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英雄幻想ガンパレードマーチ【本編】

100入速出やる夫 ◆Ge6raFQoEs:2022/09/29(木) 20:31:42
【自衛軍横浜基地/食堂/入速出やる夫】

「おっおっ、まぁこれはあくまでも初心者向けの食べ方だから自分なりの食べ方を向けるといいお」

二郎系ラーメンの攻略法について初心者向けとしてはこんなもんだろという感じだが
食べ方は人それぞれ。
己にあった物を慣れたら見つけていくのもまた食べる愉しみである事を付け加えた。

「いろいろねぇ…」

マズルカの気になる事を言っているが果たしてどこまで知っているのやらと思いつつも

「起こしに来てくれるのかお?そりゃありがたいお」

とやる夫としては嬉しい事を空木に言われてしばし悩むが
すぐに

「…いや止めとくお。やる夫がぶっ倒れた時はお願いするかもしれないけれど」

ここでなんでフラグ折った!?という輩も居そうだが
やる夫としては斬を一刻も早く乗りこなさなければならない自負と焦りもあるが
オーバーマンの操縦や技能を伸ばすこと自体にも興味があり自然と訓練自体も苦ではなく
金で時間が買えるなら買いたいぐらいだがそうもいかない。
それをようやくこの異常な事態に巻き込まれて自覚しているやる夫からすれば
申し訳が無いという気持ちも芽生えているようだ。

「早起きも苦じゃねぇお、不思議なもんだおエロゲやるのに徹夜だって珍しくないのにお」

本当に体がまるで慣れてるように起きるのだから
この既視感を覚える感覚は何なのか?
嫌なものではないが、自分でも説明のしようがないものの
今はラッキー程度に受け入れることにしていた。

それからは東三条の食堂メニューからの料理の説明から
マズルカと空木が聞いているのを傍で見聞きしながら
あれだけ量のあったラーメンを見事一口まで食べ切ると

「あぁ喰った喰った」

一番最初に食べ終わり、手を合わせてご馳走様をした後好物を食って満足した表情を見せる。

「(腹ごなしにギリギリまで自主練してもいいけどさっさと帰って寝るかお?)」

とりあえず欠伸をしながら話をしている者たちを見ながらそんな事を考えていた。

>峰津院 大和、マズルカ、空木彩虹、会議室all

101入速出やる夫 ◆Ge6raFQoEs:2022/09/30(金) 23:06:52
×「おっおっ、まぁこれはあくまでも初心者向けの食べ方だから自分なりの食べ方を向けるといいお」

〇「おっおっ、まぁこれはあくまでも初心者向けの食べ方だから自分なりの食べ方を見つけるといいお」

訂正します。

102ライブラ ◆xiCUMklbPU:2022/11/11(金) 21:16:30
【自衛軍横浜基地/食堂/峰津院 大和、東三条 孝則、君島 邦彦、九頭文治、竹内優斗】

君島「おお、ソレだソレ。いざどんなものかと聞かれたら具体例を出すのは難しいが、おおよそそんな感じ。ってかその手のスラングは世界共通なのか」

マズルカの解説に同意しながらも呆れたような感じの声でそう呟いた。
妙に胡散臭いところがあるが、それ以上突っ込むことは無かった。まあ突っ込んでもしょうがないし、のらりくらりと躱されるのがオチだろう。

竹内優斗「おお、なんか少し前から流行っているシューティングゲームみたいですね。ゲーム本編ではさしたる説明がないのに世界観がかなり重たい感じの。青森に居たときにゲームセンターで遊んだことがありますが、えっそんなにヘビーな話なんですか?」

ヤマト「それはないぞマズルカ万翼長。今日来たばかりの君たちはまだ受けていないが健康診断を受けた結果、我々は人間だと解析が出ている。無論クローンでもサイボーグでもない。だがまあ、今後そのような風渡りがくる可能性は否定できないな。随伴歩兵としての技量は明日から叩き込まれるので存分に励んでほしい」

竹内優斗が言っているのは今、”この年代で流行っている”シューティングゲームの事のようだ。その時代のシューティングゲームは世界観や裏設定が重たいものが多く、その複雑かつ斬新な世界観に多くのプレイヤーが魅了されているらしい。
そしてその話を真に受けたのか、空木彩虹は「それでも大丈夫」と言った、表情こそ普段と変わらなかったヤマトだが、僅かに左眉がピクリと動いた。
それを見た九頭文治はどんぶりを音を立ててテーブルに置いた、冷静な旅団長と一匹狼にも思うところがあったらしく僅かに顔を顰めた。彼女の居た世界は思ったよりも深刻な状態だったようだ。自分を人間として扱っていない彼女をヤマトと文治は危ういと考えたからだ。
だがこの場で何か言うことはなく、彼らは行動によって彼女をフォローすることに決めた。

ヤマト「……かつての滝川の件もある、あまり食べ過ぎるようならばその次郎系というメニューは食堂から抹消されるので留意しておくように。分かったな入速出?」

かつての滝川の件、というのは滝川のファストフードの過食の事である。あまり知られてはいないが、滝川陽平は家庭環境が劣悪だった上に九州でもロクなものを食べられていなかった。唯一の拠り所であった「あじのれん」も戦況の悪化による疎開で閉店したのが拍車をかけた。
それに加えてストレス発散も兼ねて一回の食事で2000キロカロリーを超えた食事をすることが増えて、司令である芝村舞に「緩慢な自殺」と表現されて全国のファストフード店に「滝川禁止」なる掟が追加された、顔写真付きで。
流石にやる夫はそこまではいかないと信じたいが、滝川という前例があるため無視はできなかったらしい。

ヤマト「さて、全員食べ終わったな? 食べ終わった食器とトレーは両端に返却口が有るのでそこに置くように。私は他にやることが有るので別行動だが、諸君は明日の準備をして今日は休むように。本格的な始動は明日からなので後ほど端末に送るスケジュールを確認しておけ。東三条、後は任せる」

東三条「了解です旅団長閣下」

ヤマトは返却口に食器とトレーを戻すとどこかへ立ち去って行った。そこからは東三条が取りまとめて各自を寮の部屋に案内したり、寮での規則などを簡単に教えてその日は終わりとなった。男子は大部屋で女子は個室を宛がうという対応になっている。
ヤマトは日付が変わるまで事務処理をしてから床に入ることになった、裏ではヤマトや旅団の情報を狙ったスパイを憲兵が秘密裏に処理するという一幕もあったが、それは他の風渡りが知るところではない。

>ALL

【これにて一日目は終了です。後日に二日目の導入を書きますのでもう少しお待ちください】

103ライブラ ◆xiCUMklbPU:2022/11/15(火) 20:32:15
新たな風渡りが現れて翌日、大規模反攻作戦<Earth Daybreak>まで今日を入れて残り3日。
0600に起床ラッパが鳴り響き、自衛軍横浜基地の朝が動き出す。
0700、皆が朝食を取って各々が訓練や仕事に向けて動き出す。

【横浜基地 第二演習場 射撃訓練場/九頭 文治、ハードボイルドペンギン】

0850、自衛軍の朝は早い。自衛軍に限らず学兵の朝も早い。
射撃訓練場で一心不乱に小銃の射撃訓練に勤しむ学兵たちを後ろから見ているサングラスに無精髭の男が一人、学兵の訓練も受け持つことになってしまった一匹狼だ。
数名の射撃音を聞いたり姿勢を見たりして1マガジンを撃ち切ったタイミングで一旦射撃音が止まる。

「1番と4番と5番は射撃のタイミングを覚えろ、3点バースト射撃なのにトリガーを無闇に引きまくったら意味がないだろうが、2番と3番と7番はもっと慎重に狙いを付けて撃て、どんなに引き金を引いても当たらなきゃ意味がねえ。10番はもっと脇を締めて撃て、前にも同じことを言っただろうが、残りは及第点だ、次の連中に交代しろ」

及第点を貰った数名の学兵のうち一人が『やったぜ兄貴!』と悪乗りしてガッツポーズをしたので文治に拳骨を落とされた。流石にウォードレスを着たまま露出した部位を殴るとたちまちスプラッタが出来上がるので文治はまだウォードレスを着ていない。
そして次の学兵たちがローテーションで入れ替わって小銃の射撃訓練に入る。中には九州で鍛え抜かれた生き残りも交じっているので充分合格点を与えられる連中は居るが、文治からの評価は及第点で止まっていた。
この手の訓練は『この辺りでいいだろう』と満足して妥協したらもうそこから先は望めない、成長が止まるのだ。そして成長が止まった奴は慢心を抱いて死んでいく。仲間の足を引っ張ってだ。
だから九頭文治の評価は辛口で厳しいし、時々拳骨を落とすこともある。だが、それでも九頭文治という男は学兵に人気があった。それはハードボイルドでカッコいい、渋い大人の男、マジでダンディなおっさん、などなど本人が聞いたら拳骨が三発程落ちかねない呼び名が増えていた。
そして何より九頭文治は”強い”、この人に付いて行けば俺たちは生き残れると確信する強さが文治にはあった。その彼が時間を割いてまで訓練に付き合っているのだ、極一部拳骨を落とされると分かっていても場の空気を和ませるムードメーカーが居るが、それでも拳骨という体罰を実行する文治を厭う者は居ない。
その程度で動揺しない程の”地獄”を彼らは見てきた。5121小隊の救助という幸運で生き延びた彼らは絶望を知ったうえで、生き延びるために彼らは少しでも強くなろうとしていた。

「(マズルカって言ったかあの魔女、銃を知っていそうだったが、知っていると扱えるはまた別物だ。イチから教えたほうがよさそうだな……)」

『いいか貴様ら、射撃はリズムを忘れるな。銃とは武器で相棒だ。相棒をないがしろに扱う奴が生き残れる程ォ、戦場は甘くないと覚えておけ』

『お、おー!』

流石にトレンチコートを着たペンギンが喋って、尚且つためになる格言を残せば伊達に地獄を生き延びた学兵もタジタジである。
学兵たちは厳しくも的確な訓練で確実に練度を上げていた。

>ALL

【これにて2日目開始です、続々と導入レスを書いていくので新キャラの方はもう少しお待ちください。独自に導入レスを入れても構いません】

104プライマリスの魔女 ◆nkg.2sWI0U:2022/11/21(月) 19:19:35
【自衛軍横浜基地/基地食堂/マズルカ】

マズルカ
「まぁ世界は違えど人間はさして変わらずといった所さ。ほうそんな精霊が機動する感じなゲームが流行っているのかい私も機会があればやってみたいものだ。
それとボス(大和)がそういうなら信じよう。とはいえマズルカさんは人形遣いな魔女である為空木クン同様自分のボディ構造がどうであれあまり気にしないのだがねハッハッハ」

君島や竹内と軽い感じで会話しつつ大和の自分達は人間であるという発言に対して信じると言いつつどちらでもいいとこれまたふざけた様なオチをつけて笑い飛ばした。
とは言えその言葉尻からして本当に生身かどうかなど気にしてはいないのだろう。本人が魔女を自称するだけあり案外本当に普通の人間とは違うのかもしれない。

マズルカ
「おっとやる夫クンまさかの美少女が毎朝起こしに来ると言うイベントをスルー。クククまさか私に起こしに来てほしい等と言うのではないだろうね高くついてしまうよ〜?
と冗談はさておき空木クンの提案は嬉しいが明日からはそれぞれ忙しくなるだろう。私も小銃取り扱い技能習得や魔女ノ旅団編成等色々あるから空木クンの提案は嬉しいが
ここは遠慮しておくよ。それとやる夫クン徹夜自慢が出来るのは若いうちだけさ。クククその内自分が若かったな〜と哀愁を感じる日が君にも来るのだヒーッヒッヒ」

空木の起こしに来ると言う提案はやる夫同様断った。負担をかけたくないという思いもあるし単純に明日以降は自分(マズルカ)を含めた全員が忙しくなるのだから
例え無理が効く体であってもそれぞれの自由時間はなるべく多く取るべきだろうという考えもある。それにマズルカは他の風渡りメンバーと違って自主練ではなく
学徒兵に交じって小銃技能取得の訓練を受けなければいけない。更にその後空木の随伴航空歩兵の作成や自分が率いる魔女ノ旅団の編成等を考えたら自由な時間等殆ど無いだろう。

マズルカ
「さてさて今日も終わりだ寝るより楽は無かりけりとお釈迦様も言っている。ここは大人しく皆ぐっすりと寝ようじゃないかそれではおやすみー」

自分の食器が乗ったトレーを何故か器用に頭の上に乗せて運び指示された通り片付けると、マズルカは他のメンバーたちに挨拶をしてから東三条の案内で自室にたどり着き
シャワーを浴びて歯を磨き軽く荷物整理をした後何故か所持していたパジャマ(ナイトキャップ付き)に着替えてベッドに潜り込みすぐに眠りに落ちた。


DAY1→DAY2

【横浜基地/女子寮自室→第二演習場/射撃訓練場/マズルカ】

???
「ちょっとホラ起きなさいよ!」

0600の起床ラッパより少し前にマズルカは何者かに起こされた。場所は当然マズルカが眠りについた横浜基地女子寮の自室であるが就寝前は一人だった筈の部屋に
長い白髪を低い位置で二つにまとめたカントリースタイルツインテールで赤い瞳をしたやや小柄な少女がいた。当然ながらマズルカの作った人形兵である。

マズルカ
「う〜おはようライカ。いや起床時間前じゃないか一応限界ギリギリまで寝て居たいという欲求と本当に自動で起床出来るかって試して見たかったのだが…」
ライカ
「準備があるでしょ準備が!忙しいんだからテキパキとやっていくわよさ早く顔を洗って歯を磨いて着替える!」

ライカと呼ばれた人形兵はまるで母親の様にマズルカの尻を叩いて朝の支度を済まさせ、起床ラッパが響く頃には訓練用の準備をするだけであった。
軽く準備を済ませるとマズルカは適当な時間を見計らって空木の部屋のドアをノックし、朝の挨拶を行い朝食に誘う。
ライカについては「まぁ秘書みたいなものだから気にしないでくれ」と簡単に紹介を行う。

マズルカ
「やぁおはよう可愛いマズルカさんだ。空木クン一緒に朝食でもどうかね?ついでに先日話した君に随伴させる航空歩兵を作りたいからその件についても話たいのだが」

空木の元を訪ねたのは彼女を気遣っての事だけでなく彼女の為に作る人形兵(航空歩兵)を作る為に彼女の時間を割いて欲しいとお願いする為でもあった。
その後空木が了承すれば彼女と共に食堂に向かい、恐らく集合しているであろう他のメンバーにも挨拶を行い朝食をとりつつ時間は何時頃がいいか等細かい内容を詰めた後
マズルカは食堂にいれば大和を捕まえて空木との合同訓練の為の飛行申請を行う。いなければ後でライカに探させて同様の事を行わせた。人形兵作りとは言え
空木と航空歩兵には実際に飛んで貰う事になるだろうから事前に飛ぶための申請は必要だろうと言う判断である。それが終わったらマズルカは演習場に向かった。

演習場内にある射撃訓練場ではハードボイルドペンギンと九頭文治によって学兵達が鍛えられておりマズルカも当然そこに参加する事になる。
さて肝心のマズルカ自身についての能力だがおおよそ二人?の予想通りであった。銃事態の取り扱いや分解結合、清掃等については殆ど問題ない。といっても精通している
と言う訳では無くあくまで教えられた学兵レベルであり本人が自称した様に「銃を知っている素人」という自己評価はおおむねあっているだろう。
ただ問題は射撃である。之も撃ち方や射撃姿勢等は知識として知っており教えればすぐに吸収し自分の物とした。が実際に的に向かって撃ってみると成績は下から数えた方が早いレベル。
ハードボイルドペンギンと九頭文治ならその理由にすぐ気づくだろう。マズルカは根本的に体力と筋力が足りていないのだ。だからすぐに銃を制御出来なくなる。
なので銃事態を固定した場合なら格段に命中精度は上がる。もしどこぞの腐った食べ物も平気な生体クローンが居たら「隅で震えて居ろ」と言っただろう。

マズルカ
「いやーハッハッハ…ワンマガジン撃ちきるだけでも結構疲れるものだねこれでは痩せてしまうよ」


>>ALL

105ライブラ ◆xiCUMklbPU:2022/11/21(月) 20:36:49
【横浜基地 第二作戦会議室/峰津院 大和、君島 邦彦】

起床のラッパが鳴ってから直ぐに起きて、誰よりも先に朝飯を済ませたヤマトは第二作戦会議室にてノートパソコン相手にあいかわら素凄まじい速さでキーボードを叩いていた。
今日の仕事に加えて戸籍の偽造から始まり、各風渡りが動き易くするための調整、先日から始まったNジャマーのソフトウェア開発のための環境の手配。そして他所の派閥からの妨害への対応。
普通の人間なら数週間掛って解決できるかどうかといった案件を含めて高速で処理していく。君島曰く”人間業じゃない”とのことだがヤマトはれっきとした人間で、天才技能が上限まで極まっているのでその恩恵をフル活用しているだけだ。
東三条はまだ別件で来ていない。君島はもうじき来るだろう。昨日の”憲兵に捕まる類いの挑戦者”は3名。これでも大分落ち着いてきた方だ。酷いときは10人単位でそれぞれ違う派閥から狙われていたものだ。
だが青森からきたとのたまっていた灰色の髪の岩崎と名乗るスパイ、現在はヤマトの配下になった二重スパイは優秀で次々に有効な情報を寄こしてくる。どうやら同じ部隊の葉月という隊員を人質に取られていたようだが、その枷をヤマトが取り払うと水を得た魚の様に北海道関連の情報をすっぱ抜いてくる。
飼い犬に見限られた豚とはかくも無様なものか、などと考えているとドアがノックされる、君島か?

