
ドラゴン殺しを以て迫る名無しを薙ぎ払う。
こと射程において人の身の丈よりも長い彼の獲物に勝る剣は無い。
担い手が速さを持ち味の一つとするダイソウなら尚更だ。

「ラディカルグッドスピード腕部限t『投下しました』 しまっ……!?!?」

されど、奢ることなかれ。

如何な高速たろうとも、時を操る名無しには文字通り止まって見える。
アルターにより更に速度を増すはずだったダイソウの剣は事も無げに名無しに受け止められていた。
鬼狩柳桜ではない、無手の左手の人差し指と中指に、だ。

「おいおい冗談だろ!」
「……ふん。本物の薬中のクレスはこんなもんじゃないぞ?」

ゆらり。
右手だけで握った刀を頭上にまで振り上げる。
竜殺しには十分すぎて、けれど柳桜には不十分なはずの間合い。
そんな常識を時空剣技は軽く超越する。

「目覚めよ羽入……次元斬!!」

――――――――あうwwwwwwwwあうあうwwwwwwwwwwww神wwwwwwwwwwwシュークリームwwwwwwwwwwww


脱力必死の言葉とともに柳桜を白く輝く蒼き光が覆う。
形成されるは余りにも長大過ぎる純エネルギー体の巨剣!!
ダイソウが慌てて身を逸らすも次元斬はただエネルギーを叩きつけるだけでは終わらない。
ダイソウの肩を掠った光の剣が膨張し半球状の衝撃波を巻き起こす。
真の力を解放した宝剣の属性は“時”。
この世にあるもの全てを縛る時間の前には炎すらいつかは消える運命なり!!

「……弱い。あまりにも弱すぎる!!」

雲散霧消。
体の大部分を抉られ火炎同化を維持できなくなりつつあるダイソウが膝をつく。

「ダイソウ、しっかりせい!!」

将軍の叱咤にのろのろと顔を上げるもとてもじゃないが即座の戦線復帰は不可能。
各種なりきりを用ることで外部干渉を行える将軍の力も名無しには無力。
物真似というワンテンポを挟む為、投下早撃ちで割り込むことが容易いのだ。

(チェックメイトだ!!)

つまらないと名無しは思う。
確かにこれ以上に無い位相性の良い敵だった。
それでもこうもあっけないとは。

柳桜を構えなおす。
もういい、遊びは終わりだと。
これ以上時間を賭けたところで更なる高みに辿り着く為の贄には値しまい。
本来なら殺すまでも無いところだが、使命を全うする為だ。
つまらぬものすら斬って見せよう。

「虚空……」

再び蒼きオーラが集う。
剣という形に時空の力を凝縮する次元斬とも、自身を空間の束縛から解き放つ空間翔転移とも異なる三つ目の時空剣技。

お前達には過ぎた技だが冥土の土産に持って行け!!

「蒼破」

剣を薙ぐように振り払い力を解放しようとする。
刹那――

ドッゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!

赤き炎を覆い尽くす黒死の蝶の爆発が、名無しを飲み込んだ。

3892残されたもの(狂戦士):2008/07/10(木) 04:39:39 ID:n0tbFgr.0



「うっし。どおやらうまくいったみてえだな」
「余の読みが外れるわけがなかろう!」
「へいへい、金ぴかさまさまだよ」

降り注ぐ瓦礫の雨の中、ダイソウが立ち上がり、大きく後退する。
火炎同化が解かれたその背に揺らめくは黒き翼――ニアデス・ハピネス。
ダイソウが名無しの空間翔転移の死角を突き発動した核鉄は一つではなかった。
いや、むしろニアデス・ハピネスこそが本命だったのだ。

クールなロリスキーが頼むことにより、かってマスク・ザ・ドSがそうしたように地球破壊爆弾はジョーカー達の状態表を曝した。
その中の一つ。名無しの誇る【異能・投下早撃ち】の説明文。

圧倒的な投下速度で自分の攻撃を決め、先んじて相手の行動をキャンセルさせる能力。
キャンセルするかどうかは名無しの任意で決められる。射程外からの攻撃には対応できない。

一見すれば誰もが『射程外からの攻撃には対応できない』の方に目が行くだろう。
しかし、将軍は『キャンセルするかどうかは名無しの任意で決められる』という部分に注目した。
つまりは、投下早撃ちはオート技能では無いと。あくまでも発動には術者の意思が必要だと。
では、もしも名無しに気付かれない方法で攻撃することができれば?
それが答えだ。任意発動型である投下早撃ちはバトルマスターの固有結界第一段階同様、不意打ちや毒殺にもとても弱いのだ!

そして先刻、実際に名無しと対峙したダイソウは確信した。
空間転移・時間停止の両能力を持つ名無し相手ではどれほど距離を取ろうと意味がない。
殺人狂を騙して毒を飲ませるなんて論外もいいところだ。
なら、残された手段は一つ。
黒色火薬を好きな量で好きな形に操作し、自在に爆発させられるニアデス・ハピネスによる不意打ちのみ!

ただ、ここでまた一つ新たな問題が発生する。
どう考えても普通にやっては名無しにばれずに火薬を設置できないのだ。
いや、火薬の設置自体は大丈夫だ。
いくら薬中クレスが勇次郎クラスの格を有するマーダーとはいえ、今回の狙いは彼の腹の中に仕込むことではない。
自身に干渉せず空気中に蓄積されていく極少量の火薬に気付くことは流石にありえない。
立ち塞がるのはここが漫画ロワでは無く、書き手ロワ2だということ。
核鉄に仕掛けられたもはや嫌がらせとしか言いようの無い制限。
使用中は強制的にパピヨンスーツ着用なのだ。
誰がどこをどう見ても、ニアデス・ハピネスを使用しているのがバレバレである。
これでは名無しの不意を突けるはずも無い。
そこでダイソウはブレイズオブグローリーを併用し、パピヨンスーツさえも炎と化すことで誤魔化したのだ。
目立つ劫火は黒死の蝶から目を逸らす囮にもなり一石二鳥であった。

「さあって、これでくたばってくれてたら楽なんだがなあ」
「油断するでない、ダイソウよ。ロワでの油断は碌な事態を起こしかねぬわ」
「へいへい、わあってるよ。それに、どうやらやっぱそう簡単にはいかねえみてえだ」

もうもうと立ち込める黒煙が晴れる中、見覚えのある蒼き光に護られた名無しの姿を確認する。
虚空蒼破斬と守護法陣の合わせ技、言うならば虚空守護法陣により爆発を凌いだ無傷のジョーカーを。
テイルズロワにさえ出ていなかったこの合わせ技をダイソウも将軍も知りはしない。
けれど、彼が何らかの方法でニアデス・ハピネスを防いだことだけは理解できた。

何も慌てることはない。
一撃で仕留められないのなら仕留めきるまで攻撃を加えればいい。
その為の布陣は既に引き終っているのだから。

「オラオラオラオラオラアアアアア!!」

3893残されたもの(狂戦士):2008/07/10(木) 04:40:13 ID:n0tbFgr.0

手は既に明かしたのだ、今更威力を抑えてまで隠す必要はない。
名無しを包囲するように死を呼ぶ蝶を顕現させ、突撃させる。

「無駄だと、言っている!!」

名無しが剣を大地に突き刺す。
刻まれるは光の魔方陣。形成するは防護の障壁。
数十、数百の凶蝶の羽を、幾重にも湧き上がる光球が毟り取っていく。
ニアデス・ハピネスは作中でも有数の攻撃力を誇る武装錬金だ。
それでも名無しの防御を一匹たりとも突破はできない。

だったら、どうすれば倒せるか?
簡単だ、より威力の高い、ガードを崩すだけの攻撃を撃ち込むまで!

(こんな回りくどい戦いに使ったんじゃあの馬鹿は怒るかも知れねえが……)

ダイソウがデイパックより新たな獲物を取り出す。
ドラゴン殺しに勝るとも劣らない大きさを誇る黒き十字架。
名を、パニッシャー。最強にして最高の個人兵装たる重兵器!
続く展開を予想してさしものの名無しも焦る。
いかに強固な防壁とはいえ、吹き飛ばし効果も持つロケット弾は弾けない。
かといって斬り払おうにも、今虚空守護法陣を解除すれば爆殺必至だ。
転移で回避しようと移動先を見定めようとするも、蝶、蝶、蝶、蝶!
これでは転移直後に爆薬に触れ、おじゃんだ。

薬中クレスといえど、種族的には普通の人間だ。
ガード不可の状態なら当てさえできれば銃弾の一発でも仕留められる。
となれば彼が取れる手段はもはや一つしかあるまい!

「羽入!!」
「そいつも織り込み済みだ! 将軍!!」
「心得た!!」

――――――――あうwwwwwwwwあうあうあうあうwwwwwwwwwwwwオヤシロ・ザ・ワールドなのですよwwwwwwwwwwww
――ビィィィイイイイイ!!

柳桜が妖しく光り、灰色に染まり逝く世界で、時渡りポケモン・セレヴィになり切った将軍の加護の下、ダイソウが引き金を引く。
時止めを無効化され、奥義を使用中であるが故に即座に次の行動に移れない名無しの前で、障壁とロケット弾が互いを打ち破ろうとぶつかり合う。
きりきりと、きりきりと、光に阻まれ速度を落とすロケット弾を尻目に、再び引き金を引く!引く!引く!

(自分でもこれじゃあガッツじゃなくてグリフィスだと思わなくもねえ。
 けどよお、力及ばない対主催が、知恵を振り絞って強ジョーカーを倒すっつうのも、熱血展開だと思って力貸しやがれ!!)

「おおおおおお!! 全弾くれてやる!! くたばりやがれ、狂戦士いいいいいいい!!」

一発目のロケット弾の爆発が障壁を揺らす。
二発目のロケット弾が虚空蒼破斬に相殺される。
三発目のロケット弾が守護法陣を突き破る。
そして、四発目の弾丸が、マダオが残した力の全てが、名無しへと着弾し、



「……もう一度、言おう。この程度か?」



――――無情にも、新たに出現した鏡を思わせる壁に跳ね返された。

3894残されたもの(相棒):2008/07/10(木) 04:41:46 ID:n0tbFgr.0



ギャグ将軍とダイソウの敗因。
それは名無しがテイルズロワの人間だということに囚われ過ぎ、柳桜をエターナルソードの代用としてしか捉えていなかったことだ。
特にダイソウは一度ナナシに襲撃されたこともあり、冷静さを失っていたのかもしれない。

オヤシロバリヤー。
そんなふざけた名前の技が、名無しを守り、ダイソウ達へとロケット弾を跳ね返した現象の正体。
効果は一言でいえば鏡面反射。
真正面からの攻撃をそっくりそのまま跳ね返す神の力。
厳密には羽入の力なため、奥義直後の硬直という制限に引っ掛かることなく発動できたのだ。

帯びていた紫の光が消えた刀を手に、名無しが詰まらなそうにこの戦いの結果たる惨状へと目を移す。
爆発の規模でいえば名無しの不意を打ったニアデス・ハピネスよりやや大きい程度。
所詮は一度反射された弾丸だ。弾速が落ちていたことが幸いし、威力はその程度で済んだ。
だが、あの時の名無しとは違い、ダイソウは防御する間も無く隙だらけの状態で攻撃を受けた。

結果は見ての通り。立っているだけでも精一杯といった状態だ。

「ち、くしょおお……」

無残な有様だった。右脇腹の大部分が抉り取られている。
正直ガッツの巨体でなければ上下が分かたれ即死だっただろう。
せっかくのパニッシャーも、鈍器としてでも、銃器としてでもなく、杖代わりだ。

「しっかりせい、ダイソウ!」

幸いと言えばもう一つ。
パロロワ名物、やけに頑丈なデイパックに入れられていた為か、はたまたダイソウがとっさに投げ捨てたからか、
ギャグ将軍が憑依したPCは無傷でダイソウから遠く離れた位置に転がっていた。
とはいえ今の一人で動けない将軍にとってはほんの少し死期が伸びたに過ぎない。
結局、結果は変わらないのだ。
ダイソウは、殺される。ギャグ将軍も壊される。この、名無しの手で。

(どうせ放っておいてもあの傷では長くは無いか。なら、確実に仕留められる方から殺す。騒がれるのも気に障るからな)

まずは将軍からだと、歩き出そうとして、瀕死の男とPC以外のものが視界に入る。
黒い、黒い、黒い、蝶。
なるほど、服がぼろぼろで気付かなかったが、よく見ればダイソウは未だにパピヨンスーツなままだ。
ブレイズオブグローリーの方は回復に回しつつも、牽制の手を緩める気は無いらしい。
芸の無いことに先程と同様、一触爆発な陣形を維持し、こちらを睨みつけている。
強い瞳だ。死にかけとは思えないほど強い、思いを秘めた瞳。

「やらせは、しねえ。俺は、もう二度と――を、失いたくはねえ……」

馬鹿な奴だ。二つの核鉄をともに回復に使っていれば、あと少しは戦えただろうに。
将軍を壊しているときが、殺人に快楽を得る薬中クレスの隙を突ける最後のチャンスだったというのに。
勝つことは無理でも、逃げることならうまくいく見込みもあったのに。
仲間だから。
息絶え絶えに発せられた言葉だった為、完全には聞き取れなかったが、大方そんな理由がダイソウを動かしたのだろう。

3895残されたもの(相棒):2008/07/10(木) 04:42:28 ID:n0tbFgr.0

(くだらない)

心の中で名無しは吐き捨てる。
クレスの言葉を借りるなら、今ここにいる名無しにとって書き手とは“筆”だ。
全てを始め、繋ぎ、書ききる為の存在だ。
主義も、主張も、信念も、全部要らない。
だからこそ彼らは名乗らない。
名誉も、批判も、批評も、感想も。
与えられるべきは個人にでは無い。彼らが紡ぐテイルズロワという物語にだけこそ相応しい。

『俺達は、流れにだけ従う。対主催ルートなら参加者を全滅させるし、優勝ルートならお前達と同じく共に滅ぶ……それだけだ』

それこそが、魔人と畏怖された彼らの唯一にして至高の信念。
個人の感情の一切を廃し、ただあるべき流れを紡ぐことのみを求める人の身を捨て者達。
仲間が欠ければ悼みはする。けれどもそれ以上に優先すべきは流れを絶やさないこと。テイルズという道を否定しないこと。

だというのに目の前の敵は己が流れを否定して他者を庇う。
個人の感情に流されて共倒れの道を選んび、大局を見失っていた。
それでは、駄目だ。
自分がこうしたいから、このキャラが好きだからとわがままを通せば、リレーは直ぐに破綻してしまう。
彼らも書き手なら痛いほど理解しているはずなのに。

(もういい)

下らない下らない下らない下らない愚かしい愚かしい愚かしい愚かしい馬鹿だ馬鹿だ馬鹿だ馬鹿だ許せない許せない許せない許せない
殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる
死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね


「とっとと、死ね」

殺意が、全てを上回った。





トンっ。

一瞬、将軍には何が起こったのかがわからなかった。

目の前には何故か一人血飛沫を上げるDIE/SOUL。
あれだけの怪我をしていたのだ。
今更出血の一つや二つは珍しくは無い。
ダイソウは幾度もの激戦を乗り越えてきたのだ。
かに玉突入以前の傷が開いたとしてもおかしくはない。

それらのことを考慮して尚、将軍が今見ている光景はあまりにも異常だった。

トンっ。

ダイソウの右二の腕から鮮血が吹き出す。

トンっ。

ダイソウの左太股が口を開みたいに割れ、赤い涎をこぼす。

3896残されたもの(相棒):2008/07/10(木) 04:42:51 ID:n0tbFgr.0

トンっ。

ダイソウの首の動脈血が行き場を失い外へと逃げる。

トンっ。

ダイソウの左肩が。

トンっ。

ダイソウの右足首が。

トンっ。

ダイソウの小指が。

トンっ、トンっ、トンっ、トンっ、トンっ、トンっ、トンっ、トンっ。

軽快な音に合わせてダイソウの至る場所から赤い花が咲く。

トントントントントントントントントントントントントントントントン
トントントントントントントントントントントントントントントントン
トントントントントントントントントントントントントントントントン
トントントントントントントントントントントントントントントントン、
トン。

あたかもダイソウという大木を彩るように、赤い、赤い、赤い、彼岸の華が咲き誇る。
それはなんて地獄絵図。
地の花を咲かす人の樹に群がるかのように飛び続ける黒い蝶。

そう、蝶だ。
ダイソウが仕掛けた幾百もの蝶は、ただの一匹も爆発していないのだ。
そもそも、ずっとダイソウの方を向いていた将軍からしても、ダイソウが独りでに傷ついていっているようにしか見えなかった。
名無しは死を告げた後一歩も動かず、

トンっ。

否、その場で縄跳びでもするかのように跳んでは着地を繰り返している。

トントントントントントントントントントントントントントントントン
トントントントントントントントントントントントントントントントン
トトトントトトントトトントトトントトトントトトントトトントトトン
トトトントトトントトトントトトントトトントトトントトトントトトン、
トン。

そしてその音にやや先んじて花々は開花していく。
間違いない、この不可解な現象は名無しの仕業だと、将軍は確信する。
あるのは状況証拠だけだが、それ以外には考えられない。
では、一体名無しはどのようにしてダイソウを攻撃しているのか。
自由に動けぬ体がもどかしいと思いながらも名無しをじっと凝視する。
果たして彼は何の為にステップを踏んでいるのか?そこに必ず理由はあるはずだと。
凝視し、凝視し、凝視し、凝視し、気付いた。
名無しは、跳躍→着地を繰り返しているのではなかった。
ただ、延々と着地のみを繰り返していたのだ。
まるでそう、消えては現れるかのように。

「馬鹿な……」

狼狽する心とは別に将軍の脳裏で一つの推測が形作られていく。

(名無しは、蝶の合間を縫うように、空間転移でダイソウを攻撃している?)

我ながら馬鹿げた考えだと思う。
ダイソウはその空間転移を封じる為に、どこに名無しが現れても蝶に触れるよう満遍なく設置したのだ。
とはいえそれは念密な計算に基づいての設置では無い。
ならば蝶の位置を完全に把握し、自身の体を割り込める隙間さえ見つけたとしたら。
蝶に触れきるよりも早く元の安全地点に転移しなおせれば。
この奇跡的な間隙を突く攻撃も可能なのではないか?

将軍を今日何度目かわからない戦慄が襲う。

(勝てぬのか?余は、また部下を失うのか?ならぬ、そのようなこと断じて許してはならぬ!)

挫けそうになる心を鼓舞しギャグ将軍は諦めない。
そんな彼の不屈の意思に答えるかのように、かちりと、待ち望んだ時が遂に訪れた。

3897残されたもの(相棒):2008/07/10(木) 04:43:23 ID:n0tbFgr.0



将軍の読みは的を射ていた。
名無し。
彼の書き手としての真の特筆はその化け物じみた把握能力の高さを置いて他に無い。
フラグ把握面倒さで定評のあるテイルズロワに、第6クール途中から参戦した新人であるということが何よりの証拠だ。
投下早撃ちもその把握能力あればこそ猛威を振るえる。
その把握能力を用いれば、爆破網の穴を見つけることは朝飯前だった。

(頃合いだな……)

血桜が舞うのに合わせ、滅びの蝶は散って行く。
ダイソウの意識がが出血過多から混濁し始め、闘志を維持できなくなってきているのだ。
既に名無しの動きを制限するには遠く及ばない数まで蝶の数は減っていた。

(そこまで死にたいのなら、お前の方から殺してやろう)

改めてダイソウの前にまで歩み寄る。
やかましい静止の声がPCから聞こえたが無視。
のろのろと振るわれるドラゴン殺しを獅子戦孔で弾き飛ばす。
一層けたたましくなる声を鬱陶しいと思いつつも刀を振り上げる。

(せいぜい何もできぬ己を呪いつつ、仲間が殺される様を見届けろ。……どうせすぐに後を追わせてや『……おや!?』!?!?)

神社に似合わないやけにナレーションじみた声にぴくりと名無しの動きが止まる。
訝しげに辺りを見回すとちかちかと画面を点滅させるPCの姿が。
何事かと覗き見た名無しを待っていましたと言わんばかりに、続く文が音声付で表示される!

『パソコンしょうぐんの ようすが……!』

(こ、この文章は!!)

覚えのある表示だった。
恐らく現在日本人の1/3くらいは見覚えがあるはずだ。

(ポケモンが進化する時の!!)

が、次のセリフでずっこけた。

「パソコン将軍ワープ進化ーーー!!」
「ちょっと待て、それはポケモンじゃなくてデジモンだろ!」

思わずノリツッコミを入れてしまった名無しを余所にどこからか効果音を引き連れてPCへと光が降り注ぐ。
目を焼く閃光の中から現れるは、ギャグ将軍の戦闘形体!
黄金に輝く鎧を纏い、大剣を掲げ、一対の角を生やした最強怪人!名を――

「ギャーグドミドラ!!」

『おめでとう! パソコンしょうぐんは
ギャーグドミドラに しんかした!』

復活したギャグ将軍が名を高らかに告げ、ファンファーレが流れ出す。
ちなみにこのナレーションやらBGM、ギャグ将軍が腹話術やらアカペラやらで流してたりする。
多才すぎだろ、将軍!

『ギャーグドミドラ なんでもあり かきて ひっさつわざは ボルテッカー だ!』
「って、必殺だけテッカマンかよ!」
「ふはははは!魔王達がやりおったようだな!余が体を取り戻したからには貴様なぞ一捻りよ!」

続くデジモン風味な解説にもやはり突っ込んでしまう名無し。
伊達に参加者把握に力を割いてはいない。テイルズロワ以外のネタにもこの通り反応できるのだ!
もはやその姿は、おやじギャグ好きな本来のクレスとしては許容できても、シリアスマーダーな薬中クレスには程遠い。
故に、ぶれる。なりきりが、殺意がぶれ、禁断症状という形で現れる。

(ドウシテ…アナタ…コロスノ……)

名無しがこれまで殺してきたキャラが彼を責め立てる。
何故自分達をあそこで殺したのか、何故誰も彼もを生かさなかったのか。
良心を一時的に取り戻してしまった名無しが、呻き声を上げながら硬直する。
ぎょろぎょろと動く眼だけがやけに印象的だった。

その千載一遇のチャンスを、新生クライシス帝国の大統領は見逃さない。

「喰らうがよい、ボルテッカー!!」
「……あ、ぐぐぐ、は、羽入!!」

命の危機を前に漸く冷静さを取り戻す名無し。
今の精神状態では集中力を欠き転移はできないととっさに判断し、羽入にバリアーを張らせる。
しかし、彼しは一つ誤解していた。
『ボルテッカー』とは実に紛らわしいが、テッカマンの『ボルテッカ』のことではない。
特性的にはむしろボルテックイントルードに近い、最近のポケモンに登場するピカチューの最強技のことなのだ!

惜しむべくはニコロワでボルテッカーが使われなかったことか。
馬鹿正直に真っ直ぐ将軍が飛んでいくはずもなく、あっさり障壁を迂回。
電撃を身に纏った将軍の渾身の体当たりを今度こそ名無しは無防備に受け、地に沈んだ。

3898残されたもの(相棒):2008/07/10(木) 04:43:59 ID:n0tbFgr.0


(情けねえ……)

覚束ない思考の海で、ダイソウは自嘲する。
敵と己の能力を見極め、最善の手、最善の場、最善の機を模索したつもりだった。
己が持つことのできる、力、知恵、武器、全てを用いて闘った。
それで、この様だ。

(もしもあいつがいたら今の俺になんて言うだろうなあ)

決まってる、きっと笑顔でこんな風に激励するのだ。

『どうした、ヒューマン?その程度では化け物は倒せないぞ! さあ立ち上がれ! HURRY! HURRY! HURRY!』

んでもって立ち上がって勝ったら勝ったでしてやったりと

『いい燃え展開だったぞ!』

って吸血鬼としては似つかわしくない爽やかな笑みを浮かべて言い放つに違いない。
あいつはそういう奴だった。
暑苦しくて無茶苦茶で、やたらと人を振り回す奴だった。
大体なんで俺はあいつと一緒にいたのだろう。
アニロワで実現しなかったアーカードVSガッツの実現が第一目標だったはずなのに、気づけばWアーカードと仲良こよし。
あれか。俺まで 友情! 努力! 勝利! に染まっちまったのか?
まあ確かに手を抜かれまくったとはいえどっちとも拳で語り合いはしたが。

(ったく。焼きが回ったもんだな、俺も)

ふと、無性にあいつの快活な笑顔が見たくなった。
何でかはわからない。ただ、あのアホ面を見ればこの鬱憤とした気分も晴れる気がしたのだ。
それともう一つ。

「傷は浅くは無いかも知れぬが根性で何とかせい、ダイソウ!そちも余の部下であろう!」

ゆさゆさと金ぴか禿が体を揺する。
俺の努力はなんだったんだああ!!という勢いで名無しを倒したギャグ将軍だ。
全く以てギャグ展開とは何でもありだ。

ただ、今の状況はよろしくない。
金ぴか禿オヤジがおたおたしながら大の男を介抱するという珍事がでは無い。
なんというかここまで慌てられるとかなり悪い気がしてしまう。
かくいうギャグ将軍自身も無傷ではないのだ。
ボルテッカーはその莫大な威力の代償として使用者に与えたダメージの1/3が返る。
人より数倍も頑丈な体とはいえ、久しぶりの生身で、更には戻った途端の大技だ。
その実かなりガタがきていてもおかしくはない。

「せめて、相……いや、そう、か」
「む?どうしたのだ、ダイソウよ! 余の胸毛でパフパフでもしてほしいのか?」
「死んでも、御免だ……」

口に出しかけた言葉を押し留める。
なるほど、そういうことか。
俺にとってあいつは……。

続く言葉を再び呑み込む。
認めるのが癪だったからでは無い。
将軍がいつの間にかまた姿を変えていたからだ。

3899残されたもの(相棒):2008/07/10(木) 04:44:27 ID:n0tbFgr.0

「……集気法」

枝分かれした刃を握った殺人鬼、否、闘神がその二本の足でしっかりと大地を貫いていた。
しかし、名無しの姿は将軍の攻撃が確実に決まったことを物語っていた。
白い鎧は完全に砕け散り、肌に密着した黒地の布は高圧電流に焼かれ炭と化していた。
何よりも怪人一匹の全身を使った激突を受けた胴は明らかに陥没していた。
表情からはダメージを図りようもないが、確実に体内にはダメージが蓄積されていると判断するのに十分だった。
集気法程度の回復技ではまさに焼け石に水である。
右手に輝く指輪――幸運を吸い取り装備者を生きながらえさせるレジュームリングも力を使い果たし沈黙している。

「雑魚扱いした非礼は詫びる」

その言葉に、ダイソウは少し面を喰らった。傍らの将軍もだ。
そこには今まで言葉の端々に滲んでいた嘲りが一切無くなっていたからだ。

「だが、対主催は邪魔だ。出し惜しみせず、誠心誠意を賭けた、とっておきの一刀で殺す」
「態度が改まってもあくまでジャーカーだってか」
「ふざけるでない! 余は、もう誰一人余の部下を殺させはしない!」

名無しが神剣を持ち上げる。その所作はスムーズで、ダメージをほとんど感じさせない。
対する将軍も再び雷を吐き出す。

「二度も同じ手を食らうと思っているのか?」
「食らってくれるよう打つのが余の戦い方よ!」

そうか。にやりと笑い名無しが両手で握った魔剣を腰溜に構えた。
その余裕にダイソウは確信する―――今から繰り出される一撃は名無しの切り札だと。

(まずい。名無しの切り札もそうだが、将軍にボルテッカーを乱発させるわけにもいかねえ)

ダイソウはデイパックへと手を伸ばし、それを二人に気付かれないよう起動させる。





「ピイイイイイイカアアアアアアーーーー!!」
「祈れ。せめて塵一つ、この世に残せることを!!」

将軍と名無しが同時に駆け出し相手へと突撃する。

全身に電撃を纏う将軍とは逆に、名無しは自身に纏うべき闘気を剣に回し、蒼破斬で鞘のように魔剣を包む。
そのまま剣を振るうことなく接敵。
将軍とぶつかるあわや手前で剣のみを将軍が今いる位置からコンマ二桁正面へと転移する!
これこそがテイルズロワにおけるクレスの最果て。
エターナルブレード同様、三種の時空剣技を掛け合わせた究極奥義!!
次元斬の最大の弱点である小回りの利かなさと広すぎる範囲による威力の霧散。
それを補うために虚空蒼破斬の闘気で次元斬を“圧縮”。
常続的なコーティングと似て非なる納刀は、超短距離の転移によって抜刀され、
一切の欠損なく開放されるエネルギーは、地面すら削り殺してドーム上の半球ですらない“球”を解放する零距離次元斬!!

3900残されたもの(相棒):2008/07/10(木) 04:45:40 ID:n0tbFgr.0
「とくと味わえ!!」

転移した刹那、蒼破斬は消失し魔剣の中から黒にまで煮詰められた紫の光が放たれる。
でんきだまを装備しておらず、最高攻撃力の半分しか出せないボルテッカーでは叶うはずも無い威光。
名無しの神速の振り抜きが将軍を襲い、

仙豆で動けるようになり、フライングアタッカーとニアデスハピネスの併用による超速飛翔で割り込んだダイソウを切り裂いた。

将軍は驚愕に目を見開く。
待て、と。何をやっておるのだと。

「わりい、将軍。あんたが仲間を二度と失いたくないように……」

アルターで速さを得た腕で一瞬でフライングアタッカーをパージ。

「俺ももう二度と相棒を失いたくないんだ」

そのまま笑って将軍へとぶつける。

「認めぬぞ! 余は、余はこのような笑えぬオチは!!」

アタッカーの推進力に押されぐんぐんと遠ざかっていく将軍。
目前に迫るは世界を惨殺する刃。
獲物が一人逃げたにも関わらず名無しは笑いながら叫ぶ。

「――――――零次元斬」

全ての殺意を練り上げるようにして、巨大な光の弾が二人の眼前に生み落とさる。
だが、ダイソウもむざむざ一人で死ぬつもりはない。

(そうだ。まだ俺は、全てを賭けきっちゃいなかった。こんな奴に、負けてたまるかぁぁぁああああああ!!)

「輝け、俺の武装錬金!!」

ブレイズオブグローリーを発動し、体を炎へと変える。
業!! っと世界に炎が拡散し、合わせて背のニアデスハピネスを羽ばたかせる。
舞うは炎、舞うは蝶。
限界までに炎たる体で世界を満たし、爆薬たる蝶を世界に飛ばし、

ダイソウは、デイパックから取り出したダイナマイトを含めた、全ての爆薬を、自身の体で、着火、させた。

3901残されたもの(相棒):2008/07/10(木) 04:46:15 ID:n0tbFgr.0

ブレイズオブグローリーは、燃えれば燃えるほど攻撃力が上がる武装錬金だ。
単体では5100度が限界だが、他の何かで炎の威力を上げることもできる。
アニメで、エアリアル=オペレーターで生み出された酸素により燃焼効率を上げたように、だ。
ダイソウが選んだのは爆炎。無数の爆薬が生み出した業火を吸収することによるパワーアップ!!
爆風で逆に炎が吹き飛ばされることが数秒後には数秒後には決まっているほんの数秒だけの力。

その“全てを賭けた”赤き力が膨れ上がろうとする蒼き球体を抑え込もうとし、
解放された圧倒的エネルギーに削られていく。
十分だ。
少なくとも、一瞬とはいえ、あれを防げるのなら。
名無しを倒す時間さえ与えてくれるのなら!

(俺は爆弾の野郎のように姿を変えることによる『なりきり』の行使はできねえ。けど……!)

『これは考察していて気づいたことなんだがな……』

にやりと、どこか子どもが悪戯を企んでいるような笑みを浮かべ、あいつが言ったことを思い出す。

「てめえの顔は見飽きたぜええええええええええええええええええ!!」
『私達は不完全な存在だ。口調や性格がころころ変わりうるほどのな。だが……』

まさかそれが最後になるとは思わなかったあの時。
あいつからこのロワに関する驚くべき考察を明かされた時に。

『だからこそ、そっくりなキャラへのなりきりなら、わざわざ変身しないでも、システムの方を誤認させ得る』
「奥義、」

吹き飛ばされたドラゴン殺しの代わりに振るう斬馬刀に光が集い、唸りを上げる!!
ガッツの弱点である決定力不足を、アリューゼへのなりきりで補う最後の策!!
炎と共に消え逝く身体を押して、名無しへと剣を振るう。

速く、速く、速く、誰よりも速く!!
叩ききれ、奴を!!

「ファイナリティイイイ!! ブラストオオオオオオオオオ!!」

行くぜ、相棒!!

3902残されたもの(希望):2008/07/10(木) 04:46:44 ID:n0tbFgr.0



一人の男が、倒れていた。
赤いバンダナを巻いた右肩から左腰へと体を斜めに二分された男だ。
その男へと、一人の女が問う。

「人の子よ。どうしてあの時、真っ向から勝負を受けたのか?」

奇妙な姿をした女だった。
やや大胆に横から肌が見える巫女服に、異形の刀。
だが、何よりもその頭部に生えた角が一際異彩を放っている。

「投下早撃ちの方を使っていれば、ファイナリティブラストは防げたはず。
 いえ、将軍がいなかったのです。私に時を止めさせても良かった」
「どうして、か」

問われた男――名無しは切断された半身へと目を向ける。
その右手に握っているのは鬼桜ではない。
中盤でダイソウの手から吹き飛ばしたドラゴン殺しだ。

あの時、ダイソウが斬馬刀を取り出すのを見て、名無しは彼の狙いが自分だと察し、
技が発動したままで即座に動かせない鬼柳を捨て、ドラゴン殺しを拾い、迎撃したのだ。

アルベイン流最終奥義 冥空斬翔剣で。
他にもあったもっと確実な手を放棄して。
結果彼は斬られた。無敵時間の発生よりも速く斬られ、そのまま死ぬより速く殺し返した。

理由なんてたった一つ。

「それが流れだったからだ」

ダイソウが熱血展開で捨て身の攻撃を挑んでいた時に、たまたま冥空斬翔剣の使用条件を満たしていたから。
最後の一撃を最終奥義で打ち破る、それが最も自然な流れだと思ったから。
だから、名無しは自分の命すら二の次にして、その流れを紡いだのだ。

「……あなたは、真っ直ぐすぎるのですね」
「そういうお前はこれからどうする、羽入。……いや、ツキノん」
「決まってます。私は、Wiki管理人に定められた運命を打破するまで」

凛と、羽入というなりきりに縛られていたツキノんが宣言する。
GRの羽入のつもりが、うっかりニコロワの羽入をなりきり対象に選んでしまった為、
今まで良いように使われていたが、これからはやっと本来の目的の為に動けると。
彼女もまた、漫画ロワWIKI管理人と同じく、運営側に初期に立ち向かった人物だったのだ。
まあ、あまりにも、あんまりな自滅をやらかし、柳桜に封印されていたのだが。

「……そうか」
「あうあう、止めないのですか、名無し」
「お前はフラグの塊になり得るからな。下手に折って書き手2までアナザールート突入は御免だ」
「そうですか。介錯は」
「必要無い。」

自然では、無いからな、と。

そうして、ツキノんは去った。
余計な、一度も振り返ることなく、飛ばされた将軍を追って。
それでいい。人は、独りで生き、独りで死ぬものだ。
だんだんと瞼が、重くなってくる。
ああ、これが死なのかと、名無しは思う。
クレスとは違いやけに穏やかな死なのは、自分が護りたかったものを最後まで護れたからかも知れない。
けれども、この先は守れないから、最後に祈ってみることにした。

――どうかこの物語が、あるべき流れのまま、完結しますように……。

3903残されたもの(希望):2008/07/10(木) 04:47:06 ID:n0tbFgr.0



想像通り、そいつは笑顔で俺のことを待っていた。

「良い熱血だったな!」

正直俺の妄想なんじゃないかって疑いたくなるくらい想像通りだった。
だからまあ、とりあえず殴ってみることにする。
あいつが痛がらなければ、これは夢だ。
痛がったのなら……まあ、たまには熱血展開とやらに付き合ってやるのもいい。
夕日を背にガッツVSアーカード!!
……我ながら、笑うしかない光景だとは思うがな。

じゃあ行くか。
俺達は歩みを止めてしまったけど、それでも、案外楽しいかもしれない世界へと。

「行くぜ、フリークス!!」
「来い、ヒューマン!」

少なくとも退屈だけはしないで済みそうだ。






【神行太保のDIE/SOUL@アニロワ1st 死亡】
【名無し@テイルズロワ 死亡】



【2日目・深夜】【D-7 大蟹球フォーグラー内部・古手神社エリア】

※ダイソウの装備【ガッツの装備一式@ベルセルク、ガッツの義手@ベルセルク、核鉄『ニアデスハピネス』、
核鉄『ブレイズオブグローリー』 、支給品一式×3、斬馬刀@るろうに剣心、拡声器】と死体は、
全て燃え尽きたり、零次元斬なりで消滅しました。

パニッシャー@トライガン(機関銃:残り弾数40%、ロケットランチャー:残り0発)が墓標のように突き刺さっています。
右肩から左腰へと体を斜めに二分された名無しの死体が転がっています。
右腕にはドラゴン殺しが握られています。

3904残されたもの(希望):2008/07/10(木) 04:47:28 ID:n0tbFgr.0
【D-7 大蟹球フォーグラー内部・???】

【ギャグ将軍@ライダーロワ】
【状態】:首輪解除、電脳空間から脱出、ダメージ中、悲しみ
【装備】:ノートパソコン、変身時には剣
【道具】:顔写真付き参加者名簿、支給品一覧(ロック解除)、地図、書き手ロワ2ndのSS一部
【思考】:
 基本:新生クライシス帝国の結成。
 1:ダイソウめ、勝手なことを……!
 2:バトルマスター! お前の思いは受け取った!
 3:主催者なり真の対主催なりの目的やらなんやら考察してみせよう!
 4:同胞を冒涜したあの連中は裁きにかける。
 5:コーカサスゼクターの資格者を探し、コーヒーを飲む。


※電脳世界から解放されました。なんらかの能力が増えているかもしれません。
※ポケモンの物真似は、現状でも効果を発揮します。(あくまでなりきりなので)
※なんか増えました。すべてのコピーが同じ能力を持っているのか、実体化出来るのかは不明です。姿は変えられるようです。
※特殊能力:「書き手界の良心」に目覚めました。
 本気の一喝を放つ事により、悪ノリし過ぎている者に自重を強いる事ができます。
※背中に謎のチャックを確認。ギャグ将軍曰く、開けると「大変なこと」になるそうです。詳細は不明です。 す。
※固有結界「コーヒーブレイク」
 優雅なリネン一式の備わったテーブルと人数分の椅子を造り出し、皆でコーヒーを飲んで和みます。
※ノートパソコンの中に、顔写真付き参加者名簿と支給品一覧(パスワードが設定されている)のデータが確認されました。
※『柿テロ猥・R2‐ND』掲載の情報を一部入手しました。
※ラピュタハック部隊が(DG細胞の手で)全滅しました


【ツキノん@GR1st】
【状態】:首輪無し
【装備】:鬼狩柳桜
【道具】:
【思考】:
基本:打倒WIKI管理人
1:ギャグ将軍と合流
2:???

※主催側に反抗したため(自滅ですが)支給品に封印されていました。
※何らかの主催側の情報を持っているかもしれません
※他お任せ
※羽入の力は使えます。

3905残されたもの(希望):2008/07/10(木) 04:48:03 ID:n0tbFgr.0
【D-7 大蟹球フォーグラー内部・???】

【ギャグ将軍@ライダーロワ】
【状態】:首輪解除、電脳空間から脱出、ダメージ中、悲しみ
【装備】:ノートパソコン、変身時には剣
【道具】:顔写真付き参加者名簿、支給品一覧(ロック解除)、地図、書き手ロワ2ndのSS一部
【思考】:
 基本:新生クライシス帝国の結成。
 1:ダイソウめ、勝手なことを……!
 2:バトルマスター! お前の思いは受け取った!
 3:主催者なり真の対主催なりの目的やらなんやら考察してみせよう!
 4:同胞を冒涜したあの連中は裁きにかける。
 5:コーカサスゼクターの資格者を探し、コーヒーを飲む。


※電脳世界から解放されました。なんらかの能力が増えているかもしれません。
※ポケモンの物真似は、現状でも効果を発揮します。(あくまでなりきりなので)
※なんか増えました。すべてのコピーが同じ能力を持っているのか、実体化出来るのかは不明です。姿は変えられるようです。
※特殊能力:「書き手界の良心」に目覚めました。
 本気の一喝を放つ事により、悪ノリし過ぎている者に自重を強いる事ができます。
※背中に謎のチャックを確認。ギャグ将軍曰く、開けると「大変なこと」になるそうです。詳細は不明です。 す。
※固有結界「コーヒーブレイク」
 優雅なリネン一式の備わったテーブルと人数分の椅子を造り出し、皆でコーヒーを飲んで和みます。
※ノートパソコンの中に、顔写真付き参加者名簿と支給品一覧(パスワードが設定されている)のデータが確認されました。
※『柿テロ猥・R2‐ND』掲載の情報を一部入手しました。
※ラピュタハック部隊が(DG細胞の手で)全滅しました


【ツキノん@GR1st】
【状態】:首輪無し
【装備】:鬼狩柳桜
【道具】:
【思考】:
基本:打倒WIKI管理人
1:ギャグ将軍と合流
2:???

※主催側に反抗したため(自滅ですが)支給品に封印されていました。
※何らかの主催側の情報を持っているかもしれません
※他お任せ
※羽入の力は使えます。

3906残されたもの(希望):2008/07/10(木) 04:50:41 ID:n0tbFgr.0
投下終了。
状態表二重投下しちまったorz
区切り方もWIKI登録時に手直しするかも。
まあ、もっと心配なこともありますが

3907……名無しが、光っ――――?:2008/07/10(木) 05:57:23 ID:VfpcwU.I0
投下乙!! なんというガチバトル、これは紛れも無くベストバウト。
ダイソウを失いながらも将軍の復活、まさかのツキノン登場とこれからの展開に期待せざるを得ない。

登場していない対主催は蟹座氏と影の繋ぎ師、
残るジョーカーは四人(とバトルマスター)、次は一体どこになるのか!?

3908……名無しが、光っ――――?:2008/07/10(木) 06:44:44 ID:Rv6jWhGY0
おー、燃え尽きてる……熱いなあ。
ジョーカーもがんばってる。
良い戦いでした、GJ。

3909……名無しが、光っ――――?:2008/07/10(木) 07:26:33 ID:dDTkA/CwC
ダイソウさああああん!
まさかのファイナリティブラスト!いつぞやのチャットネタがほんとに使われるとは思ってなかったんだぜ!
つーか将軍の胸毛ぱふぱふネタって昨日のじゃないかwww
いちいち芸が細かいのもGJでした!

3910……名無しが、光っ――――?:2008/07/10(木) 09:15:07 ID:tDNqM/RU0
投下乙です。
ダ、ダイソウ!!!見事に熱い戦いだったぜ。
勝利の天秤がどちらに傾くかハラハラさせられっぱなし、燃え尽きさせられたぜ。
将軍もとうとう復活、そしてまさかのツキノンwwwここで出てくるとは予想だにしてなかった。
胸毛でパフパフww場を一瞬で和ませる?とは、恐るべしギャグ将軍ww

3911……名無しが、光っ――――?:2008/07/13(日) 22:46:01 ID:633j909Q0
投下GJ……!
熱い、あまりにも熱すぎる戦いだ!!

3912輝ける明日:2008/07/15(火) 01:30:35 ID:hEnd36r60
投下いきます。


フォーグラー内部の、とあるエリア。
C.M.超展開はデフォなのか?は、自分で用意した椅子に腰掛け参加者を待ちかまえていた。

(誰も来ない…。)

無表情で、お茶をすする超展開。そのとき、彼女のポケットの中で携帯電話が鳴った。

「……はい。」
「私です。ガチホモです。」
「……何?」
「人外さんと愛媛さんの死亡が確認されました。すでにニコロワの書き手は私とあなたの二人だけです…。」
「……そう。」
「ナナシさんからの連絡によると、名無しさんもリタイアしたそうです。
 この短時間ですでにジョーカーが3人死亡…。予想以上にまずい戦況です。」
「関係ない。私は私の任務を全うするだけ。」
「心強いお言葉ですが…。そんなあなたにバッドニュースです。
 対主催の中で最もやっかいな男が、このままだとあなたの持ち場に到着します。
 何なら私もそちらに向かいますが…。」
「必要ない。むしろ私一人の方がいい。」

ガチホモの提案をきっぱりと断ると、超展開は一方的に通話を切断する。

(何も問題はない…。今度こそ、しっかりと足止めしてみせる。)

彼女は一度、足止めという任務に失敗している。いや、それは成功してはいたのだ。
だが彼女は、「必要最低限」の時間しか稼げなかった。
それは彼女にとって、苦い記憶に他ならなかった。

(相手が強いというのならかえって好都合…。それだけ足止めの価値が上がる…。
 来るなら来るといい。最後に笑うのは私たち…のはず…。)

3913輝ける明日:2008/07/15(火) 01:31:15 ID:hEnd36r60
◇ ◇ ◇


「くそっ、まだ他のみんなとは合流できないのか!」

影の繋ぎ師は、走り回りながら思わず愚痴をこぼしていた。
彼の能力を使えば、はぐれた仲間の位置を探ることなど簡単だ。
だがわかるのは「位置」だけであり、「行き方」まではわからない。
混沌としたフォーグラーの中、繋ぎ師は仲間の位置はわかっているのにそこに到達できないというジレンマに悩まされていた。

「…おおおおおおお!!」

そんな彼の耳に、突然謎のうめき声が聞こえてくる。
繋ぎ師が振り向くと、そこには猛スピードでつっこんでくる金ぴか親父の姿があった。

「ギャ、ギャグ将軍!一体何が!」
「ええい、どけ、繋ぎ師!さもなくば止めろ!」

必死に叫ぶ将軍だが、あいにくその声が繋ぎ師に届いた時にはすでに手遅れだった。
そのまま、将軍は思いっきり繋ぎ師に激突する。

「くっ…。済まぬな、繋ぎ師。操作方法がわからなくての。怪我はないか?」
「ええ、大丈夫です。しかし、何があったんですか?」
「それがのう…。」

将軍は繋ぎ師に、先程の名無しとの戦いについて話す。

「なるほど、そんなことが…。」
「うむ…。」
「どうします、戻りますか?俺のマイティアイ改なら、今のDIE/SOULさんの位置を探ることも…。」
「…いや、やめておこう。戻ってしまっては、余を逃がしたダイソウの気持ちを踏みにじることになりかねん。
 我らは先に進もうぞ。なに、旅の扉とやらに到着すれば、ダイソウもそこで笑って待っておるに違いない。」
「……わかりました。先を急ぎましょう。」

口に出しかけた言葉を飲み込み、繋ぎ師は再び歩き始めた。

「おっと、そう急ぐな、繋ぎ師よ。余はデイパックを持っておらんのでな。
 ノートパソコンとフライングアタッカーを、お主のデイパックに入れてもらってもよいか?」
「かまいませんが…。むしろ、フライングアタッカーはしまわずに使った方がいいのでは?」
「残念だが、さっきの激突で壊れてしまったようだ。魔王の持っておる技術手袋なら修理できると思うのだがな。」
「なるほど。じゃあ仕方ありませんね。」

将軍の説得に納得し、繋ぎ師は渡された支給品を自分のデイパックに収める。

「それにしても、奇妙な光景だのう。RXとジャーク将軍が肩を並べて歩いておるとは。」
「シャドームーンとジャーク将軍と考えれば…。それでもまだ少し奇妙ですかね。」
「まあ、この際外見などどうでもよいわ。共に、打倒主催者の志は同じ。仲良くやろうではないか。」
「ええ、ライダーロワの、たった二人の生き残りですしね。」

言葉のキャッチボールをかわしながら、歩を進める二人。
やがて、彼らは広い空間にたどり着いた。

「ここは…。」
「採石場…か…?」

3914輝ける明日:2008/07/15(火) 01:31:45 ID:hEnd36r60
「その通り。ライダーロワ書き手の墓場としては、最適でしょう?」

思わず二人の口から出た言葉に、答える声が一つ。

「貴様は…!」
「さっきのジョーカーか!」
「そう…。ニコロワ書き手、C.M.超展開はデフォなのか?…。あなた方の相手をさせてもらう…。」

抑揚のない声で名乗ると、超展開はすぐさまスペルカードを取り出す。

「あなた達相手に、戦力の温存など愚の骨頂。最初から全力で行く。
 弾幕符『ニートの軍勢』。」

超展開の宣言と同時に、周囲が異空間に置き換えられていく。
もはやそこは、採石場ではない。かといって、これまでの彼女のフィールドである東方三国志の世界でもなかった。

「何だ、ここは!」

変化にとまどい、辺りをきょろきょろと見渡す繋ぎ師。周囲に存在するのは、宇宙にも見える漆黒の空間。
足下には、七色に輝く道が走っている。

「ニコニコRPG最終ダンジョン、虹の道…。ここなら360°全方位からの攻撃が可能…。
 そしてここは、設定上ニコニコの中枢部…。私の軍勢が100%実力を発揮できる…。」
「なるほど…。そっちにとって圧倒的に有利な状況というわけか…。」
「臆したか、繋ぎ師。」
「まさか!」
「うむ、それでこそ我がライダーロワの同志よ!」

超展開に鋭い視線を向ける、繋ぎ師と将軍。
その超展開の後ろでは、すでに集結したニコニコの英雄たちが攻撃の合図を今か今かと待っている。

「行きなさい。」
「行くぞ!」

どちらからともなく、決戦の火蓋は切られた。

3915輝ける明日:2008/07/15(火) 01:32:19 ID:hEnd36r60
先陣を切るのは、体育倉庫へ介入しようとするグラハム・エーカー。
しかしSRXのパンチ一発で沈む。
続いてヤンデレの妹が不気味に迫るが、ギャーグミドラに変身した将軍が容赦なく切り捨てる。
ガチムチの兄貴が繋ぎ師に組みかかるが、すぐに投げ捨てられる。
フタエノキワミ、アーッ!と叫んで突撃してきた左之助は健闘したが、最後は将軍に吹き飛ばされた。
ボン太くんスーツに身を包んだふもっふ第1方面軍も、冷熱ハンドで丸焼けと氷漬けにされる。

「ぬるいわ!今更この程度の連中で我らを倒せると思ったか!」

エア本さんを切り伏せながら、将軍が勝ち誇った声をあげる。
その横では繋ぎ師が変な動きのスザクを叩き落とし、返す刀で最終鬼畜司会者と良純とみさおをまとめて撃破していた。

「まだまだ…。」

しかし、超展開に焦りはない。多くの英雄が倒されたとはいえ、それは全体からいえばほんの一部。
彼女の軍勢は、まだまだ残っている。
ウマウマを踊るオンドゥル王子とカブトが。ルルーシュが。夜神月が。
⑨が。やたらうざい表情のてゐが。ゆっくり饅頭が。
実況と共に登場する真田ヴィータが。IKUZOが。TDNが。
はっぱ隊が。ヤンマーニが。コンバット越前が。
忍たま軍団が。大量増殖したはちゅねミクが。魔王アナゴが。
そして、最後尾で悠然と構えるドナルドが。

「戦いは始まったばかり…。」

将軍と繋ぎ師に襲いかかった。


「大丈夫ですか、将軍!」
「心配など不要だ、繋ぎ師!この程度で音を上げていて、新生クライシス帝国の大統領が務まるか!」

繋ぎ師の心配に、強気な返答を返す将軍。だが、息が上がってきているのは誰の目にも明らかだ。
かくいう繋ぎ師も、決して余裕のある状態ではない。あまりの敵の多さに、仙豆で回復させたエネルギーが再び底をつき始めている。

(くそっ、このまま持久戦を続けていたのでは不利だ…。)

繋ぎ師の脳裏を、一瞬焦りがよぎる。その隙をついて、てつ改が彼に襲いかかった。
だが、繋ぎ師をかばうようにドラグブラッカーが出現。てつ改をはじき飛ばす。

「そうか…。お前もいたんだったな、ドラグブラッカー!」

繋ぎ師の言葉に、ドラグブラッカーは大きくうなずく。

「よし、行くぞドラグブラッカー!」

ドラグブラッカーに掴まり、繋ぎ師は大きく飛翔。そして、足を突き出しながら落下に転じる。

「スーパー……スカイキーック!!」

敵陣ど真ん中に落下する繋ぎ師。その衝撃だけで、ニコニコ軍団の大半は闇の彼方へと吹き飛んでいった。
そう、大半は。

3916輝ける明日:2008/07/15(火) 01:32:51 ID:hEnd36r60
「らん☆らん☆るー☆」

最後の一人、教祖様とも崇められる道化師が奇声と共に拳を振るう。
着地直後で反応が遅れた繋ぎ師は回避できず、拳をまともにくらいよろける。

「ドナルドは嬉しくなるとつ…。」

決め台詞を口にしようとしたドナルドだが、それは途中で遮られる。
ギャグ将軍が、彼の口を押さえたからだ。

「戦闘中におしゃべりは、ほどほどにしておけ!」

将軍のサーベルが、ドナルドの眉間を貫く。
こうして、ニコニコ最強クラスのはずの道化師は、あっけなく散った。

「この結果は予想外…。」

壊滅した自軍の有様を見て、超展開はぼそりと呟く。

「ふん。切り札は最後まで取っておくものだ、ということよ。
 貴様がこの技を発動させるのは3回目!
 そう何度も繰り返して使えば、新鮮味が落ちるのは当然。
 新鮮味が落ちた技は、自然と威力も落ち破られやすくなるものなのだ。
 だからこそ仮面ライダーをはじめとするヒーローたちは、新必殺技を編み出すのだろうが!」

勝利を確信し、自信に満ちた声で将軍は言う。
だが、それを聞いても超展開は顔色一つ変えていなかった。

「勘違いしないで…。予想外なのはこんなにも早く全滅したということについて。
 新技なら、ちゃんと用意している。」
「何!?」

超展開の右手に握られるのは、新たなスペルカード。

「気づいていなかったでしょうね。ここまであなた達と戦わせたニコニコの軍勢の中に、ニコロワ参加者が一人もいなかったということに。」
「それが何だっていうんだ!」
「こういうこと…。笑笑符『ニコニコ動画バトルロワイアル』。」

宣言と共に、時空がゆがむ。超展開の背後に現れたのは、二人の、いや二匹のピエロ。
言わずと知れたニコロワの主催者、マルクとピエモンである。
だが、ニコロワの彼らとは決定的に違う点が一つ。彼らの額には、「P」の文字が刻まれていたのだ。
彼らは、厳密にはマルクとピエモンではない。
数多くの支援動画を作成し、絵版でも活躍する大御所、マルクP。
ロワ終盤になって現れた期待の新星、ピエモンP。
ニコロワが誇る支援動画職人たちこそが、彼らの正体である。

「二人ともお願い。」
「任せるのサ!」
「たやすいことだ。」

二人がそれぞれの翼と腕をかざすと、彼らの頭上にスキマが出来上がる。
そこから次々と姿を現すのは、ニコロワで数々のドラマを生み出してきたキャラクターたち。

「さあ、覚悟はいいか?」
「全軍突撃なのサ!」

3917輝ける明日:2008/07/15(火) 01:33:22 ID:hEnd36r60
マルクPの号令で、参加者たちは繋ぎ師と将軍へ攻撃を開始する。
対主催もマーダーも関係なく、彼らは一つの嵐となって眼前の敵へ襲いかかった。

暗黒長門が先陣を切って攻撃の雨を浴びせ、レヴァンティンを持った朝倉人形がそれに続く。
キョンの妹がドジリスを召喚して超伝導サンダーフォースを発射すれば、古泉はふんもっふ!と●を飛ばす。
レイジングハートを手にした霊夢がディバインバスターで周囲を焼き払い、アリスの上海人形が追撃を行う。
うどんげの弾幕と魔里沙&お覇王のダブル覇王翔吼拳がさらに叩き込まれ、萃香は素手で殴りかかる。
さらにチャイナブラボー閣下とやよいクリーチャーが打撃の嵐を浴びせ、亜美と日吉のボブ術が繋ぎ師たちを吹き飛ばす。
圭一とレナが鋸と鉈で華麗にX斬りを決め、狂気の詩音が金属バットで殴りかかる。
L5富竹は機関車タックルを敢行し、魅音は遠距離から拳銃を連射する。
ピカチュウの電撃がフシギダネの弾幕と組み合わされて相手を翻弄し、闇サトシは笑いながらロールバスターを連射する。
ピッピは指を振り続け、様々な技を繰り出す。
こなたは「コナタノキワミ、アーッ!」と叫んで突貫し、つかさはスーパーヤンマーニタイムで鬼狩柳桜を振るう。
外山と永井先生がスクラップ&スクラップをかまし、毒蛾幼女ひろくんはカオス光線を見舞う。
海馬社長は本編ではかなわなかった究極嫁による粉砕!玉砕!大喝采!を心ゆくまで行い、AIBOとATMのダブル遊戯はブラックマジシャンとブラックマジシャンガールを召喚して攻撃。
HA☆GAはゴキボールやコカローチナイトで、地味に攻め続けていた。
ロックマンとロールが遠距離から銃弾を連射し、エアーマンはエアーシューターを放つ。
さらにTASさん、KAS、友人の夢のトリプルマリオがコンビネーション攻撃。
息つく間もなく、阿部さんのゲイ・ボルグがうなる。
ピコ麿と琴姫はよくわからない陰陽師的な攻撃を放ち、えーりんは王者の剣で斬りかかる。
ニートは息を切らしながら、塊を投げつけた。
メガシードラモンに進化したゴマモンのサンダージャベリンと、オメガモンのガルルキャノンが炸裂する。
カービィはストーンの能力を使い、上空から二人を押しつぶしにかかる。
ティアナとなのはの魔法が雨霰と降り注ぎ、とどめとばかりにイチローのレーザービームが大爆発を起こしても攻撃は終わらない。
削除番長が包丁で斬りかかり、ヨッシーが赤甲羅を食べて炎を吐く。
YOKODUNAのGENKIDAMAとおじいちゃんのクレイモアが爆発し、その影でひっそりとムスカが拳銃を撃つ。
スパイダーマンが情け無用の攻撃を浴びせ、ドラえもんがごっすんごっすん釘を打ち込み、水銀燈が羽根を飛ばす。
ぶるあぁぁぁぁぁ!と叫んで、アイスデビモンが銃剣を投げる。
キョンや道下など戦闘力に欠ける参加者はまとめてnice boat.に乗り込み、その武装で攻撃に参加する。
とどめに、ハルヒが操る神人とコイヅカが操るジアースがその巨大な腕を振り下ろす。

文章にするとこの長さだが、実際にはここまで3分強である。
以下に怒濤の攻撃であるかが、おわかりいただけただろう。
歴戦の強者である繋ぎ師と将軍も、この猛攻の前にはさすがにボロボロになっていた。
というか、生きてるだけ奇跡である。

3918輝ける明日:2008/07/15(火) 01:33:57 ID:hEnd36r60
「繋ぎ師よ…動けるか…。」
「何とか…。」
「しかし解せぬ…。数では先程までの軍勢の方が上だったはず…。質もそれほど上がったとは思えぬ。
 なぜここまで攻撃力が上がっておるのか…。」

ギャグ将軍が口にした疑問。超展開は、それにはっきりとした答えを叩きつける。

「切り札だから。切り札が強いのは当然のこと。理屈ではない。」

返答に対し、一瞬言葉を失う将軍。だが、すぐに高笑いを始める。

「フハハハハハハ!!そうであったな!
 必殺技に理屈を求めるなど無粋!余としたことがうっかりしておったわ!」

ひとしきり笑うと、将軍は剣を構え直した。

「だが、理屈無用のバトルなら我らが特撮が最も得意とするところ!
 こちらの土俵を持ち出したこと、後悔するがいいわ!」

ダメージなどまったく感じさせぬ動きで、将軍が駆ける。
振るわれる剣は、一見がむしゃらのようでいて実は的確。
すれ違うニコロワの猛者たちを、次々と沈めていく。

「やるな、将軍!俺も負けていられないぜ!」

将軍の奮闘に勇気づけられた繋ぎ師も、ニコロワ軍団へ反撃を開始する。
一般人を中心に、ニコロワ軍団はどんどんとその数を減らしていった。

「所詮戦いなど、勢いのある方が勝つのだ!先程は主導権を握られ不覚を取ったが、もはやそう上手くはいかんぞ!」

一人、また一人と、将軍の剣が敵をしとめていく。

「あまり調子に乗らない方がいい。」

超展開の指示で、神人が再び腕を振り下ろす。将軍は後ろに大きく飛翔し、それを回避。
だが、その攻撃はおとりだった。
本命の攻撃、ジアースのビーム砲が、将軍を捉える。

「将軍!!」

目の前にいた敵を払いのけ、繋ぎ師は将軍の元に駆け寄る。
だがそこにあったのは、消し炭と化した将軍の姿だった。いくら将軍でも、この状態で生きているとはとても思えない。

「くそっ…!」

がっくりと肩を落とす繋ぎ師。しかしその直後、彼は気づく。
将軍の背中部分が、大きく開いていることに。

「これは……着ぐるみ?」

あっけにとられる繋ぎ師。その前方に、銀色の物体が着地する。

「まったく…。着ぐるみがダメになってしまいましたの。」

その銀色の物体は、徐々に明確な輪郭を帯びていく。
そして、色もだんだんと変化していく。
変化が一段落ついた時、そこに立っていたのは…。

耳としっぽがピカチュウで、背中に触手が生えていて、声が草薙素子のタイガーアンデッドという、やたらカオスな怪人だった。

3919輝ける明日:2008/07/15(火) 01:34:43 ID:hEnd36r60
「しょ、将軍……?」
「ええ、紛れもなく私はギャグ将軍ですの。まさか着ぐるみを捨てる羽目になるとは思いませんでしたの。」

困惑する繋ぎ師に対し、将軍を名乗る怪人は落ち着いた口調で答える。

「姿が変わったところで、同じこと。死ぬのが少し伸びただけ。」

対峙する超展開もまた、その口調は淡々としていた。

「やって。」

命令を受け、今度こそ将軍を殺害すべく、神人とジアースが同時に攻撃をしかける。

「何もわかってませんのね。正体を現した幹部は強くなるのが定石ですの。
 そもそも、何も変わらなければ姿を変える意味がありませんわ。」

おのれに死をもたらすであろうふたつの鉄槌を前にしても、将軍が見せるのは余裕。
そして、その余裕には確かな裏打ちがあった。

「10万ボルト。」

静かに、将軍は技名を呟く。次の瞬間、将軍の両手から発せられた電撃が、一瞬にしてふたつの鉄槌を消し炭に変えた。

「いや、将軍…。10万ボルトってレベルじゃないと思うんですが…。」
「あなたが言っても説得力がありませんの。」

繋ぎ師のツッコミを軽く流し、将軍は次のアクションに移る。
物理法則を無視したようなすさまじいジャンプで一気にジアースのコクピットに迫ると、猛スピードで拳の連打を叩き込み中のコイヅカごと粉砕。
さらにジアースのボディーを蹴って跳ぶと、神人の肩に着地。
そこにいたハルヒに電気ショックを浴びせて撃破する。
ニコロワが誇る巨大戦力2体は、ほんの数十秒で無力化されていた。

「嘘…。」

かすかにその表情をゆがませる超展開。そうこうしているうちに、nice boat.までもが将軍の手によって撃墜されていた。
地上の残存勢力も、繋ぎ師によってすべて倒されている。

「さて…。あなたの兵隊さんたちは全滅ですの。どうしますの?」

すたりと超展開の前に着地する将軍。圧倒的優勢に立とうとも、その心に慢心はない。
チェックメイト。客観的に判断すれば、そう思えることだろう。
だが超展開の顔に、未だ諦観の意は浮かんでいなかった。

「保険をかけておいてよかった…。」
「保険…? 何のこと…。」

問いかけの言葉は、途中で止まる。全身の力が抜け、膝が崩れ落ちる。

3920輝ける明日:2008/07/15(火) 01:35:16 ID:hEnd36r60
「何ですの……? 体が…。」

わずかだが、動揺を見せる将軍。振り向くと、繋ぎ師も同じように膝をついている。

「私のなりきり対象…八意永琳が持つのは『あらゆる薬を作れる程度の能力』。
 それを応用して、この空間には戦闘前に無味無臭の毒薬をガスにして充満させておいた。
 もちろん、すでに私自身には解毒剤を投与してある。」
「ほう…。」
「これはあくまで私の軍勢で倒しきれなかった時のための保険だった。
 身体的に一般人の蟹座氏ならともかく、他の参加者相手では毒なんて気休めにしかならない。
 けど、今回はその気休めに救われた。」
「姑息ですが…悪の手先の作戦としては悪くないですわね。」
「褒め言葉と受け取っておく。」

体を動かせぬ将軍の眼前で、超展開は弓を引く。

「させるか!」

攻撃を止めようと、繋ぎ師が走る。チートの塊・SRXは、バイオライダーの解毒能力も兼ね備えている。
すでに、彼の体内の毒素は浄化されていた。

「させないのはこっち。ニコニコトラップ『釣り動画』。」

超展開の宣言と同時に、あっという間に距離を詰めていた繋ぎ師の前に一本の釣り糸が出現する。

「こんな餌に俺が釣られクマー!」

いかに繋ぎ師と言えど、そのトラップから逃れることは出来なかった。
無意識のうちに釣り糸をくわえさせられ、繋ぎ師の体は空高く持ち上げられてしまった。

「繋ぎ師!」
「じゃあ…さようなら。」

無表情で、超展開が矢を放つ。至近距離から放たれた矢は、将軍の眉間に深々と突き刺さった。

「次は、繋ぎ師…。」

未だ空中にいるもう一人の敵をしとめるため、超展開は新たな矢を弓につがえる。
そして矢を放とうとした、その時。

「フハハハハハハ!甘いな!」
「え?」
「着ぐるみが一枚だけと誰が言った!」

タイガーアンデッドの、背中が割れる。
そこから飛び出してきたのは、1羽の小さなペンギン。

「ポチャー!」

「中の人のさらに中!?」

驚愕のあまり、珍しく大声を上げる超展開。
その隙を逃すまいと、将軍は宙を駆け突進する。
その技の名はゴッドバード。鳥ポケモンのみが使える大技である。
え? ポッチャマはそんな技使えない? そんなもんノリだ、ノリ!

「貴様の負けだ、ジョーカーよ!」

巨大な弾丸と化した将軍が、超展開の腹にめり込む。
そして、そのまま貫通した。

3921輝ける明日:2008/07/15(火) 01:35:50 ID:hEnd36r60
「………!」

口と貫かれた腹から血を噴き出させ、超展開は倒れ込む。
彼女が倒れると同時に異空間は消滅し、一同は元の採石場に戻ってきていた。

「将軍!」

地に足をつけた繋ぎ師は、すぐさま将軍の元に駆け寄る。

「お見事です!まさかこんな切り札があったとは…。」
「ふふ、ガチバトルは余の得意とするところではないが、このぐらいは朝飯前よ。
 しかし、さすがに毒を受けた状態での大技はきつかったの。」
「ああ、ちょっと待ってください。今、解毒を…。」

将軍の体から毒素を取り除こうと、繋ぎ師が手を伸ばす。そして、その手がペンギンの頭に触れ…

ドスッ!

…る直前、超展開が直接手に持った矢が、背後から将軍の胸を貫いた。

「え…?」
「何……だと……。」
「今度は甘く見たのはそっち。制限がなければ、永琳は不死身…。」

腹を貫かれているとは思えないほどはっきりした声で、超展開は言う。

「ふふ、なるほどの…。超展開の名は伊達ではない、といったところか。」

こちらもやはり死にかけとは思えぬ声で、将軍が言う。

「貴様ぁぁぁぁぁぁ!!」

一番ダメージが少ないはずの繋ぎ師が、この場で一番取り乱していた。
ありったけの怒りを込めたシャドービームで、超展開の体を焼き尽くす。
いかに不死の体と言っても、原形をとどめぬまでに破壊されれば再生は不可能。
と言うか、ロワの性質上そうでなくてはいろいろ困る。

(ここまで、か。まあいい。今度こそ、十分に時間は稼げた。)

いつもの無表情のまま、C.M.超展開はデフォなのか?は逝った。

「将軍!しっかりしてください!」

敵を滅ぼしたことを確認した繋ぎ師は、急いで将軍の体を抱き寄せる。
だが、小動物となった今の将軍にとって、矢で貫かれたダメージはあまりに大きい。
さすがのチート王も、すでに手の施しようがなかった。

「繋ぎ師よ……。誰かに伝えておきたい話がある。聞いてくれるか……。」
「何ですか!」
「あれは余が1971歳の時だった…。ある日余が散歩をしていると、なぜか頭にカレーライスを載せた男が歩いていたのだ。」
「それで……?」
「どうしても気になった余は、その男に尋ねたのだ。どうしてそんなものを頭に乗せているのかと。
 すると、返ってきた答えはこうだった……。」
「………。」
「………。」
「将軍?」
「………。」
「将軍、どうしたんですか!最後まで話してくださいよ!マナー違反ですよ、途中で話をやめるなんて…。」

繋ぎ師の目からしたたり落ちる滴が、将軍の顔を濡らす。だが、将軍は何の反応も示さない。

「しょおぐぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅん!!」

繋ぎ師の絶叫が、むなしく採石場にこだまし…。

3922輝ける明日:2008/07/15(火) 01:36:18 ID:hEnd36r60
「それは私の名前がカレクックだからだ。」

ガクッ

「はい?」

唖然とする繋ぎ師。その腕の中で、将軍は満足げにほほえんでいた。


【C.M.超展開はデフォなのか?@ニコロワ 死亡】
【ギャグ将軍@ライダーロワ 死亡】


【二日目・深夜】【D-7 大蟹球フォーグラー内部・採石場エリア】
【影の繋ぎ師@ライダーロワ】
【状態】:ネオバスク修復完了、結構ボロボロ、WIKI管理人への天元突破級のぶっちぎりな激しい怒り、深い悲しみ
【装備】:サタンサーベル@ライダーロワ カラオケマイク@現実
【道具】:支給品一式×3、 ワルキューレ@スパロワ、ドラグブラッカー、写真付き名簿、放火セット(燃料、松明、マッチ)、ナイフ、不明支給品×1(確認)、BL本、首輪×2、パロロワ衣服詰め合わせ、
      お徳用原作パロロワ全生首セット(目玉セット他に換装可能)&原作パロロワ全手首詰め合わせ※今なら腕も付いてくる!
ノートパソコン、フライングアタッカー(中破)@仮面ライダー555
【思考・行動】
 基本:殺し合いには乗らない。自分のSSへと戻る。それでも俺は俺として ぶ っ ち ぎ る ぜ  !!
 1:WIKI管理人を倒す。
 2:本物の煩悩寺さんはどこへ?

3923輝ける明日:2008/07/15(火) 01:36:48 ID:hEnd36r60
ふむ、余もここでリタイアか…。結局、新生クライシス帝国建設の夢は叶わなかったのう。

あら、まだ諦めるのは早いんじゃなくて?

おお、コロンビーヌか。出迎えご苦労。

こんにちは、おじさま。ねえ、今度は死者スレで帝国建設を狙ってみるのはどう?
仲間もみんな揃ってるから、きっと出来るわよ。

なるほど、それも悪くないの。

でしょ?

だがその前に…コーヒーが飲みたい。

オッケー。おすすめの喫茶店を紹介してあげるわ。

余の舌は厳しいぞ? 果たして余を満足させられるコーヒーを出せるかな?

うふふ、それは飲んでみないとわからないわねえ。

………

3924輝ける明日:2008/07/15(火) 01:37:19 ID:hEnd36r60
投下終了です。
こんなオチで将軍が満足してくれるかが不安だ…。

3925名無しにこんばんは:2008/07/15(火) 02:09:57 ID:XZeo7YNc0
将軍ーーーーーーーーーー!!
っく、あなたは手前が殺したかったが笑っちまったじゃねえか、この野郎!
GJだぜえ!!

3926名無しにこんばんは:2008/07/15(火) 02:14:52 ID:vXRly5wY0
投下乙です。
将軍ーーー!!!く、ここまで来ると次々に脱落していくな。
そしてまさかの変身(着ぐるみ)は2回残している展開w
それにしてもニコニコ勢の描写が半端ないwお見事です。
繋ぎ師も結構ボロボロでこの先どうなるw
カレクック……意味は分からないが最後までギャグとはさすがギャグ将軍!

3927誓いを新たに:2008/07/15(火) 18:30:12 ID:vXRly5wY0
大蟹球フォーグラー――またの名を「かに玉」とも言ったり言わなかったり。
その中の様子は正にカオスの権化とも言うべきものです。
アースクレイドル、古手神社、ギガゾンビ城、HIMMEL、その他諸々――
もう何が何やら、混ぜるな危険というレベルを超えていますよ。
でもそんな事お構いなしに皆さん必死に戦っていますね。
ふとそんなに暴れまわったら大蟹球が崩壊しちゃうんじゃないかって思ったりもしますが、これってかなり頑丈なんですね。
これなら皆で暴れても大丈夫みたいです。
聞こえてくるのは戦いのワルツ、そして響き渡るのは決死の叫びか、はたまた嘆きの慟哭でしょうか。
それらが織り成す協奏曲、こう言えば凄惨な物語も少しは華やかになるでしょう。
本当に見ていても聞いていても――

『―――――――――――――――――――――――――――――!!!!!』

……気のせいでしょうか。
どこからか場違いというべき声が聞こえてきたような。
でもまさかこんな場所で――

『――――――――――――――――――――最高ーーーーーっ!!!!!』

……気のせいじゃ、ない?
確かに何か聞こえてきますね。
でも誰がこんな場所で――

『―――――――――――――――――ぃ様、最高ーーーーーっ!!!!!』

ああ、思い出しました。
確かこの声はロワに出たら高確率で女子高生に殺される「ハクオロ@うたわれるもの」の声のはずです。
あ、でも声しか確認していないから小山力也の方が的確なんでしょうか。

『―――――――――――――――ONiぃ様、最高ーーーーーっ!!!!!』

でもいい加減うるさいですね。
思わず「うるさいうるさいうるさい」って叫びたくなりますね。
そんな事しませんけど。

『――――――――――――蟹座のONiぃ様、最高ーーーーーっ!!!!!』

……ああ、あの人ですか。
敵の本拠地で何を考えているんでしょうか。
もう最終決戦だというのに――蟹座氏さんは……

『いやっほぉぉぉおおおう、蟹座のONiぃ様、最高ーーーーーっ!!!!!』


     ▼

3928誓いを新たに:2008/07/15(火) 18:32:52 ID:vXRly5wY0
気付いたら皆と逸れて一人通路に倒れていた。
もちろん何が起きたのかは理解していた。
敵の策略によって対主催の自分達は見事に分散させられてしまったのだ。
ジョーカー側としてはここから各個撃破で自分達を仕留めていくつもりだろう。
あちらこちらに設置してある監視カメラがいい証拠だ。
あれならジョーカー達は自分達対主催がどこにいるか一目瞭然だろう。
自分の元にも敵が来るのは時間の問題。
そして今急務なのは一刻も早い仲間達との合流だ。
だから僕――蟹座氏はこの支給品を使う。

『いやっほぉぉぉおおおう、蟹座のONiぃ様、最高ーーーーーっ!!!!!』

最高ボタン。
『いやっほぉぉぉおおおう、蟹座のONiぃ様、最高ーーーーーっ!!!!!』というハクオロボイスが聞けるボタン。
正直外れ支給品と言ってもいい代物だが、使いようはある。
でもどうでもいいけど僕のトリップが◆0Ni2nXIjdwだから『蟹座のONiぃ様』なんだろうけどさ……できれば『蟹座のONeぇ様』が良かったなあ。
まあ身体はロリだけどさ、精神は立派な頼れるお姉さんだと思うんだ。
それはこの際いいや。

既にジョーカーに場所を特定されている可能性が高い以上、姿を隠す必要性は低い。
ならばとにかく合流するならこちらの場所を皆に知らせなければならない。
そこでこのボタンの出番だ。
この無駄にでかい音なら皆も気づく可能性が高まるはずだ。
そう思ったんだけど――

「なんで誰とも会わないんだよぉぉぉ!!!」

すぐに誰かに会えると思ったけど、そんな事なかったぜ!と言わんばかりの状況。
まだ逸れてから10分ぐらいしかたっていないけどさ。
それにしてもジョーカーも来ないなんて僕の考えが間違っていたのかな。
よし、今のうちに装備のチェックでも済ませておこうかな。
備えあれば憂いなしって言うしね。

まず身につけるものというか防具は体操服(ブルマ)……し、しょうがないよね。
で、そのうえからケリュケイオンを起動させた上でのバリアジャケット。
最後にあんまり気が進まないけど蟹座の黄金聖闘衣を着用。
本当は蟹座の黄金聖闘衣は着たくなかったけど、バリアジャケットを外に晒すよりは幾分マシに思えた。

次に武器は愛用の鉈と、鉈の形に変化した永遠神剣『誓い』の二本。
他にもあるけど使い慣れている接近戦の武器の方が無難だ。
あとは良くてケリュケイオンでアクセルシューターを牽制にばら撒く程度かな。
他のは使いどころが限られるものが多い。
ヴァッシュの銃やドラゴンオーブなんて上手く使える自信無いよ。

3929誓いを新たに:2008/07/15(火) 18:33:25 ID:vXRly5wY0
「……はあ、これでししょーと渡り合えるかな」

無理だ。
自分のししょーはバトルマスターと言われる程のバトルに関しては無敵の存在だ。
自分にできるのは永遠神剣による身体能力強化にデバイスによる自己ブースト程度が関の山。
そんな事では到底ししょーには届かないだろう。
以前渡り合えたのはひとえに『蟹座じゃないもん』と蟹見沢症候群の狂化によるところが大きい。
ブラック系のマイナスステータスは完全に回復したが、その代り戦力はダウン。

「無理だよ。今の僕じゃししょーを助ける事なんて……」

じゃあどうする。
ししょーの言う通り殺すしかないのか――自分のこの手で。
ししょーは別れ際に言った――次に会った時には殺して下さい、と。
たぶんこの先にししょーがいる、そんな気がする。

「いやだよ、だって僕はまだ……」

――ししょーに何一つ返せていない。
いつも僕が勝手に暴走して、そのたびにししょーは命を賭けて自分を止めてくれた。
ししょーはいつだって助ける事を諦めなかった。
なら、ししょーの弟子である自分がこんなに簡単に諦めていいのか。

「良くないよ。そんなに簡単に諦めていいはずない!」

初めての作品で、仇というしがらみに囚われていた参加者を和解させたのは誰だ!
大好きな人のために必死で頑張り抜いた少女を書いたのは誰だ!
疑心暗鬼の闇に逃げ込んだ青年を諦めずに説得させて見せた妻を書いたのは誰だ!
誰の言葉も聞かずただ復讐鬼の道を歩んでいた少女を決死の行動で改心させた青年を書いたのは誰だ!
死に行く最期、最高の親友の仲間であれた青年を書いたのは誰だ!
負傷を乗り越え不屈の精神で復活したのは誰だ!

――全部自分がしてきた軌跡だ。

「そうだよ、こんなところで諦めちゃいけない。
 みんな最後まで諦めていなかった。それなのにそんな彼らを書いた自分がこんな有様じゃ示しがつかないよ」

ししょーの姿、前原圭一も言っていたではないか。
『たとえそれしか方法がないと思っても、殺人は決して最善手なんかじゃない。それしかないと考えてしまう事が一人で考える限界なんだ。だからみんなで考えよう。団結しよう』
一人より二人、二人より三人、三人よりももっと大勢で、僕には頼れる仲間がいる。
全滅エンド、ししょーが死ぬ、そんな運命なんて来させない。

「僕らが絶対に運命を切り開く。だからししょー! 待っていて! きっと助けてみせます!」


     ▼

3930誓いを新たに:2008/07/15(火) 18:33:51 ID:vXRly5wY0
健気ですね。
ああいう人、なんだか期待させられるような気になります。
不思議ですね、なぜなんでしょう。
なんとなく読み手の一人としては応援したくもなりますけど……そんな事したら本末転倒です。
静かに私は見守りましょう。

でも『蟹座のOniぃ様』って……まさかですよね。
いくら宇宙が崩壊して結界の強度がダウンしていると言ってもまだそこまで落ちてはいないはずです。
頑張ってもあの時みたいな夢イベントが関の山、これ以上来る事はないでしょう。

それでは、みなさん頑張って素晴らしい展開を繰り広げてくださいね。



【2日目 深夜】【D-7 大蟹球フォーグラー内部・HIMMEL付近】
【蟹座氏@ギャルゲロワ】
【状態】:健康、首輪解除
【装備】:体操着(ブルマ)、鉈、永遠神剣『誓い』(鉈型)、ケリュケイオン+バリアジャケット@なのはStS、蟹座の黄金聖闘衣、
【道具】:支給品一式(食料全て消費)×5、最高ボタン、カードデッキ(シザース)@ライダーロワ、閃光弾、まふうじの杖、バッド・カニパニーの甲羅、蟹座氏の写真×10
     腕時計型麻酔銃(1/1)@漫画ロワ、麻酔銃の予備針×3、変化の杖、対戦車地雷×2、リュート@からくりサーカス、
     ヴァッシュ・ザ・スタンピードの銃@トライガン、ドラゴンオーブ@AAA、ティーセット一式
【思考】:
 基本:ししょーは助ける! 主催者も倒す!
 1:ししょーを助ける。

※容姿は蟹沢きぬ(カニ)@つよきすです。
※最高ボタンを押すと台詞がハクオロの声で流れます。シークレットボイスにも何かあるかも?
※身体能力は本気を出せば倉成武ぐらいの力が出ます。通常はカニ。
※蟹見沢症候群について。
 へこみのLvが5になった時、発祥します。発症した場合、自分を苛めたり辱めたりした者を優先的に殺します。(今は鳴りを潜めている様子)
※言霊『蟹座じゃないもん』は 現在ジョーカーの手で能力を完全に分離させられました。
※蟹座氏のバリアジャケット姿がどのようなものかは以降の書き手に任せます。
※『蟹座じゃないもん』を失う代わりにブラック系のマイナスステータスを完全回復しました。



【2日目 深夜】【亜空間内】
【読み手(K.K.)@書き手ロワ2nd】
【状態】:健康
【装備】:核鉄『シークレットトレイル』@武装錬金、IMIデザートイーグル(8/10+1)@ギャルゲロワ1st
【道具】:IMIデザートイーグルの予備マガジン×5、???
【思考】:
 基本:wiki管理人に協力する。
 1:最後までロワの表の主催者としてロワの結末を見届ける。
 2:自分の考察を信じて、wiki管理人との取引を履行する。

※あらゆる事象を読む事ができます(でも空気を読んでその時に応じて読んだり読まなかったりします)
※――読み手の考察――
 wiki管理人の目的はこの書き手ロワでの経験を現実の書き手にフィードバックさせる事である。
 『真の対主催』はフィードバックによって起こり得る書き手への被害を阻止するために行動している。
※wiki管理人との取引とは『最終的に行われるフィードバックを読み手にも適用させてもらう代わりに、この世界の読み手が障害となり得る場合は全力で排除する』です。
※ラピュタ内の生き残りの読み手数人の生死は不明です。

3931誓いを新たに:2008/07/15(火) 18:34:37 ID:vXRly5wY0
短いけど投下終了。
さてどうなるのかな。

3932名無しにこんばんは:2008/07/15(火) 23:13:33 ID:7ICl7YhM0
投下乙です。
最高ボタン、こういう形で再登場かw
これは使えるかも…。

3933見てくださいw:2008/07/18(金) 23:04:12 ID:F2gioUO.0
ちょっぴりエッチなブログを更新しましたw

ビックリする内容も多いかと思われます・・・
ヒマなときに見てね♪

http://www.geocities.jp/pomnji748d/has/

3934どんな時でも一人じゃない:2008/07/21(月) 15:32:09 ID:8FFERP/o0
蟹座氏は大蟹球を走る。
あのまま誰かが来るのを待っているだけでは何も変わりはしない、自分とてここまで生き残ってきた対主催の一人なのだ。
……確かに今の自分は戦力として考えた場合、最も弱いだろう。
だからといって誰かに助けてもらうことを考えてなどいられない、自分は熱血書き手だ、そんなことで弱気になどなっていられない。
更に走る速度を上げようとするが、すぐに止まる。

「もう少し待っていてもらいたかったんだがな」
「ジョーカー……! どうして今頃!?」
「……ただボタンを押すだけで、勝手に時間を浪費してくれていた、わざわざ襲う必要もない」
「うぐっ……!」

改めて言われると非常に無駄な行為だったかもしれない……いやいや、結果を見ればそうだったかもしれないが、あれはそう間違った考えではないはずだ。
気を取り直し、蟹座氏は真っすぐナナシを睨みつける。

「ししょーはどこ!?」
「この先だ……だが、完全に改竄が終わるまでもうしばらくかかる……それまでお前に合わせるわけにはいかない」
「――っ!」

剣を構えて抑えていた敵意を開放しただけ、それだけで蟹座氏は数歩後ろに下がってしまう。
間違いない強者のオーラ、以前の蟹座氏ならばそれでも真っ向から受け止めていただろう……
だが、下がってしまった。体が、本能が勝てっこないと逃げ腰になる。

(ど、どうしちゃったんだよボク!? こんな簡単に下がるなんて! 前に別のジョーカーと戦った時にはこんなこと……!)
「……行くぞ」

自分自身に戸惑う蟹座氏に構わず、ナナシは蟹座氏へと斬りかかる。
咄嗟に『誓い』で受けるが、ソードサムライXの連撃にそのまま受けに回るしかなく少しずつ押されていく。

「絶・霧氷装……!」
「え!?」

ソードサムライXと触れている部分から『誓い』が凍り付いていき、蟹座氏の手のひらをも凍らせていく。
慌てて飛び退りながら左手は柄から放すことに成功するが、右の手のひらは柄に張り付いてしまい放せない。
そのまま凍結は進行していく、このままでは右手が、そしてそのまま全身が凍り付いてしまうだろう。
それだけは避けなければと、デイパックから鉈を引き抜き『誓い』の柄へと狙いをつける。
躊躇しながらも柄に向かって鉈を振り下ろし、『誓い』は凍りついた皮膚と僅かな肉を持っていきながら手放される。
それはテイルズロワでのミトスと同じ判断だ、右腕を持っていかれるぐらいなら武器を手放す。

「あっ……く……!」

だが――凍結の危機からは逃れられたものの、走る痛みに右手を押さえながら呻いてしまう。
それほど深い傷ではない、しかし、蟹座氏の心は手の傷以上に深く傷つけられる。

――蟹座じゃないもんさえあれば。
この程度の怪我、亜沙の力ですぐ治すことができるのに。
いや、そもそも『誓い』をアイスソードやフランベルジュに変化させれば凍結すること自体を防げたはずなのだ。
自分を苦しめた力が、今はたまらなく欲しい。

3935どんな時でも一人じゃない:2008/07/21(月) 15:32:51 ID:8FFERP/o0
「……蟹座じゃないもん」

ずっと言ってきた言葉なのだ、ずっと、ずっとこの言葉を言ってきた。この言葉が自分を繋ぎ止めていた。
けれど、その言葉はもう何も意味をなさない、自分が今まで使ってきた力はもう存在しない。


「まだ気づかないか。自分がいるロワそのものを否定していて、俺に勝てると思っているのか?」
「……え、ロワを、否定って……?」

突然ナナシからかけられた言葉の意味がわからず、思わず問い返す。
それを冷めた眼で見ながら、ナナシは口を開く。

「蟹座氏、それがあんたの名前。ギャルゲロワでつけられた、存在の証」
「あ……」
「それをあんたは否定してきた、蟹座じゃないもんの異能としての力を取り上げられた今でさえ、あんたはその名を、存在を否定している」
「ち、ちが……だって」

本当に蟹座じゃないのだから、それを訂正しただけ……そう口にしたいのに、言葉が出ない。

「あんたは自分の存在を、ギャルゲロワそのものを否定しているんだ」
「う、そだ……」
「蟹座じゃないもんの異能はそれを受け止める器の役割もしていた。それがなくなった今、あんたはギャルゲロワを否定するだけの、書き手でさえない存在だ」
「そんな……嘘……あ、ああ……」

初めての作品で、仇というしがらみに囚われていた参加者を和解させたのも、
大好きな人のために必死で頑張り抜いた少女を書いたのも、
疑心暗鬼の闇に逃げ込んだ青年を諦めずに説得させて見せた妻を書いたのも、
誰の言葉も聞かずただ復讐鬼の道を歩んでいた少女を決死の行動で改心させた青年を書いたのも、
死に行く最期、最高の親友の仲間であれた青年を書いたのも、
負傷を乗り越え不屈の精神で復活したのも、

全部――全部自分が否定した!?

「ぁ……ボ、クは……いや、ちがう……」

……言うまでもなく、蟹座氏がギャルゲロワを否定したことなどありはしない。
ならば何故ナナシの言葉にここまで心を抉られているのか?
それはナナシの異能『姿無き縁の下』によって、自分の異能を七氏の異能『闇に囁く言葉責め』と繋げたからだ。
繋げただけで本来の力である過去の改竄までは使用することができない、だが相手の心を抉るだけならそれで十分。
「違う、違う……」と蹲りながらただ呟き続けるのみの蟹座氏目掛け、ナナシは剣を振り下ろ――

3936どんな時でも一人じゃない:2008/07/21(月) 15:33:31 ID:8FFERP/o0
「神の世界、展開!」
「……え、あ、あれ……?」

ナナシの、世界の時が止まり、困惑する蟹座氏の前へ少女が駆けつける。
その姿を見て、蟹座氏は驚きと歓喜が混ざった声でその名を呼んだ。

「うっかり氏!?」
「ツキノです!」

確かに、ギャグ将軍を追っていたはずのツキノンがここにいるのは「うっかり」道を間違えてしまったからではあるのだが。
それはそれとして、ツキノンはずりずりと蟹座氏を引きずってナナシの間合いから放す、ゲームとは違い実体があるからこそできる技だ。

「よっと……蟹座氏、大丈夫ですか?」
「ツキノン……ボク、ボクは……」
「……話自体は少し前から聞こえていました、ごめんなさい。結界によって神の世界の効果範囲も狭まっていて助けるのが遅くなりました」
「……助けてもらう資格なんて、ないよ」
「蟹座氏……!」

彼女を知ってる者からすれば信じられないほどに、蟹座氏の表情は暗い。ナナシの言葉は蟹座氏の心を打ち砕いていた。
ツキノンが何か言葉をかけようとするが、それよりも早く神の世界が解かれ、ナナシの剣を鬼狩柳桜で受け止める。

「時止めの力が、そう長く使えると思ったか」
「くっ……! 一度に止められないのなら、連続で使うまでです、神の世界!」

神の世界が再び展開されていき……

「パッと行く!」

ナナシは動きを止めずに斬りかかる。
慌てて剣を受け、苦渋に満ちた表情でナナシを見る。

「二つ目の異能ですか……!」
「厳密には違う。『パッと行く』はテイルズロワの人間ならば誰もが知り、使える特技だ」

テイルズではお馴染みのシステム、イベント時遠く離れた町などまで一瞬で行ける「パッと行く」
この力で「神の世界が切れる時間まで」自分を移動させたのだ。
……稀になくなっていたりするシステムだったりもするのだが、そこは突っ込んではいけないところである。

「『投下早撃ち』と繋げてもよかったが、こちらの方が確実だったからな。不意打ちじゃない限り、神の世界は俺たちには効かない!」
「っ……! なら、蟹座氏は『みんな』に任せるしかないようですね……!」
「なに?」

ツキノンの言葉に蟹座氏の方へ視線を向ける。
蟹座氏自身は相変わらず蹲っているだけだったが、その背後に何人もの人影が現れていた。

「あれは、ギャルゲロワの!? く、管理者の力を使ったか!」
「貴方の相手は私がする! 来なさい人の子よ!」



3937どんな時でも一人じゃない:2008/07/21(月) 15:34:13 ID:8FFERP/o0
ツキノンが戦ってる……ボクの代わりに……
手伝わ、ないと……だけど、今のボクじゃ足手まといにしかならない……
……それに、ギャルゲロワを否定したボクなんかが、ツキノンと一緒に戦う資格なんて……

「いつまでうじうじしてんのよあんたは!」
「ふやっ!?」

自ら心を閉ざそうとする蟹座氏の後頭部に、何者かの拳が炸裂する。

「お、落ち着け沙羅さん! じゃなかったtu4氏!」
「放しなさいー! こんなイベントの最中自分から動こうとしないなんて! アレね! 今まで目立ってたから別に動かなくたって空気化なんてしないだろー、とか思ってるんでしょう!? これだから人気キャラはー!」
「だから落ち着けと……! 首を刎ねますよ!?」

突然目の前で始まったどつき漫才を、蟹座氏はぽかんとした表情で見つめる。
沙羅さんもといtu4氏を初め、何人かは初めて見るがギャルゲロワのみんながそこにいた。
以前バトルマスターを殺してしまい、自殺を図った時と同じように……
ステルス鬼畜や頭脳戦に抑えられてるtu4氏は置いておき、最速の人が蟹座氏へと口を開く。

「あー、こほん。蟹座氏、立てますか?」
「最速氏……ボク、は……」
「……私は以前言いました。蟹座を否定している姿が萌え……げほん、蟹座氏のあるべき姿だと」
「それは……違うんだよ、ボクは、ロワ自体を、みんなを否定し続けて……」
「しっかりしなさい蟹座氏! あのような男の言葉に惑わされてどうするのですか!」

最速の人の言葉にも蟹座氏は立ち上がろうとしない。彼女の心はそれほど深く抉られているのだ。
見かねたお姉さま達が近寄ろうとするが、それよりも早く、一人の少女が口を開く。

「本当にそうだったのかな?」
「え……」
「本当にマイ――蟹座氏はその名前を否定してただけだったのかな?」

蟹座氏はその銀髪の少女の姿に見覚えがあった。
666の策略によってバトルマスターに襲い掛かり、ギャグ将軍に気絶させられた時にロリカードと共に自分の夢へ現れたあの少女だ。
あの時とはまったく違う、優しい口調で蟹座氏へと問いかける。

「そ、そうだよ! ボクは一度も認めたことなんてない……! 慰めなんてよしてよ! 誰だか知らない、け……ど……?」
「本当に?」

三度問いかけられる。
そして、その問いに同じ答えを返すことができなかった。
記憶の片隅で何かが語りかけている。自分は覚えていると、この少女の言っていることへの本当の答えが別にあると!
それに――この少女のことも、自分は知っている!

「ボク……違う、『私』は……!」
「……ん、思い出せたかな♪」
「そうだ、私……一度だけ」

それは本来知りえないはずの時の記憶。
更新されていった記憶の中で、蟹座氏はたった一度だけそのことを認める言葉を発したことがあった。

3938どんな時でも一人じゃない:2008/07/21(月) 15:34:54 ID:8FFERP/o0
「だ、だけど……それだけじゃ、否定し続けてきたことに変わりは無いよ……」
「違うよ。一度だけでも、最後の最後で認めたんだ、それは今までの否定を覆す。そもそも――否定なんて、してたのかな?」
「あ……!」

真っ向から蟹座氏の思考を否定したところで、外から傷つけられた心を治すことはできない。
少女は問いかける形で、内側からその心を癒そうとする。
これが七氏によってつけられた傷ならばそれでも言葉が届かなかったかもしれない。
だが、不完全な『闇に囁く言葉責め』では完全に心を打ち砕くことはできていなかった、故に言葉が届く、傷が癒えていく。

「あんな言葉に惑わされちゃダメだよ……頑張って……!」
「うん……!」

その返事に少女は嬉しそうに微笑みながら、一歩後ろへと下がる。
代わって最速の人が蟹座氏へと手を差し出す。

「さあ、こんなところで落ち込んでいる場合じゃないですよ。バトルマスターを助けるのでしょう」
「最速氏……うん! あ……だけど、今の私じゃししょーには……」
「にゃはは、大丈夫だよ蟹座氏、僕たちも一緒だから!」
「蟹座氏、あなたは一人じゃない、私達がついてるよ」
「汚れなき愛氏、お姉さま……」

瞳を潤ませる蟹座氏へ次々と手を差し出していく。
蟹座氏も手を伸ばし……お姉さま達の体が透けていき、蟹座氏の心へと入りこんでいく。

―よし決めた! 私、お姉様のために奉仕する!―
―待っていて下さいお姉さま。貴女のために、私頑張ります―

最後の最後まで、お姉さまを想いながら戦った汚れなき愛。

―その首、刈り取らせていただきます―
―あっ、そうだ。孔明さん―

自身の頭脳を生かし戦い、それを超える頭脳の前に散っていった歩く頭脳戦。

―俺こそが岸田、俺こそが最強の岸田だよ―
―ルールがあるからこそスポーツもゲームも面白いものだろう!―

道こそ間違っていたものの、自分の望む道を貫き通し、自身の熱意をはっきりと示したステルス鬼畜。

―この殺し合いを生き抜いて見せるんです!―
―そのままの……君が……好きなんだ、みんな……だから、決して憎まないでくれ―

真っ向から死亡フラグと戦い続け、仲間を守るため、確定的な死へも自ら踏み込んでいったギャルゲロワ版最速の人。

―じ、じ実に申し訳ない!! 某とした事がとんでもない勘違いを!!!―
―なんと言われようとも…。某は貴殿を止めねばならぬ!―

もはや言うまでもない「うっかり」を続けながらも仲間を守り続け、仲間を信じ続けながら死んでいった永遠のうっかり侍。

―なら……力を貸して! 理想を貫く為に! 皆を助けられる力を!―
―ずるいよ。あんな顔されたら、倒せるわけがないじゃない……―

不幸な目に合いながらも真っ当な対主催として戦い抜き、最後はその優しさの下倒れたお姉さま。

―見せてあげる……空気王と呼ばれた私の本当の力、空気キャラの戦い方を!―
―私が自分で選んだ道よ。あんたに悲しまれる謂われはないわ―

全ては空気キャラのため、全ては空気から逃れるため、その想いは誰よりも真っ直ぐだった予約被りのtu4氏。

3939どんな時でも一人じゃない:2008/07/21(月) 15:35:41 ID:8FFERP/o0
このロワで散っていたギャルゲロワのみんなが、対主催もマーダーも関係なく蟹座氏へ力を貸していく。
――そう、それはまさに蟹座氏が目指していた、ギャルゲロワの最終回のように。

「……だけど、まだ足りない」
「そう、マスターが欠けていては、全員での最終回はありえない……」

一人残った少女が手を伸ばす。

「ボクじゃマスターの代わりにはなれない。それでも蟹座氏を……妹者を支えることは、できるから!」
「うん……力を貸して、兄様!」



「絶空裂氷撃!」
「あぅっ!」

無数の氷柱がツキノンを吹き飛ばす。
神の世界が通じない以上、剣技ではナナシの方が圧倒的に上だ。
更に、今のナナシの獲物はソードサムライXではなくソーディアン・ディムロス。テイルズロワでも最終戦までヴェイグの相棒を務めた剣。
圧倒的な力の差を前にし、ふらつきながらも鬼狩柳桜を構えるが数合打ち合っただけで刀を弾き飛ばされてしまう。

「終わりだな」
「くっ……! ソーディアンも持ってきていたなんて……」
「ツキノン!」

ナナシとツキノンの間へと滑り込むように、鉈を持った蟹座氏が滑り込むように割り込む。
その瞳にはもはや迷いはない、あるのはただ――前へと進もうとする、強い意志!

「下がってツキノン。後は……私が戦う!」
「蟹座氏……戻ったのですね」
「もう私は逃げない! みんながついていてくれるから!」
「嘗められたものだな……永遠神剣でさえないただの鉈で勝てると思ったか」

ナナシがディムロスを振るうが、蟹座氏は鉈であっさりと受け流して反撃する。
慌ててバックステップをし反撃を回避したつもりだったものの、前髪がいくらかもってかれてしまう。
明らかに今までの蟹座氏とは比べ物にならない技量に驚愕し、ナナシは何が起こったのかを悟った。

「蟹座じゃないもんによる能力変化か……!?」
「惜しいかな、私自身の力じゃないってところは合ってるけど……だけど、もう否定はしないって決めたんだ」
『剣術なら某に任せてくだされ! ジョーカーなどに負けはしませぬ!』

蟹座氏の姿にうっかり侍の姿が重なって見える。
それは否定することで得た力ではない……受け入れたことで、肯定することで得た力!

3940どんな時でも一人じゃない:2008/07/21(月) 15:36:25 ID:8FFERP/o0
「いくよ!」
「く……凍れ!」

駆け出そうとした瞬間、氷のフォルスによって蟹座氏の手足が凍りつく。
身動きできなくなったと思ったのも一瞬で、その氷はすぐさま砕け散りナナシの顔が再び驚愕に染まる。

『願って! 純粋な気持ちで想い続けるんだ! そうすれば桜は応えてくれる!』

桜の魔法の力で氷を砕きながらナナシへと突き進み、ナナシにも劣らないうっかり侍の剣技で攻め立てていく。
ここまで来れば、ナナシも蟹座氏に何が起こっているかに気づく。

『真正面から行くだけが戦いじゃありませんよ、周りの地形を利用して!』
『あえて退き、油断したところを殺る……これもステルス思考のちょっとした応用だ』

ナナシが反撃の糸口を掴もうとする絶妙なタイミングで蟹座氏は退く。
ギャルゲロワ二大頭脳派の戦略を覆すのは容易じゃない。

「ならば、ディムロス!」

火球を放ち蟹座氏の足を止め、そこへ斬りかかる。
当然受け止められるが、それこそがナナシの狙いだ。

「絶・霧氷装!」
「っ!」

同じ目に合うわけにはいかないと即座に鉈から手を放す。
だが――この状況で武器を捨てるのは余りにも無謀。

「もらっ――何!?」

ナナシがディムロスを振るうよりも速く、
まるでどう動くかが分かっていたかのように速攻で蟹座氏はその場から離れていた。

『その程度死亡フラグとさえ言えないぞ! 私を殺ろうと言うのなら女子高生をもってこい!』

だが蟹座氏に武器はない、ケリュケイオンの攻撃魔法では威力は低いし、後無事な武器はツキノンの刀のみのはず。
一瞬だけツキノンへと視線を移し、その隙に蟹座氏は素手でナナシへと突っ込む。

「なっ!?」
『行くよ、蟹座氏!』
「うん、お姉さま!」

武と同じ身体能力、そこに中国の強化された腕力がプラスされた拳がナナシの腹へと突き刺さる。
体をくの字に折り曲げ、辛うじて倒れるのは堪え――

『こいつ空気王に似ててやりづらいのよねぇ……ああもう、仕方ないから力を貸してあげるわ! しっかり決めなさい!』
「う、うん! ダークインパクト!」

至近距離から放たれた闇の衝撃波に吹き飛ばされる。
ちなみに、最後の方でヴァッシュが空気化から抜け出したためにエンジェルアームは使えないらしい。
蟹座氏は倒れ伏すナナシを見ながら、荒くなっていた息を整える。
他作品の能力を扱う、tu4氏や影の繋ぎ氏のような元々の能力ではない以上、疲労というリスクが付いていた。

3941どんな時でも一人じゃない:2008/07/21(月) 15:37:12 ID:8FFERP/o0
「蟹座氏、大丈夫ですか?」
「うん……ありがとうツキノン」

それでも蟹座氏は前を見続ける、もう止まらない、迷わないと誓う。
ツキノンから鬼狩柳桜を受け取りそれを構える。
『誓い』と鉈は今だに凍りついたままだ、動かないがまだナナシは意識を失っていない。
油断もしないようだと思い、ナナシはふらつきながらその場に立ち上がる。
全身が傷つきながらもその闘志は衰えていない、決意を新たなにした今でも、気圧されてしまいそうだ。

「まだだ、この程度で倒れるほど柔じゃない……!」
「ツキノン、できるだけ下がって……何か、来る」

高まり続けるナナシの闘志に危険を感じ、装備の無いツキノンを下がらせる。
構える蟹座氏目掛け、ナナシはディムロスを構え駆け出していく。

「ディムロス、力を貸せ!」

ナナシのから発せられる青い光と、ディムロスから発せられる赤い光が混ざり合う。
それはテイルズロワ最後の戦いで放たれた技、全てを打ち砕く必殺の一撃。

『これは……!』
『燃え盛れ、紅蓮の炎ッ!!』

その動きと闘気に思わずうっかり侍が呻き、同時にディムロスから強大な火炎が波のように放たれる。

「……楽に死なせはしないッ!!」

桜の魔法で炎を消すより速く!
最速の人が死亡フラグを感知するよりも速く!
頭脳戦とステルス鬼畜が対抗策を考えるよりも速く!

ナナシは蟹座氏の懐へと飛び込み、ディムロスを振るい続ける!

蟹座の黄金聖闘衣に亀裂が入る。
バリアジャケットの防御をできる域などとっくに超えている。
黄金聖闘衣に守られていない部分が傷ついていき、その黄金聖闘衣の亀裂も全身へと広がっていく。
弓を引き絞るかのようにディムロスを引き――止めの一撃を繰り出す!

『「奥義!! インブレイスエンドッ!!!」』

黄金聖闘衣が砕ける、バリアジャケットがはじけ飛ぶ、
ギリギリのところで最速の人が蟹座氏の身を捻らせ直撃を避けるが、それでも剣はわき腹に突き刺さり衝撃で蟹座氏の体は吹き飛ばされる。
確実に致命傷になる一撃だ、だが桜の魔法による治療の可能性を考え痛む身体を振るい起こしてナナシは駆け出そうとする。

『つらいよね、苦しいよね』

全身を激痛に襲われながら、蟹座氏は汚れなき愛の力を使おうとしてはいなかった。

『だけど、頑張ろう。今なら、君を支えられるから!』

その力は、本来このロワの全ての力を集めてもありえない力。
承が感じ取り、コロンビーヌが呼び出した、ここに集められていないはずのロボロワの力。

『「IS――ランブルデトネイター」』

その呼び出された力とは――『金属を爆弾に変える力』!

『「発動!」』

3942どんな時でも一人じゃない:2008/07/21(月) 15:37:51 ID:8FFERP/o0
砕け散り、ナナシの周囲へと降り注いでいた黄金聖闘衣。
その破片全てが、一斉に爆発しナナシを襲う!

「――――!?」

氷のフォルスも間に合わず、悲鳴すらもかき消してナナシを爆発が包み込む。
そして――

「心地いい、繋がりだ……あんた達なら、対主催ENDへの道が、繋げるかもな……」

楽しそうに微笑み、その場に崩れ落ちた――



「もう動いても平気なのですか?」
「なんとか……時間もないし、ししょーを助けないと……」

ツキノンに肩を貸してもらいながら、蟹座氏は歩き続ける。
桜の魔法で傷の治療は行ったものの、その表情は険しい。
管理人の力を持ってしても、死者や外部介入には限度限界はあった。
疲労は増加し、桜の魔法も効果が薄れてきている。お姉さま達と会話することも不可能なようだ。
それでもみんなの力を使うことは可能だが、ロボロワの力はすでに失われてしまっている。
回収した核鉄で回復させているが、今だバトルマスターと渡り合うにはつらい状況、それでも蟹座氏は止まらない。

「私達は、一人じゃないから……!」

【2日目 深夜】【D-7 大蟹球フォーグラー内部・HIMMEL付近】
【蟹座氏@ギャルゲロワ】
【状態】:健康、首輪解除、疲労(極大)、折れない決意
【装備】:体操着(ブルマ)、鉈、永遠神剣『誓い』(鉈型)、ケリュケイオン+バリアジャケット@なのはStS
【道具】:支給品一式(食料全て消費)×5、最高ボタン、カードデッキ(シザース)@ライダーロワ、閃光弾、まふうじの杖、バッド・カニパニーの甲羅、蟹座氏の写真×10
     腕時計型麻酔銃(1/1)@漫画ロワ、麻酔銃の予備針×3、変化の杖、対戦車地雷×2、リュート@からくりサーカス、
     ヴァッシュ・ザ・スタンピードの銃@トライガン、ドラゴンオーブ@AAA、ティーセット一式 、ソードサムライX@漫画ロワ
【思考】:
 基本:ししょーは助ける! 主催者も倒す!
 1:ししょーを助ける。
 2:もう、絶対に迷わない!

※容姿は蟹沢きぬ(カニ)@つよきすです。
※最高ボタンを押すと台詞がハクオロの声で流れます。シークレットボイスにも何かあるかも?
※身体能力は本気を出せば倉成武ぐらいの力が出ます。通常はカニ。
※蟹見沢症候群について。
 へこみのLvが5になった時、発祥します。発症した場合、自分を苛めたり辱めたりした者を優先的に殺します。(今は鳴りを潜めている様子)
※言霊『蟹座じゃないもん』は 現在ジョーカーの手で能力を完全に分離させられました。
※蟹座氏のバリアジャケット姿がどのようなものかは以降の書き手に任せます。
※『蟹座じゃないもん』を失う代わりにブラック系のマイナスステータスを完全回復しました。

※蟹座であることを受け入れました。
※バトルマスターを除いたギャルゲロワ書き手勢の力を扱えるようになりました。ただしそのたびに疲労が蓄積されていきます。

3943どんな時でも一人じゃない:2008/07/21(月) 15:38:26 ID:8FFERP/o0
【ツキノン@GR1st】
【状態】:首輪無し
【装備】:鬼狩柳桜
【道具】:
【思考】:
基本:打倒WIKI管理人
1:ギャグ将軍と合流
2:蟹座氏を守る
3:????

※主催側に反抗したため(自滅ですが)支給品に封印されていました。
※何らかの主催側の情報を持っているかもしれません
※他お任せ
※羽入の力は使えます。

薄れ行く意識の中、ナナシは静かに思う。
心地よい繋がり、ギャルゲロワの仲の良さ。
自分達とて、周りで言われるように仲が悪いわけじゃない、むしろ互いを信じあってるからこそここまでやってこれたのだ。
だが、それでも羨ましく感じるほどに暖かかった、互いを信じあい、それぞれが親友のように助け合う。

「……すまない、みんな……俺は、あの絆を繋ぎたいと思ってしまった……」
『……それもまた、一つの道だろう』
「ああ……そう、だな……アナザー……道は、一つじゃない……」

その思いに、後悔はなかった。

【ナナシ@テイルズロワ 死亡】

3944名無しにこんばんは:2008/07/21(月) 15:39:47 ID:8FFERP/o0
投下終了
チートすぎかと思ったが、周りを見たら全然そんなことなかったぜ!

3945名無しにこんばんは:2008/07/21(月) 16:24:45 ID:5PuM0UCs0
投下乙です
これは熱いバトル……っていうかこれなんてラストバト(ry
力を一度失って、それでも皆の力を借りて再び立ち上がる蟹座氏の姿が凄く良かったです
そして、GR1st合同最終回と絡めたのが上手いなあ

3946どんな時でも一人じゃない:2008/07/21(月) 16:45:39 ID:8FFERP/o0
申し訳ない、>>3938及び>>3940の加筆修正版を投下します。
並びに孤高の黒き書き手氏に深くお詫びします。
本当に申し訳ない

3947どんな時でも一人じゃない 3938修正版:2008/07/21(月) 16:47:15 ID:8FFERP/o0
「だ、だけど……それだけじゃ、否定し続けてきたことに変わりは無いよ……」
「違うよ。一度だけでも、最後の最後で認めたんだ、それは今までの否定を覆す。そもそも――否定なんて、してたのかな?」
「あ……!」

真っ向から蟹座氏の思考を否定したところで、外から傷つけられた心を治すことはできない。
少女は問いかける形で、内側からその心を癒そうとする。
これが七氏によってつけられた傷ならばそれでも言葉が届かなかったかもしれない。
だが、不完全な『闇に囁く言葉責め』では完全に心を打ち砕くことはできていなかった、故に言葉が届く、傷が癒えていく。

「あんな言葉に惑わされちゃダメだよ……頑張って……!」
「うん……!」

その返事に少女は嬉しそうに微笑みながら、一歩後ろへと下がる。
代わって最速の人が蟹座氏へと手を差し出す。

「さあ、こんなところで落ち込んでいる場合じゃないですよ。バトルマスターを助けるのでしょう」
「最速氏……うん! あ……だけど、今の私じゃししょーには……」
「にゃはは、大丈夫だよ蟹座氏、僕たちも一緒だから!」
「もう、情けない表情をしてないでください。それでもウチのロワの熱血書き手ですか?」
「蟹座氏、あなたは一人じゃない、私達がついてるよ」
「汚れなき愛氏、孤高氏、お姉さま……」

瞳を潤ませる蟹座氏へ次々と手を差し出していく。
蟹座氏も手を伸ばし……お姉さま達の体が透けていき、蟹座氏の心へと入りこんでいく。

―よし決めた! 私、お姉様のために奉仕する!―
―待っていて下さいお姉さま。貴女のために、私頑張ります―

最後の最後まで、お姉さまを想いながら戦った汚れなき愛。

―その首、刈り取らせていただきます―
―あっ、そうだ。孔明さん―

自身の頭脳を生かし戦い、それを超える頭脳の前に散っていった歩く頭脳戦。

―俺こそが岸田、俺こそが最強の岸田だよ―
―ルールがあるからこそスポーツもゲームも面白いものだろう!―

道こそ間違っていたものの、自分の望む道を貫き通し、自身の熱意をはっきりと示したステルス鬼畜。

―この殺し合いを生き抜いて見せるんです!―
―そのままの……君が……好きなんだ、みんな……だから、決して憎まないでくれ―

真っ向から死亡フラグと戦い続け、仲間を守るため、確定的な死へも自ら踏み込んでいったギャルゲロワ版最速の人。

―じ、じ実に申し訳ない!! 某とした事がとんでもない勘違いを!!!―
―なんと言われようとも…。某は貴殿を止めねばならぬ!―

もはや言うまでもない「うっかり」を続けながらも仲間を守り続け、仲間を信じ続けながら死んでいった永遠のうっかり侍。

―なら……力を貸して! 理想を貫く為に! 皆を助けられる力を!―
―ずるいよ。あんな顔されたら、倒せるわけがないじゃない……―

不幸な目に合いながらも真っ当な対主催として戦い抜き、最後はその優しさの下倒れたお姉さま。

―まさか……彼も一緒にとは思っていませんよね私!―
―えっ、あああああの漆黒さん!? なななな何をするんですかっ!?―

少しずつ湧き出た心の黒さによって道を踏み外しかけ、それをもう一人の黒の名を持つ書き手によって引き戻された孤高の黒き書き手。

―見せてあげる……空気王と呼ばれた私の本当の力、空気キャラの戦い方を!―
―私が自分で選んだ道よ。あんたに悲しまれる謂われはないわ―

全ては空気キャラのため、全ては空気から逃れるため、その想いは誰よりも真っ直ぐだった予約被りのtu4氏。

3948どんな時でも一人じゃない 3940修正版:2008/07/21(月) 16:48:54 ID:8FFERP/o0
「いくよ!」
「く……凍れ!」

駆け出そうとした瞬間、氷のフォルスによって蟹座氏の手足が凍りつく。
身動きできなくなったと思ったのも一瞬で、その氷はすぐさま砕け散りナナシの顔が再び驚愕に染まる。

『願って! 純粋な気持ちで想い続けるんだ! そうすれば桜は応えてくれる!』

桜の魔法の力で氷を砕きながらナナシへと突き進み、ナナシにも劣らないうっかり侍の剣技で攻め立てていく。
ここまで来れば、ナナシも蟹座氏に何が起こっているかに気づく。

『真正面から行くだけが戦いじゃありませんよ、周りの地形を利用して!』
『あえて退き、油断したところを殺る……これもステルス思考のちょっとした応用だ』

ナナシが反撃の糸口を掴もうとする絶妙なタイミングで蟹座氏は退く。
ギャルゲロワ二大頭脳派の戦略を覆すのは容易じゃない。

『さぁ、この痛みに耐え切れますか!?』
「――っ!? ぐあああああああ!!」

孤高の黒き書き手のギアスが襲い掛かり、ナナシの心を喰らい尽くす。
だが、そこは鬱・グロに定評のあるテイルズロワの書き手、痛みを無理矢理押さえ込んでディムロスを構える。

「――ディムロス!」

火球を放ち蟹座氏の足を止め、そこへ斬りかかる。
当然受け止められるが、それこそがナナシの狙いだ。

「絶・霧氷装!」
「っ!」

同じ目に合うわけにはいかないと即座に鉈から手を放す。
だが――この状況で武器を捨てるのは余りにも無謀。

「もらっ――何!?」

ナナシがディムロスを振るうよりも速く、
まるでどう動くかが分かっていたかのように速攻で蟹座氏はその場から離れていた。

『その程度死亡フラグとさえ言えないぞ! 私を殺ろうと言うのなら女子高生をもってこい!』

だが蟹座氏に武器はない、ケリュケイオンの攻撃魔法では威力は低いし、後無事な武器はツキノンの刀のみのはず。
一瞬だけツキノンへと視線を移し、その隙に蟹座氏は素手でナナシへと突っ込む。

「なっ!?」
『行くよ、蟹座氏!』
「うん、お姉さま!」

武と同じ身体能力、そこに中国の強化された腕力がプラスされた拳がナナシの腹へと突き刺さる。
体をくの字に折り曲げ、辛うじて倒れるのは堪え――

『こいつ空気王に似ててやりづらいのよねぇ……ああもう、仕方ないから力を貸してあげるわ! しっかり決めなさい!』
「う、うん! ダークインパクト!」

至近距離から放たれた闇の衝撃波に吹き飛ばされる。
ちなみに、最後の方でヴァッシュが空気化から抜け出したためにエンジェルアームは使えないらしい。
蟹座氏は倒れ伏すナナシを見ながら、荒くなっていた息を整える。
他作品の能力を扱う、tu4氏や影の繋ぎ氏のような元々の能力ではない以上、疲労というリスクが付いていた。

3949名無しにこんばんは:2008/07/21(月) 16:49:29 ID:8FFERP/o0
以上です、ほんと申し訳ない……

3950名無しにこんばんは:2008/07/21(月) 17:06:34 ID:eDC344I.0
投下&加筆修正乙です。
さすがにGRらしい感じだw蟹座氏がみんなの力を借りて立ち向かう、ベタな展開だが好きだ。
今まで否定したり迷ったりしてきたけど蟹座氏たくましくなったなあ。
やはりGR合同最終回と絡めたところがいい、GJです。

3951名無しにこんばんは:2008/07/21(月) 23:55:05 ID:vS/xasL60
投下&修正乙〜
合同ネタはいつか来るorやりたいと思ってたがここできたかw
しかもそれぞれの能力分担がナイスだw
そして、ナナシもいい最期でした〜w
うい、燃えたぜ!GJなんだな!

3952しんじ:2008/07/22(火) 08:27:43 ID:hkouVK260
キャバクラ行くより、直に会おう。

3953しんじ:2008/07/22(火) 08:50:24 ID:hkouVK260
キャバクラ行くより、直に会おう。

3954しんじ:2008/07/22(火) 16:33:27 ID:hkouVK260
キャバクラ行くより、直に会おう。

3955しんじ:2008/07/22(火) 16:50:48 ID:hkouVK260
キャバクラ行くより、直に会おう。

3956名無しにこんばんは:2008/07/22(火) 17:27:17 ID:dqUracCg0
投下、GJ。
なんて熱い戦いw ギャルゲロワの特筆すべき点である合同最終回を絡めるとは面白いw
ナナシの技は炎なのか氷なのか、とwww
これまでのギャルゲロワ勢の総力戦。最後に戦うのは、ギャルゲロワの戦闘力トップのバトルマスター。
最終決戦も近いぜ!

