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【TRPG】ブレイブ&モンスターズ!第七章
321
:
embers
◆5WH73DXszU
:2021/07/26(月) 21:44:21
【フューネラル・エッジ(Ⅸ)】
「さあ、行くぜ――ミドガルズオルムの攻撃!一切万象を過去に沈めろ!終末の海嘯!」
戦場を満たす水が唸る/嵐から逃れ/天へと逆巻く――イブリースを見下ろす。
「【絶対無敵の大波濤(インヴィンシブル・タイダルウェイブ)】――!!」
そして――ふと前触れもなく、ミドガルズオルムの影が消えた。
その制御下にあった全ての水も再び嵐に飲まれて、ただの雨水になった。
何故か――原因は明白=召喚者たる遺灰の男が、自らの意思でアンサモンを念じた為。
「……お前はもう、俺達のやり方を知ってる」
或いは――単に遺灰の男ではミドガルズオルムの召喚条件を満たせなかったから。
いずれにしても、一つだけ確実な事は――この展開こそが、遺灰の男の予定通り。
イブリースはブレイブ一行の戦い方を既に知っている。
明神/ヤマシタが行動阻害のエキスパートである事を知っている。
ジョン/部長のパワーとスピードが至近距離の戦闘において脅威である事も。
カザハの、レクス・テンペストとしての権能が生み出す高出力の風のエネルギーも。
遺灰の男が卑劣な戦術の奥底に、戦いの中で研ぎ澄ました刃を隠している事も、バレている。
「――だけど、これはまだ知らなかったろ」
だが生憎な事に、アルフヘイムの異邦の魔物使いは、この場にいる者だけではない。
「……見てるか、テュフォン。ブリーズ」
気づけば、嵐は晴れていた――遺灰の男は溶け落ちた直剣を頭上高くに掲げていた。
「見えるか、この嵐が」
嵐は、一振りの刃と化していた。
ミドガルズオルムをブラフに用いた理由は幾つかあった。
まず、超レイド級によるゴリ押しの勝利に意味を感じなかった為。
だがカザハの呼んだ嵐を、溶け落ちた直剣の刃とする時間稼ぎは必要だった為。
更にミドガルズオルムの召喚/消滅時に発生する強烈な魔力も、刃のリソースに加算する為。
「さて……これを言うのも、もう四度目だが」
最後に――イブリースに業魔の一撃の体勢を取らせる為。
超レイド級の攻撃が直撃すれば、いかにイブリースとて無事では済まない。
であれば、パリィをしなければならない――イブリースが持つ、最大威力の攻撃を以って。
「剣術比べと行こうぜ?イブリース」
そうしてお互いが必殺剣の構えを取った状況が出来上がった。
もうパリィは出来ない/だがパリィされる事もない。
純粋な力のぶつかり合いが始まる。
理屈の上では、これでイブリースは限りなく「詰み」だ。
何故なら遺灰の男には――業魔の一撃に完全に打ち勝つ必要がない。
最低限、ゴールデン・ドーンの発動まで必殺剣の拮抗状態が続くだけでいいのだ。
なんなら剣を振るう必要すらない――ただこうして睨み合うだけでも、勝ちが転がり込んでくる。
だが遺灰の男には、そんな結末を選ぶつもりはない。
「……エンバースの攻撃。目覚めろ、始原の魔剣よ。俺の声に……応えてくれ」
【星の因果の外の剣(ダインスレイヴ) ……この装備はフィールドに満ちた魔力を射程/ダメージ値に変換する。
――ある時、老賢者は気付いた。この世界には時間的脈絡の欠如した言語/文明/遺物が存在する。
星の外から、何かが降ってきている。或いは……この気付きさえも――】
そ一振りの刃にまで収斂された嵐が――吼えた。
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