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0さん以外の人が萌えを投下するスレ
744
:
16-889 来ないで 3/3
:2009/07/10(金) 01:49:42
「やだ、もう」
「大丈夫、君が頑張りきるまで僕は待ってるから」
「そこら辺の草の陰で?」
「そう、覗き見しながら」
くすくすと笑い合う、その声が少しずつ小さくなって、そっと消える。
俺を撫でる手は止まらず、そして言い聞かせるようにこいつの声が耳元で響いた。
「君は、君が与えられた分の命を生きるんだ。
それまで、僕を追ってこっちに来ちゃいけないよ」
ふと目が覚める。
あいつがいない事に耐え切れず走ってきた、深夜のマンションの屋上。
どうやらフェンスを乗り越えたその先で、街の灯りを眺めながら眠ってしまっていたらしい。
深呼吸を一つして、目をしっかりと開いた。
夢と現の間で逢ったあいつの声、笑う顔、手の感触、その全てを覚えている。
「帰る」
小さくそう呟いて、フェンスに手と足を掛ける。
もう、どんなにきつくても、泣き言を容易に口に出すのは止めよう。
草の陰で俺を見ているらしいあいつに、今度会ったときに絶対笑われてしまうから。
振り返ることなくフェンスを登る俺の頬を、温い風が撫でていく。
夏が、すぐそこまで来ていた。
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