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【TRPG】ブレイブ&モンスターズ!第七章
386
:
embers
◆5WH73DXszU
:2021/10/05(火) 06:37:53
【アノクシア(Ⅶ)】
「……よう」
なゆたはそう時間もかからず見つかった/歩いている間に考えは纏めた。
「俺が何故こんな風になったのか。分からないって言ったよな。教えてやるよ」
後はそれを伝えるだけだ――その結果が、予測出来ないとしても。
「俺はな、一度死んだんだ。闇溜まりの奥深く……光り輝く国ムスペルヘイムで。
ヒトの魂を薪に燃える聖火に焼かれて、そこで俺の冒険は終わった筈だった」
だが、そうはならなかった――ハイバラは、エンバースとして再び目を覚ました。
「俺は死んだ」
この世界はゲームではなく現実――死んだパートナーは死体すらスマホに戻ってこない。
ゲームのように、どこの街にでもあるような教会で死者を蘇らせる事など勿論出来ない。
「そしてアンデッドになったんだ」
それでも――この世界のシステムは、死者の帰還を限定的にだが認めている。
遺灰の男は考えた――ハイバラならきっと、この抜け道に目をつける筈だと。
ハイバラならきっと、この状況に対しても攻略法を探そうとする。
そしてその中に、自分の願いを/感情を埋めて隠すのだ。
「……エーデルグーテに行こう、モンデンキント。俺達と一緒に。諦めるにはまだ早いぜ。
『永劫の』オデットは聖属性魔法の達人で……しかもアンデッドの女王様だ。
ポヨリンさんともう一度会える可能性は……ゼロじゃない筈だ」
無論、それはあくまでもゼロではない――本当に、ただそれだけ。
「そりゃ……上手くいかない可能性だって、ゼロじゃないけど」
遺灰の男はあえてその事に言及する――口車に乗せたい訳じゃない。
ただ、崇月院なゆたに前を向いて欲しい/折れないで欲しい――
――また、頼りにしてると言って欲しい。それだけだ。
「でも、頼む。一緒に来てくれ」
ハイバラなら、きっとその為にどんな言葉を選べばいいのかも分かっただろう――遺灰の男は考える。
「俺は……」
だが遺灰の男は、ハイバラにはなれない。だから――
「……お前がいなくなるのは、嫌なんだ」
だから、そんな拙い言葉を紡ぐのが精一杯だった。
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