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【TRPG】ブレイブ&モンスターズ!第十章
530
:
明神
◆9EasXbvg42
:2025/03/09(日) 17:05:30
バルディッシュとアヤコが撤退し、スペルで地割れしていた空間も元に戻った。
これでライブ会場に行ける。
ベル=ガザーヴァと合流し、スペルで援護すれば、オーロールだって退けられるはず――
そう考えていた俺の目に飛び込んできたのは、
>「――見事」
>「……GGWP……ってか」
相打ちになったガザーヴァとオーロールの姿だった。
オーロールは対手の健闘を称えながら消滅していく。
後に残ったのは、融合を解いたマゴットと、槍ごと地面に墜落したガザーヴァ。
「ガザーヴァ!!」
たまらず駆け寄るさなか、まずマゴットの姿が消え、スマホにアンサモンの通知が入った。
召喚を維持できない瀕死状態ではあるが、ギリギリ生きている。
その一方で、ガザーヴァは――両腕と右足を欠損し、大小無数の傷口から血ではなく光が漏れていた。
これまで幾度となく見てきた、レイド級モンスターの死亡演出。
誰がどう見ても致命傷……もはや止めようのない、死へのカウントダウンだった。
「ガザーヴァ!おい!ガザーヴァ!!」
地に伏せるガザーヴァを抱き上げる。冗談みたいに軽い。
呼びかけてどうにかなるもんじゃないと分かっていても、俺は声を上げずにいられなかった。
消えていく。次第にガザーヴァの輪郭が薄れ、紅茶に落とした角砂糖のように大気へ溶けてゆく。
「ジョン、ジョン!!『源泉』と『守護壁』だ!ありったけの回復スペルを寄越せっ!!」
ガザーヴァの体を回復の光が包むが、肉体の崩壊は止まらない。
俺は回復スペルを持ってないし、ジョンが持ってるのだってコンボに組み込む微回復のものしかない。
仮に大回復を持ってたとして、『この状態』のパートナーに回復が効果ないのなんて――
今までの経験で、わかっていた。
なんで。どうして。
益体もない疑問ばかりが頭の上を滑っていく。
なんで――命を捨ててまで戦ったのか。そんなもん、今更聞くようなことじゃねえだろ。
ガザーヴァの後ろには、未だ全世界へ呼びかけるために歌い続けてるカザハ君たちがいる。
委ねられているのは、俺達全員の命運。世界一つぶんの命を守るために、ガザーヴァは退かなかった。
「うわあああああ!!!」
取り乱すべきじゃなかった。だけど、意思と無関係に腹の底が震えた。
霧散していく光の粒をかき集めんと手を伸ばす。指の間をすり抜けていく。
その当たり前の現象に、どうしようもなく目の奥が熱くなる。
>「……みょう、じん……」
俺の声が聞こえたのか、ガザーヴァの唇が僅かに震えてか細い声を出す。
意識がある。生きてる……まだ生きてる!
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