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【TRPG】ブレイブ&モンスターズ!第七章

391ジョン・アデル ◆yUvKBVHXBs:2021/10/10(日) 14:21:26
戦いに負けて…イブリースを倒すことも、仲間にすることも出来ず…ただ地に伏しただけ。

そして、今苦しんでいるなゆに涙どころか…悔しさでさえも共感してあげられない。
イブリースの前に決めた覚悟は一体なんなんだ?もう悲しませないと誓ったのに…

僕には…人間としての当たり前のなにかが欠けている。そう認められずにはいられなかった。
僕がどれだけ人を想っても…信頼すると口に出しても…それは結局見せかけで…

ロイが死んだあの時から…シェリーを殺したあの日から…ほんの少しでさえも成長できていない。
結局他人を思いやれている…その気になっていた自分に酔いしれていただけだ。

人が目の前で死のうとも、殺されようとも、殺そうとも、仲間と呼んでくれる人が大切な相棒を失ったとしても…なにも思わない。
ただ過ぎ去ってしまえば全て過去。それが僕だ…

だからこそ…城でなゆ達が戦ってる姿をみて…なにが変わるかもしれないと…期待して…でもそれすらも自分勝手で…

「そうだ…だから僕は…みんなに…なゆについてきたんだ」

旅の途中で成長できるなんて…そんな上等な人間じゃなかったんだ僕は…そんな事すらもわかってなかった。
分かった気になるな、奢るな。僕はそんな事が可能な人間じゃない。
「なゆ…!」

彼女のが行き着く先に…お人よしの彼女がお人よしのまま・・・物語を終えた時。世界を救ったその時に…
その物語に一人の人間として…彼女の世界で…一緒に向かって辿り着いたその先の世界にこそ…僕が求める物がある。

名前さえも分からないソレを手に入れられる。その可能性を…いや確信を…あの日に得たんだ!

ダンッ!

気づいたら椅子を蹴り飛ばし、外に駆け出していた。

なゆに会わなくては!この世界の為に…いや僕の為に彼女が絶対に必要だ!
あまりにも自分勝手だ。仲間を利用しようといまだに考えてるなんて最低だ…けど…それでも

僕には…必要なんだ

少し離れた所になゆを見つけた僕はそこに駆け寄ろうとする。

「あれは…エンバース…?」n

>「……お前がいなくなるのは、嫌なんだ」

あぁ…これだ。僕が王都で…中庭でみんなの戦いを…言葉を聞いて…それでついてくる事を決めた可能性。

僕にはなゆを慰める事なんてできない…それでいい。僕の役割はそうじゃない
なゆには・・・エンバースという心の支えがある。明神も、カザハも、この場にいないみのりだって。
僕が心配しなくたって彼女は必ず立ち直る。それはすぐじゃないかもしれない…けど仲間の力で、新たな心を…希望を持って…必ず

「カザハ!明神!二人の邪魔になるから僕と向こうにいこう!男女の秘密を覗くのはマナー違反だよ」

僕のすべき事は…これからくる困難に立ち向かう術を身に着ける事。
ブレイブとして一番直接戦闘に向かない相棒を持ち、知識も少ない…そんな僕がなぜこの世界に選ばれて…そしてなぜみんなといるのか?
なんであろうと僕がすることには変わりがない。必ずなゆ達と共に世界を救って見せる

「やるしかない…か」

拳を握りしめ、そうつぶやくのだった。


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