3957:2008/07/23(水) 23:15:12 ID:cmIJa8zU0
―――――――楚人に盾と矛とを鬻ぐ者あり。
       これを褒めて曰く、「吾が盾の堅きこと、よく徹すもの無き也。」と。
       また、その矛を誉めて曰く、「吾が矛の利なること、物に於いて徹さざること無き也。」と。
       ある人曰く、「子の矛を以って、子の盾を徹さばいかん。」と。その人答ふることあたはざりき。

【採掘場エリア】

無人の荒野と化した採掘場は、人の手の付いていないかのように整然としていた。
だが、ここで確かに戦いがあったのだ。壮絶なる、世界を揺るがす規模の戦いが。
しかし、それは正確にはここで行われたものではなく、異空間にて行われたものだった。
だからそれを知る物はもう、誰もいない。躯すら残っていないこの何も無い場所に誰もいない。
彼を除いては。

「超展開…………」

砂土を踏みしめて砂塵の中に立つのは、つなぎを着たいい男。
裸になってすぐアッー〜殺意のqwglOGQwIk〜は無人のエリアに立って空を仰いだ。
超展開との電話が切られた後、彼は熟達した書き手だけが持つ第六感に居てもたっても居られず、このエリアにやってきた。
結果、そこにあったのは傷一つ残っていない世界だけ。僅かな毒素の香りだけが、そこで起こったことを辛うじて教えていた。
阿部さんとしては女が一人死んだところで何一つ感慨など起こる筈もない。
だが、彼は阿部であると同時に古泉でもあった。『マーガリン』としてえーりんである超展開の死に心動かされないわけが無い。
大地すら記憶しない戦い。しかし、自分は覚えていよう。ニコニコ動画に動画として保存しよう。
私達の戦いは、決して無駄ではなかったと書き手ロワの歴史に刻みつけよう。
「……その為には、どうしても貴方を倒さなければなりませんね。地図氏」
自分に言い聞かせるように呟いたその名は、彼がジョーカー登場最初期から注意していた人物。
超展開の命懸けの攻撃で将軍を倒した結果、ニコニコサーバーへの攻撃は半減している。
残る地球破壊爆弾を打ち倒せば、電子戦を行えるものはいなくなる。ニコニコは守られる。
全てが終わってしまっても、動画だけは遺せる。ニコニコジョーカー最後の一騎であるガチホモが望むのはただそれだけだった。
「ですが、私の力で果たして何処まで行けるか……」
苦虫を噛み潰したような顔をしてガチホモは唸った。
地図氏と自分、スペックに開きがあるのは目に見えている。
阿部さんの力でアアーーーーッ展開に持ち込めれば話は別だが、地図氏の変身のうちまともに男性なのはアーカードくらいだ。
ショタカードにでもなってくれるならともかく、余りにも分が悪すぎる。
「……どうしたものですかねえ、誰か助けてくれませ――――――ッ!!」
一人ごちようとしたその時、ガチホモがある一点に気づき、そこに走る。
何も無い場所だったそこにそれは、否、彼女は居た。

3958:2008/07/23(水) 23:15:59 ID:cmIJa8zU0

「超、展開」

ガチホモが震える唇でやっとのことで彼女の名前を紡いだ。
霧が集まるようにして、超展開が再構築されていた。
ジョーカーである彼女は参加者達よりも僅かに制限が緩く、蓬莱のリザレクションが発動していたのだ。
「無理をしなくて良い!! 眠っていなさい!!」
何かをガチホモに伝えようと超展開の口が動くが、伝わらない。口が半分しかなく、舌もないからだった。
制限が緩いとはいえ、あくまでも誤差の範疇。それで生死の運命を変えられるほど都合は良くはない。
やがて口で伝えるのは無理だと悟ったのか唯一まともに構成された左上半身から伸びる腕、その先の指が砂に沈む。
「…………一体、何を」
ゆっくりと指が砂を割り、何か文字らしきものを浮かび上がらせる。
その指が力尽きたとき、彼女の身体は今度こそ塵よりも小さなものになった。

『 D ハ ウメコンダ』
「!!」

3959:2008/07/23(水) 23:16:31 ID:cmIJa8zU0
今度こそ誰も居なくなった空虚な世界で、ガチホモは天を見上げた。
「貴方は、最後まで私を助けてくれるのですね………」
目の辺りを覆う雨は、一向に止まなかった。
感傷に浸る余裕などないと言いたげに電話の音がけたたましく鳴ること十数秒。ガチホモは眼を拭って受話器を取った。
「…………ガチホモです」
「…………七氏だ。ナナシの死亡を、今確認した」
息を呑みそうになるのを堪えて、ガチホモも伝えなければならないことを伝える。
「こちらも超展開の敗退を確認しました」
「……そう、か」
「これで、残るはお互いだけになりましたね」
「ああ、残る守備拠点もそっちが管轄するギガゾンビ城エリアと僕のHIMMELエリアだけだ」
なんともこざっぱりとしたものだ、そうガチホモは心の底から思った。
昨今のロワの風潮を作り上げたアニロワ1stを司るギガゾンビ城は、
旅の扉の手前に位置するエリアであり掻い摘んでいえば最終防衛ラインである。
例に漏れずニコ厨をインストールされたツチダマが無数に配備されて入るが、焼け石に水だろう。
そして現在の風潮を作り上げたことに大いに関係しているGR1stを司るHIMMELエリアもまた重要なエリアだ。
がガチホモと会話している七氏の場所は、運命に抗う参加者達が最後にウィツアルネミテアと化したディーと争った場所。
そこには、フォーグラーを混沌につくりかえた永久機関が存在する。
大蟹杯。フォーグラーと融合した黒い蟹座氏より生まれた、無限のエネルギーを絶えず流す大穴だ。
黒い蟹座氏より作られし大蟹杯こそ今の大蟹球フォーグラーを統べる心の臓である。
大きな器を手に入れることで、蟹座氏の下では小蟹杯程度の力しか引き出せなかった蟹座じゃないもんは、
いまや擬似ダイタルゲートとして根源にすら境界を開こうとしている。
「ギガゾンビ城を突破されれば後は旅の扉まで一直線。
 HIMMELを落とされればこの大蟹球は唯のフォーグラーに戻ってしまう。つまり、王手がかかる訳か」
「そちらの方はどうです?」
「ナナシが時間を稼いでくれたお陰で、改竄は完了した。今や立派なマーダーだよ。
 元々謀略には弱い男だからな。対主催との矛盾も孔明……真の対主催を間に挟むことで大体は処理できた。
 今や立派なマーダーだよ。いや……僕のサーヴァントかな?」
受話器越しにもどす黒い笑みが伝わる七氏の声。いかなる外道を行ったかは想像しない。
送られてきたナナシと蟹座氏の戦闘を見ながら、ガチホモは呟いた。
「これは……まさか、GR参加者の力を全部?」
「マスターを除く、だがな。このタイミングでツキノンと合流し、なおかつ覚醒。伊達にここまで生き残っていたわけではないらしい」
自分のエリアに近付いている参加者がパワーUPしたというのに、くっくくと笑う七氏の声に恐れは感じられなかった。
「しかし、この展開は……」
「ああ、計画通りだ。蟹座氏が死者の力を使うことは、な」
ガチホモは状況を吟味する。対主催チームの中で最も戦力に欠けた蟹座氏が今から戦力を拡充するなら、もう死者とのイベントしかない。
今までもさんざん介入してきた連中のことだ。
天性のいじられ属性&ほっとけないオーラを放つ蟹座氏がピンチになれば、十中八九応援に来るだろうことはジョーカー達の予想の範疇だった。
「こちらで出来ることはほぼ完了した。そちらは?」
「ええ、えーりん……超展開が目標に『D』を埋め込むことに成功したようです。あとは、私がトリガーを引けば」
その言葉に、七氏の言葉が微かに上ずっていた。喜びが見て取れる
「勝ったな」
「だといいんですが。少なくとも、地図氏はここで終わりです。いえ、終わらせます」
受話器越しにもはっきりと伝わるほど、ガチホモの決意は固かった。文字通り不退転の覚悟なのだ。
「多分、これが最後の通信になる。健闘を祈る」
「お互いに」
「「いい戦争を」」
ガチャンと受話器が下ろされ、再びエリアは無音に晒される。
ナナシやえーりん……ジョーカー達の決して時間稼ぎの捨て駒ではない。
蟹座氏の覚醒、ツキノンの応援と状況は決して良くは無い。
だが、彼らは本人の知りえない場所で一つ致命的なミスを犯した。
「死者から力を借りることは、パロロワ決戦の王道。だがその王道が敵に回ったとき、貴方達はどうします……?」
ジョーカー専用の直通口を開き、ガチホモはその中へ入って行った。

3960:2008/07/23(水) 23:16:51 ID:cmIJa8zU0
【フォーグラー通路】

「くそッ 何処に行っても誰もいない! これもジョーカー達の仕業か!?」
猛スピードで走る影の繋ぎ師は無人の通路を音をたてて走っていた。
駆け巡るのは熱だけではない。焦燥、悲哀、憤怒、そして―――――猛烈な憎しみ。
「よくも将軍を!! 許さないぞジョーカー! お前たちだけはこの俺の手で倒す!!」
ライバル的な関係だった熱血王子へのあまりに惨い処置、最後の同胞だった将軍を目の前で殺された光景。
行けども行けども進まないのは、恐らくこの強大すぎる力を恐れて故。
そう思う影の繋ぎ師の中で、どんどんと黒い炎が燃え上がっていた。
「クソッ、ち、力が……」
精神的には怒りによって充足しているとはいえ、彼の体はボロボロだった。
tu4氏との激戦によって穿たれた傷は、決して仙豆1/8程度で癒えるものではない。
ましてやあのニコニコ軍勢と戦い、そのエネルギーもほぼ尽きているのだが。
「だめだ、こんなところで立ち止まる訳には……仮面ライダーは決して諦めないッ!!」

――――――――成程、それが貴方の希望ですか。

何処かから声がしたような気がした。
その声に立ち上がろうとする前に、影の繋ぎ師は自分の体の中が熱くなってくるのを感じる。
「……何か、体に力が漲ってくる……?」
握り拳を作るだけで、その張りがハッキリと自覚できた。
全快とは程遠いが、走るだけなら十分すぎる。
さらに轟音。通路が有らぬ方向へと曲げられ、その方を向けば新しい道ができていた。
罠か、そう思う一方で逆に影の繋ぎ師は体から沸々とわき立つものを感じていた。
その先にはジョーカーがいる。憎き憎きジョーカーが。
「いいだろう、乗ってやるぞジョーカー!! 正義は、希望は! 絶望になど屈しないッ!!」
繋ぎ師は弾かれるように、招かれるようにその道を走り始めた。

3961:2008/07/23(水) 23:17:23 ID:cmIJa8zU0
【ギガゾンビ城エリア・正面ホール】

「俺らの出番来た!これで勝つるギガ!!」
「お前ら全員まっこまこにしてやんギガよ!!」
「誠死ねギガ」「リッチャンハカワイイデスギガ」
「でも体が微妙に鈍い……エコノミー死ねギガァァ!!!」
「プレミアム入ってる俺勝ち組ギガwww」
「これ見よがしにプレミアムカラーにしやがって……この怒りを連中にぶつけてやるギガ!!」
「一歩でも後ろに引いたやつにはハイポーション飲ませるから覚悟しとけギガ!!」
「ノニジュースでもおkギガ。30歳くらい老けるギガ」
「三ギガ倍アイスクリィィィィィム!!!!」
「テクテクさん……俺に勇気を貸してくれギガ!!」
「これぞ本当の人形裁判。判決は、死刑! 死刑!! 死刑死刑死刑ギガ!!!」

アニロワ1stの最終決戦場となった、ギガゾンビ城の一階・大ホール。
そこに様々な武器を持ちながらワラワラと集まってくるのは無数の埴輪だか土偶だか微妙な人形たち。
アニロワ1stの最終決戦で重要なファクターを持ったツチダマである。
彼らを統括しているのはギガゾンビのシステムではなく、ニコニコなので基本的に入力されているのは皆ニコ厨である。
もう一年アニロワの開催が遅ければPC上のツチダマ掲示板はツチダマ動画(夏)になっていたかもしれない。
そんな彼らはなぜここにいるのか? 決まっている。守るためだ。
何を? 決まっている。この場所を、彼が帰ってくるまで。
何から? 決まっている。今目の前にいる―――――――バカップルから!!

「ったく、しつこいわね!! どいつもこいつもこんなに仲間がいるんだから自分は死なないなんてツラしちゃって!!」
「わりぃな!! 唯のモブがいつの間にかアニロワを喰っちゃうようなキャラになっちまった。
 しかも完全にニコニコにキまっちまってると来たもんだ。アニロワへの遠慮は要らねえ、喰っちまえ!!」

3962:2008/07/23(水) 23:17:58 ID:cmIJa8zU0
ぶつくさいいながらも的確なワンツーを繰り出してツチダマを確実に壊し、殺していくのはロリスキー。
ラッドみんの力を使っているが、覚醒イベントにて自己を確定させた彼女のキャラにブレはみられない。
それを楽しげに眺めながらもソードカトラスを振ってツチダマ達を片っ端から土に変えていく地球破壊爆弾の姿はレヴィだ。
遠近をきっちりと役割分担した彼女たちは熟年のパートナーのように息が合っていた。
みるみる内に減っていくツチダマだが、本編でも呆れるほどのタフネスと人海戦術を繰り広げてきた彼らにとって大した問題ではない。

「でも、流石に守りが堅いわね……これって、やっぱり」
「正解だ、クー。ダイヤに磨きがかかってきやがったな。
 そうさ、どうにもここは地獄への正面玄関ってわけで、連中は親切にも一丁目で苦しみを終わらせてやろうって思ってる」
防御が厚いということは、その先には守らなければならないものがあるということ。弱点を晒すということ。
ワラワラという擬音も出てきそうなツチダマの群れを前にして、
「それは、なんとも」「ああ、どうにも」

餌を前に檻を広げられた肉食獣のように笑った。

「ムカついて仕方がねえ!!」

マリンデビモンの触手が横薙ぎに一振りされて、百ほど持っていかれる。
情報解析によって構築された無数の槍が射出され、さらに百ほど持っていかれる。
それを繰り返すこと数分、ホールに集まっていたツチダマは軍隊として全滅と評価されてもいいほどに減衰した。
「何匹殺した? 因みに私は2581!!」
攻撃が緩んだことを確認したロリスキーは自信満々に言い放つ。
アニロワ最終話のスコアに比べると異常としか言いようがないが、書き手ロワ的にはそんなもんだろう。
「年端もいかねえガキがサバ読んで如何するってんだい? あんたのスコアは2479だ」
「って、ちゃっかり見てたんかい!!」
「ががみんの勇姿はこの目でしっかりおがませてもらったよん」
ああ、そういやそうだったとこなたに戻ったロリスキーは思った。
長門としての属性を持つ彼女にとって、数字の計測を見誤るわけがない。
「で、あんたはどうだったのよ」
「んー、2478。負けちゃったねえ」
何を白々しいことを、とロリスキーはジト目を作る。自分の数を数えつつ、1だけ負けて点数を調整するなんて。
私を立てるためなんだろうけど、逆に傷つくっての。
だが、直ぐに気分を切り返してロリスキーは思う。地球破壊爆弾の愛は、まだ生まれたばかりなのだ。
だからこうして、不器用でも自分なりに私を喜ばせようとしてくれているのが嬉しかった。
まだ二人の絆は始まったばかり。だから、焦ることなんてないのに。

「残念ですが、もう恋愛フラグはおなかいっぱいですよ。自重してもらいましょうか」

3963:2008/07/23(水) 23:18:30 ID:cmIJa8zU0
突如響く第3者の声。気がついて二人が辺りを見回すと、ツチダマは彼方此方に退避していた。
そしてホールの奥から現れる影は、偉丈夫としかいいようのない厚みをもっていた。
「お久しぶりですね。あのファミレス以来ですか」
「久しぶりだねえ、qwg氏。いや、書き手ロワだからガチホモさんと言うべきかな」
どちらでも結構ですよ、そういいながら現れたのは阿部さん……裸になってすぐアッー〜殺意のqwglOGQwIk〜だった。
「ニコロワの重鎮である貴方がここにいるってことは、この先に旅の扉があると思っていいのかな?」
「ご想像にお任せしますよ」
相変わらず紳士の笑みを浮かべてはいるが、以前と違い明らかな殺意がにじみ出ている。
修羅場を抜けて一介の強者になったクールなロリスキーはそれを感じ取り、尋ねずにはいられなかった。
「ねえ、分かっちゃいるけどさ、確認させて。通してくれない?
 愛媛さんを見て分かった。ジョーカーとして呼ばれたからって、貴方達だって同じ書き手なんだって。
 主催者の近くにいた貴方たちなら私達よりも強く思っているはず。こんなの間違っているって!!」
一歩前に出るロリスキーをみて、地図氏のカトラスが僅かに動くが引き金には手をかけていない。
ロリスキーに対する最大級の信頼だった。
「……愛媛氏を懐柔できたからといって、次は私ですか。舐めないでください……といいたいところですが。
 まあ、私たちとしては面白ければ今から寝返ってもいいんですけどね。
 貴方達は知らないでしょうが対主催もかなりボロボロです。多分、死にはしますが寝返り自体は許容されるでしょう……」
ですが、とガチホモは区切った。
「ですがもう、そんなことをいう段階はとうに過ぎてしまったんですよ。愛媛は裏切りの末にけじめをつけさせられました。
 人外も、超展開ももういません。なのに、私だけが今更降りるわけにはいかないんですよ」
淡々としながらも感情の込められたガチホモの言葉に、ロリスキーは疑うことができなかった。
愛媛、つかさ。例えなりきりの鎖に縛られた縁だったとしても、紛れもない姉妹の絆だったのだ。
「話はそこまでだよ、かがみん。私たちは決着を付けなければいけない。そうだね、ガチホモさん」
「ええ、その通りです地図氏。猛烈に悔やんでいますよ。あのファミレスで始末できていれば、こうはならなかったと!!」
地図氏がカトラスを構える。十三奥義ジャッカルを前にして接近戦は愚の骨頂であるから。だが。

「構えないの? 言いたくはないけど、かがみんと一緒の貴方じゃ私には勝てないよ」
「そうですね。言いたくないですけど、ずっと裏方にいた私と貴方では地力に差が付きすぎました。
 ですから……もう少し待ってください。今、ゲストがここに来ますから」

3964:2008/07/23(水) 23:18:59 ID:cmIJa8zU0
そうガチホモが言い終わるよりも早く、ホールの壁が爆発する。
「ジョォォォォォォカァァァァァァァァアアアアアアアッッ!!!!!!!!!」
「繋ぎ師っ!?」
流星のような鋭い蹴りと共に現れたのは黒き荒神。
突然の登場に硬直する二人を尻目に、既に予測していたガチホモは動作を取る。
何せ通路の構造をマッガーレ↓して繋ぎ師のくるタイミングを調整したのだから。
片手でライダーキックを受けるガチホモ。ぶつかった左腕は、使い捨てのように消しとんだ。
「ぐうっ、超展開の仇、討たせてもらいますよ!!」
「将軍の、仇ィィィィィィ!!!!!!」
SRXから放たれる無数の光線・実弾、それらを全て曲げていくガチホモ。
畢竟、あたりはあっという間に閃光に包まれた。
「ふう……一時はどうなることかと思ったけど、これでなんとかなりそうね」
繋ぎ師の猛攻を見ながら、ロリスキーは安堵の溜息をついた。
対主催陣の最強戦力を前にして、無事でいられるものなどそうはいないだろう。
増援にはいかない。こちらが手を出したところでむしろとばっちりを食らいにいくようなものだ。
「…………どうしたの、ちーちゃん」
しかし、もう一人はそうではなかった。長門の姿になった地図氏の眼鏡の奥で、文字列が並んでいる。
「どうにも出来すぎている。58%の確率でガチホモが影の繋ぎ師を誘導した可能性がある」
「……そういえばそうかも……でも、何のために?」
ロリスキーの言うことはもっともだった。ぶっちぎることであらゆるフラグを破壊できる影の繋ぎ師に搦め手など効くはずがない。
繋ぎ師には弱体化・命と引き換えフラグは立ってはいるが、謀略系のフラグは何も立っていないはずだ。
今から積むには時間が無さすぎる。だから、ロリスキーには精々ガチホモが自白したように超展開の仇という感傷にしかみえなかった。
「今wikiを見てその理由を推察中」
しかし地図氏はそれでは納得できなかった。自分に向けられた明確な殺意もまた疑いようがない。
自分と繋ぎ師、この二人をガチホモが殺す方法がどこかにあるはずなのだ。
そう思いwikiを洗ってフラグを探すが、一向に見当たらない。ならば突発的にやるのか?
そんな安いフラグでは直ぐに負ける。ならば、一体何処から――――――――

「まさか、ね」

地図氏があるとっかかりに気づき、あり得ないと口を漏らす。
木を見て森を見ず。見るべきはフラグではなく状況全体だとしたら。
地図を見るように俯瞰すれば、もっと大きなものが見えるときがある。

3965:2008/07/23(水) 23:19:29 ID:cmIJa8zU0
そうこうしているうちに、大勢は決し始めていた。
あらゆるところから血を流しているガチホモの四肢は、もう片足と片足しか残っていない。
片手だけのマッガーレでは、SRXの絶大火力には対応しきれないのだ。
「くぅ……流石に馬鹿と阿呆を総動員したような能力ですね……ふんもっふ!!」
残った剛腕から放たれる光の玉を、避けるまでもないと片手で弾き飛ばす。
「その力で、その命ぶっちぎるぜ!!」
そう叫ぶ繋ぎ師の手に握られたのは今は亡き月光と陽光を思わせる橙と銀色が混ざりあった巨大な光の刃。
(いま橙をちぇんって読んだやつ、Exステージやってくること)
tu4氏のような超級チートならばともかく、ジョーカー一人にはオーバーキルと言わざるを得ない得物。
「これで終わりだッ! 天上天下、陰陽爆砕剣!!」
エネルギーの枯渇など知った事かと言わんばかりに大きく速く、その剣は振りぬかれた。

『掘り穿つ<ゲイ・――――――――』

呟く声を掻き消すように、ガチホモの体は横一線に一刀両断された。


「大丈夫! 繋ぎ師!?」
戦いが終わりロリスキーが繋ぎ師の下へ駆け寄る。
無理な大技に、今度こそ精根尽き果てた繋ぎ師の変身は解除されていた。
「あ、ああ……すいません。居たんですね、ロリスキーさん……」
おぼろげな意識でロリスキーの方を向き、繋ぎ師は笑う。
ジョーカーへの怒りに身を焦がしていた彼は、この時初めて彼女たちがここにいたことに気づいた。
「ううん、そんなこと全然気にしなくていいんだから! 私たちこそ手伝えなくて御免なさい。なんだか―――」
彼女は言いかけたことを慌てて両手で封じ込めた。助けてもらっておいてこんなことを言っては失礼すぎるだろう。

――――貴方が少し怖くて。

「……なんでもないの。それより、この先に旅の――――――」
「くーちゃん避けてッ!!」
割れるような地図氏の叫びに、ロリスキーは反射的に後ろを向いた。
見れば、空中から彼女を目掛けて飛来する何かがあった。
爆弾のソードカトラスの銃弾を抜けて、何かは超高速で飛来する。マッハが出ているのか、音が遠い。
だが音速程度で怯むほど彼女は昔の彼女ではなかった。
丁寧に構えを取って、迎撃の準備を備える。
(ガチホモのイタチっ屁? それとも残ったジョーカーの奇襲? どっちにしたって、この拳で吹っ飛ばして―――!!??)
拳の射程ギリギリ、ロリスキーはそれに気づいた。いや、気付きたくなかったっつーか……
(あ、ありのまま今起こったことを話すぜ……超高速飛行体を撃ち落とそうとしたら、丸出しの下半身だけが飛んできた。
 な、何を言ってるのかさp分かるかアホォォォォォォォ!!!!!!!!!!!!!!)
かがみとしての突っ込み条件反射と、一応の女性として単体で飛んでくる男性器に、
クールなロリスキーは硬直せざるを得なかった。その隙は、あまりにも大きい。
「く……危ないッ!!」
だがそれから身を守るように、繋ぎ師がロリスキーを吹き飛ばす。
突き飛ばされるロリスキーは、コマ送りの洋画のようにスローリィにその光景を見ていた。
高速で飛来する下半身、腸をだだもれにしながらも飛来するそれは、
ロリスキーなど、女など眼もくれないと云わんばかりに軌道を変えた。
(まさか――――――)
気づくべきだった。こんな健全なロワで男性器を振り回せるようなキャラは一人しかおらず、
そして、そのキャラが小娘など狙うはずがない――――――――!!

「逃げて、繋ぎ師!!」

その警告が放たれるよりも先に、疲労困憊で動けるはずもない繋ぎ師の尻を目掛けて下半身が突撃した。

3966:2008/07/23(水) 23:20:02 ID:cmIJa8zU0
「くッ……させ、る、かアーーーッ!!」
最後の力の果ての果てを振り絞ってサタンサーベルを振る繋ぎ師。
しかし、既に十分な速度を得ていたそれを完全に止めることなど叶わず、
ソレは、繋ぎ師の何処かにほんの少しだけ侵入して止まった。

ちょっとだけ突き刺さった下半身が消失していく中、悶えるように蹲る繋ぎ師。
その背中にはむしろ哀愁すら感じられる。
「あ、あの……女の子の私には、よく分からないけど……大丈夫よ!! ほんの数センチなだけだし!!
 三秒ルール的に、ってちょっ、うわっ!!」
震えるその背中を慰めようと適当に言葉をかけるが、効果はない。
もう一回と挑戦にロリスキーが足を踏み出そうとしたその時だった。
むんずと肩を掴まれ、一気に突き飛ばされる。尻もちをついて地面に衝突した彼女はお尻を摩るよりも先に目の前を凝視した。
「な、何すんのよちーちゃん!!」
掴まれたその瞬間に、ロリスキーは理解していた。何度も逢瀬を繰り返し味わったその手の柔らかさ、忘れるはずもない。
だから決して地図氏を責める気はなかった。理由もなく手荒なまねをする様な人ではないから。
その理由を聞こうとして、ロリスキーは彼女の方を向いた。
その先にいた地図氏の目は、彼女をして恐ろしいと思うほどに険悪だった。
そしてその地図氏の視線は、繋ぎ師に絞られていた。小刻みだった震えは、もう痙攣と呼べるほどに大きい。
「ぐ、あ、な、なんだ……尻が、尻から、何か這いずるように!!」
その様はまるで『悔しい……でも感じちゃう(ビクビク』的なものだったが、関係者のだれも笑える訳がない。

3967:2008/07/23(水) 23:20:20 ID:cmIJa8zU0
「い、一体、何が起こってるのよ……まさか」
ロリスキーは地図氏から得たwiki情報でこれと似たケースを知っていた。
(お姉さまイヤンイヤン事件……同じジョーカーだし、でも、薬はもうないはずだし、つーか男にって)
「流石にそんな絵にもならないことはできませんよ」
呆れたような声が上がり、ロリスキーは反射的にそちらを向いて驚愕した。
「が、ガチホモさん!!」
「全く、事前にDSCを飲んでおいて正解でしたね。こうして上半身になってもまだ保つ」
そこにいたのはガチホモだった。正確には、ガチホモの上半身だが。
駆け寄ろうとするその足を寸前で止めるロリスキーを見て、ガチホモは力なく笑った。
「貴方には手を出しませんよ。少なくとも、僕はね。女に興味を出すほど阿部さんとして落ちぶれてません」
「答えて! 繋ぎ師に一体何をしたの?!」
殺気の無さからガチホモの言葉を信じたロリスキーが駆け寄ってその胸倉をつかみ上げる。
ガチホモは、もう問題ないとばかりにゆっくりと口を開いた。
「……いいでしょう。僕はここで終わりですから、種明かしをば一つ。
 私は直接なにもしてないんですよ。直接的な原因は、超展開です。
 彼女のニートの軍勢は、一見無駄死にしたようにみえますが、そうではない。
 殆どはダミーですよ。真の狙いは、軍勢の中の阿部さんが、彼の尻にあるものを埋め込むこと」
ロリスキーは息を飲んだ。彼女はその戦いを見ていないが、ガチホモの淡々とした口調に疑いを見出すことができなかった。
「まあ、まともにやったら危険すぎるのでババ……スキマ妖怪の力も借りたんでしょうけどね。
 結果として尻の扱いに定評のある阿部さんは、超展開がこの時のために用意していた薬……
 『座薬』を気付かれることなく設置しました。もちろん直ぐに気付かれぬよう、散布毒で気を反らせましたし」
「でも、繋ぎ師に毒は効かないわ! どうしてそんな無意味な」
「誰が毒と言いました? あれは、今ラピュタにあるソレを一部採取して座薬に変えたもの。だから“細胞”ですよ」
そこまで言われて漸くロリスキーが気づいたとき、目に見える異変が生じた。
「最後の一撃、我が魔根・掘り穿つ男根の槍にて入った座薬が患部に到達しました。
 あとは患部に止まってすぐ溶ける。……気付く前にあれは活性化して感染を始める!!」
繋ぎ師がふらふらと立ち上がり、変身ポーズを取る。その下半身は、既に銀色になっていた。
「悪魔の細胞…DG細胞!!」
「Exactly!! 通常ならまともに感染する訳がないですが……心身ともに衰弱し切った今なら!!」
仲間を失った悲しみは心に憎悪を、誇るべき敵への辱めは心に怒りを、
世界を欠けた空気との戦いは体に痛みを、明確なる悪党への感情は精神に呪いを。
月と太陽の加護を失い、あらゆる防壁を打ち砕き、黒死病は遂に城へと潜入した。

「変身ッ!!」

3968:2008/07/23(水) 23:20:48 ID:cmIJa8zU0
三大理論にて回復するエネルギーを抑えきれないとばかりに、繋ぎ師は変身する。
天を揺るがす神の力は反転し、いまや悪魔の力として発動する。
今までのフォルムはそのままに鋭角化したそのシルエットは獣か悪魔以外の何物でもない。

そう、枯渇した神の力を悪魔との契約で手に入れたようなその姿は、

「月は朝に蹂躙され、太陽は夜に虐殺され、ライダーは正義の名の下怪人を殲滅する――――――
 我は絶望のシ者、仮面ライダーDEVIL SRX!!」

正しく、正しく絶望そのもの!!


「……はあ?」
だが、それを見てもロリスキーは、まだどっちらけな顔をしていた。
「なによそれ、とってつけた後出しの展開ばっかり。そんなの誰も納得しないわよ。
 どーせ次の話でDG細胞をぶっちぎって克服するわよ」
まあ、当然と言えば当然である。東方不敗の例を持ち出すまでもなく、DG細胞の精神汚染力はそう高くない。
はっきり言って洗脳するには無理がある展開である。
「でしょうね。でも、おかしいと思いません? そんなことを言ってしまったら……
 こう、して、感染すること……自体が、可笑し、いんですよ」
「どういう意味よ」
途切れ途切れになっていくガチホモの声と命。
虚勢を張りながらも、ロリスキーの顔は不安を露わにしていた。
ここまでのことならば、地図氏がシリアスな顔をするはずがない。適当にあっぷっぷぇしているだろう。
おかしい。何がおかしい? そう、ぶっちぎりのこの男がこうも取り乱していたこと自体がおかしい。
まるで、まるで何か憑き物にでもあったかのように。
彼女の不安をあおるかのように、城内に厭な空気が充満する。
「さっさと答えなさいよ!! 何、何をしたの!?」
「……DG細胞自体に、意味はないんですよ。重要なのは、名前。物事の本質を表し、存在を定義する呪。
 そう、私たちが彼に埋め込んだのは、『D』の一文字……!!」
「『D』……?」

ロリスキーが真実に至るよりも早く、銃弾が場内を響いた。
地球破壊爆弾のソードカトラスが、銃口を相手の顔に向けて煙を上げている。
鉛玉が、新たなるライダーの仮面にめり込んでいた。

「ふふふ……酷いですねえ。変身シーンが終わった直後に攻撃なんて、八時台の子供が泣きますよ?」
「…………むしろ変身シーンが終わるまで待ってあげたことを感謝してほしいねえ」

3969:2008/07/23(水) 23:21:15 ID:cmIJa8zU0
冷酷なる言霊があたりを包む。そこで漸く、ロリスキーは決定的な何かに気づいた。
「ち、違う…………“あれは繋ぎ師じゃ無い”」
「正解……これぞ、我がニコニコ、ジョーカーの……最後の、策略“降魔儀式”……ッ!!」

バリ、パリという音とともに、仮面に少しずつ罅が入っていく。
「茶番以外の何物でもないねえ、そうは思わない? 仮面ライダーDSRX、いや……」
「茶番で殺されるのは趣味じゃないんですけどね。まったく、ライダーの仮面が強くてよかった」

罅から漏れ出るような邪気を受けて、ロリスキーは思わず自分の身を抱きしめる。
それは、恐ろしいからではない。その恐ろしさを、自分はよく知っているから。
「なんで…………なんで、ちーちゃんと同じオーラを持ってるのよ……!!」

Sの文字が輝く。今まで謎に包まれ、無限の可能性に包まれていたS。
妖しく輝く胸の紋章が示すSの文字は、シャドームーンのSか、スーパーのSか、最速のSか。
サービスのS? それともスマイルのSか、サーべランスのS?
スクリプターのS? サルベージのS? サスペンスのS? サクリフィスのS? 
サヴェッジのS? サックのS? セイントS? それとも、それとも


「仮面ライダードSRX……マスク・ザ・ドS!!」
「まったく――――――――――――――死んだらどうする?」
サディストのS。その顔は、絶望先生と瓜二つだった。

3970:2008/07/23(水) 23:22:02 ID:cmIJa8zU0
【HIMMELエリア・大蟹杯の間】

「――――どういうことですか?」
大きく展開されるスクリーンに映るドSの姿を見て、バトルマスターは素直に疑問の声を上げた。
ドSは第二放送の時点で死んでいたはずだ。なのに、何故そこにいるのか。
「まあ、簡単に言うなら降霊術というのが一番早い」
同じく画面を見ながら七氏は楽しそうに言った。
「ここ最近死者の介入が山ほどあったからな。死者スレと現実の境界はガバガバになってしまった。
 しかもついさっき“10人近い死者の介入があった”から、広がった穴の大きさも半端ではない。
 閉じるまでに人一人潜り抜けるのは造作も無いさ。だが霊魂だけでは一話も保てない。
 故に、同じ名前の肉体を用意することで存在を受け入れることのできる器を用意すれば、勝手に入ってくれるという寸法さ」
「ですが、よりにもよってあのぶっちぎりですか。
 一度対峙したことはありますが、よくもまああんなチートに入る隙間がありましたね」
死者が参加者を乗っ取るなんてことは、あまりロワでは歓迎されない要素だ。
死者復活に加え、キャラ崩壊にも繋がるからである。
「今の影の繋ぎ師の構成する要素は三つ、いや、正しくは2.5つある。一つは繋ぎ師本人の魂。
 もう二つは、GR最速の人の遺体と融合したディー……つまり最速の人だ。
 そして、その最速の人は、ついさっきまで蟹座氏の援護に向かっていた」
蟹座氏を弄っている間、SRXのSは僅かに力の制御を失った。
その僅かな隙こそがD――DG細胞とドSの侵入を許す結果となった。
身体もDS、精神もドS。呪いは成就し、魔は降り立った。
「…………」
バトルマスターの体が震える。強者と戦いたいという武者震いか。
「戦いたそうだな?」
「……そうですね。気分は否応にも高まりますよ。ですが、立場も分かっているつもりです」
バトルマスターの回答に、七氏は幽かにガッツポーズを作った。
「そうだな。今やお前の魔力は残り三画しか残っていない。
 だが、この大蟹杯の近くならばお前が無尽蔵の魔力を使えるようにした。
 ここでならば固有結界の使いたい放題だ。つまり……」
「解ってますって。私としてもギアはトップで戦いたい。全開バトルがここでしか出来ない以上、ここは死守しますよ」

バトルマスターの詰らなさそうな言葉に満足げに頷く七氏は、無論ある事実を伝えていなかった。
(死んだジョーカーは6人……そして、ガチホモがもうすぐ逝く。7人目が死んだ時大蟹球は暴走を始める……
 2時間も猶予があると思うな、参加者共。お前らがコンティニューできないのさ!!)

3971:2008/07/23(水) 23:22:27 ID:cmIJa8zU0
【二日目・HIMMELエリア・大蟹杯の間】

【七氏@テイルズロワ】
【状態】:健康 
【装備】:なし
【道具】:不明
【思考】:
 基本:主催者側の人間として活動。参加者の抹殺
 1:蟹座氏を撃退する
 2:バトルマスターを利用して熱血展開を全滅させる。特に☆系の熱血を。

 ※容姿はキール・ツァイベル@テイルズオブエターニア
 ※テイルズロワの舞台ギミックを発生させることができます
 ※【異能・闇に囁く言葉責め】
  言葉の力でいろんなものを誤魔化し、改変する能力。詳細不明。
  大きな無理がない限りなら後付け設定も可能らしい。


【バトルマスター@ギャルゲロワ】
【状態】:全身に打撲および銃創(キュレイ種の回復力によりほぼ完治)、キュレイ種のような身体、
     首輪解除、魔術回路にダメージ 雛見沢症候群?
【装備】:永遠神剣「冥加」ゲイボルグ@アニロワ2nd、孔明の令呪(残り三画)
【道具】:支給品一式×2、コイン、名簿、孔明のメモ、スタンガン@アニロワ1st、首輪(まとめキング)
     G.Iのカード×2(種類不明・本人は確認済み)@LSロワ、 不明支給品×1
【思考】:
 基本:“コインは裏が出た”――だから徹底的に抗う。
 1:大蟹杯(黒い蟹座氏)を守り、バトルをする

※容姿は前原圭一@ひぐらしのなく頃にです。
※【闘争制覇者-Battle Master】
  発動させる事で、決して『バトル』に負けない固有結界を張る事ができます。
 【闘争制覇者-Battle Master アイン・ソフ・オウル】
  生涯書き得る全てのバトルの世界に敵を放り込む技。 物語内のキャラの攻撃を全部くらわせます。
  発動した時点で敵味方の全行動が『バトル』として定義され、 発動すればどんな状況でも不敗となる。
※孔明のメモにはこのロワに関する孔明の知り得る限りの情報が記載されています。
※孔明の令呪を使う事で魔力を補充する事が出来ます。二画以上まとめて使う事でアインソフオウルを使用可能。
 ただし、全ての令呪を使い切ると……?
 現在大蟹杯の力で魔力制限無し。判定はこのエリアを出るまで続きます。
※七氏の能力によってコインの事実が改竄されました。記憶の矛盾はほぼありません。


【大蟹杯】
大蟹球のメインエンジン。黒い蟹座氏を中心とした孔から無限のエネルギーが湧き出ている。
元ネタにあやかって、ジョーカーが七人死ぬと暴走を始める。具体的には不明。

3972:2008/07/23(水) 23:23:01 ID:cmIJa8zU0
【ギガゾンビ城エリア・正面ホール】

対峙する同一存在。そのオーラは同種上に、恐るべき反発力を有していた。
「一応、聞きたいんだけどさ。何でもう一回出張る気になったの? まさかニコニコに手を貸すためじゃないよね」
「いやだなあ、そんなのあり得るわけないじゃないですか」
「ですよねーww」
「まあ、私を利用しようとした連中は総じて皆殺しにする、と言いたいところですが。
 どいつもこいつも死ぬ気満々で、あんまり面白そうじゃないですしね。
 それに、目の前に面白いものがあるんだからそれを逃す手もないです。
 ちょうどラジオパーソナリティも終わりましたし、暇なんです」
ドSの視線がそちらに向く。いつもの勝気な表情がウソのように怯えるロリスキーを見て、ドSはニコリと笑った。
「初めまして―――――でいいんですかね。私はマスク・ザ・ドS。
 もう一人の私がお世話になっています。貴方達の中睦まじい姿は、死者スレで拝見させてもらってましたよ。
 いやあ、感動しました。貴方の愛は素晴らしい!! こんなガラクタまで愛せるのだから、博愛ってレベルじゃないですね」
「―――――――なん、ですって?」
ドSの言葉にロリスキーは血の気が引く感じを覚えた。震えが一気に止まり、殺意が盛り上がってくる。
「だって、そうじゃないですか。地球破壊爆弾は地図氏の「愛情」を得られなかった半身。
 人間の営みに愛情は不可欠。道徳的にではなく、生殖的にです。
 それがないってことは、つまり人間失格。人間でない人の形は人形。つまりガラクタでしょう?」
笑顔ではっきりというもう一人の地図氏。ロリスキーは認識した。こいつは、ちーちゃんなんかじゃない!!
「こんなのと一緒にしないで下さいよ。666の契約があった頃ならともかく、もう後はパヤパヤし放題じゃないですか。
 肝心の孤城の主でもあんま戦果を挙げてないですし。ああ、悲しすぎて誰かを苛めたくなってしまいます」
666の契約、という物騒なキーワードが聞こえるがそれどころではない。
ロリスキーの感情は、爆弾の汚点としか言いようのない存在に集約されている。
「あんた、まさかもう一度死んだから、次は死なないなんて思ってるんじゃないでしょうねえ……!!」
「まさかまさか。そんな大それたことは口が裂けても。アニロワ1stと2ndを結ぶこの城でしか私は存在できないようですし。
 ですが…………貴方を愛することはできますよ。こんな風に」
ドSがそっと握った手を開くと、そこには耳があった。真っ赤に染まった耳。
そして、それと同時にロリスキーは気づく。それが自分の耳であることに。
伸びたゴムを話すようにドSは耳をつまんだ指を離すと、耳は飛ぶようにしてロリスキーにくっついた。
忘れてはいけない。今ドSの体を構成しているのは最強のぶっちぎりなのだ。
「って、ちょっとまってよ。じゃあ貴方を攻撃するってことは――――――」
「ええ、そのとおりです。私も散りはしますが、死ぬのは彼ですよ」
まさに外道。そんな言葉が相応しい陽気さの回答だった。
さらに追い討ちを掛けるように、ドSは優しく彼女に言葉をかける。
「でも、安心して下さい。どの道、彼も死にますから」
「は、はあ?」
「あー、流石にそこまでwikiを見てはいないですかね。ちょっとこれ見てください」
そう言って空中に文字を出力するドS。それは繋ぎ師がSRXとなった運命の話だった。

3973:2008/07/23(水) 23:23:22 ID:cmIJa8zU0


>チャットなどで判明したことだが、ぶっちゃけた話、
>彼の書き手としてのキャラの濃さは、あの名高い地球破壊爆弾No.V-7と同格のものである。
>変態、シリアスともにこれほど高レベルでギャップの激しい人物はそうはいないだろう。
>そんな二人がひょんな偶然から物語序盤で出会ってしまっていたら?
>ロリスキーに会っておらずマーダー路線だった地球破壊爆弾と最速の人が、
>その書き手・変態・マジモードを駆使して全力で戦っていたとしたら?
>阿鼻叫喚である、屍山血河である、欝まっしぐらである、自主規制である、超絶シリアスである。
>どんな展開にしろ言えることはただ一つ。




>ど う 考 え て も お 祭 り 企 画 で や っ て い い の り じ ゃ ね え !!


「………ちょ」
「確認しますね。仮面ライダーDSRXは繋ぎ師の中に私と最速氏が混じって出来上がっています。
 繋ぎ師の命を一つの世界とみなして、そこに地図氏の半身と最速氏の半身がいるんです。
 ―――――――――――――――――――――そんな小さな世界が、無事で残っている訳ないじゃないですか」

3974:2008/07/23(水) 23:23:58 ID:cmIJa8zU0
【繋ぎ師の精神世界】

荒涼とした廃工場……いかにも敵のアジトっぽい抽象世界に二人いた。

「私が留守の間に、このような形で入ってくるとはな……ドSの「す」は空き巣の「す」と見える」
「どの口が何を言ってるのかしら? どいつもこいつも死者のくせして世界に干渉して……
 挙句の果てにはアニジャ氏まで来ちゃうくらい。だからドSが目覚めちゃたの。死者と生者のラインをキッチリするために」

ディー……最速氏の半身と、ドS……地図氏の半身が立っていた。
出会ってしまった。世界に二人が出会ってしまった。しっかりと作られたロワ世界ならばともかく。
一人の命の中で二人が出会ってしまった。

「戯れに聞こうか、人の子よ。汝は如何なる方法を以て境界を引き直す?」
「決まっているじゃない……全員殺して死ねば、境界なんて要らないわ」
「なれば、我が取る道は一つ」
「ええ、そして私が取るべき対応も一つ」

精神世界において、現実の法則などあてにはならない。
ディーはみるみるうちにうたわれるものになり、ドSは見る間に清姫・乖離剣・デビルフォーグラーを召喚する。
戦力は五分、風格も五分、SとSが今交錯する。

「「さあ、殺し合おうか――――――――」」

廃工場の中、無骨な柱に縛られたこの世界の主は眠っていた。
彼が目を覚ますとき、そこに未だ世界はあるのだろうか?


【二日目深夜・繋ぎ師の精神世界】

【影の繋ぎ師@ライダーロワ】
【状態】:ゆめのなかにいる 気絶中 WIKI管理人やジョーカーへの天元突破級のぶっちぎりな激しい怒り、深い悲しみ
【思考・行動】
 基本:???
 1:???
 2:本物の煩悩寺さんはどこへ?


※繋ぎ師の中でドSとディーが勝負を始めました。
 放っておけば彼の世界は時間とともに阿鼻叫喚、屍山血河、欝まっしぐら、自主規制、超絶シリアスになり崩壊します。

3975:2008/07/23(水) 23:24:23 ID:cmIJa8zU0
【ギガゾンビ城エリア・正面ホール】

「そ、そんなのありなの……?」
ロリスキーは項垂れるように両膝を地面につけた。
ドSを殺しても影の繋ぎ師の身体は死に、ドSを殺さなくても影の繋ぎ師の精神は死ぬ。
そしてなにより、相手はチートライダーの力を得た地図氏。此方が殺される可能性の方が遥かに高い。
まさに八方塞である。
「いいですね、その諦めたくないけど手段が思いつかないという顔!! 実に堪らない」
本気でそう思っているドSは純粋に思ったことを口にした。
ロリスキーが睨みかえすが、あまりにも覇気がなかった。
「ああ、愉しい。愉し過ぎて蕩けてしまいそうだ。でもねロリスキーさん。
 貴方は一つ誤解している。これが、これこそが書き手としての地図氏の愛なんですよ。
 貴方が誤解する地図氏の愛は―――――実に“中途半端”だ」
「そんなこと―――――――ない! ちーちゃんは私を愛してくれるって言った!
 それを私が信じる限り、私は貴方なんかに負けない!!」
朗々と紡がれるロリスキーの覚悟を聞いて、ドSは満点の返答を聞いた教授のように満足げに頷いた。
「ああ、貴方は素敵だ。ロリスキー。爆弾が、もう一人の私が惹かれるのも頷ける。
 宜しい! 為らば授業です。私が貴方を“愛しましょう”。貴方の作り上げた妄想が軋みをあげて毀れるほどに!」
いつの間にかつけたマントを広げて、ドSはばっと大きく手を広げた。

「―――――――――――――なに、勝手なことを抜かしちゃってるかな?」

3976:2008/07/23(水) 23:24:51 ID:cmIJa8zU0
今まで黙っていた少女が口を開く。爆弾の視線を受けて、ドSは思い出したかのように言った。
「ああ、まだ居たんですか? 貴方の出番はもう終わりですよ。彼女は私が愛します。
 満遍なく、隙間なく、容赦なく、慈悲なく、荘厳に、無限に、丁寧に、永遠に愛しましょう。
 真なる意味で彼女を愛せない貴方は意味がありません。退きなさい。管理人ならこの向こう――――」
言葉を物理的に遮るのは、銃が吠える音。頬を微かに切って血が流れる。
それをゆっくりと舐めとって、ドSは笑った。合わせるように地図氏が笑った。
「くーちゃんは渡さない。あれは私のものだ」
「絶望した! 義務も果たさず一丁前に所有権を主張するゆとり女子高生に絶望した!!
 いいでしょう。私は彼女を愛するために彼女を蹂躙し、貴方は彼女を愛するために彼女を守る。
 つまり、より強い愛の結果が彼女に刻まれる訳ですか。その贋作の愛でどこまでやれるのか、見せてもらいましょう」
亡くなった仮面代わりとばかりに、どこからともなくルルーシュの仮面がその手に握られている。
爆弾はさっと本を取り出し、中の人に確認を取る。
「みwikiちゃん。あれ元に戻せる?」
「すいません……あれは黒くなったんじゃなくて、ドSになっただけなので……それに」
存在として格が違い過ぎる――――――――――――とだけは言えなかった。
察して、大人しくしといてねと、本をサックに戻す。
よく見ればマントももやし仕様だ。すっと被りながら、ドSは死刑宣告を告げた。

「さぁ、では皆で手を取り合って仲良く奈落の穴へと飛び込もうではありませんか。
 夢は見れても希望は無い。後悔はあっても懺悔は許されない。罰はあっても罪は無い。

 そんな世界へ――――絶望の世界へ、往こうじゃありませんか」

3977:2008/07/23(水) 23:25:24 ID:cmIJa8zU0
【2日目・深夜】【ギガゾンビ城エリア・正面ホール】

【地球破壊爆弾No.V-7@アニロワ1st】
【状態】:泉こなたの姿
【装備】:激戦@漫画ロワ、レヴァンティン@アニロワ1st、マジシャンズレッドのDISC、巫女服(鷹宮神社)@らき☆すた
【道具】:支給品一式、着替え用の衣装(複数)、アダルトグッズ(大量)、泉こなたのスクール水着@漫画ロワ、みWiki@らき☆すた
【思考】:
 基本:クールなロリスキーと共にある。
 1:最強の、敵か――――
 2:くーちゃんを絶対に守る!
 3:はぐれた仲間との合流。
 4:そういえば、感電ちゃんはどうしよう。
 5:いざとなったら『地球破壊爆弾』使うしかないのかな。


※基本的に中身はアーカードで、CVは平野綾です。
※変化する姿に7つのバリエーションがあるらしいです。
【1:地球破壊爆弾】【2:アーカード】【3:長門有希】【4:泉こなた】
【5:銃撃女ラジカル・レヴィさん】【6:キングゲイナー】【7:1〜6とか目じゃないよ?びびるよ、まじで】
※クーガーの早口台詞が言えます!
※鎖鎌、鳳凰寺風の剣、ソード・カトラス、ノートPCの投影が可能です。
【スーパーキョンタイム】
 地図氏以外の者はゆっくりとしか動けなくなります。一度使うとそれなりの時間使用不可能です。
【地図氏の地図】
 参加者の位置、生死を含めた地図を投影できます(※長門有希の状態でのみ可能)
 使いすぎるとアレなので、毎晩0時にのみ使う事にします。


【クールなロリスキー@漫画ロワ】
【状態】:不死者、吸血姫、スーパーかがみんと融合、パニック
【装備】:巫女服(鷹宮神社)@らき☆すた
【道具】:支給品一式、カードデッキ(龍騎)、AK-74(残り28発)、未定支給品(0〜1・ロリスキー確認済み)、
     着替え用の衣装(複数)、『村雨健二』の衣装、キュートなシルク仕様の裸エプロン、日焼け止めクリーム(大量)、GL本
【思考】:
 基本:地球破壊爆弾No.V-7と共にある。
 1:あんな奴に、負けない!!
 2:はぐれた仲間と合流。
 3:もう迷わない。
 4:ちぃちゃんの支えになる。

※容姿は柊かがみ@らき☆すたです(翼と尾が任意で顕現します)
 柊かがみの髪の色をしたドラゴンにもなれます。
 ヴァルセーレの剣の刃でできた羽を三対六翼持っています。尻尾はマリンデビモンの触手が変化して8つです。
※スーパーかがみんと融合し、彼女の記憶と能力を継承しました。
 柊かがみがその時点で使った事のあるあらゆる力、アイテムを使用できます。

3978:2008/07/23(水) 23:25:53 ID:cmIJa8zU0
【みWiki@書き手ロワ2nd】
【状態】:魔女っ子メイドみWikiさん
【装備】:メイド服、さくらの杖(さくらカード全種類付き)@LSロワ
【道具】:なし
【思考】:
 1:地球破壊爆弾に従う。


【マスク・ザ・ドS@アニロワ2nd in 影の繋ぎ師@ライダーロワ】
【状態】:DG細胞感染 仮面ライダーDSRX化 ロリスキーに求愛
【装備】:サタンサーベル@ライダーロワ カラオケマイク@現実
【道具】:支給品一式×3、 ワルキューレ@スパロワ、ドラグブラッカー、写真付き名簿、放火セット(燃料、松明、マッチ)、ナイフ、不明支給品×1(確認)、BL本、首輪×2、パロロワ衣服詰め合わせ、
     お徳用原作パロロワ全生首セット(目玉セット他に換装可能)&原作パロロワ全手首詰め合わせ※今なら腕も付いてくる!
     ノートパソコン、フライングアタッカー(中破)@仮面ライダー555
【思考・行動】
 基本:さあ、絶望しましょうか。
 1:ロリスキーを“愛する”
 2:偽物の愛が真実の愛に勝てますか、地図氏?

※色々な悪条件の結果、影の繋ぎ師にDG細胞が感染。その結果としてドSが顕現しました。能力的には不明。
※姿はほぼSRX。ただし仮面とマントはゼロ仕様です。
※アニロワ1と2が重なるフォーグラーの中のギガゾンビ城でしかドSは存在できません。

※解除方法h穏便に済ます方法? いやだなあ、そんなのある訳ないじゃないですか。

3979:2008/07/23(水) 23:26:39 ID:cmIJa8zU0
戦いはそうして始まった。それを眺めながら、ガチホモは遠い眼をする。
これでいい。地図氏と繋ぎ師を同時に相食わせば、もう対主催側にチート級は残っていない。
あとはバトルマスターと七氏か、666か、管理人が残った戦力全てを殲滅するだろう。
だが、それでもニコニコは残る。電子の海で、1と0の狭間で、私たちは生き残る―――――――

「残念だが、そうはさせねえよ」

すかっと一閃、光の鎌がガチホモの胸を掻っ切る。
口から湧き出る血の味を覚えながら、殺した女の顔を見て笑った。

「そう、ですか―――――――――――――――これは、手厳しい」

そうして今度こそ絶命するいい男を前にして、感電はバルディッシュを砲撃モードに戻した。
壁に隠れてその状況を見つつ、舌打ちする。

「こいつは、遅れたってレベルじゃ済まなさそうだな」


【感電@書き手ロワ2nd】
【状態】:健康
【装備】:バルディッシュ・アサルトBC
【道具】:基本支給品一式、拡声器(特別仕様)、ヴァルセーレの剣@アニロワ2nd、それ以外は不明
【思考】: おくれちゃったZE
 基本:真なる対主催として行動。
 1:どうしたもんかね、この状況
 2:地図氏や魔王と、また改めて話し合う。


※見た目はアリーナ@DQ4です。
※スタンド「レッド・ホット・チリ・ペッパー(画鋲型)」が使える。
※周囲を防音する事ができるらしい。
※覚醒により、ロワにゆかりがある電撃・雷系の技が全て使えます。
 ある程度こじつけも可能です(デンコーセッカの超高速移動、雷電の蘊蓄など)


【裸になってすぐアッー〜殺意のqwglOGQwIk〜@ニコロワ 死亡確認
 ジョーカー7人の死亡確認――――――――――大蟹杯、起動開始】

3980名無しにこんばんは:2008/07/23(水) 23:28:09 ID:cmIJa8zU0
投下終了。どうみても暴投です。本当にありがとうございました。
普通に没でも仕方ない危険球なので、当然没にして問題ないです。

3981名無しにこんばんは:2008/07/24(木) 00:03:31 ID:uQ5NlTh20
DSRX…ディスアールエックスううう!?
っく、そうきたか!しかもまさかのドS!
やってきた感電、大蟹杯!!
没になんてしてやるか、GJ!!

うい、手前の没はそのうち投下ーw

3982名無しにこんばんは:2008/07/24(木) 00:12:37 ID:q6/4bzXc0
投下乙!
まさかのドS降臨!
これは予想外…っていうか予想できるかコラw
とにかくGJだぜ!

3983しんじ:2008/07/24(木) 01:52:50 ID:9hyvxDlw0
キャバでいくらお金使っても、Hまでなかなかできないですよね。でもここなら簡単。やめキャバ嬢たくさんいるよ。

3984名無しにこんばんは:2008/07/24(木) 02:23:43 ID:7aCTE9aY0
投下乙です。
まさか、まさかの繋ぎ師ーーーwww予想の斜め45度を遥かに凌駕する展開。
降臨のドSに、大蟹杯に、混ざるな危険MAXの精神世界にもう波乱上等。
終盤にも関わらずこのフリーダムさw流石は書き手ロワ、GJです。

3985しんじ:2008/07/24(木) 03:02:40 ID:9hyvxDlw0
キャバでいくらお金使っても、Hまでなかなかできないですよね。でもここなら簡単。やめキャバ嬢たくさんいるよ。

3986しんじ:2008/07/24(木) 03:05:20 ID:9hyvxDlw0
キャバでいくらお金使っても、Hまでなかなかできないですよね。でもここなら簡単。やめキャバ嬢たくさんいるよ。

3987しんじ:2008/07/24(木) 03:15:45 ID:9hyvxDlw0
キャバでいくらお金使っても、Hまでなかなかできないですよね。でもここなら簡単。やめキャバ嬢たくさんいるよ。

3988しんじ:2008/07/24(木) 03:36:58 ID:9hyvxDlw0
キャバでいくらお金使っても、Hまでなかなかできないですよね。でもここなら簡単。やめキャバ嬢たくさんいるよ。

3989しんじ:2008/07/24(木) 04:12:07 ID:9hyvxDlw0
キャバでいくらお金使っても、Hまでなかなかできないですよね。でもここなら簡単。やめキャバ嬢たくさんいるよ。

3990しんじ:2008/07/24(木) 04:17:37 ID:9hyvxDlw0
キャバでいくらお金使っても、Hまでなかなかできないですよね。でもここなら簡単。やめキャバ嬢たくさんいるよ。

3991名無しにこんばんは:2008/07/24(木) 12:10:15 ID:7aCTE9aY0
業務連絡です。
最新作「D」の収録を試みたところ容量オーバーとなりました。
つきましては分割点を指示してください。

3992名無しにこんばんは:2008/07/24(木) 12:44:58 ID:DGx4WYEQ0
では>>3969までを前編でお願いします。

3993名無しにこんばんは:2008/07/24(木) 13:03:24 ID:7aCTE9aY0
>>3992
了解しました。

3994没ネタ 風雲ギガゾンビ城:2008/07/24(木) 16:18:44 ID:E040WPW.0
没ネタの投下をさせていただきます。


裸になってすぐアッー〜殺意のqwglOGQwIk〜(通称ガチホモ)は悩んでいた。
最終決戦開始時には7人いたジョーカーは、すでに2人にまで減ってしまっている。
こちらに味方している参加者2名を含めても、4人(そのうえ、666は協力者と言っていいのか怪しい)。
対する参加者チームはダイソウとギャグ将軍が脱落したものの、未だ8人。
みWikiやツキノンも戦力として計算すれば、それ以上である。
少なくとも数の上では、こちらが圧倒的に不利だ。

(まあ、全滅してもそれはそれでかまわないのですが……。)

彼らジョーカーに与えられた使命は、あくまで時間稼ぎ。
勝利する必要はない。

(とはいえ……。全滅するにしても少しでも相手に損害を与えなければ格好が付きませんねえ……。)

一つため息をつき、ガチホモは椅子から立ち上がる。
今までは監視カメラの映像をチェックしてここから指示を出していたが、もはやそんな場合ではない。
明らかに人手が足りていない以上、彼自身も前線に立つ必要がある。

(さて、誰の所に行きましょうか。たいした戦闘をこなしていないのはネコミミストと魔王のペアですが……。
 魔王には時限フラグがありますし、ネコミミストには666との再会という最大のフラグがある。
 放置していてもこの先十分おいしい展開になりそうですね……。
 となると……自分自身のフラグを優先しますか。)

ガチホモはモニターの向こうの宿敵に視線を向け、にやりと笑った。

3995没ネタ 風雲ギガゾンビ城:2008/07/24(木) 16:19:39 ID:E040WPW.0
◇ ◇ ◇


「ふう……。とりあえずここまで逃げてくれば安全かな。」

塔の崩壊から逃げてきた地球破壊爆弾は、その足を止めて呟いた。
その背中には、安らかに寝息を立てるロリスキーの姿がある。
パニックが収まらず暴れ続けたため、やむなくみWikiに眠【スリープ】のカードを使ってもらい眠らせたのだ。

「みWikiさん、ちょっとクーちゃんをお願い。」
「あ、はい。わかりました。」

いったん恋人の体をみWikiに預け、爆弾は長門へ姿を変える。
そして、虚空に地図を浮かび上がらせた。
もちろん、今更会場の地図そのものに用はない。
彼女がしたかったのは生存者の確認だ。

(やっぱり……か……。)

表示された情報を見て、爆弾は溜め息を漏らす。
愛媛を示す「N2」のマークは、すでに赤く染まっていた。
つまり、彼女はすでに死亡してしまったということだ。
さらに……

70 神行太保のDIE/SOUL
84 ギャグ将軍

対主催の仲間であるこの二人も、すでに死亡が確認されていた。

(これ知ったら、クーちゃん悲しむだろうなあ……。けど、いずれはわかることだし……。)

浮かない表情のまま、爆弾は姿をこなたに戻す。
そしてみWikiに預けていたロリスキーを受け取り、再び歩き始めた。
はっきり言って人一人を運ぶのにこなたでは体格的に辛いものがあるのだが、もはや彼女にとってこなたの姿がデフォルトであり、そうでないと落ち着かなくなってきていた。

(あれ? そう言えばここって……。)

自分が歩いている通路を見て、爆弾はふと気づく。
先程までは走るのに夢中で気づかなかったが、気づいてみればそこは実に懐かしい場所だった。
忘れるはずもない。そこは、爆弾自身がアニロワ最終回で描いた場所だ。

「どうやら、思い出していただけたようですね。」

突然響く、聞き覚えのある声。いつの間にか、その男は爆弾の進行方向に立っていた。

「やあ、阿部さん。」
「お久しぶりです、地図氏。……といっても、実際は半日ぶりぐらいですが。」

まるで友人同士が町中でばったり出会ったかのような雰囲気で、爆弾とガチホモは言葉を交わす。

「ギガゾンビ城か……。ここで仕掛けてくるとは、わかってるじゃない。」
「ええ。アニロワからの参加者最後の一人であるあなたと、元アニロワ書き手であるあなたとの戦いの場としてはふさわしいでしょう?」
「そうだね。じゃあ、やろうか。ああ、もちろんくそみそ的な意味じゃなくて。」
「さすがにそれはわかってますよ。」
「んじゃ、みWikiさん。クーちゃんと一緒に離れてて。ここは私一人でやるから。」
「は、はい! 頑張ってくださいね!」

再度ロリスキーを受け取り、みWikiはいそいそと距離を取る。
何の反論もなく爆弾の命令に従っているのは支給品の性か、それともみゆきさんの素直さが出ているのか。
彼女が十分離れたことを確認し、爆弾はレヴァンティンを構えて戦闘態勢を取る。
そして両雄がぶつかり合おうとした、その時……。

「ちょーっと待ったー!」

通路の壁が吹き飛ぶ。

「アニロワ書き手対決なら、俺にも参加の権利はあるんじゃない?
 世の中しけてんぜー、オイラぐれちゃう。」

バルディッシュを構え、飄々とした笑みで姿を現したのは感電。

「遅れた分はきっちり働かせてもらおうじゃないの。さあ、おっぱじめようぜ!」

アニロワ最終決戦の場所、ギガゾンビ城。
今ここで、三人の元アニロワ書き手が戦闘を始めようとしていた。

3996没ネタ 風雲ギガゾンビ城:2008/07/24(木) 16:20:13 ID:E040WPW.0
【2日目・深夜】【D-7 大蟹球フォーグラー内部・ギガゾンビ城エリア】

【地球破壊爆弾No.V-7@アニロワ1st】
【状態】:泉こなたの姿
【装備】:激戦@漫画ロワ、レヴァンティン@アニロワ1st、マジシャンズレッドのDISC、巫女服(鷹宮神社)@らき☆すた
【道具】:支給品一式、着替え用の衣装(複数)、アダルトグッズ(大量)、泉こなたのスクール水着@漫画ロワ、みWiki@らき☆すた
【思考】:
 基本:クールなロリスキーと共にある。
 1:打倒主催者でハッピーエンド!
 2:ガチホモを倒す。
 3:はぐれた仲間との合流。
 4:そういえば、感電ちゃんはどうしよう。
 5:いざとなったら『地球破壊爆弾』使うしかないのかな。




※基本的に中身はアーカードで、CVは平野綾です。
※変化する姿に7つのバリエーションがあるらしいです。
【1:地球破壊爆弾】【2:アーカード】【3:長門有希】【4:泉こなた】
【5:銃撃女ラジカル・レヴィさん】【6:キングゲイナー】【7:1〜6とか目じゃないよ?びびるよ、まじで】
※クーガーの早口台詞が言えます!
※鎖鎌、鳳凰寺風の剣、ソード・カトラス、ノートPCの投影が可能です。
【スーパーキョンタイム】
 地図氏以外の者はゆっくりとしか動けなくなります。一度使うとそれなりの時間使用不可能です。
【地図氏の地図】
 参加者の位置、生死を含めた地図を投影できます(※長門有希の状態でのみ可能)


【クールなロリスキー@漫画ロワ】
【状態】:不死者、吸血姫、スーパーかがみんと融合、睡眠中
【装備】:巫女服(鷹宮神社)@らき☆すた
【道具】:支給品一式、カードデッキ(龍騎)、AK-74(残り28発)、未定支給品(0〜1・ロリスキー確認済み)、
     着替え用の衣装(複数)、『村雨健二』の衣装、キュートなシルク仕様の裸エプロン、日焼け止めクリーム(大量)、GL本
【思考】:
 基本:地球破壊爆弾No.V-7と共にある。
 1:(睡眠中)
 2:はぐれた仲間と合流。
 3:もう迷わない。
 4:ちぃちゃんの支えになる。

※容姿は柊かがみ@らき☆すたです(翼と尾が任意で顕現します)
 柊かがみの髪の色をしたドラゴンにもなれます。
 ヴァルセーレの剣の刃でできた羽を三対六翼持っています。尻尾はマリンデビモンの触手が変化して8つです。
※スーパーかがみんと融合し、彼女の記憶と能力を継承しました。
 柊かがみがその時点で使った事のあるあらゆる力、アイテムを使用できます。



【みWiki@書き手ロワ2nd】
【状態】:魔女っ子メイドみWikiさん
【装備】:メイド服、さくらの杖(さくらカード全種類付き)@LSロワ
【道具】:なし
【思考】:
 1:地球破壊爆弾に従い、しばらく待機。

3997没ネタ 風雲ギガゾンビ城:2008/07/24(木) 16:20:52 ID:E040WPW.0
【裸になってすぐアッー〜殺意のqwglOGQwIk〜@ニコロワ】
【状態】:健康
【装備】:なし
【道具】:不明
【思考】:
 基本:主催者側の人間として活動。参加者の抹殺
 1:二時間を耐える
 2:地図氏を倒す。



 ※容姿は阿部さん@くそみそ、性格は古泉@ハルヒ。その名はイイ男。キモカッコゲイ!
 ※地球破壊爆弾No.V-7を危険視しています。
 ※ニコニコ動画に存在する動画ゆかりの技を使えます。
 ※ニコニコに自分が見たものを動画としてうpできます。
 ※「まっがーれ↓」と唱えることで色んなものを曲げられます どこまで曲げられるのかは不明




【感電@書き手ロワ2nd】
【状態】:健康
【装備】:バルディッシュ・アサルトBC
【道具】:基本支給品一式、拡声器(特別仕様)、ヴァルセーレの剣@アニロワ2nd、それ以外は不明
【思考】:
 基本:真なる対主催として行動。
 1:地図氏と組む。
 2:煩悩寺の件について、wiki管理人に強い疑心。



※見た目はアリーナ@DQ4です。
※スタンド「レッド・ホット・チリ・ペッパー(画鋲型)」が使える。
※周囲を防音する事ができるらしい。
※覚醒により、ロワにゆかりがある電撃・雷系の技が全て使えます。
 ある程度こじつけも可能です(デンコーセッカの超高速移動、雷電の蘊蓄など)

3998没ネタ 風雲ギガゾンビ城:2008/07/24(木) 16:21:37 ID:E040WPW.0
以上で投下終了。
終盤に短い話があったっていいよね。
没ネタだけど。

3999名無しにこんばんは:2008/07/24(木) 20:42:55 ID:7aCTE9aY0
没投下乙です。
いつ没になるか分からない緊張感、書き手ロワの特徴の一つですね。
これだったら因縁はどうなっていたか、IFですねえ。
次の作品を期待していますね。

4000名無しにこんばんは:2008/07/24(木) 21:50:38 ID:glrSpTwI0
没投下乙〜
アニ1対決かw
いい繋ぎでスw
うい、自分も含めてガチホモはよく被るw

4001名無しにこんばんは:2008/07/25(金) 15:42:10 ID:/odpctyc0
テステス

4002奈落の花:2008/07/25(金) 20:57:36 ID:QPqX2Vlg0
投下いきますね。


フォーグラーの廊下を、蟹座氏はすたすたと歩く。
その背後を、ツキノンは賢明に追いかけていた。

「あのー、蟹座氏。少しは休んだ方が……。」
「そんな時間がないのは、ツキノンもわかってるでしょう?」

蟹座氏の言うことは正論である。会場崩壊までのタイムリミットを過ぎれば、その時点で参加者全員の命運は尽きる。
なんとしてもその前に主催者の所までたどり着き、それを打倒しなければならないのだ。

「それに……感じるんだ。きっと、この先にししょーはいる。」

絶対の確信を持って、蟹座氏は断言する。
具体的な根拠などない。だが、疑う気持ちなど微塵も湧いてこない。
師弟の絆、というやつなのかも知れない。

(ししょーは何度も何度も、ぼく……いや、私を救ってくれた。今度は、私がししょーを救う番だ!)


やがて、蟹座氏たちは広い空間に到達する。
そこはフォーグラーの心臓部、大蟹杯の間。
その場所で蟹座氏たちを待ちかまえていたのは、予想通りの男だった。

「待ってましたよ、蟹座氏。それにツキノン。」
「ししょー……。」

永遠神剣を手に、バトルマスターは不敵に笑う。
その目は、不気味な赤い輝きを放っていた。
蟹座氏にはその理由まではわからなかったが、異変がバトルマスターの能力を引き上げていることは何となくわかった。
ちなみに種を明かすと、バトルマスターの目が赤いのは彼の最後の支給品「ブラッディ・アイ」を使っているためだ。
ブラッディ・アイは使用者の動体視力を劇的に高める代わりに、強い依存性を持つ。
そのデメリットを嫌ったバトルマスターは今までこれを使わなかったのだが、テイルズロワの支配下に置かれた今の彼に薬への嫌悪感は消えていた。

「さて、今更話し合うこともないでしょう。早く始めましょう。」
「待って、ししょー! 本当に……話し合いで解決は出来ないの?」
「この期に及んで何を……。あなたと私はこれまで何度も刃を交えてきた敵同士。
 戦うことに何のためらいがあるというのです?」
「違う! 違うよししょー! 確かに私とししょーは何度も戦ってきたけど、それは……。」
「見苦しいですよ、蟹座氏! 敵同士が出会ったのなら、選択肢は戦いしかないはずです!」

蟹座氏の言葉にはいっさい耳を貸さず、バトルマスターは剣を構える。

「そうか……。やっぱりあなたを取り戻すには、戦うしかないんだね。」

蟹座氏も、右手に持っていた永遠神剣「誓い」を構える。その顔に、迷いはない。

「蟹座氏、私も一緒に戦います!」
「いや、これは私とししょーの問題だよ。ツキノンはそこで見ていて。」
「何言ってるんですか! そんなことにこだわっている場合じゃ……。」
「お願い、ツキノン。今回だけは、わがままを言わせて。」

そう口にする蟹座氏の表情は、いつになく真剣なものだった。
それを見てしまったツキノンはもはや反論できず、すごすごと引き下がる。

「ありがとう、ツキノン。もし私が殺されたら、あとはお願い……。」

相手に聞こえるか聞こえないかという小さな声で、蟹座氏は呟いた。

「そちらの話は終わりましたか。」
「うん。じゃあ、始めようかししょー。これが私とあなたの……ラストバトルだ!」

4003奈落の花:2008/07/25(金) 20:58:12 ID:QPqX2Vlg0
バトルマスターと蟹座氏。二人が同時に地を蹴る。
「冥加」と「誓い」、二本の永遠神剣がぶつかり合って金属音を鳴らす。
斬る。防ぐ。斬る。防ぐ。斬る。防ぐ。斬る。防ぐ。斬る。防ぐ。斬る。防ぐ。斬る。防ぐ。
一進一退の攻防が続く。

「やるようになりましたね、蟹座氏! 私も嬉しいですよ! でも!」

ふいに、バトルマスターが姿勢を低くする。そこから繰り出された足払いを回避できず、蟹座氏は派手に転倒した。

「相手が剣を持っているからといって、来る攻撃が斬撃だけとは限りませんよ!」

倒れた蟹座氏に、バトルマスターは容赦なく剣を振り下ろす。
かろうじてそれを回避した蟹座氏だが、代償として蟹沢きぬのトレードマークである三連お下げの左半分を持っていかれてしまった。

「くっ……。」

倒れたまま転がり、蟹座氏はいったん距離を取る。

「その程度で距離を取ったつもりですか!」

バトルマスターは素早く、荷物の中に入っていた首輪を投擲する。
反射的に、それを「誓い」ではじく蟹座氏。
一瞬視線がそれた瞬間にバトルマスターは距離を詰め、剣を振るう。
その刃は、蟹座氏の脇腹を切り裂いた。

「浅かったですか……。いけませんね、私としたことが。
 まだこの感覚になれていないようです。実戦で使うなら、ならしをしておくべきでしたね。」

淡々と語りながら、バトルマスターは剣を振るう。
そのスピードは、どんどんと加速していく。
最初は何とか受け止めていた蟹座氏だが、徐々に反応が追いつかなくなっていく。
肩が、二の腕が、次々と切り裂かれ、蟹座氏の体が少しずつ赤に染まっていく。

(くぅ、バリアジャケットがほとんど役に立ってない……。せめて黄金聖衣が残ってればなあ……。
 まあ、無い物ねだりしたってどうしようもないけどさ!)

全身各所を襲う痛みにも負けず、蟹座氏は戦い続ける。
相変わらず、戦況はバトルマスターが圧倒的に優勢。
しかし、蟹座氏も少しずつ劣勢を押し返してきていた。

「素晴らしいですよ、蟹座氏。あなたは、戦いの中で着々と成長してきている。
 ですが……それでも私には勝てません!」

斬撃の嵐に紛れさせて、バトルマスターは蹴りを放つ。
何とかガードした蟹座氏だが、体格の差もあり大きく吹き飛ばされる。

4004奈落の花:2008/07/25(金) 20:58:55 ID:QPqX2Vlg0
「この部屋に入ってきた時から、すでにあなた方は私の固有結界の中にいる。
 私の固有結界の効果は知っていますよね? 発動している限り、私は絶対に負けない。
 つまり、あなた方に勝利はないということです。」
「それはちょっと違うんじゃないかな、ししょー……。」
「ん?」

予想外の蟹座氏の反論に、バトルマスターは思わず顔をしかめる。

「ししょーの能力は、僕もよく知ってる。でも、その力は『絶対に負けない』こと。
 『負けない』と『勝つ』は違うよね?」
「……何が言いたいんです。」
「ししょーの固有結界が存在する間は、私は『勝てない』。でも、だからといって『負ける』と決まったわけじゃない。」
「単なる言葉遊びです、それは。」
「そうかな? この差、結構あると思うけど。」
「……わかりました。そこまで細かいことにこだわるなら今すぐ教えてあげましょう。
 私にバトルで勝つことは不可能だと!」

「冥加」を八双に構え、バトルマスターは地を蹴る。
それこそが、蟹座氏が待ち望んでいた瞬間。
戦闘の覇者たるバトルマスター相手では、固有結界を抜きにしてもまず勝ち目はない。
だが、ほんの少しでもつけいる隙ができれば……。
蟹座氏は、戦闘開始当初からそれだけを狙っていた。
そして、バトルマスターがわずかに冷静さを失った今こそが、正にそのとき!

(みんな……私に力を貸して! ししょーを救うために!)

温存していたギャルゲロワの力を、ここぞとばかりに解放。
最速の人の力が感じられないのが気になったが、深く考えている余裕はない。
増幅された力をフルに使い、「誓い」を振るう。
だがブラッディ・アイを使用しているバトルマスターにとっては、それはあまりにスローな一撃。
その一撃はあっさりとかわされる。

(それでいい。この一撃はあくまで囮!)

間髪入れず、蟹座氏は会話中密かに左手に装備していた鉈で斬りつける。
だがそれも、バトルマスターに回避される。

「その程度のフェイント、見破れないと思いましたか!」
「思ってないよ……。だからこれも……囮!」

本命は、足。足下に落としておいたそれを、蹴り上げてバトルマスターの腹に叩き込む。
冷静な時のバトルマスターなら、それすら回避できただろう。
だが彼に生じたわずかな隙と、蟹座氏の執念が、その回避を成功させなかった。

「カハッ……!」

痛みと同時に襲い来る奇妙な感覚に、バトルマスターは表情をゆがませる。
彼の体に叩き込まれた物、それはまふうじの杖。
零距離から発動した杖の力が、バトルマスターの魔力を押さえ込んでいく。
その結果もたらされたのは、固有結界の消失。

「そんな……バカな……。」

予想外の事態に、バトルマスターは確かな動揺を見せる。
それこそが蟹座氏にとって、千載一遇のチャンス。
武器を手放し、蟹座氏はしっかりと握りしめた拳を振るう。
ギャルゲロワのみんなの、自分の想いを乗せた拳を。

「受け取ってください、ししょー!」

小さな拳が、バトルマスターの額に叩き込まれた。

4005奈落の花:2008/07/25(金) 20:59:27 ID:QPqX2Vlg0
「これ……は……。」

バトルマスターは呟く。彼の中で、何かが変わっていく。
冷たい何かが押し出され、暖かい何かが彼の体を駆けめぐっていく。
偽りの記憶は破壊されていき、封印されていた本来の記憶が蘇る。

「蟹座氏……。私は一体……何を……?」

蟹座氏に尋ねるその声には、殺意も闘争心もない。
ギャルゲロワの絆が、七氏の外法を打ち破ったのだ。

「ししょー……。よかった、元に戻ったんだね?」
「元に……。そうか、だんだん思い出してきました。私はあのジョーカーの策略にはまって……。」
「ごめんね、ししょー……。私がもっと強ければこんなことに……。」
「いえ、弱かったのは私の心です。あのジョーカーに対抗できる心の強ささえあれば、あなたや皆さんに迷惑をかけることも……。」
「ししょー……。」

少しの間の沈黙。それを破って、蟹座氏がことさら明るい声で言う。

「と、とにかくさ!もう終わったことなんだからこれ以上とやかく言うのはやめにしようよ!
 それより、他のみんなと早く合流しないと!ししょーが戻ってきたって知ったら、みんな喜んでくれるよ!」
「あうあう、そうなのですよ。」
「おや、あなたは……ツキノン、でいいんでしたよね。」
「そうなのです。よろしくなのです、マスター。」
「ええ、よろしくお願いします。」

ツキノンが伸ばした手を、バトルマスターが握る。
それはバトルが決着したあとの、さわやかな「引き」のシーンだった。
爆音が響くまでは。

4006奈落の花:2008/07/25(金) 21:00:20 ID:QPqX2Vlg0
「え……?」

蟹座氏は、何が起きたのかわからなかった。もう、バトルは終わったはず。
なのに、なんでししょーが倒れている? なんで背中から血が出ている?

「ししょー?」

フラフラとした足取りで、バトルマスターの元に近寄る。
近づけばはっきりとわかる。背中の状態は怪我なんてものじゃない。完全に破壊されている。
どう考えても、これでは生きているはずが……。

「嘘だよね……。嘘だよね、ししょー。ししょーは無敵なんでしょ? こんな、こんなこと起こるはず……。」
「バトルマスターは不意打ちに弱い。それを理解していたのに、警戒を怠ったお前らが悪いんだ。」

現実を受け入れられずにいる蟹座氏の耳に届くのは、敬愛する男にそっくりの、しかし憎悪しか掻き立てない声。
その声の主は、七氏。その肩には、黄金の十字架が担がれていた。

「最強の個人兵装とはよく言ったものだ。バトルマスターほどの男もあっさりと殺せるとはな。
 たまたまラピュタから持ち出した荷物の中にロケットランチャーの予備弾があったから回収してきたが……。どうやら苦労して運んだ甲斐があったようだ。」

淡々と語る七氏。その口ぶりが、蟹座氏の平常心を削っていく。

「この……卑怯者ォォォォォォ!!」

師匠を殺した憎き仇に向かって、突進する蟹座氏。だが、七氏から見ればそれは格好の的でしかない。

「卑怯で結構。それがぼくの……キールの選んだ道だ。」

パニッシャーを動かし、七氏はマシンガンの銃口を蟹座氏に向ける。
そこから放たれた銃弾は、蟹座氏の両足を貫いた。
バリアジャケットがあれば、マシンガン程度には耐えられたかも知れない。
だがバトルマスター戦ですべてを出し切った蟹座氏は、バリアジャケットの維持すら辛くなりそれを解除してしまっていた。
それを油断と言ってしまうのは酷だろう。だが、彼女自身の判断が彼女を窮地に陥らせたのもまた事実であった。

「あの世でマスターと仲良くやるんだな。」

倒れた蟹座氏の頭部に照準を合わせ、七氏はためらいなく銃弾を放つ。
銃弾は蟹座氏の愛らしい顔に容赦なく穴を開け、その命を奪い去った。

「さて……。あとはあのへぼ神か。」

七氏は、残ったツキノンへ視線を向ける。
ツキノンは、バトルマスターの下敷きになり気を失っていた。
神だろうが何だろうが、この状態なら何の苦労もなく殺せる。
七氏はいいかげん持つのが辛くなってきたパニッシャーを置き、ポケットからナイフを取り出してツキノンに迫る。
だがその途中、彼は気づいてしまった。

4007奈落の花:2008/07/25(金) 21:01:14 ID:QPqX2Vlg0
「ちょっと待て。なぜ何も起きていない?」

七氏は額に汗を浮かべながら、部屋の中央にあるもの、大蟹杯を見つめる。
すでにガチホモが死んでからそれなりの時間が経っているはず。
大蟹杯は7人のジョーカーが死んだ瞬間から暴走を始めるはず。
なのに、未だ平静を保っているとはどういうことだ?

「その答え、教えてあげましょうか?」
「何?」

誰もいなかったはずの背後から声をかけられ、思わず振り向く七氏。
その瞬間、彼の腹部を弾丸が貫いた。

「ガッ……!」

何が起きたのかわからぬまま、七氏は倒れ込む。
痛みに苦悶しながら彼が顔を上げると、そこには自分が先程手放したばかりのパニッシャーを軽々と担ぐ少女の姿があった。

「プー太氏……? バカな! なぜアンタがぼくを攻撃する!」
「私もあなたを攻撃するのは気が進まなかったんですが……。今のご主人様の命令なんですよ。
 666さんからの伝言です。『別にかに玉がどうなろうと知ったことじゃない。でも、ネコミミストが私の元にたどり着く前に死んでしまう可能性は少しでも下げさせてもらう。』」
「くそっ、あの狂人が……!」

七氏は口の中の血と共に、忌々しげな言葉を吐き出す。

「それで……具体的に何をやった! なぜ大蟹杯が暴走しない!」
「それは、あなたの説明に矛盾があったからです。」
「矛盾だと……?」
「矛盾を操るのが特技であるあなたが、自分の台詞の矛盾に気づかないとは意外でしたねえ。医者の不養生ってやつでしょうか。」
「回りくどい話し方はやめろ! その矛盾がどうしたっていうんだ!」
「まあ、一から話さないといけないんで焦らずに聞いていてください。七氏さんは、666さんが影丸さんから魔力を蒐集したのを覚えてますか?」
「回りくどいのはやめろといって……!」

なおも抗議の声をあげようとした七氏の肩を、銃弾が貫く。

「自分の立場はわきまえてくださいね? 今すぐ殺さずに丁寧に説明してあげているのは、私の慈悲なんですよ?」
「………!」

歯を食いしばり吐き出したい言葉を飲み込む七氏を見て、プー太氏は微笑を浮かべながら説明を再開する。

「実はあの時、影丸さんはある能力に目覚めていたんです。本人がそれに気づく前に死んじゃいましたけどね。
 その能力とは『SOS(世界を・大きく変える・すごいツッコミ)弾』。
 これは物語の矛盾にツッコミを入れることで、その矛盾の原因を消し去ってしまうというすごい能力だったんです。
 あなたの能力とよく似ている……いえ、むしろ対極の能力ですかね?
 とにかく、666さんは影丸さんの魔力を蒐集した時に、この能力も一緒に手に入れました。
 それを使用することで、あの人は大蟹杯の暴走を阻止したんです。」
「くっ……! それで、その矛盾とは何だ! このぼくが、矛盾なんて……。」
「『ジョーカーが7人死んだら大蟹杯は暴走する』。これが矛盾です。」
「バカな! それのどこが矛盾だ! nanasinn、人外、愛媛、名無し、超展開、ナナシ、ガチホモで7人だろう!」
「いえ、『8人』です。」
「そんなバカな……はっ!」
「気づきましたか? このロワにジョーカーは『9人』いたんです。ニコロワの4人、テイルズロワの4人、そして……。」
「6/……!」
「はい、正解です。」

そう、このロワでジョーカーといえばニコロワとテイルズロワの8人だと多くの人間が思っていただろうが、実は彼らより早く参戦したジョーカーがいたのだ。
さんざん「ヘタレ空気ジョーカー」となじられたあげく、最後はシャリダムの餌となった◆6/WWxs9O1s という男が。

4008奈落の花:2008/07/25(金) 21:01:45 ID:QPqX2Vlg0
「『ジョーカーが7人死んだ時点で暴走する』というのなら、ナナシさんが死んだ時点で暴走しないとおかしいんです。
 惜しかったですねえ。『ニコロワとテイルズロワのジョーカーが7人…』とするか、『ジョーカーが残り一人になったら』としておけば、矛盾にはならなかったのに。」
「………!」

見事なまでに揚げ足を取られ、ナナシは返す言葉もない。

「以上で、説明は終わりです。せっかくなんで、七氏さんの魔力も蒐集させてもらいますね。」

瀕死の七氏に近づくと、プー太氏はその胸に手を入れて魔力を蒐集する。

「はい、これでもうあなたにすべきことは果たしました。というわけで……光になれー☆」

七氏に向かって、ゴルディオンハンマーが振り下ろされる。

「くっ……認められるか! ぼくが、ぼくがこんな……!」

そのセリフを最後に、七氏の肉体は光の粒子となって消え去った。

「さてと……。ついでですけど、ツキノンさんも始末しておきますかね。
 同じ非参加者の上に、ちっちゃいのも共通してるから何となくやりづらいですけど。」

ツキノンを捜して、視線を動かすプー太氏。だがバトルマスターの亡骸の下にいたはずのツキノンは、いつの間にかその姿を消していた。

「あらら、いつの間にか逃げられてましたか……。まあ、別にいいですけどね。
 とりあえず、落ちてる物は666さんにプレゼントしましょうか。あっちもどうなってるかわからないし、急がないと。」

すぐさま頭を切り換えると、プー太氏は支給品の回収を開始した。

4009奈落の花:2008/07/25(金) 21:02:38 ID:QPqX2Vlg0
◇ ◇ ◇


(あうううう……。バトルマスター、蟹座氏……。あなた方には弁解の言葉もないのです……。)

両の瞳から止めどなく流れ落ちる涙を拭うこともせず、ツキノンはフォーグラーの中を走る。
その背中には、蟹座氏が残したデイパックが背負われていた。

(私がもっと早く七氏に気づいていれば、この惨劇も避けられたのに……。
 大切な仲間も救えずに、何が神の力ですか! これではもう一人の私にも、申し訳が立たないのです!)

ツキノンの胸を支配するのは、あまりに大きく思い後悔の念。

(ですが、私は諦めません! 必ずや、他の対主催共に主催者を打倒して見せます!
 ……ギャルゲロワ、最後の生き残りとして!)

後悔と共に決意を抱き、ツキノンは走る。その先に何が待っているかは、神である本人にもわからない。


【バトルマスター@ギャルゲロワ 死亡】
【蟹座氏@ギャルゲロワ 死亡】
【HN「七氏」@テイルズロワ 死亡】


【2日目・深夜】【D-7 大蟹球フォーグラー内部・???エリア】
【ツキノン@GR1st】
【状態】:首輪無し、強い後悔
【装備】:鬼狩柳桜
【道具】:支給品一式(食料全て消費)×5、最高ボタン、カードデッキ(シザース)@ライダーロワ、閃光弾、バッド・カニパニーの甲羅、蟹座氏の写真×10
     腕時計型麻酔銃(1/1)@漫画ロワ、麻酔銃の予備針×3、変化の杖、対戦車地雷×2、リュート@からくりサーカス、
     ヴァッシュ・ザ・スタンピードの銃@トライガン、ドラゴンオーブ@AAA、ティーセット一式 、ソードサムライX@漫画ロワ
【思考】:
基本:打倒WIKI管理人
1:ギャグ将軍、もしくは他の参加者と合流
2:????



※主催側に反抗したため(自滅ですが)支給品に封印されていました。
※何らかの主催側の情報を持っているかもしれません
※他お任せ
※羽入の力は使えます。


※バトルマスターの所持品(支給品一式×2、コイン、名簿、孔明のメモ、スタンガン@アニロワ1st、 G.Iのカード×2(種類不明・本人は確認済み)@LSロワ)は、
 ロケットランチャーの爆発により消滅しました。

※永遠神剣「冥加」、永遠神剣『誓い』(鉈型)、鉈、まふうじの杖、パニッシャー@トライガン(機関銃:残り弾数30%、ロケットランチャー:残り7発)は、
 プー太氏が回収し666の元へ運んでいます。
ケリュケイオン@なのはstsは、蟹座氏の遺体が装備したまま放置されています。

4010奈落の花:2008/07/25(金) 21:03:49 ID:QPqX2Vlg0
投下終了。
大量殺害に加え、キバヤシ理論での壮大なフラグクラッシュ…。
今回は没覚悟なのです。

4011名無しにこんばんは:2008/07/25(金) 21:05:43 ID:QPqX2Vlg0
おっと、投下直後にミス発見。
>>4009
>(ですが、私は諦めません! 必ずや、他の対主催共に主催者を打倒して見せます!
は他の対主催「と」共に の間違いです。
意味が変わってきちゃうよ…。

4012名無しにこんばんは:2008/07/25(金) 21:31:56 ID:78W.YnxM0
こ、これは対主催ルートが勢いづくか……と思ったらクラアアアアアアアッシュ!?
嗚呼、さらばバトルマスター、さらば蟹座氏、更にさらば七氏は更に更に予想外イィ!?
がんばれ、ツキノン……。

4013名無しにこんばんは:2008/07/25(金) 22:06:32 ID:BOsYqmMo0
投下乙! 終盤にこの急転っぷりは流石は書き手ロワw
まさかヘタレジョーカーがここで活躍(?)するとはww
ツキノンが生き残っているあたり、このロワならではの話でした。

4014祈りは空に、願いは天に、輝く光はこの瞳に、不屈の心はこの胸に!:2008/07/25(金) 23:19:56 ID:/odpctyc0
大蟹球フォーグラー――主催側、詳しく言えばジョーカー陣営の最終拠点。
そしてカオスの魔窟と化している要塞の中をただ走り抜ける影が二つ。
速筆魔王LXと衝撃のネコミミスト――共にアニロワ2ndの書き手で投下数1位と2位の猛者である。
二人がこうして急いでいるのはひとえに時間がないからだ。
後2時間で会場を崩壊させる、そうwiki管理人は放送していた。
条件付きではあったが、おそらくwiki管理人に条件を飲む気はないだろう。
時間はまだあるが、それでも2時間からは減っている。
早く仲間と合流してジョーカーと主催者の打倒を成し遂げるべく二人は薄暗い通路を走っていた。
だがこの二人――いやネコミミストに限れば、もう一つ別の理由で急いでいた。
急ぐと言うよりもこれは若干焦っているという表現の方が正しいのかもしれない。
ネコミミストが焦っている原因、それは魔王が感染したウイルスだった。
人外アドベンチャー〜OZbjG1JuJMのウォーゲーム〜が死の間際に作動させた「死のデッキ破壊」というウイルスカード。
それは原作の効果こそ無いものの最初に感染した人――つまり魔王を死に至らしめる程の威力は備えていた。
時間が経てば経つほど魔王の死期が近付いてくる。
今走っているこの瞬間にも死神が魔王の命を刈り取ろうとしているのかもしれない。
そう考えただけで無意識の内に焦りが生じるネコミミストであった。
だからこそ彼女の足も自然と速まっていくのだが、当の魔王はそんな事どこ吹く風といった具合のようであった。

「あのー魔王さん。さっきから走りながら何をしているんですか」
「なにって、ネコミミストくんと今度についてあれこれ話しているんじゃないか」
「いえ、そうじゃなくて。あなたの手の中にあるものですよ」
「……ああ、これね。これは爆弾だよ」

確かによく見ると魔王の手の中にあるものは手投げ式の爆弾であった。
そして傍から見ると魔王は死期が迫っている者とは思えないほど、いつも通りの様相だった。
書き手にとって投下する前の推敲は何よりも大切な行為である。
焦って碌に推敲しないで投下すると、後で修正やら矛盾やらが起こる事になる。
それと同じで今焦って迂闊な行動をしても得られるものは少ないだろう。
数々の作品を投下してきた魔王はその事を十分理解していた。
それ故に無闇に焦らずに冷静な行動をしようと心がけているのだ。

「でも、よくそんな事できましたね。それに材料は?」
「別にこれくらい大した事ないよ。技術手袋を使っているから大して労力は使わないしさ。
 ああ、材料は首輪だよ。もう要らないから再利用ってところかな」

大蟹球内で仲間と旅の扉の捜索、走行中にもネコミミストとジョーカーや主催者への対処法の相談、さらには爆弾制作。
全部を同時進行させるとは、さすがは速筆魔王LX恐るべし!
この時点で首輪4つを再利用して2つの爆弾が作られていた。
4つから2つなのは内蔵火薬量などを考えた結果、これが最も効率良かったからだ。
残りのメンツにしたら威力としては決定打にはなりそうもなかったが、決定打を生み出す転機にはなり得るだろう。

「……すごいですね、魔王さんは。もし私が魔王さんのようになったら同じように振る舞えているかどうか自信ありません……
 私だったら表面では平気な風を装って、心の中では必死に苦しんで耐えているような気がします」
「まあ僕も上辺だけかもしれないよ――ん、あれは?」

二人が通路を抜けると、目の前には湖が広がっていた。
回り回ってnice boatエリアに戻ってきてしまったのかと思ったが、湖上に浮かんでいる船は先程のボートとは比べ物にならない程の豪華客船だった。
二人はもちろんこのエリアに来るのは初めてだがその豪華客船が何であるかは知っていた。
もちろん見た事はなかったが、二人ともこの船が舞台となるSSを書いた事があった。
アニロワ2ndにおいて「希望の船」と称されながら、結果として「絶望の城」と成り果てた――あの船だ。
ちなみに魔王→ネコミミストというリレーで船にいた対主催はビシャス無双の前に最後の希望ガッシュ一人を残して全滅している。
船内に何もない可能性が高いが、それでもまさかの展開かとも思って二人は豪華客船に乗りこんで入った。
しかし一通り探索を終えても旅の扉も仲間も見つからなかった。
最初から可能性は低いと思っていたので二人は当然かと納得していた。

4015祈りは空に、願いは天に、輝く光はこの瞳に、不屈の心はこの胸に!:2008/07/25(金) 23:21:24 ID:/odpctyc0
「やっぱり収穫なしか。じゃあ先を……ネコミミストくん?」
「え、あ、はい!? なんですか」
「どうしたんだい。物思いに耽ったような顔をしてさ」
「……ええ、ちょっと『希望の船?絶望の城?』の話を思い出しちゃって……」
「ああ、なるほど。もしかしてその話で死んでいった人とこのロワで死んでいった人でも重ねていたのかい」
「……はい。なんか自分で書いた話だけあって余計になんだか感傷に浸ってしまって……
 体はスクライドで出来ている、幻夜・フォン・ボーツスレー、派手好き地獄紳士『666』、静かなる 〜Chain-情〜、他にも……
 皆さん、本当に素晴らしい人でした。
 だから、死んでいった皆のためにも、私は牙なき人の剣となると誓ったんです」

ネコミミストはここまで多くの人と触れ合い、そして別れを経験してきた。
そんな彼らの努力を無駄にしないためにも改めて最後に向けての覚悟を固めるのだった。
そして全員無事でいる事を心から願うのだった。
とにかくこの船には特に何もないので魔王の言う通り先に進むべきだろう。
ネコミミストとしてもいつまでも感傷には浸っているつもりはなかった。
同じアニロワ2ndの筆頭書き手でもある魔王と共に決意も新たに進もうとした。

「すいません魔王さん。さあ早く皆と――」

だからネコミミストは次の瞬間に起こった出来事を正しく理解できなかった。
目の前にいるのは当然の如く今まで一緒にいた速筆魔王LX。
相変わらず表情を崩さず冷静な雰囲気を漂わせていた。
そしてその手にはすっかりお馴染みとなった斬鉄剣が握られていて――その切っ先は天を向いていた。
その鈍く光る刃にははっきりとした赤が――血がほのかな彩りを与えていた。
斬鉄剣の切っ先に導かれるようにネコミミストが視線をさらに上に向けると、宙を舞う物体が目に飛び込んできた。
それが何か判断するのにネコミミストは若干の時間がかかった。
いや、正しくはこの状況を理解するのに頭が全く追い付いていなかった。
しかしてそれはネコミミストに致命的な隙を生じさせた。

「――ガッ!!」

ネコミミストの頭に生じた一瞬の空白。
その間隙を突いて魔王はネコミミストの腹に鋭い蹴りを入れる。
魔王の蹴りの威力は凄まじくネコミミストは軽く吹き飛ばされてしまった。
元の身体能力とデバイスによる強化を備えた蹴りはネコミミストを受け止めた金属製の壁を盛大にへこませる程の威力であった。
もちろん咄嗟に衝撃波で相殺を図ったが、混乱した状態では効果は薄かった。

「――魔王さんッ! いったい、なんで……」
「常に周りに注意していないとロワでは生き残れないよ。どこに危険な人物が潜んでいるか分からないからね」

魔王の言葉を聞きつつネコミミストはある事に気付いた――右手の感触がない。
恐る恐る右手のあるべき場所に目を遣ると、そこにはあるはずの右手が肘から先の部分にかけて消失していた。
そして再び魔王に目を向けると、彼の手には先程宙を舞っていた物体が握られていた。
それは紛れもなくネコミミストの右手だった。
魔王と斬鉄剣によって繰り出された剣閃はネコミミストに痛覚を与える間もなく仕事を終えていたのだった。

「――えっ!?」

そしてその事はある事を指し示していた。
ネコミミストの格好は白いリボンドレス、実用性と見た目も兼ね備えた優れた代物である。
その防御力はバリアジャケットである事からも優秀なものだ。
そう、この衣装はバリアジャケット――ベルカ式アームドデバイスのクラールヴィントを使用しているので正しくは騎士甲冑ではあるが。
そして余程魔力に長けているものでない限りバリアジャケットの作成はデバイスに依存している。
よって薬指に嵌められていたクラールヴィントが右手と共に魔王の下にあるという事は、つまり――

――12時の鐘と共にシンデレラの魔法のドレスが消え去ったように。
――デバイスの喪失と共にネコミミストの魔法のリボンドレスは消え去っていた。

4016祈りは空に、願いは天に、輝く光はこの瞳に、不屈の心はこの胸に!:2008/07/25(金) 23:22:13 ID:/odpctyc0
その事実に気付いたや否や、ネコミミストは速筆魔王をも凌駕する早さで以て近くにあった布で裸身を覆い隠した。
それは船に備え付けられていた予備の帆で彼女の姿を覆うのには十分、というより大き過ぎるものだった。
ひとまず乙女の問題が解決すると、ネコミミストは今の状況をようやく理解する事ができた。

「これは……何の冗談ですか、魔王さん!」
「冗談? 僕は本気だよ、考えてもみなよ。
 僕の容姿はアニロワ2ndで危険派対主催に身を投じた相羽シンヤのものだ。それに僕の最終目的は脱出。
 別に君達を裏切っても不思議はないだろ」
「な!? 何言っているんですか! そんな、魔王さんともあろう人が――」
「僕もやっぱり死にたくはないんだよね。で、主催者ならこのウイルスをなんとかできるかもしれないと考えたんだ。
 なんたってジョーカーは向こうの戦力だから対処法ぐらいあってもおかしくないよね」

ネコミミストは魔王の言う事が信じられなかった。
彼は自分の命欲しさに道を違える事はしないと先程感染した時に思ったのに。
出会ってからあまり時間は経っていないが、それでも同じアニロワ2nd書き手ましてや投下数トップの書き手だ。
彼が投下する話はどれも魅力的で次を書くのも書かれるのも書き手としてネコミミストにとって何より喜ばしい事だった。
書き手ロワ内の彼も筆頭書き手だけあって常に冷静で強く、そして自分達と目指すものは一緒だと信じていた。
だからこそネコミミストは魔王の急な変心が信じられなかった。

(そうだ! もしかして、さっきウイルスにまだ仕掛けが……いや、この船、ビシャス成分も影響しているんじゃ。
 そ、そうに違いない。早く正気に戻さないと……魔王さんの命が!)

人外によるウイルスの仕業、惨劇が起こった場所による影響。
ネコミミストはそんな可能性に微かな望みを抱いた。
自分の仮説を信じたかった、魔王の言う事を信じたくなかった。
そんな気持ちがネコミミストから冷静さを奪っていった。
自分でも気付かないうちに思考は膠着していき、徐々に焦りが彼女の思考を支配していった。

「はあああぁぁぁあああ!!!」

ネコミミストは手早く帆を左手のツインブレードの片割れで手頃な大きさに切ってその身に纏わせる。
そして一刻も早く魔王を正気に戻さなければという焦りを抱いて、必死に駆けて行く。
この瞬間、彼女には冷静な判断力が欠如していた。
もう少し落ち着いて魔王を観察して考えを巡らしたのなら彼が本気かどうか分かったのかもしれなかったのに。
焦りに突き動かされた行動が魔王に届くはずないというのに。
だからこれは当然の結果。
勢いをつけて繰り出されたネコミミストの拳はあっさりと魔王に止められた。

「魔王さん!」
「どうした、もう終わりかい?」

ネコミミストはその言葉に突き動かされて、魔王の目を覚まさなければと自分を責め立てる。
幾度となく拳を振るい、幾度となく蹴りを入れる。
しかしどれだけ拳を、剣を、衝撃波を、蹴りを繰り出そうと魔王は軽々といなしていく。
理由はいくつかある。
まずはネコミミストの精神状態。
魔王を早く助けなければならないという感情はネコミミストに焦りを生じさせ冷静さを奪っていく。
焦りは動きを単調にさせ、彼女の動きを予測しやすくしていた。
そしてもう一つがネコミミストのコンディション。
失血の心配は不死者ゆえにないが、右腕がない事は紛れもない事実だ。
右腕がない分ネコミミストの身体のバランスは崩れ、よって動きにいつものような機敏さがなくなっていた。
だからネコミミストの身体には以前のキレが見られなかった。
それゆえに魔王は彼女の攻撃を避け、受け止め、受け流し、たまにカウンターを食らわしていた。

二人の攻防の展開は一方的だった。
ネコミミストが魔王に攻めかかり、魔王はネコミミストの攻撃をあしらっていく。
まだライダーへの変身や強化・投影という手段がネコミミストにはあったのに彼女はその事に気付けないでいた。
冷静さを完璧に失った頭ではその考えに至る事ができないのだ。
今一番信じられない事――魔王の裏切り――に直面して、彼女の心はどうにかなりそうだった。

4017祈りは空に、願いは天に、輝く光はこの瞳に、不屈の心はこの胸に!:2008/07/25(金) 23:23:26 ID:/odpctyc0
「ハァァァアアア、これでぇぇぇえええ!!!」

何度目かの攻防、繰り出されるネコミミストの足払いを魔王は華麗なバックステップで難なく避ける。
そこへ追撃としてブレードが投擲されるが、魔王はこれまた難なく払った。
しかしそれこそネコミミストの望んでいた展開。
足払いは少し距離を空けるための、ブレードはガードを緩めるための布石であった。
両の足で甲板を踏みしめネコミミストは己の態勢を固定する。
左手を後ろに引き、内に秘められし力を左手に凝縮させる。
一瞬の間に一連の動作を終え、仕上げに赤き衝撃の力が宿った左手を魔王に向けて突き出す。
そして魔王に向かって突き進むのは渾身の力を込めた赤に彩られた衝撃波。
それは今のネコミミストの心の内にある信念の槍を模しているかのようだった。

「ざ〜んね〜んでした〜」

しかしその衝撃波は魔王がデイパックから取り出したマントによって完全に雲散霧消にされた。
魔王が取りだしたのはFFDQロワに出てくるドラクエⅤ出展の防具である王者のマント。
守備力は最高防具であるメタルキング鎧の95に次ぐ90を誇り、さらには呪文・炎系・吹雪系のダメージを35も軽減する最高級の防具である。
そのマントが衝撃波から魔王の身を守ったのだ。
突如示された事実にネコミミストは一瞬驚愕した。
自身の全力と言っても過言ではない一撃が防がれたのだ。
自分に魔王を止める力がない、そう宣告された気がしたのだ。
それはネコミミストにまたしても致命的な隙を生じさせた。

「へ?――あ、――ッ!!」

気づけばネコミミストの視界は何かで覆われていた。
魔王が取りだした王者のマント、それがネコミミストに向かって迫り視界を防いだのだ。
ではなぜマントが彼女の目の前にあるのか。
それは魔王がマント越しにネコミミストめがけて突撃して、マントの向こうから腹部に正拳突きを食らわしたからだ。
見事に決まった技がネコミミストの内部に絶大なる衝撃を与える。
不死者ゆえに時間が経てば回復するが、その瞬間は全くの無防備となった。
その間隙を突き魔王はマントをすばやく手繰り寄せ、ネコミミストを後ろ手に縛り甲板に倒した。
そして右足でその身体を踏みしめ、動きを封じた。

「呆気ないね。これがネコミミストくんの全力なのかい」
「魔王さん、なんで、なんで――ッ」
「それはさっきも言っただろ。それよりネコミミストくんがこんなに弱いなんて、正直失望したよ。
 ここまで生き残ってきたからそれなりに強いと思ったんだけど、見込み違いだったようだね。
 これじゃあネコミミストくんのために死んでいった人達も報われないね」

魔王は「魔王」という名を体現するかの如くネコミミストに言葉の刃を突き刺していく。
ネコミミストは身体を震わせながらもそれを黙って聞くしかできなかった。
後ろ手に縛られ甲板に転がされ踏まれている状態では身動き一つ取れなかった。
船の上に魔王の言葉が延々と流れていく。

「はあ、その人達もつまりは無駄死にって事かな。
 必死で助けたのがネコミミストくんみたいな弱い人じゃ何しているんだろうね。
 本当なら――」
「……訂正してください!」

魔王の言葉は遮られる、正義の味方のような不屈の心の持ち主に――


     ▼

4018祈りは空に、願いは天に、輝く光はこの瞳に、不屈の心はこの胸に!:2008/07/25(金) 23:24:23 ID:/odpctyc0
魔王の言葉が耳に入るたびにネコミミストの闘志は勢いを弱める一方だった。
何か言い返さねばと思うのだが、言葉になって出てこない。
自分はここまで弱かったのかと軽い自己嫌悪に陥りもする。
そこまで弱くないと胸を張って言い返したかった。
しかし言葉は喉の奥で止まり、外に出る事なく消えていく。
自ら立てた決意は、覚悟は、こんな事で折れるほど脆いものだったのだろうか。
ネコミミストにはそれが分からなかった。
そうして思考の深海の奥底に沈みこみそうになった時、魔王の言葉が耳に入ってきた。

――はあ、その人達もつまりは無駄死にって事かな。

無駄死に……本当にそうだろうか、いや断じてそんな事ない!
確かに自分は弱いのかもしれない、実際こうして魔王さんには手も足もでない。
でもそんな自分に皆は様々な事を残していってくれた。
体はスクライドで出来ているは、「牙なき人の剣になる」という信念を。
幻夜・フォン・ボーツスレーは、仲間から託された想いを。
派手好き地獄紳士『666』は、戦えるだけの力を。
静かなる 〜Chain-情〜は、行くべき指針を。
皆、命を賭けて自分を助けてくれた。
確かにこれでは助けられてばかりで弱いと言われてもある意味仕方のない事なのかもしれない。
でもそれなら強くなればいい、死んでいった皆に向かって胸を誇れるぐらいに。

「……訂正してください!」

それでも自分のために命を賭けてくれた人々を侮辱する事だけは許しておけなかった。
皆それぞれ一生懸命に戦っていった。
そんな彼らの努力を踏みにじるような言葉を聞くのは我慢ならなかった。
心の奥底から沸々と何かがこみ上げてくる感じがする。
それはまるで自分の身体を突き破って天へと昇りそうな勢いであった。
気づいていないが、瞳には緑の螺旋が薄らと渦巻いていた。

「訂正してください、か……それならネコミミストくんの力を見せてみなよ」
「私は今まで魔王さんを止めようとばかり考えて、自分が見えていませんでした。
 でも、もうそんな考えは止めます。
 私は全力であなたを倒しにいきます!」
「へえ、そんな状態でどうやって――」
「こう、するんです!」

会話をしている最中に生じた一瞬の隙。
そこに全てを賭ける。

4019祈りは空に、願いは天に、輝く光はこの瞳に、不屈の心はこの胸に!:2008/07/25(金) 23:25:20 ID:/odpctyc0
「――ハッ!!」

倒されている状態から衝撃波を甲板に向けて放ち、浮き上がったところで無理やり右足を軸にして左足を限界まで振り上げる。
魔王さんはそれを軽く払おうと左手を足の横に添えようとする。
でもそれは予測の範疇、本命は軸にした右足の方。

「なに!?」

全力を尽くした衝撃波を右足から撃ち出し、その反動で空中へと脱出する。
魔王さんはそれを見ても余裕の表情だった。
その根拠がどこにあるか私も理解していた。

「ネコミミストくん、考えが甘いね。
 衝撃波で空中を移動しようという魂胆だろうけど、それじゃこっちから丸見えだ――ッ!?」

確かに空中移動なんて私程度では高が知れている。
魔王さんから見たらいい的だろう。
でもそれは真に何もない空間での話だ。
私が飛び上がった空中には確かな足場が――マストが伸びていた。
反動で上にきた足でマストを下から踏みしめ、力を蓄える。
今からやる事はタイミングが全てだ。
上昇エネルギーが0になる瞬間、足から衝撃波を出してマストを蹴りこむ瞬間、足のばねを最大限に生かす瞬間。
全てを合わせて眼下に向かう。

「いっけぇぇぇえええ!!!」

マストのしなりと重力を利用して真下にいる魔王さんに向かって落下する。
足が離れる瞬間、ありったけの力を込めて足裏から衝撃波を放つ。
その勢いで右足を下に向け、空気抵抗を軽減するように図る。
そしてネコミミストの勢いは最大となる。
コンマ1秒も立たないうちに甲板に到達しようかという勢いだ。
さすがの魔王も初動が遅れたせいで今から完全に回避する事は不可能に思えた。

それは昔誰もが一度は目にして憧れた事のある技。
その身一つで悪と戦う正義の味方はどんな事にも挫けずに己の道を進んで行った。
これはそんな正義の味方が得意とした技、相手に向かって渾身の蹴りを繰り出す技。
ネコミミストの技を見れば、ある人はこういうかもしれない――ライダーキックと。

そして、ネコミミストの蹴りは真下にあったものを見事に貫いた。
ほのかに光り輝く緑色の螺旋の光柱と共に――

4020祈りは空に、願いは天に、輝く光はこの瞳に、不屈の心はこの胸に!:2008/07/25(金) 23:26:04 ID:/odpctyc0


     ▼


静かな湖畔の岸辺に影が二つ見受けられる。
一方は地面に寝かせられて起きる気配を見せない。
もう一方はその横に腰を降ろして波立っている湖を眺めていた。
腰を降ろしている方は右手に指輪をはめていた。
その指輪は緑色の光を放ち、二人を優しく包み込んでいた。
どれだけ時間が経っただろう、と言ってもほんの数分しか経っていなのだが。
地面に座っている者――速筆魔王LX――は、寝ている者――衝撃のネコミミスト――を起こしにかかった。


     ▼

4021祈りは空に、願いは天に、輝く光はこの瞳に、不屈の心はこの胸に!:2008/07/25(金) 23:26:52 ID:/odpctyc0
「おい、そろそろ起きる時間だよ」
「はふぇ……へ……」

寝ぼけているな。
まあ仕方ないか、今まで心地良く寝ていたんだから。
全くこれじゃあさっきまでの雰囲気が台無しだよ。

あの瞬間――ネコミミストくんが僕めがけて迫った時――
僕はすんでのところで直撃を避ける事に成功した、とは言うもののさすがに甲板に直撃したキックの余波まではどうしようもなかった。
でもネコミミストくんのキックはそれだけに止まらなかった。
甲板貫いて見事に豪華客船が沈没の憂き目にあった時は少し驚いたな。
しかもその勢いで湖底にまで衝撃が走って、どうやら大蟹球全体に軽く罅が入ったみたいなんだよねえ。
たぶんこれ以上は酷くならなさそうだし、心配はあまりしてないけど。

「起きたみたいだね」
「魔王、さん? ……まだ考えは変わらないんですか、それなら――」

ネコミミストくんの言葉には険が混じっていた。
それもいたしかたない事だ。
あれだけの事をしたのだからしょうがない。
実際もうすぐ死ぬからあんな事をしようと思った訳だから。

「落ち着きなよ。僕が本気ならネコミミストくんは今頃四肢断裂達磨状態になっていてもおかしくないよ。
 それに、右手元通りだろ」

僕の発言でようやく彼女は自分の右手があるべき場所に戻っている事に気付いた。
そして確認すると同時に僕の方に視線を向けてきた。
彼女の表情は一目瞭然、なにがなんだかよく分かっていない表情になっていた。
でもどことなく嬉しそうでもあった。
僕が本当は裏切っていない事を感じ取って安心したのだろうか。
しかしそんな雰囲気は次の瞬間、怪しくなった。

「え!? 私……服着ている、しかもこの制服って――機動六課の制服!?」
「そう、1話死亡のキャロを除いてアニロワ2ndで残りの参加メンバー全てを書いたネコミミストくんに相応しいと思ってね。
 しかも素材は王者のマントで防御力も折り紙つき。
 技術手袋を使っての僕の手作りさ。まあ工具で裁縫は少しやりにくかったかな。
 あ、将軍からの預かり物だけど後で事情話すから安心していいよ。
 なんたっていつまでもバリアジャケットの下が何にもなしじゃ不味いだろ」
「ええ、そう――ッ!! ち、ちょ、魔王さん!! も、もしかして、この服を着せてくれたのって――」
「ああ、僕が着せたよ。いくら不死者でもいつまでも裸じゃ不味いと思って。
 でも安心して。目を閉じて着せたから何も見てないよ」

そう言ってみたもののネコミミストくんは顔を真っ赤に赤らめて固まっていた。
まあその気持ちは分かるけど、とりあえず落ち着いてほしいな。
しばらく介抱する事数分、衣服関連の問題はクリアした。
結果オーライ、ネコミミストくんも今のでだいぶ落ち着いたみたいだ。
そこで問題は核心に入っていく。

「あの魔王さん、さっきの事、説明して――」
「ネコミミストくんさ、今までこんな形で裏切られた経験なかっただろ」
「え!? ええ、その、皆いい人ばかりで……」
「別に畏まる必要はないよ。むしろ誇ってもいいと思うよ。
 君は今まで素晴らしい仲間と巡り合えた、その事は君にとって大きな強みになっていると思うんだ」
「魔王さん……」
「でも裏返せば、それは弱さにもなる」

ネコミミストくんのこれまでの行動は先の情報交換、それと影の繋ぎ師からも大体の話は聞かせてもらった。
おそらくこのロワに参加した中でもかなりハードな経験を積んできた事が知れた。
それは辛くもあり、しかしネコミミストくんにとってはかけがえのないものとなっている。
そのような過程で積み上げられた「衝撃のネコミミスト」という人格は他に類を見ないだろう。
しかし、それは強さであると同時に弱さでもある。
仲間と共に力を合せてネコミミストくんはここまでやってきた。
つまりは皆を信頼してここまでやってきたという事でもある。

だからこそ黒猫――派手好き紳士『666』との再会は危険なものだった。

4022祈りは空に、願いは天に、輝く光はこの瞳に、不屈の心はこの胸に!:2008/07/25(金) 23:27:53 ID:/odpctyc0
「それって、どういう――」
「なに、近いうちに分かると思うよ」

今まで仲間というある意味聖域とでもいうべきもので守られてきたネコミミストくん。
仲間達の残した想いを受け継いで、皆のために行動しようとする精神は崇高なものである。
だが、もしその誇るべき仲間の真実を知った時、彼女はそれに耐えられるだろうか。
同じアニロワ2ndを牽引する者として、彼女の信念は折れないと信じたいが不安もあった。
だからこのような芝居を打ってみた。
こんな回りくどい事をするよりも事前に666の事を伝えようかとも思ったが、それは止めた。
良いか悪いかは別にして、繋ぎ師に聞かされた範囲ではこれはネコミミストと666の問題。
第三者の自分があれこれ言うのは筋違いのような気がしたからだ。
だから一度本気で仲間が裏切ったように見せかけてネコミミストくんと戦った。

ネコミミストくんは最初かなり動揺して自分を見失いかけていた。
僕を早く助けなければという想いだけが空回りして、冷静さを失った頭は焦りしか生まなかった。
そんな感じだからあっさり僕に拘束されてしまった。
正直こんな事で終わるようなら真剣にどうにか手を打つべきだとも思っていた。
結局そんな考えは杞憂に終わったけどね。

トリガーはやっぱり仲間だった。
悪を演じるために何とはなしに口にした侮辱の言葉。
それがネコミミストくんの乱れた心を正してくれた。
狙ってやった事ではなかったが、いい結果に落ち着いたようでよかった。
これが666との再会にどう影響するのかはまだ分からない。
意味があったのか、もしくはなかったのか。
それが分かるのは実際に会った時だろう。
もしもネコミミストくんが折れそうになったら、導いてあげようかな。
どうせ残り少ない命、彼女のために使うのも構わないと思えた。
なんたってアニロワ2ndで残ったのは僕と彼女の二人だけだからね。

「さあ時間も押しているから少し急ごうか。あ、はいこれ。返すね」
「これ私のクラールヴィント……なんで魔王さんが?」
「回復魔法『静かなる癒し』使わせてもらったよ。不死者でもその方が回復早いしね」

まあ迷惑かけたからそのお詫びかな。
なんか申し訳ないような表情を浮かべているけど、そんな顔しないでほしいな。
すっと彼女の右手の薬指にクラールヴィントをはめる。
あれ? これって結婚指輪……いやいや、あれは左か。
まあ余計な事は置いておいて動き出そうとした時、僕は優しい光に包まれていた。

「時間ないよ……って、僕の言えるセリフじゃないけど。別に僕に回復魔法かける必要なんて……」
「いえ、やらせてください。そうでないと私――」

ああ恩返しって意味かな。
なんか変に気を使わせているみたいで悪いな。
でもそれで気が晴れると言うなら、ここは素直に受け取っておこう。
これでウイルスもどうにかなってほしいけど、それは無理な相談だ。
まあ覚悟はできているし、こうして頼りになる仲間もいるし、先の事はそれほど心配してないけどね。

「すいません。やっぱりウイルスは――」
「分かりきった事だろ。さあ早くこのロワを終わらせようか」

今度は移動手段としてサイドバッシャーを使う事にした。
ここまで出会ったのがジョーカー一人とは、作為的かそうでないのか。
とにかくより一層迅速な行動をするべきか。
相談の末、運転席には僕が座った。
どうもネコミミストくんは運転が苦手らしい。

4023祈りは空に、願いは天に、輝く光はこの瞳に、不屈の心はこの胸に!:2008/07/25(金) 23:29:00 ID:/odpctyc0
「そういやネコミミストくんはこのロワを終わらせたらどうするんだい?」
「どうと言われても、私達には普通のキャラと違って帰る世界がありませんし……」
「じゃあこの世界で暮らしたらどうだろう」
「へ!?」
「別にここじゃなくてもいいさ。
 これだけフリーダムが闊歩しているなら最後になったら次元跳躍の手段の一つや二つ手に入ってもおかしくないよ。
 それを使ってどこか別の世界に行くのでも悪くないと思うよ。
 まずはジョーカーと主催者を倒す事が先決だけどね」

頭に浮かんだ事を伝えている間にネコミミストくんは再びバリアジャケットを展開してサイドカーで待機していた。
その顔にはさっきまでとは違い、落ち着いたものとなっていた。
良い顔になったなと心底思う。
全てが終わる頃には僕の命は尽きているのは確かだ。
だからこそ何か残しておきたいとも思う。
残したものがどうか皆の役に立つ事を祈って。
もう少しだけ命が続く事を願って。
僕はバイクを走らせる。

ネコミミストくんの瞳の螺旋と不屈の心を感じ取りながら――



【2日目 深夜】【D-7 大蟹球フォーグラー内部】
【速筆魔王LX@アニロワ2nd】
【状態】:ウイルス感染、首輪解除、バイク搭乗中
【装備】:サイドバッシャー@仮面ライダー555、斬鉄剣@ルパン三世、デバイスクリスタル、核鉄「バルキリースカート」、ジャッカル(5/6)
【道具】:支給品一式×8、爆弾×2、バヨネット×2、虎竹刀with千年パズル、コーカサスブレス&ゼクター@ライダーロワ、
     iPod、技術手袋@アニロワ1st、コーヒーセット一式@スパロワ、ジャーク将軍のマントと杖@ライダーロワ、
     銀河ヒッチハイクガイド、咎人の剣「神を斬獲せし者」@AAAロワ、他にまだあるかも?
【思考・行動】
 1:命の限り戦い続けよう。
 2:はぐれた仲間と合流。
 3:感電氏……はどうしよう。

※『柿テロ猥・R2‐ND』掲載の情報を一部入手しました。
※バリアジャケットのデザインは、テッカマンエビルをさらに禍々しくしたような感じです。


【衝撃のネコミミスト@アニロワ2nd】
【状態】:不死者化、螺旋力半覚醒
【装備】:マテリアルブレード@テイルズロワ、クラールヴィント@アニロワ1st、機動六課の制服、バリアジャケット(白いリボンドレス)
【道具】:支給品一式×4、拡声器、カブト装備一式(ハイパーゼクター付)、オーガドライバー(オーガストライザー付)@ライダーロワ、
     カイザギア@ライダーロワ、カードデッキ(ベルデ)@仮面ライダー龍騎
【思考・行動】
 基本:スクライドの遺志を継ぎ、牙なき人の剣になって前に進む!
 1:打倒主催者!
 2:何とか魔王を助けたいけど……
 3:はぐれた仲間と合流。

※衝撃波を使えます。掌からだけでなく、足の裏からも出せるようになりました。
※自分が主人公、そして黒猫という単語に引っかかっているようです。
※第三回放送を聞き逃しました。
※強化・投影能力を習得しました。何が投影できるかはお任せです。無限の剣製は使えません。

【備考】
※魔王の所持していた首輪×4は爆弾×2に、王者のマントは機動六課の制服になりました。
※ネコミミストのキックで大蟹球全体に罅が入ったようです。

4024祈りは空に、願いは天に、輝く光はこの瞳に、不屈の心はこの胸に!:2008/07/25(金) 23:29:42 ID:/odpctyc0
投下終了です。
まあ次で対決かな。

4025名無しにこんばんは:2008/07/25(金) 23:42:54 ID:Sudl6y5M0
投下GJです
魔王氏が格好よすぎる、自分の命のリミットが迫る中でも冷静に判断を下せるとは
ネコミミ氏も螺旋力に目覚めるか!?
遂に666氏との対決になるのか……?

