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SS投下スレ

1管理人:2022/06/22(水) 22:22:27
SSを投下するためのスレです。
内容に不安のある話の仮投下や、修正後の作品を投下するためにお使いください。

110 ◆ytUSxp038U:2023/04/09(日) 21:53:17
「確かにこれは予期せぬ事態だが、お前の更生はまだ続いている。現にお前は既に新たな絆を手に入れたようだ」

共犯者と嵐を呼ぶ園児。
この地で得た絆はそのまま自分の力になった。
新たに得た二つのペルソナの存在は、ワイルドの能力が健在である証拠。
戦う為の力なら、今も変わらず宿っている。
弱い自分に、理不尽を押し付ける世界へ反逆する意思は変わっていない。

それなのに自分はまた守れなかった。
ミチルが殺されるのを防げず、やったのは殺害者を怒りのままに袋叩きにして命を奪った事のみ。
悪党を改心させる怪盗団でも、風の都を守る正義のヒーローでもない。
自分勝手に暴力を振るう悪人と同じではないのか。

こんな自分にまだ出来る事は……

【ない】
→【ある】
【分からない】

…………ある。
殺し合いはまだ終わっていない。
なのに戦う力が、誰かを守れる力がある自分が全てを投げ出すなど許されない。
ペルソナ使いになった忘れられない運命の日。
アルセーヌの問いかけに抗うと答え、仮面を引き剥がした自分自身の選択を誰が裏切るものか。

何より、仲間達だって皆生きている。
自分が支えになると決めた少年、しんのすけはミチルのお陰で生き延び、今もどこかで戦っている筈だ。
アーマージャックと戦った時もそう。
ミチルの勇気が自分達の助けになってくれた。

完全に吹っ切れてはいない。
でも言い訳を重ねて戦いから目を逸らすのは。
今を生きている者達を見ない振りするのは違う。

111 ◆ytUSxp038U:2023/04/09(日) 21:54:14
「ミチル……」

助けてやれなくて済まない。
だけどしんのすけを逃がしてくれた事は絶対に無駄にはしない。
遅くなってしまったけど、もう届かないかもしれないけど言わせて欲しい。

「しんのすけを守ってくれて、ありがとう…」





―――我は汝……汝は我……

―――汝、ここに新たなる契りを得たり

―――契りは即ち、 囚われを破らんとする反逆の翼なり

―――我、「信念」のペルソナの生誕に祝福の風を得たり

―――自由へと至る、更なる力とならん……



|信念のペルソナ「ホウオウ」を獲得しました|





「どうやらまた一歩、更生を進めたようだな」

言われて頷く。
自分の内にまた一つ、新たな力が宿ったのを感じた。
犬飼ミチルという少女を表すのにこれ以上ないくらい相応しいアルカナ。
彼女とはもう二度と会えない、育んだ絆までは失われていない。
自分の勝手な想像かもしれないけど、ミチルが背中を押してくれたから新たなペルソナを得られたように思う。

ステータスを確認すると、攻撃以外に回復スキルも兼ね備えている。
それもまたミチルの優しさが表れているようで、彼女らしい力だ。

112 ◆ytUSxp038U:2023/04/09(日) 21:55:46
「…っ」

散って逝った仲間へ思いを馳せていると、急に視界が安定しなくなった。
この感覚には覚えがある。
現実世界へと戻る時間が近付いている合図だ。

「そろそろ時間か…。次はここに来れるとは限らん。だが忘れるな、お前の更生はまだ終わっていない。囚われである己の運命を変えたくば、足掻く他ない」

彼なりの激励だろうか。
ベルベットルームから再び殺し合いの舞台へ戻る自分に、そんな言葉が向けられる。
そうだ、まだ何も終わっていないなら戦うしかない。
戦って、馬鹿げた殺し合いの幕を下ろすしかないんだ。
今一度決意を固め、目覚めの瞬間を静かに受け入れようとする。

「……■■の分際で我を阻むとは…」

その寸前、ふと聞こえた長鼻の主の言葉。
聞き違いだろうか、自分が知る彼とは思えない苛立ちが含まれていた気がしたのは。





「よっ、起きたか?」

目を覚ますと至近距離で顔を覗き込まれていた。
吐息が当たる程に近い。
長い睫毛も、薄桃色の唇も、シミの一つも見当たらない白い肌もよく見える。

「…………!!!!??!!」

言葉になっていない叫びを上げ後退ろうとし、落ちる感覚がしたのは直後である。
どすんと尻から床に落ち、痛みがじーんと浸透。
思わず腰のあたりを擦りながらよろよろ立ち上がると、何が面白いのか共犯者がけらけら笑っていた。

「その青い反応はまだ抜けねぇなァ。いい加減慣れて欲しいもんだ」

肩を竦めて言うが、そっちこそいい加減女の人の体になっている自覚を持って欲しい。
恨めし気に見ても涼しい顔で受け流される。
まぁ分かってはいたけど素直に文句を聞き入れる奴ではない。
自分がいる場所を見回すと、見覚えの無い部屋だった。
エボルトがここまで運んでくれたのだろうか。

「白いのに二人揃って吹っ飛ばされてな、お前は気を失ってたから起きるのを待ってたのさ。流石に気絶したまま放置も出来ないからな」

どうやらまた眠っている間、エボルトの世話になったらしい。
素直に礼を告げるとひらひらと手を振りながら、「相棒なんだから当然だろ?」と返された。
胡散臭い仕草だが口には出さず、代わりにあの場で戦っていた皆はどうなったかを聞く。
返って来たのは分からないの一言。
同じ場所へ吹き飛ばされた自分以外はどうなったのか不明。
ならば一刻も早くゲンガー達と合流しなくてはならない。
体はまだダルいけど、少しの間だけでも寝ていたお陰か動けない程の疲れでも無い。

113 ◆ytUSxp038U:2023/04/09(日) 21:56:43
それに今の自分にはミチルとの絆で得た力もある。
重傷を負っている仲間がいれば、この力で助けられる筈だ。
こうしてはいられないと外へ出ようとすると、エボルトから傘を手渡された。

「ずぶ濡れになりたいんならいらねぇだろうがな」

自分の意識がベルベットルームを訪れている間、既に準備は済ませていたのか。
もう一度礼を言うと肩を竦められた。
そのまま揃って部屋を出て、文具が散乱しているスペースを抜け外へと向かう。
雨はまだ止んでいない。
傘をさし仲間達との合流へと出発する時、何気なく共犯者へ問い掛ける。

「寝ている間に何か起きたりしたか?」

聞かれた当人は特に顔色も変えず、さらりと答えた。

「いや?なーんにも無かったよ」


【D-6とD-7の境界 街/午後】

【雨宮蓮@ペルソナ5】
[身体]:左翔太郎@仮面ライダーW
[状態]:ダメージ(大)、疲労(大)、SP消費(大)、体力消耗(中)、怒りと悲しみ、ぶつけ所の無い悔しさ、メタモンを殺した事への複雑な感情
[装備]:煙幕@ペルソナ5、T2ジョーカーメモリ+ロストドライバー@仮面ライダーW
[道具]:基本支給品×3、ダブルドライバー@仮面ライダーW、ハードボイルダー@仮面ライダーW、、スパイダーショック@仮面ライダーW、ランダム支給品0〜2(煉獄の分、刀剣類はなし)、T2サイクロンメモリ@仮面ライダーW、新八のメガネ@銀魂、両津勘吉の肉体、ジューダスのメモ
[思考・状況]基本方針:主催を打倒し、この催しを終わらせる。
1:ゲンガー達と合流に向かう。
2:仲間を集めたい。
3:エボルトは信用した訳ではないが、共闘を受け入れる。
4:今は別行動だが、しんのすけの力になってやりたい。今どこにいるんだ?
5:体の持ち主に対して少し申し訳なさを感じている。元の体に戻れたら無茶をした事を謝りたい。
6:逃げた怪物(絵美理)やシロを鬼にした男(耀哉)を警戒。
7:ディケイド(JUDO)はまだ倒せていない気がする…。
8:新たなペルソナと仮面ライダー。この力で今度こそ巻き込まれた人を守りたい。
9:推定殺害人数というのは気になるが、ミチルは無害だと思う
[備考]
※参戦時期については少なくとも心の怪盗団を結成し、既に何人か改心させた後です。フタバパレスまでは攻略済み。
※スキルカード@ペルソナ5を使用した事で、アルセーヌがラクンダを習得しました。
※参加者がそれぞれ並行世界から参加していると気付きました。
※翔太郎の記憶から仮面ライダーダブル、仮面ライダージョーカーの知識を得ました。
※エボルトとのコープ発生により「道化師」のペルソナ「マガツイザナギ」を獲得しました。燃費は劣悪です。
※しんのすけとのコープ発生により「太陽」のペルソナ「ケツアルカトル」を獲得しました。
※ミチルとのコープ発生により「信念」のペルソナ「ホウオウ」を獲得しました。スキルは以下の通りです。
・フレイラ
・ディアラマ
・リカーム(死亡した参加者の蘇生は不可能)
・マハフレイラ
※ベルベットルームを訪れましたが、再び行けるかは不明です。また悪魔合体や囚人名簿などの利用は一切不可能となっています。

114 ◆ytUSxp038U:2023/04/09(日) 21:57:41
【エボルト@仮面ライダービルド】
[身体]:桑山千雪@アイドルマスター シャイニーカラーズ
[状態]:ダメージ(大)、疲労(大)、千雪の意識が復活
[装備]:トランスチームガン+コブラロストフルボトル+ロケットフルボトル@仮面ライダービルド、エターナルソード@テイルズオブファンタジア、???????
[道具]:基本支給品×2、ランダム支給品0〜2(シロの分)、累の母の首輪、アーマージャックの首輪、煉獄の死体、精神と身体の組み合わせ名簿@オリジナル
[思考・状況]
基本方針:主催者の持つ力を奪い、完全復活を果たす。
1:■■からの連絡を待つ。
2:ゲンガー達と合流に向かう。
3:蓮や承太郎を戦力として利用。
4:首輪を外す為に戦兎を探す。会えたら首輪を渡してやる。
5:有益な情報を持つ参加者と接触する。戦力になる者は引き入れたい。
6:自身の状態に疑問。
7:出来れば煉獄の首輪も欲しい。どうしようかねぇ。
8:ほとんど期待はしていないが、エボルドライバーがあったら取り戻す。
9:柊ナナにも接触しておきたい。
10:今の所殺し合いに乗る気は無いが、他に手段が無いなら優勝狙いに切り替える。
11:推定殺害人数が何かは分からないが…まあ多分ミチルはシロだろうな(シャレじゃねえぜ?)
12:ジューダスの作戦には協力せず、主催者の持つ時空に干渉する力はできれば排除しておきたい。
13:千雪を利用すりゃ主催者をおびき寄せれるんじゃねぇか?
[備考]
※参戦時期は33話以前のどこか。
※他者の顔を変える、エネルギー波の放射などの能力は使えますが、他者への憑依は不可能となっています。
またブラッドスタークに変身できるだけのハザードレベルはありますが、エボルドライバーを使っての変身はできません。
※自身の状態を、精神だけを千雪の身体に移されたのではなく、千雪の身体にブラッド族の能力で憑依させられたまま固定されていると考えています。
また理由については主催者のミスか、何か目的があってのものと推測しています。
エボルトの考えが正しいか否かは後続の書き手にお任せします。
※ブラッドスタークに変身時は変声機能(若しくは自前の能力)により声を変えるかもしれません。(CV:芝崎典子→CV:金尾哲夫)
※参加者がそれぞれ並行世界から参加していると気付きました。
※主催者は最初から柊ナナが「未来を切り開く鍵」を手に入れられるよう仕組んだと推測しています。