ヤマト「入っていいぞ、鍵は開いている」

君島「よっすヤマト、早速だが朗報だ。昨日の今日だがまた特異反応が検出された。規模は昨日よりも小さいが、それでも割と大きい。最低でも二人は見込めるんじゃないか?」

ヤマト「早いな、それに周期も短い。計器の誤作動の線は考えられないか?」

君島「参謀殿と三回確認したがその線はなさそうだ。他所のアホ共が細工した形跡も皆無だ。っつーか、この時代の科学力で同行できるものじゃねーよアレは」

ヤマト「それならいい、至急竹内を呼んで君島と共にハンガーにて待機しろ。私はまだやることがある」

君島「そのやることってのは?」

ヤマト「オペレーターの青木大尉と、紅陵女子アルファ戦車小隊と堅田戦車中隊の主要メンバーを呼んで空木彩虹万翼長のことを話して私生活などをフォローするように言い含める必要がある。我々男子では女子の私生活までのフォローは不可能だ。故に女子連中に頼むことにした」

君島「なるほど、りょーかい。無線は繋いでおくからいつでも出られるようにしておいてくれ。あぁ、あと彩虹ちゃんは呼ばなくていいの? コッチで呼んでおくか?」

ヤマト「頼むぞ君島、こちらは昨日の件を無断出撃だと吠えるアホ共の対処をせねばならんのでな。30分で終わらせる」

そういうと君島はハンガーの方に歩いて行く。歩きながらスマホ型端末を取り出すと空木彩虹に『メシを済ませたら昨日集まった第二会議室に来てくれ』とメッセージを送る。
送信を確認するとポケットに端末を仕舞うとハンガーで士翼号の傍で待機した。直ぐ後に竹内優斗も顔を出して機体の傍で待機する。今回は果たして何人来ることやら、などと考えながらも新しい部屋割りなどを考えながら特異反応が収束するのを待つ。

>空木彩虹、ALL

【お待たせしました、新規キャラクターの皆さんは先日と同じように横浜基地の周辺の荒野に出現してください、追加で空木彩虹万翼長の女性隊員への面通しイベントを入れてみました】

106青空を夢見るモノ ◆RPXIifaP1c:2022/11/24(木) 11:54:53
【横浜基地/自衛軍横浜基地(食堂)/空木彩虹(アルファ06)】

「まずるかさん、やるお、…いいの?わかった。でもひつようならふたりともいつでもたのんでいいから。」

少しばかしキョトンとした返事で、何か思う事があったのか悩んだ上で(朝起こしに行く)事に関しては断った
彼(やる夫)と、取り敢えず明日からは各々忙しくなることも踏まえて遠慮する魔女な彼女(マズルカ)にそう呟く
人造魔女、とは言え必要が無いのであれば此方としても別に構わないが、意外と二人(やる夫、マズルカ)が迷わ
ず即決でそう判断したのに少しばかり驚いた様だ。

くだんのラーメンの件に関しては、満足そうな本人(やる夫)は兎も角、流石にやや目に付いたのか――前例(滝川)
を踏まえて余りに度が過ぎる様であれば健康を憂慮して食堂のメニューから抹消するというヤマトの言葉が続いた
りしつつ…

「…?」

ほんの少しだけ、空気が変わった気がしたが…それが自分に対して向けられた深刻さを含んだ旅団長と無頼な彼(文
治)の感情から来るものであるとは当の本人は露知らず。

一先ず明日に備えて休息を取る為、壺か何か宜しく頭に食器を載せて運ぶ魔女(マズルカ)に続いて自分のトレイや食
器を返却した後、宛がわれた寮部屋へ各々案内されて、それから寮での規則の説明を受けたりした後、荷物らしい荷
物も無いので静まり返った個室の窓際のベッド、其処に腰かけて視える夜空――(あそこ)と違って凍える様な寒さを
感じない其れをじっと眺めていた。

そうしている内に気付いた時には既に明け方になっていたが…

一日目→二日目

【横浜基地/女子寮自室→第二作戦会議室//空木彩虹(アルファ06)】

ノック音と共に現実に戻って来た、結局一睡もせず朝焼けからそのまま空を眺め続けていた人造魔女は、睡眠自体が
必須では無い身と言えども記憶を辿る様な物思いに耽っていた様で、結果的にやや寝惚けにも似た様子で我に返ると
そのままドアに近付いて―くだんの魔女(マズルカ)とその傍にいるやや厳しそうだが面倒見も良さそうな恐らくは人形
であろう少女(ライカ)におはようの挨拶をしつつ、マズルカの誘いに乗って、昨日話していた人形兵(航空歩兵)の件に
ついて、そしてそれに関わる事柄へ当てる自分の時間に関しての話だった。

「うん、わかった。」

二つ返事で了解して二人に同行する人造魔女、そうして食堂で他のメンバーにも挨拶しつつ朝食を摂って時間に関して
は特に何か予定がある訳でも無いし、彼女(マズルカ)の提示したスケジュールで問題はないと答えて、其処から詳細を
固めて行き…

後はマズルカが旅団長に飛行申請を行いつつ(実際多忙なヤマト本人をつかまえられたかは分からないが)

演習場へ早速射撃や火器の取り扱いの訓練に向かうマズルカ(とライカ)を見送りつつ…視界(オルタナ)に表示された携
帯端末のメール着信情報を確認して

「きみしませんよくちょうからよびだし、……おしらせ?」

少し不思議そうに首を小さく傾げながらも、まだまだ幼げな雰囲気と無機質なそれを奇妙に同居させた様な様子の人造
魔女は第二会議室へと足早に向かって行く。

部屋に到着してドアをノックしつつ、やはりそういう性質か習慣なのか直立不動で出迎えるか入る様に声を掛けるであろう
誰かを待つ。

≫マズルカ、峰津院 大和、第二作戦会議室ALL

【面通しイベントとは面白そうですな、ありがとうございます。新規組は少々分けます(今夜中には投下出来そうです)】

107殺し屋と衛生兵 ◆RPXIifaP1c:2022/11/25(金) 11:47:23
【????→横浜基地近辺/荒野/バティスト、梓家始季】


――-OVERS SYSTEM- Ver■.■■■――
CLOSE……………………OK

一面廃墟や残骸の広がる荒野――周囲にある目に付く命あるモノが限られたそんな空虚な場所にて数メートル単位の距離で対峙する二人分の人影

片方は白と橙を基調とした軍用の外骨格機能付きコンバットアーマー姿にやはり橙色のスカーフを首に巻いた特徴的なドレッドヘアの黒人系の男で、片眼
に戦術情報を表示するバイザーを着装し、手には独特な形状をした複合式の特殊な7.62mm突撃銃を標準射撃姿勢で微動だにせず構えて険しい顔をしている。

そしてもう片方、絵に描いた様な男物の黒スーツに黒髪の総髪(ポニーテイル)、そして左目を不自然に閉じた状態の隻眼の一人のアジア系の女で、片手でカ
スタムモデルのSV社製M1911クローンの45口径を構えて仏頂面を崩さないでいる―厭に底冷えする様な雰囲気を醸し出しながらだが…

互いに此処(第五世界)へ飛ばされ、情報や経緯に関しての(擦り込み)に対しても理解は及んでいたが――目が覚めて早々こうやって(風渡り)同士が銃口を
つき付け合うと言うジョン・ウーの映画めいた状況になっているのは…其々が現在進行形での(命のやり取り)の真っ最中から(飛ばされて来た)事が大きな
原因であろう。

バティスト「(心※…まるで鮫みたいな目付きだな。この女……死人しか映して無い様な)」

始季「………………………」

膠着状態というより…動くに動けない奇妙な有様になっている訳である…主にドレッドヘアの方(バティスト)が


≫ALL

108ライブラ ◆xiCUMklbPU:2022/11/29(火) 20:45:19
【横浜基地 第二作戦会議室/峰津院 大和】

ヤマトが招集をかけて数分後、海軍のオペレーターである青木少尉、紅陵女子アルファ戦車小隊、堅田戦車中隊の面々が第二作戦会議室に集合していた。全員が女子である。
彼女らが来るのは空木彩虹と同じくらいになると思っていたが、まあいい。先にある程度話しておくとしよう。彼女の口から語られる話は重たいものだ。
作業のバックアップを取り終えたヤマトは椅子から立ち上がる。途端に姿勢を検める招集された女子たち。

ヤマト「早朝からご苦労。早速だが本題に入ろう、本日君たちに集まってもらったのは我が海軍第一特務旅団で『君たちに面倒を見て欲しい者がいる』、その者は女子で男性の私では細かい配慮が出来ないのだ」

青木「質問よろしいでしょうか、旅団長閣下?」

ヤマト「少し待て青木少尉、質問は後で纏めて受け付ける」

青木「はい、失礼しました」

ヤマト「話を続けるぞ、彼女は戦闘用クローンとしてこの世に生を受けた者で、極秘裏に行っていたユーラシア大陸調査の部隊が発見した唯一の生き残りでな、『戦争以外の知識が皆無と言っていい』。つい先日に日本国籍を”正式に取得した”がそれまではアルファ06というコールサイン以外の名前すら持っていなかった」

彼女らはざわくつことは無かったが一様に目を見開いて驚きを露にしていた。青木少尉以外の彼女らは学兵……戦時下に徴兵された学徒兵で戦争と言う地獄を見てきたが、それまでは普通の学生として生を謳歌してきた。
だがそれすらなく、ただ兵器として生み出されて、名前すら持たなかったというのは彼女たちには衝撃的な事実だったのだ。それにウォードレスを着て戦えるようにクローンとして生まれた彼女らには他人事とは捉えられなかった。まあ半分はフェイク情報なのだが。

ヤマト「彼女を先程ここに呼び出しておいた、じきに来るだろう……噂をすればか、入室を許可する」

ヤマトがドアに向かって歩き、ドアを開ける。ドア越しだったとはいえ仲間になったばかりの彼女の声をヤマトは聞き間違えなかった。ドアの前に居たのは空木彩虹ひとりだった。丁度いい、ここからは彼女の口から自己紹介を頼むとしよう。
言葉足らずな部分は絶対に出て来るであろうが、そこはヤマトがフォローしていけばいい。
「こちらへ来い」と短く言い、彼女を率いて会議室中央に歩み出る。

ヤマト「先に君に関する情報の一端、ユーラシアの生き残りであることは話した。それと彼女は一月前まで長期に渡り医療用のポッドに入っていたため記憶が多少混濁している。多少の認識の齟齬があるかもしれないがそこは流してくれ。私が補足する。
 さて空木万翼長、君の口から自己紹介を。君の名前から始まり、君が体験してきたこと、君の兵科など自分が話せる限りのことを話すんだ、できるか?」

そう言って空木彩虹に発言を促す、先に集まっていた彼女らの視線が一気に空木彩虹に集中する。この時点でフェイク情報を多量に含んでいるが、その辺りのフォローもヤマトなら難しくないだろう。

>空木彩虹(アルファ06)

【マズルカさん宛のレスはやる夫さんのレスが来たら一緒に返させていただきますが、急ぐ必要はありません。新規の風渡りさんのレスは今週中に返させていただきます】

109入速出やる夫 ◆Ge6raFQoEs:2022/11/29(火) 21:53:58
【自衛軍横浜基地/食堂/入速出やる夫】

「それも悪くねぇけど、別に自慢とかじゃねぇお。徹夜エロゲなんてそれこそ遅刻なんてしょっちゅうだお
マジかぁ~年って取りたくねぇお一生このままがいいお」

マズルカに起こされるのを一瞬想像したが、徹夜自慢なんてつもりはない。
遅刻の常習でもあった万年劣等生は何処までもダメダメだったが
それがこの世界に来て劇的に変われば自分でも気づく。
間違いなく気のせいなんてものではない。
しかしそれは本人的にはおくびには出さず笑っておっさんにはなりたくないと茶化していた。

「チャンスを手放すには惜しいけれど、無理はしねぇしそん時はそん時で頼むお
ただ極力迷惑かけたくないし自分の時間だけは大切にしてくれお」

それでも空木の貴重な時間を削ってもらう訳にはいかない。
どうしようもない時は手を借りるだろうが今はその時ではないと考え
自分の好きな事に使ってくれ、という当たり前のことだがそれを伝えた。
…ただやっぱり惜しい気はするが

「喰ってる分のカロリーは確実に消費してるお、つーか女の子も食ってる人居るからな?やる夫の世界だと。
わかってるけど数少ない娯楽くらい楽しめる時は楽しませてくれや峰津院」

さすがにあの量を食べる人は居ないが女性でも食べてる事を上げ、間違いなく食ってる分には動いている。
滝川に対しては環境的にはそんな人間が居てもおかしくないくらい世界でありそれくらいしないとやっていけなかったのだろう
大変同情的ではあるが度を超えれば問題、第二の滝川として危惧されてる訳だ。
しかし自分にとってそれは欠かせない事だ、訓練中あるいは戦場に放り込まれればいつ死ぬか分からない
了解したが、すべき事をしているしその上でそれだけは言っておいた。

さて、全員食事を終えて食器を片付けそれぞれの戻るべき寮に戻っていく。
やる夫も部屋に戻り一直線にベッドに倒れると疲れが押し寄せたように泥の様に眠った。
ここまででようやく一日目が終わる―――

―――2日目開始
【横浜基地/男子寮自室→ハンガー/入速出やる夫】

ラッパの起床音が鳴る15分前習慣化されたように起き上がり、欠伸をしながらだがテキパキと着替え
送られてきたノートパソコンを起動させる。
自分の作成したプログラムの幾つかあり、その中には作りかけの高度なプログラムを見つめる。

「反攻作戦までに完成出来ると良いけどお」

そのノートパソコンは突然送られてきた物であり、当然エロゲなどは入ってはいないが
プログラム作成ソフトが入っており本当に暇つぶし程度に作って遊んでいたが
これもそこそこ楽しかったので短期間に幾つかプログラムを作りあっという間に初級、中級と飛び越えて
今は上級の中に足を踏み入れようとしていたが優先順位的には斬を乗りこなすよりは下。
少しでも時間があるときには弄ってはという繰り返し。

「さぁ、飯食ってハンガー行くかお」

また少し弄って進捗を進めるとノートパソコンを消してまばらな人数しかいない6:00丁度に朝食を取り
また手早く着替えてハンガーに来ると真っ先に相棒の斬―ZAN―に乗り込み
今日も一日性能を引き出す為、外へと飛び出し鍛錬を始めた。

>会議室all

110入速出やる夫 ◆Ge6raFQoEs:2022/11/30(水) 19:46:42
度々申し訳ない

>会議室all ×

>all 〇

ですすいません。

111ライブラ ◆xiCUMklbPU:2022/12/04(日) 17:02:08
【横浜基地 ハンガー/君島 邦彦(士翼号)】

最近になってようやく着脱に慣れてきたウォードレスを着こみ、手早く士翼号に乗り込むと神経接続を開始する。
前から何度か以前の世界のロストグラウンドの事がグリフと呼ばれる夢でフラッシュバックしてきたが、今回は意外にもこれといった印象がある夢を見ることなく十秒程度で目が覚める。
手早く通信機器を操作すると、ヤマトと参謀の東三条に通信をつないでおくとそのままハンガーから歩いて出ていき、横浜基地を出てからホバーで移動し始める。

東三条「君島くん、そのまま1時の方向に修正して進んでください。今回は機体持ちではなくて歩兵のようですので以前と同じように慎重に対応してください」

君島「りょーかい、っと見えてきた見えてきた。ってオイオイ待て待て待て!」

君島の方も目視で風渡りを見つけたが、互いに銃口を向け合っている状況で若干テンパるが、急いで拡声器のスイッチを入れて二人を仲裁するように声を掛ける。

君島「ちょっと待てってアンタら!なんでいきなり修羅場ってんの!? 一旦落ち着けって!」

そう言って二人の間に割って入ろうとするも、二人の距離が近過ぎる。このまま突っ込めば蹴るか踏むかして大惨事になりかねない。
だからとりあえず二人の注意を逸らすためか、二人の数メートル前でホバー機動を切り足で着地して砂煙を巻き上げる。そうすればいきなり切った張ったにはならず互いに距離を取るであろうという君島の判断だった。

君島「アンタらも風渡りでプレイヤーなんだろう? 俺は海軍第一特務旅団の君島邦彦ってんだ、階級は千翼長……徴兵された学徒兵の階級では中尉待遇だ、実際の発言力は階級が二つ程度は落ちるケド。
 とにかく、互いに矛を収めてくれ、俺たちは風渡りを集めて保護してるんだ。アンタらならこの意味が分かるんじゃないか?」