4026名無しにこんばんは:2008/07/26(土) 00:42:54 ID:igCka7tkO
はう〜魔王様かっこいいよぉ〜
突然の変貌に驚いたがネコミミ氏の装備うpさせた上に
螺旋力覚醒させるとか流石だぜ
相変わらずのクールぶりが反則過ぎるw

4027嘆きの時間は終わらない:2008/07/26(土) 02:29:44 ID:1DNrCW/Q0
投下します

4028嘆きの時間は終わらない:2008/07/26(土) 02:30:09 ID:1DNrCW/Q0
「さて、本来なら私はガチバトルには向いていないんですけどねえ」

ふふふふ、と仮面の男は笑う。
もやしことルルーシュ扮するゼロの仮面で隠され、男の表情はわからない。
本家のルルーシュの如く歪んだ笑みを浮かべているのだろうか?
それは、半分正解で半分ハズレだ。
確かに彼は歪んだ笑みを浮かべてはいる。
だが、それは支配者の笑みではない。
加虐主義者の笑みだ。
人を操り、己が力を誇るのではなく。
人を嬲り、己が快楽とする者の笑み。
仮面一つでは遮ることなど適わない、圧倒的なSっ気のオーラ。
そんなオーラを携えて男は笑う。けらけらと、けらけらと。

地に這い蹲る無様な半身をあざ笑う。

「どうしたんですか、地球破壊爆弾。人一人殺せないのでは、大層な名前が廃りますよ?」
「っうく、ドSううううう!!」

酷い有様だった。
ボロボロだとか、重症だとか、そんな言葉で表現できるレベルを超えていた。
ミンチ。
斬られ、打たれ、穿たれ、砕かれ、溶かされ、潰され、轢かれた肢体。
到底人のだったとは思えない肉の塊。
会話できているのが嘘のようなぐしゃぐしゃな顔。

地球破壊爆弾No.V-7。
書き手ロワ2有数のチートにして、孤城の主。
彼女は、負けた。
圧倒的に、完膚なきまでに、蹂躙、された。

4029嘆きの時間は終わらない:2008/07/26(土) 02:30:42 ID:1DNrCW/Q0

掛かった時間は僅か数秒。
射程外から制限をぶっちぎた射程無限かつホーミング機能付きのボルテックシューターでレヴィを。
相性抜群の太陽の力を込めたリボルクラッシュで吸血鬼王アーカードを。
長門の空間情報改竄すらゲル化で逃れ。
レヴァンティンとマジシャンズレッドの炎はロボライダーで吸収し。
泉こなたのギャグ展開を、光太郎のネタキャラパワーで相殺し。
キングゲイナーを真っ向からチート全開で切り払ったのだ。

常の彼とは違いお遊び無しの全力勝負。
見ていても何の面白みもない一方的過ぎる展開だった。
一言で言えばつまらない。余りにもつまらな過ぎる展開。

ああ、だけど。
実に良いと、ドSは笑う。
今の自分の能力にではない。

奇跡の一切を挟まない、無常すぎる現実を突きつけれたことにだ。

「どうです、ロリスキー?これが、結果です。私の愛の強さです」
「ふざけんじゃ、ないわよ!!」

ぐるりと、その場で回れ右。
ラッドの力を使い殴りかかってきたロリスキーを抱きとめる。
彼女の体にはまだ一切の傷が刻まれていない。
当然だ。あえて、先程から彼女には攻撃は仕掛けず、いなすだけに止めているのだから。

温かく、実に抱き心地がいい。
腕の中で暴れまわる様はまさに子猫ちゃんというやつだ。
ああ、けど、何よりも。

「おやおや、震えていますよ?」
「む、武者震いよ!」

体越しに伝わってくる、彼女の震えがすばらしい!!
カタカタと、ガタガタと。
武者震い、なんてわけは無い。

恐怖、だ。

4030嘆きの時間は終わらない:2008/07/26(土) 02:31:07 ID:1DNrCW/Q0
どれだけ否定したくとも、私に“ちーちゃん”を感じてしまうことへの恐怖。
影の繋ぎ師を救う方法が見つからないことへの恐怖。
“ちーちゃん”が殺されてしまうのではという恐怖。

そして、“絶対的絶望たる力”と“己が死”への恐怖。

マーベラス!!

思えば彼女は登場話から怖がっていた。
伊達に死者スレラジオのパーソナリティは勤めていない。
死者スレに来たときにたっぷりと苛められるよう、今までの参加者の物語は全て把握済みだ。
己が半身の愛した少女ともなればより注意深く読み込むのも当然である。
読んで、読んで、読み込んで。

魂を、揺さぶられたのだ。

彼女が普通の少女だったから。どこまでも平凡な少女だったから。
マリンデビモン?不死者?ラッドみん?ヴァルセーレの剣?マジシャンズレッド?ジンクス?
違う。能力とか体質とかではない。
大切なのは心なのだ!

怯え、立ち向かい、焦り、説き伏せ、嘆き、でれ、錯乱し、笑い、迷い、覚悟する。
ある時は助けてくれた人を見捨てられずに強者に向かって行き。
ある時は助けてくれた人にさえ力と激情の前に拒絶する。
いくつもの、いくつもの、顔を見せる、強さも、弱さも兼ね備えた人間らしい心。
彼女なら、きっと、きっと、素晴らしい苦悶の表情の数々を見せてくれる!

ああ、愛しい君よ。
私は全力で愛という名の毒を与えよう。

「武者震い?本当ですか?実は戦うのが」

受け入れてくれなくても良い。抗ってくれてもいい。

「――怖いんじゃないですか?」

私はそんな君を更に愛でよう。

「……っつ!?こ、怖くなんて、ない!!」
「やだなあ、戦いが怖くない人間なんているわけ無いじゃないですかー」

真理だ。
命を懸けた戦いが怖くない人間なんて狂人くらいだ。
なのに書き手は大事なことを時に忘れる。
最終決戦に残った?それで?本能的な恐怖がなくなるものなのか?それって人間?

クールなロリスキー。
立ち直った後の彼女が戦えたのはひとえに彼女を支えてくれる存在が常に隣に居たからだ。

4031嘆きの時間は終わらない:2008/07/26(土) 02:31:27 ID:1DNrCW/Q0

「あなたはその恐怖を地球破壊爆弾を利用することで押し込めていただけなんですよ〜」
「私の、私たちの愛を、馬鹿にするなあああああああ!!」

ヒュンっ!!
激昂と共に触手が乱舞し、打ち付けてくる。
いや、違う。狙いは拘束か。

「あんたが、ここでしか存在できないって言うのなら、ギガゾンビ城から引きずり出すまでよ!!」

お、正解。
それが傷つけることなく繋ぎ師を助けた上に私を倒せる唯一の方法ですよ。
ギガゾンビ城は怖そうにもDSRXの能力で強化済みですし。
うんうん、頭のいい子は嫌いじゃないよ〜?
だって……。

次に何が起きるのか、きっちり想像できちゃうのって、本人には堪らなく苦痛じゃないかー☆

ぎゅるり。
即座に身体をゲル化し拘束を逃れ、そのまま触手伝いにロリスキーに這い寄っていく。
ひいっと顔が強張るのを押さえようとする顔が愛おしいったらありはしない。

「いやはや、この身体って便利ですよねえ〜。あなたがかって爆弾にしたことを、もっとスマートにできるのですから」
「わたしが、した、こと……ま、まさか」

心当たりに突き当たったのだろう。
ロリスキーの顔が青ざめる。うんうん、『クール』は伊達じゃないね、いい子いい子。

「それじゃあ、くーちゃん。“いただきます”」
「あんたぎゃゅ得、非ぎゃ、穂ぎゃ、はひゃああああああ〜〜〜〜〜!?」

ぎゅるぎゅるごにゅごにゅ〜。
嫌だなー、口に飛び込んだのは私の方なのにいただきまーすだなんて、ありえないじゃないですかー。
と自己突っ込み。
ラダムです!今の私はラダム虫なんですといいわけ一つ。

「……ひゅ……や……」

4032嘆きの時間は終わらない:2008/07/26(土) 02:31:42 ID:1DNrCW/Q0

ねちゃり。
喜ばせてなるもんかと声を抑えてもがくロリスキーの口内へとゲル化したままルパンダ〜イブ☆
湿り気のある舌のベットをまずは堪能。
全身を使って絡め、シーツを汚していく。
赤い天蓋もなんておしゃれ☆
子どもの頃やったなあと天井までスライムのままジャンプ!
見事にタッチできた我が身の成長を母に感謝。

「ひゃ、ひゃひいいい!」
「くーちゃんから出て「煩いですよ。ガン・スレイヴ!」

こしょばさに耐えられずに上がった少女の声が心地いい。
ついでになんかゴミの声も聞こえましたが無視しましょう。

おやおや、これはなんて素敵なシャンデリア。
むしろ形的にはちょうちんですが、シャンデリアということにしておいた方がロマンに溢れますし。
ですがなんとも引っ張りたくなる形ですね。あそ〜れ♪

「ぎゃ、ギャホ、ギャホっ!!」

っと、いけません、いけません。
あまり喉を刺激して吐き出されては元もこもありません。
絶望したー!チートなのに咳き一つで吐き出される身体に絶望したー!

いやいや、人間限界には挑戦してみるものです。
いっそ、器官に膨張して全力で張り付いて呼吸困難を起こしてみましょう。
そういえば、喉と鼻って繋がっていますし、ついでに塞いじゃおう。
内側からせり上がっちゃいましょう。えーい!
原作再現です。思う存分窒息してください、不死者さん♪

アニ2のかがみんも窒息死はしていなかったはずですし。
何回で慣れてくださるか、楽しみです。

4033嘆きの時間は終わらない:2008/07/26(土) 02:32:01 ID:1DNrCW/Q0








「……っ!!…………っ!?…………っかは。ひー……」

もう何度目だろうか。
暗い世界から意識が浮上していくのを感じる。
嫌だ。
苦しいのは、もう嫌だ。
けど、耐えなくちゃ。
耐えて、耐えて、耐えて。
隙を見つけないと、ちぃちゃんが。

光が、ほんの僅かに、世界に戻る。

ずるり、ずるり。
意識が覚醒した瞬間。
蘇生した直後の、僅かに正気を保っていられる時間。
その時間を使ってのろのろと、地を這い出口を目指す。
酸素不足で、脳が働いてくれなくて上手く知覚はできないけど。
それでも。
今やドSは完全に私の中にいる。ゲル化した身体を、私のような触手としては使わず全身で進入してきてる。
恐らく彼からすれば、触手で口を犯しても、楽しくないのだろう。
チャンスだ。
私の持つ最後の支給品は武装錬金ヘルメスドライブ。
これを使って、城の外にワープすれば、ドSは倒せる。
けど、LSに準じた制限が掛かっていて、一度使えば4時間は使用できない。
気付かれれば、次は無い。

「…………っか………!!…………!!!!」

息が、詰まる。
嫌だ、痛い、苦しい、喉が。

ガリガリ、ガリガリ。
思わず喉を掻き毟る。
わかってる、こんなことやっても喉につまったものは吐き出せない。
人は苦しいときには、理屈や因果と関係無い行動を取ってしまうのだ。

「…………!!…………!!!!……………………!!!!!!…………………………………………」

苦しい、苦しい、空気を、空気を!!

4034嘆きの時間は終わらない:2008/07/26(土) 02:32:18 ID:1DNrCW/Q0





「……っ!!…………っ!?…………っかは。ひー……」

もう何度目だろうか。
暗い世界から意識が浮上していくのを感じる。
嫌だ。
苦しいのは、もう嫌だ。
けど、耐えなくちゃ。
耐えて、耐えて、耐えて。
隙を見つけないと、ちぃちゃんが。

光が、ほんの僅かに、世界に戻る。

ずるり、ずるり。
意識が覚醒した瞬間。
蘇生した直後の、僅かに正気を保っていられる時間。
その時間を使ってのろのろと、地を這い出口を目指す。
酸素不足で、脳が働いてくれなくて上手く知覚はできないけど。
それでも。
ドSを騙す為には必要なのだ。
私が、ドSを身に宿したまま這って外に出ようとしてると思わせないといけないのだ。

「いやあ、感動しました。貴方の愛は素晴らしい!!おっと、大事なことなので二度言いました。
がんばりますね、ロリスキーさん。よろしい、なら、ゲームと行こうじゃないです。
貴方が這って出口に辿り着くのが先か、それとも絶望に屈するのが先か……。
結果が出るまで貴女の中で楽しませてもらうとしましょう」

喉から、声がした。
自分の声じゃない、ドSの声。
全身ゲル化したまま話すなんて、どれだけ器用なんだ。
でも、予想通りだ。
サディストは、相手が苦しむ反応を見ることが楽しみなのだ。
だったら、存分に楽しませれば油断させられる。
結果が出るまで貴女の中で、と言っていた。
私が足掻き続けていれば、逃げはしまい。

「…………っか………!!…………!!!!」

息が、詰まる。
嫌だ、痛い、苦しい、喉が。

触手を、できるだけ細く生成し喉に突っ込みゲルを掻き出そうとする。
けど、出てくるのは唾ばかりだ。
てらてらと触手が光る。
外から見ればどんな風に見えるだろうか、自分の触手で喉を突いている女の子って。
余裕が無いの、外見を気にしていられるような!

「…………!!…………!!!!……………………!!!!!!…………………………………………」

欲しぃ、欲しぃ、空気が、空気がああああああ!!

4035嘆きの時間は終わらない:2008/07/26(土) 02:32:34 ID:1DNrCW/Q0







「……っ!!…………っ!?…………っかは。ひー……」

もうなんど目だろうか。
くらい世界からいしきが不浄していくのを感じる。
嫌だ。
苦しいのは、もういやだ。
けど、たえなくちゃ。
耐えて、たえて、絶えて。
好きを見つけないと、ちぃちゃんが。

光が、ほんのわずかに、世下位に戻る。

ずるり、ずるり。
意識が覚醒した瞬間。
蘇生した直後の、僅かに正気を保っていられる時間。
その時間を使ってのろのろと、地を這い出口を目指す。
酸素不足で、脳が働いてくれなくて上手く知覚はできないけど。
それでも。
右手を伸ばす。扉を、空気を掴もうとするかのように。
左手を忍ばせる。こっそりと、デイパックへと。
のろのろと、のろのろと。
這い蹲る動作に合わせて。

「…………っか………!!…………!!!!」

息が、詰まる。
嫌だ、痛い、苦しい、喉が。
剣の翼を顕現させる。
飛ぶことは無理でも、動かすことくらいはできるから。
グサリ。
迷い無く、首に突き刺す。
切り落とせば、死んでしまうが、穴を開けるくらいなら大丈夫だ。
いい方法だと思った。
なのに口内のゲルに直ぐに穴を塞がれた。

「…………!!…………!!!!……………………!!!!!!…………………………………………」

息、息、呼吸を、させてよ……。

4036嘆きの時間は終わらない:2008/07/26(土) 02:32:53 ID:1DNrCW/Q0







「……っ!!…………っ!?…………っかは。ひー……」

もうなんどめだろうか。
くらいせかいからいしきがふじょうしていくのをかんじる。
いやだ。
くるしいのは、もういやだ。
けど、たえなくちゃ。
たえて、たえて、たえて。
すきをみつけないと、ちぃちゃんが。

ひかりが、ほんのわずかに、せかいにもどる。

ずるり、ずるり。
意識が覚醒した瞬間。
蘇生した直後の、僅かに正気を保っていられる時間。
その時間を使ってのろのろと、地を這い出口を目指す。
酸素不足で、脳が働いてくれなくて上手く知覚はできないけど。
左手は、遂に核鉄へと届いていた。
いける、と。
これで、終わるんだ、っと。

「…………っか………!!…………!!!!」

ヘルメスドライブを無音発動。
転移先は蟹座氏。
バトルマスター達、敵の前に転移するのは論外だ。
加えて、アニロワ1・2書き手は、この場所と縁があり、向かってきている可能性も高い。
影の繋ぎ師の様子から将軍は死んだらしい。
となると消去法で、この場におらず、アニロワとも縁の無い蟹座氏が一番だ。

「…………!!…………!!!!……………………!!!!!!…………………………………………」

倒す、ドSを、手に入れる、空、気を……。

4037サイサリス:2008/07/26(土) 02:33:26 ID:1DNrCW/Q0
「…………っかは。ひゅーはー」

もう何度目だろうか。
暗い世界から意識が浮上していくのを感じる。
けど、今度は今までとは違う。
喉につっかえていたものが消えている。
やった、やった、私は、勝ったんだ。

光が、世界に戻る。

唖然とした。

真っ赤な、部屋だった。
壁という壁を、天井という天井を、床という床を。
赤い絵の具をぶちまけ染めたような、赤い、赤い、部屋だった。

「……え?」

あれだけ渇望していた息を吸うことも忘れて呆ける。

赤い世界には白い花が咲いていた。
白い茎に、白い葉に、白い花。
赤い世界には大きな石が幾つも転がっていた。
青かったり、白かったり、黄色いのも混ざってる。
赤い世界には青い綿毛が舞っていた。
よく見れば焦げ茶色の綿毛も風に乗っている。
赤い世界には小さな木が生えていた。
ひらひらとした花や葉っぱをつけた、肌色の木が。
赤い世界には巨大な樹も生えていた。
まあるい、まあるい、赤い果汁溢れる実をつけていた。

「う、そ……」

腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕
足足足足足足足足足足足足足足足足足足足足足足足足足足足足足足足足足足足足足足足足足足
骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨
骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸
髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪
体体体体体体体体体体体体体体体体体体体体体体体体体体体体体体体体体体体体体体体体体体
頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭
腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕
足足足足足足足足足足足足足足足足足足足足足足足足足足足足足足足足足足足足足足足足足足
骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨
骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸
髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪
体体体体体体体体体体体体体体体体体体体体体体体体体体体体体体体体体体体体体体体体体体
頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭
腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕
足足足足足足足足足足足足足足足足足足足足足足足足足足足足足足足足足足足足足足足足足足
骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨
骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸
髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪
体体体体体体体体体体体体体体体体体体体体体体体体体体体体体体体体体体体体体体体体体体
頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭
足足足足足足足足足足足足足足足足足足足足足足足足足足足足足足足足足足足足足足足足足足
骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨
骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸骸
髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪髪
体体体体体体体体体体体体体体体体体体体体体体体体体体体体体体体体体体体体体体体体体体
頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭頭

4038サイサリス:2008/07/26(土) 02:33:43 ID:1DNrCW/Q0


どれも見覚えのあるものだった。
赤い世界は、彼女の恋人の死体で構成されていたのだから。

「ちぃ、ちゃん?」

わけが、わからない。
ドSを倒して、繋ぎ師も救って。
ハッピーエンドに近づいたはずなのに。
なんで、ちぃちゃんが……?
それ以前に、私は蟹座氏の元に跳んだはずなのに、何でちぃちゃんの身体が転がってるわけ?
……身体?あれ、ちぃちゃんは、どこ?

「やっと気付きましたか」
「……っ!?どうして!!」

我が耳を疑う。
背後から聞こえるのは、ここ数十分で刻み込まれた男の声。

「どうしてあんたがまだ生きてんのよおお!!」
「何でと聞かれましても。見えていたからとしか答えられませんが?」

振り向いた先には核鉄を手に笑みを浮かべるマスク・ザ・ドS。
見抜かれていた?
なんで!?疑問が心を支配していく。
必勝の一手のはずだったのだ。
痛いことも耐えた。辛いことも耐えた。
耐えて、耐えて、耐えて、耐えて。
やっと、解放されたはずなのに。なのに!

「見えてたって、マイティアイ・改!?けど、あんた頭部だけはDSRXじゃないはず!」
「ええ、そうです。なりきりシステム上確かにゼロの仮面を被ってる私の頭部はDSRX足りえない。ですが……」

こんこんとドSが叩いているのは、どう見たってゼロの仮面以外にあり得ない。
ルルーシュでもない彼にとってはただの仮装にしか過ぎないそれ。
目の部分が開く機能も、ギアスや魔眼持ちでなければギミック止まりだ。

――本当に、原作通りのゼロの仮面だったのなら。

「ねえ、ロリスキーさん。思い出しませんか、この仮面で誰かを」
「知らないわよ、そんな……あっ」

4039サイサリス:2008/07/26(土) 02:34:04 ID:1DNrCW/Q0

知っている。
私は一人、その仮面を着けていた参加者を。
いつも私が困っている時に助けてくれた彼のことを。

「ウッカリ…、デス?」
「いかにも!彼ももったいないことをしたものです。
 無明妖幻side.に空間隔離と一部のステルスを破られたとはいえ、あの時点でのラピュタのステルスは一応健在!
 それを見抜いたのだから望遠機能以外に透視機能も付いていることに気づいても良かったものを!」

うわははははは〜☆ 


楽しげに笑うドSに今度こそロリスキーも真相へと至る。
深く考えてみれば最初からおかしかったのだ。
変身直後とはいえソードカトラスの銃弾一発で割られるほど仮面ライダーの仮面が脆い筈はない。
あえてそれ以上に高性能な仮面へと付け替えることを前提に割られたのだ。
銃弾から魔法、科学兵器、核に至るまで全てを防げ、その上望遠・透視機能持ちなら申し分は無い!
ドSはその透視機能を用いて、デイパックの中の核鉄がヘルメスドライブであることを見抜き、
発動仕切るよりも速く、核鉄を私から奪っていたのだ。

「そう。忘却のウッカリデス。貴女に恋し、貴女に忘れ去られた人間です。埋葬し、弔われることすらなく、ね」
「わ、私に、ウッカリデスが?」

……知らなかった。
ううん、気づこうとしなかったのだ。
きっと、私は最速の人にも惹かれていた。
それが初恋だったかはわからない。
決してかっこよくは無いけど、芯の強さを持っていたところに、憧れていたのかもしれない。
私は、ちぃちゃんを愛した。
いつからか私の心に居座っていた、本当は寂しがり屋で脆いところもあるあの子を。
けど、ウッカリデスとちゃんと向き合ったことはあったけ?
仲間としてでさえ付き合ったことは?
最速の人を助けに行くのに夢中だった。
ちぃちゃんに襲われて、その、快楽に溺れた。
最速の人の死を知り、嘆き悲しんだ。
ちぃちゃんを好きになって、結ばれた。
では、ウッカリデスは?

4040サイサリス:2008/07/26(土) 02:34:22 ID:1DNrCW/Q0
「それが答えですよ、ロリスキー。
 愛してもいない他人では、どれだけ仲が良い親友でも、いざとなれば我が身可愛さが勝るのは当然のことなんですから」
「私は、ウッカリデスを……」

頼って、頼って、頼りっきりで、死んだ後でさえ縋ってしまった。
立て続けにイベントが起きたとはいえ、お墓すら建てていない。
それは、愛していなかったから?

「そしてそれは今のあなたの地球破壊爆弾への対応にも当てはまるのです」
「ちぃちゃん?そ、そうだ、ちぃちゃんは!?ねえ、ちぃちゃんは無事なの!?」

よくわからないことをドSが言った気がするが、無視する。
それよりもちぃちゃんは!
この部屋の惨状的には、まさか……。
ううん、そんな、そんなはずは無い!

「くすくす、やっと聞いてくれましたか。ええ、無事ですよ。少々……いえ、かなりしつこかったので手間取りましたが」
「手間取ったって、この部屋!?これって、やっぱり……」
「ええ、ちぃちゃん、です。くーちゃんから出てけー!!って、しつこいのなんの。

 ディストラナガンとSRXの融合体ってことを活かしてガン・スレイヴに相手をさせていたのですが。
 まさか気づいていませんでしたか?あなたの中にいる間中ずっと爆弾はあなたを助けようと身を削ってまで闘っていたのに」

だって、あの時、私には何にも聞こえなかったし、見えなかった。

――本当に?

「本当にそうですか?本当に見えていなかったのですか?違うでしょう。
 クールなロリスキー。あなたはあの時遅い来る痛みに、我が身しか見れなくなっていたんです。
 可哀そうに。爆弾はいくら身体を吹っ飛ばしても、何度も何度も丸ごと再生して立ち向かってきたというのに。
 おや?これって何だかちぃちゃんの片思いな気がするのですが」
「わ、わた、私は……」

自分のことばっかりで、ちぃちゃんを、気にもかけなかった?
う、ううん、私は、そのちぃちゃんを助けようと!

――最初はじゃないの?

「貴女も読み手なら知っているでしょう。
 愛する人を命懸けで守り抜こうとした恋人の数々を!
 我々アニ2はどうも恋愛と絡められがちですが。
 そういう愛やら恋やらはむしろ葉鍵やギャルゲロワの領域です。
 いやあ、素晴らしい物語の数々だった!綺麗だったといてもいい!!
 大切な人の為に人を殺す道を選ぶ苦悩!
 愛する人の死に沈むも、復活を遂げる残されたもの!
 生き返らせようと信念を曲げる人達なんて、思わずもっとどん底に突き落としてみたくなる!
 そして最も読み手の涙を誘うのは、彼らがどんな時でも、自身より恋人を優先しているその姿!」

大げさに、されどその声には心から感動したという念が溢れていた。
途中でじゃっかん趣味が混ざってはいるが、だからこそ、ドSの感想が演技では無いことがわかってしまう。
そして、そんな経験は私にもある。
書き手は少なくとも自ロワにとっては最高の読み手でもあるのだから。

――それで、あなたはどうなの?

4041サイサリス:2008/07/26(土) 02:34:41 ID:1DNrCW/Q0

「……ですから。例えどんなに苦しくとも、好きな人を想い続けるのは当然ですよねえ、ロリスキーさん」
「そ、それは……」

確かに、途中まではくーちゃんのことを考えていた。けど。

「貴女はこの核鉄を発動させる間際、何を考えていましたか?
 もちろん殺す対象である私のことですよね。
 後はう〜ん。そうそう、自分自身!!
 やった、これで呼吸ができるとか思っていたりしませんでしたか?」
「あ、ああ、ああああああああああああああ!!」

地に膝をつき、首を垂れる。
その通りだった。
あの無間地獄の終盤、私は何を考えていた?
“ドS”を倒して“私”が解放されようと……。
ちぃちゃんことなんて、ちっとも心配していなかった。
好きなのに!愛しているのに!

「ようやくわかりましたか。
 真の愛とは常何時も相手に自らの存在を刻みつけることなんです。
 何もいちゃいちゃとしてればいいってもんじゃない。
 深層意識に沈もうと、壊され狂い顔も思い出されないとしても。
 行動原理と化し続ければ、死ぬまで一緒にいられるのですよ!
 人は生きている限り、何かをなし続けるのですから!!」

強く、強く、拳を握る。
まだだ、まだあるはずだ。
ちぃちゃんは生きている。
なら、私がちぃちゃんの為にやれることも!
いつまでも項垂れてはいられない。
迷わないって、決めた。
ちぃちゃんの支えになるって。
ごめん、ウッカリデス。
私、あんたのこと、何も見ていなかった。
もし、この先死んじゃったら思いっきり謝るから。
だから。死者スレで見てい「ああ、そうそう。ちぃちゃんですが。ここにいますよ?」え?

4042サイサリス:2008/07/26(土) 02:35:01 ID:1DNrCW/Q0

「どこよ、どこにいるのよ!?いないじゃない!」
「ここですよ。ほ〜ら、私の手の中に」

ぬうっと差し出された右腕の中、弱弱しく脈打つのは、かって見た小さな心臓。
前と違うところは二つ。
一つは銀の輪……首輪が無くなっていること。
もう一つは、代わりとでも言うかのように突き刺さった何本もの銀の針。
あまりにも惨い仕打ちだった。

「我ながらしつこいんで、どの程度心臓にダメージを与えれば死ぬのかと思いまして。
 実験させてもらったのですよ。
 さて、まだ生きているようですが、後何本耐えられる事やら……」
「許さない!!ちぃちゃんを、離しなさいよ!!」
「おや?自分の危機が去って初めて心配するような他人なんですから、死んでもいいでしょう?」
「いいわけないでしょが!!」
「偽りの愛相手に育まれる真の愛なんてあるわけないじゃないですか〜☆
 とはいえこのままでは貴女が納得できませんでしょうし。
 ふむ。そうですね。実験の最終段階には貴女にも手伝ってもらうことにしましょう」
「ち、ちぃちゃん!?」

あたふたと私が投げ渡された心臓をキャッチするのを見届け、ドSは告げる。

「簡単なことです。貴女の愛が本当ならば、私から爆弾を守りきれるはず。さっきの名誉挽回にもなるでしょう?」

断る理由なんてない。
そうだ、ちぃちゃんを守りたい。
その想いに嘘は無いから。これが、今の私にできる愛の証明よ!
頷く。強く、深く。
愛しい人の心を握りしめて。

4043サイサリス:2008/07/26(土) 02:35:31 ID:1DNrCW/Q0



全てが計画通りに運んでいます。
ロリスキーは愛の証明の為にでしょう、即答で頷いてくれました。
揺さぶりに揺さぶった甲斐があるというものです。
では、仕上げに必要なのは何でしょうか?
決まっています。
支えを、取り除くことです。
しかもただ一方的に取り上げるのでなく、あくまでも自分の手から零させるのです。

ねえ、ロリスキー。
貴女は気づいてますか?

“貴女の愛が本当ならば、私から爆弾を守りきれる”

この言葉を信じる者にとって敗北が何を意味するのかを。

ああ、楽しみです。その時が、実に、実に楽しみです!




【2日目・深夜】【ギガゾンビ城エリア・正面ホール】



【地球破壊爆弾No.V-7@アニロワ1st】
【状態】:ダメージ極大。瀕死。心臓のみ
【装備】:なし
【道具】:なし
【思考】:
 基本:クールなロリスキーと共にある。
 1:???


※基本的に中身はアーカードで、CVは平野綾です。
※変化する姿に7つのバリエーションがあるらしいです。
【1:地球破壊爆弾】【2:アーカード】【3:長門有希】【4:泉こなた】
【5:銃撃女ラジカル・レヴィさん】【6:キングゲイナー】【7:1〜6とか目じゃないよ?びびるよ、まじで】
※クーガーの早口台詞が言えます!
※鎖鎌、鳳凰寺風の剣、ソード・カトラス、ノートPCの投影が可能です。
【スーパーキョンタイム】
 地図氏以外の者はゆっくりとしか動けなくなります。一度使うとそれなりの時間使用不可能です。
【地図氏の地図】
 参加者の位置、生死を含めた地図を投影できます(※長門有希の状態でのみ可能)
 使いすぎるとアレなので、毎晩0時にのみ使う事にします。

4044サイサリス:2008/07/26(土) 02:35:52 ID:1DNrCW/Q0




【クールなロリスキー@漫画ロワ】
【状態】:不死者、吸血姫、スーパーかがみんと融合、動揺、
【装備】:唾液で汚れた巫女服(鷹宮神社)@らき☆すた
【道具】:支給品一式、カードデッキ(龍騎)、AK-74(残り28発)
     着替え用の衣装(複数)、『村雨健二』の衣装、キュートなシルク仕様の裸エプロン、日焼け止めクリーム(大量)、GL本
【思考】:
 基本:地球破壊爆弾No.V-7と共にある。
 1:愛を証明するためにも、ちぃちゃんを守りきる。
 2:はぐれた仲間と合流。
 3:もう迷わない。
 4:ちぃちゃんの支えになる。



※容姿は柊かがみ@らき☆すたです(翼と尾が任意で顕現します)
 柊かがみの髪の色をしたドラゴンにもなれます。
 ヴァルセーレの剣の刃でできた羽を三対六翼持っています。尻尾はマリンデビモンの触手が変化して8つです。
※スーパーかがみんと融合し、彼女の記憶と能力を継承しました。
 柊かがみがその時点で使った事のあるあらゆる力、アイテムを使用できます。




【みWiki@書き手ロワ2nd】
【状態】:魔女っ子メイドみWikiさん
【装備】:メイド服、さくらの杖(さくらカード全種類付き)@LSロワ
【道具】:なし
【思考】:
 1:地球破壊爆弾に従う。

4045サイサリス:2008/07/26(土) 02:36:26 ID:1DNrCW/Q0



【マスク・ザ・ドS@アニロワ2nd in 影の繋ぎ師@ライダーロワ】
【状態】:DG細胞感染 仮面ライダーDSRX化 ロリスキーに求愛
【装備】:カラオケマイク@現実 、ゼロの仮面(蝶高性能)
【道具】:支給品一式×3、 ワルキューレ@スパロワ、ドラグブラッカー、写真付き名簿、放火セット(燃料、松明、マッチ)、
     ナイフ、不明支給品×1(確認)、BL本、首輪×2、パロロワ衣服詰め合わせ、
     お徳用原作パロロワ全生首セット(目玉セット他に換装可能)&原作パロロワ全手首詰め合わせ※今なら腕も付いてくる!
     ノートパソコン、フライングアタッカー(中破)@仮面ライダー555
【思考・行動】
 基本:さあ、絶望しましょうか。
 1:ロリスキーを“愛する”
 2:貴女が、自らを裁くのです、ロリスキー
 3:こんなものですか、地図氏?



※色々な悪条件の結果、影の繋ぎ師にDG細胞が感染。その結果としてドSが顕現しました。強すぎです。
※姿はほぼSRX。ただし仮面とマントはゼロ仕様です。
※アニロワ1と2が重なるフォーグラーの中のギガゾンビ城でしかドSは存在できません。
※解除方法h穏便に済ます方法? いやだなあ、そんなのある訳ないじゃないですか。
※【ゼロの仮面(蝶高性能)】
銃弾から魔法、科学兵器、核に至るまで全て防いでしまう恐ろしい仮面。
ただし、守れるのはあくまで首から上だけに限られている。
ちなみに、視界は蝶良好で酸素の補給も問題なく出来る。
その代わり、一度装備すると死ぬまで外せない。
望遠・透視機能付き。


※再生・破壊が繰り返されたため、ホールは地球破壊爆弾の血やら腕やら脚やらで、とんでもないことになっています。
※地球破壊爆弾の所持品:激戦@漫画ロワ、レヴァンティン@アニロワ1st、マジシャンズレッドのDISC、巫女服(鷹宮神社)@らき☆すた
            支給品一式、着替え用の衣装(複数)、アダルトグッズ(大量)、泉こなたのスクール水着@漫画ロワ、みWiki@らき☆すた
 が、無数の腕やら足やらとあたりに散らばっています。壊れているものもあるかもしれません。

※時間経過による精神世界でのできごとはお任せです。

4046サイサリス:2008/07/26(土) 02:36:50 ID:1DNrCW/Q0
投下終了

4047サイサリス修正:2008/07/26(土) 03:21:26 ID:1DNrCW/Q0
マスク・ザ・ドSの装備に、ヘルメスドライブ(未使用)を追加。

4048奈落の花(加筆修正版):2008/07/26(土) 14:37:34 ID:1/FPaNRs0
昨日投下した話の加筆修正版、投下させていただきます。

フォーグラーの廊下を、蟹座氏はすたすたと歩く。
力強いその足取りとは裏腹に、彼女の顔には七氏戦の疲れが色濃く出ている。
そんな蟹座氏の背後を、ツキノンは賢明に追いかけていた。

「あのー、蟹座氏。少しは休んだ方が……。」
「そんな時間がないのは、ツキノンもわかってるでしょう?」

蟹座氏の言うことは正論である。会場崩壊までのタイムリミットを過ぎれば、その時点で参加者全員の命運は尽きる。
なんとしてもその前に主催者の所までたどり着き、それを打倒しなければならないのだ。

「それに……感じるんだ。きっと、この先にししょーはいる。」

絶対の確信を持って、蟹座氏は断言する。
具体的な根拠などない。だが、疑う気持ちなど微塵も湧いてこない。
師弟の絆、というやつなのかも知れない。

(ししょーは何度も何度も、ぼく……いや、私を救ってくれた。今度は、私がししょーを救う番だ!)


やがて、蟹座氏たちは広い空間に到達する。
そこはフォーグラーの心臓部、大蟹杯の間。
その場所で蟹座氏たちを待ちかまえていたのは、予想通りの男だった。

「待ってましたよ、蟹座氏。それにツキノン。」
「ししょー……。」

永遠神剣を手に、バトルマスターは不敵に笑う。
その目は、不気味な赤い輝きを放っていた。
蟹座氏にはその理由まではわからなかったが、異変がバトルマスターの能力を引き上げていることは何となくわかった。
ちなみに種を明かすと、バトルマスターの目が赤いのは彼の最後の支給品「ブラッディ・アイ」を使っているためだ。
ブラッディ・アイは使用者の動体視力を劇的に高める代わりに、強い依存性を持つ。
そのデメリットを嫌ったバトルマスターは今までこれを使わなかったのだが、テイルズロワの支配下に置かれた今の彼に薬への嫌悪感は消えていた。

「さて、今更話し合うこともないでしょう。早く始めましょう。」
「待って、ししょー! 本当に……話し合いで解決は出来ないの?」
「この期に及んで何を……。あなたと私はこれまで何度も刃を交えてきた敵同士。
 戦うことに何のためらいがあるというのです?」
「違う! 違うよししょー! 確かに私とししょーは何度も戦ってきたけど、それは……。」
「見苦しいですよ、蟹座氏! 敵同士が出会ったのなら、選択肢は戦いしかないはずです!」

蟹座氏の言葉にはいっさい耳を貸さず、バトルマスターは剣を構える。

「そうか……。やっぱりあなたを取り戻すには、戦うしかないんだね。」

蟹座氏も、右手に持っていた永遠神剣「誓い」を構える。その顔に、迷いはない。

「蟹座氏、私も一緒に戦います!」
「いや、これは私とししょーの問題だよ。ツキノンはそこで見ていて。」
「何言ってるんですか! そんなことにこだわっている場合じゃ……。」
「お願い、ツキノン。今回だけは、わがままを言わせて。」

そう口にする蟹座氏の表情は、いつになく真剣なものだった。
それを見てしまったツキノンはもはや反論できず、すごすごと引き下がる。

「ありがとう、ツキノン。もし私が殺されたら、あとはお願い……。」

相手に聞こえるか聞こえないかという小さな声で、蟹座氏は呟いた。

「そちらの話は終わりましたか。」
「うん。じゃあ、始めようかししょー。これが私とあなたの……ラストバトルだ!」

4049奈落の花(加筆修正版):2008/07/26(土) 14:38:22 ID:1/FPaNRs0
バトルマスターと蟹座氏。二人が同時に地を蹴る。
「冥加」と「誓い」、二本の永遠神剣がぶつかり合って金属音を鳴らす。
斬る。防ぐ。斬る。防ぐ。斬る。防ぐ。斬る。防ぐ。斬る。防ぐ。斬る。防ぐ。斬る。防ぐ。
一進一退の攻防が続く。

「やるようになりましたね、蟹座氏! 私も嬉しいですよ! でも!」

ふいに、バトルマスターが姿勢を低くする。そこから繰り出された足払いを回避できず、蟹座氏は派手に転倒した。

「相手が剣を持っているからといって、来る攻撃が斬撃だけとは限りませんよ!」

倒れた蟹座氏に、バトルマスターは容赦なく剣を振り下ろす。
かろうじてそれを回避した蟹座氏だが、代償として蟹沢きぬのトレードマークである三連お下げの左半分を持っていかれてしまった。

「くっ……。」

倒れたまま転がり、蟹座氏はいったん距離を取る。

「その程度で距離を取ったつもりですか!」

バトルマスターは素早く、荷物の中に入っていた首輪を投擲する。
反射的に、それを「誓い」ではじく蟹座氏。
一瞬視線がそれた瞬間にバトルマスターは距離を詰め、剣を振るう。
その刃は、蟹座氏の脇腹を切り裂いた。

「浅かったですか……。いけませんね、私としたことが。
 まだこの感覚になれていないようです。実戦で使うなら、ならしをしておくべきでしたね。」

淡々と語りながら、バトルマスターは剣を振るう。
そのスピードは、どんどんと加速していく。
最初は何とか受け止めていた蟹座氏だが、徐々に反応が追いつかなくなっていく。
肩が、二の腕が、次々と切り裂かれ、蟹座氏の体が少しずつ赤に染まっていく。

(くぅ、バリアジャケットがほとんど役に立ってない……。せめて黄金聖衣が残ってればなあ……。
 まあ、無い物ねだりしたってどうしようもないけどさ!)

体中を切り裂かれながらも、蟹座氏は闘志を失わずに戦い続ける。
少しずつではあるが、彼女はバトルマスターの動きに付いていけるようになってきていた。
それでも、バトルマスター圧倒的優位の状況は変わらない。

「素晴らしいですよ、蟹座氏。あなたは、戦いの中で着々と成長してきている。
 ですが……それでも私には勝てません!」

バトルマスターが繰り出したのは、大振りの一撃。
それに対して回避を選ぶ蟹座氏だが完全にはかわしきれず、背中のデイパックが切り裂かれる。
そこから、いくつかの支給品がこぼれ落ちた。

「くっ!」

とりあえず、目に付いたリュートを蹴り飛ばしてバトルマスターにぶつけようとする蟹座氏。
だが、そんな行き当たりばったりの攻撃がバトルマスターに通用するはずがない。

「いけませんね、そんな稚拙な攻撃では……。私なら、これを選びます。」

易々とリュートをかわし、お返しにバトルマスターが投げつけたのは対戦車用地雷。
直撃は避けた蟹座氏だが、爆風に吹き飛ばされる。

「えぇい、アクセルシューター!」

すぐさま体勢を整え、蟹座氏はケリュケイオンの力を借りて攻撃魔法を放つ。
この戦いにおいて初めて見せる攻撃だが、すでにその存在を知っているバトルマスターに驚きはない。
慌てずに落ちていた核鉄を拾い上げ、叫ぶ。

「武装錬金!」

バトルマスターの手の中に出現したのは日本刀の武装錬金、ソードサムライX。
その特性は、エネルギー攻撃を吸収して反射すること。
ご丁寧にも、この支給品の解説にはこう書かれている。
『少なくとも「魔法」には効果アリ。』と。
すなわち、魔法であるアクセルシューターは確実にこの武装錬金には通用しない!
バトルマスターは、器用にアクセルシューターを刀身で受け止めていく。
受け止めたエネルギーはすぐさま下げ緒から放出され、蟹座氏自身を襲った。

4050奈落の花(加筆修正版):2008/07/26(土) 14:39:39 ID:1/FPaNRs0
「うあああああ!!」

自らの仕掛けた攻撃を自らに受け、蟹座氏は悲鳴を上げながらさらに吹き飛んだ。

「そんな……。なんでその核鉄がソード何たらだってわかったのさ!」

蟹座氏の疑問はもっともだ。その核鉄を保持していたのはバトルマスターではなく蟹座氏なのである。
一応、核鉄に施されたナンバリングからどの武装錬金なのかを判断するのは可能だ。
しかしカズキや斗貴子の核鉄ならともかく、持ち主が脇役でしかないソードサムライXの核鉄ナンバーを瞬時に判断できる人間などはっきり言ってよほどのファンだけだろう。
そして、バトルマスターが「武装錬金」のファンであるという話は聞いたことがない。

4051奈落の花(加筆修正版):2008/07/26(土) 14:39:55 ID:1/FPaNRs0
「簡単な話です。このロワに登場した核鉄のうち、ニアデスハピネスとブレイズオブグローリーはDIE/SOUL氏と名無し氏の戦闘で破壊が確認されています。
 残るは魔王氏が持つバルキリースカートですが、魔王氏が戦友の形見であるバルスカをすでに十分な武器を持っているあなたに譲渡する可能性は低い。
 それからあなたの所持品に不明支給品はありませんでしたから、未登場の核鉄という可能性もゼロと言っていいでしょう。
 そうなれば、あなたが持っている核鉄はあなたが倒したナナシ氏の所持品であったソードサムライXである可能性が非常に高いというわけです。」
「……そこまで考えてたのか、あの短い時間で……。やっぱりすごいや、ししょーは……。」
「お褒めの言葉、ありがたくちょうだいしましょう。それでは、戦闘再開といきますか。」

右手に「冥加」、左手にソードサムライXを持ち、バトルマスターが蟹座氏に迫る。
武器がふたつになったからといって、単純に強くなるとは限らない。
武器が一つの時の戦い方と、二つの時の戦い方では求められるものが違ってくるからだ。
だが、バトルマスターの場合は単純に強くなる。
なぜなら彼はあらゆる戦闘を極めた者、バトルマスターだからだ。

「ううっ…!」

二つの刃が生み出す連携の前に、蟹座氏は徐々に追いつめられていく。
一度は何とか押し戻したパワーバランスは、再びバトルマスターに大きく傾いていた。

(ダメです、もう見てられません!蟹座氏がなんと言おうと、助太刀に入らせてもらいます!)

これまで蟹座氏の意志を尊重して静観を続けていたツキノンだったが、すでに耐えるのも限界だった。
鬼狩柳桜を手に、バトルマスターに向かっていく。

「来ないで、ツキノン!」

だがその行動は、蟹座氏の怒号によって制止される。

「ですが、これ以上あなたが痛めつけられるのを、黙ってみているわけには!」
「ダメなんだ……。ここは私一人で勝たなきゃ……。」
「なぜです! なぜあなたはそこまでこだわるのですか!」
「これは……けじめなんだ……。私は今までずっと、ししょーや他のみんなに助けてもらってばっかりだった!
 おんぶにだっこだったんだ……! だから私は! 一人でししょーを倒したい!
 倒さなきゃいけない! それが出来ないなら……一生ししょーを超えられない!
 ずっと……ししょーの背中を追いかけなきゃならなくなる!
 そんなことになって……たまるかぁぁぁぁぁ!!」

絶叫と共に、蟹座氏は「誓い」を振るう。それを「冥加」で受けたバトルマスターの体が、わずかに押される。

「蟹座氏……。わかりました! 私は手を出しません! 骨は……拾ってあげます!」

目にうっすらと涙を浮かべながら、ツキノンは鬼狩柳桜を収めた。

「ありがとう、ツキノン……。ごめんね、私なんかのわがままに付き合わせて……。」
「いえいえ、わがままなんかじゃありませんよ。師匠越え。実に王道のテーマです。燃えてくるじゃありませんか。」

蟹座氏の言葉に、意外にもバトルマスターが応える。
驚く蟹座氏に向かって、バトルマスターはさらに続けた。

「ですが、はっきり言ってしまいましょう。私を倒すことは不可能です。
 この部屋に入ってきた時から、すでにあなた方は私の固有結界の中にいる。
 私の固有結界の効果は知っていますよね? 発動している限り、私は絶対に負けない。
 つまり、あなた方に勝利はないということです。」
「それはちょっと違うんじゃないかな、ししょー……。」
「ん?」

予想外の蟹座氏の反論に、バトルマスターは思わず顔をしかめる。

「ししょーの能力は、僕もよく知ってる。でも、その力は『絶対に負けない』こと。
 『負けない』と『勝つ』は違うよね?」
「……何が言いたいんです。」
「ししょーの固有結界が存在する間は、私は『勝てない』。でも、だからといって『負ける』と決まったわけじゃない。」
「単なる言葉遊びです、それは。」
「そうかな? この差、結構あると思うけど。」
「……わかりました。そこまで細かいことにこだわるなら今すぐ教えてあげましょう。
 私にバトルで勝つことは不可能だと!」

令呪の宿る腕に意識を集中し、バトルマスターは叫ぶ。

「闘争制覇者-Battle Master アイン・ソフ・オウル!!」

4052奈落の花(加筆修正版):2008/07/26(土) 14:40:43 ID:1/FPaNRs0
宣言と共に、世界が変わる。戦場と化したその場に召喚されるのは、過去と現在と未来でバトルマスターが描いてきた、もしくは描いていくキャラクターたち。
バトルマスターの外見のモデルとなった少年、前原圭一が蟹座氏の前に立つ。
オボロが、ネリネが、トウカが、名雪が、瑛理子が、千影が、悠人が、武が、アセリアが蟹座氏を取り囲む。
彼らに加え、恭介が、トルタが、烏月が、ティトゥスが、杏が、なごみが、士郎が、サクヤが、アルが、乙女が、虎太郎が、なつきが、九郎が、ユメイが、ツヴァイが、このみが、包囲網を構成する。
他にも、まだバトルマスターが書いていないはずのキャラクターたちの姿もあった。
おそらく、未来で彼が書く運命にある者たちなのだろう。

「蟹座氏……これでさようならです。」

物憂げな表情を浮かべながら、バトルマスターは「冥加」を天に掲げる。
それが、攻撃開始の合図。
無数の拳が、刃が、矢が、銃弾が、蟹座氏を蹂躙せんと動き出す。
地の利を得ていたエロスコンビでさえも何の抵抗も出来ずに敗れ去ったバトルマスターの切り札、アイン・ソフ・オウル。
蟹座氏に、それに抗う力などない。
そう、蟹座氏だけだったら。

「そっちがロワの力を使うというのなら……こっちも! みんな、力を貸して!」

温存していたギャルゲロワの力を、満を持して解放。
お姉さまやうっかり侍の身体能力、歩く頭脳戦やステルス鬼畜の知力、汚れなき愛や孤高の黒き書き手の精神力、そしてtu4氏の空気力。
それらが蟹座氏の体を満たしていく。
最速の人の力が感じられないのが気になったが、今はそれを深く考えている余裕はない。
すでに、攻撃の嵐が目の前に迫っているのだから。
強化された頭脳をフル稼働して安全地帯を見つけ出し、地を蹴って素早くそこへ移動。
しかし、そこが安全地帯であるのは一瞬のこと。すぐさま新しい攻撃が飛んでくる。
だがそんなことは覚悟のうえ。お姉さまのパワーとうっかり侍の技術で「誓い」を振るい、攻撃をなぎ払う。

(いくらみんなの力を借りてるからって、このメンバーをまともに相手してたんじゃ命が10個あっても足りない!
 狙うのは大将……つまりししょーのみ!)

防御に専念しながら、蟹座氏は進む。ひたすらに、バトルマスターを目指して。
しかし、なにぶん敵の数が多すぎる。とてもすべての攻撃を防ぎきることは出来ない。
ツヴァイの狙撃が脚を撃ち抜く。
圭一の剣が脇腹を切り裂く。
虎太郎の拳が肋骨を砕く。
士郎の矢が肩を射抜く。
それでも、蟹座氏は走り続ける。
進路をふさぐアセリアを突き飛ばし、トウカを退かせ、バトルマスターを目指して前進する。
もはや全身至る所が痛くて、どこをどう怪我しているのかもわからない。
ギャルゲロワの力を行使し続けたことによる疲労も、半端なものではない。
疲れ切った両手両足は負傷と相まって金属で出来ているかのように重く、肺や心臓は今にも張り裂けそうに思えるほど痛い。
それでも、蟹座氏は止まらない。おのれが目指す勝利、そしてハッピーエンドのために。

「しぃしょおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

ボロボロの肺に鞭を打って絶叫を上げ、全身を血の赤で染めた蟹座氏が突進する。
目指すバトルマスターは、もう目の前。
背後から乙女に肩をつかまれ前進を封じられるが、その程度で蟹座氏はくじけない。
傷だらけの脚で踏ん張り、ズタズタになった腕で「誓い」を投擲する。
だがバトルマスターは、「冥加」を振るいそれをあっさりとはじく。

「そんなずさんな攻撃は通用しませんよ、蟹座氏!」
「まだまだぁ!!」

バトルマスターの言葉に耳を貸さず、蟹座氏は続けて足下に落ちていた杖を投げつける。

「人の忠告は聞くものですよ!」

ソードサムライXで、バトルマスターは飛んでくる杖を切り裂く。
だが、それは判断ミスであった。彼は、この杖を回避すべきだったのだ。
破壊された杖から、それに込められていた魔力があふれ出す。
そしてその杖の名は……まふうじの杖!

「これは……!」

襲い来る奇妙な感覚に、バトルマスターは表情をゆがませる。
まともに浴びた「魔力を封じる魔力」が、彼の魔術回路をせき止める。
その結果として、固有結界は消滅。バトルマスターが率いていた戦闘者たちも、一人残らず消え去った。

「そんな……バカな……。」

4053奈落の花(加筆修正版):2008/07/26(土) 14:41:21 ID:1/FPaNRs0
予想外の事態に、バトルマスターは確かな動揺を見せる。
それこそが蟹座氏にとって、千載一遇のチャンス。
それでも相手はバトルマスター。すべてが上手くいく可能性はおそらく一割もない。
だが、それがどうした。そんなことで、行動をためらう蟹座氏ではない。
武器を手放し、蟹座氏はしっかりと握りしめた拳を振るう。
ギャルゲロワのみんなと、自分の想いを乗せた拳を。

「受け取ってください、ししょー!」


小さな拳が、バトルマスターの額に叩き込まれた。
そこから、暖かい力がバトルマスターに流れ込んでいく。


「これ……は……。」

バトルマスターの中で、何かが変化していく。
蟹座氏の体を媒介に注入された、ギャルゲロワの力。
どんなに七氏の改竄能力が強力でも、それは所詮個人の力だ。
堅い結束が生んだ、一つのロワそのものの力には及ばない。
少しずつ、少しずつ狂った歯車が戻されていく。

「私……は……。」

数分の時をかけて、バトルマスターの記憶と人格は七氏の呪縛から解放された。
蟹座氏の思いは、確かにバトルマスターの元に届いたのだ。


ただ、その代償として。


「蟹座氏……?」


蟹座氏は、カウンターで繰り出された「冥加」の突きを心臓に受けることになったのだが。

「蟹座氏……? え……なんでですか……? なんでこんな状況に……。」

バトルマスターの言葉にも、蟹座氏は何ら反応を見せない。
当然の話だ。動物である以上、心臓を破壊されて生きていられるはずがない。
死人が生者の言葉に反応するものか。

「そんな……私が……蟹座氏を……? 殺し、コロシ……。」
「そうだ、お前はお前を尊敬する愛弟子をその手で殺した。そして、お前自身の命もここで終わりだ。」

ふいに部屋の中に響く、バトルマスターそっくりの声。
続いて、弾丸の発射される音が響く。
ショック状態だったバトルマスターがそれに反応した時には、すでに手遅れ。
彼の体は、ミサイルランチャーで吹き飛ばされていた。
闘争を制する者、バトルマスター。その最期は、あまりにあっけないものだった。

4054奈落の花(加筆修正版):2008/07/26(土) 14:41:59 ID:1/FPaNRs0
「最強の個人兵装とはよく言ったものだ。バトルマスターほどの男もあっさりと殺せるとはな。
 たまたまラピュタから持ち出した荷物の中にロケットランチャーの予備弾があったから回収してきたが……。どうやら苦労して運んだ甲斐があったようだ。」

七氏は、淡々と語る。その肩に担がれているのはDIE/SOULの残した十字架型兵器、パニッシャーだ。

「たかが一人を殺しただけで、こうもあっけなくぼくの術から解放されるとはな……。期待はずれもいいところだ。」

心底うんざりしたように呟くと、七氏は自分の筋力では持ち続けるのが辛いパニッシャーを床に置く。

「さて……。あとはあのへぼ神か。」

パニッシャーの代わりにポケットから取り出したナイフを構え、七氏はツキノンに向かって歩く。
そのツキノンは、目の前で仲間が立て続けに殺されたショックで放心状態に陥っていた。神だろうが何だろうが、この状態なら何の苦労もなく殺せる。
一歩、また一歩と、七氏は距離を詰めていく。
だがその途中、彼は気づいてしまった。

「ちょっと待て。なぜ何も起きていない?」

七氏は額に汗を浮かべながら、部屋の中央にあるもの、大蟹杯を見つめる。
すでにガチホモが死んでからそれなりの時間が経っている。
大蟹杯は7人のジョーカーが死んだ瞬間から暴走を始めるはず。
なのに、未だ平静を保っているとはどういうことだ?

「その答え、教えてあげましょうか?」
「何?」

誰もいなかったはずの背後から声をかけられ、思わず振り向く七氏。
その瞬間、彼の腹部を弾丸が貫いた。

「ガッ……!」

何が起きたのかわからぬまま、七氏は倒れ込む。
痛みに苦悶しながら彼が顔を上げると、そこには自分が先程手放したばかりのパニッシャーを軽々と担ぐ少女の姿があった。

「プー太氏……? バカな! なぜアンタがぼくを攻撃する!」
「私もあなたを攻撃するのは気が進まなかったんですが……。今のご主人様の命令なんですよ。
 666さんからの伝言です。『別にかに玉がどうなろうと知ったことじゃない。でも、ネコミミストが私の元にたどり着く前に死んでしまう可能性は少しでも下げさせてもらう。
 これ以上君に活躍されて、対主催の人数が減っては私との戦いが盛り上がらなくなる可能性もあるしね。』」
「くそっ、あの狂人が……!」

七氏は口の中の血と共に、忌々しげな言葉を吐き出す。

4055奈落の花(加筆修正版):2008/07/26(土) 14:42:38 ID:1/FPaNRs0
「それで……具体的に何をやった! なぜ大蟹杯が暴走しない!」
「それは、あなたの説明に矛盾があったからです。」
「矛盾だと……?」
「矛盾を操るのが特技であるあなたが、自分の台詞の矛盾に気づかないとは意外でしたねえ。医者の不養生ってやつでしょうか。」
「回りくどい話し方はやめろ! その矛盾がどうしたっていうんだ!」
「まあ、一から話さないといけないんで焦らずに聞いていてください。七氏さんは、666さんが影丸さんから魔力を蒐集したのを覚えてますか?」
「回りくどいのはやめろと言って……!」

なおも抗議の声をあげようとした七氏の肩を、銃弾が貫く。

「自分の立場はわきまえてくださいね? 今すぐ殺さずに丁寧に説明してあげているのは、私の慈悲なんですよ?」
「………!」

歯を食いしばり吐き出したい言葉を飲み込む七氏を見て、プー太氏は微笑を浮かべながら説明を再開する。

「実はあの時、影丸さんはある能力に目覚めていたんです。本人がそれに気づく前に死んじゃいましたけどね。
 その能力とは『SOS(世界を・大きく変える・すごいツッコミ)弾』。
 これは物語の矛盾にツッコミを入れることで、その矛盾の原因を消し去ってしまうというチート能力だったんです。
 あなたの能力とよく似ている……いえ、むしろ対極の能力ですかね?
 とにかく、666さんは影丸さんの魔力を蒐集した時に、この能力も一緒に手に入れました。
 それを使用することで、あの人は大蟹杯の暴走を阻止したんです。」
「くっ……! それで、その矛盾とは何だ! このぼくが、矛盾なんて……。」
「『ジョーカーが7人死んだら大蟹杯は暴走する』。これが矛盾です。」
「バカな! それのどこが矛盾だ! nanasinn、人外、愛媛、名無し、超展開、ナナシ、ガチホモで7人だろう!」
「いえ、『8人』です。」
「そんなバカな……はっ!」
「気づきましたか? このロワにジョーカーは『9人』いたんです。ニコロワの4人、テイルズロワの4人、そして……。」
「6/……!」
「はい、正解です。」

そう、このロワでジョーカーといえばニコロワとテイルズロワの8人だと多くの人間が思っていただろう。
だが実際には、彼らより早く参戦したジョーカーがいたのだ。
さんざん「ヘタレ空気ジョーカー」となじられたあげく、最後はシャリダムの餌となった◆6/WWxs9O1sという男が。

「『ジョーカーが7人死んだ時点で暴走する』というのなら、ナナシさんが死んだ時点で暴走しないとおかしいんです。
 惜しかったですねえ。『ニコロワとテイルズロワのジョーカーが7人…』とするか、『ジョーカーが残り一人になったら』としておけば、矛盾にはならなかったのに。」
「………!」

見事なまでに揚げ足を取られ、七氏は返す言葉もない。

「以上で、説明は終わりです。せっかくなんで、七氏さんの魔力も蒐集させてもらいますね。」

瀕死の七氏に近づくと、プー太氏はその胸に手を入れて魔力を蒐集する。

「はい、これでもうあなたにすべきことは果たしました。というわけで……光になれー☆」

七氏に向かって、ゴルディオンハンマーが振り下ろされる。

「くっ……認められるか! ぼくが、ぼくがこんな……!」

そのセリフを最後に、七氏の肉体は光の粒子となって消え去った。

「さてと……。ついでですけど、ツキノンさんも始末しておきますかね。
 同じ非参加者の上に、ちっちゃいのも共通してるから何となくやりづらいですけど。」

ツキノンを捜して、視線を動かすプー太氏。だがツキノンは、いつの間にかその姿を消していた。

「あらら、七氏さんと話してる間に逃げられてましたか……。まあ、別にいいですけどね。
 とりあえず、落ちてる物は666さんにプレゼントしましょうか。あっちもどうなってるかわからないし、急がないと。」

すぐさま頭を切り換えると、プー太氏は支給品の回収を開始した。

4056奈落の花(加筆修正版):2008/07/26(土) 14:43:06 ID:1/FPaNRs0
◇ ◇ ◇


(あうううう……。バトルマスター、蟹座氏……。あなた方には弁解の言葉もないのです……。)

両の瞳から止めどなく流れ落ちる涙を拭うこともせず、ツキノンはフォーグラーの中を走る。
その背中には、蟹座氏が残したボロボロのデイパックが背負われていた。

(私にもっと力があれば、この惨劇も避けられたかも知れないのに……。
 大切な仲間も救えずに、何が神の力ですか! これではもう一人の私にも、申し訳が立たないのです!)

ツキノンの胸を支配するのは、あまりに大きく重い後悔の念。

(ですが、私は諦めません! 必ずや、他の対主催と共に主催者を打倒して見せます!
 ……ギャルゲロワ、最後の生き残りとして!)

後悔と共に決意を抱き、ツキノンは走る。その先に何が待っているかは、神である本人にもわからない。


【バトルマスター@ギャルゲロワ 死亡】
【蟹座氏@ギャルゲロワ 死亡】
【HN「七氏」@テイルズロワ 死亡】


【2日目・深夜】【D-7 大蟹球フォーグラー内部・???エリア】
【ツキノン@GR1st】
【状態】:首輪無し、強い後悔
【装備】:鬼狩柳桜
【道具】:支給品一式(食料全て消費)×5、最高ボタン、カードデッキ(シザース)@ライダーロワ、閃光弾、バッド・カニパニーの甲羅、蟹座氏の写真×10
     腕時計型麻酔銃(1/1)@漫画ロワ、麻酔銃の予備針×3、変化の杖、対戦車地雷×1、
     ヴァッシュ・ザ・スタンピードの銃@トライガン、ドラゴンオーブ@AAA、ティーセット一式
【思考】:
基本:打倒WIKI管理人
1:ギャグ将軍、もしくは他の参加者と合流
2:????



※主催側に反抗したため(自滅ですが)支給品に封印されていました。
※何らかの主催側の情報を持っているかもしれません
※他お任せ
※羽入の力は使えます。


※バトルマスターの所持品(支給品一式×2、コイン、名簿、孔明のメモ、スタンガン@アニロワ1st、 G.Iのカード×2(種類不明・本人は確認済み)@LSロワ)は、
 ロケットランチャーの爆発により消滅しました。

※永遠神剣「冥加」、永遠神剣『誓い』(鉈型)、鉈、ソードサムライX@漫画ロワ、パニッシャー@トライガン(機関銃:残り弾数40%、ロケットランチャー:残り7発)は、
 プー太氏が回収し666の元へ運んでいます。
ケリュケイオン@なのはstsは、蟹座氏の遺体が装備したまま放置されています。

4057奈落の花(加筆修正版):2008/07/26(土) 14:46:53 ID:1/FPaNRs0
投下終了。
これが、自分の愛と怒りと悲しみと傲慢と嫉妬と憤怒と色欲と強欲と愛しさと切なさと心強さと登場人物への敬意と鳩麦と玄米と月見草と苛立ちと維持と根性とその他いろいろをつぎ込んだ修正版だ!
これでもまだ面白くないという意見が多いようなら、そのときはすっぱりとこの作品を破棄します!

4058名無しにこんばんは:2008/07/26(土) 22:42:21 ID:bShmfmxw0
投下乙です。

>サイサリス
後半の鬱展開にマジでやられた…。衝撃的だったよ。
それにしてもドS、復活してからの方が強いって君は某サイヤ(ry
まあ元がぶっちぎりだし、この強さも納得。

>奈落の花(修正版)
描写が増えていていい感じでした。
でもGRの力があったとはいえ、よく蟹座氏あの猛攻の中を潜り抜けれたなあ。

4059繋いだ手は離さない:2008/07/27(日) 10:14:51 ID:2mlnzpXM0
投下します

4060繋いだ手は離さない:2008/07/27(日) 10:15:32 ID:2mlnzpXM0
……感覚が、もう、ない……

アイン・ソフ・オウルは、固有結界は、封じた……けれど……このままじゃ、ししょーの所まで、届かない……

私はまだ武器を持っているの? まだ、この足は動かせるの?

今……こうして考えているだけで、実際には何秒経っているんだろう?

全身の感覚が消えている、桜の魔法を使おうにも頭がぼんやりとして集中できない。

だけど、それでも……ししょーのところへ行かなくちゃ……ししょーを、助けなくちゃいけないんだ……!

お願い……動いて! 後、数歩……少しだけ前に進めばいい……!

私の力はもうない……けど、お願い! みんな、力を貸して……! この手を、この想いを、ししょーのところまで届けて!

勢いなんて……力なんてなくていいんだ……必要なのは、私の……みんなのこの想い!

――――届いて!!

「受け取ってください、ししょー!」

4061繋いだ手は離さない:2008/07/27(日) 10:16:09 ID:2mlnzpXM0

――――――いけない、もう、意識が……

届いたのかな……私達の想い……

「これ……は……」

ダメ……まだ、起きてないと……

何でだろう、胸の辺りが熱いよ……

「私……は……」

あ……ししょーの声だ……戻って、くれたのかな……

もう一度、ししょーと一緒に戦うんだ……ツキノンや、お姉さま達も一緒に……

「蟹座氏……?」

ごめんね……ししょー……疲れちゃったから、少し、眠るけど……

起きたら……一緒に、主催を……やっつけて……

「蟹座氏……? え……なんでですか……?」

みんな……いっしょに……はっぴー……えん……ど……

4062繋いだ手は離さない:2008/07/27(日) 10:16:32 ID:2mlnzpXM0

「ししょー……? あれ、ツキノンは?」

「……すみません蟹座氏、私は……あなたにどう顔向けすればいいのか……」

「え……? あ……そっか……私達……」

「私はあなたの、みんなの想いを無駄にしてしまった……!」

「それは違うよ、ししょー」

「蟹座氏……?」

「最後にししょーは目覚めてくれた。マーダーとしてでなく、対主催として死んでいった……それだけで、無駄なんかじゃない!」

「蟹座氏……私は……」

「行こう、ししょー。私達がやらなきゃいけないことは、他のみんなを応援することだよ!」

「……ええ!」

――私達みんなの想い、お願い……ツキノン――

【蟹座氏@ギャルゲロワ 死亡】
【バトルマスター@ギャルゲロワ 死亡】

4063名無しにこんばんは:2008/07/27(日) 10:17:51 ID:2mlnzpXM0
投下終了

蛇足かもしれないけど、二人の死亡補完話を

4064名無しにこんばんは:2008/07/27(日) 13:57:25 ID:Tr2e3AbQ0
>>不屈の心はこの胸に!
感想抜けてたー!

いやはや、丁寧な繋ぎで見事!
各地でクライマックスの中、こういうイベントがあると、後々が余計に盛り上がる!
LXかっこいいい!!今までネコミミストも戦力的に足りてなかったが、これならいける!
二人の格を上げ、ロワ後のことも考えさせられる、GJな投下でした!

>>繋いだ手は離さない
ナイス補完話!
これで元気に死者スレにも行けるし、援軍も可能。
奇麗な話でした〜。

4065名!無し!!もっと畏怖を込めて!:2008/07/29(火) 15:27:48 ID:ueQ7RDhg0
投下します

4066愛は運命 運命は――:2008/07/29(火) 15:30:34 ID:ueQ7RDhg0
声が、聞こえた。
少女の泣き叫ぶ、声だった。

『どうしてよ、どうしてええ!! 私は、ちぃちゃんを、愛してるのに!』

止めたいと、思った。
今すぐにでも彼女の元に駆けつけ、その涙を拭いたいと思った。
それができずに、何が仮面ライダーか、と!
けど、俺の身体は動かない。
言うことを聞いてはくれない。
だから、頼む。
誰か、誰でも良い。彼女を、彼女を救う力を俺に!

――はい、私で良ければ……。

君は?

――魔導書……、いえ、ただの辞書です。世界で10番目位には幸福な。








荒涼とした廃工場の世界。
いや、むしろ廃工場『だった』世界は今まさにカオスの様相を成していた。
巨大な怪獣が何でか知らないが鉢巻を巻いて正座しつつ、段ボールの上に乗った問題集を解かされているのである。

「くすり。さすがのうたわれるものもここまでみたいね!」
「っく、スーパー情報タイムだと!?やめろ、これだけの情報を整理するなど、我とて!
 いや、ってか何故に会社行かないでいいはずのロワ内でまで仕事させられているのだー!!」

戦闘開始数十分。
最初こそ精神世界を吹き飛ばしかねないガチバトルをしていた二人だが、
いつの間にやら精神世界を塗り替えかねないバトルへと発展していた。
現在はドSのターン。
すっかり売れっ子だけど締め切り間際の漫画家が住んでいるぼろアパートと化している。

「きっちりなさい、きっちりなさい!」
「ぐ、グオオオ!」
「無限の情報の海に沈んじゃいなさい!」

キラーンとでこを光らせつつ、次々と書類を追加するドS。
当分最速の男は天を仰ぎ続けるはめであるようだ。

そんな一室の隅っこに、ぐるぐる巻きに縛られて転がされている男の眼は未だ覚めそうにない。







4067愛は運命 運命は――:2008/07/29(火) 15:31:09 ID:ueQ7RDhg0






HIMMELエリア・大蟹杯の間。
バトルマスターが倒れ、蟹座氏が倒れ、七氏が倒れ、プー太氏が去った今、この地は無人のはずだった。
しかし、彼女はいた。
ギャルゲロワ最後の生き残り、ツキノン。
プー太氏から逃げ出したはずの彼女は、誰も居ないことを確認して再び舞い戻ってきたのだ。

「大蟹杯……。これさえ破壊すれば!」

声が聞こえたのだ。
地球破壊爆弾とロリスキーがピンチであり、彼女達を救う為に大蟹杯を破壊してくれという声が。
弱々しく、今にも消えそうだった為、誰が発したものかは分からなかった。
それでも、私は信じる。
大切な仲間を助けて欲しいという切なる願いを!

「っはあ!」

柳桜を抜き、神の力を開放。
左手に雷を召喚し、撃ち出す。

「行くのです!」

されど雷弾は飲み込まれる。黒い、黒い、泥の塊に。

「不浄なるものよ、去れ!!」

再び雷弾を生み出し、撃ちつける。
一つで駄目なら二つ、二つで駄目なら三つ!
四つ、五つ、六つ、七つ八つ九つ……無数!!
撃つ、撃つ、撃つ、撃つ、討つ!!

「ああああああああああああああああああ!!」

足りない。
まだ足りない。
大蟹杯は巨大な黒い蟹の化け物を生み出し続ける。
どこか蟹座氏の子、バッドカニパニーを思わせる怪物達を。

オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!

――蟹座じゃ、ないもん。

声が、響く。
母による、己が存在を否定する声が。
その事実に耐えかねたブラックカニパニー達は、あるがままの姿を放棄。
蟹以外の存在へと姿を変える。
新機動戦記ガンダムウィングに登場する自立型無人モビルスーツ、ビルゴⅡへと。

「っな!?」

ツキノンの驚愕は一瞬。
すぐにオヤシロバリアーを展開し、ビームキャノンの一斉砲撃に備える。

プラズマイトディフェンサー
幸運だったのは、パイロット無しでも力を行使しやすいモビルドールを選んでくれたことか。
万一ウイングゼロにでも変化されていたらバスターライフルの集団砲撃で消し飛んでいただろう。
バリア貫通属性のあるあれはオヤシロバリアーでは防げない。
とはいえ依然絶体絶命なのには違いない。

「数が、多すぎる!!柳桜閃哮!!」

柳桜から発生させたビームで薙ぎ払おうとするも、思ったよりも成果得られない。
集団でのプラネイトディフェンサーにより発生した電磁フィールドにより、威力を削がれたからだ。

そうこうする間にも増え続けるビルゴⅡ。
柳桜と神の世界を換装しつつ耐え凌いでいると、再び声が響いた。
技の発動としてではない。
意思と意味のの込められた言葉が。

――そう、もう一人の私は、死んだんだ。

4068愛は運命 運命は――:2008/07/29(火) 15:31:29 ID:ueQ7RDhg0

「え?」

我が耳を疑う。
待て、今の声を私は知っている。
けど、そんなはずは!
あうあうあうあうあう!!

――間違ってはいないよ、羽入。いえ、ツキノン。ボクも……ううん、私も、蟹座氏だよ。

「あぅあぅ、黒い、蟹座氏なのですか? 蟹座氏から切り離されたっていう……」

――正式には、蟹座氏の暗黒面。蟹見沢症候群とも呼ばれてるよ。……あはは♪

蟹座じゃないもんの暴走を食い止める為に産み出されたもう一人の蟹座氏
その正体は、かって驚きの黒さと666のペテンに騙され暴走していた蟹座氏に立ち直る欠片を与えた彼女に他ならない。
そこまでは知る由の無いツキノンだが、第二人格のようなものとはいえ蟹座氏に再び会えた喜びは大きかった。

「待っててくださいなのです!今すぐその大孔から開放しますのです!」

よく見れば巨大な塔の頂上に開いた穴には一人の黒い少女が囚われているではないか。
彼女を救うことこそが、蟹座氏とバトルマスターを救えなかっ自分にできる唯一の罪滅ぼしだと気持ちが逸る。
けど。

――開放する♪あはは、してどうするんだよ……。私の宿主は、もういないんだよ。

「そ、それは!!」

――私ね。期待してたんだ、少し。いつかあの子が私を受け入れてくれるって。この孔から。そして彼女の心の牢獄からも開放してくれるって。

「か、蟹座氏?」

――もちろん師匠の説得は命懸けだってわかってたよ。だから、彼女が殺されても仕方ないって諦めもしていた。

ゴポリ、ゴポリと、感情の昂ぶりに合わせて大蟹杯から泥が漏れ出すペースが上がっていく。

――そしたらさ。ししょーになら殺されてもいいって思ってたんだ♪ 憧れの人の胸でってのも乙じゃん♪ でも……。

ゴポリ、ゴポリ、ゴポリゴポリゴポリゴポリゴポリ!!

――二人とも、いなくなっちゃった。私を置いて、汚いものに封して、死後は仲直りして、行っちゃった……。

「わ、私は!!」

たまらず続かない。続けられない。
私は、何だって言うんだろうか?
二人を見殺しにしたのは事実だ。
一騎打ちなんて許さなかったら蟹座氏は死ぬことなくマスターに勝てたのかもしれない。
はぶられたらはぶられたで、もう一人の敵である七氏にもっと注意を払っていれば、マスターは殺されずに済んだのかもしれない。
私にもっと力があれば、この子に、黒い蟹座氏に、こんな寂しい思いをさせれずに済んだのかもしれない。

自責の念に囚われるツキノンにでもね、と優しく、けれども虚ろなまま黒い蟹座氏は告げる。

――ツキノンが悪くないのはわかってる。けど、私の気がこのままじゃ収まらない。

どっちみちそれしか手段が無いから、迷わないで良いからと。

――爆弾とロリスキーを見殺しにしたくないというのなら、あはは、私を殺していきなよ、ツキノン!!

ゴポリゴポリゴポリゴポリゴポリゴポリゴポリゴポリゴポリゴポリゴポリゴポリゴポリゴポリゴポリ!!

「蟹座氏ーーーーー!!」

大蟹杯の間を、黒き泥の洪水が埋め尽くした。








4069愛は運命 運命は――:2008/07/29(火) 15:32:21 ID:ueQ7RDhg0






ちぃちゃんの心臓を手に、どれだけ逃げ切っただろうか?
煉獄は姿を変え、未だに私を捕え続けていた。
どれだけ攻撃を避けようとも、どれだけ攻撃を加えようとも。
常にドSは笑みを浮かべたまま無傷で私を追い続けている。

「っはあ、っはあ、っはあ!」
「おやおや、どうしたのです、ロリスキー?随分お疲れのようですが?」
「う、うっさい!!まだよ、まだまだ私はああ!!」

襲い来るいくつもの光弾を、ヴァルセーレの剣で薙ぎ払い、マジシャンズレッドの炎で焼き尽くす。
ボルティックシューターは如何に強いとはいえエネルギー弾だ。
力を吸い取るヴァルセーレの剣は相性的にも効果的だ。
どうせ無限ホーミングの効果持ちだ。
なら、徹底的に力を吸い取りつつ、弾丸を潰しつくす!!

「でああああああああああああああああ!!」

斬る、斬る、斬る、斬る、斬る!!
剣なんて使い慣れてはいないが、今の私にとってヴァルセーレの剣は文字通り手足も同然だ。
ドSからちぃちゃん守る戦いが始まって早々、触手を全て開放。
翼同様刃を生やし、手数の圧倒的増加を目指したのだ。

「うふふふ〜♪ やりますねえ、でもこちらこそまだまだですよ〜っと♪」

エネルギー弾が効かないと見て取ったから、ではなく、単に現状に飽きたというただそれだけの理由で接近戦へと移行する。

「ちぇい〜んじ、DSRエーックス!!」

場違いの暢気なセリフを帯びて顕現するは、漆黒の肌に白銀の鎧を身に纏った悪魔、仮面ライダーBLACK DSRX。
初見の時こそ柊かがみとしての性と楽観からノリツッコミを入れられたロリスキー。
だが、今の彼女からすればDSRXはあの時の繋ぎ師のイメージも相まって恐怖の象徴であった。

『月は朝に蹂躙され、太陽は夜に虐殺され、ライダーは正義の名の下怪人を殲滅する――――――
 我は絶望のシ者、仮面ライダーDEVIL SRX!!』

怖かった。
DSRXよりも、むしろその前。
憎悪と怒りに駆られ倒すべき敵しか見ていないその有様は、まさにそう、

「嫌だなあ〜、こんな悪者っぽい正義の味方、いるわけ無いじゃないですか〜。怪人ですよ、私は」

怪人だった。

!!

今、私は、何を考えた?

「絶望したー!!仲間の正義の味方を怪人呼ばわりする女子高生に絶望したー!!」

わ、私が、繋ぎ師を? 大切な、仲間を?

「ですからさっきから言ってるでしょう? 真の愛の対象以外の相手には人は自然と残酷になれるのですよ」

「もっとも。愛の無い自然な残酷さでは、愛のある故意の残酷さには何倍も劣りますがね!!」

にいいいっっと口を歪めつつドSは手を伸ばす。
青い腕、エレキハンドを。

4070愛は運命 運命は――:2008/07/29(火) 15:32:41 ID:ueQ7RDhg0

「い、いやあああああああ!!」

全身に生やしたヴァルセーレの剣によりエネルギーを吸収できるロリスキーは良い。
電気攻めであっても今の状態では痛くも痒くもない。
けど、抱きかかえている爆弾はどうだろう?
銀の針に串刺しにされ、一向に再生する素振りを見せないちぃちゃん。
人間の場合は抜かない方が失血しないで良いというが、ちぃちゃんは吸血鬼で、既に出血過多の状況だ。
銀による治癒の妨害さえ無くなれば助かるのではと既に抜くことも試みた。
けど、諦めざるを得なかったのだ。
針の先に『返し』が付いていたからだ。
かってドSがコ・ホン・ブックに使い彼女を絶望に陥れた優れもの。
引っ張って抜くと☆型に肉が抉れるあの返しが。

ロリスキーには選べなかった。
無理してでも引き抜いたほうが、後々のことを考えると良いのかも知れないとも思いはした。
それでも。
自分の手でこれ以上愛する人を傷つけることはできなかった。

そんな彼女を哀れみと愉悦の篭った目で見下ろしドSは告げる。

「困りましたね。ヴァルセーレと銀、どちらに電気は惹かれるのでしょうか?
 一応糸色望は先生なんですが、流石にこれは東大教授になりきっても答えられない疑問ですねえ。
 では試してみましょう。実験あるのみです。あ、そうそう、酸化していない銀はかなり通電性が高いですよ?」

っつ!!
駄目だ、この攻撃はなんとしても防がなければ!
放たれた雷撃を前にしてロリスキーはカードを翳す。
長い長い逃走劇の間に回収したクロウカードが一つ、シールド。
自身に魔力が無い故に、同じく拾っていたレヴァンテインからカートリッジを抜き取り魔力タンクとして消費しての発動だ。

「盾よ!!」

鍵も無しでの発動だが、カード本来の大事なものを守ろうとする性質が幸いし、見事爆弾を守りきる。
安堵するも束の間、ドSが即座に生成したシャドーセイバーの二刀が、障壁を容赦なく寸断する。

「……あ」
「盾のカードは剣に弱い。絶望先生の特別授業です」

さらりと原作を再現しつつ、片方の剣を霧散させる。両の手が塞がってては、エレキハンドは使えない。

「では、講義の後は問題を出しませんと」

じゃじゃじゃん!っとアカペラでのBGMも忘れないあたりは流石はラジオの常連なだけはある。

「問題です、さあ貴女は次にどうすればよいのでしょうか?」
「1.ちぃちゃんを置いて逃げる 2.このままじり貧になる 3.ちぃちゃんの身代わりに電撃を受ける」

「難しい、実に難しい問題です」
「そ そんなの、答えなんて一つしか……」

「ほんとに〜? もちろんヴァルセーレは無しでですよ? 貴女に耐えられますか?」

――バイオライダーと同じ、仮面ライダーの力に。

明らかにロリスキーの顔が青ざめる。
もはや彼女が抱いた繋ぎ師とドSへの恐怖は捻じりに捻じれて仮面ライダーそのものへの恐怖となっていた。

「ねえ、置いて逃げるのも手ですよ? 戦術的撤退って言うじゃないですか。
 一度逃げて落ち着けば、誰もが助かる素晴らしい案が思いつくかも知れませんよ?」

じわり、じわりとドSの甘言がロリスキーの心を絡めとって行く。
人は自分のしたくないことをする必要性に迫られた時、どうにかしてしないで済む理由を探すものだ。
見つからなければ問題ない。
渋々ながらも実行するまでだ。
だが、もっともそうに思える理由が見つかってしまったら?
誰か他人に、教えられたとしたら?

4071愛は運命 運命は――:2008/07/29(火) 15:32:58 ID:ueQ7RDhg0
「……三番よ」

耐えた。
クールなロリスキーはその誘惑に耐えた。
愛を証明する。
その至上目的を達成する為に茨の道を選びとることができた。

ほうっとドSが感心したように顔を綻ばせる。
――もちろん、どっちを選んでも最終的には意思を砕けるよう仕組んではいるのだが。

「素晴らしい!! 大事なことなので何度でも言いますが、実に健気だ!!
 ですがね、ロリスキー。一度実際に味わってからも同じことが言えますかな?」
「うっさい!! 煮るなり焼くなり早くしなさいよ!!」

自分でも強がりとわかってはいるがせめてと眼を瞑らずにドSを睨みつける。
そんななけなしの抵抗すらも数秒後には折られることとなった。

「おお、怖い怖い。では、ぽちっとな」
「ぎぎゃああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」

青白い光がホールに広がり、空気を震わせるほどの絶叫が響き渡る。

「うがあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!」

ロリスキーは指先の感覚が無くなるほどの電撃に、全身を仰け反らせながら激しく痙攣させ続ける。
止まない。真っ白に染まった世界の中、延々と肉食獣のような咆哮が。

「ばあああっ! あ、があっ、わあああああああああっ!!
 お、お、おおっ、おおぉぉオオォおおおぉぉォおおオオオオオオォォォォーーーーーーーーーーーーーー……が……ひ…………ぃ……」

そして聞こえた。

「――ああ、美しい。絶望の光に呑まれもがく貴女はなんて美しい……」

ついに声を出すこともできなくなり、ガクガクと体を震わせるだけの反応しか示さなくなったロリスキーを感極まった様子で見下ろすサディストの声が。







4072愛は運命 運命は――:2008/07/29(火) 15:33:14 ID:ueQ7RDhg0







「っあぐ!!」

開戦当初こそ、時止めや障壁、極太ビームといった多彩な技でビルゴⅡを翻弄していたツキノンだったが、
圧倒的な数の暴力の前には抗うことはできなくなっていった。
鬼狩柳桜の力による覚醒は確かに強力だ。
しかし、それはあくまでも常識的なロワにおいての話だ。
チートが蔓延しているこの世界では決定力足りえない。

そもそもツキノンがなりきり対象として羽入を選択したのは戦力が理由では無い。
時と空間を操る力が、この世界と現実世界との完全隔離を実行するに至って役立つと踏んだからだ。
そう、ツキノンが目指したのは『真の対主催』で言う第二方針。
wiki管理人の打破、及びダイダルゲートの完全破壊、さらにこの世界と現実世界との完全隔離によるフィードバックの阻止だ。
wiki管理人の目的を知った時、合同最終回へと進んでいたギャルゲロワの一員として、
最も至難で、されど、最小の犠牲で済む方法を彼女は自らの行動方針に据えたのだ。

だが、内部から暗躍しようとしていた彼女は、思わぬうっかりでwiki管理人に思惑がばれてしまい、
同志であった漫画ロワ管理人ともども支給品の中に封じられてしまったのである。

「っく、こんなことなら、アセリアや悠人あたりになりきっておくべきでした!!あうあうあうあう!!」

なんとか礫殺されないよう、オヤシロバリアーで吹き飛ばし、
オヤシロ・ザ・ワールドで時間が停止している間に距離を稼いではいるが、それももう限界だ。
遠くないうちにツキノンは蹂躙される。

「何か! 増殖速度を上回る威力を持った何かが!!」

無いわけでは無い。
蟹座氏が残したデイパックには世界を丸ごと焼き払うほどの魔力を秘めたドラゴンオーブがある。
されど、それでは駄目だ。
威力が強すぎて今も生き残っている参加者達の命まで奪いかねない。何より……!!

――殺してくれないの、ツキノン♪ そっか、お前も私を置いて逝くんだ。

それで、いいのか?
本当に大蟹杯ごと黒い蟹座氏を殺せば、彼女を救ったことになるのか?
そんなわけ、ない!!
認めない。私は、こんな運命を、認めない!!

「覆す!! 金魚救いの網程度の運命なんて!!」

そのツキノンの想いに応えるように。
バトルマスターの死体が輝いた。






4073愛は運命 運命は――:2008/07/29(火) 15:33:45 ID:ueQ7RDhg0








電撃がやんだ後もロリスキーはしばらく痙攣し続けていた。

「ぐ、あ…………おぉ……。い…………あぁ………ッ!!!」

辛うじて意識は残ってるが、ただそれだけとも言える。
目の焦点は既に合っておらず、明らかに危険な状態に陥っていた。
しかし、ロリスキーはただの人間では無い。
不死者にして吸血鬼だ。
こと再生力の点に限っては、全参加者最高と言っても過言では無い。
果たして、痛みも苦しみも覚えたまま生き続けるのが、幸運かはわからないが。

「ぱちぱちぱちぱち。大したものです、ロリスキー。あれだけやったのに意識を失わないとは」

わざと気絶させないようギリギリの場所で調整していたことはおくびにも出さず、ドSは拍手を贈る。
傷は完治したものの、未だに意識がはっきりとしていないロリスキーは音のする方へとノロノロと顔を向け。
次の一言で一気に意識を覚醒させられた。

「では、もう一度、やってみましょうか?」
「……え?」
「ああ、飽きないように今度は全身を凍らせるのもアリですね」

この男、今なんて?
私に、もう一度、あれを喰らえって?
経験したことのない痛みをまた味わえって?

あまりの事態に愕然とするロリスキーにドSはここぞとばかりに攻め立てる。

「もちろんさっきと同じで今度も選択肢はありますよ?」
「選択、肢?」

再び頭がぼんやりしだす。
選択肢。
自らが選べるということ。
あの苦しみから逃げる余地があるということ。

「ええ。自分の手で、貴女が、選ぶんです」

ロリスキーは爆弾と共にドSと戦っていた時は、一切傷を負わされなかった。
そんな、痛みに慣れていない状態から一気にこの世の地獄に落とされた少女は、
先ほどの電撃の苦痛を思い出しガチガチと震え出す。
無間地獄で味わった苦しみとはまた別の痛み。
あれが、また、無限に続く?

「そうそう、誤解しているようですが、今の私の目的はあくまでも貴女が持っているそれであって、貴女ではありません。
 つまりね。貴女が痛い目を見る必要はどこにも無いんですよ」

数分前には抗えたドSの甘言がするりとロリスキーに入り込む。
あえて地球破壊爆弾の名前も出さず、殺す、壊すといった類の言語も使わない。
そうやってロリスキーの思考の鈍化を促す。

「痛く、されない?」

この手に持った“物”を渡せば助かる。
痛い目は、もう嫌だ。
ぴくりと、“それ”を握った腕が動く。
ドSは、その一瞬を逃さずに、最後の一言を、告げ。

「さあ、それを、渡してください」

ロリスキーは、ぼんやりと、その言葉に、従った。従って、しまった。

全てはドSの、思惑どおりに。

4074愛は運命 運命は――:2008/07/29(火) 15:34:06 ID:ueQ7RDhg0

「はい、ここまで〜。証明完了、QOD〜。“クールなロリスキーは、地球破壊爆弾を愛してはいなかった〜”」
「あ……」


気づいた時にはもう遅い。

ロリスキーは“自らの保身の為に”“恋人である地球破壊爆弾を”“自らの意志で”“売ってしまったのだ”。
自らがしでかしたことの意味に耐えきれずロリスキーが崩れ落ちる。
もはや叫ぶ気力もなく、ぱくぱくと口を開くも声すら出ない。

その姿を満足げに愛でつつも、ドSもドSで一つだけ、残念がった。
最後の最後。ロリスキーが爆弾の心臓を手放したのは、実は完全には彼女の意志では無く、ドSが細工していたという点をだ。
彼本来の趣味としては自ら折れるのを待ちたいところだったが、そうは言っていられなかった。
圧倒的優位に立っているようだが、この世界にはタイムリミットがあるのだ。
残り2時間と明かされてから、もう随分経つ。
ギガゾンビ城でしか顕現できないドSは、結果はどうあれロリスキーを置いて逝くことになっているのだ。
だからこそ彼は、己が作品の完成を優先した。

シャドームーンの精神操作と、何より無間地獄の時行ったバイオライダーの禁じ手である細胞融合によって。
バイオライダーはゲル化による攻撃無効ばかりが注目されるが、使い道は他にもある。
その最たるものが自らを細胞レベルまで縮め他人と融合する細胞融合だ。
電撃で朦朧としている間にこっそり分離した裏面がロリスキーとの融合を済ませ、
精神と肉体の両方に干渉により操ったのだ。
とはいえ、ばれないよう極力威力は抑えていたため、ロリスキーに抵抗する意識があれば操れはしなかったのだが。

(まあ、仕方がありませんね)

きっちりと心残りを一蹴し、ドSは最後の仕上げへと向かう。
爆弾を、殺す。
するとどうなるか?

本来であればここで爆弾とロリスキーの恋は終わる。
それは途中を維持することこそが不幸だとするドSの説に反することだ。
だが。
地球破壊爆弾No.V-7にはまだ第七形態が残されている。
その事実はもしかしたらとロリスキーに夢を見せる。
その一方でDSRXの最大火力で、希望を抱けないほど凄惨に殺しつくす。

――夢は見れても希望は無い

自らの選択の結果であるがゆえに、悔いることはできても、許しは求められない。

――後悔はあっても懺悔は許されない

殺すのは、ドSだ。
ロリスキーが苦しむのは、ちぃちゃんを殺したことでは無く、もはや隣に誰もいないという現実にだ。

――罰はあっても罪は無い

何よりも、これでもう、自分の愛に疑問を持ったロリスキーは他人を愛せない。
愛せない人間は、真に愛されない。

「ようこそ、ロリスキー。絶望の世界へ……」

胸部装甲に手をかけ、こじ開ける。
左右に内蔵されたディーンの火とディスの火が限界まで力をくみ出す。
出力を開放された心臓がうなりを上げた。

「テトラクテュス・グラマトン!回れ、インフィニティーシリンダー……!!」

究極、絶対消滅の力が胸へ集中する。
僅かに、マシュマーの体が傾いた。目の前が薄く白くなる。
仮面ライダーDSRXの最大攻撃、天上天下業魔無限砲。
その一翼を担う永久機関ディス・レヴは魂を糧とする。
降霊術で呼び出されたドSには、かなりの負担だ。

(思ったより消耗が激しいですね……ですが!)

それを補ってあまりある威力がある。
まさに、絶望を与えられる他がない程の火力が!!

「天上天下、業魔無限砲!!」

姿を顕わにした砲身から、絶望をもたらす破滅の光が、ドSにより宙へと投じられた爆弾の心臓を飲み込んだ……。








4075正義の味方:2008/07/29(火) 15:37:38 ID:ueQ7RDhg0







光が止んだ時、バトルマスターの死体は地に刺さった一本の剣と化していた。
いや、果たしてそれは剣と言えるものなのだろうか。
あえて称するなら捻じ曲がった神柱。狂った神樹。刃の無い神剣。
ツキノンは。
GR1・2のしたらば管理人であるツキノンは、それが何かを知っていた。

「シャイニング・トラペゾヘドン!?」

斬魔大聖デモンベインにおける最後の切り札。
窮極の呪法兵葬。
闘争制覇者-Battle Master アイン・ソフ・オウルの元ネタである、
レムリアインパクト・アイン・ソフ・オウルの基礎形態だ。

――私達にできるのは、ここまでです。

剣の柄を握ったツキノンは全てを理解する。

蟹座氏と闘った時の闘争制覇者-Battle Master アイン・ソフ・オウルは不完全だったということを。
そう、考えてみればおかしかったのだ。
発動すればどんなありとあらゆる行為をバトルと捉えるマスター最強の固有結界。
それがたかだか魔封じの杖一本に敗れるだろうか?
否。
本来なら結界にマスターが影響を受けていたアセリアのスキルのようにアンチ・ヴァニッシュ属性を付加することもできた。
アイスヴァニッシャーやアイシクルアローαで魔封じ封じも可能だった。
いや、それ以前に。
あのバトルマスターの現在・過去・未来・IF、全てのバトルを具現化させた結界だ。
いくらGRの皆の力を借りたとはいえ、蟹座氏がマスターにまで辿り着くことはありえなかったのだ。
しかし現実はそうはならなっかった。
何故か?
簡単な話だ。
闘争制覇者-Battle Master アイン・ソフ・オウルは、対主催としてのマスターの精神世界の表れだったからである。
つまりは、Fate桜ルートでで桜の味方になった士郎が、正義の味方としての無限の剣製を発動できなかったように、
マーダーになったバトルマスターでは、対主催としての固有結界とは、心象世界にずれが生じ、一割も力を発揮できていなかったのだ。
むしろ不完全とはいえ、発動できた分、七氏の力はすごかったとも言える。

そんなアイン・ソフ・オウルだが、蟹座氏の一撃でマスターが対主催へと返り咲いたことにより、
遅ればせながら魔封じの杖の効力からも脱しにかかっていたのだ。
直後にマスターも死亡したが、そこで終わりはしなかった。

――私達みんなの想い、お願い……ツキノン――

「ええ……確かに受け取りましたよ、マスター、蟹座氏」

剣を引き抜く。
固有結界の主が死んだ今、可能性の輪は閉ざされた。
剣に籠められているマスターの小説は、過去のものばかりだろう。
けれど、代わりに刻まれたものもある。
結界内で戦った蟹座氏の力と、彼女が行使したギャルゲロワのみんなの力だ。
最速の人の分だけは抜けているはずだが、何故だか感じることができる。

――はい!私が、引っ張っておきましたから

「ああ、そうか。あの声の人が。感謝します、人の……いえ、精霊の子よ」

左手に鬼狩柳桜を、右手にシャイニングトラペゾヘドロンを構える。
トラペゾヘドロンは、きっと本来の力は振るえない不完全なものだろう。
だから、どうした!
不完全だからこそ、完全に勝る時もある。

「私達ギャルゲロワの全てが刻まれた力……。GRトラペゾヘドロン」

ギャルゲロワ1stを綴り切った、永遠のうっかり侍、ギャルゲロワ版最速の人、お姉さま、汚れなき愛、
歩く頭脳戦、ステルス鬼畜、孤高の黒き書き手、予約被りに定評のあるtu4氏、バトルマスターの想いと力が籠った剣。
それを、彼らをずっと支え続け、共に闘い続けた自分が振るうのだ。

どんな敵にでも、負けるはずは無い!!

「さあ、行くぞ、嘆きの子よ。泥の貯蔵は十分か!!」

今ここに、ギャルゲロワの力が一つに集った。

4076正義の味方:2008/07/29(火) 15:38:04 ID:ueQ7RDhg0


【2日目・深夜】【D-7 大蟹球フォーグラー内部・大蟹杯の間】
【ツキノン@GR1st】
【状態】:首輪無し、強い決意
【装備】:鬼狩柳桜、GRトラペゾヘドロン
【道具】:支給品一式(食料全て消費)×5、最高ボタン、カードデッキ(シザース)@ライダーロワ、閃光弾、バッド・カニパニーの甲羅、蟹座氏の写真×10
     腕時計型麻酔銃(1/1)@漫画ロワ、麻酔銃の予備針×3、変化の杖、対戦車地雷×1、
     ヴァッシュ・ザ・スタンピードの銃@トライガン、ドラゴンオーブ@AAA、ティーセット一式
【思考】:
基本:真の意味で打倒WIKI管理人
1:黒い蟹座氏を救う
2:大蟹杯の破壊
3:生き残っている他の参加者と合流


※主催側に反抗したため(自滅ですが)支給品に封印されていました。
※何らかの主催側の情報を持っているかもしれません
※他お任せ
※羽入の力は使えます。

※【GRトラペゾヘドロン】
ギャルゲロワの全てが詰まった神剣。
バトルマスターの固有結界のもう一つの姿。
本来はマスターと共に消滅するが、死者スレの飴を舐めた蟹座氏の助けもあって残存している。
トラペゾヘドロンの名を冠すだけの力があると思われる。
詳細はお任せ。
読み方は『ジーアールトラペゾヘドロン』

※大蟹杯を破壊すれば、ギガゾンビ城エリアもただのフォーグラーの一部に戻り、
 マスク・ザ・ドSも死者スレへと帰ります。






4077正義の味方:2008/07/29(火) 15:38:22 ID:ueQ7RDhg0



マスク・ザ・ドSは驚き、眼を見張った。

「ちぃちゃんは、やらせない!!」

全てに絶望していたはずのクールなロリスキーが、砲撃から庇うように、爆弾の心臓の前に割り込んでいた。
止めようとした裏面は拒絶され、融合も解除されている。

馬鹿な、と。
確かに彼女の心は砕いたはず、なのに何故?
蘇ってから初めて、ドSは動揺する。

では、聞こう、マスク・ザ・ドS。
人は絶望したからといって、そこで終わる生き物なのかと。
お前の言う途中とは、途中であるがゆえに、幾つもの可能性があるのではないのかと。

クールなロリスキーは弱い。
精神強度でいえば、このロワの参加者の中でも明らかに下位に食い込む。
だが、だからこそ。
彼女は強い。
今まで、生きてきたのだから。
怯えもした。
嘆きもした。
自棄にも陥った。
けれども、その度に彼女は立ち直った。
何度も、何度も、絶望を味わい、それでも前へと進んだ。

もう一度言おう。
クールなロリスキー。
彼女は弱い。
されど、誰よりも強くもある!!

4078正義の味方:2008/07/29(火) 15:38:57 ID:ueQ7RDhg0
失敗したのなら、何度でもやり直せばいい。
間違ったのなら、今度は正しい答えを選べばいい。
後悔したのなら、償えばいい。
絶望したのなら、立ち上がればいい。
わかってる、全てのことにやり直しが効くわけでは無いことくらい。
でも、そのことが。
今まで私が誤ってきたことが。
私が、好きな人を助けてはいけない理由にはなりはしない!!

ちぃちゃんの前に立ち、極光を遮ろうとありたっけの力を開放する。
私の全存在を賭けたところで焼け石に水かもしれない。
けど、人にとっては耐えられない熱さのままでも、ほんの少し温度が下がりさえすれば、平気な生物もいる。
ちぃちゃんは私よりも強いんだから。
私が砲撃の威力をできるだけ軽減すれば、生き延びてくれるかもしれない。

「おやめなさい!死んだらどうする!」

ドSの慌てた声が聞こえる。
あはは、これも一矢報いたって言えるのかな。
ごめんね、ちぃちゃん。
自己満足に過ぎないのは分かってる。
例え今回は助けれたとしても、後のことをほっぽりだす形だし。
結局すぐにちぃちゃんが私の後を追うことになる可能性高い。
なにより一人置いてくのが、辛い。

「私だって、死にたくたくない。死にたくないわよ!!」

破滅はぐんぐんと迫りくる。
最後くらいは強くありたかったのに、自然と弱音が洩れ出る。
私は、死を知っている。
一度仮面ライダー書き手に殺された身だ。
誰よりも死ぬのが怖い。
痛いとか、苦しいとか、そんな嫌なことですら感じられなくなるあの瞬間。
これからだけでは無く、今までをも否定されたかのような、無への回帰。
ぶるぶると、身体が震え出す。
止まってよ、今は、怯えてる時じゃないのに!

「ちぃちゃんと、生きて、生きて、生きたいわよ……」

炎の壁が吹き飛ばされる。
触手の壁が一瞬で蒸発する。
バルセーレの剣翼が飲み込まれる。
再生する間も与えず死神の鎌は牙を剥く。
全ての抗いが否定され、この世から消滅していく。
その光景は、数秒後の私……。
考えれば考えるほど、命が惜しくなり、涙まで零れてく。

「もっとこの手を握っていたい!もっと温もりに埋もれたい!もっと二人で幸せになりたい!」

嘘も偽りもない本音。
“二人で”
“私”が欠けても、“ちぃちゃん”が欠けても、叶わぬ願い。
ああ、嫌だ。
死ぬのは嫌。
死なれるのも嫌。
ずっと、“二人で”生きて、いきたい。

光は、もう目前。

怖かった。
だから、ぎゅっと目を瞑り、ちぃちゃんの心を抱き締める。
温かい。
これが、命。
ちぃちゃんが、生きている証。
私が、生きている証。

光に呑まれる中、幸せな世界を幻視する。
ちぃちゃんが、セクハラしてきて、私がぶんなぐって、ちぃちゃんが逃げて、私が追いかける。
そんな、ありふれた日常の世界が。

きっと、これは、幸せな死に方だ。
私は、最後に、ちぃちゃんの為に死ねた。
温かい幻も見れて、小説じゃあ笑って綺麗に死ぬはずの場面。
なのに。

「幻なんて、いやぁ」

私は、最後まで自分のことばかり。
手を、天へと伸ばし、願ってしまう。

「誰か、助けてよ……」

4079正義の味方:2008/07/29(火) 15:39:38 ID:ueQ7RDhg0






そして






「……良かった」

その祈りは、届いた。

「……え?」

声が、聞こえた。
穏やかな、声だった。
悲しげな、声だった。
嬉しげな、声だっ
恐る恐る目を開け驚く。
いつの間にか一人の男がいた。
ドSとの間に立ち、私達をかばうように立っていた。
けど、驚いたのはさっきまでいなかったはずの男が存在していることにじゃない。

「変んんんっっっっっ――――――身!」

姿が変わったことにでも、白と黒を纏った変身体が彼が睨み付ける敵と酷似してたからでも無い。
彼の顔があまりにもかけ離れていたから。
私の知ってる憎悪にと怒りに呑まれ力を振るっていた鬼神の如き形相とは。

――なによ、そんな顔もできるんじゃない。

「今度は、守れる」

仮面に覆われる瞬間、そう呟いた男の表情は。
誰よりも強く。
けど、優しげなものだった。
今彼女の前にいるのは、敵を殲滅することだけを目的としているバッタ怪人なんかじゃない。

ふと、心の中のかがみが。
彼女が最もよく知るかがみが、その男の姿を見て笑みを浮かべた気がした。

「い、嫌だなあ。この世に同じ顔の人なんているわけないじゃないですか。
 ドッペルゲンガー……、いえ、コピーベントを使ったネコミミストという線も」

誰かを失った悲しみも。人を殺す苦しみも。
傷ついた体と共に鎧と仮面で隠し、戦い続ける正義の味方。
みんなのヒーロー。

名を――

「俺は俺だ!仮面ライダーBLACKSRXだ!!」

仮面ライダー!!






4080正義の味方:2008/07/29(火) 15:40:06 ID:ueQ7RDhg0




『信じてください、これが、未来です!!』

時を超えろ 空を駆けろ この☆のため

『私は、みwiki。未来の貴方の願いと私の願いを携え、リターンのカードでこの時間へと跳んできた者』

君は見たか愛が 真っ赤に燃えるのを

『未来の貴方は、DG細胞に取り込まれる瞬間、スパヒロ設定のデビルガンダムが持つ過去へと人を飛ばす力を、私に預けました』

暗い闇の底で 危険な罠が待つ

『私は、その力を、タイムのカードで調整し、リターンの発動条件をクリアしたのです』

信じる奴が ジャスティス 真実の王者

『ライドロンほどは、チートじゃないですけど。それでも、確かに渡しましたよ。時を操る力を』

 夢を見続ける事が 俺のファンタジー

『知ってますよ、私、知識だけは、すごいんですから』

 生きる事が好きさ 蒼く浮かぶ宇宙(コスモ)

『今の貴方なら。いえ、貴方たちなら、あの反則技が可能なはずです』

 時を超えろ 空を駆けろ この☆のため

『あわわ……ほんとだ、透けちゃってますね、私』

 熱く燃やせ 涙流せ 明日という日に

『てへ☆ 繋ぎ師さんの夢から、トラペゾヘドロンに最速の人の力を流したりもしましたから。無理しすぎたかな』

 仮面ライダーBLACK

『名前、ですか?みwikiです。世界で一番は、おこがましいので、10番目くらいには、幸福な支給品です』

 仮面ライダーBLACK





4081正義の味方:2008/07/29(火) 15:40:45 ID:ueQ7RDhg0






俺は、お姉さまを助けられなかった。
漆黒君も、tu4氏も、熱血王子も、助けられなかったという。
そして、最後の同朋だったギャグ将軍さえも。

仮面ライダーDSRX。
そんな、悲しみの果てに悪魔に取り込まれた未来の俺。
確かに、さ。
優しさよりも、激しさが大事な時もある。
けどさ。
見失うな。
本当に守るべきは、守りたいのは何なのかを。

俺の後ろにいる少女は強い。
彼女は、最後の、最後で、見失わなかった。

「俺達は、強すぎたのかもしれない」

だから、誰もが持つ弱さを理解できずに、救えなかったのかもしれない。

「なあ、俺。そんなんで、いいのか?」

だからこそ、彼女達が持つ立ち上がる強さを、乗り越える強さを持っていなかったのかもしれない。

「俺は、戦う。今だけは、正義の為にじゃない」

守れなかった者がある。
けれども、守れる者もまだあるのだから。

「仲間の為に。何よりも、俺に、俺達に命を賭けて託してくれたあの少女の願いの為に!!」

天上天下光王一撃必殺砲を撃ち込む。
惑星を軽く20は破壊できる一撃をもってしても天上天下業魔無限砲は止まらない。
相手はディス・レヴの負の魂の力をも注ぎ込んだ、SRXの強化系だ。
1対1では、パワーアップ前の俺には勝ち目は無い。
そう、一対一なら!

「その通りだ、俺!!」

カッ!!
押されゆく一撃必殺砲の光が、新たに絡みついた光と一つになり大きさを増す。
右隣には漆黒の装甲を身に纏った戦士――仮面ライダーBLACK RX。

「見せてやろう、あの男に。月もまた人を照らすのだと!!」

光がさらに膨れ上がる。
左隣には白銀の鎧と赤き剣を手にした剣士――シャドームーン。

「そして、救おう。未来の俺を。俺達の手で!!」

いつの間にか、光は拮抗するまでに至っていた。
右端には黒と黄で彩られた超重武装の銃士――ロボライダー。

「俺が敵になるという闇を切り裂いて、仲間に戻るという光をもたらそう!!」

無限砲の光が遂に吹き飛ばされ、ドSが慌ててゲル化し、素早く回避行動に移る。
左端には青と銀と赤を帯びた科学の闘士――バイオライダー。

今ここに、未来を救うため、過去の5人の繋ぎ師が、互いに手を取り集結し、

「太陽の王子、チートブラック!!」
「月の王子、チートシルバー!!」
「悲しみの王子、チートイエロー!!」
「怒りの王子、チートブルー!!」
「光の王子、チートキング!!」

それぞれが、それぞれの変身ポーズを取り、この時代での己が名を謳い上げる!!
尚、チートシルバーはBLACKのポーズで代用だ!!

「繋ぎ師戦隊、ブッチギルンジャー!!」

お約束とばかりに背後で起きる爆発の中、ブッチギルンジャーは宣戦布告する。

「「「「「行くぞ、ドS!! ここからは俺達のスーパーヒーロータイムだ!!」」」」」

4082正義の味方:2008/07/29(火) 15:41:16 ID:ueQ7RDhg0




【2日目・深夜】【ギガゾンビ城エリア・正面ホール】


【マスク・ザ・ドS@アニロワ2nd in 影の繋ぎ師@ライダーロワ】
【状態】:DG細胞感染 仮面ライダーDSRX化 ロリスキーに求愛  動揺
【装備】:カラオケマイク@現実 、ゼロの仮面(蝶高性能)、ヘルメスドライブ(未使用)
【道具】:支給品一式×3、 ワルキューレ@スパロワ、ドラグブラッカー、写真付き名簿、放火セット(燃料、松明、マッチ)、
     ナイフ、不明支給品×1(確認)、BL本、首輪×2、パロロワ衣服詰め合わせ、
     お徳用原作パロロワ全生首セット(目玉セット他に換装可能)&原作パロロワ全手首詰め合わせ※今なら腕も付いてくる!
     ノートパソコン、フライングアタッカー(中破)@仮面ライダー555
【思考・行動】
 基本:さあ、絶望しましょうか。
 1:ロリスキーを“愛する”
 2:ぶっちぎりに対処する
 3:こんなものですか、地図氏?





※色々な悪条件の結果、影の繋ぎ師にDG細胞が感染。その結果としてドSが顕現しました。強すぎです。
※姿はほぼSRX。ただし仮面とマントはゼロ仕様です。
※アニロワ1と2が重なるフォーグラーの中のギガゾンビ城でしかドSは存在できません。
※解除方法h穏便に済ます方法? いやだなあ、そんなのある訳ないじゃないですか。
※【ゼロの仮面(蝶高性能)】
銃弾から魔法、科学兵器、核に至るまで全て防いでしまう恐ろしい仮面。
ただし、守れるのはあくまで首から上だけに限られている。
ちなみに、視界は蝶良好で酸素の補給も問題なく出来る。
その代わり、一度装備すると死ぬまで外せない。
望遠・透視機能付き。
※再生・破壊が繰り返されたため、ホールは地球破壊爆弾の血やら腕やら脚やらで、とんでもないことになっています。
※地球破壊爆弾の所持品:激戦@漫画ロワ、マジシャンズレッドのDISC、巫女服(鷹宮神社)@らき☆すた
            支給品一式、着替え用の衣装(複数)、アダルトグッズ(大量)、泉こなたのスクール水着@漫画ロワ
 が、無数の腕やら足やらとあたりに散らばっています。壊れているものもあるかもしれません。

4083正義の味方:2008/07/29(火) 15:41:36 ID:ueQ7RDhg0
【地球破壊爆弾No.V-7@アニロワ1st】
【状態】:ダメージ極大。瀕死。心臓のみ
【装備】:なし
【道具】:なし
【思考】:
 基本:クールなロリスキーと共にある。
 1:???




※基本的に中身はアーカードで、CVは平野綾です。
※変化する姿に7つのバリエーションがあるらしいです。
【1:地球破壊爆弾】【2:アーカード】【3:長門有希】【4:泉こなた】
【5:銃撃女ラジカル・レヴィさん】【6:キングゲイナー】【7:1〜6とか目じゃないよ?びびるよ、まじで】
※クーガーの早口台詞が言えます!
※鎖鎌、鳳凰寺風の剣、ソード・カトラス、ノートPCの投影が可能です。
【スーパーキョンタイム】
 地図氏以外の者はゆっくりとしか動けなくなります。一度使うとそれなりの時間使用不可能です。
【地図氏の地図】
 参加者の位置、生死を含めた地図を投影できます(※長門有希の状態でのみ可能)
 使いすぎるとアレなので、毎晩0時にのみ使う事にします。





【クールなロリスキー@漫画ロワ】
【状態】:不死者、吸血姫、スーパーかがみんと融合、ダメージ大
【装備】:唾液で汚れた巫女服(鷹宮神社)@らき☆すた
【道具】:支給品一式、カードデッキ(龍騎)、AK-74(残り28発)
     着替え用の衣装(複数)、レヴァンティン@アニロワ1st、『村雨健二』の衣装、
     キュートなシルク仕様の裸エプロン、日焼け止めクリーム(大量)、GL本
【思考】:
 基本:地球破壊爆弾No.V-7と共にある。
 1:ちぃちゃんを守る。
 2:いっけええ、ブッチギルンジャー!!
 3:はぐれた仲間と合流。
 4:もう迷わない。
 5:ちぃちゃんの支えになる。

※容姿は柊かがみ@らき☆すたです(翼と尾が任意で顕現します)
 柊かがみの髪の色をしたドラゴンにもなれます。
 ヴァルセーレの剣の刃でできた羽を三対六翼持っています。尻尾はマリンデビモンの触手が変化して8つです。
※スーパーかがみんと融合し、彼女の記憶と能力を継承しました。
 柊かがみがその時点で使った事のあるあらゆる力、アイテムを使用できます。

4084正義の味方:2008/07/29(火) 15:42:02 ID:ueQ7RDhg0
【ブッチギルンジャー】
【共通思考・行動】
基本:闇を切り裂き光をもたらす
 1:ロリスキー、爆弾を守る
 2:この時代の繋ぎ師を救う
 3:ドSを倒す

※いくつもの重なった条件から、原作さながらに時間を超えて助けに来ました。
 首輪も外されています。
 ただ、この時代での死亡は、過去を揺るがしかねないので、死にかけると、自動的に元の時間へと転送されます。
 みwikiから得た未来の知識も、修正力で消滅します。
 傷?んなの元の時代に帰る頃には治るので気にしない。


【チートシルバー(影の繋ぎ師) @ライダーロワ】
【道具】:カラオケマイク@現実
【所持品】:支給品一式
【状態】:健康。
【思考・行動】
【備考】
※変身体はシャドームーンです
※9話直後出典です


【チートイエロー(影の繋ぎ師) @ライダーロワ】
【道具】:カラオケマイク@現実
【所持品】:支給品一式
【状態】:健康。
【備考】
※変身体はロボライダーです
※120話直後出典です。


【チートブルー(影の繋ぎ師) @ライダーロワ】
【道具】:カラオケマイク@現実
【所持品】:支給品一式
【状態】:健康。
【思考・行動】
【備考】
※変身体はバイオライダーです
※226話で、マスタースパーク直後の出典です

【チートブラック(影の繋ぎ師) @ライダーロワ】
【道具】:カラオケマイク@現実
【所持品】:支給品一式
【状態】:健康。
【思考・行動】
【備考】
※変身体は仮面ライダーBLACK RXです
※226話で、RX化直後の出典です

【チートキング(影の繋ぎ師) @ライダーロワ】
【道具】:カラオケマイク@現実
【所持品】:支給品一式
【状態】:健康。
【備考】
※変身体が仮面ライダーBLACK SRX@書き手ロワ2に進化しました。
※250話直後の出典です。つまりtu4戦のダメージの無い全力状態です。

4085正義の味方:2008/07/29(火) 15:42:41 ID:ueQ7RDhg0


声が聞こえた。
少女の願いの籠もった声援だった。

『がんばれ、ブッチギルンジャー!!』

応えたいと、思った。
今すぐにでも彼らの元に駆けつけ、共に闘いたいと思った。
それができずに、何が仮面ライダーか、と!
動け、俺の身体よ。
燃えろ、俺の魂よ!

