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【TRPG】ブレイブ&モンスターズ!第四章

341明神 ◆9EasXbvg42:2019/09/23(月) 23:48:55
「……ジョンのことは任せとけ。俺も昔とった杵柄で、多少はタンクの心得がある。
 アコライト行ってからでも、お前の伝えた知識を俺が補完することは出来るはずだ」

タキモトとしてプレイしていた頃の俺は、本職こそアタッカーだったが、
サブロールとしてタンクも人並み程度には齧ってる。
戦線を維持する責任の重いタンクは基本的に人手不足の引く手数多で、足りないPTでは兼任も珍しくなかった。
あの頃から多少環境も推移したが、ロールとしての立ち回りは変わってないはずだ。

「あの野郎には訓練で貸しがあるからな。スパルタ式でビシバシ教え込んでやるよ」

だから心配するな。俺達はうまくやれる。
お前は安心して、バロールのところで支援に専念してくれ。
そんなようなことを、歯切れの悪い言葉で、俺は石油王に伝えた。

これで終わりでいいのか?
こうして顔を突き合わせて話すのは、最後になるかもしれない。
バロールにはああ言ったが、俺達が生きて再び王都の地を踏める保証はない。
もっと、なにか、かけたい言葉があったんじゃないのか。

石油王とは、荒野で出会ってからずっと一緒に旅をしてきた。
暴走しがちな高校生組の手綱を二人で握り、大人組として後見してきた。

俺がなにかを相談する相手は必ず石油王だったし、その度にこいつは十全の答えをくれた。
一方的で身勝手な信頼を、それでも受け止めて手助けしてきてくれた。
クーデターでは何も言わずとも俺の真意を理解し、命を張ってまでなゆたちゃんに言葉を届けてくれた。

魔を喰い魔に喰われるこのアルフヘイムで、明日の命も知れない過酷な旅路で。
石油王は常に、俺の良き理解者であり、掛け替えのない……相棒だった。

俺が今、言わんとしていることなんか、こいつはとっくに分かってるだろう。
それでも、じっと言葉を待ってくれている。

これから俺が言うのは、PTメンバーとしてじゃなく、共に死線をくぐった仲間としてでもない。
合理性も必要性も全部ぶん投げた、瀧本俊彦としての、気持ちだ。

「寂しくなるな」

そして……本来なら、信じて送り出してくれる奴に対してかけるべきじゃない言葉。

「お前とこの先旅を続けられないことが、寂しい」

だから、これを最後の弱音にする。
もう一度、次は世界を救った後に――ここで会おう。


【エピローグ】


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