そういって君島は士翼号の両腕を上げて敵意がないことを示す、肩にはジャイアントアサルトと超硬度小太刀がマウントされてはいるが、手に装備していない以上は使えない。
これで敵意の有無は分かるだろう、そうして君島は一旦二人の返事を待つ。小口径の銃ならばいくら頑丈ではないとはいっても人型戦車は傷つかない。特に脆い足回りは装甲を増加して頑丈に改造してあるのでいきなり撃たれても大丈夫であろう。
流石にコクピットに手榴弾でも投げられたら君島は反撃せざる得ないのだが、二人がそこまで血の気が多い奴らではないことを祈ろう。

そういえばやる夫のXANがハンガーに無かったからもしかしたら近くで操縦訓練をしているのか?
だとしたら今のこのカオスな状況に巻き込まれないことを祈ろう、二人が持っている銃は小口径に見えて極太レーザーが発射可能なオーパーツだ、とでも言われた日には引っ繰り返る自信があるぞ俺は。
ともあれ、今は二人の動向を注視しよう、こちらに牙を剥いてきた場合は戦わざる得ないのだ、竹内優斗に振らなくて正解だったな。

>バティスト、梓家始季、(入速出やる夫)

>>105の青木大尉という階級は間違いで、正確には少尉でした、お詫びして訂正します】

112入速出やる夫 ◆Ge6raFQoEs:2022/12/25(日) 02:12:03
【横浜基地/荒野/入速出やる夫】

まず斬―ZAN―の慣らし運転で廃墟を飛び回るやる夫。
時に足場が崩れれれば方向を上手く変え縦横無尽に移動するものの

「まだまだ、かお」

傍目からはどう見られているかは分からないが少なくても手応えが感じられない。
良い所今調子が良くて四割弱までは性能は引き出しているが不安定さは依然変わらず。

「今日は三割強まで出せるかどうか…いや」

始める前から不安になってどうする。
精神論ではどうしようもならんのは分かっているし
大規模反攻作戦では調子が悪いから負けましたでは済まないのだ。

「なんとか安定した状態で戦えるようにならねぇと」

そう言いつつ演習場にでも戻ろうとしていた時目前に人の反応を感知したようで
建物に張り付きながら斬―ZAN―の拡大機能でアップすると二人の男女が何やら銃を向け合っている。

「…なにやってんだおあの二人?」

可能性として高いのは風渡りだがだとしたら旅団の連中は気づいているだろうが
この時点でやる夫は君島が居る事にはレーダーの反応上には気づいているが
その上で斬―ZAN―を動かして、錆びかけている鉄柱の一本の切っ先に降り立つと

「アンタ等何時までそんなもん向け合ってんだお?腹が減るだけで時間の無駄」

「向ける相手が違う、だから冷静になれおお二人さん」

君島の説得していることには気づいているのか居ないのか
混沌とした状況に対して敢えて空気を読まずスピーカーで話しかけるやる夫。
が、鉄柱が突然崩れ始めて斬―ZAN―が倒れて尻を打つ。

「つ~」

やはり締まらないなぁ

> バティスト、梓家始季、君島 邦彦、all

113殺し屋と衛生兵 ◆RPXIifaP1c:2023/01/01(日) 22:26:04
【毎度遅くなって申し訳ありません、そして明けましておめでとうございます。今年も宜しくお願い致します。】

【横浜基地近辺/荒野/バティスト、梓家始季】


――時間が間延びする様な感覚、これには何度か覚えがある。


オムニック大戦時の時のイスパニョーラ島攻防戦第一波の死屍累々、シンガポールでの街路掃討戦、そして冗談が通じな
くなった(あの男)と対峙した時――何れも圧倒的な数の敵や殺意と狂気に満ちた戦場での鉄火事場もしくは死を覚悟する
べき強大な相手との相対時に感じたモノだ。

―そんな異様な感覚を何故己は今、目の前の45口径を構えたたった一人の隻眼の黒スーツの女(始季)から感じているのだ
ろう?



バティスト「!…あれは“スヴャトゴール”?――いや、違う…だがこれが“情報”にあった人型兵器か」

始季「………………………」

拡声器越しの少々この場の状況に面食らった様な若者(君島)の声と――其処から続けて聞こえてきた状況説明と勧告。

そして銃口を向け合っていた両者の間に意図的に彼の駆る機体(士翼号)により立ち込められた砂煙――恐らく一線を
超えないようにという彼(君島)なりの考えに基づいたものなのだろう。

其れに対してドレッドヘアの黒人系の兵士――バティストは例の(夢)の齎した状況の(続き)であると判断し一先ず手にして構
えていた複合型突撃銃の銃口を下げつつ――フルフェイスのヘルメットを再着装して一応視界を戦術バイザー越しにクリアに
しつつ向き直り…

一先ず落ち着けという相手(君島)の言う通り戦意と警戒心を抑える。

その一方の黒スーツの女(始季)はと言えば、彼(バティスト)に向けていた45口径自動拳銃を静かに下げてはいたが…

濛々と立ち込めた砂煙の中でも微動だにせず、ただ感情を感じさせない視線でじっと(視)ていた…

砂煙越し・装甲越しに見える筈も無いであろう(士翼号)――否、そのコックピットにいる彼(君島)を

まるでそのまま(視)えているかの様に――(目が合った)と錯覚する程の異様な(視線)で―――



――彼(君島)の駆る機体(士翼号)とはまた別の機種(斬―ZAN―)から聞こえて来た緊張感は無いが取り敢えず的を得ているま
た若そうな誰か(やる夫)の呼び掛け――と何やら張り付いていた建物の鉄柱が崩れて尻餅をついている、そんな何処と無く緩
い有様に…漸く話し出せそうだと判断したドレッドヘアの兵士(バティスト)は口を開き…

バティスト「了解した――横の彼女(始季)はともかく…オレは確かに(カゼワタリ)として此処へ来た様だ。俄かに実感がない
が…此処は君ら(君島・やる夫)の指示に従うのが賢明だろうな。――アンタ(始季)も何か言ったらどうだ?」

そう彼(君島)へ返事しつつ砂煙越しに今し方、銃口を向け合っていた相手にも呼び掛けるが―


DON!


それに対する返答は一度の銃声だった。

驚愕して其方に目をやると――ぽたぽたと銃創を開けて鮮血を流している己の左掌を開けたり閉じたりしながら見つめている
件の女(始季)が其処にいた。右手には硝煙を燻らせる45口径を握ったまま…

バティスト「!?…gwo moun sòt(大馬鹿野郎)!!」

と驚愕しつつ叫びながらも駆け寄る衛生兵(バティスト)を他所に

始季「この痛みと熱さ……確かにこれは“夢”では無い様ですね。」

まるで頬をつねる様な感覚で夢かどうかを確かめる為に自分の左掌を(撃ち抜いた)彼女(始季)はそう童の様に首を傾げて呟く


>君島 邦彦(士翼号)、入速出やる夫(斬―ZAN―)

114青空を夢見るモノ ◆RPXIifaP1c:2023/01/02(月) 01:32:32
【横浜基地/第二作戦会議室//空木彩虹(アルファ06)】

「(心※…みんな、おんなのひと?)」

―入室許可が下りて、ガチャリと音を立てて旅団長の指示に従って会議室の中央に移動する。そうして彼(ヤマト)から告げられて、こくりと頷き実質的
に促される形で一先ず集められた面々に対しての自己紹介を行う(内心はやや戸惑いもある様だがそういう“命令”であるのだから従う以外の発想が無い)

「はい、いいえヤマトりょだんちょう――わたしのなまえは、うつきあやこ。しきべつこーど・ぶんるいはあるふぁしりーず、その6ばんめのくろーに
んぐもでる――へいかはじんぞうこうくうほへい、かどうじきはかくちのせんせんをてんせんしていました。せんとういがいではそらをとぶこととそらを
ながめることがすきです。…えっと…あの…その」

大人数からじっと視線を集中されること自体に余り慣れていない事もあるせいかやや、人造魔女は気恥ずかしげに頬を染めて少し困った様な表情を浮かべ
る。

実際、フェイク混じりとは言え、戦闘以外の事に関して淡白な内容なのは事実であり話す事に関して迷うというより簡素過ぎてシンプルに終わってしま
っていると言うべきだろう。それでも一応(空を飛んだり眺めるのが趣味)というのは此処(第五世界)に来る以前からの趣味ではあるが…


「あ…あの、ごめんなさい。みなさんからしつもんがございましたらおこたえしますので…」


≫峰津院 大和、青木少尉、紅陵女子アルファ戦車小隊&堅田戦車中隊メンバー、第二作戦会議室ALL

115ライブラ ◆xiCUMklbPU:2023/01/05(木) 19:29:16
【横浜基地 第二演習場 射撃訓練場/九頭 文治、ハードボイルドペンギン】

現時点でのマズルカに対する評価は、『銃を知っているだけのシロウト』というものだった。こればかりはしょうがない。ファンタジーな世界からきてファンタジーな戦いをする(?)魔女との触れ込みだった。
現にマガジン一つ分撃ち切るだけで消耗が見える。しかし本人は気付いていないだろうが、ほんの僅かだが撃つたびにコツを掴もうとする動きがみられる、体が銃の反動を覚えて対応しようとしているのだ。
このままやっていれば時間はかかるかもしれないがモノにはなる、のだろうがその前に<体力>と<筋力>が不足しているように見受けられる。まずはそっちからだな。ただ徒に銃を撃つよりも基礎を固めたほうがいいだろう。
幸いというべきか<気力>の不足は感じられない、銃に関してはシロウトだが戦いに関してはベテランと言ったところか。

九頭文治「おい、ペンギン。午前中……いや、まずは1600まで基礎トレにマズルカを回す。<気力>と<体力>の均衡がとれてねえ、体力と筋力を補えば後は小銃の方は明日にでもモノにできるはずだ」

ハードボイルドペンギン「同意見だ九頭文治、逆に言えば<気力>に<体力>が追い付けば充分にモノになる見通しは立つだろう。魔女はこちらで面倒を見よう。そちらのヒヨッコ共は引き続き任せる」

九頭文治「ああ」

ダンディな中年とトレンチコートを着たハードボイルドなペンギンのやり取りは奇妙であるが、その場で突っ込みを入れる者はだれ一人としていないようだ。最初は学兵もハードボイルドペンギンについて驚いていたが、数日もすれば馴染んだのか誰も何も言わなくなった。
それに彼らのアドバイスは的確で、とても厳しいが彼らが生き残る術を教えてくれているという確信が持てていたので誰も苦情を口にすることはない。稀に文治を兄貴呼ばわりしては拳骨を貰う者こそ居るものの、それは信頼の証のようなものだ。親父や叔父貴呼びした者も過去に居たが文治が本気で嫌がったように見えたのでその二つだけは絶対に呼んではいけないという暗黙の了解があった。

ハードボイルドペンギン「という訳で、貴様はこっちだ魔女よ。ひとまず昼までは俺の言うメニューをこなしてもらう。まずは小銃のマガジンをリロードして、小銃を抱えて3回ほど200mを全力で走ってもらう。戦場では常に走れなくなった奴から死んでいく。どの程度走れるかを見せてみろ。その後はインターバルを挟みつつ小銃を抱えてのランニングだ。貴様の”可能性”を見せてみろ」

マズルカを連れて射撃練習場を離れて陸上競技場のようなスペースに移動する。そこは学兵や正規の軍人問わず様々な兵科の兵士たちがランニングに勤しんでいた。

ハードボイルドペンギン「いいか、小銃を持って走る際は銃口をこう下に向けて、このように抱えて走れ。常に射撃する時以外は引き金には指を掛けないようにな、引き金に指を掛けたまま行動するとふとした拍子に暴発する危険性が高い、これはシロウトがよくやってしまうミスだ。留意しておけ」

どこからか小銃を取り出して走る際の小銃の持ち方を指導するペンギン。どうやって保持しているのかは不明だが、しっかりと小銃を構えていた。
そして射撃時以外には引き金に指を掛けることの危険性を説明しつつ、やや人気が少ない(といってもそれなりの人数は居るが)場所を確保してマズルカに手招きする。

ハードボイルドペンギン「さて、先程説明したことを実行しつつ200mを全力で3本走れ。走行フォームの修正・解説は適宜行う。質問はあるか?」

気が付けばハードボイルドペンギンの持つ小銃はどこかに消えており、その手にはストップウォッチが握られていた。指はないのに器用なものである。

>マズルカ、ALL

【新年あけましておめでとうございます、今年もよろしくお願いします! 他の方々へのレスはまた後日に少しずつ書いていきます】

116プライマリスの魔女 ◆nkg.2sWI0U:2023/01/09(月) 22:23:06
謹賀新年。今年が皆様にとって良い一年であります様に。そして今年もまた宜しくお願いします。

【横浜基地/第二演習場/射撃訓練場→トラックレーン/マズルカ】

結局規定弾数撃ち切る頃にはゼーゼーと肩で息をしてまさに気息奄々と言った状態。荒い息を手短に整えて漸く九頭文治とハードボイルドペンギンの話を聞く態勢になる。

マズルカ
「いやはや改めて自分がモヤシであると言う事を実感したよ…何特別訓練かな?まぁそうなるとは思っていた。では九頭クンしばしの別れだそして宜しくペンギンの神様」

九頭文治とハードボイルドペンギンが自分に課す訓練内容について異論はないらしく(と言うより体力の無さに自覚があった上それを養う基礎訓練に回されるのは予想していたのだろう)
ハードボイルドペンギンを神様と言ったり九頭に別れの挨拶をする等精神的余裕はある様だ。指示には大人しく従いそのままトラックレーンまでやってきた。
移動後はハードボイルドペンギンの説明を聞きながら、小銃の弾倉交換をスムーズに行う。こういう体力や筋力があまり関係してこない点に限っては上手くやっているのがマズルカである。

マズルカ
「ハイレディじゃなくロウレディなのかい?この国(日本)での訓練は控え銃が基本だと思っていたが…いやまぁどうでもいいが兎に角訓練内容に異議も質問もない」

出来るかどうかは別だがねハハハと笑い飛ばす。またマズルカはレクチャーされる以前から銃口管理等は徹底しており、人に銃口を向けない、引き金に指をかけない。
命令があるまで安全装置を外さない等は訓練を受ける前から自発的に行っていた。こういう点も本人が自称した銃を知っているだけのシロウトという事なのだろう。
尚ハードボイルドペンギンの小銃マジック等一連の不思議要素についてマズルカは全く追求しない。腐ってもファンタジックな魔法の存在する世界出身故彼女にとって
一連の行動事態別段不思議でも何でもないのだろう。その後は特に問題無く基礎訓練を開始し最初こそ「パパとママはベッドでゴロゴロ」等まるで自衛軍と言うより
米海兵隊の様な調子で歌いながら走っていたが直ぐに限界は来た。タイム事態もごく平均的恐らく徴収されたばかりの女子学生兵と同程度の内容だろう。
その後もタイム事態は順当に遅くなっていった。体力事態すぐに限界に近づき走る事すら困難になっており、随時ハードボイルドペンギンのコーチを受けながら続けるも
大粒の汗を滝の様に流し、小銃を何度も落としそうになり、走っている途中で膝をつき、盛大にすっころぶ事もある。正規軍人や学徒兵達から見れば昔の自分を思い出し
感慨深くなる者、余りのレベルの低さに苦笑する者等反応は様々だろう。ダイイチの評判を考えればここぞとばかりにマズルカの滑稽さを嘲笑う者が出るかもしれない。
だがそれでもマズルカは走る事を決して辞めなかった。走るのを止めるのは教官であるハードボイルドペンギンが良いと言った時だけである。そして銃だけは絶対に手放さない。
誰が見ても冗談好きなお調子者と言った感じのマズルカであったが、この訓練中は固い意志あるいは意地の様な物がはっきりと感じ取れる。

マズルカ
「何で銃を手放さないかって?そりゃぁコレ(銃)を手放すのは死んだ時だけだからだよ。しかし可能性は抜きにして魔女にとってこういうガチ訓練は良い体験だね」

ハードボイルドペンギンのレクチャーはしっかりと反映され繰り返すうちにフォーム等は綺麗になっていく。だがやはり根本的な体力部分は足りず途中で倒れる事も多々あった。
しかし何度倒れても立ち上がりまた走り出す。昼過ぎには汗と土と砂で汚れ切った泥人形が出来上がっている事だろう。