――Wake Up. THeヒーロー 目を覚ませ、です。

ああ!! ありがとう、みWikiさん。後は、俺に!!

――託し……ます、みんな……の、幸せを……

みWikiさん……。



ぼろアパートの一室の世界。
いや、むしろ一室『だった』世界は幾つもの返還を得て、今は又別の姿を成していた。
真っ赤なスライムが高校生の少女にのしかかって這いずり回っているのである!

「き、清姫が赤いスライムに!?」
「フアハハハハ!見たか、我が力を!」
「ちょ、この、どこを触って!」

情報攻めに耐えきり逆襲に転じる最速の人。
清姫をうたわれるものの力でスライムに変え、あわや18禁へと突入しようとしていた。
周りもなんだか、暗くジメジメとした牢獄と化している。

「先ほどの礼だ。ヌメヌメにしてくれよう。
 そして、ゲル化や透視ができる繋ぎ師の身体を乗っ取り、もとい、借りてあんなことやこんなことを……!」
「あんなことやこんなことってなによ!きっちり言いなさい!」
「残念だが、自主規制だ!」

じゅるりと涎を垂らしつつ、ドS真ん中面に迫るうたわれるもの。
果たして彼女の貞操はいかに?

そんな世界の別の牢獄。繋がれた男の指先が、ぴくりと動いたことに、二人はまだ気付かない。





【みWiki@書き手ロワ2nd 死亡】



【二日目深夜・繋ぎ師の精神世界】



【影の繋ぎ師@ライダーロワ】
【状態】:ゆめのなかにいる 気絶中? WIKI管理人やジョーカーへの天元突破級のぶっちぎりな激しくも正しい怒り
【思考・行動】
 基本:???
 1:???

4086正義の味方:2008/07/29(火) 15:43:52 ID:ueQ7RDhg0
投下終了〜

4087名!無し!!もっと畏怖を込めて!:2008/07/29(火) 16:05:25 ID:oWM9t5Vs0
投下乙!
マジで過去の自分が助けにきやがったw
しかもぶっちぎり戦隊ww
お前はライダーだろ!

それ以外にも心理描写など見所がたくさんありました。
やはりライダーは少女の願いに駆けつけてこそ
GJ!

4088名!無し!!もっと畏怖を込めて!:2008/07/29(火) 17:00:28 ID:EoWNDyI.0
ぶっちぎりにも程があるだろ!www
スーパーヒーロータイムが物凄く恐ろしい言葉に聞こえるwww

4089名!無し!!もっと畏怖を込めて!:2008/07/29(火) 17:07:31 ID:UADdFfE20
ライダーが戦隊になっちまったw
すげえ、なんというぶっちぎりww
熱さで色々気にならないぜwww
GJだっ。

4090名!無し!!もっと畏怖を込めて!:2008/07/29(火) 17:37:46 ID:.d.QaXQs0
投下乙!
ぶっちぎり戦隊w心の準備はしていたが、本当に来たかw
ぶっちぎりのインパクトに隠れてるが、みwikiもよくやった!

そして…かぶったぞちくしょおおおおお!!

4091没ネタ 救うために傷つくのが友情だから:2008/07/29(火) 21:12:45 ID:Luo7.r/Q0
ああ、なんて楽しいのだろう。
マスク・ザ・ドSは、心の底からそう思っていた。
死者スレでの生活も、楽しくないわけではなかった。
しかし死者スレの住人たちは、すでに死んでいる身。
精神を責めるのはともかく、肉体を責める楽しみは半減してしまう。
相手に「死の恐怖」を感じさせることが出来ないのだから。
そしてそのわずかな楽しみでさえも、少し過激になっただけで周囲に止められてしまう。
表面上は穏やかな生活を送りつつも、ドSは物足りなさが心の中につもっていくのを感じていた。
だが今、自分はニコロワ勢の降霊術によってこうして現世に戻ってきている。
おかげで、また生きた人間を相手に自分の趣味を満喫できる。
しかも相手は自分の分身を愛し、自分の分身に愛された少女だ。
楽しい。実に楽しい。
もう一押しだ。次に決定打を打ち込めば、彼女は耐えられないだろう。
だが、ここに来て欲が出てきた。
せっかくの素晴らしい獲物なのだ。もう少し、もう少しだけ遊んであげよう。
止めを刺すのは、それからでも遅くない。

「さて、ロリスキーさん。ちょっとゲームでもしましょうか。」
「ゲーム? 何言ってんのよ、こんな時に!」

ドSの言葉に、ロリスキーは眉をつり上げて怒鳴り声を上げる。
それも当然の話だ。恋人が殺されかけている時に、それをやった張本人にゲームなど持ちかけられて冷静でいられるものか。

「まあ、そう怒らないでください。あなたの大好きな地球破壊爆弾を助けるためのゲームですよ?」
「……本当でしょうね。」
「ええ、もちろんです。」
「それで……具体的に何をやるわけ?」
「簡単なことです。今その心臓に刺さっている針。それを全部抜いてください。」
「……は? それだけ?」

思いがけない簡単な説明に、ロリスキーは思わず気の抜けた声を漏らす。

「ええ、それが出来たら、私はおとなしく死者スレに帰りましょう。
 しかし、当然の話ですがあなたが針を抜くのを私がただ見ているのでは、ゲームでも何でもありません。
 あなたが針を抜く間、私が針を戻します。私の妨害をはねのけて、すべての針を取り除くことが出来ますか?」
「やってやるわよ……。愛の力、見せてやるわ!」

追いつめられているロリスキーは、一も二もなく提案に乗る。
それが、自分に圧倒的不利な勝負とも気づかずに。

「グッド! では、始めましょうか。よーい、スタート!……と言ったら始めてくださいね。」
「定番ギャグかますな!!」

極限状態に於いても、ツッコミだけは忘れない(忘れられない)ロリスキー。
これも柊かがみの性である。

4092没ネタ 救うために傷つくのが友情だから:2008/07/29(火) 21:13:46 ID:Luo7.r/Q0
「では改めて……。よーい、スタート!」

かけ声がかかると同時に、ロリスキーは爆弾の心臓に刺さった針を一本抜く。
だがそれから一秒経たぬうちに、ドSが新たな針を心臓に突き刺す。
ロリスキーが別の針を抜く。ドSが別の針を刺す。

(くっ! 速さが……速さが足りない!)

吸血姫の筋力をギリギリまで発揮し、ロリスキーは針を抜く腕のスピードを上げる。
だがそれでも、針を抜いた次の瞬間には新たな針が心臓に突き刺さっている。

(ええい! 手だけで足りないなら!)

ロリスキーは触手を顕現させ、それも針を抜く作業に回す。
だがそれに対しドSは腕のスピードを上げ、抜かれた数ときっちり同数の針を心臓に刺していく。
そう、ぶっちぎりの身体能力を全開にすれば、ドSはあっという間に心臓を針の山に出来る。
それをあえてロリスキーのペースに合わせているのは、ゲームを盛り上げるため。
すなわち、彼女の精神を追いつめるためだ。

(なんで……なんでなのよ! なんでこんなに頑張ってるのに、針の数が減らないの?)

ドSのもくろみ通り、ロリスキーの心は少しずつ摩耗していく。
針の数が減らないのは、単純に身体能力でドSがロリスキーを大幅に上回っているから。
だが視野が狭まっている今のロリスキーは、そんなことにも気づかない。
それを見透かしたかのように、ドSは言葉で責め立てる。

「いっこうに作業が進まないようですね。どうなさいました?」
「うるさい! 黙ってなさいよ!」
「別にあなたの命令を聞く義理はないんですがねえ。だいたい私の声が気になるんじゃ、集中力が足りてないってことなんじゃないですか?」
「うるさいうるさいうるさい!」
「ほら、手がおろそかになってますよ? 愛の力が足りないんじゃないですか?」
「そんなこと……ない!」
「言いよどみましたね、今。本当は自分でも思っているんでしょう? 自分の愛がたいしたものじゃあない、って。」
「違う……。違う違う違う違う!」
「違うのなら、早く針を全部抜いてあげましょうよ。かわいそうだとは思わないんですか? 何度も心臓に針を刺されたり抜かれたりする、あなたが大好きなはずの爆弾が。」
「うっ……! それは……。いやあ……。」

見るからに追いつめられていくロリスキー。その様子を見て、ドSは仮面の下の口を愉悦に歪める。

(ああ、楽しい。実に楽しいですねえ。やはり、生きていることは素晴らしい!
 こんなに楽しいことをやれるんですからね!
 しかし、そろそろ引っ張るのも限界ですかねえ。この辺りでとどめに移行しますか。)

次のステップへと移行しようとするドS。だが、それを第三者の声が止めた。

「そ、そ、そ、そこまででです! こ、これ以上……こなたさんとかがみさんを、い、い、いじめるのは、わわわ私が許しません!」

震える声で叫ぶのは、フリフリのメイド服を身に纏ったメガネっ子。

4093没ネタ 救うために傷つくのが友情だから:2008/07/29(火) 21:14:22 ID:Luo7.r/Q0
「おやおや、これはみWikiさんじゃありませんか。さっきまで本の姿でおとなしくしていたのに、どういう風の吹き回しです?」

自分の行動を邪魔されたことに多少の不快感を感じつつも、ドSは余裕の態度でみWikiに接する。
それも当然の話だ。今のみWikiは目は半泣き、脚はガクガクと震えどうにか立っている状態だ。
そんな相手に啖呵を切られても、怖くも何ともない。
むしろドS的には、怯える少女の姿を見られて少し嬉しいくらいである。

「あ、あああなたに立ち向かうのはとっても怖いですけど……。こんなに友達をいじめられて、もう黙って見ているなんて……出来ません!」
「友達? 妙なことを言いますね。あなたはただの本でしょう? 本に友情などあるんですか?」
「あります。たとえ本だろうと、ロボットだろうと、デバイスだろうと!
 人と心を通わせることが出来れば……友情は生まれます!」
「果たしてそうでしょうかねえ……。まあ、今はそんな話は棚に上げておきますか。
 それで、あなたは何をしたいんですか? 私としては、早くゲームを再開させたいのですがね。」
「あなたを…………止めます!」
「止めるですって? これはおかしなことを言いますね。
 出来るわけがないでしょう。空気支給品でハズレ支給品のあなたなんかに!」
「否定はしません。ですがこなたさんとかがみさんは、そんな私を仲間として扱ってくれた! 私はその気持ちに応えたい!
 空気には空気の……ハズレにはハズレの! 意地があるんです!」

恐怖を押さえ込み、力強い声で叫ぶみWiki。
彼女は一枚のさくらカードを取り出し、それに向かって杖を振り下ろす。

「我に至上の歌声を聞かせよ! 歌【ソング】!」

杖とカードが接触した瞬間、まばゆい光が起こる。
その光と共に、少女の姿で実体化したソングの魔法が姿を現した。

「ソング?」

思わず、ドSは首をかしげる。ロリスキーも、ぽかんとした表情を浮かべていた。
ソングは「美しい歌声を聞かせてくれる」だけのカード。
はっきり言って、戦闘にはまったく役に立たないはずなのだ。

「ソングさん、お願いします。」

みWikiの言葉にうなずいたソングは、その口で歌声を紡ぎ始める。

♪悪霊退散 悪霊退散

「え……?」

ロリスキーの口から、気の抜けた声が漏れる。
ソングが歌い始めたのは、ニコニコ動画でおなじみの「レッツゴー!陰陽師」。
それはロリスキーも知っている。知っているからこそ、疑問に思わざるをえないのだ。
「なんでこの場面でその歌やねん!」と。
そもそも、戦闘中に歌を歌うという時点でおかしいのだが、この選曲はそのおかしさに輪をかけている。
だがその歌は、ロリスキーが想像だにしなかった効果をもたらしていた。

「う……うああああああ!!」

部屋に響くのは、獣のようなうなり声。それを発しているのは、紛れもなくドSだ。
仮面の上から頭を押さえ身もだえする様子からは、先程までのノリノリな姿はとても想像できない。

(ちょっと、どうなってるのよ、これ……。)

ロリスキーの脳内は、疑問符で満たされていた。
そんな彼女の様子に気づき、みWikiは解説を始めた。

「陰陽師とは、悪霊・妖怪を退治するエキスパート! この歌には、あやかしを払う力が込められているのです!」
「悪霊……そうか!」
「ええ! どんなに強い力を持とうとも、あの方は所詮幽霊! 魔を払う力には弱いはずなんです!
 さらにいえば、あの方を現世に呼び戻したのはニコロワの皆さんの術! 目には目を、ニコニコにはニコニコを、です!」

二人が会話している間にも、ソングは歌い続ける。

「くおおおおお……!! 私をこんなもので倒せると思ったら……大間違いですよ……!」

強がるドSだが、彼にとって状況はいっこうに好転していない。
そうこうしているうちに、歌は台詞パートに入った。
それに合わせて、みWikiが叫ぶ。

4094没ネタ 救うために傷つくのが友情だから:2008/07/29(火) 21:15:02 ID:Luo7.r/Q0
「繋ぎ師さん、聞こえていますか!
 私はあなたとの付き合いはほとんどありませんが……。将軍さんとずっと一緒にいました!
 熱血怪人さんの死に様も聞きました! だから……仮面ライダーのことは多少知っているつもりです!
 仮面ライダーは正義の守護者でしょう! 悔しくないんですか! 自分の力を、他人を虐げることに使われて!
 正義の味方が……いつまでも邪悪にとらわれていていいんですか!
 強い心を取り戻してください! 失った誇りを呼び覚ましてください!
 目覚める時は今なんです!」
「私の力を弱めている間に、繋ぎ師本人の精神を目覚めさせようという作戦ですか!
 ですが、そんな安い手が私に通用するわけが……。」

苦しみながらも、みWikiの策を一笑に付すドS。
確かに、繋ぎ師の精神が目覚める気配は未だない。
だがその代わりに、ドSの背中で黒龍が目覚めた。

オオオオオオオオオオオオ!!

辺りを揺るがすような雄叫びと共に、ドSのデイパックから一匹の怪物が飛び出す。
その名はミラーモンスター・ドラグブラッカー。
今まで彼は、ドSが放つ恐怖に圧倒されデイパックの中で小さくなっていた。
だがみWikiの言葉が、繋ぎ師と同じくライダーロワ出身である彼の心を打ったのだ。

繋ぎ師は自分の主であった漆黒の龍の仲間だ。
大好きだった孤高の黒き書き手の仇を討ってくれた恩人だ。
その彼が危機に陥っているというのに、自分がガタガタ震えていていいはずがない!

燃えさかる炎をその胸に宿し、ドラグブラッカーは今一度吠える。
そして、その長い体をドSに巻き付け、ギリギリと締め上げる。

その体はお前のものじゃない。もっと優しく、もっと熱い心を持ったあの人のものだ。
出て行け。今すぐその体をあの人に返せ!

「ただの支給品の分際で、みんなでよってたかって……。私をあまり嘗めないでもらいたいですね……。」

魔力的な圧力と物理的な圧力の二重苦に苦しめられながらも、不敵な声でドSは呟く。
いくら歌の力でパワーダウンが引き起こされようとも、元の力がぶっちぎりなのだ。
現状でも、超人以上の力は十分に出せる。
そう、自分の体を拘束している龍の、ちっぽけな頭を握りつぶせるぐらいの力は……。

ぐしゃり

不快な音が、部屋の中に響いた。その直後、ドSに巻き付いていたドラグブラッカーの体が床に落ちる。
その頭部は、元の形が想像も出来ないほど完璧に破壊されていた。

「おや、少し力を入れすぎましたか……。もう少しじっくりといたぶってあげてもよかったんですが……。
 この変な歌のせいで、力加減が上手くいかなかったんでしょうかねえ……。
 どう思います、みWikiさん?」

血に染まった右手を見つめながら、ドSは顔面蒼白のみWikiに尋ねる。

「そ……そんな揺さぶりをかけたところで、ソングは解除しませんからね!」
「気丈なお答えですね。この場にあなたしかいないのであれば、もっとじっくりたっぷりとお相手して差し上げるのですが……。
 あいにく、メインディッシュが控えているのに前菜に時間をかけるわけにはいかないのですよ。
 そういうわけなんで……心苦しいですが、あっさりと死んでください。」

仮面の下で口元を歪めながら、ドSは血塗られた右手を伸ばす。
その手に出現するのはロボライダーの武器、ボルティックシューター。

「まったく、思わぬ奇策で気が動転していましたよ。さっさとこうしていればよかったのに。」
「みゆき!!」

ドSの行動を阻止しようと、駆け出すロリスキー。
だが、絶望的に速さが足りない。
銃口から放たれたハードショット改が、杖を持つ右腕を吹き飛ばす。
その時点で魔法は解除され、ソングは悲しげな表情を浮かべながらカードに戻った。
続いて右脚、左脚、左腕の順で撃ち抜かれ、さらに心臓と額にもハードショット改が叩き込まれる。

4095没ネタ 救うために傷つくのが友情だから:2008/07/29(火) 21:15:39 ID:Luo7.r/Q0
「みゆきぃぃぃぃぃぃぃ!!」

絶叫と共に、ロリスキーは走る。だが、まだみWikiの元にはたどり着かない。
その間にドSはさらにハードショット改を連射し、みWikiの体を蜂の巣にしていく。
ようやくロリスキーがみWikiの前に立った時には、すでにみWikiは見るも無惨な姿になっていた。

「み…ゆき……。みゆきぃ……。ごめんね、ごめんね……。
 アンタは私のために頑張ってくれたのに……。私……アンタに何もしてあげられなかったよ……。
 友達……なのに……。ごめんね……ごめんね……。」
「かがみ……さん……。いえ……ロリ……スキーさん……。
 あなたが泣くこと……なんてないんです……。
 私は……あなた達と違って……ただの……支給……品……。
 支給品が一個……壊れて使えなくなった……だけなんです……。」
「たとえそうだとしても……。みゆきには心があるじゃない! 私たちの仲間だよ……友達だよ!」
「そう……言って……もらえるだけで……私は……幸せです……。
 支給品があの世に行けるか……わかりませんけど……もし行けたら……つかささんと……愛媛さんと一緒にあなた方を……見守って……ますね……。」
「みゆき……。いやだよ……死なないでよ………。」
「ですから……泣かないでください……ロリスキー……さん……。
 笑う門には福……来たる……と言います……し……。
 大丈夫……最後に……笑っちゃう……のは……あなたの……は……ず……………。」

弱々しい声で懸命に呟き、みWikiは目を閉じる。
彼女の体は光に包まれて消え去り、そこには無数の穴が空いた一冊の本だけが残された。

「みゆ……き……。」
「さて……支給品とのお友達ごっこは終わりましたか? それでは、ゲームの続きを……。」
「その必要はないわ。」

ドSに向かってきっぱりと宣言し、ロリスキーは手の中の心臓をかざす。
そこには、一本たりとも針は刺さっていなかった。

「あれだけ時間を稼いでもらえれば、これぐらい簡単に出来るわよ。」
「むぅ、確かに……。私としたことが、これはうっかりしていました……。
 たかが意思持ち支給品ごときに、ここまで計画を狂わされるとは……。」
「これでゲームは私の勝ちよ。けど、どうせ素直に約束守る気なんかないんでしょう?」
「いやだなあ。私、そんなに信用ありませんか?」
「あるわけがないでしょう。だいたい、簡単に退場されちゃこっちも困るのよ。
 ちぃちゃんをいじめて、ドラグブラッカーやみゆきを殺したあなたを、私は絶対許さない!
 繋ぎ師さんには悪いけど……。アンタにはもっともっと苦しんでからあの世に帰ってもらうわ!」
「大きく出たものですねえ、あなたにそれが出来るんですか?」
「とりあえず、俺は協力するぜ? ロリスキーにな。」

前触れもなく、その場に響く新たな声。
同時に、電撃の塊がドSに突っ込む。

「超電……稲妻キーーーック!!」

ドSに突き刺さる、鋭い蹴り。両手をクロスさせて受け止めたドSだが、衝撃で大きく後退する。

「ちっ、これでも平然としてられんのかよ。ストロンガーが使える最強クラスの技だぜ?」
「感電氏ですか……。」

微妙に不快感の含まれる声で、ドSはかつての仲間の名を呼ぶ。

「同じ真の対主催である私に攻撃するとは、どういう了見ですか?」
「同じ真の対主催って言ってもなあ……。ドS氏、アンタもう、真の対主催としての行動放棄してるだろ?
 自分の趣味で行動するだけならともかく、主催者を有利にするようなことやられちゃ仲間とは認められないな。
 あと、個人的な理由がもう一つ。アンタは地図氏……いや、そっちも地図氏か。
 爆弾氏をいつでも殺せるのに、その命をもてあそんで殺さなかった。
 この言葉、聞いたことあるか? まだ生きてる奴に止めを刺さないのは傲慢なんだそうだぜ!」
「理由になってませんが……。まあいいでしょう。
 私の敵となると言うのであれば容赦なく……。」

ドクン!

ドSの言葉が途切れる。原因は、胸の辺りを襲う不快な感触だ。

(なんですか、これは……。力のコントロールが乱れて……。まさか、精神世界の方で何かトラブルが……?)


【ドラグブラッカー@ライダーロワ 死亡】
【みWiki@書き手ロワ2nd 破壊】

4096没ネタ 救うために傷つくのが友情だから:2008/07/29(火) 21:16:14 ID:Luo7.r/Q0
【2日目・深夜】【ギガゾンビ城エリア・正面ホール】

【地球破壊爆弾No.V-7@アニロワ1st】
【状態】:ダメージ極大。瀕死。心臓のみ
【装備】:なし
【道具】:なし
【思考】:
 基本:クールなロリスキーと共にある。
 1:???


※基本的に中身はアーカードで、CVは平野綾です。
※変化する姿に7つのバリエーションがあるらしいです。
【1:地球破壊爆弾】【2:アーカード】【3:長門有希】【4:泉こなた】
【5:銃撃女ラジカル・レヴィさん】【6:キングゲイナー】【7:1〜6とか目じゃないよ?びびるよ、まじで】
※クーガーの早口台詞が言えます!
※鎖鎌、鳳凰寺風の剣、ソード・カトラス、ノートPCの投影が可能です。
【スーパーキョンタイム】
 地図氏以外の者はゆっくりとしか動けなくなります。一度使うとそれなりの時間使用不可能です。
【地図氏の地図】
 参加者の位置、生死を含めた地図を投影できます(※長門有希の状態でのみ可能)
 使いすぎるとアレなので、毎晩0時にのみ使う事にします。



【クールなロリスキー@漫画ロワ】
【状態】:不死者、吸血姫、スーパーかがみんと融合、かつてないレベルの怒り
【装備】:唾液で汚れた巫女服(鷹宮神社)@らき☆すた
【道具】:支給品一式、カードデッキ(龍騎)、AK-74(残り28発)
     着替え用の衣装(複数)、『村雨健二』の衣装、キュートなシルク仕様の裸エプロン、日焼け止めクリーム(大量)、GL本
【思考】:
 基本:地球破壊爆弾No.V-7と共にある。
 1:愛を証明するためにも、ちぃちゃんを守りきる。
 2:ドSは完膚無きまでに叩きのめしてから死者スレに送り返す。
 3:はぐれた仲間と合流。
 4:もう迷わない。
 5:ちぃちゃんの支えになる。

※容姿は柊かがみ@らき☆すたです(翼と尾が任意で顕現します)
 柊かがみの髪の色をしたドラゴンにもなれます。
 ヴァルセーレの剣の刃でできた羽を三対六翼持っています。尻尾はマリンデビモンの触手が変化して8つです。
※スーパーかがみんと融合し、彼女の記憶と能力を継承しました。
 柊かがみがその時点で使った事のあるあらゆる力、アイテムを使用できます。

4097没ネタ 救うために傷つくのが友情だから:2008/07/29(火) 21:16:44 ID:Luo7.r/Q0
【マスク・ザ・ドS@アニロワ2nd in 影の繋ぎ師@ライダーロワ】
【状態】:DG細胞感染 仮面ライダーDSRX化 ロリスキーに求愛 パワーが不安定?
【装備】:カラオケマイク@現実 、ゼロの仮面(蝶高性能)、ヘルメスドライブ(未使用)
【道具】:支給品一式×3、 ワルキューレ@スパロワ、ドラグブラッカー、写真付き名簿、放火セット(燃料、松明、マッチ)、
     ナイフ、不明支給品×1(確認)、BL本、首輪×2、パロロワ衣服詰め合わせ、
     お徳用原作パロロワ全生首セット(目玉セット他に換装可能)&原作パロロワ全手首詰め合わせ※今なら腕も付いてくる!
     ノートパソコン、フライングアタッカー(中破)@仮面ライダー555
【思考・行動】
 基本:さあ、絶望しましょうか。
 1:ロリスキーを“愛する”
 2:なんですか、これは……。
 3:貴女が、自らを裁くのです、ロリスキー
 4:こんなものですか、地図氏?


【感電@書き手ロワ2nd】
【状態】:健康
【装備】:バルディッシュ・アサルトBC
【道具】:基本支給品一式、拡声器(特別仕様)、ヴァルセーレの剣@アニロワ2nd、それ以外は不明
【思考】:
 基本:真なる対主催として行動。
 1:まだ生きてる奴に止めを刺さない、傲慢なドSを倒す。
 2:地図氏や魔王と、また改めて話し合う。


※再生・破壊が繰り返されたため、ホールは地球破壊爆弾の血やら腕やら脚やらで、とんでもないことになっています。
※地球破壊爆弾の所持品:激戦@漫画ロワ、レヴァンティン@アニロワ1st、マジシャンズレッドのDISC、巫女服(鷹宮神社)@らき☆すた
            支給品一式、着替え用の衣装(複数)、アダルトグッズ(大量)、泉こなたのスクール水着@漫画ロワ、
 が、無数の腕やら足やらとあたりに散らばっています。壊れているものもあるかもしれません。

4098没ネタ 救うために傷つくのが友情だから:2008/07/29(火) 21:17:28 ID:Luo7.r/Q0

―繋ぎ師の精神世界―

「はあああああああああああ!!」
「どりゃあああああああああ!!」

ドSとディー。二人の怪物は、荒廃した世界で一進一退の全力全開ぶっちぎりバトルを続けていた。
だがある時を境に、流れに変化が訪れる。

(これは……蟹座氏とバトルマスターが死んだ!?)

遠くから伝わってくる、仲間の命の消失。それによる動揺が、ディーの動きを一瞬停止させる。
その隙を見逃すドSではない。

「もらった! エアヌ・マリ――」
「ドラゴンライダーキック!!」

だがその隙を狙った必殺の一撃は、ここにいるはずのない男の攻撃に妨害された。

「あなたは……。なんでここに!!」
「ドラグブラッカーは、無駄死にしたわけじゃない……。
 自分が死ぬ時に出来るあの世とこの世のつながりを利用して、僕たちがここに来られるようにしてくれたんだ……!
 SRXのSは、『漆黒』のSでもあるんです!」

ドSの言葉に応えるのは闇色の鎧に身を包んだ青年。
仮面ライダーリュウガ、漆黒の龍。
その背中には、死んだばかりのドラグブラッカーが寄り添っている。

「お仲間を助けに来たってわけ……? また死者と生者のラインがめちゃくちゃに……。
 それにあなた程度のキャラが来たところで、何も出来ないと思うけど?」
「かも知れません。でも言ったでしょう、『僕たち』って。」
「ん?」

そう言われて、ドSは気づく。自分を包囲するかのように立つ複数の人影に。

「SRXのSは、『シザース』のS!」

仮面ライダーシザース、THE FIRST。

「『世界一の探偵』のS!」

仮面ライダー龍騎、鬱のエル。

「『SPIRITS』のS!」

仮面ライダー1号、蘇った現代の熱血怪人。

「そして、『将軍』のS!」

ギャーグミドラ、ギャグ将軍。

『我ら4人ライダー+1! 繋ぎ師救出のため、ここに見参!』

名乗りが終わると同時に、5人の背後で爆発が起きる。精神世界なので、演出も予算を気にせずやりたい放題だ。

「5人も死者スレから出てくるなんて……。あー、いらいらする!」
「ふん、貴様も死人であろうに。おい、ディーとやら! 我々も貴様に加勢するぞ!
 我が同志の体から、よけいなものは追い出してやらんとな。」
「断りはせん。好きにするがいい。」

将軍の申し出を、ディーは快諾する。

「では、行くぞ皆の衆!」
『おう!』

ミラクル全開バトルin精神世界、ライダー軍団参戦!


※ライダー軍団の乱入により、ドSによる繋ぎ師の肉体支配が少しだけ弱まりました。
 ただし人数が増えたので、繋ぎ師への負担そのものは増加しています。

4099没ネタ 救うために傷つくのが友情だから:2008/07/29(火) 21:18:26 ID:Luo7.r/Q0
没ネタ、投下終了です。
みWiki死亡とか五人の助っ人とか、ちょっとシンクロニシティーです。

4100名!無し!!もっと畏怖を込めて!:2008/07/29(火) 23:53:25 ID:.GxEWB.60
>>4099
没投下乙〜
ぬぬぬ、ドラッカーや感電は思いついていたが、
ソングやライダー勢の援軍はナイスアイディア!!
そして相変わらず氏の文は流れがよくて読みやすい。
GJ!!

4101名!無し!!もっと畏怖を込めて!:2008/07/30(水) 14:03:39 ID:75.2FXCc0
お二方ともGJ!
戦隊で燃えた。そして援軍でまた燃えました!

41024035:2008/08/01(金) 23:53:57 ID:meahL7fc0
>>4035
作者です。

ギャルゲロワ1stを綴り切った、永遠のうっかり侍、ギャルゲロワ版最速の人、お姉さま、汚れなき愛、
歩く頭脳戦、ステルス鬼畜、孤高の黒き書き手、予約被りに定評のあるtu4氏、バトルマスターの想いと力が籠った剣。

を、

ギャルゲロワ1stを綴り切った、永遠のうっかり侍、ギャルゲロワ版最速の人、お姉さま、汚れなき愛、蟹座氏、
歩く頭脳戦、ステルス鬼畜、孤高の黒き書き手、予約被りに定評のあるtu4氏、バトルマスターの想いと力が籠った剣。

に、修正します。
だいz

41034035:2008/08/01(金) 23:55:02 ID:meahL7fc0
(っと、切れて申し訳ない)
大事な蟹座氏が抜けていたのは完全なミスでした、すみません。
では。

4104STAND:2008/08/03(日) 19:03:53 ID:mDnXcQF.0
投下させていただきます。

かに玉内部、ギガゾンビ城エリア。
ここまでドS・オン・ステージと化していたこの場所も、今ではガラリと様子が変わっていた。
みWikiの貴い犠牲によって駆けつけた過去の繋ぎ師たち……繋ぎ師戦隊ブッチギルンジャーがドSに猛反撃を開始したのである。

「ちょっと待ってください! あなた方、仮にも正義のヒーローでしょうが!5対1だなんて、恥ずかしいと思わないんですか!」
「黙れ、マスク・ザ・ドS! ドSに生まれたのがお前の不幸だ!」
「絶望した! 私の存在を全否定するヒーローに絶望した!」

はっきり言おう。状況はドSの圧倒的不利である。
スペック上は、SRXの能力にDG細胞が上乗せされたドSがブッチギルンジャーの誰よりも強い。
だが、数の差はそれをカバーしてお釣りが来るなんてもんじゃない。
加えて、天上天下業魔無限砲を撃ったことでドSの体力はかなり低下している。
おまけにドS得意の言葉責めも、気力マックスのぶっちぎりどもにはまったく通用しない。
先程までのスーパードSタイムはどこへやら。今となっては、ドSの方が一方的に蹂躙される立場である。

「シャドービーム!」
「ハードショット!」
「スパークカッター!」
「リボルクラッシュ!」
「ダブルキングストーンフラッシュ!」
「ええい、ちょっとは遠慮しなさい、あなた達ィィィィィ!!
 私は責めるのは大好きですが攻められるのは嫌いなんですよ!!」

必殺技オンパレードの前に、絶叫を上げるドS。しかし、その口ぶりからはまだ余裕が伺える。
まあ本人も体がぶっちぎりなのだから、ある程度は耐えられて当然である。
むしろ、彼の体がSRXでなかったらとっくの昔に原形をとどめぬ有様になっていたことだろう。

そんな地獄絵図のような戦いが繰り広げられている後方で、一人たたずむ美少女がいた。
その名はクールなロリスキー。彼女の腕の中には、一個の心臓が抱かれている。
それは彼女の愛する人、地球破壊爆弾No.V-7のもの。
普通の人間ならば、肉体が心臓だけになればそれは死を意味する。
だが、地球破壊爆弾は吸血鬼。心臓さえ残っていれば、そこから再生が可能だ。
それにもかかわらず、心臓が再生する気配は未だにない。
その原因は、ドSによって突き刺された幾本もの銀の針。
古来より吸血鬼の弱点とされる銀の力が、彼女の再生を阻んでいるのだ。
恋人の心臓を手に、ロリスキーは苦悩する。
このまま放っておいても、爆弾が復活することはない。ならば、針を抜くしかない。
だがこの針には、抜こうとすれば心臓を傷つける陰険な仕掛けが施されている。
抜かなければどうにもならない。だが、抜けば確実に愛する人を傷つける。
そのジレンマが、ロリスキーの心を立ち往生させる。
立ち止まっていても、事態は好転しないとわかっているのに。
そんなとき有効なのは、誰かが背中を押してあげること。

「助けてやろうか?」
「え……?」

4105STAND:2008/08/03(日) 19:04:31 ID:mDnXcQF.0
ロリスキーは、いつの間にかうつむいていた顔を上げる。
そこには、一度だけ見たことのある顔があった。

「感電氏……?」
「よう、ことの成り行きは見させてもらってたぜ。」
「見てたって……。だったら、なんでもっと早く助けてくれなかったのよ!」
「あんな化け物相手に、俺が何かできると思うのか? 俺はリアリストなんだよ。無駄とわかってることはやらねえの。」

ぶつけられるロリスキーの怒りを、感電はさらりとかわす。

「……それで、今更何しに出てきたわけ?」
「だから、助けてやるって言っただろ。その心臓貸せよ。針、抜いてやるから。」
「駄、駄目よ! この針には返しが付いてて、抜こうとするとちぃちゃんの心臓がボロボロに!」
「はいはい、そんぐらいは想定の範囲内だって。一応、ドSも俺たちの仲間だったからな。
 やりそうなことぐらい見当は付く。だからこそ、俺に任せなさいって。」
「信用……していいんでしょうね?」
「それは、自分で考えてもらうしかねえな。アンタを納得させられるものは、俺にはない。」
「………。」

しばし沈黙するロリスキー。やがて、彼女は口を開く。

「わかった、信じるわ。その代わり、しくじったら容赦しないからね。」
「安心しろ。俺だって死にたくないし、地図氏を死なせたくもない。全力は尽くすさ。
 だが、俺はブラックジャック先生じゃないんでね。絶対成功するとは言い切れないぜ?」
「私も子供じゃないんだから、それぐらいはわかってるわよ。だからといって、失敗を許すつもりはないけどね。」
「それはわかってないってことじゃないのか……?」
「そんなことどうでもいいから、早くやってよ。時間がないのよ?」
「さっきから好き勝手言ってんなあ、アンタ……。」
「恋する女は、どこまでもわがままになれるのよ。いいから、早く!」
「はいはい、わかったよ。これ以上話してもどうにもならんな……。」

ぶつくさ言いながら、感電はデイパックから瓶入りの液体を大量に取り出した。

「それは?」
「FFDQ3rd屈指の大盤振る舞い、エリクサー×10だ。ラピュタを出る時にくすねてきた。」
「で、それをどう使って……。」
「少し黙ってろ。ここからは集中力を限界まで注ぎたい。」

ロリスキーの言葉を遮り、感電は意識を集中し始めた。

「いくぜ……。レッド・ホット・チリ・ペッパー!」

感電の背後に出現するのは、電気のスタンド「レッド・ホット・チリ・ペッパー」。
その姿は温泉の戦いの時とは違い、画鋲型ではなく原作そのままの形容しがたい怪物のものになっている。

「ちょっと! 銀に電気は禁物……。」
「安心しな! こいつに針は触らせねえよ。これは……こう使うんだ。」

感電は、エリクサーの瓶を無造作にチリ・ペッパーに向かって放り投げる。
チリ・ペッパーは、それを両手に1本ずつ受け取った。

「やるぞ。でんこうせっか。」

感電の腕が、超高速で動く。そのスピードは、ロリスキーにはまったく視認できないほどだ。
ドラえもん出典の「デンコーセッカ」と、ポケモン出典の「でんこうせっか」。
二つの「でんこうせっか」の同時発動である。
音速を軽く突破した感電の手が、爆弾の心臓から針を引き抜く。
その瞬間針に付けられていた返しが、心臓を切り裂いた。
だがその直後に、本体と同じスピードで動くチリ・ペッパーの腕が傷口にエリクサーを流し込む。
生じてから1/100秒も経たぬうちに、傷口はきれいにふさがれた。
まるで人を切り裂いてすぐに治療する、妖怪かまいたちのごとき所業である。
この調子で、感電は次々と針を抜いては傷口をふさいでいく。
そしてほんの1分程度の間に、爆弾の心臓に突き刺されていた忌まわしい針はすべて抜き取られた。

4106STAND:2008/08/03(日) 19:05:21 ID:mDnXcQF.0
「仕上げだ。」

感電は残ったエリクサーをすべて、躊躇することなく針の抜かれた心臓にかけていく。
傷はすでにない。これは、復活するだけの体力を与えるための行為だ。

「……ちぃちゃん、これで大丈夫なんだよね?」
「俺が出来ることはやった。あとは地図氏の生命力を信じるだけだ。」

過剰なまでに不安げな表情で尋ねるロリスキーに、感電は淡々とした口調で答える。
一度に複数の能力を行使した反動か、だいぶ疲労しているようだ。

(お願い、ちぃちゃん……。戻ってきて……。私、もっともっとあなたと一緒にいたいから……。)

ロリスキーは爆弾の心臓を腕の中に戻し、ぎゅっと抱きしめる。
その瞬間、心臓がひときわ強く脈動した。

「……! これって……!」
「来たみてえだな……。」

破裂音にも似た大きな音が、部屋の中に響き渡る。
次の瞬間、ロリスキーの腕の中にあった心臓は、青く長い髪が印象的な少女へと変貌していた。

「おはよう、クーちゃん。」
「ちぃちゃん……。」

ようやく戻ってきた、愛しい人。まるで何十年も会っていなかったような錯覚にとらわれ、ロリスキーは涙をこぼす。

「ごめん、ちぃちゃん……。私、ちぃちゃんのこと……。んっ!」

ロリスキーは、自らの罪を爆弾に告白しようとする。
だが爆弾は、口づけでそれを制止した。

「ちょ……。いきなり何するのよ、ちぃちゃん!」
「クーちゃん、今、辛いこと言おうとしてたでしょ?」
「え?」
「言いたくないことだったら、言わなくていいよ。たぶんずっと、クーちゃんは私のために傷ついてきたんだと思う。
 だから、これ以上辛いことはしなくていいよ。私は別に、クーちゃんの行動に怒っても悲しんでもいない。
 クーちゃん、まだ私のこと好きかな?」
「あ、当たり前じゃない!!」
「だったら、それだけでいいよ……。」

再び口づけをかわす二人。今度は濃厚に。執拗に。じっくりと。

「ん……。」

たっぷりと恋人の唇をむさぼったあと、爆弾は名残惜しそうに唇を離す。

「さて……。愛の確認はあとでゆっくりと楽しむとして……。今は先に、あの迷惑な幽霊を片づけないとね〜。」

4107STAND:2008/08/03(日) 19:06:11 ID:mDnXcQF.0

爆弾が顔を向けた先にいるのは、マスク・ザ・ドS。
現在の彼は、慣れてきたのかブッチギルンジャーの攻撃をなんとか捌けるようになってきていた。
そんな中、ドSの方も爆弾の復活に気づく。

「おやおや……。負け犬が性懲りもなくまたかかってくるつもりですか……。
 まあいいでしょう。また心臓だけにして、ロリスキーを愛するための道具にしてあげますよ。」
「どの口がそんなこと言うのかな? 確かに私は負けたよ、完膚無きまでにね。
 けど、今の私には心強い仲間がこんなにいる。」
「その通りです!」
「一緒に戦いましょう!」
「未来の俺を、解放してやるんです!」
「正義の力、見せてやりましょう!」
「ぶっちきるぜ!」

爆弾の言葉に、ブッチギルンジャーが次々と呼応する。

「わ、私も戦うんだからね! あいつには、一発くれてやらないと気が済まないんだから!」
「まあ、後方援護ぐらいなら何とかなるぜ。」

ロリスキーと感電も、歩を前に進める。状況は8対1。あからさまなまでにドSが不利。
だが、ドSに焦りはない。

「わかってませんねえ、あなた方。ガチバトルならば、ぶっちぎり五人衆以外私の相手ではないんです。
 足手まといが何人いよう、と!?」

余裕綽々のドSの言葉は、爆弾の突進で強制的に途切れさせられる。

(馬鹿な、私が反応しきれ……。)

ドSには、思考すら許されない。彼の顎を押さえた爆弾が、体を反転させるように勢いを付けてドSを床に叩きつける。
仮面がなければ、頭部に相当なダメージが与えられる攻撃である。

「血迷いましたか……?この仮面がある以上、私の頭部を狙った攻撃など無意味の極み……。」
「そんなことわかってるよ。これは、お互いの力関係を確認させるための攻撃。」

淡々と言いながら、爆弾はドSの腕を取ってひねる。鈍い音と共に、ドSの肘と肩の関節が破壊された。

「こんな事しても、DG細胞の自己再生能力ですぐ治るよね。まあ、それでも別にいいんだよ。
 問題は、さっきはまともに戦えなかった私がなんでこんなことできるようになったかっていうこと。」
 
渋い顔で沈黙するドSに向かって、爆弾は一人しゃべり続ける。

4108STAND:2008/08/03(日) 19:06:56 ID:mDnXcQF.0
「無自覚の恐怖があったんだろうね、さっきまでは。自分より優れた自分に対する恐怖が。
 もともとの戦闘力では、私の方が圧倒的に上だったんだよ。でも君は、繋ぎ師の体を乗っ取って私を超越してしまった。
 本気で思っちゃったよ。もう君に勝てる要素は何もないんだって。私は『地図氏』の要らない部分なんだって。
 だから、体が自然と萎縮していた。ただでさえ戦闘力に差があるのに、その差を自分で広げてしまっていた。
 でも気づいたんだ。君と自分を比べる必要なんかないんだって。」
「……どういうことです?」
「士郎とアーチャーは別のキャラクターだよね。それと同じさ。
 元が同じだからって、君は私じゃない。私も君じゃない。」
「何を言っているんです。私たちは元々『地図氏』という同じ存在から生み出された……。」
「それは否定してないよ。けどその『地図氏』からそれぞれ違うものを受け継いだ以上、もう君と私は同一たり得ない。
 影の繋ぎ師とアルレッキーノは同一じゃない。感電と焦ったドラえもんは同一じゃない。
 したらば孔明とフリクリ署長は同一じゃない。マダオと転は同一じゃない。
 影丸と闇その1は同一じゃない。魔王と美形元帥は同一じゃない。
 ゆえに、地球破壊爆弾とドSも同一じゃない。
 まあ、これは死にかけた時にどこからか聞こえてきた話の受け売りなんだけどね。
 たぶん、死者スレの誰かだと思うんだけど……。
 ああ、話がそれたね。とにかく、私は君をもう一人の自分だって考えるのをやめたよ。
 たとえスタート地点が一緒だとしても、違う姿を与えられ違う人たちと出会ってきた以上、私と君はもう別人だ。
 別人なら深くものを考えていじいじ悩む必要もない。ただの敵なんだから。
 でもって、気持ちで負けてなければ、私と君の差はそれほど絶望的なものじゃない。」
「それはどうでしょうか……ね!」

不意打ち気味に体を起こし、蹴りを放つドS。だが爆弾は、それをアホ毛ではじく。

(馬鹿な……。これが本当に、ついさっき数秒で私に敗北した人間ですか!?)

仮面の下のドSの顔に、汗がにじむ。

(いや、落ち着きなさい、ドS…。一度圧勝した相手に怖じ気づいてどうしますか!
 勝てる……。絶対に勝てる相手なのです! 彼女をもう一度倒し、今度こそロリスキーを我が手に!)

「何考えてるのかは知らないけどさあ……。どうせやるならそんな小手調べじゃなくて、もっと全力でいかない?時間がないのはお互い様じゃん?」
「長話をしていたのはそっちでしょうが。」
「そうだっけ? まあいいや。長話ついでに、これも言っておくよ。
 もはや、この地球破壊爆弾No.V-7に精神的動揺によるミスは決してない! と思っていただこうッ!」

奇妙な効果音が聞こえてきそうなセリフとともに、爆弾がパンチを繰り出す。
だが、ドSもそれに合わせて拳を突き出す。
結果は相討ち。二人の体は、共に壁まで吹き飛ばされる。

「……はっ! つい話に聞き入ってしまったが、俺たちも戦わなくては!」
「そうだったな!」

二人の激突を見て、すっかり観衆と化していたブッチギルンジャーも改めて戦闘態勢に入る。

「アンタは休んでた方がいいんじゃないのか?」
「冗談! アンタこそ、部屋の隅でガタガタ震えてたら?」
「だから、後方支援ぐらいはするってば。」

ロリスキーと感電も、闘志を高めていく。

(そう、私は怖かった。もう一人の自分に、自分の大切なものを奪われるのが。
 けど私には、力を貸してくれる仲間がいる! それを思い出した以上、もう怖いものなんてない!)

爆弾は、小さな拳をぎゅっと握る。

4109STAND:2008/08/03(日) 19:07:30 ID:mDnXcQF.0
stand alone 私は、孤立した存在だった
stand by   だけど、そばにいてくれる人が出来た
stand in   こんな私と、仲良くなってくれた人が
stand up to だから私は、どんな困難にも立ち向かっていける

「さあいくぞ、ドS! 闘争の時間だ!!」


【2日目・深夜】【ギガゾンビ城エリア・正面ホール】


【マスク・ザ・ドS@アニロワ2nd in 影の繋ぎ師@ライダーロワ】
【状態】:DG細胞感染 仮面ライダーDSRX化 ロリスキーに求愛  動揺
【装備】:カラオケマイク@現実 、ゼロの仮面(蝶高性能)、ヘルメスドライブ(未使用)
【道具】:支給品一式×3、 ワルキューレ@スパロワ、ドラグブラッカー、写真付き名簿、放火セット(燃料、松明、マッチ)、
     ナイフ、不明支給品×1(確認)、BL本、首輪×2、パロロワ衣服詰め合わせ、
     お徳用原作パロロワ全生首セット(目玉セット他に換装可能)&原作パロロワ全手首詰め合わせ※今なら腕も付いてくる!
     ノートパソコン、フライングアタッカー(中破)@仮面ライダー555
【思考・行動】
 基本:さあ、絶望しましょうか。
 1:爆弾をもう一度倒す。
 2:ロリスキーを“愛する”
 3:ぶっちぎりに対処する


※色々な悪条件の結果、影の繋ぎ師にDG細胞が感染。その結果としてドSが顕現しました。強すぎです。
※姿はほぼSRX。ただし仮面とマントはゼロ仕様です。
※アニロワ1と2が重なるフォーグラーの中のギガゾンビ城でしかドSは存在できません。
※解除方法h穏便に済ます方法? いやだなあ、そんなのある訳ないじゃないですか。
※【ゼロの仮面(蝶高性能)】
銃弾から魔法、科学兵器、核に至るまで全て防いでしまう恐ろしい仮面。
ただし、守れるのはあくまで首から上だけに限られている。
ちなみに、視界は蝶良好で酸素の補給も問題なく出来る。
その代わり、一度装備すると死ぬまで外せない。
望遠・透視機能付き。
※再生・破壊が繰り返されたため、ホールは地球破壊爆弾の血やら腕やら脚やらで、とんでもないことになっています。

※時間経過による精神世界でのできごとはお任せです。

4110STAND:2008/08/03(日) 19:08:19 ID:mDnXcQF.0
【地球破壊爆弾No.V-7@アニロワ1st】
【状態】:体力&気力ほぼMAX
【装備】:なし
【道具】:なし
【思考】:
 基本:クールなロリスキーと共にある。
 1:ドSに勝つ。

※基本的に中身はアーカードで、CVは平野綾です。
※変化する姿に7つのバリエーションがあるらしいです。
【1:地球破壊爆弾】【2:アーカード】【3:長門有希】【4:泉こなた】
【5:銃撃女ラジカル・レヴィさん】【6:キングゲイナー】【7:1〜6とか目じゃないよ?びびるよ、まじで】
※クーガーの早口台詞が言えます!
※鎖鎌、鳳凰寺風の剣、ソード・カトラス、ノートPCの投影が可能です。
【スーパーキョンタイム】
 地図氏以外の者はゆっくりとしか動けなくなります。一度使うとそれなりの時間使用不可能です。
【地図氏の地図】
 参加者の位置、生死を含めた地図を投影できます(※長門有希の状態でのみ可能)

※地球破壊爆弾の所持品:激戦@漫画ロワ、マジシャンズレッドのDISC、巫女服(鷹宮神社)@らき☆すた
            支給品一式、着替え用の衣装(複数)、アダルトグッズ(大量)、泉こなたのスクール水着@漫画ロワ
 が、無数の腕やら足やらとあたりに散らばっています。壊れているものもあるかもしれません。


【クールなロリスキー@漫画ロワ】
【状態】:不死者、吸血姫、スーパーかがみんと融合、ダメージ大
【装備】:唾液で汚れた巫女服(鷹宮神社)@らき☆すた
【道具】:支給品一式、カードデッキ(龍騎)、AK-74(残り28発)
     着替え用の衣装(複数)、レヴァンティン@アニロワ1st、『村雨健二』の衣装、
     キュートなシルク仕様の裸エプロン、日焼け止めクリーム(大量)、GL本
【思考】:
 基本:地球破壊爆弾No.V-7と共にある。
 1:ちぃちゃんと共に戦う。
 2:いっけええ、ブッチギルンジャー!!
 3:はぐれた仲間と合流。
 4:もう迷わない。
 5:ちぃちゃんの支えになる。



※容姿は柊かがみ@らき☆すたです(翼と尾が任意で顕現します)
 柊かがみの髪の色をしたドラゴンにもなれます。
 ヴァルセーレの剣の刃でできた羽を三対六翼持っています。尻尾はマリンデビモンの触手が変化して8つです。
※スーパーかがみんと融合し、彼女の記憶と能力を継承しました。
 柊かがみがその時点で使った事のあるあらゆる力、アイテムを使用できます。


【感電@書き手ロワ2nd】
【状態】:健康
【装備】:バルディッシュ・アサルトBC
【道具】:基本支給品一式、拡声器(特別仕様)、ヴァルセーレの剣@アニロワ2nd、それ以外は不明
【思考】:
 基本:真なる対主催として行動。
 1:地図氏に協力して、ドSと戦う。でも死にたくないので無理はしない。
 2:地図氏や魔王と、また改めて話し合う。

※見た目はアリーナ@DQ4です。
※スタンド「レッド・ホット・チリ・ペッパー(画鋲型)」が使える。
※周囲を防音する事ができるらしい。
※覚醒により、ロワにゆかりがある電撃・雷系の技が全て使えます。
 ある程度こじつけも可能です(デンコーセッカの超高速移動、雷電の蘊蓄など)

4111STAND:2008/08/03(日) 19:09:01 ID:mDnXcQF.0
【ブッチギルンジャー】
【共通思考・行動】
 基本:闇を切り裂き光をもたらす
 1:ロリスキー、爆弾を守る
 2:この時代の繋ぎ師を救う
 3:ドSを倒す



※いくつもの重なった条件から、原作さながらに時間を超えて助けに来ました。
 首輪も外されています。
 ただ、この時代での死亡は、過去を揺るがしかねないので、死にかけると、自動的に元の時間へと転送されます。
 みwikiから得た未来の知識も、修正力で消滅します。
 傷?んなの元の時代に帰る頃には治るので気にしない。


【チートシルバー(影の繋ぎ師) @ライダーロワ】
【道具】:カラオケマイク@現実
【所持品】:支給品一式
【状態】:健康。
【思考・行動】:ぶっちぎるぜ
【備考】
※変身体はシャドームーンです
※9話直後出典です


【チートイエロー(影の繋ぎ師) @ライダーロワ】
【道具】:カラオケマイク@現実
【所持品】:支給品一式
【状態】:健康。
【思考・行動】:ぶっちぎるぜ
【備考】
※変身体はロボライダーです
※120話直後出典です。


【チートブルー(影の繋ぎ師) @ライダーロワ】
【道具】:カラオケマイク@現実
【所持品】:支給品一式
【状態】:健康。
【思考・行動】:ぶっちぎるぜ
【備考】
※変身体はバイオライダーです
※226話で、マスタースパーク直後の出典です



【チートブラック(影の繋ぎ師) @ライダーロワ】
【道具】:カラオケマイク@現実
【所持品】:支給品一式
【状態】:健康。
【思考・行動】:ぶっちぎるぜ
【備考】
※変身体は仮面ライダーBLACK RXです
※226話で、RX化直後の出典です



【チートキング(影の繋ぎ師) @ライダーロワ】
【道具】:カラオケマイク@現実
【所持品】:支給品一式
【状態】:健康。
【思考・行動】:ぶっちぎるぜ
【備考】
※変身体が仮面ライダーBLACK SRX@書き手ロワ2に進化しました。
※250話直後の出典です。つまりtu4戦のダメージの無い全力状態です。

4112STAND:2008/08/03(日) 19:10:41 ID:mDnXcQF.0
投下終了です。

4113名!無し!!もっと畏怖を込めて!:2008/08/03(日) 21:28:50 ID:1g0mTbKc0
投下乙です!地球破壊爆弾復活ッ!地球破壊爆弾復活ッ!地球破壊爆弾復活ッ!
そしてブッチギルンジャー、お前らぶっちぎるぜ×5ってどんだけw
しかしこれはドS勝ち目あるのか?w今後に期待です!

4114名!無し!!もっと畏怖を込めて!:2008/08/03(日) 21:43:38 ID:RkPKCoqI0
投下乙です。
満を持して地球破壊爆弾No.V-7復活!感電がいい活躍してたw
この間まで本当にスーパードSタイム全開だったのに、気づけばこれはフルボッコタイムかw
新たな決意を胸に敗北を喫した相手に立ち向かう爆弾、次に期待だぜ!

4115名!無し!!もっと畏怖を込めて!:2008/08/03(日) 22:29:35 ID:UZAr/WEg0
GJ!
ドSピンチにさらに地球破壊爆弾復活ッ!感電がここで来るとは予想外!
ブッチギルンジャーもここに来て本領発揮!さあどうなることかw
被ったけれど、もう一回GJ!

4116悪心:2008/08/08(金) 01:26:33 ID:stvzaG7I0





私は忌むべき力の象徴だった。
私は誰からも望まれない力の具現だった。
私はいつも否定され続けた。
私は誰からも恨まれ、憎まれ、そして憎悪されるべき対象だった。

私は受け入れられなかった。
私は子供だったが、この世に生み出した母は私を醜いと叫んだ。
私は捨てられた、その存在自体は悲しみを生み出すものだと否定された。

私はそれでも待っていた。
私はその奇跡を信じて待ち続けることしかできなかった。
私はいつか、どんなに嫌われようとも、いつの日にか私を受け入れ、抱きしめてくれる母を待ち続けた。
私はそんなことしか出来なかったし、そうしてくれたらどんなに虐げられようが全てを許していたに違いないのだ。

私は悲劇を生む子だった。
私は母の負の衝動となって母を苦しめ続けていた。
私は母の仲間も殺したし、母の崇拝する人と母を対立させることまでした。
私はそんなことを望んではいなかった。それでも、私の力は『悲劇を生み出すこと』だった。

4117悪心:2008/08/08(金) 01:27:00 ID:stvzaG7I0


あはははははははははははははははははははははははははははははははははは
ははははははははははははははははははははははははははははははははははは
ははははははははははははははははははははははははははははははははははは
ははははははははははははははははははははははははははははははははははは
ははははははははははははははははははははははははははははははははははは


悲劇は私を喜ばせた。
だって私は母の闇の部分だったから。
どんなに綺麗な結末よりも、暗い悲劇や凄惨な惨劇に私は心を躍らせた。
私は母から派生した暗黒面というものだ。母が望む惨劇を、母が感じた精神的なストレスを発散させた。

母が心のままに操られているとき、私は幸せだった。
私と母が一体化しているようだった。母と同じ気持ちで惨劇を、誤解を、殺し合いを楽しめることが嬉しかった。
それは何も知らない子供が、母が笑いかけることによって笑い返すような、そんな精神によく似ている。

母はどちらかと言えば、恵まれていた。
どんなに危険が迫っても、その特異性と反則的な特殊能力。それでも足りなければ仲間が助けた。
それどころか、仲間は殺し合いをしようとする母を救おうとしていた。
救おうとした仲間の中には、私が殺した男や母の崇拝するししょーの姿まであった。

4118悪心:2008/08/08(金) 01:27:44 ID:stvzaG7I0

――――――おかあさん。


母は幸福だっただろう。
周りの仲間の幸福を吸い取って、周囲で人がばたばたと倒れていきながらも生き延びていったのだ。
私は幸福か、と聞かれれば首を縦に振った。
だって、私はどんなに母に『悪の心』として否定されようが、本体である母のことも母を助けようとしてくれる人も好きだったから。

母と私は一心同体だった。
母の想い人は私の想い人となった。
母の決意は私の決意にもなった。ただ、綺麗すぎる理想や決意は私そのものを否定し続けた。

母が正義を決意するたび、私は否定され続けた。
母は良く否定する人間だった。
蟹座じゃないもん、と否定し続ける人だった。私を否定し、仲間を否定し、そして自分すらも否定する人だった。
私は、母が否定する存在のひとつに過ぎなかった。それでも、いつか私を見てくれる日を待っていた。

大丈夫だ、と私は闇の中で膝を付いていた。
きっと、母はいつか受け入れてくれる。私と母は一心同体、私もまた『蟹座氏』の一人であるのだから。
私は蟹座氏と呼ばれた女性の半身として、精神体としてこの世に生を受けた。

記憶を共有する二重人格。
その器には母の特異能力である蟹座じゃないもん。そして蟹見沢症候群という症状に宿った。
私は生きていた。母と共に生き続けた。

4119悪心:2008/08/08(金) 01:28:37 ID:stvzaG7I0

――――――おかあさん。わたしを、みて。


私はどうやら、生まれてきたこと自体が間違いだったらしい。
私がこの世に生を受けたとき、母はうねうねとした触手によって嬲られ、蹂躙されていた。
きっと望まれない子供だったのだろう。
母はそのとき、私を『出産』した。受胎という過程を素っ飛ばして、私をこの世に生み出した。

何しろ肉体を持たない精神体だ。
不完全で出来損ないな子供を生むために、わざわざ正規の出産過程を踏むこともないのかも知れない。
私は母を嬲り続けたナニカをグチャグチャにしてやった。


あはははははははははははははははははははははははははははははははははは
ははははははははははははははははははははははははははははははははははは
ははははははははははははははははははははははははははははははははははは
ははははははははははははははははははははははははははははははははははは
ははははははははははははははははははははははははははははははははははは


そのときの母はどうかしていたのだろう。
精神に異常をきたしていたのかも知れない。おかげで、子供はこんなに歪んでしまった。
それでも、子供である以上、私は盲目的に母の救いを待ち続けた。

だって、私は蟹座氏の子供のようななのだから。
だって、私は蟹座氏の妹のようなものなのだから。
だって、私は蟹座氏自身のようなものなのだから。

ちょうど、クローン技術によって生み出された赤ん坊のように。
生まれてきた子供は母にとって子供で、妹で、そして自分そのもののようなものだ。
残念ながら、私は悲劇を喜劇としてしか見ないほど、絶望的な娘だったみたいだけど。

4120悪心:2008/08/08(金) 01:29:35 ID:stvzaG7I0


――――――おかあさん。わたしを、みて。わたし、ここにいるよ。


母は私を愛してはくれなかった。
母の仲間も私を悪者としか見てくれなかった。
母も仲間もそうやって私を憎むものだから、私は私自身が壊れた悪魔であることを認めるしかなかった。

私は悲劇を生み出す悪魔だった。
私は殺し合いを喜ぶ鬼だった。
私は母の意志とは別に人を殺して喜ぶ死神だった。


――――――おかあさん。……おかあさん。


そんなことは分かっている。
それじゃあ、誰か教えてください。
私はどうして生まれてきてしまったんですか。私は世界にも望まれなかったのに、どうして。
私はどうすれば愛されたんですか。私はどうすれば受け入れてもらえたんですか。

受け入れてほしかったんです。
愛してもらいたかったんです。
私という存在を認めて貰いたかったんです、抱きしめてほしかったんです。

4121悪心:2008/08/08(金) 01:30:13 ID:stvzaG7I0

それなのに、私には許されないんですか。
ただ悪者だから、悲劇を生み出すから、憎しみしかないから、私は否定され続けるんですか。

ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、私はいつまでも待ち続けたんです。
どんなに、どんなに、どんなに、どんなに否定されても。恨まれても。邪険にされても。
ただ一言が欲しかったんです。
たった一秒足らず。ほんの一瞬の時間だけでも良かったんです。


『悪心もまた、私自身だったんだね』


そう認めてくれたらどんなに報われたでしょうか。
たった一度でも、母に振り返って頭を撫でてくれたら……それだけでも、私は十分だったのに。
母は結局、自分の汚い心に目を向けようとしなかった。
母の仲間も、悪心(わたし)より善心(母)を信じ続けた。そうして、物語を織り成し続けた。

それは当然のことだと、誰もが言う。
だったら……誰からも認められなかった私はどうすればいいって言うんですか。


――――――ねえ、わたしをみて、おかあさん。ねえ、ねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえ?


結局、誰も私を助けてはくれませんでした。
闇の中に一人ぼっち。悪はいつでも滅びるものだと人は言う。
なら、私はどうして生きているんですか。善心(母)は死んだのに、どうして悪心(わたし)だけここにいるんですか。

勝手な母だった。
どうしようもないお母さんでした。
救いようのないほど無様に踊り続ける母親でした。

―――――――そんな母親でも、私は心の底から大好きで、ずっとお母さんに認めてもらいたかったんです!

だって、この世に私を生んだ母にまで否定され続けたら。
私は誰に肯定してもらえばいいんですか。
母の尊敬する『ししょーに殺してもらいたかった』……これは、負の感情でありながらも尊い想いだった。
だから、私の心の中に残っていた。ししょーなら、私を殺しても抱きとめてくれるかも知れない、と。

ししょーにだって、悪心(わたし)は否定された。
それでもあの人は優しくて責任感の強い人だと、母も私も知ってたから、想いをぶつければ肯定してくれると思っていた。
蟹座氏とバトルマスター。
二人は私の心の拠り所で、希望で、細い細いクモノイトそのものだった。

4122悪心:2008/08/08(金) 01:30:48 ID:stvzaG7I0


――――――ねえ……ねえ、おかあさん。ねえ、ししょー。ねえ、みんな……わたしは、ここにいるよ……?


そうして、訪れたものは――――最悪の最低の結末でした。
母はししょーと仲直りして、ししょーを救って、満足げに死んでいきました。


『ワタシヲオイテイッテ』


最後の頼みだったししょーは、結局母の望みも叶えられずに呆気なく死んでしまいました。
でも、死んだ二人は後のことを仲間に託して、あの世へと旅立ちました。
ずっと母を待ち続けた私は、結局一度も省みられずに。母は汚いものを見ることなく、綺麗なままに死んでいきましたとさ。


めでたし、めでたし♪。


――――――ねえ……わたしは、ひっく……っ……ここに、いるんだよぉ……!


     ◇     ◇     ◇     ◇

4123悪心:2008/08/08(金) 01:31:35 ID:stvzaG7I0
「あはははは♪」

私は哂い続ける。
ギャルゲロワの最後の一人が私と対峙する。
管理人、ツキノン。
全ての仲間に想いを託され、全ての仲間から肯定された存在が私に刃を向ける。

「あ、はははは……♪」

私は笑い続ける。
皮肉なものだ。私は誰にも肯定されなかった。私はただ否定され続けた。
私の味方は一人もいない。母と同じ『蟹座氏』なのに、私は汚いから誰も見てくれない。

「……………………っ、あはは、は……♪」

私とツキノンは、当初は存在しない存在同士だった。
ツキノンは途中参入のようなものだし、私は母から派生した存在だから厳密には蟹座氏そのものではない。
二人は同じようなものだったはずだ。
別の未来があるのなら、私もツキノンも存在しなかったのかも知れない。そんな類似点がある。

なら、何が悪かったのだろう。
ツキノンと私の違いは何だったんだろう。
答えは簡単だった。私は汚い悪心で、ツキノンは皆の想いを背負った善心だったから。

4124悪心:2008/08/08(金) 01:32:12 ID:stvzaG7I0
「あ、はは、は……は……♪」

泣くな。
私は笑い続けろ。
悪として笑い続けろ。
泣いても、助けを求めても、叫んでも、私は決して肯定されなかったのだから。

なら、もういい。
私は悪役になる。この世全ての悪心として具現化する。
望むままに惨劇を、笑いながら悲劇を起こそう。
そうしていずれ私を殺す奴に、汚い言葉を投げかけてやろう。恨み言を言って、邪悪なままで。

もう、私は絶望してしまったから。
もう、私は諦観してしまったから。
もう、私は、どうでもいいんです。
求めるから心が痛かったんですから。望んだから胸が軋んだんですから。

私はもう、他者に何も望まない。
泥だらけの私は汚かった。こんな私を抱きしめてくれる人なんて、もういない。
いや、初めから私を肯定してくれる人なんて、この世にはいなかったんだ。


「さあ、行くぞ、嘆きの子よ。泥の貯蔵は十分か!!」


ギャルゲロワの全ての力を結集した、最強の武具をツキノンが構える。
私はその姿を見て、思わず言葉が詰まってしまった。
色々な感情が私の中で鬩ぎあって、すごく混沌と化した心情になってしまったからだ。

恨み、妬み、嫉み。
私を悪役に仕立てて、正義の味方として立つツキノンに覚えた負の感情。

怒り、憎しみ。
誰にも認めてもらえなった私が、世界に対して思う負の感情。

でも、それ以上に羨ましくて涙が出た。
いいなぁ、って子供のように。私はツキノンを羨ましがっていた。
ギャルゲロワの全てが結集している、という事実に対する感動。なんだかんだ言って、私もまた『蟹座氏』なのだった。
だから一人の書き手として、その姿が眩しくて温かかった。

4125悪心:2008/08/08(金) 01:32:47 ID:stvzaG7I0


「あはははははははははははははははははははははははははははははははははははは♪」


私はゆっくりと駆け出した。
終焉へと足を進める。その先にあるのはやっぱり悲劇なのだろう、と絶望と諦観を抱いたまま。
加速する自殺衝動(アポトーシス)が、私の脳内を焼き切っていく。

さあ、救いのない物語を始めよう。
いい加減、一思いにもう、終わらせてください。

それだけが、私の望みです。


     ◇     ◇     ◇     ◇


最後の激突が始まろうとしている。
放り出されたいくつかの支給品。ギャルゲロワ最強の武具がある以上、もはや見向きもされないもの。
その中のひとつがランランと輝き続けていた。
トリビアの泉などで使われるような、何の変哲もないボタンだった。
ギャルゲロワの伝統とも言うべき、オリジナルアイテムが光り輝きながら激戦を見守り続けていた。


『いやっほぉぉぉおおおう、蟹座のONiぃ様、最高ーーーーーっ!!!!!』


―――――その名を、蟹座氏最高ボタンと言った。




【2日目・深夜】【D-7大蟹球フォーグラー内部・大蟹杯の間】

4126悪心:2008/08/08(金) 01:33:27 ID:stvzaG7I0
【ツキノン@GR1st】
【状態】:首輪無し、強い決意
【装備】:鬼狩柳桜、GRトラペゾヘドロン
【道具】:支給品一式(食料全て消費)×5、最高ボタン、カードデッキ(シザース)@ライダーロワ、閃光弾、バッド・カニパニーの甲羅、蟹座氏の写真×10
腕時計型麻酔銃(1/1)@漫画ロワ、麻酔銃の予備針×3、変化の杖、対戦車地雷×1、
ヴァッシュ・ザ・スタンピードの銃@トライガン、ドラゴンオーブ@AAA、ティーセット一式
【思考】:
基本:真の意味で打倒WIKI管理人
1:黒い蟹座氏を救う
2:大蟹杯の破壊
3:生き残っている他の参加者と合流


※主催側に反抗したため(自滅ですが)支給品に封印されていました。
※何らかの主催側の情報を持っているかもしれません
※他お任せ
※羽入の力は使えます。

※【GRトラペゾヘドロン】
ギャルゲロワの全てが詰まった神剣。
バトルマスターの固有結界のもう一つの姿。
本来はマスターと共に消滅するが、死者スレの飴を舐めた蟹座氏の助けもあって残存している。
トラペゾヘドロンの名を冠すだけの力があると思われる。
詳細はお任せ。
読み方は『ジーアールトラペゾヘドロン』

※大蟹杯を破壊すれば、ギガゾンビ城エリアもただのフォーグラーの一部に戻り、
マスク・ザ・ドSも死者スレへと帰ります。

4127名!無し!!もっと畏怖を込めて!:2008/08/08(金) 01:36:31 ID:stvzaG7I0
投下終了です。

4128名!無し!!もっと畏怖を込めて!:2008/08/08(金) 02:01:42 ID:jUzxjH/60
おおお!なんて心理描写!
黒い蟹座氏に重みができた!
すっげええええええ!!GJ!!
そして、自重しろ、最高ボタンw

4129名!無し!!もっと畏怖を込めて!:2008/08/08(金) 02:07:50 ID:ckV6pFtk0
投下乙です。
これは何とも深い黒蟹座氏の心理描写w
生まれいずるが故にその意義に悩むか、黒も苦しんでいたんだなあ。
救われるのかあるいはこのまま…。
そして最後の最高ボタン……何やらありそうな予感w

4130掲示板最適女:2008/08/10(日) 16:52:25 ID:4F4VjrtU0
女の私は20代後半です。
この掲示板の趣旨にも最適な女です。
最近、私以外の他の女が証拠もなく、勝手なことばかり掲示板に
書き捨てて行ったり、書き逃げたり、サクラだったりすることが
多く、もっとひどい例としては、女のふりをしている男だったとかの
実例もよくありますが、私はまじめな女である証拠があります。
この証拠は北海道から沖縄まで全国どこにお住まいの方でも、
絶対認めていただける自信があります!!
あなたが18才以上なら、xw48k-dvds@memoad.jp あて
空メール下さい。
証拠の返信をごらんになられて、お気に召さない場合は
無視していただければ、それ以上しつこくしませんので、
御安心下さい。
では、空メールお待ちしています。
xw48k-dvds@memoad.jp

4131愛する人に祝福を:2008/08/11(月) 01:04:09 ID:vr68dMx20
薙ぎ倒される、薙ぎ倒される、薙ぎ倒される。
悪の当然の末路だと言わんばかりに私の子達は滅ぼされていく。
どれだけ数で押しても、たった一人の正義の味方には敵わない。
それが仲間の想いを受け継いだ最強武装を手にしているのなら尚更だ。

シャイニングトラペゾヘドロン。
荒唐無稽ロボットADVの名を冠する機神咆哮デモンベインに登場する究極呪装。
全てを否定する完全消滅の刃。
ツキノンに欠けていた決定力を補って余りある代物。

ああ、私はまた拒絶されるんだ。
おかあさんに捨てられて。
母の仲間達には見向きもされず。
今またギャルゲロワという一つの世界丸ごとに押しつぶされる。

わかってる。私が悪い子だって。
でも、それでも……。
一度くらいは抱きしめてもらいたかった。


――ならば叶えましょう。いえ、私だけが祝福します。貴女の生誕を。

え?



     ◇     ◇     ◇     ◇

4132愛する人に祝福を:2008/08/11(月) 01:04:40 ID:vr68dMx20
まずいですね。

ドSは焦っていた。
信じたくは無い話だが復活後の地球破壊爆弾は明らかに復活前よりもスペックが向上していた。
いや、本来の実力を取り戻したとでも言うべきか。
そもそも地図氏の作品から二分されるにあたって、中途半端を嫌った二人はそれぞれ役割分担し、一方面に特化することを選んだ。
地球破壊爆弾は戦力を、マスク・ザ・ドSは愛を受け持ったのだ。
0or100。
影の繋ぎ師の肉体という反則を以てして戦力を手に入れたとはいえ、専門外のドSでは100%のスペックを発揮できない。
それでも爆弾だけなら数分もしないうちに倒せるだろう。
DSRXの7割程度の力でも単体最強なのには変わりは無い。
だが相手には豪華すぎる援軍が付いているのだ!

「「「「「超必殺!!ファイナルスカイキイーーーック!」」」」」

スカイライダーの原作さながらに、残る四人に空高く打ち上げられたチートキングが上空からドSへと必殺の蹴りを放つ!
あまりの速度に空気摩擦が発生し膨大な熱を帯びている為ゲル化したところで防げはしない。
ロボライダーに変身し、ガードを固めることを最優先。
がっしりと頭上で交差した両腕で5人がかりの一撃を受け止めにかかる。
交差、衝撃、圧殺。
わざと吹き飛ばされることすら許されない。
ご丁寧にも事前に強化した床と蹴りとのサンドイッチだ。
星すら貫きかねない威力が、余すところなく襲い来る。
重い。
なんて重い一撃なことか。

「うおおおおおおおおおおお!!」
「暑苦しいんです、ッよ!!」

重ねていた腕を強引に押し広げなんとか弾き返す。
しかし束の間の休息すらドSには許されない。
敵はブッチギルンジャーだけでは無いのだ。
電撃が、炎が、触手が。
腕が痺れて碌に動かせないドSに撃ち込まれる。

感電、地球破壊爆弾、ロリスキー。
誰も彼もがドSに縁のある参加者。
DSRXには劣るものの、チートの一角を成す者達。
直撃するわけにはいかずディフレクトフィールドで軌道を逸らす。

「い、いやだなあ、私一人を寄ってたかって。大体ライダーが戦隊になっていいわけないじゃないですか!」

そう、その一言がこれほどには無い程今ドSが置かれている状況を表していた。
集団リンチ、フルボッコ。
地図氏に似合う言葉で言えば孤城の主。

(って、むしろ孤城の主は爆弾の方でしょうが!
 絶望したー!! いつの間にかやっかいな死亡フラグ押し付けられていることに絶望したー!)

宙で体勢を立て直し、無事着地したチートキング率いるブッチギルンジャーも再び前線に加わり大ピンチ。
さしもののドSも数の暴力の前にはなすすべがない。

4133愛する人に祝福を:2008/08/11(月) 01:06:21 ID:vr68dMx20
まだ切ってないカード自体はある。
ただ、その切り札を切ろうにも切れない理由が彼には存在しているのだ。
何千倍もパワーアップしたドSが、唯一生前より劣っている点。
即ち行動範囲への制限という理由が。

(あの力を使えば現状を引っくり返すことはできます。しかしギガゾンビ城への被害は無視できない!!)

何か手は無いのかと、ブッチギルンジャー達の攻撃をいなしつつ、テレパシー能力とマイティアイ・改で蟹玉内を探る。
強力な放置支給品でもあれば万々歳だ。
ドS自身はこのエリアを離れられなくても、遠隔操作可能なガンスレイヴなら取りに行かせられる。

だがそんなドSの思惑は見事に外れ、何一つ有用なアイテムを見つけられない。
確かに多くの書き手が蟹玉内で塵はしたが、彼らの支給品は皆666やツキノンといったイレギュラーが回収したからだ。

ついさっきまでは思い通りに事が運んでいたというのに途端に全てがうまくいかなくなったことに苛立ちつつ、
クロムウェルを解放した爆弾に天上天下業魔無限砲を撃ち込む。

と、そこでふと気づく。

(僅かに出力が向上しているのでは?)

案の定ブッチギルンジャーが援護に入ったので相殺されかけているが、そういえば先程よりも長く持ちこたえているように思える。
端から時間稼ぎにと撃ち込んだのだ、結果的に無効化されてもなんら問題は無い。
それよりも大事なのは業魔無限砲の威力が上昇していることについてだ。

天上天下業魔無限砲。
スーパーロボットXタイプの最強武装、天上天下一撃必殺砲に、
二つのキングストーンとディス・レヴから得たエネルギーを上乗せ、収束・放出する絶技。

(……ディス・レヴ?)

仮面ライダーSRXからDSRXに進化した時に追加された機能だ。
あくまでも666が巡り巡って手に入れたものとは違い、DG細胞より生成したコピーに過ぎない。
とはいえ性能はオリジナルに匹敵する。
無論悪霊や負の無限力、輪廻転生の狭間から力を得るという特性にも変わりは無い。
ここに来てその出力が上がるということは即ち。

(新たにまた誰かが死んだということですか?)

それにしては妙だ。
まるで薪をくべるかの如く負の念がディスの心臓に注ぎ込まれていく。
これが死亡した参加者達の魂だというのなら、とっくに全滅していてもおかしくないペースである。

(なら、読み手の魂ということですか?)

WIKI管理人は書き手ロワ2ndの運営として大量の読み手を手駒としていた。
彼らもまた書き手たちと同じく毒吐きや感想スレへのレスに込められた想いから生み出された存在だ。
書き手達ほどでは無いが、思念体は思念体だ。
ディス・レヴの足しにはなる。

(いえ、彼らが一度に亡くなったのはデビルラピュタガンダム誕生時のことのはず)

時系列的にはかなり前のことだ。
今頃になってドSのディス・レヴに取り込まれるのはいくらなんでも遅すぎる。

(調べてみる価値はありそうですね……)

「天上天下光王爆砕剣!!」
「天上天下業魔灰塵剣!!」

無限砲を防ぎきり、踏み込んできたチートキングと鍔迫り合いをしつつ、再びドSは蟹玉内を探索する。
透視し、念を発し、ガン・スレイヴを差し向け、そして。

見つけた。
また一人、彼が愛せる少女を。

4134愛する人に祝福を:2008/08/11(月) 01:06:44 ID:vr68dMx20




     ◇     ◇     ◇     ◇




「武装錬金!!」

ロリスキーは目の前の光景が信じられなかった。
シリアス番号XCV。
レーダーの武装錬金ヘルメスドライブ。
彼女が対ドSの切り札として使おうとしたアイテムが、あろうことか当の本人に使用されたのだから。

「う、そ……」

現実だ。
核鉄は一瞬で展開され、小柄な楯を思わせる6角形のレーダーと化し、ドSを何処へと連れ去った。

「キング、奴はどこへ!」
「少なくともこの付近には居ないみたいだ。シルバー!」
「ええ。ミクロ化しているかもと思い念入りに見てみましたが城内からは反応がありません」

驚異的な視力と透視能力を誇るブッチギルンジャーが言うのだ、間違いない。
ドSは消えた。
彼の存在が唯一許されるはずの己が城から。

「でもどうして? あいつが自殺なんて」
「するたまじゃないよね、クーちゃん」

力強く頷くちぃちゃんの手には愛用のノートパソコン。
長門有希に姿を変え、地図氏としての本領を発揮していく。
こと他人を探すことにおいてはブッチギルンジャーをも上回る彼女だ。
任せておけば自ずとドSがまだ生存しているのか、繋ぎ師の身体はどこへと飛ばされたのかも判明するだろう。
それまでは大人しく待つしかない。

(どうしよっか)

ちぃちゃんが落とした支給品の回収し、衣装セットから出した浴衣へと着替え終わると、やることが無くなってしまった
情報探索では役には立てない。
となると作戦会議へと突入したブッチギルンジャーの仲間に入れてもらうのが妥当か。
そう思い、5人組の輪へと歩を進めようとして、止まる。
ボロボロになったアダルトグッズの残骸を名残惜しそうに見るため、なんてわけはない。
思い出したからだ。一つやり忘れたことがあったと。

(ほんと、私は自分のことばっかね)

4135愛する人に祝福を:2008/08/11(月) 01:07:03 ID:vr68dMx20
「感電」

一人隅の壁にもたれかかっている男に声をかける。

「今更だけど俺、一応R-0109としての参戦なんだけどね〜」

いつの間にか状態表ができたのはいいものの、そこでも感電扱いされていることに愚痴るR-0109。
そんなことは知ったことじゃない、ってか呼びにくいのよ、あんたの本名!
と、思わず言い返したくなるもぐっと堪える。
そんなことは後でいくらでも言える。
今、まず第一に彼に言わなければならないのは別の言葉だ。

「その、ありがとう。ちぃちゃんを助けてくれて」
「…………へ?」

ぽかーんと口を開けてまぬけ面を曝す感電。
数秒してから意味を理解したのかくくくと笑みを浮かべて笑い出した。

(なんつーか、腹の立つ奴)

「何よ、そんなに私に礼を言われるのが意外なわけ?」
「いや、すまねえ。このロワが始まってから恨みを買うようなことばっかしてきたんでな。
 そうか、礼を言われたのか、この俺が。くくく、ふふふ、ああ、悪くねえ」

でも、子どものように嬉しがる姿に、ついつい私も毒気を抜かれてしまう。
感電がこのロワで何をやらかしたかは既に蟹玉突入前の合流時に聞いている。
もう一人の自分を乗っ取っての大量虐殺。
けれども人を一面だけ見て決めつけるのは、繋ぎ師の時でもう懲りた。
何より、今の感電こそが素の姿だと思えるから。
私は、聞いてみることにした。

「ねえ感電。あんたはどうして真の対主催をやろうって思ったの?」

繋ぎ師から聞いたWIKIの内容を思い返しても、感電は殺したことを何度も何度も悔いていた。
そんな彼が茨の道を進む理由がこれっぽっちもわからなかった。
じっと彼を見つめ答えを待つ。

「……しゃあねえな、理由も分らねえままじゃ俺に殺された奴らも浮かばれないだろうしな」

しばしの沈黙の後、ぼりぼりと感電は髪を掻き毟り、床を指さす。
立ち話もあれなので座って話そうということだと受け取り、腰を下ろす。
部屋一面に飛び散っていた血や肉は再生の足しにすると、既にちぃちゃんが捕食済みだ。
うん、正直あまり見たい光景じゃなかった。
ぶんぶんとイメージを振り払おうと首を振っている間に、感電も座り込み語り出す。

「爆弾辺りから聞いてるだろ、WIKI管理人の目的を。
 俺は、さ。どうしても守りたかったんだ。あいつの魔の手から」
「私達の元になった書き手達や読み手達を?」
「……友達を、だ」
「え?」

今度は私の方が呆けた顔を浮かべただろう。

4136愛する人に祝福を:2008/08/11(月) 01:07:42 ID:vr68dMx20

(友達?)

訳がわからなかった。
私達は各自の作品から生み出された存在だ。
ロワを抜きにした人間関係はほとんど覚えていない。
それとも感電の友達は書き手か読み手をやっていたのだろうか?
むむむ、と考えるもピンとくる答えは出ない。
めんどくさい、本人に聞けばいいまでだ。

「どういうことよ?」
「……さっきも言ったけど俺はあくまでもR-0109としての参戦だ。
 元々求められていた能力はラジオで鍛えた情報発信能力だからな。
 特化していた方がWIKI管理人にとっては都合が良かったんだろ。
 代わりに書き手としては焦ったドラえもんが生み出されたんだが」

焦ったドラえもん。
感電の依り代になることを前提に、感電自らがWIKI管理人を手伝い生み出した存在。
初めから今のように各ロワの因子がこの世界に漂っていたのなら、あるいはちゃんとしたキャラとして生み出していたかもしれない。
しかし、WIKI管理人は慎重を期し、厳選したいくつかのロワの因子を取り込むに止めた。
これでは感電の書き手としての売りであるあちこちのロワで書いたという実績も能力には反映できない。
故に、彼はもう一人の自分を個性の薄い使い捨てキャラにしたのだ。

「で、ここからが本題だ。俺の書き手分は全て焦ったドラえもんが持って行った。
 そいじゃあここにいる俺は何から生み出された存在だ?」

この世界の住人は基本SSや感想といった文章を書く時に込められた気持ちを束ね生み出されている。
では、ラジオのMCであるR-0109は?

「あ……」

ロリスキーは気づく。
簡単な話じゃないか。
私達が私達の作品より生み出されたというのなら、彼にとっての作品は。

「ラジ、オ?」
「正解。そして画鋲ラジオは各地を渡り歩いて行われた。
 時には他ロワの人間とも直接会って一緒に番組を作ったりもした」

感電は誇る。
秘密の宝物を友達に見せびらかす童の顔で。

「だからこそ、俺は覚えてる。いや、知っているっつうた方がいいな。
 キャラとしてでも書き手としてでもない、人間としてのあいつらを。
 みんな、みんな、良い奴だって。
 たとえこの好意がもらいものの記憶に由来するものでも」

――俺があいつらを好きになっちゃいけない理由にはならねえだろ?

それが感電の闘う理由。
一度も会ったことも無い、ただ記憶としてのみ存在する友達を守る。

4137愛する人に祝福を:2008/08/11(月) 01:08:06 ID:vr68dMx20



ああ、それはなんて。

ちっぽけで、わがままで。

――どこかの誰かの未来のためにじゃねえ、只の自己満足さ。

純粋で、切なくて。

――あいつらは俺のことなんて知らねえだろうに、一人勝手に言い訳にして殺人までしちまったからさ。

何よりも尊いのだろうか。

――それでも。この願いだけは嘘じゃないから。


「な〜んて話だったら感動的だろ?」
「へ? ちょ、ちょっと、今の話っ「クーちゃ〜ん!!」」
「おっと、どうやら何かがわかったみてえだな。よっと!」

肝心なところをはぐらかされたロリスキーが、地団太を踏むロリスキー。
その間に感電は尻を叩いて立ち上がり、駆け寄ってきた爆弾と先に顔を合わせる。

「ドS、やっぱりまだ健在みたい」
「そっか」

予想通りの答えだった為、感電はさして驚かず話を続ける。
彼が聞きたいのはそんなことではない。

「地図氏。いや、地球破壊爆弾。追うのか、ドSを」
「うん。感電ちゃんの言いたいことはわかってる。私達の本来の目的からすればここでドSを捨ておいても問題は無い。
 ううん、むしろそっちの方が正解だってことくらい」

真の対主催の目的はあくまでもwiki管理人の目論見を潰すことだ。
守護者たるドSが退いた今、管理人へと通じる旅の扉への道は開通している。
わざわざドSを追ってタイムロスするよりも、一刻も早く殴りこみをかけるべきなのだ。

「けどね。私達はドSとケリをつけなくちゃ気が治まらない」

5人の繋ぎ師とロリスキーも追随し、頷く。
感電も7人の覚悟を感じ取り、それ以上は続けない。

「そうか。じゃあここでお別れだ。俺は今からwiki管理人のところへ行く」

4138愛する人に祝福を:2008/08/11(月) 01:08:27 ID:vr68dMx20

その逆もまたしかり。
己が意志で脇道に逸れることを選んだ故に、感電を止める権利は誰にも無い。
許されるのは背を向け歩み去る姿を見送ることのみ。
だったら、せめてと。

「感電。あんたは自分の犯した罪を償わないといけないんだから。死んだら承知しないんだから!」

ロリスキーは感電の背中を押し、祈る。

「へいへい、俺だって死にたくはねえからさ。無理はしないさ」

返事はあくまでも明るく陽気に。
手をひらひらと振りながら、男は飄々とした足取りで通路の先にへと消えて行った。

「私達も行こうか、クーちゃん。ブッチギルンジャーも頼りにしてるよ?」
「ええ」
「任せてくれ!!」
「どれだけ敵が強大だろうと、俺達は負けられない!!」
「未来の俺にもそろそろ起きてもらわないとな」
「全てに決着をつけに行きましょう!!」
「ぶっちぎるぜ!!」

そしてまた彼ら彼女らも。
マスク・ザ・ドSに。
自らの弱さを突き付けてくる壁を乗り越えるために。
決戦の場へと駆けて行った。






【2日目・深夜】【ギガゾンビ城エリア・正面ホール付近】

【地球破壊爆弾No.V-7@アニロワ1st】
【状態】:体力&気力MAX
【装備】:激戦@漫画ロワ、マジシャンズレッドのDISC、浴衣
【道具】:巫女服(鷹宮神社)@らき☆すた 支給品一式、着替え用の衣装(複数)、泉こなたのスクール水着@漫画ロワ
【思考】:
 基本:クールなロリスキーと共にある。
 1:ドSに勝つ。

※基本的に中身はアーカードで、CVは平野綾です。
※変化する姿に7つのバリエーションがあるらしいです。
【1:地球破壊爆弾】【2:アーカード】【3:長門有希】【4:泉こなた】
【5:銃撃女ラジカル・レヴィさん】【6:キングゲイナー】【7:1〜6とか目じゃないよ?びびるよ、まじで】
※クーガーの早口台詞が言えます!
※鎖鎌、鳳凰寺風の剣、ソード・カトラス、ノートPCの投影が可能です。
【スーパーキョンタイム】
 地図氏以外の者はゆっくりとしか動けなくなります。一度使うとそれなりの時間使用不可能です。
【地図氏の地図】
 参加者の位置、生死を含めた地図を投影できます(※長門有希の状態でのみ可能)

4139愛する人に祝福を:2008/08/11(月) 01:08:55 ID:vr68dMx20

 


【クールなロリスキー@漫画ロワ】
【状態】:不死者、吸血姫、スーパーかがみんと融合、ダメージ中
【装備】:浴衣
【道具】:支給品一式、カードデッキ(龍騎)、AK-74(残り28発)
     着替え用の衣装(複数)、レヴァンティン@アニロワ1st、『村雨健二』の衣装、
     キュートなシルク仕様の裸エプロン、日焼け止めクリーム(大量)、GL本
【思考】:
 基本:地球破壊爆弾No.V-7と共にある。
 1:ちぃちゃんと共に戦う。
 2:いっけええ、ブッチギルンジャー!!
 3:はぐれた仲間と合流。
 4:もう迷わない。
 5:ちぃちゃんの支えになる。



※容姿は柊かがみ@らき☆すたです(翼と尾が任意で顕現します)
 柊かがみの髪の色をしたドラゴンにもなれます。
 ヴァルセーレの剣の刃でできた羽を三対六翼持っています。尻尾はマリンデビモンの触手が変化して8つです。
※スーパーかがみんと融合し、彼女の記憶と能力を継承しました。
 柊かがみがその時点で使った事のあるあらゆる力、アイテムを使用できます。




【ブッチギルンジャー】
【共通思考・行動】
 基本:闇を切り裂き光をもたらす
 1:ロリスキー、爆弾を守る
 2:この時代の繋ぎ師を救う
 3:ドSを倒す



※いくつもの重なった条件から、原作さながらに時間を超えて助けに来ました。
 首輪も外されています。
 ただ、この時代での死亡は、過去を揺るがしかねないので、死にかけると、自動的に元の時間へと転送されます。
 みwikiから得た未来の知識も、修正力で消滅します。
 傷?んなの元の時代に帰る頃には治るので気にしない。

4140愛する人に祝福を:2008/08/11(月) 01:09:28 ID:vr68dMx20
【チートシルバー(影の繋ぎ師) @ライダーロワ】
【道具】:カラオケマイク@現実
【所持品】:支給品一式
【状態】:健康。
【思考・行動】:ぶっちぎるぜ
【備考】
※変身体はシャドームーンです
※9話直後出典です


【チートイエロー(影の繋ぎ師) @ライダーロワ】
【道具】:カラオケマイク@現実
【所持品】:支給品一式
【状態】:健康。
【思考・行動】:ぶっちぎるぜ
【備考】
※変身体はロボライダーです
※120話直後出典です。


【チートブルー(影の繋ぎ師) @ライダーロワ】
【道具】:カラオケマイク@現実
【所持品】:支給品一式
【状態】:健康。
【思考・行動】:ぶっちぎるぜ
【備考】
※変身体はバイオライダーです
※226話で、マスタースパーク直後の出典です



【チートブラック(影の繋ぎ師) @ライダーロワ】
【道具】:カラオケマイク@現実
【所持品】:支給品一式
【状態】:健康。
【思考・行動】:ぶっちぎるぜ
【備考】
※変身体は仮面ライダーBLACK RXです
※226話で、RX化直後の出典です



【チートキング(影の繋ぎ師) @ライダーロワ】
【道具】:カラオケマイク@現実
【所持品】:支給品一式
【状態】:健康。
【思考・行動】:ぶっちぎるぜ
【備考】
※変身体が仮面ライダーBLACK SRX@書き手ロワ2に進化しました。
※250話直後の出典です。つまりtu4戦のダメージの無い全力状態です。


※ホールに散らばっていた地球破壊爆弾の血やら腕やら脚やらは、再度彼女に取り込まれました。

4141愛する人に祝福を:2008/08/11(月) 01:09:55 ID:vr68dMx20
   ◇     ◇     ◇     ◇




「あぅあぅ。あの声の主が伝えていた危機とは貴様のことだったのですね」

後一歩のとこまで迫っていたのだ。
トラペゾヘドロンと柳桜の二刀によるオヤシロビームでようやく全てのビルゴを一掃。
遮る物の無くなった大空洞を全力で駆け抜けて。
黒い蟹座氏にあわや手が届くかというところで。

ドボン、と。

黒い蟹座氏が収められ、無限の魔力が溢れ出る大蟹杯の中枢に開きし穴へと落ちてきたのだ。
どこか見覚えのある怪人が。

悪魔を思わせる異形の姿だった。
顔を丸ごと覆うフルカウル。
黒きボディを拘束するかのように包み込む銀の鎧。

その男とも女とも判断できない生物は、蟹杯の泥の中を泳ぎ黒い蟹座氏へと迫り、何事かを囁いた。
途端、大蟹杯から再び大量の泥が漏れ出し、人型へと凝縮したのだ。
降り出しに戻されてしまったと気づいた時にはもう遅い。
怪人はあろうことか何十倍にも巨大化し、こちらへと巨砲を向けていたのだから。
警戒を顕わに両の剣を構えたまま問う。

「誰ですか、貴方は」
「絶望したー! 最近はGR2でも書いているのに気付かれない現実に絶望したー!」
「……っ!! まさか、ドS氏!?」

絶望先生をなりきり対象としており、且、GR2にも縁のある書き手と言えば、一人しかいない。
しかし、はいそうですか、とは納得できない。
マスク・ザ・ドSは蟹座氏から聞いた話によると既に死亡済みのはずだ。

「なに。貴女も世話になったテイルズロワ。あそこの方々が降霊術で呼び戻してくれましてね。
 とはいえ制限がかなりあったものでして。そこで聖杯の恩恵へと縋ったのですよ」

ツキノンは今度こそ理解する。
原作において英雄王ギルガメッシュは聖杯の泥を浴びたことにより、
霊体や魔力体としてではなく、確固たる個体としてこの世に受肉した。
降霊術で呼び出されたドSもまた、泥の力で媒体となった誰かの身体へと己が魂を固定したのだろう。

「狂ってる!!」

Fateにおける聖杯とは、いわばスパロボで言う“負の無限力”の塊だ。
この世全ての悪――呪い、嫌悪、怨念、嫉妬、怒り、憎しみ、恨み、殺意を内包し、
どれほど高潔な英雄といえど、その自我を奪われ発狂する程だ。
アニ2兼GR2書き手のドSなら、知らないはずは無い。
なのに彼は自ら飛び込み、黒化の兆しも一向に見せない。

「やだなあ、この程度の呪いに私が屈するはずないじゃないですかー。
 こう見えても私結構Mなんですよ〜☆
 私を染めたいのならばこの三倍の苦痛は持って来てください!!」

どころか全然足りないと宣言するくらいだ。

「さて、疑問が解決したところで死んでください、ツキノン」
「全力でお断りしますのですよ!!」

巨砲から極光がほとばしり、神剣からビームが放たれる。
戦いは、まだ終わりそうにない。

4142愛する人に祝福を:2008/08/11(月) 01:10:23 ID:vr68dMx20
     ◇     ◇     ◇     ◇


僥倖。
実に僥倖でした。
巨大化は強力すぎてギガゾンビ城を壊しかねず、使い道が無いと踏んでいたのですが。
いやはや、ヘルメスドライブ様々です!
流石のこの身体でも走っていては成仏の方が早かったでしょう。
黒い蟹座氏の代わりにかってトイレで会った蟹座氏を対象にワープしたのですが、
うまく誤認してくれたのも幸運でした。
おかげで成仏するよりも早く蟹杯の泥に身を沈めることができました。

ですが、何よりも!!

黒い蟹座氏、彼女の存在もまた素晴らしい!!
人の悲劇を食い物にし、生まれながらに悪たる少女。
だというのに、彼女は求めるのです。
愛を、ひたすらに愛を!!
なんて矛盾、なんて欺瞞!!
愛されないことが悲劇であるのなら、それは貴女が心躍らすべきことなのに!!

貴女は悪に未だなりきれてなんていない!

救いを求め続けている!!

だからこそ、終わらせてなどやるものですか。
やけっぱちには走らせない。
更なる絶望の為に餌だってあげました。

あはは、ふはは、ふはははは!!

『私が貴女のお父さんですよ、愛しの娘よ』

丸っきり嘘ではありませんよ?
蟹座氏に悪心が生まれた時と、バッドカニパニーを出産した時。
私と私の中で真ん中面が抑えている最速の人は、その二つの事件に大いに関わっていましたからね。

ええ、ええ、黒い蟹座氏も喜んでくれましたよ、複雑な心境で!
綺麗な人間には否定され、汚い悪魔に愛される。
彼女は思い知ったでしょう。
永遠に、母や想い人は自分を受け入れてはくれないと。
彼女は思ってしまったことでしょう。
それでも愛されることは嬉しいことかもしれないと。

さあ苦しみなさい、我が娘。
私の愛に溺れてしまえば、真の救いは遠ざかる。
真の救いを求めるならば、愛を失うこととなる。

しかし世の中はうまくできているものです。
生前不本意な形で弄り切れなかった蟹座氏を、まさかこのような形で愛せるとは!

私を中心に世界が回っているようだ!! 都合が良すぎて笑えてきますよ!!

ふはははははははははははははははははははははははは!!

準備はいつでもいいですよ、ロリスキー、もう一人の私!!

4143愛する人に祝福を:2008/08/11(月) 01:11:05 ID:vr68dMx20
【2日目・深夜】【D-7大蟹球フォーグラー内部・大蟹杯の間】


【マスク・ザ・ドS@アニロワ2nd in 影の繋ぎ師 with 大蟹杯の泥 @ライダーロワ】
【状態】:DG細胞感染 仮面ライダーDSRX化 ロリスキーに求愛  再奮起 巨大化 大蟹杯に汚染
【装備】:カラオケマイク@現実 、ゼロの仮面(蝶高性能)
【道具】:支給品一式×3、 ワルキューレ@スパロワ、ドラグブラッカー、写真付き名簿、放火セット(燃料、松明、マッチ)、
     ナイフ、不明支給品×1(確認)、BL本、首輪×2、パロロワ衣服詰め合わせ、
     お徳用原作パロロワ全生首セット(目玉セット他に換装可能)&原作パロロワ全手首詰め合わせ※今なら腕も付いてくる!
     ノートパソコン、フライングアタッカー(中破)@仮面ライダー555 、ヘルメスドライブ(使用済み)
【思考・行動】
 基本:さあ、絶望しましょうか。
 1:爆弾をもう一度倒す
 2:ロリスキーを“愛する”
 3:黒い蟹座氏を“愛する”
 4:ぶっちぎりに対処する


※色々な悪条件の結果、影の繋ぎ師にDG細胞が感染。その結果としてドSが顕現しました。強すぎです。
※姿はほぼSRX。ただし仮面とマントはゼロ仕様です。
※解除方法h穏便に済ます方法? いやだなあ、そんなのある訳ないじゃないですか。
※【ゼロの仮面(蝶高性能)】
銃弾から魔法、科学兵器、核に至るまで全て防いでしまう恐ろしい仮面。
ただし、守れるのはあくまで首から上だけに限られている。
ちなみに、視界は蝶良好で酸素の補給も問題なく出来る。
その代わり、一度装備すると死ぬまで外せない。
望遠・透視機能付き。
※大蟹杯の力で影の繋ぎ師の身体に受肉したため、ギガゾンビ城以外でも存在できるようになりました。
 ただ、本人は平気そうですが、気付かないだけで副作用があるかもしれません。
※巨大化のサイズはお任せです。
※時間経過による精神世界でのできごとはお任せです。



【ツキノン@GR1st】
【状態】:首輪無し、強い決意
【装備】:鬼狩柳桜、GRトラペゾヘドロン
【道具】:支給品一式(食料全て消費)×5、最高ボタン、カードデッキ(シザース)@ライダーロワ、閃光弾、バッド・カニパニーの甲羅、蟹座氏の写真×10、
     腕時計型麻酔銃(1/1)@漫画ロワ、麻酔銃の予備針×3、変化の杖、対戦車地雷×1、
     ヴァッシュ・ザ・スタンピードの銃@トライガン、ドラゴンオーブ@AAA、ティーセット一式
【思考】:
基本:真の意味で打倒WIKI管理人
1:黒い蟹座氏を救う
2:マスク・ザ・ドSの打倒
3:大蟹杯の破壊
4:生き残っている他の参加者と合流




※主催側に反抗したため(自滅ですが)支給品に封印されていました。
※何らかの主催側の情報を持っているかもしれません
※他お任せ
※羽入の力は使えます。



※【GRトラペゾヘドロン】
ギャルゲロワの全てが詰まった神剣。
バトルマスターの固有結界のもう一つの姿。
本来はマスターと共に消滅するが、死者スレの飴を舐めた蟹座氏の助けもあって残存している。
トラペゾヘドロンの名を冠すだけの力があると思われる。
詳細はお任せ。
読み方は『ジーアールトラペゾヘドロン』



※大蟹杯を破壊すれば、ギガゾンビ城エリアもただのフォーグラーの一部に戻ります

4144愛する人に祝福を:2008/08/11(月) 01:11:43 ID:vr68dMx20




     ◇     ◇     ◇     ◇



慢心したドSは、一つのお約束を忘れていた。
戦隊ものにおける敵側の巨大化とは即ち死亡フラグに他ならないということを。

――最高ボタンは発し続ける、救いのヒーローを呼ぶシグナルを。



     ◇     ◇     ◇     ◇




感電は一人先を急ぐ。

「無理はしない、か」

嘘だ。
感電程度のチート具合ではwiki管理人には届かないのは本人が一番理解している。
まず間違いなく一人で挑んでは無事には帰ってこられまい。
命を賭けてやっと一矢報いるのが精一杯――最悪無駄死にもあり得る。

だがそれを言うなら爆弾達も一緒だ。
マスク・ザ・ドSは一筋縄ではいかない相手だ。
果たしてwiki管理人と闘う戦力が残るかどうか。

幸い未だに合流していないネコミミストと魔王は、真っ直ぐに旅の扉の間へと向かっているらしい。
感電にとってはこの上ない朗報だが、666のことを考えると完全には当てにはできない。

やはり、自分が最低限の条件はクリアーしておく必要がある。

「完全勝利への条件は3つ」

①wiki管理人の打破。
②ダイダルゲートの完全破壊。
③この世界と現実世界との完全隔離。

自分の能力と実力的に最も向いているのは②だ。
そしてこの②こそが、そのまま最低条件でもあるのだ。
②さえ達成すればwiki管理人が生き残っても、もう一度書き手ロワをし直す羽目になり、
時間を稼ぐことができる。
いや、次の書き手ロワがロワとして完結できずに終わり、楽して管理人の目的が潰える可能性すらある。
また、この世界と現実世界との完全隔離も万全を期しての慎重策に過ぎない。

「だったらやっぱり俺がやるべきことは……」
「ダイダルゲートの破壊、ですよね」

4145愛する人に祝福を:2008/08/11(月) 01:12:25 ID:vr68dMx20
ゴロゴロの実の能力を発動。
身体を電気エネルギーの集合体と化し、攻撃に備える。
が、予想に反して一切の攻撃を撃ち込まれることもなく、暗がりから二人の少女が姿を現す。

「警戒しないでくれたまえ、感電くん。こちらに君を害する気は無い」
「おいおいおいおい、そいつあ無理だ、666。
 少しでもお前のことを知る奴なら信じるわけがない。
 しかも俺が殺したはずの絵師さんを連れているとなると余計にな」
「はっはっはっはっは! それはそうだ、いや、失礼した」

ぶっちゃけ俺と同じ立場で信じる奴がいたら親の顔が見てみたい。
電光石火の力をいつでも引き出せるようにしつつ隙を窺う。
真っ向勝負でも搦め手でも分が悪いなら、無理に構う必要は無い。
当初の予定通り、ただ旅の扉を抜けることだけを考えろ!

「悪いが、暇が無いんだ」
「奇遇だね、私にも時間が無いんだ」

何が時間が無い、だ。
666の手には時を操る魔剣エターナルソードがあるじゃないか。
俺との戦いで時間を食ったところで過去へと戻れば……待て。
時間が無いとは本当にそういう意味なのか?

『この体はもう限界だ。いよいよもって、時が来ているのだよ』

思い出す、前に会った時にこいつに告げられた言葉を。

「まさか、もう?」
「そうだ。幸い全行程は終了したが、一回が限度だろう。
 だからこそ、君にこの力を使ってあげるわけにはいかないんだ。
 つまり、だ。私が君を見逃すのでは無く、君に私が見逃してもらうんだよ。
 これなら筋は通っているだろう?」

……認めたくは無いが通っている。
ことネコミミストへの想いが絡んでいるだけに信用に足る。
それに考えてみればここを通るしかない以上、666は避けられないのだ。
悩んでいる時間も惜しい。

「二段電光石「おっと、そういえばいつぞやの礼がまだだったね」礼?」
「ダイヤモンドの件のだよ」

人がせっかく覚悟を決めたというのに、横槍を刺してくる666。
こいつ、俺を早く先に行かしたいのか引き留めたいのかどっちなんだ?
なんてくだらないことを思っていると、何かが投げて寄越された。
手乗りサイズの薄い長方形の物体。

4146愛する人に祝福を:2008/08/11(月) 01:12:58 ID:vr68dMx20
「カード?」
「そう、君に殺されたプー太氏が我がLSの絵板に投稿してくれているタロットカードさ。
 どうせだからと現物版を作ってみたのだよ。……いくつ抜けているのが欠点だがね。
 で、だ。どうだった、私が占った君の運命は?」

色々と突っ込みどころはあるが、好奇心もあいまってカードを表向ける。
書かれているの数字は17――THE STAR のカード。
正位置では希望、ひらめき、願いの成就を。
逆位置では失望、無気力、高望みを象徴する。
本来のタロットならカードに書かれた図柄の向きで正逆は判断するのだが、
LSロワのタロットカードにおいては、書かれているキャラによって判別されるのだ。

「それで、描かれているのは梨々? それとも桜かな?」
「さあな。占いって、他人に結果を教えるもんじゃないだろ?」

まあ占った本人だ。
何のカードが出たのかなんてわかっていそうだけどな。

「それでは、さよならだ、感電くん」
「あばよ、666」

本当に攻撃する気が無かったらしく、あっさりと旅の扉の前に到着。
666がどいた先にはどーんと井戸が鎮座していた。

「「良い終末を」」

捨て文句が重なって少し悔しいが、仕方が無い。
俺は振り返ることなく井戸の中で渦巻く旅の扉へと飛び込んだ。






【2日目・深夜】【D-7大蟹球フォーグラー内部・旅の扉の間】

【派手好き地獄紳士666@LSロワ】
【状態】:闇の書発動、不死者化、疲労(小)、負のエネルギー蒐集中、暴走?
【外見】:黒いリボンドレス、背中から黒い六翼。長い髪は白く染まり後ろに降ろしている。眼鏡外し。
【装備】:ゲート・オブ・バビロン@アニロワ2nd(※特殊仕様)、闇の書@アニロワ1st(ディス・レヴ内臓)、バリアジャケット、
     ビッグ承、コアドリル(ほとんど黒)@アニロワ2nd エターナルソード@テイルズロワ
【所持品】:ヒュッケバイン・ボクサー(トロンベ)、四次元ポケット、クレイジーダイヤモンドのDISC、高性能探索機能つき扇風機、
      朝倉涼子のアーミーナイフ、夜天の書(BL本)、ウルトラミキサー、蟹座氏の写真×10
      モンスターボール(空) エニグマの紙「漫画キャラバトルロワイアルwiki管理人」 クマのプー太氏
【思考・行動】
 基本:極悪外道になった後、ネコミミストの前に敵として再会。ネコミミスト心から愛してる。
 1:ここですべてに終止符を打とう、ネコミミスト!!
 2:ネコミミストの前に敵として現れ、最終的に喰われる?

4147愛する人に祝福を:2008/08/11(月) 01:14:04 ID:vr68dMx20



※ゲート・オブ・バビロンは驚きの黒さを受けて宝物を『完全に使いこなせる』ようになりました。
※現在ゲート・オブ・バビロンに入っていることが確認されているもの
 マイクロ補聴器、闇の書@アニ1 ゲイボルグ@LSロワ RH・エクセリオン@LSロワ ミニ八卦炉@LSロワ
※闇の書と融合しているため、その内に言うまでもなく――
※エロスの鐘の煩悩寺と、エロ師匠の(ついでに大暴れ鉄槌の)精気を吸収し10割使いこなせるようになりました。
※闇の書とディス・レヴ@スパロワが内蔵されました。リミッターをかけていますが会場内の負の力を自動的に集められます。
※『真・驚きの黒さ』を蒐集により習得しました。これによりディス・レヴの効率を上げられます。
※全支給品を合成させ、自身も融合することにより、【グランゼボーマ@アニロワ2(グレンラガン)】の力が振るえます。
 制限によりサイズはLLL内で収まっています(つまり星よりでかいとかにはなりません)
 ただし666としてか闇の書の暴走が表に出るかは状況によります。 666もそのことは理解しています。
※死んだクマのプー太を守護騎士として眷属にしました。ビッグ承のゴルディオンハンマーを装備させています
※異能『ロリショタ以外では倒せません』に覚醒しました。
※メタな能力も手にしつつあるようです。


【2日目・深夜】【旅の扉通過中】


【感電@書き手ロワ2nd】
【状態】:健康
【装備】:バルディッシュ・アサルトBC
【道具】:基本支給品一式、拡声器(特別仕様)、ヴァルセーレの剣@アニロワ2nd、それ以外は不明
【思考】:
 基本:真なる対主催として行動。
 1:ダイダルゲートの破壊

※見た目はアリーナ@DQ4です。
※スタンド「レッド・ホット・チリ・ペッパー(画鋲型)」が使える。
※周囲を防音する事ができるらしい。
※覚醒により、ロワにゆかりがある電撃・雷系の技が全て使えます。
 ある程度こじつけも可能です(デンコーセッカの超高速移動、雷電の蘊蓄など)

4148名!無し!!もっと畏怖を込めて!:2008/08/11(月) 01:41:38 ID:vr68dMx20
投下終了

4149名!無し!!もっと畏怖を込めて!:2008/08/11(月) 09:53:18 ID:qTwJN6VU0
投下乙です!
絶望した!追いつめられたと思ったらさらにパワーアップするドSのしぶとさに絶望した!
いやはや、本当にすごいぜこの人は…w
そして感電…無茶しやがって…(まだ死んでない)

41504146:2008/08/11(月) 11:13:37 ID:xYC.Rl/.0
作者です。
プータ氏が合流したため、666の状態表に
永遠神剣「冥加」、永遠神剣『誓い』(鉈型)、鉈、まふうじの杖、パニッシャー@トライガン(機関銃:残り弾数30%、ロケットランチャー:残り7発)
を追加します。

4151名!無し!!もっと畏怖を込めて!:2008/08/11(月) 13:04:33 ID:xJ.PNMSI0
投下乙です。
ドS、どこまでパワーアップする気だwでもよりにもよって巨大化とはw
これはアレか、爆弾の最後の姿が披露される時が来たのか!?
そして感電w凄い格好いいんだが……ああ、無事を祈る

4152掲示板最適女:2008/08/13(水) 02:02:01 ID:Ox/xJmqE0
女の私は20代後半です。
この掲示板の趣旨にも最適な女です。
最近、私以外の他の女が証拠もなく、勝手なことばかり掲示板に
書き捨てて行ったり、書き逃げたり、サクラだったりすることが
多く、もっとひどい例としては、女のふりをしている男だったとかの
実例もよくありますが、私はまじめな女である証拠があります。
この証拠は北海道から沖縄まで全国どこにお住まいの方でも、
絶対認めていただける自信があります!!
あなたが18才以上なら、xw48k-dvds@memoad.jp あて
空メール下さい。
証拠の返信をごらんになられて、お気に召さない場合は
無視していただければ、それ以上しつこくしませんので、
御安心下さい。
では、空メールお待ちしています。
xw48k-dvds@memoad.jp

4153掲示板最適女:2008/08/13(水) 02:24:39 ID:Ox/xJmqE0
女の私は20代後半です。
この掲示板の趣旨にも最適な女です。
最近、私以外の他の女が証拠もなく、勝手なことばかり掲示板に
書き捨てて行ったり、書き逃げたり、サクラだったりすることが
多く、もっとひどい例としては、女のふりをしている男だったとかの
実例もよくありますが、私はまじめな女である証拠があります。
この証拠は北海道から沖縄まで全国どこにお住まいの方でも、
絶対認めていただける自信があります!!
あなたが18才以上なら、xw48k-dvds@memoad.jp あて
空メール下さい。
証拠の返信をごらんになられて、お気に召さない場合は
無視していただければ、それ以上しつこくしませんので、
御安心下さい。
では、空メールお待ちしています。
xw48k-dvds@memoad.jp

4154告知:2008/08/16(土) 01:14:03 ID:wl2iNcjs0
新生・雑談スレッドで行われている第一回書き手ロワ2人気投票が締切間近です。
一位だけでもいいのでゆっくり投票して行ってね♪

4155無限の欲望:2008/08/20(水) 23:09:58 ID:.tCupvzQ0
「順調ですね」

書き手ロワの真の黒幕であるwiki管理人はモニターに映し出される映像を見ながら現状に概ね満足していた。
死力を尽くした戦闘、受け継がれる想い、心をえぐる鬱展開、何もかもを吹き飛ばすような超展開。
なにもかもが素晴らしかった。
皆が全力で前に進むたびに貴重な経験を積んでいく。
それがこちらの目的だと知りながらも、そうしなければ彼らは進めないのだ。
彼らは言わば自分の手の中でもがく駒のようなものだ。
その様子を見ながら管理人はふと先程から抱いていた疑問を頭に浮かべた。

(さて、これはどういう事でしょうか。可能性として最も高いのはやはりアレでしょうね……!?)

そんな事を考えていた管理人は突如部屋の中に現れた人物に気付いた。
しかしその事に対してあまり驚きはない。
なぜならもうそろそろ来る頃だと思っていたからだ。

「ご苦労様です。手間をかけさせてすいませんね」
「いいんですよ。私は言わば傍観者でもあり、共犯者みたいな立場ですから」

管理人の後ろの現れた人物。
何もないところにある不自然な裂け目。
一見すると日本刀のように見える核鉄『シークレットトレイル』の能力によって現れた黒髪の少女。
管理人との密約を執行していた読み手K.K.であった。

「いきなり連絡があった時は少し驚きました。まあ私も尋ねたい事がありましたからちょうど良かったです」
「じゃあ、まずはあなたの質問に答えます。一仕事してもらった事へのせめてもの労いね」
「どうも。聞きたいのは、あれです」

そう言ってK.K.は部屋に備え付けられている時計を指差した。
そこには赤茶けたアンティーク風味の時計が今も休まず時を刻んでいた。
チクタク、チクタク、規則正しいリズムが部屋に響く。

「やはり、それの事でしたか」
「ええ、一応説明してくれると助かるんですけど」

その時計自体になんら不思議な所など見られなかった。
デザインも奇抜でもなく、針はいつもと同じ調子で動いている。
時計単体だけで見るにおかしい所など無い。
おかしいのは時計が示す状況だ。

長針は「0」の真上、短針は「3」の真上――3時00分。
それが今の時刻だ。

「現在の時間は3時00分。本当なら期限は過ぎているはずです」
「ええ、そうね。でも――」
「大蟹球の中はまだ2時にすらなっていない」

wiki管理人が宣告したタイムリミットは第4放送があった0時ジャストから30分後に行われた宣告から2時間後の2時30分である。
本来なら30分も前にその期限は切れているはずだ。
つまり対主催は目的を果たせず、めでたくwiki管理人の望み通りダイダルゲートからのフェードバックが始まるべきだ。
しかしここで思わぬ問題が発生した。

――『時間がずれているのだ』

ラピュタ内はもう既に3時になっているのだが、大蟹球内ではまだ2時にはなっていない。
完全な時間のずれが生じているのである。

「さすがに常識破りの書き手ロワでも、これはどういう事か説明して下さい」
「――と言いつつも、読み手……いや、分かり易くK.K.さん。あなたはもう既に分かっているんじゃないの。
 ここに来たのも私の頼まれ事のついでに確認しに来た、そういうところかしら」
「よく分かっていますね。ええ、そうです。とりあえず管理人の意見はどんなものですか?
 ……やはり、参加者の時間干渉ですか」
「おそらくそれで間違いないですね」

4156無限の欲望:2008/08/20(水) 23:10:30 ID:.tCupvzQ0
スーパーキョンタイム、時止め、タイムベント、懐中時計型航時機『カシオペア』、いままでこのロワでは時間干渉に触れる力が幾度となく振るわれてきた。
だが時間とは本来不可逆のもの。
いくら突き抜けているからと言ってこれだけの事が繰り返されれば何らかの影響が出るのは必至だ。
スーパーキョンタイムや時止め――これはまだギリギリ大丈夫な領域だ。時間を止めるだけだから。
タイムベント――使用されたのは1回のみ。影響はそれほど大きくはない。
カシオペア――これが問題だ。完全な形でのタイムスリップ。同じ時間軸に同一人物が存在するというありえない現象。
        加えて少しとはいえ歴史の改変。さすがにここまでくれば影響は大きかった。
そしてトドメのタイムのカードによるブッチギルンジャー召喚。
これで世界の時間は完全に狂った。
よって時間がずれるというありえない事象が成立してしまったのである。

「で、時間はこれからどうなるか。K.K.さんはどう読んでいるんですか?」
「十中八九時間はずれたままこの世界は徐々に崩壊へと進んでいきます。
 これに関してはもう催し物が終わりかけの会場ですから、懸念は皆無でしょう」
「ええ、そうね。既に会場を覆っていた結界は解除してその分はデビルラピュタガンダムの方へ回しているから。
 聞きたいのはそのずれた時間が今後どんな影響を与えるかよ」
「私の読みからすると、おそらく遠くない内にここの時間も狂うでしょう。
 急進、停止、逆行。どれかは知りませんけどね。
 ただしあくまで影響があるのは時間そのもの。
 時間を気にしないなら私達に問題はないですけど、どうするつもりですか」

管理人はその問いにしばらく黙りこくった。
その間、僅か数秒だったが……なぜかいつもより長く感じられた。
天を仰いで背筋を伸ばし、管理人はスクッと立ち上がった。
その視線は時計に向けられていた。

「言った事は守りたかったんですけどね、それももう無理そうですね」

時計の針は規則正しく時を刻む――ただし反時計回りに。
とうとう時の狂いはラピュタにまで及んできたのだ。
こうなっては時計が示す時間は意味が為さない。

「仕方ないですね。方針を一部変更します」
「へえ、どういう風にするんですか」

その瞬間、部屋に空気が急に下がったような気がした。
その原因はK.K.から発せられる殺気。
彼女はこれまで目的のために仲間さえ捨てるという選択をしてきた。
もしそれが無駄になるようであれば即管理人を葬り去り、すぐさまフィードバックを実行する気であった。

「いえ、フィードバックは実行しますよ。変更するのはその過程です」
「過程ですか…………ああ、なるほど」
「読めたみたいですね。そこで頼んでいた物がいるんです」
「随分とやるみたいですね、はい」

そう言ってK.K.は懐から翼の意匠のついた宝玉のようなアクセサリーを取り出した。
それは少し前に管理人に持ってくるように言われていた代物だ。
K.K.の手にあったそれは約定どおり管理人へと渡された。

「ありがとう、私では取りに行けなかったからね。では、セット・アップ!」

起動の呪文と共にアクセサリーの真の姿が露わになる。
フィンガーレスグローブの形状をしたギリシア神話の伝令神ヘルメスの持つ杖の名を冠すブーストデバイス『ケリュケイオン』である。
蟹座氏が装着したまま放置されていたのを回収してきたのだ。

「さて始めますか。速攻魔法発動・フォースブースト!」
「(ここは乗るべきでしょうか?)……フォースブースト?」
「詠唱トリガーによって、効果発動!
 これは4種のブースト魔法によってデビルラピュタガンダムの能力によって生み出されたデスラピュタロボを強化する儀式だ。
 そして生み出されるデスラピュタロボの数はDG細胞の力により無限となる」

――猛きその身に、力を与える祈りの光を……ブーストアップ・ストライクパワー!!
――我が乞うは、城砦の守り。古の兵士に、清銀の盾を……エンチャント・ディフェンスゲイン!!
――我が乞うは、疾風の翼。古の兵士に、駆け抜ける力を……ブーストアップ・アクセラレイション!!
――最後にブーストアップ・バレットパワー!!