(蓮君には言わないんですか…?)
(今はまだ、な)

115 ◆ytUSxp038U:2023/04/09(日) 21:58:40



時は蓮が目を覚ます数分前に遡る。

「戻ったぜ…っと、まだ寝てるか」

事務室へ戻ったエボルトだったが蓮は意識を落としたまま。
もう少し余裕を持って千雪と話しても問題は無かったかもしれない。
適当な椅子に腰を下ろし天井を見つめる。
考えなければならない事は山ほどあるのだ、座って体を休めている間にも頭は動かしておくに限る。

(千雪の精神が消される気配は相変わらず無しと…。となりゃあ主催者が腰を上げる何かを引き起こせるチャンスはまだあるか)

先程も考えたが、主催者が体の意識を消しに来るとはつまり向こうから参加者に接触するということ。
問題は主催者を動かす為の具体的な方法。
身体側の参加者が精神側の参加者に取って代わるなど、過度の干渉が起こるのをボンドルド達は歓迎していない。
となると、シンプルながら効果を期待できそうな方法が一つある。

肉体の主導権を千雪本人に返す。
エボルト自身は一度意識を引っ込めて、千雪が自由に元の体を動かせるようにする。
アーマージャックを始末した直後、エボルトは千雪が自分の口で会話が可能な状態にした。
ということはエボルトの意思一つで更に千雪を解放してやれる。
そうなればボンドルド達には宜しくない状況の完成だ。
精神側の参加者を差し置いて、不要と見なした身体側の意識が平然と行動しているのだから。
試しに蓮が眠っている今、千雪に体の主導権を一時的に返却しようかと考え、

116 ◆ytUSxp038U:2023/04/09(日) 21:59:35
「……やめとくか」

却下との判断を下した。
何せ自分はまだ首輪を解除していない。
そのような状況で意図的に主催者との接触を図った結果、肉体のみならず精神も不要として首輪を爆破される可能性も十分考えられる。
仮に実行するにしても、もう少し検討する必要があるだろう。

加えて千雪へ肉体を本当に明け渡せるかも、今となっては正直分からない。
主催者は身体側の精神の復活を良しとしない。
それなら、その気になれば千雪を自由に動かせる自分の能力を放置しておくだろうか。
ひょっとしてエボルトが気付いていないだけで、千雪に体の主導権を返せないような制限を課せられているんじゃないか。
実際に試さない事には確信を持てないが、否定出来るだけの材料も持ち合わせていない。
何にしても、今すぐに行動を起こすのは控えておく。

「いずれは勝負に出なきゃならねぇかもしれんが、今はもうちょい慎重に行かせてもらうぜ」

焦って腹の括り時を見誤れば全てがおじゃんだ。
慎重になり過ぎてチャンスを逃すのも以ての外。
とにかく柔軟かつ冷静に考え、ここぞという場面での最適解を弾き出す。
元の地球での計画も同じだ。
最上が開発したエニグマなど想定外の事態もあったが、どうにか乗り切って来た。
思考停止だけは避けねばなるまい。

一度頭をリセットしようと水を取り出そうとする。
残念ながらルブランのコーヒーは無く、作れる者は未だ夢の中。
苦みは強いが酸味とコクは癖になる、喫茶店のマスターをやっていた自分からしても文句の付けようがない上手さ。
あれをもう一度味わえる機会は果たして今後あるのやら。
仕方なしに味気ない水分補給を行うべく、デイパックの口に手を突っ込み、

「…………」

手に何かが当たった。
水の入ったペットボトルではない。
コンビニで売っている弁当の容器ではない。
地図や名簿などの紙でもない。
デイパックに入っている物のどれにも当て嵌まらないソレを掴み、ゆっくりと手を引き抜く。

117 ◆ytUSxp038U:2023/04/09(日) 22:00:35
外に出した右手が握っているのはエボルトが初めて見る物、ではない。
むしろ地球に来てからは毎日目にしているし、常に使用している。
長方形の薄い、掌に乗っかる程度の大きさの板。
スマートフォンである。
現代人にはほぼ必要不可欠の電子機器、どこにいても使える他者との通信手段。
そんな日常のツールが自身の手元にある事実が、エボルトには不可解でならない。

何故ならエボルトのデイパックにスマートフォンは入っていなかった。
後から手に入れたシロのデイパックにもである。
しかし現実としてスマートフォンは確かにエボルトのデイパックの中にあった。
見落としたつもりは無い。
それまで無かった道具が突然デイパック内に出現する現象、それはバトルロワイアルの参加者なら既に一度体験している。
名簿とコンパスをデイパックに転送した、主催者の技術。

「……」

起動させると早速気付いた。
SNSにメッセージが一件届いている。
戸惑っていても時間の無駄だ、一切の躊躇なしで確認の為に開く。

『届いてるか?』

画面に表示されたのはその一言だけ。
届いているとはスマートフォンがデイパックの中に届いたことか。
このメッセージを見ているかの確認か。
それとも両方か。

『ああ、届いてるよ。一応聞いておくが、まさか送り主を間違えたなんて言わないよな?』

スラスラと文字を打ち込み送信。
10年も暮らしていれば地球産の電子機器だって余裕で使いこなせる。
時間を置かずに返事が返って来た。

118 ◆ytUSxp038U:2023/04/09(日) 22:01:15
『そんなヘマはしない。エボルトだろ?私はお前に頼みたいことがあるからスマホを送った』
『使い走りに選んで頂き光栄だな。だが何故30人は残ってるだろう参加者の中で俺なんだ?』

当然の疑問をぶつける。
まさかとは思うがランダムに選んだのでは無い筈だ。
生き残っている中でエボルトを選んだのには、相応の理由があるに違いない。

『私だって本当は他に頼れるならそっちに頼みたかった。けど大っぴらに頼むとボンドルド達に私が参加者と接触したってバレるだろ。お前は秘密裏に動いてくれそうだし、一応殺し合いには乗ってない』

返信を一文字も見逃さず読み、思考を高速で動かす。
頼れるならそっちに頼みたかったという文面、それにエボルトの方針を把握しているような内容。
ボンドルドの名前を出し、奴に自分の行動がバレるのを恐れている。
つまりこの人物は参加者達の動向を把握可能な立場、主催者側の人間。
何らかの理由でボンドルドの意に反する何かを行おうと、独自にエボルトに連絡を取った。

『色々と知っているようだが、こっちはお前の事を何も知らないんだがな。ボンドルドに逆らう理由はなんだ?贔屓してた奴が脱落してヤケクソにでもなったか?』

あえて神経を逆撫でする内容で返信を行う。
冷静沈着な奴ならともかく、そうでないなら…

『そうじゃない!!!私だって本当は協力なんてしたくなかった!!!!殺し合いだって知ってたら、それにあいつまで巻き込まれてるって分かってたら誰が手を貸すか!!!』

口で直接言えない怒りを文章でぶつけているのだろう。
わざわざ「!」マークを複数付けているのがその証拠。
相手がどんな体でどんな怒り顔をしているか、文章だけでは想像も付かない。
しかし読み取れる情報ならばある。
この人物は主催者側にいると言っても、殺し合いには全く乗り気ではない。
ボンドルド達が殺し合いを起こすと知らないまま協力させられ、気付いた時には引き返せなくなった。
更に「あいつまで巻き込まれていたら」という部分、親しい者が参加しているのを後から知ったのだろうか。

何もかもがこの人物には想定外。
このまま最後までボンドルドに協力する気にはなれず、反抗する道を選びその第一段階としてエボルトに連絡を取った。
動機は何であれ主催側の人間とのパイプを得られたのは間違いない。

119 ◆ytUSxp038U:2023/04/09(日) 22:02:07
『そいつは悪かったよ。お詫びと言っちゃあ何だが、出来る限り協力はしてやるさ。ただこっちの質問にも色々と答えてもらうぜ?』

主催者側にいるなら、有している情報の量も相応の筈。
聞かない理由は無い。

『私の知ってる範囲の事は答えるけど今はあんまり余裕が無い。だから次の連絡を待て』

返答は少しばかり肩透かしを食らうもの。
すぐにでも情報を開示してはくれないということか。
焦らされて良い気分はしない。

『協力を漕ぎつけといてこっちの聞きたい事には答えないってか?ちょいとセコいんじゃねぇのか?』
『しょうがないだろ、私だって危ない立場でお前に連絡してるんだ。とにかく次に連絡したらちゃんと見ろよ。それから、一緒にいるあいつの助けになってくれ』

あいつが誰を指しているのか。
名前は出さずともエボルトと今一緒にいる参加者は一人だけ。
ソファーの上で目を閉じた青年にチラリと目をやる。
却って謎が増えた気がしてならない、それでも今後使えそうな手札(カード)を入手できた。
向こうの詳細な状況は知る由も無いが、いつボンドルド達にバレてもおかしくはないリスクを背負っている。
ここでしつこく食い下がって相手から更に余裕を奪っては、折角の情報源を失ってしまう。

一先ずは相手の言う通り次の連絡を待つ。
その前に一つだけ質問があった。

『なら最後に教えてくれ。お前さんのことは何で呼べば良い?』
『私のことは……――』

120 ◆ytUSxp038U:2023/04/09(日) 22:03:04



メッセージでのやり取りを終え、スマートフォンを仕舞う。
あの人物に関する情報を他者に明かすつもりは今のところ皆無。
大っぴらに蓮や他の参加者に情報を伝えて、あの人物の裏切り行為がボンドルド達にもバレては一大事だ。
別に心配はしていないが貴重な情報源を失うのは痛い。
それに万が一を考えれば、主催者とのパイプというアドバンテージを独占しておくのも悪い手ではない。

(さて…どうするかねぇ……)

やるべきことは多い。
ゲンガーや承太郎、黎斗との合流。
自分達より街で先に戦っていた連中とも情報交換が必要。
しんのすけが行方不明なら探す必要があり、特に蓮は絶対に捜索に行くだろう。
ホイミンを探しに行ったいろはとジューダスの動向も気になる。
未だどこにいるのか分からない戦兎や、殺し合いで重要な役目を背負わされていると推測するナナとも会っておきたい。

それといい加減煉獄を始めとして、死体から首輪を入手したいところだ。
首輪解除のサンプルは一つでも多い方が良いし、モノモノマシーンで装備を増やす為にも首輪は欲しい。
今後もディケイドや櫻木真乃の体の参加者が変身したライダーを相手にするなら、戦力増加の機会を見逃せない。
とはいえ蓮は死者の首を刎ねるのを良しとするような性格でないのが厄介だ。
承太郎にしたって新八の首輪が欲しいと言っても、素直に承諾はしないだろう。