【横浜基地/廊下→第二作戦会議室/ライカ】

マズルカが汗を流している頃ライカと呼ばれる人形兵は書類を手に基地内を歩き、大和の居る場所を探し回っていた。要件はマズルカ特別混成小隊の編成内容を書類にした物の提出。
もう一つは空木彩虹の為に作られた随伴用航空人形兵の為、彼女と共にテスト飛行を行いたいと言う申請の為である。人形兵は本来常時展開している訳では無いがここではどうも
そうはいっていられない様なので、常時展開しておき尚且つ「人間に混ざっても問題が無い」様にした特別な下士官型ファセットである。混成小隊の兵員数や装備等と共に
下士官型ファセットのプロフィール等も含めた書類をあらかじめ提出しておこうとマズルカは考えた。尚本来の要件は航空人形歩兵の方である。
横浜基地内を右往左往した後漸く大和の居場所を掴み、第二作戦会議室の前まで来る。本来会議中に入る事はご法度であるがその内容が空木彩虹に関するものらしく
また大和自身多忙な為、暇な時間を見て等と悠長な事を言っていたら日が暮れる所か作戦が始まってしまう。ライカは会議室のドアをノックした。

ライカ
「マズルカ特別混成小隊下士官ライカ・プラネット!空木彩虹万翼長随伴航空歩兵編成の為飛行許可の申請に参りました!入出許可願いまーす!」

要件をはっきりと伝え入出が許可されれば後は会議室に入り大和へ必要な書類(マズルカ特別混成小隊編成内容等含む)を提出し、飛行申請許可を貰えるかどうか伺う。
尚入出時ライカの後には見慣れない人物が二人いた。恐らく彼女達が空木彩虹の為に作られた随伴航空歩兵なのだろう。他に見た人形兵達とは違いハッキリと魔術的な
力を感じられるが何より特徴的なのはその姿だ。女性と言うよりは少女が二人。セミロングの黒髪に何故か前髪を片方ずつ伸ばしてそれぞれ右目と左目を隠す特徴的な髪型。
魔女のインナースーツの様な服装の上から羽織ったケープ等空木彩虹の装備に近い物が感じられるがそれ以上に二人は殆ど同じ姿をしていた。
だが全く同じという訳では無く所謂「双子」なのだと一目で分かる姿となっている。また服装や髪型等も良く見ると左右非対称になっており
二人並ぶ事で一つになる様デザインされた物なのだろう。ライカが大和へ要件を伝えている間この二人は空木彩虹の前に立ち話しかけて来た。

航空人形兵達
「「貴女(空木彩虹)が私達の王(オーディン)?」」
航空人形兵右
「私はフギン」
航空人形兵左
「私はムニン」
フギン
「私は貴女の眼」
ムニン
「私は貴女の耳」
フギンとムニン
「「そして私達は王の盾であり矛。どうぞよしなに」」

美しい黒髪をたなびかせこの二体の人形兵はまるで演劇の様な挨拶をしてきた。その話し方も二人が交互にそして同時に話すと言うこれまた変わった物で妙に芝居がかっている。
マズルカは「とびっきりの随伴航空歩兵を作る」とか何とか言っていた気がするがどうやら個性の面でもとびっきりな物をよこしてきたらしい

117ライブラ ◆xiCUMklbPU:2023/01/11(水) 18:32:13
【横浜基地 ハンガー/君島 邦彦(士翼号)】

君島「(なんだ……この得体の知れない悪寒は、まさかあの姉ちゃんコクピットの俺を見てんのか? コクピットは当然閉めてるし、まさか『そういう能力』持ちか?)」

始季の方を見ると砂煙を諸共せずにこちらを、正確に言えばコクピット越しに君島を見ているように見えた。だが驚きはない。異世界には異世界の理があり、そういう連中も居るだろうというのが君島の理論だ。
現に昨日はマズルカのねーちゃんや彩虹ちゃんのような科学の埒外にいる人間が来たわけだしな。まあ不気味ではあるが、忌避すべき程のものでもない。君島は戦闘能力こそ低いが場数自体はベテラン同様に踏んで生きてきたのだ。

君島「オーケー、黒人の兄さん。そこのところの説明はウチのボスの仕事だ、受け入れ準備は既にできているから歓迎するぜ。さて、そっちの姉さんは――――」

バディストの返事を聞いて少しだけホっとしたのか、やや気安い声音で受け入れ準備が出来ていることを伝えて始季の方を見て、唖然とした。トリガーに指を掛けていることもそうだが、その対象は君島でもバディストでもなく自分自身だ。

君島「おいバカ野郎! 何してやがんだ!? 参謀、すぐにハンガーに衛生兵を呼んでくれ! 風渡りの一人が夢かどうか確かめるようにほっぺた抓る感覚で自分の掌を銃で撃ち抜きやがった!」

流石に君島も夢かどうか確かめるために頬を抓る感覚で自傷行為に出るとは想像もつかず、慌てた様子でスピーカーをオンにしたまま通信チャンネルを開いたままだった東三条参謀にそう伝えると、どうすべきか一瞬迷う。
士翼号には簡易医療キットが入っているから止血程度は出来るのだが、今の君島は人型戦車に『神経接続』している最中なのだ。解除には少し時間が掛かる、その少しの時間がもったいない今は手段を選んではいられない。
判断は一瞬だった。君島はガンメタルブラックの士翼号で左膝を付いてしゃがみ込むと、コクピットを開く。ヘッドセットをしている君島が露出する、当然危険はあるが今はそんなことを言っている時間は無い。三日後の大規模反攻作戦に怪我で出られませんでした、という事態を防ぐにはこれしかないと思ったのだ。

君島「オイあんちゃん! 悪いがコクピットから簡易医療キットを取って止血してやってくれ! 場所はアンタから見て左奥に赤い十字の箱が固定されてるから、箱の下部に付いてる左右のスイッチを同時に押せば床から剥がせるからそれで頼む。今の俺はコイツに『神経接続』してるから直ぐにはコクピットから動けないんだ、頼む!」

切羽詰まったように早口で捲し立てるとバディストに止血を頼み込んだ。偶然居合わせてしまったやる夫にはショッキングな出来事だろう。しかしこの黒人には戦いに慣れているようなオーラを感じたのか簡易医療キットを使えば止血は出来るだろうと踏んだ。
君島は最低限として様々なスキル(資格)を訓練で有しているので本職の衛生兵の補佐程度の仕事は可能だ。銃創の止血程度なら君島でもできるのだが、先ほど言った通り神経接続を解除しない限りは生身の君島は動けない。神経接続の解除も君島の場合は一瞬で終わるわけではないので近くに居てすぐに動ける人物に頼む必要があった。

君島「やる夫も一度XANから降りて黒人のあんちゃんの手伝いを頼む。あとそこの姉さんも銃を地面に置いてくれ、アンタみたいな美人さんに手荒な真似はしたくないんだ」

やる夫に必要であればバディストの補佐をするように言うと、始季の方を向いて銃を地面に置くように要請する。今の君島は一見無防備だが、抜け目なく左手を動かせばコクピットを庇えるような位置取りをしている。銃口を動かす素振りを見せればすぐに左手でコクピットを庇ったうえでコクピットを閉めて多少怪我をしてでも取り押さえる必要がある。
そうならないことを祈りつつも君島は油断なく視線を動かさずにいた、背筋とこめかみにはじんわりと汗をにじませていた。

>バティスト、梓家始季、入速出やる夫、ALL

118入速出やる夫 ◆Ge6raFQoEs:2023/01/13(金) 22:03:16
【横浜基地/荒野/入速出やる夫】

「相変わらずかっこわりぃ~」

斬―ZAN―が寝転がり状態、君島の士翼号が説得し見守る中
銃を向け合っていた二人の内一人は話しやすい雰囲気と判断したのか
冷静になったようだ。

しかし

鳴り響く一発の銃声。

「一体何なんだお!?何があったんだってばよ!」

打った頭を撫でていたが君島に言われコックピットから出てみると
銃を向け合っていた一人の姉ちゃんがなんと自分の手を撃ち抜く光景。
相対していたはずの黒人のおっさんが駆け寄ろうとしていたが
やる夫も

「正気かおアンタ!?」

そう叫び飛び出していく。
しかし慌てず迷わず素早く彼女の傍に回り

「おいおっさん!!やる夫は何をすればいい!?」

出来ることは分からないが彼女を抑えられる立ち位置に意図的に維持し指示を仰ぐ。

>バティスト、梓家始季、君島 邦彦、all

119ライブラ ◆xiCUMklbPU:2023/01/15(日) 19:48:12
【横浜基地 第二作戦会議室/峰津院 大和】

空木彩虹はたどたどしくありながらも自分なりに一生懸命に自己紹介を行っている、そんな彼女を見る紅陵女子アルファ戦車小隊と堅田女子戦車中隊、オペレーターの青木少尉の目はおおむね暖かいものだった。
自分なりに一生懸命な者を笑うような連中はこの中に居ない。自己紹介が終わったタイミングでヤマトは口を開いた。

ヤマト「上出来だ、空木万翼長。さて、今から質問を許可する。質問のある者は挙手を」

青木少尉「はい、質問よろしいでしょうか?」

ヤマト「許可する。彼女は青木美津子少尉だ。司令部作戦参謀補佐を務めている」

青木少尉「ご紹介にあずかりました青木です、これからよろしくお願いしますね。空木さん、貴女の名前の字はどう書くのでしょうか? こればかりは口頭では分からないので」

ヤマト「それに関しては私が答える、彼女はまだ日本に慣れていないゆえな。青空の『空』に木材の『木』、色彩の『彩』であや、雨上がりに出来る『虹』でこ、だ。今はあまり時間を掛けられないので次々に行くぞ」

黒髪を短髪にしたオペレーターの青木少尉は柔らかい笑みを浮かべて挨拶をした後に無難な質問をして、まだ日本に疎いという理由でヤマトが代わりに答える。
流石司令部付きの作戦参謀補佐だ、善行が買っていただけのことはある。こういう時に必要なのは込み入った質問ではなく、コミュニケーションだ。空木万翼長と彼女らは長い付き合いになる。この手のコミュニケーションは避けては通れない。

佐藤「はいはーい! 質問いいでしょうか!」

ヤマト「許可する。彼女は紅陵女子アルファ戦車小隊の小隊長、佐藤まみ千翼長だ。熊本から戦ってきた学兵だ」

佐藤「空木さんは好きな食べ物とかありますか? 今は大規模作戦前だから外出できないから食べに行けないけど、作戦が終わったらクレープとかどうですか? 私たち山口の岩国で美味しいお店知ってるんですよ!」

そうして徐々に空気が軍隊のものから女子学生の姦しいソレに変わっていく。恐らくは青木少尉の質問や態度を見てやるべきことを察したのだろう。伊達に生存率五割以下を戦い抜いたわけではないな。
ヤマトはそれを咎めることはなく一歩引いた立ち位置からそれを眺めていた。最初こそ誰かが挙手してはヤマトが許可して質問する、という流れがあったが、次第にそれもうやむやのうちに無くなり自由に質問や談笑する流れとなっていた。
途中で青木少尉が『このままでいいのか?』という視線を送ってきたが、ヤマトは『構わない』というように青木少尉の目を見て一度頷いた。紅陵女子アルファ小隊と堅田女子戦車中隊と青木少尉は空木彩虹に時々話の矛先を向けてはゆっくりとしたペースで彼女を巻き込んで談笑していた。
女子学生特有のコミュニケーション能力で空木彩虹に窮屈になったり焦らせたりしない独特のペースで、色々遠回りをしつつ『大規模反攻作戦が終わったら時間を作って皆でグルメ巡りをする』という約束を取り付けていた。
このままもう少し談笑させていても良かったが、会議室をノックする音が響いて、一瞬だけ静かになる。ここを潮時と見たヤマトはおもむろに口を開く。

ヤマト「時間のようだな、顔合わせとしては上首尾なようでなによりだ。大規模反攻作戦が終わった暁にはそのグルメ巡りの費用は私がポケットマネーから捻出しよう、それと別口で賞与も期待できる。だから、必ず全員で生き延びるように。これは命令であり、私個人の願いだ。これにて今日は解散とする」

一同「了解!」

そう言って紅陵女子アルファ小隊と堅田女子戦車中隊と青木少尉は会議室から退出していった。退室しきったのを確認すると、ヤマトは「入室を許可する」と声を上げた。

ヤマト「ふむ、君たちがマズルカ万翼長の言っていた……。私は峰津院大和、階級は上級万翼長で海軍第一特務旅団の旅団長だ。まずは書類を拝見する、不備などがあったらこの場で修正してくれ、終わり次第直ぐに受理する」

本来は会議中に入室させるわけにはいかないので、空木彩虹の支援団(仮)を退出させた後に彼女らを入室させた。書類を受け取ると会議室の一番奥のヤマト用の席に座って書類を精査し始めた。

ヤマト「フギンにムニンにオーディン、北欧神話か。一応フギンにムニンというのはコードネームとして受理する。流石に本名として受理するのは無理がある、少し神話に興味がある者ならすぐに偽名と疑うだろう。君らに戸籍としての登録名に希望はあるか? これに関しては日本名でなくても構わない、なければ後ほどマズルカを呼んでから決めるが、どうかね?」

フギンにムニンという名前はともかく、オーディンと来れば大体の人間は北欧神話の隻眼の神を想像するであろう。フギンにムニンというのはオーディンの僕の類いであるというのは少し調べれば分かるだろう。
書類の精査は9割を終えた、あと1分足らずで全て終わるだろう。その書類をノートPCに入力し終える頃には昼になっていることだろう。
登録名さえ決まってしまえばマズルカを呼ぶ手間は省ける、彼女は今歩兵としての訓練中であり、余計な手間をかけて訓練・休憩時間を割かせたくないが……仕方ない、こちらから出向く方がいいだろうな。九頭文治とハードボイルドペンギンの訓練は厳しいがその分彼女の血肉になることだろう。

ヤマト「書類の精査は終わった。2か所些細な誤字があったがこちらで修正しておく。あと閲兵式など正式な場では髪型をTPOに沿ったものにしてもらうが構わんな? お堅いと思うかもしれんが軍隊とはそういうものだ。まあその辺りは追々でいいだろう。私からはこの程度だ」

ついでにヤマトはフギンとムニンの髪型に付いても言及した。普通なら口煩いと取られるだろうが、軍隊というものはそういうものである。逆に言えば正式な場以外では自由にしろ、と言っているようなものだ。
マズルカは人形兵を完全な人間と思わない方がいい、とも言っていたがヤマトはイマイチ距離感を測りかねているようだ。ヤマトは三度に渡って世界の行方を左右する戦いに臨んだベテランだが、こういう手合いは初めてなのだ。

>空木彩虹(アルファ06)、ライカ、フギン、ムニン

【ちょっと駆け足ですが、顔合わせを切り上げて次に進ませていただきました】

120ライブラ ◆xiCUMklbPU:2023/01/20(金) 19:56:02
【横浜基地 第二演習場 トラックレーン/ハードボイルドペンギン】

最初こそ米軍海兵隊のようなノリで歌いながら走っていたが、すぐに限界が来たようで歌う余裕は消えたようだ。そもそもこの手のコールはある程度訓練に慣れた兵士がやっている、というのがこの世界の自衛軍であり学兵なのだが、そんなことは昨日現れたばかりの魔女には分からないだろう、単なる文化的差異である。
走行フォームは適宜修正や改善を咥えているがタイムは当然遅くなっていく、体力を消耗し続けているのだ、なにか能力などの仕掛けでもない限り遅くなるのは当然だ。だがマズルカの目は一度たりとも死んでいないし弱音を吐いていない。その証拠に彼女は一度たりとも小銃を手放そうとしなかった。
周りで珍しがって見ていた海軍兵士や学兵も居たが、いつまでも見ているのではなく各々が自らに課した訓練に戻って行った。かつての自分を思い出して感慨深くなる学兵がいた。膝を付いても転んでも小銃を手放さずに起き上がって走り続ける彼女を内心称賛する海兵がいた。だがマズルカを笑う者は誰一人としていなかった。
それは”周りの目を気にして”という理由ではなく、ひとえにマズルカを見ていた兵士たちは真っ当な性根と精神を持っていたからだ。同じ海軍であり同じ目標を持って戦う同胞だ、走るのを辞めて駄々でも捏ねれば話は違っただろうが、そうせずに走り(戦い)続けた彼女を笑う理由など存在しない。
気配でも消していたようにいつの間にかマズルカの傍に現れたハードボイルドペンギンはマズルカの顔の前にスッとスポーツ飲料の入ったペットボトルを差し出す。

ハードボイルドペンギン「上出来だマズルカ万翼長。特に膝を付いても転んでも決して小銃を手放さず、扱いを誤らなかったその根性は称賛に値する。まずはこれを飲め、その後泥を落として昼食までは一先ず休憩を挟む。そこのベンチに座るといい」

ハードボイルドペンギンにしては饒舌な部類に入るほどに長いセリフを喋る。本来のこのペンギンは寡黙な方に部類されるためこんなに長いセリフを喋ることは珍しいことだ。
こと今回に関しては膝を付いたり転んだりすることを咎めはしなかった。誰だって始めたばかりでは無様でも仕方ないのだ、それを無様なまま這いつくばることが恥なのであって、自分なりに最善を尽くして戦い(走り)続けることは何ら恥ではない。
このペンギンもマズルカを見た兵士も学兵も恥を知っていた。だから声こそかけなかったが内心称賛していた者はいても笑う者がいなかったのはそれを感じ取ったからである。