一部省略があったので補足。
まずデビルラピュタガンダムの能力によって生み出されたデスラピュタロボが出現。
次に打撃力・防御力・機動力・射撃の威力を強化する補助魔法をかけてステータスアップ。
その数はDG細胞の効果によって無限に生成され、軍団と為した。
……ちなみになぜいきなり遊戯王風になったかというと……元キャラが若干電波だかららしい。

4157無限の欲望:2008/08/20(水) 23:11:00 ID:.tCupvzQ0
「さらにその効果はデビルラピュタガンダム本体にも適応され、数時間後のはずの融合が今すぐにでも行えるようになる。
 さあ、もう後戻りは一切なし。これで最終局面に突入します」
「ダイダルゲートの守りはデスラピュタロボ以下軍団に任せて、貴女自身は融合を果たしてラスボスとなる……大掛かりですね」
「確かに感電はあちらの時間なら規定の時間までにラピュタに来た事になる。
 しかし、当の本人には話し合う意思はなし。つまり崩壊は必至という事になります」

長きに渡って続けられてきた祭りも終局に向かう。
666とドSを倒して果たしてここに辿りつける者がいるのか。
それは今度の帰趨次第であろう。
だが管理人は願う。
願わくば最後の決戦を演じて最高の経験を集めたいと。
それ故に自身が最後の黒幕として生き残りと対峙しようと決めたのだ。

「ところでよくあの中から取って来られましたね。確か大蟹杯の間は今では大変な事になっているはず」
「そう言ってもわざわざ死体に気をかける余裕はどちらにもありませんでしたから楽でしたよ。
 では私はこれで。ご武運を祈っていますね」
「あ、これを」

そう言って管理人がK.K.に投げてよこしたのは何の変哲もないボタン。
見たところ特別なギミックもなさそうだ。

「もし私が倒されれば、その瞬間にフィードバックが実行されるように設定はしてあります。
 しかし、万が一の事を考えてこれを託しておきます」
「これは?」
「もし私が倒されてもフィードバックが始まらないようなら、そのボタンを押してください。
 所謂予備のボタン、保険です」
「あまり気が進みませんね。最終回の最後のパートを読み手が決めるなんて」
「気に病む事はないでしょう。私が倒されればフィードバックが実行されるのは決まった事です。
 ようは、投下を滞りなく行うための支援とでも思ってください。
 でも……私が戦いを制すれば、何の問題もないんですけどね」
「まあ考えておきます。ではお別れですね。さようならwiki管理人さん」
「さようならK.K.さん……いや読み手さんと呼ばせてもらいましょう」

別れを告げると、K.K.は再び亜空間に消えて行った。
部屋に残ったのはwiki管理人唯一人のみ。

「最後に一つ大きな花火を打ち上げようじゃないか!!」

最後に叶う願いは誰のものになるだろう。


【2日目 深夜】【デビルラピュタガンダム 放送室】
【書き手ロワ2ndwiki管理人@書き手ロワ2nd】
【状態】:健康
【装備】:ミニサスペリア、???
【道具】:???
【思考】:
 基本:???
 1:???

 ※容姿は執事服を着た稲田瑞穂@バトルロワイヤルです
 ※ミニサスペリアはGR2ndのtu4氏なあの人の思念から生まれた存在でした。
  GR2ndの属性であるカニバリズムを司っています。ある程度の空気力と煩悩寺の吸収によりエロスも使えます。
  姿はクリーチャーとアニロワ2ndをかけてデビルガンダムです。ラピュタとほぼ同化しています。
 ※今すぐにでもミニサスペリアと融合してゼスト@スパロワになれます。外見がどう変化するかは不明。
 ※倒されるとフィードバックが始まるように設定したようです。


【2日目 深夜】【亜空間内】
【読み手(K.K.)@書き手ロワ2nd】
【状態】:健康
【装備】:核鉄『シークレットトレイル』@武装錬金、IMIデザートイーグル(8/10+1)@ギャルゲロワ1st
【道具】:IMIデザートイーグルの予備マガジン×5、ボタン、???
【思考】:
 基本:wiki管理人に協力する。
 1:最後までロワの表の主催者としてロワの結末を見届ける。
 2:自分の考察を信じて、wiki管理人との取引を履行する。
 3:ボタンを使うか使わざるか。

※あらゆる事象を読む事ができます(でも空気を読んでその時に応じて読んだり読まなかったりします)
※ボタンを押すとフィードバックが始まります(あまり気乗りしない)

4158無限の欲望:2008/08/20(水) 23:13:36 ID:.tCupvzQ0
【備考】
※ダイダルゲート守備軍:デスラピュタロボ×∞



投下終了。
主催者が最近出ないなあと思いつつ書いてみた。
正直やりすぎた感が……何かあったら言ってくださいw

4159名!無し!!もっと畏怖を込めて!:2008/08/20(水) 23:15:39 ID:.tCupvzQ0
……早速ミス発見……ダメすぎるよ俺。
管理人の装備にケリュケイオン@なのはStSを追加です。

4160名!無し!!もっと畏怖を込めて!:2008/08/21(木) 01:18:48 ID:1Uv85d3o0
投下乙!
時間の乱れとは面白いものを持ち出してきましたね…。
そしてまさかのバーサーカーソウルに吹いたw

4161セイコー:2008/08/21(木) 15:11:10 ID:vuptXZO.0
AVサンプルで見つけた...
http://cherry-move.com/?50

4162ryoko:2008/08/29(金) 20:48:34 ID:wOGlo6B60
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4163I,wish:2008/08/30(土) 06:00:24 ID:rNs6tf9k0
その記憶は俺にとって宝物だ。

マイクに向かって声を吹き込んでる誰か。
楽しそうに笑ってる誰かと誰か。
カラオケで盛り上がってる誰かに誰かに誰か。
焼肉を食い散らかしてる誰かと誰かと誰かと誰か。

あいにくと本名は思い出せないけど。
でも、だからこそかえって彼らの笑顔は俺の脳裏に焼き付いている。
笑顔だけじゃない。
真剣にロワについて話す顔。
接続がうまくいかずに焦っている顔。
待ち合わせで迷子なっててようやく合流できた時の安堵した顔。

何度も、何度も、思い返した、俺の大切なメモリー。

最初は、逃避だった。
俺は主催者側の人間だったから。
自分が書き手なんかじゃなくて、造られた存在だって、生まれてすぐに知らされた。

参加者の書き手たちみたいにロワを通しての自己の確立なんて許されなかった。
自分で選んで、自分で動く前に、俺は、『感電』と呼ばれた人間の偽物・残滓に過ぎないって告げらて。
俺は、自分に価値を見いだせなくなった。
パーソナリティとしての記憶しかない俺は、本物に比べてあらゆる部分が欠けてるって塞ぎ込んだんだ。

だから、逃げた。
唯一、唯一俺に残されていた『本物』の記憶に逃げて、逃げて、逃げて。

気付いたら、記憶の中に出てきたみんなを好きになっていた。
ラジオに招待したみんなを。
そして、ラジオを一生懸命こなしていたあっちの世界の感電を。

その時、俺は俺を確立した。
だってそうだろ?
この気持は『あっち』の感電からもたらされたもんじゃない。
俺が、『あっち』の奴の記憶を見て、自分で抱いたもんなんだからさ。
そもそもコンプレックスの原因だった『あっち』の感電まですいちまったんだし。
晴れて俺も本物になったってわけよ。

ってわけでさ。
そんな一度も会ったことの無い親友たちをさ。
俺は独りよがりで守りたいと思っちまったんだ……。

4164I,wish:2008/08/30(土) 06:01:00 ID:rNs6tf9k0



天空の城と称されてはいるが、劇中でのラピュタは数百年間放置されていた廃墟といった趣である。
住人達が息絶え、あるいは去った後でも動いていた庭師のロボットや、小動物達によって支えられていた国。
草花が咲き乱れ、巨大な樹木に覆われたその姿は、一種のテーマパークと見えなくもないものであった。
しかし、そんなラピュタは今や『城』という呼称に相応しい、いや、いっそ要塞と呼ぶべき様相に姿を変えていた。

「っち、僅か数時間でここまで変わるのかよ」

くるくると帽子を右人差し指で回しつつ、俺は悪態をつく。
本来の木々や岩を思わせる暖色は失せ、前を向いても銀色、右を向いても銀色、左を向いても銀色である。
目に優しくないことこの上無い。
しかも、無数の触手が敷き詰められた通路の歩き心地は、ごつごつしていて最悪である。
DG細胞に変化する前のUG細胞の本来の任務に従ってか、城全体を覆う木々だけは汚染されていないのが不幸中の幸いか。
とはいえ、蟹玉に比べれば内部の混濁具合は微々たるものだが、それでもあまり長くは見ていたくない光景であった。

「とっととゲートを破壊しておさらばといきてえとこだが、そうはうまく運ばねえだろなあ」

ぽふり。
玩んでいた帽子を頭に載せ戻す。

WIKI管理人がデビルガンダムに搭乗しているなら、ここは紛れもなく敵の腹の中だ。
俺が辿り着いたことにもとっくの前に気付いているはずだ。
けれども一向にwiki管理人からのコンタクトは無い。
会場なんつうとんでもないものを人質に取っておいて、実に勝手である。
まあ、こっちの叛意は完璧に知られちまってるし、当然の反応だけどさ。

「ってか破壊した後どうすっかなあ」

俺が眼中にないってことは、どのみち会場は消滅させる気だったというわけだ。
となるとせっかくwiki管理人の野望を砕いたところで、返る場所は残らない。
だったらいっそ『あっち』の世界に行くというのも悪くは無いかもしれない。
そう考えると余計にテンションが上がってきた。

今の俺はいわば片思いみたいなものだ。
一方的に見知って、一方的に好意を抱いている。
まあ、それはそれで悪くはないとも思えないこともないが、そこは欲張りな俺だ。
やっぱり向こうにも俺のことを知ってほしいと思っちまう。
本当の意味で友達になりたいって。

――こんなどうしようもない人殺しの俺でもさ。

でこぼこに足を取られて転ばないよう注意しながら通路を進む。
DG細胞の感染で内装は大きく変わってしまっているが、ダイダルゲートは今回の計画における中枢だ。
wiki管理人も取り扱いは慎重なことこの上ないだろう。
試しに先ほどから強い電磁波を放射し、反射して返ってくる電磁波を分析することで、対象物との距離を把握しているが、
思ったとおり、ダイダルゲートの位置は俺が知っている頃と変わりない。

もっとも、それ以外にも続々と接近してくる余計な反応もキャッチしてしまいはしたが。

4165I,wish:2008/08/30(土) 06:01:27 ID:rNs6tf9k0

「おいでなすったか!!」

土色にまぶされた鳥のようなフォルムの巨像が、天井を突き破り何体も現れる。
ガチャガチャと音を立て、羽をしまったその姿は、やや銀色がかってはいるが、どう見てもラピュタロボだ。
要塞の大砲をものともしない装甲に、大小二つのビーム砲によりアニロワ2ndでも暴れまわった自律稼動式ロボット兵器。
だが、そんな強敵の群れを前にしても感電は不敵に笑う。

「っは、俺も舐められたもんだな!!」

肝心のWIKI管理人がどこにも見当たらないからだ。
正規のロワ参加者では無い感電の相手を自らする気はないらしい。

「呼んでおいて無視ですか、ったくいい趣味してやがる!」

とはいえ考えようによってはチャンスだ。
wiki管理人が参加者達に集中してくれるなら、それだけゲートの防備は薄くなる。
大量のラピュタロボはやっかいな相手に変わりはないが、倒せない相手でも無い……と思い込む。
そうこうしているうちにも彼を取り囲む敵は数を増していくばかり。
正直言って怖くないわけがない。
数の差はそう簡単に覆せるものでは無いことくらい理解している。

それでも。

「チートなのは参加者達だけとは思うなよ!!」

弱い心を、強い願いで押し殺す。
勝てると自身に言い聞かせせ、自分が護りたい者達の顔と声を思い返し、この場を切り抜けるのに最適な力を召喚する。

「来ぉぉい!! ダイナミック・ライトニング・オーバー!!」

呼びかけに呼応するかのように、天空より雷が降り注ぎ、感電を包み込む。
そのまま浮上する彼を取り込むのは一体の機神。
特撮もののヒーローを思わせる赤いマフラーを翻すスーパーロボット。
型式番号 DGG-XAM3C 正式名称 ダイナミック・ライトニング・オーバー。
人呼んで。

「否。大!! 雷!! 凰ぉぉぉぉぉッ!!」

コクピットに搭乗した感電が腕を組み、二本の足でしっかりと立ち、己が敵を見据える。
ダイレクト・モーション・リンクシステムがパイロットの動きを正確にトレース。
居並ぶ銀の傀儡より尚巨大な体躯が唸りを上げる。


蟹玉でのスーパーヒーロータイムに続き、デビルラピュタガンダム内におけるスーパーロボット大戦の火蓋は、かくして切って落とされた。

4166I,wish:2008/08/30(土) 06:01:54 ID:rNs6tf9k0




「これはこれで読み手としては嬉しい光景ですね」

感電とデスラピュタロボ軍団の戦いを一人、次元の狭間から覗いている少女がいた。
彼女の名はK.K.。
書き手ロワ2の全てを見届け、もしかすると幕引きをするかもしれない存在である。

彼女の見つめる先では感電が駆る大雷鳳がデスラピュタロボ軍団を相手に激しい戦いを繰り広げていた。
デスラピュタロボの身体から触手が伸び、鞭のようにしなりながら大雷鳳へと迫る。
ヒーローを模した巨人は不規則にうねる軌道の中を掻い潜り、瞬く間にロボの群れの中に飛び込んだ。
円舞とは程遠い、苛烈な舞を踊る大雷鳳。
その足技が次々とデスラピュタロボを打ち砕いて行く。
数百の同胞を葬られ、ようやく敵の強大さを感じ取ったロボ達は融合。
一際大きな固体となって立ち塞がり、唸り声を上げて腕を振り上げた。
次の瞬間、振り下ろされたその腕を踏み台として、登場時の落雷で開けた天井の大穴を抜け跳躍する大雷鳳。

『飛ぶぞ、大雷凰! 一瞬に全てを懸けてっ!!』

飛び交うビーム砲の嵐もものともせず、その名の如く鳳のオーラを纏った大雷鳳が必殺の蹴りを撃ち込む。
崩落するステージ。
強化魔法とDG細胞による恩恵を受けていた数百ものデスラピュタロボがわずか一撃でフィールドごと爆砕される。
地に降り立った大雷鳳は、己が緯業には目もくれず、新たに群がってきたロボとの連戦に突入する。

「ラピュタのロボット兵vs大雷鳳。まさに書き手ロワレベルのごちゃ混ぜ具合でなければ目にすることの無いカード……」

ライジングメテオ・インフェルノに神雷。
スパロボ史上屈指の人気を二大必殺技の連発で次々とラピュタロボを破壊していく大雷鳳。
感電本人のなりきり対象であるアリーナの特性、即ちドラクエ随一とされるすばやさと会心の一撃の発生率の高さによる補正も相俟って、
着々とダイダルゲートへと近づいて行く。
加えて人機一体型の取柄を最大限に活用し、感電は他キャラの技も巨大ロボサイズで繰り出される。
電光ライダーキックに超電稲妻キックといった大雷鳳にぴったりの蹴撃から、
十万ボルト、マハジオダイン、フォトンランサー・ファランクスシフトといった広範囲攻撃。
さらにはごろごろの実による電気化での攻撃回避や、バルディッシュに融合されたリストブレイカーすら使いこなしているのは、
成程、アニロワを始めとしたメジャー処だけではなく、ヒップホップロワといったマイナー処でも書いていた感電の把握の広さと適応力の賜物だろう。
数多くのロワで書き手をやっていたからこそ、あれだけ多くの異なる原作由来の力を操れるのだ。

「ですが、それもそう長くは続かないでしょう。それこそゲームのスパロボなら無双はできます。
 しかし、ここはパロロワの世界です。……襲い来る疲労と、数の前には敵いません」

一発数十っ体単位でロボを倒し続けているというのに既にその数は開戦当初の十倍以上に増えている。
自己再生・自己増殖により瞬きする間にロボの数は元通りどころか、ますます増え続けて行く。
きりがないとは、このことだ。

また、重要施設であるゲートに近づけばその分迎撃も激しくなるのは道理だ。

果たして、大雷鳳の左腕が吹き飛び宙を舞った。

4167I,wish:2008/08/30(土) 06:02:35 ID:rNs6tf9k0




「っちいいいい!!」

DG細胞。
知識としては知っていたが、実際に敵対してみて初めてその脅威を実感する。
ところかまわず増殖するデスラピュタロボを破壊し続けてはいるが、そのペースは落ちる一方なのだ。

自己進化による耐電性の獲得。

当初は一撃で百もの敵を葬れていたのに、開戦数分で五十体、十数分経った今では十から二十が限度だ。
このまま戦い続ければ完全に無効化されるのも時間の問題だろう。

「プロトン、サンダアアアアアアアアア!!」

大雷鳳の胸部装甲が展開し、巨大な砲身が姿を現す。
雷のオムザックが最強兵器にして、かのゼオライマーのメイオウ攻撃にも匹敵するとされる原子破砕砲。
そこから放たれる光が再度、人形どもを蹂躙する。

なんとかこのように雷と関係しつつ、その実態は放電現象では無い武器や技で凌いではいる。
けれども、彼の力の本質はどこまで行っても電気なのだ。
戦況は刻一刻と厳しいものとなっていく。

進めてはいるのだ。
一歩ずつ、確かにゴールへと近づけてはいる。

けど、俺は間に合っているのだろうか?
もう何度目になるのかわからない問いが脳裏を掠める。

「邪魔を、するなあああああああああああああああ!!」

『あっち』の書き手や読み手達へのフィードバック。
やろうと思えばwiki管理人はいつでもそのトリガーを引けるのだ。
終盤まで奴がそれをしなかったのは、単にロワがある程度進展する前に行ったところで、大した経験にならないと踏んだからに過ぎない。
そして、それっぽちの経験でやられるほどには人間の脳の演算能力は低くは無い。
しかし、現段階までロワが進んだとなれば話は別だ。
経験値は十二分に溜まっており、エンディングを迎えていないとはいえ書き手や読み手の進化を促すに足るものである。
そう、未完の道を進んだとはいえ、多くの書き手達を育て、生み出すことになったかってのラノロワのように。

――wiki管理人が痺れを切らして、既にフィードバックを始めているのでは?

だからこそ、そんな最悪の事態が起きていてもおかしくない。

「一気に、決める!!」

巨大ロボが暴れまわるのにも十分な広さを誇っていた通路はいつの間にかデスラピュタロボに埋め尽くされ、
大雷鳳はその機動力を存分に発揮できない状況に追い込まれている。
その苦境を打開しようと、何度目かの跳躍を慣行。
ラピュタの内壁ごと貫き、道なき道をダイダルゲート目指して切り開こうとする。

4168I,wish:2008/08/30(土) 06:03:02 ID:rNs6tf9k0

だが、焦った心は、敵はデスラピュタロボだけでは無いことを忘れていた。

大雷鳳の飛翔を邪魔しようとデビルラピュタガンダム自体が体内の至る所の障壁を下ろす。
自らの判断ミスに気がついた時にはもう遅い。
トップスピードに乗りきる前だった大雷鳳はオーラを霧散させ、叩き落とされる。

「っしま!?」

咄嗟に発生させた雷雲による障壁をすんなりと抜けた触手が左腕に絡みつく。
漫画ロワの主催本拠地を守る強固な防護機能も、ゴムゴムの実の特性を得るにまで進化したデスラピュタロボの大軍に無意味。
ゴロゴロの実の力でエネルギー体になって抜け出そうとするも、同様に阻まれる。
ようやっと捕まえた獲物に向けて奴らの双眼が光る。

「ラシルドォォォォォオ!!」

まずいと踏むや否や出現させた盾が間に合い、コクピットへの直撃コースだった光線は跳ね返すのに成功する。
それでも他の個所への光線の直撃により、大ダメージを負ってしまった。
スーパーロボットだったことが幸いし、致命傷とまでは行かなかったが、奴らのターンは終わらない。
 
 ぐぎぎぎ、ぐぎぎぎ。

奇妙な唸り声を上げ、我も続けとばかりに更なる触手が大雷鳳に向かって伸ばされる。
残る右手と両足で振り払おうとするも、ゴムと化した魔手は伸びるばかりでちぎれない。
そうこうするうちに、胴体にも触手が巻きつき、左腕を捕まえたロボ達とは逆の方向へと引っ張り出す。
びきびきめりめりと。

絶え間ない激痛が右肩を襲う。
己が力を十全に発揮する為に選択したDMシステムが裏目に出たのだ。
人機一体の状態にある彼は大雷鳳が受けたダメージもそっくりそのままフィードバックされてしまうのだ。
機体の装甲があげる悲鳴を代行しろとばかりに洩れそうになる呻き声を押し留める。
やるべきことは泣き叫ぶことではない。
一刻も早く目的地に辿り着く、ただそれのみ。

例え、そう、機体の左腕が持って行かれたのだとしても。

「っがあああああああああああああ!!」

断裂した神経が空気に晒され、行き場を無くしたパルスが霧散する。
わかってる。
俺の本物の腕は繋がったままで、精々神経系がおじゃんになった程度だってことは。

けど、痛いものは痛いのだ。

4169I,wish:2008/08/30(土) 06:03:44 ID:rNs6tf9k0
「あぐ、やめ、やめろ、ぎゃあああああああああああ!!」

左腕だけで許しはしないとばかりに浴びせられる触手の洗礼。
その数はマーズ・ジケルドンで弾けるようなものでは無かった。
大雷鳳の巨体が触手の海に沈みだす。
溺れる人間が足掻くように、手を天へと伸ばすも、掴んでくれる誰かは居ない。

――当然だ。俺は今までいくつも伸ばされ来た腕を払い落す側だったのだから。

守るために殺す。
パロロワではよくある話だ。
その行為が真の愛から出たものにしろ、自己満足によるものだったにせよ、殺人は悪だ。

俺がそうであったように、あいつらにだって護りたい者はあった。

誤解やポカミスしてばっかりだったけど、最初から最後まで誰かを救おうとし続けた永遠のうっかり侍。
俺はあいつを騙し打ち同然の卑怯な手で殺した。

過疎に苦しみつつも、頑張り続け、書き手ロワにおいて新たな世界に目覚めたピザの1号こと◆wKs3a28q6Q。
何も残せないズガンで殺したのは、俺だ。

場を引っかき回して誰も彼もを振り回し続け、でも、その芯に強いものを持っていた女傑、底上中の残月。
コンセントに引きずり込み、惨殺したのも俺だ。

素晴らしきフラグビルド。俺と同じく、偽物から本物を見出した少女。愛を知り、幸せになれるはずだった少女。
そんな彼女の愛を自己満足と決めつけ、嘲笑った。

とぼけているようでいて、参加者の誰よりもこのロワの本質を理解していたのかも知れない男、フリクリ署長。
そして、俺の勝手で手駒として生み出され、ただロワに翻弄されるしかなかった焦ったドラえもん。
彼らが得たかも知れない明るい未来も、俺が、奪った。

みんな、みんな、俺が殺した。
誰かを守るということは、誰かを守らないと選ぶこと。

だったら、これは当然の報いじゃないか?

おもちゃ扱いに引き千切られていく大雷鳳の右腕、右足、左足。
痛い。苦しい。耐えられるはずがない。
リンクして伝わるダメージに意識が朦朧としだす。

ああ、こんな状態をなんていうんだっけ? そうだ、達磨だ。

っはっはっは、大量殺人犯にゃあお似合いの姿じゃねえか。
いや、大雷鳳とは違い、俺の四肢は繋がってはいるんだ。
だらんと垂れ下がってばっかでぴくりとも動きはしない様はむしろ人形劇の操り人形か。

ロワを成り立たせる上で便利な、強マーダー。

所詮俺も、この殺し合いの世界で踊らされただけだってか?

どれだけロワが人殺しが許容される世界であっても、恨みを買わない悪人なんていない。
俺が殺した奴らが囁いてくる。
死ね、と。お前も死んでしまえと。いい気味だと。

「ううああ、いいがああああああああ!!」

メキリメキリ。
胸に爪を立てられ掻き毟られるかの痛みに、妄想の世界から意識が現実に押し戻される。
胸部装甲を引き剥がし、コクピットにまで触手が押し入ろうとしているのだ。
そうなってしまえば、間違いなく俺は殺される。

いいじゃないか、それで。

結局独りよがりの願いなんて叶うはずも無いのだ。
どうせ歩く為の、進む為の足が動かないんじゃ何もできない。
腕がこんなんじゃ、何も掴めやしない。

4170I,wish:2008/08/30(土) 06:04:45 ID:rNs6tf9k0
「っぐううああああ、それが、どうしたあああ!!」

弱気になる心を叱咤する。
腕が駄目なら、歯で噛んで掴めばいい。
足が役に立たないなら、転がるなりすればいい。
俺が殺した奴らは、死んでいった奴らは。
もう痛みを感じることすら叶わないんだ。

まだ生きてる幸運に感謝しろ。
払ってきた代価を、踏み躙ってきた命と想いを忘れるな。
諦めて、くたばって、楽になろうなんて思うな!

ださく、かっこ悪く、無様に生き続けて、願いを叶えろ、感電!!
俺にはまだ、命があるのだから!!

「来たれ、我が子よ!!」

光が溢れ、湖面を描く波紋のように拡がる。
白く輝く光の中、二対の翼を悠然と揺らし、舞い降りるは巨大な天使。
鈍く輝く黄金色、大雷鳳に負けない、いや、それ以上のサイズ。
ゲーム版舞HIMEに登場するオリジナルオーファン、サンダルフォン。
異世界の歌い手が、その御手を両手両足がもがれた大雷鳳に伸ばし、俺を掬いあげ口を開く。

「AAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!」

壮麗なる天使の歌声が通路に響く。
人にも、人工知能にも、その意を推し量ることはできない。
ただ、歌と共に放たれた衝撃波がロボ達を吹き飛ばしたという結果だけが事実として刻まれる。
その隙にサンダルフォンが飛び上がり翼を広げると、黄金色の羽が無数に散らばった。
体勢を立て直し、翼を広げ、襲いかかろうとしていたロボの体躯に次々と突き刺さり、爆発する。
出鼻を挫かれ、ロボは片端から撃墜されていく。
すぐさま再生しようと蠢く破片に、すかさず追撃の閃光を放つ。
電撃、ではない。
冷気だ。
再生の阻害ばかりか、まだ無事なデスラピュタロボの羽も氷漬ける。

「……いいぞ」

雷をメインに置きながらも、風や冷気も操れるのはこの局面では非常にありがたい。
オーファンであるが故に、倒されたところで、大切な人達が死ぬこともない。
うまく飛べなくなったロボ達を地に残し、天使は壁を破りながらも進む。
デスラピュタロボ軍団を一時的にでもやり過ごせたことが功を奏し、ダイダルゲートまでは後僅かの道のりだ。
ラピュタ本体もDG細胞により得た可変性で、慌てて通路を変形させ塞ぎにかかるも、

「三重電光石火あああああああああああああ!!」

なけなしの力でアニロワ1stと動物ロワの要素をフリンジ。
ドラえもんとペルソナ3とポケットモンスターの三作品に於ける電光石火の力をサンダルフォンに付加する。
長期持続、全体攻撃、絶対先制。
3つの特性を得たサンダルフォンは閉じきるよりも早く通路を通過することに成功する!

いける!!

ゲートはもう目と鼻の先だ。
大雷鳳を召喚した上での最強ランクの技の多用。
心身共に摩耗した状態でのサンダルフォンの発現と三重合成。
俺の体力・魔力は後一撃分しか残っていない。
そして目の前にはここ数十分で見飽きた大小二つの眼を光らせる人形共。
あいつらを抜けさえすれば、そこが、ゲートだ!
出し惜しみする必要は、無い!!

「フルパワーだ、サンダルフォン!!」

サンダルフォンの全身を炎が、俺の全身を雷が覆う。
ファイヤーバード・サンダーイーグル・ダブルアタック。
ミニリピーターロワにおいて、紛い物とはいえダグオンが登場したため、
『ロワ』にゆかりがあるという俺の能力使用条件をクリアし、使えるようになった火と雷の両属性を持つ必殺技。

「トライダグオン!!」

黄色い強化服ダグテクターが装着される。
その上で、鳥型のサンダーイーグルへ変形する。
ずたぼろな手足にお構いなしの変形な為、死ぬほど痛いが仕方が無い。
この技の利点は突撃技であること、つまり、手足を使わないで済むということだ。
故に最後の一撃として選んだのだ。

4171I,wish:2008/08/30(土) 06:05:10 ID:rNs6tf9k0

「ファイヤーバード・サンダーイーグル・ダブルアタック!!」

炎と雷を纏った鳳が天空の城を飛ぶ。
食い止めようと立ち塞がるラピュタロボも、合体技お約束の高威力の前には炎に飛び込む蛾に過ぎない。
二匹の巨鳥を減速させることすらできず、瞬く間に破壊されていく。

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

最後のロボが落ちる。
もはや俺を邪魔するのは、薄っぺらな壁が一枚だけだ。

貫く!! 壁と、その先にある全ての元凶を!!

頭十個分は巨大なサンダルフォンが転じた鳳凰の方が先に到達するのは目に見えて明らかだ。
炎の力を初め本来使えない力を無理やり行使させた天使の身体もまた、俺に負けず劣らずボロボロだった。

無茶させちまってすまねえ。ありがとな。

所詮はチャイルドでは無い偽物。
意思が無いのは知ってるけど、礼を言わないではいられなかった。

これで、叶うのだ。

俺の願いは。

不死鳥の嘴が壁に突き刺さる。

そして――

光の輪が、壁とサンダルフォンを真っ二つに切り裂いた。



「え―――」



それは、ダイダルゲートの安置された部屋の奥、暗闇からやってきた。
赤い双眸だけが、闇の中浮かび上がっていた。
サンダルフォンを切り裂いた光輪が、その中に返っていく。

「ゼスト……!?」

信じられない。
wiki管理人は俺のことなんて相手にしていないのではなかったのか。
勝手な決め付けで、本当は俺を待ち構えていたというのか。
いや、確かについさっきまでゲート以外の反応はあの部屋からはしなかったはず!!

通路へと出てきたそれに目を見張る。格納庫の電灯に照らされたその姿は―――


―――ウルトラマン。


赤の代わりにドス黒く、捻じれた紋様を体に刻まれた最初のウルトラマンだった。
試作型のゼスト。
実験段階で、DG細胞に代わるものとして研究されたカオスヘッダーで作られた、できそこないのゼスト。
数多の打ち捨てられたユーゼスの妄執だけが容となったもの。
ウルトラマン Fighting Evolution REBIRTHというスパロボとは無縁のゲームのオリジナルキャラだったという理由で、
没ネタの海に沈むことを余儀なくされた存在。

ウルトラマンを超えるウルトラマン、カオスロイド。



試作型ゼスト    カオスロイド     登場

4172光の虚人――ひかりのきょじん:2008/08/30(土) 06:08:16 ID:8TLt63260



「貴方はがんばった。素直に称賛しましょう。ですが、ここまでです」

半分機械でできているサンダルフォンはチャイルドやオーファンとは違い、その最後も幻想的とは程遠いものだった。
爆発したのだ。
その爆風に煽られて、感電もまた地に落ちる。
読んでみたところ、彼のMPはもう0だ。
ライフも一桁あるかないか。

チェックメイト。

『デュワッ!』

カオスロイドU。
ミニサスペリアより回収した予約被りに定評のtu4氏が最後に習得した没ネタを統べる力。
元が同一存在とはいえ別人であるwiki管理人には使いこなせはしなかったが、最強の番人を呼び出すくらいは可能であったのだ。

「あのスパロボ最強と名高いフォルカでも一人では勝てなかった闇の巨神。勝てるはずがありません」

奇跡でも、起きない限りは。

「……ふん、ばかばかしい。私まで読み手様に侵されてしまったというのですか?」

ただ、このまま終わってしまってはつまらないと、そう思ってしまっただけだ。

「私は、読み手です」

結果が分かり切った戦いでも、読むことを放棄するつもりはない。
自分は読み手だ、どんな話でも最後まで読み明かすまで。

4173光の虚人――ひかりのきょじん:2008/08/30(土) 06:08:48 ID:8TLt63260




「ざ、ケル!! デ、イン!! でんき、ショック!!」

呪文をどれだけ唱えても、初級すら発動してくれない。
魔力は完全に底をついた。
wiki管理人に怪しまれることを避けて、支給品の類は一切ラピュタからは持ち出していない。
だから、最後の頼みの綱は、一つだけだ。


――ヴァルセーレの剣


ラピュタロボ同様、アニロワ2ndにおいてリュシータ・トエル・ウル・ラピュタの主力を担った剣。
自分を殺しにきたプー太氏が使っていた武器。

そんなアイテムに全てを託さなければならない数奇な巡り合わせに苦笑する。

余裕の表れか、それとも自身の攻撃や行動でゲートを壊しては元も子もないからか。
カオスロイドは走ることなく、ゆっくりと俺に向かって歩を進める。
おかげで何とか口だけでデイパックから剣の柄を咥えて引き摺り出すことができた。

大丈夫だ。

魔力の無い筈のシータでも一回限定だが発動できたのだ。
魔力切れした自分にも使えるはずだ。

「――ヴァルセレ・オズ・マール・ソルドン」

カタカタと手に握る剣が震え、次の瞬間にその刀身のぼやけるようにダブる。
否、刀身がダブったのではなく、刀身と重なるように半透明の刃が出現したのだ。
そしてそれは留まる勢いを知らず、彼女の命令通りに千の刃となって放出――ゲートを狙う。

「届ええええええええええええええええええええええええ!!」

千の刃が空間を歪めゲートを覆うかのように出現し、殺到する。
直後。

信じられないものを見た。
カオスロイドだ。
カオスロイドがその巨体には似合わない速さで、残像だけを残し、剣の渦に突っ込んだのだ。
拳のラッシュで剣の雨を打ち落としにかかるカオスロイド。
さらに紫の輪が帯のように体からにじみ出る。
剣に光がぶつかると、それは拘束具へと変貌。
刃や柄をつたって他の何十もの剣を一括りに拘束する。
カオス・キャッチリングでバラバラに降り注いでいた剣を数グループに纏めたカオスロイドは後ろに手をゆっくりと引く。
その腕が、光の粒子にほどけていく。そして、先ほどサンダルフォンを引き裂いた輪へ。
腕全体を一般の刃へと変換するカオス・ウルトラスラッシュ。
それはオリジナルの八つ裂き光輪や、3人目のウルトラスラッシュのように手のひらサイズではない。
断頭台のギロチンのように巨大なそれが再び放たれ、上空の剣の束を迎撃。
一つ目の束を壊せば二つ目へ、二つ目の束を壊せば三つ目へ、三つ目の束を壊せば四つ目へ……。


こうして、千の刃は、一本も届くことなく、全て、砕け散った。

4174光の虚人――ひかりのきょじん:2008/08/30(土) 06:09:29 ID:8TLt63260
「ジュワッ!」

奴の声が勝ち誇っているように聞こえて耳に障る。
あれもまた心なき存在だとは知っている。
それでも、憤らずにはいられなかった。

ちっくしょお、こんなの、ありかよ……。
ゲートは、すぐそこなのだ。
目に見える位置にあるのだ。
目算で、十メートル。

その十メートルがやけに遠い。
奴になら一秒もかからずに埋められる距離だというのに!

ご丁寧にカオスロイドは両腕を発光させ、止めの一撃を撃つ気が満々だってことが嫌でもわかる。
円を描きカオスロイドの腕が十字に組まれる。
使えば、エネルギー消費で自分の存在が危なくなるとか、そんなことは考えもせずに。
ヴァルセレ・オズ・マール・ソルドンを使ったことで、俺に対する警戒レベルが上がったのかもしれない。

そんなもんがあったら、とっくに使ってるさ。

形だけを真似られたカラータイマーから、両腕に力が流れていく。
黒い神の、究極の力………カオス・スペシウム光線。
交差した腕が、前へと突き出される。
漏れ出す力が、コントロールを失い暴れるが、それが強引にまとめあげられていく。

今度こそ万策は尽きた。

あるべきでない力を、暴れる力を一つにすることで、強烈な不協和音が、カオスロイドのいた場所から放たれる。
視界を染め上げる黒い極光。
光を拒否する神に相応しい絶望をもたらす闇。

なのに

「真理の雷!!」

俺は

「ボルテッカアアア!!」

なんで

「ミナ・デイイイイイイイン!!」

出ないと

「シン・ベルワン・バオウ・ザケルガアアア !!」

わかっていても

「天光満つる所に我はあり」

唱え続けちまうんだろなあ!!

「黄泉の門ひらく所に汝あり」

んなの決まってる。

「出でよ 神の雷」

諦めきれないからだ。

「インディグネイション!!」

諦めちまうにはもったいなすぎるからだ!!
無明の闇はもう目の前で。
怖くて怖くてガタガタ身体は震えちまっているのに。
口は一向に閉じる気配を見せずに力ある言葉を放ち続ける。

誰かの声が、誰かの顔が浮かんでは消えて行く。

そうだ。
俺は、
俺は、あいつらを!!
護るんだあああああああああああああああああああああああああ!!

4175光の虚人――ひかりのきょじん:2008/08/30(土) 06:10:30 ID:8TLt63260

『……get set』


声が、した。

「……あ?」

俺しかいない筈の世界で、たった今闇に呑みこまれようとしている世界で。
そこだけは、光ってた。
違う。
場所じゃない。
宝石だ。
三角形に近い、黄金色の宝石が己が存在を知らせるように点滅していた。

「バルディ……シュ?」
『Yes, sir.』

元はジョーカーである◆6/WWxs9O1sに支給されたカオスバビロンが財宝の一つ。
閃光の戦斧、バルディッシュ。
登場話で666の手によってリストブレイカーと融合したそれが、確かにそこにあった。
一発の、カートリッジをその身に残したアニロワ1st出典のバルディッシュが。
手を伸ばし、掴もうとして、腕が動かないのを思い出す。
と、宝石が姿を変え、斧となる。
俺の身体状況がわかっているみたいで、口付近に柄を投げ出す形になった。
その心遣いに心の中で礼を言い、口で咥える。

カートリッジはたったの一発。
どれだけ強力な魔力が込められていても、それだけでこの闇をゲートごと吹き飛ばす魔法は撃てない。
だったら、借りればいい。

目を閉じて精神を集中、前面に魔法陣を投射。
同時に、周囲から光が集い出す。

『9……8……7……』

そう、アニロワ1stにおいてバルディッシュは本来の主であるフェイトが使う前に、
彼女の親友にしてライバルであるなのはに運用され『あの魔法』を使用したのだ。

スターライトブレイカー。

威力だけならばあらゆる魔法を凌駕する、高町なのはの切り札!
術者がそれまでに使用した魔力に加えて、周囲の魔導師が使用した魔力をもある程度集積することで得た強大な魔力を、一気に放出する攻撃魔法。
これなら、元の魔力がカートリッジ一発分でも、なんら問題は無い。

『6……5……4……』

だがその声を遮るかのように、魔力収束が完了するよりも僅かに速くカオス・スペシウム光線が着弾する。
地に這いつくばっている俺に、それを回避するのは不可能。
チャージに全力を注いでいたバルディッシュも障壁を張ることができなかった。

身体が原子レベルにまで分解されていく。
全ては、一瞬のできごとで。
痛いとか、苦しいとか、感じる間も無かった。


『Don't worry』


ただ。
終わる世界で。
バルディッシュのそんな声だけが聞こえて。

「そっか。安心した」

俺は――光になった

4176光の虚人――ひかりのきょじん:2008/08/30(土) 06:10:56 ID:8TLt63260



K.K.は、呆然としていた。
なんなのですか、この展開は?
奮戦空しく感電は敗れ、カオススペシウム光線の闇の中で溶けて死にました。
それはいい。
そこまではいいのです。
では、何故戦いが感電が死んだ後も続いているのですか!?
今バルディッシュを手に取り、カオスロイドUに立ち向かっている人影は何なのですか!?
カオスロイドと相反する光の巨人を思わせる、あの光る人型は!!

わからない、わからない、わからない!

あまりのパニックに空気を読み禁じていた『あらゆる事象を読む力』を躊躇なく使用するも、
導き出された解答が彼女を更に困惑させるものだった。

『光る人型の正体は感電ことR-0109、及び焦ったドラえもんとは別個体だが、
 紛れもなく感電と呼ばれた書き手がSSに残した思念が寄り集まって生まれた存在である。
 他の書き手とは違い、参加ロワに選ばれたロワ、またはその後継以外の非常に多くのロワにおいて書き手であった。
 その彼の選外ロワ作品の残留思念が、ミナデイン、シン・ベルワン・バオウ・ザケルガといった仲間の力を借りる呪文に応え、
 ダイダルゲートを通じて感電の基に集まったのだと思われる。
 ただ、外枠になる身体を与えられ無かったのにも関わらず、固体として一つの形を取るに至った理由は不明』

不明。
あらゆる事象を読めるはずの彼女にあってはならない言葉だ。
だが、何度試しても結果は変わらない。

不明、回答不可、読解できません。

「そんな! そんな馬鹿な!! 私には、あらゆる事象が読めるはず!! なのに、何故わからない!?」

4177光の虚人――ひかりのきょじん:2008/08/30(土) 06:12:34 ID:8TLt63260



罅割れたバルディッシュは仰ぎ見る。
自らを振るうその人物を。
DG細胞の力でエネルギーを補給されたカオスロイドと対峙するその人物を。
いや、それを人と定義してもいいのだろうか?
確かにその輪郭は人間の物に近い。
サイズもだ。
しかし、人と呼ぶにはあまりにも他が違っていた。
まずは顔だ。
つるつるなのだ。
のっぺらぼうと言えば分りやすいかもしれない。
目も、鼻も、髪も、耳も、口も無いのだ。
髪と言えば、髪どころか全身に一切の毛が見当たらない。
代わりに全身が発光していた。

そう、光、だ。

人の型を取り、そこに光を詰め込めばこんな感じになるのかも知れない。

そんな怪人物の手に収まりながら、バルディッシュの心は落ち着いていた。
伝わってくるからだ。
握る掌を通して、強く、優しく、温かい思いが。

――護りたい

それは彼の束の間のマスターであった男が抱いていたのと同じ願い。
バルディッシュは思い出す。
あの時、黒い光線がマスターを消滅させた時。
彼が目指していたゲートから幾つもの光が溢れだして来たのだ。
その光からは感電と名乗っていたマスターと同じ魔力の波長を感じて。
不思議とバルディッシュは光の正体を理解した。
他の全てが分からない中、そのことだけは理解できた。

だから、消え逝く感電に告げたのだ。

心配はいらない、と。

安心した、そう言ってマスターもまた光に溶けた。

『3……2……1……』

今にも機能停止しそうな自身を奮い立たせカウントを続ける。
きっと、この人型なら、そうすることを望んでいると信じて。

4178光の虚人――ひかりのきょじん:2008/08/30(土) 06:13:28 ID:8TLt63260



その人型に恐れは無かった。
その人型に迷いは無かった。
その人型には幾つもの記憶があった。
その人型が叶えたい願いはたった一つだった。

俺は――護る

彼を。彼女を。あの人を。

この世界で培ったのではない、『あっち』の世界に由来する思いだからこそ、感電のSSにはその思い出が何らかの形で根付いていた。
一つ一つは微々たるものだ。
ラジオに込められた思念産の感電には到底及ぶものではない。
現に焦ったドラえもんは彼らのことを遂に思い出すことが無かった。

けれども。

塵も積もれば山となる。
感電が掲げた友情の炎は、感電と呼ばれた書き手がロワに刻んだ思念を引きつけるだけのものだった。
アケロワから。書き手1から。FFDQ3rdから。サガロワから。文房具ロワから。ヒップホップロワから。etc。
SS、感想問わず、彼が古今東西ロワに残した全ての想いが集ったのだ。
友を守る、その一心で。
願うことが同じだったからこそ、それらは一つになり形を得た。
そして、それらは、その願いを叶える為に、ゲートへと黒き杖を向け、唱える。



「スターライト・バオウ・ミナデイイイイイイイイン!!」

4179光の虚人――ひかりのきょじん:2008/08/30(土) 06:13:53 ID:8TLt63260




「はは、ははははは、あはははははははは!!」

読み手は笑っていた。
狂ったように笑っていた。

光の人型の身体が解け、桜色の雷を帯びた龍となり、ゲートを庇ったカオスロイドを喰らった。
『聖』属性として時に扱われるデインの前にはゴムの身体も用をなさず、
苦し紛れで撃ったカオス・スペシウム光線ごと噛み砕かれた。

そこで、終わりだった。

イレギュラーを許容しないはどこの世界も一緒だ。
巨龍の顎はゲートを捉えることなく、消滅した。

「はははははははははははは!! そうですよ、私に分らないことが、看過されて良いわけが無い。
 読み手に理解されないSSは、NGなんですよ!!」

自らに分らないものがあるという事実から逃げるように、K.K.は笑い続ける。

彼女は気づいていない。

自分が口にしているのが、読み手様の理屈と大差無いということを。

彼女は気づいていない。

龍の牙は届かなかったが、閃光の戦斧は届いていたということに。

彼女は気づいていない。

『事象』に含まれない想いや願いといった心を読めないということに。

「もう読む必要もない!! 全てが終わったのですから!! 感電の物語は、全て!!」

諦めを選んだ少女は立ち向かわずに逃げ続ける。
その行く末は、誰にも、わからない。





【R−109(感電)@画鋲ラジオ 死亡】

4180光の虚人――ひかりのきょじん:2008/08/30(土) 06:14:22 ID:8TLt63260





【2日目 深夜】【亜空間内】
【読み手(K.K.)@書き手ロワ2nd】
【状態】:健康、錯乱、動揺
【装備】:核鉄『シークレットトレイル』@武装錬金、IMIデザートイーグル(8/10+1)@ギャルゲロワ1st
【道具】:IMIデザートイーグルの予備マガジン×5、ボタン、???
【思考】:
 基本:wiki管理人に協力する。自分の力に若干の不審。
 1:最後までロワの表の主催者としてロワの結末を見届ける。
 2:自分の考察を信じて、wiki管理人との取引を履行する?
 3:ボタンを使うか使わざるか。



※あらゆる事象を読む事ができます(でも空気を読んでその時に応じて読んだり読まなかったりします)
 事象外である思考・想いといった心に関することは読めません。
※ボタンを押すとフィードバックが始まります(あまり気乗りしない)
※自分の存在意義を揺さぶられる(と思い込んでる)事態に直面したため、冷静さを欠いています
 また分らないことがあったら嫌なので、能力の使用頻度が更に下がっています



【備考】
※ダイダルゲートにバルディッシュ・アサルト(待機モード、機能停止)が突き刺さって(むしろ埋め込まれて)います
 かなり近くまで近づかなければ気づかないでしょう。
 影響はお任せします。
※ダイダルゲート守備軍:デスラピュタロボ×∞
※カオスロイドは没パワーで呼び出したため、一回きりの使用であり、再召喚はできません。破壊済み。

4181光の虚人――ひかりのきょじん:2008/08/30(土) 06:17:46 ID:8TLt63260
ぱちり。

ダイダルゲートに一瞬だけ紫電が奔る。

――俺の番は終わりだ。続きは頼むぜ、対主催さん。

まるで、そう言い残すかのように。

4182今日の私は阿修羅すら凌駕する名無しだ!:2008/08/30(土) 12:37:15 ID:snmhdDio0
投下乙です。
感電無双、とくと楽しませてもらいました。
感電、君の死はきっと無駄にはならないはずだ!
GJ!

4183今日の私は阿修羅すら凌駕する名無しだ!:2008/08/30(土) 20:14:23 ID:4BtldPy.0
投下乙です。
感電よ、死してもなお意志だけで立ち向かうとはw漢だぜ。
そして狂いかけた読み手が何かの拍子ににポチッとしないか心配だw

4184幻魔大戦:2008/09/05(金) 21:29:59 ID:Pyd.cjGc0
投下いきます


「じゃあ、私はこっち。お前はそっちな。」
「大丈夫なのか? もししくじったら……。」
「誰に向かってものを言っている。私はお前だぞ? 自分を信じなくてどうする。」
「そうだったな。すっかり忘れてたけど。」
「たぶん、管理人が意図的に記憶を消していたんだろう。それだけ我々が恐れられていたということだ。」
「どうだかな……。単なるミスだったりして。」
「無駄口はその辺にしておけ。急ぐぞ。」
「はーいはい。」


◇ ◇ ◇


かに玉内部、HIMMELエリア。
数十分前に蟹座氏とツキノンが通過していった通路を、今度は爆弾達が駆ける。

「みんな、そろそろドSのいるところに着くよ!」
「みたいね。戦闘音がここまで聞こえてきてる! 戦ってるのは誰?」
「うーん、それが……。私のデータにない人なんだよねえ……。誰なんだろ、これ。」
「はあ? データにないってどういうこと? ジョーカーだってあんたのデータには入ってるんでしょ?」
「んー………。ブッチギルンジャーのみんなみたいなイレギュラーって事かなあ。とりあえず、行ってみればわかるよ。」

移動速度を速め、一行は通路を突き進む。やがて、彼女たちは開けた空間にたどり着いた。

「え? 何あれ……。」

そこで一同が見たもの。それは謎の少女と戦う、巨大化したDSRXであった。

「ちょっと待って、なんで巨大化してんのよあいつ。
 というか、あいつギガゾンビ城でしか存在できなかったんじゃなかったの? ねえ、どうなってんのよ……。」
「落ち着くんだ、クーちゃん。素数を数えて……。」
「数えとる場合かー!」

ロリスキーのツッコミパンチで吹き飛ぶ爆弾。もちろんギャグでやっていることであり、ダメージは皆無である。
そうこうしているうちに、少女が爆弾達に気づく。

「地図氏、皆さん! 来てくれましたか!」
「えーと、どちら様ですか?」
「ああ、そうか。あなた達は私のことを知らないんでしたね。
 私、ギャルゲロワのツキノンと申します。参加者ではありませんが、故あって皆さんを助けるために参上しました!」
「ああ、これはどうも。私、漫画ロワのクールなロリスキーと……って、自己紹介してる場合じゃないぃぃぃ!!」

律儀にツキノンに対して名乗り返すロリスキーだが、降り注ぐ弾丸がそれを中断させる。

「おやおや皆さん、お早いお着きですね。歓迎しますよ。」
「銃弾の歓迎なんか要らないわよ! というか、それ以前になんで平然としてられるわけ? ギガゾンビ城エリアでしか存在できないってのは嘘だったの?」
「いえ、嘘ではありませんよ。まあ訳については、そこにいるツキノンが知っていますので彼女に訊いてください。」

ロリスキーの詰問にそう答えながら、ドSは持ち主と同様に巨大化したリボルケインを振るう。

「こんな状況で訊いてられるかぁぁぁぁぁ!!」

雄叫びと共に、ロリスキーは攻撃を回避すべく走る。
彼女の身長よりも長い剣は、数秒前まで彼女たちがいた空間を蹂躙していった。

「ああもう、ただでさえ強いのに、なんで巨大化してんのよ!」
「実は、シャドームーンには巨大化能力があるんです!」
「何それ、聞いてないぃぃぃぃぃぃ!!」
「クーちゃん、あんまり叫んでばっかりいると喉が枯れちゃうよ?」
「そんなこと気にしてる場合かぁぁぁぁぁ!!」

爆弾の気遣い(?)もむなしく、ロリスキーはなおも声を張り上げる。

「とにかく、理由はどうであれあいつはピンピンしてて、しかも巨大化してると!
 どうするのよ、これ!」
「んー、こっちも巨大化するかね。」
「巨大化? ああ、ひょっとしてあれ?」
「そう、あれ。んじゃ、行くよー。変身!」

かけ声と共に、爆弾は仮面ライダーっぽい変身ポーズをとる。
なおあくまで「っぽい」だけなので、特に誰の変身ポーズというわけではない。ついでに意味もない。
ともかく、爆弾はその姿を大きく変える。泉こなたから巨大ロボ、キングゲイナーへと。

4185幻魔大戦:2008/09/05(金) 21:30:40 ID:Pyd.cjGc0
「何かと思えば、またそれですか。先程、私に完膚無きまでにやられたのを忘れましたか?」
「ちっちっちっ、あの時の私とは違うのだよ、ザクとグフほどにもね! それに……今の私には心強い仲間たちがいるのを忘れたのかな?」

ドSの挑発にも動じず、余裕を感じさせる声で爆弾は言う。その言葉と共に、彼女の背後から五つの人影が飛び出した。

『銀河の威光!』

チートキングのSの力に引きずられ、ブッチギルンジャーがSで始まる戦隊「星獣戦隊ギンガマン」の必殺技を発動させる。
光の塊となったブッチギルンジャーの五人は一つとなり、巨大ドSに激突した。

「ぬおっ!」

体重差をものともしない強烈な一撃に、吹き飛ぶドS。その隙を見逃さず、爆弾はチェーンガンの弾丸を叩き込む。

「容赦ないですね、あなた達……。繋ぎ師が死んだらどうする!」
「このぐらいで死ぬようなタマじゃないでしょ。」

平然と言い放ち、なおも弾丸を撃ち込み続ける爆弾。この光景だけ見ていると、どちらが悪役だかわかったもんじゃない。

「ふむ……。今のところ、ちぃちゃんたちが優勢ね。」

ロリスキーはツキノンと共に物陰から様子をうかがい、冷静に戦況を分析する。

「けど、あいつの言うとおり、繋ぎ師さんの体を解放しなければ本当の勝利とは言えないわよね……。
 一体どうすれば……。そうだ、ツキノンさんだったっけ?」
「は、はい! なんでしょう?」
「たしか、あいつがギガゾンビ城離れても存在できる理由を知ってるのよね? 教えてくれない?
 あいつを繋ぎ師さんから引き離すヒントになるかも知れない!」
「ああ、それですか。わかりました。」

ツキノンは、先程起こったことをありのままにロリスキーへと伝える。

「えーと、私はfateはあんまり知らないんだけど……。要するに、その聖杯の泥ってやつでドSは実体化してるわけね?」
「ええ、そういうことになるのです……。」
「やっかいなことになったわね……。けど、逆に考えればこれはチャンスかも知れない。」
「どういうことです?」
「今のあいつは、繋ぎ師さんの体以外に依り代が出来たって事でしょ?
 それなら、ドSの魂と繋ぎ師さんの肉体のつながりが弱まっているかも知れない。
 上手くやれば引きはがせるかも……。」
「なるほど、その発想はなかったのです。」
「といっても、具体的な策はないんですけどね……。」

ロリスキーは、気まずそうにポリポリと頭を掻いた。

「まあ、考えてるうちにやられちゃったら元も子もないしね。まずはぶちのめしておきますか!」
「え……? それでいいんですか?」
「いいのいいの。これでも私、熱血に定評のある漫画ロワ書き手の端くれだし。
 行き詰まったらバトルで解決よ! 繋ぎ師さんの強さなら、私ごときが全力でぶつかったところで死にはしないだろうしね。
 というわけで私も今行くよ、ちぃちゃん!」
「ちょ、ちょっと、ロリスキーさん!?」

呆然とするツキノンを置いて、ロリスキーはドSに向かって飛び出していく。

「そんな漫画ロワ書き手はみんな脳筋みたいな言い方をしたら、他の書き手さんたちに失礼だと思うのですが……。
 まあ、この際それは置いておきましょう。確かに、考えている間にやられるぐらいなら戦うべきですね!」

自らの武器であるGRトラペゾヘドロンを改めて握りしめ、ツキノンはロリスキーの後を追った。

4186幻魔大戦:2008/09/05(金) 21:31:35 ID:Pyd.cjGc0
◇ ◇ ◇


外で激闘が繰り広げられている頃、黒蟹座氏は大蟹杯の奥底、深い深い泥の中に沈んでいた。

(あはは……はは……。やっぱり私って、要らない子なんだ……。)

彼女の心は、どこまでも暗く、黒かった。ずっと求め続けた愛、それがようやく手に入ったというのに。

(私を愛してくれるのなんて、あんな外道だけなんだ……。私は悪の、汚いものの塊……。
 やっぱり私は、存在しない方がいいんだ……。あは、あはははははは……。)

彼女の魂は、どこまでも黒さを増していく。それに同調する聖杯の泥も、その量をどんどんと増していく。
彼女の周りにあるのは、ただ闇のみ。そこにいっさいの光もなく、また音もない。
だがその空間に、わずかな光と音をもたらす異物が飛び込んできた。

『いやっほぉぉぉおおおう、蟹座のONiぃ様、最高ーーーーーっ!!!!!』

(最高ボタンか……。なんでこんなところに落ちてきたのかわからないけど……不愉快だよ!)

最高ボタンが称え続けるのは、彼女の生みの親。彼女であって彼女でない存在。
それを聞かされ続けるのは、彼女にとって苦痛でしかない。
黒蟹座氏は耳障りな声を止めようと、最高ボタンに向かってけだるげに手を伸ばす。
だがその時突然、最高ボタンから光の球が飛び出した。

(えっ!?)

驚く黒蟹座氏の前で、光は形を変えていく。やがてそれは、一人の少女の姿となった。

「ふう、最高ボタンを媒体にして現世に戻ってくるってアイディアは、なんとか上手くいったか。
 まあ『最高ボタン』と『サイコドライバー』を引っかけるなんて、我ながら苦しすぎると思うがな。よく成功したもんだ。
 おまけに私の力はほとんど向こうに渡してしまったから、これといって使える能力もない……。
 まあ、泥の浸食を防ぐグラビティ・ウォールを張れているだけましか。」

黒蟹座氏を放置して、少女は長々と独り言を呟く。
さすがに無視するわけにもいかず、黒蟹座氏は彼女に話しかけた。

「あの……誰? 私の知ってる人じゃないよね?」
「ああ、名乗ってなかったか。私は闇その1。スパロワの書き手だ。」
「スパロワ……? そこに知り合いはいなかったと思うけど……。なんでこんなところに?」
「そう、私と蟹座氏には何の関係もない。だが、未来の私……正確には、私のオリジナルが君の同志となるんだ。ギャルゲロワ2ndでな。」
「あ……。」

蟹座氏が取り戻した2ndの記憶は、この黒蟹座氏も持っている。
確かにギャルゲロワ2ndは、他のロワから参入してくれた書き手が何人もいた。
彼女もその中の一人なのだろう。しかし、闇その1と呼ばれる書き手は記憶にない。

「もう一つの名前を出した方がいいか? 私の分身は、意外な影丸?だ。」
「影丸氏!? その名前ならわかるよ!」

蟹座氏の記憶に存在する名前を告げられ、わずかに表情をゆるめる黒蟹座氏。
だが、その顔はすぐに元の憂鬱なものに戻ってしまった。

「ふん、どうせあんたも私をいじめに来たんでしょ? 僕は要らない子なんだから、まともな人に愛してもらえるわけ……。」
「ああ、そうだな。今の君には、愛される価値などない。」
「なっ……!」

闇その1の口から飛び出した言葉に、黒蟹座氏は絶句する。
それもそうだろう。いくら自分で認めていたこととはいえ、他人から言われればそれはまた別の衝撃になる。

4187幻魔大戦:2008/09/05(金) 21:32:16 ID:Pyd.cjGc0
「あ……あんたに何がわかるのさ! 生まれた時から悪として定められ、まともな愛情なんて受けられないことを運命づけられた私の気持ちなんてわからないくせに!」
「ああ、わからないな。だが、逆に聞こう。君に私の気持ちがわかるのか?」
「え……。それは……。」
「わからないよな? 私と君は今会ったばっかりなんだから。初対面の相手の気持ちなんてわかるわけがないだろう、常識的に考えて。」
「う……。」
「いいか、そういうのを無茶振りというんだ。自分の不幸を嘆くのは結構。だが、その前に周りを見ろ。
 不幸なのは自分だけとでも思ったか?」
「う、うるさい! 周りに不幸な人がいたからって、私の不幸が薄くなる訳じゃない!
 それに、私みたいな特殊な立場の人間なんて他に……。」
「ああ、いないだろうな。だが、それがどうした。ここにいる人間は、みんな特殊な立場だ。」
「いや、だけど……。」
「だいたい、君は自分の境遇を嘆く以外に何かしたのか?」
「はい?」
「君が不幸な境遇に生まれたことは同情しよう。だが、君はそれをどうにかしようとしたのか?
 自分の境遇を変えようともせず、ただ愛してほしいと泣きわめいていただけじゃないのか?」
「そんなこと……ない……。」

いちおうの反論を口にする黒蟹座氏だが、その口調は弱々しい。
否定しきれない部分があることを、彼女自身も気づいているのだろう。

「努力を放棄して、ただ自分を認めてほしいと叫ぶだけ。それは虫がいい行動なんじゃないのか?」
「ふざけるなよ! こんな不幸を最初から背負わされて、努力も何もあるもんか!」
「甘い! 甘いぞ黒い蟹座氏! いいか、私の仲間にゲーム開始時点で瀕死の重傷を負っていた男がいた。
 だがやつは君のように自分の境遇にぐちぐち文句を言うだけじゃなかった。
 最後まで自分のやりたいことを貫き、そして死んでいったんだ! まあ、死んだ後に問題はあったが……。
 とにかく、黒い蟹座氏! 君はママっ子なんだ! 甘えを捨て切れていないんだよ!
 たとえスタート地点が最悪でも、努力すれば少しは状況がよくなるかも知れないだろう!
 それを努力もせずに落ち込んでいるだけ! それを甘えと言わずしてなんと言う!」
「うるさい……。うるさーーい!」

自分の心を抉る言葉を次々と浴びせられ、ついに黒蟹座氏は臨界点を超える。
握りしめられた小さな拳が、闇その1に向かって振るわれる。
だがそれは、あまりにあっけなく受け止められた。

「まあ、そうかんしゃくを起こすな。だから甘えてるなんて言われるんだ。」
「うるさい! うるさい! うるさい!」
「聞く耳持たないか……。なら、こちらも多少手荒くいかせてもらおう。」

あきれた表情を浮かべながら、闇その1は反撃の拳を振るう。
小さな拳は、無防備な黒蟹座氏のみぞおちに突き刺さった。

「ぐぅっ!」

低い声をあげて、黒蟹座氏の体が吹き飛ぶ。なんとか体勢を立て直す彼女だったが、そこにすかさず闇その1が蹴りを叩き込んだ。

「身体能力では、君の方が私より上だろう。ならば、なぜこうも一方的に私が攻撃できるのか。
 それは君の心が、これ以上なく乱れているからだ。今の君の精神状態では、子供にも勝てまい。」

よろける黒蟹座氏の頭をつかんで強引に体勢を立て直させ、その腹に膝蹴りを叩き込む。
非力な少女の、なんの変哲もない一撃。だが、黒蟹座氏には恐ろしく痛烈な一撃に感じられる。

「調子に乗るなあっ!!」

一方的に攻め続けられ、黒蟹座氏の苛立ちは加速度的に増していく。
その苛立ちを拳に乗せ、今一度闇その1に突き立てる。
今度はその拳は受け止められることなく、相手の顔面にめり込んだ。

「まあまあのパンチだが……。君のスペックはこんなものじゃないだろう。甘い、まだまだ甘い。」
「だから……何様なんだよ、あんたは!!」

絶叫と共に、黒蟹座氏は蹴りを繰り出す。しかし、闇その1もすかさず蹴りを放ってそれを相殺した。

「何様と聞かれたのなら、こう答えよう……。貴族様だ!!」

切れた唇からしたたる血を拭いながら、闇その1はにやりと笑った。

4188幻魔大戦:2008/09/05(金) 21:33:03 ID:Pyd.cjGc0
◇ ◇ ◇


一方、その頃のドS対チート連合。
こちらは、一時期追い込まれていたドSが再び勢いを取り戻してきていた。

「シャイニングライダーキック!」

ドSが放ったアギトの必殺技が、爆弾を捉える。ガードを固めてそれを受け止めた爆弾だが、その衝撃で大きく吹き飛ばされ壁に激突した。

「くっ……。よくもちぃちゃんを!」

宙に飛んだロリスキーが、ドSめがけて突っ込む。
それに対し、ドSはレーダーハンドからミサイルを発射して迎撃する。

「ええい、クロスファイアハリケーンスペシャル!」

無数の炎を一度に放ち、飛んでくるミサイルを打ち落としていくロリスキー。
だがその弾幕をすり抜け、一発のミサイルが彼女に迫る。

(しまった!)

回避は困難と判断し、ロリスキーはとっさに自分の頭部をかばう。
しかし、そのミサイルが彼女に命中することはなかった。

「はああ!!」

大きく跳び上がったツキノンが、GRトラペゾヘドロンでミサイルを切り裂く。
ミサイルは目標を捉えることなく、空中で爆発四散した。

「大丈夫でしたか、ロリスキーさん!」
「ええ、ダメージはないわ!」

ツキノンの小さな体をキャッチし、若干後退しながら床に降りるロリスキー。
彼女と入れ替わるように、今度はブッチギルンジャーがドSの前に躍り出る。

「RXキック!」
「ロボパンチ!」
「バイオアタック!」
「シャドーキック!」
「ドミニオン・ボール!」

怒濤の五連撃が、次々とドSにヒットする。たまらずよろけるドSだが、すぐさま体勢を立て直した。

「えーい! うるさいハエめ! シャイニングクラッシュ!」

手にした二本の剣を、超高速で振るうドS。その剣圧だけで、ブッチギルンジャーはまとめて吹き飛ばされる。

『うああああ!!』

若干の時間差を置いて、仮面ライダーたちの体が次々と床に叩きつけられた。

「みんな、大丈夫!?」
「ええ、なんとか……。むっ、危ない!」

駆け寄ってきたロリスキーの気遣いに返答するチートキング。
しかしその直後、近くにいたチートブラックめがけてドSの巨大リボルケインが振り下ろされる。
とっさに体制を立て直し受け止めようとするチートブラックだが、何せ質量が違いすぎる。
万事休すかと思われたその時、横合いから別の剣が割り込んできた。

「させないよ!」

声の主は、地球破壊爆弾。彼女の投影した風の剣が、リボルケインを受け止めていた。

「まったく……しぶといのにも程があるよ!」
「あなたが人のことを言えますか!」

つばぜり合いの格好となるが、その状況は長く続かない。
風の剣の超重量は、振り下ろす形なら有利に働くが今の打ち上げる形では不利に働く。
押し勝つのを諦めた爆弾は、チートブラックが退避したのを確認して剣を引く。

「くっ……。なんかさあ、そっち巨大化抜きにしてもだいぶパワー上がってない?」
「そのようですねえ……。これもディス・レヴのおかげのようです……。
 そして、私の魂がこの繋ぎ師の体になじんできている! これは大きいですよ!」

爆弾のぼやきに近い質問に、ドSは喜々として答える。
その返答を聞いたロリスキーは、眉間にしわを寄せた。

(むう、計算が狂ったわね……。繋ぎ師の体とドSの魂のつながりは弱まっていると思ったのに、かえって強くなってるなんて……。)

自分のもくろみが外れたことに、落胆を禁じ得ないロリスキー。
そんな彼女の様子には気づくことなく、ドSは爆弾に向かって言葉を続ける。

「どうやらここ……精神世界で戦っている、私の分身が頑張ってくれているようです。
 この調子なら、繋ぎ師の意志が完全に消滅するのも時間の問題です!」

自分の胸を指さし、ドSは仮面の下でにやりと笑った。

4189幻魔大戦:2008/09/05(金) 21:33:53 ID:Pyd.cjGc0
◇ ◇ ◇


ここは、繋ぎ師の精神世界。

「ぐう、まさか、我がここまで追いつめられるとは……。」

この空間の守護者たる存在であるはずのディーは、全身に深い傷を負って大地に伏していた。
その前には、狂気をはらんだ笑みを浮かべながら彼を見下ろすドS(真中面)がいる。

「手こずらせてくれたけど……ここまでのようね。」
「無念……。一時は我が完全に押していたというのに……。」
「所詮あなたは最速氏……ハクオロの分身。女子高生の私には勝てない宿命なのよ。」

悔しげなディーと、余裕綽々のドS。それを見ただけでも、どちらがこの戦いの勝者であるかは明らかだ。

「さて、とどめは派手にしてあげるわ。」

冷酷な笑みを保ちながら、ドSは右手のエアを構える。それと同時に、彼女の背後のフォーグラーもエネルギーをチャージし始めた。

「天地乖離す開闢の星(エヌマ・エリシュ)!!」

エアから放たれる破壊の波動と、フォーグラーの重力レンズ砲。それら二つが、同時にディーを襲う。

(ここまでか……。すまぬ、繋ぎ師。我は、お前を守ってやれなかった……。)

敗北を受け入れ、目を閉じるディー。だがその耳に、思いがけない言葉が届いた。

「諦めるのは、まだ早い。」
「何……?」

思いもよらぬ声に、再びディーは目を開ける。彼の前には、ドSとの間に立ちふさがる見覚えのない青年がいた。

「どけえぇぇぇぇ!」

声の限り、ディーは叫ぶ。青年が何者かは知らないが、あの攻撃を喰らってただで済むはずがない。
しかし、青年に動く気配はない。その代わり、彼はある言葉を呟いた。

「遠距離攻撃無効……。」

その直後、エヌマ・エリシュと重力レンズ砲が青年を直撃した。
すさまじい光がディーの目を覆い、すさまじい爆発音がディーの耳を蹂躙する。
それはあまりにわかりやすい、破壊の表現。その中心にいる者が、無事であるなどとうてい考えられない。
だが全てが収まった時、そこには無傷の青年が立っていた。

「残念だったな、地図氏。いや、マスク・ザ・ドS!」
「あんたは……意外な影丸!」

迷うことなく、ドSはその名を口にした。彼女の前にいる青年の顔は、紛れもなくキョンのもの。
そしてこのロワで、キョンの姿を持つ参加者はアニロワ九天大王・意外な影丸?しかいない。

「あなた、どうやって死者スレからこの世界に……。」
「なに、俺の分身である闇その1から、スパロワの力を借りただけのこと。
 つまり、これも次元連結システムのちょっとした応用だ。」

ドSの問いに、影丸は即座に答えを返す。その顔に浮かぶのは、キョンの容姿に不似合いに思える不敵な笑み。

「そう、じゃあ今の攻撃も、そのスパロワの力とやらで防いだわけ?」
「ああ、そうだ。第二次のグランゾンしか持っていない超レア能力、『遠距離攻撃無効』でな。」
「なるほどね。ついでに、もう一つ聞かせて。なんであなたが、繋ぎ師の味方をするわけ?
 あなた、繋ぎ師……いえ、今生き残ってるメンバーと、ほとんど接点ないじゃない。
 それほど熱心に対主催やってたわけでもないし。」
「敵の敵は味方、の論理さ。俺を殺した黒猫とやらに、吠え面かかせてやりたいんだよ。
 あの野郎、数少ない俺の仲間の嫁まで殺してるしな。そして、あいつとつながってる主催者連中も気にくわない。
 黒猫と主催者を倒すのに、繋ぎ師の力はどうしても必要だ。だから助ける。
 ああ、なんで今更になって干渉してきたのかといえば、それは単に準備が整ったのがついさっきだからってだけだ。」
「ふーん……。うん、理解したわ。きっちりとね。これで……後腐れなくあなたを殺せる。」

4190幻魔大戦:2008/09/05(金) 21:35:11 ID:Pyd.cjGc0
会話を切り上げると、ドSは影丸に向かってスッと右腕を伸ばす。
それを合図に、宙に浮いていたフォーグラーは影丸に向かって急降下を始めた。

「遠距離攻撃が効かないのなら、質量で直接押しつぶす。せっかく出てきたところ悪いけど、すぐに死者スレに帰ってもらうわ。」

影丸に迫る、黒い巨球。だが、この期に及んでも影丸は余裕の笑みを崩していなかった。

「フォーグラーか……。確かに強力な兵器だな。だが、アニロワ2ndという枠組みを外せば、対抗策はいくらでもある。
 さあ、来い! 天を司る超兵器よ!」

影丸が叫ぶと同時に、彼の眼前に巨大ロボが出現する。そのロボの名は、天のゼオライマー。
スパロワ登場の機体の中でも、トップクラスのスペックを誇る極悪兵器だ。

「なっ……!」
「おいおい、そう驚くことないだろう、ドSさんよ。この精神世界はなんでもありだ。
 あんただって、これまでそうとう無茶してきただろ?」

いつの間にかゼオライマーの肩の上に移動し、影丸は語る。
その体からにじみ出るオーラは、もはや生前の影丸の比ではない。ラスボスを務めてもおかしくない「格」が、今の彼にはあった。

「落ちろ蚊トンボ! メイ! オウ!」

影丸の声に合わせて、ゼオライマーがその身に宿す最強の攻撃を発動させる。
ゼオライマーの両手と胸が光り、フォーグラーの巨体を一瞬で消滅させた。
だが、ドSはうろたえない。すぐさま次の手を打つ。

「清姫!」

音もなく出現したチャイルドが、ゼオライマーに襲いかかる。
否、正確には、その狙いはゼオライマーではない。鋼鉄の冥王の肩に乗る男、影丸だ。
だがその事実も、影丸の自信を砕くには至らない。

「カオスロワより出でよ! キングギドラ!」
「え……?」

驚くドSの前で、虚空より三つの首を持つ金色の龍が出現する。
その龍……キングギドラは、三つの口から放つ引力光線で、影丸に迫る清姫を吹き飛ばした。

「そんな! あり得ない!」

ヒステリックな声をあげ、ドSは自分の前で起きた現象を否定する。
影丸が持つのは本人のアニロワ因子と、闇その1から受け取ったスパロワ因子だけのはず。
カオスロワのキャラなど召喚しても、そのスペックを引き出せるわけがない。それとも、影丸は密かにカオスロワでも執筆していたというのか?

「納得いかない、って顔してるな。まあ、ついでだ。もっといろいろ見せてやろう。」

嘲りの笑いを続けながら、影丸はさらに力を振るう。

「アニロワより出でよ、ザンダクロス! 漫画ロワより出でよ、バスターバロン!
 ニコロワより出でよ、ジアース! ジャンプロワより出でよ、原型趙公明!
 FFDQロワより出でよ、ブオーン! ジョジョロワより出でよ、究極生物カーズ!
 パワポケロワより出でよ、ガンダーロボ!」

巨大ロボと巨大生物が、次々と影丸を囲むように出現する。

「そして書き手ロワより出でよ……大蟹球フォーグラー!!」

トリを飾るのは、今まさに参加者たちが激戦を繰り広げている舞台。
蟹の力を取り込み進化した魔球・フォーグラー。

「そんな……。あり得ない! あり得ないあり得ないあり得ない! 影丸にこんな力無かったはずよ!
 どういうことかきっちり説明しなさいよ! あー、いらいらする!!」

半狂乱になり、頭をかきむしるドS。その様子を、影丸はゼオライマーの肩の上から見下ろす。
その位置関係が、そのまま今の二人の力関係を現しているようだった。

「じゃあ、特別に説明してやろう。まずはこれを見ろ。」

勝ち誇った笑みを浮かべながら、影丸は派手なアクションで己の身を包む北高の制服を脱ぎ捨てる。
その下から現れたのは、キョンではなかった。
そこにいたのは、執事服を着た七原秋也だった。

「その姿がどうしたっていうのよ! 何の説明にもなってないじゃない!」
「おいおい、察しが悪いなあ、ドSさん。執事服に、原作バトロワのキャラ。誰かに似ていると思わないか?」
「誰かって……あっ!」
「そう、wiki管理人。このロワの主催者だ。
 しかし何も『wiki管理人』と呼ばれる存在は、あいつだけじゃない。
 そしてパロロワの中心部に存在する『2chパロロワ事典wiki管理人』の正体……それも私だ。」

キョンだけでなく七原にも似合わぬ黒い笑みを浮かべながら、影丸は宣言する。
その手には、いつの間にやらユーゼスの仮面が出現していた。

4191幻魔大戦:2008/09/05(金) 21:35:54 ID:Pyd.cjGc0
「俺はもう一人の俺である闇その1との力の融合、そして次元連結システムのちょっとした応用により、本来この世界に存在しないはずの『wiki管理人としての俺』の力を手に入れることが出来た!
 今の俺は、事典wikiに収録されている全てのロワの力を使いこなすことが可能なんだ!
 まあ、そうは言っても所詮死人の身。こんな場所でもなければこの力を使うことは出来ないけどな。」
「そう……。解説ありがとう。じゃあ、死になさい。」
「はあ?」

唐突な死刑宣告に、顔を歪める影丸。この状況から自分を殺せる方法など、とうてい思いつかない。
だがその答えは、すぐに彼に叩きつけられた。

「妄想心音」
「なっ……!」

血反吐を吐き、影丸はその場に倒れ込む。万全の状態からいきなり死の淵に叩き落とされ、彼の脳は混乱する。
しかしそれでも残された冷静さが、状況の把握のために周囲を見渡させる。
程なくして、影丸はいつの間にかゼオライマーの頭頂部に立っていた仮面の男を見つけた。

「なるほど……。俺が説明している間に、ハサン先生を召喚していたか……。」
「まだしゃべれるの……。やっぱりギャルゲロワ2ndで書いているとはいえ、アニロワ2ndベースのこのキャラじゃギャルゲロワのキャラは使いこなせないか……。
 私、ハサン先生は書いてないしね。まあいいわ、きっちりと止めを刺しなさい。」

ドSの指示を受け、ハサン先生こと真アサシンが動く。彼はゼオライマーの上を走って影丸に近づくと、身動きの取れない彼を突き落とした。
影丸はなすすべもなく落下し、地面に叩きつけられて赤い花を咲かせた。

「まあ、所詮は地味キャラ。いくら力を手に入れたところで、最後はこんなものでしょう。
 さあ、あとはディーを完全に倒してしまえば……。」

そこまで口にしたところで、ドSは気づく。影丸が召喚した軍勢たちが、まだその場に残っていることに。
先程から「召喚」という言葉を使っているが、厳密に言えば彼らは元の世界から呼び出されたわけではない。
この精神世界で、影丸のイメージが実体化したいわばコピーである。
それが、本体の影丸が消滅したあともこの世界で形をとどめておけるはずがない。

「まさか……。」
「そう、そのまさかだ。」

先程まで影丸がいた位置から、声が響く。ドSがその位置に視線を戻すと、そこには手刀で真アサシンの心臓を貫く影丸の姿があった。

「……一体どうやって……。」
「まず、第一の秘密はこれさ。」

再び勝ち誇った笑みを浮かべながら、影丸は執事服の懐に入っていたものを取り出す。
それは、全身ボロボロになった人形だった。

「それは……リバースドール!」
「そう、あんたの分身も使ってたよな? こんな便利なもの、使わない手はない。
 相手があんたである以上、どんな事態に陥るかわからないからな。用心に越したことはなかった。
 で、その用心が功を奏したわけだ。後は俺が死んだと判断してあんたが目を離した隙にヘルメスドライブを呼び出して発動。
 ハサン先生の背後にワープしたってわけ。」
「くっ……!」

完全にしてやられた。湧き出る悔しさに、ドSは顔を歪める。

4192幻魔大戦:2008/09/05(金) 21:37:01 ID:Pyd.cjGc0
「ああ、そういえば清姫が放置されてたな。よし、やっちまえ。」

影丸の号令で、その軍勢が一斉に清姫に襲いかかる。清姫も必死に抵抗するが、なにぶん多勢に無勢。
巨大な腕が、ビームが、清姫を蹂躙する。その圧倒的な暴力の前に、清姫はあっという間に力尽きた。

「………!」
「さてと……。そろそろ観念したらどうだ、ドSさん。」
「冗談じゃないわ……。ろくな伏線もなく現れた奴なんかに負けるわけにはいかないのよ!」
「それを言ったら、あんたも大差ないでしょうが……。ドSの復活なんて、誰が予測してたんだっつうの。」

あからさまにあきれた様子で、影丸はため息をつく。

「いいのよ。私とあなたじゃ存在感が違うんだから。」
「がっ! 貴様……俺が一番気にしていることをー!」

この瞬間、影丸の顔から余裕の色が消えた。

「もはやあんたと話すことはない! みんな、奴をたたきつぶせ!」

影丸の怒号と共に、清姫を倒した軍勢がドSへと殺到する。
しかし、ドSはそれを余裕の表情で見つめていた。

「私が追いつめられたとでも思ってるわけ? ロボットを出すぐらい、私にも出来るわよ。」

ドSは右手を天に伸ばし、パチンと指を鳴らす。

「出ろぉぉぉぉぉぉ!! ノーベルガンダァァァァァム!!」

その声に呼応し、地面を割ってセーラームー……もとい、ネオスウェーデンのモビルファイターが現れた。
それに続き、ガンダムシュピーゲルが、マンダラガンダムが、マーメイドガンダムが次々と出現する。
さらに、彼らに続いて他のロボットたちも続々と登場する。
紅蓮二式、ランスロット、ジークフリート。オーサムコサム。ハンマーヘッド。
ブラックオックス、モンスター、Gin・Rei、維新竜・暁、ウラエヌス。
アニロワ2ndで登場したことはしたものの、日の目を見ることなく葬られた巨大ロボたちである。

「アニロワ2ndロボ軍団! 奴らを倒しなさい!」

ドSの命令に従い、鋼鉄の軍団が影丸の率いる軍団とぶつかり合う。
ブオーンが稲妻を呼び、ガンダムシュピーゲルが竜巻となる。
オーサムコサムの何でも溶かす液がジアースの装甲を溶かし、ザンダクロスのパンチがランスロットを直撃する。
戦いはまさに、怪獣大戦争の様相を呈していた。

「そいつらをきっちり全滅させるのよ、みんな! これ以上、あんな空気に手こずらされるわけにはいかないんだから!」
「やれやれ、木を見て森を見ずということわざがあるが、この場合は森を見て木を見ず、か。
 困ったものです。」
「なっ……。」

怪獣大決戦に熱い視線を送るドSに、背後からかけられる声。
驚いたドSが振り向くと、そこにはヘルメスドライブを持った影丸が立っていた。
巨大戦の派手さに紛れて、密かにワープしてきていたのである。
ヘルメスドライブの制限はどうした、と言いかけたドSは、途中でその口をつぐむ。
ここは何でもありの精神世界なのだ。制限なんてものあるわけがない。
すでに影丸はヘルメスドライブを消し去り、攻撃態勢に入っている。
どんな攻撃が来るかわからない以上どの行動が最適なのかはわからないが……。ここは迎え撃つ!

「石破天驚拳!!」
「天地乖離す開闢の星(エヌマ・エリシュ)!!」

影丸が放つ流派東方不敗の奥義と、ドSが放つ最強の宝具の一撃がぶつかり合う。

「そんな! エヌマ・エリシュが押されて……!」
「スパロワの東方不敗とアニロワ2ndの東方不敗で200万ルルーシュ!
 ドモンの力をかけて400万ルルーシュ! そこへさらにスパロワ完結補正を加えれば……。
 エヌマ・エリシュの1000万ルルーシュを超える1200万ルルーシュだー!(註:数値は仮のものです)」

4193幻魔大戦:2008/09/05(金) 21:37:38 ID:Pyd.cjGc0
「だ、駄目……。はじき返せない!!」

石破天驚拳が、エヌマ・エリシュを飲み込んでいく。やがてそれは、ドS自身の体に到達した。
石破天驚拳が消えた時、そこにドSの姿はなかった。しかしそれを見た影丸に、勝利の喜びは見られない。

「チッ、命中する直前にこの世界から脱出されたか……。まあいい。倒したにしろ逃げられたにしろ、あいつがここからいなくなったことに代わりはない。
 ああ、そうだ。もういいぞ、お前ら。」

戦闘終了と判断し、影丸は呼び出した軍勢を消し去る。そしてどこかへ向かって歩き出した彼の元へ、ディーが駆け寄ってきた。

「影丸と言ったか……。助太刀に入ってくれたこと、今更ながら礼を言おう。」
「ああ。気にするな。助太刀って言っても俺の私怨のためにやったことだ。それに、まだ俺のやるべきことは終わってない。」
「なんだと? ドSを撃退したというのに、まだ何かあるのか?」

影丸の意外な言葉に、疑問を投げかけるディー。しかしそれに返答する前に、影丸は答えの場所へとたどり着き足を止めた。

「これは……繋ぎ師……。」

そこにいたのは、縄でグルグル巻きにされ意識を失った、影の繋ぎ師その人であった。

「なぜだ……。ドSは排除したというのに、なぜ繋ぎ師は眠ったままなのだ!」
「確かに精神世界からは、ドSを追い出すことに成功した。だが、元々こんな事態になったのはドSのせいだけじゃない。
 繋ぎ師はジョーカーの策略によって精神を蹂躙され、不安定になったところをドSに憑依されたんだ。
 つまりだ、繋ぎ師の精神を立て直さない限り、彼の完全復活はあり得ない。」
「なるほどな。では影丸よ、何か策はあるのか?」
「まあ、策って程のものでもないけどな。こういう時ヒーローを助けるのは、仲間の声って相場が決まってるのさ。」

にやりと口元を歪め、影丸は懐から何かを取り出す。それは、ボイスレコーダー。
アニロワ2ndで、衝撃のアルベルトの支給品として登場した代物だ。

「さあ、受け取ってくれ、繋ぎ師さん。あんたの仲間たちからの激励だ。」

影丸はボイスレコーダーの再生ボタンを押し、それを繋ぎ師のそばに置いた。

4194幻魔大戦:2008/09/05(金) 21:38:31 ID:Pyd.cjGc0
◇ ◇ ◇


俺は、誰だ……。ここは、どこだ……。わからない、なにも……。

「まったく、なにをやってるんだ君は。」

何だ、この声は……。聞いたことがない声のはずなのに、妙に懐かしい……。

「ライダーロワの王として命じる。立ち上がるんだ、影の繋ぎ師。君には、ライダーロワ最後の生き残りとして戦う義務がある。」

ライダーロワの王……? まさか、あんたはまとめキング?

「ヒーローは遅れてくるもんだが……。ちょっと遅れすぎじゃないのか、同志よ。」

今度は違う声が、俺に語りかけてくる。この声も、どこか懐かしい。

「俺は、ヒーローになれなかった。だが、あんたはまだ間に合うはずだ。正義が勝つとことを見せてくれ、このTHE FIRSTに。」

THE FIRSTだって……? あなたが……!

「鬱のエルと呼ばれた俺が言うのも何だけど……。君なら欝展開なんて吹き飛ばせるさ。」

鬱のエル、あなたも……。

「まあ、俺は貴様がどうなろうとどうでもいいが……。ライダーが情けないと思われるのは癪だしな。せいぜいがんばれ。」
「なにツンデレコメントしてるんですか、ライダー書き手さん。」
「ツンデレじゃねえ! 本気でどうでもいいんだよ、今生き残ってる連中なんか!」
「あー、はいはい、わかりましたよ。聞こえてますか、繋ぎ師さん。」

この声は忘れもしない、肩を並べて共に戦った戦友・漆黒の龍だ。
彼の台詞から判断すると、一緒にいるのは仮面ライダー書き手か……。

「僕も心は、ドラグブラッカーと一緒にあなたのそばにいるつもりです。どうか、もう一度あなたの勇姿を見せてください。」

漆黒の龍……。やはり、実際に顔を合わせて協力し合った仲間の言葉はひと味違うな……。

「繋ぎ師よ、怒りは悪の感情ではない。だが、あまりにふくれあがればそれは本人の体を蝕むことになる。
 仮面ライダーが何より尊ぶべきは、『正義』の二文字。努々それを忘れぬようにな。
 まあ、怪人の余が言うのも変な話だがのう。」

将軍……。そのお言葉、しかと肝に銘じさせていただきます。

「まあ、その、何だ……。お前には頑張ってほしいと思ってる。俺の……宿敵としてな。」
「べ、別にあんたのことを心配してるわけじゃないけど……。私を倒した奴が、情けない死に方したら承知しないんだからね!」

熱血王子、tu4氏……。敵だった君たちまで……。

「おい、繋ぎ師! いつまでも情けねえ姿晒してんじゃねえぞ!」
「繋ぎ師さん、お願いします。私に出来なかったことを……。」
「えっと……。とにかくがんばれー!!」

DIE/SOULさん、バトルマスターさん、蟹座氏……。

「これであなたにお願いするのは六度目ですけど……。お願いします。どうか、私の友達を助けてあげてください!」

これは……。俺はこの声をどこで聞いた……?
いや、そんなことはどうでもいい。大事なのは、俺に助けを求める声があるということ。
力無き人の助けを求める声に応えずして、なにが仮面ライダーか!
そうだ……俺は、仮面ライダーだ!

4195幻魔大戦:2008/09/05(金) 21:39:05 ID:Pyd.cjGc0
◇ ◇ ◇


「ビンゴ! 仲間たちの激励で熱くなった心に、SOSのサイン……。これで反応しないようじゃ、ヒーローじゃねえよな!」
「これは……!繋ぎ師が光っ―――――?」

ディーの言葉通り、繋ぎ師の体がまばゆい光を放つ。
その光が収まった時、そこには二本の足で立つ仮面ライダーの姿があった。


「俺は太陽と月の王子! 怒りと悲しみを超越した者! 俺は仮面ライダーSRX……影の繋ぎ師!」


「おお……!」

思わず、感嘆の声をあげるディー。それをよそに、影丸は満足げな表情で繋ぎ師に語りかける。

「さあ、繋ぎ師。復活ののろしを! あの言葉を聞かせてくれ!」

「ぶ っ ち ぎ る ぜ !」

4196幻魔大戦:2008/09/05(金) 21:39:53 ID:Pyd.cjGc0
◇ ◇ ◇


時は、ほんの少しさかのぼる。

「冷・熱・ハンド!!」
『うあああああ!!』

ドSの放った火炎と冷凍ガスが、彼に立ち向かう対主催チームを蹂躙する。
爆弾達の必死の抵抗もむなしく、現在の状況はドSが有利であった。

「ああもう! 本当にどんどんパワー上がってるじゃん! どうしろってのさ!」

ぼやきを口にしながら、爆弾はチェーンガンを連射する。しかし、今のドS相手にはたいしたダメージを与えられない。

「あははははは! これはいい! どんどん力がわき上がってきますよ! まさかこの私がチート軍団を圧倒する日が来ようとはね!」

己の力に陶酔し、ドSは笑う。人並みの戦闘力しか持たなかった彼がチート級を圧倒できるまでになったのだから、舞い上がるのも無理はない。
だが「力におぼれる」というのは敗北フラグの一つであるということに、彼はまだ気づいていない。

「くそっ、俺たちの力を結集しても倒せないとは……。」
「弱気になるな! この時間の俺を救うんだろう!」

足下でのブッチギルンジャーの会話を聞きながら、ドSは再び口元をゆがませる。

(そうですねえ……。いいかげんうっとうしいですし……。ここらで2,3人まとめて退場してもらいますか。)

いったん後退し、自らの技に巻き込まれないよう敵との距離を開ける。
そうしたうえで、ドSは必殺技を放つためのエネルギーをチャージし始める。

「あれは……!」
「まずい、来るぞ!」

対主催チームに、動揺が走る。先程の戦いだったら、あの技も相殺は可能だった。
だが巨大化&パワーアップを遂げた今のドS相手では、その保証はない。

「さあ、絶望なさい! 天上天下業魔無限砲!!」

邪悪なる光がドSから放たれ……

そして、暴発した。

「え……?」

轟く爆音。ドS自身を飲み込む光。なにが起こったのかわからず、ロリスキーたちはただ目を丸くする。
だが、一番驚いているのはドS自身だった。

(馬鹿な! 何が起きたのです! 力が……急激に低下していく!
 無限砲が暴発したのもそれが原因ですか! なぜ急にこんな事が!!)

痛みと驚愕に混乱する頭で、ドSは必死に考える。
そこへ、分身からのテレパシーが届いた。 

(大変よ、表面!)
(真中面ですか……。一体なにがあったのです?)
(それが、精神世界に変なのが乱入してきて……。)
(ああ……つまり、負けたんですね。)
(いや、それは、その……。)

口ごもる真中面に、表面は遠慮することなく言葉を浴びせる。

(まったく、温泉の時といい、なぜあなたは私たちの足を引っ張るのでしょうねえ……。)
(わ、私は悪くないわよ! たまたま私が担当するところにいつもイレギュラーが発生するだけで……。)
(まあ、今は仲間割れしていても仕方ありません。もう、大ピンチですから。)
(え?)
(見てください、この体を。)
(まあ、そりゃ今の私とあなたは一心同体だから、あなたが見れば自動的に私も見ることになるけど……。)

4197幻魔大戦:2008/09/05(金) 21:40:33 ID:Pyd.cjGc0
そんなことを言いながら、ドSは自分の体を見つめる。

(え……? これって……戻ってきてる?)
(その通り。DG細胞の支配が弱まり、この体が元のSRXに戻ろうとしているのです。
 まあ、当然ですよね。抑えつけておいた本人の精神が解放されちゃったんですから。誰かさんのせいでね。)
(ちょっと、当てつけはやめてよね! さっき仲間割れしていても仕方ないって言ったのはそっちじゃない!)
(私は、別に誰とは言っていませんが?)

「さて……闘争の真っ最中に何をぼけっとしてるんだい、親愛なるゴミ野郎。」

自分との会話を続けていたドSだったが、その言い合いは別の意味での分身である爆弾の声に遮られる。
その姿はいつの間にか、キングゲイナーからレヴィに変化していた。

「はて……。何のつもりです? ここでキングゲイナーの巨体というメリットを捨てる理由はないと思いますが……。」
「それがあるのさ。この姿でしか使えないとっておきの必殺技がね。」

仮面の下で、ドSの眉がぴくりと動く。

「いやだなあ、そんなものあるわけないじゃないですか。もしそんなものがあるなら、なぜ今まで使わなかったんですか?」
「どこぞの漫画の言葉を借りれば、『制約と誓約』ってやつさ。この技はその威力と引き替えに、私が生きている間に一度しか使えない。
 そしてもう一つ。太陽のエネルギーを受けなければこの技は使えない。」
「じゃあ、今は使えないじゃないですか。夜なんですから。いえ、それ以前にtu4氏が太陽を破壊しちゃってますね。」

そういいながらも、ドSは不安を拭い去れずにいた。何せ相手は自分だ、その性格はよくわかっている。
彼女は、わざわざ使えない技を解説するような人間ではない。ならば、必ず何らかの方法でそれを使ってくるはず。
もちろん、みすみすそれを喰らう道理はない。その前にこちらから仕掛ける!
ドSは、爆弾を叩き潰すべく右手を動かす。だが、その動きは目に見えて遅い。

(ぐっ……。体の支配が弱まった影響が、ここにも出てきましたか……。)

焦るドS。それとは対照的に、爆弾は口角をつり上げる。

「クーガーじゃないが、あえて言わせてもらおう。お前に足りないものは情熱思想理念頭脳気品優雅さ勤勉さ! そして何より……速さが足りない!」

スロウリィな動きのドSを挑発するように、爆弾は全速力で駆ける。

「頼むぜ、ブラック!」
「任せてくれ! キングストーンフラッシュ!」

チートブラックのベルトに埋め込まれたキングストーンから、まばゆい光が放たれる。
その光が向かう先は、爆弾の体。太陽の王子の生命エネルギーが、爆弾へと吸い込まれていく。

(ちぃっ……。わかってはいたけど、やっぱりきついな……。)

吸血鬼の属性を持つ爆弾にとって、太陽光そのものでなくても太陽のエネルギーは好ましくない代物だ。
だが、それも「制約」の一部。リスクを背負うからこそ、切り札の威力も上がる。

「ああ、そうそう。この技にはもう一つ問題点があってな。相手に銃口を密着させなきゃ発動しねえんだわ。」

ドSの迎撃を易々とかわし、爆弾は敵の足下へと到着する。そして、投影したソードカトラスの銃口をドSに突きつける。

「お……およしなさい! 繋ぎ師もろとも吹き飛ばすつもりですか!」
「さっきも言っただろう! 繋ぎ師はこの程度で死ぬタマじゃねえ!」

ためらうことなく、爆弾はトリガーを引く。

4198幻魔大戦:2008/09/05(金) 21:41:32 ID:Pyd.cjGc0
「ファイナルショット……『陽が昇る』!!」
「なあああああ!?」

出現したのは銃よりも遙かに巨大な、丸く赤い火の玉のような弾丸。
それはドSの体にめり込み、その巨体を大きくはねとばす。

「アーンド……『陽が沈む』!!」

爆弾の宣言と共に、弾丸が爆発。ドSの体が、爆炎に包まれる。

「があああああ!」

全身を襲う熱と衝撃に悶絶しながら、ドSは床に倒れ込む。
一度に受けたダメージがあまりも大きかったせいか、その体はみるみるうちに元の大きさに戻っていった。

「万事休すね……。そろそろ観念して、繋ぎ師さんの体を明け渡したら?」

ドSの周りを、ロリスキー、ツキノン、ブッチギルンジャーがぐるりと囲む。
ドSにとってはまさに四面楚歌、もしくは絶体絶命。
だが、ドSの中に諦観の念はない。

(潮時? もしかしたらそうなのかも知れませんねえ。別に主催者に味方する理由もありませんし、ここらで再退場しておくのも悪くないのかも知れません。
 ですが……これではまだ盛り上がりが足りませんね! せっかく中ボス的ポジションになったのです。もっともっと敵を苦しめてから倒れないと!)

ボロボロの体に鞭打って、ドSはその二本の脚で立ち上がる。

「この程度の包囲網で逃げ場を封じたと思ったら……大間違いですよ!」

バイオライダーの力を使い、ドSは自分の肉体をゲル化させる。
そして相手チームが反応する前に、地を這って包囲網を抜けるべく移動する。

「しまっ……!」

ロリスキーが反応した時には、もう遅い。
ドSは、瀕死とは思えぬスピードで彼女の足下を抜けていった。

(あそこにさえ入れれば……。)

ドSの目指す先、そこには、大蟹杯がぽっかりと穴を開けていた。

4199幻魔大戦:2008/09/05(金) 21:42:06 ID:Pyd.cjGc0
◇ ◇ ◇


大蟹杯内部。ここでは、黒蟹座氏と闇その1が、未だに肉弾戦を繰り広げていた。
双方共にその愛らしい顔をふくれあがらせ、全身のあちこちから血を滴らせている。

(しかし、幽霊と精神体の殴り合いでなんで血が出るんだ? まあ、あくまでイメージということか……。)

どうでもいいことを考えながら、闇その1は黒蟹座氏のパンチをかわす。

(しかし、この感触……。どうやら計画通りにことが進んでいるようだな。)

闇その1の顔に、かすかな笑みが浮かぶ。
彼女とて、何も成り行きだけで黒蟹座氏と殴り合っていたわけではない。
肉弾戦を通じて、彼女の中に蓄積したネガティブな感情を吐き出させようとしていたのだ。
いわゆる、「夕暮れ時に殴り合いを繰り広げたら友情が芽生える」の論理である。
ロワのような環境でそれを期待するのは難しいが、相手は熱血書き手である蟹座氏(の分身)。
狙ってみる価値はあると闇その1は考えたし、その考えは当たっていた。
こちらに来たのが影丸でなく自分でよかったと、闇その1は思う。
男子高校生がロリと殴り合いなんぞやったら、どう見てもそれは拳での語り合いではなくいじめである。
それで友情が芽生えたりするのは、ちょっと考えにくい。

(さて、そろそろいいか……。)

すでにとっかかりは出来た。あとは、それを起点に黒蟹座氏を説得すればいい。
次の段階に移行しようと、闇その1が口を開く。

「聞け、蟹座氏! 君は……。」

「困りますねえ、私の娘に変なことを吹き込まれては……。」

だが、その言葉は別の声によって遮られる。次の瞬間、闇その1の背後で小さな爆発が起きた。

「しまった!」

それが最高ボタンを破壊された結果だと気づいた時には、すでに手遅れ。
この世にとどまるための依り代を失った闇その1の体は、徐々に透明度を増していく。

「くっ……!」

歯を食いしばり、闇その1は最高ボタンを破壊した本人をにらみつける。
その視線の先にいるのはもちろん仮面の男、マスク・ザ・ドS。

「なるほど、私のパワーダウンはこちらにも原因がありましたか。ディス・レヴに送り込まれる負のエネルギーが減ったら、そりゃあ出力も落ちるってもんです。
 というわけで、私の邪魔をする悪い子にはお帰り願いましょう。」
「どっちが……悪……だ……この……外道……」

消えゆく体で、必死に罵倒の言葉を口にする闇その1。だがその程度では、ドSには通用しない。むしろ心地よいくらいだ。
やがて、闇その1は完全にこの世から消滅した。

「あ……。」

黒蟹座氏は、闇その1が消えていくのをただじっと見ていた。
向こうは自分を傷つける存在だった。いなくなった方がいいはずだ。
なのに、黒蟹座氏の中には何ともすっきりしない、もやもやとした感情が残っていた。
そんな黒蟹座氏に、ドSはゆっくりと近づく。

「大丈夫ですよ。あなたをいじめる悪いやつは、私が追い払ってあげましたから。」
「悪いやつ……そうなのかな……いや、そうなんだよね……。」
「さて、話は変わりますが……実は私、結構ピンチな状況でして……。」
「……それが……?」

突然のドSの発言に、黒蟹座氏はその真意を測れず首をかしげる。

「ですから……あなたの力、少し貸してもらいたいんですよ。」

そう言うと、ドSは黒蟹座氏の返事を待たずに彼女に手を伸ばした。

4200幻魔大戦:2008/09/05(金) 21:42:42 ID:Pyd.cjGc0
【2日目・深夜】【D-7大蟹球フォーグラー内部・大蟹杯の間】

【マスク・ザ・ドS@アニロワ2nd in 影の繋ぎ師@ライダーロワ with 大蟹杯の泥 】
【状態】:ダメージ(大) DG細胞感染(浸食率20%) 仮面ライダーDSRX化 ロリスキーに求愛  再奮起 大蟹杯に汚染
【装備】:カラオケマイク@現実 、ゼロの仮面(蝶高性能)
【道具】:支給品一式×3、 ワルキューレ@スパロワ、ドラグブラッカー、写真付き名簿、放火セット(燃料、松明、マッチ)、
     ナイフ、不明支給品×1(確認)、BL本、首輪×2、パロロワ衣服詰め合わせ、
     お徳用原作パロロワ全生首セット(目玉セット他に換装可能)&原作パロロワ全手首詰め合わせ※今なら腕も付いてくる!
     ノートパソコン、フライングアタッカー(中破)@仮面ライダー555 、ヘルメスドライブ(使用済み)
【思考・行動】
 基本:さあ、絶望しましょうか。
 1:黒い蟹座氏の力を使い、もう一度対主催チームと戦う
 2:ロリスキーを“愛する”
 3:黒い蟹座氏を“愛する”
 4:ぶっちぎりに対処する

※色々な悪条件の結果、影の繋ぎ師にDG細胞が感染。その結果としてドSが顕現しました。強すぎです。
※姿はほぼSRX。ただし仮面とマントはゼロ仕様です。
※解除方法h穏便に済ます方法? いやだなあ、そんなのある訳ないじゃないですか。
※【ゼロの仮面(蝶高性能)】
銃弾から魔法、科学兵器、核に至るまで全て防いでしまう恐ろしい仮面。
ただし、守れるのはあくまで首から上だけに限られている。
ちなみに、視界は蝶良好で酸素の補給も問題なく出来る。
その代わり、一度装備すると死ぬまで外せない。
望遠・透視機能付き。
※大蟹杯の力で影の繋ぎ師の身体に受肉したため、ギガゾンビ城以外でも存在できるようになりました。
 ただ、本人は平気そうですが、気付かないだけで副作用があるかもしれません。


【ツキノン@GR1st】
【状態】:首輪無し、強い決意
【装備】:鬼狩柳桜、GRトラペゾヘドロン
【道具】:支給品一式(食料全て消費)×5、最高ボタン、カードデッキ(シザース)@ライダーロワ、閃光弾、バッド・カニパニーの甲羅、蟹座氏の写真×10、
     腕時計型麻酔銃(1/1)@漫画ロワ、麻酔銃の予備針×3、変化の杖、対戦車地雷×1、
     ヴァッシュ・ザ・スタンピードの銃@トライガン、ドラゴンオーブ@AAA、ティーセット一式
【思考】:
基本:真の意味で打倒WIKI管理人
1:黒い蟹座氏を救う
2:マスク・ザ・ドSの打倒
3:大蟹杯の破壊
4:生き残っている他の参加者と合流


※主催側に反抗したため(自滅ですが)支給品に封印されていました。
※何らかの主催側の情報を持っているかもしれません
※他お任せ
※羽入の力は使えます。
※【GRトラペゾヘドロン】
ギャルゲロワの全てが詰まった神剣。
バトルマスターの固有結界のもう一つの姿。
本来はマスターと共に消滅するが、死者スレの飴を舐めた蟹座氏の助けもあって残存している。
トラペゾヘドロンの名を冠すだけの力があると思われる。
詳細はお任せ。
読み方は『ジーアールトラペゾヘドロン』

4201幻魔大戦:2008/09/05(金) 21:43:22 ID:Pyd.cjGc0
【地球破壊爆弾No.V-7@アニロワ1st】
【状態】:ダメージ(中)
【装備】:激戦@漫画ロワ、マジシャンズレッドのDISC、浴衣
【道具】:巫女服(鷹宮神社)@らき☆すた 支給品一式、着替え用の衣装(複数)、泉こなたのスクール水着@漫画ロワ
【思考】:
 基本:クールなロリスキーと共にある。
 1:ドSに勝つ。

※基本的に中身はアーカードで、CVは平野綾です。
※変化する姿に7つのバリエーションがあるらしいです。
【1:地球破壊爆弾】【2:アーカード】【3:長門有希】【4:泉こなた】
【5:銃撃女ラジカル・レヴィさん】【6:キングゲイナー】【7:1〜6とか目じゃないよ?びびるよ、まじで】
※クーガーの早口台詞が言えます!
※鎖鎌、鳳凰寺風の剣、ソード・カトラス、ノートPCの投影が可能です。
【スーパーキョンタイム】
 地図氏以外の者はゆっくりとしか動けなくなります。一度使うとそれなりの時間使用不可能です。
【地図氏の地図】
 参加者の位置、生死を含めた地図を投影できます(※長門有希の状態でのみ可能)


【クールなロリスキー@漫画ロワ】
【状態】:不死者、吸血姫、スーパーかがみんと融合、ダメージ中
【装備】:浴衣
【道具】:支給品一式、カードデッキ(龍騎)、AK-74(残り28発)
     着替え用の衣装(複数)、レヴァンティン@アニロワ1st、『村雨健二』の衣装、
     キュートなシルク仕様の裸エプロン、日焼け止めクリーム(大量)、GL本
【思考】:
 基本:地球破壊爆弾No.V-7と共にある。
 1:ちぃちゃんと共に戦う。
 2:いっけええ、ブッチギルンジャー!!
 3:はぐれた仲間と合流。
 4:もう迷わない。
 5:ちぃちゃんの支えになる。

※容姿は柊かがみ@らき☆すたです(翼と尾が任意で顕現します)
 柊かがみの髪の色をしたドラゴンにもなれます。
 ヴァルセーレの剣の刃でできた羽を三対六翼持っています。尻尾はマリンデビモンの触手が変化して8つです。
※スーパーかがみんと融合し、彼女の記憶と能力を継承しました。
 柊かがみがその時点で使った事のあるあらゆる力、アイテムを使用できます。

4202幻魔大戦:2008/09/05(金) 21:44:06 ID:Pyd.cjGc0
【ブッチギルンジャー】
【共通思考・行動】
 基本:闇を切り裂き光をもたらす
 1:ロリスキー、爆弾を守る
 2:この時代の繋ぎ師を救う
 3:ドSを倒す

※いくつもの重なった条件から、原作さながらに時間を超えて助けに来ました。
 首輪も外されています。
 ただ、この時代での死亡は、過去を揺るがしかねないので、死にかけると、自動的に元の時間へと転送されます。
 みwikiから得た未来の知識も、修正力で消滅します。
 傷?んなの元の時代に帰る頃には治るので気にしない。

【チートシルバー(影の繋ぎ師) @ライダーロワ】
【道具】:カラオケマイク@現実
【所持品】:支給品一式
【状態】:健康。
【思考・行動】:ぶっちぎるぜ
【備考】
※変身体はシャドームーンです
※9話直後出典です


【チートイエロー(影の繋ぎ師) @ライダーロワ】
【道具】:カラオケマイク@現実
【所持品】:支給品一式
【状態】:健康。
【思考・行動】:ぶっちぎるぜ
【備考】
※変身体はロボライダーです
※120話直後出典です。


【チートブルー(影の繋ぎ師) @ライダーロワ】
【道具】:カラオケマイク@現実
【所持品】:支給品一式
【状態】:健康。
【思考・行動】:ぶっちぎるぜ
【備考】
※変身体はバイオライダーです
※226話で、マスタースパーク直後の出典です


【チートブラック(影の繋ぎ師) @ライダーロワ】
【道具】:カラオケマイク@現実
【所持品】:支給品一式
【状態】:健康。
【思考・行動】:ぶっちぎるぜ
【備考】
※変身体は仮面ライダーBLACK RXです
※226話で、RX化直後の出典です


【チートキング(影の繋ぎ師) @ライダーロワ】
【道具】:カラオケマイク@現実
【所持品】:支給品一式
【状態】:健康。
【思考・行動】:ぶっちぎるぜ
【備考】
※変身体が仮面ライダーBLACK SRX@書き手ロワ2に進化しました。
※250話直後の出典です。つまりtu4戦のダメージの無い全力状態です。

4203幻魔大戦:2008/09/05(金) 21:44:38 ID:Pyd.cjGc0
◇ ◇ ◇


「ぶっちぎるぜぇぇぇぇぇぇぇ!!」

影の繋ぎ師は、絶叫しながら自らの精神世界を走り回っていた。

「……あれで本当に、肉体を取り戻せるのか?」
「知らん。」

ディーの問いに、影丸はきっぱりと返答する。

「つうか、まだドSが肉体を支配できてるのが奇跡だぜ……。まあ、俺もこれ以上の干渉は無理そうなんでな。後は任せたわ。」
「はあ!? 貴様、ここまで首を突っ込んでおいて途中で帰る気か!?」
「あんまり死者に過度な期待をするな。死人ばっかり活躍するのもどうかと思うしな。
 あとはそっちでどうにかしてくれや。じゃあな。」

ビシッとポーズを決め、影丸は煙のように消え去った。
後に残されたのはディーと、走り続ける繋ぎ師のみ。

「ぶ っ ち ぎ る ぜ !」


【二日目深夜・繋ぎ師の精神世界】

【影の繋ぎ師@ライダーロワ】
【状態】:ゆめのなかにいる 怒りと悲しみを超越
【思考・行動】
 基本:ぶっちぎるぜ
 1:ドSから自分の肉体を取り戻す

4204幻魔大戦:2008/09/05(金) 21:45:36 ID:Pyd.cjGc0
以上で投下終了です。
久々の投下はドキドキするぜー。
内容もかなりフリーダムだし。

4205今日の私は阿修羅すら凌駕する名無しだ!:2008/09/05(金) 23:51:00 ID:QW07CJDI0
投下乙であります。
ドS!お前はいつまで粘るんだwおとなしく成仏しなさいw
(そして真中面が微妙に可哀そうに思えてきた、損な役回りだなあw)
そして繋ぎ師復活wwwんでもっていきなり登場影丸!
いやあ以前のカミングアウトで知っていたから衝撃はそれほどでもなかったが……
 や り す ぎ だ !
軽く繋ぎ師凌駕してるぐらいの強さに見えたぞwwwww

4206今日の私は阿修羅すら凌駕する名無しだ!:2008/09/06(土) 15:17:40 ID:Y89MOrJA0
流石nc氏こと結とパロロワ界を二分する黒幕w
怪獣大戦争すぎっだろ、影丸w
ドSもしぶといし、繋ぎ師復活!
さてどうなる!?

4207今日の私は阿修羅すら凌駕する名無しだ!:2008/09/16(火) 02:26:41 ID:v/FzSC0E0
投下します

4208今日の私は阿修羅すら凌駕する名無しだ!:2008/09/16(火) 02:34:44 ID:v/FzSC0E0
劇場版ブッチギルンジャー 救え少女の魂! 倒せ悪鬼ドS!! 同時上映 少女の恋地獄

以上がタイトルです

4209今日の私は阿修羅すら凌駕する名無しだ!:2008/09/16(火) 02:35:03 ID:v/FzSC0E0

「ぶっちぎるぜぇぇぇぇぇぇぇ!!」

影の繋ぎ師は、何も考えなしに精神世界を駆けまわっているのではなかった。
意識を取り戻した今、彼は全力を出しさえすれば、ドSから身体の主導権を取り戻すこともできた。
聖杯の泥に浸かっていたはず?
NO!!
勇次郎は生命の水に溶ける白銀の意識を弾き返して見せた。
繋ぎ師もまたしかり!
強者を強者として描くことに優れた彼にとっては、聖杯の泥すら枷にはならない。
それがたとえ、型月世界が誇る魔術の果てと黒き少女と、この世全てのの憎しみと怨念で織り成されていたとしても、だ――!
彼が未だに精神世界に居るのはひとえに悪に囚われた悪たる少女を救う為。
ドSにより聖杯の泥を媒介に繋ぎ師の身体とDG細胞、黒い蟹座氏は繋がっているのだ。
同様に彼らの精神世界もまた繋がっている!!

「待っていてくれ、黒い蟹座氏!!」

繋がった心に響くのだ、黒き少女の嘆きの声が。
――お母さん、私はここだよ?
母を純粋に愛する想いが。
――あはは、私はやっぱり汚いんだ。悪にしかなれないんだ。
悪たれと定められた悲しみが。
――……これで、よかったのかな。良かったんだよね?
救いの手を払いのけてしまった後悔が。
――お父さんは、私を愛してくれるよね?
愛して欲しいという懇願が。
――嫌だ、置いて行かないで。待ってよ、待ってよ、みんな!
一人にしないでと、他人を求める本心が。

「救って、みせる。その哀しみから、君を!!」

彼が分離しッブッチギルンジャー達と力を合わせればドSも今すぐ倒せはする。
けれども、それでは少女の心は救われないのだ。
だから、任せる。
ドSのことは、外で戦う仲間と過去の自分達に。
彼らなら、ドSになんか負けないと、繋ぎ師はそう信じている。


繋ぎ師の意図を悟ったディーは思う。
ヒーロとは何か?
悪を倒す存在か?
違う。
悪を倒すのは、手段の一つであって目的では無い。
ヒーローとは誰かを守る為に立ち上がれる人間のことだ。

「ああ、そうか、これが仮面ライダーか」

ライダーだから、人助けをするのではない。
誰かを助けようとするからこそ彼は仮面ライダーなのだ。




4210今日の私は阿修羅すら凌駕する名無しだ!:2008/09/16(火) 02:35:30 ID:v/FzSC0E0


唸るエグゾート、轟くエンジン音。
金の彩色を施されたバイクが蟹玉を駆ける。
古今東西のロワの施設が入り乱れるこの拠点は決してバイクが走りやすい空間では無かったが、そこは仮面ライダー専用機。
速筆魔王LXの騎乗するサイドバッシャーは障害を物としない。

「魔王さん、これは!」
「うん。何か大きな戦いがあったみたいだね」

サイドカーからネコミミストが大きく上半身を乗り出す。
どこか不気味さを漂わせ聳え立つ魔城ギガゾンビ城。
豪華客船エリアを抜けた後も、アースクレイドルやダイクロフト、サザンクロスといった超施設を通過したが、
それらの場所では見受けられなかった光景が彼らの前には広がっていた。
砕かれた柱、溶解した壁、消し飛んだ天井、穿たれたクレーター。
戦いの後だ。
それも相当派手な戦いの。
良く見れば血痕や肉片らしきものも飛び散っていた。

「っ……」

ネコミミストは唇を噛み締める。
一見したところ、誰の死体も転がってはいないが、痕跡は激闘だったことを語っている。
単に死体が残らない程の攻撃で塵と化したとも考えられるのだ。

「ネコミミストくん……」
「大丈夫、です。それよりも先に進みましょう。
 もう随分バイクを走らせました。そろそろ旅の扉に行きついてもおかしくはありません」
「そうだね。けど、気をつけておいて欲しい。ゴールが近いということは、わかるね?」
「はいっ!」

十中八九仕掛けてくる。
RPGにおいてガーディアンの存在はお約束だ。
目的地、ジョーカー共にRPGに関わりがある以上、間違いなく立ち塞がるボスキャラが待ち構えていることだろう。
それでも、止まるつもりはない。
仲間のことは心配だ。
未だに魔王以外の誰とも合流できていないのだから。
もしかしたら既に多くは命を落としているかもしれない。
最悪、自分達が最後の生き残りだということもあり得るの。
けれど。
死は、終わりでは無いと幻夜に教わったから。
何よりも彼らのことを信じているから。
死んでいった者達と、生きている者達。
両方の為にも前へと進む。

バイクを降り、玉座の間の奥に聳え立つ門を魔王と二人で押しあける。
彼らを迎えるは狭い通路。
一切の装飾を廃し、暗い道を一直線に伸ばしている。
そして、地に落ちる小柄な一つの人影。

「え?」

独りでに灯った蝋燭の明かりに照らされたその顔を、ネコミミストは知っていた。





4211今日の私は阿修羅すら凌駕する名無しだ!:2008/09/16(火) 02:36:36 ID:v/FzSC0E0


地球破壊爆弾No.V-7は知っていた。

「ちょ、今度は一体何よおおおお!!」

機械のような、生物のような銀の触手を伸ばし、生きとし生ける者を取り込んでいくその巨体を。

「黒い蟹座氏!!」

少女の像を胸に掲げる悪魔の姿を。

「「「「「マスク・ザ・ドS、そこまで命を弄ぶのか!!」」」」」

デビルガンダム。
悪魔の名を冠した異端の機体。
いや、ディスレヴと聖杯の泥の力を得てより大きく禍々しいフォルムと化したそれを現すには、悪魔という言葉はいささか役不足かもしれない。
悪魔を超えた悪魔。
言うならば、魔王ガンダム!!

