したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

0さん以外の人が萌えを投下するスレ

838 17-499 指舐め :2010/04/22(木) 18:30:26
古いお題ですが、書いたはいいが規制にあって&未だ規制されてるのでここに昇華させてください。


僕が子供の頃、近所にケーキショップがあって、いい匂いをいつも漂わせていた。
甘いもの好きの僕は、毎日のようにショーウィンドウから店内を眺めていたものだ。
奥でケーキの飾り付けをしているのを見て、僕も将来あんな仕事につきたいと思ったのもこの頃。
飾り付けをしている人の指示で厨房をせわしなく動いている人がいる。
ああいうのはやだな、と子供心に思ったっけ。今だから分かるけれど、彼は見習いの若いパティシエだった。
ある日、いつものように店の前に行くと、その日は見習いの彼一人だった。準備中らしく、客もいない。
僕を見かけると、彼は微笑んで、おいでと言うように手招きした。
言われるままに店の中に入ったのはいいが、母親がいる時と違って一人なので少し心細くなる。
「君いつも見てるよね。ケーキ好きなんだ」
僕は答えに困った。もちろん好きだけど、食べるのが好きみたいに思われてる気がした。
そうじゃなくて、作ることに興味があるのに。子供だから上手く言えない。
「今誰もいないから、ちょっと待ってて」
そう言うと彼は、奥から大きめの瓶を持ってきた。琥珀色の何かが入っている。
ふたを開けて、指でひとすくいそれをとると、僕の口元に寄せた。
「ハチミツ?」
「メープルシロップ。それも極上の奴。昨日仕入れられたんだ。舐めてごらん」
少し行儀悪いな、と思いつつも鼻をくすぐる甘い香りに耐え切れず、彼の指を口に含んだ。
濃厚な甘みが口いっぱいに広がる。虫歯が痛んだけど、それも気にならないほど素晴らしい。
僕は味がしなくなるまでずっと彼の指を舐めていた。
「甘くて美味しいね。でも高いんだろーな」
「そりゃあね。でもいつも見にきてくれるから、特別に君だけ」
そして彼はかがんで僕の口に人差し指をあてた。
「誰にも言っちゃダメだよ。僕らだけのヒミツだ」
ヒミツという言葉が何となく大人っぽくて、嬉しくて頷いた。

今、僕はパティシエ見習いとしてその店で働いてる。
極上のメープルシロップの味を教えてくれた彼の元で、いろんな甘いものに囲まれて。

839 18ー689 長年の同居人が人外だと今知った1/2 :2010/04/23(金) 20:31:16

パキッ

猫缶を空ける音で、俺は目を覚ました。
窓を見る。きらきらと浮き上がる埃の向こうにやや傾いた日が見えた。
俺はひとつ欠伸をするとベッドを降り、よたよたとリビングに向かった。

「おー、起きてきた。食事の気配にだけは敏感なんだね」
「うるせぇ」
「今日はちょっと高いやつだよ、ほら」
「ほらじゃねぇよ。横着してないで皿に出せ」
「えー」
「缶のまま食うなんて畜生のやることだろうが。一緒にすんな」
「……それは俺に対する挑戦?」

そう言う奴の背後には、空になった焼き鳥缶とフォークが転がっていた。
俺はため息をつきつつ、奴の使ったフォークを再利用した。



「なぁ」
「ん」
「原稿どんくらい?」
「あとちょっと」
「人間って大変だよな。かまえよ」

机に向かう奴の背に、べたりと寄りかかった。
奴は器用に、後ろ手で俺の頭を撫でる。違う、そういうのじゃない。
俺は這うようにして、あぐらをかいた脚の間に上半身を割り込ませた。

「もうちょっと」
「お前のちょっとは長い」
「何百年も生きてたら大概のことは『ちょっと』にならない?」
「ならない」

奴はふっと苦笑して、俺の体を引っ張り上げた。ぎゅう、と抱きしめられ溶けそうな気持ちになる。

840 18ー689 長年の同居人が人外だと今知った2/2 :2010/04/23(金) 20:32:43

「よしよし」
「ガキ扱いすんな。お前の何倍生きてると思ってんだ」

こう言うと決まって、奴が困ったような顔で口をつぐむことを俺は知っている。
年功序列はこの国の守るべき伝統だ。人間の若造風情が少しでも調子に乗りそうな時は、こうしてぴしゃりと押さえつけることにしている。
が、今日は少し勝手が違っていた。

「じゅうぶんのいち、ぐらいかなぁ?」

奴が珍しくとんちんかんな答えを寄越してきたのだった。
冗談にしても悪趣味だ、何千年も生きるような人間があるか。

「は?何をふざけ」

ているのだ、とは続かなかった。
奴の目がやや獰悪な光を帯びながらにぃっと笑う様子に、感じたことのない躊躇をおぼえたからだった。

「今日でちょうど15年だし、そろそろネタバラシといきますか」

奴はそう言うと、すうっと息を吸い込んだ。
みるみるうちに奴の頭が狐の顔にすげ変わる。

元のままの声で「こん♪」とおどけてみせる奴に、俺はすっかり言葉を失ってしまった。

「おかしいと思わなかったの?人間ってもっと年取るの早いんだよ」

嘘だろ。

嘘だろ……

「ごめんね、年下をからかうの大好きなんだ」

ショックに垂れて震える耳を、奴の肉球がやさしく撫でた。

841 萌える腐女子さん :2010/05/09(日) 20:51:29
新まとめスレへ移行します
ttp://jbbs.livedoor.jp/otaku/13789/
新しい投下はこちらへ


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

■ したらば のおすすめアイテム ■

ガールズ&パンツァー これが本当のアンツィオ戦です! [Blu-ray] - 水島努

ドゥーチェ! ドゥーチェ! ドゥーチェ! ドゥーチェ! ドゥーチェ! ドゥーチェ! ドゥーチェ! ドゥーチェ! ドゥーチェ! ドゥーチェ! ドゥーチェ! ドゥーチェ!

この欄のアイテムは掲示板管理メニューから自由に変更可能です。


掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板