今後の方針の多さに反して動かせる体はアイドルの体一つ。
全く骨が折れる所の話ではない。
何にしても、主催者側からのコンタクトはバトルロワイアルをボンドルド達も予期せぬ方へと転がす起爆剤だ。
ポケットに仕舞ったスマートフォンをチラと見やり、薄ら笑いを浮かべ呟く。

「精々仲良くやろうぜ?『ナビ』」

その名前が雨宮蓮に、怪盗団のリーダーにとってどんな意味を齎すか。
今はまだ、誰も知らない。

121 ◆ytUSxp038U:2023/04/09(日) 22:03:49
【D-6とD-7の境界 街/午後】

【エボルト@仮面ライダービルド】
[身体]:桑山千雪@アイドルマスター シャイニーカラーズ
[状態]:ダメージ(大)、疲労(大)、千雪の意識が復活
[装備]:トランスチームガン+コブラロストフルボトル+ロケットフルボトル@仮面ライダービルド、エターナルソード@テイルズオブファンタジア、スマートフォン@オリジナル
[道具]:基本支給品×2、ランダム支給品0〜2(シロの分)、累の母の首輪、アーマージャックの首輪、煉獄の死体、精神と身体の組み合わせ名簿@オリジナル
[思考・状況]
基本方針:主催者の持つ力を奪い、完全復活を果たす。
1:ナビからの連絡を待つ。
2:ゲンガー達と合流に向かう。
3:蓮や承太郎を戦力として利用。
4:首輪を外す為に戦兎を探す。会えたら首輪を渡してやる。
5:有益な情報を持つ参加者と接触する。戦力になる者は引き入れたい。
6:自身の状態に疑問。
7:出来れば煉獄の首輪も欲しい。どうしようかねぇ。
8:ほとんど期待はしていないが、エボルドライバーがあったら取り戻す。
9:柊ナナにも接触しておきたい。
10:今の所殺し合いに乗る気は無いが、他に手段が無いなら優勝狙いに切り替える。
11:推定殺害人数が何かは分からないが…まあ多分ミチルはシロだろうな(シャレじゃねえぜ?)
12:ジューダスの作戦には協力せず、主催者の持つ時空に干渉する力はできれば排除しておきたい。
13:千雪を利用すりゃ主催者をおびき寄せれるんじゃねぇか?
[備考]
※参戦時期は33話以前のどこか。
※他者の顔を変える、エネルギー波の放射などの能力は使えますが、他者への憑依は不可能となっています。
またブラッドスタークに変身できるだけのハザードレベルはありますが、エボルドライバーを使っての変身はできません。
※自身の状態を、精神だけを千雪の身体に移されたのではなく、千雪の身体にブラッド族の能力で憑依させられたまま固定されていると考えています。
また理由については主催者のミスか、何か目的があってのものと推測しています。
エボルトの考えが正しいか否かは後続の書き手にお任せします。
※ブラッドスタークに変身時は変声機能(若しくは自前の能力)により声を変えるかもしれません。(CV:芝崎典子→CV:金尾哲夫)
※参加者がそれぞれ並行世界から参加していると気付きました。
※主催者は最初から柊ナナが「未来を切り開く鍵」を手に入れられるよう仕組んだと推測しています。
※制限で千雪に身体の主導権を明け渡せなくなっている可能性を考えています。

【スマートフォン@オリジナル】
主催者側の『ナビ』がエボルトのデイパックに転送した携帯電話。
外見は普通のスマートフォンと変わらない。
通話機能などがどうなっているかは現在不明。

122 ◆ytUSxp038U:2023/04/09(日) 22:04:43
仮投下終了です
問題があれば連絡をお願いします

123修正版 ◆ytUSxp038U:2023/04/23(日) 01:23:55
シンチェンジ本スレ62を以下のように変更します

鞄を漁り中の道具を確認し、使い方も理解した。
彼は他の同胞を見下すだけあって、知能も非常に高い。
支給された道具は複数のモンスターを使役し、特殊な鎧を纏う効果を持つ。



鞄を漁り中の道具を確認し、使い方も理解した。
彼は他の同胞を見下すだけあって、知能も非常に高い。
支給された道具は特殊な鎧を纏い、更には武器も同時に出現する。

124修正版 ◆ytUSxp038U:2023/04/23(日) 01:28:44
本スレ63と死亡表記、並びに支給品説明を以下のように変更します

起きた事を説明すれば、別の参加者に襲われたで片付く。
呼び出したモンスターが一瞬で殲滅に追いやられ、彼自身も重傷を負った。
そう付け加える必要があるが。



起きた事を説明すれば、別の参加者に襲われたで片付く。
振るった槍を逆に両断され、鎧の上からでも耐え難い痛みを味合わされた。
そう付け加える必要があるが。


○死亡表記
【ゴブリンロード@ゴブリンスレイヤー(身体:佐野満@仮面ライダー龍騎) 死亡】



【ゴブリンロード@ゴブリンスレイヤー(身体:初瀬亮二@仮面ライダー鎧武) 死亡】


○支給品
【インペラーのデッキ@仮面ライダー龍騎】
仮面ライダーインペラーに変身するカードデッキ。
レイヨウ型モンスターのギガゼールと契約している。
ギガゼールは集団で行動する習性を持ち、他のゼール系モンスターと意思疎通する能力を有している。
その為インペラーはゼール系モンスターを種族ごと支配下に置いている。




【戦極ドライバー@仮面ライダー鎧武】
戦極凌馬が開発設計した変身ベルト。
ロックシードを装填しアーマードライダーに変身する。
イニシャライズ機能が搭載されており、最初に使った人間以外は変身出来ない。

【マツボックリロックシード@仮面ライダー鎧武】
アーマードライダー黒影の変身に用いるロックシード。
量産型の戦極ドライバーに装填した際は黒影トルーパーに変身する。

125 ◆ytUSxp038U:2023/04/23(日) 01:29:57
以上で修正を終了します
何かありましたら連絡をお願い致します

126 ◆C77Ws.YZnQ:2023/07/14(金) 20:47:05
「この体の元の持ち主の名前はクトリちゃんっていう女の子なんだ……」

彼女の名前は衛藤可奈美。元の世界では刀使として荒魂という存在から人々を守っていた。

そして現在彼女は青空の髪で凪の海ような眼を持つ少女クトリ・ノタ・セニオリスの体になっていた。

127 ◆C77Ws.YZnQ:2023/07/14(金) 20:54:40
「私は誰を犠牲にして叶えたい願いはないから……だから私はこの戦いを止める! クトリの体を少し借りるね!」

刀使の少女は戦いを止めるために戦うことを決意する。

128 ◆C77Ws.YZnQ:2023/07/14(金) 21:06:48
【衛藤可奈美・刀使ノ巫女】
【身体】クトリ・ノタ・セニオリス
【状態】健康
【装備】御刀 千鳥
【恩考・状態】この戦いを止める。誰も死なせない。
1 絶対に誰も死なせない。全てを守る。
・参戦時期 アニメ完結後
投稿終了です。

129 ◆C77Ws.YZnQ:2023/07/15(土) 10:35:07
再びこちらに投稿します。タイトルは【運命】です。

130 ◆C77Ws.YZnQ:2023/07/15(土) 10:47:31
「またとんでもないことに巻き込まれましたね……」

手鏡で自分の姿を見てそう呟く黒髪の少女井ノ上たきな。

「とりあえず……この体について調べないとですね」

たきなはタブレットで自分の体の本来の持ち主の情報を確認する。

今のたきなは銀髪で赤いドレスのような服装をした少女の体になっていた。

131 ◆C77Ws.YZnQ:2023/07/15(土) 10:58:13
「名前は運命……ムジカートとして大切な人のために戦い抜いた少女……」

たきなは自分の体の持ち主の情報を確認すると、少し黙ってからこう呟く。

「運命……少しだけあなたの体を借ります。この戦いを止めるために!」

たきなはこの戦いを止めるために戦うことを決意する。

132 ◆C77Ws.YZnQ:2023/07/15(土) 11:10:29
【井ノ上たきな・リコリス・リコイル】
『身体』運命『コゼット・シュナイダー』・タクトオーパス
『状態』健康
『装備』拳銃
『恩考・状態』基本方針・このふざけた戦いを止める。
1 戦いを止めて、誰も死なせない。
2 黒幕を捕まえる。

投稿終了です。

133 ◆C77Ws.YZnQ:2023/07/15(土) 11:11:42
ちなみにたきなの参戦時期はアニメ1期完結後です。

134 ◆C77Ws.YZnQ:2023/07/15(土) 21:36:49
再びこちらに投稿します。タイトルは【リコリスの少女】です。

135 ◆C77Ws.YZnQ:2023/07/15(土) 21:41:49
「他人の体で殺し合いさせるとか……ありえないんだけど……」

そう呟く少女の名前は錦木千束。

136 ◆C77Ws.YZnQ:2023/07/15(土) 21:55:51
「とにかく今はこの体の持ち主の情報を確認にしないと」

千束はそう言いながらタブレットで情報を確認する。現在の彼女は赤髪の少女の姿になっていた。

「佐藤麗華……それがこの体の持ち主の名前なんだね。それでアイドルなんだ……すごいね!」

佐藤麗華という少女はどうやらアイドルらしい。

「この体を持ち主に返すためにもこの戦いを止める!絶対に誰も死なせない!」

戦いを止めることを決意する千束。

137 ◆C77Ws.YZnQ:2023/07/15(土) 21:59:48
【錦木千束・リコリス・リコイル】
『身体』佐藤麗華・22/7

138 ◆C77Ws.YZnQ:2023/07/15(土) 22:09:14
『状態』健康
『装備』拳銃
『恩考・状況』基本方針・この戦いを止める、絶対に誰も死なせないし、殺させない。
1 この戦いを止めて、体を持ち主に無事に返す。
2 絶対に誰も死なせない。
参戦時期
アニメ1期完結後。

139 ◆C77Ws.YZnQ:2023/07/15(土) 22:10:06
投稿終了です。

140 ◆C77Ws.YZnQ:2023/07/16(日) 20:21:20
再びこちらに投稿させていただきます。
タイトルは【太陽の少女と自称イケメン】

141 ◆C77Ws.YZnQ:2023/07/16(日) 20:34:01
「殺し合いなんて絶対にだめだよ……止めないと!」

彼女の名前は川咲さくら。元の世界ではサニーピースというグループに所属するアイドルである。

「まずは私が借りてる体の持ち主さんのことを確認にしないと……」

さくらはタブレットで体の元の持ち主について確認する。現在の彼女は金髪の少女になっていた。

「名前は藤間桜ちゃん……私と同じ名前なんだね! それにアイドルなんだ! すごいな……!」

どうやら彼女が借りてる体の持ち主は偶然にも同じ名前でアイドルだったらしい。

142 ◆C77Ws.YZnQ:2023/07/16(日) 20:42:52
さくらがタブレットで情報を確認にしていると誰が近付いて来た。

「あなたも参加者ですが……?」

そこに現れたのは黒髪の少女。その少女がさくらに参加者か聞いてくる。

「琴乃ちゃん!?」

さくらはその少女を見て驚いていた。どうやらその少女はさくらの知り合いだったらしい。

「私は琴乃ちゃんではありません!! 劉備軍一のイケメン!! 趙雲です!!」

「琴乃ちゃんがおかしくなった!?」

これからどうなるのか……。

143 ◆C77Ws.YZnQ:2023/07/16(日) 21:04:18
【川咲さくら・アイドリープライド】
『身体』藤間桜・22/7
『状態』健康
『装備』なし
『恩考・状況』・基本方針・この戦いを止める。
1 誰も死なせたくない。
2趙雲さんと協力する
3 体を持ち主に返す。

