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マイケル 作品

1名無し募集中。。。:2005/04/30(土) 23:20:41
俺が生まれてから15年が経つ
ものごころついてからは不自由なく暮らして来たと思ってる

ただ、ここ数年で変わったことと言えば
俺に兄弟が増えたと言うこと
そして俺と父親とは血が繋がってないと言うことが分かったことだ

俺の親父は三回ほど結婚している
これは俺が知っている回数であって実際は4回…
いやそれ以上なのかも知れない

俺の母親は二番目か三番目の女であり俺がガキの頃に死んぢまったらしい
だからつい最近までその次の女のことを本当の母親だと思っていた

15名無し募集中。。。:2005/04/30(土) 23:28:46
次の日から真希姉はいつもの真希姉に戻った
いや、少したくましくなったかもしれない

掃除、洗濯、料理すべて一人でこなさすようになったのもこの時期からだった
俺も手伝いは惜しまなかったが俺がやるよりも
真希姉は何倍もの早さで仕事を片付けしまうので
俺はほとんど必要なかった

しかし真希姉はそんな俺を足蹴にせずにいつも笑って見守ってくれた

でも俺は気付いていた、真希姉がかなり無理していることを
そして一人でこっそり母さんの写真を眺めてぼ〜っとしているのを…

16名無し募集中。。。:2005/04/30(土) 23:29:05
そんな真希姉を気遣って俺はある日、花をプレゼントした
花と言っても道に生えているような小さな花だ

「真希姉、無理しないで…辛かったら俺もいるし
自分だけで抱え込まなくていいんだよ…」

それを聞いて真希姉はまた泣き出してしまった
しまった…また泣かしてしまったのだ

しかし真希姉は俺に優しく話しかけてくれた。
「ごめんね、お姉ちゃんまた泣いちゃった…
おかしいな〜本当は嬉しいんだよ
強くならなきゃね、お母さんに笑われちゃうね」

そう言って、俺の頬にキスをした

17名無し募集中。。。:2005/04/30(土) 23:29:34
そして

「ありがと」

と言って満面の笑みを俺に見せてくれた

俺は照れくさくなって下をうつ向いたまま頷いた

それ以来、俺は真希姉の涙を見たことがない

そして俺は真希姉の涙なんてみたくないし
真希姉を泣かせる奴は絶対に許さない

こんな生活が2年くらい続いたころだった

俺の前に三人目の母さんが現れたのは…

18同居人募集中。。。:2005/07/05(火) 14:37:32
もう六月も半ばに入った頃の日曜日
俺は真希姉に誘われて買いものに行くことになった。

当初の計画では一緒に出る予定だったが
真希姉もお年頃の女の子
支度には時間をかけたいらしい

「真希姉は綺麗なんだから化粧なんていらないよ、早く行こうよ〜」
「ダ〜メせっかくお出掛けするんだから〜」
「大丈夫だって〜」
「○○と一緒に行くんだもん、オシャレしたいの」

ニコっと真希姉が微笑みかけてくる
この笑顔には不思議な力があるのだろうか
どうも逆らえなくなりいつも真希姉の意見に同意せざるをえないのだ点…

19同居人募集中。。。:2005/07/05(火) 14:37:44
だが男の俺には到底理解出来ない話ではあるが
真希姉が綺麗になることに反対するわけがない

しかし逸る気持ちを抑え切れなくて
きっと待っている時間もドキドキで耐えられないに決まってる

だから俺は真希姉より一足先に出ることにした。

「あ、真希姉?忙しいところ悪いんだけど、俺先に行ってるから」
「えっ待ってよ〜一緒に行くって決めたじゃん〜」
「ん〜なんてか、先に済ませたい買い物があるんだ…」
「えっ…うん、仕方ないなぁ〜」
「じゃあ1時に駅前ね」
「あっうん」

真希姉はまだ何か言いたそうだった…

20同居人募集中。。。:2005/07/05(火) 14:37:55
だけど俺は部屋を出てそのまま駅前に向かった
別に急ぎの買い物があるわけじゃない

買いもしない商品が並ぶショーウィンドをぼんやりと眺めていると
綺麗なウェディングドレスが目に止まった

【一番の幸せな瞬間輝かせます】

そんなキャッチフレーズがボードに書いてある

「真希姉が着たら、かなりやばいな…」

目をつぶると目の前に綺麗な純白のドレスに身を包む一人の美しい花嫁

真希姉だ…

いつか見られるであろう真希姉の姿を思い浮かべると顔がにやける

しかし次に横に立っている新郎を思い浮かべた瞬間、寒気がした

21同居人募集中。。。:2005/07/05(火) 14:38:16
確かに真希姉が幸せになる姿を見るのは自分も幸せな気持ちになれる

しかしあんまり相手のことは考えたくないのが本音である

ドレスの隣に写る自分が余りにも不釣り合いに感じた…

まだまだ子供だと…

そんなことを考えていて、すっかり時間を忘れてしまった

ふと街道の時計を見上げるともう1時まで5分しかない…

「やっべぇ〜真希姉に怒られるぅ」

全力で待ち会わせ場所へと走った。

風を切って走る〜
気持ちイイぃぃ
嫌なことを全部忘れさせてくれる

そんな気がする

落ち込んでいた俺はどこかへ消えてしまった。

22同居人募集中。。。:2005/07/05(火) 14:38:37
そこの角を曲がればすぐに駅前の広場だ!
勢いそのままに角を曲がると
まっすぐ歩いてきた長い髪をなびかせた華奢な腕と大きな胸の女の子にぶつかりそうになった

「ぶつかる!」
「キャッ」
「おっ」

俺はうまく避けたのだが女の子はそのままバランスを崩して倒れてしまった…

普段なら手をかして起こして謝るのだが
なんせ今は緊急事態だ、走りながら謝りその場を立ち去ろうとした。

「ごめんよ〜急いでるんだ!」

そのまま駅に向かおうとした時

「コラ待ちなさい!」

えっ?

