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366Battle Without Honor or Humanity ◆Wy5jmZAtv6:2005/06/04(土) 03:08:25 ID:fTfq9Pvo
そう、彼は街灯に串刺しになったまま…その街灯を周辺の路面ごと無理やり引き抜き…ここまでやってきたのだ。
「あれは…人間なのか?」
静雄の余りにも異様な姿に宗介もキノも畏怖の言葉を漏らさざるを得ない。
「どんな国でも」
呟くキノ
「どんな戦場でも」
応じる宗介
『あんなのは見たことがない』
最後は2人同時だった。

その静雄は身体に数メートルはあろう街灯を身体にぶら下げたまま、キノと宗介の元へと突進しようとする。
が、届かない。
街灯が入り口に引っかかってそれ以上前には進めないのだ。
「ぐおおおおおおっ」
叫びと共に己を貫く鉄芯を引きちぎろうとするが、もはやそこまでの力は彼には残っていない。
しかも中途半端に折れ曲がったそれは鍵のようになって逆に静雄の脱出を阻む。
「ちく…しょう…せっかく…」

自分にできること、この忌まわしい肉体を存分に振える場所を、そして誰かを守る意義を…ようやく見つけた、その矢先にどうして。
「なんで…うまくいかねぇ…」
それでも何かやれることはある…あるはずだ…何も思い浮かばないなら、いつもどおりやればいい。
(あばよ…もう会えねぇ)
自分が長くないことくらいは分かる、だから最期は平和島静雄らしく!
「だったら…こっちをちぎるしかねぇよなぁああああ!」
街灯を引き抜くことを諦めた静雄、その代わり彼の取った行動…それは…
「うおおおおおおおおおっ」
叫びと同時にぴしぴしと何かが切断されていく音が響き、そして、
ぶつんという音と共に静雄は自由になった、ただし上半身だけが。
彼の取った選択…それは街灯もろとも動けない下半身を置き去りにすることだった。


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