ハードボイルドペンギン「”可能性”の開花は如何に追い込みをかけて訓練するかによって能力上昇の振れ幅が変わってくる。これはやる夫や君島が証明したことだ。午後にも同じ訓練を行うつもりでいるが、恐らくは”今ほど疲弊はしない”だろう。こればかりは神の領分ではなく、”世界の理”の領分だ」

傍から聞けば意味の分からないセリフのオンパレードだが、今のマズルカならば充分理解できるだろう。
ハードボイルドペンギンは神族ではあるが万能の唯一神ではない。やれることはヒトより多いが、多いだけでおとぎ話のような奇跡が起こせるわけでもない。それでもヒトの理から外れた力を行使することは可能だが。

>マズルカ、ALL

121殺し屋と衛生兵 ◆RPXIifaP1c:2023/01/22(日) 01:31:53
【横浜基地近辺/荒野/バティスト、梓家始季】

―始季視点―


最後の最期に覚えていたモノ


煌々と輝く満月


鼻腔を突く血煙と硝煙の匂い


周囲に飛び散った御互いの血潮 


転がる熱の冷めた無数の空薬莢


遠くから聞こえてくる夜の街の雑踏


濃い鉄の味のする口付け




始季「心地の良い夢の後に立て続けに悪夢を見ると――現実と夢の境目が分からなくなるモノです。それも
死に際ならば尚更に…」

唐突な自傷の言い訳か、それとも単なる誰に向けたモノでもない感情の吐露か

駆け寄る面々の前で血の滴を垂らす左掌もそのままに、右手の黒塗りの45口径(SVインフィニティ)の弾倉を
抜いて地面に落とし、続けて遊底(スライド)を前後させて薬室に装填済みの弾も抜き取り、最後に銃本体も地
面に落としてセルフで1.5秒ほどで武装解除する。

そうして駆け寄ってきた先程まで銃口を向け合っていたハイチ系黒人の兵士(バティスト)に為されるままに特
に抵抗する事も無く治療を受ける。

バティスト「神経接続…直接接続するタイプか、大丈夫だ、自前の装備がある。オレはコンバット・メディック(衛
生兵)でね――マンジュ(饅頭)のお前さん(やる夫)も慌てなくていい――弾は抜けてる。着弾箇所的に五指が吹き飛
んでてもおかしくなかったぞ。CT(対テロ部隊)の連中が犯人の掌を撃ち抜いて無力化するってのは良くみるがそれを
自前でやる馬鹿はアンタ(始季)が初めてだ。」

幸い彼(君島)が危惧した様な事にはならない様で、念の為に位置に就いていた彼(やる夫)も特に動く必要は無さそう
だ。バックパックから幾つかの医療品、簡易止血帯と――グレネードポーチから一発の40mmグレネード弾を取り出し
て分解し、中身のやたらと発光する医療用ナノマシン、固体とも気体とも知れない其れを彼女の左手の銃創に少量振
り掛けると――

傷口が動いて早送りでもしているかの様に見る見るうちに塞がって行く――急激な代謝の促進というよりは振り掛け
たナノマシン自体が傷口を自己増殖と修繕で繋ぎ合わせて其処に併せて細胞が活性化して完全に塞がっている様にも
見える。

始季「………………………」

バティスト「10分から15分は激しく動かさない方が良い。馴染むのにそれなりに時間は掛かるからな。―――全く
とんだ患者だ。」

と溜息をつきつつ

バティスト「兎に角話は分かった、其方の指示に従って移動する…自前の足で行くべきか?」

と君島に指示を仰ぐ。歩きで行く場合でも構わないし、何かしら移動手段があるのなら喜んで其方を選ぶという感じ
である。

>君島 邦彦(士翼号)、入速出やる夫(斬―ZAN―)

122プライマリスの魔女 ◆nkg.2sWI0U:2023/01/27(金) 23:37:28
【横浜基地/第二演習場/トラックレーン/マズルカ】

マズルカ
「あ.ありがとう…」

土と砂と誇りと若干の自分の吐しゃ物で汚れ泥人形と化したマズルカは何時もの様に冗談を挟む事も無く、がくがくと震える腕で差し出されたペットボトルを何とか受け取る。震える腕ではペットボトルの
開封すら難しく漸く口を開けると一気に飲み干そうとするが、胃が受け付けない様であまり飲む事が出来なかった。ハードボイルドペンギンに指示されるままどっかりとベンチに腰を下ろす。

マズルカ
「な.成程…神様(ハードボイルドペンギン)の言う事が本当なら今日たった半日の訓練も…既に可能性の育成に役立っていると言う事だね…グフッ」

ハードボイルドペンギンの言う事は恐らく理解しているのだろう。だがそれを口に出して言う事は難しい様だ。普段使わない体中の筋肉が酷使され腕や脚だけでなく腹筋等も所謂笑った状態。
今はペットボトルの飲料すらロクに飲めない状態である。ただここで潰れる気はないらしい午後のスケジュールに関して聞かされると「分かった」と短く了承した。今は気息奄々な状態であるが
訓練を辞めるつもりはない様だ。暫くベンチに腰掛けてぐったりした後、自らの人形兵に引きずられる形でシャワー室に放り込まれ、汗を落として着替え軽く昼食をとる。

マズルカ
「午後もよろしくお願いします教官!…なんてね」

午後の指定された時間にはしっかりとトラックレーンに現れ、恐らく午前同様監督に来たであろうハードボイルドペンギンに元気よく挨拶をする。少し冗談を含ませた所を見ると若干の余裕は生まれたの
かもしれないが、汗を落とし休息を取ったとはいえ顔には疲弊が見えるし体中盛大に転びまくったせいで擦り傷だらけだ(当然応急処置はしてある)完全に回復したとは言い難い。それでもマズルカは
訓練事態を辞めるつもりは無い。ハードボイルドペンギンがそして同じトラックレーンを使っていた海軍兵士や学生兵が見たであろうあの強い意志を宿した瞳はだけは変わらない。
マズルカはそれは意志や使命等と言う崇高な物ではなく単なる自分自身の意地だと言う。だがその意地で今まで戦ってきた。だからこの戦い(訓練)からも決して逃げたりはしないと。


【横浜基地 第二作戦会議室/ライカ、フギン・ムニン】

大和の事を言っているのかいないのかフギンとムニンは微動だにせずただじっと空木彩虹の方を見ている。そしてすっと大和の方に近づくとライカが提出した書類をさっと手に取り
まるで文字をなぞる様に指を動かすと、その書類を大和の机に置いた。そこには「フギン/クラーラ・エルンスト」「ムニン/エーリカ・エルンスト」と記載されていた。当初書類は普通にボールペンか
何かで筆記されていたものだがそれを何らかの方法で描き直したらしい。どうやら言っている事自体は理解している様だが反応は薄いと言うか殆ど無い為かなりわかり辛い。

ライカ
「髪型に関しては普段や戦闘時は…その"性能的"に問題があるらしく変える事は難しいですが公の場等で一時的に髪型を変える事は可能です。それ以前にマズルカはフギンとムニンを
私達下士官と違い常時展開させておく気は無かった様です。元々燃費が悪いのでマズルカへの負担も大きいとか。今回は空木彩虹万翼長と面会させる為戦闘時ではありませんが
特別に出させた…とのことですこの点に関しても何か不都合があればマズルカへ報告し対処させます」

ただ横にいた下士官型人形兵のライカがしっかりと補足を行った。此方は提出した資料に書いてあるが<常時展開させる人形兵>であり普段からこうして活動させマズルカの補佐役を担うらしい。
彼女の他に二体(二名)エマ・エリシオンとティファニー・ハートもそうした常時行動させる下士官型人形兵であると書いてある。人間に混ざって活動する事を前提とした人形兵の為か
このライカ(フルネームはライカ・プラネット)という人形兵は魔術的資質やそうした物を見抜く技能が無ければ、人間と区別する事は難しい程とても"人間らしく"仕上がっている。
応対は勿論だが細かな仕草や人間側の気持ちを汲んだ発言や行動等、今いるフギンムニンや先日お披露目したガスマスクを装着したトレンチコートの歩兵型人形兵等とは随分と違う。

ライカ
「…あのそれでですが。空木彩虹万翼長とフギン・ムニンの訓練の為の飛行許可の件ですが其方は宜しいでしょうか?
そ.それとあ.あー!もう一つあった!え.えーッとこれよね之…ええと申し訳ございません此方も目を通して頂きたく…申し訳ありません本来であれば纏めて提出する筈でしたが…」

ライカはおずおずと言った様子で大和に尋ねた。こういった点も実に人間らしいと言えるだろう。どうやら飛行訓練の申請許可以外にもマズルカ特別混成小隊用の"陳情"があるらしい。
それを忘れていたらしくライカは大慌てでマップケースの中を漁り、新しい書類を大和の前へおずおずと言った感じで提出する。
内容は前日大和が少しだけ触れた「人形兵を作る為の素材」に関する物だ。一般人には何に使うのか見当もつかない代物例えば大量の石灰、古い人形(サイズ問わず)等逆にそういった
知識があれば何に使うかおおよそ見当は付くと言った代物だ。それと自衛軍用銃火器とその弾薬。之に関してもそのまま使う訳では無く人形兵作成の材料にするとの事。
ここまでは銃火器類を除けば調達自体は容易な物だろうし大和であれば想像がついたものだろう。だが最後の行には意外な物が記載されていた。

"1/2tトラックあるいはそれに類する車両"

1/2tトラックとは恐らくこの第五世界でも自衛軍等で運用されている四輪駆動軍用車両の事であろう。つまりマズルカは車が一台欲しいと言ってきたのだ。
尚それについては何時の間にやらライカが首からぶら下げたパネルボードを用いて丁寧?に説明が行われた。

マズルカ
「昨日からのやり取りでボス(大和)と私とでは人形兵その他の運用しそうとでも言うべきか。まぁ些細な違いがあり私としては郷に入りては郷に従えとも言うし
ここでは悪目立ちしない方が良いと言うのに賛成だ。人形兵は倒された場合通常亡骸は残らない。私の元へリソースとなって還元されるそれは常人から見れば斃れた人間が光となって消え
消滅するというわけだ。それを戦場で正規軍の方々の眼に晒すと厄介かなとマズルカさんは深慮遠謀を働かせた訳だうんうん。で人間の真似事に近いが医療搬送や後送と言う形で
とりあえず躯は戦場に残して他の人形兵に回収させ、人目に付かない所でリサイクルしようと思ったのだよ。でその為には人形兵の躯を乗せて運搬する荷車が必要というわけだ。
なのでここはどうせ素材を頼むついでに我等がボス(大和)におねだりしようと思った訳だ。可愛いマズルカさんのお願いを聞いてくれる度量を我等がボス(大和)は持っていると信ずる以上」

…とマズルカは申しておりました申し訳ございません峰津院司令!ど.どうか御無礼の程をお許し下さい。罰として私が机を磨きます!何なら靴も磨きます!食堂の机も磨きます!
と代理で説明したライカの方は先ほどから何度も頭を下げて謝罪している。

>> ALL

123青空を夢見るモノ ◆RPXIifaP1c:2023/01/30(月) 01:57:29
【横浜基地/第二作戦会議室//空木彩虹(アルファ06)】

司令部作戦参謀補佐を務める青木少尉に問われた己の名前の字を問われたの(この点はヤマト旅団長が補足してくれた)を皮切りに中々どうし
てフレンドリーに始まった質問の驟雨。

「はい、まみせんよくちょう、――すきなたべものは…とくにきらいなものはないし、あまいものはだいすきです。」

と、やはり身近な食の話を中心に次第に大らかで砕けた雰囲気での質問――というより転校生にあれこれ訊ねて様子をみている様な最早挙手
そのものも無くなった談笑に変わってゆく。

その雰囲気そのものに対して慣れない部分も無論、機能・能力を優先している存在である人造魔女たるこの少女(空木彩虹)は最初こそ戸惑い
の類があって固まってしまっていたが和気藹々とした年並みのやり取りに次第にそうした緊張気味な部分も彼女達にリードされて解れていっ
たらしく、少なからず(兵器)というよりは(人)らしい感慨に近付ける事が出来たと言えるかもしれない。

そうして大規模反抗作戦終了後に旅団長御墨付きのグルメ巡りを約束して貰ったあたりでふと(戦果拡張・戦線維持での継続攻勢)などという
別の余計な心配事が頭に浮かんだりしていたが其方方面に関しての思考の偏りが濃くなる前に、新たな来訪者が作戦会議室へ訪れる。

それを合図にした様に最後に旅団長自身の“必ず全員で生き延びるよう”という訓示と切実な願いに対する力強い了解の意と共に紅陵女子ア
ルファ小隊と堅田女子戦車中隊、そして青木少尉の面々は会議室を後にする。

――続けて現れたのは、先程甲斐甲斐しく寝起きの魔女(マズルカ)を世話していた人形兵の副官ライカと、その背後に控えた双子めいた様相…
否、(二人一組)と言うべき様子の人形兵が二人、この二人が彼女(マズルカ)が言っていた随伴航空歩兵という事なのだろう。

「…わたしがおうさま(オーディン)?」

と驚きながらも、其々が(貴女の目)・(貴女の耳)、そして(王の盾であり矛)と続けて演劇宜しく答えるこの綺麗な黒髪の(フギンとムニン)に
先ずこの人造魔女が取った行動は

ただそっと二人の手をとって握り

「ならば、おうはおうのありかたをしめす――なんてじょうだんだよ。わたしにふたりも(いもうと)ができたってことだよね?。これからよろし
くね(ふぎん)・(むにん)」

と笑顔で握手をし出す―― 一瞬フラッシュバックするは(アルファ型)以降の元いた世界に於ける(姉妹達)の姿。

その一方で、この人形の双子な航空歩兵を言動と呼称から直ぐにモチーフが北欧神話から来ている事を理解したヤマト旅団長は、流石に戸籍情
報上はその名では通せないという事で偽名が必要な旨を伝え希望があるかと、人形の下士官たるライカが提出した書類の書き戻し不可な筈のボ
ールペンの処に何かしら施して訂正し、それぞれ(フギン/クラーラ・エルンスト)(ムニン/エーリカ・エルンスト)とした。

そうしてライカが言うにはやはりこの二人(フギン&ムニン)は特殊な仕様らしく、その分燃費が悪いらしく常時展開しておく訳では無いらしい
それこそ補佐役の彼女(ライカ)がその役割上常時人に混じり活動するのとは異なるという事らしい。

加えて自分とこの二人の(訓練飛行の許可)の件と、更にもう1つ、何やら相当量の石灰、古い人形、自衛軍採用の小火器と弾薬類、それから…
1/2tトラック、大方ジープなどの四輪駆動軍用車両の類だろう…も一両。

それでもって何時の間にかパネルボードでサンドイッチマンと化して説明し出す彼女(ライカ)

曰く、作戦中に撃破された人形兵の扱いに関して、流石に(悪目立ち)が過ぎるという事でその辺の隠蔽や誤魔化しの為に結構気を遣った理由だ
ったらしい。それで輸送用の軽車両が必要になったとの事――最後がやや余計な気もしなくも無いが…

そうして謝罪と猛烈な各種磨き掃除を無礼の罰として自分から申し出るライカに気の毒の思ったのか人造魔女も続けて

「あの…よろしければわたしもらいかさんのてつだいをします。」

等と言い出す。


≫峰津院 大和、ライカ、(青木少尉、紅陵女子アルファ戦車小隊&堅田戦車中隊メンバー)、第二作戦会議室ALL

124入速出やる夫 ◆Ge6raFQoEs:2023/02/02(木) 23:34:12
【横浜基地/荒野/入速出やる夫】
自分の掌を撃ち抜いた女は訳が分からない事を言っているが
やはり空気が読まず

「ホンマもんの薬中(ジャンキー)かメンヘラはこんな感じなのかお…?」(うわぁイカレてる…)

やる夫はそうとしか思えないクレイジーな姉ちゃん―真っ先にこの印象を抱く。
だがその掌も同じく現れた黒人の兵士がなにやら取り出したグレネード弾から光る何かを振りかける

「えっ?何まさかまさかアニメに出てくる女の子の乳〇首やパンツ隠すあの光!?」

相変わらずふざけてるとしか思えないがすごく興奮する様子を見せながら
残念!!やる夫の思ったことは何もなく掌は瞬く間に治っていく。
しかし何故それが出来たのかは何となくわかった。

「ナノマシン…かお?」

現代っ子として国問わず膨大なアニメやゲーム漫画を見てきた為というのもあるが少なくても自分の手から出している訳ではないので
魔法、と言うものとは違うように見えたのが正確には正しい。

「この場合はよかった、と言うべきなんだろうけどとりあえずおっさん」
「ありがとうだお、まだ人が死ぬ所を見なくて済んだお」

本人に代わって言うのも変ではあるが好き好んでどんな人でも死ぬところなんぞ見たくない。
それが一番大きくまた彼の人の好さの表れでもある。

「おい姉ちゃん、アンタがどんな夢を見てたのかは分からないけれどそんな事をしなくても目は覚める嫌でも」
「ようこそ此処は恐怖の大王が下りてきた、その中のどん詰まりも良い所だお」
「あの世の方がまだ楽かもしれないけれどやる夫よりずっと強いだろうから、その力貸してくれお」
「頼むお」