144 ◆C77Ws.YZnQ:2023/07/16(日) 21:05:44
参戦時期はアニメ終了後です。

145 ◆C77Ws.YZnQ:2023/07/16(日) 21:12:40
【趙雲子龍・新解釈三國志】
『身体』長瀬琴乃・アイドリープライド
『状態』健康
『装備』槍
『恩考・状況』・基本方針・さくら殿と一緒に行動する。
1 さくら殿と行動する。
2姿が変わっても私が劉備軍一のイケメンです!
3身体を持ち主無事の返す。

参戦時期は赤壁の戦いが終わった後。

146 ◆C77Ws.YZnQ:2023/07/16(日) 21:13:37
投稿終了です。

147 ◆C77Ws.YZnQ:2023/07/17(月) 14:47:56
再びこちらに投稿します。タイトルは【夢を結ぶ少女と絶剣と呼ばれし少女】

148 ◆C77Ws.YZnQ:2023/07/17(月) 14:49:39
再びこちらに投稿します。タイトルは【夢を結ぶ少女と絶剣と呼ばれし少女】

149 ◆C77Ws.YZnQ:2023/07/17(月) 15:07:42
「人の体を入れ替えて殺し合いをさせるなんて……許せないわね」

彼女の名前は白井夢結。元の世界ではリリィとしてヒュージ呼ばれる存在から人々を守るため戦う少女である。

「今はこの体の持ち主の情報を確認する必要があるわね」

夢結はタブレットで情報を確認する。今の彼女は黒髪の少女の体になっていた。

「この体の持ち主は十条姫和さん……刀使として荒魂と呼ばれる存在から人々を守るために戦う少女……私たちリリィと似ているわね……それに彼女は家族を亡くしているのね……」

家族を亡くしていることにどうやら夢結はなにかを感じたらしい。

「姫和さん……あなたの体を少しだけ私に貸してくれる? この戦いを止めるために!」

夢結はこの戦いを止めることを決意する。

150 ◆C77Ws.YZnQ:2023/07/17(月) 15:23:57
そして、夢結から少し離れた場所に別の少女がいた。

「まさか死んだかと思ったら……大変なことに巻き込まれたな……。だけど、誰かの体を使って殺し合いなんて絶対にだめだよ!」

彼女の名前はユウキ。元の世界では絶剣と呼ばれ、本来の彼女は既に亡くなっているはずなのだが……現在は茶色の髪の少女になっていた。

「この体も早く持ち主に返さないと……!」

ユウキの今の体は戸田ジュンと呼ばれ少女のものらしい。

夢結とユウキそれぞれがどうなるのか……

151 ◆C77Ws.YZnQ:2023/07/17(月) 15:33:16
【白井夢結@アサルトリリィ】
『身体』 十条姫和@刀使ノ巫女
『状態』健康
『装備』小烏丸
『思考・状況』・基本方針・この戦いを止めて、体を持ち主に返す。
1この戦いを止める。誰も死なせるつもりはない。
2体を持ち主に無事に返す。

152 ◆C77Ws.YZnQ:2023/07/17(月) 15:45:04
【ユウキ『紺野木綿季』@ソードアート・オンライン】
『身体』戸田ジュン@22/7
『状態』健康
『装備』剣
『思考・状況』・基本方針・この戦いを止めて、体を持ち主に返す。
1この戦いを止める。まずは誰かと出会わないと。
2体を持ち主に無事に返す。

153 ◆C77Ws.YZnQ:2023/07/17(月) 15:45:46
投稿終了です。

154 ◆C77Ws.YZnQ:2023/07/19(水) 19:54:34
再びこちらに投稿します。タイトルは【トップアイドルを目指す少女とワールドダイスターを目指す少女】です。

155 ◆C77Ws.YZnQ:2023/07/19(水) 20:04:07
「あなた!! 私の身体を返しなさい!!」

「それはアタシのセリフよ!! あなたこそ私の身体を返しなさいよ!!」

森の中で言い合いをする二人の少女。斎藤ニコルとカトリナ・グリーベルである。どうやらお互いの身体が入れ替わったらしく……

「どうしてお互いの身体が入れ替わってるのよ!!」

「そんなのアタシが知りたいわよ!!」

しばらく言い合いした後、お互いに落ち着きを取り戻した二人は情報の確認をするのであった。

156 ◆C77Ws.YZnQ:2023/07/19(水) 20:15:10
「本当にあなたはワールドダイスターを知らないの?」

「聞いたこともないわね……? あなたこそ22/7というアイドルグループは知らないの?」

「そんなグループ聞いたこともないわよ……」

お互いに情報を確認して、二人はある結論に至る。

「どうやらアタシたちはお互い別の世界から来たようね……」

「信じられないけど……そうみたいね……」

ニコルとカトリナはお互いに違う世界から来たらしい。

「アタシはこんなふざけた戦いを止めて元の世界に帰るわよ!」

「それは私も同じよ! 絶対に元の世界に帰るわよ!」

お互いに元の世界に帰るために行動することを決意する二人。

(それにしても彼女の声は藤間さんに似ているわね……)

ニコルはそんなことを思っていた。

157 ◆C77Ws.YZnQ:2023/07/19(水) 20:22:22
【斎藤ニコル@22/7】
『身体』カトリナ・グリーベル@ワールドダイスター
『状態』健康
『装備』なし
『思考・状況』・基本方針・戦いを止めて、身体を取り戻して元の世界に帰る。ただ人は殺さない。
1私の身体を取り戻して元の世界に帰る。ただ人は殺さない。
2カトリナさんの声は藤間に似ている気がする……?

158 ◆C77Ws.YZnQ:2023/07/19(水) 20:29:57
【カトリナ・グリーベル@ワールドダイスター】
『身体』斎藤ニコル@22/7
『状態』健康
『装備』なし
『思考・状況』・基本方針・戦いを止めて、身体を取り戻す。人殺しは絶対にしない。
1身体を取り戻して元の世界に帰る。ただ人殺しはしない。

参戦時期はニコルはアニメとゲーム完結後。カトリナはアニメ完結後です。

159 ◆C77Ws.YZnQ:2023/07/19(水) 20:30:40
投稿終了です。

160 ◆bLcnJe0wGs:2023/07/21(金) 10:07:15
投下させて頂きます。

161もふもふ ◆bLcnJe0wGs:2023/07/21(金) 10:10:57
 会場内にあるビジネスホテルの一室───

「う〜ん… あら? なんだか首周りがモフモフしますわ?」

 その場所で目覚めた、一人(?)の参加者。
 意識を取り戻すと、青白い手や真っ白な沢山の羽根、そしてそれと同色の装束が自身の視界の中にあるのを目にした。

(これは…ニンゲン…いや、それとは別の種族…?)

 その身体を起き上がらせる。
 どうやら、二足歩行が可能な様であり、立ち上がってからベッドに向かって数歩だけ歩き、腰をかけてタブレットにデータとして入っている身体のプロフィールを確認する。

 それによると、この身体には『ラタトスク』という名前があり、元いた世界で銀河宇宙の意思なるものによって生命あるものを滅ぼす為に生み出されたのだが、
 本人はプライドの高い性格故にそれに従わないことを誓い自身のエゴで世界支配を目論んでいたことや、
 彼が使える能力やそれらの制限に関する情報が記されている。

 (ウフフ。でも、元のワタシの毛のようなふわふわの羽根飾りに燃えるほのおのようなキレイな色の髪、気に入りましたわ。)

 しかし、その身体に精神を入れられた彼女である『モフリアス』は彼の本来の性格やまだ試してもいない能力はともかく、
 その容姿は気に入ってしまったようだ。

「もしかしたら、たるおやまろうこん達も巻き込まれているかも知れませんわ。
 特にまろうこんはとてもキケンなので心配ですわ!」

162もふもふ ◆bLcnJe0wGs:2023/07/21(金) 10:12:14
 支給品の確認を終えた彼女はベッドを降り、カーテンと窓を開けると身体側にある浮遊能力を使い、そのまま空中へと飛び立った。

 ─それは、この場所に居るであろう危険な参加者達から、殺し合いの脅威にさらされている者達を助ける為に。

【モフリアス@バケモン混沌のダンジョン 罵愚の探検隊】
[身体]:ラタトスク@新・ボクらの太陽 逆襲のサバタ
[状態]:
[装備]:
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜3(確認済み)
[思考・状況]基本方針:危険な参加者から殺し合いに反対的な参加者を守る。
[備考]
※参戦時期は少なくとも本編に登場した後。
※イモータルとしての不死性は制限によりなくなっています。
※ダークホールを用いたワープは他者の視界に入っている範囲であれば可能。
※身体側が持っているその他の能力制限については当選した場合、後続の書き手様にお任せします。(精神側は把握済み)

163 ◆bLcnJe0wGs:2023/07/21(金) 10:12:57
投下終了させて頂きます。

164 ◆C77Ws.YZnQ:2023/07/21(金) 23:57:03
再びこちらに投稿します。タイトルは【長瀬麻奈】です。

165 ◆C77Ws.YZnQ:2023/07/22(土) 00:10:47
「まさか成仏したかったと思ったら……今度は別の人の身体になってるなんてね……」

彼女の名前は長瀬麻奈。元の世界ではアイドルとして活躍していたが、事故で死亡してしまい、その後、幽霊になり、色々あって成仏したはずなのだが……今はユナという少女の身体になってしまったらしい……。

「他人の身体を使って殺し合いさせるとか……どうかしてるわね……。 さて、これからどうしようか……」

一度幽霊になり、今度は別の少女の身体になった彼女はどうするか。

166 ◆C77Ws.YZnQ:2023/07/22(土) 00:23:00
【長瀬麻奈@アイドリープライド】
『身体』ユナ@ソードアート・オンライン オーディナル・スケール
『状態』健康
『装備』なし
『恩考・状況』基本方針・まずは誰とかと会わないと
1 この身体を持ち主に無事に返さないと。
2 誰と会って情報交換かな

参戦時期はアニメ完結後です。

167 ◆C77Ws.YZnQ:2023/07/22(土) 00:23:34
投稿終了です。

168名無しさん:2023/07/22(土) 14:52:32
書き込みテスト

169 ◆bLcnJe0wGs:2023/07/22(土) 15:27:37
投下させて頂きます。

170Darkness And White ◆bLcnJe0wGs:2023/07/22(土) 15:28:54
 (まったく…また知らない世界に連れて来られて殺し合いをしろと言われるなんてね…
 今回は首輪がない代わりに魂を消す見えない壁があるとはね…)

 会場内のとある場所。
 ベンチに腰を掛け、基本支給品の食料と飲料水を口にするコートを着用したの女性の姿があった。

(まったく…最初に呼ばれた殺し合いじゃ食料なんて支給されなかったのに、こっちは基本支給品なんてものがあって誰にでも水と食料が配られてるのね)

 基本支給品。それは彼女がまだ本来の身体を持っていた頃、最初に招かれた殺し合い。
 それも、食料がまともに得られるものではない状況の中だった。
 その際は元いた世界で出来た友人で、人間の少女である『あい』と一緒に巻き込まれた。
 連れて来られた世界の日本では『バトルロワイアル法案』というものが施行されており、高齢化対策の為に食料の供給を規制される等して殺し合いが推奨され、国内にいる者達も反乱対策の為爆弾付の首輪をはめられた。
 自分とあいもその殺し合いの為の舞台装置のような扱いを受ける為に元の世界から拉致された。
 その結果あいとの友情が崩壊し彼女を殺しそうになったが、逆に自分が殺されることになった。

(さて、腹ごしらえは終わりね?次は辺りを見渡すとしましょうか?)

