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【TRPG】ブレイブ&モンスターズ!第十章

260崇月院なゆた ◆POYO/UwNZg:2024/07/27(土) 23:46:49
>――さあ、みんな集まったな。宿題はちゃんと済ませておいたか?
 適切な対策なしじゃ数の暴力だけで俺達は負ける。
 どんなプランが出てくるか楽しみだ……勿論、俺にも腹案がある

日が傾き、炊き出しで作った夕食をとると、アルフヘイムの『異邦の魔物遣い(ブレイブ)』たちは作戦会議を始めた。

>後でズルをしたと言われない為に、伏線だって張っておいた。
 ブレイブ&モンスターズの力を見せてやる――ってな
>つまり――管理者メニューの力でここの避難民をブレイブとして、ここに召喚し直せないかな。
 どうせマップデータが実装されたらラスベガス内に安全地帯はなくなるんだ。
 ブレイブの力があるに越した事はない。身を守るにしても逃げるにしても――立ち向かうにしてもな

《エンバースさん、それは――》

ディスプレイ越しにウィズリィが眉を顰める。
以前の密談の際に出た『点在しているであろう生き残りの『異邦の魔物遣い(ブレイブ)』を召喚し戦力とする』という案。
それと同じ轍を踏んでいる――否、非戦闘員を『異邦の魔物遣い(ブレイブ)』にするという辺り、前回よりもたちが悪い。

>ああ、なるほど……バロールの権限があるなら、単純なブレイブの頭数を増やすこと自体は難しくないのか

>避難民総ブレイブか……それならもうちょい戦力を高める方法があるぜ。
 研究され尽くしたリセマラの手法を駆使すれば、5分くらいで全員をグランダイト討伐レベルまで引き上げられる

>ブレモンやってる人はもちろんだしブレモンやってない人もとりあえずインストールして貰えれば……。
 スマホ持ってる避難民総ブレイブも理論上可能ってこと!?

>代わりの案を出さずにこんな事言いたくは僕もないんだけど…避難民を戦わせるのだけはやめないか?
 せめて…数は激減するだろうけど希望制にする…とか…敵と戦わせないから大丈夫とか…
 戦うのはモンスターだからとか…そんな話してるんじゃない…
 悲惨な光景を見た・感じた後に…中途半端な力に低い士気は…自殺のように飛び出して死に行く人や…
 最悪味方殺しを始める可能性だってある事を…覚えといてほしいんだ

以前と同じように、ジョンが反対する。
密談のときとまったく同じ流れになっている――そして。

「そうね。わたしもジョンと同意見」

なゆたも当然、反対した。

「理由はみんな、もうとっくに理解してるでしょ。……分かっているのに、見ないふりしてる。
 だから、わたしが言うわ。
 ――――――――『それは』。『よくない』。
 わたしたちの戦う意味。やるべきこと。それを見誤らないで」

有無を言わせぬ圧力をかけて否定する。
避難民は健康で屈強な男性ばかりではない。寧ろ、そんな者はごく少数だ。
病人、怪我人、年配者、女子供の方が圧倒的に多い。
確かにスマートフォンは人口に膾炙し、今や必要不可欠なツールとして市民権を得たが、
といって世の中スマートフォンをガジェットとして使いこなしている人間ばかりではない。
その中にはフリック入力なんて知らない人間もいるだろう。電話としてしか使っていない人間もいるだろう。
ゲームなんて触ったこともない、興味もないという人間だって多いのだ。
そんな人々に半ば無理矢理ゲームのルールを教え、ストーリーをスキップして急拵えで準レイド級まで育成し、
あまつさえ本当に死ぬかもしれない戦場に送り出す――などという行為が、果たして正義と言えるのか。
少なくとも、本来の『ブレイブ&モンスターズ!』の在り方とはかけ離れている。
『ブレイブ&モンスターズ!』の楽しさを、価値を、ローウェルや上位者たちに認めさせ存続を図ろうという者が、
やっていい戦いではない。

>同じく管理権限が使えるなら、フレンドの『助っ人機能』を活用できないか。
 世界中のプレイヤーから、パートナーを借りるんだ
>俺のフレンド欄は……アンチ活動のせいで敵対リストみてえになってるからあんまり助力は期待できねえ。
 けど例えば月子先生やハイバラ君なんかは、有力なプレイヤーとも交流があるだろ。
 ブレイブの頭数を増やせるなら、そいつらにも助っ人を喚んでもらおう
 
次の案は明神からだ。ブレモンのフレンド機能を使って、一時的にパートナーモンスターを借り受けられないかという。

《それは可能や。昨日言うとった世界規模配信、そのついでに働きかければよろしおす》

「え、そんな話してたの? わたしがボランティアしてる間に? 言ってくれればよかったのに……。
 う〜ん、現状の説明なんかはしなくちゃだけど、避難してる人たちを戦わせるよりは全然マシね」

お願い、とみのりに頼む。みのりは頷いた。
実際なゆたはフォーラムでフレンドを募ってパーティーを組み、
超レイドボス討伐イベントに参加したりもしている。フレンドは上限いっぱいまで登録されており、
中にはランカーもちらほら混ざっている。そういった猛者たちに協力を仰ぐことが出来たなら、
それは心強い戦力となるだろう。

>テレビ的な有名人だったら…ある程度知ってるけど…フレンド…フレンドかあ…うん………ごめん力になれそうにないや…
>………せめて…ロイがいてくれれば…な
>と…とにかく…もし必要なら新人の兵士としての育成は任せてくれ。
 ブレイブの力がなくても逃げれる方法と自分第一の心構えと…緊急時の怪我の対処法…避難の仕方…色々教えられるはずだ

ジョンが項垂れる。
どうやらフレンドが一人もいないらしい。『異邦の魔物遣い(ブレイブ)』として召喚されるまで、
ロクにゲームをやり込みもしていなかったのだから当然だろう。
しかし、なゆたはまるで天啓を閃いたようにぽんと手を打つと、

「ううん、ジョンにはもっと別の役目があるよ」

と、言った。


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