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【TRPG】ブレイブ&モンスターズ!第八章

369崇月院なゆた ◆POYO/UwNZg:2022/09/28(水) 05:22:27
>それはさておき……なんだ、その……もし言いにくかったらの話なんだが――
 この場合、重要なのは――お前がどっちで呼ばれたいか……だと思う……俺は

「……エンバース」

>…エンバースの言う通りだ…僕は別にどっちだって気にしないし…そもそも僕は君に惚れてこのPTに入ってきた。
 今更君が何者だろうと…例え君がどんな道を選ぼうと…僕はついていく…無理やりにでもね

更に、ジョンもエンバースの言葉に同調する。
なゆたは照れくさそうに右手の人差し指で米神を掻きながら、小さく笑った。

>あ〜…友達がいた時間が短すぎたんでこんな時なんて言えばいいか…うまく言えないんだけど…好きに生きようぜ
 誰に言われた〜とか…こうしなきゃいけない〜とかじゃなくてさ…君のやりたい事を…君の行きたい所を…仲間全員でやろうよ。
 僕達もたまにわがまま言うからさ…おあいこって事で

不器用なジョンの励ましが胸に温かく響く。
今まで自分の生に苦しみ、苦悩してきたジョンだからこその言葉には、確かな重みがあった。
皆の気持ちはそれぞれだ。自らの境遇に思い悩む者、今後の展望に危機感を抱く者。
なゆたの胸中を察し、気持ちに寄り添おうとする者。
皆の視線が集まる中、なゆたはしばらく無言でいたが、

「ジョンも、ありがと。
 今、わたしがなゆただよって、シャーロットですって言うのは簡単なこと。
 でも……それはなんて言うか……するべきじゃないと思う。
 ちゃんとみんなに説明して、納得してもらって……その上でみんなに決めて貰うのが、一番いい方法だって。
 そう感じるんだ」

ポヨリンを床に下ろし、自らの胸に右手を添える。

「覚醒して、今まで見えてなかったいろんなものが見えてきた。分からなかったことも理解した。
 知らなかったことを知った――
 わたしもエンデも、逃げも隠れもしないよ。ちゃんとみんなに説明する。
 それはこの世界の大本に関わる、本当に大事な話。
 だから……」

すぐ傍へ歩いてきたエンデの左肩に手を置き、仲間たちを見回して言う。

>とにかくみんなで帰ろう…おいしいごはん作るからさ…右腕もこの通り…無事に治ったしさ!

ジョンが提案し、すっかり再生した右手を見せる。
オデットと一時的にリンクしたことで、超再生能力の恩恵を受けたということなのだろうが、
トカゲのように手が再生するとは驚くべき状況である。だが、欠損したものが戻ってきたというのは喜ばしい。
部長もジョンの足許で嬉しそうにはっはっと舌を出して主人を見上げている。

「そういうこと!
 オデットをプネウマの神官に引き渡して、宿に戻って。
 オフロに入って、ぐっすり寝て、それからゴハン食べよう!
 心配ご無用、時間がないって言ったって今すぐ世界が滅ぶっていう話じゃないから!
 わたし、汗で全身ベッタベタ! 気持ち悪いよぉ〜一刻も早くオフロに入りたぁ〜いっ!」

いかにも女の子らしい悲鳴を上げる。

「はは……、一時はどうなることかと思うたが、結果オーライといったところかのう?
 それにしても、ミドガルズオルムとベルゼビュート……ミドガルズオルムはリバティウムでも見たが、
 よもや伝説の超レイド級を二体も召喚するとは。まこと成長したものよの、『異邦の魔物使い(ブレイブ)』たちよ。
 やれやれ、十二階梯の継承者もいよいよ後進に道を譲る時か」

「アルフヘイムの歴史に残る一大事よ、こんなの。帰ったら早速記録に残さなきゃ。
 それに、不死身と言われた賢姉の撃破も……。本当にお手柄ね、心からお礼を言わせて貰うわ」

なんとか疲労困憊から回復したエカテリーナとアシュトラーセが『異邦の魔物使い(ブレイブ)』と向き合う。
教帝オデットを倒し、侵食を食い止めるというふたりの計画は成った。クエストは見事クリアーという訳だ。
地下墓所は万象樹の相当下層に位置していたが、よく探せばきちんと地上へ続く広い階段が設置されており、
戻るのは簡単だろう。

ふたたび虚構魔法で門徒の変装を行ない、神門前で祈りを捧げていた信徒たちに気を失ったオデットを引き渡す。
太祖神プロパトールへ祈りを捧げている最中に気を失われてしまったのです――とか何とか、
しどろもどろになって怪しい説明をする此方に対して門徒たちは訝しむこともなく、
すぐさまオデットを行きに使用した御輿ではなく駕籠に乗せると、大急ぎでカテドラル・メガスへ戻っていった。
パレードは中止になり、オデットを一目見ようと目抜き通りで待っていた人々は大いにどよめいたが、
それらの混乱もプネウマ聖教の有能な神官たちによってすぐに鎮静化した。
変装を解き、逗留していた宿に戻って各々疲れを癒す。

そして――地下墓所での戦いから、半日が経過した。


【第八章終了】


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