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【TRPG】ブレイブ&モンスターズ!第七章
385
:
embers
◆5WH73DXszU
:2021/10/05(火) 06:36:15
【アノクシア(Ⅵ)】
『なゆたちゃん!……ああっ、クソ!』
『本人がああ言ってるんだ、仕方がない……。
身を護る手段も無いのに連れ回しても危険に晒すだけだ……』
「……そんな事は、言われなくても」
『分かってるよ。……分かってんだ、そんなことは。
このまま進めば、なゆたちゃんにとってどれだけキツい旅路になるかってことも、分かってる』
『……だけど、それでも俺は諦めたくねえよ。全員で世界を救うっていう最初の目標を。
ゲーマーの矜持なんか関係なしに、なゆたちゃんを取りこぼしたくない』
遺灰の男が明神を見つめる――この状況で、明神ははっきりと自分の意思を示した。
『俺がなゆたちゃんにリーダーを任せたのは、あいつが強いプレイヤーだからじゃない。
『モンデンキント』は、崇月院なゆたを構成するほんの一部分でしかないはずだ』
遺灰の男には、それが出来ない/出来なかった――何も言えなかった。
カザハが/明神が天幕を出ていく――静寂の中、つい考えてしまう。
本物のハイバラだったら、一番最初にここを出ていけたのかと。
やがて、明神が帰ってきた――遺灰の男の肩に手を置く。
『よぉエンバース。お前のこと、これからハイバラって呼んだほうが良いか?
そしたら俺のことタキモトって呼んで良いぜ』
遺灰の男は――まるでスイッチを切り替えたように、不敵に笑った。
「俺のサインが欲しいなら、もう少し気の利いたセリフを用意してくるんだな、明神さん」
遺灰の男はハイバラにはなれない/なれなかった――だが、そんな事は些事でしかない。
なれた/なれなかったではないのだ――遺灰の男は、ハイバラでいなければいけない。
少なくとも仲間達の前では――結局のところ、遺灰の男がすべき事はそれだけだ。
『……あとは任せた』
「任された……と言いたいところだけど」
やや腑抜けた声――不敵な笑みが綻びる。
「……今回ばかりは、最後の最後にどうなるかはアイツが決めるしかない」
遺灰の男が天幕を出る――少女を探し歩きながら思考する。
崇月院なゆたの現状は、正直に言って詰んでいる。
唯一無二の相棒=ポヨリンを喪い/スマホもスキルも使えない。
ブレイブとしての能力全てを喪失している――あえて連れ歩く理由は、ない。
だが――その事実を思うと、胸が苦しくなる。
ハイバラの記憶にない痛み/苦しみ――ではなかった。
遺灰の男には、その息苦しさを一巡目にも感じた記憶があった。
ハイバラの幼馴染/最愛の女性――マリがパートナーを失った時もそうだった。
あの時も同じだった――ハイバラはどうしても結論を出せなかった。
傍に置いて守るべきか/それとも戦いから遠ざけるべきか。
だから、この胸の痛みと苦しさに名前を付けるとすれば――
「いや……あり得ない。だってそうだろ。俺には……ハイバラには、マリがいる。マリがいたんだ」
――それはきっと尊敬とか、そんな名前だ。遺灰の男は自分にそう言い聞かせた。
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