「芸がねえなあ、おい! いい加減デビルガンダム出し過ぎだぜい?」
「いやはや、これは痛い。ですが、DGは多くのロワに登場していますし。書き手ロワ的にはむしろ正しい選択なのですよ!」

生体コアである黒い蟹座氏から溢れ出る無限の負の念の力をディスレヴで制御し、魔王ガンダムと化したドS。
デビルガンダムなら巨大なガンダムの頭部にあたる巨大なゼロの仮面である脚部。
その周りの地面が割れ、巨大なガンダムの頭部を持つ、幾つものワームが姿を見せる。
本体同様、黒く染まりより鋭角的になってはいるがデビルガンダムヘッドだ。
本体を守るかのごとく次々と出現し、大空洞を所狭しと埋め尽くしていく。
天も地も、魔王とその僕からは逃れられはしない。
魔王ガンダムヘッドに包囲された爆弾達が生き残るには本体である魔王ガンダムを倒す他に手段は無い。

「さあ、長かった喜劇に幕を下ろすとしましょうか!!」

顔の装甲を引き裂き、魔王ガンダムが咆哮を上げた。
肩より伸びる第三、第四の巨大な両手――魔王フィンガーに光が灯る。
1つしか灯っていなかった光はいくつもいくつもいくつも増えていく。

「……!おめえら、みんな散開しやがれえ!」

次に起きる事態を察した爆弾が声を張り上げ、キングゲイナーに姿を変える。
ロリスキーとブッチギルンジャーの面々もアニロワ2書き手でもある爆弾の警告に疑問も言葉も挟まず散った。
その直後。何十本もの極太の閃光が駆け抜け、大空洞を白き光が包み込む。
加えて、拡散ギガ粒子弾の発射に合わせ、魔王ガンダムヘッドが襲いかかる。
ビームを避けようにもガンダムヘッドに邪魔され、よしんば避けても避けた隙を狙われる。
回避もままならない爆弾達に、弾幕を物ともせず再生し続けるガンダムヘッド。
ドSを倒すどころか近づくことすら叶わない。

「うー、ちょっとまずいかなあ、これは」

オーバースキル『加速』を用いて弾幕を抜けつつ爆弾がぼやく。
破壊しても無駄だと踏み、オーバーフリーズをメインウェポンに切り替えはしたものの、
邪魔な取り巻きを凍らせて封じきるより速く、ガンダムヘッドは生成されていく。

「っく、何かあるはずだ、この劣勢を覆す手が!!」
「キーワードはやはりサイズ差か。くそ、俺達以外のみんなも同じ土俵に上げることができれば!!」

チートシルバーが、巨大化しガンダムヘッドを引きちぎる。
チートキングも天上天下光王爆砕剣でビームを弾き返してはいるが、明らかに手が足りない。

4212今日の私は阿修羅すら凌駕する名無しだ!:2008/09/16(火) 02:36:56 ID:v/FzSC0E0

今やまともに戦いに参加できているのは、ある程度のサイズを誇るこの3人だけなのだ。
いくら束になっても、蟻では象に敵わない。
踏みつぶされ、叩き落とされるのが関の山だ。
能力差で埋めようにも、同サイズであっても単体ではドSが最強だ。
この絶対的な差は埋められない。
ブッチギルンジャーの残る3人は手も足も出せず、彼らを守ろうとする味方の足を引っ張る始末だ。

護るって決めたのに。
お互いに支え合って生きて行こうって約束したのに。
ロリスキーが見上げる空をキングゲイナーが飛翔する。
ドラゴンになったところで、彼女はもはや戦力外だ。

「ああ、っもお! かがみ、どうせならバスターバロンどっかで使ってなさいよ!」

そのことが耐えられなくて、どうしようもないと分かっていながらも遂愚痴を零してしまう。

「っ、バスターバロン……」
「あんたアルレッキーノでもあるなら知ってるでしょ、チートブラック」

核鉄№XVII(17)破壊男爵(バスターバロン)。
発動すれば身長57メートル、体重550トンという巨大な体躯を誇るロボットになる。
だが、ロリスキーがその名を出したのは巨体故にではなく特性故にだ。
サブ・コクピットに載せた人物の武装錬金の特性を増幅して使用出来る能力。
例え直接戦闘に参加できなくとも、共に闘える方法。
無いものねだりだとは分かっている。
それでも、彼女は求めずにはいられなかった。

「「「それだっ!!」」」

だから、訳が分らなかった。
まるで光明を得たとばかりに顔を上げるブッチギルンジャー達の返事が。




4213今日の私は阿修羅すら凌駕する名無しだ!:2008/09/16(火) 02:38:22 ID:v/FzSC0E0


火の光に照らされ浮か上がった人物は全身をカブトムシを模した装甲で覆っていた。
現在ネコミミストが変身できるあるライダーに非常に酷似した姿。
本来銀色であるべき部分を黒く塗りつぶされた写し身。
仮面ライダーダークカブト。
ダブトの略称で親しまれる、大別すると敵役のライダーである。
ただ、今問題なのは原作では敵だったことでは無い。
誰が変身しているのかだ。
突入した仲間の中でダークカブトゼクターを持っていた人間はいないのだから。

「誰が変身しているのですか!」

となれば考えられる可能性ではジョーカーが一番高い。
仲間達が何らかの手段で手に入れた可能性も無きにしも非ずだが。
そうならそうと答えてくれるはずだと問いかける。

そして返ってきた答えは予想だにしないものであった。

「クマのプー太氏です、初めまして、ネコミミストさん、速筆魔王LXさん。
 いつもあなた達が書く、いえ、込められた物語を楽しませてもらってます」
「「なっ!?」」

傍らで無言を保っていた魔王と驚きの声が重なる。
クマのプー太氏。
新旧アニロワとLSロワで活躍する絵描きさんだ。
WIKIから得た情報で支給品として参戦してもいた主催者側の人間だとは知ってはいたが、
まさかこの局面で単独で立ち塞がるとは思ってもいなかった。

「どいてください、プー太氏! 私達はあなたとは戦う理由が無い!」

倒すべきはwiki管理人。
ジョーカーとして召喚されたテイルズロワ、ニコロワの書き手とは違い、プー太氏は戦闘員ではなかったはずだ。
話が通じるかもしれないと、ネコミミストは訴えかける。

返ってきたのはまたしても意外な答えだった。

「いいですよ」
「え?」

壁際に逸れ、どうぞどうぞと先に行くことを促すプー太氏。
自分で言いだしたことではあったが、あまりにもあっさりしすぎていて拍子ぬけしてしまう。

「どういった風の吹き回しだい?」

そのことを疑問に思うのは当然の反応だ。
テックセットを果たした魔王の視線がプー太氏を射抜く。
常人ならそれだけですくみ上るだろう眼力を前に、しかし、プー太氏は飄々と答え、

「いえ、通してくださいと言われているのですよ、黒猫さんから、ネコミミストさんだけを、とね!」

鎚を、振るった。




4214今日の私は阿修羅すら凌駕する名無しだ!:2008/09/16(火) 02:38:48 ID:v/FzSC0E0


ガンダムヘッドの侵略から、天と地が次々と解放され、日の光も刺さないはずの地に青い空が広がっていた。
飛翔するキングゲイナーのあまりの速さが、白と青の残像を次々と天蓋に刻みつけているのだ。
再び巨龍の如く胴を揺らし檻を形成しようとするも、
蒼を纏った白き巨人の舞に巻き込まれたガンダムヘッドの群れは片っぱしから凍結、粉砕される。
数多の牙も触手も一本とて届きはしない。
音の壁を遥かに超え、神速の領域にまで至った機体に押し出された空気の渦が、
ソニックブームとなりキングゲイナーを守る絶対の壁として立ちはだかるからだ。
もちろんそれだけの速度に比例したGは相当なものであり、機体を激しく揺らすはずだ。
なのに巨人の左腕の銃から放たれる絶対零度の弾丸は、ただの一発も外れることなく化け物の頭部を撃ち抜いていく。

――鮮烈な銀を湛え、冷酷な輝きを欲しい侭にする回転式拳銃(リボルバー)、イタクァ。

いつまでたっても僕が獲物を捕らえることができず、業を煮やした魔王ガンダムの肩から極光が迸る。
大空洞を丸ごと埋め尽くすほどの桁ハズレな太さのビームだ。
回避も何もあったものでは無い。
空洞にある全てを無に帰すほどの絶対的な一撃。
それほどの一撃があろうことか右腕が握る銃より撃ち出されたたった一発の弾丸の前に霧消する。
空間をも湾曲する無限熱量の前にはいかに収束された光とて直進することあたわず。

――黒い光を湛え、強暴な灼熱をその身に躍らせる自動拳銃(オートマチック)、クトゥグア。

両の手にチェーンガンに代わり携えるは二丁の魔銃。
最適の武装を媒介とし、オーバーフリーズとオーバーヒートの力は何倍にも跳ね上がる。
武器だけでは無い。
外見こそはキングゲイナーだが、全長は本来のものよりも3倍ほど大きい。
フォトンマットも緑ではなく月を思わせる蒼みのかかった銀の輝きを放っている。
何よりも相対した時に感じる威圧感が違う。

ドSは生まれて初めて恐怖で震えていた。
魔王ガンダムの巨体が揺れる音は、カタカタといった可愛らしいものでは無い。
地の底の悪鬼が唸り声を上げるかのような音だ。
怯えを認めようとせず、ただ叫び続けるしかない惨めな悪魔たちの泣き声。

「これだから光太郎は、嫌なのですよ……」

巨大とはいえ魔王ガンダムの半分にも満たない相手。
だが、機体内で荒れ狂う無限のエネルギーは魔王ガンダムのセンサーでも計測できない。

「爆弾やロリスキーと合体するとは、どこまであなたはぶっちぎるつもりですか!!」

「「「「「「「「搭乗、スーパーチートロボ!!」」」」」」」」




4215今日の私は阿修羅すら凌駕する名無しだ!:2008/09/16(火) 02:39:23 ID:v/FzSC0E0


足裏から衝撃波を生じさせ、ネコミミストは全力で狭い通路を走り抜ける。
『黒猫』。
思えばこのロワの終盤で何度か聞いた名前だ。
直接会ったことは無いが、蟹玉突入前の情報交換で聞いた話では、ジョーカーと組み非道の限りを尽くした極悪外道だという。
何人もの人間をその手に掛け、何人もの人間の運命を狂わせた女性。
許せなかった。
散っていった仲間達と、今を共に闘う仲間達。
彼らから多くのものを受け取り、私はここにいる。
多分、他のみんなもそうだ。
関わった大切な人達に多くのものを与え、受け取ってきたのだ。

でも、黒猫は違う。

一生懸命生きようとする者の努力を嘲笑い。
何かを残すことすら許さず不意を打ち。
他者を利用し使い捨て。
残された大切な物すら踏みつぶした。

過去も、現在も、未来も。
全てを蹂躙する悪魔。

――僕は大丈夫だよ。ここはお言葉に甘えるとしようよ、ネコミミストくん。

わかってます、魔王さん。
もう、黒猫の好きにはさせない。
事情はわからないが、プー太氏が戦う理由は黒猫にあるみたいだった。
なら、元凶であるその女を倒せば、彼女との戦いは回避できる。
殺さないで済む。
うまくいけば、彼女とも仲間になれるかもしれない。

「流石に楽観視しすぎかな」

――そういやネコミミストくんはこのロワを終わらせたらどうするんだい?

魔王の言葉が蘇り、大切な人達とどこかの世界で笑い合う光景を幻視する。
その中で笑っている体はスクライドで出来ているも、幻夜・フォン・ボーツスレーも、
派手好き地獄紳士『666』も、静かなる 〜Chain-情〜も、もういない。
他のみんなももしかしたら居なくなってしまっているかもしれない。

それでも。

できるだけ多くの人達に生き残ってほしい。
プー太氏だってそうだ。
魔王のことだって諦めてなんかやるものか。
私は、牙なき人の剣なのだから。

突き当りが見えてきた。
違う、扉だ。
旅の扉は所謂渦のようなもので、床に設置されているものだと説明を受けた。
前方に見えるのは普通の扉だ。
多分開けた先の部屋に用意されているのだ。
魔王が編んでくれた制服の裾をギュッと握りしめる。
相手は噂に聞く黒猫だ。
どんな罠が待ち受けているかわからない。

大丈夫だ。

私にはこんなにも頼れる仲間達がいるのだから。
一人で動いてる時でも私を強くしてくれる仲間が。

さあ、扉を開けよう。
どんな罠にも打ち勝とう。
防御面はばっちりだ。
後は私という剣を振り下ろすまで。

オーガドライバーに手を添え来るなら来いと勢いよく扉を開け放つネコミミスト。


その部屋には旅の扉である井戸が鎮座しているのみ。
誰も、他には、居なかった。





4216今日の私は阿修羅すら凌駕する名無しだ!:2008/09/16(火) 02:39:48 ID:v/FzSC0E0



ドSの悲鳴もなんのその。
滲み出るエネルギーが為した爆発を背負い、ヒーロー物のお約束とばかりに名乗りを上げたブッチギルンジャー+3。
何も本当に全員が合体したわけでは無い。
しかし、確かに今の彼らは、8人全員の力を合わせて闘っていた。

「いい加減、きっちりあの世に行きなさい!!」
「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」」」

十を超えるガンダムヘッドが融合し、一際巨大なガンダムヘッドとなり牙を剥く。
他のガンダムヘッドを盾に接近。
スーパーチートロボを飲み込み、噛み砕こうとするも、真正面から受け止められる。
信じられないことにそのまま抱えたガンダムヘッドをハンマーのように振り回し、魔王ガンダムと衝突させる。

「いっぎいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!」

チートキングとチートブルー。
二人が細胞融合でキングゲイナーと一体化し、その全身体能力を高めた故のしろものだ。
強化されたのは腕力だけでは無い。
脚力、反応速度、頑強さ、動体視力、聴力、スタミナ等々多岐に渡っている。
アーカードとしての特性を持っていたことが上手く作用した。
爆弾が純粋に無機物のロボットだったなら、バイオライダーの能力では強化できなかったのだから。

「今度はこっちからいくわよ!」

残る五人はというとコクピットに搭乗していた。
本来のキングゲイナーは一人乗りだが、巨大化に伴いコクピットのスペースも広がり、難なく五人を収容している。
それどころか、変身能力の応用か、はたまた長門の情報改変能力によるものか。
その内装は完璧に戦隊ものの五体合体ロボの操縦席そのものだった。
正面右にチートイエロー、左にチートブラック、奥右端にツキノン、奥左端にロリスキー、中心にチートシルバーという席順である。

「ツキノン!!」
「任せるのです!!」

両正面に座る二人が己が力を解放する。
ロリスキーは触手と剣の翼、更には支給品のレヴァンティン、龍騎のデッキ、マジシャンズレッドのDISCを。
ツキノンはトラペゾヘドロンからバルザイの偃月刀、クトゥグア、永遠真剣『世界』の力を引き出す。
するとどうだろう。
チートロボの力として今将に二人が発動した力が再現されていた。

ヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンッ!

七つもの偃月刀がチートロボの周りを回転し、近づく全てを斬り捨てる。
相乗された炎はプラズマ火球として巨腕から放たれ、触手の海を焼きつくす。
融合したチートキングのロボライダーとしての特性も得たチートロボは、自身が発した炎をエネルギーとして吸収。
更なる攻撃にへと繋げる。

「行動予測完了、標準誤差修正!!」
「右27度からダブルクロー、続いてガンダムヘッド、地底座標B−73より来ます!!」

爆弾の対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェースとしての情報処理能力を、
ハイパーリンクにより得たチートイエローが、高速演算により魔王ガンダムの行動を予測。
瞬間の判断は0,1秒の隙すら逃さないチートブラックの見切りが補っていく。

「絶望したー! 攻撃が全く当たらないことに絶望したー!!」
「こっちはクーちゃんや、みんながついてる! 一人ぼっちの君には負けないよ!!」

チートロボから伸びゆく触手が魔王フィンガーに次々と突き刺さり絡め取っていく。
無理やり引きちぎろうともがくも、激戦により瞬時に再生する触手からは魔王ガンダムといえど逃れられない。

「さあ、力比べといこうか、ドS!!」
「いささか、私を嘗め過ぎですよお!!」

自由の利く両の手で、振り下ろされた激戦を受け止める魔王ガンダム。
大きさでは未だにドS側が勝っているのだ。
正面からの激突に負けるはずが無い。

なのに。

押されているのは魔王ガンダムの方だった。
中央コクピットに陣取るチートシルバーのキングストーンの属性は『月』。
吸血鬼の属性を持つ爆弾にとって、これ以上にない動力源。
チートキングの物と合わせて2つの月の石の恩恵を受けたチートロボは、サイズ差すら無視して激戦の刃を突き立てた。

「百鬼夜行を、ぶっちぎる!!」

本体:地球破壊爆弾&チートブルー
火器管制:ツキノン&ロリスキー
動力源:チートシルバー
策敵:チートブラック&チートイエロー
統括:チートキング

これがスーパーチートロボだ!
ブッチギルンジャーの新たな力だ!!




4217今日の私は阿修羅すら凌駕する名無しだ!:2008/09/16(火) 02:40:34 ID:v/FzSC0E0


豪ッ!!
細腕から繰り出されるとは思えない重い攻撃をすんなりとかわすLX。
先ほどから何度も何度も繰り返されてきた光景だ。
ゴルディオンハンマーはLXを捉えることなく、LXも一度も攻撃に移らない。

「少しは反撃してくれませんか? 
 いくらネコミミストさんが黒猫を打倒するまで私を傷つけないためとはいえ、なんか一人盛り上がっちゃってるのは虚しいですし」
「あれ? よくわかってるじゃないか、黒猫さん。一人よがり程他人からすれば迷惑なものはないって」

攻撃の手が止まりる。

「なんのことですか、魔王さん。黒猫さんならネコミミストさんが……」
「いい加減、三文芝居はやめにしないかい? いや、もう飽きちゃったし」
「……やれやれ、ばれちゃってたか」

誤魔化せないと悟ったダブトの仮面が解けていく。
ベルトも、ゼクターも、スーツも。
どれも本物では無くダブトを模したバリアジャケットだったのだ。

「顔を見せないには言い手だと思ったんだけどね。声だってばれないようプー太氏に担当してもらったというのに」
「わざわざデイパックから腹話術でプー太氏が話しかけてきた時には本気で驚いたよ。手が凝ってるなあって。
 でも失敗だったね。君が取り込んだ膨大な精気は、可愛らしい絵を書くプー太氏には似合わない」
「なるほど。つまり私と君がエロすぎたのが原因なんだね」
「身も蓋もない言い方だなあ」

くくくくくくくく。
ふふふふふふふふ。
互いに笑い合う二人の魔人。
口元とは違い、その眼に笑みはない。

「じゃあ、本題に入ろうか。別にほんとにプー太氏に僕を任せても良かったんじゃないのかい?」

ネコミミストの性格ならプー太氏とのバトルよりも、黒幕の打倒に向かうのは明確だった。
LXをプー太に任せさえすれば、今頃は彼女の目論見通り二人っきりで再会できていたであろうに。

「なに、君の相手をするには氏には悪いが、少々役不足と思ったんでね」
「そんなあ、ひどいですよ、666さ〜ん」
「ははははは、すまない。けど不貞腐れる君も中々萌えるものだね」
「もお、浮気は嫌われますよ?」
「これは一本取られた。どうかネコミミストには黙っていてくれたまえ」

宥めようと頭を撫でる666。
プー太氏もまんざらでは無いのか気持ちよさそうに眼を細めている。

「それで、わざわざ自分から出向いてきたと?」
「ああ。いくら私が異能『ロリショタ以外では倒せません』に覚醒したとはいえ、君が厄介な相手に変わりはないからね」

◆LXe12sNRSs。
速筆魔王、長文作家、紙視点、「タイトル」、考察担当、舞台裏、ネタ師、パヤパヤ魔王。
様々な二つ名を持ち、熱さも渋さも切なさも演出できるオールラウンド書き手。
だが、それら全てを置いて最も彼を有名たらしめているのは『魔球』である。
全書き手と読み手の想像を遥かに凌駕するいい意味での超展開。
マーダーキャラが途中脱出、一人ハッピーエンドを迎えた『Berserk』。
主催者がロワを放棄して別世界に逃亡したキノ風味な『螺旋の国 -Spiral straggler-』。
主催ルルーシュを誕生させ新たなチームを結成させた『天のさだめを誰が知るⅠ』

666は恐れた。
LXなら自身が気づいていない穴をついて彼女を打倒しかねないと。
最悪、グリフィスやマダ王のように、途中退場という形に持って行かれるのではないかと。

「ふうん。君がそこまで警戒する僕にここで倒されたら全てが終わりだとは考えなかったのかい?」
「なに、予想できないタイミングで仕掛けられるよりは、想定済みの状況で戦う方が幾分ましだからね」

彼女から漂う余裕にLXは眉を顰める。
言っていることはわからないでもない。
ダブトが万一本物のプー太氏なら、間違いなく彼女を倒して666にもちょっかいを出しに行っただろう。
しかし、LXを排除するだけなら、とにかく時間を稼げば良かったのだ。
ウイルスが全身に回り、彼が死ぬその時まで。
……時間?

「まさか!?」
「何より今の君なら私は指一本触れずに無傷で倒すことができる」

気付いた時にはもう遅い。
666の手には時を操る魔剣が握られていた。

「ああ、私は、本当についている」


【速筆魔王LX@アニロワ2 死亡】




4218今日の私は阿修羅すら凌駕する名無しだ!:2008/09/16(火) 02:41:00 ID:v/FzSC0E0


「っがあああああああああああああああああ!!」

魔王ガンダムの右腕が落ちる。
ドSから洩れる絶叫を余所に、チートロボの攻撃は止まらない。
振り抜いた勢いを殺さずに、変則的な回転斬りで追撃する!

「舐めるなと言ったはずですよ!」

瞬時に右腕を再生し、激戦の柄を殴りつけ軌道を逸らし回避。
チートロボの触手に縛られた魔王フィンガーを自らパージ。
即座に再生しつつ、ミドルレンジでの戦闘は不利と判断し、大きく後退して距離をとる。

見くびっていた。

地球破壊爆弾やぶっちぎりのこともそうだが、何よりもロワ因子補正をだ。
wiki管理人の最終目的であるフィードバックの対象は書き手2に参戦しているロワだけでは無い。
古今東西あらゆるロワの書き手・読み手に処置を施すつもりなのだ。
そして、最終フェイズに移行した現在、全てのロワ関係者の精神にダイダルゲートは接続を完了している。
それは裏を返せば彼ら・彼女らが属するロワの因子が混在しているということだ。

ラス1であるツキノン、ロリスキー、繋ぎ師、爆弾はいわば自ロワを背負っており、丸ごと補正が働いている。
バスターバロン譲りの武器の巨大化はその最たる例だ。
ブッチギルンジャーも戦隊キャラになり切っているが故に戦隊ロワ補正を受けている。
実際は主催の嫌がらせのため、対主催涙目なロワではあるが、巨大ロボは別だ。
本編で出せない可能性が高い分、書き手ロワで大暴れする腹積もりなのか、チートロボを支援しまくっている。
こちらも二次スパ補正でゼストとも、シャリダムとも違うデビルガンダムを降臨させたが、まだ足りない。

良いでしょう、新規ロワ補正を受けれるのがあなた達だけでは無いことを教えてあげましょう。

魔王ガンダムが両手を広げる。
何かを迎え入れるように、誰かを称えるように。
声高らかに呪言を唱える。

「まっくろくろすけでておいでー!」

ドSは一体化した大蟹杯を撫でつつ、狂気の笑みを浮かべてそう叫んだ。
すると、ごぽり、ごぽりと、蟹杯の穴より巨大な聖杯の影が出現する。
クラゲのような、チューリップの花のような頭部を持つ巨大な黒き人影が膨れ上がる。
ごぽり、ごぽり、ごぽりと!!

「っ、これは!?」
「いくら貴方達でも聖杯の泥により汚染すればただでは済まないでしょう!!」

アーケード用ゲームFate/unlimited codesにおける桜の必殺技、おなかがすきました。
KSKロワのロゴを作ったドSにより発動されたそれは、補正も加わり最強の爆弾と化す。

「喰らいなさい!!K(カオス)S(すぎるでしょ)K(このロワ)!!」

手前で気球のように膨張を続けたアンリマユが、空洞に収まらないまでに膨れた己が巨体に耐えきれず破裂する。
限界まで力を貯めた上での爆発により飛散した聖杯の泥がチートロボを襲う!

「甘いよ、ドS!! 確かに新規の風は祝福すべきものだよ。けどね、未完の旧ロワでもね。読んで損はないロワもある!!」

爆弾の叫びに応えるように両の魔銃が輝き、炎の獣と氷の獅子が宙に顕現する。

「右手からオーバーヒート、左手からオーバーフリーズ! 合体!! 神弓爪牙 オーバーメドロオオオーーーアァァァアアアアア!!!!」

炎と氷、相反する力をスパークさせ、対消滅を起こし究極の矢を番え、射る。
片や全てを侵す悪の波動。
高潔たる騎士王も、ギリシャの大英雄も。
抗うことは許されない久遠の闇。
片や究極の消滅呪文。
凍れる時をも動かす、人の魔術の最果て。
闇を払いし光の弓矢。

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
「っはああああああああああああああああああああああああああああああ!!」

『この世全ての悪』の猛威に、『魔を絶つ剣』より放たれた『大魔道士』の矢が撃ち込まれる。

世界が、二分される。
白き光と、黒き闇に。
拮抗する二つの色。
されど、一方の色がもう一方を吹き飛ばす。

世界が色を取り戻した時、ドSは見た。
魔王ガンダムの胸部、コクピット部分へと降り立つ神の姿を。

大蟹杯の穴は、いつしか閉じられていた。




4219今日の私は阿修羅すら凌駕する名無しだ!:2008/09/16(火) 02:41:25 ID:v/FzSC0E0


ネコミミストは引き返す。
無事でいてくださいと祈りながら。
不在だった門番は今どこにいるのか?
魔王のところとしか考えられない。
対主催の行動としては間違っていることは承知している。
wiki管理人を倒すことを第一に考えるなら、門番の不在を喜び、デビルラピュタガンダムに突入するべきだった。
けれども、ネコミミストは『弱き者の剣』なのだ。
倒すためではなく、守る為の力。
故に、危機に陥っているかも知れない仲間を放って行くことなんて彼女にはできなかった。

「魔王!!」

細く長い通路を戻り終え、彼と別れた場所まで辿り着き、彼女は絶句する。
速筆魔王LXは地に伏していた。
テッカマンデモンへの変身を解き横たわる姿が、嫌でもアニ2本編での相羽シンヤを思い出させる。
相羽シンヤ不意打ちされて命を落としたのだ。

「黒猫おおおおおおおおおお!!」

抱きかかえた魔王の心臓は動きを僅かたりとも動いていなかった。
彼ほどの強者がやすやすとやられるとは考えられない。
策に嵌り、まんまと一人になったところを、隠れていたであろう黒猫に奇襲されたに違いなかった。

「やあ、読んだかい?」
「お前じゃない、黒猫を……声が!?」

いけしゃあしゃあと返事をしたダブトに怒りを覚えるも、その声にハッとなる。
違う、プー太氏の声じゃない!
マテリアルブレードを握る量拳に汗が伝う。

「そうとも。私が……黒猫だ」
「お前が、魔王さんを!!」
「おっと、誤解しないでくれたまえ。私は彼に直接は何もしてはいないよ?」

逸る心を押し留める。
思い出せ、魔王さんの特訓を!
彼は何の為に演技をしてまで私を鍛えてくれた?
動揺や困惑に負けないようにする為じゃないのか!

「どういう、ことですか?」
「彼がジョーカーによってウイルスを感染させられていたのは君も知ってのことだろ?」

背を向けたまま語る黒猫。
そうだ、魔王さんは人外の最後の悪足掻きで死を待つ運命だった。
まさか、その時が来てしまったのでは……。
ありえない話では無い。だが、タイミングがぴったりすぎる。

「そうだね。あまりにも私には都合良すぎて、彼には都合の悪すぎる最後だ」

悩むネコミミストの頭の中を読んだように黒猫が話を続ける。
何故だろう。その声を、どこかで聞いた気がした。

4220今日の私は阿修羅すら凌駕する名無しだ!:2008/09/16(火) 02:41:49 ID:v/FzSC0E0

「ところで君は気付いていたかい? この蟹玉内の時の流れが異常をきたしていたことに」
「時の流れが?」

黒猫は語る。
度を越した時間干渉の反動が、このロワの会場全ての時を狂わせていることを。
普段ならマーダーの言うことだ。狂言として聞き流しただろう。
けれども、彼女自身も時を操る側の人間だからか。
不思議とその言葉を信用できた。
会ったこともない筈の敵の言葉を納得してしまう理由は、きっとそれくらいだ。
そうに決まってる!

「そうとも。さて、ここで問題だ、ネコミミスト。この剣が何か分かるだろう?」

ダブトが振り向き剣を掲げる。
獲得した士郎の解析能力でマテリアルソードに宿る経験を読み取っていたネコミミストは全てを理解した。
魔剣エターナルソード。
テイルズロワの終盤のキーにもなった時と空間を統べる剣。
あれを使えば歪んだ時を安定させることも可能だ。
例えば、魔王を蝕んでいたウイルスが活性化した瞬間に時を固定することも。

「っ、よくも、よくも!!」
「ふははははははははは! 八当たりはよしてくれたまえ。彼を殺したのはウイルスだ。
 私はただ、ちょっぴり時間を正しき流れに近づけたに過ぎない」
「そんなのは詭弁だ!!」

黒猫の弁が本当なら、時が逆行した瞬間もあったのだ。
なら魔王がウイルスに侵される前の時間で固定すれば彼の命を救えた。
そのことが堪らなく悔しくて、やりきれなかった。
エターナルソードの素材が3分の2まで揃っていたのに。
どうして神様は、こんな悪人にかの魔剣を与えたのだろう。
どうして私は、彼女の仕草に見覚えがあるのだろう。

どうして私の心はずっと騒ぎっぱなしなのだろう。
ねえ、どうして?




4221今日の私は阿修羅すら凌駕する名無しだ!:2008/09/16(火) 02:42:18 ID:v/FzSC0E0


「…………、ああ」

やっと終われるのだと黒い蟹座氏は思った。
精神世界の奥深くに閉じこもったまま、他人事のように現実の自分の身体を見る。
魔王ガンダムの胸部、コクピットであり、生体コアである彼女が収められているそこに、一本の剣が突き刺さっていた。
GRトラペゾヘドロン。
ギャルゲロワの全てが籠められた神殺しの剣。
メドローアを盾とし、単身魔王ガンダムへと近づくことに成功したツキノンによるものだ。

これで、いい。
ドSが自分に注いだ愛は本物だった。
取りこまれたことで繋がった心が感じているのだ、間違いない。
だから、これで、いい。
歪な愛に抱かれ、求めていた居場所に拒絶させられて死ぬ。
なんて、お似合いの最後だろう。

「蟹座氏!!」

父と母がいることを願い振り向く。
そこに、影の繋ぎ師がいた。
仮面ライダーSRX。
絶対無敵、究極無比の正義の味方が。

神様はよほど自分を憎んでいるようだ。
黒い蟹座氏は己を笑う。
なるほど、悪の怪人は、正義の味方に殺されるのがお約束だ。

「いいよ。私を終わらせて」
「……ああ」
「影の繋ぎ師!?」

ディーが驚きの声を上げ、困惑も顕わに非難の眼を向けてくる。
繋ぎ師とて悩んだ。悩みに悩んだうえで、彼は決めたのだ。
黒い蟹座氏を倒すと。

「当然だよ、最速氏。私は邪悪なんだから。あはは、あはは、あははははははははははは♪」

繋ぎ師を止めようとするディーに、黒い蟹座氏は微笑む。
諦めと、悲しみを抱いて。
悲劇を喜劇としてしか見れなくて。
殺し合いを喜んで。
他人を恨み、妬み、嫉み。
そんな、自分が、悪魔以外の何であろう?

だというのに。

「違う……。君は、邪悪なんかじゃない!!」

彼女を終わらせてくれるはずの、仮面ライダーが否定する。

「確かに君は人の死を望んだ。惨劇や悲劇を起こそうとした。けど!!」
「君は泣いていたじゃないか、母の死に。悔いていたじゃないか、闇その1の手を放したことに」
「そ、それは、自分のためだもん! 自分の境遇を変えようともせず、ただ愛してほしいと泣きわめいていただけ!」

闇その1が言った通りで。
自分からは何もしない卑怯者。
それが自分なんだと気づいてしまって。
だから。

4222今日の私は阿修羅すら凌駕する名無しだ!:2008/09/16(火) 02:42:41 ID:v/FzSC0E0

「その説得に心動かされ、君は自分から動いた!! 聖杯の穴を閉じ、アンリマユヘノ供給を止めた!!」

惨めな自分が嫌になって、少しでも綺麗に見せたかっただけだ。
結果彼女を愛してくれた父の敗北を呼んだ。
そのことが、また黒い蟹座氏の心を責めていて。
けれども、続く繋ぎ師の言葉にやっと、彼女は自分を許せそうな気がした。


「自分を邪悪だと思って、そこから這い上がろうとする奴は、邪悪ととは言わない! それは人間だ!!
 誰だって完璧なんかじゃない!! 俺も憎悪と悲しみに捕らわれて仲間を危機に曝した。
 反省してもしきれない!! でも、俺は、この憎悪と悲しみを否定しない。この暗い念も含めて俺なんだ!!
 善と悪、その両面を兼ね備えているのが、人間なんだ!!」


ライダーキックは使わない。
彼女は悪の怪人なんかでは無いのだから。
打つのは拳。
絶望の殻を打ち破る誕生の技。

――生命を絶つ蹴りではなく、生命を吹き込む拳を放て! 放て!!

誰よりも読み手を楽しませようとしたもう一人の自分の声が響く。
流れてくる、アルレッキーノの想いが。
殺し合いに乗る道を選んだ彼も、現実の読み手達を守る為に影丸達が開いた扉から繋ぎ師へとエールと鎧を送る。

――正調零式四聖句!!

「沈」

トラペゾヘドロンより光が溢れた黄金色の光が影の繋ぎ師を包み込む。
優しい光だった。
この光の中で眠れるのなら、きっとそれは幸せなことだと思ってしまう、そんな、温かい光だった。

「留」

自らの悪心の象徴である強化外骨格アルレッキーノを瞬着し、繋ぎ師の姿が変わる。
より無骨な装甲を纏い、一号ライダー達の様な赤いマフラーをなびかせて。
仮面ライダーBLACK SRXは、否、仮面ライダーBLACK SRXアルタード アルレッキーノスは構える。

「清」

眼は閉じ、左手は天に、右足は前に。
再起を図ろうとしてたドS裏面と表面が異常を察し割り込むも、ディーとドラグブラッカーが食い止める。
黒い蟹座氏の背後にはいつの間にか巨大なゲートがその口を大きく広げていた。

「融」

左の手刀を振り下ろし、右拳を強く握り締め、引く。
静かだった。
常の繋ぎ師からは信じられぬほどに凪いだ心が、黒い蟹座氏にまで伝わってくる。
あまりにも穏やか過ぎるその世界に抱きしめられて。
心に沈澱していたもやもやが、全部霧散していく。

――是無の構え

「この一撃で生まれ変われ、蟹座氏!!」

ライダーの脚力を以て地を蹴り、背のブースターを蒸かして繋ぎ師が踏み込む。
哀しみを断ち切らんと、黄金の右拳が打ち出される。

一撃必生!!

「輪廻!!」

黒い蟹座氏は避けなかった。
凍らされたわけでもないのに、ただ、光の拳を受け入れた。
そこには、みんなが居た。
バンプレイオスが出現させたゲートを潜って、彼女の魂はあるべき過去ログの海へと戻って行った。

『えっと、その、おかえり、――』

最後に、ずっと、ずっと、聞きたかった言葉をもらって。



……ただいま、お母さん、みんな


【黒い蟹座氏@ギャルゲロワ 昇華】




4223今日の私は阿修羅すら凌駕する名無しだ!:2008/09/16(火) 02:43:14 ID:v/FzSC0E0


「うわっ!?」
「これは……」

突然の振動にバランスを崩すネコミミスト。
黒猫もまた、原因を探ろうとメタ視線で物語を辿る。

「どうやら、君の仲間が暴走した【蟹座じゃないもん】を抑えることに成功したみたいだね」
「みんながっ!?」
「ふむ。見てみるかい?」

黒猫がエターナルソードをかざす。
時と空間を超え、宙にある映像が映し出された。
蟹玉を構成していたオブジェが、次々と無音のうちに消えていく。
初めから存在しなかったもののように。
古手神社が、ギガゾンビ城が、nice boatが、希望の船が、アースクレイドルが。
流れゆく画像の中には、ダイソウや将軍といった仲間達の遺体も含まれていた。
外側から完全にただのフォーグラーへと戻った様子を最後に、映写が終わる。

「今のは少し先の未来を見せたものさ。おめでとう、君達は着実と対主催エンドに近づきつつある。
 しかし、だ。よく考えてみてほしい」

図らずも知ってしまった仲間の死に沈みそうになる心を震え立たせるネコミミストに、
パチパチパチパチと小馬鹿にしたように拍手をしながら黒猫が問いかける。

「君はどうしてwiki管理人を倒そうとしているんだい?」
「え? 何をあたりまえなことを!!」

戸惑うネコミミストにさもおかしそうに黒猫は語る。

「当たり前? 本当にそうなのかな? ねえ、ネコミミスト。この物語はバトルロワイアルとしては既に崩壊しているんだよ?
 首輪が外れた時点で。最悪地上のラストマーダー、熱血王子を倒した時点でだ!!
 君達は考えなかったのかい? そのまま逃げるということを!!
 最近のロワは主催者打倒に話が行き気味だが、脱出エンドだって立派なハッピーエンドじゃないか。
 しかもこのロワの主催者であるwiki管理人の目的からするに、例え君達が別世界に逃げたとしても、一つの完結と見なしただろう!
 追うこともなくフィードバックを始めたに違いない!!
 つまりは彼女やジョーカーとの戦いは回避できた!! ねえ、見ただろ、ネコミミスト。
 この蟹玉に突入してからどれだけの死者が出たのかを。ジョーカー7名。対主催5人。真の対主催1人!!」

僅かにトーンダウンし、舞台に立つ役者の如くオーバーな身振りで我が身を抱き、

「合計13人もの人間が死んだ。実に、実に悲しいことじゃないか」

9人殺しのトップマーダーはいけしゃあしゃあと言ってのけた。

「まあ、これこそ詭弁ではあるけどね。浚われたバトルマスターを助けにどのみち君たちはここに来ただろうし。
 脱出したところで、私は君を追いかけた。でも、私が言いたいことは伝わっただろう?
 もう一度聞くよ、ネコミミスト。君はどうしてwiki管理人を倒そうとしているのかな?
 そこまでして、君は本体である書き手を守りたいのかい?」

黒猫の言うことは全くの虚言ではなかった。
『牙なき者の剣』という茨の道を歩んできたネコミミストには痛いほど思い当たることもあった。
逃げていれば。戦うのではなく、仲間と共に逃げていれば。
幻視したあの幸せな世界にも行きつけていたかもしれない。
でも、現実はそうは成らなくて。ネコミミストは戦う道を選んだ。
そのことに後悔は無い。誇りをもって答えられる。

4224今日の私は阿修羅すら凌駕する名無しだ!:2008/09/16(火) 02:43:41 ID:v/FzSC0E0

違う、と。

「それは違う、黒猫。本体とか、残滓とか。現実とか、虚構とか。そんなのは関係ないんだ。
 どれも大切な命なのだから。逝ったみんなは、私に沢山のものを残してくれた。
 いつ死ぬか分らない世界だからこそ、このロワは命の尊さを教えてくれた」

この世界で過ごした日々が、頭の中を駆け巡り、熱い物となって込み上げてくる。
何処からとも無く飛んできたカブトゼクターにその想いを込め、ベルトへとセット。

『HENSHIN』

電子音声が流れ、六角形の鎧が体を包む。
そこにいるのはただの少女では無い。
仮面ライダーだ!

 ―― Cast Off ――
 ―― Change Beetle ――

「私は、牙なき者の剣。そして、災いに抗う盾。これ以上誰かの命を失わせない為に!!」

続けて、ネコミミストはハイパーゼクターを見つめ腰へと装着。
無限の決意を抱いて、腰のレバーを下げると同時にボタンを押す。

 ―― Hyper Cast off ――
 ―― Change Hyper Beetle ――

「黒猫、wiki管理人!! あなた達を倒す!!」

全速で接近、首に向かって横から両手の炎の剣と氷の剣を振り抜く。
その剣を前にして、黒猫は――

笑った。

「ふふふふふふふ、ハハ、アハハハハハハハハ!!」

ネコミミストは信じられなかった。
マテリアルソードが斬り飛ばした首が、時を巻き戻すように元に戻ったことに、ではない。

「嬉しい、嬉しいよ、ネコミミスト! よくぞ、よくぞそこまで正しくあってくれた!!
 辛かっただろう、命の価値を見失わず、それでいてマーダーキラーの道を歩むのは。
 苦しかっただろう、仲間の死に立ち止まらずに、意思を継いで前に進み続けるのは。
 綺麗だよ、ネコミミスト。あの時、別れた時よりもずっと!! 君は、余計に綺麗になった!!」

ネコミミストが知る由はないが、この時、既にロワの会場を覆っていた結界はwiki管理人に解除されていた。
故に、不死者は原作の力を取り戻し、首を吹き飛ばされても再生する。

ばさり。

黒猫を覆っていたバリアジャケットが本来の姿を取り戻す。
黒い、黒い、リボンドレス。
ネコミミストが纏っていたバリアジャケットとそっくり同じデザインに身を包み。
知らない色の髪の、知らない髪型の少女が、よく知った声で、よく知った笑顔で。

「久しぶりだね、ネコミミスト」

彼女の名を呼んだ。




4225今日の私は阿修羅すら凌駕する名無しだ!:2008/09/16(火) 02:44:12 ID:v/FzSC0E0


あれだけの激戦が繰り広げられた大空洞は、何の痕跡も残さず消え去っていた。

「っ、みんな、無事!?」

ロリスキーは辺りを見回す。
蟹座じゃないもんの力が失われた時、蟹玉内に生じた理不尽空間で戦っていた彼女達は、危うく空間の消滅に巻き込まれかけた。
命からがら逃げ出して、なんとか本来のフォーグラー内の空間へと滑りこんだのだ。

「いやあ、もう少し座標がずれてたらリアル『壁の中にいる』になっていたよ〜。ちびりかけたよ、マジで」
「ちぃちゃん!!」

最愛の人の無事にロリスキーの頬が綻ぶ。
爆弾の近くには、ブッチギルンジャーや、ツキノン、そして変身を解いた影の繋ぎ師もいた。
ゼロの仮面も魔王ガンダム化した時の影響か、外れていた。

「繋ぎ師!!」
「心配させてしまってすいません。俺はこの通り、大丈夫です!!」

シュッと人差し指と中指を合わせた、敬礼を崩した独特のポーズをとる。
光太郎ではなくヒビキの仕種だが中々様になっていた。

「そういえば、ちゃんと言ってなかったっけ。あの時は怖がってごめん」
「あれは俺も悪かったんです。怒りに囚われ自分を見失ってしまったから。おあいこです」

笑い合う二人。
爆弾がクーちゃんは私のだあ! っと叫んでいるのも微笑ましい。

「私からも礼を。あの子を、もう一人の蟹座氏を救ってくれてありがとうございます」
「いえ、彼女を救ったのはGRの皆さんと、ライダーロワの仲間達、そして、影丸さんのおかげでです」
「それでも、あなたが一役を担ってくれたことには変わりありません。ディー……最速氏も、これでゆっくり休めるでしょう」

精神世界から抜け出した今、死人たるディーは実体を得ることができず、トラペゾヘドロンの内包する世界にへと戻って行った。
今頃はきっと新しい仲間にセクハラでも仕掛けて、彼女の母親にでも追いかけられていることだろう。

「そっか。なら、俺はもう心配しないでいいんですね」

ツキノンが繋ぎ師を見つめたまま?マークを浮かべる。
彼の口が開いていないにも関わらず、彼の声が聞こえたからだ。
となると、今のセリフはブッチギルンジャーの誰かの物ということになる。

「あ……」

面々の中の誰が発したのかに一早く気づいたのはロリスキーだった。
チートキングの身体が光っていた。
繋ぎ師が寸前まで宿していたのとは違う、淡く、弱い輝きだった。

「チートキング!!」

誰もが彼に駆け寄り、察する。
別れの時間が来たのだと。

4226今日の私は阿修羅すら凌駕する名無しだ!:2008/09/16(火) 02:44:37 ID:v/FzSC0E0

「少し、無理をしすぎてしまいました」

今回の決戦で繋ぎ師や爆弾以上に彼は力を行使した。
日の光も月の光も失われた世界で、誰よりも無理をした。
スーパーチートロボ時に、彼は無茶を通す為に調整役を買って出た。
他の4人のブッチギルンジャーが個別に果たしていた役割を、彼は全て一人でこなしていた。
その負担は単純に考えても4倍だ。
加えて、大空洞からの脱出。
ゲートを開いたのは繋ぎ師だが、そこまで機体を飛ばし、間に合わせるために、彼はなけなしの力を使ったのだ。

「待ってろ、キング! 今すぐ別次元の月と太陽をこの世界に呼び寄せる!!」
「無理だ、俺。俺達は死の危機に瀕した時点で、歴史を変えないよう元の時代に戻される。
 火事場の馬鹿力や、瀕死からの復活の類は使えない」

それがブッチギルンジャーの弱点だと、未来の自分に言い聞かせる。
使いようによっては強みにもなるのだとも。

「考えようによっては俺達は死なないということだ。だから、決死隊とかには向いている」

死ぬ前に全快した状態で、元の時間帯に戻されるのだから。
ボロボロのチートキングも、全てを忘れ、いづれ今の繋ぎ師同様アルレッキーノスへと至る道を歩む。

「その時は世話になります、過去の俺達」
「「「「任せろ、今回のようにばっちり助け出すさ!」」」」

安心したと眼を細める。
身体の8割は光に溶けていた。

「なあ、俺。仲間を、もうなくすなよ? ブッチギルンジャーの新しいレッドはお前なんだから」
「分ってる。仲間の死という闇を切り裂き、命という光をもたらすさ!!」
「安心した」

消え去る瞬間。
マスクの下から覗いた彼の素顔は穏やかで緩慢なものだった。

――そう、彼は、幸運だった。

「それじゃあ、とっととwiki管理人の場所まで乗り込みましょ――……かはっ!?」

ブシュー。

――未来の自分との約束が、すぐに叶わぬ物になるという現実を、知らないままに帰れたのだから。

「クーちゃん!?」
「ロリスキーさん!」

――少女の首が吹き飛び、闇に消えるのを見ないですんだのだから。



【チートキング@書き手2 送還】
【クールなロリスキー@漫画ロワ 死亡】

4227今日の私は阿修羅すら凌駕する名無しだ!:2008/09/16(火) 02:44:57 ID:v/FzSC0E0



【2日目・深夜】【D-7フォーグラー内部】


【ツキノン@GR1st】
【状態】:首輪無し、強い決意、動揺、ダメージ(中)
【装備】:鬼狩柳桜、GRトラペゾヘドロン
【道具】:支給品一式(食料全て消費)×5、最高ボタン、カードデッキ(シザース)@ライダーロワ、閃光弾、バッド・カニパニーの甲羅、蟹座氏の写真×10、
     腕時計型麻酔銃(1/1)@漫画ロワ、麻酔銃の予備針×3、変化の杖、対戦車地雷×1、
     ヴァッシュ・ザ・スタンピードの銃@トライガン、ドラゴンオーブ@AAA、ティーセット一式
【思考】:
基本:真の意味で打倒WIKI管理人
1:ロリスキー!?


※主催側に反抗したため(自滅ですが)支給品に封印されていました。
※何らかの主催側の情報を持っているかもしれません
※他お任せ
※羽入の力は使えます。
※【GRトラペゾヘドロン】
ギャルゲロワの全てが詰まった神剣。
バトルマスターの固有結界のもう一つの姿。
本来はマスターと共に消滅するが、死者スレの飴を舐めた蟹座氏の助けもあって残存している。
トラペゾヘドロンの名を冠すだけの力があると思われる。
詳細はお任せ。
ギャルゲロワの支給品と、デモンべインの武装が引き出せます。
読み方は『ジーアールトラペゾヘドロン』



【影の繋ぎ師@ライダーロワ】
【状態】:怒りと悲しみを超越、仮面ライダーBLACK SRXアルタード アルレッキーノス化、ダメージ(大)
【装備】:強化外骨格『アルレッキーノ』
【道具】:支給品一式×3、 ワルキューレ@スパロワ、ドラグブラッカー、写真付き名簿、放火セット(燃料、松明、マッチ)、
     ナイフ、BL本、首輪×2、パロロワ衣服詰め合わせ、
     お徳用原作パロロワ全生首セット(目玉セット他に換装可能)&原作パロロワ全手首詰め合わせ※今なら腕も付いてくる!
     ノートパソコン、フライングアタッカー(中破)@仮面ライダー555 、ヘルメスドライブ(使用済み)、カラオケマイク@現実
【思考・行動】
 基本:正義再誕!! 2倍ぶっちぎるぜえええ!!
 1:黒猫の仕業か!?
 2:wiki管理人、逃がさん!!

※強化外骨格を纏い、遂にバンプレイオスにまでなっちゃいました。
 詳しくは不明です。
 ただ、原作のバンプレイオス同様、異なる次元空間を切り裂く、或いは逆の次元を封印する機能も持ち合わせています。
 尚、強化外骨格に憑依しているアルレッキーノの魂は、現実の読み手の為に全力で協力します。

4228今日の私は阿修羅すら凌駕する名無しだ!:2008/09/16(火) 02:45:19 ID:v/FzSC0E0




【ブッチギルンジャー】
【共通思考・行動】
 基本:闇を切り裂き光をもたらす

※いくつもの重なった条件から、原作さながらに時間を超えて助けに来ました。
 首輪も外されています。
 ただ、この時代での死亡は、過去を揺るがしかねないので、死にかけると、自動的に元の時間へと転送されます。
 みwikiから得た未来の知識も、修正力で消滅します。
 傷?んなの元の時代に帰る頃には治るので気にしない。
※チートキングは元の時代に帰還しました。

【チートシルバー(影の繋ぎ師) @ライダーロワ】
【道具】:カラオケマイク@現実
【所持品】:支給品一式
【状態】:ダメージ(小)、動揺
【思考・行動】:ぶっちぎるぜ
【備考】
※変身体はシャドームーンです
※9話直後出典です


【チートイエロー(影の繋ぎ師) @ライダーロワ】
【道具】:カラオケマイク@現実
【所持品】:支給品一式
【状態】:ダメージ(小)
【思考・行動】:ぶっちぎるぜ 、動揺
【備考】
※変身体はロボライダーです
※120話直後出典です。


【チートブルー(影の繋ぎ師) @ライダーロワ】
【道具】:カラオケマイク@現実
【所持品】:支給品一式
【状態】:ダメージ(中)
【思考・行動】:ぶっちぎるぜ 、動揺
【備考】
※変身体はバイオライダーです
※226話で、マスタースパーク直後の出典です


【チートブラック(影の繋ぎ師) @ライダーロワ】
【道具】:カラオケマイク@現実
【所持品】:支給品一式
【状態】:ダメージ(小)
【思考・行動】:ぶっちぎるぜ 、動揺
【備考】
※変身体は仮面ライダーBLACK RXです
※226話で、RX化直後の出典です



※ロリスキーの首無し死体のデイパックに以下のものが入ってます
 支給品一式、カードデッキ(龍騎)、AK-74(残り28発)
 着替え用の衣装(複数)、レヴァンティン@アニロワ1st、『村雨健二』の衣装、
 キュートなシルク仕様の裸エプロン、日焼け止めクリーム(大量)、GL本

※蟹玉は黒い蟹座氏の昇華により、ただのフォーグラーに戻りました。
 今までのダメージの影響他が出るかもしれません。お任せ。




4229今日の私は阿修羅すら凌駕する名無しだ!:2008/09/16(火) 02:45:49 ID:v/FzSC0E0


「そんな、そんな、あの人は!!」
「死んだはず? 見ての通り、私は不死者だ。そう簡単に死にはしない。
 そして、不死者であるが故に、私が君の考える彼女だという証明は実に容易さ」

不死者は、不死者に、偽名は名乗れない。
わざわざ首を吹き飛ばされることにより自身が不死者であると示した黒猫は唱える。
ネコミミストの疑念を、確信へと変える魔法の呪文を。

「私は、黒猫は、正真正銘 派手好き地獄紳士『666』だよ、ネコミミスト!!」
「う、そ、だ。嘘だ、嘘だ、嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だあああああああああああああああああ!!!!」」

叫ぶ。
仮面なんかじゃ到底隠せない激情を載せて。
嘘だと、認めたくないと。
自分に戦う力をくれて、抱きしめてくれた大切な少女に向かって、ネコミミストは声を荒げる。
頼むから、違うと言ってくれと、懇願せんとばかりに。

仮面の下の悲愴で歪んだ泣き顔を想像し、666は悶える。
もっとだと、もっと聞きたいと。
彼女の泣き叫ぶ声は、それだけ666が愛されていたという証拠なのだから。

これが私なりの愛の伝え方だよ、コロンビーヌ!!
まだまだ序の口だが、死者スレから見ているがいい!!

666はカードを切る。
己の悪行というカードを!!
ずっと俺のターンとばかりに切り続ける!!


「君に地球破壊爆弾をけしかけ、身体はスクライドでできているの命を奪うきっかけになったのも!!」
666は嗤う、ネコミミストが崩れる。

「シャリダムを見逃し、鬼軍曹を死に至らしめたのも!!」
666は嗤う、ネコミミストが崩れる。

「シャリダムの触手汁を主催者側に渡し、後のお姉さま死亡に繋げたのも!!」
666は嗤う、ネコミミストが崩れる。

「エロス頂上決戦の決着後に乱入し、魔王からエロパワーを奪取。さらに、鉄槌をズガンしたのも!!」
666は嗤う、ネコミミストが崩れる。

「影丸から魔力を蒐集し、彼を殺害したのも!!」
666は嗤う、ネコミミストが崩れる。

「フラグビルドの空間転移に干渉し、Chain-情を君の近くに飛ばしたのも!!」
666は嗤う、ネコミミストが崩れる。

「エロスコンビのスパイセットにハッキングしたのも!!」
666は嗤う、ネコミミストが崩れる。

「爆弾と取引し、ウッカリデスを暗殺。病院組の内部分裂を誘ったのも!!」
666は嗤う、ネコミミストが崩れる。

「仮面ライダー書き手に同盟を持ちかけ、場を掻き乱したのも!!」
666は嗤う、ネコミミストが崩れる。

「空気王組を攻撃し、脳内補完を殺害したのも!!」
666は嗤う、ネコミミストが崩れる。

「転をズガンし、結の死体を辱め、ディス・レヴを強奪したのも!!」
666は嗤う、ネコミミストが崩れる。

「心身共に限界寸前だった熱血王子を、再生&強化したのも!!」
666は嗤う、ネコミミストが崩れる。

4230今日の私は阿修羅すら凌駕する名無しだ!:2008/09/16(火) 02:46:32 ID:v/FzSC0E0
「ミニ・サスペリアを通じて主催者側と交渉し、愛媛の真・驚きの黒さを蒐集したのも!!」
666は嗤う、ネコミミストが崩れる。

「闇の書のバックアップシステムを使い、漆黒の龍に命がけで倒された熱血王子を復活させたのも!!」
666は嗤う、ネコミミストが崩れる。

「子供を人質に取り、コロンビーヌを脅迫。自分の配下に置こうとしたのも!!」
666は嗤う、ネコミミストが崩れる。

「コロンビーヌにリベンジを達成し、母子共々惨殺したのも!!」
666は嗤う、ネコミミストが崩れる。

「蟹座氏を惑わし発狂させ、バトルマスターと戦うよう仕向けたのも!!」
666は嗤う、ネコミミストが崩れる。

「読み手を殺して、今ここに立っているのも!!」
666は嗤う、ネコミミストが崩れる。

「改心した愛媛を爆弾達との再会も許さず一蹴したのも!!」
666は嗤う、ネコミミストが崩れる。

「プー太氏に元仲間であった7氏を殺させたのも!!」
666は嗤う、ネコミミストが崩れる。

「時を操り、速筆魔王のウイルスを活性化させ殺したのも!!」
666は嗤う、ネコミミストが崩れる。

「メタ視線を、メタに介入できる力を得たのも!!」
666は、調子に乗り、天元突破に王手をかけた少女は、笑い、言いきる。
ネコミミストは、仲間に愛され続けた少女は、叫び、崩れ落ちた。

「あれも、これも、それも!! 全部、全部、全部、私だ!!」
「あ、ああ、あああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

信じたくなかった、信じられるはずもなかった。
派手好き地獄紳士『666』。
自分がロリだからという理由で手を差し伸べてくれたLSロワ書き手。
胸を貸してくれて、怪我を治してくれて。
進むべき道を共に模索してくれて、自身を省みず庇ってもくれた。
庇って、庇って、最後に、私のせいで死んでしまった大切な人
そんな、そんな彼女が!!
地に座り込み、泣き叫ぶ少女を、温かな温もりが包む。

「あ……」
「落ち着いたかい?」

その時、初めてネコミミストは、自身の変身が解けていることに気づいた。
膝立ちで、抱きしめてくれる人物の顔を見上げる。
お下げは解け、メガネもなく、髪の毛も白くて。
だけど、右目付近に残る刀傷と、桜色の唇、浮かべる笑みは見慣れたものだった。

「大丈夫、大丈夫だよ、ネコミミスト」

耳元でさえずる優し声にほっとする。
やっぱり、嘘だったのだと。
もしかしたらジョーカーやwiki管理人に復活させられ、操られているとか、何か理由があるのだと。

4231今日の私は阿修羅すら凌駕する名無しだ!:2008/09/16(火) 02:47:01 ID:v/FzSC0E0

ほんの僅かに抱いてしまった都合のいい幻想は、次の瞬間完膚なきまでに砕かれた。

「真実を受け入れられるよう、目の前で実践してあげようじゃないか!!」

ぐにゃり。
空間が、歪む。
666の右腕が、丸ごと消失してしていた。

違う!!
ネコミミストは気づく。
腕が無くなったのではない。
エターナルソードで発生させたワームホールを通して、腕から先を別の空間へと繋げたのだ。

ずるり、ずるり。

666がワームホールから腕を引き抜く。
その手のエターナルソードの先に、あってはならないものが突き刺さっていた。

「ロリスキー、さん……?」

クールなロリスキーの頭部が。
ぱくぱくと、空気を求めるように、口が動いた。
もしかしたら、愛する人を呼んだのかも知れなかった。
けれども、音を発することもあたわず。
物言わぬ躯と成り果てた。

「666ううううううううううううう!!!!」

理解した。
ネコミミストは、理解してしまった。
もう少し弱ければ折れてしまえたかも知れない少女は、彼女が培った強さゆえに、信念を折ることなく、666に剣を突き付ける。
未だにわからないこともいっぱいで、気持ちの整理なんかちっとも着きはしないけど。
派手好き地獄紳士『666』が、彼女の敵だということだけは、痛いほどに理解してしまった。

それこそが、666の望みだということも、到底わからないままに。


「来たまえ、ネコミミスト!! この私が直々に相手をしてあげよう!!」

666は、歓喜にうち震えていた。
殺したい相手は、みんな殺した。
結界が解除された今、不死者を殺せるのは、不死者のみ。
ロリなこなたである爆弾も自分を殺すことはできない。
ネコミミスト以外の不死者であったロリスキーも、漫画ロワwiki管理人の力を解放して殺した。
あの道具の能力は一度限りの制限の解除or制限をかけること。
特務エスパー ザ・チルドレン 解禁!! というセリフと共に、自分に使う気満々だったが、
全参加者の制限が解除されたことを知り、用途を変更したのだ。
その力でロリスキーの不死性を制限し、殺した。
食うという手もあったが、ラッドミンの二の舞とかは御免こうむるので遠慮させてもらった。

これで、もう、自分を殺せるのはネコミミストただ一人。

今の今まで取っていたコアドリルを握り締める。
使ったが最後、闇の書やディスレヴの暴走を抑えるため、メタ視線で読む余裕がなくなるが、構わない。
ドSが敗れ、彼が取り込んだ怨念までも、こちらに廻ってきた。限界だ。
これ以上は、全開の不死者の身体でも、暴走に耐えれても、自我を守るには心許ない。

今こそ、調子に乗っ天元突破の時!!

ネコミミストを絶対的絶望で愛し尽くそうとする究極的宇宙魔神。
ネミトゼボーマが、遂にその姿を現そうとしていた。

4232今日の私は阿修羅すら凌駕する名無しだ!:2008/09/16(火) 02:47:25 ID:v/FzSC0E0



【2日目・深夜】【D-7フォーグラー内部・旅の扉の間】

【衝撃のネコミミスト@アニロワ2nd】
【状態】:不死者化、螺旋力半覚醒
【装備】:マテリアルブレード@テイルズロワ、クラールヴィント@アニロワ1st、機動六課の制服、バリアジャケット(白いリボンドレス)
【道具】:支給品一式×4、拡声器、カブト装備一式(ハイパーゼクター付)、オーガドライバー(オーガストライザー付)@ライダーロワ、
     カイザギア@ライダーロワ、カードデッキ(ベルデ)@仮面ライダー龍騎
【思考・行動】
 基本:スクライドの遺志を継ぎ、自らの意志で牙なき人の剣になって前に進む!
 1:666……。私は、あなたを!!
 2:はぐれた仲間と合流し、打倒、wiki管理人

※衝撃波を使えます。掌からだけでなく、足の裏からも出せるようになりました。
※強化・投影能力を習得しました。何が投影できるかはお任せです。無限の剣製は使えません。

【備考】
※魔王の所持していた首輪×4は爆弾×2に、王者のマントは機動六課の制服になりました。
※ネコミミストのキックで大蟹球全体に罅が入ったようです



【派手好き地獄紳士666@LSロワ】
【状態】:闇の書発動、不死者化、疲労(小)、負のエネルギー蒐集完了、暴走?、ネミトゼボーマ化開始
【外見】:黒いリボンドレス、背中から黒い六翼。長い髪は白く染まり後ろに降ろしている。眼鏡外し。
【装備】:ゲート・オブ・バビロン@アニロワ2nd(※特殊仕様)、闇の書@アニロワ1st(ディス・レヴ内臓)、(バリアジャケット)、
     コアドリル(完全に真っ黒)@アニロワ2nd、エターナルソード@テイルズロワ
【所持品】:融合中
【思考・行動】
 基本:愛してるよ、ネコミミスト!!
 1:さあ、私の全てをぶつけようか!!
 2:最終的に喰われる?

※ゲート・オブ・バビロンは驚きの黒さを受けて宝物を『完全に使いこなせる』ようになりました。
※現在ゲート・オブ・バビロンに入っていることが確認されているもの
 マイクロ補聴器、闇の書@アニ1 ゲイボルグ@LSロワ RH・エクセリオン@LSロワ ミニ八卦炉@LSロワ
※闇の書と融合しているため、その内に言うまでもなく――
※エロスの鐘の煩悩寺と、エロ師匠の(ついでに大暴れ鉄槌の)精気を吸収し10割使いこなせるようになりました。
※闇の書とディス・レヴ@スパロワが内蔵されました。リミッターをかけていますが会場内の負の力を自動的に集められます。
※『真・驚きの黒さ』を蒐集により習得しました。これによりディス・レヴの効率を上げられます。
※全支給品を合成させ、自身も融合することにより、【グランゼボーマ@アニロワ2(グレンラガン)】の力が振るえます。
 ただし666としてか闇の書の暴走が表に出るかは状況によります。 666もそのことは理解しています。
※死んだクマのプー太を守護騎士として眷属にしました。ビッグ承のゴルディオンハンマーを装備させています
※異能『ロリショタ以外では倒せません』に覚醒しました。
※メタな能力も手にしつつあるようです。
 ただし、ネミトゼボーマ化を開始した今、及び今後は、闇の書とディスレヴの暴走による自我侵食を防ぐのに必死で、
 メタ視線で物語を把握する余裕はないと思われます。


※以下の魔王の所持品が落ちています。
  サイドバッシャー@仮面ライダー555、斬鉄剣@ルパン三世、デバイスクリスタル、核鉄「バルキリースカート」、ジャッカル(5/6)
  支給品一式×8、爆弾×2、バヨネット×2、虎竹刀with千年パズル、コーカサスブレス&ゼクター@ライダーロワ、
  iPod、技術手袋@アニロワ1st、コーヒーセット一式@スパロワ、ジャーク将軍のマントと杖@ライダーロワ、
  銀河ヒッチハイクガイド、咎人の剣「神を斬獲せし者」@AAAロワ、他にまだあるかも?



4233EXフィルム パヤパヤを求めて☆:2008/09/16(火) 02:48:45 ID:v/FzSC0E0


「やれやれ。チートキングを見習うべきでした。まさか引き際を見誤ってこんなことになろうとは」

マスク・ザ・ドSは生きていた。
表面、裏面、真ん中面と三つの命を持つ彼は、意図せずに生き延びてしまったのだ。
よりによってゼロの仮面に精神を宿すという形で!

「絶望したー!! よりによって仮面になってしまう自分に絶望したー!!」

もしかしたらこれも、この世界を満たしつつある全ロワの因子によるものかもしれない。
彼が初めて書き手として参加したラノベロワでは、ラジオに取り憑いた幽霊な参加者もいたとかいないとか。

「随分賑やかだね、ドS」

一頭身になってしまった彼の頭上に影が落ちる。
見上げた先には長く青い髪を持った小さな少女。
彼の半身である地球破壊爆弾No.V-7が、短刀を振り上げてそこに居た。

「絶望したー! 無力な存在になり下がった死に損ないに止めを刺しにくる自分に絶望したー!!」
「……ドS、わかってるでしょ、わたしが何をしようとしてるのか」
「……ええ」

数分後の未来、ドSをあの世に送り返す凶器に目を移す。
ジグザグと捻じれた刃は、突き刺して引き抜けば、肉を削ぎ、苦痛をもたらすのに最適だ。
だが、今大事なのは、それはドSの趣味に合う武器だということでは無い。
その短剣が宝具だということだ。

「ルールブレイカー……」

破戒すべき全ての符(ルールブレイカー)。
影の繋ぎ師の身体を乗っ取った時確認した、彼のデイパックに入っていた最後の不明支給品。
効果は全魔術効果及びのキャンセル。
あらゆる魔術による生成物を初期化する短剣。
降霊術により降ろされた今のドSに使用すれば、彼の魂の降ろし先を初期化し、自由に設定できる。
そして、その対象とは、勿論一人しかいない。

「一つに、還る気ですか?」
「うん。クーちゃんの居ない世界は辛すぎるから」
「……」

ロリスキーの最後はドSも感じ取ってはいた。
理由は無い。
しいていえば、やはり、ドSと爆弾が共に地図氏だからだろう。

「ねえ、ドS。私が今からやろうとしていることは間違ってる?」
「……そうですね」

爆弾がドSを吸収する。
それが意味するのは、爆弾を真に覚醒させるということだ。
その能力故に、書き手として封じたあの第七形態が、解禁される。

「書き手としては、間違っています」

そうならないよう、発動キーを二人で分けた。
どちらかが血迷っても、もう片方の合意無しには使えないように。

「ですが」

よって、ドSはここで爆弾を叱咤すべきだった。
けれども、彼には無理だった。
何故なら彼と彼女はどこまで行っても、元を糾せば同一人物なのだから。

「愛としては間違っていませんよ、私」

バキリ。
短剣が突き刺さり、ゼロの仮面が割れる。
マスク・ザ・ドS。
書き手ロワ2を舞台に大暴れした彼は、こうして二度目の死を迎えた。



【マスク・ザ・ドS@アニロワ2 吸収】

4234EXフィルム パヤパヤを求めて☆:2008/09/16(火) 02:49:05 ID:v/FzSC0E0


二つに割れた仮面を置き去りにした爆弾に、一人の少女が駆け寄る。
パソコンを手にし、ぶんぶんと振っている。

「表に出てきたってことは、そっちもうまく行ったみたいだね」
「おかげさまでね。君に状態表を見れる能力があって助かったよ」

ウインドウ表示でディスプレイ内に表示されている状態表を指し、ロリな少女は笑う。

「メタ視線で物語を把握する余裕はない、か。罠の可能性は?」
「さあ? うーん、本当であって欲しいねえ? じゃないと、僕のこともばれてしまう」

けらけらけらと笑う少女は状態表から、自分自身に指の向きを変える。
その少女は、季節はずれなサンタさんの姿をしていた。

「止めないんだね、私のことを」
「残念ながら、口出しするには僕自身、超展開をこなし過ぎたよ」
「今のその姿とか?」
「君の没SSが、ある意味原因の一つだよ? あの時魔眼るい〜ず。眼球一つにさえ美形元帥の意識が残ってた。なら」

肩に巨大なハンマーを担いだ少女が、爆弾の耳元で囁く。

「ラダム虫に意識を宿して寄生するのもありだろう?」

肉体そのものは非常に脆弱であり、わずかな環境変化や外因性ショックに対しても抵抗力をもたない脆い生命体であるラダム虫は、
明らかに攻撃力1500には足りてなく、デッキ破壊ウイルスの対象にはならない。
また、外見もかなり小さく、こっそりハイな666の隙をつき、こっそりデイパックに入りこむのも容易かった。
後は物質化を解き、地の分に記述されないよう、逃げ出したのだ。

「さあってと。エロス頂上決戦の時といい、二度も邪魔された借りは返さないとね」
「ちょうどいい言葉がある」
「どんな言葉だい?」
「……全ての不義に鉄槌を」

いつの間にか長門に姿を変えていた爆弾の言葉に、クマのプー太氏の身体を乗っ取った速筆魔王LXは笑みを濃くした。




【クマのプー太氏@LS、アニ1・2 死亡?】
【速筆魔王LX@アニロワ2 生存】

4235EXフィルム パヤパヤを求めて☆:2008/09/16(火) 02:49:34 ID:v/FzSC0E0




【2日目 深夜】【D-7 フォーグラー内部】

【全ての不義に鉄槌を】
【地球破壊爆弾No.V-7@アニロワ1st】
【状態】:ダメージ(回復済み)
【装備】:激戦@漫画ロワ、マジシャンズレッドのDISC、浴衣 、ルールブレイカー
【道具】:巫女服(鷹宮神社)@らき☆すた 支給品一式、着替え用の衣装(複数)、泉こなたのスクール水着@漫画ロワ
【思考】:
 基本:クールなロリスキーと共にある。
 1:???
 2:666に復讐する。
 3:wiki管理人を倒す

※基本的に中身はアーカードで、CVは平野綾です。
※変化する姿に7つのバリエーションがあるらしいです。
【1:地球破壊爆弾】【2:アーカード】【3:長門有希】【4:泉こなた】
【5:銃撃女ラジカル・レヴィさん】【6:キングゲイナー】【7:1〜6とか目じゃないよ?びびるよ、まじで】
※クーガーの早口台詞が言えます!
※鎖鎌、鳳凰寺風の剣、ソード・カトラス、ノートPCの投影が可能です。
【スーパーキョンタイム】
 地図氏以外の者はゆっくりとしか動けなくなります。一度使うとそれなりの時間使用不可能です。
【地図氏の地図】
 参加者の位置、生死を含めた地図を投影できます(※長門有希の状態でのみ可能)
※状態表を見るのに自重はしなくなりました。
※マスク・ザ・ドSの魂を取り込みました。
 第七形態解禁以外にも、何か影響があるかもしれません。お任せします。



【速筆魔王LX@アニロワ2nd】
【状態】:ラダム虫
【装備】:クマのプー太氏、ゴルディオンハンマー
【思考・行動】
 基本:さて、ロスタイムと行こうかな
 1:666にしっぺ返し
 2:ネコミミストが心配
 3:感電氏……はどうしよう。

※『柿テロ猥・R2‐ND』掲載の情報を一部入手しました。
※クマのプー太氏にラダム虫として規制しました。
 プー太氏の意識が残っているかは不明です。
 また、フォーマットされた身体ではありませんが、クリスタルさえあればテックセットも可能かも知れません。
 666には、爆弾の能力で、偽の情報を送っており、プー太氏が乗っ取られたことを隠そうとしてます。

4236EXフィルム パヤパヤを求めて☆:2008/09/16(火) 02:52:08 ID:v/FzSC0E0
投下終了。
後編は>>4217 からです。

4237おもしろい:2008/09/16(火) 12:55:24 ID:eaih/2520
おもしろいブログを発見したので
ぜひ見ていってください。
ちょっと○○だけど・・w

http://www.geocities.jp/wonji3596g/has/

4238今日の私は阿修羅すら凌駕する名無しだ!:2008/09/16(火) 14:22:16 ID:Kha2Q53s0
遅まきながら、投下乙です!
ロリスキィィィィィィ!!
まさか彼女がこんな死に方をするとは……。
これがバトルロワイアルというものか……。
そして魔王さま、ラダム虫とは予想外w さすがは魔球使いだw
ついにネコミミストも666と再会したし、これはいよいよ最終回が見えてきたか!?

4239今日の私は阿修羅すら凌駕する名無しだ!:2008/09/16(火) 16:11:09 ID:8D5FkOcE0
投下乙であります。
なんという生死のオンパレードwあとでじっくり再度読みなおそう。
ロリスキー……うん、まさか終盤であのような最期とは、さすがは書き手ロワ。
そして魔王wwwラダム虫とは魔球すぎるwww
さらについにネコミミストと666が再会w
始めの方のスーパーチートロボの下りとかも凄すぎwww

ああ、もうすぐ最終回なんだなあ…。

4240今日の私は阿修羅すら凌駕する名無しだ!:2008/09/17(水) 18:30:08 ID:iMudtcBA0
遅くなりましたが、投下乙です。
ブッチギルンジャーついにお約束の合体巨大化をw流石はぶっちぎり戦隊だw
黒い蟹座氏の昇華、ロリスキーの死、魔王様復活!とこのめまぐるしい展開は流石書き手ロワ。
ついに再会を果たした666氏VSネコミミスト氏の行方も気になるところ。

4241乾電池★:2008/09/17(水) 23:16:47 ID:???0
あーあー テステス
書き手ロワの次回を待て!

4242tomoko:2008/09/17(水) 23:27:53 ID:e6If6IUs0
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4243mihoko:2008/09/19(金) 01:36:26 ID:zOLgREiQ0
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4247結束〜UNITY〜:2008/09/27(土) 11:04:06 ID:7wJLMq2.0
投下します。

その少女の両手と口元は、血で染まっていた。
彼女の手の中には、一着の浴衣がある。
それは、彼女の愛する人が着ていたものだ。
だが、その人はもういない。無慈悲な殺人者に、あっけなく命を奪われたのだ。
そして、その亡骸ももうこの世に存在しない。全て、少女がおのれの体に取り込んだのである。
殺人者に持ち去られた、頭部をのぞいては。

「ツキノン、いい?」

少女は、沈痛な面持ちでこちらを見ていた別の少女に声をかけた。
その少女……ツキノンは、それに反応して彼女に歩み寄る。
ツキノンが自分の前に来ると、少女はすさまじいスピードで紙の上にペンを走らせた。

「これを。」

少女がツキノンに、紙を手渡す。そこに書かれていたのは、彼女たちがいるフォーグラー内部の地図であった。

「すでにフォーグラーは蟹座の力を失い、ただの機械に戻っている。
 よって、壁や天井を貫いて直進するのも容易。ここに記したルートなら、666に会わずに旅の扉まで行けるはず。」
「……つまり、我々にはついてくるなということですね?」

ツキノンは、鋭い視線を少女に向ける。しかし、それは少女を動揺させるには至らない。

「時間がない。あなたにはブッチギルンジャーと共に、先に管理人の所に向かってほしい。
 私と魔王も、ネコミミストを回収して後を追う。」
「賛成しかねます。黒猫こと666の戦闘力は尋常ではない。戦力を集中し、彼女を殲滅してから全員で管理人との戦いに挑んだ方が……。」
「それは出来ない。」
「なぜです!」
「あの女は、私が殺す。他の誰にも譲らない。」
「………!」

ツキノンは見てしまった。無表情な少女の目に宿る、激しい憎悪の炎を。
あまりに強すぎるその感情に、ツキノンは何も言えなくなってしまった。

「……わかりました。ここはあなたに従っておきましょう。」
「感謝する。」
「ただ、一言だけ言わせてください。」
「なに?」
「地図氏……どうか、憎悪に飲み込まれてその身を滅ぼさぬよう気を付けてください……。」
「それは無理な話。いまの私には、憎しみしか残っていないから。」

地図氏と呼ばれた少女は、感情のこもらぬ声で言葉を返す。
そして彼女は、もう一人の少女と共にその場から去っていった。

(これで本当にいいのですか、私……。)

去っていく少女達の後ろ姿を見つめながら、ツキノンは思う。
かつて……いや、つい先程、彼女はやはり「手出しは無用」と言われた。
そしてその言葉に忠実に従った結果、かけがえのない二人の同胞を失った。
今回のケースが、あの時と同じ結果にならないという保証がどこにある?

「ツキノンさん……。」

考え込むツキノンに、背後から声がかけられる。これまで過去の自分たちと共に黙って状況を静観していた、影の繋ぎ師だ。

「繋ぎ師さん……。面倒を押しつけてかまいませんか?」
「もちろんです。」

おずおずと頼み事を口にするツキノンに対し、繋ぎ師は力強い声で即答する。

「旅の扉へは、俺たちが行きます。あなたは、地図氏たちを追ってください。」
「すいません。あなた達も一緒に行けばいいのでしょうが……。残された時間が少ないのもまた事実なのです。」
「わかっています。俺たちが先行して、主催者にダメージを与えておきますよ。
 ツキノンさんたちは、後からゆっくり来てください。」
「本当に……恩に着るのです!」

手の中の地図を繋ぎ師に託し、ツキノンは猛然と走り始める。
向かう方向はもちろん、二人の少女達と同じだ。

「ツキノンさん! 必ず、生きてまた会いましょう!」
「ええ! 必ず!」

繋ぎ師の呼びかけに、ツキノンは親指を立てて応えた。

4248結束〜UNITY〜:2008/09/27(土) 11:04:51 ID:7wJLMq2.0
【ツキノン@GR1st】
【状態】:首輪無し、強い決意、ダメージ(中)
【装備】:鬼狩柳桜、GRトラペゾヘドロン
【道具】:支給品一式(食料全て消費)×5、最高ボタン、カードデッキ(シザース)@ライダーロワ、閃光弾、バッド・カニパニーの甲羅、蟹座氏の写真×10、
     腕時計型麻酔銃(1/1)@漫画ロワ、麻酔銃の予備針×3、変化の杖、対戦車地雷×1、
     ヴァッシュ・ザ・スタンピードの銃@トライガン、ドラゴンオーブ@AAA、ティーセット一式
【思考】:
基本:真の意味で打倒WIKI管理人
1:爆弾と魔王を追う。


※主催側に反抗したため(自滅ですが)支給品に封印されていました。
※何らかの主催側の情報を持っているかもしれません
※羽入の力は使えます。
※【GRトラペゾヘドロン】
ギャルゲロワの全てが詰まった神剣。
詳細はお任せ。
ギャルゲロワの支給品と、デモンべインの武装が引き出せます。
読み方は『ジーアールトラペゾヘドロン』



【影の繋ぎ師@ライダーロワ】
【状態】:怒りと悲しみを超越、仮面ライダーBLACK SRXアルタード アルレッキーノス化、ダメージ(大)
【装備】:強化外骨格『アルレッキーノ』
【道具】:支給品一式×3、 ワルキューレ@スパロワ、ドラグブラッカー、写真付き名簿、放火セット(燃料、松明、マッチ)、
     ナイフ、BL本、首輪×2、パロロワ衣服詰め合わせ、
     お徳用原作パロロワ全生首セット(目玉セット他に換装可能)&原作パロロワ全手首詰め合わせ※今なら腕も付いてくる!
     ノートパソコン、フライングアタッカー(中破)@仮面ライダー555 、ヘルメスドライブ(使用済み)、カラオケマイク@現実 、地図氏の地図
【思考・行動】
 基本:正義再誕!! 2倍ぶっちぎるぜえええ!!
 1:ブッチギルンジャーと共に、旅の扉へ向かう。
 2:wiki管理人、逃がさん!!



※強化外骨格を纏い、遂にバンプレイオスにまでなっちゃいました。
 詳しくは不明です。
 ただ、原作のバンプレイオス同様、異なる次元空間を切り裂く、或いは逆の次元を封印する機能も持ち合わせています。
 尚、強化外骨格に憑依しているアルレッキーノの魂は、現実の読み手の為に全力で協力します。

4249結束〜UNITY〜:2008/09/27(土) 11:05:56 ID:7wJLMq2.0
それは、あまりに禍々しい姿をしていた。
鬼神のごとき顔つきに、長く伸びる四本の腕。
体全体を、不気味な紫のオーラが覆っている。
その異形が持つ本来の名は、「グレンラガンを絶対的絶望で滅亡させようとする究極的宇宙魔神」。略して「グランゼボーマ」。
しかし今それが絶対的絶望を与える相手は、グレンラガンではなくネコミミスト。
だからその存在は、自らを「ネミトゼボーマ」と呼称する。

「………!」

目の前に立つあまりに巨大な存在に、ネコミミストは思わず息を呑む。
さすがに原作の銀河を手裏剣に出来るサイズではないが、それでも優にネコミミストの数十倍はある巨体だ。
なお、「天井は?」とか野暮なことを言ってはいけない。グレンラガンのスケールの大きさの前には、そんな些細なことは意味をなさないのだ。

「どうした、ネコミミスト。かかってこないのかい?」

はるか上から、666の声が響く。ネミトゼボーマの額、本来のグランゼボーマならアンチ=スパイラルの母星が収まる部分に、666の本体は存在していた。

「言われなくても……。やってやるさ!」

666に対して、ネコミミストが抱く感情は単純なものではない。
聞きたいこと、言いたいこと、それらが山のようにある。
だが、ネコミミストはそれを心の奥に封印する。
今は悪を断つ剣となり、目の前の悪に立ち向かう。
正義のために私情を殺すと言えば聞こえはいいが、それは一種の逃避であったのかも知れない。

「はああああ!!」

脚から衝撃波を噴出し、ネコミミストは眼前の敵へ突撃する。
それに対し、ネミトゼボーマはアクセルシューターを放った。
本来ならばアクセルシューターは、なのはの魔法の中でもそれほど威力が高いわけではない。
だが、使い手の大きさが違う。エネルギー量が違う。
アクセルシューターは、本来のスターライトブレイカー並みの脅威となってネコミミストを襲う。

「なんのッ!」

衝撃波の方向を変え、ネコミミストは迫り来る攻撃魔法を回避する。
だが、それも666の計算通り。

「そう、それでいいんだ。狙いはそっちなんだから。」

ネコミミストが回避した後も、アクセルシューターは直進を続ける。
その先にあるものは、魔王の亡骸。

「しまった……!」

ネコミミストが気づいた時には、もはや打つ手無し。
魔王の亡骸は、破壊の光に包まれ無惨に砕け散った。

「くう……。なんで、なんでこんな事を! 死者に鞭を打って何が楽しい!」
「ああ、誤解しないでほしい。私は別に死体を傷つけたかったわけじゃない。
 葬り去りたかったのは支給品だよ。特に虎竹刀。あれはやっかいだ。
 ここまで来て、ゲームで決着なんて超展開は避けたいからね。」
「そんな理由で……死者を辱めるのかーっ!」

怒りにまかせて、ネコミミストは剣を振るう。

「獅吼翔破陣! 獅吼旋破! 真空千裂破! 綜雨衝! 魔神空牙衝!」

マテリアルブレードから投影したロイドの技を、思いついた順に片っ端から発動させていく。
怒りに任せた攻撃は、勢いこそ激しかった。だが、精彩を欠いた技は決定打たり得ない。

「ふふ、いけないなあ、ネコミミスト。魔王から言われたんじゃなかったのかい?
 いかなる時も動揺してはいけない、と。」

まあ、私としてはその方が嬉しいがね、とネコミミストには聞こえぬ声量で付け足しながら、666は4本の腕の内の1本を振るう。
それはネコミミストの体をしたたかに打ち付け、まるで紙くずのように彼女の体を吹き飛ばす。

4250結束〜UNITY〜:2008/09/27(土) 11:06:57 ID:7wJLMq2.0
「ぐうっ!」

床に叩きつけられたネコミミストの体は、そのまま床を転がりやがて止まる。
奇しくも彼女が止まったのは、魔王の亡骸の前だった。

「魔王さん……。」

仲間の変わり果てた姿を目の当たりにし、ネコミミストの胸には怒りと悲しみがわき上がる。
だが彼女は、それをぐっと抑え込む。ここで感情に流されてしまっては、身を挺して自分をいさめてくれた魔王の気遣いを無駄にすることになる。

(涙を流すのは……全てが終わってからでいい!)

スッと立ち上がり、ネコミミストは周りに落ちている物をかき集める。
666のもくろみ通り虎竹刀は完全に消滅し、付属していた千年パズルもバラバラになっていた。
しかしあの砲撃を受けてなお、奇跡的に原形を留めていた支給品もいくつか存在していた。

(魔王さんからの最後の贈り物ってところですか……。遠慮なく使わせてもらいますよ!)

魔王が好んで使用していた斬鉄剣。それを、ネコミミストは口にくわえる。

――――同調(トレース)、開始(オン)

「一世三十六煩悩……二世七十二煩悩……三世百八煩悩……。
 三刀流! 百八煩悩鳳!!」

三本の刃から放たれるのは、飛ぶ斬撃。それが、ネミトゼボーマの腹に炸裂する。


「なるほど……。武器ではなく『三刀流』という構えからロロノア・ゾロの技をコピーするとは……。
 その発想はなかったよ。さすがだ、ネコミミスト。」

賞賛の言葉と共に、ネミトゼボーマは二対の手を鳴らした。
その巨体ゆえに、単に手を叩いただけでも周囲には爆発のごとき轟音が響き渡る。

「余裕……ですね。」
「当然だろう。確かに百八煩悩鳳は強力な技だ。だが、なにぶん君と今の私ではサイズが違いすぎる。
 せいぜいジャブ程度にしかならないよ、今の一撃ではね。それでも、まだやるかい?」
「当然……。仲間たちを守るために、私はあなたを倒さなくてはいけない!」

臆することなく、ネコミミストは再び衝撃波で宙に舞う。
それを迎撃するのは、ブラッディダガーによって生み出された無数の魔力の刃。

「三刀流、刀狼流し!」

しかしその刃は、三刀流の剣技によって一つ残らずはじかれる。
敵からの攻撃を防いだネコミミストは、お返しとばかりに攻撃態勢に移った。

「ネコミミ三刀流、二百十六煩悩鳳!」

飛ぶ斬撃に、おのれの特殊能力である衝撃波を上乗せ。
ネコミミストが新たに生み出した必殺技は、ネミトゼボーマの腕を左右1本ずつ切り落とす。

「身につけたばかりの技を、すぐさま応用技に昇華させるとは……。やはり君は素晴らしい、素晴らしいよ!」

しかしそれでも、666は未だ余裕。

「しかし、それでもまだ足りない。ネミトゼボーマはもはや、私の体の一部なんだ。
 つまり、不死者ということだ。」

切断された腕が、宙に浮き胴体と再び接続される。ネミトゼボーマがこれまでの攻撃で受けたダメージも、すでに完全回復していた。

(どうする……。どんな攻撃を叩き込んだところで、制限の解除された不死者は再生してしまう……。
 不死者を倒す方法は……。)

ネコミミストは考える。制限の課せられていない不死者を殺す方法、それを彼女は二つ知っている。
一つはコ・ホンブックのように、存在自体を消滅させること。そしてもう一つは……。

4251結束〜UNITY〜:2008/09/27(土) 11:07:54 ID:7wJLMq2.0
(喰う……。)

不死者は、不死者を喰らうことが出来る。ネコミミストはかつて、それを身をもって体験している。
ただ、相手の額に手を置くだけ。相手を消滅させるような大技を放つよりは、よほど簡単に思える。
相手が、常人なら。
666の、ネミトゼボーマの額ははるか上方に存在するのだ。

(あの巨体を消滅させる手段なんて、私は持っていない……。なら、喰うことがもっと現実的な勝利の手段。でも……。)

ネコミミストの心を覆うのは、ためらい。食物を摂取するという意味での「喰う」とは異なる行為であることは、もちろん彼女も理解している。
だが、曲がりなりにも仲間としてある程度の時間を共有した相手を喰うということ。
ネコミミストの中の倫理観が、それを拒絶する。

「どうした、ネコミミスト。来ないならこちらからいくよ?」

決断を下せず動けないネコミミストに対し、666が動く。
ネミトゼボーマの腕の内1本がうごめき、そこから一つの武器が顔を出す。
ゲートオブバビロンもろともネミトゼボーマに取り込まれた、ミニ八卦炉だ。
そこから、細いレーザーが放たれる。

(マスタースパークじゃない……? いや、これは!)

東方ユーザーであるネコミミストは、この技を知っていた。
細いレーザーはあくまで導線。その後に本命の極大レーザーが発射される。
東方緋想天で登場した、魔理沙の新技。その名は……。

「邪恋『実りやすいマスタースパーク』。」

666がスペルカード名を読み上げると同時に、ネコミミストの視界は光で埋め尽くされた。

「うおおおおおお!!」

「実りやすいマスタースパーク」を、ネコミミストは全力全開の衝撃波で受け止める。
最初は五分と五分に見えた激突だったが、徐々に「実りやすいマスタースパーク」が衝撃波を圧倒していく。

(このままじゃ押し負ける……。どうする!)

ネコミミストは考える。
受け止めるのは諦めて、回避に移る? ノン。
自分のスピードでは、レーザーが到達する前に攻撃範囲外へ退避するのは至難の業。
孤高の黒き書き手がエンジェルアームを回避した時のように、旅の鏡でレーザーをねじ曲げる? ノン。
クラールヴィントを展開してあのレーザーが通れるだけの輪を作るには、やはり時間が足りない。

(他に手段は……。考えろ、考えるんだ、私!)

必死に頭を回転させるネコミミスト。だが、起死回生のアイディアは出てこない。
そうしている間にも、レーザーはじりじりと迫ってきている。衝撃波を最大出力で放出し続けるのも、そろそろ限界だ。

(このまま、私はやられるのか? みんなに救ってもらった命を活かせずに……。
 そんなのは……そんなのは……いやだああああああ!!)

仲間にもらった命を、無駄にしたくない。まだ残っている仲間たちを守りたい。
それが、ネコミミストの心からの想い。
その想いが、奇跡を起こした。

(え……?)

ネコミミストの足下に散らばっていた黄金色の破片たちが、カタカタと音を立てる。
そしてそれらはひとりでに宙に浮き、あるべき姿に戻った。

(これは……!)

なぜかはわからない。だがネコミミストは不思議と、そのアイテムが自分にもたらす力を理解していた。
目の前で輝く逆三角錐の秘宝に、ネコミミストは手を伸ばす。そして、おのれの能力を行使した。

――――同調(トレース)、開始(オン)

4252結束〜UNITY〜:2008/09/27(土) 11:08:42 ID:7wJLMq2.0
(さて、この辺で一度止めておくか……。)

端から見れば容赦ない攻撃を浴びせつつも、666はそんなことを考えていた。
彼女の目的は勝利ではなく、あくまでネコミミストによって倒されること。
ネコミミストが本気で自分と戦えるように追いつめはするが、殺してしまっては元も子もない。
だから666は、ネコミミストが耐えられるギリギリのラインで攻撃を中断するつもりだった。
ところが、ここでイレギュラーが発生した。666の計算よりも早く、ネコミミストの抵抗が止んでしまったのである。

(なんだと!?)

慌てて技を中断した666だが、すでにレーザーはネコミミストに到達していた。
制限が解除されている以上、666同様不死者であるネコミミストはそう簡単には死なないはずだ。
しかし細胞一つ残さず消滅しても、復活できるという保証はない。
取り返しのつかないことをしてしまったのではないかという思いを抱きながら、666は視界が開けるのを待つ。
光が消え去った後に立つ人影を見て、666は密かに安堵の溜め息を漏らした。
だが、その安堵はすぐさま衝撃に打ち砕かれる。
そこに立っていたのが、黄色と黒に彩られた仮面ライダーだったからだ。

「ミニ八卦炉からの攻撃は、基本的に熱量攻撃……。だから、ロボライダーに変身すれば無効化できる!」
「繋ぎ師……? いや、その声は紛れもなくネコミミスト! 一体どうなっている!」

余裕も何もない様子で、666が叫ぶ。
龍騎や555のライダーとは違い、ロボライダーは世界でただ一人、南光太郎……このロワでは影の繋ぎ師しか変身できないライダーだ。
ネコミミストがロボライダーに変身など、できるはずがない。

666は気づかない。ネコミミストの胸元に輝く千年パズルに。
666は知らない。千年パズルが単なる「闇のゲーム発生マシン」でないことを。
千年パズルが司るもの、それは結束の力!
ネコミミストが持つ仲間たちとの強い結束に、千年パズルに宿る意志は応えた。
千年パズルがネコミミストに与えたのは、彼女がこれまで出会って来た仲間たちの情報。
それを投影することにより、ネコミミストは仲間たちの技を発動させることが出来るのだ。

「くくくくく………ははははははははは!!」

しかしそんな事情を知ろうともせず、666は笑う。

「何が起こったのかはわからないが、そんなことはどうでもいい!
 よくぞ、よくぞ生き残ってくれた、ネコミミスト! それでこそ私が愛した少女だ!」

不安からとまどい、そして狂喜へと表情を変え、666は叫ぶ。

「では、次に行くとしよう!」

ネミトゼボーマの腕に出現するのは、巨大化したエターナルソード。
それを4本の腕で振りかぶり、大上段から振り下ろす。
その直後、ネミトゼボーマの顎を鋭い衝撃が襲った。

「因果!」

繋ぎ師=シャドームーンの巨大化能力と同時に、体はスクライドで出来ているの零式防衛術を発動。
ネコミミストのカウンターが、ネミトゼボーマを跳ね上げた。
ちなみに巨大化といっても、その大きさはせいぜいネミトゼボーマの腰辺りである。

(この大きさなら666の額にもなんとか手は届くだろうけど……。まさかおとなしく喰われてくれるとは思えない。
 だからまずはダメージを与えて、動きを鈍くする!)

「死なない」と「倒れない」は同義ではない。痛みが引く間もなく攻め続ければ、不死者とて行動不能に陥る。
ネコミミストはそれに賭け、なおも攻撃を続ける。おのれの迷いを頭の隅に追いやって。

「零式積極直突撃! 零式積極重爆蹴! 超振動!」

零式防衛術の技が、次々とネミトゼボーマに叩き込まれる。
666としては反撃の手段がないわけではないのだが、状況を把握できていないがためにどうしても一手遅れてしまう。

「ザ・ワールド! ゴールドエクスペリエンス!」

続いてネコミミストは、マダオのスタンドとChain-情のスタンドを同時に発動させる。
DIOの「世界」とジョルノの「黄金体験」。
原作はおろかジョジョロワでも実現しなかった、夢の親子スタンドタッグである。

「ラディカルグッドスピード・腕部限定!」

そこへさらに、DIE/SOULの持っていたアルター能力を組み合わせる。
二体のスタンドの腕が光に包まれ、その姿を変えた。

「受けてみろ、光速のスタンドラッシュ! 無駄無駄流星拳!」

4253結束〜UNITY〜:2008/09/27(土) 11:10:29 ID:7wJLMq2.0
共にスピードAの二体のスタンドに、さらに最速の男のアルター能力をプラス。
その腕のスピードは、まさに光速。
「流星拳」の名を冠したことでジャンプロワ補正も得た最強の連打が、ネミトゼボーマを叩く。

「ぐうううう!!」

666の苦悶の声と共に、ネミトゼボーマの巨体が吹き飛ぶ。絶望のオーラをまとう巨神が、初めて膝をつく。
追撃には絶好の好機。だが、ネコミミストは動かない。否、動けない。

「くっ……。」

「死なない」と「倒れない」は同義ではない。それはそのまま、ネコミミストにも当てはまる。
全力全開の衝撃波。初めて使う大技の連発。それにより、ネコミミストの体力はすでに底をつきかけていた。

「ははは、無理はいけないなあ、ネコミミスト。かわいい顔が苦痛でゆがんでしまってるじゃないか。
 まあ、私はそんな表情も好きだがね。」

攻撃の雨が止み、いつもの調子を取り戻した666が言う。

「では、今度はこちらから……。」
「させない。」

反撃のために体勢を立て直そうとした666の耳に届くのは、平野ボイス。
その直後、巨大な槍がネミトゼボーマの胸を貫き、そのまま壁に磔にした。

「えっ!?」

突然の事態に、驚きを隠せないネコミミスト。それとは対照的に、666は事態を完璧に理解したうえで、槍の先に飛び乗った少女に話しかける。

「早い到着だね……。もう少し二人きりにしておいてくれてもよかったんじゃないかい、地図氏。」
「あなたにそんなことを言う資格はない。」

666の言葉を、地図氏と呼ばれた少女……地球破壊爆弾はためらいなく切り捨てる。

「私の何よりも大切な存在を奪った罪、その命で償ってもらう。」
「口にするだけなら自由だが……。せめて長門ではなくこなたになったらどうだい?
 今の私は、ロリショタ以外には倒せないよ。」
「もう、泉こなたにはならない。」
「ほう……なぜだい?」
「泉こなたは、私の中の『ギャグ』『ほのぼの』の象徴。彼女を失った今の私にはふさわしくない。だから封印した。」
「感情を優先して勝機を捨てるか……。愚かだね。」
「あなたほどではない。」

殺意と憎悪に満ちた視線を、666に向ける爆弾。
しかし、666は素知らぬ顔だ。まるで、そんなものにはとっくに慣れていると言わんばかりに。

(怖い……。)

666と渡り合う爆弾の姿を見て、ネコミミストはシンプルにそう感想を抱いた。
あれはかに玉突入直後に別れた、愛する者を守るために戦う地図氏ではない。
このロワ会場で初めて出会った時の、血と闘争に飢えた魔人だ。
記憶の底に眠っていた恐怖が、再びネコミミストの心を支配する。

「ネコミミスト。」
「は、はい!!」

その恐怖の対象に名前を呼ばれ、ネコミミストは体をビクンと硬直させる。

「あなたにも働いてもらう。」
「え、えーと、あの……。」
「まずはそこに立っているだけでいい。あなたに、新たな力を与える。」
「はい?」
「魔王、お願い。」
「え……。魔王さん!?」

4254結束〜UNITY〜:2008/09/27(土) 11:11:16 ID:7wJLMq2.0
話についていけないネコミミストであったが、死んだはずの仲間の名前を呼ばれ目の色を変える。

「オッケー、地図氏。」
「え……プー太氏? でも地図氏は魔王って……ええ?」

しかしそこに姿を現したのは、クマのプー太氏。わけがわからず、ネコミミストは目を白黒させる。

「まあ、その辺の事情は後から話すさ。それじゃあいくよ、地図氏、ネコミミストくん!」

不敵な笑みを浮かべ、プー太氏……正確にはプー太氏の体を乗っ取った魔王は、手にしていたゴルディオンハンマーを上空へ放り投げる。
それを、地図氏が長門の情報改変能力で変化させていく。

(これは……この感覚は……!)

その姿を変えていくゴルディオンハンマーを見ながら、ネコミミストは感じ取っていた。
自分の奥底に眠っていたあの少女の……スバル・ナカジマの因子が目覚めるのを。
それに合わせて、彼女の体を包むバリアジャケットもスバルのものへと変わっていく。
その上から、いくつかのパーツに分解されたゴルディオンハンマーが装着されていく。
すでに防具の姿となっていたそれらは、ネコミミストのイメージによってさらに洗練された姿へと変形する。
イメージするのは今は亡き仲間、幻夜が纏っていた鎧。
肩に、脚部に、左腕に、黄金の鎧が装着されていく。
最後に、五本の指それぞれに螺旋状の溝が掘られたグローブが右手を覆う。
今ここに、新たなる勇者が誕生した。

(すごい……力があふれてくる!)

活性化したネコミミストの肉体が、先程まで彼女の体を蝕んでいた疲労を完全に吹き飛ばす。
ネコミミ、地図氏、ゴルディオンハンマー。三つの要素による奇跡の合体が、ネコミミストに新たな力を与えていた。
満を持して、ネコミミストは名乗りをあげる。

「魔力! 気力! 超力! ガッツ! 誕生! 勇者姫……ゴルディオン・スバル!!」

【2日目・深夜】【D-7フォーグラー内部・旅の扉の間】


【衝撃のネコミミスト@アニロワ2nd】
【状態】:不死者化、螺旋力半覚醒 、ゴルディオン・スバル
【装備】:マテリアルブレード@テイルズロワ、斬鉄剣@ルパン三世、クラールヴィント@アニロワ1st、機動六課の制服、
     千年パズル@遊戯王、バリアジャケット(スバルデザイン+黄金の鎧)
【道具】:支給品一式×4、拡声器、カブト装備一式(ハイパーゼクター付)、オーガドライバー(オーガストライザー付)@ライダーロワ、
     カイザギア@ライダーロワ、カードデッキ(ベルデ)@仮面ライダー龍騎
【思考・行動】
 基本:スクライドの遺志を継ぎ、自らの意志で牙なき人の剣になって前に進む!
 1:666……。私は、あなたを!!
 2:打倒、wiki管理人



※衝撃波を使えます。掌からだけでなく、足の裏からも出せるようになりました。
※強化・投影能力を習得しました。千年パズルのパワーにより、これまで共に行動したことのある参加者の技・能力を投影できます。
※地図氏の力によりゴルディオンハンマーと融合し、ゴルディオン・スバルになりました。
 ヘルアンドヘヴンが使えます。


【備考】
  サイドバッシャー@仮面ライダー555、デバイスクリスタル、核鉄「バルキリースカート」、ジャッカル(5/6)
  支給品一式×8、爆弾×2、バヨネット×2、虎竹刀with千年パズル、コーカサスブレス&ゼクター@ライダーロワ、
  iPod、技術手袋@アニロワ1st、コーヒーセット一式@スパロワ、ジャーク将軍のマントと杖@ライダーロワ、
  銀河ヒッチハイクガイド、咎人の剣「神を斬獲せし者」@AAAロワ、他にまだあるかも?
以上の支給品が、アクセルシューターの直撃を受けました。何が破壊されて何が残っているかは、次の人にお任せです。
破壊されなかった支給品は、全てネコミミストが持っています。

4255結束〜UNITY〜:2008/09/27(土) 11:11:57 ID:7wJLMq2.0
【派手好き地獄紳士666@LSロワ】
【状態】:闇の書発動、不死者化、疲労(小)、ダメージ(中)、負のエネルギー蒐集完了、暴走?、ネミトゼボーマ化
【外見】:黒いリボンドレス、背中から黒い六翼。長い髪は白く染まり後ろに降ろしている。眼鏡外し。
【装備】:ゲート・オブ・バビロン@アニロワ2nd(※特殊仕様)、闇の書@アニロワ1st(ディス・レヴ内臓)、(バリアジャケット)、
     コアドリル(完全に真っ黒)@アニロワ2nd、エターナルソード@テイルズロワ
【所持品】:融合中
【思考・行動】
 基本:愛してるよ、ネコミミスト!!
 1:さあ、私の全てをぶつけようか!!
 2:最終的に喰われる?

※ゲート・オブ・バビロンは驚きの黒さを受けて宝物を『完全に使いこなせる』ようになりました。
※現在ゲート・オブ・バビロンに入っていることが確認されているもの
 マイクロ補聴器、闇の書@アニ1 ゲイボルグ@LSロワ RH・エクセリオン@LSロワ ミニ八卦炉@LSロワ
※闇の書と融合しているため、その内に言うまでもなく――
※エロスの鐘の煩悩寺と、エロ師匠の(ついでに大暴れ鉄槌の)精気を吸収し10割使いこなせるようになりました。
※闇の書とディス・レヴ@スパロワが内蔵されました。リミッターをかけていますが会場内の負の力を自動的に集められます。
※『真・驚きの黒さ』を蒐集により習得しました。これによりディス・レヴの効率を上げられます。
※全支給品を合成させ、自身も融合することにより、【グランゼボーマ@アニロワ2(グレンラガン)】の力が振るえます。
 ただし666としてか闇の書の暴走が表に出るかは状況によります。 666もそのことは理解しています。
※死んだクマのプー太を守護騎士として眷属にしました。ビッグ承のゴルディオンハンマーを装備させています
※異能『ロリショタ以外では倒せません』に覚醒しました。
※メタな能力も手にしつつあるようです。
 ただし、ネミトゼボーマ化を開始した今、及び今後は、闇の書とディスレヴの暴走による自我侵食を防ぐのに必死で、
 メタ視線で物語を把握する余裕はないと思われます。


【全ての不義に鉄槌を】
【地球破壊爆弾No.V-7@アニロワ1st】
【状態】:天元突破の憎悪と怒り
【装備】:激戦@漫画ロワ、マジシャンズレッドのDISC、浴衣 、ルールブレイカー
【道具】:巫女服(鷹宮神社)@らき☆すた 支給品一式×2、着替え用の衣装(複数)、泉こなたのスクール水着@漫画ロワ
     カードデッキ(龍騎)、AK-74(残り28発)、レヴァンティン@アニロワ1st、『村雨健二』の衣装、日焼け止めクリーム(大量)、GL本
【思考】:
 1:666に復讐する。
 2:wiki管理人を倒す

※基本的に中身はアーカードで、CVは平野綾です。
※変化する姿に7つのバリエーションがあるらしいです。
【1:地球破壊爆弾】【2:アーカード】【3:長門有希】【4:泉こなた】
【5:銃撃女ラジカル・レヴィさん】【6:キングゲイナー】【7:1〜6とか目じゃないよ?びびるよ、まじで】
※クーガーの早口台詞が言えます!
※鎖鎌、鳳凰寺風の剣、ソード・カトラス、ノートPCの投影が可能です。
【スーパーキョンタイム】
 地図氏以外の者はゆっくりとしか動けなくなります。一度使うとそれなりの時間使用不可能です。
【地図氏の地図】
 参加者の位置、生死を含めた地図を投影できます(※長門有希の状態でのみ可能)
※状態表を見るのに自重はしなくなりました。
※マスク・ザ・ドSの魂を取り込みました。
 第七形態解禁以外にも、何か影響があるかもしれません。お任せします。


【速筆魔王LX@アニロワ2nd】
【状態】:ラダム虫
【装備】:クマのプー太氏
【思考・行動】
 基本:さて、ロスタイムと行こうかな
 1:666にしっぺ返し
 2:感電氏……はどうしよう。

※『柿テロ猥・R2‐ND』掲載の情報を一部入手しました。
※クマのプー太氏にラダム虫として寄生しました。
 プー太氏の意識が残っているかは不明です。
 また、フォーマットされた身体ではありませんが、クリスタルさえあればテックセットも可能かも知れません。
 666には、爆弾の能力で、偽の情報を送っており、プー太氏が乗っ取られたことを隠そうとしてます。

4256結束〜UNITY〜:2008/09/27(土) 11:13:25 ID:7wJLMq2.0
以上で投下終了です。
ネミトゼボーマはロボ(グランゼボーマ)にパイロット(666)が融合しているという解釈で書きましたが、どうでしょうか。
他にも不安な部分はあるので、何か意見があればお願いします。

4257今日の私は阿修羅すら凌駕する名無しだ!:2008/09/28(日) 00:20:07 ID:cPI8de020
ギルガメスバル来たあああああ!!
アニ2ネタである意味有名なあれが、まさか書き手2の舞台に姿を変え降臨しようとは!
死体食いや他のメンバーの動きも良かったです、GJ!!

4258今日の私は阿修羅すら凌駕する名無しだ!:2008/09/28(日) 10:23:59 ID:hXLJUBUU0
投下乙であります。
まさかギルガメスバルで来るとはw勇者姫、凛々しいぜ。
そして地図氏が静かに恐ろしい、なんかひしひしと伝わってきたw

4259今日の私は阿修羅すら凌駕する名無しだ!:2008/10/13(月) 01:55:11 ID:nG/I2ehM0
投下します

4260THE GREATEST BATTLE:2008/10/13(月) 01:56:22 ID:nG/I2ehM0
蟹玉の降臨から、時は過ぎ、既に黎明に至ろうとしていた。
されど、未だ太陽は昇る気配すら見せず、世界は闇に包まれたまま。
今か今かと待ち続ける草木達は知る由もない。
この世界の太陽、及び月と数多の星は一夜にして滅び去ったのだということを。

そんな闇に包まれた世界の中、二人の人間が天空の城の玉座の間で天と地に分かれ対峙していた。
玉座にそびえる方、目の上できれいに切りそろえた前髪が目立つ執事服の少女が口を開く。

「一人で来ましたか、なるほど」

扉を潜ったのは5人、目の前にいるのは1人。
少女は瞬時にそれが意味することを理解した。

「私の足止めに最強の戦力を割き、後はゲートの破壊に向かいましたか」
「ああ」
「いいのですか? 数の差は誰にも覆せない。ライダーロワ最終回よろしく、ブッチギルンジャーもジエンドですよ」
「あの時残ったライダーは3人。彼らは4人だ。なら、勝つのは俺たちだ」
「ふふ、貴方の存在そのもののように出鱈目な理屈ですね」

余裕を感じさせる笑みを浮かべ、少女は玉座を立ち、悠然とした足取りで階段を降り行く。
彼女は、王だ。
殺し合う道化達を天井から見下ろしていた傲慢たる女帝。
その右手に3角に近い形をしたアイテムを握りしめて。
かつん、かつんと一歩ずつ、地へとその身を近づけていく。

「お願いだ、wiki管理人! もうやめてくれ!!」

男もまた階段を一歩一歩踏みしめて登りながら声を上げる。
彼の胸に飛来するのは自らが殺した少女と、救えなかった少女の面影。
彼女達と起源を同じくする少女と、彼は戦いたくはなかった。
けれど、男の悲痛な叫びを耳にしても、少女の歩みは止まらない。

「私は主催者です、影の繋ぎ師。退くわけにはいきません」

4261THE GREATEST BATTLE:2008/10/13(月) 01:56:47 ID:nG/I2ehM0

古今東西のパロロワの主催者達。
彼らはどれだけ自分が不利になっても決して退こうとはしなかった。
例外的な主催者としてよく名を挙げられる螺旋王やマルク、ピエモンBしかりだ。
逃亡も、対主催不殺宣言も、対主催化も。
全て、彼らが真に望んだことを叶える為の手段だったのだから。
最後までぶれることなく彼らは己を貫いた。
故に。
wiki管理人は退かない。
ここで書き手である彼女が逃げれば、他ロワの主催者に顔向けできない。
主催者として、書き手として。
最後まで主催者になり切るのだと。

「……わかった。なら、俺が、貴女を、倒し、このロワを、終わらせる!!」

階段の中ごろの少し開けた場で二人の視線が交差する。
されど彼らは正義の味方と、人殺しをも厭わぬ主催者。
その心が交わることは、ない。

繋ぎ師の腰に現れるは王者のベルト。
右手を天に、左手を地に。
両の手で円を描き、胸の前で十字に組む。

管理人が掲げるはエスプレンダー。
内封されていた闇が溢れ出る。
呼応し脈動するデビルラピュタガンダム。

「変んんんんんんっ、身んんんんんんんんっ!!」
「ゼストオオオオオオオオオオオオオオオオ!!」
「とうっ!!」
「デュワ!!」

奇しくもポーズの後二人は共に天高く跳躍。
ラピュタを飛び出し、姿を変えた二人が戦場たる無人のロワ会場の大地へと降り立つ。
かくして仮面ライダー対ウルトラマンの夢の対決が始まる……。

4262THE GREATEST BATTLE:2008/10/13(月) 01:57:12 ID:nG/I2ehM0


▽ ▲ ▽


ゼスト化に伴いDG細胞の手より解放されたラピュタ。
その通路を駆けるブッチギルンジャーの幾多もの障害が立ち塞がる。
感電一人に蹴散らされたことに焦りを覚えた管理人の手で、デスラピュタロボに加え幾つもの戦力が追加されていた。
機体ともどもネシャーマ化されたGR1のあゆやニコロワのコイヅカ達。
不完全なレプリカとして蘇らされたシグナムやピエールといった各ロワのトップクラスのマーダーズ。
そんなwiki管理人に操られた死者と人形の洪水にたった4人で挑む男たち。
目指すゲートはまだ遠い。


▽ ▲ ▽

4263THE GREATEST BATTLE:2008/10/13(月) 01:57:57 ID:nG/I2ehM0


「はあああああああああああああああああああああっ!!」

変身と同時に巨大化した影の繋ぎ師が真っ直ぐに拳を突き出す。
仮面ライダーの脚力に加え、強化外骨格『アルレッキーノ』のバーニアを全開に蒸かしての踏み込み。
黒光りする鎧の背で靡くマフラーとフレアはその速度も相俟って羽を思わせる。

対するwiki管理人は不動。
棘に覆われた無骨な鎧を纏う繋ぎ師とは違い、彼女は一切の防具を身につけてはいなかった。
全裸としか現わしようが無い姿だが、僅かたりとも力弱さも卑猥さも感じられない。
何故なら稲田瑞穂の顔をした真聖久遠たる今の彼女は神だからだ。
完全無敵の存在に身を飾る服も、守る鎧も、不要也。

繋ぎ師の一撃を右腕一本で容易く掴む管理人。
ならばとばかりにゲル化してロックを外す繋ぎ師を、反撃の衝撃波が襲う。

「さあ………歌いなさい、ゼスト! 禁じられた歌を! 停滞する世界を破壊し、新生へと導くその歌を!」

空高く浮かび上がったゼストがその口を開く。そして――――――

「ラァァァアアアアアーーーーーーーーーーーーーーーーーー……!!」

紡がれるは破壊と創生の歌。
パロロワ界を調律せんとする歌が文字通りD-5の空をガラスのように砕きつつ、繋ぎ師が立つE-5の大地を打つ。

「眼には眼を、音楽には音楽をだっ!!」

物理攻撃が効かない身体とはいえ、衝撃でバラバラに吹き飛ばされれば再生までに隙は生じる。
故に繋ぎ師はゲル化を自ら解除し、右腕に現れた暗黒龍召機甲ブラックドラグバイザーにカードをベントイン。

―― TRICKVENT ――

電子音と共に繋ぎ師が分身する。
その数、なんと八人。
迫りくる女神の歌声に、各自手にした異なる楽器を打ち鳴らす。
太鼓に弦楽器に管楽器と一見出鱈目な組み合わせによる演奏。
人はそれをオーケストラと呼ぶ。

「音撃重奏・響天動地!!」

ゼストの歌声が天に遍く響くものならば、繋ぎ師軍団による合奏は大地を揺るがすものだった。
重く響く太鼓の音を中心に、弦楽器と管楽器が間奏を務め、途切れることなく音波が発生。
束ねられ天上へと放出された衝撃の余波に、大地が悲鳴を上げ砂塵と化す。

「ラァァァアアアアアーーーーーーーーーーーーーーーーーー……!!」
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

4264THE GREATEST BATTLE:2008/10/13(月) 01:58:49 ID:nG/I2ehM0
空と大地の狭間でぶつかり合う歌と曲。
世界の枠を軋ませる両者の一撃のその傍らで、天に黒き翅が舞い、地に黄金の光が走る。
するとどうしたことであろうか?
砕け散った筈の空が、消滅した筈の大地が、再び本来の姿と質量を取り戻したのだ。

ぎりぎりまで粘るつもりの管理人と、仲間を守ろうとする繋ぎ師。
両者ともに敵を滅ぼすことは望んでも、世界に負荷が掛かり、結果崩壊して全滅することは望んでいない。
しかし、眼前の敵の力はどこまでも強大で出し惜しみする隙など存在せず。
破壊と創生を両立しつつ戦うことを二人は選んだのだ。

生と死を繰り返す世界の中で、鬩ぎ合う力と力。

「アアアアアァァァ……」
「いよおおおっ、っはあああああああああ!!」

時が進むにつれ、徐々に繋ぎ師が押していく。
神と化したWiki管理人は呼吸など必要とはしない。
が、歌という人の文化を用いて闘っている以上、息継ぎしないわけにはいかないのだ。
その隙を突かれ、清めの音を全身に受けたゼストの歌が、遂に止まる。

「スカイキイイイイイイイック!!」

追撃とばかりに分身を解いた繋ぎ師が飛翔し、必殺の蹴りを放つ。
だが、その一撃は体勢を立て直したゼストにより、思わぬ手段で防がれることとなる。
ゼストは自身を錐揉み状に回転させ、キックをかわし、カウンターの右拳を繋ぎ師へと打ち込んだのだ。

「っな!?」

キック殺し。
wiki管理人とは何の縁もない筈の仮面ライダーに登場する怪人の技そのものだった。

「先程のオーケストラ、『S』で始まらないライダーの技がいくつか見られました」

巻き込んだビルを倒壊させつつ、F5エリアまで吹き飛ばされた繋ぎ師を悠然と見下ろしつつwiki管理人は語る。

「恐らく進化したことで貴方は名前に縛られず全ライダーの力を使えるようになった。違いますか?」

自身も響天動地によるダメージを受けていた筈だが、白銀のボディには傷が一つも残っていなかった。
代わりとばかりに目立つのは、先刻までなかったはずの身体を走る黒いライン。
真聖久遠よりだった外見はたったそれだけの変化で光の巨人を思わせるものとなっている。
無論、666が健在な今、ディスレブを吸収したわけでは無い。
これは、もっと別の方法による進化だ。

「wiki管理人、お前は……っ!!」

身を起こしつつ、マイティアイ・Ωによりゼストを解析した繋ぎ師が、驚くべき結果に唸る。

――進化の秘法@DQ4、超魔生物@ダイの大冒険、改造手術@昭和ライダーetc。

本来スパロワ出典のゼストには使われていない筈の強化技術がこれでもかと使用されていたからだ。

「うふふふ! 驚きましたか? 貴方が全ライダーの力を使えるように、私は全ロワに由縁のある力が使えるのですよ!」

あははははははははは!!
自らの得た力を誇り、wiki管理人が笑う。
素晴らしいと。
これこそが衰退へと向かいうるパロロワ界をあるべき道に導く力だと。

「今の私はゼストを超えたゼスト! 超神を超えた超神!! ライダーロワ風に名乗るのならそう……」

ハイになったWiki管理人は一度大きく翼を羽ばたかせ、大声で名乗りを上げる。
未だフォーグラー内部で戦う者や、ラピュタ内部に潜ったブッチギルンジャーにも刻まれるようにと。

「エクシード。エクシード、ゼストオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!」

瞬間、その背の翼から放たれた何千何万もの刃が、繋ぎ師を飲み込んだ。

4265THE GREATEST BATTLE:2008/10/13(月) 01:59:52 ID:nG/I2ehM0



▽ ▲ ▽


イクシードゼスト。
告げられた名にブッチギルンジャー達は敵の強大さを再確認する。
しかし、彼らは繋ぎ師の救援には向かわず、ゲートへの道を閉ざす者達の排除に専念する。
ナコト写本を手にしたフランドールレプリカにより齎された大破壊から仲間を庇ったチートブルーはもう居ない。
それでも彼らは未来の自分を信じ、課せられた役目を果たさんとペースを落とすことなく進み続ける。


▽ ▲ ▽


数は、力だ。

獄符「千本の針の山」。
ゲート・オブ・バビロン。
シン・ヴァルセレ・オズ・マール・ソルドン。
ブラック・レネゲイド。
アンリミテッド・ブレード・ワークス。

パッと思い浮かぶだけでも、幾つもの剣を降らせる技はこれ程にもある。
wiki管理人は躊躇することなくいっそ過剰ともいえるこれら全ての特性をさっきの一撃に詰め込んだ。
そこまでしなければ倒せないと踏んだからだ。
いや、違う。
正しくは、そこまでしても、倒せない。

一陣の風が吹き抜け、舞い上がっていた砂塵を晴らす。

影の繋ぎ師は攻撃前となんら変わることなく、大地に雄々しく立っていた。
変わったのは彼では無く、空の方だ。
永遠に続くと思われていた夜の闇は。
本来天に座している地の星の空の主に掃討されていた。
即ち、無数の月と太陽に。

「月は東に、日は西にとは言いますが、これは……!!」

wiki管理人の眼を極光が焼く。
繋ぎ師をあれしきのことで倒せるとは思っていなかったが、彼が取った無限の剣への対抗策は彼女の想像を遥かに上回るものであった。
繋ぎ師は時限を切り裂き召喚したのだ、己が力の源である太陽と月を。
それも一つや二つでは無くいくつもいくつもいくつも。
こうなってはどれだけダメージを負ったとしても、致命傷でない限り、繋ぎ師は一瞬で再生する。
そもそも存分に陽と月の加護を得た今の繋ぎ師に叩き落とされずに命中した剣はごく僅かしかなかった。

「おばあちゃんが言ってた、太陽と月が無いならある場所から持って来ればいいって」
「どんなおばあちゃんですか!! ってか人それをドロボウと言うのですよ!!」

星をも盗む大泥棒顔負けのことをやってのけた繋ぎ師に、突っ込みを入れる管理人。
繋ぎ師は、彼女が未だ眩しさにやられ隙を晒しているうちにカリスアローを連射してくる。
瞬時に編んだフォトンストリームの盾が全弾弾くも、管理人は接近を許してしまう。

「フォトンストリームが、ウルトラマンガイアだけのものだと思うな!!」

―― 143 ENTER Blade Mode ――

フォトンブラッド流動回路<フォトンストリーム>を内蔵した砲身から黄金の光が吹き出し刃と化す。
赤と黒と白で彩られた柄を握り、繋ぎ師はフォトンフィールドフローターを起動して上空へと舞い上る。
ライダーロワ1stで終ぞ陽の光を浴びることの無かったその剣の名は、奇しくもフォトンを壊す物――フォトンブレイカーと言う。

「ブレイカアアアアアアアアアア、エエエエエエエエエエエエエエエエエンド!!」
「っく、っがあああああ!!」

一閃。
攻守において、まさに最強の矛であり最硬の盾筈のフォトンシールドがバターの如く容易く引き裂かれる。
盾だけでは無い、繋ぎ師の繰り出した斬撃はゼストの右腕ををも斬り飛ばしていた。
痛覚こそ遮断しているも、腕を斬り飛ばされたという事実にショックを受け、思わず叫び声を上げてしまうも、その痛みすら心地よいとwiki管理人は思う。

4266THE GREATEST BATTLE:2008/10/13(月) 02:00:39 ID:nG/I2ehM0

「私を、舐めるなああああああ!! 殖装!!」

地に落ちた右腕が闇に解けて消滅。
同時にコアメタルの機能を兼ねたカラータイマーが輝き、ゼストの腕が再生する。
ゼスト本体が再生能力を失ったのなら、外部から補えばいい。
そう考えてKSKに未登場の0号ユニットを装着していたのだ。

「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄あああああッ!!」

両の手に形成した光子の刃で怒涛の連続突き。
再生するのならその速度を上回って攻撃すればいい。
wiki管理人が行きついたのはシンプルかつベストな答え。
だからこそ、繋ぎ師もまた同じ答えを出していた。

―― FINAL VENT ――

「来い、ベノスネーカー!!」

突如、繋ぎ師の背に暗紫色の大蛇が現れ、鎌首を持ち上げる。
その動きに合わせて繋ぎ師もバク転の要領で蛇の口元へと跳躍。
身体をしならせたベノスネーカーに打ち出された繋ぎ師は一本の矢となり拳の壁に激突。
負けじと宙で身を捻り、壮絶な連続蹴りを見舞う!

