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試験投下スレッド

245Rainy Dog6/8◆7Xmruv2jXQ:2005/05/16(月) 07:59:30 ID:JdwCcAMg
「きゃ!」
 降り注いだ無数の雫を浴びて、しずくは悲鳴をあげた。
 陽光は弾きながら、雨のように水が降り注ぐ。
 視覚センサーを手でかばいながら上空を見れば、まずはびしょ濡れの男が、そのさらに上に黒鮫が見えた。
 どうやら、鮫を湖に突っ込ませたらしい。
 この水滴は鮫の背中に乗った湖水が落ちてきたものだ。
 わけがわからず、しずくは目の前の男を見た。
 男――――甲斐氷太はあいもかわらず不機嫌そうに、赤い瞳でこちらを見ている。
 このままでは埒が明かない。
 しずくは口を開いた。


「あの……」
 少女がそこまでつぶやいて、再び黙る。
 こちらの顔が険悪になったのを見たからだろう。
 甲斐は胸中にわだかまる憎悪を意識した。
 ウィザード――――最高の好敵手を失った、憎悪。
 そう簡単にヘマをする奴ではなかったが、この異常な島ではいつも通りに立ち回れなかったのか。
 それとも他の理由があるのか。
 ひょっとすれば連れの女をかばったのかもしれない。
 あの女は、少し、姫木梓に似ていた気がする。


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