振り向くと倒れた女の子の隣に女の人がいた

23同居人募集中。。。:2005/07/05(火) 14:39:24
立っていたのは長く綺麗な髪をなびかせてどこか大人な雰囲気を持った女性だった

俺は、ぼ〜っとその女性に見とれてしまった

すると
「なにやってるのよちゃんとあやまりなさい!」
「あっごめんなさい…」

思わず反射的に言葉が飛び出す

しかし女の子は立ち上がるが何も言ってはくれない

「心がこもってないからよ!
○○いい加減にしなさいよ!お姉ちゃん怒るよ」

うわっ…
つかもう怒ってるじゃん
まるで真希姉に怒られてるみたいだよ…

ん?今、俺の名前を呼んだよな

その人は起き上がった女の子を優しく気遣っていた

24同居人募集中。。。:2005/07/05(火) 14:39:36
「弟がごめんなさいね、そそっかしくて怪我はない?」

あ…完全に気付いちまった…この人完全に真希姉だ…
俺が気付かないのも無理はない、いつもは後ろで1本に束ねてて
服装だって動きやすいようにジーンズとTシャツなのに今日はすごくなんて言うか全体的に大人っぽい感じ

やっちまった
正直、最悪なパターンだ…

「○○!ちゃんとこっちに来て誤りなさい!」
「う、うん」

俺は駆け足で彼女の元まで急いだ

「いや、焦ってて本当に、ごめんな」
「すいませんでしたでしょ!」
「すいませんでした…」

すると彼女はもういいですからと言った雰囲気で
「大丈夫…それじゃ急がなあかんから…」

そう言うと彼女は足早に立ち去ってしまった…

「関西弁だったなぁ」
なんてのん気な感想を言ってる暇なんて俺にはなかった

25同居人募集中。。。:2005/07/05(火) 14:39:48
「○○!なにやってるのよ!」
「いや、真希姉…急いでたんだよ、それにしても全然気付かなかった」
「そうよね、前見てないからよ…」
「いや、そうじゃなくて真希姉にさ。いつもと違って髪下ろしてるしさ、凄く大人っぽい洋服きてるしさ。なんていうか物凄く綺麗でさ、別人かと思っちゃったよ…」

初め見て気付かなかったようになんか本当に真希姉が別人のように思えてきてどうもやりにくい
いつもはこんなこと無いのに必要以上に意識してドキドキしてきた…

すると俺の言葉を聞いて真希姉の顔がみるみるうちに赤くなる

「え?なに言うのよ急に…ちょっと無理しちゃったかな?」

そんなこと言われても返事に困る…
俺も照れながら答えた

「いや、いいんじゃないかな。物凄く似合ってると思う…」
「そう?よかった〜ちょっと自身なかったw」

真希姉はまたいつものように笑顔になった、その顔を見たときやっぱりいつもの真希姉なんだとちょっと安心した。
安心したついでに気が緩んだのか俺も思わず顔がほころんじまった。

26同居人募集中。。。:2005/07/05(火) 14:39:59
「じゃあ行こうか?」
「うん」

俺が先にショッピング街に歩き出すと真希姉は後ろから俺の手に抱きついてきた。

「ねぇ、さすがにこれは恥ずかしいでしょ…」
「なんでいいじゃんw兄弟なんだからさぁ〜」
「でも真希姉…」
「うん?」
「いや…なんでもない…」

さすがにこの状況で俺の腕に巻き姉の胸が当たってるなんて言えなかった
つか言わなかったってのが正しいのかも…

「じゃあこっち行こうか〜」

真希姉の満面の笑みで俺の手を引いて進んでく
最初は恥ずかしいと思ったけどこれはこれで結構イイかもしれない…

27同居人募集中。。。:2005/07/05(火) 14:41:24
真希姉と町を歩くことなんて今までなかったちょいと新鮮だな

それに今日の真希姉はいつもより笑顔のパワーが俄然強め?!
口数も多くて普段は話さないような話題も出てくる
いつもは家のことに追われて遊んでる暇もないしな
今日は存分に羽根をを伸ばして欲しい

だからさすがにこれ以上迷惑かけることは出来ないな…

しかし真希姉と歩いているとかなり気持ちがイイそれはすれ違う人が皆振り替えるからだ

それほどに今日の真希姉は輝いて見える
普段見慣れていた俺が戸惑ったくらいだ
周りのヤツらはさぞド肝を抜かれたに違いない!

28同居人募集中。。。:2005/07/05(火) 14:41:36
なんて俺が思っているとだんだん真希姉の口数が減って来たことに気が付く
しまった、余計なことばかり考えすぎて真希姉の話しに適当に受け答えしていたのがバレたか
ここは素直に謝った方が得策だな、手遅れになる前に〜

「ねぇ…」

げっ遅かったか、真希姉に先を越された
こりゃ怒られるな…仕方ない甘んじてその怒り受け入れよう

そう覚悟して真希姉の次なる一言を待たずして謝罪の意を述べた

「申し訳ございませんでした」


そして俺は三菱のリコール事件での記者会見振りの深さで頭を下げ謝罪した


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