 食事を終え、周辺を見渡す。
 それも、以前の殺し合いの時にあっさりと殺されることがない様に。
 余りの空腹でタブレットもまともに確認せず食事をとった為、身体側のプロフィールは確認していないが、そうだからと今更確認する余裕は彼女にない。

171Darkness And White ◆bLcnJe0wGs:2023/07/22(土) 15:29:30
【ビアンカ(どうぶつの森)@テラカオスバトルロワイアル】
[身体]:ドゥネイル@続・ボクらの太陽 太陽少年ジャンゴ
[状態]:腹八分目、発狂気味
[装備]:
[道具]:基本支給品(うち食料一食分、水一本の内4/1程消費)、ランダム支給品1〜3
[思考・状況]基本方針:今度こそは生き残る。
1:まずは周辺を見渡す。
2:余裕があればランダム支給品と身体側のプロフィールを確認したい。
[備考]
※参戦時期は少なくとも第1期177話であいに殺された後。
※身体側のプロフィールを確認していません。

172 ◆bLcnJe0wGs:2023/07/22(土) 15:30:07
投下終了させて頂きます。

173 ◆C77Ws.YZnQ:2023/07/22(土) 18:54:38
再びこちらに投稿します。タイトルは【リリィとして生きた少女】です。

174 ◆C77Ws.YZnQ:2023/07/22(土) 19:03:52
「私……生きてる?」

彼女の名前は一柳結梨。元の世界ではリリィとしてヒュージと呼ばれる存在と戦う少女であり、彼女はヒュージとの戦いで死亡したはずなのだか……

「私はなんで生きてるんだろう……? それに違う人の身体になってる……」

今の彼女は和泉沢愛生という少女の身体になっていた。

「梨璃、夢結……私はどうすればいいかな……?」

彼女はこれからどうするのか……?

175 ◆C77Ws.YZnQ:2023/07/22(土) 19:16:38
【一柳結梨@アサルトリリィ】
『身体』和泉沢愛生@恋愛フロップス
『状態』健康
『装備』グングニル【結梨の元の世界の武器】
『恩考・状況』基本方針・現在考え中
1私はどうすればいいかな……?
2この身体の持ち主さんは困ってないかな……?

176 ◆C77Ws.YZnQ:2023/07/22(土) 19:17:29
投稿終了です。

177 ◆N9lPCBhaHQ:2023/07/23(日) 09:57:16
投下します

178 ◆N9lPCBhaHQ:2023/07/23(日) 09:58:58
その男は、愛の為に戦った。

仮面を被り、嘘(ブラフ)に固め、ただ愛する者の側にいた。
犯罪にも手を染め、多くの人々を自分のエゴの巻き添えにした。
世界から拒絶された少女を、誰からも崇拝される救世主へとプロモーションした。
それは、彼女を憧れと崇拝の対象とし、永遠の幸福を与えるため。
全ては『新時代の女神』の完璧な理想郷を作るため。

誰にも理解されなくて構わない。
これこそ彼女にとっての幸せで、それを影ながら支えるのが自分の役目。
『これが愛だ、愛は何よりも強い』のだと。
男はそう胸を張って言える。
自分の愛が間違っていないのだと確信を得ていた。

その愛が失敗に終わったとしても、男は最後まで自分のエゴに従った。

殺し合いに呼ばれ、男は理解した。
これはやり直し(redo)の機会なのだと。
人生は何度だってやり直せる。男がずっと信じてきたことだ。
願わくば今一度、後悔なき選択を。
今度こそ新時代の女神に相応しき、完璧な理想郷を。

彼に与えられた肉体もまた、愛する女の為に戦った男。
支給された仮面の下で、男は再び愛する者の名を叫んだ。

「小夜子ォオオオオオオオオオオオオオオオオ!」

【ブラフマン@Caligula2】
[身体]:橘朔也@仮面ライダー剣
[状態]:健康、仮面ライダーギャレンに変身中
[装備]:ギャレンバックル+ラウズカード(A〜10)@仮面ライダー剣
[道具]:基本支給品、スゲーナスゴイデストランプ×3枚@クレヨンしんちゃん、ランダム支給品0〜1
[思考・状況]基本方針:もう一度、リドゥを。
1:優勝してリグレット(小夜子)を新時代の女神にする。
[備考]
※参戦時期は本編退場後です。
※肉体の参戦時期は少なくても深沢小夜子を失った以降。プロフィールに各種共演作品の情報が載っているかはお任せします。

[意思持ち支給品状態表]
【エスデス@アカメが斬る!】
[身体]:スゲーナスゴイデストランプ(から召喚される雛形あきこ)@クレヨンしんちゃん
[状態]:正常
[思考・状況]基本方針:殺し合いを楽しむ
[備考]
※参戦時期はお任せします。

【スゲーナスゴイデストランプ×3枚@クレヨンしんちゃん】
ブラフマンに支給。
「ヘンダーランドの大冒険」に登場した魔法のトランプ。1回の使用に1枚消費。
作中で3回呼んだので3枚支給。
このロワでは1978年1月27日生まれ水瓶座のA型、出身地は東京、特技は日本舞踊、趣味は絵とピアノ、
スリーサイズは83、57、85、24、今年大ブレイクの予感(1996年当時)って評判のピチピチギャル、通称おヒナの召喚に効果を固定されている。
召喚から一定時間経過で消滅する。

【ギャレンバックル+ラウズカード(A〜10)@仮面ライダー剣】
ブラフマンに支給。
仮面ライダーギャレンに変身するためのベルトとカードのセット。付属ラウズカードはダイヤのA〜10。
強化フォームに必要なラウズアブゾーバーおよびJ、Q、Kのラウズカードは入っていない。

※ラウズカードが精神チェンジ対象となる場合、支給品あるいは肉体を変更します。
また、肉体側でダイヤカテゴリーのアンデッドが参戦した場合、該当のラウズカードを除外します。

179 ◆N9lPCBhaHQ:2023/07/23(日) 09:59:53
投下終了です、
タイトルは「仮面ライダーアウトサイダーズep.3 2023年7月23日配信開始」です

もう一本投下します

180 ◆N9lPCBhaHQ:2023/07/23(日) 10:02:09
さてさて…
これにてうしおととらのながぁいお話はおしまいだ。
あん、何?寂しいって!?
この国から妖怪達がいなくなって悲しいと…
あんたらはいうのかい…
ふっふっふっ。
いいかね、よォくお聞き。
人間は土に生まれて土に死ぬ…
土に死ねば、この世に再びかえってはこない…
にもかかわらず……
その土からすらこの世に立ちかえってくるもの。
それが、妖怪なのだよ。

だから、
だからさ、
ひょっとして…
いつの日か…










#center(){&sizex(7){「おぎゃあああああああああああああ」}}


&sizex(7){白面の者}
&sizex(7){0歳}


【白面の者@うしおととら】
[身体]:高橋べべべべ@ベベベベベイビー
[状態]:健康、筋肉隆々
[装備]:
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考・状況]基本方針:全てを滅ぼす
1:それはそうとせっかく赤ちゃんになれたので少しオギャる
[備考]
・参戦時期は最終話で討たれて消えゆく際に赤ちゃんになりたくなった瞬間です。

181 ◆N9lPCBhaHQ:2023/07/23(日) 10:02:46
投下終了です
タイトルは
「ヘイ、オギャーって産まれた時にはもっと光っていたっけな」です

182 ◆C77Ws.YZnQ:2023/07/23(日) 10:26:50
再びこちらに投稿します。タイトルは【時雨】です。

183 ◆C77Ws.YZnQ:2023/07/23(日) 10:34:56
「まさかこんなことに巻き込まれるなんてね……」

彼女の名前は時雨。元の世界では艦娘として人々と海の平和を守るため戦っていたが……彼女は最後の戦いで死亡したはずなのだが……

「他人の身体で殺し合いさせるなんて許せない……! それにまさか平行世界の夕立にの身体になるなんて驚きだよ……」

今の彼女の身体は妹の夕立の身体になっていたが
どうやら平行世界の夕立の身体らしい。

「ごめん、夕立……少しだけ君の身体を借りるよ……この戦いを止めるために!」

時雨は戦いを止めるために動くことを決意する。

184 ◆C77Ws.YZnQ:2023/07/23(日) 10:41:00
【時雨@艦これ いつかあの海で】
『身体』夕立@艦これ アニメ1期&劇場版
『状態』健康
『装備』艦娘の装備 拳銃
『恩考・状況』基本方針・この戦いを止める。夕立の身体を無事に返す。
1この戦いを止める。人殺しはしない。
2 夕立の身体を無事に返す。
3 平行世界にも艦娘はいるんだね……

参戦時期はアニメの最後の戦いの後です。

185 ◆C77Ws.YZnQ:2023/07/23(日) 10:41:31
投稿終了です。

186 ◆C77Ws.YZnQ:2023/07/23(日) 19:51:03
再びこちらに投稿します。タイトルは【狼】です。

187 ◆C77Ws.YZnQ:2023/07/23(日) 19:58:28
「まさか死んだと思ったら……他人の身体になって、殺し合いをさせられるとはな……」

彼の名前は織田信長。本能寺の変で死亡したはずなのだが……今の彼は別の世界の織田信長の身体になっていた。

「俺を殺していいのは徳川家康だけだ!! 他の奴に殺されてたまるか!!」

これからどうする……織田信長。

188 ◆C77Ws.YZnQ:2023/07/23(日) 20:03:27
【織田信長@どうする家康】
『身体』織田信長@戦国無双4
『状態』健康
『装備』剣
『思考・状況』基本方針・殺し合いに興味はない。元の世界に帰り家康に会う。
1俺を殺していいのは家康だけだ!
2この世界の殺し合いに興味はない……