まだやる夫は戦闘のプロとはとても言い難いが、少なくても此処に来るなら自分よりも戦えるプロならば
自分よりは間違いなく戦えるだから応えてくれるかは分からないが頼んだ。

「君島の兄ちゃん、やる夫はまた操縦訓練に戻るお」

バティストは付いていくと意志を示し、やる夫は斬―ZAN―の操縦訓練に戻る事を告げる。
一緒についていくのも良いだろうがその分訓練の時間が減ってしまうなら効率を考え
このまま君島に任せた方が一番良いと思えた。
だからそう告げると斬―ZAN―に向かい始めた。

>バティスト、梓家始季、君島 邦彦、all

125ライブラ ◆xiCUMklbPU:2023/02/17(金) 16:36:53
【横浜基地近辺 荒野→横浜基地 ハンガー/君島 邦彦(士翼号)】

君島「死に際、か。俺と似たようなものだったか。だが次からはやめてくれ、見てるコッチが心臓に悪すぎる。参謀、衛生兵はキャンセルだ、もう一人の風渡りが治療してくれたんだが、まるでビデオの逆再生みたいに傷が完全に塞がりやがった」

東三条『君島くん、それは事実ですか? なにかのトリックの類いではなく?』

君島「事実だ、ハンドグレネードみたいなヤツを分解した瞬間に光って治った。詳しいことは戻って本人から聞いた方がいいだろう。ヤマトに話を通してもらえるか参謀?」

東三条「了解しました、会津閥が動き出す前に基地へ帰還してください。士翼号の手に乗せて大丈夫ですので、帰りは安全運転でお願いします」

君島「君島了解。さてと、武装解除に応じてくれてサンキューな姐さん。そちらの兄さんは悪いがその姐さんの銃とかを回収してもらえるか? その後で俺の機体の手の平に乗ってくれ、ウチの国の軍隊、自衛軍っていうんだが、そこも一枚岩じゃないんでな、余計な連中が騒ぎだす前に色々な手続きを済ませたいんだ。
 やる夫も悪かったな、訓練の邪魔しちまってよ。今晩か明日にでもこの二人の正式な顔合わせやると思うから覚えといてくれ。じゃあ訓練を続けてくれ」

淀みなく必要なことを口にすると、コクピットのハッチを閉めて士翼号の両手の平を組んで二人の前に差し出す。乗ってくれ、ということだろう。
やる夫も訓練に戻るようだし、一先ずはこれでいいはずだ。おっと、肝心なことを聞き忘れていた。

君島「おっとっと、大事なことを聞き忘れてたぜ。二人の名前を教えてくれないか? それと基地に付いたらうちの制服に着替えて貰って、その後にボスに会ってもらって色々な手続きをやる必要がある。ハラが減ってたりしたら言ってくれ、手続きしてる間にメシを持ってくるから、嫌いな食い物やアレルギーがあったら先に言ってくれよ?」

名前を聞くついでにこれからの事を手短に話す。もうじき昼時であることも考慮して空腹な場合は食事を持ってくることも付け加えて軽妙に話し出す。
元より戦いよりもこういう方が向いている男である。踏んだ場数が多いこともあって動揺からの立ち直りも早かった。

――――
――


二人を乗せて横浜基地のハンガーに帰還するとハンガーで二人を下ろす。既に連絡が入っていたようで二人には案内のための衛兵が近づいてきていた。念のために拳銃で武装こそしているもののホルスターに手を掛ける様子はなく、二人に友好的に話しかけた上で更衣室への案内をする旨の話をしていた。
君島自身も神経接続を解除して機体から降車して二人に歩み寄っていた。

君島「改めてようこそ日本の横浜基地へ、二人とも歓迎するぜ。とりあえず二人は着替えた後にボスの元へ案内するが、それでいいかい?」

>バティスト、梓家始季、入速出やる夫、ALL

【一息に横浜基地まで連れていきました。ペンギンとヤマトのレスはまた後日】

126ライブラ ◆xiCUMklbPU:2023/02/22(水) 16:56:37
【横浜基地 第二作戦会議室/峰津院 大和】

「ふむ、ライカ・プラネットに、クラーラ・エルンストにエーリカ・エルンストか。あとはエマ・エリシオンとティファニー・ハート……了解した。全員の階級は万翼長として事務処理”した”。髪型に関しても事情は理解した、公の場でのみ髪型を変更を要請するが、それ以外では自由にして構わん」

ノートPCで迅速に事務処理を行うヤマト、話を聞いている間に高速でタイピングしていたのは旅団の人員に組み込むための処理をしていたようだ。これで仮称海軍第一特務旅団空木航空歩兵隊がたった今結成された。
空木彩虹も階級が万翼長だが、かといって実践で使える兵士を千翼長のままにしておくのも色々と後に問題が出て来る。
まだ誰にも言っていないが、裏では芝村派閥と手を組んで大規模反攻作戦後にはヤマトを含めて全員が1階級昇進する予定だ。人形兵の彼女らはそのまま万翼長にして……などと思考しているとライカが再び声を掛けてきた。

「飛行許可はいつでも出せる、事前に申請さえすれば24時間問わず許可できるが。他にも何かあるのか?」

おずおずといった様子でライカは新しい書類を取り出した。一度に出しても構わなかったのだが、少し様子が変だな。
ふむ、そういうことか。なるほど、確かに相手が軍人でなければ車両は用意するのが難しいだろう。
しかしヤマトは上級万翼長でありながら旅団の団長だ、事務や補給の方面に関しても手抜かりはない。

「ライカ・プラネット、まずは落ち着け。君が言うことは理解した、結論から言えばこれらの物資を用意することは問題なく可能だ、無論車両も含めてな」

無茶振りしたと思っているライカの不安は、特に何の痛痒すらヤマトに与えずに受理された。マズルカが部隊を率いると聞いた時点で必要になると思って既に車両をいくつかピックアップ済みであるし、なんなら明日の昼にでも届けられるだろう。必要とあらば空木隊にも同じ用意も可能だ。
自衛軍に限った話ではないが、軍隊とは一枚岩ではない。第二次世界大戦で日本を下した米軍も内情は日本とさして変わらなかったと聞き及んでいる。
派閥と派閥の間で書類上宙に浮いている物資が自衛軍には結構ある。それは必要な場所に必要な物資が届いていないということを意味する。だから英雄部隊と名高い5121小隊ですら「イ号作戦」という名の物資集積場での物資の穏便な強奪を両手の指で数える規模で繰り返しては司令官である善行現大佐が方々に頭を下げるという事態が起きていた。
だが峰津院大和という人間はそう甘くない上に辛辣である。その宙に浮いた物資の積極的確保と現場への補給体制を軍上層部と連携して行っていた。明らかに越権行為であるが、そこをどう乗り切ったかは他ならぬヤマトのみぞ知ることだ。
ともあれ、ライカや空木彩虹の懸念はあっさりと解決された。

「車両については、そうだな、明日の正午にでも届くだろう。だがそれ以外の物資の一部は夕方頃になるだろう。その程度は問題なく処理できるので、ライカ・プラネットと空木彩虹両名は余計な気を回さずともよい」

ライカたちの懸念は、例えるなら学校の教師が授業中に生徒の質問に答える程度の気安さと気軽さで解決された。ゆえに靴や机を始めとした様々な場所を拭いて回る必要はないとヤマトは言う。

「それはそれとしてだ、これから諸君らに訓練などの予定はあるか? あればそちらを優先して構わんが、先程新たな”風”が二人確認されていてな、今はハンガーに居る。後ほど全員で顔合わせを行うが、先に会っておくか?」

予定があれば断っていいと前置きした上でヤマトは新しい風渡りが出現したことを告げる。その連絡はもうすぐ君島から全員に行き渡ることだろう。
皆よりも先に顔を見ておくか? という選択をこの場の全員に投げかける。

>空木彩虹(アルファ06)、ライカ、フギン、ムニン

127プライマリスの魔女 ◆nkg.2sWI0U:2023/02/27(月) 00:35:01
【横浜基地 第二作戦会議室/ライカ、フギン・ムニン】

フギン
「よしなに我が王(オーディン)」
ムニン
「よろしく我等の姉妹(シスター)」

空木彩虹が差し出した手に対してこれまた芝居がかった返事をすると、上下に挟む様に自らの手を出して独特の握手をした。既にマズルカと感応(テレパシー)リンクを接続している為
当然フギンとムニンにも念話等は通じる為、たとえ意図せずとも少々思考が交差する事があり、ムニンが姉妹と言うワードを強調したのはその為かもしれない。逆に空木彩虹はフギンとムニンから
大ガラス(生物の烏と言うよりは概念的、抽象的な物恐らくフギンとムニン作成時のイメージなのだろう)そして成層圏に近い空の色。ダークブルーのイメージが伝わってきた。
その後はまるで仲睦まじい二羽の小鳥の様に寄り添い合い、ライカや大和等のやり取りを無言で眺めている。燃費が悪い為普段が殆ど動かさないと言うのはどうやら本当の様だ。

ライカ
「ああっ!!そんなっ!!う.空木万翼長のお手を煩わせるわけにはいきません!ならその分更に私が磨きます!」

もう最後の方は何を言っているのやら本人も分かっているかどうか怪しい所。「まずは落ち着け」と大和にぴしゃりと言われ漸く落ち着きを取り戻したライカ。
書類をまとめて提出しないミスと本来であれば時間のかかる陳情を今更行うと言う二重のミスで少々取り乱した様だが(尚机や靴を磨くのは半分趣味らしい)

ライカ
「失礼少々取り乱してしまいました…それと峰津院司令のご配慮に感謝します。陳情品の到着と飛行申請の件は既にマズルカに伝えましたので後は恙無く進められるかと」

大和の優れた手腕で陳情した補給品が問題無く支給される事と懸念していた飛行申請が通った事で漸くほっとしたのだろう。ライカは入室した時の様に落ち着いた様子で応対している。
ライカが「マズルカに伝えた」というのは恐らく感応やテレパシー等で今直接伝えたのだろう。マズルカ本人は当然ここにはおらず外で血反吐を吐いて走っている最中である。
尚新しい風渡りに会うかどうかについては少々悩んでいる様だ。そもライカはあくまでマズルカの秘書の様な物でありこうした事務的な用途以外で動く気はないらしい。

フギン
「風が吹いた。一体何の風かしらムニン」
ムニン
「記憶喪失症アムネジアの風?でも私(ムニン)も貴女(フギン)も記憶はしっかり残っている」
フギン
「良かったわそれならアメリカ大陸を横断せずにすむもの。それは兎も角私達は王(空木彩虹)の判断に任せるわ」
フギン/ムニン
「「そう私達は王の眼、王の耳、そして王の姉妹なのだから」」

大和の風という発言に無駄な反応を示しつつも結局のところフギンとムニンは空木彩虹の判断に任せるつまり彼女について行くと言う事らしい。
ライカもこの後特に急ぎの仕事は無い事と、フギンとムニンの面倒を見なければいけない為ついて行く場合同伴すると言う。

>>ALL

128ライブラ ◆xiCUMklbPU:2023/03/04(土) 21:36:43
【横浜基地 第二演習場 トラックレーン/ハードボイルドペンギン】

ハードボイルドペンギン「可能性はあくまで可能性に過ぎ。どんな宝石の原石でも、磨いてカットせねば売り物にならぬように、磨く意思がなければ石ころは石ころのままなのだ……ム?」

渋い声で言ってマズルカを一旦見送るハードボイルドペンギン。だが”何か”を感じたのか、一見壁しかないとある方向を向いたまま少しの間身動ぎひとつせずにじっととある方向を向いていた。
マズルカが戻ってきた後でようやくとある方向から視線を戻して重々しく口を開く。

ハードボイルドペンギン「定刻通りだ。だが軍隊では常に5分前行動を要求される。今回は言っていなかった俺の落ち度だが、次はそのように。そして……」

ハードボイルドペンギンは敢えて言い忘れていたような口ぶりで話すが、それは少しの嘘を含んでいる。言い忘れていたのではない、”言わなかった”のだ。それはマズルカを試す意図ではなく、ほんの僅かでも、1秒でも長く休憩を取らせるためだ。
運動用語で超回復という言葉がある。詳しくは省くが要は”酷使された体が、次の酷使に向けて順応しようとする”と分かれば問題ない。本当はもう少し休憩を取らせたかったが、生憎と今は余分な時間は無い。1秒が惜しいとまでは言わないがタイムリミットが設定されている分、効率的に時間を使うしかない。
のだが、少しの間溜めを作っておもむろにペンギンが口を開く。

ハードボイルドペンギン「新たな風が吹いたようだ、それも二度だ。峰津院は風を歓迎するだろうが、風がヤツを歓迎するかはまた別の話だ。恐らく今日中に二つの風と見える(まみえる)こととなるだろう、一応留意しておくように。では午後の訓練だが――――」

言い回しはもってまわったようなものだが、要するに”風渡りが新たに二人現れた”ということだろう。キザなペンギンである。
先程壁を見ていたようにしか見えなかったのも、風渡るが現れた方向、つまり”空に穴が開いた”方向を見据えていたのだ。流石にその片方が拳銃で自傷したことまでは分かっていなかったのだが。

ハードボイルドペンギンのいう次の訓練は長距離のランニングではなく小銃を抱えた状態での短距離のダッシュを数本、細かいフォームの修正などのアドバイスをしながらトレーニングを進めていく。
じきに彼女は気付くだろう、自分の身体にの異変とも言うべき進歩に。走れば走るほど、フォームの修正を受ければ受ける程にマズルカの動きは洗練されていく。例えるならば最初は”根性のある学兵”程度のものが”訓練に慣れ始めた職業軍人”とでも言うべきか、ともあれ実戦経験のない学兵を遥かに凌駕したポテンシャルを発揮しているのだ。
並の学兵が数週間は掛かる道のりを、僅かな時間手マズルカは踏破することだろう。

意志あるものには祝福を、その道程に輝きを。

それが世界の選択である。

>マズルカ、ALL

【毎度遅くなって申し訳ないです】

129殺し屋と衛生兵 ◆RPXIifaP1c:2023/03/20(月) 02:36:55
【横浜基地近辺/荒野→横浜基地(ハンガー)/バティスト、梓家始季】【かなり遅くなってしまい申し訳ないです。】

始季「さぁ如何でしょう―――案外まだ夢の中かも知れませんよ?…」

バティスト「どういう光だそれは…それは兎も角御名答、コイツは標準グレードの野戦医療用ナノマシンさ、即効性が売りでな。―――
なに、オレだって好き好んでそんなモノ見たくないからな。」

それはそれで死に損ないには誂え向きな場所(世界)ですね、と言外に白饅頭(やる夫)に心其処に在らずな様子で答える何処かしら未だに
悪い意味で浮世離れしている黒スーツの女殺し屋(始季)になんとも言えない自身が用いた医療用ナノマシンに対する例えと、何だかんだ
で言い当てて見せた彼(やる夫)に呆れつつも感心しているハイチ系黒人のコンバット・メディック。礼を言われても首を振りながらやって
当然の事だったと口にしつつ頷き。

機体の操縦(慣らし)の訓練をしているらしき彼(やる夫)はそのままこの場を任せて再び訓練に戻り、一方でこの場で指示を仰ぐべき相手
(君島)に先ほど弾を抜いて地面に転がした彼女(始季)の拳銃を拾っておいてくれと言われてバラされた弾倉などを集めようとした時には
既にそれらはいつの間にか無くなっていて…

始季「お気遣いなく。」

バティスト「(心※――少し意識を外している内に回収していたか、…人の虚を突くのが相当上手いらしい)」

――――

――



バティスト「オレはバティスト、ジャン=バティスト・オーギュスタイン、フリーの元傭兵兼医者だな。まぁ好きに呼んでくれ。」

始季「――シキと御呼び下さい。詳細が必要でしたら後ほど」

差し出された人型戦車(士翼号)の両掌に乗りながら、文字通り機械仕掛けの巨人に運ばれる様に廃墟の中を進んで行く。
移動している間に問われた名前を、バティストは快くと言った様子だが、黒スーツの女(始季)の方は何処と無く他人の名前でも教える
かの様な素っ気無さで己の名を名乗る、其々対照的な第一印象と言った処だろう。



――

横浜基地へ帰投した後、ハンガーにて機体の掌から降りる、先ほどの(騒ぎ)はやはり此処にも伝わっていたらしく銃に手を掛けてはいな
いものの衛兵の出迎えで其々更衣室へ案内するという旨の話を聞いて…割かし速やかに更衣を終えて――それなりにガタイが良いが一応
サイズ的にも無理の無い制服姿で物珍しげに自分を見ているバティストと、仏頂面は相変わらずながらそこらの兵員に混ざっても違和感
が無い様子の制服姿で歩いて来る女(始季)

バティスト「色々ややこしい立場らしいとは言え正規兵扱いなんて何年振りだろうな――昔を思い出すよ。ああ、宜しく頼む。」

始季「………………私もそれで構いません。」


>君島 邦彦(士翼号)