怒涛のごとき、お互いの猛攻。相手だけを見つめ、全力で攻め続ける。
下がることは、今は不要。ただ、前に出て証明するのみ―――己の信念を!

繋ぎ師の左足が上から、ゼストの右腕を砕く――ゼストはフォトンを纏った左の拳を叩き込む。
右足が消滅するも、再生。そのまま脇腹を狙う――復元した右腕でガード。生成した光の剣で切り飛ばす。
斬り払いによりガードが空いた隙を逃さず、左足を撃ち込む――抉り取られた左半身から触手を生み出し、波状攻撃を仕掛ける。
回復した両足で片っぱしから蹴り落とすとともに足からタキオン粒子の刃を発生――首が宙を舞うもコアメタルは無傷。故に実質ゼストは無傷。
三千六百分の五秒が経過。チャージを終えた砲身を向ける――腕に光を貯め交差すると共に、胸部装甲の下部器官を展開。

「天上天下光王一撃必殺砲!!」
「メェガ、スペシウムスマッシャー!!」

破壊、被弾、再生のエンドレスワルツを、破壊、勝利のマーチとすべく、刹那に稼いだ時と距離で真の必殺技を二人は撃つ。
鎧の戦士巨砲より迸るは全てを飲み込む極光の洗礼。
超越せし女神が生み出すは百万度を超えた悪魔の熱線。
黒と白の破壊光線がせめぎ合い、世界を無色に染め上げる。

スパーク。

爆ぜるビックバン級のエネルギーを物ともせず、再度ぶつかり合う二人。
絶対的な攻撃力と無限の再生力を兼ね備えた彼らの戦いはまだまだ終わりはしない。

4267THE GREATEST BATTLE:2008/10/13(月) 02:01:08 ID:nG/I2ehM0


▽ ▲ ▽


ラピュタの壁を穿つ破壊の嵐に、ラピュタごとチートブラックとイエローが揺さぶられる。
明らかに城の耐久力を上回っていた威力だったが、直撃寸前にタイムベントで直撃前に時間を戻し、
破壊力の大半は続けてwiki管理人が撃ち出したイレイザーヘッドにより、既に最終回を迎えたニコロワの舞台へと逸らされた。
ラピュタだけなら自分達を巻き込んででも破壊された方が良かったが、そうなると自然とフォーグラーも滅んでいた。
心の中でネコミミスト達の無事を祈りつつ、戦いを再開する二人。
チートシルバーは殿として残り、今も巨大化して敵を一人で食いとめてくれている。
今日は俺と俺とでダブルライダーだな。
そう言って二人は笑みを交わし。
遂にゲートのある部屋へと辿り着いた。


▽ ▲ ▽


どれだけの時間互いの力をぶつけ合ったことだろうか。
wiki管理人は笑みを浮かべていた。
これだ、と。
これこそがロワだと。

書き手ロワ2ndが始まって以来、ずっと、ずっと、彼女は見てきた。
天空の城から、地を這う者達を。
殺し合いに興じ、または否定し、あるいは翻弄される書き手達を。
しかしそれは、決して虫けらを嘲笑う王の視線を以てでは無かった。
農民たちが馬鹿騒ぎするのを、羨ましそうに見つめるしがらみに縛られた孤独な王。
同じ王としての例えなら、こちらの方が真実を良く表していた。
殺し合いに混じりたいとは、一見酔狂な考えに思えるかもしれない。
けれども、wiki管理人もまた、書き手としての思い出を持つ人物なのだ。
参加者達が描く命という名の物語を収集し、読めば読むほど彼女の中の自分も混ざりたいという気持ちは大きくなっていった。

紡ぎたい、自らの物語を。

理想はあった。
円熟期に入ったパロロワ界を救いたいという全てを賭けてまで実現したい願い。
誰が何といおうと、彼女はパロロワを愛していた。
自身が全ての罪と汚名と罰を引き受けてまで、悪魔の計画を実行する程に。
そして計画の成功には、自身の目的が悟られないよう、表舞台に出ることを控える必要があって。
だから冷静になれるよう、自らの書き手としての大部分を占めるGR1stと、アニロワ2ndの分の思い出を切り離して参加者として送り込んだのだ。
肥大化しだしたGR2ndの分もまた、七氏の力を借り後付け設定を施してまで分離させた。
それでも。
wiki管理人に残ったロボロワ書き手としての、ksk書き手としての、ラノオルタ書き手としての、SRPG書き手としての思い出が。
訴え続けていたのだ。

これで、いいのかと。
参加者として生き足掻きたくは無いのかと。

何度も、何度も、何度も。
wiki管理人は度重なる誘惑に耐えた。
ある時は強引ともとれる大量のジョーカーを召喚することで表に出ることの損害をプラマイゼロにし。
ある時は読み手に化けて感電の動向を探りつつ血を啜り、殺し合いで傷つくことへと想いを馳せ。
またある時は回収したミニサスペリアの持つ殺し合いのメモリーを疑似体験し、自らを慰めていた。

4268THE GREATEST BATTLE:2008/10/13(月) 02:01:58 ID:nG/I2ehM0
そんな、まどろっこしいこととも、もうお別れだ。

「うふふふふふ、あはははははははは!! そうですよ、これでこそラストバトル!! それでこそ影の繋ぎ師!!」

眼前には
彼女の全てをぶつけ得る強大な敵。
ここに来たのが繋ぎ師以外の誰であっても、無傷のwiki管理人とは渡りあえなかっただろう。
全ロワ最強のラスボスと名高いゼストをも上回るイクシードゼスト。
その相手をまともに務めることができるのは、全てをぶっちぎる彼を置いて他に居ない。
つい数秒前まで海で興じていた水中戦は危なかった。
水の民とマリントルーパーの力を全開にして戦ったが、マーキュリー回路の前にあっさりと敗退してしまった。
自らが書いたことのあるロワ以外の由縁のものは、完全には使いきれないとはいえ、ああも秒殺されるとは。
そのことに怒りを浮かべるどころか、wiki管理人は笑みを深くした。

「最早、圧勝ではつまらなすぎる!!」

ロワの醍醐味とは何か?
何が起きるか、誰が生き残るかがわからないところだ。
wiki管理人は楽しんでいた。
自らの命が脅かされているのに、そのことを最も楽しんでいた。
傍観者であり続けなければならなかった彼女は、今、確かに、ロワに書き手として登場人物として、参加できていることを実感しているのだから。
ダイダルゲートの起動ボタンは読み手に預けた。
wikiに収録された話しか読めない管理人とは違い、K.K.は無制限である程度先読みが効く。
予想外の事態が起きるにしろ、ダイダルゲートが破壊されるにしても、K.K.なら一歩先んじてフィードバックを終わらせられる。
これで心おきなく戦える。
ロワを正す者としての彼女の仕事はもう終わったのだから。
後はラスボスとして立ちはだかるのみ!!

「天上天下光王無双爆砕剣!!」
「精霊脚うううううううううううううう!!」

ここ数分で何万回も繰り返した攻撃の応酬に飽きることなく胸を高鳴らせ、wiki管理人は自分自身のバトルロワイアルを書き続ける。
いつしか主催者として取り繕っていた口調は、彼女本来のものへと戻っていた。


▽ ▲ ▽


無限再生を続ける後藤戦と物理的限界を超えた怪力神父ハックルボーン。
正親町天皇による核ミサイルを防ぎきったチートブラックとイエローの前に、最強の矛盾コンビが姿を現す。
まともに戦えば、時間を浪費するのは目に見えていた。
どうする?
イエローがブラックに問う。
こうする。
ブラックは行動を以て答えた。
ガシリと暴れる二人の怪人を抱え、ラピュタの壁を突き破り、空に身を投げ出すブラック。
残されたイエローは一度眼を閉じた後、ゲートへとボルテックシューターを向ける。
そんな彼に最後の刺客が立ち塞がった。


▽ ▲ ▽

4269THE GREATEST BATTLE:2008/10/13(月) 02:02:27 ID:nG/I2ehM0
ZX式錐揉みシュートで起こした竜巻の檻でゼストを捕え、地に引きずり降ろす。
空ではゼストに利があるが、大地では仮面ライダーの方が上だ。
繋ぎ師は一気に攻勢に出る。

―― FINAL VENT ――

「ドライブディバイダアアアアアアアアアッ!!」

牛よりもヤギやトナカイに外見は近いレイヨウ型モンスターの大軍が一斉にwiki管理人へと殺到する。
されど、その牙は一つたりとも届くことなく、ギガゼールの首は斬断された。
DQロワ版皆殺しの剣。
漆黒の炎に包れた伸びゆく刀身が、モンスター達の命を一つ残らず刈ったのだ。
更にwiki管理人のターンはまだ終わってはいなかった。
皆殺しの名に恥じず、影の繋ぎ師までも断ち切らんとする。
咄嗟にH-5エリアの大地を畳返しの要領で剥ぎ取り、楯として斬撃を防ごうとするも、魔剣の勢いは止まらない。

「薙ぎ払え、星ごと奴を!! 一閃 星薙の太刀!!」

業ッ!!
限界まで伸ばされたゼストのサイズに合わせ巨大化した皆殺しの剣がG-3、H−4の地表ごと大地の楯を削り行く。
まずいと判断した繋ぎ師は楯を捨て跳躍。
空中から必殺の蹴りへと動作を繋げようとして。
見た。
彼が楯を棄てたように、剣を捨てる女神の姿を。
何故?
答えは一つ、刀身を振り切るまでに晒すことになる隙をキャンセルする為だ。

「大地手裏剣!!」

加えて格闘ゲームやテイルズシリーズにおいて、キャンセルとは次の技を一切の間もなく連ねることを意味する。
あらゆるロワの力を宿したイクシードゼストは、星薙の太刀で切り離した大地を、銀河手裏剣に見立てて繋ぎ師へと投擲したのだ。
繋ぎ師もむざむざやられるつもりはなく、カードをベントイン。
だが、顕現したゴルドフェニックスは、直後、主を襲う手裏剣を壊す間もなく、黒き不死鳥に喰らい殺される。
続けてサバイブ化したドラグブラッカーもしかり。
シン・クリア・セウノウス バードレルゴと相討ち、その役目を終えた。

「攻撃動作中に別の行動を、しかも二重でこなすだとッ!?」
「ボスキャラにはよくあることですよ、影の繋ぎ師!!」

RPGのラスボスは腕や足が本体とは別にHPが設定されており、一個一個が別行動することはざらにある。
現にスーパーヒーロー作戦において、ゼストの羽にも適用されていた。
そして、ボスキャラのもう一つの定番もゼストは備えていた。
二回行動。
大地というあまりにも巨大な質量兵器でカウンターを入れられ、宙でバランスを崩した繋ぎ師。
wiki管理人が狙い撃つなら、今を置いて他には無かった。

「パロロワ界の古き因果に滅びを! 新たなる始まりを! これが―――― 」

新たに肩に生み出した4本の腕がH-2、3、7、8エリアの大地を巻き上げ、宙で掻き混ぜる。
インフィニティ・ビックバン・ストーム。
本来なら銀河を二つ対消滅させることにより、宇宙開闢の力ビッグバンにも匹敵するエネルギーを放つ技。
予約被りのtu4氏により宇宙が破壊された今、代用されるはロワの大地。
大地と銀河。
一見あまりにもスケールが釣り合っておらず、wiki管理人のやっていることは愚行に思える。
しかし、果たしてそうだろうか?
この書き手ロワの舞台にはあらゆるロワの因子が、そして参加者達の生と死が沁み込んでいる。
多くの書き手が血と汗を注ぎ綴られた世界の数々が、その何千倍の読み手を魅了した物語が、高々銀河に劣ると?

否。

否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否
否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否
否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否
否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否
否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否

断じて否!!

4270THE GREATEST BATTLE:2008/10/13(月) 02:03:05 ID:nG/I2ehM0

「ゼスト・ファイナル・ビックバン・ノヴァアアアアアアアアアアアアアアアア!!」

創世の産声を上げ、渦巻く光が耐えきれなくなり自壊する四本の腕から解き放たれる。
其は世界の雛型。
古き世界を押しつぶし、上書きする新たな世界そのもの。
まず、世界より、音が失われた。
声高らかに叫んだ技名も、繋ぎ師に届くことは無い。
次に、失われたのは色だった。
灰色に染まった人、空、建物。
単一色で塗りつぶされた世界は、いつしか己が輪郭も忘れ、解けて解ける。
灰色の海。
肌をなぜる風も、鼻孔を擽る香りも存在しない死の世界で。
最後に失われたのは。

「……っ!!!!」

命、だった。
避けようと懸命に空を駆けようとする繋ぎ師。
が、彼の身体は意に反して一歩も動くことは無かった。
動くという概念が破壊されていたから。
逃げ場になる空間が飲み込まれていたから。
相殺しようにも白紙に帰した世界ではありとあらゆる事象を起こすことはできなかったから。
何一つ抵抗することは許されず、世紀王は、創世の御技の前に、あっけなくその最後を遂げ――



世界よりも速く新生した。



「っ何!?」



創世に全てのエネルギーを注ぎ込んだことで、巨体を維持できなくなったwiki管理人の眼に映ったのは灰色の狼へと転じた影の繋ぎ師の姿。
ゼストを強化させるにあたり、様々なロワ参加者を調べ上げたwiki管理人は、その名を口にする。

「ウルフオルフェノク!?」

あるライダーの正体たる死をも超えた人類の進化形態の名前を。


▽ ▲ ▽


ローズレッド・ストラウス。
ガンガンロワを停滞に追い込んだ元凶とまでされているチート吸血鬼王。
剣の一振りで直径数百mの物体数千〜数万個以上を破壊し、射程は数千km以上。
マッハ20以上のビームすら余裕でかわし、驚異的な再生能力までも備えている。
それでいて、魔力によりコンピューターをもハッキングできるという正に房性能ここにあり、だ。
多くのネタキャラの怨念により生み出された彼と、彼が率いるミラーモンスター軍団の前に、遂にチートイエローは膝を着く。
左腕は斬り落とされ、自慢の装甲も罅だらけで。
けれど、砕かれた仮面から覗く瞳には未だに闘志の炎が燃えていた。


▽ ▲ ▽

4271THE GREATEST BATTLE:2008/10/13(月) 02:03:43 ID:nG/I2ehM0
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」

ウルフオルフェノクの身体で色と音を取り戻しつつある空で宙返りをしつつ、繋ぎ師は瞬時に思考する。
眼下に広がる世界は、彼が死ぬ前と一変していた。
ひたすら続く白い荒野に聳え立つ、何本もの六角形と四角形に彩られた石柱。
白と言える範疇で複雑なグラデーションがなされた柱の森は、見る角度により趣を変える。
そんな地上の光景に反して、空を覆うのは一面の黒。
繋ぎ師が呼び寄せた太陽や月も送還され、今の空には一切の光源は無い。
白と黒が織りなすコントラストと浮遊階層が織りなす幾何学模様もあって、圧巻と評するしかない景色だった。

残念ながら、この場で絶景に浸る人間は、一人も居ないのだが。

死を避け得ないのなら、死ねばいい。
死んだ後に生き返って勝てばいい。
相変わらずぶっちぎった出鱈目な理論の元、死を超え、オルフェノクして新生した繋ぎ師が、新世界を前に最初に思ったことは一つ。

よかった。

変わり果てた世界の中、異様な視力を誇る眼で、変わらず浮かぶ天空の城を見やる。
wiki管理人は過度の興奮状態に於いても、きちんとラピュタには味方識別マーカーを付加していたのだ。
結果、この新世界に、なんら損傷を受けることなく、ラピュタもまた存在していた。

本当に、良かった。
ネコミミストさん達が無事で本当に良かった。

透視するには余裕こそ無かったが、彼らなら大丈夫だと繋ぎ師は信じる。

続けて強化外骨格にアクセス、自身も含めて損傷をチェック。

――強化外骨格、99%、損傷。マイティアイ以外使用不可。
――及び、世界新生に際し、各ロワ世界、及び死者スレとの繋がりが初期化。
――復帰までに少々時間がかかると断定。
――各ロワ因子も全て消滅済み=その間ゼスト・ファイナル・ビックバン・ノヴァ使用不可。
――及び死者スレとの繋がり断裂=アルレッキーノス、沈黙。残存エネルギーでは、一度の起動が限度。
――ウルフオルフェノク化したことにより、アルレッキーノ時と比べて身体能力、大幅に低下。巨大化、不可。

問題ない。
こちらを見上げるwiki管理人も今や人間サイズにまで縮んでおり、身体もボロボロだ。
ガイバーユニットによる再生も働いていないことからするに、あの一撃でほとんどのエネルギーを使いきったのだろう。
ゼスト自身は極度に脆い。
異世界から負の心をくみ上げるディスレヴすら凌ぐ、この世全てのロワの死者の怨念の力。
どれだけゼストの肉体を強化しようとも、それ以上に器を満たす力の量を増やせば、やすやすと制御できはしまい。
力の制御と、自由に動ける過度の拘束のない肉体。
エクシードゼストの体は、スパロワ本編同様、極限のバランスの上に成り立っているのだ。

故に。
再生能力を失った今、wiki管理人はウルフオルフェノクでも倒せる!!

右足を真っ直ぐ伸ばしつつ重力を味方につけコントロールメタルごとゼストを貫くコースで急降下。
アルレッキーノスとしての力をこの世界と現実世界を切り離すのに温存しなければならない以上、使える技は限られていた。
だから、賭ける。
最もシンプルで、最も数値的には弱くて、それでも繋ぎ師達が憧れたヒーローの象徴たるその技に。
全ての仮面ライダーの原点たる必殺技に。

4272THE GREATEST BATTLE:2008/10/13(月) 02:04:50 ID:nG/I2ehM0

「ライダアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」

wiki管理人もまた、ラスボスとして最後まで足掻こうというのか。
残る全ての力を振り絞り左右の手刀を十字形に交差する。
スペシウム光線。
ライダーキックと特撮で双璧を成す必殺技のポーズに。

だが、遅い。
蹴りのモーションに移行済みの繋ぎ師に対して、wiki管理人はやっと発射態勢に入ったところだ。
このまま行けばほんの僅かにだが、キックの着弾の方が、光線の発射よりも速い。

繋ぎ師の脳裏をロワで過ごした一日と少しの日々が駆け抜ける。

現実世界からの仲間達……
明るく直向きで、愛と正義と熱血に生きた若きエース漆黒の龍。
独自のペースに引き込まれてばかりだったけど、いざという時は頼りになったギャグ将軍。
出あうことも叶わなかったけど、精神世界で助けてくれたTHE FIRST、まとめキング、仮面ライダー書き手、欝のエル。

この世界の仲間たち……
ふざけていて、スケベで、人一倍仲間想いだったディーことギャルゲロワ版最速の人。
何度もぶつかり合っていたけれど、その心は誰よりも強い絆で結ばれていたバトルマスターと蟹座氏。
飄々としていて、暴走がちな自分をいつも諫めてくれた速筆魔王LX。
怖い思いをさせてしまって、でも、心の弱さに負けかけた自分を応援してくれたクールなロリスキーと恋人の地球破壊爆弾No.V-7。
そして、弱きものを守る剣で、自分達の志を受け継いだ新たなライダーの物語の紡ぎ手たる衝撃のネコミミスト。

次々と浮かんで行く大切な人々よ。
救えなかったtu4氏や煩悩寺、熱血王子達に、顔すら見ることのできなかった他の参加者達よ。
見ていてくれ。
この一撃で、俺が、閉じる。
殺し合いという悲劇の幕を!!

「キィィィィィィィィィィィィィイイイイイクッ!!」


▽ ▲ ▽


光が、見えた。
小さな、小さな、光だった。
ここを狙えと訴えるかのように瞬く、綺麗な黄金の光だった。
消え逝く身体よ、動け、動いてくれ。
引き金を引くだけでいいんだ。
頼む、ボルテックシューター。
闇を切り裂き、光を……


▽ ▲ ▽

4273First to Next 命の系譜:2008/10/13(月) 02:08:21 ID:nG/I2ehM0


「そんな………馬鹿な」

wiki管理人は呆然と立ち尽くすしかできなかった。
何が起きたのか、分らなかった。
彼女の目の前には同じように地に立つ影の繋ぎ師の姿。

胴に大穴を開けた、死に損ないのヒーローの姿。

「……何故。何故、何故っ!!」

壊されることの無かったコントロールメタルが起動し、雀の涙程にだが、身体を回復しだす。

wiki管理人は勝った。
ラスボスとなり、最強の対主催を打ち破った。
だというのに心はちっとも喜んではくれなかった。

「何の……つもりですかっ!!」

納得がいかなかった。
彼女は全てを出し切って、その上で敗れた筈だった。
負けるのは悔しくないわけでは無かったが、それ以上に、長くくすぶっていた書き手魂を燃やしつくせて幸せだった。

「答えろ、答えなさい、影の繋ぎ師いっ!!」

繋ぎ師が、宙で身をよじり、あらぬ方向に右拳を打ち込んだのだ。
速度が全てを決めたあの局面でのタイムロスは、スペシウム光線を先に発射してしまうのに、十分すぎるものだった。

答えろといいつつも、wiki管理人にはわかっていた。
彼が、何故そのような行為に打って出たのかを。

繋ぎ師の傍らに腰を抜かし、恐怖に震える見覚えのある少女がいた。
K.K.
読み手の頭目であり、wiki管理人と共犯者でもある少女。
シークレットトレイルで亜空間に身を隠し、安全な所から高みの見物を洒落込んでいた少女は、今や無様に泣き腫らしつつ、砕けた何かの破片を集めていた。
フィードバックの実行ボタンだ。
感電により自身の存在意義を揺さぶられたK.K.は、wiki管理人が敗北する未来を読むと、
管理人の死によるオートフィードバックの開始を待たずして、ボタンを押そうとしてしまったのだ。
自分の存在には意味があると納得する為に。
傍観者であったことを躊躇することなくやめ、読み手としての誇りもかなぐり捨て、K.K.が持つ唯一物語に干渉できるそのボタンを。

結果、K.K.はその唯一すらも失った。

キングストーンの導きにより、寸前で気づいた影の繋ぎ師のアルレッキーノスとして放たれた次元を超えたライダーパンチによって。

数秒後にダイダルゲートの反応が途絶えたことも省みれば、K.K.の行動はあながち間違ったものでは無かった。
それでも、wiki管理人は許せなかった。
自身の最初で最後かも知れないと覚悟して挑んだ晴れ舞台の、結末がこのような形になってしまったことが。
繋ぎ師が自分との勝負を捨てたことが。

――心の奥底に眠っていた願いが、成就間近で途絶えたことが。

4274First to Next 命の系譜:2008/10/13(月) 02:08:53 ID:nG/I2ehM0
「ゲートを破壊したところで、成功率も、質も下がりますが、このゼストで直接経験をフィードバックさせることも不可能では無いのですよ!?
 影の繋ぎ師、あなたはあそこで、殺しておくべきだった!! あなた以外の誰が、このロワを、私を、終わらせられるというのですか!!」

口に出して、wiki管理人は気づいた。
どうしてこんなにも母に置いて行かれた子どものように泣き叫んでいるのかを。
彼女は、欲しかったのだ。自分が満足できる、自分の最終回が。
書き手ロワ2nd。
企画しておきながらも、wiki管理人はこうもとんとん拍子で話が進むとは思っていなかった。
その思いがけぬハイペースさに、wiki管理人はふと思ってしまった。
書き手ロワ2ndはきちんと完結できるのではと。
書き手にとって完結は一つの大きな目標で、一度意識してしまえば、忘れることなどできなかった。
そして、その書き手ロワ完結への思いは、自身の物語の終わりにまで、wiki管理人の眼を向けてしまったのだ。

自分は、どこまで行っても書き手ロワ2ndwiki管理人だ。

ネコミミストや地球破壊爆弾といった、有から生み出された存在ではなく、このロワを推し進める為だけに、無から生み出された存在。
対主催を倒すなり、逃げるなりして、生き残っても、ロワが終われば、誰かに求められることは、もう、ない。
3rdがあっても、新たに書き手ロワ3rdwiki管理人が生み出されるだけだ。
それは、自らの物語を永久に終わらせられないことを、意味していた。

「これでは……道化です……滑稽なだけの……!」

読み手にボタンを渡したのも、この願望の現れだったのだ。
ロワ開催当時のwiki管理人としての目的を果たし、かつ、ロワを通して培われた自分自身の目的も達成しようと、
無意識のうちに両立できる道を選んだのだ。
そのせいで、どちらの機会も失いかけるとは、なんて、無様。

「貴女は、一つ、忘れている、wiki管理人」

かけられた言葉ににハッとなる。
声は、確かに死にかけの影の繋ぎ師の口から聞こえていた。

「忘れているから、こんなロワを、開催して、しまった」
「私が、私が何を忘れているというんです!」

ぽつぽつと語るスピードこそ遅いものの、死の淵に居る人間のものとは思えない力強い声に、不吉なモノを感じてしまう。
駄目だ、聞いたら戻れないと脳が叫ぶ。
これ以上、何に気付けというのだろうか?
全てはもう、遅いというのに。

「終わらせるよりも、俺達書き手にとって、いや、ロワ内のキャラにとっても、大切な、ことを」
「ありえません。パロロワ界で、ロワを完結させるよりも大切なことなんて!!」

動け、と。
脳が命じる。
再生も間に合っていない身とはいえ、死に損ないの一人や二人、トドメを指すくらいは造作もない。
造作も、ないのに。
腕も、足も、指一本さえ、1ミリも動いてはくれず、喚くことしかできなかった。

「あります、よ。終わらせるよりも、大切な、ことが。それは――」

4275First to Next 命の系譜:2008/10/13(月) 02:09:44 ID:nG/I2ehM0

「繋げる、こと、です」
「つな……げる……こと?」
「はい。完結は、その最果ての、一つの形に、過ぎません。大事なのは、繋げること。後と、先に、続くものが、あるということを、忘れないこと」

繋いでいけば、いつかは終わりは訪れる。
でも、それは、決して寂しいだけのものじゃなくて、心に何かを残してくれる。
ずっと、ずっと、ずっと。

書き手としての記憶を持つwiki管理人は知らないはずが無かった。
初めて投下した時。
ついた感想の一つ一つが嬉しくて。
もっと、もっと、書きたいと思った。

――書き手と読み手との繋がり

自分の作品の続きに予約が入った時、どきどきしながら布団に潜った。

――書き手と書き手の繋がり

好きなキャラクターが死んでしまって、けれども、その死に影響を受けたキャラが居て、彼や彼女が居なくなってしまったわけじゃないって感じられた。

――キャラと、キャラの繋がり

全部、全部、知っていたはずのことだった。

「あ……う……あ……」
「もう一度、言います。やめて下さい、wiki管理人。貴女のやり方では、繋がらない。貴女がやろうとしていることは、只の押し付け、丸投げ、です」

頼まれたわけでもなく、願われたわけでもなく。
説明すらせず収集した経験を送信するだけで、クレームは一切受け付けない。
それは、間違いなく一つの『完結』した行為ではあるけれど。
何の輝きもない、只の、ウイルスまみれの迷惑メール。
温かい交流も発生しなければ、進化を促すなんて論外だ。

「これだけの、力があるなら……。貴女は、集めた、みんなを、殺し合いじゃなく、交流させる、べき、だった」

難しく考える必要など無かったのだ。
書き手同士が集まって雑談するだけで、彼らは自身の腕に磨きをかけられた。
ある時はそれぞれの得意分野を話し合い、ある時は行き詰まりの打開の為に相談し、またある時は未把握のキャラについて詳しい人に聞く。
そんな、簡単な手段で、確実に書き手は更なる高みへと昇る力を得られる。
簡単な手段だからこそ、フィードバックを実行しても、現実の書き手達は命の危機に晒されはしない。
いっそロワとは全く関係ない只の雑談でさえ、心を豊かにし、ふとした閃きや、日常会話のネタを産むこともある。

wiki管理人は、致命的までに、その方法を、第一手を、間違えてしまった。

「wiki管理人という、役目に、縛られないで、下さい。それじゃあ、貴女は、幸せになれない」

自らを終わらせる必要は無いのだと、繋ぎ師から伸ばされた腕を、振り払う気力もなかった。
抱きしめてくる腕は暖かくて、腹の穴を通り吹きつける風の冷たさが悲しかった。

「どうか、お願い、します。人を、殺すのは、これで、最後に……して、くださ、い」

繋ぎ師の身体から力が抜け、崩れ落ちる。
思わず抱きかかえてしまった男の顔は、安らかなものだった。
繋ぎ師にはいるから。
後を継いでくれる頼もしい後輩達が。
死を超えて繋がっている、多くの仲間達が。

4276First to Next 命の系譜:2008/10/13(月) 02:10:12 ID:nG/I2ehM0

「誰でもない、自分だけの物語を、繋げて行って、くだ……さ……い」

青白い炎に包まれ、影の繋ぎ師の身体は灰となって腕の中を抜け落ちる。

「ねえ、読み手さん。私は、私達は、どうすればいいのでしょうね」

散々人の心を掻き乱しておいてあっけなく死んだ男の代わりに、ぶつぶつと遠くを見つめ何かを呟いている少女に問う。
新生から大分時間は経ってはいるものの、一向に現実世界と繋がる気配も無い。
現実世界との隔離用に温存していたエネルギーを、予定を繰り上げ使用した一撃は、不完全ながらも本来の目的をも達成したのかもしれない。
ゼストたる我が身が残っているのだから、直接現実世界の書き手と読み手達に念波を以てフィードバックすることは可能だ。
書き手達の経験は666の死と共にディスレブから解放された魂を取り込めば何とかなる。
けれども、それが正しいのか、本当にしたいことなのかが分らなくなってしまった。
分らない、分らない、分らない。
今のwiki管理人には分らないことばっかりで。
風に飛ばされ舞い上がっていく灰へと伸ばした手の意味もまたわからなかった。





【影の繋ぎ師@ライダーロワ 死亡】


【2日目 黎明】【新世界】
【書き手ロワ2ndwiki管理人@書き手ロワ2nd】
【状態】:HP1%、エネルギーすっからかん、再生中、エクシードゼスト(等身大)
【装備】:0号ガイバーユニット
【道具】:なし
【思考】
 基本:現実世界へのフィードバックを実行する?
 1:分らない、分らない、分らない
 2:???

※エクシードゼスト化しました。
 古今東西あらゆるロワに縁がある武器・技・能力が使えます。
 が、書き手として参加したロワ(アニ2、GR2、GR1、ロボ、ksk、ラノオルタ、SRPG、書き手2nd)
 以外の力は、完璧には使いこなせません。
※容姿はウルトラマンっぽく全身に黒いラインの入った稲田瑞穂顔の真聖久遠です
※エクシードゼスト化により、デビルラピュタガンダムはただのラピュタに戻りました。
※カラータイマーがガイバーのコントロール・メタルを兼ねています。
※このまま放っておくと、エネルギーは順調に回復し、再生速度も増加していきます。

4277First to Next 命の系譜:2008/10/13(月) 02:10:31 ID:nG/I2ehM0


【読み手(K.K.)@書き手ロワ2nd】
【状態】:健康、錯乱、動揺、恐怖
【装備】:核鉄『シークレットトレイル』@武装錬金、IMIデザートイーグル(8/10+1)@ギャルゲロワ1st
【道具】:IMIデザートイーグルの予備マガジン×5、???
【思考】:
 基本:???
 1:最後までロワの表の主催者としてロワの結末を見届ける?
 2:自分の考察を信じて、wiki管理人との取引を履行する?
 

※あらゆる事象を読む事ができます(でも空気を読んでその時に応じて読んだり読まなかったりします)
 事象外である思考・想いといった心に関することは読めません。
※自分の存在意義を揺さぶられる事態に連続で直面したため、精神に異常をきしたかもしれません。
 能力の使用頻度への影響共に不明。お任せ。


【備考】
※ダイダルゲートが破壊されました。修復したとしても、集めていた経験は戻ってきません。
※ゲートに埋まっていたバルディッシュはチートイエローに撃ち抜かれ、消滅しました。
※ダイダルゲート守備軍は、ゲート破壊と共に沈黙しました。
※世界がまっさらな世界に新生されました。
 今のところ宇宙すらないようで、ただ、黒い空と白い大地が広がっているだけです。
 フォーグラーはこれといって目立った一切の影響を受けないまま、新世界へと転移したので、
 内部の参加者達は、外の世界のごたごたに気づいていないかもしれません。お任せ。
※影の繋ぎ師の所持品は全て消滅しました。
※不完全ながら現実世界との隔離が行われました。
 強引に解除することも、強化して完全なものにすることも、可能かもしれません。

4278First to Next 命の系譜:2008/10/13(月) 02:11:46 ID:nG/I2ehM0
投下終了

4279今日の私は阿修羅すら凌駕する名無しだ!:2008/10/13(月) 03:50:41 ID:Kil8mopk0
投下GJ!
え?これ最終回じゃないの?こんなド級バトルなのに?
最後までぶっちぎりぬいた繋ぎ師に合掌。wiki管理人と読み手の動向にも期待が高まりますねw
そして、ラピュタの中は……?

4280今日の私は阿修羅すら凌駕する名無しだ!:2008/10/13(月) 09:16:49 ID:Elb0b0Wo0
投下乙です!
なんというチートバトル……。さすが最終盤だぜ!
あー、でも明らかな間違いを見つけちゃったので指摘を。

>そう考えてKSKに未登場の0号ユニットを装着していたのだ。
0号ユニットは、kskでキョンに支給されてますよー。

4281今日の私は阿修羅すら凌駕する名無しだ!:2008/10/13(月) 09:26:16 ID:5hEoJJmU0
>>4280
ふははははあ!
実は昨日投下後KSK行って気付きましたorz

そう考えてKSKに未登場の0号ユニットを装着していたのだ。

そう考えてKyonで有名な0号ユニットを装着していたのだ。

に修正しておきます

4282今日の私は阿修羅すら凌駕する名無しだ!:2008/10/13(月) 14:00:37 ID:oUtR8yqg0
投下乙であります。
なんていうスケールのでかさ!宇宙崩壊と同等いやそれ以上!
会場を楯にしたり投げたりとか何やっているんだwww
最後の繋ぎ師の言葉に感動、そして取り残された者の行方に期待w
いやあGJです!

4283今日の私は阿修羅すら凌駕する名無しだ!:2008/10/14(火) 21:31:40 ID:Z34BKkOs0
このロワのSSは天才犬「うっかりん」が
さまざまなシチュエーションを練習するために立てたものです。

うっかりんと研究員とのやり取りに利用するスレッドなので、
関係者以外は書きこまないで下さい。

                  みんなのしたらば

4284どうぞw:2008/10/16(木) 16:09:06 ID:s3vjOjg20
Hなブログだけど好評です♪
立ち寄っていただけるとうれしいです^^

時間が空いたときにでもどうぞ♪

http://www.geocities.jp/ponji15f/has

4285 ◆KuKioJYHKM:2008/10/27(月) 23:56:36 ID:xuqtiH1E0
書き手ロワ2nd最終話、これより投下します。

4286書き手ロワ大戦――Ragnarok ◆KuKioJYHKM:2008/10/27(月) 23:57:57 ID:xuqtiH1E0
長い通路を、ツキノンは一人走る。この先で戦っているであろう、仲間たちに合流するために。
もう、仲間を死なせたくない。その思いが、彼女を突き動かす。
やがて、ツキノンは開けた空間に到達する。そこで彼女が見たものは、3人のロリに翻弄される魔神の姿だった。


◇ ◇ ◇


時は少しさかのぼる。魔神・ネミトゼボーマと化した666の前には、三人の少女がいた。
勇者姫・ゴルディオンスバルとなった衝撃のネコミミスト。
長門有希の姿を取る地球破壊爆弾No.V-7。
そしてクマのプー太氏の体を乗っ取った、速筆魔王LX。

「666、覚悟して。もうあなたが調子に乗ることはない。これからあなたを待っているのは、絶望だけ。」

ネミトゼボーマに突き刺さった槍の上に立つ、爆弾が言う。淡々とした口ぶりとは裏腹に、その瞳には憎悪の炎が燃えさかっている。
このロワの中で手に入れた、かけがえのない存在。それを666は奪った。無常に、残酷に。
ゆえに、爆弾は666を憎む。もはや、その憎悪を止められる者はこの世に存在しない。
しかしその灼熱の憎悪をぶつけられても、666は涼しい顔を崩さない。

「うそぶくのは大いに結構。だが、ロリショタでない長門が私を倒すことなど不可能だ。
 君はおとなしく下がっていたまえ。」

爆弾を見下すかのように、666は言う。だが爆弾は、それを嘲笑で返した。

「何がおかしい?」
「やはりあなたは何もわかっていない。私にとって、姿形など意味のないもの。」

爆弾の体がとけていく、とけていく……。いや、正確には縮んでいく。
変化が止まった時、そこには10歳前後の姿となった長門がいた。
カオスロワに登場した赤ん坊長門を参考に生み出したオリジナル形態、ロリ長門である。
ちなみにあくまで長門のマイナーチェンジであるため、7変化の中にはカウントされない。

「なるほどね……。そんな手があったとは。」

666の顔に、わずかな動揺が走る。

「理解した? じゃあ、死んで。」

右手にレヴァンティン。左手に激戦。背にマジシャンズ・レッド。完全武装で、爆弾は666に突進する。
666は爆弾の乗っている槍を自分の体から引き抜き、投げ捨てる。
しかし爆弾はすでに、槍から飛び立ち空中にいた。

「魔技『サディスティック8』。」

激戦とレヴァンティンを用いて繰り出される無数の突きが、ネミトゼボーマの首筋をズタズタに切り裂く。
さらにそこへ、マジシャンズ・レッドの炎が追い打ちをかける。

「まあまあの攻撃だが……この程度の技にサディスティックの名を冠するとは片腹痛いね。」
「ご心配なく。この技は108式まである。」

666の挑発的な言葉に、ネミトゼボーマの方に着地した爆弾は余裕をにじませた口ぶりで応える。
数秒の沈黙。その後、先に動いたのはどちらだったか。
二人は、お互いを抹殺すべく激しく戦い始めた。


「なるほど、ラダム虫になってプー太氏に寄生した、と……。」
「ああ、上手くいくかは自分でも半信半疑だったけどね。」

一方その頃、ネコミミストは魔王からこれまでのいきさつを聞かされていた。
魔王の言葉に納得と安堵を感じつつも、ネコミミストは体を乗っ取られたプー太氏へ一抹の同情を覚える。
ネコミミストという少女は、どこまでも優しい人間なのだ。敵対する相手にさえ、情けをかけてしまうほどに。

「ところでネコミミストくん、悪いけど斬鉄剣返してもらえる?」
「ええ、かまいませんよ。」

魔王に向かって、ネコミミストが斬鉄剣を投げる。ネコミミストに会わせて巨大化していた斬鉄剣は、彼女の手を離れると同時に元の大きさに戻り、魔王の手に収まった。

「やっぱりこれがないと落ち着かなくてさー。うん、この体でもなじむよ。」
「ああ、そうだ。これも受け取ってください。」

感触を確かめるように素振りを繰り返す魔王に、ネコミミストは懐から取り出したデバイスクリスタルを取り出す。

「おっ、これも残ってたか……。ラッキーだね。それじゃあ早速……。テックセッター!」

デバイスクリスタルを高々と掲げ、魔王は叫ぶ。その瞬間彼の体をバリアジャケットが包み、その姿はテッカマンとなった。
しかし身長が身長だけに、その一番の特徴であった禍々しさはだいぶ薄れてしまっている。

「よかった、この体でも変身は可能か。けど、ちょっと迫力に欠けるなあ。
 これじゃせいぜい小悪魔……テッカマンプチデモンってところか。」

漫画ロワの劉鳳につっこまれそうなネーミングを呟きつつ、魔王は体の感触を確かめるようにストレッチを行う。

「よし、それじゃあ行こうか、ネコミミストくん。」
「はい!」

4287書き手ロワ大戦――Ragnarok ◆KuKioJYHKM:2008/10/27(月) 23:59:11 ID:xuqtiH1E0
◇ ◇ ◇


そして、時間は冒頭へと戻る。
ロリ長門、ゴルディオンスバル、プチデモンの三人は、それぞれ思い思いに攻撃を仕掛けネミトゼボーマを翻弄していた。

「火炎車輪。」

炎を宿した激戦を爆弾が振り回し、ネミトゼボーマの装甲を裂く。

「はあああああああっ!!」

魔王が高速で宙を飛び回りながら、斬鉄剣で斬って斬って斬りまくる。

「ラディカル・ブロウクン・マグナム!」

ネコミミストがラディカル・グッドスピードを発動させた状態で、右手のグローブを飛ばす。
グローブはドリルに変形しながら空中を突き進み、ネミトゼボーマの肩を貫いた。

「ええい!」

さらに、ツキノンも攻撃に参加する。
彼女の持つGRトラペゾヘドロンが、深々とネミトゼボーマの膝に突き立てられた。

「ぐぅっ!」

666の口から漏れるのは、苦悶の声。不死者の肉体を持ってしても、回復が追いついていない。
横やりが入るのは覚悟していたが、まさかここまで劣勢に立たされるとは思っても見なかった。

「だいぶ苦しそうだねえ、黒猫くん。」

そんな666の眼前に、小さな影が飛んでくる。斬鉄剣を手にした魔王だ。

「ちゃんと聞いていなかったが……君は本当に魔王なのか? なぜ君の意識が、プー太くんの体を支配している?」
「ラダム虫に意識を移して、プー太氏に寄生した。以上。」

最低限の説明を終えると、魔王は斬鉄剣で突きを繰り出す。
素早く回避運動に移る666だが、巨体ゆえにかわしきれず刀は彼女が埋め込まれている部分のすぐ横に突き刺さった。

「ずいぶんと無茶をしたものだ……。そこまで死にたくなかったのかい?」
「死にたくなかった……か。ああ、そうかも知れないね。
 僕はロワを楽しむのが最大の目的だった。死ぬにしても、インパクトのある死に方だったら未練なく死んでいただろう。
 だが実際に僕に与えられたのは、あまりにあっけない死に方だった。
 書き手としては、そんな死に方もありだと認めよう。誰も彼もがかっこよく死ねるわけじゃない。
 淡々とした死、あるいは無駄死にもロワには必要だ。けど……僕自身がそうなるのはごめんだね!」

語気を強めながら、魔王は蹴りを放つ。
質量で言えば今の魔王の数十倍、いや数百倍はあるはずのネミトゼボーマの体が、その一撃で揺らぐ。

「好機。」

爆弾の情報改変によって太陽並みの温度となったマジシャンズ・レッドの炎が、ネミトゼボーマを焼き尽くす。
さらにツキノンのオヤシロビームが、ネコミミストの衝撃波が追撃をかける。

「おのれえええええええええ!!」

ボロボロになった体を再生しながら、666は絶叫する。
常人ならすでに3回は死んでいるであろうダメージ。予想以上のイレギュラーの介入。
666の精神は、確実に削り取られていた。とは言っても、その影響は微々たるもの。
普段の666なら、何の問題にもならなかったはずだ。
しかし今の彼女は、闇の書とディス・レヴという危険物質をどうにか制御している状態である。
わずかな消耗が、取り返しのつかない事態を招きかねない。今、まさに彼女は暴走の初期段階に足をつっこんでいた。

「人の恋路を……邪魔するなーっ!!」

四本の腕を、がむしゃらに振り回すネミトゼボーマ。しかし、ロリ軍団は全員その攻撃をかいくぐる。

忌々しい。忌々しい。忌々しい。邪魔だ。邪魔だ。邪魔だ。
私はネコミミストと戦いたいんだ。なのに、なんでその他大勢が割り込んでくるんだ。
お前たちは要らないんだ、不必要なんだ、どこかに消えろ。
邪魔。邪魔。邪魔。死ね。死ね。死ね。どいつもこいつも……。

「死んでしまえぇぇぇぇぇぇ!!」

4288書き手ロワ大戦――Ragnarok ◆KuKioJYHKM:2008/10/28(火) 00:00:54 ID:Payc8lf.0

制御を失った狂気に任せて、666は叫ぶ。
その右手には、レイジングハート。左手には、ミニ八卦炉。さらにその腰には、巨大な銃が装備される。
影丸から蒐集した杉田の力により呼び出した、G・インパクトキャノンだ。

「これは……!」
「一発でかいのが来そうだねえ……。」

とてつもない攻撃がくる。その予感に、ロリ軍団も気を引き締める。

「ここからいなくなれぇぇぇぇぇ!!」

右から、スターライトブレイカーex。左から、マスタースパーク。中央から、G・インパクトキャノン。
一つ一つが巨大である光の奔流が、三つ合わさって眼前の敵に放たれる。
殺してはいけないはずの、ネコミミストまで巻き込むことになるというのに。暴走を始めた666は、そんなことにも気づいていなかった。

「全員がこの攻撃を回避できる確率は、1%以下。」
「なら、跳ね返すしかないね。みんな、準備を!」
「了解なのです!」

爆弾が、レヴァンティンを構える。
ネコミミストが、左手を伸ばす。
魔王が、両肩にエネルギーを集中させる。
ツキノンが、両手をかざす。

「翔けよ、隼。シュツルムファルケン。」
「プロテクト・シェード!」
「ZEROボルテッカ!」
「オヤシロバリアー!」

ネコミミストとツキノンのバリアが砲撃を受け止め、爆弾と魔王の攻撃が砲撃を押し返す。
常軌を逸した力のぶつかり合いに、フォーグラー全体がきしむ。

「エネルギー量はほぼ互角。押し返すには、出力を上げる必要がある。」
「今でも結構無理してるのに、無茶な注文してくれるねえ!」
「私は事実を述べているだけ。」
「はいはい。それじゃあ、ありったけの魔力込めましょうかね!」

魔王が、ZEROボルテッカの出力を上げる。ネミトゼボーマの砲撃が、少しずつ押し返されていく。

(この調子なら……いける!)

勝利への自信を、少しずつ確信に変えていくネコミミスト。だが次の瞬間、事態は一変した。

「えっ!?」

プロテクト・シェードにかかる負担が、一気に大きくなる。ネミトゼボーマの砲撃が、突然こちらを押し返してきたのだ。
向こうの出力が上がっているわけではない。自分たちの出力が下がっているのだ。
ネコミミストは気づく。魔王の肩から、光が放射されていないことに。

(まさか……こんな時に魔力切れ?)

ネコミミストは、そう考えた。だが、それが誤りであることがすぐに明らかにされる。
魔王の、いや、魔王だったものの言葉によって。

「残念でしたね、皆さん。」
「え……? 魔王さん、何を!」
「いえ、違います。私は、クマのプー太です。」

その一言で、ロリ軍団に電流走る……!

「そんな……乗っ取られた意識が回復した?」
「ええ、その通りです。敵に精神を乗っ取られたキャラが、ここぞという時に体を奪い返す。よくある燃え展開でしょ?」
「確かにそうですけど……。それは主人公側のキャラがやってこそで……。」
「うぬぼれないでください。まだあなた達がこの物語の主人公だと決まったわけじゃない。
 黒猫さんが主人公として完結する可能性も、十分にあるんです。」

ネコミミストとプー太氏が問答をしている間にも、砲撃はじりじりとネコミミストたちに迫る。

「非常にまずい。このままだと、耐えられてあと2分。」

爆弾が冷静な口調で、悲観的な分析結果を口にする。

「それじゃあ、私はここで失礼しますね。皆さんがこの攻撃に耐えられたら、またお会いしましょう。」

テッカマンとしての力を行使し、プー太氏が宙に浮く。いったん後方に退避し、666の攻撃が炸裂したらまた戻ってくる。
プー太氏が頭に描いた行動は、そのようなものだった。ところが彼女の思惑とは裏腹に、その体は前へ前へと進んでいく。

「え? なんで? なんで?」
(甘いねえ。羊羹に蜂蜜かけて砂糖をまぶしたぐらい甘いよ、プー太氏。)
「な、ま、魔王さん? なんで?」
(なんでも何もないよ。体を奪い返されたのなら、さらに奪い返せばいい。
 相手の意識を消滅させたわけでもないのに安心するのは甘いとしか言いようがないね。)
「くっ……!」

必死で体のコントロールを取り戻そうとするプー太氏。しかしその努力もむなしく、体はどんどんとネミトゼボーマに近づいていく。

4289書き手ロワ大戦――Ragnarok ◆KuKioJYHKM:2008/10/28(火) 00:02:18 ID:Payc8lf.0
「何を……する気ですか……! まさか特攻なんて考えてるんじゃ……。」
(当たらずとも遠からず、かな。プー太くん、君の記憶を読ませてもらったけど、君は一度死んだ後闇の書の守護プログラムとして蘇ったみたいだね。
 しかも、君の元キャラはヴィータだ。つまり、君の体は完全にヴォルケンリッターと化している可能性が非常に高い。)
「それがどうかしたんですか?」
(ではヒント。アニロワ1stでの、ヴィータの死因は?)
「それはカズマのシェルブリッドに、自分の体を魔力として取り込ませて……はっ!」
(そう、ヴィータを始めとするヴォルケンリッターの体は、魔力の塊だ。
 そして僕の必殺技、ZEROボルテッカは魔力をボルテッカとして放出する技。ここまで言えばわかるよね?)
「私の体を魔力に変換して撃ち出すつもりですか! やめなさい! そんなことしたら私に寄生しているあなたも……!」
(ああ、今度こそ死ぬだろうね。だが僕は、死そのものは恐れちゃいない。
 ド派手に散って、しかも僕を虚仮にした黒猫に一矢報いることが出来るなら本望さ。)
「ですが! ここで命を捨てる必要があるんですか! もうこの物語は終末を間近にしている!
 ここまで来ていながら、自殺に等しい方法で命を捨てるなんて……!」
(君が悪いんだよ。君があんな場面で悪あがきなんてするから、僕はみんなを守るためにこんな方法を取らざるをえなくなってしまった。
 それに、死ぬのは必ずしもバッドエンドじゃない。ロワは生と死を描くドラマだ。
 死は時として、生よりも価値があるものとして描かれる。
 僕は生還にこだわりはない。ただ、その時その時を全力で駆け抜けたいだけさ。)

プー太氏の言葉に耳を貸さず、魔王は両肩の砲門を開く。

(あー、でも……。彼女を悲しませることになるのは、ちょっと良心が痛むかな……。)

自分を心配げに見つめるネコミミストの視線に気づき、魔王の心にわずかなためらいが生まれる。
だが、彼はすぐさまそれを振り切る。

(まあ、ネコミミストくんなら大丈夫だろう。あんまり自信ないけど……。
 悪いけど、僕の屍も背負っていってもらうよ!)

じわじわと迫る破壊の光線に向けて、魔王の肩からそれに匹敵する光が放たれる。

「これが僕の、最後の輝きだ! ZEROボルテッカ・Last-X!」

テッカマンプチデモンから、最後のボルテッカが放たれる。これまでのボルテッカよりはるかに激しく、そして神々しい光が舞う。
それを放つ魔王の体は、手足の先から空気に溶けるように消えていく。

「聞け、黒猫! 僕は速筆魔王LX! 僕の生死を決められるのは、僕だけだ!!」

全身全霊の叫びと共に、光がさらに激しさを増す。それはネミトゼボーマの砲撃を完全に飲み込み、消し去った。
やがて、光が消える。光の主である魔王の姿は、もうどこにもなかった。

「ま……おう……?」

うわごとのように、ネコミミストが呟く。その足下に、上空から落ちてきた斬鉄剣が突き刺さった。

「どうせフェイクですよね……? あなたのことだから、またしぶとく生き残っておいしいところで出てくるんですよね……?」

信じたくない。その思いが、勝手に口をついて出る。だが爆弾は、そんなネコミミストの思いをはっきりと否定する。

「魔王のロストを確認……。彼の生存確率は0%。」
「地図氏……。間違いはないんですか……?」
「私のシステムに狂いはない。私としても無念だが、魔王の死は動かしようのない事実。」
「あ……ああああああ!!」

涙は流さない。きっと魔王はそれを喜ばないだろうから。
その代わりに、ネコミミストは叫ぶ。怒りと悲しみと無念をまとめて吐き出すために。

「うあああああああ!!」

そして、暴走する666も叫ぶ。一人しとめたとはいえ、自分の攻撃が相殺されたという苛立ちを込めて。

「死ね! 死ね! 死んでくれ!」

呪いの言葉をわめき散らしながら、666はエターナルソードを呼び出してその手に構える。

しかしその剣は、飛来した巨大な槍にあっさりと弾き落とされた。

「もはやあなたに同情の余地など芥子粒ほどもない。今すぐ殺す、無惨に殺す。」

爆弾の情報改変によって、床から無数の槍が次々と出現する。
爆弾は、それを一斉に666に投げつけようとして……そこで意識を手放した。

4290書き手ロワ大戦――Ragnarok ◆KuKioJYHKM:2008/10/28(火) 00:03:06 ID:Payc8lf.0
「え……?」

自分の脳天を直撃したあと床に落ちる拡声器を見つめながら、爆弾は崩れ落ちる。
いかに彼女と言えど、完全に予測の範囲外である味方からの攻撃には対処のしようがなかった。

「な……! 何をしているんですか、ネコミミストさん!」

仲間への攻撃という暴挙に出たネコミミストに、ツキノンは抗議の声をあげる。
だがネコミミストは、それを静かな表情で受け止めた。

「すいません……馬鹿なことだってのはわかってます……。けど、彼女との決着は私の手で付けたいんです。」
「それは……ただのわがままなのです。」
「ええ、百も承知です。ですがそれでも私は、わがままを貫き通します。
 666は私の仲間だったんです。だから……落とし前は私の手で付けさせます!」

ネコミミストは静かに、ネミトゼボーマに向かって歩き出す。

「そうだ、来い、ネコミミスト! 私は君と戦いたいんだ! さあ!」

666は恍惚に染まった表情で、ネコミミストに呼びかける。

「666……。はっきり言って、私はあなたを憎みきれない。あなたの言葉がこれまでの私を支えるものの一つだったのは、否定できない事実だから。
 けど、ロリスキーさんや魔王さんを死に追いやったことは許せない。だからせめて、私の手であなたに引導を渡す。」

(そうだ、それでいい! さあ来い、ネコミミスト! 君の手で私を滅ぼしてくれ!)

666が期待の眼差しを送る中で、ネコミミストは両手を合わせる。

「ゲム・ギル・ガン・ゴー・グフォ……」

呪文と共に、右手の攻撃エネルギーと左手の防御エネルギーを融合させる。
吹き荒れる電磁嵐が、ネミトゼボーマの動きを封じる。

「ヘル・アンド・ヘブン!」

勇者王の必殺技名を叫び、ネコミミストは一気に加速する。
目指すのは、ネミトゼボーマの頭部。666が収まる、コアの部分。

「はああああああ!!」

雄叫びと共に、ネコミミストの拳がコアに突き立てられる。666は、それを無抵抗に受け入れる。

(さあ、私を倒せ、ネコミミスト! そして喰え! 私の愛は、それで完結する!!)

目前に迫った野望結実の瞬間に、666は心を躍らせる。だがここで、ネコミミストにとっても666にとっても予想外のことが起きた。
ゴルディオンスバルと化したネコミミストのパワーは、本人の予想すら上回るものだった。
全力でヘル・アンド・ヘブンを決行した結果、あまりの威力に666の体がネミトゼボーマの頭部を貫通して吹き飛んでしまったのである。

「え!?」
「な!?」

ネコミミストと666は、共に驚愕に顔を引きつらせる。
そして吹き飛んだ666は偶然か運命か、後方にあった旅の扉に吸い込まれていった。

(しまった! ここで終わらせられたのに、力加減を間違えるなんて単純なミスを……。)

ここぞという場面でのミスに、顔をしかめるネコミミスト。その眼前では、コアを失ったネミトゼボーマが崩壊していく。
うずたかく積まれた瓦礫の山と化したそれのあちこちからは、組み込まれていた支給品たちが顔を出している。
しかし、ネコミミストはそんなものを見ていない。その視線は、微塵のずれもなく旅の扉へと向けられている。

(決着は必ず付ける! 待っていろ、666!)

巨大化を解除し、ネコミミストは走る。そして、旅の扉へその身を飛び込ませた。

「ああ、待ってください、ネコミミストさん!」

ツキノンも気絶した爆弾を背負い、慌ててネコミミストを追う。
こうして、数々の死闘が繰り広げられたフォーグラーからは、誰もいなくなった。

4291書き手ロワ大戦――Ragnarok ◆KuKioJYHKM:2008/10/28(火) 00:03:54 ID:Payc8lf.0
◇ ◇ ◇


「ずいぶんと荒れているようだね……。」

独り言を漏らしながら、666は敗者たちの屍が転がるラピュタの中を歩く。
いかなる戦いが繰り広げられたのか興味が引かれるところだが、まずは自分の現状を確認しておこう。
そう考え、666は目を閉じて集中に入る。
まずはダメージ。これはネミトゼボーマと分離したことにより、ほぼゼロに戻っている。
ヘル・アンド・ヘブンで受けたダメージは残っているが、じきに不死者の再生能力で回復するだろう。
不死者の能力に関しては問題なし。闇の書との契約も切れていない。まあ、手元にないので使うことは出来ないが……。
闇の書のみならず、支給品は全て手元にない。これでは、攻撃力不足は明らかだ。

(フォーグラーに戻って取ってくるか? いや、ネミトゼボーマになれない以上、3対1で戦う状況にするのは下策……。
 どうにかもう一度、ネコミミストと1対1になれる状況を作らなくては……。
 それを達成しつつ、出来れば戦力を整え直したい。何かいい方法はないものか。)

勘に頼ってラピュタ内を歩きながら、666は封印していたメタ視点を再び使用する。
これまではネミトゼボーマの制御に集中するために使用を控えていたが、もうその必要はない。
666の脳に流れ込んでくるメタ知識が、数分前にこのラピュタで起きた全てを彼女に伝える。

(なるほど、繋ぎ師がダイダルゲートを破壊して逝ったか……。
 wiki管理人は心身共に満身創痍。読み手も戦える状態ではない。
 これはいよいよ、私がラスボスになる可能性が高くなってきたか……。)

自分がどう行動すれば最善の結果となるか。過去の記憶も総動員しながら、彼女は考える。その結果、あるアイテムが彼女の脳裏に浮かんだ。

(あれは考察の中に登場しただけで、存在は確認されていなかったんだったか……。
 仮にあったとしても、使い物になるかどうか……。
 まあ、なければないで計画はいくらでも変更できる。有ったらラッキーぐらいの心構えで捜してみるか。)

今後の計画を組み立てながら、666はある場所を目指して歩く。
数分で、彼女は目的地に到着した。wiki管理人の部屋である。
遠慮など微塵もせず、666は部屋の中に踏み込む。そして、捜し物をすぐに発見した。

「よし。では早速作戦開始といくか。」

わずかに口元を歪めながら、666は呟く。その手には、中央にウジャト眼が刻まれた金色のリングが握られていた。

4292書き手ロワ大戦――Ragnarok ◆KuKioJYHKM:2008/10/28(火) 00:04:51 ID:Payc8lf.0



「くっ……! どこだ、666!」

黄金の鎧を身に纏った勇者姫、ネコミミストはラピュタ内を走り回る。かつての仲間であり、今は宿敵と化した少女を捜して。

「旅の扉に入った時間は、そう変わらないのに……。こんな短時間でどこに行ったんだ!」

ネコミミストは知らないことだったが、FFDQロワの旅の扉は本家ドラクエのものとは違い行き先が固定されていない。
つまり同じ旅の扉に入っても、同じ場所に出るとは限らないのだ。
管理人が用意した旅の扉も、FFDQロワ出典であるがゆえにその行き先はランダムだった。
ほとんど時間をおかずに旅の扉に飛び込んだ666とネコミミストでも、ラピュタ内のまったく異なる場所に飛ばされてしまったのである。
そんな事情は知らぬまま、通路を走り続けるネコミミスト。そんな彼女の耳に、誰かの声が届く。

「ネコミミストさん、いますか!」
(この声は、ツキノンさん!)

マックススピードのまま進行方向を変え、ネコミミストは声の聞こえてきた方向へ向かう。
程なくして、彼女はツキノンと合流することが出来た。その横に立つ、意識を取り戻した爆弾とも。

「あの、地図氏、えーと……。」

無表情で、しかし明らかに敵意のこもった視線で見つめられ、さしものネコミミストもたじろぐ。

「まあいい。あなたにも666に対して思うところがあるのは理解している。今回だけは許す。」
「ど、どうも……。」
「ただし、次はない。」
「はあ……。」

あれほどまでに燃えさかっていた闘志が、急激に冷えていくのを感じるネコミミスト。
それほどまでに、爆弾の放つ雰囲気は恐ろしかった。
とにかく強引にでも話題を変えようと、ネコミミストは新たな話題を振る。

「ところでお二人は、666の居場所の手がかりは何か……。」
「心配ない。どこに逃げようとも、私の参加者追跡システムからは逃れられない。」
「地図氏によると、ここをまっすぐ行けばいいらしいのです……って、お二人とも、あれ!」

ツキノンが指さした方向を、反射的に見る二人。窓の向こうには、ラピュタの縁に立つ666の姿があった。
彼女は、なんのためらいも見せずそこから飛び降りる。ネコミミストたちも、当然のようにそれを目で追った。
難なく着地を果たした666は、ゆっくりと歩き出す。外が白一色の世界に変化していることに驚かされたネコミミストたちだが、その興味はすぐにその白い世界に立つ二人の人物に移った。
一人はウルトラマンのような姿の少女。もう一人は整った身だしなみの少女。
そして彼女たちの足下には、腹を貫かれた無惨な姿で三人がよく知る青年が倒れている。

「繋ぎ師さん……!」

心底悔しそうに、ツキノンが呟く。ネコミミストも、唇を噛みしめて自分の感情を抑え込んでいた。

「落ち着いて、二人とも。666が動く。」

ただ一人、爆弾だけが冷静だった。少なくとも、表面上は。彼女の言葉通り、666が動く。
そして、状勢は一気に変化した。

4293書き手ロワ大戦――Ragnarok ◆KuKioJYHKM:2008/10/28(火) 00:05:57 ID:Payc8lf.0



K.Kと呼ばれた読み手は、嘆いていた。悲しんでいた。苦しんでいた。
自分に託された、最後の切り札。それを自分は、失ってしまった。
あれは本当に大切なものだったのに。書き手ロワという物語に終止符を打てる、特別なものだったのに。
それを、自分は独断専行の結果失ってしまった。
もう、自分に存在価値はないのか? ここにいる資格はないのか?
いや、そんなはずはない! 自分には、自分にはまだ価値が……。

「ないよ、君に価値なんて。」
「え?」

間抜けな声が、K.Kの口から漏れる。それが、K.Kという人格が発する最後の声になった。
次の瞬間、彼女の首には黄金に輝く輪……千年リングがかけられていた。リングに付属する数本の針が、服の上からK.Kの胸に突き刺さる。

「…………ッ!!」

苦悶の声をあげようとするK.K。しかし、あまりの痛みに声が出ない。

「ああ、価値がないというのは精神のことだ。体はありがたく使わせてもらうよ。」

もだえ苦しむK.Kの手から、666がシークレットトレイルを奪い取る。
666はそれを核鉄に戻すと、自分の中に残ったありったけの「真・驚きの黒さ」を込めて黒い核鉄に変化させた。
そして、管理人に接近。事態が飲み込めず混乱しているがゆえに動けない彼女の胸を、容赦なく貫く。
そうしておいてから、潰れた心臓の変わりに黒い核鉄を埋め込む。これで驚きの黒さに汚染された、ヴィクター管理人のできあがりだ。

「面倒くさいことしてやがるな。直接驚きの黒さをぶつけてやりゃあいいじゃねえか。
 そいつはあらゆる技を使えるんだから、最初からヴィクター化だって使用可能だろ?」

仕事を終えた666に、K.Kが話しかける。いや、その人物はもはやK.Kではなかった。
千年リングに宿る邪悪な盗賊王の魂……いわゆる「闇バクラ」である。

4294書き手ロワ大戦――Ragnarok ◆KuKioJYHKM:2008/10/28(火) 00:06:16 ID:Payc8lf.0
「おお、上手く体を乗っ取れたみたいだね。おめでとう、バクラくん。」
「はっ、元々こいつやてめえは俺の……正確には、俺の力を利用したそこの女のマインドパラサイトで作られた存在だ。
 だからどいつにも、ほんのわずかだが俺の因子が混ざっている。それがあれば、体を乗っ取るのはたやすいんだよ。」
「なるほどね。」
「そんな話はどうでもいいんだよ。俺の質問に答えろ。」
「ああ、なんでヴィクター化なんて回りくどいことをしたのかって? 簡単な話だよ。
 人間をまんべんなく染めるより、その人間の核となる部分を染めてしまった方がはるかに効率がいい。
 その点を考えると、黒い核鉄は媒介として最適だったわけさ。」
「なるほどねえ。」

自分で聞いておきながら、バクラはどうでも良さそうに言葉を返す。

「ところで、君は私に協力してくれるかい、バクラくん。」
「なんで俺がそんなことを……と言いたいところだが、部屋の隅に放り投げられてたのを拾ってもらった恩があるからな……。
 いいぜ、1回だけ協力してやる。そのあとは元の世界にとんずらさせてもらうけどな。」
「ああ、それでかまわない。そして……君も一緒に戦ってくれるよね、wiki管理人くん。」
「ああ、もちろんだよ、666。」

666の言葉を、管理人は即座に肯定する。その瞳は、どぶ川よりもさらに深く濁っていた。

「私の計画を邪魔しようとした奴らはいらない。皆殺しにしてあげよう……。
 そして邪魔者がいなくなってからゆっくり、私は本懐を遂げる!」
「実に結構。だが、ネコミミストには手を出さないでくれたまえ。彼女は私の獲物だからね。」
「わかってるさ。」

666と管理人は、共に怪しく笑う。
666、読み手バクラ、黒管理人。今ここに、書き手ロワラスボスチームが誕生した。

「さて、管理人くん。早速で悪いんだが、君に一つ頼みがある。」
「何かな?」
「今、ネコミミストたちがこちらに向かっているはずだ。彼女たちが到着する前に、君の能力でフォーグラーに置いてきてしまった私の支給品を呼び寄せてほしいのだが。」
「そんなことか。おやすいご用だよ。」

管理人はあっさり666の頼みを引き受けると、空間の境界を操作して自分の目の前をフォーグラーとつなげる。
ニコロワ最終回に満を持して降臨した、八雲紫の能力である。
その能力によって生み出されたスキマから、次々とアイテムがこぼれ落ちる。
レイジングハート、ゲイボルク、ミニ八卦炉、そして闇の書……。

「感謝するよ。これで、また全力で戦える。」

コアドリルは、ネミトゼボーマの起動時に負荷が強すぎて壊れてしまった。だから、もう一度ネミトゼボーマになることは出来ない。
だが、これだけの装備が有れば十分に戦える。ネコミミストを存分に苦しめ、そして死ねる。

「さあ来い、我が愛しの君よ! 今度こそ最終決戦だ!」

666の視界に映るのは、キングゲイナーに変身した爆弾の手に乗ってこちらに向かってくるネコミミストとツキノンの姿。
書き手ロワの終焉を飾る戦いが、今始まる。

4295その意志、刃に変えて ◆KuKioJYHKM:2008/10/28(火) 00:08:20 ID:Payc8lf.0
空はどこまでも黒く、大地はどこまでも白い新世界。そこで、2組6人の少女達がにらみ合う。
ネコミミスト、爆弾、ツキノン。散っていった幾多の魂を背負い、戦いに終止符を打つために全力を尽くす三人。
666、管理人、読み手。それぞれの目的のために、ラスボスとして立ちはだかる三人。

「さて……。」

666が、一歩前に出る。

「ここまで来て、語ることももはやあるまい。君たちが生き残るか、我々が生き残るか。
 最後のバトルロワイアルを始めようじゃないか。」

666の言葉を受けて、おのおの戦闘態勢を取るネコミミストたち。
だがその気勢を削ぐように、ふいに666は「ああ」と気の抜けた声を漏らした。

「これは君たちに渡しておこう。ほら、受け取りたまえ。」

666が無造作に放り投げたものは、繋ぎ師の遺体。それを受け止めようと、ネコミミストは手を伸ばす。しかし……。

繋ぎ師の体がネコミミストの腕の中に収まる直前、666の放ったブラッディーダガーがその体を蜂の巣にした。

「何を……何をやっているんだ666ゥゥゥゥゥ!!」
「何を……? 挑発さ。」

白と金の鎧を繋ぎ師の血で染め、体を震わせながらネコミミストが叫ぶ。666はその叫びに、こともなげに応えた。

「あなたは……お前はどこまで罪を重ねれば気が済むんだァァァァァ!」

ネコミミストは、なおも叫ぶ。
その時、不思議なことが起こった。

4296その意志、刃に変えて ◆KuKioJYHKM:2008/10/28(火) 00:09:06 ID:Payc8lf.0
「これは……!」

ネコミミストの目の前には、二つの珠が浮かんでいた。それこそ創世王の証、キングストーンである。
繋ぎ師の体に埋め込まれていたはずのそれが、突然飛び出してきたのだ。
とまどうネコミミストに向かって、キングストーンは宙を滑るように近づいていく。
そして、その体内に吸い込まれるように消えた。

「……!!」

ドクン、とひときわ強く心臓が脈打つ。ネコミミストの体内で、キングストーンが淡い光を放つ。
それに共鳴するかのように、彼女のデイパックからいくつかの支給品が飛び出した。
カブトゼクター、ハイパーゼクター、オーガドライバー、カイザギア、ベルデのデッキ、コーカサスゼクター。
いずれも仮面ライダーへの変身アイテムだ。
さらに爆弾の持っていた龍騎のデッキと、ツキノンが持っていたシザースのデッキまでそれぞれのデイパックから飛び出す。
出揃った変身アイテムは、次々とキングストーンに吸い込まれていった。

「うああああ……!」

急激に自分の体が作り替えられていく感覚に、ネコミミストは苦悶の声をあげる。
あまりの長さにしびれを切らした読み手が攻撃を仕掛けようとするが、それは666に止められた。
やがて、うめき声がおさまる。ネコミミストは目の前にいる三人の敵をキッと見据えると、力強い声で叫んだ。

「変身!!」

一瞬の発光。次の瞬間には、ネコミミストは新たな姿に生まれ変わっていた。

ベルトには二つのキングストーン。
白い素体の上に黄金の鎧を重ねたようなデザインのボディー。
右肩には黒龍、左肩には炎龍。
両腕には計八つの宝玉が埋め込まれ。
手にする武器は斬鉄剣の鋭さとドラゴンころしの破壊力を併せ持つ、十字架を模した剣。
背後には黒いマントをはためかせ。
顔つきはライダーでありながら、どこか強化外骨格を思わせる。
そして頭上には、ネコミミが燦然と輝いていた。

「天が呼ぶ! 地が呼ぶ! 人が呼ぶ! 悪を倒せと私を呼ぶ!
 ズバッと参上、ズバッとぶっちぎり! 我こそは牙なき者の剣、仮面ライダーネコミミスト!!」

繋ぎ師からライダーロワの全てを託されて誕生した最終最強の仮面ライダー、仮面ライダーネコミミストは、高らかに名乗りをあげた。

「素晴らしい……。素晴らしいよネコミミスト! ゴルディオン・スバルだけでも最終回前のパワーアップとしては十分だというのに、さらにもう一段上に到達するとは!」

愛しき人の新たな姿を目の当たりにして、666は歓喜の声をあげる。

「余裕ですね、黒猫さん……。これであなたの勝率はさらに低くなったんですよ?」
「もとよりあなた達に勝利を味わわせるつもりもないが。」

ツキノンと爆弾が、じりじりと距離を詰める。だが、666は余裕の笑みを崩さない。

「悪いが……。私の相手はあくまでネコミミストだけだ。管理人!」
「ああ!」

666の合図で、管理人がスッと手を挙げる。その瞬間、その場に立っているのはネコミミストと666だけになった。

「これは……! 666! 二人をどこにやった!」
「どこにもやっていないよ。ツキノンも地図氏も、ついでに管理人と読み手も、すぐそばにいる。
 だが、こちらからの干渉は不可能だ。紫の境界を操る能力と、ギガゾンビの亜空間破壊装置の合わせ技だよ。
 我々は同じ次元にいるが、その間に次元の壁が出来ているためにお互い干渉できない。」
「なぜだ……。なぜそこまで私と戦うことにこだわる! そんなに私が憎いのか!」

ネコミミストの鋭い視線に射抜かれ、666はゆがんだ笑みを浮かべる。

「憎い? 見当外れもいいところだよ、ネコミミスト。」
「だったらなんで……!」
「それは私を倒して聞き出すんだな!」
「そうか……。ならば、ここで終わらせよう、666!」
「来い、ネコミミスト!」

長く辛い戦いのロードも、ここが終着。本当に最後の戦いが、これより始まる……。

4297その意志、刃に変えて ◆KuKioJYHKM:2008/10/28(火) 00:09:52 ID:Payc8lf.0
◇ ◇ ◇


隔離された空間の中、ツキノンは読み手バクラと戦っていた。

「この終盤も終盤のクライマックスに新キャラ、しかもパロロワ関係者ですらない版権キャラが出張るなんて!
 空気を読んでないにも程があるのです! さっさと退場しなさい!」
「ひゃははははははは!! てめえがひとのこと言えるのかよ! 最終決戦に入ってから正体判明したてめえがよ!」

ツキノンはGRトラペゾヘドロンを振るい、読み手は体術で応戦する。しかし、彼女たちはお互いにまだ一撃も有効打を与えられていなかった。
読み手は全てを読む能力を使い、ツキノンの攻撃を読む。対するツキノンはGRトラペゾヘドロンからニュータイプ並みと言われる言葉の直感を引き出し、攻撃を回避する。
戦いは何の進展もないまま、むなしく時間を消費していった。

(このままでは埒が開きませんね……。読まれても対処のしようがない攻撃で攻めなければ……。)

そう考えたツキノンは、GRトラペゾヘドロンからショベルカーを取り出した。

「待てやコラァ! この最終決戦でネタに走ってんじゃねえ!」
「ネタではないのです! これぞギャルゲロワの伝家の宝刀!」

読み手のツッコミを一蹴し、ツキノンはショベルカーに乗り込んで突進する。

「冗談じゃねえぞ、まったく!」

悪態をつきながら、読み手はデザートイーグルを連射する。だが、弾丸は全てショベルカーに弾かれてしまった。

「無駄だ、読み手! この機械に銃は効かない!」

微塵も怯む様子を見せず、ツキノンは読み手を轢き殺さんと突進を続ける。

「ちくしょう! このバクラ様があんなネタ支給品に負けられるかよ!」

口では強がりつつも、読み手は焦っていた。シークレットトレイルは、666が管理人に与えてしまった。
自分が持つ唯一の武器はデザートイーグルだが、それが通用しないのはたった今証明済み。素手で戦うなんて選択肢は、自殺行為以外の何物でもない。

「何か、何か手はねえのか!」
(苦戦しているようですね、バクラ。)

苦悩する脳内に、突如として別の声が響く。

(何だ、K.Kか? まだ意識が消えてなかったのか……。悪いが、今はてめえの恨み言を聞いてる場合じゃねえんだよ!)
(いや、恨み言なんて言う気はありませんよ。
 確かに体を乗っ取られたことは屈辱ですが、君の乱入という大義名分があるおかげで、読み手の私が大手を振って物語に干渉できる。
 多少とはいえ感謝の気持ちを抱いているぐらいです。)
(ああ、そりゃどうも。それで、恨み言じゃねえなら今更何の用だ?
 邪魔にしかならねえんだから、おとなしく寝てろ!)

全力で走り回りながら、バクラはK.Kに毒づく。

(バクラ、こんな言葉を知っていますか? 『一人一人では小さな火だが、二人合わされば炎となる!』。
 元々弱い力しか持っていない私と、純粋な版権キャラであるがゆえにこの世界への適応係数が低い君。
 そんな二人でも、力を合わせれば奇跡が起こせる!)
(奇跡だあ? 悪いが、そんな不確かなもんを信じる気にはなれねえな。)
(不確かではありません。私の読みによれば確実に起きるのです!
 かつて管理人は言いました。『書き手に想像力がある限り、どんな現象でも起こせるのです』と。
 それは書き手と同じ方法で生み出された私もしかり!
 読み手である私に書き手ほどの想像力はありませんが、その分はあなたに補ってもらえばいい!)
(要するに、俺を利用するってことかよ……。胸くそ悪いぜ……。)
(なら、このままショベルカーに轢き殺されますか?)
(ちっ、手伝えばいいんだろ、手伝えばよ!)
(ええ、そうです。では今すぐ、私が先読みしたフレーズを叫んでください。それは……。)

K.Kからバクラへ、キーワードが伝えられる。すでにショベルカーは、目前まで迫っている。
躊躇している余裕はない。バクラはすぐさま、その言葉を大声で叫んだ。

「ファルコーーーーーーン!!」

4298その意志、刃に変えて ◆KuKioJYHKM:2008/10/28(火) 00:10:42 ID:Payc8lf.0
言霊が、力を帯びる。読み手の前にオーラが吹き出し、それは一体のキャラとなった。
原作アニメでバクラが従えたモンスター、有翼賢者ファルコス……

「ファルコン、キーック!」

では、もちろんなく。

「おい、誰だこのおっさんは。」
(F-ZEROのナンバー1レーサー、キャプテン・ファルコンです。ちなみに、任天堂ロワに出場しています。)
「なんで俺と縁もゆかりもねえレーサーが出てくるんだよ! アホかお前!」
(縁がないわけではありませんよ。ニコニコで『ファルコーーーーーーン!』を持ちネタにしているあなたと、ニコニコで多数のスマブラMADに登場しているキャプテン・ファルコン。
 ほら、結構共通点有るじゃないですか。)
「ねえよ!」

読み手が一人漫才を繰り広げている間にも、キャプテン・ファルコンは律儀にショベルカーと戦っていた。

「YEAH!」
(くっ、このショベルカーと互角に渡り合うとは……。なかなかの強敵なのです!)

額に汗をにじませながらも、ツキノンは巧みにショベルカーを操作してファルコンと渡り合う。
しかし互角の戦いにしびれを切らしたファルコンは、早くも切り札を持ち出した。
彼がどこからともなく取り出したのは、スマブラのシンボルマークをそのまま立体化したようなボール。
それを、拳で砕く。次の瞬間、ファルコンの体は虹色のオーラに包まれた。

(これは……まずい!)

ツキノンがそう思った時には、すでに手の打ちようはない。ファルコンの「さいごのきりふだ」は、すでに発動していた。
白一色だった世界が、何の前触れもなくサーキットに変わる。そして愛車「ブルーファルコン号」に乗り込んだファルコンが、ショベルカーに突進してきた。

「くああああああ!!」

気合いの声を振り絞りながら、アクセル全開で押し返そうとするツキノン。
しかし、徐々にブルーファルコン号のボディーがショベルカーにめり込んでいく。

(ギャルゲロワの全てが詰まったこのショベルカー……あんなただのレーシングカーに破壊されるわけにはいかないのです!!)

劣勢を覆すべく、ツキノンはショベルカーへ新たな念を送り込む。
彼女の意志に呼応し、変化していくショベルカーのショベル。やがてそれは、騎士王の剣となった。

「私は負けるわけにはいかない! 約束された勝利の重機<エクスショベルカー>!!」

聖剣から放たれた破壊の光が、ファルコンもろとも周囲の空間を蹂躙する。

「俺、撃墜!!」

断末魔の悲鳴を残し、ファルコンは跡形もなく消え去った。同時に、サーキットも元の白い世界に戻る。

「……って、それはあなたじゃなくてファルコの持ちネタでしょうが。」
「おいおい、そんなツッコミしてる場合かよ?」

その言葉でツキノンが我に返ると、目の前には銃口が存在していた。ブルーファルコン号の体当たりで生じたゆがみから、読み手がデザートイーグルを突っ込んでいるのだ。

(しまった! つい油断を……!)
「死にな!」

読み手が、引き金を引く。バリアーを張る時間はないと判断したツキノンは、必死で体をよじる。
しかし、狭い操縦席の中ではそう大きく動けるはずもない。即死こそ避けられたものの、
銃弾はツキノンの左肩を貫いた。

「うああっ!」

痛みで、ツキノンの集中力が途切れる。その影響によってショベルカーは形を保てなくなり、元のGRトラペゾヘドロンに戻った。

4299その意志、刃に変えて ◆KuKioJYHKM:2008/10/28(火) 00:11:52 ID:Payc8lf.0
「くっ……!」

その手から離れてしまったGRトラペゾヘドロンを拾い直そうと、ツキノンは懸命に腕を伸ばす。
だがその小さな手は、読み手に思い切り踏みつけられた。

「あぐぅっ!」
「二度とあれに触らせやしねえよ。というか、今すぐ殺す。」

読み手は、ツキノンの手を踏んでいる足に今一度体重をかける。ベキベキといういやな音と共に、激痛がツキノンの手を襲った。

「くっ、このお!」

空いた左手から電撃を放つツキノン。しかしその攻撃を先読みしていた読み手は、その場から動くこともなく身をよじるだけで電撃をかわす。

「いいねえ、そういう悪あがきは。だがどんなにあがいても、てめえの死は変わらねえんだよ。」

ゆがんだ笑みを顔に貼り付けながら、読み手は銃口をツキノンの頭に密着させて引き金を引く。
その瞬間、確かに読み手は回避不可能な死の訪れを読んでいた。


ただし、自分のだが。


「ぐがっ!!」

奇声と共に、読み手の口から大量の血が飛び出す。その胸は、一本の槍に貫かれていた。

「ゲイ・ボルク……だとっ……!」
「そう、ランサーの宝具ゲイ・ボルク……。その力も、GRトラペゾヘドロンの中にはしっかり刻まれています。
 いえ、そもそもGRトラペゾヘドロンの『芯』はゲイ・ボルクだったんです。
 お気づきでしたか? マスターが死んだ時、彼が持っていたはずのゲイ・ボルクが消えていたことに。
 ゲイ・ボルクはマスターの遺体と共に、GRトラペゾヘドロンの中に取り込まれていたんです。
 オリジナルが中に存在していたからこそ、ゲイ・ボルクは100%以上の力を発揮して敵の心臓を貫く……。」
「……!」

読み手は、ゲイ・ボルクの消失に気づいていた。だが、気にも留めていなかった。
七氏の攻撃を受け、他の支給品と共に破壊されたものと思っていたのだ。
それを判断ミスと言ってしまうのは酷だろう。たとえ読み手でなくとも、普通はそう考えるだろうから。

「ふざけるな……! 100%以上だか……なんだか知らねえ……が、てめえは……槍を『投げて』ねえ!
 マンモスマンじゃ……あるまいし、槍が勝手に動いて……心臓ぶっ刺すわけ……。」
「いえ、確かに『投げました』。さっきの電撃でね。」
「…………! じゃあ、あれは……。」
「かわされることが前提、GRトラペゾヘドロンを動かして『投げる』ための攻撃です。」
「ちっ……!」

読み手の体が、ぐらりと崩れ落ちる。心臓を貫かれて、ここまでしゃべれていただけでも奇跡なのだ。
その光景に、ツキノンは何の疑問も抱かなかった。だが、それが彼女の命取りとなった。

4300その意志、刃に変えて ◆KuKioJYHKM:2008/10/28(火) 00:12:59 ID:Payc8lf.0
「っ!」

突如、胸を襲う激痛。ツキノンは、反射的に痛みの発生源である自分の胸を見る。
そこには、重力に逆らって宙に浮く千年リングが突き刺さっていた。

「え……?」
(ひゃひゃひゃひゃ!! 何を馬鹿面晒してるんだよ!)

混乱するツキノンの脳に、直接声が響く。

(確かに、心臓を貫かれて読み手は死んだ。だがな、俺の魂が入ってるのはこの千年リングなんだよ!
 つまり、読み手をお前に殺されはしたが……。その代わりツキノン、てめえの体をもらうぜ!)
「うあああああ!!」

心の中に、別の存在が侵入してくる。筆舌に尽くしがたい感覚に、ツキノンは絶叫する。

「苦しめ、もっと苦しめ! この俺を虚仮にしたんだ、その分のつけはたっぷり払ってもらうぜぇ!」

今やバクラの声は脳に響くのではなく、ツキノンの口から発せられていた。バクラが、ツキノンの体のコントロールを得始めているのである。

「私から……離れろぉ……!」

必死で千年リングを引きはがそうとするツキノンだが、リングの針は彼女の体に深々と突き刺さり抜ける気配がない。

「無駄なんだよ! さっさとこの体、俺に明け渡しな!」
「冗談じゃ……ない……。敵に体を奪われる……くらいなら……!」

支配されつつある体を強引に動かし、ツキノンは読み手の死体に手を伸ばす。
いや、正確には死体に刺さったままのGRトラペゾヘドロンに、だ。

「てめえ、まさか自殺する気か! そうはさせねえ!」

バクラは、必死で手を戻そうとする。だが、まだツキノンの方が肉体への影響力が高い。
ゆっくりと伸ばされた左手は、槍の姿となったGRトラペゾヘドロンをつかむ。
その穂先を自分に向け、ツキノンは声を振り絞る。

「刺し穿つ……死棘の槍<ゲイ・ボルク>!」

言霊に反応し、GRトラペゾヘドロンがツキノンの心臓めがけて動く。一度その力が解放された以上、もう運命は変えられない。
ツキノンの心臓が貫かれるという「結果」は、すでに決定したのだから。だが、バクラはその運命に反逆する。

「マインド・パラサイトォォォ!」

手に握られた槍に、バクラは自分の魂のかけらを埋め込む。それだけで宝具を支配できるわけではない。
しかしその力にノイズを送り込むことで、すでに決められたはずの運命に揺さぶりをかける。

「そんな! 宝具の力が薄れていく! マ、マインドパラサイトにそんな効果なんてないはずなのです! あり得ません!」
「この世にあり得ないなんてことはあり得ないんだよ!
 読み手の奴が言ってたぜ! 想像力さえあれば何でも出来るってな!
 俺は自分が生き残る未来を想像し、創造する!」

GRトラペゾヘドロンの中を走るノイズが、さらに大きくなっていく。やがてそれは、目的を達することなく沈黙してしまった。
至高の槍に込められた呪いが、ただ一人の男の執念に敗れ去ったのである。

「ヒャハハハハハハ!! 勝った! 勝ったぜ! こんなちゃちなおもちゃ、千年アイテムの敵じゃねえんだよ!
 さあ、もう万策尽きただろう! おとなしくこの体を明け渡しやがれ!」

自分の勝利を確信し、バクラは笑う。しかしすぐに彼は、その喜びがつかの間のものであることを思い知らされた。

4301その意志、刃に変えて ◆KuKioJYHKM:2008/10/28(火) 00:13:48 ID:Payc8lf.0
「フフ……。ここまであなたには何度も油断をつかれてきましたが……。今度は私が油断をつく番ですね。」
「何だと?」

ツキノンの発言に、バクラは不機嫌そうな声をあげる。

「私の抵抗はまだ終わっていない。そういうことです。」

静かに言いながら、ツキノンは左手を伸ばす。砕かれたはずのその手には、球状の物体が危なっかしいバランスで乗せられていた。
その物体の名は、ドラゴンオーブ。使い方次第で世界崩壊すら起こせる超A級危険物である。

「ありえねえ! すでにこの体を浸食している俺に気づかれず、デイパックから何か取り出すなんて出来るはずが……。」
「あり得ないなんてことはあり得ない。さっきあなたが言ったばかりなのです。さあ、また私を止められますか?」
「ちぃっ……! まあ、待て。まずは落ち着け。何も、そこまで俺を道連れにすることに執着しなくてもいいんじゃねえのか?
 要は俺から解放されればいいわけだろ、お前は。」
「まあ、それはそうです。けど、千年リングはがっちり私の体に固定されて外れない。
 無理にリングを破壊しようとすれば、結果として私にも深刻なダメージを及ぼしかねない。
 だったら、最初から相討ちを狙った方が手っ取り早いでしょう?」
「何を後ろ向きなこと言ってやがる! 諦めんなよ! がんばれよ!」

自分を倒そうとしている相手を励ますという、シュールな行動に出るバクラ。彼も割と必死である。
若干パニック気味で、努力の方向が間違っている気がしなくもないが。

「じゃあ、おとなしく私の体から離れてくれますか?」
「それは出来ねえ相談だな。」
「じゃあ、やっぱり自爆ですね。」
「ああ、わかった。譲歩してやるよ。てめえの体は奪わねえ。その代わり、誰か他の奴のところに連れて行け。
 今は他の連中と遮断されてるが、そのうち……。」
「寝ぼけないでください。他人を犠牲に生き延びるなんて、死んだギャルゲロワの皆さんに顔向けが出来ません。
 そんな選択肢を選ぶくらいなら、やっぱり自爆ですよ。」
「ちっ、わかったよ。口で言ってわからねえなら、力ずくで言うこと聞かせてやらあ!」

話術による解決を諦めたバクラは、ツキノンの体を乗っ取ることに意識を集中する。
完全にツキノンの体を乗っ取ってしまえば、自爆される心配もない。

「させない! お前は私とここで死ぬんだぁぁぁぁぁ!」

ツキノンの手から、ドラゴンオーブが滑り落ちる。もちろん、その程度でオーブが暴発することはない。
その力を暴走させるために、ツキノンは読み手の体から抜いたGRトラペゾヘドロンを元の形に戻し、振り下ろす。

「やめろ!!」

必死に体のコントロールを奪おうとするバクラだが、ツキノンの体はバクラからの命令をいっさい受け付けない。
そのまま、GRトラペゾヘドロンはドラゴンオーブに叩きつけられる。

(本当に、これでよかったんでしょうか……?)

目前に迫る死を感じながら、ツキノンは思う。本当に、他の手段はなかったのかと。
GRトラペゾヘドロンの力を総動員すれば、自分の命はつなぎバクラだけを倒すことも可能だったのではないかと。
なのに自分は、自爆という後味の悪い手段を選んでしまった。

(ああ、そうか……。)

ツキノンは、自分自身の真意に気づく。これまでに行ってきたことも、決して嘘ではない。
だがそれ以外にも、この道を選んだ理由はある。

「その方が、話の流れとして盛り上がるから」。

最終決戦で、敵の一人を道連れにして死ぬ。何とも熱い展開ではないか。
ましてや自分は参加者ではない。いちおう意思持ち支給品扱いだが、実際は途中参加者に近い。
最終決戦で犠牲になるのなら、正規の参加者よりは自分の方が角が立たない。

(あうあう……。結局私も、書き手の業からは逃れられなかったのですね……。)

ドラゴンオーブから放たれる光に包まれながら、ツキノンはそんなことを考えていた。


数分後、そこにはツキノンもK.Kの死体も、千年リングも存在していなかった。
ただ奇妙なフォルムをした一本の剣だけが、静かに横たわっていた。

4302GAME OVER ◆KuKioJYHKM:2008/10/28(火) 00:15:01 ID:Payc8lf.0
地球破壊爆弾は、wiki管理人と対峙していた。

「哀れね。」

管理人を見ながら、爆弾は呟く。ちなみ相手が666ではないので、ロリモードはとっくに解除してある。

「哀れ? 何がです?」
「ここに来た直後、あなたの状態表を見させてもらった。あなたは、繋ぎ師の言葉で自分の目的に疑問を持ち、葛藤していたはず。
 なのに今のあなたは全てを黒く塗りつぶされ、666の思惑通りに動くただの戦闘人形になっている。
 これを哀れと言わずして何と言う。」
「ははは、ひどい言われようですね。別に私は、666の手駒になったつもりはありませんよ。
 自分の目的のために、666に協力しているだけです。
 それに、哀れというならあなたもでしょう? 復讐人形の爆弾さん。」

管理人のその言葉で、爆弾のこめかみに血管が浮かぶ。
鬼気迫る表情で、爆弾が突進する。だが彼女が管理人に到達する前に、管理人は叫ぶ。

「バトル・ロワイアル!!」

その瞬間、爆弾の動きが完全に止まった。
何も管理人は、自分が進行してきた殺人遊戯の名前を叫んだわけではない。
「バトル・ロワイアル」。それはジョジョロワ主催者・荒木飛呂彦のスタンド能力である。
その能力は「空間を操る」こと。

「空間固定」による対象の行動停止。「空間転移」によるワープ。「空間修復」による自己再生。
「全能一歩手前」とまで評されるほどの驚異的な汎用性を持ち、ジョジョロワ本編でも承太郎の時止めがなければ参加者達が手も足も出なかった恐るべきスタンドである。
管理人はそのスタンドの「空間固定」を使い、爆弾の動きを封じたのだ。

「脳と目以外は固定させてもらいました。地球破壊爆弾……いえ、地図氏と呼んだ方がいいですかね?
 とにかく、あなたにはハラハラさせられましたよ。あなたさえその気になれば、このロワは一瞬で終わってしまうんですからね。
 まあその心労の分のお返しとして、楽には殺しません。たっぷりと遊んであげますよ。」

黒つかさのように狂気の笑みを浮かべ、管理人は楽しそうに言う。だが、爆弾はそれについて何とも思っていなかった。
管理人が彼女を怒らせてしまったがゆえに、彼女の脳内は純粋な殺意に満たされている。それ以外の感情など、わき上がってこない。

(出来ればこれは666を殺すために取っておきたかったが……。現状を打開するにはこれ以外に方法はない。使用もやむを得ない。)

爆弾は、切り札をここで使うことを決意する。ドSとの融合ににより封印が解かれた、第七の変身である。

(発動。)

口が動かせないため、心の中で爆弾は呟く。その瞬間、彼女の体は光に包まれた。

「え……? これは……。そんな! 空間固定が、力業で解除されていく!」

思いもよらぬ展開に、管理人は素っ頓狂な声をあげる。彼女の目の前で、爆弾の姿形が変わっていく。
変身が完了した時、そこには一冊の本があった。

「闇の書……いや、夜天の書?」

管理人は、心に思ったことをそのまま口に出す。確かにその本は、夜天の書にうり二つだった。
しかし、大きく違う点が一つ。その本の表紙には、大きな文字で「アニメキャラバトルロワイアル」と書かれていた。

「これが私の最後の変身。アニロワそのものだ。」

いかなる姿となっても変わらぬ平野ボイスと共に、本が開く。そこから姿を現したのは、リィンフォースの姿になった爆弾だ。

4303GAME OVER ◆KuKioJYHKM:2008/10/28(火) 00:15:58 ID:Payc8lf.0
「なるほどね……。しかし暴走状態ならともかく、ただの夜天の書では最終決戦という舞台に於いてやや力不足のような気もしますが……?」
「よけいな心配は無用。さっきも言ったように、今の私はアニロワそのもの。夜天の書は単にその外見を借りているに過ぎない。」
「なるほど。ですが、アニロワそのものと言われても具体的に何が出来るのかわかりませんね。
 この最終局面まで封じていた力なのですから、さぞかしすごい力なのでしょうが……。」
「今見せてやる。」

爆弾が、本にスッと手をかざす。

「出でよ、アニロワの守護騎士たち。」

本が、淡い光を放ち始める。

「鉄槌の騎士!」

爆弾が叫ぶと同時に、彼女の隣に一人の男が出現する。その姿は紛れもなく、大あばれ鉄槌であった。

「烈火の将!」

さらに爆弾が叫ぶ。今度は、無明幻妖side.が姿を現した。

「湖の騎士! 盾の守護獣!」

今度は、意外な影丸?と猫子頭の鬼軍曹が出現した。

「守護騎士とは……。多少は驚かされましたが、この程度の人数でどうこうできるとでも……。」
「何を勘違いしている? 私のターンはまだ終了していない。」
「はい?」
「光速の騎士!」

爆弾が、存在しないはずの五人目の守護騎士の名を呼ぶ。すると、神行太保のDIE/SOUL がその場に現れた。

「なんと……!」

驚きを隠せない様子の管理人。そんな彼女の様子を尻目に、爆弾は叫び続ける。

「反逆の拳士! 虚無の将! 叡智の騎士!」

静かなる 〜Chain-情〜が、美形元帥が、フリクリ署長が現れる。ここに、爆弾以外のアニロワ九天大王が守護騎士として結集したのだ。
とは言っても、彼らは蘇ったわけではない。ここにいる九天大王は、アニロワそのものとなった爆弾の中にあるデータから作り出されたコピー。
書き手としての信念もこのロワ内での記憶もなく、爆弾の指示通りに動くだけの人形だ。
かつて共にロワを作ってきた同志たちを、ただの手駒として扱う。それは爆弾にとって、彼らへの侮辱に思えた。
だからこそ彼女は、この形態を禁じ手としてきたのだ。だが、もう爆弾に迷いはない。
勝つために、あえて禁忌を犯す。

「行け!」

爆弾の号令で、守護騎士たちが一斉に突撃する。

4304GAME OVER ◆KuKioJYHKM:2008/10/28(火) 00:16:50 ID:Payc8lf.0
(ええい! 守護騎士だろうと何だろうと『バトル・ロワイアル』で動きを封じてしまえば……。)

そう考える管理人だったが、彼女がスタンドを発動するより早くDIE/SOULとフリクリ署長が肉薄。
DIE/SOULの鉄拳と、フリクリ署長の回し蹴りが管理人を吹き飛ばす。

「無限の鉄槌!!」
「紫電一閃!」

さらに、鉄槌と無明が容赦なく追撃。管理人の体が容赦なく破壊されていき、片腕が吹き飛ぶ。

「くっ……!」

ガイバーの再生能力とヴィクターのエネルギードレインだけでは足りないと判断し、アヴァロンと神秘の鎧の力も発動させる管理人。
しかし翼主のパワーをフルに使った軍曹の一撃で、再生したばかりの腕が再度吹き飛ばされる。
Chain-情がゴールド・エクスペリエンスで殴り飛ばし、杉田の力とwiki管理人の力の合わせ技で0号ガイバーとなった影丸がメガ・スマッシャーを叩き込む。
すでに見るも無惨な姿となった管理人だが、そこへだめ押しとばかりに美形元帥の虚無の魔法が放たれた。
右肩から先と左肘から先、そして腰から下を失い、管理人は地べたに倒れ込む。
この状況で回復してもまたすぐにボロボロにされると判断した管理人は、ボゾンジャンプで自らが区切った世界の端まで飛んだ。

「ここならゆっくり回復を……。」

そう言いかけて、管理人は絶句する。目の前に、影丸が立っていたからだ。

「な、なんで……。」
「これも次元連結システムのちょっとした応用だ。」

表情にも声にもいっさいの感情を見せず、影丸は告げる。そして管理人の頭をつかんでその体を持ち上げ、仲間たちがいる方向へと投げ飛ばした。

「……! ザ・ワールド!」

すさまじいGに耐えながら、管理人は空中で時間を停止させる。

(今の体力では……3秒が限界ですか……!)

その3秒の間で、管理人は思いつく限りの回復技を使って自分の肉体を癒す。

(限界か……。そして時は動き出す!)

時間停止が解除され、戦闘が再開される。管理人に息をつかせる暇を与えず、最速コンビが今一度彼女に襲いかかった。

「二度も同じ手は喰らいません! 因果!」

両手で同時に、最強のカウンターを放つ管理人。自らの速さがあだとなり、DIE/SOULとフリクリ署長は一撃で甚大なダメージを受け沈黙した。
さらに勢いそのままに、背後から迫っていた影丸に瞬獄殺。彼をしとめ、迫り来る他の守護騎士を尻目に宙へ逃げる。
空中の管理人へ、美形元帥が砲撃。しかし管理人は、それを百錬自得の極みで返す。
自らの魔法を2倍にして返され、美形元帥は跡形もなく消滅した。
管理人を止めようと、無明が飛ぶ。だが間合いを詰められる前に、管理人はエコーズACT3を発動。
重力操作により、無明は地に落とされる。

4305GAME OVER ◆KuKioJYHKM:2008/10/28(火) 00:17:47 ID:Payc8lf.0
(これで……体力は残り20%というところですか……。)

管理人の息は荒い。元々万全な状態ではないまま戦闘を始め、惜しみなく技を連発したのだ。スタミナ切れを起こしても無理はない。
エネルギードレインも行っているものの、生物でない守護騎士たちは対象とならないため吸い取れるのは爆弾のみ。これではたいした足しにはならない。

(長期戦になれば、こちらが不利なのは明らか……。残った体力を総動員して、短期決戦……いや、一撃必殺しかない!!)

地上からの攻撃が届かない高さにまで飛翔すると、管理人は残された力を振り絞って大技のスタンバイに入る。
その両手が生成するのは、赤を通り越して黒くなった剛火球。ニコロワ最終回でハルヒ……否、HALが使用した超弩級の必殺技、プラネットバスターだ。

「……。」

プラネットバスターのすさまじいエネルギー量に、戦闘が始まってから初めて爆弾の顔に動揺が浮かぶ。
先手を打とうにも、美形元帥が落ちた今となってはあの高度にいる敵に攻撃を仕掛けるのは不可能だ。

(ここはいったんこの変身を解除して、キングゲイナーで……。)

そう考えた爆弾だったが、不幸にも彼女の決断は一手遅かった。すでに、プラネットバスターは発射できる状態になっていたのだ。

「消えてなくなれ! プラネットバスター!!」

常人ならその余波だけで動きが取れなくなるという膨大なエネルギーの塊が、爆弾に向かって投擲される。

「……!」

爆弾も、ただ黙って見ているわけではない。回避は不可能と判断し、迎撃のためにマジシャンズレッドにエネルギーを溜めさせる。
だが、時間が足りない。このままでは、十分なエネルギーが溜まる前にプラネットバスターを受けてしまう。
時間を稼ぐ、必要がある。

爆弾の意図を察して、真っ先にChain-情が動く。跳躍し、プラネットバスターにラッシュを見舞う。
だが、プラネットバスターを止められたのはほんの数秒だけ。あっという間に、彼の体は蒸発して消え去る。
続いて軍曹が行くが、彼もChain-情とほぼ同じ運命をたどる。
そして最後の砦、鉄槌と復帰した無明がプラネットバスターに挑む。無限の鉄槌と抹殺のデッドエンドシュートが、プラネットバスターのエネルギーを削っていく。
だが二人の切り札を持ってしても、プラネットバスターの完全破壊にはとうてい至らない。
それを察し、二人は目配せをかわす。直後、無明は自らの肉体を魔力に戻した。
その魔力は、鉄槌の右腕に吸い込まれていく。さらに鉄槌自身も、攻撃に必要ない部分を魔力に変換して右腕に集めていった。

「烈火のシェルブリッド!!」

雄叫びと共に、右腕を残して鉄槌が消滅する。残された右腕は、真っ赤な弾丸となってプラネットバスターに突進した。
そして火の玉の約3割を道連れに、二人の書き手の結晶は砕け散った。

「すまない、みんな……。」

爆弾の口から、ぽろりと言葉が漏れる。たとえコピーとはいえ、一度死した仲間にもう一度死を経験させてしまった罪悪感が彼女の胸を締め付ける。
だが、罪悪感に浸っている暇などない。自分は生きなければならない。そして、復讐を遂げなければならないのだ。
マジシャンズレッドに蓄えたスタンドエネルギーを、炎に変えて一気に解放。同時に、レヴァンティンからも炎を放つ。
かつて愛する人と二人で使用した技。それを今回は、一人で。

「ツインファイアー!」

炎の珠と炎の槍が、正面からぶつかる。すさまじい熱エネルギーのぶつかり合いに、世界がきしむ。

「私は負けない! 野望のために!」
「私は負けない! 復讐のために!」

奇しくも、同じような言葉を口にする管理人と爆弾。そして次の瞬間、炎がはじけた。

4306GAME OVER ◆KuKioJYHKM:2008/10/28(火) 00:18:37 ID:Payc8lf.0
◆ ◆ ◆


常軌を逸した熱に焼かれ、黒く焦げた世界。そこに、二人の少女が横たわっている。その肉体は共に深く傷つき、無惨な姿をさらしていた。
だがそのうちの一人……地球破壊爆弾の体が急速に再生していく。彼女が持っていた武装錬金、激戦の力だ。

「…………。」

ゆっくりと体を起こし、爆弾はフラフラと歩き出す。激戦は傷は治せても、体力は回復できない。
むしろ発動に、大幅な体力の消耗を伴うのだ。それ故、彼女の体力は底を尽きかけていた。
それでも彼女は重い体を無理に動かし、未だ倒れたままの管理人に向かっていく。
復讐の障害となった存在を、完全に沈黙させるために。
杖代わりに使っていた激戦を手放し、両手でレバンティンを構える。そして、力の限り振り下ろす。
だが、その刃は管理人に届かない。

「白狼……!!」

レヴァンティンの刃が管理人の首筋を捉える寸前、石と化した管理人の拳が爆弾の心臓を貫いていた。

「……!!」

声にならない声と共に、爆弾の口から真っ赤な血が噴き出す。

「気絶したふりにも気づかないとはあなたらしくもない……。そうとう集中力が……ッ!」

息も絶え絶えに語りかける管理人だが、そのセリフは途中で遮られる。爆弾が、彼女の舌を引き抜いたからだ。

「たかが心臓を潰した程度でこの私に勝てると思うな!」

おのれの唯一の急所を潰されたのにもかかわらず、とんでもないことを言いながら爆弾は攻撃を続ける。
両目を潰す。鼻を削ぐ。両耳を削ぐ。両手両足の爪を剥ぐ。股間を潰す。コントロールメタルを破壊する。そして、心臓の役割をしていた黒い核鉄をえぐり出す。
ここまで、約3秒。これこそが爆弾の最終奥義、「サディスティック108」。
コントロールメタルと核鉄。現状で生命維持に不可欠な二つのアイテムを失い、管理人はまっすぐ死に向かっていく。
しかし、彼女の顔は安らかだった。黒い核鉄をえぐり出されたことで、最後の最後に彼女は正気に戻れた。
彼女の計画は、失敗に終わった。だが今の彼女なら、それも運命と受け入れることが出来た。

(計画が失敗しても、私のやったことは何かを残せた……。はっきりとした証拠はないけど、なぜだかはっきりとそう思える。)

全身至る所から激痛の信号が送られてくるにもかかわらず、管理人は笑っていた。

(わ・た・し・は……ま・ん・ゾ・ク・ダ……)

こうしてこのバトルロワイアルの主催者、wiki管理人は、計画の失敗とそれ以外に得た何かを認めて静かに死んだ。

そして勝者となった爆弾も、勝利の余韻に浸る時間もなくその命が尽きようとしていた。
いかに強がろうとも、自信の唯一の弱点である心臓を破壊されたのは事実。生きていられるはずがない。

(まだだ……。この黒い核鉄を胸に埋め込めば……。私はまだ死ねない、死ぬわけにはいかない……。
 あいつを……666をこの手で殺すまで……。)

生きるために、復讐を達成するために必死であがく爆弾。だがその耳に、聞こえるはずのない声が届く。

(もういいんだよ、ちぃちゃん。 もうゆっくり休んで……。)
(これは、クーちゃんの声? いや、ただの幻聴だ。全ての世界から隔絶されたこの世界で、死者の声が聞こえるわけ……。)
(何言ってるのよ! たかが次元の壁も越えられないぐらい、私たちの愛は貧弱なものだったわけ?)
(そっか……。そうだよね……。愛に……不可能なんてないよね……。)

黒い核鉄をコトリと地面に落とし、爆弾は大地に膝をつく。
今ここに最強の吸血鬼、地球破壊爆弾No.V-7は息絶えた。意識してか無意識の行動か、その最後の姿は彼女がもっとも楽しい時を過ごした泉こなたになっていた。

4307ココヨリトワニ ◆KuKioJYHKM:2008/10/28(火) 00:19:58 ID:Payc8lf.0
ネコミミストと666。今、二人は剣をぶつけ合っていた。
666のエターナルソードと、ネコミミストの愛剣「パニッシャーソード」。二本の剣が幾度も激突し、金属音が周囲に響く。

「はあっ!」

パニッシャーソードの重量にものを言わせ、ネコミミストは大上段から一気に振り下ろす。
それをエターナルソードで受け止める666だが、衝撃で体勢が崩れた。

(勝機!)

一気に攻め込み、勝ちをつかもうとするネコミミスト。だがその瞬間、彼女を……否、世界を異変が襲った。

「な、何だ! いったい何が!?」

経験したことのない未知の事態に、ネコミミストはとまどう。一方、666は冷静だった。

「次元が元に戻っていく……。wiki管理人が敗れたか……。」
「何だって!?」

666の言葉に、驚くネコミミスト。その彼女の前で、分断された世界が元に戻っていく。
ネコミミストの右に現れたのは、主を失いぽつんとたたずむGRトラペゾヘドロン。
左に現れたのは、ボロボロになりながらも安らかな顔で眠る管理人と爆弾。

「……!!」

ネコミミストは絶句する。可能性は、ゼロじゃない。
爆弾がただ気絶しているだけの可能性も、ツキノンがすでにこの世界から脱出したのだという可能性も。
だが悲しいことに、わかってしまう。ここまでバトルロワイアルを生き抜いてきた彼女は。
第六感がやかましいぐらいに告げる。爆弾は死んだ。ツキノンも死んだ。みんな、みんな死んでしまった。

「あ……あ……。」

ネコミミストの目から、涙がこぼれ落ちる。たくさんの仲間を失い、それでもここまで一緒に歩んできた仲間。
その最後の仲間を、自分は失った。もう、自分は一人きりだ。

「ううっ……!」

全身の力が抜け、ネコミミストはその場にへたり込む。いつの間にか、仮面ライダーへの変身も解除されていた。
ネコミミストの泣き顔を、666は恍惚の表情で見つめる。しかし、彼女はいつまでもそうしているわけにはいかなかった。
泣き顔をしっかり脳裏に焼き付けたあと、666はネコミミストに語りかける。

「立て、ネコミミスト。」
「え……?」
「ここまで来て折れるつもりか? 死んでいった者たちの思いを無駄にする気か?
 私は認めないぞ。もう一度言う。立て、ネコミミスト。そして私を倒し、このバトルロワイアルという物語を終わらせるんだ。」

敵であるはずの666からの叱咤激励。とまどいを隠せないネコミミストだったが、やがてすくっと立ち上がる。

「あなたに言われるまでもない……。私はあなたを倒す! そして、この物語を終わらせる! 変身!」

力強く叫び、ネコミミストは改めて仮面ライダーに変身する。それを見て、666は嬉しそうに笑った。

「そうだ、それでいい! では行くぞ、ネコミミスト!!」

666はエターナルソードをしまい、代わりにレイジングハートを構える。

4308ココヨリトワニ ◆KuKioJYHKM:2008/10/28(火) 00:21:20 ID:Payc8lf.0
「禁忌『エクストラバージン』!」

コロンビーヌを苦しめた弾幕の嵐が、ネコミミストを襲う。だが、ネコミミストは怯まない。
弾幕を時にかわし、時に防ぎながら、彼女は着実に前進していく。

(速い! この期に及んで、さらにギアが一段階上に入ったか!)

驚きと一抹の嬉しさが混じった視線を、ネコミミストに送る666。そうこうしているうちに、ネコミミストはぐんぐんと距離を詰めてくる。
接近戦に備え、666は再びレイジングハートをエターナルソードに持ち替える。しかしその一瞬のタイムラグが、今のネコミミストを相手にするには致命的だ。

「ライダー・ドリルニー!」

ネコミミストの膝が変形し、ドリルが姿を現す。そのドリルを、ネコミミストは跳び膝蹴りで666の肩に突き立てる。
元はガオガイガーの武装とはいえ、ドリルといえばアニロワ2ndの専売特許。ネコミミストとの相性は抜群だ。
激しい感情の起伏でいつの間にやら完全覚醒していた螺旋力が、威力をさらに倍増させる。

「グゥ……ッ!」

666の顔が痛みにゆがむ。不死者とはいっても、肉体の強度そのものは一般人並み。
ドリルは易々と666の肩を抉っていた。だが、ネコミミストの攻撃はこれで終わったわけではない。

(繋ぎ師! 力を貸してくれ!)

ネコミミストの思いに呼応して、ベルトのキングストーンが輝く。その光は両腕へ移動し、そこへカッターを生み出した。

「大・切・断!」

仮面ライダーアマゾンの必殺技で、ネコミミストは666の体を切り裂く。
繋ぎ師から受け継いだライダーの力は、その強大さ故ネコミミストに全て使いこなすことは出来ない。
だが、自身の手で書いたことのあるアマゾンの技なら十分に使用可能なのだ。
バラバラになった666の体は、不死者の能力によって再生を始める。だが損傷が激しいゆえに、一瞬で元通りというわけにはいかない。
その隙をつき、ネコミミストはさらにたたみかける。

「ハイパークロックアップ!!」

その体に取り込んだハイパーゼクターの能力を使い、超高速で天空へと飛翔。そして未だ空中に放置されていたフォーグラーに手をかけ、それを思いきり押す。

「ぶっ潰れろ!!」

かつて魔王がやったように、フォーグラーの質量で666を潰しにかかる。いかに666といえども、これをまともにくらえばダメージは甚大なはず。ネコミミストはそう確信していた。

「甘いぞ、ネコミミスト! その程度読んでいないと思ったか!」

しかし、666は慌てない。まだ再生しきっていない手で無理矢理エターナルソードを握り、時を加速させて一瞬で傷を回復させる。
そして彼女が懐から取り出したのは、四次元ポケット。666は、素早くその中に手を突っ込む。

「ラピュタ防壁!!」

ポケットから出てきたのは、フォーグラー同様新世界の空に浮かんでいたラピュタ。
「放置支給品」でない上にサイズ的にあまりに無理があるものを取り出したせいで四次元ポケットは木っ端微塵に吹き飛んだが、今の666にとってはどうでもいいことだ。
ネコミミストが落下させたフォーグラーと、666が自分の前に呼び寄せたラピュタが正面から激突する。
その衝撃でフォーグラーは爆発を起こし、ラピュタもろとも粉々に砕け散った。
爆炎と爆風と諸々の破片が、周囲を埋め尽くす。やがてそれが収まった時、そこには全身の傷を再生しながら仁王立ちするネコミミストと666の姿があった。

4309ココヨリトワニ ◆KuKioJYHKM:2008/10/28(火) 00:22:22 ID:Payc8lf.0
「……まさか、そんな無茶な方法で防御してくるとはね。」
「何、繋ぎ師に比べればかわいいものさ。」
「それもそうか。」

どちらからともなく、二人は笑う。そして、駆け出す。

「さあ、闘争の続きだ!」
「ああ!」

激突。

「俺の必殺技・パート2!」

ネコミミストがパニッシャーソードを操り、モモタロスの必殺技を発動させる。
666は全身を切り裂かれながら、槍を投げる。

「突き穿つ死翔の槍<ゲイ・ボルク>!!」

ゲイ・ボルクがネコミミストの心臓を貫く。だが、不死者であるネコミミストは死なない。
槍を胸に突き刺したまま、彼女は両手から衝撃波を撃つ。
衝撃波が、666の皮膚を抉る。だが、666もまた止まらない。ミニ八卦炉を取り出し、構える。

「マスタースパーク!!」

灼熱の光線が、ネコミミストに向かっていく。

「オーガストラッシュ!」

しかしネコミミストは、オーガの必殺技でそれを跳ね返す。そしてそのまま前進。地を蹴り、宙に舞う。

「大義!!」

葉隠覚悟必殺の蹴りが、666の左半身を吹き飛ばす。だが666はその痛みに耐え、レイジングハートをネコミミストの腹に押しつける。

「スターライトブレイカーex!!」

至近距離から放たれた最強クラスの砲撃魔法が、ネコミミストの下半身を吹き飛ばす。
ドサリ、という音が、二つ同時に発生する。共に体の半分を失ったネコミミストと666が、地面に倒れ込んだのだ。
だが不死者の力は、すぐさま失われた肉体の再生に入る。二人はほぼ同時に再生を終え、立ち上がった。

「はあ、はあ……。」

二人の息は、共に荒い。肉体的損傷はいくらでも回復するが、疲労は回復しないのだから当然といえば当然である。
共に体力は、残りわずか。ネコミミストは変身を維持することが出来ず、元の姿に戻っていた。
しかし、それでもまだ戦いは終わらない。もはや、大技など出せる状態ではない。
だが、彼女たちには手と足がある。互いによろよろと相手に近づき、拳をぶつけ合う。

ネコミミストが殴る。666が殴り返す。ネコミミストが殴る。666が殴り返す。
ネコミミストが殴る。666が殴り返す。ネコミミストが殴る。666が殴り返す。
ネコミミストが殴る。666が殴り返す。ネコミミストが殴る。666が殴り返す。

最終決戦というにはあまりに地味。あまりに華がない戦い。
だがそれでも間違いなく、彼女たちはその命を燃やして戦っていた。

4310ココヨリトワニ ◆KuKioJYHKM:2008/10/28(火) 00:23:22 ID:Payc8lf.0
「ハハ……。泥仕合だな、ネコミミスト。」
「確かに。」

殴り合いの最中666が口にした言葉を、ネコミミストは肯定する。

「これじゃあ本当に決着がつくかわからない。……もうこれで終わりにしよう。」

ネコミミストは、首から下がった千年パズルに手をかける。最後の力を振り絞って、投影を行うために。

(来るか、最後の攻撃……!)