189 ◆C77Ws.YZnQ:2023/07/23(日) 20:03:57
投稿終了です。

190 ◆N9lPCBhaHQ:2023/07/23(日) 21:52:13
投下します、タイトルは「ユメトユメ」

もう一作分の投下宣言もします

191 ◆N9lPCBhaHQ:2023/07/23(日) 21:54:03
☆岸辺颯太

「こんな殺し合い早く止めさせないと!」

魔法少女ラ・ピュセルこと岸辺颯太は駆け出した。
元の世界では16人の魔法少女による無慈悲なゲームに巻き込まれている真っ最中にこの世界に呼ばれた。
男子中学生でありながら魔法少女として活躍する正義感の強い少年は、当然この殺し合いも打開するために動いていた。
そんな彼に与えられた肉体もまた、別の魔法少女である。
白を基調としたセーラー服。フリルで縁取られたスカート。白い花飾り。
颯太にとって見覚えのある姿。

「ってこれ小雪の身体じゃないか!」

それは、魔法少女『スノーホワイト』こと姫川小雪の身体。
颯太の幼馴染であり、同じ魔法少女仲間である。

「……魔法少女アニメだと、こんな入れ代わり展開もあったりするけど……」

颯太は魔法少女だが、思春期真っ最中の男子中学生でもある。
こんなシチュエーションを考えた事が無いと言えば嘘になる。
ましてや幼馴染の子の身体になってしまったのだからそりゃもう興奮が凄い。
邪なことをどうしても考えてしまうのは無理のない話。
中学生男子だもの仕方ない。

「いけない、今はそんなこと考えてる場合じゃない……そ、そうだ、そうこう時は」

顔を挙げ、遠くを眺める。
思い浮かべるのは母親の顔。
その瞬間、呼吸も鼓動も静まり返る。
身体の熱が自然と冷めてゆく。
これは、周りの魔法少女達に余計な邪念を抱かなくするために生み出した、彼なりのルーチンである。

「……うん、まあ、よし……大丈夫だ」

男子中学生が行うには大層キツい行為であるが。

仕切り直す。
幼馴染の身体というのは、ある意味では幸運だ。
どんな肉体になるか分からない状況下で、この身体は心強い。
使える魔法も分かっている。
プロフィールを確認するまでもない。

(……流石に見るのはやめておこう)

192 ◆N9lPCBhaHQ:2023/07/23(日) 21:55:00
というより、幼馴染の個人情報を見るのは抵抗があった。
もしかしたら知られたら困るような事が書いてあるかもしれない。
颯太は紳士だった。

(……困った事になった)
「誰かいるのか?」

不意に声が聞えた。
これは肉体となっている『スノーホワイト』の固有魔法『困っている人の心の声が聞こえるよ』だ。
彼女の固有魔法は相手の困り事を聞き取ることが出来る、人助けに特化した魔法だ。
その姿を与えられている今、颯太にも同様の魔法が使えた。

そしてその声はよく聞いてみれば、聞き覚えのある声であることが分かる。

(……急いで帰らなくと)
「この声、まさか小雪か!」

声の聴こえる方へ一目散に駆け出す。
姫川小雪、優しくて可愛くて正しい魔法少女ことスノーホワイト。
この身体の本来の持ち主。
人の困り事を解決する、よろず相談魔法少女。
争い事が嫌いで弱虫で泣き虫で、戦いに向いていない彼女までも呼ばれているのなら、すぐに守らなくてはいけない。
彼女を守るとあの日、剣に誓ったのだから。

「大丈夫か!…………え!?」

そこに居たのは、鎧に身を包んだ竜の角を付けた少女。
無表情、無感情、無愛想でありつつも騎士のような高潔さと、ある種の色気を併せ持つ外見。
剣と鎧で武装した、颯太のよく知る魔法少女の姿であった。

「ええ……えっと、その身体」

それは、本来の自分の身体。
声をかけられた少女は、魔法少女『ラ・ピュセル』の姿をしていた。
彼女は、颯太の姿を見て僅かに驚きを見せた。

「そ、その身体は……、ぼ」

しかしそれも一瞬。颯太が言葉を言い終える前。
挨拶も無しに駆け出し、颯太へと剣を振り下ろす。
真っ直ぐに振り下ろされた剣を、颯太は身体を捻り回避。
振り向きざまに脚を狙った剣筋を跳躍し躱す。
普段の癖で剣を構えようとした手は空気を掴むだけに終わり、慌てて跳躍し距離を取る。

「何をするんだ!」

颯太の頭に疑問符が浮かぶ。
この魔法少女は小雪なのか、と。
自分の知っている小雪は臆病な少女のはずだ。
なのに似ても似つかぬ動きでこちらに攻撃を仕掛けた。小雪だったら絶対にやらないことだ。
ならば、たまたま小雪と声が似ていたのを誤解してしまっただけだろう。
颯太はそう結論付ける。

そう思うと、自分の不甲斐なさに怒りが湧いてくる。
肉体が入れ替わっている今、声だけで判断するのは安易過ぎた。
この殺し合いの場では安易に近づくよりも、様子を見るべきであった。
自分の油断で、何よりも大切な幼馴染の身体を傷物にするかもしれなかった怒りが身を包む。
ましてや相手が他でもない自分の身体なのだから。

颯太にとって、魔法少女とは戦うヒロインの象徴だ。
強大な敵に立ち向かい、大切な物を守るためには諦めない戦士。
人を殺そうとする者を魔法少女とは認められない。ましてや自分の姿であっては論外だ。

193 ◆N9lPCBhaHQ:2023/07/23(日) 21:55:37
そうは思っていても優位は覆せず、颯太は防戦一方だ。
元々『スノーホワイト』は単純な力押しに弱い魔法少女だ。
心を読む魔法を持つとはいえ、急な動きに対応するには限度がある。
かつての一件後、幾多の鍛錬を潜り強くなった『スノーホワイト』の身体。
それでも、本来戦い向けの魔法少女ではない事には違いない。
単純な破壊力比べであれば、戦う魔法少女である『ラ・ピュセル』のほうが上回る。
ましてや颯太は幼馴染の身体を気遣い、強気な攻撃に出ることができず、回避に専念するほかない。
そのうえ得意武器も無い状態だ。
追い詰められるのも時間の問題であった。

硬直状態の最中、『ラ・ピュセル』の姿の相手はデイパックから、種のようなものを取り出した。
瞬間、周囲に閃光が広がり、身動きが取れなくなる。
相手が投げたデクの実は、当てた者の動きを少し封じる効果を持つ。
戦場ではその瞬間だけで勝負は決まる。
剣が颯太の身体を貫いた。


♢♢♢


心の声が聴こえない。
ラ・ピュセルの肉体を与えられた少女が真っ先に思ったことはそれだった。

精神として入っている者の名は―――
―――『魔法少女狩り』スノーホワイトこと姫川小雪。

魔法は魔法少女に変身していなければ使えない。
姫川小雪が『スノーホワイト』ではない今、心の声を聞く魔法は使えない。

(そうちゃんの身体、か)

身体として配られたのは、何年も前に亡くなった幼馴染の『ラ・ピュセル』。
自分を守る為に他の魔法少女に立ち向かい、亡くなった筈の少年。
あの頃と何一つ、寸分の狂いもないままで、自分の肉体として充てがわれている。
唯一違うところは、彼はこんな仏頂面では無いことだ。

194 ◆N9lPCBhaHQ:2023/07/23(日) 21:57:14
懐かしさは感じるが、そればかりに浸っている場合ではない。
心の声を聞く魔法が使えない今、いつものように先読みする戦いは叶わない。

(……殺し合い)

かつての魔法少女試験を彷彿とさせる殺し合い。
あの頃の姫川小雪は守られるだけの少女だった。
何も自分で選べず、戦おうともせず、結果的に生き残ってしまっただけの少女。
自分が何もしなかったせいで幼馴染のラ・ピュセルも、先輩魔法少女も、自分を助けようとした魔法少女も、みんな失った。

強くなりたかった。変わりたいと思った。
戦うことを選び、訓練を積み、一時の判断が死を招く修羅場に身を置いた。
人助けの魔法を戦闘向けに。相手の困り事を解決する優しい魔法を、相手の知られたくない弱みを知る魔法へと変えた。
よろず相談魔法少女から、魔法少女狩りと呼ばれ畏怖される存在へと変わった。

いつしか夢は呪いと化した。
どれだけの重圧にも折れることなく戦う。
どれだけ苦しくて、どれだけ疲れて、何も考えたくなくなっても。
亡くした者達に恥じぬよう戦い続けた。戦い続けなくてはいけなかった。
清く、正しく、美しく、自分の信じる魔法少女の姿を貫く。
どれだけの道程でも、それでも夢を見てる。変わってしまった今でも、こっそり夢見てる。
スノーホワイトは、姫川小雪は、夢を見る。
あなたのために理想を求める。
すべては―――の為に。

(早く戻らないと)

3日以内という時間制限は焦りを産む。
スノーホワイトは夢を見ている。
本来の魔法少女狩りスノーホワイトであれば、ウタなる魔法少女の身体を奪った魘夢へと立ち向かったであろう。
しかし、ここにいるスノーホワイトは本来のスノーホワイトではない。

『スノーお姉ちゃんがプクの味方をしてくれれば、きっと上手くいくと思うんだ。』

敵対していた魔法少女プク・プック。
彼女の魔法はどんな相手だろうと『お友達』にしてしまう。
姫川小雪がこの殺し合いに呼ばれたのは、まさにその魔法を受けていた時だった。
今の小雪は、あらゆる優先順位をプク・プック様を第一に考えるようにされてしまった。
自分の為さねばいけないことよりも。

195 ◆N9lPCBhaHQ:2023/07/23(日) 21:58:02
全てはプク様の夢、『世界中の魔法少女全員とお友達になる』を叶えるために。
敵も味方もどろどろに溶けて、魔法の装置の中でみんな永久にエネルギーを取り出される存在となる。
なんて素晴らしい理想か。
プク様はスノーホワイトを必要としている。プク様の笑顔のためであれば、どんなことでも出来る。
急いで帰って手助けをしなくてはいけない。

かつてのデスゲームを経験した小雪にとって、殺し合いに乗るのはやりたくない事だった。
それでもやらなければいけなかったし、これからやらなくてはいけないことだ。
自分の肉体が他人に渡っていることを知ったとき、真っ先に思ったのは肉体プロフィールで自分の情報が知られてしまうことだ。
手の内が知られては、今後のプク様の不利益に繋がるかも知れない。
それに自分の魔法で心を読まれてしまってはこの殺し合いにおいて動きづらくなる。
だから、今のうちに殺しておくべきだと判断した。

相手が自分の身体だからこそ、その弱点は手に取るように分かった。
対する魔法少女はまだ自分の身体を使いこなせていない。
自分の得意武器は薙刀だ。突き刺す、弾く、斬るといった動作はある程度は剣術にも使い回せる。
小雪はそのまま、自分の姿の魔法少女を刺し殺すつもりであった。
だけど、ほんの一瞬、少しだけ身体が止まった。そうだ、止めてしまった。
原因があるとするのなら。

(そうちゃんの身体……)

『ラ・ピュセル』は騎士だ。
騎士とはお姫様を守る盾。
争うことのできない、優しい君の剣。
だから、『ラ・ピュセル』の身体である以上、『スノーホワイト』を殺す事を無意識的に拒んだ。
拒んでしまった。

