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【TRPG】ブレイブ&モンスターズ!第十章

534ジョン・アデル ◆yUvKBVHXBs:2025/03/14(金) 21:08:59
>「――見事」

ガザーヴァの元へついた僕達が見たのは恐らくガザーヴァが交戦していたであろう…名前は…なんだったか…の死を見た。
無事敵を退けたのだ。喜ばしい事だと…僕達は心の底から喜んだ。

死にかけ…いや…見るからに致命傷のガザーヴァの姿を見るまでは。

「あれ…は…………な…なんてっ」
>「ガザーヴァ!!」

どけっ!と明神が叫びながら部長から飛び降りる。まだ結構高さがあったので痛かっただろうに…そんな事も気にしないまま。
明神は顔歪ませながら…ガザーヴァに近寄っていく。

「にゃあ…」

部長が切なげに鳴く。
僕には部長がどんな意味を込めて鳴いたか分かった…いや…部長が鳴かなかったとしても…あのガザーヴァの容体を見れば一目瞭然だ。

――ガザーヴァは…もうすぐ息を引き取る。

>「ガザーヴァ!おい!ガザーヴァ!!」

体が崩壊しかかっている…もうこうなればもう誰にも止められない。
明神が名前をどれだけ叫ぼうとも…体は徐々に…消えていく…バルディッシュのように。

どうしてこうなった…?

僕が…無駄に話してたせいか?僕がもっと決着を急げば…ガザーヴァは死なずに済んだのではないか?

「明神…僕」
>「ジョン、ジョン!!『源泉』と『守護壁』だ!ありったけの回復スペルを寄越せっ!!」

無理だ。助かるわけがない。

部長の回復スペルは耐久よりの部長を生かす為であって…いやスペルでは…この状態から回復できる事など出来はしない。

「わかった…」

いくら部長の回復やバフを重ね掛けしたとしてもどうにもならない。
そんな事は…明神が一番よくわかってるはずだ。

僕には…どうする事もできない。

すぐ近くにカザハもいるだろう…他の二人はちょっとわからないが…そう遠くはないはずだ…だけど
連絡も繋がらないような状況で…だがもしつながったとしても…崩壊は始まっている。止められない…。

明神が回復の噴水を汲んできて必死にガザーヴァを回復させようとする。

あんなに冷静な明神が…間違える事はあっても冷静さだけは決して手放さなかった明神が。
誰よりも感情的になりつつも自分を見失わなかった明神が。

効果がないと分かっていながらガザーヴァを治そうとする姿を…見ていられなかった。


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