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試験投下スレッド

122存在しえない守るべき者(修正案) ◆lmrmar5YFk:2005/05/05(木) 01:11:35 ID:reSibVbM
彼の怪我が最低限治まったら、ここを脱出して長門さんを探しに行く。『ミラ』については、道中で適当に話を合わせておけばいい。
わざわざ自分から彼を襲ってまであの銃を奪うつもりはない。
そんなリスクの高い賭けをしても得られる物は少ないし、そもそも自分には人を殺傷できるに足る銃撃の腕がない。
あんなに巨大な銃だ。自分などではまともに扱うことさえ不可能だろう。その点、彼がいれば使用者には困らない。
銃単体ではなく狙撃手ごとを己の武器に出来れば、あるかどうかも分からない包丁などを探すより、より高確率で戦闘能力を高められる。
強い者の利用と操縦。それこそが、今の自分に実行できる数少ない生き残るすべだ。
「その怪我でミラさんを守れるんですか? 貴方には休息が必要ですよ」
「でも……」
眼前の彼が放った単語は二度とも同じものだった。だが、それを口にした時の表情は一度目と二度目で真反対に豹変していた。
刹那、青年は脇に置かれた銃を神速のスピードで抱えると、銃口を無機的に古泉に向けた。
引き金に掛けた指に力が込められる。
――ダンッ!
鋭い銃声が狭い室内に響く。一瞬の後、古泉は業火の塊が炸裂したようなひどい激痛に襲われた。
ぼたっという不吉な音に恐る恐る床へと目線を下げれば、そこに落ちていたのはなんと自分の左腕だった。
痛覚と視覚と、言い換えれば肉体と精神との双方に巨大すぎるダメージを与えられて、古泉は獣のように咆哮した。
「いっ……ぐ、あぁーっ!」
肩から先にぽっかりと無残な空間が形成され、そこからだくだくと勢いよく噴き出す血潮が、袖を伝って服全体を色濃く染める。
脈が律動する一度一度に合わせて痛みが波のように押し寄せ、同時に古泉から意識を奪い去ろうとしていく。
地獄の拷問もかくやという苦痛はむしろ気絶した方が幾分マシに思えたが、今この場で気を失うのは死を宣告されたも同然だった。
微かに残った意識を全て一点に動員させて、唇の端を固く歯で噛み締める。そうすることで、何とか意識をこちら側に繋ぎ止める。
(まずい……です…ね)
顔面の筋肉を引きつらせながら、必死で生の糸に縋り付く古泉の姿は気にもとめず、青年は急ぎ足で部屋から出て行った。
無感動な、それでも何かを決意したような声で台詞の続きを呟きながら。
「でも、それでも俺は…ミラを守らなきゃいけないんです…」

【残り85名】
【G-4/城の中/1日目・07:30】

【アーヴィング・ナイトウォーカー】
[状態]:情緒不安定/修羅モード/腿に銃創(止血済み)
[装備]:狙撃銃"鉄鋼小丸"(出典@終わりのクロニクル)
[道具]:デイバッグ(支給品一式)
[思考]:主催者を殺し、ミラを助ける(思い込み)


【古泉一樹】
[状態]:左腕(肩から先全体)断絶/意識朦朧
[装備]:なし
[道具]:デイパック(支給品一式) ペットボトルの水は溢れきってます
[思考]:長門有希を探す/怪我の手当て


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