130青空を夢見るモノ ◆RPXIifaP1c:2023/03/25(土) 04:47:03
【横浜基地/第二作戦会議室//空木彩虹(アルファ06)】

文字通り取り乱して兎に角磨きますと言わんばかりの様子の件の魔女(マズルカ)の副官たる人形(ライカ)の様子とは対照的に
止まり木や枝の上で仲良く寄り添う小鳥よろしく静かに待機する二人(フギン&ムニン)、一方の人工魔女は言うとやはり屈託
の無い笑顔で

「よかったね、らいかさん(とまずるかさん)」

と旅団長への陳情と要請が大方特に問題なく通った事を自分の事の様に嬉しそう頷きながら言う(というより内容的にはかなり関
係のある事だが…)

当のヤマト旅団長からしてみればこの位の陳情や要請は些事だったらしく遠慮は必要無いという事らしい。飛行許可に関しても
24時間申請さえしてくれれば問題なく出せるとの事を聞いて、余計にニコニコが止まらない様子の無邪気な人工魔女(空木)だった
りする。それだけ(空を飛ぶ)のが好きな性分なのだという証左でもある態度だが…

その一方

「……あむねじあ?」

―二人(フギン&ムニン)の何やら意味深げなやり取りを耳にしつつ、――新しくやって来たと言う(風渡り)の事を聞いて、現在
ハンガーに居るというその二人に会っておくか?と断っても構わない前提で訊ねてくるヤマト旅団長に、人工魔女はこくりと頷いて

「――きょうみがありますので、よろしければ、…それなら、みんなでそのひとたちにあいにいこう。」

と顔を見に行く事に同意して結果的に同伴する二人(フギン&ムニン)と一人(ライカ)を見遣って早速自分もハンガーへ向かおうとし
て…


≫峰津院 大和、ライカ、フギン&ムニン、第二作戦会議室ALL

131プライマリスの魔女 ◆nkg.2sWI0U:2023/03/25(土) 23:58:29
【横浜基地/第二演習場/トラックレーン/マズルカ】

マズルカ
「うっ…りょーかーい。社会人として五分前行動は常識と言う奴だったねいやぁマズルカさん暫く社会性の無い旅人暮らしだったからすっかりと忘れていたよ」

ハードボイルドペンギンの五分前行動と言う発言に対しては何時もの調子で返答したマズルカ。この分だと肉体的にどうかは別として精神的、気力的な面では十分なのだろう。
ただし新しい風渡りに関してはそうなのかい程度の反応しか示さなかった。というのはは同じ風渡りである以上必ず面識を持ち仲間となるのだから、今どうこう言っても始まらないし
どうせ後で会うのならば今は自分の訓練に集中しなければならないと言うのが理由だった。話が終わると訓練を再開する。

訓練内容は当初午前とあまり変わりないと言った様子であった。普段のふざけたお調子者と言った感じは鳴りを潜め教官であるハードボイルドペンギンの指示に忠実に従う。
しかしその一方で休憩時間を挟んだとはいえ元の体力事態が低い事も併せ、五本目の走りを迎える頃にはまた体力的な限界が見え始め躓く事や転倒を始めた。
本当に辛そうで恐らくそれを気力のみで(この時のマズルカの眼はまるで鬼神もかくやという物であった)支え体を突き動かしていると言った状態である。
それが十本目を迎える頃には本人自身も変化に気づき始めた。回復する事等無い筈の体力に若干の余裕を感じる。ハードボイルドペンギンの指示通りにフォームを直せる
そもそも体力的に限界だった故不安定だった体勢が保たれ、小銃をしっかりと保持し安定した姿勢で走る事を可能としている。

マズルカ
「(いやはや可能性とやらがこれ程とは思わなかった。モヤシだった私が数か月訓練した並みの兵隊位の体力になってるんじゃないか?素晴らしいが恐ろしくもある)」

当然ながら自覚はしているだろうが、訓練中あえてそれを口にすることは無かった。無様とも言える午前中の訓練内容に比べれば短時間で信じられない程の成長を遂げている。
しかし今は訓練中だ。また可能性の開花という要素事態どういうものなのかマズルカ自身初体験であり手放しで喜ぶことはせずむしろ慎重に受け止めていた。
なのでやること自体は変わらない。教官たるハードボイルドペンギンが終わりを告げるまで只管訓練に打ちこむのだった。今日の訓練が終わる頃には昨日と比べて多少マシな
マズルカに仕上がっているかもしれない。しかしその一方で今度は成長した体力と気力のバランス感覚が崩れたのか、訓練終了後には盛大に倒れる締まらないマズルカであった。

マズルカ
「き.気力の方を消耗して倒れるとは不覚…ガク」

まぁ一時的な物なので蹴りか水でも浴びせれば飛び起きちゃんと帰る事だろう。

>> ハードボイルドペンギン ALL


【横浜基地 第二作戦会議室/ライカ、フギン・ムニン】

ライカ
「うう…有難うございます峰津院司令と空木さんに感謝します」

ミスを挽回?し万事上手くいった事が余程嬉しいのかライカは涙ぐんでいた。マズルカ程ではないが彼女も感情表現豊かな方なのだろう人形兵という事を忘れてしまいそうな程。

フギン
「単なる戯言よ我が王(空木)きっと私達の創造者(マズルカ)の趣味ね」
ムニン
「ええ行きましょう。新しい風がどんな風なのか確かめに」
ライカ
「私もついて行くわ。フギンとムニンを二人で行かせる訳には行かないし御蔭で仕事も終わったから」


結局大和の提案をライカ達も受け大和や空木と共にハンガーへと新しい風渡りへ会いに向かう事に。

>> 会議室ALL

132青空を夢見るモノ ◆RPXIifaP1c:2023/03/27(月) 22:05:31
【横浜基地/第二作戦会議室//空木彩虹(アルファ06)】

文字通り取り乱して兎に角磨きますと言わんばかりの様子の件の魔女(マズルカ)の副官たる人形(ライカ)の様子とは対照的に
止まり木や枝の上で仲良く寄り添う小鳥よろしく静かに待機する二人(フギン&ムニン)、一方の人工魔女は言うとやはり屈託
の無い笑顔で

「よかったね、らいかさん(とまずるかさん)」

と旅団長への陳情と要請が大方特に問題なく通った事を自分の事の様に嬉しそう頷きながら言う(というより内容的にはかなり関
係のある事だが…)

当のヤマト旅団長からしてみればこの位の陳情や要請は些事だったらしく遠慮は必要無いという事らしい。飛行許可に関しても
24時間申請さえしてくれれば問題なく出せるとの事を聞いて、余計にニコニコが止まらない様子の無邪気な人工魔女(空木)だった
りする。それだけ(空を飛ぶ)のが好きな性分なのだという証左でもある態度だが…

その一方

「……あむねじあ?」

―二人(フギン&ムニン)の何やら意味深げなやり取りを耳にしつつ、――新しくやって来たと言う(風渡り)の事を聞いて、現在
ハンガーに居るというその二人に会っておくか?と断っても構わない前提で訊ねてくるヤマト旅団長に、人工魔女はこくりと頷いて

「――きょうみがありますので、よろしければ、…それなら、みんなでそのひとたちにあいにいこう。」

と顔を見に行く事に同意して結果的に同伴する二人(フギン&ムニン)と一人(ライカ)を見遣って早速自分もハンガーへ向かおうとし
て…


≫峰津院 大和、ライカ、フギン&ムニン、第二作戦会議室ALL

133ライブラ(スマホ)@blandon:2023/04/10(月) 20:17:52
【横浜基地 ハンガー/君島邦彦】

君島「オーケー、バディストの旦那にシキの姐さんね。もうちょいでウチのボスが来るから少し待っててくれ」

そう言って少し2人を待たせることに。
ジャン=バディスト・オーギュスタインにシキ。対照的な2人の名をもう一度脳内で反芻する。
とはいえ、行動が早いヤマトのことだ、準備が済み次第すぐにでも来るだろうし、適当に話して間をもたせよう。

君島「2人とも似合ってるぜ、まあ手続きって言ったってそう固くならなくていい。1時間もせずに書き終わる程度のものさ、今日の夜か明日の朝イチにでも顔合わせはやるからそこだけ留意な。
 うちのボスは徹底した効率主義で合理主義だが、血が通っている人間だ。アンタらに比べると若いが実力は折り紙付きだから安心してくれ。まあ少々世間に疎い所はーー」

ヤマト「聞こえているぞ君島千翼長」

>バディスト、梓家始季

【横浜基地 第二会議室→ハンガー/峰津院大和】

ヤマト「(しかし表情が豊かだな、あらかじめ聞いていなければ人間と思うのもやむなしか)」

涙ぐむ仕草をしているライカを見て内心そう考えるヤマト。フギンとムニンの方は、まあ個性的ではある。

ヤマト「では向かうとしよう、彼らはもうすでに到着している頃合いだ。あまり待たせるのも悪いだろう」

だが命令に従って戦えるならば問題ない。問題はマズルカの言っていた「人間と同一視しない方が良い」旨の発言だ、その理由はまだ実感を持って理解しているとは言い難い。やる夫や君島は間違いなく仲間として扱うだろうし、使い捨てにするわけにもいくまい。
そのあたりは追々考えるか、そう結論づけて空木彩虹と人形兵たちを従えて第二会議室を出て、施錠をした上でハンガーへと向かう。

そして特にこれといった事もなくハンガーへと辿り着き、君島が会話で間を持たせているところにヤマトは現れた。

ヤマト「聞こえているぞ君島千翼長。ようこそ横浜基地へ。私は海軍第一特務旅団の旅団長を務める峰津院大和、階級は上級万翼長だ。新しい風とは君たち2人だな?」

バディストのことはともかく周囲に溶け込んで見える梓家始季の方にも言葉をかけるあたり周囲のことはしっかり見ているようだ。
ただ単に旅団のメンバーは覚えているというのもあるが、彼女が纏う独特のオーラはそう易々と誤魔化せるモノではない。
ヤマトは17歳という若さで色々な人間を見てきた。いや、主には権力に執着した醜い大人が過半数を占めていたがそれは割愛。だが梓家始季のような『測れない』類の人間は初めてだ。扱いを誤れば己を裂く刃にもなり得そうな、そんな気がした。

「君らも自己紹介を、彼女らも君たちを迎えたいと願い着いてきた者たちだ」

そう言って第二会議室から着いてきた空木彩虹を始めとした、ライカ達に自己紹介を促す。

>ハンガーALL

134ライブラ(スマホ)@blandon:2023/04/28(金) 20:34:54
【横浜基地 第二演習場/ハードボイルドペンギン】

「ふむ、いずれ時間が空いた時にその旅について聞いてみたいところだが……大規模反攻作戦後であるな。今回は言い忘れた俺の落ち度だ、故に気にするな」

今回はわざと言わなかったが、今言ったことで次にはしっかりと5分前の時間を守ることだろう。
ブータニアス王によれば、かの5121小隊も同じようなものだったと聞く。最初から守れていたのは極小数と伝えきいている。
新たな風渡りに関してはそっけない反応と言えば聞こえは悪いが、それだけ今は訓練に熱心に取り組んでいることは見て取れる。軽口が目立つ魔女だが、訓練に真摯に取り組んでいるのは誰の目から見ても明らかだ。

そして再び始まる訓練。体力がありえない速度で上昇しているものの、午前の訓練の疲れも取れきっていないだろうに、彼女はよくやっている。
走り続ける魔女、足りない体力を気力で補っているのだろう。鬼神の如き凄まじい形相で走り続ける彼女を、ハードボイルドペンギンは無言で見ていた。所々で細かい指示入れるが、他に無駄口を叩くことは無かった。
そして魔女の様子が少し変わる、走るフォームが徐々に安定してきたのだ。普通ならば腕が下がったり、小銃を取り落としてもおかしくないものだが、彼女は目に見えて進歩している。かつての君島ややる夫も同じような体験をしている。
それを自覚しているであろうマズルカは、いまだに無駄口を叩くことなく訓練に専念している。感心なことだ。
だが肉体的・精神的な限界は訪れる。訓練終了のタイミングで盛大に倒れるマズルカ。無理もない、今回は徹底的に追い込むための訓練だ。今日はもう休ませて、回復と能力向上の分を加味すれば明日の射撃訓練にも十分耐えられるだろう。
しかし、アンバランスな能力構成だったとはいえ、一時的にでも気力不足に陥るとは。明日は射撃訓練の前に気力向上のための瞑想も入れておこう。体力と気力は高いに越したことはないが、どちらかだけ尖って高ければいいというものでもない。
気力が足りずに倒れたということは、体力は多少余っているということだ。休んでいる彼女には悪いが、一旦起きてもらおう。
短い足で滑るようにマズルカに近づくと、どこからともなく取り出した水が入ったバケツをひっくり返した。マズルカの顔面付近に盛大に水が掛かる。

「起きろ、今日の分の訓練は終わりだが、今日という日はまだ終わりではない。休んで体力や気力を回復させるのは大事だが、休むなら適した場所はここではない。一旦立って身なりを整えて、そこから休憩だ」

やや日は傾いているが、今日はまだ終わりではない。今日はこれ以上の訓練を行えば明日に響く。ハードボイルドペンギンはその辺りの限界を君島ややる夫を通して理解していた。
今日の訓練の結果は上々と言えるだろう。君島ややる夫も悪いとまでは言わないが、今日のマズルカ程の気力と根性は無かった。元から気力が高かったとはいえ、1日でここまで追い込めたのは紛れもなく彼女自身の意地と根性の賜物だ。

「ふむ、“能力向上の値”はあの頃の5121に引けを取らんか。この調子でいけば大規模反攻作戦迄には充分物になるだろう。今日向上した能力値を加味して明日はまた厳しく行くぞ、俺と違って九頭は拳も飛ぶだろう。ヤツは根元に面倒見に良さはあるが、甘くはないぞ。身なりを整え次第もう一度ここに戻ってこい。ただ休むよりプロの訓練を見て学べることもある」

マズルカの顔を覗き込むと、まるで向上した能力差を把握したような物言いをするハードボイルドペンギン。ただ休ませて体力や気力を回復させるだけよりは軍人の訓練を見せておこうというつもりらしい。

>マズルカ

【また投稿が遅くなってしまい大変申し訳ありませんでしたorz】

>ALL本体様

135プライマリスの魔女 ◆nkg.2sWI0U:2023/05/05(金) 01:34:32
【横浜基地/第二演習場/トラックレーン/マズルカ】

マズルカ
「ぶほわぁっ!!」

ハードボイルドペンギンに浴びせられたバケツいっぱいの水を浴びて飛び起きるマズルカ。
いやはやきつい目覚めだ等と軽口を言いつつも顔を拭き身なりを体のホコリを払い、倒れていた際も離さなかった銃を確認する。
訓練用とはいえ砂ぼこりや水は精密機械である銃の天敵だ。両方が合わされば動作に支障をきたす恐れがある。当然今は訓練終了後なので清掃は後ですればいいが咄嗟にそれを気にする辺りは
常に実戦を想定して事に当たっているというマズルカのある種勤勉さ…と言うよりは心構えなのだろう。

マズルカ
「了解。ではマズルカさんは訓練を終了し身なりを整えてからセンパイ達の訓練を見て勉強させて貰うとするよ。しかし鉄拳かぁ…昔は貰っていたけれどそう言えば最近愛の鞭ってのにはご無沙汰だったねぇ」

ハードボイルドペンギンに敬礼して本日の訓練終了を受諾すると、マズルカはハードボイルドペンギンに訓練に使った銃を返却してシャワールームへと向かった。汗と汚れを落とし制服に着替えると
改めて第二演習場へ戻る。その後はハードボイルドペンギンの指示通り休憩を兼ねて座りながら訓練を見ている。特に茶々等を入れない辺り真面目に見て勉強している様だ。


【横浜基地 第二作戦会議室→横浜基地格納庫(ハンガー)/ライカ、フギン・ムニン】


空木彩虹と大和に後ろからついて歩きそのまま会議室から基地内の格納庫へと向かう。そこでは変わらず整備兵等が忙しく駆け回っている事だろう。そこには君島と彼のMT(人型戦車)
そして明らかに日本正規軍人でも学徒兵とも思えない制服を着た人物が二人いた。一人は体格の良い長身の黒人男性もう一人は片目を閉じた東洋人恐らく日本人の女性。
大和の後に続ぎライカ達も一応挨拶を行う。

ライカ
「初めまして私はライカ・プラネット。マズルカ特別混成小隊軍曹役職(サージェントファセット)私はマズルカと言う主に作られた人形兵…貴方達の概念で言うならアンドロイド?
とでも言えばいいのかしら。兎に角正式な挨拶は主人であるマズルカにしてもらえば助かるわ」

フギン/ムニン
「「私はフギン(ムニン)ライカと同じ人形兵。どうぞよしなに新しい風よ」」

とそれぞれ"らしい"挨拶をバディストと始季に行う。


>>ALL

136殺し屋と衛生兵と人造魔女 ◆RPXIifaP1c:2023/05/09(火) 00:00:22
【横浜基地近辺/横浜基地格納庫(ハンガー)/バティスト、梓家始季、空木彩虹(アルファ06)】