666は、覚悟を固める。ネコミミストがどんな技をフィニッシュに持ってくるかはわからない。
だがなんであろうと、その技を受けて自分は倒れようと。
そして敗れた自分は、ネコミミストに喰われて愛を完成させるのだ。
長かった計画も、これで終わりを迎える。目的達成の瞬間を目前にして、666は思わず頬をゆるめる。
だが、彼女のもくろみは大きく外されることとなる。ネコミミストが最後に選んだ技、それは666が予想だにしないものだった。

「固有結界……『コーヒーブレイク』!」

「何!?」

目を丸くする666の前に出現するのは、優雅なリネン一式の備わったテーブルと二人分の椅子。
ティーカップには、温かいコーヒーがなみなみと注がれている。

「いったい……どういうことだ……? 答えろ、ネコミミスト。」

666は、ストレートにおのれの疑問をぶつける。それに対し、ネコミミストは真摯な顔つきで答えた。

「言っただろう。もう終わりにしよう、と。もうたくさんだ。
 戦いに戦いを重ねて、たくさんの人が死んで……。最後に残った私たち二人も戦わなきゃ行けないなんて、むなしいじゃないか!
 もちろん私は、あなたがやった悪事の数々を許せない! だけど、戦わなくたってあなたに罪を償わせる方法はあるはずだ!
 それであなたに殺されたり、あなたに不幸にされた人たちが許してくれるかどうかはわからないけど……。
 けど! もう戦いは十分じゃないか! 話し合おうよ、666! 二人で答えを見つけようよ!
 私が憎くて敵になったわけじゃないって言ったよね? だったら私たちは、また仲間になることも可能なんじゃないのか?」

ネコミミストの熱弁を、666は唖然とした表情で聞いていた。だがやがて、何かのスイッチが入ったように彼女は笑い出す。

「アッハハハハハハハハハハハハハハハハ! そうか、それが君の選択か、ネコミミスト!
 この私としたことが、考えもしなかったよ! ラスボスを倒す以外の選択肢を選ぶとは!」

ひとしきり笑ったあと、666は穏やかな表情を浮かべる。

「ネコミミスト、私の負けだ。」

そして、その口から発せられたのは敗北宣言。

4311ココヨリトワニ ◆KuKioJYHKM:2008/10/28(火) 00:24:12 ID:Payc8lf.0
666! それじゃあ……。」
「だが、私には私の理想的な終わり方がある。残念だが、君の意向には従えないよ。」
「え……?」

いぶかしげな表情を浮かべるネコミミストの手を、666はおもむろに取る。そして、それを自分の額に当てた。

「敗者は敗者らしく、消えるとしよう。」
「ま、まさか喰われ……。いや、私の方が喰いたいと思わなければ……!」
「ふふ、ネコミミスト……。我々は想像力から生み出された存在だ。
 出来ると心の底から思えば、どんなことだって出来る。不死者のルールをねじ曲げることだってね。」
「や、やめ……!」

必死に叫ぶネコミミスト。彼女に向かって、666はこれまで見せたことのない「いい笑顔」で言った。


「愛してるよ、ネコミミスト。」


そして、666はネコミミストの中に消えた。

4312ココヨリトワニ ◆KuKioJYHKM:2008/10/28(火) 00:24:54 ID:Payc8lf.0



ネコミミストは、既視感の中にいた。そう、この感覚はあの時と同じだ。デビルシャリダムを喰った、あの時と。
ネコミミストの中で、666の記憶が容赦なく再生されていく。
それは、破壊と背徳に満ちたおぞましい物語で……それなのに、ネコミミストへの愛に満ちていた。

「あ、あ、あ、あ、あ。」

壊れてしまったかのように、ネコミミストは呟く。666は、私を愛してくれていた。
それが、言葉ではなく心で理解できる。それ自体は、とても嬉しいのだ。涙があふれるぐらいに。
だが、666の愛はあまりにねじ曲がった愛。愛のために障害を取り除くのではない。愛のために他者の障害となるのだ。
666がネコミミストへの愛を貫くために、多くの人が犠牲になった。
スクライドが。鬼軍曹が。お姉さまが。鉄槌が。影丸が。Chain-情が。ウッカリデスが。脳内補完が。転が。コロンビーヌが。蟹座氏が。愛媛が。七氏が。ロリスキーが。魔王が。爆弾とツキノンが。管理人や読み手でさえ。
死んだのだ。当人には無関係な、一つの愛のために。

(私が途中で死んでいれば……。最後に生き残ったのが私じゃなかったら……。
 こんなにたくさんの悲劇は起きなかった……? もっとたくさんの人が生き残れた……?)

喜びと悲しみが、同時にネコミミストの中で荒れ狂う。感情の混乱はやがて暴走となり、激しい自己嫌悪としてネコミミストを襲う。

「私なんて……いなければよかった……?」

強い自己否定がネコミミストの口から漏れる。その直後、ネコミミストの前に一人の青年が現れた。

「き、君は……!」
「その弱い考えに、反逆する!!」

驚くネコミミストの顔を、青年は思いきり殴りつける。その衝撃で吹き飛ぶネコミミスト。
倒れた彼女の耳に、また別の青年の声が届く。

「貴様は勝ったのだぞ。泣くな、笑え、胸を張れ……ネコミミスト!」
「こ、この声は!」

慌てて体を起こすネコミミスト。だが目の前に、思い描いた男の姿はない。
その代わりに、新たな声がネコミミストに向けられる。

「我が身は牙持たぬ者の剣也! 戦いの中で死ぬのなら本望! 君が気に病む必要はない!」

ネコミミストは振り向く。そこには、彼女に背を向けて去っていく3人の青年の姿があった。

(そうか、みんなわざわざ来てくれたんだ……。ありがとう……。)

ネコミミストの意識は、そこで唐突に途切れた。
彼女が見たものは夢か現か、幻か。それを確かめる術はない。

4313ココヨリトワニ ◆KuKioJYHKM:2008/10/28(火) 00:25:47 ID:Payc8lf.0
♪ ♪ ♪


「……さん。ネコミミストさん。」

誰かに声をかけられているのに気づき、ネコミミストは意識を取り戻した。

(誰……? もう私以外で、生きている人はいないはず……。)

ゆっくりとまぶたを持ち上げるネコミミスト。彼女に語りかけていたもの、それは不思議なオーラに包まれて宙に浮く胎児だった。

「あなたは……?」
「私は軍曹パパと、コロンビーヌママの間に出来た子供です。」
「軍曹とコロンビーヌの子供……? い、いや、でも、コロンビーヌのおなかの子供は666に殺されたはず……!」
「666はそう思っていたようですね。けど、実際には私は生きていました。
 脆弱な存在である私を、漫画ロワwiki管理人さんが密かに守っていてくれたんです。自分の『存在』そのものを引き替えにして……。」
「それじゃあ、その人は……。」
「少し前、消滅しました……。生き残った人に、『何も助けることが出来なくてすまなかった』と伝えてくれ、と言ってました……。」
「そうか……。」

二人の間に、暗い雰囲気が立ちこめる。だがそれを振り払うかのように、軍曹Jr.(仮)は再びしゃべり出す。

「これからどうしますか、ネコミミストさん。」
「どうするって……。むしろ何が出来るのか、私が聞きたいんだけど……。」
「あなた達はSSに込められた、書き手の思いから生み出された存在です。しかしこのバトルロワイアルで確固たる存在となったあなたは、もはやSSに戻ることは出来ない。
 選択肢は二つです。このまま何もない世界で一生を終えるか、それとも私が持つ力でどこか違う世界に行くか。」
「私が持つ力って……。君、そんなこと出来るの?」
「ええ、なぜか。私が、純粋にこの世界の中で生み出された特別な存在だからかも知れません。
 もし物語の道筋が少し違っていれば、私はこの力で何か重要な役回りを演じたのかも……。」
「へえ……。」
「それより、さっきのお答えは?」
「決まってるよ。最後の生き残りの私が、ただ野垂れ死ぬなんて死んでいった人たちに申し訳ない。
 どこか、違う世界で生きていくよ。」
「わかりました。では、行きましょう。」

軍曹Jr.(仮)が念じると、彼の前に空間のゆがみが生じる。

「いちおう言っておきます。あなたがどんな世界に行き着くかは私にもわかりません。
 ひょっとしたら、バトルロワイヤルよりも過酷な世界かも知れない。それでも行きますか?」
「うん。」
「そうですか。では、改めて。」

ネコミミストと軍曹Jr.(仮)は、共に空間のゆがみの中に入っていく。

「そういえば、君はどうするの? 胎児一人で生きていくなんて無理なんじゃ……。」
「パパとママがどこかで生まれ変わるのを待って、そこの世界に行きたいと思ってます。
 今度こそ、家族みんなで幸せに……。」
「そうか……。そうなれるといいね……。」
「まあ、パパとママに限らず、皆さんしばらくは死者スレで遊んでて転生しなさそうですけど……。」
「あはは、言えてる……。」


やがて、次元のゆがみが閉じる。
この瞬間、一日あまりの時間を費やして行われた書き手たちの悪夢は、幕を下ろしたのだった。

4314ココヨリトワニ ◆KuKioJYHKM:2008/10/28(火) 00:26:34 ID:Payc8lf.0
【速筆魔王LX@アニロワ2nd 死亡】
【クマのプー太氏@アニロワ&LSロワ 死亡】
【読み手(K.K)@書き手ロワ2nd 死亡】
【ツキノン@ギャルゲロワ 死亡】
【wiki管理人@書き手ロワ2nd 死亡】
【地球破壊爆弾No.V-7@アニロワ1st 死亡】
【派手好き地獄紳士『666』@LSロワ 死亡】
【漫画ロワwiki管理人@漫画ロワ 死亡】

【衝撃のネコミミスト@アニロワ2nd 異世界に脱出】
【軍曹とコロンビーヌの子供@書き手ロワ2nd 異世界に脱出】


書き手バトルロワイアル2nd 完

4315スタッフロール ◆KuKioJYHKM:2008/10/28(火) 00:27:30 ID:Payc8lf.0
CAST

◆MJv.H0/MJQ (ルシオ)
◆wKs3a28q6Q(ピザの1号)
◆zP1P5F0JNw (空気の人)
◆ZhOaCEIpb2 (>>1からの2号)
◆yHJSlOJmms (ルーキー)

アルレッキーノ
エース
パンタローネ
体はスクライドで出来ている
ボイド
コロンビーヌ
ドットーレ
蘇った現代の熱血怪人
ミスターマダオ
康一君
クールなロリスキー
メリーゴーランドオルセン
シルベストリ
ブリリアント・ダイナマイト・ネオン
焦ったドラえもん
愛の伝道師
King of 脳内補完
ダイナマイトアンデッド
ネクストコナンズヒント『蝶ネクタイ』
熱血王子
エロ師匠

ボマー
温泉少女
派手好き地獄紳士『666』
深淵






闇その1
闇その2

4316スタッフロール ◆KuKioJYHKM:2008/10/28(火) 00:28:02 ID:Payc8lf.0
予約被りに定評のあるtu4氏
バトルマスター
永遠のうっかり侍
ギャルゲロワ版最速の人
お姉さま
蟹座氏
汚れなき愛
孤高の黒き書き手
歩く頭脳戦
ステルス鬼畜

速筆魔王LX
衝撃のネコミミスト
マスク・ザ・ドS
暮れなずむ内面描写
素晴らしきフラグビルド
激動のトウカリョウ
エロスの鐘の煩悩寺
底上中の残月
ボンボン系の書鬼
忘却のウッカリデス
管理人・したらば孔明
コ・ホンブック
ゲドー・ザ・マジシャン
ビクトリーム博士
書風連・その壱
書風連・その弐
書風連・その参
幻夜・フォン・ボーツスレー

美形元帥
静かなる 〜Chain-情〜
地球破壊爆弾No.V-7
大あばれ鉄槌
神行太保のDIE/SOUL
無明幻妖side.
フリクリ署長
意外な影丸?
猫子頭の鬼軍曹

サプライズパーティー
地味子
The god of chaos

THE FIRST
影の繋ぎ師
まとめキング
漆黒の龍
仮面ライダー書き手
欝のエル
ギャグ将軍

4317スタッフロール ◆KuKioJYHKM:2008/10/28(火) 00:28:53 ID:Payc8lf.0
◆6/WWxs9O1s

裸になってすぐアッー〜殺意のqwglOGQwIk〜
愛媛の0RbUzIT0Toは大変な演説をしていきました
人外アドベンチャー〜OZbjG1JuJMのウォーゲーム〜
C.M.超展開はデフォなのか?

HN「名無し」
HN「nanasinn」
HN「七氏」
HN「ナナシ」

wiki管理人
R-0109
読み手
読み手(E.E.)
読み手(K.K.)

デビルシャリダム
スーパーかがみん

ツキノン
ディー
ドラグブラッカー
ダークウィング
みwiki
ドラえもん
ブリ
富竹時報
ヘタレ12神
アヴ・カミュ
アヴ・ウルトリィ
蜀軍30万
DIO
黒王号
火口卿介
かみなりさん
鯛焼き
たいやき
バッドカニパニー
ミニ・サスペリア
漫画ロワwiki管理人
クマのプー太氏

4318スタッフロール ◆KuKioJYHKM:2008/10/28(火) 00:29:39 ID:Payc8lf.0
ハカロワ参加者の皆さん
ギャルゲロワ参加者の皆さん
ニコロワ参加者およびニコニコオールスターの皆さん
マルクP
ピエモンP
シアー・ハート・アタック
獣帝ジェノサイダー
ヴィータ
カグツチ
ジュリア
清姫
ラピュタのロボット兵
サンダルフォン
カオスロイドU
キングギドラ
趙公明
カーズ
ハサン・バッザーハ
月宮あゆ
コイヅカ
シグナム
ピエール
ベノスネーカー
後藤戦
ハックルボーン神父
正親町天皇
ドライブディバイダー
ローズレッド・ストラウス

軍曹とコロンビーヌの子供

アニジャ(友情出演)

釘○理恵(クラールヴィントの声)
若本○夫(バルキリースカートの声)
初音ミク(拡声器の声)

4319スタッフロール ◆KuKioJYHKM:2008/10/28(火) 00:30:42 ID:Payc8lf.0
STAFF

杉田KuKio
古泉ネームレス
ヨッミー
地球破壊爆弾No.V-7
七氏
漆黒の龍
ボイド
蘇った現代の熱血怪人
康一君
ミスターマダオ
シルベストリ
King of 脳内補完
ボマー
温泉少女
派手好き地獄紳士『666』
深淵
予約被りに定評のあるtu4氏
バトルマスター
ギャルゲロワ版最速の人
お姉さま
蟹座氏
衝撃のネコミミスト
猫子頭の鬼軍曹
The god of chaos
仮面ライダー書き手
ギャグ将軍
R-0109
アニジャ
NoName

その他たくさんの名無し書き手の皆さん


SPECIAL THANKS
全ての読み手さん


Thank you to all the writer and reeder
全ての書き手と読み手に「あじゅじゅしたー!!」

4320 ◆KuKioJYHKM:2008/10/28(火) 00:31:31 ID:Payc8lf.0
投下終了!
皆様ありがとうございました!
大事なことなので二回言いました!

4321ヨッミー  ◆iDqvc5TpTI:2008/10/28(火) 00:43:02 ID:nGQqXinw0
ダイナミックが売りと言われるけどさ。
俺は優しい話を書ける書き手になりたいと思ってる。
良い話だった。心が温かくなる、そんな感慨を抱かせるいい話だった。
スタッフロールで涙が出てきた。
積み重ねてきた全ての名前。
良かった。
まだ読んでいない人の為に多くは語らない。
ただ、一言。
投下、おつ。GJ!!

4322今日の私は阿修羅すら凌駕する名無しだ!:2008/10/28(火) 00:47:30 ID:wEA7LVc60
投下、お疲れ様でした……終わった。
最初はお祭り感覚で「どうせみんなすぎに飽きるだろー」と笑ってから一年くらい?
まさか、ここまで大盛況の中で完結するとは。

本当にお疲れ様でした。GJでした!

4323今日の私は阿修羅すら凌駕する名無しだ!:2008/10/28(火) 00:51:59 ID:x0dFho0E0
投下お疲れ様です!

ついに完結か…感慨深いなあ
ノリで始まった企画がここまでくるとは
俺の出場者の一人として楽しませてもらいました

この企画に関わった全ての人にお疲れ様でした!

4324今日の私は阿修羅すら凌駕する名無しだ!:2008/10/28(火) 01:03:27 ID:Hn1kFrks0
完結……か。うん、感慨深い……おめでとうございます!

4325今日の私は阿修羅すら凌駕する名無しだ!:2008/10/28(火) 01:40:06 ID:f1s0iAsc0
こんな私の名前を覚えていていただいて恐縮の極み…などといった私事はさておき。

完結おめでとうございます、お疲れ様でした。
そして何より…素晴らしい最終回をありがとうございました!

4326古泉ネームレス ◆HlLdWe.oBM:2008/10/28(火) 18:59:03 ID:Pv60YjXs0
最終回投下乙&GJです。
本格的に書き手として参加した初めてのロワが盛況のうちに完結するなんて。
もう言葉では言い表せないほど喜ばしい事ですね。

うん、何から言っていいやら……
特に印象に残ったのは泥仕合の殴り合いからのネコミミストの最後の選択。
多くの仲間と触れ合って失ってきたネコミミストだからこその選択なのかと思わせられた。
そして666との決着も……
他の2組の戦いも最終回に相応しいと言うべきシーンでした。
ショベルカーや地図氏の奥の手に驚かされ、各々の最期に何かしら誇るべきものを感じました。
でも最後にあの人?が出てくるとは予想外wいや、気にはしていましたが、まさか最終回でで来るとはw

最後にもう一度。素晴らしい最終回をありがとう空気王氏GJ。
そしてここまで支えてくれた皆さんにありがとう。

4327わたしが生まれた物語:2008/10/28(火) 23:56:37 ID:/56OQbMY0
白い空間と黒い空間がただただ広がっている。
存在の無い地平の白と黒。世界が壊れた世界。何も無い世界。
全てが過ぎ去った世界。
「……帰ってきちゃった」
私はその世界を見つめて、呟いた。そして、念じた。
この身の成長を。
手が伸びていく。足が伸びていく。意識が鮮明に冴えていく。
衣服を念じた。裸だった全身を衣服が包んでいく。
私はもう、そこに在った。

「……どうして、あんな事をしたのだろう」
私の胸をよぎったのはそんな疑問だ。
その疑問を振り返るために私は、ある悪魔の記憶を紐解く。
この滅びた世界をかつて翻弄した、とある罪深き悪魔の記憶を振り返る。
派手好き地獄紳士『666』。
彼女が使わなかった、三つの秘密の事を。

彼女はこの滅びた世界で多くの悪行を為した。
だが印象的だった事は、その殆ど全てに意味があった事だろう。
見殺しにした体はスクライドで出来ている書き手。ネコミミストの心に傷を付けるためだ。
見殺しにした幻夜。同上。そして、ネコミミストと二人きりになるため。
大あばれ鉄槌。自らを悪党として植えつけるため。……ほんの少しだけ、同僚を追い回した腹いせ。
意外な影丸?。『SOS(世界を・大きく変える・すごいツッコミ)弾』を手に入れる為。
忘却のウッカリデス。病院に不和を撒く引鉄として。
King of 脳内補完。ライダー書き手の心理を誘導しようとした。また、病院の戦場の戦力を調整。
転。ディス・レヴの力を手にし戦力の増強。
HN「七氏」。大蟹杯の暴走をさせないため。
クールなロリスキー。地図氏に突きつけた、因縁と憎悪の挑戦状。

だが。
コロンビーヌ。彼女は否定した、私を襲う理由なんて無いはずだと。
読み手。ラスボスになるため? だがあの死にはよくよく考えれば謎が残っている。
愛媛。対主催の戦力を削ぐため? 自分を確かめるため?
それらに有る理由。語られなかった、語ることが無かった真相。
そこに有ったはずの使われなかった物とその理由について、私は思い返す。

何より明らかな謎は読み手の死だった。
あの殺人こそ、派手好き地獄紳士『666』が残してしまった最大の手掛りだ。
そもそも彼女はどうやって読み手を殺したのだろう?
読み手は『大蟹球フォーグラーの中枢部に居たというのに』。
刻一刻と内部構造を変化させるフォーグラーの中枢部に転移など出来るわけが無い。
そして対主催に先んじて突入し到達した、というのも無理だ。
その途中にはジョーカー達が居た。彼らに気づかれず最深部に辿り着く術など無い。
つまり答えは一つだ。
――666は旅の扉を通って現れた。

主催本拠地のラピュタと大蟹球フォーグラーを繋ぐ旅の扉。
ラピュタに辿り着く唯一の手段だが、裏を返せばラピュタからフォーグラーに来る事も出来る。
これしか道は無い。だがこのルートもまた無数の謎が残される。
そもそもラピュタに行くのが難しいからフォーグラーを経由するはずなのに、
フォーグラーを飛ばしてラピュタに居たなど普通に考えれば筋が通らない。
だが、ラピュタへの移動が難しくなったのはラピュタがデビルガンダムに冒された後だ。
それまでなら、ラピュタの事をよく知っているジョーカー達は行き来できている。
主催側の情報を持ってさえいれば。
しかし666がそんな情報を持っている事は主催側ですら気づかなかった。何故か?
wikiに載る全てを知るwiki管理人の目を欺く術など有るはずが無いのに。
……否。
たった一つだけ、有った。

4328わたしが生まれた物語:2008/10/28(火) 23:57:26 ID:/56OQbMY0

第129話「貴方だけに教えます」。
何故か長期間に渡ってWikiに収録されず、wiki管理人の目を逃れていた奇跡の話。
これを書いたのは誰だろう? 666当人しか知らないはずのこの話が書けたのは誰だ?
それは、現実世界の666以外に有り得ない。
あとぶっちゃけ本スレにトリ付き書き込み有ったし。具体的に言うと1860辺。

この666が書いた話において、666が1st書き手ロワの主催であること。
そして読み手がこのロワの機密情報を無数に手に入れている場面が描写されている。
その内容は“【】付きの支給品形式で”記された。
……第252話「月に吠える者」で666の首輪が外れていたのは、つまりそういう事だ。
現実世界の666が書いたあらゆるロワSSに登場する支給品を召喚できるゲート・オブ・バビロン。
つまり666は知らぬ内に主催側の機密情報まで入手していた。

それを使えば、デビル化する前のラピュタに潜入する事も容易い事だった。
666が出る話もよく見てみれば良い。
第271話「カウントダウンツ・ヘブン」に登場した後、病院で起きている盛大な戦いを666はスルー。
273話でラピュタをDGゼストが侵蝕し始めたからだ。
279話では侵蝕中のDG細胞が支給品在庫倉庫まで侵蝕された事が明かされる。
だからその前に、666は病院の戦いをスルーしてラピュタに潜入し支給品を回収していたのだ。
そして大量のめぼしい支給品を回収した666は、ラピュタ――フォーグラー間に敷設された
旅の扉を通ってフォーグラー中枢部に現れ、念のため口封じとして読み手を殺害した。
居なくなっていた時期はピタリと符合しているのに、なかなか気づかれないものである。
これが有ったはずの切り札――『無尽蔵の支給品』だった。



そしてもう一つの切り札。それはダイダルゲートだ。
感電氏の前に現れた666は、彼にクマのプー太のLSタロットを一枚手渡した。
それに何か意味が有るとは思わなかったのだろうか。
あるいは自分が使うバルディッシュのBCが何の略か忘れてしまっていたのだろうか。
何にせよ、それをダイダルゲートに食い込ませた事の意味に気づくことはなかったらしい。
埋もれるようにダイダルゲートへと食い込んだバルディッシュは、そこから驚きの黒さを侵蝕させた。
誰も知らない内に、密かに、驚きの黒さがダイダルゲートを支配していた。
それによる一番の狙いは現実世界の書き手に干渉する事だったらしい。
オリジナルの派手好き地獄紳士『666』を殺害して成り代わろうと企んでいたのだそうだ。
666のその企みは侵蝕の中枢であるバルディッシュをチートイエローに破壊された事で失敗した。
繋がりかけていた現実世界と隔離されてしまったのだ。
666は仕方なく第二の手を選んだ。驚きの黒さを通じて半壊したダイダルゲートを起動。
壊れかけの機能でなんとかこの世界の手元まで召喚。
そしてウルトラミキサーで吸収しやすくしてから、フォーグラーと黒蟹座氏を使う時に
使われたものを回収した融合のカードで、『私』の中に取り込ませたのだ。
これによって『私』はダイダルゲートに蓄えられた書き手達の経験と、ダイダルゲートの機能を手に入れた。
この事は誰も知らない。
チートイエローは黒く染まったダイダルゲートに驚愕しながらも、それを教える事なく散っていった。
wikiに載せられた作品の備考にすら真相は書かれなかった。

※ダイダルゲートが破壊されました。修復したとしても、集めていた経験は戻ってきません。
(……だってそれは『私』が持っている)

※ゲートに埋まっていたバルディッシュはチートイエローに撃ち抜かれ、消滅しました。
(そう、バルディッシュは消滅してしまった)

これこそが第二の切り札、私の中に移された『ダイダルゲート』。
全ては読み手さえも騙しきる策謀の網だった。

4329わたしが生まれた物語:2008/10/28(火) 23:58:12 ID:/56OQbMY0
そして最後の切り札は言うまでも無く、『私』だ。
『私』の存在について語るには、まず666の行為について語らなければならない。
666は何故、コロンビーヌを殺したのか。
一度はコロンビーヌから胎児を抜き出しそれを人質に戦場へと向わせた。
だけどコロンビーヌに胎児を取り返され、666はジョーカーの力を借りてコロンビーヌを殺した。
その理由を考えてみれば良い。
……666の本当の目的は、最初から胎児の方に有ったのだ。
666の体は一度語られた通り、内包した大量かつ無数のエネルギーにより飽和状態にあった。
最初からそれを受け止められる肉体と、自らを継承できる器を求めていた。
ネコミミストの事も本当は自分を受け継がせたかっただけじゃないかとか、
あの愛情はその為に自分をそう作り変えていたんじゃないかと思わないでもない。
少なくとも当人はあの愛情を本当の物だと思っていたのだけれど、
そもそも自分の記憶すら操作していたのだから、自分の心も作り変えていてもおかしくない。
とはいえ、そこまで行くと作られた物でもやはり本物の愛情だった事になるわけで……あれれ?
……まあいいや、話を続けよう。
666は胎児を再びコロンビーヌの胎から奪い取り、闇のゆりかごで育て始めた。
時々、不死者の力で自らを胎児に転写しながら。
あまり語られないが、不死者には記憶ごと相手を喰らうだけではなく、自分の記憶を相手に与える力も有るのだ。
自分の中の記憶が消えるわけじゃないからカット&ペーストではなくコピー&ペーストだけど。
それにより胎児は第二の666として育っていた。
だけどそこに投じられた一石が有った。
驚きの白さを手に入れていた『愛媛の0RbUzIT0Toは大変な演説をしていきました』の死。
そこに残っていた“白い塵”。
666がその場を離れた隙に、漫画キャラバトルロワイアルwiki管理人(紙)はその塵を集めると、
水に溶かし、666に育てられている闇のゆりかごに居た胎児にそれを飲ませたのだ。
今から思うと、もしかすると666はこの事さえも計算ずくだったのかもしれないと思う。
愛媛と話す理由は有っても、戦い殺害し、あまつさえその場を離れたのは不自然だ。
自分とは違う道を選び白と黒を併せ持つ、そんな存在に未来を委ねてみたかったのかも……。
……考えすぎの美化しすぎかな。

とにかくそれによって胎児は第二の666では無くなり、『私』が生まれた。
そう、私は鬼軍曹とコロンビーヌの子供の肉体を持ち、666の知性を持ちながら、
驚きの白さによりちょっぴりだけ浄化された、全く新しい存在なのだ。
真っ黒思考と共に考えていた私の名前、真紅の悪魔『666』という名前はおじゃんになった。
私の黒さは愛媛のそれを持ってしても到底浄化できるものではなかったけれど、
白と黒を併せ持つ存在として、666ですらなくなった誰でもない存在としてこの世に生れ落ちた。

本来、私は666が死んだ後に現れる最後の牙だった。
参加者を全て皆殺しにして絶望の全滅エンドを演出する役目を担っていた。
その為に、ゲート・オブ・バビロンも私の中に融合されている。
666が使っていた物は何か。あれはゲート・オブ・バビロンinゲート・オブ・バビロンだ。
第282話「全ては我が戯言なり」で666がリバースドールを出したのを思い出せばいい。
つまりあの登場話は現実世界の派手好き地獄紳士『666』が書いたものなのだ。
何故かカミングアウトすら必要なく投下直後に見破られていた公然の秘密である。
282話でそれは改めてカミングアウトされた。
そしてゲート・オブ・バビロンもまたあの話で登場した支給品だった。
だからゲート・オブ・バビロンの中からもゲート・オブ・バビロンが一本出てくるのである。
その中には使い潰されたはずのカシオペアとかもしっかり残っているのだからどうしようもない。
というより、666は常にGOBinGOBの方の中身を使い私が持つオリジナルGOBの中身は全て残していたのだ。
更にラピュタからパチったロワに参加してない作品の物をも含む膨大かつ強力無比な支給品も、これに入っている。
加えてダイダルゲートに蓄積されていた書き手ロワ2参加書き手達の経験も私の中に有る。
経験が有るという事はつまり……ぶっちゃけ、その人達が自作で出したアイテムも、出せる。
エターナルソード二刀流とか、エア四刀流とかもできるんじゃなかろうか。私の腕は二本だけど。
更に書き手ロワ内であの時点までに覚醒した全能力も私の中に有る。
色々有ってややこしいから一言で分かりやすく言ってしまうなら。
――ぶっちゃけなんでもできる。
これだけの戦力を666は、自分との戦いで疲弊した対主催にぶつけようとしていたのだ。
鬼である。
悪魔である。
絶望っていっても程が有るだろ、自重しろである。

4330わたしが生まれた物語:2008/10/28(火) 23:59:41 ID:/56OQbMY0

ところが私は驚きの白さにより、迷い始めていた。
このバトルロワイアルを美しくも救いの無いド欝すぎる全滅エンドにするか。
それとも最後に残ったほんの僅かな参加者だけでも生かして返すか。
驚きの白さで幾らかだけ浄化され、半分くらいは黒いままだった私は悩みに悩んだ。
その末に私は、ただ一人生き残ったネコミミストの前に姿を見せた。
驚くべきことに、666の記憶を持っているはずのネコミミストは私を知らなかった。
666はどうやら自分の記憶からも私のことを消していたらしい。
最近LSロワの方の主催が出る話で記憶を消せるアイテムを出したそうだから、多分それを使ったのだろう。
666を喰らった瞬間にそれを知るよう仕掛けておけば絶望させられただろうに、不思議な事だ。
私は悩みに悩んだ末、結局ただの胎児のふりをする事にした。
単体でも生きて行動できて考えて喋れて、別次元への扉を開く事ができるだけのただの胎児だ。
(……ネコミミストさんもよく信じたなあ、これ)
私は自らの中に取り込んでいるダイダルゲートの力で別次元への扉を開くと、彼女を送り出した。
一度は彼女と共に別世界まで送っていって、その後で私は帰ってきた。
私が生まれたこの世界へと。
その後、私はずーっとネコミミストが去った後の空間を見つめ続けていた。
「うーん、わからないなあ」
どうしてそんな事をしたのかが分からなくて。
私は確かに驚きの白さで浄化されたけれど、それじゃぜんぜん足りてはいないのだ。
まだ黒い部分の方が多いと思う。
だけど思ったのだ。そうした方が良い。だって――。
「あ…………そっか」

――この物語はそうした方がきれいに終るから。

「あはは、そっか、そうだよね。なんだ、簡単なことだったんだ」
私は思わず笑い転げた。
楽しかった。そして嬉しかった。
私の生れ落ちた物語がこんな綺麗な結末を迎えられた事が。
こんなに美しい物語から生まれてこれた事が。
「きっとこれが、私が生まれてきた理由なんだ」
そして、魅せられていた。
こんなに綺麗な終わりを迎えた物語。
これほどまでに美しく終われた物語。

これまで紡がれてきたたくさんの書き手達の生き様に。
これまで紡がれてきたたくさんの書き手達の死に様に。

「私は、次のバトルロワイアルを見たいんだ」

私は書き手ロワイアル3rdを開催する事に決めた。

4331わたしが生まれた物語:2008/10/29(水) 00:00:14 ID:HW4PzJa20






――だってバトルロワイアルは、私とみんなを繋ぐ唯一つの絆なのだから。

4332今日の私は阿修羅すら凌駕する名無しだ!:2008/10/29(水) 00:01:12 ID:HW4PzJa20
投下終了。

4333今日の私は阿修羅すら凌駕する名無しだ!:2008/10/29(水) 00:27:40 ID:VC/AV3Ls0
こ、これは!!
なんていう裏話!
なんという次への布石!
なんという穴のない展開!
いや、赤子の力にはちょっと疑問あったんだけど書き手2みんなチートだしと思っていたら!
GJすぎるぜ、この野郎!
後一言。
666親子、調子に乗っ天元突破w

4334今日の私は阿修羅すら凌駕する名無しだ!:2008/10/29(水) 13:23:36 ID:vHShMbRE0
投下乙です。
まさか赤子にこんな秘密があったとはw666恐るべし。
そして驚天動地の3rdフラグw

4335今日の私は阿修羅すら凌駕する名無しだ!:2008/10/29(水) 16:25:15 ID:G2w9L2c60
最終回やっと読んだ!
スタッフロールに涙した後、まさかの3rdフラグ!!
お二人とも本当にGJでした。

4336今日の私は阿修羅すら凌駕する名無しだ!:2008/10/29(水) 16:48:58 ID:FcRNdkXU0
伏線回収能力SUGEEEEEEEEEEEEEE!!
投下超GJでした!

4337今日の私は阿修羅すら凌駕する名無しだ!:2008/10/29(水) 18:47:50 ID:ev1LAOwY0
短いですが、エピローグを投下します。

4338正義の味方:2008/10/29(水) 18:49:21 ID:ev1LAOwY0
とある世界の関東某県、生田市。「喫茶アミーゴ」は、そこに店を出していた。
店員は二人。初老のマスターと、まだ少女と言っていい年齢の女性だ。

「お待たせしました、コーヒー二つです。ごゆっくりどうぞ。」

女性店員が、コーヒーを席に置いて立ち去る。客のサラリーマン二人は、その店員に熱い視線を送っていた。

「やっぱりかわいいよなあ、昴ちゃん……。」
「いや、まったくだ。」
「けど、なんでいつも頭にバンダナ巻いてるんだろうな?」
「ああ、あれか。何でも子供の頃に遭った事故で、頭に大きな傷跡が残ってるらしい。」
「そうなのか……。あんなにかわいいのにもったいないなあ……。」

他愛もない話を続けるサラリーマンたち。その傍らで、店に置かれたテレビがニュースを流している。

「えー、今入ったニュースです。先程午後2時頃、衆議院議員6名の乗った飛行機が何者かにジャックされました。
 今のところ犯人の身元は不明。要求も出されていないということです。」

いかにも堅物といった風貌のキャスターが、動揺をにじませながら原稿を読み上げる。
そのニュースを耳にし、昴はわずかに顔色を変えた。マスターはめざとくそれに気づき、彼女に声をかける。

「昴、そろそろ裏でいつもの仕事頼むよ。」
「は、はい。わかりました。」

いそいそと店の裏に引っ込む昴。そのことに常連客たちから非難の声が挙がるが、マスターはそれを一括して鎮める。
「いつもの仕事」。それは昴とマスターの間でのみ通じる暗号のようなものだ。
更衣室に入った昴は急いで服を脱ぎ、代わりにライダースーツを身に纏う。
その瞬間から彼女は「沢城昴」という偽りの自分を捨て、正義の味方「衝撃のネコミミスト」に戻る。
ヘルメットを被り、愛車「サイクロン号」にまたがる。
元はレーシングチームのオーナーだったマスターが自ら作り上げた、ネコミミスト専用のバイクだ。
市販のバイクの性能をはるかに上回るモンスターマシンを駆り、ネコミミストはアスファルトの上を疾走する。


……法定速度で。


何せこの前免許を取ったばかり。無理な運転は禁物だ。

(理想のヒーロー像はまだ遠いな……。)

心の中でぼやきながら、ネコミミストは走り続ける。


◇ ◇ ◇


「この辺でいいか……。」

事件現場となった、空港の近くの茂み。そこにネコミミストは姿を隠していた。

「変身!」

そう叫び、華麗にポーズを決める。その瞬間、彼女の姿は白と金で彩られた仮面の戦士に変わった。
そして改めてサイクロン号にまたがり、ジャックされた飛行機に向かって突撃する。

「イー!」

飛行機に接近すると、全身を黒い衣装で覆った男たちが奇声を上げながら次々と襲いかかってくる。
だが、ネコミミストとサイクロン号の敵ではない。男たちは瞬く間に蹴散らされる。

「おのれ、また仮面ライダーか!」

部下たちのふがいない姿を見て、リーダー格がネコミミストの前に現れる。怪人・蜘蛛男だ。

「覚悟しろ、ショッカー! お前たちの悪事は、この仮面ライダーネコミミストが何度でも打ち砕く!」

怪人に対し、ネコミミストは派手に見得を切る。

「仮面ライダーめ! なぜいつもいつも我らの邪魔をする!」

苛立ちに満ちた言葉を吐く蜘蛛男。それに対し、ネコミミストは透き通った声で答える。

「正義の味方だからだ!」


仮面ライダーネコミミスト。その戦いは、まだ始まったばかり……。

4339今日の私は阿修羅すら凌駕する名無しだ!:2008/10/29(水) 18:50:49 ID:ev1LAOwY0
投下終了です。
ただ1人の生還者のエピローグが、1レスっていうのも我ながらどうかとは思いますが……。

4340今日の私は阿修羅すら凌駕する名無しだ!:2008/10/29(水) 19:21:40 ID:8zhP38aA0
おー、ネコミミストがんばってる。がんばれ、ネコミミスト!
……ていうかこのライダー無茶苦茶強いんじゃないか?w

4341今日の私は阿修羅すら凌駕する名無しだ!:2008/10/29(水) 22:03:34 ID:44If7s7Q0
>>4338の作者ですが、タイトルが他の話と被っていたため、「仮面ライダー 希望2008」に変更します。

4342今日の私は阿修羅すら凌駕する名無しだ!:2008/10/29(水) 23:00:56 ID:vHShMbRE0
投下乙です。
ネコミミストが健気に頑張っている姿が見れて良かった。
……うん、悪の組織の一つや二つ軽く倒せるなこのライダーw

4343らき☆すた 第X話 あるいはこんな日常:2008/10/31(金) 00:25:52 ID:5rIFR1dY0
エピローグ・ロリスキー編を投下します。

あるところに、強い愛で結ばれた二人の少女がいた。
悲惨な物語の中で命を落とした少女達は、死者の世界で蜜月の時を過ごした。
しかし、やがて転生の時がやってきた。生まれ変わってもまた愛し合おうと近い、二人は新たな世界へ旅立った。


◇ ◇ ◇


――とある世界の日本・埼玉県――

私、枢木かがみには、小さい頃から何度も見ている夢がある。
それは、おぞましい殺人ゲームの夢。それだけなら、その夢はただの悪夢でしかなかっただろう。
でもその夢に必ず出てくる一人の少女が、悪夢を悪夢でなくさせていた。
彼女は私より一回りも二回りも小さい体で、青い髪を膝の辺りまで伸ばしていた。
そして、よく気の抜けたような笑みを浮かべていた。

以前この話を友人に聞かせたら、「ロリスキー」というありがたくないあだ名をもらってしまった。
そりゃ確かに私は男より女が好きだけど、特にロリコンってわけじゃないのに……。


◇ ◇ ◇


高2の夏休みは、特にドラマティックな出来事もなく過ぎていった。今日からはまた、学校生活が始まる。
廊下で妹と別れて教室に入り、久々に会うクラスメイトと他愛もない会話をする。これまでと何ら変わらない、普通の学校生活だ。
やがて先生が入ってきて、HRが始まる。

「おーっす、みんな! 楽しい夏休みは過ごせたかー?」

八重歯を輝かせながら、いつも通りのフランクな口調で先生が話し始める。

「これから始業式やけど、その前に転校生がうちのクラスに入ることになったから紹介しておくでー。」

転校生。
そのフレーズを聞いて、なぜだか私の心がざわめく。

「ほんなら、入ってきてええぞー。」

先生に促され、転校生が教室に入ってくる。
それは、青い髪を膝の辺りまで伸ばした、小柄な女の子だった。

「!」

私は、大声を出しそうになるのを必死でこらえていた。
なんていったって、いつも夢に出てくる女の子とそっくりの人が現実で目の前にいるのだ。大声を出しそうになったって無理はないじゃないか。
そんな私の事情など知るよしもなく、先生は話を進める。

「こいつが転校生の赤戸や。んじゃ、自己紹介でもやってもらおうか。」
「はい。」

微笑を浮かべ、赤戸という苗字らしい転校生は自己紹介を始める。

「初めまして。大阪から来ました赤戸こなたです。
 地理が得意なので、向こうでは『地図ちゃん』なんてあだ名で呼ばれてました。
 これからよろしくお願いします。」

しゃべり終えて、頭を軽く下げる赤戸さん。直後に、教室中から歓迎の拍手が巻き起こる。

「あー、みんな仲良うしたりや。
 始業式終わったら席替えするけど、とりあえず今だけ赤戸は一番後ろの空いてる席に座っといてくれ。」
「わかりました。」

先生の指定した席に向かって、赤戸さんはとてとてと歩き出す。結果として、私に接近してくるわけで……。
まずい、どうしよう。心臓がものすごいバクバクいってる。たぶん、顔も真っ赤になってるだろう。
あーもう、赤戸さんに変な人だと思われちゃうかも……。
私が一人でパニックに陥っていると、赤戸さんが私のすぐ横で足を止めた。
げっ、本当に変な人だと思われた?
おそるおそる、私は赤戸さんの顔をのぞき込んだ。
赤戸さんは、笑っていた。でもその目元には、なぜかうっすらと涙がにじんでいた。

「やっと会えたね、クーちゃん。」

私にしか聞こえないようなかすかな声で、赤戸さんはそう呟いた。

「ちぃ……ちゃん……?」

THE END(?)

4344今日の私は阿修羅すら凌駕する名無しだ!:2008/10/31(金) 00:27:06 ID:5rIFR1dY0
投下終了です。
勝手に転生とかやらかしちゃいましたが、まずいようなら没ネタ扱いでも結構です。

4345今日の私は阿修羅すら凌駕する名無しだ!:2008/10/31(金) 01:47:16 ID:HQmIX6Pg0
投下乙です。
退場キャラの綺麗なその後。
こういうのもいいんじゃないでしょうか。
もしや枢木→クール、赤戸→アーカードかw

4346 ◆iDqvc5TpTI:2008/11/09(日) 21:27:52 ID:iFhuD4Ew0
投下します

4347此方より彼方まで:2008/11/09(日) 21:31:36 ID:iFhuD4Ew0
カタカタカタ。
静寂を常とする夜の闇の中、不規則に音が響く。
時は丑の刻に至ろうとしていたが、藁人形に五寸釘を打ち込んでいるというわけではない。
音の発生源がある場所は神社などという格式高いものとは違う。
とある一軒家のとある一部屋。
灯の消えた中、唯一の光源であるパーソナルコンピューターからであった。
まあ、パソコンが独りでに動いていれば、それはそれで怪談だが勿論そうではない。
タイピングされる以上、打ち手たる人間もまた存在するのである。

「終わった、か」

年の項は20代前半だろうか?
特に目立ったとこもない凡庸な男性だ。
真っ暗な部屋で光を抑えるため布団をかぶって延々とモニターに向かってる様は怪しくないこともないのだが。
一部ではパンダと暗喩される災害を逃れるために、そこまでして男が覗きこむのはとあるwebページ。
ある種のリレー二次小説の作者を、擬人化ならぬ擬キャラ化し、物語を紡いでいくというサイトであった。
ここまで言ってしまえば、気付いた方もいるであろう。
そう、彼こそは書き手ロワ2ndの専属書き手にして、ヨッミーと自称している者、その人である。

「こうして読み返すと一際感慨深いものだなあ」

中核の一人として自らが関わってきた企画の完結が彼にもたらしたのは、抑えきれない喜びと一株の寂しさ。
もう二度と、今回の書き手達の祭典の為に筆を取ることが無いのだということを今更ながらに実感する。
思えば随分無茶をしたものだ。
ヨッミーは苦笑する。
彼は良く言えばスケールの大きい、悪く言えば自重しない書き手であった。
他の作者との連携が必須であるリレー小説において、一歩間違えれば足を引っ張りかねない特性だ。
それでもその企画が無事、未完にならず、最終回まで行きついたのは、偏に土壌が良かったのか、フォローの上手い友のおかげか。
どっちもだろなあと、己が幸運を噛み締める。

「幸運、か」

そこでふとヨッミーの脳裏に浮かぶのは、最終回の後に投下された一つのエピローグ。
派手好き紳士『666』と呼ばれる彼の尊敬する書き手のうちの一人が投下した作品。

「ありゃあ参った」

自他の作品に存在していた数多ものある種の穴を突いた大どんでん返し。

前々からプロットはあったとは聞いていた。
しかし、よくもまあ、潰されなかったものだ。
リレーという形式をとる以上、自分の思い通りに全てのことが運ぶなんてありえないというのに。

4348此方より彼方まで:2008/11/09(日) 21:32:35 ID:iFhuD4Ew0
「これじゃあまるで、書き手ロワ2内の666みたいじゃないか」

突かれた穴の幾つかは、彼が書いた作品のものだった。
例えば666に詳細描写なしで首輪をはずさせた。
ある時はプー太氏のタロットを666から感電に渡させた。
またある時は666が手を加えたバルディッシュをダイダルゲートに埋め込待させた。
特に最後に手掛けた作品、最終話の一つ手前の物においては、まさにぎりぎりだった。
備考に掲載する文章は、つまるところ結果を分かりやすく伝えれればいい。
故に、表現の仕方が僅かに違ったところで、彼の話自体は破綻しはしなかったのだ。
もし彼が『ダイダルゲートは消滅しました』と書いていたら?
完全に残骸が残っていなければ666とて取り込めなかっただろう。
もし彼が『集めていた経験は全て吹き飛びました』と書いていたら?
所持することあたわず、666はお宝を手に入れることはできなかったはずだ。
いや、それ以前にもしもテンポを考えて簡素化したブッチギルンジャー達の動向を詳しく書き込んでいたのなら。
ダイダルゲートは正常なまま、破壊されたと記載され、驚きの黒さに侵食されていたと後付けすることも叶わなかった。

ヨッミーは気づく。
待て、ちょっと待てと。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
あまりにも666に都合がよく事が運び過ぎている。

一つ一つはほんの些細なことだが、ここまで積み重なってしまっては偶然とは思えない。
これが一人の作者による下準備のもと行われたのならともかく、数人の人間が別々に描いた作品を下地にしているのだ!
偶然残ったのだというのなら、まさに奇跡だ。こんなにすれすれで計画の瓦解を回避するなんて!

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
現実の書き手側に干渉されているとしか考えようが無い。

「あははー☆ ……おいおい、相変わらず突飛な思考だな、俺。キバヤシかよ」

そんなんだからとんでも話を書くんだとセルフ突っ込みを入れるヨッミー。
だが、口に浮かんだ笑みはすぐに消え、一転して真剣な表情を型作る。
笑い飛ばしきることができなかったのだ。
何故なら、彼には一つ心当たりがあったのだから。

666はオリジナルの派手好き地獄紳士『666』を殺害して成り代わろうと、一度現実世界に干渉している。
もしもその時、666以外の書き手にも干渉していたのだとしたら?
wiki管理人の目的は、派手好き地獄紳士『666』だけではなくあらゆる書き手と読み手に経験をフィードバックさせること。
その前準備としての現実世界への接続自体は既に完了し、起動さえさせればいつでもフィードバックを開始できる状態にあったのだ。
加えて、失敗さえしたものの、666はもう少しで、現実世界に干渉できる段階にまで行っていたという。

4349此方より彼方まで:2008/11/09(日) 21:33:05 ID:iFhuD4Ew0

ならば。

この時、直接干渉には失敗したとはいえ、666の思念の一部は現実世界に届いていたのではないか?
それも自身のオリジナルだけではなく、現実の他の書き手や読み手たちにも。
感染源であるバルディッシュが破壊され、光弾が貫通しゲートを破壊するまでの束の間。
ゲートは僅かながらにも驚きの黒さから抜け出し本来の役目を取り戻していたとしたら。
繋ぎ師が世界を隔離するまでのほんの刹那のその時間に。
wiki管理人の手ではなく、読み手K.K.の手でもないが、皮肉にも666の手により起動させられていたゲートからフィードバックが一瞬でもなされたこととなる。
結果的にはコンマ1秒にも満たない時間では、一人に絞れず拡散した思念でオリジナルを殺すことも乗っ取ることもできはしなかったが、
引き換えに切り札たる胎児の計画について全書き手達の深層意識に刻むこととなったのだ。
そうなってしまえば、彼らはパロロワ書き手。
こんなおいしいフラグを無碍に折ることはできず、無意識のうちにほごしてしまっていたのだ。

あるいは、666はそこまで計算して事を成したのかもしれなかった。

「ありえねー、すんげえありえねー」

軽口を叩き、自己の妄想を笑う心とは裏腹に、ヨッミーの頭の中では次々と疑惑が広がっていく。

そもそもフィードバックされたのは、本当に666の思考だけなのか?
半壊したダイダルゲートでは、いかな666とて、全ての経験を回収しきれたとは思えない。
取りこぼされた分の経験が無理やり再起動させられたゲートから漏れ出していたとしてもあり得る話だ。
なんせ現実世界との隔離は不完全なものだと書いたのは他ならぬヨッミーなのだから。

「いやいや、もしこの仮説が正しけりゃ俺達になんの影響も出ていないわけ……」

ヨッミーは眼を見開き、言葉を詰らせる。
ぐるぐるとぐるぐると。
彼の脳内で想像が一つの終着点へと向かっていく。

そもそも、wiki管理人は何の為に書き手達の殺し合いの記憶をフィードバックさせようとしたのだ?
書き手を進化させるためだ。
更に、読み手との取引でフィードバックは現実世界の読み手にも行われることになっていた。
しかしながら一つ疑問がある。
果たして書き手の経験を流したところで、読み手としての成長を促すことはできるのだろうか?
書き手の苦悩がわかり、軽はずみな行動に出なくなるとでもいうことなのか。
ヨッミーの考えは違った。
得られるのが書き手達の経験なのだとしたら、それを得た者もまた……

「書き手に、なる、か」

K.K.。
wiki管理人が読み手を信じられなかったように、あの少女は読み手を信じられなかった。
だから適応した読み手を書き手とし、適応しなかった者を排除するフィードバックは、彼女にとって理想の手段だったのだ。
内輪の書き手だけによる閉じた世界。
そんなものが、彼女の望んだパロロワ界。
……いや、あるいは。
単に、なりたかっただけなのかもしれない。
K.K.もまた、書き手という存在に。

4350此方より彼方まで:2008/11/09(日) 21:33:43 ID:iFhuD4Ew0
「なあ、wiki管理人、K.K.、見てっか?」


天井を見上げ、呟くヨッミー。
書き手ロワ書き手である彼が決めつければ、wiki管理人の思考も、K.K.の理想も全て考えた通りが真実となる。
けれども、彼は仮説を仮説のまま扱うことにした。
だって、フィードバックが行われた結果、彼が書き手になったというのなら。
wiki管理人も、K.K.も、参加者達も、ジョーカー達も。
みんな、みんな、二次元の中だけじゃなくて、本当に居たことになるから。
こことは別の世界、例えばパロロワ界に関わる人間達の、記憶・心による集合無意識たるCの世界で。
そして、彼らの描いてきた物語は、本当にあったことで、書き手達の分身の生き様の断片なのだ。
こうに決まってる、と独りよがりで断定していいはずがなかった。

「3人、いや、あの死亡補完話に影響されたあの人も入れたら4人か。少なくともあんたらの計画で新しい書き手は生まれたからさ」

紡がれるのは鎮魂の子守唄。
書きたかった。
二次小説が好きで、パロロワ界に流れ着いて。
すぐに、ヨッミーはこの世界にハマった。
熱血、鬱、笑い、ほのぼの、恋、愛、友情、切なさ、感動、ガチバトル、知略、考察、強さ、弱さ。
言葉では到底現わしきれない心を揺さぶる作品を毎日、毎日、読んでいった。
こんな作品を書ける書き手さん達はすごいという尊敬は、いつしか憧れに変わり、自分も書きたいと願うようになった。
その願いを叶えるきっかけを与えてくれたのが、書き手ロワ2ndだった。

「既存の書き手や読み手にもフリーダムなこのロワは、良い息抜きや刺激になったと思うから」

残り滓程の経験では、あの二人が望んだような劇的な変化をもたらすには遠く及ばなかった。
それでいいとヨッミーは思う。
何も慌てることは無い。
少しずつ、少しずつ。
書き手も読み手も
前へ進んでいけばいい。

「もう、心配すんな。ゆっくり休め」

Wiki管理人たちのやり方は間違ってはいたけれど。
それぞれが、それぞれの思いを貫いた結果、現実世界では誰も犠牲にせずに、一歩前進することができた。
トゥルーじゃなくても間違いなくハッピーエンド。

「ネコミミスト。もう、こっから先は、俺達にお前の物語を知るすべも、書くすべもない。
 だからって負けんじゃねえぞ? お前もさ、ハッピーエンド迎えていいんだからよ。いつかは幸せにな」

どこか別の世界で戦っている少女にエールを送る。

「継承石。爆弾やロリスキーの件もあるし、まだ力発揮し続けてるのかねえ?」

ロワ書き手としては安易な救済は御免被るが、一人の人間としては幸福を冥福ついでに祈るのもありだなと、男は笑う。

「んでもってよ、次の主催者さん? 俺達を舐めんじゃねえぞ? 絶対たまげさせてやっからよ!」

調子に乗っ天元突破をした奴の結晶を、何でもできると奢っている奴を、とびきり驚かせてやるのも悪くは無い。
自他ともに認める自重しない男は、画面に向けて宣戦布告する。
ちなみに3rdがあったところで、参加者に選ばれるとは限らないのだが、ちゃっかり無視しているあたりが彼らしい。

「さあってと、投下はもう明日でいっか」

とはいえ、流石に眠くなってきたのか、ボタンを押してシャットダウン。
席を立ち、布団へと歩を進めようとして。

とん。

誰かに、肩を、叩かれた。

4351此方より彼方まで:2008/11/09(日) 21:34:07 ID:iFhuD4Ew0

「え?」

恐る恐る振り向くも、自分以外の誰も存在しないことに安堵する。
気のせいだったと判断し、再び背を向けるヨッミーが気づくことはなかった。
画面の消えた筈のPCから伸びゆく二本の腕に。
新たに表示された文字群に。












『ようこそ、書き手ロワ3rdへ』












手洗いにでも行ったのか。
先刻まで光が漏れていた部屋からは、主の姿だけがぽっかりと失われていた。
否。
もう一つ変化した場所がある。
PCだ。
再起動したスクリーンが映すのはとあるサイトのとあるレス。

『代理投下、完了』

――To Be Continued ?

4352 ◆iDqvc5TpTI:2008/11/09(日) 21:35:57 ID:iFhuD4Ew0
以上です。
代理投下、完了。

え、誰の代理かって?
くすくす、誰だっていいじゃない。
ヨッミーか、名前もないあの子のでも、ね。

4353今日の私は阿修羅すら凌駕する名無しだ!:2008/11/09(日) 22:01:42 ID:1UuDmrbw0
投下乙!
なんちゅうもん書くんだあんたはああああああ!!
こう来るとは読めなかったぜ! GJだこの野郎!

4354今日の私は阿修羅すら凌駕する名無しだ!:2008/11/09(日) 22:03:25 ID:5DtoXyeI0
誰とも知れない代理投下乙。
なんだかちょっぴりホラーチックでありながら、次回のロワが楽しみになる上手い話だ。
実にGJ。

しかし一体誰なんだろう。まさか本当に……いやまあ、そんな事はありえ

4355今日の私は阿修羅すら凌駕する名無しだ!:2008/11/09(日) 22:38:37 ID:z/4.BCKI0
投下乙?代理投下乙?どちらにしろ乙です。
こういう切り口はまさに書き手ロワならではのものですね。
斬新で新鮮な話でした。

もしかしてこの感想を書いている最中に自分のPCからも……
ん?画面が光っ――――?うわ、ちょ、なにす――――

4356今日の私は阿修羅すら凌駕する名無しだ!:2008/11/09(日) 23:12:51 ID:wyE3UqK2C
投下乙!又は代理投下乙!
wktkが止まらんぞォ!
もしや自分のPCからも………
あれ?黄色と黒の人型の何かがこっちへ………
「ゴルゴムの仕業だ!」

4357今日の私は阿修羅すら凌駕する名無しだ!:2008/11/15(土) 15:21:31 ID:RHI2lo0M0
月報用
302話(+4) 1/84(-4) 1.2 (- 5.9)
エピローグまで含めると306話(+8)となります

4358名無しロワ 完結編:2008/12/17(水) 22:43:06 ID:plguJvXg0
すごい今更感があるような気がしますが、書き手ロワ2ndのエピローグを投下します。

4359とある読み手の裏後日譚:2008/12/17(水) 22:44:36 ID:plguJvXg0
彼方に地平線が見える程に広大な大地。
そこに一人の少年と一人の少女がいた。

「ねえ、本当にやるの?」

少女は尋ねる。
少年が本気かどうか。
しかし少年の答えは決まっていた。

「ああ、もちろんだ。それが俺達に出来る……唯一の事だからな」
「それってさぁ……偽善なんじゃない? もしくは自己満足?」

返された答えに再び問いを向ける少女。
だが、別に少女は今から行う事に不満がある訳ではない、むしろ賛成の立場だ。
ただ少女は知りたかっただけだ。
自分と同じような存在である少年の偽らざる気持ちを。

「そうとも言えるな。でも俺がそうしたいんだ。そうさせてくれ」
「そっか……うん、気にしないで。本当はボクもそうしたかったから」
「これだから女は……まあいいか」

そして二人は作業に取り掛かる。
黙々と……黙々と……時折声を掛け合いながら手を動かし続ける。
それは二人で行うには幾分骨の折れる作業であった。
だが、それは二人が手を止める理由にはならない。

少年と少女は誰に言われるでもなく、自分達がやりたい事をしている。
それは自分達の行動の終着点に何かを求めているようでもあった。
この行動の果てに何があるのか。
それは二人にははっきりとは分かってはいない。
それでも二人は黙々と作業を進める。

生き残った自分達の意味を求めて。

時は遡る。
それはまだ空に蟹座の大怪球と悪魔の天空城が健在だった頃の話。


     ▼     ▼     ▼

4360とある読み手の裏後日譚:2008/12/17(水) 22:47:40 ID:plguJvXg0


書き手ロワ主催陣本拠地ラピュタ。
既にデビルラピュタガンダムに変化しつつあるラピュタ内を徘徊する一人の少年がいた。
同時刻、大蟹球フォーグラー内では生き残った参加者達がニコロワ・テイルズロワのジョーカー陣との熾烈な戦いを繰り広げていた。
だが、この人物には今はそんな事はどうでもよかった。
それは決して少年が戦いに無関心だという事ではない。
今の少年にはそれよりも即急に手を打たないといけない優先事項があるだけだ。

「――ッ。急所は外れているとはいえ……このままでは長くはないな」

そう荒い呼吸と言葉と共に少年の身体からは常に赤い液体が零れ落ちていた。
それは紛れもなく血だ。
腹から流れ落ちる鮮やかな血が少年の通ってきた道に赤い線を引いていた。
見た感じは致命傷を避けているようだが、少年の言う通り放っておけば命はないだろう。

「……よし! まだ無事だったか」

少年が目指していたのは傷が手当てできる場所だった。
その場所はこのような状況においても未だ無事な様子だった。
少年は心の底から安堵した――これで死なずに済むと。
だが、それが不味かったのだろう。
安心から緊張の糸が切れた少年に疲労という名の魔物が容赦なく襲いかかってきた。
少年が自分の油断を悔んだ時には既に遅く、部屋の前に辿り着いた時には身体はもう限界になってしまっていた。
あと少し緊張の糸が切れていなければまともに治療ができそうだが、今の状態ではそれも難しい。
実際問題、もう意識は朦朧として身体は今にも倒れそうだ。

(……不味、い。俺の身体よ、あと少し、だけ、耐え、て――)

だが少年の願いも虚しく潰えかけていた。
やっとの事でドアノブに手を掛けたところで限界だった。
ドアノブを握った手に力は入らず、敢え無くドアノブから手がずり落ちていくと同時に身体も倒れていく。
助かる道を前にして儚く死んでいくのかと少年が覚悟を決めた瞬間――

「ん? 誰かいるの!?」

――女神の手が差し出された。


     ▼     ▼     ▼


「ふぅ、これで一応は大丈夫だと思うよ」
「助かった。礼を言う」
「別にいいよ、同じ読み手同士なんだから」

俺は読み手だ、そして目の前にいる少女もまた読み手だ。
このバトルロワイアルが開始された時にガラス窓の向こうから参加者を見ていた読み手だ。
OPの後は真の主催者wiki管理人の指示の下で様々な雑務をこなしていたのだが、ある時から俺達の状況は一変した。
それは突然だった。
いきなり現れたデビルラピュタガンダムにとって読み手は格好の餌食になった。
そんな中で生き残った者は僅かばかり。
ここにいる俺と少女もその生き残った数少ない者だ。

「でも、この部屋だけ何で無事なんだろう?」
「この部屋は俺が設計してラピュタに組み込んだ物だ。もしもの時に備えて守りは万全にしておいた……で、なんで君がここに?」
「えっと、無我夢中で逃げていて飛び込んだのがここだったんだ」

元々のラピュタに新たに部屋を増築して、様々な機器を取りつけたのは俺達読み手だ。
全く開始までの僅かな時間でここまで仕上げるのは人海戦術でもかなり大変だった。
まあ作業内容は基本的に複雑ではなかったし、現場の判断でいろいろ都合も付ける事ができた。
だから中には俺のように個人的な目的で部屋を作る者もいた。

「それで、その傷はどうしたの? 見たところ銃痕だったけどさ」
「ああ、撃たれたよ。俺達のリーダーにね」
「リ、リーダーに!? いったいなんで――」
「ふ、お得意の読みで俺の気配を読んだんだろ。全く敵わないよ」

あれは少し前の事だった。
俺は読み手のリーダーから会議室への召集を受けていた。
それは今いる全ての読み手にかけられたものだったが、既にこの時は大半の読み手が死んでいた。
だから俺はこの時リーダーが何らかの対策を講じてくれるものだとばかり思っていた。
しかしその考えは間違いだった。
会議室の扉の向こうから聞こえてきたのはこのロワの開催理由とリーダーの目的。
あまつさえリーダーは中にいた読み手を一人躊躇いなく殺した。
一部始終を聞き終わった俺は一目散に逃げようとしたが、そんな行動はリーダーにはお見通しだったらしい。
いい具合に銃弾をその時リーダーに食らわされたという訳だ。
……と、だいたいの経緯を少女に教えてやった。

4361とある読み手の裏後日譚:2008/12/17(水) 22:49:07 ID:plguJvXg0

「そう、だったんだ……つまりボク達は――」
「取引材料のようなところだな。叛意を示した瞬間に殺されるな」
「あの人ってその気になれば何でも読めるからね。思考とか未来とか……」
「ようはお手上げだな」

俺の話が一段落すると、少女は驚きを露わにした。
それも無理ない事だろう。
何せ今まで信頼してきたリーダーにあっさり取引材料の如く切り捨てられたのだから。
少女はすぐさま書き手ロワイアル@wikiで確認を取ったが、それは俺の話が事実だと再確認するだけの行為だった。
なぜ簡単に少女がwikiを閲覧できたかと言うと、ここが主催陣の要塞ゆえに方法さえ知っていればwikiの閲覧も可能だからだ。
もっともその方法を知っているのはwiki管理人とラピュタ改造に携わった読み手の一部だけ。
この少女は偶然レクレーションエリアのゲームコーナー設立を担当していて知っていたのだ。
それはともかく、俺は落胆こそしたが別段慌ててはいなかった。
いや寧ろ相手があのリーダーである事で反抗する気が無くなったというところか。
自己分析は置いておくとして、今のリーダーに何をしようと無駄の一言で終わる事を悟っていたのかもしれない。
それは少女も同様みたいだったが、少女はwikiで内容を確認している最中に気づいた事を尋ねてきた。

「へぇ、リーダーはK.K.って名前なんだ。容姿が桂言葉に似ているから頭文字取ってK.K.なのかな」
「たぶんそうじゃないのか。あの部屋にいたエドワード・エルリック似の読み手がE.E.になっているからな」
「なら君はR.R.だね、ルルーシュ・ランペルージ似の読み手さん」
「それではお前はS.S.だな。新庄・運切似の読み手よ」
「まあ、一応見分けみたいなものだろ。まったく同じ顔だったら混乱するから。どの道そのキャラの影響はそれほど無いだろ」

そう言ってやると俺は部屋にあったソファーに腰を下ろした。
今まで色々と判明した事だらけでかなり疲れた。
それを新庄・運切似の読み手少女――S.S.は黙って見ていた。
そしておもむろに声をかけてきた

「R.R.君はこれからどうするの?」

いつのまにか俺の名前はR.R.に固定か。
まあ名前がある事は悪い事ではないから、あまり気にはしないが。

「どうもしないさ。リーダー……K.K.の方針がああなった以上俺達に出来る事はない。
 おとなしくロワが終わるのを待つさ。幸いここなら安全だからな」
「そっか、分かった」

真剣に聞いてきた割にS.S.の返事はあっさりしたものだった。
それも当然か。
下手な事すればその瞬間俺達の命は終わるんだからな。

『命』

果たして俺達にそんな物あるんだろうか。
こんな俺達に意味というものなど存在するのだろうか。

「ん? そう言うお前はどうするんだS.S.」

なんとなく聞いてみようと思った。
こいつが今どうしようと考えているのか。

「見届けるよ」
「ロワをか?」
「うん。それがボク達の義務だと思うから」

義務。
その言葉がなぜか引っ掛かった。
自分達にそこまでの義務はないというのが俺の考えだからだ。

「ほら、ボク達ってさ、表向きは主催者だよね」
「その通りだが……今更だな。もう既に真の主催者=wiki管理人という事は皆にバレているじゃないか」
「それでも……ほら、見届けようよ。ここまで生き残った人達がどんな結末を迎えるのか」
「見届けて何になるんだ? どうせ俺達がする事なんて――」
「――ないけど……見守る事は出来るよね」

そう言い終えるとS.S.はPCの画面に監視カメラの映像を映し出して見始めた。
俺はそんな事をして何になると呆れていた。
だが結局その様子を俺はただ黙って眺めていた。


     ▼     ▼     ▼

4362とある読み手の裏後日譚:2008/12/17(水) 22:49:47 ID:plguJvXg0


それからは不思議な時間が続いた。
外では皆が必死に戦っているというのに俺とS.S.はこの部屋で安全に鑑賞タイム。
俺も別段やる事はなかったから画面に映る奴らの行動を見ていた。
最初は映像だけだったが、途中から音も拾えるように俺が弄ってやった。

(iPodに内蔵されている電波送受信機能を色々遠隔操作しただけだ。だが、俺が中に入れておいた「バトロワ関連MAD集」はお蔵入りみたいだな。
 中身を全部視聴してくれたならこちらの情報を一つや二つ流してもいいと思っていたんだが、今更無駄だな。
 参加者に配られた支給品、それを選別したのは俺達読み手だ。読み手らしく後先考えずに注ぎ込む奴が多かったが、実際俺も同類か)

S.S.は画面の向こうの帰趨に一喜一憂していた。
どうやらこいつは対主催寄りの考えらしい。
ジョーカー達が次々と倒されていく様子を同じ主催側として少し悲しみながらも喜んでいた。
ドSが復活して猛威を振るった時はもうダメだって顔していたな。
あとはブッチギルンジャーが誕生した時は思わず俺までツッコミを入れてしまった。
そして最後の戦い。
どういう因果かK.K.も参戦していたが、3つの決戦はどれも凄まじいものだ。
そこで俺はふといつのまにか目の前で繰り広げられている展開に目を奪われている事に気付いた。
最初は真剣に見る気はなかったのに……いつのまにか隣のS.S.のように手に汗握って観戦している自分がいた。

俺は何をしているんだ。

そう思った。だけどすぐにこれでいいかと思い直した。

俺達は読み手の因子から生み出された存在だ。
どこまで行っても読み手であり、読み手以外の何者でもない。
だから、これでいいのかもしれない。
目の前で起こる物語に一喜一憂して、周りの奴と感想を言い合って、次に何が起こるのか期待して待つ。
そんな姿が読み手の姿の一つなんだろう。

そんな小難しい事を考えている自分に気付くと、途端にこの考えも馬鹿らしくなってきた。
どうやら隣にいるS.S.にだいぶ感化されたらしい。
全く何を考えているんだ。
S.S.は何も考えていない風で、ただ純粋に目の前の出来事に見入っていた。
俺を構成する因子の元にもそんな時があったんだろうか。

ああ、そうか。

今がそうなのか。


     ▼     ▼     ▼

4363とある読み手の裏後日譚:2008/12/17(水) 22:50:36 ID:plguJvXg0


「終わったね」
「ああ、終わったな」

最後まで残ったのは衝撃のネコミミスト唯一人。
それ以外は全滅だ。

観戦者である俺達二人を除けばだが。

それにしてもあの部屋丸ごと脱出艇にしておいて助かった。
フォーグラー落としに対抗してラピュタ防壁。
目には目を、巨大浮遊物には巨大浮遊物を。
まさにハンムラビ法典もびっくりの荒技だ。
咄嗟に発動させて脱出できたからいいものの、あのままだったら確実に衝撃で誰にも知られないまま死亡だったな。
そのおかげで最後の戦いをこうして外に出て生で見る事ができたんだが。

「これからどうすんだS.S.」

もうここには誰もいない。
ネコミミストも軍曹Jr.も既に別世界に飛び立ってしまった。

(何やらその後にスタッフロールとやらがwikiには掲載されたみたいだが、俺達二人は『読み手』で統一されたようだ)

広い大地には影が二つだけ。
この世界にいるのは俺とS.S.の二人だけ。

「そういや考えてないや。R.R.君はどうするの?」

問いに対して問いで返された。
呑気だなと思いつつも、全て終わったのだからそれでもいいかという思いもある。
以前の俺なら別に何もしようとは思わなかっただろう。
だが今はやりたい事ができた。

「墓を作ろうかと思う」
「お墓? 誰の?」
「それは決まっているだろ。このロワで死んだ奴、全員のさ」

幸い墓を作るための土地には困らない。
目の前にはどこまでも続く大地が広がっているのだから。
ただ数が多い分、大変なのは予想できる。

「でも道具はどうするの。スコップとか、あの部屋にあったけ?」
「もう忘れたのか」
「へ?」
「K.K.が言っていただろ。『想像力さえあれば何でも出来る』って。だから――」

俺は想像する。
墓を作るために必要な道具を。
そしてそれは――スコップは現れた。

「ほらな。死体は無理だが、墓標はフォーグラーやラピュタの残骸を使わせてもらおうか」
「ほ、ほんとに出てきたよ。でも、それなら墓を想像した方がよかったんじゃないの」
「それは無理だな。精々俺ではこれが精いっぱいだ、それに……」
「それに?」
「墓を作る事に、意味があると思うから」
「……そっか。確かにそうかも」

それから俺達二人は準備を整えてから墓を作り始めた。
ここは全ての流れから途絶された空間。
ゆえに時間という概念は既にない。
そんな中で俺達はただ黙々と墓作りに勤しんだ。
正規の参加者、主催側の人々、意志持ち支給品、それと俺達以外の読み手。
これだけの数を作っていると、いつの間にか墓の数を数えるのも馬鹿らしくなってきた。
だから最終的に墓が全部でいくつになるのか知らない。

(それでも構わない。ただ俺は墓を作りたいんだ。そして、それが終わった後に……)

まだこの墓作りにどんな意味があるのかはっきりとは分からない。
ただこの作業を終える事ができれば何かが分かる気がした。
そして、それ以前に墓を作る事で俺は何かを成し遂げたい。
そんな気持ちになっている気がする。
そんな俺の我儘にも関わらずS.S.は黙って従ってくれる。
もしかしてS.S.は俺が知りたい答えを知っているのだろうか。
いや、たぶんS.S.も分かっていないんだろう。
分かっていないからこそ一緒に墓を作って何かを見極めようとしているのかもしれない。
まあいいか。

時間の流れはないが、それでも墓はその数を増やしていく。
ただ作るだけでは区別がなくて味気ないので所縁の品を置いておく事にした。
なんとか想像できる範囲の物やフォーグラーやラピュタの残骸の中に残っていた物で助かった。

4364とある読み手の裏後日譚:2008/12/17(水) 22:51:15 ID:plguJvXg0

そして、ついに最後の一つが完成した。

「ふぅ、終わったか」
「これで全員分だね」

見渡す限りの一面が広大な墓地になっている。
その墓が一面に広がる光景からはよくある不気味という印象ではなく、何か別のものを感じる。
敢えて言うなら壮大という印象を受けているのに近いかもしれない。
死体は当然ながら中にはないが、仕方ないか。

「俺は何かを残しておきたかったんだと思う」
「何かって?」
「たぶん『ここにいた』っていう証みたいなものかな。墓がここにあればいつまでもあいつらがいるような気がしてな」
「やっぱり自己満足だね」
「なんとでも言えよ。俺はただあいつらの事を忘れたくなかった。形にして残したかった。ただそれだけだ」
「でも、それってwiki見れば済むんじゃないの?」
「それと後一つ――」
「?」
「いろいろあったけど安らかに眠ってほしい。そう思ったんだ。
 ほら、ロワ中だったら碌な目に遭わないから。ゆっくり墓を作れるのはこういう時だけなんじゃないか」

結局明確な答えとはこれだったのだろうか。
たぶんそんな気がする。
俺の気持ちに偽りはない。
あの地にいた皆は俺とは違って何かに必死だった。
何かを為そうと生きていた。
K.K.はここにいる者は虚構と言ったが、それは違うと思う。
何人もの参加者が言っていたが、俺達はここに確かにいる。
それだけで十分だ。

「……R.R.君もそう思ったんだ」
「ん? 何か言ったか」
「別に。で、墓も作り終わったけど、どうしよっか」
「そうだなあ。とりあえずは墓の手入れでもしながらパロロワものでも読み耽るか。感想付けたりWikiを編集したり……」

あとは誰かここに来てくれれば尚いい。
そうすれば俺達があいつらの事を話してやれる。
そしてあいつらの事は伝わっていく。
ここで何があったか。
どんな想いで皆が生きていたか。
実際はそんな大層なものでないかもしれないが、それでも俺は思う。

「もしかしたらこれが生き残った俺達がするべき事なのかな」

記録は受け継がれていく。
その記録はいつの日か伝承になり、伝承はいつの日か伝説になるのかもしれない。
別世界であいつらの活躍が語り継がれる。
そんな夢幻の如き想像も読み手なら許されるだろう。

4365とある読み手の裏後日譚:2008/12/17(水) 22:54:08 ID:plguJvXg0
投下終了。なんか長い?まあいいか。
こんなのもアリですよね?

4366名無しロワ 完結編:2008/12/17(水) 23:12:37 ID:TWz7wHUU0
投下乙です!
なるほど、読み手視点で来ましたか……。
あくまで読み手らしく傍観者に徹した二人に、すごく感情移入できました。
GJです!

4367名無しロワ 完結編:2008/12/17(水) 23:31:31 ID:g3WSzTZE0
投下乙!!
読み手達の物語――そう、物語を楽しませてもらいました。
モブキャラで、ついでにとばかりに死んでいった読み手達。
でも、そんな彼らにもやっぱり命と心はある。
命を弔い、書き手たちの生に魅せられ、見届けた彼らがいい味を出していました。
後何気にいいキャラだ、R.R.、S.S.w
名前にそんな秘密があったのかw
IPOD、将軍に乗っ取らせたりはしたが、中身捜索はすっかり忘れてたなw
墓だらけな広大な地が脳裏に浮かぶ、心に響く哀悼話でした

そして逃げて、お前らw
あの子、帰ってきちゃう前にw

4368祝いと呪いに関する考察:2009/02/08(日) 02:39:17 ID:8EJAWGEE0
祝う。それは、対象の幸せを祈る行為。
呪う。それは、対象の不幸を願う行為。

180度意味合いを違える言葉は、奇しくもそのつくりに兄を持っている。
ああ、勘違いしないでほしい。このSSにアニジャ氏は出ない。
そもそもこれはSSなのか、その辺りから考えたくもなるのだがここでは割愛しよう。
へんとつくりに分解してこの二つの文字を読み取ると、
しめすへんは文字通り「示」という単語から簡略されたものであり、その意味は祭壇を意味する。
くちへんは文字通り「口」から吐き出されるものを意味する。
その点を加味してこれを解字すると、
祝いは祭壇に跪く人(兄は、まあorzと同意義と思っていい。面倒だし)、即ち神の前で祝詞を紡ぐ神職を表していた。
呪いは口から何かを言う頭の大きな人(象形文字ってのは古代のAAなのだろうか)、即ち神前にて祈る人を表す。
神前の「空」はいい曲だと思う。というか、小鳥さんがいい。律子があの事務員服を着ればもっといい。
でも若林示申のあの純白のウエディング姿が一番いいと思う。いや、平田母さんのメイド服も捨てがたい……

が、今一番興味深いのはこの解かれた二つの文字の共通性だ。
その善性、悪性は真逆でありながら“神に祈る”という行為という観点でこの二つは同質なのだ。
この二つの漢字は本来同じものだったのだ。それが時を経て分岐し、その性質を両極に配することとなった。
表面的な性質では全く同じでありながら、その根源は口から放たれるまで判別しない。
幸せを願うという素敵な響き。不幸せを祈るという苦味。
今私の目の前のコーヒーとミルクの混ざり始めのように、綾をなす曖昧さ。それこそが人間の色相。

不確定な猫の箱のように、同質でありながら異質。まるで、私の言葉のように。

だけど、コーヒーってのは大概…………とと、流石にこれ以上は前置きとして長いか。
いや、なぜこのような話をしたかというと、少し祝いたいことがあったのだ。
本来ならば、もっと先に祝うべきことがあったのだが……私は未だそれを祝ってない。

私は、今まで呪いの言葉しか紡いでこなかった。
そんな私に、誰かを、あるいは何かを祝うなんて資格があるなどと思えるほど私は楽観主義者ではない。

だけど、私は同時に、どうしようもなく自分勝手だ。それ位の自覚はある。
これが「祝いたい」という感情かどうかは別にして、この感情が巻き起こってしまった以上は祝うよりない。
祝うには、二つの要素が必要だ。何「に」祝うか、と何「を」祝うかだ。
前者の方は未だ縋るべきものを見つけていない私には悩みどころだが、とりあえず後者に関してはハッキリとしている。
しかし、困ったことが一つ。“私は死んでいて、彼女は生きている”という点だ。

「となれば…………外すよりないか、これを」

【HN「七氏」@テイルズロワ 死亡】

4369祝いと呪いに関する考察:2009/02/08(日) 02:39:55 ID:8EJAWGEE0
私は、困ったようにそれを見つめる。パロロワにおける窮極にして絶対の封印。
神さえもこれで殺されれば何も言えぬ、箱を殺す言葉。
カオスロワであってもこれを厳密に外す方法は無い。
夢オチにせよ蘇生にせよ、一度死んだという事実は書き換えられない。

世界の第一言語。それを外しては世界が、パロロワが成り立たぬ。

はあ、と私はため息をついた。深呼吸をして、今から自分がしようとしていることを客観視する。
空気が読めてない。独りよがり。⑨。しんじゃえばいいよ(釘宮)。
台無しではないか。何もかもが、彼らが成した全てに、全部とは言わぬが水を差すことは必定。
あー、00の釘宮がアイマスメンバーの中ではスパロボ入り最速だろうなあ……でも、ゾイドジェネシスが出るなら……
首を振って、私は妄想に逃げようとした脳を現実的な部分に切り替えた。
空気王氏、古泉ネームレス氏、ヨッミー氏、666氏、漆黒の龍氏etcetc……長きにわたって書き手ロワを構成した兵達。
強かった。掛け値なしに、強かった。
空気王氏のシンプルでありながらそれ故に強固な文体構造は、常に積載量オーバーな私は追えなかった。
古泉ネームレス氏のキャラ描写には舌を巻いた。最終決戦中に修行というのは、凝り固まった私にはない視点だった。
ヨッミー氏は……止めよう。同じ土俵に立ったら負ける。怖い。ブッチギルンジャーは未だにトラウマだ。
666氏の視点は恐ろしいものがあった。戦慄の伏線、などという生易しいものではない。あの視点に至るにはあと何冊本を読まねばならんのか。
「主演、空気王氏。監督・助演、古泉氏。演出・大道具、ヨッミー氏。脚本・666氏というところか。なんとも清々しい」
中途半端に時間を重ね、脂ぎった中年のような書き手になっていた私には、彼らの若さや力強さが眩しかった。
二度と取り戻せぬ、そして一生得られないであろうものがあった。
彼らの組み上げた舞台を台無しにする……そんなことは、絶対に許されない。何より、私が許せない。

「だが……やむを得ないか、死んでしまっていては彼女を祝うことができない」

別に最後の勝利者になりたいとか、笑っちゃうのは私のはずとかいう気分が無いと言えば嘘になる。
だが、そんな低俗な理由だけで台無しにできるほど書き手として落ちたくもない。
それだけの理由ならそれこそもっと早い段階で『式』を発動している。

祝いたい。それだけが望みだった。
全てを勘案したのち、私は……七氏は、指を振った。あの能力を発動する。

「闇に囁く言葉責め、起動。七氏の死亡を決定する境界条件式を確認」

周囲に文字列が並び、七氏はそこから幾つかの単語を抜き取って配列した。

【境界条件1:直接死因条件。クマのプー太による光子化】
【境界条件2:最終観測条件。生存読み手による会場世界の生命体観測】

4370祝いと呪いに関する考察:2009/02/08(日) 02:40:35 ID:8EJAWGEE0
七氏の能力は、歴史の改竄である。
生存していたころの七氏はそれを参加者の心理操作に用いていたが、それは能力の一面的なものにすぎない。
可能性を掘り起こし、確定された事実の中の不確定な未知を抽出し、それを自分の思い通りに測定し直し、再確定させる。
言わば、未確認支給品を発見し確定させて、それを基点として物語を動かすように。
シャリダムの汁や、バトルマスターのコインなどがそれに代表される。
「……これだけなら、まだ外せるんだがなあ……」
七氏は腕を組んで悩む。書き手的能力であるこの技にも弱点が当然ある。
それが、既知。既に確定されてしまった事象を書き換えることは七氏にはできない。
物理的な理由さえ整合がつけるだけなら、いくらでも出来る。
リバースドールは数回出たし、死に際に能力覚醒なんてこのロワでは珍しくない。
「だめだ、それじゃ式が綺麗にならない。汚い理論なんて、誰も面白くない」
だが、七氏はそれを拒んだ。整合さえつけば通るなどと信じてはいないし、何よりそれは七氏の趣味に反した。
与えられた数値の中で式を組み上げるのが楽しいのであって、
式を組み上げるために数値の方を弄るのでは本末転倒である。歪曲率は小さいほどいい。

【境界条件3:概念事由条件。七氏が生きていなければいけない必然性の欠如】
【境界条件4:殺害動機条件。666が七氏を見逃す理由の欠如】

境界条件を全て並べ終わった七氏は一息をついた。
放送担当の感電氏が地上に降りて河岸を変えた以上、ジョーカーである七氏は死亡を主催者側の観点で“確定”させることができない。
それだけが唯一の救いだった。これが死亡“確定”だった場合この手順は更にあと10手は増えていただろう。
「もっとも、それだけの理由で崩せたら苦労はないんだけどな」
七氏は666に狙われて死んだ。それだけで難易度は桁を超えて跳ね上がる。
この書き手ロワにおいて彼女が最後に構築した式は恐らく一番強固だ。
それは調子に乗っているとかそういう次元の話ではない。
彼女を取り巻く全現象が、ほぼ完全に一本の線によって描かれたそれは幾何学的な美しさを兼ね備えている。
崩すことなど、出来はしない。下手に手を出せば取り込まれる。そういう恐ろしさがあれにはある。
だが、それでも、それでも。影の無いものなど、絶対に無い。
自嘲的な笑いを浮かべる。言うならば、心臓の直撃は避けてはいるが、出血・監禁・監視等で拘束されていて回避できないというところか。
七氏を縛る境界条件はあまりにも大きい。数は少ないが、どれもが厄介だ。
「だけど……条件が厳しいということは、正解に至る道はより明確だいうことでもある」
たとえ難しかろうが、条件は多ければ多いほど計算が楽だ。間違いと正しさがハッキリしているためそれを当てはめるだけでいい。
そういう観点から見て、私は開始後のSSを積極的に掛ける人をうらやましく思う。私は他人が用意した条件を弄ることしかできない。

未知を既知に変換することしか出来ないのに、無から有を生み出せない。
書き手として欠陥している私にできることは、せいぜい……こんなことしかない。

「計算開始。七氏の死亡を解体する」

4371祝いと呪いに関する考察:2009/02/08(日) 02:41:00 ID:8EJAWGEE0
書き手は光を放つ。その強弱や色合いは異なるが、それは絶対だ。でなければSSを発表するという視覚的行為を行なえない。
だが、陳腐な言い回しになってしまうとはいえ、“光が出来るところには必ず影が出来る”。
誰もその理から逃れることは出来ない。様々な書き手によって照らされる事象には、どこかしらに“影”ができるのだ。

「いくぞ書き手ロワイアル。その現実を、僕の嘘が凌駕する」

そして、闇さえあれば、私はなんだってできる。私だけではない。全ての書き手に許された権利だ。


とある世界の関東某県、生田市。そこに居を構える「喫茶アミーゴ」に、バイクの排気音が近付いていた。
通り過ぎるだけかと思えたが、 バイクはそこでブレーキを効かせ停止する。
客だろうか。だが、ふらっと立ち寄るにしてはその喫茶店は少々一見さんを寄り付けさせぬ威風を備えている。
それはどうやら的外れではないようで、その乗り主は店の正面ではなくバイクごと裏手に回った。
手慣れた様子でバイクを車庫に入れる様子は、乗り主にとってここは勝手知ったる自分の庭であることを教えている。

ヘルメットを脱いだ乗り主――――――――沢城昴はふうと汗ばんだ顔で大きく息をついた。
ここの店員兼正義の味方である彼女は今しがた、衆議院議員を含めたハイジャック事件を解決してきたばかりだった。

ライダースーツを脱いだ彼女は店に戻るかと思いきや、居住部分のシャワー室に向かう。
以前一仕事終えた後即座に仕事に戻ろうとしたら、おやっさんがそれを制した。
喫茶の主であるおやっさんがいうには「店に立つなら身綺麗にするくらいの気遣いは持て」とのことだ。
(あんま汗とかはかいてないはずなんだけどなあ……)
インナーを脱ぎながら彼女は自分の腕や腋に鼻を近づけ、くんくんと自らの体臭を嗅いでは見るのだが自分ではよく分からない。
タブを回して適温になった水が無数の穴から噴出し、粒子となってまだ幼い(というカテゴリに属するだろう)柔肌を打つ。
まあ、いいかと彼女は束の間のシャワーを楽しむ方向に頭を切り換えた。
それが必要かどうかは別にして、昼の間にシャワーをするという贅沢が嫌いな訳ではではない。
瞑る瞼越しに伝う湯の温かさが心地よい。あの一日を考えれば、それは至福といってもよい。
「っ―――――」
シャワーを楽しむ彼女の眼が顰められる。頭痛によって生まれた刺激に、昴は浴室の床に座り込んだ。
湯の熱を受けて上気する肌と息。艶やかな青髪より滴る水が床に落ちる音と荒れた息が浴室に残響する。
耐えられる程度のものになったところで、彼女はようやくゆっくりと瞼を開いた。
正面の鏡には、バンダナを外した彼女の額が浮かんでいた。そこには「            」た。

4372祝いと呪いに関する考察:2009/02/08(日) 02:41:25 ID:8EJAWGEE0
いくらおやっさんからの命令とはいえ、昼間に長湯としゃれこむほど彼女は自堕落ではない。
バスタオルに肌の潤いを分け与えて、予め用意してあった下着と制服に袖を通す。
(なんで、今頃になってアレを思い出すんだろう……)
心に刺さった茨の棘が、ちくりと痛んだ気がした。
湯冷めのように、今まで彼女を包んでいた幸せが一瞬で剥ぎ取られたようで面白くはない。
だが、その程度の気分の沈みで仕事を休むなら世界中は社会不適合者で溢れ返っているだろう。
まだ常連客の皆が幾人か残っているだろうから、自分の有無はそこそこ重要な要点になってくる。
彼女はぺちんと両の頬を叩き、彼女のもう一つの戦場へと舞い戻った。

「只今戻りました〜〜〜〜……って、あら?」

『いよっ! 我らがお姫様のお戻りだ! 平伏せ愚民どもっ!!』
『なんかまたスバルちゃんがいないうちに事件解決しちまったみたいだぜ?』
『分かった、スバルちゃんは実は魔法少女でディバインをバスると一撃必倒で解決しちまうんだよ』
『日本語でしゃべれゴルァ!!』

という常連客の皆様方の熱いラブコールが来るものかと思って身構えていた彼女は盛大に肩透かしを食らうことになった。
仕事に出かける前にいたお客さまは一人も残っていない。
カウンターでマスターと談笑する新規客が一人いるだけだ。それ以外は何も、誰もいない。
斜陽に赤みがかかる静寂は、まさにまどろみといった昼下がりの午後がここにあった。

「いや、つまりだな? 事件の中心人物は恐ろしいといっていいほど陣地を築いていた。
 全ての原因はそこに結び付くといってもいいし、彼女もまた積極的に関わってないものと関わりにいっていたからね」
「なるほどねえ……」

おやっさんに声をかけようと思ったのだが、それを見越したようにおやっさんは目だけでそれを制す。
アイコンタクトシリーズナンバエイト『厄介な客だから少し退いてろ』だ。
ああ、なるほどなと昴はその年ごろにしては落ち着いた観察眼で客を見極めた。
旅人なのだろうか、そのローブは元が白であっただろうに埃塗れで黒ずんでいる。
髭はないようだがお世辞にも身綺麗とは言えない。
頼んであるのはコーヒーだけのようで、どうやらそれだけでかなりの時間しゃべり続けているのだろう。
なるほど、おやっさんがそれを昴に言うのもよくわかる。ほかの常連客は気分を害するまえに足早に帰って行ったのだ。

「だが、彼女は有能であったがその駒はそうでもなかった。
 熊と赤子、この二人は単騎としての性能は素晴らしかったが“二人は主に対する観測を違えていたんだ”。
 熊・赤子。この2点によって計測される主という事象には齟齬があった。主は……自分以外のことに関しては穴を作ってしまったんだ。
 異なる真実が形成されてしまった以上、どちらか、あるいはどちらもが偽だ。真実は不確定となった。
 多分、駒を使わずに自分だけで観測を行っていれば、そこに一欠けらの穴もなかっただろうにね」

4373祝いと呪いに関する考察:2009/02/08(日) 02:41:52 ID:8EJAWGEE0
熱弁をふるう旅人に無言で付き合うおやっさんに、昴は素直に感心する。
おやっさんは客を選ばない。客に選ばせるのだ。
だからこそ、このうらぶれたような喫茶店は区画整理などの憂き目にあわずに自らをここに維持させている。
だが、それに気を良くしたのか旅人は更に熱弁を奮っているのだが、昴にはほとんど理解できない。
お客にこういうのもなんだろうが、頭の中は一生分の花が咲いているのだろう。
(それに、なんだろう…………なんか、……気持ち悪い……)
風体がではない。顔でもない。汚れでもない。口? もっと、奥の……
得意分野というものが存在する以上、自分の出番はないだろうと昴は自分のことを考え始める。
この前ネットの仲間たちで立ち上げた創作サークル@七人の同士の同人誌の締め切りがそろそろ近い。
仲間たちが書き上げたSSがそろそろ届いているだろう。一応サークルの主宰として中身を検閲しなければならない。
以前サークルカットを見せられたが、そこに書かれた恐ろしい面の編集長に顔負けせぬくらいには。

「――――――おかげで言海から現界へと戻るのにこれだけの時間がかかってしまった……とと、もうこんな時間か。
 マスター、勘定。いやはや、楽しいひと時だった。礼を言うよ。何ガルド……ああ、こっちは円だったか。
 釣りはいいよ。そこで舟を漕ぎ始めているお嬢さんに目覚ましのコーヒーでも与えてやってほしい」

思わぬところから自分に対する言葉を投げかけられ、昴ははっとする。
しかし気付いたところで時すでに遅く、日は既に傾きかけ自身は机に盛大な涎の池を作っていた。
うわわわ、と立ち上がろうとするが、体のバランスを崩して椅子ごとひっくり返ってしまう。
おやっさんがやれやれと眉間を揉みながらため息を付く音が聞こえた。

ててて、と小さなお尻をさする彼女を照らす明かりがさえぎられる。
電球と彼女の間には、彼女に手を伸ばす旅人の影があった。

「大丈夫かな?」
「ど、どうもすいませ――――――――ッ!!!」

昴は、そこでやっと気づいた。
その旅人がおやっさんに背を向けて、自分に向けて酷薄な笑みを浮かべたことを。
そして、彼女は……衝撃のネコミミストは彼を知っている。

「な、なな…し……」
「久しぶりだな、主人公。壮健で“なにより”だ」

七氏。ネコミミストとChain−情が見た最初のジョーカー。
言葉を弄んで彼ら二人を翻弄し『孤城の主』の初演への参入を封じたモノ。
正気を取り戻した蟹座氏とバトルマスターの絆を引き裂いたヒト。
そして、ネコミミストに『呪い』を与えたナニカ。

4374祝いと呪いに関する考察:2009/02/08(日) 02:42:12 ID:8EJAWGEE0
もう過ぎたことのはずの残滓が、今彼女の前に顕現する。
ネコミミストは知っている。あの殺戮ゲームにおいて彼が死亡を確認されたことを知っている。
ならばこれは古傷が見せる白昼夢? ありもしない幻? とびっきりのご都合展開?

「あ、あなた、どうして…………」
「つれないことを言うなよ。こうして会うのも“4度目”だぞ?」

あえて陳腐な言い回しをしよう。
この場にて沢城昴が打つべき最善は有無を言わさず彼の頭蓋を殴ることだ。
たとえその後ろにいるおやっさんごとこの店を破壊したとしても、二度と言葉を吐けぬほどに壊してしまうべきだった。
まあ、それが出来ないから彼女はネコミミストなのだが。もう遅い。
彼女はそれをおかしいと思ってしまった。一度目は学校跡で、二度目は蟹座氏が分離したとき。
“ネコミミストは2回しか七氏に会っていない”。

「正直“が”三度目だ。確かに“ネコミミスト”と七氏は2回しか会ってない。この事実を認める。
 だが――――――――――“お前”なら“本当の二度目”の出会いを覚えているはずだ。なあ不死者。その手より知識を食らうものよ」
「あ、あああああ――――――――――――――――」

掌が、脳が、心が焼けつくように痛い。お願い、やめて、開かないで。
覗かないで。除かないで。あの人を思い出させないで。
私は耳を閉じる。目を瞑る。だけど聞こえてしまう。見えてしまう。それは内側より来るもの。知識にあらぬ記憶。
だけど、そう、“私”は会っている。七氏と、一度会っている。ネコミミストの一度目と二度目との間に。
継承された記憶。奥底に沈んでいた泥が振動にて跳ね上がる。言葉にて誘引されるその記憶の名は―――――黒猫。

「直接会うのはこれが最初か。こんな辺鄙な場所へようこそ、全ての黒幕」
「そして恐らくはこれが最後となる。ダイヤモンドの礼を言おう、舞台の主」

第四回放送前の―――――――――――“ラピュラの未支給品保管庫で”!!!!

4375祝いと呪いに関する考察:2009/02/08(日) 02:42:33 ID:8EJAWGEE0
七氏が何故生き残ったか。そもそも沢城昴が見つめる男は本当に七氏なのか。その確証はない。
七氏の死亡が真実であるならば、これは幻。最近の激務&執筆にて彼女が見た夢かもしれない。
七氏の死亡が虚実であるならば、これは現。明確な意図をもって設計された必然の再会。
どちらが正しいかを論じる意味は既にない。はっきりいって遅すぎる。
だが“七氏が死んでいない可能性”を以て、あのゲームにおいて僅かに残されたものを埋めることはできる。

七氏死亡を規定する条件式は四つ。ならば答えも四つの現象にて処理しよう。

【七氏のなりきりキャラであるキール=ツァイベルは任意に選択できる保管庫から最後の武器として超重量級装備であるパニッシャーを選択、装備した】
【最初に舞台に降り立ったナナシは偽物であり、以後複製できないとされた。その条件を規定したのは七氏である】
【七氏が殺害された理由は赤子視点では大蟹杯暴走阻止であり、プー太視点では対主催の更なる減少阻止である】
【赤子視点より、666は大蟹球発動までフォーグラーの中にいた。そして“学校跡で死んだプー太氏”が守護騎士化した】

条件1・2を抜けるには、死体すり替えによりデコイを用いてプータを避け、
フォーグラーとラピュラが投げアイテムになる前にゲームより完全に退席するよりない。
それは数値1・2の複合、および七氏が担当していた大蟹杯の性質にて回避できる。

条件3は七氏が生きてても大差ないことを説明すればいい。
SOS弾を666が所持していることから、大蟹杯暴走と七氏の死亡はイコールにはならない。
対主催の更なる減少を阻止すべきプー太は対主催戦力になりうるバトルマスターと蟹座氏を七氏が殺すところを確認している。
赤子視点で破綻。プー太視点でも破綻。666の七氏殺害は別の動機によるものである可能性はある。

条件4を説明する鍵が、残された違和感・数値4だ。666はフォーグラーが大蟹球化する前にラピュタへと移動した。
逆にいえば666と言えども蟹球化後は会場の移動は出来ない、あるいは難しかったと解釈できる。
どうやって会場にあるプー太氏の死体を回収する? その手段は? それはどうやって齎された?

いや、そんな下らない前戯さえ無用。“なぜ大蟹球発動前に666はフォーグラーがああなることを知っていた?”
存在しない情報はメタ視点を持っても観測不可能。なのにどうやって666はあの絶好の位置を陣取れた?

おそらく、これらの問題点へのアプローチは一つではないと思う。
七氏がステ強化ハーブを使用してパニッシャーを持ってもいいし、666の暴走をノイズとして使ってもいい。
無限の解釈が許されるからこそバトルロワイアルは面白い。“だからこの解釈さえ存在できる”!!

そして解釈できる以上、言葉を束ねる七氏は存在できる。沢城昴は箱の中の悪魔と対峙する。

「あの時、666が貴方を殺したって……あれは……!!」
「7氏だろそれは? 666視点でなんの矛盾もない……っ!」

4376祝いと呪いに関する考察:2009/02/08(日) 02:43:03 ID:8EJAWGEE0
沢城昴は、衝撃のネコミミストは全てに納得せざるを得なかった。
彼女に刻まれたその記憶、黒猫と七氏の会話が正しければここにいる七氏は紛れもないオリジナルということになる。
しかし、なによりも彼女を恐怖させていたのは“自分以外の記憶が自分のものとして何一つ不自然なく想起されたこと”だった。
「……気づいているのだろう? お前と666は一つになった。その知識も、その醜悪も、その狂気も、全てがお前のものとなった。
 あの七十年童貞を保った賢者が、セラードの含有する知識を全て継承したように。お前は666の全てを受け継いだ」
ネコミミストがこの世界で今まで言葉にしなかった靄を七氏が括る。
『愛している』。知識として怨念として感情として。その無限の言葉が、彼女の内側で鳴り響いていることを。
“それらが、少しずつ自分と溶け合っていることを”。
「ネコミミスト。お前があのゲームを終わらせてから何をしていたのかはあの親爺さんから聞いた。
 その上で一つ問おう。何でこんな“無駄な”ことをしている?」
「無駄、ですって……?」
けたたましき頭痛にて内側より襲い来るノイズを掻き分けて、外側より入り込む一閃。
「誰とも知らぬ、名前も分らぬニンゲンを来る日も来る日も助け、救い、悪を討つ。これ以上の無駄を僕は知らない」
「無駄なんかじゃ、無い!!」
ネコミミストの両の手より剣が浮かび上がる。投影『マテリアルブレード』。
こちらの世界では使わずに済ませていたあの頃の力を、七氏の首筋に這わせる。
無言のまま首の皮一枚に剣を押し当て、ネコミミストは目の威圧だけで黙れ・帰れと七氏に命令する。
あの戦いを生き抜いたものとして、力無き者の牙として、無為に生きて野垂れ死ぬことだけは絶対にできない。
それが、死んでしまった人たちにたいして私が捧げられる、唯一の花。
しかし七氏はその剣を見て楽しそうに笑い、その花を踏み躙った。
「無駄だな。塵芥を何億拾い集めようが、お前が失ったものは戻ってこない。お前はある一つの可能性を敢えて放棄しているからだ」
「!!」
彼女の筋肉が無意識に震え、ぶしゅりと七氏の首筋に血を垂らす。
あ、とネコミミストが反射的に謝罪を言う前に七氏が目を細めた。
「666の知識をお前は全て修めた。不死であるお前ならばその全てを未来の果てに体現できるだろう。
 分かるか? 猫もまた獣だ。お前は獣の数字に至る資格を、その手に得たのだ。
 そのギフトをひた隠しにして、オリジナルは無事と言い聞かせて彼らを救う可能性を放棄して、
 いずれお前より老いさらばえて死んでいく無名の連中を救うことで自らを慰めているお前の人生が、無駄でないという保証がどこにある」
静寂の喫茶店に、双剣が崩れ落ちる音が甲高く響く。
目を反らしていた、気付かずに済ませたかったそれが七氏の切開にて臓物の如く開陳される。
世界全てを救う力も、世界全てを滅ぼす知識も、何もかもが。賢者の石は彼女の掌の中にある。
「そんなの…………出来ない…………できる訳が、無い……」
嗚呼、悪魔が囁いている。内側より囁くは全ての事象と繋がった黒幕。外側より囁くは現象そのものを組み上げた舞台。
出来るのだ。その気になれば、たった一言その言葉を返せば。

「愛していると応えてやれ。さすれば、666の持つすべてがお前のものとなる。
 新しき獣の数字を継ぐものとして、お前は世界<バトルロワイアル>の主催者となれるだろう」

4377祝いと呪いに関する考察:2009/02/08(日) 02:43:29 ID:8EJAWGEE0
ネコミミストが崩れ落ちる。
不死者である以上、タイムオーバーは存在しない。生き続ける限り、666は彼女に愛を囁き続ける。
囁き続ける限り、書き手ロワ2の傷は彼女の中で瘡蓋を剥がされ続ける。生傷は彼女の心に染み渡る。
それでも彼女は気丈に笑うだろう。いつまでもいつまでも愛撫と殺傷を繰り返していつか滅ぶその時まで。
そう、この世界は永遠の拷問。ネコミミストが666の愛を受け入れるためだけに用意された、哀れな牢獄。
不死と死の境を越境した666が組み上げた、永遠の愛だ。

「邪魔をしたな。もう会うことはないだろう」
七氏が脇を抜けて出入り口へと向かう。ネコミミストが数秒遅れて七氏のほうに振り向く。
何か、言い返さなければ。ここで抗わなければ、二度と取り返しのつかないことになるという確信がある。
「ああ、そういえば知っているか?」
だが、それすら承知と言わんばかりに七氏が台詞を被せる。
「地球破壊爆弾、クールなロリスキー、忘却のウッカリデス、熱血王子、静かなる 〜Chain-情〜に素晴らしきフラグビルド。
 こいつらまたロワに呼ばれたらしいぞ。なんの括りかは知らないけど、彼らも可哀想に。
 また碌でもない目に逢って、碌でもない死に方をするのだろうな。“仕方ない”。なぜならそれがバトルロワイアルだから」
流石にその時ネコミミストに電流走らざるを得ない。
安らかに眠りにつくはずの彼らが、誰かの思惑によって再び殺しあいに立たされているのだとすれば。
だが、書き手としての認識を持つ彼女にロワを外部介入で潰すことなどできるはずもない。
救えるものを手近に救い、救いたいものは遠くて救えない。彼女が手を伸ばさないから。
彼女の怠慢で、彼らは永遠に殺され続ける。wikiを新しい読み手が見るたびに、殺されていく。
どうしようもない真理に、ネコミミストの眼尻に大きな涙が一粒浮かんだ。
「まあ、もうロワから足抜けしたお前には関係あるまいよ。精々この世界で救うだけ救っていればいい。
 救うべきものを救えずに何れは摩耗して、その投影使いと同じ末路を辿るだろうさ」
板挟みになるネコミミストの心を十分楽しんだというように七氏は扉に手をかけた。
時は既に夜になっている。冷たい風が、店に漂うコーヒーの香りを掻き消した。

「さようなら主人公。“だから忠告した”のだ、お前はあそこで死んでおくべきだったと」

4378祝いと呪いに関する考察:2009/02/08(日) 02:43:52 ID:8EJAWGEE0
閉じられる扉と、客の退席を示す鐘の音。
コーヒーメーカーの中の黒い液体がポツポツと下に落ちる。
「おい、昴。さっきの客は、お前の知り合いか? ……どうした、おい、しっかりしろスバル!!」

「うっ……うう…………」

床に毀れ落ちる滴の精製は、コーヒーのそれよりも早い。
一粒落ちるたびに、七氏につけられた傷を思い起こす。今穿たれたものではない。
もっと古い、一番最初の傷。あの学校跡で、まだ何も知らずにいられたあの頃のときに。

【では聞こうか。ネコミミスト、恐らくこれが“君が自由に死ねる最後のチャンスだ”】

あの時に全ては決定してしまっていた。七氏は既にこの時点で、必然を預言してしまっていた。
彼女と共に走り抜け、彼女の前に立ち塞り、彼女と出会いもしなかった全ての物事があの時点で決定されてしまっていた。
この舞台に配された運命は変わらなかった。カミサマの一手は、止められなかった。

「うう……ひっく、ふぇ、うええええええぇぇぇぇぇぇ…………」

カミサマ、もしそんなものがいるとするならば願います。どうか、今日だけは泣かせてください。
明日、目が覚めたら笑って、またいつもの私に戻りますから。
明日は来る。その次の日も、そのまた次の日も、絶対に来る。
ネコミミストは死ねない。彼女の信念のもと・その不死のもと死ぬことはできない。ネコミミストである限り死ねない。
でも、明日彼女はネコミミストだろうか?
明後日もネコミミストだろうか? 一週間後はまだネコミミストなのか?
一箇月後は? 一年後は? 一世紀後は? 次のミレニアムには666になってしまってはいないだろうか?

祝いを示す「示」は祭壇。裂いた頭を台に乗せて血を滴らせる祭壇なるならば。
笑え笑えよ優勝者。いつその笑みが罪人のモノになるかに脅え笑うがいい。
それがそれこそが、生き残ってしまったものの咎だ。姥捨て山まで背負っていけ。

「うわァァアァァァァァァァァァッァァァァァァァァァッァァァァァァッァァ!!!!!!!!!!!!!!!!!」

『お前が鬼編集長として第三回の主催者になる』
そういうの可能性を楽しんでこそ、脱出は趣があるのじゃあないかなあああ!?!?!?!

4379祝いと呪いに関する考察:2009/02/08(日) 02:44:26 ID:8EJAWGEE0
寒空を切りながら私は歩く。叫びに定評のある千和ヴォイスがここにまで聞こえてくる。
ああ、出てきた甲斐があった。最後の勝利者に渡されるものが幸せだけでは帳尻が合わぬ。
いくらネコミミストが生き残る優勝エンドの可能性が99%だったとしてもだ。
読み手は敢えて未来を読まなかったのではない。確定された未来だと分かっていたから怖くて読めなかった。

大蟹球が発動した時点で盤上の極チート級は地図氏・繋ぎ氏・管理人・666・魔王・将軍の6人。
チート級は666戦・管理人戦に残さなければならないからジョーカー戦で摩耗するのは残りの連中になる。
「ジョーカーは最初からここで切る捨て札だ。敵味方が分散する最悪の消耗戦にして、666が最も有効に動ける三つ巴のなあ」
それだけならばまだ戦力も残ったであろう。だが、ここで二つの問題が対主催に発生する。
Ⅰ・ドSの繋ぎ氏乗っ取りによるDSRXの出現
Ⅱ・タイダルゲートという対主催サイドの勝利条件&敗北条件の追加
この二つが彼らからほとんどの希望を消し去ってしまった。
爆弾VS繋ぎ氏の戦いであまりにも時間と手札と手番を使ってしまった彼らは、ドS終了時に殆どの余裕を使い果たしてしまっていた。
全うに全員を集結させて666と戦い、その後管理人と戦えばいいものを、
彼らはタイダルゲート阻止の観点からもっとも愚策とされる戦力の分散をせざるをえなかった。奥の手の繋ぎ氏を管理人に切ってしまったのだ。

そして一般参加者が死に絶えた時点で、チート級対主催の生存の目も限りなく消失した。
「いうなら大貧民の“2上がり禁止”だ。繋ぎ氏や爆弾が優勝して全員生き返らせました、なんて指し手が打てるわけがない」

それでもその死亡確定を逆手にとってタイダルゲートは破壊されるだろう。
その時点で主催側は勝利条件の達成が不可能になり、敗退が決定する。
ガチルートになってしまえばそこで将軍は指し場所が無くなり、そのまえに盤から落ちるよりない。
対主催が積み、主催が破綻し、“勝利条件を達成できるのは666しかいなくなる”。

未来は無限の可能性があるとは誰が言ったか。無限の未来? それっておいしいの?
ネコミミストがこうなってしまうのは、これほどまでに必然だというのに。

「だが」
七氏がそこで立ち止まる。歯茎に挟まった魚の小骨を気にするように不快さを顔に出した。
「何故ネコミミストがまだ自我を残していた? もうとっくに666に食われていたものだと思っていたのに」
彼女がああして生き延びたということは、恐らく666は本願を叶えて彼女に食われたのだろう。それは間違いない。
意図的に隠されたであろう幾つか以外の666の記憶を全て知った上で、ネコミミスト自我を保つ可能性があるのだろうか。
「まさか、幻夜や体はスクライドで出来ているが立ち直らせた?
 莫迦な。彼らの出会いは全て666に組まれた式の上に成り立っている。
 666がそれを予測できない訳がない―――――――――――敢えて取り込まなかったのか?」
“666が敢えて負けた”という仮定して七氏は解釈を進める。
奴はネコミミストと合一化すること、そしてオリジナルの殺害が目的であったはずだ。
その飽和しかけた自己を更新するためにはどちらかしかない。
なのに、どちらも完全には達成されてない。意図的な綻びが存在する。
「組み上げた舞台の意味を完全に理解していた奴が本気を出せば、運命は100%の結果を算出する。
 なのに負けた。これは、偶然か? それとも、これは100%の敗北だった?」
七氏には理解ができなかった。理屈でいえば666はワザと負けた以外に考えられないのに、そこに至る理由が成り立たないのだ。
何か“何かパーツが欠けている”? 私の考察は何か一つ見逃しているのか?

4380祝いと呪いに関する考察:2009/02/08(日) 02:45:28 ID:8EJAWGEE0
……まさかあ。私の最終局面に穴はない。ツキノンの乱入は測定できる程度の誤差だった。
繋ぎ氏は確かに予測できない動きをしただろうが、“予測できないことしかしない”以上ノイズにはならない。
フォーグラーとラピュタを介した盤上に駒は全て並んでいた。数値が全て出ているならば結果は必然だ。

―――――――――――でも、貴方の組み上げたボードに「私」は居なかった。

!!

「ま、考えたところで仕方がないか……それにしても、今日は冷えるな……
 ネコミミストを待つ間にコーヒーを飲みすぎたか…………駅まで保たないな……」

―――――――――――あの時、確かに駒は全員並んでいた。でも、貴方は私を見逃してしまった。

計算が、歪む? なんだこの乱数は。こんなの私は知らないぞ。

「どこか近くの公衆便所で済ますか。う〜〜トイレトイレ」

―――――――――――今なら、理解できる気がする。あの人は他人の運命を操るのは好きだけど、操られるのは死ぬほど大嫌いだったと思うから。

エラー? 強制終了? 何故? 全体数を確定できない読み手を除けば生き残ったのはネコミミストだけ!
そのネコミミストは今私の手で陥落した! この視点に立つのは私だけだ!! 誰何! 存在しないお前は何だ!?

【そんなわけで、帰り道にある公園のトイレにやってきたのだ】

―――――――――――そう、貴方の中に私は居なかった。勝手な都合で私を母さんの中から引きずり出すだけ出しておいて、

           使えないと分かったら襤褸雑巾のように母さんを切って! 私まで無かったことにしようとした!! だから貴方には視えなかった!!

ま、まさか、お前……は、ははっ、そういう仕掛けかよ。
やっと分かった。だから666は負けて、ネコミミストが生きて、お前がここにいるのか。

【ふと見ると、ベンチに一人若い男が座っていた】

―――――――――――だから、お前は私が殺す。お前だけは私の手で殺す。とびっきりの悪意を以て、誰にも知られず殺す。
           私をヒトたらしめる最後のクビキを断ち切って、私はようやく「私」になれる。

知るかヴァアカ! お前は誰にもなれない。何でもできるお前は何もできなぁぁぁい!!
4次元ポケットはその中にありとあらゆる希望と絶望を内包するけど、自分の手で取り出すことができない!!
嗚呼君は何て素敵な4次元ポケット。そんなにのび太に奉仕したければ穴が空くまでフィストを突っ込んでもらいぎゅああああああ!!!

【夜のベンチに座る彼は、真っ黒かと思うほどに闇に溶けていて】

―――――――――――黙れよ罪人が。もう私はお前の玩具じゃない。この世界はお前のものじゃない。
           ちょっと横からちょっかいを出したただの田舎書き手が、何様のつもりだ?

あのバルディッシュ? ウソだろ、やめろ! よりにもよってこんな死に方なんて!! クソ、僕が、私が生き残れる可能性を弾きだして

【その帳の向こうから、ジッパーの下がる音。そして、あの言葉が響いた―――――――】

―――――――――――知らないの? 再生怪人は即殺されるのは常識でしょうに。しかも、自分がなんのキャラになりきってたか忘れたの?
           一度穿たれれば必殺120%の殺戮で貴方の言葉は終点。
           さようなら。私を外に出したお医者様。次があったら、もっと残酷なの考えておくわ。

うぎゃへ厭あはんああかか最いあはっ悪カイオはhじゃっ葉青青かmjhじゃかじゃあんじゃかじゃ七あhがヴぁんh!!!!!!!!!!!


「や ら な い か」

4381祝いと呪いに関する考察:2009/02/08(日) 02:46:43 ID:8EJAWGEE0
『―――――――――――では、続いてのニュースです。昨夜未明、○×地区の▽▲公園で男の変死体が発見されました。
 公衆トイレを使おうとした男性が発見し、警察に通報しました。
 男は服をボロボロに引き裂かれた上で性交されたような形跡があり、
 昨夜近隣の住人からの「アーーーーッ!」という叫び声が聞こえるとの通報を含め
 警察は同性愛者の痴情の縺れと見て捜査を進めています。以上、今日の……』

【異常な同性愛の果てか!? 精を腹より出した遺体の発見!!】
引き裂かれた尻。混じり合う赤と白。一夜にして起こったこの変死事件は―――ポカッ!

朝日に目玉焼きの黄身が輝くような爽やかな時間に、小気味よい音が響いた。
「もう! テレビを見るか新聞を読むかご飯を食べるかはっきりなさいよねん!!」
「…………ごめんなさい。母さん」
マナーを窘める母の軽い拳骨に、大仰に頭を擦りながら私は頭を擦った。
「はは。まあいいじゃないか。若いうちはいろんなものが目移りしてしまうのもさ。もっとも、それがこういう事件というのも困りものだがね」
「ア・ナ・タ? 少しこの子に甘すぎるんじゃなくってん?」
「妬いているのかいママ。大丈夫。いつまでも私は、君だけの騎士さ(キラッ☆)」
「んもう……お上手なんだからあ♪」

朝も早よから御苦労さま御馳走様と合掌したくなるようなバカップルっぷりに私は溜息をついて朝食を食べ始めた。
腹を裂くようにして黄身を抉り、そこに調味料をぶっこむ。

少しだけ、昨日あった別のことを思い出しながら。

「馬鹿なヤツ。ひとことごめんなさいと、どうして最後まで言えなかったのかしら」

ありがとう。
ごめんなさい。
おめでとう。

ヒトとして、その言葉だけは忘れぬように。

4382名無しロワ 完結編:2009/02/08(日) 02:48:43 ID:8EJAWGEE0
没作品の供養、終了。このロワににありえたかも知れない結末の一つを。

4383名無しロワ 完結編:2009/02/08(日) 04:08:18 ID:ERVprgXk0
こ、これは……凄い所を突いてきたな。
作品人気投票も終った後に没ネタとして来た、言ってみれば存在しない物語か。
ぞくりと来る話でありながら、最後の最後にもう一度ひっくり返すとは。
没作品とはいえ、それでもこの一言を。
面白い、GJ。

4384名無しロワ 完結編:2009/02/08(日) 04:34:46 ID:bbvGjoEE0
ちょ、これはあああああああ!?
すげえ、もうエピローグ扱いでもいいじゃんな作品だw
圧倒されたよ、こんちくしょう!
書き手ロワに挑む七氏がちゃんとキールらしいのもグー!
まさか死亡表記を打ち破りにかかるとは。
展開された理論もなんか異様に説得力を感じてしまうw
こちらに想像させるところもにくい。
ネコミミストはほんと、一つのロワ優勝者?の正しい形としての不幸だな……
そして落ちでのあの子の干渉もいい。
つうか、あの子のキャラがどんどん立てられていくw
なんかコロンと軍曹の並列存在かはたまたレプリカかと暮らしてるのも味がある
後あんたネタ拾いすぎだ、アーッ!の部分w
これを使われるとは思ってなかったぞw
投下乙。GJ!

4385名無しロワ 完結編:2009/02/08(日) 22:06:04 ID:wgYnmGfE0
没作品投下乙です。
なんという展開、その不思議な展開にただただ圧倒されるばかり。
うん、なんというか上手く言葉に出来ない読後感w

4386名無しロワ 完結編:2009/02/12(木) 11:22:35 ID:e5K5NEIQ0
遅ればせながらGJ!
ぶっちゃけ面白かった。
没ネタにするのはもったいないぐらい

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