「うん……でも、もう大丈夫」

顔を挙げ、遠くを眺める。
思い浮かべるのはプク・プックの笑顔。
その瞬間、呼吸も鼓動も静まり返り、心が安らぎ、落ち着いていく。
焦りから生まれた身体の熱は、いつの間にか冷めて、別の熱意が高まっていゆく。
もう同じ失敗はしないだろう。

しかし、夢とはいつか覚めるもの。
自分の心の声は、聞こえない。
今は、まだ。

【スノーホワイト(姫河小雪)@魔法少女育成計画】
[身体]:ラ・ピュセル(岸辺颯太)@魔法少女育成計画
[状態]:健康、プク・プックによる洗脳中、ラ・ピュセルに変身中
[装備]:ラ・ピュセルの剣@魔法少女育成計画
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0〜2、デクの実×9@ゼルダの伝説 ムジュラの仮面
[思考・状況]基本方針:元世界への迅速な帰還。
1:優勝し、身体を取り戻して帰還する。願いの権利はプク様の為に使う。
2:情報が流れる前に自分の身体の持ち主を殺す。(精神が颯太であることには気付いていない)
3:身体を取り戻してここから脱出出来る方法があれば、それでもいい
[備考]
※参戦時期は『魔法少女育成計画QUEENS』にてプク様の魔法を受けて『お友達』になっている時期です。
※時間経過により徐々に正気に戻ります。最低でも24時間後には正気に戻りますが、精神状態によってはもっと早く戻ります。
※肉体の参戦時期は参加者ラ・ピュセルと同じです。
※変身を解除しても魔法少女状態で受けたダメージはリセットされないものとします。

【デクの実×10@ゼルダの伝説 ムジュラの仮面】
スノーホワイト(姫河小雪)に支給。
10個セットで支給。
『出現後、一定時間が経過するか、ダメージを与えると激しい光を発しながら爆発するアイテム。その光に触れた者は、しばらく目くらましの状態になり、身動きが取れなくなる。さらに、投げて相手に当てても同様の効果が得られる。『ゼルダの伝説 時のオカリナ』でも敵をひるませる効果があり囲まれたときなどに役立つ。』(スマブラXでのフィギュア名鑑)


【ラ・ピュセルの剣@魔法少女育成計画】
※支給品ではなく、ラ・ピュセルの魔法で発現する剣。
名称については下記資料本から。
ラ・ピュセルの魔法『剣の大きさを自由に変えられるよ』で大きさを変えることが出来るロングソード。魔法少女に変身すると自動的に背負っている。
本人の意思で自由に出したり消したり出来る。通常時は1メートル幅40センチ。
魔法でサイズを5倍や半分以下など自在に大きさを変化可能。鞘だけ大きくなどもできる。
持っている必要はなく、視界の範囲内であれば自由に大きさを変えられる。
非常に頑丈であり、魔法少女の攻撃を受けても傷一つ付かない。

なお、ラ・ピュセルの魔法でこの剣以外を大きくすることは出来ない。
背負っている大剣のサイズを変化させる(魔法少女育成計画オフィシャルファンブック)
固有の武器である大剣の大きさを自在に変化できる(TVアニメ魔法少女育成計画ファンブック)
など微妙に表記揺れがあるが、魔法で大きくすることが出来るのはこの剣だけと見て良いだろう。

196 ◆N9lPCBhaHQ:2023/07/23(日) 21:58:35
☆ラ・ピュセル


颯太は元の世界では、強敵と戦い勝利する自分を夢想していた。
正々堂々と戦い、お互いを認め合う。
魔法少女アニメのそんなシチュエーションが好きだった。
しかし、現実はそうはいかないものだ。
一方的な殺し合いで相手とわかり会えるなんてありえない。
裂傷を負った肩を抑えつつそんなことを思った。
白いコスチュームがほんの少し赤く、妖艶に染まる。

「何だよ、これは」

『スノーホワイト』の魔法「困っている人の心の声が聞こえるよ」は、身に付けた当初から随分変わった。
深層心理や考えたという自覚を持たない声まで聞くことが出来る。
そのことを、この頃の颯太は知らない。
今まさに自分が殺されるその瞬間、相手から聞こえたのは、
『スノーホワイトを傷つけたくない』という心の声。
今しがた殺そうとしたものを、守ろうとする矛盾した言葉。
その瞬間、攻撃が僅かに止まり、支給品の『だっしゅつボタン』が発動。
致命傷となる前にその場を離れることが出来た。

「何なんだよ……僕にどうしろっていうんだ……」

冷静さを見失うと、真実と真理にたどり着くことはできない。
この頃の岸辺颯太は未来で自身に起こる悲劇も、姫川小雪が選ぶ道もまだ知らない。
ましてや二人の夢が塗りつぶされてしまったなんて、分かるはずもなかった。


【ラ・ピュセル(岸辺颯太)@魔法少女育成計画】
[身体]:スノーホワイト(姫河小雪)@魔法少女育成計画
[状態]:健康、スノーホワイトに変身中、困惑
[装備]:
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0〜2(剣の類は無い)、だっしゅつボタン(使用済み)@ポケットモンスター
[思考・状況]基本方針:魔法少女として皆を守る
1:自分の身体の魔法少女に対処する。(精神が小雪であるとは思っていない)
2:どうにか本来の肉体を取り戻す。
[備考]
※参戦時期は『魔法少女育成計画(原作1巻)』、森の音楽家クラムベリーと戦う直前です。
※肉体の参戦時期は参加者スノーホワイトと同じです。
※変身を解除しても魔法少女状態で受けたダメージはリセットされないものとします。
※まだ魔法を完全に使いこなせていません。深層心理の先読みなどはもう少し慣れないと完全に使いこなすのは難しいでしょう。
※魔法で聴こえる声は『精神側の声色』で聞こえます。
※肉体プロフィールを確認していません。現状する予定もありません。


【だっしゅつボタン@ポケットモンスター】
ラ・ピュセルに支給。
もたせて わざを うけると せんとうから だっしゅつして てもちと いれかわる ことができる。
このロワでは攻撃を受けた際に自動発動し、持ち主をランダムなエリアに転移させる。
一回使うと使えなくなるが、『リサイクル』などの特性で再利用することが出来る。

197 ◆N9lPCBhaHQ:2023/07/23(日) 21:59:14
投下終了です
もう一本後で投下します

198 ◆N9lPCBhaHQ:2023/07/23(日) 22:09:19
他にいなそうなので投下します
タイトル「DQM新作発表記念」

199 ◆N9lPCBhaHQ:2023/07/23(日) 22:12:04
その魔物は、障害物だった。
英雄が悪を討つ過程に存在する、道端の石ころ。
英雄譚においては、彼の意志も、話した言葉も語られなかった存在。
魔物のエリートと称された天才にとって、そんな目で見られることは屈辱でしかなかった。


■■■


「な、なんだこの生き物はッ!おそろしく腹が減る!それに眠くて敵わん!」

パッショーネのギャング、チョコラータは焦っていた。
彼に与えられた身体はいねむりポケモンのカビゴン。
その不思議な生き物は、
『ねむっているとき いがいは エサを たべつづける。1にちに 400キロ たべないと まんぷくに ならない。』
という性質を持つ。

「400キロだとお!?」

カビゴンは460.0kgの体重を誇り。その9割近くの食料を必要とする。

一般的には小さい動物ほど、一日に必要な食料の割合は大きくなる。
モグラなどの小動物は一日に体重の半分ほどの食料を食べねば餓死する。
自然界における最大の動物であるクジラは一日に数トンの食料を食べるが、それでも体重の5%に過ぎない。
この生き物はその比ではない。
身体の大きさに対して必要な食料の割合がめちゃくちゃだった。

「まさか私がカビを使うからこんな身体したとでも言うのか!」

『カビが はえていても くさっていても だいじょうぶ。カビゴンの いぶくろは なんでも しょうかできるのだ。』

「ええい、眠気が止まらん!」

『まいにち 400キロの エサを くう。 くってるはじから いねむりを はじめ ねむったままでも くっている。』

デイバッグの食料は一瞬で空になった。
人間三日分の食料などなんの足しにもならない。
優れた頭脳を持つチョコラータと言えど、コンディションが完全でなければ最適に回らない。
無駄な肉を切り離すことも考えたが、身体の作りを調べ切れていない現時点では自殺行為だ。
急いでこの場を離れ、食料の補給とスタンドを活かせる場所へと移動せねばいけなかった。
そんなときに、胸部を鎧のように固め、マントを羽織った少年がこちらに向かってくるのが見えた。

「クッ、こんな時に!」

チョコラータのスタンド、グリーンディの強さはロケーションに左右される。
現在の位置より少しでも低い所に移動することで、相手を殺人カビに覆わせるスタンド。
高所であるほど効果を発揮するが、チョコラータがいるのは平坦な住宅地だ。
すばやさの低いカビゴンでは高所への移動は間に合わない。

ならば、とプロフィールに記載の能力に頼る。
口元にエネルギーを溜める。
身体に溜め込んだエネルギーを「はかいこうせん」として放つワザ。
ヒスイの地において、人々に多くのトラウマを与えたそのワザは、当たればひとたまりもない。
当たればだ。

「マホトーン」

少年はただ一言呟く。
それだけで口元に溜まっていたエネルギーが消滅した。
ポカンと口をあけたままのチョコラータに対し、もう一言、言葉を紡ぐ。

「ラリホー」

それは、死への導き。


■■■

200 ◆N9lPCBhaHQ:2023/07/23(日) 22:13:40


英雄(ヒーロー)にも思えるその姿。
その実態は、殺した死体の皮を真似て、形を歪めて身に纏うヴァンバイア。
魂として入った者の名前はバズズ。
2度地獄から舞い戻った、暗黒の魂。

殺した理由など、特にない。しいて言えば試用だ。
今殺した生き物の胸元に手を入れて心臓を取り出し、飲み込む。
今の身体、佐神善の持つ模倣(コピー)の能力の試用。
プロフィールによると本来はヴァンパイアの心臓が変化した遺灰物というものを取り込むことで、相手の能力を模倣する。
ヴァンパイアでない存在の心臓での模倣は可能か試す必要があった。

バズズには、邪配合と呼ばれる他の魔物を取り込む事によりその力を増す、禁忌の術の経験がある。
異世界における進化の秘法とも共通するとされ、急激な成長を引き起こす。
この殺し合いに呼ばれる前は、同じロンダルキアの悪魔たちアトラス、ベリアルと融合し、破壊神シドーの力を得た事もある。
身体が変われど、精神はその使い方を覚えている。

戦う相手が破壊神すらも上回る化物達(モンスターズ)ならば、その力を上回るほどの力がバズズには必要だった。
2度の死を経験した悪魔は、それしか頭に無かったし。それ以外が残っていなかった。
宿敵の力を恐れ、みっともなく逃げ出そうとした自分の姿を思い出すたびに、はらわたが煮えくり返る。

「まあ……悪くねぇか」

模倣は、結果としては成功した。
劣化品ではあるが、チョコラータのスタンド、グリーンディを模倣することが出来た。
バズズは非常に狡猾な魔物だ。
攻撃呪文だけでなく。ラリホー、マホトーン、ザラキと言った絡め手も使える。
その中に織り交ぜるなら、使い勝手がいい。