バティスト「似合ってるか?なら良かった。あぁ大丈夫だ、書類書きのついでにとっておきのポーク・グリオのレシピも進呈するよ。
逐一チップをせがんで来る国境警備の連中の書き物に比べればサインを書くようなモノさ。」

始季「……………………」



バティスト「(心※確かに若い…な。)、あぁ宜しく頼む。アンタが指揮官って事だな。ジャン=バティスト・オーギュスタインだ、
コマンダーヤマト。――しがない衛生兵だが精々“吹き抜け”ない様に努力させてもらうさ。風だけにな。」

始季「梓家始季(しいえ・しき)、シキと御呼び下さい。大和旅団長。」

格納庫(ハンガー)にて早速顔合わせをする形に成った自分達が所属する部隊の指揮官(旅団長)、事前に彼(君島)から若手だとは聞い
ていたが、実際会ってみると正規・非正規両方で兵隊稼業の長いバティストや、魑魅魍魎めいたその手の業界にも職業柄関係が深い
隻眼の女殺し屋(始季)からしてみても、確かに指揮下に置く部隊の規模(旅団)の長を務める人間としては相当な若手だという印象が
あったが、衛生兵(バティスト)の方は歳を感じさせない位には上に立つ者としての威厳や、色んな人材を(受け止める)力量はかなり
のモノみたいだという見立てを一言二言交わして覚えたらしく意外と好印象らしい。

一方の隻眼の女殺し屋(始季)も相手の若さに多少驚いた様だがやはり顔には出さず、粛々と挨拶と名乗りを済ませて

――



始季「……………………えぇ、宜しく。」

バティスト「“人形兵”…ねぇ、(こっち)にも“オムニック”っていうアンドロイド…ロボット連中が居たが、そいつらは一目でメカ
だって分かる見た目をしていてな。…其れに比べるとお前さん達はどっからどうみても人間のお嬢さん方にしか見えないが、あぁ宜し
くな。ライカ小隊軍曹に、フギンとムニン――と」

空木「わたしはあるふぁ06こと“うつきあやこ”…“じんぞうまじょ”の(かぜわたり)です。よろしくおねがいします。しきさん、ば
てぃすとさん。」

バティスト「?…人造魔女――いや、まぁあれこれ聞くにはまだ早いか…宜しくウツキ」

割かし近未来な世界出身なハイチ人の衛生兵は、自分達をアンドロイドに近い“人形兵”だと言う三人をまじまじと凝視して良く出来
ているなとやや半信半疑な様子で、彼女らのマスター(主人)であるというマズルカに興味を持ったらしく後で挨拶がてら話を聞いてみ
ようと思いながら、今度は(人造の魔女)だとニコニコしながらヤマト旅団長に促されて名乗る同じ(風渡り)の少女(空木彩虹)にまたや
や頭に?マークを浮かべながらもまあそいういうモノだと無理矢理納得していて…

一方の隻眼の殺し屋(始季)の方はというと――物珍しげな衛生兵とは違う意味でこの場の(人形兵)と(人造魔女)をジッと見遣り、何か
思うモノがあるらしい様子だ。

137殺し屋と衛生兵と人造魔女 ◆RPXIifaP1c:2023/05/09(火) 03:35:47

【すみません、≫136の宛先が抜けてました】

≫峰津院 大和、君島、ライカ、フギン&ムニン、格納庫(ハンガー)ALL

138ライブラ(スマホ)@blandon:2023/05/16(火) 21:25:28
【横浜基地 ハンガー→第二会議室/(1日目終了)峰津院 大和、君島 邦彦】

ヤマト「ジャン=バティスト・オーギュスタインに、梓家始季だな、よろしく頼む。さて一通り挨拶も終わった事だ、今の君たち2人には戸籍も軍籍もない、このままではスパイ容疑で逮捕されるので速やかに戸籍と軍籍を作成するのでついてきて欲しい。なに、書類の雛形は既に作っているので心配はいらん、こちらだ」

君島「ウチのボスは色々と用意周到なのさ。憲兵と衛兵にも話は通してるから今日の日付を跨ぐまでは大丈夫だ、んじゃ出発だ」

ヤマトはバディストと梓家始季の2人をもう一度一瞥すると、付いてくるように言うと堂々とした様子で肩で風を切って歩き出す。
その様子から「今から急いで裏工作します」と読み取れる人物はそうそう居ないだろう。その様子に君島は少し苦笑して皆を引き連れて第二会議室に移動を始める。
そして第二会議室に着くと、ヤマトは一番奥の席に座って、君島は皆を迎え入れたのを見て頷いた。

ヤマト「さて、早速で悪いが君たち2人にはまず書類を書いてもらう。今後の軍籍や戸籍に使用するのでその辺りを留意するようにな。それではまずは簡単なプロフィールからーーーー」

そう言って先日に新人たちに渡したものと同じ書類を君島が手渡して手早く事務処理を始めて、2人の情報を収集していく。取り急ぎ戸籍に必要なデータを入力していき、次に軍籍に必要なデータを入力していく。
途中で東三条参謀が他所の派閥が寄越した嫌がらせを処理するというハプニングもあったが、ヤマトが処理している間に皆に食事を振る舞って時間を潰し、その日のうちに必要な書類は完成して提出・受理された。
今日は昼あたりに2人が現れたおかげで徹夜する必要がなかったのはヤマトや君島にとっては幸運だった。

流石にその日のうちに訓練などに参加させるわけにもいかないので部屋や基地の施設を案内してその日は終わって、紹介は翌日の朝一番に持ち越される事になった。

>ALL

【駆け足気味ですがこれにて1日目は終了とします。今週中に翌日の開始レスを投下するのでもう少しお待ちくださいませ】

139ライブラ(スマホ)@blandon:2023/05/19(金) 19:15:37
【横浜基地 第二会議室/峰津院 大和、君島 邦彦、竹内 優斗、九頭 文治】

時刻は0845、第二会議室は仕事でノートパソコンのキーボードを叩き続けるヤマトと、その補佐をする君島、特に意味はないが早めに来たので書類整理を手伝っている優斗に、相変わらず窓の外を眺めている九頭文治がいた。
海軍第一特務旅団の面々(人形兵含む)には今日の0900に第二会議室に集合するように全員に召集をかけている。実際には0855までに集合するのが正解だが、ヤマトはその辺りはあまり気にしていない。良くも悪くも軍隊から少しかけ離れているのがこの海軍第一特務旅団の特徴だ。
それなりの間は沈黙がこの場を支配していたが、ふとした拍子に君島は口を開いた。

君島「そういえば、東三条参謀はどうしたんだ?普段はこの時間帯かもっと早く居るだろあの人」

ヤマト「彼は別件で外している。だがあと5分もすれば会議室には来ると連絡が入っている。簡単に言えば陸軍との折衝だ、陸軍には会津閥の影響が強いが、その全てが会津の手下というわけではない。良識的な面々とは繋がりを持つ価値はある、ここまで言えば分かるな?」

君島「オーケーオーケー、了解したぜ。しかしあの人も大変だ、ヤマトが目をつけなければ今頃は少佐辺りには昇進していたかもしれないのに」

ヤマト「彼は彼でこの国の未来を憂いていた。形式上は引き抜いた事になっているが、彼は私の理念に賛同してくれた同志だ。信頼に値する」

優斗「そろそろお茶の用意を始めますね、全員緑茶で良かったですかね?」

ヤマト「一応コーヒーの準備もしておけ。先日善行大佐から頂いたブルーマウンテンが給湯室にあった筈だ。朝食直後だから茶菓子の類は要らんぞ」

優斗「了解です」

そういうやりとりをしている間にも時間は少しずつ過ぎていく。そろそろ誰かしら来始めてもおかしくない時間帯だ。
因みに今回もスクリーンの準備をしていて、芝村勝吏準竜師も報告と共に新しい風渡りを見たいとの希望で会議に参加するらしい。表向きはオフらしいので多少迂闊な発言をしても許される事になっているとは本人の談。

>ALL

【お待たせしました。翌日のレス解禁です】

140プライマリスの魔女 ◆nkg.2sWI0U:2023/05/23(火) 03:39:50
【横浜基地 第二会議室/マズルカ】

課せられた訓練を無事終了しライカとフギン・ムニンもまたバティストと始季新しい風渡りとの面通しを終えてそれぞれの仕事に戻り、時間があれば空木彩虹とフギン・ムニンの慣らし飛行も終わっただろう。
夜は夜でマズルカは忙しかった。格納庫から駐車しているドラケーターを動かして錬金窯を部屋に持ち込み、車両以外の陳情した物資や手持ちの素材をやりくりして人形兵の作成を行う。
恐らくこの夜は女子寮に「永遠なる主、ツァバトの神 栄光に満ちたるアドナイの神の名において〜」とか「ふんぐるい むぐるうなふ」とか「ねればねる程色が変わって〜」等
くっそ怪しげかつ胡散臭い安眠妨害の呪文が響き渡っていた事だろう。そして二日目の朝を迎えるころにはマズルカの眼の下には分かり易いクマが出来一目見て寝不足と分かる状態であった。

マズルカ
「あ〜辛いね〜一時間も寝てない上今日もまた厳しい訓練と来た辛いよ〜それはさておき、新しい風渡りとの面通しもあって朝は会議室だね。空木クンを誘っていくとしよう」

前日と同じ様に空木彩虹の部屋のドアをノックして朝の挨拶をかわし、都合が良ければそのまま誘って第二会議室へと向かう。到着すると第二会議室に居た大和等に元気よく朝の挨拶を行い
「ん〜今日は見ての通り寝不足でね。あっつくて渋いお茶かブラックコーヒーを頼むよ」と注文を付けてどっかりと会議室の椅子へ腰を下ろす。今日は御付きの人形兵は居ないらしい。
ただ女子寮組等はマズルカの部屋から一体どこにいたんだ。という数の見慣れぬ人間がぞろぞろ出て行く光景を見た事だろう。それについて聞くとどうやらマズルカ特別混成小隊は運用テストを兼ねた訓練らしい。

マズルカ
「それで新しい風渡りとはそこにいるラッパーな感じのお兄さん(バティスト)と危険な雰囲気を漂わせているお姉さん(始季)かな?やぁやぁ初めましてライカから聞いているだろうが
私がリマーシュ・マズルカ・エルマ。御覧の通り魔女をやっている。ここでは肩を並べて戦う事になるだろうから宜しく頼むよ」

相変わらずマズルカは明るい調子でバティストと始季へ自己紹介を兼ねた挨拶を行う。今はダイイチの制服を着用しているので魔女らしさは羽織ったケープ位しか無いがとりあえず真偽はともあれ
気さく…と言うよりかはお調子者とでも言った感じの明るい悪く言えば馴れ馴れしいタイプだと分かる事だろう。

マズルカ
「所で君たちは私と同じ戦車随伴歩兵<スカウト>として戦うのだろう?ライカから聞いているかもしれないが私は人形兵達を使役して同じくスカウトとして戦うのだが
君達が単独で動くつもりなら別だが必要ならマズルカさんの小隊から兵員を提供しよう。何人間じゃないから弾避けに使っても心は痛まないし何より従順だから使い易いよ?
まぁ作り直す際マズルカさんは財布(物資的な意味で)と魔力を少々痛めるがねハッハッハ!」

必要なら二人の部下となる人形兵を空木同様必要なら提供するという提案をしてきた。無論ボス(大和)に何か考えがあれば其方に従うがねと付け加える。

>> ALL

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142殺し屋と衛生兵と人造魔女 ◆RPXIifaP1c:2023/08/10(木) 06:55:55
【横浜基地近辺/横浜基地格納庫(ハンガー)/バティスト、梓家始季、空木彩虹(アルファ06)】【かなり間が開いてしまい申し訳無いです。】

バティスト「…そりゃまた危うげだな。ならとっとと書くのが良さそうだ。」

始季「了承しました。」

(このままではスパイ容疑で逮捕)という旅団長の言葉に中々ハードな情勢らしいと内心思いながらも了解するハイチ人衛生兵と、別段何か顔に
出す訳でも無く事情を聞いてコクリと了解の意を示す仏頂面のままの女殺し屋。補足する様に話はつけているから日を跨ぐまでは大丈夫だと言
う彼(君島)の言葉を聞きながら引き連れられる形で会議室まで案内されてそのまま迎え入れられて。

バティスト「――地上部隊に随伴しての救護活動、徒歩での戦闘探索救難なんかもやる、爆発物取扱い・破壊工作もそこそこ経験あり…この分だ
と此処の表記上は(スカウト)の分類が適当か、メディックとしては」

等とブツブツ言いながら用紙に情報を書き込んで行く衛生兵(バティスト)を他所に、無言で必要な情報を(かなり詐称も多いが)黙々と書き込んで
いく女殺し屋(始季)、彼女の書類の兵科表記にも(スカウト)の文字が並んでいる。

そんな形で、何やら途中で外野からのトラブルもあった様だが粛々と旅団長(ヤマト)が対応・処理して行き、その間に食事休憩を挟んだりしなが
がら二名とも要求された必要な情報を書き込んで書類を提出する。

その後は基地内の施設の案内等を受けてこの日は終わり、宿舎で其々就寝する――片や未だに夢の中の出来事かの様に現実感に乏しく感じながら
、片やただ窓際から闇夜に浮かぶ星々と、その下に広がる廃墟を眺めながら(同じく女子寮の別の部屋から妙な呪文の様な何か怪しげな唱え声が聞
こえてきていて其方の方にもやや壁越しに少々訝しげな視線を向けていたが…)

――――



そうして迎えた二日目の朝。


【横浜基地/第二会議室/バティスト、梓家始季、空木彩虹(アルファ06)】


空木「おはよう、まずるかさん……すごいかおだけど、だいじょうぶ?」

前日と同じく朝の誘いに応じて既に起きていたらしき人造魔女は、ドアを開けるなり隈を作ったマズルカの明らかに寝不足な様子に少々心配気な
声を掛ける(尚、当の空木本人も窓際で飽きもせず夜空を眺めていたらしいが…呪文の事に関しては変わった寝言だと思っている節がある様だ。)

会議室には同時刻頃に件の二人――意外と適応力が高いのか割かし睡眠は摂れていたらしいが、少々生欠伸を噛み殺している衛生兵(バティスト)
と、昨日制服に着替えて来てから全く容姿と表情に変化の無い女殺し屋(始季)も到着していた。

空木「あ、きのうの…おはようございます。」

バティスト「ラッパーね…地元じゃ寧ろレゲエやR&Bの方がメインストリームだったな。ジャン=バティスト・オーギュスタンだ、あぁ昨日の軍曹
のお嬢さん(ライカ)が言ってた、こっちが想像してたイメージとはいろいろ掛け離れてるがまぁ宜しく頼むよ(魔女)のマズルカにウツキ(空木)。」

始季「…シキ(始季)と呼んで頂ければ」

と衛生兵(バティスト)の方は考えていた(魔女)のイメージより若い容姿の彼女(マズルカ)に少々意外さを覚えながらも改めて自己紹介しつつ挨拶
する。

一方の件の女殺し屋(始季)の方は(危険な雰囲気)という言葉に対して否定も肯定もしない様な態度で相変わらずな態度で名乗る、衛生兵と異なり
マズルカの人となりや容姿には特に驚く様子も無かった…元より厳密には異なるが彼女(マズルカ)の様な手合い(魔術師)には多少なり縁がありそ
の大抵の輩が見た目か内面が(或いは両方)、逸脱した様な輩ばかりだったからという事もある。

バティスト「なんというかな――気にし過ぎなのかも知れないが……いや、何でもない。歩兵として動くのは間違い無いから申し出はありがたい
が、そう無理してまで……だが強いて言うなら補助や負傷者の運搬要員は欲しいかもしれん。」

始季「―モノ(現物)を見なければ如何とも言えません。」

マズルカの申し出に、(人形兵)に関して思う事が多少あったらしい衛生兵は何かしら物言いたげだったが其処は引っ込めて、無理してまで寄越し
て貰わなくても良いが、居るなら居るで助かるという様な迷った様子を見せて、女殺し屋の方は先ずは現物を見なければ何とも言えないと仏頂面
で口にしている。

と、こんな感じの会話が続いている。


≫峰津院 大和、君島、九頭、マズルカ、第二会議室ALL

143入速出やる夫 ◆Ge6raFQoEs:2023/08/20(日) 02:50:01
【横浜基地/第二会議室/入速出やる夫】

時刻は集合時間0900になる1分前の0859に第二会議室の扉が突如開く

「だおお!!セーフだお!!」

大急ぎで駆け込みで入ってくる汗だくな白饅頭。
別に寝坊をしたわけではない。
斬―ZAN―に乗りギリギリまで訓練をして、間に合うように切り上げようとしたが
思いのほか調子が良かったので何処まで出来るか試していたのが夢中になっていた挙句
このような有様。

だがなんとか間に合ったので急いで席に着いた。

≫第二会議室ALL

【半年以上時間が掛かり申し訳ありません、様子見して結局内容が思いつかなかったのと住む家の件で揉めたりいろいろありまして
お許しを】

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