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【TRPG】ブレイブ&モンスターズ!第十章
265
:
embers
◆5WH73DXszU
:2024/08/02(金) 02:32:31
【ディスカース(Ⅳ)】
「ソイツらに、せめて自分で選択肢を決める権利を与えるのは――
たとえ今際の際でも。全身が焼け焦げて、捻くれて、元の面影なんて全部なくなって。
それでも最後の最後まで味方でいてくれるパートナーがいて欲しいか聞くのは――『よくない』事か?」
エンバースが更に一歩、なゆたに歩み寄る/その目を見つめる。
「ここにいる人達は誰もが自分じゃ何も出来ない女子供か?
俺達の配信を見ながらぽかんと口を開けて、ハッピーエンドが降ってくるのを待っているだけの生き物なのか?」
どこか哀しげな――或いは、憐れむような眼差しで。
「……話が長くなって悪いな。正直、ここまではただの前置きなんだ。俺が本当に触れたいのは――
どうしてお前が『俺が言及した数々の可能性の、一つにも思い至れなかったのか』。
……それだけだ。つまり、俺が言いたいのは――」
エンバース=なゆたから一瞬目を逸らす/目を瞑る/開く――ひどく言い難そうに再び口を開く。
「俺達がとことん上手くやってのければ、一番いい結果が出る。誰も死なない。
……いや、違うな。本当は……『お前が一人で代償を支払えば――全部上手くいく。他のみんなは無事でいられる』。
そう信じているんだろ?だがな、そんな考えは……まやかしなんだよ。何の根拠もない、希望的観測だ」
振り絞るような声。
「それが、お前の呪いなんだな。呪いなんて言い方は嫌かもしれないけど。でも、そう呼ばせてくれ」
エンバースはこれから――なゆたの大切なものを打ち砕こうとしている。
「お前とは……初めて会った時から意見が合わなかったな。合わせた事はあったけど。
でも多分お前も……何度も俺に合わせてくれていたんだろうな。正直、今日が初めてだ。
お前と、俺が似てると思うなんて――大事なんだよな。その呪いが。俺も、そうなんだ」
エンバースの「呪い」は、かつての自分の弱さと愚かさの結果だ。
だが――その事を自覚していてもなお、エンバースにはその呪いがどこか愛おしかった。
最愛だった人の為に身に帯びた呪い――それはある意味では、かけがえのない思い出でもあるから。
「やっと分かった。呪われているヤツを見ているのは……こんな気分なんだな」
エンバースがなゆたの肩を掴む。
「呪いを解け、なゆた。こんなものはただのバイアスだ。願掛けに過ぎないんだ」
振り絞るような声。
「こんなものは……全然、大したものじゃないんだ。俺達の未来を変えてくれたりなんかしない」
エンバースはこれから――自分の大切なものを打ち砕こうとしている。そして――
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