「……殺し合いねぇ」

2度の地獄を経験した悪魔は油断はしない。
呪文に長けていて、与えられた身体も強いとはいえ慢心しては同じことになる。
英雄を殺すのは、歪んだ人間の意志。
かつて、死の間際にほんのわずかな闇を撒いただけで、人間達は英雄に恐怖を抱いた。
そのことを思い返しながら、悪魔は次なる餌を求める。

「待っていろ……ロラン」


&color(#F54738){【チョコラータ@ジョジョの奇妙な冒険 (身体:カビゴン@ポケットモンスター) 死亡】}


【バズズ@ドラゴンクエストモンスターズ+】
[身体]:佐神善@血と灰の女王
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考・状況]基本方針:ロランを倒せる力を得て、再び復讐する
1:強者を餌として力を得る。
2:疑念をバラまいて攪乱する。
3:ロラン(ローレシアの王子)がいれば殺す。
[備考]
※参戦時期は死亡後です。ただしアトラスおよびベリアルの魂は宿っていません。
※DQM+およびDQ2で使用した呪文は使えます。他シリーズで使用した呪文についてはお任せします。
※肉体の参戦時期は燦然党の決戦後、堂島正の遺灰物を取り込む前です。
※チョコラータを取り込んだことで、疑似的なグリーン・デイが使えるようになりました。
カビゴンの技も覚えたかもしれません。

201 ◆N9lPCBhaHQ:2023/07/23(日) 22:14:25
投下終了です
滑り込み投下申し訳ありません

202譜面上のジグソーパズル ◆vV5.jnbCYw:2023/10/07(土) 00:20:08
一度こちらの方に投下します。

203譜面上のジグソーパズル ◆vV5.jnbCYw:2023/10/07(土) 00:20:48
一度こちらの方に投下します。

204 ◆vV5.jnbCYw:2023/10/07(土) 00:21:41
一度こちらに投下します。

205 ◆vV5.jnbCYw:2023/10/07(土) 00:22:41
パズーの知り合いは、敵1人しかいなかった。
恐らく優勝を企んでいるであろうムスカ大佐に、警戒心が募る。
その反面、シータやドーラがいないことには安堵を覚えた。
彼女らが肉体として利用されていることも無い。
なので、隣にいるパートナーにタブレットを見せることにした。


「なあ。君が知っている人はいたのか?」



リンクは覚束ない手で、画面をスクロールさせる。
言葉を話せぬ獣と言え度、元の魂は人間であるため、文字を読むことは可能だ。
人ならざる手でタッチされた名前は『チャット』。
彼の元パートナーであり、共にタルミナを冒険した仲間だ。


「仲間なのか?」


コクリと首を縦に振る。人の言葉も理解できる以上、はいかいいえで答えられる質問なら返答可能だ。
他にも、時間がかかるが

「じゃあ、支給品を確認したらチャットを探すことにする。それでいいな?」


コクリと頷いたのを確認すると、パズーは支給品を確認し始めた。
次に出てきたのは、青い色をしたオカリナだった。
形状でそれが楽器だと分かったが、演奏できそうにないし、ましてや護身用にもなりそうにない。
彼は炭鉱の町で働いていた時、朝を告げるトランペットを吹いていたが、それとこれとは別だ。
ハズレの支給品かと落胆するが、その瞬間何かが動いた。


「うわ!!……なんだ。驚かさないでくれよ。」


電光石火の速さに驚くが、その正体が分かってしまえばさほど恐ろしいものではない。
リンクが凄い速さ動いただけだ。その口にはオカリナが咥えられている。


「…まさか、元の身体の持ち物だったのか?」


目の前の相手が、人の物を急に強奪するような粗暴な性格の持ち主でない。
出会ってからさほど時間の経っていない関係だが、パズーはリンクをそう思っていた。
尤も、リンクは元の世界では人の部屋のツボを叩き割り、宝箱の中身を盗んでいたのだが、それはナシにしておこう。
何の変哲もないオカリナだと思っていたそれが、リンクにとって馴染みのある物だとすぐに判断した。

206譜面上のジグソーパズル ◆vV5.jnbCYw:2023/10/07(土) 00:23:38
事実、そのオカリナはリンクの冒険のカギになったアイテム。
ハイラル王家に伝わる秘宝は、ハイラルでもタルミナでも幾度となく彼を助けた。
時を巻き戻し、時を重ね、時を遅め。時には逝けぬ者を浄化し、そして道を切り開いてきた。


オカリナの先端を口に付け、演奏しようとする。
だが、音が鳴るだけで、楽曲にはならない。
それもそのはず。その楽器は人のためにデザインされたものであって、ポケモンが演奏できるようにはなってない。


仕方がなく、パズーにオカリナを返すことにした。
その様子が落ち込んでいるのだと、ポケモンの言葉が分からない彼にも分かる。


「そうだ。さっきエンムって奴が、『ある施設で身体を取り替えることができるかもしれない』って言ってたよな?
そこで人の身体を貰ったらどうだ?」

パズーの言うことが妥当だ。
勿論、素直にポケモンの身体になってくれる人がいるのかという疑問もあるが、今はそれに期待するしかない。
まあ、世界にはポケモンどころか、生き物ですらないなんとかバニアの人形になりたい奴もいるそうだが。


続けてパズーが中から出したのは、一冊の本だった。
武器じゃなかったことに落胆するも、何かに使えるかもしれないと思い、タイトルに注目する。


「ウタの歌?何だこれ、ダジャレじゃないよな……。」

一体なぜこんなものが入っているのか。
疑問を感じながらも、中身を開いてみる。


「新時代……私は最強……逆光……。」


中身は楽譜だった。恐らくウタという者が歌っていた曲なのだろう。
そこで、パズーは思い出した。
ウタというのは、エンムという者の肉体の名前だったと。
同名の別人という可能性も無くは無いが、明らかに何か関わっていると考えるのが妥当だ。
殺し合いをするついでに、自分の元の肉体が作っていた歌でも貰っていけというのか。
あまりに馬鹿馬鹿しくて捨てた所、またもリンクが咥えて拾って来た。

「……必要ってことか?」


彼の表情からして、それを捨ててはならない物だと判断したのだと、パズーにも理解できた。


リンクがウタの楽譜を拾って来たのも、当然の話だ。
彼の冒険の中で、オカリナの奏でる曲は、常に活路を開いて来た。
目覚めのソナタ、ゴロンのララバイ、潮騒のボサノバ、抜け殻のエレジー。そして、月へ行くカギになった誓いの号令。
主催者にムジュラの仮面が関わっている以上、ここでも時のオカリナが、そしてこの楽譜が何等かの役に立つと考えた。

207譜面上のジグソーパズル ◆vV5.jnbCYw:2023/10/07(土) 00:24:16

そして、パズーがもう1つ思い出したことがあった。
ウタの身体こそは現在エンムが持っているが、その魂はこの殺し合いのどこかにいることを。
誰の肉体の中にいるのかは不明だが、この楽譜、もしかすればこのオカリナとウタを会わせれば何かが起こるかもしれない。


(意外と、探さなければならない人は多いのかもしれないな……)


パズーには誰も知らぬことだが、ウタが求めていた少年の肉体を持った者が、彼女を探している。
この奇妙な縁は、偶然か必然か。



【B-2/早朝/1日目】

【パズー@天空の城ラピュタ】
[身体]:モンキー・D・ルフィ@ONE PIECE
[状態]:健康
[装備]:ヒスイ地方のモンスターボール@ポケットモンスターシリーズ(Pokémon LEGENDS アルセウス)
[道具]:基本支給品 時のオカリナ@ゼルダの伝説 ムジュラの仮面 ウタの歌の楽譜@ONE PIECE Film RED 
[思考・状況]基本方針:殺し合いには乗らない。
1:リンクと共にウタ、チャットを探す
2:この楽譜とオカリナ、主催者は何か関係あるのか?
3:ムスカには警戒。
4:ルフィという海賊は危険な人物じゃなかったことには安心。
[備考]
※本編終了後から参戦とします。
※ルフィの肉体の細かい参戦時期は後続の書き手にお任せしますが、少なくとも新世界編以後のものとします。
※ルフィのプロフィールにウタと幼馴染であるといった情報が書かれてません。


[意思持ち支給品状態表]
【リンク@ゼルダの伝説ムジュラの仮面】
[身体]:コリンク@ポケットモンスターシリーズ(Pokémon LEGENDS アルセウス)
[状態]:健康
[思考・状況]基本方針:ムジュラの仮面を倒すために月に行く
1:オレを出した、目の前にいる人物(パズー)と共に行動
2:オレが知っている、月やムジュラの仮面についての情報を伝えたい
[備考]
※ゲームクリア後からの参戦とします。
※コリンクとしての性別はオスとします。
※技構成などは後続の書き手にお任せします。


【支給品紹介】


【ウタの歌の楽譜集@ONE PIECE Film RED 】

パズーに支給された曲集。『新時代』を始めとするウタが作中で歌っていた曲の楽譜が載っている。
なお、作詞作曲はどちらもウタということになっている。


【時のオカリナ@ゼルダの伝説 ムジュラの仮面】


ハイラル王家に伝わるオカリナ。特別な力を秘めており、然るべき場所で然るべき曲を奏でれば、何かが起こる。
名の通り、時間を操ることに――――――――――――――――――ちょっと待てよ!?









ボールの中で、リンクは思考する。
時のオカリナが、『本当に救いとなる道具なのか』ということだ。

208譜面上のジグソーパズル ◆vV5.jnbCYw:2023/10/07(土) 00:27:22

疑問は2つある。
仮に自分が人間の肉体を手に入る、あるいは他の方法でオカリナを吹けることになったとする。
そこで『時の唄』を奏でた場合、時間を巻き戻せるのかということだ。
当たり前の話だが、ムジュラの仮面を含めて時間が巻き戻された話は知らない。
知っているのは自分とチャット、ついでに幸せのお面屋だけのはずだ。
だが、時の唄1つで殺し合いをリセットすることが出来るのは、いくら何でもムシが良すぎではないか。
エンムあたりがその対策をしていてもおかしくはない。


そして、2つ目の疑問は『時の唄』は、常に時間を巻き戻すために使われていた曲ではないということだ。
確かにリンクがハイラルにいた時から知っていた曲だが、タルミナに来るまではその使い道は違っていた。
奏でても時間の巻き戻しは出来ず、トライフォースの紋様の付いたブロックを消したりすることしか効力が無い。


タルミナではないこの場所で、オカリナを奏でても、そのままの力を発揮するのだろうか。


そしてもう一つ。これはリンクにも知らないことがある。


パズーに支給されていたウタの曲集。
白紙だったので放っておいた最後のページは、実は白紙では無かったことを。
そこに書いてあった曲は、禁断の歌。
ある力を持った者が歌えば、歌の魔王、トットムジカを呼び出す。


如何なる世界の者で在れ、現れれば最期、甚大な被害をもたらすであろう。
海賊の少年が手にした道具は、救いとなるか破滅となるか。

209譜面上のジグソーパズル ◆vV5.jnbCYw:2023/10/07(土) 00:28:36
投下終了です。キーアイテムを出したので、もし問題があるなら修正、あるいは破棄します。


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