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801リク投下用

168-801好きな歌詞「旅の宿」2/2:2006/11/12(日) 21:33:53
俺は目の前の舌先をじっと見続けた。
確かに、ちょっとだけ水ぶくれのようになった部分がある。
痛いだろうな、と思った。どのくらい痛いかな、と考えていた。
無意識に…なんていうのは嘘で、酔ってはいても俺の意識下に行ったことに違いない。
痛みを紛らせられるかな、と思ったのもある。でも大部分は興味だったように思う。
どんな味かなとか、どんな感触かなとか、どうなるのかな…とか。
俺は、自らの舌を尖らせ、引き寄せられるようにして同じそれに触れていた。
患部を突くと、びくんっと部長の身体が強張ったのがわかった。
長いこと外気に曝されていたためか、その舌はひんやりと吸い付いてくる感じがした。
何度か舌先の周りを回りながら、徐々に根元に近付いていくように移動する。
自分が舌を動かすたび、ぴちゃぴちゃと卑猥な音が耳に届き、俺の気分を昂揚させるのだが、
どこかに残っている俺の理性が、なんで抵抗されないのかと疑問を抱き始める。
突き出された舌を舐めあげ、軽く唇で吸いながら、
そろそろ逃げるか突き飛ばすかしてもらわないとヤバイんじゃないかなぁ…などと鈍った頭で考えた。
しかし部長は為されるがままで、さらに舌先を唇の端に移動させると、
抵抗されないどころかまるで誘うように唇が僅かに開かれたのだ。
俺は遠慮することなくその隙間から舌を侵入させ、彼の舌を吸い寄せながら唇を重ねた。
口内を味わいながら奥深くまで探るように、何度も角度を変えて俺たちは交わう。

きっと部長も酔ってるんだな、と短絡的に考えることにした。

そして、このままヤっちゃってもいいのでしょうか?と神様に尋ねた。




結論から言うと、神様の答えは否だったんだろう。
俺は今、薄暗い部屋の中に目覚めたところだ。
夕餉の膳もすっかり片付けられていたが、それらの記憶はないわけで、
まあつまり、飲みすぎたということ。
けれど俺は充分満足だ。
なぜなら、窓から上弦の月が見えるから。
それを眺めている部長の膝枕で、俺は寝ているから。
今日は幸福が多すぎて。幸福は小出しでお願いしたくなったから。


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